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77回国会参議院1976/07/27

ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第18号

発言数
85
登壇者
8
会派数
6
開催日
1976/07/27

会議録

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題といたします。  稲葉法務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。稲葉法務大臣。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 検察当局は、ロッキード事件のうち丸紅関係については、去る六月二十二日同会社参与大久保利春を議院証言法違反により、七月二日同会社参与伊藤宏を議院証言法違反により、七月十三日同会社取締役檜山廣を外為法違反によりそれぞれ逮捕し、さらに七月十九日同会社総務部総務課長毛利英和、同日同会社総務部総務課松岡克浩及び翌二十日同会社社長室秘書課長中居篤也を、いずれも証憑湮滅により、それぞれ逮捕し、丸紅関係におけるロッキード社からわが国に対する資金の流入状況、その使途などについて鋭意捜査を続行してきたところ、衆議院議員田中角榮及び元内閣総理大臣秘書官榎本敏夫について外国為替及び外国貿易管理法違反に該当する疑いが濃厚となり、かつ、両名についてその身柄を拘束して取り調べる必要があるとの判断に達し、検察当局は、七月二十七日午前八時五十分田中を、同日午前十一時十分榎本を、いずれも東京地方検察庁において逮捕し、直ちにその身柄を東京拘置所に留置いたしました。  被疑者両名に対する逮捕事実の要旨は、次のとおりであります。  被疑者両名は、いずれも本邦に住所を有する居住者であるが、共謀の上法定の除外事由がないのに、昭和四十八年八月九日ごろから同四十九年二月二十八日ころまでの間、前後四回にわたり、東京都内において、居住者である檜山廣らから、非居住者であるロッキード・エアクラフト・コーポレーションのためにする支払いとして現金合計五億円を受領し、もって非居住者のためにする居住者に対する支払いの受領をしたものであります。  なお、罪名及び罰条は、外国為替及び外国貿易管理法違反、同法第二十七条第一項第三号、第七十条第七号であります。  検察当局は、現在被疑者両名の自宅等合計十カ所について捜索差し押さえを施行中であります。  以上御報告申し上げます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) それでは、速記を始めてください。  三木内閣総理大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。三木内閣総理大臣。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 田中自民党前総裁また前総理が逮捕されるという事態を迎えまして、非常に遺憾に存じておる次第でございます。事件の真相は、今後司直の手によって解明されなければなりませんが、こういう疑いを持たれたということは、まことに残念に思うわけでございます。自民党というものが政権を担当する政党でありますから、きわめて責任が重いわけで、自民党がこのロッキード事件の真相を解明して、そしてその国民の疑惑にこたえて政治の信頼を取り戻すことがきわめて必要であると、また、自民党自身も、今度のロッキード事件を契機にして、みずからの姿勢を正して、そして党の改革を行って、国民の信頼にこたえ得るような党に再生されなければならぬと、こういうことに対して、総理・総裁として重い責任を感じておる次第でございます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) それでは、ただいまの三木内閣総理大臣の所信に対し質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 今回の田中角榮氏逮捕について、私は三木総理大臣にその政治責任を明らかにしていただきたいと思って質問いたします。  総理は、ロッキード事件について、日本の民主主義の根幹にかかわる問題だから徹底的に究明されなければならないと言われてきました。いまこの事件の核心に迫ると思われる前総理・前自民党総裁田中角榮氏が逮捕されたことは、事件の解明とその責任を明らかにする上に大変大きな意味を持っていると思っております。あなたは記者会見で、この際自民党は結党以来最大の試練に立っているから結束しなければならぬということを言われたようでありますが、いま国民が求めておりますのは、自民党がどうなるかということではなくて、内閣総理大臣として、この政治不信に対する責任を明らかにされることを求めていると考えるのであります。  私の質問の第一は、田中角榮氏は、事件当時自民党総裁であり、内閣総理大臣の地位にありました。また、今回の逮捕に大きくかかわりを持っておると考えられますPXLについて決定権を持ちます国防会議の議長でもありました。したがって、その責任は田中角榮個人の責任としてとどまるものではありません。自民党並びに自民党内閣の連帯して負うべき重大な政治的道義的責任を問われていると思うのでありますが、この点に関して、総理の見解とその責任の具体的なとり方について明らかにしていただきたいと思います。特に、政党政治のもとにあっては、自民党内閣総理大臣として総辞職に値する責任であると考えるのでありますが、この点についても総理の見解を求めるものであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 田中氏は、かつて自民党の総裁であり、かつ総理であったわけでございますから、われわれ自民党員として深く責任を感ずる次第でございます。その責任を感ずればこそ、こういう事件の真相というものを徹底的に解明をし、また再び日本の政治の体質の中にこういうことを繰り返すことのないような政治改革の方途を見出して、そして失われた国民の信頼を取り戻すことが私の当面課されておる責任であると、こう受けとめておる次第でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは、田中氏の逮捕はまだこの事件の真相解明が終わるものではなくて、今後さらに政府高官等を含む徹底的な捜査によってこの事件は解明されなければならない、そのために三木内閣は使命を果たさなければならない、こういう意味でございますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) この田中氏の逮捕でロッキード事件というものが終わったものであるとは私は思ってないわけです。問題の核心に入りつつあることは事実でございますけれども、今後ロッキード事件の真相というものが国民の前に明らかにされて——明らかにされることが日本の政治の新しい出発のスタートであると、こういうことで、その責任を果たすことが私に課されてある使命であると考えておる次第でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは、本日閣議等であなたが報告を受けられました捜査の現状等に照らせば、まだこれから、あなたがよく言われております政治日程を決めるに必要な事件の真相解明のためには多くの捜査を必要としている、こういう御判断でありますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) まだ詳細な報告は法務大臣から受けておりませんが、しかし、田中氏の逮捕によって、ロッキード事件というものの捜査というものはもうこれで終わったというのでなくして、さらにロッキード事件をめぐる真相は究明されなければならぬものであると、こういうふうに考えておるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは少し具体的にお尋ねいたしますが、もし今後の捜査であなたの内閣の閣僚に逮捕者が出た場合には、当然内閣として責任をおとりになりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、現在自分の内閣からそういう一つの逮捕者が出るというふうには考えていないわけで、そういう場合を予定してどうしようこうしようという考え方は、いまそういうことはあり得ないことだと考えておりますから、何も考えておりません。