P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
77回国会衆議院1976/04/27

物価問題等に関する特別委員会 第3号

発言数
75
登壇者
6
会派数
3
開催日
1976/04/27

会議録

板川正吾日本社会党

○板川委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際、澤田公正取引委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。澤田公取委員長。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 澤田でございます。この月初め、委員長を拝命いたしました。何分ふなれな者でございますが、全力を尽くして使命達成に邁進いたす所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

板川正吾日本社会党

○板川委員長 質疑の申し出がありますので、次これを許します。和田貞夫君。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 新しく委員長に就任されました澤田公正取引委員長に対しまして、新委員長としての独禁政策の進め方についての決意と独占禁止法の改正に対する御見解を承りたいと思うわけでありますが、今日ほど独禁法を運用する公取委員会の姿勢というものが大切な時期はないと思われるし、国民の皆さんの公取委員会に対する期待というものはまた非常に大きなものであろう、このように考えるわけであります。  したがって、そのような見地に立ちまして委員長にまずお聞きいたしたいのは、委員長が就任されて早々に記者会見をされておるわけでありますが、その中で、委員長の決意なりあるいは独禁法に対するところの考え方を若干述べておられるわけです。私は、この委員長のその際の記者会見の内容を新聞紙上で拝見いたしまして、若干言っておられることが相矛盾しておる感じのしている個所があるわけでございますので「その点、時間の関係もありますので、端的にお聞きしたいと思うわけであります。  独禁法のこの改正につきましては、三木内閣は誕生以来執念を燃やしておられる、そして紆余曲折があってようやく昨年の七十五国会で政府案として提出された。しかし、あなたの前の委員長である高橋さんの当時に、政府案以前に公正取引委員会の改正試案というものが出された、その改正試案よりもかなり後退をした政府案であったと思うのです。その政府案でありましたが、私たちとしては、やはり不十分であるということを感じながらも独禁法の強化のためだということで、与野党が最小限ぎりぎりいっぱいの修正を含めて七十五国会で全会一致で衆議院を可決、通過した、こういう経緯は新委員長、御存じのことだと思うのです。したがって、委員長の就任の言葉の中にも、与野党が一致して衆議院で修正可決した独禁法の改正案、そのことについては尊重するということを言われておるわけです。尊重するということと、今回自民党の独禁法調査会の最終案をもとにした政府案が間もなく決定されて国会に提出されようとしておるわけですが、それをまた成立させてほしいというように言っておられる。前段と後段が相矛盾する、一致しておらない、そういうように思うのですが、その点についてここで改めて委員長の方から見解をお聞きしたい。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 お答えを申し上げます。  現在までの独禁法改正の経緯は、いま先生がおっしゃいましたとおりに私も一理解をいたしております。七十五国会におきまして、共同修正の結果、衆議院において全会一致で可決されました改正案、これにつきまして公取委員会といたしましては、そういう事実及びその可決された案というものを尊重するのが当然の筋でございますし、そのまま通過してほしいということは私どもの念願でございます。しかし、御承知のように、これが廃案と相なりました。その後与党の方ではいろいろな意見の再調整をいたしましていわゆる山中試案というのが示されたわけで、伝えられますように、その山中試案によりまして政府はさらに改正案を新たにつくってこの国会に提出される、こういうふうに伺っておるのでありますが、私どもといたしましては、その山中調査会の過程におきましても、またそれに基づいて政府が原案を作成する時期におきましても、極力私どもの希望するところを反映していただくように努力を続けてまいった次第でございます。  しかしながら、伝えられますように、独占状態の排除に関する規定等重要な点が落ちておる、削除されたということでございますが、先生御指摘のように、前の案よりもさらに後退したではないか、これはまことに残念ながらそのとおりでございます。ただ、実際に独禁法を運営し現実に経済の変化、重要な問題に対処いたします私どもの念願といたしましては、これでもひとつ通してほしいというのがいわばせつない心情でございます。独禁法三十年の歴史を振り返ってまいりますと、いわば後退の歴史でございます。ここで初めて、前委員長の情熱もございまして、その後退に歯どめがかかった。それで少しでもまたそれが強化される。少しと申しましても重要な点がたくさん盛られておるわけでございます。そういうことでございますので、私どもとしては、ぜひ、伝えられる案におきましても、国会において御審議の上御通過さしていただきたい、こうこいねがっておる次第でございまして、一見その気持ちに矛盾があるかのように御指摘いただくことはある意味ではやむを得ないのでございますけれども、私どもの考え方の心情と申しますかは、いま申し上げたような点にあることを御了察願いたいと存ずる次第でございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 いまいみじくも言われたように、独占的状態に対する措置に関する規定、これが削除されておるということについては、記者会見でも、まことに残念だ、こういうようなことを言っておるわけですね。やはり前の国会で政府案が提出されて、そして与野党が一致して修正可決したというこの経緯、何としてもあなたが残念だと言われたこの構造規制という一つの柱、この柱がなくなってしまったということは残念だという言葉の表現ですが、私は大きく後退した、七十五国会で修正可決された内容と今度の山中試案というのは、これは大きく後退しておる。だから、片方で、五党が一致して事を運んだということについてはこれはもう十分尊重しなければいかぬということを言っておられながら、やはりある程度前進であるからというこの評価の仕方、これはどうも私どもとしては素直に受けとめることはできないのです。しからば、あなたが五党修正案によって七十五国会で可決された改正案、これを尊重するということであれば、やはり山中試案については後退をしておるというようにこれは受けとめておられるわけでしょう。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 先ほども申しましたように、構造規制と申しますか、独占的な状態の規制に関する重要な規定が落ちたのでございますから、七十五国会におきまして衆議院で可決されました案に比べて後退をしておることは、私も残念だという表現で申しましたとおり認めておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 そうすると、あなたの姿勢にもなってくるわけですが、残念だけれどもとりあえず通してくれ、こういうことよりも、たまさか衆議院で可決された昨年の国会から今日に至るまで、これは院の構成というのは全然変わっていないのですよ。