ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第21号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1976/08/10
会議録
○委員長(剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る六日、久保亘君、対馬孝且君、喜屋武眞榮君及び木島則夫君が委員を辞任され、その補欠として野々山一三君、小谷守君、下村泰君及び田渕哲也君がそれぞれ選任されました。 また本日、塩出啓典君が委員を辞任され、その補欠として峯山昭範君が選任されました。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) 委員の異動に伴い、理事が一名欠けておりますので、この際、理事の補欠選任を行います。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に田渕哲也君を指名いたします。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小谷守君 まず副総理にお伺いしたいと思います。ロッキード事件にまつわる今日の政局に対する副総理の御認識なり展望についてお考えをまず承りたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ロッキード問題は、私はこれは徹底的に解明する必要がある、クロはクロとして厳重な手段をする必要があると、こういうふうに思います。しかし、それでとめちゃいかぬ。さらにロッキード事件が起きたような背景ですね。根源、これを解明して、そして再びこういうことが起こらない、そういうような状態をつくることが必要であると、これが基本的な認識でございます。
○小谷守君 今後の政治日程なり政局の展望については、どういうお考えでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは総理がまあ指導権をとっておる問題でありますが、十分総理にも意見を具申してみたいと、こういうふうに考えております。
○小谷守君 今日当面の政治日程なり政局の展望について、三木総理はきのうの長崎談話で重ねてお考えを表明されたわけであります。また福田副総理、大平蔵相ないしは稻葉法相、衆参の議長もいろいろとお述べになっておるようであります。副総理は、三木総理と、今日の政局の認識ないしは政局の展望についてお考えの食い違う点はございませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) その辺になりますと、私はまだ総理と詳細に話し合っていないんです。そこで、近くそういう種類の問題を篤と腹を割って話し合ってみたいと、こういうふうに考えております。まあその上総理もお考えをお決めになると、こういうふうに思います。
○小谷守君 世上、三木総理と福田副総理との間には、今日の政局の認識なり展望について大きな食い違いがあると、こういうふうに伝えられておるわけでありますが、私どもマスコミを通じて副総理のお考えとして伝わっておる点は、臨時国会までに人心の一新をする必要があると、こういう点を強調されておるように仄聞をするわけでありますが、しかりとすれば、人心の一新というのは一体どういうことでございましょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は人心一新ということは一言も言うたことはないんですよ。政局についてはまあこれからいろいろ考えなきゃならぬが、少なくとも現段階で言えることは、自民党が出直し的大改革をやらなきゃならぬ、こういうことは言っているんです。人心一新という言葉は私は使ったことはないんです。
○小谷守君 しつこいようで恐縮でありますが、出直し的改革ということは、もう田中金脈以来福田さんのトレードマークのような言葉になっておるわけでありますが、私ども伺っておりますと、何か精神論を伺っておるような感じがいたしますが、中身は具体的にどういうことでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ自民党で積弊——まあ積もり積もっておるわけです。これは継ぎはぎでは直らぬ。小手先でこの手術はできない。これは解党して新しい政党をつくるくらいの決意を持って大改革でなければならぬと、こういうことを言っているわけなんで、大体それで御了知願えるんじゃないか、そういうふうに思います。
○小谷守君 伝えられるところによりますと、十一月十日に天皇在位五十年の祝典を催すと、これは何かきょうの閣議で正式に決まるとかというふうに伺いましたが、そのように決定されましたか。
○国務大臣(福田赳夫君) そのように了解されました。
○小谷守君 そのことと今後の政治日程との関連はいかがでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 政治日程とその記念式典の日はかかわりはないと思うんです。ちょうど陛下が御即位の式典を挙げられたのが昭和三年の十一月十日であったということから十一月十日と、こういうふうに決めたと、こういうことでございます。
○小谷守君 政治日程とかかわりがないとおっしゃいましても、今日の情勢で十一月十日に、恐らく政局の一層緊迫しておる時期ではなかろうかと思いますが、そういう時期にこういう祝典を決められるということは、これは政治日程に十分関連の深い事態に相なると思われます。そこで、それは否定できぬと思いますが、とすれば、それまでに臨時国会なり、あるいは国会解散、総選挙等、一切済ませてこの祝典の十一月十日を迎えると、こういう政治日程であると、こういうふうに了解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたように、このことは政治日程とはかかわりなしに、御即位の式典が十一月の十日であったから十一月の十日にいたしましょう、こういうことなんです。いま政治日程はロッキードの成り行き、そういうことをよく見てそして考えなけりゃならぬ、こういう問題でありますので、いま政治日程がどうかというようなことは、まだ私どもは展望は持っておりませんし、そういう展望にかかわりなしにこの式典は決められたと、こういうふうに御理解願います。
○小谷守君 これは皇室のことですから、生臭い政治日程とかかわりなしにお決めになったということは、そういう御趣旨は素直に私どもも承るわけでありますが、しかし、実際問題として、総選挙の最中にこの式典を迎えるわけにいかぬでしょう。これが決まったとすれば、当然このことを踏まえての政治日程ということに相なるわけでございましょう。とすれば、申し上げましたように、臨時国会なり総選挙というものはこれまでに済ましてしまうというお考えが当然伴うべきものだと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) そういう政治日程をいろいろ考えて、こういう政治日程になるので、そこで十一月十日というんじゃないんです、これは。もう御即位のときが十一月十日であったから十一月十日にやろうと、こういうことで、そういう十一月十日、ことしの十一月十日が静かな政治環境であればこれは非常に好ましいわけでありますが、静かな政治環境であるのかどうか、その辺につきましてはこれは関連なしに考えておる、こういうふうに御了承を願います。
○小谷守君 そういうそらぞらしい御答弁でいいでございましょうか。私ども、憶測をたくましゅうするならば、むしろこういうことを、本来政治にかかわりのない国民的な祝典をここへ持ってきた——持ってきたということは言い過ぎかもわかりません。あなたのおっしゃるように、五十年前の御即位の日がたまたまそうであったということであるかもわかりませんが、だからといって、これをそう決めなきゃならぬということのものではないと思う。とすれば、そういうことを特に意図的に構えたというそしりを受けることになりませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは三木総理の周辺で検討して発議されたものです。しかし、私はこの発議の決定に当たりまして、まあ政治日程とからみ合わせて考えられたというにおいは少しも感じません。これは全く、昭和三年十一月十日に御即位の式典があった、それであるので十一月十日にこの記念式典をやりたい、こういうことかと思います。
○小谷守君 まあこれは、このことはこれ以上申し上げぬことにいたしましょう。しかしどう考えても、政治日程というふうな生臭い問題とは関係がないとはおっしゃっても、私ども素直に、さよう、ごもっともと言うわけにはまいらぬと思います。 さて、副総理に重ねて伺いますが、これは、文字どおり総理にかわって御答弁を願いたいと思うのでありますが、最近、国民が大変苦々しく思いますことは、この緊迫した政治情勢の中で、閣僚の皆さんの規律はどうかということであります。規律はどうか。一例を申し上げましょう。こういう時期に、閣僚が選挙運動——選挙の事前運動です——に、あちこち歩き回るということはいかがなものでしょうか。あるいは派閥の応援に演説をして回るなんというふうなことは不謹慎ではありませんか。内閣の規律、閣僚の規律について、総理にかわって御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ政治活動は、これは常時するということはこれは議員の務めであると、こういうふうに思うんです。閣僚もまた議員でありますから、これは例外たることは得ない、こういうふうに思いますが、まあおのずから節度というものがあるだろうと思います。まあ土曜日、日曜日、事務に支障がないというときに、頼まれて講演をする、このくらいのことは、別に私は規律と言ってそれは騒ぎ立てるほどのことはないんじゃないか、そういうふうに思います。節度、これが大事である、こういう見解でございます。
○小谷守君 今日の状況は節度を超えたものであると私どもは見ますが、副総理の御認識はいかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) いま、ほかの閣僚の遊説とか、そういうことを見ておりまして、別に節度を超えたというくらいなところまで行っているとは思いません、私は。まあウィークデーの、事務に支障のあるというようなときに、その時間内に遊説が行われるというようなことでありますればこれは節度を超えたと、こういうふうにも言えるかもしれませんけれども、まあ、いま土曜、日曜、寸暇を縫って全国を回る、理解を求める、これはむしろ好ましいことじゃないでしょうか。とにかく結論として、節度を超えているという話でありますが、節度を超えておるとは私は思わないと、かように申し上げます。
○小谷守君 ウイークデーに自分の選挙区を事前運動的に講演と称して遊説し、あるいは派閥の応援をしておる人があったらどう思われますか。
○国務大臣(福田赳夫君) そのためにどうも事務に支障を来したというようなことがあれば、これは指弾されなけりゃならぬと思いますが、事務には支障はありません、寸暇を縫って自分の考え方を選挙民に訴える、あるいはこれを国民に理解していただくための努力をする、私はこれは決して節度を超えたものとは思いません。
○小谷守君 それでは伺います。副総理御自身のことについても伺わざるを得ませんよ、そういう御答弁なら。過般のあなたの御出身地群馬県の知事選挙に、たまたまこの委員会が開かれてあなたの御出席を求めておる日に、あなたは知事選挙の応援に地元にお帰りになった。ウィークデーですよ。これは構いませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) 委員会の御承認をいただきましてそうさしていただいたと、そういうふうに理解しております。
○小谷守君 法務大臣がおいでになっておるのに御本人の前で恐縮ですが、いかにも副総理初め国務大臣、永井さんを除いてそれぞれ国会議員の立場もあられるわけであります。日常的な政治活動も必要でありましょう。しかし、この時期の法務大臣の一挙手一投足、一顰一笑というものは特に慎重でなければならぬと私は思う。承りますと、法務大臣はロッキードの事件の真相報告ということで講演行脚をされておる。そういうポスターが張ってある。これでも節度を超えざるものと御認識でございますか。
○国務大臣(稻葉修君) 私のことでございますから、まず私から申し上げましょう。この間もそういうポスターが張ってあるということを伺ったので、私、ポスター見てないものですから、そういうロッキード事件の真相を語る法務大臣稻葉修と、これはいかぬと思ってそういう文字は消しますと、こう答えたんですね。ところが、そんなこと書いてないんですな。時局講演会法務大臣稻葉修、それだけでございますから、ロッキードの真相を語るなんてそんなポスターの文字はありません。そういうことをこの間言われて、権威ある国会議員がおっしゃるのだから当然そうだろうと思って、私も、消します、そんなことだったら消しますと言ったら、実際はなかったんですな、それは。
○国務大臣(福田赳夫君) 法務大臣は非常に大事な職務を遂行されておるわけでありますので、特にお気をつけなすって行動されておると、かように考えております。
○小谷守君 副総理のこの閣僚の規律に関する御答弁は、すべてこれは牽強付会と申しましょうか、今日の国民感情に背なを向けるものだと申し上げざるを得ません。しかし、見解が違うようでありますから先にまいりますが、今度は法務大臣に伺います。 ロッキード事件の捜査の状況ないし見通しはいかがでございましょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 捜査の状況につきましては、田中前総理の逮捕までいって、いま捜査を一生懸命にやっておると、こういう核心に入ってきたと。これがどういうふうに発展するか、それは私わかりません。 なお、詳細は刑事局長に答弁させます。
○説明員(安原美穂君) ロッキード事件の捜査の現状を、いわゆるルートを三つに分けて申し上げますならば、いわゆるロッキード社からわが国内に流入したと疑われる金が二十数億ございますが、そのうちの六億二千万というものが丸紅ルートに流れ込み、十七億余りがいわゆる児玉ルートに流れ込み、それから一億六千万余が全日空ルートに流れ込んだという疑いで、その使途の究明に努めておるのが現状でございますが、丸紅ルートの六億につきましては、そのうちの五億につきましては御案内のとおり、丸紅前会長の檜山会長らから田中前総理らに支払われたということが現況でございまして、なおその金の性質等につきまして究明中でございますし、残りのいわゆるユニットという関係の一億二千万については、その使途について究明中であるというのが丸紅ルートの現況でございますし、全日空ルートの一億六千万余りにつきましては、それが裏金として全日空に入ったというところまでは究明ができておりまするが、その使途についてはなお究明中であるというのが現状でございます。なお、十七億余の児玉ルートにつきましては、遺憾ながら児玉譽士夫の病状がはかばかしくないという状況で、他のルートの究明に比べて必ずしも順調に進んでいるとは申しませんけれども、鋭意その真相の究明に努めておるというのが現状でございまして、さように申し上げますことから御推察いただけますように、いまだいつその捜査が終わるかというめどを捜査当局としてはつけにくい状況にございますが、いずれにしてもこれらの金の使途がおおよそめどがつくということでなければロッキード事件としての捜査は山を越したということにはならないものと捜査当局では考えておる次第でございます。
○小谷守君 最も多額の黒い金が出入りしておる児玉ルートについて捜査が進んでいない。国税庁、検察庁が脱税と外為で起訴したのは、いわゆる児玉領収書で言う部分だと思いますが、そこで、起訴した部分については、少なくとも金の入りについては確信をお持ちになっておるのかどうか、その金の出の部分についてはどこまで解明されているのか、少なくとも田中氏の五億をはるかに超える黒い資金が支払われておるものと推察をするわけでありますが、その点はいかがでございますか。
○説明員(安原美穂君) 児玉譽士夫の四十七年の所得税法違反につきましては、その総額十一億余りというものが秘匿されたということが疑いの対象でございまして、そのことにつきましては、それがいわゆるロッキード社との顧問契約に基づく金等が主なものでございまして、その意味におきまして、それらの十一億余が、税額にして八億余りになりまするが、それが児玉譽士夫の所得になったというところまでは公訴を提起するに足る証拠があるということでございますが、その使途につきましては必ずしも詳細が明らかになっておるわけではなく、なお究明中であるというのが現状でございます。 それからほかに……
○小谷守君 いや、結構です。 この児玉ルートに関連して、うわさの高い、疑惑の深い小佐野氏の身辺についてはどのような捜査状況でございましょうか。
○説明員(安原美穂君) 捜査当局といたしましては、公開されておりますコーチャン証言等で、ロッキード社がわが国内における企業活動におきまして、児玉譽士夫を通じて小佐野賢治氏を紹介を受けたというようなこと、その他いろいろアドバイスを受けたというような証言もございますので、当然のことながら、そのような証言の内容については関心を持っておる次第でございますが、いまお尋ねの小佐野賢治氏についてどういう捜査の計画ないしは方針を持っておるかということは、具体的な捜査の方針になりますので、この席では申し上げることを差し控えさせていただきたいと、かように考えます。
○小谷守君 児玉譽士夫については、すでに本委員会でも証人喚問を決議してまいりましたし、病気であるということで臨床尋問も計画されたわけでありますが、それも受け付けないという状況であります。 そこで、法務大臣に伺いたいんでありますが、これ、このままにしておいていいんでしょうか。前総理は引っ張った。しかし比較にならぬほど金額の点においてもこの事件の一番中心的な人物であります児玉譽士夫、これ、病気と称して——まあ事実病気に違いないでしょう——拘束をされないということ。大きな屋敷に住んで郎党に取り巻かれている。これで、この状態でいいものかどうか。 先般、衆議院の特別委員長、田中委員長が臨床尋問をされた内容を、報告を拝見したわけでありますけれども、精神状態はこれはなかなかしっかりしておるように思われます。これが身柄は自由であると。やろうと思えばいろんな謀議もできる、証拠隠滅もできると思うんです。私は、今日の国民感情からしても、早急に周囲と隔離をして、そして取り調べをすべきものではなかろうか。病気であるということはよくわかるんですから、その点は十分留意して、拘置所には病監もあるわけです。特に監獄法の四十三条には病院移送ということも決められておる。監獄法四十三条。とすれば、早急にそういう措置をおとりになる必要があると存じますが、法務大臣の御見解はいかがでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) 児玉ルートの捜査が病気のために難航していることは事実のようでございますね。私も捜査当局がどういう考えでやっているのか聞いてはおりませんけれども、まあ一般国民感情というか、素人としてというか、言葉は悪いですけれども、お説はごもっともなことだという感じを持つ者であります。承ります。承っておきたいと思いますね。
