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77回国会参議院1976/05/11

商工委員会 第3号

発言数
248
登壇者
21
会派数
5
開催日
1976/05/11

会議録

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。まず、通商産業大臣から、通商産業省の基本施策について所信を聴取いたします。通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 第七十七回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し述べます。まず、基本的方向でありますが、わが国経済は、現在、内外の激動する環境下にあって、多くの困難な問題を抱えております。国内的には、数次にわたる景気対策の効果の浸透、輸出の増大等により、景気は回復傾向にありますものの、長期にわたる景気の低迷により雇用、企業経営面では引き続き厳しい様相を呈しております。  一方、国外に目を転じますと、世界経済は総じて回復の方向にあるものの、国により、保護主義的な傾向の強まり、通貨の動揺等の事態が見られます。また、資源ナショナリズムが高まりを示しており、資源を保有しない発展途上国の問題も深刻化しております。以上のように、内外の情勢は厳しいものがありますが、このようなときにこそ国民と政府が一丸となって英知を結集し、力を尽くして問題の解決に努め、調和のとれた安定成長への道を切り開いていくべきであると思います。  私は、こうした認識のもとに、国民福祉の一層の充実と国際社会への貢献を目指して、通商産業行政を積極的に展開してまいる所存であります。以下その概要を申し述べます。景気対策と産業政策の推進について申し上げます。  わが国経済は、さきに申し述べましたように、長期にわたる停滞から回復への傾向を見せつつあります。しかしながら、経済活動の水準は依然として低く、今後とも景気の着実な回復と雇用の安定化を推進することが必要であると考えられます。このため、政府は、今年度予算におきまして公共事業及び住宅に重点を置いて需要の増加を図るとともに、貿易拡大のため、輸出金融の拡充を行いまして景気の回復に特段の配意をしております。また、今後とも情勢に応じ、機動的、弾力的な経済運営を心がけたいと考えております。  次に、中長期的には、本年はわが国経済が着実な安定成長軌道に乗っていくための基盤づくりを目指す年であります。したがって、今後の産業政策の的確な運用を図るためには、多様化する国民の要求を充足し、かつ、資源エネルギー供給の不安定化、環境問題の深刻化等の諸問題に対処しながら、わが国産業のあり方を明確にしていく必要があります。このため、産業構造の長期ビジョンについて引き続いて見直しを行うとともに、必要に応じ地域の産業構造ビジョンをも作成してまいりたいと考えております。  また、主要業種における産業組織の実態把握のための調査研究を行うとともに産業組織政策のあり方を明確にしてまいります。  次に、中小企業政策の推進について申し上げます。  これまでわが国社会、経済において重要な役割りを果たしてきた中小企業は、現在の長期にわたる不況の中で、需要構造及び貿易構造の変化等のため、これまでにない厳しい経営環境に直面しております。したがって、これら中小企業が現在の困難を克服し、健全な発展を遂げていくためには、このような環境変化に適応できるようなきめ細かい中小企業施策が従来にも増して要請されることを痛感している次第であります。このような観点から、以下に述べる諸施策を積極的に展開してまいります。  まず、厳しい状況下に置かれている中小企業の経営安定を確保するため、資金供給の円滑化、中小企業信用補完制度の充実、下請企業対策の推進等の施策を行ってまいります。また、中小企業の事業分野の適正な確保についても行政指導体制を整備する等十分配意してまいります。  次に、中小企業の約八割を占める小規模企業については、小企業経営改善資金融資制度の充実、経営指導員の増員等を行い、その経営の安定に対し格段の配慮をすることといたしております。  また、中小企業が現下の厳しい状況を打開し、健全な発展を遂げるためには、従来にも増して近代化及び組織化を促進する必要があります。このため、改正中小企業近代化促進法等を積極的に運用いたしまして、中小企業の構造改善事業、新分野進出事業等を促進してまいります。  さらに、経済環境の厳しい変化に対応して中小企業者が自主的に事業転換を行う場合に、金融、税制、指導等の面で助成を行う必要があります。このため、中小企業事業転換対策臨時措置法案を提出いたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。  次に、資源エネルギー政策の展開について申し上げます。  国際資源エネルギー情勢の流動化に対処し、わが国経済の発展と国民生活の向上を実現していくために不可欠な資源エネルギーの安定供給を確保することはきわめて重要な課題となっております。エネルギー問題については昨年八月に総合エネルギー調査会の答申が出されるとともに、昨年十二月には総合エネルギー対策閣僚会議において対策の基本方向が決定されております。今後のエネルギー対策の展開に際しては、これらに示されている基本方向に沿って次のような具体的な政策を展開してまいります。  まず第一は、石油の安定供給確保を図ることであります。このため、産油国との対話を初め国際協調を精力的に進めるほか、開発、備蓄の推進、供給体制の整備等の施策を行ってまいります。特に備蓄については、先国会において成立いたしました石油備蓄法に基づき、昭和五十四年度末九十日備蓄達成を目標といたしました石油備蓄増強計画を推進することとし、このため所要の財政金融上の措置を講じてまいります。また、供給体制の整備については、石油産業の集約化、協同化等構造改善の推進、助成を図るため石油開発公団法の改正法案を提出いたしておりますとともに、揮発油販売業の健全な発達と揮発油の品質の確保を図るため、揮発油販売業法案についても御審議をお願いすることとしております。わが国近海の有望な大陸だな開発に早急に着手するため、継続審議となっております日韓大陸だな法案ともどもよろしく御審議をお願いいたします。  次に、石油への依存度を減らし、エネルギー源の多様化等を図ることであります。そのためにはまず、将来のエネルギー供給源として重要な地位を占めると考えられます原子力の利用促進を図ることが必要でありますが、このためにはあわせてその安全対策を強化し、原子力の安全性に対する国民の信頼を回復していくことが重要であると考えております。  また、国内炭、水力、地熱等の貴重な国内エネルギー資源を有効に活用するとともに、海外エネルギーの多様化を図ることが重要であります。特に石炭については、保安の確保及び鉱害の防止を図りつつ、今後ともその生産規模の長期的維持を図るとともに海外石炭の開発輸入を進めることといたしております。以上の供給面からの対策のほかに、需要面からも省資源省エネルギー対策を一層充実してまいります。  第三に、新エネルギー源の研究開発を進めることであります。このため、サンシャイン計画の一層の推進を図り、太陽、水素エネルギー等豊富で無公害の新エネルギーの利用技術を開発してまいります。  第四に、今後の電力需要に対処するため電源開発を促進する必要があります。このため、まず、電源立地難に対処するため、発電所等の環境保全対策と安全対策を強化するとともに、電源立地促進対策交付金の運用の改善を図り、電源立地の円滑化を推進いたします。また、電源開発等に要する巨額の資金の円滑な調達を図るため、一般電気事業会社及び一般ガス事業会社の社債発行限度に関する特例法案を提出いたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。  次に、対外経済政策の展開について申し上げます。  最近の世界の経済情勢を見ますと、資源ナショナリズムの高揚等に見られる発展途上国の要請の高まり、輸入制限的動きの顕在化等、戦後の世界経済発展を支えてきた秩序は揺らいできており、わが国をめぐる世界経済環境は長期にわたる景気停滞の影響もありまして厳しい情勢にあります。  このような情勢の中で主要先進国の首脳がランブイエ城に集まり、広く経済、社会、政治上の問題につき建設的な意見の交換を行い、世界的な経済危機に各国が一致協力して対処する旨合意を行ったことは注目すべきことと思われます。また、産油国を含む発展途上国との対話の場として国際経済協力会議が開催されたことも、今後の国際経済の方向を決定していく上で重要な意義を持つものと考えます。  このように、新しい国際経済体制確立のための努力が世界的に行われつつありますが、わが国としては今後ますます各国との相互依存関係が深まっていくことを十分認識する一方、わが国の対外経済政策が世界経済に対し大きな影響力を持つようになってきていることに配慮することが必要となってきております。このような考え方にのっとり、以下のような対外経済政策を展開してまいります。  まず、世界貿易の安定的発展に積極的に貢献していくことであります。基本的には、自由貿易体制の維持、発展のため、新国際ラウンド交渉の積極的な推進等、各般の努力を続けることが必要であると考えております。これに加え、貿易を通じて発展途上国の経済発展に資するため、一次産品問題に対する総合的対策を早急に立てる必要があります。その具体的対策の一つとして、非鉄金属輸入の安定と備蓄の促進を内容とする金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を提出いたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。  次に、経済協力の推進であります。私は、本年初めに中東諸国を訪問し、これら諸国との間の貿易経済関係の緊密化、とりわけ経済協力の推進について話し合いを行ってきました。この話し合いを通じて、何よりも十分な意思疎通を図るため、対話を頻繁に行うこと及び経済協力プロジェクトを実現するため、官民挙げてたゆまない努力を行って信頼関係を維持していくことがいかに重要であるかを改めて痛感をいたしました。これに関連し、経済協力の大規模プロジェクトが円滑に実施され得るよう財政上、税制上の措置を講じてまいります。  また、資源を保有しない発展途上国等に対しても、その国の発展段階と経済情勢等に対応した経済協力の促進に特段の努力をしてまいりたいと存じます。  次に、国民生活の安定と充実について申し上げます。  国民生活の安定と充実は、すべての国民の望むところであり、当省といたしましても従来から、消費者の意見を行政に反映させる体制の整備を初め、各般の消費者行政施策を行ってまいりましたが、今後、以下のような施策をさらに推進してまいります。  まず、消費者利益を保護するための施策であります。このためには、電気用品、ガス用品等の規制の強化を図る等、消費者の危険を防止する対策を初め、品質表示の適正化等、消費者に適正な商品情報を提供する施策を行ってまいります。  これに加え、マルチ商法等の取引の相手方に不測の損害を与えるおそれのある特殊な販売方法について、取引の公正化、取引の相手方の利益の保護を目的とした、訪問販売等に関する法律案を提出いたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。  また、物価安定や流通の合理化についても各般の施策を推進してまいります。特に、大規模小売店舗の進出については、消費者の立場も踏まえつつ、小売商業者との円滑な調整に十分配慮してまいりたいと考えております。  さらに、住宅、繊維、生活用品、伝統的工芸品産業についても引き続きその振興を推進してまいります。  次に、産業保安の確保と環境保全対策の充実について申し上げます。  産業活動に伴う危険を防止するとともに、公害のない快適な環境を維持することは全国民の希求するところであります。  このため、産業保安及び公害防止対策につきましては最大限の努力を払い、今後も以下の施策を重点的に推進してまいります。  まず、産業保安の確保についてでありますが、昨年石油コンビナート等災害防止法及び高圧ガス取締法の改正法が成立をいたしましたので、その適正な運用によりコンビナート防災を初めとする産業保安を確保する覚悟であります。また、保安防災の一層の適正な実施を図るため、総合的な防災アセスメントの手法を開発してまいります。  次に、公害防止対策については、従来までの対策のほかに、工場立地による公害の発生を未然に防ぐため、産業公害防止事前調査等の運用を強化してまいります。なお、資源の有効利用と環境保全の観点から、主要廃棄物については再資源化基本計画を策定するとともに、クリーンジャパンセンターを通じて廃棄物再資源化を進めてまいります。  また、金属鉱業等の蓄積鉱害対策につきましても、施策の一層の強化拡充を図ってまいります。  さらに、産業立地の適正化を図り、産業と地域社会との調和を図りつつ工業立地を促進するため、工業再配置を引き続き推進することといたしておりますほか、工業用水につきましては地下水採取の適正化及び工業用水の使用合理化を推進することといたしております。  次に、技術開発の促進について申し上げます。  資源の乏しいわが国が安定的発展の基盤を形成するためには、技術開発の果たす役割りは大きなものがあります。このため、サンシャイン計画及び大型プロジェクトの推進を図るとともに、国民福祉の充実を目指して、医療・福祉機器の開発を行ってまいります。  また、技術集約型産業の育成を図るため、超LSIの開発等を通じて電算機産業の振興を、また、YXの開発等により航空機産業の基盤づくりを図ってまいります。  最後に、以上申し述べましたように、本年は、長期間にわたる不況からの脱出の年であるとともに、今後、国内的には調和のとれた安定成長を、また国際的には新しい国際経済秩序構築を目指して、新たな時代を切り開くために、力強い一歩を踏み出す年であります。  私は、こうした重大な時期に通商産業行政を担当する者といたしまして、その責務の重大さを痛感いたしますとともに、激動する時代の流れを直視し、発生する諸問題に対しては、的確な判断と果断かつ迅速な実行とにより対処し、国民各位の御理解と御協力のもとにこの難局の克服に全力を傾注してまいる所存であります。  委員各位におかれましても、一層の御理解と御支援を賜わりますようお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 次に、昭和五十年度における公正取引委員会の業務の概要について説明を聴取いたします。澤田公正取引委員会委員長。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 澤田でございます。初めて当委員会にお伺いいたしました。一言ごあいさつをお許し願いたいと思います。何とぞよろしく。  それでは、昭和五十年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。  御承知のように、昨年のわが国経済は、物価についてはようやく落ちつきを見せましたものの、景気の回復は思わしくなく、長くかつ厳しい不況の年となりました。  公正取引委員会といたしましては、安定成長期を迎えようとするわが国経済が、競争的な体質を維持して健全な発展をするよう、引き続き独占禁止政策の厳正な運営に最大限の努力を払ってまいりました。  まず、昨年における独占禁止法の運用状況でありますが、昭和五十年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は百七十二件、同年中に審査を終了した事件は百六件であり、そのうち、法に基づき排除措置を勧告し、または審判開始決定をしたものは、三十六件でありました。  これら三十六件のうち、カルテル事件が二十四件を占めており、主な事件としては、板ガラス業界、火薬業界における価格、数量等の協定事件があったほか、建築家の団体が報酬基準等を決定していた事件がありました。なお、一昨年来の傾向といたしまして、受注調整に関する事件が増加しており、昨年は四件について勧告しております。  このほか、最近目立っているのは、不公正な取引方法に関する事件が多くなってきていることであり、三十六件中五件を占めておりまして、違法な再販売価格の指示、競争品の取り扱い禁止等について、極力その摘発に努めました。また、いわゆるマルチ商法が社会問題となっており、このような不公正な販売方法についても適切な排除措置を講じました。  次に、許認可、届け出受理等に関する業務でありますが、まず、合併、営業譲り受けにつきましては、昭和五十年中に、それぞれ九百九十六件、三百九十九件、合わせて千三百九十五件の届け出があり、一昨年より若干の増となっておりますが、数年前と比べますとむしろ減少しており、内容的にも、ほとんどが中小企業等の合併、営業譲り受けでありまして、特に問題となるものはありませんでした。なお、最近、企業間の業務提携が活発となっておりますので、昨年その実態調査に着手いたしました。  次いで、事業者団体でありますが、事業者団体がカルテルの温床になりやすいところから、そのあり方について基本的検討を行うとともに、事業者団体の成立等の届け出についても督促に努めた結果、昭和五十年中に約四千件に上る届け出がなされております。  また、国際契約等につきましては、昭和五十年中に五千三十八件の届け出がありまして、改良技術に関する制限条項、競争品の取り扱い制限条項等を含む三百三十四件について、これを是正するよう指導いたしました。  独占禁止法の適用除外関係では、昭和四十九年九月から再販指定商品の大幅縮小が実施されているところでありますが、残された再販商品につきましても、弊害が生ずることのないよう、指導及び監視に努めております。  不況カルテルの問題につきましては、一昨年末に認可した繊維関係の二件については昨年四月及び五月に終了しましたが、御承知のとおり、需要の伸びが鈍く、景気の回復が思わしくなかったため、昨秋、小形棒鋼、セメント、ガラス長繊維について申請があり、これらについて、認可要件に照らし慎重に審査した結果、不況事態の克服に必要な限度を越えることがないよう、実施期間を短縮する等修正を行わせた上、認可いたしております。  なお、鉄鋼業界において、不況下にもかかわらず、需給状況とは関係なく鋼材が同調的に値上げされたことに対し、事情を聴取する等調査を実施いたしまして、独占禁止法上の問題点を明らかにするよう努力いたしました。  次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申しますと、昨年は、不況の長期化に伴い親事業者の資金繰りが悪化し、下請代金の支払い遅延等の増加が懸念されましたので、約一万九百件の親事業者に対し調査を行い、九百四十九件について支払い改善等の措置を講じさせまして、下請事業者の保護に努めました。  最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申しますと、昭和五十年中に同法違反の疑いで取り上げた事件は千九百九十九件でありまして、このうち、排除命令を行いましたものは三十件、警告等により是正させましたものは七百二十八件であります。公正競争規約につきましては、新たに歯みがきの表示に関するもの等四件について認定し、五十年末現在における公正競争規約の総数は、五十三件となっております。  また、都道府県の行いました違反事件の処理件数も五千件を越え、着実な歩みを見せており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。  何とぞ、よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。  以上で、業務の概略につきまして説明は終えさせていただきますが、この機会に、独占禁止法の改正問題について一言申し上げます。  独占禁止法改正案は、去る四月二十七日閣議決定が行われ、近く提出される予定であると聞いております。この改正案は、第七十五国会において衆議院で修正可決された法律案から、独占的状態に対する措置に関する規定が削除されており、この点、残念でありますが、課徴金制度の創設、株式保有の総量規制等、現行独占禁止法を強化する法律案であると考えられますので、その成立を強く希望しております。  何とぞ、よろしくお願いいたします。     —————————————

