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77回国会参議院1976/09/10

ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第29号

発言数
189
登壇者
16
会派数
6
開催日
1976/09/10

会議録

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨九日、栗原俊夫君及び小谷守君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君及び上田哲君がそれぞれ選任されました。     —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 矢田部理君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事の補欠選任を行います。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に瀬谷英行君を指名いたします。     —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まず防衛庁長官に伺っておきたいと思うんですが、防衛庁長官は、長崎県の対馬の上対馬町にオメガという電波を発振する施設があることを御承知ですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 承知いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁の装備局長に伺いますが、あるいは装備局長が御承知なければ他にお答えいただいても結構ですが、最近のP3Cオライオンの搭載電子機器ANEW、このANEWにはオメガシステムが組み込まれている、こういう資料がありますが、そういうふうに考えて間違いございませんか。

岡太直防衛庁参事官

○説明員(岡太直君) ANEWと申しますのは電子情報処理装置でございます。そしてオメガと申しますのは航法装置でございまして、別のものでございますけれども、最近のUP−DATEのP3Cにはオメガの航法装置を装備いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 このP3Cに搭載されているオメガの装置、これはP3Cの対潜哨戒機能としての航行位置あるいはソノブイの位置あるいは目標の位置あるいは時刻、こういうものをリアルタイムに処理するために装置をされていると、こういうふうに思うわけですが、そういたしますと、P3Cの機能を発揮するためには、地上のオメガ発信局の装置が、必要不可欠とまでは言いませんけれども、非常にP3Cの運用に大きく連動していると、こういうふうに理解していいわけですか。

岡太直防衛庁参事官

○説明員(岡太直君) 対潜機にとりまして、自分の位置を絶えず正確に確保するということ、それからソノブイとの関係位置というものを正確につかむことが必要でございます。そのために対潜機につきましては慣性航法装置、イナーシャルナビゲーションというもので、これは外からの電波がなくて自分の位置がわかるものと、そういうもの、これがまず第一に自分の位置を正確に決める主要な機器でございます。そしてそのほかソノブイとの関係位置はソノブイ・レファレンス・システムと称しまして、そういう電波を使ってその関係をはかるものがございます。したがいましてオメガの航法装置は、航法装置の一部ではございますけれども、これが主要なものではなくして一部であるというふうに御了解願えれば結構かと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 航法装置の一部ではあるけれども、オメガがなければその機能はかなり削減をされるだろうと、こういうふうに考えていいわけですか。

岡太直防衛庁参事官

○説明員(岡太直君) 航法システムにつきましては、非常に対潜機におきましては重要なものでございますから、三重のシステムになっております。たとえば一番簡単なものは、星を見て位置な調べるというように、いわゆる六分儀と申しましょうか、そういうものもございます。それから先ほど申しました慣性航法装置もございます。それでさらにいま先生の申されましたオメガもございますわけで、言うなれば簡単に言いますと、三分の一の機能というふうに御理解願えればいいかと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 外務省に伺いますが、いまの議論になっておりますP3Cが搭載しているオメガ航法システム、このもとになっているオメガの発信局について、昭和四十七年の八月十五日に、東京において、当時のインガソル・アメリカ大使と大平外務大臣との間にオメガ航行援助局の設置について文書の交換が行われております。アメリカからこのオメガ局の設置の申し入れがあって、要請があって、これを日本が受け入れて、先ほどのオメガ局が設置をされている、制度上はそういうふうに考えていいわけですか。オメガの設置、対馬におけるオメガの設置についての取り決め、これは四十七年八月十五日、この文書の取り決めによって行われている、こういうことですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○説明員(山崎敏夫君) 仰せのとおり、昭和四十七年の八月十五日に、オメガ航行援助局設置に関する交換公文が行われたわけでございます。この点はアメリカからこの設置に関して援助したいという申し出があり、わが方にとっても利益のあることでございますので、いろいろ交渉いたしまして、合意を見た結果をこの交換公文をもって確認いたしたわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 はっきり確認をしておきたいと思うのですが、これはアメリカ政府の要請があって文書の取り決め、設置に至った、こういうふうに理解していいわけですね。要請があったということで、先方から。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○説明員(山崎敏夫君) アメリカ側からこのオメガ航行援助局の設置について援助したいという申し出があり、いま申し上げましたように、わが方としても利益がある問題でございますので、その要請に応じて話し合いをして合意を見たということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの説明なり外務省の告示の文書によりますと、昭和四十七年八月十五日に、在日米大使、インガソル大使からの要請の文書があった、そして手続的には同じ八月十五日に即座にこれを受諾する、こういう文書が大平外務大臣からアメリカあてに出されている。つまり形の上では八月十五日に要請があって八月十五日にオーケーをした、こういうことになっているわけでありますけれども、外務省としてはこのオメガ局の設置がどのような意味を持ってどのような目的で設置をされるのか、この点についてはこれを受諾をする文書を出す前に政府部内ではどのような検討を行ってこれを受諾することにしたわけですか。外務省だけの判断でやったわけですか、それとも政府部内、どういう省庁とこの問題については協議をされたわけですか。で、内容的にはどういうふうに把握をされたわけですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○説明員(山崎敏夫君) わが国は従来からこのオメガシステムという計画が世界にまたがる航行援助システムであり、その技術的効果も非常に著しいということに注目いたしておりまして、これは一般の船舶や航空機の航行安全のためには非常に役立つという認識を持っておったわけでございます。したがいましてこの問題に関しまして昭和四十三年ごろからアメリカ側から日本にこの送信局を設置したいということの申し入れがありまして、政府部内においていろいろ検討を重ねまして、これに応ずることは適当であろうということになって折衝をいたしまして、この昭和四十七年の八月十五日にその話し合いの結果を取りまとめた交換公文を交換したということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 外務省はこのオメガの施設というもの、これを開発をし、そして機器を所有しているところがアメリカのどこだということは承知された上でそういう取り決めをされたわけですね、いかがですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○説明員(山崎敏夫君) 私たちが承知しております限りにおきましては、このオメガシステムを開発したのはアメリカの海軍であると聞いておりますが、それをいま所管しておるのは、アメリカのコーストガードであるというふうに承知しております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 海上保安庁、見えてますか。一九七一年ですから昭和四十五年ですか、六年ですか——六年ですね。一九七一年の十一月にワシントンにおいてオメガのシンポジウムが行われておる。これには海上保安庁からも職員を派遣をされておられますね、どうですか。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) ただいまのお話の会議には私どもの燈台部の職員が一名、これに参加いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 このオメガシンポジウムを主催したのは、アメリカのネービーが主催をしておるはずなんですが、いかがですか。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) 大変申しわけございませんが、ちょっとその点、不明確でございまして、まあ海軍であった可能性はございますけれども、その点、はっきりとお答え申し上げることができません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは七十一国会、衆議院の内閣委員会で若干この問題が議論されておりますね。その記録を見ると、海上保安庁の山越芳郎さんという方が、このシンポジウムに参加をしている。そしてこのシンポジウムを主催したのはアメリカの海軍であるということ、はっきりとこれは出ています。海上保安庁としては、あなたはいま主催者がどこであったかはっきりしていないということですけれども、このシンポジウムはアメリカの海軍が主催をしたシンポジウムであることははっきりしているんです。だとするならば、アメリカの海軍の主催をするかなり重要な意味を持ったシンポジウムに、海上保安庁は承知の上で参加をされたと、こういうことになっていると思うんですが、この点は、事情はもうわからなければわからないでいいです。結局、この昭和四十七年の八月十五日に日米間のオメガ局の設置について、アメリカの申し入れを受諾をして長崎県の上対馬に設置をした、こういうことになっているわけで、この点は、当時の時期としても非常に着目すべき時期にこれは設置されておると思うんでありまして、先ほど防衛庁の方の説明があったように、オメガの装置があるとないとでは、P3Cオライオンの機能は三分の一は減殺をされると、こういうふうに説明されておるわけです。四十七年の十月九日にPXLが白紙還元をされる、その前に、四十七年八月八日にワシントンから、非公式という形ではありますけれどもP3Cオライオンのリリースのオーケー、こういう情報が防衛庁にもたらされている。こういう時期に、P3Cオライオンの機能を非常に高めるための施設が日本の国内に設置をされるという取り決めが行われている、こういうことになっているわけです。まあこれは海上保安庁はそこまでのことは意識はなかったと思うんですが。  そこで海上保安庁に続いて伺いたいと思うんですが、この八月十五日の日米間の取り決めに基づいて長崎県の上対馬町、まあ対馬の島の一番北端でありますけれども、ここにオメガ局を設置をしたわけですが、海上保安白書の説明、あるいは海上保安庁のいろいろな説明なり地元の上対馬町の町長なり町議会、地元住民等に対する説明では、先ほど来説明があったように、このオメガ局というのは民間の一般船舶あるいは一般の民間の航空機の航行用として設置するものだ、こういう説明をされている。私も現地へ行って町長や町会議長に会いました。そういう説明を受けたと、こういうふうに現地の人は言っていますね。七十一国会でも、横路孝弘議員の質問に対して、これはあくまでも一般船舶用に設置をするものだと、こういうふうな説明がされているわけです。  しかし現実に、先ほど防衛庁の説明にもあるように、日本に導入されようとするP3Cオライオン、このオライオンP3Cにはオメガを受信する装置というものが設置をされていると。そして、このオメガ波を使うと使わないとではP3Cの機能が三分の一は減殺をされる、こういう説明があったわけですね。  したがって、これはまず開発をしたところ、あるいはこれを世界に八カ所設置をしている、これは初めからもうアメリカの海軍がやっているということはわかっているわけですね。そして、重要な軍事目的に使われるということもわかっている。それを隠して、一般船舶用だということで対馬に設置をした。これは国民に対して非常な欺瞞をしていることになりはしませんか。その点いかがですか、海上保安庁。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) 先生御承知のように、オメガシステムと申しますのは超長波の電波を用います航行援助施設でございまして、現在世界で一般に用いられておりますロランでカバーできない海域がこのオメガによってカバーされるという、そういう性格のものでございます。この開発は確かにいまお話のございましたようにアメリカの海軍が開発したということはこれは事実でございます。ただ、アメリカにおきましては、この現在ございますロランにつきましてもやはりこれは海軍が開発しておる。要するにこの電波航法システム装置は海軍がこれを所管してこれまで開発をしてきておるわけでございます。今度つくられましたそのオメガにつきましても、これは、それがいろいろな面に利用され得ることは、可能性はございますが、日本といたしましては、このオメガというものが一般の船舶、商船あるいは漁船にとってきわめて有益であるという点に着目してこれを採用して、これのシステムに加入をいたしたわけでございます。日本は特に海運の大国であり、また水産の大国であると、こういう立場から、これはそれぞれの用途の面から見まして非常に有益である、そういう観点に立ってこれを採用しておるということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 電波ですからね、受信装置を持っておれば、それは確かに一般の船舶にも使えるであろうということは、これはもうあたりまえのことなんですよ。電波ですから、とめることはできないわけですから。しかし、いままで海上保安庁が対馬へ設置をするに当たっては、確かに当時懸念があった。現地の人にも懸念があった。それに対してこれは軍事目的とは一切関係ありませんと、一般の、あくまでも一般の船舶用のものですと、こういう説得を現にやっているということを私も現地の町長から聞きました。さらに言えば、私はこれは軍事目的に使われていると、こういう懸念があったから現地へ行ったわけですが、現地の町長や町会議員の人は、軍事目的に使われているということを指摘をされると、これは上対馬町は大騒動になるから、これは何とかもう不問に付してもらえませんでしょうかと、こういう陳情を受けたわけですよ。ですから、いま説明がありましたけれども、私が指摘したいのは、初めからあなた方の方は一般の船舶の航行用に使うということで、知識の乏しい上対馬の人をだましているじゃないか、現に軍事目的に使われているし、使われているどころではない、最も軍事目的のために効率的に使われている、このことを地元の町民に対して隠しているじゃないか、こういう点を指摘しているのです。この点どうですか。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) このオメガの効用につきましては、確かに先生いま御指摘がございましたように、これは電波でございますから、その利用はいろいろな形でできるということはこれは否定できないことであろうと思います。しかし、海上保安庁が、私どもが、このオメガのシステムに加入するということを決めましたのは、これが民間の船舶、一般商船あるいは漁船の用途に役立て得るためだという観点からこれを決定いたしておるわけでございますので、それが結果的にいろいろなほかの面に利用され得る可能性はあったといたしましても、私どもとしては、これは平和目的のために設置をしているという考え方でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、あれですか、海上保安庁はこのオメガの装置が、いま防衛庁から説明があったように、対潜哨戒機、P3Cオライオンに使われる、あるいは原子力潜水艦に使われる、こういうことは知らなかったということなんですか、どうなんですか、その点。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) 技術的にいろいろな面にこれが利用され得る、たとえばいまお話しになりましたような点についての可能性があるという点、これは技術者といたしましても承知はいたしておったと思うんであります。ただ私どもがこれを採用決定いたしましたのは、繰り返して申し上げますが、そういう点に役立てるためでなく、平和の目的、一般の商船あるいは漁船の航行安全ということのためであったわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もうそこの説明が、これはつじつまが合わないですよね。これはそういう潜水艦あるいは対潜哨戒機にも使われるということはあるであろう、しかし海上保安庁としては、一般船舶用にということで設置したのだ、こういうことですがね。技術的にはもう使われるということはわかっていたわけです。それを私がここで指摘をしておるのは、地元の上対馬町の人たちには、そういう懸念はないということで設置の話を進めている。だからこれは上対馬町の人たちを欺瞞をしているんじゃないですか、こういうことなんです。結果的にそうなっているのじゃないですか。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) 私どもが地元に対してお話をいたしましたのは、やはりこの施設をわが国に導入をするというその目的、これが一般の商船なりあるいは漁船の利用に供するものであるという点をお話をしたわけでございまして、一般の住民を欺瞞をしたという、そういう意図を持ってお話をしているわけではございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはどう説明されても、地元の人は軍事目的とは関係ないということ、そういうことで理解をしたと、こう言っているのですよ。  このやりとりはきりがないので、次へ進めますけれども、この設置に入るに至るまでに、交換公文でもうたってあるわけですけれども、このオメガに関係する職員については、アメリカからの要請文書の中に、無償でアメリカで訓練をする、こうなっていますね。ただ旅費や日当は出さないよと、そのかわり訓練する費用は全部アメリカが持つと、こういうふうになっているわけですが、これはいま対馬で勤務されている三十何名だったと思うのですが、この方々はアメリカで訓練を受けたわけですか、何人アメリカで訓練を受けたのですか。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) 十六名はアメリカで訓練を受けております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 その訓練に当たったアメリカ側の方の訓練所といいますか、訓練を担当したのはアメリカの海軍であったと思うんですが、間違いありませんか。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) アメリカのコーストガードでございまして、これは海軍でございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 コーストガードということの説明であろうと思うのですけれども、実質的にはこれはやはりアメリカの海軍の機能というものが非常に強く動いておるわけですね。実際問題としていま使っている対馬にある機械ですね、電波を発振する機械、この機械には、やはりアメリカの海軍、USネービーのために納入したということでメーカ1のプレートが入っておりますね。つまりあの所有というのはコーストガードということだけれども、機械はアメリカ海軍のためにつくられた、こういうしるしが入っておりますね、どうですか。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) そのとおりでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁長官、よろしいですか。  いまのオメガのやりとりですがね、海上保安庁の方、これは四十七年の八月十五日の取り決めに基づいて、アメリカへ職員を流遣して訓練を受けて、アメリカから機械が持ち込まれて、いますでに上対馬町でオメガ局が動いているわけですね。ここにオメガとは何かということで、これだけ外国の文献がありますよ、これ。「オメガ・ザ・ファクツ」オメガの真実というような題でこれだけあるわけです。この中を見ると、オメガが最も有効な機能を発揮するのは原子力潜水艦だ、特に極地の氷の下を航行している原子力潜水艦でも有効にガイドすることができる、こういうような説明とか、あるいはジョン・ウォーナー米海軍長官、この人の論文が出ております。オメガ航行システムは太平洋におけるアメリカ海軍の作戦において非常に重要な役割りを持っている、こういう意味の論文も出ております。あるいはこの原子力潜水艦作戦に関連性があって、ほとんど確実にアメリカ海軍によるシステムの開発の基礎となっている主要な理由の一つである、こういうふうにオメガのことを説明をしております。あるいはまた、このオメガの信号は水面下五十フィートにおいても受信し得るということはきわめて注目すべきことであると。これは、特に重要であるというのは、オメガシステムの開発と設置の背後にある主要な動機の一つがポラリス潜水艦のための航行システムの必要性にあった、こういうふうなこと。いろいろここに、このオメガというものがどういう目的で開発をされ、どういう目的で利用されているかという文献があるわけです。こういうところまでいろいろオメガの問題の効用が国際的にもすでに喧伝をされている。そういう状態であるにもかかわらず、なおかついま海上保安庁の方が説明をされたように、オメガというのは軍事目的とは関係ない、一般船舶用につくったものだ、こういうことで納得できますか、これ。いかがですか、この点。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 人類の知恵が発達しまして、技術が発達しまして、それによって航行する船、あるいはそれが浮かんでおろうと水にもぐっておろうと、それからまた飛行機であろうと、自分の位置を正しく知るということがいかにその船あるいは航空機にとって大事なことか、特に安全性にとって大事であるかということは言えると思うんです。そのために開発もなされたと思うんでございまして、いま私聞いておりますと、海上保安庁として漁船やあるいは日本の海上輸送、特に油なんかは九十何%も他国に依存をして、そして日本の今日の国民生活が成り立っておると、こういうことを考えました場合、その船が安全に輸送をされるということのためにこういうようは文明の利器を使うということは、まことに結構なことであるというふうに私は考えておる次第であります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 ちょっと関連して。  先ほどコーストガードは海軍じゃないという御答弁ございましたけれども、このコーストガードというのは日本語で言えばどういうことになるのか。指揮系統が海軍とは全然切り離されているのか、あるいはやはり警察なら警察の所管に入っているのか、その点ちょっと説明してもらいたいと思います。  コーストガードの艦艇は、やはり一応武装をして沿岸警備の任に当たっているというふうに私どもは承知をしているのでありますけれども、その海軍との関係は一体どうなっているのか。日本の海上保安庁のような形になっているのかどうか。指揮系統は海軍とは別になっているのかどうか。もし別になっているとすれば、どういう指揮系統に属しているのか、その点、先ほどの問題と関連をしてちょっとお伺いしたいと思うんです。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) アメリカの政府の中の行政組織といたしましては、コーストガードは現在、運輸大臣のもとに入っております。つまり運輸省の一組織でございます。この点はちょうど日本の海上保安庁と全く同じというふうに理解していただいてよろしいと思います。  ただ、いまお話のございましたように、部隊組織になっております。戦時にはこれは海軍と一緒に行動する。この点も現在の日本の海上保安庁が防衛出動あるいは治安出動といったような事態に防衛庁長官の指揮を受けることがある、そういう自衛隊法のたてまえになっておりますが、それと同じでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 外務省のアメリカ局長は、このオメガについて、世界で八カ所設置をするということでアメリカが場所を選定をした、この中でニュージーランドが最初白羽の矢を立てられた、ところがニュージーランドは、これが軍事目的に使われるということでこの設置を断ったという経過、これを御存じですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○説明員(山崎敏夫君) このオメガ航行援助局の設置についてアメリカとニュージーランドとの間で話し合いがあったことは事実でございますが、われわれが承知しておる限りでは、その後、アメリカは六九年の四月にニュージーランド政府に対しまして、このオメガ局はニュージーランドには設置しないことにしたというふうに通告しております。と申しますのは、一方、豪州——オーストラリアとの間で話が進んでおりまして、これに関しましては、私たちが得ております情報によりますと、本年の三月に現在の豪州政府は、このオメガ局を設置する方向でアメリカ政府と交渉をするということに決定しておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 アメリカ政府がこれは断ったのじゃないんですよ。ニュージーランド政府が、軍事目的に使われるものは要らないということで断って、やむを得ず、これはアメリカ政府としてはオーストラリアに設置をする、こういうことになってきたわけですね。だから国際的に見ても、いま防衛庁長官や海上保安庁やあるいはアメリカ局長が言うような形で理解をしていないんですよ、このオメガというものについてはですね。  防衛庁の方では、ベトナム戦争でこのオメガが非常な効力を発揮した、こういう報道が「エービエーション・ウイーク」というアメリカで発行されている資料に、本に報道されている。このことを承知されておりますか。

