物価問題等に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/20
会議録
○板川委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 本国会最後の機会であると思いますので、経済企画庁長官というよりも、副総理福田さんということを頭に置いてお聞きいたしたいと思うのであります。 一つは、私は国民の感覚からいってどうしても奇異に感じて仕方がないので、やはり政府を代表する人の見解は聞いておかなければならぬと思っておりましたが、去る五月三日の憲法記念日に、自民党総裁三木総理、関係閣僚が列席をして、政府主催の憲法記念行事が行われた。三木総理みずから、この平和憲法の価値というものを高く評価をして、政府が憲法を守る決意を表明したのでありますが、そこから五百メートルも離れていない自民党本部会館において、憲法糾弾の大会を開いておる。 国民から見ると、同じ政党の中でこれほど物の考え方が離れておる、これが一つの政党であるであろうか。その政党が一つの政権を掌握をして三十年来、憲法を守ることを国民に訴えるというようなことができるはずはないし、恐らくあの現象は、国民からどうしても理解できないままにあると思うのであります。 私は、国家生活を認める限り、国の理念あるいは国民が向かう共同の目標を定めた憲法でありますから、憲法を媒介としなければ国民の連帯意識は出るはずはないと思うのです。イデオロギーがどうであろうが、実定法であり、これは憲法の土俵の中でエゴイズムを克服する国民連帯意識が生まれてくるのでありますから、少なくとも政権を持っておる政党は、憲法に対する評価、考え方というものを明確にしないと、党内にその矛盾が極限に達しながら政権を担当していく、そこに現代の日本の世相の退廃の一部もあるのではないか、国民も、向かうところの方向感覚をなくして、マイホーム主義にならざるを得ない、そういうことを考えるものでありますから、私にとっては重大な問題なんです。 それで、福田副総理があるいは次の日本の政治を担う最高の責任者になるかもしれない、そういうことを考えて、この憲法記念日にあらわれた二つの矛盾、現象を自民党の領袖の一人としてどういうふうに国民に説明するのか、総理大臣になった場合にはこの憲法に対してどういう基本的な考えを持って政治をつかさどるのか、そのことについてぜひお聞きいたしたい。
○福田(赳)国務大臣 わが国は法治国家であります。法治国家の根底、基礎、これは何と言っても憲法を守ることから始まらなければならぬわけであります。したがって、政府といたしましては、もうこれはもとよりであります、自民党といたしましても現行憲法を守るということにおきましてはいささかの迷いがあってはならぬ問題だ、こういうふうに思います。 この間の問題は、これはいまお尋ねでございますが、私もあれはちょっとまずい出来事だった、こういうふうに率直に思いますが、ただ、経過を私も承知しておりますが、政府主催の憲法記念式典がある、その一方において記念式典糾弾大会をやるという動きがありまして、その会場に自民党本部を使う、こういうことがあったようです。自由民主党幹事長はそれを心配しまして、会場を提供することは別に支障はないけれども、糾弾大会に貸すわけにいかぬ、自主憲法、それを進めるという会合ならば、これは党則でそういうふうになっておるわけでありまするから、それは結構だ、しかし、糾弾大会というのじゃ自民党本部を貸すわけにはいかぬ、こういう話をしたようです。それに対して主催者側におきましては、ごもっともである、糾弾大会というようなことにはいたしません、そう言うので自民党本部を使うことになったのですが、さあ、集まっていろいろ議論をしておる間に、気負い立った方々が何かたれ幕に糾弾というようなことを書いて、そして主催者側を驚かした。主催者側はそのたれ幕を引きおろそうというので、そのたれ幕に向かって走り出したところが、糾弾側のたくましい青年に羽交い締めに遭いまして、ついにそれを引きおろすことができなかった。いきさつはそのようであります。 しかし、主催者側もこれは非常に残念なことであったというので、自民党幹事長を通じまして三木総裁に陳謝し、そして責任を負う意味において御処分はいかようにもというお話でありましたが、党の執行部側は今後慎むようにというようなことで一件落着、こういうことになっておりますが、考えてみると、ちょっと余りいいかっこうじゃなかった、こういうようなことは再び起こさないように心しなければならない、そう考えております。
○山中(吾)委員 わりあいに簡単にお考えのようですが、憲法記念日に、政権を担当しておる総裁ですから、それが責任を持って国会の問題の中から二十何年来中止になったのを復活して、自民党が憲法を尊重するということを国民に明らかにして、政治の信頼というものをつなごうとしておる。自民党本部ですからね。やはりこれは自民党の体質そのものをあらわしておるのではないか。 私はこの機会に福田副総理に聞いておきたいのですが、自主憲法制定ということは綱領の中に規定しておるそうですか、憲法の中に改正手続がありますから、時代の進運に従って憲法の改正も含んで憲法を尊重するということはあり得るので当然のことなんでありますが、制定事情そのものに欠陥がある、占領下であるとか、あるいは押しつけられたとかという、情緒的に憲法の発足当時に欠陥があるという思想が自主憲法制定思想であるとすれば、これはどこから見ても憲法軽視であって、憲法尊重の体質はないと思う。 馬は川のほとりまで連れていけるが水を飲ますことはできない。われわれは戦争に失敗をして三百万の同胞を殺して、そして反省しておるときに、憲法の改正がアメリカの原案であろうが何であろうが、出されたときに、川のほとりまで行ったが、飲んだのは国民である。長い間国会で論議をして、そして一部修正をしてこの国会で制定した憲法である。その憲法に対して制定に欠陥があるという、いま法務大臣をしておる稲葉法務大臣が欠陥憲法と称して問題になった。制定当時、最初に欠点があるという思想は憲法軽視であって、私は違憲的体質だと思う。 私は憲法を不磨の大典などとは言っておりませんが、その辺を痛切に考えなければ、自民党の体質の中に憲法を軽視するものがあるがゆえに国民教育の中にも憲法の論理が入ってこない。三十年来、戦後の国民教育に魂が入らないのはそれではないのか。政治の中に論理がなかなか入りにくい。それよりも私が一番重大に考えるのは、国民教育の中に憲法の論理が入っていない。自民党政権はそれを言わず語らず教育の中には入らないようにしてきた、これを私は非常に遺憾に思うのです。 そこで、端的に言えば、日本の保守政党の中にそういう意味において本当の意味の護憲派保守といわゆる憲法軽視、欠陥憲法と考えておる改憲保守と二つの異質のものが同棲しておるのが自民党ではないのか。社会党にもいろいろ矛盾がありますが、憲法というものに対する基本的な物の考え方にそういう構造的矛盾があることは日本の国民にとってまことに不幸である。資本主義政党であろうが社会主義政党であろうが、この憲法を媒介としておのおの思想を実現していこうという、これが議会制民主主義である。平和と人権と民主主義という三つの理念を、あるいは普遍的原理という確信を持って、それを国民の人間形成の一つの教材あるいは媒介として人間形成をする中におのおのの理想を実現していくということがなければ、国家生活は成り立たない。そういう重大な問題を、あの憲法記念日の二つの相反する大会が、自民党の本部と憲政記念館、旧尾崎行雄氏の記念会館で同じ政党の中の政治家によって行われておることば重大である。 そこで、私は、福田さんが日本の国の最高責任者という自覚に立ったときに、そういう位置に達したときに、本当に憲法を尊重する国民をつくるという考えならば、やはりそういう内部の自主憲法という思想の体質を払拭すべきである。将来に対する改正は結構である。それと同時に、全国の小中高の学校において校長をして憲法記念日にこの憲法を守る訓話、訓辞というものをやらすことが、これで初めて憲法尊重、国民のものにするという政治姿勢があかしとして生まれてくると思うのですが、仮に福田さんが総理大臣になったら、やりますか。
○福田(赳)国務大臣 仮にというところは省略させていただきますが、憲法は国の基本法です。法治国家として憲法はその法治国家の根底をなすわけですから、これを守るということは、もう日本国民一人残らずこれを遵守していかなければならない、これはそう思います。 ただ、いまいろいろ自民党の中に憲法に対する考え方の違いがある、こういうお話ですが、私、つぶさにそういう状態は承知しておりませんけれども、現行憲法というのは、自民党ではいま大体いい憲法じゃないかと考えておると思うのですよ。つまり平和主義、国際協調主義、さらには人権尊重主義、この現行憲法の精神は尊重すべし、こういうことなんです。ただ、その精神を正しく伸ばしていく上において、あるいはその他の面において、いろいろこれをよくするという上の研究、それを政党として進めていくということ、これはもう何らの支障もないというふうに私は思います。法が一度決まったんだから、それを万世不変、こう考える必要はないと思うのです。よりよくする上の研究、これは一向に差し支えないと思いますが、大体私が承知しておりまするところでは、平和主義、国際協調主義、基本的人権尊重主義、この精神につきましては本当に異論がないところじゃないか、そういうふうに考えておるわけでありまして、そういうための勉強につきまして、私は何ら支障があるものとは感じておりません。これは私個人の見解でございます。仮定の上に立っての見解じゃございません。
○山中(吾)委員 本当は私の問いの答えにはならぬのです。もし総理大臣になった場合にはということまで聞くのは無理だと思うから、これ以上聞きませんが、やはり出発点に欠点があるという思想だけはやめてもらいたい、国会で決定した憲法ですから。自主憲法制定という思想は、自民党自身の綱領的なものがあるということは、憲法軽視の体質そのものなんです。国会で決定した憲法を、三十年もわれわれが憲法のもとに政治をしてきて、つくったときにはどこかに押しつけられたんだろうという感情的なところで、自主的でないのだから改正しなければならぬという思想ですから、欠陥憲法になるのですよ。福田さんのおっしゃっているのと違うのですよ。明治憲法だって、ドイツの原案を持ってきて、先進国の人類の普遍的な原理となっていることを目的として努力している。同じことなんです。われわれが手続を経て決定したものを、将来これを改正するとかいうふうなことを言っているから憲法軽視だ、だれもそんなことは思っていないのです。そこに、自民党の中にどこか時代錯誤的なものを含んでおる。まだ福田さん自身がお気づきになっておられないと思うのです。なおひとつ検討してみてください、総理大臣になるまでに。 次に、もう一つだけお聞きします。これから高度成長から安定成長にということがもう常識的に言われておるわけでございます。減速経済のもとに資源その他において再び二%以上の成長なんということは考えてはならないし、可能であってもしてはならない。公害その他のことを考えて、適切なる成長のもとにむしろ安定を中心にすべきであるということが、これからの経済政策の常識になっており、福田副総理もそういう思想はどこへ行っても一貫して言われておると思うのです。 その場合に、それならば、成長率を六%前後、物価をどうだということで、量的に規制するだけで安定成長ができるか、私はできないと思うのです。構造的な改革がそこになければできないと思うので、疑問点をお聞きしておきたいと思うのです。 だから、安定成長という言葉を単純に使いますが、安定と成長というのは一致するものではないと思うので、私は安定という場合は、高度成長の場合の方が安定させやすいと思うのです、政治としては。ずっと成長しておれば賃金も上げてやれる、完全雇用も言うことはない、国際収支その他の関係もうまく調整、バランスをとることができるのではないか。低成長の場合はむずかしいのではないか。低成長にすれば安定するのだという思想が、単純に、何らの検討をしないで言われておると思うのでありますが、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 安定成長ということは、経済の成長発展の速度がそう高くはないが、毎年毎年一つ一つ区切りをつけて考えてみた場合に、山あり谷あり、しかも高度成長期にはその山が高い、谷が深い、そういうような状態なしに経済が動いていくように、そういうための成長の速度はどの辺をねらうべきかという点もあるのですよ。ありますが、しかしより大事な点は、経済運営の内容面にあるわけです。 これは非常に短絡的に申し上げますれば、量よりは質だ、また成長中心から生活中心だ、こういうふうに申し上げておるわけなんでございますが、どうも余り高い成長をやっておりますと、どうしてもいろいろなひずみ現象を巻き起こすわけです。いまお話しの公害の問題もありますし、また物価の問題、これもなかなか処理しにくいという問題もありまするし、いろいろ経済面にひずみ現象が起きますが、特に問題とすべきは、社会的公正というか、国民各界各層の間のアンバランスを拡大する、そういうようなことになること、これは必至なんです。つまり、安定というのはバランスがとれたという意味の安定、社会が安定する、こう申し上げてもいいと思うのですが、そういうバランスのとれた社会を目指すという考え方に立っての経済運営の態度、それを総括的に表現いたしまして安定成長、こう言っておるわけでありまして、量の面、形の面もありますが、同時に質的な面、バランスのとれた社会をねらっておるという側面が非常に重点を置かれておる考え方である、かように御理解願います。
