公害対策及び環境保全特別委員会 第4号
- 発言数
- 215 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/14
会議録
○委員長(藤田進君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月一日、山本茂一郎君、高橋邦雄君、石本茂君が委員を辞任され、その補欠として青木一男君、宮田輝君、金井元彦君がそれぞれ選任されました。 また、去る四月十七日、小巻敏雄君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。 —————————————
○委員長(藤田進君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公害及び環境保全対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に参考人として公害防止事業団理事長熊崎正夫君の出席を求め、同事業団の事業及び予算について説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(藤田進君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 まず、公害対策及び環境保全の基本施策について小沢環境庁長官から所信を聴取いたします。小沢環境庁長官。
○国務大臣(小沢辰男君) 第七十七回国会における参議院公害対策及び環境保全特別委員会の御審議に先立ちまして、環境行政に関する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 健康で快適な生活環境を確保するとともに、すぐれた自然環境の保全整備を図ることは、いまや、人類共通の課題となっております。とりわけ、狭い国土の中に高度工業化社会を築き、一億一千万人余の国民が生活するわが国においては、このことが特に切実な課題となっておりますことは申すまでもありません。 このため、政府はもとより、地方公共団体、民間等を通じて、公害のない快適な生活環境の回復と豊かな自然環境を求めての真剣な努力が続けられてきたのでありますが、その結果、最近においては、一部の汚染因子について、かなり改善の傾向が見られるようになっております。 しかし、一般的には、わが国の環境汚染の現況にはなお深刻なものがあり、しかもその発生の態様においても、単に生産活動に伴うものから、消費活動あるいは公共的活動に伴うものへと広がる傾向を見せており、より複雑かつ多様化しつつあります。 このような環境問題の推移に対応して、環境行政に対する要請も、単に汚染物質の排出規制の強化にとどまらず、環境破壊の未然防止の徹底、さらにはよりすぐれた人間環境の積極的な創出へと拡大してきております。 したがって、これからの環境行政は、直接的な汚染防止対策に加えて、国土の計画的な利用、資源多消費型の産業構造や生活様式の転換、適切な交通体系の確立等をも包含した幅広い総合的な見地から、公害の発生と環境の破壊を未然に防止するという基本的態度に立って計画的に推進することが必要であると考えます。 私は、環境庁長官として、このような基本的認識に立って、国民の理解と協力を求めながら、環境行政を積極的に進めるため全力を尽くす覚悟でありますが、当面次の事項を重点として努力してまいりたいと考えております。 第一は、環境管理の総合的な推進であります。 まず、長期的、総合的視野から計画的に環境行政を進めていくため、現在、昭和六十年を目標年次とする環境保全長期計画を鋭意策定中でありますが、これにより、達成すべき環境保全の目標を設定するとともに、当該目標達成のために必要な施策等を明らかにすることとしております。 また、各種開発行為等に伴う環境汚染と自然環境の破壊を未然に防止するため、環境影響評価の技術手法の一層の拡充を図るとともに、環境影響評価の制度化を期し、目下、中央公害対策審議会においてその検討をお願いしておりますが、この結果をも踏まえまして、そのための法案を提出いたすべく鋭意努力をいたしているところであります。 第二は、瀬戸内海環境保全対策を初めとする水質保全対策の推進であります。 まず、瀬戸内海の環境保全対策を効果的に進めるため、瀬戸内海環境保全臨時措置法に基づき瀬戸内海環境保全基本計画を早急に策定するとともに、これに基づく諸施策の総合的かつ強力な推進を図ることとしております。 さらに、瀬戸内海など閉鎖性水域における富栄養化及び赤潮による被害の発生を未然に防止する等のため、富栄養化機構の解明のための基礎的調査等を実施し、関係各省庁の協力のもとに総合的施策の推進を図るとともに、水質に係る総量規制の早期導入を図るための調査検討を行うこととしております。 第三は、窒素酸化物対策の総合的な推進であります。 固定発生源及び移動発生源から排出される窒素酸化物の削減を図るため、防除技術の評価を踏まえ規制の強化に努めるとともに、総量規制の速やかな導入を図るための調査検討や自動車交通に関する総合的対策に必要な調査検討を行うなどにより窒素酸化物対策の着実な前進を図ることとしております。 第四は、騒音振動対策の拡充強化であります。 騒音及び振動による生活環境の悪化を防止するため、自動車騒音について、その許容限度の長期的低減方策や交通騒音防止のための総合的対策の検討を行うとともに、新幹線沿線の騒音環境についての調査を行うほか、唯一の未規制公害となっております振動について法規制を行うこととし、このため振動規制法案を国会に提出し、御審議をいただいておる次第でございます。 第五は、環境保健対策の充実であります。 今国会においてさきに御審議をいただき成立を見ました公害健康被害補償法の一部を改正する法律等により、公害健康被害補償制度の実施に必要な財源の確保を図りますとともに、被害者の保護の充実を図ったところでありますが、今後とも同制度の適正かつ円滑な運用に努め、公害による健康被害者の迅速かつ公正な救済に万全を期してまいりたいと考えております。 第六は、公害の防止等に関する試験研究の促進であります。 公害の防止等に関する試験研究の中核となる国立公害研究所について、組織の充実、研究施設の整備等を進め、その機能を拡充強化するとともに、関係行政機関の公害防止等に関する試験研究の一層の促進を図ってまいりたいと考えております。 第七は、自然環境の保全整備であります。 公害の防止と並ぶ環境行政のもう一つの柱は、自然保護の推進であります。わが国の豊かな自然と美しい国土を保全整備し、これを次の世代に伝えることは、環境行政の大きな使命であります。 このため、環境保全長期計画の一環として自然環境保全長期計画を策定し、長期的、総合的視点に立った自然保護行政の計画的な推進を図るとともに、自然環境の保全のための地域指定の促進、交付公債による特定民有地買い上げ措置の充実等に積極的に努めてまいりたいと考えております。 以上、私の所信の一端を申し述べましたが、環境行政の一層の進展のために、今後とも本委員会及び委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第であります。 —————————————
○委員長(藤田進君) 次に、昭和五十一年度環境庁関係予算及び昭和五十一年度各省庁の環境保全関係予算について順次説明を聴取いたします。金子官房長。
○政府委員(金子太郎君) 昭和五十一年度総理府所管一般会計環境庁予算についての説明を申し上げます。 昭和五十一年度の環境庁関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十一年度総理府所管一般会計歳出予算額のうち、環境庁予算額は三百四億百四十四万円であり、これを前年度の予算額二百十九億五千五百二十一万五千円と比較すると、増加額は八十四億四千六百二十二万五千円であり、その増加率は三八・五%であります。 このほか、国庫債務負担行為として六億二千八百九十六万四千円を計上しております。 予算の主要な項目について申し上げますと、第一に公害対策関係が計上されております。 以下、省略させていただきまして、第二には、自然環境の保護整備対策について所要の予算を計上いたしております。 これらのほかに、建設省所管予算といたしまして、国立公害研究所の施設整備のため二十四億五千七百十一万円、国庫債務負担行為十九億四千四百四十五万円がそれぞれ計上されております。 以上をもちまして、大変簡単でございますが、昭和五十一年度の環境庁関係予算の御説明を終わります。
○委員長(藤田進君) 次に、柳瀬企画調整局長。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 昭和五十一年度環境保全経費等の御説明を申し上げたいと思います。 各省庁の昭和五十一年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。 まず、歳出予算について御説明いたします。 昭和五十一年度における環境保全経費の総額は四千八百四十五億円となり、前年度の当初予算に比べ千九十一億円、二九・一%の増加となっております。このうち、一般会計分は四千三百四十億円と前年度の当初予算に比べ九百四十四億円の増加となっており、各特別会計分は五百五億円と前年度の当初予算に比べ百四十八億円の増加となっております。 次に、公害防止関係財政投融資について御説明いたします。 昭和五十一年度における公害防止関係財政投融資は、全体として、事業規模または貸付規模において総額九千四百七十四億円を予定し、前年度の当初計画に比べて千六百三十六億円の増加となっております。 以下、内容の概略につきましては、お手元に配付させていただいておる資料のとおりでございます。
○委員長(藤田進君) 次に、公害等調整委員会の事務概要について説明を聴取いたします。公害等調整委員会委員長小澤文雄君。
○政府委員(小澤文雄君) 公害等調整委員会が昭和五十年度中に行いました公害紛争の処理に関する事務及び昭和五十一年度の当委員会の予算につきましてはお手元に処理概要を差し上げてございますが、そのとおりでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(藤田進君) 次に、公害防止事業団の事業及び予算について説明を聴取いたします。公害防止事業団理事長熊崎正夫君。
○参考人(熊崎正夫君) 公害防止事業団の事業の概況及び昭和五十一年度予算についてはお手元にある資料のとおりであります。よろしくお願い申し上げます。
○委員長(藤田進君) 以上で所信及び説明の聴取を終わります。 —————————————
○委員長(藤田進君) 次に、先般当委員会が行いました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。原文兵衛君。
○原文兵衛君 委員派遣の報告を申し上げます。 藤田委員長、森下理事、矢田部理事、小平理事、沓脱委員、三治委員と私が去る二月十九日から二十一日までの三日間、水島重油流出事故による公害、環境汚染の発生状況とその対策、海田湾埋め立て予定地と環境アセスメント、自動車排出ガス五十三年度規制対策等について実情調査を行うため、岡山県、広島県を視察いたしました。 なお、岡山県においては、寺田議員が、広島県においては浜本議員がそれぞれ現地参加されました。 二月十九日は、三菱石油株式会社水島製油所を視察した後、倉敷市消防本部においてコンビナート防災対策及び環境保全対策について県及び市から説明を聴取いたしました。 二月二十日は、広島県庁において県側から、広島県の公害環境問題及び海田湾埋め立て問題について説明を聴取するとともに埋め立て促進について三団体から陳情を聴取した後、東洋工業株式会社本社工場と海田湾を視察いたしました。 海田湾におきましては、広島大橋から埋め立て予定地の地形や計画位置を一望した後矢野町大井地区を視察し、広島市役所矢野支所において住民側から埋め立て反対につき意見を聴取いたしました。 二月二十一日は、中国工業技術試験所瀬戸内海大型水理模型を視察いたしました。 以上が今回の調査範囲の概要であります。 次に、今回の調査で問題と思われる八つの点を報告し、これに対する政府の善処を要望したいと思います。 まず第一は、三菱石油株式会社水島製油所重油流出事故による環境汚染等の問題であります。すでに御承知のように、昭和四十九年十二月十八日、三菱石油株式会社水島製油所において、五万キロリットル入り丁二百七十号タンクに亀裂が生じ、四万二千八百八十八キロリットルの重油が流出、噴出した重油はタンク付属の鉄製階段を倒壊させ防油堀を破壊したため、七千五百キロリットルないし九千五百キロリットルの重油が同製油所から海上へ流出、瀬戸内海東部全域にわたり甚大な漁業被害並びに環境汚染をもたらしたのであります。これまでに会社側が支払った重油回収清掃作業費の合計は約百三十億円、漁業補償及び旅館、民宿等の関連被害補償に要した費用は約百七十億円となっております。回収したノリ網、ワカメロープの処理はすでに終わっておりますが、吸着マット、雑ごみ等を回収したオープンドラム十三万三千二百本のうち三万本のオープンドラムと一万七千トンの土砂が同製油所構内に野積みされており、できるだけ早く処理するとのことであります。現在はすべて回収作業を終了しており、岡山、香川、徳島、兵庫の各県の海岸線を月一回ないし二回の頻度でパトロールによる監視を行う等重油汚染の防止に努めているとのことであります。 政府としては、二度とこのような大事故を起こさないようコンビナート施設の設置基準、保安点検基準等の強化、整備を図る等万全の措置をとるとともに、流出油が海中の生物相の変化に与える影響、流出油と赤潮発生との関連、油処理剤の生物への影響、油流出海域の底質の実態、油の自然浄化機構等の諸問題の究明に今後とも一層努力する必要があります。 第二は、倉敷市福田町松江地区の集団移転の問題であります。当地区は水島コンビナート地帯の東側に位置し、東側と南側は石油化学工場に、西側は発電所、製鉄工場に隣接しており、三方が工場地区に囲まれた状態となっております。松江地区の集団移転問題につきましては、すでに本委員会が去る昭和四十八年十月視察し報告書を提出しておりますが、最近の相次ぐコンビナート事故により住民が不安を感じているとの市側の説明が再度ありました。政府としてはコンビナート地帯に隣接する民家等の集団移転につきましては、公害防止事業費事業者負担法及び公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置法の適用等の面で十分配慮すべきであります。 第三は、下請、関連企業従業員に対する安全教育の強化等の問題であります。 三菱石油におきましては、重油流出事故以後、昨年八月、倉敷市との間で災害防止協定を調印し、環境安全部の新設、自衛消防組織の強化等災害防止管理体制の強化を図るとともに、二十六基のタンクに漏洩警報器の設置、総延長六・五キロメートルの二次防油堀の設置、排水口に緊急閉止門の設置、油回収船の配備等を実施しているほか、オイルフェンス、油吸着材、油処理剤等防除資機材についても法定の二・三ないし四・四倍保有するなど災害防止設備面の増強を図っております。 しかしながら、昨年七月のナフサ流出事故、本年一月十八日の四百十九号トルエンタンクの爆発事故等の事故が相次いでおります。本年一月の事故は下請企業の従業員がサンプリング検査中に起こした事故であり、この者は要求されております危険物取扱者資格乙種第四類の資格を持っていなかったとのことであります。当製油所には従業員約八百五十名のほかに、下請企業の常雇い人員二百三十名が働いており、荷役、配管パトロール、サンプリング検査等の業務を行っているとのことであります。 政府としては、コンビナート地帯の事業所においては、下請、関連企業の従業員の占める比率が相当に高い実情にあること及びその業務がコンビナートの安全性に関連する部分が多いこと等にかんがみ、安全教育の面でも十分配慮するとともに、その指導、監督に万全を期す必要があります。 第四は、水島コンビナート地帯の海上防災対策の問題であります。 水島港におきましては、コンビナートの拡大に伴い海上における危険物の輸送量が増大の一途をたどっております。昭和五十年は重油流出事故の影響等により若干減少しておりますが、昭和四十九年における入港船舶数は約七万三千隻、六千六百万トンに達し、その大部分が原油、石油製品、LPG等の積載船であり、海上災害の発生の危険性が増大しております。 政府としては、コンビナート地帯の海上災害の防止には今後特段の努力を払う必要があります。 第五は、コンビナート地帯の消防技術職員の増員並びにレベルアップの問題であります。 倉敷市は新たにコンビナート防災担当職員として技術職員を四名採用、あるいは岡山大学へ研修のため職員を派遣し技術のレベルアップに努める等の対策を講じておりますが、企業に対する指導、監督、検査等の面で必ずしも十分でありません。政府としては、財政面において十分配慮するとともに、地方自治体の要請に応じ専門技術者を派遣する等の措置を別途考慮する必要があります。 第六は、防災資機材及び防災技術の開発を促進する問題であります。 水島地区には常時三千メートルのオイルフェンスを海上に浮かべており、十分間で七百メートルまで展張することが可能になったとのことでありますが、風や波浪、潮流などに対してはオイルフェンスは依然として弱点を持つと見られております。 政府としてはコンビナート地帯で予想されるあらゆる種類の災害に対する有効かつ適切な防災資機材、防災技術の開発に一層努力すべきであります。 第七は、海田湾の埋め立て問題であります。 広島県は、昭和四十二年に策定されました広島広域都市圏建設基本計画の一環として広島湾の東の奥部にあります海田湾のほぼ半分を埋め立て、東部流通センター、流域下水道浄化センター等を配置しようとしております。 広島市矢野町、海田町、坂町地先に予定しております東部流通センターの埋め立て面積は約百四万平方メートルであり、倉庫業、運送業、鉱物、金属材料、機械器具等の卸売り業等五十四社の立地が予定されております。岩壁は国、県が事業主体となり、五千重量トン級及び二千重量トン級の国内船用の全長千四百メートルの公共埠頭の建設を計画しております。 流通センターの埋め立てにつきましては、漁業補償はすべて完了しており、昨年十月には、埋め立てに関係しております広島市、海田町、坂町の議会から工事中の二次公害の防止、公園等、公共用地の拡大等の条件を付して同意が出されております。当流通センターの埋め立てにつきましては現在、運輸大臣に認可申請中であります。関係市、町議会から出された条件につきましては免許条件の中で、あるいは一般行政の中で、十分対応したい、また、計画当初とは現在の経済情勢は変わっているが、埋め立て計画を中止する考えはないとの県側の説明がありました。 広島市向洋地先に予定しております瀬野川流域浄化センターにつきましては、埋め立て面積三十二万平方メートル、計画処理人口三十五万四千人、三次処理まで行うとなっておりますが、目下漁業補償の交渉中であり、本年三月末を目途に解決したいとのことでありました。 なお、東部流通センターに隣接したところに、すでに十四社の工業団地のために約四十六万平方メートルの埋め立て事業免許が去る昭和四十八年三月交付されておりますが、流通センターの埋め立てと同時着工することになっておりますので、埋め立て事業はまだ実施されておりません。 このほか、坂町森山東地先に計画されておりました県内の中小企業のための森山工業団地約二十二万平方メートルの埋め立て計画は一時中止となっております。 海田湾は御承知のように、瀬戸内海環境保全臨時措置法第十三条第一項の埋め立てについての規定の運用に関する基本方針の留意事項を埋め立てに際して守るべき水域に指定されております。 すなわち、海田湾を埋め立てる場合は、(イ)公害防止、環境保全に資するもの(ロ)汚濁負荷量の小さいもの(ハ)水質汚濁防止法による特定施設を設置しないものという三つの条件をすべて満足させなければならないのでありますが、県側の説明によりますと、埋め立て地は、広島市及びその周辺に散在する中小企業のための移転地として利用するものであり、都市における公害防止、環境保全に資するものである。水質汚濁負荷量については、東部流通センターは海田湾流入総汚濁負荷量に対して一%の寄与率しか示さないので、現在の海田湾の水質環境基準COD三ppmは十分維持できる。また、大気汚染についても、流通センターで使用される昭和五十七年推定燃料消費量は重油換算で年約八千二百キロリットルであり、海田湾地域におけるその寄与率は四%以下であるので、その影響はほとんどない、したがってすべて留意事項は満たしている。また、騒音等その他の公害、環境への影響も軽微であるので埋め立て計画は妥当なものであるとのことでありました。 しかしながら、この埋め立て計画に対しましては地元住民からかなり強い反対の意見が出されております。反対の主な理由は、埋め立てにより自然景観が損われる、海を失うことは耐えがたい、環境アセスメントの依頼先が埋め立て業者との関係が深いので信頼できない、アセスメントの項目に赤潮の発生原因と見られる窒素、燐が入っていない、生物への影響については調査を行っていない、代替案が示されていない、アセスメントの基礎データが公表されていない、高潮、洪水の起こるおそれがある、三次処理の実用化がなされていない。海田湾の汚染が進んでいるので埋め立てると県が説明しているが、むしろ水質の浄化に取り組むべきである等であります。 政府としては、中立的な権威ある機関によるアセスメントの実施、話し合いの場の確保、アセスメント技術手法の確立、標準的な調査項目の明示等について、今後新たに海田湾以外の埋め立て計画等が出された場合には十分配慮するとともに、すでに提出されております環境アセスメントの審査に当たっては、現地調査を行う等慎重に審査する必要があります。 第八は、自動車排出ガス五十三年度規制対策の問題であります。 東洋工業株式会社におきましては、ロータリーエンジン、レシプロエンジンについてそれぞれ五十三年度規制達成のため技術開発を鋭意推進しております。ロータリーエンジンについては、実験室において窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメーターにかなり近い値を出せるものの運転性能、価格等の面で、また、レシプロエンジンは耐久性の面でそれぞれ今後解決すべき問題が残されており、現時点では、昭和五十三年度規制値を量産において達成する段階には至っておりません。 政府としては、低公害車がコスト高になる等の実情にかんがみ、低公害車の開発に努力している企業が不利にならないよう税制、金融等の面で特段の配慮をする必要があります。 以上、簡単でございますが、報告いたします。 なお、関係県、市等から出されました要望書等を別途報告書として、会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますので、委員長がよろしくお取り計らいくださるようお願いいたします。 以上でございます。