岡太直防衛庁参事官

○説明員(岡太直君) 承知いたしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 現在自衛隊で船舶なりあるいは航空機、陸上のあるいは車両等もあるかもわかりませんが、特に船舶なり航空機でこのオメガを使っておりますか。

岡太直防衛庁参事官

○説明員(岡太直君) 現在のところ防衛庁の航空機、船舶等にオメガの受信機を装備いたしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 潜水艦も装備しておりませんか。

岡太直防衛庁参事官

○説明員(岡太直君) 装備いたしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 坂田防衛庁長官、いままでいろいろやりとりをしたわけですけれども、先ほど坂田防衛庁長官は、科学が進歩した、その科学の進歩を日本は特に海と関係があるんだから一般船舶等に大いに利用する、これはあたりまえじゃないかと、こういう意味のお答えがあったわけですけれども、電波ですからね、電波ですから、受信装置を持って、そして受信をしてそれを操作する技術を持った者が配置をされておれば、これは電波は特に発振されるときに一般商船は使ってもいいけれども、軍事用の軍艦や潜水艦や飛行機は使っちゃいけないというふうに識別して発振されるものではないわけですから、確かに一般商船も漁船も使おうと思えば使われることは、これは否定することはできない。しかし、いま冒頭に防衛庁の説明にもあったように、P3Cオライオンというのはこのオメガによって性能が非常に向上しているわけです。もしオメガを使うと使わないとではその機能は三分の一削減をされるという先ほどの説明があったわけです。原子力潜水艦がどのぐらいこれによって性能が向上しているかという資料、ここにいっぱいあるのですよ。そういう点からしても、いままで外務省が交換公文によってオメガの対馬への設置を取り決め、あるいは海上保安庁の先ほど来の説明があったような運用とはかなり性格が異なっている。軍事的に非常にこれは利用されている。なかんずくアメリカの原子力潜水艦あるいはアメリカのいま配備されているP3Cオライオン二百機、これがこのオメガの設置によって非常に性能が向上していると説明があったように、まずこれによって航行位置、現在位置を正確に把握をすることができる、あるいは国際標準時を正確に把握をすることができる、世界同時刻体制をつくることができる、こういうことでオメガのシステムによってアメリカの軍事力は飛躍的に向上している、こういうふうに言われているわけなんです。したがって、現状はこの日本の対馬に世界の八カ所の一つが設置をされた。確かに一般船舶にも受信はできるけれども、軍事目的として非常に重要な意味を持っておる、こういうことは否定できないと思うんですが、いかがですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 先ほど来申し上げますように、非常に安全航行のために必要であるということでございますし、また同時に軍事的な意味においてもこれを利用すればそれだけ機能が高まるわけでございます。したがいまして、専守防衛のわが国といたしましては、その機能を発揮させるということが平和維持のために私は必要であるというふうに思うわけでございまして、わが国の防衛力というのは平和維持機能としての防衛力というものを持とうとしているわけでございます。国民一人一人の生存と自由、安全のためにわが国の防衛がある、つまり平和目的のためにあるわけでございます。平和維持のための防衛力、そのためにいま先生がるる該博なる知識で教えていただきましたような、そういう機能を持っておるとするならば、なお一層われわれとしてはそういうものを設置したい。しかし、これはなかなかお金のかかることでございますから、ここはまた費用対効果の問題も考えなきゃなりませんし、そういうこともありますけれども、われわれとしてはできれば設置したいというふうに考えておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まあ坂田防衛庁長官は航行の安全のためにも役立つし、軍事的機能にも役立つが、日本としては専守防衛という防衛理念で行くんだという説明があったわけです。坂田防衛庁長官のその防衛理念は、これは日本だけで運用しているんだったらそれはそれでいいんですよ。私どもはまあ立場からすればいいとは言えないけれども、これはやむを得ないと思います。しかし、対馬に設置されているこのオメガというのは、これは世界で八カ所、総合的に地球上全体をこのオメガの電波でカバーするためにアメリカが選定をして世界に八ヵ所つくっておるわけで、その一つなんですよね。日本だけが専守防衛のために使っているんじゃないんですよ、これは。アメリカの原子力潜水艦、P3Cオライオンみんなこれを使っているわけです、この電波を、軍事目的のために。だから、それは防衛庁長官が幾ら専守防衛のためだと言っても、日本はそうかもわからぬけれどもアメリカはそうは考えていない。そこで、きょうは運輸大臣が見えていないんですけれどもね。明らかにこれは対馬の住民にはうそを言っているわけですよ、うそを。そうでしょう。軍事目的とは関係ないということで、あそこに設置することを了解させておるわけでしょう。これに対してはどう説明されますか。いかがですか、その点。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) 私どもは、先ほどから申し上げておりますように、こういう施設を日本に設けるということ、言いかえれば日本がオメガシステムの中に入るということが、海運国でありまたは水産国である日本の船舶の航行の安全という、そういう面からこれはぜひともやはり必要であるという、そういうことで地元にもお話ししておるわけでございます。そういう立場で今後もその地元の方々にお話をしてまいりたいと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 上対馬の人はそういうふうには理解していないんですよ。いまここでやりとりしたようなことは全然考えていないんですよ。これは一般船舶の航行のための施設であって軍事目的には一切使われないと、こういう説明があったということで了解をしているわけです。あなた方の方は一般船舶が航行安全のために必要なんだと言っても、同じ電波を対潜哨戒機や原子力潜水艦が現に使っているわけでしょう、使っている。もし日本でもP3Cオライオン、あるいはカナダと同じようなシステムのものを導入したときには使うわけでしょう、これを。海上自衛隊、対潜哨戒機に使うことになるでしょう。まずそこから聞きましょう。いかがですか、この点。

岡太直防衛庁参事官

○説明員(岡太直君) 先ほど、現在わが方の艦艇なり航空機には装備いたしておりませんということを申し上げました。そして今後、今度の対潜機につきましては、このオメガ装置と申しますのは、先ほどるる御説明がありましたように、非常にすぐれたものでありますから、コスト・エフェクティブネス等いろいろなことを検討しまして、わが方に役に立つ場合にはこれを恐らく装備すると、こういうことになると思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、海上保安庁、やっぱり地元に対する説明と食い違ってきているわけですよ、現実に。海上自衛隊が使う使わぬにしろ、現にアメリカの原子力潜水艦、P3Cオライオン、これによって性能が非常に向上したということがたくさん報道されているし、ベトナム戦争においては最も効果があったということも報道されているわけですよ。そういうことは上対馬の人には全く説明されていない。軍事目的とは関係ない、こう説明されてあれができておるわけです。これに対してどういう弁解をされますか。いかがですか、これ。

