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77回国会衆議院1976/03/05

文教委員会 第3号

発言数
116
登壇者
5
会派数
2
開催日
1976/03/05

会議録

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗田翠君。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 きょう私は、高校増設問題について主に伺おうと思いますが、その前にひとつ大臣に伺っておきたいことがあります。  いま、ロッキード疑獄をめぐりまして国民に大きな波紋を投げかけております。税金の申告期になって、税金の申告をするのもいやになったとか、そういった意味でのさまざまな声も上がってきておりますけれどども、また、子供たちの中にも大変影響があるのです。  私のところへ寄せられる電話とか投書などを見ても、テレビを見ていて、あの証人の証言の現場を子供にどう説明してよいかわからないという親の声がずいぶんあります。そればかりでなくて、各方面からの先生方から伺うのですが、子供がうそをつくことを平気になって困る、宿題を忘れてきた子供をしかりますと、全く記憶がございません、と言うんだそうです。そんなことを言ってもだめですよ、と言うと、私は真実を申しております、これではしつけにも何にもならないと先生たちが言っておられます。子供は大変ユーモラスにやっていますけれども、しかし、考えてみるとこれは重大なことで、本来決めたことを履行しなければいけないということを学校ではきちんとしつけているのに、すべてこういう形で逃れてしまってもいいということをテレビなどで学んでしまっている。子供たちが見ているのは、本当に記憶のないことを、ないと言っているのでなくて、知っていることを、ないと言っているのだというのを敏感に見て、それをまねしていますし、こういうやり方が広がっていったときには、将来大変心配な状態にもなるのじゃないかと思います。  こういう影響に対して、大臣はどんなふうにお考えになりますか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 私は、こういう影響は非常によろしくないと思います。やはり、教育というのは子供にどうこうせよということよりも、大人自身がどのように行動しているかということが非常に重要な教育効果を持つわけでございますから、こういう事態が起こりました以上は、真相を究明するということのために努力をいたすべきであると考えます。  ただ、私も子供との接触の問題について考えますが、その真相の究明の過程において、いろいろこの種の問題というのは複雑な要因が絡まっている。そして、要因が絡まっているけれども最終目標を真相究明に置かなければならないということを、これは年齢にもよりましょうけれども子供に十分理解させながら、真相究明という方向を強化していかなければいけないと考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 大臣は真相究明をしていかなければならないとおっしゃいます。実際にこれが正しく解決されるかどうかということが、最もよい教育的な効果をあらわす、もしこれがいいかげんになりましたら、ああいうふうにやれば成功するんだなということにもなりかねないわけでございます。  ところで、いま、政府高官に賄賂が流れているということは、疑惑としてはかなり固まっていて、問題はだれであるか、それを受け取った名前が何であるかというところに相当みんなの注目が集まっているわけです。  大臣は、当然閣僚の一人でいらっしゃいますし、特に非常に自由な立場で物をおっしゃれるお方の一人ではないかと思いますけれども、こういう状態の中で、今度アメリカが条件つきで資料を渡し、条件がない限りは公表するが、条件がついていたらわからないという発言を三木総理もされるようになりました。  で、文部大臣に伺いますけれども、閣僚のお一人として、政府高官の名を明らかにすべきではないかということや、特に賄賂をもらった高官はみずから名のり出るべきだということもおっしゃるべきではないでしょうか。特に文教行政の担当者としてそれは必要なことだと思いますけれども、大臣のお考えと御決意を伺いたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 この種の問題の真相の究明というものについて栗田委員からの御意見も承りましたが、私は、真相究明に当たっては国会も活動している、他方において行政当局の方も活動しているという状況でありますから、そういう状況の中で、アメリカ合衆国の委員会等において用いられている資料をどういうふうにわが国に持ってくるべきかということについて、いま条件というお話がありましたが、私自身もその条件というのは何であるかは存じておりませんが、法治国家でありまして、当然立法府、行政府にそれぞれ果たすべき役割りがありますから、そうしたものに沿って資料というものが用いられるべきであるというふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは、文部大臣はこの問題について真相究明の必要ありとおっしゃるけれども、閣僚の一人として特に何もおっしゃる必要はない、そう考えていらっしゃるわけですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 私は、この問題についてどう考えているかというと、総理大臣も真相究明という立場を表明しておられますから、閣僚の一人としてそれを支持いたしております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私が申し上げているのは、やはり支持なさる以上、それは行動であらわしていただかなければいけないし、総理のおっしゃることを支持するだけでなくて、文部大臣としてやはり真相究明のための積極的な努力をなさるべきで、こういう疑惑を晴らすためには努力をなさらなければいけないと思います。さっきも子供への影響が重大だとおっしゃった以上、私はこの問題で政府高官名を明らかにしていくために、閣内でも各大臣が、もし本気でおやりになるのでしたら、そういうことをそれぞれ真剣に発言され、そういう方向に進めていらっしゃるべきだと思いますが、いかがですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 当然閣内においても必要に応じて発言すべきものと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは次の問題に移ります。  高校増設の問題ですけれども、文部大臣は先日の所信表明の中で「今後の高等学校生徒の増加に対処するため、緊急対策として、新たに公私立高等学校建物の新増設費に対する国の補助を行い、」云々、こうおっしゃっております。今度の高校新増設に充てる国の予算というのは一体どのくらいでしょうか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 高校新増設に充てます国の補助は四十二億円でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 国庫が負担しますものと、それからその他、いままで地方債などが組まれておりますが、それを入れますとどういうふうになりますか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 地方債はそのほか五百億の枠でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、今度この五百四十二億が高校新増設に充てる国の財政措置の額だと考えてよろしいですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 お答えをいたします。  ただいま大臣がお答えしました国庫補助金並びに起債、そのほかに交付税におきます投資的経費の積算がなされておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 交付税は大体どのくらいそのために充てられることになるでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 その点につきましてただいま財政当局におきまして積算中でございます。そこで、きょう私から何ぼになるということを申し上げるわけにいきませんが、全体を合わせまして、国のとります財源措置全体としましては昨年度より上回る、こういうふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 四十九年、それから五十年の新増設費の国の実績はどのくらいになっていますか。いまおっしゃいました地方債、それから交付税の実際に使われたものなどだと思いますが、合計して四十九年、五十年、それぞれどうなっているでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 数字の点でございますので、私から便宜お答えさしていただきます。  