予算委員会第五分科会 第2号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1976/04/07
会議録
○野田主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 本分科会は、国土庁、運輸省、郵政省及び建設省所管につきまして審査を行うことになっております。 昭和五十一年度一般会計予算中、国土庁所管、運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管並びに昭和五十一年度特別会計予算中、運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管並びに昭和五十一年度政府関係機関予算中、日本国有鉄道関係及び日本電信電話公社関係を議題とし、政府から順次説明を聴取いたします。金丸国土庁長官。
○金丸国務大臣 総理府所管のうち、国土庁の昭和五十一年度一般会計歳出予算について、その概要を御説明いたします。 国土庁の一般会計歳出予算は千三百五十六億六千百余万円を予定しておりまして、前年度(補正後)予算に比べ七十三億四千六百余万円の増加となっております。 国土庁といたしましては、以上の予算によりまして、国民のすべてが将来にわたり豊かで住みよい生活を享受できるよう、国土政策の基本を確立するとともに、それに基づいて、土地及び水資源問題に対する施策、大都市圏の整備と地方の振興等国土に関する行政を総合的、計画的に推進する所存であります。 国土庁予算の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十一年度国土庁予算概要説明によりまして御承知願いたいと存じます。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○野田主査 次に、木村運輸大臣。
○木村国務大臣 昭和五十一年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。 初めに、予算の規模について申し上げます。 まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は十一億七千九百七十七万一千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分五百九十六億八千二百七十万四千円を含み九千百四億七千五百十四万六千円でありまして、この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと、一千六百二十九億六千九百万円余の増加、比率で申し上げますと、二一・八%の増加となっております。 次に、特別会計の歳入歳出予算額について申し上げます。 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆八十三億六千二百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千五十億七千八百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額二百三億五百万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額一千十六億一千二百万円余をそれぞれ計上いたしております。 また、昭和五十一年度財政投融資計画の中には、当省関係の公社・公団分として一兆一千九百六十三億円が予定されております。 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、まず第一に、極度に財政状態が悪化しつつある日本国有鉄道について新たな再建対策を樹立することといたしましたが、この点につきましては、後ほど国鉄予算の御説明をいたします際にあわせて御説明させていただきたいと存じます。 第二といたしましては、国民生活の充実の基盤となる運輸関係社会資本の計画的整備並びに国土の保全を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について、五十一年度を初年度とする新たな五カ年計画を策定し、事業を推進するとともに、東北、上越両新幹線を初めとする鉄道網の整備を進めることといたしております。 第三に、空港等の騒音、自動車の排出ガス、流出油による海上災害等を防除することにより、環境の保全に努めてまいる所存であります。特に、空港環境対策として、民家の防音工事に対する助成の充実を図るほか、新たに福岡空港周辺整備機構を設立して同空港における計画的な周辺環境対策を進めることとし、また海上災害の防止については、巡視船艇、航空機、消防船、オイルフェンス展張船等を整備するとともに、万一災害が発生した場合については、その初期段階において効果的な防災活動を行うことができるよう組織、機材の強化を図ってまいりたいと考えております。 さらに、集中豪雨、地震等の自然災害の防止のため、気象レーダー、地域気象観測網及び地震観測網を引き続き整備してまいりたいと考えております。 第四に、経営困難に直面している地方バス、中小民鉄、離島航路等の公共輸送機関について、その経営改善努力と相まって、国が関係地方公共団体と協力して助成を行うことにより、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持、充実に努めてまいりたいと考えております。 第五に、世界的な不況に直面している造船業対策として、国際的水準並みの延べ払い条件で船舶輸出を行うのに必要な財政資金を確保することといたしております。 次に、日本国有鉄道について申し上げます。 国鉄の財政状態は、昭和五十年度末において累積赤字約三兆一千億円、長期債務約六兆八千億円が見込まれるなど極度に悪化してきており、現行の再建計画との乖離も著しくなっております。国鉄が現在の状況を打破して、わが国の総合交通体系においてその果たすべき役割りを遂行し、国民の要望するサービスを提供するためには、この際抜本的にその再建を図る必要があります。国鉄再建を達成するための基本は、国鉄自身が安易な経営に陥ることのないよう合理化の徹底その他につき厳しい姿勢のもとに、国民に対して責任ある経営体制を確立することであります。国鉄の財政再建のためには、昭和五十一年度及び昭和五十二年度の二年間で収支の均衡を図り、以後健全経営を維持することを目標とする新しい再建対策を策定し、国鉄が独立採算制を指向した自立経営を行うことができるよう措置しております。 その具体策といたしましては、まず、収支の均衡の回復のために、国鉄の過去債務のうち、累積赤字相当額の一部である二兆五千四百四億円に相当する債務について、国は二十年、元利均等償還ベースによる利子補給を行うとともに、償還額を無利子で貸し付けることにより健全経営の基盤を整備する一方、当面昭和五十一年度において名目約五〇%の運賃改定を行い、実収約三七%の増収を確保することといたしております。 このようにして収支の均衡を回復するための措置が講ぜられたとしても、真に国鉄の再建を図るためには、将来にわたって健全な経営を維持していかなければならず、そのためには、とりわけ経営の合理化、設備投資の効率化等につきまして、従来以上に徹底した国鉄の努力が不可欠であると考えております。以上のような前提のもとに、昭和五十一年度の予算を編成いたしました次第であります。 以下、各勘定別に御説明申し上げます。 まず、損益勘定におきましては、工事費補助金九百七十六億円、地方交通線特別交付金百七十二億円の受け入れを含め、収入支出予算二兆七千七十四億円を計上しております。資本勘定におきましては、資産充当百億円、財政融資九千四百三十六億円を含め、収入支出予算一兆三千五百八十四億円を計上しております。工事勘定におきましては、収入支出予算八千三百七十一億円を計上いたしまして、安全対策の強化、大都市通勤通学輸送の改善、公害対策の充実、諸設備の近代化、合理化、東北新幹線の建設等を推進してまいりたいと考えております。 また、国鉄の経営圧迫要因を除去し、健全経営の基盤をつくるため、国鉄の長期債務のうち累積赤字相当額の一部について、国が利子補給を行うとともに償還額を無利子で貸し付けることとし、これらの経理を明確に行うため特定債務整理特別勘定を新設し、収入支出予算二千四百四十一億円を計上いたしました。 さらに、一般会計に日本国有鉄道合理化促進特別交付金五億円を計上いたしまして、国鉄の合理化施策の促進を図ることといたしております。 運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十一年度運輸省予算の説明及び昭和五十一年度日本国有鉄道予算の説明によりまして御承知願いたいと存じます。 以上をもちまして、昭和五十一年度の運輸省関係の予算についての説明を終わります。 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○野田主査 次に、村上郵政大臣。
○村上国務大臣 最初に、郵政省所管会計の昭和五十一年度予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は百九十五億六千万円で、前年度予算額百七十七億三千四百万円に比較いたしまして十八億二千六百万円、一〇・三%の増加となっております。 この歳出予定額には、通信衛星及び放送衛星の開発を初めとする宇宙開発の推進に必要な経費二十五億八千六百万円、国際海底ケーブル建設計画推進のため、より経済的な新海底同軸ケーブルシステムを開発するための経費二億一千三百万円、並びに総合的電気通信施策の強化、国際放送の充実とテレビジョン放送の難視聴の実態調査など、通信技術の著しい向上と、ますます多様化する情報化社会の進展に即応した通信行政に必要な経費が含まれております。 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入予定額、歳出予定額ともに二兆六千三百五十八億七千万円で、前年度予算額二兆一千六百四十三億八千六百万円に比較いたしまして四千七百十四億八千四百万円、二一・八%の増加となっております。 この歳入歳出予定額には、収入印紙収入等で一般会計等へ繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入支出が八千四百五十八億九千百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち郵政事業運営に必要な財源となる歳入、歳出は一兆七千八百九十九億七千九百万円でありまして、これは前年度予算に比較いたしまして二千九百六十八億三千五百万円、一九・九%の増加となっております。 なお、歳入につきましては、去る一月二十五日から実施いたしました郵便料金の改定による収入を含め、郵便業務収入として七千百三十三億二千九百万円を計上しております。 このため、過去年度の収入不足を補うための借入金を減少するまでには至らないものの、当面、借入金の増加は回避できることとなっております。 歳出予定額におきましては、重要施策としております郵便局舎等の改善のための建設予算を七百億円計上いたしておりまして、これは前年度予算額五百八十八億円に比較しまして百十二億円、一九・一%の増加となっております。 また、安定した郵便業務運行を確保するために必要な経費、郵便貯金、簡易保険の増強と利用者サービスの向上を図るために必要な経費、並びに明るい職場づくりのための施策に必要な経費などを計上いたしております。 次に、郵便貯金特別会計でありますが、この会計の歳入予定額は二兆一千十三億二千五百万円で、前年度予算額一兆五千六百三十七億四千百万円に比較いたしまして五千三百七十五億八千四百万円、三四・四%の増加となっております。 歳出予定額は二兆一千十三億二千五百万円で、前年度予算額一兆五千五百一億一千二百万円に比較いたしまして五千五百十二億一千三百万円、三五・六%の増加となっております。 次に、簡易生命保険及郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は二兆三千四百九十九億八千百万円で、前年度予算額一兆九千七百九十億三千三百万円に比較いたしまして三千七百九億四千八百万円、一八・七%の増加となっております。 歳出予定額は九千八百三十八億四千九百万円で、前年度予算額八千五百八十四億八千二百万円に比較いたしまして一千二百五十三億六千七百万円、一四・六%の増加となっております。 また、年金勘定におきましては、歳入予定額、歳出予定額ともに二十七億八千七百万円で、前年度予算額二十六億三千三百万円に比較いたしまして一億五千四百万円、五・八%の増加となっております。 最後に、日本電信電話公社の予算案につきましてその概略を御説明申し上げます。 損益勘定におきましては、電報電話料金の改定を織り込み、収入予定額及び支出予定額とも二兆七千八百十億八千百万円となりましたが、これは前年度収入支出予算額二兆一千二百六億六千七百万円に対し三一・一%の増加となっております。 資本勘定におきましては、収入予定額は二兆二千九十九億二千八百万円で、前年度予算額一兆七千四百九十二億四千六百万円に比較いたしまして二六・三%の増加となっております。この収入予定額のうちには、特別債・借入金六千七百四十八億円が含まれております。 他方、支出予定額は収入予定額と同額の二兆二千九十九億二千八百万円で、債務償還に七千九十九億三百万円、建設勘定への繰り入れ額一兆五千億円等を計上しております。 建設勘定におきましては、収入予定額及び支出予定額とも一兆五千億円で、前年度予算額一兆三千四百七十億円に比較して一一・四%の増加となっております。 建設計画につきましては、五十二年度末までに全国的規模で積滞を解消することを目標に、一般加入電話二百六十万加入、公衆電話五万個の増設、地域集団電話九万加入の一般加入電話への変更等を予定いたしております。 以上をもちまして私の説明を終わりますが、なお詳細の点につきましては、御質問をいただきましてお答えいたしたいと存じます。
○野田主査 次に、竹下建設大臣。
○竹下国務大臣 建設省関係の昭和五十一年度予算について、その概要を御説明いたします。 建設省所管の一般会計予算は、歳入百十億六千九百余万円、歳出二兆二千十三億九千七百余万円、国庫債務負担行為三千四百八十九億八千三百余万円でありますが、建設省に移し替えを予定されている総理府所管予算を合わせた建設省関係の一般会計予算では、歳出二兆四千九百四十一億六千四百余万円、国庫債務負担行為三千六百二十七億九千二百余万円を予定いたしております。 次に、建設省所管の特別会計について、まず、道路整備特別会計では、歳入歳出とも一兆二千三百六十二億二千八百万円、国庫債務負担行為一千七百五十七億二千万円、治水特別会計では、歳入歳出とも五千二百二十四億六百余万円、国庫債務負担行為六百七十六億九千余万円、都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも三百二十六億六千二百余万円を予定いたしております。 また、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分については、歳出六百六十億四千五百余万円、国庫債務負担行為四百四十九億五千余万円を予定いたしております。 建設省といたしましては、以上の予算によりまして、住宅・宅地対策、都市対策、国土保全・水資源対策、道路整備等各般にわたる国土建設施策を推進してまいる所存であります。 なお、建設省関係予算の事業別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十一年度建設省関係予算概要説明によりまして御承知を願いたいと存じます。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○野田主査 以上をもちまして説明は終わりました。 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○野田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより昭和五十一年度一般会計予算中、国土庁所管、運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管並びに昭和五十一年度特別会計予算中、運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管並びに昭和五十一年度政府関係機関予算中、日本国有鉄道関係及び日本電信電話公社関係について質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。
○今井分科員 私は、建設省並びに建設大臣に対しまして、大規模経済協力プロジェクト、通称大規模プロジェクトと言われるものの中で、海外建設工事の若干の問題について質疑をいたしたいと思います。 大臣にお願いしておきたいと思いますが、幾つかの問題を局長と詰めまして、最後に大臣の御所見を承りたいと思いますので、さようにお願いをいたしたいと思います。 まず最初に、建設省は、国内の事業のみならず海外の建設事業につきましても、日ごろ十分な配慮を払っておられると思いますが、海外活動の建設事業、産業と申しましょうか、その海外における活動の状況あるいは問題点などを、まずかいつまんで御報告いただきたい。
○大塩政府委員 まず建設産業と広くとらえますときに、建設業につきましては最近海外への進出が目立っておりまして、たとえば、昭和四十九年の海外工事の請負受注の額は千二百億円を超しております。四十八年では九百三十億円でございましたから、約三〇%増加を示しており、あるいは昭和五十年におきましては二千億円に達するという見込みでございますが、このような受注額から見ましても、相当進出が活発化しているということが言えると思います。しかし、これはまた海外、特にイギリス、フランス、アメリカ等の諸国と比べましても、まだその緒についたばかりと申しますか、まだそのウエートはかなり低いものがございます。 このように、最近わが国の海外進出が活発化した原因といたしましては、わが国の建設投資の抑制というような措置が一つの要因になったこともありますけれども、それ以上に、やはり最近開発途上国におきまして、いわゆるインフラストラクチュアと呼ばれる社会資本整備のための需要が増大しつつある、本格化しつつある。特に産油国等におきましては、建設需要の増大に伴いましてその市場が拡大しつつあり、こういったことが背景になっていると思うのであります。それとともに、わが国が従来の海外活動の体制及び技術力の強化をいたしまして海外に進出してきている、こういうふうに考えておるわけでございます。 しかしながら、これらの開発途上国におきましては、自国産業の育成を図りますために、外国企業に対する規制が漸次強化されつつあるというようなこと、あるいは最近の海外建設の工事が次第に大型化いたしまして、それに伴って、応札する前の事前の調査費であるとかあるいは履行保証を初めとする各種の保証費、これが増大いたしまして巨大になりつつあるために、わが国の企業が応札しにくくなりつつある、そういう現状にあります。 こういう背景のもとで、建設省といたしましては、今後こういった問題点を踏まえまして、それに積極的に対応すべく、海外協力を重点的に推進するための環境づくりを本格的にやるべき時期に来ているというふうに考えております。
○今井分科員 おっしゃるとおり、確かに中東諸国を初めとしまして多くの開発途上国が、それぞれ真剣にその開発計画を樹立して、自分の国づくりをしようとしております。それに対してわが国に協力を要請してきておることは、あなたもおっしゃるとおり。それに対してわが国も積極的にこれに協力し、それを助長しようじゃないかという姿勢を示しております。 ところが、あなたがおっしゃったとおり幾つかの問題があるわけです。幾つか言われましたが、たとえば、海外の大型プロジェクトというのは何さま相当大きなものであります。したがって、協力要請あるいはわが国が協力をしましょうということを決めましてから完成までに相当長年月を要する。そうすると、そういう実施します民間企業が、相当長期にわたる人的あるいは資本的な先行投資を相当せなければならぬ。それについての手当てが十分でない。あるいはまた行政面でも建設省のみならず非常に多方面に関係がございます。たとえば通産、外務、大蔵というふうにありまして、なかなかそれらがどうも緊密に一体になっていないように思う。さらにまた民間側から言いますれば、資金手当、リスクカバー、税制等について、まだ解決されなければならない問題が非常に多いということを言われておるわけです。 そこで私は、この問題を強力に推し進めるためには幾つかの問題がありますが、時間の関係もありますので、三つの点にしぼって建設省の見解を承りたいと思いますが、まず第一番目は事前の調査費の問題、それから第二番目はもろもろのリスクをどうしてカバーしてやるかというリスクカバーの問題、三番目の問題は資金の獲得と言いましょうか資金の調達の問題、これらをまず第一の問題として取り上げてみたいと思います。 最近のような大規模のプロジェクトになりますと、事前調査費も相当な多額になるわけであります。応札いたしましてそれが落札できますればいいわけでありますが、落札できない場合には、その事前調査が言ってみればパアになるということで、それが何千万というオーダーならまだまだでありますが、何億のオーダーになるということになりますと、一民間会社ではなかなか耐えられないという声が非常に強いわけであります。こういうことに対して、まず建設省が一体どういう対策を立てられようとしておるのか、ひとつそこらあたりの見解を承りたいと思います。
○大塩政府委員 まず事前調査費の問題でございますが、これにつきましては、本来そういうリスクは業者自身が負担すべきものではありますけれども、その費用が余り巨大になりますと、おっしゃるようにせっかく発掘した事業が応札できない、受注できないというような場合になりかねないわけであります。 これに対しまして一つの課題といたしましては、やはりこの建設業等の関連業界におきまして基金を設立いたしまして、将来落札に成功した場合には一定の金額をそれに払い込むとか、あるいは一定の限度における、応札できなかった者に対しましてその経費を補てんするというような制度が考えられるのでございます。この制度につきましては、すでに今井提案というような形ででもお示し願ったところでもありまして、われわれとしましても、これにつきまして関係省庁にも関連いたしますので協議を続けてまいっておりますし、また業界自身とも十分この打ち合わせを行わなければならないと考え、現在これを前向きで検討するつもりでございますが、これにはいろいろとやり方等に問題がなおございますので、そういった点を中心に、今後そういった事前調査費の巨大化に伴う対策の一つのめどをその辺に求めて、前向きに検討いたしたいと考えています。
○今井分科員 私も業界の諸君によく話すのですが、業界の諸君も、何でもかんでも政府にもたれ込むという姿勢ではこういう問題の解決ができない。積極的に業界自身も自分たちの力を出し合って、いま局長の答弁された基金、この構想も私は結構だと思います。そこで業界も応分の基金を出し合いまして、それに政府もその基金に出資をするなり補助をするなりしまして、その基金の運用益でそういった事前調査費のリスクカバーをしていくということは、私は方法としては非常に適切なものであろうと思います。特にこれは建設省が中心になりまして建設業界に強力に呼びかけて、そして一日も早くこの基金制度等が実現できるように、最善の努力を希望いたしておきます。 それから、第二番目のリスクの軽減でありますが、たとえば建設工事等の落札をいたしますと、相手国政府によりましては前渡金を出そうというのもあるわけなんです。あるいは国によっては仕事を完全に仕上げるための保証といいますか、履行保証と申しましょうか、そういうものを要求する国がたくさんあるわけであります。ところが、国によりましては非常に政情不安定なところもありますし、何か戦争でも起こったら契約自身がパアになるおそれもあります。また約款の中で、契約の中で相当理不尽とも思われるような、相当無理な条件で契約を結ぶようなこともあり得るように聞いております。 それはさておきまして、いずれにしても、たとえば履行保証にしても前払い保証にしても、それを一体だれがどうやって保証してやるのか。その万が一のときにはだれがその危険を負うのかという問題が解決しないと、これはせっかく仕事をとりましても、わが国にそれが落札いたしましても、契約できないという事態になるおそれがあるわけです。 そこで、この問題については、いろいろ検討してみますと、現在の法制度でもできるものもある、あるいは新しく法制度を考えなければならぬというものもあるように見受けられますが、一体建設省はこの問題についてどの程度まで勉強が進んでおりますか、まず説明を願いたい。