間孝海上保安庁次長

○説明員(間孝君) 一つの施設ができまして、これは電波を出す施設でございますので、出された電波がいろいろな面で利用されるということはこれは否定することはできない、これをとめることはできないわけでございます。ただ私どもは、やはり日本としてこの施設を設置したということは、何と申しましても日本の船舶の、民間の船舶の航行の安全にこれどうしてもやはり必要であるというそういう非常に大きな必要性からこれを設置し、今後も維持していくという立場でございますので、こういった点を今後とも地元の方々に対しましてはよくお話をいたしまして御理解を得ていきたいというふうに思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そういう説明ではこれはもう通用しませんよね、ここまで来たら。それ以上ここで同じことをやりとりしてもあれですから、また改めて所管の大臣の見解を伺うことにしましょう。  最後に坂田防衛庁長官の見解を承りたいと思うんですが、先ほど来の長々とした議論の中でオメガというものについての性格がだんだん明らかになってきたわけですが、このオメガは、アメリカの海軍が世界に八カ所設置をしたと、アメリカのノースダコタ、ハワイ、ノルウェー、トリニダッド・トバゴ、そして日本の対馬、さらにインド洋にあるフランスのラ・レユニオン島という島、それからアルゼンチン、そしてオーストラリア、こういうふうに八カ所で全世界をカバーをする装置が近々完成することになるわけです。これはどう説明されようとも、確かに一般の船舶にも利用できることは利用できるけれども、主目的はアメリカの原子力潜水艦、そして対潜哨戒機、つまりアメリカの核ミサイル戦略体制、この一環としてできた施設であることは疑う余地はないと思うんです。疑う余地はない。その場合に、このP3Cオライオンについては、先ほど説明があったように、搭載電子機器の中にこのオメガの受信の設備が搭載をされている。それによって非常な性能、対潜哨戒機としての性能が高まっている。そういう性能を持った施設の一つをアメリカの要請によって四十七年八月十五日に交換公文によって日本に、上対馬町へ設置をしたわけです。この日本の対馬に設置をしたという意味、これは非常に私は重要だと思うんですよ。つまり、先ほど防衛庁の事務局の方から説明がありましたけれども、対馬にこのオメガ局を設置をしたということは、つまり将来——当時として将来、日本にP3Cオライオンを配備する、その条件づくり、布石というふうに考えざるを得ない、機能から言って。そういうふうに私は考えざるを得ないと思うんですが、防衛庁長官としてはこれに対してどういう見解をお持ちになりますか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 私は非常に素直に考えるんでございまして、ただいま海上保安庁から御説明がございましたように、日本の国はもう資源を多数輸入をいたしまして、それを加工して、そして日本の経済力を高めてきておる。この現実を踏まえまして、石油など九十数%を海外に依存し、そして二十万トン、三十万トンというタンカー船を安全に航行をさせるということは、日本にとって非常に大事なことであります。日本の平和維持にとって非常に大事なことであります。また国民生活を豊かにするという意味において非常に大事なことであります。そういう観点から設置をされたことだと思うのでございまして、またこれを利用するいろいろの国々も同様な平和維持のための恩恵をこうむっておる、この一面をやはりじっくり考えるべきじゃないだろうかというふうに思います。もちろんそれが軍事的にも有効である、また日本の平和維持のための防衛力あるいは日本国民の生存と自由を守るためのものにも必要であるとするならば、なおさらいいことでございまして、きょう先生のお話を聞いておりまして、なおさらこれは早くわれわれの自衛隊にもこれをつくらなきやならないなあというふうに感じを持った次第であります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 関連。  防衛庁長官にちょっと関連してお伺いしたいと思いますが、いまP3Cの話、野田委員からもいろいろ質問がございましたけれども、最後の長官の答弁で日本の防衛の問題について所信をちょっと述べられましたが、ミグ戦闘機で亡命してきたソビエトの空軍中尉がおりましたが、あの戦闘機がするするっと函館空港に入ってきたということは、われわれにとっていろんな意味で大変な脅威だったわけです。あの戦闘機の取り扱いをどうするのか、所有権はどうなるのか、それからあの戦闘機の性能等についていろいろ検討されているんじゃないかと思うんですけれども、そういう検討を防衛庁としてやっておるのかどうか。その結果、たとえばPXL等について再検討するといったような考え方は防衛庁として生まれてきたかどうか、それらの点について関連してお伺いしたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 実はミグ25戦闘機がするするっと入ってまいりましたことはまことに遺憾なことであるというふうに私は思っておるわけでございます。何でわが自衛隊機がこれを捕捉できなかったかということに対しまして、まことに申しわけないと思っておるわけでございます。この欠陥を十分検討いたしまして、そして防空体制の弱点を補わなきゃならないというふうに思っております。  ただ、申し上げておきたいことは、これは衆議院の特別委員会でも申し上げたことでございますけれども、今日どこの国でも、低空による、しかも超高速の飛行機を捕捉するということは、近代の軍事力をもってしてはなかなか容易ではない。これは大出さんもみずから御説明になっておりましたように、キューバからマイアミに同じような亡命機が入りましたときもアメリカ当局は全然これを予知することができなかった、おりてしまってからわかったというような状況でございます。特に自由社会、平和時におきまして、こういう突発的な状況におきましてはなかなかこれの侵入を防ぐというのがむずかしいということはひとつ皆様方も御了承を賜りたいと思うわけでございますが、しかし、それでもっていいというわけにはまいりませんで、各国ともこの低空の高速の侵略機あるいは領空侵犯機に対しましていまあらゆる努力を払っておる、科学技術の粋を集めてやっておるということでございます。まあ、そういうわけでございまして、今度の場合も、ソ連それ自体が、彼が飛び立ってどういうふうにして行動したかということが捕促できなかった。彼の証言によれば、五十メートル、六十メートルで二百キロぐらいを出ますまでは低空で飛んだ、したがって向こうからは捕促できなかった、したがって向こうで捕らえることもできなかったということでございます。  で、これに積んでおりまする機能がどういうものであるかということは、やはり潜在脅威を構成する物体でございますから、これがわが主権の存する日本の領土内にとにかくこちらの警告を無視して着陸をいたしましたわけでございますが、そういうようなことがなぜ可能であったかということについては、相当の高度のレーダーあるいは機器あるいは運用のやり方等を持っておる、これはやはり日本の安全のために私といたしましては調査をいたしたいというふうに考えておるわけでございまして、こういうようなことを完全にもし知り得たとするならば、PXLに搭載さるるべきいろいろの機器等につきましてもあるいは日本で開発ができるかもしれない、その可能性が生まれてくるかもしれないということでございまして、先生の御指摘も含めまして、私は今後PXLの選定についてもそれを頭に入れながら今後考えていきたいというふうに思います。したがいまして、ぜひとも皆様方の御了承を得まして、この調査をさせていただきたいというふうに思っておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もう一つ。  いまミグ戦闘機の問題が出ましたので、もう一つ重ねて伺っておきたいと思うんですが、ミグ25が低空で日本の領内に入ってきた、着陸をしたと、こういう問題が起こったわけですが、この是非はともかくとして、   〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕 ああいう状態が起こったとすれば、昭和四十七年十月九日に次期対潜哨戒機とともに白紙還元ということになったAEW——早期警戒装置、これについて恐らく制服の方ではいろいろ議論が起こってくるんじゃないかと思うんですが、この点について、いま防衛庁としてはどういう見解をお持ちになっておるか、承っておきたいと思うんです。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○説明員(伊藤圭一君) AEWの機能につきましては、私どもの方の基盤的防衛力の中でも、低空侵入に対しては非常にウイークポイントがあるのでこれに対する対策を講じなければならないということは三次防以来の考え方でございます。そして、今後そういう方面を研究いたしまして必要な機能を持たせるようにしたいということは、いまも変わっていないわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 終わります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 法務大臣、いよいよ政変も政局も大詰め、あと二時間数十分で、皆さん方含めて閣僚の座も維持できるのかどうか、非常に緊迫した状態であるわけですが、この状態はいま始まったわけじゃないわけですけれど、私はこの委員会に所属している者としまして、捜査当局もやっぱり厳正中立、積極的に一生懸命やりながら、決してこういう政変には無関心でいるわけないわけですね、やっぱり。失礼ですけど、生きた人間ですから、当然相当の関心もお持ちであるし、客観的にせよ持つ立場にあるわけですけれども、私は、こういうことが当然やっぱり捜査する人に、陰に陽に、心理的にせよ精神的にせよ、いい影響を与えてない、あるいはもっと言うと、悪い影響を与えているんじゃなかろうかと、こういう心配をせざるを得ないわけです。まあ、きょうどういうふうにこれが終息するにせよ、   〔理事林田悠紀夫君退席、理事岡本悟君着席〕 あるいは来週、数日を経ずしてどう終息するにせよ、その後にもやっぱり何らかの尾を引く可能性があるわけでありまして、与党・自民党政府内の抗争というものが中期的あるいは短期的将来もその影響があるんではなかろうか、捜査の結果に出るとか出ないとかいうことじゃなくしても、あるんではなかろうかと心配するんですが、法務大臣、指揮をとられる立場において、そういうことをどのように受けとめていらっしゃいますか。お感じになられていますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) たびたび申し上げましたが、法務大臣といたしましては、捜査当局が静かなる環境のもとで十分真相究明しやすいような状態にあることを念願しておるわけですね。ただ、こういう状態で、まことにそういう意味では遺憾なことでありますけれども、しかしながら、わが捜査当局検察庁は、不偏不党、厳正公平の立場をあくまでも堅持して、いかなる事態にも対処してくれるものと確信しておる次第であります。   〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕

黒柳明公明党

○黒柳明君 私は、その確信はごもっともですし、私もそうならなければいけないと思うんですけれども、やっぱりこれは政変につんぼさじきで捜査しているということじゃないわけですから、当然、言うならばその最大の関心を持つ立場にも、ある意味ではあるわけですから、すべて重要な強制捜査は法務大臣への報告、さらにしかるべきところの許可という手続も必要なんでしょうから、それに差し支えがあるという局面はないにせよ、やっぱり捜査する立場でも肝心な行政が怠慢になって、行政が軌道に乗っかってないで、それで厳正中立の捜査でござい、われわれ一生懸命やっていると、そういう意思確認、確信は持っているにせよ、やっぱりそれは陰に陽に、あるいは陽じゃなくても陰に、精神的、心理的に相当な悪影響があるということは否めない事実だと思うんですけれども——私の感触としましてね。法務大臣も、そこらあたりはどういうふうな御感想、感触をお持ちですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 捜査当局の心理状態というようなことを聞きもしませんし、それから刑事局長から報告も受けておらないわけですが、私の方の立場としては、どうも政府の閣僚の一人として、また自由民主党という与党の一人として、与党がこういうふうになっており、そういう不安定な与党の上に乗っかっている政府の閣僚の一人として、少し気の毒だなと、まことに静ひつな状態において十分にその能力を発揮してもらわなけりゃいかぬという立場にある者としては、検事総長以下に対し気の毒であると、また相済まぬ次第であるが、それにもかかわらず真相究明に冷静に取り組んでおるという姿勢の報告を受けまして、まことに頼もしい次第であると、今後そういうふうにやってもらいたいと言うて、刑事局長を通じその旨検事総長の方に伝えてございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 五時の臨時閣議が相当の山だと思いますけれども、先般、三週間前ですか、福田副総理が出られたときは、与党はがたがたしているけれども閣僚は別に亀裂はないんだなんと。それから三週間で、もう閣僚も、反三木、三木で最大の亀裂の中心になっておりますけれども、やっぱり憲法では六十六条——そのときも指摘したんですが、内閣は連帯責任をとるんだと、こう定められているわけです。ですから、与党・政府一体であるわけですから、与党はあれで、政府は、内閣、閣僚は一致しているんだなんというそのときの副総理の答弁もおかしかったんですけれども、いまになればやっぱり十五人の閣僚が行動を別にしている、あるいはそっちの方が、五人が別にしているんだと、こう言うかもわかりませんけれども、五時の時点になりますとそれがどうなるか。だけれども、良識ある閣僚の一員としては、これはやっぱり閣僚の中で、それこそ福田副総理が前回言われたように、閣僚には、政府には問題ないんだと、亀裂はないんだと、それが本当であり、そうでなきゃならないと思いますね。そうすると、十五人と五人と、こう分かれるんじゃなくて、責任をとるときは連帯責任と。反三木の閣僚と三木の閣僚と、辞表をまとめるならそっちだけと、こういうことも何か……。この際、内閣が悪いならば全体と、こういうことが、憲法の趣旨から見るとやっぱりとるべき姿勢ではなかろうかと、こう思うんですが、どっちが良識ある閣僚の範囲に入るかわかりませんけれども、閣僚の一員としてどうですか、もうすぐその山が、数時間後には出るわけですけれども、ここらあたりどうお考えですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 三木内閣の命運とか、あるいは閣僚の交代とか、そういうことについては、私さっぱり見通し、生来愚鈍でございますから、わかりません。ただ、政府与党たる自由民主党の五人委員会の何か案がございまして、三項は別として、一項は臨時国会を早急に開いて懸案を処理する、その臨時国会には新たなる体制で臨むとありますから、内閣改造とか、そういう形、あるいは総辞職して別の内閣で臨むのかも含めてでしょうね。そういうことがあるわけですから、そう遠くない時期にそういう事態になることという程度の感触を持っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 衆議院で総選挙前に国会の要求があれば灰色高官の公表というようなことを言いましたけれども、国会の要求がまだあるわけじゃないですけれども、当然、総選挙というのばす、可能性としては、気配が。これはもう一代議士としてお感じになっているわけですし、そのために一生懸命法務大臣のお忙しい中、選挙区にお帰りになっているわけですから、どうですか、総選挙前にというと、国会の要求ということが前提にせよですね、非常に近い将来にも起こり得るわけですね。また、与野党とも案が出たわけですから、これは相当隔たりがあると言いながら、まとまる可能性も、もう案が出たんですから、話し合いも始まっているのですから。そうすると、大臣の方でも総選挙前に出すといったことについて何らかの——いつとか、とのような形でとか、そういうことはもうお考えになっているんでしょうか。いかがですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) そのことにつきましては、こちらは受け身ですから、国会の国政調査権に基づくいわゆる灰色高官の基準とか、方法とか、時期とか、それに応じて議長裁定に基づく線で最善の御協力を申し上げると、こういうことに相なるわけであります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうすると、刑事局長、いま法務大臣の言ったとおり、与野党の案ができて、すでに衆参ともそれを詰める作業も進んでいると、こういうわけでありまして、それに対して法務大臣も要請があればすぐとか何とかいうことじゃなくして、ともかく総選挙前という——これはもうはっきりしているわけですね。その総選挙というのは非常に近い将来にある、可能性としては。そうすると、国会の要求があれば総選挙前、いま言ったように、総選挙といったって相当近い将来あるわけですよ、可能性としては。そうすると、その総選挙前には間に合う、一番早い話が十三、十六日臨時国会召集、冒頭解散、こういう可能性も常識的にあるんです、私たちの判断では。十三日国会召集、十六日国会召集、そのときの冒頭解散。そうすると、国会の要求があれば非常に早い時期においても出せると、こういうふうに理解していいでしょうか。総選挙が早い場合ですね。早い場合に、それに合わせてその前ということも、私たち法務大臣のお答えをそういうふうに了解してもいいわけでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 十分に御理解いただいておりますように、捜査は捜査、国政調査は国政調査でございまするから、国政調査のために捜査を合わせるというわけにもまいらないわけでございまして、と同時に、国政調査のたてまえから灰色高官の定義をお決めになりまして、政府当局に協力をしろというお申し出をなさる時期は立法府自体がお決めになることでございますが、捜査の進め方ということは検察当局の責任においてやることでございますので、間に合うかどうかということではなくて、いつ国会、立法府が国政調査権の行使としての灰色高官というものの公表ということに踏み切って、政府にあるいは検察当局に資料の提供を求められるかということは、もっぱら立法府がお決めになることでございまして、その段階におきまして捜査の進行ぐあいにかんがみて最善の御協力を検察当局あるいは政府当局としてはすべきであるというのが原則でございますので、間に合うか間に合わないかということよりも、いつ国会、立法府が灰色高官の定義を決めて政府に資料の提供を求められるかということは、かかって立法府にあることでございまして、協力の限度につきましては、捜査の進行ぐあいに応じて広くなったり狭くなったりするのではなかろうかと考えております。  なお、黒柳委員十分に御理解いただいておると思いまするが、われわれ検察当局あるいは政府が灰色高官を公表するのではございませんで、あくまでも立法府の御判断に対する資料を提供することにつきまして、刑訴の範囲内において最善の御協力を申し上げることであることもひとつ御理解をいただきたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうすると、総選挙の時期というのは努力目標ということでやって、必ずしも総選挙前の公表ということについては約束しかねると、こういうことで……。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) いろいろお取り方があると思います。私の申し上げたい趣旨は、総選挙の前の公表に間に合わせるように捜査を終わらなけりゃならないというような方針を固めておるわけではないということでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それは当然そうでしょうね。ですから、そうすると、それはまあちょっとおきまして、全日空、丸紅ルート、この捜査ですけれども、例の事情聴取したとかしないとか、こういういわゆる四高官と、こう言いましょうかね、その捜査が終わればこの二つのルートは完全に終わるという判断なんでしょうか。この四高官については必要ならばやってるだろうなんというきのう御答弁もあったわけですけれども、これが終わるとこの二ルートというのはもう終わりと、こういうような判断はできるんでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) まず、四高官のということが言われておりますが、四高官のとはだれを言われるのか、いろいろ新聞には出ておりまするが、それが終わることが全日空、丸紅ルートの捜査の終わりであるというようなことを前提にお聞きでございますが、そのことは私は申し上げる立場にはございません。問題は、本日、勾留の期間の満了いたします橋本元運輸大臣と佐藤元運輸政務次官につきましては本日何らかの処理が行われるわけでありますが、なお、われわれの聞いておる報告によりますと、引き続き全日空、丸紅ルートと申しますか、ユニットそれから全日空の裏金の究明につきましては捜査が続くはずでございますが、これも私の聞いておる報告では、遠からず終了するものだというふうに聞いております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それと、ちょっと局長は、その高官の公表と捜査の終了というのをちょっと絡めているみたいですけれども、これから国会では与野党の要するに詰めがあるわけですけれども、必ずしも全部終わってから公表ということでもない、当然児玉ルートは若干かかるということですから。だけど、当面は常識的に、全日空、丸紅ルートはもうそろそろ収束の時期ではなかろうかと、こういうことの判断、あるいはそれもはっきりしないまでも、いまならいま終わった時点においての公表、そういう要求、こういうことは可能なんじゃないですか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) たびたび申し上げておりますように、公表を求められる、公表を求める、公表につきまして立法府がいつそれを公表するかをお決めになるのは立法府の御判断でございますが、それに対して捜査当局としては、捜査のそれこそ進行に応じて最善の御協力を申し上げるということを繰り返し申し上げておるわけでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうですね。公表を求められたことが捜査終結と関連をするということはない、進行段階においてということであって。  それで法務大臣、総選挙云々というようなこと、これはやっぱり時期的に非常に問題があって、総選挙ということはやっぱり時期の問題だと、こう私は判断せざるを得ないんで、総選挙前に絶対公表できるかどうか、これは非常にやっぱり問題があるのかなというような気がするわけなんです。これは国会の要求の方が先行しなけりゃならない。そこで、何回も言うように、与野党の案が出たわけなんですが、自民党案も当然出たんですけれども、まあ若干隔たりがありますね。あるいは相当隔たりがあるわけなんです。自民党案、当然関心を持たれてるわけですから、あの案、どうですか、あの案の範囲だったら相当努力できる、あるいは国会で御要望あれば……。野党のは御存じのように全資料出せと、あるいはFXまで関係あるものは出せと、いろんな案がある、これも御存じのとおりですね。まあここで法務大臣がコメントして感想を述べろというのもどうかと思うんですけれどもね、ひとつ与党案、自民党案、これについてどういう感触をお持ちですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) いわゆる灰色高官の公表というんですがね、それは公表の主体は国会ですわな、その道義的政治的責任の追及ということがいわゆる灰色高官の公表というやり方で追及すると、まあしてですね。そういうことになるとすれば、それは公表されるのはそちら様であって、その公表に必要な資料をどの程度わき役として提供できるか、お手伝いできるか、協力できるかというのがわれわれの立場ですからね。各党まちまちにやってこられても困りますな。国会が公表するんですからね、党が別々に公表するんじゃないですから。ですから、いまその各党の御意見の一致するのを待ち、それからそれに対して御協力を議長裁定の線に沿って申し上げると、こういうことにとどめるしか私の答弁のしょうがないわけです。一々の党の案に対して私が感触を述べる立場ではございません。

