物価問題等に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 77 件
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- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/18
会議録
○板川委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 まず最初に、福田長官おられないわけでございますが、きのうの毎日新聞の朝刊を見てみますと、消費者物価が、卸売物価の連騰の影響を受けて、秋口は非常に警戒をしておる、政策官庁の経済企画庁も非常に頭を悩ましておるという記事が出ているわけです。 昨日の同じ夕刊を見てみますと、関西で通産大臣がおしゃべりをしているわけですが、卸売物価の現状には心配していない、上半期七、八%の上昇となっても、下半期は二、三%に落ち着けたい、自信を持ってこう言っておられる。そういう中で、それらの卸売物価の上昇の影響というのは、通産大臣自身も認められておるわけですが、減産指導をやった、これは気分の上からも廃止した方がよいので上半期中に廃止する、こういうようにおしゃべりをされておるわけです。 福田長官は三月の当委員会におけるあいさつの中で、卸売物価は景気回復の過程である程度上昇が見込まれるけれども、消費者物価に対する影響というものはさほどない、必ず年度内八%程度の上昇にとどめるよう努力する、こういうように言われておるわけですが、これらと関連して、なおこれから続く公共料金の上昇等によってこれだけの自信がおありであるのかどうか。 また、数字によるところの消費者物価の上昇率というものは、いかに言われても、何回も繰り返しておりますように、国民のはだに感ずる感触というものはそうでない。そういうところから、ここでひとつこれらの問題について見解を述べてもらいたい。
○林(義)政府委員 副総理がきょう出席できませんので、政務次官の私から、かわりましてお答えをいたします。 卸売物価の問題につきましては、確かに数字を見ますと、ことしの一月、二月、三月と、わりと早いテンポで上がってきていることは事実でございます。しかし、これは昨年来石油の原油の値上げがありましたり、ロイター通信なんかで見られますように、海外市況が相当に上がってきている、それから生産調整で値上げをある程度までしてきたというようなものでありまして、卸売物価の動向については注意はしておかなければならない、注目はしておかなければならないけれども、また大変なインフレになるのだというふうな心配は実はしてないわけでございます。 卸売物価から消費者物価への影響というのは主として工業製品であらわれるわけでありますから、まあ、どちらかと言いますと、工業製品というのは需給の緩和基調にあるというふうに私どもは判断しておりますし、現状におきましてはすぐに卸売物価が消費者物価にそのまま影響するというような状況にはないものというふうに判断をしております。 今後の問題につきましては、計画の中で卸売物価四・八%、消費者物価八・八%というようなことで大体考えておりますので、私たちとしては経済政策全体の運営をもってすれば十分に達成できるものだというふうに考えております。 それから、御指摘のありました生活実感と離れているではないか。特に、これは先般発表されました総理府の動向調査でありますが、生活実感としてはそういったことは私も言えると思うのです。私の身辺におる人々の話を聞きましても、とても一けた台というような感じではないということなんです。ただ、これはいろいろありまして、あの調査をずっと見ますと、やはり上がったものだけを意識されると——とかく物の値段というのは上がったものは意識するが、上がらないものは実は余り意識されない。やはり一番大きく意識をされるのは食料品関係でございます。その中でも特に主食関係のものが相当意識をされるということでございます。たとえば、先生いまたばこを吸っていらっしゃいますけれども、やはりたばこの値段が上がったということは、たばこを吸う者にとりましては身近に感ずるわけであります。 そういったようなことでございまして、それでは、余り身近でないようなものについてはどうかということになると、実は余り感じないということであります。ところが、物価指数ということになりますと、そういったものも全部含めまして四百二十八品目、これについて統計をとるわけでございますから、そうすると、やはりさっき言ったような、ことしで言うと八%というような程度のものが出てくるわけでございます。これは数字のとり方、その他の問題いろいろ御議論あるだろうと思いますけれども、少なくとも現在の消費者物価指数という体系のもとでは、私は、いま申し上げたようなことになっている、こう思います。
○和田(貞)委員 時間が限られておりますので、建設省の方もあとなんですから、もう一度だけお尋ねしておきたいと思います。 確かに、卸売物価がそのまま消費者物価にはね返るということは、そういう点はいま言われたとおりだと思いますが、しかし、卸売物価が昨年は非常になだらかであった、ところが十二月からそれぞれ対前月比が十二月が〇・五七%、一月が〇・八一%、二月が〇・六九%、三月が〇・六二%、四月はやや落ちつくだろうというように見通しをされておったのがさらに〇・五九%、こういうように、それぞれ対前月比がずっと〇・六%以上を続けてきておる。しかも卸売物価の対象品目のうちで、大企業製品の占めるウエートというのは非常に高い、六〇%以上である。そうして卸売物価が上がることによって、それ自体というよりもやはり、たとえば鉄が上がると自動車、洗たく機、テレビというように、こういう消費生活の物資に対して波及効果がある。先ほどその数字を言われましたけれども、こういう形でずっと〇・六%が続いていくというようになったら、いま言われておった数字というのは、やはり狂ってくるというような傾向がないですか。
○林(義)政府委員 お答えいたします。 御指摘のところは、たとえば鉄の値段を上げれば自動車に響くではないか、電気洗たく機に響くではないか、こういう御指摘あるだろうと思うのです。コストの面からいたしますれば、私はコスト計算をすればそういうことは一応考えられると思います。自動車もやはり相当な鉄を使っている。電気洗たく機につきましてもそうでありますから、コスト計算をすればコスト上昇ということになりますが、問題は、私は市場経済というのはそういったことではなくて、値段を決められますのは需給で決まる、こういうことでございます。したがって、その電気せんたく機あるいは自動車の値段というのは、やはり電気洗たく機を買う人との需要の関係、それから自動車で言いましたならば、自動車を需要するところの人との関係、そういったもので決まるべきものが市場経済の基本原則だろう、こう私は思うのです。したがいまして、すぐに消費者が買うところの価格にはね返るということにはなかなかならないんではないか、こう思います。 ただ、もう一つ申し上げますけれども、そういったものが落ちつきましても、確かに卸売物価指数の中には鉄の値段というものが相当大きなウエートで入っているわけでありますから、その鉄の値段が上がれば卸売物価の指数に対して影響がないとはこれは言えないと思うのです。 そういったこともありまして、この鉄の問題につきましては、これからどういうふうになるのか、私たちまだ話も聞いておりませんし、新聞では何かそんな話が出ておるようでありますけれども、まだそういった具体的な話もないようでございますから、そういったものにつきましてはどうだということをいまこの段階で申し上げるときではないのではないだろうか、こういうふうに考えております。
○和田(貞)委員 卸売物価がこのようにはね上がってきておるというのは、通産大臣も認められておるように、減産指導というのがやはり影響しておるのだ、だから上半期で減産指導というのはやめたいのだということをきのう言っておられました。減産指導を通産省が行ったために卸売物価がこういうように上昇気運が継続しておるということはお認めになりますな。
○林(義)政府委員 減産指導によりまして、ある程度までの新価格体系というか、いわゆる新価格体系というものができてきたことは事実でありまして、大変な不況で赤字状態にありました企業が回復をしてきたことも私は事実だと思うのです。それはあくまでも減産というものは臨時的でありますし、通産大臣もしばしば新聞等で言っておられますように、早くやめた方が私もいいと思っておるのです。そうしますと、あとは需給関係でそのままいままでの減産指導のもとにおいて上がったと同じようなスピードですっと上がるかというと、私はそうでないだろうと思うのです。むしろそれから先はいわゆる市場経済の中に入ってきまして、需給関係で決まってくるわけでございますから、私はいままでのようなスピードで上がってくるということはないと思います。 たとえて申しますと、鉄の値段でありますけれども、鉄の非常に低いときは、確かに棒鋼十九ミリで三万九千円ぐらいのときがありした。いま値段が回復いたしまして五万四千円ぐらいになりましたけれども、それからは大体現在のところ、たしか一番最近の数字で五万七千円ぐらいじゃないかと思うのです。そういうふうな形で五万四千円から五万六千円、それが非常に足取りが緩やかになってきております。それからセメントなんかでも一時は一万二千五百円ぐらいまで確かに上がったと思うのですけれども、最近では少し落ちかけてきておるという状況がございます。 そういった形でノーマルな経済状態になっていけば、そこでおのずからなる価格形成というものがされるだろう、こう思っておりまして、一月、二月、三月にありましたようなぐうっとした上昇傾向は続かないのではないだろうか、私はこういうふうに考えております。 これも一つにはまた海外要因というものがあるわけでございまして、外国がめちゃくちゃに景気がよくなって買い付けを始めるとかなんとかいうことになりますと、やはり日本の供給力にも制限がありますし、そういった点からの影響というものもありますが、情勢を見てみますと、そうめちゃくちゃな上昇というのは、私はいまのところ余り考えられないのではないだろうかというふうに考えております。
○和田(貞)委員 建設省の関係もありますので、あと時間がありましたらまたやらしてもらうとして、建設省にまず最初に私は小言を言いたい。 きょうの物価対策特別委員会での質問ということで、昨日私は九時三十分にあなたの方の政府委員室を通じて、そのための資料として日本住宅公団の五十一年度の事業計画の概要を持ってきてくれ、こういうように私は言うておる、依頼しておる。それが持ってきた時間は何時ですか。五時にならぬと持ってこない。そうして五時に資料持ってきて、あすはどういう質問をされるのですかと、ばかなことをぬかすなと言うのですよ。そうしてきょうは何ですか。説明員をよこして、政府委員であるあなたが来ない。そうして委員会が始まるのが二十分も経過しているじゃないですか。そういう建設省の国会を軽視するというような態度は全くけしからぬ。質問をさせないようにするのですか。物価対策特別委員会は国会の常任委員会じゃないからいいかげんにしておいたらいいのだというような考え方ですか、これは。どうなんだ。