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは、この事件がさらに解明が進みまして、いまでさえも私どもは、前総理・前総裁がその在任中に起こした事件が犯罪の容疑として逮捕されたんですから、当然、その内閣を引き継いだ自民党内閣の三木内閣としては、その責任を明らかにして総辞職すべきものだと考えております。しかし、その点について、あなたはまだ事件の解明が終わらないと言われるんですが、この事件の解明が一定の段階に達した段階で、内閣の責任を明らかにされる御意思がありますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) このロッキード事件の真相を明らかにして、再びこういう遺憾なる事件が起こらないような、そういう対策を考えることが責任を果たす道であるというふうに私は考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは三木さんに、私は、いまのような内閣の総理大臣としてのあなたの御見解ならば、さらに引き続いてあなた個人にも御質問したいことがあります。  三木総理は、田中内閣の成立に当たって、これに全面的に協力されました。そして副総理の地位に就任をされたと思います。それからまた、田中内閣にそのような責任を負われると同時に、今回の事件の一つの大きな問題点でありますPXLの国産から輸入への方針変更が行われたと考えられる四十七年十月の国防会議においては、そのメンバーとして参加されております。特に十月六日の国防会議においては、輸入がよいのではないかと考えられるような発言もなされたように聞いております。また、田中金脈内閣の崩壊の後を受けてあなたが内閣を組織されましてから、田中金脈の解明は単に田中氏個人の問題だけではなく、日本の政治の信頼のために必要なことである、このことを繰り返し述べてこられました。しかし実際には、三木内閣は田中金脈の解明については守秘義務を盾にしてその解明を妨げ、日本の政治のために必要な田中氏個人の釈明を積極的に求めることも、あなたはその責任を回避されてきたのではないかと思います。こういうことが今回のまことに憂慮すべき事件につながってくると思うのでありますが、三木総理自身もまた今回の田中氏逮捕に至る事件に政治的道義的な責任を全く免れるものとは考えません。  ただいま私が申し上げましたような経過に照らしても、あなたは十分にそれらの責任を負われるべき立場にあるのではないでしょうか。この点について国民に対してあなたの所信を明らかにしていただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も田中内閣の閣員の一員であったわけでございますから、責任を痛感をいたしておるわけでございます。その責任をどのようにして果たすかということに対して私の見解を申し述べた、責任を痛感しておると。国民に対しても、こういう真相はまだ検察当局によって解明されなければなりませんが、とにかく逮捕されたということはまことに遺憾なことでございまして、国民にも申しわけないと思っておるわけでございます。したがって、そういう反省の上に立って、私の責任の重きを自覚して、果たしていきたいというのが私の心境でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 責任の重きを感ずるから私は徹底的に究明したいと言われる責任の感じ方と、田中内閣の時代にあなたが果たされた役割りに対する三木総理の政治家としての責任のとり方はおのずから違うと思うんであります。私は、その点について最初に、内閣総理大臣として、自民党前総裁が起こされた今度の問題についての責任を問いました。いま私がお伺いしているのは、この田中総裁、田中内閣に協力し、その役割りを果たしてきたあなたの政治家としての責任を問うているのでありまして、私はその責任を感ずるというだけで済む問題ではないのではないでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、ロッキード事件に対して私が役割りを果たしたというふうには考えておりませんが、同じ内閣の、田中内閣の一員であったということに対して責任を感じておるということを申しておるわけでございます。その責任のとり方ということは先ほどから繰り返して申し述べておるとおりでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 先般のこの委員会におきまして、PXLの方針変更の際の国防会議においていかなる経過があったか私は知らぬけれども田中総理が提案をされたことはもっともだと思ったので賛成したのですと、こう言われている。いかなる経過があったかは知らぬけれどもという、そのいかなる経過がいま明らかになりつつあるわけです。そういう経過を、副総理という重要な責任にありながら、知らなかったためにもし今日の問題を引き起こしているとするならば、あなたは国民に対して当時の副総理としての責任をおとりになるべきではありませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) その国防会議で、こういう高度な技術的な問題を含んだ機種の選定について、これは専門家の意見を聞いてみようではないかということは、これはわれわれがその場で聞きましても、もっともな話であるということで賛成をしたわけで、私ばかりではなしに全員が賛成をしたわけです。そういうことでございますから、そのこと自体は私は当然のことであると受けとめて賛成をしたということを申し上げたわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 その決定の背景で動いていたものを私は知らなかったから私に責任はないというようなことは、政治家として許されないと私は思います。特に副総理の地位にあった人が、そういうことで、私は知らなかった、あれは田中がやったことである、そういうことで許される問題ではないと思うのです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) あれは田中がやったことだと私は言っておるのではない。そのときの発言が、こういう高度な技術的な判断を要するものだから専門家の意見を聞いてみようではないかということは、それはもっともな発言であるということで賛成をしたわけです。だれも、私自身ばかりではなしに、ほかの人ももっともだということで国防会議全員が賛成をしたということでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 もしその決定の背景で、今日前総理が逮捕されるという事件まで発展をいたしました多額の金が動いて、その金が日本の政治に作用したのだということになれば、その決定にかかわりを持った人たちは、すべて国民のために、国民に対して責任を明らかにすべきだと私は考えております。この点についてひとつ総理の十分な御反省を促しておきます。  時間がありませんから次の質問をいたしますが、田中金脈からロッキード事件まで、総理は事あるごとに、国政調査権に対する最大の協力を国会に対して約束されてきたにもかかわらず、実際には証人喚問を初めとする国政調査権の制約に役割りを果たされたのではないかと私どもは考えております。特に当委員会が事件究明に絶対に必要だと考えて要求いたしました田中、相澤、後藤田氏らの証人喚問について国会の自主的な決定に待つと言いながら、一方では、政府・与党首脳会議などにおいてこれらの証人喚問に応じないということを一緒に確認をされたり、全くおやりになっていることと言っておられることは言行不一致、党利党略そのものではないかと私どもは思うのであります。私は、そういう立場に立って、三木さんがこれまで証人喚問については国会がその必要に応じて自主的にお決めになることだと言われた立場をそのまま貫かれて、そして今回田中前首相の逮捕に至りましたこの事件の徹底的究明のために、当事者も国会に証人として立つことを望んでおられる後藤田、相澤氏らを今回証人喚問をしてここで事件の究明を行うことは、いまきわめて必要なことだと考えるのですが、この点について三木総理の御見解を承りたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は一般的な問題として希望を申し述べて、それ以上は国会の御判断に任すということを申し上げておるのですから、国会の方の御判断にゆだねるよりほかにはないと、私がこれを呼ぶべからず、これをどうすべきだという、そういう権限は私はありません。国会においての判断にお任せをいたします。

