予算委員会 第30号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/07/06
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 この際、御報告いたします。 去る二日、東京地方検察庁検事正高瀬橿二君から、予算委員長にあて、伊藤宏が二月十七日及び三月一日本委員会において行った証言について、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第六条に該当すると認められるので、右の者を同法違反により七月二日逮捕した旨の通知書が参りました。 以上御報告いたします。 なお、本通知書を本日の会議録に掲載いたします。
○荒舩委員長 ただいまの通知書に関し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。稻葉法務大臣。
○稻葉国務大臣 検察当局は、これまでの捜査に引き続き、去る六月二十二日沢雄次ら全日空関係者三名及び丸紅株式会社前専務大久保利春を逮捕するとともに、関係個所について捜索、差し押さえを実施し、自来これらの被疑者の身柄を拘束の上取り調べを行っているほか、多数の関係人の取り調べを続行しておりますが、その過程において、丸紅株式会社参与伊藤宏が本年二月十七日及び三月一日衆議院予算委員会において証人として宣誓の上行った証言について、議院証言法第六条所定の偽証の罪に該当する疑いが濃厚となり、かつ同人について逃亡及び罪証隠滅のおそれがあると思量されるに至ったため、その身柄を拘束して取り調べる必要があるとの判断に達し、去る七月二日、東京地方裁判所裁判官に対し、逮捕状の請求を行いました。 同裁判官は、逮捕の理由及び必要性を疎明するため検察側が提出した種々の資料を十分精査し、その結果、伊藤について前記偽証の罪を犯したことを疑うに足る相当な理由があり、かつ逮捕の必要があると判断し、同日逮捕状を発付いたしました。 なお、逮捕状記載の被疑事実の要旨は次のとおりであります。 被疑者は、丸紅株式会社の取締役をしていた者でありますが、同社がロッキード・エアクラフト社から、昭和四十八年八月ころから同昭和四十九年二月ころまでの間前後四回にわたり合計五億円を受領したことを証明するため、一九七三年八月九日百ピーナツ、同年十月十二日百五十ピーシズ、一九七四年一月二十一日百二十五ピーシズ及び同年二月二十八日百二十五ピーシズをそれぞれ受領した旨の領収証四通に署名したのにかかわらず、 一、昭和五十一年二月十七日衆議院予算委員会において宣誓の上証言するに際し、右四通の領収一証に署名したときピーナツやピーシズの意味を全然知らなかった、また、右四通の領収証に伴う金品の授受については全く関知していない等虚偽の陳述をし、 二、同年三月一日同委員会において宣誓の上証言するに際し、右四通の領収証にはサインはしたが、金銭の授受については全く承知していない等虚偽の陳述をし、もって偽証したものであります。 七月二日午後五時十分、検察当局は、伊藤を東京地方検察庁において逮捕し、直ちにその身柄を東京拘置所に留置し、また、同月五日東京地方裁判所裁判官から勾留状の発付を得て、現在伊藤を同拘置所に勾留の上取り調べを続行中であります。 検察当局としては、本委員会の告発が起訴条件と解される趣旨にかんがみ、事前に本委員会に伊藤を逮捕する旨御通知することといたしましたが、たまたま本委員長が御不在であり連絡がとれなかったため、同日午後四時五十分とりあえず事務当局から本委員会小山長規理事に御連絡をし、さらに伊藤逮捕後速やかにその旨を東京地検検事正から本委員長に対し、文書によりその旨御通知申し上げた次第であります。 今回の措置は、大久保の場合と同様、被疑者の身柄を確保し、本件の真相を究明するためにやむを得ない措置であったことについて、改めて本委員会の十分な御理解を賜りたいと存じます。
○荒舩委員長 ただいまの説明に関し、質疑の申し出がありますので、これを許します。正示啓次郎君。
○正示委員 ただいま委員長がお読みになりました伊藤宏逮捕の通知書並びに法務大臣からの御説明に関連いたしまして、自由民主党を代表して、若干の質疑を申し上げます。 前回の大久保の場合と今回の伊藤宏の場合を比べまして、これは大した問題ではないようでありますけれども、大事な点としては、通知書の文案も大変われわれに親しみやすい文章に改めておられる。それからまた、いま法務大臣が言われたように、ただ単なる通知だけじゃなくて、その前に委員長をお探しになって何とか事前に連絡をしたいということで努力をされた。まあ不幸にして連絡がとれなかったので小山筆頭理事に連絡をした。こういう点は、法務当局の誠意を買うわけでございます。 しかしながら、きょう告発を要請せられると、やはりわれわれとしては国民の代表として、国民の納得をいただくようなそういう疑義をひとつ明らかにしていく必要があると存じます。 そこで、まず第一にお伺いいたしますが、今回この通知書の別紙としてつけておられる「犯罪事実」によりますと、大久保の場合と違いまして、いわゆるピーナツ、ピーシズ、こういう受取に伊藤がサインをした、それに伴う金銭の授受を今度は丸紅がロッキード社から受けた、こういうふうに表現をしておられまして、大久保の場合は、大久保がクラッターから受けた、こういうふうになっておったと思うのであります。この点が違う。まず第一にその日時が違うわけであります。これはいわゆる外為法による犯罪が時効にかかるということで、前回大久保の場合は偽証ということで告発を要請されたと思うのでありますが、今回は外為法の関係からいっても時効にはかかってないと思うのでありますが、これを何ゆえに外為法違反の容疑でやられなかったのか。あえてわれわれに告発を要請される理由いかん、法務大臣の御答弁をお願いします。
○稻葉国務大臣 まず、通知書の文体が違っておるのはどうかということでございますが、大久保の場合は、内容は同じなんですけれども、「法律第六条に該当するものがあると認められるので」——「ますので」じゃなくて、「認められるので、右の者を同法違反により同年六月」あれは何日だったか知りませんが、「逮捕したので通知する。」とこうなっております。「通知いたします。」じゃなくて「通知する。逮捕にかかる犯罪事実は、別紙のとおりである。」こうなっておるのを、今度は「認められますので」「逮捕したので通知いたします。逮捕にかかる犯罪事実は、別紙のとおりであります。」 こういたしましたのは、この前の予算の理事会に呼ばれまして、何だこの文体は、まるで予算委員長を何か軽く見ているというか尊重しない文章だ、「通知する」「とおりである」、失礼である、とこういうことでございましたので、そうすれば直しましょうかというのではないかと思うのです、高瀬禮二君の考え方は。本人に会って聞いてみないけれどもわかりますね。そう思います。 で、私はこの前も申し上げましたとおり、公文書の形式がずっとそうなっているものですから、別に国会を軽視するとか侮辱するとかそんな心構えは毛頭ありませんと言うたのですが、なかなかそういう点でやわらかい方がいいとおっしゃいますから、別に内容は、言っていることは変わるわけじゃありませんし、「する」と言ったから侮辱している、「します」と言ったから今度は尊重してきたな、こういうものではありませんのです。もう前々から尊重しておる意思には変わりありません。 次に、大久保の場合は、外為法違反の点については時効にかかっておったからやむを得ず偽証罪で逮捕した。今度は、さっき法務大臣の説明した事実によると、時効にかかってないじゃないか、それだのになぜ偽証だけで逮捕して、外為法違反の容疑もあわせて逮捕の理由にしなかったのか、被疑事実にしなかったのか、こういう御質問ですね。ごもっともな御質問だと思います。私、よく被疑事実の内容を聞いておりませんけれども、外為法違反の点については、伊藤宏の場合は逮捕状を裁判所からもらうだけの疎明が十分でなかったのではないか、したがってやむを得ずというか——やむを得ずというのかなあ、外為法違反よりは罪の重い犯罪、法定刑の重い重大な犯罪である偽証罪で十分に逮捕すべきものだ、ほっておくべきものじゃない、こう判断してそういう道を選んだのではないか、こう存じますが、専門的な事項にかかわりますので、刑事局長にきっちりした補足説明をさせます。
○安原説明員 骨子はただいま大臣の申されたとおりでございまして、今回の場合は伊藤宏につきまして外為法違反の容疑について罪を犯したと疑うに足る相当な理由の疎明の段階にいまなっていないということが理由でございます。 なおお尋ねは、さらにそれならば疎明の段階に至るまで外為法の捜査を進めた後に逮捕すべきことも考えられたのではないかということもあわせてお尋ねのように思うわけでございますが、この点につきましては、結論から申しますならば、緊急やむを得ないという判断を検察当局がしたわけでございまして、その理由は、御案内のとおり大久保と伊藤宏という者は同じ会社のいわゆる重役でございまして、大久保につきましてはすでに偽証で逮捕、勾留をして取り調べ中でございますが、十日間の勾留満期、一応の満期がこの逮捕状を請求します翌日に来るというような事情もあり、結果的には勾留の延長が認められましたが、いずれにいたしましても二十日を経過すれば釈放されるという可能性もあったわけでございますが、その双方の間の通謀、証拠隠滅を防ぐ必要がある、そういう意味で取り急ぎ逮捕する緊急性があるということと、それから大久保につきましては、ユニットの点について逮捕状が出て勾留をしておりまするが、いわゆる今回伊藤で問題になりましたピーシズ、ピーナツにつきましても偽証があるのではないかという疑いがございますが、この点につきましてはこれは一罪の、一つの罪の関係になりますので、処理するときには大久保につきましてもピーナツ、ピーシズの関係を偽証の関係で明らかにする必要がある。それもやはりこれから十日の間にしなければならないというようなことがからみまして、しかも外為法につきましては警視庁と検察当局で捜査を数ヵ月にわたってやっておりまするが、いまだに的確な外為法違反の事実を立証する段階に至っていないという困難な問題もございましたので、それやこれやで緊急やむを得ないということで、外為法については今後の解明にまつということで、さしあたり明確になっております偽証の罪について逮捕状を請求し、裁判官から逮捕状が出されたという次第でございます。
