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77回国会衆議院1976/02/05

予算委員会 第8号

発言数
232
登壇者
22
会派数
3
開催日
1976/02/05

会議録

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和五十一年度一般会計予算、昭和五十一年度特別会計予算及び昭和五十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野委員 総理にお尋ねしますが、政府は昨年の暮れに、総合エネルギー対策閣僚会議で「総合エネルギー政策の基本方向」をお決めになりました。その考え方は欧米の新エネルギー政策に対応するものだ、こう言われておりますが、長期エネルギー需給計画をどういう目的で計画され、立案されたか。そしてまた、総理はこの計画の策定に当たってどういう点に着意して指示を与えたか、その点をまずお聞きしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 エネルギー問題は、各国とも重要な政策の課題であります。日本も、いま石野君が御指摘のように、昨年の暮れにエネルギー対策閣僚会議が昭和六十年に至る長期計画を樹立したわけでございます。  その基本の考えになっておるものは、国産エネルギーというものもできるだけこれは開発をしなければなりませんが、石炭にしても、日本の石炭資源はそう大きな開発というものは今後できる可能性はありませんので、二千万トン、これを横ばいで、長期にそういう供給を確保していきたい。  そうなってくると、やはり大きくは石油。石油というものがいまでは七七・四%ぐらいエネルギー源の中で占めておるのですが、これをできるだけ十年間に九%程度の省石油をいたしましても、六十年には四億八千五百万キロリットル、やはりこれぐらいの石油の輸入を確保しなければならぬわけでありますから、どうしても石油に対して安定的な輸入を図っていくということが中心であって、いま中東というものが中心になっておるわけですから、これをやはり石油の輸入先をできるだけ多元化していく。中国の石油なども相当輸入を増加していきたいということですが、そういうふうにしても、石油というものがやはりこの六十年の計画の中では中心になっている。これの安定的な供給の確保を図るということ。  もう一つは、やはり原子力発電というものが四千九百万キロワットの開発を十年間に予定しておるわけです。これで六十年には約一〇%ぐらいのエネルギーを確保したいということですが、これは相当な努力を要することは申すまでもないわけですが、世界各国とも、石野君御承知のように、もうフランスなどでは原子力発電というものを今度二五%に増大していこうということ、アメリカでも十数%、日本の場合はそういうものに比較して、いろいろな安全性とか立地条件とかいうような問題があって、これはよほど努力をしなければならぬ。いま申したような九・六%ぐらいにこれから原子力発電をふやしていこうというのには、これは相当な努力をしなければならぬ。  そうなってくると、もう一つは、やはり新規エネルギーの開発というものが問題になってくる。昭和四十九年にサンシャイン計画を立てて、地熱とかあるいは太陽熱とか、核融合とか、いろいろな点で新規エネルギーの開発というものに力を入れて、政府は核融合という問題に対しては非常な関心を持って、今年度の予算にも相当予算をふやしたわけでございます。  だから、長期計画の政府の考え方は、やはりできるだけ国内におけるエネルギー源を開発して、そしてそれをできるだけ活用をする。水力なども、もう御承知のように十カ年で七百万キロワットぐらいのものしか予定として考えられないわけで、やはりどうしても、国内のエネルギー源を開発してもそれだけではとても日本のエネルギーの自給というものが大きな数字にはならないので、石油の安定的な輸入を確保することと、原子力発電、そして一方においては新規エネルギーの開発、こういうものを中心にして長期エネルギー計画を立てたわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 エネルギーの安定確保という観点から、石油ショックで国内エネルギー等の開発を含めて長期計画を策定したというその基本になるのは、とにかくまあ石油が安上がりだからということで、石炭を一応坑口を全部閉ざすというようなやり方をした、その政策の誤りということもやはり厳しく反省した上で対策を立てなければならぬ。私は、今度の長期エネルギー需給計画というものの考え方の基本には、そういうものが総理の心底の中にあったのではないかというふうに考えておりますが、総理はそういう点についてはどういうふうな着眼をしておりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 誤りであったとは私は思わない。やはり石油というものが一番安いエネルギー源として、そのことで日本の重化学工業というものも非常な伸展を遂げたわけで、そのときは世界各国ともエネルギーというものは石油にウエートがかかってきた。これはもう各国とも石油にウエートをかけてきたわけでありますから、日本だけがそのときにほかのエネルギーに依存してというようなことであっては——世界的な競争の中に日本経済は発展していかなければなりませんから、エネルギーを日本が石油に依存したということが誤りであったとは思わないのです。日本に国産エネルギーがないのですからね。あの場合、日本は、いや、それは輸入によるからといって、ほかに何かかわるべきエネルギーがあれば別ですけれども、そういう場合に石油に依存したというようなことは、誤ったとは言えないけれども、いろいろな石油危機などを通じて見て、これでやはり石油ばかりに依存する日本の産業構造というものに対しては、これはだんだんと石油の依存度を減らしていかなければならぬという反省はありますけれども、あの時点で誤ったとは思っていないわけです。

石野久男日本社会党

○石野委員 それにしても、石油が入らなくなれば、もう九〇%以上も石油に依存しているということになれば日本の産業はとまってしまう。そのときに、せっかく自国にあるところの資源を掘り起こすことは全然できない。こういう政策の誤りというものの反省がなかったら、この長期計画というものは成り立っていかない。私は、これはやはり自民党の過去におけるエネルギー政策の誤りということを率直に反省した上に立ってそういう計画をつくっていかない限り、自立性というものは出てこないと思うのです。特に、総理はそういう考え方が必要であると私は考えます。  このエネルギーの閣僚会議におけるところの基本方向というものを進めるに当たっては、5に「今後のエネルギー政策は、別添の総合エネルギー調査会答申に示された昭和五十五年度及び六十年度におけるエネルギー需給バランスを参考として推進するものとする。」とある。この場合の需給総括表というものは、政府の長期エネルギー計画そのものと見てよろしいのですか。ここにある「参考」という意味は、この中をまた変更するという意味なのかどうか。それはどういうことなのですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 政府のエネルギーの長期計画は、こういう計画に基づいて努力をしていこうということでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 もう一度お尋ねしますが、政府が示しておりますこの基本方向の中で、総合エネルギー調査会が答申したエネルギー需給計画総括表というもの、ここにはいろいろ具体的なものが出ているわけです。これはそのまま政府の長期計画の内容であると見たらいいのか。参考にするというのだから、このほかに長期計画の具体的な案があるのかどうか。そこのところをはっきりしていただきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 政府は、調査会の答申を受けましてそれも検討し、政府独自の総合政策大綱を決めたわけなんです。ですから、その大綱が政府の方針になるわけでありますが、その政府の決めました大綱の参考指標として調査会の答申をそのまま掲げておるわけでありますから、これは重要な参考指標になる、かように御理解願います。

石野久男日本社会党

○石野委員 では、参考資料だということになりますと、政府には別な、やはり基本方向に従った具体的な計画案があるというふうに理解されますが、それはすでにできておりますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 政府自体におきましては、数字的に、これが政府の決定した資料であるというものはつくっておりませんけれども、この調査会の答申されました需給計画表を重要な参考指標とする、そういう意味合いにおきましてこれを重視いたしておくという考えであります。

石野久男日本社会党

○石野委員 重要な参考資料だという意味は、まだこれは政府の具体的な案ではないということになりますから、政府には、大綱はあるけれども、長期エネルギー総合計画というものは現在ない、こういうふうに考えてよろしいわけですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 御案内のように、昨年総合エネルギー調査会の答申が出たわけでございますが、それとは別に、政府は昨年の春から総合エネルギー対策閣僚会議というものをずっと継続して開きまして、年末まで作業をいたしました。その総合エネルギー対策閣僚会議におきましては、総合エネルギー調査会の答申等を参考にいたしまして作業をしたわけでございますが、それを参考といたしまして大体の方向が昨年の総合エネルギー対策閣僚会議で出たわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 それは聞いた。いま総理からも副総理からも聞きましたが、だから政府にはそれを参考にしてつくり上げた需給計画というものは現在あるのですか、ないのですか、ということを聞いておるのです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 それは、昨年の年末に総合エネルギー対策閣僚会議の一応の結論が出たわけでございまして、その一応の結論を現在政府のエネルギー対策の指針と心得ております。

石野久男日本社会党

○石野委員 指針はわかるのですよ。指針は幾らあっても、石油をどういうふうに確保するかという具体的な数字をやはり経済計画に即応してつくらなければならぬわけです。総理も副総理も、施政演説のときには、二十一世紀に挑戦するというたてまえから、新しいエネルギーの策定というものを具体的にやるのだということを大上段から国民に訴えておるわけです。しかも、大綱を決定したときには、新聞社は、どの新聞もみんな、わが国で初めてエネルギー政策の基本路線を示したものであって、それの具体的内容はこの答申のものだという方向での記事を書いておられる。一般においてもまた、エネルギーの長期需給計画というものはこういうものだという理解をしておりますけれども、具体的に、政府の方針というのはこれから著しく変わるのか。重要な参考資料だということは、大体この線でいくのだということなのか。そこのところがはっきりしないと、政府に対してエネルギー政策についてお尋ねすることはできないわけです。だから、私は、この需給計画表というものと政府の基本方針に基づく具体的な計画数字というものとはどういう関係にあるのか、そしてまたどれぐらいの違いがあるのかということを、まず最初に聞いておきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 昨年一ヵ年、総合エネルギー対策閣僚会議では作業を継続いたしましたが、年末に得ましたその結論というものは、先ほど申し上げました総合エネルギー調査会の答申というものがその内容になっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 その内容が答申になっているということは、それを裏から見ますと、いわゆる長期エネルギー需給計画総括表というものは大体政府の考え方である、こういうふうに理解してよろしいということですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 そのとおりであります。

石野久男日本社会党

○石野委員 それじゃ総理にお尋ねしますが、長期エネルギー需給計画総括表というものが大体政府の考え方であるということでエネルギー政策についてのお尋ねをしてもよろしいわけですね。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 そのとおりでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 それじゃお尋ねいたします。総理は、石油ショック以来、できるだけ国内資源の開発、エネルギー資源の開発ということも考えてやっているということであり、また同時に、この計画によれば省エネルギーということにもやはり非常に重要な視点を合わせておるわけです。で、この計画表は、政府の経済計画、向こう五ヵ年間年率六%ぐらいの上昇という、そういう基本的な考え方と大体見合うものという形でこれを見てよろしいわけですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 そのとおりでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 総理にお尋ねしますけれども、この計画に基づきますと、昭和四十八年度の国産エネルギーの需給計画に基づく供給構成比の中での比率九・五%というのが、六十年度になりますと八%になります。このこと自体、むしろ供給構成比というものからいきますと、国産エネルギーの寄与率というものは非常に低くなってしまうのですね。むしろよそからエネルギーを持ってこなければこの計画は成り立たないということになってまいります。これはどうも総理が最初にお話しになったなるべく自立エネルギーの確保という考え方と違いますけれども、それはどういうことでこういうような計画を組んだのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 この計画の中心は、御案内のようにできるだけ国産エネルギーをふやしていこう、しかしながら、日本の特殊事情から考えまして石油に対する依存度というものが依然として非常に高い、そういうことでありますから、石油の安定確保を今後どうするかということは大きな柱になっております。     〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 で、国産エネルギーの分野につきましては、そのリストにございますように、純然たる国産エネルギーと、それから国産エネルギーに準ずるものとして原子力というものを取り上げておりますが、原子力を今後十年間に全エネルギーのほぼ一〇%まで持っていきたいというのが一つの特徴だと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 私がお尋ねしておるのは、国産エネルギーというものの寄与率を昭和四十八年の段階よりも——非常にエネルギーを必要としておった時期でございますが、その当時の九・五%ということから、六十年度、むしろ経済成長率が落ちるという段階のときにおいて構成比率を下げていくというこの考え方は、政府としてどうも自主エネルギー対策というものの考え方に欠けるものがあるのじゃないか。やはり依然として対外エネルギーに依存するという考え方を脱却してないということが言えるのじゃないかというふうに考えますが、それは違いますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 この表によりますと、国産エネルギーの合計は、昭和四十八年度九・五%から、八%に減っております。しかし、原子力等を加えました国産エネルギー並びに国産エネルギーに準ずるものとしてのエネルギーは、一〇・一%から一七・六%にふえておるわけでございます。  そこで、いまお尋ねの問題は、純然たる国産エネルギーそのものはパーセンテージが減っておるではないか、率から見れば、むしろ逆に海外依存度が高くなっておるのではないか、こういうお話だと思いますが、これは全エネルギーが昭和六十年度には昭和四十八年度のほぼ倍必要とすることになっておりまして、日本のような特殊事情の国におきまして、エネルギーが倍にふえましても、純然たる国産エネルギーをそう大きく減さないで、ほぼ四十八年度の水準に近いところを維持するということは、これは国産エネルギーというものを非常に重視しておる、こういうふうに御理解していただきたいと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 国の経済は年とともに大きく広がっていくことはだれでも否定はいたしません。しかし、石油ショックによって感じた国民の危機感、政府の危機感というものは、一たん事のあったときになるべく自前で賄えるようなものをはっきりと確保していきたい、こういうことだったと思います。そしてまた、長期エネルギー需給計画の考え方も、それがなければ何の意味もない。幾ら経済の構図が大きくなっても、石油だとかあるいはウランだとかいうような海外から来る物だけで賄っておって、それがとまってしまったら、この危機感は先般の石油ショックのときと同じことになってしまうわけです。そういうことに対して、総理、八回も閣僚会議をやっているそうですけれども、思いをいたしていないというふうに私は思うのですよ。政府の考え方を、本当に自前のエネルギー対策というものを確保しようという考え方と口では言っているけれども、実質的にはそれは具体的に数字にはなってないじゃないかということ、これははっきり言えると思うのですよね。それがこの表に出ているんだ、私はそう思います。  そこで、政府にはそういう国産エネルギーというものを確立するという考え方がないのはなぜかと言うと、やはり電力業界とかあるいは電気機器メーカーというようなものの意向が強く反映していると私は思うのです。たとえばこの総合エネルギー調査会のメンバー一つ見ましても、ここにはほとんど電力業界とか石炭業界、財界の重立った連中ばかりおって、一般の台所でエネルギー不足のために苦しんだ市民の声というものはほとんど反映していないのです。これは財界の意向と、それに協力する評論家たちの考え方だけがここに反映しておって、大電力産業あるいは電気機器メーカーというようなものの六十年代におけるところの位置を確保するという側面がここに出ているんだ、私はそう思うのです。  そこで、たとえば原子力というものが準国産エネルギーだということで〇・六%から九・六%にこれを拡大する、それで六十年代に四千九百万キロワットの電力を確保するんだ、こういうことですが、これは六十年代にこの四千九百万キロワットを確実に確保する自信があってこの数字を政府がお認めになるのですか。その点について、これは総理が、昨年の本委員会で、六十年代六千万キロワットの達成はとても不可能じゃないかということで四千九百万キロワットに修正した。しかし、四千九百万キロワットに修正したけれども、それは基本的に考え方をそういうように変えたのではなくて、むしろ、需要が落ち込んでいるからただ二年間ずらしただけだという考え方なんですよね。これは答申の中の、この答申をした諸君の考え方なんです。そこで、はっきりと、「従来かかげられた六千万キロワットの目標の達成は、需要のスロー・ダウンに対応し、二年程度の遅れで達成できる」という考え方になっている。だから、昨年の本委員会で政府がお答えになった趣旨は全然ここには生きておりません。  そこで、私は、四千九百万キロワットを六十年度に達成する可能性が本当にあってこの計画ができておるのかどうかをひとつ総理にお尋ねしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 四千九百万キロワットというのは相当努力を要する。半分ぐらいのものはもうすでに既設あるいはまた準備中に属しますから、これはちゃんとした予定のできることでございますが、しかし、それ以上のことは今後相当努力して——原子力発電に対しては、安全性の問題あるいはまたそれをめぐって立地条件などにも厳しさが一段と加わっておりますから、安全確保については政府がいろいろ努力をしておることは御承知のとおりで、そういうことで相当努力を要するけれども、しかし、不可能だとは思わない。これはやはり努力目標を掲げて、今後地域住民の不安を除去して目的を達成したいとは考えておりますが、手放しでできる数字ではないことは明らかでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 手放しではなかなか困難だと言うけれども、手放しどころか、どう予測したところで、いまから四千九百万キロワットを達成される可能性はどこをどうほじくり出しても出てこないのじゃないですか。これは通産大臣か科学技術庁長官からお答えいただきたい。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 四千九百万キロワットの可能性の問題ですけれども、総理から御答弁がございましたように、大変困難な要素があるということは事実でございますが、しかし、必ずしもこれが不可能だと断定するのも少しいかがかと存じます。  ただいま建設、計画中のものを合わせますと約二千万キロでございまして、今後さらに二千九百万キロを九ヵ年で建設あるいは着工を計画していくわけでございますけれども、一番の問題点は石野さんもおっしゃったように立地難、言いかえれば私のもとである安全性の問題でございますが、軽水炉の安全性に対しましては、大分日本の皆様の御理解も深まってき、海外同様とまでいかぬにいたしましても、海外と同じ炉を使っているわけでございますから、これに対する理解というものは非常に進んできたのではないかと思う。  特に、ソ連が日本に同じ軽水炉を十基も注文しにきているということで交渉中だということから考えましても、日本の炉に対する信頼性というものは相当世界的なものになりつつあるのではないかということ等をあわせますと、私は、現状が困難だから今後十年間も困難であろうというふうにいままでのことだけで憶測するのはどうかという感じがいたしまして、困難ではありますが、しかし、極力努力いたしまして達成したいという念願でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 困難であるが努力したいという意味は何遍も聞いてるおのだけれども、現実にはそうはいかない。だから、四千九百万キロワットが現実に達成可能であるかどうかということについては、これはとてもむずかしいということは何遍も言われておる。  それでは、現に稼働しているもので幾ら電力が出ていますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 現在十基でございまして、そのうち八基が稼働してございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 それでどのくらい電力が出ているのですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 現在の場合、私は数字はいまここに持っていますが……

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 技術的な問題でございますから、私からお答え申し上げます。  八基でございまして、三百八十一万キロワットでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 三百八十数万キロワット出ていると言いますけれども、この確率は年間を通じまして常に動揺しておって、いまようやく炉が少し動き出してきたのでそういう数字を言うのですけれども、実際に年間を通じてどのくらい出る見通しを持っておるのですか。そして、率直に言って、あと十年間にどのくらいできる可能性を計画の上で持っておられるか、それを言ってください。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 各地域別あるいは会社別等の積み上げはいろいろ変動もあろうかと存じますけれども、一応の根拠をもって四千九百万キロという数字を出したのでございまして、お話のように、いままでの計画が進まなかった主な原因はこれこれでございますと、そういう原因は順次解消しつつございますので、私は、従来がこうだから将来もそうであろうというふうにお考えにならないで、努力のいかんによりましては達成が可能だろうと、こういうふうに申したのでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 だから、いま私は、六十年度までどの程度できるかという見通しをはっきりしてもらいたいと言っておるのですから、そこをはっきり出してください。それでないと、諸外国から注文が来ているとかなんとか言ったって、そんなものは信じられないのですよ。現在、日本の稼働率が非常に低いのだから。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 石野さんはよく御存じのはずでございまして、私から詳しく申し上げることもないと思いますが、いままで修理、点検等で休んでおるものの稼働率をやられますと、これまたおかしなことでございまして、そうじゃなくて現在運転しているものがどういう稼働率になっているかという御質問でありますと大変ありがたいと思うのでございますけれども、そういうふうにいたしますと、たとえば中国島根の発電炉とか、あるいは九州の玄海なども最近は大変好調に運転しておりまして、これが全部そうだというわけではございませんけれども、しかし、平均値がどうだという問題よりも、動いているものは点検、修理等が済みますとだんだん稼働率がよくなっているということだけは申し上げて結構じゃなかろうかと思っています。

石野久男日本社会党

○石野委員 私は、資料としてもお配りしたと思いますけれども、原子力発電所の電力量は、昭和五十年度四月から十二月までどのくらい出ているのですか。全部で、平均の出力を見ますと、わずかに三二%しか出ていないのじゃないですか。昨年四月から十二月までの間、本年度ですね。たとえば東海とそれから敦賀は稼働していますけれども、東京電力の福島第一、それから福島第二、それから美浜、これは昨年一年全部とまっていますね。この四月から十二月までとまっているでしょう。それから、美浜二号炉がようやく六%くらい動きました。高浜一号炉は七二%ですが、それから島根の原子力が八六%。そういうものを合わせてみて、全体平均しても三二%しか動いていないのですよ。問題は、こういうような状態のもとでの原子力の寄与率あるいはそれの期待率というものを、皆さんが長期エネルギー計画の中でこのような期待ができるのかどうかという問題です。ここをはっきりしてもらいたい。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 原子力発電所の操業状態でございますが、ただいま先生のおっしゃられましたとおり、五十年四月から十二月は御指摘の三二%でございます。ただ、この期間というものは、いま先生から各発電所名を挙げられて御説明がありましたとおり、この事故、いわゆる故障と私どもは申しておりますが、故障が非常に重なった時期でございます。こういうようなことにつきましては、この四月−十二月が特に低いということでございまして、今後は、いまもおっしゃられましたように、検査その他審査が進みまして動くようになりますので、相当大幅に稼働率が上がるというふうに私どもは考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 長期にわたって事故のために運転開始ができないでいる炉が非常に多かった。それで、いま私どもから見ると、どうもやはり無理をして稼働に入れているものが多いように思いますけれども、たとえばBWRの一次系パイプのひび割れの問題、あるいはPWRの蒸気発生器細管の腐食の問題、こういう問題についての事故の原因は完全に解明されておるのですか。

井上孝建設省道路局長

○井上説明員 BWRのひび割れの問題でございますが、これにつきましては、最初アメリカで発見されまして、日本におきましても各BWR原子力発電所につきまして総点検をしたわけでございますが、その結果、何カ所からかひび割れが発見されたわけでございます。  これにつきましては、その原因につきまして通産省におきます原子力発電顧問会に諮問する等いたしまして検討したわけでございますが、その結果、原因といたしましては、やはり溶接施工等につきまして十分慎重を期してやる必要があるということでございまして、たとえばECCS管のクラック等につきましては、溶接施工等十分慎重に管理してやるということで修復をしておりますし、それから、バイパス管につきましては、使い方もぐあいが悪かったのじゃないかということで、バルブをあけまして、常時水が流通するという形で使うというようなこと等、施工につきましては、先ほど申し上げましたように、溶接施工の品質管理等を十分慎重にやって対処するということで修復しておりまして、その後異常なく運転しているわけでございます。  それから、PWRにつきましては、蒸気発生器の微細な細管から放射線が漏れるということがあったわけでございますが、これは非常にわずかな量でございますけれども、一次側から二次側に漏れるということがありまして、さらに漏洩にまでは至りませんけれども、細管の肉厚を減少するということがあったわけでございます。  これにつきましては、原子力発電顧問会にも十分御意見を聞きまして、さらに実物大のモデルにおきまして実際の細管を抜管してまいりまして試験をする、さらに新しいチューブにつきましても実際に近い状態で試験をするということをやったわけでございますが、その結果、上部支持板の近くでドライ・アンド・ウェットという状況が発生するわけでございますが、その際に水の中に含まれております燐酸ソーダの濃縮現象が起こる。この燐酸ソーダと申しますのは、コンデンサーに海水が混入した場合の対策として入れてあるわけでございますが、そのようなことが起こるということがわかったわけでございます。したがいまして、現在対策といたしましては、この燐酸ソーダの付着したものを温水によって洗浄して除去する。この除去につきましては、やはり、モデル試験におきまして十分とれるかどうかということを確認試験をしておりますが、そういうやり方に従いまして除去いたしておるわけでございます。さらに、パワーをスイングして洗浄するということもやっております。  そういった結果、たとえば美浜二号炉につきましては、まず異常なく運転できるという見通しをもって昨年暮れから運転に入っております。一号炉につきましては、現在温水洗浄の準備をしておるところでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 それは、こうやったらうまくいくだろうという考え方で作業をしておるというだけであって、まだ、それでしっかり問題の解明ができるという確信を持っているわけではないのでしょう。もう確信は十分持っておるのですか。

