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77回国会衆議院1976/04/07

予算委員会第三分科会 第2号

発言数
147
登壇者
21
会派数
2
開催日
1976/04/07

会議録

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  本分科会は、昭和五十一年度一般会計予算中厚生省所管、労働省所管及び自治省所管並びに昭和五十一年度特別会計予算中厚生省所管、労働省所管及び自治省所管について審査を行うことになっております。  昭和五十一年度一般会計予算及び昭和五十一年度特別会計予算中厚生省所管、労働省所管及び自治省所管を議題といたします。  この際、政府から順次説明を求めます。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 昭和五十一年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について御説明申し上げます。  昭和五十一年度厚生省所管一般会計予算の総額は四兆七千三百九十一億八千九百七十七万四千円でありまして、これを昭和五十年度補正後予算額三兆九千六百三十四億百五十八万五千円と比較いたしますと七千七百五十七億八千八百十八万九千円の増額でありまして、一九・六%の増加となっております。  また、これは昭和五十年度当初予算に対しまして二一・三%の増加でありまして、国の一般会計予算の増加率一四・一%、その占める割合も一九・五%になっております。  申し上げるまでもなく、最近におけるわが国の経済情勢はまことに厳しいものがあり、明年度予算もまたこのような情勢に対応して編成されているのでありますが、各方面の絶大な御理解と御協力によりまして前述のとおりの結果を見るに至りましたので、この機会に各位の御支援に対し衷心より感謝申し上げますとともに、責任の重大さに思いを新たにし、国民の暮らしと健康を守る厚生行政の確立に努めたいと存ずる次第であります。  昭和五十一年度の予算編成に当たりましては、社会保障及び社会福祉に関する諸施策について、多様化していく国民の需要にこたえるため、従来の施策の全面的な見直しを行い、補助金等の合理化を図るとともに、各種施策の優先度に関する厳しい選択を行い、また、制度の充実に見合った国民の費用負担の適正化についても配慮し、真に必要な施策を計画的かつ積極的に推進することにいたしましたが、その際私の特に留意した点を申し上げたいと思います。  第一は、老齢化社会への対応を着実に進め、老後の生活の安定を図るため、年金制度の改善、老人の生きがいを高める施策を充実する等、老人福祉対策を総合的に推進することといたしたところであります。  第二は、厳しい環境下にあって、社会的公正の要請にこたえていく見地から、その影響を受けやすい低所得者階層、心身障害者、児童等に対する社会福祉の基盤を整備することとして、生活扶助基準の引き上げ、在宅重度障害者緊急保護制度を創設する等、在宅福祉施策を拡充するほか、社会福祉施設職員の大幅増員など、施設運営の改善措置を講ずることといたしたところであります。  第三は、医療の向上を図り、国民の健康を守るため、現下最も必要とされている救急医療体系の充実強化を中心とする医療供給体制の整備、難病、成人病対策の拡充、医療保険制度の充実を図ることといたしたところであります。  以上のほか、国民各層の期待にこたえるきめ細かい厚生行政の実現を目指し、生活環境施設の整備、日常生活の安全確保対策、原爆被爆者、戦争犠牲者のための対策の拡充等を図ることとして、最善の努力をいたしたところであります。  以下、主要な事項についてその概要を御説明申し上げるのでございますが、委員各位のお手元に資料を配付いたしてございますので、お許しを得て説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。(拍手)

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 次に、長谷川労働大臣。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 昭和五十一年度一般会計及び特別会計予算中労働省所管分について、その概要を御説明申し上げます。  労働省の一般会計の歳出予算額は三千四百十二億九千七百二万八千円で、これを前年度当初予算額二千五百二十八億百三十五万六千円と比較いたしますと八百八十四億九千五百六十七万二千円の増加となっております。  次に、労働保険特別会計について御説明申し上げます。  この会計は、労災勘定、雇用勘定、徴収勘定に区分されておりますので、勘定ごとに歳入歳出予定額を申し上げます。  労災勘定は、歳入歳出予定額とも九千百五億一千七百七十五万一千円で、これを前年度予算額七千七百三億四千五百九十四万円と比較いたしますと一千四百一億七千百八十一万一千円の増加となっております。  雇用勘定は、歳入歳出予定額とも一兆五百五十二億八千八百六十五万八千円で、これを前年度当初予算額七千百八億四千九十九万六千円と比較いたしますと三千四百四十四億四千七百六十六万二千円の増加となっております。  徴収勘定は、歳入歳出予定額とも一兆三千二百二億七千七百四十万四千円で、これを前年度予算額一兆七百十六億九千四百四十三万三千円と比較いたしますと二千四百八十五億八千二百九十七万一千円の増加となっております。最後に、石炭及び石油対策特別会計の石炭勘定中当省所管分としては、炭鉱離職者の援護対策等に必要な経費として百四十五億三千五百五十七万七千円を計上しておりますが、この額は、前年度予算額百三十億九千二百七十一万八千円と比較いたしますと十四億四千二百八十五万九千円の増加となっております。  以下、この労働省予算案の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと存じます。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げる次第であります。以上。(拍手)

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 次に、福田自治大臣。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 昭和五十一年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一に、一般会計予算でありますが、歳入は三千八百万円、歳出は四兆六百六十三億八千八百万円を計上しております。  歳出予算額は、前年度の予算額三兆四千六百九十一億七千二百万円と比較し五千九百七十二億一千六百万円の増額となっております。  また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省四兆五百四十九億三千八百万円、消防庁百十四億五千万円となっております。  以下、主要な事項について、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。  よろしくお願いをいたします。(拍手)

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 この際、お諮りいたします。  ただいま、田中厚生大臣、長谷川労働大臣及び福田自治大臣からそれぞれ申し出がありましたとおり、各省所管関係予算の主要な事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————     〔田中国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、主要な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、生活保護費であります。  生活扶助基準につきましては、五十一年度経済見通しにおいて見込まれる個人消費支出及び物価の動向等を総合的に勘案し、前年度当初に比し一二・五%引き上げることといたしましたほか、教育、出産、生業、葬祭等の各扶助につきましても所要の改善を行うこととし、生活保護費として六千三百三十一億六千八百万円余を計上いたしておりますが、これは前年度予算に比し九百六十一億九千七百万円余の増額であります。  第二は、社会福祉費であります。  心身障害児者の福祉につきましては、特別児童扶養手当の額の引き上げ、福祉手当の額の引き上げ及び扶養義務者の所得制限の是正、国立の総合リハビリテーションセンターの設置等、従来からの施策の充実を図るほか、新たに在宅重度障害児者の緊急保護制度を創設することといたしており、また、重症心身障害児者のための施設につきましては、その整備にあわせて特に入所者の介護体制の充実に意を用いた次第であります。  児童の健全育成につきましては、母親クラブの普及、児童館の拡充等、従前の施策を充実するとともに、新たに都市児童の健全育成のための地域活動に対する助成制度を創設することといたすほか、母子の福祉について母子福祉貸付金等の増額など貸付制度の拡充、児童扶養手当の支給年齢の延長を行う等の措置を講ずることといたしております。  老人の福祉につきましては、追って申し上げますが、老齢福祉年金を月額一万二千円から一万三千五百円に引き上げるとともに、老人のための明るいまち推進事業の拡大、老人就労あっせん事業の強化等、生きがいある老後を実現するための施策を推進することといたしております。  また、老人、身体障害者等に対する家庭奉仕員事業、日常生活用具給付制度等について、それぞれこれを統合の上、メニュー方式による実施体系に改めるとともに、その拡充強化を図ることといたしております。  社会福祉施設関係費につきましては、引き続きその整備を進めるとともに、保育所について補助基準面積の改善を行う等の措置を講ずることといたしております。また、五十年度に引き続き、福祉施設従事者の勤務条件と処遇の改善を図るため、夜間勤務体制、休憩時間の確保等に必要な職員を増員いたしますとともに、職員の処遇、入所者の処遇全般について改善を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。  このほか、低所得者に対する援護対策として世帯更生資金貸付金の大幅な増額など貸付制度の拡充を行うとともに、同和対策等につきましても所要の措置を講ずることといたしております。  以上申し上げました社会福祉費の総額は七千八百七十七億八千五百万円余でありまして、前年度に比し一千四百五十三億五千四百万円余の増額となっております。  第三は、社会保険費であります。  まず、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰り入れに必要な経費として五千五百三十六億六百万円余を計上いたしております。  このうち、厚生年金保険につきましては、前回改正以降の経済変動に対処するため、昭和五十三年度に予定される財政再計算期を昭和五十一年度に繰り上げて改善を行うこととし、年金額の引き上げ、在職老齢年金の支給制限の緩和、遺族年金、障害年金の通算制度の創設、遺族年金の給付改善を主眼とする画期的な制度改善を図るとともに、費用負担の適正化を図るため標準報酬の上下限の改定、保険料率の改定等を行うこととし、その経費として二千二百六十一億七千四百万円余を計上いたしております。  政府管掌健康保険につきましては、分娩費の最低保障額の引き上げ等現金給付の改善のほか、任意継続被保険者制度の改善を行うとともに、標準報酬の上下限の改定、保険料率の改定等を行うこととし、これらに要する経費として二千四百九十二億四千四百万円余を計上いたしております。  また、船員保険につきましては、厚生年金保険及び健康保険に準じて改善を行うほか、任意継続被保険者制度の導入を図ることといたしております。  次に、国民年金国庫負担金でありますが、国民年金特別会計への繰り入れに必要な経費として九千十二億百万円余を計上いたしております。  このうち、拠出制国民年金につきましては、厚生年金保険と同様、年金額を引き上げるほか、障害年金、遺児年金の通算制度の創設等の改善を行うこととし、所要の経費を計上いたしております。  また、福祉年金につきましては、年金額を引き上げるとともに、本人所得制限及び恩給等との併給制限の緩和を図るほか、母子、準母子福祉年金の子等の年齢を引き上げることとして、所要の経費を計上いたしております。  国民健康保険助成費につきましては、療養給付費補助金など総額一兆二千八百七十五億一千八百万円余を計上いたしておりますが、このうちには、法定国庫補助金のほか臨時財政調整交付金等の特別助成費九百四十三億円及び事務費の改善に要する経費が含まれております。  以上申し上げました社会保険費の総額は二兆八千二百二十三億七千万円余でありまして、前年度に比し四千八百九十九億二千三百万円余の増額であります。  第四は、保健衛生対策費であります。  まず、難病対策につきましては、調査研究費及び治療研究費の対象疾病の拡大、増額を図るとともに、専門的治療を行う医療施設の整備を引き続き実施するほか、新たに小児の心疾患等に対する対象患者の年齢延長、国立精神・神経・筋・発達障害センター(仮称)の設置などの施策を講ずることといたしております。  次に、原爆障害者対策でありますが、特別手当、健康管理手当等の各種手当につきまして、額の引き上げ、所得制限の緩和を行いますとともに、新たに原爆病院の施設整備等の助成を行うことといたしております。  医療供給体制の整備につきましては、僻地医療対策、休日夜間診療対策等の諸施策について一層の充実を図ることといたしておりますほか、新たに、心筋梗塞等の重篤患者の救急医療を確保するため、救命救急センターの設置を進めることといたしております。  また、がん、循環器疾患等の専門医療の確保につきましては、国公立医療機関を中心に引き続き研究費の増額、施設の整備に努めますとともに、新たに循環器疾患について調査研究費を計上いたすこととしたほか、特殊診療部門運営費の助成拡大をも図ったところであります。  さらに、看護婦確保対策といたしまして、看護婦等貸費生貸与金制度の拡充、看護婦養成所助成対象の拡大、ナースバンクの拡充、夜間看護手当の引き上げを図るほか、新たに看護研修研究センターを設置する等、かなりの工夫をいたしたところであります。  このほか、結核、精神等の対策費を含めて保健衛生対策費は総額二千九百五十六億五千百万円余でありまして、これは前年度に比し百六十五億一千二百万円余の増額であります。  第五は、戦傷病者戦没者遺族等の援護費であります。  戦傷病者戦没者遺族等に対する年金につきましては、恩給法の改正に準じて引き上げますとともに、対象範囲の拡大を行うことといたしております。次に、戦没者妻等に対する特別給付金制度でありますが、対象範囲の拡大を行うほか、増額の上継続支給することといたしております。  また、戦没者の遺骨収集につきましては、引き続き五地域を対象に推進を図るほか、新たに戦跡慰霊巡拝を三地域で行うとともに、パプアニューギニアに戦没者慰霊碑を建設することとし、戦傷病者戦没者遺族及び留守家族等の援護費として合計八百十三億八千二百万円余を計上しておりますが、これは前年度に比し百六十二億四千七百万円余の増額であります。  第六は、生活環境施設整備費であります。  まず、水道施設整備関係費につきましては、水源の確保、水道事業の広域化を促進する等のため、補助率の引き上げ等補助体系の整備を行い、これら事業に対する助成の強化を図ることとして四百三十一億九千七百万円余を計上いたしました。  また、廃棄物処理施設の整備につきましては、引き続きその整備を進めるとともに、助成内容の改善を行うほか、新たに埋め立て処分地施設等について助成を行うこととして二百七十三億七千九百万円余を計上いたしておりますので、生活環境施設整備費は合わせて総額七百五億七千六百万円余となり、前年度予算に比し五十億四千三百万円余の増額となっております。  以上のほか、日常生活の安全確保対策でありますが、食品、家庭用品及び医薬品の安全性確保という見地から、調査研究費の増額、監視、情報収集体制の強化、試験検査体制の整備等について所要の経費を計上いたしました。  また、医薬分業の推進、麻薬覚せい剤対策の強化などに要する予算の確保にも努めたところであります。  以上、昭和五十一年度厚生省所管一般会計予算案の概要を御説明申し上げました。  次に、昭和五十一年度厚生省所管特別会計予算案の大要について御説明申し上げます。  第一は、厚生保険特別会計についてであります。  一般会計から五千四百十三億四千九十五万七千円の繰り入れを行い、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。  第二は、船員保険特別会計についてであります。  一般会計から百二十二億六千五百九十二万九千円の繰り入れを行い、歳入一千五百八十二億四千百一万七千円、歳出一千三百四十三億五千六百八十二万八千円を計上いたしております。  第三は、国立病院特別会計であります。  一般会計から五百億七千五百四十四万八千円の繰り入れを行い、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。  第四は、あへん特別会計であります。  歳入歳出ともに十三億三千五百三十二万六千円を計上いたしております。  第五は、国民年金特別会計についてであります。  一般会計から九千十二億百十六万円の繰り入れを行い、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。  以上、昭和五十一年度厚生省所管特別会計の予算案について、その大要を御説明申し上げました。  何とぞ、本予算案の成立につきまして、格別の御協力を賜りますようお願いする次第であります。     …………………………………     〔長谷川国務大臣の説明を省略した部分〕  次に、その主な内容について概略御説明申し上げます。  第一は、安定成長下における総合的雇用対策の推進に必要な経費であります。  数次にわたる総合的な景気浮揚施策の浸透により、今後の経済情勢は次第に好転していくものと見込まれますが、長期にわたる景気停滞により雇用需要の早急な回復は期待しがたいので、当分は厳しい情勢が続くものと思われます。  失業の防止と雇用の安定を図ることは、国民福祉の基礎となり、前提となるものであります。  このため、雇用調整給付金制度の活用等により失業の防止に努めるとともに、職業転換給付金制度の充実を図るなど、総合的かつ機動的な雇用対策を強化し、今後に予想される事態に備えてまいる考えであります。  特に、不況の影響を受けやすい心身障害者、高年齢者等に対する対策の抜本的な強化を図ることとしております。  心身障害者につきましては、心身障害者職業センターや勤労身体障害者体育施設の増設、雇用奨励金の増額等就職援護措置の拡充、障害者雇用促進団体の育成強化などの措置を講じ、心身障害者の雇用を促進することとしております。  また、高年齢者につきましては、定年延長奨励金制度の拡充を図り、定年到達者を引き続き雇用する中小企業事業主に対しては継続雇用奨励金を支給する制度を創設するとともに、高年齢者職業相談室、人材銀行の増設、高年齢者雇用奨励金の増額を図るなど、高年齢者の雇用対策の強化を図ることとしております。  なお、心身障害者、高年齢者について一層の雇用の促進と安定を図るため、雇用率制度の刷新強化等を内容とする法案を今国会に提出することとしております。  さらに、基幹産業の一つでありながら他産業に比べて雇用面での立ちおくれが著しい建設業における雇用の改善、能力の開発向上及び福祉の増進を図るため、所要の法案を今国会に提出いたしております。  次に、炭鉱離職者、沖繩県失業者、大学卒業者等新規学卒者、同和対策対象地域住民等のための雇用対策については、これを一層充実するほか、失業対策事業につきましても、就労者の賃金を五十年度当初に比べ一一・七%引き上げることとしております。  これらに必要な経費として九千百五十億六百五十一万二千円を計上いたしております。  第二は、勤労者の能力開発の推進に必要な経費であります。  経済社会の急激な変化の中にあって、労働者の職業能力を開発、向上させ、労働者の職業の安定と地位の向上を図ることが強く要請されております。  このため、在職労働者を対象として行う事業内訓練の補助内容の充実、有給教育訓練休暇奨励制度の拡充等により生涯訓練体制を整備するとともに、訓練需要の多様化に対応し、公共職業訓練施設の拡充と機能の強化を図ることとしております。  また、職業訓練技法及び訓練教材の総合的開発整備を行うため、職業訓練教材研究所設置のための準備を進めることとしております。  これらに必要な経費として二百五十三億百四十八万二千円を計上いたしております。  第三は、労働者生活の安定を図るための総合的労働者保護対策の推進に必要な経費であります。  産業社会の進展に即応した総合的な労働災害対策の推進、特に、最近問題となった六価クロム、塩ビ問題などに見られるように、職業性疾病の制圧は緊急の課題であります。  このため、基本的な調査研究の充実、有効な予防措置の実施、被災労働者に対する迅速な補償など、予防から補償まで一貫した総合的対策を進めることとしております。  次に、労災保険制度につきましては、最近における労働災害の動向、年金受給者の実情等にかんがみ、被災労働者の社会復帰の促進、労働者の安全衛生の確保などを含め、保険事業の総合的な拡充を図るとともに、年金給付等の内容を改善するため、労働者災害補償保険法の一部改正を行うこととして、所要の法案を今国会に提出いたしております。  また、企業の破産等により賃金の支払いを受けられない労働者に対し、国が事業主にかわって立てかえ払いをする制度を創設することとして、所要の法案を今国会に提出いたしております。  なお、最低賃金制度につきましては、地域別最低賃金が昨年末をもって全都道府県に設定されたところであり、今後はその内容の充実を期することとしております。  これらに必要な経費として五千百八十三億九千五百三十二万一千円を計上いたしております。  第四は、経済社会の変化に即応する新しい労使関係の形成促進に必要な経費であります。  わが国経済は、石油危機後のいわゆる経済の調整過程にありますが、経済を長期安定成長路線に乗せていくためには安定した労使関係の形成が不可欠であります。  このため、産業労働懇話会等を通じて労使関係者相互の理解を深めるなど合理的労使関係の形成を図るとともに、労使紛争の平和的解決を促進することとしております。  これらに必要な経費として五億九千八百四十二万八千円を計上いたしております。  第五は、勤労婦人を中心とする婦人の地位向上対策の展開に必要な経費であります。  昨年の国際婦人年を契機として、さらに婦人の地位の向上を図ることが強く要請されております。  このため、国際婦人年世界会議において採択された行動計画の趣旨に沿って婦人の地位向上のための啓発活動を強化し、職場における男女平等の促進を図るとともに、育児休業制度の普及など職業生活と家庭生活の調和に関する施策の充実を図ることとしております。  これらに必要な経費として三億二千八百六万七千円を計上いたしております。  第六は、勤労者福祉の充実に必要な経費であります。  勤労者の豊かで安定した生活を実現するためには、福祉対策の充実を図ることが必要であります。  このため、来年度におきましては、中小企業勤労者財産形成助成金制度の発足等勤労者財産形成政策の充実を図るとともに、中小企業退職金共済制度の普及促進などの諸施策を推進することといたしております。  また、勤労者が家族を含めて楽しくかつ手軽に余暇を過せるような勤労者いこいの村等の施設の増設を進めることとしております。  勤労青少年福祉対策につきましては、福祉施設の整備充実のほか、勤労青少年指導者大学講座の充実、スポーツ活動の振興を図るとともに、勤労青少年福祉団体の育成援助を行うこととしております。  これらに必要な経費として百九十九億一千六百三十九万一千円を計上いたしております。  第七は、国際協調の必要性の増大に対応した労働外交の拡充に必要な経費であります。  近年のわが国経済の国際化の進展に伴い、世界各国の政治、経済、社会の諸分野における相互依存、相互補完の関係はますます強まっており、労働問題の分野における国際的なつながりも緊密化し、国際的視野に立つ積極的活動が強く要請されるようになっております。  このような情勢に対処して、ILO、OECD等の国際諸会議への積極的参加等を通じ国際諸活動への協力を一層推進する一方、国際交流事業の拡充、労働行政の各分野における国際協力の強化等の施策を通じ、積極的に労働外交を推進してまいることとしております。  これらに必要な経費として十八億三千六百八十五万二千円を計上いたしております。  以上のほか、労働行政体制の整備充実、一般行政事務費等に必要な経費を計上いたしております。  以上、昭和五十一年度労働省所管一般会計及び特別会計の予算について概略御説明申し上げました。  何とぞ、本予算の成立につきまして、格段の御協力をお願い申し上げます。     …………………………………     〔福田(一)国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして内容の御説明を申し上げます。  最初に、自治本省につきまして御説明を申し上げます。  まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、昭和五十一年度は三兆八千九十六億五千六百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和五十一年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額三兆八千六百五十六億円から昭和四十九年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れられた額五百五十九億四千四百万円を控除した額に相当する金額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  次に、臨時地方特例交付金の繰り入れに必要な経費でありますが、六百三十六億円を計上いたしております。  この経費は、地方財政の状況を考慮し、昭和五十一年度限りの特例措置として、交付税及び譲与税配付金特別会計を通じ地方交付税交付金として交付する財源の同特別会計への繰り入れに必要な経費であります。  次に、借入金等の利子の財源の繰り入れに必要な経費でありますが、六百八十九億八千九百万円を計上いたしております。  この経費は、地方交付税交付金に係る借入金及び一時借入金の利子の支払い財源を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、百五億円を計上いたしております。  これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し助成交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、三十五億五千万円を計上いたしております。  この経費は、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し調整交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として四百九十八億三千七百万円を計上いたしております。  この経費は、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するために必要な経費であります。  次に、小災害地方債の元利補給に必要な経費でありますが、六億三千万円を計上いたしております。  この経費は、昭和四十一年以降昭和五十年までに発生した公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債に対する昭和五十一年度分の元利償還金の一部に相当する金額を地方公共団体に交付するために必要な経費であります。  次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費につきましては六十六億二百万円を計上いたしております。  これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、地方公営交通事業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、四十五億九千四百万円を計上いたしております。  これは、地方公営交通事業の再建を促進するため、再建事業を経営する地方公共団体が起こす再建債について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、再建公営路面交通事業のバス購入費の補助に必要な経費でありますが、二十三億六千三百万円を計上いたしております。  これは、再建を行う公営路面交通事業を経営する地方公共団体に対する当該事業のバス購入費の補助に必要な経費であります。  次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、二十億八千二百万円を計上いたしております。  これは、公営企業金融公庫の水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業にかかる貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するために必要な経費であります。  なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費五億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。  次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、百五億八千九百万円を計上いたしております。  これは、昭和四十六年度末における公営地下高速鉄道事業債にかかる支払い利子に相当するものとして発行を認める企業債の利子相当額について、地方公共団体に助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、公営病院事業助成に必要な経費として八億二千二百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和四十八年度末における公営病院事業の不良債務の範囲内で発行を認めた公立病院特例債の利子について、地方公共団体に対し助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費でありますが、百七十三億七千百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和五十一年度における衆議院議員の総選挙の執行に必要な経費、総選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する総選挙の啓発の推進をするために必要な経費及び総選挙の際に執行される最高裁判所裁判官の国民審査に必要な経費であります。  次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、十二億円を計上いたしております。  この経費は、選挙をきれいにするための国民運動を展開するとともに、常時、選挙人の政治常識の向上を図るための啓発に要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。  以上が自治本省についてであります。  次に、消防庁について御説明申し上げます。  まず、石油コンビナート地帯防災対策に必要な経費として十一億三千三百万円を計上しております。  この経費は、石油コンビナート地帯における防災体制を確立するため、石油コンビナート等災害防止法に基づき地方団体及び事業者に対する防災指導を行うとともに、消防用特殊車両及び防災資機材の整備に対する助成並びに石油タンク等に関する技術基準の作成、防災に関する科学技術の開発等を行うために必要な経費であります。  次に、大震火災対策に必要な経費として十三億四千九百万円を計上いたしております。  この経費は、大震火災の発生時における避難の安全、初期消火及び延焼拡大防止を図るために必要な施設等の整備、空中消火試験の実施並びに防災知識の啓発等、大震火災対策を推進するために必要な経費であります。  次に、消防施設の整備に必要な経費として六十七億三千三百万円を計上いたしております。  これは、消防ポンプ自動車、防火水槽、はしごつき消防車、化学消防車及び消防吏員待機宿舎等、消防施設の整備に対して補助するのに必要な経費であります。  以上のほか、救急業務協力推進費補助に必要な経費として八千四百万円、消防防災無線通信施設の整備に必要な経費として九億円、林野火災対策に必要な経費として一億一千三百万円を計上しております。  第二に、特別会計予算につきまして御説明を申し上げます。  自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は六兆八千四百六億七千二百万円となっております。  歳入は、地方交付税交付金及び借入金等利子の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。  歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。  以上、昭和五十一年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。     —————————————

