文教委員会 第1号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/02/13
会議録
○登坂委員長 ただいまより文教委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつさせていただきます。 このたび皆様方の御推挙によりまして、私が文教委員長の重責を担うことになりました。本委員会の使命は重大であり、その責任の重さを痛感いたしているものでございます。 委員会の運営につきましては、ふなれでございますが、委員各位の御指導御協力を得まして、円満かつ適正なる委員会の運営を行いたいと存じますので、よろしく御協力のほどお願い申し上げます。(拍手) ————◇—————
○登坂委員長 この際、理事の補欠選任の件についてお諮り申し上げます。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○登坂委員長 御異議なしと認めます。それでは松永光君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○登坂委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、 文教行政の基本施策に関する事項 学校教育に関する事項 社会教育に関する事項 体育に関する事項 学校研究及び宗教に関する事項 国際文化交流に関する事項 文化財保護に関する事項以上の各事項につきまして、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○登坂委員長 御異議なしと認め、よって、さように決定いたしました。 なお、国政調査承認要求書の作成並びに提出手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○登坂委員長 文教行政の基本施策に関し、文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。永井文部大臣。
○永井国務大臣 第七十七回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。 わが国は、戦後、復興の一時期を経て、まれに見る高度経済成長を遂げ、経済的な繁栄を築き上げてまいりましたが、ここ数年、世界的規模で提起されている資源エネルギー問題、環境問題等に直面し、経済はもとより現代文明社会の本質的なあり方にまで省察の目が向けられようとしております。 このような時代の転機に当たり、わが国が世界史の新しい展開の中で一層の飛躍発展を遂げるためには、その根幹をなす教育の重要性について認識を新たにするとともに、教育の刷新充実に一段と努力を傾注しなければならないと存じます。 これからの教育は、すべての国民が世界人類との連帯のもとで、豊かな人間性と未来を創造する英知をみずからのものとし、来るべき社会において真の生きがいを見出し得るような素地を養うものでなければならないと考えます。 私は、このような観点から、教育を民族悠久の課題としてとらえ、広く国民の合意のもとに、学校教育、社会教育及び家庭教育を通じた生涯にわたる教育の機会の拡充とその内容の充実に、専心努力を重ねてまいる所存であります。 特に、伸び伸びとした自主的で創造的な人間の育成を期するためには競争第一主義の風潮を排し、受験体制の過熱化の現状を打開し、学校にゆとりのある雰囲気を取り戻し、学ぶ者、教える者がそれぞれ互いに助け合う気風を醸成することが必要であります。私はこのような教育本来の環境づくりに向けて総合的な諸施策を検討し、これを推進してまいりたいと存じます。 以上の基本的な立場に立って、当面する文教行政の諸問題について申し述べます。 第一は、初等中等教育の改善充実についてであります。 初等中等教育につきましては、知・徳・体の調和のとれた人間形成を目指し、教育内容の改善を図ることが緊要であります。そのため、まず、小・中・高等学校を通じて教育内容を思い切って精選し、ゆとりのある学校生活の中で児童生徒に将来の発展の基盤となる基本的な事項をしっかり身につけさせ、心身ともに健全な個性豊かな国民の育成を図るという観点から、その望ましいあり方について教育課程審議会に検討をお願いいたしております。今秋にも答申が行われる予定でありますので、それを待って具体的な改善に着手してまいる所存であります。 教育内容の改善と並んで重要なことは、教職にすぐれた人材を得て、教員が意欲を持って教育に専心し得るような条件の整備を図ることであります。そのため、厳しい財政事情下にもかかわらず、いわゆる人材確保法に基づく計画的な給与改善を過去二回の実績の上に、さらに積み上げるとともに、教職員定数についても所要の改善を図ることといたしております。 また、調和のとれた学校運営の実現を目標として、教育指導の充実を図るため、昨年十二月末、学校教育法施行規則の一部を改正し、教務主任、学年主任、生徒指導主事等のいわゆる主任の設置とこれらの職務内容について規定し、学校の教育活動がより一層活発になることを期待いたしております。 以上のほか、幼稚園教育の普及充実について、昭和五十七年度当初までに就園を希望するすべての四、五歳児を就園させることを目標とする幼稚園教育振興計画を引き続き推進するとともに、心身に障害を持つ児童生徒の教育につきましても昭和五十四年度からの養護学校教育の義務制実施のために必要な諸準備を中心に、障害児の実態に応じた特殊教育の拡充整備のための諸措置をきめ細かく進めてまいる所存であります。 次に、児童生徒の保健の問題につきましては、近年における疾病様相に対応した健康診断の充実を図る等の諸施策を講じてその健康増進、安全確保に努めるとともに、学校給食につきましては、児童生徒の心身の健全な発達に資する教育上の重要な機能に思いをいたし、一層の普及充実を図ってまいりたいと存じております。このため、良質かつ低廉な学校給食用物資の安定供給を図る等の諸施策を強力に進めるほか、食事内容の多様化により、学校給食を魅力あるものとし、かつ、米飯の正しい食事のあり方を身につけさせる見地から、米飯の導入を行うこととし、諸条件の整備と相まって地域や学校の実情に即した段階的な実施を推進する所存であります。 さらにまた、公立の小・中・高等学校の施設の整備につきましては、事業量の拡充、建築単価の改定を行うとともに、児童生徒急増地域における小・中学校用地取得費補助の継続、拡充を図るほか、特に、今後の高等学校生徒の増加に対処するため、緊急対策として、新たに公私立高等学校建物の新増設費に対する国の補助を行い、高等学校教育の機会の拡充に資することといたしております。 第二は、高等教育の整備充実についてであります。 すでに量的には著しい発展を見ているわが国の高等教育につきましても、当面その質的充実が緊急の課題とされており、また、これまでの拡大の間に生じた各種の格差、不均衡の是正等改善すべき多くの問題があります。 このため、長期的な展望のもとに、大都市への大学の集中を抑制しつつ、地方大学の整備充実、大学院の拡充整備等高等教育の質的充実に重点を置いて諸施策を進め、各大学の特色ある発展と均衡のとれた高等教育の計画的整備を図ってまいる所存であります。 また、新しい高等教育機関として、技術科学大学の創設を初め、教員大学院大学の創設準備及び放送大学の実施準備を取り進めるとともに、社会的要請の強い医師の養成については、昭和五十一年度に高知、佐賀及び大分の三医科大学の創設を行い、残る四県につきましても創設準備等を進め、無医大県の解消を図り、あわせて歯学部の創設等を進めてまいります。 さらに、受験体制の憂慮すべき現状にかんがみ、子弟を持つ父兄の重大な関心事である大学入試に関する諸問題につきましては、わが国の教育全体の正常な発展を期するためにも、国立大学共通第一次試験の推進を初め、あらゆる面から最善の努力をいたす考えであります。 なお、国立学校の授業料につきましては、従来から、社会、経済情勢の変化に応じてその改定が行われてきたところでありますが、昭和五十一年度におきましても、諸般の情勢を総合的に勘案し、育英奨学事業の拡充措置、授業料免除枠の拡大措置等につき十分配慮した上で、これを改定することといたしております。 第三は、私学の振興についてであります。 私立学校は、わが国の学校教育において大きな地位を占め、独自の校風のもとに特色ある教育を行うことにより、多大の貢献をしてまいりました。このような私立学校の役割りの重要性にかんがみ、本年四月一日から施行される私立学校振興助成法の趣旨に沿って、昭和五十一年度においても、私学振興に格段の配慮をいたし、私立大学等に対する経常費補助の拡充を図るとともに、高等学校以下の私立学校に対する経常費助成について、新たに学校法人立以外の幼稚園についても予算措置を講ずる等、大幅な増額を図ることといたしております。 また、本年新たに発足する専修学校制度につきましては、今後国民教育の多様な要請にこたえてわが国の学校教育体系の中で大きな役割りを果たすことが期待されているものであり、国としても税制上の優遇措置を強化するなど、その教育の振興に一段の努力を払ってまいる所存であります。 第四は、社会教育及び体育・スポーツの振興についてであります。 すべての人々が生涯の各時期において最大限に教育の機会に恵まれ、これを活用し得るようにすることが、生きがいのある豊かな社会の建設のために強く望まれております。 このため、これからの社会教育は、学校教育及び家庭教育との連携を深めながら、重要な役割りを担うものとして、一層力強く展開していく必要があります。かかる要請にこたえるため、社会教育活動の中核となる社会教育関係指導者の充実を図るとともに、地域住民の自主的な学習活動の拠点となる公民館、図書館等の整備に努めることといたします。さらに、国立少年自然の家につきましては、年次計画により、整備を推進するとともに、国立婦人教育会館につきましても引き続き建設工事を進めることといたしております。 また、生涯教育を推進するため、各種社会教育事業を整備充実する等、社会教育の一層の振興を図る所存であります。 次に、体育、スポーツにつきましては、国民の一人一人が常に健康で明るい生活を送るための基盤づくりとして、その振興に努めてまいりたいと存じます。すなわち、青少年に対しては、強健な心身の発達を図るため学校教育における体育をより一層充実することが必要であり、体力づくり推進校の指定、クラブ活動の充実等の施策を推進し、また、一般社会人に対しては、日常生活にスポーツを取り入れ、余暇を活用しつつ、体力の保持、向上を図ることができるようそのための施設の整備充実や指導体制の整備、指導者の養成確保、さらに学校開放の促進等を進めてまいる所存であります。 第五は、学術の振興と教育、学術、文化の国際交流の推進についてであります。 学術研究を振興し、資源の乏しいわが国において最も貴重な知的資源を活用することは、将来にわたるわが国の発展の基盤を培うものであり、ひいては広く人類の進歩と発展に寄与するものと考えます。このため、独創的、先駆的な研究を育て、すぐれた基礎的研究を推進するため、科学研究費を拡充するとともに、核融合研究等重要な研究領域に、重点的な配慮を加えるなど、所要の研究体制や研究環境等の整備充実に努めてまいりたいと存じております。 また、わが国が、今後の国際社会において十分その役割りを果たすためには、教育、学術、文化の国際交流を一層発展させることが必要であり、国際協調の時代にふさわしい日本人の育成、協力事業の拡充、留学生の受け入れ体制などの整備等を中心に各種国際交流事業を推進してまいる所存であります。 なお、東京に本部を置く国連大学は、昨年の秋、大学の事業計画に関する専門家会議を開催するなど本格的な活動を開始いたしましたが、わが国といたしましても引き続きこれに積極的に協力してまいりたいと存じます。 第六は、文化の振興についてであります。 国民生活に精神的な潤いと豊かさをもたらす芸術文化の振興に関しましては、わが国の誇る伝統的な文化遺産を継承しつつ、新しい文化の振興に意を用い、国民各層がこれに親しむことができるよう一層努力を重ねてまいりたいと存じます。 このため、芸術文化の振興につきましては、国立歴史民俗博物館、国立演芸資料館、第二国立劇場等についてその創設準備を取り進めることとするほか、芸術関係団体に対する補助金を増額するとともに、地方における芸術文化活動の振興に努め、青少年に対する芸術文化の普及については、すぐれた舞台芸術を直接に鑑賞できる機会を一層ふやしていくことといたしております。 一方、文化財の保護につきましては、文化財保護法が大幅に改正されたことに伴い、開発の進行に適切に対処しつつ埋蔵文化財の保護対策の強化を図るほか、各地の民俗文化財や、由緒ある町並みの保存、文化財の保存技術の伝承に力点を置いて諸施策を推進してまいる所存であります。 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べましたが、わが国の教育、学術、文化の振興のため、文教委員各位の御協力と御支援を得て、微力を尽くして取り組んでまいる所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げる次第であります。