○山中(吾)委員 長官のその安定という概念が、雇用、物価、賃金、そういうバランスのとれた状態ということ、それは私も同感であり、そして安定ということを考えてこれからの施策をお考えになっておるというならば私も賛成であり、そういうことを考えてこれからの経済計画がなければ、ただ減速経済をすれば安定するのだという単純な考えではそうはならないのだと思うのでお聞きしたわけでありますが、逆に高度成長の場合でも、一般の庶民からいったら決して安定していなかった、高度成長は不安定だったと思うのであります。地価の暴騰、住宅難、欲求不満がうんとあった。だから政治、政策が適当であるかいなかによって、高度成長であろうが適正成長であろうが、不安定というものは伴いますから、安定さすということを考えるときには、経済の構造的な改革というものを前提としなければ安定は成り立たないのだ、そのために、これからの減速経済のもとにおいては、所得の公平、分配の公平ということがあらゆる政策の中に大きい位置を占める考え方でなければならないと思うのでありますが、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 そのとおりに考えております。高度成長から安定成長へ、これはいろいろな経済制約要因があるのでそうしなければならないという理由もありますが、同時に、客観情勢がそれを許すにいたしましても、過去のような高度成長ということは私は採用すべきじゃない、こう考えるのです。 といいますのは、先ほども申し上げましたように、ああいう形の成長をしておる、しかも成長政策をとればいっときは一四%も伸びるというようなこともあると思うと、また景気循環、そういう結果四、五%、五、六%の成長にも転落する、こういうようなこともあり、またこのインフレ、デフレが相交錯してやってくる、そういう間にどうしても国民各界各層の間の格差の拡大というものがあるわけであります。そういうことではならない、各界各層が肩を並べて前進をするという体制、これを実現する。これはいろいろ手段はありますよ。ありますけれども、そのかなめは経済を安定的に成長発展させることだ、こういうふうに考えておるからであります。
○山中(吾)委員 一言だけお聞きしておきたいのですが、したがって、自由というのは自民党の皆さんの基本的な考えですが、自由を基本としながら分配の公平という政策を、皆さんの考えを相当軌道修正しない限りはこれからの安定政策はないんだ。だから、イデオロギー的な偏見は別にして、日本の今後の経済体制、混合経済体制とか、あるいは西独のように企業の中で共同目的方式とか、労働者の経営参加の制度を考えるとか、そういういろいろの工夫を先進資本主義国の中で人類がしておる。 福田副総理は経済の最高の責任者のつもりでいままで考えてこられたわけでありますが、そういう日本の経済体制を、大勢としてどこへ持っていけば、いまお考えになっておる安定、公平というふうなものが出てくるか、お考えになったことがありますか。
○福田(赳)国務大臣 世の中には全体主義体制とかあるいは自由主義体制とかあるいは混合主義体制とか、いろいろ世の中の仕組みを学者先生が理論づけておりますが、私はああいう色分け、これは別にそうとりたてて議論をする必要があるだろうか、こうふうに思うのです。 しかし、私は、この人間の自由というもの、自由の尊厳というものは、これはどこまでも守り抜かなければならぬ、自由に物を言うことができ、自由に物を書いたりまた自由な経済活動をしたり、そういう社会、これはもうどこまでも尊重したい、こういうふうに思いますけれども、そういう自由が保障される社会、これを守っていくためにはいろいろ工夫が要るわけなんです。何も全体主義が一番いい、こんな偏った考え方をとる必要はない。あるいは全く自由に何でも放任しておけばそれで個人の尊厳が保障されるんだという考え方、これも私は、そう考えて一体本当に個々の自由というものが保障されるかというと、その保証はない。やはりなんじゃないでしょうか、まあ、いろいろ考え方がある、その考え方のいいところを全部吸収し摂取いたしまして、そうしてよりよい社会をつくるということを目指していけばそれでいいんじゃないか、こういうふうに思うのですが、そういう角度から考えまして、当面これから一番大事なことは、いまこの世の中では、金があれば、物があれば、自分がよければというようなエゴイズムが余り行き過ぎておると思うのです。そうではなくて、やはり人間というものは相ともにある、いい社会があって自分の本当の幸せがあるのだ、いわば社会連帯ですね、この考え方をここで再建するというか、そういうことが非常に大事なときになってくるのではないかと思うのです。経済政策を進める、そういう上におきましてもそういう考え方が非常に重視されなければならぬ、こういうふうに考えております。
○山中(吾)委員 副総理の識見を聞くだけで終わりにするわけですが、現在の人類の実験の中でも、自由哲学を基礎にした資本主義も分配の公平という方向に修正しつつあるし、共産圏の中にも、自由というものを犠牲にするわけにはいかないことがだんだんわかってき、自由の立場からは平等の評価をしながら、平等の立場からまた自由が必要である、どこか収歛をして近づきつつあると思うので、日本のように、アメリカ、ソ連、中国、東西の大国のちょうど真ん中にあって、国際的な複雑な地位、資源の乏いて日本の進む道というものを、偏見を持たないで、いまのような考え方で自民党も考えられることを要望したいと思うのでありますが、そういうためには連帯価値観というものがないとこれは成り立たないし、特例公債の発行も、続いてどうしても増税をしなければならぬ。これも国民の連帯意識に支えられない限りは、どんな政権でも増税はできない、国民の合意は得られないと思うし、社会的公正、そういうふうなものを経済政策に加えていくのには、それを支える価値観の形成がなければできない、私はそういうことを考えるのでありますから、政治姿勢も含んで、ロッキード問題も含んで、やはり国民の信頼、そして国民が一人では生きていかれないという国民連帯意識の形成、経済、政治、教育、そういうものを総合的に考えていく次の総理大臣の出現を私は念願してやまないので、これだけ申し上げて、二十分を超過しましたから、質問を終わります。
○板川委員長 松浦利尚君。
○松浦(利)委員 あと二十分山中先生の質問が残りましたから、少し生臭い質問になりますけれども、お聞かせをいただきたいと思うのです。 実は、御案内のとおりに、現在の政局は非常に不安定であります。与党内部の三木派とか反三木派とか、こういうふうに盛んに宣伝をされておるわけでありますが、そのこと自体が非常に政局を不安定にしておると思うのであります。これを責任者のお一人である副総理としてどのように見ておられるのかということが一つであります。 それからもう一つ建現職閣僚が、少なくとも国会開会中に、重要な案件を審議しておるさなかに、国会が終了した後に辞職をするとか、そういったことを盛んに公言をしてはばからない。直接聞いたわけではありませんから、新聞報道で私たちは知る範囲内ですけれども、しかもその中に重要な経済閣僚も入っておられるやにお聞きをするわけでありますが、そういったことが、せっかく軌道に乗りかかってきておる財政経済運営に重大な支障を与えるのではないか、非常に国民を不安に陥れるのじゃないかということを私は憂うる一人なんです。ですから、現在の動きをどう見るかということと同時に、仮にそういう事態がいまあったとしても、財政経済運営には全く支障は出ておらない、出るはずがない、そういうふうにお考えになるのかどうか、その点をひとつ的確にお答えをいただきたいというふうに思います。
○福田(赳)国務大臣 私は、安定した社会、安定した暮らし、つまりひっくるめて言えば、安定した経済と言ってもいいでしょう、これはもう安定した政治の上にのみ成り立つと思うのです。どこの国を見てもそうじゃないかと思うのですね。特に通貨の対外価値というようなことをよく見ているとわかりますが、政治の安定しない国というものは海外からも信用を失うのですよ。そしてその通貨は対外価値が失われるということになり、それがもとになりまして国内的にインフレで、防止対策を幾らやってもそれが成功しない、これはもう各地でそういう現象が見られますが、長い目で見ると、まさにそれはどこの国にも当てはまるところの論理であろう、こういうふうに思います。 かるがゆえに、わが国におきましても政治の安定ということ、これは本当に大事なことだろうと思うのです。私ども、この間閣議において昭和五十年代前期五カ年計画というのを決めましたが、あれだって、もうそんなことは当然でありまするからそんなことは書いてありませんけれども、これは政治が安定していなければ、ああいう非常にむずかしい考え方というものはもう実現できません。 そういう意味におきまして、私はいま政権をとっている自由民主党内の政治というものが安定するということは非常に大事なことである。ただ、これはひとり自由民主党ばかりじゃないと思うのですがね。いろいろな政党の中にもいろいろな意見の相違というものが出てくる。出てくるけれども、そういう争いで、長い間これが続いて、そして国民にも不安を与え、またひいては国民から政治に対する信頼を失わしめる、こういうようなことになると、これは本当に大事な事態になりますので、いろいろ意見がありましても、それを短期に収束いたしまして、そして国民から安心していただけるようにしなければならぬだろうと、そういうふうに考えています。 それから、現職閣僚の中で国会が済んだらやめるというふうに公言しておる人があると、そういうお話ですが、私も閣僚の一人でありますので、いろいろな人と接触しておりますが、そういう公言をいたしておる人は一人もおりませんから、この辺は誤解なきようにお願い申し上げます。
○松浦(利)委員 誤解をしておるのじゃなくて、私は新聞で報道を見て知っておるということを申し上げておるはずなんです。 そこで、私たちはこの長い国会をいままでずっと議論をしてきたわけでありますが、率直に申し上げまして、こういう事態が起こってくるということは、私たち野党としても想像できなかったわけなのです。現実にいま現在の政治の中心である総理を支えておらなければならない与党の方が足を引っ張っていくという姿を見たときに、国民自体は決してこういう状態が安定した政治だという理解はしないですね。恐らく、これは非常に不安定な状態が来たと、こういうふうに理解をするのはあたりまえだと私は思うのです。 もう一つの問題は、御案内のとおりに、ロッキードの追及に対して検察当局は、このロッキードの事件を解明するためには、まず政局が安定をしておること、総選挙がないこと、三つの条件の中に二つそういうことが入っておるわけですね。ですから、今日の動きに対して国民が、何かロッキード隠しのために画策をしておるのじゃないか、ロッキードというものを国民の目から隠蔽するためにこういう画策をしておるのじゃないかということで、政情不安に対してもう一つロッキード隠しだという不信感というのが非常に露骨に出てきておるんですね。 いま副総理は早急に収束するということを言っておられるのですが、私はいろいろな方法があると思うのです。それじゃ、具体的に、現在の三木内閣は一致しこういう事態を乗り切っていく、副総理としてその責任はあるんだ、少なくともそういうロッキード隠しだという疑い、あるいは政局不安に対する国民の不安感、こういったものは今日の内閣で責任を持って処置できる、早急に収束するというのは、そういうことだというふうにわれわれは理解をしていいのか、副総理としてどういうふうに御判断になっておるのかをお聞かせいただきたいと思うのです。