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 以上をもちまして厚生省所管、労働省所管及び自治省所管についての説明は終わりました。  この際、暫時休憩いたします。     午前十一時五十三分休憩      ————◇—————     午後二時開議

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。正示啓次郎君。

正示啓次郎自由民主党

○正示分科員 きょうは厚生大臣、政府委員、御苦労さまです。こういう異常な状態で分科会が開かれますが、分科会の非常なメリットは、われわれ選挙区の実情をつぶさに申し上げて、大臣諸公が天下の大勢をごらんになると同時に、また津々浦々の実情にもぜひこの機会に精通をしていただき、いわばかゆいところに手の届くような行政をやっていただきたい、こういうわけで、これからほんのちょっとしか時間を下さいませんので、その時間の間に厚生大臣、労働大臣、そして自治省に一言ずつ、お願いかたがたお尋ねをいたします。  田中厚生大臣、私の郷里に、御承知のように大規模年金保養基地をつくっていただくことが決定しておるわけです。そこで、こういう時局でございますのでなかなか財政的には大変なときでありますけれども、私はぜひこれを促進していただきたい、これが第一であります。  それから、そのためにはまずりっぱなマスタープランをおつくりになると同時に、地方のそれこそ私のところの那智の滝、勝浦温泉で有名な那智勝浦町につくっていただくこと。あるいは若干、鯨で有名な太地町というところにまたがっておるのですが、ここは非常な観光地でございまして、民間の観光業者が相当いんしんをきわめておるのです。そこで、誘致するときは盛んにわれわれにもしっかりやってくださいということで、厚生省へお百度を踏んだわけです。さて今度来ることになりますと、一体どんなのが来るんだろう、われわれ観光業者の職をむしろ奪うようなことになるのじゃないか、地元はこういうことを非常に心配しておるわけです。だから、そんなばかなことはない、とにかくいま非常なこの不況期に貴重な政府の資金を投じてこれはやっていただくのだから、皆さんに非常に喜んでもらえるようなことに持っていくべく、大臣を初め厚生当局も考えてくれておるし、それに対してまた県当局その他がお互いに情報を交換して、本当に適切なプランに基づいて適地に工事をやっていただけるのだから心配するな、こういうふうに言っておるのですが、きょうは非常に貴重な時間を与えていただきましたので、あと労働大臣とあれがありますので、ちょっと、いままでのその進行状況、そしてその構想の概略、いま私が申し上げたような点にひとつ触れながらお答えをいただきたい。どうぞよろしくお願いします。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 和歌山県の紀南基地の件でございますが、これにつきましては、昨年の三月指定をいたしまして、同じく昨年七月にいわゆるマスタープランの作成につきまして年金福祉事業団から財団法人の年金保養協会に委託いたしましたところ、本年三月末、同協会からその成果品が事業団の方に納入されました。したがいまして、目下事業団といたしましてはこれを基礎にいたしまして事業団としての基本計画案を鋭意作成中でございまして、近々それが私どもの手元に参りますと、関係省庁とも協議の上、厚生大臣の承認の手続を終わることになろうかと存じます。

正示啓次郎自由民主党

○正示分科員 そこで、私がさっき申し上げたことを局長はお聞きになっておられましたね。大臣も聞いてくださったと思いますが、そういう点について配慮をどうするか、これをひとつちょっと……。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 それで、このマスタープランの作成に当たりましては、年金保養協会におきまして中央における委員会と同時に地区計画委員会というものを作成いたしまして、和歌山県関係者にもこの計画委員会にお入りいただきまして、そういう方の意見も十分聴取の上でマスタープランをつくっておりますので、先生御指摘のような点につきましては十分考慮されておるものと私どもは考えております。

正示啓次郎自由民主党

○正示分科員 せっかく猛運動をして、待望久しきものが来てくれるけれども、それが既存の業者の商売を上がったりにするような、まあいわばオーバーラップするようなことにならぬようにひとつ十分御配慮いただきますように、これは大臣、ぜひよろしくお願いします。最後に大臣からひとつ。  それからもう一つ、これは労働大臣とヘッジするわけで、ずっとつながっていくわけですが、こういうことをやるのでいま業界は——業界といったら今度は建設業界なんですけれども、これはもうウの目タカの目なんです。何しろいま不況でしょう。からっからですからね。干天に慈雨を待ち望むがように、早くもこういうものが来ればそれに飛びつこうとしておるのですよ。そこで、後で労働省に伺うのですが、やはり労働省の雇用促進事業団の工事なんかに同じような問題があるのです。今度の年金福祉事業団の事業に対しましても、私はぜひこの際お願いしておきたいのは、これはもう中央の大業者も地方の業者も、およそ建設関係の業者はみんなウの目タカの目ですよ。  そこで、まず第一に、これはどうしても中央の大業者が地方の方へ出かけていってごそっと事業を取るということではいかぬと思うのです。これは後で労働大臣にお願いしますが、厚生大臣だって全く同感であろうと思う。さりとて能率の悪い業者ばかりを保護するようなことになっても、貴重な国民の資金であり税金でございますから、これもまた困る。地方の業者を十分活用するけれども、それにはりっぱな、中央の業者を持っていった場合にもひけをとらぬような、それに十分コンピートできるような仕組みで、たとえばジョイントベンチャーを組んで近代的な機械力を使ってやるとか、そういうことも大いに必要だと思う。これは恐らく労働省はお考えになっておられることだし、建設省もその点非常に力を入れていると思うのですが、田中厚生大臣から最後に一言お話をいただくときに、いまのような、既存業者との調整の問題、そしてこの大規模年金保養基地の事業を推進するに当たっての関係業界、これはもういわゆる中央の大手業者に偏らないように、地方の業者を十分活用して、しかもよろしき指導によってりっぱな能率を上げさせる、こういう点について十分配慮していただきたい。この二点について、ひとつ田中厚生大臣のお言葉をいただきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 大規模年金保養基地の基本計画等々をつくる場合、地元の既存業者との間に営業の競合が生じないよう十分配慮をいたす所存でございますが、もともと、大規模年金保養基地は、年金加入者、ことに老人の福祉を図るものでございますから、そうした観点を推し進めることによって十分調整が図れるものと思っておりますが、一部については、やりようによっては競合を来す面もあろうかと思いますので、そうした点については地元とよく相談をいたしまして、万遺漏のないようにいたしたいというふうに考えております。  また、第二の工事施行並びに設計に関しましては、今日の御時勢でございますので、いろいろと業界の方で思惑があるようでございまして、私どもといたしましては、年金福祉事業団がこれを実施をいたすわけでございますが、年金福祉事業団とかねがねいろいろと話し合いをいたしまして、できるだけ地元の業者がこれに参加ができるようにいたしたいというふうに思っております。しかし、事柄の性質上、大きな工事もございますので、全部地元業者というわけにはなかなかいかぬという一面もあるように聞いておりますが、いま先生のおっしゃるように、ジョイントベンチャーを組むとかあるいはまた下請に地元を使うとか、あるいは資材の納入業者にできるだけ地元を使うといったようなあれこれの配慮をもって、地元にできるだけこの工事に伴う利益が還元できるような方向で進みたいというふうに思っておりまして、この点については、すでにもう基本計画が承認になり、基本設計に入っている地区がございますので、すでにそういったような具体的な場面が近づいておるものですから、したがいまして、年金福祉事業団とそういう方向で今日話し合いをしておりまして、今後とも先生の御意に沿うように努力をいたしたい、かように思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示分科員 では続いて長谷川労働大臣に。  今度、きょうの異常な予算審議に至る一つの大きな決定的なモメントは、普通なら暫定を四十日間も組めばそうぎすぎすせぬでいいじゃないかというような議論もあったんです。しかし、私はいささか予算当局なんかに聞いてみますると、雇用調整給付金というのが非常に大事なんだ、一日といえどもブランクは許されぬ、こういうようなことから実はいろいろ理事会なんかでも話が出まして、それはだめですよ、雇用調整給付金のような大事なものを含んだ今度の予算には一日といえども空白は許されぬぞというふうなことを申しまして、皆さんもそんな窮屈な組み方しているのかと言うのですけれども、これはいまの雇用問題、ことに雇用調整給付金の性格からいってそういう扱いをせざるを得ないんだよということで話し合ったような次第で今日に至りまして、まあこれが、主査を初め委員各位が非常によく協力をしてくれまして、予定どおり行けば本当にそういう意味からも結構だ、こう思っておりますので、雇用問題ということが非常に大事ないまのときでございますから、労働大臣に一層の御健闘をまずお祈りしておきます。  そこで、実は局長、さっきから私のところに来てくれまして、いま厚生大臣に申し上げたのと同じことなんです。この雇用促進事業団が各地で雇用促進住宅をやってくださっている。非常にいいんですよ。ところが、私の郷里の方で聞きますと、やはり大阪の大きな業者が落札しまして、それで孫請に出すような場合に大変もとの単価と違う、こう言うんですよ。人夫賃なんかでも。そういうことについて、私は先般事務次官に、これはひとつ調べてくれよ、それでちゃんとこういうのは明白にした方がいいぞ。さっき申し上げたような趣旨と同じなんです。そういうことで、せっかく雇用促進、不況脱出の予算が大きな業者に行って、そして末端に行くまでに中間でかすめ取られるようなことになったら大変じゃないか、だからひとつ調べてくれ、こういうふうに申しましたら、そうすると、いま何か審議会に出ておられて課長は見えないそうですか、その人から電話がありまして、早速調べて資料を届けますと言うのだけれども、国会もこんなストライキをやって、こんなことをやっているところなんですが、その間じんぜんとして待てども暮らせども来ないのですよ。そのときに私ははっきり言ったのです。もしあなたの方でいいかげんなことをすると、私はこれは国会で大臣に聞かざるを得ないぞとちゃんと言っておいたんです。だけれどもいままで来ないからやむを得ず私がきょう伺うのですが、さっきちょっと非公式に局長から雇用促進事業団のそういう工事についての基本的な方針というものについて聞きましたら、りっぱな構想ですから、それをまずここで述べていただくと同時に、それはこれからの工事についてそういうことをやられるそうでありますけれども、私の指摘しておるのは前の工事であります。だからそれについては徹底的にひとつ業者について、元請は一体幾らの単価で出して、それが中間的にどうなって、最終的にどうなっておるかの資料を出していただきたいと思いますが、これは後で、もしきょうおわかりにならなければ、これはロッキード問題と同じですよ、徹底的に究明します。だから、これは私は資料をいただくまでは引っ込みませんからね。  それをやっていただくと同時に、その前に今度は労働大臣に、こういう大事なときでございますから、いまの雇用促進事業団、これはもう大臣の監督下にある事業団、その工事を請負に出すような場合に、やはりさっき申し上げたと同じように、中央の大業者偏重ということにならぬように、地方に十分にやらす。そのかわり、それの能率を上げさせるためにはジョイントベンチャーを組むようなことも考えさせる、こういうようなことをやっていただきたいと思いますから、その点についてまず大臣からお答えをいただいて、あと局長のお答えをいただきたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 一番先に、雇用調整給付金について非常に御心配いただいたこと、ありがとうございました。これはいままでも効果を上げてきましたが、いまから先もいろいろなことを考えながら、その制度の活用を図って失業者を出さないようにしようと思っております。  それから、促進住宅あるいはまたいまのいこいの村ですか、そういう問題についての御質問のようでございますけれども、私は労働省で、私も選挙区を見ておりますが、とにかく建設業者には資格がある。だからなかなかもって資格の下のものがりっぱな工事を受け取れないということがありますが、そういう場合にはジョイントベンチャーを積極的に組ませる。それからもう一つは、大プロジェクトもさることながら、文教とか労働とか、こういう建設工事が地方に行って、ようやく網の目を細かくして景気を刺激していると思うのですよ。そういうことからしますというと、やはり中小企業の育成、地場建設業者の育成、こういうことは事あるたびに雇用促進事業団の方に申しておりますから、そういう方針でやっていただいておる、こう私は理解するのであります。こういう国会の場で改めてそういう話がありましたから、さらにそれを推進してまいりたい。なお、その途中の話になりますというと、これは私ちょっとわかりませんが、しかし、いまのような原則で仕事をしてもらっているということだけは御理解いただきたい、こう思っております。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤政府委員 ただいま先生から御指摘になりました住宅工事につきまして具体的な、下請あるいは孫諸等について調査の結果を報告するようにという御指示があったということは承知いたしております。先生の御指摘になりました件につきましてはまだ下請におりておりませんで、ごく基礎工事について最近になって孫請といいますか下請が決まったということで、その点についてだけの報告が来ておりますので、下請関係が全部決まりました時点で、先生の御指摘になりました関係業者名、下請の金額等につきまして全部報告を取りまとめた上で御提出申し上げたいと思います。  いま大臣からお話がございました、工事入札関係の労働省として事業団に指導しております方針は、大綱はいま大臣からお話があったとおりでございますが、私どもの工事は、雇用促進事業団でやっております工事の中で一億未満のいわゆる体育施設的なもの、それから住宅が大体三、四億程度でございます。それ以上七、八億から十億を超えます工事と、大体三つに分類できます。主として一番数の多い住宅関係等につきましては地場業者優先という方針で、従来ややもすれば、こういった三、四億のものを大手業者が取って地場の中小業者に下請分割させる、あるいは下請業者が四業者も五業者も組むというようなことが実態として行われておりましたので、新年度以降、こういったものをジョイントベンチャーで地場の中小業者が正式に入札に参加できるという体制をとっていきたい。それから七、八億、十億の工事につきましても、いままではほとんど中小業者は締め出されておりましたけれども、昨年一つの例ができまして、中小業者がジョイントベンチャーで受注したという例もございました。これを今後は正式にそういった体制をとっていきたい、こういうことで、先生御指摘になりましたような地場業者を最優先させていくという方向で積極的に指導していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

