P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
77回国会参議院1976/02/09

決算委員会 第5号

発言数
252
登壇者
24
会派数
4
開催日
1976/02/09

会議録

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。  本日は、自治省及び総理府のうち、警察庁、北海道開発庁と、それに関係する公営企業金融公庫並びに北海道東北開発公庫の決算について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 質疑通告のない北海道開発庁関係者、細郷公営企業金融公庫総裁及び吉田北海道東北開発公庫総裁は退席して結構です。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私が予定をいたしております過疎対策の質問に入る前に、自治大臣であり、国家公安委員長である福田大臣にロッキード事件について若干の御質問を申し上げたいと思います。  ロッキード献金事件は、米上院外交委員会の多国籍企業小委員会の調査の内容が明らかにされるにつれて、日本の歴史の中でかつて例を見ない重大な黒い霧事件として国内に大きな衝撃を与えております。各政党はそれぞれ調査団を米国に派遣するなどあわただしい動きを見せていますことは御承知のとおりでございます。国民の間ではこの事件について非常な驚きとともに憤激の声が日に日に高まっておりますし、この事件の真相が徹底的に究明されることを期待をいたしております。国家公安委員長はこの事件究明のためにどのように対処されようとしているか、まずそのことをお尋ねいたしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘がありましたとおり、今回米議会におきまして、多国籍企業の問題を取り扱う委員会において、わが日本に関係のある問題が提示され、それが政界における大きな疑惑を巻き起こしておることは御指摘のとおりだと思うのでありまして、私、国務大臣としても、また国家公安委員長としてもこの問題は厳正公平に調査され、究明され、そうして国民の疑惑を解く最大限の努力をしなければならないものと考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 先ほども申し上げたように、すでに各政党は米国に調査団を派遣をして、その真相究明に当たろうとしておりますが、私は当然警察庁としても、調査のために係を米国に派遣をして、そうして徹底的な資料を収集をする、こういう措置をとられることは当然だと思いますが、そのような措置がとられておりますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 警察庁が調査員を向こうに出すかどうかという問題でありますが、国家公安委員長として申し上げますならば、警察庁が動くときには、いわゆる犯罪の捜査に乗り出すときだと思うのでございます。そこでいまの段階を考えてみますというと、事実関係が明らかにされることが最も必要なことでございまして、ただいま警察庁といたしましては、あらゆる方面と連絡をとりつつ、この事実関係の究明といいますか、調査に当たっておるところでございます。この段階において、アメリカにこの調査団を出すとか、調査をするために人を派遣するという考えは持っておりません。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それではいろいろ状況が判明をしてきた段階において、ある時期に到達すれば調査のために係を派遣されると、まあこういうことになろうかと思いますが、そう了解してよろしゅうございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) これは御案内のように、国際警察関係におきまして連絡を取り合うということは行われておりますが、犯罪捜査について連絡を取り合うことは行われますけれども、犯罪の捜査について向こうの議会、あるいはまた政府に対して、日本の捜査官が行って、そうして事態の解明を図るということは、私は非常に困難ではないかと考えております。したがいまして、いまの段階においてはそのようなことは考えておりません。

小山一平日本社会党

○小山一平君 この事件が万一あやふやな形で終わるようなことになりますと、国民の政治不信は極限に達する結果を招くことは明らかでありますし、さらに重大なことは、そのことが日本の議会制民主主義を重大な危機に陥れるということが憂慮されるわけであります。私は大臣が、この事件究明は日本の民主主義や議会制民主主義を守る上からも断固として当たらなければならない重大な事件である、こういうふうに認識をされて対処されるべきものだと思いますが、その所信のほどをお聞かせを願いたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御指摘のとおり、この問題をうやむやにするということは、私は国民も納得しないと思いますし、また日本の議会制民主主義を守るという立場から言っても、これを不明瞭な立場に置いておくというものではないと思うのでございまして、国家公安委員長として捜査に着手するか否かということにつきましては、ただいまは事実関係の調査をいたしておるところでございますが、しかし議会制民主主義を守るという立場から言いますというと、これはひとつ十分に究明をされて、そうして国民の疑惑を解くべき筋合いのものであると私は信じております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私はアメリカの議会が重大な問題が発生した折には、たとえそれが大統領であろうとも、自分の政党のマイナスになるような問題であろうとも、与野党一致して民主主義を守る、議会制民主主義を守るという立場で究明に当たるという態度は非常に敬服すべきものであるし、学ばなければならないと思います。今度の事件は、恐らく自民党にも何らかのこの問題が波及するおそれもあるとだれもが見ておりますけれども、そういうようなことを超越をして、勇気を持って、英断を持って大臣には対処してほしい。これが国民の一致した希望でもあるし、また要求でもあるというふうに思います。その点くどいようですが、再度大臣の決意をお聞きをし、大臣の英断と勇気を要請をしておきたいと、こう思います。

