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77回国会衆議院1976/07/14

法務委員会 第15号

発言数
322
登壇者
18
会派数
4
開催日
1976/07/14

会議録

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  去る五月二十四日、理事横山利秋君が委員を辞任されましたので、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 御異議なしと認めます。よって、稲葉誠一君を理事に指名いたします。      ――――◇―――――

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 お諮りいたします。  本日、最高裁判所矢口人事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 法務行政及び検察行政に関する件並びに裁判所の司法行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲葉誠一君。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 大臣にですが、きのう檜山氏が逮捕されたわけですが、これは外為法ですね。ということは、金が五億円ですか入ったということで逮捕したと思うのですが、そうすると、二月十七日ですか、予算委員会では、金の授受については知らぬとか、そういうふうに言っているわけですね。入らないとか言っているわけですね。それとの関係で偽証の問題が起きてくると思うのですが、その点についてはどういうふうに判断されているわけですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 そういうことも身柄を拘束していま調べていますから、判明すれば捜査の結果出てくる可能性はあるかと思いますが、内容の問題でございますので、どの程度申し上げたらいいか、吉田課長がもう少し突っ込んだ答弁をできるならばさせます。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 檜山氏につきましては、昨日外為法違反で逮捕いたしましたのは御指摘のとおりでございまして、そういう検察当局の現在の犯罪の捜査の経過にかんがみますときに、御指摘のような問題が起きると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 まず、そのピーナツの一億円というものの時効、これは八月九日の受け取りになっているけれども、実際には七月二十三日だという説もあるし、これは余り聞かない方がいいのかもわかりませんけれども、一体どうなんですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 領収証の日付に御指摘のようなものがあることは私も承知しておりますけれども、問題は、時効というのは、その金銭の授受等の犯罪行為がいつ行われたか、実際にいつ行われているかということに関連するものだと思います。その点につきましては、まことに遺憾でございますけれども、いま捜査の焦点でございますので、しばらく御猶予願いたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 ピーナツの一億円をもらった人がいる、こういうふうに伝えられているわけですが、もらった人が外為法違反が成立するためにはどういう条件が要るわけですか。要求したとか、積極的な関与をしたとか、いろいろな条件があるらしいのですが、そこはどういう条件ですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 これは私が条文を一々読み上げるまでもないことでありますが、現在外為法違反で逮捕され、あるいは公訴提起されておりますのは、非居住者のためにする支払いを受領したということでございます。問題は、非居住者のためにする支払いを受領したということであれば、その点についての外為法違反が成立する、こういうことになります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 いや、檜山氏が成立するというのはわかっているのですよ。檜山氏からだれかわからぬけれどももらった人の話ですよ。それも、いまあなたの言うような理解でよろしゅうございますか。何かそこに積極的な意思が必要だとかなんとかということになるのですか。檜山氏からもらった人の話をしているのです。そこに何か条件、構成要件が入るのですかと聞いているのです。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 何度も申し上げますように、外為法違反にはいろいろございますけれども、御指摘の二十七条一項三号ですね、非居住者のためにする支払いの受領ということの構成要件に当たる限りでは、私どもの法律解釈としては、この構成要件に当たる場合では、たとえ転々と受領したような場合におきましても、この構成要件に当たる以上犯罪に、当然外為が成立する、そういうこともあり得る、こういうふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 アメリカの上院の外交委員会ですか、二月六日、ここでコーチャン氏がいろいろ証言をしておるわけですが、この証言はどうなんですか、いままでの捜査の役に立っているのですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 役に立っているという報告を受けております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 コーチャンの証言の中に、いろいろあるわけですが、たとえば、   我々は児玉氏同様小佐野氏にも売り込み戦略について相談した。例えば、わが社の製品の特徴をどう売り込むか、だれに会うか、またそのようなことで紹介状をもらったりとかいうようなことだ。 こういうふうな証言があるわけです。  これと二月十六日の衆議院の予算委員会における小佐野氏の証言、これは塩谷一夫さんの質問に対する証言、議事録の三ページ上から二段目、   この売り込みについて「戦略的な相談をした」と証言しているのですが、この相談の内容とはどういうことであったか。その内容は、トライスター売り込みであれば、どういうことであったか。具体的に述べていただきたいと思います。  ○小佐野証人 先ほども申し上げましたとおり、私にはそうした、全日空の方へ話したこともありませんし、それから戦略的にどうというようなこともコーチャン氏から聞いたこともございません。 という証言ですね、これはわかりますね。その証言との間にこれは一致しておりますか。全く一致していますか。あるいは食い違いがあるのでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 具体的にどことどこが食い違っているという指摘はちょっと私よくわかりませんけれども、食い違っているというより言いようがございませんようですね。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 もう一点。コーチャン氏が、  売り込み運動中、私は日本を十回も来訪し、最後には十一週間も滞在し、児玉、小佐野両氏と何度も会って売り込み作戦計画への援助を求めた。あるとき政府内部各層に誤解があり私の方針がつぶれる可能性もでてきたので、両氏に頼んで政府の誤解をとくよう取り計らってもらった。そのような例はたくさんあった。 こういうふうに言っておりますね。  二月十六日、予算委員会、小佐野証言、いろいろ言っておりますが、二ページの上から二段目です。  ○荒舩委員長 コーチャン氏はしばしばあなたにお会いになったという発言をされているように新聞等では伝えておりますが、そういうことはございませんか。  ○小佐野証人 私は、社用のために五日の晩ハワイへ参りまして、そして六日の朝各新聞社からコーチャンと会ったことがあるかとかいろいろ問い合わせがありましたけれども、私は会ったことがないということを申し上げたのですが、その翌日、秘書の者が一緒に行っておりまして、ハワイでテレビを見ておりまして、会長、これがコーチャンという人ですよと言われたので、ああこの人なら二、三度会ったなというふうに秘書の者と話したのです。 こういう答弁ですね。これは議事録ですから間違いないと思いますが、これはどうでしょうか。食い違っていますか、全く一致していますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 一致してはおりませんようですね。どちらが本当だかということは知りませんけれども、一致はしていない。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 一致していないことはわかりましたが、そうするとどちらかが――まあどういうふうに言っているかは別として、今後の調べ、ということは、いまの段階でかあるいはロサンゼルスの連邦地裁のコーチャンの証言、これはイミュニティーの問題はありますけれども、その証言いかんによっては、二月十六日の小佐野証人というものは偽証の疑いが――疑いですよ、多分に出てくることも考えられるのではないでしょうか。断定しません。断定はしませんよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 質問者がいろいろ推定されることは別に妨げませんけれども、私の口から、いまの段階でこの問題について断定的な、疑いがあるとかないとか、そういうことを申し上げるわけにはまいらぬのであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 いまの段階でそういうことを申し上げるわけにいきませんというのは、それはどういう理由からでしょうか。その点が今後ポイントになる。いまもなっているし、今後もなる可能性があるからですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 捜査当局がいろいろ捜査している段階で、法務大臣がこの法務委員会で、公の席上で、どうも疑いがありそうでございますとか、そんなことを言ったって、その質問者の推定は無理でしょうとか、そういうことを言うのはちと政治介入になるおそれがあるということで、申し上げられないということです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 疑いがありそうだということは申し上げられないけれども、疑いがないと断定はできない、こういうふうにお聞きしてよろしいでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 その辺がさっぱりわからないという答弁をしている。私にはわからない。また、もし仮に私わかっておっても、申し上げるわけにはいかない。しかし、真実は私わからない。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 あなたの答弁の中で、ぼくは言外に意味をくみ取りましたから、これ以上のことは聞きません。わかっていても言えないというのですから、無理に聞くわけにはいかない。(稻葉国務大臣「いや、そうではないですよ」と呼ぶ)まあいいです。  そこで、率直に言うと、私もこの上院の外交委員会におけるコーチャンの証言、ちょっとこれ、ざっくばらんな話、ラフですよ、これだけでは証拠になりませんよ。たとえば「児玉氏同様小佐野氏にも売り込み戦略について相談した。」一体「売り込み戦略」とは何かということ、こういうふうなこと。それから「十一週間も滞在し、児玉、小佐野両氏と何度も会って売り込み作戦計画への援助を求めた。」それから「両氏に頼んで政府の誤解をとくよう取り計らってもらった。そのような例はたくさんあった。」こういうふうに言っておるわけですね。  そこで、これはちょっと、より一層の具体性というものが必要だ、こう思うのですよ。そこで、いま私が申し上げたこと、たとえば売り込み戦略についての相談、具体的な内容とか、それから政府の誤解を解くよう取り計らってもらったとか、そのような例はたくさんあったとか、そういうふうなこと、当然これは、私の常識では、ロサンゼルスの連邦地裁への嘱託尋問の項目に入っている。入っていなければおかしいですよ、これは。これはあたりまえな話だけれども、入っていなければおかしい、こういうふうに私は思うのですけれども、どうでしょうかね。これは御推察にお任せしますということですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 コーチャン氏に対する証人尋問の事項については、私ども法務当局としてはその内容は関知しておりません。現実にこれから行われる、現在行われているあの尋問の関係でございますので、私どもはその内容を承知しておりません。しかし、検察当局としては、従来のチャーチ委員会等におけるコーチャン証言等を十分勘案して、その後の国内捜査とのにらみ、それから国内の捜査との突き合わせをして尋問事項を組んで、刑訴法二百二十六条に基づく尋問の請求をしているんだ、このことだけは確かに申し上げられますけれども、その内容の中に御指摘のことが含まれているかどうか、その点については私は承知しておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 大臣、あなたは再三、この捜査が核心に迫ったということをおっしゃっておるわけですね。これは三木総理大臣も言われましたよね。あなたも言われておる。私はあなたの片言隻句をとらえてどうこう言うつもりはない。言葉じりをつかまえるつもりは絶対ありませんからね。楽な気持ちでお話ししてください。変なことしないから、大丈夫ですよ。その核心に迫ったという意味がよくわからないのですよ。わからないんだ、これ。わからないと言うと、何かあれになっちゃうけれども、これはどういう意味でしょうかね。あなたの言う核心に迫ったという意味はどういう意味ですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私も、どういうことが核心だ、こうこういうことが核心だ、そこのところまで近づきました、こういう観念で核心に近づいているということを言っているのじゃないのです。全貌がだんだん明らかになってきて、こうどん詰まりの方へ近づいてきているな、こういうことです。あなたが、核心に近づいたということを一番よく知っていると思うのですよ。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 ぼくは知らないから聞いているんでね。知っていれば聞かない。  そのどん詰まりに近づいたという意味はどういう意味なんですか。いまあなた言われたでしょう。意味がはっきりしないんだ。結局、外為法、証言法、これはまあ一つの法律であることは間違いないけれども、国民が期待しておるというか重大な関心を持っておるのは、そのことではないですね。むしろやはり贈収賄の問題、政府高官に対する贈収賄の問題でしょう、これは。それに、どん詰まりというか、いまあなたが言われたどん詰まりという言葉だから、そのまま受けますと、どん詰まりということでそこへ近づいておるということでしょう。これはまあぼくが一番よく知っていると言われれば、常識的にだれが見てもそう思うわね。そういうことですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 これは、このロッキード問題が起きてからずっと、前に私は公の席上で答弁していることなんです。国民の一番関心を持っておるのは脱税とか外為じゃあるまいということは前から申し上げていることなんです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そこで、すでに国会議員の秘書の人を調べたという説が流れていますね。その点はどうなんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 国会議員を取り調べたという報告は受けておりません。(稲葉(誠)委員「いや、秘書」と呼ぶ)秘書、その報告もまだ受けておりません。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 報道上そういうふうに載っていることは間違いありませんけれども、まだ刑事局としてはその報告に接しておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 小佐野賢治と児玉譽士夫の関係について、まあこれいろいろありますね。普通のつき合いだとかなんとか、こう言っていますね。「その後、特別にということではなく、普通のおつき合いをさしていただいています。」こう言っていますね。二月十六日です。これはその後の取り調べの中でどういうふうになってきたかということですが、一つお聞きしたいのは、たとえば田中彰治の恐喝事件、これは確定していますね。この中で、田中彰治は順天堂病院にいて、せがれら二人が来て小佐野賢治を手形の書きかえで恐喝していますね。そのときに隣の部屋に児玉譽士夫がおって、その恐喝の模様を逐一メモして、そして小佐野賢治に渡していますね。これは確定記録の中に出ているのだからわかっていますね。その間の経過をちょっと御説明願えませんか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 まことに申しわけありません。その詳細はいま資料を持ってきておりませんので、詳しく覚えていないのですけれども、検察官の冒頭陳述等にも小佐野氏の名前が出ていたことは記憶しております。それ以上どういう関与の仕方をしているか、まことに申しわけありませんが、いま資料がございませんのでよく覚えておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 これは二月二十八日の予算委員会で私が公判調書を援用して質問しているのですから、これは確定記録ですからだれでもいいわけですからね。  もう一つありますね。ぼくの質問通告がちょっと十分でなかった点があるので申しわけないかもわからぬけれども、京成電鉄の株の売買事件、これば大橋富重の事件だ。いままだこれは控訴中です。確定していませんけれどもね。その中で小佐野賢治なり児玉書士夫が証人で呼ばれていますね。まず、このことは間違いありませんか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 間違いないと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そのときに、京成電鉄の株の売買で大橋富重から呼ばれて赤坂の金竜という料亭なのか何だか知らないですが、そこへ行って、これは小佐野賢治がハワイへ行く前だ、行って会っていますね、これは間違いないでしょう。そのときこの二人は初めて会ったのではないですか。いまわからなければきょうでなくてもいいけれども、調べてごらんなさい。確定記録ではありませんけれども、公開の法廷で言われたことですから、これははっきりしているわけですからね。調べてごらんなさい。そのとき初めて会ったと言っているのですよ。そうすると、何か正木先生の紹介で十何年前に初めて会ったということと食い違うのか食い違わないのかよくわからない。ということは、京成電鉄の顧問を正木先生がやっておられたからその関係で会ったということを言っておるのかもわかりませんけれどもね。そこのところがちょっとわからないのですよ。正木先生が亡くなっちゃっているからわからぬですけれども、直ちにそれが小佐野の言うことがうそだとも言い切れない点も確かにあります。だけれども、そのときに大橋富重から言われて赤坂の金竜へ行って、一月十一日だ、何年でしたか、そこで初めて会ったということは小佐野が法廷で証言していますよ。その点も含めてみて、いま言った田中彰治の恐喝事件のときに隣の部屋にいて、田中彰治のせがれが恐喝しているのをメモ書いて渡して、これは告訴しろと言っているわけだよ。これは二月二十八日の私の予算委員会の質問に詳しく書いてある。これで普通のおつき合いと言えるのか言えないのかということだよね。そこら辺についてはどういうふうにお考えになりますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 人のつき合いのことですからね。どうも普通というのは――普通と言って、あなたと私とは普通のつき合いでしょうかな。(稲葉(誠)委員「そこまでいかないよ」と呼ぶ)そこまでいかない。そうすると、小佐野賢治氏と児玉書士夫のつき合いというものは、もっとあなたと私より先へいっているという意味でしょうかな。もっと深い、こういうふうに見るべきだとあなたはおっしゃるのですね。(稲葉(誠)委員「そうそう」と呼ぶ)さあ、それはちょっと私に判断を求められても御無理でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 それは、まあぼくの言うのもちょっと無理です。これは普通という言葉の解釈ですからね。これはもう少し児玉と小佐野との関係に非常に密接な関係が出てくれば、この点が偽証だったということがわかるのです。いまも京成電鉄と田中彰治の関係だけしかあらわれていませんから、普通のつき合いかどうかわからぬ。しかし、今後の一つのポイントに、いまコーチャン証言が出てきていますから、児玉と小佐野とのつき合い関係というものが今後一つの問題点になってくるという点は十分考えられるんじゃないでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 十分考えられるようでもあり、考えられないようでもあり、なかなかむずかしい微妙なことでございますね。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 あなたは、いまの答弁でぼくは一応きょうはそのままにしておきますよ。これ以上聞くのも――また捜査の進展見ていますから、これ以上ここでは聞きません。  来週ごろに、ということは、いまの一億円の時効にも関係するわけですね。だからぼくは余り一億円の時効のことをこれ以上ここで聞かないわけです。これは後で八月九日か七月二十三日かということでごたごたしてもまずいですし、いまここで言うことがまずいことはわかりますが、その時効の関係から逆算してくると、来週あたりに一億円の金の行方についての、あるいは今週かもわからぬけれども、来週あたりに一億円の金の行方についての捜査というものが当然ポイントになってくるんではないでしょうか。それでなければこの関係が時効になってしまいますからね。そういうわけでしょう。その点はどうでしょうか。大臣からか刑事課長か、どっちでもいいですがね。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 御指摘の時効にかかるのではないかという点につきましては、一般論で恐縮なんでございますが、みすみす検察当局が時効にかける、何人に対しても犯罪の容疑があるのに時効にかけることはないという姿勢で臨んでいる、それで全力を挙げているということだけ申し上げることで御了解いただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 時効にかけない。それから逆算すると、十日の勾留なりあるいは勾留延長の問題もあるということですけれども、ここではこれ以上聞きません。  そこで、七月四日に、大臣、あなたは毎日新聞の政治部長と編集局長ですかと一時間ぐらいの対談をしていますね。このことはいろいろ後でお読みになったと思うのですが、これは大変失礼な言い方だけれども、あなたの真意を伝えているというかあなたのおっしゃったとおりですか。何か違うところがありますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 違ったという意味、内容にもよりますけれども、一時間の対談ですからもっと長いものですわな、それを集約していますから、そのとおりではない。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 だけれども、当然あなたはお読みになったでしょう。だから、あなたの言われたことと全く違ったことが書いてありますか。これは変なことを聞くんだけれども、後から質問をするものだから、その前提として、伏線を引いているわけじゃないけれども、違うんなら違うといまのうちに言っていただかないと、後の質問がむだになってしまうから。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 大体そのとおりです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 この中で、最初のところで、まあ七月四日ですからちょっと時期が早いですけれども、たとえば「大久保の身辺があわただしくなってきた。」と、こう言っていますね。これは大久保の逮捕の後でしたかな。大久保に証拠隠滅のおそれがあったということですわね。具体的にどういうことか。ということは、これはロッキード社の方にあるいは連邦地裁の証言等に関連して大久保からいろいろ働きかけがなされていた疑いがあるということも含んでいるというふうに理解してよろしいでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 その対談で申したのは、大久保逮捕のときの検察庁からの報告をそのまま、身辺があわただしいものですからというそのままを申し上げているのであって、いまおっしゃったような根拠に基づいて一々根拠を挙げるというあれではないのですね。そうではないのです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 身辺があわただしいというのはどういう意味なんですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 忙しい。これは国会の偽証罪容疑で逮捕に踏み切ったのですから、本当ならば国会へもあらかじめ通知してやるべきだという意見が後で出ました。それに対して、その時点で、ああ思い出した、なかなか身辺があわただしいものですからそのいとまがありませんでしたと、こういうことを私が報告に解釈を加えて申し上げたというわけです。たとえば逮捕の時間もずれています。そのくらい動きが忙しい、こういう意味です。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 それ以上あなたとしては言えないでしょうからね。  そこで、こういうのが出てくるのです。「ロ事件は日韓のつながりにも関係がありそうですね。」という質問に対して、あなたは「うーん。ロサンゼルス、ハワイ、ソウル、日本と回り歩いているところをみると、日韓の問題も……。」こう言っていますね。だれだろう、ハワイ、ソウル、日本と回り歩いているのは。だれ。小佐野賢治ですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 ロサンゼルス、ハワイ、ソウル、日本とこう回り歩いている人はたくさんありますからね。こういう段階ですから――それは七月四日ですよ。あの段階ならまあまあですけれども、この段階でいま挙げられたような名前を私が言うのはどうですか。だんだんあなたのおっしゃる核心に近づいてきている段階に行くに従って私の口は重くなるわけです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 あなたの口が重くなるのもいいのだけれども、重くなることによって大体こちらも推定がつくのだけれども、この中で「児玉プラスXルート」というのは何だ。「丸紅ルート、全日空ルートに比べ、児玉ルートの解明が遅れていますね。」という間に対して、「児玉プラスXルートだな。もっとも、脱税容疑など別の手掛かりで水谷と大刀川を逮捕した。児玉ルートに迫るとっかかりになる。」「だれが「X」なのか、最後まで明らかにしなかったが意味深長な言葉だ」と注釈があるのだけれども。注釈はあなたがしゃべっているのじゃないですよ。「児玉プラスXルート」というのは何ですか。XというのはわからないからXだけれども、これも大臣、いまの段階では、大体常識的な推察はお任せするけれども、あなたの口からは言えないということですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 そのくだりもきのう参議院でも聞かれました。それで、Xって何だと言うから、XはXでございます。こう答えただけで、きょうも参議院以上のことを答えるとまた参議院を軽視したなんて言われるから……。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そんなことはないよ。それはあなたは真実を述べていいのだから。児玉プラスXというのは、コーチャン証言によれば、児玉とあれとが会っていろいろ相談したというのですから、常識的に理解できることじゃないでしょうか。それについてもお答えできなければお答えできないと言ったらどうですか。微妙な段階だから。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 あなたよくもうおわかりになっているのじゃないですか。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 もう一つ大きな問題があるのです。大きな問題かどうかは別なんですがね。いま檜山さんがつかまりましたよね。この人が四十七年の八月二十六日、ということはハワイ、ニクソン会談の前だ。全日空のトライスターを決める社長一任が八月三十日だけれども、その前の八月二十六日に目白へ朝行っているわけだ。それから十月十四日にも目白へ行っているわけだ。そう言うと、あなた目白と言ったって広いからどこだと言うかもわからぬけれども、それは聞かなくたっていいでしょう。そこまで聞かなくたってわかるでしょうから。私邸へ行っているわけだ。これは、よく聞いてください、全然ロッキード事件なり檜山のあれに今後関係ないということを言い切れますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 その判断は検察庁がすることでございまして、私がそういう判断をいたしますと検察権の自由な行使に介入するのではないかというおそれを抱かれますので、私の判断は申し上げかねます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 だけれども、何のためにこれは行ったのだろう。何を話したのだろう。こういう点については、あなたでなくてもいいのだけれども。事務局でもいいや。事務局に聞くのも気の毒な気もするけれども、これは関心がないの。大臣でもどっちでもいい。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 事務局に判断せいと言っても無理でしょうからね。それはそういうことについては関心を持つべきものだ。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 しかも、この八月二十六日、十月十四日、二回の目白の訪問、これは何か一部では小佐野氏の紹介で行ったというふうに伝えられておるですね。こういう点についてもこれは十分な関心を持っていただきたい、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。一部に伝えられているから。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 検察当局としては当然関心を持つべきはずであろう、こう存じます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 若狭さんがこれは官邸へ四十七年の十月二十四日に行っています。これは証人尋問に出てきましたよね。このときには機種の選定は安全第一ですると報告したとかなんとか言っていますがね。もう一つ、私もわからなかったのですが、九月三日に若狭さんがやっぱり同じところに行っているようですね、報道するところによると。田中・ニクソン会談のすぐ後ですわ。帰ってきたばかりだな。九月三日。行っているらしいのだ。そうすると、これについても検察当局としては関心を持つのは当然だ、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。中身はいま聞きませんよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 これがいわゆるロッキード問題に非常に重要な関連性を持つのかどうかという点は私わかりませんけれども、抽的象で恐縮ですが、検察はあれだけの陣容がそろっている。あなたもよく御承知のとおりの陣容です。抜かりのあろうはずはないのじゃないか、御信頼をしていただいていいのではないかということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 きょうの新聞を見ると、四十八年当時の主流派の閣僚経験者がいわゆる政府高官として名前が浮かんでおる、この人がピーナツの一億円をロ社に要求したのではないか、あるいは受領したのではないかというふうなことが伝えられていますね。このことについては、あなたとしてはどういうふうにそれをお考えになるわけでしょうか。こういうことは全然ないというのですか、あるいはそのことについては答えられない、こういうことなんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私は報告を受けておりません。それからまた、新聞は余り信用しないのです。したがって、新聞の記事を根拠としてお聞きになられてもどうしようもない。答えられません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 私が言うのは、国民はそのことによってそういうふうに普通考えるわけですよ。だから、私はそうだと言っているのじゃないのですよ。