正示啓次郎自由民主党

○正示分科員 大臣、局長がお述べのように、いままでそうでなかった点もあるようでございますから、これは率直に新年度からと言われましたから、その線をぜひ推し進めていただく。それで、そういうことへ反省され、改善される一つのきっかけを——今度の場合は中央の業者がとっていっておるわけです。それが末端へ来るとこんなふうに最初の単価が違いますというようなことを言っておるわけですから、私はそうでないことを祈っておるのですが、それの一つの調査の結果を私はテストケースとして見たい、こういう意味ですから、ぜひその資料をいただきたい。労働大臣、そういうことでございます。それだけでございます。  あとは、自治省の方に。財政局長、この国会で重要な問題は、きょう民社さんが非常に協力をしていただいて、本予算に取り組む、暫定の補正なしに行けるというふうにぜひやらなければいかぬ。その大きな理由は、地方財政だと思うのですよ。地方財政をいま以上に疲弊させたらこれはとんでもないことだ。不況からの脱出ということはなかなかできない。そこで、この間、暫定予算のときも精いっぱい努力したわけです。しかし、何といっても限界があって、地方交付税法の改正ということが行われていないと、これは非常に困ったわけです。そこで、財特法なんかとともに、あるいはそれより前にでも地方交付税法の改正というものが非常に大事だということを私は思っておりますが、余り時間がないので、あなたからるるなにですけれどもポイントだけ言ってもらうことと、時間がないからあわせて言いますが、地方税法なんかはこの間うまく乗りましたから変なことにならなくて、あの中には非常におかしな——もし日切れ法案ができなかったらえらいことになるということのPRがよく行き渡ったことは結構だったのですよ。だから、交付税法の改正についても、その点をまずみんなが十分理解して、民社さんと自由民主党の間に、重要な法律案について速やかに成立を図るということになっておりますから、その中に交付税法の改正案をぜひ入れるように私は要望しておきます。その交付税の非常に大事な点を一、二述べていただくことが第一。  それからもう一つは、あなたはいま財政局長であられ、後任の税務局長はすでに御着任後であるから、あなたはいまのお仕事でないが、ずっとやっておられたから……。ことしの税制改正で非常に損をしたのは、地方税法が、住民税においては、あの二兆円の減税のおかげで相当軽くなっておるという点が一向に周知されていないのだ。この点をもっと周知徹底させるべきである。均等割りをふやしたという点ばかりが知れ渡って、二兆円減税の所得割りの面がずっと出てきて負担の軽減が行われているんだ、これがすなわち国民消費という形で不況脱出へのプラスの作用をしておるわけです。  地方交付税法の改正の必要性、それからいまの、ことしの税制における余り知られていない盲点、この二つについてあなたから、財政局長だけれども、前税務局長でもあるのだから、自治大臣にかわって御答弁をいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 まず交付税の問題でございますが、御案内のように地方交付税は、そのうち普通交付税の額を年四回に分けまして地方団体に概算交付をする仕掛けになっておりまして、普通交付税の四分の一ずつを四月、六月、九月、十一月に概算交付をいたします。その月には、できるだけ早い機会に現ナマをもって地方団体に送るという仕掛けになっておるわけでございます。これが前提の一つ。  それからもう一つは、ことしの地方交付税でございますが、このような経済状況で国税三税の額も非常に少のうございますので、本来の地方交付税の額、つまり国税三税の三二%に当たります額でははなはだ額が不足をするわけでありまして、明年度の地方財政には実に二兆六千億を超えます財源不足が見込まれたのであります。そこで、ことしの地方交付税法には特例を設けまして、約一兆三千八百億、これだけの大きな額の借入金と臨時地方特例交付金、これを特に組み入れていただいて、その旨の提案をいたしておるわけでございます。この一兆三千八百億円は、臨時地方特例交付金が六百三十六億、それから特別会計の借入金が一兆三千百億余り、こういう内容になっております。  このような地方交付税法の法案でございますので、この地方交付税法が成立をいたしませんと、成立をいたすまでの間は、四月に概算交付をいたします地方交付団体への交付金がこの特例措置分だけ減額せざるを得ない、実はこういう羽目に陥るわけでございます。今回の暫定予算におきましては、実は、最近の地方財政の窮乏の状況等もございましたので、私どもの方から大蔵省にも非常に強く訴え、かつまた大蔵省も了解をしてくれまして、暫定予算の中におきましても、従前でございますと前年度の国税三税の三二%、それの四分の一という暫定の組み方でありますのを本年度の国税三税の三二%、それの四分の一、こういう特別な計らいをしてもらったのでございまして、このことによって約千二百億ほどの増額交付をいたしたのであります。しかし、先ほど申し上げましたような事情によりまして、通常の状況で配りますものに比べてうんと差が出るわけでございます。どのくらいの差が出るかと申しますと、地方交付税法が成立をいたしました暁には、四月概算交付の本来の額は約一兆二千二百億近くの額になるべきところ、今回の暫定予算で交付をいたしました額は八千九百四十一億、こういう額でございまして、この間約三千二百億余りの金額が法律制定のときまで宙に浮いておると申しますと語弊がございますが、配れないでおるわけでございます。このことはとりもなおさず、本予算の一日も早い成立と地方交付税法の一日も早い成立を地方団体が待ちわびておるという状況を現出をしておる次第でございます。  ただいま地方団体の状況をいろいろ聞いてみますと、本来四月は財政資金の非常に乏しい月でございますので、恐らく六千億を超えるような一時借入金をやりながらこの月を過ごすという事態にならざるを得ないのではなかろうかと思っておるのでございますが、私どもとしては、一日も早くこの法律が成立をいたしますようにお願いを申し上げたい、こう考えておる次第でございます。  それから、第二点は税法の問題でございますが、ただいま御指摘を賜りましたとおりの状況がございます。今回の地方税法の改正では、自動車関係税そのほかの増収もお願いを申し上げたのでございますが、減税の面におきましては、住民税の所得割りにおきましてただいま御指摘の大幅な減税が実施をされておる次第でございます。このことは、御案内のように国税が、所得税の方で給与所得控除の大幅な引き上げを行いまして、例の二兆円減税というのを実施をいたしたのでございますが、地方税は、前年の所得に対しまして住民税の所得割りを課しますので、昨年度行われました国税の大幅な減税、これがことしの住民税にそっくりそのまま影響が来るわけでございまして、所得控除の引き上げでございますから、いわゆるサラリーマンに対する減税、これがことしは地方の住民税所得割りにおいてあったわけでございます。この金額は、正確な数字を忘れましたが、二千七、八百億に及んでおったと思います。よく言われます夫婦子二人の標準家庭におきまして課税最低限も約百三十万程度にまで引き上がったと思っておるのでありますが、このような減税がございましたのは御指摘のとおりでございます。

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 正示君の質疑は終了いたしました。  次に、住栄作君。

住栄作自由民主党

○住分科員 私は、まず職業訓練について、二、三御質問申し上げたいと思うのです。  最近御承知のように、進学率が非常に高まりまして、職業訓練、養成訓練の場合ですが、養成訓練を受ける対象は中卒が非常に少なくなって、高卒ということに重点が移ってきておると思うのですが、そこらあたりの実情をまずお伺いしておきたいと思います。

中原晁労働省職業訓練局長

○中原政府委員 職業訓練校の入校状況につきましては、ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、最近高等学校への進学率が高まってきておることとも関連いたしまして、県によってかなりの違いはございますけれども、一般的に申しますると、高校卒以上の割合が逐年ふえております。たとえば、四十八年度におきましては、高卒者の割合は一七%でございましたけれども、四十九年度には二一%、五十年度につきましては二五%ということでございます。中には大学卒業生なども入ってきておるというような状況でございまして、逐年高卒者の割合がふえてきておる、こういう状況になっておるわけでございます。

住栄作自由民主党

○住分科員 まあ大体私の予想したような入校状況だと思うのでございますが、これからますます私はその傾向が強くなっていくだろうと思います。そこで、労働省の方でそういう事態に対処して、いろいろお考えになっておられると思います。と同時に、技能は日一日と高度化していく、これからのそういう進歩に応じて高度の技能者というものを養成するような方向にいかざるを得ぬと思います。  現在、職業訓練法においても特別高等職業訓練のコースというものがありますが、恐らくその一環として職業訓練短期大学という構想も進められておると思うのでございます。そこでお伺いしたいのは、現在東京に職業訓練短期大学が設置されて、恐らくことし卒業生が出たと思うのでございますが、そういった卒業生の実績について、それと同時に、予算にも今後要所要所に職業訓練短大を設置するという構想で進んでおられるように承っておるわけでございますが、その構想なり、本年度予算に組まれている予算額についてお伺いしたいと思います。

中原晁労働省職業訓練局長

○中原政府委員 職業訓練短期大学校につきましては、いま先生御指摘のとおり、五十年度から一校開設しておるわけでございます。これは、東京都の小平市にあるわけでございまして、現在の状況を申し上げますと、この間の三月に初めて第一回の卒業生を生み出したわけでございますが、修了者数五十二名でございまして、このうち他人に雇用された者三十八人、自営または家族従業者が五人、それから、その他九人と相なっております。この九人のうちの八名は進学者その他でございまして、私も卒業式の日に参ったわけでございますが、それまでに就職の決まっておらない者はたった一名ということでございまして、現在の不況下におきまして就職状況というものは非常に良好かと思っております。  それから入校状況でございますが、ことしの四月、今月でございますが、入校につきまして、定員百六十名でございますが、応募が二百九十四名ございまして、合格者数が百八十九名ということに相なっておるわけでございます。  それから第二点の御質問でございますが、五十一年度の予算につきましてはどうなっておるかということでございますけれども、これは、職業訓練短期大学校につきましては、主として雇用促進事業団立の総合高等職業訓練校、この既設のものを転換して、充実して設置していくという計画でございまして、五十一年度の予算につきましては、東北地区、北陸地区、九州地区というような三カ所におきまして既存の施設、総訓でございますが、この建物の充実を図るために、五十一年度、五十二年度という二カ年計画の初年度分といたしまして、二億六千二百万円を計上しているところでございます。これは建物だけでございまして、機械等につきましては五十二年度以降に整備する計画でございますが、やはり訓練短大となりますと、一般の総訓に比べましてかなり充実した機械等も要ると思いますので、これにつきましては訓練短大にふさわしい機械等をやはり整備する必要があろうかというふうに考えておる次第でございます。

住栄作自由民主党

○住分科員 短大の構想で、本年度、初年度分として二億六千二百万円でございますか、三カ所だ。まあ大体八千万円、それを倍にしても一億六千万円。これはいまもお答えがありましたように、機械その他の分は別で、建物だけだという話でございますが、どうも私は、やはり短期大学ということから考えてみますと、それで本当にりっぱな短期大学ができ上がるのであろうか、こういうことを実は心配するわけでございます。まあ私立の短大一つつくるにしたって十数億、もっとかかるかもしれません。既存の施設を利用するという話でございますけれども、既存の施設は高等訓練校としての入れ物でございまして、短大の入れ物として果たしてふさわしいかどうかということになりますと非常に問題があると思うのですが、どうも予算がちょっと——それはやはりりっぱなものを建てないと、それだけ今後の技能の高度化に対処してもいけないだろうし、また入校生の募集にもいろいろ支障も出るし、それから訓練の内容についても問題は残るのじゃないか。そういう点について、できれば大臣からそういうようなところに関するお考えを承っておきたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 いまから先、職業訓練の大事なことは、最近週刊誌が、国立大学の卒業生でさえも東京都内の職業訓練校には入っているということで、マスコミにもてはやされているし、もう一つは、やはりこういう時代には技能を持っておる者は失業の心配がないということ、世の中がそれを要求しているということですし、一方は、中学校卒業生というのはほとんどおりませんからね。私の県だけでも、ことし中学校卒業生で世の中に出たのが八百人。ですから、自然に高等学校の卒業生を対象とした訓練をやらなければならぬ。そこに短期大学ということが志向されて、ことしの卒業生の模様を見ても非常に……。まあ将来の問題としますと、これはもう先生御承知のとおり、やはり内容の問題、先生の問題もあるでしょう、こういう進歩する技能にマッチする先生を充実させることも必要でしょうし、それから、そういうものに魅力を感じて入ってくるという生徒の希望、もう一つは、これは将来の問題ですけれども、いま中高年齢者の失業者が非常に多いわけです。こういう人たちを訓練する、これは組合もそれを要求しているのですから、こういう需要にもやはりこたえていくような志向というものが必要なのじゃないか。  そういうことからしますと、おっしゃるように、まず予算の拡充は、実はただ予算取りではなくて、こういうバックグラウンドで私は予算が欲しいんだ。ここにちょうど大蔵省もおりますからよく聞いてもらった方がいいと思うのですが、ただ欲しいということじゃなくて、そういうバックグラウンドで欲しいのだ、こういう時代的要請を考えながら、いろいろひとつ専門家の話を聞きつつ、設備の改善なり時代の要求にこたえていくところに労働行政の進歩性がある、私はこういう感じでございますから、御理解を願いたいと思います。

住栄作自由民主党

○住分科員 いま大臣から大変力強い御答弁をいただいたわけでございまして、私は、やはり今後、職業訓練というものを労働政策の中で大いに力を入れていただかなければならないと思っております。と同時に、そのかなめである特別高等職業訓練のコース、それは具体的には短大の構想になってあらわれておるのでありますから、やはり短大としてそれなりに魅力あるものにしてもらいたいし、そしてそこの卒業生が、本当に短大を出た、こういうことで評価を受けるようになってほしいと思いますし、そういうことになれば、先ほど申し上げましたように、やはり内容を充実せぬといかぬ。初年度分でございますから、これはまあこれで結構だと思うのでございますが、まだ二年度分がございますわけですから、ひとつその点、やはり予算は要求していただかぬと大蔵省も考えようはないわけでございますから、労働省でも十分考えて、ひとつよろしくお願いしたいと思うのです。  それから、いま大臣が言われたのですが、ライフサイクルということで、どこでもいつでも学べる、私は、それは技能訓練を受けるということについてもそのとおりだと思います。そういう意味で、有給職業訓練制度等についても労働省はお考えになっておられるわけでございますが、それじゃ、それを受ける受けざらがあるか、こういうことになりますと、現在、職業訓練校なり事業団立の高等職業訓練校があるわけでございますが、やはり現在労働省でおやりになっておられる技能開発センターでございますか、ああいうものをもう少し拡充していただいて、単に一カ所ということでなくて、場合によっては事業団立の高等職業訓練校等においてそういう機能を果たせるような体制をひとつつくっていただかなければ、そういう有給職業訓練制度の普及あるいは経済の進歩に応ずる高度の技能者、こういうものをつくり出していくことはできないのじゃないか。そういうことで、技能開発センターについてのお考えを局長からひとつお伺いしておきたい。

中原晁労働省職業訓練局長

○中原政府委員 いま先生御指摘のように、今後、生涯訓練といいますか、在職訓練といいますか、こういう点がいままでは若干わき役的でございますが、訓練の主役として重視されなければならないという御指摘は、私ども全く同感でございまして、民間に対しましては、有給教育訓練休暇に対する奨励金でありますとか、その他派遣奨励金、いま先生の御指摘のような制度等で発足したわけでございますが、その受けざらといいますか、公共部面においてはどうなっているかということでございますが、私どもとしましては、成人訓練、この内容としましては、たとえばいままでの技能の上にさらに高度の技能を積み上げる向上訓練でありますとか、ちょっと古くなった腕とかあるいは新しい技術が入ってきたのでそれをまた新しくするための再訓練というような、向上訓練、再訓練を主体としますいわゆる成人訓練というものが、公共部面でも重視されなければならないというふうに考えておるわけでございまして、実績を申し上げますると、たとえば四十六年度におきまして一万二千百五十一人成人訓練を公共関係でやってまいりましたけれども、四十八年度には四万八千六百八十八人、五十年度におきましては、これは一応見込みでございますが、七万二千百八十九人というふうに飛躍的に拡充してこの成人訓練の面をやっておるわけでございます。  それにしてはその施設の拡充等について十分であるのかという御指摘でございますけれども、事業団の技能開発センターとしましては、先生御指摘のとおり、五十一年度一カ所ということで挙げてありますけれども、そのほかに私どもの考えとしましては、都道府県の職業訓練校におきましても毎年十カ所ぐらいずつ、これを成人訓練の施設として活用するような方策を講じておりまして、本年度におきましてもそういう方向で進み、それに必要な職業訓練の推進員というものもそこに配置して成人訓練の充実を図り、生涯訓練の拡充を図っていきたい、こういうことでございまして、大体そういう関係の成人訓練の経費としまして九億八千四百万円程度を考えております。  まあそういうことでございまして、この成人訓練の点につきましては、事業団の系統の技能開発センターのみならず、県の方の施設も有効に活用いたしまして、この受けざらと申しますか、公共部面におきましてもその実施に遺憾のないように進めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

住栄作自由民主党

○住分科員 訓練の重要性については申し上げるまでもないことでございまして、今後の構想もいまお伺いしたわけでございますが、本当にそういう構想が内容面においても充実して行われるように今後とも一層の努力をぜひお願いしたいと思っております。  次に、労災関係について二、三点お伺いしておきたいと思いますが、今度、労災法の一部改正法案はすでに社労に付託されております。私は、給付の充実を中心にした非常に大事な法案でございまして、できるだけ社労でも審議を促進して一日も早く成立を見ぬといかぬと思うのでございますが、まだ審議が始まっていないので大変残念でございます。それと同時に、法案に関してはまた社労でいろいろお伺いしたいと思うのでございますが、法案の中身になっていない部分でひとつお伺いしておきたいと思うのです。  それは、今回の改正というのは、長期給付の受給者を中心にして今後の充実が図られておるわけでございますが、年金の支給が受けられない者に対する分については今回の改正に入っていなかったと思うのでございます。と申しますのは、年金の対象にならない遺族については給付基礎日額の千日分、こういうことになっておることは御承知のとおりでございます。ところが、自賠保険の最高限度額というのはもうすでに千五百万円にもなっておりますし、それから最近の熊本の大洋デパートの火災の熊本地裁の和解の条件としましても、これは慰謝料として一括されておりますが、死者一人について二千三百万、配偶者三百万、子供は年齢によって二百五十万円から百万円までというような和解案が示されて、これはデパート側も受け入れておるようでございますが、そういうようなことから考えてみますと、千日分というのは、人命尊重という観点から見てもいろいろ問題があるんじゃなかろうか。この千日分をどうしろこうしろということを、いまの段階で私は申し上げておるわけじゃないのでございますが、労災福祉事業としてこの面についてもう少し何か積極的な配慮が加えられないものかと考えておるわけです。そういう点について基準局としてどういうようにお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 いま主としてお述べになりましたのは、遺族補償に関してであると思いますけれども、先生十分御承知のように、労災のたてまえといたしましては、被災労働者の稼得能力の補てんというのが大きな原則でございまして、したがいまして、亡くなられた場合にも、生きていらっしゃれば相当な収入があるにもかかわらず、そういう状態になったということを前提にいたしまして、主として扶養関係にある者についてできるだけその稼得能力を補てんする、こういうたてまえになっておるわけでございまして、しかも、その目的を全くするためには、国際的に見ましても年金が一番望ましいということから、昭和四十年以来年金制度を中心にやってまいっておりまして、今度の改正案にも、いま御指摘のように、年金の充実ということを一つの大きな眼目にいたしておるようなわけでございます。  一時金につきましては、年金に移行する前はすべて一時金でございまして、千日で打ち切られるということでございました。扶養関係にある者について年金になった場合に、扶養関係にない者についてそもそも補てんする必要があるかどうかという御議論がありましたけれども、従来の経緯にかんがみまして一応四百日の一時金制度というものが当時設定された、その後やはり四百日では足りないじゃないかということで千日になって現在に至っておる、こういうことでございまして、それをもってにわかに自賠その他の制度と横並びで比較することはなかなか問題があろうかと思います。現に年金について試算すれば、これは試算のやり方によってもいろいろございますけれども、かなり高額な給付がなされておるというのが実態ではなかろうかと思います。  そこで、そうは言いましても、やはり被災労働者の特に遺族の方々のお気持ちを察しますれば、できるだけ補てんが十分であるということが望ましいことは言うまでもございませんので、法律事項にはなっておりませんけれども、今回の制度改善の中で特別給与、いわゆるボーナスにつきまして、一定限度で遺族補償の一時金の受給者につきましてもその算定基礎に入れていきたい、そうすれば実質的にかなり改善が見られる、これがまず第一だろうと思います。  なお、いまお述べになりましたのは、現在、そういった所定の給付以外に労災の福祉施設として特別支給金、この場合百万円でございますが、こういうものを支給しておる、その改善についてどうにかならないものかという御指摘だと思いますけれども、そういった経緯あるいは今回のボーナスが入るというようなこともよく考えました上で、なお、その点についても今後どうするか検討をさせていただきたいというふうに思います。

