予算委員会第二分科会 第2号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1976/04/07
会議録
○上村主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 本分科会は、外務省、大蔵省及び文部省所管につきまして審査を行うことになっております。 昭和五十一年度一般会計予算中外務省所管、大蔵省所管及び文部省所管、昭和五十一年度特別会計予算中大蔵省所管及び文部省所管、昭和五十一年度政府関係機関予算中大蔵省所管を議題とし、政府より順次説明を求めます。 まず、宮澤外務大臣。
○宮澤国務大臣 昭和五十一年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。 同予算の総額は、一千五百七十六億七千四十一万四千円でありまして、これを補正後の昭和五十年度予算一千四百四十六億三千三十八万七千円と比較いたしますと、百三十億四千二万七千円の増加となり、九%の増加率を示しております。また、前年度当初予算に対しましては六・九%の増加率と相なっております。 申し上げるまでもなく、最近の国際情勢がますます流動的な様相を強めつつある上、世界経済情勢は依然深刻であり、エネルギー、一次産品等の諸問題をめぐる南北間の対話と協力の促進が引き続き大きな外交課題となっていること、また、これに対応して外務省の職務と責任が急激に増大しつつある実情にかんがみ、今後わが国が国際的地位にふさわしい役割りを果たしつつ、わが国のため望ましい国際環境の実現を目指し、開発途上国に対する経済協力を充実強化し、流動する国際情勢に機動的に対処し得る外交実施体制を整備し、国際理解の促進、対日イメージ向上のための広報文化活動の強化、海外子女教育の充実強化を中心とする在外邦人の生活環境のための諸施策に重点的に配慮を加えた次第でございます。 これをもちまして、外務省関係予算の概要について説明を終わります。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げる次第でございます。 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付してございます印刷物を主査におかれまして会議録に掲載せられるよう御配慮をお願いいたしたいと存じます。 ―――――――――――――
○上村主査 次に大平大蔵大臣。
○大平国務大臣 昭和五十一年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして簡単に御説明いたします。 まず、一般会計歳入予算額は、二十四兆二千九百六十億千百万円となっております。 このうち主なる事項について申し上げます。 租税及び印紙収入につきましては十五兆五千百九十億円、専売納付金につきましては六千二百三十八億二千九百万円、公債金につきましては七兆二千七百五十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、二兆七千五百七十二億九千三百万円となっております。 このうち主なる事項について申し上げます。 国債費につきましては一兆六千六百四十六億七千五百万円、政府出資につきましては千十六億円、公共事業等予備費については千五百億円、予備費については三千億円となっております。 次に、特別会計について申し上げます。 造幣局特別会計については、歳入、歳出とも二百二十億四千三百万円となっておりますが、このほか印刷局等の特別会計については、お手元の予算書等によりごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 日本専売公社については、収入一兆八千百八十四億六千六百万円、支出一兆三千百三十三億四千八百万円、差し引き五千五十一億千七百万円の収入超過であり、専売納付金は、六千二百十一億千七百万円を見込んでおりますが、このほか国民金融公庫等の各機関の収入支出予算については、お手元の予算書等によりごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算の概要を簡単に申し上げました。 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付しておりまする印刷物を主査におきまして会議録に掲載されますようお願いいたします。 ―――――――――――――
○上村主査 次に永井文部大臣。
○永井国務大臣 昭和五十一年度文部省所管予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 文部省所管の一般会計予算額は二兆七千五百九十八億三千万円、国立学校特別会計の予算額は八千四百五十九億二千九百万円でありまして、その純計額は二兆九千六百六億一千四百万円となっております。 この純計額を昭和五十年度の当初予算額と比較いたしますと、三千九百四十二億六百万円の増額、その増加率は、一五・四%、一般会計予算額の増加率は、一四・八%となっております。 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付してあります印刷物を主査におかれまして会議録に掲載せられますよう御配慮をお願い申し上げる次第でございます。 ―――――――――――――
○上村主査 この際、お諮りいたします。 ただいま宮澤外務大臣、大平大蔵大臣及び永井文部大臣からそれぞれ申し出がありましたとおり、各省所管関係予算の主要な事項につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 外務省所管予算の説明 大蔵省所管予算の説明 文部省所管予算の説明 〔本号末尾に掲載〕
○上村主査 以上をもちまして、外務省所管、大蔵省所管及び文部省所管についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○上村主査 これより外務省所管について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。永末英一君。
○永末分科員 ロッキード事件を初めとして、外国が日本の政治に対してきわめて汚い姿勢で臨んできたということによって、日本の政治がきわめて混濁しているように印象づけられ、また、そういうことが政治問題になっている例がこのごろ頻々と起こりつつあります。 最近、アメリカ国務省元国務次官補でございましたヒルズマン氏が、一九五四年ごろ、CIAの援助資金が日本の政党、これは複数でございますが、それに与えられたということを自分が国務次官補に就任したときにCIAの職員から聞いたということを報道に載せまして、これまたゆゆしき重大事でございまして、外務省は、この報道に接してどのような措置をとられましたか。 〔主査退席、三塚主査代理着席〕
○宮澤国務大臣 ただいま永末委員の御指摘のようなことがございましたので、私は、一般論といたしましては、アメリカにおける言論の自由というもの、それから、政府の人でない限り、私人であれば、どう申しても、特にどうするということは私はする必要がないと思っておるのでありますけれども、たまたまこの場合、ロジャー・ヒルズマン氏は御指摘のように、国務次官補という責任のある地位にあった人でございます。そして、在任中のことについてそのようなことを申したということでございますので、いわば発言者の持っております社会的な信憑性、影響力等を考えますと、現在私人ではございますけれども、そのようなあやふやな発言というものは聞き置くわけにはいかないと考えまして、国務省に対しまして、この発言についての事実関係を調査をしてもらうように申し入れをした次第でございます。
○永末分科員 その調査はいつ申し込まれましたか。
○宮澤国務大臣 この報道がなされました日が先週の土曜日であったと存じますが、その日のうちにいたしました。
○永末分科員 それに対する反応は何もまだございませんか。
○宮澤国務大臣 その後、インテンシブに調査をしているが、多少時間がかかるということを申しておるように聞いております。
○永末分科員 報道によりますと、一九五四年には、アメリカの国家安全保障会議が指令を発しまして、五四-四〇というのだそうでありますが、それで、アメリカのCIAが海外諸国での隠密の政治行動をすることを認めた、この内容を持つ指令も発したということでありますが、御存じですか。
○山崎政府委員 そういうことをヒルズマン元次官補が言っておるようでございますが、われわれはそういう指令については承知しておりません。
○永末分科員 日本の外務省は、外国の職員がわが国内で政治活動をすることを認めておりますか。
○山崎政府委員 外国の政府職員がそういう政治活動をするということをわれわれとしては認めたことはございません。
○永末分科員 もし伝えられるように、こんなアメリカの政府機関が、外国において政治活動をする、日本においても自国の政府機関の職員が政治活動をすることを指令したということになりますと、その指令に対しては日本政府はどういう態度をとりますか。
○山崎政府委員 われわれとしては、そういう指令をしたということも承知しておりませんし、そういう仮定の問題にはちょっとお答えいたしかねます。
○永末分科員 ヒルズマン氏は、私も会ったことがございますけれども、そう記憶にございませんを連発する人ではない。仮定の問題ではございませんが、外国の機関が、わが日本国内でその外国政府の職員が政治行動をすべしという指令をやる、政治行動をやる、機関行動をやる、そういうものがあったときには、そういう職員の政治活動を認めないわが国政府の立場からは、一体黙って見ておられるはずはないと思いますが、答えられるでしょう。
○宮澤国務大臣 そういうことは許すことができません。
○永末分科員 これに対しまして、自民党の中曾根幹事長が抗議の意思をヒルズマン氏に伝えたとか伝えないとかいう報道もございましたが、当のヒルズマン氏は、六日の発表によりますと、自分はどの政党だということを言った覚えはない。しかも、現在に至るまでだれからも、またいかなる抗議も受けたことはない、こう言っておるわけでございまして、自民党という政党は、宮澤外務大臣の所属政党であり、政府政党ですね。その政府政党の幹事長がこれらの事件に反応を示しているということは、あなたと無関係でやるわけはないのでございまして、この間のいきさつを御説明願いたい。
○宮澤国務大臣 ヒルズマン氏の話と伝えられるところには、確かに政党名を述べてはおりませんけれども、私の承知しておりますところでは、自民党の中曾根幹事長からヒルズマン氏あてに電報を発しまして、自民党に関する限り、調査をしたけれども、そのような事実はないということ、及びこのようなことは、どの政党であれ、日本の政党の名誉にかかわる重大な問題であるので、わが党は強くこれに抗議をする云々、こういう趣旨のことをヒルズマン氏あてに電報をしたというふうに承知をしております。
○永末分科員 ロッキード事件も、アメリカの私企業が国外においてなしておることについてアメリカの外交政策ときわめて背離しておるんだ、こういう点で問題になったのが私は一つの原因だったと思います。この問題もまた、自民党という政府党の代表者である幹事長が、これはいち早く打電しなくちゃならぬ理由があったのでしょうか。そのことについてはあなたは承知しておると言われたが、外務省は十分に日本の外交政策との関連において調査をしてから反応をしようというのが先ほどの立場でございましたが、あなたの所属政党の幹事長は、雲か雪かわからぬのにいち早く敏感に反応しておられるというのは、いささかどうも理解に苦しむのでありますが、どういう打ち合わせをせられましたか。
○宮澤国務大臣 別段打ち合わせがあったわけではございません。ただ、ヒルズマン氏がその持っておりました地位にかんがみまして、自民党幹事長としては、政党名を言ってはおりませんけれども、自民党もわが国の政党の一つでございますから、自分の政党に関する限りそのような事実がないと考えること、並びに一般にわが国の政党の名誉にかかわる発言であることは疑問がございませんから、それにつきましても抗議をしたということで、私はこれは政党の幹事長としてはしかるべきことであったと考えております。
○永末分科員 日本の政党の名誉に関することは日本の政党のそれぞれが判断することであって、自民党の幹事長が日本の全政党の代表者でも何でもないのでございますから、全くこの件が根も葉もないことであるならば応答すべき筋合いでも何でもない。自民党は自分の政党に関係があると敏感に察知されたのかどうか知りませんが、えらい敏感過ぎて反応しておられる。一体この時点で、外務省という日本政府がその事実の何たるかを確認せられないうちに敏感に反応すべきことであるとあなたはお考えですか。
○宮澤国務大臣 政府といたしましては、先ほど申し上げましたように、事実関係の確認をまずすべきものと考えたのでございますけれども、政党の責任者として、自民党も日本の政党の一つでございますから、自分の立場を述べるということは私はしかるべきことであったと思いますし、また、わが国の政党政治の名誉にかかわるという観点から、これは他党にかわって申したと申しますよりは、一つの政党としてそれをそう考えると申しましたことは、別段私は常軌を逸脱しているとは考えておりません。
○永末分科員 いずれにせよ、わが国の政党政治につきましてはきわめて遺憾な発言でございますから、何日ごろこれの報告をわが政府は入手することになっておりますか、伺いたい。
○宮澤国務大臣 何日ということを言われておりませんのですが、御承知のようにCIAの活動に関することだという発言でございますから、もしさようでございますとしますと、これはかなり長く時間がかかるのではないかという危惧をいたしております。
○永末分科員 あいまいな状態というのが政治的にはきわめて悪影響を及ぼすものであって、いま政党政治に対する大きな不信の念を国民が持っておりますときに、この案件が、しかも敏感に自民党の幹事長が反応をしておる、こういう状態のもとで真相がわからなくて推移するということは、日本の政党政治のためにきわめて好ましくないと思います。これを促進するおつもりはございませんか。
○宮澤国務大臣 そのようにいたしたいと思っております。
○永末分科員 結果が入れば早速国会に御報告なさいますね。
○宮澤国務大臣 私としてはいたしたいと思います。
○永末分科員 早速国会に報告、すなわち国民に報告をされて理非曲直を明らかにしていただきたいと強く要望をいたしておきます。 ロッキード事件の外務省の二カ月間有余にわたる対応の仕方について質問いたしたいと思います。 もともとこの事件はアメリカの上院外交委員会多国籍企業小委員会でロッキード社側の証言によって起こった事件でございますが、それから資料のやりとりをめぐって今日に至っておる。外務大臣は、資料というものはどういうものが資料の名に値するとお考えですか。つまり、わが国では、その資料に基づいて犯罪を構成するかしないかの決め手になるようなもの、これが資料だと言っているようでございますが、そういう資料を、つまり犯罪を決定する資料をわが国は要求したのでしょうか、どうなんでしょう。
○宮澤国務大臣 これに関係するすべての資料、永末委員がよくお詳しいようでございますので慣用語を使わしていただきますが、レリバント・アンド・マテリアル、こういうふうに申しておりまして、したがいまして、関係のあるすべての資料というものを私どもは要求をしておるわけでございます。 〔三塚主査代理退席、主査着席〕
○永末分科員 外交委員会の資料につきましては、すでに二月十三日にある部分が公表されました。その公表されたものは外務省も入手をされ、それぞれのところに配付をされたのでありますけれども、これは公表されたわけですね。しかしその後に、なお未公表の部分も外交委員会は所持しております。さらにまた、三月二十九日には、強制資料提出権を発動して、ロッキード社に今週の月曜までに、いわゆる日本の政府高官名を含む残余の全資料の提出を求めた、それが木曜日まで延期をされたということのようでございますが、その資料というのは公開してもいい資料が含まれておる程度の資料でございますね。
○宮澤国務大臣 これは私どもから申しますと、どのような資料であるかの予測が実はいまの段階ではできないのでございまして、チャーチ小委員長としては、仮にロッキード社から資料の提供があるならばそれを司法省に渡して関係国に送るというふうに言っておりますように承知しております。
○永末分科員 三月三十日の上院外交委員会の決定は、自分たちがいまのような手続で資料を入手した暁においては行政府に提供する。だから司法省のみではなくて、その行政府というのは複数になっておったはずでございまして、国務省かもしれないし、司法省かもしれないし、あるいは他の機関かもしれない。外務大臣はどう御解釈ですか。
○宮澤国務大臣 外交委員会の結論に関します限り、永末委員のおっしゃっていらっしゃるとおりであると存じます。その後に、この問題を扱っております小委員長でありますところのチャーチ氏が、行政府の中で司法省に送るつもりである、もし資料が入手できれば、と申しておりますが、しかし、同時にまた、これは外交委員会でも同じことがございましたが、行政府が外国政府に送る送り方、その手続等について委員会としてはレビューする権利を留保するということをも述べておりまして、同様なことはチャーチ委員長も述べておりますから、したがいましてそういう可能性は残されておる、厳格にはそのように解すべきであると思います。
○永末分科員 もともと、三月の六日にインガソル国務次官が両院協議会で証言をいたしましたときに、自分たちアメリカ側の持っておる資料について、これが裁判上等の手続で外国政府に供与された場合に、起訴されるまでは秘密を保持してほしい、秘密を守ることを期待する、こういう証言をいたしましてから国会は空転を開始いたしたわけですね。しかし、その言葉の中には、つまり司法手続に資料を乗せるということが前提になっておる。ところがインガソル氏は、そのときに、アメリカ側の入手している資料というのは、ロッキード事件については、外国政府等に関してですが、これは二つある。それはアメリカの上院外交委員会とそれから証券取引委員会、二つあるということを言明いたしておりまして、しかし、そのすべてを司法的手続においてのみ外国側に提供するのだということを言ったわけではなかったと思います。あなたはインガソル証言をどう受け取りになりましたか。
○宮澤国務大臣 立法府が持っております資料を外国政府に渡す渡さない、その方法について行政府が指図をできるとは私は思いませんので、永末委員の御解釈はそのとおりであろうと私は思います。