○大塩政府委員 まず前払い保証とか、あるいは履行保証等の対策といたしましては、現行制度でも、輸銀法第十八条の十号によりまして債務保証をし得るという規定がございます。これは建設業につきましては現在行われておりませんけれども、こういう制度を活用する道があり得るわけでありますので、そういう点を今後とも関係省庁と詰めて進めていくことが必要であろうと思われるのでございます。 それから第二は、現在いわゆる保証事業会社がございまして、これに約六百六十億の枠がございますが、これもまだ使われた例がございません。これの活用も考えられます。 それから三番目といたしましては、昭和四十九年の六月から発足いたしました損保会社の保証制度がございます。これの活用を図るという方法が今後考えられなければならぬ。とともに、必要な場合によりましては、業界の連合体をつくる等の共同体制を整備するというような方法によって、その信用力を増加して金融等が受けられやすいようにする、こういう方法がまず現行の制度の活用ないしは改善・あるいは体制の強化というようなことによって対応し得る方法ではないかと思うわけでございます。 さらには、オンディマンドとかいうような、一方的なそういう相手国側の発注あるいは契約条項というものもありますし、あるいは相手国の不測の事態に対応するような、大型化いたしますとそういう準備もしておかなければならないだろうし、こういう点は十分われわれも認識しておるわけでありますが、これに対しましては、やはりまず第一にそういう能力をつけて、銀行なり損保会社なりそういうものが保証し、あるいは共同保証し得るような体制に持ち込むことと、それからさらに、それを政府なりが何らかの形で再保険と申しますか、保険的なバックアップをするというようなことが、不測の事態等につきましては必要になろうかと考えます。こういうことにつきましても、今後鋭意関係省庁と調整しながら検討すべき課題だというふうに考えておる次第でございます。
○今井分科員 いまの御答弁の中で大事な点が二つあると思うのですが、一つは損保会社の活用という点を述べられましたが、損保会社も、あなたもおっしゃるように建設事業に対してもろもろの履行保証あるいは前払い保証等をすることができるようになっているはずであります。しかるにやっていない。これはどうも、あなた方が損保会社と十分まだお打ち合わせが済んでいないのじゃなかろうかと、むしろお打ち合わせというより、積極的な指導と申しましょうか、協力を求めていないのじゃないだろうかと思われる節がある。向こうも、いろいろ話してみると、十分理解をしていないと申しましょうか、物の本質がよくわかっていないので乗り出せないというところがあるように思うのです。これはまさに建設省の怠慢とまでは言いませんけれども、あなた方の努力が少し足りないような気もするわけでありまして、あなた方が、積極的にリードをすれば、損保会社もこれは協力を得られるような感触を私は持っております。したがって、普通の危険負担というものは損保会社でやるということをひとつ極力進めていただきたいと思うが、まあ予期せざる危険あるいは民間のそういった損保会社では耐えられないような危険負担については、やはり何らかの制度を国が設けて、国がやはりそれをしてやるという二段構えであったら私はいいと思うのです。 そこで建設省に要望しておきますが、第一点の損保会社の指導強化、第二点は国がその再保証をするなり何なりをするということについて、これは所管が建設省ではないのでありますから、多分所管は通産だろうと思いますが、ひとつ極力密接な連絡をとられまして、少なくも次の国会ぐらいには成案を得て、これが国会の審議ができるような態勢まで持ってくるような決意でひとつ臨んでもらいたいと思います。そうやって一つ一つ解決していきませんと、これはただやれ、やれと言うだけでは、なかなか業界はついていきません。業界もやりたいのです。やりたいけれども、自分で解決できないことについては、やはり政府なり国会が解決してやらなければいけないと思うし、それがまた私は日本の国益に沿うものだというふうに思っておりますので、ひとつこの点はさらに御検討を願いたいと思います。 それから、時間もないようですから三番目に移りますが、次は資金の調達でありますが、これは少々の額ならば民間で、自分の取引の銀行で融資を受けることもできましょうが、額が張ってまいりますとそうもいかない場合もありましょう。そこで、普通輸銀の融資を受けることになるわけですが、その場合でも、建設業者というものに対してやはり担保不足といいましょうか、信用力不足という問題が大きな壁になっているわけです。どうも日本国内ではりっぱな業者であっても、世界的な面から見ると必ずしも信用力が十分でないというふうなことがありまして、なかなか思うようにいかないというのが業界の悩みの種でありますが、この問題については一体どういうふうに措置されるのか、どうやって業界の担保力あるいは信用力というものをつけてやろうとしているのか、具体的な検討があればそれをひとつ報告を願いたい。
○大塩政府委員 まあ、とりあえずといたしましては、さしあたりこの信用力を増強するというためには、先生がおっしゃいますように、現在のところではまだまだ十分な、そういう有力な海外進出力を持った会社が乏しい現在におきましては、こういう信用力を増加するためには、共同体制を確立するということによって信用力を補強していくということがまず業界の方で確立されなければならない、そういう体制の整備が課題であろうかと思うのです。 それとともに、現在でも行われておりますけれども、銀行なりあるいは損保会社等による単独保証が無理ならば共同保証、これをさらに積極的に活用するように、私どもも積極的にこれを要請し、それからまた、この活用につきまして十分な配慮を図っていただくような措置をとること、それからさらには、そうして輸銀とか銀行とか損保会社等が乗り出しましたその履行保証あるいは前払い保証につきましては、さらにそれが巨額になるとかあるいは何らかの危険負担を伴うというような、対処しきれないようなものであって、かつ、それがどうしても国としてバックアップしなければならないようなもの、これは例外に属するかと思いますが、そういうものがある場合には、さらに国として保険する制度というような二段構えの制度が必要になろうかと図式的には考えるわけであります。最後の制度につきましては、これは関係省庁と十分調整を行わなければならない、そのように考えております。
○今井分科員 新しい制度はそのとおりでありましょうが、現在の輸出保険制度の中でも幾らでもやることはできるわけで、特に建設業者がまだ包括的な保険をしていないから、これは個別保険ですから料率が高いのは当然なことで、やはり包括して組合をつくるなりあるいは団体をつくるなり何なりして、輸出保険にかかるということによって信用力なり保証力が大いにつくと思う。そういうことは建設省が指導すればできないことはないはずなんです。その点はどうなっていますか。あなたの方は本気になってやっていますか。
○大塩政府委員 輸出保険制度の拡充及びそれに対応しますための業界側のいわゆる共同化と申しますか、そういう団体化、これを図ることにつきましては、私どもは日ごろから業界と相談いたしまして指導に努めてきておるところでございます。何分にもこの問題につきましては大型のものが多いということでございますので、それに対応するための業界の共同の足並みをそろえるということが必要だと思いまして、われわれは繰り返しそういう会議を持って、具体の問題につきましても協議を重ねておるところでございます。
○今井分科員 もう一問。海外のコンサルタントのことでちょっとお伺いしたいのですが、コンサルタントは他の業者、たとえば建設業等に比べて財政力等も弱いのですが、特に日本の場合には、海外のコンサルタントに比べて非常に非力であります。したがって、これを強化育成することがやはりわが国の建設事業を獲得する上の第一歩で大事なことだろうと思いますが、この建設コンサルタント育成についての建設省の考え方を聞いておきたいと思います。
○大塩政府委員 わが国のコンサルタントが海外進出するに当たりまして、非常に大きな問題は、まず経営基盤が弱いということと、それから国際的に事務処理方式に習熟しておる者が少ないということであろうと思います。現在、コンサルタント登録によるものは五十年現在で千百六十七ございますが、その圧倒的多数が中小企業でございまして、経営の基盤が少ない。それに対しましては、税制等におきまして優遇措置を講じるとともに、なお特に履行保証、前払い保証等につきまして、現在ECFA等が建設業以外のものではやっておりますけれども、それを建設業にも適用する等、そういう保証について特別の検討をする必要がある。それから事前調査に対しまして先ほど申しましたように援助してやる、補助してやる、こういったことを通じまして、経営基盤を強めていくということがまず第一に必要であろうと思います。 その次には、国際的にふなれであるというわが国のコンサルタント業界、育った歴史も浅いわけでございますけれども、特に海外への経験が少ない。その中で、プロジェクトがいいか悪いかという、こういった経済的な評価判断能力が少ないということがございます。そこで、JICAとかあるいは国建協におきまして、プロジェクト調査において、政府も入りまして管理委員会というものをつくっておりますが、その指導面を特に強化いたしまして、その能力を開発していくということが一つの問題である。 一番問題なのは、施工管理面についてわが国のコンサルタントは脆弱でございます。これは、わが国のいままでの国内の事業につきましても施工管理というものになれていないというようなこともあることを反省いたしまして、近く国内でも公共事業につきまして施工管理の発注をこのコンサルタントにやらせる、工種あるいは監督の内容等は限定いたしましても、そういうことを始めることにいたしまして、そういうことを積み上げていくことによりまして、わが国のコンサルタント業の基盤及びその能力の拡大ということを図っていきたいというふうに考えている次第でございます。
○今井分科員 大臣、お聞きのようなことで、大変時間がありませんので十分な議論ができないのは残念なことですが、大規模プロジェクトにつきましても、事前調査の問題あるいはリスクカバーの問題、融資の問題につきましても、現行制度でできることあるいは現行制度ではできないこと等がありますことは、いまやりとりの間でお聞き取りのことでございます。 そこで大臣に御決意を承りたいのは、かねがねこういう問題について非常に御理解を賜っております大臣でございますので、ひとつ建設省としましても、建設業の育成という見地から、あるいは日本の国益の擁護という意味からも、この問題について積極的な姿勢で取り組みを願いまして、他の省庁との連絡協調が必要ならばそういうことをひとつ積極的にやっていただきまして、わが国の海外建設事業の伸展になお一層の御尽力を賜りたいと思いますが、大臣の御決意のほどを承って私の質問を終わりたいと思います。
○竹下国務大臣 今井委員は本問題につきましては、与党であります自由民主党の中の委員会においても小委員長をおやりになっておりまして、私どももその御提言をそのつど承らしていただいて勉強さしていただいておるところでありまして、深く敬意を表する次第であります。 大体、従来日本の各種産業の発展過程から見てまいりますと、最終的に、いわゆる海外における産業活動とそして国内における産業活動、そのシェアが、徐々に海外が広がっていくものが産業界においてやはり優位な地位に立っております。そういう考え方に基づきますと、諸般の製造業等に比べてみましたならば、まさにそのシェアはお恥ずかしい次第で、そういうことが建設業の実態であるというふうに私も認識をいたしておるところであります。そもそも、私は建設業自体の持つやや近代化におくれた面もあると思っておりますし、その近代化のおくれを取り戻すということが必要で、いわば従来から国内において前渡金制度というものに依存度が強かっただけに、金融そのものに比較的なじまない業種であった。それが先生方の御指導によって、最近金融等には逐次なじんでくる業種になったと思います。 そこで今度は海外、こういうことになりますと、いままでの実態はいわゆる商社さんの情報、それから数少ないわが省から出ておりますアタッシェから来る情報、そういうものが情報源でありましただけに、その辺もこれからわれわれとして相当充実を図らなければならないところでありますし、問題点は、いま今井さん御指摘になったので、大体大きな問題点の幾つかというものはまさに整理されておるというふうに私も考えております。したがいまして、特にこのリスクカバーの問題等につきましては、あれだけ言っていただいたから四十九年から損保もやれるようになったわけであります。あれも、いろいろな知恵を出した結果あそこへお互いが模索しながら一つの拠点をつくったような感じであるにもかかわらず、それが利用されたケースはあまりない。輸銀の活用にいたしましても、既存の制度の中にもそれを活用するという先兵すらまだいない。こういう実情でございますので、これらを十分指導をさらに続けていきまして、少なくともだれかにまず第一着手の制度利用をさすということに当面力を入れていこう。その総合的な問題につきましては、問題点は今井質問でおおむね出尽くしておりますので、わが省だけでなく、いま計画局の方で一生懸命勉強を積み重ねておるところでありますので、建設業というものが海外活動に占めるシェアというものがいまふえつつあるという実態ではございますものの、全体のシェアからすればまことに微々たるものでございますので、一層これの推進を図っていきたい。国建協等の活動につきましても前からそれなりに尊敬をいたしておりますものの、実績が上がるに至っていない、もっとわれわれ自体がこれに対して強力なバックアップをしなければならぬ、このように考えております。
○今井分科員 終わります。
○野田主査 これにて今井勇君の質疑は終了いたしました。 次に、瓦力君。
○瓦分科員 私は、本日は水の問題についてお伺いをしたいと思います。 生活をするために非常に貴重な水でございますが、最近枯渇するという現象が生じております。また、地下水のくみ上げによる地盤沈下等の現象も生じておりまして、この問題は大きな課題になっておるわけでございますが、本日は限られた時間でございますので、個別的にお伺いをしてまいりたいと思います。また、地盤沈下対策の問題になりますと国土庁の関係もあるわけでございますが、きょうは建設省の河川局長に地下水の問題を中心にしてお尋ねをしてまいりたいと思います。 まず初めに、産業構造の変化と景気の変化によって見通しが大分変わってきておるわけでございますが、今後の水の需給の見通しというものにつきまして総括的なお話をお伺いしたいと思います。
○増岡政府委員 お答えいたします。 建設省におきましては昭和四十八年度に、いろいろと勉強いたしまして広域利水調査第二次報告書というものを作成したわけでございますが、このときにおきましては、全国の八地域で合わせまして約四十二億トンの水が不足するであろうという推定をしたわけでございます。その後、いま先生のおっしゃいましたように経済情勢が急変いたしまして、水需要の将来の見通しについてかなり流動的なものが出たわけでございますので、現在その見直しをやっておりますし、国土庁でもこの作業が進んでおるわけでございます。 しかしながら、今後の生活水準の向上あるいは経済社会の発展等を考えますと、水需要の増大がやはり依然として存在しております中におきまして、いろいろとそういう客観情勢を数字的に試算しております結果をいま申し上げますと、昭和六十年度において年間十ないし数十億トンの水が恐らく不足するのではなかろうかというような危機感を持っておるわけでございます。 そういう観点に立ちまして、現在いろいろと産業再配置問題だとか地方分散の問題等がございますけれども、そういう他の大きな行政の問題と相あわせまして、今後とも水需給のバランスを失わないように計画していこう、あるいは必要なものはつくっていこう、そういう考えでいまおるわけでございます。
○瓦分科員 昨年の十一月でございますか、通産大臣の諮問機関であります産業構造審議会工業用水基本政策部会で地下水の問題についていろいろ答申がなされました。現在地下水百三十億トン、このうち工業用水が五〇%、農業用水が二〇%、上水道が一五%と言われておるわけでございますが、この上水道を見ましても、過去五年間では相当の伸びを来しておるわけでございます。 産業界でもこの地下水の問題というものは非常に深刻に受けとめておるわけでございますが、建設省といたしましては、地下水対策についてどう対処しておられるか、お伺いをしたいと思います。
○増岡政府委員 地下水に対する建設省の対策でございますけれども、地下水による地盤沈下等につきましては、いろいろな河川その他の事業をもちまして、その沈下に伴った結果の防災事業をやっておるわけでございますが、この根本的な問題を論ずる場合は、やはり法制の確立が必要であろうということで、建設省におきましても地下水法案なるものを準備してまいったわけでございます。 この内容につきましては、建設省といたしましては、地下水域の中に地下水管理者を置きましていろいろな規制をしたり、また逆にといいますか、地下水の涵養事業等を含めたような関係も入れた一つの法制度をつくってみたわけでございますが、御承知のとおり地下水法制度につきましては、建設省の考えております地下水法案のほかに、環境庁におかれても地盤沈下防止法が立案されておりますし、あるいは通産省の工業用水法の一部改正等の動きもございます。また、議員立法でこういう対策をしようという動きがございます。建設省におきましてもその動向を見ながら地下水法制の確立に努力していきたい、そういうことでございます。
○瓦分科員 水の問題につきましては、建設省の取り組みは、ある面では積極さを欠いた面がなかったかと私は考えるわけでございますが、各省庁にわたる問題でもございますし、せっかくこの地下水法について、ただいま局長からお話がありましたが、各省庁の調整をとっていただきまして、早急に組み立てをしていただきたい。これはまた大臣にもことにお願いをしておくところでございます。 お話に地下水の涵養ということがございましたが、私もある論文を見ておりましたら、ドイツだとかイスラエルでは、地下水の涵養という問題について多年非常に熱心に取り組んでおるということでございますけれども、地下水の涵養というのは、どちらかといいますと、水に恵まれております私どもにとっては関心の薄い問題でございましたが、地下水の涵養という問題の考え方について少し説明をお願いしたいと思います。
○増岡政府委員 先生が先ほども仰せられたとおり、地下水も大きな水資源という立場でございまして、これをどうにかして上手に使うことができないかということから、人工的に涵養する手段があるかどうかということで、建設省のみならず農林省におかれても通産省におかれても、みんなでこういう地下水の涵養方法がないものかという勉強をしてまいっておるわけでございますが、結局、地下水の過剰くみ上げというものが地盤沈下等を起こすわけでございますので、適正なものをくみ上げておればバランスがとれるわけでございます。とは言いながら、水資源としてこれは非常にりっぱな水でございますので、やはり地下水に頼って飲料水その他を採取しているのが実は現状でございます。したがって、たとえば河川の表流水等が余った時期にこれを地下水脈に注入いたしまして保存することができないかというようなことで諸外国等も勉強いたしておりますし、あるいはまた一部国内でも、そういう地下水盆に余った水を注入していま実験しておるところもございます。 そういう意味で、今後こういうものに大いに取り組むべきであろうという立場から、建設省におきましても、五十年度から地下水保全管理調査というものを大蔵の方からも認めていただきまして、五十一年度もやはりこういう経費を見込んでおるわけでございますが、そのほかに、地下水涵養技術の開発経費というものを一つの大きなプロジェクトとして五十一年度も要求してあるわけでございます。これはこれからの勉強でございまして新しい分野でございますけれども、こういう方法でないと地下水のくみ上げの適正化がなかなかできないというところの地域につきましては、やはりこういう勉強をしておこうということでございます。これは、地上にためるものを普通ダムと言いますので、地下に水をためるというものを地下水ダムというように名称をしておりますが、要は、地下にどうにかして水を貯留しておきたい、それをまた有効に使いたいということでございます。 今後、これからの勉強でございまして、いろいろ調査費もいただいておりますので、五十一年度におきましても、予算が通過いたしましたら、ひとつまた新たな気持ちで勉強していきたいと思っておるわけでございます。
○瓦分科員 予算の問題のお話がありましたが、私も関心を持ってこの予算を見ておりましたが、金額は期待したよりは少なかったように私は思うのでございます。それでまた新しい問題として、技術の面でもひとつ勉強していこうというようなことでございますが、私も非常に期待をいたしておりまして、たとえばこれから三年ぐらいあれば一つのめどづけができるようなものになるとか、あるいは地方へテストケースとしてやってみるとか、そういった地下水涵養の問題について具体的に取り組んでおる作業をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○増岡政府委員 具体的にというお話でございますが、いま全国でも四県ぐらいといいますか、市と申し上げた方がいいと思いますが、非常に御熱心な地方団体がございますので、そういう方々とともに実はいま勉強しておるということでございます。 先生のところの七尾市もこの例に漏れず、年々非常に沈下が激しいわけでございますので、わずかな予算でございますけれども、これを有効的に使わせていきまして、市御当局のお考えのものとあわせまして総合的な勉強をいたしたいと思います。 われわれ国自身というよりは、地方公共団体でもいま積極的に学識経験者をお集めになって、こういう問題に対して取り組んでいらっしゃることもよく知っております。いま全国で四つの県あたりからいろいろな手が挙がっておりますが、これからひとつ地方公共団体の皆さん方とよくお打ち合わせしまして適正な調査をしていきたい、まただんだんいい話が出れば来年の要求にも盛り上げていきたい、そういうことでございます。 まだ緒についたばかりで非常に具体性に欠けますけれども、何とぞよろしくお願いいたします。
○瓦分科員 地元の問題が出たわけでございますが、確かに私の七尾市も大変な地盤沈下地帯でございまして、高潮と重なりますと、夜中に起きてみると玄関先まで水がついておるというようなことに出っくわすこともあるわけでございますが、その問題は次にお伺いいたすといたしまして、この地盤沈下区域の治水対策というものをどういうぐあいに取り計らっておられるか、伺いたい。
○増岡政府委員 地盤沈下区域の治水対策でございますが、この件につきましては、すでにいま先生がおっしゃいましたように、洪水、高潮等の災害ということが直接響いてくるわけでございますので、まずこれを一番先に取り上げましたのが東京でございまして、昭和二十四年度から始めたわけでございます。大阪では昭和二十五年から高潮対策事業をやっております。いずれも仕事といたしましては、堤防のかさ上げをいたしましたり排水ポンプ等をつくる仕事でございます。しかしながら、その後地盤沈下が全国的に広がってくる形勢になりまして、東京、大阪のみならず、愛知県だとか新潟県あるいは佐賀県等にも進行いたしまして、洪水時はもとより、平生の時期でも排水に支障を来たすということになってまいりました。したがって、河川改修費で堤防のかさ上げ等も実施しておるのが実情でございます。それで、昭和四十六年度から従来の事業に加えまして地盤沈下対策河川事業というものを発足いたしたわけでございまして、これらの地区は、主として排水ポンプの仕事をやるように促進して今日まで来ておるわけでございます。 最近では、愛知県におきましては昭和四十九年に大災害が発生いたしまして、これに対処するために、五十一年度に激甚災害対策特別緊急整備事業という、普通いわゆる激特という名前で申し上げておりますけれども、こういう予算特目を新たに立てまして、非常な低湿地といいますか、そういう地盤沈下地帯というところに対しまして緊急に整備できるような予算措置を要望しておるわけでございます。また、新規に地盤沈下対策河川事業といたしまして、三重県におきましてもこういう要望を申し上げておるというわけでございます。 以上が地盤沈下区域の治水対策ということでございます。
