ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第22号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1976/08/11
会議録
○委員長(剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、峯山昭範君及び野田哲君が委員を辞任され、その補欠として矢原秀男君及び寺田熊雄君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野々山一三君 まず最初に、大平大蔵大臣に、閣僚の主要の一人として今日の政局問題につきまして率直な意見を承りたいと思います。 最初に、きょう実は委員会が一時から開かれることになっておったわけなんですけれども、私が要求いたしておったのは総理大臣、それから福田副総理、大平大蔵大臣、官房長官などなどの出席を求めておったんですが、それは別といたしまして、一時が一時半開会ということになった。それというのは、実は官房長官が出られない、時間が都合が悪いということでおくれたんですが、あなたはいま総理大臣及び福田副総理、そして官房長官がどこで何をやっていらっしゃるか御存じでございましょうか、率直にお知らせをいただきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 私、よく存じません。
○野々山一三君 南平台で十二時から総理と福田副総理とが、つまり三福会談と言われるものがやられていると言われているのでございますけれども、ご存じないのでございましょうか。本当にご存じないとするならば、また後で改めて伺いますけれども、第二に、恐らくこれはあなたが琴平で記者会見をやられた際に、私の読み方が間違っているかもしれませんが、新聞を通して、いまや三木政権ではこの事態は乗り切れないであろう、国会もなかなか問題である。特に財政面から言うなら、財特法というものは緊急な問題であるが、さて三木内閣では今日の臨時国会はなかなか開けないであろうというような趣旨から始まりまして、福田さんと連合するというような趣旨に読めるようなこと。それを自民党はみそぎの気持ちで、自民党の刷新を図らなければならぬ、こういうふうな趣旨のことを述べていらっしゃるわけでございますけれども、それは本当でございますか。そこのところをひとつ、新聞を通しての話でございますので、改めてここで、あなたが大蔵大臣であり、主要な閣僚であり、国務大臣として今日の政局をどういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。これをまず承りたい。
○国務大臣(大平正芳君) 申すまでもないことでございますけれども、国会に対しましては私は大蔵大臣として責任を負う立場にございますので、政局全体について国会に対して答えるという立場にございません。したがって、いま野々山さんの私に対する御質疑はそういう重い答弁を御期待されるというのではなくて、一政治家大平の感想を述べろという御趣旨と受け取りまして申し上げたいと思います。 私が先般、記者会見を通じて申し上げましたことは、今日、内閣と与党が直面しておる事態は容易ならぬ事態である、したがって、これに対処してまいりますためにはよほどの覚悟が必要であろうという趣旨で申し上げたわけでございまして、三木内閣でやれるとかやれないとかいうようなことを申し上げてはいないのでございまして、われわれ内閣におる者、また自由民主党に属する者がそれぞれ真剣にこの事態を憂えて、十分論議を尽くして実のある結論を出して有効な対応をしていかなければならぬという趣旨のことを申し述べたことを御理解いただきたいと思います。
○野々山一三君 これは非常に抽象的な言い方でございますけれども、あなたと福田さんとが話し合いをした結果、この状態においてはどうも三木政権としては政局を担当して十全な能力、機能を発揮することはできないのではないか、したがって、福田、大平というものは連携していかなければならぬというような趣旨の報道がされておるわけなんです。それを裏づけするかのごとく、三木さん、総理大臣は長崎で記者会見をいたしまして三つのことを言われたんですね。ロッキード事件の解明をしなきゃいけない、党風の一新をしなきゃいけない、積み残し重要法案というものは何としてもこれを処理しなければいけない、そのためにはいかなる妨害があってもこれを中断することなく、責任を放棄することはしない、こういうふうに言われたわけでございます。そして、それにつけても福田、大平両閣僚と十分話し合った上で、この事態乗り切り策に当たってこの三つの方針を貫きたいかのごとき趣旨の所信を述べられておるわけでございますが、あなた御自身の、その総理の見解、それからいま申し述べられたような気持ちという間に、率直にここは大蔵大臣という次元だけではなくて、天下を論ずる上に主要な閣僚の一人であり、俗っぽく言って申し訳ないんですけれども、大平派の領袖といたしまして、この事態をどうすることが国民の皆さんの期待にこたえ、政治不信感を解消するということになるのかという意味で、この以上申し上げた二つの点をも含めまして、あなたの見解を改めて伺いたいわけです。
○国務大臣(大平正芳君) 内閣の一員として、また党員の一人といたしまして、この事態に対しまして虚心に、かつ国の次元、党の次元に立って真剣に改むべきは改めて対応をしていかなければならぬと考えることが基本でございます。そのためには党内の同憂の方々と篤とお話し合いを進めてまいりますのは当然のことでございまして、記者の方々から福田さんとはお話をしていくつもりかということ、そういう御質問でございますから、福田さんとももちろんお話し合いをする用意がございます。ほかの方とどうかと問われれば、ほかの方ともやらなければならぬことは当然でございまして、私は、そういうことで広く党内同憂の方々と一緒にこのむずかしい局面を乗り切っていくために協力しながら進みたいという心境でいっぱいでございます。 総理が長崎談話で言われておることは新聞を通じて知っておりまして、私どもと話し合いの機会を持ちたいとも言われておるようでございますが、もとより歓迎するところでございまして、そういうお話があれば喜んで応ずるつもりでございます。
○野々山一三君 非常に端的に具体的に伺いたいんでございますが、これ、新聞が間違って書いているのかもしれません、そういうことを前置きしながら、あなた及び福田さんは総理に対して今日の事態打開のために一定の考え方を持って進言するという趣旨のことが書かれている。それから新聞の見出しは、三木さんは大平、福田の見解には批判的である、こう書いてあるんでございますけれども、進言されるおつもりかどうか。進言される内容はどういうようなことなのか。それから、これは三木さんにも——批判的な立場で長崎談話というものが述べられていると書かれておりますが、これは三木さんに伺うことにいたしまして、どういう進言をされるのか。その結果としてどういうようなことを考えなきゃならぬのか。いまあなたのお話で言えば、お答えによれば、自民党の党員として、閣僚として今日を打開するためにいろんな人と話し合うことは結構ですという、総論的にはあなたの言おうとしている気持ちがわかるようですけれども、具体的にどういうようなことを進言しようとなさっていらっしゃるか。その心境を率直に聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、党として非常にむずかしい局面に立っておりますので、党内でいろいろ真剣に話し合いを進めていくということ、とりわけ総裁の地位にある総理大臣との話し合いというようなことは非常に大事なことだと思うわけでございます。党の立場に立ってきわめてフランクに話し合うということは必要なことでもあるし、また有益なことでもあると私は考えておりまして、どういう話をするかということを一々前もって参議院の本委員会で御披露するほど、そんな用意は私にはございません。
○野々山一三君 財政特例法は、あなた大蔵大臣としてどんなふうにしようとお考えになっておるんでしょうか。 それから第二に、ロッキード問題の究明というものが必要だということは国民の世論でございますけれども、これに対してどのように対処しようとしていらっしゃるのか。強いて言えば、ロッキード問題で言えば国民はもっと真相を本当にフランクに公表してほしい、解明してほしい、これが世論だろうと思いますが、そういう意味においてどのように対処しようとしていらっしゃるのか。 第三に、積み残し法といわれている国鉄、電電公社の値上げ法などをめぐってどう考えていらっしゃるか。 臨時国会というのが話題に上っているんですけれども、これに対してどうお考えになっていらっしゃるんでしょうか。 これは大蔵大臣及び、いまの四点については法務大臣は国務大臣という立場で一体どう考えられるのか。そこが非常に精査されていないような気がするんでございます。ロッキード、ロッキード、ロッキードと、ロッキード隠しとかロッキード隠れとかいう言葉がどんどんはやっていることなどから見て、一体国民経済の次元から言って緊急的に何をどうしなければいけないのか、国の財政という次元から、ロッキード問題と絡んで財政という次元からどう対処したらいいかというのは政治家として当然考えなければならぬことではないだろうかというふうに思います。そういう意味で、私は私なりの一つの見解は持っていますけれども、まず御両所のいま申し上げた四点についての見解を承りたい。
○国務大臣(大平正芳君) いわゆる財政特例法案でございますが、この問題はもう野々山さん大蔵委員として重々御承知のとおり、最大の歳入法案の一つでございまして、三兆七千五百億という歳入を期待できない場合は財政の運営ができないことは重々御承知のとおりでございます。いまわが国の財政運営はこの法案が適時に最小限度の支障で通るであろうという、成立するであろうという期待の上で行われておるわけでございまして、これがおくれますと財政運営というものは危殆に瀕するわけでございまして、いま財政運営は正常な状態ではないわけなんでございます。本来このタイムリミットはいつかということをよく人に聞かれますけれども、タイムリミットというのは予算が成立した日でして、そのときにこの法案はできていなければうそなんです。これがまだ成立していないなんということがおかしいんで、こういう状態で長く放置しておくなんということはもう耐えられないことなんでございます。そこで、これは一日も早く通していただかなければならないということでございますので、なるべく早く臨時国会を持っていただいて審議を進めていただいて成立を期していただかないと、これはひとり財政の運営ができないばかりか、財政運営が危殆に瀕することを通じまして経済自体に深刻な影響を与えることを恐れるわけでございますので、そのことを一日も早くお願いしなければならぬということでいっぱいでございます。 それからロッキード問題の究明、このことは私も究明をおろそかにしてはならないことでございまして、政府並びに国会がこれの究明を急いでおるということに対しまして協力をしていかなければならぬ立場におるわけでございまして、いささかもこの究明に対して支障が起こるというようなことのないように心がけていくべきだと思うのであります。 財政特例法案の成立という大事な国務と、それからロッキード問題の究明ということは、私は両立しないはずはないじゃないかと考えております。 それから、その他の歳入法案、鉄道関係運賃改定並びに電気通信料金の改定。これは財政特例法案と同様に重要な歳入法案でございまして、これまたすでにもうタイムリミットは過ぎておるわけなんでございまして、きょう一日一日赤字が滞積していっておるわけでございます。国鉄並びに電電公社の運営自体が困難になり危殆に瀕するばかりでなく、これがやがては国の経済あるいは雇用に深刻な打撃を招来することになりかねておるわけでございまするし、またこのことがわが国の労使関係の安定という立場から見ましても、こういう状態に放置しておけないのじゃないかということを心配いたしておるわけでございまして、これもまた時間的余裕のない、きわめて緊切な国務であると考えておりまして、臨時国会を早く持っていただきまして、この成立を急いでいただかなければならぬと考えておるわけでございます。したがって、この臨時国会は、こういうロッキード問題の究明、それからさしあたって緊切な課題でございまする国務としての歳入法案の成立を図っていただかなければならぬという非常に重い任務を持った臨時国会でございますので、これを開会し、この開会とその審議の促進ということについては、われわれといたしましては内閣・党全体が命運をかけて全力を投入して当たらなければならぬのじゃないかと、そして国民の期待にこたえなければならぬのじゃないかと、そういう私は気持ちでいっぱいでございます。
○国務大臣(稻葉修君) 大蔵大臣の申されたとおり、まあロッキード問題の解明を一日も早くやって、一日も早く臨時国会を開いて、いま大蔵大臣の言われた三法を通す、国民生活の安定を守る、こういう念願でありますので、ロッキード問題の解明の終わりの方と臨時国会の初めの方と、ここへ来ては部分的に重なり合うのもやむを得ないじゃないかというふうに私は思います。
○野々山一三君 率直に伺いますけれども、これは風説でございますが、いま御両所は一日も早くロッキード問題及び緊急経済問題と言われている積み残し法を処理するために臨時国会を早く開きたい、こういうふうに言われているんですが、実際には、こういう公式な場所では早く開きたい、実態的にはどうも余り早く開いちゃいけない、というのが閣内の一つの説ではないかと伝えられる。また風説として私ども耳に入るわけですけれども、本当に早く開きたいということなんでございましょうか。 で、第二に時間がないから急ぎますけれども、田中前総理が逮捕起訴される事態というのはまさに異常な事態でございまして、しかも与党内部と言っては申しわけございませんけれども、与党内部はなかなかいろんな意味でまとまっていないのではないか。そこで、申し上げたように、臨時国会を開きたいというが、余り早く開かせちゃいけない、ロッキードがあるではないかと、こういうような風説でまさに混乱しているのではないかと想定されるわけです。それは、言うならば政権担当者としての三木内閣というものは、もはや今日の事態に対処して指導的に解決していく能力はないのではないかとさえ思われる。それが、言うならば大平さんが琴平で、本当ならばもうここでは自民党は政権をかわって野党に渡すべきだけれども、野党の方はどうも受けざらがないようだから、これは自民党の一体化を図って、何とか政局を打開していく以外に道はないかのごとく述べられたように——聞かれたから答えられたのかもしれませんが、どっちでも、そういう趣旨のことが報道されておるわけでありますが、それは一体どんなお気持ちでしょうか。私ども社会党という立場から言ったり、あるいは野党という立場から言ったら、今日のこんな混迷した政局というもの、経済状態、社会状態をも考え、かつ国民の政治不信感というものをも思い連ねるならば、この際内閣はかわった方がいいじゃないかと、一日も早くかわった方がいいじゃないかと、そして野党に受けざらがないから野党には渡せぬという、そういうことについては私どもは意見がある。むしろやっていこうというぐらいな気持ちがある。それに対して、一体それではどういうふうに対処されるんでしょうか、これが第二番目。 第三番目に、官房長官お見えでございますから、現実的な問題についても伺いたいんでございますけれども、衆議院の方で、議運の理事会で、臨時国会を開いてほしいと提起されたようでございますね。これは政府は臨時国会をいつ開きたい、こんなおつもりなんでございましょうか。参議院の方では、何かきのう議運の理事会で、野党は全面的に、今日目的意識がないような臨時国会を開いたってしょうがないではないか、したがって反対だと、こういうような表明をされたように伝えられておるわけでございますが、それに対して内閣としてはどういうふうにお考えになっているか。政局打開のためにという意味で、以上の三点を前提にして、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 臨時国会の開催でございますが、臨時国会は召集いたしましても、与党、野党、各党の御協力がないと審議が進まないことは当然なことでございますから、この重要な懸案の消化ということが非常に緊切な課題であるということについて十分な御認識を、各党の御認識を得まして、それで審議が促進されるということをこそこいねがっておるわけでございまして、内心おくれてもいいなんということを私ども毛頭考えておりませんし、そんな余裕は全然ないんでございます。 それから第二番目は、第二番目の問題は何でしたかね——野党に政権を渡すのが民主主義のルールである、しかし、野党の方にそういう御用意があるように見えないので、と私は思うので——これは私の意見ですよ、政府・与党がそう考えているとかなんとかいうんじゃない、私に意見を求められたから、大平正芳としてそういう意見を述べたにすぎないんですから、私はまあそのように見ます。それでやっぱり、これは自民党で自己革新を遂げてこの事態に対処しなけりゃならぬという、私の見解を述べたんで、これは政府・与党を代表して私言ったつもりじゃないんです。そのことは誤解のないようにひとつしていただきたいと思いますし、野々山さんには野々山さんの御意見があろうと思います。また確信もあられると思いますけれども、私はああいう見解を持っておるというまでのお話としてお聞き取りをいただきたいと存じます。
○国務大臣(井出一太郎君) いま大蔵大臣がお答えになりましたことでまあ政局なりそういう点では尽きておると思いますが、御案内のような前総理の逮捕という非常な衝撃を受けましたので、自民党内もその渦中にあったことは御承知のとおりで、それから立ち直るべくいま鋭意努力をいたしておるさなかでございます。また内閣、これは一体になりまして整々と一糸乱れない形で目下の政局に対処しておるつもりでございます。 それから臨時国会の点でございますが、この五日の日に私、衆議院の議運へ参りました点はいま御指摘のとおりでございます。これはまあ召集は政府がいたすにしましても、当然国会の御協力を得なければなりませんので、当日議運の理事会に、まあおよそのめどはこんなことでありますが、ということで、お願いかたがた議運の皆様の御感触をも確かめたいと、かようないわばお願いにその日はまかり出たような次第であります。
○野々山一三君 衆参両院議長は、今日の事態で——事態でという抽象的表現でございますけれども、与党内部の若干の混乱、それから前総理の逮捕をめぐるロッキード事件のまあ捜査、解明の現況、こういうのから見て、八月中に臨時国会を開こうと思ってもそれは無理ではないか、というような趣旨の見解をマスコミを通して述べてらっしゃるんですけれども、いま御両所おっしゃる、その野党の諸君の御理解、協力を得て一日も早く開きたいなと思う気持ちを、感触をうかがいかつお願いに上がったなんていうふうにおっしゃるんだけれども、野党もさることながら、与党——これはまあ別として、院の役員、最高責任者である議長でさえも、いまの事態で八月中に開けないではないかという趣旨のことを言ってらっしゃるが、その点に対してどういう認識をお持ちでしょうか。つまり、もっとずばり言えば、中曽根幹事長のもとにおける自民党執行部のもとで国会を開いたってそれは今日の事態を乗り切ることは困難だと、こういうことまでつけ加えられて言われているじゃございませんか。それに対して、中曽根さんを処理しなければ、幾ら大平さんが、タイムリミットを越えて、経済的には緊急的な問題でございます、一日も早く開いてください、法律は通してくださいとおっしゃられても、事実上は困難じゃございませんか。その責任は一体、内閣の全体を代表してらっしゃるかどうか知りませんが、官房長官として一体どうしようとなさるんでございましょうか。その責任問題を含め、中曽根さんの問題をも含めて、どうしようとなさるのでしょうか。それを通して第三に、中曽根さんの疑惑というものがなかなか大変な問題として、黒いとか灰色とかどころじゃない、もう大変なお話が出ているじゃございませんか、など、これを解決しなければ、解明に熱心に努力しますと言ってみたって、政治も解決しない、政局も打開できない、国民の期待にもこたえられない、経済的にも非常なピンチとでも言うべきそういう事態、それを乗り切るためにどういう責任をお感じになってどうしようとなさるんでしょうか、これをひとつ十分に皆さん御理解できるように、私もわかるようにひとつ述べていただけませんか。
