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77回国会衆議院1976/08/10

農林水産委員会 第16号

発言数
246
登壇者
25
会派数
4
開催日
1976/08/10

会議録

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のため出席できませんので、その指名により、私が委員長の職務を行います。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  先般、農林水産業の実情調査のため、東北地方及び九州地方にそれぞれ委員を派遣したのでありますが、この際、派遣委員から報告を聴取いたします。今井勇君。

今井勇自由民主党

○今井委員 委員派遣第一班の調査結果の概要を御報告申し上げます。  本班は、去る七月十九日から七月二十一日までの三日間にわたり、自由民主党から私今井勇、日本社会党から竹内猛君と野坂浩賢君、日本共産党・革新共同から中川利三郎君の四名の委員をもって、福島、岩手両県下における農用地開発公団事業を中心に農林水産業の実情を調査してまいりました。まず簡単に調査日程を申し上げます。  七月十九日は、最初に福島県庁において、県当局並びに関係諸団体から農林水産業の概要と要望を聴取し、次いで麓山地区における畜産基地建設事業を視察した後、福島市において、水林地区森林総合利用促進事業、福島西部地区営農団地農道整備事業並びに福島県園芸試験場を視察しました。  七月二十日は、岩手県に入り、最初に、岩手県庁において県当局並びに関係諸団体から農林水産業の概要と要望を聴取した後、葛巻地区における広域農業開発事業を視察しました。  次いで七月二十一日は、江刺市小倉沢地区においてリンゴ矮化栽培モデル園設置事業を視察し、全日程を終えたのであります。  以下視察個所の概要について申し上げます。  最初に農用地開発公団の開発事業についてであります。  御承知のとおり、同公団は、近年の農畜産物需要の増大に対処し、開発して農用地とすることの適当な未開墾地等が広範囲にわたって存在する地域を対象として、畜産を基軸とする大規模な農業開発を推進するため、農用地の造成のほか、関連する土地改良、畜舎その他家畜導入等の事業を一元的に実施する機関として、去る第七十二国会で同公団法が成立し、同法により設立されたものであります。その事業は、広域農業開発事業と畜産基地建設事業を中心に、これにあわせ従来からの農地開発機械公団が実施していた共同利用模範牧場設置事業等を引き継ぐこととしております。  まず、今回視察した福島県の麓山地区は、畜産基地建設事業として、岩代町、川俣町、東和町、浪江町の四町の地域を対象に四十九年度以降二地区で事業が実施されるほか、一地区が調査中であります。当地区の事業の特色は、草地造成を中心に畜舎等の施設整備を行い、ここに酪農、養豚、養鶏を行う農家を入植させるほか、肉用牛の共同利用牧場の建設等により、家畜排せつ物の土地還元利用等を基軸とする家畜の有機的な結合を通じて畜産物の生産合理化を図る濃密生産団地を建設しようとするものであります。事業の状況等についてみれば、麓山第一地区は、四十九年度から五十二年度までの四年計画で総事業費三十一億円をもって百十ヘクタールの農用地造成を中心に十六戸の入植を予定していますが、五十一年度末の事業進捗率は、七四%程度と見込まれております。同様に麓山第二地区は、四十九年度から五十三年度までの五カ年計画で総事業費四十六億円をもって二百八十ヘクタールの農用地造成を中心に十九戸の入植を予定しておりますが、五十一年度末の事業進捗率は三五%程度と見込まれております。  次に、岩手県の葛巻地区は、広域農業開発事業として、四十四年度から四十九年度にかけて開発調査が実施され、五十年度以降事業が実施されております。当葛巻地区は北上山地の北部中央に位置し、その大半は低利用の山林原野という農用地基盤の零細な山村地帯でありますが、本事業は、この低利用、未利用な山林原野を活用して、ここに千四百ヘクタールの農用地を造成し、葛巻町畜産公社が管理する公共牧場において預託乳用牛の保育、育成事業等を行うほか、入植者を対象とする酪農専業牧場の建設並びに牧野組合が運営する肉用牛の共同利用牧場の建設等を行うこととしております。なお、本事業は、五十年度から五十四年度までの五カ年で総事業費九十六億円をもって行う計画となっておりますが、五十一年度末の事業進捗率は一四%程度が見込まれております。  以上が両地区における開発事業の概要でありますが、ここで視察に当たり、現地関係者から要望として出された点にあわせわれわれが感じた二、三の問題を提起しておきます。  第一は、事業を計画期間内に早期に完了させることの必要についてであります。近年基盤整備事業は、事業費単価の上昇等により大幅な工期のおくれを来しておりますが、特にこの公団事業について見れば、事業がおくれた場合、補助残に七分五厘の財投資金を使用していることから償還経費の大幅な増高を招くことのほか、本事業が入植等を対象としているため、入植計画等に影響を与える等多くの問題が指摘されております。この点われわれとしても十分理解し得るところであり、来年度以降の公団事業費の計画的な確保につき政府を強く督励する旨関係者に約束してまいった次第であります。  第二は、地元市町村と受益者の負担軽減についてであります。御承知のとおり、これら公団事業が実施される地域は、そのいずれもが財政力が低い山村地域であり、その負担金の償還が地元公共団体の財政に大きな支障となることが懸念されております。この点につき関係者からは、公団事業につき、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律に基づく事業と同様に国の補助率のかさ上げを図るとともに、特別交付税の対象とされたい旨の強い要望があり、また、受益者からは、入植後の経営安定を期するため、財政資金の金利引き下げとともに長期低利の畜産経営資金の融通措置を講ぜられたい旨の要請がありましたが、これらの点につきましては、政府において早急に検討し、できる限りの善処を図るべきものと考える次第であります。  その他視察に当たっての現地の声は、まず麓山地区においては、事業費が計画当初に比し高騰していること、公団の事業費単価が高いのではないかといったこと、さらには、不動産取得税等の税制上の優遇措置を講ぜられたいといった意見が一部から聞かれ、また葛巻地区の一部地域においては、従来の地権者との土地利用の調整が十分でないとの一部の意見も聞かれましたが、これらの点については、国、公団、都道府県、市町村等が中心となって、今後の濃密な営農指導とあわせ、受益者の十分な理解が得られるよう適切な運営が必要と思われるのであります。  次に、福島市水林地区の森林総合利用促進事業についてでありますが、本事業は、福島市が事業主体となり、第二次林業構造改善事業の一事業種目として、四十八年度から五十一年度までの四年間に事業費約二千四百万円をもって実施しているものであります。本事業は、自然林の価値を最大限に活用し、地域住民に憩いの場としての緑を提供するとともに、緑化思想の高揚と森林所有者及び林業従事者の経済的地位の向上を図ることを目的としており、現在、市が森林組合に管理委託することにより運営がされておりますが、五十年度における利用者は七千人を数え、計画を大幅に上回る有効活用がされております。  近年、自然破壊の進行が著しい中にあって、このように自然林を守りかつこれを有効活用する事業の意義はきわめて大きいものであり、今後同様の事業が全国的に拡大されることを期待してまいった次第であります。  次に、福島県園芸試験場についてでありますが、本試験場は、当地域の園芸農業の確立を図ることを目的としており、試験研究の成果について、県の専門技術員と農業改良普及所を通して農家に浸透させると同時に、農家の要望を取り入れた試験研究にも積極的に取り組み、多大の効果を上げております。  試験研究は、果樹、野菜病理等を初めとして、花卉、薬用ニンジン、コンニャク等の多岐にわたっておりますが、現在は、リンゴの矮性台木の特性試験と無袋栽培試験並びに園芸ハウスの周年利用に関する技術の確立につき重点的に取り組んでいるとのことでありました。  なお、視察に当たり試験場側から、桃の連作障害解消の技術確立につき国の試験場においても早急に取り組んでほしいとの要請がありましたことを申し添えておきます。最後に、江刺市小倉沢地区におけるリンゴ矮化栽培モデル園設置事業についてでありますが、本事業は四十八年に十四名で設立した農事組合法人小倉沢りんご生産組合が事業主体となっており、江刺市より借入した十八ヘクタールの林地を自力開墾したところに、四十八年から五十年の三カ年にわたる国の補助事業によりリンゴ矮化栽培モデル園を設置したものであります。本事業の特色は、優性台木を利用してリンゴの木を矮化することにより省力化を図るとともに、結果の早期化と反当収量の増大等を図ろうとするものであり、岩手県下においては、現在当農園のほか四カ所で事業を実施しており、県当局からは、今後その成果を踏まえて、県下全域に事業の浸透を指導するとの説明がありました。  しかしながら、本事業は実施後いまだ日が浅く、事業参加農家は、矮化栽培を新しく導入したこと、多額の借入金を抱えていることなどから、今後こうした先駆的事業がいやしくも途中で挫折することのないよう、国を初めとした関係機関のきめ細かい指導を期待してまいった次第であります。  以上が視察個所の概要でありますが、最後に、県当局並びに関係団体からの要望を簡単に御紹介いたしておきます。  まず、福島県におきましては、農業関係では、中核的担い手の所得確保を図るための価格政策と農業金融制度の充実、農用地の確保を図るための国有林野の積極的活用、農業基盤整備事業の予算の確保と事業の早期完工等が、林業関係では、会津山地を対象とした大規模林業圏開発事業の促進、森林組合の単独立法化、間伐事業推進のための抜本的総合施策の拡充等が、また水産関係では、漁業燃油価格差補給措置の実現、ポスト海洋法対策の早期確立と領海十二海里の早期宣言等が、それぞれ強い要望として出されました。  次に、岩手県におきましては、農業関係では、広域農業開発事業並びに農道整備事業の拡充強化、第三次構造改善事業の創設、農畜産物の中期生産目標及び地域別指標の策定、営農団地の計画的造成等が、林業関係では、大規模林業圏開発事業の拡充強化、間伐に対する総合対策の確立等が、また水産関係では、栽培漁業振興施設の補助対策事業費の大幅増額、領海十二海里の早期実現、油濁被害救済制度の確立、密漁等漁業法違反の罰則強化等が、それぞれ強い要望として出されました。  また、岩手県においては、去る七月一日の降霜により十八市町村の畑作を中心に四億八千万円の被害があり、現在県当局においても各種の救済措置を講じているところでありましたが、国に対しては、自作農維持資金の融資枠の拡大等につき強い要望がありましたことを、この際申し添えておきます。  以上が調査の概要でありますが、今回の調査に当たり御協力をいただきました福島県、岩手県を初め、関係各位に対し深甚の謝意を表しまして、御報告を終わります。(拍手)

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 次に、山崎平八郎君。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員 委員派遣第二班の調査結果の概要を御報告申し上げます。  本班は、去る七月十九日から七月二十二日までの四日間にわたり、自由民主党片岡清一君、日本社会党井上泉君、馬場昇君、日本共産党・革新共同諫山博君、公明党林孝矩君、民社党稲富稜人君並びに私の都合七人をもちまして、熊本県、宮崎県及び鹿児島県における農林水産業に関する実情、特に民有林の当面する諸問題といたしまして、人工林の間伐促進、チェンソーの使用に起因する振動障害の防止、林業構造の改善、マツクイムシの防除等のほか、水産業に関しまして遠洋及び沿岸漁業等、それぞれの実情を中心に調査をしてまいった次第であります。  まず、調査日程について申し上げます。  第一日目の七月十九日は、空路熊本県に参り、熊本県椎茸農業協同組合が熊本市郊外に設置いたしました干しシイタケの低温貯蔵庫を視察した後、県庁に赴き、県知事、九州農政局長及び熊本営林局長等からそれぞれの所管に係る農林水産業の概況と要望等を聴取し、次いで、八代市に参り、木材共販市場において当該県の木材需給状況、間伐促進の必要性等について、事情を聴取いたしました。  さらに、球磨村の第一次及び第二次林業構造改善事業の成果について説明を聴取し、また、新たに観光事業として進められてきた鍾乳洞の開発状況を視察した後、人吉市において、球磨県事務所管内の森林林業事情の説明と球磨・人吉地区民有林職業病対策協議会、人吉市及び球磨郡町村会からの陳情をそれぞれ聴取いたしました。  第二日目の七月二十日は、宮崎県に入り、小林市夷守台において目下、県が整備を進めております「青少年の森」を視察し、次いで宮崎県庁に赴き、県当局から宮崎県における農林水産業の概況並びに要望等を聴取いたしました。  第三日目の七月二十一日は、飫肥林業地帯及び飫肥営林署所管に係る三ツ岩学術参考保護林を視察した後、鹿児島県に入り、蒲生町の林業技術研修所において鹿児島県下民有林における振動障害発生の概要及び予防治療対策の実態について聴取した後、鹿児島市内に赴き県下農林水産業の概況説明及び要望等について聴取いたしました。  最後の七月二十二日は、鹿児島臨海木材工業団地を視察の後、枕崎市に赴き、カツオ・マグロ漁業の基地である枕崎港並びにその隣接地域に整備されました冷蔵施設、加工施設等を視察調査した後、同市内において同市及び漁業関係者からの陳情を聴取いたしました。  次いで笠沙町に参り、マグロの養殖を視察調査いたしますとともに、同町ほかの陳情等を聴取し、その後、加世田市内の部落有林においてマツクイムシの防除等について視察調査し、かなりの強行日程ではありましたが、全日程を消化し、空路帰途についた次第であります。  次に、調査結果の概要について申し上げます。  初に林業に関して申し上げます。  まず第一に、間伐の促進についてであります。今回調査いたしました三県の中で最も人工林率の高い宮崎県におきましては、民有林総面積三十九万六千ヘクタールのうち人工林面積は二十六万七千ヘクタールであり、人工林率は実に六八%に達しており、これらの人工林に対して今後適切な育成を図るためには、現在人工林の約四分の一に相当する六万七千ヘクタールの間伐対象林について逐次間伐を実施し、健全なる森林を造成することが肝要となっているとのことであります。したがいまして、今後、間伐実行面積を大幅に増加させる必要があり、数年後には少なくとも現在の二倍程度の間伐量の確保を図る必要があるとされております。現地におきましては、まず、間伐材の生産に当たりましてその生産性を高めコストの低減を図るために作業路並びに林道の開設が不可欠であり、同時に間伐実行の狙い手の育成を図ることが必要であるとのことでありました。また、間伐木は一般に小径木であり、特に昨今小径材の売れ行きが低調なところから第一回目の間伐はどうしても不採算になることが多く、このため第一回目の間伐に当たっては奨励補助金あるいは共同利用施設等に対する国の助成が切実に要望されたのであります。さらに、小径材の利用開発に関する研究を推進し、間伐材の需要の増大を図ることも重要であり、これらの面での国の施策の一層の充実が要望されました。なお、最近杉人工林にスギザイノタマバエが発生し、造林木の辺材部を食害する被害が増大しつつあるとの報告があり、これは間伐が適時適切に実施されなかったために林内の環境が変化したことに起因すると伝えられておりまして、健全な森林の育成に当たりましては、今後ますます間伐の重要性が加わるものと考えられる次第であります。  第二には、民有林におけるチェーンソー等振動機械使用による振動障害発生の実態及びその予防対策についてであります。  今回の調査では、われわれは人吉市において人吉球磨地区民有林職業病対策協議会から民間林業労働者の場合、チェーンソーの使用時間の制限すら徹底せず野放しの状態にあり、精密検査の受診もおくれていること等が訴えられるとともに、振動機械使用者全員に対する専門医による精密検査の実施、治療施設の整備、振動機械の使用時間規制の徹底、治療期間中の休業補償制度の確立、長期療養者対策及び再就職対策の確立等の陳情に接しました。これらは農林行政の範囲にとどまらず、関係する分野も広くかつ困難な問題ではありますが、関係各機関の早急な対応が期待されており、われわれとしても十分それらを督励してまいることが必要であろうと考える次第であります。  次に、鹿児島県の実情について調査いたしましたところでは、同県のチェーンソーを使用する民間林業労働者は本年四月三十日現在一千六百六十八人、うち振動障害の自覚症状を訴えている者は一二%の二百一人であります。ちなみに県下のチェーンソー保有台数は約四千五百台であります。  次に、鹿児島労働基準局が昨年及び本年の二カ年にわたって実施いたしました白ろう病特別健康診断結果によりますと、受診者二百二十七人のうち、療養を必要とする者は三〇%、六十七人であり、本年七月十二日現在におきます労災保険適用認定患者は三十人であります。  また、鹿児島県では振動障害予防対策事業として、国の指導助成のもとに、伐木造材模擬訓練施設整備事業を初め、技能診断評価事業、安全点検パトロール事業等各種の事業を実施しておりますほか、県独自の事業といたしまして、チェーンソー目立て技術講習会、素材生産技術講習会を実施しております。  予防対策の主たる内容は、一、チェーンソーの操作時間は一日二時間以内、一連続操作時間は、十分以内とすること。二、振動加速度値三G以下の機種を使用し、エンジンの整備とりわけ目立てをよく行うこと。三、チェーンソーはなるべく軽量でバーの長さが過大でないものを選定することとされておりました。  なお、チェーンソーは最近三G以下の機種が多く出回るようになったと言われており、特に新型のロータリーエンジンつきのものは従来型に比べ振動が著しく減少していることは実際にエンジンを作動して確かめてまいった次第であります。  第三には、マツクイムシ防除の問題であります。  マツクイムシの被害は、近年ますます広域化、激甚化の様相を見せており、太平洋岸では宮城県下まで北上したと言われており、国民生活に重大な影響と脅威を与えつつあります。  われわれが参りました加世田市内の部落民有林では幸いマツクイムシによる松枯れは出ていないとのことでありましたが、これも適期に防除薬剤の空中散布を実施してマツノマダラカミキリの侵入を未然に防止するという措置をとったからでありまして加世田市北方に広がる吹上浜県立自然公園への侵入も食いとめているとのことでありました。こうした背景には、関係者の並み並みならぬ努力が払われているわけでありますが、特に防除経費の地方費超過負担、森林所有者義務負担分の市町村による肩がわり、防除薬剤の効果と使用上の問題等今後検討されるべき問題も少なくないのであります。  このようなマツクイムシの防除につきまして、現行制度のほか、次の事項を内容とするマツクイムシに関する特別措置法を制定するとともに所要の予算措置を講ずることが強く要望されたのであります。すなわち、一、マツクイムシ防除を緊急かつ効果的に実施するため、特に地域を定め、空中散布等の駆除措置及び感染源除去等を国が直接行うこと。二、マツクイムシの被害を受け荒廃し、またはそのおそれのある森林の早急な転換を図るため、補助率の大幅かさ上げを行い、森林資源の早急な造成を図ること。三、農林大臣が防除措置を行うに当たり、感染源となる生立木の除去、並びに農作物等に対して生ずる損失の補償を行うことであります。  第四は、林業構造改善の成果についてであります。  その事例の一つは、熊本県下一円を事業範囲とする熊本県椎茸農業協同組合が昭和四十七年度に第二次林業構造改善事業の広域事業として指定を受け、四十九年度に総額一億四千万円をもって完成したシイタケ集出荷貯蔵施設であります。この貯蔵施設は、生産期に集中入荷するシイタケの品質維持を図ること、及び出荷の調整及び選別、包装、入札等の共同化により価格の安定を図ること、並びにシイタケ生産者の技術の向上及び協業態勢の強化に資すること等を目的として設置されたものであり、今後その成果に大きな期待が寄せられているのであります。  なお、シイタケ生産について当面する問題としては、クヌギ等の原木の確保、そのための原木林造成費用の助成、シイタケ害菌の防除技術の確立及び研究施設や組織の整備拡充が特に取り上げられ、要望されたのであります。  また、別の事例としては、球磨村森林組合の活動が挙げられます。当該村は面積約二百七平方キロメートル、一部を除きほとんど全地域が山岳地帯であり、百八十五平方キロメートルが森林で占められ、かつて村の経済を支えていたシュロ皮、竹材及び木炭の生産が昭和三十年代前半を境にして衰退の一途をたどり、加えて人口の流出も著しく、このため森林、林業への依存度が高く、林業の振興に発展の道を求める本村では、四十年に第一次林構を導入し機械化を図るとともに、労働力の組織化、生産力化に努め、四十八年からは引き続き第二次林構により製材加工施設、シイタケ乾燥施設等、協業活動の拠点形成に努めたのであります。  また、四十八年には鍾乳洞の発見を契機に、森林総合利用促進事業の実施に着手し、多角的な経営が行われるようになり、村内での雇用の場が形成され、若年労働者の村外流出を食いとめるのに貢献しているとのことであります。その結果、当森林組合の販売事業等の事業規模は、第一次林構に着手した四十年度が五千八百五十八万円、十年後の四十九年度では七億三千四百七十二万円と実に十二・五倍強にも達しており、目覚ましい発展ぶりがうかがわれるところであります。しかしながら、同組合長によれば、今後後継者の確保が最大の難問であり、担い手の平均年齢は五十一歳でありますから、このままで後継者に恵まれなければ、林業の将来はきわめて暗く、大きな不安となっている点が訴えられ、われわれも共感を覚えたのであります。  以上のほか、林業関係に対する主要な要望事項は次のとおりであります。すなわち、大規模林業圏開発事業については、事業費の大幅拡大と国庫補助率の引き上げにより地元負担の軽減を図ること、造林事業推進上、造林公社等については財政の逼迫のため、その職員費、森林国営保険料等の管理費を農林漁業金融公庫造林資金の対象とすること等であります。  次に、水産業に関する調査の概要を御報告申し上げます。  われわれが視察いたしました枕崎港は、御承知のとおりカツオを主とした遠洋漁業の基地として全国的に著名であります。本漁港は特定第三種漁港であり、わが国各地の漁船に利用される度合いが高く、水産業振興上、重要かつ公共性の高い漁港であります。近年の漁船の大型化、利用船隻の増大に伴い、本港の水深を深め、かつ拡大する必要に迫られているところから、新たな第六次漁港整備計画の実施と、これに基づく漁港整備の促進について、枕崎市長を初め関係者から強く要望されたのであります。また、漁港整備にあわせて水揚げ量の増加、かつおぶし製造等加工業合理化の要請に対応し、水産物産地流通加工センター形成事業の補足整備についても、漁港整備同様強く要望されたところであります。  次に、沿岸漁業の実情について申し上げます。  われわれが参りました笠沙町は、地理的、地形的条件や対馬海流の影響により、年間を通じてカツオ、ブリ、サワラ、タイ等の中高級魚の漁場として恵まれており、全面的に沿岸漁業に依存していることが特徴であります。特にこの地におきましては、ホンマグロ、キハダマグロの養殖を試験的に行っており、その養殖尾数は百尾程度と小規模ではありましたが、沿岸漁民が主体となり新しい魚種の養殖を意欲的に行う姿には深い感銘を受けたのであります。  本町の海面は、このように養殖漁業に有利な条件を備えておりますものの、地形的に季節風や台風の影響を受けやすいため、養殖漁場としての有効利用面積は少く、十分な活用がされていないので、沿岸漁場整備開発計画による漁場造成事業の実施方を強く要望されました。  また、本町のみならず広く近隣市町村の漁業者が利用する南薩海域については、沿岸漁業の振興を図るため、同計画に基づく魚礁の設置、特に大型魚礁設置事業の実施が期待されているのであります。  最後に、水産業関係について述べられました要望事項のうち、主要なものについて申し上げます。  まず、鹿児島湾の水銀汚染は、依然として特定の魚介類から高濃度の水銀が検出されており、県民の不安解消と関係漁業者の経営の安定を図るため、早急に発生源等の究明及び人体への影響の解明を行う等、国の指導的役割りが真に期待されているのであります。  また、カツオ、マグロ漁業経営安定対策の強化のため、国際漁場の確保、漁業再建に対する財政的援助のほか、カツオ漁業の生きえの斃死に関する予防対策の確立、海外に生きえ補給基地を整備すること等が要望されたのであります。  最後に、農業関係に対する主な要望事項を一括して申し上げます。  農業生産基盤の整備に関係いたしまして、国営灌漑排水事業を初めとする各種の事業の予算枠の拡大と工事の早期完成、広域営農団地農道整備事業等、基幹的農道整備の推進と一部採択基準の緩和、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法の期間延長等であります。その他といたしまして、園芸用廃プラスチックの処理対策の推進、学校給食施設関係の条件整備、学校給食に充当する米の価格についての特別措置、カンショでん粉対策の強化、桜島火山災害対策に係る特別措置の拡充等であります。  なお、本年六月の梅雨時期において長雨による農業関係被害額は、農作物、耕地関係を合計いたしまして、熊本県では約十一億円、宮崎県約五十八億円、また鹿児島県におきましては約百十五億円に上るとのことであり、このほか、はからずも今回の調査中において遭遇いたしました台風九号による被害もあり、国において、一、激甚災の指定、二、自作農維持資金の融資三、共済金の早期支払い等の措置をとるよう要望がありましたので、つけ加える次第であります。  以上をもちまして第二班の調査報告を終わるのでありますが、最後に、今回の調査に当たり、政府機関、熊本、宮崎及び鹿児島の各県当局、地元市町村を初め関係諸団体等の各位から寄せられました多大の御協力に対し、深甚なる謝意を表する次第であります。(拍手)

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 以上で派遣委員からの報告聴取は終わりました。     —————————————