○瓦分科員 この地下水の取水と地盤沈下の関係というものは非常に深刻でございまして、ことに私の出生地であります石川県の七尾市でございますが、この近辺は繊維産業もまた盛んなところでございまして、非常に地下水を必要とする。また港に面したところで、水産加工のためにも地下水の取水があるわけでございます。地盤沈下も非常に激しいものがございまして、市街地において相当地盤沈下を来たしておるわけでございます。実はここに、大臣にもこの際目を通しておいていただきたい写真がございますので、もう十分御存じだと思いますが、ちょっと目を通していただきたいと思います。 いま大臣にも目を通していただいておるわけでございますが、この七尾市の地盤沈下対策は応急手当てでございますが、一応打っていただいておるわけでございます。これで今日のところしのいでおるというのが現状でございまして、これは恒久対策につながらない、そしてまた市民の生活用水を確保しなければならない、そしてまた地場産業を育成しなければならぬ、こういったことを考えますと、先ほどお尋ねいたしました地下水の涵養の問題とか、それからもうすでに相当沈下をいたしておりますので恒久手当てとか、こういったことについて建設省でも手を打っていただいたわけでございますが、まだ住民は相当不安に思っておりますので、局長から、もし御存じの点がございましたらお聞きをいたしたいと思います。
○増岡政府委員 いま、七尾市内の地盤沈下対策の問題が出ましたけれども、従来河川局におきましても、ちょうどこの地盤沈下区域を管理しております御祓川におきましては、中小河川改修費で、昭和四十八年から洪水対策といたしまして矢板の護岸なり堤防のかさ上げ等をしてまいって、当面の緊急を要する河川事業については実は完了しておるわけでございます。しかしながら、ただいま先生もおっしゃるとおり、現在七尾市におきましても、すべて都市用の水源は深い井戸からの地下水に依存しておられまして、一日約一万八千トンと言われております。こういうことから、石川県におかれても、地下水のくみ上げによる地盤沈下に対処いたしまして、昭和四十九年度に地下水くみ上げの規制を含む公害防止条例が制定されておるような次第でございます。 そういうようなことで、今後の都市用水の需要がいま先生のお話のようにふえてまいります。そういうことから水源転換をしなければいけないだろうということで、水源施設の開発をいまいろいろと計画しておるわけでございます。こういう新しい水源施設を計画、調査することと同時に、これからの一つの勉強課題といたしまして、地下水涵養という保全策についても勉強していきたいということでございまして、いろいろな実態に合わせまして、国といたしましても今後総合的な見地からこういう都市に対しましては御協力をしてまいりたい、そういうぐあいに考えておるわけでございます。
○瓦分科員 ただいま身近な問題で深刻な状況について質問をさせていただいたわけでございますが、七尾市のみならず、日本各地域の水の確保の問題については地下水にずっと依存をしてきて、そしてまたその関係で地盤が沈下する、こういった中で深刻な事態が方々であるわけでございます。また、これからの産業構造を考えてみますと、どうしても水を確保していくというようなことにもっと積極的に取り組んでいただきたいと考えるわけでございます。 そこで、最後でございますが、大臣に申し上げますが、こういった事情を踏まえまして、地下水の涵養とか技術的な問題も含めて、予算の面でもまだ少ないわけでございますが、これを積極的に取り上げていただきたい。そして各省間の法案も、これはいろいろ考えておられるわけでございますが、早急に詰めていただきまして、憂いのないように手だてをとっていただきたいということをお願いをいたしまして、簡単でございますが、質問を終わらせていただきたいと思います。
○竹下国務大臣 瓦委員の御要望でございますが、私ども精いっぱい御要望の趣旨に沿って努力をいたします。 法律の問題につきましては、基本的な考え方として、どちらかといえば建設省は水というものは公のものであるという公水的な感覚でとらえる。そして農林省におかれましては、農業用水としての利用の観点からお取り上げになる。あるいは通産省は、もとより工業用水としての利用の観点からお取り上げになる。そこへ持ってきまして、生活そのものを中心に環境庁の考え方も一つあるわけであります。したがいまして、関係各省がいろいろな議論をいたしておりますのを、国土庁の方で各党の御意見との調整もとりながらいま鋭意詰めておるわけでありますので、私も、できるだけ早く基本的な法制上の整備も行って、そして国民生活の安定を図っていきたいと、このように考えております。
○瓦分科員 大臣から公水という言葉があるわけでございますが、公水という認識を国民に持たしていくということはなかなか大変なことだと私は思うのです。 大体、水には非常に恵まれておる国でございますので、水と空気はただであるというような考え方がございます。そういった面におきましては、水の使い方という問題についての教育といいますか、それについて建設省自体も各省庁と一緒になって節水を強く呼びかけていかなければ、一方においてこれだけの事実を進めておってもむだに使う傾向が非常に強いわけでございますから、先行きを考えると非常に心配になるわけでございます。そういった面を含めて、いま大臣のおっしゃいました公水という一つの新しい考え方を広く国民に周知させるために、河川局長やまた各省庁の担当の方々と事務的にも今後一層詰めていただいて、広く呼びかけをしていただきたい。 こういったことは、子供のころから水を大切にするということを教えていかなければいかぬことでございまして、この点も踏まえて、水の使い方を研究していくということで局長からも何か考えがあろうと思いますから、お聞きをしておきたいと思います。
○増岡政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、水を生み出すダムにおきましても、大体十年はかかるという非常に大変な仕事でございます。そういうことも考えますと、将来のことを考えますと、いまから水を大切にしていくということがない限り、すべていまのままで新しい水源施設に頼るという行き方は間違いであろうと、私どもはそういうぐあいに考えております。いま国土庁に水資源局ができたのもそういう意味であろうと思っております。各省気持ちを合わせまして、いわゆる節水といいますか、水の合理的使用といいますか、いろいろな面でいま勉強をしております。 そういうことで、教育の問題まで出ましたけれども、従来以上にこの問題はこれから育つ人に教育すべきであろうということで、建設省におきましても広報活動を十分今後続けまして、本当の意味の水という認識を高めたいというぐあいに考えておるわけでございますので、よろしくお願いいたします。
○瓦分科員 以上をもちまして終わります。
○野田主査 これにて瓦力君の質疑は終了いたしました。 次に、小宮武喜君。
○小宮分科員 運輸省に質問をしますけれども、わが国の造船界は一昨々年の石油ショック以来非常に深刻な不況になってまいりまして、造船産業に働く人たちはいま非常に雇用不安に陥っているわけです。しかも、下請関連企業の中ではすでにもう人員整理が始まっておりまして、このまま造船不況が長期にわたるとなれば、これは非常に重大な問題になってまいります。そういった意味で、この造船不況という問題につきましても、運輸省の船舶局あたりともいろいろ話し合っておりますけれども、やはり何とか早く手を打っていただかねば、この下請中小企業の倒産はもとより、今後、直接工にしても重大な問題が発生する可能性がございます。 特に、長崎あたりは造船の町と言われるくらいで、長崎県の経済を支えておるのは造船産業ですから、その意味でわれわれも日常運輸省とはいろいろ連携をとりながらやっておりますけれども、いまの造船界の現状と、それから今後の見通しについてまずお聞きしたいと思うのです。
○木村国務大臣 詳細は船舶局長からお答え申し上げたいと思いますが、先生のお話しのように、わが国の造船業というものはタンカー中心で今日まで非常に盛況をきわめておったのでございますが、石油ショックと同時に世界的な不況の影響を受けまして、非常な不況に陥っておるということでございます。 大手の造船業者で見ますというと、四十九年に比べまして五十一年が大体六割ぐらい、さらに五十二年になりますと四割ぐらいに減っていくであろうし、中小の造船業で見ますというと、ことしはまだまだ四十九年並みの仕事をやっておりますが、五十二年になりますとこれも相当な影響を受けてくるというふうな一般的な状況下にあるわけでございます。同時に、タンカーの受注等につきましては注文が激減するとともに、注文しておりますタンカー等につきましても、計画変更なりあるいはキャンセルというようなものも出てまいっておるわけでございます。そういう状況のもとで、今後の造船対策をどういうふうにしていくかということは非常に大きな問題であるわけでございまして、一方において過渡的に失業者も出るし、あるいは造船事業者そのものの救済もやらなければならぬということで、特別の融資をするなり、あるいは倒産企業としていろいろな措置をするとか、あるいは失業者等に対して特別の、陸上の労働者に適用されておるような関係法の適用をする等、いろいろ検討をしてまいっておるわけでございます。 同時に、この造船不況というものはただ単に経済界の不況のあおりを受けた一時的なものではなくて、やはり造船の構造的なものもあるように思われます。したがいまして、将来の根本的な対策といたしましては、そういう点を踏まえて検討をしなければならないと思っておるのでございますが、こういった長期的な将来の対策につきましては、現在海運造船合理化審議会でせっかく検討をしてもらっておりまして、五月には答申がもらえるような予定になっておりますので、これをもらいましたら、これを中心に運輸省といたしまして将来対策を立てていきたいと思っております。 いずれにいたしましても、タンカー中心の造船事業では、これはもう将来が見え透いておりますので、たとえばプラント船に変えるとか、あるいはLNGですか、液化天然ガスの船に変えるとか、そういう方向転換も今後やっていかなければならぬと、かように私は考えておるわけでございますので、当面は造船企業に対する財政上の助成、援助、それから雇員の失業対策等をやり、さらに造船業につきましてはほかの事業等に手を広げ、あるいは多くの下請事業者も抱えておりますので、それらを含めまして、ただ単に造船業あるいは造船の部品業だけではなしに、他のものの政策にも逐次方向を変えていきまして、失業者の出ないようにやっていく。そういうきめの細かい処理もいろいろあるわけでございまして、そういう点につきましては、運輸省あるいは労働省等も加えまして今後きめの細かい施策を考えていきたいと私は考えておるわけでございます。
○小宮分科員 造船不況に対する長期的な対策については、いま海造審の方に、船舶の長期的な需要の見通し並びに現在の施設整備のあり方がこれでいいかどうかということで諮問をしておるので、その答申が五月にはあるはずであるから、その五月の答申がなされてから運輸省としては長期的対策を策定しようということですか。 それでは、われわれも民社党内にも造船不況対策特別委員会を設けていろいろ検討しているわけですが、長期的な対策は海造審の答申があってからに譲るとしまして、当面の問題として、海洋汚濁防止条約の中で現在のSBT、いわゆる専用ウォーターバラストタンクを設置するという条約は、昭和五十一年の一月以降に契約される船についてのみ適用されているわけです。したがって私たちは、海洋汚濁防止という立場からの条約であれば、当然既存船のタンカーにも適用すべきだという主張をしているわけです。そうでなければ本来のこの海洋汚濁防止条約の精神が生かされないわけですから、そういうような意味では、昨年の十月にもこの国際条約に関する会議があったし、また聞くところによれば、五月にも第三回のIMCOの会議があってこの問題が論議をされるということでありますが、この五月のIMCOの会議に出席するに当たっての日本政府としての考え方はどのような考え方をまとめていかれるのか、どのような方針で臨まれるのか、その点を御答弁願いたい。
○内田政府委員 いま先生が御指摘になりましたように、現存船に対しましてのSBTの問題でございますけれども、いま御指摘の海洋汚染防止の推進という観点と同時に、御承知の世界的なタンカー過剰対策という面、その両面から昨年あたりから提起された問題でございます。昨年の十月にIMCOにおきましてそれぞれの国から議論がいろいろなされたのでございますが、いまお話がございましたように、本年五月にさらにその検討を進めていくということでございます。この問題をどういうふうに適用していくかというようなことは、いま申しました点から、海運の面とそれから造船の面等いろいろな面から検討されると同時に、それが国際海運の競争力等に及ぼす影響も非常に大きいので、やはり統一的に適用していく必要があるということでございます。 私ども日本の立場といたしまして、これを具体的にどうするかということにつきましては、この五月の会議までのこととしまして、現在関係の向きの御意見がいろいろございますので、現在はその影響とか利害関係とか等を検討中でございまして、どういうふうに持っていくかというようなことについては、まだ結論は得ておりません。ただ、基本的には、いま申しましたように各国の国際的な場における態度というものも十分配慮して対処していかなければならないというように考えております。
○小宮分科員 いまの局長の答弁を聞いておりますと、もちろんこちらの日本側としてもいろいろその意見をまとめなきゃいかぬけれども、世界各国の動きがどうかとかいうような問題で、他動的な考え方というか、消極的な考え方というか、そういうような考え方がどうも見受けられるのですが、造船不況の問題とはこの問題は切り離してでも、いま盛んに、御承知のように、たとえばマラッカ海峡で日本船が座礁して油が流れるとか、あるいは瀬戸内海で衝突して油が流れるとかということで、油による公害が盛んに起きているわけですから、そういうような意味では、公害防止の立場から運輸省はもっと積極的にこの問題に取り組むべきだと私は思うのです。 だから、根本的には、いまのタンカーの構造にしても、いまのようなSBTの設置というような消極的なちっぽけな問題ではなくて、もっと二重底にするとかあるいは二重張りにするとか、そこまで発展させなければ本当にこの油の公害問題はなくならぬのじゃないかというような考え方を私は持っておりますけれども、さしあたりは、いまのSBTの設置の問題についてすら海運界の方でいろいろ問題があるようだから、むしろいまの段階では、当面の対策としては、少なくともSBTの設置について、運輸省当局としては、もちろん海運局とも十分連携をとりながら、海運業界に対しての説得をするというぐらいの積極的な姿勢を示して、そしてこのIMCOの会議に臨むに当たっては、わが国の態度はこの既存のタンカーにもSBTを設置するんだという基本的な姿勢を持って臨むと同時に、そういった諸外国の中でもこのSBT設置については賛成している国もおるわけですから、そういうようなところに呼びかけてでも、少なくともこのIMCOの会議の中でSBTの既存船に対する適用というものの成果を上げるように、積極的に動いてもらいたいというふうに私は考えるわけです。 いまの局長の説明を聞けば、消極的なそういうような考え方で日本の国内そのものもうまくまとめ切らぬで、ただ向こうへ行って、向こうの世界各国の様子をうかがいながらわれわれの態度を決めようかというようなことでは、造船不況対策という問題もありますけれども、そういった海洋汚染というものに対して、真剣に積極的に取り組んでおるのかどうかということに疑問を持たざるを得ないようないまの発言に私は聞き及んでおるわけですが、そういうようなことじゃないんですか。もう少しはっきりしてください。
○内田政府委員 私が申し上げましたのは、造船のサイドと海運のサイドといろいろ問題点がございまして、したがいまして、これは実は技術上の問題もいろいろ詰める問題もございますし、どちらにいたしましてもいろいろな面から検討して、日本としての考え方というものを統一する必要があるという意味で申し上げたわけでございます。
○小宮分科員 時間が限られておりますので先へ進みますけれども、いま日本の老朽船の解体問題について非常にわれわれは注目しているわけですけれども、造船関係の下請協力企業というものは非常に仕事がなくなって倒産寸前に陥っておるという中で、少なくとも二十年以上のかなりの老朽タンカーが日本にはあるわけです。だから、そういったものの解体船の促進ということも、運輸省として、政府の政策としてぜひ取り上げてもらいたいということをわれわれはかねがね主張してまいったわけです。幸いにも第一船が、今度造船工業会と新鉄原との間で試験的にひとつ解体をやってみよう、どれくらいのコストでやれるかということで計画され、実施に移されんとしておることはわかりますけれども、この解体船の促進の問題について運輸省としてはどのように考えられ、そして今後どのような政策を持ってやられようとしておるのか、その点もひとつ御答弁願いたい。
○内田政府委員 いま御指摘のございましたように、造船不況で一番の問題になりますのは造船下請の仕事量の確保という問題でございます。特にこれは新分野に転換するには、できるだけ従来の設備とか技術を生かせる分野のものがいいということから、いま御指摘の船舶解体業という問題が一つあるわけでございます。それから、このほかに沖修理業あるいは海洋掘削船の基地等というようなものもやはり検討に値する新分野であろうということから、この解体業を含めまして、将来の需要とそれから採算性、それから技術的な問題、さらにはその工事の公害防止等々検討すべき点もいろいろございますので、本年度におきまして、この船舶解体業を初めとするいま申し上げました点について、具体的に調査を行っていく予定でおります。
○小宮分科員 この解体をするに当たっての問題点というのは、いわゆる解体コストとこのスクラップ価格との問題がやはり出てくると思うのですね。だから、現在でもグロストン当たり約一万五千五百円から大体八千円ぐらいの価格差があるということで、こういうような状況になれば、われわれが解体船を促進しようとしても、これが大きな障害になってなかなか進捗しないという問題もあるので、この解体コストとスクラップ価格との間の八千円から一万五千五百円と言われるこのコストの格差に対して、政府として、造船産業の不況対策の一環として何らかの助成をする考えはないのか。助成をしてもらいたいという強い要請があるのでありますが、大臣、これはいかがでしょうか。
○木村国務大臣 現在、いろいろと技術的な問題もございますし、検討をいたしておりますが、その検討の結果を待ちまして、いま小宮委員のお話のような助成その他のことも当然議論として出てくると思いますので、その段階でよく検討いたしたいと思います。
○小宮分科員 それでは大臣としては、この解体船のテストケースとしていまやるわけですから、その結果いかんによっては、政府としてもそのコストの格差に対しての助成ということを、その時点で考えようというふうに理解していいですね。 それから、厚生省に一つ、質問しますけれども、今国会にも廃棄物処理法の改正案が出されようとしておりますけれども、私は、これは造船というもののいままでの考え方というものの発想を変えなければいかぬというふうに考えておるのですが、いま御承知のように、私たちの耳に入ってくるところでも、たとえばごみ処理をするにしても非常に用地確保がむずかしい。またこのごみ処理については、現在あるところでも、公害問題で立ち退きの問題が住民パワーによって盛んに発生しておるし、あるいは屎尿処理にしても、かなり予算はつけながらも現実には屎尿処理の施設をつくることが非常に困難だという問題が起きておりまして、ごみ処理、屎尿処理、いわゆる産業廃棄物、都市廃棄物にしても、非常にこれが公害問題にぶち当たって、国内各県、市町村においても非常に困っておる問題なんです。 そこで、陸上でごみ処理、屎尿処理をしなければならないということは法律にも何にもないんだから、もっとこういうような問題を考えて、たとえば船をつくって、船にそういうようなごみ処理施設、屎尿処理施設の装置をして、そして洋上でごみ処理、屎尿処理をやるというようなことを考えたらどうかというふうにわれわれは思っておるわけですが、その点については、厚生省の方もそういうような発想について非常に賛意を表せられておって、厚生省としてもこれについては検討しようというところまでいっておるという話も聞いておるのですが、この点、私のいまの提言に対して厚生省としてどのように考えておられるのか、ひとつ所見をお聞きします。
○山村説明員 ただいま御指摘のように、廃棄物を処理する場所の問題から、いろいろトラブルが多いことは御指摘のとおりでございますが、御指摘の海上に設置するのはどうかということでございますが、内陸での立地というものが環境問題、住民反対等によってかなり多くの障害を持っておることは確かでございますので、一つの考え方としてまことに結構なことというふうに私どもは考えておりまして、現在私どもといたしましても、環境庁に一括計上されております国立機関公害防止等試験研究費というのがございますが、この中で、環境庁を中心といたしまして関係各省が集まっていろいろな立場から検討、研究をしておるという段階でございます。 したがいまして、厚生省といたしましては、現時点ではその成果を見て、できることがあれば実行に移していきたい、具体的な検討をいたしたいというふうに考えております。
○小宮分科員 それでは、この問題については前向きに取り組んでおるというふうに理解していいですか。
○山村説明員 そのとおりでございます。
○小宮分科員 それではもう一つ伺いますが、環境庁でいま研究所を設けていろいろやっておると言っておりましたけれども、それは大体の結論というか、そういった研究結果というのはいつごろ出るのか。その点はいかがですか。
○山村説明員 この研究は、テーマから申し上げますと、廃棄物の海上集中処理と副生資源の有効利用システムに関する研究というような長いテーマでございますが、その内容といたしましては、海上処理を行うに当たって、その廃棄物をどういうふうに収集し運搬していくのか、その収集運搬の技術、それと海上における処理の技術、それから海上構造物の技術といった、いわゆるハード面が現在のレベルでいけるのかいけないのかということと、それらを総合いたしまして、収集輸送ラインを含んだ全体の事業としてうまくいくのかどうかというような立場からの研究を行っておるわけでございまして、この計画は四十九年度を初年度といたしまして四カ年計画で調査をいたしておりまして、五十年で二年目に当たるわけでございますが、現時点では、まず必ずしも見きわめが明確には立っていないという段階でございます。
○小宮分科員 それから、話はまた運輸省に戻りますけれども、現在非常に余剰タンカーがあるということで、この前の臨時国会でも、いわゆる石油の備蓄について、従来の六十日分を九十日分にしようという法律案が通ったわけですが、実際問題として、陸上備蓄ということになれば、すぐにこれがまた公害反対ということで、その石油基地の設置ということはなかなかむずかしい。そういうような意味では、石油の備蓄について余剰タンカーを活用したらどうか。すでに諸外国でももう活用しておるところもあるわけですから、その意味では、この余剰タンカーを利用して油の海上備蓄をするということについてはどのように運輸省は考えておられるのか。これは局長からで結構です。
○浜田説明員 先ほど先生から御指摘がありましたような長期的なタンカーの不況対策の一環といたしましても、タンカーを石油の備蓄に利用するというアイデアがあるわけでございますが、ただ、非常に大きいタンカーを備蓄に利用するということにつきましては、その場所の問題でありますとか、あるいは船員の対策の問題でありますとか、あるいはまた基本的な安全性の問題でありますとか、いろいろと研究しなければならぬ問題が多いわけでございます。したがいまして、私どもはまず、備蓄政策上いかなる程度のタンカーが必要であろうか、あるいはまたその量に応じてどの程度タンカーが入手できようかというような点も含めまして、現在通産省のエネルギー庁と慎重な検討を進めておるわけでございます。 ただ、現時点での私ども海運サイドの考え方といたしましては、日本の近海で日本のタンカーを係船の状態で備蓄に使用するということはどうもむずかしいのではなかろうかというような考え方でございますが、一方通産省の方といたしましては、海外にタンカーをつなぐということでは備蓄にならないというような御見解もございまして、現在そういう点をめぐって検討中でございます。
○小宮分科員 時間が迫ってまいりましたので先に進みたいと思いますが、運輸省として、LNG船の建造については具体的に何かお考えがあるのか、その点についてひとつ説明を願いたいと思います。