○小谷守君 大臣、承ったというだけですか。
○説明員(安原美穂君) ただいま御指摘のように、犯罪捜査の完璧を期するためには、仮にその間に証拠隠滅等のおそれがある場合には、訴訟法に許された権限としてそれを隔離するということがベストの方法であることは事実でございますが、ただいま御指摘の児玉譽士夫につきまして検察当局が身柄を拘束して取り調べる必要があると考えておるかどうかということは、これはその検察当局において諸般の事情を考慮して決すべき事柄でございまして、私どもの口から申し上げる筋のものではないのでございますが、まあ病状等、検察当局の報告によりますると、現状なお勾留に耐え得るというような病状ではないという報告を受けておる次第でございまして、真相の究明もとより必要ではございますが、人権の保護ということも兼ね考えなければならない現状にあるという検察当局の苦衷につきましても御理解を賜りたいと、かように考える次第でございます。 なお、先ほど小谷委員は病監移送、病院移送という制度があるではないかという御指摘でございまするけれども、いろいろ理論はございますが、現在の刑事訴訟法におきましては、最初から病院に移送する目的で逮捕勾留するということは認められておらないのでございまして、勾留の場所はあくまでも刑事訴訟法上は原則が監獄、いわゆる刑務所、拘置所でございまして、一時、病気が重くて執行停止をするかどうかを決定するまでの間病院に移送するというのが監獄法四十三条の考え方でございまして、それ以外の病人の逮捕、勾留につきましては、刑務所、拘置所に収容いたしまして、病監のあるところに収容いたしまして、施設の医師の看護を受けさせるというのが一つでございますし、なお、それで不十分の場合におきましては、施設外の医師に施設の医師の補助者として診察を受けさせるというような方法、あくまでも刑務所の中での病監に収容していくというのが原則であることも御理解いただきたいと、かように思います。
○小谷守君 法務大臣は承ったということで、私どもの政治常識からしますと、大変前向きな御表明であったと承るわけであります。刑事局長はなかなかそうでもないような御答弁でありますが、そこで、これは刑事訴訟法上の制肘もあると思います。ですから、私どもが素人考えをここで押しつける所存はございませんが、ただ国民感情としていかにも納得しがたい。ある参考人は、参考人として取り調べられたことを苦にして自殺した人まで出ておる状態ではありませんか。ある者には厳しく、そしてまあ病気であるということに間違いはないと思いますけれども、そのために拘置所には病監もある、なお重い場合には病院移送という監獄法上の制度もあると、こういうわけでありますから、これは御一考を願わぬといかぬと思いますし、さらに老婆心でありますが、将来裁判の段階になった場合に、裁判の維持の点についても、こういうことで寝てさえおったらまかり通るというふうなことでは、これはお困りになるのじゃありませんか。加えて、こういうことが許されるということになりますと、民間の横綱と称せられておるうわさの高い人なんかも、わしもあの手でというふうなことで、もう血圧が上がったりいろいろというふうなこともうわさされておる。こういうことをまねされたら困りますよ。そういうことから考えても御一考を願うべきものだと、こう思いますが、重ねてひとつ法務大臣の御所見を承ります。
○国務大臣(稻葉修君) 私もしろうとですから、刑事訴訟法上の制約とかいろいろあるんでしょうが、それを抜きにしまして、それを抜きにしましていまおっしゃった国民感情とかそういう点を見て、それから私自身については、ここでも前に質問されて、おまえ児玉を知っているかと言うから知っていると申し上げた。そういうようなことも国民知っていますからね、そんなことで何か緩やかにやっているように思われては私自身非常に心外なんですね。ですからこれ全く困った状態だなあと思っているんです。たまたまあなたからそういう御質問を受けましたから、ごもっともだなあ、これ何とかできないものかなあと、こういう気に駆られますな。刑事局長を通じて、何とかできぬのかいと、これはまた指揮権になっちゃ困りますしね、その辺なかなかむずかしいです、これ。非常にまあそういう点で苦悩しておる。しかし小谷さんの御意見は、私、刑事訴訟法を知らない者としては何か手はありそうなものではないかなあと、どうも意に満たないところがあるなあという点では同感なんです。一考を要する問題だと存じます。
○小谷守君 これはひとつぜひ御一考を願わなきゃならぬと思います。 次に、きょうは大蔵大臣が御出席がないようでありますので、政務次官並びに国税庁に伺いますが、ロッキード事件という大疑獄、これは申し上げるまでもなく贈収賄事件でありますが、これは刑事面では検察庁が大変御苦労になっておるわけでありますけれども、大蔵省国税庁の税務当局、これはその活動が鳴りをひそめておるのではなかろうか。贈収賄にせよあるいは外為法違反にせよ、クロにしろ灰色にしろ、不正な金が関係者に流れ込み、所得をふやしたことは事実なんです。果たしてこれらの金が正当な課税の対象として捕捉されておるかどうか。もっとも児玉については確かに脱税容疑で告発、差し押さえはしたが、その後は全く拱手傍観の状態ではなかろうか。大蔵省国税当局から、ロッキード事件について税務の立場でどのような態度でこれに臨んでおられるか、どういう態勢でこれに対応しておられるか、こういう点をまず伺いたいと思います。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 ロッキード事件に関連する問題としては、現在国税当局におきましては児玉の脱税関係を中心にして鋭意捜査を行っておるわけでございますけれども、そのほかロッキード事件をめぐるいろいろな税務上の問題もあるわけでございまして、ただ、現在別途この問題につきましては、検察当局におきますところの捜査が進んでおる段階でございます。したがいまして、その捜査の推移を見守りつつ、その実態の解明に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、その結果要する税務上の措置につきましては、告発の要否を含めまして厳正に判断をしてこれを措置していきたいというふうに考えているわけでございます。
○小谷守君 一昨年の秋から昨年の春にかけて、いわゆる田中金脈に対する税務当局の対応であります。これは守秘義務という税法上の条項を盾にして国会にろくな報告もせず、大平大蔵大臣がしばしば言われた、税務当局を信頼してくれ、そういうことだけで、結局は見直し調査については東京国税局、関東信越国税局、国税庁の職員を多数動員した。そうして調査をした。その結果はどういうものであったかということは国会に対して何一つ報告はなかった。ただ、昭和四十六年から四十八年までの見直し調査を行っただけで、しかも全体として大きな非違は発見されず、ただ所得計算上の誤りや、税務当局との解釈の食い違い、その他通常の税務調査で見られる否認事項があったにすぎない、こういう御報告でありました。 私どもは、この問題は国税犯則取締法違反の事犯として強制捜索をし、検察庁に告発して刑事訴追を求めよ、このように追及しました。これに対して税務当局は、国税犯則事犯どころか所得税法の罰則も適用せず、追徴金としての加算税も、国税通則法第六十八条の三〇%課税の重加算税ではなくて、形式的ミスに適用される六十五条の五%課税の過少申告加算税で処理してしまったのであります。税務当局は一体何を調査しておったか、今日。本当に調査したのかどうか。田中氏本人にも会っていない。周辺の話だけを聞いて、それを本気で見直しをやったと思われない。そこに内外に対する何らかの作為があったのではないか疑わざるを得ません。今度のロッキード問題も、大きな側面は田中金派の一環であると申し上げざるを得ない。もう守秘義務だの、課税の公平だのという美辞麗句にはだまされない。ロッキード事件に関する税務については逐一国会に報告してもらわなくてはならぬ。田中金派についてもう一度再調査をすべきものと思うが、御見解はいかがですか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答え申し上げます。 いわゆる田中金派問題に関しますところの国税の課税関係の見直し調査につきましては、すでに国会において御報告したように、相当の日数をかけ、相当の人数をかけまして詳しく調査をしたわけでございまして、国税当局といたしましては田中前総理、その親族あるいは秘書等及びまあいわゆる関連法人につきまして、所得の発生、それから資産の形成との関連に配意をいたしまして綿密な調査を行ったと考えているわけでございます。しかし、今回問題となっておりますところの五億円につきましては、遺憾ながらその過程においては把握できなかったわけでございます。現在、国税当局としては、その調査において把握できなかった理由というものを、どういう理由で把握できなかったということを判断する材料が手元にないわけでございますけれども、今後、検察当局の捜査によりまして、五億円の金の流れというものが明らかになりますれば、その段階で判明するというふうに期待をしているわけでございます。いずれにいたしましても、金品の授受がどのような経緯で行われたか等の事実関係というものが明らかになりますれば、本件につきましても適正な課税処理を行うということはもちろんでございますし、税務調査の方法等につきましても反省を加えまして適正課税の確保のために努めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小谷守君 これは次長ね、あなた全く反省ありませんよ。もっともあなたの御就任前のことであるからあなたを責めるのは酷だと思うけれども、これはあなたのいまの立場上やむを得ぬことでありますが、全く間違いない。大臣も国税庁長官も強弁したんですよ、内容は言えぬが、国税庁を信頼してくれ。あなたは、いま五億円の問題だけにびっくりしたように、それだけはという話だが、そうではありません。調査の仕方がそもそも、調査の対応がそもそも間違っておる。本人にも会っていないじゃないですか。ですから、ここはもうつべこべ弁解を言わずに、今日大蔵省国税当局の処すべき道は、ここで一遍シャッポを脱いで、改めてやり直しますということをおっしゃる以外にないと思うんです。政務次官、あなた大臣にかわってその言明ができますか。できねば次の機会で結構ですから、大臣と十分御相談の上ではっきりした態度をとってください。それは国民納得しませんよ、そんなことでは。
○説明員(細川護煕君) いま次長からお答えをいたしましたが、どういう点で抜けておったのかよくいま調査をしておる段階でございます。大臣ともよくこの問題について、今後どういう処置をとるか十分に検討してまいりたいと思います。
○小谷守君 政治の不信感ということをよく言いますが、間違っておったら間違ったと潔くこれはしてもらうことが大事なんです、こういうときには。当時はそれでいいと思っておったけれども、今日こういう事態を迎えてみると、いかにもわれわれの調査はずさんであった、甘かった、申し訳ない、シャッポを脱ぐべきですよ。政務次官の立場ではこれ以上言えぬと思いますから深追いはいたしませんが、早急に大臣と御相談の上、次の機会にでも改めて態度の御表明を願いたいと思う。こういうことでは国民は納得しません。 時間がありませんので、防衛庁長官、先般同僚議員からP2Jのこのロイアルティーですね、技術指導料について一機五万ドルものロイアルティーが払われておると、いかにも不当であります。これはもうおやめになるわけですね。川重がロッキードに払っておるこのロイアルティーについては、これに見合うものを防衛庁は川重に出しておられた。これは打ちどめということに了解してよろしいかどうか、簡単に伺います。
○説明員(江口裕通君) 先般も御指摘がございましたこのP2Jのロイアルティーの支払いでございますけれども、これはP2Jと申しますのは、御存じのようにP2V7という飛行機がございます。それの機体をそのまま採用しておるわけでございまして、その機体を採用し、それを踏襲しております以上は、やはり当初の契約によりましてロイアルティーの支払いということをやらざるを得ないのではないかと考えております。まあ極力その額とか内容等についてはよくチェックしてまいりますけれど、当初の契約というものは一応外資法の許可において認められております関係もございますので、これはこのまま踏襲せざるを得ないのではないかと考えております。
○小谷守君 もう時間がありませんから、これ長い議論をするわけにいきませんが、これを継続してこういうものを払うというところに何の根拠もない。まあ、きょう時間があればこれを議論すればよかったんですが、これはもう一遍お考えを願わなきゃならぬ。大臣いかがですか。これまた御検討願わなきゃならぬと思いますが、どうですか。
○国務大臣(坂田道太君) これはいま装備局長が申し上げましたとおりに、こういうような契約になっておりますから、これ自体を変えるというわけにはまいりませんけれども、中身につきましては、いま少し調査をいたしてみたいというふうに思っております。
○小谷守君 会計検査院おいでになっていますか。 会計検査院は日航製、日本航空機製造会社がつくりましたYS11を外国に売り込むについて、米国の商社シャーロット社に日航製が払っておった、このコンペンセーションについて不当であるという指摘を四十四年にされておる。間違いありませんね。 ところが、今度は逆に向こうから輸入する兵器について同様なことが行われておる。別に市場開拓の努力をして市場開拓の苦労に見合う金ではないんです。ロッキード事件に見られるように、これはほとんどが政治工作費ではありませんか。政治工作費であります。防衛庁に売り込むための政治工作費であるとするならば、これがまた原価に加算されてくる、価格に上積みされてくる、こういう点について、会計検査院としては徹底的な、そして有効な検査を実施してもらわなきゃならぬ。高いもの買わされるんですよ、と思いますが、御見解いかがですか。
○説明員(高橋保司君) お答えします。 四十四年の日航製とシャーロット社との間に締結された独占的な販売代理店契約というものにつきまして、先住御指摘のとおり、四十四年度の決算検査報告にその種の手数料の支払いが不当であるという事態の掲記をいたしております。これはそういう代理店契約を結んでおりますが、シャーロット社は実は代理店活動というものをほとんどやらずに、代理店としての選択を誤っておったというようなことを基礎にしてのまあ不経済な支出に終っているという種類の指摘でございます。今回指摘になっておりますロッキード社と丸紅との間の契約でございますが、代理店契約でございますが、これについては大変私どもも重要な関心を持って見ておりますし、先生御指摘のように、防衛庁が購入する価格の一部として、まあどういう形か、その辺のことは実は定かではございませんが、何らかの形でロッキード社が丸紅に売り、丸紅から防衛庁が買う補用部品その他の価格の中にそういう種類のものが入っているというふうな見方で、私どもも検査をしてまいったわけでございますが、その率を見ますと、一%から一五%というような率でございまして、果たして代理店活動としてそれにふさわしい金額であるかどうかという点で私ども疑問を持って調査している次第でございまして、まあロッキード社が丸紅に支払うものでありますけれども、まあ結局は防衛庁が購入するものであるから、防衛庁が支払うというような回り道をとるものでございますから、価格交渉の過程で、そういう種類のものにつきましては重要な関心を持って調査すべきであるということで、現在なお調査を進めている次第でございます。
○小谷守君 時間がありませんので、官房長官、恐れ入ります。先ほど副総理にも伺った点でありますが、一つは今日の時局認識、政局に対する認識、展望、政治日程等について閣内不統一の状況が露呈しておるのではなかろうか。国民は大変苦々しく思っておるところであります。三木総理の威令行われず、はなはだ苦々しい事態だと思います。これについてどう思われるか。さらに閣僚の規律、乱れておりませんか——乱れておりませんか。少なくともこの重要な時期に選挙の事前運動めいた行動は慎むべきことではなかろうか、これが二点。 第三点は、きょう閣議で了承されたと承る天皇在位五十年の祝典を十一月十日という日に設定されたこと、そのことは、もとより生臭い政治情勢とは無関係に、無縁に、虚心に御決定になったこととは思いますが、それにしてもこれは大きく政治日程を逆に拘束することに相なるわけでありますが、これらの点について、官房長官のひとつ御見解を求めたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) お答えいたします。 三点御質問ございましたが、第一点の、内閣が何か足並みがそろわない、そういう点を御指摘になったのですが、さようなことは決してございません。きょうも閣議が行われましたが、一糸乱れない体制で当面の政局に当たっております。 それからまた、閣僚が御発言を不規則にするというふうなことにもお触れになりましたが、これは個人的な見解というものまで拘束はできません。あるいはまた報道が増幅されておるというようなこともあるかもしれません。しかしそういう点は閣僚諸君の良識にまって、逸脱するようなことのないように努めたいと考えております。 さらに御即位五十年の式典でございますが、いまおっしゃいましたように、きょうの閣議で十一月十日という日取りを了解いたしました。これはおっしゃるように、きわめて虚心にこの問題は扱ったわけでございまして、十二月二十五日をもって満五十年ということでございますが、余りにも年末差し迫っておりますから、ちょうど即位の御大礼を挙げられた日が十一月の十日、それは践祚されました翌年でございますが、その日を吉日と考えまして、十一月十日と決定をいたした次第で、決して政局とか、そういうふうなものとはこれは全くの無関係だと、かように御承知を願いとうございます。