○永末分科員 三月十二日のフォード大統領の三木首相の書簡に対する返書の中にも、まず初めに、この件に関する資料は上院外交委員会が保有しておる、そしてその大部分はすでに提供されたと信ずるという文言になっておる。そして、次いで行政委員会、すなわち行政府に属する機関の所有しておる資料については、これは両国政府の取り決めに従って提供する。そしてその秘密保持についての証券取引委員会側の慣行を明示をして、そのことが尊重せられるべきであるという意見を付しての書簡であったと私は思います。したがって大統領もまた、上院の外交委員会の資料については右する、左するという判断はしていない、ただ事情を述べただけである、こういう書簡であったと承知しておりますが、あなたはどう承知しておられますか。
○宮澤国務大臣 私もそのように考えております。
○永末分科員 さて、あなたは二月の十九日に、まだ三木総理が原則として資料は公開をするんだということを踏ん張っておられたときに、あなたはすでに、捜査上公表されない部分もあるということを明言され、その後国会でもあなたの真意について質疑がございました。私はすでにそのころから、いまのような事情でございますから、アメリカの国務省を通じアメリカ側の扱いについていろいろな折衝を日本政府はやっており、そしてその折衝の流れというものをあなたは御承知であったと思います。そうですね。
○宮澤国務大臣 二月の十九日でございましたか、私そういうことを確かに申したわけでございますが、この私の発言は、表現及び時期において不適当であるということをロッキード関係閣僚協議会で判定をされましたので、私はその発言を撤回いたしました。したがって、その発言はなかったことになっておるわけでございますが、しかし、どうしておまえはそういうことを言ったのかというお尋ねでございますので、それについては、私はアメリカ側の事情等々を承知して申しましたわけではございませんで、一般にわが国の刑事訴訟法等のたてまえと私が考えておりますところに基づいて申しましたのでございます。しかし、その発言そのものは不適当であるということで撤回をいたしました。
○永末分科員 撤回をせられたものを追及する意思はございません。ただ、あなたは当初からその資料が二つあるということは知っておられたと思います。 さて、三木総理がこの親書のやりとりを通じ、そして三木内閣として処置せられてきましたものは証券取引委員会の資料だけでございました。それは司法手続に乗せて、いま法務省の当該責任者がその資料の受け取りにアメリカを訪問しておる。ところが、上院の資料についてはその後一体どういうやりとりになったか、残念ながら国会が空転いたしておりますので、日本政府のやったことを聞くすべがなかった。外務省はしかし承知をしておられると思います。上院の資料については一体どういう働きかけをなされたか、この点をひとつ御説明を願いたい。
○宮澤国務大臣 国会の御決議を上院に伝達いたしましたことはもとよりでございますが、政府といたしましては、本来アメリカに本件に関するあらゆる資料の提供を求めておりますので、その中にはSECのみでなく国会関係の持っております資料についても提供方を求めておるわけでございます。この立場は今日も変わっておりません。ただ永末委員が御指摘のように、フォード書簡に基づきますところのいわゆる手続等々は、これはその中で行政府関係の持っております資料のやりとりにつきまして適用があるのであって、国会関係をそれで制約をするという性質のものでないことは永末委員が御指摘のとおりでございます。たまたまあの手続の問題が非常に世の中によく報道されましたために、いま日本政府の求めておるのは行政府関係の資料だけだというふうにあるいは印象になっておるかと思います。実はそうではございませんで、私どもが米国にございますすべての資料を求めておる立場は、従来から今日まで一貫をしておるわけでございます。
○永末分科員 証券取引委員会の資料は、証券取引委員会がロッキード社問題について調査をいたしておる、したがってその調査の完了までは秘密を保持する慣例になっておる、これが大統領書簡の趣旨であったと思います。 しかし、上院の外交委員会の保有する資料は、もともと上院の外交委員会が多国籍企業小委員会をつくって、つまり多国籍企業の海外における商行為に対する何らかの措置、それは外交的な措置ないしは国内法的な措置、それをやるべきではないかということの前提のもとに調査をいたしておるのでございまして、これは証券取引委員会の調査とは全く違った意味の調査である。したがって、それは調査の完了ということはあり得ないわけですね。したがって、証券取引委員会において調査の完了まで秘密の保持が慣行であると大統領は申しましたが、上院の資料についてはその枠はないと私は判断しておりますが、あなたはどう判断されますか。
○宮澤国務大臣 筋道としてはそのとおりであろうと存じます。すなわち、国会において国会がみずからの判断においてどのようなことをいたしますかは、これは別といたしまして、ただいま言われたことの筋道は私はそのとおりであろうと思います。
○永末分科員 先ほど予算委員会におきまして、私どもの佐々木委員が最後のところで申し上げかけたのはそこの点であります。つまり、そういう資料の存在を日本政府は知っておる。特に宮澤外務大臣はよく御存じである。であるとするならば、大統領が政府間取り決めで資料を提供しようと言ったのは、なるほど自分の所掌する行政府が保有している資料についてでございましたが、なるほど三権分立の国でございますから、立法府の資料については直接の権限を大統領は持ちませんが、日米間の問題ということになれば、やはりそれについても積極的に日本政府は提供方の交渉をすべきであると思います。そのことが国会決議の本旨であった。したがって、宮澤外務大臣も行政府所管の資料のみならず、全資料の提供を要請しておるのであると申された。ところが、私どもが見ておりまして、この外交委員会所有の資料に対する提供方の要請の熱意と申しますか、努力と申しますか、それがきわめて薄いあるいは皆無だ、そのように見受けられるが、何か特別に努力されたことはございますか。
○宮澤国務大臣 当初から米国の持っておるすべての資料をと、ずっと要請をし続けてきておりますので、その態度は今日といえども変わっておりません。 ただ、大統領書簡に述べておりますように、国会関係の資料はあらかたすでにお渡しをしたと考えるということでございましたし、私どもまずまずそれはそうであろうというふうに考えておりました。 ただ、先ほどもお話しのように、新しくチャーチ委員会がロッキード社に対して資料の提出を求めたというようなことがまたございますので、あるいは今後の事態としてそのような資料を国会が持つということが考え得るのでございますから、当初の私どもの申しておりますとおり、その資料の提供をやはり求めていきたいと考えております。
○永末分科員 外務大臣、あらかた提供されたと思うとあなたもおっしゃいましたが、すでに持っておると予想せられる資料のうち、提供されたものはあの段階でだれが見てもいいというものであったと思うのですね。 たとえば、あの公聴会の速記録等を読みましても、あの公聴会をやるにつきましてはそれぞれのアメリカの上院の委員の手元に資料が渡されておって、そのページ数によって質問をしているわけですね。しかし、その資料は、私は外務省持っておられないと思う。持っておられませんね。
○宮澤国務大臣 持っておりません。
○永末分科員 二月十三日に提供されたものは、そのうちから何ぼかが提供されたのであって、大部分であるか、あらかたであるか、よくわからないし、またそこから判断いたしますと、たとえばユニット名の領収証はいまだに発表されていない、あるいは佐藤という割り印の押してある領収証も、その名前の署名のところは発表されていない等々の問題があるわけですね。いわんや、先ほど申し上げましたように、当初委員に渡されたとおぼしき資料は渡されていない。あらかたであるか、大部分であるかわかりませんが、残されたところに非常に重要な資料がいまでも隠されておると私は判断をいたします。したがって、その部分についてなお努力を続けるというのじゃなくて、それをもっと早く提供しなさいという努力をしなかったところは問題ではありませんか。
○山崎政府委員 先ほどから大臣がお答えになっておられますように、われわれとしてはあらゆる資料をもらいたいということでやっておるわけでございます。ただ、たとえばいま御指摘のございました大久保名のユニットの領収証二枚というものは、確かにわれわれが提供を受けました資料には含まれておりません。この点につきましては、われわれとしては二回にわたりましてなぜ含まれていないのかということについてもチャーチ委員会に問い合わせたわけでございます。先方の説明によりますと、自分たちはあのユニット名の領収証は持っていないのだということを説明いたしております。ただ、先方が何らかの方法で作成した一種の報告書的なものにそのことが言及されているようであります。それに基づいて質疑が行われたようであります。そしてその報告そのものにつきましては、確かにわれわれとしては入手いたしておりません。それはいわば生の資料をもとにした報告でございましょうが、それについてはチャーチ委員会は公表いたしておりません。
○永末分科員 先ほど三木総理は、上院の資料については二月九日以来三回日本政府に提供せられた、こう言うのですが、二月十三日には相当大部のものが公表され、それがそのまま日本政府にも提供されたわけですが、あとのものはたとえばパーシー議員の演説であるとかという程度のものですか。何か具体的な資料としてあるものも送られたのでしょうか、御報告願いたい。
○山崎政府委員 ちょっと申し上げておきたいと思いますが、二月四日の公聴会のときに発表された資料以外にもわれわれとしては何回かにわたって資料要求を行いまして、その結果、児三名の日本語の領収証とかあるいは児玉・ロッキード契約書の写しをすでにその段階で手に入れまして、国会に対して二月十日及び十二日に提出いたしておったわけでございます。その後二月十三日に小委員会が二百三十九ページにわたる日本関係の資料を公表いたしまして、それが十四日に国会に提出されたわけでございます。この十三日に発表されました資料の中に、先ほど申し上げました資料も含まれておったわけでございます。 そういうわけで、われわれとしては随時そういう資料の入手方に努力してまいりました。ただ十四日に国会に提出されました以降はチャーチ委員会からいろいろ要請はいたしましたが、提供は受けておりません。
○永末分科員 宮澤外務大臣、あなたは日本外交の衝に当たっておられる人物でございますし、特に日米友好が日本の外交上一番必要であるということを身をもってお感じになっておる問題だと思います。そういう観点からいたしますと、日本がいま司法手続でこの問題に対処していこうというように焦点が狭まり過ぎていることが、果たして日米友好のためになるのかならないのか、私自身は疑問を持っておるわけです。率直に、日本の政治構造に対するきわめて大きな問題でございますから、アメリカがもしいまのような姿で資料の提供方を渋っておれば渋っておるだけアメリカも疑われる。巷間この裏金というものは日本側だけに流れたのではなくて、アメリカにも還流したのではないかと言われていることもございます。現にアメリカの公聴会でその質問が行われ、ロッキード社は還流いたしておりませんという答弁をいたしておるわけですね。その意味では一刻も早くこの資料の提供を受け、そしてそれをアメリカにも公表されておるものであるならば、何ら公開を気にしていないのでございますから、日本にも公開をして、そしてそれをやはりわれわれの力をしぼって解決をいたしていく姿勢、これが民主主義が日本に定着いたしておるということをアメリカがはっきり認めることになるし、児玉譽士夫なる人物が介在しておるということが彼らをして仰天せしめた一つの要素であるというならば、やはり全力を尽くして上院の資料もまたわが方が入手する努力をしなくてはならぬと私は思います。そのためには、ただ単に申し入れましただけではいけませんね。その意味では、何らかの特使を派遣するとか、真剣にやはり資料の入手方を図ることによって問題の解決を早急にやるという姿勢が必要だと思いますが、その政治的な問題として政治家としての宮澤外務大臣の気持ちをひとつ伺っておきたい。
○宮澤国務大臣 ただいま仰せられたことは私はごもっともなことであると存じますが、他方で何がしかの問題がないわけではございません。 一つは、一般論といたしまして、そのような資料が十分客観性のあるものであればこれは問題がないわけでございますけれども、いわゆる伝聞等々にすぎないものが公になるということについては、やはり人権の問題があるであろうということは私どもも考えておかなければならないという点が一点でございます。 それからもう一つは、政府といたしましては、アメリカ行政府、お互いの司法当局が一つの手続に同意をいたしたわけでございます。このような手続に同意をしたことにはそれなりの意味と目的があるわけでございますから、アメリカの議会がこれに制約されるものではない、わが国の国会がこれに制約されるものではございませんけれども、政府としてはそのような手続に同意をしたということによって一つの立場というものをやはり明確にしたことになるのではないかという問題がございます。 それで、これはだれに対して明確にしたかといえば、それは行政府に対して明確にしたのであろうという仰せかと思いますが、しかし政府に関する限りは、それは必ずしも行政府に対してだけ明確に――約束はそうでありますけれども、一つの物の考え方はやはり政府として表現をしておるわけだという問題がございます。これらの問題は、しかし、だからと言って解決できないほど大きな問題だとは私は思いませんので、一つの付随的な問題として申し上げておけば十分であると思います。 したがいまして、基本的には永末委員の言われますようにアメリカの持っております資料についてはすべて関係あるものは提供を受けたい、そのための要請は重ねてしていかなければならないのではないかと言われます点は私も異存はございません、そのように思います。
○永末分科員 いま外務大臣は、このアメリカの持っている資料の客観性について触れられました。私が当初今回の質疑で申し上げた資料の性格というのはその点でございます。つまり、わが国のこれほどの政治問題になる基本である資料が、もうその資料さえ来るならば白黒決着がぴたりとつくというぐあいに感覚を持っておるならば、これはそこに問題点があるのじゃないか。私は、アメリカ側にみずからの資料の客観性というものをやはり十分証明させる努力を日本がすべきである。そうでなければ、そんなあやふやなものによって日本の政治が左右されることは、私は日本の政治家の一人としてはきわめて心外だと思います。その意味で全資料の提供を求めることが必要である。何かそこでルートだけつくってやるのはかえってその資料の客観性をみずから否認しているようなことになりやしないか。 そういう点が国民が一番心配しているところでございますので、時間がございませんから質疑はこれで終わりますが、やはり日本政治のある意味では重要な危機でございますから、全力を尽くしてアメリカ側にわが方の真意を説明をし、全資料の入手に努められるよう強く要望します。
○上村主査 これにて永末英一君の質疑は終わりました。 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ――――◇――――― 午後一時三分開議
○上村主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 大蔵省所管について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。河村勝君。
○河村分科員 きょうは、御承知だと思いますが、神奈川県にキャンプ渕野辺という米軍の基地がございます。それの跡地利用をめぐって、地元の県あるいは市等の要望、それと大蔵省の考え方とが相当大きく食い違っておりまして、係争になっておるわけです。その件についてお尋ねをするのと、もう一つは、それと関連をいたしまして、あの相模原周辺の米軍基地の整理縮小のことについて外務省の方に若干お尋ねをしたい、そういうつもりでございます。 そこで、最初に、返還財産の処理について三分割案と称せられるものがあって、現在、国有財産審議会の返還財産処理小委員会等でそれが検討されておるということでありますが、その三分割案というのはどういうものであって、現在の審議経過というものはどういうものであるか、それをまず伺います。
○吉岡(孝)政府委員 お答えします。 御承知のように、最近米軍基地の返還が急速に進展しておりまして、これらの跡地はいずれも首都圏近郊に存在します国有地としてきわめて貴重な土地であります。そういうことで、政府としては、その跡地の有効活用のために、関係各方面の意見を承りつつ、慎重に検討を続けているところであります。 ただいまお尋ねの三分割方式というものは、こういう首都圏における貴重な土地でありますために、これについて各方面からの利用要望が非常に競合しておるわけでありますが、そこで、これらの大口返還財産についてその処理を促進するため、そういった多くの競合する各方面の要望の調整方法として、われわれとして三分割という方式を提案しているもので、目下国有財産中央審議会の返還財産処理小委員会で御審議を願っているわけであります。 それで、その骨子を申し上げますと、大口返還財産、これは大体十万平米程度以上の土地を考えております。この大口返還財産につきましては、ただいま申し上げましたように各方面からの需要を調整するとともに、残り少ない国有地を将来の需要に備えて一部は保留しておくという意味もありまして、原則としてその面積を三等分してこれを処理していくという方針であります。 それで、そのうちの一つのA地、これは地元公共団体に利用させる。それからB地、これにつきましては、国、政府機関及び特殊法人等が利用する。それからC地、これは当面白紙のまま処分を留保しておく。留保期間としては五年ないし十年程度を目途に考えております。 そういうのが、われわれが考えております三分割案の骨子であります。
○河村分科員 その特殊法人というのはどういう意味ですか。
○吉岡(孝)政府委員 お答えします。 特殊法人といいますのは、いろいろ政府の出資法人等がありますが、渕野辺につきまして特定のことを考えておるわけではなくて、その一般的ないわゆる政府出資法人等であります。
○河村分科員 そうすると、この場合、三分割という方式の中には、譲渡あるいは貸し付けの条件、ただであるとか半分であるとか、そうしたものは含まれていない、ただ分割の方式だけですか。