そのまま踏襲しているわけです。衆議院も参議院も院の構成というのは、選挙がなかったわけですから、そのまま続いておる。内閣も三木内閣として閣僚の一人もたまたま亡くなられた建設大臣がかわられただけのことであって、閣僚の一人がかわられただけのことであって、三木内閣としてはそのまま踏襲しておる、何の情勢の変化もないわけです。したがって、われわれとしては衆議院で可決したこの改正案、これをもう一度——衆議院では自民党さんも、与党も含めて可決したわけですから、情勢の変化というものは全然ないわけだから、五常があの可決した時点にさかのぼってその修正案をもう一度、衆議院で政府の方が出さないということであれば、議員立法の姿で出そうじゃないかということでいろいろと話し合いをした結果、自民党さんの方は与党としてはそれはできないということでありますので、野党四党の共同提案でこの国会で提案されておるわけです。尊重するということであれば、山中試案をぜひともこの際通して成立をしてほしいということを希望するのではなくて、野党四党が共同提案をしている、何ら条件が異なっておらないわけでありますから、七十五国会で修正可決したその案を通してもらうように何とか努力してほしい、こういうように言われるのが筋じゃないですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 国会御審議の問題でございますけれども、御審議の結果、現在継続審議になっておると聞いておりまする野党御提出の改正案が通りますことは、私どもの従来からの希望といたしましては、この前衆議院で可決されたそのままの私どもが希望した案が通ることでございますから、それは私大変結構であると存じます。その点については決して否定をいたしておるわけではございません。  ただ、先ほども申しましたように、政府においてさらに修正した案を出す、それが前の野党の共同提案とどういう関係で御審議なされますのか私よく存じませんけれども、それでも山中試案に基づく案でもこの際は通していただきたい、こういう意味で申し上げた次第でございまして、その辺御了察願いたいと存ずるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 その辺が私はどうも一気に食わぬ。山中試案を通してくれということよりも、野党四党の共同提案によるところの改正案を通してくれ、こういう発言に変えることが、あなたの前段で言っておる、昨年の七十五国会で五常が一致して事を運んだというこのことを尊重するということになるのじゃないですか。後退をしておるということはお認めになっておられるのでしょう。後退をしておるということをお認めになっておられるのに、ことさらに後退をした案が成立することを願っておるというようなことであれば、公取委員会として国民の期待にこたえて事を運ぼうとされておる委員長の姿勢自体が高橋前委員長よりも後退をした、こういうことに国民が受け取りますよ、そうじゃないですか。山中試案が成立するということを期待するというのじゃなくて、尊重するのであれば、野党共同提案によるところの改正案が何とか成立するように努力してほしいということを政府にも与党にも、あるいはあなたの考え方としてそのことを国民の前に明らかにする、こういうことがあなたの言われておる、前委員長から継承して公取委員会はやはり国民の側に立ってがんばるのだという決意のほどになるのじゃないですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 先ほど来申し上げておりますように、私どもは前に衆議院で可決されました案、これの通過を心からこいねがっておるのでございまして、国会の御審議の結果そういうことになりますれば、これは私どもとしては最も希望にかなりものでございます。それは当然の前提として実は申し上げておりました結果、言葉が足らなくて御指摘のようなおしかりを受けるということになったかと存じますが、それが御審議の結果できなくてもという意味で先ほどから申し上げたような次第でございまして、前の案が通りますということは私ども最も希望するところでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 それじゃ、山中試案というものは絶対的なものでないということですが、その点は記者会見では話されておられないのです。いま言われたわけです。  そうすると、やっぱり山中試案が最終案、政府案となってきても、そのことよりもウェートのかけ方としては、野党四党が共同提案しておるその改正案を通してもらう方が委員長としては希望しておるんだということですね。もう一度言ってください。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 繰り返して申し上げますが、公正取引委員会の態度といたしましては、前回衆議院で可決されました案、これの通過を希望しておりましたことは明白でございまして、これについては、私、就任前からも就任後も当然の前提としてお話を申し上げておるというふうに考えますので、今国会におきましても前案が通過いたしますことをこいねがっておるということははっきり申し上げて差し支えないと存じます。  ただ、それが通過しない場合でも、一つ落ちたから全部だめになるんじゃない、ここで一歩でも前進するという気持ちをつけ加えて申し上げておきませんと、われわれのせつない気持ちと申しますか、これが御理解いただけないかと存じてああいう発言をいたしておるわけでございまして、その辺も御了察願いたいと存ずる次第でございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 時間がなんですからどうかと思いますが、やはりあなたの方は提案権がなくても、もちろん政府の方が、内閣の方が提案権があって提案してくるわけですが、提案をされるまでに、きょうはもうすでに閣議決定するというようなことも仄聞しておるわけですが、自民党さんに対してあるいは政府に対してあなたのお考えというのを、就任後かなり時日が経過しているわけですが、そういういまのお気持ちによって働きかけられたことはありますか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 いわゆる山中調査会でこの問題を取り上げましてからも時間がございます。それが政府に提示されて政府が法案作成にかかったわけでございますが、その両方の経過におきまして、公正取引委員会といたしましては私が就任前も就任後も極力委員会の意向を反映してもらうように努力をし続けてきたのでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 やはり希望するのであれば、提案をされた後もなおそのように野党の共同修正案が成立するように努力すべきと思いますが、公正取引委員会としてそのような努力をされるというお考えはありますか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 委員会といたしましては、前回の案と、今度もし政府から新しい案が提案されれば、両方恐らく国会で慎重に御審議いただけることと存じますけれども、その審議について私どもいまどうこう申し上げる段ではございませんが、われわれといたしましては、前回の案を尊重し、それの成立をこいねがってきたんだが、やむを得ず新しい案がまた提案されたという感じでございますから、前回の案が成立いたすことを希望していることは変わらないのでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 希望しておるのであれば、それなりの努力をさらに続けてください。  