○正示委員 ここでわれわれは、本年二月十七日と三月一日の二回にわたりましてこの部屋で丸紅の大久保、伊藤及びその他の幹部を呼んで証言を求めたときのことを思い起こすわけであります。あのときの伊藤、大久保両証人の供述の一番著しい点、違いは、伊藤は、もっぱら航空機担当の役員であったあるいは本部長と言うのですか大久保に頼まれて、依頼を受けてそのサインをした。そして金銭の授受は何ら知らない、またピーシズ、ピーナツの意味するところも知らない、こういうことを終始主張しておったわけであります。 第一に私が疑問にする点、これもひとつ大臣あるいは刑事局長もお答えいただきたいのですが、航空機担当の大久保がユニットにはサインをした、しかもクラッターから金を受け取った、こういうことがその後の捜査ではっきりしたわけでありますが、その同じ大久保が翌年のピーナツ、ピーシズに何ゆえにサインしなかったのか。これは捜査の結果どういうふうに出てきておるか。伊藤にサインをさしたという理由ですね。この点をひとつ捜査の結果をここで——国民はこれは非常に疑問に思っておるんです。 そこで、私はあえてこれを言いますと、伊藤という証人は丸紅の中枢部の人であった。大久保は航空機担当のいわば現場の役員であった。これに対して伊藤は中枢において重要な役目を持っておった。これにサインをした。そしてまた、アメリカの議会における証言等を見ましても、伊藤という者に金を渡して、それがいわゆるガバメントオフィシャル、初めは単数になっているが、重ねて問われるとガバメントオフィシャルズというふうになっておるんですが、そういうアメリカ側の、これはわれわれに明らかにされた記録でありますが、これは一体どういうわけであろうか。すなわち、大久保というものは入る方の口であったけれども、伊藤というものは出る方の口ではないかというふうなことまでも、われわれは一つの疑問を持つわけでありますが、そういう点について、捜査に支障のない限りここで説明をしていただきたいことが第一点。 それから何といっても、先ほど申し上げたように伊藤はただ単に頼まれてサインをしたのです、金のことは知りません、意味も知りません、こう言い張っておったのを、ここで丸紅がロッキード社からちゃんと五億円を受領したということをまず第一に書き、そのことを証明するために四回にわたってピーナツ、ピーシズというふうな暗号の領収証にサインをしたんだ。すなわち、受け取ったそれを証明するためのサインであったとこう断定しておりますが、それは一体どういう根拠であるのか。これはこの委員会として意思表示するのに非常に重要な点だと思いますので、いまの二点について法務大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 伊藤、大久保の丸紅社内における役割について、鋭い推定に基づく御質問でございますが、それは目下大事な点として捜査中であるわけです。したがいまして、入りは大久保とか出は伊藤とか、そういう御質問に対して私からこの席でお答えすることは捜査の進行に多少支障がございますと判断をいたします。 なお、詳細は刑事局長に補足させますが、第二のピーナツだとかピーシズだとか一切意味は知らない、金銭も受け取っていない、ただ大久保に頼まれてやったという予算委員会における証人の証言は、その後の捜査のいろいろな資料に基づく捜査の進展に従って明確に事実と反する。どういう根拠に基づいて事実に反すると検察庁は判断をして逮捕に踏み切ったかという点につきましても、こういうこういう根拠に基づいて彼はうそを言っているということが明白でございますから逮捕に踏み切ったんです。しかし、偽証には国会の告発がなければ起訴に踏み切りませんからというので、御通知を申し上げ御判断を仰いでおる、こういう段階でございまして、その点に、つきましても、どういう理由でおまえ、検察庁は、あれだけうそは申しません、大久保に頼まれてやったんです、そうしてピーナツやピーシズにはサインはしましたけれども、意味はわかりません、しかもそれの裏づけになる金銭の授受は全然ありませんとあれだけ言い張っているのに、どういう調べをして、どういう根拠に基づいてそれはうそだと、こう決めたかという理由を申し上げるわけにはまいらぬのです。これはひとつ御勘弁を願いたいと思う。なお、補足の説明を刑事局長からさせます。
○安原説明員 正示委員御指摘のように、ユニットにつきましては大久保が受領したということは証拠上いわゆる明白になっておりまするが、先ほど申し上げましたように、ピーナツ、ピーシズについては、だれがだれから受領したかということを含めて、これから解明を要する問題としていま鋭意調査中でございますので、いまの段階で申し上げる段階に至っておらないことは遺憾ながら御理解いただきたいと思います。 それからもう一つ、どういう根拠で伊藤宏がこの金銭の受領について少なくとも承知しており、ピーナツ、ピーシズの意味を知っておったということを逮捕状記載の被疑事実のとおり認定したかということにつきましては、先ほど大臣の申されましたように、原則としてそういう捜査の過程におきまして、どういう資料で認定したかを申し上げることは差し控えるのがたてまえでございまするけれども、先ほど大臣の申されましたように、告発をするかどうかということにつきまして当委員会で御判断をいただきます以上は、ある程度これを申し上げるのが相当かと思いますのであえて申し上げますが、少なくとも裁判官が逮捕状を出したということは、伊藤宏が金銭の受領の事実を知りながら、自分ではあるかないかは別として、知りながら知らないと言い、ピーナツ、ピーシズの意味を知らなかったといったことが偽証であるという関係でございますが、この点につきましては、裁判官がそういうことは知っておったということを疑うに足る相当の理由があると判断されて逮捕状が出、そして昨日は勾留状が出たわけでございます。その間におきます疎明資料は何であったかということを御説明申し上げることによって御理解を得たいと思うのでございますが、この総計五億円の金が丸紅の側に、だれからだれにということはいま解明を要するにいたしましても、丸紅の側に入ったんだということは、これは資料としてはピーナツ、ピーシズの領収証と、公開されておりますコーチャン、フィンドレーの証言、それから非公開のアメリカ側から提供されている資料によってすでに相当明らかであったわけでございますが、その関係について伊藤宏は知っておったかどうかという点についての疑うに足る相当な理由といたしましての疎明資料といたしましては、六月二十二日以降におきましてアメリカ側から入手いたしました資料、それから強制捜査及び任意捜査によって丸紅の関係者からの供述というものによって、伊藤宏が知っておったということを疑うに足る疎明の資料としたわけでございまして、そういう資料によりまして、当委員会における証言にかかわらず偽証であるという疑いを捜査当局及び裁判官としては持ったということでございます。
○正示委員 確かにアメリカとの取り決め等で資料を生で話ができないという制約がございまして、われわれとしては非常に隔靴掻痒の感がいたします。しかし、大久保の場合も大体そういうふうな説明でわれわれとしては一応これを承認したわけでありますが、ここでひとつ法務大臣、非常に大事な点はやはり米国と日本との関係だと私は思うのです。そこで新聞の報道によりますと、法務大臣がきのう三木総理にお会いになって、ロサンゼルスにおけるいわゆるファーガソン判事の裁定、これをわが方の捜査に役立てることはできないようだ、こういうことを言っておられるようですね。これは国民としてはこの嘱託尋問に非常に多きを期待しておったわけですから、これについてまた大変失望も感じますし不安も感じるわけです。この点をまず第一に明らかにしていただきたい。これはひとつ、法務大臣から総理に御説明になったように、国民にはっきり御説明願いたいと思います。
○稻葉国務大臣 私が昨日総理大臣に、この点についての報告の内容が新聞に出ておりまして、正示さんを初め国民にえらい失望、心配をかけたようでございますので、間違わないように正確に、問題を起こすといけませんからきちんと書いたものを読み上げますから、それで御承知願いたいと思います。 御質問のファーガソン決定につきましては、アメリカ会衆国連邦地方裁判所から正式な内容がまだ発表されていないので、正確なことはお答えできないけれども、検察当局からの報告によれば、ファーガソン決定は、刑事訴訟法二百二十六条に基づき証人尋問を請求した米側関係人の証人尋問を直ちに開始することを命じておるとともに、その証言に基づき入手される資料により、同証人らに対しわが国検察当局の刑事訴追が行われることがない旨を明確にした最高裁判所の判決または規則が日本側から提出されない限り、同証人らの証言書類を日本に引き渡してはならない等を命じた決定であるということであります。 この決定に対し、いかに対処するかについては、いまだ上訴の申し立て期間中でありますし、証人側の出方をも考慮しなければなりませんので、方針を述べることは適当ではありませんと思います。つまり、お手上げだなんという方針を述べることは適当でないと思います。しかし、この点については、まず当事者である米側検察官の意見を尊重する必要があると思われます。検察当局としては、証人尋問の実施ができるだけ早期に実現されることが望ましいことは言うまでもありませんが、あわせてその証言書類の引き渡しを受ける方策についても検討する必要があり、現在諸般の角度から鋭意その処理方針について検討中でございます。ですから、これからの努力次第である、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○正示委員 ちょっとまだ新聞に出ておったよりも簡単にお話しになったようですが、私は、実はこれは時間が余りないので詳しく申し上げられませんが、いわゆる起訴の弾力条項というのですか、ああいうふうなことで最初に臨まれたことに私は大変不安を感じておった一人でありまして、こういう重大な問題については、きょう何か新聞にも提言のようなものもございましたが、この際はっきりとした態勢を、これこそロッキードを徹底的にやるということは、検察当局ももとよりでありますけれども、国会も非常な熱意を持っておったのですから、これはちゃんと法律的な手続をしてでもそれをやって、そしてこの問題を本当にはっきりさすということが正しいのじゃないか、こういうことすらもひとつ考えられると思うのですが、そういう点から言って、いまいろいろ努力しておるのだと言われただけではちょっと私は納得できないのです。