○登坂委員長 次に、昭和五十一年度文部省所管予算の概要について説明を聴取いたします。笠岡文部政務次官。
○笠岡政府委員 このたび文部政務次官を拝命いたしました笠岡でございます。浅学非才でございますが、あとう限りの精進をいたしたいと存じておりますので、何とぞよろしく御指導をお願いいたします。(拍手) 昭和五十一年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、文部省所管の一般会計予算額は二兆七千五百九十八億三千百万円、国立学校特別会計の予算額は八千四百五十九億二千九百万円でありまして、その純計額は二兆九千六百六億一千四百万円となっております。 この純計額を昭和五十年度の当初予算額と比較いたしますと、三千九百四十二億六百万円の増額となり、その増加率は、一五・四%となっております。 以下、昭和五十一年度予算において取り上げました主要な事項について御説明申し上げます。 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、教員給与の改善につきましては、四十八年度以来、いわゆる人材確保法に基づく計画的改善を実施するため、第一次及び第二次の改善措置によりすでに二〇%相当額の財源措置を講じたところでありますが、五十一年度においては、現下の財政事情等を考慮して、人材確保法に基づく教員給与の改善を円滑に完結させるため、第三次改善を二回に分けて行うという考え方に立って、それに必要な経費として、二百四十三億円を計上いたしております。 次に、義務教育諸学校の教職員定数につきましては、まず、児童生徒数の増加に伴う教職員定数の増を見込むほか、四十九年度を初年度とする第四次の教職員定数改善五カ年計画に係る教職員定数の増、養護学校及び特殊学級の増設に伴う増等を合わせて、一万三千九百四十一人の増員に必要な経費を計上いたしております。 次に、教材につきましては、義務教育諸学校の教材について年次計画の最終年次としての充実を図ることとし、また、義務教育教科書について五十一年度前期用教科書から購入価格を改訂することといたしております。 次に、公立文教施設の整備につきましては、新たに、高等学校生徒の増加に対処するため、緊急対策として、一定の要件に該当する高等学校の新増設建物について補助を行うこととし、このために必要な経費として、私立学校分と合わせて合計四十二億円を計上いたしております。また、五十年度までの臨時措置として行ってきました児童生徒急増市町村の小・中学校建設用地取得費補助の制度について、急増市町村の用地買収計画等に照らし、五十一年度においても引き続き実施するとともに交付率の引き上げを図ることとしたほか、校舎等建物の新増設事業につき、事業量の増加と補助単価の引き上げを行うことといたしております。これらの施策に要する補助金として五十年度に対し二三.五%増の二千五百六十一億円を計上いたしております。 公害対策につきましても、引き続き、大気汚染地域及び市街地域の公立小・中学校に健康増進特別事業及び学校環境緑化事業を実施することといたしております。 次に、学校給食の整備充実につきましては、米飯給食の導入を推進するため、米飯給食関係施設設備を拡充することとしたほか、低廉、良質な学校給食用物資の安定的供給に資するため、五十年度に新たに設定した学校給食用物資安定供給基金について七億五千万円を追加し、資金量を合計二十億円にすることといたしております。 次に、定時制及び通信制の教育の充実につきましては、勤労青少年の修学を容易にするための修学奨励費について、新たに通信制課程をも補助の対象とするとともに、定時制課程についても三年次生への拡大と貸与月額の増額を図ることとしたほか、教科書の給与についても全学年を給与対象にすることといたしております。 特殊教育の振興につきましては、前年度に引き続き、年次計画による養護学校及び特殊学級の増設を推進することとし、特に五十四年度からの養護学校教育の義務制実施に備えて、都道府県、市町村等に設置する就学指導委員会を拡充するとともに、重度・重複障害児のための訪問指導員及び介助職員の増員、特殊教育就学奨励費の拡充等を行うことといたしております。 次に、幼稚園教育の振興につきましては、父兄の経済的な負担を軽減し、幼稚園教育の普及に資するため、幼稚園就園奨励費補助につき特に生活が困窮している世帯に係る保育料等の減免最高限度額を引き上げる等その充実を図るとともに、引き続き幼稚園の増設を計画的に進めることとし、施設整備の促進を図ることといたしております。 以上のほか、英語教育の充実を図るため、新たに、英語担当教員の研修講座及び英語教育充実に関する調査研究を行うことといたしております。 第二は、高等教育の整備充実に関する経費であります。 まず、高等教育改革の推進につきましては、放送大学について、新たに、学習指導方法についての各種の実験を行う等その実施準備を進めるとともに、教員大学院大学について、その創設準備等をさらに進めることといたしております。また、技術科学大学については、五十一年度に豊橋市及び長岡市にそれぞれ創設し、五十三年度から学生を受け入れることといたしております。 なお、筑波大学についても、大学院研究科を増設する等その整備を図ることといたしております。 大学入学者選抜方法の改善につきましては、新たに、国立大学入試改善調査施設を設置し、国立大学共通第一次試験に関する準備調査を進める等の施策を講ずることといたしております。 次に、大学院の拡充整備につきましては、お茶の水女子大学及び静岡大学に後期三年の博士過程の独立研究科の創設を図るとともに、一般研究科の新設、専攻の新増設等により、七百五十人の入学定員増を行うことといたしております。 医学教育の拡充につきましては、高知、佐賀、大分の三カ所について、五十一年度に医科大学を創設し、五十三年度に学生を受け入れることとしたほか、福井、山梨、香川の三カ所について、国立医学教育機関の創設準備を行うとともに、琉球大学医学部について引き続き設置調査を行うことといたしております。 また、歯学部については、徳島大学に歯学部を設置し、五十二年度に学生を受け入れることとするとともに、鹿児島大学についてその創設準備を行うことといたしております。このほか、熊本大学に医療技術短期大学部を設置するとともに、旭川医科大学以下新設四医科大学等の付属病院を創設することといたしております。なお、五十年度に引き続き公立医科大学、看護大学等に対する経常費助成の拡充を図ることといたしております。 次に、教員養成の改善充実につきましては、前述の教員大学院大学の創設準備等を進めるほか、国立大学の教員養成学部について、小学校教員、幼稚園教員、特殊教育教員及び養護教員を養成する課程の新設、拡充を図るとともに付属養護学校を新設する等その充実を図ることといたしております。 国立学校の整備充実につきましては、以上の諸施策のほか、広島大学工学部の改組、埼玉大学理工学部の分離改組、岡山大学薬学部の設置を初め、学科、課程の新設改組等地方の国立大学を中心にその整備充実を進めることとし、大学学部及び短期大学の入学定員で総数千三百四十二人の増募を行うことといたしております。また、教育研究条件の整備のため、基準的経費、施設設備等の充実に努めるとともに、必要な分野について教職員の増員を図ることといたしております。 なお、国立学校の授業料につきまして、諸般の情勢を総合的に勘案し、育英奨学事業の拡充措置、授業料免除枠の拡大措置等と一体化した配慮のもとに、五十一年度にこれを改定することといたしております。授業料の免除枠については、ほぼ一割の学生について授業料を免除することができるよう措置することといたしております。 以上の諸施策等に要する国立学校特別会計の予算といたしましては、五十年度の当初予算と比較して一千二百十九億円増の八千四百五十九億円を計上いたしております。その歳入予定額は、一般会計からの受け入れ六千四百五十一億円、借入金四百七億円、自己収入その他一千六百一億円であり、歳出予定額は、国立学校運営費七千二百五十三億円、施設整備費一千二百六億円となっております。 第三は、学術の振興に関する経費であります。 まず、重要基礎研究の推進につきましては、特に核融合研究を格段に充実することとし、五十年度に対して二・五倍に当たる三十九億円を計上したほか、原子力研究、宇宙科学、地震予知等についても引き続き推進を図ることといたしております。 また、東京大学宇宙線観測所を宇宙線研究所として拡充整備するとともに、国立民族学博物館、分子科学研究所等の既設研究所についても計画的に整備を進めることといたしております。 次に、科学研究費につきましては、環境、エネルギー等の資源、がん、難病など人類の福祉達成に関連する問題解決的な重要基礎研究、国際共同研究に重点を置いて、総額百九十八億円を計上いたしております。 第四は、私学助成と育英奨学事業の拡充に関する経費であります。 私立学校の助成につきましては、私立学校振興助成法の趣旨にのっとり、その拡充を図ることといたしております。まず、私立大学等の経常費補助につきましては、専任教職員給与費、教員経費及び学生経費を拡充するほか、新たに研究旅費に対する補助を行うこととする等、その充実を図り、五十年度に対し二八・一%増の千二百九十億円を計上いたしております。 また、五十年度から創設いたしました私立高等学校等の経常費助成拡充のための都道府県に対する補助につきましては、新たに、学校法人立以外の幼稚園をも助成の対象にするとともに、補助単価を引き上げることとして、大幅な増額を図り、五十年度に対して二・二五倍に当たる百八十億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、引き続き政府出資金十億円を計上するとともに、財政投融資資金からの借入金三百九十九億円を計上し、自己調達資金と合わせて五十年度に対して九十五億円増の五百五十億円の貸付額を予定しております。 このほか、私立学校教職員共済組合補助につきましては、五十年度に引き続き、長期給付の改善を図るための補助の拡大を行うことといたしております。 次に、育英奨学事業の拡充につきましては、日本育英会の学資貸与について高等学校から大学院までにわたって貸与月額を改定増額するとともに、私立大学、私立短期大学及び国公私立高等学校の特別貸与奨学生の人員増を行うこととし、このために必要な経費として政府貸付金を三百七十八億円計上し、返還金と合わせて、五十年度に対し六十一億円増の四百五十一億円の学資貸与を行うことといたしております。 なお、私立大学を設置する学校法人が当該大学の学生を対象として行う奨学事業に対して、国が、日本私学振興財団を通じて財政投融資資金を融資する私立大学奨学事業の援助についても、改善を図ることといたしております。 第五は、社会教育と体育、スポーツの振興に関する経費であります。 社会教育の振興につきましては、まず、社会教育の指導者層の充実を図るため、社会教育指導員の設置費補助について増員を行うとともに、社会教育主事の給与費補助についても単価の引き上げを行うことといたしております。 公立の社会教育施設の整備につきましては、公民館、図書館、博物館、青年の家、少年自然の家等の補助単価の引き上げを行うとともに、新たに、公立図書館における点字図書等の購入費について補助を行うことといたしております。 また、国立の社会教育施設につきましては、島根県大田市に第十二青年の家を設置する等国立青年の家の整備を進め、国立少年自然の家については、室戸少年自然の家を完成させるとともに、福島、栃木の県境に第二少年自然の家を設置することとするほか、第三以降のものについても引き続き計画的な設置を進めるための施設費、創設調査等の経費を計上いたしております。 また、国立婦人教育会館につきましても引き続き建設工事を進めることといたしております。 社会教育事業については、生涯教育を推進するため、在来の各種社会教育事業を整備充実するほか、生涯教育を推進するために必要な情報提供事業等について、新たに補助を行うことといたしております。 次に、体育、スポーツの振興につきましては、特に体位相応に伸びない児童、生徒の体力の向上に資するため、新たに、体力づくり推進校を設置することといたしております。また、体育、スポーツの普及奨励を図るため、五十年度に新設したスポーツ担当社会教育主事の給与費補助について増員と単価の引き上げを行うとともに、学校体育施設の開放を一層促進することといたしております。 このほか、体育、スポーツ施設につきましても、補助単価の引き上げを行い、引き続き整備を進めることといたしております。 第六は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。 まず、芸術文化の振興につきましては、移動芸術祭、青少年芸術劇場、こども芸術劇場の拡充を図るとともに、新たに、子供向けテレビ用映画の制作を奨励するために必要な経費を計上いたしております。また、芸術関係団体に対する助成、芸術家の在外研修等各般の施策につきましても引き続き所要の経費を計上いたしております。 