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77回国会参議院1976/05/11

社会労働委員会 第3号

発言数
345
登壇者
23
会派数
5
開催日
1976/05/11

会議録

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  議事に入るに先立ち、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび、私は社会労働委員会の委員長に選任されました。  ふなれな者ではございますが、委員の皆様の御鞭撻、御協力をいただきまして、重責を果たしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  簡単でございますが、これをもってごあいさつといたします。(拍手)     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 委員の異動について御報告いたします。  去る六日、斎藤十朗君が委員を辞任されました。また、昨十日、山崎昇君が委員を辞任され、その補欠として栗原俊夫君が選任されました。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事に一名の欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に浜本万三君を指名いたします。(拍手)

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。  まず、厚生行政の基本施策について田中厚生大臣から所信を聴取いたします。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 社会労働委員会の御審議に先立ち、厚生行政について所信の一端を申し述べたいと存じます。  旧年は、わが国が久しく経験しなかったような景気の低迷に見舞われ、その余波は本年にも色濃く影を落としており、また、景気の回復後においてもわが国経済の基調がかつてのような高度成長から安定成長へと転換するため、従前のような大幅な財政の自然増収を期待することはむずかしい情勢にあります。  社会保障、保健福祉、生活環境の整備等国民生活に密着した厚生行政は公共資金に依存する度合いが強く、その充実強化はこれまで主として財政の自然増収のうちからこれらの分野への配分を拡大する方法によって行われてきたのでありますが、今後はこうした方法に大きな期待を寄せることは困難であります。  一方、人口の老齢化の急速な進行などの事情から社会保障関連施策への広範な需要は拡大を続けておりますし、また、現行の制度の普及、成熟などの理由によっても当然のことながら給付は拡大の一途をたどらざるを得ない趨勢にあります。このような事態に対し、引き続き財政資金の適正な配分の確保に努力することはもちろんでありますが、一つには、これまでの施策についても、関連諸制度の整理統合など効率的な運用を進めるとともに、新規の施策については、優先度につき厳しい検討を加え、また一つには、制度の充実に見合った国民の適正な負担を求めていくことが必要になっております。  昭和五十一年度予算については、前に述べたような困難な経済財政状況を背景に編成されたのでありますが、厚生省関係予算は、総額四兆七千三百九十二億円、対前年度比二一・三%増となっております。  以下当面の主要課題について申し上げます。  第一に、来るべき老齢化社会における社会保障の中核となる年金制度の充実であります。  厚生年金及び国民年金につきましては、前回改正を行った昭和四十八年以降の経済変動に対処するため、昭和五十三年度に予定される財政再計算期を昭和五十一年度に繰り上げて実施し、厚生年金については、年金額の引き上げ、在職老齢年金の支給制限の緩和、遺族年金、障害年金の通算制度の創設、遺族年金の給付改善などを行い、国民年金についても年金額の引き上げ、障害年金の改善などを行うこととしております。  なお、老齢福祉年金については、月額一万二千円から一万三千五百円に引き上げることといたしております。  次に、心身障害者等の社会的に弱い立場にある人に対する福祉の基盤整備の推進について申し上げます。  心身障害者の福祉については、在宅重度心身障害児・者緊急保護事業の創設、特別児童扶養手当及び福祉手当の増額等を図ることといたしております。母子保健及び児童の健全育成については、乳児保健相談事業の新設、都市児童健全育成事業に対する補助制度の創設等を図ることにより施策の充実に努めてまいります。さらに、母子家庭等に対する福祉施策の増進を図るため保育対策の強化、児童扶養手当の増額と支給対象年齢の引き上げ、母子及び寡婦福祉資金、世帯更生資金の貸し付け制度の充実等を行うことといたしております。  生活保護については、生活扶助基準を一二・五%引き上げることといたしております。  社会福祉施設については、今年度に引き続き、特別養護老人ホーム、心身障害児・者施設及び保育所を中心に計画的に整備を進めるとともに、施設入所者の処遇改善を図ることといたしております。また、保母等の施設従事者については労働条件の改善のために大幅な増員を図る等その処遇改善に格段の配慮をいたしております。  第三に、国民の健康の保持増進を図るための保健、医療の基盤整備の推進であります。  国民医療の確保を図るため、明年度においても医療機関の体系的整備を推進することといたしておりますが、特に、重症救急患者のための後方病院として新たに救命救急センターを設置するほか、休日夜間医療の確保を図るため、引き続き休日夜間急患センターの整備等を進めることにいたしております。  僻地医療対策については、僻地中核病院の整備の推進、無医地区への保健婦の配置の強化等を行うことにより僻地における住民医療を確保することといたしております。  また、公的病院等の特殊診療部門の充実強化を図るため、公的病院及び自治体病院に対する運営費の助成を強化することといたしております。  予防接種制度については、その対象疾病、実施方法及び予防接種による健康被害が起こった場合の救済制度に関し、その改善に努めてまいる所存でございます。  難病対策については、国立精神・神経・筋・発達障害センターを整備するほか、特定疾患等の調査、治療研究等を引き続き推進することといたしております。また、循環器疾患対策の拡充、精神障害者の社会復帰施策の推進等を図ることとしております。  原爆被爆者対策については、各種手当を増額するほか、新たに原爆病院に対する助成を行うこととしております。  看護婦等の養成確保対策については、看護研修研究センターの建設、看護婦養成所の整備の推進並びに運営費助成の充実、ナースバンクの拡充、看護婦等貸費生貸与金の増額を行い、また、夜間看護手当の引き上げを図るなどその養成確保に十分配意したところであります。  第四に、医療保険制度について申し上げます。  まず、健康保険制度の改正については、昭和五十一年度において、最近の経済情勢の変動等に対応するとともに、その健全かつ円滑な運営を図る見地から標準報酬の上下限の改定、一部負担金の改定、高額療養費自己負担限度額の改定等を行うとともに分娩費、埋葬料等を実情に合わせて改善するほか、任意継続被保険者制度の拡充を図る所存であります。  国民健康保険の助成の強化については、老人医療費の増高等によりその財政状況はきわめて厳しい局面を迎えておりますが、明年度予算におきましても、その健全な財政運営を図るため、保険者に対する助成の強化を図ることといたしております。  なお、診療報酬の改定については、昭和五十一年度予算案に九・一%の改定を盛り込んでおり、去る三月二十三日の中央社会保険医療協議会の答申に基づき、歯科診療報酬を除く診療報酬につきましては四月から改定をいたしているところであります。歯科診療報酬につきましては早急に日本歯科医師会推薦の委員が中央社会保険医療協議会に復帰され、答申が得られるよう鋭意努力してまいる所存であります。  第五に、生活環境の整備についてであります。  近年における生活水準の向上、都市化の進展等に伴い、水道及び廃棄物対策はきわめて緊要の課題であります。明年度においては、特に水道水源の確保と水道の広域化を積極的に推進するため、補助率の引き上げ等の補助内容の充実と所要の制度の改善に努め、また、廃棄物処理施設の補助内容の充実を図って、その整備を推進し、あわせて産業廃棄物処理制度の改善を行う考えであります。  次に、消費者の安全確保の問題でありますが、まず、食品の安全確保については、食品添加物の安全性の再評価の推進、試験研究及び監視体制の強化を図ることといたしております。また、医薬品、家庭用品の安全を確保するための対策の強化をさらに推進する考えであります。なお、医薬分業についてもその円滑かつ適切な実施を図ってまいる所存であります。  最後に、戦傷病者戦没者遺族等の援護については、遺族年金等の増額、支給範囲の拡大等を図ることにいたしております。また、海外戦没者の遺骨収集、戦跡遺霊巡拝、戦没者慰霊碑の建設等の事業を行うことといたしております。  以上が厚生行政の当面の主要課題でありますが、そのいずれをとりましても国民生活に密接な問題ばかりであります。  私は、皆様の御支援を得つつ、全力を挙げて取り組む覚悟でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) この際、川野辺厚生政務次官から発言を求められております。これを許します。川野辺厚生政務次官。

川野辺静自由民主党厚生政務次官

○政府委員(川野辺静君) 昨年末、はからずも厚生政務次官を拝命さしていただきました。今日までもごあいさつの機会がなく、大変ごあいさつのおくれましたことをおわび申し上げます。  いろいろ公私ともにお世話になっておりますが、今後とも御指導と御協力よろしくお願い申し上げとうございます。ありがとうございました。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 次に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず政府から趣旨説明を聴取いたします。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  廃棄物の適正な処理は、国民の健康の保護と生活環境の保全のために必要欠くべからざるものであり、このため昭和四十五年には廃棄物の処理及び清掃に関する法律を制定し、新たな廃棄物の処理体系の整備を図ったところでありますが、その後における産業廃棄物の処理の実態は、必ずしも適正に行われているとは言いがたい状況にあり、産業廃棄物の処理に関する事業者の責務の確実な履行を確保するための措置を整備する等廃棄物の適正な処理を図るための制度の改善を行うことが必要となっております。  また、廃棄物の適正な処理を図るため引き続き廃棄物処理施設の緊急かつ計画的な整備を強力に進めていくことが必要であります。  このような諸般の情勢にかんがみ、産業廃棄物の処理に関する規制及び監督の強化を中心に廃棄物の処理に関し当面速やかに改善措置を講ずべき事項について必要な制度の改善を行うとともに、現行の廃棄物処理施設整備計画に引き続き、昭和五十五年度までの廃棄物処理施設整備計画を策定することとした次第であります。  以下、この法律案の内容について、その要旨を御説明申し上げます。  まず、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正について申し上げます。  第一に、事業者がその産業廃棄物の処理を他人に委託する場合には一定の基準に従わなければならないこととするとともに、有害な産業廃棄物を生ずる一定の施設が設置されている事業場または一定の産業廃棄物処理施設を設置する事業場ごとに、産業廃棄物の適正な処理を行わせるため、産業廃棄物処理責任者を置かなければならないことといたしております。  第二に、産業廃棄物処理業、一般廃棄物処理業等について、その許可制度の整備を図るとともに、産業廃棄物処理業の許可を受けた者は、一定の場合を除き、その処理を他人に委託してはならないものとしております。  第三に、新たに廃棄物の最終処分場で一定のものを届け出を要する廃棄物処理施設とするとともに、都道府県知事は、廃棄物処理施設の設置等の届け出があった場合において、当該廃棄物処理施設が一定の基準に適合していないと認めるときは、その計画の変更等を命ずることができることとし、さらに設置後においても基準に適合しなくなった場合にも必要な改善を命ずることができることといたしております。  第四に、事業者及び産業廃棄物処理業者等は、それぞれ帳簿を備え、廃棄物の処理に関し所要の事項を記載し、これを保存しなければならないこととし、廃棄物の処理の実態の把握に資することといたしております。  第五に、都道府県知事または市町村長は、廃棄物の処分基準に適合しない処分によって、生活環境の保全上重大な支障が生じ、または生ずるおそれがあると認められる場合に、その処分を行った者に対してその支障を防除するための所要の措置を命ずることができることといたしております。また、産業廃棄物に関しては、委託基準に違反した委託によりその処分が行われたときは、当該委託者に対しても同様の措置を命ずることができることといたしております。  第六に、有害な産業廃棄物等の環境保全上特に問題となる産業廃棄物の投棄禁止に違反した者に対する罰則を強化し、委託基準に違反して産業廃棄物の処理を委託した者に対し罰則を適用することとするほか、罰則についても所要の整備を行うことといたしております。  次に、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正についてでありますが、厚生大臣は、昭和五十五年度までの廃棄物処理施設整備計画を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしております。  なお、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正は、公布の日から起算して九カ月を超えない範囲内において政令で定める日から、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正は公布の日から、施行することといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 以上をもって、趣旨説明の聴取は終わりました。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各般にわたる援護の措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回これらの支給額を引き上げ、支給範囲の拡大、新たな特別給付金の支給等を行うことにより援護措置の一層の改善を図ることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。  以下この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。  第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正でありまして、障害年金、扶養親族加給、遺族年金及び遺族給与金の額を恩給法に準じて昭和五十一年七月から増額するほか、障害年金受給者が死亡した場合にその遺族に支給される遺族年金等の支給範囲を拡大し、また、夫及び再婚解消妻等に支給される遺族年金等の支給要件を緩和し、遺族一時金の支給範囲を拡大することといたしております。  第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正でありまして、未帰還者の留守家族に支給される留守家族手当の月額を遺族年金の増額に準じて引き上げることといたしております。  第三は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、戦傷病者等の妻として受給した特別給付金の国債の最終償還を終えた時点で、当該戦傷病者等の死亡により戦没者等の妻となっている者に特別給付金を支給することといたしております。  第四は、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部改正でありまして、特別弔慰金として交付された国債の償還金について、その支払いの特例を定めることといたしております。  第五は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、特別給付金として交付された国債の最終償還を終えた戦傷病者等の妻に改めて特別給付金を額面三十万円十年償還の国債で支給することとし、また、満洲事変中の戦傷病者等の妻にも特別給付金を支給する等の改善を行うことといたしております。  以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 以上をもって、趣旨説明の聴取は終わりました。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 戦時災害援護法案を議題とし、発議者片山甚市君から趣旨説明を聴取いたします。片山君。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は、ただいま議題となりました戦時災害援護法案につきまして、日本社会党を代表いたし、その提案の理由を申し上げます。  さきの大戦で、米軍の無差別爆撃は、銃後と思われていた非戦闘員とその住居を、一瞬にして血みどろの戦場に変え、わが国全土の諸都市を、次次に焼き払っていきました。これによる一般市民の死者は沖繩を除いて約五十万人と言われ、罹災人口は実に一千万人を超すと言われております。  中でも、昭和二十年三月十日の東京大空襲は、わずか二時間余の爆撃によって全都の四割を灰じんと化し、炎の中で約十万の都民の生命を奪いました。その惨状はイギリスの一物理学者が「原子爆撃による荒廃化を除けば、いままでになされた空襲のうち最も惨害をほしいままにした空襲」(P・M・Sブラッケット「恐怖・戦争・爆弾」)と指摘するほどでありました。  しかるに、政府は戦争犠牲者対策を軍人軍属及びその遺族などわずか約十八万人に限定してきたのであります。昭和三十四年に動員学徒が、三十八年に内地勤務の軍属が、四十四年に防空監視隊員が、また四十九年には防空従事者がそれぞれ新たに対象とされるなど、若干の範囲の拡大はあったものの銃後の犠牲者にまで広く援護の手を差し伸べようとする努力は皆無に等しかったのであります。  ところが、たとえば同じ敗戦国である西ドイツでは、昭和二十五年に戦争犠牲者の援護に関する法律を制定し、公務傷病と同視すべき傷病の範囲をきわめて広範に規定したため、援護の手は一般市民の犠牲者にまで行き届き、その対象は実に四百十五万人(昭和二十九年末現在)にも上っております。  戦争犠牲者対策については(原爆被爆者に対する特別措置は別として)あくまで軍人軍属等に限定しようとするわが国政府の態度には、世界大戦の過ちを衷心から悔い改めようという姿勢が見られないばかりでなく、その態度のよって来るところが、軍事優先思想にあるのではないかとさえ疑われているのであります。  戦後三十年を経た今日、いまだに放置され続けている一般戦災者に対する国の援護措置を望む国民の声は一層高まっているのであります。  本案は、このような国民の要求を背景に立案されたものであります。  次に、本案の要旨についてでありますが、簡略に言うなら、さきの大戦で空襲その他の戦時災害によって、身体に被害を受けた者及び死亡した者の遺族に対し、戦傷病者特別援護法(以下「特別援護法」という)及び戦傷病者戦没者遺族等援護法(以下「遺族援護法」という)に規定する軍人軍属等に対する援護と同様、国家補償の精神に基づく援護を行おうとするものであります。ただし、遺族に対する援護については、遺族年金にかえて、一時金たる遺族給付金(九十万円)を支給することとしております。  援護の種類別に申し上げますと、第一に、療養の給付、療養手当(九千八百円)の支給及び葬祭費(三万三千円)の支給(支給要件、給付内容等、すべて軍人軍属におけると同じ第二、第三についても同様)であります。  第二は、更生医療の給付は、補装具の支給及び修理、国立保養所への収容並びに日本国有鉄道への無賃乗車等の取り扱いであります。  第三は、障害年金または障害一時金の支給であります。  第四は、遺族給付金(一時金として九十万円)の支給であります。その遺族の範囲は、死亡した者の死亡の当時における配偶者、子、父母、孫、祖父母で、死亡した者の死亡の当時日本国籍を有し、かつ、その者によって生計を維持し、またはその者と生計をともにしていた者といたしております。なお、遺族援護法による遺族年金におけるような、受給者が一定の生活資料を得ることができないこと等の受給要件は設けないものとしています。  第五は、弔慰金(五万円)の支給(遺族の範囲は、おおむね軍人軍属等におけると同じであるほか、金額その他軍人軍属におけると同じ)であります。  なお、この法律による援護の水準を、特別援護法または遺族援護法による軍人軍属に対する援護の水準と同じレベルにしたことに伴い、これらの法律による準軍属に対する援護でなお軍人軍属に対する援護の水準に達していないもの(すなわち遺族一時金及び弔慰金の額)について、同一レベルに引き上げる措置を講ずることにいたしました。  最後に、施行期間は、公布の日から一年以内で政令で定める日としております。  何とぞ慎重御審議の上、本案の成立を期せられんことをお願いして、提案理由説明を終わります。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び戦時災害援護法案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 私は、本日の委員会で産業廃棄物の改正法案と戦傷病者戦没者遺族等援護法等の改正案につきまして質問をいたしたいと思います。  まず最初に、産業廃棄物処理に関する法律案の改正に対しまして質問を申し上げたいと思います。  一昨年の六価クロム禍以来、産業廃棄物による公害が非常に大きくクローズアップされます中で、今回、政府が産業廃棄物に関する法律を改正いたしまして、その問題の解決に一歩を踏み出されたことについては、一応私は評価をするものであります。しかし、この改正案には幾つかの問題もあるように思われますので、以下、それらの問題について質問をいたしたいと思います。  厚生省のさきに発表されました調査によりますと、産業廃棄物は年間おおむね三億二千万トン、非常にたくさんな廃棄物があるということが報告をされておるわけでございます。そういう中で、特に有害廃棄物に関しまして、世論は排出業者の野放し的な状態を厳しく批判をしておるわけであります。そういう中で、行政当局におかれてもいろいろな意味で行政指導をされてきたところでございますが、現在の時点で果たしてその行政効果というものが上がって、少しは産業廃棄物が減少しておるのだろうか、あるいは依然として行政効果がなくて、あるいは指導に欠陥があって廃棄物はなくならない、そういう状態であろうかという私は疑問を持っておるわけなんですが、一体これまでどういう指導をされて、その結果はどんなになっておるかということをかいつまんでお答えをいただきたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 先生、御指摘ございましたとおり、廃棄物につきまして適正な処理に努めることはもちろんでございますが、最良の策は、私どもの立場からいたしましても産業廃棄物の量ができるだけ減っていくことが望ましいわけでございます。昨年とりあえず調査をいたしました廃棄物の総量約三億二千万トンということでございますが、これが減少傾向にあるか、あるいは増加傾向にあるかということにつきましては、何分初めて行いました調査でございますし、その後の時系列というものを把握いたしておりませんもんですから、数字的に申し上げることはできないわけでございますが、非常に大勢といたしましては、産業廃棄物の量というのは産業活動、言いかえれば工業出荷額等の推移に大体並行していくという形のようでございます。昭和五十年度は、御承知のような経済情勢で工業出荷額が若干の減少を見ておりますので、幾らか横ばい傾向かなという感じを持っているわけでございますけれども、そういった一般の生産活動のほかに、やはりなるだけ出さないような技術の推進、あるいは資源化再利用の促進というようなことによりまして、これの減少に努力をいたすべきだと思っておりますが、このような点につきましては、いずれもきょう、あす、急激に効果を発揮するというような性格のものでもございませんので、ただいまのところ、そう大きな産業廃棄物の量の急激な減少を期待するということは非常に困難ではないかというふうに理解をいたしております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 通産省の方、来ておられますね。——産業廃棄物を出すのは、さっき水道部長が答弁なさいましたように、何といってもやっぱり企業だろうと思いますが、その企業に対して産業廃棄物、特に有害な産業廃棄物を出さないようにということは、生産過程において行政が十分指導をなさらなきゃならぬというふうに思うのですが、世論の動向に応じて、通産省としてはこの問題についてどのような指導をなさっておられますか。