久保亘日本社会党

○久保亘君 昨日の政府・与党首脳会議で、田中、相澤、後藤田氏らの証人喚問には応じないという党の方針について、あなたは総裁として総理としてそれに同意を与えられたのではありませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、いま捜査がこういう核心に入っておるので、少し時期をずらしていただくことが捜査当局として捜査に対して何らの支障を感ずるようなことはないから、非常にその方が都合がいいのだということをこの席上においても申し上げたわけです。御理解を訴えたわけです。その考え方は党も知っておりますから、そういうことで少し時期をずらしたらどうだろうかということが皆の総意であったわけでございますが、私から特にこれはこうすべきだということを指示したものではないわけでございます。これ以上は委員会の判断にゆだねます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 委員会の判断にゆだねるということであれば、それを政府・与党首脳会議などでそのような決定をされることははなはだ問題であります。また、捜査に支障があるからということを理由にされておりますが、そのずっと前から、その理由がまだ成り立つ前から、自民党は国会議員や現職の官僚を証人として呼ぶことについては強い反対の意思を示してこられたんです。捜査に支障があるからという理由ではなくて、むしろ、この事件の真相を究明をすることを党利党略の立場から妨げようとしてこられたのではないかとさえ私どもは思っております。それらの点をあなたはしっかり事情をよく知っていただいて、そして証人喚問に対しては総裁として積極的に応じて、事件の究明に国会が全力を傾注できるよう、あなたが自民党に対して意見を述べられるのが、いま必要なのではないでしょうか。私はそういう観点で申し上げているんです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、しばしば申し上げますように、事件のこの捜査がいま核心に入ったので、少し時期をずらしていただくならば、その方が捜査に対しても何らの支障がなく行われるのではないかという、私自身のそういう希望も交えて申し上げたわけでございまして、それ以上私が党に対して、強圧的に証人は喚問をしない方がいいと、そういう考えはありません。私の考え方を述べただけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 時間が参りましたので私の質問を終わりますが、私は、今回の事件はわが国政治史上かつてない不祥事であると考えております。この点について、自民党総裁として、また内閣総理大臣として、その責任のとり方について、出処進退を誤られることのないよう、国民の期待にこたえる責任をおとりになるよう強く要求をいたしまして、質問を終わります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 総理、十分という異例な短い質問時間でありますので、簡単に質疑をしたいと思います。要を得た答弁をお願いしたいと思いますが、総理・総裁としまして、私は、午前中の記者会見、今回の重大局面について責任を感ずると、また、いまの委員会でも遺憾であると、こういう表明をされました。しかしながら、それについての具体論になりますと、党の結束あるいは党のいろんな面においての改正、改革、こういう面に転嫁し、さらには、だから責任を持って事件を解明するんだと、こうもおっしゃっている。何かこれは全く責任の転嫁と、私はこう思わざるを得ないんです。本当にやっぱりいまの段階において、総理・総裁として責任を感ずるならば、かつてのシーメンス事件あるいは昭電疑獄、重要人物が逮捕されて内閣総辞職と、やっぱり具体的に行動を起こして、国民に信を問うた。これをただ単なる、反省するとか、責任を感ずるとか、こういうことでは反省の本当の気持ちがないんではなかろうか。先ほど大平大蔵大臣のやっぱり見解がテレビを流れておりました。現閣僚として反省する、身の処置を冷静に考えると、こう深刻に国民に訴えておりました。果たして三木総理は、三木総理のもとでなければ真相解明ができないという感触なり自負を持って、責任をそちらに転嫁しようとするおつもりなんですか、本当に反省の色がないんじゃないんですか。どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 反省の色がないというお話ですが、独断に過ぎると思います。これだけの非常な不祥事件が起きて、現に総理・総裁たる私が責任を感じないわけはないわけです。それならば、その責任をいかにして果たすかということに対しては、いろいろ責任のとり方があろうと。この事件が発覚をしたのは三木内閣の時代でございます。私は、この真相を解明をして、できるだけ国民の前にこのロッキード事件というものの全貌を明らかにしたいと、こう考えておるわけです。またこういうことが繰り返されたんでは、単に自民党ばかりでない、日本の民主政治というものが非常に危険に瀕することは明らかであります。こういうことの起こりくる原因というものをなくして、日本の民主政治を軌道に乗せなければならぬと、時の総理・総裁として、その責任を非常に重く感じているということでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 しばしば国会において、捜査当局を信頼している、中立、公平、厳正な捜査を信頼していると。なれば、三木内閣のもとで起こった事件であろうけれども、三木内閣でなければだめだ、究明できないということもないと、みずからそういうお考えも吐露したこともあります。ここではっきり総辞職という、国民に対する明瞭な行動を起こしても、捜査に対する信頼というものは全く失われないんじゃないんですか。