○山岡政府委員 最初におわびを申し上げます。 実は、私きのう十一時まで他出をしておりまして、直接自宅に帰ったものですから、けさ連絡をいただきましたが、けさもうっかりそのまま参議院の建設委員会の方へ、担当の公庫法がかかっておるものですから、出かけておりました。ちょうどこの三十分は暇がございます。それで私、当然駆けつけるべきところでございましたけれども、政府委員でなくてもよろしいという話をちょっと聞いたものですから……(和田(貞)委員「だれが言ったのだ」と呼ぶ)私の方の担当でございます。それで向こうの方から駆けつけたので遅くなったというわけでございます。 そういう点につきましてまことに不届きな点があった点については重々おわびをいたします。私ども決してそういうふうな気持ちは持っておりませんで、お呼びに応じまして参りまして、いつでも御説明する気持ちでおります。
○和田(貞)委員 委員長にお願いしておきたいと思いますが、いま申し上げたようなことです。資料の提出についても、きょうの質問を準備するために九時半に要求しておるのです。それが持ってきたのは五時なんです。そういうふしだらなやり方について、建設省に対して、遺憾の意を表明して厳重に抗議していただきたいということを委員長の方にお願いしておきます。
○板川委員長 わかりました。
○和田(貞)委員 そういうことを言っておると時間がありませんので……。 そこで、国民の生活の中で、衣食住と言われますが、衣食に比較いたしますと、住の場合、まだまだ国民が住に満足を覚えるというような状態になっておらないわけなんです。しかし、建設省の住宅政策、五十一年度の公団の事業計画を見てまいりましても、あるいは建設省の第三期住宅建設五カ年計画の内容を見てみましても、持ち家住宅に非常に力を注いでおるという感じを受けるわけです。公団の新しい事業につきましてもそうであります。そういうような中で公団住宅の建設、公営住宅の建設が行われるわけですが、それらに入居を希望する低所得者のことを考えて住宅政策というのを立てておられるのかどうかということが非常に疑問になる。 特に今日の住居費というのは、生活費に占めるウエートというのが非常に高い。戦前の物価の水準からいきましたら、収入の四割程度の住居費であっても生活ができたわけです。今日、住居費というのは、生活費に占めるウエートというのは大体一〇%、一割以内で賄わないとなかなか生活ができないという実態であろうと思うのです。そういうような考え方について誤りがあるかどうか、まず御答弁願いたい。
○山岡政府委員 最初に持ち家か借家かということでございますが、実は確かにこの問題、非常に古くして新しい住宅政策の重要問題でございます。 先生おっしゃいますとおり、第三期の住宅建設五カ年計画では、総体といたしましては六割を持ち家、四割を借家ということに計画いたしております。これはこの期間中にちょうど持ち家を取得なさる階層、いわば年齢の高い世帯が非常にふえるというようなことが一つと、それから住宅需要実態調査というのを四十八年にやっておりますけれども、その場合、近々この五、六年の間に何らかの住居に対する施策を講じたいと思っておる方々の御希望をとりますと、全体の四三%の世帯が何かをやりたいということでございます。そのうちの、いま住んでいらっしょる住宅によって違いますけれども、七、八割がやはり持ち家を何とか持ちたいという希望もございます。それらのものも勘案しながらそういうふうな計画を組んだわけでございまして、われわれといたしましては、やはり低所得者の方、それから社会的流動層、それから母子家庭、身障者の皆さん方には十分な量の賃貸住宅を確保する。それ以外のところにつきましては適当な持ち家を確保していただく。バランスのとれた持ち家と借家を供給したいというのが念願でございます。 ただ、公的資金によります住宅を全体の四一%予定いたしております。その中では公営住宅、公団住宅、公社住宅等によりまして、直接供給とわれわれ申しておりますけれども、そういう事業主体が住宅をつくりまして、直接公募によりまして国民の皆さんに供給いたします。そういうものの中では七割を賃貸住宅に充てるというようなことで姿勢を定めておるわけでございます。 そういう意味から申しまして、最近非常に家賃が高くなっておるということでございます。先生おっしゃいますように、最近の家計支出の中におきましても、家賃の占めるウエートは数年前と比べますと少し上がっております。家計調査の総支出の中で、借家の中で地代家賃の占める割合というのが九・三%というのが四十八年の統計に載っております。その前の年が九・二%、大体その辺の程度で推移しておるという状況でございます。今後、低所得者の方々のための賃貸住宅の供給というのは、最初に申し上げましたとおり、われわれの施策の中の重要な柱でございますので、十分力を入れて政策を推進してまいりたいと考えております。
○和田(貞)委員 家賃が五万円、六万円、七万円ということになったら、裏返して言えば、収入は五十万円、六十万円、七十万円という者しか入居できないということになるんじゃないですか。そういうような家賃の住宅を幾ら建てても、これはあちらこちらであなた方が経験しておられるように、建てたわ、入らない。入れないのです。入居を希望して当選しても、入居することができない、こういう状況じゃないんですか。これをいかに思っていますか。
○山岡政府委員 先生のお話のとおり、最近公的住宅の家賃が非常に高くなっております。ただ、非常にばらつきもございまして、一番低所得者の方々のために準備をいたします公営住宅につきましては、現在二十一円というのから大体二万八千円ぐらいまで、管理しているものの中で家賃のばらつきがございます。 公営住宅は特に国庫補助三分の二もしくは二分の一というのを出しまして、残りの起債等につきまして七十年で六分で償却をするということになっておりまして、その結果そういうふうな家賃になるわけでございますけれども、公団住宅につきましては、中堅所得階層あたりをねらいとしておるわけでございますが、特に最近供給いたしますものは、昭和四十八年ごろに四割から六割ぐらいの値上がりがございました、そういうものがやっといま供給に回っておるという段階で、数年前に比べて格段に高くなっておるのは事実でございます。 ただ、公団も原価主義、原価主義とさっきも新聞を見ますと書いてございましたけれども、実は単純なる原価主義ではございませんで、やはり決算的な補助でございますけれども、毎年度決算の赤字を埋めておるということでございます。 公団の賃貸住宅の供給につきましては、資金運用部資金、それから民間賃金を借りまして公団の住宅をつくりまして、それを五分、七十年で償却するという計画をいたしております。その問の差額は利子補給というのをやっておるわけでございます。 しかし、最近のようにだんだん家を大きくする、それから団地の環境も改善をするというようなことに力を入れてまいりますと、勢い高くなってまいっております。そこで、できる限り皆さん方に入りやすい家賃にしなければならないということで、苦肉の策でございますが、現在公団では傾斜家賃という制度を採用いたしております。その傾斜家賃制度も四十五年発足以来毎年改善を加えてまいっております。たとえば本年度を例にして申しますと、大体公団がねらっております中堅所得階層の方々の所得月収の一五、六%のところに水準を置きまして、そこからまず入居家賃が始まる。後で定率で十年間で原価のところまで上がっていく、こういう制度でございます。 ただ問題は、その場合の定率の上がり方でございますけれども、たとえば五十年を例に申しますと、六二%ぐらいの傾斜で上がってまいります。したがいまして、往年のように、所得が最近までの十年間では一四、五%名目で上がったわけでございますけれども、今後このようにずっと十年間六・一%の名目的上昇があるだろうかという点は少し問題でございますけれども、現在のいろいろな経済計画等を見まして、まあまあその程度の傾斜であれば何とか国民の皆さんに入っていただける家賃じゃあるまいか、こんなことでやっております。特に、家賃の高くなります、面開発と申しまして大都市の市街化区域内で相当大規模に一気に開発するのがございます。これにつきましては、やはりそういうのを入れましてもどうもなかなか高くなり過ぎる、ことしから金利を四分五厘ということに計算をいたすことにいたしております。 それからさらに、公営とか公団の家賃のあり方につきましては、やはり国費と申しましても国民の皆さんの税金でございますが、相当入れなければいまのやり方では安くならないということでございまして、私どもの所属しております住宅宅地審議会というので現在基本的な家賃のあり方はどうすべきかということにつきまして小委員会を設けて検討中でございます。昨年八月の当審議会の答申では、応能的な家賃のあり方も検討したらどうかという提案もいただいております。そういう点も含めまして今後十分に検討してまいりたいと思っておる次第でございます。
○和田(貞)委員 家賃が五万円ということになりましたら、公営住宅も同じことでありますが、三カ月分の敷金を納めにゃいかぬですね。五万円の三カ月分じゃなくて、いま言われましたように傾斜家賃制度をとっておるから、十年後の家賃を想定してそれの三倍の敷金になるのです。そうすると、五万円の家賃で三、五、十五万円だと思うたら、そうじゃない、三十万円の敷金が要る。七万円の住宅じゃ、十年後にはその約倍になりますから、大方四十万円の敷金が要る。そういうような住宅を幾ら建ててもらっても、いかに中間層の入居者を対象にしているんだと言っても、直ちに敷金三十万円、敷金四十万円というようなことでは、こういう住宅に入居したいという希望があっても入居できない。こういうことであなた自身が経験されているように、あちらこちらでせっかく当選したけれども入居拒否ということが続出しておるんじゃないですか。 家賃制度というものを根本的に改めないと、五万円、六万円、七万円というような家賃の住宅を幾ら建ててもらっても、これは入居者がない。国民が期待する入居できる住宅を建てなさいよ。持ち家を希望しておらない者はおらないと思うのです。持ち家を希望しても、やはり土地の購入あるいは建設費、あるいはあなたの方でやられておる分譲の住宅についても頭金がないからなかなか購入することができないということで、賃貸住宅を希望なさる方がまだまだたくさんあるわけですから、そういうような現状というのを無視して家賃を設定していくということ、これはここらあたりで大きく転換をする必要があると思うのです。 そういうような家賃制度あるいは敷金制度というのは現実に沿うものと思っているのですか。
○山岡政府委員 最初に頭金の問題でございますが、おっしゃるとおりだと思います。実際問題といたしましては、公団が考えましたのは、一応は原価に利子補給をして適当な家賃が決まりますと、それが正しい家賃である。ただし、それを当初十年間は政策的にいわゆる運用資金をまぜながら定率的に下げておるのだという考え方を最初とったわけでございます。したがいまして、十年後の敷金を取っておるのが現状だと思います。ただ、その点につきましては公団も実情をよく認識しておりまして、現在改定案を検討中と私どもの方に報告が来ております。そういう点で今後改善を図りたいと思います。 それから家賃につきまして、本当を申しますと私どもも非常に高くなって一番苦慮しておるところでございます。したがいまして、これを安くするのにどうしたらいいかということになりますと、家賃の計算方法を抜本的に改める、もしくは国費いわゆる国民の皆さんの税金でございますが、それを相当たくさん入れるということしか方法はございません。その辺につきまして、やはり一番無理なくそういう制度が取り入れられるということになりますと、わが審議会の答申をいたしました応能的負担の検討ということも大いに検討に値するとわれわれは考えております。そういうことで今後も十分家賃制度につきましては、小委員会もつくりまして、専門委員会をつくりまして、私どもの大臣は、家賃学をつくれ、こう言っておりますけれども、そういうつもりで早急に詰めて施策を講じてまいりたい、せっかく勉強しておるところでございます。そのさなかにおきまして、非常に苦しいことでございますけれども、生まれてまいりましたのが公団の傾斜家賃というようなことであるわけでございます。