○小谷守君 選挙運動の方はどうです、選挙運動。直ちにこれはやめさせるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど良識を持って閣僚は当たっておると申し上げましたが、ただいまの御発言は、私よく承って帰ります。
○黒柳明君 副総理がお忙しいというので、二、三問御質問しますが、副総理の出直し大改革論、大改革ですけれども、これは副総理の胸中にいろいろ大構想があると思うのですが、当然このロッキード問題から直接的に発生したお考えだと思います。近くに当然あり得る臨時国会、これとどういう絡み合いでお考えになっているか。臨時国会の前にその大改革の端緒なりあるいは何らかの実行に踏み切ると、こういう考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は臨時国会と別にからめて考えているわけではないのです。総選挙前にはどうしても自民党は、みずからの手による大改革をしなければならぬと、こういうふうに考えておりますが、その時期が臨時国会前になるか後になるか、その辺につきましてはまだ政局全体の展望も明らかになっていない今日、まだ予断もしておらぬと、こういうことでございます。
○黒柳明君 臨時国会となれば近々ですが、総選挙と言っても十二月九日がこれは任期終了でありますので、いずれにせよことしじゅうであることは間違いないわけでありますが、先般は党を解体するぐらいな気持ちでと、こういうことも発言されたわけです。また、大改革の大という字もついているわけでありますが、いつの時点にこういうことを具体的に公表されるのかされないのか、あるいは具体的にその端緒をつけられるのか、実行の第一歩を踏み出すのかわかりませんが、まず、総選挙というのはこれも年内間違いないわけでありますが、すると、これは非常に短い期間の間に党をまとめるあるいは国民の意見も当然聞かなきゃならないと、相当、私個人的には大きな仕事じゃないかと、こう思うんですけれども、副総理としてはそれについての構想の具体的なものもすでにお持ちであるのか、あるいはそういう断行に踏み切るという目安も相当つけて総選挙前というお考えもあるのか。いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 私はこのロッキード問題というのは徹底解明論なんです。しかし、その徹底解明だけでやめちゃいかぬ。さらにこの機会は自由民主党の反省というか、出直しというか、そういう好機としてこれをとらえなけりゃならぬと。これはいろいろ反省の結果ありますが、自由民主党の立場から言うと、自由民主党出直しの好機としてとらえなきゃならぬと、こういうふうに考えております。それで、その出直しと言いましても、これ、さあ小手先の小細工の改革、それではいかぬと、もう自由民主党というものが本当に反省して、さあ国民の皆さんこのように新しい装いになりましたというくらいの改革をしなけりゃならぬと、こういうふうに考えておるんです。そういうことをどういう手順でどういう内容で実現するか、これは私だけの意見で決まるわけじゃないんです。みんなに諮らなきゃならぬ問題でもありまするし、これはここで明らかにすることはできませんし、また適当でないと、こういうふうに考えておりますが、総選挙前にはとにかく生まれ変わりましたという姿の自由民主党にいたしたいと、これが私の持論でございます。
○黒柳明君 これは相当の大仕事ですから、まあたしか、いま一派閥の首領であり、副総理という非常にやっぱり重要な位置にあるわけでありますから、大自民党を大改革させるには、もう一歩やっぱり高い地位に行かないと思い切った考えを実行に移せる可能性が少ないんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は一自由民主党員としてもぜひそれを皆さんの理解を得てやってもらいたいと、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 五日の日、三木総理は今月中臨時国会と、こういう発言をしたわけですが、先ほど三木総理ともいろんな観点から会って話したいと、こうおっしゃっていました。当面副総理としては、三木総理の今月中臨時国会と、これについては賛意をお示しになりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これからの政治日程は総理大臣が決めるわけですが、その決められるに当たりまして私の意見をとっくり申し上げたいと、こういうふうに思っておるんです。一回くらいの会談じゃとても済まぬと思いますが、何度でも会談をいたしまして、そして実り多い成果を得たいと、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 大平大蔵大臣が福田副総理と会って話をすると、いまの政局の情勢ですから福田副総理、大平大蔵大臣、すぐ反三木の何か策動か、これは政局の情勢がそうであることはもう否めない事実でありまして、何か大平大蔵大臣ともお会いになって、反三木ということは別にしましても、会ってしかる後に三木さんと会うのか、あるいは三木さんと会って大平さんと会うのか、そんなことは全然関係なく、ともかく広く意見を交わすと、こういう考えなのかいずれでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 私はいまのこの政情を非常に心配しているんです。これは三木内閣という問題じゃなくて、この不安定な状態を続けることはこれはもう日本のためによくないと、こういうふうに考えているんです。そういう立場に立ちまして、だれとでもひとつ会談をします。さしあたり三木総理と会談をする、適当な時期に大平さんとも会いたいと、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 捜査が、なかんずく、いま指摘ありましたが、私もこれからやる児玉ルートの解明が非常におくれているわけであります。先般法務大臣も、九月にずれ込むという、これはマスコミがそういう感触で受け取ったのかわかりませんけれども、そのような示唆もあったわけでありますけれども、まあ臨時国会、これは当然経済担当の国務大臣としましていろんな観点から、ロッキードだけが政治じゃないと、こう言うことも、これはまあたしか言われる面もあるわけでありますが、これ、九月まで捜査が、あるいは九月いっぱいまでずれ込むようなことがあった場合には、これはもう全部捜査完了と言わないまでも、ある段階においてこれは臨時国会を開くこともやむを得ないと、こういう感触をお持ちでしょうか。というのは、これは何も法務大臣が断定的に言ったわけじゃありませんが、捜査が九月にという発言もあった。そういうことを踏まえての副総理のお考えを聞きたいんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 政局は、まずロッキード事件が解明されると、そして終止符が大体打たれたと、その後に臨時国会だとかそれに続く主要ないろんな政治日程がこなされていくと、これが好ましいと思います。しかし、仮にそういう好ましい形でなくて、ロッキード事件がずっと長引きそうだというようなことになりますと、これはあるいは、たとえば財政特例法だとか、積み残しの他の法律案だとか、そういう議案の審議をこれはもうたな上げにしておくわけにいかない事態が起きるんじゃないか、そういうふうに思います。したがって、私は、ロッキード事件の早期解明、終止符が打たれることを期待はいたしまするけれども、それがうまくそういうふうにいかない場合におきましては、ロッキード事件と臨時国会の召集、そういうものとの間に何らかの調整を考えなきゃならぬと、こういうふうに考えます。
○黒柳明君 副総理、結構です。済みません。 刑事局長、先般、法務大臣が、いま児玉ルートの解明がまあおくれていると、一考を要すると、こういう発言があったわけでありますが、その一考について、局長はどういう一考があるか、いかがでしょう。
○説明員(安原美穂君) たびたび申し上げておりますように、何よりも児玉譽士夫本人の重い病気というものが遺憾ながらあのルートの解明の進捗を妨げているという事実は否定できないわけでありまするが、しかしながら、そのことの前に拱手傍観してはならないわけでございますので、法務大臣が一考を要すると申されましたが、どういう一考を要するかどうかの内容はまさに捜査の内容に触れるわけでありまするが、一考どころか二考、三考も捜査当局としてはしているはずでございます。
○黒柳明君 まあ二考、三考もしていてなかなか進まないというのは相当のやっぱり大問題があるんだろうと、こう思いますが、そこで、農林省ですね、私、児玉ルートの——その前に一つ、きょうある筋の報道がありまして、小佐野氏と児玉が、西武の例の福島の西白河の土地に絡んで、株の取得に関して、東京地検で、児玉、小佐野が仲介に立ってそれで西武に十万の土地を買わせた云々と、こういう報道が流れておりますが、何かこれについて報告受けていますか。
○説明員(安原美穂君) 報告は受けておりません。
○黒柳明君 まだ受けていない——。 農林省ですね、先般、福島県の木村知事が逮捕されたわけでありますが、福島県西白河郡西郷村大上地区六百六十ヘクタール、その中の四十二ヘクタールの土地、農地転用等に絡んで五百万の収賄を受けたと、こういうことであります。この六百六十ヘクタールの大上地区、この中で農地転換の許可があったところは東亜農公園と東京女子医大のこの二つで、あとは許可ありませんですな。
○説明員(岡安誠君) そのとおりでございます。
○黒柳明君 ところが、この大上地区の六百六十ヘクタールの森林だけでも、これ購入をしているところが神戸製鋼が五十一ヘクタール、ロッテ株式会社が四十八ヘクタール、住建不動産が三十三ヘクタール、東海興業五十一ヘクタール等々云々、要するに相当有名大手企業、この中に西武不動産も入っているわけですが、買っているわけです。じゃなくて、これ買わされちゃっていると、私の調査ではそうなっているんですが、ここに土地の売買契約書があります。この中には四十七年でその売買の代金を払い、完了すること、あるいは登記は会社の任意、税金も会社が納めると、こういうような東亜相互企業とそれから売り渡し人、地主との売買契約があるわけでありますが、実際にこの土地は所有権の移転、仮登記で、ですから農転の許可は要らないわけでありますが、だけれども、現実的にはこういう売買上の契約があるということは、もう——しかも四十七年には全部料金は払い済みと、これは本来ならば農地転用の許可を得てから半分払うとか、これは常識だと思うんですが、となりますと、これはもう実質的な売買契約は終わっていると、それを意味する契約であると、こう私認識するんですが、これに誤りあるでしょうか。
○説明員(岡安誠君) 大上地区の土地につきましては、先生御指摘のとおり山林もございますし、農地もございます。山林につきましては、大体これは所有権の移転というのが行われているようでございますが、農地は御指摘のとおり、農地法上の許可等がなければ移転ができませんので、いわば請求権というかっこうで仮登記がなされているというような実情であろうというふうに考えております。 ただ、私どもは実質的にその土地の支配、管理権が移るということになれば、これはやはり農地法に違反をするおそれがあるというふうに考えておりますが、私どもの、県からの報告等によりますと、そういう事態にはなっていないけれども、少なくとも請求権としては移転をされて存在をしているというふうに聞いております。
○黒柳明君 農転の問題につきましては、まだ所有権が完全に移転してないわけだ。ただ完全に売買契約はでき上がっている、これで。これはお認めになるでしょうねと、これが一点ですね。 それからこれはわずかの登記だけです。これを見ましても、地主からこれは東亜相互企業、東海興業、神戸製鋼、こちらは地主から東亜農公園、それから東亜相互企業、それから神戸製鋼、こういうようなものが幾多あるわけです。中間にこういうのが入って、最終的には山林が、神戸製鋼の場合二万円で買わされている。これは当然宅地並みであり、この売買契約にも書いてあります三条、五条、そういうものを認可の条件でと。ところが、全く許可なんかとれやしない。そういうところをみんな大企業が相当の膨大な土地を持っている。これからなぜこういうふうになったかということを私は質問していくんですけれどもね。これは無理に買されちゃった。幾ら金を持って土地がいい買い物だと言っても昭和四十七年ごろですからね、六年ごろですか。だと言っても全く農転もできない、あるいは三条、五条の許可もとれない、それを宅地並みの金払って買うようなところはないわけであります、幾ら企業がずさんであっても。ところがこれは明らかに私たちの調査によると、またいままでの客観的なマスコミのこの活字でも相当出ているんです。児玉のこの圧力により無理にこれは買わされちゃったんだと、こういうことが出ている。私の調査でもそういう一端が出ているわけです。ですから、こういう中に入っている、宅地並みに値が上がり、さらにこの売買契約、農転には直接には違法ということはなくしても、実質的な売買契約が出ている、こういう事実に対して、これは決して好ましいことじゃないと、こう思うんですが、いかがですか。
○説明員(岡安誠君) 大上地区内の農地につきまして、先生御指摘のように、所有権移転請求権というようなかっこうで仮登記がされておるということ、その経緯はよく存じませんけれども、少なくともそういう請求権としての権利移動があったということは認めざるを得ないと思っております。で、これは先生御承知のとおり、農地法によってこういうことを取り締まることは非常に困難でございますけれども、仮登記によって農地についての所有権移転請求権を譲渡いたしまして、中間的な利得を得るというようなことは、農地法上の問題は別にいたしましても行政指導上遺憾であるというふうに考えております。
○黒柳明君 当然これはおかしなことでありまして、さらにこれ、別荘分譲地等の観光用にこれをするなんというような申請はまだ出ていないと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(岡安誠君) そういうような申請は出ておりません。
○黒柳明君 これ、木村前知事の逮捕に関連しまして相当マスコミでも報道され、もうりっぱな道路ができています。溝もできています。現地へ行きますと相当これはりっぱに造成されているところなんですけれどもね。だけれども、現実には法的には全く宅地なんかつくれない。しかし反面において大企業が相当買っている。農転の許可を得たのは、いま申しましたように、農地関係の東亜農公園とそれから公共用に東京女子医大ですか、これは学校建設というような公共用の目的はある。あとのところは全く膨大な土地を持ったまま、こういうことでありますが、これ、もし——当然これはあの三条、五条の申請が出てくる可能性がある、その場合でもこれは許可はしないでしょうね。
○説明員(岡安誠君) 農地法上の許可というのは、先生これも十分御承知と思いますけれども、ケース・バイ・ケースということになるわけでございまして、申請がありました場合にはこれは経由官庁でございます福島県知事の意見を参考としまして、現在私ども運用しております農地転用申請許可基準というものによりまして厳正に審査をすると、その結果許可、不許可の判断をいたしたいというふうに思っております。
○黒柳明君 そうするとあれですか、別荘分譲地等の申請は出ていない、もしそういう申請が出たら検討して許可する可能性もあるわけですか。
○説明員(岡安誠君) お答えいたしますが、申請が出ておりませんからなかなかお答えしにくいわけでございますけれども、これは許可申請の基準ですね、これにもございますけれども、民間企業庁よります別荘等の宅地分譲を目的とします宅地造成事業については一般的に転用目的としては適当でないというふうに従来から許可基準で扱っております。
○黒柳明君 当然ですね、適当でもないし、手続上非常に遺憾であると、こういうケースですから。たとえその申請が出たときにも知事と相談してケース・バイ・ケースと。これはケース・バイ・ケースというのはいい場合をとってのケース・バイ・ケースであって、手続上全く遺憾であるもの、ましてこれが大きないま現実において刑事事件に、一部にせよなっている。さらに私はこの全体的なものをいま問題にしているわけでありますから、これはやっぱり申請がある。あのまま遊ばすわけにいかないんですから。その場合においてはこれはケース・バイ・ケースの中においてもやっぱり遺憾である手続、それを踏まえて当然これは許可しないと、こういう考えを前提にしていかないとこれは大きくこのロッキードの中の疑惑になる可能性もあるんですよ、これから話していきますが。ただ単にこの場合における問題だけじゃありませんよ。児玉がらみのロッキードの問題になる可能性があるんですから、この中においてどこの省庁もそうでしょう、ロッキードの中にみずからシロというものをはっきりさせなきやならない立場にこそあれ、寸分のやっぱり灰色の余地を残す必要はここでないんじゃないですか、どうでしょうか。
○説明員(岡安誠君) 御指摘のような土地につきまして、御指摘のような申請があった場合には、先ほどお答えしましたような考え方で厳正に審査して対処したいと思っております。
○黒柳明君 林野庁いますか。森林法の林地開発申請、観光用の別荘なんかですね、あるいは保安林の解除、こんなような申請があった場合の許可はどうですか。
○説明員(江藤素彦君) 当該地区におきまする分譲別荘地開発等を目的といたしました林地開発許可申請並びに保安林の解除申請につきましては、現時点におきましては知事に対してなされておりませんので、その具体的な内容につきましては十分には承知いたしておらないわけでございます。しかしながら、仮に今後におきまして分譲別荘地開発を目的といたしました林地開発許可申請並びにまた保安林の解除申請が知事になされました場合には、森林法の趣旨に即しまして、普通林にありましては、許可の基準が農林事務次官通達により出されておるところでございますが、これによりまして、また保安林につきましては林野庁長官通達により解除取り扱い基準というものが明示されておるわけでございますので、これによりまして厳正な運用に努めますよう、特に県当局に対しまして十分な指導をいたしてまいりたいと、このように考えております。 また、本事案につきましては、今後疑惑を生ずることのないように対処してまいる所存でございます。 以上でございます。