だれもそのとおりだということで聞いているわけじゃありません。そういうふうなことが出ているから、どうなんだろうかと聞いているのです。これは非常にやわらかく聞いているのですよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私けさそんな新聞を見ましたが、そんなようなことがあるのかどうか知りません。全然知りません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 いまの段階では知らないのが本当なんです。あなたが知っているとするとかえっておかしいんだ。知っているということは、あなた自身が検察に介入していることになるのだから、知らないというのが本当かもしれない。  そこで最後に、わかり切ったことだけれども、何回も言われたことですけれども、あなたの今後の本件についての捜査に対する態度というか決意というか、それを承って、きょうはロッキードの問題は一応これで終わりにして別のことに入ります。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 いま法務大臣と、検事総長を頂点とする検察陣営とは、相互にかたい信頼関係にございますので、捜査のことは全部検事総長を頂点とする検察当局に任せてございます。あくまでも最後の最後までそういう態度を貫いていく所存でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 だから検察当局を信頼してほしい、検察当局は国民の期待にこたえるであろう、こういうことですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 初めのうちはいらいらしておられた国民もたくさんあったように私感じましたが、しかし、これだけの、両国にまたがる、しかもむずかしい事件について、これだけいままで検察当局がやってきた実績を見ていただければ、なるほど法務大臣の言うとおり検察はしっかりしたものだな、信頼するに足るなというふうにいまは国民も信頼を寄せていられるのではなかろうか、どうかその信頼を最後までお続けいただいて静かに見守っていただきたい、私のこういう希望であります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 最高裁の方にお尋ねをするわけですが、きょう最高裁の裁判官会議が午後から開かれるわけですね。直接あなたの所管でないので恐縮なんだけれども、せっかくおいでになっているのでお聞きするのですが、夏休み前で、これでしばらく十五人全員がそろう裁判官会議はないのですか。きょうの午後で一通り終わるわけですか。夏休みに入るのですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 十五人がおそろいになる定例の裁判官会議は、きょうが夏休み前の最終でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、あなたに聞くのも本当に筋が違うのであれだけれども、きょう実は刑事局長をぼくの方でも要求したわけですよ。ぼくは午前中に裁判官会議があるので刑事局長が必要だというふうに聞いておったものだから、おいで願うのを遠慮したのだけれども、午後から裁判官会議があるなら、恐らく刑事局長が出ていろいろ重要な問題が出てくると思うので、そこまで詳しくせんさくしないで、私の方も出席しないということでオーケーしたわけです。  そこで、あなたの所管ではないけれども、例の法務省から申し出があった刑事免責の問題について、判決だとか規則だとかいろいろありますね。判決といって、判決ではどこからああいうファーガソン裁定が出てくるかぼくもよくわからないので、日本の法制のことはよくわからないのじゃないかと思いますが、規則の問題が出てくるわけです。詳しいことは聞きませんよ、あなたに聞くのは無理だから。そのことについて、きょうあるということは間違いないわけですか。もう夏休みになって十五人全部そろうことはないわけだから、きょうあるのは間違いないわけでしょう。そこで結論が出るだろうということに承ってよろしいですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 裁判官会議が開かれますと、各局所管事項について御説明すべきものは御説明し、出すべき議案は出しますが、私の所管でございませんので、それ以上ちょっとお答えしかねるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 夏休みに入って十五人全部そろうことはないのだということですが、夏休みはいつまでですか。八月いっぱいですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 三つの法廷に分かれておりまして、各法廷が二十日ずつお休みになるということでございます。それが七月二十日から八月いっぱいということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そこで、司法研修所で女子修習生に対するいろいろな差別というか、そういうようなことの中で、婦人の弁護士の方々が中心となって、司法研修所のあり方等について問題を提起されておられるわけですが、ここに書いてあること、たとえば、この申入書はあなたのほうに行っていると思いますのでお読みになったと思いますが、川崎という事務局長が、昭和五十一年五月二十八日に、司法研修所の見学旅行の懇親会の席上で、多数の司法修習生に対して、「男が生命をかける司法界に女が進出するのは許せない」こう言った。このとおりかどうか別として、こう言った。あるいは、男の修習生がそれに対して、女性が職業を持つこと自体は当然ではないだろうかという質問をしたならば、「そういう考えを持つ修習生はいじめてやる」こう言ったというのですね。まず一つですけれども、こういうことが事実としてあったのですか。あったとすれば、きわめて非常識な発言を事務局長がしたとしかとれないのですが、どうなんですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 一昨日の午後でございますか、婦人の弁護士の方が研修所に見えまして研修所長に面会をお求めになりました。川崎事務局長が所長の代理としてお会いいたしまして、お話を承ったわけでございますが、その際に質問状というものを研修所長にあててお出しになったわけでございまして、(稲葉(誠)委員「申入書じゃないの」と呼ぶ)質問状ということに私どもの方の書類ではなっております。それについて、いま御指摘になりましたようなことを含めまして、いろいろ事項が記載してございますが、本日以降五日以内に文書でお答えをいただきたいということで、最終的には所長に対する質問事項というものが記載されております。  その中で、いま御指摘の川崎事務局長の発言という項がございます。それにつきましては、何分にも私どもが連絡を受けましたのは一昨日の夕刻でございまして、本日伺いますまで、昨日一日しか余裕がございませんでした。できるだけの事実関係は調べてまいりました。主として本人の一応弁明ということでございますが、もしお差し支えなければ、川崎事務局長の本人の弁明が出ておりますので、ちょっとそのところを読ませていただければというふうに思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  まあ、てんまつ書ということで所長あてに提出いたしておりますが、   小職は、去る五月二八日、三〇期一組の修習生の見学旅行に同行し、修習生と共に稲取保養所に宿泊しました。当夜は、参加者全員の懇親会が催され、この会は、午後八時過ぎに終了しました。懇親会終了後、修習生は、二次会組とマージャン組に別れたようですが、小職は、修習生の幹事役にさそわれ、二次会に参加しました。この席には、弁護教官も同席され、歌あり、踊りあり、議論ありで、きわめてにぎやかでありました。   質問状にある「男が生命をかける司法界に女が進出するのは許せない。」という発言は、このとおりの表現であったとは思いませんが、この席での出来事であります。小職は、実務修習中の修習生を預っていた頃から、修習生に対し、司法部に入る以上、命をかける気概が必要であると常々話しておりましたので、同じようなことをこの席でも男性修習生(当時女子の修習生は同席していません。)に話したと記憶しています。  その際、男の気概というか心意気といったものを強調する余り女性を引合いに出したように記憶していますが、このような話方は穏当でなかったと反省し、ここに遺憾の意を表する次第です。  なお、質問状にある「その修習生の氏名を、言葉を荒げて問いただし、同人に裁判官職に進む意図があるのか否かをきびしく問い尋ね」と  「そういう考えをもつ修習生は、いじめてやる。」という発言は、全く記憶にないことを付言します。  川崎事務局長に関する部分は以上でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 それから、この申入書にはA、Bとなっておりますが、質問状には名前が出ております。まあ名前は別として、AならAでいいのですが、Aという刑事裁判官が「五一年四月二七日、自己の担当するクラスの懇親会の席上で、多数の司法修習生に対し、「女は二年間の修習の中で得た能力を家庭に入ってくさらせるのがよい」旨の発言をした。」というのですが、裁判官の名前はまあ省略しますが、これは事実関係どうなの。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 A教官というふうに言わせていただきたいと思いますが、A教官の報告書は次のようなものでございます。   質問状記載の発言内容は、その前後の言葉を欠くため、趣旨不明でありますが、記載された表現方法と同様の発言をした覚えはありません。とくにその文言中「くさらせる」とか、「のがよい」という表現は私の経験に照して従来意識的に用いたことのない表現方法であります。   問題となりました当日の状況は次のとおりであります。   当日、四月二七日(火)は恒例の司研ソフトボール大会が神宮外苑の野球場で催され、私の担当する四組は二回戦で敗退したため、午後三時過ぎごろ、教官、修習生総勢三十数名で青山通りのレストランへ行き、テーブルごとに座して、ビール・つまみ等を注文の上、試合内容を反省したり、いろいろ歓談いたしました。(費用は教官五名で負担)   その折、私の座ったテーブルでは、女性のこれは名前を特に申し上げないでおきますが、女性の修習生が選手として一時出場したことが話題となり、それに引続き女性修習生の修習終了後の活躍ぶりが話題となった際のことであります。   その際の私の発言内容は次のとおりであります。   女性の場合は華々しい目立つ活躍ぶりが話題となるけれども、目立たない活躍ぶりにも目を向ける必要がある。  修習を終了した後に家庭に入り、弁護士登録をしていない女性修習生の例を紹介した上、これは一見して国費の無駄のようであり、まことにもったいない話のようであるが、しかしそれで立派な家庭を築き、優秀な児を世に送り出すとすれば、それは、ひいては世の中全体を良くする原動力となるため、いうならば、世直しをするための堆肥としての役割を選んだのであって、国家百年の計からみて大変価値のある活躍ぶりというべきであり、このように目立たないが実に賢明な活躍にも目を向ける必要がある。   いま思うと、右の発言中「堆肥」という表現が「くさらせる」というふうに曲解されたのではないかと思われますが、いずれにしても質問状記載のごとき発言をした覚えはありません。以上でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 Bという刑事裁判官が、五月二十八日に、何か列車の中で、クラスの女子修習生を一名ずつ自席のボックスに呼んで、「司法試験に合格したことを、親たちが嘆かなかったか」という質問をしておる。それから、ある司法修習生に対しては、世間によく評価される家庭婦人になることが女性の一番の幸福だから、司法研修所を出ても裁判官や弁護士などになることを考えるべきでない、「また、ある司法修習生に対しては、「勉強好きの女性は、議論好きで理屈をいうので嫌いだ」などと女性に対する差別的発言をし、その法律家としての生き方に対する低劣な非難をした。」こういう申入書ですが、このB裁判官のあれはどういうことなんですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 B教官、   旅行車中で、最初当職と男子修習生が並んで着席していましたが、途中でその修習生が他の席に移りその席が空席となったのを機会に、話し相手としてすぐ後の席にいた女子修習生を招いて雑談を交すこととなり、一人約三〇分位の割合で話をしました。女子修習生と話を交す機会が少いので三人に交替して貰って修習生活の様子を中心として雑談したのであります。   かねて、女子修習生を配属庁の指導担当者の立場で預かった際に、その修習生(現在判事補)や、その母親からなかなか縁談がまとまらないでやきもきしているという趣旨の愚痴めいた話を聞かされた経験があり、適齢期の娘を持つ親の気持として同感するところがありました。このようなことが頭にあって、女子修習生と話している際、修習生になって御両親はどんなことを言っているかということを尋ねて見ました。これに対し女子修習生からは格別の反応はなく、概して、いずれも御両親において反対しているとか愚痴をいっているとかの状況ではなかったので、それは結構だねという程度で終ったのであります。その時、先の経験を併せて話したように思います。   そのような話の際、日頃の女性観について話をしました。家庭における母親の、また妻の果す役割の大きさは、あらためていうまでもないことであります。加えて裁判実務でもその大切さを身にしみて見聞しているので、優れた素質のある女性が家庭の主婦となり母親となることは社会全体に益することが大きいものと信じていて、その気持が強かったものであるから、法律家となるのもよいが、家庭に入るのも女性の役割として大切であり個人的な気持で言えばそれをすることを勧めるという趣旨の話をしました。   修習生活の話をしたわけでありますが、話題は雑多であって、仲間うちの気楽な気分のつもりで話を交したので、話の中で女性についての個人的な好みについても語っております。好みの話でございますから、好きとか嫌いとかの極めて単純なことになるわけでありますが、「勉強好きの女(ひと)はえてして理屈ぽい」とか「理屈 ぽい女(ひと)は嫌いだ」という趣旨の言葉になったと記憶します。   以上の次第で旅行の車中で適齢期の娘を持つ親の気持で娘と同じ位の年頃の女性と気軽な会話を交したという気持でありました。従って率直なところ意外な発展に驚いているというのが心境であります。   なお、当職と女子修習生の前の席に事務局長が着席していましたが、会話は当職と修習生との間で交わされ、事務局長は殆んど加わっておりません。雑音も高く、その内容もわからない状況にありました。また会話をしている際昼食として駅弁を使い、食事しながら話を交したものであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 「C民事裁判教官は、昭和五一年六月二六日、自宅を訪れた自己の担当するクラスの司法修習生一〇数名に対し、「女性が裁判官になることは、生理休暇などで、周囲に迷惑をかけることになるので好ましくない。弁護士になるとしても、迷惑をかけることでは同じだ」として、女性が法曹の道を進むことを否定ないし非難する趣旨の発言をした。」こういう申し入れですね。これに対しての弁明というか、それはどういうことですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 C教官、   昭和五一年六月二六日午後六時、私のクラス  (三〇期八組)の修習生一二名が私の自宅を訪ねました。あらかじめ、クラス委員の松葉君の連絡では、八、九名ということであったのですが、実際には、一二名まいりました。   午後六時から、ビール・ウイスキーを飲み、食事をしながら懇談を重ねました。話題は主に各自の身辺事情に関するものでした。独身者は、婚約者や、将来の配偶者像について語り、配偶者を有するものは、結婚のいきさつについて語るというのが大部分で、至極和気あいあいたるものであったと思います。   そんな話をしている間に一〇時近くなりました。一〇時過ぎに二名が交通事情が悪くなるからというので帰りました。(うち一名は女性)それから更に小一時間雑談をしていましたが、私は最近知り得た二八期の修習生の修了後の活躍状況に話を及ぼし、法曹の道は修習時代に考える以上に厳しいものであることを話しました。その際、席に女性が二名いたことから、女性法曹についても話を及ぼし、「法曹の仕事は激務であるから、女性が法曹としてやっていくには、男性以上に苦労があろう。周囲はなお女性の社会進出にとって、充分にやり易い状況にあるとはいえない。産休などによって他の人に仕事上の負担がかかれば、同僚としても必ずしもよい顔はしない。そういう中で女性が法曹としてやっていくことは、男性にもまして覚悟と能力がいるのではないか。裁判官でも事情は変らない。だから男の人以上に修習に励み、能力をつける必要がある。」との趣旨を話しました。  私の右の発言に対して、女性二名を含む同席の者から、何らの発言もみられず、むしろ私の発言の趣旨をよく理解してくれたように思われました。   自宅訪問の際であり、皆で大いに飲んだときのことでありますが、私の右の点に関する発言は、右に記したところが正確なものと信じます。私としては、感じているところを、同じ法曹の道を進む先輩として述べたつもりであります。   なお、私は、右発言の際「しかし、女性の綿密な能力を高く評価する法曹がいることも事実である。」と併せ述べています。また、同席したある修習生は、「教官の話の趣旨は、女性が法曹の道を進むことを否定、非難する趣旨とは受け取れなかった。」と私に語りました。以上のとおりであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 いまの事務局長を含めて四人の教官ですね。これはこの質問なり申し入れというものと大分話が違いますね。非常に弁明の方が長過ぎますね。だから自分の主観も入った弁明のようにもとれるのですが、これを一応答弁として聞いておいて、そうしてこれに対してどういうふうに対処するかは、これは私の方もいま言ったような弁明のとおりであるかどうか別個によく調べてこちらの方も対処をしたい、こういうふうに考えるわけですが、あなたの方としても、この発言について五日以内に何とかかんとかと言っていましたけれども、どうするということなんですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 御質問にもございますように、自宅訪問のときに話をしたケースあるいは旅行中の話あるいはレストランで食事をしながらの話、いろいろなケースがございます。自宅訪問の場合でございますと、いわば教官としての第三者といったものはほかにございませんので、これ以上調べるということばかなりむずかしいかと思いますが、その他の者、ことに川崎局長あるいは車中における一教官の話ということに――車中はちょっと問題でございますが、川崎局長の場合でございますと、ほかにも、弁護教官等もひっくるめてI教官等もおられますので、その辺のところの事情はもう少し私どもも綿密に調べてみたいと思っております。何分にも時間がございませんでしたので、きのう一日としてはこの程度にとどめざるを得なかったということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 もうさっき五日以内に何とかと言いましたね。だから、その五日以内にまたこの申し入れなり質問をしている人の方も会って聞いてみなければならないでしょう。これは片方だけ聞くわけにいきませんね。だから、そちらの方の人とも十分会って、その人たちの言い分というか事実関係はこうだということも聞いてみて、片方の方も聞かなければならない。そうして五日以内にどうするのですか、報告するというのですか、ちょっとはっきりしなかったのですが。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 お持ちになりましたのは質問状でございまして、四項目の質問事項があるわけでございます。これについて文書で答えろということの御要請でございますが、それを研修所長がどのようにいたしますか、恐らく事実をできるだけ迅速に調査しまして、研修所長の意見として答えられるということになるのではなかろうかと思います。ただ、お持ちになりました方自身が直接お聞きになっておることではございませんので、どういうふうな調べ方をしたらいいか、御質問をお出しになっております女性弁護士の方々にさらにお目にかかってお話を承るのがいいかどうか、その辺のところは研修所長が適宜処理するのではなかろうかというふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 それから最高裁の中に女子修習生が裁判官に任官することを歓迎しない傾向があるとか、あるいは任官を志望している女子修習生に志望を中止するよう強力に説得した教官もあったとかいうふうなことが言われておるわけですね。最高裁としては、婦人の裁判官、女性の裁判官について、いままでどういうふうな扱いをしてきたか、その間に差別というか不利な扱いをしてきたのかどうか、そこら辺のところは一体どうなんですか。いろいろ具体的なことを書いてありますけれども、そこら辺どうなんですか、今後どうするということなんでしょうか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 当委員会等でもお尋ねがございました都度申し上げておるかと思いますが、裁判所の事務当局といたしまして、女性、男性ということでは一切の差別はしていないつもりでございます。女性についてのお尋ねでございますので申し上げるわけでございますが、女性であろうと男性であろうと、能力を備えた方が来ていただくということについては全く異論がない、大歓迎でございます。実際問題といたしましても、ここ数年の例をとってみましても、まあ結果論も入ってくるかとは思いますが、任官を御希望になっておる裁判官の方は、女性の方の場合は全員採用をしておるという状況でございますし、採用後の処遇等につきましても、これはどこからごらんいただきましても、特に女性を男性よりも低く差別したというような問題は一切ない。むしろ十分女性という特殊の状態というもの、家庭の主婦等もございますので、そういった点は十分に考えて処遇をしてきておるというつもりでございます。また、今後もそのように一切差別をすることなく取り扱っていくというふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 前の答弁、具体的な事実の答弁、いまの最高裁の方針の答弁、これは答弁として承っておきますが、私の方でも、さらに一層いまの申し入れのことについての具体的な事実関係をこちらでも調べて、いまのあなたの方で言ったことが違うのかどうか、もし違った場合には大きな責任問題になる、こういうふうに思いますので、あなたの方の答弁、申入書に対する答弁も拝見をし、こちら側でも調べて、さらに日を見てもう一度質問をさせていただきたい、こういうふうに考えて私の質問は一応終わります。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 吉田君。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 私は、稲葉君の質問に関連をいたしまして、いまの司法研修所の問題についてお尋ねをいたします。  稲葉さんもあるいは人事局長も申し入れを中心にして質問、答弁をなされたようでありますが、私のところには第三〇期クラス連絡委員会によるアンケートの結果報告というものをいただいております。御存じですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 昨夜研修所より入手いたしました。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 それならばこの中身もお読みになって御存じのところだと思います。婦人の問題について稲葉さんが言われました諸点は繰り返しません。  私はこのアンケート結果報告を一読をして大変びっくりいたしました。この中に書いてありますように、これが最高裁で所管をして、二年間修習して裁判官になる、あるいは検察官になる、あるいは弁護士を育てる機関なのか、こういう気がいたします。そこに貫かれておりますものは、これを読まれるとおわかりのことと思いますが、憲法だとか、それから新しい憲法のもとにおける民主的な制度を、男女平等の問題についてもそうですか、事務局長やあるいは教官が知っておられるのか。昔の憲法のもとにおける研修生ならこれでもよいでしょう。あきれ返らざるを得ないというのが率直な感想です。  婦人の点は繰り返しませんが、以下はなはだしい点を一応挙げますけれども、お読みになっていれば詳しく言う必要はないと思いますが、そこで、時間がなかったから当事者の弁明だけを持ってこられたと思いますが、これを全部読んで、私は、このとおりであるならば、事務局長あるいは教官の相当の人たちについては研修所の事務局長、教官として不適当だと、これだけを見ると、断ぜざるを得ません。したがって、最高裁でもこの調査結果報告を読んで、最高裁自身で十分調査をして善処されることを望みたいと思いますが、いかがでしょう。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 私も、時間が余りございませんでしたが、一読をいたしまして、内容は一応承知をいたしたわけでございます。ただ、どういうふうな状況でその調査資料ができましたのか、これもつまびらかにいたしませんし、ざっと拝見した中では具体的に一つのことが多方面にわたって書いてあるような感じもいたしますし、それから同じ見学旅行と申しましても、実は十組ございまして、その十組が別々のところにそれぞれ行っております。そういったものが渾然と一緒になっておるような面もあるように思います。しかしいずれにいたしましても、そういったものがございましていま御指摘のような御疑念がございます以上、これらの点につきましても十分調査をいたしましてしかるべく善処したい、このように考えております。しかし、かなり多岐にわたっておりますので、相当な時間が必要ではなかろうかというふうには考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 人事局長言われるように、一つの事実を何人も書いておるということは私も感じます。たとえば、汽車の中で事務局長や何人かがおるところで聞いたということ、あるいは女性の裁判官は不適当だ、あるいは弁護士についても人に迷惑をかけるというようなことは、一つあったことを何人かの人が言っているという傾向は私も認めます。しかし、いままで触れませんでしたけれども、こういうことは事実とすれば許されることであると考えておられるかどうか。ちょっと読んでみます。  婦人の研修生に対する教官の態度の一つとして、問題の見学旅行であります、「見学旅行中教官が」、これは女子修習生でしょうが、「酌婦あつかいし、自分の奥さんと対比してひやかしたり胴上げさせたりしたとの話を聞いたが、教官たる立場にある人の行為として問題があるのではないか。」事実はどういうことか知りません。事実は調べてもらいたいと思いますけれども、見学旅行中に教官が女子修習生を酌婦扱いして酒の酌をさせた云々ということがもしあったとするならば、これは許されることではなかろうと思うのでありますが、これらの点については詳細に調査をしてひとつ善処されることを望みます。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 御指摘の酌婦扱い、胴上げ、野球けんとこの三つでございますが、その前二者についてはこれまでとりあえず余りにも問題の記事でございますので聞きましたが、そういうことは現在までのところあった事実はない、あった事実がないという言い方は変でございますが、調べましたところ、それを確認できないということでございます。しかし、先ほども申しましたように、各組に分かれて旅行いたしておりますので、その辺のところも十分にできる限りの調査をいたしたいと考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 当然だと思います。  それから時間がございませんし、関連ですから、全部言ってしまいますけれども、どうもこの中に書いてございますように、修習生の全市民的な生活全部を管理して、そして型にはめようという態度がどうもこの調査によると見えます。教官が高圧的で、私の考えで言いますと、勉強の点でも学問の点でもあるいは人格の点でも修習生を指導し得べき人でなければならぬのに、勉強はしないで高圧的な態度で研修生に臨んでおるのではないかと考えられる節がございます。  これを一、二挙げてみますが、書かれましたアンケートの中に「教官が高圧的で、都合の悪いところは必死でごま化そうとする等、その態度が卑劣である。研修所は修習生の全市民的生活を管理しようと画策しており、義務のみを強調して極めて不当である。」という書き方でございます。  それから青法協の問題について、「青法協について語り合うつどい」のビラを張ったところが、民裁のある教官が歩み寄って、そこに名前の出ておる人を見て自分の席に帰ってチェックをした。修習生の見ておる前で青法協に対する教官の態度が出たわけであります。  別なところでは、自主的な活動ということで、「教官の発言や起案講評の中で自主的活動をやっている者に対するいやがらせや皮肉のようなものを感じる。」「教官は修習生を一個独立の人格と認めているのか」どうか疑問に感ぜられる。  それからもう一人の人ですが、「自主的活動を白眼視するような発言が一部の教官からなされているのは遺憾である。」と書かれております。  それから、これは法の原則に関連してでありますが、こういうことが言われております。一組の刑裁の教官の発言で、よく刑訴法の教科書には、一人の無事をつくってはならない、一人の無事といえども絶対に罰するなということが書いてあるが、「ひとりの有罪も逃さないぞという心構えも必要だ、今後実務修習の中ではこの心構えでやってほしい。」と教官が発言したと批判をしております。一人の無言辛の者をつくってはいかぬ、無事の者を罰してはいかぬという、これはよく言われる刑法上の原則ですが、それに対して、一人の有罪も逃さないぞという心構えでやることがおまえたち修習生の心構えでなければならぬという、これは発言であります。  それからもう一つ、公害問題について民裁の教官から、「お前は世の中の見方が甘、例えば公害公害というが、公害で一番金をもうけたのは弁護士だ。そういう見方もできる」と言われたそうです。「また旅行のコンパでは、お前のような」、公害問題に熱心な「お前のような悪い奴はいない。」と言われた。  それから給料をプール制にしたらどうだといったような話もしたということですが、それは一つの意見としてならとにかくですが、教官が公式な意見としてはどうかと思います。  それからこういうことが言われておる。「私は過去に法律に触れるようなことをした修習生を事前にもみ消してやった。そういうようなルートを知っているから、君たちも」悪いことをしたら「いつでも教官のところに来なさい。」と、これは教科の中で言われたという話です。  それから落第を示唆しながら修習生の指導をしようとした例が二つ言われておりますが、検察教官では、落第の危険のある人は一人半ある、その一人は何々君でと具体的に名前を挙げて話をしたということでありますが、これが教科の中で言われたことか、あるいは友達のおるときに私宅で言われたことか知りませんけれども、名前を挙げて、おまえたちの中にはこういう人間で落第の危険があるということで教官の言うことを聞かせようという態度は、私は教官の態度ではなかろうと思うのです。もう一つ「落第問題をちらつかせ、修習生を研修所教育にのみ閉じ込めようとする発言が目立つ。」と書いてございます。  これらの点はお読みになったらあったと思いますが、それぞれ相当問題のところでございますから、最初申し上げましたように、ひとつ弁明だけではなく、客観的な事実を調査してもらって、別の機会に報告をなされると思いますけれども、私は最高裁としては断固たる処置をとられることが研修所の権威のために必要だと思いますが、最後に重ねてもう一度お尋ねをいたします。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 ただいま相当な項目にわたりまして御指摘がございました。その項目の一つ一つの言葉のそれだけをとってみますと必ずしも妥当ではない言葉等もあるように私も感じております。ただ、これは全体として十分調査をいたしますので、そういう事実の有無といったようなことにつきましてはそのときまで留保させていただきたいと思いますが、ただ御承知おきいただきたいと思いますのは、決して研修所が修習生を一つのからに閉じ込めて全二十四時間の管理体制を確立しようなどということを考えておるものでないことは当然でございまして、これまでの長い研修所の伝統ということから見まして、法曹として巣立ってくる後輩の指導育成という意味で信頼を込めていろいろの話をしておる。その全体の言葉の中のある部分、それだけを抜き出してみますとあるいは穏当を欠くというものもあろうかと思いますが、私は全部の中から真意というものをお読み取りいただくこともまた必要ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。しかしいずれにいたしましても、御指摘ございます。ちょっと困難でございますのは、どなたがそういうふうなことを書いておられるのかよくわからない無記名のアンケートの調査結果でございますので、なかなか事実の調査は困難であろうかと思いますが、できるだけのことの調査はいたしたい、このように考えております。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 青柳盛雄君。