○吉岡(孝)政府委員 三分割というのを狭い意味で私申し上げましたが、今回のわれわれの方針の中には、そういった面積を三つに分けて処理していくという方針と同時に、その処分の価格について統一的な基準でやっていきたいという提案があります。それは、その返還財産につきましては大部分、御承知のように国において移転経費を負担して、そこにありました既存の施設を他に移転して、それで返還してもらってそれを利用していくというものでありますので、そういった移転経費をカバーするという意味もありまして、その処分価格の基準を統一していこうということを考えておるわけであります。 具体的に言いますと、現在、国有財産法なり国有財産特別措置法によりまして、たとえば公園については無償貸し付けすることができるとか、それから学校なり病院、社会福祉施設等につきましては二分の一の範囲内で減額売り払いができるという規定がありますが、ただいま申し上げましたような移転経費をカバーするという意味と同時に、いろいろ返還基地が所在する各地方公共団体ごとの負担の公平を期するという意味もありまして、たとえば公園につきまして言いますと、二分の一の面積は時価で買っていただき、残りの二分の一の面積について無償貸し付けする。それから学校等につきましては、二分の一の面積を時価で売却し、あと二分の一についてその減額の規定を適用する。具体的に言いますと、最大限減額の規定を適用します場合、結局四分の一の減額になるということに相なります。
○河村分科員 それで、その審議の経過は現在は小委員会の段階ですか。
○吉岡(孝)政府委員 ただいまのところは、先ほど申し上げました国有財産中央審議会の中に設けられております返還財産処理小委員会で審議願っているところで、まだ本審議会までの段階には至っておりません。
○河村分科員 現在の見通しだと、小委員会というものはいつ終了して本審議会にかかる、その辺の見当はどういうふうにつけています。
○吉岡(孝)政府委員 小委員会につきましては、去る二月六日に、このわれわれの考えております三分割方式と、先ほど申し上げました処分価格の基準の統一につきましていろいろ御審議願いまして、大体理解できるという大方の御理解をいただいておるわけであります。それで、その際この原則と同時に、当面処理を急がれております埼玉県の朝霞キャンプ跡地とそれから東京都下にあります大和空軍基地跡地につきまして具体的な処理方針を決めるということで、現在その朝霞基地と大和空軍基地跡地の処分の問題について関係各地方公共団体と具体的な折衝を行っている段階であります。それで、それらにつきましてめどがつきましたところでさらに小委員会を開き、その小委員会の結論を得たところで国有財産中央審議会の本審議会を開くという段取りにしておりますが、現在のところは六月ごろまでをめどに結論を得たいと考えております。
○河村分科員 いま二月六日ごろまでに大体委員の間で理解ができるというところまで来て、それから朝霞の基地、大和空軍基地、それについて地元と折衝しているという話でありましたが、そうするとこれは三分割方式というのは一律にやろうというのではなくて、個々にそれぞれの地元の事情を聞いてその上で決めよう、こういうことですか。
○吉岡(孝)政府委員 その三分割方式というのは、個々に各地元の事情を聞いてということでは必ずしもありませんで、ただこの原則をわれわれとして打ち立てて今後の処理を進めていく上におきましては、具体的にこれを適用した場合どういう問題がある、それから適用のいろいろ方法としてどういうことを考えたらいいかというのを具体的なケースに即して検討していかないといけません。そういう意味で現在、モデル的と言うと語弊があるかもしれませんが、比較的処理を急がれております朝霞基地跡地と大和空軍基地跡地について、三分割の方針を適用していく上での実際の折衝をやっているわけであります。
○河村分科員 その場合、キャンプ渕野辺については過去にいろいろな経過があったことは御承知のとおりであるし、地域的にも非常に問題が多いところである。であれば、少なくともこの処理小委員会で今後本審議会にいくまでに朝霞、大和というふうに偏って埼玉県の方だけやるのではなくて、当然相模原周辺というのは今後返還されるはずの基地が相当あるわけですね。それの中で一番早く問題になっているのがキャンプ渕野辺。であれば、当然この処理小委員会で今後仕事を進める上で、キャンプ渕野辺関連で神奈川県側の地元の意見を聞く、神奈川県ばかりでなくて相模原市等の地元との折衝を行うべきであると考えるが、そういうことにはなっていないのですか。
○吉岡(孝)政府委員 われわれとして、この三分割方式なり処分価格の基準の統一ということを考えていろいろ各方面に提案いたしたものは、昨年秋からこれをやっておるわけであります。それで、神奈川県の方面にももちろんそういう考えをわれわれとしてはお示ししてきているわけでありますが、具体的なそれに基づく処分計画、その基地の跡地の利用計画ということにつきまして、いわゆる朝霞なり大和空軍基地跡地につきましては、具体的な話がいろいろとわれわれの方と事務的に折衝し得るペースになってきておる。そういうことでいま両方とは鋭意折衝しているわけでありますが、渕野辺につきましてはその折衝、具体的ないろいろ利用計画を詰めていく上での入り口のところでいろいろ原則論で地元の方の反対が強く、じゃどの部分をどうというところまで具体的な話に入る段階になっていないというのが実情であります。
○河村分科員 それはおかしい。それはたびたび地元からも足を運んで大蔵省側と折衝しているはずであるし、原則論ばかり言って入り口でとまっていると言うけれども、この審議会は三分割方式という原則を決める審議会でしょう。原則を決める審議会で神奈川県側が原則論をやっておって中身に入らないから意見は聞かないというのは、全然理屈に合わないじゃないですか。おかしいでしょう。
○吉岡(孝)政府委員 われわれの方としても神奈川県側なり相模原市の意見を聞かないという姿勢でおるわけではありませんで、いろいろ地元に対して、当面どういう具体的な計画を考えておるのか、何分にも返還されました渕野辺は六十六万平米という膨大な土地でありまして、これをすべて地元で使うのだ、それ以外一歩も話し合いの余地がないということを言われますと、われわれとしてもいろいろ国側の利用の要望もあるわけでありまして、具体的な話を詰めていくことができないわけであります。そういうことで、われわれとしてはもう少し地元に現実的な案を考えていただきたいということを申し上げておるわけであります。
○河村分科員 初めからどうも、私の事情を聞いたところによると、あなた方が逆にまるっきり取りつく島のないような原則論ばかり言っておるものだから、結局中身の相談までできないというのがいままでの経過であるように聞いておる。だから本当に返還財産処理小委員会で朝霞や大和並みに事情を聞くというならば、それは当然もっと弾力的な考え方で対処することも可能なんです。どうです。少しおかしいじゃないですか。そもそも埼玉県ばかり二つも聞いて、沖繩を除けば国内で最高に問題の多い神奈川県を聞かないということは、はなはだ取り扱い上不均衡であると思うけれども、この辺でどうですか、こだわることはないので、いままでがんばったから相手にしないのだということではなくて……。キャンプ渕野辺初めあの周辺というのはこれからもいろいろ問題が多い。相模原だけでも相模補給廠、座間の米軍医療センター、さらに座間の米軍司令部、厚木飛行場、とにかく大口が続々後から出てくる可能性があるところですねどれについて一遍事情を聞かないという法はないと思う。聞くという約束はできませんか。
○吉岡(孝)政府委員 もちろんわれわれとしましても地元の御要望なりいわゆる陳情という形ではいつも受けているわけであります。それでこのキャンプ渕野辺跡地の利用計画につきまして、地元の具体的な要望といたしましては、まず神奈川県から、都市公園、それから高校を三校つくりたい、それから相模原市から、小中学校各一校をつくりたいという要望が出ておるわけであります。それで、いまわれわれが考えております三分割で行きましても、全体が六十六万平米でありますから、二十万平米以上の土地になるわけであります。それで当面緊急を要します小学校とか中学校、それから高校についても十分三分の一の面積の中で計画は立てられるわけであります。そういうことですから、われわれとしても十分全体の計画の範囲内に入りますので、具体的な話を詰めていく用意があるわけでありますが、何分地元の方で、六十六万平米全部を地元に使わせるのでなくては話に乗らないということでおられますので、どうもわれわれとしてそれ以上進めようがないという現状にあるわけです。
○河村分科員 それは地元から陳情に来て、大蔵省が例によって高圧的にけ飛ばせば、やはり門口で物別れになるのはあたりまえであるから、考え方としては、原則は原則として、まず緊急必要な学校の部分から問題を解決していくという方法だってあるでしょう。だからがんばることはないじゃないですか。聞いてみると、返還財産処理小委員会からの意見の聴取というものはまだ全くないそうですね。どうです。次長はいままでがんばってきたから言いにくいでしょうから、大蔵大臣に伺うまでに、まず理財局長からその姿勢に関して……。
○松川政府委員 国有財産返還小委員会につきまして原則的な考え方をお話し申し上げ、そして委員の方々から、現在残された大きな土地というのは国、国民全体にとっても非常に貴重な財産だから、そういったような処理の方法が適当じゃなかろうかという感触は私ども得ておるのでございますが、これは果たして実地にアプライするときにどういう問題があるかという問題が具体の問題として起こってまいります。 そこで、ただいま次長から二つのケースにつきましていろいろ地元の話を聞いておるということを申し上げましたが、これも審議会として正式に地元の意見を招致して聞いておるということではございませんで、私ども検討のプロセスにおいてどういう問題があるかということを検討しておる。そしてキャンプ渕野辺につきましても同様なプロセスをある段階でとることになろうと思いますが、ただいま私どもの手元に参っております地元の要望としては、県が六十一万八千平米使いたいとか、相模原市が四万二千平米使いたい。その中を見ますと、県が都市公園として五十一万六千平米を使うのだ、非常に大きいものを使うのだということで、その計画をいま持っておられてなかなか私どもとの話し合いになじまない。その原因が、ただいま先生御指摘のように私どもの方の受けとめ方にあるのかもしれませんが、私どもの方の側から申しますと、県としてもまたその辺は大乗的見地からお考えいただけないだろうか。それからまた、同じように人口急増地域でございましても、たまたま基地があって返還になったところは土地の確保ができますが、そうでない市町村はそれなりの自分の負担においていろいろな計画をやっておるわけでございます。私ども国の立場から行政をやっておりますと、そういったところとの権衡ということも全く忘れ去ることはできない。そういうことで、私どもの三分割という原則、これはぜひ御理解いただきたいのですが、その間まだ先生御指摘のように十分な意思の疎通がいっておるという段階にいっておりません。私どもとしてそういう段階を飛び越えて一気にわれわれの考え方を押しつけるというふうな考えは持っておりませんで、ある段階では県の方ももう一回考え直していただいて、自分の方の原案に固執されないで私どもの考え方を聞いてもらいたい。私どもの方もいろいろその相談のプロセスで地元の要望も伺ってまいりたい。たとえば特殊法人であすこにトラックの関係のものをつくろうかというお話がございましたが、これなんかもいろいろ非公式な話し合いの段階でそういうことはどうかなということで、だんだんそういう考え方も薄くなってきておるというようなこともございますし、私どもその話し合いの重要性というものの意義を忘れ去るものではございません。その点十分御理解いただきたいと思います。
○河村分科員 返還跡地があるから非常に有利だということも事実でしょう。だけれども、相模原市周辺というのは日本一の人口急増地帯です。相模原市のごときは十年前には十五万だった町が三十五万になってしまった。これも欲しくて三十五万になったのではなくて、結局国の土地政策が悪いものでスプロール現象がそういう状態になったわけでしょう。ですから学校の需要だって大変なことですよ。昭和六十年までに小学校が三十要る。相模原だけでなくてその周辺は皆同じですから、それらの地域の中学校や高等学校もまたそこを利用してつくらなければならぬ、そういう特殊な事情ですよね。基地があることによるいろいろな過去の被害とかなんとかということはもうよく御承知のことだから言いません。また、かつて例の戦車問題等の際に官房長官とある種の政治的な約束があったというような事情もあるし、そういう最もむずかしい条件を備えているのですから。 ですから、さっきあなたは決して公式に呼んだのではないというようなことを言っておられるが、公式であれ非公式であれ何でもよろしいから、とにかく少し弾力的な話ができるような形で一ぺんそういう返還財産処理小委員会のメンバーを含めてそういう機会をつくってください。どうですか。
○松川政府委員 私どもとしてはそのような機会を持ちたいと思っております。ただ、ただいま先生の御発言の中にありましたように、小委員会のメンバーの方に直接ということは私どもいまの段階では考えておりません。
○河村分科員 それはおかしいな。大和や朝霞については小委員会のメンバーも含めて話を聞いているのでしょう。そうじゃないのですか。
○松川政府委員 先ほど私、答弁の中でも申し上げましたとおり、ほかの二つのケースにつきましても、私どもが話し合いをいたしております。小委員会の方は出ておられません。
○河村分科員 委員会のメンバーに全然地元の話を聞かせないというのはそもそも間違いですよ。それは大蔵省で勝手に事情を聴取してこれでやってくださいと言って押しつけるだけのことじゃないですか。そもそも審議会をつくっておいて地元の実情を一ぺんも聞かないなんというそんなばかなことはないでしょう。そこから方針が間違っているのじゃないですか。大抵の審議会は公聴会その他みんなやるじゃないですか。
○吉岡(孝)政府委員 われわれがただいま開催しておりますのは、国有財産中央審議会の中に設けておられます返還財産処理小委員会であります。そこでは基本的な方針を一応検討していただくということになっておるわけであります。それで、具体的な個々の基地跡地の処理の問題になりますと、今度はこれを、関東地方審議会というのがあります、そこにかけられて最終的な方針が打ち出されるわけであります。ですから、地方審議会にはいろいろメンバーの中に地元の代表とかそういうものが入っておるわけであります。
○河村分科員 地元の代表を入れるとかなんとかいうことを言っておるのじゃない。小委員会でまず一応結論を出すのでしょう。本審議会はむしろ形式になるわけだ。それなら小委員会の段階で原則をつくるにしても地元の基地のある地域の実態を聞くというのはあたりまえでしょう。それをやらない方がおかしいのじゃないですか。
○吉岡(孝)政府委員 直接その地元の意向を小委員会の先生方に聞いていただくという形はとっておりませんが、いろいろ各地元の要望なり陳情、それからわれわれのいま提案しております三分創案について、先ほど申し上げました朝霞なり大和基地跡地周辺の関係住民がどういう意向を示しておるかということは、われわれの方から小委員会にいろいろ御説明申し上げておるわけであります。
○河村分科員 なぜそうこだわるのだろう。なぜ直接聞かせてはいけないの。大蔵省で一ぺん消化して、都合の悪いところは消して都合のいいところだけその委員会に報告する、そういう魂胆としか思われないじゃないですか。それを間でもって遮断するという理由は何もないでしょう。おやりになったらいかがです。
○吉岡(孝)政府委員 われわれとしては、従来からのそういった審議会の運営、それぞれ具体的な地方の国有地の処分をやっておるわけでありますが、その際も、先ほど申しましたように、地方審議会には地元の市町村長なりそれから関係の県知事さんが出てきておられますので、そういう場を通じて地元の意向を聞いていくという仕組みでやっておるわけでありまして、直接地元の代表を中央審議会の小委員会に呼ぶという方法は考えておらないわけであります。
○松川政府委員 現在までの処理といたしまして、この土地の問題は非常に利害関係が錯綜いたしております。その意味で、あるいは直接に地元の御意向を審議会のメンバーの方々に聞いていただく方がベターなのかもしれませんけれども、また場合によっては、それがかえって事柄の判断を書非常にむずかしくすることもあろうかという考えで、私どもは公正な立場に立ちまして、私ども事務局が地元の御意見を全部承りましたときに、都合のいいところだけ伝えて都合の悪いところは伏せるとか、そういうようなことは一切ございませんで、率直に、またそしてその重点も明らかになるようにして、委員の方々に資料をお示しして、御判断を仰いでおる次第でございます。 それが、しからば地元の利害を全く無視することになるかと申しますと、それは中央審議会で方針は立てますが、その現実の適用は関東の地方審議会で行われますので、そこで具体の問題としての地方の御要望は十分反映されるように御討議いただくというたてまえになっておりますので、現在の段階で、この中央審議会の小委員会に地元の方々の御意見を直接御披露するような機会をつくった方がいいかということになりますと、私どもはいささか消極的に考えております。
○河村分科員 一時間とっておけばよかったのを三十分にしたものだから、時間がなくなってしまったんですけれども、それじゃそれを議論している暇はないから、とりあえず、とにかく朝霞や大和並みに一遍具体的な話を聞くという機会をつくる、そこまではいいですね。
○松川政府委員 事務的にそのような手続を踏みたいと思っております。
○河村分科員 せっかく外務省から来ていただいて、あと基地問題を聞く機会がなくなってしまったので、一つだけ具体的な問題というか、一般論ですけれども、あの辺の基地、厚木の飛行場にしても、座間の陸軍基地にしても、町の本当の住宅地帯の中に広大な地域を持っているわけですが、特にゴルフ場なんか持っているんだな。ゴルフ場と基地とは、あれは関係はないですね。ああいうものが、非常に僻陬の地で、広い場所があるところならよろしいけれども、ああいうものを残しておくというのは、日米友好関係そのものを阻害する原因になるものですよ。 だから、あなた方、関東計画でいろいろ基地の整理、縮小をおやりになっておる、そういう際に、そうした問題にまで触れて、それでむだのない土地の使い方、それは住む環境が非常に悪くてはいけないでしょうけれども、何も一々ゴルフ場まで持つ基地をつくらなければならぬとはどう考えても考えられない。その点まで触れて進めておられるか、また今後やる気があるかどうか、それを最後に伺います。