○黒柳明君 厳正ということは疑惑を生じさせない、疑惑を残さないということが大前提ですね。
○説明員(江藤素彦君) そのとおりでございます。
○黒柳明君 そうなると、もう疑惑のところですからこれに対しての許可はさせない、こういうことに理解するよりほかないと思います。 それでは法務大臣ですね、六百六十ヘクタール、その中の四十二ヘクタール、これは木村前知事の逮捕に直接関係があった、東亜相互企業から五百万の収賄、ところがこれはいま言いましたようにいろいろ会社があるんですね。それでその中の一つ神戸製鋼五十一ヘクタールです。これだけ挙げますと、これは神戸製鋼の場合にはいろいろ問題があった、これは内紛があったことは御存じのとおりです。これは萩原さんですな、北炭の、さらに小佐野さん、あれほどいまの事件の中で渦中の人であるかは別にしましても、いわゆる政商であり、大物と言われる人もこんなことを言っているんですよ。東亜相互企業と「児玉がくんで、白河の土地を買い占めていた。それが、いきづまってしまい、児玉が、わたしのところに、三井物産にあの土地を買ってもらうよう仲介してくれ、と頼みにきた。」「児玉の方は、坪五千円といっていたのを九千円にしてくれともいい、これに対しても、五千円でも高いのだから絶対にだめだとつっぱねた。」「農地転換の許可がおりるまではダメだととめたのである。」これ萩原さん、週刊誌の記事ですから、全部が全部このとおりであるかどうかわかりませんね、ときには先走りもありますから。にせよ、これ全体言っているのは、ともかく児玉から買ってくれとあったけど農地転換の許可がおりないからだめなんだ、児玉から三井物産に売ってくれとあの土地を。頼まれた、仲介の任を。買ってくれと頼まれたけれども、農地転換できないような土地を売るわけにいかないじゃないか。あのくらいの人でも、児玉、萩原何か仲が相当いいみたいですよ。にしてでも、やっぱり法律的なこと、常識的なことはわきまえて、捨てるようなものは買ったってしょうがないじゃないか、買わせるわけにいかない、仲介の労はとらすことはできない、はっきり言ってる。あるいは小佐野にしても、児玉からそういう話があった。だけれども、そんな子供の使いじゃあるまいし、法律的に使えない土地を買わせるわけにいかないじゃないかという話もあった、こういうことを仄聞している。萩原氏、小佐野氏でも児玉からの依頼に対して全くそんなばかなことはできませんよ、仲介の労なんかとれませんよ、こういうふうに言われているところなんです。ところがそれを神戸製鋼がいま言いましたように五十一ヘクタール、あの内紛に便乗して買わされちゃったと、こういういろいろな憶測記事が出ております。私の調査でも必ずしも憶測じゃないみたいなんです。いまここにあります、こんなにあるので、もう御存じのように土地登記なんか持ち出したら大変なものですから、何筆にも分かれておりますから。これだけ見ましても、東亜相互企業、東海興業、あるいは東亜農公園、これは東亜相互企業の子会社ですから、それから神戸製鋼と、いっぱいある。それで二百円か三百円のものが二万円、宅地並みですね、買わされちゃった、こういうことがいままでもうわさされたし、いまになって私も調べると、それは必ずしもうわさだけじゃない、こういうような感じがする。その一つの西武不動産がいま某紙のきょうの生々しい報道としてここに報道されているんです。いわゆる東急の株乗っ取りですね、横井英樹、それで株は児玉と小佐野の仲介で買い戻した。ところがそれに対しての成功報酬は払わなかったけれど、白河の土地十万坪を買わされちゃった、こういう政府側の証言があった、こういうことがついさっき某通信社から流されたんです、というようなことです。 それで私は何を言いたいかと言いますと、神戸製鋼の内紛のときまとめ役の児玉が三十二億で神戸製鋼に買わした、こういううわさがあるのですけれども、ここらあたりは調べておりますか、警察庁。
○説明員(土金賢三君) お答えいたします。 昭和四十四、五年ごろ、東亜相互企業株式会社が福島県西郷村の土地を開発して、これを神戸製鋼に売りつけたという風評については承知いたしております。 なお、現在のところこれが捜査対象となるものであるかどうかにつきましては、現在福島県警察は贈賄事件を全力を挙げてやっておりますが、そのほかこの事案が捜査対象となるものであるかどうかについては現在のところ報告は受けておりません。
○黒柳明君 児玉ルートの捜査がおくれているわけですね。それから太刀川の起訴にしましても、太刀川の逮捕にしましても、必ずしも核心に触れたものじゃないわけですね。別件ですね。そうなりますとやはり四十四年、五年ごろ、あるいは四十六年度分の所得として相当入っているはずなんです。であるならば、こういうものはすでに御存じならば、福島地検、これは四十二ヘクタールの捜査ですから、収賄事件ですから、別件として捜査するという意思があってもいいんじゃないんでしょうか。あるいはいまここで、いままでやっていなければ、問題を提起されたならばひとつ調べます、こういう意思を示しても当然だと思うんですが、いかがですか。
○説明員(土金賢三君) ただいまの件につきまして犯罪に関係があるというか、捜査すべきである、こういうふうな——いまは捜査はほかの事件をやっておりますけれども——ということになれば、当然福島県警察としても捜査をすることになると、こういうふうに私も考えております。
○黒柳明君 だから福島地検は地検、警察は警察として当然収賄事件を中心にやっているわけですから、四十四、五年にこういう事件があった、あるいは事実関係がどうであるかは別にしましてもね。いまのロッキードの中での児玉ルートの解明については当人がやっぱり動かないんですから、あるいは十七億数千万のロッキードからの金についての捜査で動かない。だから別件で秘書も逮捕したと、であるならば別件でいろんな捜査をすることも一つのやっぱりロッキードの解明につながることはあたりまえじゃないですか、私が言うまでもなく。であるならば、福島地検が問題であるならばするでしょうなんということを言っていていいんですか。そんなことを言っちゃいられないんじゃないですか。法務大臣どうですか、非常に私の言っていることは常識の常識じゃないですか、非常に論理的に明快じゃないですか、どうですか法務大臣。
○説明員(安原美穂君) 御指摘の事柄が、福島地検あるいは県警でやっております木村知事を頂点とするいわゆる開発関係の贈収賄事件に関係して犯罪の嫌疑があるということであれば捜査するであろうという警察の土金局長の説明は、そのとおりでございまして、私どもといたしましては、捜査当局が自主的に判断することでございまするから、直ちにきょうお聞きしたからといって捜査いたしますというようなことを約束する立場にはないことも御理解いただきたいと思います。
○黒柳明君 じゃもうこの問題について重大な関心を持っていただけますか。
○説明員(安原美穂君) 私が関心を持ったってしょうがないんでございまして、捜査当局としてはただいま黒柳先生の御指摘のような事柄についても、それが独罪の嫌疑があるということになれば捜査を開始するであろうことは警察と同様であるということでございます。
○黒柳明君 国税庁、三十二億で買わされたうちの、児玉がフィクサー役として十億成功報酬をもらったと、これもすでにうわさとして流れている。私もそのうわさであるかどうかという信憑性を調査しました。これも非常にやっぱり可能性が強いと。児玉譽士夫の公示された申告所得のこの四十六年度分、四億六千一万四千六百八十円。十億ですからね。全くこの中には含まれてない。これについて調査されますか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 先生御承知のとおり、児玉譽士夫につきましては東京地検との緊密な連絡のもとに、去る二月二十四日に所得税法違反容疑で国税犯則取締法に基づく強制調査を行いまして、以後全力を傾注いたしまして捜査を進めて、その結果、四十七年分につきましては東京地検に告発するとともに、四十五年、四十六年、四十七年につきまして所要の課税処理を行ったものでございます。さらに四十八年分以降につきましても引き続き相当数の調査官を動員いたしまして、同人をめぐるところの資金の流れ、それから資産形成の全貌を明らかにすべく目下鋭意調査を行っているわけでございます。 ただいまお話しのフィクサー所得につきましても、児玉に関連するいろいろな問題がございますので、そういう問題も含めまして鋭意現在調査を行っておるわけでございます。まあ新しい事態がもし判明いたしますれば、それは当然調査あるいは課税の対象になっていくものというふうに考えているわけでございます。
○黒柳明君 これを含めて調査している、こういうことでしょうか、これを含めて。 これはさきの委員会で玉川署の署長が、法務大臣、あいさつに行っていた。それがすぐ小佐野氏関係の会社に入った。まあどこに行こうとこれは自由だと思うんですけれどもね。そのときの答弁が、いや、地域の知名人に対してのあいさつ回りだろうと。知名人というのはどこの範囲まであいさつ回りしてくれるのか。私は新しいところに引っ越して一年半、警察からあいさつ回りなんか来たことないですよ。国会議員は知名人じゃない、野党の公明党なんか知名人に入ってないとは思うんですが、これは期待したって無理かと思いますけれども、これは私が先ほど質問したことじゃない答弁ですから、別に私それに関連して質問する必要もなかったんですけれども、知名人だから地域のあいさつ回りでしょうと、だったと。やっぱりこういうことは全くおかしい。またこれがいまの事件から振り返るとこれはさらに疑惑が増すことは当然の事実であって、四十六年の所得が四億六千万しかない。十億のフィクサー料が入っている、こういううわさがもっぱら強かった。いまのこういう買えもしない土地何十万ヘクタールも企業が買うわけないじゃないですか。さらにいま林野庁、農林省が言ったように、農地転換に対して法的には違法じゃない、所有権の仮登記だけ。売買契約が出て金は払っちゃっているのですから、払わざるを得ない。さらに三条、五条の申請許可がとれない。遊んだままですよ。なぜそうか。買わされちゃった。その一つがいまの西武で報道されてきた。買わされちゃったと西武関係言っている。神戸製鋼で一つが出てくる。あと全部そうです、それ。日商岩井だってそうですし、野村住宅産業だって全部そう。もう有名会社が何十万ヘクタールってみんな買わされちゃった。それを一つ一つやっぱりおかしいということで提起された。いままで失礼ですけれども、だろうといううわさですよ、週刊誌等の。となれば、これを一々捜査しろといったって無理かもしれない。だけれども、これだけの重要問題、国会で論議されて提起されたのですから、これも当然捜査当局がおかしいと思えば調べるでしょう、こんなことじゃなくして、法務大臣はここでもいろいろなことを中立、厳正な立場でおしゃべりになる、外でもさらにそれに輪をかけて中立、厳正なことをおしゃべりになる。ですからこの問題については、福島地検が、福島警察がもしこれに関係があるならばとか、あるいは私が重大な関心を持ったって捜査当局が持たなければだめでしょうとか、そんなことならば、ロッキードの解明解明と言いながら、田中金脈どうなんだと、こう一言も言いたくなるんです、言いたくもないことを。捜査当局を信頼し、こちらがむしろ盛り立てていかなきゃならないと、こう思いつつも、これだけ具体的に問題を提起されて、法的に全く動かすことができないところを多量に買わされ、しかもはっきりと、私じゃなくて某信頼する筋から西武の十万は無理に買わされたんだと、児玉に、と西武側の証言が出てきた。これは私の調査じゃないですよ、きょう出たやつですよ。いままでは神戸製鋼の内紛にひっ絡めて、三十二億で買わされ、十億のフィクサー料がいった。四十六年の所得には全く入ってない。玉川署の非常におかしな行動もあった。全部これは事実関係じゃないですか。推測でも何でもないじゃないですか。それに対してまた解明しなければ、児玉の、一考を要すると言ったって、どこに一考しているのかわからないじゃないですか。 実はまだこれ、私きょう持ち時間が少ないので、もう一回連続物語でやるんです。この後が問題。この後にだれがこれを融資したか、児玉に。どこがこれを買わさしたか。不動産銀行が絡まるんです。あるいは韓国の外換銀行が絡むんですよ。某大物政治家も出てくるんです。そういうところがまだあるんです。まあ物事は何でもぱっぱっとやるよりお楽しみに残した方がいいんで、これは時間の関係でできません。膨大な融資があるんです、これに対して。だけれどもその手前、これだけの事実関係というものが法的にもおかしいと、手続が。おっぽりっ放し。しかもその部分において刑事事件まで起こっている。これはもう政治的に法務大臣が判断して、この問題について児玉を一考を要する大きなテーマを与えたんですから、二考も三考もしているという刑事局長、具体的には捜査の内容ですからと。それじゃこういうことを調べて発言していったって、私は信頼したいのだけれども、信頼できるのかどうかわからないですよ。法務大臣、ひとつ具体的なあるいは前向きな答弁をしてもらいたいのですが。
○国務大臣(稻葉修君) そういう疑わしい事実を挙げられて捜査当局の捜査を干渉するといいますか、そういうことは無意義では私はないと思います。非常にロッキード問題全体の全貌の真相の解明にきわめて有意義なことだと思うんです。ただ、これ捜査の内容というものは、そういうことを捜査しているとかしてないとか言いますと警戒されたりいろいろするものですから、そういうこともありましてなかなかこれむずかしい。法務大臣としての答弁はむずかしゃうございますから、そういう私のこういう述べ方によって御推察願って私は信頼していただく以外にはないんですよ。まだこういう大事な段階でございますからね。そういうふうに決して——あなたの真相解明しなけりゃならぬ、したいという御熱意に対して共感を覚えるわけですから、そういう点で御推察願いたいと思います。
○黒柳明君 最後に、時間が来ましたからね。信頼しているからこういうことも提起するんであって、また共感を覚えて御推察もする可能性もありますけれども、ですけれども、こういう具体的なことについてそれで言えないからと、それだけのことじゃやっぱり信頼しようだってこれは無理な面もあることもひとつ御推察願いたいんですな。だからもう捜査当局は捜査当局です。言えない面もあるでしょう。やっぱり大臣としては政治的な判断はできるわけですからね。政治的な面でこれに対しての所感なり何なりをやっぱり前向きに発言しないと私もそれに対して信頼を置けないと、こうならざるを得ないんじゃないですか。
○国務大臣(稻葉修君) ロッキード事件、特に前総理総裁が逮捕されるというような事件でございますからね。この全貌を国民の前に、いまあなたが指摘されたようなことをも踏まえて全貌を明らかにすることは、私法務大臣として当面の責任者であります。決してないがしろに聞くことはもちろん、そんなこと、そんなつもりは毛頭ありませんな。しかし、いまこの大事なところに来ているのでございますからね。いまはそんなことを言ってて、そんな程度ではだめだとおっしゃっても、必ず私は結果において、ああそうか、あのとき法務大臣、おまえは苦しそうだったけれどもわかったという時期を結果としてお示しするよりしようがない。
○黒柳明君 結構です。
○野田哲君 法務省に伺いますが、自由民主党副総裁の椎名悦三郎氏から評論家の青地晨、それから山川暁夫、この両氏を名誉棄損で東京地検に告訴された、こういうことを情報として伺っているんですが、これは正式に告訴として提出をされ受理をされているものですか。
○説明員(安原美穂君) いま御指摘の評論家青地晨、それから山川暁夫両氏に対しまして東京地検に椎名悦三郎氏から名誉棄損の告訴が本年の七月五日提出されて東京地検ではそれを受理いたしております。
○野田哲君 その告訴というのは青地晨氏の毎日新聞に掲載をした六月十八日付の日韓関係の暗部を切開しなければならない、こういう表題の論文、さらに山川暁夫氏が朝日ジャーナルの六月十八日号に発表した「なぜ「椎名と日韓」なのか」、こういう論文が椎名悦三郎氏の名誉を棄損をしたということで告訴をされているわけですか。その点どうなんですか。
○説明員(安原美穂君) 御指摘のとおりでございます。
○野田哲君 その告訴された対象となった論文について、この中で法務大臣に伺いますが、法務大臣はこの告訴の対象となった論文の中に、田中角榮が韓国から三億円を受領した、ある問題の決着のために。こういう意味のことが述べられている。このことを承知されておりますか。
○国務大臣(稻葉修君) その論文を読んでおりませんので、いま初めて伺います。
○野田哲君 刑事局長に伺いますが、事実を調査されている、こういうふうに報告があったわけですが、そうすると、これは椎名氏の直接名誉を棄損した部分に限って調査の対象にしているのか、あるいは論文全体が構成されている、その全体を調査の対象とされておるのか。その点はいかがですか。
○説明員(安原美穂君) 七月五日に受理いたしまして、至急に処理すべき案件ではございまするけれども、まだ関係人等から事情の聴取も行っていないのが現状でございます。ただお尋ねの事柄を、一般論として名誉棄損について告訴があったときにどの範囲で調べるかということに相なりますると、やはり告訴人がこの部分について名誉を棄損されたという事実を中心に調べるわけでございまして、それに必要な限度において場合によってはいまの三億円云々にも及ぶかもしれませんが、原則は名誉棄損となれば、それが事実でない、そこで名誉棄損されたと告訴人が申すことを中心に調べるわけでございます。
○野田哲君 先ほど申し上げましたように、青地論文の中には田中角榮に関係する重大な疑惑が述べられているわけです。私も前々から、もう半年も前からその情報は知っていたわけなんです。しかし単なる伝聞だけでこれを国会の場で議論をする、このことはどうかと思いましていままで差し控えておったわけですけれども、告訴の対象となった文書の中にそのことがあるわけですから、私は今回この問題について法務省の見解を伺いたいと思うんです。 この三億円の内容というのは金大中事件の政治解決への謝礼として朴政権から田中角榮に三億円が贈られた、こういう内容のものです。 〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕 その仲介を行ったのが大韓航空社長趙重勲、日本側は小佐野賢治である、こういうふうに言われているわけなんです。この疑惑というのは今回告訴の対象になっている青地論文だけではない。ここに「世界政経」という月刊誌があります。これにはもう大きく「三億円で売られた金大中氏」、こういう形で民族時報主筆鄭敬謨、こういう人の署名入りの論文が載っているわけですね。あるいは最近の大新聞が発行されている週刊誌の中で、評論家が三名会談をされている、ロッキード問題に関連して。その中でもこの問題に触れられているわけなんです。 こういうふうに、この問題はすでに今日では日韓関係に関心を持っているジャーナリズム、あるいはロッキード問題に関心を持っている関係者の中では、広くこれは疑惑を持たれていることなんです。こういう情報がかなり前々から流れていることについて、これは法務省の関係者、承知されておりましたか。