井上孝建設省道路局長

○井上説明員 現在のわれわれの方に設置してございます発電顧問会でございますが、こういう専門家の意見、あるいは先ほど申し上げましたような各種試験によりまして、現在の技術ではそういう方法が適当であるという結論に達しまして、対策を講じている次第でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 これはまあやってみなければわからない内容を多分に含んでおるわけです。従来とも、これで大丈夫だということでやったやつは全部失敗したわけだから。したがって、いま、長期計画の中のせいぜい三〇%程度しか具体的には利用率が上がっていないのですよ。四千九百万キロワットという非常に大きなエネルギー計画の中で、非常に重要な、しかも輸入エネルギーを準国産として原子力で補うのだという、その旗を立ててやっている。その原子力がせいぜい三二%しか効率が出ていない。四千九百万キロワットを出すためには、少なくともそれの三倍くらいの設備能力を持たなければ、現状から言えば出てこないのですよ。六十年度四千九百万キロワットを出せる見通しがあるならば、その計画表を出してください。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 先ほど来から御質疑がございましたように、わが国の軽水炉に対する安全性の問題は、各国と比較いたしまして、同じ炉ではありますけれども、念には念を入れまして、そして、故障はその究明を徹底的にやり、その対策もまた徹底的にやろうということで、総点検等で休んでおるものが多うございまして、同じ炉の、たとえばフランス、イタリア等は全部油の発電炉は今後やらない、原子力発電に切りかえるというふうな思い切った措置をとっておる国がございます中で、わが国は、特にお話のように安全サイドを重視していままで進んできたのでございますが、これが冒頭に私が申しましたようにだんだん改善されつつございますので、運転率等も上がっていることは明瞭でございますし、また、立地等の条件も次第に理解をいただけるようになってくださればこの計画はいけるのじゃないか、むずかしいけれども必ずしも不可能じゃない、というふうに実は私は考えている次第でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 何遍も大臣から同じような答弁を、もう委員会ごとに聞いているんですよ。私がいまお聞きしているのは、四千九百万キロワットは計画の中にちゃんと織り込まれておるわけで、しかも、これは輸入エネルギーを減らすための一つの方策であるということを言っているんだから、四千九百万キロワットを昭和六十年度に出せるという具体的な構想があるのならば、その何を出してくれということを言っているのですよ。それがなければ、これは何も意味ないじゃないですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 先ほども申しましたように、ただいまの建設中までを含めたものがこれであり、今後進めるであろう地点並びに会社等の概略のまだポテンシャルの話でございますから、それまでの期間がございますし、確実に決めたわけではないですけれども、おおよそこういう見当であろう、その操業度は大体七〇%というふうに、現在動いていていいのは七〇から八〇ぐらいまで動いているわけでございますから、そういう点も考慮して改善されればそういうふうにいくであろう、という基準で実は計画をつくっているのでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 だから、その計画の具体的なものを示せと言うのですよ。それが出なければこの需給計画総括表というものの審議が進まないのですよ。これを検討することはできない。この計画は原子力の増加分によって輸入エネルギーを減らすという裏づけにしているわけですから、それが出なければこの計画は全部パァになってしまうのですよ。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 資本主義的な計画経済と申しますか、計画は、必ずしも決めた計画そのものがぴたりというふうに考えなくとも、いま申しましたようにいろいろなファクターを考えつつ、このくらいはどうしてもいきたいという一つの努力目標であってもいいはずである。そして、この原子力発電に関しましては、私がくどくど申し上げますように、一応いままでの建設のものと今後進めるであろうものを想定して、このくらいはどうしても開発すべきではなかろうかという努力目標でございますから、何々炉はこれからつくって、そして操業度は何%なんだというところまで詰めぬでも、大体操業度は七〇%という基準で考えておりますということを申し上げただけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 努力目標を掲げるということと、計画をして具体的に経済の伸び率を決めていくという施策を行うということとは大変な違いがあると思うのですよ。  これは副総理、経済計画をつくるに当たって、努力目標というものはどの程度この計画の中にパーセンテージとしてわれわれは期待したらいいんですか。三〇%の期待でいいんですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 最大限の努力をいたしまして、その付表にありまする数字を達成いたしたい、かように考えております。  多少の変動がありました場合に、これは輸入エネルギーという方面での調整等も多少のことならば考えてもよろしいと思いますが、大筋はその数字の目標を達成いたしたい、かような考え方で、その表にも明らかになっておりますが、年率六%の成長を可能ならしめる、そういうエネルギーの事情であるということになっておるのです。それを背景といたしまして長期、中期の経済政策の運営の具体的計画をまとめておる、こういうことになっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 多少の狂いがあってもやむを得ないということで計画を進めていく。しかも、それが多少の一〇%や五%なら大したことはありませんけれども、とにかく期待値が一〇〇%期待で出ておるのですよ。ここへ出ている数字は。ところが、実際には三十数%しか具体的に利用効率というものは出てきていないということになるというと、これは計画は全くわれわれの期待するような数字が出てこないわけですよ。だから、科学技術庁は、原子力の出力の問題について、ここではよく四千九百万キロワットということになっておるけれども、現実に昭和五十一年現在で、昨年四月から昨年の暮れまでの間にたった三二%しか出ていないのですよ。設備能力はその時点で三百八十数万キロワットあるはずですよ。こういうことで計画が成り立っていくかどうか。やはり、この四千九百万キロワットを出すという具体的な政府の見通しをまず出してほしい。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 去年の操業度の実績の中には、今後の軽水炉の安全性をさらに確実にするためにわざわざ総点検でとめまして、そうして故障ありやなしや——ないものまでとめて総点検をして、これで安全でございますということで安全サイドを重視してやったがゆえに、いまおっしゃるような操業度でございますけれども、しかし、そういう修理、点検が済んで、これであればというものは順次ただいま運転しまして操業度は上がりつつございますので、去年一年の実績がこうだからというだけでお責めになるのはちょっと酷じゃございませんかと、こう言っているだけです。

石野久男日本社会党

○石野委員 これから努力すればわかるからこれからどうなんだということを聞いているのだから、それを出してください。そうしなければこれは検討を加えることはできない。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 これからの分は、ですから、操業度七〇%ではじいております。

石野久男日本社会党

○石野委員 七〇%という数字は、世界のどこにもまだ出ていませんよ。先進国であるアメリカでもそれだけのものは出ていないのですよ。日本がいっそういう七〇%を出せるというようなでたらめな答弁をするのですか。そんなに確証になるようなものがどこにあるのだ。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 ただいま営業運転中のものは十基で、五百二十八万キロございます。二月二日現在で実際に動いているのは八基で、さっき申し上げましたように三百八十一万キロワット、七二%ということになっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 七〇%とかなんとか言うけれども、世界の原子力の傾向を見ますと、私は昨年も皆さんに数字を出しましたが、大体、軽水炉というのは三年、五年くらいまでは一定程度のピークで七〇%まで行きますよ。五、六年のころからずっとダウンして、アメリカでも大体これが五〇%、厳密に言えば三九%まで落ちてしまっている。それを乗り越えているところは世界にどこにもないのですよ。  いま長官の言う七〇%という計画数値は何遍も聞いていることなんです。だけれども、現実には三二%しか出ていないじゃないか。現に今日の段階で動いているところの、たとえば昨年の十一月に稼働した高浜、あるいはまた昨年の十月に稼働に入っている玄海、こういうようなものは、どの原子炉でも最初の半年や一年間はこういう効率は出るのですよ。だけれども、二年、三年目くらいから皆事故を起こしてぐっと落っこってしまっているのが通例なんですよ。そんな勝手な答弁をしちゃいけませんよ。長官、しっかり答弁しなさいよ。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 原子炉の操業率が年とともに落ちるかどうかということにつきましては、これはいろいろの実績がございます。先生のおっしゃられましたように、アメリカにおきまして落ちておる実績もございます。日本では、非常に古い炉はまだございませんが、たとえば日本原子力発電が用いております東海第一号、これは御承知のとおり四十二年から操業を開始いたしたわけでございますが、四十二年からの操業率を申し上げますと、初年度の四十二年は四一・六%ですが、その後四十三年七一・三、四十四年に落ちまして五四・九、四十五年に六三、それから四十六年六九・七、四十七年に六七・四、四十八年七〇・四、四十九年六七・九ということでございます。原子炉が五年たつと非常に落ちるということは、一部の原子炉についてはもちろんそういう事実はあらわれておりますが、私どもは今後の見通しとして、五年たてば非常に落ちるというふうには考えておらない、こういうことでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 東海のちょっと調子のいいのだけそういうことを言ってだましてはだめですよ。美浜はどうなんですか。美浜の一号は現に完全にとまっているじゃないですか。敦賀はどうなんですか。

井上孝建設省道路局長

○井上説明員 御指摘の敦賀につきましては、四十四年以来運転しておるわけでございますが、稼働率の推移といたしましては七八・九、六九・一、七二・四、七八・九……(「年別に言えば何年から何年だ」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。四十五年が七八・九%、四十六年が六九・一%、四十七年が七二・四%、四十八年が七八・九%、四十九年が四八・八%、それから先生が御指摘の五十年四月ないし十二月は三一・四%でございます。それから美浜一号につきましては、四十六年が七二・六%、四十七年が三六・七%、四十八年が二七・四%、四十九年が七・四%、五十年の四月ないし十二月はとまっておりますので稼働いたしておりません。こういうふうになっているのもあるわけでございます。  先ほど先生御指摘の外国の例でございますけれども、高いの低いのいろいろ現時点ではございまして、かなり高いものは九〇%に及ぶものもございます。それから低いものにつきましては、日本のさっきの美浜と同様にゼロに近いというものもございます。  それから経年的にどうなるかということでございますが、経年的には下がっておるものもございますし上がっておるものもあるということでございます。  われわれの方といたしましては、先ほど来大臣の方から御答弁ありましたように、いろいろな安全あるいは信頼性向上の対策を十分講じまして、それから従来、先生御指摘の、昨年におきます非常な稼働率の低下の状況も十分検討いたしまして、今後におきましては所定の稼働率を確保すべく努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 科学技術庁なり原子力局がそういう期待を持っているということはわかります。だけれども、実際に利用率はあなた方の期待どおりにはいかないのですよ。むしろ低下しているのです。いま美浜の二号とかあるいは敦賀とかいろいろ動き出しているものもありますけれども、私どものなにでは——いまお配りしましたのはアメリカの利用率の問題ですが、非常に先進国であるアメリカでさえも一九七四年の利用率は五二・四%ですよ。とてもじゃない七〇%などというものがいま期待できるような状況は世界じゅうありません。特に日本のごときは三〇%から四〇%を行ったり来たりしているのですよ。だから、こういう状態ではとても政府が出されました長期エネルギー需給計画のいわゆる準国産エネルギーを含めて一七・六%というものを確保することはできませんよ。原子力を九・六%の比率にまで持っていこうとすることは容易なことじゃない。もしこれが可能だと言うならば、六十年度において四千九百万キロワットの発電ができるという具体的な見通し、それを出してもらわない限りできない。いまの状態から言うと、この計画の三〇%ぐらいしか出てこないだろう。三〇%から四〇%、アメリカ並みに行っても五〇%ですよ。だから、そういうことでありますると、政府の持っている長期エネルギー需給計画というものはすべて原子力のいわゆる増出力というものに期待をしているということになりますから、これは全然だめだということになってしまう。仮に四千九百万キロワットの半分と見ても二千五百万キロワット。この程度しか出ない、現実にわれわれの見通しでは。現に持っている施設は千九百九十万キロワットしかないのでしょう。あと八年間。原子力は認可を得てから稼働するまで、少なくても五年、六年かかってしまう。六十年度にそれだけ出す見通しがあるならばそれを明確にしなさい。それがないならばこの計画は根本的にやり直さなければいけないし、依然として海外の石油なりあるいはLNGに頼る、こういうことにならざるを得ないのですから、政府の長期エネルギー需給計画というものは何の根拠もないということになってしまうのですが、それは違いますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 お答えいたします。  政府のエネルギー供給計画と先生が言われました総合エネルギー調査会報告につきましては、私ども事務局になっておりますので、その関係で検討のときのいろいろの議論を踏まえてお答え申し上げたいと思いますが、昭和六十年度における需要想定をいたしまして、それに対するエネルギー供給量というものをはじきましたのが、先ほどから問題になっておりますエネルギー供給内訳でございます。  その中で原子力につきまして四千九百万キロワットという数字を立てましたにつきましては、これはいろいろ議論がございました。いま先生のおっしゃられるように、この数字達成が非常にむずかしいのではないかということもございました。ただ、この議論におきまして、日本の石油依存率というのは余りにも高過ぎる。それから、先ほどから先生から御質問ありました国産エネルギーにつきましては、これはエネルギー政策として最大の努力を行って国産エネルギーをふやすということを考えておるわけでございます。これにつきましては、一々申しませんが、それぞれ限界がございまして、あらゆる努力をいたしましても先ほど先生御指摘のように八%の国産率になるわけであります。そういうことから、四千九百万キロワットというものを達成することはぜひとも必要であるということでここに数字が掲げられたわけでございます。  ただいまいろいろ先生からも御指摘がありましたように、昨年の操業率は非常に低いわけでございますが、これに関連して申し上げますと、その後、たとえば十二月からことしの二月にかけましての操業度は六二%……

石野久男日本社会党

○石野委員 それはいいから、四千九百万キロワットを出す計画を言えと言うのです。時間がたってしまうばかりじゃないか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 四千九百万キロワットを計策いたしましたのは、先ほど先生からも御指摘がありました昭和五十一年一月現在の運転中、建設中及び建設準備中、合計いたしまして千九百九十万キロワットでございます。ですから、その意味で残りの三千万キロワットというものを建設しなければならないということになっております。それで、これにつきましては、私どもの方は具体的地点はございませんが、やはり一ヵ所二百万キロワットの地点を十五ヵ所建設するということ、それから現在すでに原子力発電所が一基か二基動いておりまして、まだサイトが残っておるもの、これを全部計算いたしまして、一応の積み上げというものはやっておるわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 長官からいろいろ話があったが、長官に聞きますが、あるいは通産大臣でもいいのですけれども、十五ヵ所の設定地点というものはどういうところなのか明確に示してください。しかも、それはいまから電調審等を通っていきますと六十年には間に合いますまい。だから、いろいろ勝手な理屈を言いましても、六十年度四千九百万キロワットというものがもし達成されるということならば、その具体的な資料を出しなさい。それが出なければ、この計画は全く机上のものになってしまって何の意味もない。そうなると、日本の経済計画の根本をなすエネルギーの補給ができないのですから、政府の経済計画そのものが崩れることになるのですよ。計画がここへ出せるなら出してもらうし、出せないならばいつまでに出しますか。その資料がなければ、エネルギーの問題を論議することができない。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 これも先生御存じのように、具体的に何県のどこというのは、私どもの方ではいろいろ問題がございますので、これはむしろ先生がよく御存じのように非常に問題があるわけでございますし、またこの候補地点はそれの何割か多く掲げまして、そのうちやはり地盤の問題とかその他の問題をきわめて、その上で現実にできるわけでございます。ですから、十年後の四千九百万キロワットの地点が一つ一つすでにいま決まっておるということではございません。

石野久男日本社会党

○石野委員 政府が四千九百万キロワットをエネルギーの需給計画の基本に置いているわけですから、しかも輸入エネルギーを減らすというのはすべてこの原子力にかかっているわけでしょう。原子力が期待どおりにいかなければ、結局輸入エネルギーに頼らざるを得ない。それでは、石油ショックに基づいてエネルギー計画を立てたという大変な打ち出し方で、政府は初めてエネルギー政策の大綱を決めたのだということでちやほやされたことは何の意味もないのですよ。いま局長から話のあった、いまから先の計画について資料を出してください。大体あなた方のやっていることぐらい私もわかっているのだよ。たとえば北海道で二基、百万、これは岩内でしょう。東北で浪江、巻、東電では福島の第二、柏崎、中部で芦浜もまたやろうとしているのでしょう。それから、北陸は能登の方で、関西は六百万キロワットをどういうふうにするか、これはまだ明確になっていないけれども、中国、島根、四国あるいは九州の川内、それぞれの計画があって、それを締めてみたって千九百七十万キロワットぐらいしかないじゃないですか。現在のものと両方合わせてみたってせいぜい四千万キロワットにならないのでしょう。そういう見え透いた不可能なものを計画の基本に置くという政府のずさんさというものをわれわれはどう見たらいいのですか。政府は長期エネルギー計画なんてでっかいことを言っているけれども、その根底は基本的に崩れているじゃないですか。そうでないというなら明確にそれを示してください。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先ほど来繰り返しそれぞれの答弁がございましたように、現在動いておりますものが約四百万キロ、それから建設中のものが約千三百万キロ、近く着工いたしますものが三百万キロ。でありますから、昭和五十五年には、その表にございますように、千七百万キロが稼働することになっております。五十六年にはざっと二千万キロ、こういうふうに考えております。  それから、いまお示しのように、原子力発電は計画から着工、完成までの間に数年かかります。でありますから、六十年の計画はどうしても五十三、四年ぐらいまでには確定しなければならぬわけでございます。そこで、三千万キロの今後の計画につきましては、いま立地をいろいろ詰めつつございますが、これを三、四年の間に順次確定をいたしまして、そして昭和六十年度四千九百万キロ、これにはいろいろ問題はありますけれども、万難を排して一つ一つ問題を克服しながら解決をしていきたい。むずかしい問題ではありますけれども、日本のエネルギー事情全体を考えましてこの実現にはどうしても邁進しなければならぬ、こういう考え方でございますので、今後三、四年の間に確定すべき何カ所かの原子力発電計画地点をいま示せと言われましても、いま確定しておらぬわけでございますから、順次これから確定をしていくわけでございますから、もうしばらくの間お待ちいただきたいと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 通産大臣がいま、現在その見通しはないということを明確に言われましたが、私はやはり昭和五十三、四年のころまでに四千九百万キロワットを着実に見通せられる発電所、それだけの発電設備というものを持つ見通しは政府にないものと思います。仮に四千九百万キロワット全部の設備ができましても、現在の利用率からしますと大体四〇%がいいところです。そこまでいきますと、五千万キロワットが出ても、四〇%の二千万キロワットしか無理をしてやってもできませんよ。そうなりますと、この需給計画は、基本的に国産及び準国産エネルギー計画の計の一七・六%というものは達成できない。  福田さん、この需給計画表は六十年度にはもう基本的に崩れるので、そのときには、そうすると経済計画はやっていけないということになりますが、どういう考え方でおるのですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 原子力発電の四千九百万キロワットにつきましては、これはいろいろ議論したのです。多少これは見積もりが過大かというような議論もあり、いやもっと出るのだという議論もありましたが、とにかく努力すればそこまではいける、こういう結論になったわけです。しかし、これはやってみなければわからぬ。わかりませんが、多少の狂いがあるいは出てくるか、これは原子力発電ばかりじゃありません、ほかの費目につきましてもあるわけなのでありますが、多少の狂いが出てまいりましても、これは海外依存エネルギーの部門でそのくらいの調整はできる、かように考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 需給計画の中ですでに多少の狂いは出ることを見越しておる。しかし、われわれの見通しでは、四千九百万キロワットはよくいって二千二、三百万キロワットであろうと思います。それも利用率、効率の問題を考えていくと、そこへいくかどうかも疑問です。そうなりますと、その分は当然輸入エネルギーに頼らざるを得なくなるのであって、この長期計画はいわゆるエネルギー自立計画の本旨にもとるものになる。総理は、自前のエネルギーを開発するということは、日本は資源が非常に少ないのだからというようなことで、もうあきらめたような考え方でありますが、しかし、数字から見ると、確かに水力にしましてもあるいは地熱にしましても努力の跡は見られますよ。しかし、構成比の上から言えば、先ほど言ったように、この九・五が八%に低下してしまうというようなことでは、自前のエネルギー開発というものについての努力は非常に怠られていると見なければいけない。  地熱などの問題については、これはここではわずか二百十万キロワットでございますけれども、火山国である日本でいま地熱の開発をやるということになれば、私は努力さえすれば二千万キロから三千万キロになると思うのです。問題は、弗素をどういうように処理するかという問題なんです。それから、開発地域が二万キロか三方キロという小規模だから手をつけないということだが、このことに対して政府がもっと努力をして各地にそれを出していけば、二千万キロ以上のものは確実に出るのです。政府の方針がないからこれは出ないのです。そういう点についての国内資源の開発は全然行われていない。  あるいは水力のごときは、降水量は非常に豊富なんだから、小規模発電というものにもう少し努力していけば、一般水力で二千八百万、それから揚水で一千四百万という、この五〇%台あるいは倍増ぐらいできるのです。そういう着想が全然ここには出ていないわけですよね。  石炭のごときは二千万トンをそのまま横ばいにさせていくという計画になっている。もうここでは努力するという意欲が全然ない。  依然として輸入エネルギーに頼るという、ただ石油をウランにかえるということだけしかここに出ていない。政府のエネルギー計画は、いわゆる電力産業、大独占の方向を守るということだけしか出ていない。私はこういうふうに見ますけれども、それは間違っておりますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 エネルギー政策につきまして大変貴重な御意見を拝聴しまして、私どもも大変参考になりました。  そこで、いまお話しになりました水力なども、今後五割ぐらいしかふやさない計画では少ないじゃないか、もっとふやせとか、あるいはまた、地熱は計画の十倍ぐらいやられるのではないか、あるいはさらにまた石炭は二千万トンは横並びだ、これはよくない、もっとふやすべきである、そういういろいろな御意見がございましたが、しかし、たとえば石炭のごときも、石炭鉱業審議会にずいぶん長い間御審議をいただきましたが、日本の現在の埋蔵量、それから労働者の現状等から考えまして、いろいろな努力を積み重ねましても、やはり二千万トンの水準を維持するということが精いっぱいである、こういう答申が出ておりまして、やはり私どももそういう程度ではなかろうか。  それから、地熱などもあるいはそういう可能性はあろうかと思いますけれども、しかし、主として国立公園内にそういう地熱発電の可能性のあるところが存在しておるということを考えますと、環境問題もございますし、そういうバランスを考えますと、これも無限に開発するわけにはいかぬ。現在ほぼゼロでございますが、これを二百万キロを超えさせるというところが精いっぱいではなかろうか。  それから水力にいたしましても、やはり経済性を無視するというわけにはまいりませんので、現在ほぼ開発し尽くしたと思っておりますが、これもあらゆる努力をいたしまして、なお五割をふやす。  このように、一つ一つあらゆる角度から検討いたしまして、国産エネルギーを大体先ほど御指摘のところで維持するのが最高の目標ではなかろうか、こういう結論に達したわけでございます。  それから、なお原子力エネルギーにつきましては、全エネルギーのほぼ一〇%を十年後に占めるわけでございますけれども、これは十年後の目標でありますから、一キロワットも相違なしに実現できるとは私どもも考えておりません。やはりこれは今後の十年計画の途中におきまして、その間の経過を踏まえまして、あるいは若干の修正があろうかと思いますが、しかし一応全体的にエネルギーを考えまして、ほぼこの程度の目標でいくべきである、こういう結論に達しまして、これは努力目標である、こういうことで取り組んでいこうという趣旨の内容でございますから、これを十年後も少しも変えぬということにはいかぬ。若干の修正は途中であろうか、こう思いますが、現時点における最善の努力目標である、こういうふうに理解をしていただきたいと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 原子力は多少の修正はと言うけれども、多少の修正どころじゃない、半分以上修正しなきゃいけない。七割方修正しなきゃだめだろう。そうでないというなら、これはもう答弁はいいですから資料を出してください。もし、この計画で政府がやるとするんならば、これは少なくとも資料を出してもらって討議をしたい。これはぜひひとつそういうふうにしてもらいたいと思うのです。  それから水力にしても地熱にしても、ここでは時間がありませんから多く申せませんが、地熱のごときは、国立公園にあるからと言うけれども、国立公園の景観を損なわないようなやり方さえすればこれは幾らでもできるわけですよ。同時に、弗素の被害がありますから、弗素をどうつかむかという問題があるが、こんなことは放射能をつかむよりもやすいことだ。簡単なんですよ。ただ、それをやろうとする意欲がないから出てこないのです。  だから、政府はエネルギーがないないと言うけれども、結局輸入エネルギーに頼るという基本的な考え方から脱却していないのですよ。国産で少なくとも二〇%でも三〇%でも率を上げていこうという意欲がここには全然見られない。石炭のごときは、これは後で同僚の岡田議員からもまた聞きますけれども、やろうと思えば幾らでもできるんですよ。その政府の施策がないからできない。  私はやはりエネルギー問題については、基本的には国内にあるものをもっと掘り起こすべきだと思う。そしてその足りない分を海外依存としなかったならば、石油ショック、これから後ウランのショックが出たらどうなるのです。もうどうにもならなくなってしまう。政府のエネルギー計画というものは、基本的に海外に依存するという考え方から全然脱却していないということがここで言える。それで、国内エネルギーの開発というものについては、ほとんどその意欲は見られない。仮にあったとしてもやはりそれは従的なもので、本質的なものじゃないということがこの計画の中にはっきり出ていると思うのです。そうでないとするならば、もっと国内産エネルギーを出すという方向を示すべきである。福田さん、そういうことについてどういうふうにお考えになりますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 御趣旨は、私はそのとおりと思います。国産エネルギーで開発する余地のあるものにつきましては、これはもう全力を尽くして開発すべきものである、こういうふうに思いますが、とにかく見通し得るただいまの段階におきましては、その需給表に示されておる程度のことが確実に実現できる限界ではないか、こういうふうに考えまして、それを指針としてひとつやっていこう、こういうことですが、なお国内エネルギー資源の開発につきましては、とにかく全力を尽くして努力をすべきものである、かように考えます。