青柳盛雄日本共産党・革新共同

○青柳委員 先ほどから質疑の行われておりますこの問題、非常にショッキングなことでありまして、いわば世間では余り知られていなかった司法修習生の研修所内部の実態が白日のもとにさらされたという感じがいたします。これほどまでに司法研修所が、言ってみれば退廃をしているのか、荒廃をしているのかということを痛感をするわけであります。私ども、司法研修所が憲法のもとに求められている法曹を養成する場所としてわれわれの国費がそこにつぎ込まれている、そこで一体何が行われていたのか、黒い幕に閉ざされていたのがはからずもはっきりあらわれてきたという感じがして仕方がないのであります。マスコミもこの点については相当驚きの目をもっていまさらのごとく司法研修所の内部に目を向けていく、注意を向けていくという状況ではないかと思います。  昨日、湯島の研修所に婦人の弁護士さんたちが連名で、六十二名の連名だそうでありますが、質問書を持っていかれた。約十名くらいの方が代表してこれを所長に手渡して詳しく申し入れる予定で行かれたようでありますが、所長はおられなかったかどうか知りませんけれども、所長の代行という形かもしれませんが、問題の川崎事務局長が出られたようであります。川崎事務局長は所長を代行するような権限があるのでしょうか、その点をまずお尋ねしたいと思います。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 事務局長は司法研修所所長の命を受けて事務局の事務を掌理いたしますので、そういう意味において所長のかわりにお目にかかったということのようでございます。

青柳盛雄日本共産党・革新共同

○青柳委員 その際事務局長は、自分は当事者的な立場でもあるからと言って、発言をしていいかどうか迷うような面も感じられたようでありますが、しかし、いま御答弁のように代行することもできるという考えで発言をしたようでありますが、冒頭に何と言ったかというと、この質問書を見て大変びっくりした、もしそういうことがあれば修習生が言うはずなのに、中から声が出ないで外からPTAのような立場の人が来たことに驚いた、中から声が出ていないで突然でびっくりした、こう言うのです。この中から声が出ないということを一体川崎事務局長はどのように考えているのか。確かにこのような驚くべき事態があるならば、中から研修所の当局に対して抗議をするということも当然あっていいわけでありますけれども、それがなされないで、外部から、この川崎事務局長の言をもってすれば、PTAのおばさんたちがやってきた、これは驚いたというようなことになっているのか。これは締めつけがどんなにひどいかということの反映ではないかと思うのであります。だから、自分からこの問題を当局側に出していくことはできない。そして自分たちの立場をよく理解してくれると思われる先輩の弁護士、特に婦人弁護士の方々に訴えたということが考えられるのでありますが、なぜこんな状況になってしまったのか、この点反省したことがありますか、最高裁当局として。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 修習生の代表の方はしばしば所長、事務局長等に要望等があります場合には面会を求めております。そしてその際には大体所長、事務局長がお会いをしておるという状況だと承知をいたしております。そういうことを前提にしまして、そんなことがあるならばまず自分のところに言ってきてくれたらよかったのではなかろうかという感想を漏らしたのではなかろうかというふうに承知いたしますが、そんな御質問のように締めつけといったようなものがあるというふうには実は私どもは考えていないわけでございます。

青柳盛雄日本共産党・革新共同

○青柳委員 二八期任官拒否に反対する会というのが発行いたしました「新たな司法の危機に抗議する 研修所と裁判の現状の告発」という文書があります。これは相当長文なものでありますが、その中に「任官志望者の状況」というのが二十三ページから書かれておりまして、そして任官志望者A君からD君までの手記が載っております。そのB君という人の手記を読みますと、「何故こうまでして任官しなければならないのか。何をするにしても、相手(教官)の監視の眼をうかがいながら行動しなければならなくなっている自分に気付く。やろうとすることが正しいか否か、好きか嫌いかといった判断が先に立つのではない。これを教官が知ったらどう自分にはね返ってくるか、ということが、先ず始めに頭の中の不安として動くのだ。修習生の中にも教官に情報を提供している人がいるようだし……。教官は何から何まで自分たちのことを知っているくせに、ことさら自分ら任官志望者を試すような質問をしてくる。とぼければいいと思ってはいるものの、実際に聞かれてみるとどう答えようかと戸惑いあわてている自分に気付く。そんなみじめな思いをしてまで任官しようとしている自分は果して何だろうか。」これは非常に短いのですけれども、研修所の中の教官と修習生との関係というものがよくあらわれていると思うのです。  その典型的なものは、今度発行されたもの、五十一年四月に研修所が印刷にして三十期の修習生に渡し、そしてアンケートによれば九〇%ぐらいの人がこれを読んでいるようであります。その「司法修習生心得」昭和五十一年四月という、これを見ますと、もう完全に、いま修習生が手記の中で述べているようなことを裏づける締めつけといいますか、修習生の伸び伸びとした自主性を束縛するような文書になっております。     〔委員長退席、田中(覚)委員長代理着席〕 そしてしかも、国民から給料をもらっているという意識はどうも薄いんじゃないか、そして「日本人が伝統的な道徳や義務の観念を捨て去り、全く欧米型になるのなら日本の存在価値はなくなる。」というような修習日誌の一ページを紹介している。そしてもう修習生が自由に行動することはほとんどできないように、つまり私もこれを見て驚いたのでありますけれども、修習生には休暇というものはないのだ、修習を要しない日として日曜日、祭日、それから年末年始の休暇、これだけがあって、それ以外は全部修習を要する日であって、これはもう病気その他正当な理由として認められない限り、もし休めばすべて欠席とされる、そういうような形。それからいま言いました修習を要しない日であっても、旅行には一々許可を必要とする。海外旅行はもちろんですけれども、国内旅行でもよそへ行って泊まるということがあるならばこれは当然であるし、泊まらないでも、東京、横浜、浦和、千葉管内以外は、たとえば群馬でもあるいは茨城でも、もし泊まるようなことがあれば当然でありますけれども、泊まらないでも許可をとって行きなさい、新幹線で大阪へ往復するなんということは当然許可が必要である、こういう窮屈な状態が定められている。     〔田中(覚)委員長代理退席、委員長着席〕 まことに過酷な事態であります。最も極端と思われるのは、エチケットなるものを教え込むのだということで、教官の自宅または事務所を訪問するときには手みやげを持参しなさいというようなことまで言っている。ノーネクタイ、サンダルばきなどは論外であるという、上着も着なければいけないというような小学生の子供に教えるようなことまでいっぱい書いてあるわけであります。  ところがこれがどういう効果を持つのかということで法律家らしく修習生諸君もみずから勉強はしているようでありますが、こんなものに拘束される筋合いは憲法上あり得ないのだと仮に思っても、しかしさっき言いましたように、教官が任官ができるようにするかどうか、あるいは卒業して弁護士になるチャンスを与えてくれるかどうか、こういう点で生殺与奪の権を握っているというような雰囲気ができておりますから、自分たちの考えを持ってこの修習生心得に対処するということもほとんど不可能なようなあるいは困難な状況になっている。これを考えますと、今度のような問題が起こったのは決して偶然ではないというふうに思います。  そこで、先ほどの川山奇事務局長のほかのA、B、Cという裁判官の名前でございますけれども、これも昨日関係者が研修所の前で配られたビラに参考資料として質問状の写しが載っておりまして、Aという裁判官は中山善房刑事裁判教官、それからBという裁判官は山本茂刑事裁判教官、それからCという裁判官は大石忠生民事裁判教官であるということが大体わかります。それに間違いありませんか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 Aという教官は中山教官、Bという教官は山本教官、Cという教官は大石教官でございます。

青柳盛雄日本共産党・革新共同

○青柳委員 そうすると、先ほど稲葉委員からのお尋ねにお答えになったときに、それぞれの関係裁判官からの書面が朗読されましたが、恐らくいまのとおりの方が、たとえばAに該当するのは中山裁判官だと思いますけれども、先ほどのお話では、二年間の修習の中で得た能力を腐らせるのがいいと言ったのは、家庭に入ってそして国費のむだ遣いのように見えるけれどもそうではない。積極的な修習をされ、そして法曹にはならなかったけれどもそれはむだではなかったというふうに言ったんだというまことに合理的な考え方で発言したように聞こえるのでありますけれども、実はそんな単純なものかどうか。やはり婦人は家庭に入るのが最も幸せではないだろうかということを前提に置いて言ったというふうに受けとめるような雰囲気である。だからこそ、この教官の憲法感覚を疑わざるを得ないというような趣旨のことが、先ほど指摘されたクラス連絡委員会のアンケート結果報告でも読めるのであります。この点はその場におられた多くの人々からの印象を調査すればよくわかることでありまして、私どももこの方が将来任官されるかあるいは弁護士になられるかはわかりませんけれども、別にこれに影響力を与える立場ではありませんから、調査する可能性は十分あります。しかし裁判所当局の方で、この関係者から全部調査が可能であるならばぜひこれはやってもらわなければならぬというふうに思います。同様のことは川崎裁判官についても言えると思いますし、それから次の山本裁判官について言いまするならば、これは三人の女子修習生を次々に自分の席の前に座らせて、そして約三十分間ぐらいにわたって話を聞いたということでありますから、話を聞いたというよりもむしろ話をしたという方が正確かもしれませんけれども、すべての関係者から聞くことは私どもも必ずしも可能だとは思いませんけれども、しかし一対一だから、相手が将来任官しようなどと考えておれば絶対に詳しいことは言わないであろう。言えばもうにらまれて二度と再び自分たちの希望するような任官とか何かはできなくなるだろうというようにたかをくくって、真実でないことをいま最高裁に述べている、物に書いて出しているということであったとするならば、これは大問題、裁判官がうそをつくということになりますから、全く適格性を疑わざるを得ないことになるわけでありますが、先ほど読んだのだけではどうもきれいごとのようでありまして、私どもが伝聞しておるところによると、日本民族の血を残すことが大事なんだ、女性はそのために家庭に入るべきであって、どうも司法官などになると縁が遠くなる、親も嘆くというようなことが主題になって、やはり奥さんになるべきであって、法律家として社会で活動するなどということは考えてみたらどうかと言って、具体的には現在すでに裁判官になっておられる女性の例を引いて、この人の生活というのは非常に不自然なものである、女性としてはかたわのようなものであるというような言葉まで言ったというのであります。こういうことは、指摘された女性について、つまりすでに裁判官になっておる女性について本当にそんな状況かどうか確かめてみればすぐわかることなんで、また事実、私どもの調べでも、その点はそういうふうに何かかたわであるというような状況ではないわけです。しかもそのときの雰囲気というものは、面接試験を受けるときのような状況であって、自分たちは全部あなたたちのことは知っておるのだというようなことを言い、そしてそれは何か雰囲気として余りにも厳しいような感じもしたけれども、相手方の婦人とすれば、少しも悪いことはできませんねと言って、ばつを合わせるというか、相手方の言葉に照応するようなことを言ったら、すぐ食らいついてきて、何か一つや二つ悪いことをやっておるのだろう、悪いことに違いないのだから言いなさいといったような形で絡まれたというのですね。全くひどいものだと私は思うのですよ。  それからまた別な御婦人についてみると、あなたはいろいろの職歴を持っておるようだけれども、勉強が好きなのかというようなことで、やはり勉強好きな人間というのは婚期もおくれるし私はきらいだというようなことを言う。趣味はどうかというようなことで、絵をかくと言ったら、その絵を持ってきてごらんなさいというようなことで、持ってき方によってはあなたの状況というものもわかるのだというふうに、まことに白けざるを得ないような状況であったという。いずれにしても、女性が勉強するとか裁判官になるとか検事になるとか弁護士になるというようなことは好ましくないということを説得する立場のようにして女性に対応する、こういう傾向が見受けられるのであります。こういう状況というものは、先ほど読まれたようなものではとうていわからない。  それから、大石裁判官の場合は、生理休暇で休むとほかの人の迷惑になるのだというようなことを言う。これは弁護士でも同じだというようなことは、どうしてそんなことが言われるのか。これは何も裁判官だけではなく普通の女性であっても生理休暇というのは当然あるわけだし、周囲に迷惑をかけるな、そういうことで婦人を職業から締め出すような考え方は時代錯誤もはなはだしいとわれわれは考えるのですが、これが先ほどの文章では、いやそんなことはないのだというふうになる。  いずれも驚くべき考え方でありますが、この修習生が見学旅行に行くということは、修習の一課程でありますから、私どもも反対する筋はありませんけれども、そして懇親会を開くことも悪いことではないと思いますが、そこで、先ほどアンケートから読まれたように、女性の修習生にお酌をさせるというようなことが、ちょうど役所で女性の公務員にお茶を持ってこいというのと同じような感じで酒席で酌をさせる。それに応じなければ胴上げをしたりするというような、そういうことが現実に行われているということを見ますというと、とてもこれはまともでは考えられない。婦人べっ視もいいところである。  さらに驚くべきことには、裁判教官の部屋というのがあるそうでありますけれども、ある教官が刑事裁判官室でマージャンをやっている。これは恐らく裁判官同士でマージャンをやるのだろうと思いますが、何かマージャンをやるに当たってかける、いわゆるかけマージャンをやっているようなふうで、勝ち負けを全部記録にとどめるのだそうです。そしてこれを番号をつけておくのだそうです。だから教官に一番から何番というように番号をつけておいて、その何番と何番を買えば幾ら当たるという、いわゆる馬券のような、一口百円で馬券を売っている、買わないかということを修習生に勧めるという一幕もあったという。これに至っては、マージャンをやるなというわけではないけれども、いくらギャンブルの流行する社会といいながら、かけマージャンをやる、あるいは馬券にして一般に売りつける。これは果たして事実とすれば大問題だと思うのですね。ただ、そういうことが冗談まじりに言われたというにとどまるのか、真実そういうことが行われているのか、これは絶対によく調べなければならぬ問題だと思います。  それから、修習生が先ほど言いました、旅行に行って、二次会のときに野球けんを始めた。修習生は裸にならないのだけれども、教官だけは裸になってしまうのですね。しまいにはまる裸になったそうでありますが、これはたまたま善意で写真をとった修習生があってこれを焼き増しされて記念に配布された。たまたま私の手にも入りましたが、これに写っているこの裸の男性はまさに川崎事務局長であり、山本刑事裁判教官であります。これはそのとおりかどうか、ひとつごらんになっていただきたい。確認をしていただけませんか。違うのなら私は取り消しますけれども……。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 いま写真を拝見しまして、ゆかたの肩脱ぎになっておる写真が写っておりますが、この中に三人ございますが、三人はいずれも教官方ではなかろうかというふうに思います。

青柳盛雄日本共産党・革新共同

○青柳委員 これが裸で修習生と対処して、そしてざっくばらんのところですね。かみしもを脱いで裸で対応するという、そういうような意味のこれは裸ではないと私は思うのですね。裸と裸ならば修習生も裸になればいいわけでありますけれども、修習生はちゃんとゆかたを着て、そして教官だけが裸になっている。これは不思議な現象なんですね。これはやはりざっくばらんということの域を脱して、幾らか羽目を外し過ぎている。つまり、最近修習生が非常におとなしくなって抵抗運動などはしない、それで気を緩めてこういうことになったのか、その辺のところはよくわかりませんけれども、いずれにしてもこれは問題だと思います。  そして、この川崎事務局長は、昨日婦人の弁護士さんたちが行ったときに発言している中で、女性差別の問題として形があらわれてくれば問題だけれども、形にあらわれなければ別に憲法違反にはならないのだ、実質は差別であっても形に出なければいいんだという趣旨の――これは形というのは私にはよくわかりませんが、考えてみるに、制度的に女性を排除する差別するというようなことでなければ、実質的には差別されてもそれは問題じゃないのだというような言動のようにとれますし、また、最近の趨勢とすれば、婦人がどんどん社会的に活動するということはもう防ぎとめようのないことで、自分たちがその流れをせきとめるというような気はない、だから、世界の趨勢にまで逆らってせきとめることはできないけれども、わずかながらでもこういう形で婦人に思いとどまってもらうような運動はしなければならないと思っているという本心が出たのではないか。酒の席で本心を出して何が悪いんだ、酒の席でなくとも、うそを言うことは私はきらいだから、本当の気持ちを出すことば構わないのじゃないか、それまで統制されたんじゃ問題だと言わんばかりの発言をしたらしくて、大変にまたこれは問題を起こしているわけでありますが、そういう風潮は社会にもあるんじゃないか。  たとえば、きょうの読売の「編集手帳」などを読んでみますというと、どうも時代おくれの差別観念を持っている教官がいるという事実は一つの反面教師として貴重な存在だというような皮肉ったことも言っておりますが、同時に、こういうことを国会で問題にする、あるいは日弁連が問題にするなどということは何か正しくないんじゃないかといったような、要するに少数の教官の非公式発言まで糾弾するのは、一種の思想統制だなどという、何かお門違いな意見まで出されている。こういう考え方があるから、何でも正直にさえ言えばそれが正しいのであって、かみしもを着ていたやつが悪いんだというような、偽善であるというような、ちょっと倒錯した考え方が川崎事務局長なんかの中にあるのじゃないか。  よく裁判所では公正らしさとかいうようなことを問題にいたします。私は虚偽的な「らしさ」は余り感心したものじゃなくて欺瞞だと思いますけれども、常に公正であることを願う、そして婦人をべっ視するような考え方が幾ら正直自分の腹の底ではあっても、なるべくそれをなくするような努力をする。したがって、言っていいことと悪いこととがあるとよく世間で言いますけれども、言って悪いことは言わないようにする、つまり言わないような心境になる、そういうことが大事ではないかと思うのです。正直でさえあれば何でも言っていいんだ、それがこういうふうな教官というような地位についていて、また世論でもそれを容認するというようなことであったらこれは問題だと思うのです。  こういういままでずっと私が述べたようなことについて、最高裁としては反省されたことがあるのか。それからこれからも反省するために施策をとるかどうか。たとえば、端的に申しますけれども、これらの諸裁判官について分限事件として処理するような考え方はあるかどうか。これは当然私はあってしかるべきだと思うのです。もしなければ弾劾裁判所に訴追をされるというようなことにもならざるを得ないことも予想される。こういうものは双葉のうちに摘み取っておかないと、放置すれば司法がますます荒廃してしまうという危険をわれわれは感ずる。憲法違反がまかり通るというようなことにわれわれが目をつぶっているわけにはいかないわけでありますから、この点ひとつ最高裁としてどういう措置をとられるのか、お聞きしたいと思います。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 御質問の事項が非常に多岐にわたっておったように思います。あるいはお答え漏れをいたすかもしれませんが、その際は追加してお答えさしていただきたいと思います。  まず最初に、B君という方の例、手記をお読みになりまして、締めつけが非常に厳しいのではないかというお話でございますが、私どもは、現在の司法修習生の研修所における教育といったようなものが、おっしゃるように締めつけの厳しいものというふうには考えておりません。麗しい司法の伝統というものを受け継いでいくために、法曹全体が教育をしなければいけない問題でございますので、その点には十分留意をしてやってきておるつもりでございます。  九十日の休暇の問題でございますとか、旅行の許可の問題等、青柳委員は何か最近の問題であるかのような印象をお持ちではなかろうかというふうに拝察したわけでございますが、そういった規則は、最も新しいものでも昭和三十四年にできておる規則でございまして、何もきのうきょうにそういった規則をつくったものではないわけであります。二十三年、二十八年、三十四年といったような当時から存在する規則でございます。  次に、中山教官、大石教官の発言についてお述べになりましたが、私どもは少なくとも昨日までの調査をいたしました範囲内において、中山教官、大石教官につきましては、女性差別の考え方、それに基づく発言というものはないというふうに考えておるわけでございます。  川崎事務局長、山本教官につきましては、なお調査する必要があろうかと思います。その場に居合わせた方がありますので、そういった方にも十分聞いてみる必要があろうかと思います。関係の修習生について調査をするかどうかということは、これは修習生の教育との関係がございまして、果たしてやっていいことかどうか、その辺についても十分の考慮をいたしました上で、できる限りの調査をいたしたいと考えております。  山本教官が車中等でいろいろと発言をされたということにつきましては、相手が限定されておりますので、調査の方法は十分可能でございますが、調査をすることによる問題点ということもないわけではございません。その辺のところも十分考慮いたしました上でいたしたいと思いますが、ただ山本教官はちょうど年配の娘さんを二人も持っておりまして、先ほどのてんまつ書にもございましたように、自分の娘に対して言うといったような気軽な気持ちから話しかけたという面もあるようでございます。  それから大石教官でございますが、生理休暇云々、生理云々という問題は、これは何度も問いただしましたが、そういう言葉は絶対に使っていない、生理の問題は自分の頭にはなかったということをはっきりと申しておりますので、私どもは事実はそうではなかったろうかというふうに考えております。  それから、お酌をさせるとか胴上げというような問題、これは修習生が全員で懇談会を開くわけでございまして、そのお酌というのをどういう場面をとらえてどういう観点から言ったのか問題でございますが、私どもは、お互いにお酒をつぎ合っておるというようなことはあるいはあるのではなかろうか。役所の懇親会というような旅行会等で、男女が一緒に席に座りまして懇親会を始めるという普通の状況と別に変わりはなかったのではなかろうかというふうに思います。  それから、マージャンでございますが、刑事の教官方がマージャンをしておるということは事実のようでございますが、これは教官室でマージャンをするということではございませんで、刑事の教官方がマージャンをよそでする、こういうことであります。何度も同じようなメンバーでやっておりますれば、点数の勝った負けたという累積ができるわけでございます。ただそれだけのことだというふうに承知いたしております。  馬券云々の問題は、これはいわば懇親会の席上の座興の言い方でございまして、それ以上の何ものでもないと考えております。  野球けんをやって裸になったということと、先ほどお見せいただきました写真とを結びつけておられるようでございますが、私どもが現在まで調査いたしました範囲においては、野球けんの裸とその写真の裸とは全然関係がないというふうに考えております。この辺のところは写真にも写っておりますので、人物もはっきりいたしております。その点十分の調査をいたしてみたいと考えております。  川崎事務局長がお見えになった女性の方々にいろいろとおっしゃったことがあるようでございますが、制度としてない限りはどんな差別をしてもいいと、そんなことを川崎局長が言うはずはないわけでございまして、これも十分に調査をさせていただきたいと思います。  公正らしさというものが必要であるというふうに御主張になりましたが、私もその点は全く同感でございまして、かねがね公正であることのほかに公正らしさというものが必要であるということは当委員会等でも申し上げてきたところでございます。その辺につきましては十分この問題に限らず一般に戒心をしていきたいところであるというふうに考えております。  以上、いろいろ御指摘がございましたが、十分に調査をいたしまして、どのようにこれを扱っていくかということについてはその上で慎重に考えさせていただきたい、このように考えております。