○委員長(藤田進君) 以上で報告は終了いたしました。 ただいま報告いただきました派遣委員から別途報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(藤田進君) これより、先ほど聴取いたしました環境庁長官の所信、環境庁予算等について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 長官の所信表明に関連いたしまして、その政治姿勢についてまずお伺いをしたいと思いますが、これは前回問題になりました小沢環境庁長官の選挙管理委員会に対する干渉の問題であります。 昨年の統一地方選挙で新潟県の入広瀬村の村長選挙が行われました。この村長選挙はわずか三票差で当落が決まり、しかも投票の管理、投票箱の管理等に問題があったということで県選管等に対して異議の申し立てがあったケースであります。県選管はそれを受けて慎重に審理をしている最中に、事もあろうに時の国務大臣が、新聞の伝えるところによりますと、その選挙を無効にしないでほしい、こういう電話を選管委員長あてにかけたという事件が報道されております。国務大臣がこういう選挙関係に対して重大な干渉を行うことはまさにゆゆしき問題だと私たちは考えています。これについて大臣としてどういま考えておられるのか、事実関係を含めて釈明を求めたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) いまおっしゃいました入広瀬村の三票違いの選挙で無効を訴えている側、これは先生御存じだと思うんですが、その人の方が私とはうんと親しいのでありまして、私が、選挙管理委員長の笹川がおじさんですから、まず第一にどうしてもお会いしたいので、いろいろ実情を話したいからお会いさしてくれぬかと言って私のうちへおいでになったのは無効を訴えた側の人でございます。私はもちろん新潟におりませんので、私のたしかその人を世話をしておりました、またそのせがれさんも私がいろいろ自動車の整備の工場を開くのにお世話を申し上げたせがれでございまして、その人の頼みを受けて、私の——いま私はやめておりますが、私の会社の者が常時知っておりますからおじさんのところへ連れていったのでございます。そういう事実をお調べくださいますと、無効にしてくれと訴えた方がより私と深い関係にあるのに、私が無効にしないようにという圧力を私のおじに電話をしてかけるはずがかいのであります。この点はひとつぜひお調べをいただきたいのであります。 ただ、私が電話をかけたことは事実でございます。朝日新聞によりますと、私が電話をかけたのは二月二十三日に開かれた定例の選挙管理委員会の数日後ということであります。それは確かにそのとおりであります。しかも、この新聞記事でずっとごらんいただきますとわかりますように、あの日も委員長から私に御注意がありました。その記事の中に、「このときの委員会で笹川委員長は「これだけ審理をつくしても選挙無効の方向で満場一致の結論を出せないなら、県議会ですべてをぶちまける。そのうえで全委員が辞任しよう」と発言、政治的圧力で一部委員が結論を渋っているとみて、決意を促した、という。」という記事がこの二十三日の委員会にあった。私はそのことは知らないんです。その数日後に電話をしたわけであります。ところがこの記事を見ますと、ちょうどたまたまそれの前後がぼけておりますので、いかにもこの笹川委員長が全委員に、いろいろ圧力があってもこんなことは結論出せないようだったらみんなで辞任して県会でぶちまけようと言ったのが、ちょうど私が電話を受けた後のような印象を与えておるように私は思うのでありまして、記事がその点は非常に正確じゃないと思います。私は朝日の新聞記者に対して、ここの中には私の談話が載っておりますが、これだけでございまして、むしろ、私のおじは昔から政治家でございまして、国会はやりませんでしたが、県会も市会もやりました。非常にけんか早い人でございます。そこで、そういう話も知っておりましたので、電話をしたときに、まあいつものおじさんの短気を起こしなさんなよというような話もしました。一体どうなってんだと言ったら、いや、こういうわけで両派からわあわあ言ってきて大変だと、しかしこれから証人も呼んだりなかなか相当かかるというような話がありました。それだけの私は電話の応答でございまして、あのときに委員長からも御注意ありましたから、私は事実を調べていただければ、無効を委員長が——この朝日新聞は「要請けり無効裁決」、いかにも私が、見出しで「干渉」と、私が無効にするなということを要請したのをけって無効裁決したようになっておりますけれども、全く事実と違うのであります。ただ、委員長から言われましたように、いま、たとえおじ、おいの間柄で、もうしょっちゅう、一番私の、実はうちの親のきょうだいとしては残っておるたった一人のきょうだいの家でございますから、もうしょっちゅう、しかも近所で歩いて一分もかからぬところでございまして、しょっちゅうつき合いをしておりますので、そういうことではありますけれども、委員長の御注意がありましたように、おまえは現職の国務大臣じゃないか、相手は現職の一応立場上選挙管理委員長じゃないか、そういう立場を考えると軽率ではないかと御注意を受けましたときに申し上げましたように、そういう面は確かに、おじ、おいの間柄であって何かといろんなことでつき合いをやっておりますが、そういう意味に言われますと、私も確かに現職の大臣であり相手が選挙管理委員長であるということに対して思いを、もう少し慎重にやるべきだったんで、その点は私はまことに遺憾でございましたとおわびを申し上げましたような次第でございます。 ただ、先生がいま無効にしないように圧力をかけたと言われますと、その点はいささか事情が違いますので、社会党推薦の委員あるいはいろんな推薦の委員が選挙管理委員会に入っておりますが、翌日の新潟日報にも詳細にそれらの委員の方々の談話等がございまして、また見出しにも、その地元の翌日の新聞には全部か——委員長も全部否定をいたしておりますので、この点ひとつ御了解を得たいと思うわけでございます。
○矢田部理君 私は、長官がどちらの派と親しいかなどということは余り関心が実はないんであります。いまのお話にもありましたように、時の国務大臣が、おじさんであれ何であれ、県選管の委員長です、しかもそれが三票差という際どい接戦を演じた結果、その選挙管理の問題をめぐって異議申し立てが出され、審査中であります。審査の内容はきわめて慎重にしかも秘密裏に行われなきゃならぬということは、これはもう常識なんです。どういういきさつがあれ、そこに電話をかけたこと、しかも選挙に関して電話をかけたことは事実なんですね。これはお認めになりますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 先生、私は国務大臣であり、向こうは選挙管理委員長でございます。これは事実なんです。しかし私のおじであることも事実なんです。しかも、私のおじであり、昔からいろいろ政治的には指導を受けた、むしろ私の師匠であります。その師匠が、この記事にもありますように、二十三日の委員会で、とにかくすべてをぶちまけて、その上でみんなで辞任しようというようなことを言っておるわけでございます。また昔の癖が出てむかっ腹を立てたなあと、そういうようなことになると委員長としても、私が身内として自重を促すという電話をかけたくなる気持ちは、これはどうでしょうか、否定できないんじゃないでしょうか。そういう意味でかけたときに、一体いまどうなっているんだという話をして情勢を聞いたというだけで、私がどうも圧力をかけたなり干渉したなりということになるのかどうか。これは私は、ようくひとつ実態を調べていただきまして、それで御判断をいただきたいと思うんです。私は、選挙管理委員長であり、私が国務大臣であることは事実ですが、そのおじが、選挙管理委員会の席上、むかっ腹を立てて、みんなでやめようじゃないか、県会でみんなぶちまけてやろうというような発言をしたという記事を見て——記事というのか、それを聞いたので、私が電話をかける数日前の委員会でそういうことだということを聞きましたので、そこで心配をして電話をかける気持ちになったわけです。それを、確かに私はいま現職の大臣でございます、相手は現職の選挙管理委員長ですから、選挙に関して話をしたことも事実であります。しかし、その内容はいま申し上げたようなことでございますので、この点はひとつ御理解をいただいて——しかし、私が委員長にちょうど三十一日の日に御注意を受けましたときに申し上げましたように、私がそういう点について、余り心配したって、それはおまえ、国務大臣としての立場で、選挙管理委員長、相手の立場じゃないかと、選挙に関してそういうような電話をするのは不謹慎だと言われれば、その点に対する配慮が足りんかったということでおわびを申し上げたわけでございまして、これ以上私の実は疎明の内容は一つもございませんので、後は、判断は委員会にしていただく以外にはございません。
○矢田部理君 前回、委員長のもとで釈明をしたことと、いささか内容が違っているように思うんです。きょうの説明によりますと、おじさんである選挙管理委員長が、全部ぶちまけて辞任をする、それに対して、短気を起こすなよという電話をしたんだと、それがなぜ悪いのだというような趣旨のようにも受け取れるわけですけれども、その際つけ加えて、ところで選挙はどうなっているんだと、この問題はどうなっているのかと聞いただけだと、前回の長官の委員長に対する釈明のときには、前段ではなくて、後段に重点があった。選挙の情勢経過を聞きました——新聞の記者会見でも長官はそう述べておられます。いま、おじさんがやめるかやめないかという問題で電話をかけたという説明とは、いささか内容が違っているんです。その点、どうなんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、いま申し上げましたように、おじのむかっ腹を立てることは昔からの癖でございますので、何もその点についてるる電話をかけたわけではありません。もちろん、入広瀬でつんまらずで大変だねということで——新潟の言葉ですから、お互いそういう電話をかけるわけでございますが、そのまま申し上げますと、余り短気を起こさぬ方がええですよと、いやあ、まあ大変だよ、あちこちからわあわあ言われて大変だと、どうなっているんですかと言ったら、まあまあこれから証人も呼ばなきゃいかぬし、もう相当かかるというような話で、そうですかということで、これに関する話はそれで終わったんです。で、私の母の妹が病気中ですから、そのことも話を聞きました。しかし、それはお尋ねの趣旨ではありませんので、申し上げてない。で、どうもそれだけをとらえますと、そうおっしゃいますけれども、私の電話はもう全く日ごろのおじさんに対する態度みたいなことで、ざっくばらんに電話をしたということでございます。ただ、選挙の、選管の決定についてあるいはまた決定するであろう内容について言及した覚えは、全くございません。ただもう、状況を伺っただけでございます。そういうことでございますので、私は、前回申し上げたことと内容は違っておりません。ただ、誤解があると悪いですから、いま、私は三十一日朝、新聞を見てただ知っただけでございまして、選挙管理委員会の日がいつやったのか、いつどういう決定になったのか、全然知らないでいたものですから、そういう意味においては一カ月前のことでもありますし、いろいろ記憶をたどってその後みまして、その後も私、おじに会っておりません。会ったりすると、また誤解を招いてもいけませんから、会っておりませんが、そういう意味で、三十一日には内容を全然私はつまびらかにしない、新聞見たままで国会に——国会、たしかあれ、朝、新聞見ないで、私、いろんな会合があったものですから出かけまして、で、そういう話が出るということを聞いて初めて新聞を見たわけでございますので、私の申し上げていることに偽りも何も、間違いもございません。
○矢田部理君 簡単に答弁いただきたいと思いますが、だれかから頼まれてでもしたんでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) だれからも頼まれません。
○矢田部理君 まああなたがどういう派閥に属しておられ、その流れがどの候補者を支持したかも、状況から言って明らかなんですね。しかも、あなたの選挙区の問題でもないわけです。田中前首相の選挙区内に起こったケースなんですね。そういう筋からでも何か話でもあったんじゃないんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど言った、無効を訴え出た私と最も親しい側も、それからそれを三票差で勝ったということで無効ではないと主張している側も、両方とも田中さんの二十五年間の支持者でございます。
○矢田部理君 まあ余りその種の内容に立ち入って言いたくはありませんけれども、要は越山会が分裂して二派に分かれて争ったわけでしょう。そのもつれがいろいろな形で波及効果が出てくるようでありますけれども、まあ最終的にこの問題、他の質問もありますから、締めくくりますけれども、もう一回やっぱり聞かせてほしいと思うのは、事実関係に対してまあいろいろ弁明、弁解をされますけれども、長官としてどういう責任を、国務大臣としてどういう責任を感じているのか。単に軽率だったと言うだけでは済まされないと思うんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、先ほど申し上げ、あるいは三十一日の日委員長から御注意がありまして委員長に申し上げたとおりでございます。
○矢田部理君 もう一回言ってください。
○国務大臣(小沢辰男君) るるお話を申し上げておるように、私が、もし先生御調査をして、選挙管理委員長に選管で審議をする内容の決定、その決定についてどちらかに圧力をかけたという事実があれば、私は責任とりますよ。もしそうでないとすれば、それを問題に、もしそれだけを問題にされるなら、私は委員長に申し上げたとおりだと申し上げますのは、委員長に私が申し上げた、その現在の私の立場と向こうの立場というものを、余りおじ、おいの関係でなれ過ぎたという反省を申し上げておわびを申し上げた、それ以上のことを言われるのなら、お互い政治家として責任をとり合いましょう、こういうのが私の考えであります。
○矢田部理君 何か物の言い方が少し気ばんでいる態度なんで、お互いに責任をとり合いましょうとか、何ですか、いまの言い方は。ちょっとやっぱり気になりますね。私どもは質問している方ですよ。どっちかが悪いことやったという話じゃないんですよ。そこはやっぱり間違いのないように、混同しないようにしてください。
○国務大臣(小沢辰男君) 私が干渉したという事実があれば、私は責任をとりますと申し上げているんです。しかし、もしそういう事実がなくて干渉だ干渉だと言うんなら、お互いという意味はこれは言論報道機関も含めての話でございます。私は、あのときに予算委員会でも言われました。おまえはこの記事の差しとめの運動をしたじゃないかと、こういうお話がありました。全く覚えもありませんよ。朝日新聞に聞いていただいてもわかる。電話一本かけておりません。これが出るまでわからなかったわけです。したがって、私がもし干渉したという事実を御調査の上でされるなら、私は現職大臣として、選挙管理委員長に私が圧力をかけたということであれば、私の政治姿勢について云々をされるのは当然でありますから、それについての責任はとりましょう。しかし、それがもし事実でなければ、もしその事実だけでこれを問題にするところがあれば、それはお互いにひとつ責任をとり合いましょうやと、こう申し上げているわけで、私はそれを先生に申し上げているわけじゃない、私の心境をどうだと言われますから、私は朝日新聞について、それがその結果そういう事実がないのに事実であるということであるんなら、それは私はこの担当の人にも責任を分かち合ってもらいたいし、あるいはもしそういうことが、どっか選管の委員の中でそういう話が出たということであったり、あるいは他の外部からそういうことがあったとすれば、それは当然責任を分かち合ってもらおうと、こういう意味で申し上げているわけであります。
○矢田部理君 ちょっと納得できませんね。だけでなしに、少し開き直った物の言い方じゃありませんか。少なくとも現職の国務大臣が、おじ、おいの関係であれ何であれ、いま非常に微妙な審査の段階で、その内容を問い合わせる、このこと自体だって大変な問題じゃありませんか。しかも、それを受け取る側はあっちこっちから電話がかかっている、いろんな要請がある中で雑音が多過ぎる。あなたのことに関してもがんとしてはねのけたという新聞報道もあるわけですよ、ほかの委員から、あなたの問題に対して。だから、そう開き直った物の言い方じゃなくて、単におじ、おいで電話をかけたのも軽率だったという質の問題じゃないんじゃありませんか。もう少し謙虚な反省、物の言い方がほしいと思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私の言葉が強かったのかもしれませんが、笹川委員長はそう言われたけれども、はっきりはねつけたとおっしゃいますが、翌日、笹川委員長が、正式に記者との一問一答で新潟の新聞、しかもそれは中央紙あるいは新潟の新聞にそういう事実は全くないと言っているわけです。私が、もしそういうことを頼んだけれども、はねつけたということが事実であるんなら、それは私の干渉である、こういうことになります。したがって、先ほど言いましたように、事実を調べていただいて、そういう事実があれば、それは私は責任をとらなきゃいかぬと、しかし事実でないんですから、しかも私がおいっこの立場で、おじさんがそういう辞任するとか、大変なことを言っているのを心配するのは、これは人情としても私は御理解いただけるんじゃないかと思うんですがね。そういうことを申し上げているんで、私があの三十一日の日に予算委員会においても、それから委員長からも代表で御注意がありましたときに申し上げたのは一つも変わっておらない。私は変えて申し上げているつもりはないのです。しかし、いまあなたからどういう責任をとるかと言われましても、私は選挙干渉をした覚えがないのに責任をとれ、とれと言って責められましても、責任のとりようがないんです。ただ、私の、委員長に申し上げたとおりのことしか私は申し上げるほかの言葉がないから、それをさらに詰められで、おまえはどういう責任をとるんだ、責任をとるんだと言われますから、それが事実であれば責任をとりますと、しかし、事実でない場合は、責任をとれ、とれと言われましても、事実でない場合にはとりようがない。そういう場合には、しからば、こういうような問題を、大事な国会の審議を妨げたり、いろいろ疑惑を受けたわけでございますから、この点は記事の内容その他関係者のはっきりした、やっぱり私は事実であれば責任をとり、事実でなければその関係のいろいろな方々に、やっぱりお互いこういう政治家の一つの責任問題ですから、はっきりしてもらいたいという気持ちを申し上げただけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○矢田部理君 問題二つあるわけですよね。一つは国務大臣が微妙な、あるいはそういうことを聞いちゃならぬ選管に対して、どうなっているのかということにせよ電話をかけたという事実、いいですか、これもただ、おじ、おいだよと、そう言われれば軽率だったという質の問題だけではないだろう、いいですか。それから二番目には、その電話をかけたことが、内容に関連している圧力をかけたのではないかという疑惑を持たれている。二つの問題があるわけでしょう。その疑惑を持たれている内容に関連して、あなたは干渉がましいことは言っておらないと。仮にそうだとしても、受け取る側の方は、何か圧力をかけられたのではないかという受け取り方をしているかもしらぬ。主観と客観の違いがあるかもしれません。等々、二つの問題が出ているんですよと、あなたは後段については全面否定。それから前段については、認めるけれども、それはおじ、おいの関係でやったんだからそこを理解してほしい、軽率だったと言えばそうかもしらぬが、その程度のもんだという言い方でしょう。私は仮にこの二つの問題が、前段だけの問題だとしたって、単に軽率でしたから、おじ、おいの関係でしたからと言うだけでは済まないんじゃないのだろうか、もう少し謙虚に、弁解ではなくて、やっぱり反省をしてやっていくことが政治家の道じゃないか。加えて、さっきの答弁では、どっちが本当かはっきりさせて、お互いに政治家としての責任をどうこうしましょうなどと言うに及んでは、これは論外だと、こういうことを申し上げているわけです。もう一回だけ答弁を求めて、次の質問に入ります。