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) この際、会議録に掲載する件についてお諮りいたします。  昭和五十一年度通商産業省予算等については説明を省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 都合により、経済企画庁長官の所信につきましては後刻聴取いたします。  これより質疑を行います。  質疑のあるお方は順次御発言願います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 百三日ぶりに開かれましたこの商工委員会なんですけれども、きわめて会期中の審議日数が少ない関係で、所信表明に対する時間も各党きわめて限定をされております。わが党二時間の中で三人の質問でございますので、やりとりをやっておったんでは、ちょっと時間がございませんから、私は言いっぱなし、聞きっぱなしというかっこうになりますが、いずれ堀り下げることはこれからの委員会にして、大綱的にずうっと述べていきますから、お答えも要領よくひとつやっていただきたい、そう思います。  まず、通産大臣の所信表明の順序に従ってお尋ねいたしますが、産業再編成問題についていろいろと新聞、雑誌等に出ておりますが、この産業再編成が不況時の単なる過渡的な現象であって、再編成は今後本格化することなしに終わってしまうのかどうか、通産省の考え方はどうなのか、まず第一点。  それから、わが国は戦後幾つかの変革期を経験してまいりましたが、いま低速経済への移行という新たな変革期を迎えております。さらに、資源有限時代を迎えて、産業構造、企業体質等ずいぶん変わってきておりますが、そういう中で本年当初、小松通産事務次官の発言に見られますように、産業再編成は業界の体質強化のために好ましいと判断しておられるのですから、低成長時代の産業組織はかくあるべしというビジョンというものを当然持っておられるはずでありますが、通産省として今後、再編成問題をどのようなビジョンに基いて指導なさるおつもりなのか、その方針についてお伺いをいたしたいと思います。これが二番目。  三つ目は、この産業再編成に取り組む態度、いろいろあると思いますが、通産省の描くビジョンに基づいてこれを積極的に指導推進していくという方法、それから、企業の自主性を尊重して単に助言をするというにとどめる受け身の態度でいく方法、この二つに大別されますが、通産省としてはどちらの方法でこの再編成に取り組んでいかれるおつもりなのか。これが三つ目。  次は、原則的には、企業の自主性を尊重しながら進めていくということが基本的な態度でなければならないと思いますが、いまの産業界の現状を見ますと、いろいろと問題のある業界も多々あると思いますが、通産省が再編成の要ありと考え、積極的に関与すべきだと判断をされている業種、これは何なのか。それから、再編成を進めるに当たって何か特別の立法措置というものを検討されておられるのかどうか。これが四つ目。  それから、最近の例でも見られますが、商社や金融機関が再編成に積極的に介入する事例が少なくありませんが、通産省として、第三者機関が介在し、合併提携する企業の自主性を無視して強引に再編成を進めようとすることに対して、どのような見解を持っておられるのか。さらに、通産省が今後産業の再編成を進めるに当たって、それによって何を期待し、またどんな効果が上がり得るのかということについて、どういうお考えを持っていらっしゃるのか。  以上、五つの点についてまず最初にお伺いいたしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まず、この再編成は、高度成長から安定成長へ日本の経済が移っていく過程におきまして、これは必然的に私は起こる現象でないかと考えております。いま再編が問題になっております業種は、石油、それから商社、それから特殊鋼、平電炉、それからアルミ、こういうものがいま一応の対象になっております。  通産省といたしましては、これらが再編される場合に、業界の自主的判断によってやってもらいたい。政府は、そういう業界が自主的判断によって再編をやるという場合には、これに対していろいろできるだけの援助をしていこう、こういう考え方でございます。そうして、再編をするに際しては、やはりその業界において公正にして自由な競争原理というものが確保される、こういうことをあくまで期待したいと思います。  それから同時に、どういうことが目標かということでありますが、それはやはりその業界の安定経営、こういうことが目標でございます。なお、このための立法措置は考えておりません。  それから、もちろんその業界の自主的判断においてやるわけでありますけれども、その場合に当然、主力銀行であるとか大口取引先の意見を聞くことがあると思いますが、これについては政府は介入をしない所存でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 最後の答えがない。何を期待し、どんな効果が……。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 順序不同でありましたけれども、大体お答えしたと思いますけど。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 これ、時間の節約で私こう言っているのだけれども、それだけにもう問題は余りやらないつもりなんですから、そのことも含めてひとつもう少しあれをやっていただきたい。  次に、公取と関係がありますから、公取とあわせてお聞きします。  この再編成というのは、しばしば好ましくない目的のためや、結果として好ましくない事態を生ずることがありますが、こういうことに対して合併、提携の裏に市場支配力強化のねらいが隠されている場合が大体多い。そういう事態は絶対に排除しなければなりませんけれども、しかし一方、合併、提携によって仮に競争が実質的に制限されるなど独禁法上の問題があるとしても、合併、提携による合理化などのメリットを積極的に評価してこれを認めるべきではないかという、いわゆるメリット論が従来もありましたし、現在も産業界を中心としてかなり根強く主張されておりますが、通産省及び公取としてこういった意見に対してどのような見解を持っていらっしゃるのか。  それから、低成長時代に入って、またさらに最近の深刻な不況下の中にあって、対応策として産業の再編成が急がれているわけでありますが、こういう情勢のもとにあって、独禁政策と産業政策との調整がきわめて重要な問題であると思いますが、しばしば、公取と通産省との意見というものがことごとく対立しているような印象をいままで受けておりますし、さきの国会以来の独禁法改正問題もそのとおりだと思うのです。そういうことは大変好ましくないことなんですが、わが国の経済の転換期を迎えている今日、産業政策と独禁政策の調整、これを両者、通産、公取等で十分意見交換を行って、しっかりしたものをひとつ申し合わせるべきであると思いますけれども、こういうことについてどうなのか。どうも世上率直に受け取ることは、公取の力が弱くて通産の力に押されて、独禁法等の問題については実際は骨抜きになってしまったんだと、これは邪推じゃなくて、結果的にもそうかっているようなんですけれども、そういう観点からひとつお伺いをしておきたいと思うのです。  それから、これは公取ですが、合併について独禁法上の規制はありますが、業務提携についてはいまのところ何ら規制措置がございません。しかし、この業務提携といえども、場合によっては競争制限的な結果を生むこともあるわけでありますから、これに目を光らして、独禁政策上問題があると認められる場合は何らかの措置を講じなければならないと思いますが、公正取引委員会としては、好ましくないとする提携についてどんな方法でこれを規制をされていこうとするのか。さらにまた、公取は先般、業務提携の実態調査を行ったようでありますが、その調査の目的、そしてその分析結果、これについてひとつ御説明をいただきたいと思います。  以上の点についてお答えをいただきたい。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 第一の御質問、何と申しますか、いわゆる再編成のメリットとの問題と申しますか、これは不況あるいはいろんな産業の転換期に、先ほども通産大臣からお話しのように、いろんな合併、業務提携等の再編成の動きが出てくるのは自然の成り行きでございますが、そして、それによりましてその業界なり企業にとっては合理化される点もありましょうし、体質改善になる点もございましょう。また、それがなければ困るわけであります。ただ、独禁法の立場、公正取引委員会の立場から申しますと、単純に、メリットがあるから産業再編成はよろしいんだとは申せないわけです。その結果が競争制限なり市場支配につながるということでありましては、独禁法のたてまえに反するわけでございます。それなりのメリットがあっても、しかし、産業全体として考えるとやはり活力ある競争秩序が保たれなければいけないんだという観点から、そういう産業再編成の動きといえども、やはり競争制限的あるいは市場支配的な独禁法の規定に反するような方向に結びつくことは、極力厳重に注目して監視してまいる、かような姿勢でおるわけでございます。  それから、第二の御質問と申しますか、産業政策と独禁政策との調和の問題、とかく、何か通産行政とあるいは独禁政策との調和というようなことが言われますけれども、これは先ほど御指摘のように、十分お互いに公正取引委員会と各所管官庁と話し合いをして、そういう矛盾のないように、迷惑するのは国民でありますから、してまいる。しかし、公正取引委員会としては、そういう産業政策なり産業再編成の動きなりが、ただいま申しましたような競争制限とか市場支配とか寡占、独占というような方向に結びつかないようにという原則はあくまでも厳守してまいりたい、こういう姿勢で極力各行政との調和を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。  それから、業務提携に対する法的規制がないという御指摘、これは遺憾ながらまことにそのとおりなんでございます。直接的な法的規制の手段というのはむずかしいのでありますが、しかし、業務提携によりまして競争制限的な結果を生ずるという場合には、その業務提携の内容、形態、これはさまざまなものがございますから一概には言えないのでありますが、それによりまして競争の実質的制限と相なりますような疑いのある場合には、独占禁止法の第三条の私的独占あるいは不当な取引制限、まあカルテルと独占の規定でございますが、その規定の問題として処置すべきであろう、かように考えておるような次第でございます。  また、業務提携と相まちまして株式の所有でありますとか役員の兼任が行われるというような形態があらわれてまいります場合には、法の第四章に規定してありますところによりまして、株式所有、または役員兼任の制限の問題として考えてまいる、かような対応策をとるつもりでおる次第でございます。  それからもう一つ、調査の問題、実態調査でございますが、業務提携の実態調査を実施いたしておるのでありますが、最近、大企業間の業務提携が御指摘のようにいろんな形で行われていると言われておりますけれども、独占禁止政策上、これは検討すべき問題であると思われましたので、東京証券取引所一部上場の非金融会社等八百四十四社に対しましてアンケート調査を行い、現在回収がほぼ、九〇%近くできております。整理中でございまして、その内容についていま具体的にお答えできるところまでいってないのは申しわけありませんが、そういう目的で実施いたしました調査でございますので、いずれお知らせできることと存じております。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 再編に際しまして、やはり一番大事なことは、自由競争の原則がその業界で確保されておるということ、これが一番大事な点だと思います。  そこで、再編をする場合に、通産省がいろいろ行政指導するわけでありますが、そういう場合も、公取の御意見等を十分聞きながらやっていくつもりでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 次に、通産省の減産指導方針の問題でありますが、これに対して、最近、日銀や大蔵省からいろいろと批判が出ているようでありますが、通産省は、この指導を六月まで続行するという方針を固めているというふうに伝えられておりますけれども、その方針はお変わりないのか。そして、公取としてこの通産省の減産指導に対してどのような見解を持っておられるのか。  それから、これに関連して、ガイドラインを外すと、不況業種は立ち行かなくなるから減産指導は必要だという御意見であります。不況で価格交渉力が弱くなる、事業の継続が困難であるならば私は不況カルテルを結べばよいと思うんですが、手続論から言えば、減産指導よりその方が筋だと思いますが、通産省、公取はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。  それからまた、現在独禁法の不況カルテル結成状況というものはどうなっておるのか。  それから、不況カルテルが実際問題として少ないのは、通産省の減産指導ということが原因ではないかと思いますが、不況業界として不況カルテルを申請して、公正取引委員会にいろいろと痛くもない腹を探られるよりも、通産省の指導を受けた方が簡単でよいだろう、こういう面もなきにしもあらずだろうと思いますが、   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕 こういうことについてどういうふうに見ておられるのか。  それから、減産指導によって卸売物価が騰貴したという他の日銀や大蔵省等の批判に対して、通産省としてはどういう見解を持っておられるのか。  以上の点についてお答えをいただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 広い意味で減産指導と言いますと、独禁法に基づく不況カルテルも一つだと思いますが、これは現在なくなっております。  その次が中小企業関係の不況カルテルでありますが、これは二つ三つ残っておりますが、そう数は多いわけじゃございません。  それから、ガイドラインでいまやっておりますものはアルミニウム、それから石油化学製品の一部、それから段ボール紙でございます。これも条件が整い次第順次廃止をする、そういう方向で持っていくつもりでございます。  それから、鉄鋼につきましては、需給調整といいますか、需給見通しをずっと過去十年間発表してまいりました。これは基幹産業中の基幹産業でございますので、ガイドラインとか、そういうことではございませんで、大体の需給見通しを発表することによって安定を図りたい、こういう趣旨でございますが、原則的に申し上げまして、最近は卸売物価も月に大体〇・六ないし〇・七、年率に直しまして七、八%ぐらいに上昇しておりますし、景気の回復期には、この程度の上昇は、年率で七、八%でございますから、これは別に意に介することはないと考えております。下半期、秋ころには大体落ちつきまして、年率に直して大体二、三%に落ちつくのではないか。そうして、年平均しまして五%前後と、こういう期待をしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、物の不足から価格が上がる、こういうことはよほど注意しなければなりませんので、いま申し上げましたような方向で順次減産指導というものは原則的に廃止の方向に持っていきたい、これがいまの考え方でございます。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 減産指導について公正取引委員会の考えがどうかということでございますが、いま通産大臣からお話がございましたように、実情に合わせまして、逐次、できるだけ早く廃止すべきものというふうに考えております。  それから、カルテルにつきましては、先ほど五十年中の業務報告のところでも申しましたように、昨年の秋に小形棒鋼やセメント、ガラス、長繊維等について申請がございました。いわゆる不況カルテルを認可いたしたのでありますが、この四月末で小形棒鋼を最後に独禁法上のカルテルは全部廃止をいたしました。  それから、団体法に基づくカルテルが三件、合板と洗剤、あるいは黄銅棒、ございましたが、合板はこの四月末で期限が来ましたが、業界からなお交渉があって、いま話し合い中でございます。洗剤と黄銅棒につきましては、今月末が期限になっております。こういうカルテルもなくて済めばそれが一番いい方法でございます。ですから、ぎりぎりのところでごしんぼう願って、排除できるものはそうしていきたい、かように考えておる次第でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 それじゃ順序で、この次は中小企業の問題について若干お尋ねしていきます。  不況の長期化で中小企業が大変深刻な打撃を受けておりますが、最近になっても四十五年水準で低迷をしております。したがって、この不況脱出のめどが立っていないという現状だと思います。そこで、最近の中小企業の不況の動向と今後の見通し、こういうものについて最初お伺いしておきます。  それから、金融引き締めにおいて中小企業向けの専門金融機関——相互銀行や信用金庫、信用組合等までも窓口規制の対象にして厳しい規制を行っているようでありますが、なぜ今回の引き締めについて中小企業専門金融機関を含めて対象にされたのか、そして現在、これらの機関の窓口規制が行われているのか。行われているとすれば直ちに撤廃すべきだと思いますが、現状はどうなっておるのか。  それから、成立いたしました五十一年度の政府系三機関の融資枠、これは実質的には五十年度とほぼ同額だと思います。そうなってまいりますと、物価の上昇率が一けた台に抑えられた、こういうことだからという御説明もあろうかと思いますが、物価上昇との関連から考えますと、実質的には予算面ではマイナスということになりますが、この点について中小企業対策の面からどういうふうにお考えになられたのか、この点をひとつ御説明をいただきたいと思います。  それから、中小企業の倒産問題、これが昨年の十月以降、十、十一、十二とだんだんふえて、ことしの一月、二月にやや落ちついており、ますが、三月に再び千二百件台を記録しております。しかし、倒産が月に千件以上を超えるということは危険ラインだと言われておりますが、大変異常な状態だと思います。特に年末にかけて増大をいたしました大きな理由は減産の強化、それから生産コストが上昇、企業収益か一段と悪化した、そういうようなことから担保不足、金融を受けることが困難になった。加えて、年末の決済資金あるいは従業員のボーナス支給、そういうような問題がたくさんあったと思いますが、今後景気低迷のほかに、公債の市中金融機関引き受けに伴って市中金融の逼迫、これが当然予想されると思いますが、そういうことから考えて中小企業の倒産がふえるおそれがないのか、今後の見通しと政府の対応策についてお伺いをしておきたいと思います。  それから法律が、関連のものが出されておりますが、野党各党がそれぞれこの分野法、転換法と関連をしていろいろとまた対案が出されております。八日の新聞でも、自民党は事業分野を守る問題で調整法の立法化というようなことが考えられて、「野党案と一体化図る」というような記事が出ておりますけれども、このわれわれの政府案に対案というようなかっこうのものに対して、なかなか政府側が消極的だと言われておりますが、こういうことについてひとつ政府側の見解をお伺いしておきたいと思います。  以上、中小企業関係。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私から要点だけを申し上げまして、後で長官から補足をさせます。  まず、中小企業の最近の状態でありますが、過去二年半に及びます非常に深刻な不況の影響を受けまして、これは企業全般に言えることではありますが、蓄積がほとんどなくなりまして、企業の体質が非常に弱っておるということが言えると思うんです。これまでは、不況と言いましても一年ぐらいでありましたのが、今度は深刻でしかも二年半である。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕 でありますから、過去の蓄積が全部なくなっておる、こういうことが言えると思います。  したがいまして、現在、国全体の産業の操業率が約八〇%ぐらいありますので、したがって中小企業も仕事が不足しておる。これはやはり依然として一番大きな痛手だと思います。でありますから、中小企業対策のやはり一番の根本は、何と申しましても国全体の産業の操業率を上げまして、そのことによって仕事の量を確保していくということでなければならぬと思います。もちろん、その間、中小企業独自の対策は特別に考えなきゃなりませんが、やはり原則的には国の産業の操業率を上げるということにある、こういうふうに考えまして、その対策を進めておるわけでございます。なお、その間、金融問題が非常に大切な問題になりますので、民間の金融機関及び政府関係の三機関等に対しましても十分な配慮をしておるわけでありますが、この点については長官が補足をいたします。  それから、最近の中小企業の倒産でありますが、数は御案内のように昨年よりも相当ふえております。この原因を調べてみますと、仕事の不足、つまり売り上げの減少、これがやっぱり最大の原因のようであります。大半はこの仕事不足と売り上げの減少、そこからきておるわけでございます。もちろん、放漫経営というのも幾らかありますけれども、やはり最大の倒産の原因は仕事不足、売り上げ減でありますから不況の影響による、こういうことが言えると思います。  それから、分野調整の問題でありますが、中小企業問題では、この分野調整が当面最大の課題になっております。政府の基本的な考え方といたしましては、最大の課題ではありますが、過去、行政指導によりまして大抵の問題は解決いたしましたし、今後もトラブルが発生をいたしました場合に、これを解決するための紛争調停機関というものを各通産局ごとに設けるとか、あるいはトラブルの発生を事前にキャッチするとか、そういうふうな組織を強化をいたしまして、やはり引き続いて行政指導により、ましてこの分野調整問題というものを解決していきたい。どうしてもできないということであれば、これはまた話は別でありますけれども、過去いろいろ御批判はありますけれども、大部分のものは行政指導で解決をいたしておりますので、もうしばらくの間、政府のこの方針を見守っていただきたいと思うのでございます。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 景気の現状につきましては、大臣からお答えいたしましたとおりでございます。  政府系の三機関の融資の規模でございますが、今年度五十一年度は三兆約五百億の資金枠を用意をいたしております。前年度が、年度当初が約二兆五千億でございまして、それに御指摘ございましたように、昨年の暮れに年末追加で四千八百億の追加をいたしましたので、ほぼ三兆円の実績になっております。実績に比べて今年度三兆五百億というのは、前年度並みではないかという御指摘でございましたけれども、前年度の年末追加します前の、たとえば昨年の一・四半期とかいったような融資計画に比べますと、今年度は約二割の融資枠の増加になっておるわけでございまして、今年度もまた、年末の追加問題もいずれは検討する時期があろうかと存ずるわけでございまして、一応年度当初当初の予算規模で比較をいたしますと、去年が二兆五千億、ことしが三兆五百億でございまして、約二割の融資枠の増加になっておるという状況でございます。  一方、資金のただいまのところの申し込み状況は、最近、資金需要が鎮静化をいたしておりまして、大体前年度の一〇%増ぐらいの融資の申し込み状況でございますので、三機関の窓口では、ほぼ繁忙ではないと申しますか、資金需要を相当潤沢に満たしておる状況のように私ども観察いたしております。  それから、日銀の窓口指導の件でございますが、従来は都市銀行、地方銀行、長期信用銀行といった全国銀行が中心でございましたが、最近、相互銀行も窓口指導の対象になっております。ただ、窓口指導の中心はやはり都市銀行等でございまして、相互銀行等の融資規模につきましては、大体銀行側の希望をほぼ全額認めるというような形で指導が行われておりまして、融資枠を事実上圧縮をするというようなことは、相互銀行につきましては行われていないように私ども聞いておりますので、窓口指導のために相互銀行等の融資が支障を来すということはないというふうに判断をいたしております。  それから、倒産は御指摘のように、昨年の秋から千件台になりまして以来、ずっと千件台を続けておりまして、確かに高水準でございます。これは非常に長期にわたります不況が続きました結果、数多い中小企業の中で借入金の過多でございますとか、あるいは急激に過去に業績を拡大をしたというようなところが息切れを来しまして、倒産等を来しておるわけでございまして、金融の一面では緩和した状況にもかかわらず、やはりこういう倒産が出ておるということは中小企業にその借入金、自己資本の不足等による体質の弱いところが息切れを来したものというように見ておる次第でございます。  そういう意味からしますと、今後景気が漸次回復に向かいますといたしましても、ここ当分はこういった千件台の水準がいましばらく続くのではないか、こういうふうに実は見ておるわけでございまして、これの対策といたしましては、何と申しましても金融あるいは信用補完といった面の対策を強化をしてまいりたいと考えておりまして、三機関につきましてはただいま申し上げたようなことでございますが、そのほかに信用保証制度につきまして、先般、昨年の臨時国会におきまして、たとえば無担保・無保証の小口限度を引き上げましたり、あるいは無担保保証の限度を八百万円に引き上げたりいたしております。それから、信用保険公庫に本年度巨額の出資をいたしまして、保険公庫の基盤の強化を図ったりいたしております。こういうことによりまして金融面での対策を強化してまいりたい。  それから、特に中小企業から希望のございます返済が困難な問題、返済に猶予を考えてほしいという希望がございますので、これにつきましては、三機関で極力弾力的にこの中小企業の実情に応じまして、返済猶予をいたすように指導をいたしておりまして、五十年度三万九千件、二千五百五十億円の返済猶予の実績に相なっております。そのほか担保の徴求等につきましても、極力弾力的に計らうように指導をいたしておるところでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 次に、資源エネルギー政策の展開の項でいろいろと述べられておりますが、私は、この海洋開発に関連をしてちょっと一、二点お伺いをしておきます。  海洋開発でもいまいろいろありますが、商業ベースに現在乗るのは、石油資源の開発ぐらいだろうとこう思います。わが国の周辺大陸だなの石油資源開発、これは七十三年十月の中東諸国の原油四倍引き上げによって、コスト面から見て商業ベースに乗る可能性を持ってきた。そういうようなことから、急速に開発が進められて、現在九社ですか、の鉱区の出願あるいは設定、あるいはまた十五地点での試掘が行われておりますが、いまのところ本格的な海底油田開発として試掘が成功したのは新潟県の阿賀野川沖一つ。  そこで政府は、わが国周辺の大陸だなに石油資源はどのくらいあると見ているのか。いろいろな説では、大変たくさんある、有望だというようなことも言われておりますが、その点どういうふうにお考えになっておられるのか。  それから、アメリカが海底油田の開発に相当多額の金を出しておりますが、わが国もその面では必ずしも満足すべきものではないと思います。ただしかし、海底石油資源の開発というのは莫大な金がかかりますから、そういう点でいろいろと問題点があろうと思いますけれども、その点についてどういうふうにお考えになっておられるかという点が一つ。  それから、東シナ海の石油資源開発、これは一説によると世界最大級だと言われておりますが、もし、事実そうなってまいると、大変結構なことだと思いますが、問題は、それを韓国と共同で開発する、政府は一昨年の共同開発の合意によっていずれ日韓共同開発協定批准承認案というようなものを国会に提出をされるというようなことも言われておりますが、そういうことが事実であるのかどうか。  それから、共同開発が決まりましたのは、これまでわが国に領有権があると主張しておりましたが、韓国もそのことを主張したために、妥協をして共同開発になったといういきさつもあると聞いております。そういう点についてどうなのか。それから、国連海洋法会議で、排他的経済水域として二百海里が実現をした場合、その鉱区のかなりの部分は、わが国の水域に入るのではないか、そう考えられますが、そうなってまいりますと、日韓共同開発という問題はひとつ再考を要するのではないか、むしろやめるべきではないか、そういうふうにも考えられるのですけれども、その点について。  この二つ、海洋開発、石油開発についてちょっとお伺いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まず、日本近海における石油開発に対する評価の問題でありますが、御案内のように、二年半前に石油ショックが起こりまして、それと相前後いたしまして、日本に六十数社の石油開発企業ができまして、世界至るところで開発に加わったわけでございます。中には成功したところもあります。それからまた、それ以前に成功しておりますアラビア石油のような例もありますが、最近の著しい現象といたしましては、資源ナショナリズムの高まりといいますか、このことによりまして、せっかく開発いたしました成果が取り上げられる、こういうケースが非常に多いわけであります。アラビア石油なども、サウジアラビアにおけるARAMC〇国有化に従いまして、いま一〇〇%の国有化の問題がこれから起こるか起こらないかという非常に大事な瀬戸際に立っておるわけでございます。そういうことになりますと、何のために数千億の大金を投じて開発したのか、全然意味がないことになります。  一方におきまして、産油国も国有化をいたしましても、やはり自分で販路がありませんので、結局、従前のメジャーに販路を頼らざるを得ない。それでは国有化した意義がありませんから、GGゲイン等によりましてできるだけその各国に対して長期契約を要請していく、こういう傾向になっております。でありますから、中近東の各国から日本に対して、長期契約によって安定供給をしたいと、こういう国が非常にたくさん出てきておるわけであります。そういうことを考えますと、もう海外における石油開発に数千億、数兆円という金を投ずるということはここで考え直さなければならぬということが起こってきたと思うわけであります。そういう意味において、日本近海の石油開発ということが非常に高く評価されるんだと思います。  それでは、日本近海に幾らの石油埋蔵量あるいはガスの埋蔵量があるかということでありますが、これは正確なことは数字ではいま申し上げる準備はいたしておりません。まだそれだけの調査もありません。ただ、九州西方、東シナ海における大陸だな開発につきましては、御案内のように、一昨年の一月に日本と韓国との間に共同開発をしようという条約ができまして、韓国の方はすぐに批准いたしましたが、わが国の方は二年余りにわたりましてまだ批准をいたしておりません。韓国の方から絶えずまだかまだかと、君の方でやらなければ自分の方で単独で開発する用意があるぞとか、いろんな申し入れがありまして、矢のような催促を受けでおるわけであります。  そこで、いま仰せのように、ここには相当大量の石油が埋蔵されておるというふうに、ほぼ確実であるというふうに言われておるわけでありますが、韓国の立場は、自分のところの大陸だなだと言うわけですね。ずっと大陸だなとしての続きだと。それから日本の場合は、九州西方に深い海があって、その深い海を越えてそれから油田があるわけだから、日本は大陸だなではないんだとか、自分の方は大陸だなと、こういうふうな双方の主張によって、それじゃあいつまでもけんかをしておってもらちが明かぬからというので、条約によって共同開発、こういうことになったわけであります。私は、二百海里という問題が起こりましても、大陸だなという原則は消滅するわけじゃありませんししますから、やはりこの際は二年前の条約を一刻も早く批准をしていただきまして、そしてこの共同開発が緒につくようにしていただきたいと念願をしておるわけでございます。  日韓は、長年にわたる交際をしております国でありますし、日本も毎年相当な経済協力をしておるわけであります。もし開発に成功いたしまして油が出るということになりますと、韓国としても経済上非常に大きなプラスになりますし、その分だけ日本としての経済協力も減るわけでありますから、大局的には結局日本にとって非常に大きなプラスである、こういうふうにも考えますので、これを議論ばかりしておりますと永久に開発できませんし、この開発が成功いたしますと備蓄をしておるのと同じようなことにもなりますので、大局的な観点からぜひとも早く開発ができますようにお願いをしたいというのが、私どもの強い希望でございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 私の持ち時間があと少しになりましたので、経済協力関係についてもお尋ねをしておきたいと思ったのですが、これは後日に譲ることにいたしまして、私に引き続いて同僚の対馬議員から具体的な質問があろうかと思いますが、最近問題になっております電力料金の値上げの問題について一、二点だけ基本的な問題についてお尋ねしておきます。  いまのところ、電力四社の値上げ申請が出されて、すでに公聴会も行われ、またこれからも行われようとしておりますが、電気料金の値上げについて、北電の約四〇%近い値上げから、いずれにしても三〇%を超える値上げ申請であります。これに対して通産当局のいろいろな発言あるいは福田副総理の発言、あるいは自民党松野政調会長の発言、それぞれの立場に立った発言があるわけですが、一体どうなのか、これは政治的介入をして結果的に決めるのか。二段階だとかなんとかいろいろなことがありますけれども、実際にこの四社の申請の査定の衝に当たっている通産省として、料金値上げに対して基本的にどうお考えになっているのかという点を、まず第一点お伺いしておきたいと思います。  それから、終わったところもありますし、北海道のようにこれから続くところもありますが、公聴会でありますが、これはガスの場合でもそうですが、国会の公聴会もその感なきにしもあらずですが、一種の形骸化している、公聴会そのものが。この間北海道の公聴会でも、こんなところで意見を述べているということ自体がサル芝居に力をかしているようなもので、何かおかしな気がするというような意見が参考人の中から出ておったようであります。通産省は、この公聴会に出られた方に、今度は査定の内容その他についてお知らせするとかなんとかというようなことを言われているようでありますが、公聴会でいろいろと意見を述べられることについて、それを最大限生かすようにする必要がある。  それが、国会の公聴会もそうでありますが、言いっ放し、聞きっ放し、予算だって終わるごろに聞いて、形をつくるために公聴会をやむを得ずやっているというようなものですから、全く無意味と言えば無意味みたいなもの。しかし、公共料金等についてはかなり生活実態の中からの御意見があるわけでありますから、これを通産省査定の中にどういうふうに生かしてあげるかということが公聴会に期待する国民の願いでもあり、また声でもあると思うのですが、この公聴会を聞かれて、現にいま査定を進められている過程の中でどういうふうにこれを生かそうとなさっておられるのか。私はほかにも聞きたいと思いますけれども、これにお答えをいただきますとちょうど私の持ち時間になりそうでありますから、この二つの点についてだけただして、私の質問を終わりたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まず、電力料金の決め方でございますが、これは御案内のように、電気事業法第十九条以下数カ条にわたりまして細かく規定がありますが、要するに、第一の条件としては、能率的な経営をしておるということを前提条件として、それに基づいて適正な利潤、適正なコストを計算して電力料金を決めなければならぬ、こういう基本方針に基づきまして、四月の初めに北海道電力以下四社から値上げの申請のございました分を受け付けまして、現在厳重に査定をしておるところでございます。そういう段階でございますから、とにかく厳重に、少しでも安くしなければいかぬと。何しろ産業にも非常に大きな影響がございますし、国民生活にも非常に大きな影響がありますから、とにかく厳しい査定をするという姿勢のもとに、いま作業を進めておるわけでございます。  そういうときに、あらかじめ高い結果が出るであろうということを想定して、高い結果が出たらこうするとか、安い結果が出たらこうするとか、こういうことをあらかじめ言うのは、これは作業をやる場合にやはり一つの先入観を植えつけることになりますので、私といたしましては、いろいろな意見があるけれども、とにかく法の精神を受けて厳しい査定をしなさいということを、強く事務当局に指示をしておるわけでございます。厳しい査定をいたしまして、その結果どういう数字が出るかわかりませんけれども、総理の諮問機関であります物価安定政策会議というのがございまして、それの意見を聞き、さらにそれの意見を聞いた上で物価対策閣僚会議に任せる、そして最終的に案をつくる、こういう順序になっているわけでございますので、現段階においてはいろいろな外部からの意見に耳をかさないで厳しい査定をやれ、この一点で作業を進めさせておるわけでございます。  それからなお、公聴会、それから今回は北海道等におきましては数カ所で説明会等も行いましたが、やはり消費者の方々の御意見を十分聞いていかなければならぬということも、これは当然のことでございますが、そのやり方が不十分である、本当にそれが生かされておるのかというふうな御意見がございましたが、いまのお述べになりました御意見等につきましては、十分参考にさせていただきまして、今後できるだけやってまいりたい、かように存じます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 ただ私は、このガス、電気等が業界と通産省との事前合作によって、それである程度の申請がなされて、まあ実際は査定というけれども、まあまあ四〇出れば三〇あるいは二〇と、そういうようなことで最終的には認可をされるということになると、そういうことについてやっぱりサル芝居ではないかと、そういう率直な感じを持っていることを払拭させなくちゃならぬ、そのことを痛切に思うのです。  実際は、説明は原価主義だとか何とか、こう言っているから、本来でいけば会社が本当にいろいろな水増しその他がない申請であれば、査定をしてもそれが正しければ、余り引き下げる理由が成り立たないと思うのだけれども、しかし、そうなってないところにいろいろな国民感情というものがあるわけですから、そういう疑念のないようにぴしっとした査定、そして、そのことが国民の前にも明らかになるようなことを通産省はやられるべきである。それでなければ、こういうものに対する国民の不信感というものはいつまでたってもぬぐい去ることができない。そういうことを考えますがゆえに、このことだけはつけ加えておきます。このお答えは要りませんから、後の対馬君の質問に譲ってこの問題はやっていただきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 時間ありませんから、質問も簡潔にしますので答弁も簡潔に、だらだら答弁は要りませんから、そのものずばりでひとつ答えていただきたいと思います。  経済企画庁長官が来ておりませんから、物価局長にずばりお尋ねします。  私は、北海道電力の今回の料金値上げについては絶対了承できません。そこで、率直に申し上げまして、常に福田副総理がアピールしておりますように、春闘は一けたに抑えられて物価は一けた時代を迎えましたと、こういう結果の中で、電気料金が四〇%という値上がりを示しておるわけであります。こういった問題について、物価当局として、物価を安定すべき物価経済企画庁として、今回の北海道電力の値上げ料金をどう考えているか、きわめて大幅な値上げに対してどういう反応を持っているか、このことをずばりお答えを願います。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○政府委員(喜多村治雄君) 先般、北海道電力ほか四社が三〇%を超えて、そして北海道電力については四〇%近い料金改定の申請が行われたわけでございます。率直に申しまして、私は物価を担当しておる局長として、これはやや高いという感想を持っております。その理由は、いま先生の仰せのごとく、物価への影響を心配し、かつはまた、景気回復への過程にあります日本経済に対してどういう影響を持つかという要素からでございます。ただ、先ほど通産大臣からお答えございましたように、電力はやはりコスト主義で計算されねばなりませんから、感想だけでその高低を申し上げるわけにまいりません。現在、通産省におきまして、きわめて厳正な原価の審査をなさっておられまして、この審査が終わりました段階で私どもへの御教示をいただくことになっております。現在まだ御教示をいただいておりませんので何とも申し上げられませんけれども、感想としては高いものであった、こういうように考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 物価経済企画庁としては高いものであるという率直な一言のお答えですから、われわれもそのとおり理解をしているわけでありますが、そこで、増田長官にずばりお答え願います。  九電力の昭和五十年九月の決算によりますと、九電力の合計総収入は二兆三百七十億円、前年同期に比べて一六%の伸び率を示しております。これは御承知のとおりだと思います。当利益は六百九十億円という利益を出しております。中でも北海道電力が示しているこの五十年度九月の決算を見ますと、かなり高利益を示している、こういう結果であります。したがって、第一の理由としては、こういった収支決算を出しているにかかわらず、三九二五という値上げについてはどう考えているか、全く理解できないという点が第一であります。この点、どうお考えですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ただいま対馬先生からお話がありましたように、昭和五十年度の上期決算、つまり四月−九月の決算につきましては、増収増益に、一部減益になっておるところもありますが、大部分は増収増益になっております。そういうことで、五十年の上期の決算は、ほかの業界と比較いたしましても電気事業者はわりあいに余裕のある決算であった、こういうふうに思います。ただ、この問題につきましては、五十年度の下期の決算が、現在作業中でございますが、これにつきましては相当苦しい決算になるということが予想されますし、また、今回の電力料金の値上げにつきましては、これは私どもは査定する立場ですから会社の立場を言うわけじゃございませんが、五十一年度及び五十二年度におきますやはり原価というものが相当上がってくるということによりまして、現行料金でやっていけるかどうか、これを私どもが今後査定する、こういうことでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 再度お伺いしますけれども、第二の疑問点として私が指摘をしたいのは、今回の北電の総括原価の中に出てくる燃料費、人件費設備費あるいはその他償却費と、こうなっているわけでありますが、しかも、この需要見通しについて私は通産省の見解をただしたいのです。  これは、北海道電力の今回出されました値上げの総括原価に占めております電灯は、実は御案内のとおり三三%であります。電力がつまり五二%ですから、需要増分の七八%を実は産業電力によって占められている、こう言っても過言ではないと思います。そこで、全国平均を大きく上回っているということに私は疑問を持つのであります。ところで、五十五年度までの全国平均の伸び率は大体六・二%ということになっておりますね、平均してみますと。それが五十三年度以降全国比が二・一、二・四と、こうなっておるのでありますが、北電の場合は五十三年度までは七・八%ですよ。しかも五十三年を超える場合は九%台と、高度経済成長を謳歌するような需要見通しになっているわけですよ。しかも、通産省がこの需要見通しを立てた以上の実は増高を考えているという点について、これは適正を欠く需要見通しになっているのではないか。この点、ずばりどう考えますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 現在、北海道電力からの申請の内容は、ただいま対馬先生おっしゃったような内容になっておりますが、この需要見通しがいいかどうかということについて、これもまた審査の対象になるものでございます。そういう意味で、北海道電力の五十一年度及び五十二年度における電灯及び電力の今後の見通しにつきましては、私どもの方でもまた計算をして、これを査定の基準にいたすということでございます。  ただ、御参考に申し上げますと、北海道電力は、これはまあ先生御存じだと思いますが、他の八社に比べまして、五十一年に入りまして一、二、三月、非常な電力の需要が伸びております。ただしこれが今後そのまま続くかどうか、これについては、やはり私どもも今後の見通しを立てまして、それに基づいて査定をいたしたい、こういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 次の第三の問題点は、これも北海道道民が全く不満を持っているわけです。それは、今回の値上げ率を見ますと、四十九年度の場合は電灯、一般用、家庭用と産業用の電力とのやや格差が縮まってきたという四十九年度の値上げ率がありました。ところが、御案内のとおり、今回の値上げ料金は、私は家庭台所直撃型の値上げ料金であるということを指摘をしなければならない。その根拠になっているのは、平均値上げがここに出ておりますけれども、電灯が大体二五%の値上げ、これが今回の場合は——前回の場合は二五%ですね。今回の場合は電灯が三八・三%、電力が三九・七〇%、ほとんど産業と電力の格差がないわけですよ。これではやっぱり家庭台所直撃型の電気料金といわれてもいたし方ないのではないか、こういったような問題について通産省の見解をこの際やっぱりただしておきたい、こう思うわけであります。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 電灯、電力の格差というものにつきましては、四十九年度の認可をいたしましたときには、ただいまお話ありましたように、電灯の上げ率に比べまして電力の場合非常に上がりまして、これによっていわゆる電灯とそれから電力との間の比率というものが非常に電灯の方に有利に改善されたわけでございます。ところが、今回の申請は、北海道電力の出しました内容によれば、電灯の値上がり率とそれから電力の値上がり率はほとんど等しい、ほとんどまあ差がない、こういうことで、申請のままですと値上がりの影響は電灯、電力ともほぼ等しい、こういう形になっております。  これが正しい計算であるかどうか、これはもちろん私ども審査の対象にいたしておりますが、若干ここで付言いたしますと、北海道地区におきましては、ことにほかの電力と違う特色がありますのは、非常に送電線が長いという特質がございます。北海道は日本の二〇%の地域に五%の人口でございまして、やはりほかの電力会社に比べまして各家庭へ配電をいたします送電線というものが非常に長い、このために電灯料金が割り高になってくるという点がございます。しかしながら、いずれにいたしましても、この内容につきましてはいまのような電力、電灯の格差というものを頭に置きながら、原価主義で厳正に査定していきたい、こういうふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それは長官、理由にならないですよ。私に言わせれば、九電力が今回持っている矛盾それ自体が問題なんだ。電力各社が、北海道価格差が相変わらずあるというのは、九電力の持っている今日の矛盾ですよ、私に言わせれば。これは後ほど申し上げようと思ったのだけれども、本来ならば電源開発国策会社としてやらせるべきですよ。この配電、送電をむしろ買うという立場に立たせるべきであって、そうでないから地域独占ということで次のような横暴の実態が出てきているわけだ。消費者が納得できないのはこの点ですよ。  片方では電気料金を値上げしなきゃならぬといっているときに、北海道電力が……、これは実態ですから、事実でありますから認識してもらいたいんですが、あの伊達火力の建設の際に相当な住民の反対があったでしょう。長官に私は何回も申し上げた。官憲まで導入してやったわけですよ。そのときに、そのためのPR費として胆振支庁管内に対して福祉対策という名目のもとに十億円の金が流されているわけですよ。これは全くロッキードと同じだよ。PR工作資金と同じだよ、これ、あなた。ロッキード工作資金と同じだよ、裏返してみれば。十億円ですよ、これ、あなた、胆振支庁管内だけに。虻田、豊浦、ずっと虻田町にかけてあの辺に流した金が十億円ですよ。これだけの金があるんなら、何で電気料金を上げる必要があるのかという大衆の疑問というのは当然ですよ、長官。  もう一つの問題は、岩内原発。私は、今回の北電の値上げというのは明らかに電源開発のための大衆に対する犠牲を強要したものである、こういう指摘をしなきゃなりません。なぜかならば、岩内における泊村の問題、共和町の開発の問題、浜益の電源開発の、こういうものに対しては、すでに農漁民は猛反対しているわけだ。ところが、町のボスを札幌に引っ張ってきて、晩に料亭へ行って飲んだり食ったりして、芸者を上げてどんちゃん騒ぎだ。そういう金が何ぼ出ているかというと、一億一千八百万出ているんだよ、あなた。どんどん飲んでいるんだよ、はっきり言って。これもあなた、PR工作資金だよ、電源開発のための。こういう金が表に出されてきて、経営が苦しいとか、電力会社は大変ですから値上げしてくださいといったって、北海道五百二十万の道民感情が移りますかということですよ。こういう事実を私は指摘をしたいんです。こういうことについて一体どういうように通産省としては査定の段階でこの問題を考えるかということをお聞きしておきたいんです。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 北海道電力の値上げ申請というものについて、いろいろの御意見があるのは私も聞いておりますが、これにつきましては先ほど申し上げましたように、そのコストの計算につきまして厳正な厳しい態度をもちまして査定をしていきたい、こういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで私は、ちょっと石炭にも関係するから申し上げるんでありますが、先ほど大臣はさらっと所信表明の中で述べましたけれども、実際は国内炭の問題でさらっと触れて、輸入炭にかなり力を入れて強調しておりましたけれども、これとの関連がありますから申し上げますが、北海道では原子力発電というのは必要性がないのですよ。本当に。なぜかならば地元のすでに天北炭田の開発、釧路炭田の開発で全く電力用に、火力電力にふさわしい五千カロリー前後の石炭が開発できる地域なんだから……。しかもこれは石油よりもコストが低いということでしょう、重油よりも。これをどんどん開発していけば、何で原子炉、原子電力を開発しなきゃならないかという理由がわからないんだ、私は。こういう矛盾について、通産省、抜本的にエネルギー政策を考えるなら指摘すべきですよ、私に言わせれば。しかも現在、北海道の第三期総合開発は見直しの段階だと知事も言っているわけだ。北海道苫小牧における東部開発、これを含めて見直しの段階に来ていると、しかも先ほど言った需要見通しでいけば、北海道道庁が立てている十カ年計画の開発計画の見通しでも電力は六%ですよ。理屈にならないんだ。それで片方で原子力開発をやるというわけだ。日本では半分以上が故障を起こしているじゃありませんか。安全性の問題でいまなお国民の猛反対がある、住民のコンセンサスが得られない、こういう段階にあるとすれば、私は、こういった問題について石炭とあわして火力発電という問題を含めて、この際、電力問題を検討してみる必要があるんじゃないか。こういう視点について通産省としてはどう考えているか、この点ひとつお伺いします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 北海道電力は、九電力の中でも特に石炭の消費の多い会社でございまして、現在三百万トンを年間に消費しておるわけでございます。これにつきまして、できるだけ国産原料、しかも北海道の中で産出される石炭というものを利用するということで、今後の増加する需要に対しまして発電設備の中にできるだけ石炭を利用していくということは、私どもの基本政策でございます。このために東苫小牧におきます新しく予定しております発電所、これは石炭でやるということで考えておりますが、ただ、この問題につきましても、排煙脱硫、脱硝の問題ということで、まだ結論に達しておらないというのが現状でございます。  ただ、先ほど先生からおっしゃられましたように、北海道におきます電力需要というものは、やはり年々六%以上の需要の増というものが今後十年間予定されておるわけでございまして、北海道の方々の生活の向上に伴って電力需要というものは高まっていくわけでございますから、そうなりますと、予備率その他を入れまして、やはり七%ぐらいの設備の増加を年々図らなければならない、まあそういうことになりますと、十年には約倍の設備が要るということで、これは石炭だけでは賄い切れないわけでございまして、そこにそれ以外の発電所等を設けなければ、北海道道民の方々の需要にこたえることができない、こういう問題がございます。そういう意味で、まだ最終的に結論出ておりませんが、まあ岩内における原子力発電所というものも、北海道における電力の安定供給の一翼を担うということで、現在地元の方々に対し、この必要性とそれから安全性について御説明申し上げている、こういう段階でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 まあ時間がありませんから、そのことは反論だけいたしますがね、それらの理由は長官、理由になっていないんですよ。それじゃ国内炭の、率直に言うと天北開発と釧路炭田の開発における埋蔵量、それから可採炭量から言って、砂川にできる今度第三号火力発電所の問題などから言って、どうして需要が満たされないんですか、私これは理屈に合わぬと思う。次の開発があるのは函館沿岸を中心とする奥尻ですよ、桧山管内を含めて。これは当然青函連絡トンネルを通しての本州との電力の言うならプロジェクトという編成があるではないですか。こういう観点からいくと、私は理由にならぬと思うんですよ。しかし、まあここで議論してもつまりませんから。ともあれ、こういう問題があるということを私は事実を指摘しておきたいと思うんです。  そこで、大臣にひとつ総括としてお聞きしたいんですが、いまこういった北海道電力の幾つかの、これは私は事実を挙げて指摘をしておるわけです。道民感情が納得できないという問題点について率直に指摘をされているわけです。したがって、この点について今日の状態で一番大事なことは、先ほど竹田議員からも、同僚議員からありましたが、実は公聴会というのは全く形骸化しておるんじゃないかという御意見もありました。それはなぜかといいますと、もうすでに公聴会の始まる以前の段階で、通産当局は四〇%、三九・一五は高いとか、四〇%は弱にせいとかと言って、暗に行政指導でもしているような、何か北電と事前に話し合いをして、もうすでに決めているところなどは、何のために公聴会で国民の生の声を聞くかということにこれはなるわけですよ。  そういうことは、まあ今後これからも公聴会が十四、十五もやられるわけですから、率直に聞いてもらいたいんでありますが、この段階でひとつ通産省が査定の段階に入るわけですが、査定に対する基本姿勢として、大臣に、これだけ素朴な北海道の今回の公聴会、大永公益部長も言っていますけれども、公述人だけで一千二百人を超えたんですよ。それを長官も配慮してくれて、百五十人にとめた。そのぐらいやっぱり率直な生の声が上がっておるという現実を踏まえた場合に、幾つかの問題点を指摘しましたが、この点について大臣として、慎重かつ厳正にこの問題については住民の生の声を尊重して査定をするかどうか、この基本姿勢について最後にひとつ——最後じゃない、とりあえずお答えを願いたいと思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 電力料金を査定いたします場合に、まず経営が能率的であるかどうか、能率的な経営がされておるかどうかということを厳重に査定をいたします。それから適正なコスト、適正な利潤、こういう順序でするわけでありますが、いずれにいたしましても、この電力料金は産業に非常に大きな影響がありますし、国民生活にも非常に大きな影響がありますので、厳正に査定をしていく、こういう基本方針を貫いていきたいと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 厳正かつ慎重にひとつ扱うということですからあれですが、長官、そこで最後の公聴会の集約を、いま大臣が言った慎重かつ精密に精査をすると、こういうことですから、その場合に、どういう形で公聴会の生の声というものを審議会に反映をさせるのか、この一点をもう一回ひとつ確認したいんです。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 公聴会につきましては、現在北海道地区を除きましては三社終わりました。北海道につきましては、十四、十五日に開催するということになっておりますが、ここで出ました各界の御意見につきまして、十分これを参考にし、またこれを基準にしながら、今後の査定というものをやっていきたい、こういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで次の問題。今後私はぜひこれをひとつやってもらいたい、時間がありませんから、この点だけ申し上げますが、いま電調審ですね、電源開発調整審議会、それから電気事業審議会、この中に料金部会、つまり値上げ部会があるわけでありますが、これ率直に私は申し上げますが、非常に民主化されていないということですよ、この電調審の場合なんか。労働者側の代表が一人も入ってないじゃないですか、この電調審へ。こんなところで電気の立地条件が決められたって、そんなものに労働者が協力しませんよ。だから伊達火力みたいに警察まで出動してやらねばならぬということになるんですよ。こういう委員会を隠れみのにするのでなくて、私はもっと民主化をすべきであると、こう考えているわけですよ。そのためには、電調審における労働者側の代表それから現在ある電気事業審議会などに対しても、消費者の一名や二名入っているだけじゃなくて、こういう場にも労働者なり消費者代表を入れると、こういう問題について、今後の問題として、課題として、ひとつ民主化のため、本当に素朴な住民の生の声を、コンセンサスを得て審議決定をするというのであれば……。私はこの点について長官に、前向きの態勢でもってひとつ検討してもらいたい、前向きに善処するということをここでお約束してもらいたい、こういう点をひとつお伺いしたい。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 電源開発調整審議会、電調審の方は、これは経済企画庁の所管でございますので、私の方の電気事業審議会についてお答え申し上げたいと思いますが、この委員の構成につきましては、これは学識経験者ということで構成されております。確かにおっしゃられるように、労働組合の方の代表というのは入っておりませんで、ただ、労働省推薦の日本労働協会の顧問の中島さんが入っている……

