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77回国会参議院1976/05/14

決算委員会 第7号

発言数
266
登壇者
30
会派数
5
開催日
1976/05/14

会議録

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る五月十二日、下村泰君が委員を辞任され、その補欠として野末陳平君が、また、昨十三日、藤原房雄君及び内藤功君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君及び加藤進君がそれぞれ選任されました。     —————————————

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 次に、昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。  本日は、農林省と、それに関係する農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 質疑通告のない武田農林漁業金融公庫総裁は退席して結構です。  それでは、これより質疑に入ります。  本会議等の都合で大分おくれましたので、その点それぞれ御勘案の上お願いをしたいと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 幾つかの通告をしておきましたが、少し時間も詰まっているようなので、あるいはカットすることが出るかもしれません。出席者にあらかじめ御了解いただきます。  まず最初に、アメリカの多国籍企業の一つでありますユナイテッドフランズ、これが例のアメリカ証券取引委員会の調べによりますと、ロッキード同様の不正行為を海外で働いておると、こう言われておるわけでありますが、ユナイテッドフランズの不正行為の内容をどのように把握をしておられるか。言うまでもないことでありますが、それらの事件に日本の商社等が関与している事実はないか、農林省の現在の状況をお伺いするところであります。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) ただいま志苫先生のお話の件につきましては、一部の限られた新聞に報道されたということを承知しておりますけれども、当該会社は穀物取引等についてはシェアはほとんどなくて、ことに日本の食糧庁が登録輸入業者から外国産小麦を買い入れておりますが、そのアメリカにおける取引はないというふうな、われわれいままでの経過で承知しております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いや、日本の食糧庁がかかわりがあるないじゃなくて、このユナイテッドフランズがどういう関与をしておるかというのは、日本のことは触れられておりませんが、ずいぶんたくさんの国にかかわりを持って報じられておるわけであります。とかく日本の商社が問題になっておることでもありますので、特にこのユナイテッドフランズは会長が自殺をして、六十数名の逮捕者が出ていると、こういう情報もあるわけでありまして、必ずしも日本の、たとえば果物等の輸入にかかわりがないとは言えない、こういう懸念もありますので、調べてなければ、把握をしてなければ、それらの事情についてよく調査をし、把握をして、当委員会に報告を願いたい、こう思うんでありますが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も、まだいま御質問の点については承知しておりませんが、何か米国の上院の多国籍企業小委員会で穀物問題が取り上げられるというような報道を受けたことは、見たことはありますが、その後まだ取り上げられたということは聞いておりませんが、いまの点につきましては調査をしてみます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ロッキード問題も最初は、恐らく早い時点で聞けば知りませんと言ったに違いがないわけでありまして、起きてからでは事重大でありますから、この点は調査を要求をしておく程度にとどめます。  次に、他の省庁との関係もありますので、少し順序を変えますが、カドミウムの汚染米の取り扱いについてお伺いをいたします。カドミウムの安全論議は、四十四年の厚生省見解でそれなりの決着を見まして、四十五年の七月ですか、一ppm以上の食用禁止、したがって農林省は買い上げをしないということになったわけですが、〇・四から一までの米のとれる地域は要観察地域ということで検査を続けることとして、農林省は、その米は買うけれども配給には回さないという措置を今日までとってきておるわけでありますが、この汚染米の今日までの総量ですね、いわば農林省は準汚染米でしかわからぬのでしょうか、準汚染米でもいいですが、その総量、それから価格の総額。わかったら汚染米の方の自治体が買い上げた総量及び総価格、これがわかりましたらお答え願います。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) 御質問が何点かにわたると思いますが、私の所管の関係を申し上げますと、先生御指摘のいわゆる〇・四以上一ppm以下の準汚染米と言われているものにつきましては五十年産米を入れまして、これは一部まだ採取を終わっておりませんが、推定が入っておりますが、八万六千六百トンということに相なっております。で、価格につきましては四十四年以前の産米もございまして、それぞれの価格でちょっと計算をいたさなければなりませんので、御主張があれば別途資料等で提出さしてお許しを願えたらというふうにお願いしたいと思います。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○政府委員(澤邊守君) 地方自治体の買い上げ数量についてのお尋ねでございますが、カドミウム汚染米の発生が認められる地域のうちで休廃止鉱山地域の一部に見られますように、原因者が存在しないとか、あるいは不明であるという場合には県等の地方自治体が買い上げを行っている例も見られますが、その実態は必ずしも明らかではない面がございます。秋田県の場合で申し上げますと、五十年度に汚染米二百八十トンを買い上げ、これに要した経費は約七千九百万円というように承知をいたしております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 八万七千トン、額はちょっとわからぬということですが、どうも汚染米といっても米は米でして、食管に入ってないというだけの話ですが、これをもう少し正確に調査をされたら対策も容易になると思うんですが、これはひとつきょうあすというわけじゃありませんが、後ほど述べる対策との絡みもありますので調査を進めておいてほしいと思うんでありますが、土壌汚染地、要観察地域とでもいうんですか、土壌汚染地の面積は全国どれぐらいあるものです、もちろん耕地の場合ですけれども。

荒木昭一環境庁水質保全局土壤農薬課長

○説明員(荒木昭一君) 現在、土壌汚染防止法に基づきまして、カドミウム含有量一ppm以上発生している地域並びにその発生のおそれのある地域としましては、土壌汚染対策事業を実施することになっておりまして、その対策地域の指定が行われているわけでございますが、現在その対策地域として指定されておりますのは、カドミウムに係るものにつきましては二十九地域全国にございまして、その指定面積は約三千七百ヘクタールでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これはあれですか、カドミウムの対策指定地域二十九地区、三千七百ヘクタール、この対策地域以外のところでいわゆる準汚染米が生産をされないというわけじゃないんでしょう。皆さんの方で指定しているところがそれぐらい、指定していないところで大体そんなものがあるだろうというのは推定されていないんですか。

荒木昭一環境庁水質保全局土壤農薬課長

○説明員(荒木昭一君) 現在、環境庁といたしまして四十六年度から毎年度土壌汚染の広がりを把握するための細密調査をやっているわけでございますけれども、その細密調査の結果によりまして一ppm以上の米が発生した地域は全国で、四十九年度まででございますけれども、七十四地域ございまして、その推定面積は一部一ppm以上の発生のおそれのある地域の面積を含めますと約四千数百ヘクタールでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いずれにしてもずいぶんまだ心配のある地域、心配のある米がとれておるわけであります。ところでこのカドミウム汚染対策関係省庁連絡協議会、聞くところによりますと環境庁、厚生省、農林省、通産省、これで関係省庁連絡協議会というのが持たれて、四月十五日に初会合が持たれたとされています。この会議のねらいと当日の議題についてお答え願います。

荒木昭一環境庁水質保全局土壤農薬課長

○説明員(荒木昭一君) カドミウム汚染問題につきましては、御承知のとおりその内容がカドミウムによる健康への影響の問題、それからカドミウム含有米の成分規格、取り扱い等の問題とか土壌汚染の防止、除去等の問題とか非常に多岐にわたっておりまして、それぞれ相互に関連を持っている問題でございまして、従来からこれらの問題につきまして国会審議あるいは地元からの陳情等で各種の問題点が提起されてきたわけでございます。環境庁といたしましてはこのような情勢を踏まえまして、今後カドミウム問題についての施策の基本的な方向につきまして総合的な検討を行う必要があるというような判断から、関係四省庁合意のもとに四月の五日にカドミウム汚染対策関係省庁連絡協議会を開催することにいたしまして、第一回の会合を四月の十五日に持ったわけでございます。第一回の会合につきましては、今後検討をすべき事項について再確認いたしましたのと、今後どういうふうに進めていくかというスケジュールを検討したわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 環境庁のお返事ですと、カドミウムの施策の総合的検討というごとなんで何のことだかわかりませんが、そのものずばり申し上げて、どうも最近いわゆるカドミウム米の解禁説——カドミ解禁説というのがどことはなしに出ておりまして、周りの条件としては自由民主党環境部会のカドミウム汚染疑問説——イタイイタイ病幻説ですね、さまざまな舞台が回っておるようでありますが、いわゆるこの施策の総合的検討と言われる関係省庁連絡協議会はカドミウム米の解禁に向かって施策の総合的検討でなくて、施策の総合的再検討をするんじゃありませんか。この点についてひとつ環境庁、農林省そして厚生省それぞれ見解をお答えいただきます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 御存じのように〇・四ppmから一ppm未満のこのカドミウム含有米につきましては、食品衛生法上の規制はないわけでございますけれど、過去の経緯から消費者感情を考慮して農林省では現在配給は行ってないわけでございます。そこでこの米の取り扱いにつきましていろいろと新聞等で報道されたため、この米が直ちに配給されるのではないか、こういうふうな憶測もありますし、いま御指摘のようなお話もあるわけでございますが、農林省としては現在これを配給すると決めたわけではございません。しかし、この米につきましては食品衛生法上も安全でございますので食用として売却しても差し支えないと私は考えておるわけでありますが、その取り扱いにつきましては、しかし消費者の意向も配慮もしなければなりませんし、関係各省の意見も聞きながら慎重に検討してまいりたいというのが私の基本的な考え方でございます。

荒木昭一環境庁水質保全局土壤農薬課長

○説明員(荒木昭一君) 〇・四から一の米の扱いにつきましては農林大臣の御答弁のとおり、私どもといたしましても食品衛生法上は安全であると、しかしながら消費者感情を考慮して配給には回さないということになっているわけでございます。協議会におきましても、農林省とともにその扱いにつきまして慎重に検討していきたいというふうに考えております。

仲村英一厚生省環境衛生局食品衛生課長

○説明員(仲村英一君) カドミウムの米の基準につきましては、食品衛生法で規格基準が定められておりますが、その内容につきまして各省庁の連絡協議会におきまして、どういうふうに考えるべきかをさらに検討した上で私どもの態度を決めてまいりたい、こう考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 どういうふうにしたらいいか決めていきたい、総合的に検討といいましても、一応今日までの措置はずっととられているわけだ。そこで、ここで検討に入ったということは、やっぱりこれを食用に回そう、配給ルートに乗せようというそういう意図が働かなければ、改めてこの時点で施策の再検討を行う必要もないわけですね。いま農林大臣の話だと配給米には回さないが食い物には回す、極端なことを言えば、食用というのは食い物ということですから。しかしまあ、消費者感情があるから慎重にというわけですね。私は全体のニュアンスを見て、やっぱりこれはカドミ米解禁説というにおいが強いね。これはぼくは反対ですよ。もう一度ひとつ御答弁願います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは一ppm以上はもう食品衛生法上明らかに法的にも、もちろん食用に回すことはできないわけですが、一ppmから〇・四ppmまでは、これは食品衛生法上から見ましても食用に供しても差し支えはないわけですから、これはただ農林省としては国民感情等も十分考慮して一今日までこれを食用に回してなくて倉庫に積んでおったわけですけれども、私は先ほども答弁いたしましたように、〇・四から一ppmまではこれを食用に回しても差し支えないのではないかと、ただ国民の感情というものがありますから、押しつけるというわけにはいきませんから、そういう点につきましては十分検討しながら理解をしていただく中で食用に供する方向で努力していきたい、私はそういうふうに考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 準汚染米は食品衛生法上差し支えない、こうしばしば言うわけですね。しかし、それにだっていろんな学説はあるわけですよ。食品衛生法上いろんな厚生省が決めた基準からいけば差し支えないというんであって、それにもやっぱり異論だってあるわけです。カドミウムについてはいろいろな学説だってあるわけだ。何か環境庁の保健調査室はことしから世界でも初めてサルを使って本格的な実験をスタートさせるとか、何かWHOでも新しく健康への影響基準を検討するとかというようないろんな動きがあるようですが、いずれにしても慎重にこしたことはないわけであって、かりそめにも汚染米解禁という、こういう空気を醸成していかないように、これは強く指摘をしておきたいと思うんです。  それにしても、某新聞によると、いま厚生省でお答えのあったのは何か仲村さんという方ですが、ここに出ているのも仲村英一食品衛生課長ですね、いまの。この方の談話によりますと、「個人的に、お前がくえ、といわれたら私はたべますねえ」というようなこと言ってますね。ずいぶんあなたカドミを好むのかどうかわからぬが、まことに不見識な発言ですが、これはどういう見解ですか。

仲村英一厚生省環境衛生局食品衛生課長

○説明員(仲村英一君) お答えいたします。  新聞の報道はそのとおりの問答ではございませんでしたが、一ppm以下について食品衛生上問題があるかないかという点に関しましては、私どもといたしましては食用に供して問題はないということで申し上げたわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 問題はないが、問題があるというので農林省は現に配給米のルートに乗せてない。それが現状では政治のコンセンサスになっているわけですよ。そのときあなたは、それを何かこう、けしからぬことであるかのように、おれに食えといったら私は食いますよ——あなたが食う食わぬは農林省に言ってもらって、あなたのうちにはそのカドミ米だけでも配給したらいいと思うが、これはどういう物の感覚ですかね。まことにけしからぬと思う。もう一度答弁願います。

仲村英一厚生省環境衛生局食品衛生課長

○説明員(仲村英一君) ただいま申し上げましたように、食品衛生法上では準汚染米という定義はございませんものですから、私どもが決めております規格基準に違反するものは一ppm以上の米であるのが現在の規格基準の設定の方法でありますと、こういう内容を申し上げたわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 こればかりにも時間取っておれませんが、いずれにしても農林大臣、先ほどの答弁どうも私も少しあなたの答弁が確固たるものじゃないんで気になっておるんでありますが、農林省としてはとにかく配給ルートに乗せていかないということ確約できますか。あなたも食べる方ですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私ももちろん食べろと言われれば、これは食用に供して差し支えないわけですから喜んで食べるわけですが、あの当時の状況、私もいろいろと聞いておるわけですが、初めは何か〇・四ppmまでがいけないと、調査の基準だというようなことで要監視だということで、そこで食糧庁としてもこれは大変だということで配給所も受け付けないと、これは消費者に配給はさせないから配給所としても受け付けないというようなことで〇・四から以上を食糧庁は買い上げておったわけですが、その後の調査の結果、一ppm以上がこの食品衛生法上いけないと、こういうことになったけれど、しかしまあ農林省としてはそれまで〇・四からずっと買い上げておりましたから、その後のやはりカドミウムに対するいろいろと国民的な感情というのが非常に厳しいときでございましたから、その措置をずっと続けて今日まできておるわけです。  しかし、まあ御案内のように、別に余っているからというわけじゃないんですが、八万数千トンも食糧庁の倉庫にも積んでおるわけですし、それで科学的にはもう明らかに一ppm以上が食品衛生法上これに抵触するわけですが、それ以下は食用に供してもいいという、これは科学的な判断があるわけですから、まあわれわれとしてはもちろん国民感情というものは十分に尊重しなきゃならぬわけですけれど、しかし今後そういう点で話し合いが、理解が進めば、これは食用に供しても差し支えないわけですから、何とかこれは食用に供したいと、あるいは配給にも乗していきたいと、国民感情的にそれが許されれば配給にも乗していきたいと、そういうふうな考え方を持っているわけですが、しかしこれは右から左に簡単に片をつけるわけにはいきませんから、十分これは慎重に検討はしなきゃならぬと、研究をしながら、まあそういう方向で進んでまいりたいと、こういうふうに思っておるわけです。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあ同じことを言っていますがね、科学的にだって異論があるんですよ、私は現に異論を唱えているんですから。こんなにちゃんと物を言うているわけですからね。その点はいずれにしても慎重な対処を要望しますが、どうも自由民主党あたりが雑音を入れてイタイイタイ病幻説なんというようなことを、それこそ騒いできたものですから、何かその辺のしり馬に乗っているような印象を受けるんですが、これは厳しく指摘をしておきたいと思う。  ところで今度、汚染米の方ですが、汚染米は自治体が買っておる。自治体はなかなかそれも大変だと、休廃止鉱山等の土壌汚染の場合にはそれなりに国がめんどうを見て手当てを講じるという仕掛けがあるんだから、これの買い上げについても何かそんなことを検討してくれぬかということで、これは去年でしたか、環境庁あたりが中に入りまして他の制度とのかかわり合いもあるので研究しようと、調査しようということになったんですが、それどうなってますか。

荒木昭一環境庁水質保全局土壤農薬課長

○説明員(荒木昭一君) 五十年度に環境庁におきまして企画調整局長の諮問機関という形で物的被害救済に係る費用負担等検討委員会を設けまして、前後七回にわたりまして専門家によって検討を重ねたわけでございまして、昨年の十二月に中間報告が出されております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それでどうなってますか、中間報告が出たことは知ってるんです。

荒木昭一環境庁水質保全局土壤農薬課長

○説明員(荒木昭一君) 実は費用負担の検討委員会の関係につきましては、私どもの所掌でございませんで、私どもが聞いておりますところによりますと、検討委員会で検討された内容につきましては、主な内容といたしましては物的被害の救済に要する費用につきまして、汚染者がおれば汚染者が当然負担すべきであると。問題は汚染者負担の追及が不可能なような場合につきましては国民生活の維持あるいは民生の安定、不公平の是正といったような見地及び中小企業対策あるいは農林漁業対策といったような政策上の配慮等、種々の観点から公費によって対策を講ずることが認められる場合もある。さらに救済の方法、水準等につきましては、被害の種類ごとに検討しなければならない、こういった趣旨の内容になっておりまして、この報告を踏まえまして、関係各省におきまして現在検討をしている段階でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 原因者不明の場合は何らかの形で公費による対策が講じられるべきだという内容も含まれておるわけでありますが、これは当然その方向で早急にまとめをされるべきだと思うんですけれども、各省庁で検討が続けられておるというのですが、それはいつごろ取りまとめをされる見通しですか。取りまとめの所管はどこになるのか。これは農林省じゃないのかな。

荒木昭一環境庁水質保全局土壤農薬課長

○説明員(荒木昭一君) 現在、農林省の方におきまして、物的被害につきましての実態調査を五十年度にやっておりまして、その結果等を勘案しまして、さらに環境庁における検討委員会の結果も踏まえて関係省庁で検討することになろうかと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 どうも役所というのはいろいろのところに分かれると歯切れが悪くて何やってるのかわからぬですね。農林省は物的被害の調査を五十年度にやってどうだったんですか。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○政府委員(澤邊守君) 昨年度環境保全総合調査研究促進調整費という環境庁計上の予算の移管を受けまして、カドミウム被害の発生面積、発生量等、五カ年間にさかのぼりまして調査をいたして現在最終的な集計中でございますが、なお一部の県で未報告のところがございましたり、チェックをしておりますので、あとしばらくいたしますれば最終的にまとめることができるというふうに思っております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これもまさかその米がどこかに回るという心配はないんでしょうけれども、当面する問題で自治体の負担だって当該県にすると大変なことで、真剣に主張していることでもありますから対策を急ぐようにこの機会に要望しておきます。  次に移りますが、これも厚生省にもあわせて聞きますが、いわゆる豚のむれ肉——ふけ肉とも呼ばれておるようでありますが、そういう異常肉質については昭和四十七年から八年にかけて宮城県のこれは迫町というんですか、というところで特に注目を集めて、以来とみに問題になってきているわけでありますが、NHKでの報道等もありずいぶん衝撃も与えたわけでありますが、私も以来可能なデータを集めたりしてきょうの質問に備えておるわけでありますが、まず農林省はこの問題どの程度の内容をつかんでおって、どの程度の対策を講じつつあるかということが一つ。次いで厚生省は健康に及ぼす影響等について、どの程度この問題を把握し対処しておるか。これをまず両省にお尋ねいたします。

大場敏彦農林省畜産局長

○政府委員(大場敏彦君) むれ豚でございますが、これはいま御指摘になりましたように、一般的にはむれ肉ないしはふけ肉と、場所によって違いますが、そう呼称をされております。それから学問的にはPSE豚肉と呼ばれている、そういう傾向がございます。このPSE豚肉につきましては、われわれのいま得ております知見といたしましては、屠殺直後の屠体ではほとんど見ることができない。やはり屠殺して数時間たってからじゃないとなかなか発見できないということでございます。具体的な現象といたしましては、その肉断面を見ますと、肉の色が青白い、淡くなっている、いわば煮肉状な状態、肉を煮たような状態になっている。そういうわけであります。それからこれがペールというような現象になるわけであります。それからもう一つはソフト、つまりやわらかく締まりがない。それから肉汁がしたたり落ちるような状況になって、非常に重症のものはちょっと押しただけでも肉汁が出てくる。こういうような——エグジュデイティブというような言葉を使っているわけですが、そう言っている豚肉を呼称しているわけであります。  この豚肉の質でございますが、これは精肉としても正常肉に比べまして味や風味は非常に落ちるということで、値段もそういう意味では安くなっております。それから加工肉に回す場合におきましても、これは肉質が悪うございますし、歩どまりも悪い。製品にぽつぽつハチの巣みたいに穴があきやすい。こういったこともございますので、加工肉としても不適である。こういった問題が起きております。  むれ豚の発生につきましては、世界各国で古くからありまして、一八〇〇年代に発生の報告は得ているわけでございますが、わが国の場合には昭和三十年代から一部でその発生が認められた。こういう報告を私どもは得ております。発生の状況につきましては、いま先生御指摘になりましたように、宮城県で、たしか東北大であったか、助教授の方がお調べになった例もございますし、そのほか例もいろいろございますが、必ずしもその発生の頻度といいますか、数値につきましては一致はしておりません。いろいろの問題点の一つであろうとは思っております。御必要があれば後で御報告いたします。  それから必らずしも一致してない原因につきましては、むれ豚と判定するにつきましては、いろいろ肉の色だとか、弾性の問題、はずみの問題だとか、あるいは保水力とかそういった物理的な性質の問題、あるいは水素イオン濃度、PH等の科学的な性質で判定する方法などがあるわけでありますが、その両者を総合した形で統一的に判定する基準というものはいま現在の段階ではできていない、そういったこともあります。  それから主に調べるものが官能的なやっぱり検査で把握しております関係上、いろいろ人によって個人差も出てくるということでございまして、数値は必ずしも合致しておらないで区々になっておる、こういったことでございます。発生の原因につきましては、いまだ包括的な定説というものは確立されてはおりません、そのように聞いております、世界的に見ましても。ただ私どもがいろいろ得ております現在までの知見、内外の調査研究報告を総合いたしますと、たとえば屠畜場への輸送条件とか、あるいは屠畜場における豚の取り扱い方法とか、あるいは屠殺する場合の解体方法、あるいは冷却の方法、それから暑熱等の気象条件、そういったことがかなりかかわり合っている主な発生要因として指摘されている例があります。  それからこれだけではございませんで、屠殺直前とか、あるいは屠殺後の体内における酵素とかホルモン、そういった複雑な生化学的な変化のメカニズムが働いていると、そういったことがありまして、原因としては恐らくきわめて多元的なものが複合しているんじゃないか、こういう推定がなされているわけであります。後でまた重ねてお尋ねがあれば御説明いたしますが、以上でございます。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(岡部祥治君) いわゆるむれ肉というものの発生原因等につきましては、いま畜産局長からお話ございましたが、いろいろな原因で起こると言われておりますけれども、これがいまだ確たる原因というものは究明されておりませんが、これが現象としては、ただいま御指摘になりましたように屠殺解体後こういうような状況が起きるということが言われておりまして、それで筋肉中のグリコーゲンが分解いたしまして乳酸を産生し、PHが下がって、そして肉中のたん白が変化するというような現象と見られておりまして、一種の生理的な現象であると考えられる。したがいまして、これも世界各国でございますが、の文献等を見ましてもこれが人体に影響を及ぼすものとは考えられておりません。

大場敏彦農林省畜産局長

○政府委員(大場敏彦君) ちょっと対策がどうかというお尋ねを落としましたので申しわけございませんでした。  結局、先ほど申し上げましたように確とした原因あるいは単一な原因としてこれを把握するような知見は現在のところ得られておりません。しかし、これをやはり生産者サイドからもいろいろ心配がありますし、また逆に先生御指摘になりましたように、消費者の方からも心配があることは事実でございますから、早くこの原因の究明を私どもはやっぱり努力する必要があるだろう。そういう意味で五十一年度からわが方の技術会議が中心になりまして、私どもも積極的に協力申し上げる次第でありますけれども、その原因の究明等の試験あるいは発生状況の調査とか発生要因の解析とか、そういったものを中心といたしまして、調査研究を手がけていく、こういったことをやりたいと思っているわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 若干聞いていくつもりですけれども、私も皆さんから資料をもらったり、またあちこちの研究室に照会したり、あるいは出先のいろんな機関からのデータをもらったりしてまして、率直に言ってこいつは未知の分野だという気がするんですよ。全くこれから手をつけなきゃならない、農林省だってろくなデータもないわけでありますから、研究体制なんかまるっきりないということですから、いろいろ注文もつけ指摘もしたいんですが、それにもかかわらず、いま厚生省のお答えですか、生理的な現象で人体に影響がないと。何で断定できるんですか。これはわからないんですよ。判定基準もなければ生体の検査もやったこともなければ、もっぱら屠殺解体後、肉を切った結果わかるんですよ。まだまだずいぶん調べなければならない。原因だって、たとえば抗生物質の給餌というようなものがそのままストレートに影響しているのかどうかだってわからないわけです。こういう状況で、何であなたの方は、生理的な現象であって人体には影響がないものと認めます——どういうことですか、一体これは。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(岡部祥治君) これが発生の原因につきましてはいろいろまだ検討すべき点が残されておろうと思いますけれども、現象として現在私どもがいろいろ学者等の御意見を聞いた範囲では、こういう生理的な現象の一部であろうということでございますし、また内外の文献を見ましても、特にこれが人体に悪影響を及ぼすというような報告はないようでございますということを申し上げたわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 文献がないというなら文献がないようにひとつ答弁してくださいよ。  それで私、これからすべての問題ですけれども、いまの畜産局長答えられましたように、輸送条件、取り扱い条件、気象条件、それに時期とか品種ですね。そういうものによってずいぶんばらつきがあるようですし、何よりも判定基準というようなものが明確じゃなくて、それぞれで全くばらばらなとんでもない数字が出ておるので、未知の分野だと思うんですけれども、特に気になるのは、農林省が政策として進めておるたとえば品種改良豚であるとか、政策として進めておる飼育条件、多頭飼育とか、そういう状況のところに実はこれが多いというデータの方がずいぶん散見をされるわけですよ。たとえば改良以前のバークシャーであるとかヨークシャーであるとか、そういうのを原っぱに飼っているところとか御料牧場とか、そういうところのものには少ない。狭いところにごちゃごちゃ突っ込んで、豚が息できぬようなところに飼っている多頭飼育のような状況ではずいぶん発生が多い。ランドレースであるとか、そういう改良豚には多いということになりますと、これがだんだん究明をされて、実は飼育条件やそういうものにも問題があるということになりますと、そしてそれが取引条件やそういうものに影響が出て、飼育農家等に損害を与えるということになりますと、ずいぶん困った畜産行政をやってきたものだというふうに結果的にはなっちゃうわけです。そういう点の見解どうですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○政府委員(大場敏彦君) ただいま主としてこのむれ豚の発生の原因というものは品種によるという説があるが、それに対して見解はどうかというお尋ねの趣旨だったと思うわけでありますけれども、私どももいろいろ従来の育種とか、そういったことにつきましては絶えず自分の身の回りを点検する必要があると思いますが、今回のことにつきましてもいろいろ未知な部面がありますから、決して関係がないというぐあいに断定して分析も点検もする必要はないという態度はとるつもりはございません。いろいろ点検はしていきたいと思っております。しかし現在までの知見では、たとえば白河の種畜牧場で昭和三十五年から産肉能力検定をしております。その中で検定の一項目として肉質の成績についての調査をしているわけでありますが、これもいま先生が御指摘になりましたように、肉質を科学的に判定する方法、基準というものは残念ながら確立していない、そういうことがありますので、勢い経験者が肉眼によって審査し判定をするということにならざるを得ないわけでありますが、そういった点につきましては確かに問題はあろうかと思いますが、その肉質調査の結果を見ますと、必ずしもそういった特定の品種だけに偏っているというようなデーターは——そういった法則性といいますか、規則性というものはまだ断定するまでに至っていない。ただし、この調査はお断りしておきますが、品種によりまして、あるいは調査例数も区々であります。バークシャー等の調査も少のうございますし、主として大量に飼育されている現在の大きなヨークシャーだとかランドレースとかハンプシャーとか、そういったものが調査例が多うございまして、その他のものは調査例が少ないということもございますし、非常にばらつきがございますので、この調査自体では断定はできないわけでありますが、そういった限定的な観点から見ますと同一品種でも年次ごとの発生率に大きな差が見られる、あるいは年次による発生率の推移を見ましても、各品種を通じて決まった傾向が必ずしもあるわけではないということがございまして、ランドレースが多いとか、バークシャーが少ないというところまで断定するまでの知見というものは残念ながら持っていない。逆にそれは全然関係がないということでもございませんので、そういう点ではかなり今後私ども知見を積み重ねていく必要があろうかと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 別にデータが少ない上にバラつきが多いので本格的に取り組む以前の状態で何も断定できる状況はないようですが、現実には取引条件には現に影響が出始めているわけです、取引条件にはですね。これどうされます、何らかの対策講じますか、返されたり、値段たたかれたりというような状況も出るわけですが。