住栄作自由民主党

○住分科員 その点について、ひとつ来年度までの宿題として十分検討しておいていただきたいと思います。  それから第二点は、いま労災保険に特別加入制度があるわけでございます。これは中小企業の事業主だとか家族従業者だとか、そういうようなものが対象になっておるわけでございますが、これは特別加入制度を認めるかどうかについて何か特別の基準があるのでございますか。基準に従ってどういうものは入れる、どういうものは入れない、こういう仕分けをしておられるのかどうか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 御承知のように、労災保険は労働者を対象とする保険でございますから、雇用労働者であるということが一つの前提になるわけでございますけれども、しかし、そうは言っても、労働の実態が雇用労働者に非常に似ているものにつきまして、いま御指摘がありました中小企業の事業主でありますとか大工、左官でありますとか個人タクシーでありますとか、そういう方々について、特に例外としてこれを入れていこうということでやっておるわけでございまして、特に三年ほど前から通勤途上災害を労災の中に入れました関係から、非常にそのニーズが高まりまして、たとえば林業の一人親方の問題でございますとかあるいはいろんな形のセールスマンなんかにつきまして、加入させたらどうかという御意見が各方面にございます。必ずしもここからここまでがどうというような厳密なスタンダードがあるわけではございませんけれども、たてまえとしましては、いわゆる労働基準法適用の本来の労働者、それに労働実態ができるだけ似ているものをこの制度で救済していく、こういうたてまえでございまして、今度提案しております法律の中にも、御承知のように、従来から入っております大工さん等につきましても、通勤災害の範囲、これを入れていこうというようなことも考えており、今後実態に即しまして十分検討をさせていただきたいというふうに思っております。

住栄作自由民主党

○住分科員 と申しますのは、私の県は売薬で有名な県でございます。医薬品の配置業者、これを売薬さんと言っておるわけでございますが、これは大体一人親方に似ておる。それから息子だとかあるいは奥さんだとか、そういう家族従業者といいますか、そういう人たちが配置販売をやっているケースが非常に多いわけです。御承知のように、そういう販売業者が全国津々浦々に一軒一軒薬を置いておいて、そうして一年に二回とか三回とか回って薬の代金を回収するなり新しい薬を詰めかえて置いておく。最近、自動車だとかオートバイだとかそういうものに乗って各家庭を回る。御承知のように、最近の交通事情でございますので、非常に事故の発生も多くなってきておる。そういう場合に、事故が起きた場合に富山に家族の方々が残っておられるわけでございますが、非常に悲惨な状態にもなりますし、そういう意味で、現在は特別加入制度の対象に実はなっていないが、似たようなと言ったらおかしいし、いまも局長がセールスなんということを言われましたが、実態はもうそのとおりだと思いますので、ひとつこの特別加入制度の対象に医薬品の配置販売関係を入れられないものかどうか。そうしてこれは別に法律改正でもないと思うのでございますが、いままでの特別加入制度を認めている業種と言うのか何と言うのか知りませんが、それとかなり似た実態を備えておる。そういう観点から、ぜひひとつ考えていただきたいと思っておるのでございますが、その点どうでしょうか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 先ほどもお答えしましたように、特別加入につきましては、中小企業の事業主とか大工、左官とか個人タクシーとか、そういう方々、あるいはトラクター等の農業機械を使う農業者あるいは職場適応訓練生あるいは家内労働者、そういうような者が現在省令で加入を認められているわけでございます。したがいまして、それと類似の者ということになれば今後考え得るわけでございますが、いずれにしましても、省令事項でございますので、関係の審議会にもお諮りをしていかなければなりませんし、それから、これは手続といたしまして、たとえば中小企業の事業主であればいわゆる事務組合というものが前提になりますし、そうでないものもそれぞれ団体をつくっていただきまして、その団体をいわば事業主とみなして労災保険を適用するようなそういう扱いをいたしております関係で、団体をつくることが可能かどうか、あるいはまた保険料を負担されるわけでございますから、人によっては必ずしも歓迎しないという方もいらっしゃるわけで、その辺の合意も得る必要がある。それにも増して何よりも、普通の雇用労働者に実態がどこまで近いかというようなことも、よく調査をしてみなければならないというふうに思います。しかし、すでに陳情もございますし、せっかくのお話でございますので、十分実態を調査させていただきまして、その上で検討を加えたいというふうに思います。

住栄作自由民主党

○住分科員 これで終わりますが、実はこの医薬品の配置販売、いわゆる売薬についての私の県下の業者が非常にこの点熱望をいたしておるわけです。その点、いまおっしゃいました団体をつくることについても、そのような方向に動いておりますし、もちろんこれは保険料を払うということは当然の前提でございます。そういう点での意見の集約も実はできております。そして現実の事故に対してどのように対処するかということから、そういうような機運も出てきておるわけでございまして、ぜひひとつこの点、加入制度として認めていただけるように特別の御配慮をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 私も、越中富山の薬売りさんがときどき訪ねてきては薬を置いていき、ついでに風船をもらったりして喜んだものでございまして、特別加入制度の問題については、いま局長が話されたような状態等々を検討した上で適用に前向きの姿勢でいろいろ事務的な調査をひとつしてみたい、こう思っております。

住栄作自由民主党

○住分科員 どうもありがとうございました。

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 住君の質疑は終了いたしました。  次に、増岡博之君。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 多少件数が多うございますので、答弁の方は局長その他御簡略に願いたいと思います。  まず最初に、国立の病院、療養所、これは全国各地に置いてあるわけでございます。そしてお医者さんあるいはその他の医療従事者の人材確保が非常に困難であるということの一つの理由として、小さい療養所ではお医者さんがせっかく行っても勉強できない、あるいは検査機能が十分でないから、したがってお医者さん、医師そのものの負担が重くなる。幸い各地に主たる国立病院またその付近には各療養所があるわけでありますから、それを一つの群としてその連携強化を図って、勉強もでき、また検査も十分にやっていただきたい。  というのは、笑い事でありますけれども、私、前に心電図をやってもらいました。とんでもないのが出ました。東大病院に持ってまいりましたら、これは器械が壊れておりますよと言われたことがございます。それからコレステロールの検査をしましても、これは衆議院の医務室に頼んでやったのですけれども、大変な数字が出た。これもまた持っていきますと、もう一回検査をして、これは正常でありますよということ、そういうふうにいま検査自体も新しい仕事でありますだけに、技術的な面での管理というものも非常に重要であろうと思います。その双方についてお答えを願いたいと思います。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 先生御指摘のように、わが国の国立病院、あるいは療養所含めまして国立の医療機関は、非常に大きな組織網を持っておるところでございまして、こういった全国的な有数な医療施設を持っているわれわれといたしましては、国立病院、療養所を一つの組織としての機能をより十分発揮する方向で従来からもいろいろ検討をいたしているところでございます。  ただ、そういった国立病院等で実施されておりますいろいろな臨床検査というものを考えてみました場合に、やはり直ちにその結果を必要としてそれを治療に反映させるようないわゆる臨床検査というものと、先生御指摘のように、ある程度時間的な猶予があってより正確な結果を必要とするもの、あるいは非常に高度の技術あるいは非常に複雑な検査器械等を使わなければできないようなそういった検査、この二つに分けられるのではないかと考えております。従来から直ちにその検査結果を必要とするような検査につきましては、これはそれぞれの医療機関でその検査が実施でき、また、それが直ちに治療に利用できるように整備を図ってまいったところでございます。ただ、非常に高度の検査技術を要し、また検査器械を必要とするような検査等につきましては、ある程度こういった国立施設のグループ化というようなことによって相互の技術の活用、医療資源の活用ということを今後検討してまいりたいと考えておるところでございます。  ただ、この国立病院あるいは療養所といったような国立医療施設相互間のそういった連係プレーのほかに、今後の問題といたしましては、やはりその地域ごとのいわゆる地域医療というような観点から、国立病院がまたその地域に存在いたします他の医療機関の施設を利用できるような状態に今後整備してまいりたい、かように考えておるところでございます。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 その高度の技術を要するような検査を集中するとか急がないやつを集中するとか、それはそれなりの理論的な組み立ては結構だと思うのですけれども、先ほど申しましたように、心電図をとってみてもらって、それを一目詳しい医者が見たら、こんな心電図では生きているはずがありませんよ、心電図が壊れているのじゃないですかというようなことがあり得るわけですから、そういう意味で、決してむずかしい検査だけを国立病院でやるとかその他は療養所に任しておって十分だということは、私は、いまの検査技術あるいは検査施設を利用する管理の面で、まだ十分な体制はできていないというふうに思いますので、そのことを申し上げておるわけでございます。  ただ、この問題については、大変むずかしいことがございまして、当然、検査技師の増員の問題が出る、定員との関係が出てくるという非常に困難な問題に最終的にはなるかと思いますけれども、特に呉におきまして呉病院は、がんセンターとしての中国地方でのセンターになっておるわけでありますけれども、そこでも検査技師の数が足りない、あるいはまた施設が十分でないというようなことが言われておるわけでございまして、この点、大臣におかれましても、いますぐ御即答は無理かと思いますけれども、ぜひとも御努力をいただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。  それから次は、大規模年金保養基地の問題でございますけれども、昭和四十八年度、当初計画は全国十カ所であったのが、最終的には十一カ所になってその指定が決まったわけでございます。当初の予定で一カ所当たり二百億円、全部で二千億円という大変膨大な計画であるわけでございまして、今日もうすでにその十一の基地は指定済みであると思います。したがって、どの県のどの地方にどういう利用の仕方ができるかということがもう測定できる、そういうことを予測する作業を始める段階には来ておると思うわけであります。  ところが承りますと、その十一地区の指定の順に着手するのではないかというふうに言われておるわけでございますけれども、私どもがいま心配しますのは、仮にその利用度の見込みを考えないで盲めっぽうに着手をする。第一期三分の二、第二期三分の一というようなことであるようでありますけれども、それが仮に、こういうものでありますから、収益を目的とするものでありませんから、多少の赤字ということはいたし方ないかもしれませんけれども、先行する二つ、三つの基地が大変大きな赤字になるということになった場合に、全体の計画を見直さなくてはならぬではないか、そういう意見が出るおそれがありはしないかということを憂慮いたしておるものでございます。  また、当初は一カ所当たり二百億円というようなことを言われておりましたけれども、その利用度あるいは利用する施設の内容によっては、場所によって金額が百億になるのか二百五十億になるのか、いろいろあっても結構だと思うわけでございますけれども、その着手の順序と一カ所当たりの規模について、局長からお考えがあれば御答弁願いたいと思います。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 まず、この基地の建設につきましての順位の問題でございますが、具体的にどのような年次計画でやるかについては、ただいま御指摘がございましたように、利用見込み等の問題あるいはまた基地周辺の、たとえば道路等の整備状況等々の問題がございますので、そういったことを総合的に勘案しながら進めてまいりたいと思っておりますけれども、当面の問題は、やはり四十八年度指定の第一次分四カ所、これを重点的に考えざるを得なくなるのではないか。しかし、その後の問題につきましては、ただいま申し上げたように、いろいろな角度から検討してまいりたいと思います。  なお、一カ所当たりの規模、施設等でございますけれども、およそのめどといたしましては、四十八年度価格で十カ所分二千億ということでございますけれども、具体的な基地ごとの配分等につきましては、その立地条件に応じた施設等の内容によって適宜検討してまいりたいというふうに考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 ただいまの局長の話で、今後は将来の見通し、その他を考えながらいろいろ考えたいということでございますので結構だと思うわけでございます。  しかし、基本的にこの構想が出されましたのは、お年寄りに生きがいのある生活と場所を与えよう、あるいは勤労者の余暇利用の場所を与えよう、あるいは孫まで三代ぐるみで遊びに行けるようなところにしようというようなことがあったと思うわけでございまして、その施設については、ぜひ地元の意向をくんでいただきたいと思うのですけれども、基本条件がただいま申し上げたようなことにあるわけです。しかし、いま申しましたように、何しろ全国十一カ所でありますから、北海道から南は鹿児島まであるわけでありまして、つくる施設というものも、それぞれ見合ったものがなくてはならぬ、特殊事情がある県もあろうと思います。その両方あわせてお話しいただきたいと思います。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 基地の具体的内容につきましては、もちろんこの基地に共通する、たとえば宿泊施設なり研修センターあるいは保養施設あるいは保健施設等がございますけれども、具体的にはやはりそれぞれの基地の立地条件あるいはまた地元の要望等を勘案いたしまして、それぞれの地元のそういう条件を生かすような施設整備を考えてまいりたいというふうに考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 そこで、特にお願いしておきたいのは、自民党の中にも老人対策特別委員会というのができております。厚生大臣よく御存じのことでございますけれども、ただ単に、いまわれわれ考えますのに、現状の老人福祉センターでありますとかあるいは老人憩いの家、これは行ってみますと、おふろに入って、上がって、弁当を食べて、お酒を飲んで、舞台で歌を歌ったり踊ったりというのがほとんどであります。それが決して私は悪いとは申しませんけれども、老人対策のことを考えますと、やはり生きがいのある余生を送っていただきたいということになると、何かそこにお年寄りが仕事をしながら余暇を過ごし、また、でき得べくんば収入が取れるというようなものをぜひお考えいただきたいと思うのですが、その点はいかがでございますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 ただいま御指摘の点は、まさしく今回の保養基地の最大の眼目の一つだろうと存じます。すでに厚生大臣の承認を終わっております三基地ございますけれども、この内容等につきましても、ただいま御指摘のような老人の生きがいのためのいろいろな、たとえば演芸関係あるいは健全なレクリエーション、そういった生きがいを高める、生きがいある老後を送ってもらう、そういう施設に特に留意しているところでございまして、今後の具体的な基本計画の内容につきましても十分留意してまいりたいというふうに考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 大変恐縮でございますが、大臣におかれましても、いまの保養基地で申しました順序とか、その内容につきましても、ぜひともそういうおつもりでやっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 大規模年金保養基地の今後の実施の問題でございますが、いま局長が答弁をいたしましたとおり、最初に指定をした四カ所については、かなり事務的に進んでおりますので、これについては、工事面でも先行することになろうと思いますが、その他のものについては、準備ができ、土地の事情からして適当なものからこれを選んでいくということに相なるだろうというふうに思っております。  また、基本計画の中に老人の生きがいを満たすようなものを設定することについては、これはもちろんでございます。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 それから、これは設備ができまして、それを利用開始する前の話でありますけれども、恐らく土地代だけで全国で四、五百億円というものが投じられるはずでございます。その計画が当初は十年ぐらいということでありました。それが早くなるのか遅くなるのか、またお尋ねいたさなければなりませんが、相当長期間それを寝かしておくことになるわけであります。そうかと言っていろいろな人に貸したりしますと、地上権その他で大きな問題が出てまいりますし、また、基本計画や実施計画ができる前に地形の変更をするということも、むだな費用があるのじゃないかということが考えられます。  しかし、私どもが考えますのは、そういう地形の変更もなし、常時使うということでなくして、たとえば地元のボーイスカウトがキャンプをするとか野外訓練をする、あるいはまた、このごろ磁石と地図を持って歩くオリエンテーリングというのがはやっているそうでありますけれども、そういう屋外訓練に使わしていただくようなことはできないか。そうしてその管理について、これは厚生省あるいは事業団心配であろうと思いますから、県や市町村に責任を持ってもらうということも考えてみないと、何しろ膨大な計画であって、そして四、五百億円という金が、途中からだんだん使っていくにしましても相当長い期間かかる、非常にもったいない気がします。その点は局長いかがでございますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 いま御指摘になりましたような点は、これは用地の管理上の問題とも関連いたしますので、一概には申せないと思いますけれども、しかし、そのような形で事前の利用を図るということにつきましては、前向きで検討いたしたい。その際にその一環として、地元の協力等につきましても同じように検討してまいりたいというふうに考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 ぜひともそういうまじめな責任が持てるような体制が講じられました場合には、お言葉どおり使えるようにしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、この保養基地に限らず、国がいろんな設備を地方に設置いたします。県道をつくりなさいとか水道を引きなさいとか、いろんな費用負担が出てくる可能性があるわけでありますが、今回はそれを国としてはめんどうを見ないということが条件になっておるようでありますから、それはそのとおりで結構だ、いたし方ないと思いますけれども、しかしこれだけの施設で一カ所当たり恐らく数千人という人が毎日利用するとすれば、何がしかの飲食もございましょうし、その他の物資の調達も要ろうかと思うわけであります。そういうものは、もちろん高い物を買えというわけにはまいらないと思いますが、全国、このごろいろんな物資について値段も大体同じようなものが多いわけでありますので、できるだけ地元の業者、商工会議所であるとか商工会を通じてそういう面を利用していただきたいということと、それからもう一つ、せっかく年寄りを大事にするというのですから、ここで働く作業員はできるだけ地元の中高年齢者を、いまのような不景気で——完成するころ好況になっているのかどうかわかりませんけれども、いずれの時代にも中高年齢者は再就職ということは困難でありますから、そういう点も考慮していただきたいと思いますが、局長いかがでございますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 いま御指摘になりましたような点につきましても、できるだけ地元の実情等に合うように、地元の要望に沿うように前向きで検討いたしてまいりたいというふうに考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 大臣、また重ねて念押しをするようで申しわけございませんが、地元の問題と事前の利用の問題につきまして、特段の御配慮をお願いいたしたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいま局長が答弁をいたしたように私も指導をいたしたい、かように思っております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 それから次は、母子福祉並びに寡婦福祉の政策でございますけれども、従来から国会でもいつも問題になっておりましたのは、保育所の設置費はなるほど二分の一国家補助である。しかし、実際のかかる工事費と厚生省が認めてくれる工事費との間に大変な差額がある、いわゆる超過負担の問題が問題になりました。数年前からその解消に努めてきておられるところであります。しかし、数年前から、逆に今度は非常な狂乱物価という時代もございまして、現状はどのような状態であるか、御説明願いたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 超過負担の問題は、御案内のとおり単価の問題と、それから基準面積の問題、二つの問題があるわけでございます。いま御指摘の一つの単価の問題でございますけれども、これにつきましては一応四十九年に実は大蔵、厚生、自治三省の合同実態調査をいたしまして、その結果を参酌いたしまして大幅な改善をいたしたわけでございます。そこで四十九年度の補正をいたしまして、さらに五十年度でも引き上げ、五十一年度でも約七%以上の引き上げを考えておるわけでございまして、四十八年度当初予算のときのたとえばB地域の鉄筋の単価で申しますと、一平米当たり四万八千百円という数字でございましたけれども、五十一年度の見込みで申しますと約二倍に近い九万円をオーバーする、こういうふうな状態になっておるわけでございます。  なお、超過負担の一つの問題でございます面積の拡大の問題でございますけれども、これは一人当たり全部五平米ということでございましたけれども、五十年度の際にも補正いたしまして、九十人以下につきましては一人六平米、さらに百二十人につきましては五・八平米という形で訂正をいたしたわけでございます。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 この保育所の問題は、全国から非常に希望がたくさんあるわけであります。したがって競争が激しい。競争が激しいから、少々の超過負担はがまんしますというのが過去の実態であったと思うわけですね。ですから、今度はせっかくそこまで努めてこられましたのならば、そういうことのないように努力をしていただきたいと思います。  それから次は、母子福祉貸付金と寡婦福祉貸付金でございますけれども、毎年努力をしていただいておりまして、現在ではそれぞれ原資が百五十億円とか四百億円とか相当な額になっておると聞いておるわけでございますけれども、しかしやはり何といってもいまのこの世の中で失業の問題、あるいは不景気だけれども会社が何とかして抱えておる潜在失業者的な雇用者という者の中には、こういう方々が大変多く含まれておると思いますので、今後ともその御努力、これはお願いをいたしておきたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 母子の福祉資金の問題、それから寡婦の福祉資金の貸し付けの問題でありますけれども、これについては先生方のお力もありまして、大幅に予算額を獲得できたわけでございますけれども、来年度五十一年度につきましては一応母子の方も十億、それから寡婦の貸付金につきましても十億という形で、両方で二十億という数字になったわけでございます。そうしますと、一応現在の累積の四十九年度を見ましても、約四百三十二億というのが母子につきましては貸し付けの総額になっておりますし、寡婦につきましても約六十九億というふうな数字になっておるわけでございます。これの額の引き上げは当然でございますけれども、同時に貸し付け限度額の問題につきましていろいろ問題がございますので、現在検討中でございまして、財政当局とも折衝しまして、これの引き上げについて考えていきたいというふうに考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 それでは最後の問題に入りたいと思いますが、最近予防接種の事故の障害者に対して相当多額な、いわゆる毎月支払います年金というのですか何というのですか名前は存じませんけれども、そういう考え方があるように承っておるわけでございます。ところが、これが十数万円であるように聞いておるわけです。原爆の被爆者で身動きもできない、原爆病院に入院しておる、そういう患者の手当は、特別手当と医療手当とを含めましても四万二千五百円であります。この差は国家補償であるかないかという意味合いからの差で、ある程度の差は私は理論的に納得できると思いますけれども、しかしそれだけの理由で実際には同じ状態、同じ困難な状態にある人が何倍も違うというようなことになりますと、これは私どもいままで原爆被爆者に対しても、援護法というものについてはやはり少ないという態度をとってまいっておりますけれども、何か納得のできないような気がするわけでありまして、その点を公衆衛生局長からお答え願いたいと思います。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 端的に申しますと、予防接種による健康被害者に対する救済制度の金額は、現在大蔵省と煮詰めているところでございまして、まだ決まっておりませんので、詰めたお話をできないわけでございます。ただ、ただいま先生からお話しございましたけれども、原爆の方も、現在御審議いただいております予算案を通していただけば、たとえば認定患者でございますと、最高六万八千五百円参るわけでございます。これは一人にそれだけいくわけでございますから、奥様も同じ被爆者でございますと、最高その倍額だけいくというように、かなり改善をされてまいっております。  また、この問題は、やはりただいま御示唆がございましたような本質論もあるわけでございまして、予防接種というのは、二十三年につくられました予防接種法に基づいて、公権力の行使によって不幸にして起こってきた健康被害でございますので、原爆の場合と若干差がつくことはやむを得ないことではないかと考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 法律が通れば五十一年度から上がるということでありますけれども、夫婦で倍というのは、倍になるから十何万円になるぞという考え方はやはり通らないと思いますね。一人が幾らだという考え方でいくのが当然だと思います。その点はまだ交渉中でありましょうからあえて問いませんけれども、大臣におかれましても、そういうようなことはよく頭にお入れ願っておきたいと思います。  それから、最後の質問で恐縮ですが、健康管理手当を申請する際になかなか認定してくれないということがあるわけです。認定してくれないということは、その証明書をお医者さんが書いてくれないということ。そのお医者さんが書くためには恐らく何かの、私は専門家でないからわかりませんけれども、肝臓障害であれば肝臓の数字があるはずだと思うのですが、十種類の障害のそれぞれについてそういう医学的な数字で医師に示せば非常に医師が申請しやすいのではないかと思うのですけれども、そういうことが行われておるのかどうか。行われていないとすれば、そういうことをやり得るかどうか、あるいはやろうとなさるかどうか、お答え願いたい。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 健康管理手当の申請につきましては、先生御案内のように、十種類の障害を伴う疾患のどれかを持っておれば、医師のそれほどむずかしくない証明書、診断書で申請ができるわけでございます。ただ、その場合に、たとえば赤血球の数が幾らというような一種のメルクマールが当然あるわけでございますが、これもすでに学界の方ではメルクマールがはっきりと決まっていると思うわけでございます。したがって、現在定められております十種類の障害を伴う疾病について申請がそんなにむずかしいとは考えていないのでございますけれども、一部の医療機関でそういうことがあるならば、もっと気安く証明書、診断書を書くようになお指導いたしたいと考えております。