次に、文化財保護の充実につきましては、文化財保護法改正の趣旨にのっとり、文化財保護の施策を充実することといたしております。すなわち、埋蔵文化財については、発掘調査の補助を大幅に増額するとともに、新たに、遺跡の周知のために必要な経費を計上いたしております。また、新たに、重要無形民俗文化財保存団体に対する助成を行うとともに、文化財保存技術の保護の拡充及び重要伝統的建造物群保存地区の保存対策を講ずることといたしております。 さらに、国宝、重要文化財等の国による買い上げを促進するほか、史跡の保存についても、平城及び飛鳥・藤原宮跡等に対する国の買い上げ、地方公共団体による史跡の買い上げに対する補助を引き続き行い、また、無形文化財の保護の強化についても、重要無形文化財の保持者に対する特別助成金の増額等所要の措置を講ずることといたしております。 国立文化施設につきましては、国立歴史民俗博物館、第二国立劇場、国立演芸資料館及び国立国際美術館の設立準備をさらに進めるとともに、国立能楽堂の設立についても準備調査を進めることといたしております。 なお、地方文化施設の整備につきましては、補助単価を引き上げることといたしております。 第七は、教育、学術、文化の国際協力の推進に関する経費であります。 まず、学術協力につきましては、日本学術振興会の業務を拡充し、新たに、発展途上国に対する科学協力を行うこととするとともに、研究者の交流等の国際協力を拡大することとしたほか、南極地域観測事業、国際深海掘削計画等国際共同研究を引き続き推進することといたしております。 次に、留学生の交流につきましては、国費外国人留学生の受け入れ数の増員と待遇改善を図るとともに、新たに、帰国した外国人留学生に対し、短期研修の機会を提供するほか、学生の国際交流を拡充する等留学生制度の充実を図ることといたしております。 さらに、国際連合大学への協力、ユネスコ協力事業、海外子女教育、文化交流等につきましても引き続き推進を図ることといたしております。 以上、昭和五十一年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願いを申し上げます。(拍手) ————◇—————
○登坂委員長 次に、文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。三塚博君。
○三塚委員 きょう主として主任問題について質疑を申し上げるのでありますが、理事会の申し合わせ時間——笠岡政務次官、丁寧に提案の説明をやられましたので、読み時間が大体九分ずれておりますので、私の持ち時間は二十五分ということでありますが、特に野党の皆さんの時間に繰り入れないよう、本会議に間に合うよう、そういう意味で十五分でこれを進めたいと思います。そういう点でひとつ文部大臣も的確に、簡明にお答えをいただきたい、こういうふうに思います。 そこで、最初に主任制度の問題についてお伺いをするのでありますが、去る日、社会党江田団長を中心として鹿児島に対する調査ということで参られました。そこでいろいろなことがあったわけでありますが、私は、教育委員会は地方自治法百八十条の八にその設置の基本が決められております。同時に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地行法といわれるこの法律によって教育委員会の事務というものが行われていくわけでございますから、本問題について国があるいは国会が、国会議員が関与するような一介入するがごとき行動があっては、真に正しい教育行政の推進を願う国会、文部省としてきわめて遺憾なことであると思います。教育の中立、これは叫ばれて久しい。そして叫ばれる真意と逆に、そのことが党利党略に利用されるきらいをこういう行動が持たせたのではないだろうかという意味で、きわめて遺憾なことであったと私は考えるのであります。 こういう二つの法律の観点に基づいて、この社会党調査団の現地調査と称しました——私から言わせますと鹿児島の教育長に対する高圧的な威圧的な、いわゆる証人喚問などということでこれをやらなければならぬということになりますと、真にこの法令に基づいて行いました地方教育委員会及び教育長の本当の教育を愛する至情というものがそのことによって圧迫を加えられる、こういうことがあってはならぬ、こういうふうに思うのであります。そういう点について大臣の見解をまず承っておきたいと思います。
○永井国務大臣 教育の中立性を重んじます上で、中央、地方を問わず教育行政に当たります者はその精神で進んでまいりますから、政党関係においてこれに介入するということはあってはならないと思います。 他方、国会議員は国の最高の機関の代表でありますから、教育の問題について党略的立場でなく御調査をなさるということは当然あってしかるべきことと考えます。
○三塚委員 大臣は政治家でない大臣でありますから、これ以上質問をいたしても答弁がなかなか出てこぬだろうと思います。と申しますことは、本来大臣という立場でありますから、是非曲直ははっきりとこの委員会を通じてやられることが教育界の混乱をなくすということにつながる。しかし、民間人である永井大臣の立場からいたしますと、これ以上のことを言わしめるということは無理でありますことも私も承知いたしております。しかし、教育界の混乱をなくすために、主任制度というものには反対だという日教組を初めとした、またこれを支援する各政治団体、政党の諸君の言動などが行われておるのでありますが、このような観点から見まして主任制度というものはその非難に値するものかどうか。すでに日教組を初め各団体から主任制度は中間管理職であり、静かな教育界の中に波を起こすものであって、ことさらにそのことは文部省の悪巧みであるがごとき、こういう宣伝などもなされております。これは高教組の諸君が出された文部省の悪巧み、こういうことで、いかにも文部省というのは悪いことばかりしておる。問題が起きますと文部省が悪いことであるというふうなことを言われております。こういうことについて大臣の主任制度というものに取り組まれた真意をこの際はっきりさせていただきたいと思います。
○永井国務大臣 主任制度と取り組みましたのは、文部省の悪巧みではございません。なおまた、昨今も中間管理職というものを推し進めるのではないかという見解を表明している団体がありますけれども、これは真実に反するわけでございますのは、中間管理職という管理の立場からこれをとらえるのではなく、教育、指導、省令に即して申しますと、指導、助言、連絡調整という角度からとらえるわけでありますから、正確な御理解を得たいというふうに考えております。同時に、内容に立ち入る前に制度化絶対反対という立場が出てまいりますと、これは議論ができないということでありますから、そういう態度というものも、私は制度をつくっていく上では望ましくないものである、かように考えております。
○三塚委員 これは連絡調整、指導、助言という、今日の教育をさらに向上、推進していく、こういうことのために持たれたものであるというふうに言われておるわけでありまして、まことに結構なことだと思います。すでに主任というものは省令化される以前から定着しつつある問題でありまして、その数は小、中、高等学校を入れますと数十種類にも及ぶであろうというふうに思います。時間がございませんから一々そういうものを申し上げませんけれども、その中で省令化いたしましたのは、小学校におきまして二、中学において三、高校において四。実業高等学校その他においてはそれぞれの農場長でありますとか学科主任とかいうようなことで考えられるべきであるというようなことだろうと思うのでありますが、この省令を受けて、地行法三十三条によってそれぞれ都道府県教育委員会はこれに対応する準備というもの、措置というものをとられると思うのであります。今日の時点におきまして各県のこの問題に対する取り組み方、現況など、どうなっておりますか、その点について御説明をいただきたいと思うし、同時に、本問題が非常に争点が相半ばする評価の中で行われておる。私は、国民全体はその本質の理解がなかなかいかぬのでありますから、宣伝の上手な一方の団体の方に偏りがちであるだろうと思うのです。しかし、文部大臣の言われるようなそういう形の中でしっかりと理解を深めていくようなPRというものが行われますならば、なるほど大変いいものである、こういうことで国民の大多数はこのことに御賛成をいただくものだというふうに思います。そういう意味で今日まで教育委員会あるいは教育長、そういう会議を通じてやられてきたようでありますが、その結果どういう形に今日各都道府県において行われておるか、そんな点について簡明でよろしゅうございますから御説明をいただきたいと思います。
○諸沢政府委員 文部省は一月中に各県の教育長、担当の課長等の会議を開催いたしまして、今回の主任の制度化の趣旨というものを十分説明をいたしまして、それによりまして各県におきましては県下の市町村の教育委員会あるいは校長等を集めて丹念にこの趣旨の説明を行っておられるわけであります。それらの作業の上に立って現在各県におきましては、規則に定めてあります三月一日を目途として教育委員会規則の改正等の作業に従事しておられる、こういうふうに理解いたしております。
○三塚委員 時間もありませんからあと一、二お伺いをさしていただきます。 この主任制度の一つわからぬ点は、たくさんあるうちに、手当の支給の対象になりますのは、先ほど申し上げましたように小学校において教務主任あるいは学年主任、中学校において教務、学年、あるいは生徒指導主任というようなことで、それぞれ限られたものに限定をされております。そういたしますと、すでに今日定着しつつある他の主任あるいは部長、こういうものは疎外されるという形の中で、そっちの方に手当が行ったのであるから、われわれは手当が来ぬ、こういうことで、われわれはもう何もやらぬでもいいのではないだろうかというような向きが出てきております。私は、そういうことが出ることはきわめて好ましくないことだとは思うのでありますが、教育界がサラリーマン化しているという昨今の批判もこういうことを言わしめておるのではないだろうかというふうにも思います。 しかし、それはそれとして、やはりそういうような率直な端的な疑問というものはあるであろうというふうに思います。こういう点について限定して、小学二、中学三というふうに決められたの題はどういう理由なのか。さらに、やはりでき得ますならば、そういうことでたくさんのことでやられておるわけでありますから、手当というものがそういう方向にも行かれるのが私どももいいのではないだろうか。特に、そういうことでありますならば、日教組の諸君の加盟しておる先生方も、いまの主任に大体手当が出るのであれば、われわれは賛成だ、こういうことであります。手当をもらえる対象の方々は賛成だという人の方の意見もやはりあるようであります。これは私どもにも陳情に参りました全国教育長会議あるいは教育委員長会議、小学校長、中学校長会議、高等学校長会議、それなりの団体から私どもに去年大変に強い要請があった問題でもありますので、自由民主党文教部会としても、やはり教育界をよりよい環境にしようという人確法の精神に基づいてこのことは行われるべきであろう、こういう観点で推し進めてきました観点から、やはりこのことは正しく御理解をいただくことが教育界のためにいい、こう思うものであります。そういう意味で、ただいまの観点について、やはりその辺がこれを進めてまいりますポイントになってまいるのではないだろうか、こういうふうに思うものでありますから申し上げたわけであります。 それと、地方財政が今日きわめて多難なことは大臣御承知のとおりであります。それぞれの県において昇給ストップ、あるいはわが宮城県におきましては号俸の一号ダウン、こういう形の中でこの際の地方財政危機を乗り切っていこう、こういう形の中で一般行政職の諸君は耐えておる。そういう中で教育というものに対して手当が出ていく。これは人確法の精神に基づくものでありますから、これはやらなければならぬと、知事初め教育長、教育委員会の皆さんが言われておるのでありますが、こういう点などの問題の絡み合いなどがありますけれども、基本的にはやはり教育の環境というものをよりよいものにしていくということが大事なことでありますから、手当というものが望ましければ、やはりいまの主任というものに均てん化されていくような方向というものが将来考えられるべきだろう。財政的な面が一つの壁になっておりますことも事実でありますけれども、その辺のところの見解をひとつ承っておきたいと思います。