○和田(貞)委員 公団住宅だけじゃなくて公営住宅、県営住宅とか市営住宅の場合も、ことし五十一年度の建設される予定の家賃が高層で大体三万五千六百円から三万六千六百円程度になるだろう、中層で三万四千七百円から三万五千七百円程度になるだろう、福祉住宅を含めた二種の住宅につきましてもことし建設の住宅については家賃が一万八千円ぐらいになるだろう、こういうように自治体は計算しているのですよ。間違いないですね。
○山岡政府委員 正確な資料を持っておりませんが、三年先に供給する住宅でございますので、その程度になると思います。
○和田(貞)委員 これではいまの国民の生活水準の中で低所得者を対象とした公営住宅の政策と言えますか。去年の賃金が大体何ぼなんですか。ことしはその賃金がどれだけに抑えられたのですか。家賃の上昇率はどういうことなんですか。しかも公営住宅や公団住宅の家賃の上昇率は去年と比べてどういうことなんですか、二年前に比べたらどれだけの上昇率なんですか。そういうようなところからやはり建設省なりあるいは自治体が国民に提供する住宅の家賃というのはもっと政策的に考えて、収入の一〇%が限度だという考え方に立った政策家賃を実施する。検討する検討するのじゃなくて、政策家賃として一〇%を限度として家賃を設定していく、こういう考え方にいつになったら踏み切るのですか。
○山岡政府委員 実は、先生いま一〇%とおっしゃったわけでございますが、第三期五カ年計画を策定いたします際に、何度も申し上げて恐縮でございますが、住宅宅地審議会に住宅問題の基本的方向づけをひとつお願いいたしまして、二年間にわたっていろいろと御審議いただいたわけでございますが、その中で御提案がございましたのは、今後賃貸住宅に入る方々の家賃の負担率は、いろいろと所得階層で五分位というのをつくっておりますけれども、第一分位の普通世帯、四人家族でございますが、そういう方々の所得でも一五%が上限だ、それ以下で入れろというのが一点でございます。それから持ち家を持つ方々の分譲代価の払いもしくは融資の返済等につきましては、第三分位の中位程度の方の所得を考えまして、その方々の所得の二五%以下を対象にすべきだ、そういうような御提案をいただいております。実はそういうものも下敷きにいたしまして第三期の五カ年計画は一応積み上げておるということにしておるわけでございます。したがいまして、先生おっしゃいました一〇%ということではございませんが、従来なかった点でございますが、必ず一五%上限ぐらいを目標にやろうということは政策目標として決めておるということでございます。
○和田(貞)委員 その政策目標が間違っておるのです。いかに中間層であっても収入の二五%、四分の一ですよ、四分の一を家賃に充てる、住居費に充てる、あるいは低所得者が一五%も住居費に充てるというような、そういう生活余裕というのは国民にないですよ。家賃あるいは住居費の生活費の中に占める比率は一〇%というのがやはり限度じゃないか、私はこういうように思うのです。これはあなたの方の政策と食い違うわけでありますが、われわれは、あくまでも住居費というものの生活費に占めるウエートは一〇%を限度として、公団住宅についても、供給公社の住宅についても、公営住宅についても政策家賃を設定すべきであるというように思います。 そこで、宅地政策と住宅政策というのは並行的に考えていかなければならないということでありますが、特に、公団住宅の家賃をそれほど高く設定しなくちゃならないというのは、単に建設費のコスト主義によるところの家賃ということだけじゃないでしょう。これは、あなたの方でいま全国的にあちらこちらで土地を持っておられる。そういう遊休的、冬眠的な用地がかなり確保されておって、開発しようと思ってもなかなか開発できない、住宅を建てようと思っても住宅ができない、その資金の利子というものは、毎年十二億ずつ利息を払っていかなければいかぬ、こういうような状況で、その利子が現実的に家賃に転嫁されて、そういう高額な家賃になっておるのじゃないですか。そうじゃないですか。
○山岡政府委員 おっしゃいますとおりでございます。昭和四十八年ごろが住宅のための宅地の一番ふえた時期でございますけれども、当時は、公団の立場におきましても、ちょうど公有地拡大法が通りましたりいろいろな時期でございまして、公団も次年度以降の用地を十分に確保すべきだということが念頭にございまして、特にその当時は土地の入手がなかなかむずかしい時代でございました。したがいまして、できるだけ話がつくところはどんどん買ったということが実績でございます。最近のように地価が微騰ということになってまいりますと、往年と違いまして、そういうものが公団にとりましても確かに重圧になってまいっておるということは事実でございます。 したがいまして、われわれといたしましては、現在、掘り起こし作業と言っておりますけれども、そういうものにつきまして逐次なるべく早く製品化をしていく、それから、今後の住宅地の購入については直ちに発注できるもの以外は買わないという方向で現在努力をしておるところでございます。
○和田(貞)委員 あなた方の政策の失態を国民の側にツケを突きつけて家賃に転嫁するということは何事ですか。単に建設費のコスト主義だけじゃないのです。いまお認めになったように、あなた方の政策の失敗を家賃に転嫁している。こういうようなばかげた家賃設定を含めた住宅政策というのは、私はけしからぬと思う。少なくともあなた方の政策の誤りというもの、それはせめて家賃の中に転嫁しないというような形の家賃設定というのを考える必要があると思うのですが、その点はどうですか。
○山岡政府委員 分譲住宅につきましては、確かに住宅の用地費も全部償却するわけでございます。ただ、家賃につきましては、地代相当額というのをいただくわけでございます。その地代相当額の中に、先生おっしゃいます過去に買いましたものの——有利の金で買いますので、それを五分までは利子補給をいたしますが、それ以外のものにつきまして、やはり時間が長くかかったという意味の地代の増はございます。全体から見ますと、七十年の償却で考えますとそう高い金ではございませんけれども、確かにそういう原因になっておることは事実でございます。十分に検討したいと思いますが、現在の家賃制度の中ではどうもやはりやむを得ないというふうに実はわれわれ考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 私は家賃制度をお互いに検討しなければならないと思います。私たちも家賃というのは絶対に値上げすべきじゃないのだという考え方で物を言うことは問題があると思うのです。公営住宅の場合に、いまだに何百円という家賃があるのです。千何ぼという家賃があるのです。これは過去に建設された住宅でありますから、しかも、そういう二十年あるいは二十五年前に建てられた住宅ですからかなり老朽化しておりますけれども、二十年、二十五年前に入居された方でありますから、いまはかなりの収入を得ておる方です。そういう方が何百円という家賃、千五百円、千二百円というような家賃。そしていま新しく世帯を持とうという方は、いま新しく建設された公営住宅については三万六千円、三万七千円というような家賃、公団については五万円、七万円というような家賃。そういうような家賃の住宅を提供するというようなことは公正を欠くものだと私は思います。 したがって、家賃制度の問題については検討しなければならないと思いますが、ただ、答申なりあるいは宅地審議会の住宅部会の方から進言があった内容によって建設省が自治体を指導される。自治体の財政は赤字で苦しいわけでありますから、それじゃ建設省がせっかく言うてくれたのだからということで家賃を値上げしていく。家賃を値上げしていくためにあなた方が指導する、あるいは答申された内容に基づくところの応能家賃制度を利用する。こういうような形で応能家賃制度の導入を考えられるから、入居者にとっては、あるいは住宅が欲しいという側にとっては反発があるわけです。 応能家賃制度を導入するということであれば、公正の原則に立って、先ほど御指摘いたしましたように、いまだに何百円という家賃がある、いまだに千円台の家賃がある、こういうようなところとあわせて——住宅の供給が一〇〇%されておらないわけでありますから、大方の低所得者というのは、特に都市部におきましては高い家賃の民間の住宅に入っておる。そういう高い家賃の民間住宅に入っておる低所得者に対するところの家賃補助、家賃援助ということを含めて応能家賃制度を考える、こういう観点に立つことが一つであります。 もう一つは、やはり絶対量が足らないわけでありますから、住宅が不足しておるのでありますから、先ほど御指摘いたしましたような、はいれないような家賃の住宅を何ぼ建てていっても解決にならないわけでありますから、私たちの主張として、収入の一〇%を限度とした低家賃の住宅をもっと積極的に建てていく。持ち家制度を主に置くのじゃなくて、低所得者に対するところの低家賃住宅を積極的に推し進めていく、そういう中でこそ初めて応能家賃制度の導入についていろいろと議論されることになると思うのです。 申し上げましたように、応能家賃制度というのは形だけで、これを家賃の値上げに持っていく、家賃の値上げに利用する、こういうようなことがあるから反発されるのじゃないですか。そういう点を含めて家賃制度の検討についてあなた方の考え方を明らかにしてもらいたい。
○山岡政府委員 最初に、応能家賃のことでございますけれども、先生おっしゃいましたように、民間も含めての応能でなければならないと思っております。ただ、スケジュールといたしまして、一気にできるかどうかもむずかしゅうございますし、ヨーロッパにおきまして多くの国が応能家賃制度に踏み切っておりますけれども、中身を見ますといろいろ差もございます。必ずしも成功しておりません。やはり日本で応能制度を加味するには、国民的コンセンサス、十二分に各方面の御意見も得まして、なるほどいいなということにならなければなかなか踏み切るわけにはまいらぬだろうというふうな気がいたします。十分時間をかけて検討させていただきたいと思っております。 それから公営住宅の値上げでございますけれども、イギリスでは公営住宅の家賃をプール制ということにいたしておるようでございます。これは古いものも新しいものも含めてプールにいたしまして、全体として下げるという考え方でございます。 ただ、現行の日本の制度で申し上げますと、公営住宅の家賃については改定をしてもよいと実は法律には決めております。ただ、条件を決めております。一つはお互いの家賃の中にきわめて不均衡が生じたとき、一つは改良を施したとき、一つは維持修繕費等が賄えなくなったときという三点でございます。 そこで、公営住宅については入居者に対しまして所得の制限を設けて、国庫の補助を手厚くする住宅であるということから、従来もそういう点につきまして適正な家賃であるように、適当な場合には改定を行うべきだという立場で公営住宅制度以来ずっとやってまいったわけでございますけれども、全体の管理戸数百四十八万のうちでまだ大体一割ぐらいしかいままでのところでは行われておりません。 ただ、先生おっしゃいましたけれども、確かに最近その辺が目立ってまいりまして、四十八年ごろから公営住宅もとみに高くなってきております。現在管理している公営住宅の家賃は最低が二十一円、最高が二万八千円というぐらいのところになっております。したがいまして、四十八年以後しか公営住宅を持っておりません沖縄以外の全都道府県におきまして、現在いろいろな審議会等を置かれまして検討中というふうにわれわれ聞いております。 ただ、われわれがお願いしておりますのは、地方財政が苦しいからといって、その上がった分を人件費に回すというようなことがあってはならない。そのために、ふえる家賃収入等につきましてはまず維持修繕費に充ててください、その次には新しい住宅の家賃の値下げ等に使ってくださいというふうに、使用目的につきましてもお願いをしておるというのが実情でございます。 先生が第二点におっしゃいました、第三期におきましても低家賃の住宅を置くべきじゃないかという点でございますが、第三期の住宅建設五カ年計画は最終的に審議会等の御意見を伺って答申をいただきますが、その場合にも、今後低家賃住宅については十分配慮すべきだ、特に五カ年計画の中で、十七万五千戸でございますけれども、調整戸数というのが公的資金の中にございます。そういうものの配分に当たっては、そういうものに最重点を置いてやれというふうなことが付款としてついております。われわれもそういう精神を体してやってまいろうと思っておる次第でございます。