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 農林水産業の振興に関する件について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 去る七月の七日に開かれました米価審議会は、八日の日に生産者委員が一斉に退場するという事態を招いて、十日に閣議で決定をされました。その中で五年間で生産者米価と消費者米価の逆ざやは解消するという決定もされ、農家にとりましてはいよいよ農業は深刻化をしてくる、崩壊をするのではないかという心配があるわけでありますが、米の作柄についても大臣は非常に注目をしておられることは間違いがないと思うのであります。農林経済局長等もお呼びしておるわけでありますが、もし大臣が今日の現況を知っておられるならば、米の作柄状況についてはどのように把握をしておられるのか、そしてまた農業資材等の前年今日との対比はどの程度値上げになっておるのか、もしわからなければ後で担当者にお話しいただいても結構でありますが、知っておられるならば、私は時間がほとんどございませんので、簡潔にお答えいただきたい、こう思うのであります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 ことしの作柄につきましては、最初の報告は受けたわけでございますが、まだその後の今日の状況につきましては精細には承知しておりませんけれども、現在の段階では大体平年作という状況じゃないか、そういうふうに報告を受けておるわけであります。一部冷害等を心配しておった地域もその後日照等が非常に強くなっておりますので、稲作の方も好転をしておる状況じゃないかと考えておりますが、後で統計関係の責任者から詳細に説明を申し上げさせたいと思います。  農業資材につきましては、大体、肥料にいたしましても農薬あるいは農機具等にいたしましても、これは全農等との話し合いによって決めておるわけでございますが、全体的に見て価格は非常に落ちついた形で推移をしておる、今後とも落ちついて推移をしていくというふうに判断をいたしております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いまの件につきましては、事務担当がおいでになりましてから直ちに御答弁を追加でお願いをしたい、こう思うのであります。  食糧庁の方にお尋ねをいたしますが、今度の割り当てについては、何年から何年を基礎にして、どのような算出方法で生産者の供出割り当てを行っておるのかお伺いしたい。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 お答え申し上げます。  予約申し込み限度数量の問題でございますが、先生御承知のとおり、昨年は八百八十五万トン、本年は八百七十万トン、これは全国のベースでございますが、そういうことで決定をいたしまして、本年の三月の初めでございますか内示を各県にいたしております。それからたしか七月に入りましてからだと思いましたけれども、正式に通知をいたしたわけでございますが、その算定は四十二年から四十四年を基準といたしておりまして、その後の水田の壊廃状況あるいは造成状況等を勘案をいたしまして決定をいたしたということでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 四十二年から四十四年——その後の水田の壊廃状況なりもろもろの情勢を勘案するということでございますが、四十二年から四十四年の際に、それまでに国の政策に従って生産の調整を行っておるというところも相当あるやに承知をしておるわけでありますが、それらの問題についても十分考慮をされておるだろうかという疑問があります。もろもろの情勢ということになりますと、きちっとしていないということにもなるわけでありますが、たとえばわが県は四十四年に百四十七町歩、生産の調整、転作を事前に行っておる、こういう事実がありますが、そういう点については配慮はされておらないというふうに承知をしておりますが、その点はどうでしょう。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 先生御承知のとおり、いわゆる生産調整でございますが、これは実施に入りましたのは四十五年度以降でございます。したがいまして、生産調整下にあります数字を基礎にするわけにはまいりませんので、四十二年から四十四年を基準年次としてとったということでございますが、県によりましてはこの基準年次が特殊な年である、あるいは災害に遭ったとか作況指数が非常によかったとかいう特殊な年であるという県も確かにありますわけで、その辺はできる限り修正はいたしております。修正はいたしておりますが、先生御指摘の生産調整、あるいは県で独自にやったのかもしれませんけれども、その問題につきましては私ちょっとここでお答えができないのでございますが、先ほど冒頭に申し上げましたとおり、四十五年度以降全国的な問題として取り上げられておりますので、その辺につきましては織り込まれていないということが申し上げられるのかもしれません。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 四十四年から生産調整の話が出て、そういうことを事前に農林省の政策に従ってやってきた者が損をするというようなことで、その生産調整をやった町村は非常に割り当てについての不信感を持っておるというのが現状でありますが、これらについての措置というものは考えられるかどうかという点であります。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 ただいまお答え申し上げましたとおり、基準年次の特殊性というものはできるだけ修正をしながら割り当て量を決めるということでございますので、ただいま御指摘の点は十分に調整をいたしてみたいと思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 きょうの新聞によりますと、きのうですか優良品質米の奨励金五百円、これのA、Bランクというものが発表されておるわけでありますが、これはAの残りはほとんど全部Bになっておるわけです。ササニシキとかコシヒカリとか、わが県ではヤマビコがAということになっておるわけですが、隣の兵庫県では「日本晴」。兵庫県と鳥取県というところは全く境を接して、隣は「日本晴」はA、うちの方の鳥取県は「日本晴」をつくってもBだ、こういうことで、県、行政上の区画でやればAとかBとかありますが、たんぼのあぜを置いてすぐ隣がAとBと違うということは非常に矛盾があるではないかという声が高いわけでありますが、それらについての考え方、画一的にはなかなかでき得ないと思うのでありますが、そういう点の調整なり納得のできる措置というものはできないかどうか、この点について伺いたい。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 御指摘のとおり、良質米奨励金のAランクといたしましては、鳥取県産米につきましてはヤマビコ一銘柄でございます。兵庫県におきましてはヤマビコそれから「日本晴」その他が入っております。先生御指摘の「日本晴」につきましては、実は銘柄米の作付あるいは生産量ともに「日本晴」が全国で一位でございます。「日本晴」と申しましても、各土地によりまして食味その他当然相違が出てまいります。これは土の関係でございますとかあるいは水の関係でございますとか気温の関係とかがございまして、その県一円の産米の評価というものは県ごとにやはりおのずから異なってくる次第でございますので、これは確かにおっしゃいますように、境界を越えました隣の農家とこっちの農家というような差は出るかとも思いますけれども、やはり行政区画に従って線を引くということしか方法はないのではないかと存じております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 次長からお話しいただきましたように、土地柄もその他の条件もほとんど変わりないわけですね。ただ行政区画上やむを得ないというようなことでは農民はやはり納得できないじゃないでしょうか。県が違うから値段が違うんだというようなことでは——隣ですから、回じ土で同じ品質の米ができる。そういう点については配慮をしなければやはり農政不信で、机上の計算論だけで、農民の感情なり農家の生産意欲というものについて大きな問題を投げかけるではないか。ただでさえ農政不信の今日、そのような点については是正をすべきだ、こういうふうに思うのでありますが、いかがですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 鳥取県の「日本晴」も、兵庫県境のごく一部につくられておるというものではないと存じます。やはり鳥取全体の「日本晴」ということで各市場におきましての評価がおのずからできてくるということでございますので、やむを得ないのではないかと存じております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 私は時間がありませんので多くを申し上げる余裕がないわけでありますが、兵庫県の但馬がいわゆる農村地帯ですね。私のところと土地なり、あなたがおっしゃるような条件が違うというふうには考えられませんですね。だからそれらについては、発表されたから直せないというものではないと思うのです。したがって、十分御勘案と御考慮をいただいて、農家の不信なり生産意欲に大きな影響がないように措置をしてもらいたいと思うのでありますが、農林大臣、この点については検討いただけますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この制度はことし新しく始めたわけでありまして、そういう中で基準を設けて発足をするわけですが、いまお話しのような、いろいろと具体的には問題点も出てくる可能性があると思います。ことしはこの基準で進みたいと思っておりますけれども、しかしいろいろと実態等も今後十分に把握しながら検討すべき点はやはり検討して、改善をしていかなければならぬ点は改善をしなければならぬ、こういうふうに思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 次に買い入れ制限の問題でありますが、統計情報部長さんはおいでになっていますか。——有松統計情報部長、作柄状況についてただいま農林大臣にお尋ねをしたわけでありますが、今日の米の作柄状況について、平年作より若干好転したではないかという示唆がありましたが、どうです。

有松晃農林省農林経済局統計情報部長

○有松説明員 本年の水稲の作柄でございますが、ただいままでに判明しておりますのは北ないし東日本の早場米地帯でございまして、この早場米地帯の分につきましては七月の二十八日に公表をいたしました次第です。この七月十五日現在の早場米の状況では、初期は生育はおおむね順調に進んでおりましたけれども、その後低温等のことがあって若干生育が抑制される、こういうことがございました。ただいままでのところでは一部の千葉、茨城等がやや不良になっておりますが、その他はおおむね平年並み、こういう状況でございます。なお、その後の全国的な状況につきましては、八月十五日現在の作柄を目下調査中でございまして、これは八月三十一日に公表する予定になっておりますので、ただいままでのところは以上申し上げたとおりでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いずれにいたしましても、国の割り当てあるいは農家の保有米等を含めてそれ以上に米ができるということはまず間違いがない、こういうふうに判断しております。どの県に参りましても、通称余り米と言いますか、超過米の措置に対して非常に心配をしておる。昨年の場合は、たしか十一月の二十九日だったと思いますが、大臣なり食糧庁長官なりあるいは全農の皆さんなりがお話しになって、一つの覚書のようなものが決められております。ことしの超過米の取り扱いについてはどのような措置をとっていくつもりなのか。そして私たちは全量買い上げを主張しておるものでありますが、政府としてはこの余り米についてどのようにお考えでありますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いま統計情報部長から説明いたしましたように、ことしの作況、まだ初期でございますから、今後どういうふうになっていくか予想がつかないわけでございますが、今後の状況で豊作で余り米が出る、こういうふうな事態になれば、いままでもやっておるわけでございますが、まずやはり県間調整をしていかなければならぬのは当然でございます。その後さらに過剰米が出るというふうな段階になれば、去年からことしにかけて行いましたように自主流通ルートにのせて、これを処理していくという方向で今後も進めなければならぬだろう、こういうふうに考えております。まだ現在の状況では、果たしてそういうところまでいくのかどうかはっきりわかっておりませんから、具体的にここで対策を申し上げるというわけにはまいりませんけれども、去年やってきた方向はやはり基本としてとってまいりたい、こういうふうに思っておるわけです。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 経緯としてわかりました。府県間調整をしで、五月三十一日ごろまでにまだ自主流通米にのらない場合は、去年は実勢価格という言葉を使っておられましたが、残量は全量国が買い上げる、そういうことですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 ことしは大体自主流通ルートにのせまして、大半は処理したというふうに聞いておるわけです。去年からの方向、方針としては、自主流通ルートにのせてなおかつ余った場合においては政府が責任を持って処理する、こういうことを決めておったわけですけれども、大体自主流通ルートで大半が処理されたというふうに私は聞いております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 だから、去年の場合はそうだった。ことしもし余れば、つくった米は政府が指定する機関に売り渡さなければならぬわけですから、だから農家の場合は全部自主流通米ルートにのせて処理ができなかった場合は、国が責任を持って処理するということに、結果的には去年どおりなるわけですね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 まだことしの段階でどういうことになるのか、作況もはっきり判明しないわけですから、言えないわけです。しかし、去年の方向というものを基本にやはりことしも考えていくということは当然のことじゃないだろうか。去年の方向を基本としてことしも対処してまいるべきじゃないだろうか、こういうふうに私は考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 私はこの際農林大臣に申し上げておきたいのは、八百七十万トンというのは国民に必要食糧として配給するために買い上げるわけですね。その超過米は自主流通にのせたい。その自主流通と相対的な数量が余っておるとすれば、この八百七十万トンを配給計画にのせないで控えて、配給計画にのせるものはいわゆる超過米をのせていく、こういうかっこうで、それで八百七十万トンの残ったものは、いわゆる備蓄といいますか、そういうかっこうに残っていく、去年はこういうことになっておったわけですね。必要なものは国の配給計画にのせて、そしてそれだけ控えるというようなものは逆にその超過米を農家の皆さんから買い入れていく。数量は、絶対数は同じなんですから、どういうふうにして農家の皆さんが損をしないように、農民の側に立ってやはり農政というのは考えるべきものだと私は思っておりますが、自主流通米のルートにのせて一万六千五百七十二円が生産者、あるいは売るのはずっと少ないということになれば、売り渡し価格の方に重点が置かれて、値段が開いてくるというのは、農家にとっては政府に売った場合よりも損をするわけですから、それは二段米価にならないように、そのような最大の措置をとるのが農民のための農政、そしてまたやはり情愛のある措置だというふうに私は考えておりますが、それらについては十分検討がいただけると思いますが、どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 米の処理をする場合には、やはりいまお話しのように、農家の立場、農家の手取りというものも十分考えながら処理をしていかなければならない、これは基本的な考えでなければならぬわけでございますが、ことしというか去年の産米もそのような立場に立って、政府の在庫の積み増しも、大体ことしは百五十万トンというのを、二百万トンを超えて二百三十万トン以上になっておるということでもありますし、その他自主流通にのせて処理する面につきましても、政府としてもあらゆる苦心をいたしましてやったわけでございますから、全体的には今日去年の産米につきましてもいろいろと政府は政府なりに最大限の苦心、工夫をいたしまして、農家の立場というものを考えながらやってきておるわけでありますし、今後ともこういう基本的な考え方でもって進んでいかなければならぬ、ことしももちろんそういうふうに考えておるわけであります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間が参りましたから多くを申し上げることはできませんが、農林大臣のお言葉をそしゃくすると、農家の手取りを十分に考えて不満のないように措置をしたい、言うなれば政府に生産者が売り渡す価格よりも超過米は下回らないように措置をしたい、こういうふうに解釈をしていいですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 政府としてはいろいろと苦労をし苦心をして農家の手取りということは考えなければなりませんけれども、またそういう立場で今日までやってきておるわけでありますが、しかし無制限買い入れということは、もちろん食管法上からもこれを認めておるというふうには考えておりませんし、なおかつ過剰米が出たときにその価格等につきましてもできるだけのことは考えなければならぬわけですが、政府が買い入れ価格でこれを買い入れるということになれば無制限買い入れということにつながっていくわけですが、そういうことではなくて在庫の積み増しとか自主流通で努力をするとかそういうふうなことをいろいろと苦心し工夫をして、なるべく農家の皆さんの手取りが確保されるように努力をしていきたい、こういうことでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 澤邊農蚕園芸局長等もおいでをいただいたわけでありますが、連絡が不徹底でありまして、質問をする時間、あと同志が質問いたしますので恐縮ですが、農機具の前年同期の対比と将来の農業資材の動向について御説明をいただきたいと思うのです。

