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77回国会参議院1976/02/06

決算委員会 第4号

発言数
133
登壇者
20
会派数
3
開催日
1976/02/06

会議録

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る一月二十二日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君が、また、一月二十四日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君がそれぞれ選任されました。     —————————————

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  園田清充君及び橋本敦君の委員異動に伴い、神事が現在二名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと思います。  理事の選任につきましては、先例により、委院長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、理事に世耕政隆君及び塚田大願君をそれぞれ指名いたします。     —————————————

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 次に、昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。  本日は、皇室費、国会、最高裁判所及び会計検査院について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 質疑の通告のない宮坂国立国会図書館長、岸田参議院事務総長、富田宮内庁次長、西村裁判官弾劾裁判所事務局長、大迫裁判官訴追委員会事務局長は退席して結構です。  それでは、これより質疑に入ります。     —————————————  質疑のある方は順次御発言を願います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、きょうは最高裁と会計検査値について若干の質疑をしたいと思います。  まず最初に、最高裁関係について質疑をします。課題は、刑事事件等について今日きわめて裁判がおくれています。その辺について御見解を承りたいのですが、憲法三十七条「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」と、こういうように規定をされております。迅速な裁判を受ける権利を被告人に認めているんですが、しかし、最近の裁判については、裁判が長引いていたずらに長い間被告人は社会的にも大きな影響を受けるという現状にあります。被告人の家族、被告人はもちろんですが、家族も同様に社会的に有形無形の圧力があることは御案内のとおりである。長期裁判については、まさにおくれた裁判は誠意がないと、こういうのと同じだと、きわめて人権を侵している、こう言っても言い過ぎではない、こういうふうに私は考えます。それは長期裁判それ自体が裁判に対する信頼性を失うものであるというふうに私もまた理解をするのです。  そこで最高裁判所は、憲法三十七条の解釈として、この規定は訓示規定で、裁判の日程を掲げたものだと今日されてまいりましたが、四十七年に最高裁は、被告人の権利を保障した強行規定であると、こういうふうに判断を下したように私は伺っています。今日までこの規定が守られていないのはどういう理由なのか、最高裁の御見解をまず承りたいと、こう思います。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 申し上げるまでもなく、適正迅速な裁判こそまさに司法の生命でございまして、適正迅速な裁判の実現のために私ども鋭意努力してまいっているところでございます。幸いにいたしまして、裁判の適正という面につきましては、国民の信頼を十分得ているというふうに確信しておりますが、迅速という面につきましては、裁判はおくれるものだというふうな認識が一般的にあるように思います。裁判の迅速化の点につきましては、長年の間にわたっていろいろ施策を講じ、今日もなお努力してまいっているところでございます。  裁判がそれでは全体的にきわめておくれているかと申しますと、実は統計の上だけのことでございますが、刑事事件をとりますと、大体六カ月以内——半年以内に約七五%程度の事件が処理されておるのでございます。したがいまして、一般的な事件につきましては、訴訟のおくれはないというふうに私ども思っておりますが、いわゆる公安事件、労働事件、最近のような学生事件ということになりますと、世間の注目を浴び、これがまた新聞等に報道されます。この種の事件がとかくいろいろな原因によっておくれるものでございますので、これらが一般的に訴訟がおくれているという印象を与えているのではないかというふうに考えるのでございます。  しかしながら、いずれにしても、そうしたような事件を通じまして裁判がおくれているというふうな印象を一般国民に与えるということは、ひいては裁判に対する国民の信頼を失うということにもなりますので、そうした長期にわたるような事件につきましては、その原因を追求し、その対策を講じまして、できるだけそのように長期にわたるような複雑な事件につきまして、鋭意その訴訟の促進ということについて目下努力してまいっているところでございまして、案納委員御指摘の判決もございますし、その上、最近におきましても最高裁の判決で、これは少数意見でございますが、訴訟の促進ということを言っている判決もございますので、そうした意を体しまして、今後ともそうした複雑困難な、長期にわたると予想されるような事件の促進について努力してまいりたいというふうに考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 最高裁の事務総局の調査によりますと、裁判の長期化の原因は、証人調べに日時を要したと、これが圧倒的に多い。その他は訴因多数、公判期日の変更、延期多数、または指定困難というのが主なものになっています。最高裁はこの調査を通じて、いま言われる迅速な裁判の実現のためにどのように具体化をされているのか、この辺をひとつお伺いしたい。

岡垣勲最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) 訴訟が遅くなる原因には、客観的にその訴訟の対象自体が非常に大きいという、いわば物的な問題と、それから人的にそれにかかわっている訴訟関係人の態度の問題と二つあるわけでございますが、まあわれわれといたしましては、対処できるのはやはり人的な関係の問題、つまり当事者の態度の問題でございます。これは裁判所を含めて弁護人それから検察官ということになりますが、それでその三者がお互いに訴訟の争点をはっきりと認識し、それに対する準備を十分にして、それで最良の、一番少ない、いい証拠で立証していくと、それで期日をたくさん入れていくというふうなことを考えなくてはいけないわけでございます。  したがいまして、その三者が集まって毎年一審強化地方協議会というふうなものをやって、それぞれの間の情報を交換し意見を交換して対策を立てる。それからまた裁判所自体といたしましては、会同を催しまして、そこで各裁判官の体験を相互に通じていただき、かつまた最高裁判所として調査した結果に基づいて、こういう点はいかがであろうかというふうなことを申し上げる。そうして人的な面での遅滞原因を防ぐように毎年努力を重ねているわけでございますけれども、これなかなか即効薬というふうなわけにはまいりませんので、じみちに毎年努力を続けているというふうにしておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 先ほど御質問した中で、おくれている中で、一般の事件については六カ月以内七五%だと言いますが、労働事件についてはきわめておくれがひどい、このことを認めているわけです。私は特にその労働事件についてのおくれが著しい。特に私は東京地裁の場合にそのことが顕著だというように指摘せざるを得ない。  特に労働事件の中における解雇事件の問題について承りたいんですが、御案内のとおり失業保険の給付期間である六カ月以内で仮処分を出すたてまえになっていると思うんです。これが最近は全く守られてない。これは解雇事件に関しては、六カ月の失業給付期間というものについて、その生活権を守るということもあわせて実は立てられている。いわゆる仮処分が出ても、口頭弁論あるいは本案化といって通常訴訟と同様変わらないような非常に厳格に、かつ長期化するようにいま訴訟指揮、裁判の指揮が行われているんじゃないか、こういうように私は感ぜざるを得ないんであります。  そこで、いま長期化している原因が幾つかあり、その事務総局の調査によって明らかにされた問題点については特効薬はないが、いずれ迅速な裁判を行うように努力をしている、こういうようにお答えになりました。しかし、その中に私は長期化の原因の一つとして、東京地裁の場合について言うならば、関係人からひんしゅくを買うような訴訟指揮、こういったことを起こす判事の方がおられるのではないか。またそういう労働部の判事の配置について、そういう人たちが特に配転あされて配置されている、こういうように実は私は聞くことがあるんであります。これは正確かどうか私わかりません。しかし、そういった訴訟指揮について常に問題を起こすようなことを通じて、俗に言う労働事件についてはきわめて著しく遅延をする、こういうことについて私どもは聞いています。だからその点についてどのように御理解をされているのか。私はそのことが、裁判が国民の権利を、しかも公平な裁判を受ける権利を有する国民の立場にとって、そういう裁判官の訴訟指揮の問題について常に関係人からひんしゅくを買うというようなことがあっては私はならぬと思います。そういった点について、そのことが一つの長期化の原因でもあるというように指摘をされている向きもありますが、これらについての御見解はいかがでしょうか承りたいと思います。