○和田(貞)委員 時間もありませんので繰り返して申し上げませんが家賃をただ上げるということではなくて、いま新しく世帯を持つ者が果たしてその家賃で入居ができるかどうかということを考えたときに、その分については家賃を下げるということも含めて、この家賃制度の問題は検討してもらわなくちゃならぬと私は思うのです。コスト主義で家賃を設定したが、コスト主義をずっと続けていくとどうも大変なことになるからということで、途中に割り増し家賃制度を導入したり、あるいは傾斜家賃制度を導入したりしているのですが、それでは解決にならない。傾斜家賃制度でも、いまから入居しても少なくとも二十年ぐらいはまだその傾斜家賃制度で持ちこたえられるというような比較的若い人であれば、傾斜家賃制度というのは一つの考え方です。しかし、かなりの所得があっても、あと五年たてば定年だ、あと十年たてば勤め先をやめなくちゃならぬというような方は、そういう傾斜家賃制度であれば一体どうなるのですか。 そういう傾斜家賃制度もやはり矛盾があるわけです。割り増し家賃制度についても、子供にまで影響があります。同じ住宅の中におって、隣はお父さんの収入が高いから家賃が高いのだ、うちのお父さんは収入が低いから家賃が安いのだというようなことが現実にあるのですよ。割り増し家賃制度とか傾斜家賃制度というのは、あなた方が当初出発したコスト主義によるところの家賃の設定、そういう矛盾を犯してつくり上、げた制度でありますから、そういう二つの制度は根本的になくさなければいかぬ。この際、家賃制度という問題については、国民が入居できるような、生活のできるような家賃を設定するという考え方に立って、応能家賃制度についてもその運用面が非常に大事な問題でありますし、一年たてば一年、二年先になれば二年先と、矛盾のある家賃制度が続けられていくわけでございますから、ひとつ早急に結論を出されるように強く要望したいと思うわけです。 これは建設省の問題でありますが、物価に対する問題、国民の生活に関する問題でもあるわけでございますので、建設省の方に強く要望すると同時に、長官にかわって担当政務次官として所見を述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○林(義)政府委員 いま先生と住宅局長のやりとりを聞いておりまして、私もこれはいろいろ考えなければならない問題の御指摘であろうと思っておるのです。 最初に先生が御指摘になりましたように、衣食住というのはお互いの生活の基本であり、その中の住宅問題というのは一つの大きなウエートを持つものであることは、もうだれも否定しないところだと思うのです。戦後の日本の時代を考えてみますと、諸外国に比べまして衣の方は日本はわりと安く供給できるような形になったと思うのです。食はそれに次いでということでございますが、比較いたしますとやはり住の問題が一番おくれておった問題ではないかと思いますし、こうした豊かな社会をつくり、新しい安定成長の社会に入りますときには、国民の間において本当に満足して住めるような住宅をつくっていくということが一つの大きな政策目標でなければならないだろうと思います。 住宅局長から答弁いたしましたように、いままでの考え方は原価主義と申しますか、そういう考え方があった。その原価主義の修正をするということになれば、応能制であるとか、補助金制度であるとか、いろいろありますし、さらにもう一つ、物価という観点から申し上げますならば住宅費、その中には家賃がありますけれども、これを別の面からとらえますと、やはり土地代でありますし、住宅建設費用ということになるだろうと思うのです。したがいまして、土地の価格を抑制していくとか、あるいは住宅建設の建設コストを安くするための諸施策というものを総合的に進めていくことがぜひとも必要だろうと思います。 当面の問題としては、先ほど申しましたように、一五%程度あるいは二五%程度というような数字がありますけれども、それでいいということではないと私は思うのです。できるだけ安い形で、先生がおっしゃったような一〇%云々という方向へ将来は行かなければならない問題だろうと思います。ただ、それではいますぐにそれができるかということになれば、資金的な問題その他の問題もあるから、その辺につきましては建設省の方でも十分にいろいろと考えておると思いますし、私の方といたしましても、この住宅の問題というのはいま申し上げましたような基本的な考え方で取り組んでいくべき大問題だろうと思っております。 先生がいろいろ御指摘になりました点は、私も十分に心にとめましてこれから研究してまいりたいと考えております。
○板川委員長 山岡住宅局長、一言。
○山岡政府委員 最初に、おくれてまいりました点、重々おわびを申し上げます。 それから、いま企画庁の政務次官からお話がございましたが、全く同じ気持ちで努力したいと思います。よろしくお願いいたします。
○和田(貞)委員 終わります。
○板川委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 きょうは長官が出席をしておりませんので、政務次官にまずお答えをいただきたいと思います。 まず最初に伺いたい問題は、総理府統計局がこの四日に発表いたしました「物価についての消費者意識の実態に関する調査」につきまして、これを読ませてもらいまして、いま政府が発表している消費者物価指数というものがいかに国民生活の実感からかけ離れたものであるかということが、このアンケート調査によってもはっきりと示されていると思うのです。私も多くの家庭の人たちと物価の問題についていろいろと話し合いますけれども、いまや切り詰めるものがないと言われるほど深刻なところに来ているということを私は痛感しています。 一、二、例を挙げますと、いま千円亭主という言葉がはやっていますけれども、実際には、たばことそして若干のコーヒー代、あるいは交際費ですね。本当にそれではお弁当も実際に食べられないと言われるようなこういう状況で、最近では、好きなたばこもやめてもらった、楽しみにしていた夕方の晩酌もここのところやめてもらっている、それ以外切り詰めるところがないんだ。こういう話も聞きました。ある家庭では、子供が大変パンが好きで、したがって、いままではパン食を中心に子供たちに出していたけれども、もうパン食ではとてもじゃないけれども副食がかかって経費がかさむので、学校給食でパンは食べるからいいではないかということで、それもやめてもらって、いまは米飯にしている。牛乳もやめた。 こういう形で、国民生活の実態というのは本当に切り詰めるところがないと言っているのです。私はこの実態は決して大げさではないと思います。事実、そこの家庭の状況、あるいは所得階層から言っても確かに低い層ではありますけれども、それだけに今度のこの物価の状況というものが家計にどれほど大きな影響を及ぼしているかということを、何軒かの人たちとの話し合いの中で私はしみじみと痛感いたしました。 この調査を見ますと、全体の四七%の人が一年前より物価は二〇%以上上がったということを感じている。そして二〇%ぐらい上がったのではないかという人が、調査された人たちの中の二四%、三〇%ぐらい上がったというふうに思っている人が一四%。今後の物価の上昇という問題について、恐らくこれからは上昇率は低くなるだろうと答えた人は、このアンケート調査によっても一〇%であって、いままでと同じ上昇率が続くだろうと答えた人が五〇%、上昇率はこれより大きくなるだろうというふうに感じている人が二九%。非常に生活に対する不安を感じているということが、総理府統計局の「消費生活の意識と実態について」というこのアンケート調査の中ではっきりと数字となってあらわれてきています。 このように指数と実感との大きなずれが浮き彫りになってきている。男子の場合は、六七%の人が消費者物価指数よりもむしろ重く感じているという答えをしておりますし、婦人の場合は七一%、平均すると六九%もの人が物価指数が示す以上に物価は上昇しているということを生活実感の中で感じている。 ことしは消費者物価指数の見直し、改定の年でもありますし、国民の過半数が実感として感じないこのような指数を検討していく、これを決める場合、再検討する必要があるのではないか。国民がどういうふうに感じようと、事実消費者物価は八・八%などというようなことで果たして事足りるのかどうなのか。こういう点について、単なる総合的な指数がどうのこうのということよりも、もっと実感に接近をしていくという立場からの消費者物価指数、改定の際にこれをどう取り入れていくかという点について、具体的に検討をしていることがあればお伺いをいたしたいと思いますし、物価局長にも伺いたいと思います。
○林(義)政府委員 お答えいたします。 ここにも私、持っておりまして、「消費生活の意識と実態について」というので、総理府統計局がいろいろ調べたのです。消費者物価指数一〇%ということが生活実感に合わないではないか、こういうことであります。 この問題は前から言われておった問題でもありますから、総理府の方で実態調査、意識調査をやったわけなんです。意識調査をやりますと、御指摘のように、どうも一〇%という実感ではない、二〇%ぐらいではないかとする者が二四%、三〇%ぐらいとする者が一四%という形で、そこが一番多い。五%以下とする者が二%というようなことですから、大方の感じは二〇%ぐらいだろう、こういうふうな話でございます。 ただ、これは意識調査でございますから、意識調査と実態の数字というのは若干狂っていることがある。この中にも書いてありますように、値段がどんなに上がったかということは、主婦の方々、その他の方々が買い物をされる頻度にもよるのだろうと思うのです。それから買い物をされる場所にもよると思うのです。スーパーなんかへ毎日毎日買い物に出かけられる。そうすると、そこで値段が上がっておれば、毎日毎日のことですから、大変影響を受ける、こういう問題があるだろうと私は思います。それからもう一つの問題といたしましては、値上げをされた品目だけは相当に目につく、値上げをしない品目というのは実は余り目につかないわけでございまして、余り意識はされない。そうすると、物が上がった上がったということだけが意識に出てまいりますから、どうしてもそういった高い数値が出てくるということは当然のことではないだろうかと思います。 