地方債措置についてまず申し上げますと、四十九年度におきまして地方債計画では六十億円でございました。許可額は約四百四十二億円と、丸く申しますとそういう数字が出ております。  それから地方債措置の五十年度でございますが、計画額としまして三百億でございました。現在自治省で許可をいたしましたものが五百四十六億円、こういうふうに相なっております。  それから交付税措置につきまして、都道府県の高等学校費の投資的経費で、基準財政需要額としまして四十九年度におきましては約八百二十八億円、こういう数字に相なっております。それから、五十年度におきましては約千百四十一億円、こういうふうに見込まれておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 この交付税が全部建設に使われたわけではないと思いますが、高校建設に使われたのはどのくらいになるでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 具体的に数字をちょっといまつかんでおりませんが、いまの交付税でございますが、新増設のほかに危険改築等にも実績として使われておるわけでございます。  なお、全部の調査、私ちょっと存じておりませんが、ある県等を見てみますと、ちょっと過疎県等ではそれだけ使い切っていないところもございますし、あるいはそれより上回っておる県もございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 決算がされている部分についておわかりになるのではないでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 四十九年度で建物の関係が七百九十五億円、こういう数字がございます。それから五十年度が八百六十七億、これは建物だけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、昨年、一昨年の実績から考えてみまして、たとえば五十年度は起債だけで五百四十六億になるわけです。それに交付税の使われた分、八百六十七億を入れますと、千四百億くらい使われていることになるでしょうか。そうしますと、ことしは国庫補助と起債五百四十二億、よほど交付税がたくさん出ませんと、前年を上回るということになりませんけれども、その辺はどんなふうに大体お考えになっていらっしゃるのでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 私ども、ただいま財政当局といろいろ話しておる関係からいきますと、起債、交付税、こういうものを含めますと、五十年度を上回った数字に相なる、こういうふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 高校の増設の実績ですけれども、四十九年、五十年、それぞれどのくらい建てられていますか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 四十九、五十年度における高校新増設の数について申しますと、四十九年度は公立高等学校数が七十六校、五十年度では五十四校、合計百三十校、私立の場合には四十九年度が三校、五十年度が五校でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 五十一年度の計画は、何校でしょうか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 五十一年度の新設予定公立高等学校について申しますと、これは去る十一月現在の各都道府県報告に基づいておりますが、全国で六十六校でございます。私立の新設予定校数は同じ報告に基づきますと、五校でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 前年より十二校も余分に建てなければならない。これは文部省の計画だけですが、そういうことになっているわけです。  ところで、先ほどから五十一年は上回るとおっしゃるのですけれども、交付税の積算の基礎というのはそんなに変わらないはずですが、それで起債、国庫補助を合計して五百四十二億、五十年度の地方債全額よりも少ないんですね。私大変少な  いと思いますけれども、こういうふうにして上回るようにされるおつもりですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 ただいま申しましたように、五十年度許可されております起債の中には、建物のほか、用地費の起債が含まれております。現在、財政当局との間で話しております本年度の五百億につきましては、建物を中心に考えておるわけでございます。用地費につきましては、これは原則としてでございますが、自治省の方でお認めいただくことになるわけでございますけれども、一般単独事業債なりあるいは先行取得債の方で主として活用をしていただく、こういうことを考えておるわけでございまして、土地代を含むか含まぬかによって大きな違いが出てまいるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは次に伺いますけれども、いままで文部省は補助をつけることについて、義務教育でないのに補助をつけることは財政制度を非常に乱すとか、いろいろおっしゃっておりましたし、起債、交付税で賄うのが原則であるというふうにお考えになっていらっしゃったわけです。今度補助金をつけられたということは、どういうことでしょうか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 文部省といたしましては、従来も国庫補助という方向を打ち出したい考えでございましたが、いよいよ事態が緊急的な事態である、進学率が非常に高まってくるということが数字の上から明らかでございますので、今後五ヵ年間にわたりまして、その緊急事態に対処するために、国庫補助というものを従来の方法に加えて新たに設けるというふうにすべきであると考えたわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 大蔵省に伺いますが、文部省はいままで二年間、今度三度目になるのですが、この補助をずっと要求してこられましたが、それを大蔵省は削ってきたわけです。今度大蔵省がこれを認められたのはどういう立場に立ってですか。

矢澤富太郎大蔵省主計局主計官

○矢澤説明員 お答えいたします。  高校生急増問題の重要性を認識してのことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、先ほどから緊急性ということを大臣もおっしゃっております。大蔵省も急増問題の重要性を認識したというふうにおっしゃいました。いままでだって高校生はずいぶん急増しまして、大分大きな問題になっていたんですね。特にここで踏み切られたということですけれども、それは非常に世論も高まって、みんなの希望が強くなって、しかもどうしようもなくなったということなのかなと私ども判断しますけれども、大蔵省にもう一度伺いますが、特に認識された中身、どういうふうに認識されて、そして補助が必要だとお考えになっているかということをもう少し、ここのところでつけられたということですね。その意味を説明してください。

矢澤富太郎大蔵省主計局主計官

○矢澤説明員 四十九年度、五十年度、文部省から御要求のございましたのは事実でございます。それまでの私どもの考え方というのは、先般来、文部省の事務当局の方からも御答弁ございましたように、高校の新増設につきましては、地方債、それから地方交付税によって財源措置をするというのが原則でございます。また、地方債の起債枠なり、あるいは地方交付税の基準額の算定に当たりましての配慮等で一四十九年度、五十年度につきましては、十分の配慮をしておりますので、それで高校新増設というものは賄えるのではないかという観点から、新たな国庫補助については文部省と私どもでお話しし合いまして、計上は差し控えたわけでございます。  五十一年度に新たに国庫補助を緊急対策として計上したことにつきましては、この高校生急増問題というのは、年を追うとともに、だんだん深刻な問題になるというような事情を反映いたしまして、もう一つには各都道府県における自助努力と申しますか、総合的な努力を奨励する必要もあろうかというような観点に立ちまして、予算を計上したわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 重ねて大蔵省に伺いますが、いままでは補助をつけないでも賄えるだろう、起債と交付税でできるだろうと思ったけれども、今度は賄えなくなってきたからとおっしゃいますが、補助をつけないでは賄えない実態が私もあると思います。それをどんなふうに把握して、どこを補っていこうとしていらっしゃるわけですか。

矢澤富太郎大蔵省主計局主計官