○山崎政府委員 相模原市域に所在します米軍基地は、すでにキャンプ渕野辺は返還を見たわけでございますけれども、それ以外には御承知のとおりアメリカの陸軍の医療センター、それから相模の総合補給廠、三番目にキャンプ座間、四番目に相模原の住宅地区がございます。 このうちわれわれとしましては、確かにこの辺は大分住宅がふえてまいっており、できるだけ返還を進めたいと考えておるわけでございますが、その第一の問題として、米陸軍の医療センターを返してもらう話をしておったわけでございますが、これは昭和四十八年一月の第十四回日米安保協議委員会で、この移転ないし整理の可能性に関して、今後とも協議を継続するということになったわけでございまして、その後、同じ年の十月にアメリカ側から代替施設の建設を条件に、返還に応ずる旨の意思表明がございまして、現在、防衛施設庁におきまして、アメリカ側と代替施設の範囲について協議中であると承知しております。 ただ、そのほかの施設、つまり相模総合補給廠とかキャンプ座間及び相模原の住宅地区につきましては、まだ返還の見通しは立っておりません。 なお、ゴルフ場などは必要かというお話でございますが、キャンプ座間は、そこに米陸軍の司令部もあるところでございまして、ゴルフ場だけではなく、いろいろな陸軍関係の施設があるわけでございます。また米軍として、米軍関係者のレクリエーションといいますか、そういうものとして、この程度の施設を持つということは、ある程度理解してやる必要はあるかと思います。ただ、彼らとして不要となったものはできるだけ返させるように、今後も努力してまいりたいと思います。
○河村分科員 たとえばキャンプ座間にしても、全部集めても千人でしょう。その中にゴルフやるのは何人いるかわからぬけれども、仮に半分としても五百人くらいの人間が、三十万坪のゴルフ場を占拠をして悠々とやっておるというのは、これは住民感情としてはそれはいい感じを持つわけないでしょう。あなた方、本当に日米関係というものを大事にするなら、そういうところは遠慮なく、一体こんなものを持っていたら結局反米感情のもとになるんだ、ゴルフ場は近所にだってあるんだから、そういうところでやったらいいじゃないかというくらいのことを言えないようでは、私は、日米対等でもないし、本当の日米関係というものはできない。そのくらいのつもりでやる意思はありませんか。
○山崎政府委員 米陸軍に勤務する要員が最近減ってまいったということは御指摘のとおりでございまして、その要員の数から見てあれだけの施設を維持していく必要があるかどうかということについては、われわれとしては検討を加えたいと存じます。
○河村分科員 どうも時間切れで、それ以上聞けないのは大変残念ですけれども、これは私はやるべきことだと思うのですよ、アメリカのためになるんだから。 それを最後に注文をして、終わります。
○上村主査 塚本三郎君。
○塚本分科員 時間がございませんから、簡単に。 大蔵大臣と理財局長に御質問申し上げます。 今度の予算の中で大量に国債の発行が予定されております。このことにつきましての是非は、また特別の法律案が出されたときに、質疑が繰り返されることだと思います。この際、予算通過に際しまして、御注文申し上げておきたいと思います。 といいますのは、これが出されることによって、またインフレが助長される、せっかく鎮静しかけたところに逆の方向に行く危険性をみんな感じております。したがって、今度発行される国債は、ぜひ重点を国民みずからが市中で消化できるように。相当に消化する用意が国民の中にはできておるということは幸いだと存じます。したがって、この市中消化につきまして、たとえば聞くところによりますと、銀行やあるいはまた証券会社等で消化させると――それなりにかつては実績を上げてきたようでございますけれども、たとえば銀行で消化させますと、逆におれたちに貸してくださる金がそれだけ減らされるのではないか、中小企業の諸君は、政府が持っていってしまってわれわれ中小企業に貸し付ける金がなくなってしまう、こういう心配が非常に動揺となってきております。あるいは証券会社に消化させると、ついでに実は株を買わされる。といいますのは、いま市中ではある程度小金を持っておる諸君は、あの八分二厘何がしという利息については相当に魅力を持っておるようでございます。それだけ実は銀行が預金に対して貸し付けと比べて非常に冷淡な利息で預かっておるということであろうと思います。したがって、直接に今度の国債を国民が欲しがっておる。ところが、証券会社からこれを買いますと、逆に株を買えと言ってくる。かつてもそうであったようでございます。悪い、いわゆる投機的な気分に国民を誘い込んでしまうという弊害が伴ってくる。証券が投機だとは言いませんけれども、現実に株屋さんの勧めておるやり方は、投資ではなくて投機に走っております。したがって、せっかく国民が、ところによってはある程度余裕金を持っておりますので、これを直接に国民が消化するために、たとえば郵便局のようなところで国民が直接国債が買い得るよう、そういう形にすればスムーズに消化されていく、相当にそういうことが見込まれると思いますし、悪い弊害が除去されると思います。したがって、そういうことを具体的にお考えいただきたいと要望するわけですが、いかがでしょう。大臣と局長と両方から――。
○松川政府委員 今回の大量の国債を発行するに当たりまして、私ども、ただいま先生御指摘のように、インフレとの関連その他いろいろの関係がございますので、市中消化の原則はぜひ守ってまいりたいと考えております。そしてその間、御指摘のような、あるいは中小企業金融の方にしわ寄せが起こることのないように、この辺は日本銀行とも十分連絡をとり、そしてまた私どもの銀行局を通じましていろいろ監督指導しながら進めてまいりたいと思っております。 そこで、御指摘の、証券会社に行きましたときにいろいろな問題のあるような勧誘態度があるという点でございますが、この点につきましては、私が再三大蔵委員会でも御説明申し上げましたが、市中消化というのは、やはり個人がある程度資産がたまってまいりまして、たとえば今度の入学のための金が要るとか、そういう流動性選好の貯金からだんだん利回り選好、より金利の高いもので利殖をしていくという利回り選好の金融資産になり、それが十分たまったところで、今度はキャピタルゲインなり何なり、そういったものをねらう、そういう個人の資産の保有形態が望ましいので、この国債は利回り選好の金融資産を保有する形としてぜひお勧めし、そしてこれを国民に定着させたいという基本的な考え方で指導してまいっております。この点につきましては証券会社の幹部も大賛成でございまして、先生も御案内のとおり、昨年の十一月ごろ、ボーナスを目当てに私どもが国債のキャンペーンをいたしましたときには、証券会社もそれぞれ自分の計算において積極的にこのキャンペーンに協力してくれました。最近国債の個人消化が非常に進んでおりますのも、こういったキャンペーンの効果であろうと思います。 ただ、証券会社も数多い外交員を使っておりまして、その末端にはただいま先生御指摘のような事例が間々なしとしないという話は私どもも耳にはさんでおります。この点は機会がありますごとに証券会社の幹部にも十分注意を喚起し、また私どもの証券局も通じまして、このことはPRいたしまして、いたずらにこの国債をきっかけに投機的な資産運用を国民に勧めるようなことのないように、十分注意してまいりたいと思っております。 最後に郵便局の窓口を通ずる販売でございますが、これは戦争中にも経験があり、そしてまた戦後間もないころ、二十七、八年のころですが、このときにも経験がございました。戦争中は国民総動員的な考え方が背景にございましたから、それなりの成果は上げました。しかしながら、戦後やりましたときには、どうもうまくいきませんで、予定しておりました量の何分の一かしか郵便局の窓口ではさばけなかったという実績がございます。これは一つには、ただいま郵便局を通ずる資産運用の形に定額貯金というのがございます。定額貯金をいたしますと、郵便局の方でもそれなりの手数料がもらえる、また国債を売れば国債なりの手数料がもらえる、郵便局のサイドとしてもそういう問題がございます。それからそれを預託に行く国民の側から言いますと、郵便貯金の限度額いっぱいになった方は別でございますけれども、その限度額いっぱいになるような資産をまだ持っておられない国民の方は、どちらかというと中途でも解約できる定額貯金の方をお好みになるということで、なかなかこの郵便局の窓口を通じても、そこへ来たお客さんに必ず国債の方もぜひ強力に勧めてくださいということを私どもが郵便局の方々にお願いしても、それだけの所期の効果が上がるかどうか、いささか疑問に思っております。そしてまた反面、郵便貯金の形を通じて集まってきましたものは、これは運用部を通じまして国債の保有に充てるとか、あるいは国債が果たしている役割りと似たような目的に使われておりますので、これはこれなりのお金としての生きた使い方があるわけでございますから、現在の段階でいきなり郵便局に国債を売らして、そしてこれによって市中消化をもっとふやそうではないかという考え方はとれないのじゃなかろうか、このように考えております。
○大平国務大臣 公債の市中消化につきましては、いま理財局長からお答えいたしましたとおり、現に市中消化をもって完全消化を図っていく方針に変わりはございませんし、またそれは可能であると私ども考えております。 公債が発行されることによって、市中金融、産業金融が圧迫されるのではないかという懸念でございますが、そういう心配はないと思います。中央、地方を通じまして出てまいりまする財政資金は、それぞれ金融機関を通じてまた市中に還流されるわけでございまするので、それが金融なんでございますので、私どもそのために市中金融が圧迫されることはないと思いますが、そういうことのないように政府としても万般の注意は怠らないようにいたしたいと考えております。 それから現在の仕組みで、ともかく月に五千億とか六千億とかいうような国債の消化が、今日大きな支障なく行われておるわけでございまするので、公債の売買につきまして特別の工夫をするさしあたっての必要は私はないと考えております。郵便貯金を通じての公債の販売にいたしましても、先ほど局長からもお話がありましたように、郵便貯金は日本における蓄積といたしましては、それ自体が一つの国債を買っておるようなものでございますので、郵便貯金として集められたものが運用部を通じて国債に投資されるという従来のやり方でもって、十分いま国債の消化が可能になっておりまするので、特にそういう工夫をいまこらさなければ公債の消化に不便を感ずるということではないというように御承知を賜りたいと思います。
○塚本分科員 意見だけ申し上げておきます。私どもは公債の発行の消化が不可能だからこういうふうにせよというのではなくして、国民は欲しがっておる、今度の場合はいままでと違っているんだという立場に立って、そうしていままでのやつでは実は弊害が伴っておるから、今度の場合は郵便局などでやれば弊害が伴わずにいくということの意見だけ申し上げておきます。時間がありませんから。
○上村主査 これにて塚本三郎君の質疑は終わりました。 ―――――――――――――
○上村主査 次に、文部省所管について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。受田新吉君。
○受田分科員 文部大臣、国立学校設置法一部改正が提案されてあります。これでちょっと私気にかかることなんですが、その審査がまだ始まっていないわけなんで、この中には、福島大学の大学院、埼玉大学の理工学部の分離、岡山大学の薬学部を医学部から分離する問題等、非常に急ぐ提案がされているのですが、これは一体新学年を始めるタイムリミット、つまりぎりぎり国会でいつまでにこれが通ればやれるという自信があるのか、お示しを願いたいのです。
○佐野(文)政府委員 現在御審議をお願いいたしております国立学校設置法の一部改正案は、御指摘のとおり、本年四月から開設を予定しております大学院なりあるいは学部の創設等を内容とするものでございます。したがいまして、これらの開設が通常の新学期開始時期から大幅におくれますことは、受験生等に対しましても心理的な不安あるいは動揺を与えますし、また、今後の教育課程の編成の上におきましても非常に支障を来すことが懸念されるわけでございます。また、四月一日につくるものに限らずに、十月に創設をするものにつきましても、できるだけ早く法的措置を講じて、その準備に遺憾なきを期する必要がございます。そういう意味で、私どもとしては、一日も早い御審議と御賛成を心からお願いをいたしておるものでございます。
○受田分科員 一日も早くといって、新しい学年を始めるのにいつから始めればぎりぎり間に合うと見られるか、それによって法案の審査に配慮があるわけです。
○佐野(文)政府委員 これらの設置法の改正案にかかっております事案につきましては、暫定予算には所要の経費が計上してございません。本予算から関係の経費が計上してございます。したがいまして、本予算成立と同時に学生の受け入れが可能となりますようにいたしますためには、やはり暫定予算の期間中に入試等の事務を取り進めておきたいと考えております。そういうことを考えますと、暫定期間中のできるだけ早い時期に法案の成立が望ましいというふうに考えるわけでございます。
○受田分科員 文部大臣、私が非常に懸念していることは、昨年の国会で通りました私立学校振興助成法、あの経常費の二分の一以内というこの言葉が大変気にかかる事態が起こっているわけです。ことしの大学入試で私立各大学は、大臣の御指導もあったわけでございますが、入学納付金等について特別の配慮をして、掛け捨てになるべくならないようにという配慮がされてきた。しかし、現実に各私立大学を受ける者は、四十四万平均の入学金関係諸納付金を納めているわけです。貧しい家庭にとっては大変な負担なんです。 この問題は、せっかく指導された文部大臣、ことしの現状を見て、いまの時点、ちょうど終わった時点でどう御判断されるか。
○永井国務大臣 私どもは、ただいま受田議員の御指摘になりましたように、他の学校に移ります人たちについて納付金を取らないということについては、これは昨年の九月の文部省からの各大学への要望によって実現いたしましたが、御指摘のように、引き続き私立学校の授業料は非常に高いということは憂慮すべきことと思っております。そこで、われわれとして私立学校振興助成法の精神に基づきまして全力を挙げるということで臨んでまいったわけでございます。にもかかわらず、やはり現在の経済状況の中で非常に苦しいということでありますが、高等学校以下につきましては対前年度比で一二五%増でございました。ただ大学につきましては二八%増ということで、両方寄せますというと、金額といたしましては一千四百七十億円という金額を私立学校助成のために計上することができたわけでございます。私どもは、それはできるならばさらに私立学校の現状というものを補助することがあればよろしいと考えておりますが、現在の日本の財政状況のもとでは、とにかく私たちとして全力を挙げたにもかかわらず、ここまでしか達成することができなかった。しかし、こういう方向を維持して漸次よい方向に向けていかなければならない、かように考えている次第でございます。
○受田分科員 時間が二時までとなっておりますので、私、ポイントだけお尋ねして、大臣、簡潔にお答えいただきましょう。 私立学校に、私立大学に限定してみましても、国立の四倍以上の学生を日本の私立大学は擁しておる。国民の大学教育を受ける私学と国学との比率が四対一という、それよりも大きいかもしれないというこの比率は、日本国民の大学教育を私立大学が大半受け持っておるというこの現状。それを無視して一部の国立に対する助成の方が大きくて、今度でも半年分の授業料の引き上げをとめる、それからまた授業料の免除をする。国立大学は一割は授業料を免除する。育英資金については、私立大学は国立大学の学生の五分の一以下しか恩典に浴していないのです。これは定員増の分を外しておるということがありましても、国立の五分の一程度しか育英資金の恩恵にも浴しないなどということは、これは非常にアンバランスなんです。したがって、むしろ貧しい家庭が私立学校に学んでおるという事例の多い世の中で、文部省としては、日本国民の大学教育の八割も私学が負担しておることを前提に置いて、そこに学ぶ学生の方から見たら、父兄が大変困難をしておる経済事情から見て、ことしの入学金の問題を見ても、まだ平均四十四万も負担しているというような状態を見るときに、この際、育英資金を支給する比率を国立と私立とバランスをとるようにする問題が一つ。それから私立大学に学ぶ学生に、育英事業のほかに、できるだけ学費を貸与する制度でも設けて、卒業してこれを返すというふうな状況を生み出すように配慮する問題。少なくとも国立と私立とのバランスをとるような配慮をして、日本の大学教育を、どうかひとつ私学自身にしわ寄せしているこの負担増を軽減する措置をとるべきだ。去年出たあの法案の「二分の一以内」を早く経常費の二分の一にするなどを含めて御答弁を願いたいのです。 時間が来たようですので、その答弁で終わりにします。
○永井国務大臣 基本的な精神は全く先生の御指摘のとおりです。私は基本的な精神において完全に同意をいたします。 問題は、それをどうして実現していくかということでございますが、育英資金につきましては、昨年度についても国立の方の数はふやさず私立の方をふやすという方向でまいりましたが、やはりこういうことを進めていく必要がある。 さらに貸与制度は、これも十億円でございますが、昨年度も考えましたが、本年度も引き続き考えていく、そういうことで、でき得る限り先生がおっしゃったような理想に向かって日本の高等教育を国公私全体というふうに考えまして、そうしてバランスのとれた施策の実現を図らなければいけない、かように考えております。
○受田分科員 貸与制度は……。
○永井国務大臣 貸与制度は、ただいま申し上げましたように始めましたが、本年度も引き続きこれを続けていく考えでございます。
○受田分科員 いま私がお尋ねしていることは、私立大学に学ぶ学生の負担、父兄の負担は大変なんです。何人も子を抱えて、二人も抱えたら、入学金で家計はもうやりくり算段むずかしくなるような状態ですから、卒業して支払いができるような育英資金にかわる貸与制度を創設してはどうか、それをもっと多数の人が恩典に浴されるような道を開くべきだということをいま私は提案をしているわけなんです。
○佐野(文)政府委員 現在、私立大学が奨学事業としてその学校の学生に奨学金を貸与いたします場合に、国の方からその原資を融資する、さらにその利子補給をするというような制度を実施いたしております。ただ、残念ながら実施の状況が必ずしも融資枠いっぱいまでいかなくて、なお不十分な状況にとどまっているという点がございます。これもまだ発足をいたしましてから日が浅いということもございますので、できるだけ私大の関係者に対してPRを行いまして、この制度の趣旨が実現ができるように努力をいたしたいと思います。
○受田分科員 私がお尋ねしているのは、いまの制度そのものは焼け石に水なんです。大量の学生に対する愛情としては、資金枠を広げた本質的な制度を設けろという注文でございますが、時間が重なるとぐあいが悪いそうですから、これで残念ですが、十分で終わります。
○上村主査 これにて受田新吉君の質疑は終わりました。 次に松永光君。