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そんなもの労働者じゃない。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) こういう形になっております。この審議会には電気事業に直接関係ある方は入れないということで、これは会社側の方も入っておりませんし、また、電気事業の労働者の方の代表の方も入ってない、こういう形になっております。ただ、ただいま対馬先生のお話は、労働界の代表というものを入れるのかどうかということでございますので、これにつきましては、十分検討いたしたいというふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 調整審議会——経済企画庁来ていないか、来ていなければいいよ。  それじゃ、福田副総理が参りましたので、一つだけ、電気料金にまつわる問題につきまして物価局長からお答えがありましたけれども、もっと高い次元でひとつ政治的な判断をこの段階で答弁を願いたいと思います。  先ほども訴えましたけれども、常に副総理が言う、なだらかな春闘ということで、なだらかどころかもう低春闘ということで、一けた以下に抑えられました。まあ政府側は成功したと、こう見ているようですが、実は労働者は苦しめられているわけです。また一方、物価では一けた台という時代を迎えました、こう言っているわけですが、そういう中にあって、今回の電気料金が、北電で三九・一五、低いところで三〇%以上の値上がり、こういう問題について、物価安定それから景気回復という立場から考えて、物価担当大臣として、今後のこれからの電気料金の問題に対してどう対処していくつもりか、この基本姿勢だけをひとつお伺いしたいと思う。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 電力料金につきましてはすでに北海道を初め四社から申請があり、なおどうも雲行きを見ておるという他にも申請を出す気配があります。そういう情勢から考えますと、この電気料金につきましては、その対処方をかなり慎重にする必要がある、こういうふうに考えております。ただいま通産省におきまして、申請四社の経理内容、それに対しまして原価計算がどうなるかということの調査をし、かたがた使用者側の意見も聞くそのための公聴会をやっておるわけです。  通産省で原価計算ができる、そういうことになりますと、その段階で、恐らく下旬ごろになるんじゃないかと思いますが、企画庁に相談があるわけであります。相談がありますれば、その原価計算を踏まえ、それからそれをそのまま料金に反映させるということにいたした場合、それが国民生活つまり物価ですね。国民生活並びに電力消費産業にどういうふうに響くか、基本方針といたしましては、ショッキングな影響を与えないような形でこれを調整をいたしたい、こういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは最後ですが、先ほど大臣が見えられなかったので物価局長にお伺いしたら、今回の北電の特に三九・一五という北海道値上げについては高い、こういう感じを率直に持っていると、こういうお答えがございました。したがって、いま副総理からショッキングなことにならないように配意をしていきたいというお言葉がございましたけれども、ともあれ、先ほど私、副総理に実態を本当は聞いてもらえばよかったんですけれども、いなかったものですから、後ほど物価局長からひとつ十分聞いていただいて、いかに北電が値上げをしている内容が、言うならばかなりいかさまである、もう庶民が納得し得ざる内容になっておるという実態を踏まえて、特に北海道では灯油でもって北海道価格があり、セメント価格も北海道価格がいまなお解消されていない。プロパンガスがこれまた北海道価格がある。そこへもってきて電力が三九・一五という北海道価格があるという点では、昨年十二月に副総理にお会いしたときには、北海道価格は一日も早く解消したい、こういうことで物価政策を進めてまいりたいという力強いお答えございましたけれども、この点を含めて慎重かつ住民の声を聞いて値上げ問題に対処していただくよう、特にひとつ要望しておきたいと思います。     —————————————

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) この際、経済企画庁長官から経済企画庁の基本施策について所信を聴取いたします。福田経済企画庁長官。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 最近の経済の状況、また、それに対する施策の取り進め方、そういうことにつきましてはもう本会議の経済演説でも申し上げておるわけでございます。が、その後時間がたっておりますので重ねて申し上げたいのでありますが、基調といたしましては、経済情勢も、また、それに対する対策、対処の方針も変わるところはございません。  つまり、経済活動の面から見ますと、昨年の暮れぐらいからようやく停滞を脱しまして、輸出がかなりふえる、これはもうかなりのふえでございます。それから個人の消費が着実に伸びておるわけでございます。それから設備投資がようやく底をついた、こういう段階になってきております。それら経済各部面の動きを受けまして生産がふえてきた。暮れ、十二月には〇・八、前月に比べてふえております。それから一月になりますと、暮れに比べましてまた二%ふえる。それから二月はさらに一月に比べまして二・三%ふえる。三月は二月に比べましてまた一・九%ふえる。生産の伸びは非常に活発になってきておるわけです。そういう状態を受けまして雇用の情勢も大変改善をされてきておるのであります。特に時間外労働なんというのは大幅な伸びを示すというような状態でございます。  そういう状態でありますので、いまマクロ、ミクロの乖離という問題が論ぜられておりますけれども、その根本には企業操業度の上昇不足、こういう問題であったんですが、企業操業度も着実に伸びてまいりまして、昨年の三月の時点では七七ポイントでありました製造業稼働率指数もすでに二月におきましては八六・四%と、こういうふうに改善をされておるんです。  そういう状態で、さて、今後はどういうふうに推移するかということを考えてみますと、ようやく五十一年度予算が成立実施の段階に入ったわけであります。この予算は御案内のように、かなり景気対策を重視した予算であります。特に予算の中の公共事業の伸びは、実質におきまして五十年度に比べて八%の伸びを超えるというようなものでございますので、これが実施に移されるということになりますと、暮れから三月までのこの景気回復の勢いというものはさらに加速をされるといいますか、景気回復の基調を固めるのに役立つであろう、こういうふうに思っております。まあ景気の方はやっと明るい展望ができた、こういう状態でございます。  さて、他方物価の問題はどうかといいますと、昨年度はまあ一けた台と、こう申し上げましたが、結果的には三月の消費物価、全国平均で八・八%と、かなりゆとりを持ちながら目標を達成したということになりました。四月につきましてはまだ東京区部しかわかっておりませんけれども、東京区部について見る限り、四月になりますとこれはややまた反騰しておる。これは一つは学校、学年が変わる時期でありますので、その時期には幼稚園だとかそういうところの授業料の引き上げ等が一部響いておりますが、主として寒冷気象に災いされまして野菜が不作であった。野菜が四月には三月に比べて三〇%暴騰をいたしたんです。これが主として響いているというので、そういう季節的要因で上昇を見ましたが、基調といたしましてはいささかも変化はございません。私は、春闘の決着、そういうものの推移等を見まして、五十一年度の物価、これは八%を目標とすると、こういうふうに申し上げておりますが、これは着実にその目標を実現し得る、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから、卸売物価につきましては、ここ四、五カ月続いてやや高目の上昇が続いておるんです。これは一番大きな原因は、昨年安定をしておりました国際物価ですね、これがまた上がってきた。その影響、それからもう一つは通産省の減産指導、これがまた一部影響をする。その他若干の要因がありますが、とにかく、いままで非常に静かだった卸売物価がここで頭を持ち上げ出したという観があるんですが、私は、この卸売物価の今日のそういう状態は、これは景気がただいま申し上げましたような回復期に入った、その回復期への転換の摩擦現象である、こういうふうにとらえておるわけでありまして、決して心配はいたしておりません。しかし、卸売物価の帰趨ということは、わが国経済ことに対外競争上重要な問題でありますので、注視してまいる、つまり警戒はいたします。しかし、心配はいたしておらぬというのが率直の考え方でございます。ですから、物価も景気もというのはなかなかむずかしい問題ですが、まあまあ大体私はいい線をいっているのじゃないか、そういうふうに見ております。  そこで、そういう基調をとらえまして、五十一年度を初年度とする長期展望をしてみる必要がある。かねがね皆さんに申し上げたところでございますが、暮れに五十年代前期五カ年計画というものが策定されたわけでありますが、それをもとといたしまして、明日経済審議会総会が開かれまして、五十年代前期五カ年計画の答申が政府に対して行われるということになってきたわけであります。この答申を基礎にいたしまして、これからの長期的な経済運営が誤りなく運営されていくように今後とも十分配慮してまいりたい、かように考える次第でございます。  常日ごろ大変御教示にあずかりまして、こういう非常に重要な段階でございますので、何とぞ、今後もよろしくお願いします。     —————————————