大場敏彦農林省畜産局長

○政府委員(大場敏彦君) 市場の取引条件との関係でございますが、現在、市場で豚肉を取引するに当たりましては社団法人の日本食肉格付協会が五段階に格づけをしているわけであります。その判定の基準といたしましては、重量とか外観とか肉質と、そういった要素でしているわけでありますけれども、このむれ豚が関係する場合には、肉質の中でことに肉の色沢というところに関係が出てくるわけでありまして、不幸にしてむれ豚というものが発生した場合にはやはり五段階の評価の中の下の方の、中以下になってしまう。もちろんその程度によって異なるわけでありますが、中なり並みなり等外になってしまうという形で、値段も一般の正常肉よりも二割ないしは三割ぐらい安いという形で取引されるというのが最近の実態でございます。で、これは結局だれが損失をこうむるかということになるわけでありますが、結局、屠殺してその後で競りにかけられた段階で判明した場合には、これはやはり現在の段階では生産者が損失をこうむっていると。それからそれが競られた後で、技肉になってから大分たった後で判明した場合にはこれは流通業者の負担になっていると、こういった負担関係になっているわけでありますが、現在までのところ取引上の大きなクレームが出て取引が混乱しているという事例は、そういう報告は私どものところにはまだ来てはおりません。おりませんが、しかし不測な、せっかくいい豚であると思って出した豚が予想外に値引きされてしまったということでは、やはり生産者の意欲にも関係するわけでありますから、その点については今後やはり考えていかなきゃならない。そのためには先ほど申し上げましたように、いろいろな原因の究明というものをして早く有効な対策というものを発見して、それを手がけていくということが私ども最大の方法ではないかと思うわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これは調査研究体制が非常に弱いですから進めてもらうんですが、たとえばアメリカにおける推定の、常識で日本流に計算をしますと、私の計算ですと二百七十億円ぐらいの損失にはやがてなるというふうに、この推計もできますんで、これらについては慎重なそしてしかも早期の研究をお願いしたいんですが、特に健康上の影響ということになりますと全くわかってないわけでありまして、研究者も研究体制もない。ただこれ食って死んだとか生きたとかいうような問題が出ないもんだから、あるいは研究データがないのでわかってないというだけなんでありますが、たとえば厚生省あれですか、むれ肉をハムなんかつくる場合結着性のないものに燐酸塩を入れてますが、これらはカルシウムと結合しやすくて老人や幼児に影響はないかという心配が提起をされていますが、見解はどうですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(岡部祥治君) 食品添加物として燐酸塩というものは現在指定されております。それが適正な使用であれば影響はないと考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 むれ肉の結着性がないもんだから、燐酸塩を入れる。適正な量を使っているかどうかもわからないんでしょう。これは使用基準はありますか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(岡部祥治君) 恐縮でございますが、添加物の担当しておりませんので明確にお答えしかねますが、燐酸塩については使用基準は定めてないと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これがやっぱりむれ肉が全体として未知な分野なものですから、恐らくあちこちに手抜かりがあると思うんですが、これらも検討願いたいし、えさとかあるいは添加物説というふうなのも一方には出ているわけですが、畜産局長、あれですか、飼料を日本に運んできますね、原料を倉庫なんかに保存しておきますね、カビが生えますが、あのカビの防止剤は何を使っておりますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○政府委員(大場敏彦君) 飼料の添加物がむれ豚の原因の一つになっているのではないかと、こういう説も日本の学者の中にはございます。われわれもその点につきましてはいま非常に気を配っているわけでありますが、しかし、むれ豚の発生につきましては非常に季節性があると、たとえば夏に起きやすいと、冬には発生の例が少ないわけでございます。そういったこととか、あるいは先ほど申し上げましたように、輸送方法によって、非常に密な形で大量輸送の場合に発生しやすい。豚が非常にけんかしたり、狂騒状態に陥ったりするような場合に発生しやすいと、こういうような経験もございますし、それからあるいは屠体を冷却した場合の方が屠体を冷却しないでやった場合よりも発生の方は少ないというようなこともございますし、そういったことがございますので、かなり発生要因は多元的ではないかというふうに先ほど申し上げたわけであります。で、現在までのところ、御指摘になりましたような飼料添加物が発生原因であるというようなことを肯定するようなデータというものはございません。そういうふうに私どもは理解しております。ですから、これが原因であるというぐあいに判断するのには問題があるのじゃないかということであります。しかし発生のメカニズムにつきましては、未知の領域が多いわけでありますから、これをさらに追跡していくという必要はわれわれはそのつもりでおるわけであります。  飼料添加物の問題につきましてはいろいろ説もあったわけでありますが、そういった残留性とか、問題があるようなものにつきましては、昨年の国会におきまして成立をさしていただきました飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づきまして飼料添加物の規制をするわけであります。ことしの七月からいよいよ本格的実施になるわけでありますが、そういった法の規制のもとで、従来行政指導という形でやっておりましたものを法の規制のもとに置くわけでありますが、具体的な飼料添加物の規制、指定といったものも整備するという形、それからそういった使用の基準だとかあるいは製造の基準だとか規格の設定等につきましても、その法に基づきまして厳しい基準を設定しているという形で対応していきたいと思っておるわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 カビは。カビ防止剤、何ですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○政府委員(大場敏彦君) 私、申しわけございませんが、現在持っておりませんが、先ほど申し上げましたように、そういった化学的物質で発生するようなものでありますれば、そういった、先ほど申し上げましたような季節性の問題だとか、あるいは輸送の方法の問題だとか、屠体の冷却の方法の問題だとかいうことによって発生の度合いも異なるし、こういった方法を改善すればかなり発生の防除措置も効果があるということからすれば、それが直ちにこの原因である、直接関係があるというぐあいには私はやっぱり断定できないのではないかというふうに思っているわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私も断定しているわけじゃないんですが、ただえさの抗生物質とか添加物が影響ないんで、そういうデータが見受けられないといいますけれども、たとえば東北大学の星野助教授のデータによると、添加物、抗生物質をやらないでおいたのとやったものと比べると、やらないものの方がうんと減ったとか、わずかなデータだけれどもやっぱり一応疑問を提起する内容のものは少ないけれどもあるわけですよね。これらはもう一度やったらそうまたならぬのかもしれません。いずれにしても生体の検査というのはこれについてやったことないわけですからね。死んだのを何とか買って切ったりなんかしていますけれども、生きているのをつかまえてずっと調べたことないわけですから、これはそんなに予見を持たないで原因究明に当たってほしいと思うんです。  大臣、いま若干のやりとりしましたけれども、全くわからないんですよ。そう病気のたぐいでもないと思い込んでいるわけですが、しかし現実には商品価値のないむれ豚というのがふえて健康に影響があるかもしれないという問題にしては、人もなければ研究体制もないし金もないんですよ、現実には。これは大臣、これからこれ大きい問題になりますから、まして消費者レベルではとんでもないときに大きくなって発展をするという要素も持ちますから、これはやっぱりしかっとした経費なり研究体制を整えていくというふうに希望したいのですが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私もむれ豚のことにつきましては各方面から聞いておりますし、これがいまお話しのようにやっぱり養豚農家に相当経済的な損失ももたらすことになるわけですし、消費者にかつ不安をもたらすということになるわけでございますから、いまのところは原因がはっきりしないから十分な対策ができないということですが、しかしこれは科学的に究明すればできないことはない問題でございましょうから、ひとつ原因追及等につきましては、そしてこれが対策等につきましても積極的にひとつ省内で体制をつくってやってみたい、こういうふうに思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これは同時に、厚生省の方にもよく農林省と連絡をとって早目早目にひとつ研究体制を整えられるように、恐らく厚生省の方ではそんな問題があるのかぐらいのところでいたんじゃないかと思うんですよ、私、事前に厚生省に聞きましたらぽかんとしていましたから。それだけに、これもどうかひとつ力を入れていただくように、これは要望をいたしておきます。  次に、新潟県の福島潟の干拓事業をめぐる問題について残りの時間お尋ねをしたいと思うんであります。まあ生産調整等に伴うトラブルは各地で発生をしてはおりますけれども、仮処分というような、裁判所まで登場をして騒ぎになっておるという事例は、私の承知している限りではどうも初めてのような気もいたしますし、農政が農民の理解と協力のもとに日本国民の食糧を確保するという大事業でありますだけに、こういうトラブルは決して好ましいことではないし、権力的に物が処置できるという筋合いのものでもない。まあ、こう考えておるだけに非常に遺憾に思っておるんでありますが、この事業及びトラブルの現状をまず概括的にお伺いをいたします。事業のそう細かい経過は要りません。特に問題になる点だけ御報告いただければ結構です。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) いま御指摘の新潟県の福島潟の干拓事業でございますが、これは地元の強い要請によりまして昭和二十九年度に直轄調査をいたしました。三十八年度に全体実施設計を行うというようなことを経まして、四十一年度に事業に着手いたしたわけでございます。当然これは四十一年度に事業着手いたしました関係から、当初はこれを全面的に水田に利用するというようなことで発足をいたしたわけでございますが、その後開田抑制政策に伴います措置について検討を加えました結果、地元の県、それから関係市町村などから畑地造成として強くやはり事業を実施してほしいと、継続実施してほしいというような要請もございましたので、それからここは畑地として造成をするということにして現在まで工事を実施してきたわけでございます。  トラブルというお話でございますが、私どもはこの干拓地につきましては先ほど申し上げましたとおり、当初水田として造成をする計画でございましたけれども、途中で畑地に切りかえるということで、増反でここの土地を配分する予定でございますけれども、約二百二十七名に及ぶ増反配分予定者も決めまして工事を実施しておりますが、この工事の終了の間際といいますか、最近になりまして、やはりここで水稲をつくらしてほしいということ、それから周辺の増反予定者の方々、配分予定者の方々は従来から水稲しかつくっていないので、ここで畑作営農する自信がないと、技術的な裏づけもないというようなこともございましたので、私どもは五十一年度におきまして、この土地についてさらにどうしても必要である、畑作営農を確立するために必要である土壌改良工事、圃場条件の整備、それから栽培試験圃場をつくるというようなことを実施しようという含みでおったわけであります。ところが周辺の農民の方々が、やはりどうしてもここで水稲をつくりたいということで、いわば私どもの工事予定をしているところに強行立ち入りといいますか、無断で立ち入るような気配その他がございましたので、私どもは二百二十七名の方々に現在認めております一時使用の権利といいますか、一時使用の権利を工事を実施するために必要であるということで立ち入りの禁止をいたしたわけです。で、これはまあ関係の方々に十分理由を示しまして御説明をいたしたのでございますが、その後におきましても強行立ち入りと、相当多人数の方々、これには農家以外の方々も入っているようでございますけれども、私どもの工事予定地に入ってくるというような事態になっておることはなはだ遺憾に存じておりますが、現在までは大要そういうような経過で推移してきているわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあ、その話は聞いているともっともらしいんであります。以下若干内容をお伺いしますが、いまもお話にありましたように、たんぼにしようと思ったけれども、生産調整に伴う開田抑制措置等で工事をやめざるを得ない。しかし、まあ何とか仕事は続けてくれやという気持ちもあるから、じゃあまあ畑に切りかえて進めようと、しかし農民とすればやっぱりたんぼが一番いいんだがなという気持ちはずっと持ち続けておって、いよいよ工事が終わって作付となると若干トラブルが起きるというぐらいのケースなら、これは何も福島潟に限らないんで、あっちこっちには率直に言ってあります。しかし私は、この地域は少し事情が特異だと思うので、少し順序をただして聞きますが、いわゆる四十一年から工事が始まって、四十五、六年にかけて生産調整なものですから、計画の変更が行われるということになるわけですが、四十七年の八月ごろに干陸計画書の内容説明が、新潟県が農林省にかわって行っています。そこでお伺いしたいんですが、当時における生産調整の見通しはどうですか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 当時は生産調整、実は米の過剰基調があらわれまして、これは何とかしなければならないということで、最初に農林省が生産調整に着手いたしましたのは昭和四十四年でございますけれども、その後これはやっぱり本格的に継続する必要があるということで、四十五年以降生産調整を続けてきたと。その当時の生産調整の計画の終期は昭和五十年度ということになっていたわけでございますが、御承知のとおり最近におきます米の生産情勢も依然として過剰基調にあるということで、五十一年度以降におきましても水田総合利用対策の一環といたしまして、開田抑制をなお三カ年間続けるということがその経過でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 もう一つ聞きますが、計画変更に伴って事業内容はどう変わったんですか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 先ほど申し上げましたとおり、まず干拓地に作付されます作目が当初は水稲であったのを私どもは野菜、レンコンというふうに変えましたことから、必要の用水量、これが変わっておりまして、その量が減るということから私どものそれに対する対応といたしましてはポンプの運転時間を減らすということで対応をしているということでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあ畑とたんぼじゃ用水量は違いますから計算が違ってくるのは当然ですが、いまお話がありましたように、ポンプそのものは変わらぬけれども運転時間を変えると、運転時間を長くすればたんぼになるし運転時間を短くすると畑になるという程度の変わり方のようですし、当初、たとえば畑というんであればスプリンクラーにするかというような話もありましたけれども、いやそれはそうじゃなくてやっぱりたんぼと同じような用水の仕掛けにしたわけで、私これは意地悪を言うわけじゃありませんが、今後の紛争の解決には、いわゆる計画を変えたとは言うけれども、その当時の生産調整の見通しは五十年度までと、工事が終わるのも五十年度までと、したがって五十一年以降は米をつくらないと当時言っていたわけじゃないんでありますから、五十一年度以降に期待がつながれたことはこれは当然のことだと思うのです。  それからまた、その計画の内容も、たんぼが畑に変わったとはいっても、一区画の大きさが変わるわけでもなし、水路の本数が減るわけでもなし、水門や水路やあるいはポンプの場所や大きさが変わったわけでもない。同じ計画をあるときにはたんぼと言い、あるときには畑と言うただけの話と。それに加えて、土地改良区の役員であるとか町村長であるとか、その周りにおる下手な政治家であるとか、そういうのが寄ってたかって五十一年になれば生産調整もとれて米だわねと、こう言うし、農林省も、こう言うとまた皆さん返事をしないかもしれぬが、大蔵省との話では畑ですと、こう言うかもしれぬけれども、生産調整が未来永劫続くんじゃないですから、そうすると農林省も、まじめな意味で仕事したい一心で、大蔵省ぐらいには畑ぐらいなことは言うて、土地改良区や農民の方に向かってはたんぼぐらいなことは言ってたわけだな、現実の話は。あなたは首を横に振っているけれども、そういう状況のもとで計画変更という名の工事は継続をされたという事情はまずお認めにならないと、これから先は相談になりませんよ。お認めになりませんか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 実は途中で計画変更をするということはまあ相当な影響があることでございますので、干拓事業のみならず一般の農用地造成につきましても、やっぱり地元との相談——まあ今回の場合には国有地を干拓いたすわけですから、あらかじめ関係農民がいてその合意を必要とするというケースではございませんが、一般の農地造成の場合にはやはり関係者の全員同意ということが必要があります。そういう場合に、新たに水源を造成をするというような場合には、私どもは、できました農地については畑地として必要な用水確保にとどめるように水源手当てをいたしておりますが、すでに水源がある、水田として経営可能な程度の水源がすでにあるというような場合には、地元から非常に強く要請が来まして、水はやはり一応確保しておいてほしいと。今回の場合ではありませんけれども、やはり水利権その他の関係もありまして、やはり水源はそのまま確保してほしいという要請があるわけです。これを私どもは、絶対に水田にならないようにするためには、そういう水が使えないようにあらゆる施策ができないわけでもありませんけれども、地元の要請が強い場合には、それではまあ水源だけは確保しておくけれども、これは将来水田としては使わない、畑地として使うというような約束でそのまま工事を進めるというケースがたくさんあります。  この場合は若干それとは違いますけれども、やはり干拓地ですから、周辺がみんな淡水でございますので、ある程度、また相当の水の多いところですから、水を確保しようとすれば幾らでも水が確保できるというようなこともありまして、おっしゃるとおり、あえてこれが水田にならないように工事を仕組むということはいたさなかったのでございます。だからといって、私どもが当時から、五十年度を過ぎればこれはもう水田としてよろしいと、米をつくってよろしいと言った覚えはございませんで、その辺はやはり、開田抑制、生産調整、それらの事情はもっぱらやはり米の需給関係に依存するわけでございますので、何年からは米をつくってよろしいよという約束は一切するはずがないし、また私どもはしていないというふうに思っております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 局長、あなたそこにおるから、あなた現地で農民や土地改良区や市町村長と直接接触をしたわけじゃないのでありますから、また聞きのまた聞き、それに創作を加えて答弁をすりゃできるわけですから、しかし先ほど私が指摘をしたように、畑からたんぼです、畑ですと言っても、工事の内容は変わっていない。当時の生産調整の見通しは、昭和五十年で終わる。そして土地改良区や関係市町村長の同意書というものは出ておるけれども、農林省の出先も含めて、県の役人も含めて、それはさっきも言いましたように、また下手な政治家も含めてですがね、いまのところはそれはこれでもできますよと。こういう農民にやはり当地の状況が、後ほど指摘しますけれども、そういう状況でありますだけに、だから農民は少なくとも将来米づくりの期待を持った。その期待があり真実だからこそ、潟の買収から漁業権、入会権の抹消放棄から、工事に伴う既耕地の提供から、現に自分でいま持っているたんぼを出したわけですから、道路つくったり池つくったりするために。かわりのたんぼがもらえるからですよ、そういう万般の協力を惜しまなかったわけです。何らの支障もなかったわけですね。そういう協力を惜しまなかって今日まで来た。  確かに配分希望農家への確約書には、干陸計画のいわば営農計画をこれを承知をしたという確約書——土地改良区の同意書に変わるものでありますが——というようなものがあって、これを唯一の鬼の首でもとったように皆さん言うけれども、五十一年度から稲作ができるからという含み、期待ですね、それがやっぱり確約書の提出につながっておるということは、あなた今度現地に行って聞いてごらんなさい。これは何も動かすことのできない証拠。だから配分申込書あるいはこの配分通知書、それから配分通知に伴う、一時使用に伴う誓約書ですね。こういういわば法的な文書に畑で候とか、稲作はだめだとかいうような文言はもちろん一つもあるわけがない、表に出ているものがこれだけでありますから、ということになったということを私はどうしても指摘をしておきたい。そこでこの事業はいつ完成することになっておりますか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) これは先ほど申しましたように、工期としましては、当初は昭和四十一年度から着工いたしまして、大体昭和五十年度目標に完成するようにやってきたことは事実でございます。ところが先ほど申し上げましたとおり、地元の県並びに関係の農民等から、現在の状態ではあの干拓地で畑作営農するのは非常にむずかしい。それは先ほど申し上げましたように現在の土壌条件、それから関係農家の技術水準ということを理由にいたしまして非常に不安であるという声があったのでございます。それで私どもは、やはりこの工事を完成をするということは、完成後ここにおきまして畑作営農が円滑に行われるということでなければならないわけでございますので、五十一年度におきましても、先ほど申し上げましたとおり土壌改良工事、圃場条件整備工事、それから栽培試験というものを行うことといたしておりますので、まだ完成はいたしておらないわけでございます。いつ完成するかというお話でございますけれども、これはやはり現在行っております工事のでき上がりといいますか、でき上がりを見ませんと、さらに追加工事が必要であるかどうかという判定ができないわけでございます。で、でき上がりを見まして、私どもはさらに追加工事が必要かどうか判定をいたしまして完成の時期を決めたいと、かように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 あなた昭和五十一年三月四日の参議院農林水産委員会におきまして、政府委員福澤達一構造改善局次長は佐藤隆委員の質問に答えて、福島潟干拓事業は四十一年から着工してこれが五十年度で完了することにしております、五十一年度からの営農開始をしていきたい、こういう実態でございますと、いいですか、三月四日ですよ、これは後ほど言いますように、皆さんが工事は終わらぬからまたやると言ったのは三月二十二日になるんですが、それから約二週間前のことです、これは。三月四日の参議院農林水産委員会では五十年度をもって工事は終わると答弁をしている。五十年九月に完工式が行われています。そして同事業所は三月末をもって閉鎖をいたしました。九月に完工式が行われて、そしてこれちょっと私きょう持ってきたから、あなた参考のためにごらんいただく、写真がね。完工式の碑がありまして、この碑にはちゃんと書いてあります。この何とかは三月三十一日完工したと書いてある碑があります。完工したという石碑が先に建っちゃった。よかったらこの写真後で上げますけれども、事業所も閉鎖をしたし、完工式は終わったし、政府委員は農林水産委員会ですぐその直前に、ああもう終わりましたと、こう報告しているのが何で急に工事を続けることに。これはどうもあなた理屈に合いませんよ、わかっているんじゃないですか、実際は。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) その福島潟干拓事業の完工につきましては、確かに昨年の九月二十八日だと思いますけれども、完工式を行っております。ただ国営事業等の場合におきまして、あらかたの事業が終わったという段階で完工式を挙げるのはこれは通例でございまして、その後も残工事をするというのがたくさん例がございます。したがって、この福島潟におきまして碑に五十一年三月三十一日と書いておきましたのは、そういう予定をあらかじめ書いてしまったのだと思いますけれども、そういうような事情で昨年秋完工式が行われた。  それからいま政府委員が、ことしの三月に今年度をもって事情は完了するというふうに答弁したというお話でございますが、それはその場に私は居合わせませんでしたけれども、そういう予定であるという趣旨でお答えしたんだと思います。確かに先ほども私が申し上げましたとおり、今年度中には完了する予定であったことは事実、したがって石碑にもそういうふうに書かれたわけでございますが、ただ完了をいたしまして直ちに五十一年度から畑作営農をお願いをするには非常に不安があるということ、これは事実非常に強い要望があったわけで、そのまま私どもは追加工事もしないで完了するわけにはまいらないということを判断をいたしまして、現在五十一年度の事業を進めているという経緯でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これはもうあえて細かいやりとりはしませんけれども、これはもうすでに賢明な委員の皆さんも承知だと思うんですが、三月末に完工をすれば法の規定によって所有権が農民に移ることになるわけですよ。所有権が農民に移る。これは当然の規定です。ところが三月の二十日過ぎになって突如事業を継続することにした。したがって、おまえたちには所有権はやらないということになって事態が急転をするのは、いろんなことを言うていますけれども、結局この土地を渡したら稲作をやるのではないかということを懸念をして所有権の移転を延ばすための言うならばつまらぬ工作だと、こういうふうにこれはどうしても見れるわけでして、あれじゃないですか局長、これは本当にぼくはまじめに言っているんですがね、干拓地が酸性で珪酸カルシウムをまかなきゃならぬ。これが実は事業継続の私に言わせれば一番大きい柱ですよ、これは。いいですか、干拓地が酸性であるぐらいのことは、私も大した農政の専門家じゃありませんけれども、干拓地が酸性ぐらいは始める前からわかっていますよ。それに必要な手配ぐらいはその前からでもできるでしょう。何でわざわざ一年延ばしにして思いついたようにしなければならぬのでしょうか。一々答弁は要りませんけれども、私はあるいは畑に適さぬという言い分が強くなったのでということも、これは農産園芸に携わっている人とか土壌をいじくっている人は、ああいうところがすぐに畑に万々歳だというふうに最初から思っていません。もし本当にそういう内容をまじめに考えていたんなら前の年にやったっていいわけですよ。石灰まくぐらいのことは、こんなのはいつだっていいわけです。すき返すぐらいのことは最初にやった方がいいかもしれませんね。後からわざわざやることはないわけでして、私は局長、これは大臣もお聞き願いたいんですが、こういうこそくな手段で所有権の移転を延長する、あるいはそれに伴って一時使用権を停止をするというようなのは、これはやっぱりこそくな手段であって常道ではない、これは大臣どうですか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) そのこそくな手段その他で工事としてあたりまえのことをあえて延ばしたようなお話がございましたけれども、ちょっと補足をさしていただきますけれども、私どもやはり干拓地が相当強酸性であるということは当然私ども承知いたしております。したがって通例の土壌改良工事は五十年度までにもすでにいたしております。ただ私ども先ほど申し上げましたような不安、要請がさらにあったものですから、まずやはりその土壌調査をさらに全面的にしなければならぬということが一点で、これは土壌調査の費用も計上しておりますが、さらに圃場条件整備でもって暗渠排水等もさらに補足してする必要があるということ。それから特に地元から御指摘のございます、私どもはレンコン等の栽培を予定しております四十五ヘクタール、これはまあ相当といいますか、レンコン栽培につきましては、かつて強酸性で失敗した例等もございますので、そこらを重点的にさらに土壌改良をするというような、いわばいままでやっておりましたところの補足をしようということでございます。それからさらには、それらの上に立った栽培試験をしようということですから、あえて延ばしたということではないということをつけ加えさしていただきます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国農業の基幹である稲作につきましては、やはり今後の発展を図っていくためには、現在の米の過剰基調というものへの適切な対応がこれはもう絶対に不可欠であるというふうに考えているわけですが、福島潟干拓地は、こうした事態への対応策として講ぜられました改善抑制策のもとに、相当巨額な国費を投じて畑地として造成されたものでございます。同干拓地におきましては、稲作作付の希望があることは十分承知いたしておりますが、他の改善抑制地区との均衡を失することともなると、これを認めるとそういうことになるというふうに考えるわけでございまして、この福島潟干拓地においては、今後私たちは所要の、いま局長が申し上げましたように所要の工事を行いまして、優良な畑作経営が行われるように努力してまいりたいというのが基本的な考え方でございます。  なお同干拓地の所有権を農民に移転をすることにつきましては、工事の完了が前提となっておるわけですが、この時期は本年度に予定をしておるところの土壌改良等の工事終了後の圃場の状態、展示圃の成績等を総合的に検討して、今後さらに追加工事が必要かどうかということを見きわめて処理をしたい、こういうことが基本的な私たちの考え方でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣ね、それは紋切り型の話はわからぬでもないですがね、いま直接稲作云々の問題はひとまずおきましょう。  私は通常の状態であれば、三月三十一日をもって工事完了、土地改良法に基づいて完工通知をすれば、所有権は農民に移るという法の規定になっているわけです。ところがつらつら察するに、どうもあのやろうどもは米をつくりそうな顔をしているということを察して、急に何かないかというので、カルシウムでもまけやという仕事を思いついて、これを称して工事延長として、工事延長をするから所有権を渡さない、一時使用権もやめろと、これは作法自身が権力的であるばかりでなく、非常にこそくだということを特に指摘をしているわけですよ。ここから実は問題が出てきていると思うのでして、これは聞くところによると、四千二百五十万円の工事内容でというのですが、二つのことを聞きます。中和剤をまく程度のことは土地改良事業であるかどうかということが一つ。それから四千二百五十万円と言われる経費は、聞くところによりますと繰り越しだと言います。ちょっとこれを簡単に答えてください。時間がないようですからごく簡単にしてください。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) いまお話しの土壌改良は、土地改良事業であるかということでございますけれども、農地造成事業におきます酸性土壌の改良につきましては、すでにこれは私どもの、四十三年以来でございますけれども、通達によりまして、土地改良事業の一つとしてするというふうに通達をし、すでにほかでもたくさんそういう例がございますし、先ほど申しましたように福島潟干拓事業におきましても、五十一年度以前でも工事の内容としてすでに土壌改良工事は一部実施をいたしているわけでございます。それから確かに四千二百五十万円は繰り越し事業としてやっております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ちょっと会計検査院の方。私これは本当に素人ですから教えてもらいたいのですが、私は地方議会等におりましたから、繰り越しというものはどういうものであるかぐらいのことは承知をいたしておりますが、少なくともこの場合の繰り越しというものは、普通の繰り越しというのは、ことしやろうと思っておったが、いろいろな支障が出てきたので来年に繰り越す、そのほか事故とかなんとかいろいろありますけれども、普通の場合ちゃんと議会の承認を経て繰り越すという手続をとります。私はどうも、仮に額が四千二百五十万円という小さい額であるけれども、この繰り越しというものは正当ですか。