○松永分科員 私は、まず主任制度についてお尋ねをいたしたいと思います。 大臣も御承知のように、日本では国民全体が教育に対して非常に強い関心を寄せておるわけです。ところが、小学校、中学校、高等学校、大学も含めまして、学校教育というものが、父兄、国民の期待に十分にこたえておるかというと、残念ながらこたえているとは言いがたい。父兄の中には、学校の先生が子供の教育よりは組合運動に大変な熱を入れているという先生が余りにも多い、あるいは積極的に子供の教育活動に意欲を燃やして教師としての仕事をしてくださる先生が余り多くない、惰性で子供の前に立っているにしかすぎないという先生が余りにも多い、こういう父兄の批判、これは率直な意味で学校教育不信の声だと思うのでございます。 今度の主任の制度化というものは、そういう学校教育に対する父兄の不信の声を払拭しよう、そのために学校教育の現場が秩序正しく、そして生き生きとした積極的な教育活動がなされる場にしたい、そういう目的で主任の制度化というのをやられることになった、こういうふうに理解するのでございますが、それでよろしゅうございますか。
○永井国務大臣 ただいま松永分科員御指摘どおりの趣旨によりまして、主任という制度を設けることによって、新任の先生方が学校に着任された後にもさらに勉強を続けて、よい教育をしていく、そういう上で専門的に、いわば先輩として仕事をしてきたそういう人たちが主任になりますから、そういう主任の意見なども聞き、いわゆる教育指導というものを強化することによりまして、わが国の学校教育の内容を高め、いまもりっぱな先生がいらっしゃいますけれども、さらに、そういう先生方を中心にすべての先生が高められて、父母の期待にこたえようとするものでございます。
○松永分科員 ところが、主任の制度化というものがなされたところもあるらしいのですけれども、依然として現在の時点ではなされていないというところもまだ相当にあるやに聞いております。 この主任の制度化の問題は、大臣も御承知のように、三、四年前から全国のすべての教育長、教育委員長、それから学校の校長会、教頭会、とにかく全国の教育関係者が一致して主任の制度化というのを要求しておったわけでございます。 〔主査退席、三塚主査代理着席〕 その要求を取り入れて今度主任の制度化に踏み切ったところ、全国でさっとなされるかというとなかなかなされない。これはどうしてそうなったのか、私は理解に苦しむわけでございます。特に文部省令が施行されたのでありますから、法令の規定に基づいて、各都道府県の教育委員会においては速やかに主任の制度化を実施するというのが当然のことでありまして、それができないというのは何としても道理が通らぬわけでございます。しかも、主任の制度化がおくれている、あるいはできないということが一部の教員組合の圧力とか、そういったもので制度化がおくれている、実施できないということがあるとするならば、これはゆゆしい事態じゃなかろうか、こう思うのでありまして、大臣に、現在主任の制度化がなされてない、実施してない府県はどことどことどこで、それはいつごろ実施されるのか、また、実施がおくれておる本当の理由は何なのか、その三点をお尋ねいたしたい。
○永井国務大臣 現状におきまして主任制度が実現いたしましたところは三十の県でございます。したがいまして、ほかに十七の場所が残っているわけでございますが、必要でございましたらその十七の名前を申し上げますけれども、時間がかかりますから、むしろ問題点を申し上げます。 確かに教職員組合の阻止ということのためにおくれているところがありまして、これは遺憾であります。したがいまして、文部省としては、あとの残りました十七の場所につきましても、これが速やかに実現するように全力を挙げているわけでございます。 ただ、それ以外に多少今回の主任制度化がおくれている理由といたしまして一、二のものを挙げますと、一つは地方財政の問題がございます。一応はこの条例の問題とそれから主任の制度化は別個のことではございますけれども、しかしながら、やはり関連を持っておりますので、そうした意味合いにおいて教育委員会が知事部局とも話し合うべき事柄であり、そうしたことのために若干地方財政の事情によってこれがおくれているという面も否定できないように考えております。しかし、これは別でありますから、実現してほしいというふうに進めております。 もう一つは、この主任制度を実現するに当たりまして、県の教育委員会が県の中にございます市町村の教育委員会と十分に調整するという仕事がございまして、それが必ずしも常に速やかに進まないという事態も含まれておりますが、これについてもわれわれの方として各都道府県の教育委員会に対しましてそうした調整というものを進めて速やかに実現していただきたいというふうに申しておりますので、現状三十県でございますが、逐次これが増加していくということを期待している状況でございます。
○松永分科員 先ほど大臣の答弁の中で、教員組合の反対運動のためにおくれているところがある、はなはだ遺憾だ、こうおっしゃいましたが、そこはどこなんですか。
○永井国務大臣 これは各都道府県の別がございますから、教職員組合はいろいろのところにいろいろな形でございますから、阻止運動の強弱がございます。したがいまして、一概に言えないわけでございますが、必要でございましたら、その十七の残ったところで多かれ少なかれやはり阻止運動があるので、それについて初中局長がおりますから、どういう場所か申し上げることはできます。しかし、それも強弱がございますから、そういうことも十分にわれわれとして考えまして、そもそも阻止運動ということが遺憾なのでありますから、そういうことのないように運んでいかなければならない、かような線で教育委員会並びに教育長その他の担当の方々に対して、この制度の趣旨というものを十分県の教育界において理解してもらって実現してほしいということを私どもとして繰り返し指導、助言いたしている次第でございます。
○松永分科員 そうすると、いまだに実施がなされていない十七都道府県は多かれ少なかれ教員組合の阻止運動の影響を受けている、特に組合勢力の非常に強いところは教員組合の阻止運動、そのことが主たる理由、原因となって主任の制度化実施がおくれておるというふうに理解をいたしましてよろしゅうございますか。
○永井国務大臣 教員組合の阻止運動が一つの要因であるというふうに申し上げた方が正確であると思いますのは、先ほど申し上げましたように、他の要因との絡み合いというものがあるのが現状でございます。
○松永分科員 次に、質問事項を移しまして、社会教育関係についてお尋ねをいたします。 文部省では数年前から生涯教育という立場から社会教育を重視をされましていろいろな努力をしてこられた、私たちは十分にその努力を評価するものでございます。特に社会教育の地域社会における拠点ともいうべき公民館などの建設に大変な努力をしてこられた、あるいは少年自然の家とか青年の家とか、そういった社会教育施設の整備充実に非常な努力をしてこられたのでありますが、昨今の地方財政の窮迫の影響等もあって地方の負担が余りにも大きいものですから、せっかく文部省の方で社会教育施設を整備すべく補助のための予算を獲得しても地元がその負担にたえられぬものだから、文部省の方で努力して確保された社会教育施設整備費の補助金が使い切れずに余っておるというふうな現象が出てきておるということも聞くのでございますが、その点どうなのですか。この社会教育施設の整備費補助金の執行状況、これについてお尋ねいたします。
○吉里政府委員 お答えいたします。 御案内のように、五十年度の社会教育施設の整備費補助金は、総額で八十八億円以上でございます。御指摘のように、地方財政がとみに悪くなった関係もございまして、残念ながら青年の家あるいは少年自然の家あるいは図書館というようなものは、熱意はございますけれども、繰り延べをせざるを得ないような県が出てまいっていることも事実でございます。ただ、公民館につきましては大変な熱意がございまして、状態は同じではございますけれども、事業には着手をいたしまして、ただ完成をおくらせる、要するに継続工事にするという形になっているのが現状でございます。したがいまして、その関係につきましては全額五十一年度に繰り越すという形で消化をいたすつもりでおります。
○松永分科員 いま局長が言われたような現象が五十年度の社会教育施設の整備の関係で出てきておるわけですが、五十一年度も五十年度と同様に地方財政が非常に苦しいという状況が実はあるわけですね。そういった状況を踏まえて五十一年度の社会教育施設整備費補助金はどのような配慮をされたのか、その点についてお尋ねをいたします。
○吉里政府委員 ただいま申し上げましたように、五十年度で着手をいたしたものを全部五十一年度に引き継ぐと同時に、このような状況は、地方財政の悪化はもちろん原因でございますけれども、ある意味での補助単価が低いというようなことも影響しておるという認識をいたしまして、たとえば少年自然の家につきましては八千万を一億に引き上げる、公民館につきましては千六百万を二千万に引き上げる、こういう形で五十一年度の予算を編成いたしました。 現在の状況といたしましては、この単価の引き上げと、それから各県の熱意によりまして、恐らく五十一年度分につきましては、いまからヒヤリングをいたしますけれども、足りないぐらいの予定になるのではないかと思っております。ただ、情勢がどう出てくるかは、いまからの検討を十分して、できるだけの府県に対する助成をしていくというつもりでおります。
○松永分科員 次に、文化財関係についてお尋ねをいたします。 昨年、衆議院文教委員会の提案で、文化財保護法の大幅な改正が実現を見たわけでありますが、そして昨年の十月から新しい文化財保護法が施行されたわけですが、五十一年度の予算というものは新しい文化財保護法施行後初年度の予算ということになるわけでありまして、この五十一年度の予算においては文化財保護関係の予算はどのようになっており、また、どういう方向でこの文化財保護の行政に取り組もうとしておられるのか、そこらの点をひとつお尋ねいたしたい。
○安嶋政府委員 ただいま御指摘がございましたように、昨年、議員立法によりまして文化財保護法の大幅な改正が行われたわけでございますが、それに基づきまして、文化財保護関係の予算全体につきまして、前年度百五十八億円を本年度百七十四億円余と約一〇%の増額を図ったわけでございますが、特に保護法の改正に関連する部分につきましては、保護法改正の趣旨に従いまして大幅な増額を図っておるわけでございます。 具体的に申しますと、第一は民俗文化財の保護の関係でございますが、新たに重要無形民俗文化財の保存につきまして団体補助の経費を計上する、また民俗芸能の調査研究団体に対する補助を計上するといったような方法によりまして、民俗文化財の保護の充実を図っておりまして、具体的には、先般文化財保護審議会の御審議を経まして、早池峰神楽初め三十件につきまして、最初の民俗文化財の指定を行う手続を進めておるところでございます。 第二といたしましては、埋蔵文化財の保護の関係でございますが、緊急調査費の補助を四億七千百万円から八億六千百万円というふうに約倍増いたしております。最近、開発の進行に伴いまして埋蔵文化財の関係に問題が非常に多うございますので、緊急調査をこうした形で進めたいということでございます。ほかに遺跡の周知徹底を図るための補助なども計上いたしております。 第三番目に、伝統的な建造物群の保存地区の設定並びにその地区の保存の問題でございますが、従来は御承知のとおり、建造物の保護は単体の保護、建造物一つだけの保護ということでございましたが、先般の法改正によりまして、いわゆる町並みと申しますか、建造物の群が保存されるという制度が設けられたわけでございます。そのことに関連をいたしまして、市町村が保護を決定いたしました地区につきまして、国がその保存につきまして選定の措置をとる、選定の措置をとりましたものに対して保存、修理あるいは防災の関係の施設費を補助するというような措置のため必要な補助金を新たに計上いたしております。現在、京都市でございますとか山口県の萩市でございますとか、その他数カ町村におきましてこのための手続が進行いたしておりますが、そうした手続の完結を待ちまして、文化庁といたしましても選定等の作業を進めたいというふうに考えております。 それから、文化財の保存技術の保護でございますが、文化財を保存いたしますためには、その保存のための技術をさらに保護するということが必要なわけでございまして、たとえば、甲冑の修理のための補助でございますとか、あるいは仏像の修理のための補助でございますとか、そうした関係の予算を新規に計上しあるいは増額をするというような措置を講じておるのでございます。
○松永分科員 最後に、私立の医科大学、歯科大学の寄付金問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 これはもう数年前から、毎年入学試験シーズンになりますと、私立の医科大学、私立の歯科大学の入学に関連する寄付金の問題が大きな社会問題になっておるわけでございます。しかも、寄付金の額が年々多くなってきておる、こういうふうに聞いております。私は真相は知りませんけれども、いろいろな人の話を聞きますと、慶応大学その他幾つかの大学ではそういったことはない、額は少し違うにしても、国立大学とほとんど同じような形の入学試験、入学手続がなされているようでございますが、しかし、それ以外の私立の医科大学や歯科大学は、入学定員をたとえば百名とすれば、二十人か三十人ぐらいは成績のいいのから採る。しかし、残りはみんな数千万の入学金が要るのだとか、あるいは入学試験の点数が悪ければ寄付金の額が多くなる、よければ寄付金の額が少なくて済む、こういうような操作などもなされて、本当に一生懸命勉強していい点をとった人で、その成績に基づいて入るのは、百人の入学定員の中で二十名、三十名、たかだか数十名で、半分以上が寄付金を出さなければいかぬのだ、こういったことを言う人がおります。言う人がおるだけではなくして、常識みたいな感じすらしてきているように思われてならない。これは非常に重要な問題だと思うのです。 お医者さんというのは、人間の健康を守る、生命を守る、非常に大切な仕事なんですが、その仕事につく人が、実際は余り勉強もしていない、頭もよくない、しかし寄付金のおかげで入って、そして国家試験を受けて医者になるわけでありますから、多少のチェックはなされるかもしれませんけれども、いま言ったようなことが事実とすれば、医者になる能力、そういったものが十分備わっていないのに私立の医科大学、歯科大学等に行って、そして結果的には世の中に出てお医者さんになる。そんなお医者さんが多くなれば、健康を守るどころかむしろ健康を害する、生命を守るどころかむしろ生命を損なう、そういった医者になる危険性が非常にあるような感じすらいたしまして、ゆゆしい問題だ、こう思うのでございます。 もちろん、この問題について文部省でもいろいろな検討もされ、あるいは予算をとって何かしようかということの努力もかつてございましたね。これは非常にむずかしい問題だと思うのでございますが、しかし、このまま放置しておくということは、とてもじゃないが許されることじゃない、こう思うわけでございまして、この私立医科大学、歯科大学の入学に伴う寄付金の問題、あるいはある部分は、先ほど申したようないきさつで、合格のための寄付金の問題もあるかもしれません。そういった問題について、大臣としてはどう対処されようとなさるのか。非常な社会問題にもなりかかっているぐらいでございますから、大臣の所信をひとつ率直に承っておきたいのです。
○永井国務大臣 ただいま御指摘のように、私立医歯科大学の入学時寄付金が非常な多額になっているということは、大変な弊害を生じていると考えます。教育の機会均等という角度から申しましても、また、わが国の医療の確保という点から申しましても、非常に多額の寄付金を納める人たちだけに限定された入学というものがふえることは望ましくない。そこで、われわれとしてこの問題に対してどうするかということでありますが、三つの角度から対処をしていきたい。 まず第一には、これから私立の医歯科大学あるいは学部をつくるというような場合に、大体におきましては、もう私立は特別の事情なき限り今後五カ年間新増設をしないわけでありますが、しかし、仮にそういうことがあります場合にも、寄付金を財源として学校をつくるとか学部を拡張するということが絶対にないように指導する。また、現在寄付金をとっているところに対しては自粛を呼びかける、これが一つの角度でございます。 もう一つは、私学振興のための助成を行っておりますが、その場合に、文科系の学生あるいは理工系の学生、それから医歯系の学生というものを分けまして、医歯系の学生につきましては、普通の大学では学生一人当たり六万円でありますところを、医歯系では一人当たり六十四万七千円、これだけの助成を行いまして、学校が寄付金なしでも賄っていける方向、これが第二でございます。 しかし、第三はより重要であると考えておりますが、終局的にはわが国において十万人の人口に百五十人のお医者様ができてくるということであれば、いわゆる文明諸国並みの医療を確保できるわけでありますから、その目標に向けまして、今後は私立医科大学の新設というものを抑制する、そして国立、公立の医科大学ないしは医学部、これの整備を進めていくということでございまして、御案内のように、昭和四十八年、四十九年そして五十年もそうして進んでまいりましたが、五十一年度につきましても、高知、佐賀、大分、この三つの場所に医科大学を、また徳島には歯学部をつくるという方向で、こうした国公立の大学を強化して、わが国の医療制度を完成するための教育を充実する、これによって現状見られるがごときものを一掃するという考えでいるわけでございます。
○松永分科員 わかりました。
○三塚主査代理 これにて松永光君の質疑は終わりました。 次に山崎拓君。
○山崎(拓)分科員 私は、主として私学振興についてきょうはお伺いしたいのでございますが、その前に、初中局長に一問だけお伺いさしていただきたいと思います。 ことしは学習指導要領の十年に一度の改定期に当たっているそうでございますが、その機会にぜひお取り上げをいただきたい点がございます。それはLPガスの保安の確保に関する学校教育の推進についてでございます。 LPガスは、全国三千二百万世帯中、実に千九百万世帯をカバーいたしております。通常、都市ガスが家庭用エネルギーだとされておりますけれども、実際は都市ガスは千二百万世帯に供給せられているのみでございまして、LPガスの方がはるかに多くの世帯に供給せられておる。加えて、LPガスの事故はかなり頻繁に起こっているわけでございまして、たとえば四十九年十月から五十年の九月まで、一年間の統計を見ましても八百三十件の事故が発生をいたしております。そのうち九十七件が自殺だということでございますので、いわゆる事故というのは七百三十三件でございますが、そのうち消費者の過失によるものが五百八件に、すなわち約七〇%に及ぶということでございまして、このような状況にかんがみまして、学校教育の中でできるだけ保安教育を御推進いただきまして、事故の発生件数を極力減らす方向に御協力をいただきたいと思うわけであります。この点につきましては、すでに通産省の方から初中局長あてに文書にて申し入れがなされておると思いますし、ぜひ御検討いただきたいと思うのであります。 なお、義務教育の教科書の中で、現在エネルギー関係で取り上げられております保安の面は、電気事業が三十五ページ、都市ガスが八ページ、LPGに関しましてはわずかに半ページというデータもございますので、ぜひバランスのとれた形にしていただきますようにお願いをしたいと思いますが、この件に関しまして、初中局長の御所見をお伺いしたいと思います。