増岡博之自由民主党

○増岡分科員 時間でございますからこれで終わりますけれども、あなたはそうおっしゃるけれども、実際にはお医者さんの方が非常に慎重ですよ。それで何というか、私は、先ほど申し上げたような科学的な範囲というものを数字の上で示せることができるならばいいのではないか。そうでないものだから、疑わしいやつは救済しろというのが原爆の原則であるにもかかわらず、疑わしいやつはほっておけというような状態になっておる。開業医一人一人にそれを徹底させるということは非常にむずかしいことだと思いますけれども、ぜひその点をよろしくお願いを申し上げたいと思います。  終わります。

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 増岡君の質疑は終了いたしました。  次に、和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 きょうは看護婦さんの問題をまずお伺いしたいと思うのですけれども、日本看護協会の人たちは、もう数年前から准看護婦を廃止しろという御主張があるようですけれども、厚生省としてはこの問題に対してどういう御所見を持っておられるのかお伺いしたい。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 准看護婦問題を含めまして看護婦制度のあり方というものがわが国の医療全般にかかわる非常に大きな重要な問題であると考えておるところでございまして、この改正問題につきましては、十分慎重に検討いたしたいと考えておるところでございます。従来からこの看護婦問題をどうするかということにつきましていろいろ委員会等もつくりまして検討をお願いしておったところでございまして、方向といたしましては先生御指摘のように、同じ業務をやる職種の中に看護婦、准看護婦という階級を導入することについて疑問視するような意見が出ておるわけでございまして、今後の方向といたしましては、やはりそういった資格の統一ということを図っていかなけれだならないと考えておるところでございます。  しかし、さしあたりまして現段階におきましては、看護力の量的な確保ということが現在の緊急課題と考えておるところでございまして、当面看護婦需給計画の達成に努めておるところでございまして、今後の問題といたしまして、この需給計画と関連を考慮いたしながら、今後看護婦制度をどうするかということを今後の問題として検討いたしたいと考えておるところでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 大体局長さんの見通しとして、どれぐらいの年月でつまり看護婦の資格を統一していく仕事にかかれるかという問題、いかがでしょう。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 従来からいろいろ需給計画等も立てまして検討いたしておるところでございますが、最近またその従来の需給計画に加えまして、新しいいろいろな条件が加わってまいったわけでございます。それはたとえば週休二日制の問題とかあるいは夜勤の問題についての二・八制度というような、そういう新しい条件が加わってまいりまして、現在そういった新しい観点からの需給計画を検討中でございます。  さらに一つの問題といたしまして、最近准看護婦志望者が減少しているということが言われておるところでございますが、やはりこれは地域的に見ました場合に、たとえば都会地等では確かに中卒で志願いたします准看護婦の志願者が減少いたしておりますが、やはり地域的に見ました場合、たとえば九州とかあるは北海道等におきましてはまだそういった希望者が非常に多いということも一つの現実の問題でございますので、そういった点も今後の問題としてさらに慎重に検討いたしたいと考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 高度経済成長の時代は、そのあおりを受けて看護婦さんだけではなくて、社会福祉の関係の人たちがずっと減っていって、求人難という問題が出ているのですけれども、昨年あたりから非常に不景気になってきた、今後もいままでのような高度経済成長というのは期待できないとなると、そういう面からの需給という問題はわりあい緩和されてくる、こういうような見通しは持っておられるでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 ただいま先生御指摘のように、新しく資格を得た看護婦さんの就業希望の問題もございます。さらに現在われわれが非常にその対策上苦慮いたしております問題といたしましては、すでに看護婦の資格を獲得しておりまして、それが結婚等の事情で一たん家庭の中に引っ込まれた人が、子供が大きくなったのでまた復職したいというような、そういったいわゆる潜在看護能力を持った人たちにさらに今後職場に復帰していただいて、その能力を活用していくというようなことで、ナースバンクの設置等現在その対策を進めておるところでございまして、この潜在看護能力を持った人たちの職場復帰というものが今後一体どの程度期待できるか、この点ごく最近その対策を進めたところでございまして、なおそういった点の今後の推移を見きわめてまいりたいと考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 違った目でこれを見てみますと、厚生省としてあるいは医師会の方から見て、あるいは看護婦自身から見ても、高校を卒業して三年間の修業期間、そして正看の資格が取れる、そういう種類の人がありますね。そして中学校を出て二年間で准看護婦の資格が取れるという人がいる。実際に看護の仕事というものをやってみて、端的に言って、正看護婦のような人が一般の看護業務に対して必要なのかどうか、あるいは准看護婦という形が能力その他から言って非常に不備なものであるかどうか、こういう問題をどうお考えになっておられるか、率直なところを伺いたい。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 先生非常にずばり御質問いただいたわけでございますが、われわれといたしまして、看護の職場を分類いたしましてやはり大きく二つに分けられるのではないかと考えております。一つは、いわゆる入院患者に対しますいろいろな身の回りの看護等の問題、もう一つは、外来等におきまして医師の手助けをするいわゆる診療介助の面での看護業務、この二つに大きく分けられるのではなかろうかと考えております。  それで、外来等で医師の介助をいたします診療介助部門というものが果たして従来から言われているようないわゆる看護業務であるかどうか。特に今後の問題といたしまして、看護婦の資格要件を非常に高度にいたしました場合に、果たしてそういった高度の資格要件がなければこの診療介助ができないものかどうか。そういった点もあるわけでございまして、そういった業務の洗い直しということを現在検討しておる段階でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この問題は非常に大事な問題だと私も思うのです。私も半年ほど前に看護協会の全国集会へ参りまして大変御批判をいただいたことがありました。ありましたが、その後自分なりにいろいろ考えてみる機会が多いのですけれども、結局看護をする人として、同じ職種として看護婦さんなら看護婦さんという一つの統一した名前で呼んでもいい、呼ばなきゃならない、呼んだ方がいいと私も考えますけれども、その場合のつまり内訳ですね、いま局長さんもおっしゃったように、外来の、あるいは入院の、あるいは手術等の場合の特殊な高い技術を要するとかいろいろなことがある。あるいは過渡期、相当長い期間——学歴も違うし、経験年数も違ってくる。つまりその内部の振り分けというものを考えることなしになかなかこの問題の解決はむずかしい面があると思うのですけれども、しかし、とりあえず看護協会等の人たちの望むように、たとえば戦後日本の戦争前のいろいろな古い呼び名があったものを統一したと同じような形で、看護婦さんなら看護婦さんというようにして、そしてその中身の段階をいろいろと考えてみる、こういう考え方もできると思うのですけれども、それはいかがでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 先生御指摘のように看護業務というのが非常に広範囲なものでございまして、そのいろいろな段階でどういう職種をつくればいいかという問題があるかと思っておるところでございます。特にいわゆる診療所等で実施いたしております外来患者の診療介助という点をとってみますと、むしろ医師会等が考えておる点でございますが、メディカル・セクレタリー、MSという言葉で言っておりますが、そういった新しい職種をも考えておられるようでございまして、そういった点、看護協会の意見あるいは医師会の意見とかいろいろ出ておるところでございます。さらに、歯科の看護婦さんのことを考えてみますと、歯科特有の制度といたしまして歯科衛生士というような制度もあるわけでございます。これは歯科外来における診療介助を実施している職種でございます。そういうふうに、今後の問題といたしまして、一体どういう看護業務をどういう職種で担当すればいいか、そういった点をさらに細かく検討いたしたいと考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 正看、准看という呼び名でもって区別するということは、次第に感じから言っても適当でないということになると思うのですけれども、呼び名を統一した場合の内部の資格、その他の段階をどういうふうに区切るかということをぜひとも至急に検討してみる必要があるのではないかと思うのですけれども、その点、大臣いかがでしょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 看護婦さんの問題については、関係者の間にいろいろの御議論があることは私どももよく承知をいたしております。しかし、この議論の中にはいろいろな要素が実は率直に言うて含まれておるわけでありまして、中にはちょっと口に、そのまま申すといろいろ問題の起こるようなことも実はあることも先生いま言外に御説明になったわけであります。まあ率直に申すと、職種のディグニティーの問題あるいは関係者の思惑等々が絡み合っておるわけでございます。また、名称を一本化するその後の扱いについても関係当事者の間に実際には微妙に意見が違っているようであります。あるものはたとえば大臣許可、あるものは県知事許可というふうに考えてみたり、この辺になりまするといろいろな意見の混迷があるわけであります。先生がただいま言ったように看護婦プロパーの任務の中にもいろいろなものがある。こういったようなことを踏まえて、私どもは看護婦の制度の今後のあり方について基本的に掘り下げなければいかぬというふうに思っているわけであります。  当面、厚生省として、実はこの問題との取り組みで最も困っておるのは、看護力の現実的なマクロにおける充実という問題が大前提になっておるものですから、さらにこれを今度は内部に入っていろいろと掘り下げることについて、ややセカンドリーの考え方を持つというのが現実の姿だろうというふうに申し上げた方が正直だと思うのであります。しかし、これはこのままにしておけぬというふうに私も思っておりますので、勇断を持って看護婦制度の今後のあるべき姿を模索し、そしてあるべき姿に落ちつけなければならぬ時期が来ておるというふうに実は思っておりますが、問題が複雑なものでございますから、したがってどうも直ちに結論を得るというわけにはいかぬと思いますが、じんぜん日を過ごすことができない問題になってきておるということはわれわれも認識いたしております。今後とも努力をいたしたい、かように思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 看護婦さんがいなくて、せっかく病院をつくったけれども病院が役に立たないというところがあちらこちらにある。お医者さんが足らないという問題もたくさんあるわけですけれども、そういう問題を含めて、いまのような内部の組み立てがえということもやはり量的な確保という問題と関連のあることだと思うのですね。ひとつぜひとも御検討をいただきたいと思います。  それと直接関係しまして、私は前に一度園田さんが厚生大臣のときに申し上げたことがあったと思いますけれども、私が最初に選挙を始めたときに、選挙の途中、選挙の二日ほど前に足にやけどをして、大変な水ぶくれになって弱ったなと思ったけれども、昼は選挙運動やっているから病院へ行けません。夜、八時か九時ごろに行きますと、これは病院の名前言いませんけれども、本当は病院には当直の医者がおるはずですけれども、大概いない場合が多いのですよ。それで看護婦さんだけ残っている。だから足のやけどの水ぶくれが大きくなって、手当てしたり処置しなければならぬ、これは医者がいなければできないという問題がありまして、私そのときに看護婦さんに、おれが当選したらあなた方も処置できるような制度をぜひともつくらねばいかぬと思うのだということを言ったことを覚えておるのです。そういう私自身の一つの経験から言えば、そういう発想の仕方があるのです。  たとえば、いま僻地医療という問題がありますね。何ぼお医者さんに行ってくれと言ったってなかなか行かない。このごろは韓国とか台湾のお医者さんに一手販売でお願いしているみたいなところもあるようなことで、これは非常に困った問題なんですね。救急医療の問題も一部そういうこととも関係するとも思うのですけれども、いまのように通信設備が発達して輸送機なんかも発達している場合に、あの僻地なんかでは、医者に準ずるような一つの資格があれば、診断はできないとして、ある限度の治療は医者の直接の指示なしにも一般の治療ができるような、まあ医者に準ずるような資格というものが考えられないかということなんですね。  これは町におる病院の医者とは無論連絡はとっている。ある人が来れば、電話でその人と連絡して、こういうあれが来たらどうしましょうかという形にしてやることもできると思うのですね。それですぐ運んでくることもできるわけです。  しかし、急を要する場合——いまでもできるでしょうけれども、急を要する場合はなかなかむずかしい問題があるわけであって、そういうふうな一定の治療というものをできるような資格を持った、これは看護婦さんでも十年、十五年とまじめにやっている人は、そこらあたりの医者以上に能力がありますな。     〔主査退席、山口(敏)主査代理着席〕 現実にありますわ。特に裏口入学なんかでひょろひょろ来た連中とは比較にならぬほど能力を持っていると見なければならない。そういうふうなことですから、また看護婦も長年まじめにやっておればそういうふうな職階にもつけるということにもなるわけで、これは私はいまの問題としてぜひとも一遍検討してみる必要があるのじゃないかというふうに思うのですけれども、これはまず局長さんいかがでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 ただいまの先生の御質問、非常にお答えしにくい重要な問題を含んでいる御質問でございまして、この僻地医療の問題あるいは救急医療の問題、確かに先生御指摘のようないろいろな問題を含んでおるところでございます。ただ、医療行為そのものが医師の行為との関連において非常に分類しがたい問題があろうかと思っておるところでございます。  ただ最近、いわゆる救急医療の問題が非常に大きな社会問題になっておるところでございまして、これのいろいろな諸外国の制度等もわれわれ現在勉強しておる段階でございますが、たとえば救急医療の際、いわゆる搬送途中救急車の中において、これは救急車の中に医師が乗り込むことが理想かとも思いますが、実際問題として医者が乗り込むことはなかなかできない。こういった際、その救急車の中において救急患者にどういうふうな手当てをすればいいか、こういう問題もあるわけでございまして、アメリカ等におきましてはフィジシャンズアシスタント、PAという略語で言っておりますが、そういう制度も新しくつくっておるようでございまして、そういった今後の問題といたしまして、これは医師の職務との関連、特に医療過誤の問題等との結びつきも今後いろいろあろうかと思います。そういった点、現在われわれの方におきましても、救急医療の問題あるいは僻地医療の問題、そういった観点からいろいろ検討を加えているところでございまして、今後の問題として検討さしていただきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 これは確かにお医者さんの側にも、現在の医師法を改正しなければいかぬわけですから非常に問題があると思いますし、私、一度看護婦さんの方に、看護協会にその話をしたら、とんでもないということでえらいお小言を食らったことがあるのですよ。いまでもお医者さんに使われているのに、そんなふうになったらますます使われるんだというふうなことで、私は、えらいことだ、そうかなあ、おれは看護婦さんのために考えたんだけれどもと思ったのですけれども、なかなか問題があると思います。しかし、日本は全体の医者の数としては先進国に比べてそう少ない方ではないともいわれておるわけだし、その配分の問題がいろいろうまくいっていない。僻地医療にしても救急医療にしても、やはりそういうふうな問題を考えていかないとこれは対処できないのじゃないかという感じが私はするのです。また、看護婦さんでも、中学校を出ていろいろ苦労して看護婦さんになる、まじめにやっておれば十年、十五年のうちにはそのような資格が取れて、ことによってはその次のお医者さんにもなれる、働きながらお医者さんにもなれるというような階段ができておれば非常に大きな励みだと私は思っておるのです。ところが、看護協会にその話をしたら、とんでもないというようなことですっかり自信をなくしたことが五、六年前にありましたけれども、しかし、これは私はどう考えてもこういう一つの新しい階段、資格をつくることは必要ではないかと思うのですね。大臣、いかがでしょうか。これはやはり局長さんも、むずかしい問題だけれども何とか考えなければならぬというような趣旨だと思うのですけれども、いかがでしょうかね。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 和田先生のおっしゃることは私もよくわかるわけでございますが、現在のわが国における医療のシステムの中にそうした機能を持つものを置くということについては実はかなりの検討と、またいろいろな問題点が考えられるわけでございまして、いま厚生大臣としてはにわかにそういうものを認めるというわけにはいかぬと思います。しかし、たとえば僻地保健婦の機能などというものは先生のおっしゃるものに近いようなことをやっておりまして、これがまた現実に医療の法体系との間にいろいろのむずかしい問題があるということも知っておりますので、今後の研究課題だと思いますが、いまにわかにそうした医師の指示を離れて独自にある程度の医療行為ができる職種のものを創設するということについては、私はお約束をできないということに相なろうかと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 いまの医療の荒廃といわれておる中で、お医者さんのつまり質という問題が非常に重要な要素だと私は前から言っているし、かなり公然とこのごろ言っているのですけれども、特に裏口入学なんというものはもってのほかで、あの度合いの過ぎたものなんかはいまの何とか収賄、汚職よりはもっとたちの悪いものですよ。人の命を預かる人がああいうふうなもので出てくる。しかもそれが私立の大学の半分ぐらいがそういうようなものだというようなことになると、これは大変なことですよ。しかし、いろいろなことを考えても、そういういまのお医者さんの制度にある重要な刺激を与える意味でもそういう制度が必要ではないかと私は思うのです。実際力を持っている人、経験を持っている人が、ある適当な資格を持って——お医者さんが僻地へ行かないのですから、そして救急医療が非常に手不足なんですから、そういう必要をカバーしていくということは大事なことじゃないかと私は思うのです。きょうお答えをいただこうとは思っておりませんけれども、そういうことをひとつ特にお考えをいただきたいと思います。  そこで、身体障害者の問題につきまして、独立して仕事をしたいという人がたくさんおるわけですが、この人に対して国がいろいろな補助をされておるわけですけれども、いま独立資金として八十万とか百万ぐらいのお金を出しておるのですか。これはいつごろできた制度ですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 ただいまの御質問は世帯更生資金のことであろうと思いますが、世帯更生資金そのものは昭和三十年に発足いたしました。特に身体障害者のための世帯更生資金といたしましては、三十六年に新たに設けられたものでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この八十万ないし百万というものもそのころに……。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 世帯更生資金の限度額の問題でございますが、これはただいま一般としては四十万でございます。特別に必要のある向きにつきましては八十万でございますが、これは当初はそのように多くはございませんで、年々改善を見て今日に至っているわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 そうですか。私は、政審の者から八十万から百万と書いて——四十万から八十万。  私のところには視力センターがありましていろいろそういうことの相談を受けるのですけれども、いま四十万や五十万の金で一つの仕事を始める資金をつくるということはとてもじゃないができないということであって、やはりこれは少なくとも倍ぐらいにふやすべきものではないかというふうに思うのですね。ひとつそういうふうなことを考える余地は、今年度予算はないでしょうけれども、今後の問題としてないかどうか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 御質問の御趣旨は、盲人の方があんま、はり、きゅうを開業するに当たって、生業資金としてただいまの特別枠の八十万では不足ではないか、こういうことであろうと思います。個個のケースについて見ますと、おっしゃるような点もあろうかと思います。ただ、御承知のとおり、身体障害者の世帯更生については要望も非常に強うございますので、全体の枠とそれから開業するについてのどうしても必要な器具、備品というものに限定をして開業していただく、そして一人でも多くの人をこの制度に乗せていきたいということを勘案して決めておりますので、もちろん年々改善は見ておりますけれども、いまお示しのように一挙に倍額にするということについては非常に無理な問題があるのではないかと考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この制度は何か低額所得者のための生業資金という性質のものでしょう。そうなると、いろいろな人がおると思うのですけれども、身体障害者という非常なハンディを持って世の中に出て仕事をしようとする人の、特殊化すれば、つまり低所得者の生業資金ではなくて、身体障害者の生業資金として特別の独立した制度をつくってもらいたいという希望がある、その内容は恐らくもうちょっとふやしてもらいたいあるいは利子をもっと安く長期に支払いできるようなものにしてもらいたいという内容だと思うのですよ。そういうふうなものとして、身体障害者だけの更生資金の制度を私考えてみる必要があるのではないかと思うのですね。対象が無限に広がるわけじゃないのです。そうすれば、身体障害者に限って、この人たちが世の中に出るのに手助けをしてあげるということですから、名分も立つのだと思うのですが、大臣、これはいかがでしょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 いまいろいろ身体障害者の世帯更生資金についてのお話がございました。いま局長が御答弁申し上げましたように、最初は実はかなり小さなものから発足をいたしましたが、いま先生がおっしゃるように、身体障害者の人があんま、はり、きゅうをやる場合には現行では八十万でございます。この予算が通ったら何とかもう少しこの限度額を増額いたしたいものというふうに思って、五十一年度にも実施したいということで財政当局と折衝をいたしておるところでございます。また、これについては世帯更生資金が低所得者のためというふうに言われておりますが、身体障害者の場合には若干類型を異にいたしておりまして、そう困窮者でなくても身体障害者であるならば貸し付けができるというふうに貸付対象の要件が違っておるわけでございます。具体的に申すと、普通の人ですと市町村民税の均等割りのみを納税している人あるいは被保護者というふうに対象をしぼっておりますが、身体障害者の場合にはそういうことがございません。そういったようなことで、升は一緒でございますが、中ではいろいろと限度額あるいはその資格要件等についてはきめ細かい配慮をしているわけであります。  これを二つに分けたらどうかということでございますが、実際問題としてメリットもあると思いますが、デメリットも出てくるだろうと私は思っているわけであります。余り対象を細かくいたしますると資金のよどみができると申しますか、あるものが余ったりあるものが足りなかったりということでございますので、私はとりあえずは一つのカテゴリーの中で上手に運用した方がよろしいのじゃないか。しかし、運用については身体障害者には身体障害者らしい配慮をしていくといった方が私は現実的でなかろうかと思っておりまして、今後ともそうしたことについてきめの細かい配慮は検討していきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 これで終わりますけれども、いまの御説明は理解できる点が多いと思います。ただ、その内訳、内容を見れば、これは非常に個人差がある問題なんですね。したがって、下の方はあれとして、上の方はもっと幅を大きく考えるというふうな考慮をしていただければと思うのですね。これにも相当幅があるのですけれども、やはりこれではとてもいけないという人もおると思うのです。その一番高い方をもっと上の方にするということをぜひひとつ考えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 先生は東京視力障害センターを選挙区の中に持って、私もあのすぐそばに住んでいるものですからよくわかるのでございますが、最初に御開業になるときにかなりりっぱな施設でと、こういうふうにあの人たちは考える、そこからこういう議論が出てくることはわかりますが、しかし最初に開業するときの資金でございますので、また余り理想に走ってこれの償還に事欠くようなことがあってもいけないというふうに思いまして、とりあえず最初に開業するのに事足りる程度というようなことを考えていま枠の設定をしているわけですが、これについてはお説のとおり時代もだんだんと変わってまいりますので、できるだけの検討はいたしたいと思いますが、にわかに先生おっしゃるように数百万というわけにも実際問題としてできないだろうと思いますし、またいま局長の申したように、一定の貸付原資をもって大ぜいの人にお貸しをするというときにはそういったようなことについてまた問題も他に生ずると思いますので、彼此勘案をいたしまして、しかるべきところに改善をいたすことについては今後とも努力をいたしたい、かように思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 これで終わります。どうもありがとうございました。     〔山口(敏)主査代理退席、主査着席〕