○国務大臣(井出一太郎君) 両院の議長さんの御見解にお触れになりましたが、これはまあ私も報道を通じてさような記事を拝見をしたという程度でございまして、いずれまあしかるべき筋を通しまして議長さんの御見解なぞもよく伺った上と、そしてまた、議長さんにも御協力をお願いをすると、こういうつもりでおる次第であります。 また、いま幹事長のことにお触れになりましたが、現在非常に精力的に幹事長みずからこの難局に処理すべく努力をいたしておるさなかでございまして、私どもは中曽根幹事長を信頼して、そして、これからの政局に対処していただきたいとかように考えております。
○野々山一三君 ずっと御三方のお答えを伺っておりますと、ごくもう平ったく申し上げて相すまぬのですけれども、きれいごとを並べていらっしゃる、こうありたいなあという悲願を述べていらっしゃるとしか考えられませんよ。私は先ほど伺いました、そういう事態を打開したいなあという気持ちはわかるが、その責任を社会的に、国家的にどう対処しようとお考えになっているのでしょう。三木さんは長崎で、どんな妨害があっても、責任を放棄することはしない、この三つの目標を貫きたい、こういうふうに聞こえるような、三原則とでも言いましょうか、三点を強調されていらっしゃるけれども、それも承知の上でなおかつ責任問題としてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、これはあなたを筆頭にして、大平大蔵大臣、国務大臣として、稻葉法務大臣、国務大臣として、あなたも国務大臣として、官房長官としてのそういう二つの立場ではっきり答えてください。
○国務大臣(大平正芳君) 冒頭にお答えを申し上げましたように、大変むずかしい局面でございまして、政府・与党といたしましてみんな真剣にこの事態の打開に全力投球をしなければならぬわけでございます。私もその決意で当たらなければならぬと心得ております。
○国務大臣(井出一太郎君) このほど長崎で三木総理が三つの問題に触れて決意を明らかにしたことは御指摘のとおりでございます。まことにむずかしい局面ではございますが、何と申しましてもいま行政の最高の責任者としまして、この事態というものを無責任なままで放置するわけにはまいりません。その気持ちを率直に申し述べたわけでありまして、私ども困難は承知しておりますけれども、その線に沿ってできるだけの努力をいたしてまいる所存でございます。
○国務大臣(稻葉修君) 国務大臣といたしまして、まあこういう不幸な事件が起きました。前総理が逮捕というような事態は党全体としてやっぱり国民に政治責任を感ずべき筋合いのものであると、党全体として反省を要する問題であると、同時に自民党の内閣ですから、三木内閣としても反省すべき重大な問題であると、こう思うんで、したがって、閣僚もそういう反省の上に立ってよくお話し合いになれば打開の道は開けるんではないかと、また開いてもらわないといかぬというふうに思います。こういう事件になって国民はいまさらのごとく政治とは一体何なんだという問い詰めをしているんで、重要閣僚が何か意見の対立あるかのごとく報道をされておりますのは、閣僚の一人として、国務大臣としてまことに憂慮にたえません。しかし政治家の倫理観に立ってこの政治腐敗の原点を反省されますならば、現三木総理を中心として一致団結して、臨時国会も重要な国民生活に関係ある三法案も通していくのが政治責任を国民に果たす一番重要な要諦である。とにかく私どもとしては主要閣僚が一致団結仲よくしてもらいたいと、またそうすることは必ずできるもんだと、お話し合いになればできるもんだと、こう思って、そんなに私あわてて深刻に悩んでおりませんな。
○野々山一三君 時間がありませんから、いま御三方のお答えを私一言に申し上げるならば、三木内閣のもとにおいて、また自民党の長期にわたる政権下において、これほど国民から疑惑を持たれ、不信感を持たれるようなロッキード事件などという事件を起こしたことに対して重大な責任を感ずる、そしてまた反省をする、そして憂慮にたえなにということが——今日御三方しか御出席ないもんですからあれですが、御三方の統一した社会に対する国家に対する責任であり表明である、こういうふうに承っていいんですか。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりです。
○野々山一三君 私は、いま大平大蔵大臣が代表されて私の述べた説のとおりであるというふうにお答えになりましたことでございますだけに、閣僚のそれぞれといたしまして、閣内でその責任、反省、憂慮している、その事実を十分に総理に進言されて、この事態打開のために一日も早い解決をなさるということを改めてここで進言申し上げ、あなた方のひとつ所信を聞きたい、これが一つです。 それから言葉じりをつかまえるわけではございませんが、与党内部、閣僚内部において混乱があるなり不信感があるなり、亀裂があるなりとするようなことは、話せば一致できるはずであるということは、裏を返せば多少の混乱があり、亀裂があり、意見の不一致があるかもしれないので、話せばその不一致を解決することができる、こういう意味に受け取めてよろしゅうございますか。それは重大な私は社会に対する責任を担当し、その責任感に基づいて国民の皆さんに政治信頼を回復する道へ進まねばならぬということの意思表明があったものと、こう解してよろしゅうございますか。 この二つの点について改めて伺っておきます。
○国務大臣(大平正芳君) 閣僚として仰せのような趣旨で今後努力することは当然のことだと思います。 また、閣内におきましても、党内におきましても、意見の相違とか見解のニュアンスの違いとかあってしかるべき、あってもいいんですと思いますが、問題はまあ内閣は一つでございますし、党は一つでございますから、究極において一つにまとまって国務を遂行していくことに支障がないようにやらにゃいかぬということは、当然われわれは心得ていかにゃいかぬものと思います。
○野々山一三君 次に、捜査の問題に絡みまして伺いたいんでございますけれども、名前を申し上げることは私も差し控えたいが、マスコミを通して報道されているものの中に、ロッキード事件をめぐるアメリカ側の資料の高官名ということで、八名の議員の皆さんの名前が公表されているわけなんですが、これらの人達について捜査という、事件捜査という次元で実際問題として捜査、調査というか、法律用語は私わかりませんが、そういうことが調べられておるんでしょうか。これが一つです。 私が先ほど来責任論、反省論というものを申し上げたものの中に、やっぱりこれは率直に申し上げて、政党政治ということが、言葉が実態的に当たるのが今日の日本の政治の実態だろうと思う。その中に中曽根さんの名前が出ているんですけれども、そのほかまあ数々八名の方の名前が出ておりますが、これらはアメリカ側の資料という観点からということと、捜査という次元でどのように、どういうふうに捜査がなされているんでしょうか。これを簡単にひとつ述べていただきたい。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事局長から答弁させます。
○説明員(安原美穂君) アメリカ政府から関係の資料を入手しておりますことは事実でございますが、その内容を申し上げるわけにはいかないわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思いますと同時に、新聞紙上種々伝えられております氏名は氏名といたしまして、われわれ捜査当局といたしましては、具体的な名前を名指してだれだれを取り調べておるというようなことは申し上げるわけにはまいりません。ただ、すでに逮捕状を請求し、勾留をしております田中前総理につきましては、現に捜査中であることは紛れもない事実でございます。
○野々山一三君 捜査上いろんな人の名前は言えない、勘弁してくれと言われる気持ちはわかるんでございます。それじゃあなた方、よく答弁に使われるそれらの人は、ある人から質問されて、こういう名前の人が挙がっているわいと言われると、俗に言う重大な関心を持っていますとかいうふうにお答えなさるのと、いまの答えられませんとの関係はどういう関係でありましょうか。これが一つ。 それから、重大な関心を持っていらっしゃるのかどうか、その点についてずばり答えてください。
○国務大臣(稻葉修君) 私に重大な関心を持っているかどうかとお聞きになれば、関心を持ちますな、それは党員ですからね。それから党の重要な役職にある人ですから関心を持ちますな。しかし、捜査当局が関心を持ってどういうことをやっているか、それは捜査当局が捜査をする必要があると思えば捜査をするでしょう。
○野々山一三君 捜査当局が必要があるとすれば捜査するでしょうと。しようというところに大きな意味があるように思いますが、そういうふうに受けとめてこの問題は終わっておきます。 これはなぜか、一言付け加えますが、必ず重大な関心を持っていますという答弁がなされたときには、これらの人は疑惑の中心的人物として何らかのかっこうで刑事上の捜査対象になったりしていますねという事実がございますからね。事実があるということだけ申し上げておきます。 その問題についての中曽根さんを初めとする問題については、後で同僚議員から直接聞かれるそうですから、その人にお任せすることにいたします。 最後に二つ。一つは事務的なことでございます。委員長及び政府当局に伺うんでございますけれども、衆議院におけるロッキード特別委員会の委員長であります田中議員が京都において講演をなされたときに、このロッキード問題の解明に当たっては、言うならば、十分な捜査解明をするということで、こういう新聞によれば灰色高官名は必ず公表させる、政府が公表しない場合、議院証言法を適用して内閣にリストを提出させると、灰色高官公表に強い態度をもつて臨む姿勢を明らかにされた。委員長は一体、田中さんと見解が一緒でございますかということを伺います。あなたは、私流に想定して先走って申しわけないが、さようなことは理事会で相談いたしますとこう言われるだろうと思いますが、それとは別に、委員長としてこの問題に対して、特別委員会が設けられた趣旨、そして運営される意味、委員長という立場、地位というものからしてどんな見解をお持ちでしょうか、これが一つ。 それから大平さんはまあ大蔵大臣としてというか、国務大臣として先ほど伺った限りにおいて、ロッキード問題の解明に当たっては、最大限これを国民の理解されるように、国会で理解されるようにしなければならぬ、協力をしなければならぬという趣旨のお答えがございました。そこで一つは提案という意味で私は所見を伺いたいんでございますけれども、ロッキード問題の解明に当たっては全日空ルートと言われ、あるいは丸紅ルートと言われ、あるいは児玉ルートと言われていますその三つのルートを通してのうち、全日空ルート問題、丸紅ルート問題というものはやや事態の捜査などの結果として全貌に近いものが見えてきたように思うんでございます。児玉事件というものは、児玉ルートと言われるものはほとんど十分に解明されていない。そのために国民の側からすると、一体ロッキード事件は児玉という人が病気であるというゆえをもってこれで政府高官を含めて事件の解明と言っているけれども、実際は解明できない、解明どころか、ロッキード隠しになっておるではないか、こういうふうに言われているわけなんですね。それについて一体どう対処するかということを頭に置きながら、一つは捜査過程が時々ちょこちょこちょこ——私があえてちょこちょこちょこという言葉を使うのは本当にちょっとだけぐらい議会で質問されると答えられるというようなかっこうで報告されていますから、議会を通して、つまり国政調査権を通して解明というものがされていないではないかという印象を多く国民は持っているんじゃないでしょうか。そこで中間的な捜査の状況及び灰色高官などを含めまして、委員会を通し、国会を通して解明、公表する気持ちはないか、中間的にすべきである、公開すべきである、したがって公開するつもりはないのかということが第一です。 第二はその捜査の過程、これは第一とつながりますけれども、捜査過程について、時々ときどきの焦点になるようなものをこの委員会などを通して報告し、発表する気持ちはないか、これは委員長もそういうことを求める気持ちはないか。 第三に、事件がめどがつくとかつかぬとかという言葉がはやっていますけれども、事件がある段階でめどがついた、事件解明のめどがついたという事態においては、その資料を国会を通して公表するつもりはないか、すべきであるというのが私の見解なんですけれども、するつもりはないか。その理由づけとして刑訴法四十七条のただし書き「公益上の必要」という、そのただし書きを使ってでもこれを解明し、国民の政治信頼を回復し、不信を解消してもらいたい、事件を解明してもらいたい。解明しますと三木内閣は言い続けてきたと私は理解しているわけでございます。それだけに、いま申し上げた三点について明らかにする気持ちはないか。これは法務大臣及び法務当局にその気持ちを聞きたいわけでございます。 私は、これは国政調査権がどういうものであるか、司法権がどういうものであるかというものについての分野、三権分立のたてまえというものを一応は頭に置きながら、なおかつ主権者は国民であるという次元からいまの提起をしておるわけでございますが、その点について見解を承りたい。 もう一つだけ、官房長官おくれていらっしゃったからという皮肉を言いながら申し上げるのですけれども、いまの衆議院の解散という問題は一体どういうふうになるんでしょうか。十二月九日が任期でございますか、任期満了の日でございますか。そうすると、解散権を使う気持ちがあるか。もう時間がないからずばり言いますよ。あるいは通常選挙として告示、総選挙をやるというお考えなのか。それは一体どの——三木さんの手によってやるのかやらぬのか、率直に聞かしてもらいたい。憲法上の次元からも含めましてそれを聞かしてもらいたい。なぜか。私は、もうこういう議論を委員会、議会を通してやりますと、しょせんは政争の具と言っては悪いけれども、党派、派略、そういう次元からいろいろ議論をされてしまっていくために、結局憲法論だ、刑法論だ、云々というものが消えてしまって、一層国民に政治というもの、政治家というものを含めまして不信感を持たせることはどうもあたりまえだ。これを今日解消することが、日本の政治危機と言われる、この危機とも言われるような課題を持っている時期における政治家の使命であり責任ではないか、そういう次元でその趣旨のことを三つ並べてお伺いをいたしたいと思います。
○委員長(剱木亨弘君) 委員長から野々山君にお答えいたします。 ただいまロッキード委員会における委員長の考え方についてお尋ねがございましたが、また、ロッキード調査委員会が置かれました目的に従いましてあくまでロッキード問題を究明し、なおこれに関連する政治的道義的な責任を追及することを目的としてあくまでそれを完遂していく決意でございます。 ただ、いわゆる灰色高官というものに対しまする委員会の取り扱い方につきましては、灰色高官は何であるか、またどういう方法でこれを追及するかは、これは十分理事会におきまして各会派の方々の意見が一致した線に沿いまして委員長は進めていきたい。本日、この旨をロッキード委員会の理事会におきまして、委員長としてもそういう提案をいたしております。まず委員会自体が、国会自体がやはりこの問題は徹底してこれに取り組むものと考えております。
○国務大臣(稻葉修君) 後で刑事局長に補足してもらいたいと思っていますが、この中間報告をする意思はないかという点につきましては、捜査の途中で捜査の内容、方法等について中間報告はできませんね。それから、捜査終結の時点において国会の国政調査権に最善の協力をすべきことは当然であります。やはり刑事責任追及、犯罪捜査活動の担当者である検察、法務当局としては、それをまずある程度、ある程度と言うか、相当に刑事責任の全貌はここまで来ましたという段階において報告すべきものであって、調査の中途に、これからこういうことをやって、こうやって全貌を明らかにするつもりでございますなんということを、幾ら国会、国権の最高機関といえども漏らすわけにはまいらないわけですから、そういう内容の中間報告はできませんと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま解散に触れてのお尋ねでございますが、これは大変重大な問題で、私がお答えを申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○寺田熊雄君 関連。 大蔵大臣が御退席になるようですからこの際特にお尋ねしたいんですが、大蔵大臣は田中内閣当時外務大臣でいらっしゃったですね。あなたが外務大臣でいらっしゃった当時、イギリスのヒース首相が日本に来られました。これは四十七年の九月十六日から十九日まで日本におられたようです。その間、田中総理と九月十八日に会って話をせられておるようですが、日英貿易関係などを話されたようですが、そのときにヒース首相からロッキードを買うように田中総理に依頼したと、そういう事実があるということが、当時ある経済専門の雑誌に報道せられておるわけです。それはL1011が御承知のようにロールスロイスのエンジンを取り入れていたから——当時ロールスロイスは倒産しておりましたね。そういうようなことで、ヒース首相としてもL1011をひいきにして田中さんにその採用を勧めたという事実があるようですが、大蔵大臣はその点について聞き及んでおられないでしょうか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) これは私が御答弁申し上げるより外務当局からお聞き取りいただくのが順序かと思いますけれども、私は、当時外務省をお預かりいたしておりましたのでお答えいたしますけれども、この重要な外交上の会談でございますが、それは会議録がとってございまして、その内容にわたることでございますので、正確に申しますと、相手国の了承を得た上でないと申し上げられないと思いますが、ただ、私は当時その会合に同席したと思います。それで、私、その後記者会見をした記憶を持っております。で、その記者会見で、いまあなたが言われたような御質問を受けたことがございます。そこで私は、その当時問題になりましたコンコルドの購入の問題でございますとかロールスロイスの購入問題と、そういう個々の商品の購入問題は問題にならなかったというように答えた経緯は覚えております。
○寺田熊雄君 もう一つ、当時の外務大臣であられたあなたにお尋ねするんですけれども、四十七年の十一月に輸銀法の改正が行われました。これは融資対象を航空機にまで広げたわけですけれども、あなたは田中・ニクソン会談、ハワイ会談ですね、これにも一緒にいらっしゃったし、ニクソン、田中などがワイキキの海岸を散歩するときにもあなたは一緒にいらっしゃった。ニクソンがいかにロッキードをひいきにしていたかということ、これは融資補償法を議会に提案したような事実からもうかがわれると思うんですが、そういうような、田中さんはもちろん私はそういうニクソンの気分を知らないわけはないと思いますよ。あなたも終始田中さんと同席しておられて、そういう雰囲気というものはとうに御理解になっておられると思うんですが、あなたのいままでのこの問題に関する御答弁は、この改正は大蔵省がイニシアチブをとったということだけはおっしゃっておられるわけです。大蔵省がイニシアチブをとるということはわかりますけれども、そこに田中前総理のそういう暗黙の依頼なり、あるいはサゼスチョンなり、要望なり、指示なり、そういうものはなかったんでしょうか。これはいずれ歴史的に明らかになることだと思うんです。あなたはそういう、それがあったと言われるのか、なかったと断言できるのか、その点はひとつはっきりとこの際御答弁願いたいと思いますが。