私はさらに、あなたがその記者会見の発言の中で、いまも私申し上げましたように、基本的には委員長がかわっても前高橋委員長の独禁政策を継承していくんだということを言われているわけです。高橋委員長は毅然たる態度で独禁政策を強化する、こういう見地に立って、産業界からいろいろな苦情があったり、抗議があったり、攻撃があったりするようなことがあっても、それに屈することなく、独禁政策の強化という独禁政策の本流を定着さすために努力をされたということ、これは内外ともに評価しているわけです。ところが、あなたがそういう高橋委員長の考え方というものを踏襲していくんだということを言われながら、独禁法の運用については産業界と接触を深めていって、そうして話し合いを進めていくんだというようなことをまたつけ加えて言われておる。そうすると、何か高橋委員長のようなことじゃなくて、かなり柔軟性を持って産業界とも話し合いをしていくというような表現の中では、どうも公正取引委員会としての独立性を堅持するんじゃなくて、何か内閣あるいは外部の圧力に屈したというふうにあの発言では感ずるわけです。そういうようなことでは、いかに部分的に多少の独禁法の改正が——あなたがいまいみじくも言われているように、五党の改正案が最も好ましいんだけれども、それがだめであれば大きく後退した山中試案でもなお前進だというような評価の仕方をされるのと同じように、そういうようなことでは、私たちが危惧するところでは、今後のあなたを長とする公正取引委員会の独禁政策の進め方については、効果、期待というのがどうも薄れるように思うわけなんですが、その点はどうですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 ただいま前委員長にお触れになりました。高橋前委員長とは私、親しい仲でございまして、彼が独占禁止法の運用に傾けた情熱には非常に敬意を表しておるわけでございます。  独禁法の運用は一つの行政行為でございまして、これは申すまでもなく、国民生活に非常に関連の深いものでございまして、一貫した方針で運用を図るべきことは当然でございます。委員長がかわったからと申しましてその方針が急に変わるというようなものでは毛頭ないのでございます。私も厳正な運用に努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。特に、委員会は合議制の体制でございます。その特徴を生かして厳正な運用に徹してまいりたいと存ずるわけであります。 御指摘の新聞報道等によります財界との対話というような点、御懸念のようでございますが、私の行き方としては、同じことをやるにしても、よく実情を把握して、各方面の話をよく聞いて事を決してまいりたいと思うだけのことでございまして、新聞には産業界というような面だけが取り上げられて大きく報道されましたので、御指摘のような御観察もあるいは御懸念もおありかと思いますけれども、私は国民各界各層とよく話し合いをして、そうして国民全体の希望なりを把握した上で事を処理してまいりたい、こういう趣旨で申した次第でございまして、前委員長の方針を踏襲して厳正に運用してまいるということには少しも変わりございません。以上お答えを申し上げておきます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 独禁法の二十八条で「委員長及び委員は、独立してその職権を行う」ということで、公正取引委員会の事務局とは別に、委員長、委員というのは、何物の圧力にも屈しないで、自分の権能が保障されているわけですね。したがって、やはりあなたの考え方というもの、公正取引委員会が国民から期待を受けておるということを新委員長として——いま私が二つの点を指摘しましたように、あの一日のあなたの記者会見の内容を見てみましたら、どうも公正取引委員会自体が独禁政策については後退をする、前委員長の当時よりも公正取引委員会の機能というものが後退していくんじゃないか、こういう危惧を持っておられるんじゃないかと私は思うのです。先ほども申し上げましたように、あくまでも独禁政策の強化という立場に立って貫いていかれるのであれば、独禁法のこの改正に当たりましても、衆議院におきまして五党が一致しているわけですから、五党が一致をして修正可決をして、そして参議院に送った。事の一回も参議院の商工委員会では審議してないんですよ。事の一回も審議をしないで、会期の幕切れで葬り去られて不成立に終わっておる。しかも、先ほど申し上げましたように、院の構成というのは何ら変わってない、内閣の構成も何ら変わってないということであれば、これはあなたに言うべき筋合いじゃございませんが、政府与党の自民党さんも一致して賛成したのですから、やはりあなたが尊重すると言われたそれが最低の基本にならなければいかぬ。したがって、そういうことであれば、四党の共同提案が通らなければ山中試案でもいいんだというようなことじゃなくて、やはりこの五党の修正可決をしたあの時点での改正案を尊重するということであれば、四野党が提案をしておるところのこの改正案、これを是が非でもこの国会で成立させる努力をわれわれもしたいと思いますし、あなた自身もそういう方向でさらに努力してもらう、こういう決意のほどが示されないとわれわれ納得できません。その点最終的にもう一度ひとつ決意のほどをお聞かせ願いたい。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 先ほどから繰り返して申し上げておりますように、前国会の衆議院で可決されました案が成立いたしますことはわれわれの最も希望するところでございまして、いままでもそれに努力してまいりましたし、今後も努力してまいりたいと思いますが、ただ、繰り返して申しますように、一つ落ちたから——それは重大な問題ではありますけれども、ゼロになるというのは、われわれ実際の実務を担当する公正取引委員会としてははなはだ悲しいことである。だから、国会の御審議の経過においてはどうなりますか、これは私どもの存ずるところではございませんけれども、もし前回の案が通らないにしても、あれだけでもせめて通してほしいというそういう希望、これがあるということは、決して前の案の通過を軽んずることでは毛頭ございませんけれども、その点はひとつ御理解を願いたいと存ずる次第でございます。  それともう一つ、独禁法の運用についての姿勢についていろいろと御懸念のようでございます。これにつきましては、今後の私なり私どもの実績をごらんになって御批判をいただく以外にここでいろいろ申し述べても仕方がないことでございますが、よろしく御鞭撻をお願い申し上げたいと存じます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 時間が参りましたので終わらせていただきますが、国会の期待するところが大きいわけでありますから、いま最終的に述べられたように、きょうは初めてでありますから、ひとつあなたの御活躍を大きく期待したいと思います。  以上で終わります。