○説明員(安原美穂君) 私の承知している限りにおきましては、今回椎名氏からの告訴がございましたことを契機に、告訴事件として処理する観点から検察当局としては直接の関心を持ったものと理解しております。
○野田哲君 椎名氏から告訴が出された、その対象になっている論文の中にこういうくだりがある、そこでいま関心を持った、こういうことでありますけれども、田中角榮は現在逮捕されておりまして、その容疑として丸紅を通じてロッキード社から五億円を受領した、こういう点で捜査を受けているわけであります。その五億円を受領した容疑の時期である四十八年、四十九年、この間に、あわせて、いまこの田中角榮に韓国から三億円が渡されて金大中事件の政治的な決着をつけた、その際その取引があった、こういう点がかなりいまいろんな面で世間に公表されて、指摘をされているんです。したがって、捜査当局としては、この五億円の田中の容疑については、当然四十八年、四十九年当時の田中個人の資産形成、あるいは田中に係る政治活動のための政治資金の収支の状況等々について、金の出入りについては全体的に取り調べが行われるんじゃないか、こういうふうに思うのですが、そういうふうに理解していいわけですか。三億円は別として。
○説明員(安原美穂君) 現在、捜査当局といたしましては、田中前総理の五億円の受領に関する外為法違反事件の事実の確定を急ぎますとともに、それがいかなる趣旨の金であるかということを究明しておるものと理解いたしておりまするが、いま御指摘のような田中前総理のいわゆる資産状況ということも、その金の性質というものを究明する必要がある限度におきましては、当然調査、捜査の対象になっているものと思いますが、単に田中金脈が直ちにそれが犯罪であるというわけにもまいりませんので、あくまでも捜査当局としては犯罪捜査の面から追及するわけでございますので、いま申し上げましたように、この五億円というものが入ったと、それはどういう趣旨かということを究明するに必要な限度においては当然捜査すべきものと思っております。 〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕
○野田哲君 五億円を中心に田中の資産形成あるいは政治資金の状況等について調査をしていく。で、もう一ついま椎名氏の方から告訴がされている。そしてその告訴を受理したわけでありますから、その対象となった青地論文あるいは山川論文についても、これは当然告訴があった以上は調査の対象にしなければならないと思うんですね。で、椎名氏の名誉に係る部分の中心になる、こういうふうに言われたわけでありますけれども、論文全体は、これは自民党あるいは日本の財界と朴政権、韓国の財界との癒着構造というものの全体を指摘をしてあるわけなんです。その一つの具体的な指摘としてそういう疑惑が述べられているわけであります。したがって、当然これは告訴を受理したとすれば、この田中に対して三億円が手渡されている、こういう疑惑についても、これは当然調査の対象になってくるんじゃないか、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○説明員(安原美穂君) 先ほども野田委員のお尋ねにお答えいたしましたように、名誉棄損というものの捜査でございまするから、どうしても、この部分が名誉を侵害したんだという告訴人の摘示に係る事実の真否ということが捜査の中心になるわけでございますが、その中心の真否を明らかにする、あるいは名誉棄損そのものを明らかにするという、告訴事実を明らかにする関係で必要であれば三億円というものにも触れるであろうということが一般的に推理されるわけでございまして、事柄は具体的な事件の捜査の中身でございますので、私の口からは、関係あれば三億円についても調べるであろうということで、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○野田哲君 この件について法務大臣に見解を承っておきたいと思うんですが、田中が三億円韓国から受領した、それを大韓航空の趙重勲−小佐野賢治、こういうルートで受け取った、こういうふうに指摘をしてあるわけです、疑惑が。この根拠というのは、去る三月二十五日にアメリカの下院の国際機構小委員会、この聴聞会で国務省の元韓国部長であったレイナード氏、この人の証言による、こういうことで、こういう疑惑がいま指摘をされているんです。このレイナード氏の下院の国際機構小委員会での証言、これは、この前に金大中はKCIAによって東京からソウルに連れ去られた、こういう証言があったということは議事録もすでに公開をされております。それに引き続いての聴聞会を、これをこういう重要な内容があるから秘密会にして、レイナード氏の証言を受けた、こういう経過になっている。その秘密聴聞会の証言内容が情報として漏れて日本に伝わっている、こういうことなんです。したがって、これは大変重要なことだと思うんですよ。日本の主権にかかわる問題。そしていま数日前に十年間の懲役を求刑をされている金大中氏の処理、これが日韓両国のトップの間で金で取引された、こういうふうに指摘をされているんです。法務大臣、日本の政治の疑惑を明快にしていくためにも、これは外交ルートを通じてこの秘密聴聞会の議事録を請求をして、検討すべきではないですか。この点いかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) 仮にあなたのおっしゃるように、その秘密聴聞会におけるレイナード氏の証言がそのとおりだと、そのとおりだと仮にそう仮定すれば、それはきわめて重大な問題として関心を持たざるを得ませんな。ことに法務大臣としてはもちろん、政治家として、そういうばかな外交、不当な外交のやり方で金大中氏事件を取引の具に供するようないき方ですからね、そういうことは、そのとおりだと仮に仮定すれば、許すべからざることであると。その辺のところは、果たしてそのとおりであるのかどうか検討してみます。
○野田哲君 法務大臣ね、私はいままで、これはことしの初めごろからこういう情報を得ていたんです。しかし、根拠が私自身十分な確信を持ったものでないと、こう判断したから、今日まで何回か機会はあったけれども、取り上げなかったんです。ところが、そのことを指摘をし、疑惑を述べておる文章を、論文を椎名氏が名誉棄損であるということで告発をして、これを検察庁が受理された、こういうことでありますから、それならば当然、この対象になった論文の中に公然と述べられているんですから、これはもうこの段階になればこれは単なる風聞ではないですから、法務省としても、司法当局としても、たまたま該当者が逮捕されて身柄を拘束されて、いつでも調査できる位置にいるわけでありますから、そういう条件も含めて当然対象にすべきではないか、こういうふうに申し上げたわけなんで、この点はひとつぜひ明らかにしてもらいたいと思うんです。
○説明員(安原美穂君) 先ほどもお答えいたしましたように、この三億円云々は、直接には椎名氏の告訴事件の捜査の過程で必要とあれば調べるであろうという一般論で御理解いただきたいと思ったわけでございますが、それで仮にそれが必要であるということになれば、さらにその根拠が秘密聴聞会において述べられている事実であるということであれば、その入手についても適切な方法をとるであろうという、すべて「であろう」で恐縮でございますが、そういうことで御理解いただきたいと思います。
○野田哲君 その点はそれで終わりまして、一つだけ防衛庁の方、江口装備局長に伺いたいと思うんですが、昭和四十七年十月九日に、今日まで問題になっている次期対潜哨戒機、これとあわせて早期警戒機、これが白紙還元になっているわけですが、これは、当初は中曽根康弘氏が防衛庁長官当時に国産化構想を提起をした、国産化が進められてきた、こういう経過になっていると思うんですが、この早期警戒機について四十七年十月九日に対潜哨戒機と一緒に白紙還元になっているんですが、この白紙還元になる前に中曽根康弘氏が通産大臣をやっていた当時、中曽根氏から防衛庁に対して、ある業者を指定をして輸入あるいはライセンス生産、これをやったらどうかという働きかけがあった、私はこういう情報を持っているわけであります。この前黒部証人に対してそのことをただしたときにも、そのことを肯定したお答えがあったわけであります。防衛庁として現在この経過につきまして調査をされているのか、あるいは現在これはどうなっているのか、これを伺いたいと思うんです。
○説明員(江口裕通君) ただいま御指摘の点は、実は六月三十日に黒部証人の御証言があったと記憶しております。その際のどんなお言葉でございましたか、私いまちょっとつぶさに記憶しておりませんけれども、AEWの問題について導入を考慮したらどうかというようなことを中曽根当時の通産大臣からお話があったと、それについて聞いたかという御質問がございまして、そのときのお答えが若干ぼけておりますわけで、どういう御真意でこれをお答えになったか私も実は存じ上げないわけでございますが、その後こういう話がございましたので、そのとき出ておりました当当の増原長官、それから中曽根現幹事長のお二方に、こういう事実が国会の方に出ておりますけれども御記憶がございますかということをお伺いしてございます。そのお答えは、御両者とも、そういうことはなかったと思うという御返事でございました。 以上でございます。
○野田哲君 それで、江口局長、これはいまどういう扱いになっている、計画としては。現在の防衛庁の計画として、この早期警戒機について。
○説明員(江口裕通君) このAEW機は、当時の四十七年の十月九日の了解事項の中にも、現在問題になっております対潜哨戒機と同じように扱われております。具体的に申しますと、輸入を含めてその扱いを検討するということになっておるわけでございます。その後、現在、対潜哨戒機につきましては、ポスト四次防案の検討過程にございまして、その際どういう扱いにするかということを目下検討している最中でございます。
○野田哲君 中曽根当時の通産大臣が持ち込んだのは、ヒューズ社との提携、こういう話を持ち込まれているように伺っているんですが、その事実は把握しておられませんか。
○説明員(江口裕通君) これは、いま申し上げましたお二方から必ずしも伺ったことではないわけでございますけれども、われわれが客観的に知る限りにおきましては、ヒューズ社に関連いたしましての技術導入問題と申しますか、そういうことが取りざたされたことはあったように記憶されております。
○野田哲君 それでは次に、先ほど黒柳委員は楽しみを先にとっておくということで、いま席を外しておられるんですが、ちょっと黒柳委員の質問に関連したことを伺いたいと思うんです。法務省に伺いたいと思うんです、あるいは警察庁。 いま黒柳委員からもいろいろ述べられましたが、福島県における知事の贈収賄の問題、この贈賄側の東亜相互企業、この東亜相互企業が福島県の那須、白河あるいは甲子高原、こういうところに土地開発に乗り出した。この資金のルートについては、これは調査の対象として捜査を行っておられますか、いかがですか。
○説明員(土金賢三君) お答え申し上げます。 現在福島県警察において、御指摘のとおり、福島県庁幹部に対する汚職事件の捜査を行っているところでありまして、御質問のような件について捜査をしているという報告はまだ受けておりません。御指摘の件が犯罪と関係がある場合には当然捜査することとなると存じます。
○野田哲君 この資金のルート、これは、私の調査したところによると、当初これは韓国外換銀行が直接融資をした、六十億円。ところが、この韓国外換銀行からの直接の融資、これが不正融資であるということで、韓国の国会で野党側から指摘をされ、問題になった。そこで、当時の韓国外換銀行の頭取を罷免をして、そしていろいろ工作をして、日本不動産銀行に肩がわりとして五十四億円の融資をさせた。そしてそれを韓国外換銀行が支払い保証を行った。こういう経過でこの資金が東亜相互企業に流れている。その間のあっせんに当たったのは児玉譽士夫であるということはもう公然の事実のように言われているわけなんです。報道されているロッキード事件問題が発生してからの新聞等の報道の中で児玉の今日までの言行について報道されている。児玉の本も出ている。その中で、この融資については私自身が朴大統領のところへ頼みに行ってやったんだ、こういうことが公然と活字になって述べられていますね。当然、児玉の資産形成等の捜査をしていく中では、このことも捜査の対象として、疑惑の対象として資産形成の中で捜査をされなければならないのではないかと思うんですが、この点いかがですか。
○説明員(安原美穂君) 当面、たびたび申し上げておりますように、ロッキード社から入り込みました十七億余というものが、公開の資料によりましても児玉の資産を形成しておるという疑いを持ち、かつその十一億についてはすでに所得となったという認定のもとに脱税で起訴しておるわけでございますが、そういう資産の流れを究明する過程で、必要とあれば当然捜査すべきものと思います。
○野田哲君 終わります。
○神谷信之助君 最初に井出官房長官にお尋ねしますが、本日参議院の議院運営委員会の理事会が開かれました。そこで、自民党の理事の方から、政府・与党連絡会議の結論だということで、八月の下旬に臨時国会の開会をお願いをしたい、こういう正式の自民党としての提案が出されました。そして、その理由として、ロッキード事件も田中の逮捕によって一山越えたんだから、ひとつ財特法及び国鉄、電電の値上げ法案、これらの審議を早くやらしていただきたい、こういう話であります。これには共産党初め野党は全部反対をしたわけですが、ところで、この自民党の提案は政府・与党連絡会議の結論ということで出された。ということは、政府の認識も、今日もうロッキード事件は一山越したという認識に立っているのかどうか。三木総理は、今日までの当委員会における答弁でも、田中逮捕によって終わったということではないと、まだまだ続くんだということを答弁されていますが、この点の認識は変わったのかどうか、この辺について、まずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) お答えいたします。 ロッキード事件、峠を越えた、あるいは山場に差しかかっている、いろいろな表現がございますが、これはここに法務大臣もいらっしゃいますので、私よりはその辺は的確にお答えがあるだろうと思います。そこで、政府側といたしましては、神谷さん御承知のように、前国会積み残しの三法案等、政府の責任にかかわる重大な懸案が積み残しになったのでありますから、これを何とかしなければいかぬという焦慮の気持ちはお察しをいただけると思うのでございます。 それともう一つは、やはりロッキードの真相解明ということも、前国会以来申し上げてまいっておることでありますから、その辺の兼ね合いをどういうふうに見るか。したがいまして、まだ日取りをいつ幾日というところまで決めかねておるのでございますが、おおよそのめどといたしましては八月中にはひとつ国会をお願いをするという点は、大体政府と与党の間で話し合いに入っておるわけでございまして、まだ明確な日取りというところまではいっておりませんので、多分きょうの参議院議運においても、与党側からは一つのめどというふうにお願いをしたのではなかろうかと思いますし、事件の山を越えたか否かということは、私どもも的確にまだそれを掌握しておるわけではございませんが、月末とも相なれば、何かこう、そういう気配が見え初めてくるのではなかろうか、こういうふうな判断の上に立っておるわけでございます。
○神谷信之助君 八月の下旬になれば大体目鼻がつくのではないかという判断に立っているということですが、これは非常に私は認識不足じゃないかと思う。三木総理も、このロッキード事件は徹底的に解明をして後に国会を開くようにしなければ、国会自身がうまく進まぬのじゃないかと答弁もなさっています。それじゃ、ロッキード事件の解明は現段階で一体どういう状態になっているか。なるほど田中の逮捕によってその中枢の一角にメスを入れた。しかし、これはまだまだ全体の事件の全貌というのは国民の前に明らかになっていません。きょうの委員会においても、同僚委員の質問に対して安原刑事局長は、たとえば丸紅に渡っている六億二千万円、そのうち五億が田中の手に渡った。しかし、それから先の使途はまだわからない。残っておる一億二千万円についてもまだ詳細はわかっていない。それから全日空に渡ったと言われる一億六千万円、これもこの行き先、それから先の行き先はまだ解明されていない。一番大きい児玉に渡った十七億は、十一億余りが児玉の所得に入っておるということで脱税で起訴はしたけれども、これもまだ一番おくれておって、さっぱりわかっていない。これが先ほどロッキード事件の捜査当局の捜査の段階の報告なんです。すなわち、一番大きい児玉に渡っている十七億というのはまだほとんど手がつけられていない。わからぬままになっているわけですね。二十数億のうちの三分の二ぐらいが不明の状態、こういう状態で、月内にやれるかどうかという捜査のめども、いまのところ安原刑事局長は立ちませんと、こう言っているのです。また国会においても、国政調査権を活用して、そして国会自身がこの真相究明をやってきたわけですが、御承知のように、自民党の反対で証人喚問がストップされている。真相解明がそういう形で障害を受けて、とんざをしている状況が起こっている。あるいは灰色高官名の問題、この発表をめぐる問題についても何らまだ決着はついていない、こういう状態ですね。だから、いまの状態では、なかなか八月中でもめどがつかぬのじゃないか、こういうのがいまの状態じゃないかと思う。 ところが、きわめて私は重大なのは、三木総理が先ほどの記者会見で、全日空、丸紅ルートの捜査は今月じゅうに終了する、児玉ルートの解明は九月以降にずれ込む、したがって、臨時国会の召集は児玉ルートの解明とは切り離して考える、そういう趣旨の記者会見をやったという報道がありました。これは、三木総理がいままで、このロッキード問題は徹底に解明をして、国民の信頼を回復しなければ日本の民主主義は大変なことになる、そのためにもそのことを先決の問題としてやっていくんだという従来からの態度とは非常に大きな転換をしているわけですよ、三木総理自身の記者会見で。しかも、全日空、丸紅ルートの捜査は今月じゅうに終了する、児玉ルートの解明は九月以降にずれ込む、だから臨時国会の召集は切り離してやるんだと、こう言う。臨時国会が召集されて、国会の運営の状況、そういう状況で、もし国会解散、総選挙ということになれば、ますます児玉ルートの解明はおくれてしまう。それでなくてもおくれているものが、ますますおくれてしまう。国民の前に真相の大部分、それをあいまいにしたままで総選挙になってしまうという、そういう結果さえ招くという、そういう重大な発言ではないかと思うんです。これはいままでの三木総理の国会における見解ときわめて矛盾をする発言ですし、しかも、事実とすればきわめて重大な食言にもなる。こういう筋合いだと思いますが、この点について、総理を助けている官房長官として見解を承りたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいも検察が鋭意捜査に努力をしておられますのでございまして、まあ八月と申しましても、まだ二十日からあるのでありまして、私どもはその間にまあ何とかめどがついてくれることを希望し、期待をしておるわけでありまして、まあそういうあたりをも見定めてということでございまして、しかるがゆえに、まだ何月何日というところまで行っておらないということは先ほど申し上げたとおりでございます。 それから三木総理が話者会見というお話でございましたが、確かにきのう長崎で記者会見はいたしておりますけれども、それはロッキード問題の解明、財特法その他の懸案を臨時国会にお願いして処理をするというような点には触れておったかと思いますが、いまおっしゃるように、その後別に記者会見をしたわけでもございませんし、そういう具体的なことに総理が触れましたかどうかは、私としてはきょうずっと一日官邸におるんですが、その辺は私も定かに確かめておらないというのがいまの現状でございます。