○国務大臣(大平正芳君) 四十七年の秋の輸銀法の改正でございますが、それまでの輸銀法は、まあいわば輸出促進型輸銀法と申しますか、そういうものであったと思います。その改正によりまして、輸出入に対して開放型の輸銀法になったというものでございまして、この輸出促進型の輸銀法であるということに対しましては、かねがね、寺田さんも御承知のように各国からいろんな非難があったわけでございます。で、わが国といたしましてもそういう状態からなるべく早く脱却をいたしたいという念願を持っておったわけでございますけれども、わが国は明治、大正、昭和、約百年の間、資本の輸入国でございましたし、国際収支に常に悩み続けた国でございまして、大胆にそこまで踏み切るわけにはいかなかったんでございますけれども、ようやくあの段階になりましてそういう改正ができる状態、そういう力を培うことができてまいったわけでございます。したがってあの当時、国全体といたしましてこの輸銀法の改正というものはやれる基盤を持ってまいりましたし、そういう世論的な背景を持っておったわけでございますから、どなたが総理大臣であろうと、どなたが大蔵大臣であろうとも、当然取り上げられるべき時期に取り上げられるべき案件が取り上げられるべき方向において取り上げられたというように私は素直に見ておるわけでございます。したがって、普通の案件と同様に十分各省の間の話し合い、協議を経まして、閣議の手順を経まして改正案が提案されたので、特に総理大臣が何か指示をされたとかいうようなことがあったようには私は思えません。
○矢田部理君 私は、中曽根康弘氏をめぐる疑惑と問題点について、先週より各党から出されておりますが、引き続き質疑を交わしたいと考えています。 わが党の久保議員が先週も指摘したところでありますが、ロッキード事件をめぐる中曽根氏の疑惑の一は、四十七年十月九日のPXL国産化白紙還元について、国防会議議員懇に出席しておりながら発言をしなかった、このことが第一の疑惑であります。御承知のように、中曽根氏は防衛庁長官時代に国産論を大々的にぶち上げる、PXL国産化論者でもあったはずであります。しかも議員懇の時期には通産大臣であります。通産省は一貫して国産化の方針を貫いてきました。とってきました。その通産大臣の地位にありながら、突如として行われた白紙還元、防衛庁ですら寝耳に水として受け取られた白紙還元について、この際一言あってしかるべきだと思われるわけでありますが、全く発言をしないで了承をした。消極的態度をとった。これは中曽根氏の持論からして、通産大臣という立場からしてもどうにも解せない、納得のできない疑惑の一つであります。言うならば、不作為の作為犯的態度をとったのではなかろうかという疑惑を持たざるを得ないわけであります。 そしてまた、中曽根氏の第二の疑惑の問題点といたしましては、四十八年六月十五日の参議院本会議における中曽根通産大臣の発言であります。ここで中曽根氏は、従来見落されてきたわけでありますが、PXLについてきわめて重大な発言をいたしております。つまり、PXLについては輸入を示唆するという発言が改めて問題にされなければなりません。これはわが党の上田哲議員の質問に対する答弁でありますが、上田氏の質問の内容は、田中総理や通産大臣に向かって、いよいよ四十八年の七月末には再び田中・ニクソン会談がある、そこでPXL等の輸入を約束をするのではないかという危惧の念を表明をしながら、断固としてノーと言えるかどうかと、はっきり答弁をしなさいということで非常に語気鋭くこの問題について迫っているのでありますが、それに対する中曽根通産大臣の答弁が、先ほど申し上げましたように、従来国産論者であった、PXLについても国産論の立場をとっていたというふうに言われている中曽根通産大臣が、輸入を示唆するという重大な発言、答弁を本会議で行うわけであります。これは議事録等を精査していただけばはっきりわかるわけでありますが、「最近は、国際収支の点も考慮に入れたらいいのではないかということも、一面考えております。」云々として、その後PXL問題等についても触れているわけでありますが、この中曽根通産大臣の発言を非常に業界は驚異、驚きの目をもって迎えるわけであります。 翌々日の日経新聞によりますれば、「PXL 輸入の線強まる 防衛産業界、一斉に反発」と、非常に厳しい、激しい反発が川重その他から出るわけでありますが、こういう重大な発言をしている。この発言は、PXL白紙還元直後に、田中前総理が外人記者クラブで輸入にウェートを置いて検討するという発言にも匹敵する重大な発言であり、とりわけ中曽根氏の従来の持論から考えるならば、見逃してはならない意味のある発言だと、私たちは第二の疑惑としてこの問題を提起するゆえんであります。 とりわけ、この時期の情勢を考えてみますと、七月の三十一日から翌八月の一日には第二次の田中・ニクソン会談が予定をされています。ここで白紙還元をし、P3C導入に道を開いたと言われる四十七年段階の状況がさらに内容的に煮詰まるのではないかということが当時の見方、問題点の一つでありました。そういう中で上田哲議員が問題を鋭く指摘したわけでありますけれども、その間に、御承知のように、海幕は、六月の二十九日でありますが、外務省を通じてP3Cのリリースの可能性を正式に打診をする。そして、七月の三十一日、つまり田中・ニクソン会談のある日に正式にリリースは可能という回答をアメリカ政府から受ける。しかも、この時期、児玉は、七月の二十七日でありますが、P3Cについてもコンサルタント契約の中に条項として追加をする。もう一つここに大きな疑惑の山があり、しかもその中で中曽根通産大臣の本会議における答弁がきわめて重視されなければならないというふうに私どもは考えています。 そこで、この疑惑を裏づける重要な情報が最近流れています。ただいまから申し上げますけれども、「コリー」という名前の領収証が存在するのではないかという疑いが持たれています。防衛庁、コリーというのは何を意味するかわかりますか。
○説明員(江口裕通君) ちょっといまの段階では私ども何とも判断がいたしかねます。
○矢田部理君 これは余りにも有名な話ではありませんか。ピーナツ領収証その他とあわせて、一時期はカリフォルニア米領収証があるといううわさ、情報も流れました。同時に、最近ではコリー領収証の存在が取りざたをされているわけでありますが、コリーというのは、イタリアの「パノラマ」誌によればロッキード社の暗号なんです。あなた方防衛庁を意味する暗号なんです。わかりませんか。その他、丸紅は何と呼ぶなどという一覧表がございますけれども、犬の名前でありますが、犬の名前になぞらえられているというのが実は防衛庁なんであります。 そこで、私どもが得た有力な情報として、コリー領収証の中身について申し上げます。これは四十七年と四十八年の二回発行されているわけでありますが、四十七年度分は二億八千万であります、金額が。四十八年は三億六千万円。三億二千万円という説もありますが、合計で六億円ないしは六億四千万と言われております。領収者名は中曽根康弘事務所であります。判こは「佐藤」という印影が押されているようであります。その領収証を出したあて先は、いま問題になっております太刀川恒夫あてであります。その領収証のただし書きのところに、御承知のように、領収証のお金の授受の趣旨が書かれるわけでありますが、ただしコリー関係分という記載があるとされています。こういう領収証の存否等について検察庁あるいは警察等は情報を得ているでしょうか。その点をまず伺いたい。
○国務大臣(稻葉修君) 中曽根氏に対する十月九日の会議のPXL白紙還元とかいう点についての黙秘、暗黙、黙っていたということはどういうのかと、疑惑があるじゃないかというんですが、私からそれ、お答えすべき……
○矢田部理君 いや、そこは聞いておりません。
○国務大臣(稻葉修君) そうですか。いや、あなたおっしゃったからね。いかにももう疑惑濃厚でというふうに印象づけられますけれども、新聞にも中曽根談話でやっているように、防衛庁も——当時防衛庁長官でもないし、自分は通産大臣だから、防衛庁長官も認めているのに自分が横から文句の言うことでもないであろうというので黙秘しておったとか言ってました。 それから、もう一つの参議院の答弁でございますけれども、通産大臣としてはやっぱり貿易のことの主管大臣でありますから、国際収支だとか、そういうことについても相当な職務を持っているわけですから、国際収支のことも考える必要があるという答弁は普通の答弁として受け取ることもできるやに思いますわな。 それから、コリーという領収証、これはどうも私いま存じませんが、いずれにせよ、捜査当局が中曽根氏を捜査する必要ありという確信を持つに至ればそれは捜査するはずです。法務大臣としてこれに政治関与をする意思は毛頭ございません。
○説明員(安原美穂君) ただいま御指摘の領収証の存否につきましては報告を受けておりません。
○矢田部理君 警察はどうですか。
○説明員(土金賢三君) ただいまのようなお話については承知しておりません。
○矢田部理君 報告を受けていないという言い方はきわめて紋切り型なんでありますが、そういう問題について私が指摘をしたわけであります。しかも、かなりの人の間にこの問題はいま広がりつつあるわけでありますから、少なくとも警察、検察当局としては重大な関心を示して、その真否等について確かめる用意があってしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(安原美穂君) こういう参議院のロッキード特別委員会における御指摘でございますので、捜査当局にも当然伝わることとは思いますが、それについて真否を確かめるべきかどうかということは、捜査当局の判断に任せたいと思います。
○矢田部理君 あなたは報告を受けているのかいないのかわかりませんがね、もう一つ重大な事実があるわけですよ。 いま私が指摘をした領収証、原本かコピーかはわかりませんが、この八月六日、と言われています、少なくともそのころに東京地検が押収ないしは領置をしているはずでありますが、その状況は御存じありませんか。
○説明員(安原美穂君) 遺憾ながら承知しておりません。
○矢田部理君 押収しているかどうかについてはなかなか承知しておっても答え切れぬと思いますが、そういう問題も含めて少なくとも捜査をする、あるいは調査をする意思があるかどうか。稻葉法務大臣は、私が質問をしておらないのに立たれていろいろ中曽根氏にかわって説明をされた向きがあるようでありますが、どうも全体の動きの中で中曽根氏に対する疑惑というか、問題点が非常にやっぱり強められてきているわけです。それだけに法務大臣としても、言われているところの厳正公平といいますか、公正といいますか、そういう立場をきちっととっていただかないと、非常にやっぱり問題が混乱するといいますか、複雑になる可能性がありますので、検察庁としても厳しくやっぱり対処をする、そういう指摘があればぴしっと捜査をするということをやっぱり明らかにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 先ほども申し上げましたように、この委員会における御指摘でございまするから、当然検察当局に伝わるものと思いますし、後、捜査をするかどうかということは検察当局の判断に任せたいと、かように存じます。
○矢田部理君 時間がありませんから最後にしたいと思いますが、いずれにいたしましてもきわめて重要な情報であります。したがって、その真偽を確かめるために本委員会としてもぜひ中曽根康弘氏を証人として喚問して調べる必要がある、そのことを私は申し上げたいわけです。この点は従前からも指摘をされてきたところでありますが、四十七年の総裁選挙に当たって七億前後のお金が動いたということもマスコミ界でもっぱら取り上げられています。あるいは殖産住宅事件に関連いたしましても、殖産住宅の株式上場に際して、昨年の予算委員会で私も取り上げましたが、五億のお金が中曽根康弘氏の秘書である上和田義彦氏の名義の口座、これは三井銀行銀座支店でありますが、そのお金が振り込まれている。後で解約して実際どうなったかということはやや不明な点もありますけれども、あるいはアブダビからの石油導入をめぐっての疑惑も問題として出されている。非常に大きな問題が疑惑に包まれた人として中曽根康弘氏があるわけでありますから、その全体のやっぱり真相を明らかにする必要がある。きわめていまの段階でそれが大事だと思いますので、重ねて委員会としても中曽根康弘氏の証人喚問を緊急に決めるよう委員長に要請をいたしまして私の質問を終わりたいと思います。委員長いかがですか。
○委員長(剱木亨弘君) いま矢田部委員から中曽根康弘君の証人喚問についてお話ございましたが、かねて理事会に要求があるのでございまして、ただいま理事会で相談中でございます。 ただ、これは法務大臣、私、委員長としてお願いしたいと思いますが、やはり重大な情報で、虚偽であるかどうかということ、委員長としてはぜひひとつ確かめたいと思う。この虚偽のことで個人の名誉を棄損するということは非常に委員会としても避けなければなりませんから、できましたら、そういういまの領収証その他につきまして、実際実存するのかどうか、もしおわかりでございます限り、ひとつ真相を委員長に対しまして、お調べ、御報告願いたいと思います。
○寺田熊雄君 これは法務大臣にお尋ねをしたいのですが、「財界」という雑誌の四十八年の新年特大号というものの中に、檜山丸紅社長に対して、これは四十七年の一月にコーチャン・ロッキード社長が日本に参りましたとき、ハワイ会談で、うちのロッキードを買うということを田中総理がニクソン大統領に言えば喜びますよと言って知恵をつけたことが事実であるという記載があります。私はこれを書きました、いまは「財界」の社長をしているようですが、山口比呂志氏に直接尋ねてみたのですが、直接檜山に当たって確かめたということを言うわけなんですが、檜山はいま拘禁されておりまして、そういう点の調べも受けておると思うのですけれども、こういう点にまでやはり事実を確かめるために捜査しておるでしょうか。ちょっとあなたわからなければ刑事局長でも……。
○説明員(安原美穂君) 検察官の使命は真相の究明でございまするから、徹底した真相の究明に努めていると思いまするが、具体的なお尋ねの事柄については申し上げるわけにはまいりません。
○寺田熊雄君 次に、やはりこの山口比呂志氏の記事の中に、小佐野賢治の名前で全日空、丸紅あてにいずれもロッキードの問題で電話をしたことがあると、これもやはりそれぞれ事実を確かめたということを山口比呂志氏は私に答えておるのですが、そうすると、この小佐野賢治氏が衆議院の予算委員会で、単にコーチャンと二、三回会っただけで、最初はただ聞き流したということでありました。その後たしか民社党の河村君の質問に対する答えですが、わかりましたと答えたというような証言をして、ただそれからは一歩も踏み出してないという証言でありますからして、もしも全日空なり丸紅に対してトライスターの問題で電話をしたということになりますと、積極的な働きかけがそこにあったことになりますね。そうすると明らかにこれは偽証だということが言えると思います。 それから、チャーチ委員会の記録を見ましても、これはコーチャンの証言として、政府のいろいろなレベルの人に誤解があった。で、その誤解というものは自分の目的を阻害しかねないようなそういう誤解であったけれども、私は彼らに、アイ・アスクト・ゼム——ゼムというのは児玉と小佐野の二人を言うようでありますが、そういう誤解を解くためにそういう誤解をしている人々に話をすることを彼らに頼んだというようなことを言っております。それで、そういう人々の働きかけが効果があったという趣旨の証言をしているわけですが、こういうような点を調査すれば、小佐野の偽証ですね、これはかなり追及できるんじゃないかと思いますが、まああの法務大臣も、新潟県下における放言、放言と言っては悪いですけれども、新潟県下における演説の中で、民間の大物が近くどうのこうのというようなことをおっしゃっておられるというのですけれども、政界においては田中前総理、そして経済人の面では小佐野と、この二人がやはり逮捕される、そして糾明されるということは、国民的な一番願望に近い関心事だろうと思うんですね。そうすると、検察当局としても、この小佐野に対する追及ということはよほど真剣にやってもらわなければいかぬ。真剣にやる突破口は、やはりこの偽証の問題だろうと思いますが、これについてはどのような覚悟を持っていま当たっているのか、どの程度の見通しを持っておられるのか、そういう点、ちょっとお尋ねしたいと思いますが……。
○説明員(安原美穂君) 寺田委員御指摘のように、公開されましたコーチャン証言と小佐野氏の衆議院予算委員会における証言との間に客観的に食い違いがあるように見受けられるわけでございますが、その点につきまして偽証罪の成立するとかどうとかという具体的な問題については、これは捜査当局の判断にまかせたいと思いますので、私から何とも申し上げることは御猶予願いたいと思います。 なお、そのほか具体的な小佐野賢治という名前をお名指しで捜査すべきではないかというような御意見のようでございますが、この点につきましても具体的なお名指しの名前の特定の個人について捜査すべきであるというようなことは、こういう席で申し上げるべき筋ではないと、かように考えますので御理解いただきたいと思います。 それから、なお偽証罪云々の問題につきましては、検察当局は国会の告発を待たずに、やむを得ざる処置として数件にわたりまして検事認知ということで偽証罪の捜査をいたしましたが、あくまでも原則はやはり国会の告発を待って処理するというのが好ましい姿であるということは当初から変わりのない意見でございますので、国会御当局におきましても御判断をいただきたい事柄でもあるということもひとつ御留意願いたいと思います。
○寺田熊雄君 時間のようですから、あとまた十七、十八の両日に残しまして、きょうはこれでやめます。
○矢原秀男君 最初に、児玉問題について若干お伺いいたします。 本日までの衆参のロッキード調査特別委員会で安原刑事局長の答弁をお伺いいたしておりますと、一つは児玉ルートの金の流れの解明が最もおくれている事実を認められております。で、六月四日、児玉の外為法違反容疑での追起訴以後の捜査状況でございますけれども、この点についてまず御説明を願いたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 御案内のとおり、十七億円余りが公開の資料によりましても児玉譽士夫の方に入っておるという疑いが投げかけられており、すでに四十七年の所得につきましては、そのうちの十一億がいわゆるコンサルタント報酬等としてロッキード社から児玉譽士夫の所得になったという認定のもとに所得税法違反の公訴提起を行い、かつその後、外為法違反のことで四億四千万円の公訴提起をしておるというようなことでございますが、いずれにいたしましてもそれは金の入りの問題でございまして、その入った金がどのように使用されたかというようなことについてはまだ解明ができていない状況でございますが、昨日来申し上げておりますように、このような金の出入りを問題とする犯罪捜査というものにつきましては、やはりその金に、いわゆる識別性の非常に困難な問題でもございますので、やはり関係する人々の供述を中心に捜査を進めなければならない。とすれば、最も本人である者から供述を得るということがきわめて重要な捜査方法であるといたしますと、その本人が、たとえば二十分以上は尋問に、捜査に応答できない健康状態であるということは、これは捜査にとって大変な障害であることは何人も否定できないわけでございますが、ただ、検察当局といたしましては漫然手をこまねいているわけにもまいりませんので、昨日も申しましたように、いろいろな周辺捜査その他あらゆる手段を講じてこの金の使途の究明に努めたいというのが現状でございます。