井口牧郎最高裁判所事務総局行政局長

○最高裁判所長官代理者(井口牧郎君) お答え申し上げます。  まず審理期間の点でございますけれども、私どもの調査したところによりますと、委員御指摘のいわゆる労働仮処分、この種の事件の処理に要する平均の期間は最近数年ほぼ八カ月余、かようになっておりまして、これをもう少しわかりやすく申し上げますと、全事件の約七割が委員の御指摘になりました六カ月以内に処理されております。残りの約三割が特に事件の困難さ、その他の関係でそれ以上要しておると、そして平均的にはただいま申しましたような期間になっておるわけでございます。まあ労働仮処分の中の主なものはやはり解雇をめぐる争いでございまして、労働者の地位を仮に定めると、賃金の仮払いを命ずる仮処分、こういうようなものになるわけでございますが、その主たる内容は、解雇が有効か無効かということであることはもちろんでございますけれども、それに付随いたしまして解雇権の乱用であるとか、あるいは労働協約、就業規則違反、特に不当労働行為といったものの正否が問題になるわけでございまして、多少専門的になりますけれども、たとえば不当労働行為の正否ということになりますとこういう事実があれば必ずあるとか、こういう事実がなければないと、そういう決め手はございませんで、いろんな事情を総合いたしましてこれが不当労働行為に当たるかどうかと、かようなことに相なるわけでございまして、勢い当事者双方がその辺の事情の主張、立証を非常に尽くしたがる、したがって証拠も非常に多くなるということに相なりまして、ある程度の審理期間はやむを得ない期間と私どもは考えておるわけでございます。  ところで委員御指摘の訴訟指揮にまずい点があるのではないかと、かようなことでございますけれども、あるいは的確なお答えにならないかもわかりませんが、私どもの思い当たる点を一つ例に挙げて申し上げてみますと、たとえば訴訟関係人が法廷でいわゆる腕章をつけて登場すると、これを裁判長が取り外しを命ずるというようなことが各地の裁判所でございます。裁判でございますので、申すまでもなく結論が公正であるかどうかということが最もポイントでございますけれども、公正な裁判が迅速にさえ行われればその途中の過程はどうあってもいいというわけにはまいらないわけでございまして、この腕章はどういう意味を持つかということを私なりに解釈いたしますと、まあいわば労働者側の団結をデモンストレートすると、あるいは場合によれば一定の裁判を求める意思表示を暗黙にするというような意味合いがあろうかと思います。  委員御承知のことと思いますけれども、裁判をいたしますための資料を提出するには一定のルールがございまして、そのルールにのっとって出されたものだけが裁判の材料になるわけでございます。かような腕章をつけることによって暗黙のうちに意思表示をするということは、やはり私どもの考えではこのルールから外れるわけでございまして、ただいま申しましたように手続も公正であり、しかも公正らしく見えなければならないということを考えますと、勢いそうしたものは取り外しを命ずることにならざる得ないわけでございまして、現在全国的に見ましても、ほぼ取り外しを命ずれば素直にこれに応じていただいておるというのが大部分でございます。ところが中にはやはりそれをめぐってトラブルが起こる。トラブルが起こればある程度の審理のブランクがそれに応じて出てくるということもございます。これは決して好ましいことではございませんけれども、ただいま申しましたような手続の公正を確保するためにはある程度やむを得ないと。そこで訴訟の迅速を願う余りに安易な妥協をすることはやはり適当でなかろうと、かように考えておるわけでございまして、まあ私ども考えております一つの例でございますけれども、決して訴訟指揮がまずいために不必要に審理に期間がかかっておるということは原則的にはないものと承知しておる次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は個々の問題いまここで言おうと思いません。しかしたとえば、ここでは名前は挙げませんけれども、常にその関係人のひんしゅくを買う判事というのは大体決まっているようです。そういう中で特定の判事の場合には、その判事が訴訟指揮を行われる裁判については常にやはり問題が出てくる。私はこれはやっぱりその訴訟指揮自体について十分に反省をしていかなくちゃならぬ課題があるのじゃないのか、私はそういうふうに抽象的ですが申し上げ、とどめたいんです。具体的な名前、個人名等を挙げる気はさらにありませんが、そういう面から、たとえばそういう事件、そういう問題を起こす判事がことさらに東京地裁の労働部に配転される、そういう司法行政の人事のあり方というものまで問われかねない問題があるのではないか、こういうふうに私はそういう話を聞くにつれ実は感じるところであります。だから腕章問題その他をここでとらえる気ありませんが、そういう訴訟の問題、関係者のひんしゅくを買ってトラブルを起こすような判事が特定の判事に限られている、こういう点について私はきわめて重大な関心を持たざるを得ない。こういう点をひとつ申し上げておきたいと思います。  再度さらに裁判のおくれの問題について、裁判官が果たして定員が充足されているかどうか、この辺についてお尋ねをしたいと思うんです。裁判官の定員については、これはまた要するに裁判の長期化の問題と、あるいは事務処理あるいは裁判の処理について大きな影響を相互に持っています。迅速な裁判が実現をされる、このことがいま最も要求をされている。あなた方も御努力をされている。いま私の方の手元で調べましたら、特に日弁連の司法白書の中で見ますと、四十八年度における裁判官の不足を生じていたのは、高裁判事が二十名、判事補十一名、簡易裁判所は二十三名であったのが、昭和五十年度においては、高裁判事が八十二名、判事補が十八名、簡易裁判所二十七名にも達しているわけであります。このような裁判官が定員どおり充足されてない、こういう現実についてどうお考えになっておるのか。  さらに、せっかく採用された裁判官が実際に法廷に出ないという現実、こういう点についても、実際に裁判のおくれを何としてでも、しかも公平な裁判を受けるこういう国民の権利の側から見ますと、私はもっとこの辺について最高裁として十分な配慮が払われてしかるべきじゃないか。特に四十七年度、裁判を行わない裁判官の数は、最高裁で事務総長一名、局長六名、各研修所長三名、課長十六名、各局付十九名、さらには裁判所の調査官二十七員、司法研修所教官二十名、同事務局長一名、以下数えれば切りありませんが、百十七名で同年度の裁判官定員二千六百八十一名の実に四・四%に達すると記されています。事務総局は、この裁判官と裁判の独立を守るためのサービス行政を行うところであります。このようなところに裁判官が定員にも満たないにかかわらず配置するという必要があるのかどうか、この辺について、定員の問題とあわせ最高裁の御見解を承りたいと思うんであります。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 日弁連の方の調査がどの時点をとったのかということは詳細存じませんが、大体十二月一日現在で毎年定員の充足状況を調べておりますが、案納委員御指摘のように相当数の裁判官の欠員が十二月一日現在では毎年あるのでございます。で、その原因でございますが、これは大体裁判官の場合には一定の資格がございまして、もちろん弁護士さんから、または検察官から年度の途中において裁判官になるという例もございますが、大部分は司法修習生から判事補になるということでございますので、司法修習生が四月一日に司法研修所を卒業いたしますので、四月現在におきましては大体定員を充足するという状況でございます。それが一年間経過いたします間に、退職する者または定年になって退官する者、もしくは弁護士になり、または検察官になるということで、年度の途中で徐々に人が減っていくわけでございます。一定の資格を要するものでございますので、裁判官がやめたからといって直ちにその補充ができない、そういうような性格のものでございます。これが一般の事務官等でございますと、年度の途中でやめてもすぐその補充がつくのでございますが、裁判官の場合にはそうした特殊な性格もございますので、年度の初めにおきましては充足いたしますが、年度終わりごろになると相当数の欠員を生ずると、それがまた四月になりますと充足されると、こういったことを繰り返しておるのでございまして、これも現在の裁判官の任用の状況から考えると、ある程度やむを得ないというふうに考えております。  次に司法行政事務を担当している裁判官の数についていろいろ御指摘がございましたが、その数につきましても若干私どもの調査と違っている面もございますが、それはさておきまして、司法行政を担当している裁判官の中に挙げられておりますところの、たとえば最高裁の調査官、これは最高裁の裁判官を補佐して事件の処理についていろいろ資料を収集するというようなことで、これは純然たる司法行政事務とはいえないのかと思います。それからまた研修所の教官でございますが、これも優秀な後輩を育てるということで、裁判官が司法修習生の教育に当たるということも、これは制度上絶対必要であろうというふうに考えますし、これもまた純然たる司法行政事務とはいえないのではなかろうと思うわけでございます。  したがいまして、残ります司法行政をもっぱら担当している裁判官と申しますと、私ども事務総局におります裁判官でございます。事務総局でそうした司法行政事務を担当するために多数の裁判官がいるということは、裁判官不足の折から問題ではないかということはいつも指摘されるところでございますが、司法行政が戦前司法省がやっておりましたものを裁判所が独立いたしまして、最高裁判所みずから司法行政を行うということになりました。司法行政の中には規則制定権というものに基づきまして規則を制定するといったようなこともございますし、その他裁判に関するところの資料を整備したり、また裁判に要するところの予算を取得するといったような点もございまして、それらの事務は、やはり裁判官としての経験を持った者がこれに当たり、裁判の経験を生かしてこれを行うことが裁判の適正迅速に役立つのではないかというふうに考えます。司法行政は、裁判の適正迅速化のためにハウスキーピング的ということで、これにサービスをするのが職務でございますが、これに当たる者がやはり裁判官であり、裁判官の経験を有する者がこれに当たるということがよりよく裁判に貢献し得るというふうに考えます。もちろん、裁判官は裁判をすることが第一でございまして、私どもも裁判をするために裁判所に入ってきたのでございますが、したがいまして裁判の重要性ということについては、私ども常々考えているところでございます。したがいまして、そのような見地から、現在司法行政を担当しております事務総局の裁判官は、極力最小限度にとどめるということで、現在の数は最小限度の数としてやむを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 ちょっと確認しますが、これは私の資料は四十七年の九月一日の現在です。先ほど申し上げましたように、最高裁判所で裁判官で裁判を行わない裁判官の場合、事務総長一名、これは間違いありませんね。ちょっといまから一つずつ確認しますが、局長六名、各研修所長三名、課長十六名、各局付十九名、いま言われた裁判所調査官二十七名、司法研修所教官二十名、同事務局長一客、同所付二名、書記官研修所教官十三名、同事務局長一名、高等裁判所では事務局長八名、計百十七名、こういうようになっていますが、これは間違いありませんか。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 手元の資料で細かい内訳はちょっとございませんが、まず事務総長は事務官でございまして、これは裁判官の身分はございません。局長六名、課長十六名、局付十九名でございます。それから高裁の事務局長八名、最高裁の調査官が二十七名、研修所——これは司法研修所、書記官研修所等含めまして三十二名、合計で百八名でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 百八名は、これは現在ですか。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 昭和四十七年の十二月一日現在でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 そこで、いまあなたの言われたやつで若干の数字、約九名ほど違いますが、それはそれとして、これだけの方が裁判を行わないで司法行政に携わっておられる。最高裁の事務総局というのは、いまもあなたの言われたように裁判官と裁判の独立を守るためのサービス機関、こういうことがその性格だと思います。その場合に、たとえば事務総長の下にある次長、局課長、局付、こういうところに裁判官を配置をしなくてはならぬ、こういうことについては裁判官でなくちゃならぬということについて私は大変疑義を持つんです。特に課長、局長が裁判官でなくちゃならないということは私はあり得ないんじゃないか、なくてもいいんじゃないのか。特に先ほど事務総局が裁判官と裁判の独立を守るサービス行政であるという、サービス行政をつかさどるところであるという立場に立つ限り、そのように考えます。  第二点は、たとえば調査官の場合です。最高裁判所の裁判の場合、いずれの場合にも裁判官みずからが調査をして、みずから考えて、みずからが判断を下すべき立場にあるわけであります。これを調査官がもっぱら裁判官の具体的な命令に基づいて資料を整備したり、あるいはそういうことのみに携わる、こういうことになると、事実上、調査官というのは裁判官の肩がわりをすることになってくる。そうなると調査官あって裁判官というのは要らないんじゃないか、いまの裁判官、調査官の制度の中で私はそういうように考えざるを得ないんです。要するにいまの調査官、裁判官の関係では、裁判官は調査官に任せっきりで、事実上そういう役割りを調査官が果たしてしまう、調査官が裁判官の下請になってしまう、こういう危険を持っているような気がしてなりません。私は素人ですから、私の調査した、あるいは調べた範囲内で皆さんにお尋ねをしているわけであります。この点が私は調査官についての問題点だと、そこに要するに判事の人が裁判官を配置をするということについては、そういう面での問題を一つ内包しているのではないか、必要ないんじゃないか、こういうふうに第二点は考えます。  それから各研修所の所長や、あるいは高等裁判所の事務局長もなぜ裁判官をもって充てなくちゃならないのかという、この辺についても、もっと司法行政という立場に立って考えた場合には、私は裁判官を配置しなくてもいいのじゃないか、こういう点について意見を持っていますが、いまの答弁に重ねて私はそういった点についての御見解を承りたいと思います。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 案納委員御指摘のように、司法行政は裁判の適正迅速化のために奉仕するものでございます。司法行政はそういうような性質を持っておりますので、これはいわば裁判に非常に密接な関係があるということは言えようかと思います。司法行政が適切になされない場合には、それはひいては裁判権の行使に影響を及ぼすということにもなりかねないのでございます。したがいまして、一般の行政と異なりまして司法行政は裁判権の行使に密接な関係があるという性質を持っておりますので、司法行政を適切に行うためには裁判官の経験を有する者がこれに当たるということによって初めてよく裁判権の行使に奉仕することができるというふうに考えておりますので、現在のところ先ほども申しましたように最小限度の裁判官をもってこれに充てているということでございます。  それから調査官でございますが、調査官の制度は戦後ずっと続いておるものでございますが、先生御心配のように調査官が下請化しているとか、実質的には調査官裁判であるというようなことは決してございませんで、裁判官ももちろんみずから資料を収集いたします。しかし裁判官が資料を収集いたしましてもそれに見落とし等ないこともございませんので、それを補う意味において調査官が資料等の収集をするということでございまして、資料の収集ということになりますと、これまた裁判官の経験を有する者がこれに当たるということが的確な資料が得られるということでございますので、調査官はやはり裁判官をもって充てる必要があるというふうに考えております。  それから研修所でございますが、先ほどもちょっと触れましたように、研修所におきましては、たとえば司法研修所の場合には司法修習生の教育ということでございます。司法修習生はこれを終わりますと裁判官、検事、弁護士というふうに育っていくわけでございますが、こうした後輩の養成ということはわれわれ法曹としての重大な責務でもございます。したがいまして、裁判所からは裁判官、法務省からは検察官が、それから弁護士界からは弁護士さんがそれぞれ教官として司法研修所で後輩の養成に当たっていくということでございますので、司法の将来ということを考えますと、優秀な後輩の養成ということのためには、やはり裁判官がこれに当たるということはぜひ必要であろうというふうに考えております。  で、いろいろな御意見はございますが、現在のところ私どもとしては、以上のように必要最小限度の裁判官をもってこれらの職務に充てているということでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私も全部裁判官は一切要らないんだと、こういうふうに言っているわけじゃないのですよ。いまあなたの説明による百八名、その中で裁判官が足らなくて定員を充足をさせられないで裁判がおくれる、こういう面での国民の権利が侵されているというそういう現実の中で、裁判を迅速にやるという意味から、今日の司法行政の中に携わっているそれらの中で——一定の経験が必要だという分野は私どもは認める、あるでしょうと。しかし現実に課長やその他の段階で裁判官などという人を配置をする必要はないんじゃないか、もっと第一線に回してやれるじゃないか、こういうふうに指摘をしているのです。たとえば研修所の教官の場合などはそれはもちろん裁判の経験、裁判官や検察官やそういう経験を持った人が必要でしょう。しかし現実サービスをする、あるいはそれに伴う司法行政、研修所の行政を行う事務局長や所長というのは裁判官でなくてもいいんじゃないですか。その辺をもっと検討をする必要があるのじゃないか。たとえば臨時司法制度調査会が発足をしたときに、裁判官を志望する者の数は近時減少の傾向にあって必要最小限の裁判官の数を確保することすら困難な実情になってきている、こういう前提に立って臨時司法制度調査会というものは内容の検討に入られたと思うのですよ。そして私は、今日の段階で裁判官の不足が一層深刻になっているという事実の上に立って申し上げているのです。  確かに裁判官の場合については、その採用についての任命資格は、先ほど答弁されましたように、司法研修生の修習を終えた後、判事補あるいは簡易裁判所判事、検察庁、弁護士など、こういった中から任命をされます。それは私も承知をしています。しかしこれらの供給源というのは、今日その人口が拡大をしているという事実もまた見逃してはならぬと思う。そういう中で裁判官が不足をし一層深刻化している。この深刻化している現実というものを私は司法行政に携わる最高裁としてもやっぱりもっと真剣に考えてもらいたいと思う。  一つは、司法行政の中で裁判官がいたずらに、裁判に携わらずに司法行政に携わる数が余りにも多いということについての一項をひとつ考える必要があろう。もう一つは、もっと他の面における、裁判官が希望が少ないという現実、退職者が多いという現実、この辺についてもっと私は考えてもらいたいと思う。特に御意見を承りたいのですが、最近の裁判官の退職数の場合です。裁判官の場合は、「裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。」と、こう身分が保障されています。したがって、退官をされる場合は、自分の意思によって退官をするか、あるいは十年の任期、一定の任期後再任が拒否という状態が発生をするか、いずれかの場合しかないはずなんですね。  ところが今日裁判官の退職の場合を見ますと、私の方の手元にある資料によりますと、ほとんどのものが在官二十年以下で退官をしているという資料が私の手元にあります。これはみずからの意思で退官する者がきわめて多いことが明らかになっていますが、たとえば四十年、四十一年と四十七年を除けばほぼ毎年三十名前後であったのが、定年退官者、その点で一定をしていたのですが、その他の事由による退官者がきわめて四十四年、四十六年が多くて、しかも四十六年は四、五月に集中をしてきわめて多くの人が実は退官をしている、こういう資料が私の手元にあるわけであります。これはずっと八年ぐらいを統計をとってみますと、裁判官定員の一割近い人が途中でやめていくという数字になっている。いま先ほど申し上げましたような、裁判官のきわめて充足がむずかしいという今日、そういう途中でやめていく人が定員の一割にも近いという、こういう状態にあるこの原因について、どのようにひとつ御理解をされているのか、最高裁の総長の御見解を承りたいと、こう思います。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 例年の退官者の数でございますが、これも年によって異なるわけでございます。たとえば定年退官者の場合でも、ある年に大量に裁判官を任官したということでございますと、定年の時期が大体同じになってその年には大量におやめになるということがございますし、ある年に少ない方が裁判官になったという場合には、定年の際少ない数字になるわけでございますが、例年の例で申しますと、大体平均いたしまして定年退官者が三十五名ぐらい、それから中途で退官される判事が約二十五名ぐらいでございます。そのほか判事補でございますが、中途で約十人ぐらいおやめになるというのが大体平均したところではなかろうかと思います。  中途でおやめになる方でございますが、これはいろいろな事情もございまして、個別的にはいろいろな事情があるのでございますが、主として、たとえば父親が弁護士であったところその父親が亡くなったので、その後の事務所を継がなければいけないといったようなこと、または転勤しなければならないという場合でも、家庭の事情等で転勤することができないので、この際弁護士になるというふうな方もございます。そのようなことでございますので、現在の裁判所におきましては、この程度の中途の退官者というものは必要やむを得ない数であろうかと思います。もちろん、そうした中途退官者のないことは望ましいのでございますが、それは個々の裁判官の特殊な事情によるものでございますので、どうしてもおやめになりたいという方につきまして、これをあえて引きとめるということもいかがかと思うわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私の手元の資料によりますと、八年間の定年退職者、たとえばざっと言いますが、四十一年二十名、四十二年三十名、四十三年二十六名、四十四年二十九名、四十五年三十一名、四十六年二十七名、四十七年三十九名、四十八年は推定ですが十九名、これが定年退職。そうでなくて、その他の退職、退官者の場合は、四十一年十三名、四十二年二十三名、四十三年十七名、四十四年三十名、四十五年二十二名、四十六年三十五名、四十七年二十一名、四十八年二十四名、こういうふうになっているんです。要するに、きわめて定年退職者とその他の退職者を比較をしてもほぼ同数、たとえば八年で例をしますと、二百四十三名が定年退職者、その他の退職者は二百六名、きわめて多い人が実はその他の理由で中途退職されているんです。  特にこの中で四十六年、これは宮本裁判官の再任拒否が行われた年ですが、しかもその直後の四月、五月に退官者が相当集中をしている。今日こういうきわめて多く中途退官者がおられるということは、今日の司法行政のあり方、多くを私はいまここで論議をしようと思いませんが、最近、在野の法曹界等における司法の独立を守れという、平賀書簡問題以来、青法協問題あるいはいま言う宮本裁判官の再任問題、多くの課題を国民の前に投げかけてきました司法行政のあり方等をめぐっての原因が、私はこれらの中途退官者の中にはそういった原因で中途で退任をされていくという方がおられるのではないか。そうすると、やっぱり司法行政のあり方というものについて、もう一回こういう中途退官者がきわめて多く出るということについて、最高裁として真剣に考えてみる、こういうことが必要ではないか、こういう点を感じるのですが、いかがでございますか。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 私ども繰り返し申し上げておりますように、現在の退官者の数は必ずしも多くないというふうに考えております。それからまた、昭和四十六年ですか、その年に中途退官者が多かったことの原因として司法行政のあり方を挙げられておりますが、それにつきましても、私どもは、司法行政についていろいろ問題があるので、それだけを理由として退官者がふえたというふうには決して考えてございません。で、現在のところ、この程度の退官者は例年どおりでございまして、この程度の退官者のあることもやむを得ないというふうに考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 時間の関係がありますから次へ進みます。  裁判が行われるためには裁判官だけを整備すれば事足りるというわけじゃありません。それに伴って裁判を進めるに当たっては、事件に関する資料の収集や、あるいはそれらについての整理やら、書記官や調査官の協力を得なくちゃならないことは私もよく承知しています。そういう点について、裁判所の職員が定員どおり充足をされているかどうか、こういった点について私の手元にある資料によりますと、昭和四十八年の例をとれば、裁判所書記官が百二名、家庭裁判所の調査官が五十一名、速記官、廷吏等が百九十八名、二百六十九名、定員より不足をしている、こういう現実があるわけであります。  で、この不足をしている職員については、国民が裁判を受ける権利を保障していくという立場に立つと、早急に充足をしていかなくちゃならない私は責任があると思います。さらに下級裁判所における職員の基本給及び職員諸手当の予算執行の状況を見ますと、四十八年度一億三千二百六十万円、四十九年度は二億九千三百五十一万円の不用額が生じています。職員が不足をしているというのにこのような多額の不用額を生じさせているということは、職員充足のための努力が十分に行われていないんじゃないか、こういう面からも裁判の遅延というのが今日のような現状になってきているのではないか、こういう点を私は心配をし、考えるのですが、いかがですか。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 裁判の迅速化ということにつきましては、ひとり裁判官のみ帰属するところではございません。裁判官をふやすということについては鋭意努力してまいっておりますが、高度の資格を要するというような関係でなかなかその給源がないという状況でございます。そうしますと、やはり裁判官の増員とあわせまして補助機構の充実ということで、案納委員御指摘のように、裁判所書記官、裁判所調査官、これを充実していくということになるのでございます。  ところで裁判所書記官、裁判所調査官でございますが、これも実は裁判官と同じように一定の資格を要するのでございます。で、書記官の場合ですと、書記官研修所というのがございまして、そこで二年なり一年研修して、試験を受けて卒業いたしますと書記官資格がつくと、それから家庭裁判所調査官の場合も、家庭裁判所調査官研修所というところで一年間研修をいたしまして、それで卒業すると初めて家庭裁判所調査官ということになるわけでございます。そのように裁判所書記官、それから裁判所調査官は一定の資格を要するものでございますので、これも裁判官の場合に申し上げましたように、四月にそれぞれ研修所を卒業した段階におきましては一応充足するのでございますが、その後、年度中に退職をしたり転換をしたりいたしますと、その分だけが直ちに補充できないということで、欠員ということになるわけでございます。  したがいまして、その点は全く裁判官の場合と同じでございます。しかしながら、その他の職員につきましては、事務官とかタイピストといったような職種につきましては、退職した場合、その都度直ちに補充できるのでございまして、これらにつきまして補充をしないで長くほっとくということは決してないのでございます。しかしながら、裁判所は全国的に千百以上のいろいろな組織を持っております。簡易裁判所、地方裁判所、それからさらには検察審査会といったような、そうした組織が全国で千百以上ございますので、どっか一カ所でたとえば事務官がやめたとかタイピストがやめたということになりましても、それを全国的に合わせますとある程度の欠員ということに——常時ある程度の欠員を抱えざるを得ないと、こういう状況でございますので、特に裁判所の場合につきまして、裁判所書記官とか調査官というような特殊な職種を除きました一般の職員につきまして、特に他の省庁に比べて欠員が非常に多いことはないのではないかというふうに考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いずれにしましても、裁判のおくれというのは、長期化すればするほど国民にとってきわめてその権利が侵されるといいますか、公正な裁判を受ける権利というものについて重大な影響を及ぼしてまいります。いま指摘をされた幾つかの問題について、裁判が今日のようにおくれるような状態というものを一日も早く克服し、裁判官の充足や職員の充足を通じて、国民のその意味での真の信頼を確保していくという、その意味で御努力を一段とお願いをしたいと思います。  そこで選挙違反の関係についてお尋ねします。一般的に裁判がおくれますと被告人に不利になるわけです。ところが選挙違反の場合は反対で、長期化すればするほど当選者といいますか、が有利になるわけなんです。昭和四十三年七月に行われました第八回参議院選挙では大量の選挙違反者を出しています。そのうち出納責任者が最高裁で有罪になった事例がありますが、これが五十年の五月ですから、当該選挙の七年後の結果であります。当該当選人は悠々と六年の任期を終えて、次の選挙に当選して別の任期に入っているという、そういう状態になるわけです。これでは公選法二百五十三条の二項に言っている、原則として訴訟の順序にかかわらず特に優先的に速かに審理し、事件を受理した日から百日以内に判決するように努めなければならないという規定は何にもならないわけです。この規定どおり審理が進めば、第一審で百日、二審で百日、三審で百日と、判決確定するまで一年以内に終わることになるわけです。四十八年度中に行われました選挙違反の関係で一審だけで百日を超しているものはいま何件ありますか。百日以内、二百日以内、三百日以内、四百日以内、五百日以内、五百日以上という、六段階でひとつ答弁をしてください。

