外務委員会 第3号
- 発言数
- 195 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/03/04
会議録
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 国際情勢等に関する調査を議題とし、昭和五十一年度外務省関係予算並びに今国会提出予定の法律案及び条約について、概要の説明を聴取いたします。松永官房長。
○政府委員(松永信雄君) 最初に、昭和五十一年度外務省予算につきまして、お手元に配付いたしました予算重点事項の各項目に沿って御説明を申し上げます。 一番上の欄外にございますように、五十一年度外務省予算案は総額一千五百七十六億七千万円が計上されておりますが、これは前年度に比較いたしますと百一億七千九百万円の増加で、比率にいたしますと六・九%の伸び率となっております。 第一の外交実施体制の整備につきましては、外務省定員については調整定員五十名、アタッシェ十三名を含む二百十名を増強するほか、本省においては領事第二課を新設し、在外では在カタル大使館、在ウジュン・パンダン総領事館及び在ホラムシャハル総領事館を新設するほか、南イエメン及びイエメンに兼勤駐在を要求しているものでございます。これによりまして、定員は五十年度末の三千五十三名から五十一年度末には三千百四十二名となる予定でございます。 在外職員勤務条件の改善につきましては、在外諸手当の増額、瘴癘地勤務環境の改善等を手当ていたします結果、九億七千三百万円が計上されております。 情報処理体制の改善整備は、国際関係の多元化、複雑化に伴い、地域的にも機能的にも錯綜した問題に機敏に対処する必要があるところ、電子計算機を中心としました情報伝達処理等のシステム化及び関連研究開発の推進のため八億一千二百万円が計上されております。 第二番目の国際協力の拡充強化につきまして、昭和五十一年度の外務省予算の中で最も大きな比重を占めております経済協力関係予算の総額といたしましては、七百四十六億四千五百万円が計上されております。これは前年度に比較いたしますと四十九億五千八百万円の増加となっております。その内訳は、経済技術協力企画調査の機能の強化、国際協力事業団の拡充、二国間無償資金協力の推進等となっております。 第三番目の文化外交の推進につきましては、国際交流基金事業の拡充のために十二億五千八百万円が計上され、留学生受入体制の充実については三億四千六百万円が計上されております。また、在外公館文化活動事業の拡充には三千六百万円が計上されております。 第四の広報活動の強化につきましては、海外広報活動の拡充強化のため十七億一千四百万円が計上されておりますが、これは近年におきます海外広報活動を飛躍的に拡充する必要がありますために、いわゆる招待事業、映画、テレビジョン関係の事業、広報資料の作成、購入、特別広報活動あるいは広報文化センターの拡充のために必要とされる経費を計上しているものでございます。また、国内広報の強化のためには、国際情勢及び外交問題に関する知識の普及のために相当額、すなわち、四億六千五百万円が計上されております。 第五番目の海外子女教育の充実強化につきましては、海外におります在留邦人の数は逐年増加の一途をたどっており、現在約十二万五千人となっておりますが、その同伴子女で小学校、中学校の学齢期にある者は一万六千人を超える数に及んでおりますので、海外子女教育を五十一年度の重要施策の一つとして、その充実のための諸施策を推進いたしますために二十八億四千五百万円を計上しております。なお、五十一年度予算におきましては、ロンドン、ミラノ、北京、ベレーンに全日制日本人学校を新設し、そのための教員の増員を予定いたしております。また、既設の日本人学校四十校についても教員の増員を行い、かつ、教員の待遇についても在勤基本手当及び住宅手当等を改善いたしまして、海外子弟教育の諸施策を整備するということになっております。 以上が、五十一年度予算案の重点事項についての簡単な御説明でございます。 次に、在外小館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 今回の改正点の主なものの第一は、在外公館の新設関係であります。五十一年度予算案におきましては、実館三館の開設と兼館四館の設置が計上されております。 実館につきましては、在カタル日本国大使館及び在ウジュン・パンダン総領事館並びに在ホラムシャハル総領事館でありますが、このうち在カタル日本国大使館につきましてはすでに現在の法律において認められておりますので、今回の改正によりましてはこれらの二つの総領事館の新設及びこれらの総領事館に勤務する在外職員の給与について規定する必要があります。 在ウジュン・パンダン総領事館の設置される同地の周辺地域は在スラバヤ日本国総領事館、また、在ホラムシャハル日本国総領事館が新設されます同地の周辺地域はイラン大使館がそれぞれ現在管轄しておりますが、これらの地域はわが国企業の進出が著しく、在留邦人も急速に多くなってきておりますところ、これらの企業並びに在留邦人の指導保護及び各種案件の効率的処理に遺憾なきを期するためには可及的速やかに在外公館を新設する必要がありますので、五十一年度予算政府原案において両総領事館の新設をそれぞれ認められることとなったものであります。 次に、兼館として認められましたものには、在スリナム、在カーボ・ヴェルデ、在サントメ・プリンシペ及び在モザンビークの各大使館がございます。これらの大使館所在国は、いずれも昨年独立したもので、わが国はそれぞれをすでに承認しておりますので、外交機関を設置する必要があるものでございます。 次に、改正の第二点といたしましては、在ダホメ日本国大使館の名称を在ベナン日本国大使館に変更するものでございます。これは、ダホメが昨年十一月三十日に国名をベナンに変更いたしました結果、法律の規定を変更する必要が生じたものであります。 改正の第三点といたしましては、在外公館に勤務する在外職員の在勤手当関係でありますが、この手当は、前通常国会において改正いただきましたが、その後も世界的なインフレは引き続いておりますことにかんがみ、五十一年度政府予算原案におきまして、五億四千六百万円の増額を計上いたしております。その結果、本法案におきまして、別表第二の在勤基本手当の基準額と別表第三の研修員手当を改定することといたしたものであります。 改正の第四点といたしましては、戦争、内乱等の特別事態が発生した地に所在する特定の在外公館に勤務する在外職員に支給する在勤基本手当の額を定めることでございます。これは最近のカンボジア、ベトナム、レバノン等に所在する在外公館に勤務する在外職員の事例に見られますごとく、在外公館の所在地において戦争、内乱等の特別事態が発生した場合、当該地に所在する在外公館に勤務する職員は、生活必需品等の高騰や、平時には必要でない特殊な経費の出費等による経済的負担の増大を余儀なくされる等困難な状況に置かれておりますが、現行法におきましてはこれを救済する道がないわけでございます。このために、昭和五十一年度政府予算原案において、これら在外公館に勤務する職員には、平時の場合に受けるべき在勤基本手当の月額の百分の十五に相当する額を加算した額を在勤基本手当として支給し得るよう予算上の措置が講ぜられましたので、本法案において、このために必要な改正を行おうとするものでございます。 以上が、今回提出いたしております法律案の改正の概要であります。
○委員長(高橋雄之助君) 次に、伊達条約局参事官。
○政府委員(伊達宗起君) 引き続きまして、本七十七回国会に御提出を考えております条約案件について御説明申し上げます。 お手元に差し上げております資料の一番上のところに、総計十八件ということが書いてございますが、一応提出予定いたしておりますのは十八件でございますが、その中の四件は検討中というもので、大体提出のめどのついているものは十四件と御了解願いたいと思います。 一番目の、二国間条約でございますが、日本とハンガリー人民共和国との間の通商航海条約、この条約は、日本国とハンガリーとの間の友好関係を強化し、また、両国間の経済関係の発展を促進することを目的といたしまして、通常の通商航海条約に取り扱われます事項、すなわち出入国、旅行、居住、滞在、租税、事業活動、関税、輸出入制限等に関します最恵国待遇、身体財産の保護、出訴権、商船の出入港、積み取り権に関する最恵国待遇及び内国民待遇その他海難救助に関する内国民待遇等を相互に保障しているものでございます。この条約は、昨年十月二十日に日本において署名されたものでございます。 二番目の、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とルーマニア社会主義共和国との間の条約、これは相手国の居住者が取得いたします自国源泉の事業所得、不動産所得、投資所得、個人所得等の所得に対する課税原則を定めますとともに、二重課税を排除する方式として日本側及びルーマニア側とともに外国税額控除方式をとるということを定めてございます。この条約は、わが国がいわゆる社会主義国と結ぶ最初の租税条約ということになります。 三番目は、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とブラジル合衆国との間の条約を修正補足する議定書、この議定書は、現行条約の規定のうち配当利子及び使用料に対する源泉地国における課税率を改めますとともに、いわゆるみなし外国税額控除制度の条項につきまして、ブラジルでの経済開発を促進するための特別奨励措置に関します関係国内法の改廃等を反映させるように修正補足することを目的として結ぶものでございます。 四番目は、友好及び協力に関する日本国とオーストラリアとの間の基本条約、この条約は、日豪両国間の関係を強化拡充いたしまして、さらに政治、経済、人権、科学技術、文化等の分野における相互に関心のある事項について相互理解を深めますとともに、友好協力を促進することについて定めているものでございます。 多数国間条約に移りまして、五番目の経済協力開発機構金融支援基金を設立する協定でございますが、これはOECD理事会によりまして昨年の四月七日に承認されまして、署名は四月九日に行われました。内容は、OECDの加盟国がそのメンバー国の中で国際収支の危機に陥ったというような国を相互扶助的に支援するために金融支援基金を設立いたします。その基本額は二百億SDR、現在のドル価値に換算いたしまして約二百四十億ドルでございますが、それを各国が拠出いたしまして、国際収支の困難に陥った国を援助するシステムをつくり上げるものでございます。この条約は、本年五月末までには発効の見通しということになっております。 六番目の、米州開発銀行を設立する協定でございますが、米州開発銀行はすでに存立しているものでございますが、このたび新しく域外加盟国、わが国を含めまして十二カ国、すなわち、わが国、西独、イギリス、オーストリア、ベルギー、イタリー、オランダ、スペイン、ユーゴスラビア、イスラエル、スイス、デンマークの十二カ国が域外の加盟国としてこの米州開発銀行に出資をするということとなりまして、そのための種々の交渉が行われた結果、新たにこの協定の改正が行われました。わが国は、この改正された協定に入るということで、今国会の御承認を得たいと考えているものでございます。この改正されました協定が発効いたしまして、十二カ国が正式にメンバーとなりますのは本年の五月ないし六月の米州開発銀行における総務会の決定を待ちまして行われる手はずになっております。 七番目の、国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定、これは特許の事務というものを国際的に容易ならしめるという観点から、特許の分類に関しまして、国際特許分類という共通の表を採用しようということを目的といたしました協定でございまして、作成されましたのはこの日付のとおり七一年でございまして、効力が発生いたしましたのは昨年の十月七日でございました。わが国は、七一年九月十三日に署名いたしておりますが、このたびこの協定が発効いたしましたこともあり、早急にこの協定に参加いたしたいために御承認を仰ぎたいというものでございます。 次に、商品協定二つございますが、八番目の、第五次国際すず協定、これは現行の第四次すず協定を改正いたしまして、本年の七月一日から新たに第五次国際すず協定に移ろうとするものでございまして、緩衝在庫への拠出金につきまして、従来輸出国のみが供与をいたしておりましたところを消費国もこれに供与する、もっともこれは任意に供与するということでございますが、そういう点が若干の改正が加えられているものでございます。 千九百七十五年の国際ココア協定でございますが、これはココアの市場の安定化のために、従来とも数次にわたってつくられてきた国際ココア協定でございますが、新しくつくられました協定では、一九七二年の協定の価格帯の最低価格二十九・五セント、最高価格三十八・五セントというものを、それぞれ最低価格三十九セント、最高価格五十五セントというふうに引き上げる等の改正を施して、本年十月一日を発効予定日といたしておるものでございます。 次に、国連大学本部に関する国際連合と日本国との間の協定でございますが、これはわが国に国連大学本部が設置されることに伴いまして、わが国からの土地建物の供与に伴います関連の事項、それから大学の学長その他職員に関します特権、免除につきまして定めるものでございまして、これはただいま交渉の最終段階に至っているもので、交渉がまとまりますれば速やかに今国会に上程したいと考えているものでございます。 十一番目でございますが、北太平洋のおつとせいの保存に関する暫定条約を改正する議定書、これは現行の一九五七年の暫定条約がございまして、その有効期限が本年の十月十三日に切れますので、その以降にこの現行の協定にかわるものといたしまして、この現行の暫定条約を若干改正いたしまして、さらに条約を存続せしめるということを目標としたものでございます。 十二番目の、アジア=オセアニア郵便条約、これはUPU――万国郵便連合の認めております地域限定連合というものがございまして、アジア=オセアニアにつきましてその地域限定連合をつくったものでございまして、船便の割引料金等についてアジア=オセアニア地域内で特別料金を定めているものでございまして、この条約の発効は来年の五月一日を予定しているものでございます。 次に、十三番目にIMF協定の改正がございます。IMF協定は国際通貨体制の混乱と収拾に向かいまして、各国際場裏におきまして議論が行われてきましたことは御承知のとおりでございますが、本年一月のIMFの暫定委員会におきまして、昨年のランブイエ会議以来の米仏その他主要国間の合意を取りまとめる方向が明確化されまして、現行IMF協定の金中心の固定相場制というものを、よりフレキシブルなSDR中心の新通貨体制に移るということを主眼といたしましてIMF協定の改正を行おうとするものでございます。この協定はまだ条文ができ上がっておりませんが、国際通貨体制に連なる重要なものでございますので、でき上がり次第、直ちに今国会の御承認を仰ぎたいというふうに考えているものでございます。 十四番目に、核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定、これはわが国と国際原子力機関との間ですでに実質的に条文も詰めまして、一応イニシアルが済んでいるものでございますが、前国会から継続審議案件となっております核拡散防止条約が今国会におきまして御承認を得ました後に、原子力機関との間のこの協定を正式に署名をいたしまして、直ちに今国会の御承認を仰ぎたいというもので、この予定の中に入っているものでございます。 検討中の条約といたしまして最後のページに四つの条約、すなわち日中平和友好条約、日本国とモンゴル人民共和国との間の経済及び技術協力協定、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポルトガルとの間の条約、日本国とカナダとの間の文化協定と四本上っておりますが、これはこの要旨に書いてある以上の説明は省略さしていただきます。これもでき上がりまして、時期的に間に合うものであるならばもちろん今国会の御承認を得たいということで書き上げたものでございます。 以上でございます。
○委員長(高橋雄之助君) 以上をもって説明は終わりました。
○委員長(高橋雄之助君) 次に、国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定の締結について承認を求めるの件(本院先議)を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。宮澤外務大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明申し上げます。 この協定は、締約国が特別の同盟を形成し、特許、発明者証、実用新案及び実用証につき「国際特許分類」と呼ばれる共通の分類を採用することにより、特許文献の整理等において国際協力を確立することを目的とするものであります。わが国で特許を受けるためには、外国において頒布された刊行物に記載された発明でないことが必要であるため、外国の特許文献を調査する必要がありますところ、各国が共通の特許分類を採用することは、特許文献の調査の容易化に大いに貢献することとなります。したがいまして、国際的に共通の特許分類を採用することを内容とするこの協定を締結することは、工業所有権の分野における一層緊密な国際協力を確立する上で有意義であると考えられます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第でございます。何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(高橋雄之助君) これより本件について質疑に入ります。質疑のある方は御発言を願います。
○戸叶武君 各国の特許の文献が一千七百万もあるということでありますが、この特許文献がこのようにたくさんあるのを国際的に統一した特許文献として整理していきたいというのがストラスブール協定を開いた一つの目的であったと思います。ストラスブール協定が一九七一年三月開かれて、三月二十二日に協定が採用されたんでありますが、一九七五年十月七日にこの協定が成立し、この協定に入ることによって日本もこれに対する協力をなすことになっておりますが、この協定に入ることによって日本はどのような利益といいますか、メリットがあるか、そのことについてまず第一に質問いたします。
○政府委員(片山石郎君) お答え申し上げます。 本協定は、国民の権利義務を直接的に制限するとか、そういう性質のものでない、まことに事務的な協定でございます。ただ、実務上は非常に大きな意味を持つ協定でありまして、いま御質問のどういう利益、メリットがあるかという点についてかいつまんで申し上げます。 まず第一点は、特許の調査、資料の調査という点であります。御承知のように、特許の分類というのは従来まで各国まちまちにそれぞれの国の特許の分類を持っておりました。いま先生御指摘のように、特許を与える場合には非常に多くの、千七百五十万件と言われるような、世界の各国がいままで特許を与えておるかどうかというような点を調べた上で特許を与える、新しいものでなければ特許を与えないという仕組みになっておりますので、各国の特許庁といたしましては、その資料を丹念に調べるということがまず必要なわけでございます。そういう意味におきまして、資料を調べるという点におきまして日本の分類――日本の分類については日本は非常に得意でありますけれども、外国の分類――アメリカ、イギリス、そういった国がみんな違う分類でありますと、果たしていま申請されておる発明の内容はどこに該当するかという点につきましてはなはだ不便なわけでありまして、いま申し上げましたようなたくさんの資料を調べる場合には、やはり各国でもって統一した分類を使っておりますと、その分類に属するいままでの特許は、アメリカではこれこれのものがある、ドイツではこれこれのものがあるということがわりに調べやすいというような点から、審査するための資料の検索という点におきまして、この分類を統一して使うということは、外国文献を調べる上においてきわめて重要な意味を持つわけでございます。 いま申し上げましたのは審査当局としての意味でありますけれども、同時に、出願をしようというような民間の立場から見た場合にも非常に有益でありまして、果たしていま申請しようとするものがかつてどこかの国で特許を受けているかどうかということを調べる場合にも、統一分類でありますと非常に便利である。また、技術情報としてこういうものが一体どこら辺まで特許されておるんであろうというようなことを調べるという意味におきましてもきわめて有益になるわけでございまして、そういう意味におきまして審査する方の側からも、あるいは使う方の側からも大変便利な制度になる、こういう点が第一点でございます。
○戸叶武君 非常に利益を得られるということでありますが、この協定でどういう義務が課せられておりますか。