○永井国務大臣 ただいま先生の御指摘の点はまことにごもっともでありまして、私の理解しておりますところでは、イギリスの教員組合は、主任をやはり教育職という角度で定めまして、そして主任手当を政府に要求してきたという経緯がございます。したがいまして、わが国の教員の間にもそういう主任というものを教育職として定める、その重要なものについて手当を求めるという考えはあると思いますし、事実、教育長協議会を今春開きましたときにも、今回の限定だけによって解決し得ない問題が残るのではないかという質問が出たわけでございます。 まず、今回限定いたしましたものにつきましてのその理由づけを申し上げますと、これは去年の春先から全国的な調査をいたしまして、非常に普及度の高い重要なものを選び取ったわけでございます。しかし、それに限定をいたしますと、また他に、都道府県に特殊なものを疎外するおそれがありますので、なお一つ書き加えることもできるということを配慮いたしました。しかしながら、そこで最終的にどういうふうな給与が出るかということは人事院の勧告を待たなければなりませんが、しかしそれにしても問題が残るであろうというのは、先生の御指摘のとおりでありますが、御案内のとおり、今度の第三次改善につきましては、これを二年に分けました。したがいまして、なお重要なもので今後考えなければならないものについては、検討課題として、本年度解決はできませんけれども、私たちとして次の課題として必ず解決していくという方向で進めていきたいと考えているわけでございます。
○三塚委員 時間が参りましたから、この辺でやめますが、どうぞ、主任制という問題、教育界をさらによい環境にするという非常に純粋な形の中で行われたものでありまして、人確法制定の精神をそこに盛り込んだ制度であるというふうに思います。そういう点で、先ほど主任全部に均てん化すべきであるという意味のことを申し上げましたが、それはやはり重要度の高いものから行うという考え方が正しいと私は思います。そういう意味で、ひとつ今後とも十二分に御検討賜り、省令化をしました以上、このことがやはり各県において、各教育委員会におかれまして同一歩調の中で行われますように、今後も一層の御努力と御指導を賜らなければならぬだろうと思います。革新都政であるから、県政であるからこれを拒否するというようなことは、法令の上から、地行法の上からもこれは許されるべき性格のものではないわけであります。教育委員会制度そのものは独立した機関であるわけでございますから、そういう点などについて困難のありませんように、格段の注意力をもって御指導あらんことをお願い申し上げまして、終わります。
○登坂委員長 次に、小林信一君。
○小林(信)委員 この国会が始まるに当たりまして、総理大臣から施政方針演説が述べられました。その施政方針演説の劈頭、二十一世紀に挑戦をするという大変なかけ声をされて、三木総理は、いま当面しております不況、インフレ、物価高、そういう問題もさることながら、常に長期の展望を持って政治は行わなければならないという趣旨から、二十一世紀に挑戦をするという問題を掲げられましたが、私もこの点は大賛成でございます。それはいかに当面しておるものが、どういう問題が山積しようとも、やはり民族の将来に計画をするということは政治の大事な条件だと思いますが、その二十一世紀への挑戦の課題として三木さんがいろいろ挙げてありますが、第一番が教育であり、第二が科学技術でございますが、これは両方とも同じように教育行政の範疇に入るものとも考えなければならぬわけでありますが、四つ挙げる中で二つこうした問題が掲げられておりますこと、私ども非常に意を強くするものであり、私どももそういう意味で教育行政にいつも取り組んでおる者で、同感でございます。しかし、残念ながら、この問題を論議をする時間というものはきょうはございませんので、広く追及するためにはもっと別の時間を私は欲しいのですが、さしあたっての問題として、教育問題では、今日の教育のあり方では「伸び伸びとした創造的な人間の育成が期待できがたいのではないかという懸念も広く国民の中にあります。」こういう現状を心配する中で、これがやはり二十一世紀に挑戦をする教育の大きな焦点でもあると私は承っているわけなんです。それは、ほかの世界の国々、二十一世紀は科学技術が進歩するだろう、それに負けてはならないというような点にも私は受け取ったのですが、それよりももっと大事なのは、いまの伸び伸びとした創造的な人間、この人間づくりというものが欠けておっては、せっかくの科学技術も何にもならない。それは、かつて経済成長政策をなしたその要因として、ずいぶん教育の中では科学技術の振興という問題を論議したわけでありますが、しかし、結果的には公害を出して、もうけさえすればいいという人間を助けて、一般住民というものに迷惑をかけた科学技術であった。そしてでき上がった経済成長の中では買いだめ、売り惜しみ、本当に国民全体を、従来の精神的に成長したものを全然捨てて、ただもう物欲だけに人間を走らせてしまった、そういう経済成長のもとが科学技術であったという点を考えれば、科学技術よりももっと根本の人づくりというものをしっかり考えていかなければならぬと思うのです。 だから、この見方に私は賛成なんですが、しかし、そのためにはどういう教師をわれわれは欲するか、そういう教師を得られるような教育行政はどうあらなければならぬかという問題には残念ながら触れておらないわけなんです。創造性豊かな伸び伸びとした人間、たくましい人間、そういうものをつくる教師、非常に私は大事な問題だと思います。 その教師を得るための教育行政がどうなければならぬか。既成のものをすべて否定することはないと思いますが、しかし、民族の将来を考える教育行政を欲する者としては、そこにもメスを加えていかなければならぬと私は思うのですが、そういう場合に一番大事なのは、先生が自主性をしっかり持って、創造性をしっかり持っていく、不満のない伸び伸びとした教師でなければならぬと思うのです。そういう場合に、いまの主任制度という問題を考えるときに、私にはどうも逆をいっているような感がしてならないのです。 三木総理の施政方針演説はあなたの方針でもある。そして教育問題が取り上げられる限り、それを具体化するのはあなたなんだ。その三木さんの考え方と、あなたのいま主任制度を推し進める気持ちとは果たして一致しているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○永井国務大臣 三木総理大臣の施政方針演説は、私どもといたしまして、当然政府の一員でありますから基本的に賛成をいたしております。それが主任の制度化と矛盾するのではないかという先生の御指摘でございますが、それについて一言させていただきたいと思います。 私は、この伸び伸びとした教育をやっていく上では、たとえば入学試験制度というものは現在きわめて競争を激化させる状況をつくっておりますから、そうした制度的改革ももちろん必要であると考えます。 他方におきまして、実は私はいまから二十年ほど前に教員養成学部におりましたのですが、教員養成学部におりました当時から考えておりましたことは、教育実習というのがございますが、その教育実習というものを中心に教育指導していくということは非常に弱いという問題を考えておりました。 たまたま私が文部大臣になりましてから、この主任という問題があるということ、そしてこれの制度をどうするかという問題に直面をいたしましたが、これが従来はいわゆる中間管理職という角度からとらえられているということを理解したわけでございます。しかし、私の考えでは、学校に校長、教頭と二人管理的な仕事をする方がすでにおられて、そして学校はやはり秩序正しい教育を行うべきでありますから、そうした方を必要とすると思いますが、それに加えてもう一つ管理職的な主任を置くということであるならば、これは制度化をしない方がよろしいと考えたわけでございます。しかし、先ほどから申し上げましたように、それでは教育指導という方の面はどうであるかということになりますと、これは私から申し上げなくても御経験の上からも御理解いただけると思いますが、教育実習はもとよりでありますが、しかし、仮にそれが相当よくできたといたしましても、学校に赴任したときに直ちにいい教員になり得るかというと、やはりそうではなくて成長過程というものがあるのだと思います。 そこでいまの主任というものを実態的に調べてみましても、一番わかりやすいのはたとえば生徒指導の主任でございますが、こういうものをそもそも管理的にとらえたら実態に反していると私は思いました。しかしながら、これが指導、助言に当たっている、いわゆる教育指導的なことを自分自身も生徒に直接行いますとともに、他の、まだ経験をそれほど持っていない先生方に対して、長く生徒指導をやってこられた先生が自分の経験に基づいて考えると、たとえば中学一年ぐらいの子供は現在思春期にあってこういう問題がある、どう対処していくか、こういうふうなことをやっていくことが望ましいのではないだろうか。他方、またいろいろ新聞社等の父兄の教育行政に対する要望というものも見てみたわけでございますが、これは実は私が省令化した後に出てまいりました大きな世論調査ですけれども、そういうものを見ましても、教育行政に一番望んでいることは、先生の質を高めることだというのが第一として出てくるわけでございます。それは決して現在の先生が全部だめな人であるというようなことを国民が思っているのではないと思いますが、いわば先生が教育の中核としてなお一層の御活動を願いたい、そのことのために教育行政はしっかりとやれということであろうと私は理解するわけでございますが、そうであればこそ、これはいまある主任も実態的にそうでありますが、しかしながら聞いてみますと、一部には主任になるともう管理的な気分になっている人もいるらしいのです。それをそういうままに放置いたしてまいりますと、私は非常におかしい状況になるというふうに考えました。 そこで、むしろこの際そういうふうな傾向になっていくものに対して歯どめをかける。そして主任というものははっきり教育指導するということで、先生方が、すべての人について生涯教育ということは言われておりますが、先生方も職場につかれたならば、そういう形で指導を受けながらまた自分も成長していかれるという形になっていくのが望ましい、かような考えでございまして、それは結局においてそれぞれの子供の創造性、あるいは濶達な気持ちというものを生かしていく、そのかぎを握る者は何といいましても先生でございますから、私は総理大臣の施政方針演説というものと矛盾していないどころか、むしろそれに沿っているというふうに考え、機会がありましたときに総理大臣にその面も御説明申し上げた次第でございます。
○小林(信)委員 いまの文部大臣のお話のようなものも考えられるかもしれませんが、いろいろ規制せずに先生方の責任感というようなものを強くし、そして先生方の創造性、自主性、そういうものを高めていく、それに期待を寄せることが一番大事であって、いろいろ規定をする、規制をするとかあるいは取り締まりをするようなものを持たしたら、本当に伸び伸びした人間をつくる教育行政ではない、私はそう思っているのです。だから、なるべく規制というのはしない、先生方の自主性を高めていく、そういう方向へ持っていかなければいけないと思うのです。 私が矛盾しやしないかという質問をしたことは、大臣のお考えからすれば非常におかしいくらいに考えられるかもしれませんが、一般には校長、教頭あり、そしてこの主任が生まれてきた。そうするとそれ以外の者は、おれは一兵卒だ、下士官が出たから今度は兵卒になったのだと、学校へ行って主任の言うとおりに動く、校長、教頭の言うとおりに動く、こうなってしまったら主任制度というものは害あって益なしという形になるではないか。それば先生の個人の考え方なんだと言えばそれまでなんですが、社会というものは必ずしもそう理想的には考えられぬと思うのです。そういう点から、総理大臣がああ言っているものを、主任制度というようなものをつくったらかえって逆ではないか。 それから、大臣がいま、細々と御経験からもお話しになりましたが、私も経験を持っております。主任という名前はつけない場合もあります。係というようなことで事務分担をしておりました。私が卒業して最初教員になったとき、そのときに私の割り当てられた役割りは掃除用具係であります。用具係でありますから、私はごみ取り、ほうき、そういう掃除用具をそろえて各学級に配分してその管理をすればいいと思った。ところが、やっぱりそれだけでは満足できない。ただ用具の整とんだとか始末だとかいうような問題ではなく、その用具を使っての掃除というものに私は教育的な大きな価値を考えてきたわけなんです。 で、私はどうしても便所の掃除がうまくいかない。しまいに、私は自分でもって毎朝子供より先に行きまして便所を——いまのように鉄筋だとか水洗だとかじゃありません、みんな板張りなんです。長い間にはずいぶん壊れたり汚れておりますよ。しかしそれを自分が丁寧に、丹念にきれいにして、そして今度は子供たちが掃除をするにも何らちゅうちょせずに仕事ができるようにいたしましたら、これから便所というものがきれいになりました。 そういうように、何か上から言いつけられるとか要求されるとかいうものではなく、卒業したばっかりの何にも知らない教師であっても、そういう中からその学校の運営なり経営なりあるいはその中の教育内容なりというものに真剣になることができるのですが、それが、主任というものがあって、その人の指導、命令に従っていればいいのだというようなことにもしなってしまったら、決して文部大臣が考えるような理想というものは実現せずに、かえってマイナスになるんじゃないか。私はこれを論議をしておれば時間がございませんが、そういう経験を持って、余り主任制度なんということには文部省が憂き身をやつすものではない、また、それを大臣が誇りに考えておるようなものではないと私は思うのです。 そこで、第一番にお伺いいたしたいのは、この委員会で私どもが聞いたこの主任制度に対する文部省側の意向というものは、局長は、上司である、一般の先生の上司である、業務命令が出せるか、出せます、こういう話を聞いたままなんです。その後参議院で、あるいは新聞等で、それは全然変わったというような話を承っておるのですが、この変わったところをまだ衆議院では聞いてないのです。どういうわけで変わったのか、その経緯をまずお聞きしたいと思うのです。