岡垣勲最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) いわゆる百日裁判、昭和四十八年だけをとってみますと、四十八年度の既済人員で申しますと、そうすると——たしか四十八年度でございましたね、お尋ねは。——四十八年度の既済人員をとってみますと、百日以内のものが一件、総員三十五名の既済のうち百日以内のものが一件、それから二百日以内のものが五件、三百日以内のものが三件、四百日以内のものが二件、五百日以内のものが三件、五百日を超えるものが二十一件となっております。ただ選挙違反事件というのは、その性質上、選挙があったときにどかっとまいりまして、そしてそれから次第次第にこうあれするわけでございますから、かなりの期間をとって見た方が的確ではないかと考えます。  それで私どもの方の資料で申し上げますと、四十二年から四十九年までの期間をとって見ますと、昭和四十二年から四十九年までの間には、これは既済人員は四百五十七名でございますが、そのうち百日以内に済んだ者がこれが八十名、約一七・五%、それから二百日以内の者が百二十七名で二七・八%、それから三百日以内の者が六十七名で一四・七%、それから四百日以内の者が六十七名で一四・七%、五百日以内の者が三十二名でこれが七%、それから五百日を超える者が八十四名で一八・三%という数字になっております。  以上でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いまの説明聞いてもわかりますように、百日裁判ということについてはもう事実上空文化していると言っても言い過ぎじゃないわけですね。これは四十二年ですか通達が出されています。これが今日どのように生かされてきているのか。まあいまの報告を聞きますと、ほとんど空文化しているという現状です。その点について、選挙百日裁判を励行するために今後の努力を一段とされなくてはならないと思いますが、任期よりも裁判を長引かせるといいますか、要するに衆議院、参議院、まあ参議院の場合に六年任期、三年任期ありますが、この任期中にでも裁判は終わらない。当選人は悠々と実はその任期を終了する。こういうことについて、全く国民の多くの不信というのが、私は今日この選挙裁判にはあると思います。これを何としてでも百日裁判を実現をするなり、国民の裁判に対する信頼あるいは選挙あるいは政治に対する信頼を回復をするという意味からも、こういった選挙裁判については、通達を出されている法律のその趣旨に沿って厳正に私は実行をしてもらわなくちゃならぬと思うんです。  その場合に、たとえば一審で総括責任者、出納責任者等が有罪になった場合は、その時点で当選人の被選挙権——公民権ですね——停止をする。したがって次の任期に入っても当然議員の資格を失うような形になる。こういうふうな、もっと具体的な抜本的な対策というのが私はとられなくては、事実上百日裁判と言っても実効が上がらないのではないか、こういうふうに感じるんですが、この通達が出されて以来、いまのように報告をされました現実を見ても空文化している今日、最高裁でどのようにこれらについて対処しようとしているのか、あるいはいま私が後段に申し上げました点についての意見があれば、意見を言っていただきたいと思います。

岡垣勲最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) 委員御指摘のとおりに、その通達が出ておるわけでございますけれども、これは先ほども訴訟遅延一般について申し上げましたとおりに、訴訟の遅延というものの原因は、その事件そのものの大きさ、公訴事実がたとえば非常に多いとか、取り調べるべき証人が非常に多いとかいうふうな客観的なものと、それから検察官、弁護士、それから裁判官という関係人のやり方いかんにかかわるものとあるわけでございますけれども、あの通達は、その公訴事実をできるだけしぼって、そして期日指定を連続して多数回開廷し、当事者は十分準備して、そして争点をしぼって有効な期日を実施していくということを促進するように法曹三者が打ち合わせた結果を流しておるわけでありまして、それがその通達どおりに行われれば、そうすれば恐らくは法の期待するところに近い結果が出るのであろうと思われます。けれども御指摘のとおりに必ずしもそれが通達のとおりにまいりません。たとえば公訴事実の数にいたしましても、事件の性質上非常に多うございまして、それからその証人の数にいたしましても非常に多うございまして、そしてそれを調べておれば百日かかってもなかなか調べ切れないというふうな事件もあるわけでございます。それからまた期日を入れるというふうにいたしましても、連続して多数の期日と申しましても、なかなか弁護士さんの手元から考えると、そうたくさんの期日が入れられないと、一週間に一遍という期日もなかなか入れがたいということになるわけでございまして、したがって、これが百日と申しますと十四週でございますから、ですから一週間に一回ということになれば十四回くらいで終わる程度のものでなければ百日は守れないというわけでございます。  したがいまして、非常に法の要請は厳しいものでございまして、なかなか実現は困難だという現状にはございますけれども、しかし、これは国民の期待を考えると、むずかしい、むずかしいといって済むものではございませんので、私たちといたしましては、先ほども申し上げましたとおりに、三者の間の協議を繰り返し、そしてお互いの工夫によって改善できるところを少しでも進めよう。それからまた選挙関係の担当裁判官の会同を行いまして、そしてお互いの工夫を重ねるということを考えておるわけでございます。で、事件と工夫の仕方によりましては百日裁判もその法の期待するとおりにできる場合ももちろんあるわけでございまして、たとえば昭和五十年の状況については、まだ全国的には把握しておりませんが、おひざ元の東京地方裁判所には百日裁判事件が三件係属いたしました。この三件とも七十五日、八十七日、八十六日というふうに百日以内に終わっております。これは関係している三者の協力によるものと考えておるわけでございます。まあ、そういったようなわけでございまして、われわれとしては今後とも国民の期待にこたえられるように、法の期待にこたえられるように、非常に困難ではあるけれども努力を重ねていきたいと、こういうふうに考えております。  なお最後に、こういう一審の有罪判決が出た段階で資格を失わせしめるというふうなことはどうかということでございましたけれども、どの段階でそういう効果を与えるかということは、これは非常に立法的な政策の問題だというふうに考えておりますので、私どもとしてはお答えを差し控えさしていただきたいと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ最高裁の関係について最後の点だけ。自治省の方お見えになっていますか。——あわせて、時間の関係ありますから、一括して質問しますから答弁をいただきたい。  最高裁判所の裁判官の国民審査制度についてお伺いします。昭和二十四年に第一回審査が行われて以来、過去九回の国民審査が実施されました。今日の国民審査のあり方から言うと、有権者の関心はまさに衆議院議員選挙の、こう言っては申しわけないんですが刺身のつま程度に薄れてしまっている。後で述べますように、その投票の仕組みに問題があるために、現在のやり方では無用の長物化しているという事実を私は否定できないと思います。一部学者や法律専門家の間でも、これらについての改善策が盛んに指摘をされています。いずれ四月解散、五月選挙、あるいは本年は衆議院選挙が行われるわけです。その場合には、現状で私の方では八名程度の裁判官が国民審査を受ける対象になると、こういうふうにいま理解しています。こういういま行われているようなやり方、あえてここで繰り返しませんが、これで最高裁の裁判官の評価が正しく行われているというふうに御理解されていますか。これとあわせて最高裁と自治省にもお尋ねをしますが、いま一般の市民団体やあるいは法曹界等からこの国民審査のあり方について請願書が提出をされています。この請願書について真剣に改正に取り組むという意思が自治省の場合にあるのかどうか、これらについて自治省の御見解を承りたいと思います。  さらに四十七年の選挙の際に、国民審査の際に、自治省は行政指導として、この棄権について、ある意味では判断がつかないと投票用紙を返そうという、そういう行政指導が行われたことが明らかであります。四十七年十二月の六日の新聞にもそのことが明らかにされています。私は今日の最高裁の国民審査というのが、広報活動が不十分で、しかもその審査の仕組みが今日のような仕組みになっているがゆえに、国民の関心が一段と浅く、この国民審査という重大な国民の権利の行使について、十分に国民がそれについて参加できる措置をしなくちゃならない行政官庁が、判断がつかなければ投票用紙を返そうという棄権運動の一端を担ぐようなやり方が行政指導等で行われたということは大変重大なことであります。今回行われるこれらの国民審査については、こういうことを二度と繰り返してはならぬと思いますが、自治省として再びこういう行政指導をやる、こういうふうにお考えになっているのか、再びこんな行政指導はやらないと、こういうふうにお考えになっているか、明らかにしていただきたい、かように思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○説明員(土屋佳照君) 最高裁判所裁判官の国民審査につきましてはいろいろと意見がございますし、そのあり方について請願等もあることも承知をしておるわけでございますが、現行の国民審査制度は、すでに最高裁判所の判例でもたびたび示されておりますように、その実質においてはいわゆる解職制度であると考えられるわけでございまして、こういった考え方に立ちます限り、積極的に罷免を可とする裁判官についてバツ印をつけて意思表示をすれば足り得るわけであるというふうに考えておるわけでございまして、そういった意味から現行の制度、罷免を可とする者のみにバツ印をつけて、それ以外の者については何も記さないで投票する、こういった審査方法は憲法に定めております国民審査制度の趣旨に合っておると、それなりに機能しておると私どもは評価していいのではないかというふうに考えておるわけでございます。それはただいま申し上げましたような、この国民審査の本質という点からそのように考えていいのではないかというふうに考えておるわけでございます。確かに考え方としては罷免を可とする者にはバツと、それからそのままでやってもらっても結構であるという者にはマルをつけるといったような制度はどうかというようなこともございますが、ただいま申し上げました解職制度という本質にかんがみれば、いまの制度で十分機能を果たしておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから第二点につきましては、四十七年の国民審査の際に棄権等について行政指導をしておるが今後どうするのだというようなことでございます。私ども国民審査の投票に当たりましては、投票の機密の保持とか、あるいは投票の便宜のためのいろいろな設備その他についての指導も行っておりますが、あわせて投票の強制にわたらないような運用を図るといったような見地から、投票所内の適当な場所に、投票したくない人は投票用紙を受け取らないでください、あるいはまた投票用紙を受け取っても投票したくない人は投票箱に入れないで係員に返してくださいといったような注意事項を投票所の入り口等見やすいところに掲示をいたしまして、有権者に周知するように指導をしてきたわけでございまして、それは事実でございます。その趣旨は、ただいま申し上げましたように、どうもよくわからないというような方に渡して、投票用紙をもらったんでどうしても投票するんだということについていろいろ批判がございましたので、やはりその点、投票したくないという人についてまで強制をするというのはどうであろうかということで、まあ注意的にそういう指導をしたわけでございます。今後そういったことをするかどうか、むしろそういうことをするよりも、いまのお話では、国民審査というものについて審査が十分できるような判断の機会というものをもう少し拡充していくことによって、いまのようなやり方はもうやめたらどうだというような御趣旨であったように思うわけでございますけれども、私どもやはりそういった国民的な、国民が判断されるに十分な方法というものは検討していかなければならないと思いますが、といって次の国民審査の際にどうするかということになりますと、これはまあ中央選官において決められることになるわけでございます。しかし、その際でも、先ほど申し上げたような批判がある限りは、おおむね従来の趣旨に沿った措置がとられるのではないかと私としては考えておるわけでございますけれども、先ほど御注意のございました国民への周知徹底といったようなこと等もあわせて、その際に中央選管で十分御検討もいただくということになろうかと思っております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 最高裁いかがですか。