○矢澤説明員 賄える賄えないという問題については、私どもは必ずしも賄えないという認識は持っておりません。たてまえといたしましては、あくまで高校の新増設につきましては、高校教育が地域的な教育サービスの提供であるという性格上、都道府県の負担であるという原則はいまも変わりございません。ただ、いま私がここで申し上げるまでもなく、これから高校生が非常にふえていく、しかも過密都市を中心に社会増が非常に大きいというようなところでは、各都道府県においてもいろいろと御努力をされているわけでございますから、そういった御努力を誘導ないしは奨励するという意味で、時限的に緊急的に国としても何らかのお手伝いと申しますか、手を差し伸べる必要があろうかという認識からの判断でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 大臣はその辺はどんなふうに認識していらっしゃいますか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 本来高等学校につきましては、自治体が起債等あるいは地方交付税によって、その建設に当たっていくという筋合いでございましたから、私は大変な急増状態というものが起こらない限り、その原則というものによって、地方で新しい教育要求にこたえることができるならば、それが望ましいと考えているわけでございます。しかしながら、数の推移を見ましても、とてもそれだけでは賄い切れない状況というものがあるということでございますし、それは推計をいたしますと、明会計年度だけではなく、その後に及ぶものでございますので、さしあたり五ヵ年という期間を緊急期間というふうに考えまして、そして大蔵省との話し合いの上で、今回の新しい補助、こういう形で地方における高校の新増設の要求にこたえるべきであると考えたわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 これは五ヵ年の期限がつけられておりますけれども、それでは、さしあたりといま大臣もおっしゃいましたが、五ヵ年たって同じ状態であるか、もっとひどい状態であるかというふうになった場合、これは延長されるおつもりですか、どうなさいますか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 進学要求あるいは人口動態、そうしたことは相当の変化を現状においても生じているわけでございますから、私は推計上五ヵ年というのが妥当な線と思いますけれども、それ以後に新しい事態を生じてくる場合には、これはまたそうしたものとして検討しなければならないものと考えます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは次の質問をいたしますが、今度の国庫補助で、公立の場合、千五十二クラス分と寄宿舎二つですか、こういうふうになっております。千五十二クラスというと、かなり細かい数で、二なんという半端まで出ているのですけれども、この算定の基礎はどんなふうになっているのでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 ただいまの点でございますが、考えております補助要件にもかかわってこようかと思います。したがいましてその点をあるいは申し上げた方がいいかと思いますが、その点につきましては、また後刻大臣から御質問に応じてお話も出ようかと思いますので申し上げますと、この三月の中卒者が何名であった、こういうことがまずございますが、それに各県が推定進学率を掛けまして、各県の報告数が出てまいっております。私どもとしまして、この進学率につきまして、五十年度の全国平均と、それから五十一年度の進学率がどうなるか。上回っている県、あるいは五十年度全国平均を下回っている県、両方あるわけでございますが、この全国平均を一つ中心にしまして物事を考え、中卒者がどれくらい進むかという、何と申しますか、限度を設けてまず操作をしたわけでございます。次に、こういう時勢でございますので、公立はもちろんでございますが、私立におきましても、公私協調のもとにあき定員の活用ということを考えていただきたい。三番目に、先ほど大蔵からもちょっと言葉が出ましたが、自助努力という点を配慮する、こういうことでございまして、まず県の報告、それから進学率、あき定員、自助努力、こういうことで進学生徒数を徐々にそれに応じて算定をいたしまして、そしてクラス数に換算をして出したものが一千五十二、こういう数字に相なったわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、進学率とあき定員の活用とあと自助努力を勘案された、大体三つの要件を勘案されたようなお話ですね。  それではもう少し詳しく伺いますが、たとえば進学率の勘案とおっしゃいますと、どんなふうに勘案されたんでしょうか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 お答え申し上げます。  進学率でございますが、進学率も当初予測と、それから事実上に起こってまいります進学率との間に、本年度の場合にも誤差がございました。昭和五十年度、本年度の場合、当初予測は九二・一%でございましたが、事実上は九一・九%で、数は小さいのですが、〇・二%下回りました。全国的には、来年度の当初予測では、十一月現在の推計によりますと、九三・六%というふうになっているわけでございます。しかしながら、今後もこのパーセンテージについての推移を見守ることが、本年度の予測が若干ずれがあったというようなこともあって、大事なことであるかと思います。そこで、そういう平均的なパーセンテージを下回るもの、それから上回るものを区別をいたしまして、そして配分の基準の一つとしているわけでございます。  なお、管理局長から補足をいたさせます。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 いま大臣からお答えしました点につきまして、若干補足をさせていただきたいと存じます。  教育の機会均等から見まして、一つは九一・九%の全国平均に達してない県が約二十一県くらいございます。そこはやはり教育の機会均等の観点からもう少し引き上げたい、こういうものにつきましては、九一・九%まで引き上げる限度におきまして、まず第一に補助対象県として考えてまいる、これが一つでございます。  それからすでに九一・九%の全国平均を上回っておる県が半分以上ございます。個々の県につきましては、補助額の算定と申しますか配分上は、明年度の進学率が各県どういうふうに動くかまだつかみ切れませんが、その全国平均を下回らないようにする限度において対象に考えていきたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。これは五十一年度の場合でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、五十年度の全国平均を基準にして、その下回るものは平均まで達するところまで補助をして、上回るものはそれを下回らない、現状を下回らないようにするというわけですね。私、これはなかなか問題があると思うのです。たとえば全国平均を上回っているところといいますと、大体大都市ですね。しかも、下回っているところにせよ何にせよ、平均ということになりますと、一つの県内でも過密のところと過疎のところがある県というのがずいぶんあります。そういうところで問題になっているのは、過密の地域でどう増設をするかということが、かなり問題になっているというのが実情です。こういう場合に、まず平均で算定されていきますと、つまり、いま言われたような枠から外れたものについては補助対象にしないということだと思うのですが、その点もいまお答えをいただきたいと思いますが、そういうやり方をしていきますと、先ほどの緊急性ということからおっしゃっていた必要を満たす立場からいって、実際には必要なところがふるい落とされていくということになるのじゃありませんか。補助対象から外すのかということをまず伺いまして、それからいまの点についてお答えいただきたいと思います。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 いま御指摘の点は理解できないわけではございませんが、私どもとしましては、補助配分に当たりまして県単位に物事を考えていかざるを得ない。そこで今度は、各県の中で高校の適正配置をどういうふうにしていただくか、この辺はまた、それぞれ県内におきます地域によって、進学率の高い地区あるいは低い地区があろうと思いますので、これはひとつ県の適正配置をどういうふうに御判断いただくかという問題が一つあろうかと思います。それからまた、一つは学区制の問題についての県教委の再検討、こういうものでひとつお考えをいただきたい。私どもとしましては、県全体、県単位に物事を考えさせていただきたい、こういうことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いま学区制の再検討ということをおっしゃいまして、これは大変なことだと思うのですけれども、いまの現状ですと、大体中学区制をとっておるところがほとんどですね。