そこで、最高裁判所の関係あるいは国会の関係、そういうふうなところへも十分協力を依頼して、万全の態勢をとるべきじゃないかという点を考えておりますから、これについての御答弁をいただきたい。これは法務大臣。 それから刑事局長に、もう余り時間がないと言ってしかられますから、ここでかためて伺いますが、明朝から——私は毎朝早くラジオをかけまして向こうの証言を始めるとすぐ聞いているのですよ。そういうふうになりますかどうか。これはひとつ刑事局長から。 それと最後に、これも大臣から御答弁をいただきたいのは、二月の十七日ですか、最初にここに証人を喚問したときの光景をわれわれは忘れませんが、あのときに米国の議会におけるコーチャン証言、その中にいろいろなことがありました。これをいまここで繰り返す時間はありませんが、これに対して丸紅の幹部は一様に事実無根である、われわれはただ単に怪しげな領収証にサインを頼まれてしただけである、それで、これは国民に対しても国家に対しても大変な迷惑だ、だから丸紅としてはこれに対する法律的な対抗措置を講ずるのだということをここで言った。何もしない。その後どんどん捜査が進むと、いまや大久保、伊藤というふうに逮捕されるような状況になりつつある。私は、アメリカの国会における証言と日本の国会における証言とを比べて、これは非常に残念でたまりません。あのときはコーチャンレターというのをここへ持ってきた。われわれは読んでみてがっかりした。何だ一体これは、ということですね。そのコーチャンレターは、彼らのつけ加えた説明によると、非常な圧力を感ずるような雰囲気のもとにやったんだからというようなことを言っていましたが、そうじゃなくて、結局これは向こうは正しいんだというふうなことが後から後から事実をもって証明されつつあると思うのです。そして丸紅は、あのとき憤然として法的措置を講ずるのだと言ったが、一向に講じない。こういうことについて日本の司法を預かる法務大臣、一体どういうふうにあのときからの事態を考えておられるか。国会一証言の問題は、これからわれわれとして国会で考えていかなければなりませんが、しかし法務大臣はどういうふうにわれわれの同志である、先輩である法務大臣ですから、国会証言のあり方——これはいま特別委員会でもまだじゃんじゃんこれからやられようとしておるわけでございますから、アメリカの国会においては相当権威のある証言が行われておる。そしてそれをいま偽証になるから事実無根だというふうなことは手紙に書けなかったのだというようなことをしゃあしゃあとここで申し述べておるのですね。そしてそのためにわれわれは法的措置をとるに決してやぶさかでないと言ったのに、とらない。そしてわれわれに偽証ということで、ここで告発をせざるを得ない。私は、これは日本の国会、日本の民族、国民の立場から非常に遺憾だと思います。しかし、これを貴重な体験として将来に大いに改善をしていかなければならぬと思いますから、その二点は法務大臣の御所見を伺い、いわゆるファーガソン決定に伴う証言の問題、刑事局長、もう一つ、その証言があしたから始まる、尋問が始まる、捜査には役立てないけれども、それをどういうふうに法務当局はこれから活用しようとしておるか、そのためには国会に協力を得なければならぬのか、裁判所にか、その辺もあわせて御答弁をいただいて、私の質問を終わりたい。 大変時間を超過して申しわけございませんでした。
○稻葉国務大臣 正示さんの御意見によれば、どうも、ただ努力中だというのでは、証言はするだろうけれどもその証言の内容を資料として日本に引き渡されることはできないのじゃないか、おまえは腕が悪いからだめだ、ですから国会にも協力を求めたり裁判所にも協力を求めたりしたらどうか、最高裁にも、そういうふうに万全の処置をとったらどうか、こういうふうな御質問でございますが、私も、やってみます。これはなかなか味のある裁定ですからね。これは味もそっけもない裁定じゃないですよ。そういう点について、これからの証言を進めるその段階にいろいろ問題が起きてきまずから、そのときに善処しようと思っています。 それから、嘱託尋問というのは日本の裁判所が頼んでやっているのですから、その裁判所が頼んでやっていることについていろいろ問題が起きたときには、その裁判所のやったことが効果一〇〇%になるように最高裁も御努力になるのが私は当然だと思います。こちらから別に、三権分立であるのに、行政府からそんなことを言われておやりになるのでは、そんなことではないと思います。(正示委員「アメリカと日本の証人喚問も」と呼ぶ) それから、アメリカの議会や何かにおける証人は相当本当のことを言うが、日本の証人はまるででたらめで、あれだけ告訴するとまで息巻いたやつが、何と全部偽証であったという疑いで逮捕せられるようでは、国会の証言というものは権威のないものだな、こういうふうになるようでございますが、しかし、それは本人の証言というものに対する心がけがなっちゃいないのだ。ですから、今度出てくる証人はよくそういうことをぴしっと心がけるように、そういう役にも立つかと思って、偽証偽証、逮捕逮捕と、こうやっているのです。
○安原説明員 証言が予定どおり行われるかどうかにつきましては、いまのところ関係者側からの上訴もありませんので、予定どおり現地時間七月六日午後二時から証言が行われるものと思います。 それから、その証言を捜査に利用するためには、いまのところファーガソン決定によれば、その証拠により入手した資料によって訴追を行わないことについての最高裁判所の判決、命令または規則によるギャランティー、保証が必要だとなっておりますので、その点どのような保証をすればファーガソン決定の趣旨に沿うものかどうかということにつきまして、鋭意対策を考えていきたい。 なお、証言は進むわけでございますが、利用するにつきましてはそういう対策を考えなければならぬということでありまするけれども、いまだ正式の発表もございませんので、ファーガソン判事の真意がどこにあるのかももう一つはっきりわかりません。たとえば一般にすべての調書の全部がだめになるのか、あるいは具体的に刑事訴追を受けるおそれのある部分についてのみそういう使用が禁止されるのかというような、分割できる問題もあるのじゃないか。この点は、現地に行っておる堀田検事等にクラリファイをいたしまして、対策を鋭意立てたいというふうに考え、何としてもこの証拠があることが必要であることは否定すべくもございませんので、努力いたしたいと思っております。
○正示委員 どうも済みませんでした。
○荒舩委員長 次に、小林進君。
○小林(進)委員 最初に、法務省が、前、大久保逮捕に関するわれわれ予算委員会の理事会で要望をいたしましたこの通知書の文書の形式等も正常な形に改めていただきましたし、なおまた、われわれ国会における予算委員会のこの証言をもとにして逮捕をされたというその関係上、やはり予算委員長等に事前に通告を、連絡をすべきじゃないかというそういうわれわれの要望もいれられて、予算委員長に通告の態度をとられた。たまたま委員長不在のために、与党筆頭理事の小山氏にその話を通じられた。こういう二つの態度をおとりいただいたことは非常に結構だと思いまして、私ども率直にその労苦を感謝するものであります。こういう重大問題は、後でも言いましょうけれども、やはり立法府あるいは捜査当局、ともに信頼し合ったり、可能な限り連絡をとって、ひとつりっぱな成果を見るということが私は大切じゃないかと思いまして、そこに至る一歩前進の形をとられた。結構だと思います。 そこで私は、次に質問に入りたいのでございますが、あるいは重複するかもしれません。 まず第一番には、この伊藤の逮捕の理由であります。いまも正示委員の質問にややお答えがあったようでありまするけれども、これをいま少し明確にお知らせをいただきたいと思う。それは五十一年の二月十七日、三月一日の国会における宣誓証言において、ピーシズの意味を全然知らなかった、それから四通の領収証に伴う金品の授受については全く関知していない、それから右四通の領収証のピーナッツ、ピーシズが金銭の符号であるなどその意味するところは全く存じていない、こういうような答弁があった、これがすなわち虚偽の陳述であるがゆえに偽証の疑い濃厚としてこれを逮捕した、こういうわけでございますが、この言葉は国会におけるわれわれに言った言葉を繰り返すにすぎないのでございまして、どうしてこれが虚偽になるかというその裏づけを可能な限りひとつお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○稻葉国務大臣 伊藤宏の国会における証言が虚偽であるという判断を持つ理由につきましては、根拠につきましては、刑事局長から答弁をさせます。
○安原説明員 先ほど正示委員の御質問にもお答えしたところでございますが、この被疑事実の中で、丸紅側がロッキード社側から合計五億円の金を受領しておる、しかしだれからだれがということはわからないにしても、受領しておるという事実に関しましては、すでに明らかにされておりますコーチャン証言、フィンドレー証言、あるいはアメリカ側から秘密扱いを条件に渡されております資料によりましてあるいは領収証の存在そのものによって認められるわけでございますが、そのことを伊藤宏が知っておった、金が渡ってきておることを知っておった、あるいはピーナツ、ピーシズというのが一単位百万円であることを知っておったというようなことにつきましては、六月二十二日以降の強制捜査あるいは任意捜査によりまして得られました被疑者を含む丸紅関係者の供述と、それから六月二十二日以降に新たにアメリカの方から提供されました資料によりまして、それを疑うに足りる資料があるということで裁判所にこれを提出して裁判官の御判断を仰いだ次第でございます。