東島駿治会計検査院事務総局第四局長

○説明員(東島駿治君) 土地改良事業におきましては、明許繰り越しという方法がございますので、恐らくそれでやられたことと思いますが、実はまだ五十年度の検査を執行しておりませんので、その辺の事情がどうなっておるかということは、まだつまびらかに私どもしておりません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 余りほじくり返すようなことは言いたくありませんが、私は土壌が酸性だから珪カルをまこうとか、少しまだ土壌要件が悪いから整備をしようとかという、この程度の内容のことであれば、局長さんね、五十年度だってこれはやれたんですよ。やれたというのは、やることを気がついてもいなかったし、やろうとも思っていなかった、ということは五十年度の事業内容になかったということです。ということは、積み上げがどうなっているかわからないけれども、正確に言えば四千二百五十万円に該当する、精神的に言って該当する工事はあの福島潟にはなかったはずです。なかった事業が、なかった予算をどうして五十一年度に繰り越すことができますか。つかみ金じゃありませんよ、これは。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 実は先ほど申し上げましたように、当初は五十年度完了予定でございましたけれども、ここでは畑作をやっていただくということで、いよいよ工事が終期に参りましたので、畑作物の手引きというようなものを関係農家に今年二月の初めにいろいろお配りをしたわけでございますけれども、その当時から非常に地元の方々があそこでぜひ稲作をしたいと、稲作推進協議会というようなものを結成をし、それから稲作の請願書等が出てまいりましたけれども、その中で、やはり先ほど申し上げましたように、あそこでは稲作するような土壌条件ではないとか、それから技術が非常に不足をしている、不安であるということを理由に書いてあるわけでございます。そこで私どもは、そういうような事態に対処いたしまして、実施計画をやはり立てまして、確かに当初はこういう予定はございませんでしたけれども、五十年度の中で急速そういう事業を組み入れて、それは五十年度中にはできませんので、金を繰り越して五十一年度に実施をするというようなことにいたしたわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 お金の使い道としては正当じゃないと、これは私は指摘しておきたいですが、しかし、そんなことは時間がなくなっちゃってあれですが、法務省にちょっと見解を求めます。  いろいろといままで農林省と私のやりとりでもうすでに大筋の議論は理解はいただいたと思うんですが、まず一般論としてお伺いします。農林省あるいは政府としては米が余るので生産調整ということについて農民に協力を求めてます。法律的に見て農民は稲作をしないということの義務を持ってましょうか。

吉野衛法務省民事局参事官

○説明員(吉野衛君) 私も余り専門家でないのでその点はっきりしませんが、農林省の方から説明を受けたところによりますと、生産調整に関する法律的な法令の根拠はないということでございまして、要するに米をつくらないということであればそこで補助金を交付する、米をつくれば補助金は交付しない、結局流通過程においてそういう問題が解決されるというような仕組みになっているようでございます。そうだといたしますと、米をつくってはいけないということについての法律的な義務はないというふうに私どもは理解しております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 一般的にはわかりました。そこでいま私いろいろ言いましたが、私どもの理解では、通常の状態であれば三月に工事が完工をして土地改良法に基づいて所有権は農民に移る予定であった。ところがその予定であったところ、どうもその所有権の移った土地には米をつくりそうだ、そういう予見のもとに工事を継続をするということを口実にして所有権の移転を妨げておるというふうに事柄はなっておるような気がするのですが、政府のそういった不当な行為といいますか、所有権の権利移転が妨げられておるという事例になるのではないかという気がいたしますが、法務省としての見解はどうでしょう。

吉野衛法務省民事局参事官

○説明員(吉野衛君) この干拓事業は土地改良法の規定に基づいて行われているということでございまして、その土地改良法のたしか九十四条の八の規定によりますと、確かに先生がおっしゃるとおり、事業が完了をしたときに国が所有権を喪失し、配分通知を受けた者に所有権が移転するというふうになっているわけであります。しかし土地の事業が完了しない間は土地の所有権は国にあるわけでありまして、配分通知を受けた者は農林大臣の一時使用許可処分という形でその土地を使用することができないというふうになっているのであります。本件の場合はまだ残工事をする必要がある、まだ事業は完了しておらない、たまたま地元農民がそこに入るということでは残工事を遂行することはできないということでその一時使用許可処分を一時停止したということでございますから、地元農民はその土地に立ち入って耕作をするという権限は何らないわけであります。したがいまして、国がその土地の所有権に基づいて立ち入りを禁止するということは法的に十分理由があることでありまして、そういう措置をとったこと自体が不法行為になるというふうな性質のものではないというふうに考えています。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それじゃもう一つお伺いしますが、四月十二日に農林省の方はいろいろ騒いでいるというと配分を取り消すかもしれませんよと、配分を。いまのところ一時使用権は工事が継続する場合、工事に邪魔になるようなときには一時使用権はとめられるということは配分通知書にも書いてある。ところがそれだけでなくて一時使用権の停止の問題じゃなくて配分を取り消すことがあるかもしれないということを内容証明で送っているわけですが、この配分通知書には何ら違反をしていないのに、米をつくる可能性があるかもしれないというので配分を取り消すかもしれないという警告書を送付をしておるわけですが、これについての見解はどうですか、根拠がありますか。

吉野衛法務省民事局参事官

○説明員(吉野衛君) ただいま先生御指摘の事実関係、私、詳細承知しておりませんので、ここで明確なお答えをすることはできないのでございますが、配分通知書を送付するに当たりまして、その中で当然畑作を前提としてそういう配分通知を行う、つまり稲作をしない、配分通知を受ける農民としては当然畑作をしなければならない負担を背負っておるという形での配分通知を行っているということであるならば、そういう違反の事実をあらかじめ予見されるにおきましては、これを事前に警告を発し、場合によっては法律の規定に従って配分通知を取り消すということは法律的に可能かというふうに考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それは配分通知に示した条件に違背すればの話でしょう。配分通知には何も違反をしていないわけですよ。配分通知にはいろいろ許可条件やそういうものがありますからね。そうじゃなくて、いまののはたんぼにするかもしれないというそういう予見のもとにそれが出ているわけで、この点は一般論としてわかりますが、この事態とは全く合っていない、このように思うわけです。私の時間が参りましたので、私は実はまだ農水委員会等でもやりまして、さてどうするかという問題は農水委員会にふさわしいので農水委員会等でもやりますが、締めくくりとして大臣にお尋ねをいたしますが、私が強く指摘をしたいのは、米の生産調整という農林省の方針がある。これについてもちろん社会党は、われわれはそれについて別の意見を持っています。農民の希望もずいぶん違うようですが、そのことはひとまずおくとしても、それはあくまでも農林省が農民に理解、協力を求めて達成をすべき政策課題である。  いまも法務省の見解ありましたように、法律的拘束力をもってどうこうとか権力的にこれに対応するとかという性格のものではない。まして農民は米をつくらないという義務は存在をしていないということもありまして、とすれば私はさまざまな術策や手続を弄して農民に所有権の移転を延ばすということではなくて、いま考えておる事業の内容ぐらいのものなら何もいま急にそれを口実に一年間大工事をしなきゃならぬというものじゃ、二十三億という仕事に四千万円カルシウムまくというのですから、その程度のことで延ばすことによってむしろトラブルを激化をさす、不信をあおり、農政全体としてうまくいかないというコースをとることはやっぱり賢明じゃない、こう考えるだけに、この農地の所有権の移転は早急にやっぱり処置するものは処置をして、そして耕作等については農林省は農林省の方針もあるでしょうが、じっくり農民とひざ詰めでも話をして努めて理解を得る、このやり方が最も農政らしい、安倍さんらしいやり方だと思うのだ。この点いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私もいまおっしゃいましたように、こうした開田抑制策を進める場合においても、あるいは生産調整を進める場合においても、やはり農民の方の理解と協力がなければできないのは百も承知でありますし、こうした問題がたまたま起こっておりますが、こうした問題をただ法律的に力と力で解決し合うということはこれはもう決してよくないことだと私は思っております。したがって基本的にはこの問題につきましても何とか話し合いで解決したいということでありまして、実は新潟県の知事さんにも来ていただきまして、知事さん初め市町村長さんを通じて農民の方々と十分話し合いをして、そして円満に解決すると、そしてこの福島潟もほとんどもうでき上がりかけておるわけですから、二十数億の予算を投入してほとんどもうでき上がりかけておるわけですから、あと一歩というところですから……

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 もうできちゃったんですよ。もうでき上がったんです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) あと一歩というところですから、だからこれは何としてでも完成をして、一日も早く完成をして、そして入植予定者の方にお分けをすると、しかしそれにはやはり農林省の基本方針に従って、畑地で畑作をやってもらいたい。稲作では困るので畑作をやってもらいたい。このまま改田抑制といってもこれはいつまでも、未来永劫に続くわけじゃありませんし、それは福島潟が恐らく水田に適しているということはだれも承知しておるわけですし、未来永劫に続くわけではないわけですから、また時期が来れば稲作に転換することもできるわけですし、とにかくだから私はその辺のことは、農民の方も自分の土地になるわけですから、この辺は話し合いをすれば解決がつかぬことはないと思うんですよ。ですからいよいよ本当に最終的な段階に近づいておりますのですが、私はそういう姿勢で、何としても円満に解決するということで最後のひとつ努力を傾けてみたい、こういうふうに考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 昭和四十七年、琵琶湖総合開発特別措置法が制定をされました。この法律に基づく琵琶湖総合開発計画は日本の水資源開発史上最大規模のプロジェクトだと言われておりますけれども、この事業の概要と現況をごく簡単で結構ですから述べてください。これはどこですか。国土庁でしょうか。

小幡琢也国土庁大都市圏整備局長

○政府委員(小幡琢也君) お答えいたします。  国土庁は琵琶湖総合開発事業の調整と連絡及び推進に当たっているわけでございますが、現在琵琶湖総合開発計画が昭和四十七年十二月に策定されまして以来、四十七、四十八、四十九、五十と四カ年経過いたしております。その計画の中身は、琵琶湖の恵まれた自然環境の保全、それから水質の保全回復を図りながら水資源の利用、それから関係住民の福祉の増進、こういうことを目的といたしております。  事業内容といたしましては、阪神地域に対しまする水の供給を主たる内容といたします水資源開発公団の事業、それから琵琶湖の水質保全回復などのための下水道事業、それから屎尿処理事業、さらには河川、ダム、砂防、水道、工業用水道あるいは土地改良、造林、林道、治山、都市公園、自然公園施設、自然保護地域の公有化並びに道路、港湾、水産、漁港、全部で十八の事業にまたがるすこぶる広範多岐にわたる事業でございます。  四十七年度より十カ年に、当時の四十六年の時点の価格で総額四千二百六十六億円を投じまして実施されることになっております。四カ年、つまり五十年度末までには、累計いたしましておよそ千二百億円、進捗率にいたしますと二八%の事業が実施されているわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 いま御説明を聞いて、その目的とするところがまことに結構づくめのように述べられておりますけれども、実はこの事業に対して開発工事差しとめという注目すべき二つの訴訟がございます。その一つは、琵琶湖沿岸と下流の淀川流域住民による工事差しとめを求める琵琶湖総合開発環境権訴訟と言われるものでありますが、これはすでに大津地裁に提訴されていると聞いております。もう一つは、全国内水面漁業協同組合連合会による、これも琵琶湖総合開発事業差しとめを求める訴訟が準備をされております。恐らく近いうちにこれが実際のものになると思いますが、これは琵琶湖総合開発水産資源訴訟ともいうべき訴訟であろうかと思います。この二つの訴訟は開発に対する被害補償を求めるものではございません。環境権訴訟は、水質汚濁によって住民の健康に被害を及ぼすおそれに対して生存権また琵琶湖の自然を享受する権利を損うことに対して環境権を主張するものでございます。また水産資源訴訟は琵琶湖のアユ稚魚を移殖放流することによって維持されてきた全国の河川のアユの生息と漁業が琵琶湖開発によって破滅することを憂慮いたしまして、金銭補償によってあがなうことのできない資源そのものを守ろうという訴訟でございます。  高度経済成長と列島改造によって深刻な公害や自然破壊や資源問題が出ております。その罪過がいま問われているのでございますが、私はいまは開発そのものについて価値観の根源にさかのぼって再検討をする必要があるように思うんです。この二つの訴訟が追及しようとしているものは、こういう時期にあってきわめて重大な意義を持っていると思いますが、さて国土庁、農林省、一体この訴訟の意義をどのように考えられますか、その御見解をまずお聞かせ願いたいと思います。

小幡琢也国土庁大都市圏整備局長

○政府委員(小幡琢也君) ただいま先生御指摘の二つの、一つは訴訟を提起されております、一つは近く訴訟を提起されるやに聞いておりますが、こういった事態に対処いたしましてどうするかという御質問でございますが、国土庁といたしましては、発足以来こういった琵琶湖総合開発計画全体につきまして諸情勢の変化、特に住民意識が最近変わってきておりますし、また環境保全、特に琵琶湖は水質の保全がきわめて重要である、こういう認識に立ちまして、この総合開発計画の見直しを行うということで、現在滋賀県と密接な連携をとりまして総点検作業を実施いたしているわけでございます。その場合に、環境一水質、この面には特に重点を置きたい、かように考えております。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 私どもといたしましても、琵琶湖の総合開発に伴います琵琶湖の水産資源の開発、それからそれに伴う、特に琵琶湖の場合は稚アユの供給源として非常に大きな地位を占めておりますので、そういった観点から非常に大きな関心を持っているところでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 きょうは農林省関係の審査でございますから、環境権訴訟にかかわる内容については別の機会にすることとしまして、水産資源に対する訴訟、漁業補償等の内容についてお尋ねしていきたいと思いますが、昭和五十年三月三十一日付をもって琵琶湖の漁業損失補償について、滋賀県漁業協同組合連合会と水資源開発公団の間に漁業の損失補償額百二十七億円が支払われる協定が締結されております。この百二十七億の漁業損失の内容、算出の基礎になる根拠、こういうものをまず御説明をしてください。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) お答え申し上げます。  ただいまのお話の滋賀県漁業協同組合連合会との補償の問題でございますが、お話のように昭和五十年の三月末に総額百二十七億円をもって妥結いたしております。補償に当たりましては、昭和三十七年に閣議決定されておりまする公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というのがございます。それから琵琶湖開発事業を行う場合の実施方針というのが示されておりますが、そういうものに基づきまして琵琶湖の過去の水位の実績から将来の水位の変動を想定いたしてみまして、その水位低下に伴う水産資源の減産並びに漁業操業に及ぼす一切の損失について、同連合会が有する漁業法に基づく漁業権等を対象にいたしまして補償いたしたのでございまして、対象の漁獲量は最近の三年間と申しますか、四十五年から四十七年までの平均漁獲量を八千百五トン、それから魚種別の平均の被害率は約四〇%ということで補償をいたしておるわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 滋賀県漁業協同組合とその漁民に対する補償責任を百二十七億という補償額の妥結によって明らかにされたわけでございますが、いまもちょっと申し上げた全国内水面漁業協同組合連合会が要求している琵琶湖のこのアユ稚魚によって維持されてきた全国の河川漁業そのものに対する責任、あるいは補償というような点についてはどういう見解を持っておられますか。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) ただいまのお話の琵琶湖産のアユの種苗が全国の河川漁業の中心でありまするアユの漁業に対しまして、その大半を供給しておるものでありまして、その量や経済性から言いまして非常に重要な水産資源であることはこれまでの実績が示すところでありまして、その重要性につきましては私どもといたしましても深く認識をいたしておるわけでございます。今回の琵琶湖開発事業の実施によりましてこのようなアユ苗の資源が減産することによりまして及ぼす社会的経済的な影響にかんがみまして、琵琶湖総合開発計画におきましては水産資源の維持対策事業が計画の中に計画されております。  特にアユ苗はその安定的な供給が図られるように琵琶湖の周辺に人工河川を設置することにされております。この人工河川の試験研究はすでに四十八年以来積極的に進められており、今日もなお続けられております。今後いかなる対策を講ずるかにつきましては、この人工河川の成果に負うところが多いのでありまして、三年間の実績につきまして、国、滋賀県及び公団が協力いたしまして、この試験研究について技術的な評価をしようということで専門の学識経験者による評価委員会を設けて鋭意検討を進めているところであります。この結果、実施される対策につきましては……

小山一平日本社会党

○小山一平君 対策なんか聞いていませんよ。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) 私ども公団としましては関係省庁の指導を受けまして、できるだけ可能な限り協力をしてまいりたいというふうに考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 もっと端的に言ってください。琵琶湖の漁業に対して補償責任をとられたけれども、全国の河川漁業に対しては補償責任があるのかないのか。あると考えているのかいないのか。一言でいいからお答えください。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) 直接の私どもの補償は、琵琶湖の中におきまする権利に対する補償でございまして、全国的のそういう密接な関係があるとは存じておりますけれども、それに対しては補償が非常にむずかしいというふうに考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これは大変無責任な無定見な認識です。これから逐次お尋ねをしてまいります。  今度は農林省へお尋ねしますが、琵琶湖産のアユが北は北海道から南は沖繩に至るまで全国の河川に移殖放流を現在されております。相当の養殖事業も行われておりますが、いまその実情、琵琶湖の稚アユに依存するアユ漁業の実態、そういうものをひとつ、これも時間ありませんから簡潔に述べてください。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) わが国のアユ漁業でございますが、最近アユの生産は河川、湖沼のもの、養殖のもの、ともに伸びております。御参考までにちょっと数字を申し上げますと、河川、湖沼のものが三十九年が八千トン。それが四十九年は一万二千二百六十八トンになっております。養殖は非常にこれは伸びが大きゅうございまして、三十九年は九百九十四トン。それが四十九年は四千七百十二トンというふうに非常に生産が伸びておるわけでございます。  そこでこのアユの漁業につきまして、自然のものがあるわけでございますが、同時に養殖、さらに河川、湖沼につきましても放流というようなことをやっておりますので、そういった面の稚魚の供給の中で、琵琶湖は約一億尾の稚魚を供給しておりまして、稚魚供給の七割が琵琶湖の稚アユによって供給されているという現状でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それから水産庁はこの琵琶湖のアユ種苗に対しまして、資源維持や保護対策をどういうふうにやっておられますか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 保護水面の指定をいたしましてその保護を図っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 水産資源保護法に基づいてアユの資源維持保護をやっておりますね。この水産資源保護法に基づく施行規則の中にアユを指定しております。アユのほかに指定をしている魚種がございますか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) ワカサギも指定しております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そうすると、アユとワカサギだけが水産資源保護法の対象として保護をしておる、こういうことでございます。これは大変重要なことだと思うのですが、水産資源保護法によって採捕生産から配付の価格、方法、数量、時期、そういう細かい部分にわたってまで水産庁は管理統制をして、そして資源の維持と保護をいたしているわけです。このことは琵琶湖のアユ資源が琵琶湖の漁業に重要であるからということだけでこういう保護政策はとらないでしょう。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 琵琶湖のアユは琵琶湖の漁業にとっても非常に重要な魚種でございますし、さらに国内のアユの稚魚の有力な供給源だという両方の面を重視しているわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そのとおりだと思います。琵琶湖の漁業にとっても重要であるばかりでなしに、むしろそれが日本全国の内水面漁業あるいは国民の長い生活文化にかかわりを持って重要でかけがえのない資源だからこそ法律によって保護をいたしているものだと、こういうふうに私は認識しますが、よろしゅうございますね。  そういたしますと、いま公団の説明にあったように百二十七億の損失補償の根拠は大体四〇%の減産を見越したものと、こういうふうに言われております。そうすると水産庁が日本じゅうに魚が何万種類あるか私は知りませんけれども、たった二つ指定をして保護をしなければならないような重要資源が四〇%も減少する可能性がある、あるいは実際にやってみるともっとなるかもわからぬ、こういう重大な影響を持つこの開発計画の協議に農林省が参加をしているんですか。そしてまたそういう危険のある開発事業に今日まで賛成をしてきているんですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 当初の計画をつくる場合におきまして、水産庁は協議に参加をしております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そして四〇%の琵琶湖の水産資源が減少するというような状況にもかかわらず、この事業の実施に賛成をされているんですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 生産が四〇%減るというのは、これは琵琶湖の漁業全体についてそれだけ生産が減るということだと思います。そこで私どもといたしましても、稚アユ確保につきましてはいろいろな角度から努力をしなきゃならぬというふうに考えておりまして、そういったことも十分考えているわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 今度は大臣にお尋ねしますが、農林省が数ある魚種の中でその資源を維持保護しなければならないと考えて、法律に基づいていま採捕生産の面から配給、価格等々に統制まで加えて守っている資源です。これが何のためかといえば全国の河川にとってこれはかけがえのない重要な資源であるからだと、こういうことになります。ところがそのもとである琵琶湖の損失に補償をする責任はあるが、皆さんがそれほどにして守らなければならないと考え、守ってきた漁業がこれによって重大な損失あるいは破壊をされるというおそれがあっても、そのことに対する責任がないということで、あなたいいと思いますか。農林大臣としてお答え願いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) アユ資源の保護につきましては、いまお話のように法律に基づいてこれを行っておるわけでありますし、農林省、水産庁としても、全国的にアユの稚魚の確保とアユの保護について対策を講じておるわけでありますけれども、その中にあってこの琵琶湖の総合開発につきましてはいろいろと訴訟等も行われておるということでありますが、これは政府全体としての総合開発という形の中でこれを推進していこうというようなことでございますが、その開発が進む中で、特に稚アユ等が減少して、それが全国的に非常に影響があるということになりますれば、これは大変困ったことになるわけでございますから、これはもう農林省としてもそうしたアユ資源を新しく確保するためにあらゆる対策を講じていかなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それは当然これからそういう努力をしていただかなければならないけれども、しかしこの開発事業によってこういう重大な事態を引き起こされることになる全国の河川に対して補償責任というものがないんだという考え方というのは一体どういうところから出るんですか。公団お願いします。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) 私どもといたしましては、政府の定めておりまする補償要綱によってやっておるわけでございますが、その内容を詳しく申し上げる場合でございませんが、その中にはやはり対象とするのは土地等の権利が対象でありまして、内水面の方々については琵琶湖の中に権利を持っておらない、こういう点から補償にすることは非常に困難である、こういう解釈をしておるわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私は法律があって、その法律に照らすとこれは補償対象にしていくことは大変困難である、そんなことは百も承知です。そういうものがあるけれども、補償対象にして責任を負わなければならない性質のものと考えるのか考えないのか。いや、それはそこにあるから対象になるならないなんという議論の前に、全国の河川漁業に対して一体責任を負うべきと考えるか、負わなくてもいいと考えるか。これは法律の問題じゃありません。いかがですか。農林省いかがですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 私どもといたしましては、その問題について法律的な問題があることもいろいろ承知しておりますけれども、水産庁の立場からいきますと、やはり今後琵琶湖以外の地域のアユ漁業というものを継続し発展させるためには、やはり稚アユを何としてでも確保しなきゃならないというのがわれわれ水産行政をやっておるものの立場でございます。したがいまして、人工河川を資源維持事業としてやるということになっておりますので、これについては公団から御説明がございましたように、すでに一億ぐらいの金を使って試験実施もやっておりますし、それから水産関係の専門家が入りましてそれの効果の測定を実はごく最近やることになっておりますので、そういったものを見ながら、われわれとしてはやはり稚アユの供給というものを維持していかなきゃならないという立場で物事を考えていかにゃいかぬというふうに思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どうも回りくどいお答えで困るんですが、水産庁がこれほどにして長い間維持と保護に力を入れてきた。その価値を認めてきたんでしょう。それがこの事業によって大きな打撃を受け、あるいは破壊されるかもしらぬということに対して、一体その事業の主体となるべき公団というものが矢面に立つと思いますけれども、責任がないという考えはおかしいではないかと、法律にはあるからあるいはいますぐできないかもわからないけれども、責任は負うべきである。だがいま法律の規定によってできないというならば私は話はわかります。いかがですか。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) 私どもといたしましては、実情論は先生のおっしゃることもよくわかるわけでございますけれども、この琵琶湖総合開発計画が立案されたときに、減産するので非常に問題があるので、そのために資源維持対策事業をやろうということに定められておりまして……