○内田政府委員 先ほど来お話が出ておりますように、日本の造船業の工事量不足というのは、特にタンカー需要の低迷が理由であり、また今後もそういう状態が続くと思われます。そういう情勢の中で、これからのわが国の造船業という面から健全な経営を維持していくためには、付加価値の高い船の建造ということが一つの方向になるわけでございます。そういう意味におきまして、いまお話のございましたLNG船という特殊な船の建造ということは、これから大いに力を注いでいかなければいけない船種の一つであろうと思います。また御承知のとおり、エネルギー源といたしましても、わが国におけるLNGの需要というものは今後やはり増加していく傾向にある。そういう意味で、国内のLNG船を今後建造する必要が出てくるというふうに考えております。 そういうことでございますけれども、御承知のように、LNG船というのは建造技術もそうでございますし、それからまた運航形態も非常に特殊なものでございまして、ある意味ではわが国の造船業あるいは海運業にとりましてはいわば未経験に近い分野でありますので、そういうものを推進していくためには、建造とか運航とかということについては相当突っ込んだ研究も必要でありますし、またそういう研究を行って、いま申しましたように、早急に国内LNG船の建造体制というものを整備していこうということであります。 このため、本年度におきましては、お願いしております予算にも、少々ではございますけれども、国内LNG船の建造体制というものを技術面、運航面、両面にわたって調査して国内LNG船の建造体制を推進していくように、今年度検討を続けていくという要求をしております。
○小宮分科員 もう時間が来ましたので、最後に一つだけ、せっかく通産省も来ていただいておりますので。 先ほど申し上げましたように、造船不況に伴って、やはり造船関連企業の人たちは職種転換をしなければならないような情勢に陥っているわけですが、この職業、職種転換に当たって、中小企業の事業転換資金の問題がいろいろ出ているわけですが、今回中小企業事業転換対策臨時措置法という法律案が通産省から出されておりますが、この措置法の中に、いまの造船産業は対象業種として入るかどうかということと、簡単で結構ですからその措置法の内容を、改めてまた説明に来てもらいますけれども、それはどういうようなもので、造船産業はその対象になるのだということをちょっと説明してください。
○松尾説明員 御高承のように、中小企業をめぐる環境はまことに厳しいものがございますが、とりわけ発展途上国の追い上げ、あるいは世界的な需要の減退による輸出の減少であるとか、中小企業が国内でつくっておる物の競合商品の輸入が非常にふえておるとか、公害、安全面の規制が非常に強化されているというようなことで、これまでの事業を続けることが非常にむずかしくなっているというような中小企業者が非常に多くなっております。そこで、別の事業に転換しようと思っても、かつての高度成長時代と違いまして、その実行が非常に困難であるという状況にございます。そこで、こうした環境の変化に適応するために、中小企業者が自主的に事業を転換しようとする場合に、それをいろいろな助成措置を講ずることによりまして円滑ならしめる、こういう趣旨で今回法案を出させていただいたわけであります。 この対策は、企業の努力の限界を超えた、いわば構造的な要因に基づきまして企業の活動に非常に支障を生じておる、このような中小企業を対象にすることにいたしております。そうした中小企業者が転換の計画をつくりまして、都道府県知事の認定を受けた者に対して、いろいろな助成措置を講ずることにしております。 そこで、このようにあくまでも対象は個別の中小企業でございますが、いま申し上げましたような構造的な要因をみずから立証するとか、知事が判断するということが非常に困難でございますので、一応業種を指定するということにいたしておりますが、その中で恐らく造船関係は、ただいま申しましたような要因に該当するというように私どもとしては目下のところ考えております。 どのような助成を行うかということでございますが、まず中小企業者が必要とする情報、特にこれから何を始めようとするか、それにつきまして、その事業の将来の見通しとかあるいは技術のレベルだとか、流通状態は一体どうなっているというような情報なり、それからいろいろな経営面の指導、それから金融対策といたしましては中小公庫、国民公庫からの有利な特別貸付制度の対象にするとか、中小企業振興事業団の長期低利の貸し付け、それから市中から借りる場合の信用保証の面での有利な条件を考えております。また税制の面では、減価償却の特例だとか、合併の場合の評価益に対する減税措置、それから雇用対策につきましては、できるだけ離職者を出さないということで、特に職業訓練の面での充実を考えております。
○小宮分科員 これで質問を終わります。
○野田主査 これにて小宮武喜君の質疑は終了いたしました。 次に、小沢貞孝君。
○小沢(貞)分科員 郵政大臣がきのう、おとといでしょうか、放送法三十七条の二の第三項の規定に基づく報告、こういうことで、いわば一カ月分の暫定予算を国会に報告をしてきたのを拝見したわけであります。この暫定予算が、第一に、国会の方は四十日やったのだが、NHKの暫定だけは三十日、これはちょっと質問事項になかったのですが、何か理由があるのですか。国会の方は四十日の暫定、NHKの方は三十日間、こう十日間違えたのは何か理由があったわけですか。
○石川(晃)政府委員 お答え申し上げます。 NHKの方が三十日で国家予算の方が四十日の点でございますが、これは別に特に差をつけたということに意味はないわけでございます。NHKの事業計画の内容を見まして、やはり現時点においては三十日で計画を組むというのが妥当であろうということで、NHKの方でそのような事業計画を組んだわけでございます。
○小沢(貞)分科員 まあ特別な理由がないということですが、これはまた三十日間の間に本予算が成立する可能性は私はない、こういうふうにだれが考えてもそう思います。したがってまた来月暫定を、恐らく三十日でしょうか、組まざるを得ない、こういうことになると思うのです。また暫定を三十日、結局二カ月組んだといたします。その場合には、放送法に基づいて前年度の最後の月の受信料か何かでやらなければいけない、こういうようになっているわけです。そうならば、たとえば二カ月分暫定でやったとするならば、最初に出された、これは放送法三十七条第二項の規定に基づく当初の予算、事業計画、こういうものの修正案も出してこなければおかしいのではないか、こう思うのです。同時に出してこなければおかしい。これを撤回いたします、修正はこれでやってください、こう言ってこなければおかしいと思うのですが、そこはどうでしょう。
○石川(晃)政府委員 ただいま御指摘の予算の延びる件でございますが、この件につきましては、この予算の承認がおくれますといろいろ影響が出てくるわけでございます。で、建設計画等につきましてもなるべく早く御承認をいただきたいということでございますが、これにつきましては、今後この一カ月の期間が過ぎますと、現在の暫定予算の補正予算というものを組むわけでございます。その時点でさらに本予算につきまして——本予算のことでございます。本予算の御承認をいただいた後で、その点につきましては事業の実施状況などを見て検討していくということを考えております。
○小沢(貞)分科員 ちょっと待ってください。暫定を一カ月出したわけでしょう。NHKのやつですよ。またもう一回来月になれば出すわけでしょう、もし最初の予算及び事業計画が国会で承認されない場合には。折り目正しくそういうように言ってください。暫定の補正とか言ったのはそういうことですか。
○石川(晃)政府委員 現在出しておりますのは四月一日から四月三十日までの暫定予算でございます。もしこの期間の間にNHKの本予算が御承認いただけなければ、この暫定予算の補正予算を組んで次の事業計画を進めていく、こういうことになるわけでございます。
○小沢(貞)分科員 そういうことになるのですか。いま出された四月三十日までのものの補正ということで、また三十日間出すわけですか。
○石川(晃)政府委員 その期日につきましては今後検討するわけでございますが、ただ形といたしましては、暫定予算の補正予算ということになるわけでございます。
○小沢(貞)分科員 そうすると、今度は六月に入れば暫定予算の補正予算のまた補正予算というやつを出すわけですか。
○石川(晃)政府委員 現在、この補正予算を何日で組むかということにつきましては、その時点におきますいろいろNHKの事業計画によりまして日にちを決めるわけでございますが、現在法律で許されておりますのは最大三カ月まででございます。したがいまして、その期間内において補正予算の期間を決定するということでございます。
○小沢(貞)分科員 三カ月を過ぎればどうなりますか。これは研究をしてあるのでしょう。NHK予算なし何なしという空白状態ができてしまうが、これは一体どういうことになるのですか。
○石川(晃)政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、現在の放送法のたてまえからまいりますと、三カ月後においては空白の状態になるということでございます。
○小沢(貞)分科員 そこで、たとえて申します。六月の半ばごろ、あるいは五月の半ば過ぎにでもいいですが、そのときにようやくさきに出されておる五十一年度の予算及び事業計画が成立いたしたとします。そのときの放送料金は、値上げは本予算が通った後ということになるのですね。たとえば五月二十日ごろ通ったとすれば六月から料金値上げが行われる、こういうように解釈するのですか。四月にさかのぼって料金は値上げするのですか。
○石川(晃)政府委員 先生御指摘の五月の二十日ごろという一応の仮定でございますが、五月の二十日ごろに仮に通ったといたしますと、四月分はもちろん暫定予算でございますので旧料金でございます。さらに五月につきましても、現在NHKの受信料につきましては月額ということで書いてございますので、この点につきましてはやはり月額で徴収するということになるわけでございますが、ただ、これはNHKの受信契約の決定によるわけでございますが、多分いろいろな従来からの経緯からいたしまして、六月から新料金ということになろうかと存じます。
○小沢(貞)分科員 そうすると、私の聞いている限りにおいては、NHK予算は国会で修正してはいけない、こう言われているのだが、これは放送法のどこかに書いてあるかね。勉強しなければいけないけれども、きのうも議運でそれをやったら、いや、NHKの予算は国会では修正できません、否決してまた大臣から出し直してもらうなら出し直してもらう、これ以外にないというわけだ。調べておいて、後で御答弁いただけばいいわけです。
○石川(晃)政府委員 ただいまの先生の御質問は、放送法の第三十七条の二項でございます。読ませていただきますと、「郵政大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を附し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。」ということでございまして、承認をいただくかいただかないか、この二つになるわけでございます。
○小沢(貞)分科員 そうすると、これは大臣聞いておいてもらいたいが、二カ月間は旧料金でやるわけだ。四月、五月は旧料金。本予算はカラーテレビ七百十円ということで、大分値上げをした予算が組まれているわけです。そうするとわれわれのなすべきことは、本予算を否決する。修正ができないというなら否決する。そして郵政省はあわててまたNHKから出し直さしてこれを提出する。それ以外に道はない。だから、この暫定を出したとたんに一カ月分の料金の値上げの増収分がないわけですから、本予算は撤回いたします、そして同時に、五月から値上げになるような予算書、事業計画を出してこなければ筋が通らぬ、私はこう思うのですが、その辺どうでしょう。
○石川(晃)政府委員 具体的な問題でございますので私からお答え申し上げたいと思いますが、ただいま先生御指摘のように、暫定予算を組めばその期間、四月は減収になるではないか、したがってそこで本予算が修正されるべきではないかということでございますが、われわれといたしましては、本予算が成立しました後、今後の事業計画の進め方によって新しくそれを見直すということになろうかというふうに考えております。
○小沢(貞)分科員 大体おかしくないかね、そういうことでは。これはまた本予算はうそみたいなことになっちゃうですね。二カ月も空白があれば減収は何億あるわけですか。今度、一カ月値上げの増収はNHKは幾らあるわけですか。
○石川(晃)政府委員 現在の試算では、旧料金で徴収いたしますと、新料金に比べて一カ月大体六十億の減収というふうになるかと思います。
○小沢(貞)分科員 一カ月六十億の減収で、二カ月百二十億の減収。たとえば三カ月日になったら百八十億。ちょっと二百億近い減収がありながら、本予算が承認されればその中で勝手に事業計画を変えてまたやっていく、こういうことではこれを議決する意味が何にもないから、私の言うのは、暫定を出した途端にこの本予算は撤回いたします、六十億減収になったもので出します、二カ月後になったらまた撤回いたします、また出します、こうやらなければ、国会は修正はできないわということになると、これはおかしなことじゃないかね。どういうことだろう、これは。
○石川(晃)政府委員 その点につきましては、本予算の方が減収になることは事実でございます。したがいましてNHKといたしましては、その減収になった総額において来年度の事業をやるわけでございます。ただ、その事業が減収によって変更されなければならないか、事業計画自体が変更されなければならないかということを検討して、変更する必要がございますれば、改めてこの事業計画の変更について御審議をいただく、こういうことになろうかと思います。
○小沢(貞)分科員 私はそれはおかしいと思うんだ。二カ月たって百二十億減収になっても、このものがもう一回国会で承認をされなくてもいいということみたいに聞こえちゃう。成立したときで、その段階において事業計画等を変更するのかしないのか。百二十億も百五十億も減収になれば、当然これは撤回して出し直すべきだ。われわれに修正をしろと言うなら私たちが予算を修正するんだが、修正権がないと言うんだ。これはまたおかしな話で、修正権がない。それじゃ暫定を出してきたら撤回して出し直すということを一回一回やらなければおかしいはずだ、こう思うのです。まだそこはよくわからないところかどうか。時間がないので、またNHKの予算の質疑のときに続いて質問したいと思いますが、そうでなければ、暫定が組まれているのだから、このうその予算を、二カ月で百二十億も少ないものを議決しなさいというふうに聞こえちゃってしようがない。これは時間がないのでそのときにまた質問したいと思いますから、研究しておいていただきたい、こう思います。 郵便料金が値上げになって、扱う数量、物、物とよく言うが、それはどのくらいな量が減ったか、郵務局長どうぞ。
○廣瀬政府委員 料金改定後の状況でございますが、一月は、御承知ように一月二十五日郵便法改正がございましたために、一カ月の影響はございませんで、全般的に見ますと約一〇%の増加を見ております。二月に入りまして、一月における駆け込みなどがございましたために、若干の落ち込みを見ておるわけでございます。二月の物数を調査いたしましたところ、これは全国の郵便局につきまして物数調査をいたしたわけでございますが、ただいまの集計では、一七%ないし一八%程度の対前年比落ち込みがあるものと考えられております。
○小沢(貞)分科員 これは当初予想された減り方と、パーセントは予想どおりですか。
○廣瀬政府委員 一カ月間の動向でございますので、まだ全般的にこの動きが推測されるというような数字にはなっておりませんので、当初と比べてどうかということについては、まだ私どもも判断いたしかねております。ただ、本年度全体としては五・三%の対前年比落ち込みがあるであろうというふうに推定いたしておりますが、三月以降のもう少し長期にわたった郵便物の動向を把握しないと、はっきりしたことは申し上げかねる状況でございます。
○小沢(貞)分科員 これは日本経済新聞の五十一年二月三日付に、郵便法五条で郵便というのは国でもって独占事業としてやっている、ところが、だんだん料金が上がってくるというので新聞に出ているわけですが、「DM業界が“私設飛脚”案」自分たちは自分たちで運搬した方が安上がりだから運びましょう、こういうのが出てくるのは、私けだし当然だと思います。料金値上げのときにもそういうことを論議したことがあるわけです。自分たちで自分の関係範囲内に持っていくことは第五条違反になりますか。局長さんでもだれでもいいが、自分の会社の傘下の会社とか、それは郵便法違反になりますか。
○廣瀬政府委員 自分のという場合と自分の傘下という場合では若干違うと思います。自分のものを送達する場合は郵便法違反にならないということでございますけれども、郵便法の第五条に書いてございますように、「二以上の人又は法人に雇用され、」というような表現があります。ですから、傘下ということになりますと、先生の御指摘の意味は恐らく二法人にまたがるような場合になろうかと思います。あるいは二以上の個人ということになります。それは第五条違反というように私ども考えております。
○小沢(貞)分科員 そうすると、たとえば本社が東京にあって、工場あるいは営業所が全国にある、こういうときに、営業所から本社へ持ってくるというのは、これはいいわけですか。
○廣瀬政府委員 先ほど申しましたように、二以上の法人ということでありますので、一つの法人が、自分の本社から営業所にその職員が送達するというような場合は適法であります。
○小沢(貞)分科員 それについても細かく聞きたいのだが、本当は職員でなくてだれか飛脚が、常にパスを買って東京と私の方の松本を往復しておる、二、三軒のものを預かって持っていく、違法か何か知らないが、現にそういうものもあるような気もするのです。そういうものをだんだん拡大していくと、この新聞に出ておるように、「DM業界が“私設飛脚”案」みたいになってきて、多分これはいまの法律の上においては違法だろうと思うが、そういうことがだんだん拡大していっても引き合うようなぐあいになってくれば、自然発生的にそういう要望が出てくると思うのです。これはいまにだんだん出てくる。二、三年たてばまた上げなければいけないということになると、必ずそういう問題が出てくると思うのだが、これに対する対策は、一つは、第五条を緩めて、そういうことが自分でできるものは大いに自分でやってもいい、何も国家が独占しておかぬでもいいのだから、やってもいいという方向もあるでしょう。いま一つは、そういうことがいけないというならば、うんと合理化して、何らかの方法によって民間が私設の飛脚を使うよりは安くできる方法、私はこの二つの方法しかないと思う。大臣、これはどうでしょうか。
○村上国務大臣 DM業界の一部におきましてそのような動きのあることは、かねてから十分察知しておるところでありますが、私どもといたしましては、これらの動きを十分注視しまして、郵便法によって国の独占とされております信書が法に違反して送達をされるようなことがないよう指導いたしておりますし、また、必要に応じて警告を発する等、この種の動きに十分対処してまいりたいと思っております。
○小沢(貞)分科員 これは、対処して厳重にというより、民間で自分でやった方がペイするからやるわけです。郵政省に預ければ暇がかかったり高くつくからやるわけですよ。だから法を緩めて、それならそれでどうぞおやりください、自分でやりたければ、こういうようにするか、あるいは郵政省の態度を変えて、合理化してそれに対処できるような価格にするか、配達の時間的にもそれをやらなければ、私は永久に続く問題だと思います。この次の値上げのときには間違いなくその問題が出てくる。これはまた委員会等で大いにやりたいと思いますので、次に進みたいと思います。せっかく電電公社お見えいただいておりますので。 この前も委員会等で御質問が多分あったと思いますが、例の問題になっておる小佐野さんは、新聞によれば、最近は経営委員会等にもさっぱり出ておらない、こういうように聞いておるわけですが、最近ずっと何回か欠席ですか。
○山本説明員 お答えいたします。 小佐野委員の経営委員会への出席状況は、四十九年六月に経営委員に就任されましてから、四十回経営委員会が開かれたわけでありますが、そのうち出席三十五回、欠席五回であります。
○小沢(貞)分科員 最近のことを言っておるわけです。
○山本説明員 最近の状況は、五十一年の二月に二回、三月に二回経営委員会が開かれましたが、いずれも欠席をされております。
○小沢(貞)分科員 要するにわれわれが考えても、あの問題が出て以来小佐野さんは欠席しておるのだ、こういうことだと思うのです。だから、恐らくこの問題が解消するまでずっと欠席をされるのではないか、こういうように推察できるわけで、自発的なり何なり、やめるように上から言うわけにいかなければ、むしろ第三者を使うなり何なりして新しい経営委員をちゃんと入れて、値上げをしなければならない、しかも予算がおくれるというような大問題のときの電電公社の経営ですから、そういうことは当然考えられてしかるべきだと思いますが、これは郵政大臣か総裁か、両方か……。
○村上国務大臣 小佐野委員の地位について、政府として現在特段の見解を述べる段階ではないと考えております。
○小沢(貞)分科員 何も言う段階でないということですか。そんな答弁があるのですか。何にも言うことはないという答弁がありますか。
○米澤説明員 お答えいたします。 先ほど山本総務理事が言いましたように、小佐野経営委員はこれまでずっと非常によく出席されておりましたが、先般、二月の初めに、何か高血圧になられたということで家で休養されておりますが、私は、そのうち出てこられるのではないかというふうに思っております。
○小沢(貞)分科員 せっかく玉野営業局長さんも北原総務理事さんも見えるので、一つだけ質問いたしますが、プッシュホンの番号の配列と計算機の番号の配列が違うわけです。これは私も知らなんだが、高校かそこらの子供が、何でプッシュホンは——プッシュホンは後から出てきて計算機の方がどうやら先のようだが、計算機は下の方から一、二、三、プッシュホンは上の方から一、二、三、何でこんなことをしたのかと言って、実はこれはある電報電話局の局長さんの子供の大学生が、おやじどういうことだ、こういう話があって、なるほどそういうことかなと思ったんだが、何かこれには理由があるわけですか。
○北原説明員 お答えいたします。 計算機の文字盤の配列、これは事務機械から影響を受けているのが多いのでございます。事務機械は一般にまだこういうものを統一する方向が余り明確でございません。ところでプッシュホンというものができまして、世界各国がこの電話を使うようになるに及びまして、これを人間工学的に十分に検討をして世界共通の文字盤の配列にしようというので、数年かかりまして、昭和四十三年にCCITT、国際電信電話諮問委員会において答申しまして、世界各国がこれによってすべて共通に文字盤を統一した、こういう経緯でございます。 したがいまして、事務機械の配列からきているものとは多くの国において違いがあるだろうと思います。日本においても違っておるわけです。
○小沢(貞)分科員 そうすると、世界各国が人間工学的なことまで十分考えて、プッシュホンの方は世界じゅう一定にした、事務機械の方はそういうことも考えずにやったということは、これを何とかどこかの機関で統一をする、どこで統一させたらいいかは別として、直す方は事務機械の方だ、こういうお話でしょうか。
○北原説明員 事務機械もそれぞれの理屈がありまして文字の配列があるわけであります。たとえばアルファベットの場合ですと、一番多く使われる字からなるべく真ん中に寄せておいて、手の操作がしやすい方向に並べてきておるのです。日本文字をアルファベットに置きかえました場合と、英語なら英語をアルファベットに置きかえました場合と、出てくる頻度が違ってきます。したがいまして、日本で英文タイプライターをつくりまして日本人が使う場合でも、日本人に向いた位置に文字をよけい持ってきたいという意欲はどうしても出てくるわけです。そういうことで、文字その他の習性がございますものですから、なかなかこれを統一していくということは古くて新しい問題で、いまもって名案が出てこない、こういうわけでございます。
○小沢(貞)分科員 それでは時間も参りましたので、最後に玉野営業局長さんにお願いがあるわけです。 大変便宜を図っていただいて、試行という形かと思いますが、全国で私の地区の松本市の有線放送電話と公社電話の接続に当たって塩尻の局が大変便宜を与えてもらったわけです。これは大変好都合だということで、松本の単位料金区域ですか、松本の関係はみんなそういうように直すようなんです。これは全国でそういう希望があったら次々と押し及ぼしていただけるかどうか、こういうことです。
○玉野説明員 お答え申し上げます。 いまのお話はダイヤルアウトの問題でございますが、これはクロスバーのC四〇〇とかこういう交換機の種類にちょっと制限がございますので、そういういま先生おっしゃいました松本のと同じような交換機でございますと、これは御要望がございましたらまた御相談して考えさせていただきたい、こういうように思います。