青柳盛雄日本共産党・革新共同

○青柳委員 終わります。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 沖本君。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 一番おしまいになってしまいまして、あと十分ぐらいしか質問時間が残ってないわけで、同時に、ほとんど御質問が出てしまいましたし、私たちが承っていないような内容も青柳先生が御指摘になったわけで、私とすれば締めくくり的な御質問に終わるのじゃないかと考えておりますが、まず、これはこのまま放置されますか。内容が大分指摘されましたけれども、このまま採用をお認めになるか、これは問題としてなくするか、その辺いかがですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 いまのお尋ねの件は、「修習生心得」の問題であろうかと思います。これは実は、そこの「はしがき」のところにもあろうかと思いますが、毎年修習生が入ってまいりますと、事務局長が修習生として研修所に来るということについていろいろの心得の話をいたさなければならない、また、いたしてきたわけでございます。ところが、そういったような際に、もう少ししつけの問題といったようなことについても話してくれた方がいいのではないかということは、全国の裁判所、検察庁、弁護士会の指導担当者協議会というのが毎年全国から集まって開かれますが、そういう席上でもしばしば話題になることがございますので、そういったこともひっくるめて、入所の際に事務局長が話をするということにいたしたものでございます。そして、話をしっ放しにいたしますと、どうしてもそのことを聞いたとか聞かないとかいうようなこともございますので、話をしたことを、原稿と申しますか、そういったものをこの文書にまとめたものでございまして、それがいま、お手元にある「心得」でございます。  そういうことによってできておるものでございますので、その回の都度内容が変わっていくということももちろんあり得るわけでございますし、何もこれが確定的なものであるというわけのものではもちろんございません。いろいろの御意見等もございますので、また新たに話をいたします際には十分その辺を検討いたしまして、もし訂正した方がいい、直した方がいいと思われるような点があれば、それは当然直すことになるのではなかろうかというふうに思います。お手元のものは、あくまで五十一年に入所いたしました三十期の修習生に話をした、それをタイプにまとめたもの、こういうふうに御了解をいただきたいと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これが何か材料になって、それでそのことによってこの「心得」とは違うことになる。たとえば、ここに述べられておりますけれども、「このことは、裁判所法六八条及びこれを受けた司法修習生に関する規則一八条が、司法修習生に品位を辱める行状があったとき、修習の態度が著しく不真面目なときは、これを前述の法曹養成の機構から追放することとしていることからも明らかであろう。」こういう点がここにもありますし、その点と、それから私たちこれを読ましていただいて、これはやはり活字にするのはもう少し中身をよく検討していただいて、われわれでもやはりこれは問題にせざるを得ないというふうに考えられるわけですけれども、たとえて言うなら、「修習日誌の一頁から紹介しておこう。」というのがありますけれども、このおしまいの方だけをとらえてみましても、「国民から給料をもらっているという意識はあってもいいのではないか。日本人が伝統的な道徳や義務の観念を捨て去り、全く欧米型になるのなら日本の存在価値はなくなる。よき伝統は承継したい。しかし、一般的にいって前期と比べ修習生は大人になったようだ。寮も前期に比べ静かで住みやすい。」こういうふうなことはちょっと問題があると思いますね。欧米型になったらいかぬとか日本型を捨てたらいかぬとか、こういうことはやはり個人の中にあることであって、こういうこと一つとらえてみても、このことを活字にして出すということすら私は問題があるのじゃないかと考えられますし、ここに述べられておるこの規則に従ってというようなことがありますと、この心得自体に反するからどうこうという問題も起こってくるのじゃないか。ただ、おっしゃったとおりに訓辞程度に心得を話しておく、心得程度なんだというのであれば、言葉の上のことで心得を話していけばいいことであるのではないかと考えられます。  それで、この件に関しましては、いわゆる「品位を辱める行状」、「修習の態度が著しく不真面目」、この二つの基準はどういうものを基準としておられるわけですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 「品位を辱める行状」ということで通常典型的に考えられますのは、犯罪行為を犯したような場合でございます。これは修習とは直接関係がございませんが、全体として品位を辱めるということになるのではないかというふうに思います。「修習の態度が著しく不真面目」というのは、たとえば出欠常ならず、ひどいのになりますと行方不明になってしまうというようなのがございます。そういったものが典型的なものとしては考えられるのじゃないかと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 その追放ということを決定される場合、ただ、この規則に反するからおまえさんを追放するのだということになるのか、一つ一つの行状を本人に伝えてそうなっていくのか、この心得からいくと、服装を乱してもならないし、長髪であったりひげなんかつけておったらいかぬとか、そういうのが大分出てくるのですね。そういうことも全部その中に含まれるのかどうかということもここから疑問が出てくる、われわれでもそう感じざるを得ないということになりますけれども、その点いかがですか。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 修習生の中には、学生時代の延長というような観念でございましょうか、開襟シャツにサンダル履きで授業を受けに来るというようなことも間々ございますので、それでは少しひど過ぎるのではないか、やはりきちんとした服装、いい服装という意味ではございません、きちんとした服装をして来るのが品位を保つゆえんだということで、エチケットを述べておるわけでございますが、たまたま上衣を持ってこなかったから直ちに品位を辱める行状があって罷免するというようなことになるはずのものでないことは、これはもう十分おわかりいただけることだろうと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 ですが、先ほどからのいろいろな質問のやりとり、それから教官のおっしゃっている内容とか、人事局長は、このアンケート自体無記名だから調べようもない、むずかしいという点もお述べになりましたけれども、ないことをそういうふうにアンケートをとるはずもないということになるわけですから、先ほどからのいろいろなやりとりを伺っておりますと、結局そういう事実はなかった、なかったというお答えでずっと返ってきているわけですけれども、そのこと自体もわれわれ聞いておってどっちが本当なのかわからないわけなんですね。それが不確実なものであったら、そんな形で大きい問題になってくるとは常識的に考えられないということもあるわけですから、これはやはり一連的なものである、そういう傾向のもとの活字であるというふうな判断をせざるを得ないということになりますと、一つの証拠であって、そういう傾向がここにもこうちゃんとあるんじゃないかというふうに私は感ずるわけなんです。そういう点からも、やはりこの問題は相当重視していただいて、結果的には当委員会に改めて一つ一つ全部ということにもいかないかもわかりませんが、できるだけ正確な御調査をしていただいて、そして委員会の方に何らかの形でお調べになった結果を御報告いただきたいという点。  それからもう一つは、こちらの私どもがいただいた申入書の中にあるのですが、三番目のところに「これまでにも、司法研修所の教官の中に、女子修習生が裁判官に任官することを歓迎しない傾向がみられ、現に、任官を志望している女子修習生にその志望を中止するよう強力に説得をした教官もありました。そして、最高裁判所も、女性の裁判官任官は歓迎しないことが、公式にも表明されました。」こう出ているわけですが、公式に表明されたことがあるのでしょうか。あればそれはいつなんでしょうか。どういう形で表明されたのか。それと同時に、ということはいまは下級裁判官を含めてすべての裁判官の中に女性裁判官はいらっしゃらないのかいらっしゃるのか、その点教えていただきたいと思います。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 服装等規律をきちんとするということと締めつけとは違うと思います。服装はやはり修習生というものの品位というものを保つ上においてきちんとすべきものだと思います。しかしそれを即締めつけというふうにおっしゃられることは非常に残念でございまして、そういうつもりでやっておるわけのものではございません。ただ、きちんとした服装をもっても伸び伸びとやることは十分可能である、こういうふうに考えております。  それから申入書というものの中の、最高裁判所も公式にそういうことを発言したという、どこを指すのか私どもはよくわかりませんが、私も人事局長になりまして五年半ぐらいになりますが、私が人事局長といたしましてそういった男女差別をするということを公式に発言したようなことは絶対にございません。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうすると、最高裁の方は女性の裁判官を採用しないことはないというふうに受け取ってよろしいですか。と同時に、女性の裁判官はまだ採用してはいらっしゃらないわけですか。それは採用に足るだけの人がいなかったということになるわけですか。その点だけ……。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 毎年大体女性の裁判官、数名御希望がございますが、少ないときは二名ぐらい、多いときは五名、六名、大体ほとんど一〇〇%と言っていいほど採用をいたしております。今後もいい方がお見えいただけるならば幾らでも採用さしていただく、そういうふうに考えております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 じゃ数名はいらっしゃるのでございますね。今後もどしどし採用するという方針に変わりはないということですね。  以上で質問を終わります。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長 吉田君。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 質問をすることが三つほどございますので、簡単な方からお尋ねいたします。  最初は、監獄法改正に着手されておるようでありますが、その監獄法改正の基本原則、あるいは私は、監獄法というのは明治時代につくられた法律で、私と同じくらいの年になっておると思いますが、七十年近くなっておると思いますが、国際的に外国においてはこういう古い法律はございません。新憲法のもとにおいて当然に早くこれはつくりかえられるべきだったと思いますが、いま遅きに失しますけれども、ようやく審議会に出てきて着手をしておられるようでありますが、基本原則について法務大臣に伺っておきたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 監獄法改正の基本姿勢及び改正の重点事項について申し上げます。  監獄法改正に対する法務省の基本姿勢を端的に申せば、受刑者について効果的な矯正と社会復帰を図り、また被勾留者について収容目的にかなった適正な処遇を行うよう近代化、国際化及び法律化を目指すことにあります。それは第一に、明治四十一年に制定された古色蒼然たる現行監獄法の形式、内容をともに時代に即応するよう一新し、第二に、国際連合の被拘禁者処遇最低基準規則のほか諸外国の立法に示された世界の矯正思想と実務水準を考慮し、第三に、被収容者の権利義務に関する事項はできるだけ法律において明確にし、法律による行政の確立を図ることにあります。  右の基本姿勢に基づく改正の重点事項として当省が考えているものとしては、たとえば、一、被収容者に対する給養、保健及び医療に関する規定の整備、二、宗教に関する事項の明確化、三、被収容者の不服救済制度の整備、四、受刑者処遇の原則の明確化及び受刑者処遇の基本制度の確立、五、外部通勤、外出及び外泊制度の採用、六、被勾留者処遇の原則の明確化、七、被勾留者の面会、信書等外部交通に関する事項の明確化、八、代用監獄制度の改善等がございます。  以上でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 私も外国の監獄法を二、三勉強してまいりました。細かい質問によってこの原則問題についても法務省当局の意見を聞きたいと思いますが、きょうは時間がございませんので別の機会にいたします。  次は、昭和四十七年八月一日香椎で起こりました動力車労働組合の問題についてお尋ねをしたいと思います。  時間がございませんから事件の詳細を私からはたどりません。これは、検察当局も警察当局も御存じのところでございましょうから触れません。  ところがこの問題について、刑法の一部改正が上程をされました際、通過に当たりまして附帯決議がつけられております。昭和三十三年四月十一日の吉田賢一委員の附帯決議の提案、それが総員起立で成立をしております。それから越えて四月二十二日、参議院でも通過をいたしましたが、その際に、これは大川光三君から附帯決議の提案理由の説明がなされ、そしてそれに対して当時の国務大臣の唐澤俊樹君から、「ただいま御決定に相なりました附帯決議につきましては、政府も全く同感でございまして、」そしてその決議の趣旨に従って「労働運動を抑圧することのないように、警察活動の行き過ぎを戒めなければならないという点、」その他について二点を挙げられておりますが、「立案当時にも全く同様の考えを持ちまして、用語等につきまして十分注意を払ったつもりでございまするが、法律となりました暁におきましては、その運用には、御趣旨に沿うように十分注意をいたして参りたいと思います。」こういう言明がなされておるところであります。  事実は、繰り返しませんけれども、これは第一にお尋ねをいたしますが、私は、法務大臣にもお認めをいただけると思いますが、権利が認められれば、権利を守るために正当防衛という権利あるいは緊急避難という自救行為が認められます。問題は、動労の組合に属しておりました人の中から、これは当局のあれもあったかと思いますが、鉄労の組合員という、その当時の当局のマル生を推進する人が出まして、その動労を脱退をして第二組合に行った人に対する追及が行われた。そして、六月二十一日にその追及が問題になって、四十日ほどたって、八月一日に七名の逮捕者が出ました。そこでその日、八月一日に、不当弾圧、不当逮捕に抗議をし、それから即時釈放を求める集会が行われた。その際に、同日午後、当局の指導機関士の庇護のもとにその問題の蘭良司君というのが動労の組合員の前に出てきた。そこで、当局側とそれから当局側の庇護のもとに出てまいりました蘭君に対して抗議がなされた。約二十分なされたわけでありますが、その当局に対する抗議と本人に対する反省を求める追及に対して、それが証人威迫罪としてその後検挙されたわけであります。そして、検挙されただけでなく起訴されたわけでありますが、私は、労働組合法で団結権が認められれば、その団結権を守るために自救行為というのは当然に認められるものだと考えられますが、労働省から法規課長が来ておられますが、一般論としてお伺いをいたします。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○松井説明員 お答えいたします。  労働組合の活動で正当なものにつきましては、労組法の一条によりまして刑法三十五条の適用があり、罰せられない。つまりいわゆる刑事上の免責があるということになっておるわけでございます。このようなものに対しましては、いま申し上げましたように刑事上の免責があるわけでございまして、これについて刑罰法規が適用されないということでございます。  そこで、正当な組合活動の範囲ということが問題になってまいるだろうと思います。正当な組合活動の範囲につきましては、これは理論的にもいろいろな詳しい説明ができあがっておるところでございますが、御存じのとおり、労働組合は使用者と対等の経済的な地位を確保するという目的で認められておるものでございますから、そのような目的の見地から、そこで行われた活動、手段、そういうものにつきまして果たして正当であるかどうかということでもってその判定がなされるところでございます。そのような判定を下しますに当たりましては、その事件が起こりましたときの具体的な事情、これもまた大いに参考になるところではなかろうかと思います。  いずれにいたしましても、いま申し上げましたとおり、正当な労働組合の活動につきましては、刑法三十五条の規定の適用がありまして、刑事上の免責があるところでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 議論をしている間はないのですが、私は、権利が認められたらその権利を守るためには当然不正な侵害に対しては自救権が認められる。身体あるいは生命等に対しましては緊急避難や正当防衛等が認められる。生命、身体と比較をして、不当にならざる以上、均衡を考えられるとは思いますけれども、自救権が認められる。労働組合についても、団結権が認められる以上、それに伴います自救権というのが認められるというのは、原則的にはいまの労組法の条文なり、あるいは三十五条が適用されるかどうかという例を引いて言われましたけれども、それも一つの例ではございますけれども、それ以前にその権利を守るために自救権が認められるかどうかということについて、いまお尋ねしたわけであります。重ねてお答えをいただきたい。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○松井説明員 お答えいたします。  先生の御質問は、まさしく法理的には非常にむずかしい問題でございまして、いろいろな御意見もあるところであろうかと存じます。  それで、労働組合の正当な活動につきまして、たとえば労働組合法の一条におきまして刑法三十五条の適用を認めているわけでございますが、そのよって来る法理は一体何かというような問題に結局は帰着していくのではなかろうかと思います。それにつきましては、たとえば憲法のいわゆる労働三権の保障を根拠とする説とか、あるいは、むずかしい言葉になりますが、超法規的な違法性阻却事由とか、いろいろな議論はございますけれども、いわばこれは学術的なアカデミックな議論でございまして、私どもといたしましては、労働組合法一条二項によりまして労働組合の正当な活動につきましては違法性が阻却される、そのよって来るもとをたどれば、それは結局は憲法二十八条にたどりつくのではなかろうかというふうに考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 昭和三十三年のときには稻葉法務大臣は法務大臣をしておられたわけではございません。しかし、そのときの衆議院法務委員会の附帯決議あるいは参議院法務委員会の附帯決議、そのときの法務大臣は唐澤さんでしたから代表して答弁をしておられますが、この精神については稻葉大臣といえども変わりはあるかないか、明確にお答えいただきたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 変わりはございません。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 そうしたら、そのときに附帯決議として説明されましたが、提案者を代表して趣旨説明をされました中に、附帯決議の本文を読み上げて、なお、「検察権並びに警察権が、正しいあらゆる国民の特に政治運動あるいは労働組合の運動に対しまして、これが弾圧の意図をもって臨もうとしますると、必ずしもこれは適用せられないのではないのであります。たとえば、先年暴力行為等処罰ニ関スル法律が実施せられました際、立案の当時におきましては、政府は労働運動等に対しまして適用すべきでないということを明確に説明しておったのにかかわりませず、あらゆる大衆運動にこれが用いられまして、その立法者の意思はあとで国民をして非常な危惧の念を抱かしめたことは、われわれは多くの経験を持っております。」と述べられております。そしてその後、参議院で附帯決議が通りました後、当時の法務大臣が、いま稻葉法務大臣も確認されましたが、乱用なりあるいは政治活動あるいは労働組合運動に対してこの法律を乱用をしないという約束をされたわけです。詳細に具体的なことを言って、それにこの法律が適用になるかどうかという話になりますと、これは裁判上の問題になりますが、問題は、あなたの所管をされる検察庁、あるいはこれは別でありますけれども警察庁の末端、これは福岡県で言いますと東福岡署だと思いますが、しかしその警察なり検察庁が――問題は組織の問題、そしてその問題は当局と労働組合との問題でございますが、そこで話し合いをされる、あるいは旧に復せよ云々という当事者同士の話があったとして、その間に、法成立のときの附帯決議の精神ではございませんが、それに警察あるいは検察庁が権力的に介入するということは附帯決議の精神からして相当これは慎重に考えられるべきではなかろうか、こう考えられますが、改めて法務大臣なりその補佐として来ておられます公安課長等に承りたい。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 適法な労働活動、労働運動に対し検察官や警察が不法または不当に介入することは許されるものではないと思います。

石山陽法務省刑事局公安課長

○石山説明員 ただいま大臣からお答えいたしましたように、労働組合の行います組合活動のうち正当なものにつきましては、先ほど労働省からもお答えがありましたように、労組法一条二項の適用があるという点につきましては全くお説のとおりでございます。  ただ、本件の経緯そのものにつきましては、事実関係につきましては、すでに裁判中でございますし、現在控訴審において係属中でございますので、詳細を御説明するのはいかがかと思いますが、一審の判決認定によりますれば、いわゆる正当な組合活動であったかどうかにつきましては、違う観点からそのような判決がなされたものというふうに承知いたしております。     〔委員長退席、田中(覚)委員長代理着席〕

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 法務大臣それからその他に伺いますが、いま労働省もあるいは公安課長も、事件自身は正当な労働組合運動でなかったのではなかろうかという疑問を投げられました。しかし、警察なりあるいは検察庁だけで、その行為が正当な労働組合活動である、ないということをいわば専権的に言っていいんですか。検察の立場からだけ考えますと間違いが起こるということは、附帯決議の精神のとおりだと思います。附帯決議の精神は、警察が自分の目で、あるいは当局から言われたから、国鉄なら国鉄から要請があったからそれは不当な労働組合活動だとして検挙をすることあるいは起訴することは問題だというように私は考えます。それを保障する方法としては、警察だけが認定をすることを防ぐ以外にないのではないか、こういう感じがいたしますが、法務大臣としてどういうぐあいに考えられますか。この附帯決議の精神を生かすにはどうしたらいいと法務大臣として考えられますか、伺います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 検察または警察が職権を行使するに当たって、刑法その他の法律に照らして犯罪の容疑があると思えば、検察または警察の判断である種の処置に出る、これは許されるのじゃないでしょうか。そのことが果たして正当であったか否かの終局的な判断は裁判所によって決定されるという仕組みにいまのわが国の法制はなっているものと私は思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 具体的な事実をここで余り言うことは適当でないと思いますが、衆議院の法務委員会だけでなくて、参議院の法務委員会でも同様の趣旨の附帯決議がついております。そしてその当時の法務大臣も、趣旨のように乱用されないように心がけましょう、鋭意努力いたしましょうと言明をされた。ところが、これはまさに労働運動に関連をして組合を脱退している。なぜ脱退したか。それからこれは、証人威迫罪というのは、その当時の説明によると右翼のお礼参り等を防ぐためにつくる法律だと説明されました。そして説明の中では、何人も尋ねておりますけれども、労働運動に乱用するようなことは許しません、こういう話だった。労働組合は法上認められている。したがってその団結権は法上保障されている。保障されて団結をしている者が団結を壊された場合には、脱退した者に対する説得その他は当然として認められることだと思います。  そこで、労働運動に介入することについてはきわめて慎重にいたします、こう言われた。ところが実際には行われてない。それは起訴するときに証人威迫罪ということで起訴しているわけですから、これは適用しようとしていることは間違いない。それについて、警察の態度は、労働組合と組合員同士の話、あるいは労働組合と会社側との話については、任されて、警察や検察庁が鶏を割くに牛刀をもってするように問題にすることは、刑事政策上、あるいは警察政策上といいますか、問題だとはお考えになりませんか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 問題は検察権、警察権の乱用であるか否かにかかっていることでございます。それからまた憲法に保障された勤労者の団結権、これもまた憲法上の保障がある権利でありますが、団結権という団体を結成する権利または団体に加入しない権利も両方あるのではないでしょうかね。ですから、おれは脱退するというのも労働者の権利ではあるんじゃないでしょうか。その人たちに対し、説得ならいいけれども、警察へ行っていろいろな証言をするのを不当に威力をもって妨害するというようなことになると、少しそっちの方に行き過ぎがあるのであって、それに対し警察権、検察権が適法に介入していくことは、わが国の法制上許されているように私は思うのですけれども、なおその辺の正確な法律論は政府委員をして答弁させます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 政府委員というのは、労働省から法規課長が来ておりますからそれに答弁させようということだと思いますが、常識的にお考えをいただきたい。  団結権も認められておるが脱退をする自由も認められておるという話ですが、それならば、労働組合法をつくって、あるいは憲法で団結権というものを保障する意味はないです。それを憲法で保障したのは、容易に戦前のようにあるいは警察や、まあ検察庁と言ってもいいでしょうが、国家権力で団結権が壊されて有名無実にならないように、この権利は奪うことのできない権利として憲法上保障されておると私は習いました。憲法上保障したのはそういう意味だと思います。そして、この憲法上保障された諸権利は、人民の民主的な権利は、再び日本が軍国主義やあるいは戦争に走ることのないように国民が主権者であるということを明定をして、その上に立って個々の国民の権利が保障されておる、第三章にわざわざ一つ一つ保障されているゆえんだと思います。そうすると、その精神から言えば、戦前のように警察が勝手に考えたから勝手にじゅうりんしていいという性格のものでないということは一般的に言えると思います。  それからもう一つ、団結を壊したことについて説得する自由があろう、こうおっしゃる、そこまではお認めになります。ですから、そういう点から言うと、一つの権利を認めればその権利を守っていくためにはやはり自由権が認められるということ、私の先ほどの意見も一部お認めいただいたと思うのですが、労働問題についてはこういう警察権力が介入する問題に至るものもありますが、その前に団結や団結権を破壊する行為に対しては労働委員会という専門の機関もございます。あるいは労働省という機関もございます。警察やあるいは検察庁が出てくるのは、それは最後でなければならぬというのが労働問題の常識じゃないでしょうか。そういうのを全然待たないで、組合を脱退した者について説得をする、説得をした者を四十日もたって検挙をした、この検挙をさせた告発の当人が大ぜい集まっている集会の場にあらわれた、その当人を取り囲んで説得をするというのは普通人情の結果だと思うのです。そういう問題についていきなり権力をもって検挙をする云々ということは、労働問題としては常識的に考えて避くべきではなかろうか、そのくらいの常識は法務大臣にもあるいは警察庁長官にもあるのではなかろうかという意味で申し上げているわけですが、重ねて答弁を願います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 一般的な抽象的理論構成としては吉田委員の御説にも傾聴すべき点がありますが、問題は、具体的なこの問題について考えてみますと、証人威迫事件、こう言うのですが、傷害の被害を警察に申告した被害者に対し、被告人ら多数が取り囲んで口々に威迫したという事件でありまして、このような行為は労働組合員によると否とにかかわらずとうてい許されるところではありません。現に一審の福岡地方裁判所も被告人全員に対し有罪判決を言い渡しておるようなことであります。最高裁までいかなければ確定はしませんけれども、捜査当局の処置は、こういう点から申しましても何ら国会の附帯決議の趣旨にももとるものではないし、労働組合活動に不当に介入したという性質のものではないように思います、一般論としての理論構成は吉田委員の御質問に傾聴すべき点が私もあると思いますけれども。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 労働省労働法規課長来ていただいておりますが、問題は労働組合の団結問題、それに対する警察権力が直接介入するというのは、その前にすることがあるんじゃないかという感じがいたしますが、労働省としてはいかがですか。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○松井説明員 お答えいたします。  先ほど申しましたように、労働組合の正当な行為につきましては刑事上の免責があるわけでございます。それで、今回の場合に被告人の行動が正当であったかどうかということでもって第一審の判決が出ているわけでございまして、先ほどお話しになりましたように、本件は控訴審で争われているわけでございます。  それで、先生このような組合の活動に対してどういうふうな形であるべきかという問題をお出しいただいたわけでございますが、私どもといたしましては、労働組合の活動というものがやはり正当性の限界を越えない健全なものであるべきであるというふうに思いますと同時に、正当な労働組合の活動につきましては、もちろん抑圧的な形でもって法規が適用されることがあってはならない、これは労働組合法一条二項の精神からいきまして当然なことではなかろうかというふうに思っております。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 労働省松井労働法規課長に重ねて聞きますが、昭和四十七年八月一日、不当弾圧、不当逮捕に抗議をし、即時釈放を求める集会を開いている際に、当局の指導機関士庇護のもとに本人があらわれた。そうすると、大ぜいの目の前にあらわれたら取り囲んで詰問をするのは当然の成り行きだと思いますが、その姿は、告発をしたから云々というお話がございますけれども、あるいは暴行、けがをさせたことがあるから告発をした者について云々という法務大臣の話もありましたが、事件が起こりまして四十日経過をして逮捕をしておる。その間に取り調べだ云々ということがあるかもしれませんけれども、問題は、四十日もたって逮捕するというような、労使問題について果たしてそういう手荒な方法だけしがなかったのだろうか、内部問題として双方の間で話し合いがされるあるいは労働委員会にかけられるというような行為が行わるべき性質の問題ではなかったろうかということを申し上げているわけでありますが、労働法規課長重ねてお尋ねいたします。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○松井説明員 お答えいたします。  労組法の面からは先ほど私の申し上げたとおりでございますが、事は刑罰法規の運用でございますし、刑事政策の問題でございますので、私ども直接所管いたしておりませんので、まことに恐縮でございますが、その答弁は控えさせていただきたいと存じます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 時間が全部で限られておりますから、まだ論議をしたいところでありますが、時間の関係で次の問題に移ります。  問題は五月二十二日神戸、横浜において起こりました華僑の問題でございます。外務省にも来ていただいておりますが、外務省はアジア局長が来られなかったと見えて、北東アジア課長と中国課長、それから社会課長の三人が来ておられますが、これと対照的な国の態度が出ております問題として、最近カナダのモントリオールでオリンピックが行われようとして、台湾から参りました選手が、オリンピックに出席をいたします旗として青天白日旗を使うことが許されなかった、あるいは中華民国という国の名前が使えなかった、それをIOCの委員会でも決められたということを聞きます。これはカナダ等の国交回復をしました国、あるいはカナダのほかにもIOCの中に中華人民共和国との間の国交回復をした国がふえた当然の結果だと思いますが、私は、日本が日中国交回復をし、その際に日中共同声明を出したところであり、その中における中華人民共和国と台湾との関係は、私が申し上げるまでもなく、台湾は中華人民共和国の不可分の領土であるということを日本政府としても認められた。そのことは後の当時の大平外務大臣の記者会見等にもあらわれておるわけでございますが、日中共同声明の解釈としてこれ以外にないのではなかろうか。ここにも書いてございますように、中国を代表する唯一合法的な政府は中華人民共和国政府であり、台湾は中華人民共和国の不可分の領土である、これを日本としても認められる。そうすると、台湾あるいは中華民国、あるいは法律の上で中華民国云々ということが出てくるはずはないと考えますが、外務省の北東アジア課長さん以下三人出ておられますけれども、どなたでも結構ですが、御答弁を願いたい。