○永井国務大臣 これは従来中間管理職的なものを上司で職務命令というふうな経緯もございましたために、初中局長の御説明が十分でなかったことから衆議院においてそういうふうな御理解をいただくことになったわけであります。しかし、実は先生のいまのお話を承っておりまして非常に頭が下がるように思いましたが、私は教育指導というものをやるような人は、上司であって職務命令を出すという式のものであると考えませんので、そこで参議院で御質疑があります前に初中局長とも十分相談をいたしまして、そうして私が参議院で答弁をいたし、初中局長も意のあるところを十分補足説明をいたしました。そして、その点は衆議院の諸先生方に対して私はおわびを申し上げるべきと思いますのは、今日この時点におきますまで明確に衆議院において御理解をいただくような発言がなかったわけでございますが、参議院におきましてはその点ははっきりそうではないということで、またそれは新聞に報道されているとおりでございます。 私はある校長先生にお目にかかって、ちょうどいま先生からお話を承ったことに似ておりますが、校長先生も教育指導をされるのでしょうと申し上げましたら、そうです、どういうことがその一つですかと伺いますと、廊下を歩いているときにごみが落ちているのを御自分がお拾いになるそうです。別にほかの人にそのことをとやかく言うのではない、しかし、そのことが一つの学校の雰囲気をつくるということを言っておいでになりました。 したがいまして、私が教育指導というふうに考えておりますものの内容は多岐にわたりますけれども、先ほど先生がおっしゃった言葉の中に規制というのがございますが、私はそれは規制というふうな形で教育指導というものは有効には行いにくいものではないか、かように考えて教育指導というものを今度の省令なり私の見解の中に示したわけでございます。
○小林(信)委員 このことも局長さんがその後どういうふうな御心境になられたか、そして大臣の考え方と局長さんの考え方はどういうふうに妥協というとこれは問題だと思うのですが、一緒になったか、そういう点もお聞きしていきたいし、それからいま妥協ということを私、言ったのですが、校長さんが廊下を通りながらごみを拾うことも一つの教育指導だ、それと同じように文部大臣が、この問題で中間管理職というものが強く出てきた、局長が現にそういう態度も示したというものの中で妥協して指導、助言をする主任というものにした。本来は大臣は、そういう主任制度は私のような考えで置く必要ないと思ったのが、もし妥協というようなことだったら、校長さんがごみを拾う教育指導と同じような重大な問題になると私は思うのですよ。それから校長さんが廊下でごみを拾うと同じように、大臣、いまあなたの所属をする内閣はロッキード問題で大変な問題を持っておりますわね。私は文部大臣であって、しかも民間大臣であるというふうな考えを持つのでなくて、その渦中で国民に解明をしなければならぬというならば、あなたも一役買って解明をする、そういうことが校長さんが廊下でごみを拾うと同じような教育指導になるわけなんです。したがって、こういう主任制の問題なんかもあなたはいろいろ疑惑を持たれておりますよ。妥協したというようなことになったら、これはやはり筋の通らないものになるし、したがって、それが与える学校の先生方の主任制度に対する考え方というものは、大変に変わってくると思うのです。そういうようなものをもっと深く申し上げたいし、お聞きをしたいのですが、先ほども、私どもが鹿児島へ行ったことにつきまして、自民党さんの方から厳しい御批判がありました。大臣はそれとなくそれに対して賛意を表されるような点もあったのですが、ひとつその点で私どものやりました二、三を申し上げて、政党が介入をする、必ずしもそんなものではないという点を証明したいと思うのです。 きのう私は文部省の方にお願いをしておきましたが、種子島の一小学校のつづり方事件という問題があるのですが、調査をしていただいておりますか。調査をしていただいておれば、文部省が掌握したものをここでひとつお話し願いたいと思います。
○諸沢政府委員 西之表市の教育委員会主催の作文コンクール及び理科研究記録展というのが昨年の九月二十三日に開かれました際に、榕城小学校の三人、下西小学校、伊関小学校、安納小学校、古田小学校各一人の計七人が出品を拒否した、こういう事件がありまして、この教員七人に対しまして、西之表市の教育委員会が十一月二十六日付で文書訓告を行った、こういうことでございます。
○小林(信)委員 それは一つの市で行ったのですか、鹿児島県教育委員会で行ったものですか。もう一度御説明願います。
○諸沢政府委員 これは文書訓告でございますから、服務監督者である市の教育委員会が行ったわけでございます。
○小林(信)委員 その処罰はどういう形でなされましたか。
○諸沢政府委員 始末としては一応訓告という形で処分をした、処分と申しますか処置をいたしたわけでございましょうが、その後定期昇給に際して昇給を延伸したという事実があるようでございます。
○小林(信)委員 ボーナスを引かれたということはございませんか。
○諸沢政府委員 勤勉手当のカットもいたしております。
○小林(信)委員 それはどういう罪になるわけですか。
○諸沢政府委員 この昇給の延伸というのは、通常、国家公務員でも、地方公務員でも、十二カ月以上良好な成績で勤務いたしますと一号上位に昇給させる、ただ、その良好な成績という証明が得られない場合として、たとえば懲戒処分を受けた者というようなのがあるわけでございますが、鹿児島県の場合は、たとえば児童に体罰を加える等により文書訓告を受けた者というのが規定にあるようでございまして、それに該当することとして延伸を行ったものと思われます。 なお、勤勉手当のカットにつきましても、同じように勤勉手当は勤務成績が良好な者に満額出るわけでございますが、不良な職員については百分の五十四ということになっておりまして、勤務成績が不良という者の中に文書訓告を受けたという者が入るような規定になっておるようでございます。
○小林(信)委員 あなた方はすぐ条例とか法律とかいうふうなものをここへ出してくる。私がいま聞いたのは、どういう悪さがあったのか、どういうところに悪いところがあったのですか、それを聞いているのです。
○諸沢政府委員 訓告をするという処分の根拠は、その教員としての勤務成績の評価を西之表市の教育委員会がどうするかということでありましょうが、この報告を受けたところで見ますると、要するに市の教育委員会が主催しますところのコンクール等に子供の作品を理由なくして出品させない、出品を拒否したというところに勤務成績優秀ならずという判断をしたものと思われます。
○小林(信)委員 私が聞いたのは、一市でなくて鹿児島県の教育委員会が毎年毎年このつづり方コンクールをするのだそうです。ところが、そのコンクールに参加をする場合に、先生とか父兄とかが非常に修正、添削をして出して、真実の子供たちのつづり方でない、そういうものを依然として行っているのは教育的な価値がない、だからそういうものを本当に実のあるものにしたいというふうな考え方から、一遍、いわゆる主任さんですね、教科主任のところへ持ってきたけれども、主任さんが、そういうことを皆さんと一緒に検討をして、そういうものには参画しない方がいいじゃないかと。これだけのことなんですね。これがすぐ訓告になる。どうですか。そういうところに鹿児島県教育というものがあるということに私は驚いたわけなんです。そこの教育長さんに私は聞きました。どういうところが悪いのですかと言ったら、参画をしないからということなんですね。参画をしないということがなぜそんな懲罰に当たるのですか。本当に教育長さんと話し合いをするとかいろんな方法があるのでしょう、すぐ懲罰へ持っていく、その懲罰も、訓告という名前をつけたり、しかも減俸をするとか昇給停止をするとか、こんな過酷な扱いというものはほかのところにはないじゃないですかと。それについては何にも答えずに、最終的には、父兄が大変に騒ぎましたからということなんです。それから私が、父兄の手前先生を処罰して父兄を納得させたのか、こう言いましたら、それには黙って答えなかった。とにかくこういう一つの事例からしても鹿児島県の教育には暗いものがあるのですよ。めったに教育長を批判したり、あるいは教育行政に意見を出したりしたらどんな目に遭うか、これがいまの鹿児島県の教育の実態ではないか、こうも私は考えられるわけなんです。そういう中からこの主任制度の問題も私は必ずしも文部省が考えておるような方向で仕事が進んでいないのではないかと思うのです。その問題について文部省の御意見を承りたいのですが、これは実際重大問題ですよ。すぐ法律を引っ張り出してきて、勤務成績が悪いから訓告をする、そして減俸する、昇給停止はする、こんな仕打ちをされて学校の先生たちがどういう心境でいるかおわかりになると思うのです。 それから、時間がありませんから残念ですが、これも大臣にお聞きして話を進めるのが一番いいのですが、山中教育長は、このことにつきまして私どもがいろいろ尋ねたのですが、全国教育長会議で大臣から非常に懇篤なお話を承りました、これは親たちにも理解をしてもらうくらいに努力して、そして理解の徹底を期して実行してほしい、こういう話がありましたと。私は参議院で大臣と久保先生との話し合いを聞いているときに、大臣の声がふるえたときがあったのです。したがって、大臣は主任制度をしくという問題については相当われわれの想像しがたい心境にあったかもしれません。ではないかと思います。そういう心境を教育長会議でもって述べられたと思うのです。だから山中教育長はそのことを言いました。親たちにも理解をさせるような、そういう努力の中でこの仕事は進めなければいけないということを言われました、教育委員長会議が続いて行われましたが、そのときにもそういう意味のお話がございました、さらに次官通達にも懇切丁寧、詳細にわたっていろいろな御注意がありました、それを私どもはよく遵奉して、理解を高める中でこれを実行していきたい、口ではこう言っています。しかし、私は、川辺という郡の中の一つの町村で、まず第一番の四日の日に管理規則が制定をされたという話を聞きまして、そこへ参ったわけです。そのところへ行きませんが、教育事務所長さんに会いまして、大変に早いのですが、本当にあなたはよく理解してもらってやったのですかと聞きましたら、もう時間的にないのですからね、二十七日に鹿児島県の教育長さんが集められて、山中教育長から伝達を受け、そうして四日ですから、理解も話し合いも何もないままになされたというふうな事実から、何にも答えなかったわけです。で、私がその教育事務所長さんに、教育長はどういうふうな話をしましたか、これは管理規則でございますから、そんなこと文句ないんだ、いま文部省が指導しておるような、そういうことで事実はほうって進んでいくわけですが、実際に私どもと話をする場合には、文部省はこう言っています、よく理解し、納得さして、そして主任制をしきなさいというのですが、実際においてやっておらない。こういうものがやはり、文部省はこう言っている、文部大臣はこういう気持ちだというんだけれども、実際は本当に形式一点張りで、これはもう法律がつくられたんだ、だからもう何も法律を、一々皆さんの納得、理解を得てまで進めなくてもいいんだ、こういうような仕打ちがされているわけなんです。そこに、鹿児島の先生方の納得できないものも出ておるわけなんです。私はそういう事実をつかんでまいりましたが、これは大臣、あるいは初中局長、どういうふうにお考えになりますか。
○永井国務大臣 鹿児島につきましては、初中局の方でなお事実をよく調査するように進めているところでございますから、それについては、必要でしたら初中局長から申し上げますが、私は、進め方といたしましては、特に御父兄の御理解や、あるいは教育関係者の御理解を得ながら進めていくということが本筋であると考えております。