○橋本敦君 官房長官に関連で二点だけお伺いしたいと思うのです。 最近は、新聞を見ましても、自民党の内部における政争がますます激化しているという状況が伝えられ、三木退陣をめぐるいろいろな動きも大きく伝えられておる。こういったような政争劇というものは、ロッキードのもみ消しなり、灰色高官隠しにつながるのではないかという批判を私どもは持っているわけです。こういう中で三木総理は長崎で記者会見をして、真相解明に全力を挙げると。三木総理の言葉によれば、いかなる妨害があろうとも真相解明をやって国民に対する責任を果たすと、こう言われた。この三木総理が言う、いかなる妨害があろうともというのは、いま行われている三木退陣劇、自民党の政争、こういったものも妨害の一つというように総理はとらえているように受け取れるのですが、そういうように長官はお考えになりませんか。これが第一点です。まず、この点、現在の政争劇問題について、ロッキード関係真相解明との関連でどう考えるか、これを明らかにしていただきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) いま御指摘のような、最近の新聞報道等によりますと、自民党の内部が混迷しておるように伝えられるのでございますが、これは自民党内の問題でございまして、もしそういうことありとせば、一糸乱れない自民党の体制というものをつくり上げることがこれは総裁たる者の責任でございますから、恐らく三木総裁もそれには十分に関心を払っておるだろうと思うのであります。そのための構想をいろいろとめぐらしておるであろうと私は推察をするのでございますが、決してそれによってロッキード問題の解明が等閑に付されるというふうなことがあってはならぬことでございまして、最初から申し上げておる真相解明に全力を尽くす、この態度、姿勢、これは決して変っておらないと、こう私は申し上げられる次第でございます。
○橋本敦君 真相解明に全力を尽くすというわけですが、この三木内閣の政治姿勢が問われている重大な一つの問題に、小佐野賢治氏の問題があるんですよ。私はさきの委員会でも、小佐野賢治氏をめぐる疑惑について指摘をしたのですが、たとえばコーチャン証言でも、小佐野氏がロッキード疑獄に絡んだ中心人物の一人であることは明らかである。しかも刎頸の友、そう言われる田中角榮の逮捕によって、小佐野氏に対する取り調べも近々必ず行われるであろう、こういう情報、観測も具体的に流れておる。こういうときに、真相解明をやるんだと、こう言っている三木内閣が、小佐野氏をいつまで電電公社の経営委員という要職にとどめ置くのか、本当に三木内閣が政争にとらわれず、真剣に真相解明をやるという政治姿勢を貫くならば、私はこの疑惑の中心人物の一人、あの小佐野氏を、電電公社経営委員、これを解任をする、こういう処置を内閣はとるべきだ。これをやらなければ、いずれ取り調べられる、万が一逮捕されるということになれば、三木内閣のこの政治姿勢というものはまたまた厳しく問われることは明らかだと思う。いま私は直ちに解任するという決意を、三木内閣は真相解明の試金石の一つとして示すべきだと思いますが、長官の真剣なお考えを伺いたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 小佐野氏の電電公社経営委員という立場に触れられての御発言でございました。同様の御意見はあちこちにあるわけでありまして、実はせんだって衆議院の議運理事会へ出ました際にも、そういう御趣旨のことを承りました。その点は私自身もよく心にとめて帰りますというお答えをしてまいったわけでございますが、この場におきましても、御指摘の点は私どもも重要な関心事として臨みたいと、かように考える次第であります。
○神谷信之助君 長官、三木総理が真に真相解明のために、行動で、具体的な事実で努力をするのかどうか、これから国民が見守っているわけですし、それから、いま橋本委員からも提起をされた小佐野氏の電電公社の経営委員の問題ですね、これもきわめて重大な問題として総理に報告をしてもらって、しかるべき措置を早くとってもらうということを最後に申し上げて、長官の方は終わらしていただきます。 次に捜査当局に聞きますが、先ほど安原刑事局長も児玉ルートが一番おくれているというわけですが、この解明がおくれている原因というのは、やっぱり児玉を拘束できないというところに問題があるわけですか。どの点に理由があるんですか。
○説明員(安原美穂君) 特定の非常にむずかしい金の授受の流れを追う事件につきましては、やはり関係者からの供述を得るということが非常に重要なポイントになるわけでありまするが、御案内のとおり、この間衆議院のロッキード委員会の委員長が御尋問なさいましたときにもおわかりのように、長くは尋問ができないという、この病気ということが、拘束できない、病気であるということがやはり捜査の進捗を妨げる大きな原因であることは事実でございます。
○神谷信之助君 そうしますと、どこかから突破口を開いていかなきゃならぬと、こう思うんですね。いま太刀川を逮捕中でありますが、そのほか児玉のいわゆる児玉ファミリーと言われるそういう児玉周辺をずっと、当然これは調べられていると思いますが、その辺を突破口にしてさらに捜査を進めるとか、いろんなことを考えなければ、児玉本人の場合拘束もできない、そういう状態に追い込まれている。これは一考も二考もするという話ですが、しかもまだ児玉本人の供述が、検察庁の尋問の場合にも、この間田中委員長のやった衆議院のロッキード委員会の尋問における供述と同じようなものであるとするならば、これはなかなか大変なことだと思います。この辺についてはあらゆることをやられておると思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 先ほども黒柳委員の御質問にお答えしましたように、二考も三考もして、捜査当局としてはどうしてその困難を克服するかに苦心をしておるわけでございますが、苦心の中身につきましては、いわば捜査の秘密に属しますので、ひとつ御猶予願いたいと思います。
○神谷信之助君 われわれは、この児玉ルートというのは、児玉−小佐野ルートと見るべきではないかというように考えているわけです。そこで、そういう立場から幾つか質問をしていきたいと思いますが、児玉が三月の十三日に四十七年度の脱税で起訴をされました。引き続き五月の十日に外為法違反で起訴をされました。五月の十日に外為法違反で起訴されてからもうすでに三カ月たっているわけであります。そこで、この外為法違反で起訴された起訴事実、これについて報告をしてもらいたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 五月十日の外為法違反の公訴事実は、四十八年の五月中ごろから六月中ごろまでの間、居住者であるクラッターから非居住者であるロッキード社のためにする支払いとして現金合計四億四千万円を受領したという外為法違反の事実でございます。
○神谷信之助君 その起訴対象になった四億四千万円の現金の問題です。これは児玉が四十八年の一月の三日に盗難に遭って紛失をしたといわれるスイスの銀行のドルの小切手十四通、百六十六万六千六百六十七ドル、これが盗難に遭って、そしてその年の五月から六月にかけて四億四千万円再び送金をされた。その四億四千万円がこの起訴事実の対象になっている現金であるわけですか。
○説明員(安原美穂君) ただいまお読みいたしました四億四千万円という金が児玉の手に四十八年に入ったということは、その背景事情といたしまして、いま御指摘のように、それまでにスイス銀行を通じて支払われました約五億円相当の小切手が盗難に遭ったということで支払い停止になりました見返りといたしまして、その後にいま御指摘の四億四千万円という支払いが改めてあったという、その支払いを外為法違反で公訴提起したものでございます。
○神谷信之助君 それじゃ次に警察庁にお伺いしますが、この四十八年の一月三日の盗難について児玉の方から玉川署に盗難届が出ているというようでありますが、出ているかどうかということと、その盗難届の内容はどういうものか、報告をしてもらいたい。
○説明員(土金賢三君) 四十八年の一月三日に児玉譽士夫から警視庁玉川署に対しまして、旅行から帰宅し、その際携行していたアタッシェケースなどを一階八畳の間に置いてあったところ盗難に遭った旨の届け出がなされております。その被害届の内容でございますが、現金三百六万円、それから書類入り封筒、金庫のかぎなどがあったアタッシェケース一個が盗難に遭ったという届け出の内容でございます。
○神谷信之助君 その被害届の中には、いまのスイス・クレジット銀行振り出しの小切手はなかったわけですか。
○説明員(土金賢三君) 小切手があったという届け出はございませんでした。
○神谷信之助君 その一月三日の届は、その後訂正されたことはありませんか。訂正されたとすれば、その内容はどういう点ですか。
○説明員(土金賢三君) 一月三日に提出された盗難の被害届につきまして、一月九日に被害にかかった現金は当初の届け出額二百十六万円のほかに九十万円ぐらいがあったという追加届け出がなされております。これ以外に被害届を訂正した事実はないという報告を受けております。
○神谷信之助君 その一カ月後に、いわゆる二月二日に、これは盗難届証明書というのですか、盗難証明書というのですか、玉川署から発行しているようですが、児玉の方が請求をしたその目的及びこの証明書の内容はどういうものですか。
○説明員(土金賢三君) 証明書の件でございますが、玉川警察署においては、児玉譽士夫からの申請に基づきまして、昭和四十八年二月二日に玉川署長名による盗難被害届証明書を三通交付したという記録が残っております。残っておりますが、その証明書の記載内容については控えがありませんので、その詳細はわかりません。
○神谷信之助君 それじゃ、その被害内容について詳細はわからぬということですが、先ほど言いました小切手は含まれているわけですか。
○説明員(土金賢三君) この証明書を出す場合、警視庁の一般的な証明の手続によりますと、盗難被害届け出の内容と同一の事項について被害があったことの内容の証明ということでなくて、そういう盗難の届け出があったということを証明する証明書になっております。したがって、先ほど申し上げましたようなそういう被害があったという届け出がそのまま記載されているものと思われます。
○神谷信之助君 この小切手は、四十七年の十一月の二日にロッキード社のバロウ副社長がスイスからロンドン経由で急遽日本にやってきて、そうしてクラッター氏を通じて児玉の方に渡された。それに基づいて児玉が四十七年の十一月二日から十一月六日にかけて五億円の領収書をつくっている。 もう一つ、十一月一日の七千万及び三千万円の、一億円の児玉の領収書があります。これはフランの小切手に対する領収書ではないかと見られますが、いずれにしても、先ほどの安原刑事局長の答弁では、これと見合うものとして五億円、これが紛失をして、そのために再び送金をされた。四億四千万円というのは為替差損で、為替の減で六千万円の減になって四億四千万円になったと、こういうものと理解をしていいですか。
○説明員(安原美穂君) そのようなこととしてこの公訴提起の際に東京地検当局から発表がなされております。
○神谷信之助君 ある新聞の報道によれば、亡くなった福田太郎氏が検察庁の尋問の中で、このクラッター氏に一緒に同行して通訳をしたということを供述をしている。また、そのことを福田氏が友人に語って、そしてこの小切手については小佐野に渡してくれというクラッター氏の言葉を通訳をしたということも供述をしているという報道がありますが、これについてはいかがですか。
○説明員(安原美穂君) 亡くなられた福田太郎氏につきましては数回にわたって取り調べはしておりまするが、取り調べの内容については申し上げるわけにはまいりません。
○神谷信之助君 いずれにしても、十一月段階に児玉の自宅にこの小切手があった。そして、一月三日に盗難に遭うまでの二カ月児玉の宅にじっと寝ておったと、これはきわめて疑惑に包まれた状態ではないかというように思います。この小切手がなぜ二カ月間も寝ていたのかという点ですね。この点については捜査当局はどのように考えておられますか。
○説明員(安原美穂君) たびたび申し上げておりますように、児玉に対する金の入りと出というのは究明中の問題でございまして、私の方から申し上げる段階ではございません。
○神谷信之助君 それから警察庁にお伺いします。先ほどの盗難届ですね、三通ということですが、これの申請の使用目的、何に使うという、そういうことで申請をしてますか。
○説明員(土金賢三君) 国税局あるいは玉川税務署等に使う、こういうふうなことを言っておったようでございます。
○神谷信之助君 チャーチ委員会でフィンドレー証人はこういうように言ってます。「われわれは領収証の必要を主張していました。円払いの領収証を主張した。」と。ところが、「実際のところどうして円のかわりに持参人払い小切手が使われたのか私はよく知りません。」と、「私の記憶では、小切手は手渡された。持参人払い小切手は手渡され、その後紛失したのです。」と、こういうようにチャーチ委員会でレビンソン氏の質問に答えてフィンドレー氏は答えています。同時に、チャーチ委員会でコーチャン氏は、すでに御承知のように、児玉から小佐野氏を紹介してもらって非常に懇意になったが大変役に立ったということ、そうして、児玉氏に渡した七百万ドルの一部を児玉氏が小佐野氏に払ったかというのに対して、「そんなことが私はあったと思います。小佐野氏は児玉氏と一緒にこの仕事をやってくれたのですから。」こういうように証言をしています。このチャーチ委員会におけるコーチャン証言や、あるいはフィンドレー証言の信憑性というのは、いままでもたびたび非常に高いということがこの委員会でも言われてまいりました。そこで、先ほど福田太郎氏の供述、クラッター氏の通訳をして、この小切手は小佐野に渡してくれという供述があった、こういう報道がありますが、この報道についても、これは捜査当局としては言うわけにいきませんからお答えになっていないが、私は非常に信憑性が強いと思う。 問題は、この二カ月の間に小切手が寝ているという問題、これは一体どういうことなのかという問題であります。一つのなぞは、児玉とロッキード社との契約は、トライスターの導入についての契約がロッキード社と全日空との間で結ばれたときに成功報酬として支払うということになっている。ところが、最初の六機の契約ができたのは四十八年の一月十二日であります。だから、成立前にバロウ副社長が十一月の二日に日本にやってくる、翌十一月三日は、御承知のように、コーチャン氏がアメリカに帰っているわけです。そうしてその間にバロウ氏からクラッター氏に渡り、そうしてこの小切手が児玉の手に渡り、しかも、それは小佐野氏に渡してくれという、そういう通訳をしたということを福田氏も供述をしている、語っているわけであります。 ところで、第二に、先ほど言いましたように、フィンドレー氏は、この小切手をなぜ使ったのかという疑問を提起をしています。こういう賄賂商法をやる場合、小切手は非常に危険であることは、もうこれは明らかであります。すでに昭和二十二年の石炭国家管理法汚職で、田中角榮が百万円の小切手、これを使ったということで、それが証拠になって起訴をされたという、そういう事実、これは田中角榮自身も経験をした事実であります。しかし、小切手が使われた、それは緊急に金が必要であったということではないか。現金を、円を調えるだけの余裕がなかって、そうしてバロウ副社長がスイスに飛び、ロンドン経由で日本にあわててやってくる、こういう状態が起こっているというように考えられます。 しかも第三に、この盗難に遭った、紛失をしたということ、これもフィンドレー氏がチャーチ委員会で証言をしています。盗難届があったのは一月の三日です。それに対してロッキード社の方が支払い停止要請をしたのは一月六日、停止、中止になったのが一月の十一日であります。このスイスの銀行の日本の責任者のゼイ・ブッチ代表は、この前後にわたって小切手は換金をされていないということを述べています。したがって、この小切手は本当に盗難に遭ったのかもわからないし、どうかわからぬが、いずれにしても使われていないということは大体明らかであります。こういう状況である。 問題は、それじゃなぜその時期に金を必要としたのか、日本の側において、というところを追及してみますと、それは御承知のように、田中内閣が成立をして四十七年の十一月十三日には国会の解散が行われた。十二月十日には総選挙が行われています。田中がこの総選挙を進めるために資金を必要としたことは想像にかたくない、こういう状況が背景で考えられます。しかも、ロッキード社との関係で見れば、十月の九日の国防会議の議員懇談会でPXLの白紙還元をして、そうしてP3Cの売り込みを可能にする決定を田中はやりました。十月三十日には全日空はトライスターの採用を決定をしています。また、十一月一日にはロッキードと丸紅の契約が成立をしている。そういうロッキードのトライスター及びP3Cの売り込みについて一定の成果を上げて、コーチャンは十一月三日にアメリカに帰ったわけであります。そのコーチャンに急いで総選挙前の資金を要請をする、そこで円を急に集めるわけにいきませんので、間に合わないので、小切手が使われる、そしてこの小切手を担保にして親しい金主やあるいは金融機関を通じて金融を受けて、そしてその金が小佐野から田中に渡った、こういうことが推定をされるというように思います。 したがって、この盗難事件というのは、ロッキード社と児玉と小佐野、この三者が合作をした作為ではないか。もし盗難に本当に遭ったとする、あるいは紛失をしたとするならば、これは児玉のミスでありますから、為替の差損である六千万円は、これは児玉の責任で負担をしなきゃならぬだろう。ところが、実際にはどうかというと、この六千万円もロッキード社が負担をしている。こういう事実が明らかであります。したがって、まさにロッキード社と児玉、小佐野の合作による小切手紛失事件、この後これの穴埋めが翌年の四十八年の五月十一日及び五月三十一日、合計四億四千万円ロッキード社から送金をされているこの金で穴埋めをされ、その後六千万円もロッキード社が補てんをする、こういう状況にあると思います。すなわち、言いかえればロッキード社から賄賂が児玉−小佐野−田中と渡って、日本の政治の動向を決める総選挙が戦われる、こういう事実を明らかにすることができるのではないかと思います。したがって、捜査当局の児玉ルートの解明というものの重要なかぎというのは、この盗難紛失小切手をめぐるなぞを徹底的に解明をする、言いかえれば、児玉ルートというのは児玉−小佐野ルートである、こう考えざるを得ないと思う。 そこで、国会、当委員会も、われわれは急いで小佐野の喚問をやって、こういった経過についても彼の宣誓のもとにおける証言でその事実を明らかにする、このことが何よりも必要だと思うし、同時に、捜査当局も小佐野に対して強制捜査を急ぐべきである。そうしなければ、児玉−小佐野ルートの十七億の解明というのはいつまでたっても解決をされないではないか、こういうように考えるんですが、この点について法務大臣あるいは捜査当局の見解を聞きたいと思います。