○福田(赳)国務大臣 今度新聞紙をにぎわしておる問題は、これは自民党の中で政局に対する意見の対立というか違いがある、こういうことなので、そういうことはもう自民党ばかりじゃないと思うのですよ。たいがいの政党でそういうことがあるのじゃないかと思うのです。しかし、そういう状態を長く放置することは私は妥当ではない、速やかにその意見の調整を図って、意見の相違だ対立だというようなことがないようにする必要があるということを申し上げておるわけなんです。私も副総理といたしまして、そういう方向の努力はいたしておるし、またこの上ともいたす、そういう考えでございます。 それから、そういう流れの中で、いまロッキード隠しの動きがあるというようなお話でございますが、そんな考え方は恐らくどなたにもないと思いますし、私の頭の中にはどこにもそんな考え方はありません。いまやこの問題は司直の手に移っておる。司直を鼓舞激励する。また鼓舞激励を待たず司直も張り切っておるようでありますから、この問題の解明はやがて司直の手によって完全に行われると、こういうことを確信しておりますよ。それを、だれが政局の主導権をとるというようなことになったって、これは司直のやっているその方向をひん曲げる、こういうようなことは私はちょっと想像できませんがね。どうも一部の人の間に、今度の自民党の中の意見の対立の、その対立点の一つとしてこのロッキード隠しをどうするかということがあるのだという見方がありますが、これは私は当たらない議論であると、こういうふうに見ております。
○松浦(利)委員 私は政府がそのようにしておるということを言っておるのじゃないのです。国民の方にそういう目で映っておると申し上げておるのですよ。現に司直の方で三つの条件を挙げて、その中に政局が安定しておること、総選挙というものがその間にないことという二つの条件がありますからね。たまたま今度の政権争いというのがそういうふうに国民の目に映っておるわけです。だから、逆に言うと、そういう疑いをなくす責任というのは、私は政府側にあるというふうに思うのですよ。そのことを私は指摘を申し上げておるつもりなんです。そのことを副総理が誤って理解をされると、国民の期待を裏切ると思うのです。
○福田(赳)国務大臣 一部の方々の中に、自民党の中の動きの中にはロッキード隠しという動きもあるように考えておるようでありますが、そういうことがありとすればはなはだ遺憾でありまするから、そのような誤解を解くための最善の努力をいたしたいと、かように考えます。
○松浦(利)委員 生臭い問題はそれぐらいにして、それでは現在の内閣において私たちは今日までの経済運営その他の議論をしてきたつもりですから、そういう意味で、この際最後に、きょうのこの質問が最後になるかもしれませんから、若干これからの見通しについて大まかにお聞かせいただきたいと思うのですが、少なくとも景気の回復が、当初政府が予測しておったよりも非常に早いペースで景気が回復してきておるんじゃないか。特に輸出を中心として非常に回復が早まってきておると思うのでありますが、その裏返しとして、この前もここで議論をいたしましたが、卸売物価がずっと連続して上昇を続けておりますね。その中の原因として、一つは減産指導という通産の行政指導もあったことは事実だし、あるいは価格景気という形で価格に転嫁をしてきたという点もあったかもしれませんが、いずれにしてもこういった予想以上に早まった景気の回復と連動してきた卸売物価の上昇というものからみて、昭和五十一年度の後半あたりに再び物価高、インフレという懸念が起こってくるのではないかという危惧があるわけです。ですから、したがって学者の中にはこの際思い切って引き締め基調という方向に転化をそろそろしておかねばならぬのじゃないかという意見があることも事実なんですが、そういう問題について、副総理の後半に向かっての御所見、そのことをお聞かせいただきたいと思うのです。
○福田(赳)国務大臣 松浦さんのおっしゃるとおり、ただいまの景気情勢はかなり活発な上昇過程をたどっておる、こういうふうに見ておるわけであります。昨年の暮れごろから上昇過程だ、しかもかなり活発な動きです。そこへ五十一年度予算も今度は実行に移されてきておりますから、私は景気につきましては、これはわれわれが庶幾したような動きになってきておるし、これからも見通しのような五%ないし六%成長というものが実現される、こういう見通しを固めることができるような段階になってきているのです。 一方、これも御指摘のように、卸売物価が連続五カ月の上昇、そういうことです。昨年は非常に安定しておったのが今度上昇だ、こういうことで、その成り行きはどうなるのろうかということも注意しておるわけでありますが、私の見方といたしますと、景気が一−三のような勢いで上昇していくような気はいたしません。とにかく輸出が非常に伸びるということになりましたが、その勢いというものは長続きするものではない。伸びる基調ではありますけれども、あの勢いで伸びるとまたいろいろな摩擦を起こす、そういうようなことを考えますと、伸びるにいたしましてもああいう勢いじゃない、そういうこと。 それからまた、予算と申しましても、国鉄の問題あるいは電信電話の問題ちょっとまだいろいろかたわなような状態が続きそうな状態であります。これが景気に及ぼすマイナス影響というものもあるわけです。 そういうことを考えて景気は私はただいま申し上げましたような見通しであるとは言え、まあまあ、これからも努力する必要がある、そういうふうに考えておるのであります。 それから物価の方はどうかといいますと、ことしになってからの卸売物価の動き、これはまあ、景気がただいま申し上げましたが急に活発な動きをした、その摩擦熱である、こういうふうに見ておるのであります。経済見通しでも年間五%程度の上昇、これはやむを得ないだろう、こういうふうに見ておるわけでございますが、最近のこの動きというのは五%ではなくて七、八%程度の上昇の動きですが、これは私は摩擦熱的現象、こういうふうに見ておるのです。その背景といたしましては、御指摘のような海外からの原料高の問題あるいは減産指導の問題、そういうようなものがあるわけでございますが、減産指導につきましてはもう大体打ち切りの段階には来ておりますし、そういうことを考えますときに、まあ年率五%上昇、こういうふうに申し上げた、その程度の線で行き得るのではないか、そういうふうに思うのでありまして、結論といたしましては、物価の動き、これに対しては心配はいたしておりません。ただ、警戒といいますか、これがまた大幅な物価上昇という現象を引き起こさないような配慮は常にしていきたい。 当面の金融政策といたしましては、ただいまもうすでにそういう体制に移っておりますが、景気を刺激もせず、また抑制もせずという態度でやってまいりたい、かように考えております。
○松浦(利)委員 それからさらに、この前正式に五十年代の前期計画、五カ年計画を政府の方が答申をお受けになったわけであります。先ほど山中委員も御指摘いたしましたが、この前の財政特例法の審議の際にも各党各委員からの相当な議論があったわけでありますが、一番問題になるのは税負担の問題だと思うのです。 御案内のとおりに、大蔵省がこの前期計画を、ケースI、ケースIIということで中期財政計画を出したわけでありますが、特例債に依存しない、赤字公債に依存しない年度を五十四年度からあるいは五十五年度からという二つに分けて試算をしておるのですが、いずれもやはり相当大幅な税負担の引き上げというものを見込まないと前半に赤字公債依存から脱却できない。この答申によりますと、大体前期で三%の負担増を目指すということに答申が出て、政府はこれを認めておられるわけでありますが、問題は五十二年度から新税制に入るのか、それとも五十三年度から入っていくのかということで、私は計画には相当大きな違いが出てくると思うのです。少なくともこの答申によるものは五十二年度から実施をしていくという方向で位置づけられておるのです。 ところが、どうも総選挙を意識してかどうかわかりませんが、税の見直しはやるが新税構想というものは五十二年度からは導入しない、こういうことが、公式な見解は別にして、新聞紙上等でちょくちょく出てくるのですが、私は、先ほど山中委員も指摘しましたように、少なくともこういつた長期計画というものは国民の早期の理解が必要だと思うのです。ということになれば、五十二年度なら五十二年度に、こういうもので新税をいただかなければこの計画は成り立ちませんぞという意味の裏づけ的なものを早く発表して、国民にコンセンサスを得ることが政府のとるべき正しい行き方だと思うのです。どうも総選挙があるから、新税、特に付加価値税の導入などいま打ち上げると選挙に不利になるというようなことから、何か付加価値税は意識しておらないような発言というよりも、無視したようなものが出てくるのですが、私はこれではやはり国民の理解というのは得られないと思うのです。 前に副総理は、私の質問に対して付加価値税は研究に値するというふうに言われたことを記憶をしておるのですけれども、一体この経済計画をおつくりになって当然肉づけその他は税調あるいは大蔵等でやっていくわけでしょうけれども、副総理としてこの税負担率を三%上昇させるという背景に、現在の租税特別措置、その他の税の見直しも当然でありますが、三%ですから、相当多額の税収、新税によらざるを得ないと思うのです。副総理としてそれは一体どういうものを国民に期待をしておられるのか、そういう点をお伺いしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 税収は税制にもよりますが、景気動向に左右されるところもまた非常に大きいわけなんです。いま租税負担率三%増と言っておりますが、これはそうなった場合にはたしか租税負担率が二五%ちょっと超えるという程度になるのじゃないかと思います。景気のいいとき、もうすでに、ごく最近の例ですが、二五%近くいっておるのですよ。ですから三%の増税とは言ってないのです。租税負担率が三%上がります、こういうことを言っておるのです。その三%というものは自然増収によるかあるいは増税によるかあるいはその両者によるか、こういうことになるわけでありますが、景気がこれから回復する、そして着実に六%成長を歩むということになれば、自然増収もかなりふえてくるわけなんです。その自然増収で足らないという場合におきまして、既存の税率の引き上げだとかあるいは新税の創設とか、つまり増税を考えるということになるわけなんで、自然増収が一体どの程度になるかということは、いま見当つきませんものですから、したがって増税に何ぼまたなければならぬということもまたはっきりしないのですよ。ですから、もう少し推移を見る、そして増税にどう期待をしなければならぬかという見当がはっきりいたしますれば、それは検討しなければならぬという段階になりますが、付加価値税につきまして、これを創設するのだという前提で三%の負担率増ということを言っているわけじゃないのです。どの程度の額の増税が必要になるかそれさえまだ見当つかない現段階において、何の税をふやすのだというところまで問題は入ってきておらぬ、こういうふうに御了承願います。
○松浦(利)委員 私は副総理も恐らく中期財政計画というのは閣議で議論されたから御承知だと思うのですが、非常に景気のよかった高成長段階における租税弾性値、それとケースI、ケースIIで出されておる租税弾性値というのは、高度経済成長のときよりも高いわけですよ。二分の一減速経済の段階になって租税弾性値が高くなってきておるわけですね。ということは逆に言うと、過去の高度経済成長のときですら低かった租税弾性値が、六%という安定成長と政府は言っておられますが、二分の一減速経済のもとではその租税弾性値が上がってきているということは、やはり新税というものを考慮しない限りむずかしいということを示しておる一つの数字の姿だと私は思うのですよ。そのことを余り隠して物を言われると、国民がさあ今度は新税だというときに、あのときそう言ったじゃないですかということで、協力が絶対にむずかしいと私は思うのです。だからこそ、さっきから言うように、五カ年の五十年代前期経済計画が出された段階で、こうこうこうしてこうなるのだということを早く作業して国民の前に示していく。いつやるかこれは別ですよ。こういうものをこうしていくのだという一つのものを示していかないと、やはり税制というのは特に国民の関心の高いものですから、逆に言うと、この計画というものはまた失敗をしてしまう、また出直しせざるを得なくなりますよ。 だから、そういう点について国民に与える資料としてもっと的確なものを出すべきじゃないかということを申し上げたいと私は思っておるのですよ。副総理、私はそこだと思うのですよ。簡単でけっこうですが……。
○福田(赳)国務大臣 新税を起こす、これは非常に重要な問題であります。既存の税の税率の引き上げというようなことでなくて、全く新しい税を創設するというようなことになりますと、これはお話しのとおりだと思うのです。前広に国民にそれを理解していただくためのPR、そういうことは非常に大事だと思いますので、その点は全く同感でありますので、そのとおり心がけてまいります。