小谷守日本社会党

○小谷守君 関連して。  小山委員の御質問にも関連するわけでありますが、この重大な問題に対する大臣の御見解、私は大変あいまいに過ぎるのではないか、こういう感じがいたします。そこで、むしろこれは警察庁当局に伺いたいのでありますが、報道されるような状況というものはまさしく刑事訴訟法にいうところの、法律語で申します犯罪の捜査の端緒と見られるもの、そういうものが幾つか歴然としておるのではないか。まだこれをながめながらちゅうちょしておるという姿はどうしても国民は納得できないと思います。刑事訴訟法上、犯罪の端緒とされるものに、電話の通報もあれば投書もあるとさえ言われておるのに、これだけの事実を目の前にしてまだ敏捷な対応ができないということはどうしても私ども納得できない。率直にお聞かせ願いたいことは、調査と称しておられることは、これはいわゆる捜査の一環として構えておられるのかどうか。そういう点を明確にお答え願いたいと思います。  なお大臣は、捜査員を、警察官を米国に派遣することに大変なちゅうちょの御様子でありますが、これは納得のいたしがたいところであります。これは国際刑事警察の協力関係の上から言っても、米国側も当然受け入れるべき筋でありましょうし、そこまでの努力は当然警察としては真相究明のためには払われねばならぬことだと思う。各政党がそれぞれやっておるこの状況を目の前にして、なぜそれができないのか。そういう点は私ども不審にたえないところであります。この辺をぜひもう一段ひとつ明確に御答弁願いたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) まず小山先生の御質問にお答えをいたしますが、私は御指摘のとおり、この問題を解明するということはわれわれの義務であり、また国家公安委員長としての責務であると私は信じておるのでございます。したがいまして、そのことが、たとえばの例でありますけれども、政府の者に影響があった場合においても、あるいは自由民主党に影響があった場合においても、これをゆるがせにするということはできないという考え方に私は立っておるものであります。したがって、こういう立場において、やはりこの問題ははっきり国民の前に真相を明らかにする義務があると私は信じておるということを前もって申し上げたところでありまして、今後においてもそれに対処して、その立場においてこの事態に対処してまいりたいと思っておるところでございます。  そこで次に、関連質問についてお答えをさしていただくのでございますが、ただいまはまだここに警察庁の係が参っておりませんから、後刻これが来たときに、先生の刑事訴訟法の問題に関した点についてはお答えを申し上げることにいたしたいと思うのでございますけれども、私はいまの段階は、順次事態が解明をされてきましたときにおいてわれわれがどう動くべきかということでございますが、あなたは、調査というのは捜査を前提にしていまやっておるのかということでございます。私の考えといたしましては、捜査というのは犯罪の嫌疑がある場合に行うものであることはあなたも御案内のとおりでございまして、その前の段階で事実どういうことがあるか、たとえばこの問題が脱税に関係があるとか、あるいは政治資金規正法に関係があるとか、あるいは汚職に関係があるとか、為替管理法に関係があるとかいうような事実関係、また、だれが何をしたかという、この事実というようなものを十分この段階においては調査をしておくべきものであるという意味合いにおいて調査を行っておるのでございます。この調査を行った段階において犯罪の嫌疑が濃厚になれば、これはもう捜査に乗り出すことはこれは当然と考えておるのでありますが、いまの段階におきましては、私は事実関係の調査をいたしておるということを申し上げておる次第でございますので、御理解を賜りたいと思うのであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 関連。  大臣にお伺いしたいんですけれども、これは非常に大臣、先般の予算委員会の答弁といい、本日の答弁といい、大臣の反応というのが鈍い、私だけじゃございませんでして、これはいろんな論調の中にも大臣の、一体何が出てくれば大臣は、大臣はというよりも、いわゆる国家公安委員会としても、あるいは警察庁としても、一体何が出てくれば大臣は動き出すのか、現実にこれだけの資料あるいはアメリカの議会におけるいろんな公聴会における証言、こういうふうなものが具体的に明らかにされてきて、そしてまた、そういうふうなものが私たちの手元には入っておりませんけれども、具体的に写真等でも現実に示されております。こういうふうなのは、私は明らかに犯罪の、何というか、犯罪を証拠づける物件であろうと私は思います。  そういうふうな観点から言いますと、真相を明らかにする義務がある、あるいは大臣は疑惑解明のために努力はする、こう口では言っておりますけれども、しかしながら、その裏にあるその犯罪の嫌疑が明らかでないから犯罪には着手するかどうかわからない、こういうふうなことでは、私はいつになったら、一体何が出てくれば大臣は一体犯罪に着手するのかどうか、これは非常に私は重要な問題だと思うのです。さらには具体的に大臣、疑惑解明のために、あるいは真相究明のために具体的に大臣は一体どういう手を打っていらっしゃるのか、実際われわれが聞いている範囲内では、とてもじゃないけど大臣が疑惑解明のための努力をしているのか、あるいは真相を明らかにする義務があると口では言いながら、実際問題、この真相解明のために一体どういう手を打っていらっしゃるのか。  当然私は、先ほどから同僚議員から質問ございましたように、捜査官をアメリカに派遣するなり、あるいは具体的な活動というのは当然私は必要だと思うのです。私はそういうような資料というものを先方から送ってきていただいただけで、その送り届けられた資料、それだけで捜査にかかるというのではないと思うのですね。真相究明もそれだけではできないと私は思う。やはり具体的に警察庁なりからそれぞれの担当者が現場へ出向いて具体的な資料を収集してくる、あるいは現場で証言した人たちから具体的に直接話を聞いてくる。私はそういうふうな具体的な動きというのがなければ、大臣が言うこの疑惑の解明なり真相の究明というのは何らできない。一体どこでこの真相を究明しようというのか。当然私たちは国会でできるだけのことはいたしますけれども、大臣はそういう立場の最高に立っているわけですね。そういう立場に大臣はあるわけです。ですから私はそういうような立場から、国民から反応の鈍さを指摘されるようじゃ困ると私は思います。そういうふうな観点から、大臣、やはりこの問題について一体具体的にどういうふうに取り組んでいらっしゃるのか、これからどう対処していかれるのか、そこらのところ一遍具体的にお答え願いたい。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 先般の衆議院の予算委員会においても実はその種の御質問がございまして、それに対してお答えをいたしたところでございますが、実はこの問題について日本語の領収証が出てきたということが明らかになりましたときから私は刑事局長を呼びまして、そうして事実の調査を徹底的に行うようにということを指示をいたしたわけでございます。  そこで、その事実の調査とはどういうことをするのかということになれば、これは今度は担当をする警察庁の者からお答えをいたすのがよいかと思うのでありますが、けさもこの委員会に出てくる前におきまして、刑事局長に会ってその後どういうような事実、また各方面との連絡をとっておるかどうかということも聞いておるようなわけでありますが、いまのところこの犯罪の捜査に着手する段階には入っておらないということを実は刑事局長から聞いておるのであります。私は問題は刻々と、あるいは一日一日と、そういう問題についてわれわれがいかに動くべきかということは、その事実関係というものをよく見守った上において、調査をした上においてわれわれはそれに乗り出すべきものであると考えておるのでありまして、決してこの問題をないがしろにするというか、おろそかに見ておるというような考えはございません。私はこれは日本の政治においてこういうような問題が起きたということは非常な恥しい、疑惑が出たというだけで恥しいことだと思っておるのでありまして、たとえそれがどのような結果になろうとも、国家公安委員長として、また私は国務大臣としてもやはり徹底的に事態の究明を図るべき義務があるとかたく信じておるものであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は関連ですから、これ以上大臣、言いませんけれどもね。現実に大臣、先般の公聴会では日本の政府高官にお金が流されたということが現実に証言されているわけです。これは非常に私は重要な問題だと思うのです。こういうふうな問題に、先ほど大臣おっしゃったように日本語の領収証が出てまいりました。私ども犯罪のにおいがいたします。私はこういう点は明らかにすべきだと思うのです、大臣。これは大臣、どういう姿勢でこういうような問題について、ただ単に、やっぱり何というか、第三者が調べた資料に基づいて大臣はそういうような問題を明らかにするということではいけないと私は思うのです。やっぱり警察庁なり当局自身が具体的に取り組んでこそこの問題は明らかにされると思うのです。そういうような観点から、私はこういうような問題は明らかにすべきだと思うのです。最後にこの点お伺いして、私は関連ですから終わっておきます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) どういうときに捜査に着手するかということは、だれがどういうことをしたかという嫌疑が濃厚になった段階において捜査に着手すべきものでありまして、私はこの問題をないがしろにするなどということは毛頭考えておりません。しかし日本の国民はいかなる場合においても法のもとに平等でなければなりません。それは私は法治国家として、また議会制民主主義を守るという立場においては、また一方において人権を尊重するという場合においてはやはり非常に大事な大原則であると思っておるのでございます。  そこで、だれがどういうことをしたかということが明らかにならないのに、明らかというのか事実が解明してきませんときに捜査に着手することがいいかどうかという問題が出てくるわけであります。向こうで政府の高官に金を渡したという証言があったようであります。しかし、それはだれがどの人に幾らの金を渡したのかというこの事実というものが一番大事な決め手になるのだと思うのでございまして、ただ漠然と高官に金を渡したという、だれが渡したのかもわからない、いつ渡したのかもわからない、これがいわゆる一番大事な問題だと私は考えておるのでございます。そういう意味で、日本の私たち国民はいかなる場合においても法のまた擁護を受けておるわけでございますからして、一方においては疑惑があればこれを解明することもこれは断じて怠ることはできませんけれども、一方においては、ただ単に何かあれは悪いことをしたらしいというようなことだけで問題を前へ進めていくということは果たして適当であるかどうかということがございます。  そこで、われわれとしては、その捜査の前段階における事実の解明ということに全力を挙げていくと、こういう立場をとっておるということを申し上げておるわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 刑事局長がいまお見えになりましたが、先ほどからの質疑の内容は、国家公安委員長の御答弁は、犯罪容疑濃厚となった段階でと、こういうふうに言われている。しかし、いままでの小山君あるいは小谷君、峯山君のそれぞれの御発言は、すでに犯罪容疑は濃厚なのではないのかと、贈収賄事件の中でもこれはけた外れの事件なので、しかもアメリカの国会でも証言をされていることなんだから、これは事実関係を調べてという段階をすでに越えているのではないかというところが、多少大臣の答弁とかみ合わないところなんですね。刑事局長の方から、もし刑事局長が出席をされたら答弁を願おうということになっておりましたが、その前の質疑の内容おわかりになっておりますか。−それでは後ほど答弁していただくことにいたしまして、関連して塚田君。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私からも関連して一言お聞きしたいのですが、いま大臣は法の前に国民は平等である、だから慎重にやらなければいかぬのだというふうにおっしゃったけれども、私はそういう一般論、抽象論を政府が言っておるから、国民が大変やはり政治不信を持つと思うんです。もういまもおっしゃったように、ガバーメント・オフィシャルということがちゃんともう出ておる。しかもそれは複数だ。事がここまで来ておるのですね。しかもチャーチ委員会は日本政府の要求があれば資料を出してもいいということが伝えられてさえいる、こういう状況ですよ。ですから、いまここで抽象論で法理論をかさにして、まあそうむやみな捜査はできませんみたいな返事では、私どもとても納得できませんね。やはり政府としては積極的にやる。特にこういう重大なスキャンダルで政府が疑われているというふうな場合には、何をおいても私は政府みずからが裸になってアメリカに飛んで行く、大臣自身飛んで行ったっていいと思うんですよ。そのくらいの積極性がなければ国民納得しないですよ。世界もやはり不信を依然として持ち続けるだろう。  こういうことで、私は特にここまで事態が来て、小佐野氏の名前も出、そしてそのバックの名前まで出る。田中金脈の名前まで出るというふうなこの事態は、私は国益の立場から考えてまことに重大だ。もう自民党とか野党とかいう立場ではない。国民的な民族的な立場で威信を回復するために、政府は大臣が積極的に乗り出して、少々どろをかぶっても大臣がやるのだというくらいの決意を公安委員長は示していただきたいと思うのですが、その点で一言御答弁願いたい。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘のありましたことは、まことにごもっともな御意見であると思うのでありまして、私は最初から何もこの問題を避けて通ろうというような考えでお答えをしておることは毛頭ございません。  ただいまも御指摘がありましたとおり、政府の要人数名に渡ったというようなニュースも来ておりますけれども、実は私は、まだこれを日本の外務省からすぐ調べてみたいという情報を得ておりません。すべて問題は断固やらなければならないけれども、また一方においては慎重にやる必要もある。この両面を踏まえていくわけでございまして、決してあなたのおっしゃったようにうやむやのうちにこの問題を処理しようなどということが、これが私の任務であるとは考えておりません。したがって事実関係が明らかになる段階においては、やはりいかなる事態が起きようとも、これは解明をし、国民に対して疑惑を解く義務があると私は信じておるところでございます。  なお刑事局長もただいま参りましたので、先ほど来の皆様方の御質問に答えさせていただきたいと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○政府委員(土金賢三君) 大臣から御答弁いただいておりますとおりでございまして、その他の点につきまして答弁さしていただきますが、やはり警察といたしましては、贈収賄の具体的容疑がはっきりすれば、当然これは捜査対象とすることになるわけでございまして、ただ、まだ現在の段階ではその具体的な事実関係が把握されるに至っておらないと、まあ具体的な事実——捜査というのはやはり具体的な事実関係、被疑者がだれで、そしてどういうふうな行為というか、具体的にそういうふうなことが浮き彫りにされてくるときに初めて捜査が行われるわけでございまして、その段階に至る前においては、これはいわゆる調査の段階であります。つまり、そういう具体的な事実というものがはっきりするかどうか、その辺についての調査をすると、調査は私どもも現在全力を挙げてそれに当たっておるわけでございます。情報収集その他について、現在それに努めておるわけでございます。  なお、その調査の段階において、ICPO等に照会をするかどうかと、こういう問題でございますが、このICPOと申しますのは、そういったアメリカの特殊の警察の関係がICPOに加入しておりますけれども、ただいま米議会の小委員会において問題になっておるようなことについてICPOが把握しているかどうか、その辺のことがわかりません。これは直接、まだいまの段階ではICPOに照会すると、こういうふうな段階ではないと私どもは考えておるわけでございます。  また係員をアメリカに派遣するかどうかと、こういう問題につきましても、アメリカ当局がそういうふうなことにつきまして警察に協力してくれるかどうかというふうな点の確認は取れておりません。そういうふうな段階におきまして、警察が係員を派遣するというふうなことは考えておらないわけでございます。と申しますのは、そういうような段階はやはり捜査の行為としてそういうことをすると、それはもちろん捜査に着手するということになれば、まあアメリカに派遣することももちろん必要になればやらなければいけないことになると思いますけれども、現在の段階ではそういうふうなことが向こうから協力してくれるかどうかというふうな点もわかりませんし、ただ議会の小委員会でそういうふうな証言がなされておるということが伝えられているにすぎませんので、私どもはそれにつきまして重大な関心を持って、これを現在その情報の——これはもちろん外務省等においていろいろの照会などをやっておると思いますけれども、そういう外務省からの情報の提供とか、そういうことも含めて調査活動はやっておる次第でございます。  以上のような現在の状況でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 ロッキード問題については、この程度にいたしますが、いまもいろいろやりとりがありましたように、断固として究明に当たるという決意は述べられながら具体的にどう対処するかという問題はきわめてあいまいであるという点については大変遺憾に思います。しかし事件がようやく開かれ始めた段階でございますので、今後国内における政治不信を回復したり、民主主義を守ったり、さらには日本の国際的信頼をかち取るという立場からもこの事件が勇気を持って徹底的な究明がなされる、こういうことについてわれわれは期待するばかりでなしに、国民とともに監視を怠らない、その推移を見守るつもりでございます。また恐らくこの委員会においてもこの問題が取り上げられて究明されたことと思いますが、ぜひとも国民の期待に沿い得るような対応を積極的になされるように要望をいたしておきます。  これでロッキード問題についての質問を終わりまして、過疎対策の一環として推進されてきた過疎地域の集落移転事業についてお尋ねをいたしたいと思います。この問題は自治省、国土庁、農林省等々に密接にかかわり合いのある問題でございますので、よろしくお願いをいたします。  まず昭和四十五年度に過疎地域対策緊急措置法が制定をされまして、全国的に広く過疎地域の指定が行われ、関係の県市町村は四十五年度を起点として四十九年度に至る過疎地域振興前期五カ年計画を策定をいたしまして、それに基づいて事業が実施されてまいりました。さらに昭和五十年から五十四年までを後期五カ年計画として進めているはずだと思います。この計画の一部である集落移転事業が昭和四十五年度から四十九年度までの前期五カ年計画においてどのように実施をされたか、その状況と五十年から五十四年に至る後期五カ年計画の中にどのような計画が進められているか、この点について、まずお尋ねをいたします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 政府委員から答弁をさせていただきます。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 過疎の集落移転事業につきましては、国土庁発足以来国土庁において所管いたしておりますので、私から答えさせていただきたいと思います。  補助金を出しました実績から申しますと、四十六年から五十年度までの事業で三十三市町村において行われております。それ以外に単独事業でやっておるのもあるかと思いますけれども、統計上それが載ってまいりませんので、補助対象事業といたしましては以上三十三地域でございます。  それから後期計画でございますけれども、後期計画の中には百八十一集落、これは集落で載っておりますが、千三百七十一戸の集落移転を一応予定しておるということでございますが、具体的に各年度どのようにやっていくかは、その年度ごとにそれが補助対象事業あるいは単独事業に分かれていくことかと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 福島県耶麻郡熱塩加納村の集落移転事業は、昭和四十八年度、四十九年度の二カ年事業として同村の小屋、村杉、背戸尻の三部落から二十戸が集団移転をいたしまして新たに新崎団地をつくりました。  去年の一月一日の新聞、福島の地方版はこの新崎団地について大きな報道をいたしました。「新天地で正月だ」という大きな見出しで「過疎から脱出した二十戸」「赤い屋根、サッシ窓 工場勤めに意欲燃やす」、こういうような見出しもつけまして新年度を迎えた集団移住の人々の夢に満ちた記事が報道をされました。  一方では、同じ一月一日の新聞で、村当局の強い勧誘にも耳をかさずに村杉部落に一軒残った山口さんという方、この夫妻についても大きく取り上げられました。「新天地に背向け土に生きる」という大きな見出しと「春迎える笑顔に人間の年輪」「百姓は田んぼが命」、といった見出しで、山口さんについて詳細な記事が掲載され、特に「百姓が、田んぼを捨ててなにが出来る」という山口さんの百姓哲学とも聞こえる談話が大変印象的でございます。  こうして過疎地域のともに長い集落社会を形成してきた農民がそれぞれ異なった道を選んだのでありますが、新年を迎えてわずか半年たった六月二十六日付の同じ新聞は再び新崎団地の人々と山口さんの生活について次のように報道をいたしております。「「バラ色」どころか「イバラの道」」「就職口なく耕地なく出費がかさむ〃文化生活〃」「残った一軒はゆうゆう」、こういった見出しで集団移転をした人々の厳しい生活の実感と悠々としている山口さんの生活ぶりを報じたのであります。この村における場合は雪深い僻地農民集落が今日的農業のもとでは収入も少ない、交通不便による子供の通園、通学問題医療問題、衛生、文化、環境整備の立ちおくれ等によって過疎化が進みました。村当局も財政力が弱い上に投資効率の低い高上がり行政の地域として村の行財政の重荷となるのは当然でございまして、ここに集落移転の計画が進められたものと思います。この新崎団地の集落移転は二十戸の中で四戸が移転をしてもぜひ農業をいたしたいという希望を持ち、十六戸は農業を全然やめて職業の大転換を図るという出発でございました。営農希望者の四戸は村当局のあっせんで平均七反ないし八反の畑を借地をし、たばこ栽培をやっております。  これにも問題がありますので後に触れることにいたしますが、十六戸は村が誘致をすることになっていた工場で男も女も若い者も年寄りも全員が工場で働くことによって農業より高く安定した収入が得られ、より豊かな生活を築くことができるという構想であったのであります。ところが深刻な不況によって村が誘致することになっていた工場が来なくなりました。計画は根底から御破算になって新聞が報じたような事態に陥ったのであります。離農資金を三十七万円もらい、家族が二人あれば一人十万円ずつ月給を取っても二十万円になる、三人家族ならば三十万円になる、四人家族なら四十万円になる、こういうことであったようであります。現在、若い者はそれでも喜多方市などの工場に就職できた者もありますが、多くは土建会社の土工の臨時雇いとして働く以外に道はないのであります。賃金も女の人で一日二千二百円、男で三千二百円程度、月収にして女が四、五万円、男が七、八万円にすぎないのであります。  さらに働きに出られない者は、あるいはまた仕事が見つからない者は内職をやっておりますが、夜なべまでやっても一日千円にも満たない内職、しかもその内職はとだえがちである、こういうありさまに陥っております。その上、前に農業をやっていた当時の借金、農業近代化資金等でございますが、これが大体五、六十万円ありまして、毎年十二月には年賦返済金として十五万円ぐらいを支払うことになっているし、移転に際して住宅金融公庫からおおむね一戸当たり百八十万から二百五十万円の借り入れをいたし、毎月、月賦返済をしております。農村生活から完全な都市型消費生活者になった現在では、山の生活と違って、ただの物は空気だけであって、すべてが金が必要で、とにかくどうにもならない苦しさであると訴えているように、毎日現金がなければ生活が不可能でございまして、その生活の厳しさは非常に深刻であり、不安、動揺に明け暮れております。全面的に職業転換を考えた人々の中に、こうした事態から十戸が農業に戻りたい、こういう希望が強く出てきておりまして、村有地を貸してほしいと申し入れています。  そして聞くところによると、万一工場ができないようなときには村で土地を心配をして、百姓で生活できるようにするという、こういう約束があったはずではないか、貸さないと最初から言われればここへは出てこなかった。したがって、この事業はペテンではないかと主張をいたしているありさまであります。また村当局は、そういうときには農用地を心配してやると言ったのであって、必ずやると約束したわけではない。したがって決してペテンなどではないと言っております。こういうことですから、部落の人々と村当局の間には非常な不信と混乱がいま深まろうとしています。もとの部落の畑にはキリを植えたそうです。たんぼはそのまま放置されて荒廃をいたしております。中には、いよいよとなったらもとの部落へ戻ることを考えまして、いまでもときどきもとの部落へ行って家の掃除や手入れをして、ある者は農具は何一つ手放さずに大事に保管をし、手入れをしているとも言っております。さて、この集落移転事業について、この事業を推進をされている立場からどういうふうにお考えですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 集落移転事業は、先生御指摘のように非常にむずかしい面を持っております。祖先伝来住みついたところを離れまして、新しい新天地を開くわけでございまして、いろいろな問題が山積しておるわけでございます。私ども、できるだけスムーズにいくように側面的にあらゆる援助を惜しまないものでございますが、この熱塩加納村につきまして、先ほども御指摘のように、新聞紙上にも載った関係もございまして、私どもなりに県当局に問い合わせて実態を調べてみたところでございますが、ただいま先生の御指摘にもございましたように、全部で、移転いたしました五十四名のうちで四十四名が企業に就職を希望いたしまして、残りが農業を営むというような形になっておるようでございます。そこで企業の就職を希望いたします四十四名につきましては、現在の段階ではすべて就職をいたしておるようでございます。ただ農村工業導入地区に企業誘致を計画しておったのでございますが、一社だけしか現在の段階では参っておらないようでございまして、それ以外の企業等に就業しておるようでございます。  内訳を見ますと、誘致企業、これは農村工業導入地区内には、先ほど申しましたように一企業だけでございますが、それ以外のところにも企業誘致で参った企業がございますので、四十四名中十五名が誘致企業に従事いたしております。それへら県外企業に六人、それから地元企業に十七人、それから自営業が四人、公務員二人と、全部現在のところ一応就業希望者は就業しておるということでございます。そこで、就業しておるけれども生活が不安定かどうかということで問い合わせましたところ、すべて一応常用にはなっておりまして、臨時ではないようでございます。そして農業を営みたいという者につきましては村では代替耕地をあっせんいたしまして、ただこの集団栽培も行っておるということで、一応県及び村当局といたしましては、住民生活も安定し、集団移転をした効果はあったんではないかというような見方もしておるようでございます。したがいまして、ただいま先生の御指摘とは若干ニュアンスが違うようでございますので、そのような事実があるかどうか、なお地元の方へ照会してみたいと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これはまことに心外なことでして、皆さんは村や県からそういう報告を聞いた。私は現地へ出かけて行ったんですよ。現地へ出かけて行って、村の村長さんとも話をしました。部落の人々が集会所へ全員集まって状況をお聞きをいたしました。その結果が私がいま申し上げたような実態である、こういうことなんです。私は現に現地の調査をして、現地の人々から直接いろいろな意見や、それからまた訴えを聞いてきたんです。そこで私はこの問題を取り上げています。もちろん私の聞いた村長の話でも、いまはいろいろ問題があるけれども、まあ何とか近い将来にはいたしたい、またなるだろうというような、できるだけこの問題が大きな社会問題にならないようにということで、大変苦慮している点もございました。ですからこれが私が指摘したような内容と違って、この集団移転をした人々がそれぞれ安定とまでいかなくても、まあまあの生活の基盤の上に乗っておる、こういう認識ではこの問題は問題にならないのです。ですから皆さんも県や村は失敗をしたなどという報告を皆さんのところへすることはつらいから、できるだけ問題はないというふうな報告をしたいのは、これは気持ちとして私もわかります。そういう報告に基づいていたんでは、この移転事業という問題の解明にはならない。いいですか、そのことだけ申し上げて先の方へ進ませていただきます。  私はそもそも集落移転事業というのは交通通信体系の整備、学校の統合による教育施設の整備、医療の確保、生活環境その他施設の整備などを広域的に集積した行政圏、生活圏を形成をしまして、その圏域からはみ出す集落は広域的行政圏を生活圏に移転をさせる、工場誘致などによって雇用の場を確保して農民を都市的労働者に転職させるというこれは発想でございます。生活環境が合理化され便利になるばかりでなしに、転業によって収入も増加して生活も安定するという安易な考え方から出発した計画であって、そこから生まれてきたこれは一つの悲劇とも言えるように思うのです。そのために長い間生活を支えてきた畑にキリを植え、たんぼを荒らし、生活の手段や根拠を一切放棄するという冒険を善良な農民に試みた、私はそうも言えるように思うのです。これはまさに辺地住民の切り捨てであるし、辺地農民と辺地農業の切り捨てである、こういうふうに私は言わざるを得ないと思うのです。私は、たとえ村の計画どおりに工場ができたとしても、若い者は別として、農業以外に何の経験もない五十歳、六十歳の男の人、女の人すべてが工場で就職できて適当な仕事が与えられる、こんな考えは大変これは甘いずさんな計画である。私はこの計画を実施した村も県も、そしてこれを推進してきた——これは国土庁ですか担当は——国土庁もこれは重大な責任を負わなければならない、こういうふうに思うんですが、いかがですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 自治省当時もそうでございましたが、国土庁になりましてからも、集落移転を国として地方団体に強制する、あるいは特に推進するというようなことはございません。この集落移転、先ほども申しましたように非常にむずかしいいろいろな問題をはらんでおる事業でございまして、こういった事業について国庫補助制度が導入されました契機は先生も御承知かと思いますけれども、薪炭革命等によりまして山ふところの小部落が現金収入の道がなくなって立ち行かなくなった、村をおりたいというようなことで著しい過疎現象を呈してきたわけでございます。そうした場合、従来の制度では国の方は何も手を差し伸べることができなかったわけでございます。したがって、そういった山ひだの小集落が町場におりてくる場合に、どうせおりてくるならば、そこへ一つの地域を画してりっぱな集落をつくってやる方がいいんじゃないか、新しい町づくりをした方がいいんじゃないかというようなことでこの国庫補助制度ができたわけでございまして、その集落の方々の全員の同意がなければ集落移転というようなことはできるものでもありませんので、そういった機運が熟して、ぜひやってほしいというようなものが申請してまいった場合に初めて私どもの方が動き出すというような形になっておるわけでございまして、先ほども申しましたように、四十六年以降三十三市町村に現在実績を見ておりますが、中には若干の問題をはらんでおるのもあろうかと思いますけれども、おおむねはそういった趣旨によりまして新天地を開拓して明るい営農を営んでおるというようなものもあるわけでございまして、それなりの効果はあるのではないかと私ども考えておるような次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私はこの新崎団地に対する今後の問題、それに対する対策などをお伺いこれからいたしますが、その前に私は、もうこの段階で集落移転事業に対する考え方、位置づけ、こういうようなものをしっかりと把握をしていかなければならぬ。いま日本は非常な不況の中にありますし、五十年度の経済白書が言っているように「新しい安定軌道をめざして」、こんなようなことを副題につけているように、経済企画庁長官が、「日本経済の元きた道への復帰ではない」、こうも書いているように、大きな日本の産業経済の状況が変化をしてきました。そこで私は、今日まで進められてきたこの高度成長政策、あるいはその根底をなす経済的な合理主義や工業優先主義の思想や政策の基本についても見直していく必要があるし、また経済成長の中で公害だとか、そのほかさまざまな後遺症を残しておりますが、これに対する措置も必要である。この集団移転事業もこうした中で生まれた事業でありますから、いわば経済成長政策のまあ落とし子といったような事業であると思います。そこで今後、この新崎団地に対して適切な事後措置が講じられなければならないのは当然でありますが、それと同時に、この事業そのものに対する見直しということもいま必要な時期に来ているんではないか、こう思いますが、御見解はいかがですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 山奥の農山漁村のあり方、これは非常にむずかしい問題をはらんでおります。国土庁におきましても、これからの農村のあり方というものについていろいろ検討をしておるところでございますが、食糧生産基地としての平場農村のあり方とは異なり、山ひだにあるところの山村、これはそれなりでは自立できないようないろいろな要素を持っておるわけでございます。こういうものをどう育てていくかということにつきましては、一つの大きな私どもに課せられた課題であろうと思いますので、第三次全国総合開発計画の策定に際しましても、それらをどのように位置づけるか。現在、各方面の意見を聞きつつ検討を続けておるところでございます。先ほど先生からお話ございました過疎法も、これは五十四年までの時限法でございます。そのほか山村振興法というような法律あるいは自治省所管の辺地法等いろいろ法律がございますけれども、そしてそれらの法律は、そのときどきの需要に応じてできておりますけれども、総合的な立法という形にはなっておらないわけでございまして、こういった過去の立法例も踏まえまして、私どもこういった恵まれない山村のあり方というものについて、政府としての方針を早急に固めてまいりたい、そのように考えておるわけでございます。なお具体な熱塩加納村の集落移転の今後のあり方につきましては、現状の分析につきまして若干私どもまだ把握していない点もあるようでございますが、県当局あるいは村当局の方と十分相談いたしまして、どのように持っていったらいいか適切な指導を行ってまいりたい、そのように考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 一九七五年農業センサスの概要発表を見ますと、総農家数はこの五年間で八・三%減って四百九十五万五千戸になった。専業農家は二七%も減って六十一万六千戸になった。農業就業人口は二三・六%減って七百九十万七千人となった。また男子農従者のいる農家は二九・三%減って百六十一万二千戸となった。こういうふうに発表をいたしております。  この統計が示しているように、日本の経済成長は農村からの労働力の大量供給によって実現してきたのでありますけれども、その結果として農村はますます過疎が進行したし、古い歴史を生きてきた地域共同社会の辺地農村集落は崩壊をする結果を招いたわけでありますが、同時に農業が荒廃をして重大な食糧問題も生んでおりますね。この報告書というのは、自治省が四十八年に過疎地域問題調査というのを委託をしてこういう調査をいたしまして、ここに報告書というのができ上がっております。との報告書は、まずこの事業を進めるのに過疎問題とは何か、こういうことを問いかけているのです。過疎問題の本質をどう認識するかということをおろそかにして過疎対策を立てるということは、大変危険であることを示唆しております。この報告書ごらんになっていますか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 恐らく自治省及び国土庁の方で、過疎連盟に委託しておりますところの委託調査の一環の資料かと存じます。それでございますならば私、目を通しておると存じます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 当然そうでしょうね。それであれば、この報告書がここに書いている過疎問題とは何か、過疎問題はどう認識するか、このことについて、過疎問題の本質は何かということをどう認識されているかお尋ねしておきます。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) ただいま先生お持ちの報告書でどのように書いてあるかは私ちょっといま記憶しておりませんけれども、過疎と申しますのは、やはり人口が非常に急激に一定時期の間に減少いたしまして、その地域社会が崩壊するおそれがある、そういった現象を過疎現象としてとらえまして、これに対する対策につきまして、緊急にとらなければならない対策につきまして、過疎法という一つの法律にまとめたという経緯がございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それじゃ不勉強で困るんですよ。この報告書は単にそういうふうな現象としてとらえたり、物理的に過疎というものをとらえるのでなしに、その根源についてこの報告書は書いておるわけです。そして過疎問題に取り組む基本的姿勢は、この過疎問題をどういうふうに認識をするかということに立たなければだめだ。ただ辺地の農村から人口が流出して困るから、それを便利のいいところへ集めればよろしいなどという、そういう発想では基本的な過疎対策にはならないということを危惧して、ここにさまざまな問題提起を実はしておるわけなんです。どうも過疎対策を進めていく上に、特にこういう非常にむずかしい集団移転事業などを実施されていくお立場から、そういう点についてのやっぱり基本的な取り組みというものをやっていただかなければ困ると思うんです。  私が要約して申しますと、この報告書は、昭和二十年代までは地方においてもそれぞれ独自の産業と生活があり、都会は都会として別種の魅力を持っていた。都会と地方が共存してそれぞれ固有の生活文化があった。それが昭和三十年代後半、特に三十七年の全国総合開発法を起点として新産業都市育成を目玉にして工業立地の産業基盤整備が都市に集中的に行われることになったわけですね。そして第二次、第三次産業の振興が都市を中心に進んで経済の高度成長が展開されたわけです。都市が工業立地に有利な条件を整えることによって、そこへ産業資本の投資が集中をして、生産性の高い工業が優位の座を占めて、強力な誘引力を持った労働需要の場をつくり出したわけです。こうした流れの中で第一次産業は相対的に衰退をして、そしてさらに生活の都市化と現金消費型の生活パターンが農漁村にも浸透してきたことによって、農山漁村の独自性、自立性が崩壊して、都市に従属する構造が形成されてくる。現象としては中年者の出かせぎ、若者の都市への流出という人の流れと、生活の俗に言う近代化、合理化と言われる都市型の生活様式がここに生まれてくるわけです。そして農山漁村では過疎、すなわち人口の流出によって村の崩壊を引き起こし、都市至上主義的風潮の中で、その固有性を失わせ、地場産業の衰退と相まって生産と生活の場の分離が起こって、新しい活力を生み出す文化創造の場を喪失してしまった。  一方、都会では集積効果によって一見華やかに見えるけれども、その陰には狭小なアパート群だとか交通地獄など、都市問題が深刻化してきている。そして都市においても生きがいある仕事が必ずしも求められるということは非常に少なくて、職場と家庭の間で時間も人間関係も分断されて疎外状況が起こってきた。まさに前者が過疎問題であり、後者が過密問題であって、過疎と過密の問題は表裏の関係にあるものである。いずれも生活に根ざした個性のある文化を生み出す基盤がなくなっていることが明らかで、過疎と過密の現象は全く逆のものであるが、問題の本質は同じである、これは非常に重要な問題だということを訴えてるわけです。そして農山漁村から人が流出していく過疎の進行は、表面的な理由としては収入が少ないとか不便であるとか、そういうことであるけれども、その本質は、そこに生きている実感、そこに生きていく価値観、こういうものが奪い去られたというふうに過疎問題を認識しなければ、今後の日本にとってきわめてこれは危険であるというこの基本的な考えを、要約するとこのように述べているんです。  この報告書は、経済の高度成長が必然的にもたらした過疎問題を表面的な現象としてとらえて、経済合理主義によって進められている過疎対策に対して厳しい反省を求めていると私は思うんです。困難な過疎対策事業ではございますが、その事業の根源には、そこに住む人の幸福とか生きがいとか、生きることに対する価値観とか、こういうようなものを哲学的に追求するということが日本のさまざまな政策樹立の上に重要である、こういうふうにこの報告書は問題を提起しているわけです。ただ皆さんが現象を機械的、物理的にとらえて、日本を台なしにしてるのではないか、こういうことをこの報告書は憂慮をしているわけです。  そういうこの報告書を後でゆっくり読んでいただきたいと思いますが、いま私が要約して申し上げましたこの報告書の過疎問題についてのそうしたとらえ方、どういうふうに思いますか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) そのとおりだと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そこで、またこの報告書は「集落再編成の位置づけ」と、こういう一項を起こして、いまのような発想に立っていろんな提言をしています。皆さんが委託をして金をかけてせっかく大学の先生方が調査の結果によって提言をしたこの内容というものを、これから勉強していただきたいと思いますが、いま賛成をいただきましたが、そういう過疎問題の本質に立ってこの報告書を今後尊重をしてよりよい事業計画を進めていかれるべきだと思います。まあ当然だとおっしゃるでしょうけれども、念のためにお聞きをしておきます。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 世の中が高度経済成長の時代からこれから安定成長の時代になるというようなことで、私どもの新全総計画というのも全く衣がえいたしまして第三次全総にしようということで現在計画を策定しておるようなことでございまして、当然その中に過疎地域というものも重要な位置づけが与えられることであろうかと思います。したがいまして、そういった点を踏まえまして、新しい集落再編成のあり方につきましても検討を進めていきたいと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どうも不明ですが、国土庁ができたのはいつですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 四十九年六月の二十五日でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そしてこの事業は自治省から国土庁に移管されたわけですね。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 過疎法の所管が自治省から国土庁の方へ移管されたわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私はやっぱりこの国土——大臣がお見えになりましたね。いま私が集落再編成の問題で質疑をいたしておるわけですが、私はやはりこの事業は住民の生活と生産の基盤を今日の実情に適合するように再編成をして、より豊かな住民の生活文化創造を可能にすることを目指すばかりでなしに、地方行政の効率的な運営を助長して、健全な地方自治と地方文化の発展を図る、こういうことが目的でなければならないと思いますが、大臣いかがですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 過疎対策事業の本質から考えてみまして、ただいま小山議員が御指摘になったとおりであると存じます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そこで国土庁のできた時期などと考えあわせると、これはちょうど田中さんの列島改造計画というものと深いかかわり合いがある。列島改造計画を推進するいわばブルドーザーの役目を果たすことを任務としたのではないかという気がするんですね。したがって、こういうさまざまな事業を進めるに当たってどうしても物理的、土建屋的発想に陥るのではないかというふうに見られてならないんです。  そこで私は、こうした事業は地方自治に責任を負う自治省が所管すべきであって、こうした地方自治に深いかかかわり合いのある再編成などという問題を国土庁に移管したのは適当であったかどうか、私は疑問に思うんですが、大臣はいかがでございますか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 国土庁が設置された目的と申しますか、ねらいということ、先生いま御指摘になりました一つの地域開発のブルドーザーだと、そういう位置づけで理解される方もあるかと思いますが、決してそればかりといいますか、そういうことじゃございませんので、地方自治の振興に関しましては相変らず自治省としては重大な関心を持っておりますが、国土全体の均衡ある発展を図るために国土庁に過疎関係の仕事も移すと、国土庁もこれを受けてその他もろもろの地域の振興ということを考えまして、地方振興局という局をつくっておりまして、その間の連絡は十分密にやっていくつもりでございますので、この仕事自体を国土庁に移すか、あるいは自治省に移すということは、私はそう大きな問題として取り上げる必要はないのではないか、常にその間の連絡を十分にやってまいりますれば均衡ある地域の振興を図れるのではないかと、こう考えておる次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 この認識はそれぞれ違いますから、このことはいいでしょう。  そこで次は農林省にお尋ねしたいんですが、食糧問題が最近非常に重要視されまして、農林省は昭和六十年度には総合食糧自給率を七五%にするという方針を出しておりますが、間違いありませんか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 大体六十年を見通しまして、農産物の生産と需給の見通しというものを農林省は立てておりますが、おっしゃるとおり六十年見通しにおきましては総合自給率七五%ということで予定いたしております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 建設省は住宅対策上ことしから六十年度までに四十三万ヘクタールの住宅用地が必要であると言っています。農林省は食糧自給率を七五%にするというのであれば、その基礎である農地問題を一体どのようにして七五%を確保しようとしているか。この土地、農地問題をどういうふうに考えておりますか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) この六十年見通しは四十八年から六十年までの間におきます私どもの生産と需給の変化並びに見通しを書いているわけでございますが、自給率確保のための農地の問題につきましては、私どもの一応の目標といたしましては、まず四十八年から六十年までの間におきまして農地等は約七十万ヘクタールぐらいが壊廃をされるであろうというふうにまず見通しておるわけでございます。しかし、やはり自給率を上げるということから、その間におきます造成は大体八十万ヘクタールを予定をする。その結果、六十年におきます農地面積は約五百八十五万ヘクタールということを想定をいたしまして、それが確保できますならば、先ほどお話のとおり総合自給率で七五%程度は維持できるというような見通しに立っておるわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 食糧問題に対処するには、狭い国土の日本でございますから、その農地はこれはなかなか容易ではないと思います。大変貴重でございますが、集落移転事業などによって何十年、何百年耕作をされてきた農地を放棄してしまう、こういうようなことに対して農林省は御賛成ですか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 集落移転というのは全国的にもそうたくさん例があることではございませんので、一般的に耕作放棄という問題につきましては、私どもそういう事態の発生というものは極力これは防止いたしたいというふうには考えております。ただ、やはり残念ながら、先ほどからもお話ございましたとおり、農業就業人口というものは年々やはり減っております。減った反面、農業の経営につきましては合理化、近代化を進めているわけでございますが、過疎地域その他やはり生活環境が非常に悪いというところにつきましては、農家そのものが産業に変わるということもございまして、山間僻地等におきましては耕作放棄というような現象が相当出ております。先ほど申しました四十八年から六十年の間におきまして農地の壊廃が約七十万ヘクタールというふうに私どもは見通しておるということの中には、残念ながらやはり約三十万ヘクタールぐらいは山間僻地におきまして耕作放棄が行われるというふうに見通さざるを得ない数字が入っているわけでございます。そこで私どもは、なるべくそういう事態が起こらないように国土庁その他とも御相談をいたしまして過疎対策等に力を入れると同時に、また山村振興というような面におきましても力を入れまして、そういう防止に努めたいと思っておりますし、また、すでに放棄されております農地につきましては再開発というものもさらに心がけたいというふうに考えておる次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 こうやって大分時間をかけていろいろ御質問を申し上げたり私の意見も申し上げてきたのは、これは辺地の農民に、ずさんな集落移転事業で大きな迷惑をかけたり苦しめるという結果を招いているこの新崎団地に対して、今後りっぱな事後対策を講じていただきたい。過疎対策の本質を踏まえて全国的にも模範の一つとなるような対策を実施してこの問題の処理に当たってほしい、こう考えましていろいろいままでの論議を重ねさしていただいたわけでございます。  そこで具体的な点についてお尋ねするわけですが、その前に、この熱塩加納村の新崎団地についてひとつ実態の調査をしていただいて、そしてその上に立って、この団地に存在をするさまざまな課題の解決に当たるべきである、当たっていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。——いまの質問に答えていただく前に、自治大臣も何かお忙しいようで、退席されるようでございますが、自治大臣、ひとつ大臣という立場でこの地方自治にかかわるこういう問題があるわけです。そこで自治省としてもこういう問題に関心を寄せていただいて、そして特に過疎が進んでそこに住む住民も、あるいは町村の行政も非常に苦労して、いま重大な立場に立っているというようなことでございますので、自治省としてもこれは国土庁の仕事だというようなことばかりでなしに、この問題処理などでいろいろ相談があったら力をぜひかしていただいて、いい農村がつくられるように御配慮をいただきたいと思いますが、そのことだけ最後に大臣にお答え願いたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 過疎対策が結果において過疎地域の住民に非常な苦労を与えるとか、あるいはまたその結果が農地の問題に大きな影響を与えるというようなことになっては本来の過疎対策をやっております意味に合致しないわけでございますので、自治省といたしましても十分国土庁と連絡をとらしていただきまして、ただいま御指摘のあったような問題について、やはり十分関心を持って今後も処置をさしていただくように努力をいたしたいと思います。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 集落移転の実態がどうなっているかどうか、先生の御質問の内容と私が県から承知しておることに若干のそごもあるようでございますので、調査いたしたいと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 調査していただかなくちゃいけませんが、そこで私が指摘したようないろいろな問題が出ている、それを確認されたら事後処理として、生活安定のできるような方策を講ずるように努力すべきである。そういう責任があるのではないかということを加えてお尋ねしてあります。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 村当局及び県当局と十分相談いたしまして、それらの住民の方々の生活が安定できるような各般の方策を講じてまいりたいと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そこで熱塩加納村の工場誘致の構想は、不況のためにこれがだめになって、そして非常に村も困るだろうし、住民にも迷惑を実はかけておるわけです。この村ではすでに工業用地として指定を受けて保有している土地が二十二・七ヘクタールございます。これは大変広い面積でございますが、これはもとへ戻すわけにはいかないことでございますから、この村のせっかくの構想が実るように通産省などに要請をして、適当な工場が建設できるように、国の立場で積極的に努力すべきであると思うのですが、そういう努力をしてくれますか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 御指摘の熱塩加納村におきまして、農村工業導入をやっているわけでございますが、私どもの承知しているところによりますと、いま先生、二十二・七ヘクタールすでに村で用地を確保済みというお話でございましたけれども、この村におきましては一応五十二年度を目標といたしまして、工場用地二十二・七ヘクタールを確保したいという計画は、確かに農村工業導入促進法によります市町村の実施計画に書いてございます。ただ現在までに村が確保いたしております用地は、転用等ですでに許可があったものは合計で約二・四ヘクタールでございまして、この土地につきましてすでに導入されている企業は一つと、それから導入予定の企業が二つというように私どもは聞いているわけでございます。確かに目標が二十二・七ヘクタール、相当の規模の企業を複数入れたいというような目標に対しましては、非常におくれているというのが御指摘のとおりでございますので、私ども通産省その他とも連絡をいたしまして、できるだけ近い——こういう不況の時期ではございますけれども、近い将来、工業が導入実現いたしますように指導はしてまいりたいと、かように考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どうもその面積のことで大分食い違いがあるようですが、私が行っていろいろ聞いたところによれば、すでに指定を受けている面積が二十二・七ヘクタール、そのほかに指定外に十ヘクタールの土地を保有しているので、村の現在保有している総面積は三十二・七ヘクタールであると、こういうふうに言っているのですが、大分食い違いがありますね。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 私どもの承知しております数字を申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、この村は市町村の工業導入の実施計画をつくっておりますが、おっしゃるとおりこの地区の面積は三十三・二ヘクタールでございまして、そのうち工業用地は二十二・七ヘクタールというような目標を現在持っておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、具体的に村が工場を導入するために転用を申請をいたしまして許可されている面積は二・四ヘクタールでございますし、それ以外に現在申請中の農地が三・六ヘクタールございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どういう手続をとられ、どういう認可を得ているかは別として、実際にはこうした面積が村の当局によって土地の所有者との間に売買が進んでいるというか、終わっているというか、こういうようですよ。まあそれはそれでよろしゅうございますが、その工場をこうした地域に誘致をするためにはどこの省が、皆さんここにいまいますが、国土庁ですか農林省ですか、だれがどういう形で努力をして、その実現に向かって進めていただくわけですか。口だけで終わっちゃ困るんです、これは。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 農村工業導入というのはなかなかむずかしい問題がございまして、農林省といたしましては農家の方々に安定した就職の機会を与えるということ、それから無計画に工場が農村地域に導入されまして、自後の農業経営に悪影響を与えることを防止するといいますか、そういうようなことから、これは昭和四十六年に農村工業導入促進法というものができまして、これは農林省それから通産省、労働省等が責任を持ってこの農村地域工業導入を促進をするということになっております。  具体的には先ほど申しましたとおり、この法律に基づきまして市町村が実施計画をつくりまして目標を設定し、それに向かいまして事業を実施するわけでございまして、そのために私どもも若干ながら補助金その他を交付いたしておるわけでございます。したがって、この計画の樹立並びに実施につきましては、私どもが中心になりまして現在もまた今後も指導をいたしたいというふうに考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これ、聞いていると、何だか工場を誘致をする折衝とか運動とか、そういうものは県や村の方でやるんで、国の方は関係ないようなふうに聞こえますが、私がいまお願いしているのは、こういう事態なので、国の方もおみこしを上げて、県や村に協力をして、そしてこういうむずかしい時期ではあるけれども、工場が建設できるような、そういう積極的な努力をやるべきであるし、やってほしいと、こういうことを言っているんです。いろんな法律だの、そんなことはいいんです。ただ、だれがどこの所管でそういう努力をしてくれるか、こういうことだけはっきり聞いておけばそれでよろしゅうございます。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 具体的な問題でございますので、それらを現に、工場の導入等のあっせんをやっております機関が中央にございまして、これは農村地域工業導入促進センターというのがあるわけでございます。これが御相談を受けましてあっせんその他をやっておりますが、もちろんセンターに手の余ることその他、私どもがやらなければならないことにつきましては、当然センターとともに、私どもも責任を持ちましてあっせんをいたしたいと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そういうセンターがあるとしたら、皆さんの方からもセンターの方へ強力に連絡をとって、そしてその実現に努力をしてほしいと、こういうことをお願いしているわけです。よろしゅうございますね。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 承知いたしました。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それから土地の面積の問題で大分差異があるようでございますが、いま問題になっているのは、団地の人たちは、最初に申し上げたように村がそうして保有をしている土地がいまあって、あいているところがこんなにあるではないか、その中の土地を貸してもらいたい、それを借りることができれば百姓をやりたいと、こういう戸数がこの団地の中に新たに十戸ある、こういうことを申し上げたんです。ですから住民は、その村の保有している土地をぜひ貸してほしいと、こう言っているんですよ、いいですか。それで村の方では、御承知のような財政状況の中なので、土地はあるけれども、これは売却をして金にかえなければならない土地なので、農地として貸してしまうというわけにはいかないというんで、いろいろここに問題があるわけなんです。ひとつこのことも御調査をいただきたいと思いますが、さっきの県だか村だかの報告によれば、みんなそれぞれ就職して心配ないようなお話ですけれども、私が現地へ行っての話では、働いてはいるけれどもそこらの土方仕事に出ているんだとか、こういうようなことで二十戸のうち新たに十戸が農業に戻りたい、こういうことを切望を実はしているわけです。そこでひとつ県とも連絡をとっていただいて、村がそういう土地を保有しているのであれば、これを十戸の希望者にどういう形かで耕作させるというような、そういう指導なりあっせんなりをしていただきたいと思うんです。どうですか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 私どもの理解は、先ほど申し上げましたとおり、現に村で買収済みで所有をいたしております土地は約二・四ヘクタールでございます。そのうちすでに導入企業へ売却済みまたは内定をいたしておりますのが約一・四へクタールでございますので、現在誘致その他をいたしておりますけれども、具体的に企業は決まっていないというようなもので村が所有しておりますのは、約一ヘクタール前後ではなかろうかというふうに考えております。それらにつきまして村は現在どういうような計画を持っておりますのか、照会はしてみたいと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どうもその点が非常に差があって、いろいろな話のかみ合いができないんですが、そこの団地に来ていろいろ不安で仕方がないから何とか土地を確保して農業をやりたいと、こういう希望者が現にあるわけです。半数もあるわけです。これの農地をどういう形にもせよ確保をして農業ができるように御指導を願いたい、すべきであると、こう思っているんですが、どうですか。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) 集落移転によりまして移転された方々が新しい土地におきましてさらに農地を確保したいというような希望があれば、またそれ以外のやはり農用地の取得希望等につきましては、従来からこれは農地保有合理化法人というのがございまして、農地を手放したいという農家から農地を買いまして、希望者にこれを売り渡す、またあっせんをするということをすでに事業としてやっております。したがって、そういうようなケースがありますれば、そういうような機関が中心になりましてその間のあっせんをするというふうになっておりますので、このケースにつきましても、具体的にどういう人がどういう希望を持っているのかというものは調べてみたいと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そして私も行ってみたんですが、その団地の周辺に、これは村の土地だと言われる土地で非常に荒れた土地が広くあるわけです。その土地のことを私は言っているんですが、これを農地にするにはやっぱり客土などをして土地改良をやらなきゃならぬような土地もたくさんあります。そういう場合にはいろんな制度がございますけれども、こういう受益者負担の能力に欠ける、しかも大きな土地改良区などという集団ではなしに、数少ない特定な人々のための農地を、こういう土地改良などというようなものはできるような御心配はいただけますか、そういう場合になったときには。