○説明員(安原美穂君) それぞれ御意見として拝聴させていただきました。
○神谷信之助君 これは本事件の解明を図る最大のかぎである十七億のルートですから、これはもう法務大臣も十分その点は考慮して、どんどんと積極的にこれらの解明がやられるように法務大臣としてもその職責から鞭撻をしてもらいたいということを考えますが、その点いかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) 一日も早くこの事件の全貌を解明しますことは、私の責任であると思っております。
○神谷信之助君 もう時間がありませんが、あとちょっと済みませんが、急いで聞きますから……。 捜査当局は榎本をきのう田中との共謀によるものとして外為法違反で起訴をしたわけです。これによって田中に対して外為法違反についての時効が中断をされたということになったと言うんですが、したがって、この点共謀ですから、この九日の時点で田中も一緒に外為法違反で起訴するということをしようと思えばできたのではなかったかと思うんですが、この点いかがですか。
○説明員(安原美穂君) 共犯と申しましても、人間が違うわけでございますから、共犯の態様というものについてなお捜査当局としては調べる必要があったものであろうと思います。したがいまして、同時には公訴提起をしなかったのではないかと推測しております。
○神谷信之助君 これは、共犯であり、共謀によるものということで起訴をして、それで中断をしたわけですから、田中の時効を……。
○説明員(安原美穂君) 公訴状によりますると、田中角榮と共謀の上と、こうなっておりまするから、共犯であると認定した上で榎本前秘書官を公訴提起したわけでありまするが、御案内のとおり、刑事訴訟法では、共犯の一人に対してなした公訴提起による時効の中断は他の共犯に対してもその効力を有するということで、時効中断になっているものと考えております。
○神谷信之助君 したがって、共犯であることを明らかにして榎本を昨日起訴をいたしました。しかし九日、昨日田中をも外為法違反で起訴しなかったのは、さらに田中については勾留の期限いっぱいまでかかって贈収賄についての捜査を進めて、外為法違反と収賄とをあわせて起訴し得る見通しがあるからだというようにわれわれ理解をしますが、間違いございませんか。
○説明員(安原美穂君) 先ほど申しましたように、同時に起訴、公訴提起をしなかったのは、公訴を提起するにまだ熟していないという判断であったと推測されるわけでございますが、今後十六日までの間どのような捜査方針で臨むのかということは捜査の内容に属することでありまして、ちょっと申し上げるわけにはまいりません。
○神谷信之助君 それでは贈収賄罪の時効について、田中については当然問題になってくるわけですが、これについて検察庁はどのように解釈をしておられますか。
○説明員(安原美穂君) 一般論として、単純な贈収賄であれば時効は三年でございますし、請託を受けた賄賂罪である場合には五年でございます。
○神谷信之助君 いや、四回授受したわけでしょう。ちょっといまの四回の問題ですよ。
○説明員(安原美穂君) これは神谷委員は贈収賄罪が成立したという前提でお尋ねでございますが、私どもはそういう立場におりませんので、具体的なケースについて申し上げる立場にはないことを申し上げておきます。
○神谷信之助君 一般論としてはどうですか。一連の、何というか、金品の授受が一括してやられる場合の時効ですね、四回なら四回に分けられて。あるいは一般論として、この点はいかがですか。
○説明員(安原美穂君) 一般論としては、金銭の授受が職務に関する賄賂として受領されておりましても、それが回数が分かれておりましても、それが一つの職務行為に関する違法な対価として払うのがたまたま四回とか五回に分かれたという場合には、最後の受領のときが犯罪の行為が終わったときということになるわけでございますが、それぞれ四回別々の趣旨でそれぞれに一つの対価として独立に払われたというならば、その払われたときが時効の起算点になるわけでございます。
○神谷信之助君 引き続いて、先ほど受託収賄、あるいは枉法収賄ですかの問題が時効で五年、七年になるという話がありましたが、さらに一般論として法務省の見解を聞きたいんですが、四十七年の十月九日の国防会議で白紙還元をする、これはロッキードのためにP3C売り込みを可能にした、そういう行為だと。この謝礼の趣旨が含まれている、五億円の中に。ということになれば、田中は当然、当時国防会議の議長であり、そして白紙還元の発議者であったわけですから、職務権限というのは明白であって、収賄罪の成立は問題ないということになるんではないかと思いますが、一般論としてひとつ法務省の見解を聞きたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 遺憾ながら、一般論と申されて具体的な問題をお尋ねでございますので、お答えする限りではございませんが、およそ国防会議のメンバーである人が職務に関して賄賂を収受すれば、収賄罪が成立することは間違いございません。
○神谷信之助君 もう時間ですから最後にします。 いずれにしても、四十七年の八月の二十三日に田中・檜山会談が行われております。これはハワイ会談の前であります。そして報道によれば、このときにトライスターの採用について五億円の金品の授与を含めて田中に要請をしたというような報道もあります。しかし、檜山は——全日空の若狭と田中とが話をするのはトライスターだけになりますが、檜山の場合は、トライスターも、またP3Cの売り込みもやっているわけですから、しかもドル減らしのための兵器の輸入、この問題を含めてハワイ会談の議題になっているという状態からするならば、この八月二十三日の田中・楢山会談で、トライスターのみならず、PXLの延期、あるいはP3Cの輸入の問題も請託を受けた疑惑は十分あるし、そしてハワイ会談後、十月九日の白紙還元及び十月十一日の外人記者クラブにおける田中演説、輸入にウエートを置いてという、何とか輸入でこれをやろうと、そういう意図がありありとうかがわれるわけであります。 さて、こうなれば、請託収賄どころか、枉法収賄罪が成立をするという可能性もある。したがって、本件の問題の核心は私はこの点にあると思うんで、この田中・コーチャン会談、それから田中・檜山会談、これを厳しく追及をして、この事実を究明して刑事責任を徹底的に明らかにすべきものと思うが、この点について法務省当局の見解を聞きたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 授受されております金の性質については徹底的な究明を要すべき問題と思いまするが、それ以上の事柄につきましては神谷委員の御意見として拝聴いたしました。
○神谷信之助君 では終わります。
○田渕哲也君 きょうは質問時間も余りありませんので、ロッキード事件の捜査に関して数点について確認をする意味で質問をしたいと思います。 ロッキード事件の解明の進展状況というものは、この臨時国会の開会日程とかその他の政治日程に非常に大きな影響があるわけです。すでに与党からは臨時国会の開会についての申し入れもあるわけでありますけれども、したがって、国会としましても、この事件の捜査の進展状況というものはできるだけ正確に把握しておく必要がある。こういう観点からお尋ねをしたいと思うのであります。 法務大臣は、八月一日の高松で開かれた時局講演会では、ロッキード事件の捜査は一週間か十日で山を越す——きょうが十日でありますから、もう山を越していなければいけないわけであります。ところが、その後八月八日新潟県の新発田の講演会では、八月いっぱいに終了することを希望する、発言が変わってきておるわけであります。また、きのう三木総理は長崎の記者会見で、八月中にすべてを解明するのは無理ではないか、こういう意味の発言をされておるわけでありますけれども、この際正確な見通しというものを明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 十二月九日にもう衆議院議員の任期が来るわけですからね。そして、ロッキード問題は重要な問題であるけれども、それだけが政治問題でなくて、やっぱり積み残し法案の通過、昭和五十一年度予算の欠陥補充というようなこと、やっぱりこれも重要な政治問題だと思うのですね。 そこで、まあそういうことを別にしても、こういう事件を一日も早く解明して、国民にロッキード事件というものの全貌はこういうものでした、なるほどなと、こういうことにすべき任務を、職務を私は持っているわけですね。一方、政治家としての、国務大臣としてのそういう政治配慮といいますか、そういう重要法案の処理というようなことについても関心を持たざるを得ないわけです。そこで、今後の政治日程とも絡めて、ロッキード事件の捜査の続行中に国会が開かれない方が捜査がやりやすいであろうと考えまして、単なる希望としてそのような趣旨を申し上げました、御指摘のとおり。しかし一方、児玉の病状等からこの事件の解明が難航しておると、困難になっておるということは先ほどお答え申し上げましたが、これは検察当局としては国会の開催の有無にかかわらず、これらの困難を克服して一日も早くいわゆるロッキード事件の全貌を解明すべく鋭意努力を傾けるものと信じます。私は八月いっぱい中に一日も早くを希望するのだけれども、まあ他の政治問題の解決等ともあわせて、八月中くらいには解明してもらいたいものだという希望を持っていますがねと、こういう演説ですな。
○田渕哲也君 八月一日の時点では、大体まあ八月十日ごろには山を越すと、一週間後の発言と変わってきておるわけですけれども、これはまあ見通しが甘かったというか、そういうことでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) そういうことでございますね。
○田渕哲也君 もし捜査が九月にずれ込む場合には、たとえば財特法あるいはその後の選挙日程、もろもろの政治的な関係で捜査の完全な終結を待たずに国会開会ということも考えられると思うのです。法務大臣はいままで事件の捜査についての中間報告はしないと言ってこられましたけれども、もし完全な終結を待たずに臨時国会が開会される場合には、当然捜査の報告というものがなされなければならないと思います。この点はいかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) まあ、このロッキード事件の捜査の続行中に国会が開かれていない方が捜査のやりやすいことは、これは常識なんでございますね。そのような趣旨を述べたことはありますけれども、検察当局としては、国会の開会の有無を問わず捜査に全力を傾けるものと信じます。したがって、もう任期切れが決まっておって臨時国会が開かれる、その臨時国会はロッキード事件の解明ももちろん協力する立場にこちらがあるわけですね、国会の調査に対する。そういう問題もあるし、あの重要な三法もあると。こういうことを考えますと、こう、前のように解明してから国会を開く、それが捜査に一番やりやすい方法だからとばかりも言っていられない、煮詰まってきているわけですから。それはまあ捜査が全貌のめどがついて開かれるに越したことはないけれども、そっちの方の重要問題もあるから開かれたら開かれたでしょうがないと。それは国会の方の御都合もおありなんでしょうからね、しょうがないと。そのときはまあ捜査当局としてはそれにかかわらず全力を挙げてこの全貌の究明に努力して、国会の国政調査権に基づくあれとダブっていくようなことになりましょうから、もし問われれば中間的な報告もしなければならない場面に遭遇するかなと覚悟をいたしております。覚悟と言っちゃおかしいが、そういう所存でございます。
○田渕哲也君 当然、総選挙までにできるだけ全貌を明らかにしなければならない。ところが、一方任期が決まっておるわけでありますから、問題は、私は臨時国会が開かれた場合に捜査が完全に終結していないということは非常に困るわけですけれども、しかし、万が一そういう事態を避けられない、その場合には国会では当然政治的道義的責任、いわゆる灰色の高官名の公表ということも出てくるわけです。これも来るべき臨時国会では処置をしなければならない問題だと思いますけれども、これはいかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) それは非常に重要な問題で、こちらが刑事責任の追及が概要的に大体において終わっておってこそ、初めてそれに残った政治的道義的責任の追及が国会の調査権に基づいてなされるべきであり、それに対して協力をすると、こうなっておるんですから、重要な課題でありますな、それは。
○田渕哲也君 先ほどからの質問に対するお答えを聞いておりますと、やはり児玉ルートの解明というものがかなり難航しておるような印象を受けるわけです。ところが、児玉ルートは言うまでもなく一番多額の金額が流れたルートでありますから、これの解明なくしてロッキード事件の全貌はつかめない。ただ、この点についてどうも心もとない気がするんですけれども、果たして自信は持っておられるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 御指摘のとおり、先ほどの御質問にもありましたように、児玉の病が長い時間の尋問に応じられない健康状態にあるということが進捗を妨げる一番大きな原因でございますが、そういう困難を何とかして克服して真相の究明に努めたいというかたい決意を捜査当局は持っている次第でございます。
○田渕哲也君 八月四日の本院におけるロッキード特別委員会で法務大臣は、田中角榮逮捕について事前に検察側から指揮を仰がれて許可した、このように答えておられますけれども、今後政治家が逮捕される場合、その都度指揮を仰がれるのかどうか、これはいかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) そうなると思いますね。指揮を仰いでくるだろうと思います。
○田渕哲也君 その場合はすべて許可されますか。
○国務大臣(稻葉修君) それは当然のことでございますな。
○田渕哲也君 国税庁にお伺いをしますけれども、田中前総理が五億円受け取ったことに対する課税についてどう考えておられますか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 田中前総理が受け取ったと伝えられます五億円につきましては、現在検察当局が捜査中のことでもありまして、国税当局としてはまだその事実関係を承知しておらないわけでございまして、どのような処理を行うかを決定はまだしておりません。しかし、事実関係が明らかになりまして、課税上の問題が生ずれば、国税当局といたしましては当然所要の処置を講ずるということは言うまでもないことでございます。
○田渕哲也君 その事実関係が明らかになった時点というのは一体どういう時点を言うのか。たとえば起訴された段階を指すのか。この点はいかがですか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 国税当局としてその事実を確認できる、あるいはその事実関係をはっきり明確に確認できる状態になったときというふうに考えております。
○田渕哲也君 田中金脈調査のときにこの分はわからなかったと、先ほどの御答弁もありますけれども、田中金脈調査のときに田中前総理の資産というものについての調査はどの程度行われましたか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 いわゆる田中金脈問題に関します国税の課税関係の見直し調査につきましては、すでに国会において御報告申し上げたところでございますけれども、国税当局といたしましては、田中前総理、それからその親族、それから秘書及びいわゆる関連法人等につきまして、所得の発生状況、それからその資産の形成状況というものに着目をいたしまして、綿密な広範な調査を行ったわけでございます。
○田渕哲也君 そのときのその調査はかなり厳重にやったという自信はおありですか。
○説明員(山橋敬一郎君) 厳重にやったというふうに考えております。