○国務大臣(小沢辰男君) よく御趣旨はわかりました。私はただ単に軽率だったと言うだけでは済まされぬというお尋ねでございますから、それ以上どういうようにやったらいいか、まあ御指示に従います。どうぞ……。私はどうも、どういうことをやったらいいのか、私が三十一日にはもうすでに委員長に正式に理事会の席上で申し上げておるわけでございますから、それ以上、ここでそれ以上のことについて私が申し上げることがないのであります。もう一遍それと同じことを、態度をここで表明しろとおっしゃるんなら、それはもういたします。もちろんいたしますが、それのもう終わった後でそういうお話でございますから、それ以上さらに、どういうことかと言われましても、私は自分の現職の立場というものを考え、相手の立場を考えてみれば軽率であったので、まことに遺憾でございましたと、おわびを申し上げたわけでございますんで、今後はもちろんその前提に立って、そういうようなことを政治家としては十分気をつけていくのがあたりまえのことでございます。それ以上何か、どういう形で責任を、それは委員長のとき申し上げましたんで、最初の、三十一日に予算委員会でも申し上げましたし、この委員会の理事会でも申し上げたわけでございますから、それ以上のことについて責任をとる証明の仕方をお尋ねになっても、私はわかりませんから、御指示に従いますと、こう言っているわけでございます。もし、それが事実であるとすれば、そのとり方については御指示に従いますと、よく御調査を願って、もしそうであればそれは矢田部先生も何らかのやはりどういうようにしろというお考えがあるんならまたお聞かせ願って、私としてそれを判断をしてみますが、いまのところは、この前、委員会の冒頭に理事会で委員長から御注意があり、私から遺憾の意を表明した、あのことについて、それ以上に何か具体的に責任をとるのかと言われましても、私はどうも答えようがありませんので、申し上げているわけでございます。
○矢田部理君 いま後段でやや弁解がましく述べられたことが最初から出ていないんじゃありませんか。ずっと弁解をし、否認をし、あとはこの前委員長に述べたとおりだと、それ以上追及をしたらお互いに責任を分かち合いましょうという、言ってみれば暴論めいた態度をとるから私は問題にしているのですよ。もうちょっとしみじみした反省の態度、謙虚な態度を当初からあらわしておかしくないケースなんじゃないですか。
○国務大臣(小沢辰男君) よく御趣旨はわかりました。そのとおりだと思います。
○矢田部理君 どうも余りさわやかでないんで、率直に申し上げて、納得しかねる面もあるのですが、次の質問に入りたいと思います。 一つは五十三年規制でありますが、排ガスの五十三年規制についていつ決定をするのか、その後、各自動車産業等の状況はどんなふうに把握をしておるのか、この点大綱的にまず伺いたいと思います。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生から御質問のございました五十三年規制をいつ決定するかという問題でございますが、御承知のように、昨年七月、環境庁長官に対して専門の技術的な立場から助言をするという四人のエンジンの専門の先生方をお願いをいたしまして、メーカーから報告をとりましてそれをヒヤリングをし、また必要に応じて現地の調査もし、昨年の十二月にその技術報告書を一般に公開したところです。これに、昨年の十二月に出しました……
○矢田部理君 内容を読んでいますから簡単で結論だけで結構です。
○政府委員(橋本道夫君) 昨年の十二月に報告いたしましたが、その後、三月十五日付でまた報告をとっております。その感触につきましては五月の初めに非常に進展してきたということの感触だけを申し上げており、五月の末か来月の初めには技術報告書をまた公開に出すということにいたしております。もう一回この七月からやりまして、九月には大体七月のヒヤリングのまとめが終わるということでございますので、九月いっぱい越えますと五十三年規制の決定に関する最終の問題は扱い終えたということでございます。
○矢田部理君 五十三年規制は当然のことながら実施すると、完全にそれで決めるという考え方に環境庁長官立っているんでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) ことしの秋に最終結論を検討委員会四人の先生方に出していただきますので、それを受け取って決定をしたいと思いますが、といいますのは時期の問題だと思います。五十三年度の排ガス規制についてのいわゆるNOXの〇・二五、これをやるかやらぬかというお尋ねに対しては、あくまでもやりたいということは私の方の方針は変わっておりません。この前、予算委員会で、衆議院でもございましたけれども、その方針は私どもは堅持してまいりたい。ただ時期の問題については、これは秋の検討委員会の先生方の真摯な、長い間かかった検討の結果を評価いたしまして態度を決めたい、これがいまの考えでございます。
○矢田部理君 これも二つの問題があるわけですね。NOXを〇・二五にするということと、五十三年の四月一日から実施をするということ。前段については長官もお認めになったけれども、時期の点はちょっとあいまいな感じがしたのですが、この点はどうなんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほどそれは申し上げましたように、検討委員会の秋にまとめの報告が出ますので、それを受け取ってから決定をさせていただきたい、かように考えております。
○矢田部理君 これはもう五十一年の段階でもやるという方向で、方向のみならず告示まで出して決めておったことでしょう。それを暫定期間を置いた。五十三年規制と言われるものは、内容はもちろんでありますけれども、五十三年度からはそれを実施するということが重要な、時期の問題もまだ内容になっているんじゃありませんか。これが技術検討委員会の話を聞いてから決めるというのはどうも環境行政としてまたぞろ後退をするのじゃないか、時期をずらせるのじゃないかという疑いを持たれてもやむを得ない発言なんですが、その点もう少し明快な答弁できませんか。
○国務大臣(小沢辰男君) 昨年七月に検討委員会を発足させまして、検討委員会の先生方が鋭意開発の状況をチェックし、また検討していただいておりますから、その状況をやはり正確に答申を受けませんと、私どもはその時期についての態度はいまここで決定をするわけにはいかないわけでございまして、この検討委員会の結果を待ちまして決めてまいりたい、かように考えます。
○矢田部理君 五十一年の暫定規制のときもそうだったのですが、これですらメーカーはなかなかできない、できない、むずかしいと言ってきたわけなんですよ。ところが、〇・六を出したらほとんどがすぐさまにそれに対応するということに結果としてはなったじゃありませんか。その意味では技術的、専門的な問題、これはここでもかねてよりいろいろ議論をしてきたわけでありますが、環境行政の姿勢が問われているんです。もう技術や専門的な問題じゃないのです。中小メーカーと言っては何でありますが、トヨタ、日産などを除いては全部対応できるというのがもう新聞等でも明らかになっているし、私どもも直接当たった結果でもそういう答えが出ているわけです。どうしてその実施時期について明言ができないのでしょうか。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生のお話にございましたように、多くのメーカーがこれは実験車として初期値にはできるというのはもう例外なしにできるようになっております。量産のところまでのめどがつくということを言ったのは、これははっきり言っているのは、現在公開で言っているのは本田でございます。あとは日産等が量産のめどがつくということを新聞に言っておりまして、そのほか東洋や三菱もそう言っておりますが、量産のめどがつくというところまでの断言をまだし切っていないという点があるわけです。そういう意味で三遍のアセスを評価をして最大限の可能性のもとに決定したいということが一つと、もう一つは、五十一年規制車というのは世界で初めてあらわれた装置でございまして、どこの国にもございませんから、それでどんな問題が生ずるかということは一年使ってみて初めてわかるということで、九月に決定をしたい、こういうことでございます。
○矢田部理君 どうも公式的な発表なり説明だけで環境行政を進めるところに私は問題があると思いますね。私どもは直接当たった。相当のことをわれわれには報告してくれているわけです。いま抵抗しているのはトヨタだけじゃありませんか。三年ないし五年の延期を求める、いまだに時期が確定をしていないというのは、そういう業者の意向に環境行政が左右されるかもしらぬという疑惑を持つようになるわけでしょう。さっき私、選挙の問題をくどくどと話をしたのも、やっぱり政治姿勢として大企業だとかあれこれの利害だとかに疑惑を持たれるようなことをしてはならないということを言いたかったからいろいろ詳しく長官にも詰めたわけであります。しかも、これはもうずっと前から懸案事項になっているわけです。いまだに技術何とかの検討委員会でやってもらってから、それから決めるのだということでは話が逆さまじゃありませんか。求められているのは技術問題じゃなくて政治姿勢でしょう。その点、結論的にだけ長官にお願いします。
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、先ほど来申し上げておりますように、〇・二五は一日も早く達成をしたいという念願で、中公審等の御意見もありましたので、私の諮問機関として四人の先生方にお願いをして非常に御努力を願って、各社の開発状況をチェックしたり、努力をしているわけでございます。これはとりもなおさず五十三年度規制というものをできるだけ早くやりたいという熱意のもとでやっているわけでございます。決して私は姿勢が後退しているとは思わないんです。ただ、その検討委員会の専門家の方々の御意見の総まとめがこの秋に出ますのに、その総まとめ、技術的な検討の評価の最終的なものを見ないうちにここでおまえやれやれと言われましても、やはりせっかくの先生方の御検討願っているわけでございますから、その最終取りまとめの御意見を伺って決めたいというのはこれは御理解いただきたいわけでございまして、決して後退をするという考え方で物事を進めているわけではございません。やりたい熱意のもとにこういう措置を昨年の七月からとって今日まできているわけでございまして、その結果が各社相当進んでまいったことは事実でございます。そういう点もひとつ御理解、御評価をいただいて、ぜひひとつわれわれとしては今後、時期はいまここで明言できませんが、一生懸命取り組んでまいりますから、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○矢田部理君 五十三年規制というのは五十三年の四月一日から少なくとも新型車について規制をするという趣旨だろうと思いますが、継続生産車についてはどういう考え方なのか、一言。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のありましたように、原則は五十三年四月から実施すべきものとしてわれわれ何とかそれを実現したいという気持ちになっております。継続はどうなるかという点につきましては、まだ現在そこまでのところまで至っておりません。非常に新しい型式でございまして、先ほど申し上げましたような評価をちゃんと経るということでございます。 なお、一言申し添えますが、トヨタが三年ないし五年延期してくれということを環境庁に申した事実は一切ございません。リードタイムをちゃんとくれということだけでございます。
○矢田部理君 継続生産車については決まっていないわけですか。どうもやっぱりその辺の決め方なり、場合によっては不明確さが駆け込み生産などを許す、そういう悪徳商法を結果としては認めることになりはしないかという疑念をわれわれ持つわけなんですが、もう一回その点についてだけ。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のあったような点につきまして、前回のようなことを繰り返さないように非常にこれは注意しなければならない、またできるだけの措置をしなければならないということも私どもは重々心得ながら対応いたしたい、こういうぐあいに思っております。
○矢田部理君 時間がないので次の質問に移ります。 この自動車のモデルチェンジについては四十九年五月二十日付の機械情報局長名の通達、通牒があるんですが、これはいまでも生きているんでしょうか。
○説明員(中沢忠義君) 御指摘のとおりでございます。
○矢田部理君 このモデルチェンジを原則的に自粛をせいと、公害安全対策等社会的要請にこたえるものは考えてよろしいけれども、それ以外は原則的に自粛をせいと、こういう考え方ですよね。ところが、最近トヨタなどからモデルチェンジを積極的に推進するという方針が打ち出されているんですが、たとえば四月の二十日にトヨタ自動車販売の加藤社長が大阪のロイヤルホテルで記者会見をし、これまでは省資源の立場からモデルチェンジを自粛してきたが、モデルチェンジは国際競争力確保の点からも絶対に必要だ、今後もモデルチェンジを積極的に行うという記者会見をしている。これはどう思いますか。
○説明員(中沢忠義君) 私どもただいまのような考え方についてはトヨタあるいはほかのメーカーから申し入れなりあるいは要望があったことございません。けれども、いずれにいたしましても、モデルチェンジにつきましては現在公害安全対策が非常に急がれておる状況でございますから、それに、そういう要請にこたえるために車体構造その他を変更するようなモデルチェンジを最優先に実施するということを指導しておりますし、現に従来のモデルチェンジにつきましてはそのような傾向で行われてきたというふうに理解しております。
○矢田部理君 通産省ね、モデルチェンジをして駆け込み生産をやる、五十三年規制とのうまいタイミングを図って一もうけたくらもうとする企業があるわけですよ。現に過去にもあった。そして公然とここでは記者会見で言い放っているわけでしょう。これにどう具体的に対処しましたか。
○説明員(中沢忠義君) 自動車のモデルチェンジにつきましては、安全公害規制が年々強化されておりますので、それに対応するためにマイナーチェンジなりあるいはフルモデルチェンジを適当な期間に行う必要は現在もあると思います。また、国際的にはアメリカその他の諸国で安全規制等も逐年変わっておりますから、そのような対外的な面でもモデルチェンジの必要があるということは否めない事実だと思います。一例で申しますと、やはり燃費……
○矢田部理君 簡単でいい、具体的にどう対応したかということだけ。
○説明員(中沢忠義君) これについてはわれわれ承知しておりませんので、メーカー等に注意したことはございません。
○矢田部理君 日本経済新聞に、公然とホテルで記者会見をしてやってるんですよ。それもモデルチェンジは絶対に必要だ、積極的に推進する。さっきあなたの言った局長通達に真っ正面から挑戦するかのような記者会見をやっているわけでしょう。いま後段の説明は理解を示すかのような話。具体的なこういう公然とした挑戦状に対して対応策を何もとってないというのはおかしいじゃありませんか。
○説明員(中沢忠義君) ただいま申しましたのは、その件だけについて特に注意したことはございません。つい最近にも自動車工業会あるいは常任委員会のメンバーと会見いたしました際にも、モデルチェンジについての方針は変更しておらないからということをわれわれとして申し渡したことはございます。したがいまして、この方針につきましては、通産省といたしまして業界に常にその理解と申しますか、方針を確認しておる次第でございます。
○矢田部理君 一般論じゃいかぬのですよね。具体的に方針を出してんだから、具体的に対応しなきゃ、注意しなきゃ役に立たぬのじゃないですか。これから厳重に注意をする約束をしてもらえますか、この問題について。
○説明員(中沢忠義君) その問題につきましては日経新聞も読みまして、また事実を十分確認の上、そのような発言があったという場合にはわれわれから注意いたしたいと思います。
○矢田部理君 もう一点だけ。きょうはいろいろ質問実は用意してきたんですが、最初に時間をとられてしまって、できないのは残念ですが、運輸省にせっかくおいでいただいたので一点だけ質問します。 ディーゼル車の黒煙の問題がありますね。これは五十年からたしか実施してきていると思うんですが、検査施設がお粗末のために周りに大気汚染をもたらす。ぶあーっと黒い煙を吐くわけだし、それから騒音が大変問題になる。検査の基準もきわめて問題が残っておりますし、測定方法にも問題がある。これについて実態はいまどうなっているのか、その後具体的に改善の方法が出てきているのかどうかということが一つ。 それから、最後ですからもう一つだけまとめますと、バス協会の資料によりますと、日野のRV100Pという四十六年の型式の自動車について、バス協会から高速時黒煙多量排出ということで自動車メーカーに大変な問題が提起をされているわけです。これについて最終的にはどういうふうになっているか。特に加速時の黒煙が非常に多いということでバス協会などから指摘をされている、改善策を求められているんですが、具体的にどうなっているか、この二点だけを質問して終わりにします。
○説明員(北川清君) お答え申し上げます。 ディーゼル車の黒煙規制につきましては、新車の規制と使用過程の規制と二段階でやっております。新車の規制につきましては四十七年から規制を開始いたしておりまして、先生いま御指摘のいわゆる検査施設云々という問題については後段の使用過程車に対する規制の問題でございます。これについては五十年の一月から空吹かしをいたしまして、そして急速な、空吹かしをいたしましたときの黒煙の状態をチェックする、こういう方法をやったわけでございまして、これは私どもの検査場あるいは整備工場において簡便に実施できる方法として開発されたものでございまして、国際基準においてもそういう方法が決められておりまして、それを準用して実施しておるものでございます。で、まあ国際基準的にも評価されておる一つの方法でございますが、空吹かしをいたしますものでございますので、それに対する防音装置とか、その環境悪化をしない方法を、方策を講じていくということも一つの重要な点でございまして、そういう点につきましては私どもの自動車検査場の設備の改善の場合にそういう点を配慮した整備をすべく、五十一年度予算からそのような対策を早速講ずることにして現在進めておるところでございます。 二番目の、日野の車の高速時黒煙多量問題でございますが、これにつきましては、エンジンに力を加えまして、非常に高速走行における問題であろうと思いますが、その内容、事実についてつまびらかに現在承知いたしておりませんもので、早速その事実を調べ、先ほど申し上げました私どもの四十七年の新車規制、それから今回の規制の状況と照らし合わせまして、どのような状態でそれをどう改善すべきかということについてきわめてまいりたいと、こう思います。 以上でございます。
○青木薪次君 時間がありませんので要点だけ申し上げたいと思っております。 日本におけるPCBのメーカーはどことどこか教えてもらいたいと思います。——通産省だよ。
○説明員(沢田仁君) 昭和四十六年までつくっておりましたメーカーは三菱モンサントと鐘淵化学の二社でございます。
○青木薪次君 ノーカーボン紙の製造メーカーについて。
○説明員(沢田仁君) 四社ございまして、三菱製紙、十條製紙、神崎製紙、富士写真フィルム、この四社でございます。
○青木薪次君 ノーカーボン紙が日本において生産され始めたのは何年で、これが生産を中止されたのは何年ですか。
○説明員(沢田仁君) 生産の開始は昭和三十七年でございまして、中止が昭和四十六年でございます。
○青木薪次君 この間に生産された総量は何トンですか。
○説明員(沢田仁君) 約十年間でございますが、約十一万トンでございます。
○青木薪次君 あなた一々後ろに聞かなきゃこんな程度の答弁ができないんじゃ困りますよ。 国は過去においてJIS規格まで設けて生産を奨励してきたんだけれども、いわゆるカネミオイル事件が起こると一転して生産中止になったわけです。そのことがまた有害物質の指定になったわけでありまするけれども、これを契機にいたしまして日本中がまさにPCBのノイローゼになってしまったということでありまするけれども、このことについて国は責任を感じているかいないか、このことについて答弁してください。
○説明員(沢田仁君) PCBのカネミオイルの事件が発生するまで、事実といたしまして、PCBという物質が人体に有毒であるということが判明しませんでしたので、それまではPCBに対する実際の警戒措置がとれなかった、これは事実であったと思います。で、あの事件の発生以来、PCBの有毒性が立証されまして、それ以後、事後措置になりましたけれども、国としてあらゆる措置を講じまして、PCBを含有しております諸般の物質を除去する、こういう必要が、事後的にそういう義務が発生してきたと感じます。
○青木薪次君 私の言いたいのは、JIS規格まで設けて生産を奨励した、一夜にして、今度はこれは有害物質と指定されたということをいま言ったわけです。そうすると、そのことについて責任を感じているのかいないのかということを聞いております。