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 質疑を継続いたします。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 せっかく副総理がお見えになりますので、対馬委員の質問に関連をいたしまして、一点だけお尋ねをいたしておきます。  それは、世上伝えられるところによりますと、先ほど喜多村物価局長の答弁ではありませんが、今回の電力料金が国民生活に与える影響を考慮して、経済企画庁としては、国鉄運賃あるいは電信電報料金の値上げのように二段階値上げ論というものをお考えになっているというふうに伝えられているのでありますが、電力料金について二段階値上げを行う考え方であるのかどうか、この際確認を求めたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 電力料金につきましては、先ほど申し上げましたが、いまの段階では通産省が原価計算をする、そういう段階でございます。原価計算の結果、これは三九%引き上げとこう言ってきたが、そんな必要はないんだ、非常に低位でいいんだということになれば、これはそれで私はよかろう、こういうふうに思いますが、もし申請のように三十何%というようなことになると、これは私は、国民生活にもまた電力多消費産業に対しましても衝撃的な影響があろうかと、こういうふうに思うんであります。そういうときに一体どうするかということにつきましては、まだ通産省と相談していないんですが、二段階というような段階制ということも一つの考え方としては考えられるのじゃないか、そういうふうに思います。まだ決着を得ておりません。また、相談もまだ始まっておらぬという段階なので、断定的にこうだというわけじゃございませんけれども、一つの考え方として段階制というものもあると、こう御承知願います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 重ねてお尋ねをいたしておきますが、そうだといたしますと、一応三〇%台の値上げになるのか二〇%台にとどまるかによって二段階制にするか、あるいはそのまま直接値上げを認めていくか、一応のめどがその辺にあるという理解の仕方でいいかどうか、重ねて質問します。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) めどをどの辺に置くかというのも、まだ原価計算が済まないとやり得ないんです。つまり原価計算の結果、さあ、三一というようなものが出てきたという際に、仮に二段構えでやるとするとわりあいに低いところへ持っていけることもできるわけですしね。さあ、どの辺を目途にするかというのは、ひとえに原価計算が出てきたその時点で見当をつけなきゃならぬ問題かと、こういうとらえ方をしております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは、通告をいたしておきました産業保安並びに環境保全の確保に関しまして、具体的な事実を前提にいたしまして二、三お尋ねいたしておきたいと思います。  まず最初に、環境保全の問題についてでありますが、私どもの愛知県地方というのは非常に亜炭の生産が盛んだったところでございまして、非常に全国でも生産の高いところでございまして、最盛時には従業員も一万人以上超えておったわけであります。つい最近、本年の一月の二十六日に愛知県の春日井市というところで、亜炭鉱山の廃坑の坑道の穴の中に老人が落ちまして、不幸にしてお亡くなりになった事件があるのでありますが、こうした事件が起きたというのはまことに私、遺憾なことだと思うのであります。どうしてこういうような事件が起きたと通産当局はお考えになっているのか、まず、その辺を最初にお伺いいたします。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) ことしの一月に春日井地区におきまして、先生御案内の事故が起きました。私どもといたしましては、鉱業の実施に伴います環境の保全、公害の防止ということにつきましては、鉱業法にうたわれておりますとおり幾つかの施策をやってまいったわけでございますけれども、なお私どもの十分把握し得なかったそういった坑道が存在しておったということにつきましての問題点につきまして、今後もう一度洗い直して進まなければならない、かように考えておる次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまからそういった点について具体的にちょっとお尋ねをいたしておきたいと思うのでありますが、この鉱業法によりますと、鉱業権並びに租鉱権という問題は、地方の通産局長に申請を出しまして認可を受けるというたてまえになっておるわけでありますが、現在、いわゆる愛知県下におきましていま問題になっておりまする春日井市並びに名古屋の北部、あるいは瀬戸市、尾張旭市というような地域に非常に広範にまたがっているわけでありますが、問題がありましたこの地域における鉱業権というものはいまどうなっているのか、つまり、現状についてお尋ねいたします。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 鉱業権がどういうふうになっておるかにつきましては後ほどお答えさせていただきますが、先般、昭和四十四年から四十七年にかけまして一斉に全国の鉱山保安監督局、監督部及び地方自治体と協力いたしまして調査を実施いたしました。その結果をまちまして把握いたしました坑数につきましてそれぞれ所要の措置をとったわけでございます。ところで、その後こういうふうな事態が起きたということでございますので、私どもの方といたしましては、再度当該自治体と協力いたしまして調査を実施したわけでございます。  なお、鉱業権につきましてはほとんどが抹消されておるのが実情でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私の調査によりますと、最終的にこの地域における鉱業権者は、昭和四十五年の六月の二十九日付で放棄消滅ということに実は相なっているわけであります。問題は、鉱業法の百九条によりましていわゆる賠償義務というものが鉱業権者に定められているわけであります。しかも、この条文を適用いたしますれば、当然いまお話がありましたように放置坑口閉塞工事補助事業というものが昭和四十四年度から実施をされておりまして、御調査に相なった時点と一致するわけであります。でありまするから、いわゆる鉱業法を適切に運用いたしておりますれば、このような事件を未然に防ぐことが可能であったのではないかと思うのでありまして、なぜこの鉱業法の百九条が適用できなくて、いまお話がございました四十四年度から四十七年度にかけて放置坑口閉塞工事補助事業というものを起こさなければならなかったのか、その辺の経緯についてお答えをいただきたいと思います。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 先生御指摘のように、鉱業法の百九条におきましては、鉱物の掘採のための土地の掘さく、坑水、廃水の放流、その他ずっと原因行為がございまして、それによって他人に損害を与えた場合、損害の発生のときにおける当該鉱区の鉱業権者がそれを負う、それから、すでに鉱業権が消滅しているときには、鉱業権の消滅のときにおける鉱業権者が責任を負うんだというふうに明記がされておるわけでございます。したがいまして、通産省におきましても監督局、監督部を通じましてそういった事態が起こらないように、そういう損害が発生する可能性のある場合、特に鉱山を閉山するような場合には、坑口を十分把握して所要の措置を講ずるようにという指導をいたしておるわけでございますけれども、本春日井市の当該個所につきましては、これは昭和四十五年度、四十六年度、先ほどの私が申しました一斉調査に基づきまして必要な坑数を把握いたしまして、これは監督部と自治体と一緒になりましてようやく把握したわけでございますが、その必要な坑数について、坑口につきまして補助金制度により閉塞を実施したということになっておりまして、残念ながら最近生じました事故の坑口につきましては、そのときに私どもが把握しておりましたたとえば施業案、あるいは実際どういう工事をやったかというその資料というものに基づいて見つからなかった、あるいは現地を調査いたしましたところが、草木が深く生い茂っておってなかなか把握できなかったというところに属しておったということだろうと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私の質問の要旨は、要するに、鉱業法の百九条というものがあるにもかかわらず、なぜ百九条というものを活用しなかったのかとお尋ねをいたしておるのです。問題は、この春日井地域におきましても四十五年から四十七年にかけまして、市内におきましては約二十八カ所の坑口の閉鎖が行われているわけであります。これはいま申し上げましたように、閉塞工事の補助事業という形で行われたわけであります。私は、鉱業法というものがある以上は、鉱業法の規定に従ってこの工事が行われるのが妥当ではなかったかということを指摘しているのであります。  また、一歩下がりまして、鉱山保安法の第二十六条におきましては、「鉱業権が消滅した後でも五年間は、」「鉱業を実施したことにより生ずる危害又は鉱害を防止するため必要な設備をすることを命ずることができる。」とあるのであります。このいわゆる鉱業法百九条の賠償義務の条項を適用しなければ、鉱山保安法の第二十六条に従って鉱業権者に対しまして保安の設備をさせることができるわけであります。そういうことをなぜしないで、いわゆる補助事業として通産省は行っておるのか。これは三分の二が国、三分の一が県であります。本来県あるいは市町村が負担すべき費用でないものを負担して住民の生命、財産を守るということになっておるわけでありまして、私は、通産省が法に基づいて適切な処置及び適切な対策を示しておればこういった事故も防ぐこともできまするし、地方自治団体に対して余分な財政負担をさせる必要もなかったのではないかと思うのであります。でありますが、なぜこういう鉱山保安法や鉱業法の百九条を適用しなかったのか、その理由をお尋ねいたします。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 先ほど私が申し上げましたけれども、鉱業法の百九条と申しますのは、鉱業によって生じた鉱害の損害賠償という意味でございますけれども、したがいまして、他人に危害を及ぼしたかどうかというふうなことにつきましては、先生御指摘の鉱山保安法を適用すべきだ、こういうことがあったわけでございます。そこで私どもは、鉱山保安法に基づきましていろいろと指導をいたしておるわけでございますが、この春日井市におきますところの鉱業権者はもと芝炭鉱というのが持っておるわけであります。これは昭和四十二年に経営難のために休業いたしまして、鉱業権が消滅いたしましたのは先ほど御指摘のございました四十五年でございます。こういうふうな状態でございまして、坑塞——坑口を閉塞するということにつきまして随時指導をしたのでございますけれども、たまたま愛知県の当局におきましても、坑口閉塞につきましては補助金制度によっていろいろほっておけない点はカバーする、こういうふうなことをやっておられたわけでございます。したがいまして、通産省の方といたしましても、愛知県と一体になりましてこの制度を運用するという前提で調査をいたしまして、発見いたしました危険坑口につきましての措置を行った次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 立地公害局長に私申し上げるんですけれども、まず、鉱業法に基づいて最初にお尋ねいたしましたように、鉱業権というものが認可されるわけです。これは国の事務なんです。県や市町村の事務じゃないんです。また、機関委任事務でもありません。でありますから、こういう鉱業権を認可して、平たい言葉で言えば後始末が適切に行われてないんですよ。それは行政が現実にうまく適切に対応しない証左じゃないですか。さっきも指摘したように、これは鉱業法百九条でもやろうと思えばやれたんです。また、鉱山保安法でやろうとすればできるんですよ。県は何も関係ありません、そんなことは。そしていま申し上げたように、第二十六条は、鉱業権が消滅しても五年間はいわゆる消滅した時点の鉱業権者に、危害のおそれがあった場合でも防止策を命ずることがちゃんとできるようになっているんですよ。四十二年に経営難に陥ったと言われる。四十五年に放棄消滅だと言うんですが、じゃ四十二年に経営難に陥って、この芝炭鉱株式会社というものがいつ解散になったのか、これをちょっと明らかにしてください。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 芝炭鉱鉱業会社自体はまだ存続しております。事業はいたしておりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 存在をして事業をいたしておらないというのは、休眠会社という意味ですか。それとも他の事業をおやりになっているのか、はっきりしなさい。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 当該会社は事業をいたしております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そうすれば、法人のいわゆる格を維持し、そしてそのまま他の事業をおやりになっていれば、当然鉱山保安法第二十六条で、消滅後五年間のうちに適切な措置を命ずることができたんじゃないですか。なぜそれをやらなかったんですか。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) その点につきましては先ほどお答えしたとおりでございまして、現実当時の事情から判断いたしまして、たとえ命令を行ってもなかなか実効が期し得ないという現実に——愛知県においてそういった制度をもって坑口の閉塞の事業を進めておられましたので、国の方といたしましてもそういう制度を一緒に行うことになった次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私はそんな答弁は納得できませんですね。そうすれば失礼ですけれども、いまの芝炭鉱株式会社の現在の経営状態を証明する決算書を二、三年分出してもらいたいですよ。十分その保安対策を講ずるだけの能力のある会社じゃないですか。あなた方はみずから適切な法律の運営をしないために、施行しないために、無原則に、鉱業権者が言うならば法律違反を犯すことを認めていることになるんじゃないですか。  この鉱山保安法に基づきまする石炭鉱山保安規則——最初にできましたのは昭和二十四年八月十二日の通産省令第三十四号です。四十三年一月十三日、通産省令第四号で改正されまして、その二百七十五条、「(不用の立坑および坑道)」という項目がございます。その中で「坑口を有する立坑または坑道を廃止するときは、その坑口を閉そくしなければならない。」、二項「前項に規定する場合のほか、不用の立坑」、「斜坑には墜落を防止するための警標を掲げるほか、ふた、さく囲その他の墜落防止の設備を設け、不用の坑道」にあっては、「立入を禁止する警標を掲げるほか、さく囲その他の通行しゃ断の設備を設けなければならない。」、石炭のこのいわゆる鉱山保安規則は明確にまだ細かくうたっているんですよ。なぜこれをおやりにならないんですか。たとえば昭和四十五年当時に、いわゆる放棄消滅、あるいは四十二年に経営難に陥ったというんならば、会社の前途について鉱山保安監督部が指導して、その上に立って必要なこういう法律、規則に示された事項をなぜ鉱業権者には命じなかったんですか、鉱山保安法の第二十六条に書いてある。しかも、五年間後になってもやれるんですよ。鉱業権が終わっても五年間の間に命ずることができるんです。不幸にして、これは四十五年六月二十九日ですね。したがって、五十年、昨年の六月の二十八日で消滅しているんですから、鉱山保安法をいま適用できないわけです。去年まで適用できたんですよ。なぜしなかったのか、重ねてお尋ねします。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 先生御指摘の点はもっともだと私は思うんでございますが、当時の実情からいたしまして、命令をしてもそれだけの担保ができない、たまたま今度県及び国におきましてそういう制度ができますので、それで何とかできるということでやった次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 県や国がやった、県や国がやったと言っても、この老人が入った穴は、県や市町村が調査したときには発見できなかった坑道なんですよ、坑口なんですよ。それはなぜか、生産を放棄したままいわゆる事業現場が動いてなかったからですよ。だから、絶えず通産局が鉱業法なり鉱山保安法なり、法に基づいて適切な指導と助言と行政を行っておれば、これはどこに坑口があり、どこに坑道があり、どこに斜坑があると明確じゃないですか。一々一々ちゃんと鉱業法に基づいて、これは通産局へ提出しているはずですよ。夜逃げ同様の会社じゃないんで、あなた方がいま確認しているように、ちゃんと現在現存しているんです。そういう会社に対しまして、当時の経営状態からして、命令を出しても改善する余地がなかったというのは、何の鉱山保安法の第二十六条ですか。勧告権じゃないんです、これ。ちゃんと命ずることができると書いてある。こういう法の施行によってとうとい老人の命がなくなるし、いまなお今日、県下におきましてどんどん廃坑の坑口が発見されて、付近の住民は山の中も歩けぬと言っているんですよ。そして、それに対して通産局は何の対応措置も示してないでしょう。ある新聞はこう書いている、通産局と自治体とのなすり合いだと言っている。通産局は、金がないから自治体が穴を埋めるかわりにさくをつくってくれと言っている、自治体は、地方財政の危機のときにそんな金はありません、しかし、住民の命にはかえられませんからと言って、いまどんどんさくをつくっている。こういう実体は御認識ですか、そういうことをお尋ねします。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 認識いたしております。  第一点は、当時の監督局及び自治体における調査でございますが、これは鉱業施業案及び坑内の実測地図、そういった資料を御指摘のとおり持っておりましたので、それに基づきまして、ここにありそうだということで、現実に山を歩きまして実施したわけでございます。残念ながら完全ではなかったわけでございますけれども、まあ当時といたしましては最善の努力をして、草木におおわれているところを探して歩いたということでございます。ただ、私どもが監督部、監督局で持っております資料におきましても、さらにそれ以前の掘削に係るもの、あるいは盗掘に係るもの、そういうものもないわけではございませんし、あるいは私どもの方で亜炭の採炭、石炭の採掘、こういうことにつきましての資料は持っておりますが、それ以外のものについては必ずしもないものもあるわけでございます。これが第一点。  そこで第二点といたしまして、御案内のような情勢が生じました。そこで私どもといたしましては、名古屋の鉱山監督部及び関係市の調査によりまして、現在愛知県内で新しく調べ尽くしまして、現在百十一あるということがわかっております。その中で、特に春日井地区はたくさんございまして、全体で四十九ある。そのうち一つは大したことはございませんので、もう問題はないんでございますが、残りの四十八につきましては立て坑を中心といたしまして問題があるので、応急の禁さくを設けておる次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 応急の禁さくというのはどこがどういう方法でおやりになったんですか。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 市がそこを調べ上げまして、その上で鉄条網を張る、禁さくを設けた、こういうことでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これはみんな市でおやりになってるんですね。国は一銭もお出しになってないでしょう。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 現在そうでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 現在はそうだというなら、将来どうするんですか、この百十カ所。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 鉱山につきましては、時代の進展とともに、いままで山の中であったと思われておるところもどんどん開発が進みまして人家がだんだんとつくられるようになる、あるいはまたそうなりますと、さらに山の中まで人が入るようになりまして、こういうふうな時勢の進展というものを考えますと、先ほど四十四年−四十七年につきまして私どもできる限りの調査をやったわけでございますが、なおかつ漏れがあったということでございますから、これは放置できないので、現在鋭意把握中でございます。こうして、もし一応把握が完了いたしますならば、先般四十四年−四十七年の後実施いたしました施策、そういったものも参考にいたしまして十分対策を検討してまいりたいと思っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いま申し上げた愛知県下では、四十五年から三カ年間にわたって百一カ所の個所について補助事業が行われております。いまお話がありましたように、再調査しただけでも百十あったというお話でありまするから、前回のいわゆる坑口閉塞工事の個所数に比べれば、今回はそれを上回っているんです。規模が大きい小さいの若干の問題はありますが、問題点の個所とすれば大きいということはこれで明らかになったわけであります。でありますから、前回のやり方というわけてはございませんが、国が積極的な——人命尊重という立場とそれから今日の地方財政の危機という現状からいたしますれば、地方行政団体にだけ予算を負担させるというやり方は、これは私は腑に落ちないわけなんでありまして、国がすなわち四十四年からおやりになった、少なくとも三分の二の補助事業を実施なさったその予算的裏づけは、今後この問題について早急に対処するためには、そのことを考慮の中に入れておやりになるというふうな理解をしていいかどうか、重ねてお尋ねをします。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 本件につきましては、財政当局の考え方、いろいろございますけれども、私どもは先生の御指摘のような立場に立ちまして施策を考えてまいりたいと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 大臣、いまお聞きになっておわかりになったと思うんでありますが、相当この現在活動していない、つまり生産活動が行われていない特に亜炭鉱山等におきましては、こういう事件が続発をする可能性は非常に強いんです。でありまするから、最近は付近がどんどん宅地化されているというような傾向にありますんで、私はでき得るならばこういう問題は一応臨時石炭鉱害復旧法ですね、この法律の適用対象にして、積極的に通産当局が手を打っていくというような、こういう姿勢が望ましいのではないかという感じがいたしますが、最後に大臣にこの問題についての所見をお伺いいたしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 実情がよくわかりましたので、いま局長も答弁いたしましたが、解決するという方向で財政当局と相談をいたします。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 残り時間が少ないので、酸欠ガス事故の問題で質問の通告をいたしておりまして、関係者の皆さんに来ていただいたんでありますが、大変実は時間が短いので申しわけございませんが、端的にお尋ねいたします。  一つは、まず都市ガス、LPガス等における酸欠事故が絶えない一つの理由といたしましては、建築基準法が建設省の所管である。で、完成後、たとえば基準法の申請の際に湯沸かし器とかふろ場とか、あるいはまた一定量の熱を使う機器を申請していなくって、完成後にこれを設置したために起きたというのがたまたまたくさんある事例だと言われているわけであります。したがって、完成後はガス事業法に基づく定期検査以外に検査の指摘をする場所がないというようなことから、法令上一貫性がないのではないかというところに一つの問題点があると言われておりますが、最初に、建設省はこの問題について建築基準法のそういった盲点と申しますか、四十六年に改正された後に強化をされましても、事実上は盲点になって抜け穴になっているが、今後こういった法運用の点についてどうやっていくのか、まず最初にお尋ねします。

大田敏彦建設省住宅局建築指導課長

○説明員(大田敏彦君) ただいま御指摘のとおり、新築の場合でございますと、建築主事が計画に基づきまして十分チェックができますけれども、ガス器具未設置の既存建築物に新たに設置する場合等には、建築物本体の改築がございませんので届け出の必要がございません。したがいまして、建築行政としてはちょっと対応に困難な場合がございます。そこで、このような場合、ガス事業法を所管しております通産省と目下いろいろ協議しておりまして、建築物の換気設備の不備の場合、こういった場合はガス工事人が建築行政局へ通報方を依頼していただくとか、あるいは換気設備の認識を工事人に十分教育していただく、そういうことにつきまして共同した対策を生かせるよう協議中でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 とにかく、建築基準法の施行運営の強化を私は特に要望しておきたいと思います。  次いで公益事業部長にお尋ねいたしますが、先般二千八百六十七戸のアパートが吸排気設備が不十分であると、これは木造アパートであります。で百七十八件に対しましてガス事業法に基づく改善勧告をお出しになったようでありますが、お出しになった後の実施状態はどうなっているか。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(大永勇作君) 先生御指摘の百七十八件は、当初再点検します際に改善の意思がないということで、やむを得ず文書による改善指導をしたものでございますが、その後現状でも、まだ一割ぐらいは依然としまして改善の意思なしということでございますが、その他につきましては大体改善する方向で話ができつつございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 こういうような改善勧告に応じない人が、まあ命令権があるようでありますが、非常にいろんな問題があります。それで、昨年北海道地区の行政監察局からいろいろな指摘がされまして、それに対しまして北海道通産局が回答を出しております。平たく言えばそういう改善をしないような家に対しましては、ガスの供給制限という方向で問題を解決する以外にないのではないかというような回答の趣旨になっておったと思うのでありますが、これをたたき台にいたしまして全国的にこの酸欠問題に対処しようとするお考え方があるのかどうか、重ねてお尋ねいたします。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(大永勇作君) 現在、専門委員会の中におきましてガスの供給をとめる問題を含めまして対策を検討中でございます。ただ、既存の需要家の場合には、ガスの元栓をとめますためには家の中に入り込む必要がある。ただ、その家の中に入ることにつきまして拒否されるとこれはなかなか入れない。いろいろ実施上むずかしい点もございますが、専門家によって、あるいは各省と連絡しながら十分検討中でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 せっかく警察庁がお見えになっているんでちょっとお尋ねいたします。  それは、警察庁はこういった問題が多発する傾向にありまするので、従来、建物の構造上の不備やあるいは居住者の不注意から不特定多数に危険性を与えるというような前提といたしまして、公共危険罪というものを今後は適用して刑事責任を追及していきたいというお考え方があるように聞いておりますが、この公共危険罪をいままでの酸欠事故に対しまして適用した例があるのかどうか。そしてまた、今後この公共危険罪を適用して、いわゆる指導——刑事責任を追及するお考え方があるのかどうか、最後にお尋ねします。