板川正吾日本社会党

○板川委員長 小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 新しく公取委員長に就任をされました澤田さんに、私はきょう具体的な内容についてお伺いをするということよりも、今後の政治姿勢と申しますか基本姿勢といいますか、この点を中心にお伺いをしたいというふうに思います。  まずお伺いしたい点は、最近、経済活動に占める大企業の比重というものがきわめて増大をいたしております。したがって、大企業の生産、販売などが大変大きな部分を占めている、こういうことが一つの市場支配の力ということにもなりまして、企業の巨大化だとかあるいはまた最近では一層集団化の傾向というものも強まってきています。こういう独占的な力を行使する企業が価格を決めますと、それに同調して、結局、協調的な行動をとる企業が一斉にそれに見合った価格の引き上げをやる、こういう現象が非常に大きな問題になっていることは澤田公取委員長も御承知だと思います。この問題が結局は、結果としては価格をつり上げていく、あるいは下方硬直性と申しますか、こういったものにつながって価格そのものを直接つり上げていく大きな原因になっている。したがって、消費者団体の人たちなどもこの問題を非常に重視いたしまして、独占禁止法の改正の問題も、強くそこに焦点を当ててこられたわけです。  そういう独禁法適用の強化を望んでいる国民あるいは消費者の立場にこたえるという形で、前委員長もそれなりに公取試案を発表したり、あるいはまた鉄鋼業界の調査にも足を踏み入れたりという形で、ある程度積極的な姿勢を示されてきたわけですけれども、今後の独禁法の運用という問題について、高橋前委員長あるいは国民が期待しているこういったいままでのあり方を具体的にどのように進めていかれようとしているのか。私は国民が期待を持っておりますそういう立場に立って、澤田委員長も新しく公取委員長としてこれらの点に今後どのように取り組んでいかれるのか、この点をまず第一点としてお伺いをいたしたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 現在は非常にむずかしい経済状態にあるわけでございまして、そういうときに委員長を命ぜられまして、その責任の重大性を痛感いたしておる次第でございますが、ただいま御指摘のような独占禁止法上問題となる事項が数々ございますそういう状態に対応いたしまして委員会の姿勢というものは、前委員長時代と少しも変わっておりません。厳正に法の運用を図ってまいりたいという決意でございます。  ただいま寡占の問題その他お触れになりましたけれども、いわゆる寡占状態の規制というようなことにつきましては、現在の独禁法では適確にこれに対応し得る規定というものはむずかしいのでございます。しかしながら、われわれとしては現行法を可能な限り運用いたしまして、そういう事態の解明に努力を続けてまいりたい。一例を申せばそういうことでございますが、全体として法の厳正な運用に努力してまいる決意であることを申し上げておきます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 具体的に独禁法の改正案が本日閣議で決定されたということを聞きましたけれども、独禁法のこの改正案、これがいままで新聞等でもいろいろと報道されておりましたし、ただいまも論議がされておりましたけれども、私は、昨年五常が一致した案から見て、これはもう明らかにそれをほごにしたものであり、後退をしたものであると言わざるを得ないと思います。少なくともあの昨年衆議院で可決をされた内容が、国民の立場から見ても、必要最低限である、ここから出発すべきだというふうに私たちは当然考えておりますけれども、本日閣議決定されました独禁法改正案、公取委員長のそれに対しての率直な見解をひとつお聞かせいただきたいと私は思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 公正取引委員会といたしましては、先ほど触れましたような寡占化が強まる、あるいはカルテル的傾向の強い日本の経済社会状態等にかんがみまして、独占禁止法の強化が必要であるという立場を強く維持しておるのでございます。そういう観点から申しましても、前回七十五国会、衆議院で可決されましたあの案が通過しますことをこいねがっておったのでありますし、現在もその気持ちに変わりはないのでございます。  国会の詳しいことは私も存じませんけれども、先ほどのお話しのように、参議院でこれが廃案に相なった。しかし、その後与党におきましてもいろいろな意見の調整に努力されまして、いわゆる山中調査会におきまして時間をかけてずいぶん御検討になったのであります。それから政府がそれに基づいて本日閣議決定されたこういう法案の作成に取り組んだのでありまして、その間私どもは先ほど申しましたような気持ちから公取の希望を反映いたしますように終始努力を続けてまいった次第でございます。  しかし、伝えられますように、いわゆる構造規制の条項等が削除されたということになったのにつきましてはまことに残念だと申さざるを得ない、これはもう率直な気持ちでございます。できることなら前の案で再提出されてほしかった、残念である、こういう気持ちを私、就任に際しまして率直に申したような次第でございます。これが私どもの気持ちでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 特に委員長はこれからも努力をされるということですけれども、五党が一致した案から構造規制の面が、結局、企業分割だとかあるいはカルテル後の影響の排除、こういった非常に重要な問題が今回の独禁法では取り除かれているわけですね。カルテル後の排除措置については消費者の利益を守るという点からも、これは消費者団体などからも非常に注目もされ、またこの盛り込みというものについては非常に大きく期待もされていた問題だったのですね。今回の政府案ではこの点が全く無視されたという点について、私、率直な公取委の立場から、こういうものは削除されたからもう仕方ないという立場にお立ちになるのか、しかしこれはやはりどうしても残すべきものであったし、今後法運営の上でこういうものをどうしていこうとしていらっしゃるのか、そういう気持ちをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 先ほども申しましたように、あの条項が削除されましたことは非常に残念でございます。それで、仮にそういうことになっても、今後あの問題は引き続き検討し、そして実現するように私どもも努力いたしますし、政府も努力してほしいということを申しておる次第でございますが、そのことは前の五常修正案が通らなくてもいいというようなことでは毛頭ございませんのでありまして、あの案が通りますことはわれわれの最も希望するところでございますと同時に、先ほども申しましたことでございますが、そのせつない気持ちから申しますと、全部だめにならないものだろうかという気持ちが、どうしてもわれわれ実務を担当する者からしますと心の中に残るわけでございます。そういうことを申しますといろいろと誤解を生じて、むしろ申さなかった方がいいのかもしれないのでございますが、それがもう偽らざる心持ちでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 公取委員会の独立性といいますか、意思決定のこういう機関としての立場から、今回提出されたこの法案が実際には審査と審判の職能の分離、こういうことがはっきりと明文化されるということは、私は非常に重大な問題だと思うのですよ。実際にいろいろと伝えられているように、公取の機能が弱化していくという問題ともつながると思うのです。本来の公取の独立性という立場から考えて、今回の改正案を唯々諾々とこれはもうやむを得ないということでもって済まされるのでしょうか。少なくとも公正取引委員会の委員長として、こういった問題についてはっきりとした立場をお取りになることがやはり必要じゃないかと私は思うのです。これについてひとつ納得のいく御答弁をしていただきたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 ただいま先生の御指摘の内部の審判と審査の分離という問題、具体例がございましたので申し上げますが、これは現在すでに実行中でございまして、重要なことでございますが、これは内部規定に盛られておる点でございます。それを御指摘のように、これは非常に重要でございますから、法律に明文化しようというのが今度の案でございまして、これにつきましては公正取引委員会としても異存はないわけでございます。  それはそれといたしまして、法の改正問題につきましての私どもの希望、考え方というのはもう一貫して変わっていないということははっきり申し上げて差し支えないのでございまして、ただ、少しでも前進する法案でも通ってほしいというようなことを申しましたので、いろいろと御心配やら御批判を受けることになりました点、これはひとつ御了察願いたいと存ずる次第でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 これとやはり一体の問題として審査と審判とございまして、結局、審査のときに立ち会った審判の人は今後審判に入った場合には携わるべきではないということが言われていますね。この問題についての見解をお伺いしたいと思いますし、いまの公取の陣容で本当にこれでスムーズに仕事が進んでいけるというふうにあなたはお考えになっていらっしゃるのかどうか、その点も含めてお伺いいたしたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 いま伝えられます案によりますと、審査と審判の分離でございますが、当該事件について調査に携わった者は審判に関係しない、こういうことでございまして、現在すでにその点も実行されておるところでございます。