森孝通商産業省立地公害局公害防止企画課長

○説明員(森孝君) お答え申し上げます。  ただいまも厚生省の方からお話がございましたように、産業廃棄物は産業活動に伴いましてどうしても出てくるものでございまして、産業活動の健全な発達のためには、この処理が非常に重要な問題だと考えておりまして、通産省としては、第一には、産業廃棄物がなるべく出ないような生産システムをとる、たとえば無公害システムというようなものの技術開発もいろいろ推進すべく補助金等を出しまして努力しておりますが、しかし、これは一朝一夕に効果を上げるという問題ではございませんので、現実に出てまいります産業廃棄物をいかに環境汚染がないように処理するかというのが当面の非常に重要な問題だと思っております。  そういう趣旨から、一つは産業廃棄物の再利用、再資源化を推進するということで、なるべく出てきた廃棄物をもう一度利用するというのが第一点。それからもう一つは、出てまいりました廃棄物を無害化——害がないように無害化処理する等、適正な処理をするということで、処理設備の設置等につきまして、税制、金融上の助成措置をとる。大体以上のような方針をもちまして、それぞれの業種ごとに指導をしているという現状でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 厚生省の水道部長にお尋ねするのですが、特に問題なのは有害な産業廃棄物なんですが、これは六価クロム以来、厚生省としてもその実態を調査するように関係自治体に指示しておられるようでございます。すでに六価クロムの関係は終わったらしいんでございますが、その他の有害廃棄物全体の調査を早急に行わなければ、問題の把握をすることは私はできないというふうに思うんです。伺うところ、五十一年度の予算にはその調査費用がのっておるようでございますが、この五十一年度から調査にかかって、いつまでにその実態の調査が完了をし、かつその結果が集約して問題点が摘出できるのか、見通しについてお尋ねいたしたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 昨年秋、六価クロム問題が起こりまして、直ちに実はその年から着手いたしまして、この有害物質関連事業の調査につきましては、五十年度と五十一年度の二年度にわたるわけでございます。五十年度は年度途中でございましたものですから、便宜、環境庁等の調査費をいただきまして取りかかりまして、引き続き五十一年度は予算化をいたしてやると、こういうことになっております。したがいまして、まず初めにやりましたことが、全体のそういう有害物質を出す可能性のある事業場の数のリストアップ等から始めたわけでございまして、おおむね五十年度中に全数を把握し、その中で六価クロム関係の事業場、これは六価クロムだけじゃなくて、六価クロムのほかの有害物質も出すわけですが、その部分もあわしてその事業場の状況を調査する。それから六価クロム以外の有害産業廃棄物の関係につきまして五十一年度調査する。それからなお六価クロム関係事業につきましても、それらから出されました廃棄物が処分地でどのように処分されておるかという追跡調査もいたしたいと、その分も五十一年度に行いたいと、こういうことでございます。したがいまして、もういま進行中でございまして、着々進んでおりますので、遅くとも五十一年度中、私どもの気持ちといたしましてはできればそれよりも少し早い時期に調査結果がまとまるようにいたしたいと思っております。なお、五十年度調査をいたしましたものにつきましては、現在手元に来ておりまして、集計中でございますので、そう遠くない時期に中間報告ができると、かように存じております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 まあ、急いでこの改正案をつくったという関係もあるかもわかりませんが、そういう内容が十分把握できないのに、しかも法律の内容を読みますと、相当省政令にゆだねる点が多いわけですね。多少法律改正が少し焦り過ぎたんではないかと、こういう私は感想を持つものなんですが、まず、それについてはどのような感じを持っておられるかということが一つ。それからもう一つは、調査が完了いたしまして、先ほどのような。有害な廃棄物の実態が把握された場合には、恐らくこの新しい事態に即応する法律の改正がさらに必要なんではないかということを私は想像するわけなんでございます。その中で、特に有害廃棄物の処理については処理施設の義務づけをする必要があるんではないかというふうに想像しておるんですが、その点についてはいかがでしょうか。特に後段については、これは厚生大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、すべての実情を完全に把握し、あらゆる問題につきましての回答を出すというような意味での改正案に今回なっておるかということにつきましては、その感なきにしもあらずという感じを持つわけでございますが、私どもといたしましては、昨年問題が起き、かつまた現行の制度につきまして御批判をいただいたその内容を率直に見ました場合に、やはり現在の制度の中に明らかな不備があるということは認めざるを得ない。これらの点については取り急ぎまず改正をいたしたいということで、急遽昨年の秋から関係審議会等の御意見も徴しながら、今回の案を取りまとめたわけでございます。したがいまして、今回の案によりまして、すべて百点満点で後はもう問題がないかということでございますれば、そのようには考えておりませんので、引き続き各種の基本的な問題から検討と勉強を続けていかなけりゃならぬと、かように思っておるわけでございます。御指摘ございました施設の設置の義務化、この問題につきましても一応勉強をいたしたわけでございますけれども、やはり実態といたしまして、あるいは現在の制度といたしまして、処理業者の制度も認め、あるいは公共関与の道も開き、非常に零細な中小企業につきましては実態といたしましては共同化してやっていかざるを得ないというような実情等にかんがみまして、指導として先生の御指摘のような気持ちを生かしていくということは現行法に盛られておるわけでございますので、推進をいたしてまいりたいと考えておるわけでございますが、法律上の制度としてこれを義務化するということにつきましては、やはり慎重にならざるを得ないと、現時点においてはそのような判断に立っておるわけでございます。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いま浜本先生の御指摘、私はよくわかるわけでございます。しかし、当時、昨年の夏ごろの実態を考えてみるときに、私どもはやはり産業廃棄物の処理について法規制をいま少し強化をしなければならないというのが当時の世論でございました。したがいまして、問題はとめどなくあるということをわれわれも承知をいたしております。しかし、さればといって、これを完全なものにするためにじんぜん日を過ごすということはいかがかと、こういうことを考えましたものですから、当面どうしてもやらなければならぬものについて法律制度を整備をいたすという所存で実は取り組んだわけでございまして、いま水道環境部長も申したとおり、そうしたことを踏まえて、関係審議会の御答申等をいただき、当面どうしても急ぐものについての法律の整備をいたしたわけでございまして、この法律を実施していく過程においてさらにまた一歩を進める必要が私は出てくるのではなかろうかと思いますが、その節にはまた国会の先生方の御審議を煩わしたい。なお、このことについては、法律問題だけではなしに、行政上の問題についてもさようの問題が、いま先生御指摘のような問題もありますんですが、どれもこれも完全にと思いますると結局おくれてしまう。それよりはひとつやって、できるだけのことをやろうというのがわれわれの率直なところでございまして、問題の点はよく踏まえております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 要望として申し上げておくのですが、いずれにしましても、製造業だけでも六十五万事業場、それから有害物を廃棄する事業場が約一万七千カ所というふうに厚生省の資料でも出ておるわけなんでございます。特に有害物についてはすでに身体・人命に対して重大な影響を及ぼしておるわけでありますから、私はこの処理の施設については早急に義務づけをするような法整備を強く要望しておきたいというふうに思います。  それから、次の質問なんですが、現在の法律によりますと、廃棄物処理の方法としては、出すものがみずからこれを処理する、一人で能力がなければ共同で処理をするということ、それから次は、処理業者に委託をして処理をするということ、さらに自治体が事業主体になってこれを処理すると、この三つの工程があるわけでございますが、その工程に従って処理をされておる実情は、警察庁の公害関係調査で判断をしてみますと、きわめて悪いという結果になっておるわけです。四十九年度ないし五十年度二カ年にわたって警察庁がその結果の発表をされておりますのを見ますと、前者は千六百件余、五十年度が千三百件というふうに報告をされておるわけでございます。その原因はどこにあるかといえば結局排出業者及び処理業者が公害問題に対する認識が欠如しておるというところに第一の原因があると思うし、その結果、根本的には処理能力がいずれもないというところに大きな問題があるんではないかというふうに思うわけです。四十六年の法律施行以来、一体行政指導の結果あるいは世論の圧力によって事業者や処理業者の姿勢に、先ほどのお話では変化があったようなお話しになったんですが、私はどうもないように思うんですが、重ねて、この姿勢の変化があったかなかったかという点についてお尋ねしたいと思うんです。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 数字的な資料といたしましては、届け出部門が持っております産業廃棄物処理施設の数字の推移があるのみでございますが、これにつきましては、実は毎年ここ三年ばかり調べておるわけでございますが、逐年、年を追うて増加をいたしております。一番新しい数字で昭和五十一年二月現在で廃棄物処理施設は約四千八百五十という数字を数えるに至っておりまして、これは昨年の同時点に比べまして約八百程度の増加を見ておるということで、そういった限りにおきましてはやはりそういった施設を設置し努力していくという状況は進行いたしておるというふうに思うわけでございます。一般的な見方といたしまして、昨年の六価クロム問題以来この問題に対する非常な意識の高揚があったのではないかというふうに理解をいたしております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いま大分進んだと、四千八百五十カ所ほど設置されておるという話なんですが、これは一体三億二千万トンの排出量に対しまして何%程度の処理能力なんですか。特に有害廃棄物に対してはどの程度の処理能力を設置したということになるんですか。そういう点具体的に答えてもらいたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 実はその点明確に数字的に分析を了しておるわけではございませんのでございますが、おおむね三億二千万トン産業廃棄物が出るという、その内容を検討いたしますると、おおむね三分類ができるかと思うのでございます。約三分の一程度のものがいわゆる建設廃材、土砂といったようなものでおおむねそのまま埋め立て処分用に使われるというようなものが相当数あると思います。それからおおむね三分の一もしくはそれに近いような数字のものが資源化再利用あるいは他の用途への転用というような形でいっておるんではないかと、そうすると、中間処理その他によって処置すべきものはおおむね三分の一程度で一億トン程度じゃなかろうかというふうに私ども理解をいたしておるわけでございます。それに対応いたしまして、いまの四千九百の施設がどれだけの能力を持っておるかということにつきましては、なお今後調査を続け分析をしていかなきゃならぬわけですが、これには非常に困難が伴いまして、それらの産業廃棄物のうちそのまま処理してよろしいものと、必ず処理しなきゃならぬものと、そういった分類等を詰めてそれに対応するものとしての把握をしなきゃならぬということでございますので、現段階におきまして正確な数字を分析したものは持ち合わせておらないわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、この廃棄物の処理施設が現状で十分足りておるか、それで完全な処理ができる状態に相なっておるかということでございますと、私ども受けておる感じといたしましては、なおこれを増加させ、かつ充実をさせていかなけりゃならぬという認識を持っておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いまおっしゃいましたように、三億二千万トンのうち建材関係が約七千八百万トン、ところが汚泥五千三百万トン、廃酸、廃油等五千二、三百万トンというようにきわめて有害なものが大量に排出をされておるわけなんですが、そういうものの処理能力というのはどうなんでしょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 現在まだその的確な数字まで把握をいたしておりません。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 そういうところ一番重要なんですからね、もう法律を改正する以上はきちっとしてもらいたいという希望だけを申し述べておきたいと思います。  それから、処理業者の処理能力ですね。何か厚生省の資料によりましても、大部分は処理業者の処理にゆだねられておって、そしてこれは東京都の資料などによると七七%程度がもぐり業者で不適正な処理ないしは不法投棄がなされておるという報告がなされておるんですが、処理業者の能力というのは一体どの程度評価されておるんですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 東京都が処理計画をつくるに当たりまして調査いたしました処理計画の基礎といたしましては、先生の御指摘のとおりおおむね二割程度が事業者の自己処理になり、八割程度は一般の外部への委託というような状況にたっておるということでございます。一方、私どもが昨年来有害産業廃棄物の調査にかかっておりまして、いま何と申しますか、集計の過程にあるわけですが、その感じで受けますと、有害産廃の処理の大体の感じとしては自己処理が大体四四、五%、事業者処理の方が約五四、五%というような感じになるんじゃないかという感じを持っておるんですが、現在集計の途中でございます。  なお、先ほど申しました四千八百の処理施設の内容といたしましては、相当部分が事業者の施設ということになっておりまして、処理業者の施設といたしましては数の上におきましては一割程度という形になっておりますが、実はこれは数だけではなかなか判断できませんで、その規模とあわせて見なきゃいけませんものでございますから、いまその辺を分析をさせておる次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いまのような資料ですね、これはできるだけ早くひとつ手元にもらいたいというふうに思いますので、調製をした後、早急に提出してもらいたいと思います。  次の質問なんですが、事業者及び処理業者の処理の実態、能力を先ほど伺いますと、前の厚生省の資料に比較いたしますと相当能力が上がったという報告なんですが、しかしまだまだ不十分であるという答えになると思うんです。それで、そういう実態の中で、今回改正案を提案なさっておるわけですが、確かにこの改正案は先ほど申しましたように事業者や処理業者に対する規則や、それから処分あるいは処分に対する措置命令とかあるいは罰則などが設けられまして、改善はされておるとは思うんですが、この法律を施行したということで直ちに処理能力が急速に倍加するとは考えられないわけでございます。  そこで、通産省の方からは先ほどお答えをいただいたのですが、厚生省の方に重ねてお尋ねをするのですが、この充実強化ということを早急にもう図っていかなきゃならぬと思います。そのためどのような対策を今後推進なさるか。  それから特に中小企業の場合は経済力が非常に弱いという事情もございますので、共同処理の必要があると思うんですが、そのためには通産省と協力をしていただきまして、資金とか用地とかあるいは人材等の組織的な助成と指導というものが必要だと考えるわけなんですが、そういう点についてはどのような対策を持っておられるか、お答えいただきたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 規制を強化いたしますこと自体もそれなりに意味がございますし、また事業者の自己努力と申しますか、規制を強化されれば出さない努力に向かうという方向で、それ自体意義のあることだと思っておりますけれども、御指摘のとおりに、法律を改正をいたして規制を強化すればそれでもって直ちに処理が前進をするかというと、そうではないので、あわせて施策の充実に努めていかなきゃならぬという認識は御指摘のとおりございます。まあ事柄の性質上、産業廃棄物の処理施設、そういうものに対しまして、国等の税金からする直接の国庫補助金等の交付ということにつきましてはどうも問題があり、かつまた議論の分かれるところで、慎重にならざるを得ないと思うのでございますけれども、やはり施策といたしまして、金融上の措置あるいは税制上の措置、そういったものにつきまして従来にも増して努力をしていかなきゃならぬと思っております。現に今年度、昭和五十一年度におきましては、従来は一般の公害防止枠で実施しておったわけでございますけれども、公害防止事業団の中におきまして特に産業廃棄物用といたしまして枠を設定いたしまして、二百億の低利の資金を用意をするというような措置も講じておるところでございまして、今後とも努力を続けてまいりたいと、かように存じております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それから処理業者の育成強化のことなんですが、先ほどの処理業者の実態についてはお答えをいただいたのでややその能力が判断できるわけなんですが、全体として廃棄物処理をする場合には、最近、大臣からさっきお答えいただきましたように、最近の産業の動向から非常に高度な技術が導入をされておりまして、したがってわけのわからないような廃棄物も有害なものが出るということになっておりますので、特に高度な処理施設の設置ということが非常に必要なんではないかと、そうすると、それに対する資金は非常にたくさんかかるということもよくわかるわけでありますが、同時に土地の確保でありますとかというようなことも必要になってくると思うのです。そこでそういう問題についての政府の今後の対策、それからさっき中間処理ということが非常に重要だということを言われましたんですが、中間処理の今後の積極的な推進でありますとか、それから一番問題になるのは、最終処分地をどのように確保するかということが必要だと思うんです。そして、また同時にそれらの能力を持つような業者をどんどん育成するということも大変重要なことだと思うわけなんですが、そういう点について今後の考え方を聞きたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 私どもも御指摘のとおりに考えておるわけでございます。処理業者の育成につきましては、特に処理業者ということで分けませんで、先ほど申しました公害防止事業団初め中小企業金融公庫、国民金融公庫等政府関係機関におきましては、産業廃棄物の処理ということで事業者と同じ枠の中で処理業者に対しましても融資の道を講じ、また税制上も同じ立場で扱いをいたしておるわけでございます。  処理業者特有の問題といたしましては、ただいま申されましたような非常に技術的な進歩等が必要でございますので、厚生省といたしましても従来から実施はいたしておりますけれども、必要な講習会、研修会等の開催等を活発に行っていくというようなことをいたしたい。  さらに、先ほどの御質問の中で、ちょっと落としたわけでございますが、中小企業等の共同化の問題もいま調査をいたしておるわけですが、相当全国でも普及してきておりまして、現在把握しておるところでは約九十三の共同組織が産業廃棄物処理のために組織されております。そういった中には中小企業事業者と同時に処理業者も一緒に入ってやるというようなケースも見られるわけでございます。そういったことで、非常に規模が大きく、かつ技術的にも高度の処理を要するというようなものにつきましては、処理業者につきましても、その協業化の促進というようなこと等につきましても努力をいたしていかなきゃならないのじゃないかというふうに理解をいたしております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 少し細かいことを今度お尋ねするのですが、この法律を施行されまして、実施の間約九カ月以内ということでありますから相当の期間があると思うのですが、その間に現在すでに許可しておる七千幾つの処理業者がございますが、その業者の再点検をする必要があるんではないかと思うのです。つまり、すでに許可をしておる業者も、設備でありますとか、それから、この投棄の場所でありますとかいうようなものは、一定の期限を過ぎればその能力も消滅するということも考えられますので、この際、それらの業者に対して再点検をするということが必要だと思うのですが、この法律施行と同時にそういうことをなさるつもりがあるのかどうか、また、できるのかという点についてお答えいただきたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 法律上の措置といたしましては、すでに現行法による許可を受けておりますので、新法に、もし成立さしていただいた場合の改正法になった際に改めて許可を取り直すという措置を講ずることは、いわば既得権の保護という見地に立ちましても法律上の措置としては困難であろうと思っております。しかしながら、現在与えております許可は、非常に事業範囲等を限定し、かつまた、施設の種類等もきちっとして与えておりますので、そういったものの変更を行う場合には、今後どんどんやはり新たな許可を必要とするということになっていくわけでございます。さらにまた、過去の業者、今後の業者、共通する規制の面が生じております。たとえば廃棄物の排出状況等の記帳義務でありますとか、あるいは今後省令段階でも設定する予定でございますけれども、報告義務でありますとか、そういったこと等が生じておりますので、いわゆる許可業者につきましての御指摘のような指導は相当程度に可能じゃなかろうかと思いますので、御指摘の方向で努力をいたしてまいりたいと思います。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それからこれは排出業者の関係なんですが、改正案によりますと、事業者の記帳とその保存義務というのを今度規定しておりますが、これだけではどうも監視できないんじゃないか、むしろその上に定期報告の義務を課することが必要ではないかというふうに思いますが、その点なぜ落としたのかということについてお尋ねをしたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 定期報告につきましての必要性、実は事業者の数にいたしますと五百万、製造業だけでも六十五万ということでございますので、全事業主に全産廃につきまして定期的な報告をさせるということは、受け入れる側の事務処理体制の問題もございますし、かつまた、その産業廃棄物の実態からしても、その必要性は全体に及ぶものかどうかということは、なお検討を要すると思うわけでございますが、私どもの気持ちといたしましては、特に有害な産業廃棄物、こういったものについては定期的な報告が必要であると考えております。当初そういうことを検討しながら今日に至ったわけでございますが、法律的な問題といたしまして、省令によりまして定期報告を義務づけるということが可能であるという見解になりましたので、その措置は省令において随時行うつもりにいたしております。  なお、法律において報告徴収権が規定されておるのは従来どおりでございますので、これの活用等もあわせていくということで臨んでいきたいと思っております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 今度は別な質問なんですが、不法投棄に対しまして、改正案では回収などの原状回復の措置命令を出すことができるようになっておるわけなんであります。まあ生活環境の保全上重要な支障が生じたときには、都道府県知事が必要な措置を命ずることができるということは大変結構だというふうに思うのですが、また不許可業者などによる不法投棄に対しましても、委託した排出業者まで遡って同様の措置命令が出されるようになったことは、これは一定の前進だというふうに、私評価しておるわけです。しかし、この正規の処理業者による不法投棄については、排出業者の原状回復の責任が免責をされるようになっておると思うんですが、これは私どうもぐあいが悪いんじゃないかというふうに思うのですが、なぜそういうふうにされたのか、お尋ねをしたいと思うんです。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおりに、委託者が責めを負うべき事由がある、たとえば相手が正規の許可業者でない者に委託したときでありますとか、あるいは内容を知らしむべき有害産業廃棄物であるにもかかわらず、その性状を告げないで相手に委託したというようなことで、基準を守らないで委託した場合につきましては、排出者につきましても措置命令をかけるという立法になっておることは御承知のとおりでございます。その範囲を、正規の許可業者が正規の業務できちっと委託基準に従って委託した場合についても行うべきではないかという議論でございますけれども、この点につきましては、やはり現行法上廃棄物処理業者というものを、一つの廃棄物の処理をする独立の主体として設置をし、構成をいたしております以上、そこまでいくのはいささか制度として無理ではないかということでございます。もちろん委託基準以外の要素でございましても、一般の刑法の原則にございますような教唆でありますとか、共同正犯でありますとか、間接正犯でありますとか、そういった事情があって責めを負うべき場合には、一般の解釈に従って措置されると思うんでございますけれども、きちっとした成規の手続をして、きちっとした正規の業者に委託をいたしました場合におきましては、やはりそこで行為者責任の原則というものが働きまして、正規の許可業者がみずからの責任で処理した分につきましてはその処理業者に責任を問うということが法律上妥当じゃないかと、かように考えておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 世論としては、やっぱり出した者全部一蓮托生に考えておることは間違いないと思うんです。そこで、私は正規業者であろうと不許可業者であろうと、この排出業者を含めて連座責任を嫁するように改正すべきだと、こういう意見を持っておるわけなんですが、この点について、大臣からもう一回、ひとつ決意を伺いたいんですが、この法律を施行してみて、なおかつ問題があるとすればそういう方向で連座責任を嫁せるように検討する用意があるかないか、その点についてお尋ねしたいと思うんです。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いま浜本先生のおっしゃっておることは、立法の過程でずいぶんと考究も実はいたしたわけでございます。しかし、相手がいわゆる正規の許可業者であり、そうした資格のある者に委託をいたした。そして、その人間の資格を信じ、その者が正当にやってくれるということを信じてやったものについて、そうでなかった場合に、もとの委託業者にまでいろいろと規制をする、処罰をするということについては、やはり法律のたてまえ上無理があろうということで、このことはいたさないことになっているのは先生条文で御案内のとおりです。いささかの心配がないわけではございません。しかし、法のたてまえ上やはりこの程度にとどめておくべきものだろうということで、こういう立法をいたしました。今後の法の施行状況を見ていろいろと今後考究はいたしますが、とりあえずはこうしたことでいくべきものというふうな判断で御提案申し上げたわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 これは実態を見て早急に善処されることを希望しておきます。  それから、さらに中小企業の、経済力の弱い企業が無許可業者を通じて不法投棄した場合、これは仮に原状回復命令を出しましても、ないそでは振れないということで、そのまま放置されるんではないかという心配があるんですが、そういう点についてはどう対処されますか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 罰則なり措置命令というものは、それが現実に適用される事態を処置するということと同時に、やはりそういうものによって防除をいたす精神もあろうと思うわけでございまして、そういう意味におきましては、中小企業につきましてもこれは同様に適用されるということで、ぜひこれを理解をいたしていただきたいと思うわけでございます。必要な限度においてということでございますので、過大な措置命令等を中小企業等に課するというようなことはないように、運用に当たっては配慮していく必要があると思いますけれども、やはり中小企業といえども法違反、基準違反の行為をいたしたものにつきましては、それの必要な措置命令には従っていただかなけりゃならぬと、かように思っておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 これ、どうもはっきりした答弁をもらえないんですが、不満なんですけれども、時間がないので次に移りたいと思います。  厚生省は、昨年の九月だったと思うんですが、都道府県知事に対しまして産業廃棄物の実態を把握し、適切な処理計画を策定するように指示をされておるんですが、その作業が一体どのようになっておるかということと、それから作業の内容を聞いてみますと、国民が一番期待しておる保管、収集、運搬、中間処理及び最終処理等についての内容がほとんどなくて、まあ俗に言う作文的なものになっておるというふうな悪評があるんですが、その実態はいかがなんですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 実は昨年の秋の時点におきまして、四十七都道府県の中で処理計画をすでに策定いたしておりましたものは、二十七、八だったと思うのでございますが、一番新しいことしの三月現在ですでに策定を了しておりますものが四十七都道府県中三十五都道府県が処理計画を策定し終えております。残りの十二の府県につきましても、照会なり指導をいたしておるわけでございますが、いずれも作業の計画が進行中でございまして、あるいは地方公害対策審議会に現在諮問中であるというようなもの等も相当ございますので、おおむね近い将来には全都道府県が処理計画を持つに至る状況になると思っております。  第二に御指摘ございました、その処理計画そのものの内容の問題がございます。確かに都道府県によりまして精粗、具体化の度合いに差がありまして、非常に大綱的な、抽象的なものから中には相当具体的に決めておるものもあるわけでございます。これらのものにつきまして、一層その内容の充実、具体化ということにつきまして、私ども指導をしていかなきゃならぬということで、今年度実はそのための所要のガイドライン等の作成等もいたしたいということで考えておる次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 次はこの法律改正がされますと、その監視、指導の大部分の責任が地方自治体に移るわけなんですが、ところが地方自治体の実態を調べてみますと、昨年五月現在でたとえば環境衛生指導員とか、自治体担当職員というのは、わずかに三千七百人程度であると。そのうち専従者がわずか五百人程度だという報告があるんですが、これで果たして指導できるのかどうか。恐らくできないと思うんですが、その対策をまずお尋ねするのと、それからもう一つは、今度立ち入り検査をすることになっておるわけなんですが、特に立ち入り検査の範囲が広がりまして、工場事務所及び事業場内というふうに拡大をされて結構なことなんですが、問題は生産工程に立ち入ってどんな廃棄物がどれだけ出ておるかということをやっぱり把握しなければ問題の解決にならないじゃないかというのが従来の批判であったわけなんです。せっかくこの法律ができて立ち入り検査が広く行えるようになったとしても、従前問題のありました企業秘密ということで拒否される心配はないか。そうした場合にはどうするのかということがやっぱり問題だと思いますから、この点の御答弁をいただきたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 地方におきます環境衛生指導員等の職員の問題、確かに現状で十分であるとは考えておらないわけでございますけれども、御承知のような地方財政の逼迫している現状でございまして、急激に直ちにその大幅な増加ということも困難な事情にあろうかと思うわけでございます。地方交付税法上その算定をいたしているわけでございますが、五十年度並びに今年度の五十一年度引き続きましてそれぞれ一名ずつの増加ということで、非常に苦しい地方財政の中では配慮をいたしておるわけでございますけれども、その充実につきましては、引き続き努力をいたしますと同時に、現有の職員につきまして、その能力を十分に発揮ができますように、研修でありますとか必要な情報の提供でありますとか、そういったことにつきましては大いに努力をいたしてまいりたいと思っておるわけでございます。  なお、立ち入り検査の問題につきましては、御指摘のとおり、今度事務所、事業所一般に立ち入れることに改善をいたしたわけでございまして、御指摘のとおり、必要がございますれば生産工程にまで立ち入ることができるというふうに理解をいたしております。ゆえなくそれを拒否いたしますと、罰則がかかるということでございます。なお、必要の限度において立ち入るということでございますので、不必要に企業秘密をあばくような目的で立ち入り、生産工程に入るというようなことはこれはできませんけれども、廃棄物行政上必要があれば十分立ち入って差し支えないというふうに思います。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それから冒頭申し上げましたが、この改正案は後で政省令にゆだねておるところが非常に多いわけであります。したがって、内容が十分わからないということが審議に当たって私どもも思われる点なんですが、この点についてはすでに厚生省の方で決まっておるものがあると思うんですが、その決まっておるものがあれば、これは一々質問をし、答弁をいただくわけにいきませんので、後ほどひとつ文書で早急に出していただきたいということ。  それから今後審議会に諮って検討されるものもあると思いますから、それは何と何と何を審議会に諮って検討するとかいうように、いずれもひとつ問題を後に残しておるものは整理をしていただきまして、私どもにわかるような資料を提示してもらいたいということを要望しておきたいと思います。  それから通産省の方に最後にお尋ねするんですが、資源の再利用、それから中間処理の技術の導入ということは非常に重要だということをお話しになりましたんですけれども、その点についてこれは答えは要りませんから、さらに積極的な施策を推進していただけるように要望しておきたいというふうに思います。  以上で産業廃棄物の私の質問を終わります。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) いまの資料提出は、大臣よろしゅうございますか。——厚生省関係。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 調製いたします。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 通産省もよろしいですね。