藤田公郎外務省アジア局中国課長

○藤田説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生おっしゃいましたように、日中間の共同声明第三項で、中華人民共和国政府が、台湾は中華人民共和国の不可分の一部であるという立場を表明いたしまして、日本側は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重するという立場を明らかにしております。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 重ねて念を押すまでもございませんが、きのう等も外務省から、あるいは外務大臣から言われたことですが、だから、中国は一つであり、中国を代表する政府は中華人民共和国政府である、こうはっきり言明できますね。

藤田公郎外務省アジア局中国課長

○藤田説明員 先生おっしゃるとおりでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 法務省に伺いますが、いまのように日本政府の態度ははっきりしていると思われます。ところが、昭和五十年十二月十三日付で横浜地方法務局に確認書と上申書というものが出ております。確認書は十月三十一日付、それから上申書というのは、日付はよくわかりませんが、恐らく十三日だろうと思います。いずれにいたしましても、共同声明が出、国交回復がされて、日本の立場がはっきりして後の話でございますが、その中に、「中華民国」云々という言葉、「中華民国留日横浜華僑総会」、ただ華僑総会ならとやかく言いませんが、「中華民国」というのが書類に出てきて、それを認めて登記をされるというようなことが起こっておりますが、そういうことが許されるかどうか。上申書にも「中華民国留日横浜華僑総会」と書いてございますが、これについて法務省としてはどういうように考えられますか、御答弁を願いたいと思います。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 お尋ねの件につきましては、仰せのとおり、昨年の十二月十三日でございますか、横浜市中区山下町百四十番地ノ二に所在する建物外三戸の建物につきまして、中華民国留日横浜華僑総会と称する団体がその所有者であるということで、その所有権を証する書面を添付いたしまして、登記の申請がございました。  ところで、その中華民国留日華僑総会なるものは、わが国法上人格なき社団ということでございまして、登記の手続の面では人格なき社団名義で登記をすることは認められない、これは最高裁の判例でもそうなっているわけでございますが、そういうことのために、その団体から委託を受けた七人の個人の共有名義ということで、表示の登記及び保存の登記の申請があったわけでございます。登記所の方では、いろいろ調査をいたしました結果、その申請を正当と認めまして、七人の個人の共有名義で登記を了したわけでございます。その際に提出されましたその団体が所有者であるということを証する書面といたしまして、お示しの確認書等が出されたわけでございますが、その「中華民国」という言葉がございましても、それはそういう人格なき社団が称している団体の名称でございまして、登記官といたしましては、あくまでもその申請に係る建物の実質的な所有者であるかどうか、つまり所有権者はだれであるかということを認定する資料といたしましてこれを扱った、つまり申請人の方で所有権を証する書面としてそういうものを出してまいりましたので、登記所の方では、その書面及びその他のいろいろな書面あるいは調査をいたしまして、所有権者を認定いたしたということになっているわけでございます。したがいまして、そういう当事者が出しました所有権を証する書面に「中華民国」という文字を使った名称が付されておるということになりましても、これによって登記官の方で中華民国という国家の存在を認めたことになることは毛頭ないというふうに私どもは考えている次第でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 法務大臣の御意見を承りたい。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 ただいま政府委員の申したとおりに考えます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 中華民国という国を認めたわけではない。政府としては認めておりません。そうすると、中華民国留日横浜華僑総会というものがあるかないかについてはどう考えられますか。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 お答えいたします。  先ほども御説明申し上げましたところでございますが、中華民国留日横浜華僑総会というのは、わが国法上人格なき社団ということになっておるわけでございます。法人格を有するものでございますと、これは登記をいたさなければなりませんし、登記をいたしますと、登記簿の存在によりましてその法人の存在というものは公的に確認することができるわけでございます。しかしながら、この団体が登記されている団体ではないということでございますので、登記所といたしましては、そういうような団体が存在し得るというふうに認められるということでありますと、一応そういう申請を相当と認めて登記をするということになるわけでございます。したがいまして、そういう団体の所有であるということで登記をしたからといって、それによって同時にその団体が確定的に存在するということまでを確定したわけではないというふうに考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 私の手元には、建物の登記の謄本と、その建物が建っております下の土地の登記の謄本と、それからこれはよくわかりませんけれども、七人の名前が書いてございます――これは横浜地方法務局川島市二氏の名前で書いてございますから、何かの登記の謄本であることは間違いございませんが、それには財団法人中華会館というのもございます。財団法人中華会館と、それから横浜華僑総会というもの、それから中華民国留日横浜華僑総会、三つほどあるわけでありますが、その建物がいまおっしゃるような中華民国留日横浜華僑総会のものであるということは、どうして確認をされたのかを承りたい。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 お答えいたします。  この登記の処理と申しますのは、すでに御承知のように、いわば独任制の官庁といたしまして登記官の判断でするということに現在の法制上なっているわけでございます。  そこで、私どもこの件につきまして、登記官がどのような判断資料に基づいて所有権者を認定したかということを調査したわけでございますけれども、当時、この建物はすでに昭和二十一年に建築されたものでございまして、具体的な月日は不明でございますけれども、二十一年に建築されたもののようでございます。通常の場合、その所有権を証する書面といたしましては、表示の登記あるいは保存の登記は新築に伴ってされるのが普通でございますので、建築の請負の工事契約書、建物の引き渡し書、あるいは建築基準法による確認書、検査済み証等を添付いたしまして、これを所有権を証する書面とするということでございますが、本件の場合には、このように古い建物であるということで、建築工事請負契約書とか、先ほど申し上げたような書類の提出は不可能であったというような事情が認められました。そこで、具体的にはこの建物がこの登記の申請に係る団体の所有であるということを関係者が証明した文書、それから敷地の所有者の証明書、敷地の所有者がこの建物の所有権者を証明した証明書、それからその建物に付せられておりました火災保険契約書等がございまして、それに基づきまして登記官が現地に赴いて関係者のいろいろな話を聞いた。当時の事情といたしましては、問題の建物について所有権者について異議を申し述べる者がない、つまりほとんど異存がない状況のように登記官は判断いたしまして、そこでこの申請が正当であるということで、その後この申請を受理して登記をしたということのようでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 いま建物は三十年ほど前に建ったものだということは認められました。それから、建てるときは、横浜に住んでおりますあるいは神戸に住んでおります華僑の――華僑というものの理解をどうしておられるかわかりませんけれども、横浜、神戸に住んでおります中国籍を持っている華僑の人たちが全部出し合って財産をつくった。だから、華僑の共有財産あるいは公有財産であるということは間違いない事実でございますが、国交回復後中華人民共和国しか中国政府はない。そうすると、華僑にいたしましても国籍は中華人民共和国の人であるということは恐らく法務局といえども御存じであったろうと思いますが、そのことと、華僑とは何ぞやということと、それからその建物の所有権について、所有権をめぐる華僑総会の大多数の人たちが、あるいは華僑総会の建物の管理について問題があるということは全然知らなかったのですか、その点をお尋ねいたします。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 お答えいたします。  普通の場合ですと、所有権の帰属について関係者の間に争いがあるというような場合には、どちらかに所有者をはっきり決めないと表示の登記及び保存の登記は受理しないというような扱いをしておるわけでございます。ただお尋ねの登記の申請の際に、一体当該登記をした具体的登記官に、華僑関係者の間で所有権の帰属について紛争がある、あるいはその建物の管理をめぐって紛争等があるということを知っていたのかということも聞いてみたわけでございますけれども、そういう事実については一切気がつかなかったというのがどうも実態のようでございます。もちろん所有権の帰属の争いということになりますと、これは関係当事者間で最終的には話し合いによって解決をするか、あるいは場合によれば裁判手続等も必要に相なろうかと思うわけでございますけれども、当時の登記官としては、そういうような事実について気がつくことがなかったというのがどうも実態のようでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 最初お尋ねいたしました華僑というのは何ですか。華僑というのは何だと思っていますか。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 これは私の常識と申しますか、私の個人的な見解でもよろしゅうございますか。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 いや、法務省の……。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 法律的に華僑という言葉を定義した法文はないように記憶いたしております。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 定義はなくて、それでは登記所の法務局の役人の勝手な解釈で、言うてきたから七人の人たちが所有権者であろうということで登記をしたのですか。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 当時の担当登記官といたしましては、先ほど申し上げたような申請がございまして、関係書類を審査した。もちろん先ほど申し上げましたように、その中には中華民国留日横浜華僑総会というような表現があったわけでございますけれども、これはそういう名称を使用している団体であるということで、むしろ実体的な所有者であるかどうかということに関心を持ちまして現地の調査にも赴いたようでございます。なおまた、この申請には土地家屋調査士が代理しておりまして、土地家屋調査士の実地調査書等もついていたというような事情がございます。  現在になって考えてみますと、所有権の帰属について争いがあるというような事態が明らかになったわけでございますけれども、当時といたしましては、そういうことについて全く疑問を差しはさまなかったというのがどうも実態であるというふうに申し上げる以外ないわけでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 もう一つさっきの質問を繰り返しますけれども、法務省としては華僑という人たちはどういう人たちだと思っておられるのですか、重ねてお尋ねします。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 法務省としては華僑の定義というものを公式に決めたという記憶が私はございませんので、ちょっと申し上げかねるような気がいたします。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 担当の責任者が来ておればあれですが、来ておるかどうかわかりませんが、法務省もしほかに答弁ができなければ、法務大臣に答弁してもらうしかありませんが、法務大臣、どう考えられますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 中華人民共和国国籍を有する商売人みたいな人を言うんじゃないでしょうか。私はよくわかりませんけれども、普通新聞などに用いられている華僑という言葉はそうじゃないのですか。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 正しく中華人民共和国の国民だと言われました。そのとおりだと思います。多くの人が商売をしておられるかどうかということは、これば職業の問題で、職業の問題と正式な名称の問題とは必ずしも関係はないと思いますが、中華人民共和国の国民、国籍を持っている人たちだということになりますと、いまお尋ねをしております確認書あるいは申請書にございます中華民国云々というのはございますか、ございませんか。日本の役所にとってあるいは法務省にとってあるかないか、重ねてお尋ねをいたします。――いや、あなたに聞いているんじゃない。あなたは個人の意見しか持たない。法務大臣が答弁されたから、重ねて法務大臣にお尋ねいたします。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 中華民国という正式の国名は認めておりません。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 そうしますと、在日中華民国華僑というものはないはずです。そして法人でないこともこれは言われるとおりです。しかし、その申請に基づいて、ないはずの団体、それを代表する者として七人の人が登記を申請した、その申請どおりに登記をしたというのは法務省の手落ちじゃないですか。どうですか。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 お答えいたします。  もしも、お尋ねのこの建物が、登記の申請をいたしましてその結果登記された人たちの所有でないということになりますと、この登記は誤っている登記であるということになろうかと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 その申請書に書かれた団体がないとすれば、その登記は間違いだと言われました。間違いを認められれば、それから先はまた別の話になりますが、中華人民共和国の国籍を有する人が華僑だと言われた、正しい答弁をされた法務大臣、これは法務省ですから独任機関かもしれませんけれども、あなたの管轄の法務省の中の法務局が登記をしたのが間違いだと言われれば、これはやはり訂正さるべき間違いだと思われるでしょう。――いや、あなたに聞いてない。(清水説明員「法律論もございますので……」と呼ぶ)いや、法律論じゃないのです。その確認を法務大臣にとっているんだから。

清水湛法務省民事局第三課長

○清水説明員 もし所有者が異なる人間であったということが最終的に確定されれば、その登記は実体を反映してない無効の登記になるものであるということを私は先ほど申し上げたわけでございます。  それでは、法律的にその間違いを認めて、登記官の方で職権でこれを訂正することができるかという趣旨のお尋ねであろうかと思いますが、これはもう所有権保存の登記がされておりますので、職権で訂正する方法は現行の不動産登記法上認められておりません。したがいまして、所有者相互間で最終的に所有権の帰属を確定して話し合いがつくならば、双方の申請によりまして登記を訂正するなり、あるいは裁判手続等によってその登記を是正するという方法しか現在残されておらないということ、これは法律論でございますので、もしそういう前提になりますとそういうことに相なろうかということを申し上げたいと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 法律論と言われますが、手続論をいま言われた。私は手続論を聞いているわけじゃないのだ。華僑は中華人民共和国の国籍を持っている人だ、こう言われるなら、中華民国留日横浜華僑総会というものは、日本の法律、政府にとってはこれは間違いだ。そういう法上あり得ない団体の代表として登記をしたとするならば、その登記は間違いではないですかということを法務大臣に常識として聞いている。手続問題ではありません。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私よくわかりませんね。というのは、いわゆる台湾居住者あるいは台湾から来て日本にいる人の国籍は、中華人民共和国の一部だというあの日中共同宣言によれば、やはり台湾人も中華人民共和国民ではないのかな。その中華人民共和国民である華僑の人がどういう名前を使って登記を申請するかは、その中華人民共和国民たる台湾人の自由じゃないでしょうか。そういう自由に基づいて中華民国華僑総会とかいう名称を用いて登記を申請してきたのではないでしょうかな、私よくわかりませんけれども。そういうことで、それは正当な登記の申請だなと言って登記官はこれを受け付けた。これは法的に間違いだとは言い切れないのではないかというふうに私は思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 前半の、台湾出身の人も、日本にとっては中華人民共和国しか認めてないのだから、その国籍はどこかといえば中華人民共和国と言われたのはそのとおりなんです。それは間違いない。オリンピックでカナダに参りました諸君は中華民国は呼称できない。カナダあるいはIOCは青天白日旗を自分の国の旗として掲げることは認めてない。あなたが言われるように、日本としては、台湾出身の人であろうと、それは中華人民共和国の国籍になった。ですから、中華民国の国民というものはなくなっているわけです。中華民国留日華僑総会というものは日本の法的な取り扱いとしてはできぬわけです。それは任意団体だから名前が出てないと言われるけれども、日本の政府にとっては存在し得ない国、なくなった国で、中華人民共和国しかないわけです。中華人民共和国しかないその国民が、それは個人で登記するなら別問題だけれども、団体があって、その団体を代表して登記をするということは、日本の法務局にとってもあるいは法務省にとっても許されないことです。それをしたから、それは間違いではないかということを先ほどから申し上げておる。どう訂正をするか、これはさっき課長が言ったように、あるいは裁判によるしかないかもしれぬ、職権でできぬかもしれぬ。そのことは後の問題です。  ところが、中華民国留日横浜華僑総会といわれる日本の政府としては認められない団体、その代表として七人が登記をしたというのですけれども、その実質をなしておる団体、あなたが言われるような中華人民共和国の国籍を持っている人たちは、この人たちだけでなくてたくさんおられる。しかも横浜におられる華僑の中で中華人民共和国の国民だという人の方が多いわけです。そして後で警察が入ったりいろいろしておりますが、それはこの登記に関係がある。だから問題にしている。しかも、警察権が行使されるあるいは検察庁も起訴する等の行為がなされておるから、そのもとのところの登記のところを問題にしているのはそういう意味なんです。日本の政府としては中華人民共和国民しかないわけです。  それからもう一つ、ついでに言いますと、中華民国留日横浜華僑総会を構成していると言われる人、この中に出ている人の中には、日本の国籍を取得している帰化をした人が入っているのです。そうすると、あなたが言われるように、華僑としてはあるいは華僑総会としては、中華人民共和国の国籍を持った人たちが自分たちで寄って、あの建物はわれわれが金を出してつくった建物だからわれわれが管理すべきだ、それは一部の人が、中華民国を名乗る人たちが管理をしているけれども、それは間違いだ。しかし、そこですぐ取り上げようというのではなくて、暫定的な管理について話し合おうということでその建物の中に入った。そうしたら、その登記をしておった人たちが、あれは自分の物だからと言うて、連絡をして打ち合わせをしてあったと思いますが、入ってきたらすぐに非常ベルを鳴らして警官が呼ばれた。それで、警官が来た後でいわゆる中華民国留日横浜華僑総会と言われる人たちのところに話し合いに行った、愛国華僑と言われる本当の華僑の皆さんの代表が話に行って、そうして帰ってきた。帰ってきたところが、警察が外から、出ろ、退去をしろ、退去をしろと言うのに退去をしないからといって、外に出てきたところを不退去罪で十七人検挙しているわけだ。そうすると、あなたが言われるように、華僑というのは中華人民共和国の国籍を持っている人たちだ。そうしたら、その中で話し合いをされて、管理をどうするのか、あるいは登記が間違っているとすればその登記の間違っているのをどうするかということは話し合われなければならない。その話し合いがなされておるのに、間違って登記をした人から連絡があったからといって機動隊が出動したりして、退去をした人について不退去罪で逮捕をするあるいは起訴をするということはやはり間違いでないでしょうか。あなたがここで間違いと言えないまでも、問題があるということだけははっきり言えるのじゃないですか。どうですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 国籍の点は、わが国の扱いとしては、台湾出身の人も中華人民共和国の国籍人だというふうに法律的にはそれは一律になるのでしょう。だから、現に現状がああいうふうになっているものですから、日本としてはそういうふうに言うても、いや、おれはまだ中華人民共和国の国籍保有者ではないと思っている人も現実としてはおられるのじゃないでしょうか。どうでしょう。その人たちが、この建物はわれわれ七人だかさっきおっしゃったそういう者の所有建物として登記を申請した、登記官は正当な申請としてこれを登記簿に載せた。これはうその華僑で、台湾人でない方の純粋な中華人民共和国――純粋というのはおかしいけれども、本土出身である中華人民共和国人たる外国に存在する華僑、日本に存在する華僑、これが本当の華僑だ、うそのやつに交渉に行って、本当の華僑の物にしようという交渉に行ったんだとおっしゃいますけれども、どうも事実関係は交渉ではないようですね。いきなり入っていって乱入したという認定のようですな。そうして、バリケードを構築するなどして同総会の業務を妨害したという認定、このような行為は日本人相互の間でも許されるべきことではないのじゃないでしょうか。検察庁としては厳正、公平な立場から慎重に捜査を遂げ、これは一つは住居侵入罪かな、それから一つは威力業務妨害罪に当たるとして、そうして公訴を提起した、こういうふうに私は聞いておりますがね。中国との国交問題と絡ませて論ずべき問題ではないのじゃないでしょうか。純粋な刑法上の犯罪行為が成立するかしないかという問題ではなかろうかと思うのです。

吉田法晴日本社会党

○吉田委員 私は、衆議院議員のほかに、日中友好協会正統本部の副会長もしております。常任理事もしております。そこで、この問題については何度も官房長官にも会いました。それから、外務省のアジア局長にも会いました。警察、検察庁にも会ったのです。そうしたら、あなたが後半言われるような、これは日本と中国の問題とは別に、警察問題、刑事問題だ、こう言われる。ところが、実際はそうではなくて、一番最初の、華僑というのは中華人民共和国の国籍を持った人だ、正しいことを言われました。それを無視して、間違えて、台湾系の中華民国留日横浜華僑総会の物だ、そしてそれを代表して七人が登記をした、それが正当に登記をされたとして、後の警察行動その他が起こってきているのですから、やはりその基礎が一番大事なんだ。  もう一つ申し上げますが、時間がございませんから最後のあれを申し上げますが、問題は、日本の政府として国交回復をし、日中共同声明を出しておきながら、いまあなたもちょっと国籍のことについて間違って言われましたけれども、中華民国というものは日本にはないわけなんだ、中華民国国籍というのはないのです。あるとすれば中華人民共和国の国籍しかない。しかし、あなたが言われるように、国籍選択の自由はあるでしょう。あるでしょうから、日本にとって言えば、それは自分で中華民国云々と言うている人は無国籍者なんだ、中華人民共和国の国籍を持たない人だ。それは日本に帰化された人と同じに、中華人民共和国人でない人、無国籍の人だとして取り扱う意思はないのか。法律的にはそうでしょう。それを間違えて、中華民国留日横浜華僑総会というものの実体を認め、そしてそれを代表して七人が登記をしたということを合法的に認めた、そこに一番問題がある。問題がございますから話し合いに行った者に、大ぜいで入ったから威力で業務を妨害したと言われるけれども、それは三人おいでなすったのだ。男の人が二人、女の人が一人。その話の実態がわかるものだから、皆さんはその場にいなくなった、別な部屋に入ったかもしれません、それを称して威力業務妨害、こう言っているわけです。ですから、基本が問題ですから、その基本を私は問いただしている。したがって、日本の政府としては、その後の警察なり検察行動については私は反省がされるべきだと思います。そして問題は、ただ私がここで問題にしているだけじゃなくて、その華僑の皆さんの大会には肖向前氏も出ておるわけです。あるいは日本の政府に対して中国からの正式の表意もあっております。したがって、この問題は国際的な問題になりかねない問題、それを申し上げて善処を求めてまいりました。不幸にして勾留から起訴にされましたから、後で保釈はされましたけれども、そこでここで問題にしなければならないわけです。だから、本来は外務大臣にも出てきてもらって討議をすべき問題ですが、最初の登記のときから間違ったから、私はその後の警察行動も検察行動も間違っていると思いますが、その点は十分ひとつ法務省の中でも御検討をいただきたい。そして、間違いは間違いとして、正されるのに勇気を持って善処されることを要望して、質問を終わります。