それとも、いま私申しましたように、三木内閣でなければ、三木総理でなければこの事件は解明できないんだと、こういう自負なり心証なり所感なりというものを、何らかの形でお持ちなんでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 三木内閣でなければ真相は解明できぬと、そういうふうに私は申しておるのではない。私は私として、この事件を解明し、また日本の民主政治の基礎というものを強固にするために責任を感じて、そしてそういう方向で責任を果たしたいと、それは私の責任のとり方であると、こう考えて申し上げておるわけでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 余り責任を感じてないと私は受け取らざるを得ませんが、さらに総理・総裁としての責任、もう一つは国防会議、ここにおけるやっぱり総理を補佐する、議長を補佐する副総理として、ここでPXLのいわゆる白紙還元にまあ手をかしたと、私はこう見たいんです。これに関与した。総理大臣、田中前総理が五億のいわゆる黒い金をもらった。国防会議の議長でもあったわけであります。完全に国防会議がこの五億の金によって汚されたと、こういう所信をお持ちでしょうね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 今日までのところは、逮捕されたという事実までであって、これがどういうふうな、この外為法違反というものがどういう内容であるかということは、今後の取り調べを見なければならないと。事件の内容に触れていま黒柳君の言われるようなことは、この段階で私はそういうことに対しては存じてはいないわけでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 逮捕されたということは、容疑が相当強いと、こういうことにほかなりません。しかも、丸紅から五億の金も受領したと、外為法違反ということも容疑事実ははっきりしております。しかも、この五億の金の流れ、これはもう総理大臣も御存じのように、全くP3Cの売り込み工作に関係があったんではなかろうか、あるだろうと、こうも言われている。時期的にも、あるいは授受のルートについても、当然それがどういうふうに、収賄罪になるのか、あるいは外為法違反だけにとどまるのか、こういう事実は別にしても、時の総理、議長が五億をもらったという事実は明瞭ならば、もらったその議長が、密室において後藤田、相澤両氏と白紙還元に対する何らかの案を練ったことも明らかです。となれば、その議長が運営するところの国防会議はその五億の何らかの黒い金に汚される可能性があった。可能性はあったということは、これは客観的に認めざるを得ないんじゃないですか、容疑の事実云々じゃなくして。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 事件の内容については、いましばらくやっぱり取り調べの結果を見ないと、ここで、きょう逮捕されて、内容はこうだということを断定するのは、いまこの段階においては早過ぎると、もう少し事態の解明を待たなければならぬと、こう思うわけです。

黒柳明公明党

○黒柳明君 ですから私は、その金がどういうふうに、収賄罪になるのか、あるいは政策決定にどう動いたのかということまでも私問うてるんじゃないんです。その国防会議を主宰する議長がもらったことは間違いない、丸紅から。しかも、それがPXLの売り込み工作に対して使われたんであろうということも非常に常識的に濃厚なんです。それについてどういう罪が成立するか、これは今後の問題でいいんです。ですけれども、三者の密室での会談、これは既定の事実でしょう。五億の金がそこに落ちたことも、議長がもらったことも既定の事実です。となれば、議長が主宰するこの会議は全体的に黒いべールで覆われた、これは間違いないんじゃないですか。金で汚されたと、こう言わないまでも、それに直接間接的に関係がある会議であるということは、これはもう議論の余地がないじゃないですか。どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国防会議がもう皆やっぱり汚されたものであるという、いろいろ捜査の内容にわたって黒柳君一流の断定をされまして、こうしてこれで私に答えろということでは、いまの段階においては私は無理がある、捜査の内容にわたるわけですから。したがって、この捜査の内容にわたって私から答えることは適当でない。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私は内容を言っているんじゃないんです。事実関係だけを言っているんです。内容についてはわかりません。私も捜査当局に全面の信頼を置くよりほかないんです。内容を言っているんじゃない。それじゃ総理大臣、ここで田中前総理が逮捕された、その国防会議で三者の密室で行われたそのPXLの白紙還元に賛意を示したことは間違いない、総理大臣。ひとつ総理大臣、ここで証人喚問したら出てきますか。それでそのときの事実を証人として宣誓していただけますか、いかがです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 黒柳君の御質問、やっぱり私は捜査の内容に触れていると思いますので、したがって、これは取り調べが行われるでしょうから、その取り調べの経過を見ないと、ここでこういう、いろんなことを断定して私がお答えするのは、いろいろの御質問でございますけれども、適当ではない。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いま質問じゃそうじゃないですよ、いまの質問は。証人として国会で呼ばれたら出てきますか、内容が非常にわからない。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いずれも委員会において、この問題はいろいろ論議される問題だ、証人の喚問問題は。私が一々ここで、だんだん、るる、どうするということは言うべき問題ではない。