石野久男日本社会党

○石野委員 時間がないから、このエネルギー計画については私は後でまたなにするけれども、いずれにしても、長期エネルギー需給計画総括表という答申のこの数字は、政府においては全く自信がない。特に原子力の問題については、とてもここまでいかないということだけははっきりしているのです。もしそうでないというのならば、明確に数字を出してもらわなければいかぬし、もしその数字があるならば資料を出してもらいたい。そこだけを、ひとつこの委員会中に出してもらいたいと思うが、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 できるだけ資料をそろえまして提出をいたします。

石野久男日本社会党

○石野委員 それは委員長頼みます。  それであと、原子力についてはそれだけじゃないのですよ。現場で働いている労働者の被曝の線量というものは、この前も委員会で話しましたが、もう大変なものである。それでその後の、職場労働者の被曝の五十年度の実態を出すようにということで、私は労働省や厚生省あるいは科学技術庁に資料の要求をしているけれども、いまだに手に入ってこない。出さないのですよ。これはどういうわけなんですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 労働者の放射線被曝の問題につきましては、先生から時折御質問がありますが、四十六年度以降における補償状況に見ますというと、非破壊検査関係従事労働者八名、医療関係従事労働者六名、合計十四名に補償をしております。なお原子力発電所従業員からは、現在までのところ放射線被曝による疾病についての労災保険への給付請求はございません。そしてまた、御心配になっているいまの検査状況につきましては、昨年の十月ぐらいからまた各事業所に通達を出し、そして多いところは一年に三回くらいずつ事業所を検査して最近の安全衛生法あるいは特化則、そういう法律、法令に違反しないように厳重に勧告をしているところでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 労働者の被曝は、昭和四十九年度のデータで運転開始後三年もたつというと、五十万キロワットの発電所当たりで総被曝線量が年間千人レムぐらいになってくるわけですよ。このレベルで押さえられたとしても、昭和六十年度この計画で四千九百万キロワット、約五千万キロワットのものが出てきますと、年間約十万人レムの被曝が原発関係労働者だけで出てくる予定になります。少なくとも年間十名程度の人ががんで死ぬという確率が出てくるわけですよ。労働者一人当たり五千ミリレム以内としているこの基準、これはとんでもないことなんで、総被曝線量の目標を大体どこに置くかということがいま非常に重要な問題になってきている。その対策はどういうふうにいたしますか。

伊原義徳科学技術庁原子力安全局長

○伊原政府委員 お答えいたします。  原子力発電所の従業員の被曝線量が、一人一人がどれくらい被曝し、かつ全体の従業員の数が幾らか、それを掛け合わせました人レムの数字、これはただいま御指摘ございましたように、昭和四十九年度におきまして、上期で千二百人レム、こういう数字もございます。それから先行き原子力発電施設の数がふえてまいりますと、ある程度上昇するということは予想されるわけであります。四十八年度の従業員一人当たりの年間被曝線量は〇・三二レムとなっておりまして、これは法律に定めます数字の一けた以下でございますが、今後さらにこの一人当たりの被曝線量をできるだけ下げるような努力をいたしてまいらなければならないと思っております。  なお、全国民が自然放射能によってどれだけの被曝を受けておるかと申しますと、これは一千万人レム、これは毎年原子力をやってもやらなくても一千万人レムの被曝があるわけでございます。それに比べますと、この従業員被曝の人レムの数字は非常に小さい数字である。ただ、小さいからといってそれで安心するというわけではございませんで、非常に小さいけれども、今後さらに努力をしてその数字が余りふえないようなことをやっていく必要がある、こう考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 全国民の被曝線量が一千万人レムである。従業員のいわゆる被曝線量、私は、六十年度少なくとも十万人レムになるだろうというふうに思うのです。それが非常に少ないというのはどういう意味なんです。現場労働者は何人おるのですか。一億一千万人の中で何人いるのです。一千万人レムに対して十万人レムというのは百分の一ですよ。小さくも何もありはしないじゃないですか。そういう考え方だから、いわゆる安全性に対する問題の解明は出てこないのですよ。私は、政府のそういうような考え方であるとするならば、原子力発電というものはこのまま遂行しちゃいかぬと思う。だから、そういうような考え方であるならば、これはやはり職場労働者に対する被曝の問題については全く政府が無関心だということを言わなければいけない。職場労働者の被曝が非常に増大していくということに対する、それの賠償補償の問題についてはどういうふうに考えておりますか。労働省、これはどういうふうに考えておりますか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 お答えを申し上げます。  補償の問題の前に障害の防止でございますが、先生重々御承知のように、労働省関係では電離放射線の障害防止規則を制定いたしまして、一定の基準を超えないようないろいろな措置を講じておるわけでございまして、現時点の状態では、四十九年に調べました数字でも、下請六百九十人のうち八一%の五百六十一人が一レム以下、それから親会社の千八百八十一人の従業員のうち九三・四%の千七百五十六人が一レム以下という状態でごいまして、三レムを超える者はわずかに〇・六%にとどまっておるというふうな状態にあるわけでございます。  なお、補償の問題は、かねがね関係の審議会あるいは関係省間で議論がございましたが、おおむね結論も出ましたので、基本的には科学技術庁の方の所管でありますところの一般の補償をまずやっていただきまして、そうしてそれと労災との調整をするという方向で法律を改正しようということで、寄り寄り科学技術庁を中心に御検討をいただいておるという段階でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 補償の問題について検討しておると言うのだけれども、それは早急に法的処置をされますか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山野政府委員 この問題につきましては、原子力委員会におきまして原子力事業従業員災害補償専門部会というものを設けまして鋭意検討をしていただいたわけでございますが、昨年の七月に報告書をちょうだいしておりまして、その中で、この原子力事業従業員が業務上受けました原子力災害を原子力損害賠償法の適用対象とすべきであるという提言をちょうだいいたしております。したがいまして、その線に沿って私ども先ほど御答弁ございましたように、いろいろ検討いたしておるところでございますが、大きな問題点といたしまして、放射線被曝と傷病との因果関係の認定問題という非常に技術的にむずかしい問題等がございまして、この辺につきましてできるだけ早急に結論をまとめるべく、現在労働省を初め関係の各省と調整を図っておるところでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 調整を図っておるだけじゃだめなので、早急にそれに対する対策を立てなければだめなんです。このことについては政府はほうっておいてはいけないと思うのですよ。少なくともこれは本国会くらいの間にでも一つの芽を出してはっきりした線が出てこなければいけないと思う。総理はそういう点についてどういうふうにお考えになりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 原子力に関連する従業員の健康ということは、石野君の御指摘のようにわれわれが重大な関心を持たなければなりませんので、いませっかく検討中というのでございますから、これをいつまでも検討というわけにはいかないわけですから、できるだけ早く結論を出せるように私もこれを督促いたします。

石野久男日本社会党

○石野委員 職場労働者に対する損害賠償といいますかその補償措置というものは、早急にしなければいけないと思うのです。放射能における身体障害もそうですけれども、たとえば塩化ビニールのモノマーの毒性につきましては、これなども遺伝性の問題等も含めて非常に大きい問題があると思います。     〔井原委員長代理退席、委員長着席〕 これは多く申しませんが、たとえばこの問題については環境庁は環境庁で塩化ビニールモノマーによる発がん性の問題についてのいろいろな検討をしているようです。それからまた、通産省は塩化ビニールポリマーについてのテクノロジーアセスメントをことしは考えるとかいうようなことをされる。あるいはまた労働省は三井東圧等に出ておるような塩ビモノマーについての対策をあれこれやられるようだ。それによって医師による専門会議をやっているとかいうことも聞いている。それから厚生省は塩化ビニールモノマーを原料としたプラスチック食品容器からのモノマーの溶出に対する対策を考えているという。この塩化ビニールモノマーの毒性に対する対策というものは、各省ばらばらでこういうやり方をしているのですよね。こういうことでは各省の考え方でまちまちなものになってしまって、これはどうにもならぬと思うのですよ。これは総理、この際、塩化ビニールだけではない、クロロプレンだとかフタル酸だとかフロンだとか塩化ビニリデンだとかニッケルカーボネートなどのこういうような問題についても、各省はばらばらの対策を立てるのじゃなくて、政府が一貫してこれらのものに対する分析、解明をするという対策を立てなければいけないのじゃないかと思います。  本年度予算の中に、科学技術庁の中ですか環境庁ですか、化学物質に関する安全研究推進の各省連絡会議の予算をとっております。それだけではこれは国民は安心しないですよね。特に、食品加工の添加物等に関係しては、もう大変な問題です。そこでこの際、政府は統一的に総合的政策を確立する方針を国民の前に明らかにすべきだと思います。食生活、国民の健康不安を除去するためにも、それが非常に大切なことだと思うのです。総理、この際私は、そういうような統一的に総合的に政策を立てるための対策を確立すべきだと思いますが、総理はそれに対してはどういうふうな考え方を持っておりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 石野君の御提示になりました化学物質の人体に対する影響というものは、これは重視しなければならないわけで、いろいろな研究機関があるわけですが、研究機関はいろいろな特色を持っておるので、その特色を生かしながら各研究機関が連絡をもっと緊密にする必要があると思います。そういう点で、きのうもお答えしたのですが、国立衛生試験所などに対しても、私は近くその所長を呼んでいろいろ話を聞きたいと思っておりますが、そういう検査研究の機関などもできるだけ今後強化しまして、研究機関間連絡というものは、石野君の言われるような趣旨を体して、緊密な連絡を一層とりますような仕組みというものを考えてまいりたいと思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 昨年の十月にアメリカの食品・医薬品局、FDAですね、これが塩化ビニールモノマーについての使用禁止を出したときに、日本の業者間ではそれをあざ笑ったわけだ。しかし、具体的にはその弊害が各所に出てきている。私は、先ほども言いましたように、環境庁だ、通産省だ、あるいは労働省だ、厚生省だというようなばらばらの対策ではこれはとてもだめなんだと思うのですよ。だから、どんなことがあっても、これは少なくとも科学技術庁ぐらいが中心になって化学物質安全研究所というようなものでもつくって、それを総合的にやはり研究し対策を立てるというような方針を立てないと、国民は安心しないと思うのですよ。総理はやっぱりそういうようなことを政府の内部でひとつ考える考え方はありませんか。どうしてもそうすべきだと思いますが、どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 これは政府の既設の機関でもそういう問題を皆取り扱っておるわけですから、したがっていろんな経験も持っておるのですから、私は、それを一遍に何か統合して一つの化学物質の研究所というよりかは、いまある既設のしかも化学物質を取り扱っておる研究所、これをばらばらにならないように連絡を緊密にする仕組みというものは、いまもありますけれども、もっと強化する方法は考えてまいります。しかし、別にこの研究所というようなものよりかは、いままでの既設のこれを手がけてきた研究所の強化あるいは横の連絡が緊密にいく仕組みを考えて、いま御指摘のようなばらばらにならぬような方法を講じてまいることが一番現実的だと思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 この問題は後でまた委員会等でも論議しますけれども、ただ連絡会議だけではこの種の問題の解決は基本的にはできないと思うのですよ。しかも、国民は食品添加物等を通じて塩化ビニールモノマーの被害というものに対して恐怖感を持っているわけですよ。そういうのんびりした事態ではないと思うのですね。放射能の問題もこういう問題も、ただ危惧感を与えるとか危険感を与えるということだけじゃなしに、具体的に身体障害を及ぼしてくるものだし、遺伝的障害までもくるというようなものについて、私は総理のその考え方は非常に甘いと思うのですよ。これはもう一遍積極的にこういうものを、ただ連絡会議じゃなしに、統合的な研究機関というものをつくるという方針をひとつ確立するような検討をすべきじゃないか、こう思いますけれども、総理にもう一遍そのことについて御意見をお聞きしておきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 いま環境庁にもやっぱり公害研究所などもございますし、また、食品添加物などは国立衛生試験所でやっぱり相当手がけて今日まで来ておるわけですから、そういうことで一遍に新しい機関をつくってということよりかは、既設のそういう研究機関というものをもう少し一元的に、国民の食生活の不安を除くというような大きな目的に沿うて、ばらばらな弊害を防ぐような方法が現実的ではないかと考えますけれども、重大な問題でございますからわれわれも研究はいたしてみます。