岡安誠農林省構造改善局長

○政府委員(岡安誠君) まあ耕作を始める場合に、土地改良事業を実施しなければ耕作ができないという場合には、一般的に土地改良事業は実施できるわけでございまして、それに対しましては国の補助金等もございますが、ただ先生御指摘の農地がどういう経緯でそういう状態にあるのかということは調べてみなければならないと思っております。と申しますのは、水田等で生産調整を過去五年間やってまいりました。最初の三年間は補助金をもらいまして休耕をするというような事態もございました。したがって、そういう休耕その他によりまして現在耕作をされていないというような土地につきまして、現にその所有者が再び水田に戻して米をつくりたいというような場合に、これはなかなか土地改良事業をそこで実施をするというわけにはまいらないというふうに思っております。ただそういうような農地を第三者が取得いたしまして、農業経営をしたいという場合に、多額のやはり費用がかかるというときに、土地改良事業の対象になり得るかと言えば、これは必ずしもなり得ないという場合ばかりではないというふうに考えております。その場合におきましても、しかし土地改良事業につきましては地元負担がございますので、これは融資の制度その他もございますけれども、地元負担は地元の方がやはり御負担を願わざるを得ないというふうに思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私の言いたいのは、国のこの指導による集団移転事業によっていろいろ重大な事態に陥った。そこでまた農業に戻って生活の基盤を確保したいと、こういう場合であるので、ただありきたりの制度や、ありきたりの手続でなしに、国も県も積極的に検討をして、それらの人々の希望がかなえられるような、そういう方法を講じてもいいじゃないか、講ずべきじゃないか。ただ形式的に取り扱うんでなくて、特殊な課題として取り上げて、その実現を図るようにすることが国の責任ではないかと、こういうことを言っているんです。国土庁はどうですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) まあ国の発意ということでございますけれども、集落移転事業というのはすべて地域住民の方々の発意で、こういうことをやりたいから補助金をくれということで、それが本当に移転可能であるものならば、国土庁としても補助金を出すという仕組みでございまして、決して国の方が地域住民の意向を無視して、あるいはそれほど強くもないのに押しつけてというようなことは、これまでも一切やっておりませんし、今後もやるつもりはないわけでございます。ただまあ村づくりの上におきまして、新しい土地に移り住まれた方々、いろんな点で問題があろうかと思いますので、そういった方々の住みよい地域環境をつくるために、われわれとしてもできる限りの御援助はしていきたいと、そのように考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それから、この報告書の中にも具体的な例として取り上げておりますが、山奥の方から集団移転をして、そうして住居はそこに移して、それで働きに行く者は働きに行くが、もとの土地はこれは通勤農業として耕作をしていくというやり方をとっているところもここにあります。これは大変重要なことだと思いますね。これだけ土地の貴重なときに、生産できる土地を、全国的には数は大したことはないからと言って切り捨ててしまうというのでなしに、それを活用する方法がそういう手段によって可能であるものについては、それも重視をしなければならぬと思うんですよ。そういう場合には、通勤ですから、てんでんばらばらにというわけにもいかぬので、マイクロバスで行くとか、そうなればその農産物も葉たばこであるとか、あるいは果樹であるとか、同じような団地にして作業が共同的にできるとか、あるいは日時的にまちまちにならないようなことができるとかという、こういうことも必要だと思うのです。そういう指導はされていませんか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 村によって立地条件が異なりますので、一律に国の方で指導をするというわけにはまいりませんけれども、ところによりましては、その移転いたしました跡地を一括して村の方で管理いたしまして、たとえば夏場の間には都会の人たちが遊びに行くような施設をつくるとかというようなこと、あるいは山菜をそこで育てるとかというようなこと、いろいろなことに活用しているという例は聞いております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そこで村の中心の方へ移転をして、そうして耕作はもとのところに通勤でやると、こういうようなときにはマイクロバスなどを大幅な補助金を出して提供するというような制度はないのですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) まあ村の方で一つの対策としておやりになれば別として、国の方では現在の段階では考えておりません。

小山一平日本社会党

○小山一平君 村でやると言ったって、いまの村の貧弱な財政で、十戸や二十戸の農家にマイクロバスにかなりの補助金を出してやるなんということはできるわけはないですよ。ですからこういう集落再編成という補助事業をやるからには、それぐらいのきめの細かいことをしてあげるべきではないですか。いまないとしたら、いろいろな補助金を出すでしょう、集落移転事業には。その一環としていまのような通勤農業をやるような場合には、その交通手段について、それも個々でなくて、集団的な、共同的な利用の仕方の場合には援助をして、それを可能にするぐらいのことを集落再編成事業の中に盛り込むべきだ、こう思うが、その考えはないですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) まあ私ども先ほども申しましたように、現在三十三市町村について補助事業を行っておりますけれども、集落移転の跡地というのは非常に条件の悪いところ、悪いところなるがゆえに、そこを捨てて平たん地へおりてきて、そこで農業なりその他の業につくというのがほとんどのケースでございまして、ある程度まとまった跡地利用を農業として維持できるというようなことが、実はいままでのところ私どもほとんど聞いてなかったわけでございます。たまたま夏の間のわずかな期間だけ、もともと畑があるからそこに行って少しやるという程度のは聞いておりますけれども、今後も恒久的にそういうことをやれるところがあるのかどうか、そういった実態との問題とも絡んでくるであろうと思っておりますが、そういうようなところがあるかどうか、まあ団体の方でもしあるということでございますならば、実態はよく調べてみたいと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どうも皆さんはこういう大事な行政をやっていながら、これ金かけて研究してもらって報告書が発行されて、そうしてそういう問題をこの中に明らかに提起されているにもかかわらず全然そういうことを考えてもみないなどということは、これはまことによくないじゃないですか。そういう問題、ちゃんとここに提起されているんですよ。私はこれに全部目を通したんですがね。だからそれは数が多くないでしょう、全国でも三十三市町村というんですから数は少ない。少ないけれども、そこの住民にとっては何十年、何百年そこで生活をし、共同社会を形成してきて、それを放棄して集団的に移転しなければならない、こういう深刻な問題に対して、やっぱり数は少なくても、数が少ないほど問題が深刻だということですよ。ですからそういう方策というようなものもぜひ御検討さるべきだと。いかがですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 現在の集落移転に対して国庫補助金を出しておるというその趣旨でございますけれども、集落移転というのを、これを本人の意思にかかわらずこの地区にはいろいろ離れてあるために行政上の便益が提供できないから、ここは移るべきであるというふうに強制するという制度があるならば別でございますけれども、現在は居住はもちろん自由でございます。自発的意思によって居所を変える、そうした場合に国費でもって、税金でもってどの程度まで援助すべきかというのを実はこの集落移転の補助金をつくりました際に非常に大きな問題になったわけでございます。  そこで新しい地域づくり、新しく集団で移転されるそこの地域づくり、これは公費でやるべきものであるというようなことで、そこを中心といたしまして最小限の移転補償というようなことを加えまして現在の補助金ができたという制度がございますので、その跡地で農業を営む、そういうものの自動車までということになりますと、いままでよりは大分考え方を変えなければなりません。今後の検討課題として私ども十分検討はいたしたいと思いますけれども、現行の補助制度の中ではそれはのらないということを申し上げたわけでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 だから私が前段で長々といろんな論議をさしていただいたのは、あなた方の言い分からいけば過疎になって困るだろう。困って出てくるのも残っているのも本人たちのこれは自由意思だと。責任は当人が負うべきだと。過疎がなぜ起きたか。国の経済の高度成長政策がつくり出したこれは一つの現象ですよ。そして何十年、何百年そこに生活をしてきた辺地の農民がその共同社会を放棄をしなければならない、こういう事態を過疎というものは生み出した。過疎を生み出した原因は経済の高度成長政策じゃないですか。だからいま便利の悪いところで非常に困っているこの人たちによりよい環境と生活を築いてやるというのは当然国の責任として考えるべきだ。そこで私は、最初に過疎の本質は何かということを踏んまえない過疎対策というものは間違っている、こういうことを私も申し上げたし、この報告書がそのことを指摘しているんですよ。だからね、なるほどそこに住んでいる人を強制的に出すわけにいかぬ、もちろん自由意思に基づくわけですけれども、しかしそれを指導し、そして指導に基づいて実施する場合にはその人たちが将来にわたって安定した生活が営み得るようなそういうさまざまな配慮をしてやるのが当然でしょう。どうもさっきから私がくどくど言うように、皆さんの取り組みというものがその過疎問題の本質、こういうようなものに立たずに、物理的に現象的にとらえて土建屋的発想で物を進めようとしている。それはきわめて無責任であるし不親切であるのではないか。こういうことからいまいろいろ問題を私が提起をしているわけです。だからそういう問題も、どうせそんなに日本じゅうで数多くありませんよ。数多くなければないほど問題が深刻だということで、そういう検討も積極的な姿勢で取り組んでいただきたい、こういうことを申し上げておきます。よろしいですね。  それからいろいろもっと具体的な提案をして皆さんに御検討をいただきたいとも思ったんですが、県や村からの報告と私の実際調査した実態との間に大きな食い違いがある。こういうことではいろいろな問題を私が提起してみてもこの議論はかみ合わないわけです。そこでこれさらに私も調査をいたしまして、場合によれば県の当局も村の当局もそして関係住民もここに参考人として出てもらって、そして問題の実態を明らかにした上でその対策を考えていただくということにしなければ、皆さんの方では、いやうまくいっているのだという報告に立っている、基づいている。私の方はうまくいっていないという調査の結果に基づいてその対策を皆さんに要請をしたり提起をしているんです。これじゃ全く話の進展がありません。  そこで委員長、この問題はこれ以上いろいろやってもそういうことで話がかみ合いませんから、私もこれから再度実態の調査や報告を聴取をいたしまして、そしてその実態を双方、国の方でも調べてもらって、それが一致したところでもってそれではどうしてあげるかというこういう具体的な問題の論議をする、こういうことでなければこれもうどうにもなりませんので、これから私もいろいろ現地の調査をしますし、国の方でもやってくれますが、そのまた結果に基づいてはこの問題を再度取り上げ、その状況いかんによっては参考人の要請もお願いをしてこの問題を扱いたい、こういうように思いますが、そのようにお取り計らいを願いたいと思います。  質問終わります。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) はい、わかりました。  それでは、午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後一時八分開会

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前中に引き続き、昭和四十八年度決算外二件を議題とし、自治省及び総理府のうち、警察庁、北海道開発庁と、それに関係する公営企業金融公庫並びに北海道東北開発公庫の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 初めに福田国家公安委員長にお尋ねをいたします。  ロッキード社の三十七億円献金の問題について、先ほど同僚議員からの質問があり、大臣からの答弁がございました。お聞きをいたしておりまして、どうも釈然といたしません。大臣の述べられた答えは、この問題に関しては厳正公正に処置をすると、こういうようにお聞きをいたしたところでございますが、何かやっぱり一つ落ちておるものがある。何か。それはやっぱりこれだけの重大な問題であり、全国民の関心を寄せております問題について、果断にこの問題の処置を図る、こういう態度が欠けておるようにお見受けというか、感ぜられてなりません。それで、一つは、過去のこういう不祥事件、疑獄事件というのがいつでもしり切れトンボになってしまう、政治的な圧力のもとに大山鳴動ネズミ一匹ということで雲散霧消する、こういうような傾向があるものですから、国民もそのことを心配をいたしておりますし、私個人もこの問題に関して、よもやそんなことはあるまいとは思うんですが、そういう懸念もなきにしもあらずでございます。  初めに大臣にお尋ねをいたしますが、この問題が、まあ厳正にかつ公正にやるということはわかりましたが、果断に、このことに速やかに取り組むということができないとするならば——これはもうそんなことはないと思うんですが、初めにそれらの問題についての障害と申しますか、難問と申しますか、どういう点がいまこの問題を果断に取り上げることができない原因にたっておるのか、そのところについてひとつ国家公安委員長としての立場からの見解の表明をいただきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  午前中にも申し上げたところでございますが、私は、この問題をうやむやにすることは、われわれを含めてこの議会政治家の信頼、信用を問われることに相なると思うのでありまして、これをうやむやにするというような考えは毛頭ございません。ただしかし、いままだすぐに、何といいますか、捜査に踏み切ってそうして警察権が発動しておらないところが、非常に不明朗なというか、何か物足りない感じがするがその点はどうであるかということでございます。私は、これにつきましては、すでに事実問題の調査を数次にわたって刑事局長に申し伝えてあるのでありますが、なぜいまそこまで踏み込まないかということについては、警察当局から御答弁をさせるのがいいかと思いますので、政府委員の答弁を聞いていただきたいと思うのでございます。

土金賢三警察庁刑事局長

○政府委員(土金賢三君) 大臣から御答弁がありましたとおり、警察といたしましても、具体的な事実が把握できれば、これはもう捜査に踏み切るのは当然でございますが、ただ肝心のこの事案というものが、御承知のように、アメリカの議会の関係でこういうようなことが最初にもたらされた、議会からもたらされておる、こういうことで肝心の情報元が外国であるというふうなこと、その他の点で、なかなか私どもといたしましても、具体的な事実に関する情報、あるいは資料というものが早急には収集しにくい状態にあるわけでございます。私どもといたしましては、大臣の御意向もあり、全力を挙げてそういうふうな点について当たっておるわけでございますが、いかんせんそういった情報元が外国であるというふうな点もございまして、直ちにそういうふうな具体的な事実が把握できないような、そういう状況にありますために、いま御質問のありますような、そういうふうな感じを持たれることになっているのではないかと、こういうふうに考えます。しかし、私どもが情報収集、調査の段階では全力を挙げておるということはひとつ御了解願いたいと、こういうふうに思うわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 確かに、この問題はアメリカの議会筋から出てきたということはそのとおりだと思います。ただ、この問題が議会筋から出たということで、アメリカからの資料提出、資料の提供を待って初めて動き出す、こういう慎重な態度、それも一つの態度であろうと思いますけれども、実際問題として、ロッキード社から日本に三十七億円の献金が出されておるということだけは疑う余地のないところであろうと思います。しかも、それに開運をして、期日まで明らかにされて具体的に受け渡しの行われた個人的な氏名も明らかになっておるわけであります。  で、事情聴取と申しますか、捜査活動というところまでいくかいかないかは別にして、資料を収集するということになれば、当然そういう問題について事情をお聞きするというようなことが、普通の刑事事件であったならば当然私はもうこの段階までに——これはこの二月になって騒ぎが起きた問題でなしに、昨年の十一月段階からこれらの問題はもう私どもの耳にも入っておるところであります。それがもう相当の期間を経過したにもかかわらず、依然としてどうもしりが重い、及び腰でどうも手がつけられた様子がない、こういうことであります。  で、一つは、そのID社という、いわゆるロッキード社の代理人と申しますか、一つの架空会社かトンネル会社かわかりませんが、これが出ておることは事実でございます。これについて警察庁としていままでにお調べになっておられる、どういう程度の資料を入手しておられますかですね。  それからもう一点は、いわゆる「ピーナツ百個正に領収いたしました」と、こういう問題の記事が明らかにされて、しかもその関係者がすでに明白であります。そのことを本人自身もすでに、新聞報道によれば、そのことを認めておられるようであります。こういうことが、依然として警察庁関係がこれらの事情について調査をされないということは、国民の——私ども一国民という立場から言って、警察庁が怠慢という、そういう感じさえ受けるわけであります。で、こういうことを現在までにひとつどのようにされてその努力をされておるのか、今後どうされるのか。明らかに、私どもから見れば、全くそれだけでも、もう当然捜査活動に踏み切ってしかるべきだ、こう考えるわけでありますが、この点についてどのようなお考えでありますかお聞かせをいただきたいと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○政府委員(土金賢三君) 資料の収集、情報収集ということにつきましては、私ども関係行政庁等を通じて資料収集——現在のところではもうそれしか方法がないもんですから当たってやっておる、外務省初めやっておるほか、国会での審議状況なども、私どもの重要な関心の対象の情報源にもなるわけでございますが、そういうような点について情報収集をやっております。  直ちにすぐに本人の話を聞いたらどうか、こういう御質問もあるわけでございますが、まだそういうふうな本人について事情を聞くようなその材料というか、そういうふうなものが遺憾ながらまだ私どもの手元には入っておらない。たとえば、いま御質問のありましたようなID社の実体と、あるいは役割りと、こういうふうなものについて極力私どももいろいろやっておりますけれども、現在の段階では遺憾ながらまだ報道されておる以上のことが入っておらないと、まあ一部新聞にはID社というのは香港にある会社云々というふうなことも書いてありますけれども、そういうようなことはもちろん、私どももいろいろ新聞に書いてあるようなことは承知しておりますけれども、それ以上のことがまだ遺憾ながら把握されていない実情でございます。  また、ロッキード社の金の流れの状況と、これも小委員会公聴会で金額も出、またその受領書というふうなことも出たというふうなことが報道されております。しかし、私どももそれ以上のことはまだ把握しておりません。ただ児玉氏につきましては、そういうふうなものについて、とりあえず考えられることは税の問題、脱税の問題というふうなことがさしあたっては考えられるわけでございますけれども、そういうふうな問題につきましてはこれは法律のたてまえ上、まず行政庁としての国税庁等の措置を待って私どもがそれによってまた考えると、こういうふうなたてまえというか、そういうことになっておりますので、そういうふうな点についても関心を払っておるような状況でございまして、その疑問というか、思われる点はごもっともな点もあると思うんでございますが、別にこれは私どもが故意にそういうことをやらないでいるということではなくて、いま全力庁尽くしてそういう資料収集に当たっておるわけでございますが、今後も、あるいはこれはもう捜査をする段階ということは来るかとも思いますけれども、そういう場合のことを考えますと、たとえそういうふうな情報が入りました場合でも、それを一々いまここでそういうことを言うとあるいはおしかりを受けるかもしれませんが、捜査のい主まだ前段階でありますけれども、これから捜査に入るかもしれない、そういうことを控えておる状況でございますので、いま私どもの方にどういう情報が入ったというふうなことを一々ここで申し上げるということは今後の、もしそういう捜査が始まった場合のその捜査を成功させるためにも望ましくないと、実はこういうふうに考えておる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 この問題の本質というのは、ロッキード社からともかく日本に三つのルートを通じて金が流れてきておると、その事実は否定なさらないだろうと思うわけでありますが、お話にもありましたように、この金がどういう流れで動いたのか、この金がどういう性格の金であったかと、こういうことがやっぱりこの問題の本質であろうと考えるわけであります。しかも、日本の政府高官筋にも複数で渡っておると、こういうことがまず明らかにされておるこういう段階で、捜査の秘密というようなことをお考えになっていらっしゃるんだろうと思いますけれども、国民としてはこれだけ重大な問題について警察当局、捜査当局の態度が余りにも、その何というか慎重というか、消極的と申しますか、そういう感じを率直に受けるわけであります。  いまお話挙げた中で、私は警察庁の態度というのは、アメリカの資料提供待ちと、一体日本の優秀な警察機構というもの、しかもこれだけの重大な問題についてそういうことでいいのかどうかと、警察機構のあり方、運営のあり方自体について、国民の一人として大変不満と申しますか、そういう点に対して憤りをさえ感ずるわけであります。現実にそういうのが明らかになっておるんですから、捜査ということとは別にして、事前調査というようなことでそういう具体的な方にそういうことの事情について——警察当局としてはいま現在としてはアメリカからの資料提供なければ動けないと、こういうことなんですか。国会の審議の推移を見守らなければ手出しができないと、こういうことなんですか。そこのところをひとつはっきりさせていただきます。

土金賢三警察庁刑事局長

○政府委員(土金賢三君) アメリカからの資料の提供がなければできないということではなくて、現在私どもの把握しているその資料だけでは、まだそういったアクションを起こすというふうな段階に至っておらないと、こういうことでありまして、それはアメリカからでなくとも、ほかからでもそういう情報が、そういう具体的な事実についてのそういうものが入手できればこれは実はありがたいと、こういうふうに思っているわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 私が申し上げておるのは、他動的にほかから出ることがあればありがたいと、こういうことではなしに、積極的に警察当局が、捜査当局が動かれることを国民は期待をし望んでおると、こういうことであります。そういうことについてはお答えがございませんので、私はどうも結団として大変及び腰で腰が重いなと、こういう率直な受けとめ方でございます。警察自体としてこれらの問題について積極果敢に、速やかにこの事実を解明して日本の民主主義を守る、そして国民の政治不信を取り除く、こういう努力をされるべきだと思うわけでありますが、この点について重ねてひとつお答えを求めたいと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○政府委員(土金賢三君) 私どもといたしましても、冒頭に大臣からたびたび御答弁がありましたように、これはもう厳正にこれについて捜査をしなければならない、捜査すべき段階になればこれは捜査しなけりゃならない、これはもう当然私どももそのとおりに考えておるわけでございまして、ただ、いまの段階で国民が警察の態度が少し煮え切らないと、こういうふうに考えるかもしれないという御趣旨については、これは私どもは別にそういうふうなことを及び腰でやっているわけでは決してないと、あらゆるいろいろの情報収集ということでいま全力を尽くしておると、ただそういう捜査に入ると、そのあれにはいろいろの何と申しますか、手順と申しますか、そういうものがあるわけでございまして、そういうものを通じて、やはりそのためにはある程度時間もかかることもありましょう。また、その税の問題とか、その他政治資金の届け出の問題とか、そういうふうな問題については、これは法律のたてまえ上警察が先にいってもこれはどうにもしようがない問題でございます。法律のたてまえ上はやはりそれぞれの所管行政庁の措置というものを見て、それと見合って私どもが考えなけりゃならない問題、こういうことにもなるわけでございまして、決して真相を明らかにすることに対して警察が及び腰であるとか、何かそういうふうなことではございませんので、その辺についてはひとつぜひ国民の皆様方にも御了解を得たいと、こういうふうに私考えておる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 一言、踏み切るべき段階が来たら踏み切ると、こういうお話ですが、どういう条件が具備されたときにその踏み切る時期というふうに受けとめてよろしいのですか。  それからもう一点ですね、全くの素人でも、時日が過ぎれば過ぎるほど証拠隠滅というようなことで事実を解明をする、捜査を進めるということに困難が出てくることは、これはだれでもわかることだと思います。こういうことについての刑事局長の見解、お考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○政府委員(土金賢三君) どういうふうな段階になったら捜査に着手するか、こういう問題でございますが、要するに犯罪というのはやはりそれぞれ法律がございまして、その法律に、事実関係に基づいて一つの構成要件というか、そういうものがございます。これはもう御存じのとおりでございまして、その構成要件に該当するようなそういった客観的な資料等によって、そういう特定の犯罪についての具体的な嫌疑、具体的な容疑が認められるようになった段階で捜査を行う、これが刑事訴訟法上の原則でございまして、じゃあ捜査の開始がどういう場合になるかということは、個々の具体的なケースによりまして判断すべきものでありまして、これを一律に申し上げるということは困難かと存じます。また、捜査の過程においていろいろの困難がある、これはもう仰せのとおりでありまして、私どもも日常全国警察がいろいろの捜査をやっておりますが、これはいろんな困難がある。場合によっては身命を賭して、殉職者まで出してやっておる状況でございまして、決してそういうような点について警察は自分の責務を回避するというふうなことはないと、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どうも先ほどの午前のやりとり、いまの答弁を聞いて一生懸命答えられておることはわかります。なぜ一体警察は、こうもたついておるんだろう、いまの答弁聞いてもやっぱりそういう疑問は抜け切れません。率直にひとつ、アメリカからだけの資料で捜査に手をつけることがむずかしいというのか、そのほかにこの問題に絡んで難問、困難は条件があるのか、そこをひとつ具体的に個条書き的におっしゃっていただけませんか。  それから、この問題に関連をして、一つはやっぱり先ほどおっしゃったように国税庁関係の脱税問題、これがあるということでそれが先行する、そういうような趣旨の発言もありましたけれども、それだけではないと思います。やっぱり為替管理法の問題、あるいは疑獄、汚職、刑法の問題、そういう問題があろうと思うわけですが、警察の方の答弁というのは何かこうよそ様まかせで、アメリカあるいは国税庁、そういうことでもう少し種を出してくれたらひとつやりますよと、国民はそういうようにしか受け取ることが困難です。一体困難な事情というのは、何と何と何なのか。そこのところをもう一度わかるように聞かしてください。