小山一平日本社会党

○小山一平君 そんなこと聞いてないでしょう、私は。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) そういうことに基づいてやっておるものということでございまして、以上の点につきましても私どもは各省のいろいろ御指示を仰いで今日まで進めておるわけでございまして、今後におきましても各省の御指示に基づいて進めてまいりたい、というふうに考えておるわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 おかしいね、責任があると思うか思わないかということを聞いているのに、そんなよけいなことを言わぬでもいいんですよ。責任があると思ったら責任があると思う、ないと考えたらないと思うとこう言っていただけばいいんです。どちらですか。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) 先ほど来申し上げましたように、補償問題として扱うことは非常に困難でありますけれども、維持対策事業等につきましては公団といたしましても当面の事業担当者でありますので、積極的に協力してまいりたい、こういう気持ちでおります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これはやはり農林省、特に水産庁で考えていただきたいと思うんですがね、人工河川といってもその成果もまだ明らかになっておりません。あるいはまた人工ふ化事業もその成果はまだ完成の途上にございます。そこでこういう事業を実施する場合には、   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 その前に、これが保護されなければならない、維持されなければならない資源だとしたら、その見通しをつけるまで工事をどんどん進めてしまうなどという乱暴なやり方はやらない方がいいんじゃないかと、私はそう思うんですよ。ですから私は、この開発事業一切が不届き至極だと極端なことは言いません。言いませんけれども、なるほど経済主義的な物質万能的な思想からいけば、大企業の工業生産高などは一工場でも何千億あるいは何兆円にも上るかもしらぬ。ところが大昔から日本のそれこそすみずみの河川でアユというものが生息し、しかもこれは日本だけだと、あるいは台湾の一部、あるいは韓国の一部にも生息するとは言われているけれども、アユというものは日本の魚、ほかにはない。こうして長い間国民の生活文化等をともにしてきている魚種ですね。それを経済主義的な立場に立って、こういう資源を台なしにするような工事が、その対策の実績の見通しも定かでない間にどんどん進められるというようなことに対しては、やっぱり農林省という立場で、もう少し毅然と臨んでいただかなきゃならぬと思うんですよ、いかがでしょうかね。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 先生御指摘のございました水産資源と地域開発の問題、これは非常にむずかしい問題でございまして、水産庁といたしましてもそのつどいろんな審議会等にも入りまして私どもの考え方を述べ、水産資源の維持には遺憾のないようにして仕事を進めていただいているわけでございますが、琵琶湖の場合にも、資源の維持事業、それから水産の振興事業、さらに漁港をつくるとかいろいろな問題が入っておりまして、私どもといたしましては琵琶湖の水産業の発展ということにも、この案をつくるときにいろいろ考慮を払っているわけでございます。  そこで稚アユの問題でございますが、これにつきまして人工河川が完全ではないじゃないかという御指摘でございますが、私どもといたしましても、これについては現在一生懸命実験等をやりまして仕事を進めているところでございますし、滋賀県の見解によれば、もうこれでほぼ何とか稚アユは維持できるのではないかというふうに見ているようでございます。そこでそれらにつきましても権威のある専門家の方々に見ていただいて、より一層よいものにしていくということと同時に、先生ただいま御指摘のございましたように、人工ふ化事業、これまだ十分でございません。いろいろな点でまだ問題がございますけれども、今後技術的に人工ふ化事業等も進めまして、稚アユの確保には遺憾のないようにしたいということで、御案内のように、四十八年から内水面総合振興対策事業の中で、アユの種苗生産というものにかなり重点を置いてやってきておりますので、そういったことで、われわれといたしましてもアユの種苗の確保には遺憾ないようにしたいと、こう思っておるところでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それでね、この事業を進めるに当たって、非常に私は乱暴なやり方がとられてきているように思うんですよ。全国内水面漁業協同組合連合会の方から資料をもらってみたら、この開発計画が出て以来、今日までに関係官庁と公団に対して陳情書だとか要望だとか、あるいは直接行って折衝だとかいうことが実に四十三回行われている。そして切実にこの資源維持について責任を持ってほしいと、こういうことをとにかく訴え続けてきているわけです。ところが直接の窓口である公団へ行けば、これは二次補償だからわれわれの直接の責任ではないというような、こういうことだ。それからまた、琵琶湖の種苗の減少に代替する種苗確保の事業というようなものも、いろいろ言われておりますけれども、きわめていまの段階では不安定だと。これは全国の小さな漁民に対してちょっと権力的で、非常に無責任な私は態度だと思うんですが、いかがでしょうか。公団の皆さんどう思いますか。

山本三郎水資源開発公団総裁

○参考人(山本三郎君) ただいまお話のありましたように、この問題につきましては、特別措置法が立法される当時から、内水面漁業の方々から各担当の役所あるいは公団にもいろいろと要望書あるいは陳情書等が提出されております。その結果でございますが、昨年の秋から、この件につきまして各省の連絡会を持っていただきまして、その結果お答えを申し上げ、それから人工河川等の問題につきましてもどう対処していこうかというようなことをお決めいただきまして進めておるのが現状でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私は、役所というのはこれは当事者になればやむを得ないと思うけれども、いまの法律にはないからそれはだめだと、だめだけれども責任は負うべきだと言うんだったら、だめでなしに、何でこの法律を変えて責任を果たすという取り組みをしないのかというのが、これ役所の一番の悪いところなんです。私もよく知っていますけれども、そういう点がある。  そこで特にこの取りまとめの国土庁、それからこの問題については農林省などで各省の連絡会議もあるようですから、そこでこの要綱の改正を行うとか、あるいはまた何らかの道を開いて、いまいろいろお話のあるような事業を責任を持って実施をして、この組合へ、あるいは漁民が要求をしている資源維持ということについては責任を持とう、こういう道をひとつ皆さんで協議をしてつくりませんか。これはつくるべきですよ。これはひとつ大臣、責任を持ってやるべきだと思います、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これはやっぱり、アユを保護しなきゃならない。これは法律にも決められておるわけでございますし、また農林省の大きな仕事でございますので、稚アユの保護、稚アユの確保ということにつきましては、全国の稚アユを必要とするところの漁業者の御期待にこたえて、十分確保できるように、水産庁はもちろんでございますが、各省庁とも連絡をとりまして、もし対策会議が必要なら対策会議もつくり、積極的にこれは進めたいと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 きょうは時間が非常に少ないので十分な論議ができませんが、あとわずかになりましたけれども、そこで、どうもこれもやむを得ない点もあるけれども、それではひとつ人工ふ化事業をやろう、水産庁に行くとこの種苗が不足してくる原因者は、これは琵琶湖の総合開発事業であるから、それは技術的なことはともかく予算を水産庁が確保をしてやるということはこれは困難だと。今度は国土庁あるいは公団へ行けば、これは要綱にないから私どもがその財政負担をすることは、これは困難だという、これじゃ口ではりっぱなことを言っても、責任を負う実体というものがない、そういうことでしょう。ですから、そういう問題を踏まえて、ひとつ各省の連絡の中で、公団の予算の中でそういう事業費を支出をするのも結構でしょう、研究部門についてはこれは水産庁の予算でおやりになるのも結構です、そういうことで、この種苗資源は必ず責任を持って維持できるように皆さんがおやりくださる、こういうお約束と解してよろしゅうございますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) アユ資源を確保するということは、これは水産庁の責任でございますから、水産庁が中心になって各省庁に協力を求めるところは求めて、アユの稚魚の確保につきましては、これはもう責任を持ちたいと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 まあ、いずれにしてもこの開発事業というのはいろいろ問題を起こすわけでございますが、大きな経済主義的な見地で巨大な開発事業を行って、そして国民の生活文化と深いかかわり合いのあるこの資源を台なしにする、あるいは環境を台なしにすると、こういうようなことがいま大いに反省を求められているときです。さらに、こういう問題を国があえてとらえて、訴訟に訴えて住民がその権利を主張しなければならないなんということは、これは政治にとっても行政にとってもそれは大きな私は責任問題だと思うんですよ。こういう点もひとつよくお考えをいただいて対処をしていただきたいと思います。私どももよくこれからの推移を見守っていきたいと思いますし、最後にこれは国土庁になりますか、最初この事業の見直しということも触れられて述べられました。私はこの日本最大の水資源開発計画だと言われるこの事業が、こんなにも深刻な訴訟が二つも提起されているというような実情にかんがみてこれを再検討をして、そしてできるだけ開発規模というものは大きくしない、こういう取り組みがせめて今後のとるべき私は態度だと思います。ひとつ真剣に、まだたった二〇何%しかこの事業が進捗してないようですから、この段階で徹底的な反省と見直しをすることによって、こういう問題についても被害は最小限——補償などで国と住民が相争うなどということのないような取り組みをしてほしい。その点について一言御答弁をいただいて私の質問を終わります。

小幡琢也国土庁大都市圏整備局長

○政府委員(小幡琢也君) 国土庁の姿勢といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、こういった琵琶湖総合開発計画に基づきます事業の実施面につきましていろいろ問題が生じていると、そういう問題点をいろんな面から把握いたしまして、実施上の計画をどのように直したらいいかと、こういった点につきまして現在、先ほど来申し上げておりますように滋賀県と一緒になって検討しているわけでございます。  このアユの問題につきましても、これは国土庁が中心となりまして、昨年以来数回にわたりましてこの問題をどうするかの協議をいたしているわけでございまして、その協議をいたしました結果、できるだけこの全国の内水面漁業に与えまする影響を少なくすると、こういう基本方針にのっとりまして、現在学識経験者から成る委員会で評価をやっているわけでございまして、評価の結果いかんによりましては、なおさらに必要な対策も講ずる必要があるんではないかと、かようにまあ考えてこの問題には真剣に取り組むつもりでおります。

小谷守日本社会党

○理事(小谷守君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

小谷守日本社会党

○理事(小谷守君) 速記起こして。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 現在食糧の危機は刻々と世界を覆っております。その現状を踏まえまして、私はわが国の食糧確保という観点から農業と漁業につきまして安倍農林大臣を初め関係各位に幾つかの質問をいたしてまいりたいと思います。つきましては、わが国のお隣でございますソ連の話からわが国の方へ結びつけていきたいと考えております。  ソ連農業の干ばつによります大減産の周期を最近の例として、何年置きぐらいに干ばつが来るのか食糧庁長官からまずお伺いをいたしたいと思います。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) ソ連の農業生産の変動についてのお尋ねでございますが、これはまあ何年置きというサイクルとはなかなか申し上げかねますが、御案内のとおり一九七二年及び昨年一九七五年に大幅な生産減退があったわけでございまして、まあ古くは一九三八年にも相当な減産があったわけでございます。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 私の調べておりました最近のでも一九六三年、六五年、六八年、七二年、七五年、くしくも三年ぐらいの周期で干ばつが起きております。これは当然でございまして、国土の五八%が寒冷地、一四%が砂漠地帯でございます。六割が摂氏五度の平均温度が下回っておりますから、雨の量は年間変動が激しい。この干ばつは十年間で見ますと、十年間の半分がソ連では干ばつでございます。その結果、世界的不作を契機として、ソ連は一九七二年、米国からだけで千百三十万トンの小麦を買い付け、私どもが隣にお座りになっております世耕筆頭理事とともにソ連に参りました一九七三年には、米国、カナダ、オーストラリア、フランス、スウェーデンなど西欧諸国からソ連は約二千四百万トンの穀物、小麦は約千五百万トンを買い付けております。一方、米国はこのソ連との買い付け、きわめて秘密裏に安い値段で買い付けたと私たちも現地でも聞いております。小麦輸出の補助金を米国議会は一億三千万ドルをクレムリンのために支払うようにこれを提出しております。その結果、世界的に急騰を招きまして、そのツケはアメリカだけでなく、米国の余剰農産物の最大の買い手でありますわが国日本にもはね返ってきたことは皆様記憶に新しいところでございます。  ですから、私がこれをなぜソ連の話から入ったかと申しますと、わが国の輸入農産物にすぐこのことが反映するからであります。米を最近はパン食にした方がいいからというようなことで、米を軽視するような傾向がございますけれども、ソ連の人で日本へ来て生活をした人は、もうすしを食うことを覚えまして、ほとんど外国人は、これは学者の説でも、米に一度親しんだ民族はパン食に戻ることは少ないと言っております。それくらい米というものは、御案内のように二千三百数年ぐらい前に伝来したと聞いておりますけれども、その米に親しんで、日本人は米を今日まで主食としてきているわけでございますけれども、それに並行して目を向けていただきたいのは麦をつくる、麦作の振興でございます。わが国の食糧自給率は列国の中で残念ながら最低でございます。約百万町歩のたんぼが裏作で遊んでおります現状でございますから、この対策と方針を安倍農林大臣と食糧庁長官からお伺いをいたしたいと思います。   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま今泉委員から御指摘がございましたように、世界的にいま食糧事情は逼迫をいたしておる、そしてこれは今後とも、多少小康は得るかもしれないけれども今後とも続いていくというふうに見なきゃならぬわけでございます。そうした中にあって、たとえば去年なんかはソ連が大不作であったわけですが、幸いにしてアメリカが非常に豊作であったから日本の食糧も確保できたわけでございますが、これがたとえばソ連が不作でアメリカが不作だというふうな状態になれば、世界の最大の食糧輸入国の日本の食糧問題というのは非常に緊迫化するということは当然でございますから、そうしたことを踏まえて、われわれはわが国の一億一千万の国民の食糧を確保する食糧政策というものをここに打ち立てていかなければならぬわけでございます。  そうした食糧政策を打ち立てる場合におきまして、いまお話しのような、米につきましてはこれは幸いにしていわば過剰という基調にあるわけでございます。米は昨年は史上第四位の豊作でありましたし、また反収も史上最高の反収を得ることができたわけで、米だけは幸いにして需給のバランスがとれるというよりはむしろ過剰でありますが、半面、麦であるとかあるいは大豆というものは非常に生産が減ってまいりまして、特に麦につきましては、いまから十年前ぐらいから比べますと毎年三割ずつ減少するという始末でございまして、これはやはり、まあ高度経済成長の中にあって裏作を農民がしなくなったというふうなことが大きな原因であろうと思います。いまお話しのように、百万ヘクタール以上の裏作可能な面積の中で、いま裏作をやっておる面積は二十数万ヘクタールということでございますから、非常に国土の狭いわが国として、これを有効にこの農地を活用していくためには、裏作を思い切ってやっぱり活用していく、あいておる裏作を思い切って活用して麦とか飼料作物をつくるということが、これからやはり大きな食糧政策のわれわれが取り組まなきゃならぬ課題であると、こういうふうに考えております。  したがって麦につきましては、まあ数年前からいろいろと奨励金を出すとか、あるいはまた五十一年度予算からは反別助成金を出すとか、あるいは価格につきましても適正な価格決定を行うとかいうことで、裏作奨励のためのいろいろの措置を講じてまいりまして、ようやく一昨年ぐらいからその三割ずつの減少がとまりまして、多少増産というところに向いてまいりました。五十一年度は相当私はこの措置によりまして増産が行われるのではないかというふうに期待もしておりますし、またそういう方向に今後とも努力を続けていかなきゃならぬと考えております。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、ただいまの大臣の基本的なお話に尽きるかと思うわけでございまして、私どもの所管といたしましては、価格の適正化、その他やはりお示しの内麦の生産振興という点について配慮していかなくちゃならないというふうに考えております。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 その百万町歩のあいておりますところで、麦はどのくらい、つくるとすればできますでしょうか、トン数で。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○政府委員(澤邊守君) 昨年政府で発表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」、これで昭和六十年度の目標を掲げておりますが、その中で小麦につきましては生産量五十五万三千トン、これは作付面積にいたしまして十七万八千ヘクタール、それから大裸麦が合わせまして生産量は八十九万トン、作付面積で二十五万六千ヘクタールというのを目標に掲げまして、それをできるだけ達成するように努力をいたしておるところでございます。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 そして麦一俵は、いまは奨励金含みでお幾らでしょうか、一俵の価格は。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) ただいまの価格でございますが、政府買い入れ価格は、小麦が六十キログラム当たり六千二百九十円でございます。これに御案内のとおり六十キロ当たり二千円の生産奨励金がつきますし、契約奨励金として六百円というものがつくわけでございまして、さらに先ほど大臣が申し上げましたように、五十一年以降、裏作麦についてはさらに、反当五千円でございますから一俵当たり千円という奨励金がつくということに相なるわけでございます。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 米となかなか同じというわけにもいきませんけれども、水準をいまおっしゃったようにだんだんに上げていただきますと、つくる方も非常に意欲がわいてくると思います。で、フランスは日本と同じやわらかい質の麦を使ってパンをつくっておりますので、日本もフランスと同様にパンの問題を食用に転化すれば、全部そういうような日常の主食の方に代替できるぐらい活用できるんじゃないか。そして輸入の麦七百万トンは、めん類として百六十万トンそのうち消費していると言われておりますから、こういうふうに転化して利用していただければ、さらに三百万トンぐらいの増産の要が自然として発生してまいります。そして大臣もさっきおっしゃいましたけれども、大豆の方の生産も非常に下がっております。  私ども子供のときには、皆さん御承知のように、お豆腐屋さんというのが担いでしんちゅうのラッパを吹いて来たものでございますけれども、いま全体に怠け者になりまして、豆腐は買いに来なきゃ売らないと。それで買えばやっぱりビニールの袋に入れて水が漏れる。どうしても豆腐を食うというのが減りまして、これと同様に納豆という問題にも広がってまいります。納豆は一人一カ月どのぐらい食べるか、細かいことでございますが、平均で一袋に減った。非常によい成分があって、ビタミンB2が追加されて消化率が上がる。この二つが日本にある限り大丈夫だと言った人も医者でありますけれども、豆腐屋さんも怠けるし買いに行く方もじれったがって、自分ちのそばなら買うけれども遠くじゃ食わない。トウフ(遠く)て近きは何とかというくらいで買いに行かない。そういうことがやっぱり大豆や何かの需要が減ってきたと、こういうふうに言われております。  そして私どもは農業のいろんな問題の中に、農地の壊廃、——新聞なんかで見ますと地力低減という農業用語があると、これはコラムにございます。五月十三日の新聞のコラムにございますが、農地の疲れがひどい、そういうものの補てんをしていきませんと結果に出てまいります。先ほどの話にちょっと戻りますけれども、米については一〇二%が一〇一%、横ばいでございます。完全自給力を持っておりますが、小麦がさっきの話のように三九%が四%、大豆が二八%が三%と大変低いんでございます。ですから農林省としましてはこの輸入依存度を大幅に改善しなければ、食糧というものは何とかなるだろうと言っているうちに何とかならなくなるわけでございますから、この点につきまして将来の自給率をどのようにして高めていくのか、施策についてお伺いをしたいと思います。まず大臣からお願いいたします。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私たちは昨年いっぱいかかりまして総合食糧政策につきましての長期政策を打ち出したわけでありますが、これは昭和六十年を目標としたわけであります。この六十年目標では、現在食糧の総合自給率が七三%——七三%現在ないと思います、七一、二%を昭和六十年には七五%にしたいというふうに考えておるわけであります。もっとも穀物の自給率の方は現在四二%でありますが、残念ながらこれは三七・八%に減るというふうに判断をせざるを得ない。  この穀物が減るというのは、これからもやっぱり人口が伸びてきますから、それに応じて畜産物の消費というのは伸びてくる。ところが残念ながら畜産物の飼料であるところのトウモロコシ、コウリャンという飼料穀物はわが国においては生産が不可能でありまして、どうしても外国に頼らざるを得ない。したがって、そのトウモロコシ、コーリャンというふうな飼料穀物が今後やはりどんどん伸びていくものですから、国内において麦の増産等も努めますが、やはり畜産物の飼料穀物の方が伸びる率が高いものですから、全体的にはやはり飼料穀物は自給率が低くなるということになるわけであります。  そこで、たとえば麦につきましても四十七年度が六十一万トンぐらいの生産であったのを大体六十年には百四十四万トン、二・四倍ぐらいにしたいと思いますし、大豆につきましても四十七年が十三万トンでありますが、これを六十年には三・四倍の四十三万トン、そういうふうにしたい。そうして少なくとも食用大豆——豆腐をつくる原料であるところの大豆ぐらいは自給をしたい。もっともその他の消費を合わせますと大豆の消費量は三百万トン以上ですから、これは四十三万トンにふやしたところではるかに輸入はしなきゃならぬわけですが、この辺が限界ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。  その他肉類等につきましても、牛肉が三十七万トンぐらいの需要がありますが、これを六十三万トンぐらいに持っていきたい。生産はいま二十九万トンぐらいでございますが、これを五十一万トンぐらいに持っていきたいとか、全体的にそうした六十年の見通しをつけまして、農地なんかも農地造成をこれからやっぱり図っていかなきゃならぬということで、十カ年計画をつくっておりますが、大体これからの日本全体でまだ百五十万ヘクタールぐらいの農地に造成可能面積があるというふうに見ております。これは調査した結果ですが、しかし百五十万ヘクタールを十年間で農地造成をするということは不可能でございますので、その中の八十六万ヘクタールを新しく農地として造成をしたいということで十カ年計画を進めておるわけでございます。しかし、これは新しく造成するわけですが、反面また住宅とか公共用地とかいうものに転用される分が、これはできるだけ仰えるわけですが、安定成長の中においても七十万ヘクタールぐらいは転用されるんじゃないだろうかというふうになりますと、農地の実質の増加というのは十五、六万ヘクタールということになるわけでございまして、何分にも非常に国内的な資源制約があるわけですから、相当可能な限りは努力はしても、完全に国内で自給するということはもちろん不可能でありまして、どうしても足らない農産物については外国から安定輸入あるいはまた緊急の事態に備えての備蓄ということも考えていかなきゃならない時代になっておる。こういうふうに思っております。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 ただいまのお話にやはり関連いたしまして、農産物の自給率の低下ということが、私たちも含めまして国民的に危機感が薄いということでございます。これはいま大臣の御説明のようなことをもう少しわかりやすく一般のものを通じましてPRをしていただきませんと、だめなら海外で買えばいい、海外で騰貴したときに、こちらの蓄積しているドルがいかにも無制限にあるような感じでございますので、そういうような国民と政治をする側とのずれというものが一般の関心を惹起させないというところにも大きな隘路があると思いますので、今後、先ほどおっしゃられたような方針に従って一般向けのPRも併用しておやりいただきたいと私は思います。  それから次の点は農業の後継者の育成でございます。農村離れが非常に多うございます。昨年度の新規学卒者で農業に就職した者は九千九百人と言われております。このうち男子の跡継ぎは六千百人にすぎません。この後継者の育成という重要性を認識しなければなりません。さっき冒頭に申し上げましたソ連でございますが、ソ連の総人口の四割は農村部で占められ、四人に一人が農業従事者でございます。ソ連は高度の重工業とともにいまやもう農業国であります。世界の巨大な穀物の供給国である米国と、労働人口はわずか五%程度しか米国の方は農業に従事しておりませんのに対して、ソ連は二九%農業に従事し、しかしその反面、大量の穀物輸入をほかの国に依存しているという矛盾も併存してございます。私どもはおふくろの味という言葉が町にあふれておりますが、これは皆様の方のお役所にお勤めの西丸震哉さんの本なんか拝見しましても、あのおふくろの味というのは、つまりおふくろが親代々伝わってきた自分の好みに合わせて偏食化をしていくわけでございますから、それにずっとつき合っていると、おふくろのきらいなものは食わない、それで好きなものは食っていく。十八ぐらいまでの間にくにを飛び出して東京に住んだ者はそういうことはないけれども、ずっと定着してしまってわがふるさとにいる方は、生涯親の食い物とずっと回って、カルシウム分が少なければ虫歯ができるというような繰り返しでございます。  それに従って考えてみますと、後継者の問題に幾つかの特筆する点がございますのは、農業経営の不安定性というものが数えられます、第一に。二つ目には、私も北海道はわずかでございましたが、町村大臣のときにお供して参りましたが、畜産経営に見られるような休みもなく終日働かなければ食えない。いまもう楽しくて暮らそうということばっかり考えておりますから、そんな朝から晩まで働きっぱなしというのはやらない。同世代の人の減少による孤立感と生活環境の立ちおくれ、摘出すれば幾つかの問題がございます。それから資産の均分相続による需細化、そんなものが考えられますが、農林省として農業に従事する方の後続部隊の育成に対してどのようなお考えをお持ちでございますか、大臣からお伺いいたしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) まず食糧問題に対する危機感、もっと国民に理解させろということでございますが、私もまことにごもっともな御意見であって、われわれもそうした観点から国民食糧会議というものを開いて国民各層に食糧問題の重要性というものを訴えておるわけでございますが、最近の総理府等のアンケート調査等によりますと、この食糧問題というものに対する非常に不安感というものについて国民の理解が相当進んできているというふうに認識をしておるわけで、そういう中で生産面からの自給力を高めていくということは当然われわれの責任としてやらなきやならぬわけですが、やっぱり消費は消費者サイドにおけるたとえば米の見直し、一〇〇%自給率のある米の見直しとか、あるいはまた水産が非常に危機に陥っておりますが、たとえば東京都のいろいろと魚の消費の実態等を調べてみますと、ほとんど中高級魚しか食べない。イワシだとかサバだとか、ああした大衆魚というものから非常に縁が遠くなっておるような感じがあるわけです。これは流通問題ともいろいろと関係があるわけですが、そういうものに対するやっぱり国民の理解というものを求めていかなきゃならぬし、消費の側から国民の皆さんもそれを理解をして、こういうものに対するひとつ食生活の態様というものを変えていただきたいというふうに私は思っております。これに対しては強制はできませんけれども、われわれとしてもこれからの食生活のあり方というものに対していろいろと研究もしておりますし、今後とも国民の理解を求めるように努力は続けてまいりたいと思っております。  それから、これからのそうした自給力を高める上において一番大事なのはいまお話がありました後継者の問題に尽きると私も思うわけであります。現在の農村、漁村あるいは林業経営者の後継者というものはほとんど底をついておると言っても過言ではないわけで、各地に農業学校はあるわけですが、農業学校を出ましてもほとんどの子弟が大都市に就職をして、そして農業には帰ってこないというのが実情でございます。もっとも最近ではだんだんと経済が不況になったというせいもありまして、多少そのリターン現象といいますか、そういう現象は出てはおるわけでございますが、全体的には後継者が少なくなっておる。そしてこれが将来に対して非常に大きな問題であるということはわれわれも一番深刻に考えておるわけです。  そこで、この後継者をいかにして確保し育成をし、そして農村に定着させるかということが農政の最大課題と言っても過言ではないと思うんですが、これは後継者だけに限って対策を講ずる育成資金とか税制の面とかいろいろなことはありますけれども、そういう問題だけでは解決できないわけです。やっぱり本当に農業あるいは農村というものを魅力のあるものにしなきゃならぬわけでございまして、そのためにはいまお話がありました農産物の価格についてもやはり再生産が確保されて、一生懸命働けばそれに応じた価格が保障されるということも必要でありましょうし、あるいはまた自分たちの住んでおる農村の環境の整備ということももっと積極的にやらなきゃならぬ面がもちろんあると思うわけでありますし、あるいはまたちょっとお話がありましたが、農業を非常に若い人たちは孤立感を持っていることは事実でありまして、そうした孤立感からもっと連帯感を持たして生きがいを感じさせる、それにはもっと集団組織と申しますか、そうした集団組織をこれは積極的に進めていく、麦をつくるにしても米をつくるにしてももっと集団的な組織でもってこれをやる。畜産についても集団組織でもって畜産経営をやる、畜産なんかはお話のように朝から一日に二回は乳しぼりをしなきゃならぬ。土曜日も日曜日も祭日もないということでございますから、そういう中でやはり集団的な生産組織をつくれば交代で休めるということもできるわけですし、そういうふうな集団生産組織といったようなこともやらなきゃなりませんし、また基盤整備ももっとわれわれとしてはおくれておる面があるわけですが、そうした基盤整備もやっていく。全体的に農村というものが本当に若い人にとって魅力のある存在になってくる、そういう方向にわれわれとしては全力を尽してやらなきゃならぬと、こういうふうに考えておるわけであります。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 私が質問をさしていただいておりますのは、自分たちのこの年代になって、いまわれわれが食っていくということでなく、私には子供がおりませんけれども、日本の次から次と世代を背負っていく子孫のために私はこういう質問をし、また大臣もそのためにお答えになっているわけで、私の場合、中年になりまして、もう日本じゅうが文句は言うけれども食わないで倒れた人はないんです。食い過ぎて倒れて、ゴルフでやせようというずうずうしいところがございますので、われわれには大して期待しておりませんが、これからの日本を背負う、いまよちよち歩いている小さい子供たちのためにこういう質問とお答、えというものは私は大事だと思っております。  観点を変えまして、農業問題をもう一つやって漁業に移りたいと思います。ソ連の方では大農政策——農業政策の展開に不可欠な農業機械の導入というものがいま大変に盛んでございます、世界じゅう。しかしソ連の場合は部品不足で、修理の手抜かりや稼働できない状態がたくさん見られます。穀倉地帯のカザフスタンというところでは一九五九年にコンバインが三万二千台も収穫期に遊休化し、動かなくて、六十一年には六万台のコンバインが修理されないまま遊んでいたと伝わっております。  それに関連いたしまして、前車のわだちを踏まぬようにということから、わが国でいま盛んにテレビでも広告しておりますが、ああいう農業機械の故障とか、あるいは月賦販売に追われております現況、そういうものを担当の関係の方からちょっとお伺いをいたしたいと思います。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○政府委員(澤邊守君) 農業機械の導入は近年急速に進みまして、トラクターで申し上げますれば約三百万台、農作業の中で一番問題になります水稲作におきます田植え機におきましても大体六〇%は手植えではなくして田植え機で植栽をされておる。収穫もコンバインあるいはバインダー等による収穫がほとんどである。こういうことで、おおむね普及一巡するに近いところまで参っておりまして、それが生産性の向上に非常に役立っているという面もあるわけでございますが、御指摘のように確かに過剰投資というような心配も一面では見られるわけでございます。  御承知のように兼業化が進んでおりますので、日曜百姓というのが非常に多いためになかなか共同利用できないという事情もございますけれども、われわれといたしましてはなるべく能率のいい機械ということになりますと、どうしても大型あるいは中型ということにならなければいけないわけでございます。そうなりますと、個人の狭い経営面積の中で個人所有で自分のものを使うということでは非常に非効率になりますので、農業機械化銀行とかその他の方法でなるべく共同で利用する、集団的に利用するという方向を進めまして、なるべくコストアップの要因にならないようにという努力もいたしておりますが、いまソ連の例で御指摘ございましたような部品の問題につきましても、部品が整備されておらないがために新しいのに買いかえざるを得ないというようなこと、これも過剰投資の一原因にもなりますので、われわれといたしましては、これは通産省がメーカー関係の所管になっておりますので、御相談申し上げながらメーカーあるいは販売店それぞれ部品を、製造をやめてから耐用年数を超える期間必ず持っておるというようなことを含めまして、メーカーあるいは販売店の部品スンターをなるべく配置をいたしまして、あらゆる部品を整備して需要にこたえるというようなことを行政指導によって最近重点的にやっておるわけでございます。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 それでは今度漁業に移りたいと思います。海洋法会議、いろいろ何回も開かれまして、八月からまた次のが開かれる、こういうことでございます。しかし海洋法の柱がほぼ固まって、不満ながら、これがやむを得ない世界の潮流という、しゃれにもなりませんけれども、割り切ればそれきりでございますけれども、政府や産業界もよほどしっかりいたしませんと、家庭でも小魚を食べるというようなムードがなくなりまして、切り身とか刺身とか、もう歯がなくても食えるようなものばかりになっておりますので、現在の必要な摂取量、カルシウムの四分の一にも満たないようなとり方でございます。したがって今度の漁業問題ということは大事でございます。  ソビエトがどうして急にこうなったかと申しますと、軍事力の拡充、これは防衛庁の方の問題にも普及しますけれども、そして四年間に漁獲高三千四百四十万トンになっておりまして一大漁業国でございます。ソ連はきょうの新聞にも出ておりますが、木曜日はもう肉食っちゃいけないと、魚食えという日になっております。私もソ連におります、日本人でございますけれども知り合いに聞きましても、ソ連の人は川魚はやや食うけれども、あとほとんど食わない。イクラという名前で全部なっておりますが、日本じゃすし屋で握る赤いやつがイクラになっていますが、向こうはキャビアでもイクラということになっておりますが、本当に食べる魚の数が決まって、それをかん詰めにして飢餓輸出と申しますか、自分のところが苦しいからほかのものでかせぐという感じで、食べない魚までもどんどんかん詰めにして輸出して日本の魚をとる範囲をだんだん狭めてきます。そして一度狭められた枠は大臣御承知のように戻ったためしございません。  そうしますと、こういう雑誌なんかに書いたものを見ましても、結局ソ連の言うままに漁獲は削減され、損害を直接こうむった人たちには金を出すというパターンが続くとすれば、北洋漁業の実績はゼロになり、その分だけ補償金が税金から支出されると、こういう状態になっていいのかと、こういう点につきまして、仙台から出ております、宮城県の方の専門家がここにおりますから、遠藤さんから関連質問をいたしたいと、こうなっておりますからお願いいたします。