○矢原秀男君 いま、局長のお話を伺いますと、周辺の捜査、金の流れ、もう一つは児玉の捜査がおくれていることは、昨日も、きょうまたお伺いしましたけれども、原因は児玉の病状であると、まあこういうふうに再確認するわけでございますが、三月の四日を第一回といたしまして今日まで臨床の尋問が行われているわけでございますが、できましたら児玉の取り調べ回数、これを御報告願いたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 正確な数字はわかりませんが、三十数回と聞いております。
○矢原秀男君 八月七日まで三十三回でございますが、それ以後はどうなっているんでしょう、全然行われてないでしょうか。非常にテンポがおくれているように感じますので……。
○説明員(安原美穂君) 最終回がいつであるかは、実は報告を受けておりませんので承知いたしておりませんが、最近も調べたということは聞いております。
○矢原秀男君 次は、福田太郎氏の死亡、これは児玉ルートの解明について決定的な捜査の障害となっているのではないか、現在非常にテンポがおくれておりますので、重ねてこの点をお伺いしたいと思います。
○説明員(安原美穂君) もう公知の事実として、福田太郎氏は児玉周辺の人として重要な人物であったわけでありまして、この人がまた六月十日に亡くなられたということも一つの障害であることは間違いはございませんが、この方につきましても二十数回にわたって取り調べはやっております。
○矢原秀男君 入手できたと思いますけれども、コーチャン氏に係る嘱託尋問調書によって、児玉の取り調べ、これがどういうふうな期待をわれわれが持っていいのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 御指摘の点は、先般東京地検に入手されましたコーチャン証言、証人尋問調書の問題かと思いますが、すでに入手したことは事実でございますけれども、それが捜査上どういうウエートを持つかということは、やはり捜査の内容に関連いたしますので申し上げるわけにはまいりませんが、いずれにいたしましてもコーチャン氏はロッキード事件の重要な参考人であることは間違いありませんので、それなりに捜査当局としては期待をしておる次第でございます。
○矢原秀男君 いずれにいたしましても、ロッキード問題で児玉のルートが一番おくれていることについては国民すべてが注目をいたしておりますので、一日も早く捜査に全力を尽くして解明をしていただきたいと思います。 二番目に移りますが、灰色高官の範囲と公表の方法についての再確認を法務大臣と局長にしたいと思いますが、いま私は、先ほども質問がございましたが、田中前総理が逮捕されて以後の自民党内の三木主流、また反三木派の争いというものが激しくなっている、こういうふうに客観的にもまた国民の大半も見ているわけでございます。そういうことになりますと、ロッキード汚職問題を断固ただしていくと法務大臣を初め三木総理も、そうして関係当局も言っておられるわけでございます。そういうふうな観点の中から、まず、法務大臣のお考えが後退をしておらないか、そういうふうなことを法務大臣の答弁の中から質疑を重ねてみたいと思います。 法務大臣、灰色高官の範囲についてでございますが、あなたが特別委員会等で質問に答えていらっしゃる一つの中に、収賄の事実はあるが時効で不起訴となった者、二番目には、金銭の授受が職務に関するものと認められない者、三番目には、請託の事実が認められない場合、四番目には、事実はあるが起訴猶予となった者、最後の五点目には、請託もあり金銭授受もあるがその結果の行為が不正と認められない場合、これをあなたは六月のときには、それ以後もいろいろと重ねられて今日まで来ているわけでございますが、あなたの灰色高官の範囲は五点であるというふうにお話があったわけでございます。それ以後いろいろと前後しておるようでございますが、私はこれを起点としてきょう法務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) ロッキード事件に関し刑事責任を追及する立場の者として、いわゆる灰色高官であるとかいうこととは別に、政治的道義的責任ということが言われておりますから、犯罪捜査の結果、刑事責任追及の結果、刑事責任の追及から漏れる場合はどういう場合かということを先ほどあなたが挙げられた五つの場合に分類しただけの問題であって、それが直ちに灰色高官と、こうつながるわけではない、そのことはたびたび申し上げているとおりです。
○矢原秀男君 いま私五項目に挙げて申し上げたわけでございますけれども、重ねてお伺いしますけれども、具体的に、いま私が申し上げた問題点について、何番目と何番目はこのぐらいまで実は考えているんだというふうな具体的な答弁をちょっとお願いしたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) それは、捜査の終結を待って、政治的道義的責任を追及される立場にある国会の調査権に基づいて国会から、これはどうだ、これはと言われたその時点において答えるべき問題であって、いま犯罪捜査の途中においていろいろ申し上げることば、犯罪捜査にも影響いたしますから申し上げかねますね。
○矢原秀男君 国政調査権の問題というようなことになりますと、国会が必要とあればやはり検察資料というものが提出されるというふうな可能性も今後ある、こういうふうに考えていいわけですね。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて、国会の調査権には最善の御協力を申し上げると言う以外にお答えようがありません。
○矢原秀男君 では安原刑事局長、お伺いいたしますけれども、あなたは灰色高官の公表の方法について委員会で述べられたわけでございますが、一つは、検事総長による法相への報告をもとに法務大臣もしくは総理大臣が国会答弁で公表する。二点目は、法相が検察庁法第十四条に基づく指揮権により当局に公表させる。こういうふうに私伺っているわけなんですが、これが事実か。それともそのほかにも加わるんだと。こういう点お伺いしたいと思います。
○説明員(安原美穂君) いわゆる灰色高官——私どもはこれを政治的道義的責任がある人の公表の問題というふうに理解しておるわけですが、そういう政治的道義的責任がどういう場合にあるかは、あくまでも検察当局の決めることでなくて、主として国政調査権を行使しておられます、そして政治的道義的責任を追及することを目的として国政調査をなさっております立法府でお決めいただくべき問題であろうと思いますが、後は、問題は、そうお決めになったものを直ちにそのまま検察当局が公表に応じられるかどうかということは、先ほど来大臣の申しておられます刑事訴訟法、ないし具体的には刑事訴訟法四十七条の趣旨に従ってできる限りの御協力を申し上げるという立場で検察当局はおるわけでございますが、問題は、そういうこととして考えた場合に、どういう方法でそれを公にするかということについてのお尋ねでございますが、方法といたしましては、検察当局がそのまま発表するということも、いわゆる刑事訴訟法上の書類の保管をしておるのは検察官でございまするから、その不起訴になった者の名前等を発表するということも考えられないわけではございませんけれども、もう一つの方法といたしましては、法務大臣は検察官に対して報告を求める指揮権をお持ちでございますので、報告を法務大臣が検事総長から徴せられまして、法務大臣の御判断においてその発表をするということもあり得る。なおまた、その法務大臣に対して指揮監督をされる総理大臣が法務大臣から報告を徴せられて、その総理大臣の御判断で発表するということもあるんじゃないかと。もう一つの方法として、いま矢原委員の申されました、法務大臣が検事総長を指揮して発表させるということは、どうも具体的な事件の指揮に属しますのでそのような方法は私どもとしては避けていただきたいとかように考えておりますので、最終的には、法務大臣または総理大臣が国会の御要請に応じて、しかるべき方法で刑事訴訟法の精神を踏んまえて発表するというのが最もよろしいのではないかと実は考えておるわけでありまするが、それはあくまでも総理ないし法務大臣の御判断でございまして、方法としてはそういうことがあり得るということを申し上げた次第でございます。
○矢原秀男君 次に防衛庁へお伺いいたしますが、防衛庁では、ポスト四次防の防衛整備計画の基本理念、こういうふうなものから、いろいろと防衛力構想の審議が、報道されておりますように十日から国防会議が行われたわけでございます。まず一回でございますけれども、冒頭にお伺いしたいわけでございますが、防衛庁としてこの国防会議に提案をする、そういうふうな整備計画なり構想、こういうふうなものをまず基本的にお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤圭一君) お答えいたします。 防衛庁ではことしで四次防の計画は終わります。引き続きまして、長期計画について従来検討してまいりましたが、御承知のように従来の考え方というものは、周辺諸国の軍事能力、それに対応できるような防衛力という形で整備を進めてまいったわけでございますが、ポスト四次防、すなわち四次防以後の防衛力整備計画におきましては、いわゆる基盤的防衛力という言葉で呼んでおりますけれども、脅威に対処するというだけではどんどん防衛力の整備というものが大きくなってまいりますので、平和時の防衛力を考えましたときと同じような観点に立ちまして、現在のような平和な状態が続く場合におけるわが国防衛の基盤的な防衛力というものはどういうものが適当であろうかということを検討いたしまして、まず基本的な任務部隊を備えておく、そして後方支援体制を整えておきまして、それらの部隊をすき間なく均衡がとれた配置にしておく。一方、それらの部隊が周到な訓練を行えるような体制をとっておきますとともに、平時におきましては警戒、監視の機能、あるいは情報活動、あるいはまた、災害派遣の救援活動、こういったものが適切にできるような能力、これは平時において防衛力が果たさなければならない大切な任務だと思っております。そしてまた同時に、防衛力というものは直接侵略に対応する力を持っていなければなりませんので、奇襲的な侵略と申しますか、小規模な侵略に対しましては、そのままの体制で臨むことができるというような防衛力にしたいというふうに考えております。そしてまた、非常に侵略が大きくなってまいりますと、これに対応して防衛力を強化する、その基盤となるような形で持っておくというような考え方を持っておりまして、これは従来から長官指示に基づきまして検討いたしております。そして七月の十二日に大綱についての諮問が出されましたので、防衛庁の考え方を御説明する機会がございます機会を求めまして、防衛庁の考え方というものを御説明してまいりたいというふうに考えております。
○矢原秀男君 細かい問題になりますが、PXLは百機導入というふうになっているんですけれども、この内訳はどうなりますか。
○説明員(伊藤圭一君) 実はPXLにつきましては、百機というような具体的な数字をまだ完全に詰めておりません。と申しますのは、御承知のように、現在使っておりますP2Jという対潜哨戒機、この機能を向上する必要があるということは考えておりますけれども、その機能の向上に伴いまして、現在のP2Jとその新しい飛行機の機能によりまして、哨戒海域あるいは対潜作戦における能力、そういうものが変わってまいりますので、そういうことを十分検討した上でなければ数字が出てまいりません。しかしながら、現在持っております対潜哨戒機の約百機、これより超えることはないだろうという程度の考え方でございます。
○矢原秀男君 基盤的な防衛力構想についての国防会議の承認、こういうことが今後大きな課題になるわけでございます。で、私は、国防会議のあり方、こういうことについて質問をしたいと思います。 で、何といいましても、今回のロッキードの問題で国防会議がクローズアップをされたことも事実でございます。で、その中で、端的に申し上げて、問題点は、ロッキード事件でPXL、この選定について疑惑が持たれていることはいまだに解明をされておりません。で、二番目には、田中前総理が逮捕されるに至った事態、そうして三番目には、国防会議との関連、こういうふうな中から、田中がPXLの選定をめぐってどのようにかかわっていたのかはまだ完全に、先ほど申し上げましたが、解明されておらないわけでございます。で、田中が自衛隊の最高責任者であり、国防会議の議長であったことは明らかでございます。 そういう観点の中から、まず官房長官にお伺いをしたいわけでございますが、理想であるべき、国民が期待をしておりましたシビリアンコントロールの中心であった国防会議が、残念なことには疑惑に包まれていたわけでございます。そうして、ロッキード事件の今日の状況というものが、うみが出たわけでございます。私は、国防会議のあり方について、そういう意味で重大な関心を持っているわけでございますが、八月の十日の国防会議、一つは、議題は何であったのか。そして二番目には、決定は何と何をされたのか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま国防会議に大変重大な関心をお寄せいただきまして、そのあり方等について御指摘のほど承りました。 そこで、いま八月十日の国防会議は何をいたしたのかということでございますが、これは当面国際情勢、これは外務省の方から、あるいは軍事情勢、これは防衛庁、それぞれ状況を聴取したというのが当日の国防会議の中身でございます。 なお、詳しくは国防会議の事務局長もおりますから、御必要によってはそちらからも答弁をいたさせます。
○説明員(内海倫君) お答え申し上げます。 八月十日の国防会議におきましては、ただいま官房長官から御答弁いたしましたように、外務省からは国際政治の情勢、それから防衛庁からは国際軍事情勢というふうなものについて説明がございました。この説明を中心として若干の質疑応答等が行われておりますが、この会議の目的は、要するに昭和五十二年度以降における防衛計画の大綱を国防会議を主体としてつくっていく、その前提としての諸情勢というものを検討するということが目的で開催されたものでございます。
○矢原秀男君 議員の出席はどうであったのか。時間はどの程度であったのかですね。
○説明員(内海倫君) お答え申し上げます。 議長以下全議員並びに常時出席者としての通産大臣、科学技術庁長官も御出席になりました。 時間は、朝の九時から閣議の始まります十時まで一時間でございます。
○矢原秀男君 では、構成メンバーは全員出席されたわけですね。
○説明員(内海倫君) そのとおりでございます。
○矢原秀男君 では、一時間の時間とおっしゃっているわけでございますが、ちょうど田中前総理が議長をされて、そうして、あの白紙還元の歴史的な大きな問題というものはわずかに十分か十五分であると、こういうふうに非常に問題を醸し出したわけでございますが、そのときにあわせて問題になりましたのは、先ほどもいろいろと質問等もあったかと思います、出席メンバーが質疑というものが全然交わされてない、こういうふうなこともあったわけなんですが、今回は、どなたとどなたがどの程度に質問をされたのか、そういう内容をお伺いしたいと思います。
○説明員(内海倫君) お答え申し上げます。 国防会議の中におきまして、どなたがどういうふうな御発言をなさったかということにつきましての一々のことにつきましては、私、差し控えさせていただきたいと思いますが、その説明に対する御質問あるいは御意見等があったということだけを申し上げさせていただきたいと思います。
○矢原秀男君 官房長官、私は直接の委員ではございませんが、衆参のロッキード委員会で官房長官を初め当局の御答弁というのは、国防会議のあり方については今後は改めていきたい、こういうふうな発言があったわけでございますけれども、私いまお伺いをしている状況では、余り従来と変わってないなと思うわけですね。そういうことで少し質問を深くしてまいりたいと思いますが、一つは会議の構成メンバーでございますけれども、現在は、外相、蔵相、防衛庁長官、経済企画庁長官、これ正式メンバーで、もちろん総理が議長でございますが、この他に通産相と科学技術庁長官、内閣官房長官——これはオブザーバーとなっている。ここですけれども、文民統制を強化するために、四十七年十月九日の閣議でもうすでに話題になっているわけでございますが、通産相と科学技術庁長官、内閣官房長官などを正式メンバーに加えることを決めております。しかし、国防会議の構成等に関する法律を改正をしていないために従来のままになっている。私はこの点は問題ではないかと思うわけです。こういう点については、従来ともし変わったのであれば、田中氏が議長をしているときに確かに国防会議が国民の前から見ても疑惑があったと、少しは国防会議のあり方を変えなくちゃいけないというふうな、そういうものがあるんであれば、いま私が申し上げたこの問題については、なぜ国防会議をやる前に手を打っておられないのか。十日に行われた。しかし、この問題は残されたままなんです。では政府は、国民に対して、三木総理以下稻葉法務大臣が、局長が、どんなにこの場を通して国民の皆さんにきちっとしていきたい——そのしりからこういうことじゃないですか、一番の最高機関が。これで私はいいんだろうかと思うわけなんです。この点について官房長官、どういう見解を持っていらっしゃるのか。
○国務大臣(井出一太郎君) 国防会議の運営につきましては、かねてから総理を初め関係者一同十分にこれを配意をしておるところでございます。権限の強化あるいはまあ組織の改編など、種々論議のあるところでございますが、当面は何といいましてもこれは文民統制の実を上げる、これがまあ最大の眼目でございましょうし、現在も昭和五十二年度以降に係る防衛計画の大綱につきまして総理からの諮問がございまして、それをば受けて実質的な審議を続けておるところでございまして、去る十日の会議もその一環でございます。いま御指摘にもありましたように、これの制度を変えるということになりますれば、当然法律問題にも相なることでございまして、まあ当面は、そういうこともこれは研究をしなければいけますまいが、いまの機構なりその運営のよろしきを得まして、文民統制の実を上げつつ、諮問にこたえて防衛計画の大綱をつくり上げると、こういうことに鋭意ただいま努力をしておる最中でございます。
○矢原秀男君 官房長官ね、四十七年の十月九日の閣議決定——私もう一つ外しましたが、国家公安委員長も、通産、科学、内閣、国家公安委員長、議員とすると、こういうふうになっているんですよ。議員とするのであれば、国防会議の構成等に関する法律の議員という項の第四条を変えなくちゃいけないんですね。変えなくてはいけないことは、四十七年から五十一年の今日まで、いまから検討するのでなしに、これを変えなければ、通産大臣や科学技術庁長官、内閣官房長官——で、国家公安委員長も出られたんですね、きのうは。ちょっとその点答えてください。
○説明員(内海倫君) お答えを申し上げますが、仰せのように、四十七年に改正のことが決められております。私どもも、法案の提出準備を完了いたしたのでございますが、諸般の事情で提案を見送らざるを得なくなりました。その後国会におきましていろいろ御論議をいただいておりますので、三木総理あるいは井出官房長官からも、単にそういうことでなく、国会等の御意向をよく承って、基本的に国防会議のありよう、あるいは所掌事務、あるいは権限と、そういうふうなものについて検討をするようにと、そうしてできるだけ成案を得て、国会の先生方にも十分御意見を承って処置していくということにいたしたいと、こういう御意向で、現在私ども国会で各論議されました点も参考にし、さらに民間有識者等の御意見も聞き、また外国の類似諸制度も検討いたしまして、検討を進めておりますところでございます。それまでの間は、ただいま官房長官からお答えになりましたように、極力この運営の面で文民統制の実の上がるような方法、対策をもってこれに対処していくという御方針でございまして、したがって、通産大臣及び科学技術庁長官は常時出席者としてずっと継続して御出席をいただき、さらに官房長官は国防会議に関する事項の最高責任者として御出席をされておりますが、国家公安委員長はまだ御出席には相なっておりません。いずれにいたしましても、先ほど申しましたようなことで、今後における国防会議のありようというものについて基本的に検討を進めていきたいと、これが総理から私が受けておる指示でございます。