土金賢三警察庁刑事局長

○政府委員(土金賢三君) 捜査にまだ入れないでおると、こういうことは何回も申し上げておりますとおり、事実関係がいま入手している資料の段階ではっきりしない。捜査に着手すべき段階までまだ至っていない。こういうことに尽きるわけでございまして、その原因は情報の入手がまだ思うようにいっていない。たとえば外務省にお願いしておる資料なんかもまだ着いておらない。部分的に着いておるものもありますけれども、大部分はまだ着いておらない。こういうふうな状況でございますし、そのほかいろいろまだ基礎的な基本的な捜査を、そういうことを検討するについては、いろいろと捜査内部においても検討しなけりゃならぬ問題もありますし、そういうふうなものについて全力を挙げてやっておるわけでございまして、国税庁がやらなければ捜査ができない、そういうふうに言っているわけではございません。ただ、そういうふうな国税庁のあたりのそういうふうなものもやってもらって、それが脱税についてはそういうことであると、こういうことを申し上げておるわけで、またその過程で捜査に役立つものも出るかもしれませんし、そういうふうなことも考えておるということを申し上げたにすぎないのでございまして、ほかの行政庁がやらなければ警察も汚職捜査はやらない、こういう意味ではございません。この点については私どもも全力を挙げて現在調査に従事しておる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 このロッキード社の献金の問題ですね、昭和四十七年九月に田中総理とニクソン会談があり、その当時うわさの小佐野氏もハワイに行っておった。田中氏が小佐野氏の経営するホテルに宿泊をしておったと、そしてその後で鶴見外務省審議官とインガソル駐日アメリカ大使とが三億二千万ドルのアメリカの大型旅客機を含む飛行機の購入を同意したと、日本政府がこれに最善の便宜を計らうと、こういうことはアメリカの上院の多国籍企業小委員会で明らかにされておるところであります。  で、そういう一つの問題、さらに昭和四十三年、四十四年の小佐野氏とロッキード社の関係等も幾つか明らかに出されておるわけであります。そういう事実が明らかになるのにどうも受け身で、一体そういうことについては警察の方で何ら——やっぱり国民は不思議だな、大変深いかかわり合いを持っておるなと、こういう感じを持っておるのに、実際問題としては警察の方ではそういうことにはまず遠くの方へ押しのけて、そういうことに関してもやっぱり何かこう敬して遠ざけるというようなそういう感じをするわけであります。  で、私があちらこちらで多くの皆さん方からこれらについての意見を聞かしていただきました。日本の警察というのは政府権力者の道具あるいは、これは率直に言っておしかり、怒りになられると困るのですが、国民の声ですから、きのう電車の中でそういうことを聞かされました。政府権力者の犬になって、手先になって動かないんじゃないか、こういうことを国民は率直に国民の声として述べております。そういういまの空気であろうと思います。そういうことだとすれば、やっぱり国民の警察に対する不信感というものをこの問題に関してやっぱり起こすようなことのないように誠意を持って努力をされる、こういうことについてはいろいろお話の中からうかがえました。しかし、何も知らない多くの国民の中にはそういう率直な疑惑すら持っておるわけであります。ひとつこれらの問題について受け身の形でなくて、警察がやっぱり日本の警察ということで国民の信頼をつなぐためにもひとつ全力を挙げて解明のために努力をされるよう期待を申し上げ、希望を申し上げて私のこの問題に関する質問を終わりとさせていただきます。引き続いてまた、次の機会で重ねてお尋ねをいたしたいと思います。  いまから自治省関係の質問に移るわけでありますが、その前段として、いわゆる用地の先行取得の問題と、それから超過負担の問題をお尋ねをして、そのまとめとして自治大臣に今後の対策等についてお伺いをいたしたいと思います。建設省の方どなたかいらっしゃっておりますか。——それではお尋ねをいたします。  地方自治体では国の事業に協力をする、直轄事業に協力をするということでいろいろ努力をいたしております。河川の問題、道路の建設の問題、都市計画の問題。その事業を進めるために、協力するために地方自治団体の事業ではありませんが、国の直轄事業のために用地先行取得を続けております。私は栃木でありますが、栃木でも私がいま調査をしてまいりましたのは、新四号国道の問題といわゆる五十号バイパスの問題についてであります。  初めに新四号国道について申し上げますと、御承知のように栃木県小山市というのは全国一に交通事故の多いところで、四号線、これは四ではなくて、生き死にの死、死号線だと、こういうことで恐れられておる魔の街道でございます。その交通事故をなくし、生命の安全を図るということで新四号国道が建設をされておるわけでありますが、現在までに県内の延長四十・七キロ。そのうちで用地買収済みのところが二十八・一キロあるわけであります。この用地の取得は面積で百二十五万七千六百九十八平米であります。金額にして九十四億四千八百万円。この用地を県の公社が地方銀行から起債をして、借金をして買っておるところであります。昭和四十五年から四十六年、四十七年、四十八年、四十九年、こういうことでそういう交通難所を解消するということのために高いときには金利が九分、それから一番安いものは七分ということで九十四億四千八百万円借金をして買っておるところであります。で、そのうち建設省の方で現金化されたもの、いわゆる再取得分と申します分が、これは二十七万二千二百二十三平米、金額にして十九億九千万円、差し引きいま県の公社が抱えております分は、九十八万五千四百七十五平米の土地を抱えて、金額にして銀行の借入金が八十三億五千八百万円であります。普通の時期ならば私はそのことがそう大きな問題にならないと思うわけでありますが、御承知のように地方自治体自体が大変いま財政難で困っております。用地を取得をしろと、こういうことで一生懸命用地取得をして、金利を払っていま縁故債やなんかを募集する際にも、今後大変大量の地方債が発行される。それが縁故債で銀行が引き受ける、こういうことになった場合に、これらの問題というのが実は地方自治体にとっては頭の痛いことになっておるわけであります。  次に、国道五十号バイパスの問題についてでありますが、これはやっぱり四十一・二九キロの区間で用地買収済みが三十・〇九キロあるわけであります。これは市町村の公社がそれぞれ起債をして、借金をして、金の支払いをして、県、市町村とも関係の団体が困っておるわけであります。このような現状を当事者としてどのように把握をされて、これの解決のためにどのような努力をされておりますか、ひとつ初めにお聞かせをいただきたいと思います。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) いま新四号国道及び五十号バイパスについてお述べになりましたように、各県によってそれぞれむらはございますけれども、現在五十年の一番新しい数字で見ましても、直轄、補助合計いたしまして八千二百五十二億。そのうち直轄が二千七百七十億、あとの五千四百八十二億は補助の事業でございますが、こういう累積の保有量、保有額になっておるわけでございます。その先行取得量がこのように増加した理由は、簡単に言いますと四十七年から四十八年にかけまして地価が非常に大幅に上昇したというような事態もあり、かつ先行取得制度ということが相対的に事業を円滑化するゆえんであるということが強く認識されまして、四十三年にできました次官通牒による先行取得の通牒によりまして各事業主体がその事業についてそれぞれ道路とか河川とか公園とか、そういう承認を得まして先行取得を始めておったわけでございますが、その後、関係事業が石油ショック以来伸び悩んだこと及びその一番高いときに、四十八、九年に取得しました量が非常に多かった、この二つがダブルパンチとなって、現在各地方公共団体及び御指摘のような公社が保有しております量が多く、かつその金利負担等をあわせ考えますと、先行取得の制度の趣旨とはうらはらに現在非常に困っているという状況にあるのであります。  そこでわれわれといたしましては、今後の対策といたしまして、まず第一には、現在作業中でありますが、各事業ごとにそれぞれ事情が違いますから、再取得計画を急ぐということで再取得計画をつくっております。で、現在それを急いでおるところでありますが、大体昭和五十一年度におきましては現在、先ほども申しましたような額に対して千九百億程度の再取得計画を立てておりまして、おおむね三年を目途にいたしまして適正な保有量になるように、これはいま申しました額は非常に異常な額でございますから、適正な保有額になるように、三カ年をめどにいたしまして、五十一年、五十二年、五十三年という取得計画生立てようとしておるところでありまして、五十一年につきましてはおおむねいま申し上げましたような千九百億円を、現在作業を大体終わっておりますが、めどといたしておる点でございます。それが第一点。  それから五十一年度以降の新規の先行取得につきましては、先行取得の必要が全然なくなったわけではありませんので、それらにつきましては緊急のものにできるだけ抑制しつつもいまのやり方を、次官通牒を今後撤廃することといたしまして、この制度を国庫債務負担行為に切りかえることにいたしました。五十一年度に始まる新しい制度によって国庫債務負担行為として予算案に計上しておりますのは、現在御審議願っておる予算の中では大体二千八百億ほど予定いたしておる次第でございます。このように制度を変え、かつ再取得、既往のものにつきましては再取得計画をつくりまして、早急にこの適正な保有量に戻すということを鋭意努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 この土地の先行取得ですね。業と補助事業とあって、補助事業についても先行取得で抱え込んで困っておると、こういうことは、困ることは同じでありますが、特にこの直轄事業、これは県は、あるいは市町村は全く善意というか好意というか、協力的にやっておる仕事であります。そのことが予算を、借金をして、地方債が困難だと、五十一年度以降大変地方財政の危機で借り入れもできない。こういうことで、これは人様のために迷惑をまるっきりかぶっておると、こういう現状であろうと思います。その中で特に問題は、土地の価格変動ということがあって逆ざやという問題が一つありますね。この問題についての補償、これは一体どういうふうに考えておられますか。  それから、いまの申し上げた、答弁をいただいたことで、再取得計画、これでいままでの分は、一応抱えておる分は全部解消されますか。この点が第二点。  それから第三は、五十一年度以降は緊急のもの以外は手出しをしないと、それで債務負担行為、これは国庫の負担行為ということで予算中に明記をすると、こういうことでありますが、このことによって現状とどういうふうに具体的に改善をされますのか、ひとつそこのところをお聞かせいただきたいと思います。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) まず第一点は逆ざやの問題でございますが、現在のところまだ出ておりませんが、昭和四十八年ごろの高値のときに取得しました土地が、大体運用といたしましては三年をめどとして事業化を図ることを頭の中に置いて承認してきたのがいままでのやり方でございますから、そういう再取得計画を先ほども申しましたように、三カ年をめどとしてと申し上げましたが、その後地価が鎮静し、それから相当高い金利であること、御指摘のような金利であるというようなこと等が絡みますと、箇所によりましては逆ざや現象が五十一年度から一部分出てくることが予想されるのでございます。これにつきましては、いずれにしましてもそういう箇所は現在作業中でございますが、優先的にこれを事業化するということが必要でございます。そこで、まあできる限りそういういわゆる逆ざや現象を生じそうなところをできるだけ促進をするということが一つと、それから全体としていま申しましたような再取得の計画を進めると、この二本立てでいくことが逆ざや現象の解消に直接及び全体として解消に対する方向としてわれわれ考えて作業しておるわけでございます。  それから二番目の、三年で先ほど申しましたような適正な保有量にするということでございますが、適正なというのは、何を適正とするかということでございますが、まあ過去四十四年ぐらいから始まりました保有量をずっと見てまいりますと、五百億円台から一千億円台になり、それが二千億円台になり、四十八年ごろから急増しておるわけでございまして、したがって、大体二千億円前後の保有量というのが、まあ適正という言葉は語弊がございますけれども、その程度の保有額まで戻せるような計画にすべきではないかということで、さしあたって五十一年度は千九百億を作業しておりますが、五十二年、五十三年も、これは予算のことでございますから正確な数字ではございませんが、その程度の数字を計上いたしますれば、残額といたしましては適正なもとの保有量ぐらいに戻るのではないか。量の全体の問題でいえばそれだけでございますけれども、中身につきましては逆ざやを生じないようなふうに積み上げを行って、その消化に努めてまいりたい。  それから国庫債務負担行為につきましては、御承知のとおり国庫債務負担行為は一つの予算行為でございますから、これはいま大蔵省とその具体的な国庫債務負担行為の運用につきましての細部の仕方を詰めておりますけれども、大体五年を下らざる期間において、五年以内で、つまり取得した以降、翌年から四年以内に事業化していくことがこれで確保されますので、予期しなかった、あるいはいままでのような次官通牒によって、ともすれば財政上の事情等によって再取得したかった事業ができないというようなことになるようなことは、この国債制度をとることによってなくなるわけでございまして、はっきり明確化するわけでございますので、いまのような計画的な先行取得という意味からいいますと、国債制度は非常に長所があるというふうに申すことができるかと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 逆ざやの問題で重ねてお尋ねをいたします。いまのことではっきりしませんが、逆ざやというそういう現象は起こさないと、起こさせないと、こういうふうに理解をしてよろしいのかどうかですね。地方自治体が国の事業に協力をしてやる。善意でやったことで泣きを見るようなそういうことがあっては私はならないと思うわけです。そういうことは、その逆ざやということで市町村あるいは県、こういうことで泣かせることはないと、こういう保証がされるわけでありますか。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) この逆ざや現象によって地方財政に不当な迷惑をかけないようにいたしたいというのがただいままでに申し上げました趣旨でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 はい、わかりました。くれぐれもひとつ、いま心配をいたしておるところでありますので、いまの問題については善処をいただきますように強く要望を申し上げます。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) ただいま私が国庫債務負担行為の額につきまして、ちょっと数字を間違えましたので訂正させていただきます。  先ほど二千八百億円というふうに申しましたが、二千七百八億円の誤りでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 はい、了解。  大臣の方の質問がなくなってしまうといけませんので少し……。  超過負担の問題、これももういままでに何度か論議をされておるところであろうと思いますが、具体的な事実が私どものところでも起きておるものですので、この事実を明らかにして今後のまあ改善を要望したいと思うわけでありますが、宇都宮市で人口が急増いたしておるものですので保育所を年々建設をいたしております。で、宇都宮の北雀宮保育所というのが昭和四十九年十二月に起工されて、五十年三月に竣工をいたしました。まあ単価差、対象差というようないろいろの問題がございますが、結論的に申し上げますと、総事業費が四千六百十八万六千円かかったわけであります。これは算定基準による算定額というのが二千四百六十万円になっておるわけであります。国庫負担の額がそれの二分の一ということでありますので、実際に国庫の補助は一千二百三十万円。ところが、御承知のように実際に保育所を建てるということになれば、その工事費だけで保育所が建つものではありません。実際問題としては、各地方自治体では用地の取得ということがまず頭を痛める問題でありまして、この保育所は敷地が三千六百五十一平米であります。その取得費が一億五百九十万四千八百円。これだけの用地取得のための費用を出して、実際にかかった費用がそこヘプラス工事費の四千六百十八万円。国の補助が先ほど申し上げましたように一千二百三十万円。ですから、実際として地方自治体には大変ふところの痛い問題であります。  率直に申し上げますが、一体この基準というものが、担当の方にお尋ねをいたしますが、こういう基準を出しておる——自分でいまのこの経済状況の中で生活をしておられる人なのか、あるいはどこかよその方から、外国からでも来られた方か、天からでも飛んで来られた方か、一体こういうことについてこういう単価を出し、建築の基準を出されたということについてまず疑問を感ずるものですから、どういうことが基礎でこのような設定をされたのか、そこのところをひとつお聞かせをいただきたいと思います。

長尾立子厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(長尾立子君) お答えを申し上げます。  ただいま先生御質問のございました保育所の国庫補助の基準でございますが、私どもの保育所の国庫補助の基準の決め方でございますけれども、昭和四十八年度以前は、実は定額方式と申しまして、一カ所当たりの定員規模に応じます定額方式をとっていたわけでございますが、四十八年度から一般の社会福祉施設と同様に、建設省が統一的に決めておられます営繕単価に合わせまして単価を決めてまいったわけでございます。四十九年度におきましては、三省の合同調査をいたしまして、各補助の対象になりました施設につきましての実態調査をいたしまして、全体平均いたしまして二七・六%の単価のアップをいたしたわけでございます。  ただいま先生具体的にお挙げになりました北雀宮の保育園の問題でございますが、これは木造の定員百人という施設であろうかと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 はい。

長尾立子厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(長尾立子君) この場合に国庫補助の単価でございますが、三省合同調査等の結果を踏まえまして、実は四十九年度当初三万八千六百円という単価でございましたが、これを引き上げまして四万九千二百円というアップをいたしたわけでございます。この場合、先生いまお話しの施設につきましては、実はもう一点、面積の点で私どもが計算いたしております面積、一人当たり五平米という計算をいたしておりますが、面積が百人定員に対しまして五百七十八平米という面積の点でも大きい施設でございます。この面積の点につきましては、本年度九十一人から百二十人、ちょうどこのいま御質問の施設に該当いたします規模でございますが、五・八平米に上げるという形でいま予算をお願いいたしておるところでございまして、実は五十年度からも実質上こういう形で年度当初からこういった面積のアップをいたしたいと思っておるわけでございます。私どもといたしましては、建築の基準単価及び面積につきましては、実績に即するよう今後ともその充実を図ってまいりたいと、かように承知しておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまのお答えですが、平米当たりの単価が四万九千二百円、一体これでいま業者が、入札を通るとお考えですか。  それから、引き上げるという、坪数ですね、引き上げるということですが、一人当たり五平米と、こういうことで、それがいままでの分が足りなかったと、だから今度はもう少し引き上げるのだと、こういうことでありますが、そうなりますと、いままでの分は適当な基準ではなかったと。では、前の基準というのは一体何をもとにしてこういう一人当たり五平方というのをつくったのか。  それから、そのサンルームとかテラスとかいうようなものは、一体幼稚園には国の方としては必要ないとお考えになっておるのか、そこらのところをひとつはっきりお聞かせをいただきたいと思います。

長尾立子厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(長尾立子君) お答え申し上げます。  坪数引き上げの根拠ということでございますが、保育所等の児童福祉施設につきましては児童福祉施設最低基準という省令がございまして、面積等が、たとえば保育室、遊戯室等の面積が決まっているわけでございます。そういうものに即しまして算定をいたしました上で五平米というものを決めていたわけでございますが、たとえばこれをゆとりを持って運営する、それから職員のために特別の休憩室を設ける等の内容の充実を図るという観点から五平米を引き上げるという形にいたしたわけでございます。  それから具体的にこの四万九千二百円という単価で現実できるかという御質問でございますが、私ども国庫補助の単価を決めます場合には、全国各地域の実態に即しました形で単価を決めさしていただいているわけでございまして、現実問題といたしましては材料等に、この場合木造の建物であるかと思いますけれども、非常に幅があるようでございます。実際に即する形にもっていくように努力をいたしたいと思うわけでございます。  それからサンルーム、テラス等の御質問でございますが、私ども平均的な、先ほど申し上げました児童福祉施設最低基準に即しました形で平均的な保育所というものを念頭に置きましてその内容等を算定いたしているわけでございまして、これは社会経済の実態に即した形でその内容の充実を図っていきたいと、かように考えておるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまお答えいただいたんですがね、実際の単価というのを、私どもはそんなにこう高いところではありません。ですけれども、実際には四万九千二百円ということでなくて平米当たり五万七千八百円かかっているのです。もう坪当たりにすれば数万円の差額があるのを、机上のプランで、これでできるとおっしゃられても実際は地方自治団体は大変困っております。そこのところはお答えをいただくということでなしに、ひとつ実情を理解をいただいて、これの改善のために最善の努力をお願いをいたしたいと思います。  それから、大臣に最後にひとつ。先ほどこの超過負担の問題、土地の先行取得の問題、地方財政の危機に拍車をかけております。御承知のように五十年度減収補てん債が発行される、五十一年度財源対策債が認められる、こういうことになって、東京都やあるいは千葉、神奈川というような各県で、これらの問題に大変苦慮をされておるという報道を承知をいたしておるわけであります。それで、国債の発行引き受けは、そのシンジケート団ということで、それぞれの金融機関の協力を受けておるわけでありますが、地方債の発行、縁故債、こういうものについていま県の金庫、それぞれの金融機関から単数でこの起債を受けておるわけでありますが、これらについて、そういうことで改善ということについてはお考えございませんか。このことが市中の金融事情を大変困難ならしめ、市町村でのその起債、県はともかくとして市町村の方は大変困っておるということを耳にいたしております。この対策について自治大臣からひとつお答えをお聞かせいただきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  まず、超過負担の問題でございますが、これはわれわれといたしましては、この対象差とかあるいは数量差等々につきまして順次是正をいたしてまいっておるわけでございまして、今後もこの努力を続けてまいる所存でございます。  それから、五十年度並びに五十一年度において、この起債をもって財源不足に対処する方途を講じておるが、果たしてそれが十分に起債ができるかどうかという御心配をいただいておるわけでありますが、このいずれの場合におきましても、市町村のようなまあどちらかといえば規模の小さいようなところには財政資金でもって起債ができるように割り当てをいたすつもりでございます。そこで、大きいところになりますというと、やはり大きいといってもその規模にもよりますが、ところによってはやはり単数の銀行を指定行といたしておりまして、それがその起債に応じますというと、これが御案内のように担保適格債でございませんから、日銀へ持っていってこれを買い取ってもらうというようなこともなかなかできないということになる。そうなりますと、その地域における地銀が果たさなければならない中小企業に対する金融というような面がかなり圧迫を受ける公算があるわけであります。  そのようなことも考慮いたしまして、そういう場合においては大蔵省においても十分その点も考えてもらえるということで話をいたしておるわけでございまして、特にそういうような縁故債ならばそこまでは引き受けられないというようなことが起きた場合においても、大蔵省は銀行局等を通じてまあそれぞれの関係者と連絡をとって、必ずその地域の市等が起債ができるように措置をするということにつきまして、実は私と大蔵大臣との間で念書を交わしておるような次第でございまして、われわれといたしましては、大蔵省がそこまで踏み切っておりますので、まあ市町村に迷惑をかけることはないのではないかという観点から、今年度におきましては——今年度といいますか来年度五十一年度におきまして、五十年から五十一年におきましてはそういうことは起きないであろうと考えておるわけであります。しかし、実際に今度五十一年度において、そういうことは私はめったに起きないと思いますが、しかし、ただいまのところ自治省といたしましては、やはりこの縁故債というものも担保適格債として認めてもらうようなことが望ましいのではないかという意味合いにおいて今後も大蔵省と折衝を続けてまいる、こういう考え方でおるわけでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 終わります。

石本茂自由民主党

○石本茂君 私がお尋ねいたしたいと存じておりますのは、現在のこの自治体の体制下にあります医療の実情につきまして、二つ三つ大臣並びに関係御当局の方にこの機会にいろいろお示しをいただきたいと思うわけでございます。  その一つは、ほとんどの都道府県におきまして、いわゆる独立採算あるいはまた特別会計ということで設置いたしております医療機関の運営に関することでございますが、現在、昨年のこれは三月末の調べでございますが、病院が約九百八カ所、それから結核療養所が三十七、診療所が二千二百八十一カ所という実に大きな数の施設を自治体が所管しておられるわけでございます。そうしてこれらの機関ではその地域住民の医療福祉、特に僻地対策等々につきまして大きな役割りを果たして今日に来ておるわけでございまして、これは国民のだれもが承知しているところでございます。  たまたま昨年の秋、宮崎で開催されておりましたこの自治体病院の学会に私出席できる機会がございまして出たわけでございます。この学会のメーンテーマというのは、いつ、どこでも、だれでもが必要に応じてよい医療が受けられるようにというようなテーマでございました。しかし、話されてまいります話題の全部が、とてもよい医療なんというものはできない、このできない原因の一つは、ほとんどのこの医療機関が赤字対策のためにもう四苦八苦しているというようなことで、欲しいと思う機械器具も備えることもできないし、人件費等々のこともありまして必要な人さえもが得られないのだという終始嘆きの声でいっぱいだったわけでございます。  これも私、もとより自分もその道に働いてきた人間でございますから言われなくてもわかるんでございますが、こうした実情におきまして一昨年、四十九年度から初めてこれは自治省と厚生省の間のお話し合いだったと記憶いたしておりますが、やっと国の予算のごくわずかでございますが補助として出すことになったというような現状でございます。しかし、近間にありましても、特に市立、町村立でございますが、もうとても維持していけなくなったので民間に委譲しようというようなことで、住民にとりましてはまことにつらい悲しいことでございますが、先ほど来お話もありましたように地方財政も非常な究極的な逼迫した状態にございますために、独立採算制とは名のみで、あるいは特別会計とは名のみで、非常に多くの一般会計からの、どう言いますか、かさ上げというか援助してきているのが実情でございます。そうなりますと、今後ますますいま申しておりますような一般会計からの持ち出しはもはやできないということになりますと、医療費の問題等もございますが、医療費の問題だけでは解決できないものが地域に行けば行くほどございますので、この辺をどのように自治大臣お考えあそばしておられますのか、私はいまここでこれをこうするんだ、ああするんだ、そういうきわまることはとても期待しておりませんが、自治大臣としてのお気持ちを承っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 石本さんからただいまこの自治体病院の実情について、非常に困窮しておる実情についてるる御説明、御質問があったわけでありますが、もうすでにその際にもお述べいただきましたように、われわれとしては四十九年から起債の特例債を出すことを認めたり、あるいは不採算地区の病院の運営補助金を出しておることも御案内のとおりでございます。しかし、それでそういうことをしたから自治体病院がまあ大体うまく運営できるようになっておるかということにつきましては、われわれはなお非常に困窮しておる段階であるという認識を持っております。これからも自治体病院の健全化をいたしますには、基本的にはこの社会保険診療報酬のあり方というものがまず第一問題であります。それから医療機関の適正配置、まあ余りたくさん同じところにあるというようなことではいけません。また、医師、看護婦等の医療従事者の確保、まあこういうところでは医師に対する報酬あるいは看護婦に対する報酬等も必ずしも十分でないというような面もございまして、これを確保するということが非常に必要でございまして、これらの点も十分われわれとしては考慮をいたさなければならない。したがいまして、これらの点については各省ともよく連絡をとり協議をいたして今後とも対策に万全を期してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

石本茂自由民主党

○石本茂君 これは自治体医療機関との並びの関連でございますが、御承知いただいておりますように、現在医療従事者、特に保健婦、助産婦あるいは看護婦等の育成でございますが、これも自治体が非常に大きな今日までは育成の役割りを果たしてきておられます。現在五十二の保健婦養成所がございますが、本当に一つ二つを残します以外は全部これは地方自治体が今日まで所管していただいておりますし、助産婦につきましても、現存あります学校の三分の一以上がやはり地方自治体で育成してもらっている。看護婦等におきましては、これも御承知いただいておりますが、もう現在看護婦、准看護婦等含めまして三百六十九という非常に日本の看護婦養成の半分近いものをやはり自治体が担っていただいているわけでございます。ところが、このことにつきましても、かれこれ十年ほど前にやっと一般会計にこの養成費を入れていただきました。これは地方自治体の一般会計でございます。その後私どもこの道におります者は努力してまいったんでございますが、今年度からやっとこの運営補助費の二分の一でございますね、これがやっと入ってきたというかっこうでございまして、私が心配いたしておりますのは、先ほど来申しております地方財政がますます困惑をしてまいりますときに、こういうものが、こういう育成のところにしわがまいりまして、定員が減りましたり、あるいはまた一年抜きにやりましょうというようなことになる、あるいは廃止しようというようなことになっていくのではないかということを大変憂慮しているわけでございますけれども、これらにつきましても、一般、民間が二分の一でございますので、公立につきましても二分の一補助ということにしておりますが、この辺のことについて御当局はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。もうそれでいいんだと、仕方がない、やっぱり国の補助はまあ二分の一ぐらいでいいんだということでしょうか。それとも自治体個々の事情もあるので、まあ閉鎖になっても仕方がないということでございましょうか。そのことをこの機会にちょっとお伺いしておきたいと思います。

横手正自治大臣官房審議官

○説明員(横手正君) 看護婦養成所の運営経費につきましてでございますが、これは本来一般会計で負担すべきものというような考え方から、財政計画上あるいは必要な額を計上し、地方交付税の措置におきましても毎年度その増額を図ってきてまいっております。今回厚生省の方で運営費の国庫補助の充実措置をとられることになったわけでございますが、私どもも当面こうした厚生省からの国庫補助がなお充実強化されるよう期待してまいりたいと、かように考えております。  なお、御参考までに、公立病院にも看護婦の養成所が付設されておるわけでございますが、この運営経費につきましては一般会計で負担すべきものという考え方から、必要な額は地方財政計画上も毎年度所要額を繰り出し金として計上いたしております。この額も五十年度は二十三億円でございましたが、五十一年度には三十二億円程度にふやしてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

石本茂自由民主党

○石本茂君 そこで、これはちょっと虫のいいこと言うなとおっしゃるかわかりませんが、先ほど申し述べましたように、看護関係者の育成機関が現在もう全部合わせて四百七十三カ所自治体が持っていると。そこで、実はこの看護教育に従事しております国立機関、厚生省、文部省等におきましては、この従事職員、看護婦なり保健婦がその仕事をしているわけでございます、専任教員と申しておりますが。この者たちが文部省においては三年前から、厚生省は本年度からやっとでございますが、教育職の職員に変わったわけでございます。要するに、給与が現場の看護婦、保健婦の給与ではなくて、教育職の給与に変更し、身分がえをしたわけでございます。自治体の私どもの仲間といいますのは、国がなれば必ずわれわれ自治体の方も、その職におる者は単なる看護婦だ、保健婦だというのではなく教育職になれるんだと、そういうたてまえに立って早く国が行け行けという大変な応援があったわけでございます。それを考えますと、今後これも自治体それぞれの思惑とかいろんな事情がありますので一律にはいかぬと思うのでございますが、やはり本省といたしまして何か指導の形で、できるだけ早く教師の身分がえを国に右へならえをしたらどうかと、あるいはするべしというような御指導はいただけないものでございましょうか、このことをお伺いいたします。

横手正自治大臣官房審議官

○説明員(横手正君) 看護婦養成所の教員につきまして教育職を適用することを指導すべきではないかと、こういうお話でございます。ただ、自治体におきましては、この教員につきまして専任教員のあるところがあり、あるいは兼任に非常にウエートを置いておられるところもあるやに聞いておりますし、それぞれ実情がいろいろ区々のようでございます。したがって、現在では教育職を適用しておるところもあれば、行政職あるいは医療職、この適用をしておる団体もかなりあるわけでございます。こうした実情にございますし、地方団体といたしましてもそれぞれの実情に応じて現在の形をとっておりますので、画一的に指導するのはやや困難かというふうに考えております。ただ、個別の団体におきましていろいろ問題があれば必要な指導は私どもといたしましてもしてまいりたいと、かように考えております。