先生御指摘のように、生活を切り詰めなければならない、牛乳もやめて云々、こういう話ですが、この意識の中で出ていますのは、そういった切り詰めをするのはどこから切り詰めをしてくるかと言えば、レジャー代であるとかなんとかいうところから切り詰めをして、主食につきまして切り詰めをするのは最後の方であるというようなことも実は出ているわけであります。そういったものは意識の問題でありますから、そういった意識というものは当然に尊重していかなければならない。 それじゃ、この消費者物価指数というものをその意識に合うような形で直すかということでありますが、そもそも消費者物価指数というのは国際的にも通用するものでなくてはなりません。アメリカとかヨーロッパの方との比較もありますから、その辺で、統計的な方策で、ある程度まで同じようなことを考えておかなければいけないと思うのです。 実は私も正直に申しまして、経済企画政務次官を拝命したときに、最初に消費者物価指数の問題、実感と合わないというような感じもあるから何か別のことを考えられないかという話をしたことがありますが、なかなか統計技術の問題、それから統計上の正確性ということになれば、いまの品目の中のウエートを変えるとか、品目の差しかえをするとか、いろいろな問題はあるでしょうけれども、それじゃ、いまのやつを頻度調査とかなんとかということまで入れてやるということになれば、少なくともいまの消費者物価と違ったものが私は出てくると思いますし、そうすると、統計の歴史的な一貫性というものとかあるいは国際性というものも考えていかなければならない、こう思うのです。 そういったものもありますから、この辺は少し時間をかけて検討してみたらどうかというふうに私は考えております。先生御指摘のところは、一つもおかしな問題じゃないと思いますし、これからも私たちが取り組んでいかなければならない一つの問題提起だろう、 こういうふうに考えております。
○喜多村政府委員 ただいま政務次官からお答えがありましたことで尽きるわけでありますけれども、御存じのように、消費者物価指数は、きわめて客観的な平均的なもの、代表的なものをあらわす指標として重要なものでございます。これと実感との間のずれがありますことは私もよく承知しておりますし、先ほどから御紹介のありました資料等々でも相当の開きがあることを承知いたしております。しかし、そうだからといって、消費者物価指数が間違ってあるとは私は思っておりません。これは先ほど政務次官からお話がありましたような客観性、代表性を持つものとして非常に重要なものでありますので、この中にきわめて主観的な感覚を持ち合わせる実感を入れることはむしろマイナスであろうかと思います。といって、国民が指数に対して持っております不信感と申しますか、そういったものを無視するわけにもまいりません。 したがって、物価指数とこの実感との乖離というのがどういうところから出てくるかということは、あくまでも物価政策上の問題でありまして、指数論の問題とは考えておりません。したがって、現在改定を考えられております物価指数論の中には、実感論というのは議論がありましょうとも、それを入れ込むことは非常にむずかしいんじゃないかと考えております。
○小林(政)委員 問題は、確かにこの問題の内容について、ウエートをどうするかとか、品目をどうするかという点については、相当国際的な比較というような点も、統計の上ではいろいろと加味されるということは私どももわかりますけれども、政府がその指標を物価は一五%から一〇%、さらに八・八%とだんだん下げていくし、物価そのものはもう安定したんだというようなものに非常にこの物価指数が利用されている、活用されているといいますか、こういうところに国民が、物価はちっとも下がっていない、実際に自分たちの生活実感から見るものはむしろ非常に上がっている。私はこれはずれが出るのは当然だと思うのです。そしてその場合に、統計局のこのアンケート調査の中でもはっきりと書かれておりますように、毎日生活をするもの、必要物資ですね、こういうものがまた事実上がっているんですね。 ですから、そういうところから非常に物価上昇の実感を持つというのは、これまた当然のことですし、私はそういう中で、指数そのものの見直しをことしは行うわけですけれども、その中でやはり何らかの形でそれが改定の際に国民の生活実感にも受け入れられるような工夫を、これでいいんだ、いままでどおりでということではなくして、検討をしていくことがいまきわめて重要な時期ではないだろうか、こういうことを申し上げておりますので、この点についてぜひ、先ほど政務次官からも研究もしてみましょうということですし、私はやはり国民の生活実感に本当に納得できるような形を何らか工夫して指数の中に入れるべきだという点を主張して、次に入りたいというふうに思います。 それでもう一つの問題は、昨今、卸売物価なども十カ月連続で対前年同月比四・九%というような上昇を示しておりますし、これがやがて消費者物価に影響を及ぼすというような状況の中で、非常に物価問題は警戒を要するということが最近いろいろと言われておりますけれども、このような中で、これはことしの二月、日本開発銀行が千二百九十二社の企業を対象にして「減速経済下における企業経営動向」という調査をやったわけですけれども、その動向調査の中を見てみますと、五〇%以上の企業が値上げを志向しているといいますか、特に石油、鉄鋼などは非常に業種別に見ても値上げ志向の割合が高い、こういう傾向が出ておりますが、この点について政務次官、御存じでしょうか。
○林(義)政府委員 お答えいたしますが、いま二月のやつはたしか日経新聞に出ている佐貫さんの報告じゃなかったですか。それでしょう。——この日本開発銀行の設備投資研究所は大変りっぱな研究所で、いろいろ事業活動につきましての調査をしているところです。 私も、二月ぐらいの段階で申しますと、海外からの原材料の高騰の問題がありましたし、それから特に石油化学なり石油業界なんというのは大変な赤字である、こういうふうな話もありましたし、そうしたことからすれば、やはり原材料の価格が上がってくれば、その分のコスト上昇というものは必至でございますから、企業としてはある程度まで価格にはね返さざるを得ない、こういうふうな状況は、ことしの特に一月、二月ごろにはあったと思うのです。まあ、なかなかできないというような企業側の気持ちもありましたでしょうけれども、私はその問題というものは、やはり一月、二月、三月の卸売物価上昇の中に出てきているのではないかと思います。 それでは、これからどうなるか、私はむしろこういうふうな問題だろうと思うのですね。それじゃ、ばあっと上がってきちゃったものが、一月、二月、三月のような状況でこのままずっと上がっていったら、これは大変なことになるだろうと思うのです。しかし、私はそういうふうにはいかないので、やはり安定成長路線をとって、五%、六%程度の状態に経済運営を持っていくということになれば、おのずからそこで企業の方も、そうめちゃくちゃな値上げをしても、値上げをすれば今度は売れなくなっちゃう、こういうことでもございますし、やはり政府の減産指導なんというのもできるだけ早くやめる、こういうふうな話でもございますし、後は需要供給の関係において値段というものはおのずからのところに決まっていく、こういうふうに考えております。 だから、企業が上げようと思ったところで、これは買う方がなければなかなか上げられない。そこは、大変な海外の変動がありましたから、その変動を若干調整するというような形での減産指導というものがあったことも事実でございますけれども、これからはできるだけやはりそういった自由主義経済体制のもとで価格というものは決まっていくというふうになっていくでありましょうし、またそうでなければならないだろう、私はこういうふうに考えております。
○小林(政)委員 私は、いまそういうことをお聞きしたわけじゃないのです。この企業の製品価格の値上げの志向が非常に強いというこういう動きを御存じですか。そのコストがどうのこうのという御説明を受けようとは思っておりませんでした。事実何らかの形で値上げをしたいという意向、この千二百九十二社のこの調査の中でも、五〇%からの企業が値上げをしたいという志向型がはっきりとこの中に出ているということを御存じだったですかということをお聞きしたわけです。私はやはり、こういう企業の方でも値上げをしたい、あるいはまたいまの卸売物価の状況だとかあるいはその他金融関係の動きなど、マネーサプライその他も含めて、いま物価に対して非常に警戒する、こういうことが必要なんではないか。物価はおさまったんだ、もうこれからは景気だというようなことではなく、ますます物価問題が、ここで警戒色を強め何らかの具体策をとっていかないと、大変なことになる、その前兆ではないのかというふうに私自身考えておりますけれども、こういう中で具体的に通産省が先月、これは政府が「特定物資等の需給・価格動向」ということで、生活関連二法の指定物資を、もう心配ないのだということで、閣議で決定して外しましたね。私はこの問題は、この時期になぜ外したんだろうか。実際問題として通産省が先月末プロパンガスの標準価格の廃止に当たって、価格動向は四十九年秋以来安定している、需給動向は問題ないということを発表していますし、また四月二十三日の閣議の資料でも、液化石油ガスは「需給・価格とも安定的に推移している。不需要期に入ったことから需給・価格とも更に安定化が予想される。」こういう理由で実際にはこの指定から外したわけですけれども、しかし、今月の十四日の業界の動きによりますと、来月の一日から十キロ当たり三百円ほどの値上げをするという、こういう動きが業界では出ているというふうに言われておりますけれども、このことについて御存じですか。
○林(義)政府委員 先ほど御質問の中で御答弁が漏れたようでございますが、私も企業が二月ごろには相当に値上げをしたいというような意向があったということはそうだと思うのです。それは一つも否定しません。やはりつくったときに赤字になったんでは困るということで、やはり適正な利潤を取りたいという形でいうならば、これは上げたいというような気持ちがあったということは私は否定できない事実だろうと思います。 ただ、私、申し上げたいのは、いかに企業が考えたところで、物の値段というものは需要供給の関係で決まるということですからということを申し上げたわけでございます。 それからプロパンの問題でございますが、例の緊急二法に基づきまして指定をしたのを外したわけでございます。私たちが考えましたのは、緊急二法で書いておりましたような緊急事態、異常事態というものがもうなくなってきたというふうな判断をしたわけでございまして、それで外したわけであります。 プロパンの値段が少し何か上げるというような話が業界であったということをお話しでございますが、もしも業界でそういうふうな取り決めをいたしましたならば、むしろこれは私はカルテルの問題になるだろう。そんなことはやはり各プロパン業者それぞれがそれぞれで価格を決めるというのが現在の体制でございますから、業界が一致して上げるなどというのは非常にゆゆしき問題ではないか、私はこう考えております。 ただ、大体申しまして、私の地元なんかで申しましても、実はプロパンの値段は少し下ぎみであるというのが現在の状況ではないか。三月の数字、四月の数字比較いたしましても、四月の数字などというものは、全国的な統計をとりますと、少し下がるような数字が出てきていると思うのです。 そういうふうな状況でございますから、特にプロパンの不需要期でもございますから、いまのところそうめちゃくちゃにこれは上がるというようなことはちょっと考えられないのではないだろうか。もしも何か意識的にこうやるということになれば、公正取引委員会の事務局長も来ておりますけれども、協会とかなんとかで価格協定をするなどということになれば、やはりこれは断固として取り締まりをしなければならない問題だろうというふうに考えております。