黒柳明公明党

○黒柳明君 刑事局長ね、公表する場合、まあこれはまだ国会の意見がまとまってないんですけれども、いわゆる灰色高官の氏名の一覧だけじゃなくて、できるだけの努力をするというのは、そのほかの資料も一緒につく可能性が十二分にあると、こう判断していいんですか。できるだけの努力をすると、こういう言葉の中には。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) まあ、どういう資料を要求されるか自体も、これ、立法府でお決めいただくことであろうと思います。したがいまして、その御要求のあった資料を見まして、捜査、公訴の維持に支障がなく、人権の著しき侵害にわたらぬ限りにおいては、名前、資料、その種類のいかんを問わず御協力を申し上げるということになるのではないかと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 わかりました。大臣ね、自民党の案の「参考意見」の最後の方に、純粋な政治献金はこれ、除くと、こんなことがあるんですけれどもね。政治献金というのは、これは公表されていれば正規の手続がとられているし、されてなきゃ個人の寄付だというようなことで、どれが純粋か純粋じゃないかわからないと。これは与野党の相当な論争の的だ、これも御存じのとおり、あそこで、委員会でやりましたですね。ただ、どうなんですか、ロッキードの売り込み工作がなされている期間ですね、まあ確かに政治献金なら合法ですから、それを違法かのようにやることもこれ、できないと思うんです。ただ問題は、やっぱり純粋な政治献金であるかどうか決めるのも非常に問題があるんですね。ということは、国会議員というのはいろんな立場で、皆さん方、当捜査の中においてもいろいろこう、職務権限があるかどうか、いろいろ判断にお迷いになるぐらいですから、いろんな観点において、やっぱり力もありますし、あるいは先行投資という形もあるでしょうしね。ですから、ロッキードの売り込み工作をなされた期間の政治献金というのは、これは私は、純粋の意味での合法な政治献金というより、灰色の中に入るんではなかろうかというような感触があるんですけどね。そこらあたり、どんな見解をお持ちですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) それは政治的責任とか道義的責任とかいう問題でございますから、私の方の法務省や検察庁の感触や判断を申し上げるわけにはいきませんな。そちらでお決めになることをこちらであんた、主役のお決めになることをわき役が出しゃばるなんてことはできないわけですね。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そこで、その主役が何にも資料がないわけですよ、この前の委員会ではね、お聞きになったとおり。そこで、少なくともロッキードの売り込み工作が行われた期間、非常に疑惑がある期間、この間に——合法的だと思いますよ、政治献金あるいは個人寄付も合法だと思いますよ。だけど、その主役が何にも資料がないんで、どうなんでしょうか。全部資料出せとか、アメリカの資料全部ここによこせ、こちらが判断する、なんと言ったって、これは非常にむずかしいことなんですな。だから、少なくともその政治献金、しかもその工作がなされた間、これだけでもお出しいただいて、主役が判断できる材料を提供するということはどうなんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) まあ黒柳さん、そういう点、だから決めてきてください。そうして、そういう資料を出し得るかどうかは刑事訴訟法の立法の趣旨をも踏まえて最善の御協力を申し上げます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 刑事局長、これはもう衆参のロッキードの委員会で一回詰めまして——一回ですべていいというわけにいかない、若干の隔たりがある。そこでもこのことが論議になったのです。これは全く資料ないんです。——秦野先生いらっしゃらないですな。検察当局の、捜査当局の持っている資料、それじゃないもので国会でやればいいんだと、こういうこと、当然ですな。ところが、政治献金、純粋なと言ったって、純粋なということがわからない。しかも合法であるか違法であるかもわからない。全資料を出せと言ったって、これはなかなか無理だろう。ですから、それを国会において判断するために、いま言ったような期間の条件、あるいは条件をつけて、全部ということでなくて期間の条件をつけて、それでその中の政治仲介者、ロッキードの仲介——丸紅でしょうね、全日空でしょうね、仲介者から来た政治献金、ロッキードの売り込み工作が行われた期間、こういうものを限定して、これで出してもらわないと、その純粋な政治献金という中には、いわゆる政府四高官というのは私も何のことだかさっぱりわかりませんけど、それが今度は政治献金だったと、こういう逃げ口も幾らもできるわけでありまして、みんな政治献金の方に行ってしまえば、これはすべて私たちはもう調べようがないし、わからないところに資料があるわけですから。ですから、膨大な資料、調査をされたと思うんですけど、その中から……。与野党の案の中で、これから詰めていく中で最大のこの問題点である——お互いに議論ばかり言っていたって詰まらなきゃしょうがないですから、それを詰める。その膨大な資料、膨大な捜査の中の、その中の政治献金の資料を国会に提出していただければ、主役である国会がそれによって証人喚問をして、灰色かシロかどうかも詰めることができる。これなくしては詰めの意見というもの、これは皆さん方関知するところじゃないんですけど、与野党の意見の詰めというものは全く常識的に不可能だ。こういうことがあれば——いま法務大臣、要求があるかどうか皆さん方お決めいただくことだ、こういうことでしたが、こういう要求があれば、こういう資料というのは出る可能性があるのか。当然私たちはそういう要求をしなければこの詰めば行われない、これが最大の与野党の詰めである、こう思うんですけど、これ、いかがでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) たびたび申し上げておりますように、国政調査の目的と捜査の目的とは違うわけでございまするから、国政調査の目的のために捜査をしておるわけではございませんので、したがって、国政調査に必要な資料を捜査の過程においてすべて収集し得ているとは言えないということは十分に御理解いただいておきたい前提でございますが、そのほかに、いまの黒柳委員御指摘の、ある期間を限って、政治献金を受けた者の名前及びその根拠となる資料というようなものについては、立法府側は資料が不足しておるので、その程度の協力はできないかというお話でございますが、このことも、本来捜査の過程で、犯罪の公訴提起もしない捜査の過程でわかった人の名前などを公表することとなるような結果になるような公開の仕方ということは、刑事訴訟法はこれを禁じておるわけでございますが、国政調査の必要とあれば、捜査に支障がなく、公訴維持に支障がない、あるいは著しく人権の侵害にわたらないということになれば、議長裁定の趣旨もこれあり、刑訴四十七条の趣旨もこれあり、御協力を申し上げるという筋になろうかとは思うんですが——一般論といたしましては。しかし、このこと自体も、いわば立法府がどういう調査方法で、どういう資料を要求するかということ自体も、やはり立法府でお決め願うべき筋でございまして、遺憾ながら、黒柳先生だけがおっしゃったというだけで出すということになるかどうか、これは相当問題があるんじゃないか。まず、取り調べ方法、調査方法自体を立法府でお決めになる必要があるんじゃないかと。いわば灰色高官の定義に連なる調査方法につきましても立法府でひとつ、どういう方法でやるんだ、どういう資料を求めるんだということをお決めいただいた場合におきまして、刑訴の精神にかんがみまして最善の御協力を申し上げたいと、かように思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 別に黒柳先生はいま一人しかいないし、私が質問しているから黒柳先生おっしゃっているんでありまして、だからもう、与野党のこの詰めの中で、非常に開きがあるようですけれども、詰めていけば案外開きがない、開きをなくす可能性もあるんです。それは突っ張ってたらどうしようもないですよ。だから、最大の一致点を見出して、捜査終了の時点の前で、捜査の進捗を見て幾らも公表できるんですからね。だから、これを一段階としての与野党の合意とするのか、さらに捜査の進展を見て、さらにその進展の状況で……。与野党の合意だったって、また進展を見て合意したって、時期を見て合意したっていいんですから。だから、合意するのが最終であり、出したのが最終であるということは絶対必要ないと思うんですよ、私の考えはね。  まあこれについてはいろんな意見もあることは事実ですよ。捜査当局がそれで終結というんではなかろうかとか、いろんな揣摩憶測があります。私はだけど純真ですから、そんなことは考えてません。ともかく、何とかやっぱり現状の解明を優先したいと、こう思っているんでありまして、いま国会の要求があれば、最大の努力する範囲の中にその資料も出すということも最大の努力の範疇に入ると、こういう理解を——法務大臣、これは何も法務大臣が最終的に出すとか出さないとか決めるものじゃないんですけれども、そのために参議院でもお忙しい中出ていただいて、途中からお帰りいただいちゃったんで、どこからどこまで御存じかわかりませんけれども、その論議を相当詰めたわけです。ですけれども、少なくとも自民党が、秦野さんが代表したんですけれども、特別委員会を代表しては、こんなもう硬直姿勢じゃなくして、非常に野党に歩み寄って、全面的にこれはうまくいくかなという雰囲気だったんです。法務大臣にいていただかなかったのは非常に残念だったんですけれども、そういう中でのいまの論点は、その政治資金、こういうところにもあった。いま刑事局長、事務当局が言われたように、法務大臣も自民党の一員ではありますけれども、これだけの重要問題ですから、ひとつ、黒柳さんの発言だけではないです、当然そんなものは検察当局への資料要求に対して力があるわけないんですが、与野党の詰める中において、その政治献金についての判断の資料ぐらいはやっぱり国会に出てこないと、最大の努力の範疇に入れてもらわないと、国会自体の主役者が全くその判断する材料がない、証人喚問できませんし、ということなんで、ひとつ重ねて法務大臣のいまの時点においてのそういう最大の努力の中に当然、そういうものが国会の要求であるならば努力しようと、させようと、こういう御答弁をいただきたいと思うんですが。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 詰まってからの公表に協力するための資料の提供のほかに、詰めるための目的の、意見を一致させるための目的の資料についてもどうかと、こういう点についてあなたの御意見よくわかりましたから、よく検討いたします。

黒柳明公明党

○黒柳明君 刑事局長ね、もうこれはマスコミの方で先行して、いわゆる贈収賄の金品の授受、全日空から無料パスなんというような問題が相当紙面なんかに公表されて出てましたけれども、これについての調査なんというのは、もうやられているという報告を受けたことあるんですか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 公表いたしておりますように、全日空に裏金として入っておる、ロッキードから入っておる金がございますことはすでに公にしておるところでおりますが、それの使途の究明ということを懸命にやっておる次第でございます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) ちょっと私の答弁に言葉が足りませんでしたから補足しますが、その詰めるための、与野党の意見を一致させるためのこの段階における資料の要求についてのお尋ねでございますが、その段階においても検討しますと言ったのは、その詰める段階において与野党一致して詰めるためにこれだけの資料を出してほしいと、それも与野党一致でなけりゃ困るんですな。

黒柳明公明党

○黒柳明君 当然そうでしょうね。当然そうです。必要なものはもう当然全部捜査していると、こういういまのお答えですね。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 必要なものはというのは、ちょっと恐れ入りますが、どういうことなんですか。