石本茂自由民主党

○石本茂君 まあ多分そういうお答えが出るだろうと思っておったわけでございますが、私はやはりこの機会にお願いしておきたいのは、個々別々、ばらばらというよりも、やはり教育機関に働く者は現業ではございませんので、なべて教育職になれるような御指導をぜひとも強化していただきたいことをこの機会にむしろ要望しておきたいと思います。  続きましてお尋ねいたしたいのは、自治医科大学のことでございます。これは私どもも漏れ承ってきたところでございますが、医師確保のためにまあいまから四年前に自治医科大学を開設されたと。主としてここで育成されて将来出てくる医師になる人々は、医師になったときには僻地等、そういうところに主として勤務することになるであろうというようなことを承っているわけでございます。まあそういうふうなことがたてまえでありますので、これも私の言うのも十分知らないで言うことになりますが、修学資金等も一般の医科大学に行っている方と違いまして、全くほとんどまあ国が自治省の、どう言いますか、おもたせになっているようにもちょっと聞いております。それはそれで結構だと私は思います。それからなおこの教育内容、私よくわかりませんなりに比較検討する機会がありまして、一般の医科大学とこの医科大学の内容を見ますと、かなり現場を中心とするような非常にユニークな教育体制がしかれているように思うんです。  これも大変結構だと私思うんでございますが、現在ただいまの問題といたしましては、約八百床もあります大病院を設置してございますが、もちろん必要がないから全部開設しないという言い分もあると思うんですが、昨年におきまして非常にたびたび新聞紙あるいは報道機関を通して私どもの目に触れましたり、実際の声として聞いたこともありますが、なかなか看護婦の確保が困難であると。そのためにいま三百床しか開いていないのだというようなことも一部漏れ承ったわけです。しかし、学生はどんどん学年進行いたしておりまして、もうすでに現場実習といいますか病院実習が始まっているわけでございますし、看護婦の確保ができないからということで病棟が大方閉鎖されておったのでは、私その道のことよくわかりませんが、本当にすぐれた実力のあるよい医師というものをそういう現場の中で、実習体制の中で育成ができるのだろうか、これは要らぬ老婆心だと言われるかもわかりませんが、そういう意味で、いささかちょっとどういうことになっていくのだろうかという、老婆心だと思いますが、考えたわけでございます。そういうことで看護婦の確保対策をどのように進めてこられましたのか。きょう現在、ただいまはもうその心配はなくなっているということでございますのか。  それから、あわせまして私これも一つの質問であり、要望になりますが、この医科大学に付設してあります看護婦養成機関でございます。これが当初から私ちょっと疑問に思っておったのですが、准看護婦の資格を持っている進学のいわゆる二年制の看護学校でございます。私はそれに、あることには何もこだわりを持っておりません。おりませんけれども、すばらしいよい医者を育てるというたてまえがあるのなら、やはりすぐれたよい看護婦を育成すると。一人の看護婦を育成すれば三人分ぐらいは能力、識見を発揮できるというものをあわせて、自治省は医師教育の面だけでそういう斬新なものをお取り入れになるのではなくて、看護教育の面でもそういうものをなぜお取り入れいただけないのか。あるいはまた将来に向かってどういう看護教育につきましてお考えを持っていらっしゃるのか。二つのことを……。その現場実習、いわゆる実習の機関であります病院の体制の中で、看護力不足のためにもし十分なベッドが、どういいますか開設できないとすることになれば、これは養成されます医師の学生に対しての問題が出てくるのではないだろうかということと、それからもう一つ、看護教育の面でもう一歩進めて、そして進学コースも結構でございますが、できることなら私はどこにもないようなユニークなすばらしい看護教育の場をお考えいただけないものかと、この二つをまずお尋ねいたします。  これは後で大臣にも一言だけお考えを聞きたいと思います。

横手正自治大臣官房審議官

○説明員(横手正君) 最初の自治医大における看護婦の充足対策の点についてでございますが、現在はお話のように病床数は三百床でございまして、これに見合います看護婦は一応確保されてございます。また、ことしの四月から五百床に増床する予定でございますが、そのために必要な看護婦につきましても一応見通しを立てておるような状況でございます。逐次病床の増床にあわせて必要な看護婦の確保には万全の措置を講じてまいりたいと、かように考えます。  第二点の、現在の付属看護学院の今後のあり方についての問題でございますが、何分現在のところ発足したばかりでございますので、その面では現在の体制の充実を図ってまいる必要があろうと、かように考えておりますが、将来やはり自治医大全体の整備計画、これとの関連もにらみ合わせながら教育施設の充実には十分意を払ってまいる必要があろうと、かように考えておりますので、その点、御意見を参考にさしていただきまして、今後検討を続けさしていただきたい、かように存じます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま付属看護学院の拡充強化については政府委員からも答弁をいたしたところでございますけれども、御案内のように、まだ創立早々のことでもございますし、これを、御趣旨は、二年というのを三年の大学制にでもしてはどうかという御趣旨もあろうかと思うのでありますが、そういう場合におきましては、やはり施設の面から考えてみましても、あるいは教職員の数その他から見ましても、いますぐにということはなかなか困難かと思いますが、しかし、これはこの学校の性格から見ても当然将来は考えていかなければならないことであろうかと思っておりますので、その意味で今後努力をさしていただきたいと思います。

石本茂自由民主党

○石本茂君 このことにつきましては、私、自分一人の考えかわかりませんけれども、国家機関の医師養成機関でございますし、文部省の所管いたしております医科大学あるいは大学の付属医学部というものとやはり肩を並べて、それ以上の特性というものを発揮していただきたいという、どういいますか、大変勝手でございますが、欲張った願いを込めて、一校だけお持ちでございますし、大きな目的と希望を持っておつくりになった学校でございますので、特にそのことをお願いしておきたいと思います。  次の三点として、この機会にお尋ねしたいと思っておりますのは、実は緊急医療のことでございます。これは救急医療と申し上げていいかわかりませんが、これはいまさら言うまでもございませんが、先ほどもちょっと触れましたように、都道府県立の医療機関が大変救急医療に対しまして大きな役割りを果たしてきておるところであると思いますが、新聞等に出ますように、夜間等、どういいますか、にわかにけがをいたしました、そしてなかなか救急病院をたたきましても、ベッドが満床でございますとか、きょうはその道の専門家の医師が当直しておりませんということで、あたら命を落としていってしまうというようなことが再々新聞紙上に出るわけでございます。私はこれは自治省のお立場で、そんなものはそれは医療の問題ですから厚生省の所管事項であって、余り自分のところでは関知しないことだと、そんなことはお考えになってはおらぬと思うのでございますけれども、この救急医療の場合に、まあありがたいことだと思っておりますが、消防署が一役担っていただいておりまして、連絡がありますと、大至急にさっともう病人の輸送という役割りを果たしていただいております。そのせっかくの輸送の役割りを果たしていただいておりますが、一番大事な受け取る場所がなかなか受け取ってもらえない。これは厚生省だ、それは医者が悪いんだ、病院が悪いんだというだけで、一体この問題をほうっておけるんだろうかというような愚痴くさいことを私ときどき思うわけでございます。  そこで、自治省当局のお考えを聞くわけでございますが、さっと消防署所管の中にある輸送班が出まして、さっと輸送できる体制ができている。それなのに受け入れる体制ができ得ない。これはやはりどういいますか、消防対策と同じことで、病人はいつ出るかわからない、いつどんなけが人が出てくるかもしれない。地方自治体は、地域住民の生活擁護あるいは幸せを含めて、やはり生命の管理というものも当然その中に入っていくべきものだし、入っているんだというふうに思うわけでございます。そうなりますと、いま厚生省は医療の具体性その他につきましての所管をし、指示し、あるいは責任を持ち、あるいは権利、あるいは義務というものを持っているかと思うんですが、私は、いま申し上げている問題については、自治省が運んでいった病人を受け取るべしというような、厚生当局がもしこの全体を所管するものであるとするならば、そこに向かって自治大臣が絶対受け取るべしと、取らなきゃいかぬのだというような強い権限をお示しいただけないものだろうか。それはやっぱりちょっと壁がありますし、問題がいささか違ってくるのでそれはできないんだということではないように、まあ素人考えでございますが、私は思うんです。輸送は全部全責任を持って承りました、これは救急医療の場合でございますから、その先の治療のことについては関係ありません。あすこへ行ったら断わられました、こっちへ行っても断わられました、十八カ所回っているうちに死んでしまいましたでは、何か非常に残念な気がするわけです。  そういう意味で、何か言葉が悪うございますけれども、どういうんでしょうか、権限というもの、自分たちが運んでいった御病人は必ず受け取って治すんだと、しなきゃいけないんだという権限を発動できないものでございましょうか。あるいはまた、それを発揮できるような地方自治体の中に緊急医療の体制というものをおつくりできないものでしょうか。お医者様に頼って、病院に頼って、そして医師の良識がなくなった、いや病院はけしからぬと言っておっただけではこれは片がつきませんので、何かそういう法体制というようなものでもできないものだろうか。大変愚痴なことを申しますけれども、そういうことを考えますものですから、この機会に御当局のお考えを聞き、また大臣の、そういう事柄につきまして幅広いことを、たくさん深いものをお持ちでございますから、それはまあ厚生省だなとおっしゃらないで、やはり自分はこういうふうに思っておりますと、何かお考えがございましたらお示しをいただきたいと思うわけでございます。

横手正自治大臣官房審議官

○説明員(横手正君) 救急医療体制の整備の点でございますが、御指摘のとおりでございまして、この点の解決のためにはやはり救急病院というものを十分整備してかかる必要があろうと存じます。救急患者を搬送いたしました場合に、病院に医者がおれば必ずこれは引き受けてくれるはずでございますが、とかく問題になりますのが休日とか夜間の場合、医者が不在というような場合にどうも問題が起きておるわけでございまして、この点につきましては、厚生省が中心になるわけでございますけれども、休日夜間診療所の整備を進めてきておられますし、またさらには救命、救急センターというのを新たに設置しようというような計画も立っておられます。  なお、病院においては、救急病院になりますと、とかく赤字要因になりがちだというようなことで、いささか積極的でないような事例もあるわけでございますけれども、その点につきましては、自治省としましても、地方財政計画上必要な救急病院の経費はこれは計画に計上いたしますとともに、地方交付税を通じて必要な財源措置を講ずると、かなりの努力を続けてまいってきておるわけでございます。今後も引き続きこうした面については厚生省とも連絡をとりながら十分な措置が講ぜられるよう努力してまいりたいと、かように存じます。

石本茂自由民主党

○石本茂君 もういまのお話で大臣はよろしゅうございますが、私は最後に一つだけお願い申し上げたいと思いますのは、自治省というところ、そして地方自治体というところは、そこに住んでいる住民の全部に対するあらゆる意味でのどういいますか、援護対策、養護対策あるいは保護対策というものを進めてきておられるわけでございますし、いま私が先ほど来聞いてまいりました医療にいたしましても、厚生省あるいは自治省ともどもにいろいろの御勘考をいただいてきておりますけれども、設備だけ整いまして、あるいはそういう整備体制ができ上がったから全くこの問題が解決できるだろうかということに私はやっぱり心配をするわけでございます。先ほど来申しておりますように、赤字のこともあります、専門医がきょうおりませんということもあります、看護婦もおりません、放射線技師もきょう休んでおりますというような、現在ただいまの言われております、聞いております実態をどうしたら一体なくすることができるだろうか。財政上の問題はさっき申されました交付金等の問題で精いっぱい御努力をいただく、われわれも努力をするということで、ある程度片がつくかわかりませんけれども、いま申しました人材等の整備というようなことになりますと、これはなかなか問題はむずかしいだろうと思いますので、あえて私は法的な体制ができないものでしょうかというようなことを言ったわけでございます。このことにつきまして大臣の御見解を一つだけ承りたいと思います。  以上でございます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御指摘のとおり、自治体病院の問題で一番大きいことは経営難ということであり、もう一つはやはり住民の医療行政を十分に果たすという意味合いにおいては人の確保といいますか、医師並びに看護婦の確保を図るということが最も大事なことであると存ずるのでございますが、このことにつきましてはわれわれもかねがね頭を悩ましておるところでありますが、なかなかこれは、早急に解決するには、たとえばお医者様にしても看護婦にしても、養成あるいはその学校の施設等々におきましては、そう簡単にこれをつくってふやすというわけにはまいりません。もちろんふやしつつありますけれども、簡単にいかないというところにわれわれの悩みがあるわけであります。しかし、住民の福祉を守るという意味から言えば、人の確保ということはこれはもう避けて通ることのできない必須の問題でございますので、これからもその面で各方面とも連絡をとってひとつ努力を続けてまいりたい、かように考える次第でございます。

石本茂自由民主党

○石本茂君 一応私これで質問を終わりますが、残り時間を遠藤委員が関連でお願いしたいと言っておりますから……。

遠藤要自由民主党

○遠藤要君 関連。自治大臣に対して二、三率直にお尋ねをいたしたいと思います。  一つは、地方自治体の歳入欠陥が御承知のとおり出ておると。そういうふうな点で、東北の各府県においては県庁職員、警察官等の待遇が、人事院勧告が御承知のとおり示されておりますけれども、それの逆に一号俸ダウンさせて人事院勧告が七月から実施と、そういうふうな状態になっておるということで、いかにまあ歳入に大きな欠陥を生じたかということは大臣も御承知だろうと思うのであります。そういうふうな財政の中において国がいま公共事業を大幅に増額して景気浮揚を図りたいと、こういうふうなことで進められておりますけれども、その受け入れ体制の地方自治体が財政的に非常に窮屈だと。そうしてその欠陥を人件費にまでしわ寄せをされていると。そういうふうな点で、地方自治体の負担のかさむ公共事業が果たして全面消化ができるかどうか、こういうふうな心配を私は持っております。そうなりますると、せっかく国で景気浮揚策を講じようとしているときに、都道府県にいっては、その国の施策に水をかけたような、冷やされた姿になるのではないか、こう思いますが、大臣のお考えをお尋ねしておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御指摘の面でございますが、まず地方公務員の給与の問題でございますが、これはところによって必ずしも国家公務員と同じではなくてむしろダウンしておる場合もございます。それが即この公共事業をよけいふやしたことによるかどうかということになりますと、これ必ずしもわれわれはそうとも思っておりませんが、しかし、御指摘になったように、ことしは実は非常に財源難でございましたために、五十年度におきましては、補正予算を組んだときには裏負担は全部起債で認めましたから補正予算だけはうまくいっておりましても、単独事業を相当年初来計画しておった面はある程度ダウンしておるように——まだはっきり実数をつかんでおりませんけれども、そういう面にしわ寄せがいっておる。それが一つはいわゆる景気浮揚に余り公共事業が役に立たなかったんではないかという批評を承っておるわけでございます。  そこで、五十一年度の予算におきましては、私たちはこの裏負担の問題には特に力を入れるといいますか、裏負担ができるように措置をしなければならないというので、直轄事業にいたしましてもあるいは補助事業にいたしましても、裏負担になる面につきましてはその裏負担分の九五%は起債をつける、残りの五%は交付税で見ると、こういう仕組みをつくりまして、そういうふうにつくってありますから、この裏負担ができない、来年度におきましては、五十一年度においては裏負担ができないから仕事ができないということはもう絶対にないものと思うんでありますが、それにしても年度当初に一応全額予算に計上して、そして実施することにしてもらいませんと、途中になってどこかへその金が動いたためにできなくなったということになっては困るので、実は先般各府県の総務部長を呼びまして、年度当初に予算をつくる場合においては、必ずこの全額を施行する予算計画をつくってもらいたいということも指示をいたし、これからもその意味で監督をしてまいる所存でございます。したがって、そういう意味合いからいって、五十一年度におきましてはいま言いましたような公共事業が裏負担の不足によってできないというようなことは万々ないと思いますが、今後も私たちとしてはそういうことのないように指導をいたしてまいる所存でございます。

遠藤要自由民主党

○遠藤要君 よくわかったんですけれども、大臣、ただ、地方自治体はやはり歳入等の予算規模といいましょうか、その限度内の借金は、起債は結構だろうけれども、それ以上することによると赤字団体に指定を受けると。それで自治体は何とかして赤字団体だけは避けたいと。こうなりますると、やはり限られた仕事と、人件費や何かも最小限度に抑制していかなければならぬということになるわけなんです。それで私は大臣に、これは私の希望なんですが、もし許されるならば、せっかくこのような景気が沈滞しており、国も躍起となっておると、その際でございますので、私はできるならば時限法的に、二、三年は余り赤字団体とか何かということでかた苦しくなく、少し県なり何かの単独事業も起こされる、また県庁職員の給与も人事院勧告に従って支給されるというような方法ができないものかどうかということをお尋ねしておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  地方自治体が非常に困っておるので、自治体のために非常に意を用いられた御質問であると承っておるんでございますが、実はやはり自治行政をやってまいります場合においては、たとえば人件費の問題についてもある程度の一つの基準というものをやはり認めていかなければなりません。それが非常に高い場合、国家公務員などと比較して高い場合はやはり考えてもらいたいということは言わざるを得ないのであります。そこで、いまあなたのおっしゃったのは、そういう公共事業の裏負担をするために、いままでの人件費をまた落とさにゃいかぬようなことになってはかわいそうじゃないかという御趣旨かと思うんでありますが、この点については個所づけの問題があると思うのであります。自分のところが裏負担ができる限度以上の仕事をとろうといたしますというと、いま仰せになるような問題が起きてまいりますので、なるべく速やかに建設とか運輸とか厚生とか文部とかいうような、いわゆる公共事業に関係のあるところと連絡をとられて、各府県が、そうして自分のところではどれくらいの仕事が来年度においてできるかというようなことも十分考えられて、その上で仕事をされることにすれば、そういうような意味での影響は出てこないのではないか、こういうふうに考えております。  それから、そういうことであるからして、起債とかなんとかそういうような面も余りかた苦しく言わぬようにせいと、こういうお話でございます。これはまた起債を余り自由にしますと、これはみんな人件費にいったりする可能性もございまして、これではまたかえって問題を混迷させることにもなりますので、一応われわれといたしましては、それらの点も十分無理をしないようにはいたしますけれども、しかし、いままでの考え方をここに改めてと、あるいは法律で一応決めておりますから、起債なら起債は自治省の認可を受けなければならないと、当分の間ということになっておるのでありますけれども、当分の間ならもうやめたらいいじゃないかという御質問もよく承るのでありますけれども、やはりこの際はこういうような非常に地方自治体が苦しい財政状況にある段階においては、われわれとしては起債の認可ということも一応筋を通してやってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。