○小沢(貞)分科員 終わります。
○野田主査 これにて小沢貞孝君の質疑は終了いたしました。 〔主査退席、渡部(恒)主査代理着席〕
○渡部(恒)主査代理 次に、保岡興治君。
○保岡分科員 まず運輸省にお伺いをさせていただきたいと思います。きょうは港湾の整備に限って御質問をしてみたいと思います。 まず最初に奄美大島の港湾というものは、地域にとって生活のために最も大事な交通の手段であり生命線になります。そのために港湾の整備が非常に重要であるということは御理解いただいて、従来いろいろ御努力をいただいてきておりますが、奄美大島の港湾整備の状況ないし方針について、一般的に伺ってみたいと思います。
○竹内(良)政府委員 奄美群島の港湾の整備につきましては、実は運輸省は昭和四十九年から引き継いだわけでございますけれども、現在国土庁の所管でございまして運輸省の方で事業を実施しているわけでございます。おっしゃるとおり奄美群島の港湾は、どちらかと言いますと国内の一般の港に比べましておくれているというふうなことが言えると思います。 そこで、私ども国土庁と一緒になりまして、五十三年までの奄美群島振興計画というのがありますが、その趣旨にのっとりましてできるだけ早く生活の拠点である港湾の整備を進めていきたい、こういうつもりで現在実施しているところでございます。昭和五十一年度におきましては、現在一応十五港を対象としておりまして、そのうちの三港は五十一年度から新たにかかるわけでございまして、十二港につきましてはずっと継続で仕事をしていくという方針でございます。
○保岡分科員 その十五港を大体どの程度まで整備をするか、基本的な目標とそれに要する事業費を御答弁いただければと思います。
○竹内(良)政府委員 現在、全体的な予算の総枠のところまで進んでいるわけでございますけれども、昭和五十一年度の奄美群島の港湾整備につきましては、国費を二十二億円、事業費にいたしますと二十三億円以上でございますけれども、それでやっていきたい。この五十一年度の二十二億円と申しますと、五十年度の当初予算に比べますと一五四%、港湾の一般の国費の全国の伸び率が一一四%でございますので、これをもっていたしましても、私ども国土庁と一緒になりまして奄美群島の港湾整備に特段のウエートを置いていると言うことができると思います。 五十三年までにこの基幹である港、すなわち奄美大島の名瀬港であるとか徳之島の亀徳、平土野、また沖永良部の和泊、それから与論島における与論港、こういう港につきましては、何とか沖繩に至る約一万トンクラスの船がある程度接岸できるというのを目標に、昭和五十三年までに何とかしたいということで事業を進めていきたい。 また喜界島に湾という港がございますが、この喜界島も大変大きな島で、湾には五千トンの船は何とか着けたいというのを昭和五十三年までの目標としているわけでございまして、今度港湾の方で五十五年までの五カ年計画をつくりたいと思っておりますが、この中で特に奄美に関しましては、先ほど申し上げました振興計画の精神にのっとりまして、五十四年までに何とかそこまで持っていきたいというところに努力してまいりたいと思っております。 そのほか各島々にも生活の必需的な港が必要でございますし、木材港の積み出し港等の港の整備が必要でございますので、そういう港につきましても鋭意努力してまいりたい、このように考えている次第でございます。
○保岡分科員 いま局長がお答えになりましたとおり、ことしの予算は、港湾全国の一般の伸び率に比べて非常に高くて、努力をいただいた結果が出ておりますし、この三カ年間の港湾の予算を見ましても、四十八年度の予算が大体五億ちょっとだったのに比べると、ことしの二十二億というのは、かなりこの数年努力をしていただいた結果が出ておる。その点は非常に感謝をいたしております。 しかしながら、いま局長が計画の目標としてお話しになった、基幹港について一万トンクラスの船が接岸できる港を建設し、あるいは湾等の港については五千トンクラスの船が接岸できる港をつくる、その他生活あるいは産業関係の小さな港湾も十分整備を進める、こういうことになりますと、私が承知しておるだけでも、これを完工するのに二百億を余る事業費が見込まれております。 個別に見ましても、たとえばこの二十二億で、各港のこれから個所づけの予算の配分をしていくことになると思いますが、これはまだ決定されたわけではないですが、従来の経緯から考えると、たとえば和泊港を例にとっても、五十年度が大体二億七千万、それから五十一年度が三億余りつくのではないかとこれは期待をしているわけでありますが、こういう予算の配分では、五十三年までに五十六億かけてこのような港をつくるということの目標から考えると、こういう予算の毎年の措置で果たしてそんな港ができるんだろうか、これはまあ地元の者が非常に懸念をしております。 事実、奄美大島というところは外海でございますし、しかも冬場は季節風が非常に強くて台風みたいな感じになりやすく、また夏季は熱帯性低気圧が発生して台風も非常に多いですが、台風に至らないものの影響もかなり受けますし、非常に天候が不安定である。若干春先に落ちついた時期があるだけで他は非常に天候も悪いということを考えると、全天候港湾という形、このようないまのこの計画では、全天候の港湾までいかないような感じを受けます。そうすると、裏港ということも考えなければ、現実に船を接岸させるということはなかなか困難であります。 こういったもろもろのことを考え、また、いま局長がおっしゃったように沖繩との航路を結んで、その途中船が寄りますから、船はどうしても一万トン、いまですら六千トンクラスの船でありますが、この船が現状においては、少し天候が荒れるとこの和泊港は着きません。したがって、裏港に参りますともうはしけにならざるを得ない。ではこの数年のうちにこれの解消ができるかということになると、いまお話をしたように、予算がいまの進捗状況ではとても期待ができないということで、これだけ日本が国力を持ち、しかもいろいろな公共基盤整備が本土においては大規模に、しかもかなり高度になされておるにもかかわらず、同じ国民であるにもかかわらず、生活にどうしても欠かせない港湾について、少し努力をすれば、思い切ったこの現状を打開するという予算措置をすれば、国全体の施策から見ればもう少し何とかならないだろうか、これは御努力には感謝しつつ、なお現状を見ると、この数年のうちに解消できないうらみがあるだけに、何とかせめてこの一、二年のうちに、思い切って接岸できるところまでは大福に予算をふやして一挙にやってほしい、これが島民の願いでございます。 そういった観点から、いまの御計画、御努力の点については十分理解するのでありますけれども、なお、いま私が申し上げた点について御答弁をいただければ幸いでございます。
○竹内(良)政府委員 先生のおっしゃるように、極力大量の投資をいたしまして一挙につくってしまう、つくり上げるということを大変私どもも希望するところでございますけれども、予算の実施をしていくときに、一応五〇%ずつふやしていくというのも相当な努力の一つであると御理解願いたいと思うのでございます。 それからこういう島は、先ほど先生のおっしゃいましたように台風が来ますと島が全体波の上に浮かんでしまうというような感じのところでございまして、工事そのものも大変むずかしゅうございます。そこで、現在の一年間二十二億の予算も、実はこれを消化するということも技術的に大変困難な、努力しなければいけないという面もございます。 私ども、その先生の御趣旨といいますか、そういう精神から考えますと、技術的にもこういう島の港を伸ばしていくための努力が必要だと思いまして、五十一年度からは名瀬におきまして直轄事業でこの港の整備に当たるという決心をしたわけでございまして、順次国の直轄事業の範囲を拡大すべきではないか、この島の港の整備に対しては国の技術をできるだけ利用したいというふうに考えております。 またもう一つ、一つの島がございますと、南側の島が荒れているときには北側の方がわりあいに楽である。そういう点も考えますと、たとえば徳之島におきまして亀徳と平土野を整備するような形で、これも極力島自体を防波堤とするような考え方を具現していきたい、このような考えも入れまして、とにかく何といたしましてもこの新港計画の目標につきまして、われわれといたしましては、技術的の面からもあるいは予算の方の面からも極力がんばっていきたい、このように考えておるわけでございます。
○保岡分科員 いま和泊を例にとってお話をしましたが、具体的な問題としては、いま差し迫った状況を抱えているのが一つは与論港でございます。与論は非常に観光地としても全国に知られまして、島民人口七千ぐらいですけれども、時にはこの人口に非常に近い人間が夏場などは来るということで、船には常に与論で乗りおりする人がたくさん乗っておる。この人たちはどういうぐあいにして島におりるかというと、はしけが大きな船まで参りまして、その小さなはしけに飛び乗って島まで行って上陸するという形をとっておるわけなんであります。はしけというものは非常に危険でもありますし、少し海が荒れますと、乗りおりするときの高さが非常に上下いたします。したがって、お年寄りなどはひもで胴をくくりまして、みんなが手をとってあげておろしている、万が一落ちたら宙づりになって助かるようにする、こういう原始的な形で乗りおりをする。また、貨物もそのようなはしけで積みおろしする以外にありませんから、荷傷みその他はしけ賃の物価要因、こういったものが離島物価に大きな隘路になっているということは、これは国土庁等で御努力をいただいて行った物価調査の結果にもはっきり出ているわけなんです。 こういうはしけの現象を解消するのに、実は差し当たり十二億円ぐらいどうしても必要である。その十二億円が、去年は一億二千万ついて、ことしが三億ぐらい何とかしていただければと地元で考えておるわけでありますけれども、それにしても来年、五十二年度の完了までにせめて接岸できるところまでやるとすれば、あと八億円どうしても来年度要求しなければならない。こういうことを考えると、ことしの予算が二十二億円に相当ふえた、局長のおっしゃるように五四%という努力は大変なものだと思いますが、しかし、ことしベースも大分大きくなってきたから来年は伸び率はもっと抑えられるのではないか。これだけ伸びたのだからさらにそれを倍にしてもらうとか、予算の許す限り思い切ってこれを伸ばすという姿勢を堅持してもらわないと、とてもこのような住民の要望に沿わないので、一般的な予算の伸びという点からすると大変なことになると思いますけれども、こういう状況を解消するためには、なお予算の思い切った増額が必要であると思います。 あるいは喜界島というところも、先ほど五千トンバースの建設を目標にしているというお話でしたが、これまたメーン航路から外れておりまして、船がなかなか行かないというので、航路自体の確保も問題でございますけれども、これも一つは大きな船が接岸できる港がないということが原因でございます。ここは毎日船が発着できない状況なんで、生活必需物資、島民の足あるいは観光政策等にも大きな隘路になっております。人口は一万二千、れっきとした大きな島なんです。こういった島の予算にしても、ことしや来年度の予算の配分等を考えると、とてもこの一、二年でこの問題が解決しそうな感じがしないわけなんです。 こういう各港のそれぞれの事情を挙げると切りがありませんけれども、問題がありますので、予算の増額については、国土庁が調整機関として関与をしますし、直接には運輸省がいろいろ計画を立てるわけでありますから、局長も現地を見てよく御承知でございますし、国土庁長官も現地を見て状況についてはよく御存じでございますし、そういうことでひとつ予算の増額については、今後さらに姿勢をなお一層強めていただきたい、このように思います。 そういうことで総合的に運輸大臣と国土庁長官から、いま局長と私のやりとりを聞いておられて状況はおわかりと思いますので、御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○木村国務大臣 与論港を中心にして奄美群島の港湾の問題で、保岡委員から平素非常に力強い激励を受けておることを改めて感謝申し上げる次第でございますが、四十九年から運輸省所管として努力をしてまいっております。ことにこういう外海の群島は、港湾設備ということが島民の唯一の生きていく一番大きな事柄でございますので、われわれといたしましても、他の港湾に比較いたしますと、相対的には予算の配分等も、局長が申し上げたように配意をしておるわけでございますけれども、受ける側からごらんになれば、まだ非常にまどろっこしいという点は確かにあると思います。 実情よくわかっておりますので、五十二年度、五十三年度という来年度等におきましては、さらに一層努力をいたしまして、一刻も早く島民の皆さんが十分に満足のいく施設ができるように努力をいたすつもりでございます。
○金丸国務大臣 奄美大島に私も二度ばかり行きまして、つぶさに実情を見てまいったのですが、私が行ってみての実感は、あそこの島から国会議員が一人出ておる、前の国会議員は何をしておったのだというような感じがする。そういうことから、御本人を前にしてほめるわけじゃないのですが、保岡先生が各省にまたがる諸問題についてみずから飛び歩いて、予算等についても非常な努力をしたというようなことで、非常に私は感銘をいたしております。 大体奄美群島は国土庁の所管でありますし、この計画や予算獲得等の点につきましてはすべて国土庁がいたしておるわけでありますが、ことに奄美群島開発という問題については、道路とかあるいは港湾というものに相当大きくウエートを置かなくちゃならないという感じが私はいたします。それがまず第一の開発の基盤事業だというような感じもいたしております。 そういう意味で各省庁の協力を得て、まあことしの予算から見ましても、私から申せば、よその予算と比べてみて破格についておるという感じがいたします。しかし、いままでがおくれをとっておるものですから、ここで破格に予算をつけてみても、その予算というものは、比較するとそこに格差というものがあることもわかる。ぜひこの格差をなくするために、われわれはできるだけ各省庁に協力して最善の努力をいたしたい、こう考えておる次第であります。
○保岡分科員 両大臣からお励ましと思えるような激励、おほめのお言葉をいただいて恐縮でございますが、なお一層がんばりたいと思います。 それから、ちょっと局長にお伺いしておきたいのでありますが、先ほど名瀬港を国の直轄事業にした、こういうお話がございましたが、このメリットをもう少し詳しく御答弁いただければと思います。
○竹内(良)政府委員 名瀬港を担当いたします国の機関といたしましては、運輸省の第四港湾建設局というのが下関にございますけれども、それの一分署を設けるということになるわけでございます。技術的にも、そこの設計陣と申しますか、そういう点につきましては相当な進んだものを持っております。また、一つの港だけでなく、よその港と比較し、あるいは将来多数の島の中に港をつくっていくという点の機械力の問題等々につきまして、相当な力を発揮するのではないかというように期待しているわけでございます。
○保岡分科員 それから、局長がさっき予算の消化能力に触れてちょっとお話しした点について御質問しておきたいのですが、現在の予算でも、荒天候の時期が多い中で消化が非常にむずかしいという趣旨のお話がございました。しかしながら、そうであれば、地元でもそう言っておるのでありますけれども、予算を大きくして、もう少し初めから予算が毎年大きく使えるということがわかれば、プラントを持ってきて一気に短期間に最も安定した時期に集中してやればもっともっと大きな事業ができるということも言っておりますし、いろいろ聞いてみますと、それは事実のようなんです。したがって、名瀬の港湾が国の直轄事業になったということは、そういった技術的な、あるいは工事の工法、仕方、時期等についても指導的な意味を大いに果たすことができると思いますので、ひとつ第四港湾建設局を通じてそういう点の改善を十分尽くしていただいて、それと予算の増額とをぜひあわせてやっていただきたい。これは表裏一体の問題だと思いますので、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。 続きまして、今度は建設省にお伺いをしたいと思います。 関係者の御努力によりまして、特に建設省は大臣に二度も奄美を視察していただきまして、ここにおいでの国土庁長官が建設大臣当時奄美を御視察いただいて、それが契機になって具体化をして奄美大島に初めて国道が誕生いたしました。国道五十八号線でございます。この国道五十八号線でございますが、この一年、国道の整備状況を見ておりまして、これも思うようになかなか進んでいないのが現状であります。特に南の方に参りますと、第一にまだまだ改良が進んでおらず、数キロにわたって三・五メートルぐらいの曲がりくねった絶壁に土を削ってつくっただけで車も交差できない。視察した方のお言葉をかりるならば、林道以下の国道であるというような、国道には指定はしたが、国道の形態は全く備えていない。実は建設省の国道の担当の課長さんが行って、えらいところを国道にされたものだ、これは整備が大変だと言って驚いたと言われるぐらい整備がおくれております。こういうことで、地元では、どういうふうな状況でこの国道の整備がなされるのか、国道になって非常に期待しておるという点がございますので、この国道の整備の状況並びに今後の方針について、かなり具体的にお話をいたければと思います。
○井上(孝)政府委員 いま御質問にございましたように、奄美には従来国道がございませんでした。昨年の四月から、国道五十八号ということで縦断線を一本国道にいたしました。自来、その整備をこれから努力し、推進しなければならぬというふうに考えております。 現在のところ、国道五十八号線の整備状況は五十年度末で改良率が九三%、舗装率七六%ということに統計上はなっております。ただ、道路整備を私ども建設省の手でやるようになりましたのは四十九年からでございます。それまで自治省でおやりになっていたわけでございます。そのときの整備の基準が、交通量等の関連があったと思いますが、改良済みというものの基準が非常に低いというようなこともございまして、内地の国道よりもやや規格の劣る整備がなされておる。その点は、国道にも指定されたことでございますし、建設省が統一的にやることにもなりましたので、これからは内地並みに整備を進めてまいるということでせっかく計画をつくっておるところでございます。昭和五十年度は事業費が国道で五億六千八百万円、これは補正後でございます。引き続き五十一年度、今年度もさらに事業費を増大させまして、整備を促進してまいりたいというふうに考えております。
○保岡分科員 いま予算措置についてお話をいただきましたけれども、やはり奄美大島における道路は、この国道に限らず、非常に生活関連性が強いと思います。というのは、各部落をつなぐ交通機関は、基幹道路としてこういう道路が唯一の道路であることが非常に多いのです。本土のようにいろいろ道路があって、多少回り道すればいろいろと行けるような細かく道路網が整備されておるところと違いまして、部落と部落とを結ぶ唯一の交通手段になるということで、復帰してから二十数年たっておるわけでありますが、いまのお話しの自治省所管の時代に実は五年セットで予算を組んでいったということが、財政が高度成長に伴って非常に伸びていく時期にむしろ制約になって予算が抑えられて、ベースがきわめて低くあったので、このところ建設省で所管していただいてから、規格、単価その他も適正にしていただいて、本格的な道路予算を組んでいただいておるのでありますが、なおベースが非常に低いので、毎年の予算というものが、地元が期待しているほど出ないというのは、先ほどの港湾の問題と同様な問題があるのです。 そこで、やはり生活関連であるという点においては、奄美大島などは住宅とかあるいは下水道とかこういった予算すらいままではほとんどなくて、ことし若干調査費が下水道についた。したがって、抑制政策の中でも非常に苦しんだ。こういった文化的な公共事業がないものですから、道路が最低の文化的な公共事業であるにかかわらず、公共抑制の最も強い力が道路に政策的にかかって、奄美大島の予算は他のところに比べては大いに伸ばすことに努力した結果なっておりますが、なおその制約下において予算の伸び率が十分でなかったという点がある。ことしは道路の予算がかなり優遇されましたので、われわれも期待するところの予算がとれたような気がしてうれしく思っておりますけれども、今後のことを考えると、このベースをさらに強くしていかなければならぬ点は港湾と全く同じでございます。したがって、特に国道になったからには、その国道に値する整備をやはり目に見えてやっていただきたい。いままでおくれているだけに、多少力を入れれば目に見えて事業が推進できる、私はそのように確信しております。 それから、国道昇格に伴って基幹県道を主要地方道に昇格させていただきました。そういうことで道路再編成も行われて、この主要地方道に昇格した地域の方々は、それなりにまた期待を非常に強くしております。そういうこともありますので、今後御努力を願いたいと思います。 そこでもう一点、この国道は名瀬と笠利の間の竜郷町というところを通りますが、ここにトンネルを掘ってほしい。非常に曲がりくねった道路で、現在簡易舗装をしてあります。これはトンネルを掘るということで、完全舗装をすることは予算のむだ遣いになるということで簡易舗装をしてありますが、この舗装が非常に傷んでおる。しかも、この間の災害で道路のがけが崩れました。これは自治省所管時代に、自治省の御努力は認められるにしても、やはりセットになったわずかの予算を後年度になるに従って延長確保するために非常に薄めて使ったために、がけの擁壁を完全にしていなかったり、いろいろ手抜きをしていた関係で、今度の災害につながっておるのです。そういったことで災害も起こって、がけ崩れが相当あって、その復旧作業も現在でもまだ十分なされておりません。そういうことで、トンネルを早く掘ってほしいというのが地元の要求なのでありますが、この本茶トンネルの見通しについてお伺いをしたいと思います。
○井上(孝)政府委員 国道五十八号線の本茶工区につきましては、昭和五十年度、前年度から約一千万円の事業費でルートの調査に着手をいたしております。今年度、五十一年度も引き続き、相当大規模なトンネルになりますので、ボーリング調査、地質調査、設計等を実施いたしまして、調査をできれば完了させたいというふうに思っております。その後、来年度以降に用地買収あるいは取りつけ道、そしてトンネルの着工というふうな段取りで進めてまいりたいというふうに考えております。
○保岡分科員 このトンネルを掘るのには二十数億かかる、こう聞いております。そうすると、やはりこれは道路予算で組むのだろうと思いますので、調査が完了して具体的な工事を行うようになりますと、従来の予算のベースを思い切って引き上げていかないとなかなか数年で——何キロでしたでしょうか、かなり長いあれではありますけれども、せめて数年で掘ってほしいという要望がありますので、予算も思い切って伸ばさなければならぬ。 そうすると、従来予算を大きく伸ばしてほしいというときに奄美大島は、全国枠、それから北海道枠、沖繩枠、離島枠、奄美枠という別項扱いになっておるので、一カ所だけ予算がぽっと伸びると非常に目立ってなかなか急にさっと伸ばせないのだ、必要に応じてぱっと予算をつけられないのだ、こういうお話をよくお役所から聞かされてまいりました。そういうわけで、このトンネルを掘るについては、特に予算を従来の伸び率にこだわらないで思い切って伸ばす姿勢がないとむずかしいかと思うのです。そういう意味で、全体の予算の問題でもありますけれども、いま私が申し上げた点についてどうお考えか、御答弁をいただきたいと思います。
○井上(孝)政府委員 このトンネルに着工いたしますと、全体事業費が取りつけ道を含めますと四十八億ぐらいと積算されておりまして、先生のおっしゃるように費目が別でございますので、非常につらい事態になるのではないかと予想されますが、この点につきましては、トンネルというのは着工いたしますとなるべく早く完成いたしませんと経済的にも損失でございますので、この辺は国土庁とよく相談をいたしまして、なるべく支障のないように進めていきたいと思います。
○保岡分科員 それから、昨年の夏に徳之島、笠利町、竜郷町、名瀬市というところで大変な災害がございました。これは先ほど申し上げたように、河川、道路の工法を、従来予算が少なかったために事業の量を確保するために薄くして、手を抜いてと言ったら語弊がありますけれども、手を抜かざるを得ない状況でつくったために災害が起こった。しかも、その災害の復旧が十分できない間にすぐにまた災害が襲ったのが去年の秋の災害で、二次災害が大変な状況で、有史以来の被害を受けました。この点については建設省で早速直接調査などに行っていただきまして、その後事業は進んでおるようでありますけれども、その後もうやがて一年を経過しますので、どういうふうになっておるのか、今後の災害復旧の見通し等についてお伺いをしたいと思います。