○松浦(利)委員 もう時間が余りありませんが、あと二つだけ質問させていただきます。 その一つは、きょうの新聞でも各社一斉に書いておられたんですが、御案内のとおりに、異常なロッキード国会でしたために、国鉄、電電の料金値上げというものについて具体的な議論ができないまま廃案になるのか継続審議になるのか、いま審議しておる委員会の扱いによるところになるわけでありますが、問題はたとえば財政主導型の景気浮揚だということで新幹線の建設その他が行われてきておるわけですが、国鉄当局の発表したところによると、そういった新線計画、特に新幹線工事というようなものはある程度縮小せざるを得ないということをいち早くぼっと打ち上げておるわけですね。そうすると、そのことが政府の言っておった財政主導型の景気浮揚というものに一つのネック、影響を与えてきておることは事実だと私は思うのです。 だということになれば、次の臨時国会がいつ開かれてどういうことになるのかこれは想像できないわけでありますが、少なくともそういう当初予定をしておった計画が縮小されかかってきておる現状を踏まえて、特に当初から五十一年度財政主導型の景気浮揚を言っておられた副総理、これに対する手当て、中小下請企業あるいはそこに働いておる出かせぎ労働者、こういった人たちの規模を縮小していくことは、それだけ影響がまた底辺が広がっていくことになりますから、そういうものについて何らかの措置をお考えになっておるのかどうか、対応策についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 国鉄運賃法それから電気通信法、この両法案がいまだ提案されたままで今日に至っておる、こういう状態です。その結果、御説のとおり、国鉄当局並びに電電当局、この予定の工事というものが予定のとおり執行できないのです。まあ、幾ばくの削減を要するか、これは全体の経理の中のやりくりもありますから、この両法案が成立しないための減収額全部が覆いかぶさる、そういうふうには考えませんけれども、かなり事業量が当面圧縮されなければならない、こういうことはそのとおりなんです。景気全体から見ると、その結果、先ほども申し上げました若干のマイナス影響ということになりますが、それで致命的というふうには見ておりませんが、ただ、たとえば電電公社あるいは国鉄、そういう当局から注文を受ける、こういう業界ばかなり片寄っておるのです。したがいまして、電電公社なり国鉄当局から注文を受けてきて、そしてその受けることがまた期待されておったような、そういう業界にとりましては、局部的にかなり深刻な影響があるであろう、こういうふうに見ておるわけであります。 何といたしましても、その対策は何だというと、皆さんにお願いして早くこの両法案を成立させていただく、この一点に尽きるわけでありますが、しかし、そういうことが早急に実現しない場合の対策といたしましては、よって生ずるところの出かせぎの人というような問題、これは労働行政の側から、またその他いろいろ問題が出てくるだろうと思います。それは現行法、また現行の予算の範囲内において手当てをできる限りしなきゃならぬだろう、こういうふうに考えております。
○松浦(利)委員 この問題は、法案が通る通らぬということとは別に、物理的にもうむずかしいわけです。ですから、マクロとミクロとの関連で言えば、それは大したあれじゃないというふうになるかもしれませんが、しかし、ぜひきめの細かい配慮をお願いしておきたいというふうに希望を申し上げておきたいと思います。 最後に。実は、これは私たちのところにも再三持ち込まれてくるのですが、昭和四十七年、八年の非常に過剰流動性が大きかったころに、銀行の方も率先して、土地を買え、土地を買えということで、あの狂乱的な土地ブームというのが構成されたわけでありますが、最近の経済がこういう状態になってきました途端に、非常に買い込んでおった土地が、金利はかさむというようなことで、企業にとってお荷物になってきておるわけです。逆に今度銀行側にしてみれば、担保能力が土地価格の下落とともに目減りしていっているわけでありますから、銀行にとっても、大量の貸し付けをしておるわけでありますから、銀行経営そのものにも影響が出始めてきておる。そのために企業あるいは金融機関を通じて、この際、政府がとってきた土地対策、土地税制、こういったものをもっと見直すべきではないか。逆に言うと、土地が流動できるような政策をせよ——これは国民の側からいえば、インフレのときにはたくさん買い込んでしこたまもうけて、不況になれば今度は政府にその抱え込んだ土地について善処してくれということ自体、非常にけしからぬじゃないかという国民感情も現にあります。この土地問題について、政府はどのようにいま政策的にお考えになっておられるのか。金融機関なりあるいは不動産業界の意見を入れて手直しをしようとお考えになっておるのか。それとも、従来どおり国土庁を中心にして、ぴちっとした従来の方針というものを堅持していくというお考えに立っておられるのか。そのいずれであるかをお答えいただいて、私の質問を終わります。
○福田(赳)国務大臣 昭和四十七年、八年ごろのあの土地ブームの際、多大の土地投機が行われた、それが思惑が外れまして、その後土地の値上がりというものがストップしてしまった、その結果、思わざる苦境に立っておる企業が多い、また、関連して銀行でも大変重荷になっている、こういうような御指摘ですが、私もそのとおりの現象が相当あると思うのですよ。 ただその対策として、たとえばその企業が買いました広大な土地、そういうようなものをこの際安く政府であるいは地方公共団体で買い上げておいたらどうだ、こういうような説をなす人があります。私は、それは妥当でない、こういうふうに考えておるのです。 つまり、値段が取得価格より幾らか安いなんということになるのでしょう。なるにいたしましても、結局、投機をした、その投機した人の危険を政府が補償するというか、補てんをする、そういう結果になっちゃうのです。私は、これはその投機行為を奨励するような結果になりかねない、そういうふうに思いまするし、そんな金があるなら、ほかに幾らでもやらなければならぬ仕事がいっぱいあるわけです。不要不急の土地を政府が取得しておるというような、そういう状態はこれは考え得られざることである、こういうふうに思います。
○松浦(利)委員 ぜひその方針を堅持していただきたいということを申し上げて、終わります。
○板川委員長 野間友一君。
○野間委員 長官に最初にお伺いしたいのは、先ほどの質疑にもございましたけれども、卸売物価がここ十カ月連騰しておる。消費者物価指数も、新年度に入りましてから二けた。特にいまお聞きしたいのは、その卸売物価はこの五十一年度、どの程度の上昇率ということで見込まれておるのか。そしてまた、その理由、原因は一体どこにあるのか。そのあたりを少しお答えを願いたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 五十一年度におきましては四・八でしたか、その程度の上昇というふうに見ておるわけであります。これは年間上昇率であります。 いままでいわゆる高度成長期、その時期には、大体毎年一ないし二%、平均いたしまして一・八%ですか、その上昇であったのでありますが、これから先の経済ということを考えてみますと、あのときとわが国の経済をめぐる環境が非常に変わってきておる。その変わっておる最大の理由というものは、当時は豊富低廉な資源を入手できたわけであります。ところが、世の中は一変してきておる、資源有限時代である。そのようなことでそういう豊富低廉というような状態が期待できない。国際社会のこれからを展望してみまするときに、どうも国際商品価格というものは上がる傾向を持つであろう。その辺を配慮しなければならない、こういうこと。 それからもう一つは、成長が減速、こういうことになるわけであります。成長が高いとどうしても生産性が上がるわけでございますが、減速経済になると生産性がそう上がらない。そういうような結果、価格への転嫁という問題が起きてくる、こういうこと。 それらのことを考えまするときに、いままでのような一・八、そういうような状態はなかなかむずかしい。これから先々むずかしいのですが、五十一年におきましても四・八というようなところをねらいとせざるを得なかろう、こういうふうに考えたからであります。
○野間委員 昨年の七月からことしの四月までの物価指数の推移をずっと調べてみますと、この十カ月の中で七・六%連騰しておるというふうに私は試算で知ったわけですけれども、この調子でいきますと、これは年間四・八%どころか、八%ぐらいになるのじゃないかというふうに私は思うわけですけれども、どうなんでしょう。
○福田(赳)国務大臣 この四、五カ月の傾向がそのまま続くといたしますと、大体その辺にいくのじゃないか、こういうふうに思います。しかし、これから、先ほど申上げませんでしたが、通産省を中心に企業に対して減産指導、そういうものを行っておるわけです。これも大体一巡という時期になりましたので、これを撤廃する、こういうことになる。あるいは不況カルテル、これも今日ではもうなくなった、こういうことになってきておりまするし、それからいままで年率八%程度の勢いで上昇した卸売物価でありますが、これは私は、景気転換期の摩擦熱現象である、こういうふうに見ておりますが、そういう不況から好況への端境期、これを経過いたしますと、こういうような事情もあり、これから先はなだらかになっていくであろう。そういうものを総合いたしますと、五十一年度全体の上昇率というものは五%を割る、こういう程度のところに落ちつくであろう、こういう見解です。
○野間委員 この推移を見ていますと、大体ことしに入りましてから一カ月一%ぐらいの割合でずっと伸びているわけです。果たしていま長官が言われるような形でおさまるかどうか、私は非常に懸念をするわけです。 これとそれから消費者物価との関係ですけれども、八%云々というようなことでございますけれども、こういう調子で卸売物価が上がりますとかなり消費者物価にも影響してくるのじゃないかというように思うわけです。 そこで、お聞かせ願いたいのは、卸売物価と消費者物価との関連を政府は一体どう見ておられるのかということと、いま長官は四・八%云々と言われましたけれども、それと消費者物価の目標ですね、それとの関連についてどのような見通しを立てておられるのですか。
○喜多村政府委員 卸売物価が消費者物価に影響するということは間違いございませんが、指数的に申しますと、卸売物価指数と消費者物価指数とが重複している部分、これはつまり工業製品の消費財部門でございますけれども、それが直に影響してまいります。それが半分ぐらいございますので、卸売物価指数が直接的に響いてくるというのは半分ぐらいかと思います。それからしばらくたちまして資本財及び消費財が次第に影響してくるというのは、それが卸売物価指数の消費財を経由してくるという過程を経ますので、これを数カ月後にあらわれてくる、こういうことでございます。
○野間委員 資源の問題、それから減産の問題は減産指導云々という話がありましたけれども、資源の問題について一つお伺いしたいのは、原油の価格はどうなるのかということで、OPECの総会ですね、これがいま大きな関心の的になっておりますけれどもこれらについて政府は一体どのような見通しを立てておられるのか、お聞きしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 これはOPEC諸国がどういう態度をとるか、これは外国のことなんで定かには私どもはわかりかねておりますが、ことしは原油の価格は動かさないという意見がかなり強く出てきておるのじゃないか、ぜひそういうふうであってほしい、こういうふうに見ておるわけですが、まだそういう価格決定のシーズンにもなりませんで、ちょっと予測は今日では困難でございます。
○野間委員 そこで、減産指導について少し通産省にお伺いしたいと思います。 先ほども長官が言われましたように、基礎物資、卸売物価の高騰の一つの原因として減産があるのだ。通産省は去年の八月以降、一連の基礎物資について減産指導をやられた。そこでまず聞きたいのは、どういう品目についてどういう理由で減産指導をやってこられたのか、中身は一体どういうことであったのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○島田説明員 お答え申し上げます。 今次の不況に際しまして、非常に深刻な不況であったため、主として基礎的な品目を中心にしまして若干の品目が生産調整を行ったわけでございます。 いまお話のありました減産指導に関連してございますが、不況カルテルに基づくものが小棒、これが五十年の九月から実施をいたしまして本年の四月に終わっております。それからもう一つ不況カルテルはあとセメントとガラス長繊維がございます。 いま御指摘の点は、いわゆる減産指導の関係だと思いますが、これにつきましては、行いましたものは合成樹脂の関係が五十年の七月から、それから合成樹脂の関係でございますが、塩化ビニール管が五十年十月、アルミ地金が本年の一月、それから段ボール原紙が五十年の二月からと、以上の品目でございます。
○野間委員 この合成樹脂は、いま七月と言われましたけれども、去年の八月からですね。 それから具体的な中身についてひとつ……。
○石原説明員 お答えいたします。 合成樹脂関係のガイドラインを行いました時期は、決定をいたしましたのが八月でございますが、適用時期ということで申しますと、七−九の時期から適用するというかっこうでスタートをいたしております。 それから内容につきましては、高圧ポリエチレン、中低圧ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールと、この五樹脂を対象にして実施をいたしたわけでございます。