余り遠距離まで通学できないのも実情ですから、実際には都市部が過密で、それから離れたところが過疎でも、その過密の地域の子供が、大変離れた二時間、三時間かかる過疎の県内の学校にはなかなか行かれないという実態があって、その学区ごとに計算しませんと、その必要な増設数というのが出てこなかったわけです。そこのところがいま問題だと思いますが、それを県単位に国では考えるとおっしゃっても、私は実情に合わないというふうに思っていたのです。そうしましたら、学区制の再検討ということまでいまおっしゃっておりますが、これは具体的にどういうことなのですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 一般的な考え方として学区制ということを申し上げたわけでございますが、ある特定地域に非常に進学希望者が集中してまいって、そこは過密状態になっている、こういう場合に、もう少し行ったところはあいているが学区がちょっと違っておるという場合に、少し変えれるというようなこともありはしないか、こういう意味で申し上げておるわけでございまして、いま通えぬところまでどうこうということは、それは実態になかなか沿わないということは私も十分承知をいたしております。  なお、先ほど先生からも御指摘ございましたように、各県からの現在の時点におきましては、五十一年度直ちにということには相ならぬようでございますけれども、万一出た場合ということで積算をしておりますが、寄宿舎の問題でございます。寄宿舎つきの高校増設があった場合には寄宿舎も含めたい、それはどちらかと申しますと、過疎地あたりを念頭に置いておる、こういうことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 これは大きな問題だと思いますが、そうしますと、いわゆる大学区制というのでしょうか、全県一学区のように学区制をかなり広く取り外して、かなり遠くでも子供たちが行けるように、また通い切れなければ、寄宿舎に入れてでも過疎のあいているところへも子供が学校に入れるようにという、こういうことまで検討していらっしゃるというわけですね。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 いま管理局長から申し上げましたのは、そうした考え方もあり得るということでありますけれども、申し上げるまでもございませんが、これは都道府県の教育委員会において学校の学区の問題あるいは設置の形をお考えになるわけでありますから、私たちといたしまして、それを必ずこういうふうにすべきであるというふうな形で考えているわけではございません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 多少御意見が違うんですね。私、具体的に寄宿舎が二つついていたことをかなり気にもしておりました。寄宿舎を建てよという要求は、父母や教育界の中からはそうないのですね。そうではなくて、いま必要な高校を必要なところに増設せよというのが、これがいまの大きな要求だったわけです。ところが、具体的に寄宿舎という予算までが計上されているということは、いま管理局長が言われた問題をかなり具体的に考えておられるということなのですね。そういうことですね。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 いま大臣からお答えがあったとおりでございますが、私どもとしまして、一挙に大学区というところまでいくかどうか、この辺は私どもそこまで踏み切るというようなこともいま断定的に申し上げるわけではございませんが、町村合併等が行われまして非常に広域の過疎地域、こういうようなものを考えました場合においても、なかなか通学の不便なところもあろうかと思うわけでございます。そこで、寄宿舎つきというようなことも、希望が出た場合にこれに応じるような態勢はとっておきたいということで、こちらからそれを強制するとか干渉してということまでは考えていないわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 現実に、いまでさえも片道二時間とか二時間半通っている生徒たちがおります。高校不足のためにそういう状態になっていて、まあ越境入学ですか、実際にはそういうようなことをやっているわけですけれども、そこから出てきている問題というのは、やはり勉強する時間がない、クラブ活動もできない、体が疲れる、朝も大変早くて親も大変だ、さまざまな問題がありまして、これが教育上にも大きな影響を及ぼしておりますからこそ、適切な学区に適切な数の高校をという、これがいまの要求になっているわけですね。それを予算をつけることによって建てることを保障するべきだと私は思うのですけれども、いま学区を広げるという形で、あいたところに入れていこうという形で解消するというのは、大変これは問題だと私は思うのですね。ただ、いまそういうふうに具体的に進めていらっしゃるということを伺いまして、これは引き続いて私は問題にしていきたいと思います。  それから次の点ですが、平均よりも進学率の上回るところを五十年度平均並みに保障して、それ以上上回ったものについては補助対象にしないわけですか。切っていくわけですね。対象の予算額から切っていくということですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 いまおっしゃるとおりの考え方でおります。ただ、国の補助の点としましてはさようでございますが、言わずもがなのことかもわかりませんが、起債対象の問題としてはこれは当然入ってまいる、こういうことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 問題ですね、これも。なぜかといいますと、先ほどから特に過密地域での生徒急増ということを大臣もおっしゃっていましたけれども、こういうところに非常にこれに該当するものが出てくるわけですね。ですから、いわば足切りとでもいうのですか、その上回るところを切って補助額から引かれていきますと、特にたくさん建てる必要のあるところが非常に抑えられていくということになるんじゃないかと思います。それは起債で賄えばよいのだというお考えですね。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいま管理局長が申し上げたとおりでございます。今後五ヵ年間の緊急事態というのは、先ほど先生が申されましたいわゆる過密地域における増加ということもございますが、他方におきまして、従来は低かったところ、こういうところに非常に要求もある、そういうところからの推計もございますので、今回の起債以外の補助額は、やはりこれまでいわばおくれていたところに対して補助をすべきだという考えで、その急増に対処していきたいと考えているわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 その点もまた後で再び質問させていただきます。  第二の要件でございますが、あき定員の活用というふうにおっしゃいましたけれども、あき定員というのはこれは何ですか。それをどんなふうにして出していらっしゃるのか、具体的にお教えください。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 具体的にということでございますので、端的に申し上げますと、現在、これは全日制の場合でございますが、公立の場合五万八千五百三十四人の欠員がございます。それから私立につきましては、全日制でございますが、十六万九千二百九十七人という欠員がございます。これを学年別に見ますと、またこれはあるわけでございますが、高校生のふえる数の差し引きをいたしますと、各県報告から見た場合に、現在おる三年生とそれからこの四月に入る見込みの数との差し引きが増加人員になるわけでございます。そこで、三年生の欠員を算定上一応使っておるということでございます。しかし、この実態を考えました場合に、その全日制の中には普通科、職業科と両方含まれた数字でございます。そこで、現在の実態から見まして、全日制の普通科の三年の欠員の一定率を活用するというカウントで計算をしておるわけでございます。その場合に、私立と公立を同一割合にするかどうか、こういう問題もあろうかと思いますが、私どもとしましては、これまた私学の実態から見まして、その一定率の割合というのは公立、私立同じではちょっとぐあいが悪い、こういうふうに考えておるわけでございます。私立の方を下げたい、こういうことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私立と公立が違う割合で算定されているようですが、私、後でまだ伺いますが、そうしますと、それぞれそのあき定員の何割ずつになっているのですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 公立の場合は八割、それから私立の場合は五割、こういうカウントに相なっております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私まだよくわかりませんけれども、先ほどおっしゃった全日制公立が五万八千五百三十四人、それから私立が十六万幾ら、これは全校生徒のあき定員ですね。