遠藤要自由民主党

○遠藤要君 一つだけ関連でお尋ねしておきたいと思うんです。  いま日本の漁民はどういうふうな心境であるかということは、大臣なり水産庁長官はよく御承知だと思う。オイルショックで燃料がかさみ、魚価が低迷して困惑し、その後に今度はこのようにしてソ連が五〇%の削減、調査船、これまた昨年、本年度の約束を破って突然六隻に減船し、ニシンも御承知のようにカニもと、そういうふうな状態になり、かつまた海洋法会議において、アメリカを中心として経済水域を二百海里、そしてさらにアメリカは海洋法会議で決定しない前に、二百海里を認めなければ日米漁業交渉は協定しないと、そういうふうな状態になっておるので、漁民は全く困惑しているというよりも、本当に頭を痛めて寝ないでおると、普通、金融機関はもう漁民には金を貸さない、そういうふうな状態になっているということを改めて私は申し上げておきます。今後、漁民にやはり夢と希望の与えられるような方途をひとつ示していただきたいと、こういうふうな点を大臣、長官にお尋ねしておきたいと思います。  さらにただいま今泉先生からもお話になった、今度の日ソ漁業交渉によっての漁民の痛手と申しましょうか、長官がよく御承知のとおり、昨年決定しておった今年度の調査船が、昨年は御承知のとおり十三隻、それを来年は十二隻にということで減船しております。それをさらに今年は六隻だと、突然、あした出航しようということで、人によっては新たに船を建造して、いろいろ借金をして仕込んだと、それが突然六隻に減船になり、また抱卵ニシンなり索餌ニシンも五〇%の削減と。カニにおいてもしかりです。そういうふうな点で、業界は全く困惑をいたしているという、いま今泉先生のお話のとおり、いままではお互いに残ったものがある程度支えておったんです。しかし、たとえば十二隻のものが六隻になったと、その六隻の船が十二隻の漁獲量を上げるというわけにはいかないんです。  そういうふうな点を考えると、残ったものに負担を与えるというような、補償を補わせるというような考えでなく、私は大臣、この際ひとついろいろの面で漁民が本当に困惑し、真っ暗な気持ちでいるときにともしびを与えていただきたい。さような点を私は大臣、長官、またきょうはわざわざ大蔵政務次官の、われわれの大先輩、正義感と実力のある大蔵政務次官もおいででございますので、心強いひとつお答えをちょうだいいたしておきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しのように、わが国の漁業を取り巻く情勢というものは、非常に厳しいものになってまいりました。漁業について言えば、まさに国難と言っても過言ではないと思うわけであります。今回の日ソ漁業交渉につきましても、予想はしておりましたけれども、予想以上にソ連の態度は厳しかったわけでございます。去年もタラバガニの漁場を失って、現在はタラバガニのかん詰めばソ連から買わなければならない状況でありますけれども、ことしはさらにニシンにつきましても全面禁漁、またカニについても全面禁漁というふうな方針を打ち出してまいったわけでございます。わが国の代表団も、そうした中にあって懸命に努力をしました。私もこちらにありまして、常に連絡をとりながら、ソ連のイシコフ漁業大臣等にわが国の立場を強く訴えておるわけでございますが、その結果、全面禁漁措置だけは避けることができたわけでございますが、いまお話しのありましたように抱卵ニシンについては十二隻が六隻と、これも全くの約束違反でありまして、去年はっきり十二隻ということを約束しているわけですけれども、泣く子と地頭には勝てぬといいますか、とにかくどうしてもだめだと言って、これはわれわれの国際常識からは考えられないことですが、六隻に減らされてしまったし、索餌ニシンの方も半分に削減をされると、カニについても一部規制を受けるというふうなことでございました。サケ・マスにつきましてはどうにか八万トンのラインを確保いたしたわけでございます。  このような交渉の経過を見ますと、やっぱりソ連も相当これからの経済水域二百海里という水産の秩序といいますか、世界秩序、そういうものを意識しての交渉であったというふうに判断せざるを得ないわけで、これはこれからはさらに厳しくなるというふうなことを考えて、われわれはソ連とこれから交渉していかなければならない。しかしソ連も長い間わが国との間に漁業交渉を持ちながら、お互いに相協力して漁獲量を決め合っておるわけでありますし、それから共同増殖事業等も行うわけでございますから、日ソ間につきましては私は今後密接な連絡をとり、毎年一回ぐらいは両国の漁業担当相が会って、いろいろと協力問題について話し合っていけば、今後の日ソ漁業交渉にも、わが国の操業を確保できるように、努力次第ではできないことは私はないじゃないかと、それを頭からすっかり絶望的になってしまう必要はない、ソ連の態度は相当厳しいわけですが、しかし私はこれからの漁業協力をいろいろやっていけば、ソ連側も日本の立場というものは理解をしているわけですから、私は日本の北洋における操業権の確保というものについては、まだまだやっていけるという感じを持っておるわけでございます。  それからアメリカとの問題も、アメリカは経済水域二百海里を打ち出したと、これもわれわれとしては予想外のことでありまして、あのアメリカが海洋法会議の結末を見ないで、一方的に専管水域二百海里を打ち出すと、そうしていま遠藤さんが言われたように、二百海里を認めなければ交渉に入らないなどということは、これも国際的な慣例に反するものでありますが、そういうことをはっきり法律の中で打ち出しているわけです。そうして八月にはアメリカとの間の漁業交渉をしなければならぬということでございます。アメリカの距岸二百海里の中でわが国の漁獲高は大体百七十万トンぐらいあります。スケソウダラでほとんどかまぼこの原料でございますが、これはアメリカの二百海里水域の中でとっているわけですから、このアメリカとの交渉はまさにこれまた大きな日本のこれからの水産の課題になってくるわけでございますが、アメリカはああいう態度に出たもんですから、今度はカナダとかメキシコとか、あるいはニュージーランド、オーストラリアと、アメリカの影響力が非常に大きいですから、これは海洋法の結果がどうなるかは別としても、アメリカがやったもんですからほかの国がほとんどこれにならっていくんじゃないかということを私は心配しているわけですが、そうなってきたときに、ますます日本の遠洋漁業というものは苦しい立場に追い込まれるわけでございます。  そうした状態が予想されるわけですけれども、私たちはそういう中にあっても、これからはあらゆる外交的な努力をいたして、何とかいままでの漁業の操業権だけは確保していくように、日米漁業交渉というのはその場合の一番大きな山場になると思いますが、努力を続けていかなきゃならぬと思います。しかし同時に相当やっぱり遠洋漁業における漁獲の減少というものは想像されるわけですから、それにかわる世界における新しい資源の確保とか、あるいは深海漁業等はほとんど手をつけてないわけで、日本は世界で一番初めての「しんかい」といったような、水深千六百メートルから二百メートルの漁獲のできる、そういう船等も持っておるわけですから、そうした「しんかい」等の活用によります深海漁業の開発であるとか、あるいは南氷洋におけるオキアミの開発であるとか、そういうふうな、いまから未利用な、未開発の資源の開発、発見にはこれからも大いに努力をすると相当私は可能性もあると思います。同時にまあ沿岸漁業につきましてはこれはまだまだこれから栽培漁業をさらに進めると、あるいは漁場造成等を行えばまあ七、八十万トンの漁獲をふやすということもこれまた不可能ではないと思っておるわけでございます。  そういうことで非常に厳しい情勢にはありますけれども、われわれとしては全力を尽して千百万トン近くの漁獲をいま得ておるわけであります。そして大体わが国の動物性たん白質の約五割は水産物に頼っているわけですから、この千百万トンの漁獲の維持だけは何とかこれは続けていかなきゃならないと。そのためにはただ水産庁の政策という面でなくて、本当に国政問題として水産問題を一つの国政の重要な課題として取り組んでいかなきゃならぬ。そういうふうに国民の皆さんにも理解をして協力していただかなきゃならないと思っております。

細川護煕自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(細川護煕君) 御指摘のように大変に厳しい合意内容になりましたので、いま救済措置についても水産庁におきましていろいろと各団体等から事情聴取等を行っておるということでありますが、私ども財政当局といたしましてもその検討の結果を待ちまして、個々の業種の実態に即してできる限り前向きに救済措置を講じてまいりたいというふうに考えております。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 時間が参りましたが、お許しをいただいて、結びだけ一言申し上げて質問を終わりたいと思います。  いま私を含めまして、日本人だれでも平均寿命が延びて長生きができるという、これはもう錯覚でございます。平均寿命の延びというのは、つまりよく考えますと乳児の死亡率が激減したためでございまして、乳幼児の管理が最近では完璧に近くなって、いままでだったら赤ん坊で死んじゃった人が、その段階で生き延びて、成人病でやられると、こういうことでございます。老人病、成人病と言われる病気がだんだん若い年齢層に入り、高血圧や糖尿病の小学生がふえている。お聞きしますと、これは厚生省の係だと、こうおっしゃるかもしれませんが、食生活の指導研究も農林省のお務めとお考えをいただいて、わが日本人の将来の発展繁栄に大きく安倍農政としての実を上げていただきたいと思います。  きょう出がけにちょっと見てまいりましたら、いまから二百五年前のきょう生まれました、五月十四日に生まれたイギリスの思想家オーエンという人が、政治の目的は統治する者と統治される者とを幸せにする一語に尽きると、こう言った方がきょう生まれておりますので、その辺もひとつ、いまさらながら釈迦に説法で恐縮でございますが、御留意賜りまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 当局の皆さんには非常に遅くまでで申しわけないと思いますけれども、よろしくお願いを申します。  私はまず第一に、農村地域工業導入促進法、この問題について質問をしたいと思います。まずこの導入促進法の成立の経緯、時代的な背景についてお伺いしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 農村地域工業導入促進法は、御承知のように昭和四十六年に制定されたものでありますが、本法が制定されることになった背景は、経営規模の拡大等農業構造の改善を促進するための他産業への就労機会の確保の見地、あるいは出かせぎの解消、過疎化の進行の防止などの見地から、やはり地元雇用の増大を図る必要があるということで、すでにまた既成の工業地帯の過密によるところの弊害が非常に顕著になり、これを緩和するために工場を地方に分散をする必要があると、こういうようなことでこの農村地域工業導入促進法が制定をされたと、こういうふうに理解をいたしておるわけであります。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ただいま農林大臣から御答弁をいただきましたが、確かに私も基本方針を見ておりますと、農村地域への工業の導入に関する基本方針というものが昭和四十六年法律第一一二号第三条第一項の規定に基づいて、農村地域への工業の導入に関する基本方針を次のとおり定めるということで、時の農林大臣の代理でございました山中さん、そうして通産大臣の田中さん、労働大臣の原さんの三人の御署名の中で、昭和五十年度を目標年次とするものとすると、こういうふうに目標の年次が明確にされてこれが動いております。  この中には、一つは農村地域への工業の導入の目標、二番目には農村地域に導入される工業への農業従事者の就業の目標、こういうふうに何項目かにわたっておるわけでございますが、私が特に本当に意を強くしておりましたのは、農村地域に導入される工業への農業従事者の就業の目標の中で、農業従事者のうち中高年齢層及び出かせぎ労働者、これはいま大臣も仰せになりましたが、その地元における就業の促進に留意するとともに、適正な労働条件の確保及び安全な職場環境の整備に努めるものとすると、こういう実のある法律の中で五十年度が目標年次になったわけでございます。ただいまも大臣のお話を伺って意を強くしておるわけでございますが、いま大臣、私が申し上げましたような、基本方針の項目の抜き取りを申し述べてみましたけれども、もう一度恐れ入りますけれども、農林大臣のこれに対する基本的な現在の、当時の農林大臣とはお違いになっておられますので、いきさつがあろうかとは思いますけれども、現職の大臣といたしまして基本的な見解をどのように運用していくのか、その点を一言お伺いしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 基本的には、先ほど申し上げましたような農村地域工業導入促進法に基づく制度の精神は変わってないと考えておるわけでございますが、安定成長経済基調に移ってきたわけでございまして、その中での農業、工業の雇用情勢は相当変化をするわけでございます。その変化に対応いたしまして、現在第二次の基本方針策定のための各方面の意見を聞いておるところでございまして、これらの意見を十分参酌して早急に第二次基本方針を策定をいたしまして、これに即した工業導入促進の対策を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、昭和四十八年ごろまでは非常に順調に来たわけですが、それからの日本経済の急激な変化というものでやはりこの工業導入促進の対策も、基本的な精神は変わらないわけですが、これにやっぱり対応した形で進めていかなきゃならないということで第二次の基本方針を策定をいたして、現実に即した対策をこれから進めてまいりたいと考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま農林大臣がこういう安定成長といいますか、それとも低成長といいますか、その変化に対応して第二次基本方針を策定、そうして現実に対応した、そういうふうなお話がございました。ちょうど三カ月前に私たちは農林省にいろいろとこの実態に対してお話を申し上げました。いまから具体的に論戦を展開してまいりますけれども、本当に当初はもう大変な状態でございました。いま結論的に農林大臣のお話を聞いて非常に私も喜んでおるわけでございますが、この点はぜひお願いしたいと思います。  まずその実態について大臣よく聞いておいていただきたいと思うんですけれども、私はこれを取り上げる前に基本方針に沿って、農村地域工業導入促進法の目的の第一条には「農村地域への工業の導入を積極的かつ計画的に促進するとともに」、ただいまも申し上げておりますけれども、大臣もお話がございました「農業従事者がその希望及び能力に従ってその導入される工業に就業することを促進するための措置を講じ、並びにこれらの措置と相まって農業構造の改善を促進するための措置を講ずることにより、農業と工業との均衡ある発展を図る」、こういうふうに目的は明記をされております。この導入促進法の目的に沿って私も考えておりますと、企業が農村に導入をされている実態、いまから具体的にいろいろと質疑を交わしてまいりますけれども、担当者の方にお伺いをしたいわけでございますが、年度別に、昭和四十六年、四十七年、四十八年、四十九年まで年度別に大別をして、まず件数の報告をしていただきたいと思います。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) この農村地域工業導入促進法に基づきまして現実に農村に工場が導入された数でございますが、ちょっと私いま具体的に年次別に持っておりませんので申しわけございませんが、最近の時点の数字を申し上げたいと思っておりますが、四十九年三月末では操業中の企業は三百三十六でございます。若干その後の推移を申し上げますと、五十年三月末ではそれが五百七十七になり、五十年八月一日現在では六百八十六という、最近の数字を申し上げるわけでございますが、漸次ふえておると。さらにまだ操業はいたしておりませんが、導入が決定した企業の状態を申し上げますと、四十九年三月末では六百十七、五十年三月末では七百、五十年八月一日では六百八ということになります。そこでそれ両方を合計した数字が大体操業中並びに導入決定企業の推移でございますけれども、四十九年三月末が九百五十三、五十年三月末が千二百七十七、五十年八月一日が千二百九十四というようなことでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この数字については当局もなかなか確実なものをつかんでおられないと思います。私が導入件数のことを申し上げますと、四十六年度には決定が百四十二ですね、導入されたのが百七、そしていまだに導入されてないのが三十五、それから未定が四十二、それから四十七年度も決定が百九十二でございますが、そのうち導入が百二十八、未導入は六十四、全然決まっておらない八十、そうして四十八年も決定が二百六でございますけれども、導入されたのは百四、未導入が百二、それから未定等も調査しておりますと百二十八とか、とにかくこの数字が農林省でこれが正解のものだというものが一切出ないようないま現況にあるわけでございますね。四十九年も未定が百三十一、決定が七十、こういうふうないま導入件数だけを私の方の資料の中で御報告申し上げたわけでございますが、農林大臣にもお聞きをお願いしたいことは、四十六、四十七、四十八、四十九年のこういう未導入、未定、こういう数字を見ておりますと、この基本方針の第三条にある趣旨というものもなかなか生かされておらない。たとえば第三条には、「主務大臣は、農村地域への工業の導入に関する基本方針を定めなければならない。」と述べられてここにはあります。この基本方針の趣旨、内容、そういうふうなことを現実的に数字で、実施された数字で私が見ていく限りにおいては、基本方針というまた法の趣旨というものが現実の数字の面の中に生きておらない、促進されておらない、こういうことに農林大臣なるのでございますが、私は先ほども大臣が申しておられましたけれども、基本方針というのは本当にこれはもう法律化されておりますし、何とかしていま私が申し上げたような未導入や未定というものが減少していくような形になっていかなくちゃいけない、こういうふうに思うんですけれども、この点農林大臣現実の数字聞かれてどうでございましょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) この制度をめぐります情勢の変化にあっても本制度の役割りは基本的には変わっていないと考えておるわけですが、先ほど申し上げましたような安定成長経済基調のもとで農業、工業の雇用情勢の変化に対応して、やはりこれから第二次案を策定する場合には次の諸点に留意して推進することが必要じゃないかというふうに考えておるわけであります。  その一つは、やはり工業の地方分散の展開の場となるところの農村地域は、国民食糧の安定的供給基地としての農用地の確保を図ること等が政策的課題であることにかんがみまして、農村地域における土地利用計画を前提とした立地の誘導を図っていく。  第二番目には、農業構造の改善に関しては、導入工業への就労の度合い、あるいは農業構造改善の熟度等に応じまして土地利用権の集積を図り、中核農家の経営規模の拡大を長期的かつ確実に推進をする。  第三番目の問題としては、就業構造の改善の面では、農業生産の担い手の育成確保に留意しつつ、農業従事者からの雇用の促進を図るとともに、出かせぎ等の零細不安定規模農家の地元他産業への安定就労を計画的に促進し、これを通じて農業の振興と農家所得の安定を図っていく。  こういう点を留意をいたしまして、これからの対策というものを考えていかなければならぬと思うわけでございまして、私はやはり今後とも、経済の基調は安定成長へ変わっていったわけでございますが、そういう中にあって、やっぱり農村に適した工業の導入というものを積極的に進めることによって農村における環境をよくすることにもなりますし、所得を向上させることにもなりますし、また農業の後継者育成といったようなことにも結びついていくというふうに考えるわけで、そういう方向で第二次案を策定をしなけりゃならぬというふうに考えておるわけであります。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 具体的な現実の面をもう少し当局といろいろと質疑交わしていきますので聞いておいていただきたいと思います。  まず先ほどは件数の問題申し上げましたが、当局にお伺いしますけれども、計画地区として決定をされておりながらいまだに造成もされていないところの計画地区数によるその面積、今度は面積。さっきは件数でもうあなたのところと全然食い違いがありましたけれども、面積を年度別に、四十六年は四十二カ所、四十七年は八十一カ所、四十八年は百二十二カ所、四十九年は百三十カ所ございますけれども、面積を年度別にどれだけ把握されているか答えてください。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) ちょっと申しわけないわけでございますけれども、面積につきましては現在私ども年度別に整理してございませんので、最近の状態でどうなっているかということをちょっとお答えいたしたいと思いますが、この農村地域工業導入促進法に基づきまして、県または市町村が実施計画をつくるわけでございますが、その実施計画におきまして工場用地として定められている土地の面積は現在までの累計一万四千九百二十四ヘクタールでございます。このうち企業がすでに導入をされているもの、これが二千五十四ヘクタール。まだ導入はされていないけれども導入が決定をしているというものの面積が二千六百八ヘクタールでございまして、差し引きまだ導入が決定していない面積、これは一万百三ヘクタールというふうになっております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まあ工場用地の面積としては、昭和四十六年は八百八十一万二千百七十六平米ほど大体必要である、こういうことでございましたけれども、五百四十三万四千六百八十六平米ですね、工場用地の買収済みが、実際は。四十七年は、工場用地の面積として必要だと計画をされたのが一千八百二十七万四百五十九平米であったけれども、実際の工場用地買収済みは六百五十八万九千百七十七平米と、まあこういうふうに数字が出るわけでございますが、まあとにかくおたくの方でつくった法律ですから、やはりきちっとやっていただかないとね困るわけです。  次に、この農工法の四十六年計画の中で企業導入の見込みなしの実態、これ四十六年度と四十七年度だけで結構ですから、わかったら言ってみてください。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 見込みなしという点につきましてはなかなか判定がむずかしいわけでございますが、まず五十年、昨年の八月一日現在でこの農村地域工業導入促進法に基づきまして実施計画を策定した市町村が全部で八百三十一市町村あります。このうちまだ企業の立地が未定なものが二百九十五市町村あるわけですけれども、まあこの中からいま先生御指摘の見込みなしというようなものが出てくるわけでございます。ただ市町村は、最近のように景気が非常に安定をしてきたということもあり、また安定と同時にいろいろな経済的なひずみも出てきておりますが、その関係から予定した企業がなかなか来ないと、非常に早急には企業誘致が実現できないというような事態になりましても、やはりできるだけ早い機会になお企業誘致をいたしたいという希望、これは非常に強いようでございます。したがって現在明らかにもうあきらめたと、やめたというようなことがはっきりいたしておりますのは、私知っているのは一件、これは千葉県でございますけれども、これは一町ですか、これは明らかにもうやめましたと、こういうことを言っておりますが、ほかにもなお、もうこんな状態では望みが簿いからやめたいというのもあるかもしれませんが、そんなに数は多くないというふうに思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まあ企業導入見込みなしの実態は、いま私もちょっと申し上げたとおりでございますが、言葉のあやとしてあれなんですが、企業が今度は見込みなしの実態ではなしに、企業が入る予定でいまだ操業してない、これは四十六年計画、四十七年計画。これは四十七年の決算ですけれども、ちょうどいまいいときですけれども、この四十六年、四十七年の方はあなたの方ではつかんでおられないんですか、おられなかったら言いますけれども。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) いま御質問のその途中掲示はちょっと私ども持っておりません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま農林大臣が法の精神に対してこの法律の背景のいろんなお話があり、法の精神を順守していくというふうなお話があったわけです。ということは四十六年から法が制定されて実施をしている。ということは法の一つ一つを現実にこの中に生かしていかないといかぬわけですから、だから一生懸命きちっとされておれば、実態等のよしあしというものは社会変動もあるわけですから、よけいに皆さんのところではつかんでおられなくちゃいけないわけです。まあ四十六年は全国で地方自治体に全部データをとったわけでございますが、企業が入る予定でいまだ操業していない、四十六年計画の中では九十四カ所で四百四十一万六千八百八十八平米ですね。それから四十七年計画では百七十三カ所で千二百九十二万一千三十七平米です。いま私は具体的な一つ一つの実態を挙げておりますのは、この法の精神が現実に生かされてない問題点をいま取り上げているところでございます。  次に、このようないま実態について、農林省もそうでございますけれども、通産省は具体的にどのような措置をとられて農林省と連携をし指導をされたのかお伺いしたいと思います。