遠藤要自由民主党

○遠藤要君 時間がないので、簡単にいま一つだけお尋ねしておきたいと思います。  実は先般のスト権ストのデモや何かのときに警察官が、大臣御承知のとおり、人事院勧告が四月というのが、逆に一号俸現在より減らされて、そして七月よりというような大変窮屈な給与になった警察官が、片方はスト権ストのためにやっているのに対して、いろいろ警察官が混乱を起こさないような処置をとっておると、非常にちぐはぐな状態であるわけです。私も、人事院勧告ということは那辺にあるかということは、あえて私から申し上げるまでもなく、公務員がストや何かをやらせない、そういうふうなために完全実施させたいというような方向でいっておると思うんですが、そういうふうな点で、特に私は警察官がそういうふうな立場で県民の治安維持のために挺身されているというような点があるわけですが、自治大臣という県財政のいろいろの面を見られている大臣であり、片や国家公安委員長という立場でもございますので、この警察官の待遇はもちろんですが、県庁職員も同じような問題でございますけれども、こういうふうな面について、ひとついかようにそういうふうな点をお考えになっておるか、お聞かせをちょうだいしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) もう御案内のように、公務員の給与等々に関しましては、これは県の条例等々によって決めるわけでございます。そこへもってきまして、警察官というものは、一部を除きましては各地方自治体が支払っておるわけでございまして、その結果、一方の自治体においては四月からベースアップが行われ、片一方は七月とか八月、九月になるというような場合も起きておる。これは同じく国民のために治安を守っておる警官としてはまことに不合理ではないか、気の毒ではないかという御趣旨で御発言があったと思うんでありますけれども、御案内のように地方自治体がこういう警察官の給料も支払うという制度にいまなっておるわけでございます。学校の先生は半分半分ということになっておりますが、警察官の方はもう自治体が持つということになっておりますので、どうしてもやはり条例に基づいて支払いをせざるを得ないというのが実情であります。ただしかし、警察官が非常に待遇が悪いというのは気の毒ではないかという意味も含めての御発言と思いますが、実はその点私も非常に心配をいたしまして、教員等と比較いたしまして警察官の方が低い、一般的に低いようになっておりますので、今度の人事院の勧告等に当たりましても、何とか教員と肩を並べるところまでひとつ努力をしてもらいたいということも人事院に申し入れたようなわけでありまして、ある程度は是正ができましたけれども、まだ十分というわけにはいっておりません。これらの点は今後もひとつ警察官のために大いに努力をいたしたい、国家公安委員長としてはその義務があると考えておるような次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私はきょうは、自治省の管轄の質問でございますが、特に日本住宅公団の問題についてこれから質問をいたしますが、住宅行政という問題を論ずる場合に、いろいろと私たちも調査をし、きょうも質問するわけでございますが、実は、自治大臣、自治省に相当関係があるわけです。住宅建設、特に公営住宅を建設する場合に、周りの環境といいますか、そういう整備という問題が全部絡んでまいりまして、計画どおりになかなか実施できないというのが実情のようでございます。  そこで、これはこれからいろいろと議論をいたしますので聞いていただいて、その上でまた大臣の御見解をお伺いしたいのでございますが、初めに、大臣、これは国の住宅行政としまして、私は特に安い住宅を豊富に提供するというのは非常に大事な問題だと思うんです。それで、そういうような観点からきょういろいろと質問するわけでございますが、まず、大臣は、この住宅行政というものに対してどういうふうな御認識を持っていらっしゃるか、初めにお伺いをしておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 峯山さんにお答えいたしますが、いま日本人が一番望んでおることは何であるかというと、自分の家が持ちたいというのが一番切実な要望であると思うのでございます。で、そういう意味から言いまして、これは、今回、景気浮揚に住宅問題を取り上げるということもございますけれども、それよりもっと根本的な問題として、住宅問題というものを国民の全般の福祉を考えるという立場において重視をしていくということは政府としては当然の義務でなかろうか、そういう意味から言って、住宅を建設するに当たりまして、それに付属するところの学校であるとか水道であるとか、その他いろいろの施設等もやらなければならないということが出てまいります。そういう場合におきましては、自治省といたしましては、これらの住宅問題と関連をいたしまして、できるだけの努力はするようにいたしてまいりたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 確かに、日本人の現在の切実な願望として自分の家を持ちたい、これは非常にそのとおりであろうと私は思います。しかしながら、実際問題、政府の住宅政策、住宅建設の計画は、毎年、計画どおり進んでいない、これは事実でございます。  そこで、私、大臣、計画どおり進まない原因は、これは正確にでなくても結構です、大臣の感じていらっしゃるままをおっしゃっていただけば結構でございますが、この計画どおり進まない原因は那辺にあるとお考えですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えを申し上げますが、一つは、住宅問題で土地問題というのが一つの大きな要素に相なろうかと思います。それからその次は、やはり付属施設が十分にできるかどうかという問題、これ自治体との関連において考えなければなりません。その次は、やはり予算が不足をしておるということではなかろうかと思うのでございます。予算ということになりますというと、国の財政がどれだけの余力をそこに配分できるかということによっても決まるわけでありますから、そこいらを考えてみますというと、まだ日本の経済力というものがそれほど十分でない面もあるのではないか、私はそのように見ておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 初めに——本当は大臣の御答弁は後でよろしいんでございますけれども、質問の都合上いろいろやったわけでございますが、いまの大臣の答弁の揚げ足を取るようでまことに申しわけないんですけれども、もう一つだけお答え願っておきたいと思うんですが、要するに計画どおり進まない原因は三つ大臣いまおっしゃいました。一つは土地問題、二つ目は付属設備の問題、三番目は予算の不足の問題と、こうお述べになりましたが、私きょうこれから質問することは多少関連ございますので、この土地問題という、一番初めにこの問題を挙げられましたが、この中身は大体どういうふうなことでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  どうも私は余り専門家ではございませんので十分に御納得していただけるかどうかはわかりませんけれども、たとえばいわゆる何階も階層を重ねるような公団住宅のようなものでございますというと、ある程度土地の確保が容易であるかもしれません。しかし、それにしてもいまはだんだんこれが都市の近郊においては非常にこれを得ることが困難になりつつあります。また個人の一戸建ての住宅になりますというと、よほど遠距離でありませんというと土地を入手することはできない、こういうことになっておろうかと思うのであります。そうなれば、やはり一戸建ての住宅がほしいというのは、本来の個人としてはそれが願望でございますから、これから建てる公団住宅というものは、やはり二DKとかなどというようなまあ独身者が入るようなものは別として、やはり家族が入るような場合には三DKとか、将来は予算でも十分になれば四DKくらいのものができるようになれば一番いいんじゃないかと、まあこんなようなふうに素人考えで考えておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そこで、大臣、きょうこれからの質疑を聞いていただいて、また後ほど御答弁をいただきたいと考えております。  そこで、まず、きょうは大変お忙しいところを住宅公団の皆さんにおいでをいただきました。そこで、住宅公団、きょうは総裁お見えでございますか、まずお伺いをいたします。  一つは、会計検査院の検査報告がございますが、この検査報告に私は住宅公団のことが毎年報告をされております。大体、会計検査院がこの検査報告に指摘をしたり報告を載せるということは、これはよほどのことがないと載せない、私たちそう認識をいたしております。といいますのは、私たち、この決算委員会に——まあ決算委員会にこの報告を出すわけではございませんが、決算委員会はこういうふうな資料を特にもとにして、その都度決算の審査をするわけであります。したがって、いわゆる公団にいたしましても国鉄にいたしましても、この検査報告の中に指摘をされ、あるいは問題があるというふうに検査院がそれを載せるというのは、よほどの確たる証拠とまた確たる資料、そういうふうなものに基づいてでなければ載せるはずはないと私たちは認識をいたしております。これは、総裁、私の考えとどこか違うところがございますか。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) そのとおりでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そこで、総裁、残念ながら実は私たち非常に問題に思っておりましたのは、これは指摘が毎年載りますけれども、たとえば大蔵省にしましても、本日審査をいたしております自治省にいたしましても、同じ指摘が二年も続けて載るなんていうことは、これは非常に大変遺憾なことだと私は思います。これは、総裁、どうお考えです。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) 一度指摘されたことにつきましては、できるだけ改善措置をとるということは、受検当局といたしましては当然のことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そのとおりだと私は思いますね。実は、昨年もこの当決算委員会におきまして通産省の輸出保険というのが問題になりました。これはいわゆる国会に対する報告そのものが数字を概算で、推計で載せておったということで相当問題になりました。しかも、この問題が二年連続ということになりまして、当時は、内閣の決算報告すら訂正をしたというようなことに発展したわけであります。  そこで、実は、あの推計の報告とは性格は違います。しかしながら、この住宅公団の会計検査院の報告を見てみますと、非常に問題が多い。そこで、私は、きょうは総裁を初め公団の皆さんに具体的にこれからお伺いをするわけでございますが、住宅公団としては、私たちが問題にするまず第一番目は、何といいましても家賃の安い住宅ですね、これを私は提供するということが非常に重要な問題であると思っております。最近の公団の家賃の様子を見てみますと、非常に高くなっておりますね。最近は家賃も年々高くなる。給与の上昇に合わせて家賃を上げていく制度やら、いろいろと庶民が入りやすいような体制にされつつあるようではございますが、それにしても、われわれの感覚からすれば非常に高い家賃になりつつあります。この家賃を安くする努力ですね、これは、総裁、公団としてはどういうふうな方法をとっていらっしゃるのか。総裁、公団が現在家賃を安くするための努力、どういうふうな努力をしていらっしゃるのか、これを具体的にいろいろとお伺いをしたい。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) 家賃が年々高くなるということは、公団当局にとっても非常に頭の痛い問題でございます。高くなる原因は、これは地価の高騰、建築費の高騰ということでございまして、できるだけ土地で言えば安い土地を探さなければいけないと、予算では一戸当たり、たとえば四十九年度の当初で言いますと七百六十万で一戸をつくりなさいというような予算になっておりまして、そのようなことでやるためにはどうしても遠方の土地を探すというような、安い土地を探すために立地が遠くなるという問題がございます。しかし家賃の問題につきまして、根本的にこれを下げる方途はあるのかと申しますと、現在は、家賃計算は五%の金利ではじいております。これを下げるという努力をわれわれは予算のたびにいたしておりまして、明年度は市街地住宅につきましては五%でなくて四・五%というふうに下げることによって九千円近くの家賃を下げる、月額九千円くらいの家賃の低下を招来すると、このようなことも努力しておるわけでございます。  建築費の方もできるだけ労賃が上がっておりますので、プレハブ化をいたしましたり、あるいはコストをどうしたら安く建築ができるかということについて技術陣も真剣になって検討しておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは具体的な問題に入ってまいりたいと思います。  いま、家賃が年々高くなる、その主な原因としては地価の高騰、それから建築費の高騰、この二つを挙げられました。私は、きょうは、この問題について後ほどいたしますが、そのほかの問題もあわせて御答弁をいただきたいと思っております。まず、住宅公団は今年度は住宅を幾ら建設をしたか、こういうふうな実績、これは私の手元にも日本住宅公団業務年報というのが昭和五十年度版が届いておりますが、こういうふうな住宅建設の実績を見てみますと、昭和四十九年度は何万戸とか、四十八年度は何万戸というようなこれございますが、私がちょっとお伺いしたところによりますと、いわゆるこの実績ですね、これは発注したベースで実績を押さえていると、こういうふうに聞いておりますが、これは間違いございませんか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 発注したベースで数字を出しておる場合が多うございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまの答弁は、そういう場合が多うございますということでございますが、まだそのほかのこともあるんでしょうかね。実は、私の手元にありますいろんな資料はほとんどが発注ベースの資料になっております。そこで、この発注ベースというのは非常に私は問題があるんじゃないかと、こう思います。  といいますのは、たとえば、私の手元にございます昭和四十九年度の決算検査報告、これによりますと、住宅公団は賃貸、分譲合わせまして六万九百九十五戸を発注した、こういうふうな実績になっておるわけです。ところが、実際は六万戸のうち直ちに着工できた分と、実際に直ちに着工ができなかった分と、こう分かれております。ですから、この検査報告の書き方によりますと、発注後直ちに着工できない、そうしてできないためあらかじめ着工可能日を定めているものが四万八百八十二戸ある、こういうぐあいな資料になっております。これは私は実際に六万戸注文しながら、実際は四万戸は直ちに着工できない。しかも私の手元にある資料によりますと、その四万戸のうち二万二千戸は百八十日以上を超えてもまだ着工できない、こういうぐあいになっておりますが、これはまず検査当局にお伺いしますが、これは「直ちに着工できない住宅建築工事の発注状況表」という資料があるわけでございますが、この具体的な数字をトータルのところだけで結構ですから、一遍報告をしてみてください。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(柴崎敏郎君) これは検査報告におきまして「発注後直ちに着工できないためあらかじめ着工可能日を定めているもの」ということで掲記をいたした内容でございますが、これにつきましては四十九年度における発注戸数全数で六万九百九十五戸ございます。そのうち直ちに着工できないものの発注戸数が四万八百八十二月分、さらにその中でその着工できない期間が百八十日を超えるもの、これが二万二千百九十四戸分、かような内容になっております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは非常に私はこういうふうな実情で見てみますと、実際問題、発注ベースでいわゆる工事の実情を押さえるということ自体に問題が出てまいります。特に半年以上も着工できないということになりますと、その実績そのものがやはり私はおかしな状態になってくるんじゃないか、こういうぐあいに考えられるわけですね、実際問題として。そういうところについてもやはり今後こういうふうなデータを報告する場合に、とにかく契約だけ先にしてその年の実績に入れてしまおうと、こういうようなことでは私はいかぬと思うんですね、実際問題。やはりこういうふうなものは、その実績というのは現実に入れる数ですね、実際。そうでなければ、これは具体的なわれわれの住宅事情というものに対しての——当然契約してしまえばいつかはできるんだということになるかもしれませんけれども、これから私が指摘をするいろんな問題を一つ一つ取り上げてまいりますと、実はそうではなくて、やはりでき上がったところでその実績を押さえるというのがこれは大事になってくるんじゃないか、そういうふうにも考えられるわけですね。こういう点については、公団としてはどうお考えですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) ただいまお話がございましたように、四十九年度約六万一千戸発注いたしまして、そのうち約四万一千戸が六カ月以内の障害期間つきの発注でございます。で約六七%に当たりますけれども、私ども、敷地造成の関係あるいはいろんな手続の関係で、六カ月以内に着工、現場立ち入りができるというようなものについては、大体、住宅公団の事業は年度事業でございますので、年度内に主体工事を少なくとも発注すると、そういうふうにすることが工事の促進につながると、こういうふうに考えまして、近く着工できるという見込みの確かなものにつきましては、そういうふうに一定の障害期間を明示いたしまして発注をいたしておるわけでございます。で、もちろんこういう障害期間つきの発注は必ずしも好ましいことではございませんので、私どもの努力といたしましては、この六カ月をだんだん縮め、なおこういう障害期間つきの発注をなるべく少なくするように努力をいたしておるところでございます。  なお、この六カ月以上のものが二万二千戸ということになっておりますが、この百八十日以上が二万二千百九十四戸と、こういうことになっておりますが、これを六カ月以内というふうに勘定いたしますと、六カ月を超すものが私どもの勘定では大体七千二百戸ございます。これはまあ途中いろいろな事情がありまして着工がおくれた分でございますが、これにつきましても、現在は、この着工のおくれた分につきましても約四千七百戸につきましては着工いたしておりますし、残り二千五百戸につきましても、本年の五月までに着工できるようになる見込みでございます。重ねて申しますけれども、なるべく私どももこういう戸数が少なくなるように努力をいたしておるところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、いま御答弁いただいている方は公団の理事の方でございますか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) はい。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ただいまの、公団の方では七千二百戸ということでございましたね、百八十日を超えるものが。これは一体——私は、直ちに着工できないものが四万八百八十二戸、そのうち百八十日を超えるものというのが二万二千戸あると、ね。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 百八十日で区切りますと二万二千百九十四戸になります。しかしながら、私どもは六カ月障害ということで大体六カ月の障害期間は置いておりますので、六カ月を正確に勘定いたしますと百八十三日になります。ですから百八十四日以上というふうに区切りをつけて勘定いたしますと、これが先ほど申しましたように約七千二百戸になるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 こんなたった四日で二万二千戸と七千二百戸と違うの、これ。検査院ね、たった四日でそういうふうな、たとえば住宅公団は六カ月というのは百八十三日だと、たった四日間でその二万二千戸と七千二百戸の違いがある。こんな点は私はやっぱりきちっとすべきだと思うんですよね。  それでやはり、私は、住宅公団もこういうふうなことになるというのは遺憾なことであって、こういうやり方がいいんだというような考え方は困る。やはりこういうようなことは、発注するのは、契約をして直ちに契約金を払い、実際工事が着工できるというのが正常な姿であって、しかも前に検査院から指摘があって、資金の効率的な活用ということで昭和三十何年かに指摘ありましたね。その当時、前金は三十日前から二十日前に支払うということになったわけですから、少なくとも指摘されたその二十日以内に着工できるというのがこれは一応原則でなくちゃいかぬわけですよ、私はそう思うんですよ、実際問題。それが六カ月以上着工できないということ自体にも問題があるわけです、前金の問題は別にして。  ですから、それを百八十日を超えるものは検査院は二万二千戸と指摘をしておるわけです。いまあなたに私が質問したら、百八十四日という限度にすれば七千二百戸になる。ということは、逆に言えば、検査院の指摘はこれは大幅な間違いであるということにもなりますよね。ここら辺のところは、検査院、これはどうなんですか。たった四日間でこんないいかげんな報告をわれわれにするというのはいかぬ、これは本当に。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(柴崎敏郎君) ただいま公団の方から御披露がございました百八十四日と見た場合の七千二百戸というこの計数につきましては、私どもただいまここで初めて伺いました。  その点についての確認はできておりませんが、私どもとしましては、百八十日、これをまあ一カ月三十日として六カ月というようなことで、まあ百八十日というのは決して短い期間ではございませんので、これを一応の目安といたしまして、その期間を超えるものがなおそのうちで三六%もあると、こういうような趣旨で申し上げたわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはね、公団からそういう発言があったわけですから、この中身については、四日間の違いでそれだけ違うという具体的な資料々全部ひとつ詳細にして出してもらいたい、よろしいですね。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 資料を提出いたします。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、私は、こういうふうな公団の発注の状況、これはこれだけじゃないわけです。これから私がずっと取り上げてまいりますが、公団のいいかげんな資金の運用、こういうところに大きな問題がある。きょうこれから指摘をしてまいりますが、そこにこういうようなものの考え方、会計検査院から指摘されても、大したことはない、たった四日の違いで二万二千戸と七千戸だという、そこの違いのその認識の仕方のところにね、こういうようなずさんな契約になったり、着工の状況になったりするわけです。そこのところを私は深刻に考えるべきだと思うんですよ。当然、私はね、検査院から指摘をされたら、そのことに対して深刻にその問題を受けとめないといけない、そう私は考えます。  それでは次に、この住宅工事の施工の状況について具体的に一つずつお伺いいたします。  工事の中止の状況、これは三カ月以上六カ月未満とか六カ月以上九カ月未満、それぞれございますが、大体、六カ月以上、期間、件数、請負金額、この順に検査院から御報告願えますか。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(柴崎敏郎君) これは住宅建設部門に限ってのことでございますが、工事の中止になっているもの、四十九年度中でございます、三カ月以上六カ月未満が六件、金額にいたしまして、これは請負金額でございますが、十七億一千六百六十万円、六カ月以上九カ月未満が二件、請負金額で十八億六千六百五十万円、九カ月以上十二カ月未満は二件ございまして、六億九百万円、さらに十二カ月以上、これは一件は二年七カ月、さらに一件は二年三カ月という期間でございますが、これが件数で二件、十億五千七百万円、さらに再開の時期が現在未定であるというもの、これが件数で三件、九千六百三十五万円、計十五件で五十三億四千五百四十五万円でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは実際問題として、先ほどの工事の着工の問題にもかかわってくるわけです。実際に着工したけれども、こういう周りのいろんな環境ででしょう、これは工事を中止をせざるを得なかった。   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 現実に十五件で五十三億というような金額になっているわけですね。これに対しては公団としてはどうお考えなんです。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 御指摘のように十五件工事を発注いたしまして、途中で中止をいたしております。で、これは工事中に地元の住民の方々といろいろ工事公害その他につきまして話し合いがつかないために中止したもの、そういったようなもの、あるいは日照、電波障害、騒音等について途中から話が出まして折衝しておるもの、そういったようなもののために工事中止をしておるわけでございます。  で私どもといたしましては努力をいたしまして、できるだけ早く工事の再開ができますように努力をいたしておるところでございますけれども、現在の時点で申し上げますと、この十五件ありますうちの九件につきましてはすでに話し合いがつきまして、工事を再開いたしております。それからあと一件につきましては、現在、意見を調整中でございます。それから残りの五件につきましては、なかなか地元の反対が強くて、再開の見通しがつきませんので、この五件につきましては工事契約を解除いたしております。  以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは私はそういうふうな問題、非常にそれぞれ事情はあろうと思いますね。しかしながら、その事情があるにしても、こういうふうな実情になるというのは、よほど前もっての調査なんというのは非常に大事になってくると私は思うんですよね。そういうところについても今後やっぱり発注という問題について、その実績を発注で押さえるという、そこのところにやはり問題があると思うんですよ、私、実際問題。これは後ほどずっと質問を続けていって、最後にまたもう一回やります。  次に、すでに過ぎた事業年度ですでに発注して、そしてその発注した建築工事でいまだに未着工のもの、この検査報告の中で数字は全く出ておりませんが、この検査報告によりますと、一行だけ「既往事業年度において発注した工事でなお着工に至らなかった」、こういうふうなものがあると、こういうふうに記載をされておりますが、この主なものについてそれぞれ契約工事名、契約年月日、戸数、請負金額等、これは検査院の方から御報告を願いたい。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(柴崎敏郎君) 既往年度に発注いたしまして、これは五十年三月三十一日現在でございますが、なお着工に至っていないもの、これは全部で七工事ございます。  その最も古いものは川口東本郷団地における住宅建築工事で、契約は四十七年三月三十日、戸数百五十戸、請負金額二億六千万円という内容でございます。以下、丸山台団地、これは横浜でございますが、四十七年三月二十八日、百八十六戸分の建築で四億。車返団地、これは府中でございますが、四十八年三月三十日、五百九十六戸分、これは十五億。車返団地、同じく別件契約で四十九年三月二十八日、五百六十戸分、十億三千万円。さらにこれは京都でございますが、花園鷹司団地の四十九年三月二十九日の契約で五百四十戸分、九億四千万円。さらに神戸のひよどり台団地、四十九年三月二十七日契約、百三十戸分、一億七千万円。また先ほどの別件契約の車返団地、店舗住宅建築工事でございますが、四十九年三月三十日、これは戸数で二戸、一千五百万円。計七工事で、戸数で二千百六十四戸分、請負金額が四十三億三千六百三十一万二千円というのがその内容でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、公団、未着工の主な理由はどういう理由でございますか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) この七つの工事、それぞれ理由がございますが、まず川口東本郷団地でございますけれども、これは当初用地買収のときは地元と十分話をいたしまして、排水路等について問題があるけれども、解決の見通しがあるということで買収をいたしまして、着工いたしたものでございます。ところが途中で排水路の整備につきまして地元からいろいろ意見が出まして、工事中止をいたしまして折衝しておる途中で、今度はその用地全部を小学校用地に使いたいという話が出てまいりまして、その話がなかなか調整がつかずに現在に及んでおるわけでございます。これはそういう状況でございますので、四十九年八月に一応契約は解除いたしてございます。  それから丸山台団地につきましては、これは契約をいたしまして工事に着手する段階で、地元付近の住民の人々から、工事公害——ダンプが通る、そういう関係の工事公害についていろいろ意見がございまして、協議中、これもいっそのことこの用地全部を県立高校用地にいたしたい、したがって住宅公団、住宅建てるのはやめてほしい、こういうことになりまして、これも現在なお地元と調整中でございます。したがって工事は契約解除を四十九年八月にいたしてございます。  それから車返団地が合計三件ございますが、これにつきましてはこの団地建設に関連いたしまして都市計画街路を建設をするということがこの団地建設の条件になっておりまして、これの用地買収を、これは市の事業でございますから住宅公団が委託を受けまして現在やっておるわけでございます。それで地元の市の意見といたしましては、この都市計画街路が完成する見込みが立たないと団地建設に着手してもらっては困るというようなことがございまして、現在、この三件につきましては基礎打ちまでやりまして、あと工事を待っておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それで結構です。  そこで、大体、その工事の未着工の理由というのはそれぞれわかりましたけれども、こういうふうな一つ一つについては、要するに契約時点で実績に押さえているわけですから、これはそこら辺のところはどうなんですか。契約解除しますね、そうしますと、すでに、たとえばいまの第一番目、第二番目にありました二つのこのいま四十九年八月に解除したという話ですね。少なくともこの二つのやつはこの四十七年の実績に入っているわけでしょう。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 過年度で解除しました分はその戸数に見合う分を次の年の年度から繰り上げて充足するといいますか、穴埋めをいたしております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それではその穴埋めした実態を資料で出してもらいたい。  これはなぜ私こんなことを言うかというと、実際にはこれはグラフをつくったり、いろいろ資料を出していますね。四十七年に出した分は四十七年、四十八年、四十九年とこう資料に載っていくわけですね、実態が。そしてそれを今度は四十九年であなたはこの穴埋めしているとおっしゃいますが、たとえば四十九年に六万九百九十五戸を発注した、この分から具体的にその解約した分をこれはマイナスしているんですか。ということは、逆に言いますと、六万九百九十五戸プラスこの解約した分がすでに入ってて、四十九年度の実績で調整しているの、これ。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 本件の場合、具体的に申しますと川口東本郷、丸山台ともに四十六年度事業でございます。したがいまして四十七年の三月に発注いたしておりますので、四十九年度発注のこの六万九百九十五戸の中には入っておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それは当然ですがな。四十七年の三月三十日、四十七年の三月二十八日、四十六年度事業のぎりぎりいっぱいに契約しておるわけです、これね。ですから四十六年度事業に入っているわけでしょう。このあなた方のこのグラフの幾ら発注したというこの資料が出ていますよ、四十六年に。四十六年に十七万一千二百六十六戸という中に入っているわけでしょう。それで契約を解除したのは四十九年八月でしょう。どこで調整をしているんだと言うんですよ、ぼくは。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 契約を解除いたしました時点で、その四十九年度の戸数を繰り上げて四十六年度へ持っていって、順繰りに繰り上げてまいりますけれども、充足させてる……

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 だから私は言ってるんですよ。そうすると四十九年に実際に契約したのは六万九百九十五戸プラスこの四十九年八月に解除した二つを含んでいるんかと言うんですよ。そうでないと合わないでしょう。ですから、そういうことになるでしょう。  あなた方が要するにこの発注という問題に対して、その発注の実績をどこで押さえるかということに対して、すでにこういうふうに解約というのが幾つもあるわけです、現実に。そうすると実際これは調整は不可能でしょう、実際問題。ここら辺のところは、具体的にあなたはいま二つ解約した、この二つについては具体的に出ているから言うんですが、この二つについては四十九年の八月に解約をしたから、四十九年で繰り上げて調整をしたということは、現実に四十九年に発注した戸数、もうこれはここに数字六万九百九十五戸と出ているわけです。その六万九百九十五戸プラスこの四十九年の八月に解除したこの四十六年度事業の分を合わさないと四十九年の実績が六万九百九十五戸にならへんやないかと、こう言うとるわけです。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 六万九百九十五戸というのは、要するに四十九年度に発注した戸数でございます。この六万九百九十五戸の中には、本来の四十九年度分の戸数もありますし、それから四十八年度分を繰り越してきた分も含まれておるわけです。だからそういうもの、それからいま四十六年度穴埋めを四十九年度からすれば、その分も含まれて、要するに四十九年度にいろいろな年度のレッテルのついた戸数がありますけれども、それを実際に契約した戸数をサムアップすると六万九百九十五戸になる、こういうことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは私はあなたのおっしゃっていることは全然わかりません。そこは。わかりませんが、これはこんなことでいつまでもかかっているわけにいきませんので、いまあなたがおっしゃったことは、私、全然理解できません。できませんので、この問題については後で資料をきちっと文書で提出してもらいたい。  一つ一つやっておりますと非常に時間がかかりますので、次に、すでに発注した建築工事、これを解約したというのが出ております。この検査院の文章によりますと「契約を解除したりしたものが相当件数ある。」、これだけ書いてあるわけです。この具体的な中身について検査院から、工事名とかいろいろありますが、これは結構ですから、工事を解約した件数及び戸数、それから契約金額、これだけで結構ですから、一遍おっしゃってみてください。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(柴崎敏郎君) 簡単に申し上げます。  ちょっとこれトータルいま出ておりませんが、全部で七工事ございます。七工事で、先ほどの御披露がありました丸山台団地三百八十八戸の分、契約金額十億の分でございます。それと、同じく丸山台団地の別件工事の分で四十七年三月契約の分、四億の分でございます。次もまた御披露申し上げました川口東本郷団地の四十七年三月三十日契約の分で四千四百万。同じく川口東本郷団地の四十七年三月三十日契約の一億五千六百万。さらに第三番目の川口東本郷団地の契約分、四十七年三月三十日、一億四百万の分。それからこれは四十八年、京−五号建設工事という件名の村田機械神足団地の分でございますが、四十八年九月二十九日契約、八千五百万の分。それから四八−大−三一号建設工事という名前の日繊商事箕面団地の契約、これは戸数十六戸ですが、四十九年三月十九日契約分で九千七百八十万。計七件工事になっております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これも先ほどの未着工の分と関係がございますが、契約を解除したものもすでにこういうふうな件数であるわけですね。  こういうふうに一つ一つ見てまいりますと、これは非常に契約時点で発注戸数を押さえるというのは、住宅の建設というものが現在こういうぐあいに行われているというふうな観点から見てみますと、非常に私は問題がある、こういうぐあいに思います。  さらに、この点はまあ先ほど大分言いましたので、特にこの点はあれしまして、次に、すでに住宅ができておりながら長期間入居することができない、あるいは何といいますか具体的にいろいろな問題があって入居できないんであろうと私は思うんですけれども、完成後長期間入居できない団地ということが、車返というんですか外十一団地、九千五百七十八戸ある、こういうぐあいに指摘をされておりますが、この団地名と戸数で結構ですから、一遍報告を願います。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(柴崎敏郎君) 順を追って申し上げます。  車返団地六百五十四戸分、牧の原団地二百二十戸分、朝日ケ丘団地四百五十二戸分、成田ニュータウン二千五十二戸分、高洲第二団地千八百二十六戸分、真砂第三団地一千四十戸分、野菊野団地百二十八戸分、狭山台団地四百九十戸分、北坂戸団地百二十戸分、みさと第五団地二百六十六戸分、みさと七団地五百八十八戸分、みさと八団地九百四十戸分、みさと九団地二百二十戸分、みさと十団地二百十二戸分、泉南一丘団地三百七十戸分、最後に箕面粟生団地、これは校舎等でございまして、以上合計いたしまして九千五百七十八戸分でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは大臣聞いておいてほしいのですが、住宅公団で団地をつくった、それで現実にいま御報告ございましたように九千五百七十八戸にわたる団地が入居できないというわけです。  その入居できない理由、非常に一つ一つを説明をいただいておりますと時間がかかりますので私申し上げますが、この理由をずっと見てみますと、一つずつ申し上げますと、下水道及び関連街路の未整備、下水道といわゆる道ができていない。それからバスの運行についての協議がまだおくれておる。それから公共下水道の整備が遅延をしている。成田新国際空港が未開港である。それからバスの運行についての協議がおくれておる。学校の開校時期との調整、駅前広場の整備の遅延、土木工事の遅延、それから汚泥処理設備の夫整備というのが四件、隣接地における工事との調整。住宅工事着工遅延により入居時期がおくれている。まあこういうふうにほとんどの問題が地方自治体のいわゆる行政というものとそれぞれ関係がございます。ここら辺のところも一遍後ほど質問いたしますので、頭に入れておいていただきたいと思います。  そこで、私は、こういうふうな一つ一つの問題、まずこれは家の問題であります。この住宅そのものの問題ですが、こういうふうな問題は、公団住宅としましても、事前の準備なり打ち合わせなり、そういうふうないろんな問題に手抜かりがあった、やっぱりあったんだろうと私は思うのですが、だからこういうような問題が起きているんだろうと私は思うのです。さらには、こういうふうな問題が起きてくるというのは、もう一つは着工の時点でこの工事を実績に挙げる、これはやっぱり一番初めの問題に必ず返ってくる問題じゃないかと私は思うのです。やはりそういうような観点から多少いわゆるこの建築工事という問題については、住宅公団としても、こういうような問題に本格的に取り組んでいただきたいと私は思うのです。まあこういう点、まず概要で結構ですから、御答弁いただきたい。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 竣工後入居がおくれておる団地が御指摘のようにございます。で、これらは先生がおっしゃいましたように下水道、バス、駅前広場、いろんな関連公共施設の整備との調整がおくれておるというのが主な理由でございます。  もちろん私どもといたしましては、着工する当初からこういった問題につきまして十分地元地方公共団体と協議を重ねてまいっておりますけれども、遺憾ながらなおかつこういう事態を生じておるわけでございます。今後とも、十分、地元公共団体等関連機関と協議をいたしまして、こういったそごがないように努力をいたしたいと思っております。  なお、この約九千六百戸のうちで大体その後努力をいたしまして五十年度中に入居できるものが約五千七百戸ございます。  それから初めの話の障害期間つきの発注でございますが、もちろん私どもこれが十分いい方法とは思っておりませんし、こういうなるべく障害期間つきの発注をやらなくって済むように今後とも努力をしてまいりたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、もう一つの問題点、これは大臣が先ほど計画どおり進まない理由として土地という問題を大臣は挙げられました。この土地の問題というのは非常に私は重要である、こういうふうに考えております。大臣と考えは全く一緒であります。ただし、ちょっと違うところがあります。それは住宅公団が非常にたくさんの土地を抱え込んで、そしてその抱え込んだ土地のいわゆる利息のためにいろんな問題が起きているのじゃないかと、現実に、これは私は非常に問題だと思うのです。  そこで、まず二通りに分けて御答弁を願いたいと思うのですが、その実態を検査院から報告願いたいと思うのですが、まず初めに、長期間使用できないと見込まれる住宅等建設用地、いわゆる昭和五十二年以降になって使うと、しかも四十五年度以前に買収に着手したもので四十九事業年度までに使用していないものについて御報告を願いたい。これは非常に時間がかかりますので簡単で結構です、トータルで結構です、どの程度の面積でどの程度の金額のものがあるのか、一遍お伺いしたい。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第五局長

○説明員(柴崎敏郎君) これは、先生からもお話がありました、使用の見込みが五十二事業年度以降にならなければ見込みが立たないと、で取得の時期が四十五事業年度以前に買収に着手したものであると、こういう一つの条件の枠内で拾ってみますと、面積にいたしまして七百十八万平方メートル、これの金額六百四十七億円になっております。  以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは大変な金額ですね。これはしかも昭和五十二事業年度以降になって使うというものと、それから四十五事業年度以前に買収に着手したと、二つの枠をはめてこういうことになるわけでありますが、この七百十八万平米、しかもその金額は六百四十七億ということであります。しかも、その中には昭和四十三、四年度に購入したものもありましょう。相当長期間にわたってこれは買収をしているわけですね。これは、一体、この買収した金額には利息はつかないのですか、これはどうです。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 利息はつきます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ただいま報告のあったこの問題については、現在まで利息はどのくらいついているのですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) ちょっと計算いたしておりませんが。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、計算していないということでは非常に困る。当然、私は現在まで、これは私が申し上げましたほんの一部ですね、しかも。  もう一つ申し上げましょう。  今度は、長期間事業に着手できないと見込まれる宅地造成地区、長期間事業に着手できないのに買収するなんということ自体がおかしいわけです、私に言わせれば。ですから、これは昭和四十五事業年度以前、四十五年以前に買収に着手して、しかも四十九事業年度末現在で事業に着手しておらず、しかも相当長期間を要するもの及び事業着手時期が五十四年度以降になると見込まれるもの、これは五十四年以降ですから、大変なもんですよね。これについてはトータルで何万平米で、金額にしてどのくらいになるのか、お伺いしたいと思います。

白川英留日本住宅公団理事

○参考人(白川英留君) お答えいたします。  宅地造成部門で長期間事業に着手できないと見込まれるものは、十地区でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 トータルで結構です。

白川英留日本住宅公団理事

○参考人(白川英留君) 保有土地面積は千四十二ヘクタールでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 金額。

白川英留日本住宅公団理事

○参考人(白川英留君) 金額は四百五十四億二千万円でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうしますと、この金額には利息はつかないのですか。

白川英留日本住宅公団理事

○参考人(白川英留君) つきます。八分の利息がついております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうしますと、先ほどの住宅等建設用地七百十八万平米で六百四十七億、これとただいま御報告のあった分とはダブってないんでしょう、これはどうですか。