○増岡政府委員 昨年の七月と十月の二回にわたりまして徳之島の災害があったわけでございます。非常にお気の毒なことであったわけでございます。その後調べてみますと、被害個所が四百五十三カ所に及んでおりまして、この復旧費だけでも二十億一千万に達しております。 この復旧対策につきましては、三カ年復旧を目途として、被害の大きなところから逐次実施しております。初年度でございます五十年度は、おおむね四億五千万の復旧を完了しております。それから本年度の五十一年度は、復旧計画といたしましては累計で十六億一千万の実施を予定しております。これはパーセントでいきますと累計の八〇%に相当するわけでございます。また、再度災害を防止するために災害関連事業四カ所、金にいたしますと六億九千万を、これも三年間で実施することとしております。 なお、徳之島ほか二町村につきましては、激甚災害に係る特別財政援助の特定地方公共団体に指定されております。 さらに、この工事のことでございますけれども、地元の建設業の皆さん方に奮闘努力していただいておりますけれども、それを上回る仕事量でございますので、県内といいますか、鹿児島県におかれましても非常な協力体制をいまとっておりまして、資材の輸送、労務者の確保等、万全の準備をもってただいま施工に努めておるわけでございます。
○保岡分科員 大変適切に対処していただいてありがたいと思います。 いま県内からというお話がございましたが、これは十分注意しないと、いま局長がお話しのように労務者を外から確保してこないと、業者だけたくさん入っても、やる人間が限定されておりますと労務賃が必要以上につり上がるだけの結果になって、他の農作業その他の賃金にも非常に悪影響が出てくるわけです。そういうことでございますので、地元の建設業界も自分のできる能力は最大限発揮するということで、これだけの、三カ年間ということになりますとプラント計画もかなりできると思いますので、十分指導していただいて、できるだけ地元でやって、外から来る場合には労務者を十分確保するということが前提であることをまた御指導をいただきたい、このように思います。 以上、建設省について関連の深いものについてお話を聞いてまいりましたけれども、せっかく大臣が来ておられますので、大変恐縮でございますけれども、いま質疑を通じておわかりのとおり、奄美大島の道路の予算は非常に生活関連が強くて、住民が、唯一の国が具体的に目に見えてやってくれる最大の事業であるということで注目をしておりまして、従来それがおくれておった点、それから災害が起こりやすくて、災害が起こってがけ崩れ等で交通が遮断されると、離島でありますから唯一の交通手段で、回り道ということがきわめてむずかしいので非常に苦しむ。あるいは家をつぶされると生活を根底から失わしめられて、ただでさえ離島で苦しい生活をしておる住民にとっては非常に大きな痛手であるということがありますので、建設省所管については以上二点は特に重要であると思うのでありますが、大臣から施策の充実についての御努力についてお約束をいただければ幸いでございます。
○竹下国務大臣 保岡委員の道路局長、河川局長とのやりとりは、私も十分聞かしていただきました。お約束をしながら、私事にわたって失礼ですが、いまだ奄美群島に参っておりませんことをむしろおわびを申し上げる次第であります。 ただ、私自身も、国道昇格が認められましたときに、一体奄美群島の道路がどうして国道になるだろうかと不思議な気がいたしたことを想起いたしております。みんなが知恵をしぼって、那覇が起点で鹿児島が終点、海の上が大部分でありますが、そうまでみんなが知恵をしぼりながら期待にこたえようとしたという努力は、保岡委員の努力に全体がこたえたことではないかと、いまになって質問を受けながらしみじみと痛感をいたした次第であります。 元来、生活関連公共事業とは住宅であり、下水道であり、あるいは緑地公園である、道路、河川などはこれは産業基盤である、こういう一つの定着した物の考え方に立っていろいろな御発言の向きが時にございますが、まさに私も過疎地帯でございますけれども、離島等は道路そのものが暮らしそのものである、大体そういうふうな分け方自体が、なかんずく過疎地帯、離島等ではあり得べき分け方ではない、こういうふうに私は思っております。その意味において、せっかくの努力でこの国道になったわけでありますから、真に客観的に見てもこれはなるほど国道であるという姿のものにしなければならない。 しかも、承っておりますと、いわゆる公共事業等が地域的に集中した場合、あるいは資材の値上がりでありますとか、労務費の高騰でありますとか、そういうところまで細かい配慮を当局に御要望の向きであります。そういう、すべてただ予算をつけろつけろと言うだけでなく、それが消化に当たっての島民の生活に直結する各般の問題について総合的にとらえて質問をなさったその勉強に対しては、私も頭を下げて謹んで拝聴をさしていただいた次第でございます。 まさに道路とは暮らしそのものであるという前提の上に立って、この離島、なかんずく奄美群島の開発に今後とも努力をしていきたいし、また保岡委員におかれても、それこそこのこよなく愛するふるさとのために生涯をかけてこれが開発に取り組んでいただくことを私からもお願いをいたしまして、お答えにかえます。
○保岡分科員 どうもありがとうございました。ぜひ大臣に奄美大島の御視察を願いたいと思います。 次に、郵政省について御質問をさせていただきたいと思います。 現代は非常に情報化社会が高度に進んでおります。したがって、十分な情報を得るということは生活の基本的な条件になると思いますが、奄美大島は離島でありますし、県本土から非常に離れております。三百七十キロほどございます。しかも、その一番北から南まではさらに二百キロぐらい間がございまして、その間に島が点在しておる。面積、人口とも沖繩の六分の一はあるのですが、沖繩に対する関心度合いに比べて果たして奄美大島が沖繩の六分の一の関心を持っていろいろ考えられているか、若干不安になるわけでありますけれども、これだけ人口もあり、その住民に対しての情報というものは非常に大事な要素になると思うのですが、いま新聞なども、大新聞のものは鹿児島から船や飛行機で持ってまいりますから、その日の夕方か翌日しか配達されません。しかも地元紙というものも、名瀬市を中心として即日配達になりますが、他の地域はそれを郵送で送っておりますから非常におくれる。したがって、唯一の非常に即時の情報の取得はラジオとテレビでございますが、ラジオは前からあります。NHKは三十九年度に初めて放送されることになりまして以来、その役割りは非常に大きなものがあると思います。ところがこのNHKは、山あり谷ありで、しかも本土のように山の方には何人かが少数残っておるという形態でなくて、三百戸、二百戸という集落がやむを得ず山間谷間にたくさん、全部で言うと五百近く部落が点在しております。したがって、そのように大事なNHKのテレビが、難視、難聴地区というものが多いのです。娯楽の少ない地域でもありますし、ぜひNHKには、他の地域に対する施策以上に、その特殊性を考えて充実した予算を組んでいただいて、今後に対処していただきたいのでありますが、現在の状況と将来の方針についてお答えをいただければと思います。
○石川(晃)政府委員 お答え申し上げます。 奄美群島には現在二十地区にNHKのテレビジョン放送局を置局しておるわけでございます。この二十地区の局によりまして奄美群島の大部分はカバーされているわけでございますけれども、まだやはり一部の地域に難視聴世帯が残っておりますので、NHKといたしましても、昭和五十一年度には新しく五地区に置局をしたいという計画を持っております。この五地区と申しますのは、大島では名瀬井根、名瀬浦上、大和南、大和北、この地区でございます。徳之島は天城地区、この五つの地区に五十一年度NHKが新しく置局をするという計画を持っておる次第でございます。 なお、まだそれにいたしましても少しは難視聴地域というところが残るかもわかりませんが、これはNHKに対しましてさらに受信状況を調査させまして、そうしてなるべく難視聴を解消するように指導していきたい、かように考えております。
○保岡分科員 いま具体的に伺いましたが、ぜひ御努力をお願い申し上げます。 それからもう一つ、電話のことについてお尋ねをしたいと思います。 奄美大島は、いま申し上げたような集落地形でございますので、交通機関も発達しておらず、電話の果たす役割りというものもきわめて重要であります。ところが、普通加入地域というのは非常に限定をされておりまして、ほとんどが特別加入地域になるということで、特別加入地域になりますと一メートルごとに九十円払わなければいかぬということで、百万円前後のお金を払わなければ電話一本引けないという大変な負担を地元民に負わしておるのであります。したがって、普通加入地域の拡大ということは、この地域の特殊性に合わせて、他の全国の基準と違った取り扱いを検討していただくのでなければ、必ずしも実情に合わないし、特にまたこういう地域でありますから電話の必要性は大きいので、そういう点の御配慮が必要かと思うのでありますが、その点と、もしそれができない場合、暫定の措置としても、とりあえずの措置としても、公衆電話等も設置の要請については十分こたえていただきたい。その点と、電話の自動化がいまだなされてない地域がかなり残っております。これも整備が急がれて、努力の点は評価をいたしますが、地域にとって非常に要望が強いので、以上の点について御答弁をいただきたいと思います。
○遠藤説明員 お答えいたします。 いま三つ質問をいただきましたので、逐次お答えいたします。 なお、一番最初におっしゃいましたが、奄美大島の電話の事情は沖繩よりははるかにいい事情でございます。ただ、本州よりは若干地形の関係でおくれておりますが、沖繩より悪いということはございません。これは大体人口当たりの加入数でございますとか、人口当たりの公衆電話の数から見ましてそういうことが言えるかと思います。 それで、最初の加入区域の問題でございますが、現在この加入区域は、大体平均いたしますと半径二、三キロの範囲、もっと小さなところもございますが、全国的にそうでございます。それで、この問題は奄美大島だけでなく全国的に、こういう非常に便利な世の中になり、また生活圏の拡大に伴いまして要望がございます。そこで、私どもといたしましては、大体昭和五十二年までに現在の加入区域の広さを大体電話局中心に半径五キロの範囲まで広げたい。五キロと申しましても機械的に五キロの円を引くのではなくて、奄美大島では、お話のございましたようなかたまった集落は少し遠くてもその中に入れるというような形で現在すでに工事を起こしております。いま国会に提出しております公衆電気通信法を通していただきますと資金もまとまりますので、工事も急いでできるかと思うのでありますが、そういう前提のもとで、私どもといたしましてはすでに五キロの工事を奄美大島にもやっております。その先になりますと、いまのところもう少し先になろうかと思いますが、とりあえず五キロまで広げるということにいたしております。 それから自動化の問題でございますが、自動化の問題につきましては、奄美大島には電話局の数が十九局ありますが、そのうち十二局までがすでに昨年度末で自動化を終わりました。これも全国的でありますが、残り七局につきましては大体五十二年度末までにいたしまして、まあ若干五十三年度にかかるのがあるかもわかりませんが、あと二、三年のうちには全部自動局になろうかと思います。 それから、その間のつなぎでございますね、いわゆる公衆電話、これにつきましては現在もう私どもの方に陳情いただいておりますし、私どもがいただいておる陳情につきましては、できるだけ公衆電話をつけるようにいたしております。なおそのほかにございますれば、また考えさせていただきたいと思います。 以上でございます。
○保岡分科員 どうもありがとうございました。ひとつよろしくお願いをいたします。 それから、時間がもうわずかになりましたけれども、最後に国土庁に一点伺いたいと思います。 それは、奄美大島におけるいわゆる離島の物価対策でございます。昭和四十九年の三月六日の予算委員会の第三分科会で町村自治大臣にその実情をお話ししまして、物価調査をするというお約束をいただいて、その結果、五十年の二月十九日に建設委員会で国土庁に御答弁いただいた際に、企画庁と県とそれぞれ三百万円ずつ、計六百万円計上して日本リサーチセンターに調査を依頼し、その結果が間もなく出る、こういう御答弁でございました。その結果が出て、その結果を見て対策を検討するという近藤局長の御答弁もあったわけでありますが、その後一年たちまして、この調査に基づいてどのような対策を進めておられるか、お伺いをしたいと思います。
○近藤(隆)政府委員 ただいま御指摘の調査は四十九年度事業といたしまして完了いたしまして、「奄美大島における生活物資等の価格形成実態等調査結果」ということで報告を受けております。非常に詳細な分析がなされておりまして、物価対策についていろいろな提言がなされておるわけでございます。 時間の関係もございますので簡単に申しますと、まず総合的対策といたしまして、輸送コストを引き下げるように努力するのが第一番である。それから保管設備の整備拡充を図ること、それから、特に奄美の場合には非常に流通機構が整備されておりませんし、小売店の数も非常に多くて皆小規模であるというような事情がございますので、競争条件の整備を図ることが必要であるというようなことを、特に総合的対策として挙げております。 そのほかに、十数品目にわたります生活必需物資につきまして、たとえば青果物、魚介類、豚肉、ノート、ちり紙、砂糖、LPG、ガソリンといったようなそれぞれについて、どうしてこれらの価格が鹿児島市等に比べて高くなっておるかという分析を行って、その原因を追求し、それに対する対策を提言しておるわけでございます。 これを受けまして、私どもといたしましていろいろ検討をしておるわけでございますけれども、何と申しましても離島で物価が高い第一の原因は、やはり輸送コストがかかるということだろうと思います。それにつきましてはやはり港をよくする、船を大型にするというようなこと、あるいは島の中の道路をよくするというような、そういった関係の設備をよくするということがまず第一の条件であろうかと思います。 それから、特に奄美の場合気がつくのでございますけれども、たとえば野菜などは自給率が五割に満たないような状況でございます。それから、特に奄美の場合には豚肉が生活必需品でございますけれども、その自給率も五割を割っておるというようなこと、それから、周りが海に取り囲まれておりますので魚ぐらいは自由になるかと思いますと、魚も鹿児島市よりは高い。いい魚はいろいろとれますけれども、それは鹿児島の方へ行って、いわゆる大衆魚を鹿児島から持ってくるというようなこともいろいろあるようでございまして、やはりこの島の中でこういった生鮮食料品を自給するという体制を確立することが急務であろうかと思います。 これに対しましては、鹿児島県も昨年から野菜につきましては契約栽培などを推進いたしまして、安心して野菜をつくることができるような対策を若干講じておるようでございますけれども、私どもといたしましても、これらの関係の農業基盤整備については特にこれからも配慮していかなければならないと思います。 なお、豚の問題につきましては、御存じのように名瀬の郊外に振興事業としてつくっておりましたところの養豚団地、これがちょうど五十年度事業で完了いたすわけでございまして、これが本格的に働き始めますと、ある程度自給率が高まってくるのじゃないかと思っております。 それからなお、水産物流通対策につきましても、これはいろいろな調査も必要でございまして、私どもの方でも調査費等も計上いたしておりますけれども、やはり漁港の整備というようなこと、あるいは冷凍施設の整備、そういったことが必要ではないかと思っております。 それから、先ほども申しましたように流通機構というものが奄美の場合には特におくれておるわけでございますので、そういった面での整備、それから消費者の物価に対する目を覚ますと申しますか、賢い消費者になるというような消費者活動、そういったものもほとんど行われておらないような状況でございますが、そういった点につきましても、地元では消費生活相談所を設けるなどして努力を始めておるようでございます。 いずれにいたしましても、この離島の物価というのは非常にむずかしい問題でございまして、国土庁ひとりでできるものでももちろんございません。関係各省いろいろ相談いたしますし、また県あるいは市町村、それから地域住民の方々、農協、漁協、そういったものが一体となってあらゆる手を講じていかなければならないと思っております。幸いにして、先ほど御指摘がありましたレポートにはいろいろ詳細に提言が掲げられておりますので、私どもじっくりこの問題に取り組んでいきたい、そのように考えております。
○保岡分科員 いま運賃コストが非常に大きな要因の一つである、こういうお話でしたが、これとてこの運賃を安くすると今度は船会社の経営がうまくいかないということで、いつも運賃を決める際に地元と運輸省ですったもんだするわけでありますが、結局は、航路を維持するために運賃はある程度上げるのはやむを得ないということでいつも説得させられるのです。この問題なども、では国が一体どういうふうに運賃コストの低減のために施策を講ずることができるかということ。離島航路整備法というのもありますが、これは競合路線には補助金を出さないとかいろいろ運用上の制約もあって、これは一つの予算の歯どめのために設けられた運用規定だと思うのですが、そういったいろんな制約があって、こういう内航路の運賃体系というか、遠い地域の人が負担をしなければならぬ限界というものはどこにあるのかという、山間僻地や離島や奄美、沖繩、みんな関連する問題なので、奄美一つの問題でないということはよくわかるのでありますけれども、だれかが具体的に早く始めないと、この問題は問題提起ばかりされて一歩も進んでいかないという結果になります。したがって、奄美等離島を所管する国土庁においてぜひ中心になっていただいて、何とか具体的にこういった問題が進んでいくように、あるいは物価の審議会等で何か専門部会でもこのような観点から設けられるように考えていただく等、具体的な施策が問題提起に沿って進んでいくように、ぜひ御努力をいただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○渡部(恒)主査代理 これにて保岡興治君の質疑は終了いたしました。 次に、宮崎茂一君。
○宮崎分科員 きょうは時間も余りございませんし、この前運輸大臣には全般にわたりまして質問をいたしましたので、きょうは三つの点に限って質問をいたしたいと思っております。 昭和五十一年度の予算というのは、住宅だ、あるいは下水道だと、公共事業の中でもいわゆる生活関連の方に重点を置かれたようなニュアンスがあるのだ、こういうふうに聞いておりますが、先ほど建設大臣から道路はそうじゃないのだというお話がございました。そういった意味から、現在本当に地方の方で要望のあるもの、これは田舎の方に参りますと、住宅とか下水道というものよりもやはり道路であり鉄道であり、産業の発展の基盤をなすところの交通施設であろうと私は思います。下水道とか住宅というのは大都市で非常に要望が強いわけでございますが、私のような鹿児島の果ての者にはやはりまだまだ道路であり鉄道であり、また港湾であり空港である、こういうようなことでございますので、私はきょうは国鉄の建設問題、それから一部空港の問題、道路の問題、この三つの交通基盤の整備につきまして御質問をいたしたいと思うわけでございます。 まず、運輸省関係から御質問したいと思いますが、この前も大臣には一般的な質疑を申し上げましたので簡単に申し上げますが、国鉄は御存じのように大変な赤字でございまして、三兆何千億という借金をたな上げにして、利子は全部国から出してやる、そしてまた運賃も上げなければならぬというように非常に財政がむずかしいわけでございまして、新幹線建設とか新しい国鉄の建設ということは思いもよらぬというようなことにもなるかと思いますけれども、しかし、いま企図しておられますところの財政再建、そういったものが予想どおり行くという前提のもとにひとつ話を進めてみたいと思うわけでございます。 私どもから見ますと、まずやはり新幹線の問題でございます。東京から博多まで新幹線は行っておりまして、いま上越と東北新幹線、この二つの工事を一生懸命やろうとしておるわけでございます。そしてまた、盛岡−青森間あるいは青森−札幌間、北陸新幹線、博多−鹿児島間、博多−長崎間、こういった五つの新幹線は調査費をつけて調査線としてやっておるわけでございますが、当局にお伺いいたしたいのは、この現在工事中のものが完成をいたしましたならば調査線の新幹線を着工する予定であるかどうか。もちろん野党の諸君には、もう新幹線なんというのは全部やめてしまえという議論もございます。しかしながら、私は考えますのに、これは人間にいたしますと足の先から頭のてっぺんまで一応は動脈を通さないと国民は納得しないだろうと思うのでございます。 これは実例でございますけれども、私のところは、実は博多まで新幹線が通じないうちは観光客が相当鹿児島にも来たのですが、博多まで通じましたところが、大阪の観光客は全部佐賀とか長崎とか雲仙とか、あの辺でとまってしまいまして、鹿児島は非常に観光客が少ない。そういったような地域的に非常に大きな影響を及ぼすわけでございまして、新幹線というものがいかに地域経済社会に大きな影響を及ぼすかということが実情でございます。 〔渡部(恒)主査代理退席、主査着席〕 そういった観点から、時期の問題は財政と非常に絡みがございますから問題があると思いますが、調査新幹線は全国的に見ておやりになるのかどうか。特に博多−鹿児島というのは、先ほど申し上げましたように、やはり人体にすれば足の先まで血は通わしていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、この点どなたかお答え願いたいと思います。
○木村国務大臣 新幹線につきましては、約七千キロのネットが法律でできておるわけでございますが、現在は御指摘のように三線着工いたしておりまして、鹿児島−博多間の鹿児島線と申しますか、それらを含めた五線が整備計画の中に入っております。いま着工いたしております。たとえば東北新幹線あるいは上越、これが最初五十一年末には完成の予定でございましたけれども、一昨年来の不況等が災いをいたしまして、いまの状況では予定よりも二年以上延びるのではないかというのが実情でございます。 われわれといたしましては、七千キロ全体についての問題は別といたしまして、現在建設中のもの、それから整備計画のできております五線につきましては、日本全体の均衡のある発展という見地から考えましても、また背骨に当たるべき交通機関でもあるわけでございますので、これはとにかくぜひ着工して完成をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。したがって、着工中のものが完成が二年以上延びましたので、それと大体同じような影響を受けて、整備五線も着工が多少延びると思います。これからの日本の経済の動向あるいは環境問題等が、国鉄につきましても非常に思わぬ多額の費用を要するようになりましたので、それらの影響も考えながら、現在の着工三線の次にはこの五線だけは着工をいたして完成に持っていきたい、ざっとこういうふうに考えておるわけでございます。
○宮崎分科員 事務当局に伺いますが、博多−鹿児島間というのはいつ着工になるか、大体の見当はつきますか。
○住田政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、現在工事中の新幹線ができました後、五つの整備新幹線の着工にかかることになるという段取りでございますけれども、幾つか問題があるわけなんです。 一つは、将来の長期的な展望といたしまして、三全総の中で新幹線をどの程度やれるかという点について、まだ決まった方針が出ていないわけです。したがって、三全総の中で新幹線が何千キロになるか、それが決まりました上で整備新幹線をどう扱うかを決めたいという点が第一点でございます。 それから、二番目に環境問題。先ほど大臣からもお話がありましたが、環境問題も非常に大きな問題でございまして、昨年、騒音に関する環境庁の告示が出ておりますし、最近は振動に関する勧告が出ているわけでございます。また、今後は環境アセスメントの問題がありますので、地元地方公共団体等と今後いろいろな話し合いをする必要があるわけでございまして、その話し合いが円満にいくかどうか、まあ私どもの予想といたしましては、かなり難航する場合もあろうかというように考えております。 それから、もう一つの問題点といたしまして国鉄財政再建の問題でございますが、国鉄財政再建ができたといたしましても、今後国鉄が新しい路線をつくって、そのために赤字がふえていくということでは、国鉄の財政が破綻するおそれもあるわけでございまして、今後新線を建設する場合には、その新線の損益はどうであるかということをよく検討する必要があるわけでございます。特に環境問題その他で工事費も相当高くかかることになりますので、そういう点の見通しが立ちませんとすぐ着工できることにはならないのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、本年度着工するというような段階ではないと思っております。