田宮重男最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 最高裁判所裁判官の国民審査の方法、やり方につきまして種々御意見のあることは承知しております。なお特に日弁連等から、または在野の団体等からこれについての請願等が直接裁判所になされたことはございません。まあいろいろ議論のあるところでございますが、事は最終的には国会または政府のお決めになることでございますので、私どもこの現在のやり方がいいかどうかということについて意見を申し上げる立場でございませんので、その点御了承いただきたいと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ最高裁のまだ課題はありますが、これをもって最高裁を終わります。ありがとうございました。自治省も結構です。ただ自治省のいまの答弁については納得できませんので、改めて常任委員会等で明らかにしていきたいと思います。  会計検査院に御質問いたします。会計検査院の場合は、決算委員会では各省の審査の際に会計検査院は出席をしていただいて今日まで審査を続けていますが、関係のある問題については、それぞれの各省の審査の際に明らかにしますが、まず第一に、会計検査院の検査がマンネリ化している。このことは、どうしてもこのままの状態を繰り返すことはできない今日の事態に来ていると思います。  その前に、私は緊急に一つ質問をいたしたい。ロッキード社の疑惑献金の問題が今日米国の上院の調査でクローズアップされてきています。この疑惑は、御案内のとおり、かねてわが党が衆参両院において追及してきたことは御承知のとおりであります。しかもこの黒い霧といいますか、黒い疑惑が集中しているのは昭和四十八年度でありまして、重大な関心を払わざるを得ないのであります。会計検査院は、これらの疑惑について、国会で取り上げられてきてからすでに相当の年月がたっております。あわせて今回さらにこのことが明らかにされてきました。これらについて調査をしたことが会計検査院としてあるのかどうか明らかにしていただきたいと思います。あったならば、その概要について説明をしてください。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 昨今新聞で報道せられるように、われわれ一国民として見た場合にも非常に重要なる問題が新聞紙上に報道せられておりまして、先生おっしゃるようにこれは国費につながる問題でもございますので、今後とも会計検査院の権限のあらゆる面を行使しまして、できる範囲の調査をやって、それとの関連でどういう事態になっているか究明、よく検査していきたいと、こういうふうに存じております。  それから過去のことでございますが、過去の航空機の購入についても、わが担当検査課では、まあそういう事実は知りませんでしたけれども、厳正なる購入が行われたかどうかについては検査してまいったつもりでございますが、御報告申し上げるような事態はなかったという実態でございます。今後ともおっしゃるように全力を傾注して検査してまいりたいと存じます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いままでの場合について、そういう事実はなかったと、こういうふうにいま言われましたよね。四十七年九月十九日に参議院の内閣参員会でL一〇一一機の問題でわが党の上田議員がこの問題を明らかにしているわけですね。それかけに会計検査院としては、これらの問題について、やっぱり敏感にこれらについて調査をするという努力を私はなされてしかるべきでなかったろうか。いまも調査をされたと、こういうふうに、そしてその結果そういう事実はなかったという報告ですが、こういう事件が米国の上院において取り上げられてから、そしていま院長言われるように、全力を挙げて取り組むというこの姿勢は、私はそれなりにやってもらわなければいけない。しかし、この四十七年九月十九日に取り上げられて問題になった時点で、私は会計検査院としてはやはり具体的なその調査を行って国民の前に明らかにすべきでなかったか、こういうふうに私は思うのです。だから、いま言われた、その経過について調査をしたが、その事実はなかったと言われる。調査をして、どのような調査をされたのか、その辺について、わかっているなら明らかにしていただきたい。

小谷守日本社会党

○小谷守君 関連。  会計検査院の御答弁、重大だと思うのです。調査したけれどもなかったなんということ、重大なことです。こういう事実がなかったなんということを言い切ってよろしいかどうか。いまも案納議員が申し上げましたように、忘れもいたしません、四十七年の九月十九日には、本院の内閣委員会でわが党の上田議員が、L一〇一一機の購入問題については疑惑がある、不正があるということで激しく追及したことは御承知のとおりです。こういう問題について、事もなげな答弁でありますが、私は言葉じりをとらえるわけではありませんけれども、もしこれが軍用機の購入その他について、伝えられるようなことがあったとするならば、これは重大な会計検査院の責任問題にもつながる問題であると思いますから、先ほどの御答弁は御訂正が望ましいと、このように考えますが、いかがですか。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 伝えられるような事態がなかったというふうに、私の御答弁がもしそういうふうに聞こえたとすれば、これは私まことに軽率でございまして、私の申し上げましたのは、そういう事実がわからなかったということでございます。検査してもわからなかったと。したがって検査報告に載せるような事態はなかったと、こう申し上げたのでございまして、その辺誤解のないようにひとつお願いいたします。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私はそれでいまどのような調査をしたのかということをお聞きをいたしました。御返事ありません。私は大変不満です。いま院長から言われたように、調査をしたけれども、そういう事実は調査の結果出なかった、それで報告書に載せなかったと、こういうふうに言われました。私はその調査のやり方がどうのようにされたのか、これをお聞きしたわけです。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) ちょっと急な御質問なものですから、その点、四十八年当時の検査、どうやっておったか、ちょっといま手元に持ち合わせておりませんので、また当時の担当者がいまここに来ておりませんので、後刻もしよろしかったら御説明に上がらせます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ、いま言った調査された調査のやり方、その事実等について、明確に文書をもって委員会に提出をしていただきたいと思います。  その調査の結果、そういう事実がなくて報告ができなかったと、こういうふうに先ほど言われました。私はその調査のあり方自体についてきわめて問題だと思います。私はそれだけに会計検査院の責任は重大だと指摘をせざるを得ない。アメリカでこの問題がクローズアップされて、それで直ちに調査に入るというんじゃなく、すでに四十七年九月十九日に指摘をされてから、会計検査院、直ちにその事実の究明を国民の前に明らかにしなくちゃならなかった。この責任が私はあったと思うんです。今後の問題、会計検査院全体の姿勢の問題、私は今後もかかわると思います。そこで、そういう点を私は会計検査院という立場に立って、その姿勢を正していただく、こういう立場に立って、この問題については会計検査院としてはチームをつくって、徹底的な真相究明に努力をしてもらいたいと思いますが、いかがでございますか。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 先生のおっしゃること謙虚に受け取りまして、どういう面をどんな方法で検査するかということは今後の問題として、私真剣に取り組みたいと考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私言っているのは、このために会計検査院として、新しいといいますか、このためのチームをつくって、そしてそのチームを通じて徹底的に究明する、こういう立場をとるべきだと、こういうふうに要請をしているわけです。いかがですか。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 従来とも航空班とかそれぞれのグループをつくりまして、そして専門的に討議をしておるわけです。したがってそうした航空班の検査の体制をそちらに相当ウエートを置いてやるというような結果にはなろうと思います。ですから恐らく先生のおっしゃるような方向でいくだろうと私は考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いま会計検査院の院長が言われたように、この問題については徹底的に国民の前に疑惑を明らかにするというのはもちろん、国会の場でそこを通じて明らかにすることも一つであります。会計検査院として、これらについて国民にその職責を通じてその内容の究明を行い、明らかにしていくということもまた重大な会計検査院の責任だと思います。これについて、いま言われたように徹底した調査を行うよう強く要望いたしたいと思います。本問題は、本日の衆議院の予算委員会で詳細な論議がなされることになっています。したがって今日の段階ではこれ以上の追及を差し控えます。  今日の会計検査院の対応については、いま私が指摘をしましたようにきわめて不満であります。会計検査院としては、これらについて十分な対処、原因、内容の徹底的な究明、これを行っていただきたいと思います。いまも約束をされましたように、いずれにしても、どういう形のチームであろうと、この問題について重点的に取り上げて究明をしていくというそういう体制を早急につくって対処をしていただくことを強く要望をして、この問題を終わります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 関連。  いまの案納委員の質問に関連をして一、二お尋ねをしたいと思います。ただいまの佐藤会計検査院長の答弁、私ども大変納得がしかねる点がございます。一つは、次期戦闘機の決定に絡んで、グラマン、ロッキードということで、不祥事件はもう以前にも大変な騒ぎになったことがあるわけです。で、このたびのこのロッキード社の対日工作費、そのばらまきがあったということは、最近その話題に出ておる問題だけでなくて、わが党も国会で数回取り上げたこともある問題ですし、アメリカ上院筋の報道としてはしばしば明らかにされてきておるところであります。特に私どもは一つの問題として、四十七年に田中首相がニクソン大統領と首脳会談を行った際に、三億二千万ドルのロッキード社のL一〇一一購入に絡んでの密約がある、こういううわさと、それから引き続いてこの問題に関連をして、アメリカ、ロッキード社の政治献金、対日工作費というのはF104戦闘機の購入に絡む疑いがある。上院の小委員会筋ではこういう報道がいままで二回かなされておったように私は記憶をいたしておるところであります。で、民間機の購入というだけでなしに、政府、国家予算にかかわりあいのあるF104戦闘機の購入ということに絡んで大きな疑いがあるということにアメリカ筋の方から報道が出ておるとすれば、当然会計検査院としてはもう膨大な国家予算を使用しておる問題でもありますので、これらについては慎重にすみやかに調査があったはずだと——そういう点ではまだ手をつけておらないというような話を伺って、そんなことでいいのかどうか、何か院長はここでの答弁を隠されておるのではないかというような疑惑を持つのですが、これらの問題に関して、ひとつ率直にこういう問題にいままでにどんな手をつけられてきたのか、それからF104戦闘機の購入についてそういうことの調査をいままで全然なされなかったのかどうか、そこらのところをひとつ明らかにしていただきたいと思います。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 急な御質問でございますので、当時の調査の状況を先ほども御説明申し上げましたように、ちょっと急にお答えできないのではなはだ残念でございますが、そのときの調査の状況を後で御説明申し上げてひとつ御了解いただきたいと思っておりますが……。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) それではちょっと。案納委員から先ほど資料の要求等もございましたけれども、いまの検査院長のお答えは、急な質問でもあり、重要な問題ではあるけれども、即座には答弁できないということでしたから、なぜわからなかったのかというような問題、それからこの問題を一体これからどうするのか、これは案納質問にありましたけれども、たとえばチームを編成してということがございましたが、どうするのかといったような問題、これらについては改めて答弁をしていただくということでよろしゅうございますか。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) そのとおりにお願いいたします。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それではほかの問題について。いま幾つかこのロッキード問題で指摘をしましたが、私は会計検査院の検査のマンネリ化の一つとして、政治的生臭い問題、あるいは政治家のかかわりのあるような問題、事業や予算の執行に対する検査というのがきわめてなまぬるい、あるいは避けているんじゃないか、そういう面があるんじゃないか、こういうふうに感じてならないんです。田中金脈関係がその典型でありましょうし、また一つの例としては原子力船「むつ」に関する問題、「むつ」についてはもう御案内のとおりまだ母港問題も解決してません。もっとも問題の発火点が青森県むつ市に起こった放射線漏れ事件について、当時の自民党総務会長鈴木善幸氏の肝いりで四十九年十月十四日青森漁協の杉山氏及び青森県知事の竹内氏、さらにはむつ市長の菊池氏、四者協定で総額十二億一千万円の金が地元に落とされているわけであります。この金は昭和四十九年度の補正予算に組んで、地元の漁業対策やホタテガイの補償に充てられています。地元ではいろんな風評がいまでも残り、飛んでいるのですが、「むつ」は悪者扱いで漂流したが、地元には国民の税金から多額の金がばらまかれた、ホタテも有名になった、港湾設備も進み、結果は騒ぎ得だったと、こういうことが言われ、あるいは風評が残っている。これ一つは鈴木善幸氏という自民党の幹部が政治的に乗り出して、国民の税金で地元対策を行い、しりぬぐいをした。要するに科学技術庁の行政の失敗を国民の税金でしりぬぐいをした、こういったことに対する世論の怒りなどが挙げられます。  こういう生臭い金の使途については、会計検査院としてはどのように評価をされているのか、一般の行政行為として容認していいと思っておられるのか、じっくりと一般の行政や予算執行と別な角度でこれらの問題を見て検査をするという態度はとれないのか、あるいはそうするべきではないのか、こういうふうに考えますが、どのようにお考えになっておるか、御見解を承りたいと思います。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 私ども、政治的な問題だから避けて通るとか、そういうつもりは毛頭ございませんで、会計検査院としてはあくまでも会計法、財政法、そういったものに照らして違法がないか、あるいは不当なる事態がないかということを眼目に置いて検査してまいっておるのであります。「むつ」の問題も、これはそういう面で、要するに会計法上どうかというのがどうしても私の方の権限から申しますと眼目になりますので、その面から申しますと、一定の助成費とか一般のいわゆる行政の助政費というたとえば名で出されているということになりますと、一般行政になってしまいますので、私どもとしてはこれになかなか食いつく余地がないんじゃないかというふうに考えるわけなんです。そういう意味で、私ども決して先生おっしゃるように政治的なものだからよけて通るというような、そういう態度はとっておらぬつもりでございます。  なお、検査の実態につきましては、また御質問ございますれば担当局長の方から説明いたさせます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私はこの「むつ」だけではなくて会計検査院の検査のマンネリ化という面からも会計検査院の姿勢について実はお尋ねをしているんです。いずれにしてもこの四十七年、四十八年、四十九年の、この指摘をされている不当事項等を見ても、全く同じような指摘事項になっているわけです。同じケースの内容しか出ていない。私はそういった点について、もっと会計検査院が支出面での、あるいは行政面での、会計検査院として持っているその機能というのを十分に柔軟に生かしていけるという、そういう姿勢というのが必要じゃないのか。検査体制が硬直化して、人員や予算やそういう面で制約をされる、検査しやすいものだけ選んでいく、こういう点がないかと、こういう点を私は会計検査院の今後の姿勢の問題として、実はこの問題と絡んでお聞きをしているわけであります。したがって会計検査院長、新しく検査院長になられて、この辺についての御見解というのをまずきちんと、いまの「むつ」問題と関係しますが、政治やそういったもののかかわりについても、たとえそういうものがあろうと、やはりきちんとした姿勢で会計検査院の本来の機能というのを果たしていくという、そういった御見解を承りたいと思います。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 検査院の検査のマンネリ化という御指摘でございまして、私どももそういう御批判は謙虚に受け入れて反省していきたいと思っております。それで私どもとしては、もちろんそうあってはいかぬということで、私どもとしては努力をしておるつもりでございます。たとえば四十九年度の決算検査報告には、御承知だろうと思いますが、建設省のダムのアロケーションの問題で院法三十六条によりまして意見書を出してございますが、これなどは実に三年がかりで担当官が苦心してまとめ上げたものでございまして、これなんかいままでにちょっと例がないケースじゃなかろうかと思っております。  それからまた、食糧庁の問題で小麦からふすまをつくるという際の歩どまりの問題で、歩どまりを六〇%から五五%に下げろと、そうすれば食糧管理特別会計にとって相当プラスになるんじゃないかという意見を出して、向こうがそれを直すという事態に立ち至っておりますが、これなんかもいわゆるコンピューターを使わないとなかなか損益分岐点が出ない問題でございまして、そういったむずかしい作業をやらせまして、それで出てきた問題でございます。そういうふうに逐次新しい芽が出ておるんじゃないかと私は思っておるんでございますが、先生おっしゃるような点謙虚に考えまして、もっとほかにもいろいろと勇敢に物を言うという姿勢は堅持したいと、こう存じております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 先ほど私は、ロッキードの問題をお聞きし、「むつ」問題について会計検査院の、政治家のかかわりや政治的な生臭い問題について避けちゃいけないと、こういうふうに申し上げたわけですね。いま御答弁ありましたように、会計検査院としてその機能を十分に果たしていくという立場に立って、なかんずく私は法三十六条、いまも言われましたように、この三十六条等による会計検査、あるいは会計検査院の検査というやつ、あるいは改善の措置の要求というやつを、私はもっとやっぱり積極的に取り上げていくべきじゃないかと、こういうふうに感じているところなんです。その辺を特に要望しながら、今後も先ほど申し上げました「むつ」問題やロッキード問題等、真正面から取り組んで国民に疑惑を晴らして、行政のあり方というのを正していく、こういう点についての一層の御努力をお願いをしたいと思っております。  そこで、その姿勢の問題はその程度にしまして、先ほど申し上げました「むつ」問題について、もう少し中身についてお伺いをしたいんです。「むつ」の漁業補償等についての予算執行について少しくお伺いします。これは約十二億円も突っ込んだ地元対策費ということになるわけですが、この地元対策費は科学技術庁の所管であったのを、そっくりと言っていいほど水産庁に移しかえてその執行を行っているわけですね。で、細かくいろいろその使途が分かれています。一体この予算額はどのようにはじき出したのか、これをまず科学技術庁から——お見えになっていますか、ひとつお伺いをしたいと思います。また現在どのように使われているのか、この点について水産庁からお伺いをしたいと思います。また会計検査院としては実地検査を実際にこれについてしたのか、していないのか、この点についてあわせて御答弁をお願いしたいと思います。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 御指摘の十二億一千万円につきましては、協定を締結いたしました直後に、直ちに所要経費を補正予算に計上すべく作業を始めまして、協定の趣旨を尊重しながら、県当局等とも協議した上で予算措置を講じたものでございます。で、その積算の内容でございますが、大きく分けまして、陸奥湾の漁業振興対策費といたしまして八億八百万円、それから漁業協同組合の助成事業といたしまして一億円、さらに魚価安定対策といたしまして、青森県の漁業信用基金協会への出資補助といたしまして三億円、以上のほか、それらの事務経費といたしまして九百九十三万一千円というものを積み上げまして、十三億一千万円といたした次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 水産庁お見えになっていますか。