○説明員(沢田仁君) PCBの有毒性が立証されるまでの間、科学的な知識としまして、知見といたしまして、もしそれが有毒性が予見されておりました場合には、御指摘のような責任の問題が発生すると思います。しかしながら、残念ながらある時期までの間、PCBの有毒性、これは極端に申しますと人類も知らなかったことでございます。そういう意味で、事後的な、事後のチェックの必要は出てまいりましたけれども、おっしゃる意味での責任は当時の場合には発生しなかったと私どもは考えております。
○青木薪次君 予見しておらなかったことだから責任については発生しないというような答弁でありますと思いますけれども、このことについては、では一体今後においてはこのことのためについて十分責任を感じて対策を講じなきゃならぬと、こういうふうに思うんですが、その点いかがですか。
○説明員(沢田仁君) 有毒性が判明しました以上、政府といたしましても、あるいは業界といたしましても、万難を排してこれの除去あるいはその弊害の発生の除去に最善の努力を、最大の努力をすべきものと考えます。
○青木薪次君 日本における故紙の回収または再使用のために、いわゆる製紙原料としてこれらを使用する故紙というものは一体何万トンあるのか、そしてまた故紙の主体というものは一体何なのか、あるいはまたその故紙にいいのと悪いのとあるはずだけれども、これらについて説明してください。
○説明員(沢田仁君) ごく概括的に申しますと、今日日本で生産されます紙と板紙の総生産量が約千五百万トンでございます。そのうち、原料的に申しますと、約四割が故紙から生産されております。六割は木材チップ、天然のパルプからつくられております。そういう意味で、故紙は日本の製紙業界にとりまして非常に重要な原料になっております。 次に故紙の種類でございますが、ごく大づかみに申しまして三種類ございまして、古新聞、古雑誌、それから段ボールのくずでございます。大体これが主要なわけでございますが、いま問題になっておりますノーカーボンペーパー、PCBつき、いまはもうそれはつくっておりませんけれども、これは主として薄葉紙と申しまして、トイレットペーパー、そういったちり紙関係のものに使われております。しかし、量的には故紙の中では非常に量は少のうございます。概略そういうことでございます。
○青木薪次君 いま言ったPCB入りの感圧紙はいいクラスに入るんですか、悪いクラスに入るんですか。
○説明員(沢田仁君) 紙の質といたしましてはいい方に入ります。いわゆる色上と称しておりますけれども——上というのは上質という意味でございます。結局、故紙を再生して再び繊維を新しい紙に戻すわけでございますが、質的には紙としての性質としては非常にようございますので、紙の再生には最も適しておるわけでございます。
○青木薪次君 私はここへ来る前に全国の七割を生産されていると言われている静岡県の中小家庭紙メーカーの実情を調べてきたわけです。依然として製品やあるいはまたスラッジ、排水からPCBが検出されて、営業並びに公害処理面で多大の影響、迷惑を受けているわけです。あまつさえ、故紙を使用する中小製紙工場はPCB発生源としての法規制または取り締まりを受ける。そういう境遇にあって行政の欠陥、非常に冷たさというものをいま感じて生産に従事しているわけでありまするけれども、この現状についてどういうようにとらえておられますか。
○説明員(沢田仁君) 確かに先生御指摘のとおり、現在の中小ちり紙メーカーの工場の排出口から完全にPCBが全然出てないと断言できないのは非常に残念でございます。しかし、私ども排出、排水の状況がどのような傾向をたどってきておりますか非常に関心を持ちまして、ある節々の時期にこれまでずっと検査を続けてまいりました。百点がつけられないのが残念でございますけれども、昨年八月、それからことしの二月、この二度にわたりましていま御指摘の静岡県の工場につきまして調べましたところ、私どもの判断といたしましては非常にいい方向に推移、結果が動いてきているように思います。 具体的に申しますと、昨年の八月の時点では五十数工場悉皆的に調査をいたしました。一部の工場でPCBが本年三月から実施されました三ppbの基準値を上回るものがございまして、その悪かった約十の工場をさらにこの二月に検査いたしましたところ、残念ながら一つ基準値を上回る工場が出てまいりましたけれども、あとの九つの排出口につきましては発見できず、PCB検出せず、あるいは基準値の〇・〇〇三ppmを下回る数値でございまして、依然として完全にシロと言うことができないのはきわめて残念でございますけれども、過去二、三年来の傾向を見る限りにおきまして有意な改善が見られるのではないかと私ども見ております。
○青木薪次君 そうしますと、非常に環境庁で示す規制値以下にほとんどなってきたと、こういうことですね。静岡県だけでなくて、岐阜もどこも皆そうですが。
○説明員(沢田仁君) 岐阜でもそれから四国でも調べております。傾向としましては、それぞれの地域におきまして過去と比べてやはり事柄の性質上PCBの含有量が減ってきていることは事実でございますが、横並びに見ますと、岐阜におきましては残念ながら静岡よりか少し程度が悪いということは言えると思います。依然われわれとして努力を要する点が多々あると思います。
○青木薪次君 私はいまのあなたの答弁の信憑性を実は疑っている。なぜかと言ったら、岐阜は非常によろしいと、静岡は非常に悪かった、ほとんどいいと言われたのは四国なんです。四国がこのごろ一カ月程度前から規制値をどんどん上回る数値がいま検出されているんです。このごろになって検出され始めたんです。通産省の紙業課において今日全国的に——四国も主要な産地です。そのことについてまだ調べてもいないし、この情報も知らないなんというのは全く行政の怠慢だと思うのでありまするけれども、そこにぼくはこのPCB入りの故紙の問題について問題にしている点があるわけでありまするけれども、この点いかがですか。
○説明員(沢田仁君) どの産地につきましても、私ども公害行政の見地から紙業課といたしまして十分事実を把握する意欲を持っておりますし、またそうすべきだと思っております。ただ、いまの御指摘の四国に非常に大きな数値のものが出たということにつきましては私は承知しておりません。早速事実の関係の有無につきまして調査したいと思いますけれども、ただいままでのところ四国については承知しておりませんでした。
○青木薪次君 こういう重大なことが、おたくが胸を張って、もうほとんどないんだなんと言っているやさきに、いままでないと言われたところがどんどん出てきたということについて、こういう公害対策委員会というようなところでそのような答弁をするということについては私は怠慢だと思うのです。よく調査して資料を出してください。 次に、兵庫県の高砂というところで三菱製紙、先ほど言いましたノーカーボンの感圧紙を製造するメーカーとPCBそのものを生産する、あなたがさっき答弁された鐘淵化学がヘドロ処理をやったんです。そのヘドロ処理に使った費用が三十七億円、これは両社が負担するということになっているけれども、当面、県がこれを負担しているんです。立てかえている。一体これはどこが負担するんですか。
○政府委員(堀川春彦君) ただいまお話しの話しは負担区分について両社の間で見解の相違があって決着がついていないというふうに聞いておるわけでございます。これは環境浄化の立場から見れば、私ども環境庁としても大いに関心のある話しでございまして、なるべく早く決着をつけて負担者が負担すべきものを負担していただくように指導したいと思います。
○青木薪次君 長官ちょっと答弁してください、この問題の処理方針について長官は知っているか知っていないかということから。
○国務大臣(小沢辰男君) いまうちの局長が申し上げましたように、早急にひとつ負担区分を明確にするように指導いたしたいと思います。
○青木薪次君 長官は私の質問を聞いてないじゃないですか。さっきの選挙管理委員会の干渉の問題ばかり頭にきて、この問題聞いてなかったんじゃないですか、疑わざるを得ない。こんな重要な問題についてですよ。三十七億円ですよ。これは環境庁の問題でもあるわけですから、よく調査して、そして資料をひとつ要請します。 それから三重県の漁業者が岐阜県の家庭紙メーカーに、ついせんだって、ある夜、魚を買い取ってもらった、PCB汚染で。この金が四百数十万円です。この点については県がこっそり中に入って一晩のうちに大変な問題になったということで、魚を買い取って一夜のうちに埋めてしまったわけでありますけれども、この点をお聞きになっていますか。
○政府委員(堀川春彦君) ただいま初めて承知をいたしましたわけで、報告を受けておりません。
○青木薪次君 これも県が介在しているんですからね。だから、環境庁で知らないことはないと私は思ったわけでありますけれども、この点もひとつ資料要求をいたします。 それで問題は、私の言わんとするところは、先ほども言いましたように、まさに製品やスラッジや排水の中からPCBがどんどんどんどん検出されているというこの事実について、皆さんは非常に物事を甘く考えてい過ぎるということを私は指摘したいわけであります。これらの点について環境庁とそれから通産省はどのように現状認識をしているか、改めて聞きたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) PCBにつきましてはその健康に及ぼす影響を考慮して、もうすでに製造を中止する等の措置がずっととられてきておるわけでございます。現時点におきましては、環境庁といたしましては排水規制を行っており、かつまた、最近のことに属するわけですが、廃棄物としての処理基準を明確にいたしまして、廃棄物の中におけるPCBが環境を汚染しないようにというふうにしておるところでございます。そういう体制をとってはおりますが、その運用の面におきましてきちんとやりませんと心配がございます。なかなか、このPCBをめぐる問題はやや複雑な問題もあるようでございます。私どもとしましても、検討すべき問題は今後とも通産省とももちろん相談すべき点があれば十分相談をいたしまして、逐次適切な手を打ってまいりたいというふうに思っております。
○青木薪次君 環境庁長官にお伺いしたいと思いますけれども、PCBの検出されるのは一体どこに原因があるのか、そのことを聞きたいと思います。——重大だから長官に聞いている。
○国務大臣(小沢辰男君) 現在もう製造、使用、輸入等を禁止しておりますから、残っているとすれば、一番問題になっておりますのは電気製品の古い部品の中にあるものと、それからノーカーボン紙の故紙のものと、いま回収をいたしておりますが、その大体二つが一番大きな問題だと思います。
○青木薪次君 先ほど局長の答弁によると、排水に対する規制をしたというようなことを中心として答弁があったわけでありますが、問題は、一番被害者である中小家庭紙メーカー等がこれによって法規制をされるわけですよ。何にも関係のない人たちがなぜ法規制をされなきゃならぬかというところに問題がある。それで私は、先ほどから聞いているのは、このようにPCBがどんどんどんどん魚や人体に入ってくるというこのことを考えたときに、PCBは煮ても焼いても食えないものだと、それから人体、生まれてくる子供についても不具、廃疾の子供がどんどん出てくるというようなことなど考えたときに、要は、非常にこれは環境行政の基本にかかわる問題だというように考えておりますから、そういう点から問題は、この家庭紙メーカーが製造工程中にPCBを原料としないわけでしょう。ところが、一番被害を受けるのは家庭紙メーカーなんですね。そうして法もそこが対象になるわけですよ。この点を解決するったって、ちっとも、あそこが、あの省だ、この省だ、環境庁はおれのところは水質基準を決めるだけだ、片っ方の方は、いまいろいろやっているけれどもまだうまくいかないというようなことで、責任のなすり合いをしていることでいま問題になっているわけですよ。しかも家庭紙メーカー等においては、原料、資料とすることについては全く不必要で無縁なものだということでありまして、いま長官の言ったように、PCB入りのノーカーボン紙は買わず、使わない、このことを実行しているけれども、何としてもやっぱり故紙メーカーから——家庭から集めてくる廃品業者、それから問屋に入ってくる、問屋から家庭紙メーカーにいくわけでしょう。そのことによって巧みに、この不況のときですからほかの故紙に混入してくるわけですよ。そのことが、もうなくなった、なくなった——先ほどの通産省の紙業課長のように、もうなくなった、なくなった、あすにでもないようなことを言ってるけれども、出てるのはどんどん出てるということと同時に、ヘドロ処理をしたら三十七億円もかかった、ついせんだっては、岐阜においてはついに製紙メーカーが魚を四百数十万円も出して買わなきゃならぬというような事態さえ起こっている、この現実についての認識が皆さん足りないから私が声を大にして言ってるわけです。 そこで、行政上の努力を今日まで要求してきたけれども、とにかく努力します、何とかします——長官、あなたもそういう答弁してるんですよ、いままでに。したがって、この点については根本的にひとつ環境庁が中心となって——このPCBの原因はあなたの言ったように電気製品とか、いわゆる絶縁材料に使っているとか、あるいはまたノーカーボン紙の残っている——四十七年にもうないことになっているんですから、そのことを絶滅するという決意について改めて聞かしてもらいたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 家庭紙メーカーの方へいろいろ故紙回収業者から流れ込むという事実は、どうも官庁や会社やその他の事業所の伝票類とか保管書類のそれがどうも管理が不十分でないかというような原因もあろうかと思います。それと、中小メーカーの方にそれを区分、仕分けをしろと言ってもなかなか困難だという事実も、この前御指摘もいただきましたので、いまおっしゃるようにどうしてもそういう事実が絶えないということになりますとこれは大変な問題でございますから、先生の御意見のようにこれは環境庁のやり得る分野——一応基準の設定ということになっておりますけれども、環境問題全般に対する私どもは調整権を持ってる官庁でございますので、早急にひとつ私のところへ関係の担当各省の者を集めまして、おっしゃるように今後こういう問題起こらぬようにどうしたらいいか、いろいろな対策を協議をして、結果をまた御報告いたしたいと思います。
○青木薪次君 いまの答弁を私は今後において実行に移してもらうことを要請したいと。 さらに再確認したいと思いますが、国は末端工場をPCBの発生源として法規制してきたけれども、今日まで再三の業者が、おれんとこじゃないんだ、問題は別なんだ、川上作戦をやってくれという陳情要請行動によって、逆にこの中小のいわゆる家庭紙メーカーは犠牲者である、被害者だということを認めたというけれども、長官もこのことについてお認めになりますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 通産の方からひとつ。
○説明員(沢田仁君) 御指摘の点、私どもも決してないがしろにしておるわけじゃございませんで、非常に頭を痛めておるところでございます。ただ、この問題が一刀両断に片づかない性質のものであるだけに、非常にすっきりした解決策がとれないのが非常に歯がゆいような思いでございます。と申しますのは、このPCBつきノーカーボン紙の所在が、あるところに非常にまとまってあれば、これはそれを目がけていわゆるその処理の努力を完全に集中することができるわけでございますが、物の性質上、これが非常に日本じゅうに散在しておる点に非常にその厄介な点があると思います。で、ある一段階でこれを撲滅することが実際問題として非常に不可能でございますので、私ども通産省といたしましても、まず、いま一番非常にその被害者意識が強うございます。末端の中小企業メーカーの段階あるいはそれを少し川上にさかのぼりまして問屋の段階あるいはそういったノーカーボンペーパーが保存されております、いわゆるオフィス、事務所の段階、いろんな段階の各段階で少しずつの努力を積み重ねをしないといけない。一言で言いますと、私どものねらっておりますこのノーカーボン紙対策は、やはりこれを何とかして封じ込めていくというしかないんではないかと思っております。封じ込めの一環といたしまして、まず末端だけの法規制、いわゆる排出規制だけではこれはまた非常に過大なる負担が中小メーカーにもかかります。上流の段階で、ことしの三月一日から産業廃棄物に政令指定をしていただきまして、このものがいわゆる商品として出回ることを法的に禁止する措置を厚生省初め関係省庁の御理解をいただきまして産廃指定をした次第でございます。現在、今日のところさような次第で、まず法規制といたしまして、このPCBつきのノーカーボンペーパーはいわゆる回収業者が自由に取り扱うことができない品物になった次第でございます。さりとてこれで、その法規制だけでこのPCBの漏れてくるのを完全に抑えること、これもまた非常にむずかしゅうございます。いろんなところで出てくるものを目を光らして少しずつの努力の積み重ねで抑えていくしか手がないと思います。さようなことで私ども過大な責任、過大なノルマを中小メーカーに押しつける気は毛頭ございませんし、むしろ私どもも中小メーカーは被害者であるという立場に立って同情もしておりますけれども、しかし同時に中小メーカーにもやはり選別する可能性、選別するチャンス、これはあると思います。それが証拠に、やはり工場によりまして出る工場と出ない工場、これがまた歴然としております。それから、材料にしましても、安い原料あるいは比較的値段のいい原料によって、またPCBが入っていたり入っていなかったりというのもあるようにも聞いております。これも確たる証拠はないわけでございますけれども、何らかのできる範囲ではやはりメーカーの段階でも極力、こういう社会に対し、世間に対して有害な物質が出てこないように努力をしていただく一方、問屋さんの段階あるいは封じ込めしているオフィスの段階、こういったところにもやはり皆さんの善意を期待して、なるべくこのPCBつきノーカーボン紙の封じ込めができるように一生懸命行政指導なりあるいは警告なりをしておるところでございます。で、先般来の諸般のデータでございますけれども、私どもも完全に楽観しておるわけではございません。まだまだ憂慮すべき状態であることはこれは重々私ども承知して行政を行っておるつもりでございます。
○青木薪次君 いまの通産省の紙業課長の答弁は、これは現地でも仕分けができるはずだという答弁だと思うんです。
○説明員(沢田仁君) ある程度です。
○青木薪次君 これは、いまの昭和三十六年ですか、から四十七年に中止になるまでの間に、いわゆるPCB入りノーカーボン紙と新しくPCBの入っていない新ノーカーボン紙というものは素人が見て全然見分けがわからぬです。しかも、あなた方、いま問題になっているのは、私がさっきから言っているように、製造メーカーに一言も物の言えないという立場、この立場を非常に私どもは問題にしているわけであります。そういう点について、これからその製造元の四社に対して私は数十億円の損害賠償を要求したいという声さえあるわけでありますが、このことについて道義的責任でなくて物質的に責任をとってもらうという気持ちがあるかないか、通産省の立場でお話を願いたいと思います。
○説明員(沢田仁君) 先生の前般の御質問にございましたように、この問題に対する国家なりあるいは業界なりの責任問題に根差す問題だと思いますけれども、私が申し上げましたように、法的な筋道で考えます限りPCBつきノーカーボンペーパーをつくってまいりました四社、あるいはそれに、さかのぼりましてPCBそのものをつくっておりました二社の法的な責任は私はないというふうに思います。問題はそれで事柄は尽きませんので、むしろその物質が、PCBの物質が有害だとわかったとき以降、いかにこれをこの社会から駆逐していくか、これをいわば関係者で協力してやっていく、こういう局面で私ども考えております。で、具体的には四社につきましてもPCBノーカーボンペーパーの処理を何とかしたいと思いまして、昨年の四月以降PCB感圧紙の処理協会をつくっております。四社から人的にも、若干でございますが資金的にも協力を得てやっております。もちろん、それの成果なりは必ずしも十分なものでございませんし、今後またまた四社にも真の意味での協力を求めなくてはいけないと思いますが、法的な意味での追及は、これは事柄の性質上困難ではないかというのが私どもの見解でございます。
○青木薪次君 あなたの答弁はね、聞いていたけれども、あなたのような姿勢じゃ一向にこれは直りませんよ。それでね、法的な責任はあるかないかといったらないでしょう。じゃあ責任があるかないかといったらですね、こんなに公序良俗に反するような行為が現実に行われてきたわけですよ。で、がばがばもうかったわけですよ。そういう点についてですね、この責任を追及しないというか、そういう態度というものをこれは直さなければ解決できないと思います。いわゆるこの点については道義的責任はあるという立場でしょうから、その点は道義的責任すなわち物質的にも責任をやはり負担を感じてもらうという姿勢に立って、大いにひとつこれは当たってもらわなきゃいけないと思います。 それから、これからはこの廃棄物の処理及び清掃に関する法律の中で、この有害物質に指定されたからこれを動かすことはできぬ、それはそのとおりでしょう。法律をつくったからいいんだというのじゃなくて、法律の網をくぐってですよ、何かどこかの新聞紙の間に入ってくるかもしれぬ。そういうものがどんどん出てくるわけですからね。だから、あなた方の姿勢というものはそういう立場では問題は片づかないと思うからですね——いまの処理協会をつくったという話についても、私の聞いているところでは、年に、いままでに発足から二、三回会議がやられたそうだ。そのときにあなたの出席したのはただの一回しかない。しかも熱はですね、今日九百度で、いま大体市町村でごみの焼却をやっているけれども、これじゃPCBはなくならない。少なくとも千二百度以上の高熱で焼かなければなくならない。しかし、その煙が出れば、それにまたPCBが乗って四散をしていくという結果になる。いまこの問題について根本的に解決しようとしても、いわゆる焼却場一つないじゃないですか。このことで、このままいったら百年河清を待つようなものだと思うのだけれども、その点、当面具体的にどういうように考えているか、ひとつ通産省紙業課の立場において答弁を願いたいと思います。