白川英留日本住宅公団理事

○参考人(白川英留君) ダブっておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、千七百ヘクタール、両方合わせますと千七百ヘクタールで六百四十七億と四百五十四億、これは千百億、これは少なくとも一年間に幾ら利息つくんですか。これはことしから利息がつくにしたって大変な利息になるんじゃないですか。しかも、いま参考人から答弁ございましたように、長期間事業に着手できないと見込まれる宅地造成地区、どうしてこういうものにこんなに四百五十四億、千四十二ヘクタールというような土地を買収しなければならないのか、こういうふうなものはすべて家賃に加味されてくるんでしょう。これは私は納得できないんですよ。  こんなことをしていると、幾ら何でも、家賃を安くする努力をしていると総裁が先ほどずいぶんおっしゃいましたけれども、私はそういうことでは困る。こういうふうな——端的に言いますと、会計検査院が昭和四十二年に住宅公団の資金の効率的使用を図るべきであるという勧告をした意味が何にも効いてない。効率的な運用どころか、かえってこういうふうに長期間使用しないものをどうして買収しなきゃいけないのか、これは一体どういう理由があるんですか。それは、理由はつければ、後で幾らでもつければいろんなことは言えるかもしれませんが、こういうふうな土地の買収のやり方をやっていると家賃は幾らでも上がっていく。これだけじゃないんです。私がこれいま二つの問題を出しました。これは先ほどから言いましたように、七百十八万平米で六百四十七億、そして千四十二ヘクタールで四百五十四億、この二つ以外にもまだあるわけですね。  これはこれからまた取り上げますが、要するに、こういうふうな土地の運用の仕方、土地の運用というよりも、資金の運用のやり方をやっておりますと、公団住宅の家賃は幾らでも高くなってしまう。こういうふうな運用の仕方は私たちが納得できる問題ではない。これは昭和四十九年の決算報告に基づいて質問をいたしておりますが、長期間にわたって使えない土地を購入し、かつこれだけのものが現実にあったわけですね。ところが、昭和四十八年で指摘をされているわけです。ところが、長期間使えない土地というのが昭和四十九年度ではふえておるわけです。前年度より増加していますね。こういうふうな実情は一体どこに原因があるのか、これは総裁どうなんです。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) 御指摘の問題は、公団といたしましてまことに頭の痛い問題でざごいまして、できるだけ現在寝ておる土地を活用するようにこれに全力を挙げるということで組織、人員の配置もそのようにしていかなければならないということをただいま検討中でございますが、問題は、長期に使用できないという問題の一番の根本は、地元の公共団体との話がつかないということでございます。たとえば、東京の小山田地区その他いろいろございますが、なかなか人口抑制の問題にぶつかりまして、住宅の建設そのものについての第一に、計画の基本であるところの戸数について話がつかない、こういうような問題がございますが、一番長期になりますのは、何といっても四十五年の線引きの際に調整区域に入っておるということで、その後調整区域を凍結していきたいという地方公共団体の意向がございまして、この問題がなかなか片づかないわけでございます。  四十八年、四十九年の半ばくらいまで毎年地価は二〇%、三〇%上がりますので、できるだけ早く公団といたしましては土地を安いうちに手当てをしたいという焦りがございました。この結果、安い土地に若干工事、その他の問題があるとしても飛びついた。安い土地というのは、御承知のように大体社会資本が全然ないか、あっても非常に少ないという土地でございます。したがいまして、排水の問題にいたしましても、必ず河川改修その他にぶつかりまして、ほかの行政との関連におきましてなかなか解決ができないという問題にも逢着するわけでございます。  私ども、四十八年はいわゆる一億総不動産屋と言われた時代でございまして、現在手持ちの中にいろんな用地の中には、わざわざ大企業から放出してもらったというような土地もございます。しかし、残念ながらそれらが調整区域に入っているために自後の開発がなかなかめどがつかない。これを計画開発ができるようにただいま主務官庁の方にもお願いを申し上げております。そういうようなことで過去のこういった土地の買い方につきましては重大なる反省をいたしまして、五十年度、五十一年度、用地の買収につきましては、当年度事業にすぐ着手できる土地以外は買ってはならぬという措置を講じまして資金の効率化を図りたい、このように思っておりますが、一日も早くこれらの寝ている土地を掘り起こして、住宅建設の当年度、来年度の事業化に寄与していきたいと、このように目下努力中でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは私、非常に重要な問題だと思うんです。  そこで、いま二つ申し上げましたが、この一つは、長期間使用できないと見込まれる住宅等建設用地、それから後の方が、長期間事業に着手できないと見込まれる宅地造成地区、この二つについては、現実の問題として現在までどの程度の資金がかかったというのはわかっておりますので、現在までどの程度の利息を払ったことになるのか、概要御答弁をいただきたい、後ほど。  それから、これはこの問題とはさらにまだ関連があるわけですけれども、東京のグラントハイツの問題があるわけです。  グラントハイツの跡地の問題についても、これは私の手元にある資料によりますと、昭和四十六年、四十七年ですね、四十六年の七月、四十七年の九月、この二カ年間に四件契約をいたしておりますね。そして、その二年間の契約のトータルが大体二百億になっております。そうして最近昭和四十九年と五十年で二件契約をいたしまして、トータルで二百八十四億、こういう金額になっております。これも、これだけの膨大な金額をかけて、そして計画どおり住宅は建設できないという原因が一体どこにあるのか、しかも、これだけ金額をかけて買収しなければならないのか、もう少し国の方なり建設省なりあるいはそういうところで、この買収を住宅公団がそんなに急いでやらないで、もっとほかの方法でその肩がわりできる方法はないのか。そうでないと、国から買って、それでそれには利息はついて、そしてさらには家賃にはね返るというのでは、これは困るわけです、実際問題ですね。しかも私がいま申しました東京のグラントハイツの問題については、ただいまの二つの問題の中には含まれてないわけです。  そうしますと、こういうふうな膨大な金額が、住宅公団は一体どこにお金があるのか、一体そのお金はどこからきたお金なのか。そういうふうに私は考えてまいりますと、実際問題、住宅公団の資金の効率的な運用という問題について、一体住宅公団はどう考えているのか、これを指摘したくなるわけです。こういうふうな問題、特に東京グラントハイツの問題について一体どうなっているのか、これから一体どうしていくつもりなのか、そして、このお金にかかる利息というのは一体どうなるのか、ここら辺のもう少し効率的な使用というものは考えられなかったのか、こういう点についてはどうなんです。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) グラントハイツは、全体で百八十二ヘクタールのグラントハイツの跡地があるわけでございます。で、その百八十二ヘクタールのうち八十六ヘクタールが住宅用地、それから公園用地が六十ヘクタール、その他というようなことで計画が立てられておりまして、その八十六ヘクタールの住宅用地の中で住宅公団は五十七ヘクタールを使って住宅を建設する計画でございます。残りにつきましては東京都都営住宅でございます。それから東京都の住宅供給公社が用地を取得して住宅を建てると、こういう計画でございます。  それで、本地区は東京都心部に残されました大規模な跡地でございますから、総合的なかつ円滑に計画を推進しようということで、東京都を事務局といたしまして、東京都、練馬区、板橋区、それから都の住宅供給公社及び住宅公団、この五者でもって開発計画会議というものを構成しまして、その下に連絡協議会、調整部会、作業班というような組織がありまして、関係者が寄って、たとえば調整部会は現在まで七回、作業班は九十九回、会議を持ちまして、跡地の利用方針、周辺の整備計画学校計画等をいま調整をしながら計画を立てておるところでございます。  それで、現在一番問題になっておりますのは、この八十六ヘクタールの住宅用地に何戸の住宅を建てるかということでございます。それで、当初は住宅を建てる側とすれば、約二万三千戸の中高層の住宅を建てたい。これに対しまして、地元の練馬区は、そういう大きい団地ができますといろんな関連公共施設の財政負担がかかってまいりますので、一万二千戸にしてほしいという一万二千戸案を主張しておるわけでございます。で、現在は両方いろいろ話をいたしまして、大体東京都の方で一万五千戸前後でどうだろうかという調整案をつくりまして、これをいま検討しておるところでございます。  それからそのほか、そういう戸数が決まりますと、それに対して小学校、中学校、高等学校といった学校をどの程度用意するか、それから、その団地に参ります足、これは都営地下鉄の十二号線が予定されておりますけれども、これとの関連をどうするか、それからあるいは、このグラントハイツ跡地の周辺の整備をどういうふうにするか、そういったようなところをいま協議をいたしておるところでございまして、住宅を建てる側の住宅公団といたしましては、五十一年度中にでもこの計画をセットいたしまして——計画をセットするというのは、一団地の住宅施設として、都市計画として東京都に決定してもらうわけでございますけれども、そういう都市計画の手続を踏みまして、五十一年度に一部でもぜひ着工できるようにいたしたいということで東京都、そのほか各方面にこの調整連絡会議を早く開いて話を決めることを要請しておる段階でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは総裁、私もその経過を聞けば経過は経過でわかるんです。けども、実際問題住宅公団としてこの地元の要望等も入れて、それで一般の零細な企業やあるいは民間が持っている土地とは違うわけですね。国から買うわけです。それだけに私は、昭和四十六年から四十七年にかけてこんなにたくさんの金額を払って、そして利息を払って、それで現在までまだ着工できてないということは納得できないわけです。少なくともこれはもう少し建設省——きょう建設省は住宅局長来てますか。——建設省、これね、こういうふうなものは建設省でもうちょっと考えて、もうちょっとちゃんと家が建つようになってから住宅公団が国から買収する。ここら辺は利息はつかないんですか、これ。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) これもやはり利息はつく事業でございます。したがいまして、われわれもその協議会の中には参画をいたしまして、いろいろと意見を申し述べてまいっております。  ただ、このグラントハイツの敷地の取得につきましては、前に建っておりました米軍の建物、これを公団の用地費でほかのところに逐次建てていきまして、その見返りとして用地を公団が取得するという方式から始まったものでございます。で、先ほど理事から申し上げましたように、大分話が詰まってまいりまして、一万五千五百戸案というものが現在提示をされておりますので、われわれといたしましては、当初計画の二万三千から相当下がる話でございますけれども、じんぜんと日を過ごすよりは早く着工した方がいいというふうに踏み切っておりまして、ぜひとも五十上年度中の着工について努力をしたいと考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それが私、局長、納得できないんですよ。大体米軍の施設を別途よそへ建てる場合、米軍の施設を建てるそういうような費用を住宅公団肩がわりして建てて、それで住宅公団がその土地をかわりにもらう、こういうふうなやり方は私は非常にいかぬと思うんです。そんなものは防衛施設庁がちゃんとやればいいんです、よそで。建設省がそういうことに絡んでいて、しかも四十六年から四十七年にかけて二百億というようなお金にはいままで利息幾らついているんですか、一体。しかも国の土地じゃないですか。そういうようなものを庶民の住宅の家賃に肩がわりさせるなんてとんでもないと私は思うんですよ。いま話が煮詰まってきたなんてのんびりしたことを言ってますけれども、大変な利息でしょう。これは何もグラントハイツだけじゃない、そのほかの一つ一つみんなそうじゃないですか。みんなもう一万円や二万円なんてちょっとのお金じゃない。何百億というお金ばっかりじゃないですか、全部。こういうふうなことをやっていると、日本の住宅行政が一体どうなっているんだと。公団住宅は幾ら家賃を安くしようと思って努力したって、そんなの実るわけない。  私は、もっとこういうところ、こういう住宅公団に対しては、もう少し地方公共団体ともある程度話が煮詰まって、それからその土地を公団住宅ができるだけ安く買収するというのはそこにあるんじゃないですか。米軍との絡み合いなんて、そんなこと全然知りませんでしたけれども、そんな話が出てくれば、ますます遺憾だと私は思う。それは大蔵省との関連もいろいろあるでしょう。けれども、それはそのグラントハイツにいた米軍のかわりの施設をよそに住宅公団が建てる。それは防衛施設庁として建物を建てて大蔵省から予算もらえばいいんですよ。住宅公団が家を建てるにしたって、そういうような話はもうちょっと詰まってからやってもらいたい。そうでないと安い家一つも建たないじゃないですか。そうでしょう。どうなんです、この辺のところは。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) 実はそのお話が出ましたときに、やはり相当短期の間にそういう話が詰まるという見通しでおりました。その後やはり地元の方から、当初計画いたしました公園用地の面積ではだめだ、倍にしたらどうかという強い提案が出まして、東京都が事務局となっております連絡協議会できつい提案がございました。それにつきまして何度も絵をかき直したり提案をしたり、そのためにじんぜんとしてある程度日を過ごしたということでございまして、大変遺憾に思っておりますけれども、やっと最近詰まるようになってきたというところまで努力をしたと思っております。  ただ、おっしゃるとおり、利息は相当かかります。私どもの公団がちょっと試算をしたところによりますと、やはり一万五千五百戸という家がもし建ったとしましても、月平均で二千五百円ぐらいは家賃に影響ありはしないかという試算をしております。大変困ったことだと思っております。これがもっと延びますともっと高くなるということでございますので、できるだけ早い着工に努力したい。これにつきましては、公団だけではなくて、われわれももちろん一緒に努力したいと考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 一万五千五百戸を建てたとして、利息のために上がるのが二千五百円ですか。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) はい。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そこでトータルで幾らになるの。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 現在まで取得をいたしております用地にかかる金利ですが、五十一年二月現在で約六十九億円になります。七・五%で計算をいたしております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはグラントハイツ。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) はい。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはいま住宅局長からの答弁ですと、一万五千五百戸建つとして二千五百円アップすると。先ほどの公団の方の話ですと一万二千戸という話が出てましたね、一万二千戸だと。それで、しかも、これは家がいつできたとしてこれだけなんですか、実際問題これから家が建つのは大分かかるでしょう。そうすると、幾ら上がるんですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 五十一年二月の時点ですべて計算いたしております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 五十一年の二月の時点で一万五千五百戸建って二千五百円アップする。これは六十九億もの利息の計算ですね。しかしながら、これから、私の持ち時間あともう少ししかありませんので急いでやりますが、とにかくこういうふうな状態では私は大変なことだと思うんです。  それで、先ほど建設省も言いましたように、実際問題こういうふうなのはすべて私は建設省の住宅局なりいろんなところで詰めて、それから住宅公団に土地を買ってもらう。国の土地ですからね。そんなもの庶民に二千五百円も押しつけるなんていうのはとんでもないと私は思う。これは建設省で全部利子補給しなさい、全部これ。それで一戸当たり二千五百円高くするなんて、そんなものとんでもない。まあ端的に言うたら国のミスによって庶民が負担するなんていうのは、私はとんでもないと思います。  それで大臣、これは先ほどからいろいろと質問を続けてまいりましたけれども、現在の日本の住宅行政の中で住宅公団の住宅に占める割合というのは非常に大きいわけです。実際問題ね。そういうような中で、いわゆる地方自治体との関係というのは非常に円滑さを欠いておる。いま出てまいりましたグラントハイツの問題にしてもそうです。いま建設省の答弁によりますと、二万三千戸建てる予定が地元との折衝で一万二千戸になりそうだ、そして、ことしの二月の試算で一万五千五百戸建てるとして、一軒当たり二千五百円のいわゆる家賃のアップになる、利息のためのアップですというんですね。ですからこれが一万二千戸に減りますと、少なくとも三千円以上のアップになる可能性があります。しかもこれは五十一年二月の試算ですから、これから後一年はかかるでしょう、実際問題。これから建設、まだ何にもできてないわけですから。そうしますと、その利息やそういうふうなものに対して、結局家賃のアップというのはもう大変なものになりますね。  しかもこれは国の土地です。しかも米軍が入っていたからというんで、住宅公団がかわりに建物を建てたからというんですけれども、私はこういうふうなのは本当は防衛施設庁できちっとやって、そっちの方はそっちの方でね。そして、住宅公団は地元との話し合いというのは、国の土地なんですから建設省が表に出てどんどんやって、そうやるべきだと私は思うんです。そういうことも含めて、実際問題地元との問題というのは、今回の場合は練馬区が相当いろんな問題で地元ですから問題になっているわけです、ニューハイツの場合はですね。結局練馬区にこういうような住宅公団が建つ。たとえば一万二千戸建ったにしても、これはもう地元は年間に二億ないし三億の収入がある。しかしながら、実際問題の支出というのは十倍近い金額がかかる。そういうような現実に主張をしておるわけですね。財政難の折から結局こういうようなものは引き受けられないというのがこの地元の主張なんです、実際問題ね。  そうしますと、私はこういう住宅問題というのは、そういうふうな難問を抱えて住宅公団が建設をする。まあ一生懸命努力はしておるわけです。しかしながら、これはできるものなら、たとえば国のこういうような土地に建てるというような場合は、特に政府自体がこの問題に取り組んで、そしてそういうふうな見返りがすべてその土地に、家を借りる人に振り返ってくるようなやり方は実際問題まずいと私は思うんです。そういうふうなことも含めまして、先ほどからのやりとりをずっと聞いておりまして、私は住宅公団の総裁からも先ほど答弁ございましたけれども、現実にこの土地のむだなものが非常に多い。これもまあ先ほど総裁は、もうこれからはすぐ建てられる土地以外は買わないで、できるだけいまある土地を何とか有効利用したいと、こういう答弁もございましたけれども、これは大臣、この地方自治のこういういろいろな問題と合わせまして、今後こういうような一つ一つの問題について、やっぱり内閣としても本格的に取り組んでいくべきであろうし、また、地方自治体に対してもそれぞれ大臣は大臣の立場としてそれぞれ指導をしなければいけない問題もあろうと私は思うんです。そういうふうな点について大臣からまず答弁をいただきたい。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 先ほど来承っておりまして、相当の資金が住宅公団で寝ておるといいますか、その結果非常な金利が加わってくる。たとえ利用する場合でもそれが入居者に大きく影響をしてくるという御指摘がございました。それからまた、そういう土地を利用する場合において地方自治体との関係が円滑にいっておらない。したがって、それが非常に利用がむずかしい。こういうことを踏まえて、自治省が場合によっては中へ入るか、あるいはそういう相談に乗ってこういう問題の解決に当たってはどうかというような御指摘だと思うんでございます。  まあ私としてはごもっともなこれは御指摘であると思うのでありまして、今後関係省あるいは建設省あるいは住宅公団等々がいかなる計画をし、いかなることをしておるかということも踏まえながら、政府としてやはりこの際ひとつ考慮をしていかなければ、対策を考えなければならない時期ではないかと、御指摘によって私はそういう感を抱いたわけでございます。ということは、このままほうっておきますというと、ますます金利がかさんでくるということになるわけでありますし、そのようなことが住宅公団の本来の使命ではございません。  一時、まあ非常に地価が暴騰した時代において、やむを得ず早く買った方が得であるという意味で買ったんであるということが指摘をされておる。まあそういう釈明もありましたけれども、グラントハイツの跡地の利用などになりますというと、これはもう少し地元との問題を詰めないで処置をしたということは、必ずしも私は適当な措置であったとは思えない気がいたします。   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 したがって、政府部内において、これはきょうは本当は建設大臣が来て御答弁をするのが一番私は筋だと思うんでありますけれども、せっかく建設省の次官も来ておるようでありますから、まあ今後建設、自治の間においても、建設省の方から、これ私は何といっても所管はやはり建設省が所管だと思いますから、建設省の方からわれわれの方に働きかけがあれば、相談に乗って問題の解決にできるだけ努力をいたすようにいたしたいと、こう考えるわけであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはいま大臣から答弁ございましたように、確かに建設大臣の所管であることは、これは当然であろうと私は思います。きょうは建設大臣おりませんので、もうこれ以上私申し上げませんけれども、今後まだまだ総裁、これは先ほど私が二つ最後に申し上げました住宅建設用地と宅地造成用地のこの二つの問題、さらにグラントハイツの問題にしましても、非常に今後尾を引く問題です。現実の問題として家賃の問題にしても、これはもう直接降りかかってくる問題であります。したがって、今後こういうような問題についてはもっともっと詰めて、公団としても本気になって取り組んでいただきたい。  先ほど私は質問の初めに、公団は家賃を安くするためにどういう努力をしているかと、こう申し上げました。それが結局は実際問題として、こういうふうな利息とか、こういうふうなものによる家賃へのはね返りというものが余りにも大き過ぎる。だから私はこういうぐあいに質問をしているわけであります。こういう点についても、さらにこういうふうな問題の解決、さらには会計検査院から改めて三年連続でこういうふうな同じ指摘をされないように、私は当然住宅公団としても検査院の指摘を本気で受けとめて、そしてその改善に努力をすべきだと思うんですが、どうですか。

南部哲也日本住宅公団総裁

○参考人(南部哲也君) 御指摘のとおりでございます。われわれただいま全力を挙げてこの寝ている土地を掘り起こすということに努力をしたいと思っております。  ただ、現実問題といたしまして、地元との話し合い、これがなかなか難航しておりますので、まあ自治省の方ともよく御相談申し上げまして、財政問題等についてのいろいろな問題についてはまた自治省のお力にもすがりたいと、このように考えております。いずれにいたしましても先生御指摘の点は、わが住宅公団にとってはただいまのところ最大の問題でございます。そのつもりでわれわれも努力していきたいと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 最初に、昨年の第七十六臨時国会で、地方税の減収分に対する減収補てん債の措置を決定いたしました。個人、法人の住民税及び個人、法人の事業税、これの減収見込み一兆六百三十二億、これに対する特例債の発行も含めた減収補てん債の措置をするということが決定をされて、まあすでに準備されておると思いますが、大体二月中くらいには大体の状況わかると思うのですが、現状で大体この減収分というのがどの程度に見込まれるようになってきたか。そして、それに対する減収補てん債の発行の規模ですね。これは大体どの程度見込まれるか。特に特例債ですね、これはそのうちどれぐらいの状況が見込まれるか、この点についてまず報告をいただきたい。

首藤尭自治省財政局長

○政府委員(首藤尭君) ただいま御指摘がございましたように、昨年末の補正措置といたしまして税収の見込みが非常に落ち込みますことに対応いたしまして、一兆六百三十二億という減収補てん債を措置をしていただいたわけでございます。  これの配分決定でございますが、ただいま御指摘をいただきましたように、二月の下旬、まあ二十日過ぎごろまでにはぜひ数字を固めたいということで、現在作業中でございます。したがいまして、各団体からおおむね十二月末現在、つまり九月決算法人の申告見込みが大体整いますのが十二月末でございますが、それを根っこにいたしまして、年度間を通じての減収見込み、これを立ててもらって、それの報告をいまいただいておる最中でございます。したがいまして、まだこれの的確な集計ができ上っておりませんので、額がどの程度になるか的確にお答え申し上げる段階に至っておりませんが、ただいま報告をいただいておりますところを若干ながめてみましたところでは、総体額としてはほぼ一兆六百三十二億、この範囲内におさまり得る、これをオーバーをすることはない、このように考えておりまして、措置をしていただいた額で円滑な配分ができるのではなかろうか、こう考えておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そのとき自治省の見込みでは、その他の税は減収はないだろういう見込みであったわけですね。ところが私、昨年の秋以来、京都の幾つかの都市で、市町村で特別土地保有税関係の減収地は相当出てきていると、それから財政力の弱い市町村にとってはこれは非常に大きな負担になっているという点を指摘をして、自治省ともいろいろ折衝してきたわけですが、これらについて自治省の方でも全国的に調査をされて、案外この特別土地保有税の減収も大きそうだ。あるいはさらに電気税及び事業所税ですね。これらの方も、事業所税は五十年度から始まったわけですが、それについても当初見込みからは大分落ち込んできているんじゃないかというような点なんかがその折衝の中で聞いておるんです。この辺の見込みの状況と、それに対する減収補てんの措置はお考えになっているのかどうか、それからどうやられるのか、この点をお聞かせ願いたい。

首藤尭自治省財政局長

○政府委員(首藤尭君) ただいま御指摘がございましたように、当初減収補てん債の対象に考えておりましたのは、大きな税目として住民税とそれから事業税でございまして、住民税は個人分、法人分とも、それから事業税も個人分、法人分とも、こう考えておったわけでございます。しかしそのほかの税目でも、ただいま御指摘をいただきましたような税目、つまり特別土地保有税であるとか、去年から新設をさしていただいた事業所税であるとか、それから電気税とか、こういうように景気の変動に伴いまして、まあ人為的にはどうにもならない原因のために落ち込むという税目があるのは御指摘のとおりでございます。そこでただいまのところ、先ほども申し上げましたように全般の一兆六百億余りの枠をもちまして、事業税関係それから住民税関係、こういったものの減収額の調査をいたしておるのでございますが、ただいまそのほかの税目につきましても、この一兆余りの枠の範囲内で、この減収が、補てんが措置ができるのではなかろうか、このような見込みを実は立てておるわけでございます。まだ数的に確定をいたしませんので的確なことは申し上げられませんが、このような事業所税、特別土地保有税、電気税、さらにはたとえば特別とん譲与税みたいなものもあろうかと思いますが、弱小の市町村にとっては非常に大きなウエートで影響する、こういう税目についてはできるだけ減収補てん債でもって措置をするようにいたしたいと、このように考えて現在作業をいたしておるところでございます。  別の方法といたしましては、このような減収額をあるいは特別交付税の配分の際などに勘案をするという方法もなきにしもあらずでございますが、何分にも特別交付税になりますと総額がしれておりまして、完全な措置をするということが額的に非常に困難かと思いますので、でき得べくんば減収補てん債に取り込んで市町村分については措置をしてまいりたい、こういうつもりで作業いたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 昨年の秋の臨時国会の時点では、減収補てん債の対象の税としてはいまおっしゃったように住民税と事業税、これを対象にするということでおられたわけですね。しかし、まだわずかの期間しかたっていないわけですが、その他の税の落ち込みも非常に大きくなってきた。そこでその分、私の聞いておるところでは、大体百億前後じゃないかと思うのですが、これは大都市もありますが、その周辺の、特に何といいますか町村なんかの土地譲渡がとまると、取得分が減収になるというやつが大きく出てくるわけですから、したがって、これの減収補てん債の資金枠は、十分そういう財政力の弱いところに後年度に大きな犠牲、負担のかからない、そういう仕組みをやってもらわないとどうにもこうにもならないだろう、そういう末端の市町村の方は自治省の指導による地方財政計画に基づいて税収見込みを立て、そして歳出歳入の予算を組んでいるわけですから、ところがそれが見込み違いで減ってきた、それが起債措置でとりあえずは賄うにしても、将来それの元利償還の問題というのが起こってきます。そういうのが減収補てん債から、また五十一年度にもたくさん地方債を自治体が負担をしなきゃならぬということになってきていますから、それだけでも大変頭を痛めているわけなんで、この辺の措置については一体どういうようにお考えか、お聞かせ願いたい。