森実孝郎水産庁漁政部長

○説明員(森実孝郎君) お答え申し上げます。  ただいま科学技術庁から御答弁がございましたように、内訳は沿岸漁業の近代化施設整備について八億八百万円、協同組合の育成事業について一億円、信用基金協会の出資事業に対しまして三億円の補助金が予定されたわけでございます。このうち沿岸漁業の近代化施設整備事業につきましては、昨年の十二月末現有ですでに七億三千七百八十二万円の概算額を交付しておりまして、近く精算が行われる見通しになっております。また協同組合の育成事業につきましては、すでに九千百四万円の補助金を概算払いといたしておりまして、これも今年度中に精算が完了する予定になっております。それから漁業信用基金協会に対する出資事業につきましては、全額これをすでに補助金として交付しております。

東島駿治会計検査院事務総局第四局長

○説明員(東島駿治君) 会計検査の実施状況についてお答え申し上げます。  私ども五十年の七月八日に青森県の実地検査の際に、本件について調査いたしました。そのうち沿岸漁業近代化施設整備事業費の八億八百万円につきましては全額翌年度に繰り越されておりましたので、本年度にこれを検査するということで、その節は検査いたしませんで、その次の漁業協同組合助成事業費一億円につきましては、問題のむつ市漁協ほか二漁協につきまして検査をいたしました。これは事務機器とか、トラックとか、コンベヤーとか、そういうもの、物品の調達でございまして、これらについては通常の物品の調達と同じ方法で調査、確認いたしました。それから漁業信用基金協会の出資補助金については、年度末に青森県に交付したということを確認いたしました。  以上でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 これは会計検査院にお尋ねしますが、実地検査をされたわけですね。

東島駿治会計検査院事務総局第四局長

○説明員(東島駿治君) はい、実地検査をいたしました。

案納勝日本社会党

○案納勝君 これは五十年度あるいはまた五十一年度に繰り越されておりますね、そうしますと再度これらについては検査を続行するということになりますか。

東島駿治会計検査院事務総局第四局長

○説明員(東島駿治君) 御質問のとおり本年度に八億八百万円につきましては、冷凍倉庫とか、いろいろ施設関係でございますので、本年度、先生の御質問を念頭に置きまして、十分注意して検査いたしたいと、こういうふうに考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私はこの「むつ」関係について、ここにそれぞれ鈴木善幸さん以下の協定書があるわけですけれども、この協定に基づいていま十二億一千万、これに原子力事業団関係費を入れると十三億八千七百九十三万一千円になるわけです。これらについては、まさにつかみ取りといった私はやり方だと思うんであります。このことが、いま問題になっている佐世保の母港化の問題でも、すでに新聞等でも指摘をされていますように騒ぎ得だと、あるいはそういう意味での、騒げばつかみが多い、幾らでもつかんでつかみ取りをすることができる、こういった政治の姿勢と、あるいはやり方について、きわめて大きな実は疑義と、政治の姿勢についての批判を持たざるを得ないんであります。  単にこの「むつ」問題だけじゃありません。防衛施設庁の所管にかかわるところの基地周辺の問題にしてもしかりであります。これらの問題について、きょう時間がありませんから、さらに会計検査院等の態度について、あるいは検査について明らかにすることはできませんが、各省庁の審査の際にこれらについて明らかにしていきたいと思いますが、会計検査院としても、ぜひこれらの問題について、冒頭会計検査院の姿勢の問題について、私は新院長にその所見をお伺いをいたしました。今日ほどきわめて国民生活自体厳しい折に、これだけの行政問題についても、政治と絡んでいるこれらの問題について、会計検査院として明確なやっぱり姿勢を正した上でこれらの検査を十分に行わなくてはならないと私は思います。その上で国民にその結果を明らかにしていく責任があると思う。  「むつ」問題について、再度この内容についての審査は、それぞれ所轄の審査の際に明らかにいたしまして、これを今後も引き続いて行われる経過については報告をされると思いますが、いま申し上げたように、政治のかかわりのある問題やあるいは政治家のかかわっている問題等について、会計検査院としても避けて通るんじゃなくして、まともにこの問題に取り組んでいただく、こういうことについて強く要請をして、私の本日の質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま加藤進君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。  それでは、午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時一分休憩      —————・—————    午後一時八分開会

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前中に引き続き、昭和四十八年度決算外二件を議題とし、皇室費、国会、最高裁判所及び会計検査院の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 本日は、ただいま委員長から話がございましたように、それぞれの省庁の、省庁といいますよりも会計検査院、最高裁等の審議になっておりますが、特にきょうは会計検査院に対しまして、多少予定を変更いたしまして、ただいま特に衆議院でも問題になっておりますロッキードの問題について私は質問をしておきたいと思います。午前中同僚議員の方からも質問ございましたので、できるだけダブる点は省いて質問したいと思っておりますが、多少ダブる点はお許し願いたいと思います。  そこで、今回の問題は非常に私は私たち決算委員会といたしましても、これは重要な要素を含んだ問題であると思っております。  そこで、まず第一点といたしまして、私の手元にございます「防衛ハンドブック」によりますと現在問題となっておりますこのロッキード社から輸入あるいはライセンス生産をいたしました航空機が、まず海上自衛隊のP2V7、これは哨戒機四十五機、それから航空自衛隊のF104J、この年鑑によりますと百八十一機、それからT33、これは練習機ですが百八十六機、こういうふうなものが大体ロッキード社の方から入ったものであると、こういうふうに聞いております。特に今回このロッキード社から入れた、こういうような航空機の購入に際しまして種々問題が出てきておるわけでございますが、これらの問題については、現在まで会計検査院はこういうふうな航空機の購入に対するまたは購入に関する検査というようなものは実際に行われていたのかどうか、そこら辺のところは一体どういうふうになっているのか一遍お伺いしておきたいと思います。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 検査の実態でございますので担当局長に説明させたいと思います。

高橋保司会計検査院事務総局第二局長

○説明員(高橋保司君) 航空機の調達につきましては、防衛三課というのがございまして、そこで、金額も大変大きゅうございますし、内容の検査も大変むずかしいものでございますが、約三十名ほどの人員を投じまして、毎年重要項目として精密な検査を実施してきております。いま先生御指摘のロッキード社から入れたものにつきましても同様毎年毎年精密な検査を実施してきている次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 毎年重要項目として検査を行っているということでございますが、私は特に今回のこの問題につきまして、米上院の公聴会の証言によりますと、特にこの「ロッキード社と児玉氏の結びつきは、ここ数年といった浅い関係ではなく、ロッキードF104が、第三次防衛力整備計画の主力戦闘機として採用される前の五八、五九年ごろからのものであるという。さらに日本側に贈った金の使途について「この金の一部が、日本政府当局者と日本の航空会社に対して使われたと聞いている」との米側の証言さえ行われている。」と、こういうふうなこれは社説でございます。こういうふうに言われておりますし、私はもしこういうふうな事実が出てくるとすれば非常にこれは重要な問題になります。  そこで、毎年重要項目として検査をしていらっしゃって気がついたことはないのかどうか。これはやはり何らかの点で、たとえばこういうふうな点については気をつけないといけないとか、あるいは注意をしたり、あるいは指摘したり、いろいろあると思うんですが、いままで何にもなかったんでしょうか。