有松晃農林省農林経済局統計情報部長

○有松説明員 農機具の前年対比の動向だけ私の方から申し上げます。  統計情報部で農村物価指数というのを毎月出しております。六月現在の分を七月三十日に公表しておりますが、それによりますと、農家が購入しております農業生産資材の総合で六月現在で前年対比三・二%のアップ、その中で農機具、つまり大農具でございますが、これは六月現在で前年対比二・五%のアップ、こういうふうになっております。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○澤邊説明員 今後の見通しという点についてのお尋ねでございますが、農業機械の価格につきましては例年改定期が七月と十二月の二回になっておりまして、今年も七月からメーカー側は価格の引き上げをしたいということで全農と交渉を続けておりました。最近の鋼材なりあるいは外注工費なり人件費の値上がり等を理由にして引き上げをしたいということで、五%ないし一二%の要求を全農に出しまして折衝を続けておりましたけれども、交渉は非常に難航いたしまして、全農側は、当然のことでございますけれども、最近の農業情勢からいたしましてできるだけ値上げを抑制をしたいということで折衝しておりまして、私どもといたしましても行政指導をしたわけでございますが、その結果八月から十一月までの価格を先般決めることで妥結をしたわけでございます。  中身といたしましては、国産のトラクターと耕運機につきましては、全農の買い入れ価格につきまして四・五%の値上げ、これは平均でございます。それからバインダー、コンバイン、ハーベスターという収穫関係のものにつきましては、一応四・九%の値上げということを決めましたけれども、予約をしておるものについては据え置きということでございまして、全農はほとんど全部予約をいたしておりますので、事実上は据え置きということになるわけでございます。それから田植え機、防除機、乾燥機等は現行価格据え置きということで決まりまして、そういたしますと、全農の買い入れ価格について値上げ率を総合的に全機種平均いたしてみますと、一・一%の値上がりということで最小限の値上がりにとどまったものというふうに考えておりますので、その線で次の改定期まではいけるというふうに考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間が参りましたのでやめますが、農林大臣は農業資材もどのようなことがあっても抑制をしていきたい、こういうことを前にお話しいただいております。去年の同期とは三・二%上がっておるわけですから、これ以上上がらないように、いまの澤邊さんが言ったことがうそにならないように実施をしてもらいたい。  それから、消費拡大の問題についてお尋ねをしたかったわけでありますが、米の消費拡大運動をいまパンやめん類を米に切りかえて、そういう政策的な誘導をどうするかというのは大きな課題だろうと思うのです。したがって、麦の輸入制限をどう進めるかということが今後の課題でありますが、農家の皆さんはこう言っております。われわれにだけ行政は厳しく介入をする、そして生産調整なり生産制限をする、輸入の方は消費者の嗜好に合わせてということで、むしろ野放しと言わなければならぬ。消費者の方にもそういうような政策的誘導はほとんどない、片手落ちではないか、不公平ではないか、こういうのが農家の声であります。消費の拡大なり、麦の輸入制限等についても、行政配慮と消費の拡大についての十分な政策誘導を図っていただきますように要望して、私の質問を終わります。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 阿部助哉君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私は、いま農民と国、県との間に激しく問題化しております福島潟の問題にしぼって御質問をいたします。  この問題は福島潟だけの問題ではなしに、日本の農政の根幹に触れる問題でありまするけれども、それをやる時間がございませんので、これにしぼりたいと思います。  まず冒頭に、お聞きの皆さんにもなかなか理解ができないと思いますので二、三分間で概略を申し上げますと、新潟県はまず米産県だと言われておる。その米産県の中で最も米をよけい産出するのが、十六郡のうちのこの北蒲原郡であります。その米産地帯の中央に福島潟は位置をしております。東側には越後山脈、西側の海岸地帯は砂丘地帯、そうして阿賀野川と加治川にはさまれた、まさに福島潟はすりばちの底に当たっておるわけであります。したがって、長年にわたるこの干拓も進んでまいりましたが、ここだけが残ってまいりました。そして周辺農民の長年の夢でありました干拓が進められてきたわけであります。したがって、これは最後の農地解放だとも言われております。ここに国が農民の要望にこたえて、干拓事業を始めたわけであります。  それを始めるに当たって、当時これを所有しておりました市島家——酒田の本間に次ぐと言われた日本第二の大地主であります。その市島家から国がこれを買収をする。その価格が六百九十何万、約七百万で国が買おうとしたけれども、市島家は安過ぎるということで訴願をいたそうといたしました。訴願になれば、周辺農民はいつになって干拓事業が始まるかわからぬという心配のもとで、期成同盟会はみずから三百万の金を銀行から借りて市島家に提供し、訴願の取り下げを行ってこの干拓事業が始まったわけであります。  しかし依然として周辺は——この福島潟一帯は低地帯であります。今日皆さんが干拓事業をやったこの干拓自体が、六十センチから四十センチという水面下にあるわけであります。したがって皆さんは、これを完全なる干拓ということではなしに、皆さんの農林省の地図に示してありますように、ここへ流れ込む十三本の河川が、洪水期あるいは多少雨がよけい降れば遊水地の役割りを果たす。そういう形でこの堤防の八百メートルは溢流堤という、あふれて流れる堤防という。皆さんの図面によりますれば、これは水路であります。堤防とはなっていない。水路というものを八百メートルつくっておる。そういう低地帯で皆さんは生産調整をやって、米をつくるなとこう言ったわけであります。  初めのうちは、この生産調整が始まりまするまでは、農民と農林省はまさに一体になってこの工事を進めてまいりましたが、問題は生産調整というのが始まってから、農民と農林省の間にトラブルの原因が起きてきたわけであります。  そうして皆さんのこの計画書によりますると、三日間に百七十八ミリの雨が降ればこの溢流堤から水は干拓地に入る、こういう設計になっておるわけであります。しかし、これをかさ上げするかのような話を県知事あたりがしておるようだけれども、できないのです。これは建設省の関係があって、この溢流堤をかさ上げした場合には、阿賀野川から加治川における水の問題がある。当然周辺の既耕地が冠水をすることによって、毎年のように周辺の農民との間に補償関係が出てくるという、こういう問題がありますから、農林省の皆さんだけの一存でこれをかさ上げすることができないのであります。  ところが、そういうところで皆さんの統計は、大正十年から昭和三十三年までの新発田の降雨量の統計をとっておるけれども、最近における、この十年間において、昭和四十一年には冠水をいたします三百三十一ミリの雨が降っております。そして四十二年には、八月二十七日から二十九日の三日間で三百五十七ミリの雨が降っております。四十六年には六月二十八日から三十日までの間に百八十二・五ミリの雨が降っておる。そして昨年は、溢流堤を越してまたこれも流れておるわけであります。ことしは、六日、七日の二日間でおおむね百三十ミリ程度の雨が降った。それで溢流堤は、わずか二センチを残してようやく水の入るのをとめたけれども、下からの地下水の浸透あるいは降雨によって、全面的に水がこの地にあふれたわけであります。  一体、そういうところを畑にせよということは、水路をつくってこれだけ何遍か——十年の間に、まず二年に一遍水をかぶるようなところに畑作の指導をするというところに、今日の農政、農林省は一体現地をどのように見て農政をやっておられるのか、私ば疑問を持たざるを得ないのであります。周辺の農民は、一番よく福島潟の関係を知っておるのであります。何百年という深いかかわり合いの中で、この地が畑になるなどということを信ずる者はだれもいないのであります。  一体この水の問題、降雨量の問題、これは皆さんはどう考えておるのか、まずお伺いしたい。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 いま先生が、福島潟の干拓事業の施行に当たりましてのそもそもの経緯からいろいろお話しになりましたし、また構造上につきまして一部溢流堤があること、その他お話がございまして、おおむね先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、それに対して農林省はどういうふうに考えるかということで、ほとんど先生がおっしゃったことと同じだと思いますけれども申し上げますと、おっしゃるとおりここは主要な河川が周囲にございまして、この治水計画というものを無視いたしましてはこの干拓事業が施行ができないということもございまして、治水担当部局と十分打ち合わせの上、この干拓地につきましては一部溢流堤を残すということで現在話がついておりますので、治水計画が変更されませんければこの溢流堤を直すというわけになかなかまいらないというふうに考えております。ただ、今後治水当局におきましても、福島潟それから新井郷川等のしゅんせつ工事等を進める予定でもございますし、その他にも治水工事の計画があるやに承っておりますので、それとの関連におきましてはこのかさ上げというものも可能になる時期があるかもしれぬということは考えております。  それからこの溢流堤につきましては、おっしゃるとおり十年間確率によりまして、その間三日間連続で百七十八ミリを超えるような降雨量がある場合にはオーバーフローするというような計算になっております。現に、御指摘のとおり昨年の八月におきましては二日間連続百六十二ミリの降雨がありましたので溢流堤を若干溢水をいたしまして、きわめて小面積ではございますけれども地域内に水が入っております。今回の八月五日から七日にかけましての降雨、これは合計で百八十三ミリというような降雨量があったと私どもは聞いておりますが、先生のお話しのとおり、今回はまだ溢水をいたしておりません。したがって、地域内に流入はしておりませんが、一部冠水があったという報告は現に来ておりますが、これは私どもの計画いたしております地区内用排水路等に妨害物等が現在入っておりまして、十分に排水機能が発揮していないというような原因かと思いますけれども、若干冠水地帯が発生をしたということは聞いております。したがって、私どもはこの干拓地につきましてはそういう条件を備えたといいますか、そういうような制約をこうむった農地であるというふうに考えておりまして、そういうような条件のもとでもこれは干拓する必要があるという地元の御要望に従いまして私どもは工事を進めているわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 あなたはこの事業計画書をおつくりになった。四十七年に変更をしてこれをおつくりになった。これによれば畑作ができるんだ、こういうことになっておる。いまお話を聞くとそうではない。これから新井郷川のしゅんせつをやるのだとか、県知事に言わせれば胡桃山に排水機をつくるんだとか、いや、東港にこの水を切り落とすなんという、これは大変な大工事であり、希望であります。しかし、なぜこれをやってから畑作にせいと言わないのです。  幸いにしてことしはあふれなかった。てっぺんを二センチとか三センチとか残したそうです。しかし、そのときにはマイナス六十センチのこの地帯は、地下浸透の水と上から降る水でブルドーザーは動かないのです。皆さんいま工事をやっているという、ブルドーザーは動かないのです。そういうところが一体畑作になるのですか。それならばこの皆さんの工事完了の五十年にそれだけのものをきちんとやった上で農民に畑作をしろと言うならばまだこれはわからぬではないのです。これからやりますということで、いま農民に畑作をせいということは一体どういうことなんです。そういうごまかしの答弁をしてはいかぬですよ。何です、それは。農民は生活をしておるのです。皆さんテーブルの上で、紙で仕事をしておるのとは違うのですよ。その仕事をやった上で、こういうふうに畑になりますよという上で畑作を勧めるならば、私は理解しないでもないのです。これからやりますというその仕事は、また大工事です。何年かかるんです。そういうあいまいな態度で農民に一方的に押しつけても無理です。  しかも、私は時間がないから詳細申し上げませんが、皆さんはこの事業計画にいろいろなことをやることをうたってあるんです。畑作にすれば流通関係をどうするとか、その機構をどうするとか、皆さんはいろいろとこれにうまいことをうたって畑作をやれと、こう言う。農民はそれをいやだと言う。皆さんはやるべきことは一つもやらないでおいて、農民だけをいじめるということは私は理解ができないんです。  私はこの問題に触れておると時間がかかりますけれども、まず溢流堤——皆さんの地図によれば水路だが、水路をつくっておる畑なんというものは、将来海の底で野菜がつくれるようにでもなるならいざ知らず、今日の段階で水路を持っておる畑なんというものは私は世界じゅうに見たことがございません。それが今日の農政ですか。あなた、それで畑ができると思っておるのですか。そういうふざけた農政をやって農民を逮捕する、農民を告訴する。私は今日の農政、疑問なしとしないのであります。  その次へ移ります。これからは時間がないから事実関係だけ返答してください。  皆さんは土地を配分する場合、この土地は農民との非常に深いかかわり合いのあるところであります。したがって、干拓地や何かには、配分の場合、配分基準というのがございますね。あるか、ないかだけでいいです。ありますね。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 ございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 この配分基準を拝見いたしますと、まず自立農家育成ということだろうと私思うのでありますが、ごく零細農には配分しない。五反以下の農家にはこれは配分しない。そうして配分したときに、既耕地と配分面積を合わして大体二町三反から二町五反、収入はおおむね二百万の農業収入を上げるというふうに皆さんはうたっておるわけであります。ところが、市島農場に四町二反の配分をしておりますね。この事実をまず確認したいと思います。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 いまお話にございました有限会社市島農場に四・二二五二ヘクタール配分予定ということになっております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 これはこの基準と違いませんか。違いますね。四町二反の配分などというものは基準からはるかに超えておるのです。なぜこれをやったんです。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 実は先生御指摘のとおり、私どもは干拓地の配分につきましては基準を設けておりますが、この設けられました基準に従いまして具体的な配分をいたしましたのは、都道府県知事、この場合には新潟県知事でございます。新潟県知事が配分基準を勘案いたしまして適当な配分者を決定をし、配分をしたものというふうに考えておりますので、この市島農場に対します配分も、理由その他は詳細には承知いたしておりませんが、適正な配分であったというふうに私どもは考えております。(阿部(助)委員「何、適正な配分だって」と呼ぶ)適正な配分であったというふうに私どもは考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 まずここで大臣、私あなたにちょっとお伺いしますけれども、知事に委任をしておることは私も承知しておるのです。委任をしたということは、農林省はもうノータッチで、全部権限は委譲して農林省に何もないということですか。私は、一番けしからぬと思うのは、役人は自分の責任逃れをするということなんです。お互いに責任を持とうじゃないですか。知事に業務を委任するということ自体はどこでもあります。しかし、農林省はそれによってもう何らの権限もなくなったということですか。責任もなくなったということですか。そこをきちんと私は大臣からお伺いしたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これはやはり委任をする場合においてももちろん法律、政令、省令の枠内において委任をするわけでありますし、農林省としては一般的な監督責任というのは当然あるというふうに考えます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私は当然のことだと思うのですよ。そうすると、皆さんが示した、また県が示した配分基準からこれが逸脱していないかということなんですが、それは逸脱していないと局長はおっしゃったようですが、もう一遍答えてください。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 先ほど私は知事の配分というものは適正であると考えておるというふうに答弁を申し上げたわけでございますが、先生が、もしこれが逸脱しているのだというお話ならば、改めてこれは調査してみなければならないというふうに考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そういういいかげんな答弁をしてもらっちゃ困るのです。これだけ大きな問題になって、農民を皆さんは告訴して、そして警察は農民を逮捕しておるのですよ。そういう中で——皆さんの出した書類、ちゃんとここにあるのですよ。おおむね二町三反程度にするとか零細な農家には配分しないとか、はっきり書類があるのだから、それが適正だとあなたおっしゃれば、この基準というのは初めからどうでもいいということになんですね。  それならばもう一つ聞きますけれども、この人は気に入るからいっぱい上げることができる、Bは気に食わないから上げないというような行政の不公平ができますか。その不公平をなくして公平にやりたいということで皆さんは基準をつくってあるはずなんです。なぜ一体、四町二反というのがいい悪いは別にして、基準に違反してないかと言っておるのですから、それははっきりしなさい。明らかに違反しておるでしょう。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 余り細かいことなのでお答えをしなかったわけでございますけれども、私どもの承知いたしております福島潟土地配分の基準方針の中に書いてございますのは、多少細かい数字になりますけれども、誤解があってはいけませんので申し上げますと、増反対象農家の選定に当たりましては、増反対象地域の農家については、これは農地局長通達ですが、昭和三十六年に出ておりますけれども、それに基づきまして一戸当たり配分面積の細分化を避け、地域内農家の経営耕地平均一・六六ヘクタールを背後地農業地帯の専業農家平均耕地二・二三ヘクタール程度、これは先生がおっしゃったのですけれども、またはそれ以上に引き上げるよう努める、ということになっておるわけです。ですから、こういう基準に従いまして県知事がいろいろ判断をされて、この有限会社市島農場に四・二ヘクタール余りを配分したのではないかということで、私どもはこれを拝見する限りにおいては適正であると考えます。しかし、先生がこれは違反しておるとおっしゃるならば、それは何が違反しておるかどうかは詳細に検討し、調査をしてもらわなければわからないということを申し上げたわけです。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 大農育成という点で、大きなのは皆さんいいと言うならば、じゃ今度は小さい方のを出しましょうか。ここにはいろいろな関係があり、また水路のために農地を提供した人あるいは道路建設に土地を提供した人、そういう人たちに対して、零細農であるけれども、配分をしておるのです。そうすると、これは基準違反になりませんか。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 これは一般的な話でございますけれども……。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 これは具体的にあるのです。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 いや、まず一般的な話を私は申し上げるわけでございますけれども、一般的に干拓地の土地の配分をする場合には、先ほど申し上げましたように配分の基本的な基準がありまして、それによってやるわけでございます。ただ、例外的に、先生のおっしゃったように土地の提供者とかその他もろもろの特殊事情がある場合には、これは例外が設けられ得ることになっておりまして、その場合には農林大臣と相談をいたしましていろいろ措置をするというようなことが一般的にはございます。  ただ、この福島潟につきましては、私ども聞いております限りにおきましては、そういうような土地の提供者その他に対しまして例外を設けて、その例外によって特別の配分をしたいというような話が当時あったとは聞いておりません。したがって、その福島潟につきましてはそういう例外配分というようなことで、土地の提供者その他に対しまして特別の土地を配分をしたというふうには現在のところ聞いておりません。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私は大変に不勉強だと思います。これだけ問題になっておるにかかわらずまだ聞いていないなんという話をされたんじゃ、国会で議論ができません。なぜそうやって不勉強なんです。皆さんは都合の悪いことは知らぬ存ぜぬなんです。ここにはいわゆる親子関係という関係をつくっておるのです。それはなぜかというと、配分の基準には当てはまらない。しかし土地を提供した。そういう提供するときの約束事でこれに配分はせにゃいかぬ。そこで、これはいわゆる子供として、表面の配分者にはなっていないのです。そしてAというものが配分を受けた。内部で二人の約束でやる。その指導を県の役人も、恐らく皆さんもそう言いたいところでしょうが、知らぬ存ぜぬで逃げてきたわけです。しかし知らぬとは言わさぬのであります。それは、この指導に当たって金沢の農政局から三人の役人が参加をしております。各市町村長の記録にちゃんとその名前が出ておるわけであります。私のところにこのコピーがございますから、その当時の役人の名前、県の出席した役人の名前、全部あるのです。三人の金沢農政局の役人が参加をしている。しかも念のために、親子関係をつくっても内部でいざこざはないんだろうなということを念押しをしておる。その記録が町村の役場にあるわけであります。そこまでやっておるにかかわらず、皆さんはこの問題を、事実を知らぬ存ぜぬと言って逃げるのでは、私は国会審議というものを悔辱するというふうに受け取らざるを得ないのですが、大臣、いかがですかね。こういう答弁困ります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私はそのいま御質問の点については何も詳細に聞いておりませんので、局長から答弁をさせます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いいです、そんなのは。名前をはっきり申し上げましょうか。北陸農政局計画課小笠原課長補佐、拓殖課横山課長補佐、管理課堂前管理課長、この三人がここに参加をしておるのです。そういうことをやりながら、われわれは知りませんというのじゃ、本当に国会審議できませんよ。  私はもう一遍さっきの市島の四町二反歩のことを聞きますけれども、じゃあこれはどういう性格で渡したんです。四町二反というこの広大な土地をこの人にだけやったんです。その理由はどうなんです。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 市島農場に対します配分についてお答えいたしますが、これは先生御承知と思いますけれども、昭和四十七年に土地改良法が改正をされまして、その結果、農業生産法人に対しましても干拓地の配分をすることは可能というふうになったことから、この有限会社市島農場が農業法人として適格性があるというような判断のもとに配分をされたというふうに聞いております。  ただ、なぜこの市島農場は四・二二五二ヘクタールであるかということにつきましては、私まだ県知事からその理由等を承っておりませんので、これはさらに理由を聞かなければ、現在ここで先生にお答えをするわけにはまいりません。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 じゃ私が申し上げましょう。これは農林省は一部の買収を忘れておったのです。用悪水路、こう地元では言っておるのですが、これの買収を忘れておった。そのために干拓が始まってから、これを取り上げる、そのかわりこれだけの、その分としてはたしか三町歩ですが、三町歩の土地を上げますという念書が入っておる。そうなりますと、これはいわゆる補償配分ということになりますね。大臣、それは認められるでしょう、私の申し上げたことから言えば。どうです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私もいま初めて聞くわけで、その事実関係をもう少し県の方へ聞いてみないとはっきり申し上げられません。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私はうそを言っていないのですよ。だけれども、私が申し上げたとおりならば、これはいわゆる補償配分ということになりますね、こう聞いておるのですから、何も県に聞かなくたって、あなた、判断できないはずないじゃないですか、どうなんです。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 補償配分というのは必ずしも正式な用語ではないので、先生のおっしゃっていることがどういう意味か、その辺がはっきりしませんと、私もうかつにここでちょっと答弁するわけにまいりませんので、御勘弁願いたいと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 この配分の場合にこの地帯でやりましたのは、用悪水路代替地として市島農場に三町歩、地区外道路の代替地としておおむね七反四畝、こういう形に、まず道路を提供した、水路に土地を出した、こういう人たちに優先配分をしたわけです。それから一般配分ということで、それにはこの干拓地から二キロ以内の農家でどうだこうだということで、そこで、その点では基準が大体当てはまる、こういう形でやっておるわけであります。  たとえば、小熊さんという七十二歳の老人、彼はこの仕事が進む当時区長さんであった、漁業組合の組合長でありました。そうして彼のところに県や市からいろいろと懇請をされた。そこで彼は努力をしたけれども、何としてもこの建設道路の予定地内にある三人の農家は反対をした。あんなところは要らないから、自分のたんぼをつぶすのばいやだということで強硬に反対をいたしました。そのために小熊さんは、自分の美田をその人たちの予定地のたんぼと取りかえをいたした。そうしてそのために、かえたその道路予定地の自分のたんぼは全部道路に切られて三角のたんぼになってしまった。ここに図面がございます。そのために用排水がうまくいかなくなって、彼は数年間耕作をやめている。今日は人手もないということで、委託耕作をしておるのです。  そのときに彼の子供は猛烈に反対をした。しかしそれを押し切って、彼は百二十万ぐらいの値段のところを−彼が四畝買っているのは、実際一反百二十万でその人たちから買っておるわけです。それを六十万で提供する。おおむね八反歩のたんぼがつぶれてしまった。そのために、農業収入だけでは食っていけないということで、せがれさんは出かせぎに行った。その出かせぎ先で彼は事故に遭って死んでしまう。残されたお嫁さんは当時二十七歳、三人の子供を抱えていまたんぼをやっておるわけであります。  そのときの約束は、あそこは四反区画ですから、一反出したら一枚、四反のたんぼを上げますという約束のもとで、彼は書類をもって提供したわけであります。いまその家族は米をつくらなければどうしようもないのです。県知事は最近、小熊さんには出したたんぼに対してほかの土地を、代替地を見つけてやるからがまんせいみたいな話を県会でやっておりますけれども、小熊さんに言わせれば、たんぼより先にまずせがれを返してくれと言うのです。彼らは、たんぼになるために犠牲を払って出した、しかしできたものはたんぼはいかぬ、米づくりはだめだと言われてみたって、この人たちにとっては死ねということなんですよ。一体これが農政なんですか。これは明らかに代替地だと私は思うのです。彼はそれでなければ、そこまでやって八反歩ものたんほをつぶして、そうして協力するはずがないのです。当然、できた干拓地は水田であるという約束のもとで彼はそれだけの犠牲を払ってやってきた。だから小熊さんは、もし米がっくれないと言っても、私はつくる、どうしてもだめならば私を監獄へ持っていってくれ、おれはせがれに相済まないのだと言って私に訴えるわけであります。一体これが農政なんですか。大臣、これが気の毒だと思いませんか。初めからたんぼになるということで彼は提供しておるのですよ。それをいまになってあの水びたしの中でできもしない畑にしろなどということが血の通った農政と言えるのですか。私はこれは政治的な問題だと思う。私は局長の答弁じゃなしに、大臣の答弁をお願いしたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまお話を聞きまして、まことにお気の毒なケースであると思います。しかし、御案内のように、開田として出発して、その後米の過剰という中で国の基本政策が変わりまして、開田抑制ということになりまして今日に至っておるわけでございまして、この米の需給のバランスがとれて、そうして米がつくれるというふうな状態になれば、もちろん米をつくるということになるわけでございますけれども、現在の段階におきましては、大変冷たいことを申し上げるようですが、いまの基本的な開田抑制政策ということを変えるわけにはいかないわけでございます。そうした気の毒なケースに対しましては、県は県なりにいろいろのことも考えなければならぬし、対処もされるべきであろう、こういうふうに思っておるわけでございますけれども、個々の問題ではそういう非常に気の毒なケースもありますけれども、基本的な政策は残念ながら変えるわけにはいかないわけでございまして、その点に対しては、そうした方に対してはまことに申しわけない、そういうふうな気持ちでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それは政府自体が約束違反をやりながら、ただ気の毒だだけで済まされる問題じゃないのですよ、大臣。  これは皆さんからきのういただいた資料ですが、「国営農場開発事業について」、岩手県の須川というところでは十町歩の稲をつくっておる、能代では五十町歩の稲をつくっておる、いろいろとこうあります。福島潟は(十四町歩)、これはつくってはいかぬところにつくったのだ、こういう御説明でございます。なぜこれは干拓地でつくっておるのだ、こうお伺いしたところが、干拓でより広がったのではなしに、つぶれ地だからこれは認めておる、こう言うのですね。つぶれ地だから認めておる、そうすれば、いま申し上げた小熊さんであるとか、あるいはここに水路のために土地を提供した方々、たとえば仮谷忠一という人がおります。彼は一反三畝の土地を水路のために提供して、この干拓地に一反三畝、同じ面積をもらっておるわけであります。そこへ彼は稲をつくった。そうしたら県は、取り消しだ、こうなっておるわけであります。これは公平な政治という立場から言って、私は当然過ぎるほど当然のことだと思うのですけれども、一体なぜこの人たちにだけ米をつくらせないのか。なぜ片方ではつぶれ地につくらしておるのですか。不公平じゃないですか。これは大臣、どうです。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 実はこれはいろいろ経緯がございまして、先ほど申し上げましたように、この開田抑制政策は昭和四十四年に発足をし、本格的には四十五年から実施したわけでございます。そのときにはすでに、干拓それから農用地開発等につきましては、事業がもう進んでいる途中で切りかえたわけでございます。  私どもは、原則は、やはり四十四年度以降新規に完成するところにつきましては、これはもう水田は認めない、稲作は認めないということにいたしておったわけでございますけれども、しかしいろいろなケースがございまして、すでにある地区につきましては水源の施設等が完了しているとか、それから部分的に、水源の手当てができているということでもう引き返しがつかない、そういうような部分もあるわけです。そういうところにつきましては、その地区なりにつきましてその合理的な線を引きまして、ここは水田でよろしいよ、ここは畑にしてくださいよ。たとえば新潟県の中には、魚野川というところがございますけれども、そういうようなところもあるわけです。ですから私どもとしましては、画一的にはできなくて一部水田を認めたところがあります。しかし、そのときにはっきりすべて確定いたしまして、約七万ヘクタールは、これは水田として発足したけれども畑にしていただきますということにすでに確定をしておりまして、福島潟もすべて例外なく畑にしていただくというところに実は入っている、そういうところでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 だから、原則は原則です。しかし、その実情に応じて何がしかの弾力性を持たせる、これが政治ですよ。私はここへ十町歩、五十町歩つくったのが悪いということじゃない。ここにそういう実情があれば、つくらせるということはあたりまえだと私は思うのですよ。だからそれと同じように、少なくとも土地をつぶして提供した福島潟のこの人たちには私は米をつくる権利があると思うのです。当然のことです。つぶれ地ですよ。それでなければ家計が成り立たないのですよ。これはつぶれ地なんだから、当然私はそれだけの権利を認めざるを得ないと思うのです。  もう一つ言えば、確約書まであって、たんぼにするということで土地を提供しておるのです。皆さんはそれをなかなかうんと言わないだろうけれども、三百万円の金を出して国と一緒になってこの沼を買ったとき、そして、たんぼにしますよということで半分の値段で土地を提供した人たち、そうしてこれは、土地を、たんぼを幾ら上げますよという約束をして、皆さんはこの工事に入ったわけです。その限りにおいては、この人たちに何がしかの権利があると見なければならぬのであります。形の上では国有とはなっておるけれども、そういう前提のもとでの国有であります。それを県知事は、皆さんと話し合いの上で取り消しという乱暴な手段、配分取り消しという、恐らく日本で初めての暴挙をやってのけたわけであります。大臣、あなたはもう一番偉い人なんだから、私は安倍さんはもう少し人情のある政治家だと思っておった。それが一体何事です。人の権利を奪い取る。人の自由を拘束する。これは税法であるとかいうような法律なしに、県知事だから、大臣だから、勝手に人の権利を奪い去るなんということは、これは行政法の逸脱であります。県知事はまさにこの行政の逸脱をやってのけた、私はこう思います。それとも皆さんは、初めからこの土地を出した人たちは、買ったんだからおれは知らぬというふうに言い切るのですか。その覚書もみんなあるのです。その覚書も無効なんだと皆さんはいまそれを主張されるのですか。そこまで皆さんが暴論を吐くならば、私はもはや法治国なんということは言えないと思うのです。大臣、いかがです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この福島潟の問題につきましても、私はやはり何とかこれは農民の皆さん方との話し合いによって円満に片づくことを期待もいたしましたし、またいろいろと努力もいたしたわけでございますが、こうしたことになったことを非常に残念に思っております。米をつくりたいという農民の皆さんの心情はよくわかるわけでございますが、しかし、われわれとしては、福島潟につきましてこれを畑地として、開田抑制政策を解除するという時点に至るまでは畑地としてこれを配分をし、耕作をしていただくという原則は、これはどうしても変えることができません。そういう中でいろいろと努力はしましたけれども、結局こうした事態になったということにつきましては残念に思いますが、しかし、この方針といいますか基本原則だけはどうしても変えることができないわけでございまして、県知事もいろいろと努力しておるわけでございますから、今後そういう原則の中で何とか農民の皆さんにも納得していただけるような線が出てくることは、現在といえども心から期待をしておるわけです。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 まあこれから努力をするということですが、私もそれば何もトラブルだけがいいということではないので、解決のために努力を皆さんもっとせにゃいかぬのですよ。どうも皆さんはつらいことになると県知事に任したということで逃げまくるけれども、そうではなしに、もう少し皆さん自体も農民に温かい手を差し伸べるという形で、解決の方向で皆さんは考えるべきだと私は思う。大臣の話はどうも紋切り型で、原則はそのとおり、私はこの生産調整に賛成反対は別にして、皆さんが原則を持っておるのはわかります。だから私はさっき、いろいろな地域のこの米づくりを言ったでしょう。原則はあるけれども、実情に応じて、これまできた経緯やら現状を踏まえて何がしかの米づくりは認めたのですよ。私はこれは結構だと思うのです。同じように、いままでの経緯を踏まえ、原則は原則としながら、歴史的な背景、そうして土地を提供したいろいろな気の毒な人たち、そういう人たちの権利を認めてこそ、そこに初めて政治というものがあると私は思うのです。それをただ、片一方では、原則であるけれどもこうやりました、福島潟は原則だから絶対だめですというのでは、これは話にならぬでしょう、大臣。私は全面的にあなたの答弁を否定はしていないですよ。