森孝通商産業省立地公害局公害防止企画課長

○説明員(森孝君) はい承知いたしました。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それでは引き続きまして、まず最初に一般戦災者、戦争犠牲者に対する援護措置の問題についてお尋ねをしたいというふうに思うんです。  この戦争犠牲者の援護措置は、国と身分関係のあった軍人軍属に対して国家補償の精神で手厚く行われておるわけなんですが、同じ戦争犠牲者でも一般の国民については社会保障の体系の中で処理をされておるというふうに思うわけです。で、今回の大戦は、翻ってみますと国みずからの責任において戦争を開始し、終結をした事情があるわけでございますから、当然国は国の責任において一般戦災犠牲者に対する援護の措置を講ずる必要があるんではないかと思うんです。特に、戦後三十年たちまして、戦災者の方々が相当老齢化をしておりまするので、なお一層その援護措置は緊急であるというふうに思います。したがって、私は軍人軍属だけでなくして、多数の国民が空襲その他の戦時災害によって傷害を受けたり、または亡くなったりしておりまするので、その犠牲者と遺族に対して何らかの援護を行う必要があると思うんであります。先ほど片山委員からそういう趣旨に立ちましてこの一般戦災者の援護法も本委員会に提案をされておるようでございますが、これらに対しまして政府の見解を承りたいと思うわけです。これは大臣の方からひとつ。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 一般戦災者の援護措置についてはかねがね国会の内外で議論のあるところであります。政府といたしましては、従来これらの方々については一般の社会保障の施策の中でいろいろ措置をいたしてきたところでございます。しかし、なおいろいろな御意見がございますので、御案内のとおり、昨年全国身体障害者実態調査の一環としてこの種のものも調査をいたしておりまして、現在これについての集計点検中であるわけでございます。こうした調査の結果を踏まえてわれわれがどのような施策を考えるか、いわゆる一般の社会保障の施策の中でこれについて充実をしていく方向で解決をするのか、あるいはまた先生の御唱道するような方向についての施策を踏み出すか、その要否等につきましていろいろと検討をいたしたいとは思っておりますが、いまだに結論を得ていないというのが実情でございまして、大変歯切れの悪い答弁で恐縮でございますが、ただいまのところ率直に申してその域を出ていないというのが事実でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 まことに歯切れが悪いんですが、しかし、世論は相当別な角度でも国家補償の精神で救済をすべきだという意見が出ておると思うのですが、たとえば新しく法案として提出されますところの予防注射の問題なんですが、その予防注射の問題を審議される制度改正特別部会の牛丸さんが出されたこの答申書によりますと、この注射液の被害を受けた人についても国家補償的精神に基づき救済措置を講ずる必要があるというふうなこともすでに出されておるわけなんでございまして、注射禍の人ももちろん救済する必要はあると思うのでございますが、戦争犠牲者はこれは緊急不可欠なものでございますから、それ以上に私は早く国家の補償による救済措置を講ずる必要があると思うのですが、そういう点、世論の動向に照らしてもう一遍大臣のひとつ歯切れのいいやつを答弁をいただきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 一般戦災者にもいろいろな御要望がございます。この委員会でも申し上げたと思いますが、たとえば空襲で家を焼かれたとか、企業整理とかいうふうな、いわゆる主に財産並びに営業権等々をめぐっての補償措置を要望するものもございますが、これについては私どもは、もう財産上の問題は戦後三十年、かなりリカバリーがきいているものもございますから、これについては考えることはいたしておりません。先生おっしゃる戦災によって傷疾を受けた一般戦災者、この人たちについてどうするかということでございますが、いままでのわれわれの方の対策としては、こうしたものはやはり一般の社会保障体系の中で今日いろいろな傷害があればそれでやっていくということでございます。しかし、この方方の傷疾というものは戦争に起因をしておるのだから考えろということでございます。この点についてはいろいろ議論の分かれるところであります。別途また御審議をお願いをいたしますが、原爆被爆者に対する措置との関連もあろうと思います。こうしたことを踏まえてどの辺に落ちつかせるかということについてはいろいろ実は議論がございます。また現実に一体どの程度の施策をやるか、あるいはどの程度の対象があるか、財政負担はどのぐらいになるかといったようなことについても詳細の把握を現在いたしておらないわけでございますので、そうしたことをめぐりまして今後どういう方向でいくか、私どもとしてはいまここでにわかに結論を申し上げるという段階まで至っておりませんので、このたびはそういうことでひとつ御勘弁を願いたいというふうに思います。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 勘弁するというわけじゃございませんが、時間がないので次に進みたいと思いますが、なお一層ひとつ前向きで検討いただくようにお願いをしておきたいと思います。  いずれにしましても、そういう方針を立てるためには一般民間戦災犠牲者や傷害者や死没者等の全国的にわたる調査を必要とするというふうに思うんですが、それを国の責任でやられる必要があると思うんですが、その点はいかがでしょうか。これぐらいは前向きにひとつ答えていただきたいと思うんです。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいまのお話の戦災傷病者の実態につきましては、昨年度全国身体障害者実態調査の一環といたしまして、昨年の十月一日から十五日までの間に調査を実施したところでございまして、ただいま集計中でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 早急にひとつ具体的な調査をしていただくように要望しておきたいと思います。  次は、大久野島の毒ガス障害者の救済措置についてお尋ねをしたいと思うんです。これは旧令共済でなしに、旧軍人と旧軍族を除く動員学徒、それから女子挺身隊及び臨時人夫、これは厚生省関係の所管に属する方々の問題なんですが、これらの方々に対しまして、健康診断及び疾患の原因究明並びに治療方法の確立等いろいろ調査をされておるということを聞いておるわけです。私も四十九年度の報告書ではございますが、大久野島毒ガス傷害研究会の西本先生の出されたものを拝見をしておるわけですが、これによりますと、非常にたくさんの方々が問題があるということが報告をされておるわけなんです。したがって、政府がこれまで調査をされました状況につきまして、結果につきましてお尋ねをいたしたいと思います。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○政府委員(佐分利輝彦君) 旧令共済の組合員以外の方々の健康状態でございますが、私どもも現在のところは、先生がいま御説明なさいました四十九年度の健康診断の結果しか持っておりません。それで拝見いたしますと、やはり一般の方々よりも病気にかかっていらっしゃる方が多いようでございます。また西本教授が行いました別の精密調査の結果を拝見いたしましても、たとえば死産だとかあるいは周産期死亡、乳児死亡、こういったものも一般の方々よりも多いようでございます。ただこういうふうな調査は、対象を特定して実施いたしますと、どうしても有病率とか罹病率等が高く出てくるような傾向がございます。そういった一般的な傾向のほかに、旧令共済の組合員以外の方々もだんだんと平均年齢が上がってまいっておりますので、そういった老齢化の影響もあわせて考えなければなりません。そういう意味でさらに今後調査を続けて、一体一般の方々と厳密に申してどの程度健康状態などが違うかきわめてまいりたいと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 健康状態が一般の人に比べて悪いということは、いま局長の方からの答弁をいただいたんですが、西本教授の報告によると、問題なのは特に中でもがんが非常に多いと、それから遺伝の可能性もあるのではないかというようなことも報告をされておるわけなんでございます。そういう中で、お話しのように、相当老齢化をしておるということになってまいりますと、これらの方方の救済措置はこれ以上いまの状態で放置するということはよろしくないのではないかという考え方がいたします。したがいまして、早急になお実態を精査されまして、これは国家の仕事に従事して病気にかかった人たちなんでございますから、国家との因果関係もあるわけなんでございますから、特別な救済措置を国の責任で講じるように考えてもらいたいというふうに思いますが、この点、大臣いかがでしょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○政府委員(佐分利輝彦君) 先生のお気持ちはよくわかるのでございますが、旧令共済の組合員は確かに危険業務に従事いたしましたけれども、非組合員は当時から危険業務に従事しないように作業計画がつくられていたのでございます。ただ、やはりああいった特殊な環境で業務に従事しておりましたので、当時の動員学徒あるいは女子挺身隊員、そういった方々に大変な不安がございますので、国といたしましては特別な配慮として、予算措置をもって、四十九年度からは調査研究と健康診断を始めましたし、五十年度はさらに医療費の公費負担を始めましたし、また本年度は十月から原爆と同じような健康管理手当の支給をしようとしているわけでございまして、そのような特殊な非組合員に対する制度というような観点から、従来のこういった施策を今後も充実をしていけば、十分御期待に沿えるのではないかと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いまの状態では十分な期待に沿えないので、なお一層ひとつ検討していただきますように要望しておきます。  それから、五十一年度の予算の中で、健康管理手当ですね、これは何人でどのぐらいの額になるでしょうか、細かいことですがお尋ねします。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○政府委員(佐分利輝彦君) 新しい制度でございますので、実際に実施してみないとわからないのでございますが、一応本年度の予算としては百十名を対象にいたしまして十月から毎月一万三千五百円を支給するという計画になっております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 さかのぼってお尋ねするようですが、五十年度から実施したこの療養費の支給総額はどのぐらいになっていますか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○政府委員(佐分利輝彦君) 五十年度から実施いたしました医療費の公費負担でございますが、延べ人員でございますが二百十六人となっておりまして、金額は三十二万四千円となっております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 まあ、いずれにいたしましても重ねて要望しておきますが、早急に、特殊な事情にかんがみまして、この立法措置を考えていただくようにお願いをしておきたいと思います。  次は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の関係についてお尋ねをいたしたいと思います。  援護法の年金は国家補償の精神に基づくものでありますから、まあ私の考え方としては他の年令よりも手厚くすることがよろしいのではないかというふうに思っておるわけなんですが、その点お考え方を聞きたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいまのお尋ねでございますが、一般の公的年金につきましてはこれは社会保険システムによりまして所得保障を行っていると、援護法におきます年金はお話しのように国と身分関係のある者に軍事公務に対する災害補償というたてまえをとっておりますので、全額国庫負担でやっておるわけでございます。援護法の年金は恩給にすべて準じております。障害年金につきましては恩給と全く同様でございますし、遺族年金につきましてもこれは恩給の兵の年金に合わせてございます。そういう意味におきましては一般の公的年金よりも高い水準を維持していると考えられますが、なおこの点につきましては引き続き努力をしてまいりたいと存じます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 次は、先順位者の遺族年金は今回引き上げられまして月額五万円になっておりますが、後順位者の年金は月額二千円で、少しまあ低いんじゃないかと、こういう感じがするわけなんですが、この点については、なぜこのように低くなるのか、お尋ねしたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 後順位者の遺族年金は、恩給法におきます公務扶助料等の扶養加給と同様の性格のものでございます。で、扶養加給に比べて先順位者の受給者と別生計を営んでいる場合であっても支給されるという点がまあ恩給法と違っている点でございますが、額につきましては、恩給法の公務扶助料とこれに対する扶養加給をプラスしたものと、遺族年金の先順位者と後順位者をプラスしたものとは同額になっているわけでございます。したがって、先順位者の額と後順位者の額とを合わせたものでお考えいただくものでございまして、ただ、遺族年金の場合には後順位者が同一生計でなくともこれが対象になるという点が違うわけでございまして、なお、後順位者の年金額の引き上げにつきましては今後十分努力を続けてまいりたいと存じておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いずれにしましても、いまから核家族のようなことになりまして、同一世帯でない場合が相当ふえてきておるというふうに思うので、さらにその努力をひとつ要請したいと思うんです。私は、そのためには、今度標準的な厚生年金が九万円に改善されることになりましたので、少なくとも後順位者の年金もその半分の月額四万五千円ぐらいにすべきじゃないかという考え方を持っているんですが、先ほどはできるだけ努力をするというお答えなんですが、そういう具体的な考え方についてどのような見解を持たれるか、お答えいただきたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいまの先生のお考えでございますが、援護法の年金の場合には恩給との関連もございますので、その点も十分考慮しながら今後引き続き勉強してまいりたいというふうに思います。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それから、スライドの問題なんですが、援護法が先ほどのお答えのように恩給に準じて改善をされておるということになりますと、援護法の遺族年金も公的年金と同様に自動スライド制を導入すべきではないかという気がするんですが、これはなぜできないのでしょうか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) おっしゃるとおり、援護法の年金は恩給に合わせているわけでございまして、恩給年額の増額に応じて援護法の方も年金の引き上げをいたしてあるわけでございますが、現在のところ国家公務員の給与の年平均改定率以上の引き上げ率で参っておりますので、自動スライド制については直ちにあれでございまして、恩給法との関係を考慮しながら慎重に検討してまいるようにいたしたいと思っております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 恩給法との関係なら、いまのように自動スライド制をとっても何らはばかるところはないと思うんですよ。ですから早急にこれは自動スライド制が導入できるように改善をしてほしいと思いますが、大臣いかがでしょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) これは、援護年金はいま局長が答弁したように恩給の年額と同様のことをやっているわけであります。まあ自動スライド制を採用するということも一つの考えでございますが、いままでのところ、実際問題として、国家公務員の給与の平均改定率にならっているものですから、自動スライド制よりは実はこっちの方がよくなっているわけでございますので、にわかに自動スライド制になにするといささか不利になるということもあるものですから、したがってこういう措置をとっているのでございます。一定のところまでいったらそういったような先生のお考えもあるいは実現することが賢明かとも思っておりますが、当分の間、これが有利な方ということで、実はこういう方法をとっているわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 次は遺族一時金の問題についてお尋ねするんですが、内地における勤務関連傷病の併発によって、傷病によって死亡した遺族に対しまして遺族一時金を支給した方がよろしいんじゃないかというふうに思うんですが、この点改善をしてもらうことはできませんでしょうか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 遺族一時金の制度は、先生御存じのように、単に公務傷病があってそれによって死亡したということではございませんで、戦地の劣悪な状況のもとで公務傷病になった、しかしながら公務傷病の認定を受けないままに併発病で亡くなったというような方に対しまして一定の条件のもとに支給されるものでございまして、内地における勤務関連の場合には環境その他が違いますので、そういう、何といいますか、公務傷病の判断がつかないと、そういうふうなケースがございませんので、さしあたりはそれについては考える必要がそれほどあるとは考えられませんので、現在のところ傷病の対象にしていないというふうな状況でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 改善を希望して、次の質問に移りたいと思います。  戦傷病者の相談員及び遺族相談員の待遇改善の問題なんですが、今度の厚生省の案によりますと、手当が月額にして九百二十円程度で非常に低いんじゃないかというふうに思われるわけです。他の奉仕員、相談員等の資料をとってみますと、非常勤の他の相談員に比べましてこれは非常に低いように思うんですが、改善をすることはできないでしょうか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 遺族相談員の手当の点でございますが、私どももまことに僅少にたえないと思っておるわけでございます。この遺族相談員の方は民間の篤志家の方でございまして、すべて大体が遺族の方でございます。そして献身的に行政サービスと、御遺族なりあるいは戦傷病者との間の、何といいますか、仲介をやっていただいておる、そういった方々に対する経費でございますので、かなり努力してふやしてきているとは思いますが、御指摘のように今後もさらに努力を続けなければならないと思っている次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 さらに改善を希望して、次の質問に移ります。  未帰還者の調査究明の問題についてお尋ねするんですが、これは基本的には、未帰還者の調査究明を早急にひとつやってもらいたいということなんですが、特に、最近新聞紙上で報道されておりますソロモン諸島の中でのベララベラ島ですか、そこの未帰還者の問題が報道されておるわけなんですが、これは私の方の出身の広島県では、中国新聞などの報道もございまして、広島などの人が非常に多いんではないかということで大きな関心を示しておるわけでございます。  何かきょうのNHKの102だったと思いますが、ソロモン会の事務局長さんですか、厚生省の方がはかばかしい取り組みができないのか知りませんが、独自に二カ月間の調査に出発をすると、こういう報道がすでになされておるわけです。  考えますのに、結局、ああいう太平洋の孤島でありますと逃げるところがございませんし、しかもある程度マラリア等の病気も発生しない、食べ物があるということになりますと、相当の未帰還者がおられるということが、生存しておるということがもう想像できるわけなんでございます。そういう意味で、全体の問題はともかくといたしまして、当面きわめて大きな問題になっておるベララベラ島の救出問題についてどういう考え方を持っておられるのか、具体的にひとつお答えいただきたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ベララベラ島につきましては、実は昭和四十八年の五月に政府の遺骨収集派遣団が行っております。ベララベラ島に参ったわけでございますが、そこで遺骨収集に従事したわけでございますが、その際、今回情報のありました地域についても詳細に踏査しております。原住民の、現地の方々の案内で詳細に踏査しておりますが、当時は生存情報が全く得られなかったわけでございます。なお、先ほどのお話のソロモン会の情報につきましても十分に聴取いたしております。それから、当時ベララベラ島付近におりまして復員して帰ってきておられる旧軍人の方々のうち、代表的な方の御意見も伺っております。いずれにしましても、今回の生存情報はすべて、直接その生存者を見た方の情報ではございませんで伝聞情報でございます。しかしながら、ベララベラ島にそういった生存者が皆無であるという断定もできませんし、非常にあれでございますが、さしあたり、まず外務省に依頼しまして、現地公館を通じまして現地の情報の確認にただいまは当たっているところでございます。その結果によりまして必要な措置をとる所存でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 四月の二十九日ごろに報道されて、非常に大きな注目をされるようになっておるわけなんですが、いずれにしましても、それからもう一カ月余経過しておりまするし、しかも関係者の方が自力で出発をされようという時期なんです。私は無論外交上の措置、手続を講ずることも必要だと思うんですが、問題はやっぱり資金その他政府の援助がこの際必要だというふうに思うんですが、その具体的な措置は考えておられませんか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいまのソロモン会の方々が行かれるというお話は、実はきょうのテレビ、通勤途上でございましたので拝見いたさなかったわけでありますが、いずれにしましても、先ほど申し上げましたような在外公館を通じてのある種の情報をもし確認が得られれば、これはもちろん政府もやりますし、民間団体の御協力をいただいて現地に赴くこともあり得ると思いますし、また、あるいは前回のインドネシアの場合のように、相手方政府でやっていただくこともあり得ると思います。これはすべて、在外公館を通じて情報を入手した後そういう点について詳細に検討を加えたいというふうに思っておる次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 大臣、これはもう出発されるというのです、関係者が。だから、あなたからこれに対しまして前向きの援助の答弁をひとつしておいてもらいたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) ベララベラ島において旧日本兵らしき者がおるではないかという報道を拝見をいたしまして、この種の仕事をしている私としては大変心配をいたしております。事務当局に命じて、とにかくできるだけの調査をするようにということで、いま援護局長の言ったようなことを実はやってきたわけであります。連休明けの六日には、おっしゃるような、いま申したような、元あそこにいて作戦をやった復員者等についていろいろお話を聞きましたが、断定し切れないということでございまして、多分ないだろうがその可能性はないわけでもないという程度の話だったというふうに聞いております。そうなってまいりましたものですから、したがって外務省を通じて相手国に対して情報、調査等を依頼をしている。これが実は国が乗り出すためのワンステップであるというふうに私は聞いておるわけでございまして、この措置を踏んで相手方の対応を見てわれわれとしてはさらに一歩進める、このプロセスを経なければいろいろ問題があるということを聞いておりますので、それじゃそれをやりなさいと、こう言っておるわけであります。それに基づきましてわれわれとしては、国が措置をいたさなければならない場合には、過去においてもいろいろ先例があることでございますから、私どもとしては、もしそういう残留者がおるとすればこれはまことにどうも残念なことでございますので、総力を挙げてその救出に努力をいたしますが、いまその手順を踏んでいるというところでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 時間が過ぎたようですが、最後の質問、もう一つだけ。  実は、これは広島付近で、これも中国新聞等の報道で相当皆さん関心を持っておられるのですが、昭和五十年の暮れから五十一年の三月ごろにかけまして報道された中に、広島電鉄家政女学院の方やそれから日本製鋼の方、あるいは広島病院の方などの被爆公務死の問題がわれわれの注目を引いておるわけなんですが、これにつきましてはすでに関係者の方から厚生省の方に対しまして陳情もなされておるやに聞いておるわけです。で、その後この措置がどうなっておるかということと、私の見解では、まあ、いろんな問題はあろうけれども、ある一定の資料が提出をされた場合には前向きの姿勢で援護措置が講じられるように取り計らってもらいたいという希望を付しまして、現在の調査の状況、審査の状況についてお答えをいただきたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいまの調査の状況、審査の状況御報告でございますが、日本製鋼株式会社につきましては、遺族援護法による遺族給与金といいますのは、学徒が総動員業務に従事されて業務上死亡した場合に支給されるものであるわけでございまして、この日本製鋼株式会社の場合のように、休日あるいは非番時のように総動員関連業務に従事していなかった、あるいは自宅に在宅中のように使用者による拘束も受けておらなかったというような場合には業務上の災害として取り扱うことができないのではないかということでございますが、なお十分資料について調査をいたしたいと思います。  それから、次の広島電鉄家政女学院の件でございますが、この女学校は文部大臣の所轄に属する学校であったのかどうか、また生徒がその死亡の当時に学徒勤労令による動員学徒であったのかどうかという点について若干資料が不十分でありまして、現在文部省あるいは広島電鉄株式会社の保管資料について調査中でございます。近く同社、広島電鉄の職員の関係者の方が関係資料を持参しておいでになるということでございますので、その際十分に調査してまた後ほど御報告申し上げたいと思います。  それからもう一つの、広島医学専門学校附属病院のケースでございますが、これも、この方が防空法施行令四条ノ四の規定に基づく防空業務従事令書を交付されてかつ公共防空の業務に従事しておられたかどうかという点について、現在広島県の保管資料について調査中でございます。  これも、いずれも調査の結果はまた先生に御報告するように申し上げたいと思っております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 最後に大臣に要望申し上げるんですが、いまの電鉄の家政学校の問題につきましては、文部省令による学校ではないと。しかし県知事が認可したものであることは間違いないわけなんです。そしてやっぱり学徒動員のような形で、半分は勉強、半分は仕事というふうな状態であったということも資料で明確になっておりまするし、それから日本製鋼の場合にも、確かに勤務中じゃなかったけれども、戦時中のことでございますから恐らく休電日で休養等を命ぜられて拘束的な状況にあったということも感じられるわけでございます。  それから、広島病院の関係については、ある一定数についてはすでにこの援護法の適用を受けておるという事情もございまするので、先ほど局長から答弁をいただいたように、さらに精査をしていただきましてこれもひとつ前向きの形で取り扱っていただきますように最後に希望を申し上げかつ大臣の見解を承っておきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いま浜本先生おっしゃる三件につきましては、きわめて具体的な問題でございまして、私細かい調査の実態あるいはその法律との関係等について必ずしもつまびらかにいたしておりません。よく所管局を督励をいたしまして調査もいたし、また法の適用についていろいろと検討もいたす所存でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 先ほども浜本委員の方から産業廃棄物を中心とする質問をしておりますから、私は若干関連をしてお伺いをしたいと思います。  昨年六価クロムの問題が大きく表面化され、それを契機として今回法改正が急がれたという印象を受けますが、それは間違いありませんか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 事実はそのとおりでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 ということで、従来から問題があった法律について、これをさらに改めよう、こういうことで努力されたことはわかりますが、内容的にわれわれはこれを十分なものとして受けとめることはできません。と申しますのは、私は全国区で参議院へ来たのですが、生まれたところは徳島県阿南市なのです。ちょうど私の町の中に日本電工徳島工場がございまして、廃棄物処理について数多い私の村の人たちの陳情を受けてまいりました。国会がこのような形でまともに議論ができないまま、調査の案件がいろいろとできないままで過ぎてきたということで、非常に内心じくじたるものがある、こういうようなものであります。多くの陳情を受けてきましたし、現地調査にも行ってまいった関係から、若干のことについて、先ほど浜本委員の方から大きな問題点についてお聞きをしておりますから、私はその観点からお聞きをいたします。  これは経過措置のことですが、従前から産業廃棄物処理施設を設置しようとするときは事前に都道府県の知事に届け出が義務づけられていたのですが、その中で徳島工場のような六価クロム関係の鉱滓処理施設はその中に含まれていたでしょうか。いかがでしょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 六価クロムの鉱滓処理施設として届け出処理施設には従来なっておりませんでした。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは今度の改正では含まれることになるのでしょうか。と申しますのは、やはりクロム禍の問題は鉱滓処理の問題を含めてございますから、今回の改正にはいかがでございましょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 先生御指摘ございますので——実はクロムでございましても、汚泥の焼却だとか乾燥というのはもうすでに入っているわけでございます。汚泥の鉱滓の処理施設ということでございますので、十分検討をさせていただきまして、前向きに処理をいたしたいと思います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 省の方はそういうふうに正直にというか、まじめにやっていこうということわかりますけれども、ここでもやはり産業優先といいますか、鉱滓の問題、御承知のようにそれが飛び散りますと障害を、健康上非常に悪いということがわかっているわけです。ですから確かに汚泥の中に入るようになっておりますけれども、この六価クロムについて何々についてということで汚泥ということになっておりますけれども、私たちが知っておる限り、東京の江戸川でもそうですけれども、今日もなおそのいわゆる鉱滓の紛じんといいますか、そのものが散ったならばどうなったかということで大きな社会問題がある。先ほど申しましたように、クロム禍の問題が全国至るところで起こり、ことに労働基準監督署の方でいまきりきり舞いをして、ここに労働基準監督署ありと、皆さんのおかげでこんなことが起こってデビューしたような感じがあります。労働行政の中でも鼻中隔せん孔のような形で鼻に穴があくのが当然だと思うような状態ですね。こういう形のものでありますだけに、今回の改正でそうなっておらないとすれば、先ほど大臣が言いにくそうに、通産省に負けるとは言いませんでしたけれども、なかなかむずかしい、それは一挙にいかないような、今度の法改正についてわれわれは事業者にもっと責任を持つようにしてもらいたい、委託業者に責任を持つのでなくて連座制をと、こう大臣に言いましたね。そのときに、大臣は、いや、そこまではいかないけれども、ひとつそれはよく事情を見なければならぬ、いろいろ努力をしたのだとおっしゃっています。私たちは、工場というか事業主というか、そういうところで産業活動をしたから起こったのだから、その元凶ということ、元の責任はとるべきだと思っています。そういうことでさらに大臣、非常に失礼なんですけれども、この六価クロムの鉱滓問題について、さらに努力をしてもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 届け出を要しまする産業廃棄物処理施設の種類は政令で定めることができるようになっておりますので、ただいま先生が御指摘なさいました六価クロムの鉱滓の処理、ロータリーキルン等の還元焙焼施設等が中心になると思いますが、そういうものについて届け出義務を課するかどうかということは、この法律成立後における政令の段階で処置することができるわけでございます。御指摘の点を踏まえまして、政令に当たって検討いたしたいと思います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 親切に答えていただきましたから、大臣よりは明確だと思うんです。これはいま申されたのは、私が申し上げたのは、政令の中で十分に踏まえて判断をしたい、こういうことですから、そういうふうに受けとめて、ひとつ一層の国民の期待にこたえる厚生行政をお願いしたい、こう思います。それに加えて改正法では、処理施設の届け出に当たりまして最終処分場を届けることになっておりますが、これまで徳島工場のようなところでは処分場は届けておりましょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 現行法上は直接最終処分場の届け出制度がございませんので、届け出られておらない現状でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 これは厚生省の方の御理解を得ておるかどうかわかりませんが、六価クロムに関する新しい公害防止協定というものが徳島工場と徳島県の間で新しく結ばれたということを聞いておりますが、内容は御承知でしょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 公害防止協定が結ばれたということをちょっと聞いておりますけれども、現在のところいまその内容の詳細は承知をいたしておりません。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私はたまたまそのことについて不勉強でございまして、本日その書類を持ってきておりませんが、その内容が完全に実施されるならば、六価クロムの今回の問題は起こらなくなる、こういうような協定を、県当局と日本電工の会社との間で結ばれたと聞いておりますから、ひとつ厚生省の方もせっかく融資についても検討を加えてもらいたい。参考にしてやってもらいたい。省が違いますとやはりどうしてもこのあたり問題になりましょうが、しかし、こういうような産業廃棄物に対する問題を取り扱っているだけに非常に私は皆さんの行動を注意しておるのです。  さて、改正法附則第二条の経過措置によりますと、既設の処理施設や処分場については届け出の必要なく、したがってこの際将来に備えてチェックすることができないように読めますが、六価クロム禍をめぐる住民の不安を解消するためにも、既設のものについて、少なくとも有害産業廃棄物に関するものについて報告を求め、指導してもらうようにできませんでしょうか、お願いをしておきます。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 実はこの法律の規定が大変わかりにくうございまして、私どももちょっとそういう感じを受けるのでありますけれども、従来御承知のとおり、一般の処理施設は事前に届け出でて把握をいたしておるわけでございます。しかし最終処分場、埋め立て処分地につきましては、制度上届け出制度がございませんので、何とも把握ができないという状態になっておりまして、今回の改正法で最終処分場も廃棄物の処理施設と同じように届け出、事前審査をいたしたいと、こういうふうにしているわけでございます。  問題は、すでにもう発足をいたしておる廃棄物処理の最終処分場、それの届け出はどうするかということでございますが、御指摘のとおり附則第二条では、この附則第二条の従前のものはいわゆる最終処分場を含まない処理施設のことを書いておるわけでございます。そのすでに進行しております埋め立て中のこの法律施行前に発足をしました最終処分場の届け出の問題、これは実は大変わかりにくいのでございますが、法律の今度の改正案の第二十四条の二というのがございまして、この第二十四条の二の中で「この法律の規定に基づき、命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。」こういう規定があるわけでございます。実はこの規定が置かれました一番のねらいは、埋め立て処分を現在すでに行っておる処分地につきましても、この政令で届け出義務を課すことができるようにしようということで、この規定が置かれたわけでございます。なぜこういうふうにいたしましたかと申しますと、この届け出を要しまする最終処分場の範囲につきましては、一定のすそ切りをいたしまして、政令で届け出をすべき処分場の範囲を定めることにいたしております。したがいまして、その政令を定めるとき、この二十四条の二を受けまして、すでに発足しておる最終処分場であっても、これによって政令で届け出義務を課する、こういうことを考えておるわけでございます。  それからなお、法律上の措置につきましてはそうでございますが、御指摘ございましたように、有害産業廃棄物の処分地につきましての実態把握、非常に大事だと思っておりまして、けさほど浜本先生にも申し上げましたとおりに、五十年度、五十一年度、二年度にわたりまして、有害産業廃棄物事業場の実態調査をいたしております。その第二年度、五十一年度におきましては有害産業廃棄物がすでに処理された処分地の状況も追跡調査をいたしたい、かように考えておりますので、今年度中にその結果を把握することができると思いますので、所要の指導等に努めてまいりたいと思っております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 少し私釈然とできませんが、時間がございませんので、次に移ることにしますが、そこで今回の改正では、産業廃棄物の処理状況を記録をして一定期間保存することが義務づけられました。そして、有害多量の排出者に対して、有害の多量の排出者は、産業廃棄物処理責任者を置くことになっておるんです。せめて、有害の産業廃棄物の排出者は処理状況を定期的に行政庁に報告することを義務づける、いわゆる一般の廃棄物と違った意味で有害廃棄物に関する届け出の義務を定期的に行うように政令をつくるときに明確にできないか、これがどれだけの効果を生むのかと言う前に、そういうようなことがあることによって点検が速やかにできる。報告がなければこれはそれまでですが、報告がなければ違法ということで、そういう措置がとれないものかどうか、これはひとつお聞きをいたしたいんです。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のような有害産業廃棄物に対しまする一定期間における定期報告、これを厚生省令におきまして規定をいたす予定にいたしております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私の方からもう一度聞きますが、厚生省としては有害廃棄物を出すところについては一定のいわゆる期間を定めて報告を求めるようにされますか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) そのようにいたしたいと思っております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 政令、省令でこれから補っていかれるんですから、くどく聞いたのは、そうなりますと、行政当局の姿勢がどのようなものかによって非常に大きくこれが前向きになるか、混乱を起こすかになりますから、ただいま申しましたように、行政当局がたなごころを指すごとしとは言いませんが、有害の廃棄物を出すところだけは掌握ができ切れる、こういうような姿勢を強めていただけることについてさらに御努力を願いたいと思います。  そこで事業主責任と市町村の責任の問題について少しお聞きをいたしますが、産業廃棄物として排出者責任を問うことになっておるのですが、先ほど浜本委員の方から言いましたように、認可された処理業者に委託すれば免責になるというか、事業主は当然契約違反でなければよろしいということになっておるのですが、これはこれからの法が執行される中で私たちが申し上げた事業主と処理業者と一体的な責任を負うような仕組みにされることが大切だろうと思います。ですからこれは強く要請をしておきたい。先ほど浜本委員の方から何回かお尋ねをしておりますから、私からさらに詳しく申し上げることはどうかと思います。  それと同様に、一般の廃棄物ですが、第七条にあります市町村の担当ですが、収集、運搬及び処分が困難であるときは処理業者に委託できるとなっています。そうですね、市町村について。困難とは何かについて御返答を願いたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 事実上当該市町村の廃棄物の量、それから当該市町村における担当部局の体制、そういったものをにらみ合わしてやはり委託業者なり、処理業者にやらせていかなければうまくいかない、そういう事情が存在するという場合のことを指しておるというふうに理解いたしております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そうすると結局市町村の物的関係、人的な関係、設備の関係等、それに合致しないというか、それを処理することができないというような状態があるときには、ということでございましょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) そのように理解をいたしております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 実は地方自治体が生活環境をやはり整えるということに主たる大きな仕事があろうかと思います。ですから、このような問題についていわゆる処理業者をつくる、こういうことでなくて、みずからこれを実行ができるように、それも量が多過ぎてごみ戦争だという世の中ですから、そうですね。いま少し、いままで使い捨て、何とかかんとかがなくなったとか、言っておりますけれども、そういう形で私たちとしては業者に任すということについても市町村は免責をすることができない。もし一般の事業主が免責をするということについて先ほど当分の間続くようなことがございましたね。許可業者に任され、許可業者がやるところの廃棄物の処理については業者の責任である。しかし、地方自治体、市町村の場合は市町村が負うと考えてよろしゅうございますね。それは事業主という意味になりますか、いかがでしょうか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 一般廃棄物につきまして市町村が処理の責任を有するという立場は、事業主としての立場ということではございませんで、やはり行政主体と申しますか、管内の公共事務の処理の責任者という立場においてそういう責任を有するものではないかというふうに理解をいたしております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは市町村、都道府県がこれを立ち入り検査をするとか、いや監督をするとか言っておるのですから、まさか自分のところが頼んである業者が違反をしたらおれは知らない業者だなどと、そんなことは言わないでしょうね。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) したがいまして、行政の主体として市町村は一般廃棄物の責任を有しておるわけでございますから、みずからが許可いたしました処理業者に不適当なところがあれば直ちに許可の取り消しを行うこともできますし、所要の指示をすることもできるという法制に相なっておるわけでございます。いずれにいたしましても、市町村、地方公共団体というものは自分の管内の、そういった環境の保全というようなことにつきましての一般的義務を有しておるものというふうに理解をいたしております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それじゃ時間がございませんから、次の戦傷病者戦没者遺族等援護法に関係することで、療育手当は現在九千八百円で葬祭費が三万三千円ですが、今度の改正で政令としてどういう形に変わる予定でしょうか。——細か過ぎますか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 葬祭費の三万三千円が四万四千円、それから、もう一つの方が一万一千円に改正になるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 わかりました。  先ほど浜本委員の方から一般、民間の戦災者に対する援護について申し上げ、大臣から所信が述べられておりました。私は、結局あのときには防空法というものがあって、電灯を消したり、それぞれ火を消したりするような責任をお互い国民として持っておった、国土を守るということで。そういう人がおったからわれわれ戦争に行って帰った者も自分の家があったと思います。そういう意味で、実は銃後と言いますけれども、国のすべてが総力戦だということで、戦争のために犠牲になった。特に大臣も御理解を願いたいのは、体を傷め、そのときに、それから三十年間苦しんできておるということについて理解を示していただく、少なくとも医療の問題ということで具体的に一つでもこの民間の戦災者に対して御努力をかけていただきたい。きょうはですね、主題が援護法の問題でありますからこれ以上言いませんけれども、私たちとしては、日本の国民の中で、戦争の犠牲者の中でも戦争で体を傷めた者たちは、国の、公の命令が直接あったか、なかったかということでなくて、日本国じゅうの人たちが一億一心火の玉だ、こういうようなことで一緒になってやっておったということをもう一度思い出して、法律以上に強い隣組というものがございまして、にっちもさっちも、横へ向けないようになっておったんですから、自分たちの町を守るのはあたりまえだとやってきた、そういうことでありまして、大臣がおっしゃるように家が焼けたからそれを、営業しておった店がなくなったからその金を、そんなこと言っておるのじゃなくて、その人たちに対する十分な気持ちをあらわしてもらいたい。先ほど大臣は、いまにわかにそういうことについては賛成をするということはできないというか、意見が分かれるところだとおっしゃっておりますから、これ以上言いませんけれども、そこで、先ほど当局の方がお答えをしておりましたが、その戦災者に対する、戦災による傷害者調査について集計中である。去年の十一月にやりまして、間もなくできますとおっしゃっておるんですが、その中で、東京、大阪を初めとする都府県が参加しておるんでしょうか。一番戦災の多く受けたところが今度の調査については返上をされておると見ておるのですが、いかがでしょう。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 昨年行いました調査につきましては、先生の御指摘のように、東京その他相当数の都道府県が調査書の提出を拒んでおりましたために、全体としまして約六割の調査の結果ということになるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いや、六割はいいんですけれども、実は私がせんだって厚生省の皆さんとお話ししたときにお聞きしたのは、若干間違いがあるかもわかりませんが、東京や、あるいは神奈川、横浜、名古屋あるいは大阪、神戸、岡山の都市が包含されるようなところでは、おおむね県単位あるいは市単位ごとに、プライバシーを守るということやいろんなことで拒否をされて調査ができていない。ところがそこが一番、実は先ほども申し上げたように、東京ですと十万人ぐらいが一回に空襲で殺されてしまったということになる、跡形もない。申し出るにも申し出られない、もう死んでしもうたから。こういうようなことになっておるのですが、こういうところでいま調査をした結果どのようなものが出るだろうか、こういうことを考えますと、これだけの単独のいわゆる調査をなぜおやりになれないのか、こういうことについてお聞きをし、大臣の方から、先ほども御自分の気持ちを十分に述べておられましたけれども、何としても国民は、戦後の痛みというのは、体の不自由さ、こういうものは怨念になるものでありますから、これは正しく受けとめてもらい、あったかい省であるとともに、一般の社会保障だけで包み切れない問題を持っておることについても理解をしていただきたい、こう思います。  それで、まず初めの方のところで、大きな都市が、太平洋岸の多くの都市が返上しておるように思うのですが、どこどこが返上していますか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 太平洋岸で調査返上しておりますといいますか、調査ができなかったのは東京、埼玉、神奈川、静岡、京都、大阪、岡山、長崎の八都府県と、川崎、横浜、京都、名古屋、大阪、神戸の六市でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は省を責めることを、——きょうは責めようと思っておるんでありません。これについては、やはり十分に、私たちの願っておる調査は、それぞれの形で行われるならば非常に有効的だったんじゃないか、ですから、もう一度そういうことについてはお考えを願いたいですね。調査の結果は、それは参考にならないということを申し上げておきます。  だから、よってどうするかということについて、きょう御回答願うのには時間がございませんので、それぐらいにします。  ひとつ、その調査の結果によって、戦時災害を受けた、空襲によって痛んでおる人たちを探すことはむずかしい。一番たくさん、そこにおる人たちと思われるところが、調査について参加してもらえなかった、こういうことで、そこの県だけでももう一度改めて調査をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) この調査は個々の被災者を調べ出すという調査ではございませんで、抽出調査で、全体の傾向、傷害の程度とか被災状況、生活状況、そういったものを推定するための資料でございますので、現在集計中でございますので、その結果を待って次の措置を検討いたしたいと存じておるところでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いま、厚生省の意図したことが国民から十分に受け入れられなかったということについては、私は非常に残念だ。調査そのものが他の目的に使われるんじゃないかと憶測される、あるいはその結果自分たちの悲しみやつらさが政治の中に反映してもらえるんだというような信頼感がないことが、いわゆるこの拒否になったと思う。私は戦時災害援護法を出してほしいという人たちからは、何としても調べ上げてほしい、幾らおるんかわからないのにわれわれが大きな声を並べてもしょうがない、こんなこと言っておるんです。大臣、何でもしてくださいと言っておるのでないのです。いわゆる事態をよく調べて、全国的にわかってどうしたらいいかも聞きたい。しかし、私たちは軍人や軍属と同じように戦争を一緒にやったんじゃないんでしょうかと言っておるだけです。そこはそんな命令書がないよ、知らぬよと、こういうふうに、おまえは日本人だったかどうかわからぬよと言わぬばかりの態度はやめて、やはりそういう温かみを持ってしてもらいたい、こう思います。こう言っても、時間的にもう制約されてますから、次のことに移ります、お会いをする機会がまだありますから。これだめだということだけ言っておきます。いまの調査資料持ってきて、この間出しました、十一月からの、どうかこれでひとつ行政をやりたいと言っても、そんな肝心な太平洋地帯のベルト地帯が欠落しているような調査ではだめだと、こう申し上げるだろうと思います。そのつもりでおってください。  で、もう一度やり直した方がいい、こういうふうな言い方ですが、直すか直さぬか、御答弁を問いません。  さて、血液の問題ですが、私は昨年の三月、予算委員会で血液行政について、本来血液は薬品ではなく、人体の生きた一部のものである、こういう基本的認識に立って一連の血液事業ないし関係法制を改めるべきだと主張しました。質問しましたところ、田中大臣の方から、大筋君の言うことはわかるというお話しがございました。大臣も覚えておられると思うけれども、こういうようなことで、いまのいわゆる血液行政の中で、どのようになっておるかというと、輸血に際して、自己負担金を支給する方法について昨年の四月改善を見ましたけれども、一昨年に比べて昨年の状況はどのように改善されたか、これについてお伺いしたいと思います。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) 血液代金の自己負担制度を発足させましたのは、お話のとおり、四十九年度からでございます。そのときは申請手続が必ずして簡便なものではございませんでしたので、償還実績は予算額の三八%しかやれなかったわけでございます。  そこで、五十年度は前年度に引き続きまして、この制度、血液代金の自己負担金分については公費で見るというこの制度の趣旨を徹底をすると同時に、申請手続につきまして必要最小限度のものにするということにしたわけでございます。  具体的に申し上げますと、一つのやり方は、その患者さんがかかりました医療機関で、本人に申請はがきというものを渡しまして、申請が簡単に行えるようにするという方法が一つ。それからもう一つは、その医療機関の方から一括をして証明をしてもらいまして、それを血液センターが受け取りまして、血液センターから一括証明された患者さんに往復はがきで照会をして申請をしてもらう、こういった申請手続を簡素にするというやり方を採用したわけでございます。その結果、昭和五十年度の償還実績でございますが、四十九年度が四億五千万円でございましたのに対しまして七億二千万円というふうに、前年に比べますと相当大幅にふえた、こういう実績でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 実は、それでもそれぞれのセンターを見てみますと、余り成績が上がっておるようにせんだって見えなかったのですが、それはパーセンテージから言うとどのぐらいになりましょうか。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) 五十年度の給付の予算額に比べまして、六五・五%に当たるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そこで、実はこの周知方法について健康保険手帳の裏などに、この血液代金の取り扱いなどをいわゆる明文化して、明記をして、常にどのように請求したらいいかということをわかるようにする用意がございませんか。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) 御案内のように、血液代金の自己負担制度、他の医療費の公費負担の仕組みとは性格を異にするわけでございます。  端的に申し上げますと、一つは献血者の善意にこたえるということと、それから献血制度の普及を図るという措置でございまして、したがいまして所得制限も何もない、そういう仕組みをとっておるわけでございます。そこで、いまお話しになりましたのは、健康保険の被保険者証にそういうことが書けないかというお話でございます。現在、健康保険の被扶養者に絡む各種の公費負担制度もいろいろあるわけでございます。同時にこの健康保険の被保険者証と申しますのは、あくまでも被保険者としての資格の証でございまして、注意事項も、被保険者がそれを使う場合の注意事項が記載されておるわけでございますので、この注意事項に血液制度の周知を図ることを加えることが果たして妥当かどうか問題があるわけでございます。ただ健康保険の被保険者証に書くことにつきましては問題があると思うわけでございますけれども、この制度の周知徹底につきましては、厚生省としても日赤ともども引き続き協力をするつもりでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 母子手帳などでは公費負担のあり方を明示しておりますから、私は省の方が率先して、いわゆる自己負担のものが経減されるようになっておることについて宣伝をしてもらいたい、こう思います。と申しますのは、実は昭和四十九年の十一月に薬価基準として全血保存血液一本について三千九十円で決めまして、今日まできておるのですが、いわゆる血液製剤を一般の薬品と同様に考えることについては問題があります。血液センターではなくて、一般の医局、病院で輸血用の血液を調製すると、その技術料、材料費は何点となりますか。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) いまお話しになりましたのは生血を病院で輸血をした場合のお話でございますか。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 病院で輸血をする場合。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) いまの、ちょっと手元に資料、持ち合わせがございませんので。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それじゃ、実はこの血液型などの検査や採血作業、各種のいわゆる事後検査などを入れて、大体いま三千九十円という薬価で決められたお金に対して、四千七百六十円ほどになるというように私たちは試算をしてみました。血液センターとしてはそれ以外に、供血者のいわゆる募集のために百四十四円、それから供給体制、いわゆる運ぶ、配送するというような形で四百二十九円などを欠かすことができずに、計算をしてみますと、大体三千九十円以外に三千円程度多く要るようになろうか、こういうように考えるのですが、こういうような考え方に立って、いまの厚生省の考えておるやり方から言って、供血者の募集や検査の完全実施、配給体制の完備などについてどこにしわが寄っておるのか、それはどこになっておるのでしょうか。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) 先ほど質問を取り違えまして失礼いたしました。いまのお話では、輸血をする場合の検査等が何点ぐらいであるかという、これはいま赤十字がやっております検査を、診療報酬点数に置き直しますと四百四十六点ということに甲表の場合なるわけでございます。それで現在の保存血の代金三千九十円と申しますのは、薬価基準で、まず都道府県における購入価格が、保存血液の薬価であるというふうに決めておるわけでございます。そしてそれは日赤の全センターの平均製造原価というものをもとにして決めまして、そうして保険局の方から各県の知事に示しておる、これがこの三千九十円でございます。その中には、日赤の採血から製造、供給に至りますまでの人件費、それから供給に要する手数料等々とあるわけでございまして、どこがネックになっておるかというふうなことは、私余りないんじゃないかというふうに思うわけでございます。この三千九十円が妥当であるかどうかということにつきましては、これは四十九年の十一月から施行されたものでございますから、その後のいろいろな経費の推移を考えますと、検討を要する問題であるというふうなことにつきましては、認識をいたしておるつもりでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 時間が来てしまったのですが、局長、もう一度お聞きします。  三千九十円で、いまのままでいいと考えられない、改める必要が私の方はあると思いますから、どこが改めるべきか、こう考えたのですが、いかがでしょう、いまの情勢の中で昭和四十九年十一月に決めた三千九十円は、現状のままで妥当と思われますか。変える必要が私はあるということを申し上げたいんですが、検討されますか。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) 四十九年の十一月に施行されましたもので五十年度の実績を見てまいりますと、日赤全体で収支はとんとんでございます。しかし、これは五十年度の話でございますから、五十一年度になりますと、いろいろ検討しなければならない事項があるということは先ほどお答え申し上げましたように承知しておるつもりでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 実は技術料などについて是正をしてもらって、いま配送関係、供給体制も大変てんやわんやをしておるわけです。日赤のセンターが黒字とか赤字とかいっているのはよろしいけれども、実はことしの正月早々の新聞に、捨てられる献血などということを大見出しで書かれましたように、凍結血液をふやすとか、研究センターをつくるとかいうことで、厚生省は、政府は努力をしておることは事実でありますけれども、需要の多い血漿分画製剤ですね、これについてはやはりコマーシャルベースで、民間にやらそうとしておるんですが、せんだって私の方から申し上げたように、このことこそこれから医学の中で医療関係で一番たくさん使われる部分になろうと思うので、これは公的な機関でやってもらいたい、こういうように申し上げておきます。これをひとつ進めてもらいたい。  もう一つは、まだ輸入による売血を血漿分画製剤に使っておる、こういうことについては私はやめなければならぬですね。ことしの一月にライオンズクラブに対して日赤が外国からも血液を買って分画製剤をつくっていますというようなことを報告していますね。私はこの二つについて改めてもらいたい。先ほどの一本三千九十円というのについては、いまの情勢の中で十分でない、検討してもらいたい、これが一つ。いまの問題に出したのは、分画製剤について公的な機関でこれが行われて、民間の製薬会社に委任をする形はやめてもらいたい。もう一度申し上げますが、いかがでしょう。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) 血漿分画製剤の製造というのは、国によりまして赤十字で行われているところもございます、営利企業によって行われている国もあるわけでございます。日本の場合に、赤十字社に製造能力がございませんで、民間企業で行われておるわけでございますが、率直に申しまして、これまでの実績なり、設備能力、稼働が半分ぐらいだと思いますが、したがって製造そのものはこれにゆだねることが私は適当ではないかというふうに思うわけでございます。しかし、いまお話しになりましたように原料を献血でまかなっていきたい、輸入をするとかあるいは売血をするということは好ましいことではございませんので、原料を献血でまかなっていくということになりますと、国民の善意にこたえるという見地から、そのやり方について慎重な配慮が必要だろう。そこで一つの参考になる点としましては、たとえばアメリカなんかでは献血によって集められた血液というのを赤十字から民間の製造業者に渡しまして、その製品には献血による旨の表示をさせておる、こういう方法が行われておるわけでございますが、こういったことも一つの参考にはなるんではないかというふうに思っております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 最後、ちょっと時間おくれましたが、実はいま局長おっしゃることについては賛成できないんですが、民間で分画製剤をつくるということについては、血液は人体の一部であるという形から、これが公による機関できちんと管理をされなきゃならぬ。民間というのは利潤を追求することがこれが商売であります。そうですね。金をもうけて何が悪いんだといって丸紅が言うでしょう。丸紅の一家ですから、みんな、御心配なく。ですから、これはだめです。だめですけれども、あなたはやっぱりそれぞれの系統があって、筋があって、それを言わなきゃこれが勤まらぬから言うとるんだけれど、私は前から、そんなのだめだ、だめだと言っている。何遍でも言いますよ。国がそんなのにどかっと金を使って、国が経営をして、安心をして、そうして献血ができるように。  そこで最後に、このためには、上野の駅で集めるとか、新宿の駅で集めるとかいうようなことはやめて、健康で働いている職場で献血ができるように、勤務時間中に供血、献血ができるように、ひとつ運動を起こしてもらえんだろうか。できるということです。そんなに時間かからんです、あれは。二百ccくらい取って倒れるようだったら、もともと体が悪いんですから、これ。二百ccぐらい取れば、すっと頭がまたよくなるのですから。(笑声)ですから、人事院規則を改正をするなり、入れて、勤務時間中に献血をするというヒューマニズムだけは認める、このぐらいを、通達でもいいです、何でもいいから、ひとつ厚生大臣、私もいろいろ言ってきましたけれども、この献血についてのことを、努力をしてもらえんだろうか、いわゆる勤務時間中に献血ができるような状態をつくってもらいたい。これいかがでしょうか。