○政府委員(片山石郎君) 簡単に申し上げますと、第一には、義務といたしまして各国の特許当局でございますが、日本で言いますと特許庁でございますが、特許庁はいろいろな特許をやる場合に公報類というような書類を刊行いたします。そういった公報類には必ずこの特許の国際分類を付して発行しなくちゃならぬということが第一点の義務でございます。 それから第二点の義務は財政的な問題でございまして、この協定を施行するためには国際的にお金がかかるわけでございますが、そのお金の分担金でありますとかあるいは拠出金でありますとか、そういったものを分担すると。この二つの義務が大きく言って義務でございます。
○戸叶武君 特許の国際分類によっていろいろな利益が得られるということでありますが、具体的には出願者などには直接あるいは間接的にどういう便利が得られますか。
○政府委員(片山石郎君) 先ほど御答弁申し上げましたので若干触れましたんでございますけれども、民間といたしましては、まず特許を自分が出願しようというときに、どういう出願が外国であったかという点を調べる。それがもし該当したものがありますと特許にならぬわけでございますから、そういう点を調べる意味においてきわめて便利になるという点が第一点でございます。 第二点は、自分が特許をしたものを外国で特許されるということがあっては困るわけでございますが、何しろ日本の特許は日本語でやっておりますので、外国で調べるという点がなかなかむずかしい。それを今度は分類が同一になっておりますと、日本と外国とが分類が同一になっておりますと外国でもわりに調べる。したがって、日本の特許を受けたものが外国でさらに特許を受けて日本が非常に迷惑するという点が少なくなるであろうという点が第二点。 第三点としましては、一般的に企業としましては外国の技術動向を調べて自分の研究開発をどうしてやって、そして特許を取るということをやるわけでありますが、そういった技術動向といったものを調べるという意味において特許文献はきわめて重要でありますので、そういった点を調べる上においてきわめて便利になる、こういう点かと存じます。
○戸叶武君 この協定はきわめてテクニカルな協定でありまして、外務省としても、一九五四年ヨーロッパでこの問題が論議されてからストラスブール協定において今日に至るまで、きわめて慎重な足取りで今日に至ってきたんだと思いますし、その努力に敬意を表して、質問はこれだけにいたします。
○委員長(高橋雄之助君) 本件についての質疑は、本日はこの程度といたします。 これにて休憩いたします。 午前十時四十四分休憩 ―――――・――――― 午後零時三十五分開会
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 国際情勢等に関する調査を議題といたします。 この際、最近の外交問題について、外務大臣から報告を願います。宮澤外務大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま委員長の仰せでもございますので、最近の国際情勢につきまして簡単に御説明を申し上げます。 まず、アジア情勢についてでございますが、インドシナ地域におきましては、戦後の復興と新しい秩序の形成に向かって努力が進められております。南北ベトナムの統一も近く行われるというふうに見られておりまして、インドシナにおけるハノイの指導的地位が次第に高まってきておるものと見られます。 他方、ASEANの諸国は、おのおの国内に各種の不安定要因を抱えていることもございまして、当面最大の脅威は、外部からの侵略よりはむしろ国内の不安定にあるという認識が共通しておるように存ぜられます。したがって、各国とも国内の政治的、経済的、社会的な基盤の強化――いわゆるレジリエンスと言われておりますものでございますが、その点に最大の重点を置きまして、また同時に、相互間の連帯と協力の強化に一層の努力を払いつつ、先ほど申し上げましたインドシナ諸国との関係改善の努力をも続けているという状況でございます。 先般、二月二十三日及び二十四日の両日、インドネシアのバリ島で初めてASEANの首脳会議が開かれました。この会議が開かれたということは、このようなASEAN諸国の姿勢のあらわれであると存じます。また、会議におきまして、従来の経済、社会面での域内協力に加えまして、政治面での協力という問題も前面に出てまいっております。しかしながら、安全保障に関する協力につきましては、ASEANとしてではなく、二国間のベースで行うということをわざわざ言っておりまして、この点はASEANが軍事同盟視されないようにという配慮と見られます。なお、ASEANの門戸を現在の五カ国ばかりでなく、他の東南アジア諸国にも開放するという立場をとっておりまして、これは恐らくはインドシナ諸国との協調関係に配意をしているのではないかと思われまして、注目をされる点でございます。 次に、日中関係でございますが、一九七二年九月に日中共同声明が出されまして以来、共同声明に記されております実務協定、貿易、航空、海運、漁業でございますが、各協定のすべてが締結されるに至りまして、関係は着実に進展をしております。 なお、日中平和友好条約締結の交渉につきましては、昨年も御報告いたしましたとおり、昨年の九月にニューヨークで中国の喬冠華外交部長と長時間にわたって話し合いをいたしました。その結果、この問題についての両国の相互理解は深まったものと考えております。日中両国ともこの条約の早期妥結の熱意においては一致しておりますので、今後とも日中永遠の平和友好関係の基盤とするにふさわしい条約が、両国国民に真に納得のいく姿で早期に締結されますよう、政府としても格段の努力を払ってまいる所存でございます。 なお、現在、中国国内で行われております批判闘争につきましては、真相等について十分な情報を持ち合わせておりませんし、事態はまだ流動的であると考えられます。ただ、現在のところ、喬冠華外交部長が依然として外交の衝に当たっておるというふうに考えられまして、さしずめ日中関係に大きな影響が起こるのではないかという徴候は、ただいまのところはあらわれておりません。 次に、日ソの関係でございますが、日ソ間の最大の懸案であります領土問題に関しまして、去る一月、グロムイコ外相が来日しました際、わが方より北方四島の一括返還を強く主張いたしましたが、遺憾ながらこの問題についてのソ連側の態度は依然としてかたくございまして、双方はこの問題につき交渉を継続することに合意をした次第でございます。 他方、モスクワにおきましてソ連邦共産党大会が開催をせられ、その機会にブレジネフ書記長は、あたかも北方領土に対するわが国の主張が第三国の教唆に基づく不法な要求であるかのごとき、事実に反する発言を行いましたので、三月一日、外務省橘欧亜局長から、ちょうど駐日ソ連大使は会議出席のため不在でございますので、ツェホーニャ臨時代理大使を招致いたしましてソ連側の注意を喚起いたしますとともに、この問題についてのわが国の基本的立場を改めて明確にいたした次第でございます。 次に、経済問題につきまして、国際経済協力会議の関係を御報告いたしたいと思います。 昨年十二月の本件の閣僚会議の決定に基づきまして設置されました四つの委員会、すなわちエネルギー、一次産品、開発、金融の四委員会は、パリにおきまして去る二月十一日より二十日まで第一回の会合を開催いたしました。 御承知のように、この会議は一九七三年秋の石油危機に端を発しましたエネルギー問題解決のための産油国と消費国との間の対話というものの動きが、昨年の四月及び十月の二回にわたります準備会合を経まして次第に形を整えまして、そして先進工業国、いわゆる消費国、それから産油国並びに非産油の発展途上国、三者の構成のもとに、その内容も南北問題全般についての討議へ拡大した形で実現をいたしたものであります。 今回の会合におきましては、今後の作業計画の大枠について合意が成立をいたしますとともに、エネルギー委員会を除きまして他の三つの委員会では実質的な討議が行われました。発展途上国は、エネルギー委員会におきましては、いわば受け身の立場にあることもございまして、特に審議を急ぐような動きは見せませんでしたが、他の委員会、一次産品委員会あるいは開発委員会等におきましては、実質問題の審議を促進したいという動きを示したことが顕著でございます。結局、全体としては、予備的な討議を行うということに終始いたしました。それによりまして第二回の会合、これは三月の下旬開催でございますが、それにつなぐというかっこうになったわけでございます。 なお、この二月の各委員会の会合では、先進国、発展途上国双方とも対決を避けて対話を促進しようという姿勢を維持いたしましたために、討議は比較的友好的な雰囲気のもとに推移をいたしました。第二回の会合におきまして、各委員会とも実質討議を本格化するものと予想いたしております。 わが国といたしましては、この国際協力会議におきまして友好的な対話を行うことによって世界のエネルギー情勢が少しでも安定化の方向に進むことを希望をいたしております。本会議が実りある成果を生むように今後とも努めてまいりたいと存じております。 なお最後に、いわゆるロッキード問題でございますが、昨年から米国の上院銀行委員会及び上院外交委員会多国籍企業小委員会で調査が進められてまいりましたが、去る二月四日及び六日に多国籍企業小委員会の公聴会が開かれまして、その際、日本に関する幾つかの資料が公表され、また、わが国におけるロッキード社の販売活動について種々の証言があったわけでございます。政府といたしましては、わが国の政治の名誉のためにも本件の真相を究明すべきであるとの考え方に立ちまして、すでに数次にわたりまして米国政府に対し、米側が保有している関係資料をすべて提供するよう要請をしてまいっております。米側もこれにこたえまして、すでに上院多国籍企業小委員会の保有する資料を提供してまいっております。なお、政府は引き続き米側より可能な限りの資料の入手方に鋭意努力中でありまして、日本時間の二月二十五日には、東郷大使よりインガソル国務副長官に対しまして――これはキッシンジャー国務長官か不在でございますので、インガソル国務副長官に対しまして、関係者の氏名があればそれを含めてすべての関係資料を明らかにすることが、日本の政治ひいては長期にわたる日米関係のためにもよいという趣旨の三木総理大臣発フォード大統領あての親書並びに二十三日に採択されました本院並びに衆議院の決議文を手交いたしました。これに対しまして、米政府は目下わが方の要請に対していかなる形でこたえるかにつきまして鋭意検討を進めておるように存ぜられます。したがいまして、三木首相の書簡に対してフォード大統領の返書がいずれ到着するものと考えております。 以上でございます。 ―――――――――――――
○委員長(高橋雄之助君) それでは、これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○秦野章君 いまのロッキード事件についての資料の要求をされて、政府に資料が入ってくるという問題なんですけれども、これは政府委員で結構ですが、資料の入手のルートといいますか、それはどういうことになりますか。
○政府委員(山崎敏夫君) 資料の入手に関しましては、外交ルートを通じて要請いたしております。したがいまして、外交ルートを通じて米側から正式に回答がございまして、その中に資料が含まれておればこれは公開するということになります。また、米側からの回答に先方の条件がついていたければ直ちに公開する、こういうことでございます。
○秦野章君 公開問題はまたあとであれするとして、その入手のルートですね。新聞によると、法務省の係員が行くとか、そういう問題もあるけれども、これは全部外交ルートで、外務省が集約して入ってくるというふうに理解していいんですか。
○政府委員(山崎敏夫君) いまのところ、外交ルートを通じて要請しておるわけでございます。いままで入ってまいりましたものは外交ルートを通じて来ております。 それから、いま法務省の係官云々という話がございましたが、これについては外務省としては特にコメントする立場ではございませんが、先ほどほかの委員会でもこの点について御質問がございましたけれども、これは主に捜査官の派米に関する問題に関してでございます。
○秦野章君 そうすると、アメリカに要求する資料ということの中に、捜査官か――これは捜査官も日本の政府ですから、捜査官が入手する資料というのは入らないということですか。
○政府委員(山崎敏夫君) 捜査官が仮にアメリカに参りまして、関係者から直接証言を――証言といいますか、先方の事情を聴取いたしましたときは、これは捜査の問題として取り扱われるものと存じます。
○秦野章君 それはもちろん捜査の問題として取り扱われるんだけれども、向こうの政府の協力を得て捜査官が資料を得る、そのルートは、政府がアメリカに要求している資料とは別だと、こういう理解でしょうか。
○政府委員(山崎敏夫君) まだ捜査官の派米という問題も具体的になっておりませんし、その点につきましてはわれわれとしては何とも申し上げかねるわけでございますが、われわれとしては、いま外交ルートを通じて資料を要求しているということだけを申し上げさしていただきたいと思います。
○秦野章君 外務省の意見ということよりも、私は政府がアメリカに資料を要求するという意味は、捜査資料であろうが何の資料であろうが、ロッキード事件に関する資料すべてがアメリカに要求した資料だと思うんですよ。これはいまのあなたの立場の答えとはちょっと違うかもしれませんけれども、大臣、閣僚懇談会その他の政府統一の立場で理解されているところでは、私が言ったような意味は間違っているかどうか、つまり、資料をアメリカに求める、このロッキード事件について資料を求めるというその資料の範疇、資料の中には、行った人間がたまたま法務省であろうがあるいは出先の大使館であろうが、そのことはともかくとして、やっぱり考え方としては入るんだろうと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましての基本的な政府の態度は、三木総理大臣が述べておられますとおり、わが国が提供を受けた資料については、もしも米側に条件があった場合はそれとして、わが国としては基本的に公開をするというものでございます。もう少し平たい言葉で申せば、いわゆる政治的な顧慮というものはその間にはしない、米国にも求めないというのがわが国の基本的な方針でございます。将来の問題といたしまして、ただいま秦野委員が言われましたように、いわゆる捜査当局が先方の捜査当局から資料の提供を受けるということは考え得る――現在ございませんけれども、考え得る事態かと存じますが、この場合には、捜査当局が本件解明のためにどのような見解を有せられるかということは、具体的にその段階において捜査当局の意見あるいは考えというものをあるいは表明せられることがあり得るかもしれません。ただいまのところ、そういう事態には立ち至っておりません。
○秦野章君 捜査というか、いま資料要求という問題の中で、政府高官名が入っているとか入っていないとかということが問題になっている。この場合、そもそもロッキード事件の発端から考えて、要するにブラックマネーが流れたということでスタートが切られているから、そこで政府高官名ということになると、まあ常識的に見て、要するに汚職になる可能性といいますか、そういうものを含んでいるわけですよ。だからこそこれを徹底的に究明して、汚職になるものは刑事事件としていこう、これが政府の姿勢だと私は思うんです。政府の姿勢として徹底的に究明していこうと。そういうことになると、この際、そういう意味で資料要求しているということは、要するに広い意味で犯罪の疑いというものを、まあ国民もそう思っているだろうし、それから行政当局も広い意味で臭いと、要するに、いうならばね。臭いという立場で資料を見るという、そういうことだと思うんですがね。だから、政府高官名が入っているか入っていないかということがそもそも問題になっているのは、そういう意味で問題になっているんだから、私はアメリカに資料要求したその資料というものは、一応、特に人名などという問題については、臭いかもしらぬということで、やはり徹底的に捜査当局、検察当局がおやりになるというのが姿勢ではなかろうかと思うんですが、これは間違っていましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 全く仮定の問題でございますが、いわゆる政府関係者の名前が――三木総理大臣はその書簡の中において、そういうものがあればそれを含めて提供を受けたいということを言っておられるわけでございますので、仮に、全く仮定の問題といたしまして、そのような氏名が大統領の書簡という形でわが国に寄せられるというようなことが仮にございました場合には、私どもは、大統領の書簡は先方の了解を得ました上で要旨は公表をすべきものと、これが総理大臣が言っておられる大原則でございますから、そのように考えますので、仮にそのようなことが起こりました場合には、これはやはり公表すべきものというふうに考えます。それ以外の方法においてそのようなことが将来あり得るかもしれません。まあそのような問題につきましては、ことに秦野委員は深い御経験もお持ちでございます。ただいま言われましたことは政府としても十分に考えてみるべきことであろうかと存じますが、ただいまのところそのような事態に立ち至っておりません。
○秦野章君 私がいま申し上げたようなことで資料を要求し、資料が来る。その中に政府高官の名前が入っているということもあり得る。しかし、政府高官名が、名前が入っているということは、これはやっぱり徹底的に刑事事件の疑いを持って捜査するという決意が政治姿勢だと、こう理解するならば、問題は、まあ私も正直言って、チャーチ委員会――まあ議会の証言が全部一〇〇%真実だというのも言い切れない問題があるだろうと思うんです。あるいはまた、その議会の証言以外の資料――日本の国会の証言を見てもどっちが真実かわからぬようなものもありますから、なかなか真実の追及というのはむずかしいんだけれども、しかし、それにもかかわらずそういう角度で資料というものを徹底的に点検をし調査をしていく、そういう決意であるならば、その際問題は二つあると思うんです。 一つは、要するにいま資料収集の段階ですから、収集の段階ですから資料はなるべく行政当局に収集させなきゃいけない。それにある意味においては各行政機関も協力をするという形だと思うんですけれども、収集の途中でございますから、本当は公訴提起に至るまでのものになるかどうかまだわかりませんけれども、しかし、仮定の問題だからといっていいかげんにはできない。これはやっぱり徹底的に前向きの姿勢で追及していく。そうなっていったときに、犯罪として確定できるような状況になるのか、実はやってみたがまるっきりそうではなかったということになるのかは、やはり調査をしてみにゃわからぬわけですね。まあ見ただけでわかるものがあるのかどうか私もわかりませんけれども、そうなると、二つの問題というのは、一つはこの捜査の目的をどうしても達成させるという行政当局、行政府の決意というものを当事者にやらせる、目的を達成しなければならぬ。その達成するに当たっては、資料収集の段階でこれを公表するということが、原則が公表だということが果たしてうまくいくかどうかという懸念をちょっと私は持つんですね。 それからいま一つは、要するに、人名の公表というものが、下手をすると社会的な殺人というか、そういう危険というものもある。そのために、国会でつくった法律では、秘密を守れとか、公務員の義務とか、刑事訴訟法の捜査上の秘密の義務というものが――国会がつくった法律でそれを決めて、その法律を守るということは行政当局にとっては憲法上の義務なわけです。しかし、それにもかかわらず、そういうものに政治が優先して、そういう丹念な、入念なことをやる前に公表ということがあるというならば、それはまさに政治優先で、行政の二つの目的を崩してもいいということにならざるを得ないと思うのですよ。 二つの目的を崩しても――たとえば特に一つの目的、臭いのだから社会的に葬ってしまえという考え方もわからぬではない。そういうこともあってもいいのかもしれませんが、しかし、その場合にも、なおかつ、その社会的に葬るに足る不道徳というものはやっぱり相当詰めなければ、事件にはならなくても、その事実を詰めるという必要は、やはりあくまでも必要だろうというふうに私は思うのですけれども、そういうようなことから考えますと、少なくとも捜査は公開が例外で秘密が原則なんです。公開してもいい捜査もあるわけですよ。たとえば資料が集まってしまった、それは人権とかなんとかいうけれども、やっぱり社会公益の方が大事だということで、何も公訴提起にならぬ前でも幾らでも名前が出るわけです。だから私は、そういうこともあるのだけれども、しかし、その捜査段階というか、そういう調査段階ではやはり原則は公開じゃないと思うのですね。 それから人権の問題も、どうしてもこれはやっぱり被疑者といえども人権があるということは考えなければならぬが、そこらの兼ね合いがありますけれども、総理が言われる、アメリカの条件を除けば原則は公開だということをその間どういうふうに調節して理解したらいいのか、私にはちょっとわかりにくいので、大臣にお尋ねをしたいと思うのです。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは実は、捜査に関係のある、それを監督せられる閣僚からお考えになられる方が御満足のいくお答えになるのではないかと存じますけれども、確かにこのような疑惑を徹底的に解明いたします道は、私は最終的には司直の手によって行われることが最も適当であり、国民が納得するゆえんであるという点は、そのとおりだと思います。したがって、そういう観点からいわゆる捜査上の必要というようなものが生じてくることは考え得ると思いますし、また、第二点として秦野委員が指摘せられました人権の尊重ということも、どういう場合にも忘れてはならぬことであると言われますことも、ごもっともなことと存じます。 この問題につきましては、政府はロッキード問題関係の閣僚懇談会を設置いたしておりますので、将来の段階におきまして、ただいま秦野委員が言われましたような考慮がどうしても必要であるということになってまいりました場合には、恐らくは捜査を監督せられる立場にあります関係閣僚から、何らかの御発言がその協議会においてあることがあるかもしれません。その場合には、協議会においてそれは協議をすべき問題であろうかと存じます。しかしながら、ただいままでのところ、そのような段階には事は至っておりませんし、また、そのような御発言も現在までのところはございません。