伊藤和夫通商産業大臣官房審議官

○政府委員(伊藤和夫君) 農村地域工業導入促進法に基づきます立地につきましては、まあ制度開設以来、農林省の方とも密接に連絡して仕事をしてまいっているわけであります。先生御指摘の、企業が立地を一応約束したと、しかしながら企業が入ってこないということでございますけれども、先ほども農林大臣の方から御答弁がありましたように、初めの昭和四十六年あるいは七年ごろは大体最初の予定に近い線で来たわけでございますけれども、いわゆるエネルギー危機というものが起こりまして、このために御存じのように企業全般が非常な不振に陥りました。そのために操業の開始あるいは工場の建設というものがおくれているわけでございまして、これは国際的な構造的な不況ということでございますので、私どもとしてはまずそういった企業の立地あるいは操業の進展というものはまずもって景気を全般的に回復させるということが最も緊要な問題でございますので、このためにいろいろ財政、金融あるいは貿易とか中小企業面、そういった全般的に景気を浮揚させる施策、これを講じていくことによって企業の立地なり操業なりを促進していくということが一番肝要なのではないかというふうに考えています。なお、こういったことを促進していきますために、従来から金融あるいは税制の面ということでの助成というものを行ってきているわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いまあなたは、全国的には四十六、四十七年は予定どおりいったと言われていますけれども、いま私が予定どおりいってない、そういう実態を皆さんの方で明示されてないからいま私お話ししたわけですから、そういうまやかしなことを、四十六、四十七年はきちっと予定どおりいったんだと、そういうことをあなた言われてはちょっといかぬですよ。いま私が申し上げた数字の実態のとおりでございますから、何も満足に皆さんの方でやられてるわけじゃないんです。その点だけは訂正してもらわないといけません、いま数字を私述べたとおりでございますから。  そこで、いままでのは全国的な私は数字を挙げましたけれども、もう一つ深く入って、具体的にもう一回問題提起しますから、それで皆さん方がどういうふうに手を打たれているか御答弁をお願いしたいと思います。  まず私の地元でございます兵庫県からいってみましょう。兵庫県の津名郡の五色町にも計画地区がありました。時間がございませんので、私の方でちょっとしゃべり続けますけれども、この兵庫県の津名郡五色町には、四十六年に計画地区に決められておりながら、現在いまだに企業が入る様子もない。具体的にどのような報告を地元から受けて、それに対して農林省や通産省はどのような指導をしたのか、こういうふうな問題が浮き彫りにされるわけでございます。  そこで私が調査した結果を申し上げますと、四十六年に計画地区にされておりながら、地元の人も教えられておらない。また議会でもこの件については審議もされておらない。農林省としてどのような報告を私はとられたのかな、また通産省はどういうふうな報告を受けておられたのかなと思うんですね。こういうふうな中において、地元からはこういうふうな状態、企業の導入に対してもやはり地元としては、実はあれは中学校の用地のために売ったんだと、工場用地とはもってのほかである、こういうふうな非常に話し合い不十分な——だから私もお手紙を議員さんからいただいておりますけれども、この二万九千六百九平米の土地は民有地を含めた現在旧五色ヶ丘中学跡地としてそのまま放置されておりますけれども、この土地を売った地元民は、中学校を建設するということで土地を提供したのであって、その土地がもう要らなくなったといって企業へ売るようなことは絶対にしておりませんと、ぜひ国や県にお願いをして公共の施設に利用してもらいたい、こういうふうな要望があって、いまだに放置の状態である、こういうふうなことになっているわけです。いま写真も持っておりますけれども。こういういま具体的な一つのものを明示したわけでございますが、農林省として、あなた方は、いま私ができてない数字を明示したにもかかわらず四十六、四十七年は非常にうまくいってますなんて言われていますけれども、まずこの具体的な津名郡の件について、もう皆さんにもいままでよくお話をしているわけですから、答えていただきたいと思います。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 具体的なお話で、兵庫県津名郡五色町のお話でございますが、何か先生のお話によりますと、その予定地というのはもっとほかの用途に使うので、工場用地としては余り適当でないという囲りの住民の方々の御意見があるというふうにお話ございましたけれども、実施計画書によりますと、先生のお話とは全然別のことが書いてありまして、ここは非常に工場導入の適地であり、住民も希望をしていると、特にこういう計画の策定に当りましては、関係の農民のみならず、関係農業団体、それから学識経験者等の意見も十分徴して計画ができ上がるということになっておりますので、その点ちょっと私ども意外でございます。  私ども承知しておりますのは、この土地につきましてすでに十二、三件の企業が進出したいというような引き合いがあるということでございますが、地元といたしましては公害のない軽金属を扱うような工場ということを希望するということで、種々折衡をしているというふうに聞いておるわけでございます。そういうような町の希望から、昨年の初めに岸和田市のナショナルの下請工場である岸電機に町から働きかけたようでございますけれども、これはどうも向こうの意思がそこへ行くつもりはないというようなことで、これは実現をしていない。けれども町としましては、県に今後ともいろいろあっせんをしてもらいまして、ぜひ企業を導入をしたいということを考えているというふうに聞いているわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 確かに趣旨はいいんです。だからいま写真でお見せしたように、四十六年からこの法が制定されて買収されても、いまだにそういうような形になっているというところには、法と現実、その間のやはり行政における指導とか、そうして現地との打ち合わせ、こういうものが抜けておるわけなんですね。だから私が何回も申し上げるように、この農工法を制定された意義というものは、抜粋して先ほども大臣といろいろ意見を交換しましたように、一番特筆して掲げるような文字は、農業従事者の地位、中高年齢層及び出かせぎの労働者が地元において就業することを促進することができる、こういう法の精神が、いま具体的な事実を挙げた一つで、こういうふうなまだだめになっているわけでございますが、もう少し、これだけ挙げるとそこだけかということになりますので、全国的に取り上げたいと思いますが、こういう悪い実態が明らかに多くなっているわけでございます。  また操業できなかった具体的な実情というものはいまも大臣からも、当局からもお話があったと思いますけれども、もちろん社会的な事情、また地方自治体の問題、国の指導が熱意があるのかないのか、こういういろんな多方面のいろんな問題がございますけれども、農林省や通産省、そうして労働者もこの点についてはよく考えていただかなくちゃいけないと思います。  そこで私は、企業が導入されておりながら、総合農政の一環としての工業導入の精神もまたまた生かされておらないということをまず申し上げたいと思うのでございます。それは農基法の第二十条にございますけれども、昭和三十六年に制定された農政の憲法と言うべき農業基本法においては、二十条において農政審議会の答申というものが掲げてあるわけでございますが、その中にも「政府は、中高年齢層が有利かつ円滑に引退または転職による離農を進めるにあたっては、農業従事者が父祖伝来の土地を離れ都市に居住することは決して容易でないという事実および都市の過密防止の必要性を考えると、住居を移転せずに通勤形態による他産業への就業を促進することも十分考慮すべきことである。」云々と、こう続くわけでございます。やはりここにも本当に明らかになっているわけでございますが、ではもう一つ具体的な例で御質問いたしたいと思います。  これは島根県の平田市にM株式会社と申し上げておきますけれども、そこの工場では四十八年の四月に導入をして、その当時三百八十名の従業員が現在二百六十名ぐらいになっております。五十年一月には八十二名が退職を受けております。具体的な二点といたしましては、赤来町のこれはTという会社でございますけれども、そこでは四十七年十二月に導入をして、当時の従業員二十七名が現在は八名になっております。これも自然退職という形でございます。これはほんの一部で、他にもたくさんこのような例はあります。先ほど申し上げました農政審議会の答申の精神、この一つを見ても全然と言っていいぐらい反映されておらない。こういうことでございます。いま実情を申し上げたわけでございますが、これについては当局の皆さん感想どうでございますか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) いま先生島根県の例で申されましたけれども、私どもが承知いたしておりますのは、赤来町におきましては、これは東洋工業の下請企業でございます株式会社浜野鉄工所というもの、これは雇用者二十八人ということで操業をいたしておりますし、また平田市におきましては同じく東洋工業の下請と思いますが、マツダ精機株式会社の平田工場というものが三百四十人の雇用者ということで操業し、また大和村におきましては株式会社重西鉄工所というものが十八人の雇用数を擁して操業しているというふうに思っております。これらにつきましてはいろいろ景気の変動等がございますので、雇用者数等変動があるかと思いますが、私どもはなるべく安定された雇用の状態でもって操業していただくようにお願いをするわけでございますし、また具体的にいろいろ問題が起こりますれば、関係の省とも御連絡の上、適切な指導を加えたいと、かように考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 労働省にお伺いをしたいわけでございますけれども、この農村地域工業導入促進法によって出かせぎの方々の歯どめになってはおるように伺うわけで二ざいますが、この点について、法制定される以前と、それからできた四十八、四十九、五十年ですね、出かせぎの推移、そうしてそれに対して数字的な中からの分析、見解ということについてはどういうふうに考えていらっしゃるのか。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(小粥義朗君) 出かせぎ労働者の数のとらえ方につきましては、いろいろなとり方がございますので、必ずしも一義的に申し上げられない点もございますけれども、私どもが市町村を通じまして、言うなら生活の本拠を離れて一カ月以上他に出向いて働く出かせぎ労働者という意味でとらえました数字は、四十六年当時に約五十四万人でございました。それが五十年の時点では約四十五万人ということで、減ってはいるのでございますが、ただ四十九年から五十年にかけましては、不況の影響でもって、都会へ出かせぎに行っても、なかなか出かせぎの就労先がないということで出かせぎの労働者の数が減っている向きもございますので、その辺が、不況の影響によるものがどれだけという分析はなかなかいたしにくいのでございますので、どの程度農村工業導入の効果として出かせぎ労働者が減ったかというところまでの分析はまだ確といたしておりませんが、出かせぎ労働者の数字の推移としては、いま申し上げましたように、若干は減っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 四十五年が四十七万七千人、四十六年が五十四万七千人、四十七年が五十四万九千ですね。四十八年五十一万三千、四十九年が四十四万八千ですが、確かにあなたが言われるように、その数値のとらえが非常に微妙であると思います。  そこで、もう一つ労働省にお伺いをしたいのは、企業が導入されて地域において大いに推進の役目を果たして、まあ社会情勢の流れの中で、企業が倒産とか閉鎖とか、そういうことで従業員の措置、対応策というものがやはり私は浮かび上がってくると思うんですけれども、この法の趣旨に沿って企業が導入される、で、倒産、閉鎖——まあこれは一般のあれも一緒でございますけれども、あわせてそういう場合の措置、対応策というふうなのを、具体的にどう救済されるのか、お願いいたします。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(小粥義朗君) 導入されました企業が、まあ景気の影響その他で当然操業活動にも波がございますが、特に最近の傾向として出ておりましたのが、不況の影響によりまして操短をする、その関係で従業員に一時休業をやらせる、一時休業では乗り切れないという場合に希望退職を募り、あるいは解雇すると、こういうような形が企業において行われたケースがございます。で、労働省といたしましては、この全体の不況の中で、できるだけ失業者を出さないようにすることが基本方針だということで、実は昨年来実施しておりました雇用保険法に基づきます雇用調整給付金、この制度を使いまして、できるだけ失業を出さないで一時休業で乗り切っていただきたい、こういうことで、業種指定も幅広くやってまいったわけでございますが、そうした一時休業でも賄いがつかない場合に、これはやむを得ず離職という形になる場合もございます。で、その場合には、昨年四月以来雇用保険法は全面適用になっております。農林水産業の個人営業の一部を除きまして全面的適用になっておりますので、そうした離職者の人には当然失業給付も出されますし、仮に雇用保険の受給資格がない場合も、雇用対策法によりまして職業転換給付金制度というものがございます。これによって失業期間中手当を支給しながら、むしろ職業訓練なりを実施してさらに再就職の機会を待ち、あるいは再就職の場に結びつけていくと、こういう対策を講じているわけでございます。大体、導入企業についての雇用面での対策というのはそのような措置をとっております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まあこの点については、確かに出身地域別出かせぎ労働者の数値を見てまいりましても、まあ北海道が五万九千、東北が二十四万二千、北陸が三万九千、非常にやはり東北関係が多いと思います。あとは九州とか沖繩が五万五千、四国は二万三千となっておりますが、今後は非常に社会変動というものもございますので、私はこの法の精神一つをとりましても、さらに鋭意手を打っていただきたいと思います。  今度はまた具体的な事項を申し上げますけれども、これは福井県の南条町にある会社でございますが、四十八年の七月に導入をされて、四十九年十二月三十一日に閉鎖になって、全員では三十名でございますけれども、そのうち二十三名が解雇されております。また石川県の珠洲市においては、会社では四十六年の六月に導入をして百四十名の従業員がおり、四十九年十月には七十二名が解雇——不況ということですね、このような状態になっております。まあ細かいことを言いますと、いろいろと会社にも事情があったろうかとは思いますけれども、まあこういう最近の状態が出ております。  もう一つ、具体的な事項を申し上げますので、通産省と農林省にお答えをしていただきたいと思います。これは千葉県でございますけれども、計画地区数が十三カ所あって、一カ所も企業が導入されておりません。導入されていないのはどういう状態であったのか。その間の具体的なことを説明していただきたいと思います。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) いま先生の御質問の千葉県の例でございますが、私どもの承知いたしておりますのは、千葉県におきまして農村地域工業導入促進法に基づきまして実施計画を策定いたしました市町村は、昨年の八月一日現在の調査によりますと、御指摘のとおり十三市町村でございます。このうち企業が立地し操業しておりますのは一町——一つでございまして、したがってまだ立地企業が決定していないものが十二市町村となっているわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まあそういう実態でございます。そのうち六カ所は全然造成もされておらず、四十六年に計画されておる八日市場市ですかね、ここでは二十七世帯の方々から土地を提供——これはお金で売買されているわけですが提供されている。しかしいまだに造成されておらないという事実を見て地主の方は、中高年の方とか出かせぎの労務者のためになると言うから協力したんだと、これでは企業が買って、自然に土地がこういうふうに値上がりをしてくる、土地騰貴のためにわれわれは大事な財産を売ってしまったと、こういうふうな声も出ているわけでございます。  だから四十六年当時、この付近の土地の評価額は平米七百円でございました。現在の評価額は約二千五百円と、約三・七倍上がっている。面積から見ましても三十二万九千七百四十三平米が買収済みでございますから、購入された平米当たり七百円のときには二億三千万円で、これは厳しい評価額ですね、鑑定士の入った。それが現在は八億二千万円に土地が騰貴しているのです。このような状態を思うときに提供された地主の方も、われわれ国民も、せっかくすばらしい法律がこういうふうにつくられながら、なぜ優秀な皆さん方がいらっしゃるのに——経済変動というものは生き物でございますから、世界の経済状態で動くことは当然でございます。そういうプロの皆さん方がなぜ、こういういま具体的な実態を申し上げましたけれども、もっと力を入れていただかないのか、私疑問に思うわけです。この点についてもう一度通産省と農林省に御答弁を伺いたいと思います。

伊藤和夫通商産業大臣官房審議官

○政府委員(伊藤和夫君) 千葉県八日市場市の点につきましては、先生御指摘のとおりまだ企業の立地を見ておりません。ただ現在、なお四十七年度から買収を開始しておりますけれども全部の買収を完了しておりませんで、五十二年度には造成の予定ということを聞いております。  この地区の買収になぜこんなに時間がかかっているのかということでございますけれども、この地区の中には相当の農地がございまして、計画された地区の総面積の八割近いものが農地だったわけでございますが、その農地の代替地問題ということで非常に時間がかかってなかなか買収が進まなかったという事情があるわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま具体的な事実を申し上げたところだけではなしに、日本全国で先ほどから申し上げましたように実際に実っておらないわけです。農村地域工業導入資金融通促進事業の概要を見ておりましても、融資枠というのは四十八年度で二百億用意されているのでしょう。四十九年度でも二百億、五十年度が百五十億、五十一年度が六十六億ですか。これ間違いですかどうか、答えてください。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) そのとおりでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 こういうとうとい国民の税金が過疎地域の、そうして御苦労されている農村の出かせぎの方や中高年の方の救済のために真心込もって法律ができた。しかもその実施のために国民のお金がこういうふうに巨大な金額が枠になっている。補助金も出ている、いままでに。こういうふうな状態を考えましたときに、私は本当に当局の方に、どうか山中さんや田中角榮さんや原健三郎さんの諸大臣たちが英知を集めて、農村地域工業導入に関する基本方針を、真心込めてこれは基本方針をつくられたわけでしょう。この人たちが間違ってつくったのであれば当局の皆さんが拒否されたらいいです。しかしこの時点においては、私申し上げたように、当局の方もみんな成功を祈っておられたと思うのですけれども、こういう金額もついた、ところが実態はいま私が申し上げたような状態です。非常に私は残念でございます。ですから、こういうふうにいまだに企業が入らない地区もたくさんあり、企業が入っても経営不振、悪化ということで解雇になったり、まあ早く言えば踏んだりけったりの状態でございましょう。しかし法の趣旨を生かすためには、農村地域の人々に温かい配慮という形の中で私はこの法が、理論もそうして現実にも生かされていかなくちゃいけないと思うのです。その点について、農林省の御答弁をお伺いしたいと思います。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) いま先生の御指摘の点につきましては、先ほど農林大臣からお答えいたしましたとおり、私どもはこの農村工業導入促進法の制定当時の精神、これいまでも生きておりますし、私どもはさらに全力をふるって成果を挙げたいと思っております。それから、やはり先生御指摘のとおり農村工業導入の事業というものは、いわば経済の流れの中において行われるいわば生きた事業でございまして、そのときどきの経済情勢に大きく左右される事業でございます。しかし、そういう中にありましても、やはり法の目的としておりますことはぜひ万難を排しまして実現しなければならないわけでございまして、私どもは関係省——通産省、労働省とも提携をして、さらに今後努力をいたしますが、現在この事業の促進をするための専門の機関といたしまして財団法人の農村地域工業導入促進センターがございます。このセンターの機能——従来も大いに努力をいたしておりますが、さらにその機能を活用いたしまして、現在においてもなおかつ工場導入を希望しております市町村の要望にこたえるために、優良な、また公害のない企業、その企業の導入によって農村地域の労働力が吸収されるような、そういう種類の企業の導入に今後ともさらに力をいたしたいと、かように考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この問題で結びにしたいと思いますが、この件については。本当は大臣に聞いていただいて最後の決をいただきたいんですが、あなたにお願いいたします。  結論的に申し上げまして、いま具体的な事実、法の精神、金額申し上げましたけれども、いま一口に声が出ておりますのは、農家の労働力を安定的に雇用するとうたい文句、地域社会との調和を図るといううたい文句、公害防止、適正な土地利用をするという甘い言葉、そうして農業従事者のうち中高年齢層に適正な労働条件を確保する、それから出かせぎ労働者の地元における就業を促進する、こういう鳴り物入りの農村地域への工業導入促進法というものが、工場などが誘致されてきたけれども、北陸地方を初めとして不況の風の中で解雇、休業、操短などが相次いでいる現況の中で、新規の導入計画もがたがたに狂っております。新年度の見通しも立たない状態です、データの中から。こういう中で私は変わった角度から厳しく申し上げますと、同法は入ってくる企業側には魅力があるけれども、地元農家には余り役に立っていない現況というものが赤裸々に明らかになってくると思うんです。  そこで法の趣旨がどんなによくても、実際に運用する面に問題があったら大変だと思いますので、この農村工業化で必要な過疎農村において優良企業の導入に鋭意努力をしてもらわなくちゃいけませんし、小さな企業でも非常に優良なところとか、それから二番月には、血の通った法律に同法の洗い直しをされるのか、また改正をされるのか、先ほどは農林大臣は第二次策定を現況に対応してやっていきたい、こういうふうに言われておりましたので、農林大臣の言葉をお返しすれば、第二次策定が農村の皆さん方に合うような、いつ公表されて、その第二次の制度が現実的に実のあるところのものとして歩んでいくのか、このことをあいまいでなしにはっきりとお伺いをして、この問題は終わりたいと思います。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) この農村工業導入促進法の制定された趣旨、それからその法の運用の実態等はいま先生のおっしゃいましたとおりでございます。ということは、私どもさらに踏ん張ってこの法律の運用に努めなければならないという決意を新たにしていかなければならないと思っているわけでございます。  そこで私どもは、先ほど申しましたとおり現在こういう安定成長のもとにおきまして、企業がなかなか地方に進出していただけないという事態でもやはり地方では優良な企業を導入いたしたいという希望は強いわけでございますので、繰り返すようでございますが、関係三省協議し、さらに先ほど申し上げました農村工業導入促進センター等とも協力いたしまして希望が実現するように今後とも努力をいたしてまいりたいと思いますが、最後に御質問のこの法律を改正する云々でございますが、これもやはり大臣がお答えいたしましたとおり、当面はやはり第二次の基本方針、この策定を急ぎまして、その基本方針の中で現状を踏まえ、また地方の希望を生かすような内容を盛り込みたい。これの作業につきましては、現在この方針策定のための学識経験者の集まりにいま諮問をいたしておりますので、近く御答申もいただけますので、これはもうできるだけ早く、実は今年度の四月からは第一次の基本方針というものはいわば時間切れという状態になっておりますので、これは一日も早く第二次の基本方針を設定をいたしたい。それによりまして今後さらに腰を据えてこの法の施行に当たってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま最後の結論に入りまして御答弁をいただいたんですが、大臣お見えでございますので、最後のまとめの答弁願いたいと思うのです。いまも具体的な事実を挙げておりましたのですが、千葉県では十三カ所も私の調査ではすべてが何もやっていない。御当局からは一カ所はやっていますというようなことですが、そういう中で四十六年度だけでも二百億円の融資枠というものが計上されているのです。そういうようなことで鳴り物入りでこの農村地域への工業導入促進法というものが出てきたけれども、企業側には魅力があるけれども、それは土地を買って工場が建たなくても財産は残りますけれども、早く売って土地を離した人たちは結局、働く人も不況になれば全部解雇されるわけですから地元農家には余り役に立たぬのではないか、こういうようなことを言っているわけですね。そういうようなことで優良企業の導入とか同法の洗い直しをやることのいま質問して御答弁いただいたわけでございますが、大臣、第二次策定のめども非常にこれは急いできちっとしたものにしていただかないといけないと思うのですね、この点重ねて御答弁いただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 農村工業導入につきましては、確かにお話もございましたように経済の変動等もあって思うように満足すべきような状態でいっていないことは、これはもう事実としてわれわれは率直にこれは認めなきゃならぬと思います。したがって、そうした観点に立って、これからは経済も低成長といいますか、安定成長で続いていくわけでございますから、そうした情勢を踏まえて、第二次基本計画はこれはもう現実に即して一日も早く打ち立てるということでこれからひとつ努力を続けてまいりたいと考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃあこの問題はよろしくお願いいたします。  では次に、先ほども同僚議員から質問がございまして重複するかと思いますけれども、農林大臣、ニューヨークで開かれた国連海洋法会議、正式試案が採択されなかったわけでございますけれども、日本政府としてはどういうふうに評価をしていくのか、今後の対策等もございますけれども、その点についてお伺いしたいと存じます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) ニューヨークの海洋法会議は終わったわけでございますが、結論は出なかったわけでございます。しかし単一法案につきまして、各委員会ごとに相当審議が進みまして、そして、最終的に各委員長が集まって修正単一法案をつくったわけでございますが、これがこの八月に持ち越されました会議の素案になってくるのであろう、こういうふうに考えておりますが、その中で水産問題としてわれわれが非常に関心を持っております二百海里経済水域につきましては、大体単一法案がそのまま生かされておるというふうなことで、基本的には伝統的な需要国であるわが国のような立場を、実績を認めるというふうな内容になっておるわけでございますから、われわれとしてはその点につきましてはやや安堵いたしておるわけではありますけれども、しかし何としても、これが最終的に決定するに至るまでには各グループごとに相当やはり利害が対立をしておりまして、果たしてこの修正単一法案がそのまま国際的に認められるかどうかということにはまだまだ時間がかかるのではないか、なかなか困難な問題もあるんじゃないか。ですからわれわれとしては最後までわれわれの立場が認められるように全力を尽くしてまいらなきゃならない、こういうふうに考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ちょうど私も二月の九日でございましたか、ニューハンプシャーでフォード大統領が、農科大学で予備選挙の第一声を記者会見をしまして、その席に私、同席をしたんですけれども、そのときに新聞記者の代表の方から二十問でしたか質問が出たうち、この二百海里の問題が記者の方から質問があったんですね。あなたのところに情報が入っているかどうかわかりませんけれども、そのときにフォード大統領は、来年どんなことがあっても、二百海里の経済専管水域についてはどんなことがあってもアメリカとしてはやります、どこが反対してもやりますということをはっきり言い切っておりました。そういうことで私もインガソルさんとか、もう省庁別々、とにかくアメリカの高官に会うたびに、何とか日本の立場をきちっとしていただきたいということで、もうどんどんお話はしておりましたが、皆さん方は皆さんのまた専門同士のお話あると思いますけれども、非常に事態がそういうことで厳しいなという感触は私もつかんでおるわけでございますが、先ほどの御答弁から、いまほどの農林大臣の御答弁から、どうかあるときには毅然として、あるときにはまた幅広く柔軟にこの点について努力をしていただきたいと思います。  こういう関連の中で、私は日本の沿岸地域をいつも目を通すわけでございますが、ここで具体的な質問を申し上げたいと思います。私も県会時代から瀬戸内海の浄化については、国の皆さん方よりは力は小さいわけでございますが、ささやかに担当の地域として常に訴えてきたわけでございますが、こういう食糧の将来を考えましたときに瀬戸内海に対して、まずこれは農林省にお伺いいたしたいんでございますが、養殖の将来というものはやはり漁業にとって私は一番大事だと思うんですね。ですからその養殖漁業の振興、それからもう一つは新漁場をどのように開発をするのか、それから時間がございませんので続いて申し上げますが、日本海時代と言われますいまからの世紀に対して、日本海沿岸についてはこれらの点についてはどういう対策を打たれていくのか。その次には日本海側でございましても、特に兵庫県の香住、浜坂、豊岡の津居山、この漁港に農林省の融資幅をふやして、大型冷凍庫を増改造する、そういう検討調査をされる意志があるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) まず第一点の瀬戸内海の養殖漁業をどう考えるかという点でございますが、先生御指摘のように、瀬戸内海における養殖漁業というのは非常に重要なわけでございます。ところが最近いわゆる赤潮等の公害問題によりましていろいろな被害が出て養殖業が非常に困っているということもございます。そこで私どもといたしましては、赤潮の被害防止対策事業としましては瀬戸内海関係十一府県による赤潮情報交換事業、赤潮予察調査事業等の調査試験研究事業に対する助成を行いまして、赤潮による漁業被害の未然防止に努めております。  また赤潮発生の一つの原因でございますヘドロの回収技術事業化試験事業及び酸素補給施設、陸上活魚槽の設置等を行いまして、赤潮被害防止施設設置事業で漁業被害の防止をさらに努めていくということを進めているわけでございます。そのようなことで、私どもといたしましても養殖事業の振興につきましては、特に瀬戸内海の場合にはこういった赤潮等が問題になりますので、そういった措置についてはなお今後もこういった施策を拡充して遺憾なきを期したい、こういうふうに考えているわけでございます。  それから瀬戸内海の資源というものはかなり利用されておりまして、しかも魚種が非常に変わってきているわけでございます。そこでわれわれといたしましては、こういった瀬戸内海の場合は主として海の汚染というものが大きな問題でございますので、ただいまのような措置をとりながら、同時にあわせて油の汚染による被害防止対策についても十分な措置をとって、瀬戸内海漁業の振興を図ろう、こう思っておるわけでございます。  次に日本海漁業の問題でございます。これにつきましては現在私どもといたしまして、日本海では特に大和堆というのがございます。これはずっと石川から新潟の沖になるわけでございますけれども、船で行きまして大体一晩ちょっとかかっていくところでございますが、この大和堆というのが非常に日本海の大きな資源がある漁場でございます。そこで私どもといたしましては、新漁場の開発につきましては資源の開発センターというものをつくりまして、それでいろいろな新漁場の開発等をやっているわけでございますが、日本海につきましては本年も沖合い底びき網漁業について大和堆の周辺の資源の開発をやりたいというようなことを考えているわけでございます。  なお、具体的な問題として冷蔵庫のお話がございましたけれども、現在香住町については昭和五十年度から水産物産地流通加工センター形成事業が実施されておりまして、この事業の一環として、現地の要望のあった千トン冷蔵庫の設置について五十年度から補助金を出しておるところでございます。その他の城崎町あるいは浜坂町につきましては、ちょっと現地を私必ずしも詳細に知りませんけれども、地図の上で見ますとかなり接近しております。そこで産地冷蔵庫の場合には、つくった後の経営の問題もございますので、果たして経営的にどうなるかというような問題も城崎町、浜坂町についてつくればそういう問題もあるのではないかと思います。そこで私どもといたしましては、現地の要望があれば、現地の状況、周辺地域との関連等、十分検討いたしまして、必要があれば冷蔵庫の建設を助成したい、こう思っておるわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ぜひよろしくお願いいたします。  最後になりましたが、いまもお話が出ましたように、瀬戸内海に目を転じましたときに、どうしてもこれ以上環境悪化さしてはいけない、こういう問題点が出てくるわけでございますが、環境庁お見えでございますか——時間がございませんので、羅列しますので御答弁をお願いしますけれども、一つは瀬戸内海の環境保全に関する基本となるべき計画、この策定について。第二番目には、五十一年十月末に期限が切れる瀬戸内海環境保全臨時措置法の跡継ぎ法はどうするのか、これは前にも私は質問したわけなんですけれども。それから先ほど話が出ました赤潮防止対策、これはどの省庁も関係ございますからいろいろ力を入れていただいているんですけれども、なかなかその成果が出ておりません。環境庁として、どの部門にどういうふうにやるべきかということをあなたからぴしっと明示していただいたら時間がまだかかりますから、私もそういう線に沿ってどんどん動いてまいりますけれども、どことどこに問題があるんだと、だからそこにこういうふうに手を打たなくてはいけない。科学的にはいろいろと問題も出ておりますけれども、そういうことをあわせて御答弁をお願いしたいと思います。