今後、それが法文に明定されましても、そのために人的に事務上支障を来すということはまずなく運営できる、かように考えておる次第でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 時間の関係で、きょうは中身には具体的には一つ一つ入っていくことができませんけれども、私はいま幾つかの例を挙げたわけですけれども、これらの問題は、一つは国民消費者の立場から大きく期待をされていた問題についても、今回の改正ではカルテル排除後の措置等についてもこれが削られているし、また公取として本来の本当に独立した一つのあり方、行政の中でもはっきりと委員会の意思というものを決定していけるという立場をいままでとっていたのが、今回非常に独立性の問題も奪われていく。公取の機能の上からもいままでよりも弱体化させられていくし、国民の期待をもわずかにつないでいたカルテル排除後の措置等についても、これもやはり削られていくというような今回の改正案が——公取委員長はいま委員会では、私も五常の修正案がというふうにおっしゃいましたけれども、記者会見のときには、幾つか抜けてもまだ罰則の問題だとかその他が残っているからということで前進だというような意味の発言をされておりますけれども、私は、むしろ大きな後退ではないか、このように考えるのです。そして、公取がこれはもうやむを得ないんだ、このままもう仕方がないんだということであれば、年々公取は二十八年以来いままで一貫して弱体化させられてきて、そしてここで狂乱物価の中で国民の大きな世論も盛り上がって、その中でもって一定の強化の方向を出したわけですけれども、それがまた逆に弱体化していく、こういうことになるのではないか。  私は、公取がここでもって本当にしっかりした立場でやはり物をはっきりと言うべきときではないか、このように思いますし、私たちはやはり五党の修正案、あれを最低基準として国会の中でも今後問題にしていきますし、実際に公取がそのような立場で、もうこれは公取の独立の問題だとか権限の問題とか機能の問題とか、こういう問題にも基本的な姿勢をお示しにならないということであれば、これはもう何をか言わんやだというふうに言わざるを得ないと思うんです。まして今度のこの改正案の中には、多国籍企業の規制の問題についても全く触れてないんですね。  公取委員長は、過日の四月二十三日の商工委員会で私どもの野間議員が独禁法上独自にこれを捜査の対象にすべきであると思うけれどもどうなのかという質問に対して、公取の捜査の対象としてどこに問題があるか検討もしたい、そういう意味の答弁をされていますけれども、実際にはどういう検討がいまされているのか、そしてまたこの多国籍企業に対する取り締まり規制の対象問題というのは今回の独禁法改正の問題には何一つ触れていないんですね。一体いまの現行法で事実取り締まり規制ができるのかどうなのか、この点も含めて三点にわたってお伺いしましたけれども、現在捜査の対象としてどこに問題があるか検討しているというその検討とは、どのようなことを検討されていたのか。それからいまの独禁法で多国籍企業に対する規制という問題が一体どこで規制できるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 多国籍企業の問題は非常に重要な問題でございますが、と同時に新しい問題でもございますので、現行独禁法の規定に必ずしもなじまない点が多いのでございます。このロッキード事件という具体的な問題が起こりましたので、その面から独禁法についてどういう関連があるかということでいろいろ私ども尋ねられ、また御質問も受け、私ども自身も検討いたしておるのでございますが、現在明確に規定上処置いたしておりますのは、国際的な契約を結んだ場合の届け出義務の問題でございます。具体的に申してどうかと思いますが、問題になりました商社につきまして、必ずしも正確な届け出がされていなかったのでありますが、これは法に従いまして届け出をさせたということでございます。  そういう問題と、それからたとえば、ああいう伝えられるような取引が、不公正な取引行為というようなものに該当するのかどうかというような問題がございます。御承知のように、多国籍企業、非常に力のある国際的な事業活動をする企業でございますから、その影響するところはいろいろございまして、たとえば市場を分割するとか価格操作をするとか不公正な取引方法を用いるとか、いろんな独禁法の規制に抵触するような行為が指摘されるわけでございますが、例の問題につきましては、それが一体どういう観点から不公正な取引に該当するのか、そしてそれを不公正な取引と認定しでもどういう排除措置が行われるのかというような問題になるわけでございまして、その点私どももいま検討中でございますが、何せ事件はそういう問題を飛び越えて、はなはだ深刻な問題として検察当局の手に現在あるわけでございます。それで私どもはその成り行きを見ながら、私どもとしての独禁法の立場からの検討を並行して進めている、こういう次第でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 そうしますと、結局独禁法の場合には、独禁法六条でもって「不当な取引制限又は不公正な取引方法に該当する事項を内容とする国際的協定又は国際的契約をしてはならない。」ということで届け出をするという規定がありますね。不公正な取引方法はこれを取り除いて、結局はそうすると、輸入総代理店の契約などにおける不公正な取引方法に関する認定基準というものが適用されて、そして結局それが適用されるということが独禁法第六条で規制されているわけですけれども、そうすると、丸紅は外国との取引の中で、届け出の義務を怠っていたということが一つ言えるんですね。私はこれはやはり問題だと思います。  それからロッキード問題については、ロッキード社の代理店である丸紅、この丸紅が、結局ここには相当いろいろとピーナツだとかピーシズだとかユニットだとかいう領収証なども問題になり、あるいは丸紅ルートから政府高官に相当の政治工作資金が渡されたのではないかというような疑惑が深まってきている。こういう中で、明らかに賄賂などによって、それが事実であるとすれば、不公正な取引方法の一般指定の六の「正常な商慣習に照して不当な利益または不利益をもつて、直接または間接に、競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、または強制する」というこの条文に抵触するんじゃないかと思うんですよ、独禁法の立場からも。いかがですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 その事実関係でございますが、これが私どもとしては何ともつかみがたい状態になっておるわけでございまして、それが明確に私どもにも判明いたしますれば、その観点から、それが不公正な取引方法に該当するのかどうかというような問題の解明をする順序になると思いますが、現在はそういうことで事件の検察における成り行きを見ておる、こういう状態でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 不公正な取引方法の一般指定の六の「正常な商慣習に照して不当な利益または不利益をもって」というこの条文ですね、これは、事実関係が明らかにならなければどうにもならないんだという答弁ですけれども、そのための調査を当然やるべきじゃないですか。具体的にどうなっていたのかということは、警察がやっているんだからということではなくて、独禁法の立場からも、不公正取引というものがあったのかなかったのか、通常の商習慣に反すると言われるような行為が果たしてあったのかなかったのか、こういう点について調査をするということは、これは公正取引委員会として当然のことじゃないですか。直ちにその実態などについて、不公正な取引があったかどうかという点については調査に入るべきだと思いますし、その点について委員長の見解を伺いたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 何せ事件が、実はそう申してはなんでございまするが、公正取引委員会を飛び越えたような形で検察の手に現在あるわけでございます。それとどの程度ダブった突っ込み方をするのがいいのか、あるいはその場合に、証憑その他事実関係の調査がどういうふうに進められるべきか、そういったこともまだむずかしい段階にございますので、公取としては可能な限り調査を続けたい、かように考えておる次第でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、いまとかく疑惑が持たれている、自社の製品売り込みのために賄賂を贈る、こういう行為は明らかに不公正取引であるという疑惑は、持つのが私は当然だと思うのです。その疑惑に対してやはり公取として、実際の条文から照らしても、調査に入るということはこれは当然やるべきではないか。そういう姿勢がなかったら、多国籍企業の問題を、本当の意味で公取が今後この問題についても積極姿勢をとっていくということは私はできないと思うのです。私ども独禁法改正の法案の段階でも、こういう巨大な企業あるいは独占企業集団、多国籍企業の経済撹乱行為、反社会的行為、こういうものを規制して経済の民主主義を推し進める、こういう内容を含んだ改正案を提出いたしたわけですけれども、この問題は、いまロッキード問題が起こりまして、これはもう直ちにでも実施しなければならない、こういう内容を持ったものであるというふうに思います。  最後に、時間が参りましたので、多国籍企業の規制は、また国際的にもこれからますます重要になっていく、わが国の中ではロッキード疑獄事件が起こっている、こういう点からひとつ委員長の取り組みの姿勢をお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 冒頭にもお答え申しましたように、多国籍企業問題、新しい問題でありますと同時に、非常に重要な問題でございます。公正取引委員会といたしましても、その実態の把握とそれによって引き起こされる好ましからざる影響の排除という問題については、真剣に取り組んでまいりたいと存じます。  特に、最近はOECDにおきましても、この問題の重要性を認識していろいろ進めております。そういう方面との連絡も密にしてまいりたい、かように存じております。