石野久男日本社会党

○石野委員 私は原子力船の問題で意見をちょっと聞いておきたいのですが、原子力船はああいう事故を起こして、もうすぐやはり地元の諸君との約束事もかなえてやらなければいかぬというような事情になってきている。最近政府は佐世保に修理港を設けるというようなふうに聞き及んでおりますが、それはどういうふうになっているのか。その修理港ということと停泊港、いわゆる母港との関係はどうなのか。もう時間がないので簡潔にひとつ長官から御答弁いただきたい。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 後者の方からお話し申し上げますが、修理港というのは、文字どおり修理、総点検できる設備等を具備した港が望ましいわけでございます。したがって、ドックがあったり、あるいは造船所等、技師が整備しておったり、あるいは船舶修理のための諸施設が整備しておったり、あるいはモニタリングが整備してあるといったような、そういうところが修理港として一番望ましいわけでございます。母港というのは、原子力船でございますから、原子力船に特有な燃料の装入、あるいは貯蔵、取りかえ、あるいは廃棄物の処理等ができるような施設があることが望ましいのでございまして、いわば原子力船の運航を可能にするいろいろなサービス施設というものを持っておるのを母港というふうに私ども考えております。  それから、前段の、その経過ということでございますが、過去一年有半、御承知のような問題が起きてから、私どもは非常に精力的に、あの「むつ」の原因は何であったか、それは技術的のみならず総合的に、体制その他まであわせて検討いたしまして、同時にまた、将来の日本の原子力船政策というものはどうあるべきかという点も、機関をつくりましてエネルギッシュに検討いただきました。その結果、大体今後十年ぐらいになりますと、世界は原子力船の実用化時代に入るんじゃないか。そうなりますと、日本は世界有数の造船国であり海運国でございますから、その時代に備えていまから準備を進めるのは当然じゃないか。そのためには、幸い「むつ」は修理、総点検をしますとりっぱな実験船になるという結論が出ておりますので、その「むつ」を活用して、実験船として将来に備えてあらゆるデータを整備すべきであるということでありまして、しからば「むつ」自体の修理、総点検そのものをどうするか、それが安全であるかどうかという点の検討に入りまして、それも大変安全でございます。大丈夫でございますという結論になりました。かたがた原子力行政、原子力委員会まであわせて問題になっておりましたので、この方の結論も、中間報告ではございましたが、去年の暮れに有澤教授の報告が出まして、中央といたしましては万全の措置が大体できたということでございますので、さて、それでは修理点検港ということになりますと、さっき申しましたような条件を勘案してまいりますと、佐世保港が大変適当だということで、去年の暮れ、「むつ」問題関係閣僚懇談会というものがおととしできておりましたので、それを活用いたしまして、自民党の党の首脳部の皆さんにも御参加いただいて、そして今後、現地、特に知事あるいは市町村等にどういうふうに検討をお願いしようかといったような点に関しましては、私と官房長官と運輸大臣の三人にお任せくださいということで、現地にどういうふうに、いつ検討をお願いしたらよろしいかという点をただいまいろいろ打ち合わせ中でございます。ただ、現地にいろいろ検討をお願いしても、そのこと自体がすぐイエス、ノーをくれというんじゃなくて、さっき申しましたように、中央ではあらゆる準備ができましたのでひとつ御一緒に御検討いただけませんか、幾らでも私ども説明に参りますし、そして住民の御理解を十分、とっくり深めていただきたい。その上で、現地の方としてよろしいということになれば、修理のために青森から原子力船「むつ」を回航いたしますよという、いわばあくまでも話し合いで御理解、御協力をいただいて問題を進めたいという念願で、ただいま慎重に問題を進めつつございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 先ほどもお尋ねしましたが、修理するということと、それからいわゆる母港化することとの間の考え方でございますね。そこのところをはっきりしないと、これはやはりなかなか一般には理解が進まないと思うのです。そこで、現場で修理をするということと停泊港、基地になるということとの考え方がはっきりしないと、これは考え方の立て方が出てこないわけですよ。だから、政府はその点についてどういうふうに考えているのか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 おととし青森県側の関係者と鈴木総務会長との間に話し合いができたときの一つの条項には、まず母港、第二定係港を決めて、しかる後二年半後を目途として「むつ」をそちらに回航しようというお話でございました。そこで、私ども、そのつもりで第二定係港をいろいろ机上の面で調査研究したのでございますが、その間、先ほど申しましたように、「むつ」そのものは修理、総点検すればりっぱな船になりますという結論がついたものですから、それでは、むしろ第二定係港を先に探すよりは、まずその欠陥と申しますか欠点を修理点検して直して健全な姿にしよう、そうすることが第二母港を探す際にも、受ける側からいたしますれば、そういうりっぱな船を回してください、それであれば、ということになるんじゃないだろうかという配慮をいたしまして、まず、それでは第二定係港を探すよりは、事前に修理点検港を決めて、そしてそこで修理点検を済ませてりっぱな船にしようじゃないかということで、青森県側にもその由をお願い申しまして、青森の知事さんも、どうぞ、それで結構です、円満にこの問題を片づけていってくださいというお話でございましたので、青森側の御了承も得たものとして、ただいまそういう方向で進めております。  そこで、いま御質問のございました修理点検港と第二母港、定係港とどういう関係があるかと申しますと、ただいま考えておりますのは、修理点検そのものばかりでございまして、修理点検が済みました以後、その間、修理点検に三年ぐらいかかりますので、三年の間に、りっぱな船であれば母港にしてもらいたいという希望の個所も出てくるだろうし、現在もございます。そういう点もいろいろ考えまして、その間にじっくり決めようという配慮でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 母港になるのと修理点検だけとは違うという考え方が明確であったとしても、たとえば修理点検の中には当然のこととして炉の問題が一つ出てくるから、政府がそういうふうに言っているようには現地では考えませんよ。だから、修理をやれば当然母港化するであろうというこの考え方がある。この点について、その考え方はもう全然無用であるということが言い切れるのですか、どうですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 ただいまの段階では、るるお話しいたしましたように、修理、総点検は可能であるし、そのための設備あるいは技術等が完備しているところがよろしいということで、その修理点検港のみを頭におきまして決めております。したがって、その修理点検ができますのが三年後でございますから、その間に、そういう船であればわが方に母港をという御希望の向きもあるだろうと思いますし、また、現在申し込んでおるところもございます。そういう点も加味して、母港の希望のある個所は、十分検討した上、第二母港と決めたいというふうに考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 その希望が出るだろうと思うところの中に佐世保も入っているのですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 この点は、まだ港湾管理者である佐世保市長とはお話しもしたことはございませんし、佐世保自体からそういう希望は申し出ておりません。修理点検港であればお引き受けしましようという意思表明をしておるやに承知しておりますが、第二定係港、母港として佐世保をどうぞ末長くという話までにはまだなっておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 政府は、佐世保からそういうものが出ることを期待しておりますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 とりあえずは、先ほど来申しましたように、修理点検そのものに全力を注いで片づけたいと思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 政府は佐世保に、定係港となることを期待しているのですか、していないのですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 第二定係港となる場合には、先ほど申しましたように、青森県のむつにつくりましたと同様の、燃料の取りかえ装置とか燃料の貯蔵装置あるいは廃棄物の処理施設等いろいろございますので、相当慎重に考えるべきだと思います。したがって、いろいろそういう点を配慮しつつ、第二母港というものを決めていきたいというふうに考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 佐世保にそういうことを期待しているのですかどうですかということを聞いているのです。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 ただいまの段階では、佐世保も一つの候補地になれる素質は持っておると思いますけれども、佐世保の管理者である市長さん自体から、別に、母港までをという意思表示はございませんので、そういう点までは実は考えておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 この問題は、現地にとってはきわめて重要であるし、しかも原子力船母港になるということと修理港との関係はきわめて微妙です。いろいろな判断をしなければならぬ問題がありますが、後でまた聞きます。  私は、もう時間がありませんから、最後に、核燃料サイクルのめどが立っていないのじゃないかということについて、長官にひとつ聞いておきたいのです。発電所だけがどんどんできていくのは早過ぎるじゃないかという発言を四国電力の社長がしておりますが、東海の現状は第二の「むつ」になるという心配があるけれどもどうだ。再処理能力は世界的に決定的に不足しておるという昨年八月のアメリカのERDAの報告があります。日本の再処理工場の見通し、そういうものを含めて、政府の考え方をこの際聞いておきたい。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○佐々木国務大臣 ただいま再処理工場は、東海で動燃が試験工場を運転していることは御承知のとおりでございまして、先ほどは大分おしかりをこうむりましたが、四千九百万キロワットの発電をした場合に、どれほどの処理を必要とする使用済み燃料が出るかと申しますと、大体四千百トンでございまして、そのうちただいま試運転試験をしております東海の再処理工場で千五百九十トンを処理し、いままでフランス、英国と契約の済みました分千七百六十トンをしたがって海外に注文いたしまして、若干まだ不足分がございますので、その分はただいま英国と商談を進めつつございます。しかし、あくまでもこれは経過的な措置でございまして、私どもの根本の方針といたしましては、第二工場も日本の中で持ちたい。ただそれを、いままでの長期計画では民間でという話になっておりましたけれども、そういう点もあわせてさらに早急に問題を点検していくべきではないかとただいまの段階では考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 もう時間が来ておりますから、私はこれは後でまた委員会で聞きますけれども、いま再処理の見通しもないままに発電がどんどん計画されて、しかもそれは官製、官のだというようなこともあります。だから、電力における需給計画について政府はもう一遍見直すべきであるし、特に原子力に依存するという側面については再検討を要するということが、きょうの答弁の中からもはっきりしていると思います。そういうことを申し上げます。政府に答弁があればそれはお聞きしますが、これで私は終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて石野君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時七分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 三木総理にお伺いしますが、この前の総括質問で不破議員から、今日の農業の危機というものがエネルギーの危機と並んで日本経済の土台を揺るがすような大変な状態になっているという指摘があったわけでありますが、とりあえず私は、きょう、その最も端的な例として後継者の問題、農業の後継ぎ問題でお聞きしたいと思うわけであります。  農業後継者というものは、御承知のとおり、この人々が喜んで農業に従事することができるかどうかということは、将来にわたって国民食糧を安定的に国民に供給すること、その役割りを果たすことができるかどうかという、まさに将来にわたっての大問題だと思うのですね。ところが、実際は大変な減少をいたしまして、農林省統計で示すところによりましても、ことしの学卒者、中学校、高等学校以上の卒業者で農業就業をした者がたったの一万人、三・二%というのです。政府資料でも、三十八年当時どういうものであったかということを見ますと、このときは七万七千人で一六・九%おったのです。いかに急速な落ち込みだかということがわかると思うのですけれども、これが歯どめが効かないというところに今日の問題があると思うのです。  そこで、そういう状態の中で、これが自然現象としてこうなったのではなくて、やはり私はこれまでのあなた方の農政と言うと失礼になるかもしれませんけれども、そういう農政の中で、全く魅力のない農政、食えない農政、暮らしの立たない農政、こういうものを一貫して推し進めてきた中での集中的な農業破壊の現象と集中的な日本農業破綻の凝集したあらわれが、後継者問題一つとってもこのような形であらわれている、こう思うのですけれども、これに対してまず冒頭に総理から、このような事態に対する認識が一体どうなんだ、このことをまずひとつお話しいただきたいと思うのです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 農村人口二千四百万、戸数にして五百万戸、そういうふうな大きな国民が農業に関連をしておるわけですが、また、環境保全の上から言っても、農村というものは、日本の国土の上から言って、そういう面からも農村の役割りはある。食糧増産、国土保全、またある意味においてこれは日本の安定の一つの背骨のような役割りを果たしておるのですから、農業というものを、日本経済の中で農業の持っておる位置づけというものは、これはやはり重く見なければならぬ。それがいま御指摘のように後継者の問題というような問題があるわけです。これは、いろんな都市化現象で農村の人口が減ってきたり、また工業化が進んだといういろんな社会、経済上の条件の変化もありましょうが、私はやはり農業というものが魅力のある産業であることが必要である。そういうことになってくると、なかなかいまの場合は耕作反別なんかも一戸当たり見れば非常に狭いものがあって、機械化といっても、いまのような土地の分布状態ではなかなか機械化にも限度がある。そういう意味で、単にこれは精神的に農村の後継ぎというものがなければならぬというばかりでもなくして、経済的に見ても農業経営というものが魅力のある産業でなければならぬ。そうなってくると、いまの農業経営のあり方というものに対してはここで考え直してみる時期に来ておる。そうして、経済的にも魅力のある産業にすることが必要である。農林省もそういう方向でいまいろんな改革をしておるのですが、これはやはり推し進めていって、経営自体に魅力を持たすということがこれからの大きな課題であろうと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは、農業を日本の安定の背骨だ、それほどおっしゃる。歴代の総理大臣は大体あなたと同じようなことを言ってきたのです。そうしていながらこのような現状が生まれているということですね。あなたのそういう、後で引き合いに出しますけれども、かつて農基法当時でさえも、当時の総理大臣や次の総理大臣が何を言ったかというと、あなたと五十歩百歩なんです。農業を大事にしますよと言いながらこういう状況です。どこへそれが到達したかといいますと、新全総の中間報告の中にも述べられておりますように、このように若い青年が農業から離れていくのは、専業農家でさえも、つまり皆さん方が中核農家として自立農家として位置づけておったそういう方々においてさえも、農業所得だけでは都市生活者並みの暮らしができない、そういうことで離れていったという反省をしているわけです。あなたはなかなか、農業を考え直すと、その原因が社会現象だとか経済現象に求めていますが、私はやはり一貫したそういう皆さんの農政を深刻に反省しなければならない。したがって、いまのような傾向、あなたはいろんなことをおっしゃっているけれども、そのおっしゃっている間にも、新全総ではこのような指摘をしていることは総理も御存じだと思うのですけれども、いまのような勢いでずっと減っていくならば、仮に最近の趨勢のままで推移するものと想定すれば、現状の約六百万人から、西歴二千年、つまり昭和七十五年には約九十万人程度にまで激減し、しかもそのときの農業の担い手は、六十歳以上の者がその六割を占めるものと、こういうふうに新全総の中では指摘しているのです。しかもこの問題は、後継者の問題で私申し上げたのですが、後継者は一つの引例でありまして、農業全般の中にこのような危機がずっと深化しているというところにより根源的な深い問題があるわけであります。私は秋田県の農村の出身でありますから、農家のいろいろな悲しみの声やら苦しみの声やら怒りの声やら、帰るたびに、山ほど、体の中にもうしみ込むようなかっこうであるわけで、もう体がふるえるような気持ちでいっぱいなわけであります。  そこで、このような、つまり農基法農政のときからぐうっとやられてきた——あのとき大臣がどういうことを言ったかというと、私は、一つ例を引きますと、当時の総理大臣の池田氏が何を言っているか。これは農地問題に触れた言葉ですが、農民が土地に執着するのは、もうぬぐい去ることのできない中心的な重要問題だと言っているのですね。これを土台にして農業を伸ばしていくんだ、こういうことを言いながら、実際はどうであったかということを一応歴史的に検討してみることが、あなたの言う発想の転換、今後農業のあり方を変えなければならないという立場からするならば、そのことがぜひとも必要であると思うのです。  そこで、あの基本法当時、政府・自民党が掲げた目標とその実績がどうなったのか。こういうことで調べますと、農家戸数で言いますと、三十五年が六百万戸、これを目標年次の四十五年度には五百五十万戸にする、こういう予定でありましたね。しかし、実際出てきたのは五百五十万戸ではなくて、もっと多く減って五百三十四万戸であったのです。農業就業人口一つとりましても、三十五年当時千四百五十四万人が、目標年次には大体千万人から千百万人ぐらいにしようじゃないか、こういうことでございましたが、実際その年度の中で何が起こったかというと、残ったのは千二十五万人で、千万人以上ということが目標でしたが、大体どっちも超過達成した。われわれの言葉で言えば大変なことをしてくれたということになるわけでありますけれども、そういう犠牲の中で、そうすれば自立経営農家が成り立つんだよというかっこうで皆さん方が問題を提起して、この自立経営農家——零細農民を切り捨ててそういう特定の農家を育成していこう、こういうかっこうの政策の中で、皆さんは目標年次には最低百万戸の自立経営農家ができる、こうおっしゃったわけです。出てきたのは何ですか、三十五万戸。三分の一にすぎないわけです。  私は、ここで大変な問題があると思うわけです。つまり、農民の望まないもの、農民のいやがるもの、就業人口だとか農家戸数だとか、こういうものはどんどん目標以上に超過達成していく。その代償として自立経営農家はこうするぞとやったことが、自立経営農家の実態を見るならば、全く唖然たる状況が今日の実態ではありませんか。しかも、このようなやり方の中で、このような農業をつぶすと言えば言い過ぎかもわかりませんが、私から言わせればそのように思うわけでありますが、この中で、われわれの最も大事な食糧がどういうかっこうで痛めつけられてきたか。この歴史的経過を見るならば——これは皆さんの、農林省の三十七年五月十一日に公表した農産物需要と生産の長期見通しとその結果という、これはまさにその当時から四十六年度を見通した農業基本法第八条による公表結果であります。  それで見ますと、たとえば小麦につきましては、昭和三十五年の自給率の実績が三九%あったのです。そこで、四十六年の見通しとして皆さんが期待したものは何ぼであったかというと、そのときに、三九%から四十六年には三二・五%から三六・七%へ落とそう、こういう計画なんですね。ところが四十六年の実績として出てきたものは何だかというと、わずか八%。五十年はいまどうなっているか、四%。これは一体どういうことです。大麦、裸麦について見ましても、昭和三十五年は実績として一〇七%であった。しかし皆さんの四十六年見通しを見ますと、これを九七・九%から一〇二・七%、こういうふうにやはり減らす計画であったんですね。ところが、実績で出てきた四十六年度で見ますと二九%。去年の五十年度は一一%。またまたがたがたっと減ったんですね。大豆も同じことです。  しかも問題なことは、私がいま挙げましたように、このとおりの農業をやるぞ、土地も大事にするぞ、あれも大事にするぞ、自立経営農家もちゃんと暮らせるように都市並みのあれにするぞ、こう言いながら、出した計画そのものを見ますと、全部減らしていく計画なんですね。このことが私は農業基本法の根本的な本質であるし、これはけしからぬことだと思う。下げる計画を立てて、それ以上に下げていって、そしてもう歯どめのきかないところに、まさに農業危機へ追い込んできたという歴史的な足取りがここにはっきりあらわれていると思うのです。  しかも、こういう事態をもたらした背景を一つ考えなければならないと思うのです。それはつまり重化学工業優先だ。あるいはアメリカ中心の外国農産物依存ですね。こういう経済政策が優先的にとられて、そういうかっこうの中で、国民の自給率だ。農民の問題だけでなくて、本当に国民全体の民族の存立にかかわる、このような食糧問題そのものを、まさに世界にも例のないような危機的、破滅的状態にあなたは追い落としながら、いまだにそのうち考え直さなければならないとか、それは経済のせいだとか、あのせい、このせい。あなた方の責任をどう考えているのかということを私は第一に聞きたいと思うのですけれども、いずれにしてもこのような、つまり国際分業という名前で言われているようでありますけれども、安易に外国依存のそういう政策が大きい国の政策の柱としてあって、その中で農業基本法が位置づけられてきた。そういうことに対して、歴代の農基法農政以来の政策のそういう意味での戦後の総決算として、三木総理は、いままでのこういう施策の、外国に安易に依存してきた、そうして国内のそういう自給をつぶしてきたということに対する反省があるならば、その反省の言葉を、いま述べましたような総決算としても、私はここで国民にお答えになる必要があるのではなかろうか、このように思いますのでお聞きするものであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 高度経済成長のもとで工業化というものが非常に進んで、その間、工業の進展に比べて農業が非常に不振であったということは御指摘のとおりです。  しかし、いま言ったように農業というものが日本経済の中に占めておる重要な点から考えたならば、やはりこの際いままでの農業政策というものに反省を加えるものは反省を加えて、農業というものは日本経済の中で安定した位置づけをせなければならぬ、そのための農業政策というものを今後推進していかなければならぬと考えております。  そういう点では、過去の政策そのままでいいのだとは思ってないわけです。こういう適正成長の時代における農業の位置づけというものは、きわめて重要な問題を国民経済の中に含んでいると私も考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたはこのような状態をもたらしたことに対して、そのままでよいとは思っておらない。このことは、いままでのそうした農政が誤りであったということを率直な反省として私はお聞きしたいと思うが、どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 農業政策が全部誤っておったとは思っておりませんが、反省すべき点は多々ある、そういう点については反省を加えて、農業政策をやはり積極的に推進する時期に来ておると私は思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 高度成長政策が全部誤りだとは思わなかった、しかし反省すべきものは反省する。それは国民にとって全くあいまいなことであって、単なる言葉のあやにすぎないじゃないですか。やはりその原点に立ち返って、そこからきっぱり、そういう外国依存政策と手を切って、基本的にこうなんだということでこそ、これからの問題も私は真剣にあなた方と話し合う用意もあるけれども、そういうあいまいなこと、そういうことを国民が聞いたら一体何と思うかということを私は非常に残念に思うのです。私、ここに昭和四十九年度の自民党大会の運動方針案を持っていますが、四十九年一月十九日、こう言っているのですよ。この中の二十七ページ、「わが党は比較的安い外国農産物に安易に依存してきた従来の農政を率直に反省し」と言っておる。あなたの方の大会でさえも「率直に反省し」と述べていることに対して、あなたは、高度成長がいい面もあったが悪い面もあったというようなことが——そのとき自民党大会に、あなたも党員だから、よもやそこに出席していないとは言わせない。(「総裁だよ」と呼ぶ者あり)いまは総裁だが、そのとき、四十九年の何月だっけ、総裁か。なおさらけしからぬじゃないですか。自民党大会の中でさえも「率直に反省」と言っているのに、党大会でさえもこう言っていらっしゃるのに、あなたの反省はそれ以下だということにならないですか。これでは私は大変残念だと思うのでありますが、そのことはそのこととして、時間の関係上、次に進ませていただきます。  そこで、私が申し上げたいことは、つまりこのような外国に安易に依存する、それを基本に置いた高度経済成長政策を日本農業内部で支えたものが御承知のとおりの農業基本法なんですね。しかも、この農業基本法に対して、これがどうであったかという道筋はいま私が話したとおりです。そうして、この自給が大変な状態になった。その点について、手元の資料、つまり政府の、先ほど述べましたような新全総の中間報告ではこう言っているのですね。新全総の策定した当時は、「食糧については国内産米の過剰が顕在化してきた時期であって、国際的な食糧需給の過剰的傾向を背景に」、農産物についてはこうだ、ということを書いてある。どう書いてあるかといいますと、「貿易自由化の促進と国際分業論の機運が強く、食糧自給度を高めることは明確な政策目標としては意識されなかった。」と書いてある。「また、米以外の穀物は、豊富で安価な国際市場を前提に外国産に依存することとしていた」云々。その発想、考え方が農業基本法の土台にあるわけです。いまもって引き継がれているわけですね。  そこで、私はお聞きしたいことは、このような農業基本法のどこからどこを見ても、農民に対して、日本農業に対して一つも役に立たなかっただけでなくて、潤したのは外国と、そうして日本の大企業であったということですね。この歴史的事実の中で私は問題提起をしているわけでありますので、これでもなおかつ、発想の転換を言われるあなたが、先ほども答弁されたあなたが、農業基本法を見直す必要がないのかどうか。農業基本法を見直すのかどうか。この点について私はお聞きしたいのであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 これから日本経済の路線というものが安定した適正成長の時代に入る。農業の日本経済の中における地位というものは確立されなければならぬ。そういう点で、過去の農業政策に反省を加える点は反省を加えなければならぬと考えておるわけです。農業基本法というものについて、いま農業基本法を改正しようという意図は政府は持っておりません。いろいろ事情の変化等もあるにしても、やはり基本法の精神というものについては、われわれはこれを改正しなければならぬ時期に来ておるとは考えていないわけです。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 これほど指摘し、しかも農業基本法の内包する精神が農地つぶしであり、自給率低下であり、そういう歴史的な検証を経た中でも、あなたは全く考える必要はないとおっしゃるのですか。それが発想の転換ですか。それが農民のためになりますか。それが日本農業の再建に役に立ちますか。このことでもう一回あなたの御返答を承りたいわけでありますが、いまこの討論を日本の全農民が聞いておると思うのです。そのことを性根に据えてお答えいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 私は何も、基本法でも必要があれば改正してよろしいのですが、現在のところ政府は農業基本法を改正しようという考え方ではないと——研究はいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 幾ら言っても、現在のところは改正する意思がない。農業基本法そのものも改正する意思がない。そうすると、先ほど言ったいわゆる国際分業論、こういうものを破棄するかどうかもはっきりしない。  そこで私は、あなたがこれまでの農業に、反省する、反省すると言うけれども、何をどう反省するのか。具体的にお聞きするならば、いままでの安易に外国農産物に依存してきたそういうやり方をはっきり基本的に破棄していくのかどうか、この点が一つ。それから、農基法はもう見直さないと言う。どうやって日本農業を再建するのか、その道筋を承りたいと思うのです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 工業の発展に比して農業の発展というものの立ちおくれ、あるいは人口も減り、あるいはまた生産も、いわゆる自給率の点においてもそういう減少もございますし、総じて農業が日本経済の中にもっと強い地位を確立せなければならぬ。そういう点で、農業政策というものはいろいろな角度から見直されなければならぬと思うわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、あなたの反省ということは、見直すということは、単なる口先にすぎないということですね。いままでの大臣と同じことを言って、そうしてそういう基本的なかなめになっているものを温存しているでしょう。どっちを聞いてもはっきりしない。分業論の問題だってはっきりしないし、だから聞いたことは、あなたはそれらの諸原因を社会的、経済的要因だということでそういう御返事をしましたけれども、あなた方は高度経済成長政策として一貫して推進してきた、そのことがこういう状況をもたらしたことなんでしょう。しかも、農業に非常に高い、強い地位を与えると言う。与えるためには、魅力ある農業として後継青年たちが喜んでそれに携われる、そういう農業をつくらなければならないんだ。しかしあなた方、大資本の要請だとか、とんでもない海の外の要請を受けて逆にそれを押し殺しているということは、私はいろいろな資料を持っていますけれども、時間の関係から省略しますが、何ぼでも証明できるわけであります。非常に私は、これは残念というよりも、もう腹立たしい思いでしょうがないわけでありますが……。  そうすると、どこへ一体何を転換するのか。参考までにお聞きしますと、農業の中心的課題は自給力を向上することである。自給力を向上する前提は何かと言いますと、やはり農地です。農地をどれだけ拡大していくのか。この問題についてあなたの口からはっきり私お聞きしない限り、あなたのいままでの答弁はまことに国民をペテンにはめた、と言うと言い過ぎになりますけれども、そういうものにしかすぎないというふうに私は断言せざるを得ないわけであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 農地の開発の計画も農林省は持っておりますから、農林大臣からその点についてはお答えをいたします。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いろいろと農政に対する御意見を賜ったわけでありますが、私も、総理大臣のおっしゃいましたように、今日までの農政のあり方につきまして率直に反省をすべき点は反省をしなければならぬと思っております。高度成長の中において農業の総生産という面においては拡大をする、あるいはまた農家の所得も増加をいたしておるわけでございますが、反面、いま御指摘のございましたような農地の壊廃であるとか、あるいはまた後継者が減少するといったような、労働人口の流出といったような面もございます。兼業の増加もあったわけで、そういう面では、農業の体質というものは脆弱化をいたしておるわけでございます。したがって、今日の段階におきましては国際的にも食糧の不足ということが言われておる今日でございますから、こういう中にあって、やはり農政におきましても転換をしていくべき面は転換をしていかなければならぬ。こういうふうに考えるわけでございます。そういう観点から農林省としては御存じのように昭和六十年を目標といたしまする農産物の需要と生産の長期見通しを立てまして、さらに国民食糧会議等の御意見等も拝聴いたしました、その結果を総合いたしまして、総合食糧政策を昨年の秋に打ち出したわけでございます。総合食糧政策によりまして今後自給力の拡大を中心とする農政を積極的に推進していきたいと考えておるわけでありますが、ただいまの御質問の農地につきましては、御存じのように昭和六十年目標で今後八十六万ヘクタールの農地を新たに造成するということを計画といたしております。この実現のためには全力を尽くしてまいりたいと考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまいろいろ御答弁いただきましたが、私は、何か白々しいといいますか、いま白け時代とかという言葉がありますけれども、何かそういう気がしてならなかったわけでありますが、特に安倍さんが、自給力拡大のために積極的に云々ということを言い、八十六万町歩も農地をふやしていくんだというようなこと、あなた、それは素人受けというか国民受けにはいいかもわかりませんが、実態を知れば唖然とするはずであります。私は資料を持ってきているわけでありますけれども、たとえばあなた方がいま策定していらっしゃる土地改良長期計画というものがありますね、四十八年から五十七年度を目指して。十三兆円かける、七十万ヘクタールを造成するんだと打ち上げましたね。ことしはそれの四年目に入るはずでありますね。どれだけいったのかちょっと調べてみますと、計画七十万ヘクタールに対して、四十八年から五十年までの実績が八万二千ヘクタールですね。そうすると、今後来年度は二万六千ヘクタールつくる予定だそうでありますから、最終年度の五十七年に向けて、五十二年と五十七年の間には十六万三千ヘクタールぐらいしかできなくなるわけですね。これは物価上昇率六%を掛けて見込んだ中期経済計画の言い分でありますが、そうするとこの計画自体を達成する農地をつくるためには、年率二二・六%の伸びを、ずっとそれでやって初めて達成することができるという私の計算——皆さんの計算もそうでしょう。ところが、一方つぶれ地の方についてはどうかということを見ますと、政府見込みでは、あなたの方で、この間九十万ヘクタールのつぶれ地を見込んでいる。すでにそのために二十八万四千ヘクタールつぶしているのです。片っ方の造成を見ますと、八万二千ヘクタールしかつくっていないのですよ。そうして、もうすでにつぶす方は二十八万四千へクタール大幅につぶしているわけですね。もしこれが計画どおり五十七年まで進んでいくとするならば、さらに六十一万六千ヘクタールもつぶれることになるのです。これは話にならないことだと思って、その他の諸資料も私はありますが、時間の関係もありますから、もう一回総理に戻りますけれども、先ほど私は聞き漏らしたのかどうか知りませんけれども、そうすると自給基盤をどうしても拡大して、日本農業を安定した土台の上に据える。そのためには農地をふやさなければならない。しかし、それこそが転換だと言うけれども、これに対して私はさっき聞き漏らしたかもわかりませんので、もう一回農地転換、いまの諸法律、諸制度の中でどのように拡大するか。何ぼ計画なんか聞いてもしようがないのですから、そのとおりいったことはないのだから、その手だて、手順を私に納得できるような形で総理から説明いただきたいと思うのです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 農林大臣からお答えいたします。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 さっき申し上げましたように、六十年目標で八十六万ヘクタールの新しい農地を造成するという考えで進んでおりまして、いまお挙げになりました新土地改良法によりまして四年終わったわけでありますが、現在の進捗率は二二・六%でありますが、来年から一七・二%の伸びを見れば、十分これは達成できると思うわけであります。ただ、いまお話のございましたように、反面農地の壊廃という面が出てくることは事実でございまして、そういう壊廃についても、優良農用地等につきましては、農地法であるとかあるいはまた改正をいただきました昨年の改正農振法を軸といたしまして、この壊廃につきましては厳正な態度で臨みまして、壊廃を極力防いでいくということによりまして、農地の造成確保を図っていきたいというのが私たちの考え方でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたたちの計画を聞いているのじゃないのです。