○宮崎分科員 大臣は新幹線について、いまやっているものが終われば、調査線だから経済、採算とかそういったことは別にしてでもとおっしゃるかどうかわかりませんが、とにかく調査線はやるんだ、いろんな条件があってもやるんだ、こういうお話でございました。常識的に考えますと、上越、東北が終われば、五十三、四年ごろに終わると思いますが、その前後ぐらいから、これは工事ベースだけ考えますと、やはり調査線のうちのどこかに着工せぬといかぬのじゃないかと思いますが、大臣、これはいかがですか。やはり引き続きある程度、財政も許せば、あらゆる条件が緩和できれば、いろんなほかの環境問題とかあるでしょうけれども、あらゆる条件が整えばやりたいというお考えだと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○木村国務大臣 いま局長が申しましたようないろんな問題点があるわけでございますが、御指摘のように、そういった問題点についてある程度の見通しが立ちました場合には、やはり私は、少なくとも整備五線までは着工をし、完成をする必要があるのではないか、かように考えております。
○宮崎分科員 それでは、もう時間もございませんから、あと国鉄の既存線の問題について若干触れてみたいと思いますが、大都会は非常に混雑をいたしておりますし、もうこれ以上人口が集中しては困ると思うのでございます。ですから、なるべく地方の方に人口を分散しよう、そういうようなことで地方の中核都市を育てようということで、ちょうど国土庁長官おいでになりませんが、国土庁の方でもそういうことを考えているようでございます。 これは私の郷里のことで恐縮でございますが、鹿児島もいま年間一万人ぐらいずつふえております。これも港をつくりまして工場をこれから誘致しようということでやはり地方都市は、県庁の所在地でもございますから、そういったところはふえる、そのほかは減る、こういう形でございますが、ああいった地方都市は、私鉄なんか全然ございません。ですから、国鉄が通勤に使われているわけです。ですから、そういうことを国鉄でも調査をされたと思うのですが、鹿児島本線の複線化をいまやっておられます。西鹿児島の方から東市来ぐらいまでいまやっておられる。これはだんだんやっていきますと、川内という市がございますが、ここは原子力発電所をつくろう、こういうことでございますが、これが鹿児島で二番目か三番目かの大きな町でございますから、大体そこぐらいまでは通勤圏になるのではないかと思います、これは期限はいつと申し上げられませんが。そこで、東市来までのいままでの工事を、輸送状況によっては先の方に延ばすような計画を持っておられるかどうか、それを延ばされるかどうか。 ついでにもう一つお伺いしますけれども、鹿児島市は南の方に発展しております。ですから、指宿というあの温泉町がございますが、ここに行く指宿線という、これは非常に貧弱な線でございまして、まだ四十本かそこらぐらいしか列車が走っておりません。ですが、これも工業地帯が発展しますとだんだん通勤輸送に使われますし、大学もできましたし、非常に混雑しております。ホームも短くて困っておるということで、これをひとつ輸送力増強という立場から何とかやるような計画はあるかどうか、この二点について、まことに恐縮でございますが、事務当局からお伺いしたいと思います。
○高橋説明員 ただいま先生の御指摘のございましたように、鹿児島本線の方は鹿児島から川内まで約五十キロございまして、先生のおっしゃいますように、このうちの鹿児島から東市来までにつきましては、ちょうど半分でございますけれども、ただいま複線化の工事を進めておりまして、大部分が実は完成間近になってございます。いま御指摘のように、この付近は鹿児島への通勤圏として非常に人口がふえつつございまして、列車回数も百十本以上も入っているというような状況でございますので、これは逐次複線化による輸送力増強を進めてまいりたい。 なお、南の方にまいりますと、指宿線につきましては、ただいまのところは列車本数は四十本程度でございますけれども、やはり住宅の開発その他で伸び率が非常に高うございますことは私どももよく了知いたしております。年率五%以上の輸送の増がございまして、この輸送の増に見合いまして、列車の増備、あるいはホームを長くいたしまして輸送力をつけるということについては逐次検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○宮崎分科員 それでは、次に簡単に航空局長にお伺いしますが、この前私はここで大阪空港なりあるいはまた新東京なんか大臣に質問いたしましたので、これも恐縮ですが、鹿児島空港をこれから三千メートルの滑走路に増強しようという話でございまして、これはことしからおやりになるかどうかという点と、何年ぐらいまでに完成するのかということ、そしてまた、いま香港にも国際線が飛んでおりますし、ナウルという小さな国でございますがそこにも飛んでおりますが、御承知のように鹿児島の商工会議所あたりで、台湾にひとつ飛行機を飛ばしたい、国際線と申しますか、そういうような話がございますが、これらの点につきましてどういうふうなお考えか、その三千メートルにするのが台湾とのフライトにすぐつながるのかどうか、この辺のことをひとつお聞きしたいと思います。
○中村(大)政府委員 鹿児島空港の三千メートル延長は、やはり今後の機材の大型化ということに備えまして、新しい五ヵ年計画の中でこれを取り上げてまいりたいということで現在計画を進めておるわけでございます。具体的に五十一年度にどの程度の仕事をいたしますかという点につきましては、まだ空港ごとの具体的な工事内容というものを決めておりませんので、いずれ財政当局とも協議いたしまして決めてまいりたいと思います。いずれにいたしましても、今後のテンポでございますけれども、これはやはり各空港の持っております緊急度というものと全体の財源との勘案をいたしまして決めてまいりたいというふうに考えております。 それから、日台空路の問題でございますけれども、これは現在、台湾と日本との間で民間ベースで航空路が開設されておるわけでございます。これが今後どのように発展いたしてまいりますかという点については、民間ベースの今後の協議ということに相なろうかということでございまして、政府といたしまして、現在の段階ではまだそれを承知しておるという段階ではございません。
○宮崎分科員 民間ベースで話が進めば政府はオーケー、こういうことになるわけですか。
○中村(大)政府委員 これは民間ベースでいろいろお話がございまして、それから交流協会と亜東協会との間でいろいろ協議をする、こういうことになっておりますので、その内容がどのようなものであるかということを見た上でないと、政府として直ちにこれにどのような判断を下すかということは仮定のことでございますので、現在の段階では申し上げられないわけでございます。
○宮崎分科員 それでは、運輸省関係はこれで打ち切ります。 次に、建設省関係の道路でございますが、先ほど申し上げましたように、ことしの公共事業対策というのは不況対策ということでございまして、下水道、住宅等が重点になっているようでございますが、建設省予算の中で、やはり道路というのは一番大宗でございまして、不況対策の一番大きな中心の柱に据えられるべきものだと思うわけでございます。 私は、先ほど申し上げましたように、東京、大阪、神奈川、愛知とか、こういったような大都会は非常に過密になってきた、これからは分散をしなければならないということは常識だろうと思うのですが、それに加えまして、東京、大阪、神奈川等は赤字に困っているのではないかと思うわけでございまして、五十一年度の道路予算の配分ということについて、建設省はどういうふうなお考えを持っておられるのか。生活道路というような考え方もあるでしょうし、やはり全国的に見ますと、道路が混雑している個所は非常に困っているわけですね。これはやはり隘路解消ということをやらないと、経済発展が四、五%だ、いままでの高度成長ではないとは言いながら、現在すでにボトルネックになっているわけでございますから、四、五%伸びても、これはやはりボトルネックになるわけです。 ましていわんや地方におきましては、これから鹿児島みたいに、人口が一万ずつ毎年ふえるというような地方都市は、これはやはり先ほど申し上げましたけれども、住宅よりも下水よりもやはり道路だ、こういうことなんですから、その点私はなるべくそういう必要なところに、地方に分散していただきたい、地方にうんとばらまいてもらいたい、こういうふうに思います。それがまた中小企業、建設業の立場からも本当にこれはいいことではないかと思うわけでございまして、五十一年度の道路予算の配分に対する考え方、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○井上(孝)政府委員 五十一年度の道路関係予算につきましては、生活環境の改善、交通安全の確保あるいは交通公害の防止というような社会的な強い要請に対応しつつ道路整備を推進するというために、末端の生活道路であります地方道の整備あるいは交通安全施設の整備事業といったような国民の日常生活と密接な関係のある事業につきまして、特にこの整備を推進することを基本といたしております。 地域配分に当たりましては、先生も御承知のように道路整備の現状といいますか、あるいは道路交通需要というものは地域によってかなり差がございますので、地域配分に当たりましては、これらの実情を踏まえまして、人口、面積あるいは未整備道路延長、交通量及び交通事故の発生件数等を基本の要素にいたしまして、前年度の実績とか、それから地方公共団体それぞれの財政事情、そういったものを総合的に勘案しまして、全国的にあらゆる点でバランスのとれた配分を行う予定でございまして、結果といたしましては、道路事業は地方の方にある程度重点の移ったような配分になろうかと思っております。
○宮崎分科員 時間もございませんので、もっとお聞きしたいことはございますけれども、最後に高速自動車道路のことをちょっとお伺いしたいと思うのですが、先ほど新幹線のときにもお話をいたしましたように、ああいうような近代的な交通施設というものが地域経済に及ぼす影響は非常に大きいわけです。いま九州の縦貫自動車道路も福岡から熊本ぐらいまで通るようになりましたが、これも早急にひとつ鹿児島まで完成していただいた方が、鹿児島経済の発展のために非常に有効だと思うわけでありまして、福岡−鹿児島間の建設の完成の見通し、また中でも、私どもちょいちょい鹿児島空港から鹿児島市内の方に帰るわけですが、鹿児島市内の、つまり空港の溝辺インターチェンジから鹿児島西インターチェンジ、田上といっておりますが、これはいま工事中で、もうすぐ完成するのだろうと思うのですが、これがいつ完成するのか。この二点について、ひとつ事務当局からお聞かせを願いたいと思います。
○井上(孝)政府委員 九州縦貫道、福岡−鹿児島間の縦貫道でございますが、これにつきましては、御承知のように昨年の三月までに福岡から熊本までが完成をしております。その余の区間につきまして従来から整備を促進してまいりましたが、御承知のような四十九年、五十年、総需要抑制政策にぶつかりまして整備計画が相当おくれております。九州縦貫につきましてはおくれておりますものの、逐次促進をこれからも図ってまいりたいと思っております。特に福岡−鹿児島間で問題になっておりますのは、熊本から八代の間に塚原古墳という文化財にぶつかりまして、これの調査及びそれをいかに保存するかということで文化庁及び地元との折衝がなお続いております。これにつきましては、まだ私の口からいつまでに解決ということを申し上げられませんが、そういった関係で若干おくれておりますが、なお問題の解決に努力をしたいと思っております。 それから八代とえびのの間につきましては、御承知のような大変な山岳地帯でございます。大きなトンネルも必要でありますし、また一方、一般国道二百二十一号で加久藤峠に長大なトンネルを掘削したというような事情もございまして、この間につきましては、目下のところ日本道路公団の手でいろいろな調査を進めておりまして、この区間は若干おくれるであろうというふうに考えていますが、今後なお推進をいたしてまいりたいと考えております。 それから、お尋ねの鹿児島西インターと鹿児島空港、溝辺インターと申しておりますが、ここの間につきましては、現在御承知のように加治木インターから薩摩吉田インターチェンジ間が十七キロばかりでき上がって供用開始をいたしております。今年度、五十一年度でございますが、加治木インターから鹿児島空港までの間が、すなわち溝辺インターまでの間の七・七キロが今年度中に開通する予定でございます。また薩摩吉田インターから鹿児島インターチェンジの間は来年度供用開始を目途に鋭意工事を進めております。鹿児島インターから鹿児島西インターの間につきましては相当前に路線発表を行いまして、現在地元説明に入っておりますが、主して取りつけます国道三号線のバイパスルート問題が、若干地元との微調整の問題がございます。これはいまのところ、まだ見通しはついておりませんが、できれば今年度から用地買収に入らしてもらいたいというふうに考えております。
○宮崎分科員 そういう問題がございますから、努力していただきたいと思います。 最後に、もう時間もございませんから、一つだけお伺いして質問を終わりたいと思いますが、この中核都市を育成するためには、私はやはりその中核都市から放射状に出る道路網、これが一番必要だと思うのです。私の方の鹿児島でも、鹿児島から、つまり十号線、三号線国道ですね、それから南の方へ行きますと二百二十五号線、二百二十六号線、これを整備する。つまり、全部鹿児島市に用がある。地方の中核都市にみんな用があるわけです。ほかの方に用があるわけではなくて、県庁に行くにしても、あるいはいろいろな物を買う経済活動にしても、中核都市に用がある。また、中核都市の方も地方の過疎地帯に対して別荘を求めていくとか住宅を求めていく、あるいはいろいろな大学を分散していくということになるわけですから、放射状の道路網の整備というのは必要だと思うのです。この点につきましては、もう時間がございませんから、いま指宿に行く二百二十六号線ですか、二百二十五号線との間にいろいろ問題がございます。もう細かいことは申し上げません。正月とか日曜日には延々自動車がつながっているわけですから、そういう事情もお察しの上、ひとつ隘路打開のために努力されるように要請をいたしておきます。 そしてまたいま一つ、二百二十五号線、つまり指宿線と分かれまして川辺に行く路線でございますが、これは非常に鹿児島湾に面して、薩摩半島にも山脈とか山陵が鹿児島にうんと近く接近をしております。したがいまして、物すごい急勾配で、標高四百五十メートルか五百メートルのところに上っていくということでありますので、今後開発しようといたしますところの臨海工業地帯、谷山一号用地でございますが、これは石川島播磨重工が立地することになっておりますが、ここから川辺という町までは、平面的にはかりますと、鹿児島の駅までと同じ距離なんです。ところが、鹿児島の駅までの方はぎっしり住宅が建っていますが、川辺の方は何にもないということでございますから、地元の方ではトンネルを掘ってくれ、トンネルを掘ったら鹿児島と同じように発展するぞということで、非常にいま要望をいたしております。この点につきまして、建設省としてはどういうことになっておるのか、その一点だけお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○井上(孝)政府委員 鹿児島中心の路線につきましては、先生御承知のように、各種のバイパスを、三号、十号、二百二十五号について計画をいたしております。特に鹿児島市内の日赤前の交差点が非常に混雑をしております。これにつきましては非常に問題がございますので、鹿児島県及び市と今年度から調査に入りまして、都市計画決定の準備を進めたい。 それから、御指摘の二百二十五号線の川辺峠につきましては、大変な急勾配の区間が連続しております。交通量の増大とともに非常に混雑し、隘路になっておるということを承知いたしております。昨五十年度から計画線調査に着手いたしておりますが、今年度も引き続いて、各種の比較線につきまして、技術的に相当問題がございますので、煮詰めた上で工事の着手ということを考えております。
○宮崎分科員 これで質問を終わります。
○野田主査 これにて宮崎茂一君の質疑は終了いたしました。 次に、玉置一徳君。
○玉置分科員 まず、国土庁長官にお伺いをいたします。 先般、新聞の報ずるところによりますと、企業が買い上げておる未利用地を政府に買い上げてもらいたいというような法案の要綱をおつくりになった方がある。なお、経団連で財界の金融機関あるいは不動産業者等が集まりまして、同様な要求を政府にしようとしたというようなことを報じておりまして、長官は企業の救済に応ずるような気持ちはない、しかしながら国土の有効利用は必要であるので、その観点から活用できる土地利用の促進は別個に考える、こういうように御答弁されたと承っておりますが、現在も同じ御心境であるかどうか、お伺いしたいと思います。
○金丸国務大臣 ただいまの先生のおっしゃられるとおり、私は、企業が買い上げてほしいというような問題につきましては、この時点において、そのようなことについては私は考えてはおりません。また、参議院の有志の議員から、そういうような一つの試案というものは見せていただきましたが、貴重な資料としてお預かりをいたしますと、こういうことを申し上げたわけでありますが、ただこの機会に私が申し上げたいと思いますのは、土地という問題につきまして、田舎へ帰りましても、農振法のあるのを知らずや知ってや知らないけれども、あの土地ブームの時代に農家はその土地を売り、金をふところに入れて、後はそのまま土地は荒廃しており、また農地は宅地というようなものになるわけにもいかない、こういうようなことで、荒れほうだいに荒れておるというような状況を見ながら、国土庁がその土地という問題について無関心ではいられないことは当然でありますし、住宅政策を建設省が進めるにつきましても、宅地がなければ住宅政策を推進することができないことは当然でありますし、そういうことになりますと、いま国土利用計画法という法律があって、また金融も、土地投機等については厳に戒めてこれを抑制しておるということは、土地鎮静の私は最大の原因であろうと思うわけであります。 そういうことを考えてみますと、土地を動かすような方法を考えなくちゃならぬ。さりとて、その土地がまた騰貴するようなことになってもいかないというようなことで、この問題については看過しておくわけにもいかないということで、国土庁におきましては、土地局が中心になって一つのたたき台をつくり上げるべく、ただいま最大の努力をして作業をし、近々のうちにでき上がるのではないかと思うわけでありますが、私はこの問題は、与野党を問わず重大な関心もあることでございますから、われわれの考え方も野党の先生方にも十分聞いていただき、またわれわれも野党の先生方の意見も十分くみながら、土地を動かすということについて、土地が上がらずにいかにしてこの有効利用ができるかというようなことについて、ひとつこの機会にぜひ御協力をお願いいたしたいと思うわけであります。 私も、土地問題をこのままではいけない、あるいは税制が悪いのか、法律が悪いのか、どこか研究して、皆さんの総知をしぼってやったら何とか、いわゆる宅地政策にもマッチでき、あるいは食糧の自給率を上げるということもできるのではないかというような考え方を持っておるわけでありまして、ただいま玉置先生からおっしゃられる企業の未利用地の買い上げというような問題については、向こうさんからも私の方には一言も話はありません。私もそのような考え方については簡単に応ずるわけにはいかないという考え方であります。
○玉置分科員 ある意味では安心をしたのですが、これは同じやってもらうにしろ、こういうばかげた方法で、だれも手のつけられぬようなやり方でよくもやったなと、ぼくは本当は、集まられたということが新聞に出ておりましたから、逆なでしに回りおったなと思ったりしておったのが現状でございましたが、長官のおっしゃるとおりであると思います。 ただ、当局にちょっとお伺いしたいのですが、河野さんにでもお伺いしましょうか。いま企業が持っておるのは、どのくらいの未利用地をどのくらい買ったのでしょうか。
○河野(正)政府委員 お答えいたします。 これはいろいろな調査をやっておりますが、的確な数字というのがなかなか出にくいわけでございます。しかし、昭和四十四年一月一日以降昭和四十八年の十二月三十一日までの間に企業が買いました土地というものは大体わかるような感じがするのでございます。この総数量が七十八万ヘクタールでございますが、その中で、大体三分の二が法人企業の所有地であるというふうに考えられるかと思います。
○玉置分科員 そこで、そのうちどのくらいの程度を、他人資本である主として銀行を利用して買ったものだと思っていいのかどうか。九割なのか九割五分なのか。
○河野(正)政府委員 これまたなかなか調べ方がむずかしいものでございますが、四十八年一年間に土地取得に動きました金額は全体で十八兆と言われておりますが、その中で、企業が買いましたものが約十一兆くらいでございます。うち借入金に頼りましたのが約七兆くらい、端数が多少違うかもしれませんが、ただいま覚えている限りではそんな感じでございます。したがいまして、一年間に七兆の銀行借り入れの金が動いたといたしますと、まあ、四十四年以降今日までに取得をいたしました全体の資金量というものは、おのずからそこから推測できるかと思うのでございます。ただ、四十八年という年は非常に土地取得が行われた年でございますから、単純にそれ掛ける年数というわけにはまいらないかとも思います。
○玉置分科員 四年間でありますし、その後のこともあろうと思いますし、その前の狂乱物価時代のことも入れますと、ざっとその四倍、二十八だから、したがってきょうまで三十兆、こういうことに、これは違っておるかもわかりませんけれども、眼をそこへ置きまして、一体いま利子を年間どのくらい不動産業者が払っておるかということになりますと、約一割としますと三兆幾ら、だから二兆は払わされておるということが言えると思うのです。 私は、かつて予算委員会の集中審議のときに、たとえば不振産業のいま最たるものであれを見てみましょうと紡績を挙げたが、紡績は自己資本が一四%なんです。したがって八六%が他人資本であります。それだから、いま年度決算をいたしまして、二百三十億くらいのうちで三十億くらいは土地を売却して、二百億の赤字ということになりますと、経常益は、いろいろな合理化をし、人減らしをし、売るものは売りというようなことをしまして、とんとんまでいっておるのですが、二百億の年間赤字を計上せざるを得ないのは、全部利子負担なんです。だから、そういう点を考えたら、これも相当なものじゃないかという計算ができますね。だから、年間七兆円、合計しまして三十兆円。年間七兆円で、その十一兆円のうちから七兆円の残りの五兆円だって、それはそこの会社の少し浮いた金といいながら、もとは銀行で借りておって、すぐに返さぬでもいいという金の残もあると思います。だから、ざっと見て三十兆、こういうことは、その前もあればその後の今日までのあれもあったでしょうから、大きく踏んでみれば、一割とすれば三兆円、もう少し低いとしても二兆円から二兆五千億円の金利を払わなければならないことだけは事実なんです。 あの当時、ともかく毎日土地代が上がっておるわけでありますので、土地に投資をしても、金融がそこへつけても間違いがないというときだったわけです。その意味で、あの金をどんどん出さなかったら、ここまでみんなが土地を買い占めるだけの力はなかったと私は思うのです。しかも、いま一番物価を鎮静させたのは土地問題である。少々遅かったけれども、あらゆる法制化をしました中で、土地が一番物価騰貴に貢献をしておったのがぐっと抑えられたのが、逆に今日の鎮静を来しておる大きな原因だ。だから、ある意味では悪玉であったわけですが、悪玉だったそのもとは、やはり銀行も責任を負わないと、これはむちゃじゃないか。いま、銀行の金利を下げさせなさい、これは物の道理じゃないか。このくらいふうふう言うて皆気張っておるのに、役所には気の毒だけれども、人なんて減らさぬでやっておられるのは役所と銀行だけじゃないか。どこの会社でも、一時帰休から何からふうふう言ってやっているわけですわね。ようやくどうやら鎮静をしまして、これから安定成長の軌道に乗ろうと思っておるけれども、それとても、造船もしかり、工作機械もしかり、一つずつの企業を見てまいりますと、まだまだ四苦八苦の状態で、しばらくの間を経過せなければならぬのじゃないだろうか。 だから、当時もうけ過ぎたものが買い上げてくれという生の言い方もあほうならば、私はやはり銀行には当然言うていいのじゃないか。少々は減殺されておるけれども担保力はあるのだし、それから、書きかえすればいいだけで、何ら間接費、直接費というやつは貸しておるものについては要らないのですし、だからやはり見込み違いは一緒にかぶらなければ、不動産業者だけがかぶっておるということでは私はいかぬと思う。不明であったのか、もうけようと思ったのか何か知らぬけれども、安易な道を歩いたことは、銀行といえども私は同じだと思う。その銀行が、思い切って金利をもうただにずっとやっておるのか、二%ぐらいでずっとやっておるのだと言ったら意味はわかりますけれども、私は、政府へ救済を言う前に、やるべきことは企業みずからが銀行へ言うべきである、こう思うのですが、大臣、どう思いますか。