浜田栄次警察庁刑事局公害課長

○説明員(浜田栄次君) いわゆる酸欠事故の問題につきましては、最近社会問題になってまいりましたので、警察庁といたしましてもどういうような対処の仕方をしなければいけないかということで実は調査をいたしてみたわけでございます。それは昨年の八月の一日から本年の一月末までの半年間でございます。この期間に発生いたしました事故が五十七件で、死者が五十七名、中毒者が八十一名出ておるわけでございます。それで、その原因等につきまして十分検討してみましたところが、消費者の取り扱いミス、あるいは施設の不備欠陥というようなものが多く見られるわけでございます。何といいましてもこういう事故の未然防止を図ることが肝要でございますので、警察といたしましてそういう事故が発生いたしました場合には、十分原因等につきまして検討し、事故防止上の問題がございました場合には関係行政機関に対しまして保安対策の強化、あるいは事故の防止につきましての措置を講ずるようにお願いをいたしておるわけでございますが、警察といたしましても、そういう実態から見ますと、すべてが公共危険罪を適用するような事案ではございません。過失致死あるいは過失傷害、あるいは重過失致死というような事案で処理される場合が多いわけでございまして、先生御指摘の公共危険罪で検挙いたしました例はこれまではございません。しかし、悪質なものにつきましては今後こういう公共危険罪でございますこの瓦斯等漏出罪でございますが、こういうような法令も活用いたしまして、厳しく取り締まりをしてまいりたいというような考え方をとっております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 日本の経済が高度成長から低成長へと大きな変革を遂げつつあるわけでございますが、こういった時期にイギリスからクロスランド英外相が見えて、河本通産大臣と十日の夜経済懇談会をやられたと、こういうふうな話が載っておるわけですが、その懇談の中身についてお伺いをしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 懇談の内容でありますが、三点ございまして、第一点は、中国を経由いたしまして、中国から東京へ来られましたので、中国の政変後の外交政策、それから貿易政策等について先方の意見を聞いたわけであります。それに対しては、自分の話した限りにおいては従前と変更はないと、こういう話でございました。  それから第二点は、英国の経済事情についてお話を聞きましたが、英国の経済はいろいろ工夫をした結果順次上向きつつある、もう大丈夫の方向に向かっておると、こういうお話でございました。  それから、第三点は、今後日本と英国の経済関係、貿易関係を促進するためにいろいろ双方で努力しようじゃないか、また、世界経済を繁栄の方向に持っていくために保護貿易的な動きは双方でひとつやらないようにしよう、こういう話し合いをしまして、先方も保護貿易はやらない、貿易制限はやらないという方向でやりますと、こういうことについての意見交換したわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこでコンコルドの話は出ませんでしたか。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私にはコンコルドの話は直接は出ませんが、昨年の秋に、日本の航空業界の代表が約二週間にわたりまして、英国の招待によりまして英国の航空事業をつぶさに調査をいたしました。そういうこともありますので、大使が帰りがけに、飛行機の問題でもっと突っ込んだ話をしたい、ついてはきょうは時間がないので日を改めて来ます、こう言っておりましたから、あるいは後で出るのかもわかりません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 コンコルドの問題は、これは非常にまた重大な問題を日本に引き起こすと思います。そういった意味で、通産省並びに運輸省関係にともに関係があると思いますが、これに対処する基本的な考え方というものを固めておく必要があると思うのですが、この点についてはどのようにお考えですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 実はその件につきましては、政府部内でもまだ何ら打ち合わせをしていないという状態でございます。先方からどういう話があるかわかりませんし、打ち合わせをしておりませんが、場合によりましては意見を交換をしておかなければならぬかと考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 このコンコルドの問題を出しましたのは、実はこれは日本の貿易が非常に黒字拡大をしているということから、新聞等によりましても、東南アジアの方からも、また日本は輸出圧力をかけるばかりで、輸入はふやさないのではないか、こういうような批判が強まってくる、あるいはEC諸国との間の貿易関係も、そういった意味で大きな一つの曲がり角に来ているというふうにこれは受けとめて、この対策を考えておかなければならない、こういうふうに考えるわけですが、この点はどういうふうにお考えですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 英国との関係ですけれども、確かに貿易は日本の方が昨年などは約七億ドルぐらいの出超になっているわけです。しかし総合収支では、向こうは保険関係等がありますので、英国側が約八億ドルの黒字でございます。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕 そういう点も話をしまして、貿易収支の関係からコンコルドを買えと、そういう話にはならぬと思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 いまから、ただ単なる英国との関係ではなくて、東南アジアとの貿易関係あるいはEC諸国との貿易関係、こういった関係を今後どういう方向に持っていくかという、ここら辺もいまからやはり検討を重ねていかなければならない問題じゃないかと思います。  と申しますのは、輸出が非常に好調で、三月の国際収支は十三億五千万ドルという、わが国最上の黒字を出している、こういうふうに言われておるわけでございますし、要するに、四十八年の石油危機以来、ずっとあらゆる資源というものが長期契約を結ばれてきた。そのために日本の不況と、これが過剰的な作用を起こして非常に原材料が残ってきた、そういうようなことで、いまから多少景気が上向きになってまいりますと、残されたそういう在庫の材料によって輸出関係というものが非常に活発になってくる、さらに黒字を生み出してくる、こういうことから、世界各国との貿易関係にひずみが起こってくるんじゃないかというようなおそれも当然考えられるわけでございますが、その点についてはどういうふうにお考えですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 確かに現状から判断をいたしますと、若干の一進一退はあろうかと思いますが、年度間を通じて輸出貿易は年初に政府の考えておりました水準を相当大幅に超えるのではないかと思います。そういうようになりますと、いま御指摘のような問題が起こってきますので、この点につきましては、十分慎重に配慮をしておかなければならぬと思います。何と申しましても、国内の景気をさらによくしまして輸入する力をつけるということ、これはやっぱり根本だと思うんです。備蓄なんかで若干個々的に解決をしましても、これは全般としての解決になりませんので、国内の景気をよくするということがこの問題を解決する最大の私は近道だと、こう考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、河本通産大臣と十大商社の首脳懇談会というのが十日に開かれておりますが、このときにはどういうお話し合いがなされましたか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 昭和五十一年度の予算が五月八日に成立をいたしまして、そして新しい財政運営が始まることになったわけでございますが、それを機会に最近の貿易事情を十分聞きたいということが第一と、それから先ほど申し上げましたように、輸出が非常に伸びておりますので、その動向ですね。それからさらに輸出が伸びた場合に、いま御指摘がございましたように、相手国から貿易の不均衡という点を指摘されるおそれがありますから、そういう場合にどう対処すべきかというふうな問題、それからさらにこの輸出が伸びましたときに、金融面が非常に大きな問題になるわけです。この輸出金融というものをどう取り扱うかというふうな問題ですね、とにかく貿易をめぐる当面の諸問題にどう対処するか、こういうことが課題でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、来月の十日、十一日に日本とECとの定期協議会が行われるというふうに聞いているわけでございますが、その際、EC側からは当然対日貿易の不均衡の問題に触れてくるのではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、このときに日本としてはどういうふうな姿勢で臨もうというふうにお考えになっていらっしゃいますか。少し時期は早いようですけれども。

岸田文武通商産業省貿易局長

○政府委員(岸田文武君) ECと日本との貿易を、いわば輸出も伸ばし輸入も伸ばし、お互いが繁栄するようなか。こうで改善をしていこうということが主なる議題になろうかと思っております。両者の間の貿易構造はかなり似た面がございまして、また、同じような問題をいろいろ抱えておるわけでございますが、その間の事情をお互いに披瀝をし合い、そして世界経済のあり方について今後どういうふうに持っていこうとするか、この辺の意見交換が主なる議題になるのではないかと思っておるところでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 まあその議題になることは大体わかるわけですよ。だから、当然日本の対応策としてどういうふうな態度でそういう問題に対して臨もうと考えておられるかということを聞いておるわけですよ。

岸田文武通商産業省貿易局長

○政府委員(岸田文武君) 恐らく共通の議題といたしましては、世界の貿易を自由にしていくということがそれぞれの貿易拡大の道でもあるし、また、世界経済を安定する道である、こういった点の認識を共通にすることが、一番基本的な課題ではないかと思っておるところでございます。それに加えまして、二国間で各種の商品についてのいろいろなトラブルが予想されますときには、事前にそれぞれの立場を披瀝をし、また認識し合うということによって無用の誤解が生ずることを避けるということも大きな課題になるのではないか、こう思っておるところでございます。  日本とECとの全体の貿易バランスの問題、現実には若干の日本側の出超という面もございますが、これは実際に分けてみますと国別にかなり事情が異なっております。また、それぞれの国について、そういうような貿易構造になるいわば前提条件というようなものもございまして、一概にこれを各国別にバランスをとるというようなことが適当な答えではない場合が多いわけでございます。したがいまして、むしろ両当事者間の事情を明らかにするということが主なる課題になるのではないかと思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 まあそういう御答弁では一向に抽象的で、どういう方向でいまから走っていくかということがわからないわけでございますが、この点について直接の担当の大臣ではないと思いますけれども、いまから先の日本の経済が、いまから不況を脱出をするためには輸出は非常に大事だ、しかし、先ほどから申し上げておりますように、日本はいまから先また相当な出超を貿易の上では続けていくのではないか、こういうふうなことも一応考えられるわけです。そうなってまいりますと、この好況不況の問題、景気の問題、インフレの問題、さらに貿易のこのかみ合わせ、こういうものをどういうふうに副総理としてはとらえられておられるか、また、今後どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、これをちょっと伺ってみたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 世界経済の中で、わが国の輸出貿易ですね、これは非常に特異な立場にあるんです。わが国は、この輸出入から見るとバランスとれると、こういうことではわが国の経済は立ち行かない。まあかなり大幅な輸出超過にならざるを得ない。戦後ずっと見たって、一年から一年半の不況、それから続いて今度は三年ぐらいの好況、またその次には一年から一年半の不況、その循環をずっと大体規則的にやってきておりますが、それは何であるかといいますと、好況が三年も続きますと、これは国内の消費がふえます、設備投資がふえます、そこで輸入が多くなる、国内で売れるものですから業者は海外に売ろうとする努力が衰える、そこで貿易バランスが悪くなる、国際収支全体として大変なことになるというので引き締め政策をとる、そこで不況になってくるわけですけれども、不況になればすぐまた国際収支が改善されてくる。この国際収支が、まあとにかく物価のこともありますが、それよりも何よりも、国際収支が経済のかじ取りのかなめになっております。そのかなめである国際収支、その中での非常に重要な貿易は大幅な黒字でなけりゃならぬ。なぜかといいますと、どうしても構造的にわが国は貿易外収支において赤字なんです。三十億、四十億というような赤字、これを予定しておかなきゃならぬ。これはなかなか改善はそうできません。  それからもう一つは、わが国はとにかく経済大国、まあ工業大国ですね。そういう立場で世界の開発途上国に対しまして貢献するところがなけりゃならぬ。つまり資本輸出です。長期投資等やらなきゃならぬ。それはそれだけの国際収支上の財源を持たなきゃならぬ。そういうようなことで、何というか、財源を調える、また貿易外収支、その赤を埋める財源を調える。それは何かと言うと、貿易収支において黒字を出すほかないんです。そういうことで諸外国からかなり、そういうことがよくわからぬものですから批判を受けるという問題が一つ。  それから、特に最近ひどくなってきておりますのは、その貿易収支自体の構造がまた石油ショック後変わってきております。つまり、わが国は世界全体を相手に商売をし、大体バランスのとれた貿易関係にあったわけですが、今度は石油ショックによって石油の輸入価格が五倍になってしまった。そこで、産油国と非産油国を分けてみますと、産油国に対しましては大変なアンバランスなんです。あの石油ショック後の一年をとってみますと、貿易で実に百三十億ドルの赤字なんです。黒字を出さなきゃならぬというわが日本が百三十億ドルの赤字になるというのです。では、その赤字を償うのはどこかというと、非産油国に対する黒字をもって賄わなきゃならぬ、こういうのですから、産油国以外の国々に対しましては、これは例外はあるにいたしましても、大方よほどの黒字にならざるを得ないのです。そういう事情のあることをよく諸外国に理解してもらう、これが私は諸外国と経済上接触できるかなめである、こういうふうに考えます。  産油国に対して百三十億ドルの貿易赤字である、しかし、その反面において非産油国に対して百五、六十億ドルの黒字であると、こういう状態は、これは長続きさせるわけにはいかぬ。これは世界は許しませんよ。そこでわが国といたしましては、産油国に対する赤字ですね、これをもうできる限り早く解消して、そうして非産油国に対する黒字、これをなるべくそういう過当なものでないようにしていくということを貿易政策のかなめとしなきゃならぬ。そういう努力をしてまいりまして、かなり改善されてきまして、ことしあたりは一層改善され、結果はどうなりますか、よほどの改善が行われる、こういうふうに見ております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、総合商社の問題にちょっと触れてみたいと思うのですが、通産省としては毎年実施してきたいわゆる総合商社の調査、丸紅のあの社内管理のずさんさは指摘できなかったのかどうか。また今回は、文書類のチェックシステム、あるいは権限委譲の実態のほかに、機構、事業部制、社員から管理職、首脳陣への報告のあり方、賞罰の規則の各項目について行うほか、五、六年前までさかのぼって管理体制が強化されているのかどうかも調べる、こういうふうに聞いているわけでございますが、その実態調査はいつ完了し、いつ改善を求めるようになっておりますか。その点について御回答をお願いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 毎年春に一回、商社の実情について調査をいたしております。ただ、管理体制につきましては、特にここ数年の間商社の事業が非常に急膨張いたしまして、御指摘のように管理体制は不十分であるという点は、単に丸紅だけではなくして、もう全部の商社に見られるのではないかと思います。ことしの調査結果等もよく分析をいたしまして、十分なる管理体制を確立するように指導していきたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、いまお尋ねしたのは、そういう管理体制を強化していくというお話は、そこまではわかっているわけです。要するに、商社商社といってもたくさんあるもんですから、丸紅の場合はいっその実態の調査の結論が出るのか、そのことをまずお聞きをしているわけです。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 丸紅その他の商社に対しましてヒヤリングをいたしたわけでございますが、その結果につきましては、今月中に大体取りまとめる予定で作業を進めております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうすると、それに対するいろいろな勧告等についてはそのときに同時発表ということですか、実態だけではなくて。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 各商社につきまして、個別の企業について個別の発表はいたしませんが、取りまとめて発表する予定でおります。

桑名義治公明党

○桑名義治君 個別に発表はしないというお話でございますけれども、この際ロッキード問題と対比して丸紅が非常にいま問題になっているわけです。そういった意味では、国民の疑惑の一端でも希釈する、薄めるという意味からも丸紅の実態について私は公表する必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、どうですか。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 調査に当たりましては、各企業からいろいろ立ち入った事情を説明してもらうためには、個別の名前は出さないという約束でヒヤリングをやっておりますので、われわれといたしましては、個別の名前を発表することについては適当ではないというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 時間の制約がありますから次に進みますが、四十九年の衆議院の集中審議の際に、丸紅の会長が社会還元についてということでいろいろなことを述べられておるわけです。これは言われておることは非常にりっぱな事柄ではございます。で、もし本当に政府が商社に対して行政指導をする気持ちがあるならば、丸紅基金でお茶を濁すようなこと、たとえば丸紅が全国で買い占めた広大な土地、地方公共団体に安い値段でそういう土地を譲渡するような、そういういわゆる行政指導的なものもある程度はやる必要があるんじゃないかというふうに考えるわけですが、その点どうですか。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) いま御指摘になりました、丸紅が持っておる不動産の処分に関する問題につきましては、きわめて一般的な指導はいたしておりますけれども、個別にどこの地面をどういう値段でどの県に売れというようなことはやはり行き過ぎかと存じますので、そこまでは指導はいたしませんが、一般的には企業の社会的責任を十分考えて、土地等の処分につきましても、なるべく社会的公正を欠かないような方針でやるべきであるというふうに指導しているつもりでおります。

桑名義治公明党

○桑名義治君 今回の丸紅の起こしたいわゆるピーナツ事件ですが、黒い事件でございますが、これに対して政府はどういうような処置をとられるか、これを具体的にお伺いをしておきたいと思うのです。かつて政府は、公害企業など反社会企業に対する政府系資金の貸し出しをストップするという措置をとったことがあったが、聞くところによりますと、実際には融資ストップはなかった、こういうふうに聞いているわけです。今回のロッキード事件がピーナッツ事件を——ロッキード事件がピーナッツというような、ああいう事件を起こして、国民に大変な迷惑をかけたわけですが、丸紅に対するいわゆる行政措置というもの、これをどういうふうにとられようと考えられておられますか。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 丸紅の今回の事件は、丸紅が刑法に違反したかどうかという問題であろうかと存じます。したがいまして、この問題につきましては検察当局と、それから司法当局が十分に調査をされて結論を出さるべき筋合いのものであるというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうしますと、今回の問題はそういった司法当局の措置で、通産省としては行政的な措置は何にも行わない、こういうことですか。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) いわゆるピーナッツの授受に関する限りにおいてはそのとおりでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうしますと、通産省としては業者に対しては、今回のこの問題はいわゆる検察当局一本やり、それで結論が出れば、その措置をとられれば、通産省としては何ら処置はとらない、これ以外にほかの処置は。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 丸紅がピーナッツの授受に関しましてああいう疑惑を受けておる、あるいは事実があるのかどうかまだわかりませんが、ともかくああいう非常に大きな疑惑を世間から受けておるということは、その内部体制、管理体制に欠陥があるということはほぼ明白であろうと存じますので、われわれとしましては、総合商社がそういうルーズな内部構成によりまして社会に対して信用を失墜するというようなことは、きわめて重大な問題であると存じますので、そういうことがないように指示あるいは指導を強化していきたいと考えておるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、いまから先の貿易の拡大、あるいはまたこういう貿易というものが世界的規模によって行われる。その主役を占めているのが商社である。商社の中では必然的に機構内にもいろいろな複雑な要素も生まれてくる。そこで社会の総合商社に対する批判にこたえて総合商社規制法という、こういう法律をある程度つくって規制をする必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、大臣、どのようにお考えですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 昭和四十八年の後半に各商社はそれぞれ行動基準というものをつくりまして、それを基礎にしていろんな商業活動をやっていくということを決めております。内容を見ますとなかなかりっぱなことが書いてあるわけです。私は、せっかくそういう基準というものをつくったわけですから、それを自発的に守っていく、自分がつくった憲法を自分が守っていく、やっぱりこういう姿勢が望ましい。政府が法律をつくって、法律によって規制をするという考え方でなくして、自発的にこの行動基準を守りながら積極的な商業活動をやっていくということを期待したいと思うのです。  それからなお、その商業活動の行き過ぎを取り締まる法律は個々にたくさんございまして、もしそういう行き過ぎがあった場合には、それぞれの法律に照らしてこれは処断することができますので、商社規制法というようなものは考えておりません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 なぜこういうことを言うかといいますと、いま大臣の御答弁にもありましたけれども、商社自体に行動基準というものをつくっているわけなんです。つくった、さあその行動基準によって、もし行動が適切に、適正に行われていたとするならば、こういうような問題もまた起こらなかったんではないかというふうに逆に考えられるわけです。そういうように、現在の商社の中にそれだけの、いわゆる機構の複雑性やいろいろな問題を含めて今回の問題が起こったわけでございますから、したがって、行動基準だけではこれはもう規制ができない、自主規制ができない、こういうふうに国民自身が私は判断しているんじゃないかと思う。そういう意味からも、私は、先ほど申し上げましたように、いわゆる規制の法を、総合商社規制法というものをつくって、ある一定の方向性を定めることの方が最もベターではなかろうか、こういうふうに考えるわけですが、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この経済活動というものはできるだけ、法律で縛り上げてこうしろああしろということではなくして、自発的に一つの節度を持って活躍していくということが一番望ましいと思うんです。今回の事件、まだ最終的にはっきりいたしませんけれども、ただいままで伝えられておるところによると、丸紅の両専務が企業と一応関係なしにああいう書類をつくった、こういうふうに言われておるわけでもありますし、それから犯罪ということになりますと、これはまたおのずから別個の問題でありますし、それから繰り返して恐縮でありますけれども、商社活動を規制するための法律というものはほかにたくさんあるわけですから、いまのところは総合的な商社規制法というふうなものはつくらなくても、当初に申し上げましたように、商社がこういう問題の起こりましたのを機会に自覚をしていただいて、そして、この日本の顔として貿易の第一線に立って世界を舞台に活躍しているんだ、そういう自覚のもとに私はやっていただきたいと、こう思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 経済活動を法律で余り規制をすることは好ましくない、これは私わかるわけですよ。それを一つの前提に置きながら、しかも商社自身が行動基準というものをさらにつくった。そしてその後、いろいろな社会的問題があらゆるところで起こっている、こういう実態を私は見逃してはならないと思うのです。そういう意味で、田中前首相は、衆議院予算委員会、四十九年三月十二日ですが、商社の活動規制の問題に触れて、すぐに商社法の制定とはいかないが、まず実態の把握を急ぎ何らかの処置をとりたい、こういうふうに答弁をしております。それから同じく昭和四十九年三月五日、中曽根通産大臣も商工委員会で、商社活動の規制を検討中と、こういうふうに答弁をしているわけです。しかしながら、政府は今日まで商社に対して何ら規制するところがなく、今回のような問題がまた起こってきた、こういうふうになるわけでございますが、そういうことを考えると、当然ここで何らかの処置をとっておかないと国民の疑惑にもこたえられないし、再びこういう忌まわしい問題を起こしてはならないという立場からぜひ必要だ、私はこういうふうに考えるわけですが、何らかの処置をとる必要があるというふうにはお考えになりませんか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これは、繰り返して恐縮でありますけれども、商社の活動を取り締まる法律はたくさんあるわけです。でありますから、行き過ぎますとすべてその法律に違反ということになりまして、刑法上の犯罪になるということになるわけでありますししますから、別に、さらに屋上屋を架するということで商社を総合的に取り締まるというふうな取り締まり法をつくらなくても、行動基準というものを十分に守っていくんだ、こういうことを十分認識してもらって、そしてこのトラブルが起こったのを機会に、とにかく十分自覚をしていただく、同時に通産省におきましても現在の管理体制というものを厳しくチェックしていく、こういうことでやっていく。要するに、この日本は貿易立国でありますから、決して私は商社の立場を弁護するわけじゃございませんが、何でもかんでもたくさん法律をつくって、そういう法律をつくりましても、その気にならなければ何にもならぬわけでありますから、また事実、この取り締まる法律は幾らでもあるわけですから、私は商社の自覚に待ちたいと、こういうふうに考えます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 まあ、いろいろな法律があるというふうに言われたわけですし、また先ほどから申し上げているように、商社自身が行動基準というものをつくって、そしてそれの実施に対して踏み切っているし、そういういろいろな問題がありながら、かつ今度のロッキード問題は言うに及ばず、あの石油危機のとき、あるいは木材の買い占め問題、土地の買い占め問題、あるいはまたモチ米の買い占め問題、いろいろな問題が余りにも多過ぎるわけですよ。だから国民としては商社不信論につながっているわけです。必ずしも商社イコール悪というふうに結びつけることは、いけないことだと思う。間違っていると思う。しかし、そう結びつけなければならないような状況がいま起こっている。これに対して、ただ法律がありますから、あるいはまた業界の自主規制にまつ以外にありませんというふうな方向では、政府としての責任をこれは達せられないんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま言われましたことはすべて法律違反になるわけですね。たとえば、関税法違反とかその他それぞれの法律に違反をして、犯罪行為を形成しておるわけです。でありますから、別に商社法というものをつくって精神訓、まあ訓示ですか、そういうふうなことを書きましても、また罰則を書きましても、これは私は同じことじゃないかと思うんです。現に取り締まる法律があるわけですし、それぞれの刑罰が適用されるわけですから。だから、自覚がなければこれはもう何にもならぬ。法律を幾らつくったってこれは同じことだ。現にあるんですから、取り締まる法律が。でありますから、とにかく管理体制をしっかりやってもらって、もうしばらくの間私は事態の推移を見守っていきたい、こう思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 管理体制を強化するということですが、冒頭に申し上げましたように、商社の実態等を把握する調査がいま行われているわけです。これに伴って、通産省としては不適当なところ布あれば強力な行政指導はする、こういうふうに理解していいですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 強力な行政指導はいたしてまいります。