しかし、原則はあったとしても、こういう実情を皆さん細かく知らない。皆さんは、私が言ったことをよく調べて善処するならば、解決の道はないわけじゃないのです。それをやるかやらぬかということを、いまあなたがそう言うから私はお伺いするのです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 原則に基づいてわれわれとしては米づくりというもの認めるわけにはまいらぬわけでありますけれども、しかしそういう中にあってまだやはりいろいろと交渉も続いておるというふうにも聞いておるわけでございますから、そういう中にあって努力がさらに続けられて、何とか円満に解決するという道が開かれることを期待をするのみでありまして、恐らくそういう考え方で県知事も対処しておられるのじゃないだろうか、そういうふうに考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 大臣、県に委託しておるけれども、これは農政の問題なんですよ。もちろん県も努力をすべきであります。同時に、皆さんの方も任した任したじゃだめじゃないですか。その程度ではだめなんですよ。私がもし次の選挙で当選したとするならば、予算委員会でいまの農林省の予算の問題、もう一遍土地改良関係の予算の問題、全部ひっくり返して私は質問いたします。こういう皆さんの前提がまず狂っておる。畑にはまだならないところなんだ。局長が言ったように、新井郷川のしゅんせつをやったり、排水機をつけたり、福島潟の水の切り落としをやったりなんかすれば畑にならないという保証はありませんよ。しかし、それは将来のことであって、まだわからない問題なんだ。何年後にできるかわからぬ問題なんだ。そして、現実は二年に一遍水がかぶる、水があふれるというところで畑にせいなんと言うこと自体が、これはいまの農林省の技術をもってしては畑にはならないのですよ。この畑にならないところを畑にせいと言ってみたって、皆さんが音田さんという人のところで試験畑をやっております。やっておるけれども、これには二人の技術者がほとんどつきっきりであります。この人件費を別にしても、生産された物の価格は皆さんがうちに出した資料の経費の二倍半かかっておる。その上に二人の県の技術者がほとんどつきっきりだ。その人件費まで入れたら、できた商品は経費の何分の一かということになる。そういうことを農民に強制すれば、畑をつくれば大損をして倒産をいたしますよ。ましてやいまのように、県では、十年間に一度全滅をすれば採算点ぎりぎりだ、こう言っておる。この降雨量は、私がつくったのではない、これは統計です。この降雨量から言えば大体二年に一遍水があふれるというこの地域に畑作をせいなんと言うこと自体が無理なんです。それならば五十年に畑作にでき上がっているというのが本当だけれども、それは皆さんはちっともやっていない。その点では皆さんの方が農民に対する約束を破っておる。自分たちは約束を破るが、農民にだけは押しつけるといういまの農政、私はもう一遍大臣に反省を求めたいけれども、昔田中正造先生は足尾の鉱害と闘っておるときに、政府の命令は農民に対する弾丸であると叫んだけれども、私もまた同じように、官僚栄えて農民滅ぶというのが今日の農政じゃないのか。大変私は口が悪いことを言うけれども、まさに官僚栄えて農民滅ぶということになりはせぬですか。一体これが農民に温かい手を差し伸べる農政と言えるのですか。私はもう一遍、われわれも反省するけれども、政府自体も反省をする。まさに福島潟はそのためにお互いに反省をして、これからの日本農業をどう建設するかというところに私は進むべきだと思う。そのときに農林省は、県知事に任してあるから、県知事に任してあるからで、皆さん一遍あそこに乗り出してきて実情を見たらいかがなんです。そういうことなしに、農民にだけ一方的な押しつけをしてもこの問題は解決をいたしません。ある意味で言えば会計検査院も見て、国民の血税がこれだけ使われて、そうしてこれが畑だ畑だと言うけれども、畑に一体なるのかならぬのか、税金の使い方がこれでいいのかどうか、私は会計検査院に検査を要望する。これが今日の皆さんのおやりになった結末であります。しかし、私たちも必ずしも皆さんを非難するだけでは問題解決にならぬと思います。解決のために話し合いをする、何をするというならば、喜んで農民もこれに加わるに違いないのであります。  そういう点で、私は大臣にまだいろいろとお伺いしたい問題が多々あります。だけれども、もう時間もなくなりましたので、最後に一点私は大臣の決意をお願いしたいが、その前に構造改善局長に一言お伺いします。  どうも田舎では、魚野川周辺でも、あなたがおっしゃったといううわさでありますから、その真意を聞きたいのです。生産調整は五十三年に終わるから何とかがまんせい、協力せいみたいな話が非常に広がっておるのです。だから、本当にあなたは五十三年で生産調整が終わるという見通しを立てておられるのかどうか、その点だけまずあなたにお伺いします。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安説明員 はなはだ私心外でございまして、これに関する限りそういうことを言ったことはございません。私はいままでは、第一回の生産調整が五十年度に終わりましたけれども、最近の米の過剰傾向によりまして、現在は水田の総合対策ということで、これは一応その水田総合対策は三年間ということになっておるということはいろいろの機会に申しておりますし、また開田抑制もそれとあわせてとられているということは申し上げましたけれども、五十三年が来ればそれ以降は生産調整をしなくてもいいとか、開田抑制政策は撤廃するということは一回も申し上げたことはございません。これはやはりその時点におきまする米の需給状況を見なければ何とも申し上げられないことだということは繰り返して申しておるわけでありますので、ぜひこれは御了承いただきたいと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 時間がないから最後に大臣にお伺いしますけれども、この問題は余り詳細に、いわゆる親子関係というこのめちゃくちゃな配分のあり方、しかしある意味では現地農民の実態を踏まえ、深いかかわり合いを踏まえたこれは農民の知恵だと思うのです。しかし、この問題は皆さんの配分の原則からいけばこれまた逸脱をしておるのです。しかし、それもまたこのいろいろな歴史的な背景を考えれば私は無理からぬことだと思うのです。原則もあるでしょう。皆さんのこの政策に誘導したいという希望的な意見もあるでしょう。だけれども、この問題をここまでこじらせてきたわけでありますけれども、問題は解決の方向にいかにこれはみんなで努力するかということだと思うのです。そういう点で、私は幾つかの矛盾を持ちながらも私の質問を終わりますが、大臣から最後にもう一度解決に向かっての努力をするのかしないのか、するとすれば知事とどういう話をしてやるのか、その決意をお伺いして、私の質問を終わります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私も農政につきましては、これはやはり反省をすべき点は率直に反省をしながら農政を進めていかなければならないという基本的な考え方で対処しておるわけでございますが、福島潟干拓がここまでこじれてきたということは、非常にそういう点では残念に思っております。そこで知事とも十分相談をいたしながら現実に即して何とか解決できるように今後ともひとつ努力は進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 終わります。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣がお昼飯を食べに行ったようでありますが、その間大臣の答弁を要求しない問題についてお伺いしたいと思います。  米価問題が先ごろ農民の心にも深い傷跡を残しただけでなくて、消費者にも大変な負担をかける、こういうかっこうで終わったわけでありまして、それがやがていまの時点になりますと、出来秋を迎えまして、今度は政府がどれだけ買ってくれるだろうか、こういう問題に農民の関心が集中しておるわけでありますが、これは、ことしもまた大量の超過米が予想される、こういう状況があるからだと思うのです。  この経過を振り返ってみまするならば、いままではどっちかと言いますと毎年の生産調整、この生産調整の中で、たとえば限度数量がこうだと言いましても、おおよそ農民の予約数量の中でバランスがとれていた。ところが、去年あたりから超過米が生産調整に追いつかない、こういうふうに出ておるわけでありますが、たとえば私の地元の秋田県なんかで言いますと、生産調整の協力は百十何%、にもかかわらず、ことしは去年にこりたかどうか知りませんけれども、あの昭和四十二年から四十四年の政令、政府が出した法律違反じゃないかと言われるようなそういうことが騒がれておるこの政令を盾にとりまして、ことしは厳重にこれこれの要綱に従ってやれ、こういうかっこうで市町村を通じ末端農民に割り当てがきておるわけであります。こういうことはいままでなかったことでありまして、秋田県でも三月に一回そういう指示を市町村の経済課長ですか産業課長ですかを呼んで厳重にやれと言うただけでなくて、四月の二十四日にもこの趣旨の徹底を図っておる、こういう状況があるわけでありますが、この中で末端生産者やあるいは市町村自体におきましても大変な混乱が起こっておるわけでありまして、その混乱の原因は割り当ての不公平、たとえばわずか一町五反ぐらいしかつくっていない農家が前年度に比べましても四十俵から五十俵も少ない割り当てを受けたり、いろいろな問題が起こっているわけでありまして、こういう末端の混乱の事態を政府当局は知っているのかどうか、まずこの点からお聞きしたいと思います。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 五十一年産米の予約制限数量でございますが、これは先生御承知のとおり、五十年産米につきましては八百八十五万トンということでございましたけれども、本年は八百七十万トンということにいたしております。これは米の需給が過剰基調にあるということで、前年対比で十五万トンの減ということにいたしたわけでございます。もちろん先生おっしゃいますとおりこの配分につきましては各県ごとに公正を期してやらなくてはならない話でございますので、この八百七十万トンの各県ごとの配分につきましては、私ども公正を期してやったつもりでございます。  なお、県段階での各市町村ごとへの割り当てにつきましても同様公正な配分が行われねばならないということでございますけれども、ただいま御指摘になりました秋田県のケースにつきましては、特に私ども伺っておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 では若干秋田県の問題を御紹介いたしますと、申し込み限度数量の市町村別配分方法については先ごろ開かれました秋田県農政推進協議会幹事会で協議決定しているわけです。この方針そのものは農林省から示されたそれを受け入れたものだと思いますけれども、どういうやり方でウルチ米の配分方法を決めたかといいますと、申し込み限度数量の算出基礎となっているのは、四十二年から四十四年、この三カ年の産米の市町村別買い入れ実績数量、これを基礎にしているわけですね。同時にこれに対して補正事項として加算要因だとか減算要因だとかそれぞれの計数を掛けてこれを厳格にやることで割り当てしなければならない、こういう状況で出したわけでありますけれども、大体実態に見合わないわけですね。加算要因にしろ減算要因にしろ、たとえばいまの三年間の基準年次、これに対する五十年の平均収量が一定率を超えた場合にはその生産性向上分は加算要因だとか、四十三年以降の新規作付にかかわる施策開田による増加分は加算要因だとか、まあその他いろいろあるわけでありますが、実際これをこのとおり市町村のいまの状態の中でやれるのかどうか。こういう問題の中で十把一からげ、たとえば去年の子約数量を基礎にして一律に限度数量の計数を掛けていく、こういうことをやっていますから全く実態に見合わない状況、その中で先ほどのような混乱が起こっているわけであります。私が聞きたいことは、この基準年次、これに加算要因、減算要因をやるというようなことは、農林省の方針として出されたのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 全国の限度数量を県の段階におろしますに当たりましては、先生おっしゃいましたとおり、四十二年から四十四年を基準年次といたしまして、その期間の政府買い入れ数量をもとにするわけでございます。それから五十一年の稲作転換目標数量等を差し引きまして、さらに、その後作付面積が変動いたしておりますし、収量も変動いたしておるわけでございますし、飯米農家の保有量というのも動いておるわけでございますし、それらのものを調整をいたしました上で各都道府県にお示しをしておるというのが実態でございます。  そこで、県の段階で市町村にどうおろすかということでございますけれども、これはやはり四十二年から四十四年の基準年次ということとそれから五十一年の稲作転換目標数量ということが基本になることは当然でございますけれども、その後の補正要因、調整の方法につきましては、これは国の方のやり方に準拠してやる、あるいは県の特殊な実情等がございますればその実情を勘案をいたしましてそれを織り込んで決めるというようなやり方があろうかと存じております。ただいま先生が御指摘になりましたような生産性向上分がどうというような話は、私どもといたしましては承知しておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大まかに言いますと、農林省の方針を踏まえて秋田県がやっているんだ、ただしその中の細部の問題については、たとえば一定率を超える生産性向上分については農林省としては関知しておらない、こういうことですね。しかし、大筋においてこれは当然農林省の責任にかかわる問題だ、こういうふうに考えてよろしいですね。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 先ほど申し上げました、基本となっております四十二年−四十四年の基準年次、それから五十一年産の稲作転換目標数量、これは政令にも定められておることでもございますので、これは準拠をしなくてはならないことでございますけれども、そのようなことにつきましては、公平が期せられればそれでよろしいのではないかというぐあいに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 公正が期せられれば、秋田県がそれなりの県の独自性の中で、いま言った二つの問題の外側で農政のいろいろな問題をやったところでそれでいいんだ、こういう御答弁のようでありますけれども、これがいかに実態に見合わないものであるかということについては、肝心の市町村からの声が出ておるわけであります。たとえば秋田県に山本郡山本町というところがございますが、この町の担当者の声を聞きましても、ここでは全量買い上げの異議申し立てもしておるわけでありますけれども、役場職員がこれはもう役所ではやれないんだと言っているんですね。だから、いっそ農民組合でやってくれないかというような、げたを皆さんに預けるような言い方もしておるわけでありまして、公平に配分するなんということは役場のいまのあれではできない、この補正事項の中の加算要因だとか減算要因をこのとおりにやるとすれば全くできないということを言っているわけです。  たとえば、秋田県の横手の例なんかを見ますと、面積の把握はしておるけれども、実際に減産に伴う分だとか飯米に伴う分は、この三月に通知を受けて、四月に県から配分量が来て、七月に個人割り当てしているわけでありますから、もう時間的にもやれないと言っているんですね。そこでどうしたかといいますと、秋田県の横手は米どころでありますが、幸い面積だけは把握しておったものですから、一反歩当たり十俵だ、そこで一律にやったわけでありますが、千田という市長さんは調整分として千五百俵ぐらいふところに入れてあるわけですね。そして文句が来たときに新たに配分しよう。これなんか比較的良心的なやり方だと私は思うのですけれども、問題は、たとえば、基準年次を土台にして平均収量が一定率を超える生産性向上分を出せなんといったて、増産や減産のプラス・マイナスなんか調査していないのが実態なんですね。しかも、これを厳重にやれといったってやれない。結局でたらめなやり方をする以外に方法がないということが実態として出ているわけであります。  たとえば、この要因の中にある四十五年以降の開畑、開田したものだとか、現在の作付面積なんというのは、秋田県のほとんどの市町村はとっておらないわけです。だからどういうことが起こるかといいますと、たとえば、秋田県の山本郡の琴丘という町でありますが、もう県から来たこの指示は最初からあきらめていたんです、とうていやれないんだということで。そして、前年度並みに予約申込数量に対しまして限度数量何%と掛ける、こういうやり方をとったわけですね。したがって、この話を最初に聞きつけた業者系の人方は予約数量を過大に申し込んだわけです。これは例ですけれども、十俵とれるところは十三俵出せるというようなことです。そこで、今度は農協系の方とのけんかが起こって、農協系の人は十俵は十俵で出すことはできますよというふうにやったわけですね。それに一律の限度数量のマイナス分が加わったために、大変な混乱と不公平が起こって、その結果これはけしからぬ話じゃないかということで、町を相手に自治法の第七十五条による監査請求の運動がいままさに起きようとしている、こういう状況になっているわけであります。つまり、農林省から県に出したその通達だか何か知りませんけれども、そのとおりやらないで、それをさらに秋田県の実態として科学的に考えた。お役人さんが頭をしぼって、これが科学的だ、これが論理的だということで考えたけれども、それが実際としてやっていかれないことを押しつけたものですから、しかもこれを厳重にやれというかっこうになっているものだから、末端に行けば大混乱が起こっているということですね。これなんか、私は先ほどの皆さんの御答弁からいいますと、農林省の責任が全くないわけじゃないのであって、それ以外に何と考えたらいいか、ひとつ教えていただきたいと思うのであります。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 限度数量の配分につきましては、先ほどから再々お答えを申し上げておりますが、末端まで公正は期すべきものというぐあいに考えております。  ただ、先生御指摘の、生産性向上分がどうというような点につきまして、私どももちょっとよくわからない面が多いのでございますが、余りわかりにくい配分の方法も実はいかがかというぐあいに考えておりますが、県当局の方からも実態につきましてよく事情を聞いてみたいというぐあいに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 米どころだけに農民の数が多いわけでありますから、ひとつ県当局に対しても厳重に指導をして、実態に見合うものにしていただかなければならないわけでありますが、こういうやり方の矛盾をもう少し実態について申し上げますと、私の住んでおる秋田市で、三反五畝しかない農民の方、これに対して買い入れ予約限度数量が二十二俵来ているのですね。三反五畝の人で二十二俵、飯米をこのほかにとるといったってとりょうがない。これは実態に全く沿わない状況がいま生まれてきているということなんですね。なぜこういうことになったかというと、農業委員会を通さないで不動産屋に田を売っているのですよ。ところが、秋田市当局では面積の把握は何もしていないものですから、結局去年の実績に対する一定の率を掛けたということになるのですね。あるいは雄和町という秋田市の近辺の町でありますが、一町五反しかないのに去年と比べて三十五俵減った割り当てが来たりしているのですね。そうして、去年と比べて三十五俵から四十俵減っている農家はざらにあるということです。  これは農家の経済にとってみても大変な問題なんです。あるいは山本郡の森岳というところへ行きますと、全然田んぼのない人に五俵の割り当てが来ているのです。なぜそういうことになったか。先ほど言ったようにほとんどつかんでいないのです。だからこういうことになるわけであって、さらに言いますと、税金なんかもとんでもない税金がかかってくるのですね。雄勝町というところの例でありますけれども、この町では前年度が通年施行して買い入れ限度数量が大体九七%から九六%ぐらいで少なかったのです。限度数量が少なかったから、米の平均単価が税務署で定められた平均単価にならなかったのです。つまり全収量掛ける単価が、税務署の査定価格に達しておらなかった。けれども、税務署として見ますと、その地域だけ特別標準をつくるわけにはいかないわけですから、平均計算で課税したわけですね。その結果、所得がそれに満たないのに税金だけどっさりかけられる、こういう問題も生まれているわけであります。  これは、いまあなたが秋田県の実態についてよく指導する、こういうことでありましたから、これ以上の追及はしませんけれども、やはり農林省の責任にかかわる問題として、もっと本腰を入れて、皆さんかっこうのいいことを言っても末端にいけばこんなことになっているということがないようにしていただきたいと思うのです。  同時に、私はここでお伺いしたいのは、昭和四十二−四十四年度、この三年間を基準年次としているということが問題ですね。私たちの田舎の言葉で、死んだ馬っこが生き返ったという言葉があります。十年も前の、列島改造以前のこの時点の平均売り渡し数量を基準にして、いまごろこうだなんということは——これはもう政府の方針が出されているのですが、こんなことはまさに実態に見合わない状況をつくり上げる基礎的な前提だと私は思うのですね。  大臣が来ているから聞きますけれども、市町村のいろいろな意見を聞きましても、やはりいまの状態で昭和四十二年のあのころの材料を基準にするなんということはとんでもない話ですからね。やはり四十八年、四十九年、五十年、つまり直近の基準年次を前提にしてやるべきではないかというのが意見でありますけれども、これは農林大臣、政策的な問題にかかわることでありますので、大臣からお聞きしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 割り当て数量につきましては、いまお話しのように、四十二年から四十四年を基準としてやっておるわけでありますが、まあそれは基準としながらも、その後の情勢の推移というものを十分勘案をし、判断をして決めておるわけでありまして、私はこの基本的な考え方というものは間違ってはいないし、それでいいのじゃないかというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、あなたは、基本的には変わらないから、四十二年−四十四年の三カ年平均でいいんだとおっしゃるけれども、それが末端に行った場合、どういう状況になるかというと、いまるる挙げましたけれども、市町村については、昭和四十四年以降の毎年、毎年のいろいろな計数を把握しておらなければアンバランスが出てくるということは、当然のことになっていくわけですね。  いま具体的な実例をたくさん挙げたところでありますが、理屈としてわかっても、実態に見合わないという問題をいつまでもあなた方固執しているのか、こういう問題が出てきているわけでありまして、現に私の聞くところによりますと、皆さんのところで、ことしの春に、この基準年次を直近に入れかえようじゃないかという論議さえされたという話があるじゃないですか。そうでしょう。これについて、じゃお伺いします。どうです。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 五十一年産米の限度数量の割り当てをどうするかということを検討するに当たりまして、まあ確かに基準年次のとりぐあいをどう考えるかということは議論にはなったわけでございますけれども、先生御承知のとおり、四十五年度から実は生産調整が実施をされております。したがいまして、その間の稲作転換につきましての実行状況がどうであるというような問題もございますし、それからさらにはごく最近時の数字をとります場合には新規開田、これは自己開田等も含むわけでございますが、そういった数字をどう扱うかとかという、また反面新しいいろいろ厄介な問題があるわけでございまして、最終的に四十二年—四十四年の基準年次は動かさないということにいたした次第でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 最終的には基準年次を動かさないことにした、しかしその経過の中には、これを動かそうかという論議もあったということでございますね。いずれにしても、先ほどるる挙げましたような、ああいう混乱が——市町村がその後、毎年毎年の計数をプラス、マイナスしながらやらなきやならないということは、具体的にできないことをあなた方まだ固執していらっしゃる。そうすると、これから来年もそうだ、再来年もそうだ、いつも四十二年−四十四年のこれが基準だなんというようなことは、まさに実態に見合わない見本だと私は思いますし、この点についてはひとつ検討してみる、この程度の御見解がないかどうか。これは農林大臣、どうですか、くどいようでありますけれども、もう一回ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 やはり物事を決める場合に絶対ということはないわけですから、全体的に見てこれが妥当である、適当であるという判断でやらなければならぬのですが、そういう意味において、四十五年から生産調整が始まった、それ以前の四十二年から四十四年までを基準年次とするということは、割り当てを行う場合においても妥当な線じゃないだろうか。いろいろと議論があった結果そういうことになったと思うわけでありますし、いま次長も申し上げましたように、その後の生産調整の実情等も十分判断をしながら、実情に即して割り当てをするという基本的な方向で進んできているわけでございますから、いまここでこれを変える必要があるというふうには私は考えておりませんけれども、しかしいろいろと議論のあるところでございますので、もちろんこれは実情に合うということが大事なことでございますから、検討はやはりしながら、よりよき方法を見出していくように努力はしてまいりたいと、こういうふうに思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 実情に合うようにやってきたと言うけれども、まさに実情に合わないからいろいろな問題が起こっているわけで、そういう点、いまの大臣の答弁は検討するというふうにお答えしたというふうに理解していいですね。——うなずいたね。わかりました。  そこで、次の問題なわけでありますが、問題は、買い入れ制限の限度枠ですね。このことでぎゅうぎゅう締め上げる、これはけしからぬじゃないか、問題の根本はここにあるんだということで、たとえば青森県では、農政対策委員会が、食管法違反の疑いのある米買い入れ制限については、青森県独自でも法廷闘争に取り組むという態度を決めたり、東北各県、北海道の農協各連はこれを具体的に支援しようじゃないか、まだ本訴は提起されていなくてもそういう動きもあるわけであります。同時に秋田県でも、本訴じゃなくても行政不服審査の問題がいまあちこちから起こっておりまして、食管の立場から見ても、この買い入れ限度枠をどこまでも押しつけるということは本来の食管法を逸脱したものだ、特にそれを具体化した皆さんの買い入れの政令、この政令は法の逸脱だということで、訴訟なり行政不服審査を請求する動きもあるわけでありまして、これはどこの農民に聞いても同じことを言っておるのですね。これは法のたてまえから見てもけしからぬということを言っているわけですね。したがって、皆さんの最大公約数の要求は限度を撤廃せよということですね。しかし、いま早急にそれが無理ならば、少なくともその枠の拡大を何とかしてほしいということが、もうどの農民、どの地域の人々もおしなべて最大の要求事項になっておるわけでありまして、これは農林大臣がおるわけでありますから、この青森の訴訟、まだ具体的には出ておらないけれども、動きとしてはキャッチしておるわけでありますので、こういう問題に対する御見解をお伺いしたいと思うわけであります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 買い入れ制限の撤廃の問題ですが、御案内のように食糧管理法第三条は、政府が生産者に売り渡し義務を課して一定量の米穀を買い入れることを決めておるわけでありまして、この規定は、食糧管理法の目的に照らし、国民食糧の確保のため、政府が買い入れて管理する必要のある数量の米について売り渡し義務を課して政府が買い入れることを規定したものでありまして、政府に無制限買い入れの義務があるということを規定したものではないわけであります。また一方、わが国における米の需給はいま過剰基調にあるわけでございますが、その需給の均衡を図ることが食管制度の健全な運営を図るために何よりも大切であり、また米以外の農産物で増産の必要なものが多く、その生産振興を図ることが需給力の向上を図る上でも非常に重要でございます。こうした観点から、米の需給の均衡を図るため、水田の総合利用対策を実施するとともに、米の買い入れ制限を行っておるところでありまして、これを廃止するということは適当でない、こういうふうに考えます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまここであなたと食管法を論議するつもりはありませんけれども、しかし一言言わせてもらえば、米の問題を単なる需給の問題だとか市場経済の問題だけに矮小化して、高度経済成長時代は米の位置づけは同じ資本財でも劣等財だった、それが今日の農村破壊につながっているわけでありまして、やはり米というものは日本国民の基礎的な食糧でありまして、これは公共財としての位置づけがどうしても必要だし、そのこと自体が、われわれ共産党は、いま生存の自由とか民族の自由とか、市民的、政治的自由ということを言っていますが、生存の自由の最も基礎的な物質的な裏づけだ、こういうふうにわれわれは位置づけているわけでありますが、いまそういう皆さん方の考えの中で、麦は死んだ、大豆は死んだ、最後の米もいまのようなやり方の中では死んでいくという傾向が必ず出てくるということを、これは警告という意味で申し上げておきたいと思います。  時間の点もありますからあと五、六分でやめますが、今年度の超過米について、安倍さんは今度出ることが予想される超過米についてもこれは自主流通米に乗せて政府の責任で処理するということをおっしゃっていますけれども、私が聞きたいことは、昨年度の超過米、この処理が一体うまくいったのかどうか、このことを簡単にひとつ一言お聞きしたいと思うのです。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 昨年度、これは全国的に申まして県間調整後に五十二万トン程度の限度超過米が発生をしたわけでございますけれども、この処理はただいまの段階では全部終わっております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私の手元に農業新聞の七月二十日号というのがありますが「超過米奨励金の精算遅れに農家の不満高まる 秋田県内」という記事が出ています。これを見ますと「政府から出る超過米の奨励金が大幅に遅れているため、精算が出来ないので秋田県内の農家の不満が高まっている。食糧庁は、三月から五月末まで政府米に優先し超過米を流通させ精算は六月中に終わる事になっていたが、現在のところ見通しがなく、秋田県経済連と単協の自己資金を充当する事になった。」こういうことを書いてあって、まだ全然解決されておらない。あなたのお話を聞けば、もうみんな終わりましたよ、はいさよならというようなことですけれども、こういうことではことしの超過米に対しても、いま安倍さんは心配なくちゃんとやるような話をいたしましたけれども、事実関係としてこの七月二十日のこういう新聞にももうちゃんと書いているんだな。こういう点について、これはいまのあなたの答弁と事実関係が違うじゃないかということをひとつお聞きしたいと思います。簡単でいいですよ。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 先ほどお答えを申し上げましたのは数量的な面での処理につきましてお答えをしたわけでございますが、先生の御指摘がございましたので奨励金の関係も調べてみたわけでございますが、秋田県につきましては六月末をもちまして大部分終わっておるそうでございます。  なお、ごくわずかAランクの米につきまして若干残っておる面があるようでございますけれども、これは数量的にもごくわずかでございまして、八月中にはすべて完了するということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 天王というところの農協の担当者は「年度内に精算が出来ないのは、農家経済にあたえる打撃は大きい。もっと早い奨励金の交付を関係機関に強く要請する」ということを言っているわけでありますが、あなたは当初全部終わったと言っていながら、具体的に聞きますとまだ終わってないのが一部にある、こういうことではやはり私はいけないと思うのです。  ちょうど時間も参ったようでありますが、御承知のように秋田県というのは日本の有数の米どころでありまして、この前の超過米も約六万トン、全国の超過米の一割以上が私たちの県から出ているわけであります。食糧基地という問題もありまして、米が県の経済の大宗を占めるという状況で、そういう特殊性もあるわけでありまして、この中には、何といっても、こういう農林省の意向をさらに具体化したかどうか知りませんけれども、いろいろなかっこうで実際できないような限度枠の割り当ての中で混乱を来すような事態、またその根源が、何というか限度に締めつける、こういうことにあるわけでありまして、ことしもまたこれが大変な問題になろうとしているわけでありますが、ぜひともやはり、食管法の基本をあなた方も正しく守るとおっしゃいますけれども、この米の位置づけをもっとしっかりして、本当の意味で農民が安心して営農できる、このことのためにわれわれも積極的にがんばりたいと思うのでありますけれども、何といっても、きょうの答弁の中でも非常に県と国との関係が抽象的な関係にしか来てない、末端でこういう混乱が起こっているという問題も含めて、ひとつ善処方というよりも、根本的に物の考え方を改めていただきますように皆さんに強く要求して、時間ですから質問を終わらせていただきます。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 津川武一君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 ロッキード問題をめぐる大変な疑獄、汚職がはやっている中で、福島県で知事が逮捕される、農協五連の会長が逮捕されるという大変なロッキード疑獄の地方版が起きている。日本列島挙げて何か汚職に包まれておるので、どうしてもこれはきれいにしなければならないと思っております。  そういう意味できょうは若干の質問をしてみます。  福島県における贈賄側は、桑原工務店社長ほか六人の土木建設業者が逮捕されております。その金額は、知事には桑原工務店から五百万円、東亜相互企業から三百万円、この東亜相互企業は児玉譽士夫ファミリー企業の一つで、暴力団が関係している企業であります。受けているのは知事だけでなく、赤井生活環境部長に三百万円贈賄しております。また桑原工務店は知事への三百万円のほかに立沢総務部長に六十万円賄賂として贈り、木村知事初め県の首脳部がこれを収賄しております。  こういう状態に対して、国務大臣として農林大臣はどのように考え、どのように処理するつもりか、お伺いいたします。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまお話しの福島県の事件につきましては、まことに残念であり遺憾であると思うわけでありまして、この事態は一日も早く真相が究明をされまして、政治、行政の姿勢が正されるように心から念願をいたしております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 もう一つの汚職は、この四月十八日に行われた知事選挙における買収です。木村知事は、自民党福島県連幹事長大野正一、農協福島県経済連専務古川悟郎を通じて桑原工務店から五百万円、さらに大信建設から五百万円と、合わせて一千万円の選挙資金を受け取り、この選挙資金を五連会長の斎藤初四郎に渡して票の取りまとめに便宜を図ってくれるように頼んでおります。ここから農協の五連——中央会、経済連、信連、共済連、厚生連、この五連の共同会長である斎藤初四郎、副会長である井戸川二郎、それから経済連の専務理事の古川悟郎、この人たちが選挙違反として現在逮捕されております。このほかに五連の幹部のかなりの部分が選挙違反として取り調べを受けております。こういう状態に対して農林大臣としてどう考えているか。農協がこんな汚職を出すに至った状況をどうお調べになって、どう対処するつもりであるかお伺いしたいのであります。こういうかっこうから九月十九日にやり直し選挙が行われる。今度こそ正しい選挙、県民の選挙が行われなければならないと思うわけであります。大臣の答弁をお願いします。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 福島県の農協の会長も関連をいたしましていまお話しのような選挙違反事件が起こったことも非常にこれは遺憾でありまして、これは選挙違反の事件として処理されることになるわけでありますが、これからやはり知事選挙が公正に、公明に行われることを私も期待しているわけです。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 五連の会長、副会長、経済連の専務理事が逮捕されていることは御存じだと思います。  そこで、県段階の農協のどのくらいの幹部がどういう容疑で取り調べを受けているのか、取り調べの内容はわからないとしても、取り調べられている人たちの人員ぐらい、名簿のリストぐらいは農林省お持ちかと思いますが、どこいらまで農林省は実態を把握しているのでしょうか、お答え願います。私はかなり正確に把握していないと指導もできないと思うのですが、この点はいかがでございます。