板川正吾日本社会党

○板川委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 澤田公取委員長の御就任早々、先ほどから話題になっております独占禁止法の改正の問題、私もこれについて少し御所見を伺っておきたいわけです。  いま、今国会で提出されようとしておりますこの独占禁止法の改正案について、澤田公取委員長は、前回七十五国会において衆議院で全会一致でもって修正可決されました案との比較において、はっきりとこれは後退であるというふうに評価していらっしゃるのかどうか、簡明にお答えいただきたい。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 いわゆる構造規制、独占的状態の排除に関する規定が削除されました点は、明白に後退でございます。

有島重武公明党

○有島委員 構造規制のことにつきましては、この前の七十五国会の審議でもいろいろな議論があったのは御承知だろうと思いますけれども、現行法でも企業分割ということは十分することができますね。その点はいかがですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 現行法で分割と申しますとちょっと違うのですが、営業の一部譲渡を命ずる、これは行為としての私的独占に対する規定としてあったと記憶しております。

有島重武公明党

○有島委員 私的独占それからカルテルの違法行為、これがあった場合には公取は「営業の一部の譲渡その他」——「その他」ということがございますね、「措置を命ずることができる。」となっているわけですね。そうすると、主務大臣と相談することも要らない。それから、いまおっしゃったカルテルの違法行為というようなことがあった場合にだけというふうに限定していらっしゃるけれども、これは読み方によっては、私的独占の状態があったと認められたときにも、カルテルの違法行為ということと二つに読み分けていくことができるのではないかというふうに私は思うわけですけれども、そういった議論はこの前もあったわけですが、この点は公取委員長、どういうふうに考えていらっしゃるか。だから、現行法であっても企業分割の処置ができるのではないか。もう一遍伺います。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 現行法の解釈といたしましては、行為がない場合に状態を規制するということについては、分割の場合でございますが、そういうことはできないというふうに解釈されております。したがいまして、現在の規定は、違法行為があった場合にその行為を排除する規定として解釈されるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、現在その状態が続いているというような場合には、それは放置しなければならない、しかし、何かそれが動き出して行為をした場合には、それを排除することができるということですけれども、それを二つに分けることができるのかどうか。その状態があるということと、それから行為を認めるということとは、同じことのように思えるんだけれども、こういう問題。  それから、もう一つは、話をちょっと進めますと、私的独占状態がある、それで、それを分割なら分割するということはかなりむずかしいことなんだけれども、現在はもう企業を合併していこうという動きもあるわけですね。そのことに対して——これは、一遍合併してしまいますと、それを分割することは非常にむずかしいわけですね。それで、公取委員長のお話で、現行法ではまだ分割ということはやりにくいんだということを、いまその意味で言われたと思うんですけれども、今度はその合併の際の問題で、これは御承知のように、新日本製鉄系の特殊鋼メーカーである大同製鋼、それから日本特殊鋼、それから特殊製鋼、この三つが合併契約をやったということでございますね。で、こういった合併契約について、公正取引委員会が今度はこれをどういうふうに判断し、これを許可していくかどうかという当面の課題がいまおありになるわけだ。  そこで、伺っているところだと、合併認可のラインというのはシェアが二五%であるというふうに伺っているわけですけれども、全製品のシェアは二五%以下におさまる。ところが、その品目によっては二五%を上回るものが幾つか含まれるという状況がある。こうした場合に、公正取引委員会としてはどのような判断をなされるわけなんですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 特殊鋼三社の具体的な問題についての御質問でございますが、御承知のように、昨日合併調印されました。公正取引委員会に対しましては前からアプローチがございまして、事前調査を進めておったのでございますが、まだ現在その調査を続行中でございます。  お尋ねの当該業界におけるシェアあるいはその品目別のシニア問題でございまするが、二五%というのは、これは取引委員会内部の一つの基準でございます。でございますから、それを全体として超過するというようなときにはかなりの問題でございます。と同時に、個々の品目についてもその基準を一応超過するというようなものについては、厳正に、厳格に審査をいたすことに相なろうと存じております。それによってその合併が競争制限あるいは市場支配につながるというようなことがあるのかないのか、弊害があるかないかということを実態に即して判断をいたしまして決定されるという順序になろうかと存じております。