先ほど断ったでしょう。こんなのを聞いたってそのとおりいったことはないじゃないですか。どういうかっこうでそれを確保するか、その手だてを国民が納得する形で知らせてくれろ、そのことを聞いているのです。——ちょっと待ってください。次の質問時間がありますよ。つまり私が言いたいことは、いま転換だ、転換だと皆さんおっしゃる。日本の食糧基盤の最大の基礎であるところの農地問題一つを例にとってみましても、転換できない、つぶれ地が依然多いという現実は少しも変わるものではない。なぜかと言えば、あなた方がどこへ転換するのかという問題について私から言わせてもらうならば、つぶす方はどんどんつぶす、造成する方は少しだけれども、つぶす方に対しては次から次に政府はいろいろなかっこうで奨励してつぶしてきたということです。いろいろな法律でつぶしてきたということですね。ちょっと読んでみましょうか。農地つぶしの法律を挙げればたくさんある。直接農地つぶしとは言いませんよ、それはそんなことを言っては大変ですから。大企業優先のいまの法律はほとんど直接・間接農地をつぶすような、あらゆる方面からそういう手だてを尽くしてやっている。これが法体系です。高度成長経済そのものを否定し切れないいまの政府自民党の体質の中での法体系がここにあるということですね。たとえば新産業都市法ですね。旧全総です。全国総合開発計画です。工業整備特別地域整備促進法、これらは全部農地つぶしにつながるでしょう。それでも足らないというので、あなた方は新都市計画法というものを四十三年につくりまして、工場用地、宅地を優先的に囲い込んで、市街化区域の中の農地には宅地並み課税をしているでしょう。農民が農地を手放さなければ税金も払えないようなそういう状態に追い込んだのじゃないですか。新全総や新経済社会発展計画、四十四年から四十五年のあの分を見ましても、公益優先という名前の中で農地つぶしの大号令をかけているでしょう。その後の列島改造部分による大企業の土地買い占め、それらと相まって日本の農地はこのような状況になったのでしょう。しかも大事なことは、農政の側からも、つまり農林省の側からもこれに積極的にこたえてきたのじゃないですか。そうして、農協法を二回も改正して農協を何か不動産屋だか何だかわからないような状態にしたり、米つぶしのために、農地をつぶす水田転用許可基準なんというものをつくってきたんでしょう。よもやそうじゃないとは言わせない。これではつぶれるのはあたりまえじゃありませんか。つぶす方にあらゆる制度、あらゆる法体系、あるいは金融制度、そういうものを使って国がどんどんやってきた。そうして、造成は名目だけに、今度はこれだけふやしますよなんて言うてるにすぎないじゃないですか。そこに問題がある。転換するということは、いままでのそれをそれから何に転換するか、ここが大事なところですね。つぶれていくのがあたりまえなようなこのやり方を改めて、法律や諸制度やそういう背景にある農地つぶしにつながるものをこの際撤廃し見直す、このことでこそ初めて農地が守られる。ここのことを私は聞いているのです。これこそ本当の転換だということを聞いているのです。三木さん、私の考えは誤りですか。あなたはこの点についてどう思いますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農地の壊廃を防いでいくために、われわれは今後とも法的な手段を含めてあらゆる努力をしなければならないことは当然であると思っております。そうした観点におきまして、農地法におきましてもこれを厳正に適用する。そのためには、いまお話しのような転用基準等につきましても、これは暫定的なものでありまして、廃止をしていく。あるいはまた改正農振法も成立をさしていただきましたので、改正農振法によるところの厳正な適用によって今後の農地の壊廃というものには大きな歯どめをすることができる、私はそういうふうに考えておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまこれの大事な問題で、転換の最も基本的な手だてについて私の見解を述べたわけでありますので、この考え方に対して一国の総理から、やはり日本農業を守る転換だとおっしゃっておる方から、私は改めて責任ある答弁を——安倍さんは責任がないということじゃないですよ、最大の問題だということをあなたは言っているわけでありますからお答えいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 安倍農林大臣も答えておりますように、現行の法規を厳重に適用して農地の荒廃を防ぐ、昭和五十七年までには七十万ヘクタールの新規農地を開発する、こう言っておるわけでございますから、したがって、政府の考え方というものはその計画の中にあらわれておるわけなんです。まあ具体的なことに対しては、農林省も日本農業というものがやはり日本の経済の中で重要な位置を確立しなければならぬということで鋭意努力しておるので、いろいろな問題に対して農林大臣がお答えするのはきわめて当然のことだと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、あなたが先ほども言ったように転換だ転換だと、いままでのやり方をそっくり温存しておってどこに転換できるか。つまり、あなた方はその場だけ言葉のあやで言っていれば後は責任がない、こういうかっこうの中で農基法以来の政府の姿勢が今日のこんな危機をつくったという事実があるわけですね。その反省に立った上での御発言、御答弁とは、私とうてい思いもよらないものをあなたの口から聞いておるわけでありますが、しかし、良心という言い方は悪いわけでありますが、「秋風よ心あらば伝えてよ」という言葉がありますが、何ぼか心あるならば、当面、あの田中角榮前首相のもとにつくられた、減反をやるたびにたんぼをつぶす以外に方法はないのだ、これをつぶしてしまえといってあの優良農地さえもつぶしにかかるための水田転用許可基準、これを早速撤廃すべきである、このように私は思うわけでありますが、これは安倍農林大臣からお聞きしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農地転用のいわば緩和規定とも言えるかもしれませんが、いまお話のありましたような水田転用の基準につきましては、これは暫定基準でございますので五十年度までこの基準は残っておったわけでありますが、五十一年度以降からはこれを撤廃をいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 撤廃する、こういうことですね。——それは当然の話なわけだな。  それならば、もう一つお伺いしたいわけでありますが、宅地並み課税ですね。税金を払うためには農地を売らなければならない、こういう過酷な発想がどこから出ているか。先ほどからいろいろ言ってきたわけでありますが、少なくともことしキャベツなんか一個三百円もして、みんな泣いているわけですね。もともと都市近郊農地があればいいな。野菜や植木やいろいろなものが都市近郊の中で営々とつくられておる、それに宅地並みの税金をかけていくという考え方、これもあわせて見直し、撤廃されるべきだと思うのですけれども、この点はどう考えますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これは私が一元的にお答えをすべき問題でもございませんが、いま御質問がありましたから、私の農林省としての考え方を申し上げさしていただきますが、宅地並み課税につきましては、これは都市計画制度という制度があるわけでございまして、その精神にかんがみまして、市街化区域外の農地と市街化区域内の農地と全く同一に扱うということは必ずしも適当ではないと思うわけでありますが、しかし他方では、市街化区域内における農業の実態あるいは農業者の担税力の問題、あるいはまた市街化区域内の都市化の進展がおくれておるというようなこと等の事情もありますので、これらを考慮いたしまして、宅地並み課税はその適用対象農地を昭和五十三年度までは拡大をしない。さらに現在宅地並み課税が実施されておる三大都市欄の特定市街化区域内のA、B農地につきましては、生産緑地制度の適用要件を緩和してこれを活用するとともに、現に耕作の用に供されている農地のうちの一定の要件に該当するものについては軽減措置を講ずることができることとする、こういう特例措置を設けるような方向で、現在政府部内で検討をいたしておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 現在政府で、そういう特例を検討中だということでありますが、私は、これはそれなりに決して悪いということは言いませんけれども、基本的には昭和五十三年まで適用しない、延期するというだけの話で、基本面は決して転換したということになっておらないわけでありますね。私は、せめて発想の転換、施政方針演説に一国の総理が言ったこの矛盾した点についてだけ撤廃すべきだと思うのですけれども、しかしそれはそれなりの問題として今後の追及に譲りたいと思うわけであります。いずれここで私申し上げたいのは、今日農地の減退ということは明治三十六年以来である。最高の減少でありまして、ずっとふえてきた。農基法以来のわずかの期間の中で大変な減少なんですね。明治三十六年以来ずっとふえて、減ったことは一回もない。これは農基法まではほとんどプラス・マイナスで壊廃と造成を比較すればこれはふえています。しかも、ちょっと私、資料を手元に忘れてきましたけれども、特に四十八年だと思いましたが、四十六年からかな、急速に何年分にも匹敵するだけの、二十万ヘクタールぐらいその間に減ったりしているのですね。私の方の地方では、農地つぶしだとか、こういうことを親不孝者のやることだと言っている。罰当たりのことを穀つぶしというのですね。たんぼをつぶすということは穀つぶしにつながるものでありますから、先祖に済まないような、おてんとうさんに済まないような最も大事な問題としてこの問題を見ているわけでありますので、いずれいま申し上げた種々の問題を含めて後々の問題に改めて追及さしていただきたいと思うわけでありまして、そういう点で前段の総論といいますか、基本問題についての質問は終わらしていただきまして、引き続いて、私は農機具、農業機械の問題についてお聞きしたいのであります。  私のところへ東北のある町から御婦人の手紙が参っておりまして、こういうことが書いてあるのですね。「私は農婦です。失った指、麻痺した神経のために仕事に出たくとも行けない此の苦しみ、大黒柱の一人として又生活担当者の一人として此の辛さ苦しさを誰れかに訴へ聞いて頂き度く勇を鼓してペンを執りました。」私あてにちゃんとこう書いてあるわけですね。いろいろありますけれども省略しますが、農機具によるいわゆる損傷事故ですね。これが「私ばかりでなく病院にも農機具事故の方が沢山入院されているのにはおどろきました。高価なばかりで安全性のない農機具のためにその犠牲になった農民がどれ程多い事か」云々ということが書いてあるのですね。私はこの手紙があるからどうだということを申し上げているのじゃないのですね。一貫して、去年もこの問題を取り上げた、おととしも取り上げてきた経緯を持っているわけでありますが、その中には、価格に対するやみカルテルあるいは安全性の問題、いろいろ指摘してまいりましたが、農民が今日農機具というものがなければならない、近代化、機械化の花形、中心だということはわかるわけでありますが、非常に高いものでありますから、出かせぎに行く方々は出かせぎの期間を早めて、少しでも出かせぎ収入に頼らなければならないということで、どうしても機械を買わざるを得ない状態ですね。近代化の文明物が、高いその借金を払うために出かせぎの悪循環を繰り返さしているという。現に出かせぎ原因調査のアンケートを調べてみますと、生活費の足し前にするという次は農機具代金の借金に充てるということが二番目に位置づけられておるわけであります。そうして米代の値上がりで、それ以上の農機具代金の値上がりが年々繰り返されてきたわけですね。そういう農民にとって大事なもの、安心して安く使いたいという願いが価格の面でもいろんなかっこうで操作されまして、農民の苦しみをよそに、ちょっと私の手元に、この期間に農機具の大メーカーと称されるものがどれだけもうけてきたかということを参考のために言わしていただきたいと思うのですね。ヤンマー農機という会社、私は決してこれを大メーーカーとは言いません。農機具の専門メーカーでありますけれども、しかし、農民のその苦しみと対比してお聞きになっていただけるならば、三十七年と四十九年比でいいますと売り上げが十倍ふえています。利益が三十五倍ふえている。これは何と考えても私は理解できないところですね。人のもうけにけちをつけるつもりは毛頭ありませんけれども、これはどういうことだかということを私改めてびっくりさせられるわけでありますが、ちなみに久保田鉄工の三十五年、五十年対比で経常利益が何ぼふえたかということを見ますと、六倍ふえている。引当金が六・四倍、井関農機が経常利益がこの三十五年、五十年の対比で二十・二倍ふえている。引当金が二十・七倍ですね。いま言ったヤンマー農機は経常利益が三十七年と四十九年の対比で三十四・九倍ふえています。こういうことが、笑いのとまらないどころか、一方の農民の悲しみをよそに、しかもいまオイルショックあるいは石油ショックというかっこうで企業も大なり小なり影響を受けて困ったなどということを表向きに問題にするときに、こういう事態がずっと行われているということですね。したがって、売らんかな、もうけんかなということで、これを使えばどれだけ安全だかということはほとんど無視されたような状況になって、そのためにどんどんどんどん事故がふえてきておるわけですね。どんどんふえてきて大変な状態になっているのが、私は今日の姿だと思うのです。  私は、去年の二月十八日の予算委員会でもその問題で写真を示したが、三木さん、総理、農機具の事故というものがどれだけひどいかということを、ここに写真ありますけれども、こういう事故がどんどんふえていっているのですね。こういう指が曲がったような事故がドンドンふえている。しかも、だれにふえているかというと、お年寄り、御婦人ですね。農村にはなかなか、若い者はかせぎに行かなければなりませんから、そういうかっこうで、最も弱い層に負傷者が次から次へふえているということ。これは政府も調査の結果認めざるを得ないような状態になっているわけでありますが、かりそめにも命の問題でありますから、国が責任を持たなければならない。したがって、私は昨年の予算委員会の一般質問の中でも、農機具というものについては、トラクターであれコンバインであれ田植え機であれ、すべて安全基準をちゃんとつくりなさい、そしてメーカーに対してはそれが安全かどうかをちゃんと、メーカーに対する国の検査を義務づけろ、そのために法改正を含めて所要のいろいろな検討をしなさい。これは安倍さんもはっきりそのときそうしますとお答えになったはずであります。あれから一年たっています。しかし、依然として私には別段それが具体的にどうなったという話は聞こえてこないわけでありますが、なぜこういうふうに、そういう命にかかわる問題について野放しにされ、未検査品、不合格品でも堂々と農機具が売られていくのか。これはやはり一つは理由があるのですね。どこに理由があるか。皆さんの通達の中にあるわけでありますね。つまり通達の中で、不合格品というかそういうものも堂々と、「補助事業によって導入される農業機械の選定について」という四十年八月十日の通達がございますね。これに基づいて不合格品でさえも売られていないというのじゃないのですよ。     〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 売られているのは当然ですが、それに対して政府の補助がついているのですよ。その結果けがした、かたわになった、そんなことはどうでもいい、とにかくそれに補助がついているということは全く無責任だというだけではなくて、政府がだれかのためにその大もうけに一役買っているのじゃないか、こう疑わざるを得なくなるわけでありますが、このような不都合なことをして、不合格品に対してさえも政府の補助が、国の税金が流れていっている。こういうことが一体あっていいものかどうかということについて、まず当面する責任当局から御答弁をいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私たちは、農機具行政につきましては特に慎重な態度で臨んでおるわけでありまして、いまお話がありました農機具の価格の問題等にいたしましても、実は五十一年度の六月までは農機具価格を据え置くということで行政指導もいたしてそういうことに至っておりますし、また安全性の問題につきましても、これは特に農民の生命に関する問題だから非常に重要でございます。昨年の予算委員会においてもいろいろお話があったわけでありますが、現在われわれは型式検査によりましてその安全検査等もその中に含めてこれを確保することに努力をいたしておりますが、来年度におきましては、さらに問題のある農機具につきましてはすべてこれを安全鑑定をするということで予算措置等もいたしたわけでございます。この安全鑑定を積極的に行政の中において進めれば、農機具における安全というものは相当確保されることは間違いないというふうに私は考えておるわけでございますし、同時にまた、この不合格品等につきまして、もちろん政府の補助事業あるいは融資事業等にこれを使わせないということは当然であるわけでございます。したがって、私たちはこれからの補助事業あるいはまた融資対象事業等につきましても、型式検査を受けた製品以外はこれを使わせないという方向で厳に指導をして安全性の確保にさらに最善の努力をしていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは農機具の取り扱いについてはこれまでも慎重にやってきたと、あなたの言う慎重ということは、未検査品、不合格品を堂々と市場に出回らせておる、そのために法改正を迫ったことに対しても何ら措置をしておらない。どこが慎重なのか、そこに答えておらない。ましてや不合格品に対して政府の補助金まで出しておる、税金を支出しておる。これがどこが慎重なのか。もしもあなたが、さしあたって百歩を譲って、あなたの前向きとか称するものの姿勢を認めたとしても、事は生命だとかそれを守ると言うならば、まず当面するこういうことをやめなきやならない。そのための土台である先ほど申し上げましたあの四十年の通達ですね、これをやはり撤廃するということから始めなければならないと思うのですね。そうでなければ整合性も合理性も何もないじゃないですか。ただ、その場その場さえよければいいということになるわけで、そういう部分的な何とかということでなしに、やはりその根本から押さえていく、一つずつちゃんとやっていく、こういうことでなければならないと思うのですが、もう一回御答弁をお願いします。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これはやはり非常に具体的な問題でございますから、やはり一つずつきちっとしなければならぬわけでございます。したがって、四十年の通達がここにもございますが、この四十年の通達の時期と今日では安全性に関する情勢というものも大きく変わっておるわけでございますし、われわれも安全対策を強化しておるわけでございますから、たとえばこの型式検査の枠を拡大をすることはこれは当然でございますし、またやっておるわけであります。この通達では三種類、農用トラクター、スピードスプレーヤー、コンバインというようなことになっておりますが、これがさらに拡大をされておるわけでありますし、また先ほど申し上げましたように、補助事業等につきましては、型式検査を受けた農業機械を使うということを前提としてわれわれは行政を行うことにいたしておりますので、もちろんこの通達もそういう線に沿って改正をすることは当然のことでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、念を押して確認しますが、そういう措置をいつやるのかということ、年内にやるのか来年やるのか、しかもその中でこの通達を撤廃するのは一体、大体いつごろのめどなのか、こういうことでお聞きしますが、だからといって私はあなた方の最も根本的な法改正だとか、依然として新たに安全を審査するような何らかのものを考えてやると言ったところで、現在検査しようがするまいが、メーカーが勝手にやって、検査そのものは依頼検査なわけでありますね。したがって、強制力も持たない、義務的な力もない。こういうものであるならば、依然としてそういう余地、そういう不安な機械が出回るということは当然考えられるわけでありまして、その中で起こった事故の場合、いままでの経験によれば、全部が全部農民が、おまえの運転がやれ下手だったとか操作未熟だというかっこうで、この方々の泣き寝入りになっているのが歴史的事実なわけですね。一回もメーカーが責任とったことはない。欠陥車はたくさん売っておって、いつも農民が泣き寝入りしているということは、こういう行政がそれに対して手を加えないということは、国民の命と安全に対して責任を負わないということになると思うのですね。  総理は、こういうような一番基本的な、しかもたんぼの中で動く機械が野放しに無検査、不合格品まで売られているだけじゃなくて、おまけに政府の補助も出ている。これはいま何ぼか直すということを言っていますけれども、こういう事態をあなたは許せると思いますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 農業機械化促進法によって型式の検査は厳重にやっておるのですが、農機具の安全を確保するということは御指摘のとおり必要なことでございますから、今後検査は一段と厳重にして、農業機械から農民がいろいろな被害を受けることのないように、一段とこの検査を厳重にいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 まあ時間の関係もありますから、それではちょっとお聞きしたいわけでありますが、確認する意味でも先ほどの私の質問したことに対して安倍農林大臣がお答えがないのでありますのでその点と、それともう一回念を押したいことは、つまりこれからあなたの言うのは何ぼかの改良だというような意味で出した問題だと思うのですが、つまりそのあなた方の言う法律その他によらないけれども安全鑑定と称するものですね、それに合格といいますか、そうした以外のものに対しては国は補助対象にしないということになりますね。そこら辺ちょっともう一回確認しておきますから。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 今回は、いままでの型式検査以外に問題のある農機具につきましてはすべて安全鑑定という形で検査することになっておるわけでございますから、私は安全性確保という点においては行政的には非常に大きな前進であるというふうに考えておりますが、もちろんそういう意味におきまして安全鑑定を受けない機械は補助事業については対象にしないということはもう明らかでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 ただいまの問題はいずれ農林水産委員会の中でもいろいろやらせていただくわけでありますのでこれで打ち切りますが、引き続いてFRP船のお話で申します。  皆さんにとってはFRP漁船というものは全く耳になじみのないことだと思うのです。これはいままでの漁船あるいは船はたいがい木船ですね。木の船です。あるいは鋼船、鉄の船でございましたが、いま強化プラスチックの船が何といいますか、もう一ころテレビが出回ったときのような勢いでたったったっとふえて、去年の実績を見ましても、木船をすでに去年の生産実績はもう通り越してしまった。もう何年か後にはほとんどこういう船になるだろう。こう言われているわけですね。現に五十九トン、六十九トンのカツオ・マグロ漁船が近海にこのFRP船でずっと出かけて操業して、軽くて堅牢で見ばがよくて早いとかいうようなよさずくめで、そのこと自体が問題なわけじゃありませんが、私がお聞きしたいのは、最近このように漁業と漁民にとってかけがえのない、そういう位置づけを占めておるFRP船にいろいろな事故が発生しているわけでありますね。その事故の態様なんか、私が調べただけでも、たとえば四十八年のオイルショックがありましたね、あの前は、プラスチック船ですから、石油を使ってつくるとか繊維ガラスだとか、何かいろいろわれわれの口の回らないような英語の名前のものでやるわけでありますが、化学調味料というか、そういうかっこうでつくるわけでありますが、あのショック以来、厚さをそういう強化プラスチックを張り合わせるというか、積み重ねてつくる船であるわけでありまして、その積層を薄くしたり、何かそういうことが聞こえておったわけでありますが、事故の状態なんかを見ますと、底に穴があいたり、あるいは外板といって支えになっておるとかろががらっと壊れていったり、これは私は確認しておらないわけですが、どこかでは、何だかにぶつかってボンと空中分解したというような話まで聞いているわけであります。これらは一応、政府の農林省あるいは水産庁がいろいろ調べておるわけでありますが、この概要についてまずもって御説明いただきたいと思うのです。事故を含めてです。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いまお話しのFRP船、つまり強化プラスチック製の船でございますが、これは、昭和四十三年ごろから実用に供されてきまして、木船はこれに大体将来逐次かわっていくという傾向にあろうかと思うわけでございます。これの安全性につきましては、鋼船それから木船と同じように、船舶安全法に基づいて検査を実施しておるわけでございますが、ただ、検査の基準につきましては、このFRP船というものが材料なり工作の特殊性等から鋼船あるいは木船と違っておりまして、特に工場の品質管理等重要な点でまだまだ新しいものが次々出てくる事情にありますために、現在では暫定的に検査の基準もつくっておりまして、基本的の事項についてのみ定めておりまして、詳細の事項は個別にチェックしていくという方法をとっておるわけでございます。  その後、昭和四十九年から昨年の暮れの約一年間に大型の、約六十トンぐらいですが、FRP漁船の事故報告が、運輸省で調べたところでも七、八件あるわけでございます。その事故の内容は、船首の部分あるいは船底の部分の外板が剥離するあるいは亀裂するというふうなものでございまして、幸いにして航行不能だとかあるいは人身事故というものはなかったわけでございます。しかし、こういった事例がございますので、専門家による検討会を持っておるわけでございますが、そこで検討をいたしまして、昨年の六月に船体の補強あるいは製造過程におきます品質管理強化等を図ってまいりまして、今後の事故の再発防止の措置をとっておるような状況でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 したがいまして、私が基本的にお聞きしたいのは、先ほどの農機具のところでも申し上げましたけれども、ちゃんとした構造基準をつくらなきやならない。暫定的な、たとえばイギリスのロイドの基準をまねたようなかっこうの状態もあるようでありますが、やはりそういうものであれば、きちっと構造基準をつくって安心して使える、それは政府の責任として当然そうすべきじゃないかと思うのですね。暫定的なものはあるのだと言ったって、いろいろなこの関係業界あるいは研究会の報告なんかを見ましても、この問題は非常にいま重大な関心を呼んでいるわけですね。御承知のとおりだと思います。したがって、やはり基本的にこれをつくる、こういう用意をいま全くしておらないのか、それとも、いまの暫定的なもので間に合わせてこれからもいける、そういうお考えなのか、この点ちょっと念を押さしていただきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 暫定的と申しましても、内容は非常に厳重にやっておる基準でございますが、ただ、材料とかあるいは工作方法が、歴史が浅いために定型化していないために恒久的な基準というものがまだつくられないでおるわけでございますけれども、できるだけ早い機会に恒久的な基準をつくっていきたい、かように考えておりまして、これらにつきましても、過去の事故の事例も先ほどのように数件あるわけでございますから、それらを手本にいたしまして、本格的なものをつくる用意をいたしております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、そのことは大変結構ですが、いつごろ準備するのか、そのうち来年あたりというふうなことか、何かもう少しめどがありましたらひとつ教えていただきたいわけであります。なぜかといいますと、運輸省はその責任の衝に当たる省でありますが、あなた方のとった強化プラスチック船の暫定基準というのを私は拝見させていただきまして、それを見ますと、たとえばハンマー試験という項目がある。完成したら木のハンマーで底をたたいて試験する、これが試験になっておるのですね。そうしていい音がすればこれは大丈夫だ、こういうことじゃ私はまことに非科学的な無責任なような感じもするのですね。それが運輸省の暫定基準にあるのですよ。まだほかにもたくさんありますけれども、もう時間がそろそろ来たようでありますから省略しますが、そういう面もやはり十分検討して、これは早急にひとつ構造基準をつくるようにするのかどうか、もう一回念を押すようでありますが、お聞きしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 実は専門家に検討してもらっておりまして、すでに大体原案ができておるようでございます。早急に本基準ができるものと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 わかりました。  そこでついでに、まだ時間がありますので、農林省にお伺いしたいわけでありますが、農林省は直接水産庁を持っていらっしゃるわけでありまして、そういう点で、運輸省はもちろん構造基準その他については責任ある省だとはわかっておりますが、やはり漁民全体の安全を守る立場から、大いにひとつ運輸省に御協力を申し上げて、働きかけを強めていただきたい。そういうものを急ぐようにひとつ努力していただきたいということと、もう一つ私はお願いしたいことは、水産庁があるわけでありまして、それだけに直接の責任というものは私は農林省自体が握っているものだと思うのですが、この構造基準も示されないFRP漁船に対してリース制度というものをつくって、農林省は水産庁を通じて漁民に貸与制度をとって普及しているわけですね。そのこと自体どうこう言うわけじゃありませんが、その中でまだ国の構造基準も示されないものに対してリース制度をとって、いかに漁業振興とはいえ、もっと安全が確保されるとかなんとかきちっとなった上での話ならわかるわけでありますが、そこら辺はちょっと無責任なような感じもするわけでありますし、さらには、たとえば水産庁がお持ちになっている漁船の検査官ですね、これなんかは、現在の三十万隻を超えるというぐらいの漁船に対して、おたくの検査官はわずか三十七名しかおらないというふうに聞いているわけです。やはりこれはもっと安全管理の体制を強化するためにもふやすべきではなかろうか、そのために努力しているのかどうか、この点を改めてお聞きしたいと思うわけであります。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 お答え申し上げます。  漁船の安全性の確保につきましては、私どもといたしましても、運輸省と相談いたしまして、常にその安全性の確保には努力しているところでございます。  次に、安全性が十分確認されてないFRP船について、水産庁はリース制をとっているではないかという点でございますが、FRPの漁船は耐久性にすぐれておりまして、さらに保守が簡単、すなわち、船底の掃除等が簡単にできますために非常に便利な船でございまして、特に沿岸の小型漁船においては数多く建造されているわけであります。そこで現在のリース制度は、これは沿岸の十トン以下の船でございますので、主としてFRP船でリース制度の運用を図っているわけでございます。  そこで、事故が多いじゃないかということでございますが、今日までの漁船保険の事故統計を見ましても、FRP製の漁船の事故は、木船、鋼船に比べて低くなっております。したがいまして、なお今後安全性について一層の努力をいたしまして、この船の安全をますます図っていくということは当然でございますが、現状におきまして、リース制に使う場合にその安全性が欠けているようなことはないというふうに確信しているわけでございます。  それから、水産庁の漁船検査官が数が少ないという御指摘でございますが、私どもといたしまして、漁船の認定につきましていろいろ検査をしておりますので、その点から検査官の増員につきましては常に努力しておりまして、ちょっと数字を申しますと、四十六年は二十一人でございましたのが、五十年は二十七人。いまの行政機構の中で最大限人をふやすようにいろいろ常に努力はしているところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いままでの基本的な日本農業の過去、現在を通じ、農業基本法農政あるいはその上位計画であるところの高度経済成長の諸政策、これが日本農業をいかにつぶしてきたか、破綻に追いやってきたか。その結果、今日の深刻な農業後継者難を含む農業危機を生み出したという根源、それをどう転換するかということで、私はいろいろ総理並びに閣僚諸君とお話ししてきたわけでありますが、問題は、ずっとどの答弁を聞いてみましても、一番肝心なところはそらしていて、やはり国民に基本的な責任を持つ、国民の立場から物を考えているという発想は残念ながら見受けられなかったわけであります。しかし、部分的にせよ、農機具や漁船の問題については若干の努力をしているということに対しては、私は評価をやぶさかにするものではございません。  そこで、私がただ申し上げたいのは、来年の農林予算一つをとらえてみましても、たとえば安倍農林大臣は記者会見なんかにおいて、まさにこれこそ新農政だ、さま変わりの農政だなんということを盛んに吹いているわけでありますね。ぶっているわけであります。つまり転換したかに見せかけているわけですね。私はこれは非常に罪深いやり方だと思う。さま変わりどころか、悪い方にさま変わりしたということで、私がこの機会に最後の締めくくりとして申し上げたいのは、あなたは、食管を合理化して予算をふやさなかった、そのメリットを新農政の展開で還元した、これがさま変わりなんということを言っているんですね。しかし、農林予算の総枠が何ぼか、九・九%。総枠で国予算の全体の対比で見れば九・九%でしょう、農林予算は。国の予算の全体の対比で言えば九・九%ですよ。これは十三年ぶりに一〇%台を割ったということですよ。いままでになかったことです。さらに食糧管理費を除いた一般農政費は六・二%でしょう。間違いないね。これは去年の、つまりいまの年度になるわけですが、六%と並んで、農業基本法成立以来最低の農政費だということですね。数字的に間違いないはずです。もしさま変わりと言うならば、高度成長の破綻による財政危機を取りつくろうための安上がり農政の方向へのさま変わりだ、こう言っても言い過ぎでないと思いますが、私がいま挙げた予算の総枠の中で、国予算全体の伸びと比較して農政予算は九・九%、十三年ぶりで一〇%を割ったということと、一般農政費は、いま出されている予算は六・二%で、五十年の六%と並んで農基法成立以来の最低であるという点について、大蔵大臣は予算担当ですからね、間違いありませんか。大蔵大臣に聞きたいです。この数字が間違いありませんか、大蔵大臣。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私は、五十一年度予算につきましては、確かに五十年度に比べますとさま変わりになっているというふうに考えております。いま全体の予算の中で農林予算が九・九%ということでありますが、これは確かにそのとおりでありますけれども、しかし公共事業費等予備費、この中において農林関係が大体二割を占めておりますので、これがいただけるということになれば、全体の予算の中では一〇%をはるかに超えるわけでございますから、十三年以来初めて一割を切ったということは間違っておるというふうに考えております。  また、昨年度と比較いたしましてさま変わりと申しますのは、全体の国の予算が本年度は昨年度に比べますと二四・五%の伸びであったわけですが、食管を除きましては農林関係予算は一三・一%の伸びにすぎなかったわけでございます。ところが、ことしは全体の予算が、前年度に比較いたしまして五十一年度予算は一四・一%の伸びでございますが、食管を除きまして農林関係予算は一八・六%といままでにない大変な伸び方をいたしております。したがって、この伸びを新しい農政の展開に位置づけたわけでございます。そういう意味におきまして、私は、農林関係予算は総合食糧政策を推進する上において非常に大きな意味を持った予算である、こういうふうに考えるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま大平大蔵大臣に答弁を求めましたが、安倍さんが横から出てきましてべらべらと、事実関係で私が出したものを、そういう政治評価を覆すような、それはあなたにとって必要だかもしれませんが、日本の農民はそれをどう聞くかということが問題なんです。  私のところに、最近権威ある機関が行った農村青年の意識調査というものが来ています。専従あるいはいわゆる中核的農家ですね。後継者が農業をやりたいというのです、続けたいけれどもやれないと言っている。われわれは農家に生まれたんだから、死ぬまで農業をやりたい、しかし農業をやれない、こう言っているのが大半なんです。つまり、喜んで魅力ある農業として働ける、そういう条件を、あなた方基礎的な条件を次から次へとつぶしてきて、農業の内部でつぶしただけじゃなくて、いま全国民的な日本経済の基礎である土台そのものを揺るがすところまで持ってきていることですね。そこに対して何%がどうでなんて、なぜ正直に認め反省して、そこから出発してやらないのか。転換を言うならば、口先の転換でなくて、本当に基本的な出だしのところで、土台のところで転換していくということを今後とも私は強く追及することを申し上げまして、ちょうど時間でございますので、私の質問を終わらせていただきます。