○諸沢政府委員 LPガスの学校教育における取り上げ方につきましては、小学校の家庭、それから中学校の技術・家庭科、それから小中学校を通じまして特別教育活動の一つでありますところの給食、保健等を指導します学級指導の中の安全指導という見地からも必要に応じて取り上げられる、こういうたてまえになっておるわけでございます。 ところで、その家庭ないしは技術・家庭科の学習指導要領におきましては、調理用の器具あるいは調理用の熱源についてその安全性も含めて指導する、こういう書き方になっておりまして、具体的にLPガスあるいは都市ガスというふうなことまでは挙げていない。その指導要領を受けて、LPガスについてどの程度これを教科書に記述するかということは、教科書著述者ないしは発行者の裁量、選択にかかるところでありまして、そこがたてまえとしては検定教科書の長所とも言うべきところだろうと思います。 しかしながら、いま御指摘のように、最近におきまして特にこのLPガスの使用の範囲が非常に広まったと同時に、それによる事故の多発ということは、現在小学校、中学校の教科書に、御指摘のように、これに関する記述はございますけれども、さらにその保安ないしは安全確保という趣旨から十分徹底できるような指導をしてほしい、こういう御趣旨だろうと思います。特に家庭科あるいは技術・家庭科のような生活に密着した教科におきましては、社会の進歩あるいは生活様式の改善等に伴いまして、子供に指導すべき内容は、それに対応して、言ってみれば重点の置きどころに配慮をするということが必要であろうかと思いますので、御指摘の点を含めまして今後十分にひとつ検討をいたしまして、さらに指導が徹底するように考えてまいりたい、かように思います。
○山崎(拓)分科員 都市ガスに比べまして、はるかに発生件数も多いわけでございますし、また、ガスの性質も違っております。あるいは器具、供給の状況等も相当違いますので、できるだけ個別に取り上げていただきますように要望をいたしておきます。 それでは、私学振興の方の質問に移らしていただきます。 過般、私学振興法が制定されまして、私学教育に対して文部省当局も非常に積極的に取り組んでいただいておると思うわけでございますが、私は特に私学の占める役割りについて、特に高校における私学の役割りについて御所見をお伺いしたいと思うのであります。 たとえば福岡県の場合、私学が高校教育の中で占めております役割りは、生徒数にいたしまして三七・二%に昭和五十年度において及んでおります。このような比率を占めるに至っておりますのは、公立高校の学校数が不足をしているということにも原因があるわけでございまして、今日、地方財政というものがきわめて逼迫をいたしておりますし、急速にこれが改善される見通しは少ないわけであります。そういう情勢でもございますし、また、高校に対する進学率もすでに九割になんなんとしておる。したがって、一般的な社会通念からいたしましても、高校に行くのは当然である、こういう考え方もございまして、私学が果たしておる今日の役割りは、私学特有の教育という分野にとどまらずに、とにかく後期中等教育を受ける量的な面を充足させておるという点があるわけでございまして、そういうことからいたしますと、公立の高等学校と同じようなできるだけの助成を行うべきではないだろうかという考えがそこから生まれてくると考えるわけです。この点についてどう考えられるか、まず第一点。 それから、それに関連をいたしまして、私学助成はここ数年改善を続けてきたと思うわけでございますが、その実情につきまして、生徒一人当たりの助成額がここ数年どのようなふえ方をしてきておるか。 この二点についてとりあえずお伺いをいたします。
○永井国務大臣 現在、高校進学率は九二%に達しておりますから、そこで高校というものを公立の角度から充実すべきことがきわめて重要であります。ただいま福岡県の数字をお挙げになりましたが、全国的に見ましても約三〇%が私立の学生ということでございますので、それに対して、次のように考えております。 まず第一に、本年度より高等学校新増設に対する国庫補助四十二億円でございますが、これを従来の起債の方法に加えて新たな施策として打ち出すということがございます。 しかし、第二点といたしましては、そうして新増設を行っていきます場合に、各都道府県におきまして従来からの私立学校というものも十分に活用する、そうしてまた、新しい公立学校というふうなものもうまく連絡しながら進学希望者の要望にこたえていくという意味合いにおきまして、各都道府県において公私立の学校の連絡会議というものをつくって計画的に学校の配置、増設を考えていくわけでございます。 さらに次の点、先生が御指摘になりましたところの、そういう状況の中でも一刻も早く私立学校については高校以下の助成というものを急がなければならないのではないかということでございますが、これもまことに御指摘のとおりでございまして、本年度は対前年度比で申しますと一二五%増の助成に踏み切りまして、それを計上いたしているわけでございます。それが学生一人当たりどういう数字になるかという詳細なことが必要でございますれば、管理局長からお答え申し上げます。
○清水政府委員 ただいま先生から生徒一人当たりの推移はどういうふうになっているか、こういうお尋ねでございます。 御案内のとおり、私立高等学校を中心にいたしまして、設置者管理主義の観点から地方交付税が中心にこれまでやってきておるわけでございます。そこで、大学等の経常費助成が始まりました四十五年度から交付税制度が私立学校に対しましても認められたわけでございますが、高等学校につきまして一人当たりは財源措置として、四十五年度が五千円でございます。それから四十六年度が八千三百六十円、四十七年度が一万三千六百円、四十八年度が二万一千円、四十九年度が三万五千円、五十年度が四万三千円、五十一年度におきましては五万五百円、こういうことで積算をされておるわけでございます。 なお、国庫補助が始まりました五十年度におきましては、いまの地方財源措置のほかに、高等学校につきましては生徒当たり五千円、五十一年度におきましては積算としまして九割アップの一人当たり九千五百円というのを計上いたしておる次第でございます。 以上でございます。
○山崎(拓)分科員 確認いたしますが、五十年度四万三千円というのは、国庫補助の八十億が一人当たり五千円ということをおっしゃいましたね、それを含まない金額ですか。そうすると、四万八千円ということになるわけですか。
○清水政府委員 さようでございます。
○山崎(拓)分科員 昭和五十年度に初めて措置された国庫補助の八十億についてでありますが、この交付につきましては、各都道府県の私学助成状況をABCランクに分けて交付基準を定め、その改善のための誘導措置としたというふうに私どもは承っておるわけでございますが、 〔三塚主査代理退席、主査着席〕 そのことによりまして、かつては地方交付税の積算額にも達してない県があったわけでございますが、これは私立学校運営費についてでございますけれども、その後の各都道府県は私学助成についてどのように改善してきておるか、誘導措置がどのような効果をあらわしておるか、この点についてお伺いしたいと思います。
○清水政府委員 ただいまの点でございますが、四十九年度と比較して申し上げたいと思うわけでございます。それから行きますと、全国的に見ますと、四十九年度の一人当たり高等学校の平均補助額が三万二千円でございましたが、五十年度におきまして一人当たり四万六千八百十五円、こういうことになっております。 なお、よけいなことかもわかりませんが、先ほど先生福岡の例を挙げられましたので、ちょっと参考までに申し上げたいと思うわけでございますが、福岡の場合、高等学校は四十九年度が生徒一人当たり二万三千二百八十二円、五十年度におきまして四万四千百二十七円、こういうことに引き上げられておるわけでございます。
○山崎(拓)分科員 そのような改善を見てきたわけでございますが、問題は、公立高校に比しまして父母の教育費の負担が、従来事実上の義務教育という状況にかんがみますと、余りにも格差が大き過ぎるという点があるわけでございます。したがって、ただいま福岡県の場合、わざわざ数字を挙げて御説明いただいたわけでございますが、二万三千二百八十二円から四万四千百二十七円と改善された。ふえ方といたしましては大変著しいわけでございますが、この中には従来非常に少なかった小中学校の分が含まれているんではないかという気がいたしますけれども、実際、福岡県の場合、昭和四十九年度に比しまして昭和五十年度はその格差は一層拡大をいたしておるわけでございます。 と申しますのは、原因の一つに、県立学校の授業料が据え置かれたということもございますけれども、しかし、私立学校の授業料にいたしましても、あるいはその他の入学金等にいたしましても、いずれも相当な増額となっておりまして、非常な高い負担になっております。ちなみに一年生の昭和五十年度におきます校納金は月一万七百五十四円であります。県立高校の場合には千二百円が毎月の授業料でございますので、それからいたしますと相当の差がございますし、また私立学校の場合には受験料とか入学金とかあるいはPTA寄付金等の一時的経費が約五千円相当ございまして、これも公立高校に比べますと比較にならないわけでございまして、十倍以上の私費を父母が投じておる、こういう状況になっておるわけでございます。 したがいまして、せっかく私学助成に関しまして増額を文部省予算といたしましてもやってもらっておるわけでございますが、現在の私学助成のあり方では焼け石に水ではないかという感じすら持つわけでございまして、根本的に考え直さなければいかぬじゃないかという気がするわけでございますが、この点について文部大臣いかがでございますか。
○永井国務大臣 現在の私学助成を根本的に考えろということでございますが、これは国会の先生方の大変な御協力も得まして昨年度私学振興助成法の成立を見たわけでございます。その目標とするところは、当初は大学については二分の一というところを考え、あるいは高校については四分の一ということも考えたわけでありますけれども、しかしながら、実を言えば、今日のわが国の財政状況の中であの法律を成立せしめるということ、そのことがかなり困難であったということがございました。しかし、これは国会の大変強い御要望でもあり、また御活動願ったことでもありますので、われわれ文部省におります者も、この財政状況においてもぜがひでもあの法律だけは成立させたいということで、まず一歩を踏み出すことができたわけでございます。 そこで、その法律に基づきまして、高校以下あるいは大学についても助成を行ってきておりますが、おっしゃるように十分ではございません。ただ焼け石に水というほど全く意味のないかのごときものでもないと私は考えております。そこで、確かに願望といたしましては公立、私立とを問わずに、願望というか理想といたしましては、社会的公正という角度から、特に高校はもう九〇%を超えているわけでございますから、そこに持っていかなければならないと考えております。 ただいま福岡県の私立の問題のほかに、公立の授業料をいま千二百円という御指摘がございましたが、一般的に文部省で考えておりますことは、公立等については――国立大学の授業料というものも昭和五十一年度におきましては二・六七倍に引き上げられるということでございますので、まあ約三倍弱でございます。そこで、地方財政計画で公立学校の授業料というものも月額千二百円から三千二百円というあたりをガイドラインと考える、そういう姿で、やはり義務教育ではございませんので公立の方も御負担願う、しかし私立の方はでき得る限り下げる方向を目指していく、そうした形で社会的な公正を期して高等学校の充実を図りたい。ただ、焼け石に水というか、ある意味において非常に火急を要することがある、火急の課題がある、それは家庭的に非常に困っておられる方、そういう方たちに対しては授業料の減免措置、あるいは育英奨学金というものをやはり高校におきましてももっと充実していく、こういうことは積極的に考えていきたいと思っております。
○山崎(拓)分科員 公立高校の授業料が低く抑えられている件に関して大臣の御見解がございましたけれども、公共営造物の使用料の一種であるということで公共料金だということで抑えられているわけでありますが、そういう考え方からいたしますと、現在九割以上の人が高校に行っておる、また私学にやっておる父兄はその税金で公立学校の費用を負担しておるわけでございますから、そういうことからいたしますと、これはいささか公平を欠く面もありまして、ぜひ公立学校の授業料につきましては、他県の例もあろうかと思いますが、できるだけ適正な価格になるように文部省として御指導いただきたいと思いますし、いまおっしゃいましたように、父母の教育費負担が私学におきましてもう少し軽減されるように、ただいまの奨学金の問題も一助だと思いますけれども、ぜひ御配慮いただきたいと思います。 それから、昭和五十一年度における私学助成、国の国庫補助でございますが、これが百八十億ということできわめて高い比率で増額されたということにつきましては私ども評価をいたしておりますが、昨年度の八十億の場合には、この誘導措置として交付基準が定められた。本年度はこの百八十億をどのように活用される、あるいはどのような交付基準を定められるという構想がございましたら教えていただきたいと思います。
○清水政府委員 基本的には五十年度に準じた方法で配分をいたしたい、かように考えておるわけでございます。 ただ、御案内のとおり小、中、高あるいは幼稚園別にそのバーをどの辺に置くか、こういうことにつきましては、誘導措置という観点から検討いたしたい。その場合に、なお、各県の県会等も終わっておるわけでございますが、そういう点もにらみ合わせまして、このバーをどの辺まで持っていくかということは、細部的にこれから検討さしていただきたい。基本的には五十年度に準じた方法でまいりたい、こういう考え方で目下おるわけでございます。
○山崎(拓)分科員 次に、私学共済の年金制度におきます遺族年金の取り扱いについてお伺いをいたしますが、本国会に提案されております法律改正で措置されたということも承りましたが、念のためにお伺いしておきますけれども、通算年金に関しましては、従来本人存命中は支給されておりましたけれども、本人が死亡し、いわゆる遺族年金に変更になった場合には、通算年金につきましては支給打ち切りとなっておりました。この点は年金支給制度の欠陥でございますので、ぜひ法改正を行っていただきたいわけでございますが、この点についてどのような措置がされておりますか、お伺いしたいと思います。 さらに、遺族に通算年金が支給されることとなった場合の受取人については、他の共済年金の場合と同じように順送りで一番近い配偶者から支給されることになるのかどうか、その点につきましても確認しておきたいと思います。
○永井国務大臣 ただいま御指摘ございましたように、通算退職年金の受給権者が死亡した場合は、遺族に年金の転給がなされていないということでございますので、今国会に提出されております昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案におきまして国家公務員共済組合法の一部改正を行いまして、通算退職年金の受給権者が死亡した場合には、遺族に通算遺族年金を支給するという措置を講ずることといたしております。 なお、私学共済組合法において給付につきまして国家公務員共済組合法の規定を準用することといたしておりますので、国家公務員共済組合法の給付関係規定が改正されますと、この改正規定が私学共済組合にも適用されることになります。そういたしますと、私学共済組合法の規定による通算退職年金の受給権者が死亡いたした場合には、国家公務員の共済組合の場合と同様に遺族に通算遺族年金が支給されるようになる、かようになるものと考えております。
○清水政府委員 第二点目の遺族の範囲、順序でございますが、これは他の共済と同様でございまして、おっしゃるとおりの範囲、それからおっしゃるとおりの順位で進むわけでございます。 なお、いま大臣も申し上げましたとおり、ちょっと技術的に補足さしていただきますと、私立学校共済組合法におきまして、国家公務員共済法の四十三条から九十五条までがそこの部分だけ申し上げますと準用をされているわけでございまして、今度この国家公務員の年金改定法に関連いたしまして、国家公務員共済法の九十二条の三というのが通算遺族年金として加わるわけでありまして、この準用規定の四十三条から九十五条までの中にそれが含まれて準用される、こういう技術的なことに相なるわけでございます。
○山崎(拓)分科員 時間が参りましたので、最後に御要望だけ申し上げて終わりたいと思います。 それは、たまたま先般私、新聞を読んでおりまして気がつきましたのですが、私立大学のことしの初年度納入金というのが大変高い。文部省が調べたところによると、全学部平均で四十四万三千円にも上っておる、こういうことでございますので、その負担能力がない方も多数考えられるわけでありますから、このような新入生に対する入学一時金の貸与制度を検討すべきではないかという趣旨の新聞記事でございますが、その記事の中に、このような問題は一度も国会で論議されたことがないという文部省当局の御発言があったということが指摘されておりますので、これはぜひ必要なことでございますから、一度国会の場で前向きに御検討いただくように御要望を申し上げておきたい。 以上で私の質問を終わります。
○上村主査 これにて山崎拓君の質疑は終わりました。 これにて文部省所管の質疑は終了いたしました。
○上村主査 次に、大蔵省所管について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。村岡兼造君。 〔主査退席、三塚主査代理着席〕
○村岡分科員 大蔵大臣にお尋ねをいたしますけれども、現在の経済の運営に当たりまして最も緊要な課題は、国民生活と経済の安定及び国民福祉の充実に配慮し、景気の着実な回復と雇用の安定を図ることであると考えられますが、昭和五十一年度予算はこの政策課題にこたえることを主眼として編成されたものであり、一日も早い成立を国民ひとしく望んでいるところであります。しかるに、ロッキード問題が惹起してから審議がストップし、年度内の成立が不可能となり、暫定予算になったことはきわめて残念なことであります。国民の不安感を解消し、経済が正常な活動を営み得るよう早期に成立を図るべきであると思うが、この点についての大蔵大臣の所信をお尋ねいたしたいと思います。