黒柳明公明党

○黒柳明君 PXLの問題は、明らかにこれは三木総理、そして大平大蔵大臣、現職の二人の閣僚がその中にいたわけであります。それに対して総理大臣は、前回も、全く私は関知していない、知識もなかった、だけど——いまも言いました。あったからイエスを言ったんだ。賛意を示したんだ。  委員長、これは理事会でひとつ総理大臣を証人に喚問する話し合いをして、決定をしていただいて、ぜひその真相を究明していただきたい。そうじゃないと、この五億の疑惑は晴れないと、私はこう思います。ひとつそれ、委員会、理事会で取り計らってくれますか。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 理事会で取り計らいます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 時間ありません。  最後に法務大臣、一言ですけれども、ただいま報告ありました外為法の二十七条の一項の三号、これによって田中前総理は丸紅からもらったと。ところが田中前総理も支払い側として、これはどうなんでしょうか。容疑の事実は受け取り側だけなんでしょうか。支払い側としての容疑の事実はどうなんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) お尋ねの件は今後の捜査にまつべきものと考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 本日田中角榮氏が、田中角榮前総理が逮捕される、まさに日本の政治にとって重大な事件であります。だがしかし、かねてから田中金脈を追及をし、そうして今度のロッキードの大きな疑獄事件が起こっても、その疑惑の中心人物である田中角榮、こういう立場で追及してきたわれわれにとっては、これは当然のことであると思うし、国民もそう思っていると私は信じております。ところで総理、いまわかっているだけで、何と総裁、そうして総理の地位にあった田中角榮、外国から五億円の金をもらった、受け取った、これはまさに重大な事実であります。この問題は、今日まで言われてきた金権体質という問題、自民党政治の本質にかかわる問題の頂点、その一つであると同時に、さらに重大な問題がある。たとえば田中角榮は、おれは総裁選に出るときは百億円は使うつもりだと語ったと言われているし、その後田中角榮が総理になってから、四十七年十二月の総選挙、さらには四十九年七月の参議院選挙、この二つの選挙が行われて、少なくとも三百億円は使われたのではないかと言われている。  そこで総理、あなたに率直にお聞きしたいのですが、これは政治の金権体質という問題、それに加えて、外国から金をもらって、この五億円の金がこういった選挙に使われたという疑いがある。そうだとするならば、現在わが国の公選法は、外国法人あるいは外国団体から寄付を受けてはならないということを明らかにしている。この法律のたてまえをとるまでもなく、この問題は日本の政治が外国の黒い金によって買われたというゆゆしい問題を提起している。これはまさに日本の政治の民主主義にかかわる。国民は、外国の金で日本の政治が買われた、絶対にこれを許さないだろうと私は思う。この問題について総理はいまどう考えておられるか、まずこの点の総理の所信を伺いたいのです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま日本の政治が金で買われておると、そういうふうには私は考えない。ただ、田中氏がいま逮捕された容疑は外為法違反であります。それでどういうことでその金が入ってきたかというようなことは、これからの捜査をまたなければならぬ問題でありますが、いま五億円の金が入ってきたという容疑で逮捕されたことは事実でございますが、この内容、その金の性質、どういう形でというようなことは今後の捜査にまたなければならぬ問題でございますので、きょうは私からその内容に立ち至ってお答えをする段階ではないと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私が言うのは、この五億円という莫大な外国からの金は、田中角榮が私利私欲のためにだけ使ったというのではなくて、まさに日本の政治のために使った疑いがあるということを指摘しているんです。その問題は今後徹底的に究明されるべきです。それは総理の言うとおりです。しかし、そういう疑惑をどう考えるかということで質問をした。総理は今度の問題で、総理としても責任を痛感すると言われる。たとえば三木内閣の中にこの金を受け取った疑いが全然ないと言い切れる、そういうことが言えるだろうか。自治省に届け出られている公式の政治資金届け出、この公表を見ましても、いま建設大臣をやっている竹下登氏、これは田中角榮の越山会、こういった政治団体から九千二百七十四万円を受領している。これは自治省の届け出です。そして環境庁長官小沢辰男氏、八千二百二十七万円を受領している。国土庁長官金丸信氏、七千六百二十八万円を田中角榮の越山会などから受領している。これを徹底的に究明していくならば、このロッキード五億円、この金が流れていないと言い切れないわけではない。