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77回国会参議院1976/09/07

ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第28号

発言数
191
登壇者
11
会派数
5
開催日
1976/09/07

会議録

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、瀬谷英行君及び上田哲君が委員を辞任され、その補欠として栗原俊夫君及び久保亘君がそれぞれ選任されました。     —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 委員の異動に伴い、理事が一名欠員になりましたので、この際、理事の補欠選任を行います。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に矢田部理君を指名いたします。     —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ロッキード問題に関する調査のうち、いわゆる灰色高官問題に関する件を議題といたします。  この際、委員長から申し上げますが、本日は標記の件について自由討議で調査を進めることで各党の意見が一致いたしました。その方法につきましては、まず各党からおおむね十分程度それぞれ御意見を述べていただき、その後、主として委員同士で討議をしていただきたいと存じます。委員の皆様の格別の御協力をお願いいたします。  なお、政府側からは稻葉法務大臣が出席されております。  それでは、各党からそれぞれ御意見をお述べ願います。  矢田部君。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 私は日本社会党を代表して、いま中心的な議題となっております、いわゆる灰色高官問題につきまして、社会党の基本的な考え方と内容を申し上げてみたいと思います。  その前に、私どもは、今度のロッキード疑獄は日米両国にわたる国際的な規模を持った疑獄であるだけではなしに、戦後三十年の保守支配の政治経済構造に深く根をおろす構造汚職であるということを当初の段階から指摘をしてまいりました。その立場で汚職の構造を徹底的に解明をし、今日の政治経済のあり方を根本的に改革することが迫られているという認識に立っております。そういう立場できょうのテーマを考えてみますと、ロッキード疑獄の全貌を国民の前に明らかにする、そしてまたそれに対して徹底的な措置を講ずることは何よりも最優先の課題であるという考え方に立っております。その立場から問題を基本的に提起をいたしますと、いわゆる灰色高官問題につきましても、捜査機関が収集した全資料はもとより、捜査機関だけではなくて国税当局、会計検査院等も含む政府の諸機関が保管、収集した一切の資料を国民の前に明らかにする、国会にすべての資料を公表し提出をするということを基本の立場にしております。  その点で政府に強く申し上げたいことは、いま申し上げたロッキード疑獄にかかわる一切の資料の提供、公開を重ねて要求しておきたいと思います。これらの資料の中には当然のことでありますが、訴訟に関する書類はもちろん、かねてから問題になっておりました米国側提供の資料、このためには日米交渉を再開してやることも当然含まれているはずでありますが、それも含む、さらには被疑者調書、参考人調書、押収領置をした一切の証拠、そしてまた金品の授受が行われた政治的、経済的背景、通達その他の行政指導の状況、行政の仕組み、さらには人脈、金脈等に関するすべての捜査以前の段階の調査資料や参考資料も含めて一切の資料、証拠を国会に提出すべきであるということを内容としてつけ加えておきたいと思います。  こういう立場に立ってさらに各論的な内容を申し上げますと、少なくとも次の諸項目については明確に国会に提出をし、明らかにすべきだという立場に立っております。この考え方には二通りの基準の立て方がございます。一つは主として金の流れを中心に追っていくやり方、もう一つの基準は検察庁の処分を中心にして基準立てをするやり方とが想定をされますけれども、私ども社会党はその二つのやり方のかみ合わせの中で全資料の公開を求めるという考え方であります。  その第一の金の流れについて申し上げますと、直接間接を問わず、また名目のいかんを問わずロッキード社関係から金品を受け取った大臣、政務次官、国会議員等の政治家はもちろん、事務次官、局長、課長などの高級公務員、さらには、その人たちがかかわっている後援会や政治団体、あるいは企業、民間の個人等の氏名及び名称、さらには職務や地位をまず明らかにする必要があるだろうし、その人たちにまつわる金品の流れの全ルート、金品を受け取った趣旨、目的、金額、時期等も当然のことながら明らかにされなければなりません。  さらには、これらの人がロッキード社製品の売り込みあるいはその条件や有利な環境をつくるために果たした役割りと言動の内容を詳細に明らかにする必要があると考えています。同時に、もう一つ社会党が強く主張しておきたいことは、金品の授受については仮になかったとしても、あるいはその嫌疑が不十分だったとしても、金品の授受を受けた者から指示を受ける、あるいはその意を体して有利な環境をつくるために一定の役割りを果たした場合には、その言動等も含めて氏名、言動の内容、関係者との関係等について、関与者との関係等についてこれまた明らかにする必要があるという考え方に立っております。  第二番目は、検察庁の処分を中心とする考え方でありますけれども、これは大筋四項目に分けて考えております。検察庁の処分は御承知のように、起訴、起訴猶予、時効による不起訴、嫌疑不十分、罪とならず、ほぼ五段階の処分内容に分かれるわけでありますけれども、そのいずれも全面的に処分内容のいかんにかかわらずこれを明らかにすべきだという立場に立っております。若干詳細にその内容を申し上げますれば、時効による不起訴、情状による起訴猶予はこれは当然のことといたしまして、問題になります嫌疑不十分による不起訴の場合にもこれまたこの内容を明らかにしなければ、ロッキード事件の構造なり全面的な真相解明は図れないという考え方に立っております。  昨日、自民党ロッキード委員会の考え方が発表をされましたけれども、自民党の考え方の一つの特徴は、この嫌疑不十分にかかわる問題について一切公表をしない、させないという立場に立っていることが一つの特徴でありますが、私どもはここを明らかにしなければロッキード事件の全面的な解明はむずかしいという考え方に立っておりますので、特にその点を強調をしておきたいと考えております。  嫌疑不十分の内容等についてはいろいろの場合が想定をされますが、私ども社会党はすでに文書で例示列挙方式で幾つかの考えられる内容を指摘をいたしております。たとえば職務権限との関係で嫌疑があるが立証の点でややむずかしいということで不起訴になった場合であるとか、請託の立証がむずかしいというような場合等についても考えられるわけでありますが、その他幾つかの項目を例示列挙的に挙げております。  それから四番目には罪とならずということがあるわけであります。これはお金は受け取ったけれども、純粋の政治資金であった、あるいは職務権限でその点がなかったというようなことで罪とならず、あるいは嫌疑なしという処分が想定をされるわけでありますが、これについても全面的に明らかにすることがきわめて重要であるというふうに私たちは考えております。この点、人権上の問題やあるいは捜査の秘密という問題を自民党はあれこれ指摘をするかのようにも思われるわけでありますけれども、ロッキード事件真相究明の大きな価値の前にはそれは譲歩すべきだと考えますし、また人権の立場から見ましても、その点を明確にした方が個人の人権は守られるということも考えられるわけでありますので、この点もぜひつけ加えてほしいと考えております。  それから、私どもは全資料の公開の立場に立ってもう一つつけ加えなければなりませんことは、日本国内でどのようなかかわり方をしたか、どのようなお金の流れ方をしたかということだけではなくて、国際的な背景を持った疑獄でありますから、アメリカを中心とする外国の関係者、その関係者の関与の仕方等についてもこれまた明確にしてほしい、そのための資料を提供すべきであるということをもう一つつけ加えておるわけであります。  いずれにいたしましても、ロッキード疑獄において典型的な日本の政財官、戦犯右翼の腐敗の体質と構造的癒着とは、単にロッキード疑獄だけではなく、韓国やインドネシアその他の諸国に対しても、より大規模な、より醜悪な国際的腐敗構造をつくり出し、培養してきた可能性がきわめて大きいと言わなければなりません。したがって、これらの分野における腐敗にメスを加えることなくしては、日本の民主主義そして諸国民との真の連帯や友好は確立できないという立場から、これらについても徹底的な解明を必要とするし、そのための資料も政府諸機関、関係諸機関は提供すべきであるということを要求しておきたいと思います。  最後にまとめになりますけれども、要は、私どもは構造汚職を徹底的に解明をする、そのためには政府の恣意的判断や検察官の自由裁量によってあれこれの振り分けをし色づけや線引きをするやり方で発表を求めることは、結局ロッキード疑獄の全面的な解明ができない、そういう立場で全資料の公開を求めていることを繰り返し強調をしておきたいと思います。  もちろん、全資料の公開を求めた上で、問題はそれでロッキード疑獄の解明は終わったなどということは毛頭考えておりません。自民党はいわゆる灰色高官名の発表で、いわばロッキード疑獄に幕引きをするのではないかという危惧の念が持たれておりますけれども、私どもは全資料を公開したことから、初めて政治的な追及、疑獄の構造を明らかにするあれこれの論議の正念場がそこから開かれるという考え方に立っております。  最後に、自民党案について大綱的な問題点を指摘をしておきますと、一つ、昨日発表をされました自民党の考え方は汚職疑獄の構造を全面的に明らかにする立場に立っておりません。二番目には、金の流れについてもその全貌を明らかにしていない、そういう立場に立っていない。三番目には、先ほども指摘をいたしましたが、検察庁のあれこれの処分のうち嫌疑不十分について全く取り上げようとしない。さらにはまた、社会党が特に強調をしております、金は直接受領していないが、何らかの形でロッキード疑獄に関与した者を不問に付する、そういう態度をとっておることを私はきわめて遺憾に思います。後の質疑の中でこの点はさらに詰めていきたいと考えておりますけれども、その点を特に自民党に申し上げ、いま私ども社会党が提案をし、主張として述べた考え方に各党が御賛同をいただき、ロッキード疑獄の全面的な解明が一日も早いことを強く望んで、私の考え方の一端を申し上げて終わりたいと思います。  以上です。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 黒柳君。