田中覚自由民主党

○田中(覚)委員長代理 諫山博君。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私はロッキード問題と信濃川河川敷の問題について質問します。  最初にロッキード事件です。私たちは、国政調査権に基づいてロッキード事件の真相を究明するためには国会における証人喚問がどうしても必要だと思っております。ところが残念なことにこれがいまストップしたままです。その一番大きな原因は、法務省の方がいま国会で証人喚問をされると捜査に支障があるから遠慮していただきたいという意向を表明しているからだと思います。そこで、捜査に支障があるという法務省の判断は、一般的な問題として言っているのか、それとも、ロッキード事件で、しかもいま喚問されようとしている証人たち、この人たちだから捜査に支障があるということを心配していられるのか、どちらだろうかというのをまず御説明ください。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 あんまりかた苦しくならないで、きわどいところですから。ずっと捜査が進んできましたから、証人喚問の時期と捜査の時期とがぶつかったりする場面がだんだん頻繁になるのではないかな、私、捜査当局から意見を聞いて言うているわけじゃないけれども、常識的にそうは思います。しかし、私は前から申し上げましたように、証人喚問一般が捜査一般に悪影響を及ぼすなどということを言うたことはないのです。ですからどうぞ御自由に、それはそちらで、国政調査権の発動というものは国会でお決めになることですから、こっちがとやかく言うことではありません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 捜査に支障があるというような言い方がされ始めたのは、ロッキード事件に関して言うと、金を受け取った側と思われるその人たちが証人に呼ばれようとするこの段階で法務省から言われ始めたと思うのです。そうすると、こういう問題を法務省が提起するまでは捜査に支障があるということは問題にならなかったけれども、いまの時点で、いま問題にされているような証人、たとえば田中角榮氏、橋本登美三郎氏、佐藤孝行氏、参議院で言えば相澤、後藤田というような人たち、この人たちが証人だから捜査の支障が予想されるということになるのでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私が初め、どうぞ御自由に、一向捜査に支障があるとは思いませんなと言ったのが変わってきたじゃないか。それは変わってきたというのは、尋問の仕方が非常に捜査の妨げになるような尋問の仕方をし始めたから、ああいうことでは困りますな、これだけの話です。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうすると、当面問題になっている証人の役割りから見て捜査に対する支障が懸念されるというよりか、いままで行われた尋問のやり方だったら支障が起こり得るということになりますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 さようでございますね。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 もともと国会でどういう質問の仕方をするかというのは、本来国会の問題で、政府がとやかく言うことではないと思います。しかし、質問のやり方にどうも捜査に支障になるような問題があるというなら、これは国会自体が質問のやり方を検討すれば済むことで、そういうふうに支障の及ばないような質問の仕方をすれば捜査に対する支障という懸念はなくなると聞いていいでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 どういう質問をなさろうと、それは国会のやることだから捜査当局や法務省がつべこべ言うな、そうはいかないですね。そうはいかない。こっちは捜査当局として捜査を自由に熱心にやって、そして刑事責任を追及する職務を持っているのだから、それに支障を来すような尋問の仕方は困ります、なるべくひとつ御自制願います、こういう希望を述べることは、職務を遂行するための職責として正当なことじゃないでしょうか。  それからもう一つ、それじゃ尋問のやり方いかんによってはいいことになるな。それはそうですけれども、ああいう実績があるものだからちょっと危惧の念を持っておる、こういうことです。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうすると、もう一遍確かめるわけですが、たとえば捜査が核心に入ってきたというようなことも言われております。しかし、法務省が懸念を提起しているのは主として質問のやり方だ、捜査の支障にならないような質問であれば、これは法務省としてはとやかく言うことではないということになるのですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 それはそのとおりですよ。ただ、今後こういう段階でいろんな人を呼んで質問される場合に、ああいう質問の仕方はもう繰り返さないであろうとか繰り返される、そういう信をおいていいかどうかということについて危惧の念を私は持っておる、こういうことです。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、法務省が質問のやり方にいろいろ注文をつけるのは当然だという言い方には賛成できません。また、いままでの質問のやり方が現に捜査に支障を及ぼしたというふうにも思っておりません。  ところで、いままでの質問の中で具体的にどういう問題で捜査に支障が来たということは何か指摘できるのですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 それは、証人に対して、君は警察へ何遍呼ばれてどういうことを聞かれた、どう答えたというようなことを、捜査の内容に触れるようなことをそこでぶちまけるということは、捜査に支障を来すのは当然じゃないですか。あなたの前提である、事ごとにつべこべ言うなというのが正しいので、つべこべ言っている法務大臣の根本思想が間違っているとは私は思いませんね。思わない。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうするといつまで証人喚問はやめてもらいたいということを言っているのでしょうか。法務大臣の従来の説明から見ると、捜査が一応終了するのは八月いっぱいだろうということのようですが、その段階まで国会での証人喚問は御遠慮願いたいというのが法務省の立場でしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 そんなことを言っているわけじゃない。時期によって私は支障であるとかないとか言っているのでなくて、証人の尋問の仕方が捜査の内容に触れることをそこで暴露されることは困る、こういうことを言っているのです。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 法務大臣の立場を一貫しようとするなら、捜査が続いている限り証人喚問は困るというふうに聞こえたからいまの点を聞いたわけですが、たとえば捜査のどういう段階まで困ると言われるのか、あるいはどういう時期まで困ると言われるのか、この点はめどがあるのですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 だから、めどとか時期によって困る困らぬと言っているのじゃなくて、尋問の内容、答える内容が、捜査当局の捜査がまだ進行中に公開される、捜査密行主義をぶち破る、そういう結果になるのは困る、こう言っているので、めどであるとか時期であるとかいうことによって困る困らぬを言うているのではございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 一般に、捜査がどういう方法でやられるかというのはなかなかわかりにくいから、捜査に支障があるというふうに言うと、何となくもっともらしく聞こえるわけです。恐らく政府もその点は十分計算に入れた上で捜査に支障があるという言葉を使っていると思うのですが、しかし捜査に非常に詳しい人、たとえば刑法学者あるいは弁護士というような人たちは、そういう言い方はナンセンスだ、これは真相隠しの方便にすぎないということを口をそろえて言っております。そして、たとえば東京大学の藤木英雄教授の最近の論文なんかを見ると、法務省の言い分を一つ一つ論駁して、捜査の支障になるどころかむしろ捜査に役立っている、さらにいまの法務省の立場というのは、国民の憲法上の権利、たとえば知る権利、さらに公務員の任命、罷免権に挑戦するものである、こういう言い方までしているわけですが、これはまさに国民の世論でもあるわけです。たとえば、朝日新聞の社説を見ると、「国会は議員喚問をためらうな」こういう表題で法務省の態度を批判しております。毎日新聞の社説は、「特別委は証人喚問を続行せよ」こう言っています。読売は、「どこへ行った国政調査権 政治責任見落とすな 捜査権尊重は隠れミノ」、どの新聞を取り上げても、どの専門家の言い方を見ても、法務省のやり方がもっともだとはほとんど言っていないわけです。私たちはいまの法務大臣の説明ではとうてい納得できません。やはりここでも言われているように、捜査権というような隠れみので国政調査権を抑えるのじゃなくて、藤木教授の発言では、むしろ捜査に役立っているじゃないかというような意見も広範に出されているぐらいですから、いわゆる隠れみので証人喚問を抑えるというようなやり方は絶対に正しくないということを強調したいわけですが、その点法務大臣いかがですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 藤木教授であろうと新聞であろうと、捜査の妨げになるような、この間みたいなああいう尋問の仕方がいいなんと言っている国民は一人もいないと私は思っていますよ。だから、私が言っているように、どんどんおやりになったらいいじゃないですか。そっちでやることじゃないですか。それをこっちが妨げているわけじゃないのだから。ただ、捜査の内容が公にされるようなことは困る。捜査は権利であると同時に職務だ、その職務を遂行するのに妨げになるような内容の質問だとか答弁だとかいうのは困るというのは当然じゃないですか。やり方いかんです。そっちでお決めになったらいいんじゃないですか。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そっちでお決めになったらいいじゃないかというのは正しいと思うのです。本来これは国会の問題です。ただ、法務省がこういう意向を述べているということが利用されているわけですよ。たとえば、三木総理大臣の国会答弁でも、捜査当局ではこういうふうに言っている、だから遠慮してもらえないかという言い方なんですね。ですから、本来国会の問題であることはそのとおりですが、しかし、法務省が自民党側に対して国会審議を妨げる最大の援軍の役割りを果たしているという立場から問題にしたわけです。  次に、観点を変えまして別なことを聞きます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 ちょっと言い放しじゃ困るんだな。ロッキード事件の解明につきましては、不偏不党でなければならぬ。自民党の助けをしているなんということは全然ありませんよ。私は捜査をまじめにやりたいから言っている。あなたももう少しどうですか、刑事責任の追及に対してやりやすいように協力してくれませんかね。それは、国会の証人喚問が捜査に役立つ面も大いにある。役立った点もあります。そういうことは私も十分心得て言っていることですからね。そうして、この間ちょっとしかられたけれども、犯罪捜査活動の主役はやっぱり捜査当局でしょうな。政治的、道義的責任の追及の主役は、それはもう国会でしょうな。それですから、両々相まってやろうじゃないですか。この間主役、脇役と言ったのが悪ければ、パートナーだな。パートナーとしてひとつ協力してもらいたい。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 国会の証人喚問が捜査に役立った点もあると言われたのですが、これはどの問題について言っているのでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 外為法では時効になったんだけれども、国会の証言があって、今度それをこの犯罪捜査でよく調べたところが、これはうそをついているということがわかって、偽証罪で逮捕できたというような点は非常に助けになっている、こういうことです。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 この問題はこれからも起こり得ると思うが、どうですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 起こり得るかなと思ったり、もうそんなことはないかもしらぬなと思ったり、私にはよくわかりませんな。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 あなたは文部大臣もされたわけですが、とにかくみんなうそを言ったですね。全員とは言いませんけれども、会社のえらい人たちが徹底的にうそを言った。余談ですが、この点はあなたどう考えておられますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 最高裁判所までいってがちっと確定すればそういうことでしょうけれども、いまはどうもうそらしいというので、うそはよくない。それで、偽証罪という罪は重いんだから、そんな疑いがある以上はほうってはおけない。ほかの罪名ではなかなか逮捕状の疎明はできないから、これならば完全だからということで踏み切って逮捕した、そういうことでございますね。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 刑事課長に質問します。  いま偽証罪の話が出たわけですが、私は、一連の捜査、逮捕の経過を見ていると、偽証罪による逮捕というのがいかにも別件逮捕扱いをされているという気がしてならないわけです。しかし、法律を調べてみると、偽証罪というのはたいていの贈収賄事件よりかはるかに刑が重い。事件としては偽証罪の方が重大なわけです。この偽証罪による逮捕、これをそのこと自体が当面の捜査の焦点というふうに処理しているのか、それとも本丸を攻めるためのいわば逮捕の端緒という位置づけをしているのか、どっちなんでしょう。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 もちろん偽証罪について逮捕して勾留して取り調べておる以上は、偽証罪について当面の捜査対象にしている、これは放置できない犯罪であるというふうに考えているからであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 ロッキード事件の捜査がアメリカの国会でのコーチャンその他の証言から表面化してきた、この経過は明らかですが、たとえばコーチャンのアメリカでの証言を見ておりますと、児玉書士夫とか小佐野賢治に売り込みの戦略を相談した、政府に誤解を解いてもらい大変役に立った、航空機購入の決定をおくらせることではうまくいった、成功した、こう言っています。さらに、児玉は価値のある仕事をしてくれた、払った金に相当するものを手に入れて満足している、こういう証言が至るところに出てくるわけです。そうすると、ロッキード社から出た金というのは、もちん賄賂ですが、これはある特定の行為を依頼するために贈られた賄賂、しかも成功した、満足したというような発言が出てくるわけですから、その賄賂というのは十分効き目を生じた。ロッキード事件というのは大体こういう流れの事件だというふうに思われます。そうすると、刑法的に言うと、これは刑法百九十七条一項前段の単純収賄が主たる問題になる事件ではなくして、百九十七条一項後段の請託収賄、あるいは百九十七条ノ三の第一項枉法収賄というのが、いわばロッキード事件の賄賂の中核をなすものだというふうに受け取れます。とにかく特定のことを頼むために賄賂を贈った、そしてこれは十分効き目を生じた、金に値するだけの結果が生まれてきたから満足しているということを贈賄側が言っているわけですが、どうも新聞なんかの論調を見ると、時効三年というようなこともしばしば出てくるし、単純贈収賄の事件として捜査されているのじゃなかろうかという気がするのですが、この点、刑事課長どうですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 先ほど申しましたように、現在逮捕、勾留して取り調べておりますのは、議院証言法に基づく偽証罪、それから外為法違反あるいは所得税法違反ということで調べを続けておるわけでございます。再三刑事局長からも他の委員会でも申し上げておりますとおり、その過程におきまして、ロッキード社から流入した資金の行方につきましても、これを徹底的に捜査をして、その過程で、御指摘のような贈収賄罪その他不法の行為があれば、それについても厳正な処理をするということで捜査を行っているわけでございます。  その点について単純収賄罪で調べをしているのではないかというようなお尋ねでございますけれども、まだそういうことについてお話しできる段階には至っておりません。現在は、先ほど申しましたような逮捕、勾留事実の罪名につきまして徹底的な捜査をしている。ただ、検察当局といたしましては、いやしくも法令に触れる行為であれば、その資金の流れを捜査する過程において、そういう不正な行為があれば、それについてもあわせて厳正な処理をするということで、おわかりいただけるのではないかと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 法務大臣に質問します。  ロッキード事件は贈収賄事件だと言われるくらい贈収賄が中心になる事件だと思うのです。これは午前中の説明でもありましたね。その場合に、ただ職務に関して賄賂を受け取ったというような事件じゃなくて、たとえば請託を受けて職務に関し賄賂を受け取った、当然この疑いが強いし、さらに進んで、そういう収賄行為によって不正の行為をした、つまり国政をまげたということが国会でのいままでの証人喚問の中心になりましたね。だから、これからいよいよ贈収賄の本丸に攻め入るということのようですが、私は、さまざまな贈収賄の形態の中でやはり一番重い枉法収賄というようなところ、場合によったら、そこまでいかないけれども請託収賄というようなところに焦点を当てながら捜査を続けていく、ただ、いろいろな証拠の関係でこれが成立しないということはあり得るかもしれませんが、やはり攻撃の重点というのは枉法収賄だ、こう思うのですが、その点いかがでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 それは法務大臣よりも検事総長を頂点とする検察庁の判断に任すべきことじゃないですか。私がそうでございます。いやそうでございませんなんと言うことば、検察庁がやるこれからの仕事について何か政治介入をするようなにおいにとられては心外でございますから、答弁を差し控えさせていただきましょう。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、いまのような取り組み方が正しいということをコーチャン証言を引き合いに出しながら指摘したわけですが、刑事課長はどうなんですか。しばしば第一線でこういう問題に関与しているのじゃないかと思いますが、私のいまの主張に対して見解はありませんか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 先ほど申しましたように、検察当局としては贈収賄罪について逮捕、勾留しているとかいう段階ではございませんので、そういう贈収賄のどの罪名についてどうするかというようなことを論ずる段階ではないというふうに思っております。ただ問題は、捜査の過程においてそういう事実関係いかんによると言う以外に申し上げようがございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 まあこれから先は捜査の技術上の問題になるかもわかりませんが、私がいま要望したいのは、やはりロッキード事件の流れというのは、桂法収賄とか請託収賄とかいうのが中心的に問題になる事件で、この点に焦点を合わせながら捜査をする、そして、ここまでの証拠は出なかったけれども単純収賄なら成立するというような場合もあり得ると思うのですが、これは当然のことだとは思いますが、これまでの新聞論調なんかを見ますと、どうも単純収賄の事件と見られているのじゃなかろうかという感じがするから意見を述べたわけです。  これに関連して、一般的な問題ですが、昭和三十三年の刑法改正であっせん収賄罪という規定が取り入れられました。私は、この法律の運用というのはロッキード事件の場合にきわめて重要で効果的ではないかと思っておるのです。改正前は、たとえば職務権限のない公務員の収賄の場合にはなかなか収賄罪が成立しにくいというような面がありました。最高裁判所の判例を調べましても、復興金融公庫から融資を受けようと考えている業者に、農林大臣がだれだれ君をよろしくと書いた紹介名刺を交付する、あるいは復興金融公庫融資部長を紹介する、こういうことがあっても、昭和三十三年の改正以前は収賄罪にならないということになっていたようですが、現在はこういう考え方は通用しない。こういう逃げ道をふさぐためにあっせん収賄罪が出てきた。そしてロッキード事件では、政府高官に莫大な金が流され、金を受け取った人の中には、みずから職務権限はないけれどもさまざまなあっせん行為、仲介行為で介入していた人がいるのではなかろうかということが大体想定できるわけですが、法務省としては、いま私が挙げた昭和三十二年の最高裁判所の判例、この判例が生きているか生きていないかということには議論があるようですが、これに当たるような行為があれば現在の刑法のもとではあっせん収賄罪が成立するという考え方でしょうか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 先ほど来お願いいたしておりますように、現在このロッキード事件について贈収賄罪の問題を論議する段階ではないということを再三申し上げておるわけでございまして、全くの仮定論ないし法律論でございますが、私、その判例の事実関係を十分現在記憶しておりませんので何とも申し上げかねるのですけれども、あっせん収賄罪の構成要件は、まず公務員が請託を受けて他の公務員に不正の行為等をなさしめる、そしてその報酬として自分が賄賂を受け取る、こういうことがあっせん収賄罪の構成要件でありますが、もちろんこの昭和三十三年の新しい立法によりまして、それまで不可罰であった行為があっせん収賄に該当することによって可罰性の評価を得て刑法に入った。ですから、それまで処罰されないものがこの条項によって処罰される、こういう類型はある、こういうふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 きのう東京地方検察庁の豊島次席検事が記者会見をしたそうです。そのときの模様が各紙に報道されているのですが、その記者会見の内容の一つに、政府高官が金をもらっていたからといって直ちに犯罪が成立するとは限らない、たとえば収賄としてもらえばもちろん犯罪でしょうが、政治資金規正法との関係で言えば、法律に触れるもらい方と法律に触れないもらい方がある、こういうふうに言っているようですが、本件に即して言うと、その点は法務省はどういうふうに考えていますか。これは一般的な刑法論としてです。当然政治資金規正法というのはこの事件の捜査の中で出てくる問題ですから、検察庁なり法務省としては検討を加えていると思うのですが……。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 先ほどからお願い申し上げておりますように、私ども別に具体的なケースを想定してそういうことを論じている段階では全くないのでございまして、これはくれぐれもその点を御了解いただきたいと思います。  しかし、政治資金規正法の問題としては一般論としてはどういうふうに考えているのかという強いてのお尋ねでありますのでお答えせざるを得ないわけですけれども、私がここで申すまでもなく、公務員が職務に関して賄賂を収受したということで初めて贈収賄罪が成立するわけでございますし、政治資金規正法はそれとは別でございまして、政治団体等が政治活動の資金の寄付を受けて、そうしてそれについてあるいは虚偽の報告なり、届け出をしない場合には政治資金規正法上の罰則規定があるということを、法律論というのですか、法制度一般論として申し上げておきます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私、全く一般論として聞いたんじゃなくて、幾らかこの事件と結びつけて、アメリカの企業であるロッキード社が丸紅とか全日空を通じて日本の政治家に金を渡した、私はもともとこれは贈賄として渡す以外にあり得ないと思うのですが、仮に政治資金規正法ということを問題にするなら、言われているように、法律に触れる政治献金と法律に触れない政治献金というのを区別してとらえているかということです。これはまだその捜査でないと言われますけれども、当然ロッキード事件では出てくる問題だろうと思いますから、現在の時点での法務省の見解をお聞きしたいと思うのです。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 私といたしましては、やはり本件との関係でその法律の適用がどうなるかを言えということでございましたら、これは私どもとしては申し上げるべき段階ではないというふうにお答えする以外にございません。  ただ、検察庁といたしましては、今後の捜査の過程において、およそ犯罪として処罰しなければならないそういう不法行為がございますれば、現行法は検察当局において十分検討しているはずでございますので、万々おろそかなことはないというふうに思っているとしか、いまの段階では申し上げようがございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いまの段階ではと言われますが、これは数カ月前に国会でもう論議されて、かつて法務省から部分的な見解が示されたこともあるわけです。たとえば外国人であるアメリカの企業が日本の会社あるいは特定の個人を介して日本の政治家に金を渡す、これは外国からの政治献金ということになるわけですが、そういう観点では一応法務省は見解を示したことがあるわけです。ですから、いまの段階でと言うけれども、あの当時の見解が変わってないのかどうか、つけ加える点はないのかという観点で聞いているのです。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 御指摘のように、政治資金規正法には外国法人等から寄付を受けるということは明文をもって禁止しております。どういう事実関係がそれに当たるのかということは、これは実際の事実関係でございますので、いろいろ解釈、適用の問題はあると思いますが、政治資金規正法はお尋ねの通りの規制を置いております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 たとえば丸紅を例にとって、丸紅に金が来て、その丸紅を通じて政府高官に引き渡された、この場合には外国法人からの政治献金という解釈を法務省はとっているのですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 お尋ねのことになりますと全く具体的な事実関係になるわけであります。一体政治団体が直接外国法人等から寄付を受けたと評価できるかどうか、まさしく事実関係がそうなっているかどうかによって犯罪の成否が異なると思います。それ以上の、具体的にどう考えているのか、法律の適用についてこの事件についてどう考えているのかという点は、現在の捜査中の事件についてお答えできないことをぜひ御容赦願いたいと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 七月七日の衆議院での特別委員会で、わが党の東中議員の質問に対して、稻葉法務大臣が次のように述べております。捜査妨害の壁は非常に厚い、その壁を突破してこそ初めて検察の威信は保たれる、これはつい最近のことですから御記憶だと思いますが、この場合、捜査妨害の壁というのはどういう事実を称しているのでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 事実的根拠が、こういう事実があるから壁が厚いのだ、こういうことではないのです。コーチャン証言などに対する、嘱託尋問などに対する抵抗が非常に強烈であるというような点を見ておりますと、そしてまた大ぜいの仲間でやった犯罪容疑ですからね、まあ一般に、善人の団結よりはどろぼうの団結の方が強固だなんて昔から言いますものですから、それはやはりつかまえられる方としたら一生懸命になってつかまえられまいと努力するんじゃないでしょうか。安閑としてつかまえに来るのをぼさっと待っている。そういうのんきな人はいないんじゃないでしょうか。そういうことで、それをしかし突破していかなければ真相を究明して国民の期待には沿えない、検察の威信は保たれない、こういうことでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 捜査妨害というのは、しばしば証拠隠滅罪になったり、証人威迫罪になったり、偽証教唆罪になったりするはずです。そして世に言う稻葉語録の中ではそういう事実の存在を想像させるさまざまな問題提起が出てますね。たとえば、目白の方から国際電話が頻繁にあったんじゃないかとか、ずいぶんいろんな発言があるわけですよね。(稻葉国務大臣「ちょっと事実と違う」と呼ぶ)そうですか。じゃあちょっと待ってください。いまの問題は、毎日新聞の記者が質問して、法務大臣はうーんとうなったということになっていますね。そして、稻葉法務大臣は否定はせずに、日本の国内でも必死の逃げを図っている人たちもありますね。こういうあなたの言葉で言えば捜査妨害というのは、その実態は調査しているんでしょうか。たとえば偽証教唆とかあるいは証人威迫的なものがあったとかなかったとかいうことは、本来の犯罪捜査と別に、これは刑事課長に聞いた方がいいと思いますが、調べてはいるんでしょうか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 私自身は、具体的にはどういうことがあったか、それについて捜査しているかということは聞いておりません。しかし、検察庁としましてはおよそ真相の解明のために必要なことはいろいろな角度から捜査をしていると思いますが、お尋ねのことについては承知しておりません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 午前中来児玉プラスXラインとか、いろいろ小佐野賢治が捜査の焦点に上がってきたということを思わせる発言もあるし、新聞記事も大変多いわけですが、小佐野賢治については、たとえば偽証罪とかあるいは贈賄罪とか、そういった点ですでに調べているんでしょうか。それともまだそこまではいってないですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 存じません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 これは、コーチャン証言との大きな食い違いなども指摘されながら、偽証罪の疑いは非常に濃いということが午前中来指摘されておりますが、当然被疑者として捜査されなければならない人だというふうに思いますが、どうですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 万事検察当局に任せきりでございまして、私は存じません。御質問の趣旨に直接お答えすることを差し控えます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 きのう檜山氏が逮捕されましたが、外為法違反で逮捕ということになっています。しかし、当然偽証罪も成立するということは論理的には明らかなわけです。その場合、外為法で逮捕したのは偽証罪よりか外為法の方が大きい、事件として重大だという観点なのか、それとも外為法では時効が切迫しているというような観点からだったのか、それともほかの考慮だったのか、刑事課長の方ではわかりますか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 私の立場で申し上げるのはなにかと思いますけれども、何と言っても偽証罪につきましては国会の告発が訴訟条件でございます。もちろん訴訟条件でございますので、必要があれば強制捜査権を先に発動するということは十分考えられるわけでございますし、それは場合によって妥当な措置だと思うわけでございますが、本件につきまして外為で檜山を逮捕したということにつきましては、これは検察当局のいろいろな総合的な判断によるものだと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 法務大臣に質問します。  議院証言法に基づく偽証というのは、本来の筋から言ったら国会が告発して、その後で逮捕、起訴というふうになるのが筋道だと思うのです。ところが、多くの場合今度のローキード事件でそうなっていないのですね。検察庁の方が先行する。私は国会の方がぼやぼやしておるからやむを得ない措置だと思うのですが、この問題、法務大臣としてはどう考えておられますか。恐らく調べる側からすればなぜ国会の告発がないのか、国会の告発があってするのが筋だと思うのですが、その点に対しては見解はありませんか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 見解はあるのです。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 見解を述べてください。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 これは予算委員会理事会とか、衆議院ロッキード問題調査特別委員会だとか、そういうところで、いまおっしゃったように、本来ならば国会の告発を待って逮捕、強制捜査にいくべきではないかという御質問、たくさんたびたび受けました。それはそのとおりでしょう。私もそのとおりだと思います。ただ、実際告発がないものですから、なかったのですね、ぼさっとしているとは申しておりませんよ、なかったのです。けれども、あの証言をしておるのにアメリカからの資料だとかいろいろなものを材料にして捜査を進めた結果、国会のあの証言はうそだということがわかった。わかったから強制捜査に踏み切った。しかし、捜査しても明瞭に偽証罪疑義濃厚だといっても、告発がなければ起訴はできないわけでございますから、捜査当局がそういうふうに確信を持って裁判所から逮捕状ももらっているくらいなところへ来ているんだから、第三者たる裁判所が、だから国会はそういう状態を見て告発してくれるものとの期待を持つこともまた普通じゃないんでしょうかねという考えです。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私、念のために断りますが、告発なしに逮捕したのがけしからぬと言っているのじゃないのです。  そこで、きのうの東京地検の豊島次席検事の記者会見で、もう一つどっちが正しいのかなと思って私自身疑問に感じたのは、読売新聞を見ると、ロッキード社からの入りについてはすべて解明した、こうなっております。朝日新聞を見ると、丸紅、全日空ルートに流れた工作資金七億八千万円の入りについてはほぼ解明を終えた。いずれにしても、金が日本に入ってきた、この問題については解明を終えたという説明がされているのですが、これは朝日が書いているように丸紅、全日空ルートについて解明を終えたということなのか、もうすべて入金については児玉なんかも含めて解明を終えたという趣旨だったのでしょうか。これは豊島さんの記者会見だから本来豊島さんに説明を求めるべきでしょうが、法務省、この点は……。法務大臣で結構です。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 いまの点については私、正確な報告を受けておりません。しかし、そういう御質問があれば刑事局長を通じ豊島君から正確な報告をいただきましょう、新聞だけでこうですと言うわけにはまいりませんから。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 それで、現時点における捜査段階の入金についての一応の結論ですね、刑事課長の方ではそれはこういう趣旨だったんだろうという説明はできますか。たとえば全日空、丸紅については終わったけれども、ほかにはまだ捜査の行き届かない点もあるという趣旨なのか、全部入金というのは捜査は終わりというふうに見ているのか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 外為等で逮捕、勾留しております事実関係につきましてはもちろん十分な捜査を行って、ほかの関係につきましても、前々から申しておりますように、ロッキードから入っていると思われる金の入りあるいはさらに出、こういうものについて検察当局はできる限りの捜査をしておりますが、果たしてどの程度の段階に立っているかは私、詳しく承知しておりませんし、また承知しておりましてもいまこの段階で申し上げるわけにはいかないと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 この段階でと言われますが、第一線の次席検事は記者会見しているわけですよね。だから私は報道の食い違いをちょっと確かめたわけです。  次に、信濃川河川敷の問題で質問します。これは刑事課長でいいです。  きょうの読売新聞に信濃川の河川敷の捜査について報道されておりますが、これは事実で違った点がありますか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 お尋ねの点は信濃川河川敷事件の告発事件でありますが、告発事件について田中角榮氏を取り調べたのかどうかという点だと思いますが、被告発人として事情を聞いていると報告を受けております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 現在何名くらいの関係者を取り調べているのでしょうか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 この事件は、昨年の九月に告発を受理いたしまして、十月から新潟地検で必要な捜査をしているのでございますが、地主等関係多数に及んでおりまして、地主の関係人を取り調べただけでも数十名を超えていると聞いております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 被告発人が五名いるのですが、この五名については全部被疑者あるいは被告発人として捜査を済ましていますか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 全員についてかどうか、ちょっといま正確じゃございませんけれども、被告発人として、ある者について大部分その調べをしていると報告を受けております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 この事件では初めのころから時効ということがいろいろ言われていたわけです。この問題で私たち最高検察庁といろいろ話し合った中で、検察庁としては、時効になるかどうかというのは告発されている事件の内容によって決まることだから、時効云々の問題と関係なく、告発された事実があったかなかったかはきちんと突きとめるというふうに説明されていたのですが、大体そういう立場でこの事件の捜査は続けていますか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 御指摘のとおりでございます。時効が完成しているかどうかということはまさしく事実関係を明確にしなければ決められないことでございますので、そういう立場から鋭意事実関係についても新潟地検は捜査をしております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いつごろ捜査が完了する見通しでしょうか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 この事件につきましては、関連の事件として謹告罪ということで、関連の告訴事件ですか告発事件もあるようでございます。それらについてもあわせて現在捜査をしておりまして、まだいつ捜査を完了するということは申し上げることができる段階ではございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 読売新聞の報道では不起訴になるのではないかということをにおわしているのですが、この問題は別として、私がここで要望したいのは――もちろんこれは起訴すべき事件だと私たち確信しているわけです。     〔田中(覚)委員長代理退席、小島委員長代理着席〕 しかし、仮に起訴にならなかったとしても、どういう事実があったのか、なぜ起訴されなかったのかということはぜひ国民に明らかにしていただきたいと思うのです。ロッキード事件では灰色の政府高官の公表ということが問題になっているわけですが、たとえばけさの読売新聞に書かれていたようにもし不起訴になるようなことがあっても、たとえば犯罪事実はあったけれども時効だから起訴されなかったのだとか、あるいは詐欺に当たる行為があったけれどもだれそれは刑事責任が及ぶような関係でなかったから起訴されなかったのだとか、あるいはこういう事実は認定されたけれどもこれは詐欺にも詐欺未遂にもならなかったのだとか、ちょうどいまロッキード事件で言われているように、たくさんの人が注目している事件で、いわば田中金脈事件の一つの頂点をなす事件だというふうに言われておりますから、信濃川河川敷問題についても、不幸にして不起訴になる場合には当然そういう措置がとらるべきだと考えていますが、法務大臣、いかがでしょう。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 事件を究明してシロクロを明らかにしよう、こういう段階ですね。ですから、あなたのように不起訴になる心配などしたり起訴になる心配をしたり、そういう関係に私、法務大臣というものはありません。ですから、そういう御質問に答えることはこの時期において適当ではない。ただ、国政調査権について議長裁定があろうとなかろうと、国政調査権についてはやはりみんなが協力すべきことは当然ですから、それだけを申し上げておきます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私がいま質問したのは、信濃川河川敷について聞いたわけですがね。それで、ロッキード事件では、起訴されなかったけれども政治的、道義的に責任が関わるべき人たちについての公表というのが現に問題になっているわけでしょう。そのことは信濃川河川敷についても同じことのはずだから、いわゆる灰色の政府高官の公表というような措置は、不起訴になった場合は当然とるべきではなかろうかと言っているのです。早過ぎると言われますけれども、ロッキード事件ですでにこれは問題になっていることですから。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 法務省、法務大臣、それから検察当局というものは刑事責任を追及する職務を持っておる。政治的、道義的責任を追及することは、はみ出た職務権限外のことをやることになるわけです。それの役割りは、主役はそっちの方なんだから、主役の発動を待ってグッドパートナーとして考える、こういうことですな。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 刑事課長に質問します。  これは告発事件でもし不幸にして不起訴になった場合には、なぜ不起訴になったかという理由の説明を告発人が求めることができるはずなんですが、その場合は、いま私が言ったように、詳細に、たとえば証拠不十分だから起訴しなかったんだという式の言い方ではなくして、当然納得いくような説明がされるというふうに理解していいでしょうか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 これはもう御承知のとおり、告訴人等に対しては、起訴、不起訴等の通知を行い、その理由を告知することになっております。その理由につきましては、不起訴の理由、最後の結論を申し上げるということが従来の慣例でございます。どの事件につきましてもそういう処理をせざるを得ないというのが検察庁の本来の筋道でございます。それ以上の説明があるのかということでございますが、それはまた、いま大臣が申しましたとおり、国会等で御質問があれば、さらにその段階で具体的な状況でできる限りの御協力をするということになると思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 信濃川河川敷問題については、確かに不起訴になった場合どうするのかというような先回った質問をするというのは先回りし過ぎるかもわからないと思うのです。ただ検察庁の情報としてきょうの新聞に出ているから聞いたわけです。灰色の政府高官の発表というのがロッキード事件で大問題になっていると同じような関係が、信濃川河川敷についても当然出てくるという点は、法務省の方で御検討いただきたいと思うのですが、いかがですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 何度も申し上げますように、諫山さん個人の御見解でなく、国会として国政調査権を信濃川河川敷問題について御発動になって政治責任を追及するという段階になれば、これに協力しないわけにはいかないでしょう。そういうお答えですな。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 終わります。