○小林(政)委員 私は価格協定をやっているとか、あるいは業界で幾らにしようとかいうようなことを具体的には言ったわけじゃないのですよ。そういう動きがあるというふうに聞いている、新聞にもそう報道されている。 こういうことが結局廃止した直後に起きるということは、私はやはり廃止することによって値下げになる品物というものはないと思うのですね。むしろ廃止をすることによって値上げを認めるような結果になるのではないか。行政指導の上からいってもこの点はどうなのかということをお聞きしているのであって、事実、新聞の報道によりますと、業界筋によると、メーカーの最大大手である日本石油瓦斯など元売会社は、系列特約店向け仕切り価格をトン当たり四千から四千五百円の値上げをする交渉を今週あたりから開始している、それに伴い、特約店から小売店に至る流通段階でも原価計算や関係者との調整を進めているという動きが出ているということでありますけれども、このような事実はあるのかないのか、この点と、実際にこういう動きがある中で、指定物資の解除をしたということは、これは犠牲をこうむるのは国民ですから、この点についてどうなのか、その実態を明らかにしてもらいたいと思います。
○喜多村政府委員 LPGの関係でございますけれども、五月一日に標準価格を廃止いたしました。その理由は、緊急事態からもうすでにそういう事態がなくなっておるという判断でございますから、法律的な要件がなくなったということで外したわけでございます。 ただ、それ以後のLPG価格及び需給の動きでございますけれども、外しますと同時に、通産省はモニターを用いまして価格及び需給の動向について調査をされております。けさも私、通産省の方にお伺いいたしましたところ、まだその集計は上がってないようでございますが、通産省の一般的な判断としましては、現在は需給が比較的緩んでおる状態であって、価格が部分的に上がっているところもありますけれども、都市ガスとの競合関係があるところ、あるいはLPGについて競争的な関係にあるところではやや下がっているところもある、ただ、先生のおっしゃるようなところもないわけではないだろう。しかし、これははっきりわかりませんので、いま調査をしている最中だとけさも聞いたところでございます。今後、そういう事態がありませんように、ひとつ通産省にもよくお願い申し上げようと思っている次第であります。
○小林(政)委員 私は聞くところによりますと、都市ガスも、LPガスのこの指定が解除されたということで、これも値上げの意向が最近出てきているということ、これも新聞に報道されておりますのを見ましたのですけれども、こういう形で指定解除のその直後に早速この値上げの動きが出てくる。こういう問題を考えますときに、閣議の了解事項にも、物価対策に遺漏のないよう万全の措置を講ずるべきものであるということがはっきりと明記されておりますけれども、廃止の直後の値上げというようなことになりますと、これはやはり一つ問題だと思いますので、十分ひとつ調査もし、行政指導も行ってもらいたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○林(義)政府委員 お答えいたします。 いま物価局長から御答弁いたしましたように、全国的に申しましたならば、上がるところもあるし下がるところもある。むしろ私の聞いておるのは、下がるところの方が多いのではないか、上げようと思ったところでなかなか上げられない、都市ガスとの関係もございます。こういうふうなのが実態だろうと思います。 担当の通産省の方で調査しておりますから、めちゃくちゃな上げ方をするとか、あるいは先ほどちょっとお話ししましたように、協定をするとかなんとかいうようなことがあったならば、断固として取り締まっていかなければならない問題だろうというふうに考えておりますし、そうした形でこれからの対策は進めていきたい、こういうふうに考えております。
○小林(政)委員 私は、このような物価の上昇が懸念されるときに、少なくとも狂乱物価に直ちにということではございませんけれども、しかし、その時点の中で設定されました生活二法にかかわるこれらの指定物資等については、法律をただ外せばいいという問題じゃなくて、この点については今後も十分いろいろな立場から目を離すということではなく、生活物資についての価格調査官は廃止されたということですけれども、しかし、それに見合った調査を十分行っていくということがいまきわめて重要だと思いますし、またこの時期に外したということは、私は政治的にきわめてマイナスだったのではないかというふうに考えております。これは私の意見です。 次に、鉄鋼の問題に入りたいというふうに思います。公取の事務局長さんお目見えでございますね。 ここのところまた、新聞報道によりますと、新日鉄が鋼材価格八千円から九千円の大幅値上げを決定して、いま需要家との交渉に入るということのようであります。しかも、今回もし実施されるとすれば、これはもう三年間連続して値上げが行われる。これはたしか昨年トン当たり九千八百円の値上げが行われまして、そして一回にはできないということで第一次六千八百円、第二次三千円という形に引き続いて、今回また三年連続で値上げを行う。しかも、他のメーカーもこれに大体追随していくということがいままでの例からも明らかですし、今回の動きを見ましても、大体いままでと同じように追随をしていくだろうというふうに新聞などでも報道されております。 こういう点で、これはまず最初に、通産省がこの鉄鋼の動きを具体的にどのようにつかんでいるのか、その点をお伺いいたしたいというふうに思います。
○石井説明員 お答えします。 鉄鋼業界五十年度上期下期決算状況をこれまで見た限りにおきまして、上期におきまして大幅な経常赤を記録し、かつ下期に至りましてさらに上期より悪化している状況、そういう状況に加えまして、五十一年度さらにコストアップ要因が相当予想されておりますので、九月期中間決算は非常にむずかしい局面に至るというのが鉄鋼業界の判断でございます。 新聞報道でございますが、七月積みあたりから値上げをしたいというふうに鉄鋼業界が計画しておるようでございまして、その限りにおいて、その程度承知しておりますが、具体的にはまだ詳細に承知しておりません。
○小林(政)委員 そこで、公取の方にお伺いをいたしたいと思いますけれども、前回も鉄鋼の値上げの際に、非常に追随的なあるいは同調的な値上げというものが行われている可能性もあるということで、具体的に鋼材メーカー各社に調査に入られましたけれども、その調査の結果につきまして具体的にどのような問題点がその中であったのか、お伺いをいたしたいと思います。まず要点を何点かお伺いをいたしたいというふうに思います。
○熊田政府委員 昨年値上げが行われましたその内容につきまして、公正取引委員会といたしまして第一次値上げ及び第二次、これはことしの二月からの値上げでございましたが、その値上げの状況につきまして実態調査と申しますか、メーカー側及び主要なユーザー側からヒヤリングを行いました。その結果わかりました問題点は、第一次の値上げの際に公表をいたしておりますが、要点といたしましては四つばかり問題がございます。 第一は、値上げの発表につきましてメーカー側は事前に一切お互いの連絡はしておらないというふうに言っておりますけれども、値上げの仕方が各社同一の内容であるというような点で、不自然な点が残っておるということでございます。 二番目には、メーカー側は一物一価という考え方を共通の認識として持っておりまして、これを理由に値上げをしたということでございますが、これはカルテルと実質的に同じような効果を持つんじゃなかろうかという疑問が残るという点でございます。 それから三番目には、メーカー側は仮価格では受注をしないというような発言をユーザーに対していたしておるケースがございますが、これは高炉メーカーが取引上かなり優越した地位にあることを示すのではなかろうかという点でございます。 それから四番目に、この値上げは需給状況を反映していない同調的な値上げであるという点におきまして、競争原理が機能していない、そこに問題がある。こういう点でございます。
○小林(政)委員 この問題は、いま四点御報告をいただきましたけれども、鉄鋼の場合には四点とも非常に重大な問題点を含んでいるということはいままでも何回か指摘をされてきましたし、今回の具体的な動きは、通産省まだ何もつかんでいないということですけれども、今回の値上げも、恐らくいろいろとこの公取の調査結果などをある程度配慮して、時期を少しずつずらすとか、あるいは個々の品目によって値上げの時期を若干ずらすというようなことも新聞で報道はされておりますけれども、しかし、やはり前回の公正取引委員会が調査したこの四点の内容等と基本的には何ら変わらない値上げという形に走っていくのではないだろうか、このように感じますけれども、この点について、いまのようなあり方に対して政務次官、どのような御意見をお持ちか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○林(義)政府委員 鉄鋼の値上げ、私の方も通産省に聞きましたところが、まだ具体的な話は聞いてないということでございますし、再三私、申し上げていますように、物の値段というものは需要と供給の関係によって決めるのが市場経済のたてまえである。そういったようなことでございますが、鉄の問題について、先ほど調べたところ、相談はしておらないけれども、同じ値段だけ上がった、第一点です。これも事実だろうと思います。 それから一物一価であるが、その辺がカルテルであろう、こういうふうなことの問題があるという点がありました。この問題につきましては、一物一価だからすぐにカルテルであるというふうに即断はなかなかできないと私は思うのです。特にこうした大量生産商品というようなことになりますと、やはり価格というものは同じような価格になってくるというのは、市場メカニズムにおきましても言えることでありまして、最も市場経済的なマーケットメカニズムと言われるところの商品取引所なんかでやるのはやはり一つの価格になっている、ということでございますから、そこは実はなかなかむずかしい問題だろうと私は思うのです。 それからもう一つは、優越的な地位を持っている、仮価格ではだめである、こういうふうな話でありますが、この問題については、果たしてそれでは優越的な価格であるかどうかという立証もなかなかむずかしい問題だろう。特にこれは恐らく公正取引委員会の方では不公正な取引方法の中に該当するのではないかということでお考えだと思いますけれども、これは売っています相手は造船であるとか自動車であるとかというようなことで、これも相当大きな会社、企業でありますから、この辺の立証の問題もなかなかむずかしいだろう。 同調的値上げという問題が最後になりましたけれども、そういった問題があると思うのです。 こういった問題は独占禁止法上の問題としていろいろと学問的にも、またいろいろな方々から御議論のあるところでありまして、この辺をどう考えていくかというのは物価問題としての大きな政策課題だろう、私はこう思います。思いますが、現行法の体系におきましては、これを独禁法でもってどうだというのはなかなか問題もあるところではないか。これは私の方ではなくて、独禁法の解釈、運用の問題ですから、むしろ公正取引委員会でやっていただかなくちゃならぬ問題だろう。 まさにこれはこうした現代資本主義の一番大きな問題ではないだろうかというふうにすら考えるわけでございまして、当委員会でもひとつこの辺は大いに議論をし、またいろいろな御見解を賜り、また政府の方としてもこの辺の問題につきましては一生懸命に研究をしていきたい、こういうふうに考えております。