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 和田君。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 大臣、最初に、春闘等をめぐって非常にめんどうな問題がいろいろ出てきていると思うのですけれども、この問題についてお伺いをしたいと思うのです。  年末にスト権ストをおやりになった後で大変御苦労なすったと思うのですが、今度もまた四月の中旬にやるようですね。こういう問題について基本の対策といいますかね、どういうふうに対処したらいいのかという問題を大臣としてどういうふうにお考えになっておられるのでしょうか。まあ、これはしばらくしょうないななんということでお考えになっているのか、あるいは何か……。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 非常に基本的なお尋ねでございますけれども、これは経済要求でいろいろ交渉があるわけですが、私たちお互いこうして委員会を雇用不安、景気浮揚というテーマでやっておることは、これはまた一ストライキの問題ではなくして、どう日本民族が生き延びていくかという大事な問題からきていると私は思うのです。幸いにいたしまして、一昨年の三二・九%のああいう大幅なベースアップの中に、その年の実質賃金が一・六%だったです。ところが、昨年一三・一%のときに、五十年度実質賃金は二・六%だったです。そういう中に、私はインフレというのが、政府だけにあらず、国民、組合、御家族全体の中に抑えられてきたと思うのです。これは外国人も非常にびっくりするくらいにインフレに対する対応策ができた。そういう中から、私はことしの春闘というものは——きのうの発表によりますと、失業者が百二十五万ですから、よその国は五・五だの七・六だのと言いますが、日本人の痛さは少なくとも違うのですから、そういう中からしますと、私はことしの春の賃金改定というのはまさに雇用問題、そして景気の浮揚というのかそういうものとの両立をいかにさせるかという大問題なときですから、ひとつ円満な話し合いの中に、大幅なストライキなどがあって、それが物価を刺激してみたり、さらに人心をいらいらさせたり、持っている力をフルに発揮するだろうけれども、中小企業はどうなるかというふうな連帯の中に、私は円満な解決を望む。賃金には介入できませんけれども、そういう全体をひとつ考えながら自分たちの生活を守るところにやっていってもらいたい、こういうことを念願しながらフォローアップしているということでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 去年の暮れに問題になった例の条件つきの付与というのはいろいろな世論調査ではかなり大きな支持を持っておるようですけれども、無条件というのは非常に少ないということで、条件的な付与というのが多いようだし、まあ次第にそれがいいじゃないかという感じが広まっていくと思うのですけれども、この問題はいまどうなっておりますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 昨年の十一月三十日に政府の方が長い間かかった専門懇の結論を出す、そのときに、二十六日からスト権奪還のストが行われまして、ああいう激しいときでございますが、世の中の議論としては、先生のおっしゃるように条件的スト権を与えた方がいい、あるいは公共の福祉のことを考えてこういう諸君は持つべきじゃないとか、いろいろな御議論がありましたが、政府の方としますと、専門懇のああいう結論、しかもストライキが行われている中にああいう結論が出まして、それを受けて立って、十二月一日から新しい大きな組織を閣内につくろうということで、それには当事者能力、経営形態のあり方、それから労働法の問題等々を含めたそういう委員会を開いて、これは速急にやろう、こういうふうな形でいま人選を内閣で進めているということでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 あの専門懇の結論の第一に、例の企業形態を変えていくというのがありましたね、民間に移せるものは移す、そしてスト権を与えるという。あの考え方は現在の日本の非常に混乱した状態を反映していると思うのですね。やはり官業というものは次第次第に民間に移すという傾向よりは、国民の福祉その他競争による弊害等を考えて、できるだけ公的な部面に変換していくというのが大きな勢いであると思うのですけれども、日本の場合はああいうふうな意見が、しかも専門の学者の意見として出てくるというところにかなり特殊な一つの動きがあると思うのですね。これはイギリスやあるいはフランス、ドイツ等であれば、そうでなくてもっと公共的な方向に、公的な部門へ移行していくような方向に動くところを、日本の場合は、せっかく公的なものになっているものを今度は逆に民間の方におろしていくというような、何か逆流しているみたいな感じを、しかも専門の学者たちが主張するという感じを受けるのですね。  これは結局一番問題なのは、いまの公共企業体の労働組合だと思うのですね。労働組合の行動が国民に理解されてないから、したがって、いまの国鉄のようなものになればこれはいけないという感じを一般の国民が持つものだから、そういうふうな逆流現象が出てくるのじゃないかと思うのですね。したがって、いま公共企業体の労働者諸君の運動の仕方というのは日本の経済の今後の発展の方向から見て非常に問題があると私は思うのですね。そうでなければ、もっと大胆にいまの民間的な運用を公共的なものに移していくものがたくさんあるわけです。そういうのもそういう傾向を生まないだけでなくて、逆に公共的なものを民間に分割していくというような、そういうことはいまの公共企業体の労働組合の大きな責任だと私は思うのですね。  そういうような問題も今後いろいろ検討してみる必要があると思うのですけれども、そういうことをやる一つの含みを持って、まあ条件をつけてスト権を与えるということをもっと、企業形態を変えるということとは別に一度そういうことをおやりになってみたらどうだろうか。やったって余りマイナスはないのですよ。どうせいまとそう余り変わりはしません、いまよりは少しよくなるかもしれないと私は思うのですけれども、恐らくそういう一挙に企業形態の問題もやるし、条件的なスト権の問題も考えるというのじゃなくて、条件的なスト権をとにかく与えてみるというようなことを突破口にして、そして公共企業体の労働組合の諸君に自発的な反省を求めていかないと、要するにいま起こっておる現象というのは反動的な傾向ですよ。そういうことですから、まあ条件的な付与論というものを一応離して、企業形態の問題とこの問題を検討してみるということが必要ではないだろうか、このように思うのですけれども、まあそれもそうだ、検討してみるというところかどうか、大臣のごく簡単な御所感をいただきたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 まあ去年ああいういろいろな事件があって、いろいろな方面からまた再認識やら再検討されるようなかっこうになっておるのが今度の内閣に生まれるそうした組織でございますから、そういうところでせっかくひとつ御議論をされることを期待しております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 もう一つ困った問題が今後かなり出てくるように私思いますのは、労働者の中の差別が大きくなるという問題なんですね。今度の春闘の結果どのようなことになるかまだはっきりわかりませんけれども、出せるところは相当出す、出せないところは余り出せない、ほとんどゼロというところも出てくる、つまりこの開きが非常に大きくなってくるという問題が出てきはしないかと思うのですけれども、そうなるとへ給与の面でも、それも今年だけではなくて、安定成長に移行する過程で、ある業種は相当いいが、ある業種は相当悪い、しかもこれが、悪いのはだんだんつぶれていってそしていいのが興ってくるということではなくて、そういう状態ならまだ対策はとれるのですけれども、やはり悪いのは相当長く悪い、いいのはいいが、新しくどんどん仕事ができてくるというわけではない、参入は行われないというような問題が出てくると、発展好況企業の労働者と斜陽企業の労働者の一ころ問題になったようなことがもっと長期定着的な形で起こってきはしないかという感じがするのです。これが大企業と中小企業ということにもなるし、あるいは青年の労働者と中高年齢層の問題も出てくるということで、労働者間の差別というものが、従来のように一つの労働者階級と資本家階級というかっこうのものではなくて、労働者間の差別という問題が出てきはしないか、もうすでに出てきているという感じがするのですけれども、こういう問題を労働省として御検討になったことがあるのか、あるいは今後御検討しようとしているのか、そのことをひとつお伺いしたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 高度経済成長のときですと、ベースが低いというせいもあったかもしれませんし、大企業の春の賃金相場よりも中小企業の賃金相場の方がいつも一%か二%ずつ高いということでしたけれども、こういうことになりますと、これはおっしゃるように非常にばらつきがある。ということは、まず第一にみんな雇用ということを心配しますから、賃金の原資を失っちゃいかぬ、そういう意味で、また失業者を出さないようにすることが大事だということで、皆さんとお互いで雇用調整給付金とかいろいろなことをやりました。企業はいま過剰労働を抱えているというのを、一方、経済刺激をやりつつ、それでそれをそのまま働いてもらうということでございます。しかし一方、いまおっしゃるような産業構造の変化が自然に生まれてくるのですね。その場合に私の方は、ほかの官庁に対しまして、当然生まれてくるだろうそのときに犠牲者をそのまま私の方によこされちゃかなわぬ。だから、構造改善する場合には、労働政策もあわせて、最初からミックスした形においてやってもらえば、職業転換給付金とか訓練の金とか出しながら安定させるような、そういう幅の広い一いままでは、どんな顔をしていても人ならどんどん使ったということですが、そうでないという、実は総合的な雇用政策を推進しようと思って、関係官庁と御相談しておる、非常に配慮しながらやっていこう、こう思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この問題は恐らく今年の春闘を境にして次第に顕著な形になってくる。中高年齢層の問題についてはいろいろ気を配っておられるようでございますけれども、いま商業労働者の部面で非常に問題が出てきておるのは、本当の零細企業の流通過程の労働者と、たとえばダイエーとかあるいは大きな百貨店とかスーパーというところで働いている人たちとの差が非常に大きい状態がある。商社ということになるともっと大きなことになるという問題が出てきて、しかも、これが経済成長のときにはどんどん転換ができるわけですけれども、これからしばらくは小さくなっていくというときですから、なかなか大変な問題になってくる可能性を持っているわけであって、この問題を、実態をまず労働省としてよく把握をすることが必要だと思うのです。ぜひともひとつこの実態を、将来の展望を含めて調査をして、対策に誤りなきを期していただきたいと思います。  それから、続きまして、最近の雇用状況ですけれども、二月の末は、大体、いま大臣もお話しになったとおり、完全失業者は百二十五万、一月末よりも少しふえているけれども予想されたほどふえていないのは、これはやはり景気が、倒れるところは倒れるけれども、片一方でよくなる方はよくなっているというふうなものと見ていいのですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 まあこういう非常に厳しいところでも、民間の企業は、やはり非常にがまんしながらも、また新製品を開発しながら、あるいは外国の注文をとりながらということで、新規求人倍率は一・〇一です。新規の場合にはもう間に合っているのですね。それほどまでにいまずっと上がりかけている。そして先生御心配のように、百二十五万という中の四割五、六分は四十五歳以上で、世帯主だ。この方々に対する失業保険は出ておりますけれども、そういうものがいまからずっと滞留が続くというところに私は、いまからもう労働問題の非常に大事なところがある、こういうところでフォローしながら対策を練り、そうしてまた、国会にもこのたびいろいろお願いする諸法案はこういう点です。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 四十五歳以上の人が四五%ですか、やはり失業保険はいつまでも続くわけじゃないですから、となると、六、七十万のそういうふうな人がおるということになると、これは何か恒久的な問題として中高年齢という人の就業の問題を考える必要がありますね。いまいろいろお考えになっておられるようだけれども、あのスケールでは少し足らない問題が出てきはしないかという感じがするのですね。いま六十前後になって働ける人はたくさんおりますね。そういう人が職業がなかなか得られないという状態にあるから、これは何か労働省としていいお知恵があるかどうか、中高年齢の将来の問題としてお聞かせいただきたい。

吉本実労働大臣官房審議官

○吉本政府委員 ただいま先生のお話しのような実態を十分承知しております。それで、特に高齢者の問題につきましては、今度法案を提出すべく現在準備しておりますが、いわゆる高齢者の雇用率制度、これは努力義務でございますが、まずはそういった制度をとりながら、定年延長の裏打ちもしていく、こういったようなことが一つ考えられますし、また、これからの産業構造の転換とか、そういった先ほど先生のおっしゃられるいろいろな層によりますバランス、そういう転換の対策、そういったものを含めまして、現在、第三次の雇用対策基本計画を立案中でございまして、目下総理府の雇用審議会で御審議を願いまして、その中でそういった問題を処理するように現在検討しておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 定年延長という問題は、やはり一つの標準としては六十歳というのを境に現在お考えになっておられますか。

吉本実労働大臣官房審議官

○吉本政府委員 ただいま一般的には五十五歳定年がやはり民間においてかなり普及しておりますので、その辺を六十歳ぐらいのところへ延長すべくいろいろと考えている次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この問題は、大体いつごろその審議会等の成案は得るわけでしょう。

吉本実労働大臣官房審議官

○吉本政府委員 ただいま雇用審議会で鋭意検討していただいておりますが、今月の中旬に総会を開きまして、かなりの輪郭がわかるのではないかというふうに承知しております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 いろいろの高度経済成長の一つの産物として、終身雇用制というものが非常に崩れてきたという実態があるわけですね。この終身雇用制という問題といまの定年制延長という問題は、これはやはりはだ合いの合う政策なわけですね。それと、実際には産業界で、働く者に対して賃金を払うんだ、働く量、質に対して払うんだということになるこの考え方との矛盾みたいなものがありますね。これを、賃金を下げることによって解決していくのか、その点はいかがですか、考え方として。

吉本実労働大臣官房審議官

○吉本政府委員 定年延長の問題と、ただいま先生おっしゃる雇用慣行、年功序列の企業内におきます体系との関係でございますが、私どもの考えとしましては、従来からもいろいろ申し上げておりますように、やはり定年としましては六十歳を基本にすべきではないか。したがって、現在の五十五歳定年を先ほど申しましたように六十に持っていく。その間はやはり通常の労働者として働いていく期間、さらに六十歳から六十五歳層につきましては、この辺につきましてはいわゆる補助的な収入を得るような仕組みでの仕事をやっていく、さらに六十五歳以上になった場合には、いわゆる社会奉仕的なサービス的な形での社会参加、こういったような三つぐらいの区分で対処をしていくべきではなかろうか、こんなように思っておりまして、その際に定年延長との関係につきましては、先ほどの賃金等の御指摘もございますように、やはりある一定時期に来たならば、その賃金につきましても、むしろ必ずしもそれが従来のような累増ではなくして、平行ないしは能力等に応じてダウンしても差し支えないのではないか、こんなような気持ちで対処してまいりたいというように思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この前も予算委員会のとまる前の雇用の集中審議でいろいろな関係者の方に来ていただいて、私もそのとき質問申し上げたことがありましたけれども、いま現にいろいろな企業の中に、アメリカ式な感じで言えばやめてもらわなければならない人を温存しておるという問題がありますね。これは企業の櫻田さんも土光さんもその問題を指摘されておりました。総評の安恒君とかあるいは同盟の人は、ちょっとニュアンスが違いますけれども、これは労働条件を改善することによって解決できる問題で、実際の潜在的な過剰雇用ではないんだという意見の分かれがあるようですけれども、これは実際に労働組合としては、もうちょっと労働条件をよくする、つまり時間を短くするとかあるいはその他のことで解決できるというように考えておるのですけれども、労働省としてはこの問題についてはどういうお考えを持っておられるのか。