小川洋二環境庁水質保全局調査官

○説明員(小川洋二君) まず瀬戸内海環境保全臨時措置法に基づいて策定されるべきこととなっております基本計画の策定状況でございますが、瀬戸内海法におきまして、水質の保全、自然景観の保全等に関して基本的になるべき事項について計画を策定しろと、こういうことになっておるわけでございます。一方、瀬戸内海環境保全臨時措置法は、同法の施行の日から三年以内に失効することになっておるわけでございまして、本年十一月一日をもって失効する、こういうことになっておるわけでございます。そういうことで、基本計画につきましては瀬戸内海の環境保全に関しますもろもろの施策を総合的に推進するための計画でございますが、瀬戸内海環境保全審議会にいま諮問を申し上げまして鋭意検討中でございます。  それから瀬戸内海法の期限の問題でございますが、実は瀬戸内海法に基づきます当面の措置とされております汚濁負荷量の二分の一カットの規制措置でございます。これは実は施行の日から三年の間に段階的に二分の一の目標値に到達すると、こういうことになっておりまして、各県が一生懸命いまその対策を講じているところでございます。そういうことからいたしますと、その目標を達成した時点で新たな制度に移り変わる、たとえばさらに排水規制が厳しくなる、あるいは緩くなるということはないんでしょうけれども、そういうようなことがございますと、まだその効果も確認していない、それから直ちに目標を達成してその効果も確認しないうちにこの制度を変えるということにつきまして行政上の混乱が起こるのではないか、こういうような関係府県の御意見もございまして、瀬戸内海法の主要な事項につきまして、なおしばらく継続すると、こういったようなことを基調といたしまして、いま瀬戸内海法の取り扱いを検討しているわけでございます。  それから最後に、赤潮の問題でございますが、瀬戸内海法が施行されまして、段階的に汚濁物質の負荷量をカットしてきているわけでございます。ただいま目標値に対して六〇%ぐらいの達成率になっておるかと思いますが、このような規制の効果を反映いたしまして、最近では工業地帯の地先の水域などでは非常に水質が改善されてきているわけでございます。  それからまた瀬戸内海を面的に見ますと、三・一ppm以上の汚れた海域、陸からの汚水の直接影響する水域かと思いますが、こういう水域におきまして水質の改善が進んでいるわけでございます。四十七年当時三ppm以上の汚れた海域が一三%も面積比率であったわけですが、五十年には五・三%に減っているというように著しく改善が見られるわけでございます。しかし御指摘のように赤潮の発生の状況を見ますと、四十八年ごろからやや頭打ちになったとはいえ、赤潮の発生の増加傾向が見られるわけでございます。その負荷量の汚濁物質の削減の措置に対応しまして、赤潮の発生に関連するかと思われます窒素、燐といったような栄養塩類の問題があるわけでございますが、これもCODのカットを反映いたしまして、最近では非常に窒素、燐による汚濁も改善されてきております。しかしながら赤潮の発生件数が減ってないという現実があるわけでございます。そのように赤潮と窒素、燐との関係がまだ明確につかめていない、まあ関連している物質であるということはわかっておるのですが、どういうふうに窒素と燐が働いて赤潮が発生するのか、あるいはどのぐらいの濃度になったら発生するのか、そういったようなことはわかってないわけでございます。  そこで環境庁といたしましては、瀬戸内海に入ってきます窒素、燐といった栄養塩類、それから出ていきます窒素、燐の量、こういったものを精査いたしまして、その過剰の分を何とかしたいと、こういうような目的の調査を四十九年から実施しているわけでございまして、その調査の結果を待ちまして早急に基本的な対策を立てていきたいと、こう考えておる次第でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま環境庁から御説明をいただきましたが、専管水域の問題、また将来の食糧事情、こういうようなことを考えまして、環境庁の占める位置というものは、責任というのは、国民の皆さんの前に非常に大事でございます。いま目標値の六〇%達成と、このように言われておりますけれども、どうか今後、質疑を重ねてまいりたいと思いますけれども、責任を持って各省庁に対して、瀬戸内海の保全と浄化というのは、やはり環境庁がバックボーンになっていただかないと、私も長い年数の中で瀬戸内をずっと見ておりました。花火のように言われることと現実の汚染の状態というのは、われわれが調査をしても違ってきているのです。どうか、いまあなたが言われましたことを私も信ずるわけでございますが、瀬戸内環境保全のためには全力を挙げて目標値達成のために努力をしていただきたいと思います。以上で終わります。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 最初に食糧庁関係にお尋ねいたしますが、食糧庁はよく御存じのはずでありますが、四十八年六月に例の丸紅が食管法違反でやみのモチ米買いをしたという事件。当時食糧庁は丸紅に対して米麦の輸出入業務の取り扱いを停止されました。私はこの決算委員会でも質問したことがあるはずでありますが、この業務停止という行政上の処分はどのような根拠で行われたのか、まずお聞きしたいと思うんです。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) お話のとおり四十七年から四十八年にかけましたモチ米の需給逼迫の際における丸紅のモチ米のやみ米事件につきましては、四十八年六月に起訴された段階におきまして、食糧庁といたしましては、輸入米の取り扱いにつきましては一年間、輸入麦の取り扱いについては三カ月の売り渡し申し込みの停止をしたわけでございます。これは御案内のとおり一元輸入と申しますか、許可制と一元輸入という外国産食糧の食管法に基づく権限の行使に際しましては、その具体的な運用のルールといたしましては外国産食糧買入要綱ということによりまして、諸般の違反事実に対する制裁というものを規定しておるわけでございます。その場合におきましては、食管法に違反して処罰されたときに初めてその量刑に応じまして、程度に応じまして処分をいたすということになっておりますが、実際問題といたしましては裁判の結審に至るまで時間を要する、その社会的影響も大きいということで、その結審を待たず行政上の措置といたしまして、ただいま先生のお話のございましたような措置をとったという経緯でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私はその量刑につきましてはまあ当時も少し甘過ぎるという意見を出しましたが、しかし一応そういう社会的な罪悪というようなことで、起訴された段階で、いわばこの要綱ですね、外国産食糧買入要綱というこの要綱の第19の4の(1)の項に当たるとみなして、いわば有罪とみなして停止処分をされたと思うわけでありますが、それはどうですか。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) 繰り返すようでございますが、外国産食糧買入要綱におきましては、まあ物価統制令とか輸出入法規とかその他もございますが、食管法につきましてもこれに違反して処罰されたときにいうことになっております。  で、結審をしたときにその量刑に応じて取り扱うということになっております。ただし与えた影響が非常に大きいということで、それを待たずに行政措置としての処分を行ったということでございまして、まあ私どもは告発をいたしましたし、司法当局も捜査の結果起訴したわけでございますので、それなりの事犯はあるというふうに思っておりますけれども、最終的にはこれは裁判上の結審を待って決まる問題だというふうに思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私が量刑と言ったのは、裁判の量刑ではなくて、食糧庁がおやりになったその処分ですね、その期間のことを申し上げたんですけれども、とにかくその意向はわかりました。  ところで改めてお伺いしたいのは、今年度の米麦輸入業者の指定が先般行われましたね、四月に。これは新聞などに発表されておりますが、全部で二十九社でありますか、二十九の商社が指定されましたが、その中にやっぱり丸紅が入っておるというふうに私どもは理解しておるんですが、そのとおりですか。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) 先般の、毎年一回行います米麦の輸入業者の登録の適格確認におきまして二十九社を、従来の二十九社をそのまま適格として認めたことは事実でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 この米麦輸入業者の指定というのは恐らく外国産食糧輸入業者登録規程という規程によって審査され決定されたものだと思うんですけれども、その点はどうですか。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) お話のとおりでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうしますと、この外国産食糧輸入業者登録規程によりますとこういう規定がありますね。第五条の三であります。この規定によりますと、食糧管理法もしくは物価統制令違反の行為により処罰を受けたことがなく、かつ米穀もしくは麦の輸出入に関し、その他の輸出入統制に関する法令違反の行為により処罰を受けたことがないことという条件がついておるわけですね。ところが丸紅は四十八年のモチ米のときに、とにかくあれをやって、そして食糧庁がとにかく告訴告発をし、そして行政上の処分もされた、こういうことなんですね。そうしますと、先ほどお聞きしたのはそういう意味でお聞きしたんですけれども、とにかくああいう社会的な悪いことをした商社と、だから行政処置をしたというこの筋と論理的に一体矛盾が来るんじゃないかと私ども考えるんですけれども、その点はどうですか。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) 私どもが四十八年に行政上の措置としていたしましたのも、外国産食糧買入要綱、これが登録そのものについて規定しておりますただいまお示しの外国産食糧輸入業者の登録規程、その規程におきましても食糧管理法に違反して処罰されたときという裁判上の制裁ということでなっておりますので、それを待たずに——それを待つのには相当の時日を要するということで行政措置をとったわけでございまして、この登録規程におきましても食糧管理法に違反して処罰されたときということでございまして、その点については一貫していると思います。行政措置ではなくて、食管法に違反して処罰されたときということでなっておりますので、それに基づいた措置をしておるということで、私どもとしてはその点は一貫しておるというふうに思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いや、そこなんですよ、さっきのときは起訴をされた段階でこの要綱の第19の4の(1)の「食管法若しくは物価統制令違反の行為により処罰されたとき」は登録の取り消しなど必要な措置をとるというこの規定を運用をして行政処分をされたわけでありますから、今度の——そのときはもうとにかく起訴されたという段階で処罰されたんじゃないけれども、とにかく処置をしたと、行政措置をしたと、しかし今度は処罰がないから構わないんだというのはどうしても矛盾じゃないですか。

大河原太一郎食糧庁長官

○政府委員(大河原太一郎君) お答えに言葉が足らなかったかと思いますけれども、四十八年の六月の措置は外国産食糧買入要綱の第19に基づきますと、食管法に違反して処罰されたときと、結審を待たないとこの第19に定めるペナルティーをとれないと、決まらないと。したがって、それを待たずに別途食糧庁としてはその食管法の十一条、その他それぞれの権限を輸入食糧の面で持っておりますので、行政上の措置としてこれを行ったわけでありまして、その辺、買入要綱に基づかないで別途とりあえず行政上の措置をとったということでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 別途その行政措置をとったと言うんだけれども、やはりあれだけの悪いことをした商社ですから、これは外国産食糧買入要綱というこの要綱を運用してそういう措置をとられたというふうにわれわれは理解しておる。ところが今度の場合にはこの法規どおり、言葉どおり、とにかく処罰がされてないんだから言って否定する。むしろ私は逆じゃないかと思うんですね。とにかくああいう停止をするということは、もう社会的に大変大きな打撃ですよ。それまでやっていながら今度は輸入の指定業者という点ではとにかく大変甘くなってくる。これはむしろ私はその法の運用、法令の運用が逆でなきゃいかぬと思うんです。そういう意味で、この解釈論を私はここでやろうと思っているわけじゃないんで、とにかくいまの時点で——あのときはまだロッキードは出ていませんでした。いままさにロッキードで日本じゅうがひっくり返るような騒ぎになっている、その張本人ですよ、丸紅といえば。その商社に対して食糧庁が堂々と業者の指定をする。これは社会的に見てもどうも納得できない。  ですから社会的にも、いろいろおたくのところへも労働組合なんかが指定を取り消せというようなことを食糧庁に押しかけていっているようですけれども、社会的な常識から言えば、ロッキードをやった、あの黒いピーナツをやった丸紅が堂々と大手を振っている。これに対して食糧庁、農林省は全く何ら考えようとしないでこの指定業者の指定をしたということはどうしてもおかしいと思うんですよ。それはあなた方は法律の言葉の解釈をすれば言い逃れると思っているかもしれないけれども、私はそんなものじゃないと思うんですね。それだったら、なぜあの四十八年にああいう厳しい措置をしたかということも逆に聞きたくなる。どうですか。ですから私お聞きしたいんです。大臣、体が悪いから休ましてくれというんだが、これだけ一つ答弁してください。私はこういう状態の中ではこの指定を取り消すということが正しいんではないかと。いま農政に対する——農政だけじゃない、政府に対する政治不信というものが大変あるときに、やはり政府がみずからこういうことをやっているようでは政治不信を払拭するなんてできるものじゃないと思うんですよ。だからこういう矛盾はやはりはっきり解決する、そういう立場で——先月指定はされたようだけれども、過ちを改むるにはばかるなかれでありますから、ひとつ勇断を持って取り消したらどうかと思うんですが、どうです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま食糧庁長官が説明をいたしましたように、四十八年にモチ米事件で問題を起こした。しかし、その問題を起こしたということに対して処罰をする場合は、裁判によって有罪ということが決まったとき食管法に基づいてこれは処罰をするたてまえになるわけでございますが、しかし当時丸紅がモチ米事件を起こして、そして非常に世間を騒がして起訴をされたと、農林省も告発をしたということでございますので、これは裁判をやってその結果を待ってということではなくて、当時の情勢から見て、これが何らかの、やはり結審はなくても商社の姿勢を正すという意味において行政処分をすべきだということで、これは行政処分ということで結審を待たずしてやったわけであります。したがって、いま裁判が続いておるわけでございますが、その裁判の結果有罪ということになれば、これはその段階においてまた考えなきゃならぬことはもちろん当然でございますが、まあその後の食管における輸入業務につきましては、その後は姿勢を正してやってきておるということでありますし、ロッキード問題で大変な社会的な問題が起きて、その元凶であることは間違いはないわけですが、しかし食糧の輸入業務等につきましては、これはきちっとやっておるわけでございますので、われわれとしてはこの点については、もちろん裁判は続いておりますし、有罪になればこれはやらなきゃならぬのですが、まあ私たちはこれはロッキード問題とは別に、食糧の輸入問題に関しては食糧庁としても何らあれはないということで、これを続けるということにしたわけでありますが、しかし行政措置としては先行してやったことは、これは御評価をいただきたいと、私はそういうふうに思うわけです。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 もう一問。どうも大臣のその答弁には私納得できません。だってあんた、あれだけのことをやって、そしてロッキードはやったけれども米の方はちゃんとやっています——なるほど輸入の点ではまだ何も出てないかもしれないけれども、やみのモチ米やっていま裁判になっておるということは、これも事実だし、もういわば重犯というか累犯というか、大変悪質な商社ですよ。ですからそういうものに対して輸入をするのはあたりまえだみたいなことでは、これは世の中通じませんよ、そんなこと言ったって。だれが見たって納得できませんよ。米はみんな日本人、国民が全部食っているんですから。その米が丸紅の手で堂々と輸入されて農林省がそれを認めているんだなんていう、そういうことでは国民感情からいって私は納得できない。したがって、いまここで大臣にすぐ取り消せとは私は無理な注文だろうと思う。少なくともこれは検討すべきであると。もちろん裁判の判決があればあたりまえですよ。こんなことは理屈言われなくたってみんなわかっている。ちゃんと法規あるんだから。しかし少なくとも前例もあり、つまりモチ米のときにああいう行政処分をしたという農林省実績がある。私はその実績は大変貴重な実績だと思うんです。ですからそういう観点に立って、この指定をさらにもう一度検討するというぐらいは私は言うべきではないかと思うんです。どうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林省は先手を打って制裁を加えたわけでございまして、それによりましてその後の状況を見ると、順調といいますか、適切に業務を行っておるということでございますから、これはもちろん裁判が進んでおるわけでございますから、その結果を待ってまたさらに決断をしなきゃならぬわけでございますが、丸紅だけがすべて食糧を輸入するわけじゃなくて、各商社がそれぞれのシェアに応じてやるわけでありますし、ここでとにかくしょっぱじめにもう厳しい制裁をしているわけですし、ロッキード問題という不詳事件がさらに起こったわけですけれども、それに関連をして輸入業務が正当に行われているものまでこれを締め出すということについてはいかがなものかと私は思っておるわけでございますが、しかし、これからの姿勢等も十分見守りながら、もし問題を起こすというふうな可能性があれば、これはもう断固として処分をしなければならぬ、こういうふうに考えます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 せっかく大臣も少し考え始めたようだからひとつ、とにかく国民が注視していますからね、これは。いいですか、だれも忘れてはいませんよ、農林省がこういう指定をしたということは。新聞に出ているんですから。みんなあっと驚いている。そういう状態ですから、これはひとつ農林省として本当にまじめに真剣に考えてもらいたいと思うんですね。私は共産党だからこんなことを、いやみを言うんじゃなくて、いわば国民の代表として私は農林省に申し上げているんですから、その点はひとつ考えていただいて、まあ大臣体悪いからしばらく休んでもいいです。  そこで、そういうことで時間ばかり食ってしまいますから、次に水産庁にお伺いします。水産庁はきのう農林水産委員会で例の漁業三法もやりまして、今日の日本の漁業が大変重大な局面に直面しておるということについていろいろ論議がされました。ですからそれはもう申し上げません。そこでお伺いしたいのは、とにかくいままで日本の高度成長政策の結果ずいぶん沿岸漁業が荒らされてきたことは、これはもう事実でありますが、一体このいわゆる漁業被害の実情というものを農林省はきちっとつかんでいらっしゃるのかどうか。一つはつまり油の流出とか、そういった突発的な被害ですね。これによる漁業権の被害というものもあります。それからもう一つはコンビナートであるとか、あるいはいまやっております本四架橋、ああいう建設事業ですね、国土改造事業、いわゆる列島改造、そういう工事による被害というものもこれまた相当なもんだと思うんですよ。そこで一体、この二つの種類の原因によって漁業権が消滅した状況というものはどのぐらいあるのか、その辺のことをまず聞かしていただきたいと思うんです。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) まず最初に、突発的な漁業被害の発生状況でございますが、都道府県からの報告によりますと、昭和四十九年度の海面における突発的な漁業被害は、発生件数が二百三件、発生額が二百七十八億三千四百二十四万円になっております。で、この被害の発生源別に見ますと、油によるものが九十一件で二百五十八億二千八百万円。油、赤潮以外によるものが八十二件、十九億二百九万円。赤潮によるものが三十件、一億三百八十二万円となっておりまして、油によるものの被害発生額が全体の被害額の九二・八%を占めておるわけでございます。これは昭和四十九年十二月十八日に発生しました三菱石油の水島製油所からの流出油による漁業被害発生額が二百十二億三千万円余に達しまして、最大の被害が発生したためでございます。このうち原因者が不明な被害は七十五件、十二億千六百五十万円でございます。  このように、漁業につきまして突発的な漁業被害が起こっておるわけでございますが、これらのものがすべて漁業権の喪失に結びついておるわけではございません。そこで漁業権の喪失の場合についていろいろまあ補償等があるわけでございますけれども、私どもといたしまして、まあ民事的な問題として処理される場合もかなりございますので、正確な数字は把握しておりません。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私がお聞きしたいのは、農林省は口を開けば、いまの国際情勢、その他石油ショックの価格の問題なんかを理由にして、だんだん遠洋はむずかしくなると、したがって沿岸、沖合い漁業を見直さなければいけないと、そのための施策をしなければならないということを盛んに言っていらっしゃる。それはそのとおりなんで、それは間違いはないと思うんです。ところがいまお聞きすると、やはり漁業権が一体どうなっているのかという実態を必ずしも正確に把握してないというのは私は怠慢だと思うんです。口先では大変りっぱなことを言う。しかし具体的に、漁民が魚をとる、その漁業権がどのぐらい喪失してどうなっているかということは行政上きちっとつかまれてないということは、私は大変問題だと思うんですね。これは沿岸漁業等振興法などを見ましても、こういった点では防止をしなければならないということは法律上にもはっきり規定されておるわけでありますから、そういう点で大変遺憾だと思うんですが、具体的にお聞きします。  先般香川県で、例の向かい側の岡山の水島の三菱石油重油流出事件、これに伴って香川県が大変大きな被害を受けたと。その場合の補償金について、これはもう大変地元では問題になっておりまして、いろいろ補償金の配分をめぐる疑問というものが、疑惑というものが起きまして、そしてついに香川県の県漁連会長であった浜野という人などが業務上の横領で起訴をされるというふうな忌まわしい汚職事件がありました。これは一例でありますけれども、こういうことが非常に方々にあると思うんですね。その原因が主としてやはり水産協同組合の運営などが大変うまくいってない、大変ボス的で秘密主義で、漁民に、組合員にはっきり報告もされないと、何となくポケット、どんぶり勘定で入っていくと、こういうことだと思うんです、真相は。  そこで、この香川県の場合には、鴨庄という地域の一単協が疑問を持って、もっとはっきりしてくれ、幾ら補償金が来たのか、配分がどうなっているのかということについて組合員が組合長に尋ねると、そんなことを言うやつは除名だというようなことで、大変脅迫的なことを言って、それでなかなか事態が解決できなかった。で、香川県のこの方々が一月ですか上京されまして、わが党の代議士の立ち合いで長官にもお会いしたと思うんですが、その節長官は、こういう漁連の補償金の会計について監査する意向が述べられたようでありますけれども、それはその後どういうふうになっておりますか、それをお聞きしたいと思うんです。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) ただいまの御質問にお答えする前に、漁場の喪失面積の問題でございますが、これは先ほど御答弁いたしましたように、毎年毎年把握はしておりません。しかし、いわゆる漁業センサスをやる場合にはこの面積も把握しておりまして、昭和三十八年から四十七年までの間において埋め立て面積が三百三十九平方キロメートルと、そこで漁業権の放棄面積は八百一平方キロメートルとなっているという数字はもちろん把握しているわけでございます。ただ毎年毎年幾らということは、残念ながら漁業権の放棄面積を把握しておりません。  次に、ただいま御質問のございました鴨庄の漁協の問題でございますが、これにつきましては監査をいたしました。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 その監査結果はどうでしたか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) やや具体的でございますが、具体的に申し上げますと、香川県の行いました検査の結果は次のとおりでございます。「元組合長小松春秋が、総会の承認を得ずにヤマハ発動機株式会社に対して行った漁業権漁場の水域占用同意は、総会の議決事項であるという指摘に対しては、県は、当該水域は第二種共同漁業権漁場の区域内であるので、当然総会の承認を要するものと解する」というふうな見解を出しているわけでございます。この県の見解に基づきまして、組合では二月二十九日の通常総会において承認しております。  次に、「かき養殖業を営む権利の金銭譲渡は、漁業権行使規則違反であるということに対しては、既着業者の養殖規模の削減に対し新規着業者が既着業者に対して減棚補償金を支払ったものであり、漁業を営む権利の金銭による譲渡とは言えない」と県は見ておるわけでございます。  それから「志度湾埋立事業に関する協定書中、前組合長であり、かつ、真珠島養魚株式会社の代表取締役である小松春秋が両者の代表となっていることは、水協法第三十七条の理事の自己契約禁止違反であるということに対しては、小松春秋の他に監事三名の同意書があるので、鴨庄漁協の同意があったものということができる」というふうに県は見ております。  次に、「のりの漁場割りは、毎年抽せんにより決定すると漁業権規約に規定しているにもかかわらず、選考により漁場割りを決定していることは、同規約違反ではないかという指摘に対しては、組合では、先ず部落ごとに漁場を分け、各部落ごとにそれぞれの漁場内で毎年抽せんによって個人の漁場割りを決めており、漁業権規約に違反しているとは言えない」というふうに県の指摘に対して組合側は回答しているわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 その監査報告は後でいただけますか。いま時間がなくてとても全部お聞きするというわけにいきませんが、それはどうでしょう。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 従来水産庁といたしまして監査報告は外部に出しておりません。しかし、この事件につきまして概要を先生に御説明するということはできますけれども、正式に監査報告書を出すのは御容赦願いたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 わかりました。それは後でひとつまた連絡しましょう。  そこで、この漁業補償金の配分につきましては、四十五年の十一月に水産庁の漁政部長から通達が出ておりまして、これはまことにもってあたりまえのことが書いてあるのですが、もう当時からその点では配分というものは、「明確な配分の基準により配分額が決定されたものであること、公平かつ適正なものであること、組合員の納得が得られたものであること等が必要な要件であると考える。」こういうことがすでに言われておったんですけれども、現実はなかなかそうでなくて、どこもかしこもみんな問題を抱えておると、こういうことで香川県の場合も私どもが入って聞いてみますと、県の漁業担当者などがあれは死文なんだと、水産庁もそれを認めているんだというふうな言い方なんですね。これは大変けしからぬ話で、通達が役に立たないんだと、それをお互いに水産庁認めているんだなんていう、こういうばかばかしいことが現実にあるんですよ。ぼくはびっくりしました。  それで、それならもう一歩進めてもっとはっきりした基準を出すべきではないかと、こういうふうに考えておったわけですが、問題は例の百二十三条ですね、水産協同組合法の百二十三条、この解釈をめぐってずいぶん補償金の配分が組合の業務であるかないかというふうなところにひっかかって、従来はまあ業務でないというふうな見方があって、したがって、それはもう全く組合員に任せられているんだというふうな解釈だったようでありますが、この点がやはり一つ大きな問題でありまして、今回はその点では改めて通達が出されたようでありますが、その点は、やはりこういうことは組合の業務であるという点ではっきり確認してよろしゅうございますね。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 漁業協同組合が漁業補償交渉の実施、補償金の配分を行うことは漁業協同組合が社会的に存在している公益的な組織体であって、さらにその設立目的及び事業から考えて、一定の条件のもとでは漁協の業務に含まれるものと考えております。すなわち漁業協同組合が補償交渉、補償金の配分をその業務として行うに際しましては、補償の対象となる漁業の種類、補償の目的等によって必要な手続が違いますけれども、組合員が漁船漁業等、漁業権に基づかずに行っている漁業が被害を受けた場合には当該組合員から漁協に対する委任行為が必要となるわけでございます。また漁協自身がその有している漁業権に基づいて自分が漁業をやっている、その漁業が被害を受けたというような場合には、漁協みずからの判断によって漁協が補償交渉に当たることになるわけでございます。  さらに漁協の有している漁業権に基づきまして組合員が行っている漁業が被害を受けた場合においては、これが一番多いわけでございますけれども、一律に論ずるわけにはいかないわけでございますが、今日の漁業権、漁業の実態、漁協の実態等から見て通常組合員からの委任に基づき行うこととなりますが、漁協の地区と当該漁業権の関係地区が一致しておりまして、組合員の大多数が漁業権漁業に従事して漁協が漁業権の総有的な主体としての実体を有しているような場合には、組合員からの委任を受けなくても補償交渉が行えるというふうに考えているわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 とにかくせっかくこういうものも改めて出ましたので、これはひとつぜひこの前の通達のように死文化しているのだというふうな形にならないようにこの運用は正確にやっぱり下部まで徹底さしていただく、これがやっぱり非常に重要じゃないかと思うんです。通達は出たわ、これはたなに上がっていたというのでは、これは意味はありません。せっかくこれまで出たのでありますから、これをひとつぜひ実効あるものにしていく努力をしていただきたい、こう思うんです。  そこで時間も私はありませんので、この問題でもう一つお聞きしたいのは、きょうは本四架橋公団の副総裁ですかが見えておられるはずなんでお聞きしたいんですけれども、この間地元からお聞きしましたら、今度の本四架橋に基づくこの漁業補償問題、これが起きておると、そしてまあ近く——近くですか、きょうですか、何か調印されるというふうな段階になったようでありますが、ところが公団側が補償額の公表は差し控えてほしいということを強要されて、県知事はもうずいぶんいろいろ交渉したそうだけれども、公団側がこれをはねつけて公表させないでいると、こういうことが地元から私のところに報告がありましたが、一体これはどういうことになっているのか。いまお聞きになったとおり、農林省、水産庁は積極的にこれは組合の業務としてきちっとやるべきだということになって、先ほどの三菱の石油事故の補償は公表されているわけですが、公団側の今度のこの補償はこれはむしろ国費でやっている補償です。前のは三菱石油の補償金です。国がやっている補償金の配分をいわゆる秘密主義の枠の中に閉じ込めようとしているとすればこれは問題だと思うんですが、その点はどういうふうになっておりますか。