総理、あなたが今回の事件で重大な政治責任を感ずるとおっしゃるならば、まず三木内閣それ自体、この閣僚の中にこの五億円の金が政治資金として角榮から受け取っているかいないか、この問題を究明する必要があると私は思うが、総理のお考えはいかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) どういうふうにそういう金が流れたかということは、今後のいわゆる取り調べの結果をまたないと、いまいろいろこう、断定的にいろいろ申し上げることは、この段階では私は申し上げることはできないと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 徹底的に、いま私が指摘したような問題も、総理として、三木内閣の責任としてこの際究明すべきではないか。それが責任をとるという一つの道の当然の処置ではないか。徹底的に究明しなさい、このことを私は総理に要求として質問しているのです。究明するかしないか、この点を総理の立場で答えていただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあ、田中氏が外為法違反で逮捕されたわけですから、どういうふうにこの金が流れていったかということは今後やっぱり究明されなければならぬと思います。それ以上のことは、私はここでこれを申し上げることは適当でないと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 究明せられなければならぬというのは当然です。いま私が指摘したような問題について、総理、三木内閣そのものの責任を明らかにするという立場で、総理自身が究明するという立場に立っておやりになるかどうかと聞いているんです。検察庁が究明するのは当然です。必ずやるでしょう。またやってもらわねばなりません。三木内閣それ自体としていま私が指摘した問題をあなたの政治責任で究明すると、なぜこれが言明できないんですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはやはり捜査当局がその金についていろいろ真相を解明するでしょうから、その結果をもって、いろいろまたわれわれとして究明せんならぬ必要が起これば、これは当然にせなけりゃならぬと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 捜査にまつというだけでは私は本当に責任を総理がお感じになっているとは思えないんです。  次の質問に移りますけれども、総理はけさからの談話の中で、このロッキード疑獄事件、これの真相解明は、国民の政治不信、これを解消する上からいっても、民主主義政治の上からいっても当然だ、この疑惑を解消しないままで総選挙というようなことになれば、国民のすべての皆さんに何が政治の大きな争点であるかを示さないまま選挙という事態になる、これは避けねばならぬ、こう言明をされた。選挙の前に、あるいは具体的に言うならば、もうここまで、田中角榮逮捕という事態まで進めば、臨時国会、それまでに全面的な真相解明を行ってから国会を開くべきだ、私はこう考えますが、総理はいかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま前国会で積み残した法案、これはきわめて財政の、日本の予算の執行上不可欠な法案でありますから、これを一日も早く議了をしてもらわなければ困るという財政的な要請があるわけですね。一方においては、いま御指摘のようなロッキード解明という問題がありますので、この両方の要請を踏まえて臨時国会は適当な時期に召集したいと思っておるわけでございまして、いまは断定的に臨時国会召集の時期を申し上げることには、まだそういうふうな段階には達していないわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私は総選挙の問題も聞いております。少なくとも総選挙は、真相の全面解明をやってから総選挙は行うべきだという総理の見解は間違いありませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) やはりロッキード事件の真相解明が行われて総選挙が行われることが理想だと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 最後に総理に質問をしますが、あなたはまさに今度問われているのは、自民党の金権体質、これをなくすために全力を尽くして自民党再生の道を図りたいと、こうおっしゃっている。私どもは田中金脈の追及もやってきました。しかし、この問題について政府がとった姿勢は、国政調査権に対する全面解明ではなかった。このロッキード疑獄は、田中角榮、これの刎頸の友と言われる小佐野賢治氏、そしてまた日韓問題、ニクソン・ハワイ問題、非常に大きな広がりがあります。これを全面的に解明する、それによって初めてあなたのおっしゃる政治的道義的責任の解明が全容を尽くし得る、こういう立場に立つならば、まさにわれわれが要求している証人喚問、これをやらねばならぬ。あなたが本当に金権体質を改め、真相解明をやるというならば、言葉だけではなくて、証人喚問に自民党が反対するという処置は、この際断固として改めて、証人喚問に応ずるという、こういう態度に出ることがあなたのおっしゃる更生の道ではないか、そのことを私は要求し、その点総理の所信を伺って質問を終わります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 証人喚問を、私がこれを阻止しようという考えではないんです。ただ、時期的に少しずらしてもらえればということだけを言っておるので、これ以上はやはり委員会の判断にゆだねます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 終わります。