井原岸高自由民主党

○井原委員長代理 これにて中川君の質疑は終了いたしました。  次に阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は、一つは選挙制度の問題、それから予約限度超過米の問題を中心とする農業政策の問題、それから住宅政策の問題、さらに石油政策の問題、そして最後に新国際空港の問題、いわゆる成田空港の問題を中心にしてお尋ねをしたいと思います。  前国会で公職選挙法の改正を行いました。この際、衆議院の定数のアンバラを是正するということをやったわけであります。ところが、その際に、参議院の定数是正の問題あるいは全国区制度の問題、こういう問題は積み残しになったのであります。当時、三木総理は、この公選法改正審議の際に、食い逃げはいたさない、参議院の定数是正の問題を食い逃げするようなことはいたしません、今度の参議院の選挙、つまり来年の選挙でありますが、それまでの間に結論を出すと、こういうことを明言されておったのであります。いま、来年の選挙に間に合わすということを考えますと、今度の国会で決着をつけなければならぬのであります。したがって、今国会において、参議院の地方区定数の是正を中心とするこの問題をどういうふうになさろうというふうに考えておられるのか、最初に伺いたいのであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 私が申しましたのは、次の参議院の選挙までに政府は結論を出すということを言ったわけです。この参議院、まあ国権の最高機関として、やはりその国会は、構成は選挙に始まるのですから、参議院の選挙というものはきわめて重要な意味を持っております。選挙制度全般、いろいろ最近、批判があるのですね。全国区などに対してもこのままでいいのかという批判もありますし、また、地方区の定数是正の声もございまして、われわれとしては、これをどういうふうに政府が考えるかという結論は参議院の選挙までに出したいと思っております。ただしかし、私は、選挙法のようなものは各党ができるだけやはりコンセンサスができて、そして、そういう定数是正問題とか全国区、参議院の問題というものは、各党間で意見が一致をすることが一番好ましいと思うのですよ。選挙はルールですからね。絶対にこの選挙制度がいいという絶対論は選挙法には成り立たない。皆その国の国情によって違うわけですから、やはり一番そのときに考えてベターということで、絶対論は成り立たないのですから、そうなってくると、各党で大体この意見が一致したことによって選挙法の改正をやることが好ましいと私は思っておるのです。     〔井原委員長代理退席、委員長着席〕 衆議院でも定数是正というのは、まあ小委員会で話がまとまったのですけれども、参議院でも、参議院自身としても重大問題でありますから、各党でいろいろとこの問題については検討をされておるわけですから、一番好ましいのは、各党が意見一致することが好ましいと思っておりますので、そういう各党の一つの検討の推移なども見てみたいと思うのですよ。だから、この通常国会というふうには考えていないわけであります。それは各党の意見が一致すれば通常国会でもいいですが、そうはなかなかむずかしいのではないか。しかし、次の参議院の選挙までには結論を出したいという目標を持って、いろいろわれわれとしても検討を加えておることでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 前の審議の際に、御案内のように公選法は非常に難航したのであります。その際に、参議院における審議の段階で、担当の福田自治大臣は、「次の参議院の選挙までには何とかして間に合わしたいという非常な熱意を持っておりますということだけは、これは総理も言っておるし、私も申し上げておるところでございまして、」こういう答弁をしておるのであります。この答弁があったからこそ、衆議院の方はアンバラ比二・八というところまで、あの是正を行ったわけであります。参議院は現段階で、地方区は御案内のように五・〇八というアンバラ比率であります。したがって、参議院は特にあの公選法の、衆議院だけ定数是正をやる、参議院は食い逃げをする、このことに非常な抵抗がありました。この抵抗があった中で、いま申し上げましたように、次の参議院の選挙までに間に合わす、間に合わしたいという非常な熱意を持っております。総理もこう言っております。私もそう思っております。この言明があって、参議院ではあの公選法の難航した審議が終結を見ることができたと私は思っているのであります。  いま聞いてみますると、各党がどうとかこうとか、またいろいろなあやをつけてまいりまして後退をした言い方をなさる。したがって、この参議院の審議の中にございましたように、来年の参議院選挙まで間に合わす、こういう熱意のもとに、各党々々とおっしゃいますけれども、野党はこの方針、まとまっておるのであります。したがって、総理は、与党のまた総裁として来年の選挙までに間に合わそうというならば、今度の国会でやらなければ話にならぬわけであります。したがって、いま申し上げた参議院で非常に難航した公選法審議の際に、総理のこの態度が、ある意味では一つの保証になって、これが一つの大きな支えになって、そして公選法のあの決着を見ることができた、こういう段階なんです。したがって、今国会に対して、総理はこの前国会における審議の経過を踏まえて、総理の態度表明を原点として、どういう具体的な態度をとられるのか、このことを伺っておるのです。いろいろな長々の説明は時間がありませんので……。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 阿部君、阿部君はやはり各党で、選挙法のごときは各党の意見が一致することが好ましいと思いませんか。私は思うのですよ。選挙法に絶対論はないのです、絶対論は。やはりルールですからね。各党が一致するような選挙法の改正が行われることが好ましいと私は思っておるのですよ。各党の話なんか要らぬことだと言うけれども、私はそういうことじゃなしに、政府は、当然に政府が出すべき法案として出さなければならぬ法案はありますよ。選挙法のごときものは、できれば各党で意見が一致して、それに対して政府が法案を提出するのが私は好ましいと思うのですよ。各党の動きなんかどうでもいいというような……(阿倍(昭)委員「どうでもいいって言ってませんよ。どうでもいいって、だれが言いました」と呼ぶ)いや、各党の動きがどうとかこうとかいう……。しかし、各党の動きも必要なんですよ。そういうことで、私はやはり参議院の議長にも、何か各党でこういうまとまるような意見をひとつまとめてほしいということを言っておるわけで、それは、できれば好ましいわけですよ。だけれども、私は、まあ次の参議院の選挙、これは各党が一致すればすぐ、そんなに審議はむずかしくないですからね。各党意見が一致すれば、これはもう選挙法のごときは、一致すればすぐ通るわけですからね。そういう意味で、できれば各党の意見が一致してもらえぬかと私はいまでも願っておるわけです。それで、私が言った言葉をここで帳消しにする考えはありません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は各党なんかどうでもいいなんて一遍も言ってませんよ。しかし、総理は与党・自民党の責任者なんです。したがって、来年の選挙、次の選挙までには何とかして間に合わしたい、こういう非常な熱意を持っておりますということは担当の福田自治大臣も全く同感であります、こう言っておるわけであります。したがって、前国会で言明をされて、そしてあの難航した参議院で衆議院の定数是正を中心とする公選法改正が決着を見た、この経過を踏まえて、今度の選挙までに間に合わしたいという非常な熱意は変わっておらぬかどうか、これだけ一言。変わっておらぬならおらぬ、変わったなら変わったと……。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 変わっておりません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そういたしますと、今国会に対して、来年選挙に間に合うように政府としても積極的な行動を起こす、このことは言明できますね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 結論を出したいというこの政府の国会においての答弁というものは、これはやはり必ず守りたい。結論を出すということです。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 結論を出すじゃないのです。「次の参議院の選挙までには何とかして間に合わしたいという非常な熱意を持っております」、こう言っておるのです。この熱意は変わっていないですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 これは変わってないわけです。参議院の選挙制度には世間にもいろいろな批判があるのですからね。ただ、地方区ばかりでなしに全国区のあり方にも批判があるのですから、政府としてはこれだけの世論は、いろいろ批判がある以上は、これにこたえることは必要ですから、政府も検討いたします。しかし、阿部君の社会党においても、実際この問題を真剣に取り上げてもらいたい。選挙法というのは大変な問題ですから、全国区の問題だって社会党自身でもいろいろ御批判があることは承知しておりますから、そういうものをひっくるめて、これは各党がやはり真剣に取り組む、政府ばかりでないと思いますね。取り組んでもらいたいという希望を付して、お願いをしておきます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 もう一つだけ。そうしますと、来年の選挙までに間に合わしたいという非常な熱意ならば、今国会で決着をつけなければ来年の選挙には間に合わぬのです。したがって、その前提で具体的な行動をこれから起こす、政府の責任者として、与党の責任者として総理も起こす、こういうふうに確認してよろしいか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 必ずしもこの国会というふうには——私は、必ずしもそうでなければ間に合わぬとは思いません。要は、政府は次の参議院選挙に間に合うように政府の結論を出すというお約束、額面どおりに考えておるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 わかりました。いまの総理の、次の選挙までに間に合わす、こういう方向で努力をする、こういうふうに確認をして、時間の関係がありますから、次に進みます。  御案内のように、今年非常な豊作だったわけであります。したがって、予約限度超過米、いわゆるマル超米というものが大量発生をしたわけであります。そこで農林大臣にお伺いをいたしますが、食管法の上では、生産者が米を売る、この場合に、政府に売るいわゆるマル政と呼ばれる政府米、それからマル自と呼んでおります自主流通米、この二つしかないんだと思うのです。生産者がそれ以外に米を売るということになりますれば食管法違反ですね。今回、この超過米の扱いを準自主流通米という扱いにいたしました。そして、この準自主流通米を自主流通米ルートに乗っけて消費者に販売をさせる、こういう態度をとったわけであります。そういたしますと、準自主流通米に回るというこのマル超、超過米は、価格については二段米価にされるのであります。二段米価をとっていくということは食管制度の根幹を突き崩していく大きな原動力になってくる、こう考えますが、どうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 二段米価というのはもちろん食管法三条の趣旨に反するわけでございます。いまもお話がございましたように、政府が買い入れるかあるいは自主流通米でこれを流通ルートに乗せるか、それ以外はいわゆるやみ米ということになるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 今回最終的に県間調整等々行いましても五十数万トンのマル超、超過米が出てくる。政府は、全農との間に取り交わした約束、これによりますると、三十万トン程度、これを超過米という前提で、いろんなものを加えて百二十一億円程度の財政負担をするという方針をとられたようであります。結果的には五十数万トンにこれが達するということになりますると、いろんな中身をちゃんと定めて取り交わしをしておりますから、百二十一億円では足らぬのです。二百二十億程度になるのじゃないかと思うのですが、それは一体どういうふうに扱うのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまお話がございましたように、昨年の米は大変豊作で一〇七という作況指数でございますし、千三百十七万トンという豊作でございまして、これは政府が計画をしておりました千二百三十五万トンから大きく超えておるわけでございまして、いまお話しのように、大体初めは三十万トンくらいの予約限度超過米が出るのであろうというふうに判断をいたしまして全農等との間に話し合いを進めたわけでございますが、その後の県間調整等を進めておるうちに、大体五十万トンは出るのではないかということになったわけでございます。そうなれば、いまお話しのように、それに要する予算等も大幅に増加するわけでございますが、三十万トンを取り決める際に、伸びるであろう、その後伸びるかもしれないということも推測をいたしまして、伸びる分についてはそれだけ手当てをするという約束になっておるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで農林大臣、自主流通米というのは一体何か。従来自主流通米というのはうまい米だ、これがキャッチフレーズになっておったのであります。今回大体五十四、五万トン程度最終的には超過米が出る、そのうち三十一、二万トンは非銘柄米が出てくるであろう、この非銘柄米というのが自主流通米ルートに入ってくるわけであります。そういたしますと、自主流通米というのは高い米でうまい米なんだというのが従来のキャッチフレーズ、ここに非銘柄米が三十万トン余入ってくるということになりますと、自主流通米はうまい米なんだ、高い米なんだというこの政府のキャッチフレーズは崩れるのであります。したがって、自主流通米というものの位置づけは一体何なのか。うまい米、高い米という従来の政府の宣伝はがらっとみんな崩れるのであります。非銘柄米がたくさん入ってくるのであります。自主流通米というものの基本的な位置づけを一体どうするのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 自主流通米の制度は、いまお話がございましたように、最近米の需給に不安がなくなりまして、良質米に対する消費者の嗜好が非常に強まってきたという状況のもとで、消費者の選択に応じた米の流通と品質に応ずる自主的な価格形成の道を開くということで発足したわけでございますので、まあおっしゃるとおりでございますが、他方、予約限度超過米を自主流通米と同じルートで流通させようとしておるのは、限度を超えて流通する米について、配給秩序の維持等の見地から、必要な流通規制を行うためにとっておる措置でございまして、本来の自主流通とは異なるものでございますけれども、予約限度超過米につきましても、秩序のある流通の中で自主的な価格形成が行われるものであり、制度にそぐわないというふうには考えてないわけでございます。  いまお話がございましたように、予約限度超過米につきましても、十万トン以上の米は大体ササニシキとかあるいはコシヒカリというふうな米でございます。そういう銘柄米は、もちろん自主流通の中で自主流通米と同じような価格が形成されると思いますが、その他の非銘柄米につきましては、相当手厚い助成等はいたしてはおりますけれど、この価格形成の面においてこれを下回るということははっきり言えるわけでございますが、ただ政府の売り渡し価格は上回るようにわれわれとしては最大の努力をいたしておるわけであります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 農林大臣、私が尋ねておりますのは、自主流通米はうまい米なんですよ、そして高い米なんです。そういう位置をはっきりさしていままで持ってきたのです。ここへ今度超過米というので非銘柄米が三十万トンも入ってくるのです。今度は、自主流通米はうまい米だけじゃないのです。うまくない米がいっぱい入ってくるのです。私の郷里なんかはうまい米ばかりつくっているのです、米作日本一ですから。しかしながら、自主流通米はうまい米、高い米、ここに非銘柄米が大量に入ってくるということになりますと、自主流通米自体が大変なことになってくるのです。したがって、超過米というものの扱いは、やはり一般の政府扱いの政府米の中に入れなければ、従来とってきた自主流通米の寄って立った根底というものが崩れてしまうのですよ。これをはっきりしてください。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私は、先ほどから申し上げましたように、政府の買い入れと自主流通米、二つの道しかないわけですから、あとはやみ米になるわけでございますので、この自主流通米制度によってこの予約限度超過米を消化するということでありますが、この非銘柄米については、政府の配給米に置きかえるということでございますから、その辺のところは御理解をいただけるのではないかと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、実はいま農政に対する最大の不信は、とにかく一万五千五百円の生産者米価なんです。ところが豊作で予約限度超過米で、政府が買わぬという米が大量に発生をした。この米は、一万二千数百円か、どうかすると一万三千円にかかるか、かからぬか程度で売らなければならぬわけです。二段米価です。これがまず政治に対する大変な不信感を招きます。同時に、いま一つの問題は、この問題をあずかっておる全農、農協です。農協が現場でこの問題で大変な混乱を起こしております。非常な苦悩に直面しております。したがって、一体これどうするのかという問題であります。  私は、ただいまの農林大臣の答弁では納得をすることはできません。したがって、本委員会の適当な時期に、農業団体、特に全農の代表、また生産者を代表する全日本農民組合の代表、こういう代表を国会、この委員会に喚問して、集中審議か何かのときにぜひひとつ現実の状態をしっかりと政治的に判断をするような審査を進めていただかなければならぬ、こう考えます。(「委員長、どうだ」と呼ぶ者あり)後で、まだあります。  そこで、問題は、結局いまの超過米を含め自主流通米、これと政府がやるものとの間に競合を来します。したがって、全農と食糧庁との取り交わしの中では、時期的に、この自主流通米、特にこのマル超、超過米を先にさばくような形をとる、こういう取り交わしをしておるわけであります。そういたしますと、結果的にはずるずるずるずると政府手持ちが大変に残っていくというかっこうになるのであります。そうなりますね。そこで、将来どのようになるかは別にして、現状段階では穀物自給率は四〇%を割っておる、こういう段階にありながら、麦を六百万トンから輸入しておりますから、したがって、米過剰基調というものは当面続くと見なければなりません。続くと見なければならぬのである、米が過剰になるようにつくり出しておるわけでありますから。大量な麦の輸入その他で穀物自給率は年々低下をしながら、米の過剰基調というものは依然として続くというメカニズムにあるわけであります。そういう状況の中で一体どうするのか。  そこで私は、いままで政府がとってきた政策の中で、最も農政不信を招いておるものは減反政策だと思うのです。米をよして草ぼうぼうにしたら金を上げますというむちゃな政策をとってきたわけであります。このぐらい生産意欲をじゅうりんし、そして政治に対する不信感を醸成した政策は、恐らくほかには余り例がないくらいひどい政策であります。  そこで、一体どうするのか。わが党の湯山委員が先般指摘しましたように、私の提案でございますけれども、六百万トンからの麦を輸入しておるのでありますから、当面五ヵ年なら五ヵ年で三百万トン程度の麦を国内で生産する。かつて国内で二百数十万トンの麦を生産した時代があるのであります。(「四百万トン」と呼ぶ者あり)四百万トンですね、そういう時代があるのであります。したがって、当面五ヵ年なら五ヵ年の間に三百万トン程度の麦を国内で生産する。特に積寒地帯になりますと、三十年間の稲作の新種開発は早植え、草刈りをやるという新種開発に全力を挙げてきた。したがって、五月の初めには遅くも田植えをするのであります。ですから、その前に麦をとるということは困難であります。したがって、日本全体では米作から麦作に転換させるといっても相当限界があるでありましょう。しかし、麦作をやったならば裏でまた米をやるというのじゃ米過剰基調は変わらぬわけであります。したがって、米作から麦作への転換を積極的に進める。その場合に、麦をやったんじゃ、米と違って生産者の手取りは非常に低下をするわけであります。この低下する分は、米生産者と匹敵するくらいのサポートを政策的にとる。去年、四十九年度でたしか一千三百九十億程度輸入麦の逆ざやに対して払っておる。今年も恐らく八百億から九百億程度のものを逆ざやの、外国の麦づくり農民のために日本の食管会計から金を払ってやらなければならぬのであります。ですから、三百万トン程度、当面五ヵ年で国内で米作から麦作への転換を図る。そうすれば米過剰基調はひとつ大きく転換させることができる。これはそんなにむずかしくない政策だと思うのです。金の面でもそう大したことはないと思う。  それから、そうはいってもこの五ヵ年計画が一定の組み立てをして軌道に乗るまでには若干時間があるでしょう。したがって当面、恐らく備蓄計画二百万トンといっても今年度でもう二百万トンを突破するぐらいなことになっちゃうのじゃないですか。したがって、開発途上国その他、飢餓と貧困で苦しんでおるたくさんの民族がいるわけであります。私はここにやはり日本の米を輸出すべきだと思うのです。輸出価格は当然に国際実勢価格によらなければならぬでしょう。その幅は当然これは考えなければならぬと思うのです。その方が、武器の輸出などよりははるかに世界の全体の国々との間に信頼をつくっていく大きなやり方になるんじゃないかと私は思うのです。この提案、どうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私たちも、最近御存じのように十年間毎年三割ずつ麦が減産をいたしまして、いまもう三、四十万トンという非常に貧弱な状況になっておるわけでございますから、ここにおいて麦を思い切って増産をするのがわが国の農政のこれから目指さなければならない大きな方向であろうというふうに考えております。したがって、今回も麦につきましては奨励金を一俵当たりに三千円、そして米の裏でつくる麦については反当たり五千円の助成金を出すことにいたしまして裏作の振興を積極的に図りたい、そういうことによって六十年目標にいたしまして大体百四、五十万トンの麦類の増産に持っていきたいと思っておるわけでありまして、現在のところ大体百五万ヘクタールぐらいの裏作可能な土地があるわけでございますので、麦と飼料作物と合わせて七十万トンぐらいには持っていきたい、こういうふうに考えて全力を尽くしたいと思うわけでありますし、いま阿部委員御指摘のように、米は確かに過剰基調にあるわけですから、米にかえて——米と麦とあわせてつくるということは、さっきの問題であるとか米麦一貫体系という問題でいろいろ困難であるから、これは米のかわりに麦をつくって、そしてその裏を何か野菜その他の作物をつくれば、ここに米についても生産過剰の体制を転換させることができるし、同時に麦の増産にも結びつく、こういうことでございますが、こういうこともやはり今後のわれわれの現実的な行政を進める中にあって考えなければいかぬ問題ではあろうと思いますけれども、それじゃあ麦と何をあわせて表裏でつくるかというふうなことにつきましては、価格問題等もあるわけでございますので、私は相当研究を要すると思うわけであります。  同時にまた、いまお話がありました、米が余ればこれを輸出すればいいじゃないか、そして開発途上国等の食糧のない国々の人たちのために貢献しろということでございます。しかしいま、これもよくおわかりのように、実勢価格からいきますと、輸出すれば一トン当たり二十三万円ぐらい財政負担がかかることになるわけでございますから、現在でも食糧の援助ということは日本もやっておりますが、その場合、効率性を考えればやはり金でもって援助して、それでもって実勢価格で買って外国へ援助する方が非常に効率的である、こういうことから、むしろ食糧の援助の場合には直接日本の農産物を援助の対象にしないで、外国から買ってそしてこれを援助する、こういう方向をとっておるわけでありますが、これは私は、その方が外国にとっても非常に効率的じゃないか、こういうふうに思うわけであります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、私は委員長にお願いいたしますが、予約限度超過米を自主流通米に突っ込んで、うまい米、したがって高い米なんだ、この前提を崩すということは、これはもう大変な問題です。したがって、具体的にこれに携わっております全農あるいは生産者のいろんな団体は、非常に農政批判というものを大きくしつつございます。したがって私は、この自主流通米の位置づけをはっきりさせなければいけない、したがって本委員会の適当な時期に、全農の代表あるいは全日本農民組合の代表、生産者の代表、これをぜひ当委員会に呼んで、この問題の位置づけをはっきりさせる審査をお願いしたいと思うのです。委員長においてよろしくお願いしたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 理事会で研究いたします。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 文部大臣にお尋ねをします。  われわれは長い間主張しておりましたが、米飯給食に対して一歩前進しよう、これは評価をいたします。そこで今度のこの予算、ずっと拝見をいたしましたら、ぼくは米飯給食のための予算というのは単位が一つか二つ違ったんじゃないか、こう思ったのです。五百八十一億というのが相当だなと思っておったら、五億八千万であります。そうしてこれでもって小中校九百二十校、高等学校四十六校やろう、こういうわけであります。そしてこれは四百人規模の学校を基準にしておる。そこに炊飯設備を一校当たり三十三万一千円、この予算に計上しておるのであります。私は早速各教育委員会や各学校に照会してみましたら、四百人規模の学校で米飯給食の体制を整えようということになりますれば、少なくとも四、五百万円はかたく見積もらなければやっていけない、こう言っておるのです。それから今度炊飯施設、つまり入れ物であります。建物だと思うのでありますが、四百名規模の炊飯施設、これに一校当たり八平米、二坪半であります。そして平米単価六万七千八百四十円見ます、こういうのであります。これは、二坪半で四百名の学校の炊飯施設ということになりますと、文部大臣のおうちのお勝手よりもずっと小さいところで、四百名の炊飯施設をやりなさい、こういうことなんじゃありませんか。したがって、現実にこれを各学校におろしてまいりましたら、これでもって米飯給食の施設設備をやれるという状態は全然起こりません。したがって、自治体はみんなこれをやりたいのですが、やりますると、この財政困難なときの莫大な超過負担という問題が再び起こるというので、どこもがこの問題では簡単に動きがつかぬという状況にあるのです。文部大臣は、もう少し現実に即した——これは百校程度、百ぐらいの学校を当面モデル的にでもやろうというのかなと思いましたら、九百二十校という考え方だというのでびっくりしたのであります。高等学校と合わせて九百六十六校やろう、こういうことなんでありまして、いささか驚いておるのでありますが、ちょっと、いまのこの物価やなにかの現状というものの認識に錯誤があるんじゃないかという気がします。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいま御指摘のように、わが国の学校給食におきまして、これから米飯給食、これはいままで実験も行ってきておりますけれども、本格的にそちらの方向に向けて週二回ぐらいをめどに広げていきたいという考えでございます。  そこで、ただいま先生御指摘になりましたように、ところがどうも予算が一けた間違っているんではなかろうかという御趣旨でございますが、私たちが考えておりますのは、この五億八千百四十七万円というものを計上して、御指摘のように九百六十六校分を考えているわけでございます。そこで、それは二坪半とおっしゃいましたが、まさにそのとおりの施設をつくり、そしてそこで炊飯をやるということでございますが、そのほかにも、たとえば共同の調理場も利用する、あるいは民間の炊飯施設も利用するということも考えているわけです。そういう形で実施ができると考えておりますが、もう一つ申し上げておきますと、こういうふうな方向転換を図っていくとき、一つの考え方としてやはり普及ということに相当重きを置くということと、それから非常に少数校に限定するということとあると思いますが、現状におきましては施設設備がある学校がおおよそ千校でございます。そうすると、新しい方向を打ち出していくというこの初年度において、私たちはおよそ千校に近いものに、何とか普及をするという第一歩を踏み出したいという趣旨からの予算編成であるということを御了解いただきたいと考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 総理大臣、私はやはり、文部大臣がどういうふうに弁明されようとも、今回のこの二坪半で四百名の規模の学校の炊飯施設ができるか、三十三万円で四百名の規模の学校の炊飯設備ができるか、これは絵にかいたもちなんです。したがって悪口を申し上げますれば、いま米過剰基調だと申し上げました。したがって、そこで政府は米飯給食というものをやるんだぞという宣伝だけ、三木さんお得意の話だけ、中身は伴わぬ、その典型的なものだと思うのです。したがって、一体この米飯給食の体制を将来どのように充実をさせていくのか、これはいま答弁は要りません。要りませんから、今年はいま言われたように波及効果を将来に期待したとこうおっしゃる。だとするならば、来年、再来年、将来どうするのかということを早急に当委員会に明らかにしてもらいたいということを申し上げておきます。  時間の関係で次に移りますが、住宅政策であります。この間竹下新建設大臣が登場されまして、テレビでやっておられたのを私静かに拝見しておりました。そういたしましたら、この住宅政策の中で八百六十万戸の新しい五ヵ年計画で、質も伴った住宅政策を展開する。ところで、私も長い間この住宅政策やこういう問題に関心を持ってまいりましたけれども、第二期の五ヵ年計画、この中では公的資金による住宅が三百八十万戸、今度の新しい五ヵ年計画ではこれが三百五十万戸と、三十万戸後退をしました。それから、特にその中で公営住宅、恐らくこれから不況が相当続いていくということになりますと、都市圏において低家賃賃貸住宅を求める、そういう状況が非常に広がると思うのです。この際に、この公営住宅が前の五カ年計画で六十七万戸であったものが、今回は四十九万五千戸、大きな後退であります。さらに公団住宅も、この前の五ヵ年計画は四十六万戸、今回の新しい五ヵ年計画では三十一万戸であります。これも大きな後退。したがって、これからは特にこの都市圏において、大都会周辺におきましては、低家賃賃貸住宅を求めるという、こういう条件がうんと広がっていくと思う。この際に公営住宅なり公団住宅を大きく後退をさせる。これは竹下新大臣、テレビで非常に明るい顔で展望を述べておられましたが、大きな後退は、これは私ども納得するわけにいかぬということであります。  時間の関係でさらに申し上げますと、私はこの前の委員会で、大蔵大臣あるいは経済企画庁長官、亡くなられた仮谷建設大臣に、いまのこの不況対策として住宅建設というのは最終需要につながっていく、こういう意味で非常に大きな意味を持つ。本四架橋などよりははるかに、全地域的にまんべんなく最終需要を喚起するという意味では、この住宅政策は非常な大きな役割りを果たす。ところが、そういう論議を経て、御案内のように五十年度の住宅金融公庫の融資枠は拡大をされたのであります。しかし、今回のこの五十一年度の予算、これはこの五ヵ年計画とどういうかかわりを持つものかわかりませんけれども、住宅金融公庫の一般の住宅建設は、前の五十年度の実績よりも四万数千戸、枠を縮小しておるのであります。これは私はどうも——亡くなられた仮谷大臣が本委員会でわれわれの提案を非常に積極的に受けとめられたと感じました。大平大蔵大臣も、仮谷建設大臣のその方針に私も全力を挙げて賛意を表する、こう言われたのであります。ところが、この新しい五十一年度の予算を見ますと、住宅金融公庫の一般個人住宅というのは五十年度実績よりも四万九千戸、枠を圧縮さしておるのであります。これは何としても合点がいかないのであります。