上村一厚生省薬務局長

○政府委員(上村一君) 現在献血されておりますものはほとんど勤労者でございます。したがいまして、いま御指摘のように、勤務の時間に献血車が参りましたようなときに、献血できる機会をつくるということはきわめて大切な話ではないかというふうに思うわけでございます。人事院規則の性格から申しまして、果たしてそういうことが妥当かどうかについては問題があると思いますけれども、公務員のたとえば健康安全週間等については、人事院の方から、そういった利便を職員に提供するように、通達が出されておるというふうに私聞いておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 大臣、規則をつくってくれと言っているのじゃない。国家公務員を含め、地方公務員を含めて、公の者が献血を普及するために率先垂範してほしい、たくさん役人おるのだから、どうでしょう。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 実はその話が出そうだということで、確かに調査不十分でございますが、けさほどそういう人事院の通達が出ているという説をなす者もありますし、現物が見当たらぬものですから、そうじゃないんじゃないかということもありまして、調べてみますが、もしなければ、そうした方向でいろいろ努力するように、人事院と相談をしてみたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 私は、廃棄物の処理関係について質問をいたします。  今回の改正につきましては、厚生省の努力は承知いたしておりますが、私たちはこういう今回のような改正では、きわめて不十分であるというふうに考えております。で、昭和四十五年、第六十四回国会で、従来の清掃法が大改正になり、現在の体制になった。あるいは昨年夏の六価クロム問題を契機として法の整備が強く要請されるようになった、こういうようないきさつ、あるいは今回の改正に対して、全国都市清掃会議というところから、本法案を早く成立させてほしいというような要請がきているという自治体の御意見も承知いたしております。しかし基本的に現在の法律体制、あるいは一部改正程度でごみ問題が解決がつくのか、つかないのか、私はつかない、そういう立場から、公明党としましては、修正案を提案することに方針を決めております。その内容をいま申し上げるわけにはまいりませんが、国及び地方公共団体の責任を明確に規定すべきであるというような点、あるいは資源として再利用するという、これをもっと強力に推進すべきであるというような点、あるいは国全体としての総合計画、特に最終処分地、これは国土利用計画等とも関連して国がもっと積極的に努力すべきであるというふうなことでございます。で、厚生大臣に、産業廃棄物の件で、かって委員会で意見を求めたところ、厚生大臣からも大変積極的な御答弁があったのでありますが、現状として、廃棄物の処理関係は、非常に、まさしくごみ戦争であるという実態には変わっておりません。  そこで、具体的にこれはテレビあるいは新聞等にも再三報道されております西多摩郡羽村町、瑞穂町、ここへ数知れぬごみが投棄されているという実態、これは地元の被害者の皆さんからもいろいろ要求が出ております。にもかかわらず、全く解決の糸口すらいまだにつかめておらない。  そこで、私は当局に最初尋ねたい点は、今回の改正によって、羽村町、瑞穂町の方々は幾らかでもごみ公害から逃れることができるのかできないのか、その点ひとつ御答弁いただきたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 先生御承知のとおりに、羽村の問題、東京都等における監視、指導の問題もさることでございますが、地方自治体といたしまして、現行法上の不備も一つの原因であるというふうに申してきておるわけでございます。その点も意識をいたしまして今度の法改正に当たったわけでございまして、その中心といたしましては、もうすでに御承知のとおりに、最終処分場と、埋め立て処分地というものを事前届け出に係らしめ、その構造基準、維持管理基準をきちっと決めるということを一つの目玉にいたしたわけでございます。今後につきましては、こういったものが効果的に働いていくことと存じておるわけでございますが、先生のただいまのお話は、現に進行いたしておる羽村、瑞穂地区の埋め立て処分地、これが今度の法改正によっていかなる変化を受けるかという点にポイントがあるかと思うのでございますが、先ほど片山先生にも申し上げましたとおりに、現に埋め立て処分が進行しております処分場につきましては、すでに発足いたしておりますものにつきましても、政令におきまして届け出をさせるということを第一に考えております。その点で法律上の規制下に入ることになってまいります。そういう意味で、その処分場が構造基準、維持管理基準等に沿わない場合につきましては、今度の新法——新改正案によりましては、是正命令を出すことができるという点が一つございます。そのほかに、一般的な問題といたしまして、従前の法令におきましては、いわゆる処理業者等に対しまする許可制度というものが非常に技術的事項に限られておりまして、いわば何と申しますか、許可基準というのが狭かったわけでございますが、今回法令違反あるいは犯罪あるいは不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者、そういった者につきましては許可を与えないことができるということをいたしておりますので、そういった関係処理業者の規制というものにつきましても漸次改善がされていくことと考えておるわけでございます。  そのほか、率直に申し上げまして、現に羽村、瑞穂におきまして環境汚染を来たしておるような事態がある。その事態に対しまする措置ということを率直に申し上げますと、今回改正案で織り込んでおりまする十九条の二の措置命令、これが現実の羽村、瑞穂における事態に対してかけられるかどうかという問題があろうかと思うのでございます。この法文の解釈といたしまして、私どもは、投棄された事実はこの改正法施行前でありましても、改正法施行前の基準に違反して投棄されておるということによりまして、現にただいま環境に支障を来たす事実が存在する、あるいはそのおそれが濃いという場合には、この措置命令をかけることができると、このように解釈をいたしています、法令上の問題といたしましては。  それからさらに、大変時間をとって恐縮なんですが、詳しく申し上げさしていただきたいと思いますが、現行法上は処理業者、事業者というような正規のルートに乗ったものにつきましては許可の取り消しでありますとか改善命令ということができることになっておりますが、無許可業者でございますね、あるいはすでに許可を失ったもの、そういったものに対する措置というのが抜けておるわけでございますが、今度の十九条の二という規定は何人に対しても一応かけられるということになっておりますから、無許可業者でありましても措置命令をかけることができるという法律上の内容になっておるわけでございます。そういう意味におきまして、法改正の内容は、法律といたしましては相当の対応ができるような内容に相なっておるというふうに理解をいたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そうしますと、ただいまの御答弁では、この羽村、瑞穂の地区の場合ですね、その場合、たとえ許可業者であって、しかも有毒物質でなくても、最終処分地の最終処分量に超過して環境汚染が生じているという場合は、これは規制できるということですね。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) その状態が現行法の処分基準に違反しておるという状態でなされておるということで現に支障を生じておる場合には十九条の二を適用することができると、このように解釈をいたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 いや、それが現行の基準に適しているかいないかというね——じゃ、この場合は、羽村、瑞穂の場合は現行の基準に適しているんですか、いないんですか、どう厚生省は理解しておられますか。  昭和三十九年ころから砂利採取のために穴を掘ったと。——厚生大臣、よくお聞きいただきたい。厚生大臣にも十分答弁していただきたいので、この写真をひとつごらんになっていただきたい。(写真手渡す)  そして四十三、四年ころから建築廃棄物がこの砂利の穴に捨てられるようになり、四十六、七年ころから産業廃棄物や一般廃棄物が捨てられるようになった。昭和四十五年の先ほど指摘いたしました法律改正、それを契機として、今度は四十七年ころから本件土地を借り受けて廃棄物を受け入れ、その対価を徴収して営業すると、そういうようなものが出てきたと。昭和五十年秋以降は廃棄物の山が地上にできるようになった。現在捨てられているものの中で最も悪臭を放つのは、青果物、汚泥、廃油、残飯、紙くず、動物の死体、化学薬品等である。で、自然発火がしばしば発生している。昭和四十九年には八回、昭和五十年にも八回。そうして、その廃棄物が埋められるに伴って、ネズミ、蚊、ハエ、カラス、ゴキブリ、こういうものが異常発生しているというような点。こういうようなことからして、現在の基準に合っているんですか、合っていないんですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 率直に申し上げまして基準に違反する部分が相当にあるというというふうに見ざるを得ないのではないかと思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そこで、基準に違反する部分が相当あるから、どうします。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 一般的には現行法上もそういう基準違反の行為のありましたものにつきまして、処理業者であればその許可の取り消しという行政処分をいたしますとか、その前段階として指導いたしているということでありますとか、事業者についても直罰規定はないものの、やはり処理基準を遵守すべき義務があるんだから法律を守りなさいということで指導をしていくことはできるわけでございますが、今度改正法におきましては、さらにそれを強化をいたしておりますので、それらにつきましてその支障の除去に必要な措置を命令するという権限がさらに強化されるわけでございます。そういったものを、いわゆる法制度の整備を踏まえまして、従来以上に強力な指導と監督ができるというふうに理解をいたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生大臣、厚生大臣はこの地区は行かれたことはないですね。行ってください、一度。これは「アサヒタウンズ」という新聞です。ここの「百聞は一見にしかずというが、」という、この実際現地を視察した他市の、ほかの市の市会議員の感想——「百聞は一見にしかずというが、「ただもう、ぼう然としてしまった。これほどひどいとは……。汚なさ、悪臭……いたたまれなかった。好きなタバコも吸う気にならなかった」」。しかも、捨てる方の側はどう言っているかといいますと、同じ「アサヒタウンズ」によりますと、立川市の清掃課長、この方の談話が出ておりますが、「問題のゴミ穴に責任は感じませんか。」という質問。それに対して、答えは、「そりゃあ感じてますよ。両町の地元のみなさんに本当に迷惑かけています。ただ、いま1番問題になっているのは自治体が出す一般ゴミではなく、全体の7割に当る企業の産業ゴミですよ。それをいっしょくたに、論議するから混乱するんじゃあないですか。少なくともうちの市では捨てる前に相当気を付けて焼却処理してます」というふうなことを言っている。つまり、捨てる方の側ではそういうふうに言っているけれども、現実この羽村、瑞穂地区の現状はこうだという。ですから、厚生大臣はどう感じられますか。それで各省庁の権限等があって大変むずかしい問題だというふうにおっしゃるでしょうけれども、それならば、厚生大臣なり水道環境部長なりが現地へ行ってどれほどひどいかということをまず見てくることです。そうした上で各省庁に対して、そういうようなことを言っていると日本国じゅうこうなるんだぞということをよく伝えるなり、そうして対策を立ててほしいと思いますが、大臣いかがです。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いま仰せの場所については、私行ったことはございません。まあ小平先生から承るところによるとまことに遺憾な状態であるようでございます。いずれにしてもこれを改善しなければならないということのようでございます。したがいまして、実態を把握せよということでございますので、役所としてはできるだけ速やかに実態を把握するようにいたします。ただ、私自身行ってこいというんですが、毎日国会で本当にとても夜以外は体がフリーになりませんので、場合によっては担当局で調査をいたし、その報告に基づいていろいろと対策を立てたい、かように思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 たったいま地元の人たちが来られてお聞きした中でも、これだけごみ問題というものが世間でも問題になり、あるいは、ようやく厚生省も法律改正をしようと、国会でもこの廃棄物処理関係の法案の審議をしようということでありますが、一体、この地元の皆さんごらんになっていて、少しは業者も自粛するとかあるいはごみが減るとかいう傾向にありますかと尋ねましたら、減るどころではない、最近は景気が上向いてきたせいか、かえって量がふえてきているということです。  そうして、御承知かと思いますが、四月二十八日には仮処分の申請を出されております。私が先ほど申しました経過は、この仮処分申請の内容を申し上げたのでありますので、裁判所でこれから審理される書類ですから、誇張とかそういうものを抜いたお話なんです。ですから、一体、厚生大臣の答弁としましても、ただ実態を調べてから検討しますじゃ困るでしょう、現に被害を受けていらっしゃるんですから。ですから、部長さんのお話だと、現行法でも相当の違反行為があると思うと言われるんですから、大臣、早速もう処分していただきたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いま先生、見てからどうのこうのと言うんですが、見ろと、こう言うんから見ましょう、こういうことを申し上げたわけでございまして、他意はございません。別にスローモーにやろうということで申したわけではございませんで、先生の御要請に率直にお答え申し上げたわけであります。しかし、そのことと現状を是正することとはこれ必ずしも同じ問題ではございません。実態が先生おっしゃるとおりのようでございますから、これについては是正をしなければならないということを、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。  いま水道環境部長が御答弁申し上げましたとおり、現行法でもある程度の措置はできますし、また、本法案が成立をいたしますればなお強力な措置ができることと思いますが、いずれにいたしましても、東京都を指導して、督励をいたしまして善処をいたすことにいたしたい、かように思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 問題はその東京都ですが、東京都は何をやったというふうに報告していますか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 訴状の事実経過にほぼ間違いないようでございまして、同時に進んできておるわけでございますが、正確でございませんが、やはり当初、四十年ごろから建設廃材等でそう有害なものでないようなもので砂利穴を埋めてきたということで、そう大きな問題意識を持っておらなかったんだろうと思うのでございます。そのうちに、昭和四十七、八年ごろから、処理業者の数その他にいたしましても二百に余るような業者が入り乱れてここに投棄をするというような事態になり、非常な公害問題になってきたということで、最近におきましては非常にその問題に意識をいたしまして、都並びに関係市町村の職員が協力をし合いまして常時監視体制をつくりますとか、そのようなことをやっておると。なお、その関係業者で非常に悪質なものにつきましては、昨年の秋以来何件かの許可取り消し処分等も行っておるというようなことを申しているわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 その常時監視体制です。それも私も都の係の方から、係官を派遣し云々というお話を聞きましたが、実際被害を受けていらっしゃる方に聞いてみると、そんな監視員が来たのを見たこともない、それから、仮に監視員が来ているとしても、都の監視員なり関係市の監視員なり来ているとしても、ごみはふえる一方だから何の役にも立たないということであります。ですから、これはもうもっと根本的に、常時監視体制をとっているからそのうちにというような問題じゃないです。根本的にもっと、私はですから国土利用計画とかあるいは資源再利用とか、そういうような意見を持っております。意見を持っておりますが、それを待っておれないわけです、現実に。今日いまの時点でも大量のごみが投棄されているんですから。そしてこれからは梅雨どきにもなる、その悪臭、不潔、これはぜひとも梅雨どきに入る前にでも早急に手を打っていただきたいと思いますが、いかがですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 至急に東京都清掃局当局と連絡をとりながら最大限できるだけの措置を講ずるように努力さしていただきたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生大臣、最大のできるだけの措置といいますがね、少しはよくなったと、少しでもよくなったというふうに早く手を打つ必要があるでしょう。と思いますが、いかがでしょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 大変恐縮ですが、事案について私存じなかったわけでございますので、先生おっしゃるとおりであろうと思いますので、これについてはもしそういう実態であるならば、これはもうよくないんですから、東京都を十分督励してとにかく事態の好転を来たすように最大の努力をいたします。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生省の見解を承りたいのですが、今回の改正、それは処理業者の許可に関する部分ですね、それからもう一つは委託者の責任に関する部分ですね、それはそれなりの改善部分があることは承知いたしておりますが、私が先ほど来申し上げておりますことは、たとえば最終処分地をどう確保するか、これに対して最終処分場によってという、届け出をさせるということのみ答弁がありますが、実際問題、じゃ最終処分場が、最終的に処分されたその土地で同じようなことが起きてくる可能性があるわけです。ですからそういう点、最終処分地の確保、これはどう検討されましたか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) もう先生よく御承知のとおりに、現在の処分地の確保難という事態にはいろいろ原因がございますが、大きく申しまして、経済的な要因もございましょうし、それ以外に経済外的な要因もあると思うのでございますが、ただいまお話がございましたようなことで、総論的には処分地の必要はわかるけれども、いざつくろうといたしますると、周辺住民の方の公害問題、忌避したいというような気持ち、そういったいわば経済外的な感情の問題と申しますか、公害問題と申しますか、そういったことも一つのネックになっておる要素の一つであろうと思うわけでございます。規制の強化、最終処分場というものを事前届け出させ、構造基準、維持管理基準ということを厳しくしてまいります。これにつきましては規制の強化ということと同時に、その規制を本当に実効あるものにいたしまして、最終処分場というものの公害発生源としての、その何といいますか、義務をきちっとさせるというようなことを今度の改正案に盛り込んでおるわけでございますが、そのこと自体が適正な執行がなされていけば次第に最終処分地というものに対しまする御理解を得られるための一つのよすがになり得るんじゃないかというような期待も持っておるわけでございます。同時に、やはりこういった規制強化だけで最終処分場の問題、最終処分地の確保という問題が解決するわけではございませんで、あわせてやはり施策面の強化ということ等も実施をしていかなきゃならぬと思うわけでございますし、現にここ一、二年来の状況といたしましては、地方公共団体等におきまするその面に対する乗り出し方も相当にふえてきておるわけでございます。国といたしましても、金融上の措置でございますとか、そういったことにつきまして、あるいは最終処分場の守るべき技術基準の開発、設定でございますとかというようなことについて一層努力をいたしてまいりたいと思っております。今年度、五十一年度から公害防止事業団に特別枠を設定いたしまして、最終処分地に対する融資を正面から取り上げるということも、従来に比しまして一歩前進の措置であろうとは存じておりますが、こういった努力を今後も積み上げてまいりたい、こういうふうに思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生大臣は、こうした廃棄物処理に関係しまして、原因者負担ということが一方にありますが、国と地方公共団体は何をなさなければならないか、そういう点を御検討なさいましたか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 産業廃棄物については事業者責任というのがテーゼであるということは、先生も申されておるとおりでございます。私どももまたかくあるべきものだろうと思います。しかし、そうは言うものの、やはり実際面として産廃の適正な処理がそのようなテーゼだけを言っておっては解決がいたさない一面もあろうかということをわれわれも心配をしているわけでございます。かような意味で、公共がこれについて関与をいたさざるを得ない一面があることも私は否定をいたしません。その場合、この産廃の処理が適切妥当に行われるように、いろいろな点で側面からこれを助成をする、指導をする。つまり、事業者責任という旗印はこれを確立しながら、国がこれからこれを側面からいろいろと、スムーズに行われるようにいろいろお世話をし、また助長をするというのが基本の姿勢だろうと思います。そうしたことをめぐりまして、いま水道環境部長が申しましたとおり、今日まで金融面の措置とか、あるいは税制上の措置、あるいは技術開発といったようなことについてお世話を申し上げるということをやってきておりますが、なお、この面については、今後ともさらにこうしたことについての努力を拡充強化しなければならないというのが現実だろうというふうに思っておりまして、今後ともそうした面についてはさらに努力をいたす所存であります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ、努力をすることが第一に必要ですが、先ほど、また羽村、瑞穂地区に戻りますけれども、ここへ捨てられるものは公共団体からのものが相当あるわけですね。先ほど立川市のものを読み上げましたですがね。ですからそういう点、地方公共団体はそれなりの悩みを持っているわけです。羽村、瑞穂へ運ばなくても処理できる体制にあれば運ばないで済むわけですが、現実問題、羽村、瑞穂へ運んでいるというような悩みが一つあるという点があります。そこで、そうした地方公共団体に対しまして東京都を督励するとか、各市町村を督励するとか、行政指導するとかいうふうに言われるのですが、厚生省、所管の厚生省として何ができるか。まあ資源として再利用あるいは国土の利用計画、そういうような点は厚生省の範囲からは出る面が多いかと思いますが、かといって関係各省みんなここへ来てもらうわけにいかないわけです、実際問題。そこで、ひとつ責任のある厚生省がいかにして資源として利用する、そして廃棄物を減らしていく、全体の量を減らしていくための努力は具体的にどういう努力をされるか。土地、限られた国土、この限られた国土を、国土利用計画というようなものが最近発表になったようでしたが、そうした大まかな計画はさることながら、現実ごみはだれでもみんな出しているわけですから、そういう、国はどういう責任をとるかってさっきから言っているんですが、その国の行政なり——国会でもごみは出るわけですから、そういう場合、再利用計画なり国土計画なり厚生省の範囲から出ることがあったとしても、やはりごみ処理にどう取り組むかという、私は厚生省の姿勢が一番肝心だというふうに申し上げたいのですが、これに対して御答弁いただきたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) まず、廃棄物の最終処分地対策の問題でございますが、一般廃棄物の処分地に対しましては、数年来要求をいたしておりましたのですが、本年度やっと実りまして、新規の予算といたしまして、堰堤でありますとか、そういった施設、それから排水処理の施設、そういったものの施設に対します補助金というものが初めて芽を出したわけでございます。こういったことによって措置をいたしてまいりたいということでございますが、産業廃棄物の場合には、もう先生御承知のとおりに、PPPなり事業者処理の責任の原則というたてまえがございまして、なかなか国の補助金を出すというような形にはこれはなじまない性格があろうと思うわけで、どうしても国といたしまして金融上の措置でありますとか、あるいは公害防止事業団を通じまする措置の強化でありますとか、そういったことによって力を注いでいかなきゃならぬというふうに思っております。非常に困難な問題でございまして、一挙解決というふうな妙案はないわけでございますけれども、最大の努力を積み上げていくほかないのではないかというふうに思っておるわけでございます。なお、資源化再利用の問題、これはもうまさしく資源の有効利用という見地からいたしましても、もう私ども廃棄物の立場からいたしましても、ぜひこれは推進をいたしたいということでございまして、今度法案立案の過程におきましても、事業所管官庁との間におきましても完全にその意見が一致いたしておりまして、今後通産省とも所要の打合会を継続的にやっていこうじゃないかということ等も申し入れております。なお、法令上の措置といたしまして、現在そういった資源化再利用を促進いたします場合、それがやりやすいようにするために資源化再利用専門の場合の処理業者の許可は要らないことにいたしておるわけでございますが、現在四品目に限っております、昔からの伝統的なものに。しかしながら、最近こういった資源化再利用も相当進んでまいっておりますので、よく実態を調査いたしましてその道を広げると、これは省令でできますので、そういったことにつきましても事業官庁と打ち合わせをして大いに進めてまいりたいということでございます。もちろんこういった面につきましての技術開発でありますとか、そういったものについての国の責任は大きいわけでございまして、通産省におかれましても、工業技術院等で研究されますほかに、クリーンジャパンセンターを設立してその道に努力しておられるわけでございます。私どもの方におきましても、所要の財団法人等を設立いたしておりますので、そういった活動についても大いに応援をいたしてまいりたいと、かように存じております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生大臣に伺いますが、地方団体でこういう意見をよく聞きます。それは、産業政策は国がやっているではないか、廃棄物となれば市町村だと、あるいは都道府県だと、おかしいじゃないかと、産業政策は国が華々しく進めていく、さて廃棄物となれば地方団体だと、これは何とかもっと国が考えてほしいというその意見は、私は厚生大臣の立場からも言えると思うのです。産業政策は華々しく他の省が進める、さてごみとなると、廃棄物となると厚生大臣、さあどうしようかということになるわけですから、したがって、もっとこうした問題に対する厚生大臣の取り組み方、国務大臣としての取り組み方についてもうひとつ具体的にお答えをいただきたい。御意見を承りたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 先生おっしゃる意味がわかるようなわからないような気がいたすわけであります。で、産業政策について国が華々しくやっているではないかというのですが、まあ経済のかじ取りは確かに国がやっておりますが、しかし、個々の産業についてあれこれ内容に立ち至って具体的にこれを何というのですか、経営をなにしたり、あるいは具体的な計画を実施さしたりするようなことは自由主義国家であるたてまえ上これはやっておりません。まあ、しかし、そうした産業の政策に基づく産業活動の結果、産廃が出てくるということについては、これは当然のことでございますので、したがって、この産廃についていろいろ問題が出てきたわけでございますので、われわれはまあ、いろいろな問題がまず多々あるだろうと思いますが、とにかくできるだけ産廃の適切な処理のために法律を強化しなければならないと言ってここで法律を御審議を願っているわけであります。しかし、法律に書いておらない点についてもいろいろとやはり産廃の適切な処理を推進するための主要な官庁である私どもといたしましては、その他の点についてもいろいろと努力をいたします。また、関係各省庁ともいろいろと連絡をいたしまして、こうしたことがひいては産廃問題の解決のために大きく役に立つわけでございますので、そうしたことについても関係各省庁といろいろと連絡をいたしまして、よく産廃問題が解決するようにいたしたいというふうに思っております。  なお、いま国がいろいろやることについて、産廃問題は結局事業者の責任であるけれども、国があれこれやらなければならぬ側面があるということを申したのはさっき申したとおりでございまして、そうしたことと、各省庁との連絡強化といったようなことを含めまして、産廃問題の前進というものを図っていきたいというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生大臣、私も日本の産業が、通産省や経済企画庁が産業を経営しているなんて言っているわけではないわけ、ただ政策上のことを私は言っているわけですが、それで、先ほど来繰り返して、最初から繰り返していることは、国がこの廃棄物処理に対してどれだけの責任を持って何をするかということを言っているわけです。これは全鍍連——全国鍍金工業組合連合会ですね。——全鍍連の方々からの要望書によりますと、「処分地確保を地方自治体に義務づけること」となっておりますがね、果たして地方自治体に義務づけるということになるか。これは全鍍連の要望書ですが、そういう点、国は金融面のということ以外考えられませんか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 当面私どもが心がけておりますのは、そういった金融、融資の拡大でありますとか、自治体が行います場合の起債のお世話でございますとか、そういったものの技術開発でございますとか、そういったことについて努力をいたしておるわけでございまして、ことに、ことしから公害防止事業団については従来にも増した前進を見ておるわけでございますので、そういったことについての施策の充実ということで当面は考えておるわけでございまして、ほかに具体的にいまこうするというような案は直接はまだ出ておらないわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 いま委員長からの耳打ちで、もっと具体的な対策をはっきりさせるべきだということでございます。私もそういう意味でさっきから繰り返し繰り返しお尋ねしているんですが、なかなか具体的対策が出てきません。したがいまして、私たちとしましても具体的にどうするかというて、現にごみ公害に悩まされ続けていらっしゃる、特に、これから暖かくなる、暑くなる、梅雨どきになる。冬でも大変ですけれども、全く苦しい時期に入るわけですから、ですから、当方においても具体的な対策を検討いたしますが、ひとつ厚生省も大至急具体的な対策を出してほしい。そして大部分が基準違反だというふうにおっしゃっているんですから、大部分が基準違反で、しかも住民が迷惑この上ないんですから、それをそのまま、そのうちになんということはもう許されない。したがって、厚生大臣、大臣直接現地へ行くのは国会があるからと言いますが、国会は間もなく終わりますから……。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 終わってならよろしいのでございますが……。(笑声)

小平芳平公明党

○小平芳平君 これ一つの具体的なケースですから、同じことが各地にもう大なり小なり現在もある、将来ももっと大きなそういうことが起きないという保証はないわけですから、ひとつこの国会の終了するのはもう間もないわけですから、少なくともこの夏前とか、そういうふうな目標で具体案を出していただきたい、いかがですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いますぐ行けとおっしゃるから、国会中だからだめだと、こう言ったんですが、まあ国会が済んでもいいというなら、私もそう遠いところじゃございませんからお伺いいたしましょう。  それから、この種の廃棄物についての適切な措置が講ぜられるような具体策を考究せよということでございますが、法案作成の過程にもいろいろわれわれは考究をいたしましたが、なお成案を得ない問題もございますので、そうしたことをめぐってさらにひとつ検討もいたし、推進もいたしたい、かように思っております。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩をいたします。    午後一時五十五分休憩      —————・—————    午後三時二十八分開会

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  午前に引き続き、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び戦時災害援護法案を便宜一括して議題とし、質疑を続けます。  質疑のある方は順次御発言願います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは最初に廃棄物処理に関する法案についての質問をしていきたいと思います。  すでに午前の質疑でも言われておりますように、昨年の六価クロムによって環境汚染並びに人体被害が起こりまして、これを契機にして大変重大な社会問題になったわけでございますが、そういう中で廃棄物、特に産業廃棄物の対策の強化というのが焦眉の急になってきているという中で、会同の法案の一部改正については、厚生省としては大変御努力をいただいておるということがよくわかるわけでございますが、せっかくのこの法案改正に当たりまして、少しでもこれは本来の趣旨を充実させていくという立場で私ども幾つかの点でお伺いをしていきたいと思うわけでございます。  まあ、ちなみに考えて見ておりますと、特に産業の非常に急速な発展の中で公害問題という形で、大気あるいは水質等のたれ流しの問題が公害対策の問題という形で規制が強化をされ、一方では産業活動によって起こる廃棄物の処理、後始末というふうなことが大変な重大問題になっておるわけでございますが、両方がうまくいったという段階で、これは環境汚染あるいは公害というふうなものの解決のめどが立っていくというものではないかというふうに考えるわけでございます。そういう点で、私ども、最後にも申し上げたいと思うんですが、そういった点で、対策の強化のためにということで実は修正点についての大要等をお手元へ、皆さんにも差し上げておりますが、そういった点をひとつ強化をしていくというふうな立場で、少しでも、せっかくの一部改正の成果を充実をさしていきたいという立場でございますので、まず最初にお伺いをしていきたいのは、廃棄物というものの定義といったら大げさですけれども、廃棄物の定義に関する問題なのでございます。  廃棄物処理法の第二条の規定では、事業活動によって生ずる廃棄物と家庭から出てくる一般廃棄物との区別というのが不明確になっております。ですから、現行法では一般の廃棄物と同じ扱いを受けているという部分があります。ですから、事業系の一般廃棄物の処理について、そういうまさに事業系の廃棄物であるが処理としては一般廃棄物として扱われるという部分がかなりあるということでは、これは事業者責任、排出者の責任という点が非常に不明確になるという点、この辺をやはり明確にしていくという点が非常に大切ではないかというふうに考えるわけでございます。たとえば紙くずだとか木くずというふうなもの、これは法律の第二条第三項を受けて政令の第一条の規定によっては業種規定、業種による限定がなされておりますね。ですから、その限定された業種に含まれていないものというのは、産業系のそれらの廃棄物というのも全部一般廃棄物として扱われていくことになっている。そこに一つの問題点があろうと思うわけです。  地方自治体では、その問題は一つの重要な問題点になっている。たとえば、これは近くの実例によりますと、川崎市などでは日本鋼管、この日本鋼管の会社だけで毎日十五トン、これらのいわゆる一般廃棄物として処理をされていく廃棄物が出ているようです。この日本鋼管から出る一日十五トンの一般廃棄物扱いのものが、川崎市が収集、運搬、処分というのをやっている。もちろん手数料については一応条例で定めておりますから、これは五百円ないし六百円、品物によって徴収をしているようです。ところが、実際、自治体の側から言いますと、この十五トンなら十五トンのものの処理を考えてみますと、一トン当たり計算すると、原価計算して一万三千円から一万五千円くらいかかる。こういう大きな開きが出てきているというのが、財政危機で大変な事態に落ち込んでおる地方自治体の財政負担になってきているわけです。川崎市では一日当たり二百トン、こういった種類のものが、いわゆる産業糸の廃棄物が一般廃棄物として処理するという品物が約一日当たり二百トン出るというふうに言われているわけでございます。こういうものについて厚生省としては、こういったものの廃棄物の処理について、こういった種類のものについて、やはり産業系の廃棄物というものについては、やはり排出責任者の責任というものを明確にするという点がどうしても必要ではないかと思うわけでございます。もし、自治体がこれをやむなく処理をしなければならないという一定の経過措置もあろうと思いますが、そういう場合には少なくとも原価に見合うような手数料、そういったものが当然賦課される必要があると思うのですけれども、そういった点について厚生省はどういうふうに対処していこうとしておられるのか、その点が一点です。これは中小企業も含めてそういった問題は当然あるわけですが、中小企業については同じようにということを私ども主張するわけではありません。これは中小ないし零細企業においては配慮して対処しなければならないということは当然でございますが、一般的に言って一般廃棄物という中に産業系廃棄物が相当な量が混在をしているという事態をどのように対処していかれるか、この点、最初にお伺いしたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 先生ただいま御指摘のとおり、廃棄物の種類を大きく分けまして産廃と一廃、その一廃の中に事業系の一廃と一般家庭から出る一廃という、おおむねその三つのグループが存在するわけでございます。この産業廃棄物、一般廃棄物の区分の仕方、これ自体についても現在が完璧であるのかどうか、検討の余地はないかという問題がございまして、実は私どもこの法案を審議いたします過程におきましても一つの意見として出てきておるわけでございますが、何分にも非常に影響するところも大きく、かつまた詰めていかなきゃならぬ点もあるものでございますから、引き続いて検討すべき事項ということで、一つの将来の課題として私ども意識をしておるような状態でございます。  御指摘の一般廃棄物の中における事業系のもの、これにつきましては、もうよく御承知のとおりに、現行法におきまして、そういうものにつきましても、精神といたしまして、事業者が責任を有するという基本精神は現行法にうたわれております。具体的な措置といたしましては、必要がある場合には市町村が事業者に対しまして一定の場所まで事業系の一廃についてはまとめて運搬して持ってこいということを指示することもできるという規定もございますわけでございます。そういった運用等におきまして、ただいま先生の御指摘のようなこと等を体しまして指導してまいりたいと思うわけでございますが、手数料につきましては、御承知のとおり各市町村の条例によりましてこれを徴収することができるということになっておりまして、事業系の一廃につきましては、大都市におきましては徴収しておるところが相当あるようでございます。東京都の場合は一キログラム当たり七円というような徴収料になっておるようでございますが、そういった法の精神等に照らしまして事業系の一廃につきまして所要の手数料を徴収するということは可能であるし、かつまた適当であろうというふうに思っておりますが、その際、中小企業に対して何分の配慮をするということも、これまた適当ではないかというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 この問題は、後ほど関連してまたお伺いをいたしますので、引き続いてお尋ねをしておきたいと思いますのは、廃棄物の有害物質の項目ですね、今度の法案が改正をされるという段階で政令が当然一定の改正がやられていくんではなかろうかと思いますが、その中での重大な課題というふうに考えられますのは、有害物質の項目をどういうふうにするのか、その点を最初にお伺いしたいと思う。