○小林(政)委員 約束の時間が過ぎているということでございますので、最後に一つ。 やはり鉄は産業の米と言われるほど実際に大きな波及効果を持つものでございますし、鉄が上がればすべてのものが関連して上がってくるという重大な影響力を持っておりますので、そういう点では減産で値上げをするなどというようなやり方ではなくして、むしろ現在低い操業度をさらにもっと上げていくという努力を具体的にさせていく。現在いろいろとコストダウンで、やれ固定費が押し上げられたとかコストアップの大きな要因にそれがなっているんだと言われているような問題も、むしろ現在六五・一%と言われている操業率をさらにもっと上げていくような努力をすることこそが、値上げをすることよりもより根本的な重要な問題ではないか。 そしてまたこのような状態の中で膨大な巨額な赤字といいますか、巨額な設備資金、これを今度五カ年間で注ぎ込んでいく。私はこれはやはりちょっと問題だと思うのです。ただ、きょうはもう時間がございませんので、その中身について触れることができませんけれども、少なくとも鉄鋼大手五社が巨大な設備投資計画を組んで、そしてそれが価格のつり上げにつながり、あるいはいろいろな問題を起こしてきている。こういう点の内容等について十分やはり論議をしなければならない問題だろうというふうに思っております。 こういった中で、具体的にいま値上げ問題が七月ごろには出されるのではないかというような動きも通産省からも答弁がありましたけれども、こういった立場の中で具体的に歯どめ措置あるいはそれに対する効率的な政策という点をどのようにしておとりになろうとしているのか。野放しなのかどうなのか、この点だけお伺いして、次の機会に譲りたいと思います。
○石井説明員 先ほどの設備投資計画でございますが、五十一年度一兆四千五百億近くの鉄鋼メーカーの設備投資計画がございます。これは今年度の特徴といたしまして、新規工事といいますものが全体のわずか五・三%という形におきまして非常に低い比率になっております。これは能力拡張というよりかむしろ供給力を維持するというリプレースの工事及び公害投資計画、第三に前々年度及び前年度からの継続工事の本格化、こういったことの事情によりまして設備資金が増大しておるわけでございまして、私はこれによって能力増加が急速に図られるということはなかろうというふうに思っております。 それから、先生御指摘のように、鉄鋼業のような装置産業におきましては、稼働率の上昇によるコスト吸収ということが最善の策でございます。われわれといたしましても、需要の回復、これは経済全体の運営と関連いたすわけでございますが、需要の回復に努めていきたいというふうに思っておるわけでございます。当面上期あるいは下期における若干の操業率アップを見込みましても、なお低操業を免れない状況に鉄鋼業が現在置かれておることは否定できなかろうと思います。その意味におきまして、現在鉄鋼業は鉄鋼メーカーが輸出の増進ということに注力をいたしておるわけでございまして、四十九年度が過去のピークでございますが、できるだけ三千四百万トン近い輸出を上げたいということで鋭意努力しておるようでございます。 ただ、これも市場的に米国の輸入制限問題あるいはヨーロッパのECにおきます輸入制限問題、いろいろ障害がございますが、できるだけそのラインでの輸出の達成を私どもも期待しておるわけでございます。そういった形によりまして操業度の改善、それに伴いますコストダウン、こういった形によってできるだけ値上げ幅を圧縮するということが、われわれとしては一番好ましい方策であるというふうに思っております。
○板川委員長 有島重武君。
○有島委員 物価指数につきまして、五十年度の消費者物価は八・八に抑え込んだ、ところが生活実感としては大体二〇%以上の物価の値上がりであったということが、これは総理府統計局から「消費生活の意識と実態について」という調査が発表されまして、これについて消費者の方々は本当にそうだというふうに言っていらっしゃるわけです。 それで、それに対して、先ほどもいろいろな論議があったようでございますけれども、総理府の統計局からは新聞広告が出まして「生活実感とのズレは、なぜおきるのでしょう」その一つは、消費者物価指数は物価全体の動きを平均したものであるということを認識いただきたい。消費者物価指数はこんなふうに計算されるのですから、このことを知っていてください。ズレを感じる原因というのは物価全体の動きを値上がり品中心に見ておられるせいではないでしょうか、あるいはズレを感じる原因の二つは、物価の動きと生活費の動きを混同していらっしゃるのではないでしょうか——これは細かく言うと議論の余地は大分あると思うのでございますけれども、そういったPRがなされておる。先ほど林政務次官からのお答えも大体この範囲であったかと思うのですけれども、政府の方としては、特に経済企画庁としては、これに対してどういうふうに対処していらっしゃるのか、対処なさろうとしていらっしゃるのかということを、もうちょっと詰めさせていただきたいと思うわけであります。 林政務次官の先ほどのお答えでは、これは少し長い時間をかけて検討させてもらいたいというようなことでございます。その長さですけれども、大体そのめどはおありになるのか。まさか、この場ではこう言っておかないと引っ込みがつかないからということではないと思いますので、大体どのくらいのめどでいらっしゃるのか、最初に承っておきたいと思います。
○林(義)政府委員 検討すると申しましても、この問題は総理府の統計局の発表、また最近は東京都からも何かそういうようなお話が出ているようでありますけれども、前からこの問題はある問題であります。指数というようなきちっとした理論的なものと実感はどういうふうな形で表現するかは、私はおのずから別の問題であろうと思います。それをどういうふうにしてやっていくかというのを考えてみなければならないということを私、申し上げたわけでございまして、これは何らかの方法でそんなに時間をかけなくてもやろうと思ったらできないことではないだろう、私はこう思うのです。 ただ、いまの段階と過去の段階といろいろと比較してものを申し上げなければなりませんから、もしもやろうとすれば時間がかかる、またそれを発表するのが果たしていいのかどうか、そんなことをやったところで意味がないではないという御議論もあるでしょうから、その点も含めて検討してみたい、こういうことを私は申し上げているわけであります。 だから、特に一カ月以内とか半年以内ということはいまのところ考えておりませんけれども、そういうふうなことで考えてみたらどうだろうかということを、私、先ほど申し上げたような次第でございます。
○有島委員 いまのお答えでは、どういうことを言っていらっしゃるのかわかりにくいわけなんですけれども、政府が物価安定をいたしますと言って努力をなさった。それは国民生活を安定することが目的であったのではないかと思うのです。ここで物価は安定したというたてまえにはなっているのだけれども、国民生活は安定しておらなかったということが一つの実態であると言わざるを得ないと思うのです。これはお役人さんの数字の上ではこうだという話とは違って、物価安定が生活安定とストレートにつながるかつながらないか、こういった問題になるわけですね。 実を申しますと、私は文教委員をやらせていただいておりますが、先日文部省の方から「わが国の教育水準」というレポートが出ました。これを拝見いたしますと、世界に誇るべきほど日本の教育水準は上がったわけなんですね。いろいろな指標が出ております。ところが、日ならずして、今度はあるところから学力ががたんと下がったという発表が出ました。特に小学校、中学校の児童生徒の計算能力あるいは国語の力が非常に落ちている。しかもそれが小学生の五年生段階よりも、同じようなテストをしてみても中学生の方がさらに落ちているというような、これは水準は上がったけれども学力は落ちたということがあったわけでございます。それについて文部省の方では、そういうことは私たちもかねてわかっておったというようなことを言って、だからこういう手を打っているのだというようなことを言っております。こちらの方では、物価は安定したはずなんだけれども家計は安定しておらない、こういう問題がたび重なって、いまのようなお答えが続いておりますと、これは政治不信につながると私は憂えるわけです。だから、何らかの工夫をしなければいけないのじゃないか、こう申し上げたいわけなんですよ。 そこで、さまざま研究していらっしゃると思うのですけれども、西ドイツなんかでは五種類の物価指数を出しているそうですね。政務次官はヨーロッパの御経験は大変長いようだから、そういったことも何か研究さしていらっしゃるか、その点はいかがでございましょう。
○永山説明員 お答えいたします。 西ドイツの指数は承知しております。私たちの総理府統計局でも、御承知と思いますが、標準勤労者世帯、夫婦と子供二人の世帯についての指数及び所得階層を五つに分けましたいわゆる五分位階層別の階層別物価指数とを試算しております。
○有島委員 先ほど経済企画庁からの公式的なお答えなんでしょうけれども、生活実感と言われるものは主観的なものである、指数というものは客観であるということなんだ。これはそうなんでしょう。ところが、客観と言われるものには、客観の一つの基準があるわけです。ある基準に照らしてこうだと言っているのですね。では、生活実感の方は何に照らしているのだということを、もう一歩踏み込んでいくことは十分できるわけでしょう、それを主観だと片づける前に。わが国では五分位というような生活階層に分けてこれも数字としては出ているわけでありましょう。最近数年間、昭和四十五年から五十年のエンゲル係数を見ましても、第五分位の方は昭和四十五年が二七・八であったものが五十年には二一・七というふうに、エンゲル係数に関する限りは大変楽になっていると思います。ところが、第一分位の方は、昭和四十五年が三七・九であったものが五十年には四一・一になっているわけです。こういう食べる物についてかなり厳しい状況に追い込まれているのだという、これも一つの係数でございますから、実感とはほど遠い面が少しあるかもしれないけれども、先ほど政務次官のおっしゃった、食い物よりも先にレジャーの方が詰まっていく程度ですよというような御認識とは、数字の上でちょっと違うわけですよ。教育費もかなりのウエートがかさみつつある方向にあることも御承知かと思います。そういう中にあって、私はこれはどうにか考えろという御提案を申し上げなければならないことに今度はなってしまうわけです、そちらからお答えが出ないから。 実は昭和四十五年のときに、あの物価指数の計算の仕方を組みかえたということがございましたね。あれはそれ以前の仕方を全部消滅してしまって、それでもって四十五年を一〇〇にしたわけです。だから、新しい物価指数と古い物価指数とがどんなふうな兼ね合いなんだか、ぼくたちには全然わからなかった。だから、政府が都合のいいように物価の指数を組み立ててそれでもってごまかしたのじゃないかという世論がごうごうと沸き上がったときに、ぼくたちはそれを、いやそうじゃないのだということを説明しにくいわけなんです。 そこで、この委員会の席上で、もし昔の計算の仕方でやれば幾らになるのか、それがいまどうなるのかということを一年、二年おやりになってパラレルに並列して御発表になることができませんかということを申し上げた。そうしたら、それはできないことではないけれどもと言って、ついにおやりになりませんでした。コンピューターがあるわけですから、そんなことはやろうと思えば何でもないことだろうと思うのです。今度も、じゃ生活実感に合うような物価指数にやりましょうと言っても、これはまたいろいろな生活があるわけだから、そんなことは本当は理論上も不可能でありますとおっしゃる。しかし、ドイツのやり方のように、幾つかの物価指数をパラレルに発表する、これは非常に親切なことでもあり、それで、政府はそんなこと言ったって政府の言うことは当てにはなりませんよというような絶望感、無気力感というものを少なくとも防ぐ効果はあろうかと思うのです。そういうようなことをお考えになったらいかがか、これは早速にもお命じになって仕事をお始めになったらばいかがか、そう申し上げたいわけだ。どうでしょう。