○諸沢政府委員 私どもといたしましても、この制度化の趣旨というものを十分徹底するようにやってくれということは再三申しておりますし、鹿児島県におきましても教育委員会関係の人々は、私は、一生懸命その趣旨徹底に努力をしてこられたと思うのであります。ただ、不幸にしてどうしても反対という方もおられるようでありますので、その辺の調整がつかなかったという面もあろうかと思いますが、私もなおよく関係の方々から事情を聞いてみたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○小林(信)委員 文部省のいまのお二人の意向とは全く事実は一致しない。およそ逆の方向で、いわゆる独善的、官僚的に進められておるのが鹿児島県の実態だと思うのです。私はやはりできるだけ先生方ともあるいは父兄とも教育長が接して、理解を深めながら、その理解がいったら実施をするというような方向でいかなければ、ただ問題を後に残すだけではないか、こういうふうに心配をしておるものであります。 そういう場合に、これは管理規則である、管理規則を一々君らに話す必要ないのだ、そういう姿勢さえ見られまして、いま初中局長はやったはずだというふうに御発言なさったんですが、知事に話をしたのが一月三十一日である。これは知事に私ども会いましたときに、三十一日に報告を受けました、まだその点について私はいいとも悪いとも返事をしておりませんとか、あるいはもう鹿児島のいろいろな新聞に出されておりますように、あらゆる、議長がどうだったとか、あるいは県会の文教委員長がこれに対してはどうだったとかいう非常に独断専行の山中教育長のあり方というものを私どもは聞かされたわけなんですが、これを忠実な教育長であるというふうに恐らく文部省が見ているのじゃないかと私は思います。そういうところから問題が起きてくるということは、これはただいたずらに教師を責めるんでなくて、文部省自体が責任を負わなければならない問題だと思っております。そのほか、ちょうど時間でございますから終わりますが、この教育長に対してはいろいろなうわさが出ております。もう近々文部省へ引き揚げるんだそうで、かなり思い切ったことをしておるらしいんですが、とにかく何か教師の悪いことを密告すれば、密告した人間は教頭になれる、校長になれる、こんな評判さえ立っておるのです。いまのつづり方事件の問題からもよく詳細をお調べになって、後日私は改めてお聞きいたしますが、おわかりになると思います。 そのほか、いろいろとお尋ねしたいことはありますが、私どもはいたずらに政党が教育に介入する、そういう簡単なもので調査に行ったわけでは決してございません。そういうふうないろいろな事実を聞いたから、これは大変だというので行ったわけであります。 時間でございますから、以上で終わらせていただきます。
○登坂委員長 次に栗田翠君。
○栗田委員 大臣に伺いますが、大臣は、今度の主任の制度化の目的としまして、学校の管理、運営の二本の柱の調和をとって、管理面だけが強調される中で起こるきしみをなくすものであるということを言っておられました。それから、きょうの所信表明を伺いましても、「調和のとれた学校運営の実現を目標」とすると言っていらっしゃいますが、この目的でやっていらっしゃるのだと思います。 ところで、それでは本当にきしみをなくしていくためにどうしていったらいいかということですけれども、それは何といっても、やはり管理者と現場の先生たち、父兄の方たちが十分に新しい制度について納得し、冷静な討議を重ね、実態に即した対応ができるようにしていく、つまりみんながよくわかった中で、話し合いも十分された中で実施される、これがないことには、一方的に押しつけるというやり方ではきしみというものは必ず起こると思うのです。そう思いますが、大臣、その点、どうお考えになりますか。
○永井国務大臣 私の考えは、いま栗田委員がおっしゃったとおりであります。ただ、話を進めていく上で、これは初めから、とても主任というものができるとそういうものではないのであるということで、話を聞かない人がある場合があります。そういう場合には、非常に困った事態に相なるわけでありますが、そうでない場合には、私は十分に話し合って実現していくということは可能である、それからまたそう運ぶべきものと考えております。
○栗田委員 いま問題になっておりました鹿児島では、まさに話を聞かない人が出ているのです。それは先生方ではなく地教委なんです。先生たちが話をしようと思ったら逃げ回っているという事態がいま出ております。交渉を受けないで、たとえばこれは鹿児島の南薩地区、ここは七つの町があります。当然七人の教育長さんたちがおられるわけなんですけれども、現在どんな状態になっているか、その準則が出されるまでの間どういう状態になっていたかといいますと、所在不明が三人、それから病気と称して出ていらっしゃらない方が四人、合計七人。つまり一人もこの交渉に立ち会わず、教育長としてその仕事場にも出てこない状態が続いていた。まさに話を聞こうともせず、説得しようともしない状態で逃げ回るというのがいま起こっていたわけです。こんな中で、たとえば川辺町の教育長などは七日間休みまして、この七日間休んでいる間にPTAも入れた子供会の研究発表会があったのですけれども、このときも病気と称してここに御出席にならない。ところが実際に病気で寝ていらっしゃるのかというと、そうではなくて、そのとき今村食堂というところで学校管理規則の改正を練っていらっしゃいまして、いわば県の準則に沿ったものをつくるのをやっていらっしゃって、九日にはこれが公示されております。一体こういう状態さっき大臣がおっしゃいました理念とあわせましてどうお考えになりますか。
○永井国務大臣 私は、栗田議員がおっしゃったことを信じないというわけではもちろんありません。 そこで、そういうふうな事態についていま御発言ございましたし、実は参議院でもそういう問題がございましたから、ただいま初中局において事実を調べているわけでございます。
○栗田委員 調査をなさる上で非常に大変な事態がありますので、留意をして調べていただきたいと思うことがございます。 それは例の山中教育長、大変問題の多い方のようで、私どものところにもいろいろな評判がこの遠い東京まで聞こえてまいりまして、この山中教育長がやっていらっしゃることというのは、まさに民主教育に反するファッショ的な管理指導だと私なんかは思うのです。一例を挙げますと、この川辺町などの校長さんたちは、今度の主任の制度化についても、いまの主任の制度でよいと思うということを内々言われているそうです。それは、いままででもどこの学校にも主任というのは必要に応じてつくられておりました。ただ、つくり方、形態、いろいろなものが違ってはいたけれども、その制度でもそれぞれ有効な効力を発揮していたわけです。だけれども、今度のようなやり方をしてがたがたと問題になっている。そんな中で校長や教育長が疑問があっても物が言えない状態であるということがいま言われています。交渉の場で校長先生などが言われるのは、賛否について言わせてくれるな、先生方の言うことに私も賛成ですよなどと言ったら首が飛んでしまうということをこっそり言われるんだそうです。こういうことをぜひ調査していただきたいのです。たとえばこれは、ただ校長がこわがってそう言っていらっしゃるということではなくて、最近、過去何年かの間に実際にちょっとしたことで首が飛ぶという例が実にたくさんございます。たとえば校長は任期途中でよほどひどいことでもしない限り降格されたり閑職に回されたり、ほかの学校へ飛ばされたり、こういうことば常識として普通ないのですけれども、この鹿児島県ではたくさんの例が出ております。 その一例を挙げますと、これは大変ひどいと思うのですが、昨年十月の新聞に出ていますが、昨年の十月一日付で鹿屋市の大姶良中学校の校長馬場清美氏ですが、この方が県の総合体育センター主事に異動されました。校長から主事に急に飛ばされて、これは、言ってみれば降格なんですね。なぜこんな処分がされたか。これは当時の新聞にも書かれておりますけれども、県教委作成のビラをまかなかったということです。職命で先生たちにまかせなかったのです。どんなビラだったか。あの当時はリジンが問題になっておりまして、リジン入りのパンでは文部大臣もずいぶんお母さん方からのいろいろな陳情もお受けになったと思います。リジンが有害であるかないかということが大きな問題になっておりました。有害であるかないかの判断というのは専門家がやりますけれども、有害かもしれないと言われれば、父母はだれでも、それは子供たちに食べさせてもらいたくない、こう思います。有害でないことがはっきりするまでは食べさせてもらいたくない、これは当然なことではないでしょうか。そこで、この大姶良中学校では、これが問題になりました当時、リジン入りパンを食べさせたくないために、四百三十人の生徒のうち二百七十人がお弁当を持参していた状態だったそうでございます。このときにまかせようとしたビラはどういうビラかというと、リジンは無害であるからリジン入りパンを食べさせなさいという、こういうビラだったのです。これを県教委がつくりまして、そして各市教委などに渡して、その市教委がこの文書を父母に配るように各校の校長に指示したそうです。馬場校長は、いま有害か無害かまだわからないときにこのような無害であるという県教委のビラを配るということはできませんということで断わったんだそうです。そうしたらば、何と十月一日には降格されて、さっき言いましたような県総合体育センターの主事に移されてしまったという、こういう事件が起きております。これは新聞にも出ておりまして、私どもも調査しましたけれども、まさにそのとおりでございました。 こういうふうな、上から一方的に思うことを押しつけて、黒も白と言わせ、わからないことでも疑問だと言えないという、こういう状態をどうお考えになりますか。
○諸沢政府委員 その当時の事情を私、詳しくは現地について知りませんけれども、あのリジンの問題につきましては、文部省としては専門の方々の意見を聞いて、これが一般に喧伝されているような発がん性物質を含む有害なものであるというふうには考えませんということで、その趣旨の徹底を各県にお願いしておった時期ではないかと思うわけでございます。したがいまして、そのような文部省の見解に立って県の教育委員会が現場のPTA、お母さん方の不安の解消に努めるべく努力をされたのであろうと思うわけでありまして、そのような行政方針に対してただいまのような校長先生が出られたということで、まあ教育委員会としましては、その校長先生に対する勤務の評価をどういうふうに行いましたか、人事の上では、いまおっしゃったように体育センターへ移ることになったわけでありますが、教育委員会としてはそれなりの考え方があってそのような人事を行ったものと思われますので、その事態の評価については差し控えさせていただきたいと思います。
○栗田委員 初中局長は、何かそういう事情のもとではそういうこともあるいはあっても必ずしも間違いではない、事態の評価は差し控えたいとおっしゃっておりますが、私がいま言ったような事実でありましたら、大臣はどうお思いになりますか。
○永井国務大臣 いまの人事の異動の問題とリジンの問題が絡んでいるようでございますが、これも私は決して栗田議員がおっしゃることが真実でありませんというふうに思っているわけではないのでありますが、人事の異動に当たって、一体ほかにどういうふうな事由もあったかということをやはりよく調べませんと、それについて私がそれは不適当な人事であるというふうなことをこの段階で申し上げにくいように考えます。
○栗田委員 私はその話を聞きまして、戦争中の教育のことを思い出しました。方々で次々に日本軍隊が玉砕をしまして、日本は負けるんじゃないかななんという話がちらちらと出そうな事態だったとき、学校では神風が吹くから絶対に日本は負けないという教育をいたしました。いま思えば、神風なんということは先生たち信じていなかったんじゃないかと私思うのですけれども、でも一斉にそういうことを言われました。負けるかもしれないとは言わないまでも、それに近いことを言ったらもう大変な時代だった。何かそのときのことを思い出すのですね。ほかにいろいろな状態があったかもしれませんけれども、ビラを配らなかった、その中身が、父母たちがまだ疑問に思っていて、子供の健康のことを考えて心配している、こういう中で父母が納得していないときに、一方的に食べさせろというビラを配ることを校長さんがためらわれても私はもっともだと思うのです。そこで話がついてからビラを配るなり何かあったってしかるべきである。ビラを配らなかったということで降格をして、しかも任期途中です。もし教育ということに十分配慮があれば、校長さんを途中で降格するなんというのは、よほど破廉恥罪でもあれば別ですけれども、こういう処置がばんばんやられる鹿児島の県教育委員会、大変だと私は思います。それは一つだけではないのですね。ほかにもいろいろな事例が出ておりまして、たとえば校長教頭任用資格試験をめぐる問題なんというのもあります。 これは、県教委が七五年六月末に試験要綱案を決定して、七月初旬に県教頭会幹部に意見を求めました。教頭会は教頭会所属の教頭全員にアンケートを配って、任用資格試験を受験するかどうかの調査をしたそうでございます。ところが、小迫県教育次長と菊地教職員課長が、賛成の話し合いならよいが、反対ならいけない、アンケートは焼却するように、第一次試験の行われる八月四日までは会合を開くな、こう要求したそうでございます。そして、その後七六年一月に開かれた教頭会の会議で山中教育長が、自分の考えを言えないでアンケートをとるような人は、教頭会からボイコットしろなどと教頭会に対して強圧的な発言をしている、こういうことも聞こえているのです。 とにかくアンケートというのはみんなの意向を聞くという手段でございまして、初めから賛成ならいいけれども、反対ならいけない、これじゃアンケートなんかもちろんとる必要はないけれども、まさに上からの体制で一方的に考えを押しつけるやり方だと思います。こういうの、いかがでございますか、大臣どうお考えになりますか。