○説明員(沢田仁君) 御指摘のように、最終的なPCBの処理は焼却を待つべきものというふうに伺っております。で、これまた先生御指摘のように、恐らく千度を超える高い熱で処理しなくてはPCBは分解しないということも、大体工業技術院段階の技術的な炉の検討、設計、そういったものについての評価、成果は出ておるように伺っております。現在の問題は、そのような炉をどこに設置するか、設置の場所をどうするか、この点が非常に一番のその問題点と申しますか、困難な点でございます。現実にはこれまでのところ日本じゅうまだこの炉の置き場所が決まらないで宙に浮いておるというのが偽りない事実でございます。私ども紙業課といたしましても、当然その感圧紙の焼却の場所、これを責任をもって探す義務を感じておりますが、同時に関係省庁あるいは地方団体いろいろな御協力をいただきまして、この焼却場を置くことが真の意味でのPCBの撲滅に最終的に最も必要であるということを御理解いただいて、関係省庁あるいは地方団体の御協力をいただいて一刻も早くPCBが最終的に処理できるような事態が来ることを希望している次第でございます。
○青木薪次君 公害防止事業団にお聞きしたいと思いますけれども、この件についていまどんな計画がありますか。
○参考人(熊崎正夫君) ただいまPCBのその問題について私の方で各企業なり地方からの要望は参っておりません。
○青木薪次君 公害防止事業団が何千億かの金を持って、三千億ですか、この一番大きな健康被害の関係の私は最たるものだと思うんだけれども、このことについて要望なり何も来ていないということについて一体、さっき処理協会と言ったけれども、何をいままでやってきたんですか、紙業課長ちょっと答弁してください。
○説明員(沢田仁君) 現在までのところその焼却処理につきましては、場所の選定、そういった面でいろいろまだ踏み越えなくちゃならない点がたくさんございましたので、具体的に炉の設置につきまして公害防止事業団に資金等の援助を要請する段階に至っておりませんでした。そういった点でまだ公害防止事業団が焼却処理という意味でのプロジェクトをおつくりになっていらっしゃらないわけでございます。で、お尋ねの処理協会でございますけれども、やはり通産省、あるいは法的な責任は先ほど否定はいたしましたが、PCBの重大なる関係者としてやはり何らかの意味で川上の段階でこのPCBを何とか川下の中小メーカーに流れないようにする方法はないだろうか、そのような方法を中心にして議論もいたしてまいりましたし、それからごく最近の話でございますけれども、実際に静岡地区に流れます故紙原料のルートといたしまして東京の足立地区が大体中心になっております。足立におります問屋の組合、協同組合、そういった組合ともタイアップいたしまして、四社が協力いたしまして——先ほどの産廃指定だけでは、これは物事はただ法的に禁止しただけでございまして、それだけでは解決つかないと私どもも考えます。で、その法的な規制の網の目を漏れて万一そういうものが出てくる状態があってはまた困ります。で、実際に問屋さん、故紙を回収する問屋さんの段階でそのようなものがあるかないか、そういう調査もまあわずかでございますけれども、四社の費用負担におきまして通産省の肝いりで足立地区におきまして調査をする、ようやく実施できる状況になりました。これもスタートは本来もう少し急がれたわけでございますが、いろいろ実際問題といたしまして立ち上がりが遅くなりましたことは否めません。しかし、現在四社の協力のもとに東京の足立におきまして法の目をくぐって出てくるPCBもあることを想定して、それをどういうふうに状況把握していくか、そのようなことも四社の仕事の一つとしていまやっております。
○青木薪次君 時間がないからね、いま言ってきたこと、私の言ってきたことですよ。川上作戦ということも言ったし、それから足立区にある故紙メーカーの関係も言ったし、それをあなたはいまおさらいしているようなものじゃないですか。私の言ったのは、さっき言った経験者やいろんな人を通じて処理協会をつくるとか対策委員会をつくっている、一年に三回しか会議やらなかったと、あなたは一回しか出てないと言ったでしょうが。そのことについて、そういう段階ではやっぱり焼却が最終的な処理の方法なんだから、なぜそのことでこういう権威のある公害防止事業団があって三千数百億の予算も持っているし、いいですか、そういうところに一回も相談に行ってないなんていうことについては怠慢のそしりを免れないでしょう。そのことについて通産省自体だって紙の関係だから紙業課に任しておきゃいいなんていう、そういう無責任な態度だからこういうことになってしまう。あなた方もこの問題の非常に重要性ということを考えていなさ過ぎるということを私は指摘したいと思うんです。きょうからこのことを——私が調べてきて私か指摘しなかったらまだこのままいくところだったと思うんだけれども、ひとつ猛反省をしてこの問題取り組んでもらいたい。いいですか紙業課長、いいですね、確認しておきますよ。 それから環境庁長官に。あなたの答弁を私は書いてきてある。つい一年もたたないと思うんだけれども、通産省が故紙の中にPCB入りノーカーボン紙が入らないようあらゆる手段と細心の注意を払ってやるとともに、中小企業に対しては融資の道でお世話し、処理施設をやっていただくというようにしたいということをあなたは答弁しているんですよ。そのことがまた公害防止事業団の方へ相談に行くということにもなると思うし、またあなたの大臣としての立場から、水質保全局長だってですよ、どっか焼却施設つくりゃいいと簡単に言うけれども、実情をあなたは知らな過ぎるんですよ。こんなものじゃPCBはなくなりませんよ。だから最終処分地の確保といい、あるいはまた焼却炉の関係といい、すべてそういった関係について私は、環境庁長官が中心となって、そうして通産省とそして厚生省と、これは廃棄物処理法が今度改正になって、参議院から先議されたわけだから、これらの関係を総合的にひとつPCBの対策委員会を閣内でつくるくらいの決意をひとつこの際表明していただきたいと、こう思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 拝聴をいたしまして、本当に大変おくれている事実もはっきりいたしましたので、私、早速私のところへ関係者を集めまして、何とかひとつ対策を明確にまず決めまして、それからそれぞれ業界にも呼びかけまして、必要なら融資の道もございますから、できるだけの努力をしてみたいと思います。
○青木薪次君 以上でございます。
○小平芳平君 長官行かれる前に一言だけ。「環境影響評価の技術手法」というふうにこのきょうの所信表明で述べられておりますが、これは「この結果をも踏まえて、そのための法案を提出いたすべく」というふうになっておりますが、今国会に出されるつもりかどうか、それをひとつ。
○国務大臣(小沢辰男君) 大変おくれておって、私ももう申しわけないと思っておるんですが、各省調整がなかなか手間取っておりまして、最近各省の意見をまとめまして、それを整理しまして、さらに先々週の末から交渉に入りまして、わりにだんだん調整の実は方向にいま来ておるんでございます。ただ、遺憾ながらあとわずか十日ぐらいしかございませんので、何とか間に合えばと思っておりますが、この国会にまあ間に合わぬでも、継続してずうっとやりまして、できるだけ近い国会に提案をしたいと思っておるわけでございます。 ちょっと衆議院へ行って、それじゃあすぐまた帰ってまいります。
○小平芳平君 じゃあ環境庁当局に伺いますが、先ほど原理事から派遣の報告がありましたが、そのときに、海田湾の埋め立てについて、県側の説明、それからまた地元の反対運動をしている方の説明を聞きまして、先ほど御報告があったとおりです。それで、何か県側の説明だと、これが環境影響事前評価の第一号であるとか、こういうふうにそのりっぱな事前評価をやったんだからというふうなことを言っておりますが、地元の方々はそういうことは全然もう反対であります。先ほども報告にあったので、細かい説明はいたしませんが、たとえば代替案がないとか、あるいは窒素、燐が法律にないからといって評価をしてないとか、あるいはわずか四カ月で評価したと言っているとか、こういうようなものは、環境庁としては、事前評価という環境庁がいま考えている事前評価のうちには入りませんでしょう。どうですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 海田湾の埋め立て計画につきましては、公有水面埋立法に基づく運輸大臣からの環境保全上の意見をまだ求められておらない段階でございますが、しかしながら、この計画につきましては地元からも再三いろいろな陳情を私どもも受けておりまして、そういういろんな点につきまして、やはり県側にもそういう意見を十分考慮して検討するようにということを指示いたしておったところでございますが、またこれが私どもの方へ、環境庁の方へまいりますれば、その段階におきましてよく内容を精査いたしまして、足らないところがあれば十分また再指示をするとかあるいは資料の再提出を求めるとか、必要な意見を述べるというようなことをいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○小平芳平君 それは書類が運輸省から来てからの話には違いありませんが、私がいまお尋ねしている点は、環境庁は一応事前評価の要綱を発表したわけですよ。していませんか、四月。その要綱なるものを見るといろいろと出ておりますが、その環境庁が提案しようという、考えている事前評価の内容が、こうしたわずか四カ月で、あるいは資料は一切地元民に公開しないで、とにかく県が判断して国へ送ったという、そういうような内容ではないでしょうと言っているんです。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 四月に環境庁が発表したというのは、これはちょっと実はそうではないんでございまして、環境庁が、まあこれは中公審の環境影響評価部会の方でずっと引き続いて御審議をいただいておりまして、またいろいろな主要な問題につきまして、いま関係各省庁と——これもずいぶんたくさんあるんでございますが、主要な問題について意見の調整を行っておる段階でございまして、したがいまして、いまの段階で環境庁案というのはないんでございますが、ただ環境影響評価のやり方ということについては、やはり従来いろいろな制度なりあるいは実行上も環境影響評価というのはやられておりますんですが、それが評価のやり方、手法とかあるいは評価の項目とかまちまちなもんでございますので、そういう点でも今後そういうものをやっぱり統一して、きちんとした評価の仕方というものをまとめていくべきじゃないかということで、現在そういう制度化というものをいろいろ検討しておる段階でございますが、まだ案としてまとまってはおらないわけでございます。
○小平芳平君 じゃ、とても今国会というようなことはもう問題にならないですね。まあ今国会へ法案を提出いたすべく鋭意努力しているということは、まだ何カ月かかるかわからないということですね。
○政府委員(柳瀬孝吉君) これは前から環境庁の考え方として、法制化をぜひやりたいということで作業を進めてきたわけでございますので、間に合う、間に合わないは別といたしまして、とにかく最後までそういう調整をし、内容を固め、そういう制度化について努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 まあもう一度念を押しておきますが、広島県で提出したと称している、それが現物が来てないということですが、そういうことで海田湾の埋め立てみたいなものがそのまま事前評価は終わったというような受けとめ方で、この法案作成も取り組んではおらないということでよろしいですね。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 私どもがいろいろと陳情を受けている限りでは、まだ不十分なものであるのじゃないかというふうに受け取られるわけでございますが、これはまた運輸省の方から正式に、そういう私どもの方に環境影響評価についての正式の中身をいただき、それを検討した上でまた十分そういう点について詰めていきたいというように考えております。
○小平芳平君 じゃ事前評価はそれで終わりまして、カドミウムとイタイイタイ病について、これも時間が短いので説明を省略しまして、二月二十五日、対馬の代表の方が来られて、環境庁で相当長い時間にわたって要請をした点、結局カドミウムによる腎障害というものは否定できないという見解、それに対する救済はどうなったかという点についてお答えをいただきたい。
○政府委員(野津聖君) ことしの二月二十五日に住民の方々が腎障害の問題につきまして陳情がございました。その席に小平議員も御一緒にお立ち会いいただきましたことも存じ上げているわけでございますが、そのときも申し上げましたように、一応長崎県の行いましたいわゆる新しい方式によります健康調査の結果につきまして最終的な第三次検診の結果を研究班の鑑別診断部会におきまして判定していただきましたのが、ただいま御指摘ございましたようにカドミウムとの関係が否定できないという結論をいただいたわけでございます。ただ、この際対馬におきまして実際に健康調査を実施いたしました場合に、この汚染地域と言われております地域にお住みの方々七百名、それからその対象といたしまして約百名程度の方の調査しか実施していないわけでございまして、これではいわゆる疫学的な判断という問題は解決つかないのではないかということでございまして、特に同じ方式によりまして——実はこの方式は近く暫定対策要領の中の健康調査の方式を改定するわけでございますけれども、同じ方式によりまして秋田県または出形県におきましても現在調査は進行中でございます。そういうふうな問題を踏まえて、横並びに見てカドミウムといわゆる腎障害、特に低分子蛋白尿を排出いたします腎障害につきましての関連を詰めていくということが一つございまして、現在秋田県におきましてはほぼまとまりつつございますし、出形県につきましてはまだ私どもの方に報告をいただいていないという状況でございますが、これらの成果をまとめまして、専門家によりましての評価をいただきたい。それを一つの問題といたしております。 それからもう一つの問題といたしましては、現在のいわゆる腎の障害がある、特に低分子蛋白尿が出ておられるという方々、特に二十名の方でございまして、そのうちお二人はお気の毒にも亡くなられたわけでございますけれども、十八名の方々につきましてのいわゆる腎障害というふうなものが一体いわゆる臨床的な面からどういう形でこれを治療すべきものであるかどうかというふうな問題も研究していただくということも含まれているわけでございます。また、長崎県におきましても以来これらの方々につきまして健康管理という形で処理をしておりますので、私ども十分長崎県と連絡をとりながら処理をしていきたいと考えております。
○小平芳平君 いや、そういう経過は日々もうさんざん何時間もお聞きしましたのでよろしいのですが、要するに結論はまだ出せないということですね。
○政府委員(野津聖君) そのときも申し上げましたように、できるだけ早くということにまた長官も私どもの方に御指示もございまして、ものによりましてできるものは早くやれという御指示に従いまして私ども現在進めていきたいと思っているところでございます。
○小平芳平君 その後、自民党の環境部会ですか、イタイイタイ病のカドミ原因説は疑問というようなのが出ております。こういうことについてはどう考えますか。
○政府委員(野津聖君) この自民党からいただきました政務調査会長からの環境庁長官にいただきました「カドミウム汚染問題に関する報告」というものにつきましては自由民主党の環境部会が一年にわたりますいろいろな調査の結果をまとめられて、また会議を重ねられた結果をまとめられたというふうに私ども伺っているわけでございまして、私どもといたしましては、これらの……
○小平芳平君 その中で特にカドミウムによる腎障害が骨軟化症を起こすという論は証明されていないと、これは新聞記事ですけれども、そういう趣旨のことがありますか、ありましたらそれについてどう考えますか。
○政府委員(野津聖君) イタイイタイ病につきましては、もう腎臓と骨の障害によります障害が組み合わさった病気であるということにつきましては、これは異論がないところでございます。また、この発生原因につきましてはいろんな学説があることにつきましても、私ども存じ上げているわけでございまして、ただイタイイタイ病におきまして骨の障害あるいは腎の障害との関連においてカドミウムがどの程度関与しているかという点につきましてはいろいろ学問上の論争があるということにつきましても私どもはよく存じ上げているわけでございます。
○小平芳平君 ということは、カドミウムによって腎障害が起きるということが第一で、これはそういう方針をとっているわけでしょう、それが第一点です。 それから第二点としては、小林純博士の、これはアメリカで発表した動物実験によるカドミウムを与えることによって食べた量よりも排せつされるカルシウムが大量に排せつされていくというこの動物実験、こういうところからすればカドミウムによってカルシウムが大量に排せつされるということも事実、この二点は認めておられますか。
○政府委員(野津聖君) カドミウムによりまして腎臓障害が起こるという第一点の問題でございますが、これは労働衛生上の知見等から見まして、カドミウムによりまして腎の障害が起こるということは労働衛生上の知見等からあるわけでございます。 それから第二点といたしまして、カドミウムによりまして骨の障害が起こってくるというふうな場合に、具体的に言いますと、動物実験等によりまして——その量等にも問題があるわけでございますけれども、動物実験等によりまして骨の障害が出てくるという小動物によります実験があることも私ども存じ上げております。
○小平芳平君 そうすると、それを否定したり疑問を持つ理由がどこにあるんですか。
○政府委員(野津聖君) イタイイタイ病の場合の——ただいま申し上げましたように、イタイイタイ病が腎臓の障害があり、そしてそれに次いで骨の障害が、特に骨軟化症が起こってくるということにつきましては、これは厚生省の見解で出しておりますのは、現在の段階でも知見を変えるべきデータというものは私ども持っておらないわけでございます。ただカドミウムによりまして腎障害を生じますという場合に、現在労働衛生上の知見と申し上げましたのは、相当の多量のカドミウムに暴露されました人におきまして腎臓障害が起こるという結果があることも、これも事実でございます。 それからまた、動物実験等によりましても骨に障害が起こるという点につきましても、これも動物実験等でも証明されているところでございます。ただ一つの大きな問題といたしまして、労働衛生関係の知見といたしましてのカドミウムと腎臓の場合には非常に多量の問題が関与をしているわけでございます。現在のような非常に微量のカドミウムを非常に長期にわたりまして摂取いたしました場合、また空気から気道を通じての摂取、また経口からの摂取等々いろいろな条件の違いがあるわけでございます。 それからまた、腎障害からそれをもとといたしまして骨の障害に至るかどうかという点につきましては、いろいろその中でカドミウムが一体どの程度関与しているかというふうな問題もまだ学問上の論争があるということになっているわけでございまして、そこらが現在の問題点というふうに私どもは理解いたしております。
○小平芳平君 小林博士のその説明をしたのは私はそこを言ったわけです。腎障害が起きる、それが原因となって骨軟化症が起きるというふうな説明をされますけれども、小林教授のアメリカで発表された動物実験の結果は、腎障害は腎障害で起きるのですが、腎障害をまつまでもなく、カドミウムを与えることによってカルシウムがどんどん排せつされてしまうということを指摘しているんです。だから、それにもし疑問を持つなら、それはそうじゃないという動物実験があるかどうかということなんです。
○政府委員(野津聖君) 動物実験の場合に投与します量あるいはその期間、または投与形態というものにいろいろな差があるだろうと私ども思っております。その状況によりまして直接いわゆる骨の障害が先行するかどうかという点につきましては、一部におきましてはそういう研究もあることは私ども存じ上げておりますけれども、その場合の量というふうなものも大きな問題ではないかあるいは投与方法にもあるだろうというふうに考えております。したがいまして、これらの問題を解明するということが私どもにとって非常に大事なことではないかというふうに考えておるところでございます。
○小平芳平君 小林教授の実験はどういう量をどれだけの期間やったか、御存じですか。
○政府委員(野津聖君) 現在手元に資料ございませんので申し上げられません。