○永山説明員 お答えいたします。 四十五年のときの改定でございますが、御承知のように、昭和四十年から四十五年までかなり消費構造が変わってまいりまして、古い消費構造のまま指数を計算することはだんだんバイヤスが出てくるということで改定をしたわけでございまして、今度の五十年も、そういう意味で四十五年の消費構造とかなり変わってきている。したがって、古いウエートを続けることがどうも実態に合わなくなっているから変えるわけでございまして、あえてその指数を低くするとか、そういう意図ではございません。 それから、新旧両指数の比較ができないというお話でございますが、四十五年の改定のときに、たしか四十六年の十月に改定指数を出しました。そしてさかのぼりまして四十五年の一月から、新指数と旧指数があわせて一年十カ月の間出ているわけでございます。この二つをお比べいただきますと、新旧指数がどういう性格のものかわかると思います。 それからもう一つの西ドイツの例をお引きになりました。いろいろな指数をつくれというお話でございますが、西ドイツの指数も、別に実感を考えての指数ではございません。 それから、先ほどのお話にございました統計局の消費者意識の問題の調査でございますが、これは実感で幾ら出ているかというのが調査の目的ではございませんで、その実感と指数が一体どういう原因でずれているかというところが目的でございまして、あのリポートをお読みいただけばわかりますように、それぞれの実感との食い違いが一体どこから起こるかということがかなり実証されたわけでございます。 そこで、今度の改定に当たりましていろいろな指数をつくれというお話でございますが、先ほど申しましたように、すでに試算しております勤労者の標準世帯の指数、それから所得階層別の指数、それは続けてやっていく予定でございます。
○有島委員 政務次官にちょっとお話ししたいのだけれども、物価指数を発表するその目的は何ですか。
○林(義)政府委員 お答えいたします。 消費者物価は、やはり消費者物価につきまして国民はどういうふうに考えているか、みんな経済の問題は大変心配しているわけですから、それでそれを指数にして発表しますし、卸売物価につきましては、卸売物価がどういうふうになるか、これもやはり大変な国民の関心事でございますから、それもやはり発表する、こういうことでつくっておるわけでございます。また、それで発表しておるわけでございます。
○有島委員 年を追うごとに国民の生活形態が変わっていく、だからそれは組みかえる、それはいま御説明があった。そういうことはいいのです。いいのですけれども、その根拠がよくわからないということがある。だから一生懸命わからせようとここでPRしていらっしゃる。わからせようというのに、こんな説明を見てまたわかるという人はなかなか得がたいことではないかと思うのです。これを試しに中学生の方でも高校生の方でも、もう一遍説明してごらんなさいと言ってもできません。特に主婦の方にこれを見せて、一日でも二日でも置いておいて、説明してくださいと言っても、恐らくできません。だけれども、昔流にいけば何%よ、今度のやり方では何%よというようなこと、あるいはもう一つは、国民生活が非常に多様になっているということですね。さっきの第一分位から第五分位までございますね、うんと多様になっているものを、またこれを全部でもって割り算して、どこにも通用できるような大体の指標をつくりましょうというのは、それは政府にとっては経済運営のためにある程度役に立つかもしれません。だけれども、それも大変偏ってくるおそれがあるのじゃないかということを、それは第一分位の方々も心配するでしょう、それから第五分位の方々もまた別な心配をするわけですよ。両方が偏っているというふうに思うわけです。 ですから、ドイツがやっているようなやり方は、これは完全ではないにせよ、大変行き届いたといいますか、親切心がある。で、やはり目的というものを多少考えてやっておるというようなことがぼくにはうかがえるように思うんだけれども、林さんはどうお考えになりますか。
○林(義)政府委員 ドイツは五分位で所得階層別に分けているわけでございますけれども、やはりその方が一本で出すよりは何か親切なように見えると思うのです。しかし、それが果たしていま先生の御指摘のような問題となるかどうかということになると、これはまた別の問題があるだろうと私は思いますし、発表の仕方、いままで伝統的にずっと消費者物価幾ら、卸売物価幾らと、こういう形でやっておりましたから、それを中心にしていろいろ物を考えていくという癖がついておるわけであります。これを一遍で変えると、今度はまた何かやると、またこれでごまかしたのではないかとかなんとかいう話にもなるかもしれませんし、その辺の発表の仕方だろうと私は思うのです。ですから、その辺は少し考えてこれからやっていかなければならない。五分位の方も公表しておりますから、私の方は別に隠してやっているとかなんとかいうことではないのです。ですから、それをどういうふうに使っていくかというところにむしろ問題がある、発表の方法の問題ではないだろうかというふうに私は考えます。
○有島委員 これは考えてください。考えさしてください。さっき、長い間かけてやりますというようなことをちょっとおっしゃったけれども、もう少し踏み込んでやっていただきたいと思うのです。それでいままでのものを御破算にしろと言うのじゃないのです。いままでのはいままでので、それはなくなってしまうとこっちもまた非常に混乱してわからなくなってしまうわけですよ。 それから、それに関連いたしまして、政府の新五カ年経済計画、これは通称らしいけれども、正式に言うと「昭和五十年代前期経済計画」、これはサブタイトルが「安定した社会を目指して」というこの計画が閣議決定をされたわけでございますね。この中で、消費者物価がこの五年間平均六%台、こういうわけです。これは六%台ということは七%以下ということなんだろうけれども、五年かかって四〇%程度大体上がる、そういうような計算になるつもりでやっていらっしゃるのか。これは素人が思いますと、平均六%なんだから、五年間で三〇%アップということかというようにぼくたちはつい思いたい。その目標が一〇%も——これはどっちなんですか、まず聞いてみましょう。
○宮崎(勇)政府委員 お答えいたします。 先週の十二日に経済審議会から答申がありまして、十四日に閣議決定されました昭和五十年代前期経済計画における消費者物価の目標は、今後五十一年度から五十五年度の平均上昇率を六%台に維持し、最終年度までに六%以下にするという計算でございまして、中間年次については不確実要因が内外にございますので、計算はいたしておりません。したがって、六%というのは年間の平均というふうにお考え願いたいと思います。
○有島委員 林さん、こういうわけなんだ。主婦が心配して、われわれも心配するが、いまの千円札が幾らになっちゃうんだろうということを心配するわけです、五年たつと。いまの話じゃ、ちょっとわからないのですよ。千円札が七百円程度になるのか、六百円程度になるのか、一体どっちなんですか。
○宮崎(勇)政府委員 六%台でございますので、毎年の変化率によって最終年次の水準というのは当然変わってくるというふうに考えられます。
○板川委員長 だから、幾らになるのか。
○宮崎(勇)政府委員 何十%という数字では表明できません。
○有島委員 できるんでしょう、これは複利計算すれば。
○宮崎(勇)政府委員 複利計算で、六%ずつでやりますと、計算はできるわけでございますが、五十二年度が何%になり、それによって違うわけでございます。
○有島委員 それじゃ、一番ひどい場合には、それがぎくしゃくして一番ひどくなると、千円札が五百円札になるとか、うまく運営すれば同じ平均六%でも八百円になるとか、マキシマム、ミニマムはあるわけでしょう。計算できるわけでしょう、ここでもって。 ざっとこういうわけなんだ、生活実感というのは。初めはわからないのですよ。わかるように親切にやりなさいということなんですよ。いかがでしょうか、林さん。
○林(義)政府委員 いま局長からちょっと御質問とは必ずしも合っていないようなお話をいたしましたが、私は先生の御指摘の七百円か六百円か、大体その辺だろうと思うのです。そう食い違ってこれが九百円になるとか五百円になるとかいうような話ではないと思うのですよ。だから、むしろそういうふうな形でこれから経済運営をやっていくんだというのが今度の計画の基本だろう、私はこう思います。これは、それじゃあと下げるとかなんとかいうことになりましても、なかなか経済運営としてはむずかしいんじゃないかということを逆には言っている。しかしまた、それ以上には上げない、こういうふうなことを言っているのが今度の計画だろう、こういうふうに考えております。
○有島委員 時間がないからこれでやめますけれども、きょうは本当は野菜の問題を一番やりたかったのだけれども、いまの物価指数、何のために発表するのですかなんて、ぼくは意地悪みたいに言ったわけじゃないんですよ。それで生活者側といいますか、主婦側もその物価指数を見て、これからの生活設計のやはり指針にしていきたいというところがあるわけですよ。それがいま大体二〇%程度のものであろうというようにおっしゃいましたけれども、計算の仕方によっては四〇%にもなっちゃうんですね。そういったおそれもあるんだということですよ。その辺のことを何だかぱっぱっと言われて、これがわからないやつはばかだと、そんなふうに非常に、何というか権柄ずくという言葉が昔あったけれども、そういうふうな印象を受けるわけです。物価指数についてもそうなんです。だから、考えなさい、そう申し上げているわけです。おわかりいただけたかしら。
○林(義)政府委員 大分時間がありませんから、またいずれゆっくり先生からお話を聞かしていただきたいと思いますが、確かにそういった御指摘のような問題もあります。 ただ、先ほど来議論をされているところは、もう一つ私、別の問題があるというのは、繰り返して申しますけれども、理論的な問題と実感の問題というのが違うんだという問題もあると思いますので、この辺も含めてひとつ御議論をいただければありがたいと思っております。
○有島委員 確かに理論的にと言う、私は直観的ということ。実感はすなわち直観、直観はすなわち主観的であって客観的ではないというような、それが論理の飛躍だと思っているわけなんですよ。いまも五カ年計画平均六%というのは、千円札が一体どういうふうになるんでしょうかという大ざっぱなことなんだけれども、それはきわめて理論的な話なんですよ。客観的な話なんですよ。政府が何か言ったとおりでないと、それはみんな生活実感、これは主観だ、こういうふうに言われちゃ困るというわけ。物価指数の問題も同じであります。 終わります。
○板川委員長 次回は、明後二十日、木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会