吉岡裕農林省農林経済局長

○吉岡説明員 ただいまの選挙違反の件でございますが、私どもが聞いておりますところでは、ただいまお話のございました三人の方々についての起訴がすでに決定をしておるというふうに承知しております。そのほか数人の幹部の人たちが取り調べを受けたというふうに聞かされております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 取り調べを受けた数人の役職と氏名を私たちに出してくださいますか、答弁をお願いします。

吉岡裕農林省農林経済局長

○吉岡説明員 ただいま私が申し上げましたのは人を確定した話としてではなく、あくまでもそういう取り調べを受けた人たちがあるという伝聞を承知しておるわけでございまして、具体的な人の名前等につきましてはこれは捜査当局の所管の問題であろうというふうに考えるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、九月十九日に知事選挙が行われます。経済連、中央会、厚生連、共済連、信連を指導する県の首脳部がかなり動揺を来している、壊滅されている。また、農林省が直接指導する五連の会長や幹部が逮捕されたり調べられている。この状態でまた変な選挙が行われる心配もないわけではありませんが、農林省としては今度こそ農業団体、農協が正しい選挙をするように何らかの指導に出る方が適当かと思いますが、この点はいかがでございます。

吉岡裕農林省農林経済局長

○吉岡説明員 農協は、先生御承知のように、農協法に基づきまして主として経済的な事業を目的として設立をされている農民の自主的団体であるわけでございます。そのような法人がその事業目的を達成をいたします際に、自然人の場合も同様であると思いますが、何らかの政治的な活動というものをすることは法人として当然許されることであろうというふうに思うわけでございます。しかし、あくまでも農協の主たる目的を実行いたしますための付随的な行為であるということでございますので、そこには当然常識的な線というものがあり、良識に基づいた政治活動が行われることが望ましいということであろうかと思うわけでございます。そのような農協に許された政治活動の範囲に沿って農協が行動をいたすように私どもとしては期待をいたしておるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 農協の選挙運動がどうであったかは後で大臣がいなくなってから、何か二回質問するそうですか、第二回目のときに実態を明らかにしてもう少し見解を明らかにしていきます。  このことで二つ目の質問は、農協、農業団体の政治献金についてであります。  以下は私たちの独自の調査と選挙運動に関する報告書によるものであります。それによりますと、自民党の亀岡高夫代議士は昭和四十七年十二月十日に行われた衆議院議員選挙に立候補し、その選挙運動期間中に選挙区の西根堰土地改良区から政治献金を受けております。この西根堰土地改良区は国と県の補助をもらって、その当時もいまもなお土地改良事業をやっております。とすれば、公職選挙法百九十九条の第二項「衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国から、」「補助金、負担金、利子補給金その他の給付金」を受けた会社その他の法人は、「当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」これに反すると処罰されます。こうなっております。とすれば、この寄付をされた西根堰土地改良区は公職選挙法の百九十九条第二項に違反しませんかどうかということ。もう一つ、こういう違反した形での政治献金を受けた自民党の代議士が政治的責任ないかどうか、この二点を自治省にお伺いします。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 ただいまお尋ねの件につきましてお答えをいたしたいと思いますが、ただいまの土地改良区というものがどのような団体であるか、またたとえば国とか、県から補助を受けておるかどうかという問題とか、それからその土地改良区からの寄付が選挙に関する寄付があったかどうかという点の事実の問題につきましては、ただいまのお尋ねでございますが、突然のお尋ねでございますので、事実は承知しておらないのでございますが、一般的に公職選挙法の上におきましては、これは昨年の改正法の施行前の公職選挙法の百九十九条の二項によりますと、先生の言われましたように、国から補助金等の交付決定を受けておるような法人、その場合には性質上利益を伴うような形の補助金を受けているような法人は、交付の決定通知を受けた日から一定期間、一年間でございますが、当該選挙に関して寄付はしてはいけないということになっておるわけでございます。また、そのような寄付を受け取ってもいけない、こういうようになっているわけでございますが、その実態関係につきまして承知しておらないわけでございますので、法律関係だけをお答えした次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 自治省に重ねてお伺いいたします。  私たちが見た亀岡高夫代議士の選挙運動に関する報告書に、この西根堰土地改良区から選挙資金をもらっている、こう書いてあればどうでございます。百九十九条二項との関連において。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 ただいまの点でございますが、この当該土地改良区が国から性質上利益を伴うような補助金の交付を受けている団体であると言えるかどうかという事実の関係、それから選挙に関する寄付というものがあったかどうかという事実関係、これらのいかんによって判断されるべきものである、このように考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 私たちの調査でそういう報告書が出ているので、後で実態、本当にどうかという専門的な見解、結果をお見せしますから、自治省でひとつ判断してくださるようにお願いして、大臣がおる間の質問をこれで終わらしていただきます。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 米価、ミカン対策等について農林大臣並びに大蔵省に質問いたします。  農林大臣にお伺いいたしますが、政府は、今年度生産者米価六・四%に対して、消費者米価は二けた台の一〇・二%と決まり、再米価のコスト逆ざやは現行より六・二%縮少したのであります。政府のこのような一連の決定を見ますときに、はっきり言えることは、食管離れ、脱食管政策を一段と推し進めていることでございます。すなわち、米価については逆ざや不拡大から逆ざや解消に向けて大きく踏み出したと言えるのであります。さらに政府は、売買逆ざやを五カ年計画で解消するとの方針を打ち出しておりますが、これが次年度以降も着実に実施されるとなると、二重価格を是認してきた食管制度の根幹が大きく崩れるばかりでなく、農業の土台をも揺り動かす危険をはらんでいることを危惧するのは私だけではございません。     〔菅波委員長代理退席、片岡委員長代理着席〕 そこで、米審の当日、私たちも談話を発表し、また農林省に対してもいろいろと要請をいたしたわけでありますが、こういった事態を踏まえて、農林大臣はこういったことを是とするのか、お伺いしたい。そういったことについて、まず農林大臣は、今後五ヵ年間で逆ざやを解消するという方針のようでありますが、その点どういうように考えておられるか、その見解をまず最初に承りたいのであります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 両米価は現在大幅な逆ざやがあるわけでありますが、これは食糧管理制度の健全な運営上、また財政上種々の問題を生じておることは御承知のとおりでございまして、したがって、これを段階的に是正していくことが、食管制度を堅持していく上においても重要な問題であると考えております。  御承知のように、五十一年産生産者米価及び政府売り渡し価格につきましては、先般それぞれ六・四%及び一〇・二%の引き上げを行うことを決定したところでございますが、これによって、これまでの大幅な逆ざや関係が多少なりとも改善されることにはなりましたが、依然として両米価の間には大幅な逆ざやが存在している現状でございますので、今後ともこれを逐次是正していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。五年間というのは、一応五年間をめどとしてというふうに私たちは考えております。  なお、食管法におきましては、両米価の決定に当たって、ともに物価その他の経済事情を参酌すべきことが記されておるわけでございまして、両米価の相互の関連を考慮に入れて決定することはその趣旨にもとるものではないわけです。したがって、いまお話がありましたような、法律上二重米価を当然の姿として想定をしておるわけではない、こういうふうに存じます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣は特にことし、今年度の米価に導入された自主流通米対象の良質米奨励金、また上米、中米指導価格の弾力的指導への切りかえというものは、米の物価統制令廃止とも密接なつながりを持っており、逆ざや解消に象徴的にあらわれておりますところの食管政変路線は、農政上の最も大きな問題として今後クローズアップされてくることは必至であります。大臣もこういったことは十分御承知だと思います。  いずれにしても、このような米価体系をとりながら逆ざや解消が行われれば、政府はいかに食管の根幹を守ると言っても米生産に大きな影響を及ぼすことは必至であります。事実上の間接統制的な米の流通が起こることは間違いないというのは、これは私一人ではありません。当然こういったことが予測されるわけでございますが、この点については農林大臣はどういう見解をお持ちであるか。大臣も将来にわたってずっと大臣をなさるというわけでもないけれども、現職大臣としてこれらに対しての見通しを十分立てておいてもらわなければわれわれとしても大変不安であります。そういった面で農林大臣の見解を改めて承っておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 米は何としても農家にとりましては最重要農産物であります。また国民にとりましては主食であります。したがって、米麦についてこれを政府が取り扱うという食管制度というものは、これは今日の段階におきましても、あるいは今後も堅持し維持していかなければならない、私はそういうふうに基本的に考えております。したがって、米や麦という主食を間接統制に移行するという考え方は持ってない。しかし、食管制度について改善をする、時代の変化といいますか、客観情勢の推移に従って改善をするところはやはり改善をしていかなければならぬわけでありますが、その基本は変えるべきでないというのが私の原則的な考え方でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣は、食管は堅持、維持していく、間接統制的にはしない、こういうふうな答弁であります。あえてお伺いしておきますけれども、しからば五年後に本当に売買逆ざやが解消してしまえば——五年と限らず多少弾力的なことがある、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、一応の方針は五年後と見ておられるわけですから、そうなりますと、生産者は政府に売り渡すメリットが減り、逆に自由販売の方が税金対策などの都合がよいはずでありますから、政府へ供出しなくなると私は思うのであります。そこで、この面からも食管は崩壊しかねない、必ず崩壊するであろう、こういうふうに想像するのは、これまた私一人ではないと思います。逆ざや解消には踏み出したものの、総合農政、いわゆる総合食糧政策はおろか、食管も米づくりもだめにしてしまう、こういう結果になる、かように私は思って、将来の農政に対して大変不安を抱いております。今回の生産者、消費者米価の決定から見まして、はっきりとしたことが言えるようになりました。昨年までは多少玉虫色であいまいでありましたけれども、いよいよことしの諮問の状況から見ますと明らかになっております。こういった点、どういうふうに大臣は見通しておられるか、見解を承りたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 食管制度は、これはもう堅持していくというのは私の原則的な考えでありますし、売買逆ざやが解消されたからといって食管制度が崩壊をしていくというふうには毛頭考えていない。これは、よく御存じのように昭和三十五年までは売買逆ざやはなかったわけですから、そういう中にあって食管制度というものは堅持されてきているわけですから、売買逆ざやがなくなったからといって食管制度が崩壊するということではなくて、非常に健全な、むしろ健全な食管制度の運営ができると、こういうふうに私は考えておるわけでございます。  私は、これからもやはり米というものは日本の農家にとりましては最大の重要農産物であることは変わりはありませんし、国民の主食の地位も変わっていかないわけでありますから、そういう点を十分踏まえた食管制度の維持、そして米対策というものが今後とも推進されていかなければならない。米につきましては、適正な在庫、そして需給のバランスがとれるということが、これはもう非常に理想的なところでございまして、そういう方向に努力するために現在も水田総合利用対策等もやっておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣はむしろ健全な食管制度が確立できるというような御答弁でありますが、売買逆ざやが半分ぐらい解消された二、三年後ということを想定しましたときに十分予想されることは、われわれは当然、これはもう素人でもわかることでございまして、重大な問題に遭遇する、かように思って先を見ておるわけです。この二、三年先、この間に米以外の価格、生産対策が進まないようなことになれば、日本農業はきわめて重大な危機に陥ることは明らかであります。これは大臣が何と言われようとも逆ざや解消を続けていく。そうすると、ことしの米価審議会の結果ではっきりしたわけですけれども、二年、三年と続いていくうちに大変な問題になる。そのためにもあえてここでお聞きしておきたいことは、その一つの大きな試金石として、今年度の米麦価決定によって食管会計の逆ざや解消が四百六十億円出たわけでありますが、この逆ざや解消は前にも指摘しましたとおり問題とは言うものの、事実四百六十億円出たわけでありますから、この逆ざや解消分の四百六十億円を総合農政費に全額回す保証はないわけだけれども、この四百六十億円を総合農政費に回すということは当然である、何としてもこれははっきりしておかねばならぬ、かように私は思うわけです。そういったことから、来年度予算要求に当たりまして農林大臣はどう対処しておられるか、その点承っておきたいのであります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 昨年の米価決定におきまして逆ざや不拡大という線を貫いたわけでございますが、その結果として、五十一年度予算におきましてはよく御承知のとおり、まあ食管を除きまして一般予算で一四・一%の伸びであったわけでありますけれども、この農林予算につきましては食管を除きまして一八・六%というふうに非常な伸びを示しまして、公共事業等に積極的な予算を獲得することができたわけで、いわゆる総合食糧政策の第一年度、初年度が実現をできたわけでございます。ことしはさらに一歩踏み出して、逆ざやの解消というところへ少しでも入ったわけでございますから、こうしたわれわれの努力というもの、このメリットというものを五十二年度予算の上に生かしていきたい、そうして五十二年度予算は総合食糧政策の第二年度として着実ないろいろの事業が実施されるように全力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 大蔵省に、いま農林大臣がお答えいただいた問題についてお伺いしておきます。時間の関係が制約されておりますので十分伺えませんけれども、一点だけ大蔵省に確認をしておきます。  一部には、大蔵省は赤字財政が続く中で、これを赤字財政脱却のてこにしたいとも言われ、また、さらに今年度の米麦価改定による食管会計の逆ざや解消分四百六十億円について、大蔵省の緊縮予算の圧力で空手形に終わるとの懸念が巷間いろいろ伝えられて、われわれも大変憂慮いたしておるところでございます。農林大臣もいまお答えがありましたように、五十二年度予算にはぜひともこれを生かしていきたい、着実な事業を進めていきたい、こういうふうに答弁がございましたが、これはもう当然のことでありまして、われわれ農政を担当する者として、ぜひとも四百六十億円のこの逆ざや解消分は総合農政費にこれを回す、こういうことであってほしい、こういうように予算編成の時期に当たってお願いをするわけであります。ちなみに、ことしの農林予算が二兆四千百三十億円でございまして、国家予算に占める割合が九・九%で一〇%を切っている実情からも、当然逆ざや解消分四百六十億円全額を総合農政推進費につぎ込むべきでありますけれども、予算編成に当たって大蔵省がどういうふうに対処されるのか、われわれは重大なる関心を持ってこれを見ておるわけでございます。大蔵省はどう考えておるか、またどう対処されるのか、大蔵省の見解を承っておきたい。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 お答えいたします。  最初にちょっと技術的なことを申し上げて恐縮でございますが、四百六十億円という先ほどの数字でございますが、これは現在の米価と麦価との逆ざや解消に伴いまして、一応その損失の減少ということでございますけれども、今後まだ食管会計の中におきまして損失の増大が見込まれるようなものもございますので、全体として食管会計が幾らその赤字が減少するかということはまだわかっておらない、こういうような状況でございますので、その点お含みおきいただきたいと存じます。  そこで先生御指摘の、その逆ざやの解消によります利益をどういうふうに考えていくかということでございますけれども、私どもといたしましては一般的に、最初に一般論を申し上げますが、逆ざや解消によるそのメリット、それは消費者米価の上昇による面もあるわけでございます。したがいまして、そういうような財源の使用方法というものにつきましては、農政だけでなく全体としての財政需要等を総合的に勘案して決定すべきである、こういうふうに考えております。しかしながら現在、先ほども農林大臣が言われましたように、食管会計に対しますこのいままでの巨額な財政赤字というものが、その他の農政費の充実を圧迫しておる、こういうような事態もございますので、そしてそれを農林省といたしましては、その圧迫分をできるだけ解消して現在の総合食管政策の推進に努めたい、こういうような御意向でございますので、これも一つの御見解であろう、こういうふうに考えております。このような御見解も理解できないわけではないということで、これを参考としつつ今後の予算編成を進めてまいりたい、こういうことでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いま大蔵省から答弁がございましたので、大臣も十分お聞きだと思いますけれども、私たちも今回のこの逆ざや解消分四百六十億については大蔵省がおっしゃるようなファクターがあることは十分承知しておりますけれども、やはり血の出るような農民の叫び、そしてまたことしの米価の低米価に終始した問題等を勘案し、今後の日本の国民の主食である米作を進めていく、また今後食管を堅持するというような立場からいけば、これは大蔵省も十分認識していただけると思うのですが、この四百六十億については、われわれはこういった逆ざやというのは、食管の精神からいけば当然二重価格制であるべき問題でありますけれども、現に四百六十億という逆ざや解消分が出たわけでありますので、これについては今後のことを見通して、ぜひとも、厳しい緊縮予算、また大蔵省が赤字財政脱却のてこにするというような考えもちらちら聞かれておりますので、農林大臣としても積極的にこれら予算を来年度予算に組み込んで、農林予算の総合農政推進費の中でこれを使うということで、十分な大蔵省に対する対処をしていただきたい、また努力していただきたい、このことをこの席で特に要望しておきますけれども、大臣からそのことの決意をひとつお答えいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 財政当局は財政当局としての国の財政全般から見ましたお考えがあるわけですし、農政当局者としてのわれわれは農政上の見地から来年度予算に対して努力を続けていくわけですが、これは先ほど申し上げましたように、食管の逆ざやを解消した、米の逆ざやを解消した、そういう努力、そのメリットというものはできるだけこれをこれからの農政推進に反映していきたい、この基本的な考え方は変わっておらないわけでありますし、この基本的な考え方に基づいて予算編成に努力を続けてまいりたいと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 米価問題は以上で一応終わりまして、ミカン対策について農林大臣初め当局にお伺いいたします。  本年産温州ミカンの作柄について、特に熊本県のミカン生産地帯を私は五日間にわたりつまびらかに実態調査をしてまいりました。今年は裏年的傾向にある上に著しい品質の低下が見られ、果樹農家は大変に憂慮いたしておるのでございます。すなわち、風ずれ、病虫害、軸太り、これは地元では腰高とかしり上がりとも言っております。また果実の皮が粗い、その上に果面粗剛のものが多く、果実がふぞろいで品質低下が見られるのでございます。俗に言うガザミカンが多いのでございます。このことはひとり熊本県のミカン生産地帯のみならず全国的にこの傾向が見られるわけでございますが、私の調査によれば、品質低下の原因は幼果期に風ずれ及び台風九号、特にこれは天草がひどいわけですけれども、この影響を受けたのがひどかったわけでございます。  すなわち、ことしは裏年的傾向でミカンのなり方が少ない、少ない上に葉が多いから葉は丈夫に育っている、そういう関係だろうと思うのですが、小さい、まだミカンのはだがやわいうちに台風が吹いた、風が強かったためにミカンに傷がついた、そうしてそれが成長とともにだんだん傷が大きくなった、私はこれが一つの原因というふうに見ておるわけですけれども、そういったことからガザミカンが多くなっている、こういうふうに思うわけであります。また病虫害はソウカ病、黒点病、ウスカワマイマイ、これはデンデンムシの小さいようなものでありますが、こういった病気、さらに天候不順が日照不足と曇天続きによって、幼果期、すなわち開花から七月の梅雨明けを幼果期と言っておりますが、これにぶつかって災いしたというのも一つの原因、さらに軸太り、すなわち腰高とかしり上がりとかいうふうに言っておりますが、果面粗剛というものは、開花期が長引いた、着果むらが多かったというようなことが一つの原因ではないか。また花の質がふぞろいであったというようなことで、今回こういった品質低下が起きております。熊本県の例ですと、わせは平年開花時期が五月十日、ことしは五月十四日で少しおくれております。普通温州は平年ですと五月十三日で、ことし、五十一年は五月の十七日、こういうふうにおくれておりまして、開花期間も、わせが平年では二十日間であるのが五十一年は二十二日でございました。また普通温州は十五日だったのがことしは十八日と、こういうように延びております。こういったことを見ましたときに、これはいろいろ原因があると思うのですけれども、これは熊本県のみならず全国的な問題でもありますが、熊本県の例を一例にとりましたけれども、当局はどういうふうにいわゆるミカンのこういった品質低下の原因を踏まえておられるか、明らかにしていただきたい。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○澤邊説明員 本年の温州ミカンの品質問題についてのお尋ねでございますが、御指摘ございましたように、本年は冬季の寒波による落葉から、さらに春先の降雨、低温、日照不足ということで例年になく異常天候で生育期を迎え、全般的に植生育がおくれたということもございまして、開花期になってもそのような天候は十分回復しなかったということもございまして、平年に比べましてわせ温州で三日ないし七日の開花期のおくれ、普通温州で五日ないし十日おくれた、こういうことで・ございまして、植生育のふぞろい、またその開花期間がおくれたばかりでなくして非常にだらだらと長く続いたというようなことがございまして、したがって着果のむらが多いということでございます。総体的に着果量も前年を下回っておるということでございます。これは統計情報部長からお答えした方がいいかと思いますけれども、六月中旬での、あの開花期での本年度の収穫予想では、五十年と大体同じ程度の最終収穫量でございますというような見通しが当時なされたわけでございますが、その後の天候はさらに低温があったり、あるいは御指摘のございましたような台風等が一部の地域であったということもございまして、開花の次の段階である着果量、果実のつきます量も情報では減っておる、昨年よりは悪いというような情勢でございますので、われわれといたしましては、量の問題といたしましては、当初考えたよりはかなり減ってくるのではないかというように思っておりますが、質の問題につきましても、ただいまのような気象条件でございますので、御指摘のような面が、地域的に差はございますけれども、見られると思いますが、ただ現段階で本年度の最終的な収穫ミカンの品質を断定することはやや時期尚早ではないかというように思うわけでございます。もちろんいままでの状態としてはよくはございませんけれども、今後の気象条件によりまして、特に雨が多いか少ないかによりまして品質にかなり影響がございますし、さらにまた栽培管理のいかんによりまして、特に窒素質肥料を余り多くやり過ぎますと悪くなるとか、あるいは今後の防除の努力等によりましてまだ回復の余地はあるわけでございますので、われわれといたしましては、気象条件の推移に応じて適確な栽培管理、防除、その他高品質のミカンが生産されるように十分指導をしてまいりたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 本年の温州ミカンの品質低下による農家経済に及ぼす影響についてお伺いをいたしておきます。  ちなみに熊本県の例を挙げますと、十アール当たり粗収益が五十年販売単価で三十二万六千円四十三銭、五十一年試算ですと二十九万七千八百七円という粗収益の予想になっております。また収量は十アール当たり五十年が三千六百七十九キロ、五十一年は三千五百キロ、すなわち、ことしは昨年に比して十アール当たり百七十九キログラムも少ない、こういうふうにわれわれは試算をいたしております。市場生果率を見ましても五十年は八五%、丘十一年が八〇%、これまた低下をいたしております。等級は五十年が秀で六・二四%、優で四四・〇五%、良で四九・七一%、五十一年は秀で五%、優で四〇%、良で五五%。なぜこういった数字を申し上げるかというと、昨年は生産量が多かったにもかかわらず五十年に比してこういうようにずいぶん低下している。  そこで、農家の経済に及ぼす影響でありますが、品質低下によって五十二年もかなり憂慮されるわけでございまして、肥料、農薬の価格が上昇しておるわけでございますから、手取りはもっと低くなるわけです。御承知のように、ことしは裏年的傾向でしかも品質低下によって粗収益も低くなり市場生果率もパーセントが低くなることが当然予想されます。農家経済に及ぼす影響が甚大である、かようにわれわれは見通しておりますけれども、一説によればむしろこういった自然による生産調整を農林省は腹の中では喜んでいるのではないかというふうに農民は言っております。そういうことがあってはならぬと思いますが、果樹農家は先々心配をいたしておるわけでございます。そういったことで、農家経済に及ぼす影響を当局はどういうように考え対処しておられるのか、お答えをいただきたい。     〔片岡委員長代理退席、菅波委員長代理着席〕