この中で三年生というのは何人になるのでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 三年生が公立で一万一千四百二十九人でございます。これは普通科でございます。それから私立の方は三年の普通科全日制が三万九千九百二十九人ということでございます。  なお、これを欠員活用でカウントいたします場合に、生徒の増加県の三年の欠員を対象にしてカウントしておりますので、ただいま申しました一万一千四百二十九とかあるいは三万九千九百二十九よりは、もう少し減った数字を基礎にしてカウントしておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 カウントしているとおっしゃるのですが、そうしますと、これはその補助対象額で必要な教室数がありますね。そこからその生徒数を教室数に数え直して引くとか、そんなふうにしていらっしゃるわけですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 初めに申し上げましたように、各県から一応報告が出てまいります。それで、先ほど来のお話ございましたように、進学率を掛けてこちらが修正生徒数を出す、その修正生徒数からいま申しました三年普通科全日制の増加県の分につきまして割合を掛けた数字を、いまなら八割、五割を掛けた数字を生徒数から差し引く、そしてクラス数に換算をしてまいる、こういう作業をやっておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そのあき定員なんですけれども、三年を対象にされたということをもう一度ちょっと説明してください。なぜ三年を対象にされたのでしょう。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 これはいろいろ考え方はあろうかと思いますが、先ほども申しましたように、五十一年度の高等学校の生徒数の増加を見ます場合には、生まれてきた子供の関係じゃなしに、高等学校の三年生に現におる生徒数と、それからこの四月一日に入ってくる生徒数の差が、各県で公立、私立通じての増加見込みの生徒数になるわけでございます。そこで、その場合に、三年生が定員いっぱいいなければそのあき分は施設として活用できる、こういう考え方をとっておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それは私どうもおかしいと思うのですけれども、私も実は調査をいたしまして、文部省がどんな調査をされたか調べたのです。そうしますと、各県のそれぞれの学校の三年生で、定員オーバーしている学校もありますし、それから欠員のある学校もありますが、プラス・マイナスずっと出して、それで何人というふうに出していらっしゃるようですね。これが合計されたものがいわば三年の集計という形で出てきているようですけれども、そうですね。何人か定員オーバーしているところ、それから欠員が五人なら五人、それを学校ごとに全部合計して、その集計が出ているわけですね。そうですね。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 単一の学校をとりますと、私どものいまの持っている数字ではそういうことに相なろうかと思いますが、全体で見ました場合に、私どもとしましては、各県から出た三年生の欠員分と、実員が定員を下回っておるだけの数字を基礎に置いておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、さっきおっしゃったように、あいた施設を活用できるだろうというお考えなんですけれども、たとえばいま三年生になると、一年に入学したときより確かに欠員が出るのです。一年のときに定員いっぱいであっても、三年間たちますといろいろな理由で減っておりますね。大体どんな理由で減っていますか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 ドロップアウトとかあるいは転校とかいうような問題があろうかと思いますが、その数字、私ちょっと不勉強で存じておりません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 結局そうなんですね。転校したり進級できなかったり、それから中には不幸にして休学とか亡くなった生徒さんも出るとかいうことで減るわけですね。しかし一年生に入るときには定員いっぱい入っているという場合もかなりあるわけです。そうして減ったものを全部合計してあいたところが使えるとおっしゃるのですけれども、たとえば、大変端的な例を出しますが、ある学校が定員六百人の学校だったとします。一年二百、二年二百、三年二百の定員だった、こんな極端な例は少ないですが。ところが、三年生はたまたま百人しか入っていなかった。あき定員とおっしゃるので言えば、百人のあき定員があるわけですね。ではここが使えるだろうからといって、新しく入る一年生、今度定員二百にこの百を足して三百入学させることができるかという問題ですね。これはできませんね。なぜかと言えば、一年三百入ったら、これは二年三百、みんな三百になっていくわけですからね。しかも、私いま百人なんという例を出しましたけれども、実際には学校ごとのあき数というのは五人とか六人とかいう数でして、これは一教室にはならない数なんです。三年があいていたから、ではそこのところをどう活用するのかと言うのです。これも私わからないのですが、もう少しわかるように教えてくださいませんか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 先ほども申し上げましたように、この点いろいろ考え方はあろうかと思うわけでございますが、私どもとしまして、欠員を一〇〇%活用するという考え方も金目の計算上はあろうかと思うわけでございますが、先生いまおっしゃいましたように、一つは高校のございます所在地の地域の関係も欠員が出ておる事情としてございましょうし、それからよそへ転校したとかそういうようなこともあろうかと思いまして、金目の計算上率を掛けてそれを一〇〇%見ずに押さえておる、こういう点もひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そのために八割と五割ですか、そうおっしゃるのだと思いますけれども三年があいているから活用するまではわかりませんが、それでは公立が歩どまり八割は活用できる、私立が五割は活用できるというのはどういう根拠から出てきた数ですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 その点でございますが、こういう時節でございますので、しかも冒頭大臣また大蔵からもお話がございましたように、従来の高校新増設に対します原則は原則としながらも、緊急対策といたしまして補助金を創設されるわけでございますので、公立も私立もひとつできるだけあき定員が出ないようにお互い努力をしていただく必要がある、こういう考え方から、欠員が生じないように、公私協調の上でできるだけそういうことが生じないようにやっていただきたい。そういうことを奨励すると申しますか、誘導すると申しますか、そういう考え方から出たわけでございます。  そこで八と五ということにつきましては、かくかくだから八割にした、かくかくだから五割にした、必ずしもこういうきちんとした理屈というよりも、やはり国庫補助と起債との絡みでやっていく場合におきまして、公立、私立、こういうものの実情を勘案して八割、五割、こういうことを考えた、こういうことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 その点でも非常に現実性がないと私思うのです。私、調査しましたけれども、たとえば東京都の私立の場合、いまあきを持っているところは二百三十校中百九校でして、百九校の定員が四万五千二百四十二人、実員が三万六千三百四十一人、あき定員は八千九百一人になります。これは三年だけでなくて、一、二、三通してのあきの数なんですけれども、ところがそれじゃ私立の学校でいまあき定員を埋めることのできる学校はどれだけあるかと調べますと、この百九校のうち九十一校だけは定員どおり募集をしていて結果的にあきができたというところなんですね。ところがそれ以外は定員どおり募集してないのです。活用人員がこうなりますと九十一校で二千九百二十二人。ですから、さっき言いましたあき定員八千九百一人に対して、これは学校総ぐるみの計算ですが、三分の一が活用できるということが東京都の私立の場合には数値的に出てきまして、その五割、二分の一よりははるかに活用率は低いということなんです。それで、しかもなぜ活用できないかといいますと、一つは六割が女子校です。女子校に男子入れといったってしょうがないわけですからね。そこに一つ困難があります。それからもう一つは、定員どおり入れられないところがある。これは努力とおっしゃるのですが、すでにふだん定員以下になっているために、施設を使ってしまっているところがあるのです。