黒柳明公明党

○黒柳明君 捜査に必要であるなら——よくそういう表現をされるじゃないですか。解明に必要であるなら。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 全日空ルートのいわゆる裏金の使途の究明について、それを究明するに必要な人は何人を問わず取り調べを進めたし、進める予定でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 ああいうものはどうなんですか。金券とも言えないし、もしこれを贈収賄の範疇に入れるとすると、たとえばまあ私が知っている人なんか、月に相当な回数使っていましてね。もう十何万あるいは数十万の人もいますな。ですから、これも同じく、法務大臣ね、このロッキードの工作が行われた期間、この期間というのは、やっぱり一つの捜査解明の、私たちの究明の側からもですよ、一つのやっぱり期間でしょうね。政治献金の問題にせよ、それから贈収賄に関連した金品の授受にせよ。そうすると、どうなんでしょうか。こういう期間において、実際的な金じゃないですね、金券でもないでしょうな、物であるんですかね、そういう授受について、裏金に必要な捜査の中にこういうものが入るんでしょうか、入らないんでしょうか。工作の期間の中に全然これは入らないんですか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 捜査当局の捜査の内容については申し上げるわけにはいきませんけれども、私の理解では、一億六千万円に上る裏金の使途の究明というときに、無料パスは当然には入らないというふうに思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうすると、そういう問題は今回の捜査の範疇には入ってないという、まあ捜査の内容については言えないということが前提ですけれども、まずそういう理解をしていいわけですね。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 検察官は、犯罪ありと思量するときはいかなる犯罪でも捜査することができるたてまえになっておりまするから、することは、たとえ裏金に関係なくても犯罪ありと思量するときは捜査はできるわけでございましょうが、私の理解では、裏金の使途の究明に無料パスは入らないと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 防衛庁長官ね、最後にミグのことを。  きのうも衆議院でいろいろありまして、私もここの場で余り論議をやったってしょうがないんですが、まあ心配している一人で、いろんなところからいろんな話が出るわけですけれども、あれなんですか、防衛庁として、いわゆる囲いをやったのは中で調べるための囲いだなんて、こう変な評判を立てる人がいますけれども、私はそんな変なふうにとりたくないんですけれども、あれですか、いまの総理について言うように、統治能力が欠けている中で、何か外交問題に発展するようなことができたら大変だと、こういう憂いなんです。そんなばかなことはないと思いますよ。防衛庁長官もしっかりして、行政もしっかりしていると思うのですよ。だけれども、やっぱり局面局面では話し合いも何か抜けているような感じがしますし、現に総理大臣から慎重を期せというような話も出ていたのに、あるいは防衛庁が入ることがいいか悪いかということも出ていましたね。ところが、実際的にきのうあたりから軍事専門家が行って軍事的な調査を実施すると。これは完全に外務省の外交ルート、こういう話し合い……。侵犯したんだから調査するのはあたりまえだ、これはわかりますよ。ですけれども、これはこれとして。謝りもしないで何言ってるんだと怒っている、これはこれとして。ですけど、いまの日本の非常に微妙な立場ということも考慮して、やっぱりすべて型どおりやることが外交でないことも明らかなんでありますが、これはあれですか、軍事的に必要な調査を全部やると、こういうことでもう指示をしての調査段階に入っているんでしょうか。ソ連から文句がこようが何しようが、侵犯した航空機に対して調査することはあたりまえだからと、将来に起こる外交問題なんか別だということの調査なんでしょうか。それだけちょっとお聞かせいただきたいのですがね。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○説明員(伊藤圭一君) ただいま先生の御指摘ありましたように、昨日までの調査は、検察庁、警察が六つの罪名で入ってまいりましたベレンコ中尉の密入国でございますか、それに関連した専門的助言者として協力しておったわけでございます。同時にまた、領空侵犯をした事実というものがございます。そして私どもは、ああいう形で領空侵犯してきた飛行機に対しまして、ぜひ今後その領空侵犯という事実の中で調査をしたいと考えております。このことは外務省その他関係各省と十分連絡をとりながら今後必要な調査をしたいというふうに考えて、ただいま折衝している段階でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうすると、必要なというところは、侵犯機に対してわが国がとり得る合法的なものはすべてやりたい、いわゆる軍事的専門的なことは全部やりたい、ただし外務省や何かとの接触もしながらと、こういうことですか。そうすると、やっぱり調査するということにウエートを置いてどんどんそれはやりたい、こういうことなんですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○説明員(伊藤圭一君) 領空侵犯の事実がございましたので、防衛庁の立場としまして専門的な見地から調査をしたいという気持ちを持っておりまして、そのことで関係各省と相談をしているという段階でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうすると、相談をしているということで、調査をすることに踏み切ったわけじゃないのですか、長官。専門的軍事的調査をするんだ、そのために派遣した、ということじゃなくして、一応派遣したけれども、これからまだ外務省と相談して外交的な配慮も加えるということが一つの条件になっているんですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 先ほどもお答えをいたしましたように、われわれの立場からいたしますと、領空侵犯、それに対しまして防空の責任があるわけでございます。警告をいたしておりますけれども、それを無視して強行着陸をいたしたわけであります。考えてみますると、潜在的な脅威を形づくるいわば物体が日本の領土内に入ってきたわけで、これがもし爆発したり、あるいはどうかすると、どういうことにならぬとも限らない。そういう場合に専門的な人がおるかといったら、やっぱりわが方がその方の専門家でございますから、そういうことからいきましても、やはりわが方において今後こういうことが起こらないためにどうするかというためには、この潜在的脅威の物体というものの機能を明らかにする必要があるんじゃなかろうかというふうに思っておりまして、しかし、先生御指摘のとおりに、やはり厳しい外交関係もございますので、その辺はそういうことにならないように公正にひとつやりたいというふうに思っておるわけであります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 まず、法務省に伺いたいのですが、刑事局長、先ほどの御答弁で、橋本登美三郎及び佐藤孝行について本日勾留期限が満期なので何らかの処理ということを言われましたが、これは公訴の提起という意味に理解をしてよろしいですね。それから、公訴事実は、基本的には逮捕令状の記載の被疑事実が基本的に認められて公訴の提起をする段階に至ったと、かように理解してよろしいですね。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) まだ報告を受けておりませんので、詳細はわかりませんが、私の見込みといたしましては、おっしゃるとおりになると思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 このように、全日空関係の捜査、起訴というものはいろいろ問題をはらみつつも進んでおるんですが、もう一つの軍用機の問題、PXL、P3Cにかかわる問題につきましては、これはその陰でこのままに終わってしまうんじゃないかと、何かやっているようだけれども一向に進んでいないじゃないかと、国民の多くの疑問があるところであります。特に小佐野賢治、児玉譽士夫というこの中心人物についての身柄拘束は病気を理由にやられておらないと、こういう点も非常に多くの疑問を国民が持っているところであります。  そこで、まず法務省に伺いたいんですが、児玉譽士夫についてですが、最近の新聞報道等によりますと、すでに四十何回かの取り調べを行ったと言われにおる。そうして、特に八月の二十二日、さらには二十八日には六時間ぐらいの時間にわたって検事が児玉宅に行って取り調べを行っているということも報ぜられております。こういう点、最近何回ぐらいの取り調べを行ったか、八月の下旬から後で結構ですが、総計何回ぐらいになっておるのか、それから一番長いときは時間はどのくらいの時間調べているのか、この点を伺いたい。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 今日九月四日までに四十二回でございまして、八月二十五日から勘定いたしますと、六回ぐらい取り調べを行ったということでございますし、それから取り調べの時間は大体一時間ぐらい。六時間というのは新聞の誤報でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 しかし、午後一時から午後七時まで児玉邸に検事がおられた、この事実はあるわけですね。調べの時間が一時間という意味であって。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 児玉邸に入って出てくるまでがその時間だということでございまして、取り調べは一時間と。

内藤功日本共産党

○内藤功君 中のことば、あなたの一時間ということを理解するしかありませんが、この児玉邸に一時から七時まで六時間入っておったと、取り調べは一時間だと。残る五時間はどのように理解をしたらいいんですか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 児玉邸に行きますときは常に喜多村医師がおられますし、夫人もおられますし、秘書もおりまするから、そういう人たちとの関係で時間を費やしたものと推測しております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これは、検察官が被疑者の、被告人の家に行って、そうして一時間調べておると、あと五時間は喜多村医師と話したり、あるいは家族と話したりと、これは大分時間のむだだということは別にしまして、はなはだ検察官の取り調べとしては威信の点でいかなるものであろうか、被告の家に、私宅に上がって、そして時間はきちんと決めて取り調べを行うのが厳正なやはり態度ではないか。検察官の職権の厳正な行使という点から、かような長い時間取り調べもなしに家人などと話しているということは、これは国民から見た場合の検察権の行使としていかがなものであろうかと、かような批判もあり得るかと思うんですが、刑事局長いかがですか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) まあ、病人の被疑者のところへ六時間おったから検察官のディグニティがマイナスになるということは私はないと思いまするけれども、奥さんと雑談をしておるわけでもなく、医者と世間話をしておったわけでもなくて、それぞれ公務上の必要から面接をしておったということと推測しております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 この点ちょっと理解がいきませんが、さらにもう一つ伺っておきたいんですが、最近、いまのお話に出た喜多村医師は、児玉の症状につきまして、幻覚症状はなくなったと、起きて運動するように勧めているんだと、こういうことを、これも報道によりますと伝えられております。これは聞き捨てならぬことなんで、起きて運動できるような状況であるならば、これは国会の喚問あるいは身柄の拘束ということにも耐えられる状態のように理解するんですが、この点、法務省としては、検察側としてはどういうふうにお調べか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 検察当局からの報告によりますと、御指摘のように、喜多村医師の診断によると、児玉は発病当時、失見当識——これは認識を喪失して、場所、時間、相手等取り違えるという症状のようでございますが、失見当識や視覚性幻覚——ないものか見えるというようなことは最近なくなったという意味において、これを好転と言えば好転だと思われるのでありまするが、依然として立ち上がると血圧の変動が激しく、左半身感覚鈍麻、言語障害等の諸症状が依然認められる。大勢としては病状は好転しているとは言えないということでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 起きて運動するように勧めているがと。運動不足になるので運動を勧めているという、この点はいかがですか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 医学的なことは、突然のお尋ねで、よくわかりませんけれども、立ち上がると血圧の変動が激しくなり、左半身が感覚鈍麻しておるというようなことでございますので、より症状をよくするために、さようなことに耐え得るようなことになれるように何らか医者がアドバイスしておるのではないかと思われまするが、症状を客観的に見ると、なお大勢としては好転していないということであるというふうに理解しております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 検察側としては、独自に医師を派遣をして、そして——いろいろな意見が出ております。世の中でもいろいろ言っております。こういう中で調べられるおつもりはあるかどうか。きちんと検察独自でお調べになる必要があるんじゃないでしょうかね。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) きのうも衆議院で同じような御質問を受けたわけでありまするが、検察当局としては、結論として喜多村医師の診断は信頼に値するということ、疑念を持っていないということの結果、別の医師の診断を受けさせるということをしていないというのが結論でございますが、その理由といたしましては、衆議院の予算委員会の理事会からの決定で派遣されました東京慈恵会医科大学の上田医師外二名よりなる医師団の診察結果は喜多村医師の診断と一致しておりまするし、それから、先ほど御指摘を受けましたが、四十二回にわたって臨床尋問、取り調べを行っておる東京地検の検事も常に喜多村医師の意見を聞いており、現実にその目で児玉の病状を見ておりますので、同医師の診断が信頼に値するものであるということで、別途医師を派遣して診察させるということをしていないものと理解しております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 この点は、私ども前から言っていますように、拘置所内にも医療施設等は完備しておることは明らかでありますから、これはいつまでもじんぜんとこの状況を続けるべきでなく、適切な時期にやはり病監等において拘置して厳正な調べを行うことが必要である。いまの点は必ずしも私ども納得のいかない点があるということを申し添えておきたい。  それで、次に外務省にお尋ねをしたいんですが、昭和四十八年五月二十九日から三十日の間、日米安全保障に関する事務レベル会議、これが開催され、さらに七月の十六日から十七日まで日米貿易経済合同委員会、これが開かれております。そして、さらに四十八年七月の三十一日から八月一日までワシントンのホワイトハウスで当時の田中首相と当時のニクソン大統領の間の会談が行われております。私は、この一連の三つの会談についてお伺いしたいんですが、これらの会談において、特にアメリカ製品の日本への輸入の問題に関してどのような協議、ないしその協議の結果としての共同声明等が出ておるか、この点を外務省にお伺いしたい。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○説明員(山崎敏夫君) お答え申し上げます。  昭和四十八年五月の二十九日及び三十日の両日にわたりまして、日米安保事務レベル協議というものが行われたわけでございます。これは第八回でございましたが、その際において行われました項目の主なものは次のとおりでございました。第一は、軍縮及び軍備管理の進展を含めて世界的な戦略情勢というものに関するアメリカの評価というものでございます。第二は、アジアにおける政治、軍事情勢の現況ということでございます。第三は、日本を含む西太平洋における米軍の駐留に関連する問題及びそれに関連する基地問題でございます。まあこの会議は、従来から事務レベルにおきまして日米間の安保問題に関して事務当局者が非常に自由な立場で意見を交換するという性格のものでございますが、いま申し上げました項目からもお察し願えますように、そういう一般的な政治、軍事情勢の問題を論じたわけでございまして、具体的な兵器や装備の問題について論じた場ではない次第でございます。  次に、お話のありました昭和四十八年七月十六日と十七日の日米貿易経済合同委員会でございますが、これは東京においてこの両日にわたって行われました。そのときの議題は非常に多岐にわたっておりますが、簡単に申し上げますと、国際情勢とそれから日米経済情勢、それから日米貿易経済関係、それから多角的な貿易交渉、それから国際通貨問題、さらに国際投資問題、それからエネルギー問題、それから開発途上国に対する開発援助というふうな問題でございます。この会議の内容につきましては詳細な共同声明が出されております。その中で、特に貿易問題のくだりを見ますと、当時、日米間で「その縮小が緊急の課題となっていた両国間の貿易不均衡が大幅に改善したことに満足の意をもって留意した。」ということが書いてございます。その前年非常に大きな問題になっておりました貿易不均衡の問題が著しく改善を見たということをここで留意いたしておるわけでございます。しかし、今後も互いに努力を続けていこうということを話し合ったということでございます。  次に、昭和四十八年七月三十一日と八月一日の両日にわたって行われました当時の田中首相とニクソン大統領との会談でございますが、これはワシントンで行われております。これはもちろん首脳の会談でございますから、政治経済の各方面にわたりまして広く行われたわけでございますが、その主な議題は、第一回会談は、大統領の訪日及び両陛下の御訪米という問題、さらに日米経済関係に関して話し合いが行われまして、その際、貿易収支の改善及び対日投資の問題が話し合われました。さらに国際情勢全般、特に当時問題となっておりました当時のブレジネフ・ソ連書記長の訪米及びいわゆるキッシンジャー構想、日米欧にまたがるキッシンジャー構想の問題が問題になったようでございます。それから第二回会談におきましては、朝鮮半島の問題、インドシナ経済援助、それからエネルギー問題、それから日米安保問題について話し合われたようでございます。これに関しましてもコミュニケが出ております。コミュニケによりますと、やはりこの日米貿易問題について触れておりますが、それにおきましては、両者はこのいま申し上げました七月の日米貿易経済合同委員会の会合におきます討議において、貿易及び投資の分野において日本がとった措置について討議をして、両国間の貿易不均衡の著しい改善及びこの改善の動きを持続させるための諸政策を追求するとの両国の政府の意図について討議がされたわけでございます。  こういうわけでございまして、後二つの会議におきましては貿易問題がかなり広く討議されたということでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまわざわざ時間をとりましてこれを聞きましたのは、特に法務省に、児玉ルートの捜査の関連で、いまの三つの会議の時期と、その時期における児玉ルートの資金の関係の問題を深くやっぱり調査をしてほしいというためなんです。いま公式の発表にもかかわらず、五月の二十九日、三十日のこの会議の周辺の内外の報道を見ますと、五月二十九日から三十日のこの安保会議では、米国側は強力に米国製の兵器の購入を働きかけている。これが内外とも報道されております。公式の発表はいま言われたとおりかもしれないけれども。七月十六日、十七日の会議につきましては、合同委員会の声明の中で、いまアメリカ局長は、ずっと聞いていると読まなかったんですが、「製品を含む米国の対日輸出の増加を奨励するため両国が努力することが望ましい旨強調した。」と、「対日輸出の増加」ということを強調している。特にデント商務長官は、政府調達物資への米企業の参加、日本の政府の調達物資へのアメリカの会社の参加を主張しておる。それから田中・ニクソン会談の共同声明では、日本の防衛分担ということが特に共同声明でうたわれている。まあいまの答弁の中で、あえて省略されたと思うんだけれども、大事なところが省略されております。  こういう点と児玉ルートの金の流れをずばり私は追ってみる必要があると思う。これは昭和四十八年の八月十一日に児玉譽士夫に領収証のある五千万円が渡っております。この八月の十一日の五千万円というのは、いま言った五月二十九日、三十日、七月十六、十七日、そして七月三十一日の第二次田中・ニクソン会談、これを終点とするアメリカの製品の対日政府輸出という時点の延長線上に八月十一日の五千万円がある。これ、非常に注目すべき事実なんであります。  たとえば、まあ名前を出しますと、四十八年六月十七日のこれは当時の日経新聞では、早ければ七月末の田中・ニクソン会談でP3Cの輸入が決まるのではないかという見通しを記述しておりますし、八月二日の朝日では、日本に対するアメリカの防衛努力の要求として、日本周辺水域、海域での対潜作戦、早期警戒組織の強化などを要求している、これは田中・ニクソン会談に関連しての報道です。八月八日の日経では、輸入となればP3Cオライオンのメーカー、ロッキード社は、コーチャン社長じきじきの来日でその採用を各方面に働きかけたと。当時の各紙、ほかにもありますが、とりあえずぼくは端的に言っているこの三つを出すと、こういうふうな報道がされておるわけです。ですから、私どもは、やはりこの線を追って児玉ルートの解明というものをやっていく必要がある。  私はいまこれだけ言いましたが、さらにもう一つ、金の流れをずっと見て、それに伴うPXLの政治的、軍事的、経済的な動きを見て、その接点を追っていくことが捜査の常道であろうと思うんです。これはまあ安原さんにわざわざ言うまでもないけども、注意を喚起しておきたい。  これは、四十九年になりますと、十二月二十日、二千八百万円という、これに注目すべきです。この領収証に。この時点は、二十一日に専門家会議が開かれて、ここでも黒部証人やその他の証人が出ましたが、国産、輸入の両論が大論争をやっているときなんです。その前の日なんです。二十七日には専門家会議の答申がありまして、玉虫色と言いますか、条件が整えば国産が望ましいが、当面外国機輸入もやむを得ないという、P3Cにぼくは一歩道を開いたものだと思うが、こういうものがやられています。二十八日には国防会議の議員懇談会が開かれております。この時点での十二月二十日、二千八百万円、これが二番目に注目すべきだ。  もう一つは、五十年になって三月四日。このころはもうトライスターにどんなに結びつけようったって無理ですよね。三月四日の五千万円というのがあります。これは国防会議の参事官会議でありまして、外国機の場合はP3Cであるということ、そしてこのころMDAOにP3Cについて照会をしておりますね。これが五十年三月四日。もう一つ挙げておきますと、五十年の五月七日、ますますトライスターとは縁遠くなってきています。八千百三十四万円という領収証に注目されたい。この時点は、四月の二十二日にMDAOが海幕にP3Cの説明をこのときやっております。五月の二十五日に第二次のP3Cの調査団が派米をされております。こういう時点の八千百三十四万円。  私はとりあえずこの四つを出しましたが、これ、どうしたってトライスターに結びつけることはできませんと思います。  私は、この間三堀博という方の——有名な検事ですが、「賄賂罪汎論」というのを静かにもう一遍読んでみたんですが、こう書いてあるんです。「贈収賄の日時は請託や便宜供与の日時に接近しているのを通常とする」、これはもう鉄則だと思うんです。三堀さんという人は長く贈収賄をやっていた検事で、その理論を本に書いたものだけれども、これが当然なんです。ですから、こういうような調査をずっとやってみる、やらなきゃいけない。すでにやっているはずなんだ。これから、ああそうですかというんじゃ、これはだめだと思うんですが、法務省刑事局長、私の言ったような捜査は、皆さん方の方が専門家でありますけれども、当然おやりになっていると思う。また一般論としても当然だと思うが、これはどうです。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 内藤委員御指摘のような会議等の事実があり、かつ御指摘のような金銭の領収が少なくとも公になされました領収証のとおりとすれば、児玉に入っておるということに相なることも客観的にはそのとおりでございますが、その入った金の意味というようなことについては、当然捜査当局では資金の究明という意味においてやっていることと思いまするが、せっかくの御忠告を御忠告として承った次第でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 児玉に入ったと、それがどう使われているかはいま調べている、こういう答弁ですが、ここをやっぱり鋭意やってもらいたいと思うんですね。特に児玉という人の性格は、被告でありますから、捜査当局は十分、性格、くせ、それから金の使い方、政治家に接するやり方などはお調べになるべきだと思うんだが、最近の朝日ジャーナルの八月二十五日号によると、児玉は、すでに四十四年の一月十五日に——落合英秋という名前の評論家ですが——私は「自分らの役に立つ政治家に五〇〇万や六〇〇万円の小遣い」——「小遣い」と言っていますね。「小遣いを渡すのは日常茶飯事だ。」ということを、すでに四十四年に漏らしている。こういう性格は一般の出版物からも推量できるわけです。こういう人間の性癖、性向というものを十分理解した捜査がやられることが必要だ。いま、P3Cは幕引きだろうとか、児玉ルートはもうおしまいだろうとか流されていますが、やる手がいっぱいあるんだということです。そうしてさらに、この使い道を見る場合は、児玉は絶対これは工作資金に使っているという確信というか、そういう方向でのやっぱり捜査を進めなきゃならない。  これはやっぱり四十四年の一月十五日付の市場開発コンサルタント契約の原点に戻らなくちゃだめですよ。これには、コンサルタントとしての児玉は日本国内での製品の販売と市場開拓に最善の努力を尽くす——そこに契約書があったら見てください。三のAですね。コンサルタントは、旅費、生計費、供応費——供応費を含んで、本契約に必要かつ関連した一切の費用を自分の勘定で引き受けて弁済すると七条に書いてある。そうして、こういうことをやった場合には、情報を含めてロッキードの諮問に応じて報告を提出する。F項ですね。こういうふうに、やったことは全部報告する。報告書があるはずだ。丸紅レポートとかなんとかいいますが、この児玉にはまさにれっきとしたレポートがあるはずなんだ。こういうことがこの契約書の原点からはっきりするわけだ。児玉の性格、金の使い方、そしてこの契約書に基づく児玉の任務、義務というものからいって、これはもうすでに究明されてなきゃならぬはずだ。何が一体この障害になっているのか。児玉の身柄なのか。それならば万難を排して身柄を拘束しなきゃならぬ。それとも、その児玉についての何らかの捜査当局の手控えがあってはならぬけど、そういうものがあるのか。一体、こういうものが明確でありながら今日まで児玉ルートが遅くなっていると言われているのはなぜなんですか。そこのところを率直に聞きたいと思うんです。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 児玉ルートの解明が他のいわゆる二ルートの解明に比べて進捗が必ずしも順調と言えないということは、もう仰せのとおりでございまして、検察当局に児玉個人に対するちゅうちょなどは毛頭ございませんのでございますが、要するに、この大きな原因はやはり児玉の病状ということが大きな障害であるというふうに思うのでございます。しからば勾留してはどうかというお話でございますが、勾留に耐え得る病状ではないということも、検察当局としてはそういう判断でおるわけでございますので、人権の立場というものを考えますときに、生命を危うくしてなお捜査は優先するというわけにもまいらないというところに苦衷が存するわけであると思うのであります。何よりも内藤委員は御専門でもございますからおわかりのとおり、資金の究明ということの中心は贈収賄ということであろうと思うのでありまするが、これは供述というものを中心とする捜査であるわけでございまして、その供述につきまして、児玉という有力な被疑者なり関係人が十分な供述に耐え得ないという病状にあるということが捜査の進行を妨げる最大の原因であろうというふうに考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 この点の最後に、稻葉さん、よろしいですか。  いま児玉ルートの資金の面からの究明ということについて、まあおわかりになっていることだと思うけれども、捜査の原点に返った抜本的な迅速な解明をいま局長に要望したんですが、これはまあ政局のいろんな問題はとにかく別として、あなたは法務大臣として、このP3Cのルートですね、これは国防に関することだから余りこれはやらないようにしようとか、国防に関する問題でこれをやるといろんな軍事関係者の供述なんか要るからめんどうになってくるから、こいつは幕を引こうとかいう気持ちは万々ないと思うけれども、そこらあたりのあなたの決意のほどをあなたの言葉でひとつお聞かせ願いたいと私は思うんですよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) P3C関係にしろ、トライスター関係にしろ、それはロッキードの問題全体について全貌を明らかにする、刑事責任を追及する立場にある検察庁を指揮する者として、片っ方は国防に関するとか、そういうことで、そういう政治的なことで犯罪捜査のやり方が違うなんていう、そんなことはもう毛頭初めから考慮に入れておりません。したがって、児玉ルートはそういうことにも関係する問題ですから、これはしかし非常に山が高く険しいということはございますけれども、犯罪の容疑があればそういうものを放置するなんていう、あるいは手心を加えるなんていうことは毛頭ございませんから。それはしかし、口で言ってくれって言うんだから口で言えばいいようなものだけれども、口で言っただけでは話にならないんですね。やっぱり結果として示さなければ問題にならぬというように私は思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 防衛庁長官、坂田長官に伺いたい。P3Cの導入あるいはP3Cの改良型CP140の導入などなどが言われておりますね。現在法務当局がP3C、PXL関係の疑惑を追っかけている、困難はあるけれども追っかけているという話があったわけだが、この捜査がきちんと終了するまで、疑惑のかかったP3Cなり、その改良型なり、あるいはS3Aなり、ロッキードに関する飛行機の輸入などということは軽々しく決めることは、これは疑惑を残すことになるし、真相の徹底究明からいってもこれは非常に問題になると思いますが、長官はどうお考えですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 私は、かねがね申し上げておりますように、やはりPXLの選定につきまして国民の疑惑を招いておるわけでございますから、一日も早くこの解明をいたしまして、そして国民の納得いく形において次期対潜哨戒機を決めるべきであると、こういうふうに考えておるわけでございます。しかしながら、またPXL選定につきましては、あらゆる場合に対応いたしまして、あらゆるオプションということを考えておく必要がある。たとえば、完全輸入にするのか、あるいは国産にするのか、あるいはまた機体は国産にするけれどもそれに搭載する電子機器等は輸入にするとか、あるいはその他ほかのことを考えるとか、あらゆる場合に応じてやれるように進めていかなきゃならぬと思って、鋭意努力をいたしておるということでございます。したがいまして、カナダの新しい対潜哨戒機等につきましても十分な知識を得なければならぬというふうに考えて、近く向こうにも人を出そうかとも考えておるわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 防衛局長、最近聞きますと、アメリカ国防総省の対外援助局の担当官を防衛庁が呼ばれて、次期対潜機の対象機としてP3C、S3A、CP140——これはP3Cの改良型ですな。というような形での各機種の説明を聞くと、同時にFXの説明も聞くという機会を持とうとしておられるとの報道などもありますが、そういう事実はあるのか、どういうことをここでやられようとするのか、そういう点ちょっと。あくまで疑惑の解明を待ってとさつき長官言われたので、その関係でごく近くそれをやろうとしているのはどういうことかと、こういう意味ですね。