○矢原秀男君 で、いま御答弁いただいておりますように、そういうちゃらんぽらんなことですからいまだに態度がはっきりしない。で、私話をさきに返しますけれども、あなたはいま、私が一〇〇%出ましたんですかと言ったら一〇〇%出た、こういうふうにおっしゃっておるわけですね。しかし、四十七年には、通産、いま申し上げた科学、内閣官房、その上「国家公安委員長を議員とする。」と明示されているんです。こういうことが明示されておりましても、国会の中でいろいろと議論があるからといって四十七年から放置をしているから、この田中問題が出てもいまだに国防会議はそのままで、検討する検討すると言いながら、ことしになったって——国会は始まっているんです。いろいろの調整の期間がありながらいまだに国防会議の構成等に関する法律の中の第四条を変えようとしないから、閣議でこういうふうに四十七年のときから決定をしておっても、議員として出席をしない。出席をされても、この前中曽根さんが問題になったように、オブザーバーですから発言をしないとか、大平さんも出ていらっしゃったんでしょう。田中議長だけがメモ一つでばばっとやってしまう。どんぶり勘定じゃないですか。日本の株式会社、私益のために使われていいんですか。そういう問題があるから、四十七年のときに、文民統制という、こういうふうな英知をしぼって出されたんでしょう、官房長官。それが議員の国家公安委員長が出ずして何が国防会議かと言うんです。しかも、法律的な手順が踏んでないから、あなたが司会をやって一時間やられても、しゃべる人もあるけれども聞きおく人もある。一時間で何ができるんです、日本の国防に関することが。そんなこと、なぜ法律の手順を早く踏まないのか、官房長官。田中前総理を初めとする、この問題については、一つはこういうところに問題点があるんです。声を大にして申しわけないと思いますけれども、国民の立場から考えたら、この一つをとっても問題です。で、官房長官どうなんですか。「文民統制強化のための措置について(四十七年十月九日)」、これを受けて国防会議の構成等に関する法律を改正しなければいけないのに、いままでこういう事件が起きてほうっている。では後の手順は何月何日にどういう形でやりますという、ほぼそういうふうな具体的な改正の方法、善処の方法というものを答えてください。
○国務大臣(井出一太郎君) いま御指摘の点、まあ従来のいきさつをも踏まえまして、ただいま事務当局で検討をさせておるわけであります。しかし、まあ何分にもこれ、広範な問題でもございますので、まだ成案を得ておらないということはまことに私も遺憾に思う次第であります。ただし、国防会議のあり方ないし運営の仕方につきましては、いま一時間とおっしゃいますけれども、これはまあ当日はどうもそれ以上時間がなかったということであって、今後にわたってさらに十分な時間あるいは回を重ねてこれを開くと、こういうふうには考えておる次第であります。
○矢原秀男君 それはわかりましたから、いま私が申し上げておりますように、このシビリアンコントロールのこの問題の中から、四十七年十月九日にわざわざ議員として四名の閣僚の方が参加をされた。しかし、責任のある言動というものを吐かれるためには、いま申し上げておりますように、この国防会議の構成等に関する法律の第四条を変えなくてはいけないんです。その変えるのをいつするのか、その手順だけをどうするのかといま質問しているわけです。あとのことは決意をきちっと決めていただければいいですけれども、この法的な手順をどうされるのか、それだけ答えてください。
○説明員(内海倫君) 先ほども申しましたように、その点について上司から御指示があれば、私どもはすぐにでも提案の準備をいたしたいと思いますが、三木総理の御意向は、そういうふうな一部の修正だけでなく、その際に、基本的に国防会議のありよう、あるいは権限、組織、そういうふうなものについてもあわせて改正を行うことが必要であろうと、こういうふうな御意向も承っておりますので、いずれにいたしましても、上司の指示を受けまして措置をしていただくようにいたしたいと考えております。
○矢原秀男君 官房長官、いま私答弁受けたわけですけれども、これだけでなしに、基本的に国防会議のあり方、運営等も含めて変えたいという三木総理の発言、これは事実ですね。で、上司の指示ということはどういうふうに解釈したらいいんでしょうか、官房長官。 〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕
○国務大臣(井出一太郎君) 事務当局として、いまお聞き及びのような答弁でございますが、これはやっぱり最高責任者は国防会議の議長たる三木総理でございますから、かねがね安全保障の問題に深い関心を持っておるのでございまして、変える以上は広範にこれを検討すべきであろうと、この見解に基づきまして腹決めをしなければならぬ。それが事務局の方へおりていくわけでございますから、どうか、かすにもうしばらくの時日をもってしていただきたいと、かようにお願いを申し上げます。
○矢原秀男君 では、官房長官、こういう問題点の中で国防会議を続けていくということについては、私の判断としては、いままでと全然変わってないということになりますと、このロッキード問題も解明される、そうしてあわせて並行してこの問題も——本当は早くされてなくちゃいけないんですけれども、こういうふうな問題も基本的に変えるものは変える。そういうまでは国防会議はストップすべきではないんかなと、こう私考えるわけですが、また、こういうふうに基本的に変えたい、今後努力をするというふうなことで、一つもこのめどがつかないわけです。めどがつかないのであれば、つくまで国防会議はストップしていただく、そうして国民の皆さんの前に、田中前総理が国防会議で起こしたいろんな疑惑については、国防会議のあり方、運営、こういうものすべてこういうふうに変えて、人心一新して進んでまいります、こういうふうなやはり表明の仕方が必要であろうかと思いますが、この点についてはどうですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 一国の防衛なり安全保障は、これは一日もゆるがせにするわけにはまいりません。そういう次第でございまして、改正の意図は持っておるとしましても、現在の機構なり機能なりをフルに活用をいたしまして、一番基本は文民統制の実を上げつつ、いかにして国民の安寧と申しましょうか、これを図らなければならぬのが国防会議の使命でございますから、それはそれなりに、さっき来申し上げているように、これからも回数を重ねて開くつもりであります。時間が短いとおっしゃれば、もっとこれは長くもやらなければならぬと思います。そういうことで、一面、現在の機能、機構の国防会議、これをほうっておくというわけには私はいかないと思う。それはそれでやらしていただくと同時に、いま御指摘のような面もあわせ考えてまいりたいと、このように思っております。 〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕
○矢原秀男君 時間もございませんから、どうか前向きで早くやはり国防会議の再検討をしていただく、お願いいたします。 次は会議録の問題でございますが、公開はしないと言われておりますけれども、会議録はきちっとつけていらっしゃるわけでしょう。その点。
○説明員(内海倫君) 国防会議の議事の規則で、議事録として、開催の日時、場所、それから出席の大臣その他の出席者の氏名等を録取するということが定められております。それから、われわれといたしましては、さらに提案されました議題あるいは決定されましたもの等を整理保管をいたしておりますが、議事の中でどの議員がどういう発言をされたかというふうなことについては、国防会議が始まりました当初、申し合わせとして、そういうものは録取しないと、こういうことにされておりますので、私どもはそういうものは作成はいたしておらないわけでございます。
○矢原秀男君 もう一つお伺いしますけれども、委員会で終始質疑を交わされているわけですが、今回のような国防会議の議員懇談会という非公式な法的根拠のない会議における決定というのは、非公式の、しかも単なる事務局長の諮問機関にすぎない専門家会議の設置という決定ですね、こういうふうなものを法的にどういうふうに解してよいのか。これは、稻葉法務大臣いらっしゃいますので、法律的な専門の角度からですね——じゃ専門、答えてください。
○説明員(内海倫君) お答え申し上げます。 仰せのように、国防会議は防衛庁設置法にその根拠を置いて定められ、さらにその構成につきましては、その構成に関する法律で定められておるところでございます。 議員懇談会と申しますのは、国防会議という機関が一つの活動をするために、国防上の重要事項を自由に討議し、自由に論議するということで、事実上の場として設けられ、慣例的にずっと行われてきておるものでございます。この議員懇談会は、議長及び各出席議員全員御出席になりまして論議をされる場でございます。したがいまして、法律的に言いますと、これについての根拠はございませんが、ただいま申しましたように、国防会議の議事を円滑に進めていくための手段として、事実上の懇談会が設けられてあり、そこには議長以下すべて議員の方が出席されて論議をされておるものでございまして、そこで意見が合致してそれを文書としてまとめた、これが了解事項でございますが、この了解事項というものは、したがってそれに同意をされた各議員、言いかえれば各大臣はそれぞれその了解事項の内容についてこれを尊重されるのはまことに当然であり、そういう意味におきましては、私どもは、この議員懇談会における了解事項というものはそれなりに、はっきりとした意味合いを持っておるものと、そういうふうに理解をいたしております。
○矢原秀男君 もう時間が参ったようでございますので、また後日の機会に討議をしたいと思いますが、最後に私、結論として、官房長官、聞くだけでいいんですけれどもね。この構造汚職というものを一掃するということについては、法務大臣も、ここで三木総理も弁明されております、きちっとやっていくと。しかし、私は自民党政権のやはり金権政治、これの追放を徹底的にやらないと、これは私はだめだと思うんです。このロッキードの疑獄というのは氷山の一角です。で、これが単なる個人の政治家や官僚、そういうふうなものの道徳的な退廃ではなしに、政治、経済の仕組みの中に、政治、財界、官界、大きな問題があると思います。それで、官房長官、これは大きな最後の課題にしていただきたいんですけれども、われわれもこの問題に真剣に取り組んでいきたいんですが、現在の自民党さんは、商社、大企業、財界、こういうところから膨大な政治献金を受け取られる。そしてその見返りとして、私も現場をずっと見ながら疑問を感じるわけですが、逆に財界への数々の恩典としては、予算の問題、税制の問題、補助金の問題、許認可の問題、こういうところをもう少しすけっとしていかないと、このロッキード問題だけをどんなにやってもだめだと思うんです。ですから、この問題については、いまもう時間ございませんから論じませんけれども、どうか官房長官、許認可の問題の正か邪か、こういうふうな問題も一つ一つ考えなくちゃいけないし、補助金の問題も税制や予算の問題も、国民中心の考え方からやっていかなくちゃいけない、そうしないと、巨大な一部の大きな資本だけに任してしまう、こういうふうな必ず悪循環が出てくるのです。まあそういうことを申し述べながら終わりたいと思います。
○小巻敏雄君 まず、法務大臣にお伺いをしたいと思うわけであります。一説には、ロッキード疑獄も山を越したというふうな言い方をする人があるわけでありますが、数々の疑惑に対して、確かに丸紅ルート、全日空ルート、田中逮捕と解明の光が当てられているということは言えるわけでありますが、しかし数々の疑惑がいまもなおやみの中に眠っている、目に見えておるように思っても手が届かない、こういうもどかしさがあるわけであります。とりわけ日韓関係にかかわる問題が全体としてやみの中にあるということを指摘しなければならないと思います。自民党の塩谷代議士が、ロッキード事件の解明、このためには日韓関係を洗うことが近道だと閣僚経験の豊かな人が語ったと言い、これが知れたら大変なことになると、そういうふうに思わず漏らした元総理もあるというような一文を雑誌に寄稿しておられますけれども、確かに田中角榮、小佐野賢治、児玉譽士夫、これら、いまロッキードの問題の渦中にある人たちは、同時に日韓をめぐる黒い人脈の一部であり、重要な位置づけを持つ人たちだ、このことはほとんど国民の常識、周知の問題と言っていいと思うわけであります。 ロッキード社がKALに対してトライスターを売り込むために児玉譽士夫と契約書をつくっておる。これも知られたところでありますけれども、売り込みに勝ちたければ政府当局者に賄賂を使うように、こういうことをフィクサーやエージェントあるいは企業の筋から言っていく。コーチャンがすでに二月六日にアメリカの上院で証言をしておるわけであります。日米韓にわたる疑獄で動く黒い人脈の具体的な姿にメスを入れる、このことを果たさずにロッキード疑獄の全貌を解明することはできない。そのゆえにも捜査は道半ばであると言わなければならないと思います。 わが党は、すでに過ぎた委員会で、一九七二年の真夏、あの田中内閣成立の年、ピーナツ、ピーシズが踊り始める年、この年に箱根富士屋ホテルで秘密会談が行われた、そこに出席をしたのはコーチャンであり、あるいはコーチャンと田中のもとに小佐野、そして伊藤というような人が出席をしておるという重要な情報を提起をしておるところであります。これらの問題についての捜査の進展あるいは日韓問題に対する解明の決意、それらについて、まず法務大臣の見解をお伺いしたいのであります。
○国務大臣(稻葉修君) そういう具体的な事実を指摘されて、それを調べてるか調べてないかということは、私存じませんが、存じておっても、それ調べてますとかいうふうに言うことは、捜査の支障を来たすように私は思います。
○小巻敏雄君 具体的な児玉契約書、この問題をながめても、これがどういう道筋で、そうしてどんな具体的な成り行きの中で目的を達しようとするか、これは容易に想像のつく問題であります。小佐野賢治氏は大韓航空、KALの筆頭株主であり、同時に、KALの社長趙重勲、この人は小佐野賢治氏と何とも言えない深い中であるということは、小佐野氏みずからが二月十六日のこの衆議院予算委員会で証言をしたところであります。あの口がかたい、沈黙の壁でもっていろいろな捜査を撃退しておると言われる小佐野氏がどうしても言わなければならなかったところである。また小佐野氏は、ほかの雑誌等でも、こういう状況が出てくることを知る前、その前後にはさまざまなことを、この関係についてみずから語っております。契約書の中には、リースが成り立った場合には十億円児玉に払うというような部分がありますが、リースと言えば、トライスターをすでに日本で飛ばしておる全日空から韓国のKALにこれをリースするということ以外に現実の道はないわけでありますが、全日空の方へいけば、小佐野氏はこれまた筆頭株主である。こういうようなところを見ても、この人脈はどうしても洗わなければならない。 〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕 二月十六日、小佐野氏は七、八年前KALの趙さんのめんどうを見た、それは、バス百二十台、これを韓国に渡した、その際にいろいろなつき合い、取引が発生をしたんだというふうに言っておりますし、また、ベトナム戦争の際にベトナムヘトラックを持っていって商売をする、そのときに私の方から援助をしましたというようなことを述べておるわけであります。 通産省に聞くわけですが、この趙さんのめんどうを見た、バス百二十台の問題、ベトナムヘのトラックを趙重勲にあっせんをした、渡したという問題、これは具体的に事実を押さえておられますか、どうですか。
○説明員(熊谷善二君) お答えいたします。 そのような話は、ずいぶんこれ、古い話でございまして、私ども書類その他処分をすでにいたしておりまして、調査のいたしようがございません。確認はできない状況でございます。
○小巻敏雄君 少なくとも通産省の責任にもかかわるような問題が疑惑の人の口からすでに衆議院の予算委員会で語られておるわけですね。古いことを調べなければこの問題は明らかにならぬでしょう。こういう答弁を聞いておると、全体としてこれらの疑惑の中から問題を解明してきれいにしていこうという意欲があるとはとうてい思われない答弁であります。しかしながら、事実は存在するわけであります。たとえば大森実・小佐野対談というようなものをこの二月に一つの雑誌が掲載をしておりますが、ここでも得々として小佐野氏は語っておるわけであります。ベトナム特需のときに、大蔵省が認可を渋るものを、延べ払いで大量のバスを輸出をしたんだというようなことも言っておりますし、こういったふうな問題、どうしても関係者は事実を解明する必要がある。私は、通産省の方には、これの裏づけになるような資料についてすでに示唆をした上で質問をいたしておるわけであります。 この非常にあいまいな、漠然とした小佐野証言に対して、かなり明白に具体的な内容記述をしておる新聞があります。それは韓国の新聞であります。韓国において、政府のまあいわば御用新聞とも言われる新聞の中に、韓国企業立志伝と、こういうふうに銘打って、そして一九七五年の十一月十四日から大体十回ばかりの連載、二十日余りですね、になるところまで、かなり克明に趙重勲の出世物語を書いておるわけであります。そこの中に、二回にわたって、小佐野賢治氏は趙重勲、韓進財閥、そしてKALの育ての親として登場をしてくるわけであります。まさに小佐野氏みずからが語った、お世話をしたという初めの方は、七、八年前ではなく、一九六一年であります。まだ日本との復交関係も定かでないこの一九六一年、朝鮮はようやく朴政権が登場するというところに、一体小佐野氏とどういう関係が発生をしたのか。六一年当時、韓国国内輸送はめちゃくちゃな状態で、乗客らはバスと満員電車の中で苦しめられていた。趙重勲は、座席指定制のバスを通すことに着眼をして、京仁間定期バス——ソウルと仁川の間ですね。これの運行を決めるべく資金調達に心を悩ましていた。趙氏から苦しい状況を聞いた小佐野氏は、自分の金で、一台当たり一万ドル、そのバスをアメリカ戦略空軍司令部、SAC、ここから八十台を払い下げてもらって、そして趙氏の返済条件としては金をもうけて返済しろとの条件で回してやったと、これが趙氏の出世の飛躍台となったというような記述をしておるわけであります。 引き続いて、ベトナム特需の話でありますが、ここでも小佐野氏が登場してくるわけであります。裏づけとしてはかなり確度の高い、少なくとも間違いのない記述だと思うわけであります。ベトナム戦争が勃発をした、幸運の女神がやってきたと、こういうふうに書いておりますが、六四年十月、韓国政府は国軍の派ベトナムを決定をし、アメリカと派兵協定を結んだ、一年に二百五十億ドルに及ぶ戦費がつぎ込まれるベトナムで大金をもうけることができると、こういうふうに述べまして、そうしてベトナムヘの輸送の請け負いをやろうとするわけでありますが、この記述によりますと、ここで米軍はかなり厳しい条件を出すわけであります。一千万ドル、これだけのうちで三百万ドルは現金で保証金として準備をしろ、それで残りのを七百万ドルは、これは現物で契約後三カ月以内にトラックその他機材をそろえろと。ところが、当時の趙重勲の財力、韓国の状況ではこういうことにこたえられない、こういうことがるる記述された上で、非常手段として預託金だけは三百万ドルは準備することができたけれども、彼は輸送設備に苦心をした。このときに再びあらわれたのは日本の小佐野賢治氏、またしても彼に救われた。日本財界の実力者である小佐野氏は、いすヾ自動車会社が注文を受けてすでに生産をされておったトラック、クレーン、これらを七百万ドル相当趙氏に回してくれた。またまたこれが無条件に近い延べ払い、こういうようなことが記述をされておるわけであります。小佐野氏の国会における供述の裏として符節が合うわけであります。 しかし、こういう状況を見れば、小佐野氏と趙氏との関係は非常に明らかになるわけであります。小佐野氏が趙氏を育てた、こういう関係でありますが、通産省にお伺いをするわけですが、六一年段階で八十万ドル、この金がもうけ払いというようなことで日本から持ち出されている、こういうことが現実に例としてあり得ることか、原則的に一般的に言ってどういうことになるのか、お伺いをしたいわけであります。また、一九六六年、この年は七百万ドルであります。一体どういうことでしょうね。