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 沖本泰幸君。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 本日の当委員会は私で終わりになります。質問時間は一時間少しいただいておりますが、できるだけ大臣にも御協力いただきたいと思います。  最初から大臣にいやな御質問ということになりますけれども、けさほどロッキードの御質問を稲葉委員からなさって、大臣の言葉じりはとらえないということで自由に御発言いただきたいということだったわけですが、私の場合は言葉じりにひっかかるようなことになるわけですけれども、内容は参議院で問題にされました、大臣が愛媛県での時局講演会で御発言になった内容ということになるわけで、各紙ともいろんな形でこの問題を取り上げられておりますし、「政界踊らす稲葉節」という表現の記事もございます。そういうことで、大臣は参議院の方でもいろいろこの問題についてお答えにはなっていらっしゃるわけでございますけれども、国会のロッキード調査特別委員会あるいはいろんな国会内の委員会で御発言になれば記録も残るわけですし、その都度いろんな注文も出るわけですが、大臣が一般の市民、国民を対象にして御発言になっているという点は、いろんな問題を醸し出してくる、憶測もそこからまた生まれてくるということにもなります。そういうことで、大臣の「仲間内」という発言は、ただ自分の仲間内、自民党だけじゃないのだ、衆参与野党を問わず全部の議員が対象だという御発言なんですけれども、そういう御発言になれば、必ず野党からも出てくるのだ、ですから、その議員の証人喚問なり、あるいは捜査の段階が野党側議員にまで及んだ段階を大臣が把握されてそういう時点で御発言になっておるのか、大臣は一般論としてこれは国会議員全部に対して言うのだという意味合いにとれるのかということで、意味がずいぶん違ってくるわけでもあるわけです。当然われわれ野党からすれば、その問題に関係した議員であれば与党、野党を問わず徹底的に究明していただいて、刑事責任なり、われわれの方からは政治的、道義的な責任を国会の場で追及するということには何ら変わりはないわけですけれども、その大臣の御発言の根拠になった問題が、野党議員にも関係者が出てきている、そういう関係で捜査の手は野党の議員にももう行っているから、与野党を問わずいま捜査の段階に入ってきている、こういう意味でおっしゃっておるのか。一般論とおっしゃるから、いやそうじゃないのだ、調べるということは問題があれば全部を調べるのだ、こういう意味合いになるのか、その根拠によってはずいぶん違うということになるわけですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 沖本さん、あなた新聞を見て、えらいことを言ったな、その意味はどういうのだ、こういうあなたの質問の運び方ですが、それは前提が全然ないのにそういう質問をされても答えようがないですね。新聞に書いてあるような、ああいう、野党議員にも逮捕が及ぶかとか、それから与野党を問わず事件関係者がおることを示唆したとか、そんな新聞記事を前提にいま御質問の運び方をしておられるようですけれども、そうではないのですから、私の発言は。そうではないのです。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そのために、国会の中の御発言は記録にも残るし、その場で各委員会の委員が与野党出ておってそれが伺っているからその場で指摘もありますし、問題になれば問題点もいろいろ指摘される。ですが、記事に出ているところは一般国民を対象にした時局講演会の御発言だからということで、それは新聞記事にしかよりようがないわけです。そういうことがあったのかとわれわれは新聞記事によってそれを知り得たということになるわけですから、その前に、記事にはそう出ているけれども真意はこういうことなんだ、おれはこういう意味で言ったんだということをおっしゃるのが当然じゃありませんか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 新聞にはこう出ている、その言ったことの意味はこうだ、こういう言い方はできませんね、言ってないことを書いてありますから。そしてそれを根拠に、その意味はどうだと言われてもそれは意味はないね。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうすると、各紙に載っているのは事実無根、こんなこと全然言ってない。  たとえば記事に出ております「仲間を調べなければならないことをいった。そしたらね、仲間とは派閥のことだと新聞は思っている。(真意は)衆参両院の全員、与野党問わないということだ。逮捕者が出ることは、あまり愉快なことではない。しかし職務だから手を緩めるわけにはいかない。はしゃいで言っているといわれるのは、心外千万だ」、こういう記事があるわけですよ。これはどうなんです。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私は愛媛県で六カ所ばかり演説したんですね。ロッキード事件に関しては徹底的に刑事責任を追及する、職責を遂行します、御信頼ください、こういうことが一つ。捜査がだんだん進んでまいりましたな、だんだん進んでくると法務大臣の口が重くなりますということと、それから、大体初めから言うていることですが、ロッキード事件が起きたときから、ああいやな事件が起きたな、こういう感じを持っているんですよ。ですから、よく同僚などに結構楽しんでやっているなんということを言われるのははなはだ心外で、こんな事件を愉快にやるやつがありますか、そういうことなんです。こんなことを私ははしゃいだり愉快にやっているわけじゃないんです。しかし、いやいやながらやるといったって、職務なんだから熱心に正確にやらにゃいかぬ、こういうことを言っておる。喜んでやれる筋合いのものでないじゃないですか。まかり間違えば仲間内から関係者が出てくるかもしれないようなそういう事件でございますからと、こういうことなんです。はしゃいでやっているんでないということを強調する、その中へ、仲間内からいろいろな関係者が出てこないとも限らぬことでありますから、私も国会議員ですものね、同僚から容疑者が出るとか犯罪者が出るとかそんなことは決して愉快なことじゃない、そういうことですな。仲間内というと、いかにも狭い範囲で見当つけて、あれ言っているんだななんというふうに思われちゃいかぬから、同僚というものは与野党問わず全国会議員でございますと、こういうことです。何か問題がありましょうかな。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうすると、十二日の毎日の記事では、「(十日午後の)八幡浜市の講演で「仲間をしばるのもやむを得ない」と言ったら(仲間とは)同じ派閥のことを指しているのだろうとの憶測が飛んだ。そんな話ではない。仲間とは衆、参両院議員、与野党を問わず、という意味だ。逮捕者が出る、起訴される者が出るというのは、気持のいい仕事ではないが、法相としてもやらなければならない。私は「はしゃいでいる」「張り切っている」と言われるのは心外だ。」これでいいわけですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 「しばる」とかそんなこと書いてありますけれども、そんな言葉は一言も発したことはない。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 「しばる」ということは読みませんでしたよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 あなたいま読んだじゃないですか。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 いやいや、「気持のいい仕事ではないが、法相としてもやらなければならない。私は「はしゃいでいる」「張り切っている」と言われるのは心外だ。」さっきおっしゃったと同じ記事ですがね。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 あなたさっき読まれていましたのは、「八幡浜市の講演で「仲間をしばるのもやむを得ない」と言ったら」こうなっておるでしょう。そんなことは一言も発したことがないと言うのです。一だからこれはうそだと言うのです。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それでは改めて伺いますが、一般論的に言えば、捜査の対象とする者は、事件に関係すれば与野党を問わず全部捜査の対象になっていき、それは与党、野党を問わず、刑事責任が生まれてくれば当然逮捕の対象になり調べる対象になっていくという意味なんだということですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 国会議員だから手を緩めるとか手を強めるとかいう性質のものじゃないですわな。それから与党だから手を緩める、野党だからきつくする、これは最もいかぬことだね、私の立場としては。そして従来そういう例も法務大臣としてあったものですから、なお気をつけなければいかぬわね。そういう意味で、こういう事件というものを愉快にやるばかはないのだ、そういうことを強調し、確実に国民の期待にこたえなければならない決意を述べるに当たって、たまたま仲間内、こういう仲間内から関係者が出てくるというおそれもある事件でございますから、だれが愉快にやれますか、こういうことなんです。仲間内というと、いろいろな雑誌や何かに書いてある人を頭に置いて言うたんではないかととられると困るなと思って、その次の会場で、仲間内とは、私も国会議員ですから、与野党を問わず、こういうだけを言ったことで、与野党を問わず容疑者がいるなんということを示唆したわけじゃないですよ。そうでしょう。だから聴衆は、あんなに新聞は書いて、あれえらいこと書くものだねと、みんなそう言っておるよ。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうすると、各紙がずいぶん紙面を割いてこのことを報道しておられますけれども、これは絶対各紙の想像記事であって事実無根だとおっしゃるわけですね。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 さようでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これは問題になりますよ、そうなってくると。各紙の記事は信用できないというようなことになるわけですけれども……。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 この問題に関する各紙の記事は信用していただきたくないです。私の言うことを信用してもらいたいですね。新聞一般について全部信用するなと言っておるのじゃないのですよ。この問題についての私の演説はこういうことだったのだから、ああいうふうに書かれるのはうそじゃないでしょうかね、こういうことを言っておるのでございまして、どうして問題になるのでしょう。きのうも実は自民党の幹事長から、みんなであの新聞を、こんなことを言ったんでなかろうか、勝手に想像して、注意しておいてくれと言うから、電話しておるのです。こう幹事長が言うから、注意を受けるいわれはない、こう言って返事をしておきましたがね。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうすると、もう一度おさらいをいたしますけれども、各党とも国会対策委員長も相当この問題を重要視しておりますし、ロッキード調査特別委員会でもこの問題を相当重要視している。当委員会で私、重要視して出てきたわけですけれども、各紙もいらっしゃるわけですから、この場所で大臣はこの問題をもう一度はっきり言葉の上で訂正していただいて、こうなんだということと、それから関係があれば与党も野党も問わず厳正に調査の対象として調べているということで、ことさらに――だんだんと捜査は核心に迫っているということは大臣もあっちこっちでおっしゃっているわけですから、檜山逮捕に至って全日空、丸紅ルートなり何なりの段階ではもう起訴する者も出てきておるわけですし、相当な段階まで捜査は進められておるということは、お互いに国民としても皆関心を持ちながら見て、相当核心に迫るだろう、きょうの各紙の予測記事だと、もうすぐ来週ぐらいには閣僚経験者の議員にまでも飛ぶだろうというような観測記事も出ているわけですから、そういう段階にあるわけですから、内容が野党も関係するような政治家が出てきておるかあるいはないか、そういう点も含めて、この記事に関係する疑惑なり何なりというものをここで一掃していただきたいわけです。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私は、いままで逮捕したのは十一名ですね、これからどういう人が逮捕されるのか、しないのか、ロッキード事件の俗に言うホシ、私は全然知らないのです。全然知らない。全部検察庁に任せてあるわけですからね。そういうことなんですよ。ですから、私は与野党を問わずという言葉は発言しているけれども、与野党を問わず逮捕者が出るとか、容疑者が出るとか、関係者があるとか、そういうことを頭に置いて言っているのじゃないのですから、それを頭に置いて言っている記事ですからそれは困る、それだけの話ですね。ですから、それが私の演説内容でございますから、あなたは同僚のよしみをもって新聞よりこっちを信用してもらいたい、こういう心境ですよ。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 われわれは国会の各委員会の法務大臣なり刑事局長なりの答弁以外は、新聞記事以外に全貌の知りようがないわけです。われわれはそれが知る権利に対する唯一の支えなんですから、その場所の中でいろいろ誤解を招くようなことをおっしゃってもらっても困るし、さりとて貝のように口をつぐまれても困るし、法務大臣は非常に重要な場所にいらっしゃるわけですから、できるだけ広く正確に答弁をしていただきたいし、できるだけ知らしていただきたい。それが捜査の妨害にならない程度で国民に知らしていただきたいということが私の質問の真意なんです。ですから、野党から逮捕者を出すことはけしからぬとか、野党を調べるのはけしからぬとか、与党だけ調べろとか、そういうことは、われわれは言うはずもありませんし、考えるわけでもないわけです。     〔小島委員長代理退席、田中(覚)委員長代理着席〕 全貌を国民の前に明らかにして、全部を知ってもらって、そうして政治不信を取り除くということがわれわれの唯一の願いなんですから、その方向に向かって物事を進めておると理解していただきたいわけです。ですから、その段階で、当然こういう発言についても、記事がもし違っておればやっぱり大臣として補足的な御説明をしていただくし、また、これは誤解を招くぞというふうな御発言だったとお考えになったら、直ちにそれを説明するような親切なことをしていただきたいわけで、それで、最初申し上げたとおり、国会の御発言は記録に残るわけですから、それはもう間違いなく出るわけですから、これはわかりますけれども、そうでない限りは、やっぱり国民が知るのはマスコミの報道を通じてすべて国民は内容を知っていくわけなんですから、そこにやっぱり十分なお答えをしてもらわなければなりませんし、正確な報道にも応じていただくことでなければならないと思うのですね。ですから、こういうものがあった場合には、すぐ御訂正をいただきたい、誤解を解いていただく御発言をいただきたいわけです。でないと、抜き差しならないような大問題に発展しかねないということでございます。その点いかがですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 まことにもってごもっともであり、かつ、ありがたいお言葉でございますね。そうして、新聞の間違いを権威ある委員会で正すチャンスを与えていただきまして、深甚の謝意を表します。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これはまたあすのロッキード調査特別委員会でもいろいろあると思いますから、その点もあわせてお考えになっていただきたいと思います。  それから次に、証人喚問の問題について御見解を伺いたいわけですけれども、現在法務大臣なり刑事局長の国会でのいろいろの御答弁は、いま議員の証人喚問は捜査に支障を来すという御見解であり、われわれは、そうではない、むしろ車の両輪だから、先ほど大臣もお触れになっておりましたけれども、政治家であり議員である以上は進んで応じるべきであるというふうなのが当然だということをおっしゃっておったわけですけれども、われわれも全くそういうことで、むしろ証人喚問に応じてもらうことの方が捜査の進展を早めていくという見解でわれわれはおるわけです。と同時に、いまは捜査の方に支障を来すから、いずれは捜査の終了段階ですべて明らかにしていくという答弁もあわせてあるわけなんですけれども、さりとて先ほどの御質問のやりとりの中にもありましたが、しからば現在支障を来すといって、いつごろまで議員の証人喚問を抑えられるのか。あるいは捜査の終了段階ということになれば、捜査の終了段階がいつだということはなかなか言えないことになりますけれども、その終了段階で明らかにしていくというのは、起訴する段階になり、あるいは公判に持ち込むような段階になって、そしてある程度のものだけが明らかにされていくのか。素朴な表現をかりていけば、ラッキョウの皮をむいてみたら後何も残らなかったということになるのではないか。そうなった場合は国民は大変な期待を裏切られるということになるわけですから、われわれはその全資料、捜査の資料からすべての資料を公開していただきたい。それはプライバシーを侵す問題も出てくるでしょう。しかしそれよりも、むしろいまの段階では国民の知る権利の公益の方がうんと高いのだ。そのために議員は不逮捕権を持っておるわけでもありますし、あるいは公人としてのいろいろな国民に対し国家に対する責任なり義務なりというものが負わされているわけですから、そういう一つの面を考えていくときには、多少は御迷惑のかかる方が出てくるのはこれはやむを得ないだろうという考えをわれわれは持っておるわけです、これはわれわれの考えですけれども。  そういうふうな考えを基本にしてお伺いいたしますけれども、いわゆる特別委員会で証人喚問が開始される――いまは与党の議員諸公の抵抗に遭って、あるいは大臣の御見解なり刑事局長の説明なり、そういうものによって証人喚問というものが抑えられておるわけですけれども、それでは議員の証人喚問が開始されるのはいつごろとわれわれは考えておっていいのでしょうか。内容はどういうところから起こってくるか。あるいは終了した段階で相当広範囲に中身を、灰色の高官と言われるところまで公開されるのかどうかということですが、その二つについて。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 証人喚問が行われるのはいつかということは、私が決めるのではなくて、時期はどうぞ国会で決めていただきたいと思いますね。時期には制限がございますよね。それは私どものつべこべ申し上げることではありません。  それから、いわゆる灰色高官名の発表、こういう御質問でございますが、もし灰色高官という意味が、刑事責任の追及から外れた、しかし政治的、道義的責任があると――これは国会が御判断になるべきことですから、調査権に基づいておやりになることですから、そういうことを意味すると考えられてその調査権を発動された場合には、刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて最善の御協力を申し上げる。そのときは国会が主役として、私どもはわき役として大いに御協力を申し上げなければいかぬな、こういうふうに思うております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それでは、捜査に支障がないと決断を下せるような時期はいつごろなんですか。  それともう一つ。いわゆる灰色高官の内容については国会で決めるべき問題だということは、刑事訴訟法のただし書きによる範囲内での決定にも応じるのか。司法当局として、ただし書きのとおり、いわゆる起訴以前の者あるいはそれ以外の資料についても、国会法に基づいてあるいは調査権に基づいて求められれば、いわゆるただし書きを盾にとって、最終的には法務大臣の内閣声明まで考えていらっしゃるのか。そうではなくて、特別委員会の方で、委員会で決定して求められれば、ただし書きという内容をとって、そして国会の調査権に応じて公表します、そういうお考えでいま国会が決めることだというお答えになったのかどうか。二つの点をお答えいただきたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私は、国会の調査権の発動の時期は国会がお決めになることです、それから、それでは時期のみならず尋問の内容等につきましても無制約なのか、こういうこととは別だと思いますね。手のうちが公にされるような、そういう結果を生むような尋問の仕方は捜査に妨げになると思っているのですね。ですから、そのことだけはこの間理事会でよく申し上げたわけです。  それから刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえてというのは、もちろん四十七条ただし書きの規定も入りますから、それをも踏まえて最善の御協力を申し上げる。発表することによる公益の獲得と、発表することによって失われる公益と、これは比較考量すべきものでありますから、具体的なその人に応じいろいろなものに応じて違ってくると思いますね。ですから、いま一般論として、灰色高官とはこういう者である、こういう者については四十七条によって発表しますという一般的な答えはできない段階でございますから、とにかくお互いパートナーですから、この事件解明、全貌の解明についてのよきパートナーですから、余りこっちのことを隠すんじゃないかなんというような疑いは全然ひとつ御不要でありますと断言して私ははばかりません。ですから、大いに両々相まって、皆さんと協力して事件の全貌――全貌というのは刑事責任のみならず、政治的、道義的責任の全貌を解明しようじゃありませんか。その道程においては、知る権利について多少制限が加わるということは当然じゃないでしょうかね、捜査密行主義でなければ真相解明できませんもの。幾ら知る権利と言っても、知る権利とは、後で全部解明することが知る権利に応ずるわけでございまして、いまつかまえる方と逃げる方と勝負をやっているときに、つかまえる方の手口を、手口というか、手のうちを、マージャンなら十三牌のうちを見せてやれと言ったって、知る権利と言ったって、その知る権利は国民にはいまの段階ではない。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これは大臣、ちょっと失言だと思いますよ。いまの段階では国民は知る権利はない――国民の知る権利はいつでも存在しているということになると思います。ただ、法律上のいろいろな制約があって、知る権利はいま抑えられる。しかし、一般的な国民の知る権利というものは何物にも増して厳然として存在している、私はそういうふうに考えております。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 ちょっと待ってください。それは問題になる御意見ですからね。私は意見が違うのです。いつでも一般的に国民は知る権利がある。知る権利はありますよ。それはそのとおりだけれども、ロッキード事件に関しては、いまの段階において捜査の手のうちを明かせと言っても、それではつかまえられなくなるから、それでは国民のためにとっても、国民はきちんとやれと言っているのですから、きちんとやることに妨げのある知り方はできないんじゃないですか、こういうことを申し上げているだけです。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 だからしばしば記事で問題になるのであって、いまの段階では国民に知る権利なんかないなんということが記事になると、それこそまたわっとなります。(稻葉国務大臣「いや、そのことだけをとらえるから、全貌をとらえないから」と呼ぶ)そういうふうになるわけですから、だからよく御丁寧にお答えになっていただきたいわけです。だから、制約があって、いろいろな制限があっていまのところは知る権利にこたえられない、こたえ切れないのだ、こたえてあげたいけれども、ということじゃないか、私はそういうふうに考えるわけですけれども、と同時に、最近の、きょうあたりの記事によりますと、三木総理がいままでは解散までいきそうもないというようなところだったのが、今度はロッキードの解明、あわせて解散も三木総理の手でさせるという段階になってくれば、今度は逆に三木総理は事件の解明という点をある程度いろいろな形で制約を受けるんじゃないだろうかという一つの憶測記事があるわけなんですけれども、これはあくまでも憶測記事であるわけなんですけれども、法務大臣としては、いかなる制約があろうと何であろうと、外からのいろいろな雑音、圧力があっても、在職中はいままでどおり御主張は絶対変えないとわれわれは期待しておってよろしいでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 検事総長と私の立場は多少違いますが、検事総長は法務大臣が死のうと生きようとそんなこと、それから自民党がどうなろうとか政権が変わるとどうなるとか、それは検事総長は独立不覊、厳然として、そんなものに煩わされて捜査がおかしくなるなんという検事総長じゃない。それはいいんです。けれども、われわれの方の立場としては、やはりいい雰囲気で真相が究明できるというふうにしておいてあげたいなと、これは総括的にそれを指揮監督する法務大臣の立場としては当然そういうふうにしてあげるべきものだ、こう思いますから、一方、あなた、こんな段階に解散がぶつかったりして、選挙違反の監督もせんならぬ、ロッキードもこういう重大な段階で大いにやらにゃならぬというのは、いい雰囲気でロッキードを解明する検察の置かれた立場ではない、こういうふうに判断するだけでございます。それはやはり法務大臣として気をつけなければならぬ、一丁しっかり一生懸命に……。これは難事件です。それでよくまあここまでやってくれた、感心だな、これからもあの状態だとずっと国民の期待にこたえて全貌を、知る権利にこたえるという希望を非常に強く持てる、こういうことであります。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 この問題はこれくらいで終わりますけれども、大臣は、いままでのような指揮権発動は絶対しないのだ、もうそんな時代じゃない、そういうことができる内容でもないというお答えをしばしばしておられます。別の面で、新聞記事は政局がいろいろ変化を起こしてきていることも報道されるわけですから、その中で、そういうふうな憶測記事があったということを御披露して、大臣に決心を伺いたかったということなんです。その決心とは記録に残る決心を伺いたかったということでございます。ですから、その決意にはお変わりはないというふうに理解してよろしいですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私の決意が動くようなことは絶対にありません。いたしません。たとえ大地を打つつちが外れてもこの決意の変更はございません。  それから先ほどあなたが、言葉を気をつけて、いまの段階では国民の知る権利は制約される、これが正しい表現、言い方だぜと御注意受けましたが、なるほどそうだと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 では、総会屋の問題に移りたいと思います。  これは刑事課長さんに伺いたいのですが、きのうの読売の記事で、ジャパンラインの株の事件で、「ジャパンラインの株買い占め事件に関連、ロッキード社の秘密工作人、児玉誉士夫(六五)が受け取った多額のフィクサー料の解明を進めている東京国税局は、十二日までの調べで、新たに、児玉が二億円を超す成功報酬を受け取っていた事実を突き止めた。脱税容疑で逮捕された児玉側近のシーボニア代表取締役、水谷文一(六三)や押収した帳簿類などの調べからわかったもので、同事件で児玉が受け取ったカネは着手金の一億円を加え、これまでにわかっただけで計三億円に上ることがはっきりした。しかし、捜査当局でに、戦後最大の買い占め事件の報酬としては少なすぎ、フィクサー料は、最終的には、この数倍で、ロッキード社からの工作資金と並ぶ児玉の二大金脈とみて、さらに追及している。」という記事が出ておりますが、この記事の内容についての、われわれにわからしていただける程度の内容で、この件についての捜査の状況をお教えいただけたらと思いますが……。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 ただいまの新聞の報道につきましては、まことに遺憾でございますが、まだ詳細に報告は聞いておりません。この水谷に係る所得税法違反の事件につきましては、東京国税局と調査、捜査を共同して行っているという段階であります。四十八年と四十九年につきましてそれぞれ相当額の所得税を脱税している容疑で逮捕して現在調べをしておるわけでございますが、事柄が所得税法違反ということでございますので、まず何といいましても、検察庁ももちろん一緒にやりますけれども、国税局の犯則調査というのをしっかり固めるということが一番先決、大事なことでございます。いまその過程でいろいろな報道が出ておるようでございます。このジャパンラインの株の買い占め事件をめぐりましても、相当な所得が児玉あるいは水谷等にもあったんじゃないかという嫌疑で国税局も検察当局も調べておることは事実でございますが、具体的にどういうふうに金額が発見されているかということはまだちょっと報告いたしかねる段階でございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 児玉のこの問題も、やっぱり総会屋としての大きな、最大ではないかというような記事も出ておりますし、そういう面についての捜査も、これも総会屋的な一つのあれになるわけだと、このジャパンラインの問題もあるわけですけれども、その点について捜査当局はどういう捜査をお進めになっていらっしゃるんでしょうか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○吉田説明員 刑事局が検察当局から報告を受けておりますのは、児玉譽士夫につきまして、さらに昭和四十八年、四十九年分の所得税法違反で、これは過般のチャーチ委員会の公表資料等に基づく領収証に基づき、その他の証拠で容疑があって調べておるわけでございますが、そのほかにも児玉譽士夫につきまして所得の嫌疑があるのではないかという関係で国税局といろいろ調査しておるわけでございますが、その過程で、総会屋というのですかフィクサーというのですか、そういうものの活動を調べていくのかということでございますが、その過程で必要なものについてはもちろん調べておると思いますが、その具体的な内容については私承知しておりません。しかし、児玉の所得税法違反の捜査、調査に必要なものについてはもちろん捜査をしておりますし、その不法な資金の流れ等についても捜査を続けておると報告を受けております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 警察当局にお伺いしたいわけですが、これとは別途に、先日全日空の総会あるいは丸紅の総会というのが報道されたわけですけれども、その中で、丸紅の方では一株株主のような方が発言を求めて立ったところ、暴力団が寄ってたかって傷害を与えたということで現行犯で逮捕されて、それぞれ丸紅から報酬を受けて、というような内容が出ておりましたけれども、その後の調べでこういう者たちの実態がどの程度わかってきたのか、その総会屋の実態なり、この種の連中の現在までのいろいろな事件の件数なり概要、そういうものをまとめておっしゃっていただきたいと思います。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○平井説明員 丸紅の株主総会におきます暴行事件につきましては、当日暴力行為や傷害の現行犯で、いわゆる総会屋とみなされる者三人を現行犯逮捕いたしまして、さらにその後、本日共犯もう一人を逮捕し、合計四人を逮捕して事件を追及、調査中でございます。こうした単なる暴力行為事件のみならず、これに絡む事実関係を十分解明してまいりたい、かように考えております。  それから総会屋の実態ということでございますけれども、御承知のように、いわゆる総会屋につきましては明確な法的な定義とか概念というものはないわけでございますが、警察といたしましては、会社、企業に寄生して株主総会の運営に絡んで金銭を取得したり、あるいは出版ゴロ的な行為によりまして寄付金、賛助金名下で金銭を取得する、こういう者たちを不法行為取り締まりの立場から注目しているわけでございますが、昨年度の調査によりますと、こういう者としては全国で約五千人が把握されておるという状況でございまして、さらにこうした分野に対して最近暴力団の進出が目立ってきておるということもありまして、暴力団取り締まりの見地からも十分関心を持って取り締まりに努めているところでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これは雑誌の記事に出ているわけですけれども、   ロッキード事件の丸紅、全日空両社とも、株主総会はわずか十数分間でおわった。前者では、一株主が発言しようとして暴力団の総会屋に袋だたきにされ、負傷した。後者で質問者がなかったのは、質問を許さぬ雰囲気だったからだろう。   右二社以外にも、問題をおこして社会の非難をうけた企業は少なくない。それがいずれも短時間で総会をおわり、総会屋以外の株主の発言は聞かれなかった。   株主総会は、経営者が株主――したがって国民――と接触する唯一の公式の場だ。企業の社会的責任を思えば、株主から質問をうけ、経営者が誠意をもって答えるべき場であるはずだ。にもかかわらず、総会屋を動員してのシャンシャン総会とは、国民をバカにしている。株式会社は、庶民の零細な貯蓄を集めて大きな資本をつくるところに、制度としてのメリットがあった。この意味では、資本主義と民主主義の接合点といえる。   ところが総会屋なるものができ、多くの会社の株を少しずつ持ち、株主総会でいやがらせ発言をしたり、あるいは逆に、議事進行を買って出ることを業とする。   経営者にほんとうの才能と信念があれば、総会に時間をかけ、株主とじっくり話し合うことが可能なはずだ。そうすれば総会屋の活動余地はなくなるだろう。   だが日本ではそうしない。総会に要する時間が短ければ短いほど、会社には問題がなく、経営者への信頼もあつい、というふうに見えるだろうと考えるのだ。   虚構だ。この虚構の中で総会屋が繁盛する。その責任はまったく経営者の側にある。総会屋の数は全国で三千ないし五千。経営者の多くはサラリーマン的、非民主的、敗北主義だ。その結果、企業と体制に対する信用を低下させている。   日本は一個の巨大な株式会社にたとえられる。個々の株式会社の中で、右のような虚構がまかり通っている以上、日本株式会社の中で、広い視野にたつ信念と説得の政治がないのも不思議でない。   ロッキード事件解明の過程で、政官財の癒着ばかりでなく、黒幕・総会屋・暴力団の果たした役割が、だんだんわかってきた。日本資本主義の病巣がいかに深刻か、見せつけられる思いがする。 こういう記事が出ておるわけです。  そこで、警察庁の方では集中的に暴力団の頂上作戦的な取り締まりなり検挙なりいろいろ行っており、その都度凶器が見つかったりあるいは覚せい剤とか麻薬とかいろいろ資金源的なものも出てきておるということでありますけれども、そういうふうに一般に見られる暴力団と総会屋との関係ですね。一般的に考えますと、暴力団が総会屋になりやすい点は十分にうかがえるわけですけれども、丸紅の場合も、表の方で車で黒いシャツを着た連中がじゃんじゃん示威行為をやっておって、気の弱い人や善良な人は入りにくい状態が生まれておったということも報道されておりますけれども、こういう暴力団と総会屋との関係の解明はされておるのかどうか。そういう実態はいまどうなっておるのか。総会屋的な行為が暴力団の重要な資金源に変わりつつあるのかどうか、その辺はどうなんですか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○平井説明員 暴力団は従来どちらかといいますと、賭博とか、のみ行為、麻薬、覚せい剤という不法な資金源を組織活動の基盤としておったような状況が大勢でございましたけれども、最近新たな資金源として、こうした総会屋の分野にこれが乗り出してきたという状況が見られますのが大変注目される傾向だと考えております。  一方いわゆる総会屋の分野、これは組織暴力とはやや次元が違うような状態で従来とらえられておったわけでございますけれども、こうした分野におきましても、最近その活動がかなりグループ化してまいりまして、組織という力の背景を持った活動を行うような傾向が見られます。そうしたことから暴力団と結びつくという傾向がありまして、こうした両方の流れから、最近組織暴力と総会屋との関連というものがかなり密接化しておるということを非常に注目しておるわけでございます。  先ほど全国で約五千人余りのいわゆる総会屋が把握されておると申し上げましたけれども、そのうち暴力団構成員が総会屋として存在しておるというものが約一割の五百人ぐらい、さらに総会屋の方で暴力団組織と密接な関連があると見られるものが約千人ぐらい、五千人中約千五百人ぐらいがこうした暴力組織と関連があるというふうに見ております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 警察庁としては、それぞれの企業に総会屋対策的な警告ですか、そういうもので排除するようにという要望を行われたというような記事を読んだことがあるのですけれども、この場合はやはり企業の方から締め出すということが重要なことになるわけですが、一遍入り込んだ総会屋がそう簡単に企業からはみ出されるような状態に企業の力としてできるかどうか、そういう点もう少し何か方法はないのかということが考えられますけれども、その点いかがですか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○平井説明員 確かに総会屋の排除策といたしましては、その不法行為を摘発して検挙するということと、並行してといいますか、それ以上に重要なのが、総会屋に寄生されておる企業自体の排除活動じゃないかと思います。また、それなくしては、完全に総会屋の排除というものは実現できないのではないかというふうに考えております。そういう意味におきまして、最近企業関係の方々に呼びかけまして、総会屋と手を切るような、そういう排除活動の促進をお願いし、またそうした運動が行われるような自覚を促しておるわけでございますけれども、確かにかなり長い期間にわたって食い込んでおるこうした層というものを、一朝一夕に排除するということはなかなか困難な面があろうかと思います。  しかし、こうした検挙活動や排除措置と相まって、徐々ながら総会屋と手が切れたという企業もあらわれておる状態でございまして、そうした意味では多少息の長いやり方になると思いますけれども、なおこうした排除措置というものを大いに促進してまいりたいと考えております。特にその中で重要と考えておりますのは、やはり企業の経営陣、特にトップクラスの人の厳然たる姿勢というものが大事じゃないかというふうに考えておるわけでございまして、そうした面を中心に、警察なりに大いに呼びかけてまいりたい、かように考えております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 いろんな点で総会屋の問題を指摘されておるわけですけれども、この問題については、会社法の改正なり、あるいはせんだっても商法の一部改正に伴いまして、その段階で当委員会で審議中に総会屋の問題も出てまいりました。そしていわゆる十分か二十分でしゃんしゃんで総会を終わるということは、それが上場会社であればあるほど、それが大きければ大きいほど、株主に対して背信行為であるという点も指摘されて、問題視されておったわけなんですけれども、これは公認会計士なり監査制度を変えるためにこの商法の一部改正、粉飾決算を除いていくために法律改正があったわけです。しかしその改正時点で、その都度さらに改正すべきであるという問題点がずいぶん指摘されたわけで、その指摘された中に総会屋の問題も出ておったということになるわけですけれども、そして公認会計士も、一番問題になるのは、結局、監査をやっても監査報告をいろいろ書いてみても、それに対する報酬を直接監査する企業から受け取るというところに重大な問題があるんだということで、現在まで公認会計士なり監査を行った人たちが虚偽の監査報告をしたということで罪に問われておるということがしばしばあるわけで、その問題も商法の一部改正のときに問題にされてきました。ということで、いわゆる会社法なり商法の中に大きな問題点があって、そこらをずいぶんとつつかない限り、この問題は少しも前へ向いて進まないということに結論的にはなるわけで、聞くところによりますと、商法の改正なり会社法の改正というものは検討されておるということになるわけですけれども、そういう段階で、現時点でこの問題をどうとらえていらっしゃるか。これはロッキードの問題と絡んで重要な問題になってくるわけですから、これが監査制度が十分行き届いておって、内容が整っており、あるいは総会屋なんかの入る余地がなければ、ロッキード問題は監査の中からでも問題が飛び出てくるということになるわけですから、ただ丸紅がいま事件の焦点になっているからそこの総会あるいは全日空の総会の様子が報道されたわけですけれども、日本航空も同じように軌を一にして十六分ぐらいで総会が終わっている。その他の企業もほとんど二十分以内ぐらいで総会が終わっているわけです。そうすると、広い立場で一般に株を公募し、それぞれ株主がおるわけですけれども、特殊な関係の株を持っている人たちだけを大切にして、そこだけで報告がされていき検討されていく。人事関係も全部そういうところで検討されていって、一般の株主は全く知る余地もなければ、くちばしを入れていくこともないというのは、これは重大な法律の欠陥であり背信行為であり、これは重大な問題だというふうに考えます。  で、アメリカにも総会屋はないことはないけれども、その場合は、株主の方を代表して会社の方にいろいろな注文をつけていってやるという総会屋は存在するということになるわけで、昔ばそういう総会屋もあった。しかし、いまはむしろ株主総会をしゃんしゃんで終わってしまうということに問題がある。そうではなくて、十分株主と議論を闘わして、聞くべきは聞き、改めるべきは改めていくところに会社法なり商法の大きな問題点があり、厳重な会計監査をされていって、そして法の前に厳正な監査がされていくところに、株主に対する答えが出てくるということになるわけですから、それがただ株主から伏せてしまって陰で操作されていくということは、これは重大な刑事事件にもなるということになるわけですけれども、その辺について、一つは大蔵省の方の関係になるわけですから大蔵省の方の御見解と、法務省の方のお考え、現在どうしていらっしゃるか、これからどうされるかという点についてお答えいただきたいと思います。