堀川春彦環境庁水質保全局長

○政府委員(堀川春彦君) おっしゃるとおり、廃棄物の処理の中で有害物を含む廃棄物をいかに扱うかというのは、これは人の健康に直接影響する問題でございますから非常に重要な問題でございます。現在まで私どもといたしましては、有害物をいかに扱うかということにつきまして必要な調査研究を行ってまいり、専門家の意見も十分徴しまして、現在のところ九種類の有害物質についての特別の扱いというのを決めておるわけでございます。ただ、この過程で、そう一遍に適切な処分基準が決まるということになかなかなりがたいものもございましたので、私ども、先ほど申しましたような専門家の御意見も十分拝聴いたしまして必要な追加を行ってきた。たとえば、最近時点におきましてはPCBなどを追加をして、この三月から実施をいたすというようなことをしてまいってきておるわけでございます。いま指定をしております有害物質でそれでは尽きるのかということになりますと、必ずしもそうではございませんので、現在指定しております以外のものにつきましてもいろいろの角度から検討すべき物質というものは多いものであろうというふうに思っております。その点につきましては所要の検討を続けてまいるという考えでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いまお述べをいただいたのは環境庁の水質汚濁防止法の施行令第二条による健康項目の九項目がいわゆる廃棄物の有害物質という点で運用されているという御趣旨でございますね。これは当然だと思うんですね。水銀とかカドミウム、砒素、鉛、六価クロム、それからそれらの化合物ですか、それから有機燐、シアン化合物。今回、四月一日からでしたか、PCBと有機塩素化合物、それが加えられて九項目というのが該当するということになっているわけですね。これは私、厚生省に、特に大臣にお聞きしたいんだけれども、六価クロムで、六価クロムのあの被害を通じて非常に重大な社会問題化したという点をとらえて考えてみましても、環境汚染あるいは人に及ぼす健康被害というふうなことを将来ともに配慮していくということになれば、いますでに明らかにされている危険物質というものは、これは、有害物質というのは当然廃棄物の中の有害物質として対象範囲を拡大していくと、しておくということが、いまの科学水準で明らかな時点で拡大をしていくということがきわめて重要ではなかろうかというふうに思うんです。そういう点で厚生省のお考えを聞きたいわけですよ。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 結論的に申しますと、ただいま堀川水質保全局長から申し上げましたのと全く同じ考えで私どもおるわけでございまして、何分にも最終処分基準にかかわる問題でもございますので、環境庁ともよく連絡をとりながら御趣旨を体して対処してまいりたいと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私はこの際、法改正という立場で規制を強化していくという立場を本当に追求をするというなら、少なくともいまの現行のいわゆる健康項目と言われている九項目に加えて、すでに、水質汚濁防止法の施行令第三条に基づく生活環境に係るこの項目、いわゆる銅だとか亜鉛それから溶解性鉄とか溶解性マンガン、そういったものも含めて有害物質の中に加える必要があると思うのですけれども、これは政令……、当面の最小限度の処置としてそこまで拡大をされるというおつもりがあるかどうか、その点をお伺いしておきたいんです。

堀川春彦環境庁水質保全局長

○政府委員(堀川春彦君) ただいま特定物質を挙げてのこれは例示ではないかというふうに受け取ったんですが、そうでなくてそのものずばりでということでございますれば、いまおっしゃった物質のうち、まあ鉄についてはこれはそう問題はないんじゃないかというふうに思っております。残るところは亜鉛とマンガンということになります。亜鉛とマンガンは、これは生物にとりましてあるいは植物にとって必須の元素であると、微量には必ず要るものだということにはなっておりますけれども、しかし、大量にこれを吸入いたしましたり経口摂取をしたりした場合に、医学的に見て悪影響が出るということも、これは先生御専門ですから十分御承知だと思うわけでございます。そういう意味で有害物質という範疇に入れてお尋ねだと思うわけでございますけれども、私ども、この廃棄物を扱う上で、有害物質を含む特定の廃棄物として特別扱いをせにゃならぬということを考えますときには、その前提といたしましてまず第一に水を考える。といいますのは、廃棄物が——原則としては埋め立てでございます。海洋投入処分を認められる場合もございますが、水に溶け出して有害物質が何らかの機会に直接あるいは魚貝類等を経まして人間の体内に入ってくるということが人の健康に影響を持つわけでございます。何といっても水を第一に考えなくてはならぬと。そういうことになりますと、廃棄物の有害物質の特別の取り扱いをするという前提になるものは、やはり水についてそのような有害物質がどのように排出をされ公共用水域等でそれが含まれるという実態があるのか、そのレベルについて、一体どういうことになるのかということをまず調べてみまして、そうして、そういう角度から見て、必要があればまず環境基準——健康項目にかかわるものとしての環境基準を設定をし、それとの関連をもって排水基準なども設定をいたす。それと同時に、廃棄物につきましても、これは水に溶け出してそれが人の健康にかかわるという危険性を排除するという趣旨での廃棄物の特別の取り扱いを決める、こういう相互関連になろうかと思うわけでございます。したがいまして、ひとり廃棄物だけの問題じゃございませんが、じゃ、そのような物質——亜鉛とかマンガンとかいうものが水あるいは場合によったら粉じんになりまして飛散をして、そして、それが呼吸器の系統から体内に入る危険性がどの程度あるのか、どのくらいのレベルの摂取、蓄積が行われると人間の健康上心配しなきゃならぬような事態が生ずるのか。もちろん、それは安全率とか種々の医学的知見を十分踏まえた上でこの処理の基準というものを決めていくのが適当であるという考え方に立っておるわけでございます。これまでが抽象的な原理的なものの考え方でございますが、そういう考え方に照らして見た場合に、当面のところ、その亜鉛とかマンガンにつきましては、これは排出物の生活環境項目の方には入っております。これは、主としてどういう形で入っておるかといいますと、植物への影響、植物の成長への影響ということで農作物の減収が起こる、あるいは水産動物——魚に対して悪影響があるというような形でのことでございまして、その規制レベルというものは、排水基準におきましてもかなり低い。それよりもはるかに高いレベルの摂取が継続して行われませんと人体への悪影響ということはまず起こらないんじゃないかというようなのが現在まで知り得ておる状況でございます。ただし、これは、じゃ、心配が全然ないのかということになりますと、そこは慎重の上にも慎重を期する必要もございますので、たとえば、五十一年度におきましては、亜鉛につきまして調査費を計上いたしまして、亜鉛が環境水の中に一体どういうふうに排出されてくるものか、そのレベルはどうであるのかというような点、これは調査をしてみたいと思っております。そういうふうにして、特定のそういう重金属はとにかく体内に入ると危険なものが多いわけでございますから、私ども所要の調査を続け、必要があればその結論に基づいて環境基準なり排水基準あるいは廃棄物処理基準を決めてまいりたいという考えでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、当面は健康項目でいくと。その後は、いまおっしゃったように検討を進めていって、漸次考えていくということですね。

堀川春彦環境庁水質保全局長

○政府委員(堀川春彦君) 仰せのとおりでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、時間の関係がありますから、項目別にもお伺いしたいもんで、たくさんお尋ねしたいので次に行きますが、次にお伺いをしたいのは、廃棄物の中に混入する危険物あるいは毒物、劇物の対策、これは、特に、労働安全衛生法の施行令ですか、別表で規定をされている危険物というようなものは、これは消防法で規定をされているわけですね。違うかな、これ。その辺は一体どうなっているのかということが一つの心配事なんです。  すでに御承知だと思いますけれども、去る四月の十三日に川崎でいわゆる産廃物質の廃液運搬船ですか、むらさき丸というのが川崎の水江運河というところで爆発事故を起こして四人の死傷者を出したというのが新聞でも報道をされておりました。その原因というのが、いろいろ調査をされているようでございますけれども、数種類の揮発性物質が検出をされたというふうにも報道されていますし、これはまあ川崎の方の御意見でもやはりそういった揮発性物質のベンジンと同種類のような揮発性物質が含まれていたというふうなことも報ぜられているようです。こういうものの扱いについて、これは産廃物質の中に、あるいは廃棄物の中には入ってこないはずのものなんですね。そういうものがたまたま何というのですか、処理運搬の過程でこういう爆発事故が起こっているということになりますと、これはたまたまのことだというふうに考えられないと思うのです。これについてどういうふうに対処していかれるのか、これを最初にお伺いをしたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 先生申されますように、そのような爆発事故あるいは引火というような直接のそういう危険防止と申しますか、そういう見地での法律では廃棄物処理法はないわけで、廃棄物の適正な処理ということを主眼にした法律であるわけでございますが、御指摘のようなこともあると思いますので、実は廃棄物処理施設につきましての指導指針、運営指針というものの中では、通常の機能や維持管理と同時に、そういった作業に当たっての注意事項というようなことで、指導事項としてやっておるわけでございます。  御指摘の川崎の運搬船、船の場合につきましてそこまで思い及ばなかったわけでございますけれども、私ども、今後の処理業者等の指導に当たりましては、そういう点につきましても留意をしたい、何らかの工夫をいたしてまいりたいと、かように考えます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで、本来廃棄物の中にそういう危険物が混在するということになっていないという、法体系上そうなっているはずですね。  消防庁の方、来ておられますね。——どういうふうになっているのか。いまの危険物の取り締まりは消防法でやっておられると思いますが、現況ではそういう廃棄物に混在をしていくということにならないのか、なっているのか、その辺の御見解をちょっと伺いたい。

永瀬章消防庁危険物規制課長

○説明員(永瀬章君) お尋ねの件でございますが、消防法の範疇におきましては、いわゆる別表に定めております危険物というもの、引火性のもの、発火性のもの、これを対象といたしまして保安の見地から各種の貯蔵、取り扱いの規制を行っております。それで、消防法に基づきます政令、省令の基準の中に、危険物の取り扱いの問題の一つといたしまして、たとえば一日一回以上くずかすを安全な処理をしろと、あるいは廃棄につきましては特にこの場合、焼却、それから埋没というのを頭に置いて規定は設けておりますが、一応安全を確保するという点におきましては、危険物の取り扱い者の制度もございまして、さらに予防規定という危害防止の規定も置いております。これらの規定の中で安全な取り扱いをしていくという見地での規制の体系を持っております。したがいまして、危険物が他の物品とまじって外へ出るということは万々ないように気をつけているところではございますが、川崎で起きました事故、これも先生御指摘のように、後で検査等をやりますと、危険物に相当しますノルマルヘキサンが検出されたということは聞いておりますが、非常な微量で、正常な状態、普通の静置した状態では爆発しない程度の濃度であったということば聞いておりますが、それ以上細かい点につきましては、まだ報告を受けておりませんので、この事故の実態をさらに調査を進めまして、危険物の取り扱いとこの事故との関係において今後の事故発生のないように指導をし、検討を続けていきたいと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いまもおっしゃったように、微量しか含まれていなかったということなんですが、これはいまの消防法の取り締まりで完全にそういう危険物が混入するおそれがないということは言い切れないだろうと思うんですね、微量だとかいうふうな表現にはなっておりましても。その辺を強化する必要がないのかどうか。あるいは必要であれば、消防法あるいは政省令等で取り締まり強化、あるいはそういう危険にさらされないような規制強化の必要はないのかどうか、その点だけお伺いしたい。

永瀬章消防庁危険物規制課長

○説明員(永瀬章君) この点、先ほど申し上げましたような予防規定あるいは取り扱い者の規定がございます。これらの方が法の精神に沿いましてきちんとした取り扱いをしていただけば混入するはずはないんでございまして、その点をさらに私どもとして強化して、人の行為として正常な取り扱いが行われるように指導を強化するという方向で進めたいと考えます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで私はこういう危険物を含めまして、劇物や毒物も含めた点で、非常に廃棄物というのは何が混入するかわからないというふうな状況にあるわけですから、その点、厚生省としても考えてもらわなければならないと思うのですが、私どもがほんのわずかに新聞紙上だけ拝見していましても、たとえば濃硫酸の運搬をするのに委託をされたけれども、労働者は濃硫酸だということを知らないから、触れて作業衣がぼろぼろになったり、あるいはやけどをしたりというふうな事故が起こるというふうなこと、これは新聞に出ないまでも始終あることなんですね。あるいは私ども、大阪での経験では、たとえば廃油の処理を委託を受けて、廃油の処理を石油かんに何十かんかを運搬をするという作業をして、何十か何百かですね、そうしてそれを中間処理をするという作業を行っておる処理業者なんですが、そこでこういう事件が起こっているんですね。廃油だということで処理を引き受けてきた。で、中間処理で燃やして処理をしているわけですね。ところが、その何十かのかんの中に揮発油物質の液体が混入しているかんが一つ二つまじっていた。ところが、労働者はそんなことはわからないわけですから、燃やしているところへその揮発油性の物質が入ったかんを持っていってわあっとあけたら引火して爆発したと、幸いにしてその労働者は全身火傷だったですけれども、一命は助かったですが、そういう事故が起こったり、あるいは青酸ソーダを運んで、それが猛毒物だということを全然知らないで、まあ、うっかりしたら、これは新聞にも出ていましたが、さわった手をなめでもしたら直ちに死ぬような、そういう危険な物質が知らされずにやられているというふうな事態があるわけですね。これはもう日常茶飯に起こっていますよ。ただ、表に出ていないというだけで、ずいぶんたくさん起こっているんですが、厚生省としてはこういった点について当面の処理、あるいは緊急の規制対策ですね、法改正を契機にしての緊急規制対策としてどういうふうにやっていくのか、どういうふうにお考えになってどういう対策をおとりになるのか、その点をお伺いしておきたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 率直に申しまして、そういう危険物質等が恒常的に混入するという事態を予想いたしまして、いままで検討を続けてきたという状態ではございませんで、御指摘をいただきまして問題の所在、まあ川崎のは御承知いたしておったわけでございますが、でございますので、十分これから調査をし、検討を重ねて適切な対策を講じてまいりたいと思っておりますが、当面は今回の法改正で事業者等が、あるいは処理業者等が物質の処理をいたします際に、有害な物質についてはそのことを明らかにして、ちょっと見ただけじゃわからないようなものですから、性状等を相手に告知させるというようなことを法令上いたしたいと思っております。それに準ずるような指導が危険物質等についも考えられ得るかどうか、十分勉強をさせていただきまして、適切な措置を講じてまいりたいと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私が心配しますのは、冒頭に申し上げた一般廃棄物に混在しておる産業糸の廃棄物の問題でちょっと申し上げましたけれども、結局業種規定等があって、それに規定された事業場から出てくる場合には、それはおっしゃるように規制をされるけれども、規制されていない事業場から出てくる場合には適用されないんじゃないかと。そこが私やっぱり隘路だと思うんです。その辺はどうなんですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 一般廃棄物に混入するそういった物質の問題、確かに正面からこの廃棄物処理法で取り上げているかと申せば、おっしゃるとおりだと思っております。そこまで法令上の問題として処置するのもいかがかと思いますので、そういったことについては確かに廃棄物の作業というのはそういう危険物質と隣り合わせしておるというような実情があろうかと思いますので、今後指導、通知等におきまして適切な対策を講じてまいりたいと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 その点が私はやはり現在の法体系の中では、これは規制は消防法によってやられているという前提があるもんですから、特に危険物については。そこがやはり隘路になってきているんではないかという心配をいたしますので、その点については特に指摘をしておきたいんですが、法施行に当たりまして緊急対策をぜひとってもらわなければならないというふうに思うんです。  それから次へ参りますが、次にお伺いをいたしたいのは、やはり関係があるんですけれども、一般廃棄物の焼却場から出る集じんダストあるいは残灰などからの有害産廃の処理基準ですね、これはいま何も決まりがないわけですね。これは過日衆議院でわが党の寺前議員がお伺いをしたので、よく厚生省は御承知のとおりだと思うんですけれども、参考に資料を見て申し上げておきたいと思いますけれども、焼却灰の中の重金属というのがPCBはもちろんのこと、これは銅にしてもあるいはクロム、鉛、マンガン、カドミウムなどというのがずいぶんたくさん含まれているわけですね。まさに有害物質のかたまりのようなかっこうでppmで言ったらこれ大変なんだな、これ。カドミウムでも一〇〇ppmですね。それからもっと言いましたら、フライアッシュの中の重金属というのを見たら、これはもう大変なもので、亜鉛が二〇〇〇ppm、カドミウムが四〇〇〇ppm、マンガンが一〇〇〇ppm、鉛が七万五〇〇〇ppmというふうな、もちろんPCBも含まれておるというふうな形になっておる。これは学者の調査のデータですけれども、こういう状況でございますから、まさに集じんダストやあるいは残灰というのは重金属のかたまりのようになっているわけです。それからもっと心配なのは、水銀やカドミウムというのはいわゆる沸点が低いので八百度、千度近い温度で焼却をすると全部気化して大気に飛散するという問題が起こっているわけですね。これは前にも報道されたと思いますが、千葉県では一ppm以上のカドミウムの汚染米まで出てきているという問題も出ているんですね、焼却炉の周辺で。こういう現状を見て、これらの処理基準というのをどういうふうに考えていくか。これは非常に重大な問題だと思うので、一つお伺いをしたいと思います。

堀川春彦環境庁水質保全局長

○政府委員(堀川春彦君) 御指摘のとおり焼却場からのダストの中に有害金属が含まれているという事例は環境庁におきましても調査をした経過がございまして、ある程度の実態はつかまえて知っております。ただ先生のおっしゃった、非常に高いレベルの含有率を示したものというのは私どもの調査の方では実は見つかっておりませんが、そのような可能性が絶無であるという自信もまだございません。私どもとしましては、まず焼却場のダストを処理するに当たって水の中に有害金属が流れ出して、そして環境を汚染する心配があるということもございますので、実は先般排水基準を適用する方向で中公審に御審議を願って大体そういう方向づけはけっこうだという御答申をいただいておりますので、今後この問題を具現化すべく目下細部の詰めをやっておるわけでございますが、それにいたしましても、ダストそのものを一般廃棄物として処理する際に、何らか特別の配慮が要らないかという問題については、これは将来の検討課題だというふうに思っておりまして、私どもよく厚生省と連絡をとりながらその問題を詰めてまいりたいと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私はこれは非常に重要な問題だと思いますのは、一般廃棄物の処理だということで軽視されたら大変だと思いますのは、むしろ産業廃棄物という形で出た場合には、有害物質が幾らかどの程度の濃さで残っておるかということになるだけであって、むしろ製品になって、安定した形で製品にはなっておると思いますけれども、製品になったものが一般廃棄物として次から次に焼却、あるいは焼却に廃棄物として回ってくる製品がその有害物質を含んでいるということになるわけですね、考えてみたら。で、そういった点で従来のようなかっこうではなくて、一般廃棄物の焼却炉のダストだとか、あるいは焼却残灰ですね。そういったものの規制基準というものはこれは法改正に当たって政令事項としてぜひ規制を強化をする必要があるというふうに思うのですがね。厚生省のお考えはどうですか。