柴田護本州四国連絡橋公団副総裁

○参考人(柴田護君) 私どもの工事に関連する漁業補償の問題は、私どもはその補償業務を府県に委託をしてやっていただいているわけでございます。それはやはり一番県内の事情というのをよく知っておられるのは県当局でありますので、私どもが直接交渉をするんではなくて、むしろ担当のその関係の事情に明るい府県当局に補償の事務を委託をしてやってきた。いままで大鳴門にいたしましても、因島にしましても、大三島にいたしましてもそういう方式でやってまいりました。  そこで御質問の趣旨がちょっと私にはわかりかねるのでございますが、補償交渉の妥結に、その補償交渉を具体的にやっておられるやり方につきましては、先ほど来お話がありましたこの水産庁から出ております通達に従ってやっておられるものと私どもは考えております。しかし私どもが聞いておりますのは、補償金の総額とか個々の額とかいうものを公表しろとかしないとかいう問題が一部関係漁業者以外のところから出ているということを聞いておりますけれども、元来は補償に関する問題は漁業者個人の所得に関連する問題でもございますので、個々の配分の基準その他は別といたしまして補償金額そのものにつきましては公表をしないというたてまえでずっといままでやってきているわけでございまして、それは今後においてもその方針でいくつもりでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 それはどういうことですか。いまちゃんと水産庁がそういう漁業補償のやり方を、今度は改めて通達まで出して、二回にもわたって通達が出ていると。そういう場合にもちろん漁協とすれば公表すべきなんですが、それを公団側が圧力をかけて公表させないようなことになったらこれはこういう通達違反ということになるじゃないですか。

柴田護本州四国連絡橋公団副総裁

○参考人(柴田護君) 私どもはその漁業補償の仕事を、事務を委託しておるんでありますが、どうしてもその漁業補償の結果というものを公表するということは、むしろその結果だけが問題になって、その積算基準その他につきましては問題にされぬ場合が多い、ということは、かえって平穏に進行されておる漁業協同組合ないしは水産者の中に無用の紛議を巻き起こす、むしろそういう意味合いから別に公表する必要があると私どもは考えておりませんので、公表しないたてまえできておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 それはあなたどういう出身でいらっしゃるかわかりません。あるいは役所からの出身かもしれませんが、お役所というのはとかくそんなふうな考え方でいままできたんですよ。ですから末端へ行きますと、もうどこもかしこもこういう問題で紛争が起きてくると、そういう古い考え方でおやりになっているんだったらこれは問題ですよ。いまそのために私は水産庁に貴重な時間を使っていろいろ質問をしているわけなんで、これはひとつよく水産庁から聞いて、やり方をお聞きになって、そしてそういう考え方を改めてもらわないと、これは大変な問題になりますよ。私はもうここであなたの言うこと認めませんから、これは徹底的に追求しますよ、そんなことやっているんだったら。(「そんなやり方って許されないよ。」と呼ぶ者あり。)そうですよ。いまどきそんな官僚的なあれで事を糊塗しようなんで、しかも本四架橋なんというでかいプロジェクトをやろうというその責任者の方が、そんな考え方だったら問題です。これはこれからの問題に残しておきます、私は。いまここであなたと論議しても時間ばっかりとりますから、その点はよく頭の中に入れて帰っていただきたいと思うんです。  そこで最後に一つ、先ほど志苫委員がいろいろ農林省に聞いた例の新潟県の福島潟の問題であります。私も先ほどの質疑、答弁を聞いておりまして、農林省の答弁はどう考えたって納得できないですよ。四十一年度から五十年度の事業計画は五十年で一応完了しておると、これはだれが見てもそうなんですね。農林省自体が佐藤隆委員の質問に対して構造改善局次長がはっきり答弁しているんですから、今年度中に完了の予定だと、三月四日、しかも現地では昨年九月完工式までやっておる。この完工式もとにかく大臣の代理まで出ているんでしょう、これは。わかっていますか。構善局の開発課長、当時ですよ。池本寅夫という課長が大臣の代理として出席している。北陸農政局長以下ずっと幹部、それから国会議員も多数。稻葉修法務大臣の代理まで出ておると、こういう盛大な完工式をやって、それでなおかつ、いや、あれは完了してないんだと、追加工事をやっているんだと、これは通りませんよ。  そこで、そういうことを先ほどの答弁と同じことを聞いても意味ありませんから、それはおきますが、一つ私がお聞きしたいのは、この予算の問題です。どういうふうな形で本年度の事業をおやりになろうとしているのか。先ほどの報告ですと四千二百五十万円、それで土壌改良をやったり展示圃をつくったり暗渠排水をやると、雑木の根っこ抜きもやるんだというふうなことで四千二百五十万円がというふうな話なんです。そうして会計検査院は、いわゆる明許繰り越しだと、こういうふうに言っておられたんですが、どうも私はこの予算の組み方がよくわからない。一つは五十一年度の農林省の予算の明細書、これを見ますと、七十二ページですが、直轄干拓事業費というのは継続として八地区と書いてあるんですね。八地区といいますと、これはもう時間ないから私の方から説明しますけれども、いままで継続していた八地区であって、福島潟はこの中に入ってないんですよ。福島潟を入れれば九つになるんです。だからこの農林省の予算書では明らかに八地区としかない。明細書には福島潟は入ってないんです。ところがこっちの五十一年度特別会計予算の方を見ますと、いわゆる繰り越し明許費の中を調べてみますと、これは五十一年度ですから十地区になっているのですが、有明・福富はこれはもうすでにことしは完了していますから、結局福島潟だけが残っているわけです。こっちの方と、こっちの農林省の予算の明細書は違うのですね。そこでこの福島潟の予算というのは、繰り越し明許費の中で、この事業四千二百五十万が組まれているということはわかるのです、それは。わかるのですが、しかしそのことをまずひとつお聞きしましよう。そういうことですな。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 先にちょっと竣工式の関係のお話がございましたのでお答えしておきたいと思いますけれども、確かにこの福島潟におきましては、昨年の九月二十八日に農林大臣代理である御指摘の構造改善局の開発課長も出席いたしまして実施いたしておりますが、こういう例は決して少ないわけではないんです。過去五カ年間におきまして国営事業は大体二十五地区完成いたしておりますけれども、そのうち十一地区は終了年度以前に完工式を行っている実績があるわけで、やはりこれは地元の要請が強くて一日も早くしたいということもありまして、これは大体完工式というのは国がやるのではなくて、地元の方々がおやりになるわけでございますけれども、そういう事情もあって行われたということを御了承いただきたいと思っております。  それから予算の関係は、これはほぼ先生の御指摘のとおりでございまして、福島潟につきましては、新規に予算を計上する地区ではなくて、これは五十年度の予算のうち、一部である四千二百五十万円を繰り越し使用をするということになっておりますので、予算書等はそういうふうに処理になっていると考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ところが、この明許繰り越しによるこの事業というものは、調べてみましたら全く異例なんですね。ここ数年間こんな事件というのはたった一件しかなかったんですよ。それもこれは東北・駒ヶ岳開拓事業ですか、これは大変用地の補償なんかで理由があっておくれておるので、これは納得できるんです。ところがそれ以外には一件もないんです。福島潟のような例というのはないんですよ。工事が一応完了している。後は何か土壌の改良をやるんだなんという、こういう明許繰り越しによる事業の継続というのは一件もないはずです。それはおかしいと、こうなりますよ。何のためにこんなことやるんだということになるんです。そのことが一点と。それからこの明許繰り越しというのは、一年間だけしかやってはいけないと、こういう規定がありますね、財政法上。もしこれに違反したら財政法違反になりますから、これはできないはずだ。そうしますと、ことし、つまり五十一年度中に工事が終わらなきゃならないという理屈になるんですが、そういうふうに理解してよろしょうございますか。五十一年度中に工事は完了すると。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 第一の御質問の、国営地区の完了年度に事業費を翌年度に繰り越した例は一件ぐらいしかないんではないかという御指摘、確かにいまお話しの駒ヶ岳の農用地開発、これは四十九年度のところを翌年に繰り越してありますが、それ以外にも、たとえば、これは特別会計でございますけれども、有明干拓の福富工区、これは五十年度のところを五十一年度に繰り越してございますし、古いところでは西津軽の農業水利事業で、四十三年のところを四十四年に繰り越している、それから泉田川の農業水利につきましても、四十二年のところを四十三年に繰り越しているという例が、そう多くはございませんがあるわけでございます。それからおっしゃるように今年度に繰り越しておりますこの福島潟の四千二百五十万円は、これは今年度中に消化といいますか、事業を実施する予定でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 だから今年度中と言うと、ことしで工事を完了すると、こういうふうに理解していいわけですね。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) いま御質問が、四千二百五十万円は翌年度に繰り越すのかという御質問でございますので、四千二百五十万円は今年度中に事業実施をするというふうにお答えを申し上げたわけでございまして、私どもはやはりこの事業をやってみませんと、この地区が畑作営農に完全に適するように整備されたかどうかという判定は、事業完了後でないとわからないわけでございます。その段階におきまして、さらに追加工事が必要であるかどうかということを考えまして、追加工事が必要であるならば、これは別途措置をしなければならない、これはまた別の問題であるというふうに思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 つまりことしの結果を見なければ来年のことを判断ができない、工事の完了はまだ結論が出ないと、こういうことなんですが、そうしますと、来年度もし工事継続するということになりましたら予算措置はどういう形でおやりになるんですか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 必要とする工事の内容がどういうものになるかということが確定いたしませんと、どういう形で予算を要求するかということは決まりませんけれども、ともかくもこれはもし必要とするならば、新しい事業を起こすということになろうかと思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうだと思うんですね。新しい事業という形でなければ予算がとれません。とにかく二十三億を使い切っちゃったんだから、二十三億四千二百五十万。繰り越し明許費がもう使えないんですから、まあそういうことになると思うんですが、そこで私はお聞きしたいんですが、もしそういう新規の事業をおやりになるということになれば、話は全く別なんだと思うんですね。とにかくこの干拓事業は一応終って、そして所有権も移って、また新規、こういうふうにやろうじゃないかという話し合いで初めて新規の事業計画ができてくる、予算もつくと、こうでなければ、ずるずるずるずるやって、相撲のたとえで言えば、負けそうになったら土俵をどんどん広げてくるみたいなそんなルール違反はできませんよ。そういう意味では、私はとにかくいまいろいろあれだけ問題になっている、まあ農林省の意向は大体こっちとしてはわかっているんだけれども、とにかくまあそういう四千二百五十万。土壌改良だ、暗渠排水もやらなければいかぬと。それはそれの一つの理屈でしょうから。それがしかし済んだら、少なくとも工事完了を大臣は告示して所有権を移す、この土地改良法の九十四条によってはっきり処置しなければいけないと思うんですが、そういうふうにはっきり理解してよろしゅうございますか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 私どもももちろんこの四千二百五十万円を使いまして予定している工事が完全にでき上がれば、この福島潟干拓地は現在におきましては畑作営農に適するように条件が整備されるものと思っておりますけれども、ただやはりやってみませんことには、その成果のほどはわからないという面もございます、これは。したがって、いますぐ四千二百五十万円の事業でおしまいだ、それが終わればこの干拓については事業完了であるというふうに言われましても、やっぱり完了してみませんことには、追加工事が必要であるかどうか、これはまだ断定はできないというふうに思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 だから言うのですがね、追加工事ということになれば新規事業ということになるわけです。だったらやっぱり今度のこの干拓事業は一応終止符を打って所有権を移すと、そうするのが筋道ではないかと思うんですよ。ただ自分の都合で、いやまだ継続するんだ、だから土地の使用は禁止するんだというふうな、それは今日の民主主義の時代には通用いたしませんよ、幾ら政府がそんなこと言ったって。そしたらますます問題が大きく広がるだけでしょう、恐らく。これはもう政治的に大変マイナスですよ。あんなこと農林省だって喜んでいるわけではないでしょう、ああいう事態というものは。去年の魚野川の東部開拓の事業の場合でも同様でした。ですからこういうことをいつまでも繰り返すんでなくて、やはりまず筋を通して所有権を移すと。その上で話し合うと。さっき大臣も話し合い論を大いにやっておられたけれども、やっぱり筋道を通した話し合いでないと、これは形式上口先だけになりますよ。その点大臣、私の時間もう終わりましたので、最後一つお聞きして終わりたいと思うんです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 福島潟の問題につきましては話し合いで円満に解決するということを原則にいたしまして、あくまでも筋道を通して、工事が完工したら所有権を移すということでございます。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 競馬はいまやギャンブルというよりも庶民のレジャーとして定着しつつあるように思いますけれども、しかし残念なことに競馬の周辺にはいつも暴力団関係の不明朗な要素がつきまとっている。中央競馬においてもそのとおりで、ここを問題にしたいと思います。  まず競馬の予想新聞ですが、いま関東だけでも専門紙と称するものが十紙ありまして、これが協会をつくっている、ほかに三紙もありまして、合計十三の予想新聞が、これも発行部数は全国的に非常な数に上っておりますけれども、さてこの競馬予想新聞の中には、例の児玉の児玉カンパニーの予想新聞もありますし、それから直接児玉が関係していなくても、児玉系の人物ないしは児玉人脈の中でかなり重要な地位を占める人物などが社長あるいは役員というものをしている。いわば競馬の予想新聞は児玉人脈が牛耳っているといっても過言じゃないと思うのですね。こういう事実はもちろん競馬会の方もうすうす御存じだと思うのですが、どうでしょうか。

小沼勇日本中央競馬会常務理事

○参考人(小沼勇君) 専門紙につきましては、関東が十社、関西が六社、それから新聞社が出版しております競馬特別版が三つということでございますが、その社名なり代表者名はわかっておりますが、その背後関係については、私ども存じておりませんです。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 まあ調べなくてもこういう新聞の協会が中央競馬会の中に事務所があるわけで、まあしかし直接関係ありませんから、だれが経営者であってもちっともかまわないと思いますけれども、まずこれら予想新聞について、値上げをめぐる値動きのおかしいことを指摘したいと思います。たとえば昭和四十八年に、それまで百円だったものが四十八年四月二十一日を期して百五十円になる。これは全紙一斉に足並みがそろって値上げですね。それから続いてことしの三月になりまして、百五十円だったものが今度は二百円に上がる、これまた十三の新聞がぴったりそろって一斉に同時値上げということで、実力者の威令が非常によく行き渡る業界なわけですが、公正取引委員会にお聞きしますが、競馬新聞などに目を光らせている余裕は、公取も忙しいですからないであろうとは思うんですが、私いま言ったとおり、競馬の予想新聞が十年間に五十円、七十円、八十円、百円、百五十円、二百円と値上がりしてきましたが、いつもこの業界紙足並みそろえておりまして、これは談合して値上げをしているというふうに私は思っているんですが、公取ではこの値上げの推移については、当然、もう御存じでしょう。

野上正人公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(野上正人君) 昭和四十三年ごろですか、その当時が五十円、それからその次が七十円、百円、それから四十八年四月二十一日に百五十円に値上げした、それから本年三月の六日に二百円に値上げしております。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 ですからこれが業界紙全部が同時に一斉に値上げするということで、明らかに価格カルテルの形成であって、このようなたかが競馬予想新聞ですが、やはり独禁法にひっかかると、こう見ているわけですね。この予想新聞の業界というものは、価格による自由競争を阻む何かがあるんだろうと、こう私は思っておりますので、公正取引委員会の意見と、それからこれをどうなさるお考えか、あわせてお聞きしたいと思います。

野上正人公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(野上正人君) この値上げが同業者間、競馬新聞の経営者間の話し合い、あるいは日本競馬新聞協会の決定というものがあれば独禁法上問題になりますので、その点、違反事件の端緒として検討いたしたいと思っております。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 それはもうぜひ調べてほしいと思うんです。なぜならば、この競馬新聞、いま二百円ですが非常に高いんですね。百五十円から二百円に値上げするといっても、別にこれは一般の日常必需品じゃありませんから、そんなにうるさく言う人もいないんですが、事実高いことはもう間違いないんで、その高い原因にいま私が指摘したような価格カルテルの問題がある、それが理由で高いんだと、そういうふうに思われるんです。ですからそれを調査をお願いしておきます。  さて次に、競馬会にお聞きしますけれども、競馬会の職員、それから騎手、調教師、厩舎関係、いわゆる競馬に関係して仕事をしている人たちは、これは馬券を買っていいのかどうか。

小沼勇日本中央競馬会常務理事

○参考人(小沼勇君) 競馬法によりまして馬券を買うことは禁止されております。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 もちろん禁止されているわけですが、しかし現実には、特に現場関係の人たちは馬券を買っておりまして、ただし窓口では買わないでのみ屋を利用しているというところに問題があるわけですね。こののみ屋を利用して厩舎関係の人がこれまで、関西の方が特に激しいと思いますが、関東でも事実ありまして、最近の事件ですけれども、のみ屋から馬券を買っている。たまたま損がかさんできてこの支払いに困った結果、いわゆるこののみ屋、つまりこれは暴力団がやっているわけですから、この暴力団関係におどかされまして危なくなりまして蒸発した厩務員が何人かいるわけです。これは滋賀県の栗東トレーニングセンターの出来事なんで、この事実は競馬会はもう御存じでしょうか。

小沼勇日本中央競馬会常務理事

○参考人(小沼勇君) 事実としては承知しておりませんで、一度うわさでそういうふうなことを聞いたことがございますが、報告もございませんし、どういう状況であるのか承知しておりませんです。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 私の調べで、県警がどうも動いているようですから真相はいずれわかると思いますし、それから現場から競馬会の方に報告も来ると思うんですけれども、去年からことしにかけまして七人の馬丁さんが蒸発して、それから蒸発に失敗して三月にこの暴力団に指を詰めさせられた人物もおりまして、まさにやくざがらみのスキャンダルなわけで、これは競馬会の管理の方も抜かりがあるとは思うのですけれども、事が事ですから。それから栗東トレーニングセンターというところの地理的な条件その他も考えまして、やはりこういうスキャンダルが内部にあるというのは、もとを洗えば暴力団関係ののみ屋が入り込んでいるからだと、こういうふうに思っているわけなんです。ですからこの事件についてどうこうしろということではありませんで、こういうのがたまたま表面に出てくるんですが、のみ屋と暴力団の問題なんですね。警察庁にお聞きしますが、暴力団の資金源として、最近は昔のようにばくちとかそういうのがどうもなくなったようで、いまや競馬ののみ屋による、のみ行為によるかせぎが暴力団の資金源として一番大きいと、いわばこれが暴力団を支えているんだというふうに思われるんですが、その辺感じとしてはどんなものでしょうか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) 最近の暴力団の取り締まりにおきまして、暴力団の不法資金源の状況を見てまいりますと、大変資金源が多様化してまいりまして、いまおっしゃいましたように、賭博とか覚せい剤取引などのほかに、のみ行為がこれは暴力団の有力な資金源になっておると、かように見ておるところでございます。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 しかし現実にこののみ屋の摘発といいますか、非常にこれはむずかしいと思います。そこで具体的にお聞きするんですが、いままで当局がのみ行為で摘発した事件の中で、いわゆる暴力団の常連といいますか、主なるところは、はでに一番のみ行為をやってかせいでいるのは何々組というのでしょうか、それを幾つか主だったところを教えてほしいのですが。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) 暴力団の構成員のかなり多数の者が、こうしたのみ行為によりまして資金収得をはかっておるわけでありますが、最近の検挙事例の主なものから、どういう組織構成員が絡んでいるかということを申し上げますと、これは徳島県で検挙した例ですけれども、山口組の心腹会の幹部が昭和四十七年から五十年ころまで競艇場で約二億八千万円ぐらいのみ行為を行ったという事例がございます。それからまた神奈川県で検挙した事例でございますけれども、稲川会系の横須賀一家の幹部らが、これはことしの三月から五月までの間約二千五百万円ぐらいののみ行為を行った、こういう事例が目立っておりまして、これらの団体構成員の活動などが注目されておるわけです。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 もちろんそれは氷山の一角だろうと思うんですが、東京の場合、住吉という系統はかなりやっているように思うんですが、どうですか。いままで挙がりましたか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) これは大変、暴力団構成員ののみ行為事件というのは数多いものでございますので、全部を拾い上げておるわけではありませんが、まあ従来からの検挙例を拾っていけば、ちょっと確定的には申し上げかねるんですけれども、恐らくあったような記憶はございます。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 まあ別に暴力団の名前を一々聞きたいわけじゃありませんで、いま挙がった山口とか稲川とか、いろいろありましたが、これらののみ行為をやっている暴力団は、あるいは暴力団の幹部といいますか、中心人物が児玉と非常に近い関係にあると思われるんですね。たとえばいま挙がった稲川というところでも予想新聞を発行しておりますし、山口組と児玉の関係もよく聞きますし、いずれにしてもこののみ行為をやってかせいでいる暴力団が児玉に近いということは当然当局も確認されていると思うんですが、いかがでしょうか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) 従来からの暴力団の取り締まりにおきまして数多くの検挙措置を行っているわけでございますが、そうした事件処理の過程でいまおっしゃいました児玉譽士夫と暴力団の関連というものがはっきり確認されたというものは報告は受けておりません。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 それはちっとおかしいと思うんですがね。たとえば児玉関係の結婚式にどこの親分とどこの親分が列席しているとか、あるいはそちらが暴力団捜査の段階で児玉とかなりの親分が一緒に写った写真があるとか、そういうのは当然そちらの手に入って確認していると思うんですね。われわれ素人でもそういう写真はしょっちゅう見るし、あるいは児玉の書いた文書の中とか、そういうとこでも明らかにかなり近いいわば児玉人脈の一角を形成していると、これらの暴力団の幹部、主だったメンバーが。素人でもわかるんですよ。ですからどうでしょうか、もう少し具体的なことまでお聞きしたいと思います。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) 刑事事件という事件とのつながりではっきり確認されたものはございませんけれども、児玉譽士夫と暴力団のまあ関係といいますか、従来からもいろいろと風評があったわけでございます。ただいまおっしゃった中でも、たとえばことしの三月に暴力団の一斉集中取り締まりを行った際に稲川会系の事務所にその幹部と児玉の並んだ写真があったと、こういう事実は確かにおっしゃるように捜査員が認知しております。そうしたことからしますと、暴力団と児玉とのつながりといいますか、ある程度の交際のようなものがあるということは推知できるところだと思います。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 私が言いたいのは、暴力団が中央競馬に巣くって、のみ行為によっていわゆる活動資金というか生存資金を豊かに持っておると、これでは警察の暴力団追放の努力も水のあわで、これらのみ屋の背後に、そして初めにも言いましたように競馬予想新聞の背後にも常に児玉がにらみをきかしており、その方の収入も多々あると、収入は税務上の問題になると思いますが、いずれにしても児玉がこういう黒い世界ににらみをきかしているんだということがある以上、競馬がどうしてもいまだにうさんくさいもののように思われる原因だと思うんです。ですから時間も参りましたからお願いだけしておきますけれども、この際、警察は徹底的にのみ屋を取り締まるということも大事、暴力団の追放も大事だと思いますが、競馬会、農林省の方がやはりこういう不明朗なものをこの周辺に残しておくということが、競馬が健全レジャーとしてなかなか一般に理解されないところで、ファンはもうギャンブルでウナギ登りにふえてくる、それから競馬会の収入もふえる一方だ。ところが反面、こういう黒い面が非常に社会に悪い影響を与えていると、そういうことを考えると、どうでしょうか、競馬会、農林省ともども、たとえばのみ屋対策として馬券売り場をさらに拡張するような積極的な努力をするとか、あるいは競馬関係者と暴力団のつながりですね、恐らく見て見ぬふりをしているんじゃないかと、あるいはわかってもこわくて手が出ないとかいろいろあるかもしれませんが、しかし現実にはこの競馬関係者と暴力団のつながりは非常に深くなっている、この辺にもメスを入れなければいけないと、こういうふうに考えるわけです。ですから、ひとつこの競馬を健全なレジャーとして定着させるためにも、特にこの児玉を中心とした暴力団、あるいはそれに近い連中に対する姿勢をひとつはっきり持って健全なものにする努力をしてもらわなきゃ困ると思うのですね。ですからその点について、競馬会とそれから農林省について一言今後の対策をお聞きして終わりにします。

大場敏彦農林省畜産局長

○政府委員(大場敏彦君) ただいま御議論になっておりまするのみ行為の増加につきましては、やはりいろんな原因があろうかと思いますけれども、競馬場だとか、あるいは場外設備そのものが非常に混雑してファンが馬券を買いにくいということも大きな要因の一つになっているというふうに私どもは思っておるわけであります。そういう意味で、やっぱりのみ行為の防止に対処するための多面的の方策の一環として、場外設備を計画的に整備していくということは、その一環としてそれなりの意味は持っているし、私どもそういった課題で従来も努力しておりますが、今後ともそういった課題での対応はしていきたいと思っているわけであります。

小沼勇日本中央競馬会常務理事

○参考人(小沼勇君) ただいま畜産局長からお話がございましたが、競馬会といたしましては、現在の栗東等、そういうところにおきます内部でののみ行為というものは絶対にあってはならないと思います。そういう点から警察当局との緊密な連絡をとりまして、従来からもそういう指導、取り締まりをやってきたわけでございますが、また今後とも平常時、開催時を問わず、現在も保安協会の調査員と本会の職員でこの取り締まり、指導を行っておりますが、今後とも十分この点留意をして進めていきたいと思いますし、また厩舎関係者の研修等も行って、こういうことはあってはならないことでございますので、取り締まりを進めていく、指導を進めていくということに万全を尽くしていきたいと、かように考えております。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 他に御発言もないようですから、農林省と、それに関係する農林漁業金融公庫の決算につきましてはこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時五十三分散会      —————・—————

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