○野間委員 いや、指導の具体的な中身、措置です。
○石原説明員 これら五つの樹脂につきまして、私どもの方で需要見通しを四半期ごとにつくりまして、これをベースにして各社が需給関係に見合った適正な生産活動をするということを期待する、いわゆるガイドポストとしてこの需要見通しを作成、公表するというのが一つの柱でございます。それから、私どもといたしましては、その過程で各社が現実にどういう生産計画、出荷計画をお持ちかということのヒアリングけさせていただいております。
○野間委員 そうしますと、一応需要見通しを立てて、それに基づいて各メーカー、各社の生産計画を見合いながら具体的に指導した。私いまヒアリングでも聞いたのは、通産省はヒアリングをしたのとそれから生産計画を各メーカーから出させてそれを調べる、そしてこれらに対する一定の指導、こういうものをやったというふうに聞いておるのですが、そうですか。
○石原説明員 先ほど申しましたように、私どもまず大きなマクロ的な需要見通しをつくりまして、それを頭に置きながら各社の生産計画というものを話を聞かしていただいたわけでございますが、いま指導ということを言われましたが、いわゆる不況カルテルとかそういうものでございますと、たとえば過去一年なら一年の各社の生産実績というふうなものをベースに置きまして、ことしは幾ら生産をするというふうなことを決めるかっこうになろうかと思いますが、私どもが、現実にやりましたこのガイドラインのパターンでは、過去の生産活動、出荷活動というものは、これは数字は恒常的にわれわれはとらえておりますので、そのパターンというものは一応わかっております。それから、今度は現実に七−九なら七−九で出てまいりますと、それを見まして、非常に乖離をしておりますような場合に、その事情をよく聞いてみる。どういう事情でここはこういうふうになるのかというふうなものを聞きまして、その結果、会社の方としてその数字を直すケースがございましたら、基本的には各社の自主的な立場というものを尊重しておりまして、したがいまして、結果的には、需要見通しの数字と各社の現実の数字とが合ってきていないというのが現状でございます。
○野間委員 まあ、合っておるのかどうか順次聞いていきますけれども、そういう減産指導をやられた中で、生産、出荷やあるいは在庫、価格、これらの推移は特徴的にはどういうことですか。
○石原説明員 何から申し上げますか、まず在庫から申し上げますと、始めましたのが、先ほど申しましたように、五十年の七月でございますが、当時樹脂関係は非常に需要の減退ということで・かなり在庫を抱えておったわけでございます。それからずっと在庫が減ってまいりまして、大体この三月ぐらいで、業界でいうところの適正在庫水準に一応おさまってきつつあるのじゃないか。まだ若干多いかと思いますが、そういう傾向になってきていると思います。 それから価格の方は、やや話が古くなって恐縮でございますが、ナフサの価格が四十九年の八月に、それまでのキロリッター当たり二万円から二万五千円に上がりまして、それの見合いの実は樹脂価格の値上げということを各社やっていったわけでございますが、現実には需給関係いろいろございまして、去年のガイドラインの始まります直前六月、あるいはガイドライン実施後の七月、八月ごろも実は軟調でございまして、ナフサのベースで言えば、キロリッター二万円相当の価格ぐらいの状況ということで推移をしたわけでございます。秋口に入りまして、やや、一般的にこれは需要期ということもあるのでございますが、価格が少し戻ってきた。その後、例の石油価格の標準額というのが去年の十二月一日に決まりまして、それの見合いでナフサが上がってまいりまして、それの見合いの分が、ことしの三月から四月ごろにかけてまた樹脂にかぶってきておるというのが現状でございます。
○野間委員 通産省からこの資料も取り寄せてずっと推移を見てみますと、ちょうど減産指導ですね、そのころから生産もダウン、出荷が逆にふえ、在庫が減り、価格が上昇する。これは全部上がっていますよ。統計ではことしの二月までということですけれども。こういうことを考えてみますと、結局、通産省が指導してそのような在庫調整あるいは価格の操作、これに手をかしたということに、この統計上も明らかになっておるわけでありますが、通産省の行政指導というのは、何度も委員会でも議論をしたわけですけれども、このような具体的な、要するに、需要の見通しを立てながら各メーカーに対して指導するということの法律上の根拠は一体どこにあるのか。とりわけこれは価格については、政府はいつも言うのは、需要と供給の関係で決まっていく、あるいは自由競争がその原理であるということを言うわけですけれども、そういう点との兼ね合いと、そしていま申し上げた法律上の根拠は一体どこにあるのかということについて、説明願いたいと思います。
○島田説明員 お答えいたします。 いま合成樹脂で御説明いたしましたように、今回の不況において行いましたいわゆるガイドラインと申しますものは、需給の著しく不均衡になった業種を中心にしまして、個々の事業者が自主的に減産する場合に、何といいますか、一つの目安を示すというためのいわば需要見通しをつくるという方式であるというふうに考えております。こういった需要見通しを策定するというような仕事につきましては、これは一般的に申しまして、私どもの方の通産省、要するに行政機関が、その設置の根拠である設置法に基づいて与えられた任務あるいは所掌事務を遂行するために、その任務の範囲内において行うというものであり、かつ、これはもう先生御承知のように、相手方の協力を得てその目的を達成するものであるというふうに考えております。
○野間委員 設置法のどれでやられるわけですか。
○島田説明員 お答え申し上げます。 私どもは通産省設置法三条の二号に基づいて行うというふうに考えております。
○野間委員 ただ問題は、独禁法との絡みで常に問題になるわけですね。私たちも行政指導のすべてがこれは違法だという立場はとっておらないわけです。やはり横暴を抑え、国民の暮らしを破壊する場合には値下げを指導するとかいうようなことは、私はやらなきやならぬというように思うわけです。ただ、特別に独禁法上の不況カルテル、こういうような手続を経ることなく、見通しを立てて個別メーカーを指導する、そして生産計画を変更させるというようなことは、まさに行政指導としてもこれはできないという立場を私たちはとっておるわけですけれども、これについて、先ほども具体的な指導の中身について話がありましたけれども、公取はこれらについてはどのように考えておるのか。
○吉野(秀)政府委員 お答えいたします。 減産指導が行われますと、これを受けた業界ではとかく事業者の共同行為、カルテルが誘発されやすいというところから、独占禁止政策上好ましくないというふうに考えております。したがいまして、このような行政指導を実施するような場合は、きわめて緊急やむを得ない事態に対処するためのものに限定していただきたい。そうでないような場合には、やはり明確な特別な法律に基づいて行うべきものだと考えております。
○野間委員 そういう点から考えて、いまの基礎物資に対する昨年の七−九からのいわゆる行政指導というものについて、公取はどのような見解をとっておるのか、いかがですか。
○吉野(秀)政府委員 お答えいたします。 基本的な考え方は先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、公取といたしましては、これは特に行政指導があるからということではなくて、一般に市場にあらわれた価格なりあるいは数量等が需給を反映していない、あるいは自由な競争に基づくものではないというふうに思われるようなケースにつきましては、常に調査を進めるということで処理してまいっております。
○野間委員 いや、具体的に答えてくださいよ。いま特定の品目を挙げまして、これらについての減産指導、この減産指導の中で生産、出荷あるいは在庫、価格、この推移、これは統計上見ればすぐ明らかになるわけですが、これは指導のとおりいっておるわけですね。だから、公取の方も言いましたけれども、これは実際、独禁法上の不況カルテルあるいはその他の法規に基づいてやるならともかくとして、こういうかっこうでどんどんやられたら、これはたまったものじゃない。しかも、結果が価格の高騰となって出ておるわけですね。 そこで、合成樹脂あるいはアルミの地金とかその他幾品目かいま指摘がありましたけれども、これらについて具体的に行政指導との絡みでどのような結果が出てきて、それらについて独禁政策上どのように位置づけておるかということをお聞きしておるわけです。
○吉野(秀)政府委員 通産省当局がたとえば四半期ごとにある程度の需要予測を一種のガイドラインというふうな形で立てられること自体については、独禁法上問題はないのではないかというふうに考えております。
○野間委員 いや、問いに答えてくださいよ。あなたはずっとお聞きになっていたでしょう、具体的な指導の中身について。見通しを立てて、メーカーにヒヤリングして、生産計画を見て、そして変更させる、そういうふうに指導する。これが強制力があるかないか、拘束力があるかないかは別にして、具体的なその指導の中身について通産省は言ったわけでしょう。独禁法上私はこれは違法だと思わざるを得ないと思うのですね。これはどうなんでしょうか。
○吉野(秀)政府委員 通産省当局は、確かにガイドラインを立てました後、個別にヒヤリングをやっておられるようでございますが、これはあくまでも個々のメーカーに対する指導という形で、その間、法律上の強制拘束力といったものを伴っていないというふうにわれわれ考えておりますので、その限りにおいては独禁法上の問題は出てこないのじゃないかというふうに考えております。
○野間委員 それじゃ、公取は調べたのかどうか、いかがですか。
○吉野(秀)政府委員 ただいま具体的に問題になりました品目については、調査はいたしておりません。
○野間委員 調べずによくわかりますね。これは独禁法の四十条あるいは四十六条でしたか、とりわけ四十条ですね。これについて前々から独禁法の改正のときにも論議し、前の高橋委員長もこれでよくやっておられた。特に行政指導と独禁政策との絡みでは非常に大きな問題があって、これは委員長も常に言っておったわけですね。そういう点から考えて、調べもせずに通産省からいろいろなことを聞いた上で公取が判断する、しかもこれは独禁政策上問題ないというふうに判断するなら、公取はあってもないに等しいと思うのですね。 ですから、いろいろなその後の実態、推移、あるいはいまの指導の中身、そういうものを踏まえた上でこれはどういう意味を持つのか。もしこれがまかり通るなら、すべてのものが不況カルテルを結ぶ前に全部できることになるわけでしょう。この設置法で全部できるとすればですよ。いかがですか。
○吉野(秀)政府委員 ただいま御指摘の減産指導のありました具体的な業界につきまして、もちろん市況の動向等につきましては十分監視をしておるわけでございますが、特に調査を進める必要が認められなかったために現在のところ調査をしておりません。 ただ、先ほど申し上げましたように、行政指導があるなしにかかわりませず、たとえば昨年の九月ごろから高炉業界における鋼材の値上げ等につきましては、同調的な値上げの問題として具体的に調査を進めておるわけでございまして、全くこの種の問題について調査の手を伸ばしていないというわけではございません。
○野間委員 そうしますと、公取は、個別メーカーに対してであれば、見通しを立ててヒヤリングして、その上で生産計画を出させて、変更してはどうかという指導をすることは、独禁法上は問題にならないというたてまえをとっておられるのですか。
○吉野(秀)政府委員 たとえ形式的に個別の形をとっておりましても、結果としてあらわれたものから見て、その背後に何らかの共同行為があると認定できました場合には、独禁法上の問題として調査をすることは当然でございます。
○野間委員 確かに共同行為の場合には共同の意思と共同の行為が要件になります。しかし、そういうものがあったのかなかったのか。通産省が業界にやった、あるいは各個別メーカーにやった、だから各個別メーカーごとにやった場合には問題ない、ただその背景にあるものが実際にカルテルをやったのかもわからぬというようなことの絡みがずっとあるわけでしょう。実際に結果的にはずっと統計上出ておりますよね、行政指導の後で。だから、共同の行為あるいは共同の意思が明らか でなければ四十条の発動ができないというものでなくて、客観的なそういう状況があれば、四十条に基づいて実態を調査するというのがいままでの公取のとってきた態度だし、こういうものをやる必要があるんじゃないか。そうでなければ、こんなにのべつ幕なしにやられては公取なんて本当に何の役にも立たない。全部通産省がやって、しかも価格を上げることができることになるんじゃないですか。