○説明員(熊谷善二君) お答えします。 先ほども申しましたように、すでに十年あるいは十数年前のケースとして御指摘がございますが、私どもすでに書類は処分をいたしておるわけで、調査不可能でございますが、いまそのような八十万ドルあるいは七百万ドル相当のバス、トラックといったようなものが贈与といったような形で輸出承認申請があった場合に認められるかどうかというようなことにつきましては、通常のケースとしては、現在そういう案件が持ち込まれた場合には、非常に承認がむずかしいケースであろうと考えております。個々の輸出の承認の際の判断はケース・バイ・ケースによるわけで、一概には申し上げられませんわけでございますけれども、仮にいま御指摘のようなケースを想定して感触を述べよということでありますと、非常にむずかしいケースであるというふうに考えております。
○小巻敏雄君 まあ、いまの答弁は、通産省を預かる方として当然な一般的見解だと思うのです。こういう当時の外貨事情その他投資に対する規制、輸出の延べ払いについての許可条件等から見て、あり得ないことではなかろうか、考えられないことである、それがまかり通るところが、この人脈の持っておる不思議なところであります。現実に行われた事実は存在しておりのであります。もしこれがうそであるなら、小佐野氏は国会でうそを言ったことになるわけであります。裏づけも見て、これは実際には済んだことだ……。その結果、小佐野氏は後には産業金塔勲章というようなものももらい、余人には許されないKALの株の取得というようなことも行われて、いわゆる朴政権のふところ刀、黒幕と言われる趙重勲氏とは刎頸の仲になるわけでありますけれども、このいきさつというのはミステリアスであります。ミステリアスはやっぱり小説家なんかに任せておかなければいけない。こういう問題は関係者の手で、古いことであろうとも解明をされる、その人脈、プロセス、これらがあらわれることによって、再びロッキード疑獄のようなものが、人脈を利用して悪事を働くという道が閉ざされることになる、このように考えるのでありますが、せっかくのこの調査を一層続いて期待しなければならぬというふうに思います。 特に、ここでこういうことがどうして行われたのか。だれしも思い出すことは、法律もこの人をよけて通るというような状況の背後に、六一年には田中角榮氏は政調会長であり、六六年は田中幹事長としての政治の仕事を角榮氏はやっておられましたが、その間の時期には大蔵大臣もやっておられるのであります。 〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕 こういうつながり、これはだれしも色濃い疑惑として感じるところである。これは調査の対象になるべきだと考えるものであります。 続いて、私は、日本政府と韓国政府の間で定例で開かれておる日韓閣僚会議、ここで合意をしたことによって行われておる済州島の観光開発、これがまた今日の疑惑と深くつながっておるという観点からお伺いをいたします。 日本政府は、一九七一年八月の第五回日韓定期閣僚会議の合意に基づいて、済州島観光開発及びそれに伴う運輸施設近代化について調査団を韓国済州島に派遣をされたわけであります。政府から調査依頼をされた海外技術協力事業団、これは翌七二年の三月に報告書を提出しております。そうして引き続いて一九七二年九月五日、六日の同じく日韓閣僚会議、第六回、これがソウルで開かれた。再びその合意に基づいて重ねて同事業団による調査を行って、七三年十月報告を受けている。こういうことがございます。まず、その内容についてお伺いするわけでありますが、この調査団は、政府ベースの経済協力、これを実現するために一〇〇%政府出資の事業団の手で行われた。団長は、第一回も第二回も、これは田付景一氏であり、同一の事業団が二回の調査を行ったというふうに見るべきだと思います。 第二に、その調査の眼目としては、大綱二つ、運輸と観光開発の条件整備とを挙げておりますが、具体的な内容は、報告書を読んでみると、空港整備計画というのが最大の眼目になっておって、これについての技術調査の結論を出すことだ、私はそのように押さえております。次いでホテルとかレジャー施設等の整備、あるいはノービザとかフリータックスとかいうような条件整備の問題に触れられておるのだと、こう見るわけでございますが、関係の方からこの点についてお伺いしたいと思います。(「委員長、全然人がいないじゃないか」と呼ぶ者あり)
○委員長(剱木亨弘君) ちょっといま呼んでおりますから……。
○説明員(大鷹正君) お答えいたします。 いま小巻先生がおっしゃいましたように、第五回の日韓定期閣僚会議で韓国側から、済州島観光開発に関する調査を日本でやってもらいたいという、そういう話がありまして、その結果、この閣僚会議の共同コミュニケにありますとおり、予備的な調査団を日本が派遣するということが合意されまして、それに基づいて、いま小巻先生がおっしゃいましたように、四十六年の十二月五日から二十日まで海外技術協力事業団の調査団が派遣されたわけでございます。いま先生は田付景一さんが団長とおっしゃいましたけれども、田付景一さんは当時海外技術協力事業団の理事長でございまして、この調査団の団長は福永正美という方でございました。そしてこの調査団がその報告書を四十七年の三月に作成して、これを韓国側に提出いたしました。さらに四十七年の九月に開催されました第六回の日韓定期閣僚会議において韓国側は、第五回日韓定期閣僚会議の合意に基づいて派遣された済州島の観光開発調査団の報告書をもとに済州島総合観光開発計画を作成していることを日本側に説明しまして、同計画に関する日本側の評価と検討のための調査団の派遣を要請いたしました。日本側は、そのような調査団の派遣を約束いたしました。これに基づいて四十八年七月四日から二十三日まで済州島観光……
○小巻敏雄君 いや、簡潔に結論を、第一回、第二回と簡潔にやってください。
○説明員(大鷹正君) はい。観光総合開発計画評価調査団が派遣され、四十八年の十月に報告書を作成して、先方にそれを提出いたしました。この調査団は、先ほど申し上げましたように、海外技術協力事業団が派遣いたしましたもので、したがって、日本側の負担において行われた調査でございました。 以上でございます。
○小巻敏雄君 肝心のところの答弁が端的に行われていないわけです。 私の方から具体的にお伺いをしますが、まあせっかく法務大臣、得意な材料かどうかわかりませんけれども、大臣も聞いておられることですから、質問の資料をひとつお渡ししていきたいと思いますが、よろしいですか。
○委員長(剱木亨弘君) どうぞ。
○小巻敏雄君 (資料を示す)いま経過がるる説明をされたわけでありますが、非常に端的に言えば、第一回の調査の結論は、これは最大眼目の空港整備計画について——この資料の一番下の段に書いておるところが第一回報告書の大体最終結論になるわけですが、基本的に言って、空港整備のために調査をした内容は、済州市にある現在使っておる国際空港を拡張して新しい段階の需要に応じるのか、それとも一、二候補を挙げて他の新空港を整備をするのか、この課題にこたえる調査である。これについて第一回目の結論は、現在の済州国際空港に千五百メートル滑走路に対してもう一つ別方向の二千メートルの滑走路を設けて、拡張によって状況に応じるべきだ、そのために将来の拡張用地を確保しておけ、これが結論になっておる。そして新空港の可否については、まあボシツホと読むんでしょうかね、慕うという字と、琴瑟相和すの瑟と、浦という字を書いた慕瑟浦、これは現在軍用飛行場があるところです。もう一つは、月汀里——月の汀の里と、こう書いておりますが、この二つの新空港の予定地については、双方比較すると月汀里の方が情勢がよいけれども、値段が高い、工事が長期にわたる、場所がへんぴである、不利な条件が多い、そこの条件のもとに新設をするというのは不利である、また、大型の飛行機を発着させることは状況を点検した結果不要である、こういうことを申しまして、結論として、現在の済州国際空港の拡張説を、これを結論にしたものだと、こう見ておるわけですが、いかがですか。
○説明員(大鷹正君) お答えいたします。 第一回の調査団の調査結果は、幾つかありますけれども、その空港関係の部分は、簡単に申しますと、観光客がふえるのに対応して済州島の国際空港の整備が必要であるという点でございました。さらにもう少し詳しく申し上げますと、「当面、現在の済州国際空港の滑走路に交差する南北方向に近い滑走路」、これは長さ二千メートルでございますけれども、「を建設する必要がある。」、第二点として、「需要の増加に伴って、上記の滑走路を二千五百メートルに延長し、現在の滑走路を二千メートルに延長、副滑走路とする必要がある。」、こういう結論が出ております。
○小巻敏雄君 いま言われたのが、現在使っておる済州市の国際空港の整備をせよという部分であります。そしてその理由説明のところで、他の新空港の開発は無理だということがるるデータを挙げて述べられておる。こういうことであります。私の言ったとおりだということを答えられたものであります。 ところが、第二回になると、一年の間に同じ団が行ったわけでありますけれども、著しく結論が違うわけであります。第二回の報告書は、ここに幾つかに分けて内容を書いておりますけれども、結論として、現在の済州国際空港は大型機の運航の面から難点がある、こう申しまして、拡張は断念せよ、そして新空港を検討すべきだ、あわせて他の計画も併用すべきだ、月汀里が最も好もしい、こういうふうに勧告をしておるわけであります。あわせて、第一回目になかった問題として、第二回のこの点検調査の結果の勧告では、韓国の飛行機は幾つもの機種があり、安全上の上からも、将来の輸送力増強の上からも、機種の整理統合を考えよということを勧告しておるわけであります。 わずか一年の間に、いわば逆転劇が演じられておる。空港は済州市から月汀里に変わり、そして機種の統一をして大型機を導入する方向が強く打ち出されたというのがこの状況になっておる。そのとおりじゃありませんか。
○説明員(大鷹正君) お答えいたします。 第二回の調査団の報告の中の空港の部分につきましては、いま小巻先生がおっしゃいましたように四点ございまして、第一点が「現国際空港は、大型機の運航の面等から難点があるので拡張を断念し、他の開発計画とも併せて新国際空港の計画を検討すべきである。」第二点が「新空港の位置選定を行なう場合は、先ず気象データの収集から着手すべきである。」、第三点が「今回の飛行調査による運航技術の面から見れば、月汀里は好ましい候補地の一つと思われる。」、第四点が「新国際空港の完成までの間、安全性の向上および就航率の向上を図るなど、現国際空港を段階的に適宜整備する必要がある。」、こういう結論になっております。
○小巻敏雄君 この調査団というコンピューターは、同じ機械が前回と二回目と同じ材料を与えられて反対の答えを答申するという、非常に奇怪な結論の逆転劇が行われておるわけであります。主要目的であり、もう最大の目的である空港問題は済州空港から月汀里、しかもそれを率いて行った人は先ほど言い違えましたが、福永団長であります。一体これはどういうことか。その間に何の条件が変化をしたのか。しかも、この調査団はこの与えられた状況について意見を言うだけでなくて、二回目のものは日本側から逆転結論を積極的に提案をしておるわけであります。ここが問題だと。この一年の間に変わったのは、済州島の条件や全世界的なツアーの情勢ではなかった。まさに日本と韓国を取り巻く政財界の中に変化が起こったわけであります。具体的には、滑走路拡張は何をもたらすか、中型相当であると言われたところに滑走路拡張は大型機が入ることができるようになるわけであります。まあ私の見方からすれば、エアバス導入の条件が一回目から二回目の間に至上命令として、韓国側から、趙重勲氏からこの調査団に対して落とされた。これにこたえて逆転劇が演じられたと見る以外に合理的な解釈はできない。その間、第五回の日韓閣僚会議から第六回の日韓閣僚会議、一年のことでありますが、その間にどういう違いがあったか。第五回会議には田中角榮氏が通産相として出席をしておるのが注目をされるのでありますが、第六回は意気揚々たる田中総理のもとにソウルにおいて開かれた会議であります。この福永という人は、これは問題のある児玉、小佐野関係でいろいろやりとりのあった京成電鉄にいまも勤めておる人だ。これが一回、二回とも参りまして、とりわけ二回目に行ったときは、これは趙重勲氏と一日あげて懇談をやっておるわけであります。 その資料の中に、参考のために日程表をつけておいたわけでありますがか、二ページ目でありますが、第二回調査団が済州島に行く前に、ソウルで七月六日、趙重勲と懇談をしております。この日はくしくも児玉がKALのトライスター売り込み契約を、これをコーチャンとの間で締結をした、こういう日に当たっております。この間に大型機が、エアバスが全日空をつかんだ。そして刎頸の仲、小佐野・趙重勲との間で、韓国の開発の中にトライスターの導入の条件がつくられようとするわけであります。その周辺の変化を見れば、このことは色濃く浮かび上がってくる問題である。特に、この間にピーナツ、ピーシズが動き、そうして逆転劇が行われる、トライスター逆転劇あるいはPXLに関する逆転劇、同じようなことが同じ時期に、日韓関係の中でも同じ人脈、同じ人たちによって起こされていく。ここに動く金の流れ、人の流れを見るなら、今次ロッキード疑獄——いまロッキードはまだ韓国に市場を持っておりませんから、ここへ着々と手を打っておる、その中で動く人たちがあるということを明らかにしておるのではないでしょうか。 三番目に——もう一つあります。金脈、土地転がしということがこの済州島を舞台にして——日本国でも行われたのでありますけれども、非常に激しい勢いで行われておる。済州島というところは趙重勲氏と小佐野氏のまるで植民地であるかのように動かされようとしておる。これも先ほど申し上げました大森・小佐野対談の中で、小佐野氏みずからがこの済州島開発については趙さんと半半で金を出し合って、一大ギャンブル場、カジノホテルを——西帰浦と書くんです、ソキポというわけですか、この南海岸の方につくるのだということをみずから言っておるわけであります。趙・小佐野は合体をされた一連のものであります。こういうことが行われておる。どうしても趙・小佐野ラインにとっては日本政府に手伝いをかりて、そうして月汀里に新空港を建設しなければならなかった。月汀里というところは、私は、ここで趙重勲と合弁会社をつくろうとした日本開発の吉田という方にお目にかかって聞いたのであります。ああ月汀里といえばあれは趙さんの土地だ、趙さんが手に入れた土地だと、こう言っておるわけであります。そこのところへ日本の政府の肝いりの調査団を派遣をして逆転劇を行わせている、これが日韓の金脈、人脈の姿であります。 こういう状況、この二冊の報告書の中にあらわれてくる奇怪な逆転劇ですね、このことは、日韓人脈と小佐野・趙重勲、そしてその背後にあるロッキード社の影を見ることなしに真相を見ることはできないわけであります。こういったふうな状況が日本政府がらみで進められるということは一体どういうことか、大臣の答弁を聞きたいと思うわけであります。
○国務大臣(稻葉修君) これはまあ、ロッキード事件というものの国際的背景についてあなたが調査されたことを述べられて、どうかというわけですからね。やっぱりロッキード事件のそういう国際的背景も、非常にこの事件の全貌解明のために役立つという感じを持ちますな。
○小巻敏雄君 役立てるというのは、口でそう言うことだけではだめなわけですから、その裏づけになる具体的な取り組みをどうしても進めてもらわなければならないわけであります。もし小佐野氏がこのまま不起訴にでもなって、そしてまた動き回るということになれば一体どうなるのか、そういうことを考えても、どうしても放置しておけない問題だ。一方で日本政府が手伝って、そのようにして二回にわたる日韓閣僚会議でてこ入れをして、趙重勲の思うがままに、小佐野の思うがままに事が進められている。 ここに民間ベースで、またまたKALの趙重勲と組んでおる日本の企業があったわけであります。これが韓日観光開発であります。ここにも色濃く韓国ロビーの人脈が出てまいります。この韓日観光開発ですね、民間ベースで、この政府の経済協定に従って行われる民間団体の投資の企業、あるいはその代表者の名前を言ってもらいたい。——どこなんですか。通産省じゃないんですか。——外務省はいやしくも日韓の閣僚会議の決定で、政府一〇〇%の資金を出して調査まで進められておるところの現実的な進行をつかんでいないわけなんですか。一般紙にもいろいろ言われておるところであります。どうなんですか。
○説明員(大鷹正君) お答えいたします。まず第一点、先ほど先生がずっとおっしゃっていました第一回の調査団の報告とそれから第二回の調査団の報告……
○小巻敏雄君 いまそれを質問しておるんじゃないですよ。
○説明員(大鷹正君) それもちょっと申し上げておきますと、これは全く技術的な問題なので、どういうことでそういうことになっておるのか、どういうわけで食い違いがあるのかということはわれわれも承知していないわけでございます。 それからこの二回の調査団の派遣は、韓国側の要請に基づいて日本の対韓技術協力の一環として行われたものでございまして、調査団の報告の提出をもってその技術協力は一応終わっておるわけでございます。
○小巻敏雄君 韓日観光の説明しないじゃないですか。こういう姿勢であるから、ロッキード疑獄の究明は一部が解明をされても多くの部分が暗やみに残されていく。田中隠しと言うことはいまは当たらないかもしれないけれども、明らかに外務省のいまの態度などは日韓隠しの姿勢だと言わなければならないと思います。韓日観光開発というのは岸信介氏を会長として準備を進められ、日本側からは、いまは破産をしておりますけれども、日本開発・吉田清貫という人が代表者になって進めたものであります。これらのことも当然把握をされていなければならぬ問題だと、そういうふうに思うわけであります。まあこの問題については、非常に参考になり、今後捜査を進める上で留意をしていくという趣旨が、これは私は先ほどの大臣の答弁だったというふうに理解をするわけでありますけれども、はなはだ迫力のない答弁であったことも同時に指摘しなければならぬと思うのです。 最後になりますけれども、私はここで具体的な事実をさらに指摘をして、小佐野、そして趙重勲、日韓にわたりロッキード社・コーチャン、コーチャンの手に踊る人、あるいは全日空の人、こういうかかわりが一つの舞台の中で回っておるということを申し上げて、そして質問を終わりたいと思うわけです。先ほども趙、小佐野、コーチャン、伊藤の箱根富士屋会談について、先般具体的に指摘をした問題についてただしたわけであります。この会談、これの事実が明らかにされて内容が追及されるならば、少なくとも小佐野氏がこの国会の中で、衆議院において知らぬ存ぜぬ、コーチャン証言は関係がないというような答弁をした根底から崩れ去っていく事実が解明をされるわけでありますが、さらに申し上げたいわけです。 本年二月十二日、十六日の衆議院の証人喚問を前にして小佐野氏はハワイから日本に帰ってきたわけであります。十二日に小佐野氏が意外にもソウルを経過をして、そうして大阪へやってきた、趙重勲氏を伴ってやってきた、そこまでは明らかになったのでありますけれども、そこから国会に証人として出廷をするまでの間の足取り、これはどの新聞を見てもついに記載されることはなかった、一つのなぞに包まれた間になっておるわけであります。この足取りについてただしたいわけであります。法務省関係ではこの足取りをつかんでおりますか。