○小平芳平君 そういうことを知らないで言っていたんじゃだめじゃないですか。WHOでの骨軟化症の主犯はカドミだという、これは御承知でしょう。新聞に出るまでもなく、去年の七月の会議ですから。
○政府委員(野津聖君) 昨年の七月に第一回の会議があったことにつきましては知っておりまして、まだ正式に最終的なWHOとしての結論が出たということにつきましては私どもは聞いておりません。
○小平芳平君 だから、行った人から聞いていないのですか、結論を。WHOがどういうことで決議というか、結論を出したかということを知らないのですか。
○政府委員(野津聖君) 七月に会議がございましたときの話は聞いております。しかし、その会議から以後何回かの会議も繰り返されておりますし、各国に対しますいろんな要請も出ているわけでございますが、まだ正式な結論が出たという形になっていないということは存じ上げておりまして、したがいまして、結論が出ていない、結論につきましてはまだ出ていないというふうに私どもは了解いたしております。
○小平芳平君 いや、ぼくは荻野先生からも七月に結論が出たということを聞いたし、毎日新聞のこれでもイタイイタイ病の原因は「WHOもカドミ説」と、こういう大きな記事が出ておりますが、これはうそですか、誤報ですか。
○政府委員(野津聖君) 正式のWHOからの結論、さらには私どもの方に対します連絡というものはございません。
○小平芳平君 じゃ、連絡来るまで待っているのですか。
○政府委員(野津聖君) WHOにおきましていろいろと議論されており、現在報告書等まとめておられるという情報はいただいておりますけれども、その報告書の中身がどのようになっているかということにつきましてはまだいただいておりません。
○小平芳平君 この新聞はうそだというのですか、この新聞は見たんですか、五月四日の。これにははっきりと、日本からも出席した人もいて、結論としてこういうことだというふうに出ておりますがね。また、そのことはとうに、荻野先生もこの新聞の出るとうの前から七月にこういう結論が出ているとおっしゃっておられますがね。日本の環境庁は、それは報告が来ていないからわれ関せずと言うのですか。
○政府委員(野津聖君) 昨年の七月に専門家の会議があったということでございまして、そのときに議論になりましたことにつきましては私どもは知っているわけでございますが、それがそのままその後もいろいろと研究者の間での御議論等も加えられてきているというふうに聞いておりますし、まだWHOとして正式に報告書をまとめたという事態には至ってないと聞いておるわけでございます。
○小平芳平君 あと長官が来てから続けます。
○内田善利君 いまの質問を聞いておりまして、もう少し純枠に検討していただきたいと思いますね。何といいますか、中立の立場といいますか、健康を守るという立場でやっていただきたいと思うんです。私もいま聞いておりまして、カドミウムを摂取したらまず腎障害が起こる。その腎障害から骨の異常までの間が学問論争がされておる。もう一つは、カドミウムを摂取したら骨に対して脱灰現象が起こるということも認められておるわけですから、その辺のところをはっきりして答弁していただきたいと思います。 私は、きょうは大臣がおられましたら大臣にまず所信表明の中の一部を質問いたしまして、それからこの問題に入ろうと思っておったんですが、実は公害委員会で取り上げる問題ではないかと思いますけれども、これは企業の中で起こった労働災害が結局いま大分県の南部にずっと起こっておる現象でございますので、労働災害が基準であろうかと思いますが、大分県の南部に起こっている問題として取り上げたいと、こう思いますので御了承いただきたいと思います。 まず最初に、大分県の佐伯市を中心とした南海部郡で多数のじん肺患者が発見されて大きな社会問題となって、県当局もまた佐伯市の保健所長を中心にしてこの問題に取り組んでおられるようですが、この実態を政府はどのように把握しておるのか、まずお伺いしたいと思います。
○説明員(山本秀夫君) お答え申し上げます。 この問題は昨年の春でしたか、三月だったかと思いますが、大分の佐伯の保健所長さんが大分の県の公衆衛生学会の方でたくさんいらっしゃるということを発表なさいました。それがわかったものですから、われわれの方では一体どのくらいの方々がいるのかというようなことを直ちに保健所長さんにお問い合わせをし、またわれわれの方の佐伯の学働監督署の方でどのくらいの患者さんがいるかという調べをしたわけです。そのときに約三百人をオーバーする方々が診査をしていただいているということがわかりました。その後ことしになりまして新聞に出ましたのですが、労働省としまして、すぐに大分基準局に指示をいたしました。まだまだ補償をもらってない方々もいるんではないか、そういった方々についてはよく保健所の所長さんとお話をしまして、それからまた、わが方にじん肺診査医という方がおられますが、この方々とよく協議をいたしまして、保護を要する方については保護措置を十分とるようにということを申したわけであります。その後もっと実態を調べろということをあわせて指示をいたしましたので調査を進めておりますが、今日わかっておりますのは、まず第一番にレントゲンでじん肺が疑わしい、しかもその人はどこそこのトンネル工事で働いておったとわかっている人が九百十九人、それから二番目に、じん肺の疑いがありますけれども職歴がはっきりしないという方が六百四十人、次に、肺結核患者さんは保健所に登録をされるということになっているようですが、保健所の方でその登録をしておられます数が、しかもその方々はじん肺にかかっているというふうに保健所でごらんになっている方々が四月の末で四百三十五人ばかりおるということがわかったわけであります。 なお、補償の数につきましては、またここにおります労災課長の方から御説明をいたします。 しかし、われわれとしましては、労使関係の場で起こった病気でございますので、できるだけ丁寧に調べをし、所要の保護措置を講じていきたい、こう思っているところでございます。
○内田善利君 藤繩局長は、この問題については詳細な調査を実施すると、こういうことなんですが、労働省独自で調査団を派遣し、強力な形で実態をつかむと、こういうことだと思うのですが、具体的に労働省としてはどう取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(山本秀夫君) いまもっぱら職歴調査、あるいはどこの病院に何人おられるかというような把握をしている最中であります。それらがしばらくたちますが、だんだん整備されてまいりましたけれども、まだまだ、医師の方々にお話をいたしましてフィルムを借りるとか、そういうこともやはりしなきゃならぬだろうと思います。そんな手間暇がかかります。それからまた、職歴をよく覚えていらっしゃらないという方も中に幾らか見えるようでございまして、そのあたりはやはりちゃんと調べなければならない、こう思います。そこで、そういった資料がかなり集まってきた段階で、私どもは中央に——じん肺についてはなかなか診断がむずかしいものですから、中央じん肺診査医の方々がおられますが、そういった方々、専門家を派遣をいたしまして、しっかり診断をしていただく、調べてみようか、こういうことにしております。
○内田善利君 大分県南部に約二千あるいは三千と言われるじん肺患者が出ておる。その実態は、結局、出かせぎ労働者の方々が帰ってきて、こういうじん肺患者がたくさん出ておると、こういうふうに聞いておりますが、そのとおりですか。
○説明員(山本秀夫君) 豊後土工と言われまして、戦争前から穴を掘る、トンネルを掘るという非常に特異な技術をお持ちの方が大変多い、そこで出かせぎをしておられるというふうに聞いております。
○内田善利君 そういうふうにたくさんの被害者が出ておるということは、結局、労働基準法あるいはじん肺法で、そういう作業所では企業が定期検診を毎年やることになっている。定期検診をやることになっているにもかかわらず、そういうじん肺患者が出ておるということは、結局このじん肺法が守られていなかった、検診がなされていなかったと、このように私は受けとめるのですが、いかがですか。
○説明員(山本秀夫君) じん肺は、御承知のように、鉱物性の粉じんを大量に吸入することによりまして、長年たって起こってくるものでございます。確かに、戦後、労働基準法が施行されまして、防じん対策というものにつきましては規定をされ、かつ、それをまた監督する体制もできたわけでありますけれども、何せこの方面に対する関心が、一般論として、労使間あるいは政府の方にも足りなかったということは否めないと思います。しかし、労働省では、鉱山を中心とする労働組合の方々の熱心な運動もございまして、昭和三十年にはけい肺等特別保護法という法律が制定されました。それからさらに、石綿その他も危険であるということから、珪酸粉じんのみでなく、石綿粉じんも加えましてじん肺法というものを昭和三十五年につくりました。それで健康管理を推進しよう、一方、労働基準法の中に安全衛生規則というのがございまして、そこで粉じん対策を十分にやるというふうになっておるわけです。労働省では、御承知のように、安全衛生法が昭和四十七年に制定されました。その中で、労働大臣が災害防止計画を発表し、これを民間に守ってもらう、政府もまたその筋に沿って施策を進めるということになっておりますが、その中に特に建設業を取り上げまして、粉じん対策をきちっとしようということ及び健康診断を十分やるようにということを明確に指示してございます。とは申しましても隧道にも非常にいろいろ大きいのから小さいのありまして、それからまた岩の質もいろいろでございます。なかなか思うように施設ができない、予防対策ができないという場合もなきにしもあらず。いずれにいたしましても、しかしそれは大変に重要なことでございますので、わが災防行政の中で白ろう病であるとかあるいはがん対策であるとか、それからこのじん肺問題は三大柱と考えて推進をしているところでございます。
○内田善利君 この労災法のことにちょっと触れますけれども、管理区分が一、二、三、四とあって、四の人たちは補償され、救済措置があるわけですけれども、三まではないわけですね。こういった問題は何回も、この管理区分については起こっているわけですが、四に落ち込んだ人だけを救っていくというじん肺法のあり方なんですが、三に対する対策、特に職場転換ですけれども、二十一条あるいは二十二条によって職場の転換をさせるということになっておりますけれども、やはり三の区分になった方々は、いままでは高給を取っていた人たちが職場転換しますと賃金も下がりますし、やむなく無理してでも補償措置がないために働いている、こういう実態が非常に多いわけですね。それから管理区分二の人たちも、もう会社やめた方がいいんじゃないかといったような生活的な問題で非常に圧迫を受けながら何の補償もない、こういうことなんですが、四まで落ち込まなければ救済しないという、こういうあり方、そういったことが原因になってこのように多数の方々が大分県南部の方でせっかく出かせぎに行って、帰ってきて、企業でそういった定期検診も受けられないでじん肺にかかっていたためにいま非常に苦しんでおる、こういう実態が非常に多いわけですが、この点はどのように把握されておられますか。管理区分三あるいは二の把握をしておられるかどうか。
○説明員(山本秀夫君) 大分県につきましては、今後調べますとだんだんわかってくると思いますが、全国的に見ますというと、トンネル、隧道関係で見ますというと、管理三の方が、四十九年の統計しかございませんが、四十二名でございます。七千人検診を受けましてその中で四十二名であります。それから管理二といいまして、もっと軽い方ですが、これがほぼ七千人のうちで九十四人ということでございます。で、管理三は先生おっしゃられますように、やはり配置転換をした方がいいと思われる方々ですが、まあ賃金ダウンの問題でありますとか、あるいは自分が賃金がたとえダウンをしなくても、新しい職場にいくということはなかなかどうも、まあ何せ年寄りの方がわりあい多いもんですから適応ができないというようなことがありまして、なかなか転換がむずかしいという事実があることは否めません。だから、われわれはこの点を推進するために何かいい方法はないかと日夜苦労、工夫しておるわけでありますが、なかなか思うような手がないというのが実情であります。
○内田善利君 この出かせぎ労務者の実態掌握、特にこういった方々の定期検診、こういうのはどのように行われているのか。
○説明員(山本秀夫君) 出かせぎ検診につきましては、まず送出地の方で、一般的にいくと、短期に出かける場合は送出地の方で職業安定所がお世話しまして一般検診をやるということに相なっております。この大分県の場合は隧道掘削というようなことでございまして、かなりまあ一年とか一年半、短いので半年というのがあると思いますが、そういったまあまあ普通の季節的な出かせぎとやや違うということでじん肺法におきましても検診の義務を課しております。たとえば雇い入れのときにやっぱりやらなければいけない、それから症状が軽い人は三年に一回やること、それからやや重たい人は毎年やるというふうになっておりまして、私この検診の実施率を見てみたんですが、他産業に比べまして比較的隧道は、先ほど申しましたように、監督、指導にかなり力を入れておりますので、かなりよくやっておるというふうに思われます。
○内田善利君 かなりうまくやっているのに、こんなにたくさん出かせぎ労務者の方々がじん肺患者になっているということは、私はやっていないと、こう思うんですね。仕事場も転々として変わっていく人も多いだろうし、そういったことでトンネルの中の仕事ですから、砒素による肺臓がんとか、そういう肺がんであれば十年後、二十年後、三十年後に発病する場合が多いと思いますけれども、じん肺の場合は肺の中に粉じんがたまっていくわけですから、これはもうすぐわかるわけですね。ですから、そういうじん肺になった方々は定期検診をすることによって発見できる、このように聞いております。ところが、こうしたたくさんの方々が出てきているということは、三千人に及ぶじん肺患者が、しかも一大分県の南部の郡においてこんなに多数発生しているということは、やはり出かせぎ中のこういった管理がなされていなかった、じん肺法なり労災法なりが、あるいは労働基準法なりが守られてなかったためにこういう結果が出ているのじゃないか、こう思うんですけれども、大分県の佐伯市を中心にしたこの実態を、一体原因は何でこんなに起こったのか、そのように定期検診がしっかりなされておるならば起こらないはずですけれども、このようにして起こってきた原因をどのように把握されているか、また今後の対策、これをどうお考えか、お聞きしたいと思うんです。
○説明員(山本秀夫君) じん肺というのは、肺がんというほどではございませんが、やはり長年粉じんを大量に吸うということで起こってまいります。私どもがかってこのじん肺、昭和三十年前後でございますが、非常によく調べたことがございます。そのときにまあレントゲンにあらわれてくる初期の症状でありますが、これが全産業平均で申し上げますが、平均的に確認できるようになるのが大体七年後であります。それからさらにやや進みまして中等ぐらいに進行したものが十五年ぐらい、それからもっと進みまして療養を要するというような方々が約二十年ぐらいの平均で出ておるというふうに覚えております。そんなわけで検診を実はやりましても発見には役に立ちます、それからまた合併をいたしました肺結核の予防、治療といいますか、それには役に立つと思いますけれども、やはり根本は粉じんを吸わないということだと思います。そこで、先ほどちょっと御紹介をいたしましたように、諸規則があり、また災害防止計画によって予防をするように、粉じんを吸わない予防をするように、具体的に申し上げますればトンネルの中を湿らせます、湿式にすればほこりは立たない道理であります。それからまた削岩機、これは湿式削岩機を使いますれば、これまた比較的粉じんは立たないで済む、それからまた必要があるならば、これは個人用の防じんマスクというのがいいのができておりますから、これを着用するということで、やはり着せるのが筋であろうかと思っております。なおしかし、そうは言いましても実際上奥深いトンネルになりますというと、特に換気の問題、換気が十分にいかないということがあって、そういうことにつきましてはやはり技術的な立場から強力にその換気を励行するようにしなければならないということで、すでに指導書ができておりまして、これを現場に普及するように建設業の災害防止協会というところと一緒になりまして監督し、かつ指導しております。なお、あの地域はそういった特異な仕事をしておる方々が非常にたくさん出なさる部落であるがゆえに、どうもあそこに集積をしたというふうに考えています。しかし、まあそれ以外の土地でもまたそういう場所があろうやもしれません。私どもは情報を各県に流しまして、そういう部落や地域があるとするならば、それについて十分な指導あるいは保護措置をとっていきたい、こう思う次第でございます。
○内田善利君 たくさん出かせぎ労務者が集積したために、たくさん出たということは私は問題だと思います。やはりこの原因は追及しなきゃならないと思いますが、結局、私はじん肺法がありながらその運用面が不十分だったんじゃないかと、行政指導面が不十分だったんじゃないかと、このようにたくさん出たということはやはり重要な問題だと思うんですね。したがいまして、私は、労災法の問題でありますが、一地域にしかもたくさんの出かせぎ労働者がこのようにして救済されないままたくさんのじん肺患者が出ておるということは大きな問題だと思いますので、この運用面それから行政指導面、反省しまた十分これについては対策を講じていかなきゃならないと思いますが、いかがですか。
○説明員(山本秀夫君) 御指摘のとおり、われわれ非常にいままでも力を入れておりますが、今後さらに力を入れまして、保護措置に欠けることのないようにやりたい、こう思います。
○内田善利君 それじゃ、最後に長官に質問しますが、きょうの所信表明の中で、三ページですけれども「環境汚染の現況には、なお深刻なものがあり、しかもその発生の態様においても、単に生産活動に伴うものから、消費活動あるいは公共的活動に伴うものへと広がる傾向をみせており、より複雑かつ多様化しつつあります。」と、こういうところなんですけれども、いま私は大分市の南部におけるじん肺患者がたくさん出ておる、発生しているという問題につきまして取り上げたわけですが、生産活動に伴うものはいままで排出ガスあるいは排水等の規制等が行われ、だんだんこれについては措置がなされてきたと思いますが、今後は消費活動面、私は恐らくこれは食品公害とか薬品公害等を指しているんじゃないかと思いますが、消費活動に伴う健康被害ということじゃないかと思いますが、それと公共的活動に伴うものとして私はいまじん肺問題も取り上げたわけですけれども、これが広がる傾向を見せており、より複雑かつ多様化しつつある、こういうことなんですが、こういうことに対する対策、これはどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) じん肺の関係、私も実は選挙区で相当前に問題になったことがございまして承知いたしておりますが、それらは中小企業等の問題であったわけでございますけれども、いま御指摘の面はそのほかにもまだまだこうした心配をする、しなければならないような問題等もございます。おっしゃるように消費活動やあるいは公共的活動に伴うものの中にいろいろな多様の公害発生のおそれのあるものもございますので、十分、まず第一番には労働環境の整備と、それが他に及ぼす場合の地域の環境影響並びにそれに基づく患者の健康診断等、適切に対処していきまして、未然に防止するような措置をできるだけ努力をしていくべきであろうと、かように考えます。
○小平芳平君 長官が席を立たれたときに申し上げたことですが、イタイイタイ病とカドミウムについて問題を提起いたしました。まず第一に、対馬の方々に対しては長官、二月二十五日に長時間とっていただいて陳情を聞いてくださったんですが、その結論はまだ出ないという答弁がありましたので、これは急いでいただくということで、ほかに方法ないと思いますので、了解いたします。 次に、イタイイタイ病の原因がカドミウムであるかないか疑問が生じているという点、こういう点についてはいま質疑応答している間にちょっと食い違いがあるんですが、その点、部長さんわかりましたですか。第一に、カドミウムによって腎障害が起きるということが一つ、それから小林博士の動物実験による研究では、その腎障害は腎障害としてあるという点が一つと、もう一つ、カルシウムが大量に排せつされていくという分析結果が出ている。しかも、それも何回かにわたってあるいはグループも幾つかのグループに分けてカドミウムを与えて、そしてカルシウムの排せつする経過を測定している、これが一つですね。それからWHOではカドミウムが原因だということを最終案としてまとめたというふうに報道されているんですが、これは最終案でないのかどうか、その点ちょっと。