○吉野(秀)政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、客観的にそういう事情がございますれば、当然調査の対象にすべきものだと考えます。
○野間委員 ここは独禁法の論議じゃないので別ですけれども、四十六条の強制処分がありますね。そのほかに四十条の権限があるわけです。ですから、この場合には「職務を行うために必要があるときは」でしょう。別に独禁法上の疑いというものは要件になっていないわけですよ。たとえば商社の調査なんかはいままでずっとこれでやったわけでしょう。しかも、インフレと不況の中でいろいろ物価の問題についてこれだけ国民の怒りがあり、関心がある中で、公取としては、この行政指導がどういう役割りを持ち、独禁政策上問題があるのではないかという点から、当然調べるべきじゃないかと私は思うのですね。これが四十条が想定しておる一つの大きな問題じゃないかと思うのですよ。どうなんですか。
○吉野(秀)政府委員 一般的に、その行政指導を受けた品目につきまして、市場にあらわれた価格なり数量から見て独禁政策上問題があるというふうに認められた場合には、御指摘のとおり、四十条の一般的な調査権限に基づいて調査をすべきものだと考えます。
○野間委員 もう押し問答になりますので、いずれまた日を改めて議論をしたいと思います。 それでは、通産省に戻りますけれども、業界あるいは各メーカーに対して指導すると言うけれども、ところが、これは基礎物資、中間物資ですから、さらに末端のエンドユーザーまでいろいろな過程があるわけですね。上ではこういう形で減産指導をやる、そしてその価格が結果的にも実際に上がっておるわけです。結局在庫をはかして価格を上げるのがねらいなわけですよね。ですから、川上と申しますか、上では上がる。ところが末端では上がったものを買わざるを得ないし、それで加工したものはその価格をオンして下に流すことはできない。結局そこに全部しわが寄る。私の部屋でも若干申し上げたし、あるいは神崎議員が個別に通産省に対していろいろ言ったわけですけれども、西日本のプラスチックの業界がこれには大変困った。こういうところを全部ほったらかしておいて、上だけで生産調整をやって価格をつり上げる。現にしわが全部中間にいって非常に困ったわけですね。こういうことについては一体どう考えますか。
○石原説明員 私、合成樹脂の担当でございますから、合成樹脂の関連にしぼって、お答えをいたしますが、確かに御指摘のとおり、ナフサが上がりまして、それがエチレンの価格に響き、樹脂に響き、それからその下のポリエチレンのフィルムでございますとか、バケツでございますとか、いろいろなものに段階的にずっとおりてくるわけです。その過程で、末端商品が通らない過程で上の材料だけの値上げがぐっと入ってきますと、その間どうしてもその業界が赤字になる。ナフサが上がって樹脂が上がらなければ石油化学業界が赤字になるし、樹脂が上がって加工品が上がらなければ加工屋さんが赤字になる、こういうことになるわけでございまして、先生御指摘のとおり、原油、ナフサの価格の上昇に伴う石油化学村の新価格体系形成の過程で、加工屋さんの方からいろいろと御注文があったことは事実でございます。私どももその点は非常に心配をいたしまして、昨年暮れから特に加工屋さんの業界の方の窮状を私どももよく聞き、樹脂メーカーにも聞かせまして、こういう状態を考えながら、新価格体系の形成をしていくというかっこうでの努力をしてきているつもりでございます。 実は、ポリエチレンのフィルムにつきましては、先ほど先生おっしゃいましたように、だんだん上からの原油の値上げの波及が来ておりまして、かなりきつい状態になっておるものでございますから、中小企業団体法に基づきまして調整カルテルをやろうということで、現在公取の方とも御相談をしている段階でございます。
○野間委員 長官にお伺いしますけれども、無原則、無定見に各メーカーに対して需要の見通しを示して、そして生産計画についてあれこれ見通しの上から行政指導する、そして場合によれば変更させるというようなことがまかり通れば、これは通産省が指導して生産調整、ひいては価格のつり上げですね。価格操作に手をかしたということにならざるを得ないと思うのです。そうであれば、独禁法上の不況カルテルあるいは中小企業団体法、特別の法律の措置なくしてこういうことが全部できるということになら、ざるを得ないと思うのです。 そういう点で、冒頭に戻りますけれども、卸売物価の連騰、しかもこの中でとりわけ目的を定めて通産省がやってきた減産指導というのは、独禁法上もかなり大きな問題があると私は考えるわけですけれども、これは物価政策として、長官としてはどのようにお考えでしょうか。
○福田(赳)国務大臣 いま野間さんの提起されている問題は、法解釈あるいは行政をやっていく上において非常にデリケートでまことにむずかしい問題のようです。 ただ、やはり通産省は無制限に行政介入ができるというたてまえは行き過ぎであろう、私はこういうふうに思います。どこまでも緊急行為である、また節度を越えてはならぬ問題であると思いますが、御承知のように、アルミだとかいう業界の今日の状態、これはもうほうっておきますと大変なことになる。そういう緊急な事情がある緊急な事態に対しまして、きわめて少数の業種につきましてとった避難的行為であり、そういう意味において是認さるべきものである、これを拡大して、何でもいいんだというふうな理解をすべきものじゃない、かように考えます。
○野間委員 公取より前進した答弁じゃないかと思うのですけれども、石油のように業法がありまして、この中で具体的な需給計画等の計画立案というような規定があればともかくとして、野放しにこういうことをやってはどうにもならない。 公取にもう一度聞きますけれども、先ほど長官の答弁がありましたが、あなたの方ではどう考えるのか、いかがですか。
○吉野(秀)政府委員 ただいま長官が御答弁申し上げたとおりでございまして、公取といたしましても、最初にお答えいたしましたように、このような行政指導は緊急やむを得ない事態に対してのみやむを得ずやるべきものであるというふうに考えております。
○野間委員 そうしますと、この場合、緊急やむを得ないものであったかどうか、これはあなたの方では調査して、やむを得ないという認識、判断をされたわけですか。
○吉野(秀)政府委員 一般に減産指導等の場合には、通産当局から連絡がありまして、いろいろ意見の調整を図っております。その際に、一応先ほど御指摘のあった業種につきましても、われわれ相談を受けておるところでございます。
○野間委員 いやいや、質問に答えてほしいのですけれども、私が聞いておるのは、相談を受けられて、公取としてはやむを得ないという判断をしたのかどうかという判断を聞いておるわけです。
○吉野(秀)政府委員 一応やむを得ないものと判断いたしました。
○野間委員 そうすると、やむを得ないかどうかの判断基準は、公取はどう考えておるのでしょうか。
○吉野(秀)政府委員 特に定まった基準というものはございませんが、一応その辺の業界の実態等につきましての必要性につきましては、通産省の意見を尊重しておるところでございます。
○野間委員 部長にはこれ以上避けますけれども、長官、それも前提となっておると思うのですけれども、これから卸売物価の続騰、こういうものに対する歯どめ、これをしなければならぬと思うのです、物価政策上も。この具体的な歯どめの措置が何かあるのかないのか、いかがでしょうか。
○福田(赳)国務大臣 物価はやはり経済情勢の動きを反映して動く、こういうことでございますから、私は、基本的には、経済全体の流れがなだらかに上昇過程をたどることが好ましい、こういうふうに見ておるわけであります。これが急上昇だということになると、需給がにわかに逼迫いたしまして、そして物価を引き上げるというようなことにもなります。そういうことを考え、経済運営で節度ある、静かで控え目な態度を堅持する、これが基本だと思います。 なお、しかしそうは申しましても、いろいろな業種があるわけでありますから、その業種につきまして一つ一つ需給の状況はどうかということを監視し、そして需給のバランスがとれておるような行政をやっていかなければならぬだろう、かように考えております。
○野間委員 時間がもうないようですので、この問題について通産省に指摘したいのは、大きなところは、緊急やむを得ないというような形で、在庫がたまりあるいは価格が下落した場合にはこれを救済する。ところが、一方中小企業をとった場合、これは複雑な手続をしなければカルテルができない。需要と供給の関係でアンバランスになりますと、倒産して店をたたむ。役所はだれも助けてくれませんよ。不況になってどうにもならない。経営が圧迫されて困る。通産省は一々各中小企業を回って何をいままでやられましたか。こういう片手落ちのことをしながら、しかも大きなところには土盛りをする、これはまさに企業サイドの通産省と言われてもやむを得ない。しかも、長官も言われたけれども、公取もやはりもっと厳しく独禁政策上これらの問題について取り上げて調査をし、是正しなければ、これは大変なことになるということを申し上げて、それからついでに消費者物価指数について、最後にお尋ねをしておきたいと思います。 学術会議とかあるいは消費者団体連絡会、消団連ですね、そういうところから幾つか物価指数の改善のための整備についての申し入れがなされております。これは経企庁にも行っておるようであります。消団連の場合は行管の長官に行っておりますけれども、これらを見てみますと、特にこの指数の改定期という年を迎えて、たとえば「収入、家族構成別等、階層別の物価指数を常時作成すること」とか、あるいは「物価指数作成のための小委員会を早急に設置し、消費者代表を加えること。また統計審議会等の機関に消費者代表、労働組合代表を加えること」 「物価指数作成の資料は公開すること」 「基準年変更にあたっての統計作成変更の作業は消費者団体、労働組合の意見を十分反映させ、慎重に検討すること」あるいは「物価指数改訂の場合には、新旧指数を半年以上平行して発表すること」それから学術会議の申し入れの中には、中立的な委員会を設けてこの指数問題を十分実態に即したものにするべきではなかろうかというようなことで、時間の関係で省略しますけれども、いろいろ理由が書かれております。これはアメリカのステイダラーレポートというのですか、この中でもこのような趣旨の勧告がなされておるという記述もあり、資料もあるわけです。 そこで、長官あるいは物価局長、先にどちらでも結構ですけれども、この指数の改定期、これに当たりましてどのような考え方を持っておられるのか。特にいま申し上げた消団連とかあるいは学術会議等からの具体的な意見も出ておりますし、また委員会の中でもかなり論議されておるわけです。これらについてどうなのでしょうか。局長にまず答弁願って後、長官にお願いしたいと思います。
○喜多村政府委員 本年は消費者物価指数の改定時期に当たっておりまして、先ほどお話のございました団体から要望が出ておりますことは重々承知いたしております。私どもの方としましても、いま現在行われております方法自体に私は特に欠陥があるとは考えておりませんけれども、お申し越しの件につきましては、その所管であります統計局の方にもつないでおりますし、行政管理庁の方にもつないでおります。 そういうことでございますので、統計局長が来ておられますので、ひとつそちらの方から御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○川村政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま先生御指摘の消団連その他の御意見、いろいろ列挙されましたが、これは逐一伺っております。私どもはそれを伺う際にも、現に総評の生活局の方に私どもの方に来ていただいてその細かい説明も承り、私どももそれに対する見解も申し述べてございますし、さらに、これは行政管理庁にございます統計審議会の部会でもこの意見聴取並びに意見交換があったということも逐一聞いております。 それで、そのいろいろございます中で、実際に可能なものは私ども可能なものとし、無理なものは無理なものというかっこうで処理をするのが適当かと思っております。 それで、いまステイダラーレポートのお話もございましたので特に申し上げておきますが、それらは主として階層別当たりの指数——指数が一本ですとどうも実感と合わないものですから、その点で申し上げますと、これはすでに私どもでは勤労者世帯について、夫婦と子供二人の標準世帯の指数あるいはその収入の大きさによって年間収入の五分位階層ごとの指数も私どもあわせてすでに発表をいたしております。それらは十分ごらんになっていただきたいというのが私どもの現在の立場でございます。 なお、統計審議会の構成の問題あるいはその中立的な小委員会を設けよというようなところにつきましては、むしろ行政管理庁の所管でございますので、私がここではっきり申し上げるのはいかがかと存じます。