高橋保司会計検査院事務総局第二局長

○説明員(高橋保司君) いま手元に詳細な資料を持ち合わせておりませんけれども、口数であるとかあるいは材料費であるとかライセンス料であるとか、まあいろんな費目に分けまして詳細な検討をしてきたわけでございますが、最終的に検査報告に載るという形のものはございませんが、相手方と意見の合わない点あるいは疑問を持たれた点などは毎年ございまして、照会を発しているものもございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、このF104の問題につきましては、これだけ104が関係があるんじゃないかということがもうすでにアメリカの議会で現実に証言として出ているわけです。そういう点から見ましても、必ずライセンス料なりあるいは価格なり、これはやはり一般の価格よりも高いとか、そういうような点に必ず問題が出てきていると私は思うんですよ。そういうような点については必ず、これは皆さんの検査の結果でも疑問とか意見が合わなかったりという表現をしていらっしゃいましたが、ここら辺のところはやはりもう少し明らかにしていただきたいと思います。  これはもしきょうのこの委員会に間に合わなければ、詳細調査をいたしまして後ほど資料として提出をしていただきたい。特に、たとえば航空自衛隊あるいは海上自衛隊両方含めまして、この航空機関係の検査に当たって検査院が疑問とし、あるいは意見が合わなかった点はどういう点であるのか。そういう点も少し明らかにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 午前中にも委員長の御指示もございましたように、そういった観点から検査をどうしているかということにつきまして後刻整理いたしまして御答弁申し上げるというふうに午前中お約束いたしましたんで、そういうふうにさしていただきたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、それは後刻整理をいたしまして御報告お願いしたいと思います。  それからもう一点、これは委員長、特に重要な問題ですが、何分にも三次防の決定の当時ですから昭和三十三、四年のころになるわけですね。そうしますと相当古いあれになるんですがね。それでもう私は前々からこの検査院の検査の問題について、過去の問題についてどういうふうに手を入れるのかと、いつでも検査できるのかどうかという問題もあるわけですが、こういうような過去の問題にさかのぼって検査というのはこれはできるのかどうかね、ここら辺のところはどうなんですか。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 別に検査には時効も何もございませんので法律論としては検査できると、こう考えております。しかし、実態的には証拠書類その他、いま保存しております証拠書類は五年間だけございますので、物理的に非常に検査が制約されるということでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 物理的に確かに検査がやりにくい点はあろうと思いますが、検査という問題については、いま院長おっしゃったように時効という問題はないわけでございますので、ぜひともこういうふうな問題は国会のこういうふうな場で明らかにしていただくように、ぜひ検査院も取り組んでいただきたいと思います。  それでは、さらにもう一点お伺いしておきたいと思うんですが、今回の特に相当多額な金額のやりとり、こういうようなものが明らかになってきたわけでございますが、特に全日空のトライスターの輸入に関して今回問題が起きておりますね。私はこの全日空という会社が検査の対象になるかどうかという問題はこれは非常に問題があろうと思います。しかし、私は全日空であろうと日航であろうと、これは検査の対象にしていただきたいというのが私の主張です。と言いますのは、日航は国が多額の出資をいたしておりますね。当然私はこれは検査の対象になろうと思います。全日空の方は日航が出資をしているわけですからね。まあ当然私は全日空に対しても何らかのやっぱり検査なりあるいはその側面的な調査はしていただきたい、こういうような考えでいるわけです。この点は後で御答弁いただくといたしまして、特に全日空の問題がいま大きな問題になっているわけです。特に全日空が先般採用いたしましたトライスター、このトライスターの採用につきましてはいろんな新聞報道や議会のいろんな報告等によりますと、四十七年の九月にハワイで行われたニクソン・田中会談、この会談で決まったというのが通説になっています。きょうの、今回の報道の中にも大部分そういう報道がございます。さらにこのハワイの会談では、事務レベルの会談で当時の鶴見審議官あるいはインガソル大使等々と具体的な話し合いが行われています。そして当時の民間航空会社は三億二千万ドル相当の大型機をアメリカから購入をすると、こういうふうな話し合いが行われたという報道がなされております。現実に三億二千万ドルといいますと九百六十億近くになるわけですね。やっぱりこの程度の金額の購入契約等があって、そしてあの多額のいわゆるリベートといいますか、手数料といいますか、そういうようなものが出てきたんだろうと私は思うんです。そうして、しかもそういうふうなものが、先ほども社説に出てまいりましたように、いろんなところへ配られている。そういう配られた事実というものがまだ具体的に出てまいりませんからあれですけれども、これは非常に私は重要な問題であろうと思います。そういうふうな観点から考えてみても、この全日空という会社に対する検査院の態度というのは非常にこれから重要になってまいりますが、この辺のところはどうでしょう。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 全日空に対する、全日空と国との、国費との関係でございますが、これはおっしゃるように日本航空を通じて現在ごく一部出資というかっこうになっております。したがって、会計検査院法上はやってできない——指定をすればできるという法律上あれになっております。それで、その程度の出資でどの程度やるかというような点、これはひとつ検討さしていただきたいと思いますが。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ぜひですね、やってできないことはないというわけでございますから、ごく一部とおっしゃいますけれども、全日空の株の三百五十五万株というような大変な株を日航が持っていらっしゃるわけですから、私はこういうような問題は決して全日空一つの問題だけじゃございませんでして、今回のこのような疑惑という問題が大きく出ているわけでございますから、こういうふうな全日空に対してもぜひとも検査を一遍やってもらいたい。そしてこういうような、もし問題がなければないでいいわけですからね、そこのところはやっぱり明らかにしていただきたい。特に報道されている中身というのは非常に複雑な、非常にいろんな問題を絡んだ中身になっておりますし、ぜひとも検査ができるようにしていただきたい、これはお願いしておきたいと思います。  さらに、次にもう一点、これは特に児玉さんという方に渡したと言われるこの二十一億円、これは私、二十一億円というそのお金の授受については私自身は確認したわけではございませんけれども現実に新聞に報道されております。さらにNHKのテレビ等ではその領収証等もこれは報道されておりますね。そうしますと、この二十一億円の行方というのはこれは非常に私重要になってまいります。当然私はこの申告所得の中には含まれてないように思います。したがって、これは非常に重要な問題でございますから、直接はこの所轄の税務署がどういうふうに取り扱うかと、徴税状態について検査をすると、徴税はどうなっているかということを税務署が調べるんだろうと私は思うんですが、検査院としては、現実にそこら辺のところをどういうふうに扱ったかということについて、その所轄の税務署に対して問い合わせなり何なりをしなくちゃいけないと思うんですけれども、ここら辺のところもやっぱりこの点は解明して、それで明らかにするということは大事な問題でありますので、ここら辺のところをはっきりしていただきたいと思うんですが、いかがです。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 会計検査院としては、個人のところまで行って検査するという権限ございませんので直接調べられませんが、おっしゃるように所轄の税務署を通じまして、厳正に課税されているかどうか検査してまいりたいと存じます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それではもう一点、この丸紅の手数料の問題です。これも丸紅が言っている問題と現実に出てきた問題とは相当食い違っております。これも私は非常にいろんな問題がありますが、明らかにその食い違った問題として、丸紅が手数料として受け取ったと言われている金額というのは二百万ドル、約六億円というのがこの談話の中へ出てきております。しかし、ロッキードが実際に支払った金額というのは三百二十万ドル、九億六千万円。現実に差額が出ていますね。こういうようなのは、これはやはり法人税やそういうようないろいろなところで問題になるであろうと私は思うんですけれども、個人とかこういう法人に対して検査院がどういうふうな検査の方法ができるかということについては私も詳細わかりませんけれども、所轄の税務署なり何なりから事情を聴取するということはできると私は思うんですね。そういう点も含めまして、こういうふうな明らかに疑問点として出されている問題があります。こういうような問題についても整理をいたしまして、検査院の方針というものを明らかにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) こういう問題がありますれば、検査院として、おっしゃるように当然なすべきことだと存じておりますので、御指示のような線で処理いたします。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それから、大体まあこういうような問題が議題になり、かつ疑問を持たれているわけでございますが、さらにはこのポスト四次防ということで対潜哨戒機P3Cというやつですね、これが現実にロッキード社から購入されると、そういうふうな計画にもうなって、現実に百機ライセンス生産をするとかしないとかいうところまでもう大分話は詰まってきている。ここら辺のところはこれから検査し、かつ具体的になってくる問題でございますけれども、こういうふうな問題はやはりいろいろな角度から、不正が行われたり、あるいはこういうふうな黒い霧になるような問題が出てこないように事前にチェックするということも私は重要であろうと思います。この点はぜひとも今後の検査院の報告、後ほど出していただくということでございますから、こういうふうな問題を明らかにする、そして国民の疑惑を払拭していく、こういうふうな会計検査院の姿勢であってもらいたいと思うんですが、いかがでしょう。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) おっしゃるとおりでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、私は最後にもう一点委員長にお願いしておきたいんですが、外務省が入手したというこの資料でございますが、上院外交委員会多国籍企業小委員会の公表した文書、この文書はすでに駐米日本大使館が入手しておると、現実にもう外務省には届いていると思いますが、この資料をぜひとも正式の資料として当該委員会に提出をしていただきたいと思うんですが、これは委員長に要望いたしておきます。  一応私の質問は以上で終わります。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) いままで質問があった中で直ちに答弁のできない問題は、整理をした上で改めて答弁をしていただくということでございますが、それに関連をした必要な資料の提出も政府に要求をしたいと思いますが、これらの問題については、細部については後刻理事会で協議をするということで取り計らっていきたいというふうに考えます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ただいま論議されていますこのロッキード社の献金の問題、これについても私一言触れておきたいと思うわけです。中身につきましてはもう新聞報道その他でかなり詳しく出ておりますから繰り返しませんが、とにかく事の本質が、この問題になっておるFXであるとかエアバス、これを売り込むためにロッキード社が膨大な金を右翼の大物であるあるいは政財界の黒幕であると言われている児玉譽士夫氏に流す、あるいは丸紅に流す、あるいはIDというのですか、何か余りはっきりしない会社の名前で金を流す、そして聞くところによれば、その金が日本の各官庁やあるいは政治家にも渡っておると、こういうことなんですね。だとすると、これはまあ重大な一大スキャンダルでありまして、アメリカでは外国の政府が一つや二つ飛ぶかもしれないと言われているほどの問題でありますから、これはどうしても一言聞いておかなければならないと思うのですが、ところが、先ほどから論議されておりますように、会計検査院はいままでこれについて全くつかめなかったという答弁でありましたが、まことにそれが第一に不可解だと思うのですね。私はそこをもっと根本的に追及せぬと、これからの会計検査院の質問も大変いいかげんなことになると思うのですけれども、たとえば私は四十六年から四十八年までこの決算委員をやっておりまして、そのときにそのころの会計検査院の報告を見たわけでありますけれども、その会計検査院の報告には防衛庁の項が欠落をしておった事態があったわけですね。それは皆さん御承知でしょう。ことしの報告には一応防衛庁の項、若干載っておりますが、当時全く載ってない、欠落をしておる、これはどういうわけだと質問したことがあります。そのときに会計検査院では、いや、その防衛庁の検査というのは大変むずかしくて、人手も足りなくてできないんですというふうないわば愚痴が返ってきた程度で、しかし、いまにして見るならば、この今度の新聞にも出てますように、昭和三十八年ごろからずっとやってたと、金を渡していたと、そして四十七年ごろまあ非常に華やかな活躍があった、こういうことなんですが、かなり古くからこういうことがあったことは事実です。  ところが、会計検査院の場合には、そういう大事なころにむしろその検査が全く欠落をしていたと、報告が欠落をしていたということは、当時われわれにとって全く納得できなかった。だからうるさく聞きました。聞いたけれども、さっき言ったような返事しか返ってこなかった。まことにいまにして考えるならば、やはり何かそこはおかしいではないかと、おかしかったんではないかという疑惑を持たざるを得ないんですね。しかし、いまここで古いことをとやかく繰り返していてもしようがないのですが、とにかくこの問題は非常に先ほどから論ぜられていますように重大な問題でありますから、会計検査院としては本当に腹を決めてかかってもらわなきゃいかぬと私は考えます。で、とにかくそのころ私がこの問題を、欠落の問題を指摘しまして、それ以後こうやって見ますと、ことしの報告でも若干載ってます。載ってますが、やはり三十四条に基づく不当事項の指摘ぐらいでありまして、ほんのちょぼちょぼっとしたことしか載ってませんね。で、やはりまだまだそういう点では会計検査院も努力をされているとは思うけれども非常に不十分だと思います。やはり今度のようなこういう大問題がぼかっと出ると、まるで原爆食ったように、ハトが豆鉄砲食ったようにみんなおろおろおろおろ政府関係ではやっていますけれども、そういうところをですね、会計検査院がどっしりやっていれば、こういうことには私はならなかったと思うのです。そういう意味で、まず第一に会計検査院の姿勢をこの際確認しておきたいと思います、この問題に対するね。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 午前中から申し上げておりますように、本件の問題につきまして、従来とも努力はしてきたつもりでございますが、こういうような事態が新聞に報道されておるようなときにおきまして、なおさらふんどしを引き締めて検査をやっていきたいと考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そのふんどしを締めてという決意は大変いいと思うんです。ひとつがんばってもらいたいと思うんですが、それにつきましてはいろいろ注文があります。  いま特に防衛庁の問題を出しましたけれども、アメリカの証言なんかを見ますと、この賄賂、手数料、これはみんな航空機の価格に織り込まれていると、こう言っておるのですね。こう言っているんです。だとすると、防衛庁の予算何をしているんだということになりますわな。国民の税金を使ってですね、その政治家やその他の連中の賄賂を一生懸命に税金で払っているという理屈になるわけで、もしこういうことが事実だったら、これはまあえらいことですよ。ですからね、こういう問題につきましては、防衛庁予算、決算というもの、会計というものは、本当にまず第一に洗っていかなければならないと思います。  それから向こうの報道によりますと、関係各省庁にも金は渡っていると、こう言っているわけですね。まあ関係各省庁と言ったって、どこの省庁かということはつまびらかにいたしませんけれども、たとえば通産であるとか運輸であるとか、あるいは大蔵であるとか、要するに航空行政に関係する省庁だとまあ推定されるわけですけれども、そういうところの省庁ですね、やはりこれはもうはっきり洗ってもらわなきゃいかぬと思うのです。  それからもう一つは、この児玉、丸紅、これはもちろんもうはっきり名前は出て、児玉氏と丸紅の名前はかなり具体的に出てますし、いまも税金の問題が出されていますけれども、その他いわゆる政治家に渡っていると、こういうことなんですね。だとすると、まあ政治家もたくさんおられますから、どういうことか、これは大変な、所得の検査というものは大変なことだと思うのですけれども、とにかくそこまでやはり検査院がやると、こういうことでなければ、やはり大山鳴動してネズミ一匹というふうな結果になってはまことに国民の期待に反するわけでありますから、ひとつその辺とにかく洗いざらいですね、徹底的に疑惑のあるところにはメスを入れていただくと、こういうふうにしていただきたいと思うのですが、その辺はどうですか。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 今回の事件が、どうも実態がはっきりまだわかりませんので何とも申し上げかねますが、いま先生おっしゃった中で、関係行政庁への贈賄の問題になりますとこれは刑事事件になりまして、会計検査院ではちょっと手がつけられない問題でございます。あとは、航空機購入の場合にどれだけ高くなっているかということになりますと本院の問題になってこようかと思いますが、そういう面からは、検査院としては慎重に検討したいと、こう考えておりますし、今度はもう一つ、あの金がばらまかれて所得にはね返るわけですから、どっちに行ったというような情報があれば、またそういう所得の課税の問題から慎重に検査してまいりたいと、こう考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 もちろん会計検査院の権限というのは限定されておりますから、刑事事件にまで手を出すわけにはいかぬでしょう。それは別といたしまして、とにかく金の流れた経路、そしてその所得、そういう関係ですね。こういう関係をひとつぜひやってもらいたいということであります。  それからもう一つ注文は、いまも政府が予算委員会でいろいろ質問を受けて、とにかくアメリカの外交委員会のこの文書、そういうものを入手して具体的に確認してからというふうな答弁で逃げているわけでありますけれども、これは確かに外務省を通じて文書が来なければ正確にはわからぬということになるかもしれません。それはそれとして急ぐとして、私はその外交委員会の多国籍小委員会やあるいはその他の委員会の議事録、そういうものも必要だと思いますけれども、私は会計検査院として、アメリカにも会計検査院があるはずだと思うんですね、会計検査院は独立機関でありますし、一々政府にお願いしなければもらえないというものでもないだろうと思うんですけれども、大いに要求して、それはどういうルートで入手されるか私は知りませんけれども、そういったあらゆるやはり関係文書を入手されて、そしてできるだけ早くやって、事態をより一層明らかにしていただきたいと思うんです。その報告をぜひこの決算委員会にもしていただきたいと思うんですが、その注文についてはどうですか。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) アメリカにも確かに会計検査院ございます。しかもこれは国会の付属機関になっております。それで日本の会計検査院とは決算検査報告を交換などいたしまして交流もございます。で、本件の問題については、これはどういう事項をどんなふうに向こうに依頼するか、それから依頼の方法については、これは日本の検査院独立はしておりますけれども、向こうにとっては日本国は一つなんでございますので、外交ルートを通じてやはりやりませんと、これは外交一元化という問題崩れますので、検査院の独立性ということを尊重していただきながら外交ルートを通じてやるのが私は筋かと思っておりますが、その点はまた検討さしていただきます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まあそういうこれからの仕事の段取りはいろいろあると思うんで、それは外交ルートを通じても何にしてもとにかく検査院として独自に調査をしていただくと、このことを注文しておきたいわけです。よろしゅうございますね。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) 努力いたしたいと存じます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃあ、この問題はこれぐらいにしておきまして、問題はこれからの問題でありますから、ひとつこの決算委員会でも系統的にやって国民の疑惑を晴らしていく義務があると思いますから、ひとつ検査院も大いにがんばってもらいたいと思います。  私、予定の質問をこれからしたいと思います。私がきょう質問したいと思ったのは、会計検査院法の第三十六条の問題であります。これは先ほども三十六条は非常に重要な条項であって、これを大いに積極的に活用すべきであるという話もございましたから、そういう点ではダブったことは申しませんが、まず最初にお聞きしたいのは、この三十六条が過去五年間、あるいはさらには十年間で幾つ、何回発動されたかということをお聞きしたいんです。