○政府委員(野津聖君) 先ほど拝見いたしました資料の中でございまして、小林教授がいわゆるカルシウムが尿の中に出るだけではなくて、いわゆる便の中にもカルシウムがカドミウムを投与することによって出てくるというふうな実験をされておることによって、いわゆるカルシウムの代謝異常というふうなものがカドミウムによって起こるのではないかと、しかもそれが直接骨の病変とつながるのではないかという研究の成果というふうに私は理解いたしたわけでございます。ただ、私どもの方でもいろいろと骨病変とカドミウムにつきましての研究につきましては各研究者にお願いいたしまして実施いたしておるわけでございますけれども、現在のところではいわゆるカドミウムの一つの標的臓器が腎の皮質あるいは肝臓であるというふうな形に結論されておる面が非常に強い部分がございます。ただ、一部の実験におきましては、腎の皮質に対しますカドミウムによります影響と、それと同時に骨に対しましても——結局動物実験でございまして、一匹の動物にカドミウムをいろんな形で投与しました結果につきまして、解剖しまして腎と骨の病変というものを見ているわけでございまして、その場合に腎の病変もありますし、また一部骨に対する変化も脱灰状況もあるんではないかというふうに結論はつけられておりますけれども、その脱灰状況につきましてはさらに検討を要するのではないかというふうな結論の論文も現在あるわけでございます。したがいまして、動物実験の方法等につきましてのいろんな問題はまだ残っておりますけれども、少なくとも相当の 度におきましての——腎が標的臓器でございますので、それと骨との問題というふうなものの関連というのは問題が残っているというふうに私どもは理解をいたしております。 それからWHOの問題でございますけれども、御指摘ございましたように、昨年の七月に専門家の会議があったわけでございまして、そのときにいろいろ御議論があったわけでございます。さらには、追加しまして八月以降それぞれの立場からいろいろと検討が行われてきているわけでございまして、私どもの持っております情報では、現在各種の意見がWHOあてに送付されているというふうな実態であるわけでございます。その結果につきましては、現在WHOの事務局で取りまとめておるというふうに聞いておりまして、専門家会議に出席されました専門家のところにもまだ確認のための送付ということは行われていないという実態にあるわけでございます。
○小平芳平君 じゃ、この新聞で最終案というのは間違いだということですか。
○政府委員(野津聖君) 昨年の七月に専門家がお集まりになりまして議論されましたドラフトというふうなことじゃないかと私は理解をいたしておるわけでございまして、その後の議論あるいはその後の意見の調整等はまだ入っていないのではないかというふうに考えております。
○小平芳平君 いや、そういうふうには書いてないですね。また、私の直接聞いたお話でもそういうふうには私は聞いていないのですがね。その後いろいろその後いろいろと言いますけれども、そんなにその後いろいろやっているというふうには私は聞いておりませんので、確かめてください、これは。 で、小沢長官、いま私の申しますこと——カドミウムによって動物実験の結果、一方では腎障害が起きる、一方ではカルシウムの代謝異常というのですか、カルシウムが大量に排せつされる。これは岡山大学の小林博士が動物実験して、その測定結果そう出ているのですから、これはこれで認めざるを得ないんじゃないですか。それを何ですか、いま部長さんは一匹の動物にと言ったですか、一匹の動物にやっているのじゃないです。もっと群も分けまして、そして投与するカドミの量も分けまして、それでカルシウムが尿から出るかふんから出るか、事細かに測定しているのですから。ですから、それが疑いがあるというなら、疑いがあるというような何か実験なりデータがないことには、ただおかしいな、おかしいな、疑問があるなというだけじゃ話にならないじゃないですか。長官いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 小林教授の研究発表についての詳しいことは部長からさらに、もし間違うと悪いので、お答えさしていただきますが、私どもの方ではこういうような問題あるいはWHOの御見解あるいは日本で昭和四十四年からずうっと研究班をつくりまして毎年相当の経費をかけて研究してまいりましたもの、それらをいま全部総合して一応今日の段階におけるそれぞれの研究の成果というものをまとめてみたいというので作業をいたしておるわけでございます。それが恐らく夏までにはまとめができるんじゃないかと思いますので、それをまとめましたところで、またさらに総合研究班の先生方にいろいろと意見を聞きまして、そうして正しい科学的な知見というものを出したい、かように考えております。これだけは私から申し上げまして、いろいろな説があることは事実でございますので、やはり相当な規模の、年月をかけた動物実験等も十分やるような措置を行政的にとっていかなければ、これは関連がないんだとかどうとかと言い切るわけにはなかなかいきませんので、こういう点もひとつ十分予算上の措置もつけて、この取りまとめの総合的な結果いかんにもよりますけれども、ひとつぜひ本格的にやってみたい。それまでは、少なくとも厚生省見解の当時得られた知見というものが変わらない以上は、やはりその考え方を基礎にして進めていかなければならぬだろうと思っておるわけでございます。ただ、長崎の問題おくれておって大変恐縮なんでございますが、あそこでようやく確立した診断の方法等を、さらに秋田、山形で一応データが若干それだけでは不足でございますので、それらを十分データとして集めてみまして、それから結論づけたいというので、少しおくれておることを大変恐縮に存じているわけでございますが、そういう具体的な問題の対処の仕方は仕方としてひとつ別にやってまいりまして、科学的な知見をより正確に因果関係を解明する努力は、いま申し上げたようなことでやっていきたいと、かように考えておるわけでございます。
○小平芳平君 そういうようにやっていただけばいいと思うのですね。ただ頭からカドミウム説は疑問だとか、そういうふうに先入観で決めてかかるということは、それは厚生省見解そのものが疑いがあるということなら、それは疑いがあるということもあり得るわけですけれども、私が先ほどから申し上げていることは、この小林先生の実験結果をどう判断しますかということを言っているわけなんです。ですから、カドミウムによってこういう動物実験の結果、カルシウムが排せつされるというその結果を頭からそんなはずないとか、いやそれには疑問があるというなら、それをひっくり返すだけのものを実験の上で言うべきだということを言っているわけなんです。ですから、それは長官が、そういう慎重に科学的な結論を得ようと言われることに対しては、私はそれでそのとおりだと思います。 で、時間が来ますので、もう一点、対島とそれから生野の発表されたのは二月二日ですか、二月二日発表されたときに高瀬部会長の談話として、腎臓障害があるということを前提にしまして、へたに腎臓障害の治療をするよりもカドミウムの摂取量を減らすことが第一、汚染米は絶対に食べないこと、こういう談話が載っております。これは環境庁も、環境庁に設置されている部会ですから御承知だと思うのですが、この高瀬部会長の談話、汚染米は絶対食べないことという、この汚染米というのは何を指されると思いますか。
○政府委員(野津聖君) 高瀬部会長がそのようなお話されましたということは、恐らくクラブでの発表での一部の記者の方の質問に対してのお答えではなかったかと私は思うわけでございますが、鑑別診断研究班としてそういうふうな結論が出たというふうに私ども記憶いたしておりません。ただ、一番問題は、やはり食生活が大事じゃないかというふうな点を強調されたのではないかというふうに考えております。と申しますのは、過去におきましていろいろ問題が起こりました際におきましても、やはり食生活についてのできるだけカドミウムの摂取量というものが減るようなことを考えなければいけないという形できておるわけでございますので、恐らく高瀬部会長のお考えとしましては、食生活をよくしていくということを前提としての御意見ではなかったかというふうに理解をいたしております。
○小平芳平君 それはそう言うに決まっているんですが、私が聞く趣旨はこういうことなんです。たとえば対島の地区では〇・四から一ppmの、これは準汚染米といいますか、要するに配給にも回してないし、これは食べないようにという注意をしているわけです。ところが、対島の人たちが農林省へその配給米の交換のことで陳情に行ったときに、農林省では、何を言っていると、一ppmを越えたらそれはもう厚生省の決定した基準どおり食べちゃいけないけれども、〇・九九以下というものは汚染米じゃないと、そんなことを一々びくびくすることがあるかというような、まあそんな表現じゃないですが、そういう調子で非常に食い違うわけなんです。ですから、あのときにたしか部長さんもそういう交換についてのいろんな陳情を受けられたわけですが、なるべく食生活に注意してほしいということは、〇・四から一までは安全だから、それをそんなびくびく一々することないんだというような趣旨でぼくは高瀬部会長がお話しなさっているとは思えないわけですが、そういうふうにとってよろしいですか。
○政府委員(野津聖君) 先ほど申し上げましたように、いわゆるカドミウムの総摂取量を減らすということ、まあ食生活全体についての総摂取量を減らすという意味で部会長はおっしゃられたというふうに理解いたしております。それからまた、食糧庁の方にも私の方からもお話は申し上げまして、いわゆる空間ができないと。そのときの陳情の趣旨の中で一番大きな問題は、実際にいま保有米を交換する際に、全部交換すればブランクができる、食べる物がなくなってしまう時期ができる、こういうようなお話がございましたので、その点につきましても私の方から食糧庁の方にもお話はしてあるわけでございます。
○小平芳平君 じゃ、長官、そういう食い違いがありまして、これは政府の方針といいますか、環境庁ではいまおっしゃるようになるべくカドミウムを摂取しないようにということで指導をなさるわけですが、農林省ではそんな必要はないと、いかにも〇・四ppmから一ppmの米は食べない方がおかしいというふうな、交換する必要なんかどこにあるんだというような感じも受けたことがありますので、その点ひとつ政府の方針として推進していただきたい。環境庁の健康を守るという方を推進していただきたい。
○国務大臣(小沢辰男君) 農林省の方で言いますのは、恐らく食品の安全基準が〇・四から一までは大丈夫で、一以上になったらいかぬと、こういう厚生省が食品の安全基準として決めておりますので、したがって農林省の方では、一ppm以上はいかぬけれども以下ならばいいんだと、こういうふうに政府が見解を食品安全基準として決めていると、こういうことでそれをおっしゃっておるんじゃないかと思います。いまのところは厚生省の食品安全基準はこれは法的に確立しておりますので、それ以下のものが危険だということは環境庁でも言うことはできないわけでございます。ただ問題は、対馬の方々はそういうもうすでに腎障害を起こしているという断定をされて、なお、私どもはカドミが障害を起こし、それが特異な関連があるというまでの判定ではないと思うけれども、疑いを持たれているという統一見解の発表がありましたので、そういう方々でございますから、先生としては、その食品安全基準は基準として決して否定するわけじゃないけれども、なるべく総合的にこの摂取の場合に気をつけてほしいと言われる医学者の気持ちというものは私はまた尊重しなければいかぬと思いますので、そういう意味で保有米が、そういう物しかないようなところには、やっぱりそれぞれ何らかの配慮をしてやるべきじゃないかと思いますので、その点は現実に即して私も努力をさしていただきたいと思っております。
○小平芳平君 農林省に言ってください。
○国務大臣(小沢辰男君) よくそういう特殊な事情のところでございますから御配慮をいただくように私の方からも話してみたいと思います。
○沓脱タケ子君 それでは所信表明に関連をいたしまして二点ほどの問題についてお聞きをいたします。 所信表明の第五に「環境保健対策の充実」ということをお述べになられて、今国会で公害健康被害補償法の一部を改正する法律等によって公害健康被害補償制度の実施に必要な財源の確保を図るとともにということで、被害者の保護の充実を図ったということをお述べになったわけでございます。それに関連をいたしまして、短い時間でございますのでできるだけ端的にお聞きをしていきたいと思うわけでございますが、公害健康被害補償法の中で、きょうは公害保健福祉事業に限ってお伺いをしていきたいと思っております。 実は私、公害健康被害補償対策費というのが、これはきょうの御報告の予算の中にもございますけれども、五十年度と五十一年度とを比べまして約二倍になっておるということなので、これは公害保健福祉事業費もその同じテンポで少なくともふえておるのであろうということを期待をいたしておったわけでございます。ところが、予算書を拝見してちょっと驚いたわけですが、これ四十九年、五十年、五十一年度予算と、こういうことなのでございますが、資料いただいて拝見をしてちょっと驚きましたのは、四十九年度が合計、予算が四億で、実施額、決算と同一かどうか知りませんけれども、実施額が三千八百六十二万七千円。ですから予算の一割以下しか使えなかった。これは四十九年度は下半期から実施に入ったということもあったわけでございますから無理からぬことであろうというふうに私も実情は推測できます。ところが、その翌年度の五十年度は、予算が八億で、これは実施の事業承認料という総計が一億七百三十七万円と、これまた約八分の一。そして五十一年度は健康被害補償法の一部改正などもやりまして、全体としては加害者から集める金額というのは二倍以上になるんだということで、これは法案審査のときにも問題になって御報告をいただいたわけでございますけれども、ところが五十一年度は、予算が九億六千万円という金額になっております。私はこれどうして健康被害補償対策費が五十年度五十七億何がし、それから五十一年度が百七億何がしということで約二倍にふえているのに、公害保健福祉事業費についてはわずか二〇%しかふえていないというのは一体どういうことなのか、最初にそのことをお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(野津聖君) 公害健康被害補償法におきまして、いわゆる医療費等、あるいは補償給付をすることも大事なことではございますけれども、やはり積極的な健康回復あるいは健康増進という面から見まして、この保健福祉事業というのは非常に重要なことであると私ども認識しているわけでございます。ただ、過去におきまして、御指摘ございましたように四十九年度あるいは五十年度におきまして、どうも予算額と実際の事業承認額との差があるというふうな結果が出てきているわけでございまして、この原因といたしましては、御案内のとおり、この中にはいわゆるリハビリテーション事業とそれから転地療養事業、さらには療養用具の支給事業、家庭療養指導事業というふうな形に分かれておりまして、一番主なのが転地療養事業というふうなのが一番大きな予算としてなっておるわけでございますが、……
○沓脱タケ子君 ちょっとね、時間が余りないから、その中身を皆知っているんだから。
○政府委員(野津聖君) はい。したがいまして、どうも過去の実績から見まして、この仕事自身が発足して日が十分でないというふうな問題あるいは多少指定の関係で患者の伸びというものが予想よりも低かったというふうな問題あるいは実施主体でございます各県市がまだこの事業につきましての十分ななじみがないというふうな問題あるいは環境庁といたしましても十分この事業に対します、何と申しますか、理解と協力を得るような体制がとられていないことは非常に遺憾でございますけれども、そういうふうなことがございまして、実績に見合った形での事業の伸びというものを考えたわけでございます。
○沓脱タケ子君 長官ね、これはいま長官にお聞きするんではないんですけれども、ちょっと聞いておいていただきたいと思いますのは、公害健康被害補償法というのは、公害多発地域で公害認定患者として指定をされた患者のこれは保健福祉事業という三章のところに明記されておりますように、認定患者が健康を回復し、そうして健康を増進し福祉を守ると、あるいはこの被害をひどくしないための予防的措置をやると、その事業なんだと、きわめて大事な事業だと思うんですよ。ところが、さっき数字を申し上げたように、たとえば五十年度八億の予算を組んでおりながら一億何がししか使っていないということに非常に問題があると私は思うんです。理由は、これはもうあなたから説明聞くと長くなるからちょっとやめておいて、私はちょっと具体的な事実を申し上げて、ここを強化してもらわなければならないということをお願いをしたいんです。 そこで、いま自治体等の受け入れなどもなくてと、承認件数が少なくて五十年度は八億も予算組んだけれども一億ちょっとしか使えなかったとおっしゃるわけです。それでは自治体はどういう実態に置かれているかということなんです。ちょっとこれを申し上げたら少し具体的になるんではないかと思うんです。幾つかの自治体を調べてみたんですね、大変なことになっておるんです。 大阪の堺市、これは認定地域です。この実例を見てみますと、五十年度に初めて保健福祉事業テストケースとして事業をやった。それで転地療養のやり方を二回に分けて実施して、第一回は三十九人、十五歳以上の被害者を三十九人、それから二回目には小学生二十四人、こういう形で転地療養のやり方でこの事業を行って、合計百五十万円の費用を使って実施した。ところが、このうち四分の一は市費負担ですね、この事業については。で、五十一年度は、それではどうなったかというと、百五十人を対象にして一週間の転地療養を計画をして、総額五百九十万円の予算を計上してみた、これはしていたんですね。ところが、御承知のように地方財政の大変なピンチで堺市もその例に漏れず全額カットされてしまった。こういうことが起こっている。ですから、政府の予算消化のしようがないわけですよね。さらに大阪市の例を取り上げてみますと、これは大阪市は昭和四十九年度は年度末にかけて二回やって七十四名を対象に行った。五十年度は四回実施をした。五十一年度の計画を見ますと計画をしておる。ところが、大阪市の状況を見ましても、御承知のように四十九年度といったら指定地域はあの西淀川という十万の人口対象地域だけだった。五十一年度は二百八十万全人口が対象になっているんですから当然被害者がふえているはずなのに、どういうふうな形になっておるかといいますと、五十年度は実施を四回にわたって実施をしたけれども、十五歳未満の患者数の一・六%しか対象になってない、十五歳以上の患者には一〇%。ですから五十年度の実施というのは、これはまだ対象地域が広がっていない時期ですね。で、このときにどれだけの費用が要ったかというと、子供について六百七十六万円、大人は七百三十六万円要した。ところが、五十一年度の計画の予算案がどうなっているかというと、二百八十万対象地域になっておりながら、子供の大部分が三百七十六万円、大人が五百七十六万円、ざっと五十年対比四割下がっている、こういうことになっているわけです。で、こういう実情になっておる原因というのは、これは私ども自治体の意見を聞きますと、この部分についてはいわゆるPPPの原則の範囲でなくて、政府も一部補助金をお出しいただくし、地方自治体でも持ち出しをしなければならない。しかも、その事業を行う場合には自治体では非常に超過負担が起こってくるという問題がありまして、この事業についてはやりたいという積極的な意欲はあるけれどもなかなかやっていけないという事態に追い込まれている。こういう状況になっておるわけです。で、こういう実情が、この予算消化が八億円せっかく組んだけれども一億何がししか使えないという事態になっておる端的なあらわれだと思うのですが、そういうことは御承知ですか。
○政府委員(野津聖君) ただいま御指摘ございましたように、地方自治体としましてこの事業を実施する際に、地方自治体の負担分が出る、あるいは現在のこの補助の基準というものから見ますと、地方自治体としましても超過負担分が出てくるというふうな問題があるということも伸びない理由の一つであろうというふうには考えております。