○小林(進)委員 捜査当局としてはその程度のことしか言えないと思いますから、これ以上答弁を求めることはやめにいたしましょう。 それでは第二点といたしまして、これも先ほどの質問に出ましたが、大久保の逮捕の理由と伊藤の逮捕の理由、同じ偽証罪成立の疑い濃厚であるということには同じでありますけれども、内容が異なっておる。その内容が異なっている点について、先ほどの御答弁では外為法違反が大久保の場合は時効にかかっているのでやむを得ないということではございませんけれども、外為法違反の疑いではなくて、やはり国会における偽証罪の疑いでこれを逮捕した、しかし伊藤の場合はまだ外為法は時効は来ていない、時効の成立にまだ期間はある、期間はあるが緊急逮捕の必要があって身柄を拘束した、その緊急逮捕の必要は何かというと、これはまだ先ほど御説明はないのであります。ないが、私ども聞いておりますと、何かそのうちに大久保が十日間の勾留がまた十日間の延長になって、いま二十日間の勾留の時期に入っておるようであります。大久保が二十日間の身柄拘束に入っておりますけれども、この大久保がいずれ釈放といいますか、しゃばへ出てきたときには、このままにしておくと大久保と伊藤とは通謀をするおそれがあるから、それを防ぐ意味においても逮捕の必要がある。それからいま一つは、やはり大久保は、直接はピーナツ、ピーシズではなくてユニット三十ないしユニット九十の問題で偽証の疑いありとして逮捕したが、やはり大久保も詰めていけばピーナツ、ピーシズにも関係をしているのではないか、同じようにこの伊藤も大久保の偽証の焦点になっているユニットの関係もあるいは知って、こちらの方の偽証も成立するのではないか、こういうぐあいに相関連しているから、その意味においても緊急逮捕をする必要があったんだというふうな御説明かと私は理解したのでありますけれども、この大久保と伊藤との違いであります、偽証罪の内容の違いと、なおかつ関連性があるならばその関連性等についてお伺いをいたしておきたいと思うのであります。
○安原説明員 小林委員の御指摘のとおりでございまして、大久保につきましては時効ではございましたが、一応外国為替管理法違反の構成要件に該当する事実は認められるという捜査当局としての心証を得たわけでございますが、時効完成でございますのでその点は捜査権の対象にならなかったという意味で除外し、残りました偽証につきまして逮捕状を請求したわけでございますが、伊藤宏につきましては、御指摘のように、仮に伊藤宏が御指摘のピーシズ、ピーナツに見合う五億円について本人が受領し、あるいは共同してだれかと共犯関係にあって受領しておるという事実が認められますならば、これはまさに外国為替管理法違反の容疑を認めるに足りるわけでございますが、捜査のプロセスといたしまして、いまの段階におきましては、そこまでの認定をして逮捕状を請求するだけの資料を得ておらないという段階でございましたので、偽証についてはなお得た資料によって認定されるということで逮捕状の請求をしたわけでございます。そして、なお外国為替管理法違反についての容疑が固まらない段階において偽証で逮捕状を請求をした理由につきましては、正しく御理解いただきましたように、小林委員御指摘のとおり緊急やむを得なかったわけでございます。
○小林(進)委員 そういうことになりますと、二月十七日、三月一日、この予算委員会で丸紅関係で私ども証人喚問をいたしましたのは、この大久保、伊藤にあわせて檜山取締役社長——現在は会長ですか、会長においでをいただいて宣誓証言を得たわけでございますが、そのときにもこの檜山さんは知らぬ存ぜぬ、記憶がないでお通しになったわけでございますが、その後の状況判断からいって、これは檜山さんがお知りにならない、記憶がないということは考えられないのであります。むしろ大久保、伊藤の頂点に立って指揮をとり、命令をされた、そういう立場ではなかったかというような状況判断が成り立つわけでございます。それに対してまだ捜査当局は手をおつけにならない、あるいは任意出頭でお調べになったかどうかその点は別といたしましても、もしユニットやピーシズの関係に関連をして、大久保と伊藤を一緒にすることが証拠隠滅なり通謀のおそれがあるということになれば、私は、檜山会長も含めてこの三人を一緒にする、あるいは檜山・伊藤、檜山・大久保というものを一緒にすることがむしろ通謀あるいは証拠隠滅のおそれがもっと濃厚なのではないか。だからいま伊藤逮捕の理由を承りておりますと、この際、むしろ同時ないしは先んじて檜山会長も、これは丸紅のトップでございまして、こういう偉い人を逮捕せよなどということは検察当局のお気に召さぬかもしれませんけれども、それこれは別にして、状況の判断から見れば、私は檜山さん、檜山会長がむしろこの際逮捕されるべきではないかと思いますけれども、この檜山、大久保、伊藤の三者の関係、なおまた逮捕の必要がないというならば、そのない理由をひとつ世人が納得するような形で御説明をいただきたい。
○稻葉国務大臣 その一番の責任者、ワンマンと言われたそういう檜山会長はほうっておいて、何だかその下の方だけやっているが、元凶をほうっておいてどうしたのだというような意味の御質問でございますね。これは私思いますのに、やはり捜査の手段、一つの方法でございますから、初めからさっと元凶のところへ行く方法もあるし、じりじりと固めていく、そういうことなのではないか、私は素人考えでそういうふうに思います。いま逮捕してないことば事実なんですが、しかし将来も逮捕しないと決めているわけでもないのですから、そういう点につきまして、詳細な法的な説明につきましては刑事局長に答弁させます。
○安原説明員 大臣申されましたように、検察当局は人の地位、身分によって差別をすることは毫もいたしませんので御信頼をいただきたいと思います。要するに、当委員会で若狭証人について告発を受けましたように、国会における偽証というのは重大な犯罪でございますので、当委員会における証言の偽証の存否については全般的に調査、捜査を進めておる段階でございまして、お尋ねの点につきましては調査、捜査中であるということで御理解をいただきたいと思います。
○小林(進)委員 私は、過去は別といたしましても、現在この時点における捜査当局の厳正中立かつ非常に熱意を込めて問題の処理に当たっておられるということはいささかも疑うものではございません。ございませんが、先ほど法務大臣も言われたように、すそ野から行って頂点に至るいろいろな捜査方法はあるじゃないか、おまえら素人が何を言うかとはおっしゃらぬけれども、そういう・方法もあるじゃないかというお話がありましたけれども、ただ先ほどの正示質問の中でも、アメリカの議会における宣誓証言の価値というものは法務大臣もお認めになった。そのアメリカの上院においてコーチャン氏は宣誓証言の上に、特に六億円の金については、丸紅の当時の檜山社長ないし大久保専務から日本の政府高官に賄賂をやるべきであるという示唆を受けて私どもはそれに従ってやったのだ。まさにこの五億あるいは一億有余、合計六億何ぼの金の大久保と伊藤の授受の問題は、そのトップの示唆、指導に基づいてやったということがアメリカの議会の中で明らかになっているのでありまするから、そういう意味においても、われわれはこの予算委員会の中でも強くそれを質問したわけです。けれども、そんなことは全然ない、こういうことを言ったのはロッキードのコーチャンけしからぬという意味の檜山証言がここに行われているわけです。大久保証言も行われておるわけです。その中の大久保は偽証でやられておる。どうして檜山さんがやられないのかということが一つ。ただ、若狭の場合は泳がしているといいますか、身柄を自由にしてお取り調べになっても偽証罪の追及には影響ないかもしれませんが、丸紅の場合は先ほどの法務当局のお話のとおり、伊藤と大久保と一緒にするといわゆる証拠を隠滅されたり通謀されるおそれがあるから、なるべく一緒にしないために逮捕したのだというならば、私は、同じ偽証罪でも全日空の場合と丸紅の檜山さんの場合は形が違うから、片っ方は偽証罪でおどかしておいて逮捕しないでおいてもいいが、こっちの方はやはり逮捕をするのが至当ではないか、こういう質問をしているわけでございまして、その点いま一回お聞かせいただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 やはり逮捕というのは人の身体の自由を拘束することでございますから、よほどの確たる根拠、将来は起訴に持っていって公判維持もできるという確信を持って踏み切るという態度をずっと検察当局はとってきておるわけです。いろいろな資料の結果、疎明が十分で裁判所から逮捕状の交付が必ず取れるという確信のもとに二人はやったわけですが、檜山についてはもう少しその点の固めをいましているところではないかと推察いたします。いましばらく捜査当局を御信頼いただいてお待ち願いたい——お待ち願いたいと言うとちょっと語弊がありますな。(笑声)しばらく御猶予、検察当局を御信頼いただきたいと思います。
○小林(進)委員 そこで、私はいま一問にして終わりますが、大久保といい伊藤といい、国会の予算委員会において宣誓証言をして答えたことを基礎にして捜査当局が偽証で逮捕をおやりになった、こういうことでございます。だから、こういう国会でできたことを基礎にして、こういう逮捕あるいは起訴に至る一つの過程、順序としては、この前の予算委員会の理事会においても法務大臣は、緊急性とか逃亡とかそういうおそれがない場合、やはり国会の告発を待ってそれから逮捕をして、それから起訴という順序を踏んでおくのが一番オーソドックスであると考える、こういう御答弁があったわけであります。その御答弁は私どもとしても非常に同感でございまして、やはり国会が手をつけた問題であり、国会自体もまたできればわれわれの手でその疑いが出れば偽証罪で実は告発も先にしたいという意欲で今日来たわけでありまするから、その御答弁は非常にいい。ところが前回そういう答弁をいただいておきながら、今回また伊藤の場合も告発が先にならないで逮捕が先になった。われわれは後追いの形で、検察当局のおやりになった逮捕の追認の形でいまここで委員会を開いておる、こういう形になった。なぜ一体検察当局が国会の告発を待たずして一度ならず二度逮捕を先にされたかという事情には、表の理由は先ほど言われるように緊急性がありまするが、しかしもっと掘り下げていったら、国会とかあるいは政党に対する一つの不信があるのではないか。事前にこれを逮捕しますとかあるいは身柄を拘束しますと言うと、政党の方から圧力を加えて、やめておけとかいましばらく泳がせておけとか、いま少しめんどう見ろとか、そういうことはやるべきではないとか、もろもろの障害あるいは妨害あるいは政治的な動きが出て、検察当局が思うままに捜査をやることができない。そこで、政党、政府、立法府側にはなるべくわからないように秘密裏にちゃかちゃかと事実をつくっておいて、事後承諾というか事後通告の形で国会側に通告するという手をとらざるを得ないのではないか。言いかえれば、これは立法府に対する若干の不信感、政党に対する若干の不信感が潜在的にあるのではないか、これをひとつ承っておきたいのであります。