竹下登自由民主党建設大臣

○竹下国務大臣 阿部委員にお答えをいたします。  まず、ただいま住宅宅地審議会に諮問をして御審議いただいております第三次住宅建設五ヵ年計画の内容が、第二次五ヵ年計画にその数が劣っておるではないか、こういうことでございます。全般的な問題といたしまして、昭和四十八年の調査ではございますが、一応全都道府県において百四十一万戸という空き家が現存しておる。言ってみれば、量から質へ転換する時期である、このように思っております。しかしながら、その数自体が減ったということは、私も決して好ましいことだとは思っていないのでございます。ただ第二次五ヵ年計画の、まだ終わりませんけれども、五十年三月三十一日で締めてみますところの実績からすると、その実績よりも上回ったところに目標を定めさしていただいた。実績自体が下回ったということも私はこれは遺憾なことだと思っております。したがって、実現可能の目標を立てた、こういうふうに御理解をいただきたいわけであります。  次に、住宅金融公庫の融資による住宅建設は需要創出効果が大きい、こういうことでありますが、これは阿部委員御指摘のとおりであります。阿部委員からも御指摘がございましたごとく、全国的に活用されること、そして住宅金融公庫資金のほかに当然のこととして自己資金あるいは協調融資等の金が加わって工事が発注されること、さらには工事が非常に短期間で、言ってみれば即効性があるということ、さらには大工さんとか左官さんとか、中小企業対策として有効であること、それから先ほど御指摘のとおり、大変すそ野の広い波及効果があるということは御説のとおりであります。したがって、五十年度においても景気対策の一環として住宅金融公庫の個人住宅融資の拡大とか促進がずっと図ってこられたところでありますが、五十一年度の景気対策については、率直に言いまして、公共事業の全般的な充実を通じて配慮されておるということであります。したがって、住宅金融公庫の融資枠につきましても、これまた五十年度の追加後の戸数に比べれば少ないという御指摘はそのとおりでありますが、年度当初の比較では二万三千戸の増加を行っておりまして、当面はその早期受け付け等執行面で十分な努力をしてまいりたいと考えておるところであります。  今後の問題ということになりますと、経済情勢の推移を見て、もとよりこれは私一人で決めるべきことではございません。財政当局、関係閣僚とも協議をしながら慎重に対処してまいらなければならないと思っております。委員御承知のとおりの、いわゆる予算総則についております弾力条項の適用とかいうものが可能性の中にはあり得るわけでありますが、暑気対策全体の問題でございますので、関係大臣とも協議の上、慎重に対処していきたい、このように考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 あなたは仮谷前大臣の高知での葬儀にも一番親密な友人として出席をなさった。ところが住宅政策が、これは仮谷大臣、非常に熱意を燃やしたのであります。それが少なくとも仮谷大臣の当時よりも後退をしたということになると、仮谷大臣、浮かばれないのじゃないかと私は思うのです。  そこで、時間の関係で多くを申し上げませんが、いまの竹下大臣の答弁は、確かに五十年の補正で追加をした枠まで含めれば四万数千戸減であります、しかし、前年当初に比較すれば二万数千戸ふえております。こういう答弁であります。したがって、いまの竹下大臣の御答弁は、今年も再び住宅政策は景気対策としても有効である、すそ野は非常に広い、したがって、補正という段階になれば最重点に考えられるべきもの、こういうふうに私は受け取ったのでありますが、総理大臣もそう受け取りましたか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 私は、やはり景気対策ばかりでなしに、日本の公共投資の中でこれから一番力を入れなければならないのは住宅だと思いますから、これは公共事業の中でやはり非常な優先度を持つものである、こういうふうに考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 一つだけ要望申し上げておきます。  たとえば、補正予算で住宅金融公庫の一般個人住宅の融資枠がまた参りましたということになりましても、積寒地帯では、十一月、十二月ごろになってから住宅金融公庫に抽せんで当選しましたと言いましても、冬期に入りますから建設は不可能であります。したがって、積寒地帯とそうでない地域の融資枠の配分の仕方は時期的に相当バランスを考えてもらわぬといけないということをこの際希望申し上げておきます。  次に、わが国の、石油政策についてお尋ねをしたいのであります。  第四次五ヵ年計画から、第五次国内石油及び可燃性天然ガス資源開発五ヵ年計画がいま始まろうとしておるわけであります。ところが、この第四次の段階で陸域及び大陸だな、ともに一応の役割りを終えた、したがって、これからは政府の立場ではなくて、企業ベースで探鉱なり試錐なりそういうことをいろいろやるべき段階だ、第四次の五ヵ年計画を終わって、今度五次に移ろうという段階で審議会はそういうふうに言っておるのであります。日本で、陸域で油が大変に生産されたというのは新潟、山形、秋田、この地域であります。ところが、まだまだ探鉱、試錐、そういうことが十二分に行われておるかということになると不十分なんであります。したがって、第五次五ヵ年計画というものを、政府のなすべき役割りは一応の段階を見た、後は企業ベース、これは再検討しなければいけない、こう考えます。  特にその中で、いまわが国の周辺海洋区域にたくさんの鉱区の申請があるはずであります。図面を見まするとほとんど空き間が全然ないのであります。ほとんど全部の海域が、日本周辺は鉱区の申請が行われております。しかし、鉱区の申請は行われましたけれども、実際の鉱業権の設定なり開発はまだまだ進んでいない。特にその中で、鉱区の申請をするとそこに先願権が出るわけであります。したがって、他社がここをやろうということになりましても、いろいろな動きが出るわけでありますから、直ちに先願権を持っておるところが優先して行動を起こすわけであります。日本のほとんどすべての海域が、そういうふうに鉱区は設定されて空き間がこのとおり全然ないのであります。全くない。しかし、開発が始まっておるのはほんの微々たるものであります。したがって、鉱区を申請しっ放しで、長い期間全然何もやらない者は一体どうするかということを一遍やる必要があると思うのです。これが一つ。  それから第二の問題は、開発をやる場合に、メジャーとの提携あるいは国際資本との提携をやらなければ、大陸だなの開発にしても何にしてもほとんど手が入っておらぬというのが日本の石油開発の現状なんです。どうしてそういう状況が起こるかということになりますと、いま日本の石油政策というのが精製、流通部面に重点が置かれて、開発部面が全く等閑視されておるというところにあると思うのです。  そして、この際に私は提案しなければならぬと思うのでありますが、西ドイツ、ここは西独のメジャーだと思うのでありますが、DEMINEX、この企業に対して西独政府は莫大な政策的なサポートをやっておるのです。今度も、新しい五ヵ年だと思いますが、ドイツマルクで約八百数十億のサポートをやろうとしておるのであります。日本のあれに換算してみますと一千億に近いのじゃないかと思うのです。日本の、石油開発というものを考えますと、開発をやるという場合に石油公団が半分出資をいたします。ですから、四十社もたくさんのプロジェクトごとの会社ができ上がって、大した力を持たないわけであります。だからみんな外資と提携をしてやっている。そして、技術屋はどこから行くかということになりますと、公団が三分の二の資本を持っておりまする、長い歴史を持っております石油資源開発あるいは帝石、日本で恐らく上石油開発の技術者やその他を持っておるというのはこの二社ではないかと思うのです。このあたりからほとんどのプロジェクトごとに子会社をつくられて、技術屋その他はどんどん引っ張り出されていく、こういう状況が日本の石油開発の現状なんです。私はやはりここで精製、流通部門のいま再編成とかいろいろなことが言われておりますけれども、開発部面における政策の観点もしっかりしたものをつくらなきゃいかぬのじゃないか。そうでないと、日本周辺の開発が全部国際資本と提携しなければ手が出ないという状況になっている。通産大臣は新しい石油政策に対して、五ヵ年計画の問題等も含めて方針をはっきりさせるべきだと思うのです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 昭和四十五年から五十一年までの間に、日本周辺の大陸だな一応全部調べることになっておりまして、いま最終段階になっております。  そこで、いまおっしゃったように、この際、先願権の問題等取り上げて整理しなければならぬ問題もございますし、それから開発体制のあり方、問題点をいま御指摘になりましたが、たとえば開発会社が日本全体で約六十社ばかり雨後のタケノコのごとくできましたけれども、実際に力がありまして技術者などを持っておるのはせいぜい二、三社でございます。そういう状態でございますから、これらの問題を今後どうするかという問題も非常に大きな問題でございます。  それからまた、開発機関といたしましては政府の方に石油開発公団がございますが、石油開発公団の資金も相当な金額に達しております。ただしかし、いまドイツの例をお挙げになりましたが、ドイツなどは成功払い制度をとっておりまして、その点が日本の開発と違うわけです。非常に有利な条件で国を挙げての開発体制をつくり上げておる、こういう問題等もございますので、この制度を日本にやはり導入すべきである、こういうふうに私どもは考えております。  それから、何分にも開発を始めましたのは欧米より非常におくれてスタートをしたものですから、自主的な力が非常に弱い、技術者も少ない、こういうことからメジャーオイル等々と提携をいたしまして開発する例が多いわけでありますが、これはもう万やむを得ないのではないか。力がないわけでありますから、やはりこれはある程度先方の力をかりる。しかし、成功しました場合には、これは優先的に日本に持ってくる、全部こういう契約になっておりますから、しばらくの間はメジャーの力を活用するということの方がむしろ好ましい、こういうふうに考えております。  いずれにいたしましても、石油産業におきましては、現在の石油産業の体制強化の問題のほかに、備蓄であるとかあるいは開発、こういう大きな問題がたくさんございますので、そういうものを総合的にやはり考えまして、石油産業全体の体制強化ということを考えるべき時期であろうと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いまの河本大臣の御答弁で特に重要なことは、西独のとっております成功払い融資制度、これをとる、日本でもやる、こういう言明は非常に重要なことであります。これはいまから私御質問しようと思っておりましたら、大臣の方から先に答弁がございましたから、これは大変評価をいたします。  ただずるずるしておったら、いま大変日本周辺の開発は動いておるのです。それから政府がやってきた調査、これは非常に目が粗いのです。したがって、あの調査の目をもっと図面の上におろして、目を濃密にしなければ、あの調査はまだまだずさんなんです。そういう意味で新しい五ヵ年計画の策定に力を入れていただきたいということを希望いたします。  次に、実は最近安宅産業などの商社の合併問題などが起こっておるわけであります。そうすると、確かに高度成長から今日のような状況に入りましたから、いろいろな問題が起こる。そういたしますと、企業の中に銀行が非常な介入をやるのであります。したがって、その企業の内部におけるたとえば労使の関係であるとか、いろいろなもので困難な時期に直面したならば、その企業はどのように立ち上がっていくか、打開するかという問題がその企業の内部において、たとえば労使の関係にしても、あるいはまたその社内においていろいろな努力がある。ところが、一度困難な局面に立ちますると、銀行の介入が非常に度を越しておる、むちゃなことが至るところで起こっておる、こういう状況であります。この問題はかねてから特に銀行のあり方という議論が起こりました。  したがって、これは委員長にお願いしたいのでありますが、将来もし予定されますならば、集中審議か何かの際に、商社の代表、それから特に社内のいろいろな問題等いま困難な局面にある商社、特に社内のいろいろな関係には労使の関係がある、そこへ銀行が介在して、その企業それ自体がどういう危機打開の努力をするかということに非常にむちゃな介入、横暴な介入が行われるという問題がございまするので、ぜひ集中審議の際に商社の代表、あるいは特に社内のいろいろな問題がありますから、その中の労組の代表、これを当委員会にお呼びいただいてこの問題を審査願えるようにお願いをいたしたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 わかりました。  小林理事によくお話を願っておいてください。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 わかりました。  それでは次に新国際空港、成田空港の問題についてお尋ねをしたいと思います。  新東京国際空港、この問題は御案内のように十年間かかっておるわけであります。そうして国会もまた国民も、大部分の皆さんは成田空港は大体九五%まで片がついた、あとは公団がおっしゃっておる妨害鉄塔一本ひっくり返して、そうしてジェット燃料のパイプラインの問題、これを何とかすれば成田空港というのは一件落着という認識をしておる向きが非常に強いのであります。  しかし、問題はさような状態にはないのであります。御案内のように、成田空港は当初昭和四十四年の十二月に土地収用法による事業認定を受けたわけでありますが、その際の事業計画によりますると、一千二百十九億円で完成する計画になっておったのであります。現在すでに、御案内のように空港公団それ自体で二千三百億、国直轄の管制塔その他、あるいは周辺の整備事業あるいはその他いろいろございます。たとえば日航があそこにいろいろな施設をつくらなければいけない、全日空も何をしなければいかぬ、こういうものを一切合わせますと、約六千億からあそこにすでに資金を投じておるのであります。現在公団は、今年度で三百八十億円程度がいままでの使った金、投じた金の金利として、利息を三百八十億円支払っておるのであります。こういう状況になっておる。  そこで、一体この成田空港というのが十年間おくれた原因は何か。住民の反対があったからか。私は問題の本質は、さようなところにはない。皆さんのお手元にいま差し上げました一ページ目の図面をごらんいただきたいのであります。  現在、成田空港と呼ばれておるものの中で、ほぼ完成の域にきたというのは、この斜線にしておる部分だけであります。それ以外のところは全部これからなんであります。ところが、もっと肝心なことは、この図面の中の滑走路、三本計画がございますが、A滑走路と呼ばれるものが今日完成をしておるのであります。あとのB滑走路、C滑走路はまだ手がついておりません。その中で、その滑走路の両端にちょっと突き出しておるところが六ヵ所ございます。これは航空法で言っておるところの航空保安施設用地であります。いまの四千メーター滑走路の、普通南側と言っておるのでありますが、このアプローチエリア、この中の一画に公団がおっしゃる妨害鉄塔が二本立っておるのであります。ところが、この航空保安施設用地は土地収用法で言う事業認定の中に入れておらぬのであります。除外しておるのであります。土地収用法の中では、当然に飛行場及び航空保安施設は、土地収用法の対象になる事業なんであります。いまこの六つのアプローチエリア、つまり航空保安施設用地というものを当然に土地収用法の事業認定の中に入れておくべきところを入れておらなかった。だから、ここで工事をやるということになると強権を発動することができないのであります。任意買収でいくしかないのであります。これは私は公団の大きな土地収用法というものに対する、いわば土地収用法を正しい運用、適用をしなかったというところに、今日の成田空港というのが十年間もずるずるになってきた最大の原因はあると思うのです。運輸大臣どうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 必要な土地の収用につきましては土地収用法でやり得るわけでございます。運輸省といたしましても、飛行場内につきましては土地収用法によって収用をいたしておるわけでございますが、できる限り自由交渉によって取得いたしたいという方針で公団を指導してまいったわけでございます。  詳細につきましては、公団の方から御説明申し上げます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 あなた、すでに六千億から金を投じてあるのです。金利だけで、公団の分だけでも三百八十億円も利息を払っておるのです。そして、できるだけ穏便に、円満にいきたい。しかし、いってないでしょう。反対者には反対者の憲法上の権利があるのです。賛成しない者がいる。したがって、問題はこの適用を誤ったことにある。私はこの際、建設省はかねがね公団に対しても運輸省に対しても——空港というのは滑走路だけじゃないのです。飛行場というのは滑走路に保安施設がなければ飛行機を飛ばすことができないのですよ。そうでしょう。したがって、これは一体のものなんです。ジェット燃料の用地もあなた方は土地収用法による事業認定を取らなかった。したがって、土地の収用もあるいは使用もできない状況になっているのじゃありませんか。運輸省や空港公団が飛ばそうとしておる飛行機は、保安施設の要らない飛行機を飛ばそうとしておるのか。日本の航空法では認められない飛行機を飛ばそうとしておるのか。あるいはジェット燃料を必要としない飛行機を飛ばそうとしておるのか。私は実は三十年前に海軍の航空隊におりました。そのころのアカトンボなんというのは、いまの運輸省が考えておりますように、空港は滑走路という考え方でよかったのかもしれません。今日の日本の航空法は、飛行場は滑走路じゃないのです。保安施設から、あるいは燃料の体系から、アクセスから、いろいろなものを全部持たなければならぬのですよ。それを運輸省は飛行場は滑走路。したがって、建設省の方では一体のものでいかなければいかぬということをしばしば指摘をされておる。したがって、土地収用法の事業認定を受けます際に、当然にアプローチエリアも、保安施設用地も、あるいは燃料のパイプライン用地も、同時に確保しておくべきだったのです。これを誤ったために、十年間たってもずるずるしているのです。いま皆さんは妨害鉄塔だとおっしゃっておるわけでありますけれども、この妨害鉄塔はまだ土地収用法の発動できない状態にあるのですよ。あなた方が土地収用法を発動できない状態の場所の中にこの妨害鉄塔というやつはあるのです。だから、別途の訴訟を起こして、航空法上の関係で、高さの関係で問題だというのでいま訴訟を起こして、これからあの妨害鉄塔をひっくり返せるようにするかどうか、やらなければならぬわけでしょう。  したがって、そのために十年間ずるずるになってきた。膨大な国費を投じてこれが宙に浮いておる。この責任を一体運輸大臣はどのように感じておるのか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 成田の新空港が昭和四十一年に着工いたしまして、当初約六年ぐらいのめどで完成の予定が、今日すでに四年経過をいたしておるということは、非常に残念に思うわけでございますが、これだけの大きな施設をつくるわけでございますので、今後のことも考えまして、やはりできるだけ地域の住民その他関係者の賛成と合意を得て円満にやっていくということが将来にわたって非常に必要なことであるということで、進めていったわけでございます。しかし、御案内のように、今日までいろいろな妨害あるいは反対等がございまして、当初の計画のごとく進まなかったということは非常に残念に思うわけでございますけれども、今日残された問題の解決に鋭意取り組んでおりまして、できるだけ早く開港できるように、目下全力を挙げて努力をしておるところでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 総理大臣、居眠りしちゃいけません。いまの運輸大臣の答弁は問題にならぬのです。穏便にやりたいと言ったって、当初、新国際空港というのは三十八年ごろから議論があって、航空審議会が決定したのは富里地区、ここで、二千三百ヘクタールのところで滑走路を五本とってやっていこうということだったのです。それ以降、政府はこれをいまの成田に一千六十ヘクタール、滑走路は三本、半分以下に縮小して、場所を航空審議会の決定とは別のところへ移したのですよ。そうすれば、いろいろな議論があっても政府の諮問機関たる審議会が富里というふうに決めたのにこっちへ持ってきたとなれば、そこの連中が大変な騒ぎになるのはあたりまえです。住民は憲法上いろいろな抵抗をしたり、自分の利益を守るために、日本は共産主義の社会でも社会主義の社会でもありませんで、私有財産制社会なんです、したがって、いろいろな動きになる。その際になぜ、穏便にいきたいと言って——建設省当局は、一体でいかないとえらいことになりますよということを公団当局には何度も注意している。私は土地収用法の改正審査に携わったのであります。ある意味で言えば、今日の改正収用法というのは成田空港のためにつくったみたいな法律なんですよ。したがって、土地収用法をもって闘うべきなんです。闘えないじゃありませんか。そのためにずるずるおくれて、しかも膨大な国費を宙に浮かしておる、この責任をどうするかということが一つ。  それから、これは公団総裁にお伺いをいたしますが、さらに重要な問題があるのであります。皆さんのお手元に差し上げてありますこの図面の斜線部分、これが今回開港に関連をして一応の段階に来た部分であります。ところが、ここには昭和四十四年十二月に土地収用法による事業認定をとり、さらに四十五年、一年後の十二月だと思いますけれども、ここで今度は公共用地の取得に関する特別措置法というものによる特定公共事業認定というものをオーバーラップして、二つの事業認定をこの斜線部分にとった。このためにまた大変な矛盾が、公団総裁、起こっておるのですよ。ちょっと冷静にお聞きを願いたいのでありますが、以下のことにお答えをいただきたい。  土地収用法による事業認定で、この前の、つまり四十六年のその前にやったと思うのでありますが、土地収用委員会に対する裁決申請その他の行為一切をずっととったわけでありますけれども、これは土地収用法による事業認定を前提としてこの斜線部分をやったのか、あるいは特別措置法とオーバーラップしてこの事業認定をとっておりますから、この部分の事業は同一の事業なのか、あるいは二つの異なる法律を適用しておりますから、異なる事業として考えておるのかどうか、これをお聞きしたいのです、公団総裁。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 後段の点は公団の方から御説明を申し上げますが、いままで成田新空港の開港がおくれておりますのは、土地収用法を適用すべきであったのにかかわらず、それを怠ったという阿部委員の御指摘でございますが、今日までおくれました原因はいろいろございまして、必ずしもそれだけではないわけでございます。申すまでもございませんが、一番必要な油の輸送等につきます点でのいろいろな問題もございますし、他のいろいろな問題もあるわけでございますので、その点だけ申し上げまして、あと公団の方から御説明を申し上げます。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 お答えいたします。  ただいまの特措法の御質疑でございますが、先生御承知のとおり、特措法の三十九条に、土地収用法による事業認定を受けている事業でもさらに特定公共事業の認定を受けることができるという規定がございます。で、公団といたしましては土地収用法は第二期も含めました全体について土地収用法を適用していただきましたけれども、その中で特に第一期工事は非常に急ぎますので、第一期工事だけを特措法の適用をお願いした、こういうことでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そうしますと町田副総裁、この事業は特措法による事業としてやった、こう言っておるのですが、土地収用法による認定を受けたる事業と同一の事業なのかどうかということです。  そこで、私は時間の関係で問題を提起しておきますけれども、これが、もしこのオーバーラップした部分が同一の事業だとすると、土地収用法というのは大変な法律なんですよ。日本はさっき言ったとおり私有財産制絶対の社会なんです。しかし、公共の目的を持つ場合にのみ正当なる補償で個人の財産権を制限することができるだけであって、原則は日本はやはり私有財産制絶対の社会なんです。この社会においてその個人の私有財産権というものを取るわけですから、したがって土地収用法はその手続を細々とうんと書いてあるのです。