黒柳明公明党

○黒柳明君 わが党の灰色高官公表に対する見解は発表しておりますんで、改めてそれをるる述べる必要はないかと思います。昨日、自民党の特別委員会での見解、この問題点を指摘するとともに、わが党の特異性というものもまたここで言及していきたいと、こう思います。  わが党のいわゆる灰色高官に対する基本的見解というのは、国会における政治的道義的な追及、解明、これは一切の関係者の名前が明らかにならなければできないと、こういうことであります。であるならば、ロッキード、このエアバスないしPXL売り込み工作期間中、ロッキードないしいわゆる仲介人から金品を授受した者は、名目のいかんにかかわらず公表すべきであると、これが私たちの基本的姿勢であります。それにつきまして、いま申しました昨日の自民党特別委員会の案、ないしはわが党の見解を含めまして、五点に分けてわが党の特殊性ないしは問題点を指摘したいと、こう思います。  まず第一点は、当然私たちこの国会におけるこの事件の徹底解明、この基礎になるのは、あの異例な四十日間の国会の空転、それに終止符を打った五党党首そして両院議長の裁定、これが一つの大きな解明に対する基本姿勢を示しているものであると、こう思うわけであります。これは言うまでもありません。政治的道義的な解明を行う、さらには刑事訴訟法四十七条のただし書きにまでも言及していると。この私たち国会におけるロッキード解明に対する基本姿勢を果たしてきのうの与党・自民党の特別委員会の案は踏まえているのか、この内容というものを厳重に踏まえた上で試案が出ているかというと、そうではないと私たちは思うわけでありまして、昨日、試案として出ましたいわゆる時効不起訴、微罪不起訴、罪不成立と、これを灰色高官の範疇にというこの三つの点は、むしろこれは灰色よりも黒に近い灰色、本来ならば黒ではなかろうかと、こう思えるわけでありまして、議長裁定ないしは五党首のあの合意に見られた政治的道義的な面というのは、もっと広い範囲で解釈すべきであり、また当然そういう広範囲における問題というものを国会においては解明しなければならないという基本姿勢が盛られていると、こういう私たちの認識であります。そうなりますと、昨日の特別委員会試案というものは全く範囲を狭めて、むしろ失礼な言い方かわかりません、灰色高官隠しにも通ずるんではなかろうかという気がするわけであります。これが第一点です。  第二点、その中におきましていろいろ問題点がありますが、一番の問題点と私たち指摘したいのは「参考意見」の最後の方に出てくるものでありまして、「但し、ロッキード売込みに関係なく純然たる政治資金等として授受されたものは、たとえそれが、ロッキード資金の一部であっても灰色高官問題とは無関係である。」、この点であります。この点はあえて言うならば、巷間うわさされております全日空の一億六千万、十数人とも数十人とも言われておりますが、国会議員に流れているこの問題について捜査当局、どういう捜査をし、あるいはこれが灰色高官名の範疇に入るのか入らないのかと、こういうことにつきましても、あるいはもっと厳密に言いますと、せんだって与党・自民党関係の四名の方が検察の事情聴取を受けた、受けないと、こういう問題も国会では論議、あるいは世間的、社会的にも大きな問題になりましたが、果たしてこの四人の方、ないしは全日空関係の公然として言われている十人ないし数十人の方がすべて政治献金として授受しているとなると、これは全くこの灰色の範疇にはならぬ、こういう大きな矛盾が含まれてくるわけでありまして、これこそ純粋な政治献金というこの項目ですべて灰色高官は隠されるおそれがあると、こういう私たち懸念をするわけであります。冒頭に申しましたように、一切の関係者の名前が公表されない限りは、政治的、道義的解明はできないどころか、この純粋な政治献金という名のもとに、あの四人までもその範疇に入る、時効成立あるいは職務権限云々で検察当局は起訴、強制捜査できないのではなかろうかという私たちの憶測でありますが、それがさらに後退して、いや、そうじゃなかったのだと、金は授受されてたけれども、政治資金献金だったということもこの中に含まれる可能性がある、非常にこれは何回も申しますように、灰色高官公表どころか、隠しという私たちは疑念を覚えるわけであります。さらに、純粋な政治献金というのはどういうことを言うのか、届けているものは、公表されているものは政治献金、されないものは個人の寄付行為であると、こういうことで全部済まされる、これも非常におかしなことではなかろうかと、これが第二点であります。  第三点、これはさらに、この特別委員会試案の前段にありますが、「憲法および刑事訴訟法の人権の保護、」云々と、こう書いてあります。人権の保護、まあ確かに人権というものは保護されなければなりません。それも法律の罪を裁くと同じに、法律の持った一つの特権であるかと思います。しかしながら、このロッキードの問題においては、少なくとも国会議員、政府高官は、人権の保護ということを前提にして、失礼な言葉かと思いますが、政府あるいは捜査当局が全く私たちの手の届かない、いわゆる秘密資料の中から、国会でつくられた基準に沿ったものを出すわけです。ところが、そこの段階におきまして、国会において人権の擁護ということを先行しますと、このロッキード、国会議員あるいは政府高官に関しては、これは捜査当局が果たして人権の擁護ということを大前提にして、すべてその中において、出せるものも出せなくなるんではなかろうか。私は、いま申しました人権の擁護ということも当然でありますが、この事件の問題にあっては、むしろ人権の擁護よりも国会議員の政治的道義的な追及、責任こそ問われなければならない、その問題の方が優先してもいいんではなかろうか。捜査当局が、国会でもし与野党が合意された場合の基準に対してピックアップする、その範疇のものをピックアップする場合に、人権の擁護ということが前提に立ちますと、非常に無理がここに出てくるんではなかろうか、あるいはさらに、私たちが全然わからない資料で、政府、検察当局が、あえて言いますと、秘密の、手の届かない中で捜査もできる可能性ができてくるんではなかろうかと、こういう疑念もするわけであります。人権の擁護、当然ながらこの問題については、それに優先するのが政治的道義的責任を明らかにすると、こういうことではないかと、こう思います。  第四点は、これは党の高官公表に対する特異性であります。米国資料にある、これで金銭の授受があった、これは捜査当局でも対象になっているかと思います。そうではなくして、金銭の授受のあった者は当然、あるいは米国の資料でロッキードの売り込みに関係があったと指摘された、氏名が出てきた、国内捜査で金品の授受があった、これは明らかに政治資金ということの範疇にくくるよりも、疑惑という、灰色高宮という範疇にくくるべきである、こういうわが党の灰色高官に対する公表の基準を出しております。この米国資料、全資料を国会に出すというんじゃありません。全資料を公開するというんじゃありません。その米国資料の中に、疑惑として指摘された金品の授受があった、これは当然。疑惑として指摘され、そして国内捜査で金品の授受があったというものについてはこれは純粋なる政治資金の中に逃げ込む余地はないのじゃなかろうか、こういう私たちの見解であります。この点どう思うか。  最後に五番目であります。先ほどから申しますように、捜査当局に全幅の信頼を置き、政府の中立、厳正に信頼を置きながらも、私たちは非常に、こういう見解が出ますと、与党自民党のいわゆる何らかの圧力工作というものについてもあえて心配せざるを得ない。その中で私たちが灰色と指摘できる唯一の根拠、これは国会に証人を喚問して、私たちみずからの質疑の中で灰色であるかどうかという結果ないしは与野党の質疑の中の合意点を見つけ出すという、これは政府の、あるいは捜査当局の、強いて言うならば、私たちが手が触れられない、わからない資料の中からピックアップするということではないわけでありまして、もうこれこそ国会における政治的道義的追及の場であり、そして灰色高官名の、その新証人への質問あるいは答弁の中から灰色高官であるかどうかという与野党の国会における合意というものを引き出す大きな唯一の場ではなかろうか、そういう観点からも、この五番目には、当然この段階において従来以上に証人の喚問ということを強く要求して、この灰色高官、与野党合意の大きな素材にしなければならない、こういう五つの観点であります。  以上です。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 橋本君。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私は日本共産党を代表して、わが党のこの灰色高官公表に関する問題について所見を明らかにしたいと思います。  このロッキード疑獄事件が起こりましてから、わが党は徹底的にその真相究明に全力を挙げるとともに、本年の七月六日にはいち早く公表さるべき灰色高官の範囲を公表いたしました。そして、政治的道義的責任の徹底的な追及と金権政治を一掃するという方向を明確にし、そしてこのためにも積極的に努力をしてまいりました。わが党の見解はすでに明らかにされておりますが、このわが党の見解がどのような基準と前提の上に立っているかをまず最初に明らかにしたいと思います。  それは四つの観点を前提とし、四つの問題を基準としてつくり上げられたものでありますが、その第一は、何といってもこのロッキード疑獄を生んだ金権政治の根を断ち切って、清潔でガラス張りの民主政治を築くという当面最大の課題であるこの政治課題にこたえ得るものでなければならないという問題であります。言うまでもありませんが、ロッキード疑獄事件が提起している今日の最大の国民的課題は、この構造的な金権政治をこのまま続けるのか、そしてこのまま続けて、アメリカべったり、対米従属、そして財界、官界癒着の汚れた政治を続けるか、それともこのロッキード疑獄の徹底的な解明と道義的政治的責任の徹底的な究明を通して政治を革新し、金権政治を一掃して、国民の期待にこたえる国政の民主的な転換へと進むか、これがまさに当面の最大の課題であります。わが党はいち早くこの課題を金権、売国、戦犯政治の一掃という大きな政治目標として提起をし、このために奮闘してきたのでありますが、このことを本当にやり遂げ得るに足るだけの政治的道義的責任の究明、こういう観点に立って灰色政治家、灰色政府高官の範囲、これを確定していくことが第一の課題であります。  第二番目の灰色高官範囲公表の方法についての基準となるべき問題は、国民の声であり、国民の要求であります。いま国民はこの問題について全面的な真相究明とともに、同時にロッキード社から金を受け取ったすべての政治家、すべての政府高官、これの全面的公表を強く要求し、期待しております。たとえば一つの例として、本年八月五日及び六日にわたって朝日新聞は、東京、大阪でアンケート調査を行い、その結果を発表いたしましたが、その中で「ロッキード事件で、汚職にからんだ金を受け取った政治家や官僚の名前は、みな公表すべきだと思いますか。そうは思いませんか。」という設問に対して、何と東京では八五%、大阪では八七%、異常に高いと思われるほど、これほど多くの国民が全面的な公表、解明を要求しているのであります。いままで多くの汚職事件がありました。しかし、その汚職事件がいっとはなしにもみ消されたり、うやむやに終わったということに対する厳しい国民の反省と批判も加えて、いま国民はこのように徹底的な灰色政治家の公表を要求している。この国民の要求と課題にこたえ得るかどうかが第二の基準であり前提であります。  第三番目の問題は、言うまでもありませんが、国会決議並びに議長裁定、これを実現するに足るものかどうかという問題であります。すでに本年の二月二十三日、衆参両院で行われました全党一致しての異例の国会決議は、その内容においてこのロッキード疑獄の真相の解明、徹底的かつ迅速に行われることを要求し、本問題に関するすべての疑惑の解明こそが国民の要望にこたえる道であるとして、政府高官名を含め、ロッキード問題のわが国に関する未公開の資料を余すところなく提供されるよう米側にも要求をするという重大な決議を行っております。同時に議長裁定、五常合意を基礎にした議長裁定は、この観点に立ちながら、実際国会において政治的道義的責任の徹底的な究明を行うべきことをも明確に示しております。このような国会決議、議長裁定、この決議、議長裁定を実現するに足る内容のものであるかどうか、これが第三の基準であります。  第四番目の基準は、このようなロッキード疑獄事件を二度と再びわが国の政治に起こし、政治を汚してはならない、こういう観点に立って、いま徹底的に国民の批判を明らかにするという立場に立つと同時に、このような疑獄事件が再び起こらないための前提と保障として灰色高官の公表、政治的道義的責任の究明が必要であります。御存じのとおりOECDではすでに外国に対する賄賂を提供するという問題を禁止する問題が国際的にも議論をされております。わが党は、このロッキード疑獄に関連をし、つい先日も、このロッキード疑獄事件の再発を防止する政策を公表し、発表いたしました。その中の一つには、国会の国政調査権機能の徹底的な強化、そして第二番目には、アメリカにおいてもウオーターゲート事件の教訓からこれの再発防止法案が提案され、あるいはまたイギリスでは議会コミッショナーという行政監視制度があるなど、各国でも検討が進められておりますが、こういう問題とも関連をしてわが党は強力な権限を持つ行政監視官制度を提案をし、同時に国民による監視あるいは国民の知る権利、これを十分に保障し、尊重するという立場から情報公開法の制定を提起をしておりますが、このような再発防止策を国民的な合意として国会でつくり上げていく前提としても、この灰色高官問題の公表、これは重大な課題を持っているのであります。  以上の四つの観点に従って、わが党は灰色高官の範囲並びにその発表の方法は次のように行うべきものが最も妥当であると考えております。  まず第一に、灰色高官の範囲であります。この問題については、現行法によって、受託収賄、単純収賄その他起訴されるいわゆる黒色高官以外で、ロッキード社関係の金品を、本人だけに限らず、本人またはその秘書、後援会、あるいは本人が主催する政治団体など、その他の関係が受け取ったすべての政府の高官、つまり閣僚、国会議員、次官、局長などを含みますが、そういう者については、その職務権限や請託の有無にかかわらず、またその支払いが政治献金であるか、あるいは中元その他の名目であるか、その金品の名目いかんを問わず、これを全面的に明らかにする。これが最大の大きな眼目であろうと思います。検察庁もすでに、三十数億に上るとも言われ、あるいは二十数億に上るとも言われるロッキード関係の工作資金のわが国への流入、この金銭の流れについては徹底的な解明をすると何度も法務大臣以下国会で言明されました。その徹底的な解明は、単に起訴されるという範囲にとどまっては許されない。いま指摘したとおり、その名目いかんを問わず、ロッキード社関係の金品をどのような政治家、政府高官が受け取ったか、これをすべて明らかにすることが第一の課題であります。  第二番目は、その案件の適用の範囲であります。わが党はすでに早くから、このロッキード疑獄事件は、自民党戦後三十一年にわたる金権政治構造、あるいは日米安保体制下の対米従属、これにかかわる重大な政治構造そのものにかかわることを指摘しました。そういう観点から言って、この範囲は、第一次FX選定問題以来ロッキード社のために運輸省、大蔵省、通産省、防衛庁あるいは全日空や日本航空その他に圧力をかけたり、あるいはロッキード社の航空機売り込みのためにこれを容易にするための行為を行ったすべての政府高官、政治家、これを含んで公表すべきであると考えるのであります。しかも、その範囲は、捜査当局が行った捜査の過程で、時効により起訴処分とならなかった者、あるいは証拠不十分として起訴処分とならなかった者、あるいは嫌疑なし、罪とならずとして不起訴処分にした者を含むことはもちろんでありますが、捜査だけに限らず、国会における調査、米側資料等、今日までの、あるいは今後も追及されるであろう過程において明らかになる捜査、調査、一切の過程において、以上明確になった灰色政治家、政府高官すべてを公表すべきだと考えるのであります。  次に、公表の時期と方法に関するわが党の見解であります。わが党は、この公表の時期については、すでに五党首合意、両院議長裁定が公表の時期について、「国政調査権の行使に当たっては、政府は、事態の推移をみて、」「最善の協力を行うものとする。」と、このように定められている。で、このことから、現在捜査当局は、丸紅ルート、全日空ルートについて、その金品の流れ、使途等はすでにおおむね解明されたと言っているようであります。しかしながら国会に対しては、残念ながら、いまだ政治的道義的責任を追及するためにこれらの捜査当局の解明は何ら報告をされておりません。国会における国政調査権の発動、そして捜査権の発動は、文字どおり車の両輪のごときものであります。したがって、捜査当局がすでに解明されたとする丸紅関係のたとえば五億円、あるいは全日空関係金品受領者など灰色政府高官、政治家、こういった問題は、直ちに国会において国民の前に公表し、その政治的道義的責任を明らかにすべき段階にもうすでにいま来ていると私どもは考えております。  問題の児玉−小佐野ルートについては、もちろん国政調査、捜査を迅速厳正に今後進めると同時に、その解明次第これを公表する。これがまさに公表としての当然あるべき姿であると思います。  問題は、次にはその公表の方法であります。どういう方法によってこれを公表するか。この点についてわが党は次のような公表の方法の仕方があることをすでに指摘をしてまいりました。  第一は、憲法六十二条、議院証言法に基づいて捜査当局を証人として国会に喚問し、必要な書類の提出を求め、直接その公表を求める方法であります。  第二は、国会法百四条に基づいて政府に対する報告を要請する、この方法であります。  第三は、国会が政府に要求をし、総理大臣が法務大臣を指揮し、法務大臣が検察庁法に基づいて有する指揮権を利用して検察当局に命令し、刑事訴訟法四十七条ただし書きに基づいて検察当局が未公開資料を公判前にも公表するという方法であります。  以上の三つの方法を提起してまいりましたが、現在わが党は、現段階において次の方法が公表方法として最も妥当であることを最後に申し上げたいのであります。  つまり、政府は、国会の国会法百四条に基づく求めに応じて、内閣法第六条、検察庁法第十四条にのっとって刑事訴訟法の立法趣旨を踏まえ、検察当局及び国税当局からも報告を受け、衆参両院の本会議または関係委員会に灰色高官、政治家の氏名及びその行為の概要を含むロッキード事件に関する報告を政府の責任においてまず行うことであります。同時に、国会は国会自体として議院証言法に基づいて、検事総長、東京地検検事正及び国税庁長官その他必要な捜査あるいは調査担当者を証人として喚問し、必要な書類の提出を求め、政府報告に補足し、あるいはその内容を具体的に説明を求めるという方法であります。以上が最も公表方法として現実的であり、妥当であり、そしてまた当面緊急の課題であると考えるのであります。  時間がありませんから、最後に結論的に申し上げます。  自民党が発表した案によりますと、すでに批判も出ておりますとおり、これは徹底的な真相解明という立場に立っていないことはもちろん、同時に、残念なことに、この自民党案によりますと、政治献金の名目や、あるいは請託あるいはロッキードの特別の依頼を受けていないからと、こういう理由で、ロッキード社の金を受け取りながら、それらがすべて灰色高官でさえないというようにもみ消されてしまう重大な危険性を持っております。私どもは、これはまさに今日自民党がロッキード真相究明を打ちとめ、幕引きをするための一つの前提として考えているのではないかと厳しく批判せざるを得ないのでありまして、今後とも証人喚問を引き続き行い、徹底的に、同時に政治的道義的責任を国会で追及していくという観点に立って、来るべき総選挙までには徹底的な真相解明と公表を行い、同時に臨時国会を行う前提としても、私どもはまず真相究明の立場に立って灰色高官の公表、そのための証人喚問、これをも強く要求して、わが党の見解の表明を終わります。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 三治君。

三治重信民社党

○三治重信君 民社党を代表いたしまして、いわゆる政府高官の公表問題について見解を申し上げます。  わが党は八月二十五日にいわゆる灰色高官の公表基準について見解を発表しました。その前提は、従来の疑獄事件につきましては、とかく国民に対して十分この疑獄が解明されずしてうやむやに過ぎている。これに対して、今度は外国からことにこの疑獄問題が持ち込まれたのに非常にショックを受けております。そういう意味において、ここで戦後の疑獄の総決算とも言うべく、ここに外国から売られた疑獄事件について国民は徹底的な解明を望んでいるわけでございますが、それが長年にわたったために、刑事事件としてだけで追及をいたしますというと、その同じような、本来ならば同じように刑事事件としてひっかかるものがひっかからないで、いわゆる葬られる可能性が出てきたのが、国会においての灰色高官の問題としてまず第一に問題になったということを承知しなければならぬと思います。  第二に、この今回の疑獄事件は、いままでの国内の疑獄事件でございますというと、受け取った者がわかって、出した者の金額をだんだん結果として追及していったのでございますが、今度は先に、出した者が、金額が、またどういうところに——いわゆる三ルートに流れたのが、これ外国で明らかにされているわけでございます。したがって、これを受け取った方を解明しない限りにおいてこの疑獄事件というものは解明できない。これに対して国会が、また政府がうやむやに過ごすということは、国民にさらに大変な疑問を残す。いわゆるこれはますます政治不信を残すということになるわけです。したがって、国会といたしましても、どうしてもこの灰色高官の問題まで徹底的に解明をして初めてロッキード事件というものが解決する、またそれによって政治の信頼の回復をもたらすのであると、かようにわが党は信じているわけでございます。したがって、短兵急にそれではどういうものを灰色高官とするか、こういう基準でございますが、これはわが党の見解として発表いたしましたように、何としてもロッキード社が出したという金について、受け取った人、これは細大漏らさず全部発表されなければならない。したがって、ロッキード社から全日空あるいは児玉ルートあるいは丸紅ルートと、この三ルートと言われておりますが、この各ルートに入ってきた金が、だれがどのような金額で、どういう事情で受け取ったかと、こういうものをすべて解明さるべきであると、こういうことでございます。したがって、その中には時効の成立をしたもの、情状によって起訴猶予処分を受けたもの、検察当局が、公判維持のための証拠不十分として不起訴処分にしたもの、請託の事実を立証することのできなかったもの、実際には影響力を持つけれども、職務権限がないため訴追を免れたもの、それから最後に、金銭、物品の収受が賄賂性を帯びているけれども、それが政治団体、後援会等で届けられたために訴追を免れたもの、こういう六つの基準をわれわれは考えたのでございますが、この六つの基準はそれぞれこの刑事被告人としての訴追を免れる、あるいはまた完全に刑事被告人とまではいかなくても、このロッキード事件を解明するためには金品を受け取った者は必ず公表されるということがやはり締めくくりとして非常に重要なことだと私たちは考えております。それはなぜかと言いますというと、先ほども申し上げましたように、この三ルートに入った金が、先にこの金額がわかってきた、ここに非常に問題があるということを特に喚起をしたいわけでございます。  それから、この問題の処理の仕方について、わが党の見解を申し上げますというと、この委員会でこの灰色高官の公表基準というものを審議をし、何らかの結論を得て、その公表基準を議会として結論を出し、それを政府に対して、その基準によって政府、検察当局が調査し、また起訴の過程でいろいろの資料を整備をして、それに該当する灰色高官を議会において、また委員会において公表をする大筋が私たちはとても望ましいと思っております。また、これは単に議会が独自の調査でこの公表をするということはなかなかできませんので、ことにいままで政府においてもロッキード事件については徹底的な解明をするという積極的な姿勢も示しているわけですから、それが政府の基準ということでなくして、やはり議会がこの調査権に基づいて公表基準をつくって、その公表基準に基づいて政府がその灰色高官を議会に対して発表をして国民が知ると、こういうことが私は適当ではないかと思っております。  さらにその発表の時期は、現在児玉ルートを残して全日空ルート、丸紅ルートは大体においてその金銭の授受は解明されたというふうに巷間伝えられておりますので、この児玉ルートまで、全部が解明されるまで、こういうふうになりますとまた途中でどういうことになるか。ことに総選挙を控えているということからいって、この次の臨時国会、あるいは総選挙前にこの問題が児玉ルートを残しても、全日空、丸紅ルートだけでもこの基準に従って政府が解明をすべきだ、政府が公表すべきだと、こういうふうに思っております。そういう政府が議会の基準によって発表して、後議会の方でそれらについてさらに究明すべき問題、証人を喚問して究明していくべきものはその次の段階。とりあえずこの公表は次の選挙前にひとつぜひやるように議会も努力をし、政府もそれに積極的に協力をしてもらうべきだと思っております。後でまたフリートーキングの中で意見を申し述べますが、私たちはきのうの自民党の委員会の発表の中で一番気になりますのは、ロッキード資金の一部であっても灰色高官の問題とは無関係だと、政治資金として受け取ればそれは無関係だと、こういうことはやはり国民に対して非常な疑惑を残す、こういうことになろうかと思います。  再三繰り返しますけれども、やはりいままでは、疑獄事件の一番かなめである金品の問題が国民にわからなかった疑獄事件がほとんどだと思うんです。これは今度、先にわかっておるわけです。このすべての金額がどこにどういうふうに処理されているかと、これをすべてわからすことがやはり与党・自民党にとっても、また政府にとっても、われわれ国会において——出した者があるならば受けた者があるわけです、どう処理されているのか、この問題がすべて貸借対照表のようにプラスマイナスが一覧表で示され、その上にその問題点を解明されると、こういうことが私は最も必要なことだと思っております。  以上をもって見解を終わります。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 秦野君。