○秦野章君 資料にアメリカが条件をつけてくれはそれに従う。この条件の中には――アメリカでは現在、裁判所とか国会の委員会とか、あるいは国務省とか、それぞれ機関があるわけです。いずれの機関にしても、アメリカ側が条件をつけてきたらそれに従う、こういう予算委員会の総理の答弁なわけですが、それは資料をもらう方ですから、下さい、下さい言うのですから、条件つけると言えば条件つけてもいいから下さいということで、もらう方は弱い立場で条件には従う。これはよくわかる気もするのだけれども、問題は、引き渡すことに条件をつけるという条件と、公表をするための条件とは必ずしもイコールではないだろう、こう思うのですが、これいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 米国の証券取引委員会の委員長が、証券取引委員会の資料をわが国に提供する、しないという問題との関連で、公の席上において、証券取引委員会としては、ただいま言われましたようなある種の、証券取引委員会の立場から確保したい幾つかの条件があるということを言われたことは承知をいたしております。しかし、実は、米国政府として、私どもは政府の立場からこれを聞いてはおりませんのが現段階でございますから、したがいまして、仮にそのような条件というようなものが米国政府の立場から提起せられましたときには、仮にそういうことが起こりましたときには、われわれとしてそれを検討をいたすということになろうかと存じます。 検討と申し上げます意味は、米国とわが国では司法制度等々いろいろ相違が当然に私はあると存じますので、わが国の制度そのものを米国が熟知しているとは考えられません。したがいまして、われわれとして米国が仮にそのような条件を必要とすると申します場合には、十分それはわが国に適したものでなければならないということは私は明らかであろうと存じます。
○秦野章君 いま大臣おっしゃるように、わが国で十分検討するということの中に、検討してみた結果、アメリカのつけた条件について、日本として見て、これはまた公表の問題についてはこう考える、こうしたがいい、ああしたがいいというような自主的な立場で意見がもしあれば、それはまた条件をつけてきても、その条件そのものについて交渉する余地というものはあるという意味において条件は検討の余地があると、こう理解していいですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理大臣が過般、もしアメリカに条件があれば云々と言われました意味は、仮にアメリカが仮定の問題として条件を提示いたしましたときに、それにそのままわれわれが従うという意味では私はないというふうに了解をいたしております。すなわち、アメリカが条件として提示している基本の思想においてわれわれが仮に同意であるならば、それを具体的にどのような手法の上にあるいは捜査の上に具体化していくかということは、これはわが国に即したものでなければ無意味でございますし、また、われわれが同意すべきものでもない、これはもう至極当然のことと私は存じますので、仮定の問題でございますが、もしそのようなことになりましたならば、それは当然わが国としてはわが国の考え方というものを実現をしなければならない、これは当然だと思います。
○秦野章君 いまのお説は私も非常によくわかってきたんですけれども、予算委員会の答弁というのは、どこまで綿密と言えばいいかという問題はあるかもしれませんが、要するに、条件がついてくれば従わざるを得ないし、条件がなければ速やかに公開する、こう端的におっしゃっているものだから、いま宮澤さんのおっしゃったような方向なら私も理解できるけれども、そこにちょっとニュアンスの違いがあるというふうに、これは一般も思っているし、私自身もそう思っているので、この問題は外務大臣だけの問題じゃありませんからこれ以上あれしてもと思いますので、これでやめますけれども、いずれにしても、要求された資料が日本に入ってきた場合には、別にほかに使うというよりも、この資料をもとにブラックマネーの行き先を追及する、役人なら汚職になる、官職があれば汚職になるという問題ですからね。いろんな、政治資料は一遍に公開してもいい。政治資料とそうでない資料とそれはあるかもしれませんけれども、大半がそういう疑いを持たれている資料だと私は思うので、どうも端的に公開だと、条件があればそれに従うんだということは、そういう説明というものは国民に多少の誤解を招く危険があるというふうに私思うんですけれども、これは答弁は結構ですけれども、どうか閣僚懇談会その他で十分ひとつ統一した見解が欲しいと思うんですが、最後にひとつその点について。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理大臣が予算委員会で言われました言葉をもう少し平易に申しますと、横文字で申しわけないわけですけれども、総理大臣は公表が原則であると、アンコンディショナルに原則であるとまず言われまして、しかし、もしアメリカ側に何かの条件があったときにはそれはコンディショナルになるかもしれませんということを言われたのであって、コンディションの内容を向こうの言うとおりにすると言われたのではないというふうに私は考えておるわけでございます。全く仮定の問題でございますが、条件というようなことが起こりましたときには、当然関係閣僚協議会において十分に検討を重ねなければならないことはもう明らかと存じます。
○秦野章君 重ねて、条件に関連なくても、日本独自の立場でこの問題は善処していく問題だと思うので、何としてもやっぱり非常にむずかしい目標でございますけれども、事件を解明し、それから臭いものはやっぱり取り除くという法律的な扱いと、一方において人権を尊重するというこの易いは、非常にむずかしい問題ですけれども、両君の目的を達成しなきゃならぬというふうに私は思うわけです。 それから、このロッキード問題に関連して、このコーチャンの証人喚問というのが衆議院の予算委員会であったわけですけれども、これは外交ルートを通じてアメリカに接触をして、結局証人喚問は実現できなかったんですけれども、この外国に在住する外国人を証人喚問するということが、法的には、つまり召喚それ自体についてすでに半強制力で法律はできていますけれども、これは不能犯ですね。それから、仮に日本に本人がうんと言って来てくれて証人台に立って、うそ言ったら罰せられるよ、承知だと、こう言って立っても、この有効な処罰というものができるかどうかということについてもやや疑問がある。そういう法律論はともかくとして、外国に在住する外国人を証人喚問というスタイルで臨んだということについて、私はいささか節度を欠いた姿勢ではないのかという感じがするんです。 と言いますのは、沖繩返還のときに、あの一年前に、衆議院に沖繩の人を証人喚問しようという問題が出たときに、潜在主権もあるから証人喚問でいいじゃないかという議論があったときに、いろいろ衆議院の皆さん折衝した中で、施政権はないんだから参考人で来てもらうんだということで参考人の例になったことがあるんです。 それで、これはコーチャンがよけいなことを言ったから日本はひどい目に遭ったんだというようなことで、コーチャン出て来いというような気分があったかもしれぬが、それは私は、やっぱり金をまいた者も悪いけれども、もらった方が悪いんで、そういう倫理観の上にこの問題を見なくちゃいけない。そういうことから見ても、証人喚問だ、外国にいる外国人にそういう姿勢というものは、大変国際的なデリケートな関係においてはやるべきものではない。どこの国にもそういうことができるかと言えばそれは無理だろうと私は思うんです。無理と言うか、おかしいと思うんですよ。ところが、その問題は国会がやったんで外務省がやったんじゃないんだけれども、しかし、外務省の外交ルートを通じてこの問題をさばかれるわけですから、どこの国にもそういうことができるとは私は思わないんだけれども、また、そういうことをすべきでない、する必要もないだろうと思うんです。特に、コーチャンの場合はアメリカの議会ですでに証言台に立っていますから、日本に来てそれと違ったことを言えば向こうで罰せられるんですから、そういう意味から言っても、私は参考人で来てもらって存分にしゃべってもらうことの方が実際的にもいいし、どう考えてもこの問題はおかしいと思うんだけれども、これ、外務省の問題じゃないようなものの、外交ルートを通じ、それから外交折衝という過程でこの問題をさばいていくということにおいて、外務大臣のひとつその所見をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 現実にこのたび衆議院予算委員長から、わが国の外に住んでおりますところの外国人に対して、議院証言法による証人として出頭を求めたいので、その間の問題について外交ルートにおいて努力をしてほしいという御依頼を受けたわけでございます。 衆議院におかれて法に反した依頼を私どもになさるわけもございませんし、また、そうでありましたらお受けをいたすわけにもまいらないのでございますけれども、もちろん、衆議院として適法にこのことを私どもに御委託がございました。私どもとしては、忠実にその御意向が実現いたしますように努力を過去においていたしましたし、また、現在改めてそのような御要請を受けましていたしておるところでございます。 私どもといたしましては、まず、米国政府の同意というものを求めることが相当であると考えまして、その都度、米国政府に具体的な同意を要請をいたしまして、同意が得られました段階におきまして、御本人に対して衆議院の意思を伝えるということをいたしております。もとより、その際、これは御本人の同意が得られるならばという趣旨であるということは申してございます。なお、本人がこれについて出頭の意向を仮に表明された場合には、本件についてのわが国の法制等々はその段階で十分に改めて説明をいたしまして、その上で来日を求めるということになろうと存じます。 なお、これは申すまでもないことでございますが、私どもがやっておりますのは議院証言法に基づいて衆議院議長から発せられるべき出頭要請を私どもがいたしておるわけではございませんので、日本に来られましたときには、そのような出頭要請通知が発せられることになるという前の段階として、本人が日本に来る意向を有するか否かということについて確認をする、そういう部分の依頼を私どもは受けておる、かように考えております。
○秦野章君 確かに手続としては、いきなり証人喚問というわけじゃなくて、日本に来られるかどうかというそういう確認の上に立って折衝されたと、それは当然だと思うんですけれども、しかし、証人喚問ということで国会がまず決めて、そして外務省がその橋渡しというか、通告をおやりになる。ただ、外交折衝ということになると、やっぱり外交なんですから、外交は政府に属するんですから、しかし、衆議院が、国会が何決めても、それにはもういやおうなしに従わざるを得ないんだと、それもわかるんだけれども、政府に属する外交権の立場で、私は正直言っていきなり日本人と同じように証人喚問だと言って、何というか、大きな姿勢をとるという必要は毛頭ないのにそういう姿勢をとっている。それとバランスが合わぬのは、鬼という人がアメリカの国籍で日本におって、これを召喚するのに外務省は通告をアメリカにしているようですね。こんなのは必要ない、日本におるんだから。これは全くよけいなことで、日本におる外国人でこれは日本の主権に従うのはあたりまえだから、これは私は通告すら必要ないだろうと、こう思うんですよ。 昭和三十年代に都留さんが客員教授でハーバードに行っておるときにアメリカの国会の証言に呼ばれまして、そのときに国会で問題になって、日本に何の通告もなくして証人に呼んだというような問題になって、私は外務省の釈明も聞きましたけれども、あれは都留さんをアメリカが呼んだんだ、アメリカが呼んだ人だからということであったかと、そういう意味がちょっと込められておったと思うんですけれども、鬼という人の場合なんかは全く日本が呼んだわけじゃないし、自分で商売で来てたんでしょうから、それとのバランスから考えても、バランスというか筋をすきっと考えた場合に、節度として、外国におる外国人を、どこの外国人でも証人喚問というような方法でやることは、やっぱり悪い意味の日本的な心情が働いているような感じが私はする。もっとやっぱり国際関係というものはデリケートでもあるし、そこに国際礼譲と言いますか、そういうものがあってしかるべきだという気がするので、これは外務省は、衆議院のやったことですから何でもやらざるを得ないという立場で、批判はできないでしょうけれども、しかし、外交は政府に属する、その政府に属する外交の中で消化するんですから、外務大臣も衆議院議員だから、衆議院のやったことはあんまり批判できないかも知らぬが、やっぱりちょっとおかしいと思うんですよ。それ、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 鬼氏に対する出頭要請につきまして、米国政府に了解を求めたことは事実でございますが、これはコーチャン氏と、米国在住者に関して求めた要請とは厳格に申しますと意味合いが違うと考えております。すなわち、念のためにと申しますか、純粋に法律的に申せば、米国政府が了承しないという場合にも国際法的には出頭要請が可能であるということを踏んまえつついたしたものでございますので、両者の間に相違がございますことは事実でございます。 今回衆議院がいわゆる証人として喚問をされたということは、いろいろ衆議院のお考えから出たものであろうと存じますので、政府といたしましてそれについて意見を申すべきことではなかろうと存じます。
○秦野章君 すると、どこの国民に対しても、そういうことを衆議院がやれば外務省は、はいそうですかと言っておやりになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは厳格な意味でどうであるかということにはいろいろ議論があろうと思いますが、いわゆる憲法で定められておる外交権の範囲の出来事であるかないかということにつきましても何がしか問題があろうと思いますので、衆議院のそのような要請について政府としてなし得ることをしたというふうに私は考えておるわけでございます。
○秦野章君 話を変えてお尋ねをしたいと思うのですけれども、例のソ連の今度の党大会のブレジネフ演説の中の領土問題についての発言について、外務省は代理大使に注意を喚起されたということはわかりましたけれども、あのブレジネフ演説を見てみますと、何かほかの者にそそのかされて日本の一部の者が領土の不法な要求をしている、こういう言葉になっているんですね。そそのかされて不法な要求をしている。そそのかされなければ不法の要求じゃないのか、そそのかされたところに問題があるのかないのか、そこらがちょっとひっかかるところなんですけれども、単に北方領土要求というものは不法だとは言っていない。その辺のところは、この前のグロムイコ会談のときに領土問題を交渉継続の線に持っていかれた努力というものは決して死んではいないと私ども思うし、またそれでなければ困るし、まさに領土問題は日ソ両国の問題として今後本格的にやはり取り組んでいかなければならない問題であると思うのでございますが、いまのそそのかされ云々のところを、私はその文章を見て、日本の政治家が北京に行ったときに、しばしば向こうとの会合の中で領土問題を話題にのせているという新聞報道があるわけです。多分そんなようなことも言っているだろうと思うのだけれども、少なくとも、領土問題は二国間問題なんだというふうな理解を、たてまえというものをやっぱり貫いていかないと、非常にこの領土問題そのものをむずかしくもするし、外交の節度と言いますか、そういうものから言ってちょっと困るのじゃないかというふうに思うのでございますが、これは与野党問わずの問題なんだけれども、野党さんがおやりになることはとめるわけにもいかないし、困っちゃうんだけれども、領土問題というものは非常にむずかしいし、人類の過去の歴史の九〇%は領土問題が原因で戦争もやっているくらいなんですから、非常にむずかしい問題なんで、少なくともたてまえは、北方領土問題は二国間問題なんだというふうにやっぱり徹底して取り組むということは非常に大事なように私は思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この点はまさしく秦野委員の言われますとおり私も考えておりまして、これはあくまで日ソ二国間の外交交渉によって解決せらるべき性質の問題でございます。ブレジネフ書記長が第三国の教唆云々ということを言われたようでございますが、わが国はそのようなものによってわれわれの主張をしておるわけではなく、また、したがいまして、ブレジネフ書記長は事態を正確に理解していないというふうに申さざるを得ないと思います。
○秦野章君 そうしますと、ブレジネフ演説の領土問題の日本の要求は不法な要求だと言っているけれども、その不法な要求だという、頭にそそのかされているという文句があることで不法な要求になっているんだと、必ずしも不法な要求じゃないんだと、こういう理解でいいんでしょうね。それでないと、いままでの交渉が死んだことになっちまう。そういうふうな信念でいくべきでもあるし、向こうはそう多分理解してやっているであろう。これは代理大使を呼ばれたときの感触その他を込めて、そういうふうに理解していいですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その問題につきましては、私自身が幾たびか交渉いたしておるわけでございますが、少なくとも先方は、この問題はすでに解決済みであるとか、あるいは日本の主張は法律に照らして誤っておるということを申したことは一回もございません。本件については所見を異にするということはしばしば申しておりますが、前のようなことは申したことがございません。したがって、そのような意味で不法であるとブレジネフ書記長が言ったとは私は考えないのでございます。
○秦野章君 結構です。どうもありがとうございました。
○戸叶武君 アメリカの上院外交委員会の多国籍企業小委員会におけるロッキード社のロッキード商法なる国際的スキャンダルが暴露されてから、ちょうどきょうで一カ月経過しております。この問題は、米国及び日本にとって当面した最大の政治課題であります。衆議院の予算委員会に次いで参議院の予算委員会でもこの問題は大きく取り上げられるでありましょう。しかし私たちは、いま日本にとって大切なのは、外交防衛に関して統一された見解が政府の中に確立されなければならないということであります。今回外務省のロッキード問題にかかわる資料入手の手続等は、先ほど説明があったから大体了解することはできました。しかしながら、二月四日以降の米国上院の多国籍委員会の証言その他の資料提供をめぐって日本政府はどのような手続をとり、どのような公文書を向こうに渡しているか。その資料をぜひとも私たちは参考として入手したいと思うのであります。 その一つの理由は、いままでこの問題と政府は取り組む政治姿勢の中において、最初においては、三木首相の見解と宮澤外務大臣の見解とに若干相違点があったようであります。その当初の相違点はどういうところにあったか。後日、お二人は話し合って大体一致点を見出したようでありますが、その一致点を見出した点はどういうところか。この問題は今後長く尾を引く問題でありますから、参考のためそれをまず承っておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本件につきましての米国政府に対する資料提供の要請に際しまして、日本政府は受領した資料はすべて公開をする方針であるということは、実は私が当初から特に現地に訓令をいたしまして、はっきり述べておくようにと言って、当初からさように実は申しておったわけでございます。しかるところ、たまたまそのころに各党の議員の方々がこの問題でワシントンに行っておられまして、そのような政府の方針を聞かれまして、中で、日本政府の言っておることはひょっとして米国側に、与えるものはすべて公開しますよと言うことによって、かえって資料の提出を憶病にさせる結果になるのではないかという懸念を表明された方がおられまして、考えようによっては私はなるほどそういう考え方があるかもしれないということを思いまして、いっとき、ただいまおっしゃいましたようなことを私は確かに申したわけでございます。しかし、翌日、ロッキード関係閣僚協議会におきまして、この私の発言は、発言の表現及び時期等々から考えて不適当であるという結論になりまして、正式に否定をせられました。私はそのことはごもっともであると考えましたので、それに従った次第でございます。 したがいまして、その後、しばしば三木総理大臣が表明しておられますように、日本政府は原則として公開という立場で臨むというのがただいまの政府の方針であるわけでございます。