特別教室にしたりいろいろと使って、いまさら入れるわけにいかないところがある。もう一つは、生徒の希望があります。入れと言ってもこの学校に入りたくないという場合に、それを、しかしこれは埋めるのだといって全部埋めるという考え方はまさに非教育的だと思います。  こういうことからいって、東京都一つを調べても私立で三分の一なんですね。こういう計算からいきますと、全県調べていけばもっと確実な数が出てまいりますが、県によって多少違ってくるでしょうけれども、こういう根拠なしに八割、五割と押さえていらっしゃるということは、言ってみれば、予算のワクが決まっているから、いかにワクに合わせて基準を決めていこうかというむしろ逆算の中から出てきたとしか私思えないのですけれどもね。さっきの三年のあきを調べてあいているところに入れさせるとおっしゃいますが、この点でも、さっきから出ていたように、過疎地などであいていて過密地ではふさがっているということが数として多いでしょう。やはり学生の問題にかかわってまいりますね。あき定員を活用する以上は、かなり長距離を通学させなければ、いま考えていらっしゃるようなところを埋めていくことはできないと思いますが、そういう問題があると私思うのです。  先ほどから繰り返しおっしゃっているのを伺いますと、これは緊急措置であるから、本来県にやらせるべきであって、国としては緊急的に補助をしてあげるのだ、そのためには完全な計算をやって全部見合うように埋めるのではなくて、部分的に基準をつくってやっているのだということをしきりにおっしゃってますが、まさにそういうことじゃないかな。現実性がなくて、いま言われていますような、子供たちが本当に受験の過熱状態をなくして、子供たちの希望がかなって希望する高校に行けるようにする、ここを保証するという態度ではないように思いますけれども、大臣いかがですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいま御指摘の私立学校のあき定員の問題なかなか重要な面を含んでいると思いますが、私たちの考えといたしましては、そういう私立学校の問題、それから公立学校の問題、これは各自治体において連絡会議をつくって、そしてでき得る限り現実的に問題を処理していただくように、そのことも考えている次第でございます。いまいろいろ御指摘の点を承りますと、そういう私立にと言っても入りたくないという人がいる場合どうするか。個々具体にはいろいろな問題が確かにあると思います。しかし私たちが考えておりますのは、そうした個々具体の問題それぞれを当然勘案いたすべきでございますけれども、現在の高校進学の要求というものにこたえるためには、どうも起債だけでは、あるいは交付税措置だけでは足りない。そこで今度の新しい方法をとることによりまして、また各都道府県において学校関係者の方が協議をしていただくことによって、少しでも個々具体の要求にこたえながら、高校に進学していく方々の要求にこたえる財政的な措置をとろうとしたわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは伺いますが、いまあき定員の活用ということを非常に考えていらっしゃるようですが、定員オーバーのところがあるのですね。大変なすし詰め学級がありますが、こういうところの対策はどうしていらっしゃいますか。大臣、定員オーバーの対策です。あき定員以上に教育的に見ますと問題なんです。五十人、五十五人、大きな子供がぎっしり入っています。この対策はどうしていらっしゃいますか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 まず第一に、今度の新増設の国庫補助金の算定をいたします場合に、先ほども申しましたように、何せ初めて道を開くわけでございますので、現実は現実として、建物の計算上は欠員の場合だけをカウントに入れた、こういう点が正直なところでございます。  なお後々のいま先生御指摘の点につきましては、これは公立高校標準法の関係もあるわけでございますが、地域の実態に応じてやむなくそういうことに相なっておるわけでございまして、望ましい姿かどうか、こういう点につきましては、私どもそれをもろ手を挙げて賛成しておるわけではございませんで、高校標準法どおりやっていただく方向にお願いをしたい、これが基本的な考え方でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 文部省は、五十四年ごろになりますと、一クラスの定員、生徒数をふやす計画だという話を聞いておりますが、そういう御計画ありますか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 文部省としてそういう計画を現在持っておりません。五十一年度の補助配分につきましても、そういうことは補助要件として考えておりません。おそらくいま先生がお話になりました点は、いろいろとお話は聞いておりますが、いまお話の出ましたように、生徒数の増の傾向を見ますと、五十三年あるいは五十四年あたりいまよりは相当ふえてくるような推定数に相なっております。そこで新聞紙上にも報道されましたように、あるところでは五十四年度あたりから詰め込みを考えるというような記事が出たところがございますが、そういうようなことがある程度のところで出てまいりました場合に、それが標準法上いいかどうかということ、あるいは教育上いいかどうかということは一応別にいたしまして、予算上それをどういうふうに考えていくかというようなことを考えなければならぬ時期が来るかもわかりませんが、現在そういうことを考えておるわけではございませんし、五十一年度そういうことをやるという考えは持っておりません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 時事通信の「地方行政」を見ますと、  「高校補助」「問題は六項目の条件」という中に、最後のところに「少なくとも五十四年度から計画的に一学級当たりの生徒数をふやす」これが条件の一つに挙げられています、これは別に文部省の文書ではないわけですけれどもね。そうしますと、これは全く違うということですね。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 ただいま申しましたように、五十一年度そういうことは考えていない、こういうことは確かでございます。私どもとしまして、いまも申し上げましたように、ああいうあるところで五十四年度あたり詰め込みを行うというような記事が出まして、これは私自身でございますが、財政当局と、そういうことが起きた場合どうするか、またそれにつきましても、いま結論をどうこうということではなしに、生徒数がどういうふうに推移するのか、進学率がどういうふうに推移するのか、いろいろ県によりましても、報告はいただいておりますが、冒頭大臣から申し上げましたように、五十年度の場合も見込み進学率とあれとは若干違った、こういうこともございますので、そういうものを見た上で、そういうことが出たときにはまた相談をしましよう、こういうことに相なっておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 大変微妙な発言をされていますが、中身は重要だと思います。将来そういうことが出たときにまた考えるとおっしゃっていますね。全く考えに入れていらっしゃらないわけではないのですが、そうしますと、将来そうなったとき予算上配慮するというのは、ではたとえば一クラス五十人なら五十人にして計算をして補助金の算定を考えていくとかそういうことなんですか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 私、非常に率直にお答えしておるつもりでございまして、よけいなことを先ほど申し上げたかもわかりませんが、もしそういうようなことが将来起きてきた場合にということも一つ前提としてございますし、それからまた、学生数、進学率がどういうふうに動くかわからないので、その実態に応じてまた相談をしょう、こういうことでございますので、いまここでどういうふうにするかということにつきましてはちょっとお答えしにくい点がございます。そういう話し合いをしたということは確かでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 これは可能性としてあるということですね。大変な御発言だと思いますが、大臣、いま小、中学校でも四十五人、大変多いということで問題になっています。まして高校生四十五人というのは大変多いのですね。これは文部省が法律でちゃんと決めている学級定数ですが、生徒数が急増してどうしようもなくなったら、あるいはそれを守らない可能性が出てくるという御発言ですね。大臣どうですか、これは大変な問題じゃありませんか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいま管理局長、率直に申し上げますがということで述べたわけでありますが、先ほど私申し上げましたように、予測数値とそれから事実上の数値との間に誤差を生じているということは、実は本年度においてもあったわけです。