首藤尭自治省財政局長

○政府委員(首藤尭君) 二つほど問題があろうかと思いますが、一つは弱小市町村に減収補てん債の配分をいたします際に、できる限り市町村に対しましては金利の安い資金を世話をするということで、非公募縁故債の割りつけは、なるたけ府県とか大都市に寄せる、こういうことで市町村の金利負担を軽くしていく、こういう措置を考えていきたいと考えております。  それから第二は、特にこの事業税、住民税、これらの税目以外の、ただいま御指摘をいただきました特別土地保有税と、あるいは電気税とか、こういったような金額の減収の大きいところにつきましては、さしあたり、できる限り先ほど申し上げましたように減収補てん債を措置をすることによって切り抜けをしてまいりたいと思いますが、将来の問題といたしましては、やはりそのような町村財政の全般を見ながら、公債費の増加等が非常に財政運営に影響を及ぼすというような事態があるとすれば、そういった町村の個々の財政状況に応じて、やはりしかるべき世話をしていくと、こういうように考えてまいるべきではないかと、こう思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 減収補てん債の関係の問題は、一応それだけで質問終わりますが、それでなくても非常にどうなるのかという見通しがまだ立っていないようなんですね。で、その他の税と言われるこういった問題についても、そういう減収補てん債で措置をするということも、市町村の方に早く知らせてやって、それで行政の執行が円滑に進めるように、この辺の指導、連絡は、ひとつ緊密にやってもらいたいと、こういう点をお願いしておきます。  次に消防の、きょうは特に消防職員の勤務条件その他の問題について質問したいと思うのです。近年、消防の近代化が要求をされてまいりまして、消防の資機材の整備というのは相当強化されつつあるわけです。もちろんこれは不十分ではありますが、そういうことで年々進んできております。ところが一方、そういうことで消防の資機材の整備は進んできたんだけれども、それに必要な人員の確保が十分ではないんじゃないか。とりわけ大都市ですね、それからコンビナート地帯を含めた工業地帯、こういうところの人員の確保というのが非常に不十分ではないかというように思うのです。特に昨年消防力基準の改正がやられて、そして消防自動車についての必要人員というのが七人から五人になったわけですね。ところが実際は五人おらないで、消防車一台について三人、四人というところが非常に多いんですよ、実際には。そうしますと三人なり四人で一台の自動車動かしますと、御承知のようにホースは二本あるわけですね。一人は機関士で消防車におらなきゃいかぬわけですね。あと二人で一本のホースを動かすわけでしょう。操作するわけですね。そうすると、あと一本のホースは使えない、こういう事態が現実に起こっているわけです。私、東京都の消防局や、あるいは京都の消防局なんかでいろいろ調査をしていますと、現実にそういう状況が起こっておりますね。一台の消防車に二本のホースがついておりながら、そこに配置されている人間が、消防吏員が三人あるいは四人しか乗っていないために一本のホースは使えない。笑い話のような状況が起こっている。こういう実情について消防庁長官、どうお考えか、御意見を承りたい、こう思います。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 消防力の基準というものが先生の御指摘のように定められていることは事実でございまして、現在、標準団体でございます十万の都市において、消防基準によりますと百十人職員が必要だということになっております。ただ従来から消防力の基準というのが目標でございまして、現実の財政とは必ずしも裏打ちが十分、密接な連絡がとれていなかったというきらいはございますけれども、最近におきましては非常にその整備が進められて、五十年度の交付税の計算でも九十五人、財政措置をいたしているわけでございます。ところが十万団体の大体の平均をとってみますと、現実に置かれている職員は五十年度で九十人でございます。ということになりと、私どもといたしましては九十五人分の措置をして九十人しか置いてないわけでございます。  ただ交付税というものは、御承知のように毎回財政局長時代おしかりをいただいておりましたように、ひもつきではございません。どう使うかということは地方団体にお任せをしてある。それを九十人しか置かないということについて、私どもとしては消防力の基準に一歩でも近づくように、もう少し増員をしてもらいたいんだけれども、各種の事情からなかなかそちらには手が回らない、こういう一面があるのではなかろうかと思います。私どもとしては消防力の基準に合うところまで財政計画、交付税を通じて次第にそれに近づけていくという努力をいたしておりますし、五十一年度におきましても九十五人を百人の台までぐらいふやすということでいま財政局の方にお願いをいたしております。むしろ財政措置の方が先に走って実態がついてこないという実情でございます。消防の重要性というものをわれわれとしては十分地方公共団体にさらに認識していただくようにお願いをし、さらに消防力の基準に近づくように、一歩でも近づくように努力をしていただくように各地方公共団体にお願いをしてまいるということがわれわれのなすべき現在の措置ではなかろうか、こういう考え方を持っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 長官、いまおっしゃるように、この自治体の消防の場合は規模の大小、それから火災件数、これらによって確かに交付税措置がやられている人員よりも低いところがわりあい中小都市は多いですね、これは私もそう思います。ところが一方、それじゃあ大都市の方は十分にいっているのかというと、今度はそこが足らないわけですね。  それからもう一つは、これは舞鶴市でいろいろ話を聞いてきましたが、舞鶴市なんかですと、向こうは東、中、西と、大体三つの地区に、湾ですから分かれているわけですね。ところが交付税措置では消防署本署一つなんです。実際には二つの署をつくり、二つの出張所をつくらなければいかぬわけです。それがどうにもこうにもいかぬものだから人間の方を食って処理をするというような実態も実際には出てきています。それから京都市の消防局の実人員と交付税人員とを調べてみますと、四十九年度千四百五十七人、実人員です。それに対して四十九年度の交付税措置にされている人員は千四百五十名です。だからこの年は七名の差でした。それで五十年度は消防吏員の増員と同時に規模是正もありました。それで実人員千五百二十四人に対して交付税措置で五十八人の増で千五百八人ということになった。ところが実人員との差を見てみますと十六人というように開いてきています、交付税措置と実人員との差は。それからさらに五十一年度、これは先般発表された地方財政計画によると、新規増員が千五百八十人、それから規模是正が九千四百七十一人ですね。ですから五十年度の同じ新規増員二千四百人、規模是正二万五千九百八十八人と比較しますと、大体三八%ぐらいの増です。  ですから機械的にはいかぬにしても、四十九年から五十年に京都市の交付税措置でふえた人員が五十八人ですから、その三八%というと大体二十二人ぐらいになります。で、二十二人を加えてみると、五十一年度の交付税措置、まあぴったりとはいかぬだろうけれども、大体千五百三十人前後になるんじゃないか、こうしますと、京都市の五十一年度の実人員、予定をしているのは千五百七十八人になるのであります。さらにまた差が四十八人、まあ五十人近くに開いていくわけですね。それで特に京都市の場合は文化財その他の施設がありますから、消防庁の方からも特に増員をするようにという指導もあるということともかかわっているのですが、こういうように来年度の規模是正をする。それから新規増員を見込んでいる五十一年度の地方財政計画で言う消防職員は、実態との関係で一体どういうことになっているのか。小さい市町村の方ではそれを食っているところがあるだろう。交付税措置の人員と実態との関係、あるいは地方財政計画上の人員と実態との関係、この辺は一体どういう関係になっているのか、聞かせていただきたいと思います。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 人数の点は恐らく先生御承知だと思いますが、五十年四月一日現在の消防職員と同年度、五十年度分の地方財政計画の計上人員、これだけの差額をそのままストレートに、これだけは絶対に要るもんだという前提で九千四百七十一人、規模是正しております。したがって五十年度においては食い違いは全然ないと、こうなるはずであります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 五十一年でしょう。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 五十年度。五十年四月一日現在の実態と五十年度の財政計画です。それにさらに千五百八十人を乗せたわけでございますから、本年度千五百八十人増員があって初めて来年の四月一日は計画と人数が一致すると、こういうことになるはずでございます。そういうふうに御理解をいただいて結構でございます。  そこで先ほど大都市のお話が出たのでございますが、私どもの数字では、京都の事例をとりましても四十九年度におきまして交付税措置は補正係数を掛けました後の数値でいきまして千四百六十三人、それに対して実員は千三百七十九人。逆に八十人ばかり金が余っているという計算になります。五十年度では交付税上の措置人員が千五百八人、これは先生御指摘のとおり。実人員は千四百五十一人、五十七人財源が余っているという計算に私どもの数字ではなっております。この問題は、私はどうであってもこれはよろしいかと思うのでございますが、先生も交付税問題についてはすべて御承知のはずでございますが、財政計画上の人間をそのまま交付税に計上するということは技術的にあり得ない、これはよく御承知のはずでございます。税金を七五%しか引かないわけでございますから、仮に実人員が四千人ぐらいだと仮定いたしますならば、交付税は七五%の税を落としたということになると三千五百とか三千四百とかいう数字でいいという理論的な形になるはずでございます。  しかし、そのことを承知いたしておりながら自治省といたしましては、消防の重要性というものを考えて算入率を他の職員の算入率に比べてきわめて高くしてあるということであると私は理解をいたしております。したがって、すべて実員より交付税算入上の人員が超えなければならないとは私は考えておりません。これは交付税の技術的な制約であろう。この辺は神谷先生十分御承知のはずであろうと思います。その意味では現在の政令市におきまする算入率は非常に高い算入になっておって、これをもってなおかつ不足であるということをおっしゃっていただきましても技術的に私どもは非常に困難をするということは御理解をいただけるのではないかというふうに思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 長官、それじゃ先ほどの消防の基準の問題ですね。消防の基準でいきますと、五十年度の改正になった分で計算をしても、京都の場合は二千五百三十五人だと言っているのですが、消防局は。そうしますと千人前後、千人余りまだ足らないですね。そういう状況になっているのですね。先ほど長官は基準までいかない、財政問題がネックになって基準までなかなかいっていないというお話しで、五十年度十万に対して九十五人、五十一年度は百人以上何とかしたいということなんですが、昨年私はこの問題を質問したときに、消防力の基準というのはこの第一条に書いてあるように、最小限度の施設及び人員について定めているわけですね、最小限度へですから。したがって、この消防力基準の必要定員というのに対して年次計画でも立てて、そうして何年後にはここに追いつけるようにするというような、やっぱり具体的な提起というのが必要じゃないかということを指摘をしておいたんですが、この辺の問題について消防庁の方ではこの消防力基準を決めて、しかも最低の基準だということを言いながら、当時の森岡次長を中心にして検討されたこの基準に一体何年計画で到達をされようとするのか。現在そういう具体的な作業というのはどういう状況まで進行しているのか、この辺についてお答えいただきたいと思います。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 百十人ということで、ことし百人の大台に乗せまするとあと十人ということでございます。これは財政計画のでき方いかんということが非常に大きく影響すると思いますので、消防庁のみでどうこうということはできないと思います。できるだけこれを早く達成すると、これは当然のことであろうと思っております。ただ、いま二千五百人という京都のお話ございましたが、私の方の消防力の基準では消防ポンプ自動車以外の化学車、はしご車、救急車の特定の部分を除いたそういったものの操作人員は兼務で計算をすることにしております。恐らくいまの計算は全部専務ということでおとりになっておられるのではないかと思います。そこに大きな違いが出てくるのではないかというふうに考えます。いずれにいたしましても、標準団体の十万の人口で百十人というものを百人であるということについては、財政の制約を受けていることでございますが、消防庁としてはできるだけ財政当局に理解を求めてできるだけ早くそこに到達するという努力を重ねていきたいと、こう考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは兼務にしているのか専務にしているのか、その辺は実情わかりませんが、指定都市の消防局でこういった問題の連絡会議やっておりますね。そこで出ているのは、京都の消防局の報告によれば、大体各大指定都市の方の消防局は共通して相当の人員の開きがあるということを主張していますがね。この辺は、これやっておっても話がつきませんから、その点はひとつ指摘をしておきます。  そこで特に、これは総理府の秋富人事局長さんやら、それから森岡前の消防庁次長さんやら、林行政局長その他集まって消防職員の勤務条件の研究会を組織をされて、四十九年の十二月に報告を出されております。その中で今後の方向づけとして「大都市等のように出場頻度が高く連続勤務が常態となり、担当職員の労働が過重となるような場合においては、今後「三部制」の採用等の方法により、拘束時間及び夜間勤務の減少等その負担軽減を図るべきである。」、そういうことを指摘をしていますが、この三部制の移行について消防庁ではどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 非常に特殊な勤務に服し、しかも非常に高度の危険の可能性を持っている職種でございます。疲労ということ、過労ということが非常に行動上もまずいということは十分に理解できます。私どもも将来の問題として、特に頻度の高いようなところから逐次三部制を実現していくということが好ましい措置であろうかと考えております。これも、いずれにいたしましても財政とのバランスの問題になりますので、よくまた財政当局と相談もいたさなければならないと思います。少なくとも方向としては三部制実現の方向に努力すべきであろうということは私どもとしても考えておるところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 方向としては三部制の採用の方向を出されている。確認をされたわけですが、実際問題として二十四時間勤務をして、そして非番になって、またその次の日から二十四時間勤務をすると。都市の消防局によって若干の勤務体制、現在の二部制ですとそれぞれ違うところがありますけれども、十六日に一回あるいは十七日目にやっと週休がとれると、公休がとれるというようなそういう勤務体制になっているところも多いわけですね。それから防火を強化するということで査察業務がふえてきてますし、それから研修もふえてくる、こういうことのために非番のときにそれがやられる、回数もふえてくるということで、現場の方では非常に労働過重になってくる。これサイレン鳴らしながら走っていくわけですからね、疲労の度合いが激しいと事故も起こりやすいし、火災現場での活動にも支障を来すということにもなってくる。あるいは実際に消防の現場の職員の皆さんの意見を聞くと、公休日が月曜日になるといつも月曜日になってしまう、そういう勤務体制になっていますね。そういうことで家族と一緒に行動するといいますか、団らんをするということもなかなかできにくい。したがって職場で一緒に懇親会やるということもなかなかむずかしいというようなことが現場から出てきているわけです。  ですからこの三部制へ早く移行するというのは、私は実際に消防の近代化が要求され、専門的な知識も必要とされ、後でまた触れますが、救急業務もふえてくるというような状況ですから、早急にやっぱり考えなければならぬのじゃないか。財政の問題おっしゃるけれども、警察の方はすでに全国的に三部交代制になっていると。だから消防の方も大都市だけでもやるべきではないか。現に東京都それから大阪、東大阪とか幾つかのところは独自に三部制をやっているようですが、これは実際問題として交付税措置なり財政措置を政府の方で考えないと、実際問題としては今日の地方財政の実態から言うとなかなかむずかしくなるわけですね。そしていま一長官は今日の地方財政の状態でそう簡単にいきそうもないお話をされているんですが、私も一面ではそう思います。それじゃ来年、再来年になれば見通しは明かるくなって、地方財政の状態も好転をして、そういう見通しが立つと言うことができるのかどうか。一方、御承知のように特交会計はどんどん借金はふえてくるわけですし、地方債もふえると、そういう状況が地方財政上五十年、五十一年の計画を見ましても起こっておるわけなんで、したがって少なくとも五十一年あるいは五十二年、この時期に同時に地方財政の根本的な改革、地方財政問題に対してメスを入れなければならぬ時期が迫っておるわけですから、それと相まってこの三部制というものを実現する、そういうことに踏み切らないと、これはいつまでたってもできない。消防職員の皆さんの犠牲の上に生命財産を守るこの消防活動というものが支えられるということ、それがそのまま続くということになりはしないか。この点についてのひとつ見解をお聞きしたいと思います。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 三部制の問題もきわめて重要だと思いますが、消防力の基準を達成するという全国的な一つのもっと重要な命題があるわけでございます。その兼ね合わせをどこでどういうふうに結びつけていくかということが重要だと思います。したがって五十一年、五十二年にどうこうということをここでお約束はできませんが、できるだけ早く消防力の基準も達成しつつ、あわせて特に頻度の高い部分から逐次三部制に移行していくと、こういう体制をとるべきではなかろうか。現に東京都はほとんどについて三部制をとっております。それから川崎市は現在の中で特定の部分について三部制をやっております。私ども非常にその点消防について奇異に感ずるのは、地方公共団体の長なり議会なりがどういうふうにお考えになっているかという問題どの関連でございますが、四十九年度の決算をとりましても交付税措置をいたしているものに対しまして実支出額は一〇一・三にしか政令都市でなっておらない。本来でございましたならば、財政措置をいたしましたものの一二〇ぐらい出ていて当然構わないわけでございます。なぜそういう形で前へ進んでくれないのか、私どもの方が財政措置をして引っ張っていくということでは困るんでございまして、もう少し地方公共団体に消防に対して理解と熱意を持っていただいて、それ相応の財源をそこへつぎ込むという態度をとっていただかないとなかなか財政局の方にもお願いができにくいという実情がありますことは、交付税の専門家である先生、十分おわかりをいただけると思います。どのような事情がございましょうとも、先生の御主張は御主張、その御主張に対して私ども異論はございません。基準も達成をする、三部制へ逐次移行する、そういう方向で指導してまいります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 指定都市で一〇一・三ですか、実際それは低いんですね。私は低いには低いだけの原因が幾つかあると思うんですがね、それは後で議論をしたいと思いますが、消防職員に団結権が保障されていないというのが一つは実際に消防の発言権というものを弱めている原因の一つでもあることは、この際指摘をしておきたいと思います。後でこの問題はやりますから。  それから次の問題は勤務時間ですがね、二十四時間勤務をすると、それに対して十六時間分が給与の対象の勤務時間になっている、八時間は給与の対象の時間になっていないわけですね。この点についてその理由を聞かしていただきたいと思います。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) これは先生御承知のように、警察官とともに特殊な勤務形態ということで、労働基準法上も特別な扱いを受けているものでございます。給与の対象になっていない時間は休憩時間、拘束はされているけれども休憩時間、あるいは仮眠すると、こういうことでございます。給与というものは働いた時間に対して支払われるものでございますので、休憩時間に対しては給与は算入をしていないと、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 労働基準法の施行規則三十三条ですか、休憩時間の自由利用の例外で警察官と消防吏員の適用除外が規定されていることは、もうそれは重々知っているわけです。ところがこれについて、現場の実際問題として消防の職員の皆さんは非常に大きな不満を持っているんですね。八時間は休憩だと、しかしそれは自由に利用できない休憩だと、拘束されるという状況で、そして火災が起これば出動しなきゃならぬですね。だから大体八時間のうち四時間は仮眠の時間、四時間は仮眠でない待機の時間という大体そういう勤務体制をとっておるようですけれども、ただその仮眠の時間であっても火災が起これば出動するわけです。出動すればそれに対して時間外手当が出る、あるいは深夜の場合ですと深夜手当が出る、そしてあと出動手当が出るわけですね。そういう措置をなさっているんですが、しかし、これについて、これは消防局の理事者の諸君も含めましてやっぱりいろいろ議論が出ています。  それはたとえば三十三年十月十一日の基準局の通達、これはトラックの労働者に対して出された通達ですが、これはトラックの労働者が荷物の積み荷その他で一定時間、一時間、二時間早く行く、そういう場合、一定の場所に拘束されている以上それは労働時間と解するという通達も出ているわけですね。それから二十二年、これは古いですが、九月十三日の同じ基準局の十七号の通達では、休憩時間とは労働から離れていることを保障されている時間であるから、手待ち時間を含まないということで、いわゆる手待ち時間という考え方が基準局の通達で出てきています。そうすると、まあ民間の労働者の場合、そういう形で一定の場所に拘束されている以上労働時間と解するというそういう解釈も出てきている。それから休憩時間と別に手待ち時間というのが、これは基準法上明記はされていませんが、基準局の通達で出てきています。  そうすると、この八時間という拘束時間、言うなれば待機の時間というのは、単なる休憩ではなしにそういう手待ち時間という理解、解釈も成り立つんじゃないか。この点はそういう解釈をするとすれば、先ほどの基準法の施行規則の三十三条の改正も必要になってくるでしょうけれども、消防の職員の実際の勤務実態から言うなれば、この辺のところはひとつ検討に値するんじゃないだろうか。たとえば八時間拘束をして、そのうち深夜四時間ずつ交代で仮眠をする、この四時間は言うなれば自由に利用することのできない休憩時間、しかしあとの四時間分は、言うなればこれは手待ち時間だ、こういう理解、これも全く筋の通らぬ考え方ではない。そうすると、この四時間分に対して一体どういう措置を講ずるのか、こういう問題も当然起こってくるわけであります。この辺について、直接現場のあちこちの消防署の職員の皆さんの意見をいろいろ聞いてみますと、やはりこの辺の点を検討して、そして実際八時間拘束され、休憩だと言っても休憩ではない、待機の状況であるわけですから、そういう実態に即した考え方をひとつ立てて、そうして労働省とも検討をしてもらう、こういうことをひとつやる必要があるんじゃないかと思うんですが、この辺の御見解いかがですか。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 単にこれは消防だけの問題ではございません。給与制度全般がこの種の勤務条件にある者に関して出てくる問題だと思いますが、先生の御指摘、伺っておると、もっともなような気もいたしますけれども、それではたとえば普通の役所で八時間働いて、あと八時間超過勤務を強いられる、十六時間働くわけなんです。そうすると八時間分の給料が出た上に、その上に八時間分の超過勤務が出るわけでございます。消防の場合でも同じであって、十六時間分の給与は出ておって、その八時間を働けば八時間に対する給与が出ないわけでございません。だから働いていない場合は給料が出ないというのが現在の考え方としては私は相当であろうかというふうに考えております。御指摘は御指摘として承らせていただいて、今後どうするというお答えはしにくうございますが、一つの先生の考え方として私は個人的にもう一度考え直してみるということにさせていただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 直接基準局にも聞いてみたんですが、手待ちの時間についてはどういう賃金の保障をするのかと。基準局では、まあ労使折半だと言ってますがね。それも一つの考え方だろうと思います。これはいま長官の方も新しいそういう考え方という問題提起したわけですから、即答は無理だと思いますが、ひとつ検討していただきたいと思うんです。  それからその次は、これはお粗末なことかもしれませんが、消防職員の給与単価は交付税措置としては一般職の給料表を使うのか公安職の給料表を使っておられるのか、どの水準でやっておられますか。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 現在交付税上で使っておりますのは、非常に技術的な問題があるようでございますが、全国の消防職員の実態の平均を基礎に置いて、交付税の算入率を掛けてやっておると、こういうことのようでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大体先ほどの消防職員の勤務条件の改善に関する報告の趣旨を見ますと、直截簡明には出ていませんが、いわゆる国家公務員のそういう公安職関係の仕事と似ているんだから、そういうようなひとつ方向をとるべきだという点が強調されていますね。したがって、この辺をひとつ今後の問題としては交付税算定の場合にも御検討いただきたいということが一つと、したがってそれに関連して、たとえば時間外手当それから深夜勤務手当ですね、これは公安職の場合ですと、時間外勤務手当が一般職の一・二五が一・五になりますし、それから深夜勤務手当は二になります。二倍になってますね。だから公安職のそういう時間外手当、深夜勤務手当、これらを考慮するといいますか、採用するようにこの報告の中にも、「警察職員の給与に準じて取り扱うことが適当であると考えられる。」というように報告を出されています。これは消防庁の方も、森岡次長を初め参加をして出された報告ですから、御異議はないと思うんですが、こういった点について積極的にひとつ実現方のお考えを聞かしていただきたいと思います。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) その報告は存じておりますが、一体報告に従った方が財政措置が厚くなるのかどうか、私は非常に疑問なんでございます。と申しますのは、私もある市で消防職員の勤務条件を具体的な問題として扱ってまいりました。公安職の給料表どおりにしようじゃないかと言うと、お断りするというのが消防当局の考え方。と申しますのは、消防職員の特殊性を考えて、一般職の給料表を使いながら、それに一定率の上乗せをしておる。そうなりますと、号俸調整、給料表自体。そうなりますと公安職よりその方がいいんでございます。したがって全国の給料表を調べてみますと、公安職給料表に準じておるところと一般職給料表に準じているところと二本立てでございます。ところが一般職給料表が多く使われているということでございますと、現実の単価を基礎にした方が単価が高く出てくると、こういう可能性もございます。したがって、この報告というものを踏まえながら、もう少し実態の解明に時間をかしていただきたいと、その上でせっかくいただいた報告でございます、その方向へ近づけた形で財政措置がいまより拡充できるならば、その方向へ向かうべきであろうと、このように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 給料表の方は確かにあの報告では五〇%ぐらいが公安職より高い。それからそれより低いところもありますね。一般職にも達しない部分もあるという報告がある、これはわずかですが。ですからこの辺は先ほど言った平均をしてというのも一つの方法だと思うのです。ただ、いまの特勤手当ですね、時間外手当あるいは深夜手当、これについては特別にこの報告でも明確に強調されているわけですから、この辺をひとつ特に留意をして、これの改善方をやってもらう必要があるというように思うんです。だから「特殊勤務手当については、従事する勤務の特殊性に応じて必要かつ十分な額を支給する必要がある」という点。それから「超過勤務手当については実績に見合う額」という表現ですが、さらにこの消防白書によりますと、公安職の特勤手当あるいは深夜勤務手当、これに準じてというやつがあります。これは地方公務員法の給与の決定の中にも類似の給与の実態なんかも考慮するというやつが項目に入っているわけですから、だからそれらを含めて検討してもらいたいというふうに思います。  あと時間がなくなりましたので、ひとつ救急業務をやろうと思いましたが、これは飛ばして団結権の問題について意見を聞きたいと思います。結社の自由及び団結権の保護に関する条約第八十七号がわが国でも国会で批准をされています。それに基づいて消防職員について団結権を認めろというのが端的に言うとこのILO条約の内容になっているわけです。この条約に規定する保障を除外をしているのは軍隊及び警察に適用する範囲、これが除外されているだけであって、消防職員を含めまして団結権ですね、これは認めるべきだと。団結権及び団体交渉権ですね。これについてわが国の国会も批准をし、そしてその効力が発生をしています。一九六五年の国会で承認をし、六月の十四日に批准書を寄託をして、したがって一九六六年六月の十四日から発効しています。にもかかわらず、今日なお消防職員に対する団結権が認められていない、この理由は一体どこにあるのかという点です。確かに消防活動というのは、一つの指揮指令のもとに敏速な行動を必要とします。それだけに指揮命令の関係、上級下級の関係というやつ、そういうものが確立される。だからそれだからこそよけいに団結権を保障して、そして職員のいろんな意見を反映をして、民主的な職場がつくられるということが、実際の消防活動をまた効率的に進めるためにも必要なことだというように思うんです。これに対するひとつ見解を聞きたいと思うのです。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) 先生よく御承知と思いますが、一九五四年の結社の自由委員会、第十二次報告、その中で「警察及びこれに類する若干の公務並びに日本では使用者よりも経営者に近いとみなされる若干の高給者については例外であるが、すべての公務員及び職員は日本の法制の下で団結する権利を与えられている。」と、こういうものがございまして、同時に一九五九年でございますが、これは批准に入る前後でございますが、労働問題懇談会というものがございまして、それの答申におきましても、消防というものは、日本では歴史的な沿革の上からも行動上の問題からも軍隊に類するものと解するんだと、警察に包含されるものと解することが妥当だという結論が出て、こういうことを前提にILO八十七号条約が批准されたという経緯があるわけでございます。したがって明確な形でILOにおいて軍隊の中に消防が含まれないんだということがない以上は、現在の日本においては現行制度を維持することが妥当だというのが政府の考え方であるというふうに御理解をいただいて結構かと存じます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ところが、それ以後の一九七三年の十一月十六日のILOの理事会で採択をされた「結社の自由委員会百三十九次報告」の中では、日本の政府からの消防は軍隊に類するものだというそういう主張に対して、否定をする結論を出しているわけです。それの最後のところにどう書いてあるかと言いますと、「その後、日本は八十七号条約を批准し、消防職員の具体的問題は条約および勧告の適用に関する専門家委員会によって検討された。消防職員——日本において、独自の特徴があるが、警察や軍隊の構成員ではない——の団結権に関する申立てについて、当委員会は、八十七号条約の規定はこの種の労働者を同条約九条にもとづき団結権から除外するものではないという条約および勧告の適用に関する専門家委員会によって表明された見解を政府に指摘すること、しかし、団結権とストライキ権は異った二つの問題であり、かつ前者は必ずしも後者を含むものでないことを勧告する。」ということを明らかにしています。だから政府側の主張は、一つは警察に類似をするということ、団結権というのはスト権を含む、だから困ると、簡単に言えば二つです。この二つの日本政府の主張は、いま言いました一九七三年の百二十九次の報告で論議をされて明確に否定をされているわけです。ですからILO八十七号条約を批准をしている日本政府としては当然この勧告に従って消防職員の団結権の保障について私は直ちにその作業を開始すべきだということを、もう時間がありませんから主張して、きょうの質問を終わります。

松浦功消防庁長官

○政府委員(松浦功君) ただいま御指摘をいただきましたようなILOにおける問題があったことは承知をいたしております。それに対して政府の見解を述べ、いまだにこの問題は必ずしも明白な結論に至っていないというふうに私は理解いたしております。しかも第三次の公務員制度審議会において、消防職員の団結権については、「従来の経緯にもかんがみ、当面、現行制度によるものとし、今後のILOの審議状況に留意しつつ、更に検討」しろという御指摘もいただいております。したがって、ただいま御指摘をいただきました点も踏まえて今後に向かって検討するということが現在の政府の態度で、結論が出るまでは現行制度を維持したいと、こういうことでございます。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 他に御発言もないようすから、自治省及び総理府のうち、警察庁、北海道開発庁と、それに関係する公営企業金融公庫並びに北海道東北開発公庫の決算につきましてはこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十四分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