○戸叶武君 まあ、一面はそれで真相が語られている向きもありますが、しかしながら、三木首相がフォード大統領に対して親書を寄せたということの段階において、その事前に宮澤外務大臣は一言もそのことに関して相談にはあずからなかったかどうか、それをお尋ねします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 両院の決議が行われました際、総理大臣が決議伝達に際して自分の親書をフォード大統領に寄せるということを衆議院で言明をせられました。このことについては、事前の御相談は受けておりません。
○戸叶武君 衆議院の国会の動きも、議会の子と言われて長い経験を持っている三木首相でありますから、十分キャッチして、あのタイミングを外さなかったと思うのでありますが、三木親書をめぐっては、三木首相の独断行為であるというような批判も自民党の中から出たのは事実だと思います。特に、外務大臣が存在するのでありますから、三木首相と外務大臣との間がぴたっと意見が一致していたならば相談の必要もないし、また、意見が非常に違った場合は、相談してもこれは容易ならぬというので相談しない場合もあると思いますが、そのどちらでありますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 両院が決議をなされまして、その段階におきまして、これは両院におかれても異常な状態のもとに例のないことをされましたわけでございますから、その意味を重からしめる目的もあって、総理大臣が親書を発出してこれを伝達するという方法に出られましたことは、私はきわめて適当なことであったというふうに存じております。総理大臣がそのような発言をされましたということを聞きましたときに、私はごく自然に、しかるべきことであろうというふうに存じました。もとより、その親書の内容につきましては十分私どもにも御相談をいただいておりますし、外交当局の意見も採用せられまして親書が確定をいたじたわけでございます。 なお、総理大臣は、それにつきまして、その後、閣議においても発言をされ、閣議もこれを了承するという形をとっておられまして、その問題につきまして総理大臣のお考えと私の考えと少しも相違はございません。
○戸叶武君 それは話を開いていると、聡明なあなたが後からそれに同調したという形になっておりますが、三木首相としては、あのタイミングを外さなかったのはひとつの政治家としての見識で、総理大臣として全責任を持ってこの問題と取っ組もうという姿勢を示したものであると同時に、外交権を握っているところの政府、それは総理大臣において代表されるでしょうが、その中枢部にある外務大臣が、聡明であるから後でそうだということがわかったというのでは、火事が済んでから拍子木をたたくようなもので、余り私は見識はそこに躍動しているとは思えないのであります。これは大事をとってのことと思いますが、この三木さんの一つの見識の躍動と呼応するがごとく、衆参両院においての決議がなされたので、国会の決議は必ずしも先行したのではないと思うのであります。鐘が鳴るか撞木が鳴るか、鐘と撞木のあいが鳴るというふうに、打てば響く国会と三木首相との呼吸の合ったのは、その辺はやっぱり私は相当に評価してもよいと思うんです。 そこで宮澤さんに承りますが、アメリカにおけるあのチャーチ委員会の動きを見ても、アメリカ政府に対するウォーターゲート事件以来の国民の不信感というものを背景として、税を納めるところの市民を代表し、アメリカの世論を代表して、国民の代表としての国会が政府に向かって強力な批判発言を行っているという事実をわれわれは見逃して、犯罪捜査当局のような考え方でこの問題を追及していては間違いだと思うのであります。やはり長期にわたる政権の壟断というものが、権力の集まるところに金が集まり、金が集まればそれが悪用せられて権力維持の権謀術策になることは、東西古今の歴史を見ても明らかであります。そういう意味において、いまアメリカの政府と日本の政府は、国民世論を背景として国会勢力によって批判を受けているという事実を、私は単なるこれはロッキード事件でなくて、その底流に流れているところの政権交代のルールが確立しないところに民主的な議会政治の運営はない。これがやはり前の山本権兵衛内閣を倒した事件以後における、六十二年ですか、経て、めぐりめぐってきたのだと思うんです。ですから、この問題をいままでの形式的な法理論よりも、この危機に当たってどういうふうに政治的に処置しなけりゃならぬかという、重大なやはり見識の躍動とリーダーシップが必要とされるのであります。それはあなたも御承知のとおりでありますが、いまロッキード汚職は、政界、財界あるいは軍部までもひっくるめてのスキャンダルとなっていることは、オランダや西ドイツやイタリアの例を見れば明らかであって、日本はそれ以上に、これを真相を発表すれば、政府の高官名を発表すればえらい変動が、政治的異変が生まれるというような一つの危機感の中にいま包まれておるのであります。 で、あなたにお尋ねしますが、これほど世界的な規模において火が燃え盛っているのに、これが秘密保持ということが可能かどうか、あなたの聡明さにおいてこの見通しを承りたいのです。どんなに政府権力を持ってこれを秘密にしようと思っても、天が見ております。われが見ております。天知るわれ知るでありまして、これは必ず真実というものは私は長いことを待たず伝わってくると思います。そのときに、これが真実だと発表するのがいいのか、それまで押さえていくのがいいのか、そうして世論を激発させていく方が、内閣が崩壊するにおいては、シーメンス事件のようにこの方が効果が上がるかもしれませんが、そこらのところどういうような見通しを持っておりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これにつきましては、三木首相がフォード大統領あての親書の中に明らかにされておるところと存じます。すなわち、三木総理大臣は、本件を徹底的に究明することが必要であって、その結果、わが国の政治が傷つくということはあり得るかもしれない。しかしながら、日本の民主主義はこれに耐え得る強さを持っていると自分は信ずるし、また、それによって日本の民主主義はさらに進展をするであろう、日米関係についても、ひいてはそのことが真の日米関係を増進する上に役に立つと自分は考えるということを述べておられまして、このような指針に基づきまして、私どもは本件の究明に努力をしておるわけでございます。また、このような三木首相の考え方に対しまして、フォード大統領がどのような考え方を示されますかは、返書を受け取っておりませんので正確には申し上げかねますけれども、従来、先月の四日以降この問題について私どもが米国政府と接触しておりますことから判断をいたしますと、米国政府においても、基本的に三木首相の書簡に示された物の考え方に同意をしておられるものというふうに私は存じております。したがいまして、この問題が日米間において、いわゆる覆い隠されてやみに葬られるというようなことはあってはなりませんし、また、そのようにはならずに、事態の徹底的な解明が行われるものというふうに考えております。
○戸叶武君 御承知のように、あのシーメンス事件が起きたのは、大正三年一月二十三日における島田三郎さんの外電朗読しての衆議院の予算委員会での演説だったと思いますが、あの事件と今度の事件は非常に似ております。しかし、あのときに山本権兵衛は賄賂は一つも取っておりません。剛直な人です。しかし、シーメンス事件から発火して、海軍の中将や少将や大佐あたりが軍艦を食べたり、船橋の海軍の無電施設を食ったりしたのがだんだん明らかになったのであります。この問題が非常な険悪な世相を誘発させたのは、このスキャンダルに対する国民の怒り、国民運動に対する憲兵や軍隊や警察を使っての弾圧が民衆の抵抗力を誘発させて、一カ月後には山本権兵衛内閣は崩壊してしまったのであります。ひいきの引き倒しというのはこのことでありますが、真実を求める国民の声、これを抑えようという政府権力、政府は、自民党内閣のいままでやったことだから何とかしてここらでこれを抑えていかなければならないという気持ちもわかりますが、政府を乗り越えて衆議院、参議院が決議をなしたということは、異例中の異例であります。きょうのテレビを聞いておりましても、アメリカの方で、三木首相の要請もあり、国会におけるところの意向もあり、国民の要請いかんを十分に見きわめて善処しなければならぬという形において一歩前進しております。政府が秘密を、政府高官の名をアメリカから聞いてそっとしまって善処しようというのは、爆弾を抱えて自爆するに等しいのでありまして、政府が日本で持ったというときに、国民がそれを秘密にしておいてよいというような意向を示し得るものかどうか。国会の決議もあり、世論の圧力もあり、ウォーターゲートにおいて突破口を開いてアメリカの国会勢力が政府と対決しているときに、日本の国会は何という脆弱だか、日本の世論構成は新聞といい、あるいは国民運動といい、なぜ無気力かという声が必ず起きてきて、私はシーメンス事件以上の、安保闘争以上の激発がそこに起きる危険性があると思いますが、あなたはそういうふうなことに対して、三木さんは危機感を持っているようですが、あなたも三木さんにやや近いようだが、どのような御意向ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま戸叶委員がまさしく指摘せられましたように、この問題は、まだ歴史の浅いわが国の民主政治の現段階で生じました非常に大きな事件であるというふうに考えます。わが国も、この程度の民主政治ではありますけれども、それを維持するだけの国民的基盤を持っておるわけでございますから、やはり本件は国民に対して事実を明らかにして徹底的に究明をするという以外に解決の道はないというふうに考えておりまして、小手先で事実を覆い隠すというようなことはできるものでない。また、そのことは決してわが国の民主政治の発展のために役立つものでないというふうに考えております。この点は、先ほども申し上げました三木首相がフォード大統領あての書簡で述べられたところが、まさしく政府の本件に対します対処の基本方針であるということを申し上げることができると思います。
○戸叶武君 このロッキード事件は、岸内閣、佐藤内閣、田中内閣という以前の、二十年前のMSA協定から日本に送り込まれたので、二十年の歴史があり、ロッキード、グラマンの機種争いは十八年前においてすでに児玉も登場し、田中彰治などというマッチポンプも登場し、森脇メモなどという高利貸しの怪文書も乱発されたというような出来事があって、あの機種問題の決定並びにこのロッキードの価格問題のからくり、そういうものが当時、たとえば軍出身の異色な存在であったが、辻政信君なんかにおいてもはっきりと指摘されておるのです。 私は、辻君が余りこれを正確に言ったので消されたのではないかとまで見ているんですが、これは外務大臣も、あの変わり者であった辻政信君が昭和三十四年十一月十二日の参議院の内閣委員会でやった演説は、ここに時間がないから引用しませんが、読んでみて、あのような軍の中に育った人でも、あの売り込み合戦の黒い翼をながめながら、科学技術の発展が全面戦争や局地戦争も不可能にした時代、ロケット時代が到来したときに、莫大な金をかけて、アメリカで要らなくなったような戦闘機をなぜ買う必要があるのか、それよりは、やはり民生に金は使うべきじゃないかと言い、数字を挙げてこのロッキード商法を具体的に彼は摘出しております。問題は、この機種選定と価格決定の不明朗さにありますが、歴代内閣が、自民党内閣が共同の責任を持たなければならないし、今後もあることですが、こういう機種決定や価格問題に対してなぜ堂々とガラス張りで、軍事的なものには秘密がつきまといますが、あるところまで国民の前に堂々とやはり責任をもって処理できないのか。夜中の二時ぐらいに、夜中にアメリカから帰ってきた人の発言を聞いて、そうして二時間足らずでばたばたっと決めるというようなやり方は異常中の異常で、密室における不正が醗酵しやすい状態のもとにおいて国民の外交防衛のきわめて重大な問題が決められている。 ここいらに私は、今日はいろいろな意味において田中さんあたりにだけ、全部ニクソンや田中さんにばかりいろいろ問題が集まっているけれども、戦後におけるアメリカの軍需生産会社、いまでは航空機が重要になっているでしょうが、アメリカの戦略物資は一に軍用機、二に石油、第三に食糧及び飼料となっております。これらの戦略物資を使ってのいろいろなスキャンダルは一ロッキードだけじゃないと思います。今回チャーチ委員会で問題になった賄賂の背景には、ドルショック、ニクソンショック、石油ショック、アメリカがこのアンバランスな状態でベトナム戦争が長期にわたって非常な窮地を脱しようというところのもがきが背景になり、その中に軍需品生産会社やメジャーやあるいはアメリカの上層部とは断定できませんが、いま、もしアメリカ側で極端な条件をつけで日本の政府高官を発表できないとするならば、日本だけでなく、この問題はアメリカも絡んでいるから発表できないのじゃないかという疑惑を私は日米の国民に植えつけると思うのであります。 日米間における友好親善というものは相互信頼感があってこそ価値があるのであって、こういう権謀術策の中において、暗やみの中をあんまがマラソンやるようなかっこうで国民を置いたら、多くの人がこれは、この政治は直さなきゃならぬということを痛切に感ずると思いますが、他国のことに対しては余り言及しちゃいけませんが、日本みずからでも姿勢を正して、アメリカに物を言う前に日本自身はここで政治を切りかえていくという一大決意が必要で、外交防衛の重要問題を、政府に外交権があるからと預けておくことはできない、国民の手によこせという運動まで起きる寸前に私はあると思います。政治を、外交権を国民の手に、こういうような国民運動が、いままでの護憲運動とは違った政治不信に対する建設的な提案として出てくる危険でなくて激しい私は流れの音を、底流を聞いているのです。どうぞそういう意味において、三木さんもあなたも頼りげないように思われるところがあるが、なかなかしんの強い見識人のようですから、政治家の生命は見識です。どうぞそういう意味においてあなたの決意を承り、私の質問はこれで結ぶことにいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国政全般の立場から本件の処理をいかにすべきかという基本の指針につきましては、先ほども申し上げましたが、総理大臣が国会でもしばしば言明せられ、フォード大統領に対する書簡の中でも述べておられるとおりと思います。私どもは、その指針のもとに本件の解明に全力を挙げて当たらなければならないと思っておりますし、また、米国との関連で本件に関係をいたしております私ども外務省の者といたしましても、そのために最善を尽くさなければならないと存じております。 なお、外交権の問題についてお触れになりましたが、私どもは、文字どおり、国民の外交権を国民のために国民とともに行使をするという心構えで常になければならないというふうに存じております。
○田英夫君 私もロッキード問題について一、二伺いたいのですが、事件そのものを解明する問題については、私どもも国会議員の責務から調査を進めておりますが、この点については場所を改めて御質問をすることになると思いますが、本日は外務委員会でありますから、外交関係にまつわる問題についていま戸叶委員の御質問に補足をする意味でお聞きしたいと思います。 まず、一部の報道によりますと、日本政府とアメリカ政府との間で、いわゆるアメリカの資料の公表について非公式な話し合いができている。つまりその内容は、外交ルートを通じて恐らくフォード大統領の返書という形で資料提供はアメリカが原則として約束をする、しかし、実際のいわゆる政府高官の氏名を含めた内容は日本の捜査当局へのルートで伝達をする。したがって、これは公表されないことになる。日本側の捜査当局がこれに基づいて捜査をした結果、起訴に至る場合にはこれを公表するが、起訴できない場合は政府高官の氏名は一切公表しない、こういう内容の報道がありましたが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのような事実はございません。
○田英夫君 これは、先ほど外務大臣が秦野委員、戸叶委員にお答えになったことから、当然そういう事実はないというお答えが返ってくることを予想したのでありますけれども、現在、日本国民が最も注視をしておりますのは、いわゆる政府高官の名が果たして公表されるのかどうかという問題であります。三木総理は繰り返し公表が原則であるということを言われ、宮澤外務大臣も先ほどからそれを繰り返されているわけでありますけれども、にもかかわらず、アメリカの側から伝わってくる報道は、特にアメリカ政府の側の報道は非常に慎重だということです。証券取引委員長の昨日の議会における証言でも、条件をつけるという意味のことが出てきていると思います。条件をつけるということになれば、当然考えられるのは、その言葉からも、アメリカ側の捜査に、証券取引委員会の捜査に支障がない限りという言い方になってきている。ということになれば、日本側で勝手にといいますか、日本側の立場からこれを公表してしまうということには非常に障害があるだろうというふうに考えられます。アメリカ側のネックというのは、つまり、アメリカ側が障害としてそういう条件をつけなければならないと考えているのは、一体そもそもどういう点にあるのか。法律的な問題もいろいろ絡んでいるようですが、その点を簡単にお答えいただきたいのです。
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は、政府委員から申し上げることをお許し願いたいと思います。
○政府委員(山崎敏夫君) 現在、アメリカの行政府が持っております資料は、主として証券取引委員会にあるようでございまして、そこにおいて種々の調査が行われておるわけでございます。したがいまして、そういう調査段階において資料を日本側の強い要請に応じて出す場合には、どういう法律的な、また、行政的な問題があるかということを、種々の角度から検討しているようでございます。また、その点について国務省あたりとも協議しておるということはあるようでございます。そういう問題がございますので、われわれとしてもアメリカ政府の回答を待っておるのでございますけれども、いまだ正式の話は聞いておらない次第でございます。
○田英夫君 ちょうど山崎局長がお答えになりましたので、これはまあざっくばらんのところ、つまり政府といいますか、官僚という言葉は悪いかもしれませんけれども、そういう立場から、外務省の官僚という立場から、あるいは外交を行政的に進めておられるという立場から、こういう場合に政府高官という名前が伝達をされ、日本側で公表をされるということは好ましいことなのか、あるいは慎重に扱うべきだとお考えなのか、率直のところを、お気持ちで結構ですが伺いたいと思います。
○政府委員(山崎敏夫君) われわれは外交ルートを通じて政府の要請を伝達しておるわけでございまして、まあ正直な郵便屋としてやっておるつもりでございます。それ以上の考慮は一切いたしておりません。
○田英夫君 アメリカの側も、これはもう私どもは報道で知る以外にないのでありますけれども、たとえばキッシンジャー国務長官は非常に慎重な態度をとっている側だと思います。それからプロクシマイヤー銀行委員会の委員長は当初から非常に積極的に公表すべきだという意見を持っておりました。さらに、チャーチ多国籍企業の小委員長は当初は慎重であったものが、途中から非常に積極的になったようであります。概して議会筋は公表という問題について積極的であって、政府、特に国務省当局は非常に慎重であるという印象を受けておりますが、その点はどういうふうに受け取っておられますか。