堀川春彦環境庁水質保全局長

○政府委員(堀川春彦君) 厚生省からお答えになります前に、処理基準として直ちに設定する必要性があるかどうかという問題は他の要素とよく見比べてみまして、そしていま言ったような事態が起こるということの中にはいろいろの原因があろうと思います。一般に一般廃棄物を収集している過程でどっかのプロセスでそういう有害物がまぎれ込むということがありましょう。そういうものが一体何に起因するか、これは収集分別の方法等を工夫すればできることなのか、あるいはやはり処分基準までいかなければいけないことなのか、特に焼却場におきましては、これは公共機関が管理し得るようにしておるということであり、厚生省方面におきましてこういった問題についての日ごろの御指導をいただいておるわけでございますから、それら関連のある全体の事項を全部並べてみまして、よく検討した上で、処分基準の設定の必要があればといいますか、それを一般廃棄物でありますけれども、特別の処分をこういう場合にはしなければならない。一般的に何か焼却灰はこうだというふうにするにはなかなかこれは困難ではなかろうかというふうに思いますが、その点はよく厚生省とも相談してまいりたいと思います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) ただいまの水質保全局長からお答えになりましたとおりの考えを私ども持っているわけでございまして、基準の前にそういった有害物質を含む可能性のある物質とそうでないものとができれば分別されて収集されまして、それぞれに適応した処理がなされるような施策を工夫する、これがまずできれば一番いいなと思っているわけで、そういった努力をする。さらにはいまの基準の問題につきましては堀川局長お話しのとおりでございますので、十分協議をいたしてまいりたいと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは環境庁では御調査になったという調査資料もあるということをおっしゃっておられるので、まあ学者の先生方も調査でもいろいろなデータ出ておりますし、ぜひそういった調査を進めていただいて、少なくともこれは一般廃棄物の焼却炉から大気中に危険物質が散布されたり、あるいは残灰が埋められたところでそれが有害物質のかたまりだというふうなことにならないように、これは基準をどうするという問題は将来の問題といたしましても、処理対策としては、規制対策としてこれは指導を強化してもらいたい、その点を申し上げておきます。  それから次に、これはもう各先生方からもおっしゃられた点ですが、きわめて重要なので再度お伺いをしておきたいと思いますが、いわゆる許可業者と排出事業者との関係でございますね。で、許可をされた業者に委託された場合には、これは違法処置が行われて生活環境に支障を起こした場合でも、処理業者には措置命令は出されるけれども、事業者には適用されないという問題というのは、今度の法案の中で問題点とされておる一つの重点だと思うわけですが、この点について、私はお答えはもう先ほどからずっと伺っておりますのでよく承知をいたしておりますが、なお不信を感じますのは、たとえばいままでにもいろんな人体被害、環境汚染を起こしてきていて、しかも措置命令という形じゃないですね、何とかの形で処理をしなければならない、原状回復をやらなければならないというふうな場合に、これは本当にはした金で済まないわけですね。ずいぶん経費もかかるし、人体被害等を起こした場合には補償金等、ずいぶん費用がかかると思うのですが、いわゆる処理業者の能力でそういったことが起こった場合にやり得るのかどうかという問題があると思うのです。で、従来から起こってきている、たとえば六価クロムの場合、若干違いますが、六価クロムで起こったような事例が許可業者によって行われて起こったという場合に、許可業者に対してだけ原状回復等の措置命令を出したとしても果たしてできるのだろうか。それができないということになりますと、今度の法案改正の中心的な趣旨である違法処理がやられた場合に、措置命令を出して原状回復をさせるということができないということになりはしないか。そこが最大の重点であるにもかかわらずそこがはっきりしないとできないんではないかというふうに思うんですよ。せっかくの法改正の趣旨が、非常に大きな柱が抜けるのではないかというふうに心配をするわけです。で、もう重ねての御答弁をいただかなくてもよろしいので、いわゆる法律的な立場から考えて、いわゆる排出業者と処理業者の間で契約が交わされたら、これはもう排出業者が免罪になるのは当然だと、関係なくなるのは当然だという関係にあるらしいですけれども、お話を伺っておりますと。もし処理業者にいわゆる許可を与えている、許可業者にしておるというためにそのことが支障になるというのであれば、これはあくまでもいわゆる排出業者が責任を負わなければならないという立場、責任を貫くなら、これはもうこの許可業者という許可制度をやめて、排出業者、排出事業者が自分の企業から出した排出物については終末処理に至るまで全責任を負うというふうなところまではっきりさせる必要があるんではないか。それが、許可業者というのがあるから法律的に邪魔になると、それはわかっておってもできないというのであれば、そこの制度を変えたっていいんじゃないかというふうに思うんですけれども、一番大事な点なので、ひとつ御見解を伺いたいと思うのです。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) お話ございましたように、午前中の質疑におきましてもその件が出まして、私どもの考え方、一応正規の許可業者を独立の事業として位置づけました場合における法律的な困難性ということについては御理解をいただいたと思っておるのでございますが、御指摘のとおりに事業者責任を完璧な形において徹底した立法、すなわちもう処理業者という制度を表の制度として構成することをやめまして、事業者がすべてみずから処理し、みずからの手でやっていかなきゃならぬというふうに徹底するというのは一つの筋道の通った立法論としての態度ではあろうと思うわけでございます。しかしながら、現状におきましては、やはりそれだけでは現実の沿革なり現状ということではそこまで徹底することは非常に無理があるんじゃないかということで、立法論としての先生のような御意見も含めまして、将来勉強していくという、大臣はそういう意味でおっしゃったと思っておりますが、一つの御意見だとは存じますけれども、やはり現在の中小企業その他の実態等から考えまして、やはり処理業者制度というものを、一応現行法にありますものを、当面はそれに対する規制を強化し、きちっとした許可にしていくという形で、物事に対応していくということでいかがであろうかというのが私どもの案になっておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これはせっかくの法改正で、しかも社会問題化した点を解決をしていくという立場に立っておる立法精神から言いますと、そこがはっきりしなかったら本当は話にならぬわけです。ですから、処理業者の人たちの意見も私ども聞きましたけれども、大阪でもよく聞きますが、それが事業者の責任が全部処理業者の責任に転嫁されるということになったのではこれはもう大変だ。処理業者というのは大体中小零細企業が多いわけですね。それは幾つ会社をつくっても、一つ事故が起こったらアウトだと、少なくとも排出事業者と共同責任ぐらいには考えてほしいというのは、これはもう処理業者のこぞっての意見ですね。それは大変だと。それは確かに生計を立てていかなければならないから処理業者として業は進めなければならないけれども、それじゃきちんと基準に基づいた処理ができるような環境が整えられておるということであるならば、これはいいけれども、そこがまたもう一つ、さっき午前中も審議をされたように、最終処分地の問題についてはおしりが抜けておるわけですから、これはもう大変だということをこれは処理業者自身が言っておられる。そういう点では、今後の課題というふうにおっしゃっておられるんですけれども、この点を、もしそういう事態になった場合に、措置命令を出してもやる能力がないという場合には、それではどこが責任を負います。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 非常に観念的な、法律的な御説明を申し上げますと、この十九条の二で公法上の措置命令をかける対象、これをこのように整理をいたしておるわけでございます。したがいまして、それとは別個に、私法上の問題といたしまして、委託を受けた処理業者が公法上の措置命令は処理業者が受けたけれども、私法上の問題として委託者との間において別途経済的なやりとりをするということにつきましては本法は触れておらないわけでございます。これは環境保全上の見地の事項でございますので、そういったことで非常にアバウトな言い方をして恐縮なんでございますけれども、社会的な通常の常識的なムードといいますか、感じといたしましては、そういう場合であっても経済的な負担でありますとか、応援を事業者に求めるというようなことは間々あり得ることではないかというふうには思っておりますけれども、やはり環境保全を図る、いわば衛生立法としての十九条の二につきましては、先ほど来申し上げましたようなことで整理をさしていただいている、こういうことでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 この点は今後問題が出てくるという心配が十分あるものですから、この点は私どうも御答弁には満足いたしかねるのですがね。ここは一番やはり大事な点なので、今後の課題だというふうにおっしゃっておられますけれども、これは法制度としても特に処理業者の許可基準等を強化するというふうなことを含めて、それで話が終わりということに簡単にならないというふうに思いますので、これは後の最終処分地の問題と非常に密接不可分な問題があろうと思いますから、これはぜひ対策を強化していく際に指導をはっきりさせていくということをその点でやらないと、法律的に責任がないということになれば、それはいざということになったら処理業者だけの責任になりますよ、実際には。その点法律がうたっておれば、何らか引っかかるところがあればよろしいけれども、十九条の二ではこれは排出事業者の責任がなくなるわけですからね。その辺はこれは非常に重大な問題だというふうに思います。で、これは何遍答弁してもらっても私満足がいかないですね、朝から聞いておっても。だから、邪魔になるならその何らかの制度上の点を工夫をすればいいんじゃないか。せっかくやろうとしている本旨を貫くためにも、必要な施策の変更だって考えていいんじゃないかという提起なんですよ。どうですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 一つの立法上の御意見として承るわけでございますけれども、許可業者制度というものを根底から変えてかかって制度を組み変えるということにつきましては、なお今後勉強はいたさしていただきますけれども、この場で緊急にそういうことにいたしますというふうに私から申し上げるのもちょっと自信がございませんものでございますので、なお勉強をさしていただきたいということでお許しをいただきたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これはそこが最大の問題点だというふうに私どもこの法案では思っておりますので、いまの御答弁では満足をいたしかねます。しかし、時間もありますので次に行きますが、その次に重大な問題なのは、やはり最終処分地だと思うんです。これも各先生方からすでに触れられましたので、私多くを申し上げようと思っておりません。しかし、実情をどのように把握しておられるのかという点がきわめて不安なんですよ。今度の法改正に際してどういうふうに実情を把握してこういうふうにおやりになったのかなというふうに率直に思うわけです。これは数字等を申し上げてもよろしいですけれども、たとえばこれ、厚生省の調査資料の数字を拝見いたしますと、有害産廃の処理業者というのは許可件数が百二十二件なんですね。しかも、その有害産廃の最終処分のできる業者の許可件数というのはわずか十二件です。これは全国ですよ。こういう状態ということは一体どういうことになっておるんだろうかというふうに思うんです。それから、先ほど小平先生からもおっしゃっておられましたけれども、いわゆる処理業者の一廃も含めて、産廃、一廃を含めての最終処分地の問題というのが大変な問題を提起しておられますが、これも同じだと思うんですね。厚生省の御調査の表に書かれている最終処分のできる業者という数字を全部私合算をしてみました、足し算をしてみた。そうすると全国で五百九十二件なんですね。これ全国です。間違っていたら数字を教えていただいたらよろしいが、いただいたのを足し算してみたらそういうことになった。ですから、当然不法投棄というふうなものがいっぱい起こっているというのはもうあたりまえのことで、これは警察庁の御報告でも出ておりますよね。もう検挙件数というふうなのは、恐らく住民が摘発をしたり通告をしたりした分については検挙あるいは告発というふうなことにもなるんだと思いますが、一般的にはそういうことに——だから検挙数などが発表されておりますが、たとえば昭和五十年五月、六月の産廃集中取り締まり期間という二カ月間で、警察庁の御報告によりますと、検挙数が九百五件、そのうちの産廃不法投棄が七百八十七件で、無許可の業者が百十八件だと。それはどういうことをやったんかというたら、夜陰に乗じて不法投棄をしたり、マンホールなどに流し込んだりというふうなのが事例として並べられているんですが、こんなのはもう日常茶飯になっているというふうに思うんです。この最大の原因というのは最終処分地がないということがこういうことを起こしているというふうに思うんです。で、大問題になっておる問題も各地にありますけれども、大問題ではなく日常生活の中で街角だって始終そういう問題というのは起こっているわけです。私は大阪の実態を若干知っておりますけれども、もう大変なことですね。いわゆる一廃として扱ってもらえる産廃物質を委託されておる業者などは、最終処分地がないから、許可を受けるときにはちゃんと最終処分地と契約をしているんですよね、しかしそこは一定の限度がある。もう一つは、引き受け金額が非常に高い。たとえばいまどのくらいしているかと言うたら、一トン当たり一万円ないし一万二千円ぐらいするそうですね。ところが、たとえば公共事業の、大阪市、大阪府、まあ大阪府はちょっと別ですが、大阪市のそういった引き受け最終処分地ですね、そこへ持っていくと、業者だったら一キロ一円二十銭とか三十銭だということになるわけですね。同じ品物を処理するという場合には、これは契約をした最終処分地へ持っていくよりも地方公共団体のところへ持っていったら、三分の一ぐらいの金額で済む。だから、やはり処理業者も業ですからね、利潤を上げなければならないということになりますとどうしても地方団体の処理場へ持っていく。そこへ引き受けてもらおうと思ったら、中身はやっぱり引き受けてもらえるような姿にして持っていかんならぬわけですよね。このことは、何が混在していくかわからないというふうなことも含んでいる、こういう問題があるわけですね。で、大阪でもたとえば最終処分地を持っているというのは、企業で持っているというのは非常に少ないですね。三菱関係では、兵庫県の何か山を買いましてね、但馬の中の山を買いまして、そしてそこの町の一廃も全部処理をしてあげますというふうなことで最終処分地を確保している。あるいは鉄鋼関係でのノロの処分地を鉄鋼関係が若干持っているというふうなことを除きましては、企業自身も最終処分地が大都会では持てないというところへきているわけです。こういう事態について、これは厚生省、午前中からの御答弁を伺っていましても少しも納得できないんですけれども、ここをはっきりしないと、これは先ほど問題にいたしました排出業者と処理業者との責任の問題と非常に深くからんでくるんですが、そこをどういうふうにするのか、単純明快にひとつお答えをいただきたいわけです。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 廃棄物の問題で、処分地の問題が一番最終の問題で、かつまた困難な問題であろうと思うわけです。基本的には処分地の問題といえどもやはり事業者、処理業者の自己努力というものが前提になることは当然でございますけれども、それだけでいかないという場合に公共関与がなされるべきであろうということも御指摘のとおりでございます。まあ昨年来こういった産業廃棄物が非常に大きな問題になってまいりまして、私ども現在何らかの計画なりあるいは考え方を持っておる都道府県というものを調査をしてきております。漸次ふえてきておりまして、昨年の段階では十余りでございましたけれども、現段階では何らかの形での検討中というのは計画を持っておるというものを含めますと大体四十七都道府県中、二十六、七の府県はそういったことに取り組みかかっておるような次第でございます。問題の東京都につきましても、先ほど申し上げませんでしたが、ようやく本年三月に至りまして処理計画を策定いたしまして、その中におきましても中央防波堤の外側に主として中小企業向けの公共の処分地の造成をやりたい。五十五年度までの期間に設置いたしたいというふうな計画を盛り込んで取り組んできておるわけでございます。国といたしましてこれに対してどう取り組むかという問題でございます。けさほども申し上げましたように、いわば経済外的な公害源としての問題につきましてはこれは規制強化ということで今回の法改正により対処していきたいということでございます。施策についてどうするかということでございます。率直に申し上げまして従来この問題についての施策の内容というのはいささか十分でなかった面があるかと思います。わずかに公害防止事業団と開発銀行の一部が処分地についての融資をしてきておったということでございます。それらのそういった処分地に対する融資事業というものを充実していきたいということで今年度公害防止事業団に所要の組織をつくりますとともに、二百億の特別枠ということを設定いたしておりまして、一歩前進はみておるわけでございます。あと中小企業金融公庫、国民金融公庫その他政府関係の七金融機関があるわけでございますが、これらは従来廃棄物の処理施設ということで、公害融資の中の一環として融資しておるわけでございますが、私どもの立場といたしましては今後そういったものの中で広く処分地を処分地として融資対象として取り上げてもらうことも厚生省としては申し入れて御相談をしていきたいというふうなことも考えております。その他処分地の問題につきまして、どうもけさほどから申し上げておりますと、都道府県、地方公共団体が直接のそういった公共関与をやる、あるいは公共的な法人をつくってやるという場合に、国は融資というような形で応援をしていく。一歩後にあって国が直接自分で処分場を経営するというとこまでなぜ出ないかという感じがあるいはあるかもしれないと思うんでございますけれども、しかしながらその点につきましては事柄の性質といたしまして、やはりこういった産業廃棄物の処分場という問題はやはりその地域、地域の特性なりやはりそれに近い段階での努力をして、やはり国はそれに対して応援をしていくということでやっていくというのが非常に現実的な施策だと思うわけでございます。われわれといたしましてもまず国としてなすべきことは多々あろうと思います。まずもって産業廃棄物の情報、これを全国でどのように発生し、どのように流れ、どのような地域においてどのように処分されているか、そういう実情の把握ということから始めていかなきゃならぬわけでございます。まだそこがこれから緒につくということであるわけでございます。そういったことについて努力を積み重ねていきまして決してこの問題を避けて通ろうということではございませんで、一朝一夕できょうといって一年間で片づくという性質の問題でございませんもんですから、できる努力を積み重ねていかなきゃならぬ、こういうことで考えておるわけでございますので、一生懸命やりたいと思っておりますが、そういう考えでおるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 るる御説明をいただいておるんですがね。結局、処理業者の許可基準を厳しくするわけでしょう。それを厳しくしたって持っていくところがないわけですよね。たとえば大都市でも地方公共団体が一廃等を含めての処分地などをつくって、そして受け入れをしていくというふうなことはやっておりますが、有害産廃の最終処分地になったらこれは大変だ、その処理業者は頭を抱えていますよね。これは数字をあげたらいいんですけれども、きわめてりょうりょうなんです。大変なんです。こういう問題については私は大企業は少なくとも資金力も持っているわけなんですから、大企業だって大変だと思いますがね、大都市の中でそういうものをつくろうと思えば。しかし、大企業は少なくとも自分の出した排出物は自分で始末ができると、させるというやはり責任の明確化という点で、最終処分地についてもそれは責任を果たしていけるように追及をするべきだと思うのです。しかし、わが国では圧倒的多数の中小企業に対しては同じことを言ったってこれは言うだけでできないことなんです。ですから、どうしても地方公共団体が介入せざるを得ない。その場合に地方任せにしないように、国が少なくとも地方公共団体に一定の援助をして、地方団体がそれを受け入れて、事業としてやりやすいように援助をするというふうなことがもっと積極的でなければならぬと思うのです。まあ、ちなみに言えば国庫補助でもたとえば一廃の処分地——二十二条ですか、一廃の処分地でも土地の購入、用地の購入費だけは除外されるとか、そこが一番地方団体にとってはしんどいところなんでしょう。そこを国庫補助から外すというふうなことというのを見ますと、ぼつぼつやりますというようにおっしゃったって、本当にいくのかいなというふうに思わざるを得ない。そこで、最終処分地というのが一番大事な点なんだから、少なくとも私が申し上げた二点ですね。大企業については少なくとも処分地はやっぱり自分でやらせるということを追求するべきだと、圧倒的に多い中小企業については、国が援助をして地方公共団体と介入をするという形で、それは最終処分地というものを確保していくというふうな筋道というのをおつくりにならぬと、せっかくつくった法律というのが生かされないんじゃないかという心配があるわけです。その点を特に強く申し上げたいと思っているわけです。  時間の都合がありますから、その点を含めまして大臣、さっき言うた排出企業の責任が運搬処理業者に転嫁されると、これはあんじょうやっていくんや言うけれども、うまくやるためには最終処分地というのがきちんとあって、そうしたら規制された基準に基づいてきちんとやっていけるということはこれは描けますよ。その一番大事な最後のところが抜けているという点では、一番大事なところが両方絵にかいたもちになりかねないという心配をしておりますので、その点についてこれは厚生省としてもせっかくお出しになっておる法案なんで、実効あらしめたいということを切に願っているわけです。そういう立場で、ひとつその点どうですか、いま私が申し上げた点。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 沓脱先生、いみじくも二点をいろいろ御論議くださっているわけですが、われわれも正直言ってこれが法案作成の過程でいろいろ議論の出たところで実はあるわけでございます。まあ理想から申しますると最終処分地の造成についても万全を期して対処すべきだということは、私はそうあるべきだというふうに思いますが、これについてはいろんな問題点がございまして、本法案の御提案になるまでにその部分についての先生方におほめをいただくようなお答えを実はつくれ得なかったわけでございますが、問題意識を十分持っているわけでございますので、関係方面と今後強力に連絡折衝をいたしまして、できるだけ最終処分地に事欠かないようにいたさなければなるまいというふうに思っておりまして、今後とも努力をいたします。また、いわゆる許可業者に処理を委託した場合に、事業者が免責をされるという条項でございますが、これも先生おっしゃることはよくわかるわけでございます。しかし許可業者というものについて、これをさっき水道環境部長が言っているように、これが単なる実務者であって、言うなれば下請の労務提供者であるというような考え方をとってよろしいかどうかということをいろいろ考えてみたわけでございます。しかし、大企業の場合は、場合によってはそういうことがあるが、中小企業の場合にはやっぱり許可業者としてのメリットというものが十分あるのではなかろうか。まあ、その間にいろいろ考えまして、やはり許可業者、要するに処分業者を許可をする、それによって秩序あらしめるという法体系をとる。そうすれば、この人たちがやる仕事について、この人が許可業者であるかどうかは調べないでやるということになれば問題にならないんですが、調べてやった以上はよろしいんじゃないかと、こういうことになっておりますが、問題点としては受けとめて、今後やはり立法論を含めて実態を見て検討をすることはやぶさかではございませんが、まあ、あれやこれや考えた結果、とにかく今日の法体系はそうなっているわけであります。冒頭申すとおり、この法律制度が十全であって、これ以上のものではないという趣旨ではございません。何しろ今日やはり現下の社会情勢にかんがみて、やるべきことはやってみた、取り急ぎやろうではないかということでございますので、いろいろ御不満もあろうかと思いますが、今後われわれも努力をいたしますので、五十歩でも六十歩でも進んだところで一つ問題を進めたいということがわれわれの真意でございますので、今後についてはいろいろわれわれも検討をいたし、実情も把握をいたし、足りない点は努力をいたしますが、また先生方の御教示も賜って、相ともにこうした問題について、長い間ある意味ではほうりっ放しであって申しわけない状態であったわけですが、これを進めるようにいたしたいものであるというのが私どもの本当の心境でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ、時間の都合がありますので、あと幾つかお聞きをしたいんですが、私は一つだけこれは行政指導で実効をあらしめなければならないと思いますのは、事業活動によって生ずる産廃物質だけではなしに、たとえばポリ容器だとか、そういう加工品——製造、加工、販売に際しての製品、容器、こんなものが廃棄物になった場合に適正な処理がやられていない、それが一廃に混入されるという問題が非常に多いわけですが、その点では法律にも規則にもちゃんと規定されているわけですからね、少なくともそんなものはせっかく決めた法律の実効が上がるように処置をするべきだというふうに思うんです。これは、法律を改めなきゃならぬとか、法令を変えなきゃならぬという問題ではありませんので、せっかくつくった法律、法令を有効に発動できるように、やはり行政指導を強めるべきだと思うのですが、それはどうですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) いわゆる適正処理困難物の一廃の処理の問題、消費者の手に渡ったものも含めてのお話だろうと思うわけでございますが、御承知のとおりに国会の御指摘をいただきまして、PCBを含みますような家電製品については所要の回収体制が整備されておりますし、かつまたポリ容器等につきましても、たとえばヤクルトのポリ容器とかそういうものの回収措置等は進んでいるわけでございます。御指摘のような方向で、今後そういう問題については積極的に取り組んでいかなきゃならぬ、かように思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで、あと少しお聞きをしておきたいのは、午前中の質疑で出ておりましたが、今度新たにできました記録義務ですね、これは私は非常に大事な点だと思うのですが、いろいろ御答弁を伺っていましても、実態がなかなか把握できないというのがいまの実情だと思うんですね。その点で国が実態を把握するという上でも、地方団体が実態を把握するという上でも、少なくとも記録だけではなくて、報告を定期的に聴取をするということが一番大事だと思うんですね。計画をつくっていく場合にも必要だと思いますが、これは定期報告を政令ではやらせるということになさるんですね。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) すべてのものについては別に考えておらないわけでございますが、有害物につきましては御指摘のような措置をとりたいと、かように考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 その点では細かくちょっとお尋ねしたかったんですけれども、まあ時間がありませんので。  もう一つは、十九条の二の措置命令のところで、市町村や府県を適用除外にしてるんですね。これは地方公共団体だから違法措置をしないという保証はない。むしろ従来からいったらしてることの方が幾つかあるわけですね、私どもよく知ってますよ、実際は。申し上げませんが。ですから、やはり事業者の責任という点では地方公共団体だって、まあ自分の府県の中で起こってることを自分が措置命令出されへんからね、行政地域を越えるところで起こった場合にはこれは適用するということが当然ではなかろうかと思うんです、これもすでにお話が出ておりましたけれどもね。自分の行政区の範囲で知事が自分に対して措置命令出すわけにいかぬでしょう。その場合は国がこれはやるべきだと思うし、行政区を越えてそこで起こっている場合には、これは当然措置命令を出せるということにしないとね。これは悪意で違法措置をとってるとは思いませんよ。しかし、いろんな関係でそういう問題というのはいまなお起こっているわけですからね、その点ははっきりした方がいいんではないかというふうに思いますが、どうですか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) まあ市町村がその事業者の立場と同じに役場から出るごみを処理すると、それはもう同じに扱うのは当然のことでございまして、ここで除いておりますのは、その行政事務として行う場合、これを除いておるわけでございます。立場がやはりそういう立場でございますし、また一般的に市町村につきましてはやはり議会による監督やそういった規制というものもあるわけでございますし、何分にも地方自治法上所要の措置を講じる規定、似たような規定が存在をいたしているわけでございます。間々そういう例が一部にあるというお話でございますが、私どもが聞いておりますところでは、委託業者を使ったりして、委託業者がそういうことをやってるというような場合があるようでございますが、これは委託業者につきましてはこの規定の適用になるわけでございまして、実情上この規定によりましてそう支障を生じることはないというふうに理解をいたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで、私あと幾つかまだ若干伺いたいところがあるんですが、特に、法整備をしていくという過程では、法律が整備をされるという段階では、特に今度の場合は産廃処理責任者を事業所に置くと、それから処理施設には技術管理者を置くと、こういう問題についてのやはり指導とか育成という体制ですね、こういうものを厚生省としては責任を負わなければ、九カ月後にやりますということになっておるんだけれどもどないするのかいう問題もあると思うんです。それからもう一つは、地方団体で環境衛生指導員、これはまあ、お聞きしてみますと、五十年度は全国で九人、それから五十一年度は一人ふえて十人というのは、これはまあ、ちょっとりょうりょうたるものなんで、そういう監視、監督、指導の体制というのも当然人件費等についての補助も含めてこれはその役に立つ程度、本当に法施行が実効上がらせる程度の体制というのはどうしてもつくらなきゃならぬではないかというふうに思いますので、そういう点を含めて簡潔にひとつ、どういうふうに今後進めていかれるか、それだけ伺いたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) もう先生御承知のとおりで、地方交付税法上の措置はおっしゃるとおりでございまして、十分ではございませんが、今後とも努力をいたしたいと思っております。御指摘のような責任者、技術管理者、あるいは都道府県の環境衛生指導員、こういったものにつきましての研修、必要な資料の提供、これにつきましては一層努力をしてまいりたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは私の持ち時間が来ましたので、まあ以上、まだ不十分ですけれども、質問の中で明らかにしてまいりましたように幾つかの要望したい点を持っておりますので、そういう点で実はお手元に配付を申し上げたような修正案要綱の準備をいたしたわけなんで、ひとつ御参考にしていただいて、せっかくの法律が本当に実効の上がるものになるようにひとつ皆さん方の御協力もいただきたいということをつけ加えてこの問題については終わりたいと思います。  で、私はあと戦傷病者援護法についても質疑をする予定でございましたけれども、持ち時間が終わりましたので、以上でもって終わらしていただきます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は大臣の所信表明に関連をいたしまして二、三点質問をいたします。  まず最初に育児休業法が昨年国会を通りました。これは十年来、ぜひとも婦人労働者が一生働き続けられる条件をつくるためにということも含めて努力をしてきた私たちにとってみれば要求とははるかに離れた形の法律ではありますけれども、一応通ったということを、それもまた全会一致でこれが成立したということを心から喜んでいるわけでございますが、しかしこれが通りましてこの四月一日から実施に入っているわけですが、この法律施行——法律が通ってから今日までの間に厚生省が果たしてきた役割りは非常に大きいというふうに思いますし、また厚生省管轄内の婦人労働者も厚生省の指導というものに大きな期待を持っているというふうに思いますが、その人たちが一体いままで皆さんのところにどういうような問題点があるんだ、こういうようなことをしてもらいたいんだというふうな意見などが反映されておりますでしょうか。その辺をまず第一にお伺いしたいと思います。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) 育児休業法の問題点といたしましては、いろんな問題があろうかと思うわけでありますが、この法律制定の際、参議院の文教委員会におきましても附帯決議がつけられておるところでございますが、たとえば「育児休業制度適用対象者中、保健婦等の範囲について将来拡大の方向で検討を加えること。」あるいは「育児休業制度の実施に当っては、地方財政に過大な負担をかけないよう努めること。」と、約五項目について問題点が指摘されておるところでございます。そのほか、ただいま先生御指摘のように、その具体的な問題等につきましてもいろいろ意見を聞いておるところでございますが、ただいま先生御指摘のように、この育児休業法が今年四月に施行されたばかりでございまして、これらの問題点、特にその具体的な問題につきましては今後の運用の実態を見守った上で対処してまいりたいと考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 これから問題が起きるという以前にとるかとらないかということを判断する、そういう時点でもう問題が出てくるというふうに思うんですよね。その辺の質問をしているつもりなんです。一年たちました、はい、こういう問題がありましたということではもう遅過ぎるんではないかというふうに考えましての質問なんです。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) ただいま御答弁申し上げましたように、すでにこの制定の際、いろんな附帯決議等がつけられておるところでございまして、そういう問題点の存在することをよく承知いたしておるところでございますが、具体的な解決とかそういった問題について、ただいま御答弁申し上げましたように、今後この運用の実態をさらによく見守った上で対処してまいりたいと考えておるところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それでは私が期待するような御答弁がいただけませんから具体的に質問いたしますけれども、この四月から育児休業をとったという人たちですね、調査をするには余りにも期日がありませんから統計などは出ていないかもしれませんけれども、一人もいないということではないというふうに思うわけです。そういう人たちの、まず代替要員が一体どういうふうな形で確保をされたのかということについて質問したいと思います。

石丸隆治厚生省医務局長

○政府委員(石丸隆治君) この各対象職種の代替職員確保の問題でございますが、まず私の方から医療施設の代替職員の実態について申し上げたいと思っております。  すでにこの国立関係でございますが、四月一日から施行されまして、五月一日現在におきまして、この育児休業の対象になっている職員数が二十五名、かような実態になっておるところでございますが、この医療施設におきます看護職員の代替職員の確保の問題につきましては従来から看護婦等の養成施設の整備拡充あるいは給与及び夜間看護手当の引き上げ等の処遇の改善、あるいは院内保育施設の充実、あるいは未就業看護婦の活用のためのナースバンクの設置等の施策について従来からいろいろ看護要員の確保の施策について推進に努めておるところでございますが、今回の育児休業制度の発足に伴いまして必要となります代替職員の確保につきましては、今後とも先ほど申し上げました看護要員の養成施設の拡充等の施策を一層推進するとともに、当面必要となります代替職員の確保につきまして各都道府県において実施いたしておりますナースバンクの機能を充実いたしまして、未就業看護婦の活用を図ってまいりたい、そういったふうな対策を進めてまいる所存でございます。  なお、先ほどこの一カ月間に二十五名の国立医療施設におきます対象者がいたわけでございますが、これらの国立病院あるいは療養所におきます看護婦の確保につきましては、ただいまのところ一般的には余り困難を感じていない、かような状況になっております。

翁久次郎厚生省社会局長

○政府委員(翁久次郎君) 社会福祉施設について申し上げます。  社会福祉施設につきましては所管が社会局と児童家庭局でございまして、三月に両局長名をもちましてこの法律の施行に遺憾のないように各府県に指示をいたしております。ただいままでのところ、主として社会福祉施設の保育所を中心といたします民間施設について具体的な数字はまだ上がってきておりませんけれども、各施設長におきまして事前にこの育児休業をとられる保母さん、あるいは指導員の事前の調査、それからそれに対処する措置の誤りなきよう期するように具体的な指導を府県を通じて行っております。  また具体的な数といたしましては、大体保育所の場合を申し上げますと、年に一万人程度の保母さんが代替要員として全国に確保される見通しでございます。したがいまして、施設長の方でこの休業をとられる人を事前に把握した場合にはこの代替要員の確保についてはおおむねこれは確保できるものというように私どもは考えている次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 この育児休業制度をつくったということで、保育所にあなたの子供は入れないで、育児休業をとってくださいというような指導が行われるのではないかという不安を非常に大勢の人たちが持っているわけですね。そういう心配などに対しての指導というようなものはその通達指導の中に入っておりましたでしょうか、どうでしょうか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○政府委員(石野清治君) 実はその各団体の方からもいま先生おっしゃったように大変心配されまして、育児休業をとることによって従来保育所に預けていた子供たちが出されてしまうのではないかと、こういうような御心配もございました。その他幾つかの御心配がございましたので、実は三月の二十七日に各県の部長あてに通知を出しまして、——幾つかございますが、一つは、今度の法の対象となります職種の女子が養育する児童につきましては、育児休業の許可を申請することができることを理由として入所対象にしないというようなことはやめてもらいたいというような点、あるいは、育児休業中の女子が養育する場合に、すでに保育所へ入っているような場合、こういう場合は、いろんな施設の事情も考えて、私的契約児として引き続いて当該保育所へ通所をさせるような措置を考えてもらいたいというような幾つかの点を示しまして、各県の方に連絡をいたしたわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私もそれを先日拝見しました。こういう疑問を持っている人、危惧を持っている人たちに対して、厚生省としてはあらゆる知能を振りしぼって考えた結論だなというふうに思いまして、その点は高く評価をしたいというふうに思っているんです。けれども、私的契約児にするということになりましても、これはまた問題がやっぱりないというわけではありませんし、また第一子を預けていて、第二子を産んで育児休業に入った。その第一子が、やっぱりやめざるを得ない状況があるわけですね。というのは、同じ女子教員あるいは看護婦、保母などの子供で待機児がいる場合には、問題がないわけではありませんから、そういう意味では私はこの育児休業制度ができたからといって、厚生省の考えているこの保育行政そのものが後退をしてはいけないというふうに考えているところですが、大臣にお伺いしますけれども、大臣の所信表明のところに、「保母等の施設従事者については労働条件の改善のための大幅な増員を図る等その処遇改善に格段の配慮をいたしております。」と、実に明確な所信表明をされました。けれども、私どもが考えてみますと、高度経済成長のこの世の中に、やっぱり社会的サービスを要求する国民の声というのは非常に大きくなっているというふうに思いますし、その特に社会的サービスの中でも、医療だとか保育だとかに関しての要求が多いわけですから、当然看護婦や保母の労働力不足というのが目に見えてくるわけです。そうしますと、看護婦さんや保母さんなどのいわゆる労働白書なんかを見てみましても、働いている御本人だけではなくて、その御本人の家族の人間性までも踏みにじるような労働条件というものは具体的にあるわけですね。労基法違反の事実もあるということを国会の中でも指摘をされて、そのことを認めもされたというふうに思いますし、認めたればこそこの労働条件改善のために大幅な増員を図るというようなことも行われたというふうに考えているわけですが、育児休業法ができたということで保育行政が後退をするというようなことはなくて、ますます前進をさせるのかどうかという、その所信をお伺いしたいというふうに思うわけです。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 私が所信表明で、施設従事者についての労働条件の改善のための大幅な増員を図ったという趣旨は、実はかねがね、私就任、——おととしの十二月に就任したころに、厚生大臣になったころにちょうど問題がございまして、施設職員が非常に労働過重で、労基法さえ守られないというような事態がございました。したがって私としては、そういうことはこれは絶対に許すことができないというわけで、就任直後でございましたが、財政当局と強力な折衝をいたしまして、そのような問題の解消を図るように実は努力をいたしました。単年度では財政上も、また実際に人を得るということも困難でございますので、二年計画でやるということでお約束をいたしたわけであります。しかし、二年目になりましたところが、財政不如意というようなことから、これがどうも三年に延びるのではないか、あるいは後退するのではないかというお声も、心配もあったわけですが、私はやはりこの本案の重大性にかんがみ、そして私どももまたそうしたことを解消するという信念に基づいて財政当局と強力に折衝をいたした結果、まあ労基法違反という実態を解消することには一応できたわけであります。配置基準についていろいろ、またそれぞれの業界について、職種についていろいろ御意見がありますが、それはそれといたしまして、労基法違反を解消することについてはそういうわけで努力をし、ある程度成功をいたしましたということを申し上げたわけであります。  育児休業制度をめぐりましてのいろいろの問題は、まあ同じような文言として当てはまるわけでございますが、これは最近の問題でございますので、さらにこれについては新しい事態として考究をし、対策をとらなければならぬということだろうと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、大臣の努力を決して不信の目で見ているわけじゃありません。本当に前進をしているというふうに思いますけれども、前進をする以上に、この保育所に入れたい、入れなければならないという実態の方が大きく進んでおりますのでね、もっともっとがんばっていただきたいという気持ちで先ほどから質問をしているわけです。で、まあ代替要員の問題については、いまのところ心配がないんだということが報告をされましたので、安心をしているのでございますけれども、これは法律ができる前から大きな声になっておりましたが、対象職種をなぜそれだけにしぼっているのか、もっと拡大すべきではないか、しかもその専門職種を確保するという、そういう大義名分が立つならば、すべてのという要求もあるけれども、もう少し拡大をしてもいいんではないかというふうな声があるわけですが、この辺についての、何ですか、施策というものは一年たってみてから行われるのか、いまからまた考えていかれるのかということを、ひとつ質問をしたいというふうに思います。  それから二番目に、次には有給の部分についてですけれども人事院勧告が出されまして、共済組合の掛金程度というのが出ました。これは国会の附帯決議で言えば、まあ十分な額を期待しという言葉になっているというふうに思います。何が十分かと言えば、それは一〇〇%もらえば十分だ、八〇%もらえば十分だということがあろうかというふうに思いますが、余りにも私はこの人事院勧告の共済組合の掛金程度ということでは少ないというふうに思うわけですよ。日教組の組合では三〇%要求などというふうなことをあちらこちらに意見表明もしているというふうに思いますが、ひとつ厚生省としましても、この共済組合掛金程度でもって育児休業に入った人たちがどういう生活実態であったかというような、そういう実態調査を一年たったらやられるというふうな御決意があるかどうか。そして、そういうことをやられたときに、またこの有給部分の拡大について、当該省庁としてさらに努力をしようというお気持ちがあられるかどうかについて、お伺いしたいというふうに思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) この育児休業の始まりは、先生よく詳しいんだろうと思うんです。私も実は衆議院の文教委員長をした経験がございますが、まあ非常にこの点については苦労をいたしました。最初は、女子教職員から問題が始まったわけであります。当時は、教職員というものは他の女子就業者と違って手がわかりができない、きょう来た先生とあした来た先生とが違うというようなことじゃ困るというようなことから始まりまして、私もなるほどなあと、こういうふうに思っておったわけですが、だんだん今度は概念が敷衍をいたしまして、まあ、もう少し広げられないかということで、この直接職員というものに広げたわけでございます。しかし、これをさらに広げるかということについては、いろいろな民間とのバランスの問題もあり、またいわゆる経済負担の問題もございますので、始めたばかりでございますので、いまさらにこれを一般事務職員にまで敷衍をするということは、私どもとしては申し上げられる段階までは至っておりません。  また給与につきましては、いろいろ実は議論がございました。これは長い間の議論でございまして、まあ結論は、御承知のとおり、共済の掛金程度でひとつどうであろうかということで、あの当時は不本意ではあったと思いますが、無給であるよりもということでそういう一応の陰の落着があったようでございますが、これについては人事院勧告によることでございますから、われわれとしては、政府としてそれをあれこれ論評をすることはいかがかと思いますが、実態に即応して今後考究すること、研究をすることについてはこれはあり得るだろうと思いますが、当面始まったばかりでございますので、ひとつもう少し推移を見てこの問題の今後の扱いを考えさせていただきたいということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大臣が実態を見て研究をすることもあり得ると、こうおっしゃったことに大変私は足がかりのようなもの、手がかりのようなものと言うにはちょっと足りませんけれども、を持ったような気持ちがいたします。ぜひともその精神をお忘れなく、今後の育児休業法のさらに充実した発展というものについての御努力をお願いをしたいということをまず第一にお願いをいたしまして、先ほどもお願いしましたように、この制度があるからといって保育所行政が停滞することなく、いまでもまだ希望する子供たちの半数は入所できないでいるというこの実態を解消するための努力というものをやっていただきたいというふうに考えているところです。  では、次に移りまして、いまわが社会党では内閣委員会で法律を出しておりますので、そちらの方に内容的には譲りたいというふうに思いますが、救護看護婦に対する軍人恩給法適用に関する請願書というのがこうずっと出ておりますけれども、大臣この内容を御存じでしょうか、いかがでしょう。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 最近いわゆる従軍看護婦さんの処遇についていろいろと御要望が出ている事態は知っております。また、御要望について、いま粕谷先生どこをさしておられるのか私ちょっとなにしませんが、いろいろな問題について実は御要望があるようであります。援護法上の問題もございます。あるいはまた、わが方の年金制度との関連においての御要望もあるように承っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そういうことなんです。それで、これは四十七年の五月の二十三日、当社労委員会でもって公明党の小平委員、それから自民党の石本委員が質問をされているわけです、この内容につきまして。ぜひともこの軍人恩給に適用さしてもらいたいという、このことなんですけれども、その当時の大臣は齋藤大臣でいらっしゃいましたが、まあ、あのころ、昭和四十七年のころは皆さんよくおわかりにならないようなんです。私も議事録を見ましたけれども、何か余り明確ではなかったような感じがいたします。その齋藤大臣が最終的にわからない点があるから恩給局や大蔵省の共済組合を扱っているところに調査をして、日赤看護婦の戦争中に駆り出された人に対する処遇の問題について一遍よく検討してみると、こう答弁をしていらっしゃるのです。で、田中大臣にお伺いするのはちょっと申しわけありませんから、厚生省そのものにお伺いしますけれども、大臣がそういうふうにおっしゃったのですから、当然その下部機構にいらっしゃるところでは検討をされたというふうに思います。具体的にどのように検討してどのような結論を出したかということについてお伺いしたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいまのお話でございますが、日赤の従軍看護婦の中の特に私どもの援護法で扱っております看護婦さんは、これは亡くなった方であるとか、あるいは戦傷を受けられた方が対象になるわけでございますが、そうでない方の問題ということで、これはまあ援護法の対象になりませんので、特にただいま先生のお話のような経緯もございますので、恩給局その他といろいろ検討をいたしている最中でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 いろいろと検討をさせているところですと言いましても、昭和四十七年にこれは問題になったのですよ。四十八、四十九、五十、五十一と、何ですか四年もかかってまだ検討中なんですか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 主としてただいまのお話のようなケースは恩給局なり何なりの所管にかかる事項でございますので、私どもの方からは当委員会で問題になった点を伝えて検討をお願いしているということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 所管にかかわるところだからその部分について厚生省がやらないということについてはわかります。しかし、私はそれでは当社労委員会で問題になったことが何にも意味がなかったんではないか、ただ伝えただけでは本当に意味がないんだろうというふうに思うのですよ。齋藤厚生大臣が具体的に研究しますとおっしゃったんですから、当然厚生省では、こうこう、こういうような問題点があったと、研究した結果、このような結論になったというふうなことについて明確なやっぱり答弁というものがあってしかるべきではないだろうかというふうに考えるわけですが、それではさらに、五十年、昨年の十一月の六日に参議院の内閣委員会で、恩給法、共済年金二法案の審査に関連して、元日本赤十字看護婦の岡松八千代さんを参考人としておいでいただいていろいろな御意見を伺い、そして各派が質疑をしているわけです。その中で私は、植木総務長官が、いろいろな質疑、御意見などを伺って、最終的に「特別の措置を考える等の研究をいたしませんと、」、こうお答えになっていらっしゃるわけですが、その議事録を厚生省の皆さんお読みになったでしょうか、いかがでしょう。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) その公聴会の席ではございませんが、その後の委員会の席に私行っておりまして、総務長官の御答弁を伺っておりました。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私もその岡松さんと同時代を生きてきた人間として、岡松さんの意見陳述を読みまして、本当に胸が打たれたわけですよ。そして、この議事録の中に示されている大変な苦労の数々は、それは戦争に行かれた方々も苦労されてましたけれども、国内においての銃後の守りの人たちだってやっぱり苦労しているのだという点では岡松さん自身もそれはそれで納得をしているというふうにおっしゃっているわけですが、しかし、二十年に終戦になって、二十一年の八月に自分たちが看病した兵隊さんたちは帰された、ところが、看病した自分たちはなぜか知らないけれども残された、その残されたという理由は一体なぜ残されたんだろうか、この疑問がちっとも解明されていないということをおっしゃっているわけですね。で、最終的に自分たちは八路軍のもとに七年間看護として尽くして、で、日本へ帰るようになったときに中国の幹部の方々から、今後日本と中国との間が大変うまくいくようであればそれは皆さんが中国に対して一生懸命に尽くしてくださったということが大きな原因の一つにもなっているんだというふうな感謝の言葉をされたにもかかわらず、日本へ帰ってきたら大変何というのですか、冷たい感じがしたというふうにおっしゃって、貧しいことを憂えているわけじゃないけれども、等しくないということを非常に憂えている、つまり同じ戦地に行って、同じ日本赤十字の看護婦さんでありながら、恩給法を適用される、適用されないというような問題点について非常な不信感を持っているというふうに思っているんです。それの解明が行われていないということについても私は大変問題点があるなというふうに思うのですが、その中で、舞鶴に引き揚げてきて、その引き揚げてきた引き揚げ証明書、その中に陸軍の復員者であると、陸軍省の復員者であるという判こが押してある、あるいは陸軍の軍属であるというふうな援護局長の印が押してある。そうして、そのときにまた、自分たちは個人面接を受けて、あなたが自衛隊に入れば国家公務員になるんですよ、国家公務員になったら引き続き恩給対象になるんですよというふうな、こういう説明がなくて非常に冷たい感じがした、ということを言っていられるわけですね。当時の援護局の業務の状態などは、私はよくわかりませんから、大変な時期だったのでそこまで詳しい説明というのですか、丁寧な説明をされるということにはなかなかいかなかったんじゃないんだろうかという気持ちもいたします、しないわけではありません。けれども、この議事録の中に、ある一人の方が三十七個の散弾を体の中に受けた。そして、ほとんど取り出したんだけれども、頭の中には取り出せない弾が残っていて、その弾が視神経を圧迫している。だんだん、だんだん目が見えなくなって、全盲になってしまったんです。生活を維持するために、自分たちが勧めてマッサージ師になれというので、免許状を取ったんですけれども、こういうような人たちには傷病恩給があるというふうに聞いているんですけれどもと、こう書いてあるわけですね、議事録には。傷病恩給ということにはなかなか該当しないというふうにいまの制度では思いますけれども、援護の形で言えば年金が、障害年金が支給されるんではないかというふうに思うのですよね。この辺のところについて、申請を出したけれども、まだ返事がないということを言ってらっしゃるわけです。「すぐやる課」じゃありませんけれども、国会の場所で参考人の意見が、公の場所で質問をされているのにもかかわらず、明らかになっているにもかかわらず、この辺のところについての手配というんですか、それはすぐなされたでしょうか、いかがなものですか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 日赤の従軍看護婦さんは、戦時中の陸軍の規則によりまして軍属として扱われているわけでございます。したがって、援護法の上では戦傷病を受けられた方は援護法の対象になるわけでございます。ただいまのお話の件につきましては、これは症状の程度、その他でいろいろケースがあるわけでございますが、十分に調査して御返事申し上げたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 ぜひそのように至急やっていただきたいというふうに思います。  そのときの内閣委員会で決議が、附帯決議が行われているわけですが、「戦地勤務に服した日本赤十字社の救護看護婦の処遇については、旧軍人、軍属に比して不利となっているものがあるので、その救済措置を図るよう検討する」ものとすると、こういうことで附帯決議がありますが、どうも私が調べてみるところでは検討がされていないようです。それで、わが党が法律を提案しているわけですが、その法律を提案するに至るまでの間に日赤などにもずいぶんお願いをいたしまして、具体的な調査をしていただいたんです。本当に大変な調査を日赤は精力的にやってくださったわけですけれども、こういう調査が行われています。この調査が出てまいりまして検討した結果によりますと、二百何十名ですか、そのうちの二人ぐらいがうちの、われわれの出した方の法律が通れば恩給該当者から外れるだけということなんですから大変な損失を受けているわけです、言いかえてみますと。差別を受けていることによって、もらえるというふうな、もらえると思われるお金がもらえないということでは大変な差別を受けているという実態が判明をいたしましたので、私は大臣といたしましても、看護婦さん、しかもその看護婦さんも単なる看護婦さんじゃなくて、もうピンク色の召集令状でもって戦争に引き出された人たちなんですから、努力をしてくれるように、田中大臣からも一言お声をかけていただきたいというふうに思うのですけれども、その辺の御決意はいかがなものですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いま援護局長から御答弁申し上げましたとおり、傷害者につきましては援護法で扱うことになっております。具体的なケースについては具体的な案件を見て処理をいたさなければならないと思いますが、冒頭先生の御質問があった件は、これは恩給の系統のお話だろうというふうに思います。私もまた、総理府の方へお話を通ずることについてはやりたいと思いますが、いまちょうど恩給局が見えましたものですから、恩給局の方から答弁をしていただいた方がよろしいんじゃないかと思います。