秦野章自由民主党

○秦野章君 昨日、自民党のロッキード調査特別委員会で、委員会としては案を決定したわけでございますけれども、まだこれ、自民党の決定ではございませんので、実はきょう各党の皆さんの前で私が説明するということは当を得ていないんではないかと、こう私自身は思っているわけでございますが、それにもかかわらずとにかく説明しろということでございますから、その点をお含みの上お聞き取り願ったらいいと思うんですが、すでに新聞にも発表されましたから余りくどくどと申し上げませんが、要するに、総論——ロッキード社が日本の政治行政を動かして金をばらまいた、これを解明しなきゃならぬという、その総論は私も各党のおっしゃることと全く同じでございます。そして、まだなお捜査は政府側において継続中でございますから、決してこの公表基準をいまつくるということが幕引きの意味ではないということもお断わりしておかなければならぬと思います。  後でまたいろいろ質疑応答の中でお答えをすればいいと思うんでございますけれども、いま申し上げたように、ロッキード社が金をばらまいて政府高官を動かすというところにポイントがありますから、とにかくロッキード社の売り込みに関係した、ロッキード社の飛行機の売り込みに関係したというところに一つのポイントを置いているわけで、ロッキード社と全く関係なくなってしまえばそれはまた別問題だと、ロッキード社の売り込みに関係したかどうかということはこれは客観的に決めていく問題で、主観的要件、客観的要件を考えて決めていくべき問題だと、こう思うんです。刑事事件として政府がいま捜査をやっておるわけでございますから。ただ、先ほど来のお話の中で、洗いざらい資料を全部出せという議論に対しては、何分捜査機関の中に資料が入っておる関係で、さあこれ、洗いざらい全部出せという矢田部さんなんかのお話がいまの立法上できるだろうかという点が一つあると思うんです。捜査機関の手に入った部分ですよ、私がいま申し上げているのは。その部分については、憲法、刑事訴訟法という、やっぱり国会がつくった法体系というものがありますから、その中で消化していくんであることは、これはもう断わるまでもないことだろうと思うんです。むろん、政治家とか公務員が名誉の問題に関して一般人とは違った特殊な地位にあることは当然認めなきゃなりません。それだけの政治責任というものは一般とは違った立場があるということは認めるわけでございますけれども、洗いざらい出すということになるというと、恐らくこれは特別立法でもしなきゃ無理じゃなかろうかというふうに私は思うわけでございます。  あと、いろいろございますけれども、むしろ個々の問題についてお話をしていった方がいいんじゃなかろうかと思います。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) それでは、これより自由討議を行います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いま秦野委員から述べられました意見について、自民党のロッキード調査特別委員会ですか、この委員会においてまとまった意見であるということでありましたから、自民党のロッキード調査特別委員会の公式見解をお述べになったものと理解して、これからお尋ねしてよろしゅうございますか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 確かに自民党のロッキード特別委員会ではこう決まったんです。しかし、これは党の中の一部会でしかありませんから、これがいろんな党の機関にかかって党の決定になりますから、実はこうしてさっきも繰り返して申し上げるようになりますけれども、私は、中ではいろいろ言ってもいいけれども、皆さん方にこうだ、ああだと言うのはちょっとどうかと思っているんですけれども、そこのところを御理解願って、あんまりそこをやかましくおっしゃらぬでおまえしゃべれというなら私はしゃべります。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは、自民党ロッキード調査特別委員会の一応取りまとめられた御見解としてお尋ねいたしますが、最初に、ロッキード事件解明に関する基本的な認識で一致できるのかどうかということで、私、三点ほど申し上げますので、その点についてお考えがもし一致できるなら、そのようにひとつ御意見をお示しいただきたいと思うんです。  基本的な立場として、私どもは事件の全貌を明らかにして、すべての疑惑を解明することによって国民の要望にこたえるという任務が一つあると思います。それから二番目には、この事件にかかわった政治家、政党などの政治的道義的責任を明らかにしなければならないという問題があろうかと思う。三番目には、事件の再発を防ぐ方途について立法その他必要な措置を検討をするということが、私どもがこの事件解明に当たっている大きな任務だと思っておりますが、その点については御異存ございませんか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 第三の点は私は全く同感ですよ。むしろそこに主眼があるであろうというぐらいに思うんですけれども、前の二点は、憲法とか法律とかいうものを全然考えないで——要するに、何というか、考え方、思想というか、それは同じなんですよ。ただ、これを具体的な公表基準だとか政府の発表コードだとかということになってきたときには、何にもなくて白紙でもってできるかということになると、ちょっと無理だろうということでさっき申し上げたわけです。

久保亘日本社会党

○久保亘君 そこで認識が分かれますと大変あとの問題が違ってくるわけなんでして、いま私が申し上げました問題は、これは両院議長の裁定とか国会決議などに基づく立場でありまして、その点について、じゃこれを具体的にどうしていくかという点で後ほど御意見が違えばそれはまたそれとして、一応この基本的な立場ということにおいて、いま私が申し上げましたこの三つの点では一致しておいてもらわないと議論がかみ合わない、こう思うんですが、やっぱりこれは無理でございますか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 その点では、いわゆる議長裁定、五党が入った議長裁定というものが基本じゃないんですか。あれ以下でもあれ以上でもない、こう答えるしかないと思うんですがね。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは、いま私が申し上げましたのは国会における決議を基本にした考え方を申し上げたんでありまして、この点については自民党としても御異存はないもの、そういう立場で、いま述べられました意見並びに昨日来発表されております自民党のいわゆる灰色高官についての御見解について多少お伺いしてみたいと思います。  まず最初に、原則として政治的道義的責任を明らかにするためには、必要な資料は求められれば公表されなければならない、こういう立場は御理解いただけるんですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 資料の公表という問題が実は核心だと思うんですけれども、洗いざらい全部できるのかどうかという点については、私は疑義があるんですよ。洗いざらい全部検察庁が持っている資料が公表できる、あるいは税務署が持っている資料が公表できるという前提には、私どもなかなか立っていないわけです。それは、いまいろいろ法律があって、そういうたてまえもあって、特に私はやっぱり刑事訴訟法の中の仕組みという問題はまるっきり無視するわけにいかぬだろう。政府にこれを公表せいと言った場合に、政府が公表する立場にあるけれども、仕組みがあるわけだから、政治行政の——政治行政と言うか、行政の仕組み、統治機構の仕組みがあるから、仕組みの中にいろいろな原則があるから、その原則を無視してまでやれということは言えないですからね。それは抽象的だけれども、それは私は仕方がないことだと思うんですよ。これは、このロッキード事件だけはもう無政府主義的にやるんだ、法治主義もくそもないんだと、超法規的だね、言うならば、クアラルンプールじゃないけれども。超法規でいくというならば、それはそれで一つの考え方ですけれども、それはやっぱり無理だろうと思うんですね。だから、やっぱり障害があるわけですよ、障害が。これを認めないで全部オープンだという、そういう発想で真相究明ということは、私はどうしてもそれは無理だろうと思うな。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは少し角度が違った立場からお尋ねしますけれども、政治的道義的責任を明らかにするのが当委員会の使命の一つであるとするならば、その政治的道義的責任のあるなしについては、公表された資料に基づいて、国会、具体的には、いまはこの委員会が判断していくべきものだということについては、そのように考えていただけますか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 道義的責任、政治的責任の追及ということは、むろん国会が本舞台でございまして、ただ、その国会が本舞台だということは、要するに政治の自己浄化作用ですよね。政治の自己浄化作用で責任を追及していくという局面があるんであって、刑事責任のデータで、つまりデータをイコール道義責任追及の資料ということについては即——これは即ということになると、検察官が道義裁判官になるという、その危険があるんですよね。検察官が道義裁判官、政治裁判官になるということは、検察官は刑事責任追及の立場ですから、検察官が道義裁判官、政治裁判官になっちまうと政治家が全部その権力のもとに服従せにゃならぬという、いわば国家と人類の歴史が味わってきた忌まわしい歴史を繰り返すことになる。私はそこのところを心配する。これは一ロッキード事件よりも重大な問題だと。人権の尊重ということ、これは政治家は余りないみたいなこともおっしゃる。それは私は一般人とは違っていると思いますよ。違っていると思いますけれども、刑事裁判における人権というもの、ほかの一般の人権とはまたこれは違うわけです。刑事裁判における人権というものは、特に日本にしても、ヨーロッパ大陸にしても、大変な歴史をしょっているわけですよ。だから、刑事訴訟法の一つの思想の中には、実体的真実の追求と人権の尊重というものは二つの柱だと。その柱の中でも、むしろ戦前は実体的真実が優先して人権がおくれていたけれども、そうじゃなくて、戦後は、人権の尊重を押しやっても実体的真実を追求するということは間違いだというのが、これは近代刑事訴訟法学者の通説なんです。だから、その議論というものは、検事が大切にするという立場、その議論を政府が大切にするという立場だけは認めてやりたいと、私はそういう考えです。

久保亘日本社会党

○久保亘君 私たちはいま、具体的な事件の解明という、この与えられた任務をここで問題にしているのであって、ここで一般的ないろいろな説をもってそれでここで論争しても問題にならぬのです。  それで私が聞きたいのは、その政治的道義的な責任を明らかにするというその国会の任務を果たす前に、その政治的道義的責任に枠づけをするというか、その政治的道義的責任に一定の判断の基準を、国会においてわれわれが審議する前に与えてしまうような灰色高官に関する見解というものを政党が持つということは、これはこの事件を解明をするという立場から見れば大変問題がありはしませんかということを、まず聞きたいわけです。

秦野章自由民主党

○秦野章君 全くお説ごもっともです。私も、道義的責任、政治的責任に枠なんか設けちゃいけない、それは国会自身が、委員会なり本会議なり、それ自身が考えることであります。われわれがいま問題にしているのは、政府に出せという公表の問題で言っているだけで、国会はもっと自由に、政治責任、道義責任というものを、みずからの力で、みずからの努力で、そして、そのみずからの努力、みずからの資料というものはどこからとってきてもいい、そういうことでやるべきだと私は思っております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 自己浄化作用というのがあなたのこの見解の文書の中にもありまして、それでそのことを非常に強く主張されるようですけれども、自己浄化作用というのは具体的に事件そのものを解明することによってわれわれがやっていかにやならぬことであって、現にあなたの方は与党・自民党として自己浄化機能があるとお考えになっているのかどうか知りませんけれども、実際には、逮捕され起訴された人たちも政党として何も手を加えることができず、離党によってすべて問題解決、そして次の選挙に立候補するための準備などを公然とやっている。こういうことでは、私は自己浄化作用とここに書かれた言葉はまことに空虚なものだという感じがしてならぬのです。だから、そういう問題をもう少しきちっとしていくためには、どうしても、もっと事件の真相というものをはっきりさせて、その上に立ってわれわれお互いに政治家として国民に対する責任という立場から、この問題に対する政治的道義的けじめというものをつけていかなければならない、そういう立場は明確に持って進まなければいかぬのじゃないかと思うんです。  なぜ私がそういうことをお聞きしたかといいますと、あなた方の見解の中では、やっぱり憲法、刑訴法に基づく人権の保護ということがことさらにここに前文に取り込まれなければならないところに一つ問題があるわけです。なぜかといいますと、むしろ憲法や刑事訴訟法に基づく人権の保護というのは、資料の公表を抑えることによってではなくて、その政治責任のあるなしについての調査を通じて十分に人権の保護ということは考えられなければならないものだと私どもは思っております。その資料を出すか出さないかというところにおいてそれは考慮されるべき問題ではない、こう私は思うんですが、それはやっぱりあなた方としてはその点にこだわられなければなりませんか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 いまおっしゃいましたけれども、前文に刑事訴訟法なんて書いてありませんよ。私はいましゃべったけれども、前文にはそんなこと言っていませんよ。それで自己浄化作用ということも、これは私はあたりまえで言ったと思うんですよ。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、前文に書いてありますよ。

秦野章自由民主党

○秦野章君 刑事訴訟法の精神……。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、「憲法および刑事訴訟法の人権の保護、捜査密行の原則を考慮しながら」——書いてありますよ。

秦野章自由民主党

○秦野章君 うん、これはね。これは書いてある。これはさわりをちょっと書いただけで、私がさっき言ったような思想はここには入っていないんですよ。簡単に人権ということを言っているけれども、もっともっと深いものがあるということを言いたいけれども、それは言ってないです。言ってないです。それで、いまお話の問題で、自己浄化作用云々の問題はこれは国会対策の問題で、私がここで言うのはおかしいわ。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それはそうです。それはだから意見として私はいまたとえて申し上げたんです。  それでいま、はしなくも秦野さんが言われましたように、これはここへさわりとして書いたのである、このさわりの部分というのが大変大切なことなんですよ。それで、こういうものが前文のさわりとなるところにこの事件解明のさわりがあるんです、差しさわりが。だから、そういう点をやっぱりもう少し明確にしてかかる必要があるのではないかと思うのです。  それから、この最後の方に、ロッキードの売り込みに関係なく、純然たる政治資金として授受されたものはこれは事件に関係ないという見方を述べられておりますが、純然たる政治資金としてこのロッキードの売り込みに使われた金の一部を受け取ったという、その判断はどういうことでなされるんですか。これはロッキードの金ではあったけれども純然たる政治資金であったんだというのは何を基準にして判断されるんですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ロッキード売り込みに関係があるのかないのかというのがポイントなんですよね。ロッキード売り込みに全く関係ないという場合だったら灰色高官にならぬでしょう。ロッキード売り込みに関係があるかないかということは客観的に判断しますよ。それはいろんな状況があるから、ロッキード売り込みにおれは関係しないと言っても、いろいろな状況から知り得べかりし状況というものはありますよね。いろいろな状況、トライスターがどうのこうの、いろんな問題があったときに。それは認定になりますけれども、ロッキード売り込みということに全く関係がない、全く関係がないというものを灰色高官の範疇に入れられるだろうかと、こう思うわけですよ。