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○澤邊説明員 今年度のミカンの価格、それによりましてミカン作農家の経済に直接影響を受けるわけでございます。今年度の価格につきましては、生産量の問題とそれから価格そのものの問題、相互に関連するわけでございますが、それをどのように見通し、どのようにもっていくかということによって決まるわけでございます。先ほど申し上げましたような生育状況であり、なお中途の段階でございますので、私どもといたしまして、現在どの程度の生産量になるかということを的確に申し上げる段階ではございませんけれども、今年の初め以来生産団体は先生御承知のように二割の生産調整をやる、それによりまして価格をできるだけ適正な水準に維持していきたい。生産団体はキログラム百二十円の卸売価格の実現ということを目指して二割生産調整をするというようなことを目標に掲げまして運動を展開してきたわけでございます。  それによりますと、当初の目標といたしましては、今年度三百十万トンの生産に抑制をする、昨年は御承知のように三百六十六万トンであったわけでございますが、そこまで減らすということであったわけでございますが、私どもといたしましては三百十万トンよりはもう少し高いところを目標にしても適正な価格水準を維持することができるのではないかということで関係団体その他との協議を経まして、一応三百四十万トンの生産水準が適正な本年度の生産水準ではないかというように目標を置いて、改植あるいは高つぎ、間伐等によります生産の抑制、それからまたこれからの問題といたしましては後期の摘果の推進ということによりまして、その三百四十万トン水準に生産が最終的におさまるように気象条件も見ながら今後指導してまいりたいというように思っておるわけでございます。これは八月一日に全国的に統計情報部が調査をいたしまして、八月末になりますと今年度の第一回の収穫予想が出ますので、それを見た上で後期の摘果、これは九月にやるわけでございますが、九月、十月にかけまして、摘果、間伐等を促進をいたしまして、その水準におさまるようにしていきたいと思っておるわけでございます。  そのような水準が達成されますならば、品質の問題もございますけれども、私どもといたしましてはキログラム百二十円前後の水準にいけるのではないかということを念頭に置きながら今後十分指導してまいりたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 五十一年度のミカンの生産の見通しでございますけれども、時間がございませんからはしょってお伺いしていきますが、いまも答弁ございましたように、今年のミカンの着果状況については、地域によってはばらつきがあり、異常低温等によって全国的に昨年よりかなり下回ることがいろいろ予想されるわけでございますけれども、農林省も八月一日付で調査をしてたしか八月二十四日ごろ発表するというふうなことを言っておられるようですが、私は現状を見まして、もうすでに当たらずとも遠からずという予想はつくのじゃないか、こういうように思っております。農林省の六月一日付調査によりますと、五十一年生産予想は三百六十万トンから三百七十万トン、五十年が三百六十六万トンでございますから、前年並みということのようでございますが、当初農林省は四百万トンの予想であったように私は承知しておりますが、樹勢が弱かった、着果のばらつきがあった、また天候障害等によってこのように見通しておられるのじゃないかと思うのですけれども、この辺の見通しはおおむねどういうように見ておられるか、改めてもう一度答弁をいただきたいと思います。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○澤邊説明員 今年度の生産見通しにつきましては、当初三月ないし四月の段階でございますが、放任生産量を、私どもといたしましては、三百九十万トン前後ではないだろうか、したがいまして、これでは過剰生産になりますので、生産を抑制する々いうことで、先ほど申しましたように三百四十万トン前後の水準まで抑制をしたいということで指導をしてきておるわけでございますが、先ほど申しましたように、今年度の生育状況は例年に比べますとやや悪いということで、実のつき方も昨年より劣っておる、低いということでございますので、その後の情勢からいたしますと、いわゆる放任生産量、ほうっておけば、生産制限を一切しなければどのくらいになるであろうという数字が当初の三百九十万トンからはある程度下がってきておるというように思います。したがいまして、当初考えたほど生産の人為的な抑制、政策的な抑制は必ずしも必要ではないというふうに思いますが、先ほど申しましたように、八月一日現在の数字がわかりましたところで後期の九月を中心といたします摘果、それから間伐、樹形改造というような手段を通じまして三百四十万トンの水準に近づくように努力をしてまいりたいと思います。どの程度の摘果をするか、間伐をするかということは、八月一日の数字を見た上で決めて実施に移りたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間がもう迫ってきましたので、全部質問することはできませんけれども、八月一日の調査の結果を待って今後の対策を立てるということでございますが、その時点でさらにいろいろお尋ねをするということにしたい、こう思いますが、最後に一点お伺いをしておきます。  加工の問題ですけれども、ことしは先ほどから品質低下の原因等いろいろ申し上げましたように、熊本県のみならず全国的に大変そういう傾向で憂慮されて農家も大変不安におののいておるわけでございます。そういったことからどうしてもガザミカンが多くなりますと、品質低下等によって加工に回すということがこれまた問題になります。御承知のように、これは加工に回しますと、価格の問題をいろいろ調整せねばならぬとか、またいろいろな問題が起きてくるわけでございまして、熊本県の例で申し上げますと、価格は、原料果汁が四十八年が十七円四十九銭、四十九年が二十円六銭、五十年が二十円七十銭、かん詰めの方が四十八年十七円三十五銭、四十九年二十八円六十三銭、五十年二十五円五十七銭、こういうふうになっております。この辺の状況から加工の見通し、価格との調整など果樹農家の迫り来る窮状を踏まえてどう対処されるか、これは大変われわれも心配をいたしておるのですが、農民の前にどういうように考えておられるか、これまた明らかにしていただきたい。

澤邊守農林省農蚕園芸局長

○澤邊説明員 今年度生産されますミカンによる果汁加工原料の確保の問題でございますが、先ほど申しましたように、今年度の生産は三百四十万トン前後の水準に抑制をするという場合の根拠といたしまして、加工用原料ミカンの需要は五十五万トンというように見ております。これは昨年の実績は五十三万トンでございました。最近加工需要、特にジュースの消費が非常に伸びておりますので、五十五万トンという数字は、昨年はやや多過ぎたにしろ、過大ではないというふうに思っておりますが、先ほど申しましたように一部では今年の加工用原料ミカンの量的な確保がうまくいくかどうかという不安がございます。というのは、足らなくなるのではないかという一部の見方すらあるわけでございます。そのような見方は、今年度の現在の生育状況を非常に悲観的に見まして、生産量が三百四十万トンよりもさらに低く下がるのではないか、そういう場合には加工仕向けがなかなか十分確保できないのではないかというような不安を持っておる向きも一部にございますけれども、私どもといたしましては、現段階では三百四十万トンラインを確保すれば、加工用原料ミカンの量的な確保についてもほぼ供給を確保することができるのではないかというように見ております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間が参りましたので、最後に大臣に一言お尋ねして終わりにしますが、いまミカン対策についていろいろお伺いしてまいりましたが、御承知のようにことしは大変な品質低下そしてまた減収ということで、農家も大変おののいております。そこで全国ミカン生産府県知事会から先般大臣のお手元にも要望書が出されたと思いますけれども、ミカン対策に関する要望として九項目が出されております。これらの問題はすべて重要な問題でありますので、ことしのミカンに対し、また大変な資金その他の問題がございますので、どうかひとつ大臣もただいまの論議を十分踏まえていただいて、ことし果樹農家に対して、かつて生産過剰その他でいろいろございましたけれども、ことしは例年にない異常天候に基づく大変な生産の心配がなされておりますので、十分対処していただくようにお願いしたいわけですが、大臣の決意を最後に承って質問を終わりたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 ミカンは現在重要な農産物になっているわけですし、これが安定策につきましては力を入れていかなければならぬ。需要に見合った計画的な生産、そういうことでいろいろな対策を行っていく。同時にまた、農家の皆さん方にも自主的な調整を今後とも進めていただくように、農家の皆さんもミカンの農家の再生産確保といいますか手取り確保という面から、そういう点について御協力をしていただかなければならぬ、こういうふうに思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 以上で一応終わります。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 米内山義一郎君。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 きょうはたくさんの省庁からおいでを願っていますが、まず第一にむつ小川原にかかわる農地法上の問題からお尋ねします。本当は大臣にも聞いてもらいたい点もあるが、これは後でもいいことにしまして、きわめて初歩的な質問から、復習の意味でお尋ねします。  御存じのとおり、この問題を本委員会で取り上げてから四年になるわけです。その間の速記録をよく読んでみますと、政府の答弁には非常な矛盾があるのです。いままでもこの問題を指摘しようと思ったが、今度はどうしてもはっきりさせておきたいと思います。解散がなくてももう任期だし、落選すれば聞く機会がないから、一番最初のところからお聞きしますから、法律、規則にあるとおり御答弁願いたいと思います。  そこで、専門家でしょうから、農地法の三条ないし五条で許可申請をする場合、あらかじめ私はあるいはわが社はもうすでに数億円の金を投じてこれこれの人間からこれこれの面積を取得してある、よってこれを許可してもらいたいということは、法律のどこに書いてある条文か、これば仮定の問題ですが、この申請のやり方は法律上合法かどうかということについて伺いたい。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 お答え申し上げます。  御質問は農地法の五条の転用許可の関係かと存じますが……(米内山委員「三条も含めます」と呼ぶ)これらを含めましても、事前にそうした行為が行われることについて法律上の規定はございません。ただし、たとえば転用の場合に、あるいは先にお答えすることになろうかと思いますが、現在事前審査制度等をとっておりますのは、法律の規定前の指導行為として国で行っております際に、指導上こうした問題について農地法の定める規制に該当するかどうかという問題はその時点であろうかと思います。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 もう少し素人が、実際に転用する人が御相談申し上げた場合を想定してお答え願いたいのです。  農地転用の申請をする前に、もうすでに買ったという契約、法律行為をやった上に、単なる事後承認みたいに形式的に農林省に許可申請をすることはどうかという意味なんですよ。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 お答え申し上げます。  たとえば五条の転用許可についての場合でございますが、実態的に、いまお話のございましたように、権利の設定または移転の効力を生じないまま、事実上その効力を生じたような形で売買契約等を締結するようなものにつきましては、これは同条に違反する、こういうふうに解釈いたしております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 このことは小沼局長のときに数回にわたって質問しています。そのたびにわかったようなわからない答弁をしています。たとえば三条、五条、これは共通の条文なんですが、三条の四項「第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。」とあるわけですよ。あなたのおっしゃったのはその意味ですか。いわゆる許可を得ない前に売買契約をしたとか、所有権の移転のための法律行為をしたということは、この四項と関係ないですかあるのですか。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 私が申し上げますのは、許可を受けずに、たとえばこれはいま私の方は五条に例をとって申し上げましたが、(米内山委員「ぼくは三条で言っておる」と呼ぶ)三条でも同様に、農地につきまして売買契約を締結して、事実上その効力を生じた場合に行われるのと等しいような行為が許可を受けずに行われた場合には同条に違反する、こういう解釈に立っております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 それで、事前審査の内示を受けたという段階なんですよ。これは法律じゃないが、法律に基づいた転用基準の中にあるのです。売買の交渉をする前にというのですね。事前審査の内示の申請をする——そうしますとこの規則どおりに、要綱どおりに読むと、内示を受けた後というものは買ってもいいということじゃなくて、買うための交渉を始めてもいいという段階ですか、それとも別な、もっと深く入ってもいいという意味がありますか。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 売買を行う前提の行為を発してもよろしいというふうに私どもは指導上考えております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 それは転用の事前審査の内示を受けたのですから、売ってくれますか、こういう交渉を指すとぼくは思うのです。そこで、むつ小川原の場合はこの段階で多額の金を払っておる。この前の小沼局長の答弁だと、売ってくれますと言うたときは、社会的な通常の何といいますか通念といいますか、手付金を払うようなことまではこれは禁止していない。この点はどうなるのです。手付金まではいい、内金になれば別だということはどういうことですか。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 転用目的で売買契約を締結いたしまして、対価の一部相当額を支払っている例がございますが、このことだけをもって事実上その農地の所有権を取得したに等しい行為が行われた、こういうような点で直ちに農地法五条の違反というふうには私どもは理解しておりません。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そこなんですよ、問題は。あなたはいまそこで逃げたつもりでいるだろうが、この事前審査の内示という制度を設けた趣旨は何かというと、もし許可にならなくとももとに復元できるためにですよ。これがなければ、もう金を払っちゃう、受け取った方は使ってしまう。許可にならないといったって金は返せない、回収はできないということを防止するためにつくったという農林省の国会での記録があるが、それはどういうことです。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 私ども事前審査制度を導入しましたのは、大規模な転用許可案件につきまして事前に混乱を防ぐ趣旨で、いま御指摘のような場合も含めまして、混乱をできるだけ少なくして円滑に合法な転用許可がなされるように手続を進めたい、こういう趣旨で設定したわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 この問題はきょうはこの程度にしておきましょう。ただ、農林省はこの問題について、だんだんにぼくの質問が進んでいったら、全額払っていないから違反でないという答弁をしていますよ。その次には移転登記をしていないから農地法に違反しない、こういうことを言っているが、あなたの方も同じ考えですか。金が全額でないから違反じゃない、所有権の移転登記をしてないから違反じゃない。実態はどうかというと、土地を売った人はもうその村にさえいないのが多いんだ。それから農地転用というものは、工場用地にする、宅地にすることだけじゃないでしょう。更地にすることも農地以外のものにしたことになるのです。畑を荒蕪地にすることも農地法の意味でしょう。ぼくはそのことがおかしい、こう言ってきた。大丈夫ですか、それで。そういう解釈で今後もいいですか。人がいなくなった。実質的にその土地を管理する人がいない。大きいからそうなんだ。大きいから事前審査の制度をやったんでしょう。それでも農地法の違反でない。まあ違法はとにかくとして、あなた方はこの法律なりを運用する場合に、大きい小さいにかかわらず全国で同じような考え方でやっていますか。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 ただいまの全額を支払った場合あるいは移転登記をしてないというようなことで御指摘がございましたが、先ほど申し上げましたように、対価の一部が支払われているということをもって所有権を取得したに等しい行為があったというふうには私ども考えておりません。ただ、移転登記が行われたということになりますと、これは転用許可を受けなければ移転登記は転用目的の場合にはされないものと解しますので、そのような場合は入らないものと私ども理解しております。  また全国的にどうかという問題につきましては、私ども指導は一貫して同じようにいたしておりますが、なおつけ加えて申し上げますれば、農振法あるいは国土利用計画等の立場から今後合理的な地域の設定をいたしまして、これらの農地の転用等を規制してまいりたい、このように今後の方針としては考えております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そうすると、全額であろうが、一部であろうが、八〇%であろうが、結局許可前に契約書を書いて法律行為をやっているでしょう。この行為というものは、この三条の条文から見れば法律行為なのか。売買のための契約をするでしょう、そして仮登記はしているでしょう。これは法律行為でないのですか。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 ちょっと御指摘の場合に、先ほど代金の一部の支払い等、これは五条の転用の関係で申し上げましたが、それが法律行為かどうかというのは、これは私人間の関係においての所有権移転、転用許可を条件とします私人間の行為としてはそれなりの意味を持つものと思いますけれども、私ども農地法上の転用としては認めがたいというふうに先ほどから申し上げている点でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 五条の方を中心に聞くが、所有権の移転の場合、三条の三項と四項は五条にも適用するわけですよね。そこはあなた方も知っていればいいですよ。そうすると、あなた方はこの開発のために主役をなしておる。むつ小川原開発の主役ですよ。十二省庁会議なんというのがあるそうだが、農林省がこの主務官庁ですか。

渡邊五郎農林省構造改善局農政部長

○渡邊説明員 むつ小川原開発につきましては、関係省庁で土地利用の調整を了したものの原則に従いまして、その用地の農地法に関係する部分については私どもの担当、このように私どもは考えております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 ぼくはこれの主務官庁は国土庁だと思っているが、ただ、いまこうして見ていると、あの開発について直接行為をやっているのは農林省しかないのだよ。あとの方はもじもじやってまだ相談中だが、農林省だけはこういう事実をつくっている。きょうはこの問題はこれで……。  次は、北東公庫からお伺いします。むつ小川原開発会社に出資していますが、これはこの会社の目論見書が会社の一つのあれでしょう。保証人もあるし経営者もあるだろうが、第一は、むつ小川原開発株式会社のこの目論見書というのは架空だと思いませんか。御存じでしょう、どういう仕事をするというようなあれがあるのだが、あなた方はこれを信用したのですか。信用したならばその根拠を目論見書に照らしておっしゃってください。

小川としやす北海道東北開発公庫理事

○小川説明員 目論見書に書いてあります点につきましては、現状におきましては若干事態が変わっておるという点はございますけれども、当時の時点としての内容について架空とは存じておりません。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 これはいまここで議論する暇はないのです。どういう条件のときであろうと、あんなものは、どこに根拠があったかどうかということは後で議論します。まずそこから出発して、北東公庫がこの会社にどれだけの金を貸しているか、そこからこの会社の債務に対してどれだけの保証をしているか、この会社の現在の借入金の総額は長期、短期合わせてどういう状態か、これをお伺いしたい。

小川としやす北海道東北開発公庫理事

○小川説明員 私どもがむつ小川原株式会社に融資いたしております金額は、ことしの三月末におきまして百五十四億円でございます。それと出資十億、合わせまして百六十四億円でございます。それから、いままでむつ小川原株式会社が支出いたしました事業費のトータルは約四百一億円でございます。以上でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 その中で、ぼくは事業のトータルを聞いたんじゃないが、この会社の借入金総額はどのくらいあるか、それから北東公庫がこの会社に債務保証している金額と件数はどのくらいあるかということ。

小川としやす北海道東北開発公庫理事

○小川説明員 債務保証はいたしておりません。それから、借入金総額でございますが、六月末現在で四百三十七億でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 債務保証がないということを聞きましたが、よく保証なしに他の金融機関が貸したものだと思う。  そこで、北東公庫がこれだけの金、百五十四億貸すのに、担保物権、抵当権、そういうものは金額にしてどの分くらい取っていますか。そしてその財産の種類。

小川としやす北海道東北開発公庫理事

○小川説明員 私どものむつ小川原会社に対して融資しているものについての担保の関係でございますが、御承知のように農地と非農地に分かれておりまして、非農地分につきましては市中の協調融資銀行とともに抵当権を設定いたしております。これが大体千ヘクタール分でございます。それから農地分が約二千ヘクタールございますが、これにつきましては、先ほどもございましたけれども、いわゆる農地転用許可を停止条件といたしますところの売買契約を締結いたしておりまして、それに基づきまして所有権移転の請求権保全の仮登記を行って権利の保全を行っているわけでございますが、査定価格につきましてはちょっと御容赦いただきたいと思います。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 その農地の債務保全を何かやっておるが、これは法律上効力を有しない契約でしょう。しかもこの会社の決算報告書を見ると、ほとんどすべてがこの会社の未成不動産という形で財産になっている。片一方は法律上効力を有しないものが、会社の経理の中では未成不動産とかなんとかいう仮勘定でしょう。これは担保力があるものか。それから登記されていないから所有権の移転が行われていないから、法律に触れる触れないの問題とかかわるわけですよ。  それからもう一つ、一体これだけの金を貸して金利を取っていますか。

小川としやす北海道東北開発公庫理事

○小川説明員 もちろん徴求いたしております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 この会社は札を印刷する機械を持っているんですか、持っていないと思うんだ。そうすると、売り上げのない会社がどうして金利を払ったかということです。あなたは受け取っているかもしれない。他のどこかの金融機関が金利を貸している。事業費じゃない。売り上げのない会社。しかも北東公庫の貸した金は無期限で貸してないでしょう。償還期はいつから始まるのですか。

小川としやす北海道東北開発公庫理事

○小川説明員 本年の十二月でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そうすると、この会社は北東公庫に金利を納めるために別な金融機関、そこに金利を納めるために他の金融機関、ことしの十二月から元本を入れるためにまた借りるでしょう。こんな不可解な経営というのは日本じゅうにありますか。貸す方も貸す方だ、借りる方も借りる方だ。しかも、政府金融機関だ。資本主義というものは、金利というものはぜひ払わなければならないし、取らなければならない。貸し金の契約の期限が来たら必ず取るのはこれは資本主義の背骨なんだよ。それをいいかげんにやっているならこれはおかしいものなんだ。政府金融機関でしょう。しかも、この開発にはいつかはできる可能性はあるかもしれないが、まだ政府内部で防衛庁との問題あるいは農林省内部でも原々種農場の問題とかその他どうしても解決しなければならない工業用水の問題等、漁業権の問題等何一つ片づいていない。しかも、経済の状況、こうでしょう。そうして仮に四百億とすると九分にしても三十六億、一日に一千万でしょう。この六ケ所村の、かなり大きい村ですが、一年間の農業の総生産額が十八億なんだよ。その農地のすべてじゃない、一部を買って、そうして金利をその村全体の生産額の二倍も払うなんという企業者が、これはあたりまえの頭を持った者か。これに金貸すのはまたこれはおかしいんだ。これは日本の一つの怪談に近い。こういうことが許されれば、世の中に破産も倒産もないんだよ。北東公庫というのはそんなにありがたい金融機関なら、新聞に号外回して、北東公庫からみんな金借りろとわれわれが宣伝すれば、点数も入るだろう。利息納めなくてもいい、こういうふうな問題が北東公庫の法律、業務方法書に照らして合法ですか。適当ですか。