簡単にいかぬわけです、共産主義の社会と日本は違うわけでありますから。  したがって、これがもし同一の事業であるとした場合に、特措法第四節が適用されるわけでしょう。そうすると特措法第三十九条一項によれば、同法八条は適用されないことになる。したがって土地収用法二十一条から二十五条の規定は準用されないことになるのです。準用されないとどういうことになるか。土地収用法二十四条が準用されないと事業認定申請書の送付、縦覧が行われず、権利関係が関係人に明らかにならないのです。この明らかにならぬというのは大変なことなんですよ。そしてさらに、土地収用法第二十五条の意見書提出の権利も侵害されるのです。そうすると、このことは重大な権利侵害になるわけですね。その権利侵害は、この縦覧とか意見書提出とか、それをこの法律はちゃんと「なければならない。」「意見書を提出することができる。」権利として認めてあるのです。同一の事業であるとした場合はこれができないことになってしまうのですよ。それから同一事業でないということにすると、オーバーラップして認定をとっておりますから、ここでもまた抜き差しならない矛盾が起こるのです。  申し上げますと、同一事業でないとした場合は特措法第四節は適用されないのです、今度は逆に。同法第四条第二項四号から六号まで及び第三項、第八条並びに第十二条第一項及び第二項の規定が適用されることになるから、同法四条二項四号から六号までに掲げられる意見書の提出がされていないにもかかわらず、第三項、その事情を疎明する書面も添付することができなくなるのです。それもみんな「なければならない。」「することができる。」という権利なんですから、義務なんですから……。そして、これは明らかに同法六条一項に言う申請書の欠陥となる。それを補正させることもしなかった。これは明らかに六条一項の違反ということになるわけであります。そして、その間にもいろいろありますよ。同一事業であるとしたのかないとしたのか。オーバーラップして認定をとっていますから。したがって、いま申し上げたことに対する答弁は、あなたが簡単にやったことと——個人の財産権絶対社会においてこれをとるのですよ。したがって、いいかげんにはとってはいかぬというぐらいに、ぼくらは収用法審査の際に、いろんな手続関係の「なければならない。」「することができる。」という権利や義務関係を明瞭にしてあるのです。どうするのですか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 ただいま御指摘の点につきましては、私、実は特措法との関係が十分のみ込めておりませんので、もうしばらく検討させていただきたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 これは大変なことなんですよ。だからこそ土地利用法の運用ということで、憲法に保障された個人の財産権を乗り越えて、押しつぶしてこの事業はやらなければならぬ事業なんです。賛成しないのがいるわけですよ、個人の財産がいたましいから。したがって、個人財産を収用してやらねばならぬ事業でありますから、土地収用法の運用を誤ったのでは、十年たってもずるずるになるだけなんです。莫大な国費を投じてこれが宙に浮くというかっこうになる。わかりましたか。したがって、このことがわからぬなどと言っておっては審議できないじゃありませんか。この説明をできないなんということで、莫大な事業を施行する公団の責任者が務まりますか。そんなことで答弁できないのでは、私は残念ながら審議できませんよ。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 ただいま御指摘の点につきましては、しばらく時間をいただきたいと思います。よく検討したいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 この問題は私は留保しておきます。  そこで、次の問題と重大なかかわりがあります。さっき私が申し上げましたように、成田国際空港というのは九五%までいって、あと妨害鉄塔をひっくり返して、燃料パイプを何とかすれば何とかいくのだ、もう九五%までいったのだという認識なんです。これはそうではない。法律上もがんじがらめになっておって、燃料輸送問題はそう簡単にいかぬわけでしょう。いまの保安施設用地も簡単にいかないのですよ、公団は土地収用法の運用を間違っていますから。建設省が大いに注意したにかかわらず、あなた方は飛行場とは滑走路だという考え方でたかをくくってきた。したがって、この事業がこれからどういう展望になるかということは大変な段階にあるのです。いまジェット燃料のパイプラインが千葉港の方になかなか通らない。これは図面の二ページにあるところであります。四十四キロにパイプラインを敷設する、これは当初四十四億円程度でできる、こう言っておったのです。しかし、いまこの図面にありますように、こま切れに、全部ずたずたで、工事ができないでいるのです。なぜできないか。ジェット燃料の要らない飛行機を飛ばすつもりだったのでしょう。したがってこのパイプラインに対しても、土地収用法で言う事業認定の中に入れておらない。したがって収用及び使用が強制できない状況になっておるのです。したがって工事をやったところを、今度は千葉市長に拒否をされて、水道工事部分の六千万で工事をやったところを、いま五千九百万かけて掘っくり返す工事をやっているのです。そうして、一体ここの一番肝心のところをどのようにやるかということになりますと、一説では、花見川という地点、ここを通そうという説が耳に入ります。技術当局に聞きますと、あそこに工事をやったら、それだけで五、六百億かかるだろうと言われております。この区間だけで。したがって当面三年間だけ鹿島からつなごう、鹿島に持っていこう。鹿島はどうなるか、閣議決定が行われておる。鹿島のいろいろな住民対策をしなければ、なかなかジェット燃料を貨車で運ばしてもらえない。住民対策をやらなければいけない。それから安全を確保するための公害、いろいろな対策もやらなければいけない。そのために、一説によると、住民のいろいろな要求が対策の中にまとまってきたら、政府はこれに全力を挙げてこたえるという一札をいま入れてあるわけです。それが新聞によりますと、高くつきます油輸送、総額で数百億円のものを鹿島に、鹿島の沿線区域の住民対策に提供しなければまとまらぬ、こう言われておるのです。住民要求を正確に受けとめますと、向こうがまたパンクするのです。だから私が言うのは、土地収用法の適用を誤って、建設省が当初注意したように——ジェット燃料が必ず要るのですから、なぜパイプラインの用地も、使用及び収用ができるように事業認定に入れておかなかったのですか。いまからやろうと言ったって、地価、料金その他がみな変わりますから簡単にいかないのですよ。住民の義務は公平でなければならぬのです。したがって、このパイプラインの問題がある。さらに、一体運輸大臣、開港をいつやるつもりですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 開港までに、まず現在残されておりますことは、燃料輸送のパイプラインの問題でございます。  これは、いまお話の中にもちょっとございましたが、千葉からの恒久的なパイプラインは時間がかかりますので、暫定的に鹿島地区と京葉地区から鉄道で輸送いたしまして、そうして土屋というところから暫定パイプラインで飛行場内のタンクに貯蔵するという仕組みでやろうということに決めて、その措置をやっておるわけでございますが、鹿島地区におきまして、地元の公共団体との話がなかなか進みませんで、昨年来われわれも一生懸命に努力をいたしました。公団を指導して努力いたしました。また茨城県も非常に協力をして、努力をしてもらいまして、ようやくその見当がつくようになってまいってきておるわけでございます。したがいまして、いまお話がございましたが、地元からこれについてのいろいろな要望があるという、まだ正式に何ら私の方は聞いておりませんが、新聞等で出ております。これを茨城県の方で一応まとめてこちらの方に連絡があろうかと思いますが、それによって油輸送のめどが立つわけでございます。  続きましては妨害鉄塔の除去でございまして、これは、関係各方面に協力をいただきましてこれが除去をやる、こういうことによって開港の運びになるわけでございまして、すでに予定より四年もおくれておるわけでございますので、われわれとしては、これらの当面の問題解決に全力を挙げまして、できるだけ早く開港できるように持っていきたい、かように考えて、目下一生懸命になって努力をいたしておるところでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 できるだけ早くとおっしゃいますが、それはいつですか。できるだけ早くというのはいつのことですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 文字どおり、できるだけ早くやりたい、こういうふうに考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで皆さん、私は、仮に成田が開港するという場合に、六十五キロ離れておるところにある空港であります。したがって、あそこから大ぜいの旅行客を一体どのように都心においでをいただくかという問題。これは、一つには新幹線であります。この新幹線は、鉄道公団当局に伺ってみますると、まあ五十年の積算で考えますると三千七百六十億円程度かかりますと。しかし、なかなか沿線の住民のいろんな住民パワーがあります。簡単にいきません。トンネルにしなければならぬところも相当区間出てくるでありましょう。相当ずるずる長くかかるでしょう。説をなす者は、十年かかってもできないだろうと言う人もあります。十年間かかるとなると、いまの三千七百六十億円というこの五十年度の見積もりは、朝日新聞に本多勝一記者が書かれましたように、八千億程度はどうしても見なければならぬのじゃないか、もっとかかるんじゃないか、こう言っております。成田新幹線。  さらに、京葉高速道というのは、総理大臣、御存じですか、大変な渋滞であります。千葉県の人口は四百六十万人いるのであります。したがって、私もあの京葉高速道路の大変な渋滞に驚きました。そうすると、当面一体どうやってこの成田空港からお客さんをおいで願えるようにするかということになりますと、京成電車であります。京成電車は、これに備えてすでにその特急を走らそうということで準備をしております。だけれども、この特急を一体どれだけ入れられるかのいわゆるダイヤグラムは、その編成に大変難儀をしております。御案内のように、あの沿線というのは大変に通勤者の多い地帯であります。このところに、ラッシュの時間にどれだけの成田の空港のお客さんのためのダイヤグラムを組めるかということは、もう困難ですということを言っております。さらに、上野に着く。上野から一体どうするか。御案内のように駐車場やその他も、上野駅というのは、私がいつでも通るのでありますけれども、これは大変な状況であります。  したがって、この新幹線で七、八千億、もっとかかるかもしれません。それから道路公団その他に、湾岸道路、これと成田につながっておりますいまの東関東高速道、これを一体つなげるかと言ったら、いまの積算でいくと、大体三千五億程度で昭和五十六年度までには何とかしたい、こう言っておるのであります。なかなかしかし、それも昭和五十六年度というのは簡単にいきませんよ。簡単にいきません。恐らく工費も、この道路は成田のためだけになる道路ではないでしょう、しかしながら、いま言われておる三千億から五千億ぐらいはかかるでしょう。  さらに、この二期工事。この第一ページの斜線にしておる部分以外のB滑走路、C滑走路を含むこの部分であります。これは公団当局でも運輸省でもはきたることはなかなか言いません。言いませんが、現在の積算で三千五、六百億ぐらいあれば二期工事何とかなるんじゃないだろうか、こう言っておる。さらに大阪国際空港の問題で、騒音公害のあの判決が出ました。したがって、この騒音対策に対して公団がまだ周辺に対して総合的、明確な対策は打ち出されておりません。ごく限られた部分だけに出している。この騒音対策をある段階までやると、一体どれだけの金がかかるんだろうか。これは内陸部につくられた空港の、大型空港の持つ一つの問題点であります。先ほどの本多勝一記者によりますれば、騒音対策だけで一兆円もかかるんじゃないだろうかという説もあります。したがって、成田空港というのは九五%いって、妨害鉄塔をひっくり返してジェット燃料のパイプラインを何とかすればもう何とかいくんだ、そんな段階じゃない。実際は二期工事まで一切含めると、私の判断ではもう二兆円、いろいろな関連のものを含めて突っ込むかどうかというこの選択なんですよ。このことが一つ。したがって、成田空港は九五%いったんじゃない。まだやっと入り口なんだ。  そこで私が聞いたいのは、当時、御案内のように、これは昭和四十五年の十月二日に航空審議会の委員であり、航空政策研究会の主宰者の稲葉秀三さんが羽田空港拡張案ということを提言されておるんです。これは滑走路六本。このあれは、いま運輸省が考えておる現在の羽田と現在の成田の消化能力をはるかに上回ることができる、こう言っておるのであります。さらに、私はこれをお願いしたいのでありますが、なかなか提出をしてもらえませんでした。ある部分だけ私持っております。運輸大臣、あなたの方にこういう稲葉さんの提言等もあり、羽田の拡張計画というものをかねがねずっと進めておるわけであります。相当の国費を投じて調査をやっておるのであります。その調査報告書をぜひお出しをいただきたいのであります。お出しをいただきたい。そういたしましたところ、運輸省は私に対して、何とかそれだけは勘弁してくれ、与える影響が非常に大きいので勘弁してくれ、こう言うておりました。私は、成田をやるからには、三木総理、まだもう二兆円ぐらい、いろいろなものを含めてあそこへ突っ込むという腹を決めなければだめなんです。まさかマニラから三時間で成田へ希いて、都心に入ってくるのに通関の時間その他も見て三時間も四時間もかかるというんじゃ話にならぬでしょう。どうしてもあそこでやろうというならば、このまま前へ進もうというならば、いまのような空港整備計画のあの新しい五ヵ年計画、あの中でも、羽田の予算なんというのはうんと圧縮しております。したがって、こういう運輸省が現在進めておられる拡張計画あるいは稲葉さんのこういう提案、こういうものと、一体政治的には考えてみなければならぬ問題だと思うのです。その意味で、これをひとつぜひ提出を願いたいのです。運輸大臣、どうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 羽田の拡張の件につきましては、いま阿部委員御指摘のような、昭和四十五年に、稲葉さん、今野先生の報告書があるわけでございますが、これは広さからいいましても、現在建設中の成田新空港の倍ぐらいになりますし、いまの羽田空港の恐らく五、六倍以上の大きな計画だというふうに思っております。  そもそも羽田を……

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いやいや、そんなことを聞いてない。これを出せるかどうかを聞いておる。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 移転しなければならないということで成田空港に着工いたしておるわけでございますが、それにいたしましても、羽田空港は国内空港としても成田空港ができた暁においても非常に狭隘でございますので、なおかつ内陸部への飛行の範囲をできるだけ海の方へというようなこともありまして、拡張をしたらどうかということで、(阿部(昭)委員「これを出せるかどうか」と呼ぶ)そのコンサルタントに調査をしてもらったわけでございますが、それは出ました。しかし、それはコンサルタントが運輸省へ出しました資料でございまして、当委員会に運輸省が出します以上は、運輸省として責任を持てるものでないといけませんので、これはまだ運輸省が受け取って検討もいたしていないものでございますので、お出しすることを差し控えたい、かように申しているわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 この調査は運輸省航空局であります。これはゼロックスでありますけれども、これはほんの一部であります。物すごい分厚いものであります。年々ずっと調査をしておるのであります。しかもこの調査によりますと一案から四案まであります。羽田拡張計画、その中で一案は滑走路五本でありますが、総工事費二千六百億であります。二案は滑走路が四本でありますが、これは総工事費二千億であります。三案は滑走路四本、これは総工事費一千三百億であります。それから四案も滑走路四本、これは一千一百億であります。しかも、こういうぐあいに全部出ておるのであります。物すごい膨大なものがつくられて、年々やられておって、運輸省が国費を投じてやった調査の資料をなぜ国会に出すことができないのか。  私どもはいま政府に、成田空港を進めようというならば、あそこに着いて三時間もかからなければ都心へ来れないような空港では国際空港とは言えない。やるならば、これから早急に二兆ぐらいのものを短期の間につぎ込むという腹を固めなければ、成田空港は国際空港としては機能しないのですよ。しかも、それを進めようにも、さっき申し上げましたとおり土地収用法の適用を誤っておる。いろいろな問題があるわけであります。したがって、この資料を出せないと言うのであれば、私は、いま大きな政治判断を国会はしなければならぬと考えますので、残念ながら審議を続けるわけにはいきません。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いまお示しの資料の表紙に「航空局」と書いてございますが、航空局でコンサルタントから受け取った資料を運輸省で印刷をしたという意味でございまして、まだ全然中身も何も検討していないわけでございますので、内容に責任が持てないわけでございます。なおかつ、膨大な資料でございますので、その中にはいろいろ権利のふくそうしておるような地域もあるやに聞いておりますので、運輸省が責任を持ってこうだというまだお答えもできない、コンサルタントに要請して出してきた資料をそのまま国会にお出しするということは、これはどうしても差し控えたい、かように思うわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は納得できません。全然検討もしない資料を莫大な国費を投じて四十六年からなぜずっと続けておるのですか。毎年毎年続けておって検討もしない資料をなぜ国費を投じてやらなければならないのですか。しかも、その一部を私ども見ておりますけれども、これはほんの一部だけしか私ども手に入りません。それによりますと、費用の問題でも、今度の二期工事よりもはるかに安い費用で羽田拡張ができると書いてあるのです。図面までみんなついておるのです。それを国会に出せないという手はないじゃありませんか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 ひとつ御理解をいただきたいことは、運輸省が考えておりますのは、成田をやめて羽田を拡張すればいいということで、それをコンサルタントにお願いしたわけではございませんので、その点は誤解のないようにお願いしたいと思います。  それからもう一点は、そのような膨大な資料でございますので、十分に検討いたしまして、その中身について運輸省として責任のあるお答えなり何なりできませんと、やはりせっかくのこういう資料を公開いたしまして提出しまして責任が負えないということでは、やはり運輸省としては困る、こういうふうに考えておるわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 数年前から膨大な国費を投じて羽田拡張計画というものを進めておって、調査報告書というものが年々つくり上げられておるのです。その資料を、しかもこのとおりちゃんと運輸省航空局なんです、検討しておりません、ごう言うのです。だから国会に出せない。国会に出せないようなものになぜ莫大な国費を年々投じて羽田拡張工事計画なんというものを立てるのですか。私は、重大な問題ですから、その資料が出るまでお待ちいたしましょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 たびたび繰り返して申しわけございませんが、内部のいまだに検討資料という段階であるわけでございますので、まだお出しするのは遠慮させていただきたい、かように申し上げておるわけでございます。(発言する者あり)「航空局」と書いてありますのは、先ほど申し上げましたように、運輸省航空局で印刷したものですから、そういう意味で「航空局」と書いておるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いまの報告書のはしがきをちょっと読んでみます。「航空局では昭和四十六年七月、飛行場部長を委員長とする東京国際空港」つまり羽田空港であります。羽田「空港拡張計画作成委員会を設置し、東京国際空港の拡張計画について総合的な検討を重ねてきた。本報告書は、現在までの作業結果をまとめたものである。」まとめているではありませんか。(発言する者あり)

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 飛行機が飛べなくなりますよ、そんなことじゃ。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 たびたび繰り返すようでございますが、申し上げましたように、その内容についてはまだ運輸省が責任をもってお答えするわけにはいかない、検討の資料としてコンサルタントからとっておる資料でございますので、検討が済むまでひとつお待ちをいただきたいと思うわけでございます。それでございませんと責任をもってお出しするということにならないわけでございますので、その辺は御理解をいただきたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 阿部君に申し上げます。  このまま何時間やっても同じことですから、理事会でよく検討いたしまして、次の機会に善処する方法をとりましょう。  なお、木村運輸大臣、理事会で検討いたしますから、理事会で決定いたしましたことはあなたの方も守ってもらう、こういうことに願いたいと思いますが、どうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 委員長の御指示のとおりにいたします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 さよういたしますから、どうぞ。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それでは委員長に要望申し上げますが、報告書が出るまで私のこの質問は留保させていただきたいということをお願いいたします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ちょっと阿部君に申し上げますが、もう時間もすでに来ておりますから、留保、留保と言って、百年かかっても留保では解決つきません。理事会にお任せ願いたいと思いますが、いかがでしょう。理事会でちゃんとわかるようにいたします。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いまの阿部委員の質問に対しまして、運輸省は、国費を使ってそして調査を依頼されたそのコンサルタントの資料をみずからの結論が出るまでは国会に出せないということは、これは憲法第六十二条に言う国会の調査権に対する重大な侮辱であるとわれわれは解せざるを得ないのであります。しかし、それに対しましては、委員長の適切な御裁定がございまして、理事会において慎重に審議するとおっしゃいましたが、それは結構でございますけれども、その審議のまま打ち切られますと阿部質問の最後が死んでしまいますので、やがて、その審議の結果、問題を再度この委員会で再質問する必要がある場合には質問させていただくということを留保いたしまして、委員長の御裁定をひとつ了承いたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ただいま小林君の御発言のとおりでございます。阿部君の死なないようにいたしますから、御承知を願いたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 本日はこれで終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。  次回は、明六日午前十時より開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十五分散会

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