大屋敷行雄総理府恩給局次長

○説明員(大屋敷行雄君) 日赤の救護員の普通恩給の問題でございますが、これは国会でいろいろ御審議になっておりますように、公務員の範囲という非常に重要な問題がございまして、と言いますのは、恩給制度といいますのは、これは公務員の年金制度でございますから、やはり対象というものがある程度確定しないといけないわけでございますが、ただ先ほど先生からちょっとお話がございましたように、公務員の履歴のある方、こういう方につきましては、現在公務員の通算措置、公務員の在職年の通算措置として日赤の救護員の期間が入っておるわけでございまして、ただ救護員だけの期間につきましては、これは年金制度のたてまえから非常に困難な状態があるわけでございます。したがいまして、恩給局としても現在結論が出ておらないわけでございますが、しかし、衆参両院の内閣委員会で附帯決議の事態もございましたので、私ども現在といたしましては、日赤からいろいろ資料を取り寄せ、またどういう、恩給としては非常に困難ではございますが、恩給以外にいろいろな方法がないかどうか、恩給局内でも一つの研究班をつくって研究しておる次第でございます。現状はそういうことでございます。(「傷病恩給みたいな、あるやないか、従軍看護婦やったら。」と呼ぶ者あり)

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 不規則発言はやめてください。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、その内容に、恩給局の意見を聞きたいと思ったわけではないんですよ。看護婦さんでもありますし、しかも、その引き揚げのときの厚生省援護局の対応そのものにもやっぱり問題があったんではないかというようなことも含めて、ひとつ厚生大臣からはこの恩給適用に関しての審査が行われるようなときには意見を出していただきたい、こういう要望をした次第でございます。ですから、恩給そのものについての私は質問をしたつもりではないんです。ただ、衆参両院の附帯決議を大事にして、恩給局でも検討されると、いま御答弁がありましたので、非常にまあ喜んで、ぜひとも前向きで、この人たちが救われるような方向で検討していただきたいという要望をして、この件については終わりたいと思います。  あと三分ぐらいの時間しかありませんから、次の質問は、この次の身障者雇用法に関する質問の前提として一言だけお伺いをしたいというふうに思いますが、身障者、身障児の調査がありましたね、先ほどの調査の問題がありました。うちの片山委員からの質問も行われましたけれども、あれが本当に全国的な統計として意味があるのかないのかということについての評価が、一体どのようにされているのか。  それからあれが実施できなかったということについては、その内容は、実施できない、だめですと言ってきたその原因は、一体どのような項目が考えられるのか。  それから、今後これが、私が思うには、全国的な統計の意味がないというふうに思いますけれども、こういう統計をどのようにしてきちっと保管をしていくのかということについての決意をお伺いしたい。というのは、私はやっぱり、福祉行政をやっていくにはこういう統計というのは非常に重要なことだというふうに思っているからなんです。重要なことだというふうに思っていればこそきちんとした統計がほしいと思いますし、統計をやる以上は、やっぱりそれを具体的にやってくれる自治体の協力も得なければなりませんし、その該当者であります障害者団体の、障害者個人の意見なんかというものも十分に反映できるような調査方法でなければならないと思うものですから、それについて質問をして終わりたいというふうに思います。

翁久次郎厚生省社会局長

○政府委員(翁久次郎君) 昨年厚生省が実施いたしました身体障害者・児の調査につきましては、いまおっしゃいましたように、われわれとしてはできるだけこれらの実態を把握いたしたいと五年ごとの調査をいたしたわけでございますけれども、まことに遺憾なことに、一部のところで調査の結果身障者を全部施設に収容するのでは、そのための調査ではないかというような誤解がございまして、実は全部の調査ができなかったわけでございます。これによってできなくなりましたのが千八百カ所のうちの約四割が調査ができませんでした。したがいまして、当初予定しておりましたような完璧な調査結果を得ることは遺憾ながらできないわけでございますけれども、目下集計中ではございますけれども、この身障児・者についてのある程度の傾向は出てくるものと思っております。  ただいま御指摘がございましたように、こういった点について十分理解を得、また協力をいただかないことには調査の全きを期し得られないわけでございますので、私どもといたしましては今後このような調査に当たっては十分そういった障害のないように努力をするということが一つと、今回やや一部不十分ではございますけれども、この調査の結果について活用できるものについてはこれを活用するような努力をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 援護法による障害年金の請求をしております相模海軍工廠化学実験部に勤務しておりました小川仁衛さんの件についてお伺いしたいと思います。  この件につきましては、一昨年この席上で取り上げて調査していただきました。その結果を昨年御報告いただいたわけですが、その後の調査状況を御説明いただきたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいまの御質問でございますが、御質問の小川仁衛さんの障害年金の請求についての調査でございますが、申請になられました資料だけでは旧相模海軍工廠化学実験部におきます作業あるいは小川さんが毒ガス製造あるいは実験の業務に従事していたという事実、さらに現在の症状とか公務との因果関係、こういうものの立証について十分でなかった。立証されなかったわけでありますが、かねて私どもの保管資料等から関係者をいろいろ把握しまして、当時の化学実験部の状況等について調査を進めてきたところでございます。現在までのところ関係者の証言を総合いたしますと、この相模工廠の化学実験部は相当大きな組織でございまして、昭和六年ごろから終戦のときまで毒ガスの合成実験であるとかさらに試験的製造であるとかあるいはその実験的な使用が行われていたということ、それからまた小川仁衛さんが海軍工廠に昭和十七年の十一月ごろから二十年の三月ごろまでの間この相模工廠の化学実験部の第二課というところで毒ガスの合成実験等に従事しておられたということはほぼ間違いのない事実と考えられるに至っておる次第でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そうしますと、これまでの調査でわかった範囲というのは、まず身分関係については相模海軍工廠化学実験部第二課に在職していたということでございますね。それから毒ガスのことについては化学実験部第二課に属しているこの実験部では、確かにイペリット、ルイサイト系のガス製造、また、こうしたガスを実験的に使用していたということが明らかになった、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますね。  それからこの小川さんはこの第二課に属していた、こういうふうに調査ができた、この事実は確かであるということでございますね。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 小川さんが先ほど申し上げましたように、昭和十七年十一月ごろから二十年の三月ごろまでの間、この化学実験部の第二課におりましたということはほぼ間違いがないということでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 ですから、毒ガスの製造あるいは使用に携わっていた、こういうふうにそちらで調査をしたということですね。くどいようですけれども、そこのところが大事なところですから。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) この海軍工廠の第二課は毒ガスとか合成実験とか試験的製造とか実験的使用をやっているところでございまして、そこに勤務していたということでございますから、ほぼそういうことじゃなかろうかというふうに推定できると思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そうしますと、この障害年金の支給については、残る問題は因果関係の調査だと思います。そこで、この因果関係の調査というのはどんなことをやるのか、またどの程度進んでいるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) この小川さんは海軍工廠に勤めておりましたので、海軍の軍属というふうに、したがって、旧令共済の組合員でないかと考えられるわけでございます。この方の年金の問題でございますが、遺族援護法におきます戦傷病者の障害年金ということになりますが、援護法の立場から申し上げますと、公務上の傷病によって恩給法の別表に定める五款症以上の障害を残している場合に障害年金が支給されることになるわけでございます。現在までのところ小川さんが旧令共済組合の組合員であるというふうに推定できるわけでございますが、現在の症状が肺結核と慢性気管支炎ということになっているわけでございます。この肺結核と慢性気管支炎が公務上の疾病になるかならないかというところが実は私どもとして大変むずかしい点でございまして、これらのものが毒ガスを扱ったことに起因するんだということが明らかになればいいと思いますが、その辺が非常にむずかしい問題でございまして、それからもう一つその疾病の症状が恩給法の別表の五款症状になるかどうかという点がもう一つの問題点になっているわけでございます。それで、援護法については、先ほど申し上げましたように、ややむずかしい点があるのでございますが、なおこういった点で公務に起因するかどうかという点が一番問題でございますので、その取り扱いについては、専門の医師と十分相談してその意見を聞く必要があるわけでございます。  それからガスの実験による影響の大小とかガス実験業務へどの程度従事していたのか、従事の度合でございますとか、肺結核とか気管支炎がガスに起因するものかどうか、さらに究明を続ける必要がございまして、現在毒ガス障害に関する研究の結論などを待ちつつ、これを判断してまいりたい、なおしばらく時間をおかしいただきたいと思うわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そうした困難な問題とは思いますが、調査を進めていただきたいと思いますが、こうした調査が終われば、最後は医師の判断で決定するのか、その辺をお聞きしておきたいと思います。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) ただいま申し上げましたように、研究班で研究——ガスとの関係でございますが、その辺の結論の出るのを待ちつつやってまいりたいというふうに考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 私がお聞きしておりますのは、いろいろと厚生省として調査不十分のところを調査なさるわけですね。最後に、その調査が終われば、その関係の専門のお医者さんというのですか、そういう方たちの判断で決定するのかどうかということです。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 公務に起因する疾病であるかどうかという点は、医師の判断に最終的にはなると思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 最終的になるんですね。医師の判断が最終的な決定のポイントとなると。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 公務に起因する点についての調査の点では医師の判断でございますが、最終的には、これは援護審査会にお諮りしまして、その御意見を聞いて裁定をするということになるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、障害年金の適用にするためには、こうした明確な因果関係、その他の調査というものが十分に成り立つと、これにこしたこはないと思います。しかし、ずっと厚生省の方のお力でいろいろ調査を進めていただいて、本人が毒ガス製造に従事していたということが、一応——これはほぼですけれども、わかった。この毒ガス製造に従事していたということは肺結核、慢性気管支炎に影響があったと、こういうふうに、明確ではなくても影響があったと思われるという程度でも、その因果関係を認めてもよいのではないか、こういうふうに私は思います。その理由の一つとして、あの大久野島の場合のように、忠海工場に勤めて毒ガス製造に従事していたという人たちは、毒ガス製造に従事していたということだけで救済措置を適用しているわけです。これは、この小川さんの場合も、それに準じるものではないかと私は思います。  それからまた、一面、この大久野島の毒ガス製造に従事していた人たちの被害の程度を二十年間にわたって研究していらした広島大学の西本幸男教授の報告を見ますと、死亡原因は呼吸器系疾患がずば抜けて多い。また、慢性気管支炎発生率も異常に高い。そして、がんとか慢性気管支炎、こういう病気はイペリットやルイサイトの製造従業員に多い。そして、結論的には、この毒ガス障害というものは一時に体に付着したり吸収しても生じるが、多くは本人が気づかない程度の超微量でも長期にわたると出てくる。だから直接製造室で働かなくても、大久野島で働いていたことのある者はみんな毒ガスの影響を受けていると推定してよいと、全部が毒ガスの影響を受けていると推定してよいと、ここまで言っているわけですね。私はこの推定してよいという意味が非常に大切だと思います。  まあ、そういう点で、この小川さんが第二課にいたと、毒ガス製造に従事していたということがほぼわかった。それならば、この困難な因果関係を長い時間突きとめて、果たしてそれが突きとめられるかどうかも困難な問題もある。だから、明確ではなくても影響があったと推定して認めてもよいのではないかと、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) この因果関係について、確証がなくても推定してやったらどうかというお話でございますが、その辺はひとつ、毒ガス障害の研究班の方でやっておりますので、もうしばらくその結果を待ってというふうに考えさせていただきたいと思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 待つことはいつまでもお待ちいたしますけれども、いま私が申しました意見に対して、明確な因果関係が成り立たなくても、毒ガスを製造するところ、使用しているところに従事していたことは事実なんだから、そこが決め手ですから、その毒ガスの被害というものは受けていると推定してもいいじゃないかと、そして認めてもいいじゃないかということに対していかがなんでしょうか。そういうことについてはいまは答えられないと言うのか、それともそういう方向に行ってると言うのか。ただ時間を待ってくれ、時間を待ってくれと、ずいぶん待っているんですよ、これ。議事録を見ると、少し近づきました、少し近づきました、ちょっと待ってくれ、ちょっと待ってくれと。本人はずいぶん長い間病床で苦しみ、そして、やっと申請を厚生省に出せる段階までいって、一日も早く結論を出していただきたいと。そして、それに対して何とか期待ある御判断と、そうした処理をお願いしているわけなのですから、まだ時間まだ時間と言っていたんでは、私は厚生省少し薄情じゃないか、冷たいんじゃないかと、こう思います。まあ本人の気持ちになって、私、くどいようなことを申し上げているわけですけれども、いかがでしょうか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 大久野島の場合はかなりの数の障害者が出ているわけでございますが、ここの場合は非常に戦時中とは申しましても、化学的に管理された海軍工廠でございまして、障害者も一人ということで、しかも、それは肺結核とか気管支炎というようなケースでございますので、その辺は必ずしも大久野島と一緒には考えられない事情もあると思います。そういう点もひとつお含みおきいただきまして、私どもも一生懸命にこの調査の方は進めますので、ひとつ御了承をいただきたいと存ずる次第でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 推定として認める方向へ行けるんじゃないかという御意見に関して余りお答えがありませんですね。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) この取り扱いにつきましては、ただいままで申し上げましたように調査を進めなければいけないと思います。なお、最終的な扱いについてはまた関係省ともいろいろ相談して、先生の方に御相談申し上げたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 それでは、障害年金の支給がいますぐは無理だと。また因果関係の調査をもう少し時間かけてやるということでございますので、それに期待をかけますけれども、この小川さんの病状というのは慢性気管支炎、肺結核という症状でございまして、決して軽いとか、そのままにしておいていいというものではございません。そこで、私は健康管理、あるいは治療のために医療の給付というようなものが何かの方法でできないものかと、こういうふうに思いますが、これはいかがでしょうか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) これは先ほど来申し上げておりますように、肺結核、慢性気管支炎の障害を残しておるわけでございますが、公務上の傷病、すなわち毒ガスとの起因性が明らかでないために、たとえば戦傷病者特別援護法による療養の給付を行うということは現在のところ困難であると思う次第でございます。  なお、これらの点を含めまして、取り扱いについては関係省の間で相談したいと存ずるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 それでは、まあ、これは仮定の問題なんですけれども、因果関係がもし成り立った場合ですね、この救済は援護法の障害年金の適用でやるのか、それとも大蔵省の旧令共済によるものか、これはいかがでしょうか。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 旧令共済の組合員でございますので、筋からは旧令共済になると思います。そういう点含めて関係省の間で協議してまいりたいと思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 それで、まあ因果関係が成り立って救済をしていただけるということになった場合に、いまのお答えのように旧令の共済組合員の毒ガス障害者について旧令共済の救済措置でやるというようなことでございますが、それが適用されるようになった場合には、いま連絡をとってというお言葉がございましたが、その連絡もその適用のためにいままで厚生省が調査に要した日時というものは非常に長かった。去年、おととしからずっとこれはお願いしておるわけで、またこれと同じような調査を今度は大蔵省の方でやるというようなことは非常にむだなことが行われて、本人もさらに長い時間を待たなければならない、そういう点ないように要望したいと思いますが、この点いかがでしょう。

山高章夫厚生省援護局長

○政府委員(山高章夫君) 関係各省の間では資料を交換する等、重複しないように注意してやっていきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 もうこの委員会でいろいろお願いしているのも三回にわたりますので、どうかひとつよろしくお願いいたします。  次に、先ほどちょっと問題が出ましたけれども、この従軍日赤看護婦の処遇についてお伺いいたします。  この問題は、私は恩給関連ということでお聞きしたいんですが、内閣委員会でこの問題が論議されております。で、これは結局どういうことにたったんでしょうか、これは恩給局にお聞きしておきたいと思います。

大屋敷行雄総理府恩給局次長

○説明員(大屋敷行雄君) 衆参両院の内閣委員会で日赤の救護員の問題が論議されておりますが、問題点を申し上げる前に現行制度をちょっと申し上げますと、この日赤救護員の問題につきましては昭和四十一年に公務員の履歴のある方につきましては恩給の最短年限、つまり十七年を限度としましてこの日赤救護員の在職期間を通算したわけです。続きまして、四十七年でございますが、四十七年にこの最短年限という制限を取り外しまして全面通算と、こういう形になって現行の制度になっておるわけでございます。したがいまして、それ以後衆参両院の内閣委員会で問題にされましたのは、この日赤救護員の戦地における加算とか、あるいは抑留期間とかのみならず、恩給では看護婦長、まあ、いわゆる判任文官に当たる看護婦長だけが通算対象になっておるわけなんでございますが、その看護婦長の枠をはずしまして、一般の看護婦さんにも及ぼす。それから在職年関係につきましては、公務員の履歴のない方、つまり日赤の救護員の期間だけの方についても退職年金に相当する普通恩給を支給してはどうかと、こういう点が論議の対象になったわけでございますが、内閣委員会の論議の対象はそういう形でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 最後に、こういう方たちの救済措置というものは当然今後検討されて図られることだと思いますが、その中に厚生年金、国民年金との通算措置ということも含めて救済措置の検討をしていただきたいと、こういうふうに思いますが、この点いかがでしょうか。これは恩給局の方、年金局の方にお答えいただきたいと思います。

大屋敷行雄総理府恩給局次長

○説明員(大屋敷行雄君) 恩給の面について申し上げますと、先ほどもちょっと触れましたが、日赤の救護員の方が戦地におきまして死亡なされたとかあるいは傷害を受けられたと、こういうような場合には、現在援護法で措置されておるわけでございますが、ただ、生存されましてお帰りになった方につきましては、先ほども述べましたように、恩給の適用がないわけです。これは恩給が公務員を対象にしたいわゆる退職年金でございますので、そういう点から、公務員の身分を持っておらない日赤の看護婦さんの方々については、法のたてまえ、恩給法のたてまえから非常に困難な問題と感じられておったわけでございますが、しかし、衆参両院の附帯決議もございますし、また救護員の方々の要望もございますので、私どもとしましては恩給法の枠内で処理していくというのは非常に困難ではございますが、何かいい知恵がないだろうかということで、現在恩給局の中の、先ほどもちょっと触れましたが、一つのグループをつくりましてこの問題を取り上げて研究しているわけでございます。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○政府委員(曾根田郁夫君) 厚生年金あるいは国民年金で期間通算が考えられないかというお尋ねでございますが、厚生年金につきましてちょっと適用関係をお話いたしますと、御案内のように厚生年金は昭和十七年に発足したわけでございますけれども、当時は男子の、いわゆるブルーカラーが対象になって、女子の方が一般的に入ったのは十九年、しかしこの場合でも、この医療関係あるいは社会福祉関係、教育関係は適用除外になっておりまして、これらの業種が強制適用になりましたのは昭和二十八年でございます。したがいまして、厚生年金サイドでこれらの方々を救済するということは、全く制度の適用のない人たちの中でなぜ従軍看護婦という方だけを救済しなければならぬかと、同じような方、同じような事情の方がおられるわけですから。特に厚生年金にいたしましても国民年金にいたしましても、制度そのものは民間の被用者あるいは自営業者、すなわち一般国民を対象とする制度でございますから、そういう制度が適用になってない時代の特定のグループの方を救済するというのはどうも年金体系の上では基本的に問題があるんではないかと、したがいまして、私どもといたしましてはこれらの方々の救済を考えるといたしましても別個の体系でお願いせざるを得ないんではないかという考えでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 それでは時間がございませんので、また次の機会にいたします。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まず、産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律案について御質問をいたします。  本法の改正目的は産業廃棄物の適切な処理を確保し、国民の健康の保護と生活環境の保全を図ることにあることは当然であります。しかし、これとうらはらの関係にある産業の健全な発展を通じ、国民生活の向上と雇用の安定を実現するという視点も忘れてはならない側面であろうと思うわけであります。そして、この両者の有機的な結合を通じてのみ産業廃棄物の有効な処理が可能だと私は信じます。このような立場に立ちまして、以下若干の質問を行いたいと思います。  まず第一は、産業廃棄物の定義と資源化再利用の促進の関係についてであります。法第二条第三項には、「「産業廃棄物」とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」と定義いたしております。そして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第一条で十三項目にわたり、その内容が規定されております。すなわち、工場から排出されるものはおおむね網羅されているといっていい実情でございますけれども、法十四条第一項ただし書きで、もっぱら再生利用の目的となる産業廃棄物として都道府県知事の許可を要しないものとしては、故紙、繊維くず、金属くず、空びんの四品目が挙げられているにすぎません。審議会答申書の中にも、再資源化、有効利用、経済的残価値の利用というのが重要な課題として指摘されているところでありますけれども、こうした視点から法及び施行令並びに省令の洗い直しが今後必要であると、こう考えられるわけでございますが、まずその所見をお伺いをいたしたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のございました点、立案の過程におきましても意識をいたしておりまして、ただいま御指摘の故紙、空びん、故繊維、くず鉄という四品目でずっと伝統的にやってきておるわけでございますが、近年非常に再生利用資源化ということが進んでまいっておるような物質もございますし、したがいまして、そういった物質ごとに調査をいたしまして通産省ともそのための打ち合わせ会を持とうというお約束をいたしておりまして、そういった場におきまして、十分検討いたしまして、これにこだわらないで所要の措置を講ずるという方向で検討をいたしたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 御検討に期待したいわけでございますが、たとえば食品製造業における使用済み活性炭、これはまあ水、空気、酒、しょうゆ等のろ過がこの活性炭によって行われるわけでございますが、これらを再び活性炭製造工場に送付されまして、原料としてこれが取り扱われ、再生の後再び効果を持つ活性炭として活用されるわけでございます。これらの問題につきましても、当然、これを一概に産業廃棄物という定義づけを行って処理業者によってこれを処置するということは現実問題として、実際問題として、これは不適当だ、こう思われるわけでございます。これらの問題については、いま御説明のあった検討の中で慎重に対処されるものと理解してよろしゅうございますか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 御意向を受けまして、十分検討さしていただきたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それに関連いたしまして、産業廃棄物のうち紙くず、木くず、繊維くず、動植物不要品など排出企業の業種指定がございます。指定された業種から排出される場合のみが産業廃棄物とされているわけでございます。しかしながら、ガラスくず、陶磁器くずなどは業種の指定がありません。したがって、これらは法のたてまえからすればすべて産業廃棄物として取り扱われる、こういうことになろうかと思います。しかし、これらのものにつきましても、たとえば従業員が使用した食品の空びんだとか、産業廃棄物と現行のたてまえではなっておるけれども、一般家庭から排出されると同様のものというものも存在するわけでございます。非常に技術的な問題でございますけれども、これらのガラスくず、陶器くずなどにつきましても業種指定を行いまして、繊維その他の廃棄物と同様の配慮というものが加えられることが適当ではないか、こう思うんでございますが、いかがでございますか。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、ガラスくず、陶磁器くずにつきましては、事業活動に伴って生じたものであります以上は産業廃棄物ということに現実になっております。先ほども出たわけでございますが、産業廃棄物と一般廃棄物と区分、整理の問題、これは非常に多面的な、また影響するところも大きい問題でございますので、十分慎重に検討いたしたいと思っております。  御指摘のような検討をいたしますけれども、相当の時間をいただきまして、勉強する時間をいただきたいと思うのでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 時間の制限がございますので、要望として、産業廃棄物の区分体系の見直し、そしてそれに伴う処理体制の整備、これにつきましては今後十分に検討されて、産業の実態に即したひとつ基準が制定されるように要望いたしておきたいと思います。  次は、産業廃棄物の再生利用につきましては、現在、私の知る範囲におきましては、工業技術院で若干の研究が進められている程度ではないかと、こう思います。しかし、そのような状態では不十分であることは論を待ちません。したがいまして、大学研究機関への研究委託、産業または企業における研究の助成というものを拡張いたしまして、その技術開発を積極的に推進し、あわせて、再利用可能な産業廃棄物の回収対策や製品の市場対策を含めた総合施策が確立されるべきではないか、こう思考するわけでございます。御所見をお伺いいたします。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 資源化再利用に関します技術開発等の調査研究、通産省におかれましても、また厚生省も一部、各事業関係とも相当の研究をいたしておるわけでございます。  なお、大学や民間の企業等において研究いたしますものにつきましても、補助制度も、工業技術院で重要技術研究開発費補助金でございますとか、あるいは中小企業庁の技術改善費補助金でございますとか、あるいは科学技術庁におきまする発明実施化試験費補助金とか、幾つかの項目がございます。こういったものの活用等で今後対処していきたいと思うわけでございますが、御指摘のとおり、廃棄物の立場からいたしましても、資源化再利用につきましては今後力を入れていかなきゃならぬものだというふうに認識をいたしております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 大臣にこれは要望したいわけでございますが、いま部長答弁はございましたけれども、やはり資源再利用という問題に対するまだ政府施策はようやく緒についたばかりということで、十分なものとは決して言えないと思うわけでございます。この産業廃棄物の処理と再資源化という問題は、これは表裏の関係をなすものでございますので、国務大臣としても、今後国の施策としてこれらの研究開発について格段のひとつ御努力を要望いたしたい、こう思う次第であります。  第二は、産業廃棄物の処理に当たって重要なことは情報の管理ということではないかと思います。わが国においては正確なその実態すらまだその把握は十分でないと言わなければなりませんし、施策はむしろ後追い行政であり、情報管理という視点に立ちますと、ほとんどまだそれは行われていないというのが率直な実態ではなかろうかと思うわけです。そのために、これは笑い話ではありませんけれども、産業廃棄物を積んだトラックが国道上ですれ違うと、こういったまさに珍現象も各所に見られているのが実態であります。西ドイツのハンブルグではウエストバンクという制度がすでに創設されているということも聞いております。本法改正の中で事業者、処理業者に対し処理状況の記録と保管及び定期的報告義務を課すといったような一歩前進が見られていることは評価いたしますけれども、それは決して情報管理というまだ域まで達するものではないと思うわけです。で、各国の実例も十分に研究、掌握されまして効率的処理、資源化再利用の目的も含めたたとえば情報管理センターを設置する、こういった問題を含めたひとつ前向きの情報管理体制の確立について政府はすでに本腰を入れるべき時期に来ているんではないかと、こう思いますが、大臣の所見をお伺いをいたしたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 御指摘になりました点は生活環境審議会の答申、あるいはそれと同じ時期に出ました産業廃棄物処理問題懇談会の意見書の中においても指摘を受けておるわけでございまして、最も基本的な情報こそは産業廃棄物行政の基本になるんだと思っておりまして、重要な問題だと思っております。先生のお話の中にもございましたように、今度の法改正によりまして情報の、第一次の情報をとるための体制の整備というものができてまいります。そういったものを受けまして政令市、都道府県等を通じまして厚生省自体といたしましても、これの把握に力を入れるために実は昨日をもちまして参事官制度も発足さしていただきまして産業廃棄物の関係での増員をしていただいておるわけでございます。そういったものを基礎にいたしまして、すでに有害物質についての実態調査を開始しているということはけさほど申し上げたわけですが、引き続きこういう情報の把握に努めてまいりたいと思っておりますし、将来の問題といたしましてその状況に即応いたしました体制の整備ということも検討してまいりたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 現行体制の中で整備に努めると、情報の収集、管理に努めると、これはまことに結構でございますけれども、私、大臣に要望したいのは、明年度の予算編成に当たってせっかく産廃処理ということの改正が行われるわけでございますから、これをより実効あるものにするために特段のやはり配慮というものが通産大臣とも十分御検討されて、前向きの意欲というものが予算に盛り込まれるべきではないかと、こう思うわけです。大臣いかがですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 産廃問題の検討の最初の段階において、この情報の整備というのがわれわれの間でも論じられるし、どこにどういうものが出されているのか、それをどこへ捨てていいのか、まさしく情報が欠如をしておりまして、先生おっしゃるように産廃のトラックがすれ違うというような話もわれわれも聞いておるわけであります。今後こうした法律の体系とはうらはらの関係になる、ある意味じゃ別の問題でございますが、情報の充実、強化については今後の課題として積極的に取り組みたいと、かように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 第三は産業政策との関連でございます。私は産業廃棄物がこれを排出する事業者の責任、すなわちPPPの原則に立ちまして、事業者責任において処理される、そういう原則はこれは当然のことであると、こう思います。しかし、ここで考えなければならないことは、製品原価というものはどういう形で形成されているかという現実でございます。まあ数少ない産業においては、原価主義によって価格が形成されているところがございます。これらはいわゆる物価政策との関連が生まれてくるわけでございます。しかし、大部分の民間産業においていま現実に行われている価格形成は、そのような原価主義によって価格がつくられているわけではないわけです。たとえば、国際競争力の関係で国際価格との対比の問題がある。わが国内における需要供給のバランスの上で価格が形成されるというものもある。場合によっては繊維等は非常に投機性というものがこれにからんで価格が形成されるという商品もある。そういう価格形成の実態というものを考えますと、この産業廃棄物の処理を完璧ならしめるための、それを支援する産業政策というものがなければ私は法がその実効というものをあらわさないのみか、むしろ逆に物価上昇、中小企業倒産ないしは雇用の不安、経営者における経営意欲の喪失、こういった問題につながってくることを一面として考えなければならないと思うのであります。確かに審議会も産業廃棄物多発型の産業から知識集約型産業へ産業構造を転換するということはうたっております。しかし、これは相当遠い将来の構想であって、将来に志向する方向としてはこれは理解できても、当面の対策とはなり得ないわけでございます。とするならば、事業者の責任体制の確立整備、違法行為に対する厳正な措置、行政機関の監督強化、いわゆるむちにも匹敵するこの規制を強化するという側面のほかに、産業政策の関連も考慮した国及び地方公共団体の支援策というものが当然配慮されなければならない。  そこで、いままでの国の施策を考えてみますと、中小企業金融公庫、国民金融公庫、中小企業設備近代化資金、中小企業振興事業団、公害防止設備リース事業にかかわる資金、公害防止事業団、日本開発銀行などの現行制度の中で、とにもかくにも必要な資金を確保する。そして租税特別措置や地方税の優遇措置についても、まあ租税特別措置が問題になっておるさ中ではあるけれども、とにもかくにもこれを継続する、こういう施策に現在とどまっているのではないかと、こう思うわけでございます。私としましては、たとえば対象企業、融資比率、融資金利、償還期間、融資限度額といったような現在の融資条件についても一度洗い直しが行われる必要があるし、公害防止事業団の位置づけ、税制優遇措置についても、この際産廃物の完全処理という視点からひとつ洗い直しが行われて、十分にこの法の目的が達成できるようなバックグラウンドをつくり上げていくという国の姿勢がいま望まれると思うわけでございます。  通産省としての御見解を承りたい。