○沓脱タケ子君 それね、そこでちょっと聞いてもらわぬとあかぬのやな。最後に要望をまとめてお願いいたしますから、実情をちょっとしっかり握っていただきたいわけです。そこで、それでは公害患者というのはどういう事態に置かれているかという点をやはり知っていただかないと、この問題の熱意あるいは環境庁の姿勢というのは変わってこないんじゃないかというふうに思いますので、私は幾つかの実例を申し上げたいと思うのですが、きょうは将来を担う子供たち、特に公害の被害にさらされている子供たちの実態というのは一体どういう状態になっているのかという点に特に焦点を当てて実情を知っていただきたいと思うわけです。 その一つは、たとえばこれはことしの三月の十二日に大正区でやはり公害認定患者の子供を持つ母親が親子心中をしている、自殺をしている。昨年二回入院をして、ことしは救急車で数回入院を繰り返した。三月ですからね、三カ月足らずの間に数回入院を繰り返しておって、子供の苦しみを見るに見かねて親子心中をしたというふうな事件が起こっている。それからもっとこういう事件として扱われない事態というのが一体どのようになっているかということなんです。これを私は大阪の西淀川と此花区の患者の子供を持つ母親に七人の方々にお会いしてみた。まあ、こもごも訴えられるのには実は私も驚いた。その一、二の例を申し上げますと、八木さんという一級の患者さんなんです。高校一年生の男の子なんですが、この人はいまでも一級の患者ですから、かなり重症でセザンドールなどの吸引剤をもう常備薬のように使っている。この子供はいつごろから発作を起こしたかといいますと、公害病になったかといいますと、小学校時代に起こって、小学校、中学校を経過してきてやっと高校一年の段階なんですね。で、小学校、中学校時代はどういう状況であったかというと、発作が毎日夜明けになったら起こる、そういう状況なものですから、体の成長も非常に悪くて、いま高校一年生ですけれども、身長が何と百五十センチです。高校一年生男子の標準体重で見ますと、これは文部省なんですがね、文部省の学校保健課の調べですが、百六十六・一センチ、ですから平約身長より十五センチ余り小さいですね。こういう状態になっている。ですから子供がどういう状況かといいますと、このごろでは毎日のように発作は従来のように起こらない。だけれども季節の変わり目になるとやはり発作は起こる。ですから、ずっと小学校、中学校発作ばかり起こっているから、体力はないし、学校は休みがちだから基礎学力がついていけない。そういうことで体力にひけ目を感じる、学力にひけ目を感じるということで、性格が全部内向的になって、外へ出て遊びたがらなくなる。交遊関係をいやがる。で、仲のいい友人が公立高校等に入れるのに自分はできないから入れない。そういうことで劣等感を感じるというふうなことになって、非常に内向的になって困っている。それから高校の人たちというのは、大体中学校、高校の入学の人たちというのは大体同じような訴えです。 で、現在小学生というのはどんなんかといいますと、いま小学校三年のこれは久保原さんという方ですが、小学校三年の女の子なんです。この人は体重が二十一キロしかない。で、小学校三年の女の子の体重というのは標準体重幾らかと思って調べてみたら標準体重は二十五キロですね。小学校三年生ですからね、二十五キロですね。で、しかもこの人は病状は現在三級だそうです。ところが食欲はないし、根気がないし、勉強がしたいんだけれどもいけない、だからまあよく休むのでだんだんついていけなくなる。で、体力がないものだからもう年がら年じゅうかぜを引いた状態が続いている、こういう状態だと。小学生の女の子たちというのは大体同じような状態なんですね。 時間の関係もありますから、あんまりたくさん申し上げられませんけれども、大体こういうことで共通しておりますのはどういうことか、その七人の人たちに全部聞いてみて、患者さんは大体一級から二級、三級、いろんな方がいる。ところが共通しているのは、体力がない、体が小さい、根気がない、で、基礎学力は非常におくれている。性格はもうそろって内向的になってしまって、交遊をいやがる。それで、これは特徴だと思いますけれども、においに大変敏感だというのが共通だということをお母さんたちは言ってました。で、そういう状況だから、家庭では大変努力をして、何とかして子供の性格の内向性になってしまっているのを回復させようと思って、お母さんが朝六時からたたき起こして、自分もランニングシャツを着てランニングをしているというわけです。あるいはお父さんが少年野球チームをつくって日曜日ごとに指導をするというふうなことをして、子供を何とかしてみんなと一緒に体力も増進をさせ、何とかして回復をさせたいという努力をしているという状況だということを言っておった。で、そこで一番悩みになっておるのは、大体高等学校入学の段階になってほぼ発作が激減をしてきて、少し体力が回復しかけてきて、いよいよ高校入試の段階ということになりますと、体力がない、学力は落ちてしまっているということで、私立のうんと入りやすいと言われているペースの高校にさえ入れない、こういう人たちがこの中に二人おります。 で、まあこういう状況で親の悩みというのは一体何かといいますと、まあわずかの手当どころの騒ぎではない。手当を上げてもらいたいということをいろいろいままでは一緒に運動もしてきたということを言ってました。しかし、この子供たちの将来が一体どうなるだろうか、まさにこの子供にとっては取り返しのつかない被害を受けてしまっておると、この子の一生は一体どうなるだろうかと思うと、この後遺症ですね、子供たちの公害によって起こった子供の一生における後遺症は一体どうなるだろうか、これが一番頭の痛い問題だということをそろってそのお母さんたちは言っております。で、その中でも私は大変大事だなと思ったのは、ところが、この人たちが西淀川ではこれは環境庁のいわゆる認定事業にならなかったのでお金はもらってないそうですけれども、自主的に医師会だとか地域の医療機関だとか学校の先生なんかの御協力でサマーキャンプに一週間行ったんだそうです、八十何人か。そのときに、行くときには子供たちはみんなあんまり喜ばなかった、何となくおっくうがって行った。ところが、帰ってきたら全然変わっていたと言うんですね、親が。非常に明るくなっていたし、食欲が出てきたという子供たちが何人かいてる。そして来年もまた連れていってほしいという意見というのが非常に多い。こういう点から考えて本当にこの保健福祉事業に効果的なそういったサマーキャンプあるいはレクリエーション——レクリエーションでもないんでしょうな、温水プールとか、本当に体力増進をし健康回復をさせ、子供に自信を持たせ得るような保健福祉事業を本当にせっかく組んだ予算を十分使って実施できるという体制と構えですね、これをどうしてもやってもらわなきゃならぬということを痛切に感じた。 で、その中でいろいろ親御さんたちの意見を聞いてみまして思ったんですけれども、一つは、そういう間欠的に一年に何回かのそういう行事をやるというふうなこと、それからプールなど、温水プールも含めていつでも訓練ができるというふうなこと、それから年に一回とか二回とかいうふうに限らずに、やはりできるだけ回数をふやしてほしいというふうなこと、自主的にやりたいということでうまく体制のできたような体制も認めてほしいということを非常に強く訴えてましたね。 それからひどい子供たちですね、毎日のように発作が起こって学校へ行けない。あるいは私いま読まなかったですけれども、時間がないと思って、言わなかったですけれども、たとえば一カ月に必ずチアノーゼを起こすような発作を起こす子供がいるというんですね、一カ月に一遍か二遍。そうしたら必ず四、五日入院しなきゃいかぬ。それはそんなこと繰り返してたら勉強できないです。体力も増進しないですよね。大きくならない。だからそういう重症な患者については、これはグリーンスクールとかいうて、すでに言われておるような環境のいいところで、これは宿泊施設等もついた、勉強もできる環境のいい療養所というふうなものを、これはどうしてもこの保健福祉事業でやらなければならないということを痛切に感じさせられたわけです。そのためには、これは本来、公害の被害者なんですから、地方自治体が負担が多くてできないというふうな体制って、これは法律がそうなっているんだけれども、不備であれば、その不備な点を改めてでもこれは何としても改善をさせるべきであろうと思うんですけれども、その点についてこれは御見解を伺いたいと思う。
○国務大臣(小沢辰男君) 保健福祉事業につきましては、大変先生にはいまいろいろ御設例をいただきまして、私どもも府県といいますか地方公共団体に二分の一補助だけでやらしてきたわけでございますから、したがって予算の一割あるいは八分の一というような状況になって、事務費の配慮を全然してなかった。したがって、だれが県からついていかなきゃいかぬ、あるいは地方自治体の市の当局者がついていかなきゃいかぬ、市が計画しなければ許さないというようなことで、いまおっしゃった、自主体制で自分たちで行くから、それ何とかできないかというようなことにはこたえられない。そういうようなことが、多々、いろいろな欠点があることを承知いたしまして、何とかこれを打開をしていきたいという気持ちを持っております。で、実は、少し遅く気がついたようで大変申しわけないんですが、何とかひとつ来年の予算要求までには、どういうふうにやるべきか——考えてみますと、やはり医師のいるところでないと、どうも責任を持ってわれわれがそれをやるというわけにはなかなか、単なるレクリエーションで事業をやらせるというわけにはいきませんし、どういうような形でやったら一番いいか、場合によったら、試験的に全国で一カ所または二カ所、関西と関東の方で施設でもつくったらどうかなというような話も内々、実はこれ、できるかどうか、まだ検討を、非常にラフな考えでございましてあれなんですが、そんなことも話し合ったりしているわけでございまして、おっしゃるようにいろいろな隘路があって、せっかくの予算が使えない、しかも、非常に効果が上がるということがわかりますので、十分ひとつ来年度予算要求までに検討さしていただきたいと思っております。
○沓脱タケ子君 それで、来年度予算要求については当然のことながら、長官、ことしの九億六千万の予算を足らないほど消化をしてほしいわけです。また一割か二割しか使えなかったというようなことにならないように、そのこと、ですから、ことしの段階で積極的にいままでのいろいろな隘路を排除することのために、運用上の妙をやはり得てもらわなきゃ困ると思うんですよ。しゃくし定規なことを言ったら、また二割か三割しか使えなかったということで、また来年同じことを言わんならぬことになりますから、今年度の予算の運用について、これは実情に即してやはり本当に患者の役に立つように使っていただく。それから来年度予算要求に対して私は特に申し上げたグリーンスクール構想等、これはぜひ御検討いただきたい。それは一府県一つというふうな考え方じゃなくて、たとえば、私は大阪だから大阪のことはよくわかるんだけれども、大阪湾沿岸の指定地域というのは、尼崎から堺に至るまで、大阪市を含んで堺までぐるっとあるわけでしょう、そこの範囲で一カ所をつくったっていいと思うんですよ、実際には、そういう形だって。そうすれば経費が非常に節減をされて、利用は非常にしやすくなるということにもなるし、一つ一つの施設が充実することもできるんではないかというふうなことも思いますし、その辺については、環境庁がそういう構えであれば地方自治体だって考えたいというふうなことを言っておった易期もあるわけです。もう大分ちょっと財政状況が変わりましたから、四十九年ごろといまとは大分自治体の感覚も違いますよ。四十九年ごろは、環境庁がそういう構えなら少々は市費を出しても、あるいは一般会計から出しても、そういうものをぜひつくりたいと言っていた自治体もあったんです。しかし、いまは状況が変わったとは思いますけれども、環境庁がそういう構えでそういう立場をひとつ実現をさせてもらうということをぜひ御検討いただきたい。これはお願いしておきます。どうでしょう。
○国務大臣(小沢辰男君) 法律上の制約のもとで、今年度運用上にできるだけの配慮をしろということにつきましては、その範囲内で私どもも、ことしせっかくの九億六千万の予算でございますから、研究をさしていただきますが、まあどの程度まで現行法のもとでいけるか、もう少し検討さしてからお答えさしていただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 それで、私は、長官、あわせてお願いをしたいのは、この問題で地方自治体に超過負担をかけていくということは、これはできませんよ。本来もうPPPの原則で、原因者負担に、全額負担をさせてあたりまえだと思うんです。この部分だけがそうなっていないということで、やはり受け入れの側にも、またこれを受け入れたら超過負担がついて回るということで、消極性も出てくるわけですよ。そういう点で法律上の隘路があるとすれば、これは御検討いただいて改正してもらってもいいんじゃないかというふうに思いますので、その点もあわせて御検討をいただきたい。
○国務大臣(小沢辰男君) 保健施設につきまして原因者の方で半分を負担するということは、恐らくいろいろ直接的な健康被害等並びにその生活保障というようなもの等、一応理論的に従来この制度をつくりますときに、保健施設については一定の理論上の根拠からまあ二分の一の負担にさせているんじゃないかと思っておりますが、これも含めましてもちろん私ども検討してまいります。どういうふうなあり方が最も合理的なのか、現在の地方行政、地方財政の現状でございますから、なかなかせっかくのいい仕事も消化されないという面があることも知っております。ただ、全然住民の福祉について地方庁が全く負担の面で関与しないというわけにもいきませんので、これは全くまあすべて国で見るということが、いま今日この段階で私何とかしますと言い切れないのでございますが、できるだけ実態に即応した方途を見つけまして、この事業が円滑にいくように最大の努力をしてみたいと存じます。
○沓脱タケ子君 それでは、残りの時間はわずかなんですが、具体的な問題でもう一つお聞きをしたいと思います。 といいますのは、これはお聞きをしたいと思いますのは、東海市の新日鉄が第一高炉を改修して生産量の約二倍になる新しい高炉建設を進めるということで、東海市で住民から非常に強い批判と反対が上がっておるということが起こっております。これはまあ簡単に言いますと、第一高炉というのは五千四百トンの高炉だったんだそうですが、いまも稼働しておりますが、これを一万トンの高炉に改修すると、こういうわけですね、ところが、現地の東海市がこれを認可したということで問題が起こっているやに聞いているわけです。で、御承知のように、東海市というのは有名なこの公害認定地域というか、指定地域どございまして、すでに認定患者の死亡者が二十七人、現在公害認定患者が八百八十二人です。私の調査では五十一年三月三十一日現在ですね。そういう高濃度汚染地域でございますけれども、そういうところですから、住民が、約二倍の生産量になるような高炉が改修されるということは、公害発生源がふえるということで、これは反対なり要求なりが起こるのは当然だと思うんです。 ところが、その話をこれは新聞等報道で聞いて、現地で聞いてみますと、その問題、細かくはもう時間がありませんのでお聞きしませんが、ちょっと聞いていてほしいのは、ごく簡単な問題にしぼってお聞きをします。そこで問題になりますのは、新日鉄と東海市との協定によりますと、この許可をした、東海市の方が認可したというふうに言われておるんだが、その中身というのはどういうことかというと、窒素酸化物を昭和五十二年度には四十八年度の三八・八%を削減するということを公害防止計画に書き込むということを条件にしたというのですね。ですから量は約二倍になるんだけれども、四割カットするということで協定のときの公害防止計画に書き込むということを条件にしたというふうに東海市からは報告されているわけです。私はちょっと不思議だなと思ったのは、そこでお聞きしたんだけれども、昨年の十二月に環境庁が発表した固定発生源の窒素酸化物の第二次排出規制ですね、あのときには技術的な困難があってとてもじゃないがということで、あのときには五%ということにしたわけですね。もっと削減したいけれども、できないんだということで五%を削減するということにしたわけですね。それで私はそのことを思い起こして、それじゃ、今度の新日鉄によると、四割がカットできると、五十二年度までに。それが達成できるというんだったら、昨年十二月の環境庁の技術評価から見てどっちが本当なのかいなと、こういう率直な疑問が出たわけです。ですから、こういう新日鉄が東海市と協定をしておる四割カットということの協定ですね、これは昨年の十二月におっしゃっておった技術評価等から見まして、本当に信憑性があるのかどうか、信頼ができる装置なのかどうかということを最初に御見解をお聞きしたい。
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘になりました昨年十二月の五%カットと申しますのは、日本全国の放出している窒素酸化物の放出量に対して、従来第一次カットで二〇%ぐらいカットできた、第二次カットを入れたので五%ぐらいになったと、こういう意味での五%ですから、ですから発生源一つずつにしますと、規制のかかったものについては三〇から四〇弱ぐらいのものがかかってくる、ものによってはもう少しかかるものもあるというような状態になっておりますので、一つの個別の工場のそういうものだけを大きなものだけを抜きますと、こういう数字というものは十分あり得るもので、またあり得るような放出の排出基準がかかってくると、かけられるものはかかっておると、こういうことです。
○沓脱タケ子君 そうしますと、昨年五%カットして、そうして二五%ということになったということは私も承知しておりますが、それじゃこの新日鉄というふうな大工場というのは発生源としてはこれはうんと大きい発生源になるわけですね。そこで四割カットができるということであれば、これは環境庁の五%というのは甘いんじゃないですか。窒素酸化物の規制を第三次もっと辛くできるようにやるのかもしれませんけれども、昨年の十二月に五%というふうに言われたのは、鉄鋼、電力等の大企業で脱硝技術がいろいろ困難があると、そこが最大の隘路なんだということは昨年の十二月に私ども質疑の中でもお伺いをしてよく承知しているわけです。そういう巨大発生源が四割カットできるというのであれば、それがどうして五%というようなことに環境庁がしたのか、そんなことだったらこれはちょっと——固定発生源の部分だけですから、移動発生源は別ですよ、そういうことだとしたら、また企業寄りだという、企業寄りの第二次規制だというふうに言われたって——これは言われる可能性ありますよ、そう見られたってしようがないですね。そういう巨大発生源で四割カットできるということが現実に可能なら、どうしてもっとカット率を従来の計画どおりやらなかったかということになると思うのですよ。その点どうですか。
○政府委員(橋本道夫君) これはこういう問題でございます。昨年から一度国会でもお答えしたと思いますが、全体に強制できるほどまでの技術水準にきてはおらないのですが、公害健康被害補償法の指定地域に影響を及ぼすようなもので非常に大きな発生源ができてくるというときには、全体の基準として強制できないものはとにかく減らさなければ話にならない、これは法律上は強制できません、これだけははっきり申し上げておきます。また、そのやり方を全国的に広げる可能性も現在のところはまだございません。ことしまた問題をやるときにどこまで広がるかですが、そういうような厳しい条件がなければこれはなかなかのめるものではないと、法律で強制できなくても、そういうことをとにかく指導しようということで、地方自治体の会議におきましても言っておりますし、産業界に対しても、補償法の指定地域の中か横でやるときには、これは法律の基準いかんにかかわらず、あるいは全くよそではこれは全体にできないと言っても、猛烈な圧力がかかるということを言っても、その例の一つとしてあらわれてきましたので、五十二年にはこれは脱硝を部分的に見越しながらやっている。非常に大型になる、またそのほかの燃焼改善もきわめて大幅にやっているということでございますので、新日鉄のような巨大企業が研究的な要素も入れまして必死になって五十二年ごろには何とかその辺のことをやろうという約束をしたと解していただきたいと思います。われわれはヒヤリングでまた可能性が高まれば当然責任としては強くしていくつもりでおります。
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、これは環境庁は約四割カットという裏づけの資料は確認済みですか。
○政府委員(橋本道夫君) これは審査室の方が地方自治体からもその事情を聞いて内容を見ております。また私どもの方の規制課の方もその事情を聞いてどういうことでこうなっておるかということは存じ、私は細かいことは存じておりませんが、とにかく資料としては一応得ております。
○沓脱タケ子君 新日鉄という巨大企業が全能力を挙げてやると言うのであるからやるのだろうと言われても、これは去年の十二月に技術的には困難だということが主張されたのですから、これは住民にとっては非常に重大問題だと思うのですが、この問題は別の機会にやることにいたしまして、時間がありませんので、最後に、長官、私はさきに申し上げたように、被害者の実態というものから見ましたら、こういう公害指定地域で、しかも高濃度汚染地域に新しい発生源の新増設というものに対する基本的な態度というのは環境庁がきちんと立てないと大変なことになるのではないかということを心配するわけです。これは昨年も私ちょっと触れましたけれども、大阪でも高濃度汚染地域にさらに新しい発生源として高速自動車道路をつくるというふうな問題を私は提起をしたことがありますけれども、この種の問題というのは、東海市のような問題はずいぶんあちらこちらでも出ているわけですね。私どもがごくそこら辺を散見しましてもずいぶんたくさんありますよね。いまの東海市の新日鉄、川崎の日本鋼管京浜製鉄所の扇島移転計画、それから東京電力のLNG火力計画、中部電力の知多火力の増設計画、出光それから東亜石油の増設計画、千葉の川崎製鉄の増設、やはりずいぶんこの種の問題あるわけです、指定地域内にね。この種の問題についてはやはり環境庁が基本的な構えという、基本的な考え方というものを確立するかどうかというのは、その地域の住民の健康被害を守っていき、本当に健康で快適な生活のできる環境を取り戻していくというためには、もう不可欠の要件になっていると思うんですが、その点についての長官の明快なひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 公害防止計画をつくっている地域については、一定の目標をちゃんと与えているわけでございますから、それが崩れるようなやり方は私ども認めてないんです。たとえば知多の火力発電の増設問題も、クリーンエネルギーに全部、あれ前のやつも転換するという条件になっておりますし、そういうようなことで、むしろよくなることはあっても悪くなるということはないというデータに基づかないと、個々のものは認可をしたことはないと私は思っております。いまの新日鉄のものは規制課なりあるいは必要な課へ全部データが来ていると思いますので、慎重に、いま申し上げましたような方向で検討しまして結論を出してまいります。
○委員長(藤田進君) 本日の調査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二分散会 —————・—————