木島則夫民社党

○木島則夫君 異例の質問時間の短さでございますから、ひとつ簡明率直にお答えをいただきたいと思うんです。  始める前に、捜査当局の御努力に対して本当に御苦労さまですと申し上げたい。  さて、先ほどから総理は責任の重さを、あるいは責任を痛感をすると、何度も何度も繰り返されておいででございますけれど、総理の言われる責任というものは、私が以下申し上げる二つのことであるという御確認を、まずいただきたい。それは、田中前総理の逮捕を頂点として今後もロッキード事件の徹底的な解明を進めること。それは刑事的責任を明らかにするだけではなくて、総理がしばしば言明をされていらっしゃる道義的あるいは政治的責任を明らかにすること。もう一点は、ロッキード事件の徹底解明の後、できるだけ早い時点において国民に信を問うために解散をなさるという、このことが総理の言われる責任であること。確認してよろしゅうございますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 責任の一つは、田中氏の逮捕でロッキード問題が終わったわけではないんですから、真相はやっぱり徹底的に解明されなければならぬということが一つ。それからまた、これは真相を暴露するということが、そのことがこの真相解明の目的ではなくして、日本の民主政治の基盤を強固にするということですから、当然にこれに伴って政治の改革が伴わなければならぬ、その基盤というものをつくらなければならぬ。またもう一つは、やはり解散の問題は、ロッキード事件と関係というのではなくして、当然に衆議院の任期が来るわけでございますから、十二月の九日で衆議院の任期が来るわけですから、したがって、これはそんなに余裕があるというわけではございませんので、ロッキード事件の真相が解明された後に適当な機会で解散を行うということは当然の政治日程でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 いま総理のお話を伺っておりますと、何か任期いっぱいまでやりかねないというような大変悠長なことをおっしゃっておいでですけれど、私は、事件を徹底的に解明をした後、できるだけ早い時点で国民に信を問うという、このことが民主主義擁護につながるということを申し上げた。  時間がありませんので、先にまいりますけれど、きょうの記者会見の中で述べられている所信ですね。総理は一切の派閥的考えをしないとおっしゃっている。それならばなおさら、あなたが田中内閣の重要な閣僚の一人であり、内閣誕生のときにも協力をされて、またPXLの白紙還元、そういった問題を含めて政策決定にまであなたが関与をなすっているという意味では、これはやはりあなたも重要な責任者のお一人であるという認識がなければならないんです。ところが、きょうの記者会見の内容を伺っておりますと、何かあなただけが別なところにいて、決して手を汚していないんだ、私は大丈夫なんだという印象を持たせるようなニュアンスもあったんですね。そうじゃありませんでしょう。つまり田中内閣の一員としての重要なる責任をあなたがお持ちになっているということを、ここではっきり私は確認をしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) この問題は、一派閥の問題、そんな派閥次元ではないんですよ。それを、したがって、田中氏は自民党の総理・総裁、自民党から選ばれた総理・総裁でもあったわけですから、これは自民党として責任を強く感じなければいかぬ。私もまた田中内閣の閣員の一人であったわけですから、その責任というものを非常に重く感じているということで、私一人が責任の圏外にあるというようなことば、どこにも、そういうふうな、何かこう思い上がった考え方、私は持っていないんです。そういうふうにお考えになるとしたならば全くそれは私の本意を知らざるものである。

木島則夫民社党

○木島則夫君 きょうの記者会見で、自民党の結党以来の最大の試練である、そしてその党員は自己の良心、信念に基づいて党の粛正と再建を図るために一致団結をしなければならない、国民もこれを望んでいると言われたんでありますけれど、早くもこういうおっしゃり方の中に、田中前首相をいけにえにして、それで事は済んだというイメージチェンジを図るかのごときおっしゃりようであるけれど、いいですか、自民党の再建を今日この時点でお口になさることは、それは国民が決めることであって、あなたがきょうここでお決めになることではない。むしろそれは国民がお決めになることだと、どうしておっしゃっていただけなかったんでしょうか。私は非常に残念です。もちろん自民党の再建も大事でしょう。しかし、これはいま言ったように国民が決めることです。今日この時点でこのことを言われるのは、余りにも三木総理、あなたは党派的な立場で物をおっしゃっている。あなたは常々このロッキード問題解明というものは、日本の民主主義擁護のためだとおっしゃっている。そのおっしゃりように私は何か矛盾を感じるんですけれど、この辺はいかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 木島さん、どうしてそんなに勘ぐるんですかね、人間を。

木島則夫民社党

○木島則夫君 いや、勘ぐってません。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それはやはり、何かこう、問題をすりかえるように言われることは、それはあなた自身がもっと素直に受け取ってもらいたい。そうでしょう。

木島則夫民社党

○木島則夫君 私はずいぶん素直なつもりですよ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これだけのやはり不祥事件が起きたわけですから、したがって、この問題について、こういうことに対して自民党自身も反省を加えて、そうして再びこういう不祥事件を繰り返さないために自民党みずからがイニシアチブをとることが必要ですよ。国民にこれはお任せしますと言うんじゃない。自民党みずからが自分で、みずからのやっぱり浄化作用するだけの能力を示さなけりゃいかぬ、自民党は。そうでしょう。国民に党の再生はお任せすると言うんじゃない。自民党が率先して、みずからの手によって党の粛正を図る、これだけの能力を持たなければそれはやっていけないわけです。だから、何かこう、自民党の再生ということで事件を、真相解明をそちらの方に重点を移していこうという考え方は、そういうふうにとられることは、それはもう事実を曲げるものですよ。やはり政党自身がみずからの手で勇気をふるって、そして党のやっぱり改革を行うということが必要なんで、それを国民にお任せすると言うんじゃないんだ。国民はそのことを望んでいると思います。自民党という政党が健全な政党として立ち直ってくれということを望んでおる国民は非常な多数の国民だと思いますよ。それに対して自民党がこたえなけりゃいかぬ。事件の真相は解明されなけりゃなりませんよ。されるだけではいかないんだ。これに対して自民党がどうしてこの試練を乗り切っていこうかということが大事ですよ。  日本の政治から言ったら、自民党というものが日本の議会政治の中で持っておる比重というものは非常に重いものがあるんですからね。だから、何かこう、問題をすりかえる、そういう考えはないんですよ。いまのこの時点で、自民党の総理・総裁である者が、だれがやっぱり責任を痛感しない者があるでしょうか。これはもう何人であっても責任を痛感して、この試練というものはやっぱり乗り越えて、日本の政党政治の基礎を健全なものにしなけりゃならぬと、だれでも思いますよ。その私の気持ちを率直に述べたわけで、問題をすりかえるという考えは全然ない。