中村祐三会計検査院事務総局次長

○説明員(中村祐三君) 院法第三十六条によりまして改善意見を表示いたしました事項を過去十年にさかのぼりまして申し上げますと、四十一年が九件でございます。四十二年が四件でございます。四十三年が二件でございます。四十四年が一件。四十五年はございません。四十六年が一件でございます。四十七、四十八、四十九、三カ年はございません。五十年が一件でございます。  以上のような状況でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ちょっと質問の仕方が悪かったかもしれないし、答弁がちょっとはっきりしないんだが、要するに私がお聞きしたいのは、まず過去五年前に見直しされましたね、三十六条の適用について。それ以後、つまり五年間幾つであったか。そしてその基準に見るならば過去十年間幾つあったかということをお聞きしたかったわけですよ。いまの基準で、考え方で、三十六条のあの考え方で、掲載した例が幾つあるか。こういう質問をしているんです。

佐藤三郎会計検査院長

○会計検査院長(佐藤三郎君) いまちょっと急だったものですから整理してございませんが、若干あったとは記憶しておるんですが、いまの解釈でも該当するやつが。だけれども、数は非常に少なかったということでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 これは別にどうこうというわけではないんで、私の調べた限りにおいて言いますと、過去五年間においては二件であります。四十六年に一回、そして五十年の今度一回と、二回です。二回しかありません。過去十年間で、その基準で照らして過去十年間の回数を見ますと、いまの二件を入れて四件です。その前が、つまりいまから五年前までが二回、その前の五年間が二回、都合四件、こういう形になるんですね。これはいま院長も言われたように非常に少ないと思うんですね。ですから、私どもはやはりこの三十六条をもっときしっと活用して、もっと間違った不当な問題はどんどん摘発する必要があると考えているわけです。ところが、いままでの会計検査院のやり方というのは、どっちかというと非常に小さいところが多くて、さっき三十一年に十何件あるなんて、ずいぶんたくさん言いましたけれども、二十件ぐらいある中で実際いまの基準で適用されるのはたった一件しかない。つまり、その他はこの三十四条の適用事項であって、いわば不当事項の指摘という程度の言うならば重箱のすみをほじくるようなそういった検査、こういうことになっていると思うんです。  はしなくもロッキードの問題で私先ほど申しましたけれども、防衛庁の指摘だってこういう細かいことばかりが書いてある。あるけれども、これは欠落しているよりはいいですよ。全く欠落しているよりはいいけれども、中身は非常に細かいこと。それでお茶を濁していたんじゃ今度のロッキードのようなああいうでかい大魚を逸するということになると思うのですよ。あなた方が意識的にこの大魚を逸したと言っているわけではありませんよ。結局、そういう姿勢が結果としてこういうことになるのではないか、このことを私は指摘しておきたいと思うのです。新聞論調なんかを見ましても、その点を各紙とも非常に強く指摘しておりますね、検査院の報告が発表された時点で。やはり国民は、そういう点で会計検査院こそ税金の最後のとりでだというふうに解釈して、何とか自分たちの税金をむだな不当なことに使わせないでもらいたい、これが国民の非常に強い願いだと思うんで、その期待を担って、いまや会計検査院も百年ですから、院長も大いに百年を期してといって抱負を語られておるわけだから、ひとつそういうたてまえでぜひもうちっと積極的な姿勢でやっていただきたい。特に財政欠陥がこういうふうにあって、経済危機がこういうときに、これはぜひ会計検査院がこれからがんばってもらわなきゃならない問題だと思うんで、あえてこのことを一つ申し上げておきたいと思うんです。  次いで、これと関連いたしましてお聞きしたいのは、今度四十九年度の決算検査報告の中で、記載されております、この多目的ダム建設事業の負担金の割合について改善の意見を発表されておりますけれども、この問題についてお聞きいたします。これについて、これはここに書いてあることはごく一般的なことで、なかなかわれわれ素人にはわかりにくいことなんですけれども、この概要を簡潔にポイントをひとつちょっと教えていただきたいと思うんです。

小沼敬八会計検査院事務総局第三局長

○説明員(小沼敬八君) お申し越しの四十九年度検査報告に掲記いたしました「多目的ダム建設事業の負担金の割合について改善の意見を表示したもの」、概略御説明申し上げます。  改善意見の内容でありますが、四十九年度決算検査、お手持ちの九十四ページに掲記してありますとおりでございますが、建設省及び北海道開発局が昭和四十九年度中に直轄施行しています電源開発等を含む多目的のダム建設事業は、大渡ダム外十ダムであります。この建設に要する総事業費は、基本計画では二千九十八億円でありまして、このうち事業開始から四十九年度末までに総額九百十億円を支出しております。このダム建設事業は電源開発などとの共同事業でありますので、基本計画におきまして負担割合を決定し、その負担割合によって毎年度の建設事業に対し負担金を徴収いたしております。四十九年度におきましては支出額百九十五億円に対しまして、負担金として東北電力株式会社外六会社などから十九億九千九百二十九万余円を徴収しております。この負担金は、特定多目的ダム法等の関係法令及びこの法令の規定を受けて建設省が大蔵省外六省庁と行った協議に基づいて算定されております。そしてこの負担割合は電源開発分〇・五%から一六・二%、上水道用水分など〇・四%から一八・八%、残りの七九・二%から九九・五%を治水分として国が負担することになっております。このうち電源開発分については、その算定が適切でなく、ひいては国が過大な事業費を負担する結果になっていると見受けられたものであります。  すなわち、多目的ダム法等の法令によりますと、電源開発及び治水の負担割合は、単独でダムを建設した場合の費用であります身がわり建設費、または採算額であります妥当投資額のいずれか低い額をもとにして所要の計算を行って定めることになっております。そして電源開発分につきましては身がわり建設費の方が妥当投資額より高くなりますので、妥当投資額によって負担割合を計算しているのでありますが、この妥当投資額は山元発電単価に当該ダムの設置により発生する有効出力及び有効電力量を乗じた額を基礎にして算定することになっており、山元発電単価については建設大臣が関係行政機関と協議して定めることになっております。以上の法令の規定を受けて、建設省では四十二年六月、関係省庁と協議し、山元発電単価を定めました。そして前に申しました十一事業において、それぞれ基本計画策定時にこの山元発電単価の数値を適用して電源開発関係の妥当投資額を算定し、これによる比率で負担割合を決定しているもので、このときの山元発電単価はその後現在に至るまで据え置かれているものであります。  しかしながら、建設省が関係省庁と協議して定めた申し合わせ事項によりますと、この山元発電単価は電気料金算定の基礎となった総括原価を基準にして算出することになっており、この総括原価は、四十九年六月に電気料金の全国平均五六・八%という大幅な値上げが一斉に行われた際の基礎資料によりますと、四十年当時に比べて大幅に上昇しているものでありますから、山元発電単価を適正なものに改め、負担金を算定する必要があるわけであります。山元発電単価を適正なものに改めて負担金を算定したといたしますと、電源開発分の負担割合は相当に増加して、これに対応する国の負担する治水分の負担割合は減少することになります。現在建設省が施行しております直轄ダムの残事業費は多額に上っており、さらに今後引き続き多数の多目的ダムの建設が見込まれている状況でありますので、速やかに関係行政機関と協議の上、山元発電単価を改定し、事業費負担の適正を期する要があると認められましたので、会計検査院法の三十六条の規定により改善の意見を表示した次第であります。  以上ですが、説明を終わります。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 簡潔にと申し上げたつもりなんだけれども、結局これをそのままお読みになったようで、ちっとも私なんか頭が悪いんでよくわかりませんが、まあ御趣旨は大体見当はついたと、こういうわけです。  要するに、単純に言えば、いいですか、電力会社の負担額というものは、電気料金がアップした場合には、そのスライドというか密接な関係があって上げなきゃならないんだと、こういうことでしょう。それをお聞きしたがったんです。

小沼敬八会計検査院事務総局第三局長

○説明員(小沼敬八君) 関係法令等によりましてそのような定めがありますことに基づいてそのようにする必要がある場合はすることになっております。それに基づいて負担割合を変更する要があると、こう考えたものでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 要するに、そういうことなんだよな。  そこで、要するにさっきお話しあったように、電気料金といえば四十九年六月一日に平均五六・八二%も上がったと、大幅に上がったと。ところがですね、この電力会社の負担金というものは上がらなかったと言うんだが、それだったら四十二年から——四十二年に電気料金が決まって、それを基準にして決まった負担を、なぜ四十九年、そしてことしは五十一年ですが、いままでこうずるずるっとそのままにきたのかと。これは何かその間に、もう八年、九年にもなり、十年近くなるわけなんだけれども、その間あれですか、会計検査院は何もそういう指摘はしなかったんですか。

小沼敬八会計検査院事務総局第三局長

○説明員(小沼敬八君) 私の方としましては、常時在庁して書面検査等を通しましてそれらの事情は承知しておりますが、電気料金の値上げも、この前あったように一斉に大幅に上がるというようなことまで至らないそれぞれの会社独自の時期に実施しておったような実情でございますし、それもしかも小幅で、関係法令等で定めております各省庁の協議事項にのって検討はされたようでございますが、アロケーションの変更まで行うというところまで踏み切らなかった実情があったようでございますので、われわれとしてもその線に沿って見守っておったわけでございますが、たまたま四十八年の暮れごろから電気料金が近く値上げになる、しかも一斉に値上げになる、こういうような状況でございましたので関係省に注意はしてまいり、しかも五十年の当初におきましては公文書等によりましてその辺の事情を伝えて、アロケーションの変更について検討を要するということを申し入れております。そのようなことでございまして、このたび一斉に大幅に値上げになったということに基づいてわれわれも改善に踏み切った次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 要するに、会計検査院としては値上げがうわさされた四十八年暮れごろから何回もやったと、要望もしたと、文書でも出したと、こういうことなんですね。なるほどそれなら会計検査院としては一応努力されたということはわかります。  そこで、建設省来ていますか。建設省にお聞きしたいのですが、いま言ったように会計検査院は何回もそういう点で建設省には通知をしておったと、要求もしていたと言うんですが、この問題は建設省が責任官庁だと思うんですけれども、建設省としてはこういう電気料金のアップを知らなかったわけでもないし、会計検査院からも注意があったと、どういう措置をその間とっておられたのかお聞きしたいと思うんです。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) お答えいたします。  いま検査院の方から御答弁がございましたように、昭和四十年から四十八年は非常に小規模なアップの問題で、全体的な問題、アロケーションに及ぶような影響はないという判断をして今日まいっておりましたけれども、四十九年の六月の電気料金の改定はこれは非常に影響があると建設省は判断をいたしまして、四十九年の——それから後国土庁からも担当でございますのでお話があるかもしれませんけれども、この問題を、アロケーション問題協議会というのがございますが、これを同年の十月には第一回の協議会を開くように申し入れたわけでございまして、事実申し入れを行って会議が開かれたわけでございます。このアロケーション問題協議会には電気料云々の問題以外にたくさんのまだ問題がありますが、この電気料金の問題がどう響くかという問題については従来の例がございまして、やはり九電力会社の決算報告によるということがありました。そういうことでちょっとこの改定作業がおくれておるということは確かでございます。しかしながら、建設省といたしましては、やはりダム等が出ますと基本計画を決定する必要がございますので、これらも進めなければいけないということで、そういう問題は再度協議しようという前提のもとに暫定的な基本計画を決定してきたわけでございます。建設省といたしましては、経過といたしましては、最善の努力をしたつもりでございますが、いずれにいたしましても、御指摘のような改定につきましては関係行政機関の協力を得て緊急に山元発電単価の改定をいたしまして、この事業費負担の適正を期したいというのが現在の経過でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 会計検査院の指摘に対して建設省は回答を出していますね。いまおっしゃったような適正な山元発電単価に改定し、事業費負担の適正を期する所存であるという報告が出ておるんで、そういう趣旨だと思うんですが、じゃ、この回答に基づいてどんな具体的な措置をおとりになろうとしているのか、それをお聞きしたいと思うんです。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 先ほども触れましたように、このアロケーションの問題はアロケーション問題協議会にかけて決めると。これは国土庁が主宰していただいておりますが、これでいま相当煮詰まってきておりますので、その結果が、できれば私、建設省といたしましては三月いっぱいぐらいにもう結論を出してほしいという強い申し入れを行いまして、相当いま各省の御協力をいただいておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ぜひそれは四十九年度の基本計画工事ダム分からひとつ新しい負担率で改定してもらいたいと思うんです。  次に、通産省にお聞きします。通産省は電力会社の指揮監督をされる省庁ですが、この負担金の追加については御承知ですか。

和田万里資源エネルギー庁公益事業部水力課長

○説明員(和田万里君) 山元発電単価の改定につきましては、先ほど来御答弁がありましたように、アロケーション問題協議会にお願いいたしまして検討してまいったわけでございますけれども、はからずもおくれてまいりまして、ただいま御指摘を受けたわけでございます。したがいまして、電気料金算定の基礎となった総括原価をきちっといたしまして、早急に改定する方向で考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 通産省としてはそういうことを一応了承されておるようだが、電力会社にそのことがちゃんと了解されておりますか。

和田万里資源エネルギー庁公益事業部水力課長

○説明員(和田万里君) 本件につきましては、電気事業者側も状況を承知しております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私がなぜこんなことを質問するかというと、とかく通産省というのは非常に企業サイドの立場が強くて、とかく企業の方の味方をするという、まあいろんな批判もございますから、その点で特に念を入れてお聞きするんですが、やはり電力会社に対しては適正な負担はきちっとやらせると、これが私は通産省の責任だと思いますので、この点をひとつはっきりやってもらいたいと思うんです。  それから国土庁、先ほどからアロケーション協議会の問題が盛んに出ます。アロケーション協議会は国土庁の責任でありますが、一体この山元発電単価の見直しの問題ではアロケーション問題協議会を何回お開きになったか、最近。ひとつ聞かせていただきたいと思うんです。