江口裕通防衛庁装備局長

○説明員(江口裕通君) いま長官のおっしゃいましたことの補足になりますが、一方においては確かに疑惑を招かないように処理しなければならないと思いますが、また他方には、同時にいかなる事態にあっても適確な措置がとれるような検討というものはやはりしておく必要があるのではないかというのが私どもの考え方でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまのような会議の事実はどうですか。

江口裕通防衛庁装備局長

○説明員(江口裕通君) いまの問題につきましては、新聞に一部そういう報道がございますが、端的に申しまして、FX関係とPXL関係とは私どもに別に考えておりまして、同じ人に来てもらってそういうことをやるというようなことは考えておりません。で、PXLにつきましては、先ほどもございましたように、S3Aというものは七五年初頭以来配備に入っております。それから、この問題は実は専門家会議等においてはそういう状態ではございませんでした。それから、さらにS3Aの搭載機器、電子機器等、それからP3Cの機体を組み合わせましたCP140、御存じのような、こういう飛行機というものがカナダで採用決定するという、いわば事態の新しい進展があるわけでございます。そういうことにかんがみまして、いろいろこういった問題についてのさらに一段と状況把握と申しますか、その飛行機の内容とか、そういった性能等のブリーフィングを受けるということを、できればいたしたいと考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 近くね、近く。

江口裕通防衛庁装備局長

○説明員(江口裕通君) はい。  それから、Fの問題につきましては……

内藤功日本共産党

○内藤功君 いいです、それでいいです。Fの方はまた別の機会に。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 法務大臣にお伺いしたいのですが、内藤議員も指摘しましたように、PXL関係の捜査が非常におくれているというか、具体的に出てこないということについて、捜査がどうなっているのかという疑問が国民の中にも、私どもの中にもあるわけですね。で、まあ端的に伺いますけれども、このPXL関係の疑惑の捜査というのは、法務大臣がしばしばおっしゃる、全日空ルート、丸紅ルートあるいは児玉ルート、こういった三つの山のどの山の中に入っているということで捜査というのは進められてきておるのか、その点はどうなんです。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) PXLの関係につきましては、そのロッキード社の売り込みの対象になっておったとされる同社の製品でございますので、二十数億に余る工作資金の流れを究明する上において、PXLの選定の経過というものにつきましても検察当局としては重大な関心を持っておるわけでありまするが、今日までの報告によりますると、PXL選定の経過について犯罪の容疑を認めておるという報告を受けていない次第でございます。なお、究明が十分でないルートは児玉ルートでございますので、必然的にPXLの選定に疑惑があるとすれば児玉ルートに結びつくものではないかということで、先ほどから御質問を聞いておりますると、児玉ルートイコールPXLのルートというふうな御理解の御質問があるようでございますが、私ども現在のところ、PXLの選定の経過について関心を持っておる捜査当局から、それについて犯罪の容疑があるという報告は受けていないわけでございます。ただし、先ほど冒頭に申し上げましたように、児玉ルートの解明は十分ではございませんので、その間においてPXLの問題に問題が生ずるかもしれませんが、現在のところはそういう報告は受けていない。  なお、今日までいわゆる丸紅ルートのうちのピーナツにつきましては、すでに公訴状に明らかにしておりますように、これはトライスターの関係である。それから、ただいま逮捕、勾留をして本日処分がなされるであろう橋本、佐藤両氏に関する疑惑も、これはトライスターの導入、エアバス導入の延期の問題であるから、要するにトライスターに関連するものであるということで、今日公にされておる関係においては、トライスターに関する疑いというものが濃くなっておるというのが現状でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それは結果的に表面に出ているから私どももわかっているわけですね。で、端的に言いますが、PXLの疑惑について、現に捜査は続けておる、いままでのところ犯罪容疑は発見していないが、続けていると、これははっきり言えるわけですね。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 先ほど来申し上げておりますように、検察庁当局の報告を前提といたしますなれば、PXL選定の経過についての犯罪の容疑があるという報告は受けていないということでございまするから、疑惑の焦点はPXLかトライスターか、アンド・オアで考えないで、資金の入った二十数億の流れを究明する過程というものにおいて、ロッキード社の工作資金である以上PXLに関連するかもしれないというふうに御理解いただきたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ですから、そういう意味では重大な関連があり、PXLはトライスターと並んでロッキード社の売り込みの重大な要素の一つですから、そういう点で捜査としても目を離さないでやっておるということですね。——いま局長うなずかれておりますから、それは間違いない。  そこで、私はもう一つ突っ込んで聞きたいんですけれども、法務大臣はかつて、つかまえる方も日米協力なら、逃げる方も日米協力だとおっしゃったことがある。そこで、不思議なことの一つは、コーチャンは防衛庁を訪れたことがあるということはこの席でも公になっておる。ローガンも来ている。まあそういうことでロッキード社がP3Cに関連して防衛庁に接触をしていたという事実それ自体は、客観的にその部分だけはもう明らかになっているわけですね。そういうことであるにかかわらず、コーチャンの回想記を見ましても、あるいはコーチャン証言は中身はわかりませんが、P3Cの売り込みに関するコーチャン供述というのが出てこないと。これは不思議だということになっているわけですが、これは、このP3Cの売り込みというのが、これが一民間会社の賄賂あるいは贈収賄にかかわらないで、アメリカの日本に対する戦略的な構想にかかわる、これからまた売り込むという問題にもかかわる、そういうことでコーチャンが事実を隠して、P3C工作は物を言わないんじゃないかということを私どもは推測として考えざるを得ないし、捜査はこの壁を突き破って進んでほしいという期待もしている。まあこういう現状でコーチャンが今日までP3C問題を明らかにしないということは、そのような配慮があるのではないかというようなお考えを法務大臣お持ちになりませんか。それを突き破らねばならぬというお考えはありませんか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 捜査については、非常に日米協力関係がうまく、私らの感じでは相当米国側も、司法省も協力的であるように私は思っていますね、実績に徴して。だが、またその日米協力捜査の網をくぐって何とかして逃れようという、いわゆる逃げる方の協力関係も、これもぼさっと、それはあなた、捜査の網が及ぶのをぼさっと、こうやって待っているわけはないわけですから、常識上ね。だから、そっちの方も一生懸命で、したがってその壁は非常に厚いものがある。それはまあ常識的ですわな。そこの壁を破らなけりゃ日米協力の捜査の実効は上がらないですから、それについて米国も協力してくれているんだから、わが捜査当局は真剣にやっていると、こういうことでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いや、私が聞いているのは、法務大臣、そういうことだけれども、コーチャン自身が——ロッキード社がと、こう言いましょう。ロッキード社がP3C売り込み工作については言いたくないという姿勢があって、そういうことが感じられないかということを率直な大臣の見解として聞いているんです。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 非常に感じますな。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ですから、非常にお感じになっているその壁を突き破ってもらいたい。  それから時間がもうありませんので、最後に一問だけお伺いするんですが、法務大臣は閣議で、ときどきこの捜査状況の報告をなさいますか、それとも、総理に求められたとき以外はなさいませんか、その点はいかがですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 報告を求められたことはなかったと思いますね。こちらからロッキード問題関係閣僚協議会などに三、四回、それから閣議にも同様な回数くらい報告をいたしたのを覚えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこで、法務大臣、法務大臣の見解を伺いたいんですが、田中角榮保釈について、検察庁は証拠隠滅のおそれがあるということで反対をなさったが保釈になりました。保釈になってから、新聞報道を見ますと、政治家七十数人、三百人余りを超える人たちが見舞いという形で田中邸に駆けつけている。で、保釈になった二日後に、十二時三十三分、現職閣僚である小沢辰男環境庁長官もお行きになって、これによりますと十二時三十三分から十四時十分まで二時間近く、ほかの人はもっと短いんですが、長時間在邸されて、そして出てきておられる。で、私はここに二つの問題があると思う。三木内閣は真相究明徹底的にやるということで進んでいるそのときに、検察庁が証拠隠滅の疑いがあるとして保釈に反対をしたその当の人物のところへ現職閣僚である小沢さんが保釈後たった二日後にお行きになって二時間もお話しになる。これは政局の生臭い話も出るでしょう。それからさらに、あなたが閣議で御報告になった話も出る可能性もあるでしょう。このようなことは、三木内閣の真相究明をやるという姿勢が本当であるならば、現職閣僚としてふさわしい行為とはとても言えない、私はそう思うんですが、法務大臣としてどう思われますか。——ちょっと待ってください。これはたとえば新聞は「一国の国務大臣が昼間訪問するようじゃ、田中角榮サンの罪の意識もなくなるわ、と思う」と、こういう評価も書いているんですね。で、こういう評価は別として、閣僚としての行為として私はふさわしくない、こう言うべきだと思いますが、いかがですか、法務大臣の御所見。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 法務大臣の所管の中に入るかな。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 あなたは一生懸命閣議でも報告をされ、真相究明、捜査を進められているんですよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) まあ、やらぬでくれればこしたことはないと思うんですね。ただあの人は新潟県ですわね。そして田中さんは、田中前総理は小沢君を非常に頼りにしてるんですな。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 あなたも新潟県。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 私は頼りにされてないですからね。(笑声)