○大平国務大臣 日本の経済は去年の春からきわめてスローなテンポでございますけれども、回復の足取りで参ったと思いますが、ことしに入りまして、輸出を中心といたしまして、立ち直りの兆しはやや鮮明になってきたように思うのでございます。したがって、いまはわが国の経済運営にとりましては非常に大事な季節でございまして、仰せのように不況を克服し、雇用の安定を図ってまいる上から申しまして、いわば非常に大事な時期だと思います。そういうときでございますので、経済運営の根幹になっておりまする昭和五十一年度予算がいまだ成立を見ないということは大変残念なことでございます。 申すまでもなく、経済は将来の展望に立ってきょう決心をすることでございますので、企業におきましても、あるいは中央、地方を通じての財政におきましても、あるいは小さくは各家計におきましても、展望が立たないと安心したもくろみができないわけでございますので、その展望を立てる場合の軸になる予算が一日も早く成立しないと、計画のよって立つ軸がないわけでございますので、私といたしましては一日も早く成立を願っておるところでございます。この成立を待ちまして、もろもろの財政計画、それにつながる経済計画が大胆に打ち出されてまいりますことを期待いたしておるところでございます。
○村岡分科員 前は地元などに帰りましても、ロッキードの問題はすぐ解決するものだというような新聞の報道もあったけれども、いまはそうではなくて、中小企業もあるいは市町村、県当局も本年度予算がいつ成立をするのか、こういうような声が至るところで起こっております。この意味は、本予算の成立が遅延して暫定予算になっておるので、これを心配しておる。これによって受ける影響について概略御説明を願いたいと思います。
○田中(敬)政府委員 本予算の成立が遅延いたしまして暫定予算になりましたことによりまして、御説のとおり国民生活あるいは国民経済に与える影響は非常に大きなものがあろうと存じます。御承知のように暫定予算は、事柄の性質上、事務的に必要な最小限度の経費あるいは法律的に定められた不可欠の経費というような、国政運営上不可欠なものだけを最小限計上いたしまして、新規政策に係るものというようなものは計上いたしておりませんので、せっかく本予算に盛り込みました新しい政策が一切着手できないという点が一つ大きな問題でございます。 これをまた細かく見てまいりますと、たとえば公共事業等におきましては、暫定予算におきまして前年度補正後の六分の一ということで、従来の暫定期間中の契約率は達成できるほどの予算は組んでおりますけれども、これが全体の年度間を通ずる公共事業の執行全体に与える影響というものは、やはり防ぎ切れないものがございます。と申しますのは、過去暫定予算を組んだ年と組まない年がございますけれども、それらにおきます第一・四半期の公共事業の平均契約率を見てまいりますと、暫定予算を編成した年度の平均は二六・一%と、暫定予算を組まない年の三三・八%に比べまして約六、七%少なくなっております。今年度もこの影響を避けるべく全力の努力はしてまいりたいと存じますが、やはりそういう影響は否み得ない。これがせっかく立ち直りかけた経済に対する影響というものは、われわれとしては十分配慮していかなければならないものだ、かように考えております。 それからもう一つは地方財政問題でございますけれども、五十一年度におきまして、せっかく地方財政の窮状を救うべく法律あるいは本予算をもちまして地方財政対策について細かい配慮をいたしたわけでございますけれども、本予算不成立あるいは法律の遅延ということによりまして、本来ならばこの四月に地方に交付さるべき一兆二千数百億の交付税交付金が約八千数百億しか交付されず、その間地方団体には三千二、三百億円の交付税の交付が当初予定したよりも減っております。これも地方団体にとりましては、いろいろ地方債の起債の手当てとかあるいは場合によっては短期的な資金繰りの援助を国がめんどうを見るにいたしましても、やはり非常に不自由なものであろうと存じます。 それと一番大きな問題は、今年度の予算におきましては年間七兆二千億円余の公債発行を計画いたしておりますけれども、この公債につきましては、これだけの多額の公債を発行するためには年度間を通ずる計画的な発行が必要でございます。計画的発行と申しますのも、民間におきます資金の需給関係を見まして、いわゆる資金の剰余月、いわゆる金融の緩慢期である四月、五月あるいは上半期に相当の国債の発行をするということが年度間を通ずる円滑な市中消化に通ずる道でございますけれども、これが本予算不成立のため四月におきましては五千億の国債しか発行し得なかったということが、今後五月以降の国債発行、年間の計画的消化に相当な障害になってこようと存じます。 以上申し上げましたように、本予算の成立の遅延によりまして相当程度の影響が出てまいるものと考えておりますが、申し上げましたマイナスの点だけを強調するにとどまらず、私どもは一日も早く本予算を上げていただきまして、本予算が成立いたしました暁には、いま申し上げましたようなマイナスの点がなるべく少なくなるように最善の努力をしてまいりたいと存じます。
○村岡分科員 ただいまの説明によりまして、公共事業あるいは地方財政あるいはまた特例公債の計画的消化に支障が生ずる、こういうお考えでありますが、五十一年度の財政は多額の特例公債に依存しておりますけれども、この特例公債の持つ意味について、なおまたこれが実は八月ごろでもいいではなかろうか、こういうようなことが新聞にも出たわけでございますが、早期成立が必要な理由と、また中には特例公債の法案の成立がおくれた場合には大蔵省の証券を発行して対処すればいいのではないか、こういうような意見も出ておりますけれども、これについてのお考えを御説明願いたい。
○田中(敬)政府委員 まず前段の本年度の多額の特例公債の持つ意義という点についてお答え申し上げたいと思います。 五十一年度予算の性格につきましては、先ほど先生が御指摘のように、国民生活あるいは経済の安定あるいは福祉の充実、あわせて景気の着実な回復ということを目指した予算であることは御承知のとおりでございます。しかるに一方、現在の経済情勢からいたしますれば、五十一年度におきましては租税の収入というものについては多くを期待できない現状でございますし、他方大幅な歳出の削減というのも、いま申し上げましたような政策目的を達成するためにはこれも極端なことはできないという非常な一つの過渡期であろうと考えられます。したがいまして、五十一年度における適切な行財政の水準を維持いたしまして、先ほど申し上げましたような財政の課題にこたえていくためには、一方におきまして財政体質の改善というものに努力をすると同時に、五十一年度の特例措置として、先ほど申し上げました予算の目的を達成するためには、ある程度財政法の規定によります四条公債以外に臨時的な応急措置といたしまして特例公債の発行が必要であろうと考えられております。 五十一年度におきます特例公債は、御承知のように三兆七千五百億円に及んでおりますけれども、この三兆七千五百億という財源というものは予算の全体の規模二十四兆数千億の規模に対しまして約一五%の財源に当たりますし、一方四条公債、いわゆる公共事業等経費を外しました一般行政のために必要な経費だけをとってみますと、この三兆七千五百億の特例公債というものは、財源的には二〇%近い大きなものでございます。そういう意味におきまして、特例公債が望ましいということではございませんけれども、本年五十一年度の財源事情あるいは経済事情というものから考えまして、これは必要不可欠のものであろう、かように考えております。
○松川政府委員 特例公債の額そのものの持つ意味は、ただいま主計局次長から御説明のあったとおりでございます。私の方の立場から若干補足して御説明さしていただきたいと存じます。 それは、国債につきましては、この持っておる経済に対する影響その他を考えまして、従来から市中消化ということを強い原則として掲げてまいってきております。そこで、市中消化をするということになりますと、これは先ほど主計局次長もちょっと触れられましたが、当初からどのような計画をもって発行するかということを綿密に検討しながら進まなければなりません。それは国債自体が大きいことも一つの原因でございますが、国債のほかにもあるいは政府保証債であるとか政府関係機関の縁故債であるとか地方債であるとか、そういった公共債と呼ばれておりますものの発行が五十一年度におきましては非常に多額に上っておりまして、十四兆三千億円を超える数字になっております。こういうことになりますと、この国債をいかに金融情勢に合わせながらうまく消化していくかということが非常に大きな問題になってくるわけでございます。 他方、景気の情勢を見ますと、今年度の後半には、あるいは景気が上向いてまいりまして、民間からの資金需要が出るかもしれない。そのようなときに民間の資金需要を十分満たし得ないような状態にまで公共債が発行されていくことになりますと、これはあるいは中小企業に対する影響であるとか好ましからない影響が出てくる可能性がございます。 その意味で、私どもは年度当初からできるだけ計画的な発行を図りたい、そしてまた引き受け側の金融機関の方の立場に立ちましてもそれが好ましいわけでございます。そういった点から見ますと、年間を通じまして資金余剰月である四月、五月、これの二カ月間に相当多額な国債を出したいというのが私どもの希望でございましたが、残念なことに、現在までの状況ではそれが当初の計画どおりにはいかない状況になっております。 そこで、それでは予算だけ通れば特例法の方はおくれてもいいのかという考え方があろうかと存じます。しかし、これも特例法が決まらなければ、この特例法の対象になっております額が三兆七千五百億円でございますから、これだけをとりましても非常に大きな金額でございます。これを金融機関といろいろお話し合いをし、そしてスケジュールを立てて消化してまいります上においても、この金融機関にとってもかなりのウエートを占める部分が特例法に依存しておる、そしてその特例法がまだできておらないということでは、この円滑な消化に若干の支障が生ずる懸念なしとしないと私どもは考えております。そこで、この特例法自体もぜひ予算と一体として成立させていただくことが、私ども、債券市場を見、そしてまた国債の円滑な市中消化を図る立場からも、ぜひ好ましいことであると考えております。 なお、御指摘になりましたような、特例法の成立がおくれましても、いわゆる大蔵省証券を発行すればいいではないかという声が一部にあること、私も承知いたしております。しかし、これは一つの大きな誤解の上に成り立っているのではないかと思います。それは、大蔵省証券と申しますのは、あくまでも年度間の一時的な歳入の不足を賄うために発行されるものでございます。したがいまして、この大蔵省証券を発行いたしましても、いわゆる一般会計の歳入として正式に入ってくるものではございません。その意味で、この特例法の成り行きがはっきりしないのに、その分は大蔵省証券を出すということになりましても、これは歳入になり得ない種類の収入でございますから、最終的には、あるいは歳入欠陥という状態を生ずるかもしれないものでございます。そのような危険を冒して大蔵省証券を発行するということは、その制度のたてまえから見まして好ましくないことでございますので、御指摘のようにこの金繰りのために大蔵省証券を発行するということは、私どもとしてはいたしかねる方法であろうと思います。
○村岡分科員 わが国の財政は従来の高度成長と異なる新たな状況に直面しておりますが、五十一年度の予算編成に当たっても、新しい成長のパターンに適合した財政への転換と当面する景気の回復という二つの課題の解決が必要であると説明をされておりますが、五十一年度予算はこれらの二つの課題をどの程度具体化したものになっているか、御説明を願いたい。
○田中(敬)政府委員 先生の仰せのとおり、本年度予算編成に当たりまして財政制度審議会から、「予想される新しい成長のパターンに適合した財政への転換」ということと、「当面する景気問題への対処」という二つの課題が盛り込まれた建議を受けまして、私どももそれに対応した予算の編成をいたしたわけでございます。 まず第一点の課題でございます新しい成長パターンに適合した財政への転換という点につきましては、大要次のような措置をとっております。 すなわち、まず第一点は、五十一年度の一般会計予算規模の対前年の伸び率を一四・一%と、過去十年間の予算の対前年の伸び率に比べまして非常に低い予算の伸び率にとどめた、いわゆる予算規模を圧縮したという点でございます。昭和四十年から五十年の平均伸び率が一九・三%でございますし、四十五-五十年の六年間をとってみますと二一・八というような伸びに対しましてこういう安定成長、五十一年度におきましてはむしろ低成長でございますけれども、この安定成長、低成長時代に適合いたしまして、過去の五、六年の平均の二〇%からこれを一挙に一四・一に抑えたということは一つの決断であったと存じます。そういたしまして、財政といたしまして安易な公債への依存を避けるという努力をいたしたわけでございます。 このような財政の圧縮というためにとりました具体的措置といたしましては、一つには、一般行政経費の節減あるいは機構、定員の抑制、御承知のような補助金の整理合理化というものを行いますとともに、また、一方国民負担についての適正化をお願いを申し上げるということから、次のような措置をとっております。 すなわち、租税につきましては、こういう経済情勢でございますので、一般的な増税というものあるいは減税というものは見送ることといたしておりますけれども、他面、当面の経済情勢から特殊的な増税と申しますか、自動車関係諸税の税率の引き上げあるいは租税特別措置の整理合理化ということで、現行税制の仕組みの中で税制の改正を行いまして税収の確保を図ったことが一つでございます。 また、既存の制度につきましていろいろ見直しを行いまして、いわゆる公共料金的なものにつきましての適正な負担をお願いする。たとえば、いまお願い申し上げております運賃法の改正あるいは電話料の改正というようなことも予算に織り込みますと同時に、社会保険料の適正化につきましても、初診料あるいは入院費の負担というようなことについて適正な負担をお願いするということで一般会計の抑制を図ったわけでございます。 第二の、当面する景気の回復への対処といたしましては、御承知のように一般会計の伸び率が先ほど申し上げましたように一四・一でございますのに対しまして、公共事業費、いわゆる景気に対しまして相当大きな影響を持ちます公共事業費というものを約二〇%という大幅増を図りまして、景気への配慮を行っております。需要創出効果の大きい公共事業でございますので、これらの効果はいずれ出てくるものと存じます。 一方また、先ほど一四・一%というものは過去十年来にない低い数字であるということを申し上げましたけれども、これとても来年度の国民経済計算上のGNPの伸び率の予測一三%を超えるものでございまして、その意味におきましては、財政主導で景気の回復を図るということを考えているわけでございます。 あわせまして、財政投融資計画におきましてもその増枠を図りまして、特に輸出の振興ということのために輸出入銀行に対する資金的配慮あるいは個人住宅建設につきまして、その増加を図るための財政投融資措置というような細かい配慮をいたしております。 以上が、新しい成長パターンへの適合、あるいは景気回復への対処という点から見ました本年度予算でとりました措置でございます。
○村岡分科員 時間でございますので、大蔵大臣並びに大蔵省の方々に要望して終わりたいと思います。 ことしは何と言っても、先ほど申し述べましたように景気の回復ということが最重点である。同時に、私は、雇用問題というのが大変なことしの重大問題であろうかと思います。雇用と景気の回復のためにきめ細かな対策をとりながら、より一層がんばっていただくことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○三塚主査代理 これにて村岡兼造君の質疑は終わりました。 これにて大蔵省所管の質疑は終了いたしました。
○三塚主査代理 次に、外務省所管について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。戸井田三郎君。
○戸井田分科員 ただいまから私は日中問題、そして日韓大陸だなの問題と、それともう一つは在外公館の職員の問題について、この三点についてお伺いしたいと思います。 まず第一に、三木総理大臣が一月十三日だったと思いますが、外人記者クラブの席で日中平和友好条約交渉はこれからも積極的に推進をしていくんだという発言をされておるわけであります。このときが十三日でありまして、その日にソ連の外務大臣のグロムイコが帰国をされておるわけです。ちょうど帰った後、外人記者クラブで言っているわけですが、ソ連のグロムイコ外相が日本へ来たときには、いろいろな意味で覇権問題等について積極的な発言をしていっているわけです。そういうことから考えてみて、三木内閣の外交方針としてこれからも日中平和友好条約を促進するというお立場に変わりがないのかどうかということです。
○宮澤国務大臣 御指摘のように、グロムイコ・ソ連外相が帰りました直後、三木総理大臣がそういうことを外人記者クラブで言われました。 一つには、これはただいま御指摘されましたように、グロムイコ外務大臣がかなりこれについて批判がましいことを申しました。そういうことから、こういったような会話が記者クラブで交わされたということもございましたと思いますが、また同時に、昨年の暮れ、十一月の末から十二月ごろにかけましては、中国側においてわが国が国会等を通じて表明しました考え方に対して相当真剣に検討をしておったと考えられる理由もございまして、そういうこともありまして総理大臣がこういう言明をされたことと考えております。 たまたまそのまた直後に、今度は周恩来首相の逝去ということがございましたわけで、それ以来中国はいろいろむずかしい国内問題を抱えておるようでございますけれども、わが国といたしまして早期に締結をしたいという考え方は、今日といえども変わっておりません。