桑名義治公明党

○桑名義治君 いずれにしましても、法律をつくってもだめだ、あるいは自主規制をつくってもだめだ、こういう実態が明らかになったわけですが、そうやった意味では、通産省としてもこの問題については、強力な管理体制あるいは監視体制で臨んで、二度と再び国民にこういう疑惑を起こさせないような状態をつくり上げていくことが肝要であろう、こういうふうに思います。  そこで次の問題として、独禁法の改正問題に触れていきたいと思います。  予算委員会のときに私、この独禁法の問題に多少触れさせていただいたわけでございますが、いずれにしましても今回の改正案の中で大きな骨が二本抜けておる。それはいわゆる企業分割規定と、それからカルテル等の影響排除のこの二項目が抜けている。この二項目は私は、この独禁法の根本性格に触れるものであるというふうに解釈をしているわけです。それにもかかわらず、この二つが抜けたということは完全な骨抜きである、こういうふうに理解をしているわけですが、この企業分割の規定とカルテル等の影響排除が削除された理由というものはどこにあったのかということを明快にしていただきたいと思うのです。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 政府案はまだ提出されておらないわけでございますが、その作成過程におきましてそれが削除された理由、原因を私から申し上げるのが適当かどうか大分疑問なんでございますが、推察いたしまするに、七十五国会で衆議院で可決されました法案が参議院で廃案になった。それにはやはりそれなりの、私、政治のことは存じませんが、それなりの理由があったのではないかと思います。その後、政府与党はその原因を踏まえて、しかもその案を基本としていろいろと調整をされたのではないかと推察いたします。その結果ああいう新しい案ができたのではないか、こう推測する以外にお答えいたしようがない次第でございます。  以上、申し上げておきます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 じゃ、公取委員長として、前回の五党案と今回の新しい改正案とどちらをあなたは評価なさいますか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) これは私、就任のときにはっきり申しておりますとおり、構造規制に関する条項が削除されたことはまことに残念でございます。と申しますことは、新しい案はその限りにおいて後退した。私どもの姿勢は一貫して前の案の成立をこいねがったということを申し上げた次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 副総理、申しわけございませんが、きょうは総理がここにいらっしゃらないもんですから、副総理にお尋ねしたいのですが、今回のこの二本の柱が倒れたということについてのいきさつはどういういきさつなんですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 先般の国会におきまして政府の改正案が流れた。衆議院はいわゆる五党修正案で満場一致で通ってきたのが、参議院で審議未了という形になってしまった。それは一体どういうことかというと、これはまあ率直に申し上げまして、私どもの自由民主党の中の意見がよく練れておらなかったというところかと思います。そこで、廃案になりましたその後どういうふうにするか、とにかく、それには与党内の意見の調整を完全にしなけりゃならぬというので、自来ずっと先般まで意見調整をやってきたんです。やってきた結果、ただいまこの今国会に提案をしようとするような姿のものになってきた、こういうふうに考えておりますが、いわゆる五党案、また今回の提案されようとしておる案、そのいずれがどっちか、こういうようなお話でございまするが、要するにこの法案は、これは与党が賛成しないとなかなか日の目を見ないだろうと思うんです。やはり実現し得る案ということでなければ、これはただ単に提案をいたしましたということでは私は意味がない、こういうふうに思うんで、構造規制の問題なんか今度は削除されておりまするけれども、しかし、その他のいろんな点におきましていままでの独占禁止法に比べるとかなりの改善をしておるわけでございまして、私は、多少いろいろ皆さんの間に御意見があるにいたしましても、通過するという可能性を持った提案でなければ、これはいたずらなる論議ということに終わってしまうんじゃあるまいか、そういうふうに思いまして、提案になりましたならば、ぜひとも御賛同願いたい、こういう気持ちでおります。

桑名義治公明党

○桑名義治君 それは副総理、身勝手な説明じゃないでしょうか。前回の国会に提出された五党案というものは、衆議院では全会一致ですよ。しかも、その中身はいろいろないきさつがありますけれども、もう時間があんまりありませんから、そのいきさつについてはこまかいことを申し上げませんけれども、しかし五党案というものは、むしろ自民党の方からこれではどうでしょうかというような案が出てきて、それを野党でみんなで協議した結果、これならばいける、ここまでは譲ろうということでまとまった案ですよ。それが参議院に来て、そうして自民党の内部が完全にまとまっていなかったためにいわゆる未了のような形になってしまった、こういういきさつがあるわけですから、したがって、それならばもう一ぺん五党案にのっとって自民党内部を説得して出してくるべきじゃないですか、私はこういうふうに思いますよ。こういうのが正当な論理じゃないですか。副総理どうですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ああいう経過にかんがみまして、慎重に党内におきましては意見の調整作業を進めたわけなんです。その調整の過程において、あのいわゆる五党案ではとうてい全党の一致した結論は得られない、こういう結論になりましたので、まあ今回のいま準備をしておる案に落ちついてきた、こういうことなんであります。しかし、それにしても実現すればこれは相当の成果である、こういうふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 実現をすれば相当な成果であるというふうに言われますけれども、私は、五党案と比較をしてみて、ただカルテル行為の影響排除の問題や、あるいは企業分割の問題の、この二つの二本が抜けただけというふうに解釈はしていないのです。確かに課徴金の問題、株式保有制限の問題、こういった問題は入っているには入っています。しかし、それと入れかえに新証拠提出権の緩和、こういういわゆる後ろ向きの問題がまたさらに出されている。こういう問題については、われわれは大幅な後退であるというふうに解釈をせざるを得ないわけでございますけれども、この点、公取委員長は新証拠提出権の緩和問題についてはどのようにお考えですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 審判手続等に関しまする規定が新たに挿入されているという点の御指摘と存じますが、この中に、八十一条でございますか、従来、過失によって証拠を提出しなかったときの問題を、「重大な過失」という変更を加えておるという点であろうかと存じます。この点につきましては、やはりこれは一種の第一審的な機能を持つ審判でございます。訴訟手続におきまする被番人の権利擁護という要請もございます。それとの調和を図ったものと私は理解しておりまして、特に問題はないと考えておる次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 公取委員長、これはいままでのが、「過失がなかった場合」になっていますね、八十一条では。今回は「重大な過失がなかった場合」というふうになっていますね。それは確かに部分的に見れば一つの裁判の民主化ということが言えるかもしれません。しかし、公取委員会というものが存続している意味というものを考えていかなけりゃならない。それは、種々のこういう経済的な問題が起こった場合には、普通の裁判に持ち込むことは適当ではない。むしろ、この行政委員会で審査をし結論を出していくことが最もベターだという、いわゆる裁判にはなじまない、こういう行政委員会にこそ初めてかけるべきだという基本的な問題があるわけですよ。その問題から考えた場合には、この八十一条の「重大な過失がなかつた場合」ということに改正をされたということは大幅な後退である、むしろ、公取の皆さん方の権限が縮小されてきた、外堀を埋められたということが言えるわけじゃないですか。それでもあなたは、今回のこの改正は重大なる影響がないというふうにやはりお考えですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) これは、先ほど申しましたような審判でございます。被審人と公取委員会との間の審判でございます。被審人の方の権利擁護ということも可能な限り考えていくというのは、私は決して間違った方向ではないと考えていると同時にこの程度の改正が重大なる公正取引委員会の権限問題であるというふうには考えておりません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 考えていないの。公取委員長がそういう考え方であるとするならば、やはり前高橋委員長と比較してみると、これはもう本当、軟派ですよ、考え方が。非常にぐにゃぐにゃです。要するに企業寄りというふうに言わざるを得ないと思います。あるいは政府寄りというふうに私は言わざるを得ないと思います。この独禁法がこういうふうになされているということ、また、独禁法がいまから先、特に重要であるということは、あなたもこれは認識されているとおりだと思うのです。いまからの完全な自由競争を迎えるためには少なくとも政府の介入を少なくしていく、そのかわり、いわゆる経済の憲法であるこの独禁法は強化していくという方向で進んでいかなければならないし、また、たびたび先ほどから論議されておりますように、いまから低成長へ向かっていく。その低成長期の産業のあり方というものが、いまもう兆しとして見えているのは企業の合併ですよ。  そういういろいろな条件をながめてみたときに、いまこそ企業分割の問題や、あるいはカルテルの影響等の排除、この問題は再び復活さしていかなければならない、こういう時期に来ているというふうに私は認識しているわけです。その点について、あなたは言葉では非常に残念ですと、こう言いますけれども、この個々の中身について少しずつただしていくと、いや、十分でございます、大した影響ありません、こういうようなお言葉でございますけれども、では、先ほどもあなたの答弁にございましたように、企業分割というこの点が抜けたことは非常に残念だと言うならば、今後この問題について復活するように努力なさいますか、どうですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 従来も努力をしてきましたが、今後も努力いたします。

桑名義治公明党

○桑名義治君 では、副総理にお尋ねしますが、そういうように、今回の改正案が出るであろうと思われるこの改正案でございますけれども、企業分割が抜けたということは、これは致命傷になると思うんですが、公取委員長は、非常にこの問題は重要であるので今後また挿入されるように努力すると、こうおっしゃっておられますけれども、政府としては、この問題についてはどういうふうにお考えですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 企業分割といいますか構造条項ですね、あの点につきましては前国会でも大変な議論があったところです。  それから、ああいう条項が発動されるようなチャンスが一体近い将来あるのかという展望につきましては、当分あれが発動するという機会というものは考えられない、こういうような条項でございます。したがいまして、私は、あれが外れたからといって、それは、法改正の何というか、大きな目玉が外れたんだというふうには考えないわけです。いろいろ議論のあるむずなしい問題でございますので、この上とも検討はいたします。しかし、いま、ここであれをまた復活をする方向で考えておるというふうには申し上げかねます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 企業分割の条項が、いますぐに必要でないというようなお考えをお聞きしたわけですけれども、そうしますと、いまのこの審判の問題あるいは訴訟手続の問題、こういう問題もさしあたって必要ないわけですよ、いまのままの、いまの法律で十分できているわけですから。では、なぜこの問題は今回改正したんですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○政府委員(澤田悌君) 先ほどの問題のお尋ねでございますが、改正の理由、これを挿入されました理由を私にお尋ねでも、これはちょっとお答えしにくいんです。

桑名義治公明党

○桑名義治君 じゃ、副総理。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私もお答えしにくいんですが……。

桑名義治公明党

○桑名義治君 この問題は専門的になりますので、今後またこの法律が出たときにいろいろと論議を進めていきたいと思いますが、基本的な大事な問題だけをとりあえずお聞きをしたわけでございます。  そこで、先ほどから電力料金の値上げ申請の問題でいろいろと質疑が行われておったわけでございますが、私の時間も、もう持ち時間がわずか七、八分程度になりましたので、大まかなところだけをちょっとお尋ねをしておきたいと思いますが、値上げが強行された場合の国民生活及び産業活動における影響を、どのように企画庁としてはとらえておられますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) この値上げが、あの申請の内容で、そしてあの高さで実行されると、仮にそういうふうに仮定した場合におきましては、消費者物価に対して〇・一一、それから卸売物価に対しましては〇・一三、そういう影響がある、こういうふうに見ておるわけであります。同時に、電力多消費産業、これにつきましてはまちまちな影響があるだろうと思いますが、これは相当の影響があれ。つまり景気、そういう方面につきましては重大な影響がある、こういうふうに見ております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、通産省では、いま値上げ申請の査定中であるというふうに考えられるわけでございますが、原価計算の結果はいつ出ますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 四月の初めに受け付けまして、現在その計算の査定をいたしておるわけでございますが、この五月の五日、六日に公聴会を三社について開きまして、また北海道電力につきましては十四、十五に公聴会が開かれるわけでございまして、この公聴会にありました各種の御意見というものを取り入れて査定作業を進めていきたい、こういうふうに考えております。それから考えますと、今月の末ぐらいに経済企画庁に相談する案ができる、こういうことの順序で進んでおるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 原価計算が出た場合、その結果を物価対策の見地から見て、いわゆる政治的配慮をなさいますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 原価計算が余り高いという水準のものでありますれば、それに対して当然これは政策的な配慮を加えて最終的な決定をしなけりゃならぬだろう、そういうふうに考えています。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、このような大幅な電気料金値上げが行われますと、いわゆるアルミ、苛性ソーダ、セメント、電炉など、電力多消費産業は値上げによって不況の上に相当不況にまた追い込まれるのではないかというふうに考えるわけですが、この点どのように認識されておりますか、通産省。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ただいま桑名先生から挙げられましたアルミ、亜鉛あるいはソーダその他、これが特に電力の多消費産業でございまして、これらの産業にとりましては、製造原価の中に占めます電気料金というのは、相当大きな影響を受けるわけです。そういう意味で、今回の電力値上げにつきまして、現在査定中ですからまだ結果は出ておりませんが、相当大きな影響を与えるということが、これはコストにおける比率からいっても言えると思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 コストの比率からいっても言えるということは、これはもうわかっているわけですよ。したがって、こういう業界に対する手当てをどういうふうに考えられるかということがやっぱり根本になってくると思うんです。昭和四十九年の値上げと今回の値上げ申請の分を勘案すると、その当時から見ると約二倍になるわけですよ。これは非常に大きな問題を抱えているわけです。したがって、アルミ業界などは原価の四割が電気料金であるというふうに言われているわけです。値上げされれば、原価のアップなどで消費者の実質負担増となることもこれまた当然なことなんです。また、業界の国際的競争力への影響、業界の今後の進路をどういうふうに考えられるか、ここまでやはり一応通産省としては敷衍して考えておかなければならない問題ではないかというように考えるわけですが、その点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

矢野俊比古通商産業省基礎産業局長

○政府委員(矢野俊比古君) アルミ産業につきましては、全く先生御指摘のとおりの事情でございます。私どもとしては、現在キロワットアワー当たりに八円の電力でございますので、三割超えるということになれば十円幾らということになります。国際競争力上非常に問題だという意識は重々持っているわけでありますから、できるだけ原価計算の範囲の中で値上げ幅というものについてはいろいろと配慮をしていただきたいと思っております。  同時に、昨年八月に産構審のアルミ部会がありまして、世界の趨勢のようにいわゆる製錬と圧延あるいは加工部門というものが垂直に合併する——企業統合のような形でございますが、こういうような体質ができれば、なお七、八円電力でも十分対抗できると。これはいろいろ販売管理費とか在庫投資というものがはるかに減るわけです。そういうような答申が出ておりますので、私としては、今後そういうことについて、その答申を受けましてできるだけそういう方向に私どもの指導を持っていきたい、このように考えているわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 時間が参りましたのでこれでやめさしてもらいますが、いずれにしましても、今回の電気料金の大幅値上げというものの国民の生活に対する影響、あるいは産業界に対する影響というのは非常に甚大なものがあるわけでございますので、これはわれわれとしてはもう絶対反対でございますが、どうしても上げなければならないということになれば、当然各通産大臣あるいは経企庁長官がいわゆる政治的な重大な配慮をして、そして極力低いところに抑え込んでいくという努力をしていただきたいことをここで希望して、私は質問を終わりたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 通産大臣の所信表明につきまして、いろいろお尋ねしたい問題点はございますけれども、きょうは、中小企業の問題だけに限ってお尋ねしたいと思います。  大臣も、所信表明の中で、わが国の中小企業はこれまでにない厳しい経営環境に直面しているということを強調しておられます。事実、わが国の中小企業はもはや放置できないような危機的な状況にあるという認識は、これはもう否定できないことだと思っています。このような状況をどう打開していくような具体的で積極的な政策を政府が持つのか、手厚い配慮を持つのかということは、いま、中小企業家のひとしく政府に期待してきておるところだと思います。  そこで、まず最初にお尋ねしたい点は、通産省は、あるいは政府は、日本の中小企業を産業経済の中でどのように位置づけておられるか、こういう問題であります。これは、三木総理がすでに施政方針の演説の中で、中小企業の振興なくして日本経済の繁栄はあり得ない、こういうことまで極言しておられるわけであります。中小企業がわが国の社会、経済に果たしておる重要な役割りについて、当然のことながら通産大臣も同様の所信と見解に立っておられるであろうと思いますけれども、念のために通産大臣の見解をお尋ねしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま、中小企業についての総理の発言を引用して御発言ございましたが、私も総理と同じ考えでございます。なぜかと言いますと、わが国の場合は中小企業の数が約五百万もございますし、それから中小企業に働く人たちも三千万おります。中小企業の上げておる生産は、日本の全生産の半分である。こういうことを考えますと、その役割りはきわめて大きいわけでございまして、中小企業対策が産業政策の中で最大の課題である、こういう考えの上に立ちまして取り組んでおるわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そこで、続いてお尋ねしますが、いまから十三年前に中小企業基本法が制定されて今日に至っておるわけでございますが、この中小企業基本法制定の趣旨、目的は何であったかと、このことをもう一度振り返って大臣あるいは中小企業庁長官にお尋ねしておきたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) わが国の中小企業問題を考えますと、基本法制定当時におきましては、いわゆる二重構造と申しまして、生産性の高い、あるいは高賃金を払える大企業と、それから生産性の低い、賃金水準も低い多数の中小企業群が併存をしておるというのが、当時の日本経済の特徴であったかと存じます。こういったいわゆる大企業と中小企業の格差を、是正と申しますか縮小させまして、生産性の高い、高賃金を払えるような中小企業に持っていくということが、当時の基本法の制定の趣旨であったというように了解をいたしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 つまり、中小企業が経済的、社会的に不利な状態にある。この大企業との間の格差の是正を図っていかなくてはならぬ、これが中小企業基本法の私は制定の趣旨だと思っています。  そこで、中小企業庁長官、そのように制定当時は大企業との間に二重構造が現に存在していた、その結果格差が著しい、これらの改善をしなくてはならぬ、こういうことでスタートされたと思いますけれども、その後すでに今日十三年たっておりますが、そのような格差についてどれだけその格差が是正されてきたのか。格差については恐らくいろいろな指標があると思います。その指標の一つ一つにつきまして格差是正がどのように今日実現し、図られつつあるのか、この点をお尋ねしたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 付加価値生産性で見てみますと、大企業を一〇〇といたしましての中小企業の生産性でございますけれども、昭和三十五年が四四でございましたが、昭和三十八年には五〇まで上がりまして、昭和四十八年には五三まで上がっております。  それから、従業員一人当たりの給与の大企業との格差で見ますと、昭和三十五年が五六でございましたが、三十八年は六〇まで上昇をいたしまして、さらに昭和四十八年には六二というように、まあその格差が少しずつではございますけれども縮少しつつあるというような結果が出ております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 販売効率についても指標が出てきておると思いますし、どうでしょうか、その点は。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 卸売業、小売業で見てみますと、従業員一人当たりの年間販売額は、卸売業で昭和三十七年に大企業を一〇〇といたしますと三〇でございましたが、昭和四十七年にも三〇でございまして、これは四十七年が一番新しい数字でございますけれども、ここは余り変わっておりません。  それから、小売業で見ますと、昭和三十七年が大企業を一〇〇として四五でございましたが、昭和四十七年には四八と若干の改善を見ております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 中小企業庁長官の答弁は若干あいまいな点がありますから、私は、中小企業白書に基づいて若干正確に申し上げたいと思います。  これは、製造業の付加価値生産性につきましては、中小企業基本法のスタートの年、昭和三十八年は大企業の半分、ざっと五〇%、それから昭和四十八年に至りましてそれがやっと十年以上たって五三%、すなわちプラス三%、とるに足らない微増といっていいと思います。それから給与の格差につきましても、先ほどの話のとおり二%でございますが、卸売業の一人当たりの年間販売額に至りましては、昭和三十九年の数字によりますと三五・四、これが昭和四十七年には三〇・〇、すなわちマイナス五・四と下がっておるわけであります。小売業の一人当たりの年間販売額に至りましても、これまた二%のまさにとるに足らぬ微増だということであります。  私は、この指標をながめて見ただけで、通産大臣、果たしてこれで、中小企業基本法を決めたあの当面の課題であった中小企業と大企業との間の格差是正について、これが十分実現の方向に向かっておるとお考えになっておるのかどうか、私はその点についての御判断をお願いしたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 私は、こういうふうに考えるわけでございます。かつて戦後の復興期におきましては、非常に大量の仕事を求める人がおりまして、そのために、当時の中小企業はなるべく安い人手を使って、機械を入れるというよりは人を使う、こういう状況でございましたので、生産性も低く、あるいは賃金水準も低かった。ところが、高度成長期に入るまでの昭和三十年から三十五年ごろの間におきまして労働移動が起こりまして、賃金の高い大企業の方に人が移っていくということで、中小企業群の中でやはり高賃金を払わないと人が集められないというような時期に変わってきたわけでございます。そのために、機械をむしろ入れて機械化を進めたいということで、機械、いわゆる設備の資本装備率がだんだん高まってまいりまして、その間、急速に付加価値生産性あるいは賃金格差は縮まったように見受けられます。  ところが、その後高度成長期に入りましてからは、御承知のように、大企業におきましても世界で最も高い生産性の上昇率、あるいは賃金の上昇率というものを見せたわけでございまして、むしろ高度成長期に入りましてからは、中小企業群がその格差を開かないように大企業で行われる生産性向上と同じテンポでこれについていくということ自体、私は大変な仕事であったと思うわけでございます。これだけ日本経済が大きくなりましたけれども、その間、この構造変化によく中小企業は対応をいたしまして、昭和三十八年以後全体の製造業におきます中小企業の生産のシェアはほとんど下がっておりません。五割を維持いたしております。しかも付加価値生産性も賃金も、ただいま申しましたように、まあ少しずつではございますが縮小の傾向に向かっておる。これはやはり中小企業者自身の環境適応への努力と、政府のそれに応じた施策の結果ではなかったかと考えるわけでございまして、ちなみに外国の例を見てみますと、傾向として……。