○政府委員(山崎敏夫君) いろいろな報道がございまして、それぞれの立場に関しましては、われわれとしてもはっきりと把握しておりません。もちろん、米議会筋としましては、この多国籍企業の行動に関して不正な点があればこれをあばくという立場からやっておりますから、その入手した資料はできるだけ公開するという立場で臨んでいると思います。それの証拠としてチャーチ委員会において資料が公開され、さらにわれわれの強い要請に応じて二百ページ以上にもわたる資料が公開された次第でございます。他方、まあ国務省といたしましては、昨年十二月のキッシンジャー書簡にも見られますように、外交関係の考慮というものはもちろんいたしておるわけでございます。しかし、そのキッシンジャー書簡においても述べられておりますように、英語で申しますとプレマチュアーと言いますか、捜査がまだ完了していない段階における公表については外交上について慎重な考慮が必要であると思うという意見は述べております。しかし、絶対に公表してはならないというようなことはキッシンジャー長官も言っておらないのであります。他方、わが方としましては、一切の資料をわが方に提供し、そしてそれを公表することが日米関係にもいいのだ、また、それが民主主義の健全な発展のためにもいいのだという総理のお気持ちも十分アメリカ側に伝わっているわけでございます。したがいまして、現段階におきまして米国政府も日本側のその真意を十分理解して、自分たちの持っている資料をどういう形で日本側に伝達するがいいのかということを慎重に検討しております。向こう側としても、まだこの問題は調査段階でございますから、いろいろと先ほど申し上げましたように法律的、行政的な問題を抱えておるわけでございまして、検討がまだ終わっていないようでございます。
○羽生三七君 関連して、一問だけお尋ねいたします。 この問題について、アメリカの行政府あるいは議会の調査委員会から正式に発表はなくとも、マスコミがスクープをしてかなり信頼性のある形のものが発表された場合には日本の政府は調査をする、氏名が向こうから公表された場合ですよ、その場合に、日本政府としてはその当該人を対象として調査をするのかどうか、これは外務省にお尋ねする筋合いのものじゃないですが、常識論としてお尋ねをいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのようなスクープがかなりの信憑性と申しますか、裏づけを持っておるというふうに考え、あるいは何かのヒントになると少なくとも考えました場合には、捜査当局は当然それをもとに捜査をいたすものと私は考えます。
○田英夫君 そこで、去る二月二十七日に稻葉法務大臣が閣議後の記者会見で、この公表の問題に関連をして、アメリカ政府から日本政府並びに国会の要請にこたえて資料が渡ってきた場合にはこれは公表をする。しかし、日本の捜査当局の要請により、あるいはアメリカに派遣された日本の捜査当局の係官によって資料が得られた場合にはこれは秘密を守る必要がある、こういうことを言われているわけであります。これは先ほどの秦野委員の御質問にも関連をしておりまして、実は非常に当然のことのようにも聞こえるのでありますが、法務省の方がおいでになっていると思いますが、大臣がこういうことを言われたのは御存じですか。また、それは事実でしょうか。
○説明員(吉田淳一君) ただいま御指摘のありましたような発言がそのまま正確であるかどうかは私申し上げられませんが、それに関連した発言をなされたということは承知しております。
○田英夫君 つまり、国民が注視している、注目をしている政府高官の氏名が公表されるかどうかという問題、アメリカから伝えられ、それが公表されるかどうかという問題について、いま焦点になりますのは、政治的配慮からむしろ公表してしまうという、あるいは政治的というのは非常に高い意味の政治的な配慮、これは三木総理大臣の態度だと思います。これに対して捜査上の、行政府の捜査、それは国税庁の脱税捜査も含めまして、そうしたものが進められている段階で、捜査上の問題は秘密を守らなければいけないということに関連をして、アメリカからも捜査のルートできた場合には出ない、外交ルートできた場合には出る可能性がある、こういうふうに整理されてきたんじゃないかという気がいたしますが、そういうふうに考えてよろしいですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど秦野委員からも類似のお尋ねがございましたが、私は、このように整理をして考えておくべきではないかと存じます。 すなわち、米国から捜査当局間で資料の伝達があった場合という事態は、現実にはただいまのところ起こっておりません。したがいまして、法務大臣がそのように言われたということでございますれば、恐らくこれは将来起こり得べきいわば仮定の事態に対しての質問に対して答えられたものと存じます。ただいまのところ現実にありますことは、資料は外交ルートを通じて送られており、そうしてそれは公表をされるということが、三木総理大臣によって表明せられましたそれが唯一の指針でございます。しかし、仮の問題といたしまして将来そのような事態が起こりましたときには、これはやはりそういう新しい事態としてロッキード関係の閣僚協議会にそういう事態についての対処、いかに対処すべきかを捜査当局を監督せられる閣僚から協議会においてその御説明があり、そうして協議会においてその事態にいかに対処すべきかをそのときに決定すべきものであって、ただいま政府としては協議会あるいは閣議においてそのような決定をいたしておりません。田委員の言われますごとく、これが国内の事案であれば一つの常識であろうと言われますことは、私もそのとおりと存じますが、外国の関係においてそのような捜査当局間の資料のやりとりがあるということになりますれば、それをいかに扱うべきかは改めて閣僚協議会において決定すべき問題であろう、その決定がございません限りは、政府の方針は総理大臣が述べておられるとおりである、こういうふうに整理をしてお答えすべきかと思います。
○田英夫君 いまの御答弁、大変重要な問題だと思います。また、その意味で大変適切といいますか、そうあっていただきたいと願いたいところでありますが、もう一つ法務省にお尋ねをしたいんですが、報道によりますと、法務省の参事官、以前にワシントンに駐在された参事官がいま改めてこの問題のためにアメリカに派遣をされているということですが、これは事実でしょうか。
○説明員(吉田淳一君) それは御指摘のような事実がございます。法務省といたしましては、検事等の捜査官を米国に派遣いたしまして、ロッキード事件の関係人からその事情を詳細に聴取するということは、真相解明のためにぜひ必要な措置である、また、有力な捜査方法の一つである、こう考えておるわけでございます。しかし、それを実現するためには、関係政府の了解を得ることはもちろんのことですが、さらに、その関係人の面接についての同意を得る必要がございます。これは外国において行われるそのような場合には、任意のいわゆる捜査の方法しか取り得ません。法制上、いまの国際法上そういうことでございます。関係人の同意、承諾を得なければその面接ということは実現できないわけでございます。そういうこと、すなわち、検事等の捜査官の派米についての諸般の準備、そういうことで刑事局の係官を派遣しております。
○田英夫君 そうすると、近い将来にといいますか、近く捜査当局の係官の方がアメリカに行かれる、こういう段取りだというふうに理解していいんですね。
○説明員(吉田淳一君) ただいま申し上げましたように、相手方の何分同意承諾が必要なことでございます。そういう関係も含めまして、諸般の調整を鋭意行っているようでございますが、なかなか事情は困難をきわめているということのようでございます。 その見通し、その内容等については、現在の段階では、まことに申し上げにくいのでございますが、お答えするのはちょっとできない事情がございますので、お許しいただきたいと思います。
○田英夫君 現在ワシントンの大使館には、検察、警察から派遣されているアタッシェの方は別におられるわけですか。
○政府委員(山崎敏夫君) 現在のワシントンには、法務省及び警察庁からそれぞれ出向して、外務省員として、つまり大使館員として勤務しておる者がそれぞれ一名ずつおります。
○田英夫君 当然、新たに派遣された方と協力をしてその大使館員がアメリカの証券取引委員会なり司法当局なり、あるいはロッキード関係者なりとの接触を図っておられると思いますが、そういうふうに考えていいですか。
○政府委員(山崎敏夫君) 現在法務省の刑事局の係官が米国に行っておりますので、その便宜の供与はいたしておりますが、そういう話し合いは本省から行った者がやっておると了解しております。
○田英夫君 これは念のために、私は確かめたわけでありませんから、伝聞として、こういう席で申し上げていいかどうかわかりませんが、ワシントンの大使館に派遣をされているアタッシェの方が、この問題について行動、活動していない、大変不思議なことだという疑問を現地にいる日本の人が持っているということを聞いております。これはお調べいただいて、御答弁は要りませんけれども、私どもの常識では当然こういう場合には活動されるべき立場の方と理解をしておりますので、この点はお調べいただきたいと思います。 時間がありませんので、ロッキード問題はこの程度にしますけれども、最後に一言だけ申し上げたいのは、国会の立場から、つまり国民の側に立つ立場からしまして、今回はからずもあらわれました日本の商社を一つのパイプにする黒い金の動き、これはむしろロッキードが加害者であるかもしれませんけれども、先ほども話が出たように、受け取った側、そしてそれをキャリーした側も罪は免れないわけでありまして、責任は重いと思います。逆に、私どもは日本の企業が東南アジアや韓国で、アメリカの多国籍企業と同じような、その国の住民を圧迫し、不快感を招くような経済活動をやっているという事実を見逃すわけにいきませんので、この点については政府、これは外務省、通産省、監督される立場は複雑になるかもしれませんが、十分御配慮をいただきたいと思うし、また、国民の側に立つ国会の立場から、アメリカの議会のまねをするわけではありませんけれども、こうした問題を機会に参議院なら参議院に、日本の商社の海外活動に関する特別委員会というようなものを設けて厳重に監視をするという必要があるのではないかということを私は感じます。これは党の正式のルートで国会に御提案することがあるかもしれませんが、そういう気がしてなりません。 次の問題に移りまして、今月十五日からニューヨークで開かれます第三次海洋法会議の第四会期ですか、これの問題ですけれども、政府は、日本政府として十二海里の領海、二百海里の経済水域ということを正式に賛成されるのかどうか、断片的には報道されておりますが、この機会にまとめて正式にお答え願いたいと思います。
○政府委員(中島敏次郎君) お答えを申し上げます。 今次ニューヨークにおきますところの海洋法会議の会期に臨みます政府の方針につきましては、現在関係各省において協議を行っておりまして、ほぼその協議が終末に近づきまして、近く閣議レベルに上げまして御了解をいただきたいと思っております。そういう意味で、最終的に固まったと申し上げる事態ではないわけでございますが、従来から海洋法会議におきまして、領海の幅員の問題と二百海里の経済水域の問題、それに加えまして国際海峡における航行制度の問題と絡みまして、全体としてパッケージでそのコンセンサスをつくり上げるという努力が行われておりまして、いま申し上げましたように、政府の最終的態度というものはこれから御了解いただくわけでございますけれども、ほぼ従来からもその三つの問題をめぐってのコンセンサスには、方向として日本政府としてはこれを支持していくという考え方であるというふうに理解しております。
○田英夫君 これも一部の報道ですけれども、いま中島局長がお答えになった中に出てきた国際海峡の問題、これも当委員会でもしばしば議論をしてきた問題でありますけれども、最近の一部の報道で、津軽海峡については十二海里ということになれば全面的に領海の範囲になってしまうわけでありますが、今回の海洋法会議の見通しとして、その中央に一定の幅の自由航行帯をつくることになるのではないかとも言われておりますが、その一部の報道というのは、それとは別に、そういう形で海上は一定の幅の自由航行地帯を設けるとしても、上空は一切外国の軍用機の通航を認めない、こういうことに日本政府は考え、それを海洋法会議で提案をするという報道があるわけですが、これはいかがですか。
○政府委員(中島敏次郎君) お答え申し上げます。 国際海峡の航行制度の問題につきましては、領海の幅員が先ほどお話し申し上げました、ただいまの海洋法会議の動向として十二海里までの領海の幅員を認めるという形で大勢の意見が固まりつつあるわけでございますが、そのように三海里から十二海里まで拡張するということによって、公海部分が消減して船舶、航空機の航行の自由が制限されるということになることは、わが国が資源の輸入国として海上輸送に大きく依存しておるという基本的立場から見て、そのような事態は不適当であるというふうに考えているわけであります。 このような考え方に立ちまして、従来とも政府といたしましては、国際航行に使用される海峡については、一般領海に比してもっと自由な船舶、航空機の通航制度が確立されるということを支持するというのが方針で従来とも臨んできたわけでございます。そういう考え方に立ちますと、従来外国の航空機の通過が行われていないような海峡についても新しく通過を認めるということにはならないだろうというふうに考えているわけでございます。 ただ、先生御案内のように、現在海洋法会議において具体的な最終案が固まっているわけではなくて、むしろいわゆる非公式単一草案を基礎にしてこれから海洋法会議の論議が行われるということになりますので、今後具体的にどういうことになるかという点については、その具体的な動きをにらみつつ検討しておくということになるかと思います。
○田英夫君 公海が消滅する海峡について、その中央に一定幅の自由航行地帯を設けるという考え方は、特に米ソが軍事的な立場から非常に強く要求をしてきたことだと思います。また同時に、日本を含めて海上輸送を非常に重視する場合には、他の領域において、自国の付近だけでなくて、他の領域において航行が不可能になるような場合があってはならないという配慮から、やはりそういう要求も出てくると思うのですけれども、そういう自由航行帯が設けられた場合には、たとえばソ連の原子力潜水艦が津軽海峡を通るということは自由であるんだというふうにお考えですか。原子力潜水艦という言い方をさらに強めて、まあアメリカで言えばポラリス型、つまり核ミサイルを積んだ原子力潜水艦という意味に解釈を強めて伺った方がいいと思います。核積載の原子力潜水艦がその自由航行帯は通ることができるとお考えですか。
○政府委員(中島敏次郎君) ただいま先生から自由航行帯というお話があったんでございますが、果たしてそのような自由航行帯を認めるという形で自由な通航を許すという形になるかどうか、これはまさにこれから海洋法会議でそのコンセンサスをまとめていくということでございますので、果たしてその通りになるかどうかという点は、実は確定的な断定的なことで申し上げるわけにいかないわけでございます。ただ、従来政府が御説明申し上げておりますことは、国会で御答弁申し上げておりますことは、わが国といたしましては、領海の幅員が拡張されることによって公海部分が消滅するような海峡であって、かつ、国際航行に使用されている海峡については、わが海運立国の立場から、通常の領海におけるよりもより自由な通航制度が確立されなければならないという立場で、これは一つの制度でございますので、それがわが国近辺における国際海峡の場合であろうと、わが国の船舶が通りますところの外国周辺における国際海峡であろうと、区別はなく、一般的な制度としてできる、こういうことで会議は進んでいるわけでございます。その際に、その船舶が軍艦であるとか、タンカーであるとかいう区別を設けることになりますと、わが巨大タンカーの国際海峡における通航に支障が生じ得るということで、むしろ一般的には船舶全般についてそのような自由な通航制度が設けられるべきであるというふうに考えているわけでございます。
○田英夫君 端的に、いま大変遠回しに言われましたけれども、ずばり言えば、非核三原則があるにもかかわらず、自由航行帯がもし仮に設けられるということが国際的に海洋法会議で決定したならばそれに従うという形で、その自由航行帯は領海とは認めない、つまり非核三原則の適用外だと、こういうふうに考えたいということですか。
○政府委員(中島敏次郎君) ただいま私が御説明申し上げましたのは、海洋法会議がやっておりますところの海洋における新たな法的な秩序の確立ということで、そのために国際条約をつくる作業をやっておる。その場合に、いまのような国際海峡においてどのような通航制度がつくられるべきかという論議でございます。他方、先生の御提起されました問題は、わが国自身の政策、これは最高の政治的な政策だと思いますですが、そのような政策の問題でありまして、従来とも、その政策を総理以下もお答えになっておられますように、わが国の権限の及ぶ限りにおいて非核三原則は堅持するのであるということは従来からも政府はいろいろと答弁しておられるわけでございます。その政策をどうするかという問題は、新しい国際制度ができ上がったときにそれに照らしてどう対処するかということを決めると、こういう問題であろうと思っております。
○田英夫君 これは大臣からお答えいただきたいんですが、従来からこの問題は議論の対象になってまいりまして、いよいよ大詰めに近づいてきたということであると思います。さっき条約局長は、飛行機の通航の問題については直接的にはお答えにならなかったわけですが、いま私が申し上げたのは、国際的に、最終的には条約という形になるのかどうか知りませんが、国際海峡、公海が消滅した海峡でも中央には自由航行帯を設けるということが決定をする方向だということは常識的なことだと思います。それを待って、つまり一方的に領海十二海里を宣言しようとされた向きもあったようですが、それを実は待って、国際的にそういうことが決定するのを待っていこうということは、裏を返して言えば、非核三原則の問題について、事実上日本の領海とは考えられない状態のところがそこにできるんだから、そこは核を積んだ船も通ってしまうんだ、こういうふうに結果としてはなるんだ、そういうことじゃないですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま条約局長が非常に言葉を選んで注意深くお答えを申し上げたとおりでございますが、いま田委員が言われましたその航行帯と申しますか、実際はそこは領海ではないんだから云々と言われました、そこのところでございますが、海洋法会議が果たしてどのようなレジームのものとしてその部分を決定するかということがこれからの問題でございます。したがいまして、そのものが国際法上どのような性格を帯びるかということによりまして、わが国の権限がどの程度にそこに及ぶかということが決定せられるのであろうと思います。したがいまして、生ほど条約局長がお答えを申し上げましたようなお答えになろうかと思います。
○田英夫君 時間がありません。最後に最初の質問をもう一回繰り返すんですけれども、一部で報道された、結果的にソ連の飛行機が飛べなくなるという、上空の問題ですね。上空は別だと、海の上は自由航行帯ができたとしても、上空はあくまでも領海が及ぶ範囲として、つまり公のところではないんだから飛行機は飛んではいかぬ、こういう主張をされるとすれば、これはそれこそロッキードのP3Cじゃありませんけれども、ソ連の側からすればあそこを対潜哨戒機が通って太平洋側に出られるかどうかというのは大問題ですよ。これは非常に強く反撃してくると思いますが、本当にそういうことを提案されるんですか。
○政府委員(中島敏次郎君) 私の先ほどの御答弁が足りなかったかもしれませんが、私は、上空の通過とその下の海の航行とを区別して提案を行うというようなことを申し上げたわけでは全くないのでございまして、上はどうであり、下はどうであるというようなことではなくて、いま先生から津軽海峡のお話が出ましたので、私どもの理解しております限りでは、津軽海峡においては、その地形から申しまして、航空機か日本の領空を――いまの話でございますが、日本の領空を侵犯することなしに通過するということは実際上きわめて困難でございまして、したがいまして、そういう意味で、従来とも通過した事態がないわけでございます。先ほど私が申し上げましたのは、海洋法会議でいまやっております趣旨からいきまして、従来自由に通航できたところが今度は通航できなくなるというような意味で国際海峡問題が論議せられているのではないということで、そういう趣旨からいけば、従来とも通航してないところに、また新たに通航することになろうことはないだろうということを申し上げたわけでございます。
○田英夫君 最後に、対馬海峡については政府のお考えは十二海里、十二海里、つまり二十四海里という範囲の中で、真ん中に自由航行帯は自然に残るとお考えですか。
○政府委員(中島敏次郎君) 御質問の意味が必ずしも……