森卓也大蔵省証券局企業財務課長

○森説明員 大蔵省の方から先にお答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のとおり、商法改正に伴いまして従来より以上に厳正な公認会計士の監査をやる必要があるということは御指摘のとおりでございまして、私どもも日ごろからそのように公認会計士を監督いたしております立場から指導を行っておるわけでございますが、たとえば商法改正後特に私どもが指導いたしております方法といたしましては、組織的監査の充実ということを言っておるわけでございまして、なるべく法人の監査は、あるときには監査法人によるか、場合によっては監査法人でなくても、個人の公認会計士に依頼する場合には少なくとも複数の監査責任者による共同監査をやっていただく。それを総称いたしまして組織的監査と言っておるわけでございますが、そういうことによりまして企業となれ合いにならないようにということで配慮をしておるわけでございます。  一方、証券取引所の方も同じような趣旨で、これは上場会社だけでございますけれども、昨年の二月にやはり同様の趣旨の要請を上場会社の方にいたしておるわけでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 法務省の方は後になりますけれども、これは相当研究していらっしゃる方が、この場合問題は監査のあり方であって、その公認会計士が直接なり間接でもそこの監査をする会社から報酬的なものは一切受けられないというシステムにして、そこへはもう全然手の及ばない人が監査に行くという制度に切りかえない限り、この種の問題はおさまらないという結論を出していらっしゃるわけです。そういうことで、森さんの方で、責任あるお答えという点では非常にむずかしいと思いますけれども、ですが、森さんが直にこの問題を専門的にお扱いになるわけですから、その方向に向かって法律改正に取り組んでいただきたいということ。その点いかがですか。

森卓也大蔵省証券局企業財務課長

○森説明員 お答えいたします。  ただいまの先生の御提案、私どもにとりましても大変傾聴に値いたします貴重な御意見でございますので、十分検討させていただきたいと思いますが、基本的にはなかなかむずかしい問題をはらんでおると思います。  一つは、公認会計士というのは自由職業人であるということで、一方、監査される方の企業にいたしましても、倒産した会社を後から調べるというのではございませんで、現に経営し毎日動いている会社の実態をいわばさらけ出すという形で、会社の経営成績、財政状態を公認会計士さんに見てもらうということでございますので、どこのだれかわからない人が来て調べるということだと、なかなかその間に意思の疎通が図りにくい。やはり企業とその公認会計士との間に信頼関係がございませんと深度のある監査が非常にしにくいということで、そういったお互いの自由意思の上に成り立っておりますのがただいまの監査制度でございます。日本だけではございませんで、御承知のとおり、こういったディスクロージャーの制度というのはアメリカの不況以後に発達して諸外国に及んでいる制度でございますが、諸外国どこでも、ただいま私が申し上げましたような自由な監査契約に基づいて監査が行われているという実情でございますので、いろいろなかなかむずかしい問題をはらんでいるというふうに考えております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そういう問題はあるかわかりませんけれども、それだけで放置しておったのでは前進しないわけです。だから、一つの責任あるグループをつくって登録するなり何なり、そこに方法はいろいろあると思いますので、これが一番のガンですから、私どもぜひともそういう方向、問題点をなくす方向で御検討いただきたいというふうに考えます。  では、法務省の方ひとつ……。

千種秀夫法務大臣官房参事官

○千種説明員 法制審議会の商法部会で株主総会制度の改善についてどのように検討しておるか、こういう御質問でございますが、法制審議会といたしましては、先ほど御指摘のような国会の審議結果というものを踏まえまして、昨年来、各界の意見を徴しまして、会社法の改正についてどのように考えるかということを検討してまいりましたが、その意見も大体昨年末から今年初めころまでにまとまりましたので、今年の二月から商法部会を再開いたしまして、この問題を検討しているわけでございます。  で、その問題と申しますのは、会社法の基本問題に関して何を改正すべきかという一般的な問題でございますので、その中には、株主総会の円滑なまた民主的な運営の方策いかん、こういう問題も含まれているわけでございます。しかしながら、いろいろと問題は多うございますので、何から先にやるかということになりますと、株主総会の最も基本になるのは、これはやはり会社法の基本にもなるところの株主、株式、株主の権利、こういった問題ではないかということになりまして、商法部会ではこれを小委員会の方におろしまして、現在、株式ないしは株主権の問題を検討しているわけでございます。  御指摘の問題、すなわち総会屋の問題に関しまして申し上げますならば、総会屋と通常言われております者は、ごく少数の株を持ちながら、ささいなことで何か不正不当を働くということが問題でございまして、まず第一には、きわめて少数な株を持ちながらいろいろな活動をするというところに問題がございます。現在、一般の株式の額面が昔さながらの五十円、現在の経済事情からしますときわめて価額の低いものでございますために、そういうささいな株主が生じやすいという問題もございまして、これを併合してもう少し高い金額のものにするとか、あるいは単位株と申しましてまとめて一括しなければ権利行使ができないようにするとか、そういう問題が現在討議されているわけでございます。  ただ、ここで問題になりますことは、先ほどの御指摘にもございましたように、株主総会を民主的にするということは、一面で株主の権利を強化しなければならないということになります。これを強化いたしますと、反面では総会屋のまた権利も強化されるという問題がございます。また監査制度につきましても、これを非常に厳しく規定いたしますと、逆にその瑕疵を追及して訴訟を起こす、こういった総会屋のつけ入る余地を多くするという危険もございます。  このように、一般法としての会社法で何らかの特別の措置をいたしますと、ちょうどもろ刃の剣のようなたぐいでございますが、よくにも悪くにも利用される、こういうおそれがありますので、なかなかその問題はむずかしくて、なお検討中、こういうところでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 いまのお答えですと、いろいろな問題を指摘されたから、その指摘に応じて検討はしている、しかし前へも後ろへも行かぬ、現状のままだ、そういう答えになるわけですね。  それで、一番問題になるのは、基本的な考えとして、会社の役員が会社を私物化して考えておるというところに一番問題があるんだ。だから、会社を利用していろいろ勝手なことをやって、損をしたら会社になすりつけて、そうしてもうけたら自分の物にしてしまうということができるんだ。ここに大きな問題があるんだ。  それから、しばしば国会で問題にされる政治資金の問題だとかあるいは交際費の問題だとか、そういうふうな問題にしても、株主の方でそれぞれ株主の権利の中でこれは質問する権利があるはずなんです。疑いを解く、そういうものを解く場所もないわけですね。こういう制度がはっきりしておれば、政治資金にこれを使ったじゃないか、なぜそういうことに使うんだという指摘にもなるわけですね。そういうことは、せんだって市川房枝さんが、電力会社から政治献金しませんという一札を取っていることも現実にあるわけです。そういうことを考えていきますと、これは法律だけによらない大きな歯どめにもなっていくということになるわけです。ですから、アメリカの連邦地裁の方で問題になっている政治献金なのか賄賂なのかということも、こういうところをはっきりしていけば問題が解明されていくということにもなっていき、それで化け物みたいにふくれ上がっていく企業の、丸紅に例を見るような、もうけるのならどんなことをやってもいいのだというふうなことが、こういうことを整理していくことによってはっきりされていく、そういうことはなくなっていくということになるわけです。むしろ、総会屋がはびこるという問題は、やはりそれぞれのところで厳重にやっていただき、あるいは株主の方に十分そういう主張ができるような、権利を主張する場所が与えられるような内容のものに法律的な助けもかしてやるというふうに、当然会社の方もそういう株主の質問に応じて答えてもいき、会社も改めていくというところに総会の一番大きな意義があるわけですから、そういうところへふろしきをかぶして隠してしまってしゃんしゃんで終わるようなことがあれば、再びまた第二の丸紅なり、第三、第四、第五と、ただ氷山の一角でロッキード問題で丸紅の問題が出ただけであって、企業の中にいっばいこういう問題があるということは、事件にならないからわからないわけですけれども、そういうものが皆この中にあるわけです。ですから、そういうものを解明するためにも、これはどうしても早急に会社法なり商法の改正もやっていくためこういう現在出ている問題の問題点を検討して、ないようにしていただきたいわけです。この会社法の改正なり商法の改正というのは法務大臣の権限に属する問題なんですから、これはやはり大臣にロッキード解明と同じようなウエートを持ってこの問題の解明に当たっていただきたいわけです。そうすれば政治資金規正法の法律を変えたことも十分効果をあらわしてくるという側面も出てくるわけですから、その点について最後に大臣に承りたいわけですが、あなたの方からその点……。

千種秀夫法務大臣官房参事官

○千種説明員 ただいま先生御指摘のとおりでございますが、先ほど申し上げましたのは、現在商法部会でどういう検討段階にあるかと申し上げたわけでございまして、これから先御指摘のような問題は順次検討していかなければならないと考えております。  それから、先ほどなかなかむずかしいということは申し上げましたが、これはやはり立法技術上の問題を御説明いたしただけでございまして、いまの段階でどうにもならぬ、こういうことではございませんで、いま株式の問題を早急に片づけて次の問題に入ろう、こういう段階でございます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 ロッキード問題に登場してくる児玉譽士夫みたいな総会屋が現にあったわけですから、株主総会に関するわが商法の規定に問題があることは御指摘のとおりです。私も法制審議会会長として、御指摘のとおり放置できない、速やかにそういう点の合理化を促進しなければならぬ。千種参事官がせっかくいま専門的な立場で進めているところでございますから、なお促進するよう私から審議会の会長として責任上そういうふうに運びたいと思います。  どうもいろいろ貴重な御意見を承ったり御注意を承ったりありがとうございました。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 もう大臣の答えで尽きるわけですけれども、答弁だけに終わらないで具体的に実らしていただきたいわけです。同時に、これはもう蛇足的になりますが、ひとつ各上場会社だけでも結構ですから、これは大蔵省の方もお願いしたいわけですけれども、総会がどういう状態で始まって終わったか、一遍各社の実態調査をやっていただきたいのです。キャンペーンをやっていただきたいのです。そうしたら大体わかるはずなんです。その辺から改めていきたいと思いますし、これは各マスコミにも将来お願いして、ほとんど総会は終わったらしいので、来年の総会目がけて、私たちも努力をして総会の実態を解明をしていきたいと思いますし、法務省の方としては、大臣の号令あるいは会長さんでもあるわけですから、次の通常国会にはだいぶ整った法律が出てくると大いに期待をしたいと思います。  以上で終わります。

田中覚自由民主党

○田中(覚)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十六分散会

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