久保亘日本社会党

○久保亘君 これは全く関係のないものをここへ書かれる必要はないんであって、そのことはよいですよ。ところが、私が言っているのは、このあなた方がお書きになっているのは、「ロッキード資金の一部であっても灰色高官問題とは無関係である」と書かれております。これは、ロッキード資金の一部を受け取ったということは、売り込みにかかわったかどうかということが仮に判然としなくても、ロッキードの工作資金、賄賂の一部を金の流れ先として受け取ったということになれば、全く関係がないということにはならないんじゃないですか。その大きなロッキード事件の解明という動きの中では深くかかわっておる問題じゃないんでしょうか。それを政治的道義的責任はかかわりがないものにしようというお考えなら、そう言っていただければわかりますよ。しかし、ロッキード資金の一部を受け取った者がロッキード事件とは全くかかわりのないものという、そういう解釈はぼくは成り立たないと思うのですね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 これ、ちょっと文章が足らぬかもしれませんがね、まだ。足らないですが、こういう趣旨なんですよ。つまり、ロッキード売り込みの関係はない、しかし調べてみたらその金はロッキード資金の一部ではないかと思われるものがこれなんですよ。だけれども、ロッキードに全く関係がない、本人全然知らない。で、金というのは印がないでしょう、金に。それで困っちゃう。物だったら、まだ印がついたり何かしているけれども。これは文章としては余り熟していませんけれども、そういう意味なんですよ。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、私、この問題、別に言葉じりをとらえるとかいう問題じゃなくて、ロッキード資金の一部として流れたということがその金を出した方から明確にされた場合には、受け取った側についても一応そのことは明らかにされた上で、その人の政治的道義的責任が問われるべきか問われるべきでないかということこそここで私どもが議論すべき問題じゃないんでしょうか。そういう意味では、その問題を「無関係である。」という言葉でたたっき切って、これはもう資料の公表に先立って政治的道義的責任にはかかわりないと言って伏せられるべき筋の問題ではないのではないか。やっぱりこれらの問題についても明らかにされた上で——私たちも明らかにされたものがみんな政治的道義的責任ありと言っているんじゃないんです。明らかにされたものを政治的道義的責任についてここでわれわれ自身が調査し解明しよう、こう言っているんですから、そういう立場はおとりになるべきじゃないでしょうかね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 この文章の含みの中には、やっぱり主観的な要件といいますか、うっかりしたとか、そういう気持ちが入っているんですよ。普通の一般的注意義務で注意してもそれはロッキードの資金だと思うことは無理だという状況があった場合に、果たしてそれが道義的にも責任が負えるであろうかというのがこの書いた気持ちですわ。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それは、いまのようなものであれば、そういう立場の人は、ここでそのような立場——政治資金としておれは堂々ともらって何ら天下に恥ずるものでないということならば、公表されても別に問題のないことであって、そしてそのことについて釈明を求められればここで堂々と自分の立場をお述べになればよいのであって、それをあえて不問に付すという形で資料公表の段階で隠蔽せざるを得ないというところに、国民の側からすると、なお疑惑が残っていくということになって、われわれはその任務を全うできないのじゃないか、こう思うんですがね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 それは、お説はよくわかるんだよ。よくわかるんだけれども、それを検察官の材料でやるというところにちょっと問題がある。それは国会自身の力でそういうものをどっかで見つけて論議の中で明らかにするというのならいいけど、検事の材料でそれまで出せということが——これはいまの検察、刑事責任の追及を基本に書いてあるのですから、たてまえがね。検事の材料を出せというようなことが、刑事訟訴法の精神を踏まえてというあの議長裁定のあれにあるんだけれども、刑事訟訴法の精神を踏まえたときにそれが出せるかというと、ちょっと私は無理じゃないかと思うのですよ。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いやね、その辺が非常に見解の大きく分かれるところで、私は、もしあなたが、冒頭に述べられている「ロッキード事件は外国の資本によってわが国の政治、行政を左右しようとする性質をもつものである」からこれはもう非常に重大なものである、こう述べられている、その視点に立ってこの事件と取り組むならば、少なくともこの金の入り方と出方について全貌を明らかにして、その中で一体政治的道義的責任がどこで問われなければならぬのかということを明確にしていくのでなければ、初めからどうも知らずに受け取ったやつは、これはやっぱり出ると選挙にこたえるんじゃないかというようなことで、それで何とか隠蔽していこうというような考えが少しでもあるとすれば、これは問題だと思うのです。むしろ、だからこそ私たちは、資料を求められればすべて公表し、報告してもらいたいし、また、調査のために必要な証人が求められれば、その証人喚問を拒否することなく、すべてのそういう人たちは、あえてみずから進んで証人に立って、そういう問題について、自分はこういう問題であって何らこのことについてやましいところはないならないと、そういうことを証言をすることによって政治的道義的責任を明確にしていくという努力をやらなければ、どこかで何かが隠された、そして何かあやふやな形で事件の決着がつけられたということになれば、政治の不信の解消というこの自民党の案にも書かれているこの問題は私は解決しない、こう思うのです。そういう点では、自民党のこの案については、もっと政治家が問われるべき責任という問題を明確にして、そしてそのために必要なものは極力公表して、そしてその上で明確にしていくという立場をとってもらわないと困るという気持ちがするのです。  これはまあ私、意見を申し上げたんですが、だから、先ほど矢田部委員も申し上げますように、調査のために委員会の求める資料はすべてこれ公表をすることを原則としなければならぬ。また、調査のために求められる証人、または資料の中に出てきたためにあえて自分の立場を明確にしたいと証人として望まれる人たちも、すべて証人としてこの委員会に出席して、そして政治的道義的責任に決着をつける、こういうことがいまこの事件の解明に求められている国民の声ではないか、私はそう思っておるんです。だから、その辺においてもし見解が一致するのならば、私はそういう方法についていろいろと話し合っていく余地がずいぶんとあると思う。しかし、それはもう困るよと、とにかくわれわれとしてはこのロッキード事件についてはできるだけ拡大せず、もうどうにもならぬ部分だけ公表してそれで終わりにしたいんだという考えでいかれるのであれば、これは見解が非常に厳しく対立せざるを得ない問題だ、こう思っておるんですが、ひとつそのお考えを最後にお聞きしたいと思う。

秦野章自由民主党

○秦野章君 私はやっぱり国会は道義裁判所でいいと思うんですよ。政治責任、道義責任の裁判所だと。それから、検事とか刑事系統というものは刑事裁判所なんですよ、刑事裁判所だと。この体系だけはもうはっきりした事実ですよ。だから、国会議員が国会でもって検事になったり判事になったりするということでしょう。これが道義裁判所としてのわが方国会の立場ですよ。ここのこの公表資料というのは検事に出せという問題だから、そこに限度がありますよと私は言っている。私はこれは筋の通った議論だと思うんだな。なぜならば、それは道義裁判所に検事をしちゃいけないんだから。それはいまは都合はいいかもしらぬが、都合が悪いことがありますよ、これ。だから、そこのところの構えば二段に考えなければいけないと思うのですよ。道義裁判所の活動は自由奔放でいいです。しかし、刑事裁判所の材料を出せということにまで、全部出せというような、一体そういう原則が適用になるであろうかと。それはやっぱりいろいろチェックして——私は、このチェックでもちょっと相当これ、政府はなかなか出しにくいと思いますよ。出しにくいと思いますが、そういう配慮で言っているので、そこはやっぱり二段に分けて考えていただかぬとまずいのじゃないか、公表基準を政府、特に検察に資料を出せという場合には。そう思うんですよ。

久保亘日本社会党

○久保亘君 法務大臣、いま私と秦野委員といろいろ意見を交換したんですけれども……

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 久保君にちょっと申し上げますが、きょうはひとつ法務大臣に対してはやめてください。あとはまた委員会でやりますから。

久保亘日本社会党

○久保亘君 そうですか。きょうは質問しないことになっているの、傍聴者ですか。  それじゃいいです。時間が来ましたから、これで。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまちょっと議論を聞いておりました。大体先ほどからロッキード事件のいまの資料の問題に集中いたしておりますけれども、私はまず第一点としてお伺いしたいのは、検事の資料、検事の資料と、こうおっしゃいますけれども、私たち今回の問題を解明するに当たりまして、特に一つは米側の資料ですね、これは当然わが当委員会に、国会に提出すべきである、こういうぐあいに主張を続けてきたわけですね。ところが、実際問題として国会には提出されなかったということがあります。それからもう一点は、政治的道義的責任を追及するに当たりまして、先ほどから出ておりますように、証人を当委員会に呼びまして解明する方法、これはあると思うんですよね。ところが、実際問題として主要なポイントになる証人は国会に出てこない。しかも、当委員会で初めずいぶん議論いたしましたように、米側の資料が全くわが当委員会に出てこない。こうなってくると、要するに自民党の皆さんが、いま秦野さんがおっしゃっておりますように、政治的道義的責任を解明すると言いましても、これはただ単に、即検事の資料と、こうおっしゃいますけれども、即検事の資料じゃなくて、要するに、米側から来た資料だけでも少なくとも——いろいろな制約はあるでしょうね。制約はあると思いますけれども、そういうふうなものは当然私は出すようにすべきじゃないかと思うんですが、ここら辺のところはどうです。

秦野章自由民主党

○秦野章君 米側の資料というのが国会に出なくて司法の方に入ってしまったという、そういう政治問題はこれはあるでしょう。しかし、一遍捜査機関の手に入りますと、米側資料じゃなくて捜査資料なんですよね、これ。捜査資料という枠の中に入るわけですよ。捜査資料になれば、米側資料、米側資料と言ったって捜査資料なんで、捜査資料というものは一つの法律の体系の中で処理されるということは避けられぬというあれがありますわね。  それからいま一つは、検事といっても材料がない。確かにそうなんで、これはやっぱり国会の調査権、国会議員の調査機能というか、アメリカじゃないけれども、そういうものがはなはだレベルが低いから、能力もないから、まるで検事か刑事のまねみたいなことを国会議員がやっているようなかっこうになる。しかし、これは本当は情けない話なんで、もっと豊かな材料があって、国会の道義裁判所の検事であり、弁護士であるということがいいんだろうと思うんですがね。だけれども、この問題につきましては、これは私の個人的な見解ですけれども、被疑者調べ的なことになった場合に一つ懸念があるのは、証人を呼んできて、要するに犯罪の自白を強いるというような状況が出てきているんですよね。これは実は恐らく裁判所に行って証拠能力を問われるようなものもあるかもしらぬ。それをもとに検事がたとえば調書を取ったというような場合にね。だから、国会の裁判所の検事というものは、検事や刑事のまねじゃなくて、もっと豊かな資料でやるべきだということを私は自分の経験——今度出てくるときでもそう思っているんですけれどもね。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それは秦野さんそうじゃなくて、現実に証人が自分から国会に行って証言したいと言っているわけですよね。それは秦野さんがおっしゃっている例とはずいぶん違うと思うんですが、そういう例までもいま制限しているわけですね。これはどうなんです。

秦野章自由民主党

○秦野章君 それは具体的ケースでもって、要するに理事会とか国会対策で決まることであって、ケース・バイ・ケースで判断していかなきゃならぬと思うんですがね。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、秦野さん、先ほどの検事の資料ですね、即公表ということで……。私は、資料は提出されても、道義的責任、政治的責任というのは、公表というのは、これは国会が公表するのでありまして、国会が独自の判断でやっていいと思うんですよ、即公表資料ということじゃなくてね。ですから、そういうふうな意味で、要するに、出てきた検事の資料をそのままぽんと公表するというのじゃなくて、これは秘密理事会なり何なりいろいろあるわけですから、各党それぞれ検討して、そうして適当な資料を公表する、そういうこともできるわけですからね。ただ一概に、検事の資料即これは公表ということにはならないんじゃないかと思うんですがね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 これは、私どもがつくったときの立場では、いまおっしゃったことはよくわかるけれども、政府にとにかく公表しろという、そういう基準なものだから、政府は国会に対してこれに応じてどういう方法で公表するかという問題は多少方法論が残っていますけれども、いまおっしゃったように、具体的な公表の方法とかなんとかという問題とは、これとは直接関係はないわけですよ。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それから、非常に時間が短いものですから端的にお伺いしますが、この原案の中に、いわゆる公表の方法ですね、これは全くうたわれていないわけですが、これはどういうふうにお考えかということが一つ。  それからもう一つは、政治責任というのは、われわれが一つの政治責任を国会で追及するというのは、国民にかわって追及する、そういう立場にあると思うのですよ。ということは、もっと逆に言いますと、国民の審判にいわゆるたえる、いわゆる国民の審判の材料をわれわれが提供するということにもなると思うのですよね。そういうふうな意味からは、当然私は、中間公表といいますか、そういうような措置をとるべきじゃないか。もうすでに、何といいますか、総選挙が目前に迫っているわけですね。こういうふうな点を考えてみますと、われわれはその問題に全く何にもこたえないで済ますというわけにはいかない。そういうような意味では、国会閉会後ずっと続けてまいりましたこの中間報告、中間公表を当然やるべきだと、こういうぐあいに考えているわけですが、そういう点も含めて、どういうお考えでいらっしゃるか、お伺いしたい。

秦野章自由民主党

○秦野章君 それは私のらち外の問題になりますけれども、個人的意見を申さしてもらえれば、適当な時期にやっぱり中間報告を、催促をされぬでも、してもいいというふうには思いますね。一段階来たとかなんとかということで、やっぱりチャンスはあるだろうと思いますね。それはまたロッキード委員会等でひとつ御検討願ったらいかがでしょう。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それからもう一つは、自民党案の中の第三番目の問題ですけれども、いわゆる不起訴処分の中に、罪とならず、あるいは嫌疑なしとか、嫌疑不十分とか、いろいろ問題になってくると私は思うんですけれども、第三の中身が明快になっていないですね。これはもう少し具体的におっしゃっていただけないでしょうか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 第三は、要するに、ロッキード社の売り込みに関して依頼を受けていれば、職務関係があろうが、なかろうが、金の動きさえあればこれは全部灰色だと。これは非常に広いですよ。広いというか、野党さんの御意見はほとんどこの中に入っちまうんじゃないかな。私はそう見ていますよ。受り込みに関してですからね。受り込みに関するというのはいろいろなスタイルがあると思うのですけれども、売り込みに関してとにかく依頼を受けていれば、その依頼を受けた者が何にもしなくても、金の授受があれば灰色だと、こういうのですから。そうしてまた、政治資金規正法で届け出てもだめなんですから、この事実があれば。政治資金規正法で届け出ていれば免れるという問題じゃないんですから。その点については一も二も同じです。政治資金規正法で届け出しているからそれで免れるという問題じゃない。一と二にはまっちまえば、政治資金規正法で届け出ていようが、いまいが、全部これに入ると、こういう考え方です。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それからもう一点。先ほど私の方の黒柳からも指摘がございましたけれども、先ほどの自民党の文書の「但し、」以下のところですがね。「純然たる」というところですがね。これはやっぱり私たちが読みましても、「ロッキード資金の一部」はこういうふうに——金に印がついていないと先ほどおっしゃいましたけれども、確かに金に印はついていないけれども、少なくとも、自民党案の中ではそれは「ロッキード資金の一部」ということで明快に出ているわけですよね。そうすると、これはもう要するにこの場合、政治資金規正法の中で正式に届け出あったにしても、どういう場合であったにしても、いわゆる請託があったかどうかということが一つの大きな問題にはなるとは思うんですよ。そうしますと、嫌疑不十分ということになって、これは要するに全く無関係ということにはならないんじゃないか。ですから、先ほどの三番目の秦野さんおっしゃった中身に入っちゃうんだ。そうしますと、これは全く政府高官とは、灰色高官問題とは無関係であるというのは、無関係じゃなくて関係があるんじゃないですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 大体三に入っちゃうんです、三に。だから、これはつまり客観的に見て、ロッキード社の売り込みに関して依頼を受けているということがあれば全部入っちゃうんだから。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ですから、その依頼を受けているかどうか……。

秦野章自由民主党

○秦野章君 だから、依頼を受けているかどうかという問題は、これはやっぱり一つの立証の問題ですよね、立証の問題。非常に明快な場合もあるし明快でない場合もある。明快でない場合には主観的な条件、客観的な条件を詰めて判断をするほかないでしょう。この判断をするのは政府がするわけですけれどもね。そういう判断をして、したがって、まあ私の個人的な気持ちで言うと、「売込みに関係なく」云々というのは、これはあってもなくても同じなんですよ、結論は。いろいろここで突っつかれて私もかなわぬけれどもな。これはあってもなくても同じなんですよ。よくまた読んでもらえればわかる。一、二、三にみんな入っちゃうから。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ですから、これはもう「但し、」以下はない方がいいんじゃないですかね。これがあるとね……。