吉本実労働大臣官房審議官

○吉本政府委員 いわゆるアメリカ型のレイオフと、私どものいままでとってまいりました、いわば企業の中で抱えておく、これは先生御承知のように、昨年の一月から雇用保険で雇用調整給付金制度を創設いたしまして、それなりの段取りをつけてまいっておる次第でございますが、私ども、現在のこういった情勢の中では、やはり第一義的には失業を防止するという点を雇用対策の中心にしていくべきではないか、そういったために、いろいろな関係もございますでしょうが、できる限り企業で十分そういった採算の点も考慮しながら抱えられるところは抱えていただく、しかしその際に、いろいろ休業的な措置をとったりしなければなりませんから、そういう雇用調整の分野については国としてもその点の御援助を申し上げる、こういうふうな考え方でまいっている次第でございまして、今後につきましてもそういった点は中心的に考えていくべきではないか。しかしながら、これからの産業構造の大きな転換ということを考えた場合には、いわゆる企業におきます過剰雇用と申しますか、そういった点、どの程度の雇用量で差し支えないかどうか、こういったところも十分検討して、どうしてもその辺の調整をする必要があるならば、新しい制度をいろいろ考える必要もあるのじゃないか、こういうようなことで、その点は先ほどもちょっと申しましたように、雇用審議会におきましても現在その課題を取り上げまして検討をしておるというような段階でございます。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 そこで和田さん、ぼくは一番大事なことは、日本の場合に労使が非常にうまくコンセンサスがとられて、産業なり生産が伸びておることは終身雇用だと思うのです。これは崩しちゃいかぬと思うのです。これを崩さない中に、いま言うたように、労使が協調しながら定年制延長の問題やらを、私の方でも推進をやりますけれども、話をつけてもらう。と同時に、いまのように産業構造改善について、あるいは外国の人たちと同じように、いろいろなライセンスを常にとりながら自分の地位というものと労働力を長くしていくような制度を加味することによって、私は労使の間がうまくいくんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 最後に、いま高度経済成長がストップして安定成長と言われる状態に移行しようとしておる状態のもとでいろいろな問題が出てきている。いまのいろいろ話し合いをしておる問題もあるわけですけれども、端的に言って大臣、週休二日制という問題は、新しい条件のもとで促進されるか、あるいは停滞するか、どっちでしょう。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 週休二日につきましては、一昨年の労働者の割合で六七%くらいの普及でありましたのが、昨年の調査が最近まとまりまして七〇%に達しました。やはり基本的にはそういうふうに進んでおりますし、それから国の方向といたしましても、基本的には労働時間の短縮あるいは週休日がふえていくということは望ましいことではなかろうかというふうに思うわけでございます。特に先進諸外国の週休二日の状況を見ますと、わが国はまだかなりおくれているということを率直に認めざるを得ないと思います。  ただ問題は、低成長下におきましてこれをどういうふうにして展開していくかということでございまして、よく世間には、たとえば労働基準法を改正してこれを一挙に実現してはどうかというような御意見もあるのでございますけれども、自由主義諸国、先進資本主義諸国では法律をもって週休二日をやっているというところはないわけでございます。やはりこれは労使よく話し合いをしていただきまして、経済の実態に即しながら、しかし方向としてはそういうことで逐次進んでいくということが一番望ましいのじゃないかというふうに私どもは考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 これで終わります。

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 和田君の質疑は終了いたしました。  次に、木野晴夫君。

木野晴夫自由民主党

○木野分科員 私は地方行政に関しまして大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。実は先般の地方行政委員会におきまして全般的な問題について大臣にいろいろと質問いたしまして、大臣から率直な御意見も聞いたわけでございますが、きょうは問題をしぼりましてお伺いいたしたいと思います。  御承知のとおり暫定予算が通りまして、その際に、ぜひとも三月三十一日までに通さなければならない法律というものが十本ばかり国会を通過いたしまして成立いたしました。その際に、いわゆる日切れ法案と言われるものでございますが、地方税法の改正は成立いたしたわけでございますが、地方交付税法がそのときに通らなくて、まだ委員会に付託、審議中であるのでございます。私は、そのときまでに通さなければならぬ法案と言いましたときに、これはぜひとも通さなければならぬ法律じゃないかと思っておる一人でございますが、本予算が通らない段階においてはこれを通しても意味がないと言うとおかしいですが、動かないんだからというようなことで日切れ法案に入らなかったと聞いております。まあどういった考え方か、それは私も各人に当たったわけではございませんのでわかりませんが、しかしながら私いま見てみましたところ、この法案はぜひとも三月三十一日までに通しておくべきじゃなかったかと思うのでございます。と言いますのは、地方交付税は国税三税、これの三二%を財源にするわけでありますが、ことしの予算で申しますと十二兆八百億の国税三税、それの三二%。ところがそれでは地方財政困窮をきわめておりますので、一般会計から六百三十六億円と、それから借入金の一兆三千百四十一億円をプラスいたしまして交付税の財源にするというのでございますが、なるほど予算が通らなかった場合におきましてはその交付はできませんが、しかしながら予算が通ったからと言いましても、この法律が通っておらなければ配分できないわけであります。したがいまして、予算が通っておらないから意味はないと言いますれば、予算が通ってもこの法律が通っておらなければこれまた意味がないわけでありまして、そういたしますと、予算がいつ通るかわからないということは別といたしまして、この法律だけは通しておいて、本予算が通ったならばすぐにその日に配分できるというふうにしておく必要があるんじゃないか。そういった意味でこれは日切れ法案として三月三十一日までに通しておくのが、まあゆとりを持った考え方として穏当じゃなかろうかと思うわけであります。そういった意味で非常に残念でございますが、実はこの法案は現在審議中のままでございます。一方、予算もまだ成立をしておらないというような段階でございますが、困窮する地方財政を抱えまして暫定予算におきましてどういうふうに処理したか。私が当時聞きましたらば、本予算が通っておりこの法律が通っておったならば一兆二千百九十億円の交付税が配分できた、ところが暫定予算の場合には、四月は年間の四分の一を交付するわけでありますが、何分にも昨年の実績の国税三税の三二%ということでありますから七千七百七十四億円、そうしますと差額が四千四百十六億円で、配分がそれだけ少なくなるということを聞いておりますが、どのようになっておりますか、自治省の正確な数字をお伺いいたしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 交付税の関係についてのお尋ねでございますが、前段御指摘ございましたとおりのきわめて緊急を要する法律だと私どもも考えまして、これの早期成立方をお願いもいたしたのでございますが、まあお取り上げいただいた場合には、先ほど御指摘のように予算案と一緒に成立しなければ万全の効果が出ない、こういう意味で日切れ法案の中のお取り扱いをいただけなかった事態になっておるわけでございます。  この内容につきまして若干御説明を申し上げますと、ことしの交付税は、国税三税の額も非常に少のうございますし、国、地方を通じて激しい困窮に襲われておりますので、地方財政も非常に大幅な財源不足が生じたわけでございまして、ただいま御指摘をいただきましたように、国税三税十二兆余りの三二%のもともとの額に、約一兆三千八百億という非常に大きな額、これを特別会計の借入金とそれから臨時地方特例交付金をもって措置をいたしまして、五兆一千八百億余りの交付税の総額を確保いたしたのでございます。もともとこの額は、予算も成立し地方交付税法も成立をいたしますならば、そのうちの普通交付税分の四分の一を四月早々に概算交付をすることになっておるわけでありまして、ただいま御指摘をいただきましたように、本来ならば一兆二千百九十億円、こういう額が四月早々にも現金で地方団体に交付ができたはずであったわけでございます。ところが予算が成立をいたしません。地方交付税法も成立をいたしませんので、やむを得ず暫定予算ということに相なったわけでございますが、暫定予算では、従前の慣例によりまして、暫定予算をお組みをいただきますと、先ほど御指摘をいただきました七千七百七十四億という四月の概算交付の額にとどまるわけでございます。これは従前とも暫定予算を組みますときには前年度の補正後の国税三税に三二%を掛けまして、そのうちの普通交付税分の四分の一を交付をする、こういう慣例になっておりましたので、わずか七千七百七十四億、こういう額になりまして、その差額が四千億をうんと上回る大きな額に相なったはずであったわけでございます。ところが現在地方財政は大変に困窮をきわめておりますので、大蔵省筋そのほかにも強く要請をいたしまして、本年度の特例といたしまして、暫定予算には、実は昭和五十一年度に見込み得ます国税三税を基礎にいたしまして、その三二%の四分の一、こういった額を実は計上をしていただいたわけでございます。これは国庫当局の方も理解を賜りまして、そのような額を暫定予算に計上いたしました。その結果、計上いたしました額は八千九百四十一億円に相なっておりまして、この八千九百四十一億円は、四月三日にもうすでに現金をもちまして地方団体に交付をいたしたのでございます。しかし先ほども申し上げましたように、本来ならば一兆二千百九十億、こういう金が四月三日には配られるはずであったところが、いま申し上げましたようにかなり無理をいたしました結果でも八千九百四十一億しか配られておりませんので、その差は三千二百四十九億円に達しておるわけでありまして、本来の年であるならばそれだけもらえるべき四月概算交付を地方団体は手に入れることができないで現在資金繰りをいたしておる。その結果、資金繰りにも非常に難渋をいたしております団体が多いわけでございます。そのような状況でございますので、本法案は日切れ法案として早期成立をさせていただくことができなかったわけでございますが、少なくとも一日も早く成立をさせていただき、この差額の三千二百四十九億は予算及び法案が成立し次第、直ちに追加をして配りたいと私ども準備をいたしておりますので、そのような事態を希望いたしておりますし、また地方団体もその日を一日千秋の思いで待ちわびておるものと、このように考えておる次第でございます。

木野晴夫自由民主党

○木野分科員 いまの御答弁によりますと、普通だったならば七千七百七十四億円であった、それを皆さん方が非常に努力をして八千九百四十一億円、四月の三日に配分した、こういうことでありますが、その点の努力の点は私も評価いたしますが、しかしながらいま問題といたしておりますのは一兆二千百九十億、これとでございます。七千七百七十四億円のときには四千億を超す差額が出るわけでありまして、もしこれをば金を借りて賄うとなりますと、金利負担にしましても一億円近くになるということも聞いておるわけであります。ただいまの話だと、それが三千二百四十九億円ということで、この点は軽減になっておりますが、それでも利子といいますものを考えてみますると相当な金額になると思うわけであります。ただいま局長の話がありましたが、本予算が通ってこの法律が通りますならばということであります。それはまた各地方公共団体が一日千秋の思いで待っておるということであります。  私、いま大臣にお伺いしたいのは、実は日切れ法案の処理をいたしましたときに、一例を挙げて申しますと、土地改良法の改正というのがございました。土地改良法の改正で問題になりましたのは、特別会計を設けまして大いに土地改良をやるんだ、というのは、従来は用水に限られておったわけであります。それを改正いたしまして、農用地をつくるとき、山を開いてたんぼをつくるという事業にもそれを適用するという改正でございました。これも予算が通らなければできないわけであります。しかしながら、各市町村ではもうすでにその書類をつくり、そうして予算が四月一日に通ったならばやりたいということで準備をいたしており、予算がおくれた場合におきましても、予算が通ったならばすぐにやりたいということで準備をしておる。そういったのを背景といたしまして日切れ法案として処理したわけでございます。そういたしますと、この法案も、予算が通らなかったら意味がないというのでなくして、私は、土地改良法と同じような考え方に立つならばこれは通しておくべきであったと思うわけであります。自民党には自民党の考えがあり、各党には各党の考え方がありますが、現在地方公共団体が非常に困っておるということで、これはどの党の方にもいろいろ陳情といいますか意見の申し出があったと思いますので、私は、これは日切れ法案として処理すべきだった、こう思っておるわけであります。先ほど局長の話がありましたとおり、予算が通るだけではだめでありまして、予算とこの法律でございますから、一刻も早くこの法案を通しておく必要がある、こう思うのでありますが、大臣のこの地方交付税に対する考え方、それについてお伺いいたしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ただいま木野さんが御指摘になったとおりでございまして、実はわれわれといたしましては、日切れ法案としてぜひとも三十一日までに通していただきたいという強い希望を持っておったわけでございますけれども、いろいろの事情でこれが実現を見なかったわけであります。その結果、先ほど財政局長が申し上げましたようなある種の便法を講ずるということにいたしまして、一応ある程度の措置はとったわけでありますけれども、これで十分というわけではなかったわけなのでありまして、その点はまことにわれわれとしては遺憾に存じておるわけでありまして、やはり一日も早く交付税法案は通過を図らなければならない。特にいまの段階におきまして、本予算を通過させようという段階においては、これが通ったといたしましても、交付税法案が通っておりませんと実施ができないという部分が当然出てまいるわけであります。今日、地方の自治団体は何としても景気浮揚ということを考えなければならない、失業者がふえるようなことは何としても抑えたい、その意味で、国とともに協力して積極的に事業に着手をしたい、こういう考えを持っておるわけでありますが、交付税法案がこの前に通っておりますれば一つの安心があったわけであります。何といいますか、例にはうまく当たらないかもしれませんけれども、三階のこの部屋に入ってくるには、一階から二階へ上がって、二階から三階へ上がる、こういう二つのことが必要なんでありまして、先月末に二階まで上がっておれば、今度はすぐ本予算のことだけやればよかったということになるわけでありますが、それがまだ両者ペンディングになっているいまの状況、これはわれわれとしては非常に心配というか、遺憾でございまして、地方自治体もこれだけは何としても早く実現をしてもらいたいということで、御存じのような六団体からも非常に強く要請を受けておるのが今日の状況であります。したがいまして、こいねがわくは、ひとつ本問題について格段の御協力を賜りますれば非常にありがたいと存じておるわけでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野分科員 いま大臣から話がありましたとおり、市町村が困っておるというだけにとどまらず、市町村が公共事業その他もできないというようなこともありますし、また一般雇用にも関係するわけでありまして、そういった意味でぜひともこれは早期にめどをつけなければならぬ、こう思っておるわけであります。     〔主査退席、山口(敏)主査代理着席〕 先ほど申しました土地改良法の改正はそういった意味から、予算と関連がありますので先に通しておこうというので通ったわけでありますが、これもまさにそれと同じような問題かと思うわけであります。それで、財政局長としてできるだけの配意をした点はただいまの話でうかがえますが、予算が通ってもまだこれが通っておらない。予算よりも先にこれを通しておくというくらいの努力を自治省におかれましてもしていただきたい。予算とこの法律、二つ通らなければだめであります。予算の前に通しておけばと思いますが、もう三月三十一日は過ぎました。あとは予算よりも先にこれを通しておくというふうないろいろな努力をお願いいたしたいと思うのでございます。  次に、先般私は地方税法につきましていろいろ申し上げまして、その席上で農地の話を一例として挙げたのでございます。大臣の所信表明に対する質問でございましたから細かいことは聞きませんでしたが、政令に譲ってある事項がある。こういった政令に譲ってある事項は早く決めてやってほしいという話を申しまして、自治省におきましてはいまそういったのを検討しておるということでございました。よく法律が通りましても、政令が半年たっても出ないという例があるわけでございます。自治省関係の税法は国民に直接関係いたしますので、わりあいに早く出ておりますが、この政令の内容といいますものを早く決めてほしいということを申し上げまして、そのときに一例といたしまして、農地の課税をいたします場合に、市街化地域の農地につきましても場合によっては軽減する場合がある。ただし、次のような場合にはだめですよとある政令の部分でございます。自治省の方におきまして、まとまった案でございませんが、どんなことを考えているのだということを聞きまして、こういった点は問題があるのじゃないか、外してほしいということで申し上げましたのは、下水道のできておる、水の流れ込む地域はあるが、それはひとつ外してほしい。それから区画整理事業でございますが、完成したのはいいわけでございますが、まだ着工中である、中には十年かかるというのもございますから、着工のものはひとつ外してほしいということがございまして、自治省におきましても十分に検討するということで終わっておりますが、その後検討の結果どういうようになっておりますか、担当者からお聞きします。

福島深自治大臣官房審議官

○福島政府委員 御指摘の市街化区域農地に対しまして課します固定資産税の減額の問題でございますが、前回ただいま先生の御指摘のような御意見がございまして、私どもも鋭意検討をしてまいったわけでございます。いずれも政令に規定をすることになっておりまして、私どもはただいまから申し上げます三つのケースに該当いたします農地につきましては減額することは適当でないという考え方になったわけでございます。  その一つは、土地区画整理事業あるいはその手法を用いております開発事業の施行区域内の市街化区域農地でございまして、その地積が〇・一五ヘクタール、約四百五十坪でございますが、未満であるもので二つ実はあるわけでございますが、一つは、ただいま先生御指摘のように土地区画整理事業が完了したもの、それからもう一つは土地区画整理事業が完了ということにはなっておりませんが、仮換地の指定がございまして、現実に使用しあるいは収益することができるという状態になったもの、こういうものについては除外をいたしたい、これが第一点でございます。それから第二のケースは、都市計画法の二十九条の許可にかかわる開発行為の行われた区域でございまして、その中に入っておる市街化区域農地、これも外したい。それから三つ目が、一つのあるいは一団の市街化区域農地でその地積が〇・一ヘクタール未満のもの。この三つのケースに該当する農地については固定資産税の減額は適当でないということで政令の改正をさしていただいておるわけでございます。  なお、御指摘のございました下水道処理区域を除外するかどうかという問題につきましては御意見もございましたし、私ども調査をいたしましたが、都市施設というものが必ずしも下水道処理区域になったから完備したとは言えないというような実態もわかりましたのでそれは外す、つまり対象除外にはしないということで結論を出さしていただいたわけでございます。  これによりまして宅地としての環境条件の整ったものを一応除外するという措置はとられたものと思いますし、先生方御指摘のいろいろな問題につきましてはそれを十分加味して政令を公布施行さしていただけたものと考えているわけでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野分科員 それでは〇・一ヘクタール以上のものについては、たとえば緑化に貢献しているからというような意味でこれは適用除外になっておらないわけですね。一言で申しまして助かっているわけですね。

福島深自治大臣官房審議官

○福島政府委員 一つあるいは何人かの所有者が持っております農地がかたまっておりまして、それが〇・一ヘクタール未満でなければ、初めに申しました一、二のケースに該当する場合は除きまして適用除外から外す、そういう措置をとっているわけでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野分科員 この点について私申し上げたのは、政令に譲っている分は皆さんが心配しているから早く出してくれということでございまして、ただいま聞きますと、十分に検討して案を出されたということでございますから、それはまた私の方も検討いたしますが、政令に譲ってあることはひとつ早く出してほしい、こういう趣旨でございますので、単に農地の問題だけじゃなくて、全般につきましてひとつ自治省におかれましても政令部分は早く決めてやるというふうにお願いしたいと思います。  それから、そういったことで言いますと、これは答えは要りませんが、評価委員に農家の方が自分らの意見も十分に加味するように人数その他もつくってくれと言っておりましたが、政令その他で十分に御指導願いたいと思うわけでございます。  それから、それと関係ございませんが一つだけお伺いしたいのは、娯楽施設利用税は県税として取りまして、その二分の一を市町村に返しておる。具体的にはゴルフ場でありますが、そういうふうにしておる。ところがミニゴルフ場は外れておる。そこでこの税金をなぜ地方に還付するのだというと、ゴルフ場に行く途中の道をきれいにしたりいろいろするので、市町村に還付いたしましてそういった環境整備に使わさすのだということでございますが、私のところにはミニゴルフ場に行く途中そういったところがあるので、ひとつこういった点については十分に考えてくれという陳情でございます。  こういったことにつきましては一つの線をどこかで出さなければいかぬと思いますが、出しますとそのボーダーラインの陳情があるわけであります。これは陳情があったということを申し上げておきますが、一つの線を出しますとそれについてそのボーダーラインの者からの意見があるわけであります。私は、そこで何のためにそういった措置ができたのかということを考えていただきまして、もしゴルフ場につきましてそれをやっておる、自治省で線を出した以外のものにつきましても同じようなことがあるということでありましたならば取り上げていただきたい、こう思いますので、研究事項、検討事項としてお願いいたしたいと思うのであります。  私先ほど申しましたが、地方行政といいますものは国の第一線の直接国民に関係のある問題でありますので、その任務といいますものは非常に重要であると思うわけであります。自治省はそういった市町村の仕事のしやすいようにいろいろ配意するわけでありますが、第一に申しました地方交付税法というようなものは、ひとつ自治省の責任で早期に見通しのつけるように最大限の努力をされることを重ねてお願いいたしまして私の質問を終わります。     〔山口(敏)主査代理退席、主査着席〕

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 木野君の質疑は終了いたしました。  次に、折小野良一君。