小川としやす北海道東北開発公庫理事

○小川説明員 むつ小川原株式会社ができまして約五年半たちました。土地の買収を開始いたしてからもうすでに三年と八カ月ばかりたっておるわけであります。それで、その後のニクソン・ショックあるいは石油ショックといった問題をはさみまして、最近におきます経済社会情勢というものが非常に厳しい状況でございます。政府その他の資料によりますと、明るい方向に向かいつつあるということでございますが、現状は非常に厳しい段階だと私は思っております。そういうわけでございまして、むつ小川原株式会社といたしましても当時とは格段に違う厳しい環境のもとに置かれまして、言いかえればじっとがまんすべき段階にあるのではないかと存じます。これに対して私どもがどうすべきかという先生の御質問だと存じますが、そうした中にありましても、やはり長期的に見た場合に日本にとって残された長い海岸線とか広い土地、こういうものを利用して大規模工業基地をつくるというそういった趣旨はいささかも変わっておらないんではなかろうか、こういうふうに理解しております。昨年十二月に青森県の第二次プランというものができまして、仄聞するところによりますと、十二省庁会議、現在では十三省庁会議でございますか、におきましても、その計画を前向きに検討しておるというふうに伺っております。私どもとしてはそういった国の政策に対して相反する立場をとるということは考えられないわけでございますが、といいまして政策が、それではその会社の言い分をそのままのむかというとそうではございませんで、やはりこのプロジェクトに対してどれくらい融資すべきか、そういった点は総裁の判断といいますか、決定に待つわけでございます。それには慎重な審査を行っております。それから国に対してもいろいろつまびらかでない点につきましてはいろいろ質問を出しまして聞いた上で慎重に計画的に融資の実行をいたしておるわけでございます。したがいまして、従来もそうでございますが、四十九年度におきましても五十年度におきましても、むつ小川原株式会社が出してきました融資要請そのままを融資いたしているわけでございませんで、私どもやはりこういう要請を踏まえて計画的に融資しておるわけでございます。そういった基本的な立場といたしましては、今後も当面の間は変わらないというふうに考えております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 それでは会計検査院の方から第二局長さんお見えのようですが、北東公庫は会計検査院の検査の対象になるものですか。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○東島会計検査院説明員 私どもの会計検査院法二十三条の規定によりまして、指定すれば検査できることになっております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そうするとこの北東公庫がむつ小川原開発会社に多額の出資をし、そうして多額の融資をして、これの先行きに非常な不安感がある、いわゆる不確定な要素がきわめて多いというならば、これは国損を招来するおそれがある。それから北東公庫の法律、業務方法書には金利は貸すことになっていない。設備投資と長期の運転資金、そうすると北東公庫は、直接これは金利分だと言って延滞金利を元金に入れないだろうが、売り上げのない限り、増資のない限り、これは金利を借りてそれにまた追い打ちして貸すということは「担保も取らない場合は金利でしょう。こういうのは、法律があるいは業務方法書が適切に運用されているとは思われない。むつ小川原開発会社の社長が、だいじょうぶかとぼくが質問したら、いやだいじょうぶでございます。会計検査院の検査も受けております。われわれも個人保証いたしております。命がけでございます。会社の将来には決して御心配がないということを社長から直接聞いたことがあるが、会計検査院がむつ小川原開発会社を検査したことございますか。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○東島会計検査院説明員 私の方でも、先ほどからお話ございましたように多額の融資を北東公庫からむつ小川原開発株式会社に出資したり融資したりしておりますので、われわれとしても非常に重大な関心は持っておるわけでございまして、毎年北東公庫の検査の際には、この会社に対する融資については関係書類で検査しておりますほかに、四十八年度からは、この会社の本社及び現地についても調査官数名を派遣いたしまして、北東公庫の方と一緒に調査をいたしております。  それで、現在のところまだ用地買収の段階でございますので、直ちに国損というような問題も私どもとしてはなかなか結論を出せないような状態でございますので、もうしばらくこの事業の推移を見守っていきたいと思いますし、先生のいまの御質問もございましたので、その点も肝に銘じて今後やっていきたいと思っております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 私は、別に会計検査院に、これは臭いから検査せいという身分でも立場でもないし、そういう気持ちは毛頭ありませんが、ただせっかく現地まで行きましたら、どういう場所をどういう買い方をしているかを現地で見ていただきたい。農民は土地を売らないんですよ、農地はね。そうすると、そういう場所のたんぼの道路とか水路を買収しているんですよ。こういうものは、たんぼを買えばただで持ち主に来るものなんですよ。こういうばかな物の買い方をしているのに国家資金、政府資金が供給されるというのは、これは漫画ですよ。  大体これはいつ始まったのか。これは日本列島改造論の落とし子でしょう。田中内閣ができて何日もないときに閣議口頭了解されたものでしょう。十二省庁会議をいま急いでやるなら、小菅に行ってやった方がいいよ。開発というのは元来利権なんですよ。この利権というものは、金をもうけたい者、さらに大きな利潤を追求する者、政治権力、この二つだけではできないですよ。官僚が加担しないとでき得ない。開発というものは利権の源なんだよ。飛行機ぐらいのものは、あれはけちなものなんだよ。九兆なんという土地が動いたとき、それの大規模なものはみんな官僚と政治権力とエコノミックアニマルだかエコノミックゴジラだかというようなものの結託だ。一皮むいたらすぐわかったでしょう。田中が小菅へ行ったろう。福島県の県知事だって開発でしょう。千葉県の副知事だって逮捕されたのはみんなこれなんだよ。これは官僚だから引っかかる。ただ、地方の官僚は頭が悪いから引っかかる。東京の官僚はこれは法学士だ、東大だ。もともと法律というのは、トンボとかチョウチョウは引っかかる、トンビ、カラスは引っかからない、クモの巣のようなものだというのは、全くいま現にそうだ。田中が閣議了解した。一番先に何をやったかというと、農林省の農地局長がこの会社に天下りしたんだよ。ここでも権力と金力と官僚の癒着の姿がある。その次の構造改善局長は今度は何になったか。いま調べてみたら、日本競馬会の常務理事じゃないか。一競馬で何百億も馬券が売れるところへ行ったから、農林省に二十年勤めたよりも、二年ぐらい勤めたら退職金を十倍も取るだろう。賄賂じゃないけれども、こういう形での癒着というものはロッキードと同等以上に国民の批判を浴びることは明らかだ。これは北東公庫だって同じ。そういう意味でこの開発の見通しについて国土庁からお聞きします。  初めは脱兎のごとく終わりは処女のごとくと言うが、田中内閣時代はむつ小川原開発というのはかなり景気がよかった。このごろ冷えてきた。国土庁と青森県の関係もおかしいと思う。  大体、新全総を書いたのも企画庁時代の下河辺氏だと聞いているし、日本列島改造論を書いたのもあるいは下河辺だといううわさもある。この田中内閣のときは、あすにもできそうな話があったが、このごろになったら待ったなんだね。よく言われますよ。下河辺氏が、青森県知事がやたらに焦るものだから、急ぐものだから、一千億も二千億もかかるというこの重要港湾を地方港湾でも出発をしたいなんて焦るものだから、そこで下河辺氏が、いや、せっかく苫小牧でいま始まったから、外洋に港をつくった経験も少ないから、それを見て、その後でゆっくりりっぱな港をつくったらどうかということが新聞に出たのです。それの記事を引用して、青森県の定例議会の本会議で言ったら、青森県知事はこう言った。よそ者——これは下河辺氏のことですよ。よそ者にこの苦しみがわかるか、こういうふうに言ったというから、どうもこれは冷戦が始まっているのじゃないかとわれわれは疑うんだが、その後いいあんばいに順調に進んで、たとえば環境の事前評価の問題にしろ、防衛庁の問題にしましても、移転先の可能性があるのか、防衛能力に異常のないような場所に移転できるのか、その移転費をむつ小川原開発が持つのか、青森県庁が持つのか、防衛費で負担するのか等々、政府内部で調整すべきものに農林省部内の原々種農場の問題もある。これらの移転先なりそういうものが政府部内でどの程度の調整が進んでいるでしょう。ちょっとお伺いします。

桑島潔国土庁地方振興局東北開発室長

○桑島説明員 お答えいたします。  むつ小川原の現在の進み方といいますか、進捗状況について申し上げますが、御存じのように、昨年の暮れに青森県が二次計画を出してまいりまして、それをただいま関係省庁が十分協議を進めながら慎重に検討しているところでございます。ただいま先生御指摘いただきましたたとえば環境アセスメントですとか、あるいは農林省の原々種農場の問題、あるいは防衛庁関係といったものにつきましても、比較的最近ではございますけれども、関係省庁間での話し合いも少しずつはやっております。ただ、その場合に、青森県の方ではこの計画を非常に急いでくれという要請はございますけれども、私どもが青森県といま話しておりますことは、やはり地元の段階で十分まだ詰めてはしいというものがございます。たとえば、先ほどお話がありました環境アセスメントの問題につきましては、近くまた環境庁の方がいろいろ県を指導してくれるということになっておりますので、その内容について十分よく教えを請うて、それでいいものをまとめるようにというふうに私どもは指導しておりますし、それからもう一つは、きょうもいろいろお話が出てまいりましたけれども、やはり地元の住民関係に対します生活再建策とか、そういったものを県の方でよく詰めてくれということを言っております。同時に、県の方がそういうことを詰めてくれませんと、国の方だけで一方的にものが決まるというわけではございませんし、先ほどお話ございました原々種農場の点一つとりましても、実は村の方では村の外へ移転してもいいという話もあるそうでございますけれども、まだその具体的な条件等がまとまっておりませんので、そういったところを私どもが県の方から報告を聞き、そういったものをまた必要な場合には各省等を取り次ぎまして進めていきたいというふうに考えています。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○東島会計検査院説明員 ちょっと先生にお断り申し上げますが、先ほど北東公庫が検査対象であるかという御質問に対しまして、私は指定すれば検査できるということを申し上げましたけれども、これは私どもの会計検査院法二十二条の規定によりまして、指定なしに北東公庫に対しては検査できるようになっております。どうも失礼いたしました。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 時間もなくなったから急ぎます。  このむつ小川原開発というのは大変な乱暴なものでして、特に小川原湖湖沼群の問題が非常に心配されます。第一は、工業用水を多くとるためかどうか知らないが、あの付近の降水量までうそをついている。青森県の気象統計による四十年間の平均雨量というのは大体千四百程度、それが奥羽山脈を中心にして日本海側は雪の多い分多いし、太平洋側は雪の少ない分少ない。いつかの年最大雨量のときはあったかもしれないが、これがこう降るからその八〇%が流入するからこれだけとれるというのから出発している。そうしてしかも今度は防潮水門をつくる。計画によると、海より低い湖になるのです。そうしたらこの大きい湖の生態系というものは壊れちゃう。石油コンビナートも大事かもしれないが、日本で十一番目の大湖、しかもあの湖沼群というものは日本にあれしかない。生物環境から見ても、人間の生活環境から見ても、非常に重要なものです。いままでこれの環境の事前評価というものなしに産業本位にやったから、瀬戸内海であろうが、三保ノ松原であろうが、羽衣の松であろうが、こういう日本になっちゃったんです。だからこれについて環境庁はそういう使命と任務を持って生まれた役所だとわれわれ思うが、この環境のいわゆるアセスメントというか、どういう考えでこれに臨むつもりですか。そのお考えだけを聞いておきたい。

大塩敏樹環境庁企画調整局環境審査室長

○大塩説明員 むつ小川原の総合開発計画につきましては、環境庁もその推移等につきましては報告を受けているわけでございます。  ただ、先ほど御指摘のありましたようなデータにつきましては、いまのところ断片的な資料しか私どもは伺っておりませんので、そういった点も含めまして環境庁といたしましては、この計画を実施するに先立ちまして行います環境アセスメントについての基本的な考え方、それから環境情報に関する公開のあり方、あるいはこの地域で特に注目して実施すべき環境の範囲及び方法等について、近く青森県に基本的な指針を示すことといたしております。  環境庁といたしましては、十分な環境アセスメントを実施するよう県を指導することといたしております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 結構です。  じゃ次に構造改善局の計画部。青森県の吹越平の開発、ぼくらは五、六年前から吹越台開発というのは耳にしていたし、これは早く実現させたいと思っておったんですよ。ところがこのごろになってわれわれが吹越台と考えていた場所からぐっとずれたんですよ、開発場所が。しかもこの辺の山林というのは、むつ小川原開発計画の中では、きちんといわゆる樹木を保護する緑地帯になると書いてあった。しかも現況調査すればわかるが、ここには水田が開けて山は浅い。しかもちょっと木を切ったというその周辺で、二又という部落では二、三年前に大水害が起きた。水害だけじゃない、水田の水源が枯渇するおそれがある。これまで五年かかって五千万以上金使ってこういうことを調査したかどうか、一年目、二年目の調査はどこで何をやったか、そしていま最終的な計画をやるときどういう調査をしたか。調査が完了しないと、予算も立つわけじゃないし対策も立たないでしょう。その調査の結果どういう状態か。そしてこの調査は疑わしい。何年も別な方を調査して、実施設計を組む段階でこっちへ移ったから、ここはどの程度調査されたか疑問がある。したがって、調査の結論が出るには現場の野帳があると思うんです。ぼくはやがてはその野帳まで見せてもらいながら、この検査の実態というものを知りたいと思うんだが、どういう状態です。

平弘農林省構造改善局計画部長

○平説明員 ただいま先生お尋ねの吹越台地の農地開発でございますが、本地区につきましては四十五年度から、これは六ケ所、横浜、両町村にまたがります約千三百ヘクタール程度の地区を対象にいたしまして、農地開発の計画取りまとめの作業をいたしてまいったわけでございます。  お話のございましたように四十五年、六年、七年、これにつきましては土地、水等の開発資源あるいは営農現況というような基礎調査を実施いたしたわけでございますが、先ほど御指摘もございましたように、四十八年の集中豪雨におきまして二又部落等に浸水を生ずるというような事態も出てまいります。また、農用地を開発いたしますと、これは別に水源涵養保安林という指定を受けているわけではございませんけれども、下流域について当然これは水の影響が出るのではないかというような点が心配される。防災それからやはり水の確保、この両点につきまして、これはさらに入念な調査を必要とするのではないかということで、当初予定いたしました団地等の位置が、必ずしも地質、地形等適切でないということで、昨年度から一部地区の振りかえを行いまして調査をしていることは事実でございます。  調査は本地区につきましては、実は先生も御存じのとおり従来昭和四十年ごろでございましたか、南部中央地区という形で一たん農用地開発の調査地区に選はれたことがございまして、大体この地区一円についての概況的なことの把握は、振りかえました地区についても行っていたものでございますけれども、なおこの地区の振りかえにつきまして追加調査をしなくてはならぬということで、新しい地区につきましては五十年度、五十一年度、両年度にまたがりまして調査をし、できるだけ早く基本計画を取りまとめまして、来年度から全体実施設計に持ち込みたい、かように考えておるわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 ことし一年調査すると言うから、どういう結果が出るかはとにかくとして、この地域の住民との関係を重要な問題として調査しなければならぬ。農業の生産を拡大するということも大事だが、反面にその地域の人の水田を枯らすということは生活を枯らすことなんだ。その点をひとつ調査の段階で厳密にやってもらうことを要望しておきます。私の調査はこれからも継続していきます。それからこの種の国営パイロット事業というのは県と関係のないものなのか、こういう意味で聞くのですが、われわれは参議院の議員さん二人とぼくと三人でこれを調査して、現地を見て驚いた。ついこの間ですよ。事実現地の人が知らないのだ。そうしてその翌日知事と会ったら、これは国がやることだ、青森県は地元の立場で国のやることに注文をつける立場だと言うが、こういう関係がありますか。私もいままで国営の開懇事業に、長年土地改良区の理事長としてやったが、そういう国営であろうが何であろうが、県庁も市町村も土地改良区もみんな一緒になって初めてできるのですよ。あれは国のやる仕事だ、青森県は文句つける立場だということでは国営パイロット事業なんてできるものではない。  それから八戸平原というパイロットもある。あそこではもう事業費がついたという。じゃ、あの中の水没者の同意が済んでいますか。この点だけ聞いて終わります。

岡部三郎農林省構造改善局建設部長

○岡部説明員 八戸平原の地区についてのお尋ねでございますが、この地区は国営総合農地開発事業といたしまして五十一年度に新規に着工予定をいたしておる地区でございます。現在まだ土地改良法上の手続が全部終わっていないということもございまして、事業所を開設して着工に踏み切るというところまで至っておりませんが、年度内にはぜひ着工いたしたいと考えておるわけでございます。したがいまして、ダム設置に伴う補償等につきましては、事業に着工いたしましてから国として具体的な交渉を進めてまいる予定にいたしております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 これについては地元の完全な同意の上で善処されることを望みます。  終わります。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 津川武一君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 先ほどの亀岡高夫代議士の農業団体からの政治献金に続いて、今度はさらに進めていきたいと思います。  それは自民党の湊徹郎代議士と伊東正義代議士が四十七年十二月十日に行われた衆議院選挙に立候補し、選挙運動最中に湊代議士は百五十万円、伊東代議士は百万円を農業政策研究会から選挙資金として受け取っております。これはわれわれの調査と選挙に関する資金の届け出にも明らかでございます。これが一つの事実。  二つ目の事実は、この政治献金をした農業政策研究会というものは自治省に届け出た政治団体です。大手町の農協ビルの中にあります。そして四十七年十二月十日に行われた衆議院の選挙で九千万円以上のお金を自民党の候補者その他にばらまいております。私たちはこの大手町の農協ビルに調査に行ってみましたが、この農業政策研究会には住所はありますが、机がございませんでした。電話もございません。事務局もないのでございます。要するに、政治資金を貢ぐトンネル、幽霊団体だったのであります。そこで選挙が終わりますと解散しております。これが二つ目の事実。  自治省に聞きます。こういう幽霊団体、これから政治資金を受けてよろしいのか、政治献金をする政治団体としてこういうものの存在が許されていいのか、こういう団体から政治献金を受け取った人たちの政治的な責任はどうなるのか、この点お答え願います。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 お尋ねの政治団体が実体のあるものかどうかという点につきましては、その事実関係を掌握しておりませんのでお答えいたすことができかねるわけでございますが、やはり政治資金というものが正しくあるべきであるという点は、政治資金規正法の改正に照らしてもそのようなものであるべきであろうというぐあいに存ずるものでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 もし私がいま指摘したようなものであれば政治団体としては正しくない、こう解釈してよろしいですか。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 政治団体の性格がどのようであるかという点につきまして、またそれに対する政治資金における規制につきましては、過去におきまして改正前におきましては公選法なり改正前の政治資金規正法、改正後におきましても新しい政治資金規正法また公選法というものの規定によって、その規定に違反のないようにすべきである、このように存ずるものでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 机もない、電話もない、職員もいない、こういう団体から九千万円の政治献金が出されておった。この状態を選挙の常識として、政治献金の常識として自治省はどうお考えになっておりますか。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 具体のお尋ねでございますので、事実この団体がどのようなものであるかどうかという点のことにつきましては、自治大臣の方に届け出があるという点は承知しております。それからそれに関して収支報告もかつて出ておったという点についても承知しておりますが、具体的な点については手元に資料を持ってきておりませんもので、その具体的な内容につきましてはお答えいたしかねる次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 自治省に重ねてお尋ねします。  昨年、昭和五十年二月十八日、この委員会の席で、共産党の諫山博委員が質問しております。この農業政策研究会から百七十九件、九千万円政治献金を受けている、その大半が自民党、野党の候補者もおりましたが。たとえば野原正勝二百万円、渡辺美智雄百五十万円、井出一太郎、いまの官房長官百五十万円、倉石忠雄、元農林大臣百万円、三木武夫、現総理大臣五十万円、安倍晋太郎、現農林大臣五十万円、これだけの政治献金を受けて、この一つの部分として湊徹郎代議士に百五十万円、伊東正義代議士に百万円、これが問題になった。あなたはこの問題で答弁しておる。政治団体であることを覚えておる。自治省はお調べにもならないで、あれから一年半このようにほったらかしておいたのか、この事態を。これが一つ。  また、具体的に調べてないというなら、これからこういう団体の政治献金をどう調べて、どのような見解を出すのか、そこいらの日程的な自治省の態度、この二つを明らかにしていただきます。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 農業政策研究会に関するお尋ねでございますが、昨年の二月の農林水産委員会の方で諫山委員から御質問があったと思っております。このいまの点につきましては主として農林省の方にお尋ねがあった、こういうぐあいに承知しておる次第でございます。  なお、この問題につきましての私ども選挙管理機関といたしまして調査し検討をするという点につきましては、立ち入り検査等のことがございませんので、収支を公開をするという形において国民の御批判をいただく、こういう形で対処しておりますので、実態につきまして、これがいかなるものかというような点についての立ち入り検査をするとか、その他の点の権限がございませんので、私どもにおいては公表を通じて国民の前に実態を明らかにする、こういうような考え方でおる次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 自治省に続けて質問します。  この研究会、自治省に届けた政治団体であることはあなたも覚えておる。その住所、代表者氏名、それから性格、これをまず明らかにして私たちの方に報告してほしい。この団体から昭和四十七年十二月十日に行われた選挙でだれにどのくらい政治献金されているか、この団体は届けております。したがって、これをまず私の方に報告していただき、この次の委員会であなたからこの返事を聞いて、対策をどうするかということをされいにしていただいて、この問題にけりつけたいと思います。それでいいですか。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 お尋ねの農業政策研究会の点につきましては、実は所管が政治資金課というところで所管をしておる次第でございまして、私の方は選挙法の関係を所掌しておる次第でございます。したがいまして、お尋ねの点につきましては、所管課の方と連絡をとりまして、どのようにいたすべきかは先生とお話しをさしていただきたい、このように思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、政治献金を受けておったことが一つの事実、政治献金した研究会が机も電話も、住所も、職員もいなかったことがはっきりして、幽霊団体であった。  ところで、この研究会がどこから九千万円以上のお金を出したかということなんです。これはわれわれの調査でいうと、全国農業協同組合協議会というのがございます。この全国農業協同組合協議会の構成は、全中、全農、家の光協会、全共連など農協関係中央機関の専務、常務、理事クラスで構成され、構成されておる団体から政治献金を集めて農業政策研究会に移して、これをトンネル会社として政治献金をしておるわけであります。この農協、全農、全中、全共連などには国の補助金、国の利子補給などが出ております。とすれば、自治省、公選法の百九十九条の二項に照らして、この事実をどうお考えになりますか、明らかにしていただきたい。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 ただいまのお尋ねの点でございますが、いまの改正法施行前のこれは公選法百九十九条の第二項の問題点に抵触するかどうか、こういうようなお尋ねではないかと思うのでございますが、やはり補助金の交付に関しますその事実がどうであるかという問題とか、それからそういう団体とお尋ねの政治団体との関係がどのようになっておるか、それからその金銭の拠出に関する事実関係がどうかというようなことを総合的に判断をいたしまして、そして決められるべきではないか、このように考える次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、自治省、百九十九条の二項、読みましょう。「衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては」国から補助金が出ている団体、しかも、それが交付決定されてもらってから一年以内に当該選挙に関して寄付をしてはならぬ、これだけの規定です。  事実は、昭和四十七年十二月十日行われた衆議院選挙、告示されてこれらの候補者は立候補して政治活動の最中に政治献金を受け取ったといって選挙に関する収支報告書に書いて自治省に届けている。これはどうです、選挙に関していませんか。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 ただいまの点につきましては、農業政策研究会という政治団体から寄付を政治家の方に対してしたという点でございまして、百九十九条の二項、改正前の公選法のこの規定は、国から補助金を受けている会社その他の法人のする国の選挙に関する寄付禁止をうたっておりますので、この点につきまして、政治団体のする寄付の問題でございますので、お尋ねの点が若干ニュアンスの違う点があるのではないか、このように存ずる次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 私たちの調査によると、この研究会は四十七年の前半収入ゼロ、支出なし。四十七年十一月全国農業協同組合協議会からお金をもらっている。つまり、国から補助をもらった団体が直接政治資金を出さなくて、机も電話も事務員もいない幽霊団体を通じて寄付するならば、まさにその選挙の期間中前後にそのことと関連して政治献金してもよろしいというのが秋山課長の解釈ですか。どうでございます。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 ただいまの先生のお尋ねは、たとえば国から補助金をもらっているような法人が、いわば実体のないような政治結社を通じまして当該選挙に関する寄付をすることがどうか、こういうお尋ねだと思うのでございます。この点につきましては、先ほどお答えをいたしましたように、やはり実体関係が問題でございますので、たとえば補助金の交付に関しますいろいろな事実が一体どうであるかというようなこと、それからその政治団体とその寄付した側との関係の問題、それからまた先生のおっしゃったような政治団体の実体の問題をもう少し把握するとか、その寄付金とかまたは拠出金というものが一体どういうことでどういう性格のものであるかというような事実関係を把握した上でないと、この点がどのように判断さるべきかということが決まらないということだと思いますので、やはりこのようなことを考えながら総合的に判断をしていくべきものである、このように思っておる次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 秋山課長、それでよろしい、実体論ね。そこで実体はどうであるか、これは調べてくれると言うからぼくはこの次の委員会期待して待っています。  そこで、実体は調べてみなければわからぬね。それでよろしい。ところが全農、全中、国から育成されて補助金をもらっている団体が、内容がどうあろうが机もいすも電話も人もいない団体を通じて、つまりトンネルを通じて政治献金を自民党にしていいんですか。一般論ですよ、実体抜きにして。そうであればわれわれもやるかもわからないよ。それでいいというならみんなやるかもわからないよ。丸紅だって全日空だってロッキード会社だって。名前だけでしょう。そういうものをつくっていいのか。ここの一般論に際して、選挙を正しく行う意味において選挙管理者の自治省の忌憚のない端的な意見を伺わしていただきます。

秋山陽一郎自治省行政局選挙部選挙課長

○秋山説明員 ただいま二つ御質問があったと思うのでございますが、一つ目の次の機会までに実体を調べて報告せよ、こういう御指摘でございますが、先ほども申しましたように私どもには立入検査権その他がございませんので、そういうような点を御了承をいただきたい、こう思っております。したがって、事実関係の判断というものは最終的には私どもの手元では非常にむずかしい点がある、こういうことをお含みいただきたいと思います。  それから、全然架空の団体というものは果たしてどうか、こういうお話でございますが、やはり政治団体である以上は実体があるということが当然のことでございますし、また正しい明るい政治資金の流れということが必要であることも言うまでもない点だと思うのでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 政治団体である限り実体がなければならないという自治省の解釈でよろしいです。あと進んでいきます。  そこで、農林省、このような農業政策研究会、そしてこれにお金を貢いだ全国農業協同組合協議会、この全国農業協同組合協議会を構成している全農、全中、家の光協会、全共連、こういう形の人たちの専務、常務、理事クラスがこういう団体を構成してこういう政治活動をしておるという事実、これに対して農林省は、農協というもののひたすらに農民の利益と農業の発展を考える立場から考えて、どうお考えになっておりますか、見解を明らかにしていただきます。

吉岡裕農林省農林経済局長

○吉岡説明員 午前中も一般的な姿でお答えをしたと思うのでございますが、協同組合というものが自分の事業を達成するために副次的に必要な政治活動をするということは、農協として許される行為であるというふうに思っておるわけでございます。ただその政治活動というものは、やはりあくまでも本来の業務の達成をするために必要な範囲というものがおのずからあるわけでございまして、そこには常識的に見て許容される範囲ということ、それから当然良識をもって判断をされる、つまり事業そのものに非常に大きなマイナスを与えるというふうな行為というものは、社会経済的な農民の地位向上を目指す農業協同組合としては適当ではないというふうに思うわけでございます。したがいまして、そのような方向において農業協同組合というものがその必要な政治活動を行っていくということが非常に望ましいというふうに思うわけでございます。  ただ、ただいま先生がお話になりました研究会というものでございますが、それについて私どもは十分にその実体を存じておりませんので、ただいまの具体的な点についてそれがどうであるかという点についての判断は差し控えさしていただきたいというふうに思うわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 去年の二月十八日のこの委員会で経済局長と諫山代議士がやりとりして、依然として実体がわからないということを答えている。あれから一年半たって、こういう状態はお調べにならなければならないと思うのですが、お調べになって実体を握ったでしょうか。一年半あのまま流しておくのでしょうか。ここのところを明らかにしていただきます。