○説明員(安原美穂君) 承知しておりません。
○小巻敏雄君 ホノルル発のKALでソウルを経過をして午後一時三十分にソウル発、午後三時十五分に大阪着と、ここまでは御存じなわけですね。そこから先は全然わからないわけですか。
○説明員(安原美穂君) 御指摘のように帰国するまでの経過は入管局の調べで明瞭でございますが、その後の国内における動向については承知しておりません。
○小巻敏雄君 それではこっちから言いますが、小佐野賢治、この人はそこから東京方面に向けて新幹線に乗ったわけであります。しかしながら、世田谷の自宅には帰っていないわけであります。そこから直接専用車のダッジという車に乗って、そして何人かと落ち合い、同行をして、自宅に対しては、いいようにこの専用車につけられておる無線電話で連絡をとりながら一路箱根に走っておる。神奈川県の箱根の富士屋ホテルから六キロばかり離れたところにある仙石原のゴルフ場、ここに彼の別荘があるわけでありますが、午六山荘という別荘へ行っておるわけであります。しかも、それには同行者がついておる。趙重勲氏であります。趙重勲氏は翌日十三日に帰国するまでの間、十二日の夜は小佐野氏とともに間違いなく、わが党の調査では午六山荘に宿泊をしたわけであります。そこへ途中から合流をした人物があります。これはいまは逮捕されておる、このロッキードに関係のある非常に重要な人物である。名前も言えばそれは全日空の副社長の渡辺氏であります。さらにここに小佐野氏の末弟の政邦氏というのもともに一夜仙石原のこの午六山荘でもって非常に重要と思われる会談を行っておる。一体それで何が語られたのか。趙、渡辺、小佐野、こういう取り合わせばロッキードの暴露とともに直ちにハワイに走り、そして帰りにはソウルに立ち寄り、そこから伴って戻ってまで会談をする。こういうところで何が話されたのか、これが非常に重要なことであります。この問題について周辺を洗うなら、私は日本の検察、警察の手でこれらの事情が明らかにできないということはなかろうと思うわけであります。こういったふうな問題についていま私は一つの新しい事実を提示をしてお尋ねをするわけですが、どのようにされるおつもりか、ひとつお伺いをしたい。
○説明員(安原美穂君) 捜査当局が取り調べをし、公判請求をいたしました渡辺尚次に関する情報として捜査当局に伝えたいと思います。
○小巻敏雄君 最後になりますが、渡辺という人物はいまも新聞等にも出てきておるわけでありますが、一方でロッキードのために立ち働く、これと同時に全日空が日台空路を改めて獲得するためにということで政治家買収を図って、国会の中にもみずから体を運び、金を配って歩くと同時に、事が露見をしたら一人ずつ証拠隠滅のために電話をかけて回ったというようなことも、かなりに出回って明らかにされておる人物です。こういう人物が協議をして証拠隠滅を図る。こういう状況の中で、どうしてもさまざまな状況が挙がり、偽証の疑いももう明白になっておる小佐野賢治氏は、速やかにこれは強制捜査を受けなければならない。そうでなければ証拠隠滅ということは目に見えておる。また渡辺あるいは趙重勲とかかわりを持つ小佐野氏の身辺、これについては証拠隠滅問題も含めて、具体的に捜査をするということがなぜ怠られておるのか。私どもとしては理解に苦しむところであります。自民党の有力な議員の口からこの日韓問題の解明はロッキード疑獄解明の近道だということが一つの反省をもって述べられる時期に、ロッキード解明をこれを日韓隠しに終わることなく、ぜひとも究明を続けてもらいたい。 最後に、もう一遍稻葉法務大臣に念を押して質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 私からこういう正式な席であなたの御質問にそうだそうだと、こういうことを言いますと、やぱっり指揮する、指図するということになりまして、こういう席では、あなたが述べられているようなことは捜査当局もわかるわけですから、その捜査当局の何と言いますか、良識というか、使命感というか、職務感というか、そういうものに全面的に心服をおいている私としては、ここで何か指図がましいようになる答弁をすることは差し控えたいと、これでいかがでしょうか。
○小巻敏雄君 最後に、いま渡辺氏の十二日の足取りという問題も出してお尋ねをしておるわけですけれども、刑事局長の方では十二日の足取りというのは承知しておらぬというような話でもあったわけであります。こういう問題について大臣の口からは答えにくいのかもしれませんけれども、やっぱり国民として具体的な事実も挙げて質問しておることについては、もう少し実のある答弁をいただかなければならぬと思います。前後をしますけれども、刑事局長、どうですか、それを聞いて終わりたいと思います。
○説明員(安原美穂君) いろいろ御説明をいただきまして恐縮でございまして、渡辺に関することに関しましては勾留中で取り調べ中の、勾留し、公訴提起をした者の足取りに関する情報として伝えさしていただきたいということを申し上げた次第でございますが、なお小佐野賢治氏云々というようなことにつきましては、いかなる批判がございましょうとも、これはやはりこれからの捜査の方針、計画に関することでございますので、何と御批判を受けましょうとも申し上げるわけにはまいりません。
○小巻敏雄君 終わります。
○田渕哲也君 まず航空局長にお尋ねをしたいと思いますが、小佐野氏の航空会社の株の取得状況についてお伺いをしたいと思います。
○説明員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。 まず日本航空の関係から申し上げますが、四十五年ごろからでよろしゅうございましょうか。
○田渕哲也君 日本航空の場合は、もう少し前からわからないですか。
○説明員(高橋寿夫君) はい。 四十一年の三月末からの資料がございますので、それから申し上げます。 四十一年三月、二十二万七千五百二十七株、順位は十六番目、比率〇・六%であります。四十二年三月、二十五万七千二百四株、順位十五番、比.率〇・六%。四十三年三月、三十四万七千二百二十四株、順位十二番、比率〇・六%。四十四年三月、七十万二十一株、順位六位、比率一・一%。四十五年三月、九十九万四千十六株、順位四番、比率一・三%。四十六年三月、百二万九千百七十四株、順位四番、比率一・三%。四十七年三月、百八万九百七十四株、順位四番、比率一.四%。四十八年三月、二百三十四万五千六百三十二株、順位二番、比率二・六%。四十九年三月、二百五十三万三千四百六十七株、順位二番、比率二・六%。五十年三月、これは四十九年三月と同じでございます。それから五十一年三月、二百五十三万五千五十六株、順位二番、比率二・六%でございまして、これが現在の数字でございます。 それから、次に全日空の関係を申し上げます。三十五年の三月三十一日、八千六百五十株、順位はちょっといまわかりませんが、かなり低いと思います。それから三十六年三月、千株。飛びまして三十九年三月、二千株、この間は変わらないということでございます。それから四十五年三月、十万四千三百株、ここから順位の資料がありますので申し上げますと、二十八番、比率〇・五六%。四十六年三月、三十七万八十四株、順位九番、比率一・九八%。四十七年三月、七十四万二千六百六十八株、順位九番、比率一・八六%。四十八年三月、七十六万一千百六十八株、順位九番、比率一・九%。四十九年三月、百九万四千八株、順位九番、比率二・〇二%。五十年三月、百十一万八千三百九十二株、順位九番、比率二・〇三%。五十一年三月、これは額面が五百円株から五十円株に変わりましたために、一けた株数で多くなりまして千百十八万三千九百二十株でありますが、実質的には前年と同じでありますので、順位九番、比率二・〇三%であります。 それからもう一つ、日本の三航空会社の、大きな会社の一つでありますところの東亜国内航空、これにつきましては小佐野賢治氏は全然株式を保有しておりません。
○田渕哲也君 小佐野氏は、衆議院の予算委員会の証人喚問の中で航空会社の株をこんなたくさん持っておるに至った状況を聞かれたときに、各社とも増資、増資で持ち株がふくれ上がっていったと言うけれども、この証言は私は事実に反すると思うのです。いまの御説明を聞きましても、全日空の場合には昭和四十五年以降大量にその株を取得しておるわけであります。それから日本航空の場合にはやはり昭和四十年代に株をどんどんふやしていっておる。こういう状況から言いましても、四十年代に日本航空並びに全日空に巨額の資金をつぎ込んで、その株の買いあさりをやったということが事実として言えるのでありますけれども、この点はいかがですか。
○説明員(高橋寿夫君) お答えいたします。 これは御指摘のとおりでございまして、通常の増資に応じたという以外に証券会社等々を通じて買い集めたものも全部入っておると思います。
○田渕哲也君 それから、次にお伺いをしますけれども、昨年の五月に日本航空の役員の選任のときに、従来日本航空の社外重役は大体大株主の中から輪番制に選んでおる。大体二年任期で交代というのが慣例だったと思います。ところが去年の五月、小佐野氏は重役の任期が二年たって当然交代すべきであるにかかわらず、再びこれ留任しております。この間のいきさつについて、もしわかっておればお伺いをしたいと思います。
○説明員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。 御指摘のように、昨年の五月に重役の一斉任期更新がございまして、このときに非常勤重役として前期に引き続きまして小佐野賢治氏、五島昇氏、この二人が選任されたわけでございますが、日本航空の話では、大株主の輪番制ということもかつてはありましたけれども、最近は必ずしもそれにこだわっているわけでもない、そして過去におきましても二期連続して就任したという事例も幾つかございまして、このときの事情としてはやはり日本航空の社業の発展ということのために、この二人の方をもう一期選任するということが適当と考えられたんだというふうに言っているわけでございます。
○田渕哲也君 私はただいまの答弁は必ずしも正確でないように思うわけです。四十年以降の日本航空の役員の名簿を調べてみたところが、二年以上にわたって留任しておる例というのは、例外は川淵氏だけだと思います。この川淵氏の場合は日本国内航空の社長をしておられた。そういう関係で、またこの四十六年以降は、これは川淵さんは日本航空の専務というふうになられておるわけであります。ほかには非常勤の役員で二年以上にわたって留任した例はないと思います。過去はそういう慣例があったけれども、最近はそうではないと言われましたけれども、この慣例が破られたのは去年の五月、小佐野氏の留任によって破られたということだと思いますけれども、この点はいかがですか。
○説明員(高橋寿夫君) お答えいたします。 二期連続就任いたしました例は、ちょっと古いんでありますが、二十八年から三十一年とか、あるいは三十二年から三十五年というところに例はあるようでございますけれども、まあ、それはしかし例としてはむしろ少ない方の例であって、事実としては通常は交代制でやっておったと認められますけども、日本航空の話では必ずしも輪番制を守るということのみにこだわっていないというふうなことを言っておるわけであります。
○田渕哲也君 私は、去年の五月の小佐野氏の留任は日本航空の朝田社長の意に反して行われた、このように見ておるわけです。この点はいかがですか。
○説明員(高橋寿夫君) これ私どもちょっと想像する余地もないことでございますので、私としては何ともお答えできないことでございます。
○田渕哲也君 昨年の五月十日の新聞、東京新聞の記事がありますけれども、朝田社長はこの小佐野氏から強引にやめないということで居座りを要求されて、困り果てて木村運輸大臣、田中前総理、それから佐藤元総理、それから小林中氏、こういう方々に相談して回ったという記事が出ております。きょうは木村運輸大臣は要求したけれども、来られなかったわけですけれども、私はこの実情から見ましても、やはり小佐野氏が二年交代制ということに反対をして、強引にこの重役の座に居座った、このように見なければならないと思うんです。この点はいかがですか。
○説明員(高橋寿夫君) いま大臣に言及されましたので、この新聞記事に関しまして大臣が申しておりますことをお伝えいたしますと、この年の五月二十九日に日本航空の株主総会が予定されておったわけでございますが、そのときに、これは役員の更新期になりますので、約一月前の四月の末ごろに朝田社長が運輸大臣を訪ねられて決算を中心に最近の経営状況の報告を受けた。そのときに同時に今度選任すべき常勤、非常勤を含めた役員のお話もあったということを大臣は言っております。ただ、そのときにこの新聞に書かれておりますような特定の人の名前を挙げてどうこうという話は大臣としてはなかったと記憶していると、こういうことを大臣申しておりますので、そのことをお伝えいたしまして答弁にかえさしていただきます。
○田渕哲也君 私はいまの答弁では納得できない。ただ表面をつくろうための答弁のような気がするわけです。ただ去年の五月に、いずれにしろ過去の慣例を破って小佐野氏が留任したことは間違いがない。問題は、この小佐野氏がなぜ航空会社の株を買いあさったり、あるいは日本航空の取締役のいすを欲しがったりするのか、これについて航空局はどのように見ておられますか。
○説明員(高橋寿夫君) これは航空局の見解と言いますよりも、私の私見が入るかと存じますけれども、小佐野氏は観光開発あるいはそれに関連しての航空事業というものに非常に意欲を燃やしている人であると思います。そしてそういったことから日本航空あるいは全日空の大株主になったんだろうと思うんでありますけれども、特に小佐野氏は海外でホテル投資等をしておりますので、そういった意味で日本航空の大株主あるいは非常勤重役になるということが小佐野氏自身のやはり一つの何といいますか、企業家としての目的を達成するために必要だった、必要なことであったというふうに考えたものであろうと思いますが、そのことにつきましては、民間——日本航空といえどもやはり一応株式会社でございますので、そういう株式会社の株主なりあるいは非常勤重役の態度一般の問題でありますので、私どもが私どもの立場からそれをとかく批判することについては公式には控えたいと思うわけであります。
○田渕哲也君 小佐野氏が航空会社にこれだけ関心を持つ理由は、衆議院の予算委員会の証言においてみずから本人が言っているわけですけれども、私は各地にホテルを持っておる、ハワイ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、それから国内にも相当ある、ホテルと航空というものは一体のものでなくてはならない、こういう言葉があるわけですね。私はこういう点から見ても小佐野氏が航空会社の株をたくさん持ったり、あるいは取締役に就任したりする理由というのがはっきりこれに出ておるように思うわけです。中央公論の五月号にラッセル・リンチというハワイの新聞記者がハワイにおける小佐野賢治氏の商法について書いておるわけです。その中で——小佐野が日航との関係を利用してジャルパックなどの団体を自分のホテルに引き込んでいるといううわさは広まっている——まあこういう記事があるわけですけれども、私自身調べてみたところ、ハワイにおけるジャルパックの客は大部分小佐野氏の経営するホテルに泊まっておる、こういう事実があるわけであります。私は、日本航空は民間会社とは言いながら半官半民であるし、しかもきわめて公共的性格の高い企業だと思います。こういう日本航空というものと小佐野氏というような民間人とが癒着をしておる、こういうことは問題だと思いますけれども、監督官庁である運輸省はどう考えておられますか。
○説明員(高橋寿夫君) お答えいたします。 事実関係につきましては先生が御指摘のとおりでございまして、乗客用あるいは乗員用の契約ホテルといたしまして、ハワイでは国際興業ないしは国際興業系のホテルをいわゆる定宿として契約をしている事実がございます。このことにつきまして日本航空に尋ねたところ、日本航空としては、非常に日本人観光客がハワイは多いところでありますし、またなかなか部屋がとれないという場合がある、そこでやはり部屋のとりやすいところということになりますと、どうしても日本人の経営しているホテルの方が何かと便利である、またホテルの施設としても一流であるし、そのロケーションから言っても非常にいいところであるというところで、そういうところと特定契約をしているということであったわけでありますけれども、私はそういったことの限りにおきましては、あっておかしくはないことだと思いますけれども、仮にそういったことの限度を超えまして、強引に日本航空のお客さんを引っ張り込むというふうなことがありますと、これは不適当だと思いますけれども、日本航空側の便益といいますか、必要性といいますか、それとマッチする限度において、こういう特定が行われるということは必ずしも不適当なことではないんではないかというふうに私は考えます。
○田渕哲也君 それから、もう一つお尋ねをしますけれども、ハワイにあるインターナショナル・インフライト・ケータリングという会社がありますけれども、この会社はどういう会社ですか。
○説明員(高橋寿夫君) お答えいたします。 この会社は日本航空、国際興業が大株主になっている会社でございまして、航空旅客に機内食を提供する会社といいますか、日本航空が五一%の株式を持っております。国際興業が三九%の株式を保有いたしております。
○田渕哲也君 この会社は大体日本航空の機内食を扱っておるということでありますけれども、これも大体小佐野氏の系統の国際興業が約四割の株を持っておる。つまり小佐野氏は日本航空の役員に強引になったり、あるいはその株を買いあさることによって、自分の本来の事業であるホテル事業とか、あるいはそれに関連したサービス事業、機内食の会社とか、こういうもので利益を得ようとしておる、そういうメリットがあるから航空会社の株を買い占めをしておるし、それから社外重役の地位に固執しておる、まあこういうことが言えるわけです。私が問題にしたいのは、たとえば日本航空の取締役の座にしても、本来なら二年交代という慣例があるのに、これは自分が田中前総理とか、そういう政治的に親しい人があるからというので、強引にこういう横車を押しておるわけです。日本航空というような半官半民の会社で、私はこういう状態が起こるというのは好ましいことではないと思いますけれども、この点はいかがですか。
○説明員(高橋寿夫君) お答えいたします。 私は先ほど小佐野氏側はこういう気持ちであろうと申し上げましたけれども、もう一つ日本航空の方の側の事情は、やはり小佐野氏の企業家としての手腕、能力といいますか、そういったものをやはり日本航空の経営者として日本航空側はメリットありと認めているのであろうと思います。そういったことで、日本航空の重役会で選任されたのであろうと思いますけれども、ただそのことは、やはり日本航空という、これは公的使命を持った航空会社でございますから、日本航空の業績を公的に発揮していくということのためにプラスになる限りにおいて是認されることでございまして、仮にもこれが一個人の私利追求というふうなことになってはこれはいけないというふうに考えます。現在の段階ではどちらの振り分けになっているのかという点につきましては、今日までのところでは必ずしも私利益追求のためにこれを間違って利用されているところまでにはまだいっていないのではないかというふうに考えます。
○田渕哲也君 次に、国税庁にお伺いをしますけれども、小佐野氏の所得についてできる限り古い時期から各年ごとに述べていただきたいと思います。
○説明員(山橋敬一郎君) お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、申告書の保存期限は実は五年でございまして、それ以前の公示された所得金額につきましては実は不明でございます。したがいまして、四十六年分以降五十年分までの公示された所得金額について申し上げたいと思っております。 四十六年分につきましては公示されました申告所得金額は二億九百八十七万七百十円でございます。それから昭和四十七年分につきましては一億八千五百四十八万七千二百四十七円でございます。四十八年分につきましては二億七千百三十五万一千三百四十九円でございます。昭和四十九年分につきましては五億四百四十七万二千五百八十二円でございます。昭和五十年分でございますが、三億五千五百七十一万五千八百七十二円ということになっております。