木島則夫民社党

○木島則夫君 総理のお答えが長くございましたので、恐れ入りますが、もう一つだけ質問さしていただきたい。よろしゅうございますか……。  私が申し上げたのは、総理、そういうことではなくって、いまこの時点で自民党の中からこういった事態を引き起こしたんだから、その徹底的解明を終わった後速やかに信を問うて、その後でそういう問題をむしろおっしゃるのが順当で、きょうの時点で何かそこだけが強調されることは誤解を招きかねないと私は申し上げているわけです。  最後に伺います。どうでしょうか、田中前総理逮捕によりまして、臨時国会の開会を含めて、政治スケジュールというものに大きな変更があり得るのかどうか。この間は総理は核心の段階にお入りになったと言った、捜査は。で、核心から今日の時点では終結の段階に入っているのかどうか、臨時国会の前にも公表はあり得るのかどうか、こういったことを含めて私の質問を終わります。率直にお答えをいただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 田中氏の逮捕で、これが、事件は終結に来たというふうには私は考えておりません。真相はやはりまだ解明をされなければならない余地があるというふうに考えております。

木島則夫民社党

○木島則夫君 以上で質問を終わります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ロッキード事件の解明は、日本の民主主義の根幹にかかわる問題であるばかりでなく、日本の政治の上で、金権汚職の政治の上からもほんの氷山の一角であり、その根は実に深いものがあると思われます。三木総理は、ロッキード事件をめぐってたびたび政治生命をかけて徹底的に国民の前に疑惑を解明すると公約されました。  ところで、本日田中前総理の逮捕によって国民は当然来るべきときがやってきたと思っておると信じます。ところが、国民は、田中氏のみにとどめず、いわゆる灰色高官名も徹底的に国民の前に明らかにすることを期待しておると思います。総理はどのようにお考えであるか、第一点。さらに、私は氷山の一角と申しましたが、韓国及び東南アジアの開発途上国との間においても金脈のつながりがあるとうわさされておりますが、これも究明していかれる御意思がおありかどうか。まず、その二つの点についてお聞きしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 灰色高官のお話でございましたが、しばしば申し上げるように、灰色という言葉は法律的な用語としては漠然としておるわけです。それに、いわゆる灰色高官というもの、これ、国会においてもいろいろ論議を重ねられて、こういうものを灰色高官と言うんだというような御意見もいろいろ承っておるわけでございますが、こういう問題については、捜査が終了した段階において、具体的に事例に従って適切な方法を考えて、そしてできる限り真相を明らかにしたいと思っておりますが、いまこうやってやるんだという具体的な結論には達していないわけでございます。  第二の、いろいろな不正があるではないかと、ロッキード事件以外に。不正があれば不正は究明されなければならぬことは当然でございますが、いま私はロッキード事件の解明ということに専念をいたしておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 これは徹底的に究明してもらうことを望みます。  第二点は、日本の政治の上で今度の事件のような重大な問題を含んだ事件は後にも先にもまれな事件であると思われます。そこで、総理に率直にお聞きしたいことは、ロッキード事件の国民に及ぼす精神的道義的影響はまことに重大であると思います。政治不信、人間不信、大人不信、道義の退廃、失望感。で、国民はもちろんのこと、特に日本の次代を担う青少年に及ぼす影響はまことに重大であると思います。まさに、その罪万死に値するという言葉がありますが、私はそのとおりだと信じております。そこで、総理はどのようにこの責任をおとりになるのか、具体的に答えていただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) ロッキード事件が国民に対して政治に対する不信の念を非常に高めたということは御指摘のとおりだと思います。やはり政治——いろいろな権力を伴っておるわけでございますから、みずから持すること厳しいものがなければならぬことは当然でございます。そういう点で、国民に対していろんな意味で悪い影響を与えたと思いますが、やはりこういう事件を契機にして日本が、日本の社会がもう腐敗せないように、清潔な社会をつくるということのこれは大きなやっぱり契機にせなければ、この犠牲というものは余りにも大き過ぎる、これを境にして皆が——政治の場面ばかりでないでしょうね。みんながやっぱり日本に清潔な社会をつくろうということで、これが大きな転機にこのロッキード事件をするということにしなければ、これは国民に対しても相済まぬという感じがいたすわけでございます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 簡単にしてください。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 最後に、臨時国会の召集につきましてお尋ねしたいと思います。  まず一つには、ロッキード事件の捜査を進めながら、並行して開いていいのではないかというとらえ方、二つには、財政上一日も早く開くべきであるというとらえ方、三つには、このロッキード事件の究明を徹底的に明らかにして後開く、大体この三つが考えられると思います、世論の上からも。総理はどのようにお考えであるかお尋ねいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 財政的な上から考えれば、一日も早いに越したことはないのです。積み残しの法案の処理は、これは予算の執行に不安を与えますからね。しかし、実際問題として、ロッキードの解明というものがある程度進まないときに臨時国会を召集いたしましても、なかなか御審議を願うについても、その政治的環境というものはむずかしい政治的環境になる。したがって、財政的な要請とロッキードという国民の最大関心であるこういう事件の解明、どのようにして両方の要請をにらみ合わして臨時国会を召集するかということは、正直に申して、いままだこうしょうという結論に達してはいないわけでございますが、ロッキード事件の解明がこれから進んでいくわけでしょうから、そういうことも、進捗状態ともにらみ合わして臨時国会の召集の時期というものは決めたいと考えておるわけでございまして、いま、いつだということを申し上げられる段階には立ち至ってないわけでございます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 以上をもちまして三木内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時七分散会

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