○永井国務大臣 いろいろな事柄の経緯について、いまの具体的な問題は、これはよくわかりませんけれども、アンケートは人々の本当に考えていることを調べるものであるということにつきましては、私は、おっしゃるとおりと思います。
○栗田委員 こういうわけでして、実にいろいろな問題があると思われます。山中教育長はかつて文部省の課長をしておられた方、いわば通俗的な言葉で言えば天下り教育長でございますが、そこがいち早く主任の制度化を実施したところ、こんな形で問題が出てきている。大臣はそういうふうにしないつもりだとおっしゃるのですけれども、まるで文部省の意を体してやっているのがあそこに典型的に出ているように、これはだれもが見ているわけですね。これは大変な事態でございます。文部省は調査なさるとおっしゃっていますけれども、こういうことを十分に考慮に入れて、本当に大臣が民主教育ということをおっしゃるのだったら、そういう立場で調査をお進めになっていただきたいと思うのです。 たとえば、ここ山中教育長が就任されてから、任期途中で降格、異動また閑職に回されたような校長さんが何人いらっしゃるか、その事実はどういうことでなったのかということなんかもぜひ調べていただいて、また私どもにも聞かせていただきたいと思いますが、こういう点、いかがでございますか。
○諸沢政府委員 調べるようにいたしたいと思います。
○栗田委員 次に、新管理読本のことで伺います。 これは、この前総括質問が行われましたときに、山原議員が質問をしていることに関連してでございますが、この新管理読本の中に、たとえば主任は上司であり、職務命令が出せるといった種類のことが書かれております。これは大臣のお考えでないと、大臣はっきりおっしゃいました。そうして、大臣のお考えが先行するのだから、そういう立場で文部省としてはやっていくということをおっしゃっております。もしそうでありましたならば、この管理読本、実は四十四年以来文部省推薦で研修会に使っておりますが、こういう中身のものが広がっていくということは、文部省の意図と違うことが研修の中でやられていくことになりますけれども、管理読本、これを使うのをおやめになりますか、いかがでしょうか。
○永井国務大臣 私のそれについての考えを申しますと、これは先般山原議員に申し上げましたように、私の考えは、これは見解ですが、それ以後、省令、通達というのはこれは公式なものでございますから、それらを一括してそれが文部省の方針であるということは間違いのないところでございます。で、その書物は文部省の人が関係しておりますけれども、しかしながら、私がそういう方針をはっきりさせます前に書かれたものでございます。したがいまして、研修が今後行われるに当たっては、現在の文部省の方針というものに従っての研修が行われるように、そのように進めていくべきものと考えております。
○栗田委員 以前出されたものであって、今後は文部省の方針に従うとおっしゃいますと、そうしますと、これが使われると文部省の方針でなくなる、そういう部分が出てくるわけですが、使わないということでございますか。
○永井国務大臣 その本の使い方については、そういうことを考えなければいけませんが、それはもう一つの問題としては、私は、文部省の職員が教育研究のために研究会をつくって、そうしていろいろな角度から検討するということは非常にいいことだと思います。そして、文部省内におきましては自由に議論を闘わして、場合によって私に対して反対の意見を言う人もいるのです。私は、そういう意味では文部省を余り管理社会的に動かしていきたくないと思っています。 そこでまたわが国の法律から言いましても、研究の自由、発表の自由というものはありますから、文部省の職員といえども研究者としてこれを発表していくということは個人としての自由がある。しからば文部行政にそれを使用するかということになりますと、そうすると文部行政と私的な研究発表の自由とが混乱をいたしますから、そこは峻別をしなければならないと思います。したがいまして、繰り返し申し上げますが、文部省の方針を説明していく研修においては、その個所にのっとった研修を行いますならば、これは矛盾することになりますから、そういうことは行わない。しかし、その本は相当厚いですから、いろいろほかのことが書いてあると思います。そのほかのところが文部省の方針と矛盾しない部分がある場合には、それはその本に準拠する個所もあるかと思います。書物の使用方法としてはそういうふうな使用方法が妥当であろうかと考えております。
○栗田委員 この本を私も一カ所だけ例を出しましたが、かなり各個所に実はずうっと問題になるところがあります。それを一々やっていますといま時間がありませんから申し上げませんけれども、じゃ大臣としては、少なくとも文部省の意向と違うところについてはコメントをつけて使われるということなんですね。
○永井国務大臣 当然のことでございます。
○栗田委員 もう一つ伺いますが、この新管理読本にはしがきがございます。このはしがきは、当時の文部省地方課法令研究会代表別府さんが書かれております。その当時文部省初中局の地方課長でいらして、現在は財務課長でいらっしゃいますか、この方が書いていらっしゃいます。 ここにこういう文章があるのですね。「なお、本書は、文部省主催の昭和四十四年度校長・教頭等研修講座の資料として採用されており、編著者としては、本書の内容の有益適切性が認められたものとうれしく思っている次第である。」こう書いてあるわけですね。「有益適切性」とこう書いてあるわけですね。いろいろ問題を含んでいるわけでございまして、これに「有益適切性」ということが認められたものというはしがきが書かれているわけですけれども、これを見ますと、普通の人は、これは文部省の考えだと思っちゃうのですね。文部省関係の方がこうおっしゃっている。ここらはやはり手直しをする必要があると思いますが、大臣いかがでしょうか。
○永井国務大臣 書物の編集はなかなかむずかしいことでありますから、これは私、それをよく読んで考えなければいけないと思いますが、繰り返し申し上げますけれども、私は文部省に勤めていますが、次官あるいは政務次官あるいは局長、課長、ときどき私に意見を異にすることがあるのです。私は、みんなが私と意見が同じであればいなくてもいいことになりますから、それは非常におかしいことであって、いろいろ違う意見が出てくる。それと討論をする。そして納得ずくで、いわばなるべく理解を得て方針を決めていく。しかし一度決まったものについては、今度はそれはぐらぐらしてはいけないという考えでございます。 そこで、その本の使用方法については先ほど申しましたが、今後その本の使用方法というものが文部省の方針と矛盾したりするような印象を与えるような、そういう使用方法であってはならないということは明確に申し上げておくことができると思います。
○栗田委員 それでは、時間がありませんから私の質問は終わりますけれども、大臣が調和のとれた学校運営を理想にされて主任制度化をされたにもかかわらず、実態はむしろきしみが大きくなってきていて、学テ、勤評の当時のような大変な騒ぎさえも鹿児島では起こっていて、そこでは上から下へという管理的な、いわゆる管理体制がしかれているという事実があるわけです。こういうところを十分に手直ししていただかなければなりませんし、それからこの制度の実施の仕方そのものを十分検討していただく必要があるし、こんなやり方では絶対困るわけですから、大臣もその辺は本当に改めて深くお考えになっていただきたいと思います。
○登坂委員長 山原健二郎君。
○山原委員 二分ぐらいしか残っておりませんので、二問質問いたします。 いま小林先生、栗田さんのお話を聞きまして、三月一日に実施するということはまさに困難な事態を迎えておると思うのです。当然話し合いをすべきでありますし、同時にまたこの委員会におきましても、たとえば参考人を適切に呼ぶとかというような審議を重ねる必要があると思います。国会ではほとんど審議しておりません。こういう点から、この三月一日の実施についてどう考えておるか。これはさらに延ばして、あるいは関係者の話し合いを保証するということが必要だと思いますが、この点について大臣の見解を伺っておきたいのであります。 もう一つは、明らかにこの主任制度というのは大きな問題を持っています。たとえば、かつて戦前におきましては、校長は地方長官の命を受けという言葉が頭についておりました。ところが、戦後はそれがなくなったわけですね。そして教員一人一人の自主性、自主的権限によって教育は進めるべきである、これが戦後の教育の理念であります。 ところが、今度の主任には、すべて校長の監督のもとに指導、助言あるいは連絡調整を図るという言葉がつくわけですね。戦後なくなった、戦後の民主主義教育へ向かっての理念が、ここで校長の監督のもとにという言葉が主任に全部ついているわけです。これはまさに戦後の教育の理念の百八十度転回に通ずるものであるというふうに考えます。この点が大変重大だと思うのです。 この二つの点について見解を伺って、私の質問を終わります。
○永井国務大臣 主任の制度に基づきまして規則をつくることについて、三月をめどにしているというのは省令でございます。そして、いま鹿児島のことは承りまして、調べなければいけませんが、しかし話し合いを続けているところもございますことはすでに初中局長からも御報告を申し上げましたとおりであります。したがいまして、私は三月施行というものをこの段階で変える考えはございません。 なお、戦後の考え方の基本的な変化であるということをおっしゃいました第二点でありますが、恐らくその第二点の準拠しておられるのは、一回目の大臣見解、十二月六日、主任の仕事を述べたところに校長、教頭などの方針に従いという個所と、それから必要に応じて校長、教頭の意見を聞きという次官通達の最後の個所と、そこを指しておられるのだと思いますが、もしそうでございますならば、まず前の方につきましては、十二月の国会において御説明いたしましたように、そこの個所は学校全体にかかるわけでありますから、別に主任だけに校長、教頭が管理をするというのではない、そういうことをそのとき御説明いたしましたが、そのとおりでございます。 それから、次官通達のところには、最後の個所に必要に応じてということがあるわけでございまして、別にすべての事柄にわたって校長、教頭がああいう教育指導をしろ、こういう教育指導をしろといわゆる職務命令を発して行うという性格のものではなく、私は校長会、教頭会にもいま要望いたしておりますが、そういうところでも教育指導を考える。教育指導というのは、私の考えでは非常に自発的な要素を含むものでございます。そして、主任もまたそういう角度から仕事をしていただくというわけでございますので、先生の御指摘の第二点は、その文書上からも、そういういわば戦後のあり方の転換を図るというよりは、むしろ逆に、これまでともすれば管理的に考えられてきた中間管理職という考え方をとらないのであります。 そして私は、教研集会におきましても、にもかかわらず現在、主任の中に管理的にやっている人がいるという議論が出たということを新聞の報道で読みましたけれども、そういうふうになっては困るという考えに基づいて進んでいるわけでありますから、私はその点では、先生の御理解いただいている点と全く異なる方向においてその二つの文章も書かれているものと、そういうふうに御説明するわけでございます。
○山原委員 時間がありませんから……。ただ、ちょっと誤解されていると思いますが、校長の監督のもとにというのは、鹿児島県の学校管理規則にもはっきり書いてあるわけですね。これは「教諭は、児童の教育をつかさどる。」ということをさらに上回った形で、校長の監督のもとにというのが出ているわけですから、その点の質問をしているわけです。 しかし、時間がございませんので、終わります。
○登坂委員長 高橋繁君。
○高橋(繁)委員 本会議の予定もありますので、簡潔に質問いたします。 まず、文部大臣は対話あるいはキャッチボール行政というものを基調にしておると思いますが、その基調は変わりありませんか。
○永井国務大臣 これは事柄の性質にもよる面があると思いますけれども、基調はキャッチボールでございます。
○高橋(繁)委員 この省令が十二月二十六日に出されて三月一日実施と——いまもいろいろ議論か交わされております。また、最近における教育界における大変な問題とされていることは承知のとおりであると思う。そういうことがわずか二カ月足らずの間に一体徹底をされ、論議を十分されることを予想して三月一日としたのか。その辺の大臣のお考えはどうであったか。
○永井国務大臣 実はこの種の問題につきまして、与党の方は非常に御賛成、野党の方はおしなべて御反対というような空気が事実国会にありますのですけれども、しかしながらそうでもなく、いろいろ御理解をいただいている面もあると私は確信をいたしております。そして、これは十二月国会で御討議をいただいたのに引き続いておりますが、そのほかに世論調査もあり、それからいろいろ各新聞の社説などもございますが、そういう新聞の社説は、私の理解いたしますところ、ほとんど教育指導という形で考えていくということは望ましいという立場をとっております。したがいまして、私は、相当の御理解をいただいている、しかしながら全部の御理解をいただいているわけではない、相当の御理解をいただいておりますから、順調に御理解をいただいているところは、これは原則に従って三月実施をいたしたいというふうに考えている点で変わりはございません。