秦野章自由民主党

○秦野章君 まああってもなくても大したことはないんだよ、これは。まだ私どもの方も案だから、党としての案だから、きょうはひとつ自由に論議した方がいいや。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 わかりました。  それから、私は前から秦野先生の国会での議論を聞いておりますけれども、この際、一つだけお伺いしておきたいのですけれども、国政調査権という問題ですね。これはやっぱり非常に私はこの際、われわれの政治的道義的責任を追及するという立場からは非常に私はもう重要な問題であると。過去いろんな法務委員会とか、いろんな国会でも議論がされておりますけれども、国政調査権というものに対して秦野先生、どういうお考えを持っていらっしゃるかということを一遍この際聞いておきたいと思うのですけれどもね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 なかなかむずかしい。困っちゃうな。国政調査権というのは確かに重要で、国会議員がよって立つ一つの基本的な手段でしょう。だから非常に重要ですよ。ただ、問題は国政調査権は重大なんだけれども、その手段が日本の国会では必ずしも十分でないという点は立法論として残るんじゃないですか。あるいはその体制といいますか、調査権の。そういう問題はあるから、今度ロッキード委員会というものはそういう建設的な方向に問題をやっぱり提案して、また論議していくという必要があるんじゃなかろうかと。アメリカなんかに比べれば、またヨーロッパに比べてもそういう点が私はあると思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私はこの際、やはり国政調査権というものをうんと強化して、まあそれはいろいろ問題はあります、いまおっしゃいましたような。しかしながら、国政調査権というものをがっちり強化しないと、実際問題、解明というか、道義的責任を追及するといいましても、現在のように証人も全く出てこない、資料も全く出てこないというんでは、実際問題、国政調査権の発揮はできない。そういうような意味では、国政調査権のいわゆる本当の効力というものをこの際、やっぱり考え直す時期に来ているんじゃないか、こういうぐあいに私思うんですけれどもね。だからお伺いしたわけですよね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 立法府と行政府の立場を考えながら、行政と立法とのやっぱり調整ということを考えずに国政調査権だけの伸長はなかろうと思いますけれども、たとえば家宅捜索ができるとか、押収ができるとかいうところまでは、すべて捜査権のようにはアメリカでもどこでもいっていませんから、それは限界はあると思いますけれども、いまの状況ではやっぱりちょっと貧弱じゃないかと思いますね。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 まあ結局、私はこの際、こういうぐあいになってまいりますと、私は一つはやっぱり、もしこの資料が全部公表されないとすれば、私は一つは米国の提供資料をいわゆる国会決議に沿って公表するために米側に再交渉に国会として行くと、国会として。これがまず一つですね。  それからもう一つは、この証人喚問ですね。これがもう少し自由にできるように、またいろいろな問題もありましょうけれども、やはり私は国会でやれる権限ですから、これを自由に使うべきじゃないか、こういうぐあいに思います。  委員長、私のはこれで終わります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 ロッキード疑獄というのは明治以来の最大の規模の疑獄、アメリカと日本と韓国にまたがっておる、元戦争犯罪人、右翼、さらにCIAというようなものも絡まっておる。さらに、戦後の三十一年の金権政治というものが絡まっているという点で、規模の大きい疑獄だと。  いまわれわれの仕事は、歴史始まって以来初めて、まあ大げさに言えば、刑事責任を問われないが、なおかつその政治的道義的責任の追及のために、重要な関係者の氏名とそのかかわり合いというものを国民の前に国会の力で発表して、そしてそこで政治的道義的責任の追及と、将来同じような事件が再発しないようにしっかり固めておくということが任務だと思うんですね。ぼくはこれは質問じゃなくて、あなたも大体同じお考えだと思うが、ここは当然の前提として話をしたいと思うんだが、こういう中で、一体その政治的責任、道義的責任の追及という観点で、どこまでの高官、政治家を発表するかという問題については、これはまず国民の審判を受ける、国民の総選挙あるいは参議院通常選挙における重要な審判を受ける材料を国民の前にしっかりとはっきり提供する、こういう観点が一つ。  それからもう一つは、今後再びこういう事件が再発しないように再発の防止をするために、お金の流れの過程、それからPXLだとか、民間航空機だとかというこの機種決定の政策の過程というものもはっきりさせる、こういう限りに必要な私は人の名前とその人のかかわり合いというものを発表するのが当然だと思う。  こういう観点で私はきのう出されたものを見てみた場合に、一体秦野さんたちのこの案というものは、刑事責任と政治的道義的責任というものを非常に近い形で見ているのじゃないかと思うんです。その例をいま言うから、これについて御意見があれば伺いたいと思うんです。  それはまず、この「記」として一、二、三と書いてあるが、この一と二ですね。これはもういま限りなく黒に近い灰色という言葉があるけれども、もう黒すれすれのものなんですね。こういうものをあえて灰色として仰々しくとあえて言いますが、発表するのは非常におかしいと思う。まず一つは時効の問題。公訴時効というのは、これは刑事責任はあるわけだ。刑事責任はあるけれども、時効が完成したから公訴権の発動ができない、処罰ができないという段階であるものを言うわけだ。これを灰色としてわざわざ出してくる。  それから二番目は、この「軽微又は情状により不起訴となる」、起訴猶予ですね。これはつまり刑事訴訟法で起訴しない、起訴猶予ですね。これはもう本当に起訴された事件と紙一重なわけだ。紙一重。一方は時間がきたから起訴できなくなっちゃった。罪は成立せず。一方は罪になるかならぬか。罪になるんだけれども、何かの情状で起訴できない。こういうものを一、二と出したって、これは灰色の定義としてりっぱなものじゃない。  問題は三番目ですね、三番目。これは一体どういうものか。「売込みに関し依頼を受け、ロッキード事件の金品の授受があったが、職務権限なきため罪とならないもの」、こうある。職務権限があるかないかというのも非常にこれは紙一重ですね。職務権限があるかないかというのは判例上非常に変遷しておる。今後広くなる可能性だってある。こういう点でセーフになった、いわば起訴されなくなったといったって、これはもう黒のすれすれなんです。つまり自民党の案は黒すれすれのものを三つ出して、これは灰色だといったことになる。これはどうでしょう。これが一点。  もう一つは、三点目について言うならば、「金品の授受があったが、」こう言っている。私は言葉じりをつかまえるつもりはないんだけれども、授受じゃなくて、金品の授受の約束をしたものはどうなんです。要求したものはどうなんです。それからあるいは、何というか、約束したり要求したりした。金の授受はまだない。しかし、要求したり約束したものはどうか。これはどう考えているか、まずこれだけ聞きましょう。

秦野章自由民主党

○秦野章君 一や二がなくても同じだと言うなら削っちまうということになるんだよね。一や二というものはあってもなくても同じだとおっしゃるなら公表の基準を政府に出してくれという場合に、これを落とせば入らなくなるんですよ。これは入れるのはあたりまえですよ。  それから、要するに時効の問題なんかの考え方というのは、確かに時効になったけれども、一遍犯罪が成立したんだから黒に近いというそういう考え方は、それは当然ありましょう。あるけれども、時効だという考え方もあるわけです。それは犯罪が成立しても時効になったということは責任を問わないということを法律が決めているわけです、国会がつくった法律が。そのことは白と言っていいのか、灰色と言っていいのか、そういう言葉の問題はともかくとして、とにかく違うことは違うんですよ、起訴になったものとは。だから、私はやっぱりここにこう入れたということは意味があるだろうと思う。  それから、いまの最後の要求の問題ね、要求したもの、それからいま一つは約束ですか、約束したものなんというのは、これは入るでしょう、当然。約束ということになれば。

内藤功日本共産党

○内藤功君 三番目を読みますと、「金品の授受があったが、職務権限なきため罪とはならないもの」、これにはどう見たって約束、要求なんというのは入らない。これは言葉が足りないと、そういうふうに直しますか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 大体約束とか要求というのもこれは授受なんですよ、全部が。授受以外にそんなにするものは私はないだろうと思う。大体普通の状態を書いてあるわけです。

内藤功日本共産党

○内藤功君 授受の中には約束、要求は入らない、普通はね。しかし、いまの答弁では実質的にはこの授受という範囲の中に約束、要求も入れるというように聞こえるから、ぼくはそういうふうに理解をしておきますよ。  それで、三の問題に関連して、いま全日空関係で三十ユニットとか、九十ユニットとかいうことが問題になっておる。つまり、実際にはロッキードから金が出ておる。そいつが全日空に裏金として蓄積をされた。しかし、全日空はこれを自分の外国への、台湾への航空機の路線の開拓だとか、新規路線の開拓だとか、全日空のためにロッキードから来たお金を使う、こういうケースですな。こういうケースの場合にはあなたの解釈からいって、これに入りますか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 「ロッキード社の売込みに関し」になるでしょう、恐らく。ロッキード社の売り込みに関するということになるでしょう。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうしますと、「ロッキード社の売込みに関し」と書いてある中にはロッキードから金が出ている、ロッキードから金が全日空に入っている、そういうものを使って全日空が独自のルートに開拓したものも入る、こうなりますか。これは文章として、そういうふうにはちょっと読めませんが、そういうふうにいま言ったように解釈するわけですか。「ロッキード社の売込みに関し」というのは。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ロッキード社の売り込みに関してというのは、これはやっぱり広く解していいと思うんですよ。たとえば、全日空が台湾の航路を開拓したいというようなこと、それはトライスターが行くとかなんとかという問題があって、そういうことでそういう状況がわかっていれば「ロッキード社の売込みに関し」ということに入ると思うんですよね。直接売り込みでなくて間接売り込みに入るわけです。だから、これは法律をつくるようには書いてありませんけれども、常識的に見てロッキード社の売り込みに関するということでかなり広く、「関し」だからね。「関し」というのはかなり広いんですよ。

内藤功日本共産党

○内藤功君 かなり文章と違っているんですよね。かなりいまの秦野さんのお答えはさっきのぼくの授受という言葉といい、また今度の「ロッキード社の売込みに関し」という言葉といい、非常においしいことを言っておられる。おいしいことを言うのは結構なんだけれども、文脈に反してしまって、後で党内に持ち返ってちょっと心配だなという気もするんです。これはよけいなことかもしれないけど。よろしい。  次の質問は、この見解の一番最後のところなんですね。まだどなたも聞いてないんで、ぼくが聞きますが、一番最後のところにぼくの持っている資料では二重丸が書いてあって、「ロッキード事件に関し、政治的、道義的責任を明らかにするため、いわゆる「灰色高官名」を公表するのは、ロッキード社の売り込みを有利にするため、金品によって政治、行政を左右する関係にあったか否かが処理のポイントである。」とありますね。これは二重丸が書いてあるのは、ぼくの感じではなおという意味だと思うんだが、これ重大なことだと思う。つまり、その金品で政治、行政が左右する関係にあったかどうかという点を判断をして、それで政治的道義的責任があるかないかを明らかにするということになりますと、これは果たして三十万円が左右することになるか、百万円が左右することになるか、盆暮れの中元、歳暮程度はどうかといういろんな問題が起きてくる。ここはやっぱりぼくは、およそロッキードに関してお金や品物が渡った人間の名前は、政治家なり高官の名前は発表するということによって、国民は、ああなるほど政治の仕組みはこうなっておるか、金の流れはこうなっておるかという判断の材料が与えられるわけなんです。ここにこういうものを入れたのでは、これはもういわゆるしり抜けというか、しりつぼみというか、言葉は悪いけれども、そういうことになってしまって、政治的道義的責任の追及の対象になる高官の名前を自分で狭くしちゃっているものだとぼくは思うんです。これが「処理のポイント」だと言っている。これはぼくは全文にかかるものだと思う。それだけにこの真意というもの、それからぼくがいま言ったような点はどう思うか、秦野さんに聞きたい。

秦野章自由民主党

○秦野章君 二重丸は参考意見のしっぽへ書いてあるんだよ。公表基準の問題というのは一、二、三なんだ。参考意見なんか見せなくたっていいんだ、本当は。参考なんだから。

内藤功日本共産党

○内藤功君 だって見ちゃっているんだから……。

秦野章自由民主党

○秦野章君 だから、参考として見てくださいよ、参考として。「記」の方で一、二、三と書いてあるのが本文で、これはあってもなくても参考なんですよ。それで、ポイントだというんだからいいじゃないですか。ポイントというのは全部という意味じゃないんだから。一、二、三で書いてあるのが全部なんだ。常識的にこの文章も判断してもらわぬと。これも法制局や何かで法律をつくるようにやったわけじゃないので、さっきの約束の問題なんかでもそうだけれども、まあ常識的にとりあえずわれわれの委員会が決めたということで、余り言葉じりで言うといろいろ議論が何ぼでもあると思いますよ。あなたのような態度で言ったら何ぼでもある。私がそっち側に座ればやっぱりそういうふうに言うかもしらぬが。要するに参考は参考意見で、ポイントだと言ったことはポイントなんであって、ポイントで終わりだというわけじゃない。それで一、二、三が書いてある、こういうわけですよ。

内藤功日本共産党

○内藤功君 参考だというけれども、やっぱり自民党の瀬戸山、秦野両名の連名で出されてきたものなんだ。そして、ここにこう書いてあるのだね。あなた常識常識と言うけれども、「金品によって政治、行政を左右する関係にあったか否かが処理のポイントである。」と、まことに明快に書いてあるんですよ。この明快に書いてあるのはわれわれの常識でいけば、高官名として発表するかどうか、その判断の基準というふうに読むのが常識なんですよ、そうなんでしょう。ですから、それは結局せっかく前の方でお金や品物をロッキードに関して受け取った者と書いてあったって、ここのところでもって灰色高官の範囲は狭まっちゃうわけですね。だから、いまの答えでは答えになっていないのです、これは。

秦野章自由民主党

○秦野章君 明快な答えになっていると思うんだけれどもな。要するに参考意見というもので、ここのところがポイントと考えるべきだよというのは非常にいいことじゃないかな。外国のロッキード会社が資本でもって日本の政治、行政を買うみたいなことがいけないのだよという考え方をポイントにしているんだよという意味なんですよ。それだけの意味なんだ。そして、具体的に公表基準の問題はどうかといったら、前の「記」のところで、これはやや法律的だけれども、一、二、三と書いてあると、こういうわけですよ。まあその辺でいいんじゃないかな。

内藤功日本共産党

○内藤功君 もう一つ聞きますと、せっかく一、二、三と書いたって、ただし書きで大きな穴を秦野さんつくっちゃっているわけだ、自分で。これはいろんな党内の事情があるかもしれないよ。しかし、「金品によって政治、行政を左右する関係」にあったかどうか、左右するには至らない、確かにお金はこの人に行ったけれども、政治、行政を左右するような金額じゃないよというようなことで、これは幾らでもしり抜けになる。これは繰り返しになるから一言言っておきます。  最後にもう一つ、こういうことを聞きたい。灰色高官の発表の時期は、自民党と民社党の四月五日にやった協定によれば、——これは民社党に対してもぼくは物を言いたいわけですが、何となっているかというと、捜査の終結を待ってとなってますね。そうすると、いまもあなたそういうお考えか。捜査の終結を待ってたんじゃこれは何にも意味はない。特にいま重要な国民の政治的審判を行う総選挙がある。ぼくは遅くもこの総選挙の前、総選挙までにははっきりとこれはさせるべきだと。灰色高官の範囲というものは選挙の前に国民に明らかにして意味がある。捜査の終了までということではいけない。それまでの適当な時期、特に総選挙の前というふうにすべきだと思うんです。最後にまとめてこの点について伺いたい。

秦野章自由民主党

○秦野章君 捜査が全部終わってからという考えなんかは私ら持ってませんよ。まあ党としてもそんな考えないでしょう、まだ決まってないけれども。

内藤功日本共産党

○内藤功君 自民、民社の約束はどうですか。合意事項、四月五日の。

秦野章自由民主党

○秦野章君 そんなの私は知らぬ。私は知らぬけれども、公表の時期というものは二段にやってもいいし、三段にやってもいいし、おのずから国民もそのことを待っているんだから。何もあと児玉やなんかの捜査も済まないのに二月も三月も待たなきゃいけぬという理屈はありませんよ。そのくらいの常識はありますよ。

内藤功日本共産党

○内藤功君 言いにくいだろうけれども、総選挙の前にやるべきだという点はどうですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 当然そうなってくるんじゃないの。それは私の所管というか、あれじゃないけれども、当然なってくるでしょうよ。  それからいま一つは、あなたポイントにこだわるようだけれども、ポイントとポイントでないものを区別しないで全部一律きちっと画一主義というのは、あなた方の考えいつもそうだけれども、ぼくら違うんだよ。これがポイントかこれがポイントでないかとか、これはないということは、無視するんでもなく、これを欠落するんでもない。やはり重点とか重点でないとかということを考えることはそんな悪いこっちゃないですよ、物の考え方として。そういう意味でこの参考意見を考えてもらったらいいですよ。この参考意見で本文を修正するなどということあるわけないんだ。そんなばかなことあるわけない。原則はこっちなんだ。

内藤功日本共産党

○内藤功君 それじゃよけいなことを書いたわけですか。——じゃ後でやります。

三治重信民社党

○三治重信君 いまの内藤さんの御意見についてちょっと解明しておきますが、この四月五日のときの自民党と民社党との合意事項の「検察当局の捜査処理終結の時点」というのは、検察当局の捜査の途中でこういう問題を発表しろと言ってもそれは無理なんで、一応の節のついたときということと、その当時には今回のように、何と申しますか、こんなに捜査が児玉ルートのように長引くとは当時予想されていなかったことなんで、これは当時政府の方もいろいろ言っていたときのことなんで、検察当局が調査途中でそういう問題について意見を出せと言っても出せるわけじゃないわけですから、そういう意味でやっていて、先ほども一番初めの党の態度のとき申し上げたように、われわれも総選挙の前に児玉ルートを残しても全日空、丸紅ルートは発表すべきだと、こう言ってあるわけですから、ひとつそういうことで御了承願いたい。別に異論を申し述べるわけではございません。  それから秦野さんにお尋ねしますが、「公表問題」というふうにおたくの方はなっているんですけれども、やはりこの委員会でおたくの方が過半数を持っておられるわけですから、発言力が非常に強いわけですが、それと野党との灰色高官の公表基準を合意ができたところで政府に対して灰色高官の発表を要求すると、こういう意見を私は持っているんですが、そういうことについては異存はないわけですか。何か別の、どういうことを考えているわけですか。