○戸井田分科員 いま大臣が後半でちょっとお触れになったわけでありますが、周恩来総理がお亡くなりになったわけですが、その間に何といっても日中関係が前進をして外交関係が開かれたということは、周恩来総理の在任中にずっと行われたわけであります。 それで、いま大臣言われましたように、周さんが亡くなったという関係でありますが、その亡くなってから後に、日本側の方から友好条約について何らかの交渉なり話をされたことがありますか。もしあれば、どういうような進展の状態にその後変わっているのか変わらないのかというような感触等がおありでしたらお聞かせ願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 これにつきましては、北京駐在の小川大使をして喬冠華中国外務大臣に会談を申し入れまして、いろいろ話をいたしたいという試みを実は何度かいたしておるわけでございます。しかるところ、喬冠華外務大臣は、ある段階ではちょっとかぜを引いたということもあったのでございますけれども、多忙であるということでございまして、たしか私の記憶では、周総理の葬儀に三木首相が参列をしたい云々というときに、実は中国側はこれこれのたてまえであるのでということを最終的に喬冠華外務大臣自身が大使を呼んで話をされたのが周総理の亡くなられました直後でございますが、これを除きましてはずっと喬冠華氏がきわめて多忙であってということで、今日までその会談が実現をいたしておりません。 〔三塚主査代理退席、主査着席〕
○戸井田分科員 たびたびの折衝の過程を経たけれども、その機会を得ていないというお話でございます。たまたま周さんが亡くなってから二月初旬に華国鋒氏が首相代行という地位におつきになったわけですが、ちょうどその華国鋒氏が総理代行になってから後にいろいろ中国に大きな動きが出ております。走資派批判も活発に行われているのは御承知のとおりでありますが、こういった一連の動きというものは、いま大臣が何回か接触したけれどもその機会が得られなかったということと考えあわせると、周総理が亡くなった後に外交上の何か大きな方針が変わるとかあるいはそういう意味で日本側に対して接触できないのか、あるいは日本のいままでの姿勢にいろいろな向こうの思惑があって避けているのか、この辺の感触は大臣どういうふうにお感じでしょうか。
○宮澤国務大臣 喬冠華外務大臣は、その後外国の首脳等が中国を訪問いたしました際には顔を出しておるというふうに聞いておりますので、喬冠華氏が今日なお中国外交の責任者であることは間違いがないように存じておりますけれども、何分にもこの平和友好条約は中国にとりましてもなまやさしい問題ではないものを含んでおると考えますので、したがいまして、日本も決断をしなければならない問題がございますが、中国にはやはり中国なりに決断を要する問題があるであろうと考えられます。そういうことから考えてみますと、中国側の方針が周首相の逝去以後の政情で変わったと申し上げますよりは、むしろその後の政情が非常にむずかしい問題をいろいろ含んでおって、このような大きな問題について落ちついて議論をする、決断をするというような環境に今日現在ないのではないか、むしろそういうふうに考えておくべきではないかと私は思っております。
○戸井田分科員 ただ、去る五日の日でしたか、天安門におけるところの問題、これが、一つは偶発的なものであったのか、あるいは路線闘争みたいなものとか、あるいは権力闘争的なものであるとか、いろいろなことが言われているわけですけれども、やはりそういうあらわれてきた一つの動きも、日中関係にとっていろいろな形でどうも心配な面がたくさんあるわけなんですが、文革派といいますか、そういうものが実務派をずっと押し返して、それに対して巻き返しを実務派が図っていた事件が天安門事件だというようなことも一部には言われているわけですけれども、もしそういう意味で、文革派に対して実務派の人たちがこういうような巻き返しをして、あれだけの大衆が動員されたと見れば、これは大変な出来事だろうし、そうでなくして、周恩来に対する住民の慕う心といいますか、尊敬する気持ちで、あの日は、四日が清明節ですか、それでそういう革命の戦士、英雄に対して敬意を表するというか、献花をする、花を手向けるというような、そういうねぎらいと思慕の気持ちから大衆が集まった、しかし、その集まった大衆に対して、ちょうど花輪が取り払われたというようなことが偶発的に起こって、それに対して一部の者が扇動したとかいろいろなことが考えられるわけです。 日本の新聞にも各種のそういったようなことが取りざたされているのですけれども、これは単なる偶発だけではないんじゃないか。その巻き返す方の力が小さいか大きいかは別として、ちょうどでこの理論と一緒で、力は小さくてもそこでぽんとはね返せば大きな反動が起こるというような社会客観的な状態、そういうような状態と結びついていたとすれば、力は小さくてもそういうものによって国内に何らかの大きな変化が起こってくる。そうするというと、それに対して当然いまの指導層の方でいろいろな工作をこれからしてくるんじゃないか。そうなってくると、当分中国の国内事情というものは不安定な――不安定と申しますか、内部で処理しなければならない問題というものがたくさん山積みされてくる。そうなってくるというと、日中平和友好条約というものがしばらくこのまま置き去りにされるんじゃないか、こういう心配があるのですが、その間のお見通しについて大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 昨今の中国の情勢につきましては、在北京大使館も非常に注意深くできるだけの見聞を東京に報告をしてまいっておりますけれども、何分にも非常に閉鎖された社会でございますので、断定的な判断ができずにおるわけでございいます。 ただ、いわゆる清明節前後のこの天安門広場におきます出来事は、呉徳北京市長、北京市革命委員会主任の放送によりますと、ごく少数の悪質分子が清明節を利用して走資派批判運動をねじ曲げよう云々、あるいは人民日報の社説も、デマをつくり出し人心を惑わす敵というようなことを言っておりますので、この公式見解から判断いたしますれば、全く偶発的な、自然発生的なものではなかったということになるのであろうと存ぜられますが、しかし、その公式見解そのものが果たしてどのようにして立証され得るものかというようなことになりますと、必ずしも明らかでございません。 いずれにいたしましても、この条約交渉に関しましては、そのような政情の不安があるということそのものが、やはりこのような交渉には、国内に問題がございますればどうしてもそちらの方に重点がまいりますから、いい材料ではございませんし、また次に、私が喬冠華外相と昨年九月の末に長い話をいたしました段階におきましては、中国は周恩来首相が病であるとはいえ、なお健在でありましたし、鄧小平氏も事実上取り仕切っておったというそういう背景の中国でございましたが、それに対して、現在少なくとも鄧小平氏と思われる人に対して加えられている批判といったようなものがここ数カ月あるわけでございますから、そういたしますと、昨年九月当時の中国というものと、この政変がどのような形でおさまるにいたしましても、その後の中国というものはやはり同じものではないと考える可能性の方が高いのではないかというふうに存ぜられます。 そういたしますと、喬冠華外相自身は、依然として外交の責任者でございましても、その背景というものが異なってくるという可能性は考えられるわけでございますので、全体として私はどうも条約交渉に環境がよくなっていくというよりは、あるいはむしろ環境が少し悪くなるのではないかというふうに心配をいたしております。
○戸井田分科員 私もそれを心配しておるわけですが、もう一つ私は、周総理がお亡くなりになってから後の変化といいますか、いま言ったような一連の出来事、こういったものが、一つは紅旗という雑誌があります、これは御承知のとおり中国の理論雑誌でございますが、紅旗四号の方海論文、この論文をずっと読んでみると、これは日本に大変影響があるような感じを受けてくるのです。それで、これがもしいま行われた天安門事件やなんかが不幸にしてそういう路線闘争みたいな形で文革派が一つの力を得て、そしてその中でこの紅旗に書いてあるような方海氏の論文の方向に行くようなことになると、いろいろな問題が想像される。 その一つのあらわれではないかと思われるのは、貿易問題です。それはこの新聞によっても、例の原油と鉄鋼のバーター契約、それの鉄鋼の輸出というものがストップになっております。こういうようなことは日本の経済には非常に大きい。しかも、中国との貿易のデータというものは余りわかりませんけれども、推測されているものは年間に百四十億ドル、その中の三十八億ドルは日本だ。すると、日本と中国とのそういう経済交流関係というものは非常に深いわけです。そうすると、日本の中でも、将来中国との友好を通じて経済的ないろいろな好転をされることを予想されて、経済界でも力を入れているわけですが、そういうような方向が、もしこういう紅旗に書いてあるような自力更生の革命精神ですか、この派の力がずっと強くなって押し返されてくることと、あるいはそういうものが将来力が強くなってくるのじゃないか。そうすると、いま言ったものが、華国鋒さんが首相になって、走資派批判運動が行われ、そして一方においては文革運動との結びつきができて、この紅旗に書いてある論文のような自力更生精神というものが支配的な精神になってくると、日本や何かにそう甘いものが期待されなくなってくるのじゃないか、こう思うわけです。石油自身も、これで見ると、中国からの原油の輸入が昨年の実績が八百三十万トンから約二百万トン少ない六百十万トンに減ったということがこの新聞に出ておるのですが、二月の輸入は、予定量が四十五万トンだったのに、実際に輸入されたのは二十五万トン、三月も四十三万トンの予定が三十万トンと削減されている。こういうふうな形で、いろいろな関係がどうもいままでみたいに期待されたような方向でなくなってきたらこれは大変だ、こういうふうに思うわけなんです。 そこで、この中国の天安門事件を含めた、また周恩来が亡くなった後の関係というものは相当よく調査して、間違いないようにひとつやっていただきたいと思うわけなんです。
○宮澤国務大臣 中国が、日本から百数十万トンないし二百万トンの鉄鋼をスポットで買いたい、そしてその支払いは石油でするというお話が出ましたのは、昨年の暮れに新日本製鉄の稲山氏が訪中をされたときでございました。しかるところ、最近になりましてそのような石油を輸出する余力がないというような話が片方で聞かれ、他方で鉄の必要も何かそれほどでもないという話がまた出てまいりました。そこへ、ただいま戸井田分科員の御指摘になりました紅旗の論文というものが出てまいりまして、実は私自身も、石油の話が急に様子が変わったと聞きましたときに、何かこのことはいわゆる近代化路線というものと違う路線が政治上の論争から出てきておるのではないかという疑いを持ちまして、今日でもそのような疑いを私は持っておるわけでございます。 ただ、先週でございましたか、先々週でございましたか、一番最近に、中国の谷牧副首相に関西からの経済ミッションが会いまして、かなり長い話をしておるのでございますが、その報告を聞きますと、谷牧副首相は、決してそのようなことはない、これは天安門事件のちょっと前になりますけれども、そうではなくて、貿易じりそのものは多少問題であるけれども、しかしこれは長期的に解決すればよい問題である、中国としては、やはり従来の技術あるいは外国からの資材の導入、輸入というものをイデオロギーによって変えるというつもりはないということを言っておる由でございます。それならば油のことはと聞きますと、これは農業の動力並びに燃料が非常にたくさん要求されるようになったということ、あるいは大慶油田からの送油管のキャパシティーに問題があるのかもしれませんが、ともかく意図的に油の輸出をしないというようなことではないということを谷牧氏が関西の経済ミッションに、先週でございますか、先々週でございますか、言っておるという報告を私は聞いております。 そういたしますと、これは紅旗に掲げておりますような考え方ではないということになってまいりますので、真相が今日現在なかなか把握できません。しかし、おっしゃいましたようなことはやはり考えられることでございますから、私ども注意いたしまして、果たしてそれがどの方に向くのであるか、極力注意をしてその辺を見出すように現在努めておるところでございます。
○戸井田分科員 次に、日韓大陸棚協定の問題についてでありますが、これはもうすでに韓国の方では一昨年ですか、国会の批准も得たということであります。それで日本の方では、御承知のように二回審議未了というような形になっておるわけです。勢い、これは両国でもって結ばれた協定でございますから、韓国の方でもいろいろな形で心配もしていることと思います。しかし、不幸にしてこういうような形になっているのですが、その後韓国の方からは何か日本の方に働きかけみたいなものがあるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 韓国は一昨年の十二月に国会の承認を得ておるわけでございますが、昨年の九月に日韓の閣僚会議をソウルでいたしました際、日本から参りました閣僚が大統領に表敬をいたしました。そのときに朴大統領から福田副総理と私に対しまして、韓国も批准を終わったことであるので、日本もひとつできるだけ早く批准をしていただきたいと思っているという話が大統領自身からございました。 なお、その後今年になりまして、東京におります金大使から私に同様の趣旨のお話があり、また一方、ソウルにおきまして韓国の外務部長官から西山大使に対しまして、今年になりましてから三度ほど、ひとつ批准を急いでいただきたいものだという要請がなされております。
○戸井田分科員 昨年あたりはまだ中国の方で自然延長論の原則に基づいて、東シナ海の大陸だなは当然中国と関係国が話し合って区分を決めるべきだというようなこともあったのですが、最近はそういうような話も余り出てきていないようであります。 さらにまた、ニューヨークで海洋法会議があるんだから、そういうものが終わったらひとつやったらどうか、それまで急ぐ必要はないではないかというような話であります。いまちょうどニューヨークで海洋法会議が開かれているのですが、その見通しとの関連で、これを延ばすことによって有利な展開が起こるというような状況にあるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 むしろどちらかと申しますと、海洋法会議が結論を得ることができるといたしますと、環境はややわが国にとっては有利でないことになるのではないかという感じがいたしております。と申しますのは、海洋法会議がどのように決着いたしましても、このように両国の経済水域なり何なりが重なっておりますような場合には、結局両国間で何かの話をして決めるということ以外にだれが考えましてもいい知恵は出そうもございませんで、そのような結論になってまいるでございましょうし、また他方で、大陸だなの考え方は、自然の延長という考え方がどちらかといえばやはり海洋法会議でも強い主張になっておりますので、したがいまして、大陸に接続する国の方の立場がより有利であるというふうに考えられまして、いずれの点から申しましても、海洋法会議が仮に決着をするということの結果、この条約の内容がわが国により有利なものに客観的になるという要素はまず皆無でございまして、むしろそれ以前と申しますか、これよりいい条件の交渉がまとまる可能性はないと存じております。したがいまして、諸般の状況から、今国会におきまして御承認を得ることがわが国の国益に沿うものであるというふうに考えております。
○戸井田分科員 わかりました。結局そうなれば、エネルギー問題で非常に苦しんでいる日本ですから、早く促進した方がいいという御見解と承っておきます。 最後に、御承知のとおりわが国は、戦後平和国家として、特にどこの国とも仲よくしていくことによって日本の平和と安全を保っていくのだという大きな国の基本方針があるわけであります。そのためには、どうしても在外公館におけるところの活動というものを相当活発にやっていかなければならない。ところが、私たち承っておるところでは、人員も大体千六百何ぼかぐらいの人によって世界じゅうに散らばって日本の外交関係を展開しているというようなことを考えると、非常に人員が少ないように私は思うのです。特に、日本のような国の場合には、資源がないし、そして海外から資源を求める、そうして物を海外に輸出していかなければならない、それで立っていかなければならないとするならば、よその国よりむしろ外交活動というものは相当活発にやっていかなければならないと思います。にもかかわらず、実際には、同様の他の先進国から比べたならばはるかに日本の外交関係で海外に勤務している職員の数が少ない。こういうような状態では、実際にはなかなか成果を上げることができないと思います。 そういう意味で、これから積極的にそういう展開をするということを基礎にして、在外公館の数を――もちろん数ばかりで決まるわけじゃありませんけれども、私たちときどき行って実情を見ると、余りにも少ない。特に大きな首府とかそういうようなところだけに偏在しておって、実際に活動している面が狭いような感じを受けるわけであります。そういう意味で、定員法とかいろいろあるでしょうけれども、そういうものを考えてもまだ相当余裕があるように聞いておりますので、今後積極的にそういうような対策をとっていただきたいと思うわけであります。
○宮澤国務大臣 御理解のあるお尋ねで大変にありがたく存じますが、昨年、国会で定員増をお認めいただきまして、また今年度もお願いを申し上げておるわけでございます。基本は、現在おります私どもがもう一生懸命努力をするということが基本でございますが、何と申しましても人数が少ないということは覆いがたい事実でございます。したがいまして、定員増をお認めいただいておりますこととあわせまして、外務省以外の各省あるいは政府の公社、公団、それから民間のジャーナリズム、銀行、商社等々から適当な人にお願いをいたしまして外交活動に入ってもらうということで、外部からの採用につきましてもかなり思い切って採用をいたしつつございます。今後とも定員増をお認めいただくとともに、私どもとしても、こういう急場でございますので、広く人材を求めて外務省の人になってもらうという努力をさらに続けてまいりたいと考えておるわけであります。
○戸井田分科員 では終わります。
○上村主査 これにて戸井田三郎君の質疑は終わりました。 以上で外務省所管の質疑は終了いたしました。 これにて外務省、大蔵省及び文部省所管に対する質疑は全部終了いたしました。 ―――――――――――――
○上村主査 この際、お諮りいたします。 昭和五十一年度一般会計予算、昭和五十一年度特別会計予算及び昭和五十一年度政府関係機関予算中外務省、大蔵省及び文部省所管に対する討論、採決は、先例によりまして、予算委員会に譲ることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これにて第二分科会の議事はすべて終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後四時六分散会 ――――◇―――――