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 終わります。

三治重信民社党

○三治重信君 きょうは質問の時間が非常に少なくなりましたので、本当の一点についてお尋ね申し上げますが、その前にちょっと、この前の児玉ルートの資金のやつで、いわゆる紛失小切手の見返りで後から四億四千万円追起訴されたのは当初言われた十七億二千四百万円のほかの金額で、合計としては二十一億になるということを確かめたと思うんですが、どうもはっきりしなかったみたいですが、そこだけひとつお願いします。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 先回申し上げましたように、公表された領収証に見合う金額の合計は十七億二千四百三十四万円でございますが、そのうちの五億円相当のドル小切手が四十八年の初めに児玉から盗難届けが出ましたので、それを信頼したとされるロッキード社側から、そのドルを当時の円のレートで換算いたしまして四億四千万円が四十八年の五月ごろに二回に分けて送られてきたということでございまして、したがって、盗難に遭ったということを別にすると、先ほど申しました十七億二千四百三十四万円に、後に送られてまいりました四億四千万円を入れますと、二十一億という金が現実に児玉に領収されたとされる疑いがあるということを申し上げたわけでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 法務大臣にお尋ねいたしますが、この特別委員会も国政調査の事実調査を進めたところで、自民党の方から証人喚問を拒否されて、証人喚問で調査を進めることができなくなってしまっているわけなんですが、また、児玉ルートの問題は何回か質疑が行われても、実際適当な証人喚問が行われないと、隔靴掻痒の感でこの調査も進まないわけなんです。しかし、検察当局の御努力で、間もなくといいますか、時間もかかるということでございますので、ここで一応法務大臣も大変長い間いろいろ御苦労なさったんですが、最近、アメリカの方は、この前のニクソンが問題を起こして大統領までやめたウオーターゲート事件の反省から、議会の方でこういう大疑獄事件にまで発展をするような問題を予防するにはどうしたらいいかという法案が出されている。一種のいわゆるウオーターゲート法案ということでございますが、アメリカと日本とは非常に政府の統治機構は違うわけですから、そのとおりには問題にならぬわけでありますが、この根本の趣旨は、やはり行政府が非常に強力化した中で、政治の最高首脳との密接なつながりからいって、どうしても政治の中枢の腐敗に対する検察の捜査というものが、国民に対して、国民から見ると非常に不信感が持たれて、非常に検察の方としてはこういう問題については不可能であると、こういうふうに信じられたところへロッキード事件が起きて、こういう非常に解明が進んだと、しかし、もしもアメリカ側の情報がなかったならば、こういう問題が日本では起こらなかっただろうと、こうも言われている。そうしますと、やはり政治の中枢の腐敗についての検察の機能を維持する、そういういかなる政治の腐敗、行政の腐敗に対してもメスを入れられる体制というものを、やはり国民の信頼を得るような措置を、こういう事件を契機として、やはりアメリカで行われておりますように、内容は異なれ、日本は日本として、検察の機能上そういう政治や行政の最高中枢の腐敗に対する処置を改めて検討する必要があるのじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。  それで一つは、この検察のこういう問題についてのいままでの取り扱いは、東京地検の特捜部と、こういうところで処理されているようなんですが、特捜部は、そういう独自の情報、いわゆる政治や行政の中枢、首脳の腐敗というものに対する情報を常に整えていくといいますか、研究をしていく機能というものを、現実の問題として自信がある機能を持っておられるのかどうかという問題。  それから一つは、政治資金の動きとか、高級公務員、高級政治家に対する財産の急激な膨張とかいうような問題、それから公務員の違法行為、こういうものが情報の主なものだと思うんですが、そういうことについて従来のやり方について改めていくことを検討されていますか、また、検討する意思がおありかどうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 検察当局が検討するかどうかについては刑事局長が答弁しますが、私としては、やっぱりこういう事件にかんがみて、法務大臣としてもまた国務大臣としても、こういうことが再三行われたんでは政治はめちゃめちゃになってしまう、国民の政治に対する信頼は全くなくなってしまう、こんなことを再三やられたんでは。ですから、もうこれを徹底的に究明して、こういうところにこういう起こる原因があるんだから、この原因についてはこういうことをやらなきゃいかぬとかいうことを法務当局としても十分に考えなきゃいかぬし、また、この問題を追及されるロッキード問題調査特別委員会などにおかれましても、立法府におかれましても、立法上必要な措置はこういうことではなかろうかということをお互いに両々相まって検討していくべき問題である、こういうふうに思います。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 検察庁におきましては、検察権の行使が公正でなければならないということから、偶然の機会で運の悪い者が処罰されるということではいけないという意味において、的確な情報の把握ということは常に考えておるわけでございまして、そういう意味で十分であるとは申しませんが、常に適正な情報を公平に集めて、適正な検察権を行使するというために情報収集ということは常に意を注いでおりまして、特別資料班等、組織をつくって情報の公正かつ巨悪を逸しないというような意味におきましても、公正な、的確な情報の収集に努めておるつもりでございますが、十分とは申し上げられませんので、今後とも改善に努めたいというのが検察当局の考えでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 最近、田中さんが保釈になった後、内閣の行方が非常に大問題になったというところからかもしれませんけれども、こういう大物の逮捕についていわゆる別件逮捕というものはどういうものだろう、やはり検察の逮捕のやり方としては非常に問題だというようなことも非常に関係しているんじゃないかと言われておるわけなんですが、こういう賄賂容疑のやつで、特にそれを目的とするのにまあ別件逮捕でいくと、しかも逮捕状を用意して逮捕するにしても、こういう賄賂の関係は特に任意調査というものを相当本人にしてからそういうことをやるべきじゃないか、そういう問題について、やはり世論において、非常に大疑獄事件について早く犯人をつかまえるという、被疑者をつかまえるということについては、これは世論の非常な拍手喝采を得るだろうけれども、しかし、現実に検察が公正妥当を維持していくためには、こういう別件逮捕、ことに大物の別件逮捕については非常に慎重でなければならぬと、そういうことが原因して、政府の、いわゆる反三木、これが陰にこもって政治的な大騒動になってきているんじゃないかと、こういうふうなことも考えられるわけなんですが、そういう意味において、この賄賂の調査を任意捜査等やって、そこで正当な賄賂の収受の疑いを大体つかんだところで逮捕状の執行というふうなのは、やはりなかなかむずかしいものなのか、こういうのに一理はあるのか、その点を当局からお願いします。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 別件逮捕というのが違法だとされますのは、本来、本件を捜査する目的で、別件が起訴に値しない微罪のようなものを、別件について逮捕状を請求して逮捕して、もっぱら本件を調べるというようなときに別件逮捕は違法だとされておるわけでございまして、外国為替管理法のように法定刑の重い犯罪につきまして別件逮捕が違法だとされるということは、もう全然心配のない、いわれのなき批判であるというふうに私どもは思っておる次第でございますし、また、現に外国為替管理法もそれから贈収賄に関する受託収賄も公訴提起をしたわけでございまするから、いわれなき別件逮捕という批判は当たらないと思っておるのでございます。  ただ、先ほど申されましたように、捜査はあくまでも任意捜査が原則でございまするから、任意捜査によって真相の究明ができるならばそれにこしたことはないわけでございまするが、贈収賄罪のように、人の見ていないところで、いわゆる隠微の間に行われる犯罪で、しかも賄賂性の認識というものが犯罪の成立に要件とされておるような事犯につきましては、どうしても供述を中心に頼らざるを得ない犯罪でございますので、任意捜査が原則とは言いながらも、従来の先例に徴しましても、これを他から隔離して証拠隠滅等を防止しながら、もっぱら本人の取り調べをするという、いわゆる強制捜査の方法に頼ってきた場合がいままでの例からしてもほとんどでございますので、そういうところに贈収賄罪捜査の困難性があるわけでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 それで、アメリカのウオーターゲート法案なんかを見てみますというと、いわゆる政府の高官、政治家の最高首脳の問題を調査するには、やはり特別検察官制度を、しかも問題ごとに任命して、そうして特別権限を与えて調査する、こういうようなことが出ているようでございますが、そういう賄賂の調査という問題について、ことに政治や行政の機密に関するような問題だと、特別な、何といいますか、手段、新しい手段を特定な人に任すようなことが必要じゃないか。また、そういう工夫が何かできないものかというのが一つ。また、これが行き過ぎますとまた問題になりますけれども。  もう一つは、後の問題はひとつ法務大臣に指揮権の発動の問題で……。だんだん世論がやかましくなってくると、いわゆる政治の考慮で自由に自分の方に有利なような指揮権の発動ということは困難だろうと思うんですが、そういうものの疑いを持たれないために、一つの改革として、指揮権の発動あるいはそういうものに類する問題については法務大臣は検察庁に対して文書でやるとか、また客観的に指揮権の発動についてはそういう外にわかるようなかっこうでやって、やみからやみへ指揮権の発動が行われることのないようにしたらどうかと、こういうような意見もあるんですが、この指揮権の発動というのは、何と申しますか、もちろん大臣の指揮監督は行うわけですから、やみからやみへということは疑いで、そんな何も隠してやるということも現実には余りないと思うんです。そういうものについて、やはり国民に客観的に指揮権の問題を理解してもらえるようなやり方について何か具体的な対応策というものがあるかどうか。まあ一つの案として、指揮権の問題については、大臣の指揮権発動は文書でしか検察庁にはやらないというようなことについての御意見をお聞きいたします。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 私初めてこの委員会でそういう御意見、御質問を受けますがね、私はいまのところは必ずしも文書でなけゃ——具体的事件についての指揮権の発動をおっしゃるんだと思う、一般的指揮権を。これはやっぱり具体的事案について、万々一検察権の運用が人権じゅうりんの疑いがあるとか検察ファッショの疑いがあるとか、そういう場合に法務大臣に指揮権があるということは、検事総長を通じての指揮権を持つということは必要だと思いますな。いまはそういう問題はありませんからいいようなものの、こう妙な、みんな正しい運用をしている人がそろっているには違いないけれども、間々間違ったことをやるのがないとは限りませんからね。そういう場合には、あれは少し行き過ぎじゃないかという指揮権の発動はあってしかるべきものだと思いますね。それが必ずしも文書による要式行為にしておく必要があるということでなくても、やみからやみへというふうに、指揮権をやったんだかやらないんだかわからぬというように葬られるというようなことはないんじゃないでしょうかね。私よくわかりませんが、それ、法律技術的なことですから刑事局長にひとつ頼みましょう、これは。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) ウオーターゲート法案の中でいわゆる特別検察官制度というものが必要だとされておる理由は、検察官の独立性、特に政府高官に関する犯罪捜査に関する行政府からの独立性を保障しようということがねらいのようでございます。その点につきましては、アメリカの検察官は、御案内だと思いまするけれども、選挙で選ばれて、完全に独立性を持たない立場の人々でございまするから、政府高官などという中枢部に対する検察権の行使にいわゆるプレッシャーがかかる可能性を制度上も持っておるということが言えるんですが、わが国の検察官制度は、大臣の申されますように、行政権の一部とは言いながら司法権に準ずるものとして、いわゆる大臣は検事総長のみを指揮することができるということになっておりまして、一般の検察官の処分について、大臣は指揮ができないという意味において、準司法権としての独立性が制度としても保障されておりますし、身分的にも保障をされておりますので、私は、独立性を保障するということは、検察権は行政権の一部であるという以上わが国の制度は世界に冠たるものであるというふうに思っておりまして、これを改める必要はない。要は、大臣と検事総長の人いかんにおきまして制度がうまくもなり悪くもなるということであろうと思います。まあ制度は一般に、釈迦に説法のようでございますが、人によるものである部分が多うございますので、わが国の制度は制度としては独立性を保障する上でりっぱなものであるというふうに考えておりまして、その点でウオーターゲート法案をならう必要はないというふうに思っております。  もう一つ三治委員のお話しの、贈収賄罪を摘発するために特別検察官制度ということでございますが、これはそういう贈収賄と特別検察官制度というのは必ずしも結びつかないのであって、政府高官の犯罪について、ウオーターゲート法案というものは、政府高官に関する限りは独立性を保障する必要があるからああいう制度を考えようということになったんで、贈収賄罪の摘発を容易にする方法といたしましてアメリカの制度として一つ考えられておるのは、いわゆるイミュニティーの制度でございます。巨悪を捕らえるために贈賄者側に言わせてその贈賄者側は勘弁するというイミュニティーの制度は、贈賄罪の検挙を容易にする制度としては考えられるわけでありまするが、わが国はそういうことをいたしませんで、あくまでも他の犯罪と同じように正面から堂々と捜査をしていくという制度になっておりまするが、そのことの捜査を容易にする方法としては、アメリカのイミュニティーの制度なども一つの参考にはなると思いまするが、さしあたり、そういうことがなければ贈収賄の検挙ができないというほどにわれわれ困難を来しておるわけでもございません。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 前回も私、質問をさせていただく機会を持ちましたときにお尋ねをいたしたんですけれども、収賄の容疑のあるなしということの基本は、金品の授受の裏に職務権限があったかどうかというようなことが実は大きな意味合いを持ってくるんだろうと思いますけれども、その意味で、現今の、いまの絶対多数の与党が長年にわたって政府をつくっているというような状況の中で考えますと、その職務権限というものが大変にあいまいなとらえ方をされているというふうに考えますけれども、ここでどの程度までを国会議員の場合検察側は職務権限と考えておられるかというような漠然とした質問をしても、あるいはお答えしにくいかと思いますけれども、もしお答えできるような用意がありましたらお答えいただきたいと思います。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) いつでございましたか、民社党の田渕委員の御質問にお答えしたいろんな例がございますので、それをひとつ御説明申し上げまして御参考に供したいと、かように思います。  国会議員の職権は、これは青島委員は国会議員でいらっしゃいますからよく御承知のことと思いまするけれども、衆参本会議及び自己の所属する特別または常任委員会において、法律案等の議案について質疑をしたり、質問をしたり、動議を提出したり、表決などをしたり、また各議院または委員会の行う国政に関する調査に関与する権限を有しておるというのが国会議員の職務権限でございまするから、かような国会議員の職務に関して、その対価として財産が贈与された場合に賄賂となるということが抽象論として言えるわけでありまするが、それをもう少し細かく申し上げまして、まず、金品を受け取って法案に賛成したりする行為、これはもうるる御説明を申し上げるまでもなく、これは贈収賄罪になるわけでございます。それから金品を受け取って国会で質問をしたり取りやめたりする行為、これも明らかにそうでございます。それから、以上のようなことを同僚議員に勧誘したり説得したりする行為というようなものも恐らく賄賂罪ということになると思います。  それから問題は、金品を受け取って党の政策決定に関与する場合という場合でございます。これは、いわば国会議員としての職務活動というよりも、政党員としての活動ということに相なりますので、これはいわば公人と私人に分けますならば、私人としての行為と認められることが多いと思いますので、党の政策決定に関与することに関しての金品の贈与というやつは贈収賄罪にならない場合がもうほとんどであろうというふうに思われるわけであります。  それから五番目に、金品を受け取って行政官庁に働きかけるという場合につきましても、これはいわば行政官庁の担当いたします国政の処理に国会議員は関与する権限がないわけでありまするから、行政官庁に働きかけることで金をもらいましても、直ちには贈収賄ではない、ただし、これはあっせん収賄という規定がございまして、その結果、公務員に相当なことをなさせないと、不正の行為をなさせた場合におきましてはあっせん収賄罪ということにはなりますが、本来の贈収賄罪の成立はしないということではないかというふうに大体はっきり申し上げられるんじゃないかと思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 党の決定などに関与する場合は、事実上その行為が収賄罪として追及されることはないかもしれないというようなことですけれども、実際問題としては、基本的には国会議員は立法府にいるわけですから、立法に対して何か下心のあるような行為があるということは当然職務権限に該当するんでしょうけれども、しかし、実際問題として、党の政策決定あるいは立案に参与する、そしてその決定が大臣通達になったりして、実際の場合、行政の面に影響を及ぼすことはかなり大きくありますわね。そういう場合は、党の決定に参与した場合でも職務権限に当たるんじゃありませんかね。その辺をどういうふうにお考えになっておりますか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 党の政策決定が行政に影響することはもう事実でございますが、その行政に関与する職務権限を国会議員は持たないわけでございます。たとえば何々党員というものは持たないわけでありまするから、職務に関することにはならないということでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 その辺が常識論として大変にわかりいいところで、実際に行われていることとそういう立法上の抽象論といいますか、法理論的な考え方と一般国民の考え方と、その辺に食い違いがあると思うんです。一般国民の考え方だけを根拠にして追及することはむしろいけないことかもしれませんけれども、その辺に一般の国民が疑念を持つゆえんだと思うんです。実際問題、端的な例を申しますと、交通部会のメンバーとして、それで何社の何機の機種決定などに大きなウエートを持ったと、そのために何社から常日ごろ何々の供応を受けておったというような場合、一般国民の目から見ますと、それは当然贈収賄のにおいがかなりあるんじゃなかろうかと、しかもその国会議員の立法に関することではないかもしれないけれども、それは立法府にいる議員でありながら政党の、しかもそういう政策決定の中の大きなウエートを占めるという——行政と立法とは明確に区別をして、これは該当しない、これは該当すると分ければ、そうすると確かにそうでしょうけれども、その両方を兼ねる場合が実際問題は多いわけですね。ですから、その辺のところを国民の前に明らかにするためには、どうなさったらいいというふうにお考えになりますか。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 確かに現行の刑法体系においてはやむを得ざることでございますが、私個人の意見から言えば、おっしゃるようなところは一つの問題点であろうと思います。それはやっぱり立法論でございますとともに、いわゆるいま与党が常に絶対多数党としてその政策決定が常に行政に大きな影響を与えるという立場、いわゆる行政と立法とが一体化しておるわが国の現状下において一つの問題点であろうというふうに思われますが、刑法の体系から言うと、やはり幾ら申されましてもそれは職務に関するものとは言えないんじゃないかと思います。したがって、これは立法論でございまして、やはりそういう金の授受というものをどのように規制していくかということは、立法府でひとつ御判断いただきたい問題のように思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 確かにおっしゃるとおりのことだと思います。ただ現行上、そういうことが慣例みたいになっておるので、国民の間にそういう疑問がかなり蔓延しているだろう。この辺がいつも新聞紙上で見て、あの人は大変に灰色がかりているんじゃないか、しかしその収賄の事実が立証できなかったということで不問に付されておるというようなことにかなり憤りを持っている方々の御意見としては、いまおっしゃったことだと私は思うんですけれども、それからもう一つは、積極的に賛成し、もしくは推進しなくても、黙っているとか、あるいは欠席して意見を述べないというような立場であっても、職務権限に該当するということにはなるわけですね。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) 国会議員が自分の所属する院の本会議の表決、意見の表明、あるいは委員会の表決、意見の表明について、黙っていることについてお金をもらうということがございますれば、原則として贈収賄罪になるというふうに思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 まさに私そのとおりだと思いますよ。これがこういうことも含めてあると、国会議員の職務権限というのはかなり大きな範囲にわたりましてね。ですから、そういう大きな権限を持っている人に、前回も私、これを問題にしたんですけれども、通常社交儀礼であるからといって数十万円の金が始終、盆暮れにあいさつとして提出されているというような事実があるとすれば、これはやはり一般国民の考え方からいうと大変に問題があるんじゃなかろうかという気がしますし、それから実際にある一つの事件がありまして、この問題をどこどこに持ち出して問題にするぞというようなことが、問題にされる、あるいはされない、そういう具体的な事件、事犯があったとしますわね。それをどこどこに取り上げて問題にするぞ、黙っていてやるから幾らか出せということになりますと、これは恐喝になりますね。事前に、そういう事犯に関係した者が、お金をあるいは金品を差し上げますから黙っていてくださいということになりますと、これは贈賄になるわけですね。ですから、贈賄と恐喝というのは実は裏表になる。それが、黙っていてくださいというのと取り上げるぞというのの主体性がどちらにあったかということで、贈賄と恐喝というのは実は裏表のことになるんではなかろうかという気がするんですけどね。いままでは恐喝の面みたいなことばかりがかなり大きくクローズアップされている状態で、黙っているというのは、事実上この犯罪を構成するということで追及する場合にやりにくいことは確かですね。ですから、犯罪があったことを立証するということの煩雑さとか困難さのゆえに不問に付されたという部分がかなりあって、恐喝の面の方がより多く表に出てきているという事実はあるでしょうかね。