○稻葉国務大臣 私は国会や何かに不信を持っているものではありません。検察当局もそんな不信を持つべきものではない。ただ御了解願いたいことは、やはり捜査は原則として密行主義、しかしこの二人の問題は国会の証言に端緒を得て、その後の資料に基づいて、こういう根拠に基づいて、これはうそを言っている、こういう判定をした経緯もこれあり、国会に対して御通知するのが礼儀である、尊重する態度である。で、通知をいたしました。事前に通知せい、こういう御要望でありましたから、今度は事前に御通知をいたしました。 そうしていまの御質問は、さらに進んで、そういういままでのやり方は、何か国会に出すとその内容がどこかへ、各政党にさっと広がって、ことに自由民主党などからは、もう少しいいかげんに、手やわらかにやったらどうかみたいなことを言われるのを恐れているんじゃないか。私、そんなことを恐れていませんな。きわめて鈍感ですから、そういうことはわからないのです。それから、決して国会に不信を持つというのではありません。むしろ国会は国権の最高機関ですからこれを尊重いたしまして、もしそういうふうに事前に、いつ幾日逮捕いたします、偽証でございますというようなことを言うて、もし検察当局が万々一まずくいって逮捕し損なったというようなことでもあったとしますと、あれは事前に国会に通知などをするから、そこから漏れたのではなかろうかなどというあらぬ疑いを国民に与えて、尊重すべき国会に御迷惑をかけるという点も私は考慮しなければならぬな、こういうふうに思うておりますので、決して国会に対する不信感を持つなどというものではありません。検察当局の失敗を、国会に御迷惑を及ぼすというようなことが万一あってはいけないということも考えておりますので、その点はひとつ御賢察願いたいと思いますな。
○小林(進)委員 これで終わりますが、私は、いま大臣の御答弁を聞いて、まあ了承しましたけれども、現在は国会に対する不信はないとしましても、私どもはこのロッキード事件に関しまして、過去のこういう——われわれはこれを構造的汚職と言っている。この過去の構造的汚職をわれわれはわれわれなりで調べているんですよ。過去にさかのぼって、昭和二十三年の昭和電工事件、あるいは二十九年の造船疑獄事件、あるいはその後、日通事件あり、共和製糖事件あり、九頭竜ダム事件あり、吹原・森脇将光事件あり、こういうやや政治家が介入して、構造汚職までいかなくても、やはり構造的においのする汚職については、これは国民の側から見ると、検察当局に対する不信感はこれをぬぐえと言ったってぬぐい得ないものがある。特に二十九年の造船疑獄のごときは、もはや指揮権発動というものは天下周知の事実でありまして、だれも知っての話だ。ところがあの問題も、私は、検察側から見れば、やはり政党不信にならざるを得ないと思う。時の法務大臣、時の検事総長佐藤藤佐氏が逮捕指揮の命令を求めたときに、それは抑えられたのであります。当時若手の検事が血の涙を流して残念がって、検事総辞職論も出たという事実は、もう歴史の上に明らかなのです。でありまするから、過去のこういう大きな事実を挙げられていけば、くどいようでありまするけれども、捜査当局から見れば、政党や政治家に対する不信感は必ず出てこざるを得ない、過去の歴史の上には。また、われわれ政党や政治家の上からは、そういう指揮権発動等によって、あるいは、いま吹原産業事件や森脇将光事件はまだ裁判で争っているようでありまするけれども、真の真相はどうなっているか、私もまだ多くの疑点を残している。そういうところでお互いの間に不信感が、過去の歴史をさかのぼれば持たざるを得ない経緯があることだけは、私は大臣もお認めにならざるを得ないと思います。 しかし、そういう形で現在それであってはいかぬ。だから、捜査当局も、願わくば国会側に信をおいて、ともに力を合わせて問題の解明に当たる。国会側もまた捜査当局に信をおいて、この問題は政治に左右されず、政党の圧力に屈せず、堂々とひとつ真実を国民の前に追及するという、その姿勢をお互いに持ち合わなくちゃならぬ、信頼感を持たなくちゃならぬ、私はその意味で申し上げたわけでございまして、この過去の経緯に照らして、一体法務大臣や検察当局は、過去はこれで全部よかった、こういうふうにお考えになっているのかどうか。過去の上に立って、少なくともこれから先は断じてそういう疑いを国民に与えるようなことはないということをでき得べくんばここで言明していただければ、私は幸いと存じます。
○稻葉国務大臣 過去における検察当局と法務大臣との関係において非常に遺憾な点のあったことは事実でございますから、私も認めております。しかればこそ、そういうことは断じてあってはいかぬ。単に口で、ここで御答弁申し上げるだけでなく、このロッキード事件の全貌の真相の解明の結果を見てお示しするという決意であります。御了察願いたいと思います。
○小林(進)委員 それではこれで終わります。
○荒舩委員長 稻葉法務大臣。
○稻葉国務大臣 小林委員の檜山逮捕の問題について、先ほど私が、しばらくお待ちください、こういう発言をいたしまして、自分でも、これは誤解を生ずるといかぬな、時間の問題からお待ちくださいみたいに聞こえて、はなはだこれは不穏当てある、不穏当でありますから、この檜山の逮捕についてお待ちくださいと言うた点につきましては、取り消させていただきます。一生懸命に検察当局はやっているのですから、御信頼をいただきたい、こういうふうに直さしていただきます。
○荒舩委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 一言だけ、小林委員の質問を補強する意味でお伺いしておきたいのですが、実は当委員会が伊藤を告発するとすれば、告発状の内容について正確を期しておかなければなりませんので、お伺いするわけです。 先ほど二人の同僚議員の質問に対して、特に伊藤の場合の偽証逮捕は、六月二十二日以降のアメリカからの新資料、あとは国内捜査。それで、六月二十二日以降の新資料というのは、もうチャーチ委員会は終わっておったはずですから、そうするとSECの資料になるわけですね。
○安原説明員 御指摘のとおりでございます。
○楢崎委員 そうしますと、この伊藤の偽証逮捕はいろいろありますが、そのうちの中心は、ピーナツ、ピーシズの領収証が金銭の授受を意味するということを伊藤が知っておったというのが大体中心だろうと思うのですね。そうすると、それを裏づける資料が六月二十二日以降来た、ということはその資料の中に、たとえば丸紅の関係者に五億円が渡ったということが明らかになっておる、それは大久保か伊藤かあるいはその他の丸紅関係者かどうかわからないけれども、いずれにしても丸紅のだれかに渡ったということが大体立証できたという確信のもとに偽証逮捕に踏み切られた、このように理解してよろしゅうございますか。
○安原説明員 楢崎委員にはいつもお願いを申し上げておりますように、アメリカ側の資料の中身をいまの御質問はディスクローズしろということに相なるわけでございますので、お答えいたしかねるわけでございますが、要するに、先ほども申し上げましたように、そういう五億円の金が丸紅側に渡っておったということは、必ずしも六月二十二日以降の資料によらずとも、それ以前のアメリカ側の資料や公聴会の証言等によって認定できたわけでございますが、伊藤宏がそのことの金銭の受領の意味なり事実を知っておったではないかということを疑うに足りる資料といたしましては、いま御指摘の、アメリカ側の六月二十二日以降に来たSECの資料及び強制捜査、任意捜査を通じて丸紅の関係者から得た供述を総合して判断したものであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○楢崎委員 あと一問で終わります。 この検事正から荒舩委員長に参りました通知書の中で、「犯罪事実」の二行目に「同社が」というふうになっていますね。そうすると、これは正確に言えば、丸紅株式会社に渡ったという意味なのか、丸紅株式会社関係者と申しますか、会社員と申しますか、これは特定されておるんでしょうか、どうなんでしょうか。
○安原説明員 まさにしごく当然の御疑問でございますが、要するに、事実行為として、ロッキード・エアクラフト社から丸紅社側に金五億円というものが渡っておるという事実は一応認められるけれども、それの法律的な意味、すなわち丸紅の収入として入ったものかどうかというようなことは、現に捜査中の段階でございまして、その楢崎委員の御疑問にいまの段階で明確にお答えすることができない状況でございます。
○楢崎委員 そうしますと、この「犯罪事実」の「同社」というのは、同社側と言った方が正確なわけですね。
○安原説明員 「同社が」ということば、法律行為としてという意味に理解されるといたしますならば、私が申し上げましたことは、むしろ楢崎委員のおっしゃいましたように、会社側がというふうに書くことの方がより事実に即するかと思いまするが、これはいずれにいたしましても、将来の問題として解明を要する段階であるということでございます。
○楢崎委員 じゃ一問だけ。 そうすると、いまのことでいきますと、丸紅株式会社側とあえて言わなければならないのは、たとえば正式の帳簿にその入った金が記載されていないというようなことを意味すると考えてよろしゅうございますか。
○安原説明員 いままでの捜査の結果によりますると、その金が正規の帳簿に入っておるという事実は認められないのでございます。
○楢崎委員 そうすると、それは裏金ということになりますね。
○安原説明員 それが丸紅の表か裏かということは、丸紅の一応の収入であるということを前提とするわけでありまするが、いま申し上げましたように、丸紅側に入っておるが、それが丸紅の一応の収入であるかどうか、したがって裏か表かということも、これからの解明を要する問題でございます。