○田渕哲也君 それ以前のことはわからないんですか。
○説明員(山橋敬一郎君) ちょっと判明いたしかねます。
○田渕哲也君 私が調べた結果では、大体四十年より前はうんと少なくて大体何千万円台——一千万円台から三千万円台、そういうところだと思います。それから四十三年は一億四千百二十九万という数字があるわけですけれども、大体四十年代は一億から二億。それから四十九年、五十年は少し多くなっておりますけれども、大体そういう見当だと思うのですね。私はここで、四十年代に小佐野氏が航空会社の株を買ったその資金だけでも、日本航空で私の推算ですけれども、三十億円以上になる。それから全日空の場合は十億円以上になる。もちろんこの株を買った資金がどうしたのか詳細は明らかではありません。そのほかホテルの買収とか、あるいは国有財産の払い下げを受けております。これは法人で買ったのか、個人で買ったのか、あるいは銀行からの借入金か、いろいろあるでしょうけれども、現在小佐野氏の資産は聞くところによると数千億円というふうに言われておるわけですけれども、国税庁から公表されておる数字から見る限り、現在の資産というものもきわめて過大でアンバランスである。所得と資産との関係がアンバランスである。それから四十年代に株を買った資金の金額から見ても、所得と比べたらきわめてアンバランスである。これは田中金脈のときにも、田中前総理の所得と資産の関係で同じような問題があったわけですけれども、こういう点についてどの程度調べておられますか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答え申し上げます。 国税当局といたしましては、小佐野氏並びにその関連会社の申告を検討するに当たりましては、その申告額と、それから新規にもし取得した資産がございましたらその資産、あるいは所有資産というものとの関係につきましても、十分調査の段階で検討していることは言うまでもないところでございますが、一般論として申しますれば、税務調査の場合には、その資産が真実その納税者のものであるかどうか、あるいはその資産の取得資金が適切に調達をされて課税上の問題はないのかどうか、あるいはその資産から生ずる所得が申告されているかどうかという点について検討するのが主眼でございます。まあ、その資産の現在の時価あるいは価格というものが非常に多額であるということによりまして、その申告額が直ちにどうこうというふうな判断を下せるかどうかということにつきましては問題があろうかというふうに考えているわけでございます。 なお、先ほど先生のお話にございましたように、小佐野氏並びに国際興業が取得しましたハワイのホテル等に関しましては、その取得価格とか資金の源泉並びに収益の状況など、税務調査の対象になりますところの事項につきましては、すでに検討しておるところでございまして、その実態を把握しております。 以上でございます。
○田渕哲也君 田中金脈の問題で、田中前総理の資産、所得その他税務関係の調査をされたときに、それに関連して小佐野氏の所得、資産、税金関係について調べられたかどうか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(山橋敬一郎君) お答え申し上げます。 小佐野氏の最近の数年間の申告につきましては、所得が高額でもございますし、得られる限りの情報や資料に基づいて検討を行っておりまして、従来から適正に処理をしてきているところでございます。また、小佐野氏が関係をしておりますところの国際興業につきましては、田中前総理の関連企業と言われる法人の取引先、こういうふうな意味もございまして、昨年も実地調査を行っておりまして、これにつきましてはすでにその旨国会で御答弁を申し上げているわけでございます。
○田渕哲也君 今回のロッキード事件に関連をしまして、七月二十九日の衆議院のロッキード特別委員会で国税庁次長は、小佐野氏の課税関係についての調査を検討中という答弁をされておりますが、現在どうなっておりますか。これは調査をされているのか、まだ検討中なのか、いかがですか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、七月の二十九日の衆議院のロッキード委員会におきまして、御質問にお答えする形で、最近におきますところの国会でのいろいろな質疑あるいは新聞報道等でいろいろ取り上げられている事項のうちで、課税に関係すると認められる事項につきましては、既往の申告状況とかあるいは課税状況の再検討のほかに、反面調査あるいは実態調査等の手段によりまして、その内容を十分に検討をしてるところでございます、という御答弁を申し上げておるわけでございますが、現在もなお引き続きその内容を検討中でございまして、今後調査するに当たりましてはこれらを十分活用してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○田渕哲也君 去る八月七日に、日本航空の地上並びに客室乗務員で構成しておる全日本航空労働組合の大会がありました。この大会で、小佐野氏の日航取締役罷免要求を決議しているのであります。その理由としては、政商のうわさが高く、ロッキード事件に関連していると言われる人を、公共性の強い航空会社の幹部に据えるべきではない、こういう理由で労働組合がこういう決議をしておりますけれども、これについて航空局長はどう思われますか。
○説明員(高橋寿夫君) これ、私としてはどうもお答えできない事柄に属しますけれども、一般論といたしましては、やはりそういうことが日本航空の中の主力労働組合で決議されたというふうなことは、日本航空の経営者なり日本航空の株主さんとしては当然関心を持たれることであると思いますので、そういったことも客観情勢の一つとして配慮するということになるのかどうか、それはまあそういった方々の御判断の問題であろうと、私たちの立場から直ちにどうということについてはちょっと申し上げかねるわけでございます。
○田渕哲也君 時間がありませんので、これで終わります。
○下村泰君 法務大臣に伺いますが、いままでの委員会の経過を拝聴させていただいたんですが、小佐野賢治氏に対するもろもろの疑惑といいましょうか、あるいはそれぞれの方の、それぞれのお調べのあり方によりまして大変重要な人物であるということがよくわかったんですが、その小佐野賢治氏を証人として喚問することは、証人として出てもらうことは構わないんだけれども、その時期については云々ということで、いつ幾日出てこられる、あるいは出るというようなまだ答えが出てないというふうに承っております。 実は、昨日あるところで一般市民の方とお話をしたんですが、中には大変うがったことを言う方がおりまして、どうもおかしい、あれは小佐野氏に証人として出てこられてべらべらしゃべられると困る議員がたくさんいるんじゃないかと、したがって、小佐野氏を何とかして証人として委員会に出席するのを引き延ばして、臨時国会に入ったり、逮捕というときになったらこれは拒否権を発して逮捕を拒否することによって、そのしゃべられてぐあいの悪い議員さんを助けるために引っ張っているんじゃなかろうかなどといううがったことを、やはりこれだけ騒がれますと一般市民は一般市民なりにいろいろと推定したりあるいは想像するわけなんですけれども、どうして小佐野氏が証人として委員会に呼ばれないのか、また呼べないのか、その辺ちょっと法務大臣に伺いたい。
○国務大臣(稻葉修君) お答え申し上げますが、どうして呼べないかということについては、こちらから御質問したいような気持ちがするわけです。国会がお呼びになるという——私が呼んじゃいかぬなんて一度も言ったことないんですよ。私はただ、国会がお呼びになって証人尋問をされる場合のやり方についてちょっと気がかりなことがあったものですから、それでそれ以来——前にはどうぞ、一向差し支えありませんという答弁であったのが、どうも、いつ呼ばれて、だれに調べられて、どういうことを聞かれましたか、こういうことは聞かれませんでしたか、というような捜査の内容に立ち入られるような尋問があったり、それから、いまは日本国憲法に従って、人権の擁護ということの非常にやかましい憲法なもんですから、警察でも検察でも、現行犯を逮捕してきたような場合でもまあ丁寧に聞きますわな。それは、どうもその点について国会としてはもう少し丁寧にやっていただいた方が真相究明になるんじゃないかと思ったりしましてね、その辺のところのやり方をどうかひとつ良識をもっておやりいただきたい、こういうのと、もう一つは、捜査がだんだんこう進んで核心に来ましたときに、捜査、強制捜査とぶつかったりしない方がいいのかなと私自身静かに、いや十分に捜査当局が自由自在、濶達に、何の差しさわりもなく、気がねもなく、こういうふうにやれることを望んだものですから、ああいう答弁に変わったわけですね。今日の段階においてはもう同様でありまして、どうか尋問のやり方等について、国会の品位と言っちゃ語弊がありますが、人権の問題等も顧慮されて、十分良識はおありになるんですから、良識を発揮しておやりいただくということを申し上げるだけで、後は委員長を初め、ロッキード問題調査特別委員会の御任務のことでございますから、私から困るの困らぬの、どんどんおやりくださいの、どんどんおやりくださるなの、そういうことを申し上げる立場でございませんものね。
○下村泰君 嘱託尋問についてちょっと伺いますが、安原刑事局長に。いま米国に証人尋問を嘱託した三人の証人のうち、すでにコーチャン氏の証人尋問調書は東京地方裁判所を経て東京地方検察庁に届いたと聞いておるんですけれども、クラッター氏とエリオット氏の証人尋問の見通しはいまどういうふうになっていましょうか。
○説明員(安原美穂君) 下村委員御指摘のとおり、コーチャン証言につきましてはすでに東京地検にこれを入手しております。そのあとのクラッター、エリオットにつきましては、日本側からの事情による証人尋問を妨げる事情は全部なくなっておるわけでございますが、報告によりますると、両名は、米国法による自己負罪といいますか、訴追免除を主張しておりまして、その訴追免除の特権を与えられなければ証言を拒否するということを主張しておりますために、ただいま証人尋問の進行がとまっておる。したがいまして、今後これが進行するためには、米国の政府において両名に対して米国の法律による訴追免除、俗に言いますれば米国で処罰されるようなことを勘弁してもらう特権というものを米国政府が与えるということがございませんと、証言を拒否するということが米国法ではできるわけでございますので、その米国政府がその特権を与えるということになりますと証言が進行しますが、それがないとなお証言が得られないという状況にあるものと理解しております。 そこで、そういう判断がなされることを前提にいたしまして、一応九月六日にはいずれにしても両名を裁判所に呼んで尋問に応ずるかどうかを重ねて問うということになっておりまするが、私どもの予測では、仮に米国政府が両名に対して特権を与えるならば、もう少し早く証言が得られるのではないかという見込みを持っておる次第でございます。
○下村泰君 そうしますと、いまの刑事局長のお話のようなぐあいに、たとえばもし進展しなかった場合には、こちらの捜査には大分支障を来すということになりますか。
○説明員(安原美穂君) これもときどきお答えをしておることでございますが、仮に両名の証言が得られなかったら捜査に支障を来すかということになりますと、現在におけるわが国の捜査の進展状況の中身をさらけ出すことにも相なりますので、申し上げるわけにはいかないわけでございますが、何と申しましても、クラッター、エリオットという人が重要な参考人であることは間違いがないわけでございますので、たびたび申しておることでございますが、捜査にベストを尽くすということがあるといたしますれば、そういうものがないということはベストを尽くすという観点からは支障があるということになろうと思います。
○下村泰君 当初、東京地検では米国在住のロッキード関係者十数人から供述を得たいと打診を重ねたそうですが、最終的には、早急に関係者の供述を得るために、必要最小限のコーチャン、クラッター、エリオット三名にしぼって嘱託尋問を行ったと、こういうふうに伝えられております。 ところで、その政府高官と目されていた田中前総理が逮捕されまして、近日中に起訴と伝えられますけれども、また、この田中前総理の秘書である榎本が起訴されると。で、ピーナツ領収証の時効が中断された現時点では、三名に限らず、その当初の方針どおりロッキード関係者から広く供述を求めることが今後の公判維持の上からも必要であると、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 証人尋問の嘱託という捜査方法は刑事訴訟法の二百二十六条でやむを得ずとった措置でございまして、本来ならば、わが国の検察官が米国政府の了解のもとに米国本土に渡りまして必要な関係人から事情を聴取するというのが最もいい方法であったと思うんでございまするが、これは強制的にやるわけにはまいりませんので、本人の、取り調べを受ける人の承知、承諾のもとにやらなきゃならぬということでございましたために、その承諾が得られないということで、やむを得ず二百二十六条による証人尋問の嘱託をしたということでございまして、そういう意味におきまして、今回の証人尋問の経緯を見ても御理解いただけますと思いまするが、これは米国裁判所に対して、あるいは米国政府に対して大変なお手数をかけたことでもございますので、捜査の便宜ということだけでもまいらない問題がございまして、必要最小限度三名にしぼったというわけでございます。
○下村泰君 一番捜査の進んでいないルートというと、児玉ルートということになりますけれども、一応お伺いだけしておきますけれども、ロッキードの副社長のトム・バロウ氏、それからフィンドレー会計士という方もおりますが、このウィリアム・フィンドレーという方の小委員会における証言を拝見しますと、二月四日の小委員会公聴会で、ロ社の航空機売り込み工作費のうち約二十一億円が児玉譽士夫氏に渡っていると、このフィンドレーという方が証言しています。これだけの証言をしている方を、やはりこれは嘱託尋問をしてみる必要もあるんじゃないかと思うんですけれども、こういうことに関して検察庁はどうですか。
○説明員(安原美穂君) 御意見は御意見としてもっともだと思いますけれども、また別途、証人尋問調書だけではなくて、米国関係からはSEC、いわゆる証券取引委員会関係における証言調書その他入手もいたしておりますので、現在のところ、捜査当局としては重大な障害もなしにその点の捜査は遂げられるものという見込みでおる次第でございます。
○下村泰君 昨日も実はこの時効のことでお話しして、法務大臣の方からお教えもいただいたんでございますけれども、このロッキード事件を反省しますと、今後の問題として刑法を改正して贈収賄罪の法定刑、これを引き上げなくても、刑事訴訟法を改正してその罪の種類によって通常の時効期間よりも長くすることが立法上可能であるかどうか伺いたいのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事訴訟法の専門家である刑事局長に答弁させます。
○説明員(安原美穂君) 公訴の時効につきましては、刑事訴訟法に規定がございまして、法定刑によりまして時効がそれぞれ決まっておるわけですが、したがって、法定刑を決めるのは刑法でございますので、刑法の法定刑が変わらぬと現在の刑事訴訟法では時効も長くなったりいたさないという関係にあるわけですが、昨日もちょっと触れましたように、米国の刑法典、模範刑法典であったと思いまするが、非常に発見のしにくい犯罪については、その罪種を限りまして時効期間を長くするというようなことが模範刑法典では図られておるようでございまして、立法論としてはいま申されるようなことも可能ではあるということは言えると思います。
○下村泰君 実は、きのうもお話を承りまして、いろいろ私は私なりに考えてみたんです。で、私はもう法のことに関しましてはまるで素人でございます。素人の私が考えてどうにも納得いかないと思うのは、たとえば刑法の方を拝見しましても、窃盗で十年以下、そして時効は七年、ところが、こういうものに比べると、もちろんやっていいとか悪いとかということは抜きにしまして、例が当てはまるかどうかわかりませんが、三日も四日も食べてなくて、いま目の前にパンが一個あって、それを思わず知らず盗んだ。そういうものの時効と、この贈収賄なんというのは、物すごく知能を駆使して、場合によってはその贈収賄の陰に死んでいく方もいるわけです。いままでのこういう疑獄事件の過去をたどってみると、なぞの死人というのがたくさん出ているわけなんです。へたをすれば、その贈収賄という事件の中に巻き込まれただけで自分の責任を感じて、よく係長であるとか課長であるとか、そういうクラスが自殺をしたり、あるいは何かの原因によってお亡くなりになるという事件がいままで数々あるんですよ。しかも、発覚するまでに時間がかかる。で、発覚してからもう時間がない。目の前のパン一個をひもじさから盗む刑と、これだけの悪らつなことをする刑との時効が、この時効の方が短いというのは、どうにもこうにも私としては納得いかないんです、これ。 ですから、ひとつ法務大臣にお伺いしたいんですけれども、政治的道義的という責任から言えば、この特別公務員あるいは公務員のこの贈収賄というのは、通常の犯罪とは私は違うと思うんです。国民が非常にこれ、納得できないんじゃないかと思うんですよ。矛盾が物すごくあるんです、この法には、何だか知らぬが、この時効ということに関しましては。こういう国民感情に合わない点が非常にありますので、法務大臣としては、いまも安原刑事局長から説明がありましたけれども、ものによっては発覚まで時間がかかり、それからまた時効の年限がすぐなくなってしまうというような方法でなく、特別にこれを切り離して改正をするようなお気持ちがあるかないか、聞かしてください。
○国務大臣(稻葉修君) 下村泰さんの刑法に関する立法論の御意見は、しばしばここでも拝承しました。そうして御意思を体して改正した点も胎児等の問題ではございました。ただいまの問題につきましても、現行法ではもうこの事件についてはいかんともいたしかねますけれども、立法論としては十分に貴重な御意見として拝聴さしていただき、現に改正刑法の中でもそういう点について本法を改正する方向になっておりますことは御承知のとおりと思います。貴見に対し賛成の点が多々ございます。
○下村泰君 時間がございませんから、次の質問、長くなりますから終わらせていただきます。
○瀬谷英行君 議事進行について。 午前中の理事会では、小佐野賢治証人を含む証人喚問についていろいろと野党側から提案もあり、強い要望もあったわけです。それに対して委員長も同意を示されたわけです。ただ、自民党から回答があってそれから議決をすると、こういうことになっております。だから、いまの下村議員の質問が終わった後で、本来ならばここで証人喚問について具体的に議決をするというのが順序であろうというふうに思うんであります。ところが、現在までのところ、自民党の方からよろしいという回答がないわけです。議決ができないと証人喚問の日取り等もそのまま延びてしまうということになるんでありますが、これは野党だけではなくて、委員長も賛意を表明されたことでありますので、この委員会において決着をつけなきやならぬと思うのでありますが、この点はいかがいたしましょうか。
○委員長(剱木亨弘君) ただいまの瀬谷君の御発言につきましては、この場で直ちに一応理事会を開きたいと思います。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めてください。 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三分散会