安原美穂法務省刑事局長

○説明員(安原美穂君) まあ、黙っていてやるという事柄が国政調査権の行使になじむような事項であるということを前提にいたしますならば、国政調査権の行使をしないという不作為は職務に関する不作為でございまするから、それでお金を取れば、それが相手方が驚いてということがあれば、恐喝であるとともに贈賄ということが理論的に同時に成立することがあるんじゃないか、こう思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ですから、国会議員たる者、国会に席を置けばかなりの、黙っていても、余り、はでに活躍しても、何にもしなくても、職務権限というものは非常に大きなものをおのずとしょって国会にいるということになりますから、大変な責任と自負を持って臨まなきゃならないことは私も常々反省をしておるんですけれども、そう思っております。だからこそ、議員個人に対する企業の献金というものは大変に賄賂性を持っているものなんだということを、ここのところ、しばし、かまびすしく言われているわけですけれども、どの委員会を通じましても、政府の方々は、政治資金規正法にもうたわれているとおり、企業から個人が献金を受けることも決して違法ではないと、悪ではないんだというようなお考えをお持ちのようですし、法務大臣もたまさかそういう御発言をなすっているように私も聞いておりますけれども、こういうふうに、黙っていてもかなりの権限を持っているというようなことになりますと、個人がどこからどういうかっこうでもらっても、いつどういう場合に、それをおまえ黙っていろと言われたんだろうとか、ああだろうこうだろうと言われて追及される場合だって存在するわけですから、そういうことを考えあわせますと、それは違法行為ではないにしても、政治献金としても個人はうかうか受け取れないものだなというぐらいの感触は、法務大臣、お持ちになりませんですか。どうでしょう。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 私も青島さんみたいなことを感じないわけじゃないんですね。しかし、正しい政治をやってくださいと、御苦労さんですから献金しますというのもたくさんあるわけですね。私もしばしば献金を受けているけれども、条件などつけられたことはない。黙っていてくれとか、しゃべってくれとか、こういうことについてとか、そんなことがあったら、それは収賄ですから。あなた黙っていてくれ、黙っていて金になるなら、こんないい商売はないということです。そんなものじゃないですよ、そういうばかなものではない、国会議員というものは。そんなことはあなた、おのずから当然なことじゃないでしょうか。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ですから最近では、企業から個人に渡る、あるいは政党に渡る政治献金というものは、何の代償も持たずに、何の代償も期待しないで行われているということは、行われている事実はごく少数ではなかろうかと。少なくとも個人の献金は別といたしまして。そういう風潮が一般的にあるわけですね。そのことはお認めになるでしょう。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) それは、私、人がどんなふうにしてやっているかは調べたこともありませんからね、よくわからないんです。私に関する限りは、正しい政治をやってください、自由経済というものは守ってくださいという程度の条件はありますな。それはしかし、賄賂じゃないでしょう。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 この問題は、いまここでいかに法務大臣と議論をしても、これはらちのあく問題じゃないでしょうし、政治資金規正法の問題がもう少しきちんと論議されるようになり、あるいは一般世論のそういう考え方がその法案の趣旨に織り込まれるようになって改めて検討をしたり御議論をいただいたりすることになると思いますけれども、もういまやこのロッキード委員会、この委員会を通じて明らかになったことも、少なくともこの委員会で明らかになってきたこと、あるいはロッキード事件そのものが、企業の政治献金というものは実は賄賂なんだということを立証するための委員会みたいなものであったと私は考えているわけですよ。実際にそういう経過で容疑が起き、それから追及され起訴されているわけですからね。その事実を将来にわたって国民は目にして、やがては総選挙というようなかっこうであらわしてくると思うんですけれども。  それで、話は先ほどからの御議論に戻るわけですけれども、総選挙というような国民の判断を待つ前に、中間報告というかっこうで出るか出ないかというような議論が盛んに当委員会でもなされていますけれども、どうもいままでの議論を通じて見ますと、もうこれで最後になるかもしれないような委員会なのに、まだ明白にあらわれてきませんし、それから灰色高官の定義にしても、与野党の間でまだ話し合いもついてない状態ですね。このままいまの現実、この二、三時間後にどうなるかもよくわからない状態の中で、これで終わりになってしまうみたいなことは、私は実に国民の立場として許しがたい事実なんじゃないかという気がしますけれどもね。そういう意味で、私は前回のこの委員会では、議員のモラルの問題にまで法務大臣あるいは検察当局がタッチすることは間違いだと、だからそんなことまではできないんだとおっしゃいましたでしょう。私は、たとえ少額であろうと、証拠があれば摘発するという姿勢が必要じゃないかと、それがそういうふだんからまあ常識の範囲で二、三十万の金が行ったり来たりしているということを不問に付すような風潮を消していかなければ構造汚職の根はなくならないだろうというようなことも前回申し上げましたし、見せしめの意味ででも、きちっとした証拠があるものは摘発していったらどうなんだろうかということも申し上げましたけれども、実際に交通違反なんかではかなりの効果を上げている例があるわけですね。  交通違反なんかの場合は、あれは公安委員会でやるんですか、たとえばスピード違反をする。どうしておれだけつかまるんだと、前も後ろもずっと違反しているじゃないかと。前も後ろも違反したかもしれないけど、あなたの違反の事実があるんですからということで追及されますね。そのつかまるのは、やっぱり何十台に一台、何百台に一台かもしれませんけれども、あの通りで制限速度以上のスピードを出すとやっぱりつかまるぞという意味からすれば、これは見せしめの効果は非常に大きいわけですね。そのために交通道徳が守られるというケースがありますから。いままでも少額だから不問に付すというようなケースがあったとすれば、それは許しがたいことで、少額でも起訴して容疑の事実が立証できるような場合があったら、どんどん摘発していったらどうだろうかということを前回に申し上げましたけれども、今回も改めてそのことを申し上げたいんですけれども、それについてはどうお考えになりますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) それは、この間と同じように、同感です。  それから、私はね、やっぱり法秩序維持に関する国民の対処の仕方というものが、どうもあんまり気に食わないんですね。まあ何といいますか、選挙法だとか、それから売春防止法だとか、自動車交通取り締まり規則だとか、こういう種類のものを従来ざる法だとかなんとか言ってきたが、ざる法なんて法律があるもんじゃないんですからね。それから政治資金規正法だって、そういうものをばかにするから新政同志会みたいなことになるんだから、ああいうことをやるんだから、法律をばかにするからそういうことになる、こういうことを私強く主張する方の立場、性格を持っていますから、あなたとそういう点では意気相投合するものがあることを申し上げておきます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 時間も来ましたし、これ以上また御質問申し上げると、また全く違った見解が出て物議を醸すようなことにもなりかねませんので、この程度でとどめます。  ありがとうございました。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会

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