○楢崎委員 終わります。
○荒舩委員長 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 最初に、この国会における証言についての偽証ということによる逮捕の問題でありますが、国会での証言というものが絶対にうそを言ってはならぬものだということを国民にはっきりさせるという点では、私は、これはやはり厳重に捜査がなさるべきものであるというふうに考えますが、同時に、この国会の証人喚問というものが、ロッキード事件の真相解明、刑事責任の追及やそれから政治的、道義的責任の追及という点での真相解明に非常に役立っているというふうに、私も今度のことで思うわけです。この国政調査、国会における証人喚問とそれから捜査権の問題についての基本的な考え方を、改めてでありますが、法務大臣から伺いたいと思います。
○稻葉国務大臣 私は、憲法にも規定してあるように、国会は国権の最高機関でございますから、その国会において証言法に基づいて宣誓までもしてやった証言が、調べてみたらうそだったということを放置するわけにはいかぬ、国会をばかにしておる、証言法を何と心得る、しかも十年以下という非常に法定刑は重い罪になっておる、これについては検察庁としても真剣な態度で取り組まなければいかぬということから、事実を調べて、確信のもとに偽証であるというので偽証に踏み切って逮捕した。今後もこれによっていささかでも国会の証言というものの重要性が国民にも一般に社会通念として定着することを望む次第です。
○松本(善)委員 この国会の証人喚問が、この二つの偽証逮捕を見ますと、捜査を非常に助けている、法務大臣は両々相まってということをよく言われますけれども、そういう関係にあると思いますが、その点についての法務大臣の考えを聞きたい。
○稻葉国務大臣 たびたび申し上げておることでございますけれども、この際、御質問でございますから、きちっとしたまとめた答弁を申し上げたいと思います。 ロッキード事件に関し、国会は政治的、道義的責任の所在を明確にするべく、憲法に基づく国政調査権を行使されているのであります。また、捜査当局は刑事責任の追及のため刑事訴訟法に基づく犯罪捜査権を発動しているのであります。それぞれその目的を異にするとともに、両々相まって本件全体の真相が解明されるものと考えております。ロッキード事件については目下鋭意捜査が行われている段階であり、国会の行われる証人喚問との間で、その日時等につき利害が若干衝突する場合もあり得ると考えられます。しかし、このために捜査当局から国政調査権を云々するというようなおこがましいことは申し上げるわけにはまいりません。それは国会が独自の御判断で御決定になってしかるべきことというのが私の根本的なこれに対する態度でございます。
○松本(善)委員 もう一つ伺っておきますが、偽証の制裁のもとに国会で証人喚問をして証言を行わせるということは、この二つの逮捕の経過を見ますと、時効の制約を打ち破って真相を解明するというのに非常に役に立っているというふうに思いますが、法務大臣の見解はいかがでしょう。
○稻葉国務大臣 御説のとおりでございます。
○松本(善)委員 念のためでありますが、国会での証人喚問が捜査の妨害になるというようなことを言う説がありますけれども、これはもう国会の国政調査権に対する挑戦であって、そういうことはとうてい言うべき筋のものでないと思いますが、これについての法務大臣の見解を念のためにお聞きしたいと思います。
○稻葉国務大臣 これは第一段階における答弁で申し上げたとおりでございます。そのとおりでございます。
○松本(善)委員 それでは具体的なことを少しお聞きしますが、この伊藤の告発をするかどうかを私どもここで決めるわけでありますが、そのためにはやはり事実関係ができるだけわかる必要があります。 それについて伺うわけでありますが、この逮捕についての通知書によりますと、五億円の金を受領したということが問題になっておりますが、これは日本側の捜査によっても明らかになっているのかどうか、これを明らかにしていただきたい。
○安原説明員 嫌疑の当初はアメリカ側の資料でございますが、日本側における捜査によっても裏づけられております。
○松本(善)委員 伊藤被疑者はこれを認めておるのでありますか。
○安原説明員 現在の捜査の段階で被疑者を特定して、だれがどう言っているかということはひとつお答えを差し控えたいと思いますので、御理解願いたいと思います。
○松本(善)委員 これが丸紅に入っている、丸紅が受領した、逮捕の通知書とそれから先ほど来の説明によればそういうふうになっておりますが、それを証明するものはどういうものでありますか。
○安原説明員 これは先ほどもお答えいたしましたように、アメリカ側から来ております資料によってそれが認定できるわけでありますし、そのことを国内の捜査によっても裏づけておる次第でございます。
○松本(善)委員 それは資料のどういうものによって認定したかということはわかりましたけれども、丸紅に入っているということですね。それはただ従業員が受け取ったということだけではないと思うのです。そのことを証明するのはどういうようなことであったかということをお伺いしたいと思います。
○安原説明員 これは先ほど楢崎委員の御質問にもお答えいたしましたように、これから解明をしていかなければならない問題でございまして、いま認定できる程度といたしますれば、丸紅側が事実行為として従業員のだれかによって受け取られておるということであって、それが法律的に丸紅側の収入になるとかいうようなことは、これから解明をしていかなければならない問題だという捜査の現況にあるわけでございます。
○松本(善)委員 五億円の金が、丸紅側という言い方ですが、入っているということになりますと、これは会社の幹部が知らないわけはないというふうに思うわけですが、そういうようなことについてはわかっておりますか。
○安原説明員 御推察としてはごもっともでございますが、先ほど申しましたように、伊藤宏がそういうものが入っておることを知っておったということは、六月二十二日以降の入手した資料及び国内関係における被疑者、参考人等を含む丸紅側の供述によって明らかであるというふうに考えられております。
○松本(善)委員 そのお金が丸紅からどこへ行ったかということはわかっておりますか。
○安原説明員 これはまさにこれから究明を要する問題でございます。
○松本(善)委員 檜山氏がこれを知っておったかどうかということはわかりませんか。
○安原説明員 このことも、先ほど大臣が申されましたように、これから伊藤の取り調べを通じて丸紅の関与の程度ということが当然に調査、捜査の対象になるものと考えております。
○松本(善)委員 嘱託尋問について伺います。 この嘱託尋問の結果についてでありますが、この尋問結果を日本の捜査に役立てる、あるいは公判に役立てるということのために法務当局はあらゆる努力をしなければならないというふうに私は考えます。先ほどこれについての方針を明らかにすることはできないという趣旨を言われましたけれども、むしろこれは断念するようなことはあり得てはならないし、これを必ずとるということで望むべきだと思いますが、法務大臣の考え方を聞きたいと思います。
○稻葉国務大臣 私は用心深く申しているので、必ずとりますと言うてとれなかったら食言ですから、それからまたそういう性質のものでもありませんね、相手国があるわけですから。したがって、最大の努力をこれから続けていかなければならぬというふうに申し上げたわけです。 それで、最高裁が規則をつくったらいいじゃないか、あれをつくってやったらいいじゃないかということにつきましては、法務大臣からそんなことを頼まれてやったなどという性質のものでなくて、自分の下の方の裁判所が尋問を嘱託しているわけですから、その嘱託がうまくいくように、向こうの言い分を聞きつつ、これからの進行の経過を見つつ、最高裁判所は御判断になるべきものだ。そういうこともあらゆる点を踏まえて何とかして証言をとりたい、こういうことでございまして、必ずとるという断言をここでいたしますことは、ちょっとしばらく御猶予願いたいと思います。
○松本(善)委員 私も方針として伺ったわけであります。 さらに伺いますが、最高裁がもちろん判断するべきことが出てくるということは当然でありますけれども、しかし、その経過の中で最高裁と打ち合わせするとか等々のことが必要であろうかと思います。そういうことはやっておられますか、あるいはやられる考えでありますか。
○安原説明員 いま大臣も申されましたように、あらゆる手段を尽くしてファーガソン決定の条件を成就させる努力をすべきことは当然のことでございますので、現にやっているということで、その過程において最高裁の判決、命令または規則というようなことを向こうがファーガソソ決定で言われておりますので、当然適当な時期におきましては最高裁判所とも連絡をとらなければならないことが起ころうかと思いますが、いずれにいたしましても、あらゆる手段を尽くし、先ほど正示委員から立法府の意見も聞けという御示唆でございましたが、あらゆる方面の意見を聞きながら何とかしてこの実現のために努力をしたいと考えております。
○松本(善)委員 終わります。
○荒舩委員長 次に、山田太郎君。
○山田(太)委員 このたびの偽証の疑いによる伊藤の逮捕ということでございますが、わが党といたしましても、私といたしましても、告発の理由なり、あるいはそういう判断をするためのよすがとして、多少違った面から質問を行っていきたいと思います。 〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕 お聞きしたいことは、同僚委員からもう相当質問もございました。そこで、このたびの伊藤逮捕に踏み切ったこと、この点についてはもちろん評価を惜しむものじゃございません。また同時に、この国会への通知書の文章が非常に民主的な文章になったやに私ども判断いたしておりますので、その点の努力も多といたします。また同時に、前もって通知をというふうなことで、一時間半ぐらい前ですが、荒舩委員長を探されたという努力も多とするものではございます。しかし、親告罪等の一応の形は、やはり告発、それから逮捕、起訴というのが定例の形じゃないかと思うわけでございます。この前も法務大臣からそのような意味のお話があったかとも思いますが、そういう意味から判断いたしますと、事前に通知なさった点、その努力はお買い申し上げるといたしましても、このようなことが今後たびたびあっていいものじゃありません。しかし、そういう定型を踏むための何かの形というものを確立する必要があるのじゃなかろうか。すなわち、国会への通告という意味においても、もっと変わった意味において、その定型を告発、逮捕、起訴、そう踏めるような、そういうものを判断してもらいたいと思うわけです。まあ判断という言葉は訂正いたしますが、そういう意味から、法務大臣は何かを考えていらっしゃる、そういうことがあるかないかという点について、まずお伺いしてみたいと思います。