有島重武公明党

○有島委員 ここで問題になっております耐熱鋼に関してはシェアが三二%である、それから合金工具鋼が二八%であるということになっておりますね。これに関しては一体どう判断なさるのか、伺っておきたい。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 現在いろいろと事情を聴取中でございまして、合併契約の結果、届け出が参ります。それによって本格的な審査に入るわけでございまして、現在のところまだその個々の品目につきましてここでどうなるかということを申し上げる段階に立ち至っていないわけでございます。それは御了承願いたいと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 私がこの問題をあえて言うのは、今度の問題で独禁法改正案が企業分割の点でもって後退であるとはっきり認めていらっしゃる。ということになりますと、今度は、これから当面する合併問題については従前以上にやはり厳しく扱っていかなければならないんじゃないかと私は思いますので、いまの質問をしたわけです。  それで、さっきの独占禁止法の改正に戻りますけれども、この後退をお認めになったわけなんです。やむを得ずこうなったというようなことをお漏らしになったそうですけれども、これはどういう理由でこういう後退をしたのだというふうに考えていらっしゃるか、いかがですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 これは、いわゆる山中調査会におきまする詳しいいきさつを私、存じませんし、山中試案が政府に提出されて政府部内でどういう御決断があったのかも一詳しくは存じませんので、いまの御質問に的確にお答えすることはなかなかむずかしいのでございますが、御承知のように、非常に幅の広いいろいろな意見がございますのを調整した結果、ああいう案に落ちついたのではないかというふうに推測をいたしておる次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 では、前進であるというふうに認められる点はどういうことですか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 これは前回の五常修正案に対して前進と言うのではございません。現行法に対して今回伝えられる政府案も前進であると、こういうふうに申し上げておるのでございまして、それはカルテルのやり得に対応します課徴金という制度の新設、それから罰則の強化等、重要な条項を含んでおるので前進であると申し上げたわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 通産省の方は来ていらっしゃいますか。  揮発油販売業法案の内容が大体決まって、近く閣議でこれを正式に決定する、そういうふうに聞いております。それで、この骨子は、ガソリンスタンドの届け出制を登録制に改めるのだ、それから二番目は、スタンドの開設は、原則として自由であるけれども、すでに集中して過当競争になっている指定地区については、通産大臣は申請者に対し営業開始の延期や設備規模の縮小を指示し、それに従わない場合は登録を拒否するものである、そういうことができる、それから三番目ですけれども、ガソリンが標準的な価格以下に低落し、指定地区でスタンド業者の事業継続が困難な場合には、通産大臣はスタンド業者や卸売業者に必要な措置をとるよう勧告することができる、というふうになっている。これに対して公正取引委員会は申し入れをしたというふうに聞いていますけれども、通産省ではこれを承知していらっしゃいますか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 現在、いまお話しになりました法案については、省内で検討し、関係各省といろいろ御相談中でございます。したがいまして、公正取引委員会の方からも御意見をちょうだいいたしまして、それについていろいろいまわれわれの方からも御説明をし、また委員会の方からもいろいろ御意見を拝聴しておるという段階でございます。

有島重武公明党

○有島委員 公正取引委員会としては、これに対しどんな御意見を言ったか。承っているところでは、石油製品の入手先の選択を自由にしろ、それから新規参入の可能性を保障しろ、それから価格競争の自由を確保しろというような項目であろうというふうに聞いておりますけれども、公取委員長、この法案、いまのところはまだ法案のたたき台というんですか、これについての注文といいますか、このことを承っておきたい。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 ただいま通産省の方からお話しのとおり、いろいろと折衝中でございますが、公正取引委員会といたしましては、揮発油販売業者についての登録制、それから安売りに対する勧告制度などによって公正な競争が阻害されるおそれはないかどうかというようなことを中心に現在話し合いをいたしておるということでございます。

有島重武公明党

○有島委員 通産省に伺いますけれども、ガソリン販売業者の経営の安定、それからガソリンの品質の維持、この二つの課題があるのだということなんですけれども、不良ガソリンの摘発というようなものが従来どのくらいあったのでしょうか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 不良ガソリンにつきましては、大きく言いますと二種類ぐらいございます。  一つは、普通のガソリンに灯油等を混ぜるというふうなものでございます。これについては、多少の灯油を混ぜましても自動車は当面動くわけでございますが、これを続けてまいりますとエンジンに変調を来たすというふうなことで、やはりこういうものを抑えなければいけないということでございます。  それからもう一つ、ガソリンに、化学原料でございますベンゼンとかトルエンとかキシレンというもの、これは通常略称してBTXと頭文字を合わせて申しますが、そういう化学薬品を混ぜると、いうものでございます。これもエンジンに余りいい影響はございませんが、特に公害上、NOX問題に影響があるということで取り締まらなければいけないという問題がございます。  そういうことでわれわれもいろいろやっておるわけでございますが、現在まではそういうものについての根拠法規というのは、実は揮発油に揮発油以外のものを混ぜてはいけないという規定がございまして、この国税庁の方で取り締まりをお願いしておったわけでございますが、現実問題は、簡単に混ぜられるというふうなことがございますので、摘発ははなはだ困難であったというふうに伺っております。したがいまして、現在まで国税庁の方でどのくらいの案件を摘発していただいたかというものについては、残念ながらいまちょっと資料を持ち合わせておりません。