折小野良一民社党

○折小野分科員 私はこの間地方行政委員会におきまして大臣に御質問を申し上げました。それの続きというような形で主として地方財政を中心にいたしまして若干の御質問を申し上げたいと思います。  ただいま木野委員からも御質問がございました。そしてまたそれに対する自治省の御答弁がございました。特に今日、地方自治体におきまして交付税が予定どおりに入らないということによりまして資金繰りその他に非常に困難をしておるということは私どもも承知をいたしておるわけでございます。  ところで、先ほどの木野委員の御質問に対しての御答弁によりますと、結局順調にいった場合と比較いたしますと、三千二百四十九億円がこのような特殊な事情のためにいかないのだということでございます。しかし、四月交付分というのは、年間の普通交付税の四分の一ですから、いわば三カ月分ということでございます。ですから、これがいかないから、これが直ちに不足だというふうに言うわけにはまいりませんので、問題は、それぞれの自治体の資金繰りにあるのじゃないかというふうに考えます。したがって、まだ年度が始まってすぐでございますので、十分把握しておいでになるかどうか存じませんが、見通しでも結構でございますが、現在、そういう面で自治体が現実に困っておるのは果たしてどの程度のものなのか。  それからまた、予算委員会がおくれまして、残念ながらこういうような状態で再開されておりますが、これが順調にいきましても、本予算が成立するのは五月の十日ということになってまいりますでしょうし、先ほどのお話のように交付税法もこれからということでございます。それが今後、順調にいった場合におきましても、なお暫定予算が四十日の期間があるわけでございまして、今後の予想される問題もあろうと思っております。したがいまして、この予想される期間内におきまして、現実にどのような影響が、あるいは金額でいたしますならばどの程度のものが資金繰りとして必要なのか、そういう面のお見通しがありましたら、お知らせをいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘のとおり、通常のかっこうで成立をいたしました場合に比べまして、三千二百四十九億ほどの概算交付が四月にできかねておるわけでございますが、この四月の概算交付は、次期の概算交付時期が六月でございますので、いわば四月、五月、二カ月分の資金需要に対応するための概算交付、こうお考えをいただいてよろしかろうかと存じます。  ところで、地方団体にとって特徴的なことは、四月はわりに税金が入らない月でございまして、五月になりますと、若干税が入る分もございますが、四月は税が入らない月でございますので、各団体とも、特に地方交付税の交付団体は、交付税の概算交付額に依存をして資金繰りをやるというのが通常の形態でございましたので、なおさら地方団体としては、この三千二百億余りの金によって強い痛手を受け、かつまた、それの早期交付を希求しておる、こういう状況であろうと存じております。  資金繰りの状況でございますが、全地方団体を調べるわけにはまいりませんが、ただいま私どもで存じております都道府県の状況に限って申し上げますと、都道府県の出納長会では、四月末現在で百億以上の資金不足が生ずるだろうという見込みを立てております府県が二十四府県ほどございます。そのほかの団体も、大なり小なり不足を来すようでありまして、これを単純に合計いたしますと、府県だけで六千五百億余りの資金不足が出るだろう、こう言っておるわけでございます。本来、四月は資金不足が出る月でございますので、その状況がございますのと、それから、ただいま申し上げました三千二百億ほどの金がいかないということのダブルパンチのために、このような状況に相なっておろうと思います。  そこで地方団体は、これに対応いたしますために、義務費的な支出につきましては、やむを得ませんので、一時借入金をいたしまして資金繰りをこぐ、これしか手がなかろうと思いますが、ところによりましては、公共事業の早期執行等の請負におろしました場合の前金払い、こういうものを少しずつでも、ちびると申しますと語弊がございますが、少な目に支払いをして資金の不足をこいでいく、こういったことも考えなければならぬのじゃないかというようなことも申しておりまして、そのようなことを通じて地方団体から私どもも一日も早く交付をしてくれ、こういうように言われておる次第でございます。  なお、これもまた出納長会等で言っておりますが、この三千二百億がもし入りました場合と入らない場合、端的に申し上げましてちょっと語弊がございましょうが、これだけの金を一時借入金に単純に振りかえたといたしますと、日歩二銭から二銭二厘ぐらいで借りても、一日につき七千万円ぐらいにつくぞ、こういうようなことも申しておるようでございます。ともかく地方団体としては大変資金繰りに、ふだん難渋する月である上に、難渋をいたしておるという事態が現出をいたしております。

折小野良一民社党

○折小野分科員 いまの御答弁でわかりますことは、いずれにいたしましても、地方財政、今日非常に窮屈であります。したがって、三千二百何がしの交付税もぜひ交付税としてほしい。しかしそれ以上に、やはりふだんの状態でありましても相当な資金繰りを必要とする、一時借入金の借り入れを必要とするということであります。こういう面については、従来からいろいろと心配もされておったわけでございますが、この四月現在の時点におきまして、一般の一時借入金、これはもちろんほとんどが民間資金ということになっていくだろうと思うのでございますが、その金融操作の面、そういう面ではそう大きな支障はないというふうにお考えですか、あるいはそういう面での支障が非常に大きいというふうにお考えになっておられますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 全般的に申し上げますならば、資金繰りそのものは、さしあたり四月そのものにつきましては、借り入れそのものについて難渋を来すという事態はほとんど起こらないのではなかろうか、珍しいケースになるのではなかろうかと考えております。ただ今後、多額の地方債等によります借入金、資金需要がありますような現況にかんがみまして、従前に比べまして借入金等の利子の問題等につきまして、地元銀行筋等から従前のようなかっこうではいかぬといったようなことで、折衝に手間取っておる団体はいろいろあるようでございます。いよいよ資金繰りが困ってどうにもならないというような事態になりますれば、これは大蔵省とも約束をいたしておりますが、運用部資金そのほかも動員をいたしまして、何とか借り入れがつくように私どもお世話は申し上げたいと思っておる次第でございます。

折小野良一民社党

○折小野分科員 こういうような事態になってまいりましたのは、例のロッキード問題に端を発する国会の混乱、こういうものが一番の大きな原因でございますが、それについて、過去についてとやかく言ってみてもいたし方ないわけでございますから、今後できるだけ地方団体に迷惑をかけないような処理をやっていかなければならない。それにつきまして一番責任があるのは、何といっても国会審議を進めるということでございましょう。そのためには政府・与党である、すなわち、国会運営について責任を持つ自民党さんの方で、その面のより一層の努力をしていただく、それを中心にして国会審議を促進するということだと考えます。  これは一応おくといたしまして、政府の方でこういうような事態に対して何らかの打つ手はないものか、それについて自治省の方で何かお考えになっていることがありますか。一時借り入れ等につきましては、ただいままあまあ見通しは持っておられるようでございますが、いろいろな問題があれば何とかあっせんの努力をする、こういうようなことが出てまいっておりますが、しかし、この三千何百億がおくれるということによりまして、地方団体の金利負担というのは、これは当然に出てくるわけでございます。したがって、そういう金利負担等に対しまして、後日、予備費等の流用でこれに対する措置を講ずる、これは私が考えた一つの例ですが、そういうような問題について、具体的に何かお考えになっている対策はございますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 何と申しましても、この事態を緊急に避け得ますことは、地方交付税法並びに予算が成立をすること、これが一日も早く早期に成立をすること、これしかないわけでございまして、この点は国会に御審議を速やかに賜りますよう私どもとしてはお願いを申し上げる、これによりほかに実は手段がないわけでございます。さしあたり、ただいま御指摘をいただきましたように、資金繰りに各団体困っておりますが、これにつきましては、いよいよ困った団体等ございますれば、具体的にお申し出をいただいて、これに対応して私ども援助を申し上げる、このような体制はもちろんしいておるところでございます。  ただ、この点につきまして、この三千二百億の遅延に伴います利子負担等につきましては、この時期の長さにもよろうかと思いますけれども、こういった金額がどのようなものになってまいりますか、また、それが全体の二十五兆余りの地方財政計画規模の中、この中に占めます状況がどうなるのか、また今後の追加財政需要がどうなるのか、こういった問題とあわせて、これは今後検討すべき課題かと思うわけでございますが、ただいまは何と申しましても、一日も早く配れるような事態になりますよう、もう祈っておると申しますか、そんな気持ちでございます。

折小野良一民社党

○折小野分科員 それでは、次に移ります。  この前、地方財政の中期展望、これについて少し御質問を申し上げました。これは、将来にわたりまして、別に政策的な配慮なしに推移した場合の今後の見通しということでございました。この数字を見てまいりますと、わが国における国民所得対租税、その国民の負担率というのは、四十八年度から五十年度まで大体二〇・一%ということになっております。この二〇・一%の租税負担率が高いか安いか、これにもいろいろ問題はあろうと思っております。しかし、それは一応おくといたしまして、その中には地方税の負担率の、これは平均しますと大体六・九%というものが含まれておるということでございます。大体こういうような線で今日まで推移をしてまいっておりますので、別にこれに対して特別な政策その他が加わっていないということでありますならば、やはり五十五年度までそういうような推移でいくであろうということが考えられるわけでございますが、五十五年度につきましては、全体の租税負担率が大体三%くらい上がるということになっておりまして、その中の地方税の負担率の方は六・九%から大体七・九%、一%程度上がる計算になっております。一般的には何らの操作もしてないということでございますが、一%というのはわりあい大きな数字じゃないかと思います。と申しますのは、五十一年度のこの見込みでは六・四%ですか、これくらいの地方税負担率になっております。それでもこの五十一年度の税の落ち込みというのは非常に大きかったわけでございます。そういう点から考えますと、ここで一%の地方税の負担率が高まっておるということについては、何かそこに意図がなければおかしいのじゃないかというふうに考えられるのですが、どういうふうにお考えになっておりますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、中期計画の展望におきましては、国の中期計画展望といったようなものを基礎にいたして単純推計をいたしましたので、その際、国、地方を通じましての国民の租税負担率は、現行の二〇%余りから約三%程度アップをするだろう、こういう前提に立った単純推計をいたしておりまして、その場合に、現行の税源配分の状況どおりを一応前提といたしますと、その三%のアップは、国に二%、地方に一%、この程度のアップになるだろうという意味の単純な推計でございます。そういったことで、三%程度アップをいたしましても、なおかつ国の方もすぐにはなかなか財政が好転をしない、地方の方も五十二年、五十三年はやはり非常に大きな財源不足が出る、こういう状況でございますが、この結果につきまして、今後どのような対策をとっていくのか、こういう問題。それから、さらには国、地方を通じましての税源の土俵が広がってまいりました場合に、国と地方との税源配分の比率を現行どおりの七、三の比率のままでいいのかどうか、もっと地方に寄せるべきでないのかどうか、こういったことは改めて政策として今後検討していく、こういうつもりでございまして、中期計画に出ております数字は、現状を前提にいたしまして単純に三%アップの場合の割り振りをそのまま推計をした、こういう状況でございます。

折小野良一民社党

○折小野分科員 一応そうであろうと思うのです。しかし、この推移から見ますと、この三%の負担率の上昇というのは、金額にいたしますとわりあい大きな金額になるわけでございます。その三%のうちの二が国税分だということになりますと、従来のいろいろないきさつとか話とかから憶測をいたしますと、たとえば、それは付加価値税の採用がそういうことに反映をするのじゃなかろうか、国税の場合、こういうような憶測ができるわけです、それであるかないかは別としまして。地方税の場合は、果たしてそれがどういうものによって意図されておるのか、私どもよくわからないわけです。そういう意図がいまおっしゃるように全然ないのか、あるいは何らかの意図がそこに盛り込まれてこの程度の上昇が見込まれるということなのか、もう一遍ひとつお伺いします。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 現在の中期展望をいたしました場合の前提といたしましては、そのような具体的な前提ということは置いてはいないわけでございまして、単純に三%上がるケースを想定した場合に、現行の税源配分の比率で両方にふえるとするならば二と一になるだろうというだけの事態でございます。  ただ、それだけの問題じゃございませんで、さらに五十二、五十三、五十四と財源不足額が出てまいりますので、それも含めてどのような財源強化対策をとる必要があるのか、これは今後地方財政に課された大きな問題であろうと思ってはおるわけでございますが、その場合の具体的な増強策等につきましては、今後慎重に、各方面にも御相談を申し上げながら検討していく必要があるだろう、現状のままで行けば三%アップになってもこの程度のものにしかなりません、こういう意味での推計であると御理解を賜りたいのであります。

折小野良一民社党

○折小野分科員 五十年度から五十一年度にかけての措置というものは、現在の事態からいたしまして、私どもやむを得ないというふうに考えております。しかし、五十二年度以降、もちろんこれははっきりわからないことではございますが、大体の予測からいたしまして、何とか従来とは違った形であったにいたしましても、安定した推移をたどるのじゃなかろうかというふうに考えます。そういたしますと、やはり地方財政のあるべき姿というものをこの場合抜本的に見直して、そしてその確立を図っていかなければならない、その第一着手はやはり五十二年度じゃなかろうかというふうに考えるわけです。あの中期展望に見られるような、五十二年度以降におきましてもなおいまと同じような暫定的な、あるいは応急的な、こういうような措置でいつまでも推移すべきじゃないのじゃなかろうかというふうに私どもは考えます。  したがいまして、今後どういう形でそういうような問題に取り組んでいくか、これにつきましてはそれぞれの対応のあり方というものがあろうかと思っておりますが、いずれにいたしましても、地方財政の確立を図る、そして地域住民の福祉を図り地方自治の振興を図っていく、こういう方向でなければならないのじゃなかろうか、財政の数字からいきますと、従来言われてきたようないわゆる三割自治というような状態を脱却する、そういう一つの契機にすべき時期じゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。まあ、今後のことでございますので、はっきりした御答弁を期待することはできないかと思いますが、国の制度といたしましても、あるいは自治体自体といたしましても、私は、今日のピンチこそ一つのチャンスである、こういうふうに考えます。改革をするについては最も絶好な時期だというふうに考えますので、ひとつ自治省を中心にされまして、今後の地方制度のあり方につきまして、この際、抜本的な改革を断行していただくことを心からお願いをいたしたいと思っております。  ところで、地方財政という面から見まして、いわゆる地方財政計画というものの比重というのが、これは意図するとしないとにかかわらず、だんだん大きくなってきております。これは私は非常に結構なことだと思います。特に、それが五十年度の補正から五十一年度にかけまして実質的な交付税計算の基礎になってきておるということ、すなわち五十年度当初の地方財政計画の総額を確保するというのが五十年度の補正の基本的な考え方でございました。そしてまた、五十一年度もほぼそういうような考え方で実質的な交付税というものが決められてきておる、こういうような点から見てまいりますと、地方財政計画というものは、今後もっともっと地方財政の中心に据えて考えていかなければならない一つの制度じゃなかろうかというふうに考えております。  従来、この地方財政計画につきましても、いろいろな問題がございました。現在のところは、何といってもこれが交付税法の一つの制度としてできておるわけでございますが、今後の地方財政計画のあり方、そういうものを考えてまいりますならば、やはり地方財政というもののあるべき姿というものを地方財政計画で明示をする、そしてその地方財政計画の地方団体の財政運営に対する指導性というものをもっともっと高めていく、こういうことが非常に大切なことじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。そういうような基本的な考え方について、これはひとつ大臣のお考えを伺いたいと思いますが、どういうふうにお考えになっておられるでしょうか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 先般の地方行政委員会におきましても、折小野さんからただいま御提案のあったような趣旨において、いろいろの御質問をいただきまして、まことに結構なお考えである、われわれとしても御趣旨に沿って問題の解決に積極的に取り組んでいく必要があるというふうに私は考えておるものでありますが、ただ、こういう機会でございますし、折小野さんは非常に良識のお方でもあるし、私も実は尊敬をいたしておりますので申し述べさせていただきますならば、これはおしかりを受けるかもしれませんが、日本の経済というものが今後の世界経済の中においてどのような地位を占め、どのような成長ができるかというようなことを考えてまいりますと、どう考えてみても低成長、その範囲は出ないということに相なろうかと思うのであります。  そこで、その低成長の時代においてどういうことを考えるべきかということになりますと、地方財政の場合においても、歳出については相当やはり合理化ということを考えていかなければいけない、重点的な物の考え方をしていかなければいけないのではないか。一方、歳入の面においては、これはその足らざる点は何とかして、いまお話にあったような意味において、安定した歳入が確保できるような方途というものを考えていかなければならない、こういうことに相なろうかと思うのでありまして、歳入、歳出のバランスをどうとっていくかということに相なろうかと思うのであります。  今日イギリスあたりの動きをみてみましても、非常に苦しい財政の運営を迫られておるということは御承知のとおりでございまして、そういうことが一つはまたポンドの下落を来し、あるいはリラの暴落を来すというような問題になってくる。いろいろ世界的なことを見てみますと、よほど考えなければいかぬ。  それからもう一つは、いまこういう時期においてもやはり低開発国におきましては——低開発国という言葉が間違っておったら訂正しますが、発展途上国においては、非常な苦しみを住民がいたしておる。そういうことをやはり私たちもよく認識をしておりませんと、自分らだけがいいような形で問題の解決に進んでまいりますと、必ずや一つの非常なマイナスをまた来すおそれが多分にあるのじゃないか。  そこいらをよく認識しながら、いま御提案になりましたような問題に取り組んでいく、こういうことではなかろうかと私は考えておるわけでございまして、いま御説明のありました、また御提案のありましたことについては、私はもう全面的に賛成をいたしておるものでございまして、来年度予算の編成の前後に当たりましては、いまからひとつその点も十分配慮をいたしながら大いに研究をいたしてまいりたい、かように考えておるのが現状でございます。

折小野良一民社党

○折小野分科員 私も今後の日本経済が従来のような高度成長を再び繰り返すとは考えておりませんし、おっしゃるように、低成長あるいは安定成長というような状態になっていくであろうと思います。そしてまた地方財政だけが豊かである、少なくも金の面におきまして思ったとおりのことがやれる、こういうことが許さるべくもないということは十分承知をいたしておるところであります。従来、高度成長のときにはいわゆる自然増収がございましたので、計画も何も要らなかった。その自然増収分で新しいものを次々にやっていけばよかった。そういうところに今日の地方財政の危機の一つの原因もあるわけでございます。そういう面からいたしますと、今後の地方財政というものは、これは国の立場におきましてもあるいは地方の立場におきましても、もっともっと計画的にやっていかなければならない。これは歳入の面においてもそうでございますが、おっしゃるその歳出の面においても当然そうでなければならない、こういうふうに考えるわけです。  そういう意味におきまして、今後地方財政計画というものの指導性を高める。したがって、従来とは制度的には少し違った取り上げ方をしていくべきじゃなかろうか。また、そういうような期待が各方面から出てきておる。たとえば地方制度調査会あたりが、地方財政のあるべき姿というものをこの地方財政計画で示すべきじゃないか、こういうような意見等も出ておるわけでございます。そういうような面からひとつ今後の地方財政計画というものに対する考え方を十分に御配慮いただきたいと思うのであります。  そういう立場でひとつお尋ねをいたしたいと思いますが、そういうような今後の情勢を考えますと、地方財政計画というものは、現在のような地方交付税法で規定をされた制度というよりは、地方財政法でこれを取り上ぐべき問題ではないか、こういうふうに考えるのですが、それについてはどういうふうにお考えでしょうか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 一つのりっぱなお考えであると思うのであります。その場合において、最低限においてこれくらいのことはやはり歳入として認めてやらねばなるまい、また歳出としてももうこの程度はどうしても必要であろうという一つの図を描きまして、その図をもととして一つの計画をつくり、それを一つの法律でもってそれができるような仕組みにしていくということは、私は一つのりっぱなお考えであるかと思うのであります。こういうことにつきましても、今後の問題としてわれわれとしては研究を真剣にしていかなければならないのではないかというふうに考えておるのでございまして、まあ諸般の情勢と言えば何か余りにも漠然とはいたしますけれども、諸般の情勢を十分にらみながら問題の解明に当たり、そしてまた一つの大きな方針を立てていくという考え方で今後の問題の処理に当たっていくべきではないか、私としてはそのように考えているわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野分科員 今後の御検討を期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 折小野君の質疑は終了いたしました。  これにて本分科会における質疑は全部終了いたしました。     —————————————

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 この際、お諮りいたします。  昭和五十一年度一般会計予算及び昭和五十一年度特別会計予算中、厚生省所管、労働省所管及び自治省所管に対する討論採決は、先例によりまして、予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤太郎自由民主党

○小澤主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  これにて第三分科会を散会いたします。     午後五時四十二分散会

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