○田英夫君 公海部分が残るとお考えですか。
○政府委員(中島敏次郎君) 対馬海峡は、たしか二十四海里以内であったと思いますので、両側から十二海里ということになれば真ん中に公海部分が残るということにはならないと思います。
○田英夫君 そうすると、いまの津軽海峡の例は実は御指摘のとおり適切なんではなくて、対馬海峡の場合はまさにこれは通れなくなる。ソ連の飛行機、艦艇は全く日本海に封じ込められるわけですね、自由航行帯が空も海もなくなれば。
○政府委員(中島敏次郎君) ただいま私、対馬海峡について二十四海里以内であると申し上げましたのは、対馬海峡に二つ水道がございまして、片方だけがそうで片方はそうでないということでございまして、訂正さしていただきますが、いずれにせよ、現在具体的な海峡について、その海峡上空の飛行がどうなるかということが具体的に論ぜられているわけではなくて、先ほど申し上げましたような昨年のジュネーブ会期末に海洋法会議の議長から配付されました非公式単一草案を基礎にして、これから海峡の通航制度をどういうようにするかということが論議せられることになるわけでございまして、いまの時点で具体的にどこの海峡がどうなるかということは、実は断定的に申し上げにくい状況にあるわけでございまして、この辺を御了承いただければと思います。
○田英夫君 時間が来ましたので終わります。
○塩出啓典君 それでは、まず最初に、ロッキードの問題につきましてちょっと関連をしてお尋ねしたいと思いますが、先ほど外務大臣から、日本政府として米国政府あるいは米国の委員会、議会等が持っておる資料を要求をしておるわけでありますが、最初は、いわゆる日本において全部公開をする、こういうはっきり条件をつけて要求をした。ところが、野党の議員が向こうへ行って、その結果、そういう形で米国からもらう資料を制限しようという、そういうようにとられたので――そういうような話があったと思うんですよ、いまさっきの答弁の中で。わかりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 野党とは申し上げなかったんでございますけれども。
○塩出啓典君 まあ野党のみならず、そういう意味で現在は日本政府が公開をするということではなしに、いわゆる米国の証券取引委員会あるいは各委員会、あるいは政府の持っておる資料をすべて提供をしてもらいたい、こういうように現在は変わっておると、こういうように判断をしていいわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) はい、現在と申しますか、政府の立場はそうでございます。 私がそういう心配があると、かえって資料の提供をアメリカ側が憶病になる、控えるということがあっては目的を達しないがなあと思いましてああいうことを申しましたが、これは翌日、関係閣僚会議でそういうことは適当でないということで公に否認をせられましたので、私がそのことを申しまして、それがそのように有効――有効と申しますか、私の意見として存在しておりました期間は半日ぐらいだったわけで、これはまあもともとそういうことではないということで政府の立場は一貫したことになったわけでございます。
○塩出啓典君 それで、アメリカから来る資料につきまして、先ほど局長は、外務省は郵便屋さんだと、こういうようなお話があったわけですけれども、ところが、このアメリカから来る資料を無条件で公開をする、そういう話に一番最初、実はそうじゃないんだという発表をしたのは、たしか宮澤さんじゃなかったかと思うんです。宮澤外務大臣が記者会見で、実は米国政府から来る資料は必ずしも全部公開ではないんだ、こういう記者会見をされましたですね。これはたしか私は一番最初じゃなかったかと、外務大臣がね。それはどういう意図があるのか。先ほどのお話であるように、これは政府なり閣僚会議なり、あるいは捜査当局がそういう話をされるんなら話がわかるんですけれども、いわゆる先ほどの話でありますように、郵便屋という言葉をあなた言われたんですからよくないかもしれませんけれども、外務大臣はなぜそのことを発表したのか。どういう考えがあってそういう意見を言われたのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、全部公開であるということを最初に申しましたのが私であったわけでございます。ところが、それがいまちょうど前にお尋ねありましたことでございまして、私が非公開のものも考えなきゃいかぬかもしれぬと申しました意味は、そうしておきませんとアメリカが資料の提供についてやっぱり憶病になるだろう、いろいろ配慮する心配があったのでは目的にかなわぬと、こういう御批判があったので、ごく、有効なのは半日ほどであったんですが、私としては場合によってそういうことも考えなきゃならぬかもしれぬということを申したんでございます。しかし、閣僚会議において、それはいかにもこの際適当な発言でないということで否認せられましたので、撤回をいたしまして、したがいまして、その期間というのも半日ぐらいでございますが、もとに返りまして、ずっと公開ということで政府の立場は一貫しているということでございます。
○塩出啓典君 わかりました。そうしますと、外務省の意見は、宮澤さんの考えはいわゆる公開を条件にして資料要求する、それも結局変わって、そして日本政府に来た資料の中から、いろいろ中には公開しないものもある、こういう考えもまた変わって現在はいわゆる三木さんが、内閣が発表している方針で来ておると、こういうことなんですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわば私の申しましたことがあたかも不規則発言のようなことになりまして、世間に御迷惑をかけたわけでございますが、これはごく短時間で正式に政府の立場ではないということに否認をせられましたので、終始政府の立場は公開を原則として資料を求めるということでございます。
○塩出啓典君 そこで条件ということですね。アメリカ政府からの条件さえなければ公開をする、条件があればその条件を守らなければならない、こういうことを三木さんが言っているわけですね。ところが、先般の委員会等における三木さんの発言では、たとえば、もし向こうから来た名前の中に閣僚が入っておったらどうするんだ、そういう仮定の質問には答えるわけにはまいりませんと、こういうように答弁しておりましたですね。ところが、その条件があればこうだこうだというその条件もこれは仮定の問題であるわけですね。それに対して三木さんが条件があればそれを守らなければならないと、こういうことは、ある程度そういう条件がくるんじゃないか、あるいはこういう条件をつけてもらいたい、こういうような外交ルートでの話し合いがある程度あっておるんじゃないかと、こういう印象をわれわれは持ったわけなんですけど、そういう点はないのかどうか。ないのであるならば、いわゆる三木さんの考えている条件というのはどういう意味の条件を想定しているのか。全然何も関係なしにただ条件というのを言っているわけではないと思うんですね、ある程度の想定されるものがあると思うのですが、その点はどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) アメリカ政府との間であらかじめ話し合っておるようなことがあるのではないかという点につきましては、先ほど田委員に申し上げましたように、一切そういうことはございません。 それから、総理大臣がもし条件があればと言われましたのも、先ほど申し上げましたように、具体的にかくかくのということを頭に置いて言われたのではないであろうと私は思うんでございます。まあその後、日が下がりまして、昨日ぐらいになりますと、SECの委員長が国会で言っておられることというのを私どもも公に報告を受けておりますが、いまとなりますと、アメリカ部内にそのような意見があるということまでは私どもわかっておりますが、あるいはそういうことを総理大臣が想定せられましたか、あるいは私はむしろそれよりも一般論として言われたのではないかと思っております。現在アメリカ政府からそのような条件を提示されておるわけではございません。これはアメリカ部内の議論にとどまっておるということだろうと思います。
○塩出啓典君 昨日でございますか、アメリカの上院銀行委員会において証券取引委員会のヒルズ委員長が、証券取引委員会の調査活動や米国内法の執行の妨げにならないとの条件で日本側へ資料を渡す、こういうことを新聞報道で見たわけですけれども、私たち率直にこれを読んだ場合に、証券取引委員会としてもいろいろな調査活動をやっておるわけで、現在この証券取引委員会が持っている資料の中には日本の高官の名前があると言われておりますけれども、そういう資料のみならず、アメリカの企業やそういうものに対する資料もあると思うんですね。そういうものを日本政府に渡して日本が公表したならば、これはやはり証券取引委員会の調査の妨げにはなる。しかし、証券取引委員会が、よしんば日本政府の高官の名前があった場合に、その日本政府の人たちを証券取引委員会が処罰をしたり、そこまではやっぱりやらないと思うんです。これは私の考えです。そうしますと、いま私が述べましたヒルズ委員長の言う条件が、これは米政府から日本へ資料が提供されるときの条件とされた場合には、当然そういう米国内のことについては配慮をしなきゃならないけれども、日本の国内のことに関する問題については、これは当然公表しなければならない、これが政府の考えである、こう理解してもいいわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) SECのヒルズ委員長がアメリカの議会でそういうことを言われたということを私どもも聞いておるわけでございますけれども、これは米国内の議論でございまして、わが国に対して正式にそういうことを言ってまいったわけではございません。したがって、私どもは、わが国にそういう条件が提示されたというふうには受け取っていないわけでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、上院銀行委員会で述べた発言は、これはもちろんヒルズ委員長のその委員会での発言であって、それが即日本政府に対するアメリカ政府の条件ではもちろんないわけで、ただ、私がいま聞いたのは、ヒルズ委員長が述べたようなことが条件として米政府から来た場合には、当然すべては公表せざるを得ない、公表すべきである、そう考えていいわけですね、もしこれが条件になった場合は。 だから、ヒルズが言うのは、SECの調査活動や米国内法の執行の妨げにならない――アメリカの法律、SECの活動に妨げになるものは発表されては困るけれども、それ以外は日本政府の責任で発表してもいい、こういう条件なんですね。こういう場合には当然日本政府は全部発表する、そういう意味にとっていいわけですね。
○政府委員(山崎敏夫君) ただいま大臣からも御説明がありましたように、現在、証券取引委員会はその任務に従って調査をしておるわけでございます。その調査が完了しておらない段階において、日本政府の強い要請であるロッキード関係の資料を日本側に渡すためにはどうすればいいかということを考えておるのだと思います。その際に、いろいろな考慮をしなければならないということを言っておるわけでございまして、そのロッキードの活動で、しかも日本関係の資料ということになりますれば、向こうの、何といいますか、アメリカ自身のインタレストといいますか、利害と日本側の利害とがいわば交錯しておるわけでございまして、その辺の取り扱いが非常にむずかしいということを言っておるのだと思います。 ただ、それは向こうの内部の議論でございまして、それをどういうふうな形で日本側に示して日本側と協力していくかということについては、われわれはまだ何も聞いておりません。また、総理の親書に対する大統領の回答も受け取っておりませんので、この点については、向こう側の最終的といいますか、正式の考えがどういうものであるかということはまだ把握しかねておる次第でございます。
○塩出啓典君 もう一回重ねてお聞きしますけれども、米政府が資料を日本政府に渡すに当たって、アメリカとしても非常に慎重に考えていると思うんです。そういう場合にどういう条件をつけたらいいのか、そういう点において米国政府の方から日本政府の方に話し合いがあるとか、あるいはこっちから話し合いをするとか、そういうふうなことで話し合いは全く行われていない、そのように判断をしていいわけですか。そういうような話し合いは、全く米政府内で検討していることであって、こちらからいろいろな要望を出したり、そういうことは全然していない、向こうからもそういう問い合わせはないと、こう判断していいわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) はい、それは先ほど申し上げましたとおりでございます。
○塩出啓典君 それから、法務省の参事官がアメリカに派遣をされた、これについては先ほど質問があり、法務省からもそういう答弁があったわけでありますが、いままで資料要求というものは外交ルートで外務省を通して行われておったわけでありますが、そういう中に、今度法務省が初めて派遣したわけでありますが、これは外務省にもそういう話し合いがあって、当然外務省ともいろいろ協議をし、また、参事官がアメリカへ行ってからの行動についても、いろいろ事前の話し合いをして出発したのではないかと思うんですけれども、そのあたりはどういう話し合いをし、また、滞米中の予定はどうなっているのか、これを御説明願いたいと思うんです。
○説明員(吉田淳一君) 先ほど田議員の御質問にお答えした、法務省刑事局の係官が米国に派遣されていることは御説明したとおりでございます。 その目的は、誤解のないようにしていただきたいんでございますが、捜査検事そのものを派遣したというのではございません。捜査検事等の捜査官を米国に派遣するにつきましては、先ほど申しましたように関係人の承諾、同意、その調べに応ずるという関係人の承諾、同意ということが必至でございます。そういうことの確認等の受け入れ態勢、そういう捜査検事等の捜査官を派遣することの受け入れ態勢の準備のために刑事局の係官が参っておるのでございます。参るにつきましては、当然外務省にも御了解をいただいて、その上で米国に派遣させているということでございます。なお、日程等につきましては、そういう状況でございますので、先ほど申しましたように、関係人等の同意、承諾等を得る等のいろいろむずかしい作業をしておりますので、まだ日程等については決まっておりません。
○塩出啓典君 私たち国民の立場から見て一番憂慮していることは、先ほど来質問がありましたように、いわゆる外交ルートで来る資料と、それから捜査当局から捜査当局へと資料が渡って、結局こういうような事件というものは、なかなか起訴に至るまでの確証が得られないということで、結局うやむやにされていくんじゃないかという感じを非常に抱いている。これは国民の大きな気持ちではないかと思うわけです。そういう意味で参事官が行かれたということは、やがて検事等の捜査官を米国へ派遣をするということになると思うんですけれども、その場合に、いわゆる政府やあるいは証券取引委員会等の持っている資料、そういうものはいま外交ルートで要望しているわけですけれども、それはやはり外交ルートで来て、さらにそれ以外にいろいろ実際に足で歩いて一人一人に会わなきゃならない、こういう場合があると思うんです。法務省の今回の参事官の派遣というものは、証券取引委員会にある資料等も、これはやはり外交ルートで来る前にそれを調査する、こういう目的も入っているのかどうか、そのあたりはどうなんですか。
○説明員(吉田淳一君) 先ほども申しましたとおり、今回の刑事局の係官を米国に派遣いたしましたのは、捜査官の受け入れ態勢の準備でございます。捜査活動には、資料の問題は先ほど来外務大臣、外務省の御当局が申し上げているとおり、その結果を私どもは待っておるわけでございます。捜査活動としては、そのほかに、資料のほかに関係人に直接面接して事情を聴取するということが不可欠な方法でございます。その一つの方法を実現すべく、その受け入れ態勢の準備のために米国に派遣せしめられているということでございます。
○塩出啓典君 そうしますと確認いたしますが、法務省としては、外交ルートを通していま要望している資料については、これは外交ルートを通して日本政府に来てからそれを検討するわけであって、今回渡米をし、いろいろの準備をしていくというその中には、いま外交ルートで要望している資料には手をつけない、そのことははっきり方針としてお聞きしていいわけですか、そのように判断していいわけですか。
○説明員(吉田淳一君) そのとおりでございます。
○塩出啓典君 それでは宮澤外務大臣にお尋ねいたしますが、これはロッキード事件そのものではないわけですけれども、やはり今回のようなアメリカのロッキード・エアクラフトのみならず、ほかの軍需産業においてもそういう姿勢はあると思うんですが、日本においてこのような賄賂を使っての売り込みが、これは日本だけではない、西ドイツやあるいはほかの国、オランダ等においても行われているわけでありますが、こういうような事件が起こった背景というものはどういう点にあると考えていられるのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、両側から観察をしなければいけない問題であろうと思いますが、まず、企業側から申しますならば、武器でありますとかあるいは石油でありますとか、その他若干のものにつきましては非常に取引の額が大きい。したがって、この売り込みというのは同種の企業間で相当激甚になる。しかも、それが国際的な規模において激甚になるという、いわゆる多国籍企業の問題、競争企業を出し抜くために幾らかでも有利な条件を獲得しようという気持ちがつい先に出まして、場合によっては非道徳なことあるいは違法なことをも辞さないというような多国籍企業のビヘービアとして一つとらえられる問題であると思います。と同時に、そのようなことを受け入れる受け入れ側の国の風土と申しますか土壌と申しますか、そういうものにも問題があるので・あるというふうに考えております。
○塩出啓典君 外務大臣も、さきの施政方針演説の中では、あくまでも平和ということを強調されていると思うんです。ただ最近、武器輸出のことが衆議院の予算委員会でも問題になっているわけでありますが、私は、今回のロッキード事件も、結局アメリカの国防省の予算の枠があって、アメリカの軍需産業も国外へどんどん輸出をしていかなければ企業の存立もない、また、アメリカ政府もどんどん外国へ輸出をすればそれだけ兵器のコストが下がってアメリカの国防費も安くなる。そういうことで、まさに政府といわゆる軍需産業とが一緒になって海外へやっておる。そういうことで、ことしあたりはもう百二十億ドルを突破するんではないか、こう言われておるわけです。私は、やはり平和憲法を持つ日本政府の独特な立場として、そういうアメリカの姿勢というものは非常に反省をすべきである。やっぱり友好国として、そういうことは日本としても当然アメリカに対し主張していくべきであると思いますし、また、日本政府としても、武器の輸出については非常に枠が拡大されていくような、いま財界の方としても非常に武器輸出の枠を広げるという意向が強いわけですけれども、そういう点には、やはり外務大臣としては厳格に、世界のいかなる国にもそういう戦争に使われるような武器――これは狭い意味の武器のみならず、広い意味の武器も輸出をしない、そういう方向にやはり主張していくのがぼくは外務大臣の責任じゃないかと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国のとるべき態度については、塩出委員がおっしゃいましたとおりと私は思っております。先般衆議院の予算委員会におきまして政府がこの問題につきまして改めて統一見解を出しましたのも、そのような趣旨に基づくものでございます。