加藤進日本共産党

○加藤進君 簡単で結構です。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 中小企業の割合は低下を見せておるのでございます。それに対しまして、日本では中小企業の割合は下がっていない。しかもそういった生産性、賃金格差は縮小の傾向にある。特に若年労働者におきましては、中小企業と大企業の賃金格差はほとんど現在ございません。まあ高年齢層におきまして中小企業の賃金が低い、こういう状況でございますので、そういう意味では、高度成長下に中小企業が大企業に負けないで同じような近代化が進んできたということは、非常にやはり中小企業の努力もあるし、政府の施策もそれだけの効果を上げてきたのじゃないかと、かように考えておる次第でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、中小企業庁ないし通産省は何も中小企業のために積極的に施策をしてこなかったと責めておるわけじゃないんです。しかし、御承知のとおり、日本の大企業は、この中小企業基本法ができて以来の十年余の期間にどれだけ成長したか、GNP第二位、世界の資本主義国では第二位であります。そのテンポに至っては、世界第一の発展のテンポを逐げて成長してきたんです。そうでしょう。中小企業基本法は、そのような大企業の成長に見合って、次第に格差が出てくるのに対してこれを是正すべきという、いわば法律目標を定めつつ今日まで来たんじゃないですか、是正しなくちゃならぬでしょう。  これは大企業が成長してきたというので、成長のテンポに大体おくれなかったからわれわれの努力も見てほしいなどと言われるようなことは、これは筋違いであって、格差の是正がどのようにやられたかということに、一番、中小企業基本法の中心のわれわれに課せられた課題があったんじゃないですか。その点については、残念ながらどの指標をとってみても大企業との間の格差の是正はほとんど図られていない。しかも、ある指標につきましてはマイナスになってきておる。こういう点について私は、通産省及び中小企業庁がもう少し深く中小企業基本法の趣旨、精神に基づいて反省をすべきであると考えるんでございますけれども、その点についての御所見はいかがでしょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 御指摘のように、その格差の縮小は非常に高度成長の期間におきましてはわずかでございます。ただ、方向といたしまして、縮小の傾向に向かっておりますし、今後安定成長ということになりますと、大企業の生産性の伸びも鈍化するかと思いますので、さらに中小企業の近代化を進めまして、その格差の縮小に努力をいたしたいと考えます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その点だけについては最後にお聞きしますけれども、ではどれくらいの計画を持って、いつごろまでにどの程度の格差の是正を図るのか、そういう点のいわば中小企業の格差是正についての御計画はあるんでしょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) これは非常に賃金の今後の動向でございますとか、生産性の動向というのは見通しがむずかしいわけでございまして、ある数字を計画目標として掲げるということはなかなか困難でございますが、従来のテンポ以上にこと格差是正が早まるように努力をいたしたいと考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 せっかく中小企業基本法が中小企業の振興、中小企業の営業を守るという点で非常に明確な目標を出したにもかかわらず、残念ながら所期の目的は今日なお達成できていない。私はこの点について、いま中小企業庁長官のおっしゃいましたように、従来に増しての積極的な御努力を払っていただかなくてはならぬと考えています。世間ではどう言っておるか。いま自民党政府のやっている政策は大企業優先であって、中小企業見殺し政策だ、こう言っておることもあながち当たっていないわけじゃないと思います。そういう点にこたえるような中小企業庁あるいは通産省の行政施策というのが、中小企業基本法の趣旨に基づいてさらに積極的にやられることを、まずその点では希望したいと思います。  そこで、中小企業家をいま一番苦しめておる問題の一つとして金融の問題があります。そこで政府も中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫などを設立して、そのような金融問題についての改善の努力をしておられると思うわけでございますけれども、そもそも国民金融公庫の設立の目的はどこにあったのか、一度確かめておきたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 政府系の中小企業金融機関といたしましては、御承知のように三つございまして、商工中金が組合金融、それから中小企業金融公庫は、中小企業の中でもやや大きい方の中小企業向けに融資をいたしております。国民金融公庫は前に庶民金庫と申したものの後身でございまして、中小企業で申しますならば、小さい方の中小企業の必要な事業資金を供給をするというのがこの国民金融公庫の目的であるというふうに了解をいたしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 これは国民金融公庫法の第一条の中に、「銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする」ものに対して、小口の事業資金を供給すること、こうありますね。明確に小口の事業資金を供給するという政策任務を持った金融機関である、こう言えますね。したがって、これは一般の銀行と違って、その貸し出しについての審査の条件も、あるいは貸し付けの期間についても、また金利についても十分中小企業家の意向に沿うような配慮を行って企業の育成そのものに努力する、努める、こういうことが中小企業の国民金融公庫の宿題であり、目的である、こういうふうに私は考えますけれども、その点いかがでしょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 御指摘のとおりでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そこで、政府金融機関の中に中小公庫やあるいは国民金融公庫がありますけれども、同時に輸銀や開銀というのがございますね。そういう政府の金融機関であるという点ではその性格をまさに一にしておると思います、内容は違いますけれども。ところで、この輸銀、開銀についてそれぞれどのような平均貸し付けの期間が設けられておるか、また平均の金利はどのようになっているのか、こういう点で輸出入銀行、日本開発銀行と、中小企業金融公庫、国民金融公庫との比較を数字の上で教えていただきたいと思います。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) 平均貸し付け期間につきましては、四十九年度の数字で申し上げますと、国民金融公庫は約二年半、中小公庫は三年と九カ月程度、開発銀行が十六年八カ月、輸出入銀行が十一年ちょっとということでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 実質金利は……。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) 金利につきましては、平均の貸し付け利回りと目されるものについて申し上げますと、大体日本輸出入銀行は五%ちょっと、日本開発銀行が七%弱、中小企業金融公庫は八%程度、国民金融公庫も八%ちょっとということでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 つまりその数字を見ただけでも、主として大企業に対して貸し付けるべき輸銀や開銀にはその貸し付け期間はきわめて長期です、数字の上で、そうでしょう。三倍以上の長期です。これには理由があるとおっしゃられれば理由があるでしょう、ないわけではないと思いますけれども、とにかく長期の貸し付けができる、資金も非常に豊富だ。金利も中小企業や国民金融公庫に比べて安い、こういうことははっきりしておるのです。だから金融の面から言っても、大企業には恩典が与えられて、中小企業には非常に厳しい、こういう状態が現にあるわけであります。こういう状態をそのままほっておいて、中小企業の格差是正などということを何度言われたって、これは解決の道はないじゃないでしょうか。そういう問題について具体的にメスを入れて解決の方向を示す、私はこういうことがとりわけ必要ではないかと思います。  そこでもう一つ聞きたいのは、昭和三十八年度の対比で輸銀、開銀と、中小公庫、国金のそれぞれの資本金の増加率は一体どのくらいになっておるか、資本金はどのくらいふやされておるか、この点について数字をお知らせ願いたいと思います。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) 三十何年とおっしゃいましたか……。

加藤進日本共産党

○加藤進君 昭和三十八年、これも数字があります。言いましょうか。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) ちょっと私の手元にたまたま持ってきております資料は四十一年度以降の数字でございますが、それで言わせていただきますと、輸出入銀行の四十一年度の資本金が二千百二十八億円、これが四十九年度は六千九百九十三億円、これに対しまして国民公庫は四十一年度が二百億円、中小公庫が二百四十九億円でございまして、以降変わっておりません。

加藤進日本共産党

○加藤進君 この数字でもわかりますけれども、輸銀の方はいまおっしゃいました数字だけから見ても、何と三倍ないし四倍近いですね。私の数字は昭和三十八年でございますけれども、昭和三十八年の数字に比べますと、昭和四十九年には何と増加率は五六三%、ところが国金はどうですか、二百億円、それが全くふえていない状況です。これを見ただけで一体どうですか。中小企業といえば、一番初めに私が言いましたように、いま日本経済の中できわめて大きい比重を占めておる。その企業数においても従業員数においても付加価値の率においても、重要な問題全般にわたって行うべき金融機関、そして輸銀といえば特定の目的のもとで行うべき金融機関、この中できわめて大きな格差のあるところを認めざるを得ないし、その格差はますます拡大してくる。私はこの点について余りきょうは細かい議論をする時間はありませんけれども、とにかく開銀の今日の資本金は国金の資本金に比べて十二倍です。こういう状態にあるということを考えて私は議論をしているわけであります。私はその点で、政府の出資額について大企業に恩典を与えるような方向にだけ資本金をどんどんふやすということではなしに、中小企業に対してもその金融機関の大きな運用、活用が図られるように大幅に出資をふやしていただく必要があるのではないか、その程度のことはぜひやっていただく必要があるのではないかと考えますけれども、この点につきまして通産大臣、どういう御所感を持っておられましょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 開発銀行は先生御承知のように、貸し出しの基準金利が九・二%でございます。これは興長銀の、いわゆる興業銀行その他長期信用銀行のプライムレートと申しまして、再優遇金利が九・二%でございまして、それにあわせて開発銀行も九・二%で長期資金を供給をいたしておるわけでございます。それに対しまして国民公庫あるいは中小公庫は八・九%というように、民間の最優遇金利あるいは開発銀行の金利よりも低い金利で融資をいたしております。それから開発銀行等は融資対象がいろいろ限定されておりますが、国民公庫あるいは中小企業金融公庫は中小企業であればだれでも貸し出す、こういうような仕組みをとっておりますし、融資の比率につきましても、なお開銀等は、三割とか四割とか所要資金に対して非常に限定した融資をいたしておりますが、この中小企業金融の場合には、場合によりましては所要資金の一〇〇%も融資をしている、こういうことでございまして、融資の条件は決して開発銀行等に比べましてそう劣っていない、むしろ金利等は低い、こういうふうに考えております。  ただ、開発銀行の場合には、いわゆる特利のものが特定の産業向けに非常に比率が高くなっておりますので、総体としての平均金利は下がってきておるということと、非常に長期でございますので、過去の安い金利の時代に貸したものがまだ残っておりまして、平均金利が低目になっている、こういう事情がございますが、現在の段階での貸し出し金利のいわゆる基準金利は、中小企業金融の方が低くなっておるということでございます。  それから、輸出入銀行との金利の比較は、これは中小企業金融公庫なり国民金融公庫は国内向けの金融でございますので、他の一般の中小企業向け金融機関の金利とのある程度のバランスというものが必要になるわけでございますが、逆に一方、その輸出向けの金利につきましては、海外におきます一般的なそういった金利水準あるいは経済協力とか発展途上国等の要請等も加味いたしまして、まあ国内の金利水準と違った金利が適用されるわけでございますので、そういったいわば逆ざや的な金利を実現いたしますために非常に大量の出資が輸銀に対して行われてまいったわけでございまして、銀行の性格と目的が違いますので、輸出入銀行の出資が非常に大きいということにおきましての比較は一概には比較ができないのじゃないか、かように考える次第でございます。  ただ、先生御指摘の中小公庫なりあるいは国民公庫を極力金利を下げるようにということにつきましての御趣旨は、全く私どもも同感でございまして、今後ともさらにこの金利の引き下げに努力をいたしたいと考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ぜひいまの最後の長官の所信につきましては、実効あるひとつ御努力を賜りたいと考えております。  そこで、ことしの予算の中で輸出入銀行について六百七十億の産投特別会計の資金が投入されますね。これにはまたそれなりに政府の言い分はあると思います。しかし、これだけの金を国民金融公庫や中小公庫に向けていただけることなら、中小企業はどれだけ資金の面においても潤うだろうかと考えるのは、これは当然なことでございますし、また、これくらいの金が資金として投入されるなら金利の引き下げだってできるのではなかろうか、それにも役立つのではなかろうかという感じを持つわけでございますけれども、この点について、中小企業の振興なくして日本経済の発展はないと、これが通産大臣と三木総理との共通の信念でございますから、その点について私は、通産大臣にこれくらいの問題について、少し検討せざるを得ぬという程度のことはぜひ答弁として承っておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 中小企業に対する金融は極力配慮をいたしております。ことしも三機関合わせまして約三兆という金額を計上しておりますし、年度末にも約五千億を追加をいたしております。それから小規模の中小企業に対しましては、特に本年は昨年より大幅にふやしまして、約三千五百億という小規模企業向けの融資も計上しております。考えられるあらゆる方法は考えておるつもりでございますが、いま御指摘のように、なお不十分であるということはこれはもう言われると思います。今後とも機会あるたびに、中小企業向けの金融の強化ということについては努力するつもりでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ぜひそのように、中小企業家の窮状を十分に配慮されて御努力を賜りたいと思います。  そこで、五月七日付の日本経済新聞にこういう記事が出ております。五十年度の銀行検査を行った結果、不良債権が都銀では一・四%、地銀が二・六%、信託銀行が約三%、相互銀行が四・二五%となっておるようであります。これは不況以前の前の調査と比べると不良貸し付けの比率がそれぞれについて少ないところで一・五倍、多いところで四倍にもなっておりますし、特に相互銀行につきましては四・二五%と飛び抜けて高くなっておりますけれども、これは一体どういうことなのか、その点の御説明をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) ただいま民間の金融機関の不良あるいは要注意債権の新聞の報道につきまして御質問がございましたけれども、この点につきましては私、所掌でございませんので、つまびらかにはいたしません。また、実際問題といたしまして、個々の金融機関のそういう状況の的確な数字というものにつきましては、金融機関が年度末に監査書等で公表するもの以外は申し上げがたい数字でございますので、数字が何ほどかということにつきましては、大蔵省として申し上げるような立場にないと思いますけれども、一般論として申し上げますれば、ここ二年間の不況で非常に企業の体質も限界にきつつあるというものがふえてきて、そういったいわゆる不良債権なり要注意債権がふえてきたということは想像し得ることであります。

加藤進日本共産党

○加藤進君 確かにいまおっしゃいましたように、特に相互銀行——これは民間の中小企業向けの金融が主ですね——そこでは特にひどいというような状態から見ると、不況になればなるほど焦げつきがかさんでくる、取り立てにくい、こういう状況が現状としてあらわれてきておるということは、私は言えるんじゃないかと思います。  そこで、国民金融公庫についてはどうなっているのかという問題でございますが、いわゆる不良債権、つまり管理口はどうなっているのか。私の資料によりますと、たしかここにも一・五%前後の焦げつき、不良債権があるというふうに聞いておりますが、その点いかがでしょうか。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) 不良債権をどういう形で定義づけるかということにつきましては、いろいろ問題があろうかと思いますけれども、ただいま私の手元にございます資料といたしましては、国民金融公庫の普通貸し付けの直接扱いの貸し出し残高につきまして、それが三カ月以上延滞しておるものがどういう経緯をたどっているかというものを全体の貸し出し残高の比率と比較して申しますと、四十八年度は金額で〇・六%程度であったものが、五十年度末には一・三%程度に高まってきておるという状況でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 恐らく管理口といえば、もうこれ以上取り立てにくいということでいわば償却されるそういう性質のものじゃないかと思っておりますけれども、それがいまのお話によりますように、一・三%前後であってほとんどと言っていいほどこの不況時においても数字の上で焦げつき債権がふえていない、こういう状況があるわけでございます。これは一般の銀行では担保も取るし、信用度についても十分に調査しておる相手でございますから、これについてよりも、中小企業向けの政策金融をやっている国民金融公庫に不良貸し付けと言われるようないわば焦げつきが余り存在しないというのは、若干不思議な感じを持つわけでございますけれども、これについてどのように御判断いただいておるわけでしょうか。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) ただいまのお話の中で、管理口が即償却債権になるという御理解のようなことがございましたけれども、これはやや飛躍でございまして、元本等が、これは国民金融公庫でございますから、月賦なりあるいは半年払いということで入ってくる。そのたまたま全体の期間の中で償還期が来たものについて延滞しておるものについての数字でございますので、全くこれが取り立て得ない、最終的に償却しなければいけないというふうになるものかどうかということにつきましては、かなりの質的な差があるということは御理解いただきたいんでございますが。  それからもう一つ、数字がいかにも国民公庫は少ないではないかというお話でございますけれども、全体の貸付残高に対する延滞の比率も、ただいま申しましたように〇・六から一・三、倍以上になっておりまして、実額で申しましても約三倍程度になっておりまして、これがふえることを歓迎してはいかぬ話でございますけれども、実態として、国民金融公庫にも全体の民間の金融機関と同じように悪化の傾向はあらわれておるということは言えるのではないかというふうに理解しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私もこれは、不況時にそういう不良債権と言われるものが増加するであろうというのは一般の趨勢ですからね、これはそういうことは予測できると思う。しかし問題は、一般市中銀行、一般の銀行と同じようなテンポで焦げつき債権というのがあらわれてきておる。本来から言うなら、常識的に中小企業向けの金融についてはもっともっとそういう状況が起こっても不思議ではない、こういうふうに私は考えざるを得ないと思うんです。  そこで私は、きょうここに国金で働いて活動しておられる方たちのいろいろ訴えの書類を持ってきています。これは一々お読み申し上げる時間がございませんので申しませんけれども、こういう書簡でございます。その中にこういうことが出ています。「公庫は毎月未入金口動態表とかあるいは管理口動態表などでいわゆる不良債権の発生率を各支店ごとに発表して、そうならないようにこれを防止させるための競争をさしています。そのため各支店の支店長や管理課長は自分の成績を上げるために係員を叱咤して厳しい取り立てをやるように追い立てています。」こう言っているんです。また、焦げつきになっていて管理口に入る直前のものについては、これを早期管理口と言うのだそうでございますけれども、このときに徹底的に取り立てをやることになっている。管理口に行かない前に早期管理口で徹底的に取り立てる、上司はこう言っているそうです。「管理口に計上されるのは債務者や保証人から何も取れるものがなくなったときだ、こう言って業者の締めつけをするように係員を非常に強く強制している。」こう書いています。  さらにその人は、「業者に会ってそれぞれの事情を聞いて話をすると、まじめに一生懸命に返済しようとして努力している状態がよくわかる、そしてこういう業者が大部分だという感じがする。しかし、このように上役からどなられたり、いやがらせをされるなどということになると、心ならずも業者を攻め立てることにならざるを得ない、何かやりきれない気持ちがしてしようがない。」こう言っております。こういう状況で、いわば政府の政策金融を中小企業向けに行うべき窓口において、このような状態がいわば職制の上から一般職員に強要されるというような事態が起こるなら、これは中小企業にとっては非常に重大な問題、中小企業家泣かせと言っても言い過ぎではない問題、こういうことは結局高利貸しの取り立てと同じじゃないか、もっとひどいと言わざるを得ないような状態にあるということを私は指摘したいのでございまして、こういう事情について政府はご存じでしょうか。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) 先生御指摘のような員体的内容につきまして、とやかく申し上げるような状況ではございませんけれども、一般的に申しまして、債権管理は金融機関として本来やらなければならないことでございまして、しかも国民公庫の原資というのは国民の税金であり、あるいは郵便貯金等を原資としている金でございますので、おろそかにしてはならないということが基本的なことだと思っております。ただ、その債権の管理につきまして、それぞれの中小企業の方の実情に応じていろいろ弾力的に配慮するということもこれまた当然のことでございまして、国民公庫といたしましても、そういった中小企業の方々の実情に応じて適切な配慮を払うということは努めておると思っております。その点につきましては、私どもも再三にわたりまして通達等で指導しておりまして、たとえば貸付金の返済猶予ということにつきましても、実情に照らして十分弾力的にやるようにということを申しております。  例といたしまして実績で申し上げますと、国民金融公庫につきまして貸し付けの返済猶予の状況をちょっと申し上げますと、件数で申し上げますと、四十八年度は一万件に満たない返済猶予の処理であったものが、四十九年度には二万三千件以上になっております。五十年度におきましては二万八千件程度ということで、こういうことからもうかがわれますように、決して全く機械的に実情を無視して業務の執行をやっておるということではないと思います。しかし、御指摘のように、間々個々具体的なケースとして不適切な取り扱い等があるということでございますれば、それはまた今後私どもとしては引き続き指導に努めて、そういうことのないようにということには努めてまいりたい、こういうふうに思っております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私はいまの御答弁を聞いて、はなはだやっぱり現状の把握が浅いと思います。  さらにこういうことがあります。この管理口の仕事についているのは管理職になる直前の副調査役クラスの職員である、労働組合運動の妨害を彼らにやらしている、債権処理で成果の上がった者についてはこれ見よがしに昇格栄転をさしている、こういう状態が現場にあるわけですから、こういうことは中小企業を守るという金融について業者の立場を考えてみるならば、これはもう全く放置できない状態にあると私は考えています。こういう状況をやっぱり現場の窓口、現場の職場で十分に調べ上げながらこれを改善していくという努力がなければ、国民金融公庫本来の目的に背くような、業者をいわば苦しめて、締めつけて、そして取り立てるというような役目を果たすような機関になっては大変なことでございまして、業者の立場を十分に考慮した債権管理が行われるように、十分に行政指導を行うべきであると私は考えますけれども、中小企業庁長官いかがでございますか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 先ほど、国民公庫の延滞がほかの市中銀行に比べて少ないんじゃないかという御指摘でございましたが、延滞は先ほど大蔵省から御答弁ございましたように、五十年度末で貸付残高に対して一・三%でございますけれども、返済猶予が二・五%ぐらい貸付残高に対してあります。これを足しますと約四%ぐらいの比率になるわけでございまして、そういう意味では、借りております中小企業者の事情を相当に配慮いたしまして、その返済につきまして猶予等の措置をとっておるというふうに私どもは考えるわけでございますけれども、なお、この点につきましては現在の不況下での中小企業者の不況を考えまして、極力弾力的に返済猶予措置を図らうようにしてまいりたいと考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 中小企業庁の立場から見ても、私の申し上げましたことは決してうそ偽りを申しているつもりはありませんし、また、現場の職員からの訴えというのはこれは真実性がある、こう私は見ています。私も現場を今後とも調査をしたいと思いますけれども、中小企業庁の立場で中小業者の金融問題の改善という課題について、ぜひともひとつ現場の実情を掌握して改善の努力を払っていただきたいと思います。  いまおっしゃいましたのは、営業あるいは業績不振の業者に対しては条件変更の措置をとるという問題でございますね。これは非常にありがたいという声はあります。これはお金の返済が困難な人たちに対して行われるものでございますけれども、実はこれについてもその運用上いろいろ問題があるというのは、各支店ごとに非常にアンバランスがある。あるところでは余りこの点について十分な措置がとっていただけない、こういうような問題があるのでございますけれども、私は、返済に困っている業者という立場から言うなら、申し出があればこれに適用するという原則をもってこれを処理していただく必要があるんじゃないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 金——政府系機関から資金を借りておられます中小企業者の現在の資金繰りの状況を十分配慮いたしまして、現状に即するように返済猶予措置を極力弾力的に図らうような指導をいたしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 重ねて申し上げますけれども、とにかく、いまのところ条件変更によってやっとほっとしたと言っても、これは二回、三回ということになりますと、三年以上を経過した場合にはこれも含まれるわけでしょう、条件変更。この三年経過した後においてさえなお事業不振のために非常に金融に困っておられる、そういう方に対してその後どうしてもらえるか、こういう問題が三年以降においてもあると思いますけれども、これは、そういう状況の業者に対してはそれなりに十分に配慮して手当を行う、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 現在は、支店限りで一応三年までの返済猶予を認めております。それから三年を超えまして、たとえば一年一年延ばしてまいりまして四年目に入るというときには、一応本店まで案件を上げまして本店に照会をする、こういうふうな仕組みにいたしておりますが、現実には運用状況を見ますと、支店からまあ三年以上にわたって返済猶予をしたいということで照会がございました案件は全部本店でオーケーをいたしておりますので、もしそういうふうな事例がございましたら、そういう運用をいたしておりますので、そういうふうに御了承いただきたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 支店から回ってきたものについては本店ではオーケーを与える、こういうことでございますね。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 本店で審査をいたしまして返事をすることにいたしておりますが、過去の運用の実情では、支店から上がってきたものにつきまして本店はほとんど全部オーケーを与えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 それでは、原則としてはオーケーを与えて業者の苦労をとにかく解決するように努力する、こういうことと理解いたします。  そこで、業者の中には、元本についてそういう措置をとっていただけるわけだけれども、利息の返済についてその支払い猶予をしてほしいという切実な要望も出てきておるわけでございますけれども、この点についての御検討の余地はないでしょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 利息は現在八・九%でございまして、元本と違いましてそう大きな額でもございませんし、一応利息につきましては返済と申しますか、支払っていただく、こういうふうな取り扱いでおります。