有島重武公明党

○有島委員 無印のガソリンスタンドというようなことがあるわけですね。これは、消費者側からすれば安いガソリンがあるということは悪いことではない。  それで、さっきの通産省が今度の法案の立法化に当たっての考え方の第一番に、ガソリン販売業者の経営の安定ということが挙がっているわけです。無印ガソリンスタンド、私、別にそれを奨励するとか奨励しないとか、そういったことではないのですけれども、無印のガソリンスタンド、それはすぐ品質の悪いものというようなことにつながるのかつながらないのか。その辺のことはどういうふうに判断していらっしゃるのですか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 まず結論的に申し上げますと、無印ガソリンスタンドがすなわち不良品を売っておるというふうには断定できないとわれわれは考えております。無印スタンドと申しますのは、現在、元売り業者と言います、たとえばシェルだとかエッソだとか、あるいは出光、丸善というふうな元売り業者の標識をスタンドに掲げて販売しておるところを言うわけでございまして、通例はガソリンの販売についてそういうマークを掲げるというふうなことで相互に契約してやっておるわけでございますが、そういうマークを掲示するというのは、その元売り業者がその品質について責任を持っておる印であるというふうに解されております。したがいまして、そのマークを掲げておるところは、そのマークの元売りがその品質が悪ければそれについて責任を負うという形に相なるかと思います。しかしながら、逆に、じゃ、無印で、マークを掲げないところが全部粗悪であるとも言えないということでございます。従来確かに粗悪ガソリンがあったということでございますが、これが無印ばかりで売られたということには相なっておらないというふうに考えております。したがいまして、今回われわれが登録というものを考えるときにも、供給先はある程度はっきりしなければいけないけれども、必ずしも従来の無印を全部登録で排除してしまおうということにはできないというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 無印に対して印のついているガソリンスタンドにおいても、必ずその印のついたメーカーのものがそこに運び込まれているとは限らないということが実態であるということ、これはほとんど常識だそうですね。  それから、大蔵省からもらいました不良ガソリンの検挙件数、私のもらっているものだと、昭和十七年では二件あったということですね。四十八年が四件、四十九年も一四件、それから五十年が二件、これは本年の二月末までだそうですけれども、そういうことになっている。これは無印スタンドなどというものはまだ余りなかった時代からの話ですけれども、いま無印とそれから粗悪品というのは必ずしも一致しないという認識を持っていらっしゃるというから、これはこれで結構ですれども、どこから仕入れたかということについて、これを明らかにさせるということは、その趣旨はどこにあるのですか。それは不良品を排除するというところにあるのですか。それをもう一遍伺っておきましょう。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 この仕入れ先をどういうところから入れておるかということ、これは必ずしも単数でなくて複数でもいいとわれわれは思っておりますが、については、やはり石油のスタンドが安定供給をするという意味においては、そういう仕入れ先がはっきりしていなければいけないじゃないかということでございまして、ことにスタンドにつきましては平時のみならず、あってはいけないことでございますが、緊急時ということも考えられないわけではございませんので、そういうときに仕入れの段階がはっきりしておるということが必要であろうというふうに考えておりますし、実は無印のスタンドについても、いろいろ実情を伺っておりますと、やはりそこには一つないし二つないしは三つというふうな主な供給先があるわけでございますので、そういうものをわれわれが認定をすればいいんではないかというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 公正取引委員長さんにいまのお話の御感想を承っておきたいのだけれども、無印というのは、御承知のように、もうこれは自分の系列販売店の貯蔵容量を超えてしまって、売れないから、置いておくことができないからというような商品のだぶつき状態から起こっているというふうに聞いております。だから、それを今度は価格形成ということから言えば、一種のメーカーの持っている管理価格的な性格の流通形態に対して競争的な要素をそこに加えていくという効果があるのではないかというふうに私は思うわけだけれども、これが今度新しい法令によって仕入れ先を非常にやかましく規制していくというようなことになると、結局はメーカーからその系列販売店に対する一つの縦のカルテルといいますか管理価格といいますか、そういうものを固定さしていく、強めていく、その方向に機能するおそれが非常に強いんじゃないかと思いますけれども、公取委員長としてはどうお考えになりますか。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 先ほど通産省の方といろいろお話し合いをいたしておると二点について申しましたけれども、一般論としましては、御指摘のように、揮発油販売業者について登録制を導入するということに相なりますと、その登録制によって新規参入が実質的に阻害されるようなことはないか、結局、競争制限につながるようなことはないかというようなことがわれわれの懸念するところでございますし、また安売りをするような業者に対しましてその事態の改善を図るために勧告をするというような場合に、それが一種の価格介入というようなことにつながらないか、揮発油販売業者におきます価格競争が阻害されるというようなことになりはしないか、こういうような点を懸念いたしていまいろいろとお話し合いをいたしておるわけで、問題の所在は御指摘のとおりだと思います。

有島重武公明党

○有島委員 もう時間になってしまいましたけれども、新しく公取委員長におなりになった澤田さんに一つ申し上げておきたいのは、国民各層と話し合いをするのだ、オープンに話し合いをしていくのだというようなことをおっしゃった、特に業者の方丈とオープンに話をしていくのだということがありました。これは二重に受け取れるわけでありまして、それはいわゆる従来の公取の姿勢が何かやわらかく、なあなあになっていってしまつのではないかというふうな疑惑を国民全般が非常に持つわけであります。お話し合いをしていく、そのこと自体はいかぬと言うわけにはいかないけれども、これは姿勢としてはなあなあ主義どころではなくて、いままで以上に厳しい姿勢をとっていくのだということを、ひとつ決意のほどを伺っておきたい。お願いいたします。

澤田悌公正取引委員会委員長

○澤田政府委員 報道の関係もございまして、いろいろ誤解を生じておる面もあろうかと思いますが、私の姿勢といたしましては、いま先生のおっしゃったとおりでございまして、各界、各方面の意見は公平に聞くけれども、独禁法運用については厳正な態度をもって臨むということについては少しも変わっておりません。  以上、申し上げておきます。

有島重武公明党

○有島委員 終わります。

板川正吾日本社会党

○板川委員長 この際、去る三月四日の東京都中央卸売市場神田市場並びにフードウイーク実施状況の視察につきまして、その概略を便宜上私から御報告いたします。  当日の参加委員は越智、大石、松浦、山中、加藤(清)、中村、野間、有島、石田、和田(耕)の各委員及び私の十一名であります。  神田市場における調査事項は、当時における野菜価格の高騰を背景とした生鮮野菜の価格動向に関する事項並びに市場業務の内容等であります。  視察に引き続き、市場内において卸、仲卸、小売等市場関係者、政府関係当局等出席の懇談会を開催いたし、各委員からの質疑等を通じて、それぞれ忌輝のない意見を聴取してまいりました。  懇談会終了後は、三億茗荷谷店に行き、同日より開始されましたフードウイークの実施状況を視察いたしました。  以上、御報告を申し上げます。      ————◇—————

板川正吾日本社会党

○板川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  物価問題等に関する件、特に電気料金の改定問題について、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

板川正吾日本社会党

○板川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

板川正吾日本社会党

○板川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