○塩出啓典君 それではもう一つ。 これは飛び飛びで申しわけないのですけれども、いわゆる海洋法会議に臨むわが国の姿勢、先ほどからいろいろ、この海洋法会議で結論が出ればいわゆる自由航行帯を守らなければならない、こういうような話があったわけですけれども、私は、確かに海洋法会議においてはあくまでも中央に自由に航行できる場所を設けるという主張と、それに反対をしている発展途上国の意見と二つあるのじゃないかと思うのです。いまの話は、そのように中央に自由に航行できる地帯を設けるようになればそれは守るという話だったんですけれども、わが国の姿勢としては、この海洋法会議においてどういう主張をしていくのか、この点が私聞きたいわけです。ただ、国際海洋法会議で決まればそれは守るというのじゃなしに、わが国としてはどうするのか。私は、やはり海洋国家ですから自由航行でなければ困るわけですけれども、しかし、発展途上国の意見は、決してわれわれ日本の国のタンカーや商船がそういう国際海峡を通ることを規制しようとしているわけではない、あくまでも軍艦が通るとかそういうときには無害通航で潜水艦は浮上しなければならない、そういう点でアメリカやソ連は確かに困ると思うのですよ。わが国という立場から考えれば、何もソ連やアメリカが主張しているように自由航行帯を設ける必要はないわけで、あくまでも国際海峡は領海として無害通航しか認めない、こういう主張をするのが、私は日本政府としての当然の主張じゃないかと思うのですけれども、そういう点どう考えているのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国といたしましては、基本的には海洋法会議がここまで、いわゆる統一草案というところまでまいりましたので、できるならばこの機会に新しい海洋の国際大法典が成立することを望んでおります。しかも、長い間の討議の過程におきまして国際海峡の問題、領海の問題、経済水域の問題等々が先ほど政府委員の申し上げましたように、いわゆるパッケージディールとして成立するかしないかというところまで実はきておるわけでございます。したがって、わが国といたしましては、何とかパッケージディールを成立させることが大切である。そうでありませんと、各国が自分の都合のいい主張だけをいたす結果は、この海洋法という法典はできないという危機に面することになるわけでございます。 基本的にそう思っておりまして、しかも、わが国は御指摘のように世界有数の海運国でございますから、海洋の自由というものは基本的にやはり確立してほしいと考える立場でございます。タンカーについて、たとえばこれは無害航行をもって足るというふうに仮に考えますと、国によりましては、タンカーによる汚染、あるいは非常に大きな船でございますから、小さな船にとっては脅威であるといったようないろいろな理由から、これは無害航行でないと主張をし得る、する場合があり得るわけであって、そうなりますと、これはわが国にとっては死活の問題になります。したがいまして、無害航行よりはさらにより自由な法的地位を持つところの国際海峡といったようなものが他の諸要素と一緒にパッケージディールで成立するならば、わが国の国益に最も適するものであろう、こういうふうな考え方で臨んでおるわけでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、いまのところ政府の姿勢としては、やはり海峡の中央に、国際海峡については自由航行帯を設ける、これをやはり日本政府の主張として海洋法会議に臨みたいと、そう判断していいわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは一つの点だけを取り出しまして、その点についての主張はこうかというお尋ねに、そのとおりですと申し上げますと、多少誤解を引き起こす心配がございます。パッケージディールでございますから、もしほかの要素がかくかくであるならばかくかくということになろうと思うんでございますが、わが国としては、少なくとも領海十二海里の結果、従来に比べて航行の自由が制限されるというようなことは、本来海洋の自由あるいは主要海運国としては好ましくない、こう考えておりますわけで、それが中央に自由航行帯を設けるとか、どういう形で実現いたしますか、あるいはいたしませんかは不明でございますが、少なくとも無害航行より、より自由なレジームが生まれることが望ましいと考えております。
○立木洋君 私は、ロッキード問題についての外務省当局の姿勢についてお尋ねしたいんですが、最初に、チャーチ委員会の公聴会の会議録は、もうすでに大臣お読みになっておいでになるだろうと思いますが、この委員会、公聴会の会議録をお読みになったときにどういうふうにお感じになったのかということが一つ、それから一カ月間たった今日、この問題について大臣どのような御認識をお持ちになっておられるのか、その点を最初にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) チャーチ委員会の問答を読みまして感じましたことは、わが国に関してかなりの疑いが表現されておる。したがって、この真相はどうしてもきわめなければならないということを感じたわけでございますし、ただいまもさように思っておるわけでございます。
○立木洋君 政府委員の方で結構ですけれども、この問題が起こってから外務省がおとりになった措置、まあアメリカ政府に対する資料要求も含めて、どういうふうな措置をおとりになったのか、ちょっと述べていただきたいと思います。
○政府委員(山崎敏夫君) 外務省といたしましては、すでに昨年の八月二十五日の銀行委員会においてこの多国籍企業の問題が取り上げられ、ロッキードの海外における政治献金問題が問題になったことは承知しておったわけでございます。したがいまして、この点につきましては、議会からの御質問もございまして、資料を取り寄せ、議事録を点検して、関係部分については国会にも御提出申し上げた次第でございます。なお、この銀行委員会と並行いたしまして、上院の外交委員会の多国籍企業小委員会が、この多国籍企業についていろいろ調べておるということも承知しておりまして、それは注視いたしておりました。ただ、昨年の九月十二日に行われた公聴会ではロッキード問題は取り上げられましたが、日本については何ら言及はなかった次第でございます。ただし、この議事録もわれわれとしてはできるだけ早く入手したいと思って、ワシントン大使館にも訓令いたしておったわけでございますが、なかなか実は発表されませんで、最近に至りまして千ページを超える議事録がようやく発表された次第でございます。これも関係の委員会には提出してございます。 ただ、その後、二月四日にチャーチ委員会が公聴会を開くということを知りまして、どういうものが出てくるか、われわれには全然わからなかったわけでありますが、その議事録はフォローさしたわけでございます。その結果、御承知のような話がございまして、そこでわれわれといたしましても、その際に発表されました資料、それからそのときの議事録の入手に努めたわけでございます。資料はできるだけ早く入手して国会に御提出申し上げたわけでございますが、議事録につきましては、非公式のものしかその当時としては入りません。正式な議事録はいまだに発表されておりませんけれども、とりあえずの非公式の議事録を入手しまして、これも国会方面に提出いたしております。さらに、二月六日にもいわゆるコーチャン証言がありまして、これについても同様の措置をとった次第でございます。ただ、二月四日の時点におきましては、とりあえず向こうの発表したもの、あるいは議事録などを中心に入手に努力したわけでございますが、その後、たとえば英文の領収書だけでははっきりいたしませんので、日本語の領収書があればもらいたいとか、あるいは児玉譽士夫とロッキードとの契約書があるらしい、それはもらいたいということを申しておりました。できるだけの資料の入手に努めてまいった次第でございます。 その後、さらに本省からも改めて訓令いたしまして、二月十日にチャーチ委員会が保有している日本関係の資料をすべてもらいたい。そしてもらったものは日本では公開されるということを申し入れまして、アメリカ側に国務省を通じて伝達したわけでございます。その二月十日は、まさに実は東郷大使がワシントンに着任した日でございましたが、その翌日の十一日には東郷大使がインガソル副長官に会って信任状の写しを提出されたわけでございますが、その際にも、その前日に大使館から申し入れたことを繰り返し述べられたわけであります。その後、米国政府の保有する資料として、証券取引委員会の資料があるということをわれわれも知りましたので、早速二月十四日に在米の西田公使からハビブ次官補に対して、その証券取引委員会が持っている資料についても日本関係のものがあればすべてもらいたい。そして、これは日本では公開する考えであるということは言ったわけでございます。その際に、ハビブ次官補の方から、その点について、どういうものがあるか自分たちにはわからないが、何が出てきてもいいわけですねという話がありまして、われわれとしては、もちろん結構であるということを申したわけでございます。 さらに、二月十八日に至りまして、東郷大使からインガソルに対して申し入れを行いました。これは総理からの指示であるということをはっきりいたしまして、また、米側の保有する日本関係の資料はすべてもらいたい。そして、もしその中にいわゆる高官名が含まれておるものがあればそれも含めてもらいたいということを申されたわけでございます。さらに、二月二十四日には、総理の親書及び国会の両院の決議を伝達するため、東郷大使がイソガソル副長官に会った次第でございます。 以上のような次第でございまして、累次にわたり米側に対しては要請を行っております。そして資料につきましても、チャーチ委員会が当初発表しました資料のみならず、先ほどから申し上げましたような日本語の領収書とか、児玉譽士夫とロッキードとの契約書の写しなども随時国会に提出してまいったんでありますが、二月十三日にチャーチ委員会は日本側の強い要請にこたえまして、二百ページ余りにわたる資料を公開いたしましたので、これは早速入手して、これも国会に提出いたしました次第でございます。 以上のとおり、いままでのところすべての資料を入手し、そしてすべてこれを公開して、国会及びその他関係方面に伝達してまいった次第でございます。
○立木洋君 それじゃ、二月四日から二月二十四日まで、つまり六回折衝されておる、それから以後の折衝はないわけですか、公式、非公式を含めて。
○政府委員(山崎敏夫君) もう事態は――事態といいますか段階は、総理の親書及び国会の決議の伝達という最高レベルまで上がっておりまして、ことに、総理の親書に対するアメリカ側の回答を待っておるという状況でございます。
○立木洋君 私は不思議に思うのは、一つは二月四日と六日にいわゆる公聴会があって、すでにその時点で明確に証言の中に日本の政府高官に言及する問題が証言の中に入っているわけです。ところが、十日、十一日、十四日という三回にわたる資料要求を行った段階では、政府高官名を含む資料ということを明確にアメリカ側に要求しなかったのはどういう意味ですか。
○政府委員(山崎敏夫君) われわれとしましては、すべての資料をもらいたいということを言っておったわけでございまして、当然論理的に言って、その中には、もし政府高官名があればそれも含めてという意味でございました。ただ日本の一部では、外務省は名前は言ってないのではないかというふうな御意見もございましたので、総理の御指示もありまして、改めて二月十八日に東郷大使がインガソル副長官に、政府高官の氏名があればそれも含めてということを言われたわけでございまして、考え方としては最初から一貫しておると考えております。
○立木洋君 そこをあいまいにしてもらったら困ると思うのです。つまり、政府高官名が明確になるかどうかという問題は、今度の事態では大変な問題なんですよ。これは政府の問題としても重大な問題です。その政府高官名を含む全資料ということを明確に述べるか述べないかということは、外務省当局が当初この問題にどういう考え方を持っておったということを示すことにもなるんじゃないでしょうか。つまり、後から政府高官名が明確に言われていないんではないかということで、改めて十八日に総理の指示としてそういう問題を提起した、それまでは外務省としては明確に政府高官名ということを相手側に資料要求の中にも要求してない、明確に提示していないということは、外務省のその姿勢はどういうことになるんですか。
○政府委員(山崎敏夫君) 先方が持っております資料の中に、具体的に政府高官の名前があるかどうかということは全くわからないわけであります。現在においてもわかっておりません。したがいまして、われわれとしてはすべての資料をもらいたいということで、十分わが方の意思は通じておると考えております。ただ、一部の方で外務省は政府高官の名前だけはもらいたくないようなことを言っているんじゃないかと思われる向きもありますので、そういうことはないということを誤解を避けるためにもう一回、二月十八日の段階で明確に申したというわけでございます。他意はございません。
○立木洋君 この問題についてのやっぱり外務省当局の認識の仕方から、あるいは他意があるのではないかというふうに勘ぐられても仕方がない。現に、十八日以降は政府高官名を含むということを明確に出しているわけですから。それ以前は出さなかった。すでにその問題については、チャーチ委員会の公聴会の証言の中でも明確に政府高官名ということが出されているわけですから、具体的な固有名詞は挙がっておりませんけれども、しかし、その点については先ほど大臣が言われたように、こういう大変な疑いがある問題だということをその場でお感じになったと言っているんですから、当然その問題を含めて、政府の立場としては政府高官名が明らかになるかどうかというのは重大な問題ですから、最初から一貫してそういう姿勢をとるべきだ。 もう一つの問題で私はお尋ねしたいのは、口頭による資料要求が繰り返して行われたわけですけれども、もらったものは日本で公開されることになるということを三回にわたって述べておりますが、このもらったものは日本で公開されることになるというふうに述べた意味はどういう意味ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは私は初めから外務省の者に指示をいたしましたので、外務省としてこの資料はぐあいが悪いとかいいとかいうことを言うべきものでない、もらった物はすべてこれは公表するということが、われわれが国民に忠なるゆえんであるということを申しました。したがって、そのことは当然に米国に言っておかなければならない。その間に意思の行き違いがあってはなりませんから、それで当初からそのように申さしたのであります。
○立木洋君 これは、もらった物は日本で公開されることになるということは、いまでも貫いているわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどからしばしば申し上げておるとおりでございます。
○立木洋君 それでは、この問題を要請されたときに、つまり二十四日の時点に至るまではすべて口頭でやったわけですね。口頭で伝達するという方法で行われた。これは衆議院の予算委員会で質問がありまして、外務大臣がいわゆる口頭で伝達するという方法もあり得るわけですから、だから私自身、口頭で伝達するということがけしからぬというふうに言うつもりは毛頭ないわけですが、ただし、今度の問題の重要性から考えてみて、やはり明確に文書で要請するということの方がよかったのではないか、問題の重要性から考えてみて。そういうふうに感じているわけですが、いまの時点でも口頭でもよかったというふうに大臣お考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは私はそう考えております。事柄が非常に複雑であれば、文書にしておきませんと紛れが生じますけれども、本件関係の資料を全部欲しいというようなことは、きわめてそれ自身が明快なことでございますから、一々文書をつくって、それに対して文書で答えをもらうというような手間のかかることをいたしませんでも、わが大使館と国務省との間にはもうしょっちゅう行き来のあることでございますから、はっきり申せば口頭で私は十分であると思っています。
○立木洋君 これは外務大臣に私から言うのはあれですが、つまり、もう十分御承知のように、外交折衝というのはこちらの意図が明確に相手に伝わる、そしてそのとおりとり行われるということが最も大切だと思うのです。それは口頭でも明確に相手に伝われば問題はないかもしれない。しかし、今回の場合には事態がきわめて複雑であって、いわゆるアメリカ政府に対しそういう要請を出したけれども、チャーチ委員会ですか、に対しては伝わっていないというふうな事態があった。二十四日の時点でも、わが党の橋本議員がそのことを確かめたら、そういう申し入れを私たちは聞いていないということを言った。外務大臣は衆議院の予算委員会で、これはアメリカの政府がチャーチ委員会に伝えていないのでそれはアメリカの問題だ、私たちの問題ではございませんというふうに述べられた。これは私は、いわゆる外務省がこちらの意向を明確に相手に伝えるということを目的にするならば、少なくともチャーチ委員会にまでその趣旨が徹底されるようにやはり文書で明確にすべきであった。そういうことが、つまり相手のチャーチ委員会に明確に伝わるまで時間がそれだけたったということは、やはり外務省としても反省すべき点があったんではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が予算委員会で申し上げたことを、いま大変似たことをおっしゃいましたけれども、ちょっと実は違いますので……。 私が申し上げようといたしましたのは、われわれが国務省にそういう提供方要請をいたしましたときに、国務省は現実に証券取引委員会にすぐそのことを連絡しておるようでございます。ただ、これは私も十分知って申しておるわけではありませんけれども、正式にこれを文書で要求をすれば、要求された側が正式に文書で回答するということになるわけで、国務省とSECの間の関係でございます、そうしますと、それは最終段階でそういうやりとりはこれは当然私はいたすのであろうと思うので、その間に両方の打ち合わせをするとか法律問題を検討するとか、いろいろなことがございますから、そこは文書にせずに口頭でやりとりするということは十分あることであって、証券取引委員会がそれを聞いていないと申しました意味は、これは私のそんたくですけれども、そんな話は全然われわれは知っていないと言ったのではなくって、国務省との間に正式の文書によるやりとりは出ておりませんと、こういうふうに言ったというふうに私は考えております。また、そう考える理由もあるわけでございます。ですから、そのことは、もとのわれわれの要請が文書であったかなかったかということとの関連ではなくって、国務省とSECとの間に最終的な合意が内々できてくれば、恐らくは文書によるやりとりになると、こういう前段階にあるということであったと私は思っているわけでございます。 それから、私どもが口頭でやったと、大事なことは文書でやるべきではないかとおっしゃいますけれども、これがネゴシエーションでございますと、文書にしませんと両方の言っていることに行き違いが生じたりいたしますけれども、本件はもうきわめて事柄そのものは明快かつ明白なことでございますので、私は口頭でやったことは別段不適当なことではなかったというふうに思っております。
○立木洋君 その他幾つかありますけれども、時間がありませんから、これらのずっと経過を見てきたときに、いわゆる一般の新聞の中でも、この問題に関して外務省は消極的ではないかというふうなことが幾つかの新聞で論評されましたけれども、これについて大臣いかがお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうに考えておりません。
○立木洋君 問題は、やはり外務省がこのロッキード問題に対する重要な姿勢というのは、やはり速やかにすべての資料をアメリカ側から入手してこの真相を究明して事態を明らかにする、そして、そういう問題を一掃するために努力をする、その重要なポイントが外務省当局が担わなければならない。そうすれば速やかにその意図が伝わるための努力、明確に資料を入手するための努力、こういう点での努力をやるためには、今後の問題にもかかってくるのですけれども、私は少なくともいま述べた点でも私は外務省の態度というのは、やはり積極的だというふうには考えられない。これはそうとは思いませんといま大臣言われましたけれども、私はそういうふうには、大臣のようにそう思わないというふうには考えない。やはり問題がある。 問題は、それならば今後どうするかという点で次に問題をお聞きしたいわけですが、第一点は、先ほど、二十四日以後いわゆる公式、非公式にかかわらず何らの折衝もなかったというふうに述べられたわけですが、三木首相が二月の二十六日、衆議院の予算委員会で、先ほど来問題になっています、条件がついていなければ公開するというふうに述べられたわけですね。この「条件」云々ということを総理が述べられたのは、外務省としてはアメリカの側が条件をつけるかもしれないという何らかの感触があったということなんですか。全然そういうことはなかったけれども総理が言われたということなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私ども総理に、これ条件がついてくるかもしれないというようなアドバイスなり情報なりを全然申し上げておりません。