また五十一年度以降の推計というのもどこに基準を求めていくかということによっていろいろ変わってき得るわけです。  そこで、いま管理局長が述べましたのは、今後五ヵ年間、もちろん五十一年は学級定数を変えるというようなことは毛頭考えておりません。非常に数字が悪くなったときにどうなるか。非常に数字が悪くなったという意味は、つまり大変に高等学校人口が多くなった場合にどうするかという問題について話し合っていることはあるということでございまして、文部省としては、当然学級定数増というふうな事態を招かないで、現在の姿勢あるいは学校の姿を維持していくということを当然政策として進めていきたいという考えで臨んでいるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 可能性があるようなお話をさっきされて、当然そういう考えで臨んでいくとおっしゃいますが、大臣、ここではっきりおっしゃってください。学級定数を守るために、大臣としてできる限りの、最大の努力をしていただかなければならないのです。そのために、予算が足りなければ予算をつけて必要なクラス数は確保しなかったら、実際大臣が幾らそういう方向でがんばるとおっしゃっても、詰め込みになるわけですね。ここはどうしても、いまの教育の現状を守っていくために、学校の増設をさせてクラスの数を確保させなければだめだというところにきておりますけれども、大臣、それは必ず実行なさってください。いかがですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 学級定数を守るために文部省として全力を挙げるということは当然のことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 これは大変ですね。いまのお答え一つ一つ大変なものですから、時間が足りないのですけれども。  それでもう一つ伺いますが、さっきの三つ目の条件ですね、地方の自助努力ということをおっしゃいましたが、自助努力というのは何でしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 先ほど大臣からも触れたかと思いますが、財政上の自助努力ということでございまして、これまた端的に申し上げておいた方がよかろうかと思うわけでございますが、こういう時節柄でございますので、授業料という要素もございます。それから、今後いろいろとまた補助要件の具体的なことにつきましては、進学率の動向あるいは各県におきます県議会の結果を見た上で詰めていきたいと思っておりますが、場合によれば、財政力指数ということを考えることがあるかもわかりませんが、授業料についてひとつ要件を考えていきたい、こういうことを考えておるわけでございます。  これにつきましては、大臣が先般予算委員会で御答弁を申し上げましたように、いま自治省から出ております三千二百円ということにしなければ一切の補助対象にしないということは考えていない、こういうことでございますが、それはそれで結構でございますが、といって全然授業料と無関係であるというふうに考えるわけにもいくまい。それでその辺をどういうふうにするかという具体的なことにつきましては、各県におきます県議会がまだこれからでございますので、そういう結果を見ました上で具体的な詰めはさせていただきたい、かように考えておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 つまり授業料を値上げさせていく、まあ三千二百円で考えていらっしゃらないということですが、いまの自治省などの基準は千二百円ですね。それを下回る県はありますけれども、こういう千二百円のラインではかなり今度計算の中に入れていらっしゃるわけですね。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 いま申し上げましたように、授業料の要素をどういう方法で操作していくか、こういうことにつきましては、県会の結果を見た上でどういうふうにするかは最終的に詰めたいと思っておりますが、いまお話がございましたように、現在財政需要額の計算上は千二百円になっておる。そこで予算の積算としまして、考え方として千二百円を一つの基準として計算をしたということは確かでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 つまり今度の補助金配分の積算の基礎に、積算の算定の中に、千二百円のラインを引いて組み込んでいらっしゃるということですね。つまりそれより安いところは、その分を引いていらっしゃるわけですか。そういうことですね。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 いま御指摘のとおり、千二百円に達しなければ全然考えていないということではございませんけれども、それに似た額相当分について、事業費の計算上差し引いておるということでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 これも大変なことですね。いま自治体では続々と授業料値上げを決めております。実際自治体の財政が大変だからということもありますが、補助金がつかないからということで、いまずっと言われているわけですね。文部省がそういうふうにしていらっしゃるということを伺いますと、これは補助金をつける積算の計算の中に入れて、実際には財政誘導の形で自治体が決める授業料まで誘導していらっしゃるということに実際なるのじゃありませんか、そうではありませんか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 私ども授業料を上げよ上げよという方の立場ではございませんが、やっていただきました結果、こういう時代でございますので、収入確保の点につきましては、いろいろな面もあろうかと思いますけれども、御努力をいただきたい、その結果どうするか、こういう考え方でおるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 もう少し詳しく伺いたいのですが、それではどういう結果が出たらどういうことになるのでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 その辺がまだ、いまどういうふうにしてと決め込んでしまって、各県の県会で決まりますものと余りかけ離れたことに相なっては私どもとしてもぐあいが悪いということで、県会の結果を見た上で、その辺の方法はひとつ検討したい、かように考えておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 とにかく大変な財政誘導ですね。大問題だと思います。大臣、こういうことで誘導しているのじゃないとおっしゃっても、これはやはり補助金が必要ですから、自治体はそのために授業料を上げなければならなくなるのですね。父母の要求としては上げないでほしい。これが県が独自に決めていくのならばいいですが、そういういろいろな兼ね合わせの中で上げていくということは財政誘導だとしか見られませんけれども、大臣いかがですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 これは予算委員会でも私申し上げましたように自治省の方から、五十一年の地方財政計画で全日制普通科三千二百円、二・六七倍ということは内簡があったわけでありますが、こういうものを国庫補助の対象の条件にするということは文部省は考えておりませんということを申し上げたわけであります。ただ、いま管理局長が申し上げたのは、千二百円というふうなものは計算をいたしておりますということでありますが、しかし、それに決定して財政誘導、いわゆる授業料値上げ誘導ということを行うというのではなくて、やはりむしろ今後の各自治体における財政努力を十分に検討した上で決めていきたいということであると考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 これは実に問題が多いですが、時間がなくなってしまいました。  それで結論的に伺いますが、こういうふうにして、いま三つの条件でいろいろとやっていらっしゃいましたが、そうなりますと、この四十二億、配分されるところは大変少なくなると思います。私の計算ですと、二十県そこそこか二十県足らずくらいになると思うのですけれども、一体どことどこの県に大体これが当てはまるのでしょうか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 いま先生のおっしゃいました点、全県にはなかなかいかない、そういう計算でまいりますと、いかないことは確かでございます。いま御指摘の何県、何県、こういうことでございますが、冒頭から大臣なり私からお答えしておりますように、補助の具体的な要件につきましては、五十一年度の進学率並びに各県の県議会等の状況を見た上でと、こういう考え方でおりますので、ちょっとどことどこがということはいま申し上げかねるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 確かに県名はおっしゃれないかもしれませんが、全体に行き渡らないとおっしゃるのですか。県数としてはどのくらいになりますか。