○金丸国務大臣 私は、土地が動かないということになりますと、銀行が担保に取っておる土地というものは、果たして優良資産であるか不良資産であるかということになりますと、土地が動かないということは、一つ不良資産の財産を銀行は抱えておるということにもなる、こう思う。まあ私もこういう立場ですから極端なことは申し上げられませんし、ことに銀行の関係は大蔵省でありますから、国土庁長官が口をはさむべき筋合いではないのですが、先ほど申し上げました、たたき台というものの中に、いろいろのそういう検討する材料というのが出てくるだろう、その材料の中で大蔵省とも話し合わなくちゃならぬ問題もあるでしょうし、あるいは建設省と話をしなくちゃならぬ問題もあるだろうし、あるいは農林省と話をしなくちゃならぬ問題もあるというような考え方で、先生のおっしゃられることは、私もなるほどなと聞かされて感銘はいたしております。
○玉置分科員 そこで、救済のように考えていただいてはいかぬのでありますが、私は、まだまだ家を建てるために土地を所望している人々、あるいは手ごろな住宅を欲しがっておる人々、これはたくさんあると思うのです。そういう人に一番早いのは、いまやっていただいております住宅金融公庫の方をふやすことだろうと思いますけれども、町の真ん中の方に手ごろな小さい土地を買い求めた零細企業が、それは建て売り屋さんと申しましょうか、そこまでいかないぐらいな方々が、かなり持っておるのです。 私も一遍建設省へ勉強に行ったことがあるのですが、なぜなかなかあれが回転せないのかと、いま長官がおっしゃった回転の問題です。これはやはりさすべきである。どちらの方が効用が多いのか。住宅金融公庫から経由して金を貸すことの方がいいのか、そうじゃなしに零細なそういう町の真ん中の、あしたからでも住めるところに土地を持っておる人間の、その土地をころがすことを、住宅に転用さすことを刺激した方が、景気刺激策になるかどうかということで一遍勉強に行ったことがあるのですが、土地代を高く買い過ぎたのだ、したがって住宅が高いのだ、こういうお話で、これはいまだったら十万円のやつを、あるいは当時だったら十五万円でも、よし、買うておけ、やがて二十万円になるわというような気持ちをお互いに持ったわけです。 それでそういうものを買ってしまったのだろうと思いますが、いまでは十万円。そのうちに利子がいっぱいつく、したがって、十五万円どころか十七、八万円まで、実際はもう二十万円に売らなければ勘定が合わぬということになっておるのだろう、こう思うのですが、だれかがそこを十万円までやるやつを、長期低利でやってあげる方式を考える。これは中小金融ですよ。そうすれば住宅に転用するようになるのじゃないか。計算上は銀行金利等々で損をするでしょうけれども、売ってしまわぬと、企業としての会計は動かないと、もうつぶれるしかないわけでありまして、中小零細なのはそういうつぶれ方をどんどんしていっておる。そういうような意味では、回転をしないから、担保力はありながら皆つぶれていくということを考えたこともあったのです。助成はできない。いかに零細企業といえども助成はできないけれども、長期低利に直してあげる方法はあり得る。それで、自分で住宅をこしらえて適正値段でやれば、まだまだ住宅を必要としておる需要はいやというほどあるのじゃないかという感じがしたわけでありますが、長官、それも一つの理屈になりませんでしょうか。
○金丸国務大臣 私はいま先生のお話を聞きまして、助成ということは個人ですからできないと思うのですが、低利でそういう倒産しようというものが助けられるということで、ことに中小企業というような立場を考えれば、何かその辺頭を使う必要はある、こう私は思うのです。 いま一つ、この機会ですから土地問題について申し上げたいと思うのですが、銀行が企業に貸したその担保というものは、たとえて言えば土地代が百五十億あったということになると、いまの状況では土地は動かない。そのために三年たった、四年たったといったら百五十億は二百億になってしまう。そういうことになったら倒産に拍車をかけるということだから、むしろ私は企業が買い上げてくださいということであるならば、いわゆる百五十億の時点においては、ひとつ五十億すってもこれが有効に利用できるというものであるならば、政府もまたこれが有効に利用できる、あるいは自治団体が有効に使えるというものであるならば、それをこの際、政府に買った値で買ってくれと言うこと自体が国民の感情を逆なでするという感じが私はする。そういう意味で、その決断と清算をすることによって会社が再生する、あるいはこれによってすべてを断ち切るということであれば、それも一つの考え方ではないかというような考え方を私は持っておるわけであります。
○玉置分科員 したがって、私企業でありますので、どこまでも金融政策以上のものはあり得ないのじゃないか。それを買い上げてくれなんて、なりもせぬことを、しかも国民感情を逆なでするようなことをよく言おうとする、ああいうことの会合そのものが、大っぴらでやっておるということは、本当に愚の骨頂だなと思って見ておったわけです。 そこで、一言簡単に、もう時間がありませんので、あと五分か十分ですから、国土庁長官もついでに一緒にいていただきまして、建設大臣にお伺いしておきましょう。 線引きの見直しということは五年ごとにやるということになっておるわけですが、大体今度はどのようにされようと思っておるのか、そしてそれは思い切った改革か微調整かどうか、こういうことだけお伺いしておきたいと思います。
○竹下国務大臣 お答えいたします。 都市計画は、都市計画法に基づきおおむね五年ごとに基礎調査を行いまして、必要に応じ見直すことになっておることは先生御指摘のとおりであります。線引きにつきましても、大部分の都市計画区域におきましては、当初設定後すでにことしは五年を経過しようとしておるわけであります。現在都道府県におきまして基礎調査を完了したところにつきましては、逐次線引き見直し作業にいま入っておるところであります。したがって、線引きの見直しは大部分が、大ざっぱに言いますと、今年度から明年度にかけて行われるというふうに考えられるわけであります。 この五年間における市街化の動向の変化は、各都市計画区域によってそれぞれ事情は違います。現在の市街化区域の規模でございますとか、人口の動向でございますとか、市街地整備のための公共投資の見通し等から見まして、全体として市街化区域の大幅な拡大は考えられないというふうに思っております。線引きの見直しは、基本的にはこれは知事さんの御判断によるものでありまして、前回の市街化区域の指定状況等から見まして、所要の微調整を行う場合を除きましては、基本的には、公的機関が開発事業を実施する予定の区域でありますとか、地域振興を目的とする事業の実施が予定されておる区域でありますとか、土地区画整理事業を実施する予定の区域でありますとか、その他乱開発のおそれが全くなくて相当規模で計画的に市街整備が実施される区域というようなものを優先的に見直しを行うというのが妥当ではなかろうか、このように考えておるわけであります。 適当な機会でございますので、見直しの進捗状況を申させていただきますならば、五十年度中に見直し作業に取りかかりましたのは十六道府県であります。そのうち福井県と宮城県と、そして大阪府の南部におきましては、いま公聴会が終わったという段階でございます。十六道府県は、いま申しました三府県のほかは、北海道、秋田、山形、福島、栃木、群馬、千葉、神奈川、新潟、岐阜、滋賀、奈良、長崎ということになっておりますので、五十二年あるいは五十三年にかかるところも、結果としては私はあるであろうというふうに思っております。
○玉置分科員 もう一つお願いをしておきたいのは、私たちが予算の審議の促進に踏み切りましたのも、御案内のとおりこの不況の中に、ようやく何とか底をついてはい出そうとしておる空気が出つつあるときに、暫定予算だけじゃなしに本予算のあれが一体いつごろになるというめどもつかないところに、あらゆる国民なり企業、産業の苦痛というものは並み大抵じゃないという判断で、少々のどろをかぶろうがこれが正しいのだ、ロッキード問題も同時にやってよろしいという形で踏み切ったわけであります。そういう意味では、暫定予算中にも特に公共事業の実施につきましては予算が盛られ、しかも万般の御用意を整えていただいておるということを承知いたしておりますけれども、本予算の成立がだんだんと確定的になっていく際は、特段の見直しをいただいて、せっかく景気浮揚のための柱として扱っておいでになるわけでありますので、万遺憾のないような措置をおとりいただきたいと思うのですが、一言建設大臣から所信を承っておきます。
○竹下国務大臣 ただいま玉置委員御指摘のとおりであります。きょう本委員会におきまして総理から敬意を表する旨の御発言をいたしたとおりであります。 直接私の担当であります公共事業の執行につきましては、本当の気持ちから申しますと、昨年度は地方統一選挙のこともあったとはいえ、いわゆる二月県議会、二月に招集されまして三月に終わります議会におきましては骨格予算であったところが十七府県ございました。ところが、ことしはそれぞれの自治体が大変思い切っていただきまして、全部肉づけ予算をしていただいたわけであります。その構えにこたえるためにも、私どもは事前工法協議という方法によりまして、本予算が成立したら直ちにでも公共事業の発注ができる体制をとりました。ところが、残念ながら暫定予算でございましたので、数で申し上げますと、本予算ができますと、たとえば個所別で申し上げますと一万九千三十四カ所あるのであります。それが三千百五カ所というのが一応暫定予算で個所づけを行っておりますけれども、本当にこれが必要最小限度とでも申しましょうか、ぎりぎりいっぱいであって、これがなおおくれるというような事態になりましたならば、まさにこの執行手続の問題に支障を生ずるだけでなく、期待をしておる国民の皆様方に対する心理的影響、そういうことを思いますときに、本予算の成立の見通しに近づきつつあることを、私は公共事業の実施官庁の責任者としての立場から、心から敬意と感謝を申し上げておるところであります。 ついででございますが、たとえば住宅金融公庫の募集にいたしましても、この見通しさえつけば、執行行為とは言えなくても、その執行の準備行為として受け付けは開始したい、抽せんもやりたい、そういう気持ちでございますことを素直にこの際表現をさせていただきまして、お答えにかえたいと思います。
○玉置分科員 時間が参りましたので、終わります。
○野田主査 これにて玉置一徳君の質疑は終了いたしました。 次に、正示啓次郎君。
○正示分科員 大分時間がたちまして、竹下建設大臣にはいつもその都度陳情に上がっておりますが、きょうはこの場をかりまして、やや公式的なことを申し上げ、半には終えることになっておりますから、最初に私、陳情申し上げて、よく考えるぐらいのことで結構でございます。 まず第一は、いまも玉置委員から非常に傾聴すべき発言がありましたが、建設大臣のところは景気の総元締めともいうべき大変重要なお立場におられます。そこで建設省の公共事業は、道路は特定財源がございますし、また、建設公債というものを持っておられることは申し上げるまでもございませんけれども、一方ではそういう建設公債の消化あるいは地方債の消化と非常に関連の深いいわゆる特例公債、財特法の問題等も、これはもう有力な建設大臣でございますから、総合的にお考えになっておられると思うのでありますが、さっきちょっと夕刊を見ますと、この国会における財特法の成立は政府首脳はこれを断念したと、まことに残念な記事が出ておりますが、これでは、御承知のように月々またはそのときそのときの金融情勢を考えながら、公債の全体の消化計画をつくっていくということからいって非常に遺憾であると私は思います。そこで、夕刊にそういう記事がございますけれども、建設大臣、非常に閣内において有力でございますので、財特法を早期に成立させることについて、せっかく自民、民社の間の協定もできておることでありますから、強力にひとつ御推進をいただくことをまず第一にお願いしておきます。 それから第二には、暫定予算四十日間でやむを得なかったわけでありますけれども、その間にも建設大臣が非常に重要な役割りをお持ちになる景気対策の関係の閣僚のチームワークよろしく、全馬力を挙げて景気の一日も早い立ち直り、あるいは底離れというのですか、そういうことに努力をしておることに敬意を表します。それで非常に効果を上げておられるわけでありますけれども、先ほども玉置委員にお答えになったように、一万九千余カ所あるうちのわずか三千百カ所というふうなことでは本当にむずかしいことでありますから、これまた今回の本予算を無理をしてでも、もう暫定予算の補正など要らない時期に成立をさせることに、われわれも努力しておりますが、大臣におかれましては、その成立と同時に、あるいはその前に、万遺憾なき体制をもって景気の立ち直りのために有効にお使いをいただきたいということをお願いを申し上げます。 第三あたりからだんだんと私の方に、選挙区関係のところの陳情質問になっていくわけでありますが、これは大臣が私の気持ちだけ買っていただいて、あとは道路局長さんにひとつお答えいただけばいいです。 その一つは、もうずいぶん前になるのでありますが、近畿自動車道の、大阪の泉南から海南へ、きわめて局部的な開通をしていただいたわけです。これは私は、そのときの竣工式に建設省からもおいでいただいたし、あるいは道路公団の総裁も来ていただいたときに申し上げたんですが、これは北と南へ将来大きく延びていく起爆地点といいますか、この爆発を起こす原動力になるんだと、こういうふうに申し上げたのでありますが、なかなかその後整備が進んでおりません。一つは、泉南から堺あたりまで、いまの高速道路のあるところまで延ばすという問題がありますが、これは泉南空港の問題等とも絡んで非常にむずかしい問題もありますが、これはぜひひとつ促進をしていただきたい。 それから南、海南から紀南の方へ延びるのは有料道路で一応認めていただいておるのでありますけれども、ここには非常に特殊な問題がございます。あの辺には日本一のミカンができるわけであります。そこで、排気ガスがミカンに非常に悪い、一種の公害を及ぼすというので大変反対が強いわけでありますが、私は、この問題については、大したことはないということを言う人もありますので、もう少し権威を持ったデータを出してもらいたい。自民党では、きのうカドミウム問題について環境部会から非常にいい報告も出たわけでありますが、排気ガスとミカンの問題をひとつもう少しはっきりした、たとえばここにおられる塩谷先生のところは静岡でありますが、静岡はミカンの非常な産地でありますけれども、大したことはないというふうにも聞いておりますので、それらのデータをはっきり、権威を持ったデータを出していただいて地元民の説得に使うことによって、一日も早くこれを紀南の方へも延ばしていただきたいということを、ひとつこれは道路局長で結構ですから、後で……。 それから、ローカルな問題の第二には、有田市、あそこの有田川のところのバイパスが非常に込むのです。もう、近畿の道路情報を見ますと、週末には特に有田市の付近の、安諦橋と言っておりますが、そこが何キロかにわたって車が渋滞しておりますということがしょっちゅう言われておる。そこで建設省では、近畿地建が中心になって、バイパスをつくるということに踏み切られまして、これもいろいろな事情がございまして、地元の方にも非常に困った事情もあっておくれたのでありますが、最近やっと、新しい有田市長が非常に努力をして用地問題等に関する障害は取り除かれまして、用地買収に近く着手されるということであります。これは道路局長の方で十分その辺も御承知でございますから、速やかにこれを解決していただいて、あの渋滞の解消に役立てていただくようにお願いをしたい。 同じことが田辺バイパス、紀南随一の大都市である田辺についてもやはりございますので、これもお願いをしておきます。 それから最後には、昭和五十二年の春に紀南で植樹祭が行われることになっております。御承知のように地理的には大変むずかしいところで、昔熊野もうでで有名な中辺路道路というのがございます。これが三百十一号という国道になっておるわけでありますが、これの整備をかねがねお願いをいたしております。 それからほかに四十二号にいたしましても、天皇、皇后両陛下においでいただくということで、あるいは新宮川の新宮大橋、それらの問題に非常に多くの問題がございまして、常に建設省にいろいろ御高配をいただいておりますけれども、これはぜひ集中的に五十二年の春の植樹祭に間に合うように解決をしていただくように、道路局長にこの席をかりて強くお願いをしておくわけであります。 最初の点について建設大臣から一言お答えをいただき、あとは道路局長からお答えをいただきまして、私の質問を終わらしていただきます。
○竹下国務大臣 正示先生のまず財特法の問題でありますが、いま先生から私にこの新聞を御提示をいただきまして、私自身も驚いておるところであります。政府一体の責任の中で本年度予算の完全なる執行を図るための裏打ちとして、財特法というものを最重要法案として国会へ提出しておるところでありますので、この段階において財特法を断念するというようなことはあり得ないことではなかろうか。私は誤報であってほしいと思います。なお、委員会が終了いたしましたら、少なくとも責任ある官房長官でございますとかあるいは大蔵大臣から、これが誤報である旨の会見等をやっていただけないものかと私も考えたところであります。 なお、予算成立の問題につきまして正示先生から御鞭撻をいただきましたが、ついででございますので、いま先生に一万九千カ所の問題をお話しいたしましたが、これが契約件数にいたしますと、去年のところで見ましても十五万八千件になるわけでございます。ですから、ことしは少なくともそれを下回ることはないわけでありますから、大変な景気浮揚の、それこそ底離れの起爆力になり得るということを思うにつきましても、私も先生と同じような心境で、速やかに本予算が成立することをともどもに期待をしておる。 なお具体的な問題につきましては、御指示のとおり事務当局からお答えいたします。
○井上(孝)政府委員 お尋ねの第一点の近畿自動車道のことでございますけれども、近畿自動車道は大阪府の吹田から和歌山県の和歌山市を通りまして海南市までの区間が近畿自動車道和歌山線であります。このうち吹田から東大阪の間の十四キロばかり、それから間を飛ばして、大阪の南の阪南から海南市までの二十七キロばかりがすでにでき上がっております。真ん中が切れております東大阪から松原間につきましては、道路の予定地に大規模な文化財の存在が発見されまして、現在文化庁及び大阪市等とその発掘調査をやっておりまして、保存その他について今後関係機関と協議をする必要があります。私どもとしては、一日も早く協議を終わりたいと考えて推進を図っておる次第であります。 それから、松原から阪南の間、大阪府の南でございますが、この間は昭和四十八年十月に整備計画が決定しまして以来、日本道路公団において路線選定の調査を実施いたしております。既開発の地点を通る関係もございまして、地元関係市町村といろいろと問題がございましたが、ようやくことしの二月に大阪府のごあっせんで関係市町の建設連絡協議会が発足いたしまして、この協議会を通じて今後とも事業の進捗を図るために地元との協議を進め、一日も早く全線開通に持ってまいりたいと考えております。 なお、海南から南につきましては、先生御指摘のとおり、高速道路ではございませんが一般有料道路として海南湯浅道路というのを四十七年に採択をいたしまして、現在いろいろと調査中でございます。御質問にございましたミカンと排気ガスの問題も大きな問題でございますが、これにつきましては日本道路公団において、いろいろとその他の実例等も調査して研究中でございますので、そういうもので地元と交渉をしてまいりたいと思っております。 ただ、この道路はもっと大きな困難な問題がございまして、御承知のようにこの辺は日本構造線という地質が非常に複雑なところでございまして崩落等の危険もございますので、当初考えておりましたようなルートでは大変危険であるから、山の方へ追い込む必要があるということでだんだんトンネルの長さが長くなりまして、現在の案では六キロぐらいのトンネルになりそうだ。こういうふうに調査をすればするほど金のかかる道路、現在のところ有料道路としての採算性に非常に問題がございまして、これにどういうふうに対処していくか、公共事業との合併をどの程度やるか、いろいろな採算性改善の方法について建設省及び日本道路公団で調査中でございます。早急に結論を出したいと思っておりますが、そういうことでまだ着工の段階には至っておりません。 それから、二番目の国道四十二号のバイパスでございますが、まず有田バイパスにつきましては、御指摘のとおり非常な交通混雑をいたしておりますので、昭和四十五年度から調査費を計上いたしまして事業着手ということになっておりましたが、いろいろと地元の用地買収に関連する諸問題がございまして難航いたしておりましたが、最近市長さんが非常に積極的にこの問題に当たってくださっておりますので、問題も逐次解決をいたしつつあります。このバイパスはとりあえず有田川の安諦橋の右岸側から現道の拡幅を着手したいということで、現在補償等について単価の調整を行っておりまして、この単価調整を早急に完了して五十一年度は用地買収に入りたいと思っております。 それから、田辺バイパスにつきましても、昭和四十七年度から事業に着手いたしまして、四十八年度にルートを決定して都市計画決定の運びになりまして、現在用地買収、それから予想されます文化財の発掘調査というようなことを進めております。今後も引き続き用地買収を進めますが、御承知のように一方で海岸の埋め立てに土を使いたいというようなことがございますので、用地買収を終わったところから、できれば本年度工事に着手いたしまして、その土を埋め立てに流用していただくということを含めて今年度の計画を検討中でございます。 最後に、和歌山県の熊野で五十二年の春に行われます植樹祭の関連道路でございますが、これはまさに昨年昇格いたしました三百十一号国道にきわめて関連の深いところでございます。三百十一号は非常に整備がおくれておりますので、何とか五十二年春の植樹祭に間に合わせるように、県と建設省で何遍も何遍も相談をいたしまして、相当予算を計上して間に合わせるようにいたしたい。そのためには和歌山県も、他のものを若干犠牲にしてでも三百十一号の整備を進めたいと言っておりますので、そういう熱意にこたえて、建設省といたしましても、極力予算の増額を図りたいと思っております。 それから、新宮のところにあります国道四十二号線の新熊野大橋でございますが、これも御承知のように、すでに橋げたも半分以上かかっておるわけでございますが、実は三重県側の方で、用地に関連いたしまして訴訟問題が起こっております。それをまず片づけなければ工事が継続できないという事情にございます。まず、その訴訟問題について早急な解決を図って、工事を促進してまいりたいと考えております。
○正示分科員 竹下建設大臣、井上道路局長さん、遅くまでどうもありがとうございました。私の質問はこれで終わります。
○野田主査 これにて正示啓次郎君の質疑は終了いたしました。 これにて本分科会における質疑は全部終了いたしました。
○野田主査 この際、お諮りいたします。 昭和五十一年度一般会計予算中、国土庁所管、運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管並びに昭和五十一年度特別会計予算中、運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管並びに昭和五十一年度政府関係機関予算中、日本国有鉄道及び日本電信電話公社関係に対する討論採決は、先例によりまして予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後五時三十三分散会