○高橋(繁)委員 現在、市町村の教育委員会にはまだその通達は行っておりません。いいですか、きょうはもう二月十三日、果たしてあと二週間足らずで、しかもこれは学校の校務運営組織でしょう。現場でも討議をされなければならない。そういうときに至って、先ほどの質問に対して三月一日から実施をする、昨日の参議院の文教委員会では、局長は四月一日云々というようなことを言っておるということが報道をされておりますが、一体わずか二週間足らずの中で、しかも校務運営組織ということを考えると、三月一日は私は無理だ、こう思うわけです。それを強行するならば、そこにはまた問題が派生をしてくる。十分論議をすべきであるというように考えるわけですが、きのうの局長の答弁、いまの大臣の答弁というものについて、実施時期について少し違うようでありますが、その辺の見解はいかがですか。
○諸沢政府委員 最初にお話のありましたまだ施行通達が行っていないところがあるじゃないかというお話でございますが、この点につきましては、私ども末端まで全部確認したわけではございませんけれども、県からの報告等を聞きますれば、施行通達は全市町村に行っているものと考えております。 なお、その実施の時期でございますが、私が申し上げた趣旨は、管理規則の改正は三月一日からやるたてまえになっており、各県及び市町村がそれまでに規則の改正をやってもらうことを期待しておりますと申し上げたわけであります。ただ、具体的人事になりますと、三月は年度末、最後の月でありますので、あるいは県によりましては四月になってから新しい主任を任命するということもあり得るであろう、こういうことを申し上げたわけでございます。
○高橋(繁)委員 各市町村まで通達が行っておるということでありますが、それは私は文部省の認識不足であると思います。現実には行っておりませんところがかなりあります。その行ってないところの地方教育委員会の教育長が、とても三月一日は間に合わないということを言明しておる。そんなことが掌握できなくてこれを三月一日に踏み切るということについては、非常に危険である。したがって、これほど問題になっているのですから、もう少し十分論議を尽くしてやるべきである、こう思うわけですが、大臣はそういう気持ちはもうありませんか。
○永井国務大臣 論議を尽くすことは非常に大事でございますから、いまも論議を尽くしているわけでございます。こういう論議を全国各地でやっているものと私は理解いたしております。そして御理解を願っている向きも相当多いということも先生に御理解いただきたい点でございます。
○高橋(繁)委員 論議を尽くすということは必要だとおっしゃいますが、ところが実態はそうではない。特に近来における教育という問題について、いわゆる教師、親あるいは子供、生徒を含めましてそういうところから疎外をされて、そうしたいわゆる教育管理が特定の機関でされているところに問題があると思う。したがって、そうした親や教師やあるいは子供の願いからそういう問題が抽象化されようとしているところに現代の落ちこぼれ教育もあるということを認識をしていただ外なければならぬと思う。もう少し全国的に現況を踏まえて——私は三月一日は非常に混乱を来すと思う。もう少し論議を尽くし、整然とこの問題がいかなければいけない。じっくりと幅広いコンセンサスを得てやるべきである、そういう努力をすべきであると、事教育に関しては強くひとつ大臣に要請を私はしておきます。 そこで、時間がありませんので、先ほど教育指導に主任というものは当たると言われましたが、学年主任というのは一体どういう仕事をおやりになっているかおわかりですか。
○永井国務大臣 これは私が訪問いたしました学校、それから学生の教育実習についていった経験その他に基づいて考えますと、学級数が少ないところでは、主として連絡調整的な仕事が主であるというふうに理解をいたしております。しかしながら学級数がかなり多いと、おのずからわりにまだ経験の浅い先生方がいらっしゃる、それからそうでなくいわゆるベテランの方がいらっしゃる、こういう場合には、連絡調整にとどまらずかなり指導的な側面というものがベテランの先生によって行われている。ですから、大局的に申しますと、学級数の多少によりまして主任の行っている仕事はかなり異なっている、そういうものと理解いたしております。
○高橋(繁)委員 ちょっと先ほどの質問で大臣にもう一度答弁願いたいのですが、それぞれ市町村教育委員会あるいは都道府県の教育委員会等で、この主任の問題で大変な問題が起き、鹿児島等の問題があって非常に混乱をしておるということでありますから、今後さらにこの混乱が続くとすれば、三月一日は大変無理だと私は思う。そういう混乱が起きるということを予想されていま少しこれを延期するというお考えはありませんか。そうした事態でも強行するのかあるいは混乱が起きた場合には多少考えるのか、その辺についてもう一度大臣に見解を伺いたい。
○永井国務大臣 鹿児島の実態につきまして調査をいたしますということは、先ほどから申し上げたとおりでございます。しかし他の自治体におきまして比較的順調に運んでいるところ、そうして御理解をいただいているところでは、三月ということは原則でありますから実現をしていただきたい。ただし鹿児島以外のところでも、非常に広域にわたっているというようなことで、そうした現状に合わせておくれるところも出てまいりますでしょう。それはそういう場合もあり得るということで、すでに初中局長からも御説明申し上げているとおりでございます。しかしそれでは三月一日というのを全般的にやめてしまいますかと言えば、そうではなくすでに話が比較的順調に進んでいるところがございますから、私はそういうところで規則ができ上がっていくということは妥当なことと考えております。
○高橋(繁)委員 ちょっと話をもとに戻しますが、本当に教育指導を充実するということであれば、教科主任が学校における教育指導に非常なウエートを持っている。それと、校長が教育指導という面でリーダーシップを発揮すべきである。そういう面でいきますと、学年主任というのは大体年輩の方が主任につく。常識に従っていままで民主的な会議によって決定されておる。ところが教科主任——その学校に体育に非常に熱心な先生がおる。そうすればその学校の体育のレベルは上がります。国語の熱心な先生があれば自然と教育指導の面も上がる。だから、前に大臣が、この主任というものの範囲を拡大していくということを新聞の記者会見が何かでおっしゃったことがありますが、将来そのお考えがあるか、その辺をお聞きいたします。
○永井国務大臣 先生御指摘のように一番の教育指導の中心は校長だ。ですから校長会にはすでにそうした問題についての検討を御依頼申し上げているわけでございます。やがてそうしたいろいろの校長の御苦労、どういう形の教育指導を行っておられるかというふうな形の御発表もあるものと思っております。 なお教科主任の問題でございますが、教科主任は、これは高校などにおいて特に重要性を持っております。そういう重要性を持っております主任につきまして今回考えられていないものはどうするかということが、教科主任に限らず生じてまいります場合に、これはやはり先に考えるべきものとして検討してまいりたい。これを給与との関連で申しますというと、第三次改善というのは二年に分かれておりますから、私どもの検討課題として今回盛られない重要な主任というものがそれぞれの都道府県における調査に基づいて文部省に報告せられる場合には、これを検討したいという考えで臨んでいるわけでございます。
○高橋(繁)委員 時間がありませんからあと一点だけ。 この教育委員会の規定は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第三十三条、この規定の趣旨に基づいて教育委員会規則に、設置または職務について整備するということでありますが、この法律はかつて一九五六年大変問題になった法律でございます。しかもその三十三条は管理運営についての規定を示したところである。その本条の趣旨に従って教育委員会がこの規則あるいは職務内容を設置するということになりますと、この本条の趣旨はまことに生かされてくる。これは法制局の見解を聞かなければ討議できませんが、そのことについて、私はそう思いますが、大臣はどう考えるか。簡単に一言だけお答え願いたい。
○諸沢政府委員 学校の管理運営の基本的事項につきましては、いま御指摘のように、三十三条の規定によりまして教育委員会規則が制定されるものとなっております。そして管理運営に関する各般の事項が現在通称管理規則というような形で教育委員会規則がつくられておりまして、今般の主任の問題はまさにその一事項としてこの委員会規則に織り込まれるべき事柄であろう、こういうふうに考えるわけでございます。
○高橋(繁)委員 また後で討議をいたします。
○登坂委員長 次に受田新吉君。
○受田委員 五分間以内に質問を終わります。 文部大臣、先般の教育委員会委員長会議で、いま高橋委員の指摘された主任制度の対象になる職種を拡大しようという御意図があることを承っております。さらにこれから図書主任、給食主任等へも広がっていくとなりますと、この主任制度の対象になる職種がずいぶんたくさんになって、最後には手当を出すのにしては半分以上出さなければならぬというような事態が起こってくると思うのです。そういうことになる危険があるということを了解しての先般の御発言であったかどうか、お答え願います。
○永井国務大臣 受田先生のおっしゃいますように、いろいろな主任がありますが、また学校によってはそれこそ三十種類ぐらい主任を置いておる学校があります。無限拡大をやろうという考えで申したのではございません。そうではなくて、今回盛り込まれたものでないもので非常に重要と考えられるもの、そうしたものが整理されて、そうしていく場合には来年度までの検討課題としてやはり当然限定して重要なものというものを考えるべきだ、こういうことでございます。
○受田委員 小学校で十八学級という一応の基準、それをだんだん十二学級という方向へ下げていく、こういうような構想もございますか。
○永井国務大臣 学級数の問題はさしあたって検討課題にいたしておりません。
○受田委員 永井先生は御懸念をする必要はないというお話のようですけれども、主任の対象になる職種というものはどこへ頂点を置くかということになってくると、なかなかとどまるところを知らないということになると思うのです。そこで制度としてはそれで結構だが、手当は支給しなくて済むという形にしておけば、たくさんの主任をつくってもいいわけなんですが、手当というものが当然伴うということになると、その手当は管理手当か指導手当か、いろいろ見方があって、世間ではそこで自然に管理手当と見られる。その危険がある。たとい指導手当と称しても管理手当と見られる危険がある。人事院にしてみれば——局長か来ておられるのですが、一体指導手当というものであるならば、たとえば特殊勤務手当、これは不安とか危険が伴うものに対する手当として創設してある。そういうことになると、非常に円満に楽しく助言と指導をする職種に与える手当は、現在ある手当のどれかを適用するのか、あるいは新しい手当制度をつくるのか、そういう点について一つの悩みがあると思うのですが、お答えを願いたい。
○茨木政府委員 ただいま御質問の問題については、いま文部省さんの方のお考えが昨年末以来出てまいりましたので、それらを吟味していま考えておる最中でございます。
○受田委員 人事院がまだ考えておる最中、三月からやろうというのにいま考えておる最中ではこれは間に合わぬということになるわけです。ここに非常に壁のある問題であるということは、私自身も学校長の経験を六年やっておりますだけに、こうした主任の立場の制度というものは一応理解できる。理解できるが、これに手当を出すということになると、管理的な認識を世間では持つ危険がある。それを指導的な認識に切りかえて、人事院がいま苦労して検討しておられる実態も十分わかってきたわけで、三月に実施するのにしては人事院がまだ答えが出ぬというのは、大変むずかしい問題を抱えたと思うのです。 時間がありませんので、この問題は非常に検討を要する問題という答えが出たという意味で、質問を終わります。
○登坂委員長 木島喜兵衞君。
○木島委員 社会党、共産党、公明党を代表して、この問題に関して、いま大臣の意思に反して、各地へ行ってはトラブルというのでありましょうか、あるいは政争というのでありましょうか、そういう具体的な動きがある。それで、この委員会として鹿児島、愛知、東京、神奈川の教育委員長ないし教育長を参考人としてこの委員会に呼んでいただきたいという動議を提出いたします。
○登坂委員長 ただいまの木島君の発言につきましては、理事会で協議させていただきます。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 〔午後一時散会〕