岡本悟自由民主党

○岡本悟君 そうでしょう。それはそのとおりだと思います。

三治重信民社党

○三治重信君 そうしますと、もう私たちはこれを臨時国会といいますか、解散、総選挙の前にぜひ、先ほど来言っていますように、またほかの党も異存がないと思うんですが、灰色高官の一応の総選挙前に政府の発表、あるいは国会の発表に持っていきたいと、こういうふうなことについては非常にスピードを出していかぬとおさまりがつかぬと思いますが、そういうことについての御意見をどうぞ。

岡本悟自由民主党

○岡本悟君 実は私どもの濱野委員会は灰色高官の定義について一応作業をして仕事を終わったわけなんですがね。問題はいま御指摘の発表の時期、発表の方法ですね。これについては先ほど秦野委員から若干のお話がありましたが、党としてやっぱり決めてないんです、まだ。そこんところはまだ詰めてないんです。しかし、詰めてはおりませんが、先ほど秦野委員がお答えになりましたように、常識的にはいま三治委員の御指摘のようなことになるだろうと思いますね、当然。私はそうあるべきだと思います。しかしそれは党としてはまだ詰めておりません。

三治重信民社党

○三治重信君 先ほど検察当局の捜査資料を全部出せと言ってもそれはいろいろの法のたてまえ上無理だと、こうおっしゃいましたが、しかし、検察当局はこのロッキード事件を調査していくときに、向こうが出した金についていろいろ大体のところは検察当局として調べていけば、その受けたところまではやはり全部調べざるを得ないんじゃないんですか。検察当局はそういう向こうの米側の秘密資料なり、またいろいろの調書で今度は金額が非常に具体的になっているわけです。それを検事がずっと調べていけばその入った金についての行き先は、何というんですか、全く関係がない、ロッキードに関係がない金があったにしても、その行き先は検察当局としては調べ上げることになるんじゃないですか、実際問題として。

秦野章自由民主党

○秦野章君 検察当局としてはとにかく金の流れというものを中心に徹底的に調べるということなくしては刑事責任の追及もできないわけですよ。だから、私はそれはやっていると思いますよ。やっているけれども、具体的なことはこっちはわからぬから、何も。それは相当努力していると思いますね。

三治重信民社党

○三治重信君 ですから、まあ秦野さんの専門家の立場からもそういうわれわれの常識とそう変わらぬとなれば、やはり世間が望んでいるのは入った金額に対してそれがどこへどういうふうに渡っているのか、それがいわゆる一部は刑事被告人がどれだけ取ったか、それから灰色高官ということで刑事被告人以外のやつが、いわゆる色の区分けはあるんだろうけれども、その受け取った金額についてすべての人の問題を解明するという資料は私は検察当局はつくらざるを得ないと思う。そうすると、その発表の形式をどうするかというのがいわゆる灰色高官の公表基準だろうと思うんです。その点をこの委員会で詰めていけば政府の方も発表しやすいだろうし、徹底的に政府の方もこの問題を解明の処理をするからには、やはり私はいろいろ法律解釈はあろうけれども、世間から見れば常識的に金の行き先を灰色高官として発表してもらいたいと、こういうことにおいてやはり国会はしっかりした意思表示をすべきだと思うんですが、どうですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 その公表をこの枠でもってしてくれというのが私どものこの案なんだよね。もっといっぱい材料あるだろうけれども、この範囲だけは少なくともしてくれよと。これにはどこまで応ずるかという問題は今度は政府側の問題になってくる。こう思うんですがね。だから、確かに公表できない材料も一部あるでしょうよ。全然ないだろうということだったら、全部出せと言えばそれで終わりなんです。公表基準というものをつくったゆえんのものは、全部が全部出せないだろうからせめてここまでは出せよというのが、言うならば枠ですよね。それを国政調査権の立場で国会の方でもって与野党とも相談してその枠をつくろうというのがいまの段階じゃないですか。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、やはりこの入ってきた金の全部が全部というのを公表するというのはいかなる基準をつくっても無理だと、こういう見解であるわけですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 全部出せという要求なら公表基準は要らないんじゃないかと思うんですよね。政府が持っている材料を全部出せという要求をすればそれで終わるんであって、基準を設けるということは、そもそも全部じゃないという前提に立っているんだろうと私は思うんですよ。

三治重信民社党

○三治重信君 まあそこがいろいろ今後検討していくべき問題であると思いますが、私は、その色分けはあるにしても、やはり入った金の受け取った人の名前は灰色高官として政府が発表していくべきだと、かように考えております。  それからさっき、一番先に問題になりました、何と申しますか、捜査の中における人権の保護、捜査の密行の原則と、こういうのは、私は、政府ばかりでなく、やはり国会も十分考慮していかなくちゃならぬということで、こういう表現は非常に賛成なんですが、一方また最近マスコミの方のが先行して、疑いのない人まで一部にはこういう理由で疑いがあるというふうな、いわゆる言葉は悪いかもしれませんけれども、百鬼夜行的な、暴露的な記事が非常にだんだんむしろふえてくると、こういうことについてやはりある程度けじめをつけておく方がまた人権擁護にもなるんじゃないか。これが余り狭い範囲になってしまうと、先ほどの議論に若干戻るかもしれませんけれども、この人権擁護のたてまえはむしろ私は、検察もそういうことだけれども、罪、罪でないということもあるけれども、やはり一般マスコミで相当嫌疑をかけられている人が相当たくさんあると思うんです。だから、そういうものも配慮してここをやっていきますと、この人権問題もやはり相当スムーズに、そこが余り議論にならぬで金の問題として解決していけば、法律問題として余り理屈を言わぬで、金の問題として灰色問題を処理していけば、そちらの方のがスムーズに解決をしていくんじゃないかと思うんです。むしろ、この人権の問題も、最近はむしろ検察も考え及ばぬようなところまで類推されて、イニシアルやその他で発表されて、非常に疑惑、むしろ被害をこうむっている問題がこの事件では多いんじゃないかと思うんですが、その点は御意見どうですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 その問題確かにあると思いますけれども、いまここでわれわれが問題にしているのは、いわゆる灰色というのかな、その公表、そういうものを明らかにしろということを政府に言っているのであって、人権尊重のためにこういうものを公表しろなどということはいまさしあたり問題になってないわけですよ。問題になってないからこの世の中で問題がないかといえば、私はそれはあるだろうと思う。あるけれども、それはもっぱら政府の問題である、政府が発表に当たっていろんな配慮をするということはあるだろう、これは灰色だが、これは無色だよと。世間じゃ灰色、灰色と言ってきたが、これは無色だよという発表をすることもあるだろう。しかし、それは政府の責任、まさに政府の責任であって、国会がこの灰色高官の問題についていまここで審議しているということとはちょっと問題がそれてくるなあという感じですがね。

三治重信民社党

○三治重信君 それじゃ最後に一つ。  この公表基準によって、総選挙前に一応灰色高官が発表される。しかし、これでいわゆるロッキード問題に片をつけるということでなくして、政府の発表されたことについて今度この委員会その他でさらにこの問題でいろいろ問題があれば解明をしていくということについての御意見はいかがですか。  これで終わります。

秦野章自由民主党

○秦野章君 その問題、まだわが方の党としても決まってないんです。また、野党の皆さんとはまだ相談がないでしょう。たとえばロッキード委員会をずっと置くのか置かないのかと、そういう問題でしょう。それは国会対策の中で考えていただく問題だと思うのです。そうでしょう。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) これで一通り済みましたが、第二回目に入ります。それで、時間も大分超過しましたから、できるだけひとつ簡単にお願いをいたします。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 秦野委員に幾つかお尋ねしたいことが本来はあるわけですし、また参考意見というところで、社会党など野党の意見に対する反論といいますか、自民党としての考え方といいますか、そういうものを示されておりますが、これについても実は逐一再反論をしたい気分があるわけでありますが、時間の関係もありますので、一点だけお伺いしておきたいと思いますのは、先ほど私が指摘しました嫌疑不十分の場合の取り扱いが欠落をしている、あるいは公表しないというたてまえになっていることについての疑問なんです。  もうちょっと具体的に申しますと、たとえば単純収賄では時効になっている、しかし請託の疑いもあるので請託収賄で立件をした、いろいろ捜査を遂げたけれども、しかし嫌疑はもちろんあるけれども最終的には公判維持その他でむずかしいという場合の処置は、恐らく嫌疑不十分で不起訴になるだろうと思われるわけですね。お金の授受もある、単純収賄としても成立している。単純収賄としての捜査ならば、時効、不起訴で公表になるけれども、請託収賄の嫌疑不十分の不起訴の場合には、いまのようなケースは発表の中に入らないということになりはせぬかということが一つです。  あわせて、同じような問題点でありますけれども、検察庁の処分というのは、罪とならずとか、嫌疑なしという処分はなかなかしたがらないんですね。一たん手にかけて捜査をした以上、それは職務権限がどうもやっぱり不十分だったとか、あるいは請託性が弱いとか、その場合には、金銭の流れなどは押さえられても、嫌疑不十分でほとんど不起訴というケースになってしまうのではないかということを実務上の経験からわれわれは知っているわけですよ。そういう場合に、この案では見逃してしまう。非常に幾つかの考えられる例が次から次へと出るわけでありますが、そこら辺についてどういうふうにお考えになるのか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 いまの前段の問題ね、収賄罪、単純収賄では犯罪成立が認められる、請託の関係ではあいまいというか、十分でないと。しかし単純収賄で犯罪の成立が認められれば灰色高官に入るんですよ、出るんですから。出るんですから問題ないじゃないですか、公表される中に入るんですから。請託の関係については立証が十分でないかもしらぬが、しかし単純収賄で立証がもうあるのなら、いやおうなしにそれは灰色高官として出ちまうんですよ。だから公表の中に入っちゃう。その場合に、公表の中に入った人間が請託があったかなかったかということが詰められないというようなことはあったって、とにかく灰色高官に入るんですから。お金の授受があったり、それから単純収賄の関係では立証ができているということなら、時効でもね、ちゃんと時効でも単純収賄だ、収賄だということになっていれば灰色高官に入るんですから、私はそれは余り問題ないだろうと、出るんですから……。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その根拠は何ですか、いわゆる法律的な……

秦野章自由民主党

○秦野章君 それはね、いまおっしゃったように、とにかく時効が単純収賄では成立しているとおっしゃったですね。請託の関係がうまくはっきりしないと。単純収賄ではっきりしていれば灰色高官になるんですよ。だからいいんじゃないです・か、請託で何もはっきりしなくったって。出ちまうんだから。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いや、だけれども、職務の中心に……

秦野章自由民主党

○秦野章君 それは一ですよ。一で入りますよ。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 単純収賄としては時効でむずかしい、そこで受託収賄で捜査を遂げた、立件をした、その結果、請託、受託の関係がどうもやっぱりあいまいだという場合には嫌疑不十分で不起訴になる、裁定の仕方はですね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 そうでしょうな。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そうすると、この三項目から漏れるんじゃないかということです。秦野委員の考え方は灰色高官になるんだというのならば、そういうことはやっぱり漏らさない、歯どめをですね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 それは御心配要らぬのですよ。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その基準をつけてしませんと、何かこの三つの範疇に入らないやつは発表の対象にならないということになりゃせんか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 いやいや、あのね、いまたまたま実務的なお話でおっしゃったけれども、確かに不起訴処分の場合には、嫌疑なしと起訴猶予、それから微罪処分、こういうものが検事の処分としてはかなりあいまいなんですよ、あいまいなんです。ここではとにかく単純収賄でも時効になったら、時効になっておっても単純収賄ということであるならば、収賄罪ということであるならば、請託があろうがなかろうが一で出るわけですよ。一で、これ一で出るわけです。これは括弧書きは、これはたとえば「微罪不起訴」と、こうなってますけれども、実際には情状で不起訴があるわけですよ。括弧書きは、まあこれ、いろいろ慣例で検事がやっていることを括弧書きしたのだけれども、本文をごらんになっていただけばわかるように、たとえば一ですよ。「ロッキード事件の金品の授受による収賄罪その他の犯罪の成立が認められ」れば、これは請託があろうがなかろうが一で出ちゃうということでございますから、その点は御心配はないと思うのですよ。  それから、いま一つは何だったっけな。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 罪とならずか嫌疑不十分かという境界線は必ずしも明確でなくて、どちらかというと検察官は捜査をやれば罪とならずで処分するよりも嫌疑不十分で処分することの方が親しみやすいと、自分たちのメンツの問題もあるからということなども含めて、われわれも嫌疑不十分の場合の事例をどういうふうに表現するかというのは非常にむずかしいから、最終的には例示列挙方式で一応考えられる場合として出しているわけですけれども、その嫌疑不十分の範疇のやつを全部欠落さしてしまうと、相当程度公表、公告の問題では漏れが出てくるんではなかろうかという疑問なんです。それに全体的にどういうふうに乙この部分を考えられるかということです。

秦野章自由民主党

○秦野章君 そういう御心配はごもっともなんです。というのは不起訴処分、さっきも申し上げましたように検事の不起訴処分のスタイルというのがかなり恣意的なんですよ、恣意的なんです。そういう意味においてはこの括弧書きは削っていいんです。本文、何しろ本文が本文です。本文が生命でございますから、さっきの例でお挙げになった請託の証拠がないが単純収賄の証拠はある、しかしそれは時効だというものは明らかにこの一に入りますから、全くその御心配はないと、そう私はそれは自信を持ってお答えできます。だから、もし御心配のその点が、括弧書きの方で心配ならこれは取ってもいいんですよ。これは本当に恣意的ですから。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それはそれとして、いまおっしゃったように、そのどういう処分の仕方をするか、嫌疑不十分にするか、罪とならずにするかは検事の自由裁量、ただ証拠が基礎にあるわけですけれども。そうすると嫌疑不十分を発表しないということになると、その恣意的判断を応用して嫌疑不十分という枠の中に検事が相当程度逃げ込ませてしまうんじゃないか、そうすると未発表部分が、未公表部分が相当出やせぬかという心配をしているだけに、その点どうもやっぱりこの三つに入るという説明だけではまだまだ欠落が出そうだという感じがしてならない。

秦野章自由民主党

○秦野章君 あのね、いま設例をされた問題、単純収賄では時効になっちゃったが、請託の問題ではどうも証拠不十分だというものは、証拠不十分だから灰色にならないということはあり得ないのですよ。単純収賄で時効になっている者がはっきりしているんだから、時効になった者は灰色で出すんだということを一でぴしゃっと言っているんですから、その御心配は全くないと。この本文をも恣意的に左右することはできません。われわれがこの本文を書いたのは、これにぴしゃっとはまる者はやっぱり灰色高官でほしいよと、こういうことですから、その点は大丈夫ですよ。  それから、いま一つ何かありましたね、それだけですか。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 罪とならずが嫌疑不十分で裁定されてしまえば、結局発表の対象にならぬのじゃないかと、そのとき検事が自由裁量権を行使して逃げ込むことが実務的にもしばしばあるし、今回のような場合には、そういう恣意的判断はやっぱり許さないためにも、嫌疑不十分の場合の処置の仕方についてきちっとした対応をすべきではないか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 いま矢田部さん自身がおっしゃるように、嫌疑不十分という言葉が、言葉というか、内容が非常にあいまいなんですよ。そこで、われわれは、時効にかかったのを嫌疑不十分にするのか、あるいは単純な、何というのかな、起訴猶予に単にしているのか、それはいずれにせよ時効にかかった者は灰色高官に入れちゃうと、そういうふうに実体的な……

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 時効はわかりましたが……

秦野章自由民主党

○秦野章君 行為の実体的な問題で入れていると。  それから、あとの時効以外の問題で何かお尋ねがあるとすれば、結局三の項目にかかってきて、「ロッキード社の売込みに関し」て、関してとにかく依頼を受けたり何かしたら、これは職務関係があろうがなかろうが、金銭授受があれば三に入りますと。ロッキードの売り込みに関してこれが不十分だと、嫌疑が、ロッキード事件の売り込みに関して、どうも売り込みに関してかどうかわからないというようなことだってあるかもしらぬが、それはどっちか決着、決めなきゃいけませんわな。結局、これはロッキードの売り込みに関しているというふうに決めちまうか、ロッキード売り込みに関しないと決めるか、二者択一をやらにゃいかぬ。ロッキード売り込みに関しないなら入らない、関しておったら、金の授受があれば、職務関係があろうがなかろうが三に入っちゃう、こういう考え方なんです。だから、嫌疑の問題ということをやっぱり二者択一で決めなきゃいけないんですよ、公表にこたえるためには。本当にそれは白紙、真っ白になっちゃうのか、これはやっぱりロッキードの売り込みに関したものだと認めざるを得ないということにするか、その真ん中というのは、それはちょっとぐあい悪いんだね。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 検事の処分では大体嫌疑不十分という処分がしばしばあるわけでしょう。罪とならずなんという処分はほとんどないんですよ、皆無に近い。捜査を遂げて全然罪とならないということをやったとすれば変な話になるわけですから。したがって、むしろ嫌疑不十分という裁定の場合の方がケースとしては多いし、罪とならずというケースの場合でも、どちらかというと嫌疑不十分という裁定にしてしまう事例を、ぼくはたくさん知っています。それだけに、その範疇をやっぱりもう一つ立てなきゃいかぬ。それをどっちかに決めなきゃいかぬという言い方では割り切れないんじゃなかろうかというのが私どもの大きな疑問なんです。