清水成之文部省管理局長

○清水政府委員 これも余り申し上げて惑わすということもいかがかと思いますが、先ほど先生がおっしゃった数字は大体当たっているのではなかろうか、こういうふうにお答え申し上げておきます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 大臣、いま実にたくさんの問題が出まして、ただ最後にこれを貫いて言えることは、その補助額が非常に少なくて、必要が非常に多くて、その必要に対して少ない補助額を合わせるために、いろいろな基準を決めて切り捨てているけれども、実際にいま高校増設で要求されていて、また大臣が所信で言われたような受験の過熱状態をなくすためのものとしては、四十二億、余りに少ないということですね。対潜哨戒機が一機で何か六十億だそうですけれども、あんなものを何十機も買うような防衛予算を片方でつけながら、これほど大切な子供たちの高校の建設には、自助努力のためだとおっしゃるにせよ、補助金四十二億は余りに少ないのです。いままだ予算審議の段階中ですけれども、どうしてもこの枠はふやすべきだと思います。大臣、努力してくださいますか、いかがですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 私は従来から高校新増設というものについて国庫補助をお願いしている立場にあった、要望している立場にあったわけです。しかし、急増というような事態が起こらないのであるならば、これは従来と同じような起債とか地方税の方式によることが原則でありましょう。そこで是が非でも実現したいということから四十二億円計上いたしまして御審議を願っているわけでありますから、私はこの四十二億円というものを五ヵ年計画の第一歩としたいと考えているわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そのために教育的に見て大変大きな問題が出ますが、大臣、これはやはり改善していかなければならないと思うのですね。こんな状態でいたら、とてもだめだと思いますが、大臣、いまこのままでお願いしているとおっしゃいますけれども、抱えているさまざまな問題について、そこから出てくるいろいろな問題が、大臣の所信とちぐはぐになってくるのですけれども、その点はどうなさるおつもりですか。  私、実はいろいろな資料をまだ持っておりまして、時間がなくてお話しできませんけれども、たとえばいま高校受験に偏差値というものが使われております。学年で二百人いれば一番から二百番まで、四百人いれば四百番まで全部並べられまして、そうしてそれが何と業者がテストをやっているのです。九月から十二月、三年の二学期の平均だけで偏差値というものを出して、これは五段階評価を十倍ぐらいにしたようなものですけれども、これで予約入学などというのまでやっているんですね。実際に三学期の授業はそっちのけで、たった四ヵ月のテストの成績だけで予約入学がやられている。しかも中身が英、国、数だけでして、円満な人格の形成どころじゃないのです。こういう状態の中で、子供たちがますます偏った勉強をして、そうして競争主義に陥っている実態ですね。大臣、それをなくしたいとおっしゃっていたのです。それなのに、いまの予算の実情は、余りにこういうものをますますひどくする実態であき定員の活用にせよ、授業料の問題にしても、進学率の問題にしても全部、これはむしろおっしゃったことと違う中身になっております。大臣、これからどんなふうに努力していらっしゃるのでしょうか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 私は、現在の学校教育の中で、非常にいろいろな意味でのゆがみがある、それが主として受験体制の激化に非常に関係があるということでありますから、いまの高校新増設についての国庫補助もその一つでありますけれども、そのほかに実は私立学校についての大学あるいはそのほかの助成というふうな問題もあり、あるいは入学試験制度の改善というふうな問題もあり、全くいろいろな角度から、あるものについては非常に予算を要しますし、またあるものについては方法を変えていくというような形で問題の解決に当たらなければならないと考えている次第でございます。  なお、いま栗田委員の御指摘のありました業者が偏差値を用いることが学校教育に及ぼしている影響はこれ非常に重大であると考えておりまして、来年度の文部省が新たに調査をしなければならない予算として計上いたしましたものの中に、塾というふうな姿のものが書いてございますけれども、これはいわゆる受験教育のための、いわば業者的なもの、こういう調査も含めまして、偏差値の問題は、本当に特定教科だけを選び出して偏差値を出しておる。その結果、全体的な学力、能力あるいは適性、そういうものをゆがめて数値であらわすことになりますばかりか、学校の教育指導というものが主体性を失うことになりますので、これについては、まず早速調査に取りかかって、そうして学校教育の指導の主体性を取り戻すという方向で進めていかなければならない。ですから私が申し上げたいのは、この受験体制の激化というのは、非常に多角的な現象として生じてきておりますので、これをいろいろな角度から取り上げていくという考えでいるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは引き続いてまた私質問させていただくつもりですけれども、きょうはこれで終わります。      ————◇—————

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 それでは次に、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。文部大臣。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、昭和五十一年度における国立の大学の新設、学部及び大学院の設置、短期大学の新設並びに東京大学の宇宙線観測所の名称及び位置の変更について規定しているものであります。  まず第一は、長岡技術科学大学及び豊橋技術科学大学の新設についてであります。  これは、実践的、創造的な能力を備えた指導的技術者の養成という社会的要請にこたえるため、実践的技術の開発を主眼とした教育研究を行う大学院に重点を置いた工学系の大学を設置しようとするものであります。このような趣旨からこれらの大学は、早期からの実践的な技術教育をねらいとしている高等専門学校に接続するような教育内容を持ったものとするとともに、主としてその卒業者を受け入れるものとし、また、同様の趣旨から工業高等学校の卒業者にも進学の道を開くことといたしております。  なお、二大学とも昭和五十一年十月に開学、昭和五十三年度から学生を入学させることとしております。  第二は、高知医科大学、佐賀医科大学及び大分医科大学の新設についてであります。  これは、近年における医療需要の増大と医師の地域的偏在に対処するため、無医大県の解消を図る施策の一環としてこれらの大学を設置し、医師養成の拡充を図るとともに、医学研究の一層の推進に資そうとするものであります。  なお、三大学とも昭和五十一年十月に開学し、昭和五十三年度から学生を入学させることといたしております。  第三は、学部の設置についてであります。  埼玉大学に理工学部を改組して理学部及び工学部を、岡山大学に医学部の薬学関係の学科を基礎として薬学部をそれぞれ設置し、これらの大学の教育研究体制の整備を図るとともに、徳島大学に歯学部を設置し、歯科医療需要の増大と歯科医師及び歯学部の地域的偏在に対処しようとするものであります。  第四は、大学院の設置についてであります。  これまで大学院を置かなかった福島大学に経済学の修士課程の大学院を新たに設置し、もってその大学の学術水準を高めるとともに、研究能力の高い人材の養成に資そうとするものであります。  また、長岡技術科学大学及び豊橋技術科学大学は、大学院に重点を置く大学として新設するものでありますので、これらの大学にも大学院を設置し、昭和五十五年度から学生を入学させるものであります。  第五は、熊本大学医療技術短期大学部の設置についてであります。  これは、近年における医学の進歩と医療技術の高度・専門化に伴い、看護婦等の養成及び資質の向上に資そうとするものであります。  第六は、東京大学の宇宙線観測所の名称及び位置の変更についてであります。  これは、宇宙線の研究体制の整備を図るため、研究部門の拡充整備とともに、名称を宇宙線研究所に変更し、その所在地を東京都に変更しようとするものであります。  以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は、来たる十日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十二分散会

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