加藤進日本共産党

○加藤進君 利息の返済についてはわれわれは猶予するわけにはいかぬ、こういうことでございますか。——その点についての御検討の余地というのは存在しないのかどうか。その点はどうですか。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 資金を借りました以上は、やはり金利というものは御返済いただくというのがたてまえかと存じますけれども、非常に倒産寸前といったような状況で、事実上返済できないというような事情の方も中にはおありかと存じますので、この点はさらに大蔵省と協議をいたしたいと存じます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 こういうことで、とにかく行くところまで来た、もうどうしても返し得なくなったという状況には償却という制度があるように先ほども聞いておるわけでございますけれども、この償却という制度はどういう場合に適用されるのか、償却が行われるのか、その点正確にお聞きしたいと思います。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) 償却につきましては、これは民間の金融機関と同様でございまして、実際上一件一件のケースにつきまして担保もないあるいは保証人からも支払い返済能力がないというような状況になりまして、回収が全く不可能であるという事実関係か判明いたした場合に償却をするということになっております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、逆に言えば、そのような状態に業者が落ち込んでいくまでは、とにかく債務の返済は引き続いて要求していくと、こういうことになりはしないですか。私はそういう点で、皆さんの中でも、資料等々を拝見いたしますと、取り立てについては生活困窮者並み、すなわち生活保護者の水準に落ちるまではとにかく取り立てなさい、しかもそれは借りた債務者本人ばかりでなく、保証人についても、相続人についてもそこまでとにかく返してもらうようにせっつきなさい、強要しなさい、こういうことが出ておるんですけれども、そんなことはやらないんですか、どうでしょうか。そんな事例はないでしょうか。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) ただいま申し上げましたのは、貸借対照表上の資産勘定から最終的に落とすというときの処理のお話でございまして、御指摘のようにそれになる前で、しかし、非常に困っておられるという状態があることは十分考え得ることでございまして、それについてやいのやいの性急に返せとか、あるいは担保を差し押えるとか、あるいはとことんまで追及していくとかいうことを機械的にやるわけではございませんで、それはそれなりの悪い債権として貸借対照表上は残していくけれども、それに対する回収につきましては、それこそケース・バイ・ケースの判断で処理していくということが業務執行の実態だというふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、そこまで言われるなら資料を出したいんです。これによりますと、先ほどの早期管理口に回った債務者は、この方について、どれだけの手立てを毎日職員が行っているのか、そして電話はかけたのかかけぬのか、こういうことがしょっちゅういわば職制の方から点検を受ける、もっとやりなさい、毎日の記録がずっと出ています。これは結局、債権の取り立てと申しますか、高利貸し的なことなんです。こういうことをやって、そして成績を上げた支店長や課長が栄転するんです。こんなことが政府関係の金融機関に許されていいんでしょうか。私は、少なくともそれは悪意があってはもういけませんけれども、善意をもってしかも努力してなおかつ金が返し得ない、金に困るというような状態の業者に対して、それこそ政府金融機関が手を差し伸べて、そして、その事業の立ち直っていくような呼び水を与える、これが私は金融機関の任務ではないか、こういうふうに考えますけれども、大臣お聞きになっていかがでしょうか、その点。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(岡崎洋君) 公庫の業務執行の問題といたしまして、債権を管理するということは先ほども申し上げましたように、国の大切なお金を借りて運用する話でございますので、それは当然のことだと思います。ただ、具体的なケースといたしまして、それが過度にわたるとか、中小企業の方を過度に悪い状況に落ち込ませるようなあこぎな形になるとかいうことであってはいけないということは、御指摘をまつまでもございませんので、それは個個のお店お店の処理が実際適切に行われているかどうかという業務運営の問題でございます。したがいまして、それにつきましては、今後とも一層努力をさせるということはやぶさかでございませんけれども、そういったことを一切してはならぬと、こう仰せられましても、公庫の業務の運営としてはそれはやらさしていただきたいということでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 金融公庫について零細業者の諸君はこのごろ、ともかくわれわれの声が届いたのか、貸し出しの点については若干の改善があった、こう言っています。しかし、事回収に至ってはまことに厳しいと言うのです。私は、これはもう現場の職員を監督しておられる支店長なりあるいは課長なりの問題だと思います。こういうことが現にやられている。これはもう中小企業関係の金融機関である国金のやるべきことではない、国金の本来の趣旨に反する、国金とはそもそも何であるかという問題をもう一度改めて問い直さなくてはならぬ課題になってきておると思います。私はそういう点について、事柄は金融機関の末端に起こっている問題でありますけれども、こういうことを通じて、今日危機に当面しておる中小零細業者が、さらに政府の金融機関によってもっともっと締めつけられるという状態を絶対なくしていかなくてはならぬ。  こういう点で、今日、中小企業基本法が制定されて以来十数年たっておる現在においてさえ、中小零細企業が決して格差の是正に抜本的な改善を図られたわけでもなく、中小零細業者は行き着くところに行き着いて、そして、もうこれでやっていけなければ事業転換だなどということが公然と法制化されるような状態は、私は許しがたい。こういう点で、中小企業に対する旋策については、中小企業基本法の趣旨、精神を十分に生かしていくような方向で改善努力を払っていただきたいということを心から期待をするわけでございますが、最後に通産大臣、いまお聞きいただいたようなことについて大臣の所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 当初に申し上げましたように、中小企業対策というものは政府の最大の課題であると心得ておりますので、今後とも中小企業の健全なる経営のためにあらゆる努力をしてまいりたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 私の先ほどの御答弁の中でちょっと間違えた点がございましたが、金利については一切支払い猶予等はないのかという御質問でございましたが、まず、元金につきまして返済猶予をその資金繰りの状況等に応じましていたしました上に、利子も払えないというような状況の場合には、金利につきましても支払いを先に延ばすというような運営もいたしておりますので、中小企業者の本当にお困りの場合には、金利もそういうふうに延ばしておるわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 はい、お聞きいたしておきます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 過日の予算委員会で、私は大規模小売店舗法の問題について触れたわけですが、いささか時間が足りなくて、私自身要点を指摘することができませんでした。この機会に多少補足して御質問いたしたいと思います。  まず最初に、大規模小売店舗法は、後々は大店法というふうに呼称したいと思いますが、これが施行されて二年を迎えているわけですが、新聞紙上よくにぎわしているように、各地で商調協の未調整という状況が起きております。その調整の経過、結果につきましても、地域においてさまざまな形で問題が提起されておるわけですが、この辺の実態についてまず最初にお伺いしたい。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 御承知のように、大店法の規定によりますと、まず大規模店舗を建設する場合には三条の届け出がございまして、三条の届け出がありましてから六カ月間はその店舗で営業することができないことになっております。ついで大規模店舗の中に入りまして営業をしようとする人は、四カ月前に五条の届け出をするということになっております。この五条の届け出を見まして、通産大臣としましては、その営業が周辺の小売業者に著しい影響を及ぼすかどうかということを判断し、影響を及ぼすと考えました場合には大規模小売店舗審議会に諮問いたします。大規模小売店舗審議会は、今度はその全国の状況を大規模小売店舗審議会が一方的に把握することは困難でございますので、各地の商調協の意見を聞く、こういうことになっておるわけでございます。  法施行後二年たちまして、各地におきまして、この旧法時代と比べますと、届け出の件数が非常にふえておりまして、全国の商調協におきましては、まだ法施行後日が浅いために不なれなこともございまして、いろいろな議論が行われておるところでございます。場合によりましては、たとえば熊本のように非常に極端な意見が出てくるところもございますが、一般的に申しますと、消費者とそれから小売商との間でいろいろ利害の調整が行われて、方向としましては、試行錯誤的ではございますが、一応いい方向に進んでいるというふうに考えます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 法第一条の目的にある「消費者の利益の保護に配慮」するという趣旨でございますが、これといわゆる事前における商調協の審議、そしてその経過、結果、これとを照し合わせてどういうふうにごらんになるか。また、その目的とは一体どういうふうに把握しておられるか。たとえば学者だけでつくっておる流通政策研究会では、「同法は、小売りにおける新規事業者の参入を阻害し、いたずらに既存事業者の温存と退嬰に加担するかたちで、各地で運営されるようになっている。」こういうふうに、本法旋行後二年経過して流通政策研究会はこの問題点を指摘しておるわけです。こういった点もあることを踏まえて、いまいう問題について聞かしてもらいたいと思います。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) アメリカ等の経験によりますと、一九二〇年代、三〇年代等におきましては、何と申しますか、嵐のようなスーパーの進出が行われて、その結果流通革命が進展した、こういうふうに言われております。こういうふうに競争を自由放任にいたしますと、一方では合理化が進むという面もあろうかと存じますが、しかし、他方では今度は周辺小売商の利益が著しく害されるという問題がございまして、この消費者の利益、それから流通合理化という目的、それから小売商の利益、まあこの三者をどのようにして調和するかということは非常にむずかしい問題でございまして、これを一刀両断で解決するような公式のようなもの、基準のようなものは現在のところないというのが実情でございます。そういうわけで、各地におきまして結局消費者と地域の小売商、それから出店者、それから学識経験者等々がひざをつき合わせていろいろ利害の調整を図るということによりまして、この三つの立場の調和を図ろうとしておるところでございます。いわゆる事前調協なるものは、五条の正式の届け出が出てから後でございますと、時間が四カ月というふうに限られてしまいますので、なるべく前広に意見の調整を図ることがいいという見地から、五条の届け出がなされる前から関係者の協議が行われている。それを事実上行われる場合に、それをたとえば事前商調協なんという名前をつけていることもあるようでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 天谷さん、いま目的のことについて全然触れておられぬわけでございますが、本法一条にいう目的、「消費者の利益の保護に配慮」するという目的が、私は、消費者が安全を求める権利、それから知らされる権利、それから選択することのできる権利、さらに言うなら意見を聞いてもらう権利、これらの権利が大規模小売店の進出によって実現されるか、あるいは周辺の小売中小業との関係において阻害されることはないかというようなことについて、地域の消費者の声に耳を傾けるということでなければならぬと思うのですよ。あなた、いま目的のことは一つも触れられなかった。要するに商調協における、本法における実態面を申されただけだけれども、そういうことを考えると、またそういった権利というものが正しいかどうか、あなたどう判断されるか。  また、それに関連していわゆる熊本問題ですね。私は熊本問題を取り上げるというのは、数多くの未調整あるいはトラブルが起きておる中で、熊本問題というものが全く特異のケースである。いわゆる出店反対なんですからね。いわばこれはゼロ回答なんだから。それは五条による正式の商調協ではないとはいえ、これは通産省の行政指導に基づいて行われたいわゆる事前商調協なんですからね。その事前商調協、六回開かれた中には、福岡通産局は毎回席を同じゅうしておるわけだ。いわば行政指導のもとに行われた事前商調協と見て間違いない。そういう中でゼロ回答が出るということは、いま言った本法の趣旨にどうこたえておるのか。これは私は非常に重要な問題だ。この熊本問題における消費者の声というものが果たして反映されておるのか否か。  まして、消費者グループの会、杉田チヅ子氏の意見書というものも出されておる。あるいは消費者代表の渡辺キミ氏は、いろいろな脅迫などによって辞任している。あるいは商調協の会長の権藤正俊氏は、正常な運営がなされていないということで辞任しておる。こういう状況の中で、しかも熊本市における人口の三〇%でしょう、あるいは世帯数当たりとすれば七〇%の人たち十一万人が出店問題賛成の署名をしておる。そういう中において、通産省の行政指導に基づくところの事前商調協は出店反対、絶対反対、ゼロ回答。このことがいま私が申したところの本法第一条にいうところの、いわゆる「消費者の利益の保護に配慮」するということにそぐうものかどうか。そして、その消費者の利益の保護ということは、あるいは消費者の権利というのは私が言った権利であるぞよと、これに照らしてどう見られるか。熊本問題はどうなのか、正常であるのか否か、その辺のところをつまびらかにしてもらいたい。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 熊本の問題につきましては、通産省の行政指導といいますのは、熊本におきましては相当トラブルが発生するであろうということが予想されましたので、なるべく前広にこの意見の調整を図ることが望ましいという見地から、非公式に商調協で関係者の意見を調整することを慫慂したという意味の行政指導をしたわけでございます。そこで、いわゆる事前商調協が開かれたわけでございますけれども、そこにおける消費者の声の代表は必ずしも十分に行なわれていなかったというふうにわれわれも考えております。一般にある地域の消費者の声をいかにして代表せしめるかということは非常にむずかしい問題であろうかと存じます。商調協における消費者代表を選出するために何か選挙制度というようなものをつくるというようなこともなかなか困難でございますので、果たして、消費者代表として商調協に出ている人たちが真の消費者代表であるかどうかということには、かなり問題がある場合があると思います。  熊本の場合で申しますと、四名のうち三名は出店反対ということを言っておりますので、おやめになった権藤さんなりそれから渡辺さんなりは、この消費者の代表制がおかしいのではないかというような見解を持っておられるようであります。あるいはまた、唯一の賛成者であった渡辺さんに対しましては、これは渡辺さんから直接私確かめておりませんが、新聞等で報道されたところによりますと、非常に言論干渉のようなことがあったように伝えられておりますわけで、そういう点におきましても、そこの事前商調協の議論、意見の形式が公正に行われたかどうかは大いに疑問があるところでございます。  先生御指摘のとおり、消費者の保護を追求する場合におきましては、いまのシステムにおきましては、商調協におきましてできるだけ十分に消費者の立場が代表され、かつ意見が表明されるということが必要であると思いますが、その点が必ずしも十分でなかったことは遺憾なことであるというふうに考えております。しかし、いままで行われました六回の事前商調協は法に基づくところの商調協ではございませんので、今後正式の商調協が開かれる場合におきまして、より消費者の立場が代表されるように指導をしていきたいというふうに存じております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 天谷審議官は流通問題のエキスパートで、あなたの御本も私読ましていただいたこともあるし、大変識見をお持ちの方ですから内容をよく御存じだと思うんで、遠慮なく答えてもらいたいと思います。  私は、第五条の届け出が、事前に地元商業者との間にある程度のコンセンサスがなければ受理されないという通産省のいわゆる行政指導ですね、そのことは法に照らして正しいのか否か。地元民主主義という名のもとに、通産省が逃げを打っておるんじゃないか。そして、そのことがいたずらに地元の商店街の方々があたかもみずからが、この出店問題についての許可権を持っておるような錯覚を持っておる、そういうふうに全国ならされておるんです、現在。だから、その消費者利益の保護という観点から出る意見というのは抹殺されてしまう、そして、その出店しようとする大型店舗といわゆる地域小売商との間の利害衝突の場ですべてこの問題が踏みにじられておる。そして通産省は、第五条は届け出ということになっておりながら届け出を受理しない、そして地域の商工会議所に任して、地元で事前に話しなさい、これでは全然私は行政指導ができていないと思う。  だから、このことがいたずらにいわゆる学識経験者と称する人たち、それから消費者という方たちの層が出店賛成、そしてその地域の小売商が出店反対、その中に熊本におけるように、この学識経験者あるいは消費者代表というものが地域からいろいろな圧力が加わって発言ができない、商工会議所は事前に決議をとってしまうというようなことで会議も全然運営できない、パンクしてしまうということになるわけでしょう。私は、通産省がどうもこの問題には逃げを打っておるがゆえにどうしようもないんだと。ある雑誌で読むと、通産省の方自身が、大体この大店舗なんていうものは二足のわらじをはいておるんだからうまくいくはずがないんだと、そういうような発言までなさっておるでしょう。だから、それは地元で話して、だんごにしてこねんことには問題の解決はできぬのだと、そして、そう言って地元に任してしまえば、地域において地域民主主義という名のもとに力の強い者が勝つ、消費者の声なんていうものは全くほごにされる。  これは総理府で実態調査をしておるわけだけど、明らかにスーパーが出店した地域における消費者物価というものは、スーパーが出店していないいわゆる地元商店街オンリーの地域の物価よりも低位にある、低くなる。これは明確に総理府の統計によって発表されておる、そこには相関関係がある。そういうことを考えると、消費者が競争をするための出店ということを反対する余地がない。問題は、スーパーが出店することにおいて地域の小売商が軒並みに店を閉じるというようなことになってはいけない、そいつをどう調整するか。その調整というものも消費者利益というものを頭に置いてやりなさいよ、だからそれは面積を狭めるとか、休日の問題だとか開店、閉店の時間をどうするかということにおいて調整しなさいということだけど、ゼロ回答だ、出店反対だというようなことでは全然本法が生かされていない、私はそう思うわけだけど、どうでしょう。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 最初に、通産省が受理しないのはおかしいではないかという御指摘がございましたが、この点につきましては、法律どおり解釈すれば、通産省は受理しなければならないわけでございます。と申します意味は、もし通産省に内容証明か何かでお送りになれば、通産省としては受理せざるを得ないという立場におるわけでございます。現在はその当該申請企業とわれわれとの相談の上で、ある地域に店を出される場合には、その地域の小売商とも余りもつれた関係になって困るであろうから、やはり話し合いをした上で物事を、やや時間がかかっても話し合いの上でさばいていく方がいいのではないか。したがいまして、正式に受理する前に地元ともう少しお話しになってはいかがですかということを通産省がお勧めしておる。そしてそれを企業の方で、それもそうだということでお聞きになって、地元と事前調整をやっておられるというのが実情でございます。  しかし、企業の方で判断をされて、そういう通産省の行政指導には従いたくない、法律上の権利を行使したいという立場を貫かれるとすれば、それももちろん可能でございます。通産省がその場合にどうしても受理しないということになれば、多分行政訴訟の問題になるのではなかろうかと思います。しかし、現段階におきましては、そこまでやるよりもやはり地元との調整を事前に行った方が得であるという御判断のもとに、企業はそういう方法をとっておられるというのが実情でございます。  次に、商調協において、たとえば熊本が典型的な例でございますが、ゼロ回答するのはおかしいではないかという御指摘がございましたが、先ほども申し上げましたように、ゼロ回答というのは適正な回答ではないとわれわれも感じております。しかし、いままでのところはこれは事前の商調協でございまして正式な商調協ではございませんので、さらに届け出後正式の商調協を開いていただきまして、そこでその関係者の自由で適正な意見が、コンセンサスが得られるようにしたい、そういう方向にいくことをわれわれも期待しておる次第でございます。  ただ、消費者の立場といたしますと、熊本の消費者グループの杉田チヅ子さんも言っておられますけれども、たとえば面積は一平方メートルたりとも切られては困る、閉店時間を繰り上げるというのももってのほかである、それから休業日数を減らすのも反対だ、こういうふうに消費者の方は言っておられるわけでございます。他方、これに対しまして地元の小売商の方は、われわれの先祖代々の商権が、あるいは生活権が大規模店舗の進出によって侵害される、したがって、今度は一平米たりとも店を出させるわけにはいかぬというふうに言われる。そして両方とも、片一方は生活権の擁護と言い、片一方は消費者利益の確保ということで、通産省に対しても公正な調整をしろと言われるわけでございますが、これは非常にむずかしいわけでございまして、片一方だけですとわれわれもやりやすいのでございますが、両者のきわめてかけ離れた意見を何とかしてすり合わせようということでございますので、両サイドがこれは大岡裁きだというようなことにはまずなる気遣いがないといいますか、なかなかならないのが実情でございます。しかし、ほかに何と申しますか、大岡裁きをやるようなうまい知恵もございませんので、現在の制度におきましてなるべく皆さんが意見を出していただいて、コンセンサスを形成していくのがいいのではないかというふうに見守っているわけでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 まあ流通のエキスパートの天谷さんやそれから真砂さんおられるわけだから、どうにもならぬと言って手を放しておったらどんどんエスカレートするわけで、これは一遍調べてもらいたいんだけど、ある地域においてはもう一平米当たり幾らというものを積まなければ出店はだめだ、こういうふうな方向にゆがめられてきておるわけですね。しかもそれが飛び火していっておる。その金をいわゆる地元小売商の近代化という形に使われていくなら別として、それがみんな山分けされる。そうすると、それは消費者に全部かかってくるわけですからね。もうちょうど軒先料を出せというような形に問題がすり変わっておる。しかもなお通産省は、地元で話さぬとどうにもならぬのだと、それに下手な政治が介入してがちゃがちゃにして、消費者なんてどこにおるかという形で皆口をつぐんでおるんですよ。こんなばかな話はないのでね。だからこのままほっておいたら、もう現にそういうふうなことになっておる。これは一遍私は調べてもらいたい。  それから同時に、法によらない基準面積未満の店舗に対しても実質的に規制するのだ、それを条例で決めるのだというようなところさえ出てきておるでしょう。それから、建築関係の手続は大規模小売店舗法とは関係ない。にもかかわらず、これに悪乗りして建築基準法それ自体もストップする。これは営業の自由を浸すことになると私は思う。こういうことにも発展しておる。あるいは毎年開閉店時間をチェックする、あるいは売り場面積を縮小せしめる交渉をする。こうなると、最初に認可されてつくった店舗というものが毎年毎年縮小していくということになる。こういう問題が派生してきておる。あるいは全国の各通産局の行政指導というものも、あるいは法解釈についても必ずしも統一されてない、こういう点は非常に私は問題だと思うんです。  だから、こういった状況をそのままほっておけば——私は何も、スーパーが善であり中小小売商、地元小売商が悪というようなきめつけで物を言っておるのじゃないんですよ。両方がうまくいくように話し合えばいい。ところが、話し合う余地をつくらずに消費者を無視して、ただ既存店だけの権益を守るんだ、出てくるやつは軒先料を出せというような形にいけば、私は日本のこの流通というものは大変な問題になるというふうに思うから、もっと行政指導を的確にやれ、あるいは、法律の番をするあなたたちはもっと目を光らして正しい道を求めなきゃいかぬ、勇気を持ってということを私は申し上げたい。このままほっておったら、いたずらに既存小売業者の権益を擁護するだけにこの法律は加担するということになりかねない。そこには流通の近代化というものもうかがうことはできないし、いわゆる消費者利益、新しい消費行動というものも私は阻害されていくと思う。  それからもう一つは、いまやっておることが全体に全部波及していったとするなら、先ほど申したように、それは単に法で決まったところの一定面積以上の、いわゆる大規模小売店の出店問題だけじゃなく、既存の大規模小売店の基準そのものについて、この法に名をかりて、地元民主主義という名のもとにゆがめられた行為が行われていく、このことを強く私は主張しておきたいのです。  きょうも私三十分しか時間がない。あと二分しかないから、もっともっと私は資料を持って次の委員会のときにさらにこれを堀り下げてみたいと思う。  いまの点、通産大臣どうですか、一度お答えいただきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 過去二年間に新しいスーパー約六百ばかり取り扱っておりますが、大部分はうまく解決しているんですが、しかし全国各地に、非常に激しいトラブルの対象になっておるものも相当に上っております。熊本などは最も激しいトラブルの対象になっておるものだと思いますが、いずれにいたしましても、スーパー、それから消費者の利益、それから小売店、この三者の調整をどうするかということにかかっておるわけでございますが、日本における流通段階の改善、こういう基本的な問題等もありますので、いまおっしゃった点をよく分析をいたしまして、また、地元からも改めて詳細な報告を聴取いたしまして、何らかの方向を結論づけたい、かように考えます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 天谷さん、どうです。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 大臣のおっしゃったとおりでございます。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) ほかに御発言もなければ、以上で所信に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  金属鉱業事業団は、金属鉱産物の安定的な供給を目的として、昭和三十八年に金属鉱物探鉱融資事業団として設立されて以来五次にわたって改組拡充され、現在では、国の内外における金属鉱物の探鉱を捉進するための業務と金属鉱業等による鉱害を防止するための業務を行っております。  わが国の金属鉱産物の需給の現状を見ますと、国内資源に制約のあるわが国といたしましては、金属鉱物資源の大部分を海外に依存せざるを得ず、その度合いもまた増大する需要に応じて近年急速に上昇してきております。  このような状況に対処するため、政府といたしましては、国の内外における金属鉱物の探鉱、開発等を促進するとともに、税制、関税等の諸施策を講じてきたところであります。  他方、金属鉱物資源を初めとする一次産品をめぐる世界の動向を見ますると、それらの需給及び取引の安定化に対する要請は、ますます強まっており、発展途上国等からの輸入割合の大きいわが国といたしましても、これらの金属鉱物資源に係る一次産品問題に積極的に対処することが急務となっております。  しかしながら、最近のわが国の金属鉱産物の需給は、現下の経済情勢の中で、史上最大の需要減退に見舞われております。このような状況の中で、金属鉱業は未曽有の過剰在庫を抱えて危機に直面しており、これを放置しておけば鉱石輸入削減等の問題を深刻化して資源輸出発展途上国との友好関係に影を落としかねない状況となっております。これは、ひいてはわが国の金属鉱物資源の安定的供給の確保を危うくすることにもなりかねません。したがいまして、今後の金属鉱産物の安定供給を確保するためには、大部分を海外に依存しているわが国といたしましては、需要の変動にかかわらず、輸入量を安定させることが必要であります。  このため、金属鉱業事業団を活用することとし、同事業団の業務として金属鉱産物の輸入の安定化を目的とした備蓄に必要な資金の貸付業務を新たに追加すること等により、わが国の金属鉱産物の輸入の安定化を図ろうとするものであります。これがこの法律案を提案いたしました理由であります。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  改正の要点は、金属鉱業事業団の業務として、金属鉱産物の備蓄に必要な資金の貸付業務を加えることであります。  また、これに要する資金を円滑に調達できるようにするため、金属鉱業事業団の市中銀行からの借入金に係る債務について政府が保証することができるようにしたことであります。  以上のほか、新業務追加に伴う法律の目的の一部改正、その他所要の規定の整備等を行うことといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。増田資源エネルギー庁長官。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。  わが国の金属鉱産物の海外依存度は逐年上昇し、昭和五十年度においては、銅で約九〇%、鉛約六八%、亜鉛約六〇%、アルミニウム一〇〇%という高率となっております。  政府といたしましては、このような状況に対処し、これらの金属鉱産物の安定的供給確保を図るため、従来から国の内外における金属鉱産物の探鉱を促進しております。  まず、国内鉱山につきましては、資源の最も安定的な供給源であり、また海外資源開発推進の人的・技術的基盤であるため、今後とも現在程度の規模を確保してその積極的活用を図っていくことを基本的な考え方といたしております。そのため、金属鉱業事業団等を通じて広域調査−精密調査−企業探鉱助成といういわゆる三段階方式により探鉱を促進するとともに、税制、関税による保護を行ってきており、昭和五十一年度においても、これらの施策の強化拡充を図ることといたしております。  また、供給の大部分を占める海外資源につきましては、金属鉱業事業団等を通じて資料情報の収集、地質構造の調査、探鉱促進のための出資、融資等の施策を講じてまいりました。しかしながら、わが国は海外資源開発に関しては後発国でありますため、今後とも海外資源開発の促進と長期輸入契約の推進を図ることが肝要となっております。  他方、金属鉱物資源を初めとする一次産品をめぐる世界の動向を見ますと、それらの需給及び取引の安定化に対する要請は、ますます強まっております。特に、今回の需要低迷時の鉱石輸入の減少は、東南アジアを中心とする発展途上国の経済に多大の影響を与え、わが国に対する輸入の安定化の要請は一段と高まっております。  以上のようなわが国の海外資源確保の必要性及び発展途上国からの輸入安定化の要請にかんがみ、このたび、金属鉱業事業団を活用して、金属鉱産物の輸入の安定化を図るべく備蓄を行うことといたしました。  制度の仕組みとしましては、金属鉱業事業団が政府保証を受けて市中銀行から三百億円を借り入れ、それを原資として、備蓄を実施する公益法人に対し六・五%の低利で融資することを考えております。また、備蓄融資の対象となる金属鉱産物は、当面、銅、鉛、亜鉛、アルミニウムの四種といたしております。  以上、この法律案の提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げました。  何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  ただいま説明を聴取いたしました本法律案の審査に資するため、明後十三日午前十時十分、参考人として、金属鉱業事業団理事長平塚保明君、日本鉱業協会会長藤崎章君、全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長原口幸隆君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十一分散会      —————・—————

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