○福田(赳)国務大臣 ただいま両政府委員からお答えいたしたとおりにいたします。
○野間委員 一応終わります。
○板川委員長 有島重武君。
○有島委員 本日が七十七国会の最後の質疑になると思いますけれども、今国会が閉会後に恐らく現三木内閣が大変揺すぶられるといいますか、これは自由民主党内のことでございますけれども、政権争いが行われるであろうと伝えられてきて、そのために、現にこの会期末にも活発な動きが報道されているわけであります。 それで、国民としてはこうした動きがいわゆるロッキード隠しにつながっておるのではないか、ロッキード隠しの意図が含まれておるのではないかというような疑惑を持っておるのは事実でございまして、これに対して、先ほど伺っておりましたらば、福田副総理は、そのロッキード問題はすでに司直の手に渡っているから政権のいかんにかかわりないのだ、そういうような答見方をなさった。 そこで、私、確かめておきたいわけなんですけれども、司直の手に渡れば、政権担当の最高責任者の意思には全くかかわりないのか、あるいはかかわりがあるか。私はあるというふうに思うのですけれども、福田副総理はどのようにお考えになりますか。
○福田(赳)国務大臣 私はこのロッキード事件に政治的介入というものがあってはならぬと思うのです。具体的に言いますれば、指揮権の発動ですね。これは逆指揮権ということも含めまして指揮権の発動というようなことがあってはならぬ。政権といたしましては、検察当局の調査を鼓舞激励するという姿勢は、これはもとより必要でございますが、それ以上に介入するということは妥当でない、こういう見解でございます。
○有島委員 そうなりますと、最高責任者の意欲というものはかかわりないというふうに言い切れるわけですか。
○福田(赳)国務大臣 ただいま申し上げましたような政治のあるべき正しい道、それを踏み越えて、さあ、指揮権を発動して捜査を取り押さえるというようなことは、これは私は考え得られないことである、もしそういうことがあれば、大変間違った行動である、こういうふうに思います。自由民主党は、いかなる政権ができましても、そういう方向をとるということは考え得られないことであるということを申し上げているわけです。
○有島委員 それはわかるのです。だから、その政権担当の最高責任者の意欲、決意というものはかかわりがある、ない、どちらになりますか。
○福田(赳)国務大臣 私は、自由民主党はいま、国会の決議もあります、また党議もあります、そういうものを踏まえてこの事件の徹底解明をする、こういうことでございますから、その自由民主党の基本方針また国会の御決議、それが変わらない以上、いかなる政権ができましても徹底究明の方向が変わるというふうには考えません。
○有島委員 党全体の方向というのはおっしゃいましたけれども、しつこいみたいだけれども、では、副総理御自身の御決意を再度だけれども確認をしておきたいと思いますし、それから重ねて、今後お立場がいろいろお変わりになるかもしれない、どんな立場におなりになっても、今度は個人的なこと一ちょっと言葉が違うわけだけれども、立場が変わってもそういったことは変わらないかどうか、そのことを確かめておきたいと思うのです。
○福田(赳)国務大臣 私は個人としても、ロッキード事件というこういう不幸な事態が起きた、これはもう徹底的に解明して国民の疑惑を解かなければならぬ、こういうふうに考えております。私はだれよりもかたくそういうふうな考え方を持っていると、みずからもって任じているのです。 同時に、この事件ばかりじゃないのです。事件は事件だが、事件が起き、そして国民にこういう疑惑を与えた、その背景ですね、これが私はより以上に大事だと思うのです。まあ、正しい政党のあり方、特に自由民主党のあり方というものにつきまして、その姿勢を正すということには、非常に私は重大な関心を持っておるものであるということを付言しておきます。
○有島委員 それでは、米価の問題でございますけれども、生産者米価の問題が取り上げられております。 消費者米価との兼ね合いですけれども、消費者米価は四十九年に三二%、五十年には一九%、二年続いてこれは五〇%以上上がってしまったということがあって、これは特に低所得者層の生活を圧迫する要因になりかけておる、なっておる。大蔵省がこの間発表なさったのは、五十一年度の消費者米価については、生産者米価を大幅に上回っている赤字の解消を少しでもできる価格にしたい、こういうことが報道されているわけなんですけれども、副総理はこの逆ざやまで解消することを意図すべきであるというふうにお考えになっているのかどうか、このことを承っておきたい。
○福田(赳)国務大臣 いわゆる逆ざやは今日大変なところへ来ておるわけです。あの逆ざやを一挙に解消するなんというのは、これはとてもできることじゃございません。しかし、逆ざやがああいう深刻な状態まで来ておると、これは逐次是正をしていくということを心がけていくべきものであるという見解でございます。
○有島委員 それについてこんなうわさも出ているわけです。生産者米価それから消費者米価の同時決定というようなことが行われるのじゃないか。まさかそういうことはしないだろうけれども、そういうことになれば、生産者と消費者とを対立さして国民の利害関係というものを分断していく、だから、そういった力のつり合いの中でもって、いまおっしゃったように逆ざやを解消するのではないかというようなこともささやかれておりますけれども、まさか同時決定というようなことはなさらないでしょうねと、こう確かめておきたいわけであります。
○福田(赳)国務大臣 生産者米価につきましては、これは生産費所得補償方式というもう定着した算定方式があるのです。その方式に従いまして、あるいは賃金の動きあるいは資材の動き、そういうものを見て科学的、合理的に決定する、そういうことになっておりますので、そのとおりに決定をことしもするということになると思いますが、消費者米価をそれと同時に決めるかどうかと言いますと、同時に決めますかどうかという、そういう段取り、それにつきましてはまだ相談をいたしておりませんです。 しかし、理論的に申し上げますと、消費者米価、生産者米価、そういうものを決める場合におきましては、この双方をにらみ合いながら決めなければならぬ、そういうふうに考えてしかるべきである、こういうふうに考えております。
○有島委員 私の伺っているのは、生産者米価とそれから消費者米価の同時決定というようなことはまさかなさらないでしょうねと伺いたいわけだ。どうですか。
○福田(赳)国務大臣 昨年の例で言いますと、これはまず生産者米価が決まる、ちょっと間を置いて消費者米価が決まっておるのです。そういうことになっておりますから、ことしそういうふうな方式をとりますかどうか、まだそこまで相談もいたしておらぬ。何せ賃金の動きをよく見なければならぬが、賃金とても、いままだいわゆる春季賃金決定が最終段階ではない。こういう状態です。それからさらにまた、諸資材の動きがどうだ、これも見なければならぬ。そういうようなことで、もうそう差し迫った問題でもないのです。したがいまして、いつごろ生産者米価の会議を開くか、あるいはその際に一応消費者米価も決めるか、あるいは昨年のような方式をとるか、こういうような段取りにつきましてまだ打ち合わせを本当にしておりません。 しかし、理論的に申し上げまして、消費者米価を去年は生産者米価の後で決めましたが、これは生産者米価の動きを十分見てそうして決めるという方針をとったわけでありますが、このことだけは、これはことしも動かない考え方となるであろう、かように考えています。
○有島委員 それは先ほどもお答えになったとおりなんですけれども、端的に同時決定というようなことが可能性としてまだ残っておるのか、そういうことはいままでの通例から考えても両方の兼ね合いでやっていくということは、これは当然そうなんでしょうけれども、同時決定ということは可能性としてあるのか、まあ、そういうことはしないつもりだとおっしゃるのか、その辺はいかがでいらっしゃいますか。
○福田(赳)国務大臣 理論的に言いますと、それはあり得るのですよ。あり得ますが、去年は少し間を置いて両米価が決まっておるわけです。去年の決め方を特に変更しなければならぬというような事情はないように思いますけれども、まだ農林当局でも段取りを決めておりませんものですから、その程度のお答えしかできない。まあ、いろいろ考え方はありましょうが、いまその段取りにつきましては決めておらぬ、こういうことを申し上げておるわけであります。
○有島委員 いままだ段取りを決めていらっしゃらない、それはいいのですけれども、心構えとして福田副総理のお考えとしては、それじゃそういった可能性もあるのだ、そういうふうに受け取ってよろしいんですか。
○福田(赳)国務大臣 可能性もあるということを強く御意識なさるというのもいかがかと思いますが、理論的にはそういうことも十分あり得るのですよ。しかし、実際問題として、どうも福田が同時決定を示唆したというような受け取り方でないことをお願い申し上げます。
○有島委員 野菜の問題でございますけれども、三月を過ぎまして四月になりましたらば野菜がどんどん上がってきました。それでこれに対して、新聞の報道によりますと、経済企画庁の方では乱高下の大きい生鮮食品などの物価対策も特段の検討が必要であるというようなことを言っていらっしゃるらしい。これは具体的な対策をすでに御用意あるのかどうか、そのことを伺いたい。
○森(宏)政府委員 経済企画庁に対するお尋ねでございますけれども、経済企画庁の国民生活安定費を農林省の方で移しかえの上で使わせていただいておりますので、現在私ども農林省でやっております野菜対策の概要について御説明を申し上げます。 農林省がやっております野菜対策の主体は、野菜生産出荷安定法に基づきます野菜の供給安定の措置が一つでございます。それからもう一点は、各種の予算措置によりまして、野菜の生産、流通等の安定措置、これが大きな柱でございまして、それの上に立ちまして端境期を中心といたしまして、端境期におきましては、先生御承知のように、野菜の価格の非常な乱高下が起こりますわけで、特に本年の端境期におきましては、御承知のような非常な気象条件の変動が激しく、かつてほとんど例を見なかったような異常な気象が昨年の夏以来継続して起こっておりまして、そのことが端境期にしわ寄せされまして、非常に野菜の価格の極端な高騰が出たわけでございます。そういうようなことで、以上申し上げた措置に合わせまして経済企画庁から国民生活安定費を農林省の方に移しかえいただきまして、緊急的な端境期対策を中心といたしました各種の対策を実施したわけでございます。 その詳細につきましては、時間の関係もございますので、省略させていただきますけれども、主体は生産地に対しまして、主としてキャベツあるいはホウレンソウ等の生産地に対しまして端境期に出荷する野菜につきまして特別出荷奨励金を支出するという事業でございますとか、あるいはタマネギ等の貯蔵性のあるものにつきまして野菜価格安定基金という財団法人がいままで貯蔵しておりましたものを放出する事業、これらにつきましても実施をいたしたわけでございます。それから特に価格の高騰が著しい状態が出現いたしましたキャベツにつきまして、これは農林省の予算でございますけれども、五十年度の新規予算といたしまして、鹿児島、沖縄等の暖かいところで、冬もつくれる地帯でキャベツをあらかじめつくりまして、これの緊急放出と申しますか、これを大消費地に向けまして緊急出荷するというような事業を実施した次第でございます。
○有島委員 副総理、この問題でございますけれども、従来と大体変わりないような方針、方式であろうかと思うのですね。それで、野菜は確かに上がったり下がったりが激しい、これを物価対策の上から出荷を調整する、奨励するということは大変いいことであって、せんだっても野菜生産出荷安定法の改正が行われて、その附帯決議にもそういうことがあるわけですけれども、もう一つ、生産はすればできるんだという前提の上に立った対策でございますね。ところが、これは農林省の広報にも出ておりますけれども、現在畑の六七%程度のものが不良な状態にある。その要因は化学肥料によって荒らされてしまったんだ、それでキャベツなんかの場合にはいわゆる連作連作でくるから地力がすっかり衰えてしまっておるというようなことが起こっておる。現状を放置できないような状態に全国的に追い込まれていくんじゃなかろうかと思うのです。それで今度は野菜が病害というようなことも起こりますし、幾ら肥料を供給しても収量が減っていくとか、そういうようなことがすでに群馬県の嬬恋地区のキャベツについても、静岡県のレタスについても、淡路島のタマネギについてもこういうことが起こっている、これは短期的な問題じゃないわけですね。非常に底の深いものであるということになります。こうしたことについて、これは物価の観点ということとちょっと外れるかもしれないけれども、速急に具体策を施していかなければならないと私は憂えるものですけれども、副総理、どんなふうにお考えになりますか。