○稻葉国務大臣 相当時間を置いて——この間の理事会の言葉を拝借しますれば、委員長ぐらいには耳打ちぐらいはしたらどうだ、こっちの証言という材料でいっているんだからそれが礼儀じゃないかというようなことで、今度は事前に御通知申し上げたわけですが、先ほど申し上げましたように、あんまり時間を置きますと、もし逮捕し損なったような場合に、検察当局のミスを何か国会に疑いがかかっては、私も国会議員ですから、それは心外ですから、そういう点についても国会と捜査当局とはこの真相解明については両々相まつわけですから、両方とも権威を持ちつつやっていく。こういう意味で、いまのところ直前の通知以外にちょっと、あらかじめ通知して告発をしてもらって逮捕してきたということをどう定型づけるかについていい知恵がありません段階です。
○山田(太)委員 先ほど申し上げた定型を形づくるためのいい知恵が現段階ではないということでございますが、やはりこの点は、先ほど同僚委員からも質問がありましたように、秘密理事会等という手段もあるわけでございますから、そういう点もやはり考慮の中に入れてもらいたいということをまず要望しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔塩谷委員長代理退席、委員長着席〕
○稻葉国務大臣 よくその点は考慮して検討します。また、御相談もします。
○山田(太)委員 そこで、具体論に移らしていただきますが、先ほどの御質問からまた別の形から質問を行ってみたいと思います。それは通知書の内容並びに先ほどからの御答弁の問題です。 そこで、この逮捕に踏み切られた一番の大きな原因は、国会においての偽証の問題ですが、その偽証は、いわゆるピーナツ、ピーシズがいわゆる金品の、まあいまのところは授受の受の方ですか、その受の方を裏づけるに足りるという根拠として、いままでの供述あるいは捜査あるいは六月二十二日以降のアメリカから来た新しい資料によってというふうな御答弁でございました。そこで、この供述あるいは捜査という点はこれは了といたしまして、この六月二十二日以降に来たアメリカからの新資料によってだというふうなことがなぜ入ったかということでございます。 先ほどからの答弁によりますと、われわれの捜査によりあるいは供述によってちゃんとその五億円を裏づけるものがありますというふうなお答えだったわけですが、しかしその中に六月二十二日以降アメリカからの入手した新資料というものをなぜつけ加えざるを得なかったのか、あるいはなぜつけ加えたのか、その辺の理由というものを明確にする必要があるんではなかろうか。やはりわれわれの判断の根拠の重要なポイントですから、その点を明確にしてもらいたいと思います。ただ単に、それは向こうとの約束によってどうのこうのというふうに逃げられてしまっては、これはなかなか判断のよすがにしかねます。なぜ六月二十二日以降の新資料ということが入ったのか、その点について答弁願います。
○安原説明員 六月二十二日以降ということを特に申し上げたわけは、六月二十二日に大久保利春は逮捕されておるわけでございます。大久保と伊藤は、いわば一連の人々として、当委員会におきましても相並んで証言をされた関係にございますので、大久保について逮捕し、告発を求め、していただき、そして伊藤については当時逮捕せず、したがって告発に関する審議も行われなかった理由は何かということになりますと、六月二十二日の段階におきましては、なお伊藤について逮捕するに足りる相当な資料がなかったということに相なることによって、その両者の取り扱いの公平は欠かないということを申し上げんがために、その後新たな資料が入ったことによって逮捕するに熟したということを御説明申し上げたい一存から、六月二十二日という日を限って申し上げたわけでありまして、具体的には、六月二十四日ごろに入手している資料、それからその後得られました関係者の供述等によって、伊藤についても逮捕するに足りる相当の理由があるという判断に達したということが逮捕状を請求する理由であるということを申し上げる意味において、六月二十二日という大久保逮捕の日以後ということを申し上げた次第でございます。
○山田(太)委員 そういたしますと、しつこいようでございますが、大久保逮捕のとき、捜査並びに供述あるいはいままで入ってきたアメリカからの資料ということでございますが、今度は、先ほどの御答弁で二十四日入手というふうなお話もございましたが、やはりそれが入ってこなければ、供述あるいはいままでの捜査あるいはいままでのアメリカからの資料によっては逮捕には踏み切れなかったということにも通じるわけだと思いますが、それほどの、二十四日以降に入った新資料は金品を明確にあらわし得るそういう資料だと言わざるを得ないようになりますが、いかがでございましょう。
○安原説明員 基本的には御理解のとおりでございまして、ただ、先ほど楢崎委員がせっかくのお尋ねにもお断りを申し上げましたように、六月二十四日ごろに入手した資料の内訳、内容を申すわけにはいきませんので、その二十四日以降に入手した資料と、それから関係者の、被疑者、参考人を含む丸紅関係者の供述を含めて、総合して、伊藤が金銭の受領という事実それからピーナツ、ピーシズの意味を知っておったということを認定する資料となったということでございます。
○山田(太)委員 大分長くお答えになりましたが、要するに、二十四日入手した新資料によって、いままでの分ではだめだったが、それによって、まあ五億円なら五億円の金員を証するに足る新資料であると判断せざるを得ないわけです。この件については明確な御答弁を差し控えたいとおっしゃるかもしれませんが、やはりいままで大久保の場合とそれから伊藤の場合と、その点がきょうの御答弁によっては大きな違いがあるわけです。したがって、二十四日入手の新資料には金員を明確に証するに足るだけの資料が入ったと断定しても間違いないのじゃなかろうか、こう判断するわけでございます。これについて、答弁できなければできないでいいですが、どうでしょうか、もう一度お伺いしておきます。
○安原説明員 お答え申し上げておりますように、金五億円が丸紅側に入ったということは、何もこの資料によらずとも、すでに入手しておりますアメリカ側の資料あるいはコーチャン証言、国内関係の捜査によって明らかであったわけですが、問題は、伊藤宏がそのことを知っておったかどうかということに関する資料としては、六月二十二日の大久保逮捕の段階においてはまだ十分ではなかった。それが六月二十二日以降に入手したアメリカ側の資料と関係者の国内における捜査の供述と総合して、認定することができるに至ったということを御説明申し上げた次第でございます。
○山田(太)委員 はしなくもいまの御答弁によって、伊藤はいわゆるピーナツ、ピーシズが五億円の金員であったということを知っておったということ、この知っておったということはアメリカからの新資料によって判断できたということにおのずからなると思うのです。ただ、それについて明確に言えないかどうか。明確に言うと差し支えるんだったら差し支えると言うてください。
○安原説明員 先ほど楢崎委員の御質問に答えたと同じことを申し上げるわけでありまして、アメリカ側の資料によってこれがわかったということはアメリカ側の資料の内容を申し上げることになりますので、御勘弁を願いたいと申し上げておる次第でございます。
○山田(太)委員 そこまでは当然だれでも判断できることです。したがって、そこまで言えないだけだということで、一応そのまま了承しておきます。 そこでもう一度お伺いしますが、この被疑者の伊藤が外為法違反ということが明確になりました場合——大久保が伊藤に書かせたわけですから。これは明確になっています。当時専務じゃなかったはずでございますが、大久保前専務が伊藤に書かせた。したがって、そのときには外為法違反の教唆にも通じるわけでございますが、そういうときには大久保再逮捕にも踏み切ることができるかどうか、この点についてお伺いしておきます。
○安原説明員 仮定の御質問であり、これからまた究明を要する問題でございますが、伊藤宏が仮にこの金をみずから受領しておったということが認定されまして、その上で大久保がこの事情を知って何らかの形で加担しておるとすれば、御指摘のとおり外国為替管理法違反の容疑が成立するわけでございますが、その段階におきまして逮捕するかどうかということは、さらに仮定の仮定でございますので、いま申し上げるわけにはまいりません。
○山田(太)委員 あわせてお伺いいたしますが、国会はすでに大久保及び若狭氏について告発しております。われわれは伊藤のほか檜山、渡辺両氏についても告発をすべきであると主張をしてきております。ところで、国会が告発をする場合、大体被疑事項をつけるのでありますが、検察当局はその被疑事項のみについて起訴できるのでありますか、それとも被疑事項にはなっていない偽証についても、偽証の事実が判明した場合も起訴できるのかどうか、この点をお伺いしておきたい。なぜならば、たとえば若狭氏の告発の被疑事項の中には入っておりませんが、若狭証言の中では、ロッキード社からの金品の授受については一切ないと証言をしておりますけれども、その後の捜査によって偽証の疑いが非常に濃厚になっておるわけでございます。このような場合、さきに行った国会の告発は偽証についての起訴のために有効なのかどうか、それとも新たに告発をする必要があるのかどうか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。