○立木洋君 それでは、やはり私は、いま条件をつけてくるかつけてこないかわからない、これは将来やっぱり未定の問題であるということですね、先ほど来問題になっておりますように。そしたら、条件をつけてこなければということを、改めてこの時点で私は言うのは適当ではなかった、総理自身が言われるのも。これは私の考え方です。 もう一つの点は、先ほど問題になりました稻葉法相が、アメリカ側の資料提供が、いわゆる捜査当局を通じてのルートとあるいは政府を通じてのルートの二つのルートがあるかのような趣旨の記者会見での発言があったということなんですが、これも先ほど来外相の答弁で、現在は政府ルート一本しかないわけですね。将来捜査当局としてそういう事態が起こった場合にはそういうことがあり得るかもしれない、そうした場合には、これは重要なことだから閣僚会議で、閣僚協議会で検討するというふうに述べられた。その場合の基本的ないまの考え方として、いわゆるルートはやはり基本には一本であるというふうに考えるのが私は当然だというふうに思うんですが、その点はいかがお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) あり得べき事態というものを法務大臣はきっとおっしゃったのであろうと思うんでございます。
○立木洋君 これはつまり、三木総理の書簡の中にはっきり述べておりますように、すべての関係資料というふうに明確に述べておるわけです。つまり、捜査当局のアメリカ側から手に入れた資料を除くなどということではないんです。すべての関係資料と言っているわけです。事態はロッキード問題を解明するわけですから、このロッキード問題を解明する上では当然明確にされなければならない幾つかの関係資料があるわけです。だけれども、これは捜査当局のルートということを除いてしまう意味でここですべての関係資料と言っているんではなくて、いわゆるそのロッキード問題全体を含むすべての資料ということが日本政府の要求だろうと思うんですよ。そうすると、ルートは当然一本でなければならない。これは私は先ほど問題になりましたように、捜査官がアメリカにおもむいて、そしていろいろ聞いて、そして聞き取り調査を行ったと、こういうことまで政府ルートに出せなんということを言っているんじゃないんです。しかし、アメリカ側が日本側に渡した資料であるならば、それは捜査官に渡そうと誰に渡そうと、これはやはり日本の政府に渡される一本のルートとして考えなければならない。ですから、三木総理の書簡の中ですべての関係資料と言っているのは私はそういう意味に解釈するわけですが、そういうふうに考えていいんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは日本側としてはそれが望ましいということを三木総理が言っておられるのであって、条件云々ということは三木総理は言う必要はなかったとおっしゃいますけれども、三木総理が言われましたのは、これは向こうから向こうのデータをもらうのでありますから、提供する側に何かの言い分というものがあり得る、あるとは言っておりません、あり得る。そうすればそれについては考慮する必要があろうと、こういうことでございますから、提供の態様について、仕方について、先方の注文なり希望というものがあり得るのであって、もしあればできるだけそれはやはりわが国としても考え得る限り考えなければならないということを抽象的に総理大臣が言われたのであろうと私は思うんであります。これは現実の問題じゃございませんけれども、あり得べきことだと考えられたのであろうと思います。
○立木洋君 私は、先ほど来の外相の御答弁の中でいろいろ聞いておりますと、いろいろ想定されることについてはいまの段階で述べられない問題があるということを何回かお話になりました。だから、条件をつけてくるかどうかというのもこの想定の問題である。つけてこないかもしれない。また、そういう二つのルートという問題に関して言うならば、これは当然日本の政府一本のルートでなければならない、アメリカから渡されるすべての資料。このことはもう三木書簡の中ですべての関係資料というものを明確に書いてあるわけですから、ここで改めて二つのルートという問題を提起すること自身、私は将来そういうことが起こり得るかもしれないと外務大臣言われたけれども、私はこれも適切ではない。二つのルートが将来あり得るかもしれないということをいまの時期に想定して述べることも私は適切ではない。条件つけてくるかもしれないだとか、二つのルートが起こるかもしれないだとかというふうな問題の提起ではなくて、いますみやかに、いわゆるすベての関係資料を要求した立場に立って、積極的に外務省がそういう努力をすべきであるということが問題を早急に解決するかぎだと思うんです。これを勘ぐっていろいろ新聞なんかでも論評されておりますけれども、条件がなければなどというふうなことを言うこと、あるいは二つのルートなどというふうなことを問題にし出すこと自身が、いわゆるアメリカにいろいろな考え方を持たせて、そして実際上、日本に資料が来た段階でも公表しない部分もあり得るという布石を打つ考え方に基づくものではないかというふうに勘ぐられても仕方がないんです。その点どうお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、三木総理大臣が何であのような答弁をされたかということからお尋ねが出ているわけでございますから、総理大臣としては、国会に対して答弁をする以上、いろいろな場合を考えておかなければならない。後になって食言があったではないかというようなことは総理大臣としては当然御用心をなさるのでございましょうから、私は、言われましたから別に何かをアメリカ側に示唆したということにはならぬであろうと思います。先ほどから私が、条件条件というお尋ねがお昼過ぎからございますときに、それは仮定の問題でございますと一々申し上げておりますのも、実はそのようなつもりで申し上げておるわけです。
○立木洋君 先ほど宮澤外相がお答えになった中で、いわゆる向こうが条件をつけてくる場合、これはもちろん想定ですが、秦野委員の御質問についてお答えになったときに、これは条件にすべて無条件に従うわけではないという趣旨のお話がありましたね、そういうことですね。そうするとこの条件、つまり相手がつけてくる条件の場合でも、当然今度のロッキード問題を完全に真相を究明するという上で、いわゆる日本の立場から見て好ましくない条件であるならば、それは当然交渉してそういう条件を取り除いてもらう、そういう自主性は必ず貫くという点は明確にそういうふうにするというふうに判断しておいてよろしいですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 全く仮定の問題でございますが、もしそういう条件というものがあれば、それが適当なりや否やは、わが国がわが国の国益及び本件を解明するという目的に従って判断すべきものであると思います。
○立木洋君 最後に、いまの段階で、先ほど山崎局長が言われましたけれども、いまもう最高レベルの書簡がいっているからということで、外務省はいま手をこまねいて見ておる段階なのか、それとも現在の段階で外務省当局として何らかの積極的な措置をとるお考えがあるのかどうなのか、この点について最後にこの問題に関する決意も含めて大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国会並びに総理大臣の決議、書信を先方に渡したわけでございますので、現在のところフォード大統領が最終的にどのような決断をされるかということを基本的にはわが国は待って次のステップをとるということになるわけでございますけれども、もとより私どもといたしましては、いろいろ従来から求めております資料の中で、まだ何かの理由で来ておらないものもございますし、その他これに関連することはいろいろ事務的にもたくさんございまして、ワシントン大使館も私どもも実は本件につきましてはかなり時間をとられておるというのが現状で、私ども全力を挙げて一刻も早い事態の解明のために――手を休めておるといったような状況では全くございません。
○立木洋君 この問題は、先ほど一番最初にお尋ねしましたけれども、これは私の考えでは日本のやはり主権にかかわる問題だと、これはアメリカの軍事大企業、大産業がいわゆるかつての戦犯と言われた人あるいは悪徳商社、そういう人々を通じて日本の国政に関する問題、これを買収するかどうかという重大な問題なんです。ただ単なる単純な汚職、これは汚職自身がもちろん私はすべて小さな汚職でもいいなんというようなことを言っているわけじゃありませんけれども、これは日本の国政にかかわる、日本の主権と民主主義の根幹にかかわる問題ですから、この問題については先ほど言いましたように、いろいろと一般新聞にも書かれて、外務省の姿勢が消極的ではないかというふうな批判を受けるような、そういうふうなことはかりそめにも私はやっていただきなくない。それは外務大臣先ほど言われたように、全くこの問題については真相を究明するために努力をするということが決意であるというふうにお述べになったわけですから、そのことをどんな小さな問題にも完全に貫き、努力をしていただきたいということを最後に私は強く要求して質問を終わります。
○田渕哲也君 ロッキード問題に関連をいたしまして、二、三お伺いをしたいと思います。 先ほど外務大臣は、三木親書に対するアメリカ側の回答が近いうちに行われる見通しだということを言われましたけれども、もう少し詳しくその時期、内容について予想できるかどうか、できるならお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはお尋ねではございますが、的確に予想はできません。ただ、米国の国内において関係者が詰めて協議をしておるということは事実と存じます。
○田渕哲也君 それから資料公開についての政府の見解についていろいろ論議されたわけですけれども、私も、これ若干、やはりもう少し整理をしてみたいと思うんです。 三木総理が予算委員会で、アメリカ側の条件がない限り公表するということを言われました。ところが、その後、三月二日の衆議院の地方行政委員会で福田自治大臣は、捜査の必要上一定の時期まで押さえることもある、こういう答弁をされたわけです。それから三月三日の衆議院の外務委員会で外務大臣が、三木総理の答弁が政府の見解だ、捜査上必要があっても日本側の判断だけで非公開にすることはない、こういう趣旨の答弁をされた。これは新聞記事で読んだわけですから、正確かどうかわかりませんけれども。ところが、きのうの夕方、官房長官が記者会見で、捜査上必要な資料は捜査終了まで公開しないということを発表されております。だからいままで政府側から発表されたものが必ずしも統一されていないように思うわけです。それで、本委員会における外務大臣の答弁を聞きますとある程度整理できてきたと思うんですけれども、私の理解したところを申し上げますと、外務大臣のおっしゃったことは、公開が原則だけれども、捜査の必要上非公開にする場合には閣僚協議会で相談をするということを言われたですね。だから、公開が原則だけれども非公開の場合もあり得るという意味ですか、それは。
○国務大臣(宮澤喜一君) つまり、先ほどからのお尋ねは、捜査当局を監督される国務大臣がこういう答弁をしておられるが、これは総理大臣の答弁なり、おまえの言っていることと違うではないかというようなお尋ねでございますから、それは現在捜査の段階、捜査当局が独立に資料を入手しているというような状況ではございません。ございませんから、そのような各大臣の御答弁は恐らくそうなったときにどうするかという将来の問題についての御答弁であろうと。そう考えるにつきましては、将来そのような問題が起こってくれば、そのような必要をまた監督主務大臣がお感じになるならば、これはロッキード関係の閣僚協議会にお諮りあって、その上でそういうことにするという決定をしていただかなければ、総理大臣の言っておられることと結果として矛盾をすることになるのでございましょうと。現在そういう事態は起こっておりませんからよろしいものの、現実にそういうことになりましたら、そこははっきりさせておく必要がある、こう考えまして、そのように御答弁をいたしておるわけでございます。
○田渕哲也君 それともう一つ、このルートについての問題を議論されたわけですけれども、大臣は、外交ルートで来ることが望ましいけれども、これは捜査ルートで資料が入手されるということも想定できるわけですね。予想として。
○国務大臣(宮澤喜一君) これから先のことですが、あり得べきことだろうと。絶対そういうことはございませんということは、私は、申せば軽率であろうと思います。
○田渕哲也君 そうすると、捜査ルートで来たものは私はなかなか公表がむずかしいのではないかと思うんです。そうすると、これはアメリカ側の条件になるのか日本側の条件になるのかよくわかりませんけれども、私はこの捜査ルートで来たものを公表しないということになれば、これはアメリカ側の条件よりも日本側の条件じゃないかと思うんですね。それで、外務大臣は、アメリカ側の条件がつけられていない限り日本側の必要性で非公開にすることはあり得ないと言われましたけれども、それとの関連はどうなりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その最後の部分は、少し不正確に伝わっておるのかもしれません。私の申しますことは、総理大臣の言われたことが原則でありて、どちら側の事情によるにせよ、捜査上どうしてもいろいろな理由から、いっとき公開を控えるべきであるというような主務大臣の御判断であれば、それはその段階においてやはり閣僚協議会でそういう御決定を願わなければならないであろう、こういう気持ちでございます。
○田渕哲也君 そこでお尋ねをしますけれども、外務大臣としては、政府高官名を含めた資料がどのような形で日本に公表されるのが望ましいと考えておられますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 少なくとも、私の責任で申し上げ得ることは、三木総理大臣がフォード大統領に対する親書の中でそういうことを言っておられるわけですので、それの返書の形で公にそのような政府関係者の名前等々が通報されてくれば、まあこれも仮定の問題でございますけれども、返書というような形で、これはもう外交上の公のやりとりでございますから、これは公表すべきものだと思います。
○田渕哲也君 もちろんそういう形で来れば公表するのが当然だと思います。これは総理もそう言っておられるわけですから。ただ、そういう形で来るかどうかわかりません、いまのところ。ただ外務大臣としては、どういうルートでどのように来てどのように明らかにされるのが望ましいと考えておられるのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私はどの形が望ましいということを申し上げる立場にございません。
○田渕哲也君 それでは次の質問にいきますけれども、三月三日のアメリカ上院の銀行委員会におけるヒルズ証券取引委員会の委員長の冒頭声明の中で条件らしきものが発表されたわけです。これは御承知と思いますけれども、これは証券取引委員会の調査活動や米国内法の執行に妨げにならないとの日本政府の保証を条件に資料の一部を日本に引き渡す。これはアメリカ部内、アメリカ国内における論議であっても、あるいは意見表明であっても、私はアメリカ政府の態度と無関係ではないだろうと思うんです。そうすると、アメリカ政府も大体これに類した条件をつけてくるだろうということは、かなり高い可能性を持って予想されると思うんですね。ところが外務大臣は、先ほど、条件にそのまま従うわけにはいかない場合もあると言われましたけれども、アメリカ側は政府がそれを保証することを求めてくると思うんですね。その場合はどうなりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ヒルズ委員長がそういうことを言われたことは私も承知をしておりますけれども、それはアメリカの政府部内の一部の意見でございますから、最終的にアメリカ政府としてどのような条件を提示してこられるのかこられないのかはこれからの問題でございます。したがって、仮定の問題になりますが、具体的に条件の提示がありましたときに、それがすぐわが国として、そのままわが国の司法あるいは検察の体制に当てはまるということには私は限らぬと思うんでございます。また、わが国自身の考え方がございますから。したがいまして、仮定の問題ですが、そのようなことがありましたときに、それをそのまま結構だというようなわけにはこれはまいるまいと、当然わが国の主張というものはあってしかるべきだと、こういうふうに申し上げたわけであります。
○田渕哲也君 そうすると、アメリカから返書その他の形でその条件が示された後に、その条件についての折衝が行われると見ていいわけですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) もし、条件が仮に示されましたときには、恐らくそういうことが行われることになろうと私は思います。
○田渕哲也君 それから、アメリカからの条件というものも、最初示されますのは具体的に細かなものかどうかわからないと思いますが、抽象的な表現がされる場合があると思うんです、ヒルズ委員長の声明でもそうですけれども。ただ問題は、日本で手に入れた資料を公開する場合に、それがその条件に当てはまるかどうか、これは一々詰めをする必要が出てくるんじゃないかと思いますけれども、この点はいかがですか。それはアメリカと一々詰めなくても、日本政府の判断でできるということになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこらあたりになりますと、第一、条件というものが出てくるのか、出てきたと仮にしてどういう形で出てくるのか、それが全然わかりませんので、ちょっとお答えをいたしがとうございます。
○田渕哲也君 それから、外務大臣は衆議院の予算委員会で、この条件はアメリカからもし付された場合には公表すると言われましたけれども、これは間違いありませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は総理大臣がそのように答弁されております。
○田渕哲也君 次には、ちょっと話題が変わりますけれども、一九七二年八月の日米首脳会議の際に、鶴見・インガソル会談で、四十七年、四十八年の会計年度で三億二千万ドルの大型航空機の輸入が決められた。その当時のいきさつについて説明をいただきたいと思うんですが。
○政府委員(山崎敏夫君) 昭和四十七年の九月一日にホノルルにおいて日米首脳会談があったわけでございますが、これと併行いたしまして鶴見外務審議官とインガソル駐日アメリカ大使との間におきまして会談が行われまして、いろんな日米間の貿易の不均衡、アンバランスの是正の問題が話し合われたわけでございますが、その中で、日本の航空会社がアメリカから約三億二千万ドル相当の大型機を含む民間航空機の購入を計画中であり、日本政府は購入契約が締結され次第、これらの航空機の購入を容易ならしめる意向であるということが明らかにされた経緯がございます。この点は、鶴見・インガソル会談についての発表文というのがございまして、その第二項の(b)というのにこの点が記載されております。この三億二千万ドルという数字につきましては、もちろん関係省からのそういう数字の提示があったわけでございますけれども、われわれの承知しているところでは、日本の各航空会社が昭和四十七年度及び四十八年度において発注することを計画していたエアバス等の航空機の総額であると聞いております。
○田渕哲也君 その場合の三億二千万ドルの内訳というのはわかりますか、計画の内訳というのは。
○政府委員(中村大造君) 三億二千万ドルという金額でございますけれども、これはただいま外務省から御答弁ございましたように、四十七年度と四十八年度の両年度にわたりまして、発注ベースでどの程度民間航空会社が航空機を購入する計画があるかという計画を私どもがヒヤリングいたしまして、そのヒヤリングをもとにいたしまして、いずれにしても四十九年度以降のこの動向がまだ的確に把握できておりませんので、確定的なことは決定できませんけれども、それからまた、機種が、どういう機種になるかということも未定でございました。したがって、そういう不確定要素が非常にございますけれども、とにかく両年度で発注ベースで最低限度どの程度見込まれるかということでこの三億二千万ドルという数字を出したものでございまして、これは大型機あるいは在来機含めまして、ただいま申し上げましたように、航空会社の計画がどの程度見積っておるかということをもとにして、運輸省として少なくともこの程度は可能であろうという数字を出したわけでございます。
○田渕哲也君 時間がきましたので、最後に一点だけお伺いしますけれども、この鶴見・インガソル会談の合意に基づいて、この大型航空機の購入を容易ならしめるために具体的に政府はどういう措置をとられたのか。
○政府委員(山崎敏夫君) これは外務省の主管ではございませんけれども、われわれが聞いておりますところでは、その購入を容易ならしめるための措置としては、具体的に申しますと輸銀によります輸入金融の供与という形で行われまして、その結果として、日本航空はボーイング747SR型を購入し、全日空はロッキードの一〇一一型及びボーイング727-200型を購入したということでございます。
○田渕哲也君 以上で終わります。
○委員長(高橋雄之助君) 本調査についての質疑は本日はこの程度といたします。 これにて散会いたします。 午後四時五分散会 ―――――・―――――