秦野章自由民主党

○秦野章君 いまおっしゃっておるように、嫌疑不十分といっていままでやってきている検事のやり方そのものがきわめてあいまいなものなんで、そのあいまいな嫌疑不十分という概念をとらえて基準にするということは問題なんで、もっと内容にせにゃいかぬという考え方なんです。いまおっしゃるとおり非常に恣意的なんですよ。恣意的な概念をとらえて嫌疑不十分でひっくくっちゃうというのがやっぱりちょっと無理じゃないか。やっぱり本当にこれはロッキードの売り込みに関したと認めざるを得ないというのなら、そっちでぴしゃっと灰色で出す、金の授受があれば。どうしてもそうは認められない、ロッキードの売り込みでは関係が認められないというのはやっぱり入れられない。嫌疑不十分という概念が、非常に何というか、不確定というか、おっしゃるようにあいまいなもんだから、あいまいな概念をとらえて基準にするということはちょっと問題じゃないか……

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 概念はあいまいじゃないんですよ。

秦野章自由民主党

○秦野章君 概念の内容があいまいなんですよ。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 運用が恣意的にやられるもんだから、むしろわれわれはその嫌疑不十分の中にこそ政治的道義的責任ありゃなしやをさらに詰めなきゃならぬ問題点が相当含まれるんじゃないかと。だからこういう限定の仕方で公表するということになるとその部分が外される危険が多分にあると。このことはまたあとの……

秦野章自由民主党

○秦野章君 一点だけお答えしておきますが……

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その点だけひとつ考え直して……

秦野章自由民主党

○秦野章君 もし、しかし、そういうことを幾ら言っても、それなら検事が嫌疑不十分じゃない方に振り込んだら同じことでしょう。だから嫌疑不十分という概念をとらえて基準にすること自体が問題なんで、嫌疑不十分というのはあいまいだから、あいまいなだけに、じゃ嫌疑不十分にしたら公表せにゃならぬと、嫌疑不十分にしとかなきゃ公表しなくていいんだというふうに、こう采配を振っちまいますよ。それよりも実体的な問題でとらえた方がいいと、こういう考え方です。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 これで終わりますけれども、だから、私どもは検事の処分内容いかんにかかわらずすべての処分について明らかにして、その中で政治責任、道義的責任があるかないかは国会が、あるいはこの委員会が基本的に判断をする、国民に明らかにさせるということが一番そういう恣意的判断や漏れを妨ぐ基本になるという関係で私どもは出しているわけです。

秦野章自由民主党

○秦野章君 その議論になればまた別になってきます。嫌疑不十分、嫌疑があるかないか、嫌疑不十分という処分それ自体については先ほど来私が申し上げておるとおり。しかし、そんなものをよけちゃって、そういう問題はあいまいだからよけちゃって全部出しちまえと、その中から道義責任は拾い出すんだという議論になると、今度はもとに返って、最初に私が申し上げましたような議論になる、整理するとこういうことになると思うんですよ。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 はっきりしませんが、また後の機会にします。

野田哲日本社会党

○野田哲君 秦野さんね、秦野さんのさっきの質問に対する説明では、おたくの方のこの案はここまでは出せと、こういう案だということだけれども、私どもの方から見れば、これ以上は出すなと、こういうふうな印象を受けるわけですよ。これ以上は出したらだめという歯どめをかけると。  そこで、まず最初に聞きたいのは、この案はまだ正式決定ではないと、こういうふうに言われたんですが、おたくの方のこの決めていく手順というのはどういうふうに考えておられるんですか。

岡本悟自由民主党

○岡本悟君 この取り扱い方は党の執行部に預けてありますんですが、きょうの執行部の手順を見ますと、午前中、まず役員会にかけまして了承をとったようです。そして、その上で総務会に諮るということで、正式の総務会ではなくて、懇談会に切りかえますということで総務会長は宣言しまして、総務懇談会で一応検討をしてみてくれと、こういうようなことでありましたので、きょうのところではまだ党議は決定していないと、こういう段階でございます。つまり、重要問題でありますので、やはり役員会、総務会、この承認を取りつけなければ党議の決定はできないと、こういう段階にあるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ここの議論を反映させる余地はあるというふうに理解しておけばいいですね。

岡本悟自由民主党

○岡本悟君 恐らくあす衆議院でも特別委員会で議論になると思いますが、それは当然であろうと思います。私はそう思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 秦野さんに伺いますが、先ほどの同じ項目、事項のところの質問のお答えがよくわからないので、もう一回重ねて伺いますが、問題は、この案で、ただし書きですね、ただし書き。「但し、ロッキード売込みに関係なく純然たる政治資金等として授受されたものは、」と、こうなっている。このただし書きの「ロッキード売込みに関係なく純然たる政治資金等として授受された」という、この判断はどこがやるんですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 これの基準はこっちでつくるけれども、それに当てはまるかどうかという判断は政府側ですよ。

野田哲日本社会党

○野田哲君 政府側が判断をする……。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ええ。

野田哲日本社会党

○野田哲君 秦野さんは、コーチャン回想録を当然お読みになったと思うんですね。コーチャン回想録を読んでいくと、第一回のFXいわゆるグラマン・ロッキード戦争、この経過を教訓にしたと、そうしてその中で果たした児玉の役割りというものを非常に評価をして、児玉に対して代理人、コンサルタント、こういう役割りを与えて児玉の影響力を買ったと、同時にこの児玉を通じて、政界に影響力の強い小佐野の協力を得たと、こうなっておるわけです。  したがって、私たちがやっておるこのロッキード事件の調査、解明というのは、いまこの自民党の案で示されているあれだけのリストを公表すればこれで解明されたと、任務は終わったと、こういうことではないと思うんですね。よく言われる構造的に解明をしてこの再発を防止をする、こういう立場がいま議論をされておる公表する範囲という問題についても貫かれておらなければ、国政審議の場では意味がないと思うんです。そういう点がどうも私は、いま提示された自民党の案には反映をされていない、そういう視点がないと、こういうふうに受けとめざるを得ないんですが、この点はいかがですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 公表の範囲の基準というものを、案をつくったときにはこの程度だろうということでつくったわけですけれども、しかし、その背後の考え方、国会審議をやっていく上における考え方は、いまおっしゃったようなことであることはもう当然なんで、ただもっと広くなければその目的が達するとか達しないとかいう御議論だと思うんだけれども、それは、洗いざらい全部たとえば出してしまうということだったら非常に建設的な立法論その他がやりいいとか、そういうことがあるのかもしらぬけれども、それはそうでしょう、国会の立場で言えば。だけれども、これは行政府に対して要求する場合のいまの憲法や刑事訴訟法のたてまえという、国会がつくったそういう実定法秩序というものを無視してはできないであろう、ロッキードだけが日本の政治で、ロッキードだけが全部だ、あと何も考えなくていいというなら、おっしゃるように全部出してしまって、それでロッキードなんかが再び起きぬような立法はさてどうだろうという考え方もできるかもしれませんが、そうじゃなくて、いまのやっぱり統治機構の中で処理していくということになると、やっぱりそこに限界があるだろうということでわれわれはこの程度と思ったのだけれども、これは党も決まってないんですからまだ確定の問題じゃありませんけれども、そういう考え方なんですがね。

野田哲日本社会党

○野田哲君 このただし書きのところは、これは政府が判断する、こういうふうに言われたわけですけれども、いままでこの委員会で調査をやり、あるいは衆議院でやってきたこと、議事録なんかを読んでみますと、そこで明らかになっていることは、まず、おたくの方の、与党の交通部会あるいは航空対策特別委員会、こういうところが一つの役割りを果たしているわけですね。航空対策特別委員会で出した民間航空対策についての文書、これがそっくりそのままこの表題を変えて運輸大臣の通達になっている。この通達がやはりロッキードの売り込みを策していた全日空のロッキード導入の道を開く一つの役割りを果たしている、こういうふうな点が明らかになっておるわけですね。この交通部会あるいは航空対策特別委員会、ここに名を連ねてあの通達のもとになる要望書、運輸大臣あての要望書、これを決めることに参画をした、そうしてその年の十二月十日に行われた選挙のときに全日空を通じて金品の授受を受けて政治資金としての届け出をしているという例は、これは具体的にあると思うんですね、あると思うんです。そういう部分が不問に付されることになりますね。このただし書き、この条項では全く不問に付される。私たちが政治的道義的責任を明らかにする、こういう立場からすれば、その部分まで当然これは明らかにしていく、そして、金品を贈る側、贈賄側がどういう意図を持って政治資金を渡したか、そういうような範囲、どういう範囲までこの政治資金の授受の範囲があったのか、そういう構造全体を明らかにしなければこの種の問題は再発防止のための具体的な手だては講ずることはできないし、国民に対して政治的道義的な責任を明らかにする、こういうことにはならないんじゃないかと思うんですが、その点いかがですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ロッキードの売り込みに関することで金をもらったら入るんですよ。全部入らないということないんですよ。だから、いまおっしゃった部分が全部入らないということは言い切れませんよ。それは入る部分もあるでしょう。

野田哲日本社会党

○野田哲君 入らない部分もある。

秦野章自由民主党

○秦野章君 入らない部分だってあり得るかもしれない、それはロッキードの売り込みに関するということでなければ……。ロッキードの売り込みに関してということになれば、これは三で入っちまうんですよ。

野田哲日本社会党

○野田哲君 三にはこれは入るんですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ええ。

野田哲日本社会党

○野田哲君 入らないでしょう、これは。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ロッキード売り込みに関してね。三。一、二、三の三。

野田哲日本社会党

○野田哲君 「ロッキード社の売込みに関し依頼を受け」と、こうなっておるんです。「依頼を受け」と。だから、私が言うのは、一つの具体的な例として自民党の航空対策特別委員会の一委員として参画をしたとね。参画をした、そしてその委員会で通達のもとになる自民党の要望書なるものが運輸省へ渡された、そして通達が出た、こういう経過がありますね。この委員に年末に政治資金として選挙の前に金品が渡されたと。これ入るんですか、これ。はっきり言っておきます。

秦野章自由民主党

○秦野章君 それがね、ロッキード売り込みという問題に関係していませんか。しているかどうかという問題なんだ。私は、具体的事実は、いまおっしゃったような事実は政府委員じゃないから何もわからないんです。わからないんだけれども、抽象論で言うならば、ロッキードの飛行機を頼むよというようなことが仮にあれば、全部入っちゃうんですよ。政治資金でも何でもね。

野田哲日本社会党

○野田哲君 「売込みに関し依頼を受け」となっていますね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 そうそう。依頼を受けなきゃならないんですよ。

野田哲日本社会党

○野田哲君 依頼はないでしょう、あの時点で。全員に依頼があったとは思われぬでしょう。中には、どういう意味かわからずに参画をした、十二月十日の選挙の前に陣中見舞いが来た、政治資金の届け出をしたと。全部入りますか、三へ。入らないでしょう。

秦野章自由民主党

○秦野章君 その状況が、ロッキードの飛行機の売り込みというような状況が全然ないというんなら、どうですか、それ。これロッキード問題じゃなくなっちまう。普通の収賄になるかならぬかという問題になっちゃう。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もう時間が来ましたから、最後に。  売り込みに関しての直接の関与ではないけれども、売り込みのための条件づくりに、本人が意識するとしないとにかかわらず参画したわけだね。そして、全日空の方ではそのことを多として陣中見舞いがあった、こういう場合はここへ入りますか、三の方に。文字どおり解釈したら入らぬですよ。

秦野章自由民主党

○秦野章君 いや、それは入る場合もあるでしょう。頼むよと、飛行機の方頼むよとね、ということが全然ないと、それが。ないんなら、これちょっと無理じゃないかな。やっぱり普通の政治献金か何かになっちゃうんじゃないかね。それより、政治献金の届けとか、そういう、そっちの方の手続も踏んでないとかなんとかということはまた別問題としてね。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いずれにしても、路線などに……

秦野章自由民主党

○秦野章君 全然入らないと言い切れませんよ。むしろ入る場合の方が多いんじゃない。そういうことはやってるんじゃない。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そういうことは、しかし政府が認定する場合にはですよ……

秦野章自由民主党

○秦野章君 認定するんだよ、政府が。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはね、これ該当するという保証はないでしょう。非常に不明確ですね、そこが。  もういいですよ、時間が来たからやめます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 せっかく秦野さん、これ、苦労しましてつくって、またここで文句言われて、何か総務会でも相当意見があったみたいで、苦労して……。ただ、苦労のしがいがあるものだと思いますんでね。あくまでも野党の見解、自民党の見解と開きがあるんです。だけれども、開きを求める場じゃないと思いましてね。やっぱり私たち最終的に灰色高官というものはこうなきゃならないと、こう思いますけれども、ですけれども、これから若干の質問をするんですけれども、こういうものはこれすべてである、これでもうだめなんだということでなければ、先ほど野党の意見、これに盛られる可能性もあると言いましたしね。また、自民党の方だって、まだこれ、どう手直しするか、あるいは了承するかもわかりませんものですからね。私は最大限のやっぱり与野党の一致を見て、少なくともこれでおしまいなんだと言わない限りは、現在なら現在、ほぼ概要解明といってもこれの後もまだ問題だと思いますんでね、現在なら現在の時点で、まず第一段階の灰色高官を公表すると、こういう合意もできないことはないと思うんですね。ある一部には、中間報告、あるいは公表するとそれがおしまい、これですべてだからと、これでロッキードはあと終了という意見もあるんですけれどもね、それはそれとして、政府の検察当局の姿勢ですから、だから私は食い違いよりも一致点を見出す、こういう努力をぜひしていきたいと、こう思うんです。  そこで、参考は参考、ただし書きはただし書きだと、こうおっしゃったんですけれども、そしてあくまでも「記」のこの三つを政府に要望する内容になったと。そこで、実際的に政府に公表を迫るときに、選択を迫るときに、参考意見を見ますとね、これをつくる段階においての野党の意見に対して自民党の特別委員会はこう考えたんだと、こういう意見も付記しておけばそういう説明が省略できるだろうと、あるいは一番最後の二重丸も、これをつくる根本姿勢というのはここにポイントを置いたんだと、こういうことを付記しておけばそういう説明も説明しなくていいだろうと、こういう、記者会見用あるいは野党に対する言葉を省くみたいな考えもあるんですね、一つは。果たしてこれを、政府に対して灰色高官を迫るときに参考意見以下もこれを出すんですか。ここまで出すんですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 それは出すわけないでしょう。

黒柳明公明党

○黒柳明君 出すわけない……。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ええ。これはね、要するに審議用のための参考意見なんです。審議用の。

黒柳明公明党

○黒柳明君 わかりました。  そうするとね、先ほどから私も冒頭に言った政治資金の問題ですよ。いま秦野さんのおっしゃるのは、全部三に入るんだ、三に入るんだと、こういうことを言われておりました。ですけれども、わずかこれだけの短い時間で論議しても、やっぱり秦野さんのその精神論、あるいはこの言葉の底にあるもの、これは私ほめるわけじゃないですけれども、もっといいものをつくってもらいたいので若干ほめなきゃならないんだけれども、ほめるわけじゃないけど、相当前向きに意見を聞かれてるんです。姿勢も聞かれている。だけれども、政府がやっぱり選択しますね。私が先ほど言ったように、人権というような問題がそこにあるんです。それから、捜査当局がこれ、選びますね。その場合においては相当具体的なものを明文化しなきゃならないと、こう思うんですけどね。いまこれだけの、まず第一回の短い間の意見の中で、そういう考えというものは、秦野さん、相当認識していただいたでしょうか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 具体的な事件の実情というものが全然わからないんですからね。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私もわかりませんな。

秦野章自由民主党

○秦野章君 そういうわからないという前提で枠をつくるということにした場合に、おっしゃるように、三つの項目を五つにしたり六つにするということは可能性としてはあるわけですよ。あるけれども、まあここへ、大方この三つを考えてみたときに、これは相当入っちまう。いまのさっき来申し上げている実定法秩序の体制の中でこれを要求していったときに、この要求どおりを、私は正直言って、そう出せないんじゃないかと思っているんですよ、要求どおりは。そういうぐらい、これ、かなり幅のある案だと思ってますから、いまおっしゃるように、三つじゃ狭過ぎる、もっと細かくやった方が抜け目がなくなるといって幾ら細かくやっても、具体的なケースがわからないんですから、わからないんだから、どっちみち五十歩百歩だという考えなんですよ。