○安原説明員 まさに解明を要する法律問題として考えるべき問題でございますが、いずれにしても、仮定の問題でございますけれども、法律論といたしましては、すでに同一の機会においてなされた偽証について告発がなされておりますならば、ほかの証言の中に虚偽がありましても、法律的には一つの罪の範囲内に属するわけでございますので、理論的には改めて告発を要しないというふうに考えておるわけでございます。国会でここの部分にうそがあったのだということを明確にしてもらうという意味においては、場合によりましては告発書をさらに追加して補正してもらうということの方がよりベターではないかとこの場では考えておりますが、法律的にはそういうものはなくても起訴は有効にできるというふうに考えております。
○山田(太)委員 法律的にはちゃんと起訴ができるという御答弁でございます。そこで、この国会の告発につきましては、起訴あるいは不起訴の場合もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、やはり国会において報告がなされなければならないと思うわけです。その報告は当然なされるおつもりかどうかという点と、それはいつの時点でどのような方法でなされるのか。これも大事な問題でございますので、お伺いしておきたいと思います。
○安原説明員 告発をいただいたものにつきましては、当然その結果について御通知を申し上げるべきものであるというふうに考えております。それがいつの段階になるか、まだちょっと先のことでございますので明確にお答えいたしかねますが、いずれにいたしましても、処分をいたしましたら御通知を申し上げるべきであるということは間違いないところかと思います。
○山田(太)委員 そこで、論点を少々変えますが、今度はピーナツあるいはピーシズの金品の授受の授の方、出す方です。それは大久保が携わったのかあるいは伊藤が携わったのかというふうな論にはお答えできないとは思いますが、しかしいずれの場合にしても、ちょっと論点は違いますが、いわゆる政治団体に対する会費等々でその金が使われているという場合もないとは言えません。そういうふうな点に至るまで当然捜査の対象になっていると思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
○安原説明員 金の入りようを調べて、その金がどう処分されたかを調べないなどということはあり得ないわけでございますので、それを含めまして不正行為の介在するかどうかということを究明するのが現在の捜査当局のやっておる事柄でございます。
○山田(太)委員 その点は、現段階ではということで了としておきましょう。 そこで、法務大臣にお伺いします。 法務大臣は、この前の六月二十五日の私の質問に対しましてこのようにお答えなさっております。先ほども同僚議員からの質問にもお答えになっておりましたが、国会における国政調査権は政治的、道義的な責任の追及、それから捜査当局は刑事的な責任の追及、両々相まってこれは車の両輪のようなものでございます。したがって、国会においての証人喚問は決して——そのときの御答弁はこのようになっております。「ロッキード事件の黒白の解明は、単に刑事責任の関係を解明すれば足りるとは世論もされておらないようでございますね。総理大臣もたびたび刑事責任の面と政治的、道義的責任の面と両々ある。そしてわが国の国法上、刑事責任追及の権限は法務省、検察、それから政治的、道義的責任の追及は国会の調査権と、こういうことになっておりまして、この全貌を解明するというためには、国会の調査権と検察当局の刑事責任捜査権と車の両輪のごとく、両々相まって初めて全貌の解明ができるというふうに思っております。」この後でおっしゃっておりますのは、国会においての証人喚問における尋問、これは決して捜査、立件の妨害にはならないと判断いたします、このように法務大臣は明確に御答弁になっておるわけでございます。その後これが、参議院でございましたか、明確には存じませんが、少々御意見が変わったやに承っておりますが、その点を明確にしておいていただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 国会の行われる国政調査権は無制約ではないということを前に申し上げたことがある。国会は良識をお持ちになっておるわけですから、捜査当局の刑事責任追及の活動がこれによって支障を来すような内容の国政調査権の発動はなさらないと思う。したがって妨げになりません、こういうふうに申し上げたわけでありますが、時たま、国会の国政調査権に基づく証人喚問において、あなたは検察当局の取り調べを受けましたか、どういう点を聞かれましたか、こういう点はどうですかというようなことが行われたようでございますが、そういうことになりますと、仲間のたくさんいる人の証言を国会で求められて、警察で調べられた内容なんかについても明らかになりますことは、捜査当局としてはちょっと困る点も往々あるということはお考えおきになるのが国会の調査権の行われる良識ではないかというふうに思いますので、その点を参議院のロッキード問題調査特別委員会においてつけ加えた、付加したというふうにおとり願いたいと思うのです。また、国会の行われる証人喚問との間で、現にいま、鋭意捜査が行われている段階でありますから、証人喚問の時期と検察の取り調べの日時等が重なり合ったりして、利害が若干衝突する場合もあり得ると考えられます。しかし、このために検察当局から国政調査を行わないよう要求する立場にはありません。ただ、国会の方で独自にそのような事態を避けるため、証人喚問を一時見合わせるというような御趣旨をおとりになるならば、そのことは検察当局にとってはありがたい御配慮として感謝しなければならない問題であるというふうには思っております。
○山田(太)委員 いまの法務大臣としての御答弁は、これはある別の観点からするならば、国会の国政調査権に対しての介入の言葉に通じると言っても過言でないと思います。(「干渉だよ」と呼ぶ者あり)介入という言葉が適当でなければ、当然国会の調査権についての重大な干渉であると思います。これは重大な発言でございます。検察当局として、時日等一緒にならないように配慮していただくとか、あるいは先ほど例に挙げられたような事柄に配慮をお願いできれば幸いでございますとか、そういうふうなこと自体がすでに国会の調査権に対しての重大な干渉であると思います。この点についての法務大臣の発言は重大問題として取り上げざるを得ません。この点についてもう一度しっかりした法務大臣としての御答弁をお願いしておきたいと思います。
○稻葉国務大臣 刑事責任追及の権限は、わが国の法制上、検察当局に専属しているわけです。したがって、現に実績がありましたから、証人喚問の仕方において。どういうことを聞かれたか、どういうことを答えたか、こういうことについては、今後の同類の連中を調べる、刑事責任追及の職務権限を円満に完全に遂行することについて支障を来す、ですからそういう点については御考慮を願いたい、こう申すのは、われわれ職務権限を正確に、正しく行う法務大臣の立場として、そういうふうに申し上げざるを得ませんな。
○山田(太)委員 時間がちょっと超過しておりますが、その点ちょっと御配慮願います。 いまの法務大臣として御配慮をお願いしたいということ自体がやはり最高の国権の権威である国会としての調査権に対する重大な、これは侮辱とまで言わないまでも、やはり干渉であると言わざるを得ません。時間がないからきょうはこの辺にしておきますけれども、今後この問題はやはり他の委員会においても重大な問題として取り上げることを明言いたしまして質問を終わります。
○荒舩委員長 これにて質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後一時三十六分休憩 ————◇————— 午後一時三十七分開議
○荒舩委員長 これより再開いたします。 この際、証人告発の件についてお諮りいたします。 去る二月十七日及び三月一日本委員会に出頭し、宣誓の上証言を行った伊藤宏証人の証言について、偽証の疑いがあるものと認め、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第八条の規定により告発いたしたいと存じますが、その告発状を予算委員会調査室長をして朗読させます。三樹室長。 〔専門員朗読〕 告 発 状 (案) 東京都千代田区富士見一丁目 二番二四の六〇一号 被告発人 伊藤 宏 右の者が昭和五十一年二月十七日及び三月一日、本委員会において、証人として宣誓の上行つた別紙被疑事実に示す証言は、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第六条に該当するものと認め、同法第八条により本委員会の決議に基づき告発する。(関係会議録別添) 昭和五十一年七月六日 衆議院予算委員長 荒舩清十郎 最高検察庁 検事総長 布施 健殿 被 疑 事 実 被告発人は、丸紅株式会社の取締役兼社長室長の職に在った者である。 本委員会は、ロッキード問題の真相究明のため、被告発人を含む関係者多数より証言を求めたのであるが、被告発人は、ピーナツまたはピーシズで表示した領収証四通にサインしたが、ピーナツ、ピーシズの意味は全然知らなかった旨及び領収証に関連する金品の授受については全く関知していない旨証言した。 然るに、七月六日、本委員会において政府当局から説明を聴取したところ、丸紅株式会社がロッキード社から前後四回にわたり合計五億円を受領し、これを証明するため、被告発人がピーナツ、ピーシズ表示の領収証四通にサインしたことを捜査当局が証拠資料に基づき確認し、裁判所も当該資料を審査した結果逮捕状を発行し、勾留を認めたことが明らかになった。 更に、本委員会における答弁及び提出資料をもとに判断するとき、被告発人の前記の証言は偽証の疑いが極めて濃厚であると認められる。
○荒舩委員長 本告発状に基づきまして伊藤宏君を告発することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 委員長において直ちに告発の手続を進めます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十一分散会