宮崎明国土庁水資源局長

○政府委員(宮崎明君) 仰せのようにアロケーション問題協議会の事務を担当しておりまして、四十九年の電力料金改定後七回にわたって事務担当者会議を開き、課長会議を一回開催しております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 過去三年間では何回お開きになりましたか。

宮崎明国土庁水資源局長

○政府委員(宮崎明君) 過去三年間では八回で、一回よけいということだけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いや、私が聞いたのはいわゆる局長会議のことを聞いたんだ。いまおっしゃったのは事務担当者会議、これはたしか七、八回お開きになったんでしょう。しかし、課長クラスあるいは局長クラスで、つまり本当の責任者ですね、最高の責任者のアロケーション協議会のメンバーとして、正規のメンバーとして何回お開きになったのかと、こういうことをお聞きしたかったわけです。

宮崎明国土庁水資源局長

○政府委員(宮崎明君) 関係のいわゆる局長会議といいますか、アロケーション問題協議会の正式メンバーのいわゆる協議会は一回だけ開きました。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 その一回というのも課長会議です、これは。担当課長会議です。局長会議は一同も開いていないはずだがな。

宮崎明国土庁水資源局長

○政府委員(宮崎明君) 大変失礼しました。局長会議は一回もやっておりませんで、担当課長会議を一回やっております。失礼しました。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そういうことなんだ。ちゃんと調べてあるからわかるんだよ。だから、こういうやり方ではこれはもう改定が進むわけはないよ。先ほど建設省やなんかが一生懸命にアロケーション問題協議会で協議をしていただいておりますなんて言っていたけれども、局長会議一回も開いてないんですよ。これじゃ仕事が進むわけはないんですね。早く言えばサボタージュをやっておると言ったっていいんだよ、これは。関係省庁、通産省も建設省もみんな腹を合わせてサボタージュをやっておったと、こう言われても仕方がない。特に国土庁は所管官庁でありながら、つまり呼びかける、招集する責任者でありながら、それをやろうとしなかったということは私はやっぱり非常に重大な問題だと思っておるわけです。御承知のように負担金の改定は、たとえば多目的ダムの場合には農業用水ならば水利組合、あるいは上水道なんかだったら自治体というふうに負担がみんな決まっているわけだ。電力会社は電力会社で電気料金に見合った負担をすると、こういうことになっておる。  ところが、電力会社だけがいま言ったようにアロケーション協議会ではやってないと、依然として四十二年度の負担金でやっておると。ところが、この農業関係、水利組合その他は、たとえば農業関係でしたら米価がスライドする、上がる、そうしたら必ず改定されていく、米価にスライドして改定されていっている。もう農民はきちんきちんとそういう負担金を払っている。ところが、でっかい電力会社は知らぬ顔をしてごまかしてきたと、それをまた関係官庁は黙認をしてきたというのはこれはまことにけしからぬ話で、その点を私は指摘したいと思うんです。まことに不可解ですよ。ですから、さっき言ったように、ロッキード社のああいう問題が、やっぱり膨大な税金が何かどっかに行ってしまうと、ボスや政治家のふところに入ってしまうというようなそういったことがやっぱり起きるわけで、だから大企業であるとか電力会社であるからといって政府がそんな姿勢では、やはり問題は一つも私は前進しないと思うんですよ。国民が一番不満に思っているのはそこです。なぜ大企業や権力を持っている人だけが得をするようなそういう政治の仕組みなのかと、そこに政治不信の生まれる一つの大きな要因があるわけです。だから、まず各省庁、行政府が姿勢を正さなければ国民の信頼を回復できないと思うのです。そういう意味でこの点をはっきりひとつ指摘して、各省庁がもっと法規に基づいて、法律に基づいてきちっとやってもらうということを要求しておきたいと思うのです。  時間の関係がありますから進めますが、会計検査院にお聞きします。大体この四十九年度の基本計画工事によりますと、四つダムがありますね。この四ダムの負担割合ですな。これがいま言ったように四十九年度分だけでも改定されたら大体どのくらい国費の節約ができるわけですか。それは計算されておるようでありますから、それをちょっと知らしてください。

小沼敬八会計検査院事務総局第三局長

○説明員(小沼敬八君) 国が負担する治水分の負担割合を減少することによりまして、これは関係省から出された資料に基づいた概略の試算数字でございますが、約六十億でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 わかりました。そうですね。私の方でもいろいろ調べて見ましたけれども、四十九年度分だけですと国費の節約が三億一千万円、これが完成するまで計算しますと大体六十六億ぐらいというふうに出るわけであります。大体検査院の計算もそういうことだと思うのですが、これは大変な費用ですね、六十六億というのですから。たった四つのダムで六十六億です。  じゃあ、そこで会計検査院に聞きますが、何もダムは四つや五つじゃないわけだ、これからもどんどんおつくりになる、建設省は。ですから、会計検査院の指摘意見でも「今後引き続き多数の多目的ダムの建設が見込まれている状況であるので、速やかに」云々、こういうふうになっているわけですね。そこで、次の問題ですが、この「引き続き多数の多目的ダム」という、一体幾つぐらいダムができるのか、四つで六十六億円の国費が節約になるとすれば、多数ということになれば何百億、何千億ということになるわけなんで、大体その数を教えてもらいたいと思うのです。どのぐらいこれからここに言う多数のダムというのは言っているのか。

小沼敬八会計検査院事務総局第三局長

○説明員(小沼敬八君) 現在のところ、予定でございますが、今後計画にのっておって実施する予定のものが四百三十一個所ございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 これは大変な数ですね。四百三十一でありますか、こういうことになりますと、一体国の費用はどれぐらい節約になるか。つまり、四つで六十六億でありますから、その約百倍ということになるわけですね。大変な問題だと思うのです。  そこで、建設省に聞きますが、会計検査院はいまそういうふうにおっしゃっておられるのだが、間違いありませんか、大体そういうところで。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 数の問題、今後の水資源開発の問題とも絡むわけでございますけれども、建設省で現在直轄の特定多目的ダムが三十四ございまして、このうち二十三のダムが特定多目的ダム法に基づく基本計画が決定しております。現在実施計画中のものが十八あります。長期計画といたしましては、今後五カ年間に現在の工事中の五十二ダム含めて百二十ダム程度の建設を考えておるわけでございますけれども、いま申し上げた四百三十一というのは府県関係のいろいろな多目的の推計が入っているものと思いますけれども、これらについてはまだ十分数を申し上げる段階には至ってないと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 その辺会計検査院のつかんでおる数と、建設省が言っている数は大分食い違いがあるわけですが、別にダムの計画を持ったから悪いということを私ども言うつもりはないんです。水力ダムなんかは大いにこれから——発電なんかというものは原子力であるとか重油なんかの火力なんかよりも公害がないし私はいいと思っております。日本のこの水力を大いに利用してエネルギー問題を解決する努力はすべきだと私は思うんです。ただ、いまのようなやり方じゃだめですね。多目的ダムだと言って電力会社だけがもうかるような形で、そして水害となると、あれはみんなそのダムを電力会社がほとんど管理しているんですね、そして放水をすると。私はもう災害対策委員会で何回かそういう現場を見てきました。多目的ダムだと称して実際は電力会社が勝手に操作するもんだから、集中豪雨なんかというときはわっと一遍に放水する、そのために被害が起きると。こんな水力ダムじゃいけませんよ。しかし、将来そういうエネルギー確保のために、そういった計画を持っておられたから悪いと言うのではないんで、あれば私はちゃんと出してもらわないといかぬと思うんですよ。  そういう点では会計検査院が一生懸命に四百三十一という数字も出しておられる。私が調べた限りにおいても大体そのぐらいあるんです。これは私は地建別の数字も持ってます、四百三十一という。北海道三十五、東北四十七、関東六十六、北陸三十九、中部四十七、近畿六十八、中国四十一、四国十八、九州七十、計四百三十一と。将来この計画ダムというのは、こういうふうにかなり具体的に出ていると思うんですがね。どうも建設省のおっしゃるその数字が大分違うんだが、それはどういうわけですか。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 先ほど申し上げた数字は、比較的はっきりしている直轄、公団、いわゆる水資源対策事業ダムというものでございますけれども、これに補助ダムが百六十ぐらいはどうかという勘定もしておりまして、合わせますと、直轄、公団合わせて二百七十八ぐらいが水資源ダムであろうと思います。そのほかに百十二の治水ダムというダムが入りますと、これを足し算しますと約四百近くなると思いますけれども、やはり治水ダムは治水オンリーでございますので、いわゆる水資源ダムというものはいまのところ二百七十八と、これがあと五年間ぐらいの数と考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 なかなかこういう計画は膨大ですからあれですが、あなた方は専門家だからもっときちっと答えられるようにしておいてもらわなきゃいかぬと思うんだ。私が見ました、河川局が編さんしております「河川」という雑誌がありますね。この四十八年の四月号を拝見いたしましたら、建設省河川計画課としての計画が詳細に載っておるんですね。これによりますと、洪水調整ダムとしての内訳で、多目的ダムが四百三十二となっています。数字が具体的に出ておるんです。そのほかに都市対策ダム、これは水道ですか、多目的で、しかし多目的です、内訳は。これが百四というふうになっています。これを合わせりゃ五百幾つということになるんで、もっと大きいんですけれども、少なくとも洪水ダムだけでも四百三十二という数字が出ていて、大体見合っておるんですけれども、そういう点を私はやっぱりはっきりしておかなけりゃいけないと思うんです。  そこで、大体その点は建設省もお認めになったから、それを基準にして私考えてみますと、さっき申し上げたように四つのダムで六十六億ということになるわけでありますから、四百数十ということになれば大体約七千億円という金額になるわけですね。ダム建設だけで国費が七千億円もむだ遣いができるということになりますと、これは単に数字の問題じゃなくて政治問題ですよ、これは明らかに。六十六億だってそれは政治問題ですわね。ところが、この計画の数字から言えば七千億円という国費のむだ遣いが行われると。つまり、それだけ国民が負担をしなければならないということになる。これは私はやはり大問題であると思うんです。そこで、私はあえてきょうの質問を考えたわけです。一つの小さな問題といえども、これは会計検査院としてこれを見逃していたんじゃ大変なことになると。しかし、幸いにして会計検査院は今度は勇気をもってこういった三十六条を発動されたわけだから、それはそれとして結構だったと思うんですが、さらに将来のことを考えれば七千億と。ところが、何でしょう、ただ七千億じゃ済まないと思うんですよ。というのは、ことし電気料金がまたアップされるということが言われておりますね。河本通産大臣は昨年の衆議院の商工委員会で、来年度は電気料金の値上げを認めなければならないだろうと、こう言っておられる。  これはもう新聞やその他でいっぱい報道されておりますから皆さんも御承知だと思うんだけれども、これからも電気料金が上がる、こういうこと。あるいはこういう多目的ダム以外のダムヘの波及効果、こういうことを考えますと、何かと合わせて約一兆円という膨大な金額に私はなると思うんです。これは全く想像というよりも類推していけばこういうことになる。ですから、私はこれはやはり非常に大きな問題だと思うんですよ。とにかく七兆三千億という国債、公債を発行する、なけりゃならないというふうな国の財政のピンチ、こういうことを考えてみたときに、こういう電気料金じゃない、山元発電単価の改定というものをサボっておるということがどんなに大きな罪悪になるかということを私は書いたいわけです。ですから、建設省なんか、この問題、ぜひひとつこの認識を改めていただいて、建設省だけじゃありません、通産省、国土庁、その他関係省庁でぜひこの問題を五十年度中に、本年度中にぜひひとつ結論を出すように努力してもらいたいと思うんですが、その点でひとつ建設省、通産省、国土庁、一言ずつお答え願いたいと思うんです。

宮崎明国土庁水資源局長

○政府委員(宮崎明君) いま仰せのように、この三月いっぱいで何とか改定するように努力してまいりたいと思っております。  なお、ちょっと補足させていただきますと、山元単価は確かに発電、電気料金の値上げで上がるわけでございますが、いまの府令で定めておりますアロケーション方式によりますと、妥当投資額は上がるんでございますが、妥当投資額といいますか、山元発電単価が上がれば妥当投資額が上がります。しかし、可能投資額はその妥当投資額から発電所の建設費を差っ引いて可能投資額を出すことにしております。したがって、発電単価が上がりますけれども、建設事業費も御承知のように石油ショック以来大いに上がっておりまして、その辺差っ引き勘定しますと、なかなか発電の持ち分が上がってこないという悩みがございまして、そういう悩みもあわせてただいま検討している段階でございます。しかし、仰せのように山元発電単価につきましては早急に改定すべくできるだけ早く決定したいと思っております。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 先ほど御返事したとおりでございますが、ただ一つ従来四十九年に改定が行われたときには、先ほど申し上げましたように、例の九電力の決算報告を待ってやろうという従来の方式にこだわっていた、そういうことで作業しながらもおくれたということでございます。したがって、今回アロケーション問題協議会にお願いしておりますのは、山元発電単価の改定が決定した段階で自動的にこういうものの負担がふえていくようなスピーディーな、反応するような算出根拠といいますか、そういうものを実はお願いしておるということでございます。

和田万里資源エネルギー庁公益事業部水力課長

○説明員(和田万里君) アロケーションにかかります山元発電単価の改定につきましては、先ほど来お答えいたしましたとおりに、各省庁と協議を進めながらできるだけ早急に改定をいたしたいと思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 大体これで私の質問を終わるわけでありますが、とにかくいま御答弁のように、一応会計検査院の要求に対しましてまあまじめにやるというお答えでございますから、私の質問は終わりますが、とにかく私どもはまだこれからひとつ皆さんの取り組みを見守っていきたいと思っておりますから、そうして問題があれば今度は建設大臣かだれか来てもらってやっぱりやってもらう、あるいは国土庁長官、通産大臣なんか来てもらってやらなきゃならないかもしれませんけれども、まあそういうことが余りないようにひとつ期待しておきたいと思うんです。  以上、終わります。

瀬谷英行日本社会党

○委員長(瀬谷英行君) 他に御発言もなければ、皇室費、国会及び最高裁判所につきましてはこの程度といたします。  なお、会計検査院につきましては、答弁保留しなった部分について後日その報告を聴取することで、質疑は一応この程度といたします。  次回の委員会は、来る九日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十二分散会      —————・—————

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