黒柳明公明党

○黒柳明君 五十歩百歩という考えもなきにしもあらずですね。結局政府が、検察当局がピックアップする。だけれども、人権の問題も聞きたいんですけれども、やっぱりこの前の四人の場合みたいに、何かやっぱりいまもってすっきりしないものがあるんです、会見が二転三転したことについて。そういうことをやっぱり検察当局も、これは言葉が言い過ぎかわからないけれど、何か気がねしていることもあるかわからない。あるいは反対に言うと慎重であるかもわからない。そうなると、やっぱりこの国会から政府、検察当局に選択の余地を与える、任せるわけですから、彼らは知っているわけですから、そのためには最大限明瞭なものを与えた方がいい。最大限やっぱりちゅうちょなく、なるたけ、一つ項目、一つ項目と言って、それが当てはまっていくというものをぴっぴっとできる可能性があるものをつくった方がよりいい。要するに、何か人権の保護と言うと、これを言うとまた政治献金だなんて突っ込まれるとまた大変だなんと、こういう、たとえばですよ、余地を少なくした方がいい、文章の中で。もう精神論を言ったってしょうがないわけですから、与野党で合意したものを、実はなんと言って、これはしかじかこうだなんて国会で説明するようなものを要するに政府に要望するわけにいきませんからね。そうすると、できるだけ明文化、具体的。もう一つは、政府、検察当局がちゅうちょなくピックアップできるような、そういう文章にした方がいいと思うんですが、これはどうですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 お説はよくわかる。わかるけれども、どう書いても、嫌疑がどうだとかという、要するに抽象論になるんだよね、どっちみち。そこに入れるか入れないかという問題は、最後は信頼の問題になっちゃうんですよ、政府を信頼するかしないかと。もっとたくさん書いておけばどうせ信頼できないけれどもよけい出るだろうというお考えがあるかもしらぬが、たくさん書いたらよけい出るというわけでもないんだよ。そこに入れるか入れないかという判断の問題というものはあくまで残りますよ、これは。証拠なんというものは絵にかいたような物理的なものじゃありませんから、見方ですから、だから私は五十歩百歩だと、こう申し上げているわけです。

黒柳明公明党

○黒柳明君 わかります、わかります。私冒頭そのことを言ったわけです。手の届かない、言うならば秘密と。だからこそですよ、だからこそ、五十歩百歩だろうということであきらめないで、国会の場においてはより具体的な、より細分化した明確なものをつくれば、五十歩百歩が二十歩七十歩になるんじゃないか、こうなるわけです。それをさらにいろんな選択の余地がある。ここまで私は全部——それじゃ、国会に資料を出さなきゃこれはどうしようもないんですよ、自分が資料を見なきゃ。見たって捜査に携わっていないからわからない、こういうことです。私はやっぱりいま秦野さんが言われたこともそうだということも相当前提にして言っているつもりなんです。だからこそ、具体的に細分化して、明文化して、なるたけその選択の余地について障害を除いてと、こういうことです。  さらにそれじゃもうちょっと言いましょう。そうすると、先ほどから論じられている具体的な参考意見は出さないということですから、その純粋な政治資金も出さないということですから、これこそ政府の方が、捜査当局の方が、この三つを出した場合に、それに対して灰色公表の範囲とするかしないか、三項目に合っているとするかしないかと、こういうことになるわけでしょう。ですから、むしろそうであるならば、この灰色高官についての純粋な政治献金云々ということについては、この際、新聞論調を見ても、ここが与野党のなんという言葉がけさ出ていますね。当然私たちもそういう考え。私もそういう考え。であるならば、このことは参考意見として何らかのやっぱり意図があったんじゃないかと、こう勘ぐりたくなるんですけれども、これは全く、純粋な政治献金、これ、むずかしいですね。純粋な政治献金。ロッキードの売り込み——さっき峯山に対してお答えになっている。全部入るんだ、全部入るんだ、こうおっしゃいましたが、私はむしろこの売り込みに関してということが大きな問題なわけですね。ところが、売り込みに関してということは、多岐多様、物すごくいろんなケースがあると思うんですよ。依頼を受けた——依頼といったって、国会議員ですから、先行投資もありますな。あるいは盆暮れにやっておけば何かのとき役立つということもありますな。完璧に依頼を受けたかどうか捜査当局はわからない、わからないから全部これは捜査の対象にもしないかもわからないですよ。してないかもわからないですよ。だけど、私たちの考えではね、そここそむしろ灰色じゃないか、そここそむしろ国会では道義上、政治上の責任をそこで究明すべきじゃないか。ということは、金に印がついてないんじゃない、ついているわけですから。全日空のプール金なんていうのは完全についているわけですから。マスコミの情報だけですけれども、そのうちで百万、五十万と流れているんですから。これも相当情報では信憑性のある情報で流れているんですから。これを、関係があるかないのか、依頼を受けたか受けないかと言っていますとね、これは灰色じゃなくして、全く捜査当局に頼って、捜査当局が手をつけない、だからこれはもうシロなんだと、こういうことにならざるを得ない。そうじゃなくして、それがわからないけれども、印のついた金が流れているし、その依頼を受けたか、売り込みに関係があるかどうかは全く捜査当局だって手をつけられない分野があるんですから、そここそ国会が道義上、政治上の責任を究明しなければならない、こういうことが本当の灰色高官の国会での責任解明の一つになるんじゃないでしょうか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 国会の道義的責任、政治責任を追及する場合の資料としては、検察庁から求めない資料なら、おっしゃるとおり何やってもいいのよ。いいのよ。国会はそういうところなんだから。ところが、検察庁の資料で出せと言ったときには、それはやっぱり限界があると私は思う。ただしこの場合は、ロッキードに関して、おい頼むよというかっこうがあれば、それはやっぱり灰色になっちゃうんだと、職務関係があろうがなかろうがという。しかし、そのロッキードに関して依頼、頼むよというようなかっこうが状況上全然ないと判断されるようなものまで、善通の政治献金としか受け取れないものまで灰色だということは、やっぱりどう考えても、基準を考えるときにもちょっと無理じゃなかろうかというのが、私どもがこれをつくったことなんですよ。  それから、いま一つの前の問題は、五十歩百歩だと私は申し上げたが、黒柳さんは三つを五つにし、六つ、七つにすれば五十歩百歩がもっと縮まるとおっしゃるけれども、やっぱり五十歩百歩なんだ、あくまでも。なぜならば、それを入れるか入れないかという認定の問題というものはあくまでもわが方にはないんだから、政府側にある限りにおいて私は五十歩百歩だと思うんですよ。しかし、いろいろまた与野党折衝の中で、この案というものは、公表基準というものは詰められるでしょうから、その過程でまた御審議願ってもいいが、私のこの説明ではそういうことになるわけですよ。

黒柳明公明党

○黒柳明君 時間がないので最後にあれしますけれども、ロッキードの印のついた金が流れている、これはマスコミ情報ですよ。捜査当局の内容は知りませんよ。だけれども、ロッキードの売り込みに関係があった、依頼があったかどうか、これはいま言ったように非常にこれはわかりませんな、国会の追及じゃ、われわれの。そうすると検察の資料と、こうなるんです。そうなると、いまおっしゃったように問題があると、こういうことなんですけれども、ロッキードの金の印のついたものが——これは捜査している当人になるかわかりませんよ、秦野さんの常識で、議員に来ていると、これはもう大体相当信憑性があると、こう思うんですね。これも知っての上でつくられたと思うんですよ、前向きにですね。そうすると、その人が、あくまでもその人が依頼を受けたか、あるいはロッキード売り込みに関係がなかったかどうか、これはわからないにしても、ロッキードの印のついた金をもらった当人となると、これこそまさにこの場における灰色高官の範囲に入らなければおかしいじゃないですか。ロッキードの印のついた金が渡った国会議員、これが関係があるかどうか、依頼を受けたかどうかがわからなくても、ロッキードの印のついた金をもらった、こういうものがわかれば。

秦野章自由民主党

○秦野章君 私は具体的にロッキードの印のついた金があるのかないのか知りませんけれども、本当にあるんなら、それをもらうということは、結局、状況証拠上売り込みを頼まれたということになるんじゃないの。だから、その判断はやっぱりこっちがするんじゃなくて向こうがすると、こういうことになるわけです。

黒柳明公明党

○黒柳明君 わかりました。政府がやる、検察当局がやる、わかりますよ。  済みませんね、委員長、二分超過していますけれども、もう最後に。  いまの答弁で、そうすると、これ、具体的に全日空の印のついた金が相当数の国会議員に流れたと、だけど、ここにあるのは、売り込みに関係があるかどうか、依頼を受けたかどうかという注釈が前提にあるんですよ。これはむずかしいんです、検察当局の資料がなきゃ。私たちじゃ、その人に聞いたって、クロの人だってノーと言うんですから、検察に強制捜査をされたって。私たち調べようがありませんね。国会でそれを検察の資料でやらなければいい、やらなければいいと言ったって、そんなことできるわけないです。客観的に一〇〇%不可能。だけれども、この灰色高官についての与野党合意して国民に対して責任があるわけでしょう、政府も与野党も。そうなりますと、印のついた金が流れているという私たち常識的なマスコミ情報を持っているんです。あるわけです。それが流れているということがあれば、客観的にもう関係があったと、こう見るという判断なんですね、自民党としては、特別委員会、そうですね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 それはそうでしょう。いま一遍言うとね、そういう具体的にロッキードの金だという印がついていりゃ、当時の状況を見て、その人がいきなりどこか北極か何かからぼこっと来て、何も知らないという人なら別だけれども、その当時日本におって、飛行機の状況もわかっていてということになりゃ、認定者は少なくともそういうふうに認定するであろうと、こう言っているわけですよ。

内藤功日本共産党

○内藤功君 議論を聞いて、だんだん秦野さんの考えていることがわかってきたんですがね。結局、一、二、三とあると。一は時効だと。二は起訴猶予、微罪、不起訴だと。そうすると、問題は三なんですね。私は、ずばり言って、これは玉虫色だと思う。一つは、われわれに対しては——われわれというか、ここの席上では、野党に対しては、「売込みに関し」で皆人ってくるんですよ、それから一方の側に対しては、「依頼を受け」でこれは全部外れるんですよ——こういう機能を果たすんじゃないかと、ちょっと考え及んだわけです。  そこで、いま田中角榮前首相の起訴状は、丸紅・檜山らから五億円を受け取った、ピーナツ、ピーシズですね。具体的に聞きますが、この五億円のピーナツ、ピーシズの行方です。この行方をたどっていったところが、某々政治家、某々高官にたどりついたという場合、これはこの第三項の運用では、あなたの解釈では、渡すときに、ロッキード頼むよ、ロッキード頼むよと言ったか言わないか、これで灰色になるかならぬかが決まる、こうなりますか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 必ずしも渡すときに言わなきゃいかぬなんということは言ってない。そこは時間があいたってかまわない。常識的に考えて、ロッキードの売り込みで頼むという形がある限り、時間の関係は問題ないですよ。

内藤功日本共産党

○内藤功君 時間の多少の前後はあるけれども、その近接した時点でそういう発言があることを必要とするわけですね。そうすると、何にも言わない場合は、たとえば陣中見舞いなりあるいは政治資金なり、あるいは選挙資金と、ずばり、こういう場合にはこれは灰色高官にならぬ、こういう見解なんですね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 選挙資金になろうが政治資金であろうが、それはだめなんだ。そういうことと関係ないの。依頼があって銭もらえば入ると、こう書いてある。

内藤功日本共産党

○内藤功君 ですから、やっぱり依頼というのが一つの条件なんですね。

秦野章自由民主党

○秦野章君 依頼という状況がなければ、飛行機を頼むよという状況がなければだめだと。

内藤功日本共産党

○内藤功君 わかりました。そういうような観点でわれわれこれを見れば、野党の質問に対しては、いや「売込みに関し」で入りますと、一方において、一方の側には、「依頼を受け」で削りますよと、依頼の状況がなきゃこれは灰色になりませんよと、こういういわば玉虫色の見解と、こう評したら間違いですか。

秦野章自由民主党

○秦野章君 玉虫色か何色か、そういうことはわからぬが、要するに、ロッキード売り込み依頼の状況が全然ないんならだめだというのです。この中に入らない。その売り込みの状況、それから状況以上に具体的にそれがはっきりしていれば、これは一番はっきりするわけよ。調書か何かでとれているとか。それは一番はっきりしている。必ずしもそういう状況まで行ってなくても、状況があれば入ると、こういうわけですよ。つまり、状況証拠というのは入りますよ、こういう問題には当然。

内藤功日本共産党

○内藤功君 状況証拠なんというむずかしいものを持ってこなくても、もう時間がないからあれですが、われわれの党の見解では、そういう場合は状況証拠のあるなしにかかわらず、ピーナツを受け取った人は、政府高官、国会議員であればこれは灰色になる、こういう見解です。ほかの党も、社会党もそういう見解かもしれぬ。そういう見解です。  もう一問。これは民社党がこの次の発言順番なんで、民社党にお答え願いたいと思うのですが、民社党の御見解の一番最後のところで、私はちょっとこれ非常に疑問に思っているので、一点だけ聞いておきたい。  それは、公表さるべき灰色高官の中に——(2)の中の6です。6だけ取り上げてみたい。「金銭、物品の収受が賄賂性をおびているが、それが政治団体、後援会等で届け出ているため訴追を免れたもの」、私はこの後の方、後段はいいのですが、前の方の、「金銭、物品の収受が賄賂性をおびているが」。ここでいま議論しているのは、御承知のとおり、政治的道義的な責任の問題なんです。刑事責任を問題にしているのではない。賄賂性を帯びていようが帯びていまいが、つまり刑法上の賄賂としての性格を持とうが持つまいが、ロッキード社及び関連する企業、個人から金品を収受した、授受、受けたもの、こういうことがまさにわれわれが、国会、国民の前に公表すべき灰色高官の態様であろうと思うのですよ。ですから、この徹底究明の場合に、この「金銭、物品の収受が賄賂性をおびているが」という民社党のこの前半部分については、この面で非常な抜け穴が出てくることにならないだろうかということを私は非常に心配するものなんですね。この点について、次の御発言のときで結構ですから、お聞かせ願えればと思います。  最後に、もう時間がなくなりましたので、私はこの自民党の見解につきましてずっと読みまして、人権保護ということを言っている。人権保護一般についてわれわれ異論を唱えるものじゃない。しかし、ここで言っている人権保護というのは、ピーナツ、ピーシズ、ユニットなんというようなものをもらった人の人権であります。このことばかり書いてある。国民の知る権利、この人権は一体どうなったのか。知る権利は、刑法の二百三十条ノ二でも、公の職務に従事する人の名誉棄損については特例があるくらいですね。それからアメリカの判例では、特に特別な統治行為に関係する公務員については、これはアラバマ州モンゴメリー市の警察を統括する地位にある高級公務員についての有名な判例がある。高級公務員の統治行為については最大限の表現の自由が保障されなければならぬという考え方があって、日本の学説や判例の中でも入れられている。こういう知る権利の立場について一言もこれに触れてないということは、これは大変やっぱり前提自体が問題であると私は思うのです。  最後にこのことだけ申し上げまして、私、時間が来ましたから、これでやめます。

三治重信民社党

○三治重信君 私は質問はしませんが、いまのお話で御質問がありましたので、お答えいたしますが、この賄賂性の問題は、余り社交的儀礼ですね、毎年のたとえば常識的な盆暮れ的なものまでも含めることはないだろう、そういうことが入っている。したがって、その前の(1)に「ロッキード社及びこれと関連する国内企業または個人から、金銭、物品を収受したもの。」すべてと、こういう大枠をはめて、それで6で「政治団体、後援会等で届け出ているため訴追を免れ」ているというもの、それは賄賂性のものについては公表すべきだ、しかしあまりにもずっと慣例的にいわゆる社交儀礼的な少額のものまで含まぬでもいいだろう、こういう意味でここに注意的に書いてあるわけです。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 以上をもちまして本日の自由討議は終了いたしました。  委員長から一言申し上げます。  いわゆる灰色高官の問題につきまして初めての試みでいたしましたが、委員長としては非常にきょうは御熱心に有効に自由討議が行われたと思います。この問題はなお、重要でございますので、今後どう取り扱ってまいりますかは、理事会で十分論議いたしまして、こういうことをやるかどうかにつきましても、理事会で御相談してまいりたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十八分散会

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