伊藤和夫通商産業大臣官房審議官

○政府委員(伊藤和夫君) 御承知のように、いま廃棄物の処理の問題というのは、一応いわゆる事業者責任の原則というものがございまして、事業者側がみずから処理をしていくという原則に立っておりますけれども、私ども通産省としましてはそういった産業廃棄物処理につきまして事業者責任を踏まえつつもその産業廃棄物処理施設の設置の促進をするために、先生御指摘のような積極的に金融税制上の措置というものを講じてまいってきているわけです。まあ今後とも、たとえば対象設備の追加等、助成の充実を図ってまいりたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まあ、最後に要望は申し上げることとして、時間の関係から次へ進みますが、第四は、埋め立て処分地の確保対策ということについてでありますが、まあ審議会答申を読みましても、中間処理体制の整備とあわせ、この重要性が強調されているところであります。まあ狭小な国土の中で事業者や処理業者自身のみによる処理では解決困難な事態がいまあらわれておりますし、今後ともその様相は深まるものと思われます。で、地方公共団体ではいわゆる第三セクターや公社を設立をして、直接処理事業に関与する事例が若干見られつつありますけれども、私の調査したところによりますと、それは秋田、埼玉、山梨、長野、愛知、三重、大阪、兵庫、岡山、高知、長崎という十一府県と福岡市に現在まだとどまっているわけでございます。しかも、これらの内容も分析をいたしますと、ようやく緒についたか、ないしは計画中という段階で、これがまだ効果をあらわしつつあるという段階までは到達をしていないというのが実態であろうと思います。  そこで、私は、国としても広域処理の問題がございます。また、国による地方自治体の処分地確保に対する強力なバックアップ策というものが必要であろうと思います。また現在、関係官庁による処分地確保に関する検討会があるということを聞いておりますけれども、さらにこれを継続し、その機能を強化することも必要であろうと思います。また、第三セクターの設立促進や公害防止事業団の活用も考えられる方策であります。いずれにいたしましても、あるべき埋立処分地の確保対策につきまして、国が明確な方針を打ち出し、国の施策としてこれを支援し、そして埋立地確保に対する企業に対する特別の措置を強化する。また、地方に対しては地方交付税上の配慮を加えるというような総合支援対策の確立というものがなければ、この最終処分地対策というものは完全を期すことはむずかしかろう、こう考えるわけでございます。今後のこの問題に対する政府としての取り組みの姿勢についてお伺いをいたします。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) お説の点はまさにさようだと思います。で、この産廃処理問題については、やはり思想としては事業者責任という旗印を掲げておかなければなるまいというふうに思います。しかし、この法目的を担保すすためには、やはり種々な観点から国や地方公共団体のこれに対する協力体制というものがなければ十全を期し得ないものというふうに思われるわけであります。なかんずく、最終処分地問題をめぐりまして、その困難性を指摘されているところでありますし、また、産廃というものも中小企業の排出するもの等があるということを考えるときに、やはり国や地方公共団体のこれに対する関与、あるいは援助といったものをやらなければ法目的は十分に達せられないと思うわけであります。こうしたわけで、先生御指摘の第三セクターとかあるいは地方産業公社といったような問題も方々で論ぜられ、また不完全ながら一部の地方においては実施しているところもございます。これを完全に義務化をしてしまったらどうだろうかというふうな議論もこの検討の過程においてあったことは事実であります。しかし、現在の国並びに地方の財政状況等を考えまするときに、これを直ちにそうした方向に持っていき、それでなければこの法律は提出ができないというようなことではどうもおくれをとるということでございますので、ステップ・バイ・ステップでいくということで、今日これについてはこの程度にとどめてあるわけでございますが、立法の過程でいろいろ議論の出た問題でもございますので、今後関係方面と連絡、協議をいたし、前向きにこの問題についての推進を図っていきたいと思いますし、またそうでなければこの法目的は達成ができないということでございますので、大いに努力をすべき問題だというふうに思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 ぜひそのような検討をいただきたいわけでございますが、その検討の中に一つの課題として、たとえば企業、いわゆる事業者がこの処分地を確保しようとする場合、土地を入手しなければならない。その問題、漁業問題、地域問題、いろいろ問題がありますが、それらを克服して土地を取得するという場合、現行法によりますと提供者には譲渡所得税がかかるわけでございます。事業者には当然不動産取得税及び固定資産税がかかってくるわけでございます。しかし、ここに取得いたします土地というものは、ここに他の工場をつくったり、再生産のための投資ではなくて、いわゆる産業廃棄物を処理するという目的による土地取得ということになるわけでございますから、果たして一般の土地譲渡及び土地取得と同様にこれを税制上考えていいのかどうか、これは非常にむずかしい問題でございますけれども、たとえばそういった問題にもひとつ検討が加えられる必要があると、こう思うわけです。  そこで私は、以上指摘いたしましたように、資源化再利用の促進、情報管理体制の整備、産業政策との関連的配慮、さらに中間処理体制の整備、埋立処分地の確保といったような本法を実効あらしめるための総合施策を推進していこうということになります場合は、厚生省や環境庁だけの力量では及ぶものではないということがおのずからこれは明らかでございます。通産省、経企庁、中小企業庁、文部省、建設省、国土庁、自治省、大蔵省、さらには科学技術庁まで各省庁に広範にまたがるこれは問題になってくると、こう思うわけです。私は、この法案をつくるまでの過程には、そういう連絡のための一つの機構が設けられたことを承知しておるのでありますけれども、しかし、この法案がつくられた後、それでは一元的な体制づくりというものを一体どうしていくのかということについては、まださだかにその方針が固まっていないとも聞いております。私は国務大臣として、こういったただいままでの大臣の答弁や現実を踏まえて閣議に問題提起をいたしまして、総合政策の確立と推進を図るための一元的行政機構を設けるということに対し国務大臣として努力し、どういう機構がいいのかは私は注文はつけませんけれども、何らかの有機的、一元的施策を推進し得るにたる一つの機構づくりというものに対して御努力を願うべきではないかと、こう思いますが、いかがですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) この法律を策定するまでの間に、先生おっしゃるように、いかにこの問題が国の縦割りの行政の中に各方面と連関が多いものであるかということをわれわれは痛感をいたしました。さようなわけでずいぶん実は苦労を率直に言っていたしたわけでございますが、ともあれ、こうした法律を御審議願うことができるようになったわけでございますが、こうした経緯にかんがみても、今後この法律を施行する場合、あるいはこの法律以外に産廃問題プロパーを今後善処するためにも、私は各省庁との連絡、協議というものを十分やらなければ、今後政策の前進はあり得ないというふうに考えておるわけでございます。ただいまのところ、それの具体的な機構というものについてはまだ固まっておりませんが、いずれ私はそういうものが必要になるのではなかろうかと、かように思っておるわけでございます。さようなわけでよく前向きでこの問題が処理ができるような形で、そういったような連絡、協議の場を設けたいというふうに思っておりまして、これは法律が施行される段階において考慮しなければならない問題でなかろうかというふうに思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 今回の法改正で産業廃棄物処理責任者が置かれることになります。それと関連いたしまして科罰の対象がどうなるのか、委託基準に違反して産業廃棄物の処理を委託した者という中に、社長等の上級当事者がこの中には当然含まれるものと思いますが、いかがでございますか。あわせて委託事業者と処理業者の責任区分、事業者責任というものについて明確にお答えを願いたい。

山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長

○政府委員(山下眞臣君) 事業者の処理責任あるいはそれに対する罰則その他の適用関係、この点につきまして、処理責任者制度が設けられることによって変化はないものと思っております。  それから、後段の質問は、事業者並びに処理業者の責任の区分の問題で、午前中から問題になっておりますようなことで、基本的に事業者責任があるわけでございますが、正規の許可を受けた処理業者に対しまして、定められた基準に従いまして正規の委託をいたしました場合におきまして、その委託された処理業者がその責任において処理した行為につきましては、その処理業者の責任ということで、午前中来御説明申し上げておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まあ、本法の最後の質問として、化学物質の安全性確保に関して御質問いたしたいと思います。   〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕  現在の法律を洗ってみますと、物質対象として食品衛生法がございます。これは厚生省所管でございます。薬事法がございます。これは厚生及び農林両省の所管でございます。農薬取締法は農林省の所管でございます。肥料取締法も農林省所管であります。また化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、これは通産、厚生、環境庁にまたがっております。人間対象の法といたしましては、労働安全衛生法がありまして、これは労働省の所管でございます。このように現在わが国における化学物質の安全性確保に関する法律は多岐にまたがり、これを所管する所管庁も多岐にまたがっている、これが実態であろうと思います。このような状態の中で、一つには消費者の安全確保、一つにはそれらの有害な産業廃棄物を生ずる職場従業員の健康と安全の確保を図っていくことは非常に重要な問題でありまして、われわれがかねて要請いたしておりましたように、五十一年度予算を見ますと、化学物質に関する安全研究推進各省連絡会議の開催が組み込まれております。しかし、これは行政ベースにおいて、お互いにただ連絡をするということにとどまるのではなくて、消費者、生産者いわゆる労働者でございますが、これに経営者、学識経験者等を網羅いたします安全性確保のための懇談会の設置がいま必要な時期ではないか。過般、化学産業労働組合連絡協議会が官房長官を通じまして三木総理にこの設置の要請をいたしているところでございますけれども、これについて前向きの御見解をお伺いをいたしたいと思う次第であります。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 柄谷先生おっしゃるように、四月十四日付ですか、化学産業労働組合連絡協議会で、総理あてに、化学物質安全性確保懇談会というものを設置をし、現状の把握と今後とるべき対策の検討を進められることを要望をいたしております。まあ、この問題は、必ずしも厚生省専管事項ではございません。しかし、こうした問題の必要性が今後とも増進する今日でございますので、よくひとつ関係方面と連絡をいたし、また内閣官房にもこの問題についての善処方を私からお願いをいたしておきたいと思います。   〔理事浜本万三君退席、委員長着席〕

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 各質問に対し、まだ具体性は欠けておりますけれども、意欲として前向きの御回答をいただきました。ぜひともその趣旨が実現に移されますように、大臣初め関係者の一層の努力を要望いたしたいと存じます。  続いて戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について御質問をいたします。  この改正案は、障害年金、遺族年金の引き上げ、戦没者及び戦傷病者の妻に対し改めて特別給付金を支給すること、未帰還者留守家族に対する留守家族手当の引き上げ、遺族年金の支給範囲の拡大等がその骨子でありまして、いわゆるその処遇の改善を図ろうとするものであります。したがいまして、本改正案の早期成立を望みますとともに、最近の著しい物価上昇、さらに国民の生活水準の向上ないしさらに遺族の老齢化等の現象等を踏まえまして、今後さらに援護の措置を引き上げるために政府が積極的に努力することを望みますとともに、あわせて午前中の質問でも述べられましたので質問は省略いたしますが、生存未帰還者の調査と救出について政府として万全の対策を期せられるように冒頭要望いたしておきたいと思います。  そこで、すでに数人の方から質問の出ている問題でございますが、戦災傷病者に対する特別措置に関してでございます。わが民社党は、衆議院におきまして昨年度二月四日、三月七日、三月三十一日の三回にわたりまして質問主意書を提出をいたしましたが、その答弁書はいずれも不満足なものであり、本日の答弁においてもなお意を満たすものではありません。私は政府は一貫して、本法による援護の措置は国と一定の使用関係にあった者またはそれに準ずる者に対し国が使用者としての立場から行っているものである、こういうたてまえ論を堅持されているわけでございます。しかししさいに検討いたしますと、本法の適用対象者の中には、旧国家総動員法に基づく被徴用者が入っております。昭和二十年三月の閣議決定、国民義勇軍隊組織に関する件に基づいて組織された国民義勇隊の隊員、さらに昭和十四年十二月の閣議決定、満州開拓民に関する基本方策に関する件に基づいて組織されました満州開拓義勇隊の隊員など、必ずしも国と一定の使用関係にあったとは言えない者も対象に加えられているわけでございます。  そこで、いままでも指摘されてきたところでありますけれども、旧防空法では「空襲により建築物に火災の危険を生じたときはその管理者、所有者、居住者その他命令をもって定める者は之が応急防火を為すべし」と国民に義務を課し、かつこれに違反した者に対して刑罰を科していることは御承知のとおりでございます。私はこうした事実と、前線銃後の別なく戦われた国家総力戦の実態というものを踏まえます場合に、戦後三十年の処理の一つとして、一般戦災に伴う戦傷者及び戦没者に対する何らかの措置を実施に移すことは国家としての責務ではないか、こう思うわけでございます。この点に対し、再度国務大臣としての御答弁をお伺いしたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 午前中にも同様の御質問がございました。またかねがね質問主意書あるいは衆参両院の委員会、本会議等で御質問のあった件でございます。いまこの種のものについて、いままで国が援護の措置をとっているのは、いろいろニュアンスの違いがありまするが、特別権力関係にある者に限っておったというのは今日までの立法例であります。たとえばいまお説に挙げられましたようなものについても何らかの特別権力関係あるいは身分行動の拘束性を持っておったわけでありまして、そうした者でないものについては一般の社会保障措置でやるというのが国の法体系としては原則であります。しかし、一般戦災者のうち、午前中に申しましたとおり、財産の損害を受けた者についてはこれはもう問題にならないというふうに私ども割り切っております。しからば一体戦災によって傷害を受けた者はどうであるかということであります。こうした問題で一番われわれが引き合いに出されるのが例の原爆に関する、被爆者に関する措置でございます。これについてはやや例外的な私どもの、政府の法体系でございまして、一定の原因を考えて援護の措置をとるという考え方をとっているわけでございますが、これはそうした独得な立法を持っているということはやっぱり放射能を多量に浴びて、そのために身体に非常な傷庚を受け、そして固定をしない現在の病気の中にあって非常に不安を持っているという独得な状態に着目をした立法例でございます。こうしたことを考えてみるときに、一般戦災者については確かに財産ではなしに身体に傷疾を受けたということについてはやや原爆被爆者と似ているところがございますが、しかしこの方々はほとんど病状は固定をいたしているわけでございまして、なお今後の健康について特別な不安を持っているという状況はやや違うだろう、この辺が一体今後政策としてどう扱うかということについての私は一つのメルクマールというふうに思うわけでございまして、したがいまして、こうした方々をどう扱うかということについてかねがね国会で答弁しているとおり、一般身体障害者の調査をいたし、その実態を把握をいたし、またそれによるところの財政負担等々もいろいろ検討をいたさなければならないということで調査をしていることは御案内のとおりですが、残念ながらさっき局長は大変遠慮をして答弁をいたしましたが、まことに私どもとしては実はこの調査に当たって心外な事態に遭遇をいたしました。すべての人間をこの調査によって施設に取り込むのだというふうに牽強付会の議論をいたし、あげくの果てには私どもの職員を一晩中糾弾をするというような、まことに乱暴きわまりない実は抗議がございました。このことは他の地方公共団体にもあったようでございまして、そうしたことで調査が十分にできなかったということは遺憾でございますが、いずれにしてもこうした調査を踏まえまして、さっき申した一連のこうした戦争犠牲者の中における位置づけというものを見きわめつつ政策を考究したいというふうに思っておりますが、ただいまのところ、これについて政府全体としてこれに対処する態度というものは決まっておらないわけでございまして、今後さらにひとつ考究をいたしたいというふうに思っております。  ただいまこれを絶対にやると申し上げるわけにはいきませんし、またやらないと申し上げるわけにもいかない、まあ率直に言うて目下そうした客観情勢あるいは財政負担あるいは政策要請の意味合いといったようなものをいろいろ踏まえて今後研究はいたしたいと思っておりますが、残念ながらただいまこれについて明確なわれわれの態度を皆様に御表明できないというのが現状でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まあ、本日の段階における答弁としてはそれから一歩も出られないものと思いますけれども、私は単純に国との使用関係の有無によって差別を設けるということについてはやはり不公正ではないだろうか。その戦傷者及び戦没者遺族等の実態を踏まえて、百歩譲って、仮に合理的な差を設けるとしても、一般社会保障施策をもってその生存権を保障することがむずかしいと思われるものに対しては、特別立法をもって何らかの措置が講ぜられることが適当であるという意見を述べて最後の質問に移りたいと存じます。  それは、すでに二人の方からも指摘されたわけでございますが、従軍日赤看護婦の処置に関してでございます。ただいままでの質問者は実態の中から申されましたので、私は重複することを避けたいと思いますが、日本赤十字社令は明治三十四年十二月三日の勅令二百二十三号、昭和十三年九月九日改正の勅令に基づくものであります。そして、その日本赤十字社令によりまして、戦時召集状を受け、第一線で軍人同様の激務に挺身したこともこれまた明らかであります。これらの人々の中で、ただいままでの答弁にもありましたように判任文官、すなわち婦長以上の者で公務員期間を有する者は恩給法の対象とされる。現行共済組合の組合員となった者は当該期間の通算が行われる。遺族及び戦傷者に対しては本援護法で遺族には遺族年金、戦傷病者には障害年金が支給される、こういうたてまえになっております。しかし、公務員期間を有しない者や、戦没者、戦傷病者以外の者には何ら国としての処遇が行われていないというのが実態でございます。私はこういうことを言っては、はなはだ問題かもしれませんけれども、男子が天皇の名による召集令状で応召したとするならば、従軍看護婦は皇后の名による戦時召集令に応じたものでございます。公務員期間を有しない者の中には、戦後相当期間外地にとどまって公務員となる機会を失った者や、またやむを得ない事情で民間の医療機関その他、他の道を選んだ者も数多くあるわけでございます。これらを公務員経歴を持つかどうかで格段の差を設けているということについては、いかにもたてまえ論は別として不合理だという気持ちが払拭できないのは当然であります。ただいまの答弁にもあったわけでございますが、当該期間を公務員期間とみなして恩給法を適用するのも一つの方法であります。年金局長言われましたけれども、現行年金制度の中に何らかの配慮を加えるということも一つの方法であります。これ以外にまた別個の必要な援護措置というものが考えられると思うわけであります。その方法は別として、これらの日赤従軍看護婦に対して、やはり心温かい措置というものを加えていくという姿勢が私は本援護法を制定することとあわせて十分に配慮されなければならない問題点ではなかろうかと思うわけであります。  技術的な問題はすでに答弁がございますので、最終締めくくりの意味において厚生大臣としての前向きの答弁を求めまして、五十分まででございますので、私の質問を終わります。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 午前中からるる日赤従軍看護婦さんについてのお話がございました。かねがね国会で、衆参両院の委員会で問題になっているところでございます。これについて何らかの温かい処遇をせよということは、心情的に私も戦中派としてわからぬわけではございません。ただ、現行法の中においてこれをどう処遇するかということについていろいろ問題があろうということでありまして、恩給局の次長さんからお話がございましたような次第でございますが、いずれにしても、これをどのように取り組むべきか、またべからざるか、あるいはまた、それをやる場合にはどういう手法をもってやるのが正しいのかということについてさらに検討を進めていきたいと思います。ただ、私、厚生大臣だからこういうことを申すわけじゃございません。いわゆる厚生年金、国民年金の政策の中でやるということについては他の施策よりはほど遠いところに位置づけられる法律だろうと思いますので、そうしたことではなしに考えるのがいいのではなかろうかと思いますが、恩給局所管の事項とも関連をいたしますので、よく総理府とも相談をいたしまして、今後これについて考究をいたしていきたいというふうに思います。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 他に御発言もなければ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 御異議ないと認めます。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、石本茂君及び森下泰君が委員を辞任され、その補欠として斎藤十朗君及び安田隆明君がそれぞれ選任されました。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) それでは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。  なお、修正意見のある方は討論中にお述べ願います。小平君。

小平芳平公明党

○小平芳平君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております政府提出の廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対して反対の態度を表明するとともに、お手元に配付の修正案を提出し、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  わが国の一般廃棄物及び産業廃棄物の発生量は、現在年間五億トンとし七億トンともいわれる膨大な量に達しております。また、石油化学工業を中心とした近代産業の目覚ましい発展に伴って有害な化学物質や重金属を含む多種多様な廃棄物が生み出され、廃棄物処理上、重大かつ深刻な問題が数多く生じていることは御承知のとおりであります。処理施設の未整備、処理技術の未開発、最終処分地の絶対的不足また事業者や処理業者の不法投棄や不適正な処理の横行、それらに伴う環境汚染の多発、さらに処理施設の建設をめぐる地元住民とのトラブル等々、いずれも解決困難な問題が山積しているのが現状であります。  このような現状は、これまでのように廃棄物を収集し、中間処理し、埋め立てや海洋投棄をするといった、排出された廃棄物を単に後始末するだけの現行の処理体系と方法によっては解決できないことは言うまでもありません。根本的な打開を図るためには廃棄物の排出をより少なくする産業・社会構造への転換や製品・商品構造の改善などが必要でありますが、より緊急の策として、排出された廃棄物を再生利用または、再資源化していく対策がより強力に推進されていかねばなりません。  しかるに、政府案はかような観点を何ら含まず、これまでの処理体系と方法を踏襲し、単に事業者、処理業者の処理責任の強化や処理施設に対する規制・管理の強化を若干図っているにすきません。さらに現在、廃棄物処理の上で地方公共団体に強いられている過重な負担を軽減するための国の役割りと責任の強化が何ら明確にされておりません。政府案は抜本的に改める必要がありますが、政府案の弱点を是正する最小限の措置として本修正案を提出する次第であります。  以下、修正案の概要を御説明申し上げます。  一、廃棄物の処理が単に中間処理を施して埋め立てや海洋投棄等環境還元的処理に委ねられている現状を改め、廃棄物の再生利用を図っていくことをより強力に推進していくため、現行法の題名及び目的の中に「廃棄物の再生利用」を明記するものとすること。  二、市町村及び都道府県の責務として「廃棄物の再生利用」を明記するとともに、国の責務として地方公共団体の廃棄物の再生利用を含めた廃棄物の処理に対する財政的、技術的援助の強化を図るため、努力規定を義務規定に改めるものとすること。  三、市町村は、その区域内における一般廃棄物の処理計画とあわせて再生利用計画を定めることができるものとすること。  四、市町村長は、製品、容器等が廃棄物となった場合において、その適正な処理が困難になるものとして政令で定める適正処理困難物の製造、加工、販売等の事業を行う者に対し、廃棄物となったその適正処理困難物の回収その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができるものとすること。  五、都道府県知事は、産業廃棄物処理計画とあわせて産業廃棄物再生利用計画を定めることができるものとすること。  六、一定の事業者は、その事業活動を通して排出される産業廃棄物の処理及び再生利用に関する月ごとの計画を定め、都道府県知事に対して届け出するようにするとともに産業廃棄物処理業者については産業廃棄物の処理状況について都道府県知事に対して毎月一回報告するものとすること。  七、政府案において事業者がその産業廃棄物の処理を他人に委託する場合においては「政令で定める基準に従わなければならない。」とあるのを、産業廃棄物処理業として許可を受けた者にでなければ委託してはならないこと、及び委託するときには、受託者に対してその産業廃棄物の組成物質、性状、有害性等を告知するものとすること。  八、市町村が設置する一般廃棄物再生利用施設の設置に要する費用については国庫補助ができることとするとともに国は、廃棄物の再生利用施設の設置に必要な資金の融通、あっせん等に努めるものとすること。  九、その他所要の整備を図るものとすること。  以上が修正案の提案理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださるようお願い申し上げます。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 浜本君。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 私は、日本社会党を代表して、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の討論をいたしたいと思います。  過去のいわゆる高度経済成長の中で産業廃棄物が急増し、有害な物質についての安全な最終処分方法が未確立のまま、あるいは実施されないまま環境汚染が進行し、現行法はこれを防止する上できわめて不十分であることが明白となっていたのでありますが、ようやくにしてこのたびの法改正により、産業廃棄物の処理に関する一定の基準の設置、処理責任者配置の義務づけ、許可制度の整備、委託規制、都道府県知事に対する届け出に基づく改善命令等規制の強化、記帳の義務づけ、罰則の強化等かなり改善が実現しようとしていることはいささか遅きに失した感はいたしますが、一歩前進であると思います。したがって、今後政府は法の最善の運用を図り、環境保全の飛躍的な前進を実現されんことを期待いたします。  また、公明党修正案は政府案よりさらに一歩前進していることを認め、これに賛意を表し、討論を終わります。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 沓脱君。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表して、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行います。  今回の改正は、昨年の六価クロム問題を契機にして大きな社会問題化した廃棄物処理行政のずさんな実態に対する国民世論の広範な批判、日本化学工業などに対する住民運動の追及の高まりなどに直面して、初めておくればせながらその部分改正に着手をして成ったものであります。  改正案は、無許可業者への委託の禁止、処理業者の再委託禁止など委託基準の強化による事業者責任を拡大し、最終処分場の届け出制、それから処理状況等データの記帳と一定期間の保存義務、事務所または事業場への立ち入り検査対象の拡大、違法処理に対する措置命令権、罰則の整備強化など幾つかの点で緊急の改善点を持っています。  しかしながら、今回の改正案では不十分な点が多々あります。たとえば許可業者に委託する場合の事業者の最終責任が抜けていること、事業糸一般廃棄物の事業者自身による処理責任の徹底がなされていないこと、一般廃棄物の処理を地方公共団体の固有事務に任せておくのでは解決し得なくなっている今日の廃棄物の処理状況を見るとき、広域的に最終処分地を確保し、処理することが国及び都道府県にとってきわめて重要となっているにもかかわらず、何ら手をつけていません。さらに地方公共団体の用地確保に国が補助し確保すること、さらには市町村及び都道府県が自分の行政区域以外の区域で違法処理をした場合の国の責任などであります。  今回の改正案は、緊急改善対策として一定の改善面を持っていることからこれを支持するものの、まだまだ多くの不備な点を残しているのであります。  そこでわが党は、先刻配付をいたしましたように、残された不備を埋めるため、事業者責任の徹底、一般廃棄物処理における国及び都道府県の処理責任、最終処分場の確保における国及び都道府県の確保または助成の責務などを柱にした修正案要綱を皆さん方にお示しをしたわけであります。私は、政府が速やかにわが党提案のこの修正要綱を受け入れられて、近い将来、再度この法案の改正がなされることを強く要望いたします。  なお、公明党の修正案に対しましては棄権の態度をとります。  以上をもって討論を終わります。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 柄谷君。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は民社党を代表して、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。  なお、公明党の修正案については、本日提案されたばかりであり、にわかに賛成しがたいとの態度を表明するものであります。  本改正案は、昭和五十年十二月十一日に生活環境審議会が答申した「産業廃棄物処理に関する制度の改善方策」におおむね沿うものであり、産業廃棄物をめぐる広範多岐にわたる問題の中で緊要度の高いものから段階的に改善するという視点に立つならば、了承できるものであります。しかしながら、産業廃棄物の適正な処理を確保し、国民の健康の確保と生活環境の保全を図るとともに、他方、産業の健全な発展を通じ、国民生活の向上と雇用の安定を実現するためには、一元的総合的な政策の確立と推進こそが緊要であることを指摘したいのであります。  質問の中でも触れてきたところでありますが、これを要約して再度意見として次の六点を開陳し、政府の格段の努力を強く求めます。  第一は、最終処分地の確保についてであります。  産廃物処理に当たり最も重要な問題は、最終埋立地の確保であります。事業者責任の原則は当然であるが、事業者のみの力量ですべてが満たされるものではありません。国及び地方公共団体としての情報の提供、用地のあっせん、地元対策等所要の措置を積極的に講ずるとともに、金融税制上の措置、各種土地利用制度における配慮など、各般にわたる総合的な施策を確立し、充実した支援策を展開すべきであります。  第二は、資源化再利用と中間処理技術の開発についてであります。  産廃物の減量化、無害化、安定化を図るための中間処理技術の開発と資源の有効利用の促進は、きわめて重要な課題であります。このため、国としての研究体制の充実、産業、企業等に対する研究助成を拡充するとともに、産廃物の定義や基準の確立、技術者の養成等について格段の措置を講ずべきであります。  第三は、産業対策、特に中小企業対策の充実についてであります。  中間処理や最終処分または再資源化のため必要な資金の確保と融資条件の再検討、税制上の措置、地方公共団体による仲介など、各般にわたる施策を拡充するとともに、特に中小企業の協業化、廃棄物の共同処理等に対する支援策を講ずべきであります。  第四は、情報管理の体制確立にかかわる問題であります。  産廃物の発生から処理に至る全国レベルの各種情報の把握と管理を行い、地方公共団体、事業者、処理業者等に提供する方策を確立し、あわせて地方レベルにおいてもこれに対応する体制の整備を推進すべきであります。  第五は、行政機構の整備についてであります。  以上述べてきた四点について、実効ある総合施策を実施しようとすれば、厚生省、環境庁の範囲を超え、通産省、経企庁、中小企業庁、建設省、国土庁、自治省、大蔵省等、各省庁にまたがる行政の体制づくりが必要であります。各省庁連絡会議の設置等、総合施策を確立、推進する行政機構を整備するとともに、地方公共団体においても体制の整備を図るべきであります。  第六は、国庫補助の拡充であり、一般廃棄物処理施設整備に対する国庫補助について、補助率、補助単価等、その内容の改善を図り、実態に適合するものとするよう努めるべきであります。  以上のほか、質問の中で指摘した「化学物質の安全性確保に関する懇談会」の設置を強く求めて討論を終わります。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) ただいまの小平君提出の修正案は、予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣からこの修正案に対する意見を聴取いたします。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) ただいまの修正案につきましては、政府としては賛成しがたいものであります。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) まず、小平君提出の修正案を問題に供します。小平君提出の修正案に賛成の方、挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 少数と認めます。よって、小平君提出の修正案は否決されました。  それでは次に、原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 私はただいま可決されました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党共同提案の附帯決議案を提案いたします。  案文を朗読いたします。    廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   政府は、本法施行にあたり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。  一、産業廃棄物の排出および処理に関し、その実態を十分掌握し、生活環境の保全に万全を期するとともに、その指導、監視に必要な職員の充実について努力すること。  一、産業廃棄物の減量化、無害化、安定化を図るための中間処理技術の開発に努めること。  一、産業廃棄物の再資源化及び有効利用を促進するための技術の研究開発、回収体制の確立、製品の市場対策等について積極的に取り組むこと。  一、産業廃棄物の処理について、中小企業の共同処分地の確保のため、地元対策を含め、用地のあつせんを行うなど積極的な支援対策を講ずること。    なお、一般廃棄物の最終処分地の確保についても、市町村においてその確保が著しく困難な場合には、国及び都道府県知事がその用地の確保に協力すること。  一、産業廃棄物に関する処分基準、構造基準、維持管理基準等の制定、改正及びこれらの運用にあたつては、産業廃棄物の不適正な処理による環境への悪影響を防止する見地に立つて、万全の配慮を加えること。  一、廃棄物となつた場合に適正な処理が困難な製品、容器等については、事業者に回収、処理させる方向で指導すること。  一、産業廃棄物処理行政を円滑に推進するため、関係省庁間並びに国、地方を通ずる連携を一層密にし、一体的運用に努めること。   右決議する。  以上です。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) ただいま浜本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 全会一致と認めます。よって、浜本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田中厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたす所存でございます。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は、ただいま可決されました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対し自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、及び民社党共同提案の附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   政府は、次の事項につき格段の努力を払うべきである。  一、警防団員等に対する援護法上の取扱いについては、戦後相当期間経過していることにかんがみ、その認定方法等について弾力的に運用するよう配慮すること。  一、最近の急激な物価の上昇及び国民の生活水準の著しい向上にみあつて、援護の水準を更に引き上げ、公平な援護措置が行われるよう努めること。    なお、戦没者遺族等の老齢化の現状にかんがみ、一層の優遇措置を講ずるとともに手続等の簡素化を図ること。  一、戦傷病者に対する障害年金等の処遇については、更にその改善に努めること。  一、生存未帰還者の調査については、更に関係方面との連絡を密にし、調査及び救出に万全を期すること。   右決議する。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田中厚生大臣から発言を求めておられますので、この際、これを許します。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸田菊雄日本社会党

○委員長(戸田菊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時十五分散会      —————・—————

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