○森(宏)政府委員 ただいま先生御指摘のように、野菜につきまして供給の安定を図るという観点に立ちますときに、一部の主産地におきましていろいろ憂慮すべき事態が発生していることは私どもも認識をいたしております。御指摘のような嬬恋におきますキャベツ等の連作障害、これが顕著に出てまいっておること、御指摘のとおりでございます。もちろん単に一部地区にとどまりませんで、全国的に普通畑におきます土壌の物理性、化学性あるいはその他の特性が非常に悪化している点が見られるわけでございまして、野菜作は普通畑作の八割以上を占めるものでございますから、特に野菜作におきましてその現象が出ております。 農林省といたしましては野菜の供給安定を今後さらに強力に図っていくということが野菜の価格安定のための一番有効な手段であるという観点に立ちまして、やはり野菜の生産の安定を図るということが、いま申しましたような土壌の条件の悪化等にかんがみまして必要であるという観点に立ちまして、五十年度から新たに野菜の生産安定対策事業という事業を、これは予算上の措置でございまして、野菜生産出荷安定法に基づく法律の措置ではございませんけれども、事態の緊急性にかんがみまして五十年度から灌水なり、あるいは堆肥、有機質投与のための措置等につきまして、約三億五千万の予算を計上して、現在その実施をしている段階でございます。主としては地力対策でございますけれども、同時に小規模な土地改良、基盤整備等もあわせまして実施をいたしてまいる予定にしておるわけでございまして、それぞれいまのところ二十五地域を対象として実施をいたしております。この事業は、もちろん五十一年度並びに今後の五十二年度はまだ先の予算要求でございますが、五十一年度も継続してやっておるわけでございます。 それからつけ加えまして、土壌の対策につきまして、これは私どもの食品流通局の所管事業ではございませんで、農蚕園芸局の所管事業としていろいろやっております。もし御必要がありますれば、担当の課長が参っておりますので、補足して説明をしてもらいたいと思っております。
○有島委員 せっかくだけれども、きょうは時間が制限されておりますから、技術的なことはまたの機会に伺いましょう。 それで結論的なことだけを副総理とお話をしておきたいし、御決意を承っておきたいわけですけれども、この疲弊した土地を挽回していくということは大変な労力を要するであろう。薬をまいたんだから別な薬をまけばいいだろうというわけにはいかないわけです。有機農業なんて一口に言うけれども、大変な労力が必要になるわけですね。農村の労働力というのは、御承知のように、いまもう大変減ってしまって三十五年当時千四百五十四万人であるというふうに言われていた農業就業人員が、四十九年には八百万、約半分に減ってしまっているというようなこともあるわけですね。これが、副総理がよく、時代が変わっているのだ、新しい時代が兆しておるのだというようなことをいろいろ言っていらっしゃる、そういう何か時代の変わり目と言いますか、大変大きなスケールの問題であろうかと思うのですね。 それで、いま農林省の方々はいろいろと技術的なことをおっしゃっているようでございますけれども、三億円云々というようなお話も出ましたけれども、そんなようなけたの話とは全然けた違いの重要な話ではなかろうかというふうに私は認識したいと思うのですけれども、福田副総理の御意見なり御決意なり承っておきたい。
○福田(赳)国務大臣 わが国は国土が非常に狭く、しかも山岳地帯が多く、農地が少ない。そういう国柄でありますので、いま有島さんが御指摘の問題は非常に重要な問題だと思うのです。地力をどういうふうにして保存し、さらには強化するか、こういう点につきましては十分これを配慮するように農林省に対しましても私から申し入れるつもりでございます。
○有島委員 関連の質問がございますのでお許しください。
○板川委員長 石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 時間も迫っておりますから簡単にお伺いをいたしますが、消費者ローンの問題についてお伺いをいたしたいわけでございます。 経企庁が委託調査をされております全国地域婦人団体連絡協議会が発表した「金融、保険の表示等に関する消費者の意識調査」この調査結果を拝見いたしますと、かなりの人が使っていると思われるわけです。消費者ローン、いわゆる住宅ローンとか電化ローン、ピアノローン、トラベルローン、いろいろあるわけでございますけれども、相当数の人が使っておるわけですね。日本の人口が一億でございますから、世帯数にして約二千五百万世帯、こう考えられます。そして消費者ローンを利用したことがあるかということに対する答えが一八・三%。全部の調査が千九百五十でございますので、かなり密度の高い数字だと私は思うのですけれども、それでまいりますと二百七十二万世帯の人が消費者ローンを活用をいたしておるわけでございます。その二百七十二万世帯の人が利用している中におきまして、消費者ローンを使う場合に定期預金を強制されたとか、あるいは定期預金などを勧誘されたという例が実に一二・五%にわたっております。と申しますのは、これも数字的にずっと計算をしてみますれば、三十六万七、八千世帯という状態になろうかと思うのでございます。したがって、百世帯に一・五世帯ぐらいの割りで消費者ローンに対する歩積み両建て問題が強制をされているように思うわけでございますけれども、まず大蔵省にお伺いします。 時間がありませんからイエスかノーかお答えいただきたいのですが、この消費者ローンという制度は、本来特定の商品販売について、その販売会社と銀行がタイアップをして、その会社の保証のもとに消費者が会社に支払うべき代金を一括して立てかえ払いをする、こういうものだと思うのですね。したがって、販売会社がお得意と直接の保証人となるわけでございますが、そういうような制度である、こういうふうに考えているわけですけれども、これに間違いはないでしょうな。いかがですか。
○宮本説明員 先生御指摘の点は、提携ローンという制度でございまして、間違いございません。
○石田(幸)委員 この提携ローンという定義でございますけれども、中には非提携ローン等もあるとは思いますけれども、いずれにしても包括保証契約ということだと思うのですね。そういうわけで、それに対してこのように定期預金を強制された、あるいは勧誘されたということは、まことに私は行き過ぎではないかと思うのです。この調査の結果を見ますと、不公正な取引ではないかというふうに言うておるわけでございますけれども、まず公取に見解をお伺いいたしたいと思います。
○熊田政府委員 ただいまのお話でございますが、不公正な取引方法に該当するかどうかということは、個別のケースを具体的に調べてみませんと、ここで一概に結論を申し上げるわけにまいりませんが、消費者ローンを行うに当たりまして、債権保全のために十分なほかの担保をとっておって、しかもなおかつ定期預金を強制するというような場合には、場合によっては不公正な取引方法に該当するおそれがあるというふうに考えます。
○石田(幸)委員 時間がありませんから一括して伺いますが、経企庁の方でこういういろいろな委託調査をしていらっしゃるわけですけれども、その結果を踏まえて、消費者保護の立場からこれをどういうふうに受け取っていらっしゃるのか、何かこれは行政指導をする必要があるというふうにお考えなのか、経企庁のお考えをお伺いしたいと思います。
○吉岡説明員 お答え申し上げます。 消費生活が多様化し、高度化してくるに従いまして、消費生活の内容を充実させるために消費者ローンを利用するということは年々ふえてきております。したがいまして、現在では財産形成、消費生活の充実、不時の出費等に当たりまして銀行消費者ローンの取引が行われておるわけでございます。 こういう関係から、私どもといたしましては、消費者保護会議あるいは毎月一回消費者行政担当課長会議というものを開いておりますが、そういう意味で、住宅ローンに関係するいろいろな施策の推進に努めております。 最近の例で申し上げますと、ここ数年の例でございますが、住宅ローンの金利を低位に据え置くこと、あるいは金利を実質年率表示にする、そういうことでやっておりまして、確かに最近一二%という御指摘のこともございますので、私をもといたしましては、関係各省と十分協議をした上でその改善に努めてまいりたいと思っております。
○石田(幸)委員 経企庁の方の御見解は、改善を要する、改善をする方向で各省と協議をしたいというふうにおっしゃっておるわけでございますから、少なくとも消費者ローンの歩積み両建て問題というのは、その包括契約というたてまえから言っても、提携ローンですかという形から言ってもきわめておかしいというふうに思そます。そういった意味で、これは公正取引委員会並びに大蔵省に、これらの問題についての調査をされるかどうか、あるいは大蔵省は、特にこの歩積み両建て問題については昨今特に問題になっているわけでございまして、会社が保証しているのになお銀行の方でそういう歩積み両建てを要請するというようなことは、私はきわめて不当な動きだと思うのですけれども、これに対する強力な行政指導をなさるかどうか、この点を両方からお伺いします。
○宮本説明員 歩積み両建てにつきましては、特に企業につきまして最近アンケート調査等をやりまして、その結果を待ちまして強力な指導を行いたい、こう思っておりますが、先生御指摘のとおり、消費者ローンにつきましても、この間企画庁からお出しになられました資料等によりますと、そういうようなものが行われているやにうかがわれるわけでございまして、私どもといたしましても、組織的な調査を直ちにやるかどうかは別といたしまして、きょう御指摘の点を踏まえまして、個別にヒヤリングをするなどいたしまして、今後強力に指導をいたしてまいりたい、こう思っております。
○石田(幸)委員 ちょっとそれは大蔵省の話として私は納得できないのですけれども。これは、いま申し上げましたように、経企庁が委託調査をされたいわゆる調査結果がここへ出ているわけでしょう。あなたの方は、これからヒヤリングをしてやらなければわからないという問題じゃないじゃないですか。少なくともそういう傾向があるということは、これはいわゆる数字的なデータですから、これを否認したのでは話にならないじゃないですか。そういった意味では、やはり強力な行政指導をする方向で対処しなきゃいかぬと思いますが、もう一度御答弁願いたい。
○宮本説明員 御趣旨の点を踏まえまして強力に指導いたしたいと思います。
○熊田政府委員 公正取引委員会といたしましては、具体的なそういう申し出がございますれば調べたいとも思っておりますし、また、経済企画庁の方で資料をお持ちのようでございますので、連絡をとりまして、その内容も拝見さしていただきまして、その結果によりましてあるいは調べることになるかと思います。
○石田(幸)委員 最後に、長官にぜひこれは御見解を承りたいのでございますが、こういう消費者ローンに対して歩積み両建てが行われるなんということは、いわゆる一般の商業活動における歩積み両建てとは明らかに質が違うわけですね。しかも、住宅ローンなんてことになりますとかなりな金額になりますけれども、電化ローンなんてことになりますとそう多額の金額ではないと思うのですね。そういうものにまで金融機関が力関係を利用して歩積み両建てをさせるなんということは、これは正常な消費生活活動に対する一つの不信感をだんだん助長する原因になりやしないかと私は思うのです。こういう細かい問題が積み重なってくると、行政に対する不信、ひいては政治不信ということにつながってくるわけでございますから、行政庁としては多般な経済活動であり消費活動でありますから、きめ細かく手を打つというのは非常にむずかしいとは思うのですけれども、やはりそういった生活問題については、なお一つ実効の上がる対策をとってもらわねばいかぬ、こんなふうに考えるのでございますけれども、御見解を承って終わりにします。
○福田(赳)国務大臣 御見解はごもっともと思います。特に住宅ローンの拘束預金についてのお話につきましては、これを法的に禁止するというまでの決断はちょっとできませんが、確かに消費者ローンに歩積み両建てがつきまとうというようなことは、これは好ましいことじゃない、こういうふうに思いますので、いま大蔵省からも強力な行政指導をやる、こういう話ですが、その他金利の問題なんかもありますが、それらを含めて——しかし、他面、消費者ローンが消費者ローンの目的を逸脱いたしまして、レジャーだとか何とか、そういうのもまた余り好ましくないことかと思うのです。住宅だとかあるいは耐久的な家具でありますとか不時の出費でありますとか、そういうような住宅ローン所期の目的に使われるというような指導もした方がいいのじゃないか、そういうふうに考えます。
○石田(幸)委員 終わります。
○板川委員長 次回は、来る二十四日、月曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会