○田渕哲也君 そうすると、つまりこの五億円というものの使途にそれは関連してくると思うんですね。つまり、この五億円を田中前総理がもらった時期というのは、当然田中金脈の調査で税金問題を調べた期間に当たるわけです。したがって、この間は国税当局では、つまりその収入のわからないものというものを発見されていないわけですね。つまり、どういうところから金が入ったかわからないものは発見されていない。ということは、この五億円というものは田中個人の資産増に使われた形跡はなかった、このように断定できるわけですけれども、この点はいかがですか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 田中金脈問題に関しますところの国税の課税関係の見直し調査につきましては、今回問題になっておりますところの五億円というものが、その五億円によりますところの個人資産の形成ということにつきましては把握をされておらないわけでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、現在事実関係につきましては検察当局で捜査中でございますので、その金品の授受がどのような経緯で行われたか、また、そのお金の使途についてどのような形であったかということはいずれ判明すると考えられますので、その段階で、おのずからどのような関連があったかということは判明するであろうというふうに私たちは考えております。
○田渕哲也君 もう一度確認いたしますと、大蔵省国税庁が調べられた田中個人の資産、調べられた期間内においてどういう理由でこの資産がふえたかということは全部把握されているはずなんです。したがって、この五億円でもし田中個人が資産をふやしておったとするならば、そこまではつかまれていないわけでしょう。だから、もしそういう事実があるならば、田中金脈調査はきわめてずさんなものであったと、こうならざるを得ないと思うんですね。もし田中金脈調査で田中個人の資産の調査が厳密なものであるとするならば、この五億円というものは資産形成には全然使われていなかった、こうならなければならないと思うんです。この点はいかがですか。
○説明員(山橋敬一郎君) 先ほどもお答え申し上げましたように、金脈問題に関する見直し調査の段階におきましては、この五億円による個人資産の形成ということは把握をされておらなかったわけでございます。したがいまして、今後の捜査当局の捜査によりまして、この五億円がどのように流れていったか、また、その資産形成に関係があったかどうかということが判明をいたしますれば、その段階におきましてわれわれとしては所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○田渕哲也君 次に、法務大臣にお伺いをしますけれども、大臣は七月四日の毎日新聞との対談で、丸紅ルート・全日空ルートのほかに「児玉プラスXルート」という言葉を言われております。このXは一体何を意味するか。 それからまた、八月一日の時局講演会では、「田中逮捕で刑事責任の被追及者が全部出たのかというと、民間にもありそうだ。これもまたしたたかなんです。」、このように述べておられます。この民間でしたたかなというのは一体だれを意味するか。われわれの想定では、これは小佐野氏のことだというふうにとれるわけですけれども、この点はいかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) 七月四日の方は、これは児玉・Xルートと、こういうのですが、これは想像に任せますわな。 それからもう一つの方は、新聞記事はちと露骨なんですね。私の演説内容より少し露骨なんですな。それはもう皆、そうすれば刑事責任被追及者がこれで終わったなんというもんじゃないでしょう、これは常識でしょうと、皆さんもそうお思いでしょう、これは政・官・民間を問わずまだあるでしょうと。で、大体このロッキード事件において刑事責任を追及されるような者は皆したたかじゃないですか、それは。
○田渕哲也君 このときの話ですと、やはりだれかを想定されて言われたと思うんです。これは小佐野氏と解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 私についてまいります若い新聞記者諸君は、何かあらかじめ、捜査の終わらないうちに終わった後の番付を頭に置いて、また国民に対する何かジャーナリストとしての使命感のようなものですか、希望といいますかね、そういうものを持ってお聞きになるものですから、そんな記事になるんじゃないでしょうか。私はそういうあれですから、番付というものはとってみてからのことなんですから、いわゆる番付というものは。番付というようなことを言われますけれども、それはあらかじめ何かこう描いて、希望を持たれるものですから、そこへ私の発言がきわめて舌足らず——演説下手ですからね。ですから、誤解を生じますな。その点をいま明瞭にするということは、捜査のこういう段階ですから、御勘弁を願いたいと思います。
○田渕哲也君 時間が来ましたので、終わります。
○下村泰君 今日までの、この事件発生以来、司法当局が大変な努力をなされたということに、まず敬意を表させていただきます。 私は庶民感情で質問をさせていただきますが、この事件が起きた当初は、恐らくまたいままでのようにうやむやになるのじゃなかろうか、だれか一人が腹を切って、そこでストップをするのじゃなかろうかというような感情があったんですが、あにはからんや、田中前総理の逮捕によって、あらっという声はもうほとんどの人が抱いたと思うんですが、それ以後、進展があるかと思ったんですが、そのわりに進展がないのはどういうことなんでしょうか。まずこの辺から伺いたいんですが……。
○説明員(安原美穂君) 進展ということが新たな人の逮捕、勾留ということでありますれば、いまたびたび申し上げておりますように、ロッキード事件の全貌の解明というめどはまだついていないわけでございまするから、目下捜査当局としては真剣に真相の究明に努めておるわけでございます。
○下村泰君 一部報道によりますると、今週中にも閣僚を含む五名が逮捕されるような報道がなされておりますけれども、この真意はどういうところにあるんでしょうか。
○説明員(安原美穂君) まあ熱心な新聞報道陣の御推測でございます。
○下村泰君 そうしますと、この事実はまるでないと、こういうことになるわけですか。
○説明員(安原美穂君) ないとかあるとか、これからの捜査の方向、計画、方針の問題でございますので、私の口から申し上げる立場にはございません。
○下村泰君 それでは、これは幾らお話を聞いてもむだでしょうから話を変えますが、こういう説があるのですが、法務大臣いかがでしょうか。田中前総理を初め逮捕された人々、いわゆる古い時代ですと、よく治水工事などで人柱なんというのがよくありました。で、いま逮捕されている方々を人柱にして、ここで歯どめをして、あとは出さないと、そこでストップしてしまうのだというようなことを考えている国民大衆が大ぜいいるのですが、この件に関してどうでしょうか。そういう裏のような話はございますかどうか。
○国務大臣(稻葉修君) そういう国民もあるでしょうな。しかし、そんなことはやっちゃいかぬと、もう真相はあくまでも徹底的に追及しなけりゃいかぬと、そのことは結果としてそういう国民が、いまこういう人を人柱にしてあとはふたしちまうというような国民の考え方は間違っておったということは、後できちっとこうやるのが私の使命だと、こういうふうに思っています。
○下村泰君 いま法務大臣のおっしゃった法務大臣自身の御決意というのは大変うれしく拝聴しますし、恐らく国民一般もこれがもしうやむやになるようなことになるものならば、もう恐らく国会なんというものは何のためにあるのか、それから日本人自身、日本人同士がお互いで疑いたくなるような事態が発生しないとも限りません。いまの法務大臣のお言葉で大変意を強くするわけですけれども。法は憲法によって公平でなければいけないとは思いますけれども、今度の事件を振り返ってみますと、一番大きな問題は時効という決められ年数、この時効ということが非常に大きな壁になってきたと、いままでの捜査体制で。これは安原刑事局長も一番お悩みになったことと思いますけれども、一般の方と公務員は、これ、区別できないものなんでしょうか、時効ということの年限を。公務員は少なくとも血税で賄われている。国民の税金によって、悪く言えば養われているみたいなものだ。その公務員が一般の人と同じような時効の年数というのは、ちょっと納得がいかないような気がするんですが、こういう問題どうでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 公務員は、公務員であるがゆえに、法律上もある種の義務を一般人とは違って課せられるというようなことがあるわけでございまするが、いま御指摘のように、時効の問題について公務員と公務員でない者を公務員であるがゆえに分けるということが適当かどうかは、憲法十四条との関係等もいろいろ考慮しなければならない問題だと思います。ただ、下村委員御心配のようなことに関連いたしまして、外国の立法例といたしましては、贈収賄罪とかそういう非常に発見のしにくい犯罪については、その罪の種類によりまして、そのような種類については時効の期間を法定刑にかかわらず長くするというような制度もございますが、私ども法務当局としては、そういういろんな御意見を伺いながら、今後の刑法の改正等についてはいろいろ考えていきたいと思っておりますが、さしあたりは、やはり刑がどれだけの重さかということによって一律に時効を決めていくべきだというのが現在の考え方でございます。
○下村泰君 多分刑法改正問題が出てくると思っていまびっくらこいたんですけれども、そのついでになんて言われたんじゃ、これは大変困ることなんですけれども、大臣いかがですかね。もちろん、その罪々によって時効はそれぞれ年限が違いますけれども、とにかく贈収賄という、公務員にあるまじき、これは一番の最低の行為ですから、そういうことに対する法務大臣としてのお考えはございますか、時効を長くするという、時効年限を。
○国務大臣(稻葉修君) あなたが御質問になるのは収賄罪についてのようでございますね。
○下村泰君 はい。
○国務大臣(稻葉修君) 収賄罪についてのようですね。
○下村泰君 公務員の贈収賄。
○国務大臣(稻葉修君) これは職務に関していれば五年と、こういうふうになっているんじゃないでしょうか。一般人とは区別されているんじゃないですかな。ですから、その時効は一般人の場合ももう少し長くすれば、こっちもそれ以上に長くなると、こういう将来の刑法改正に行くわけでございますね。
○下村泰君 私は法に対しては余り詳しい方じゃございませんので、専門的になりますとわからなくなりますので、この問題はこの辺にさせていただきますけれども、少なくとも公務員である以上は、この時効問題ももう少し考えなければならないんじゃないかと、こういうふうに考えます。 それから、本委員会でもたまたま問題にされておりますけれども、児玉譽士夫、いわゆるその児玉ルートがなかなか解明されない。それは本人が患っているからであると。ここのところまではわかるんですけれども、いままでこの児玉という人の関係していたもろもろの事件というのを書物などで拝見したり、あるいはニュースなどで伺ったんですけれども、どういうわけか、必ずこの方の後ろには黒いものが——黒いというのは要するに暴力団まがいの者が存在し、この人たちが裏に表に大活躍をして、そして相手を恐怖に陥れるということがいままでずっと行われてきたことだと思うんです。 で、現在、畠山清行さんという方のお書きになった「何も知らなかった日本人」という本があるんですけれども、この本の中に、書いた人もこう言っているんです。「著者は元来臆病者である。「消す」などという言葉は、きくだけで肌に粟を生ずるが、幸か不幸か諜報の研究をライフワークとし、情報社会に身を置いている。今にして、このことを広く知らせておかなければ大変なことになるという、柄にもない使命感に燃えて公開に踏みきったものの、個人に恨みがあるわけではない。したがってその人々や周囲(おもに夫人や子供達への外部からの反応)を考慮に入れて、一部の人々には仮名を用いることにした。併せて、自己防衛、ならびに後日にそなえ、著者がいなくなっても、その仮名の人や、その周囲の人々の姓名や身分もわかるようにし、録音テープと共に秘密保管の処置をして、政治的色彩のまったくない」この出版社からこの本を出したと、こういうふうに書いてあるわけです。そうしますと、この諜報機関をライフワークにしていたこの人でさえがこういう恐怖観念に陥っているとすれば、一般の人はもっともっと恐怖観念を抱いていると思うんです。私自身も安保のときにはやはり脅迫状もたびたびいただきましたし、実力行為こそなかったんですけれども、それに近いような行為は身をもって味わったことがあるんです。そうしますと、たとえば病を得ていま床についているにしても、指令は幾らも出せる立場にいるんじゃないかと推測する。そういう状態であるならば、内部告発どころか、いままで関連していてしゃべりたいなと思っている人々でも、やはりしゃべれない状態ではないかと思うんですけれども、少なくとも安原刑事局長に伺いますが、そういうような徴候はいままであったのかなかったのか、伺います。
○説明員(安原美穂君) そのような徴候は承知いたしておりません。 なお、ついでで恐縮でございますが、大臣からのお話でございますので、贈収賄罪の点について若干御説明申し上げますと、いわゆる職務に関して賄賂を受けたという場合をいわゆる単純収賄と申しまして、これは三年以下の懲役でございまして、そして時効は三年と。それからそれが進みまして、自分の職務に関してある依頼を受けまして賄賂を受けますと、これ受託収賄と言いまして五年以下の懲役で、それは時効も五年と。それからさらに賄賂を受け取ったりして、なお不正の行為をいたしましたり、なすべきことをしなかったという場合には加重収賄と申しまして、これは一年以上の有期懲役で時効は七年というふうに、収賄罪の中でも大別しますと三年、五年、七年というふうに時効が分かれておるわけでございます。 それから公務員、公務員と御指摘でございますが、一般についてはこういうことが犯罪にならないのを公務員であるがゆえにこういう罪としておるというようなことも、公務員に対して厳しく法は求めておるわけでございまして、そういう意味におきまして、さらにその上に時効についても公務員については、この三年、五年でなくて、もっと長くしろというのが下村委員の御指摘でございますが、私どもといたしましては、法定刑というものによって時効を決めるのが現在私ども最も妥当な線であると考えておる次第でございます。
○下村泰君 大変ありがとうございました。しかし、いま安原刑事局長が、私が申し上げたような脅迫の事実はあるかないか、そのぐらいのことを察知しているかいないかという質問に対して、全然ないとおっしゃったんですがね。殖産住宅事件に関しましても、あの方が新聞紙上に発表されている事実もありますし、かつては民社党の議員さんであった方もやはり脅迫をされている事実はあるわけです。もし検察当局がそういうことを知らなかったというような状態が長続きしているようじゃ、私はとてもでないけれども心配で……。いままでの事件の過去を振り返ってみてください。日本という国でこんな事件が起きたんだろうか、こんな背後関係があったんだろうかということにいま私は驚いているんですよ。まるで映画もどき以上なんですよ、実際は。これだったら、一般大衆庶民なんてまくらを高くして寝られませんよ、本当のことを言って。何かあって、そう言えば、こういうことが正義の道なんだというふうに正義感を持って、それをあばこうとか、あるいは告発しようとか、あるいはこれは間違っているんだからというような行為に出ようとした人たちの背後から、もしそういう手が伸びたとしたら、法務大臣、どうなりますか、これは。だから、全然安原刑事局長が、なかった、察知してないという答えは、ちょっと私はおかしいと思いますがね。そのぐらいのことおわかりにならないようじゃ、日本の警察なんて、へみたいなものになりますよ、検察も。
○説明員(安原美穂君) 私の申し上げたのは、今回のロッキード事件に関する論評に関して、いわゆる児玉周辺から脅迫等のようなことがあったということは聞いておらないということを申し上げたわけでありまして、具体的にその周辺の人の強要罪というものが、現に太刀川という人によって行われたことは公訴提起がなされておることでございまして、およそこういう正当な言論というものに対する一つの暴力的な恐喝等がございましたことにつきまして、もしそういうことが認められるならば、検察、警察当局としてはいささかも容赦はしないつもりでございます。
○下村泰君 法務大臣、最後にお伺いしますけれども、法務大臣の御健康の状態はいかがでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) きわめて健全で、頭以外はどこも悪いところはございません。
○下村泰君 それじゃ大変安心できるのですけれども。また一部では政変、政変ということが言われております。もしここで法務大臣がかわるようなことになれば、この後どなたがやるのか、これも心配だし、この事件がうやむやになるおそれも十分にあるのではないかと思うのですが、法務大臣の御見解はどうですか。
○国務大臣(稻葉修君) 法務大臣がどうかわろうと、検察当局はびくともしないと思いますね。ただ私はこの事件の解明にいま全力を尽くしておって、そうして妙なことを言うてきましても、まことに仙人のごとく鈍感に、びくともいたしません。けれども、だんだんだんだん長引いていって、衆議院議員でなくなれば国務大臣でなくなるわけですから、その辺のところはしようありませんね。
○下村泰君 そうしますと、あれですか、この事件はそんなに長引くのですか。
○国務大臣(稻葉修君) 仮に長引けばです。仮に長引けばです。
○下村泰君 どうぞひとつ大いに、いまや月光仮面的存在なんですから。町のつじつじでは、刑事コロンボとか、明智小五郎とか、月光仮面とか、みんな適当なことを言うておるんです。しかし、それだけ信頼がかかっておるということなんですから、よろしくひとつその点をお含みおき願って、この事件解明が一日も早くなるようなことをひとつやっていただきたい。お願いいたします。 終わります。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。明日は午後一時開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十分散会