吉岡裕農林省農林経済局長

○吉岡説明員 本委員会で農業政策研究会が議論されたことは私どもとしても承知をいたしております。そこで、農業政策研究会というものについて、これは農林省が監督官庁ではございませんので、十分権限を持っての調査というものはむずかしいと思うけれども、努力をしていろいろ調べてみますということをたしか前の岡安局長が申されておると思います。そういうことで私どもとしても調べてみたわけでございますが、この農業政策研究会というものは農業団体の親睦機関であります全国農業協同組合協議会というものから収入を得ておるというふうに承知をしておるわけでございます。そこで、現在の時点におきましては、先ほど先生が御指摘になりましたように四十九年六月に解散をいたしておりまして、実体的には今日農業政策研究会というものはないことになっておるわけでございます。ただ、収入を得ております全国農業協同組合協議会というものは農業団体の親睦機関であるということでございまして、一応責任者もその当時存在をしたというふうに聞いております。私どもが調べました範囲のことを申し上げますと、大体以上のようなことでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで局長、この全国農業協同組合協議会をつくっているのが全農なんだよ、全中なんだよ、全共連なんだよ。あなたたちが何ぼでも調査できる。ここへ呼んで聞けば幾らでもできる。これをおやりにならなかった。残念でした。これから調べて報告していただきたい。  そこで問題を前進させます。あなたが言うように農業団体が政治運動をやってもよろしいですよ。私たちも大いにやってもらいたいと思うときもある。たとえば青森県の農業協同組合が全量買い上げの問題で政府を相手に訴訟を起こしておる。大いに結構です。  そこで、福島県の五連の会長が逮捕されましたね。副会長も逮捕された。経済連の専務理事も逮捕された。そして、この五連の会長の斎藤初四郎は知事木村守江と地獄へ一緒に行ってもいいと言っている男なのです。どんな選挙をやったか、選挙違反で逮捕されている。この事実をどう見るか。しかも県段階の幹部が、あなたがさっきおっしゃったように取り調べを受けておる。これでいいのか。そして、県段階の農協の団体、単協の団体の役員が自民党の木村守江——選挙のために無所属になっているが、れっきとした自民党に籍を持つ知事、この選挙運動のために農協の仕事をほったらかして選挙運動をやっておる。この事実はいいのかどうか。これがあなたの言う農協の政治活動として許される範囲なのか。この点ひとつ明らかにしていただきたい。  もう一つ。農協自身が政治運動をやれないために、福島県農政刷新連盟なるものをつくって選挙運動をやった。この連盟は福島県在住の農民、単位農業協同組合、県農業協同組合中央会、県信用農業協同組合連合会、県経済農業協同組合連合会、県共済協同組合連合会、県厚生農業協同組合連合会、五連が組合員です。そして、この会費、各連合会の負担金は総額一千万円。ここで一人一人の農民がどういう政治意識を持ち、どの政党、どの候補を支持しようが、国民に保障された重大なる民主主義的権利、単協がどのような政治運動をやろうが、ここのところを、あなたが言ったように逸脱しなきゃよろしい。農民、単協の政治的な気持ち、意識はどうあろうが、この連盟は自民党員である木村知事一辺倒に支持して選挙運動をさした。これは明らかに農民、単協の民主的な権利をじゅうりんするものでないか。この二点をお伺いいたします。

吉岡裕農林省農林経済局長

○吉岡説明員 第一点の農協が選挙運動に狂奔したというお話でございますが、私どもは農協組織、法人がそのような選挙運動にいわば狂奔したかどうかという事実は承知しておらないわけでございます。もちろん選挙運動というものは、たとえば個人の資格でも行われるわけでございまして、そのような実態が果たしてどういうふうにあったかということは承知をいたしませんので、先生の第一点についてはそのように考えております。  それから、第二点の農政刷新連盟という主として農業団体をもって構成されている政治団体があるということは私どもも聞いておるところでございますが、この団体は、広く農政活動と申しますか、たとえば米価の運動それから農業課税の問題というふうなことも含めまして、広く農政活動をやるということを目標にしておる団体であるというふうに承知をしておるわけでございます。このような団体は、すでに昭和三十二年ごろからこの連盟は発足をして今日まで及んでいるようでございまして、そのような長い期間一つの組織として存続をしてきたわけでございまして、その過程において当然組合としての内部の支持を受けてこのような連盟が存続をしたのであろうというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。したがいまして、一つの政治団体といたしまして、私が先ほど申し上げましたような趣旨で政治活動をいたすということは農協として許された政治活動であろうというふうに思うわけでございます。  ただ、先生がただいま御指摘になりましたような知事選というふうなことになった場合、候補はそれぞれしほられるというふうなこともございましょうし、そのような運動そのものについて私が先ほど申し上げましたような趣旨から当然に逸脱しているかどうかというふうなことはにわかには決めがたいのではないかという感じを持っておるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、自民党の福島県の亀岡高夫代議士、湊徹郎代議士、伊東正義代議士、私は具体的に三人の名前を挙げました。その他の代議士にもありましたが、この人たちは、どうあろうがトンネル幽霊会社を通じて実質上の国の補助を受けている団体から政治献金をもらって政治運動をした。明らかに公選法違反をしたという事実を私はここで強く指摘をしておく。と同時に、局長、連盟名前のポスター、チラシが数限りなく単協に流れてきて、単協の役員は仕事をやめて、自分もそのポスターを張った、チラシを配った。単協の職員にそのチラシをまかせた、ポスターを張らせた。単協に行ってごらんなさい。まだチラシがあります、ポスター張ってあります。これをあなたがまず調べてきて、政治活動に偏した悪い政治活動をやったと私は思うけれども、この点もう一度厳格に調査して、この次の委員会に明らかにしてほしい。  局長の長い答弁で時間がなくなっちゃったが、最後に、こんなことをしているために、福島県の農民がどうなっておったか。木村守江知事のもとで、十二年間、普通高校一つもつくりません。木村守江知事のもとで非行少年が一番多い。と同時に、何が起きたかというと、土地改良区のおくれや補助の問題です。あなたたちからいただいた資料で言うと、県営圃場の場合の県の負担と受益者の負担、国が四五%、あと県と受益者で負担する。高知県では県が三五%、受益者が二〇%。宮城県では県が三三%、受益者が二二%。滋賀県では県が三二・五%、受益者が二二・五%。鹿児島県では県が三三・一二五%、受益者が二一・八七五%。福島県は受益者の負担が一番多い二五%。これが汚職を起こして、農協の五連の会長、副会長、経済連の専務理事がつかまる、こういう農政の実態です。  桃の場合、加工用の価格保証のために、桃が入っていない。きょうは神田の市場も築地の市場も桃が殺到しています、お盆が来て、後がないために。そのために値崩れする。冷蔵庫があったならばこれが解決されるが、きのうもきょうも入れる冷蔵庫がない。これが桃の実態。コンニャクの塙という町に行ってみました。もっと土地が欲しいけれども、国有林野の開放もできていない。国有林野の活用も県の方でやっていないところが出てくる。そうして、古い資料であるけれども、四十九年の、福島県からいただいた林業計画を見て、これもびっくりした。福島県自身がつくっている天然林と人工林の割合、これだけで林業政策が進んだと私も言えないけれども、一つの指針になります。四十九年の問題で、彼ら自身こう書いてあります。本県が人工林二六・一%、天然林六七・九%で、全国に比して人工林率は著しく低い。木村県政のもとに、農協の五連会長が汚職を起こしているためにこんな状態です。もう一つ、逆に六割以上の人工林率を持つ林家の構成は、全国の三四・九%、本県は二四・四%。私は心配して二日間、福島の農業、土地基盤整備、林業、特産物、こういうものを見て回りました。経済局長の答弁がもう少し簡潔であれば、この質問を繰り返すつもりだったのだけれども、すべて時間がなくなりましたので、そこで基盤整備、特産物関係、国有林野活用の措置、林業政策、福島県の状態が私は心配になってきたので、農林省の各局、各部がどうなっているか調べていただいて、後刻私に説明に来てくださることをお願いして、不本意ながら、せっかく構造改善局や林野庁や園芸局が支度されておったのを、ここで皆さんの意見を開陳できない、非常に残念であったことを私は思いながら、支度してくださった皆さんにおわびし、後刻調べて私のところにそれぞれ報告してくださることをお願いして、質問を終わります。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 財団法人日本動物愛護協会に関する問題について、農林省当局に質問いたします。  本件、動愛については、過去五十年十一月五日、五十一年五月十九日の二回にわたり当局の見解をただしてきたところでありますが、本日は、去る五十一年五月十九日、当農林水産常任委員会で質問した際要求した資料が、監査結果に基づき去る七月二十二日提出されましたが、これに基づいて、さらに第三回目の質問を行うものであります。  質問に当たり、冒頭申し上げますが、この問題をたびたび取り上げているゆえんは、動愛すなわち動物愛護協会、動愛の病院と開業獣医師との問題だけを追及しているのではないのであります。一言で言えば、わが国の動物愛護運動の将来をどうするかということであります。そのためにはどのような姿が好ましく、どのような普及の方法、手段をとることが一番効果的かということを終局目的としているからであります。端的に申し上げると、手足を持たない動愛が獣医師分布網を介して地域社会にこの思想の普及のための一翼を担わせ、このような動愛と獣医師の関係をつくり出さねばならないと思うからであります。     〔菅波委員長代理退席、山崎(平)委員長代理着席〕 言うまでもなく、動物愛護思想を国民の中に取り入れ、特に幼少年の情操教育の中に取り入れることは、先進諸外国の例を見ても重要なことであり、このことの存否は国家民族の存亡にもかかわると言っても過言でないのであります。私は、財団法人日本動物愛護協会を本来の姿に立ち戻らせ、獣医師との連携のもとに獣医師を指導し、獣医師分布網を駆使して動物愛護思想が全日本的に普及する日を期待するものであります。誤解のないために、冒頭以上のことを申し上げて質問に入りたいと思います。  まず、最初に質問申し上げる問題は、昨年十一月五日の当農林水産委員会において私の質問に対し、江藤政務次官が動愛の病院事業は付帯事業であると答弁しておりますけれども、ことし五月十九日の第二回目の質問の際、大場畜産局長は、病院事業は本来事業であると答弁しておられます。政務次官は付帯事業である、大場畜産局長は本来事業である、こういうふうに答弁しておられますけれども、政務次官の答弁を超えている、かように私は判断して、どうも納得いかないわけでありますが、この辺の食い違いはどういうふうに大場局長は理解しておられるのか、改めて冒頭お聞きしておきたいのであります。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 動物愛護協会が行う病院の経営事業につきましていまお尋ねがございましたが、私どもの理解といたしましては、同協会の寄附行為第四条第二号に「動物治療のために病院及び収容所を設立してこれを維持経営し、」云々という規定がございまして、動物愛護協会の目的を達成するための本来的事業の一つであるというふうに理解しているわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そうすると、大場局長の答弁によりますと、病院事業は本来事業、こういうふうに理解することになりますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 第三条で、この動物愛護協会の目的として、動物愛護の趣旨を社会一般に徹底普及する、あるいは一切の動物虐待を防止する云々というような目的が規定されておりまして、続きまして第四条におきまして「この会は、前条の目的を達成するため左の事業を行う。」という形で、限定的にいま列記をしているわけでございますが、その中に、先ほど申し上げましたように「動物治療のために病院及び収容所を設立してこれを維持経営し、」というぐあいに規定がされているわけであります。そういったことから申し上げまして、私は、病院の経営事業につきましては、動物愛護協会の目的を達成するための本来的事業であるというふうに理解するのが自然であるというふうに思っているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 きわめて時間の制約がありますので、問題点はいずれまた第四回に指摘をするということにいたしまして、はしょって問題点を指摘しておきます。  監査の結果に基づいて、去る七月二十二日、農林省が本院の私あてに提出された資料について若干お伺いしてまいります。  まず、有料診療の一覧表の提出がございましたが、この一覧表の中で施療の頭数のみが報告されております。これは膨大な資料であるから数字だけでやむを得ないと思いますけれども、その中で、四十八年度は施療の頭数が十八頭となっております。しかし、昨年の農林省提出の資料では二千二百九十六頭となっておりますが、これはどういうわけでこんなに違うのか。いまにわかにわからなければ、後刻報告書を出してもらうことにしても結構ですが、この点手元に資料があると思いますけれども、どちらが正しいのか、簡潔にお答えをいただきたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 ただいま御指摘になりました数字でございますが、詳しいことは後刻説明させていただきたいと思うわけでありますが、その違いの最大の原因は、提出申し上げました資料は、いわば病院に来た動物の数でありまして、そのほかに当協会は、いわゆる巡回施療的な業務をしておりますが、その関係で差が出てきている、こういうふうに理解しております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 病院に来たものあるいは巡回施療の関係とおっしゃいますけれども、それにしてもずいぶん違うわけですが、それならば若干問題を指摘しておきますので、これまた答弁をお願いしたい。また、数字にわたるもので答弁できないものは、後日報告願いたいと思います。  一つには、法人設立者の意思として、特別の事情のある者のために施療をする、こういうふうにあるわけですけれども、私、この農林省の報告の数字から見ましてどうも解せないのは、特別の事情にあった者は、年間の総延べ頭数二万二千二百五十三頭のうちわずか十八頭であったということがこの資料で明らかであります。後ほど数字を見てもらえばわかりますが、私は、こんなことはまことに考えられないことであり、ほとんど施療はやっていない、こういうふうに数字の上では判断せざるを得ませんということが一点。  さらには、同協会は、病院内外で、施療病院を維持経営するためと称して文書による宣伝を行っております。寄付行為に定められた施療の実体がないに等しいのにかかわらず、年間三百万円以上の寄付を集めている、こういうことになっておりますけれども、この辺も農林省はどういうような監査をしておられるのか。こういった年間三百万円以上の寄付を受けながらも、数字の上では十八頭しか施療をしていない、ほとんどが有料診療である。こういうことになりますと、この点は当局もよく調べてもらわなければなりませんが、詐欺行為も同然ではないか、こういうふうに指摘せざるを得ないのであります。  もう一点は、このことはこの法人の体質から来たものであって、偶然でないということを私は指摘せざるを得ません。施療事業を放棄して、有料診療のみがあたかも動愛本来の事業であるがごとく、しかも収益を上げることに専念しておるというのが実態であります。このことは動愛の思想の普及という目的を阻害する結果になっておると言わざるを得ません。法人設立者の意思に沿った運営をしていると言い得るのかどうか、その点農林省は、本来の目的に沿っているかどうか、こういったことをどういうふうに認識しておられるか、いま若干の点を指摘しましたが、この点について当局の見解をさらにお伺いをしておきたいと思います。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 全体の診療件数の中で無料の件数が非常に少ないという御指摘がございました。詳しいことはまた別途御説明申し上げたいと思いますが、事実そのとおりだろうと思うわけであります。しかし、これにつきましていろいろ御指摘がございましたが、私どもの考え方といたしましては、この動物愛護協会は無料診療というものが原則である、それが鉄則であるというふうに必ずしも理解する必要はないというふうに思っているわけであります。寄付行為にもございますように、「病院及び収容所を設立してこれを維持経営し、特別の事情ある者のために無料診療を行い」ということになっておりますので、これを病院の経営費用を捻出するために、維持するために有料診療をとるということは、むしろ経営としては通常あり得る形でありまして、ただし特別の事情がある場合には無料診療を行うというのが経営の形であるというふうに理解しておりますから、無料診療が少ないということだけで、この協会がその寄付行為に記載されている目的と背馳しているということには必ずしもならないというぐあいに私は思うわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 一応お聞きしておくとしまして、次に、この資料の中で次の問題は、動愛の基本財産、すなわち千駄谷の土地をイトキン社に売却した際、イトキン社が動愛に支払った年月日及び金額はどうなっているか、三回に分割支払われておると思いますが、いまわかるならばお答えをいただきたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 千駄谷に動物愛護協会が土地を持っていたわけですが、いま御指摘になりました、イトキン社が動物愛護協会から千駄谷の土地を購入したわけであります。その購入代金を支払いました年月日と金額を申し上げます。  第一回は昭和四十八年十二月三日、これは予備契約時でございますが、代金の三〇%に相当する三億七百八十四万六千二百円、それから第二回は昭和四十九年三月十一日に、これは本契約時でありますが、一億円、続きまして翌日の昭和四十九年三月十二日に二億七百八十四万六千二百円、これは合わせまして売買代金の三〇%に相当する額であります。第三回目が昭和五十年九月十八日に三億二千万円、第四回目が昭和五十年十一月十七日に九千四十六万一千六百円、合計十億二千六百十五万四千円であります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、先日提出していただきました通帳によりますと、中間金を四十九年三月十二日イトキン社から三億七百八十四万六千二百円が支払われておりますとおっしゃいましたが、そのうち一億円が通帳に載っていない、不明であります。続いて四十九年三月十二日二億一千万円を動愛口座から引き出しておるけれども、いま申し上げた一億円と合わせて三億一千万円の使途が不明でありますけれども、この点は監査の結果どういうふうに監査されたのか、いまわかればお答えください。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 昭和四十九年三月十二日に入金いたしました金額が、先ほど申し上げましたように二億七百八十四万六千二百円でございまして、これは三井銀行の本店の口座に振り込まれております。それから、ただいま御指摘になりました一億円という金額に相当するものでありますが、これも先ほど申し上げましたように、昭和四十九年三月十一日、二億七百万と一日前後しているわけでありますが、本契約時にいずれも該当するわけであります。昭和四十九年三月十一日に一億円入ったわけでありますが、これは三井銀行ではございませんで、富士銀行渋谷支店に定期預金として預け入れられた、こういう関係になっておりますので、分散して銀行に預けられているという関係から、三井銀行だけの口座を見ますれば一億差が出てきておる、こういった関係になっておるわけであると思います。  以上であります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間の関係で……

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 ちょっと答弁漏れいたしましたが、もう一つのお尋ねは、昭和四十九年の三月十二日に二億一千万円が三井銀行の口座から支出されている、こういう御指摘がございましたが、これは昭和四十九年三月十二日の三井銀行本店口座からの引き出し金二億一千万円は同行の定期預金として振りかえたということでございますから、普通の口座から定期預金に振りかえた、こういった関係で引き出したというかっこうになっているわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間の関係ではしょって質問いたしますけれども、基本財産の処分の際、財団の性格から当然主務官庁の承認が必要であるが、協会は農林省に処分申請を行う前にすでに基本財産の処分を開始しております。法人設立者が動物愛護思想の普及といった目的のために拠出した基本財産、すなわち法人格の根源的なものを勝手に処理できるのかどうか、この点をお伺いしたいわけであります。  すなわち、詳しく申し上げますと、協会理事長は寄附行為第六条二項の基本財産の処分条項に違反しこれら財産を処分したのだが、売買本契約もなされていないばかりか、後で問題にするわけですけれども、免許を有しないと思われるエイシアンという仲介業者に四十八年十二月四日手数料の全額が支払われております。もちろん農林省の処分認可の四十日前、処分認可申請の十日前であり、全く常識を逸脱している、こういうふうに思うわけですけれども、こういった運営を十分監査したのか、お伺いしたいのであります。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 まず事実関係から申し上げますと、動物愛護協会は四十八年の十一月三十日に千駄谷の土地につきまして土地売買予約契約を締結したわけであります。そのときに手数料というものも支払ったという経緯がございます。  それから御指摘になりましたように、動物愛護協会が基本財産を処分するに当たりましては農林大臣の承認が必要であるわけでありますけれども、その手続につきましては動物愛護協会は四十八年十二月十三日付で基本財産処分の承認申請を行って、四十九年の一月二十九日に農林大臣の承認を得て、同じく四十九年の三月十一日に正式売買契約を行っておる、こういった時系列の関係になっております。したがいまして、先生が御指摘になりましたように、農林大臣の承認をしない前に土地売買の予約契約を行ったということは事実でございます。これにつきましての私どもの考え方は、この契約はあくまで土地売買の予約契約ということでありまして、またその契約書にもありますように、この予約契約締結後、直ちに法令の定めに従いまして不動産の売却については主務官庁の承認を受けなければならないということが明らかにされておりますし、その承認を待って正式の売買契約を結ぶというためのいわば売買予約の契約でありますから、そういう意味で法令に適合する。背馳するというふうには私どもは考えていないわけであります。  基本財産処分の当否につきましては、これは当然のことでありますけれども、処分の相手方だとか、あるいは代金額だとか、そういった内容が具体化した段階でわれわれは行政庁の判断をするわけでありますから、承認申請以前でありましても、行政庁の承認を法令の定めるところにより得なければならないというようなことがはっきりと明示されておりまする予約契約の締結でありますれば、私ども特に不当であるとは言えないというふうに考えておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 いま申し上げた中でエイシアン社というのが出てまいりますけれども、仲介業者ですが、エイシアン社は、過般の農林省の答弁では港区に設立しているというふうにおっしゃっておったようですけれども、これは宅建業者登録が港区においてはされていないように私、見受けるのですけれども、どこに登録しておるのか、あるいは業者登録のない会社なのか、その点を確認したいんですが、その点はっきりわかりましょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 御指摘になりましたエイシアン・エコノミック・アンド・テクニカル・サービス・カンパニーでありますけれども、これは不動産取引業の免許取得をしておりますのは四十九年の九月十三日、これは東京都知事に申請して免許を取得しております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、五月十九日の当委員会において私の質問に対する局長答弁で、動愛の会員がふえることは地域社会に思想普及の媒体をつくり出し、大変好ましいと答弁しておられますが、去る五月、都内獣医師の皆さんが三百五十四名にわたって獣医師として協会に対する会員としての入会申し入れ書を出したわけであります。もちろんこれには入会金をつけて協会に提出したわけですけれども、二カ月も保留され、七月二十七日、入会申込者全員に対して協会から文書で、ここにコピーを私持っておるわけですけれども、協会規定を再確認して返信用はがきに捺印して再提出しなければ取り合わないと通知がなされております。こういったことで、この先、動物愛護普及のために獣医師も会員の一員になって大いに今後普及活動をしていこう、何も協会を乗り取ろうという趣旨ではないわけですけれども、どういうわけかこういうふうな、返信用はがきに捺印して再提出しろということになってきたわけですけれども、こういうことになりますと、会員となれる見通しがいつになるかわからない。農林省の指導に違反している、こういうふうに私は思うのですけれども、この点農林省は御存じでございますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 御指摘になりましたように、現在動物愛護協会に対しまして獣医師の方々、これは三百五十四名が維持会員となるための入会申し込みがなされております。一方、愛護協会の方では寄附行為の規定に従いまして、維持会員となるためには協会の理事会の承認を得るということになっているわけでありますから、現在協会では、その理事会の承認の前提として必要となる事項、具体的に申し上げますれば、たとえば申込者が協会の趣旨に賛同する者であるかどうか、そういったことになるわけでありますが、そういった事柄等につきまして一人一人に確認を行って、その結論を待って所要の手続を取り進めるという方針であるというふうに聞いているわけであります。もちろんこの維持会員というのは動物愛護協会の趣旨に賛同して、それにいわば賛助的な形でメンバーとして加入するという方々でございますから、動物愛護協会の本来の趣旨からいたしまして、その協会の門戸を閉鎖的に閉ざすということはもちろん好ましくありません。これはやはりあくまで門戸を開放し、手続もできるだけ簡便に取り進めるというのが私はとるべき態度であろうと思っているわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 その点は一応了とします。  そこで、この際指摘をしておきますけれども、この動物愛護協会の七月十五日付のこの文書によりましても、一番問題なのは、来年度から会費を五千円に上げる、こういうことでございます。ちなみに昨年度の会費は六百円、本年度から四百円上げて千円になったわけでございますが、今度は来年一月から一挙に五千円にする、こう言っております。民法上維持会員制は財政資金を得ることが目的でありますが、動愛は十億の財源を持ち合わせており、寄附行為の趣旨からしても、財政重点的に会費を考えるよりも思想普及のため広く媒体会員を募って本来の活動をすることが適切であると思います。また大場局長もそのような趣旨でお答えをいただいておりますが、改めてお伺いしますけれども、動愛の場合、財政重点主義と媒体会員をふやすことと、どちらにウエートを置くべきか、こういう点を当局はどういうふうに指導しておられるか、また今回の五千円値上げについてはどういうふうに指導なさるつもりか、どう思っておられるか、その点、時間もございませんから簡潔にお答えください。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 御指摘のように、いま協会の方から申込者に対しましていろいろな文書で確認手続をとっているわけでありますが、その中で会費につきまして、現下の諸物価の状況から全額につきまして現行の千円を五千円に引き上げるべく検討中である、早ければ来年の一月から変更があり得るという旨の連絡をしているわけであります。私どもこの維持会費につきましては、本来的にこれは協会自身が決めるべき問題だ。「寄附行為」の規定からいたしますれば、評議員会の議決を経て協会が自主的に決めるというものでありまして、一々行政官庁はその具体的な数字について関与すべきものではないというふうに考えております。ただそれがいかにも高額であって、いわば禁止的な形の水準になるということはもちろん避くべきでありますが、千円が安いあるいは五千円が高過ぎる、そういった議論につきましては、私はやはり協会の判断にこの際任せた方がいいだろうと思っておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、会費を一挙に五千円にするということは協会の判断に任せる、一応それは了としても、こういう一挙に五千円に上げるということになりますと、これから入会しようとする会員が確実に減ると思うのです。聞くところによると、いま協会の会費が五百人ぐらいいて年間二十万円ぐらいしか上がっていない。いまの会費ですらもなかなか会員が集まらぬというようなことをちょっと聞いておりますが、信憑性のほどは私はっきりここで言えませんけれども、かなり下回った会費の集金である、こういうふうに聞いております。そういう状態の中に今回一挙に五千円となると、これは動物愛護思想の普及からもともとはずれて財政主義的なことになりまして、こういったことは許せないことじゃないかと思います。もし媒体する会員が全くいなくなるというか少なくなる、そして運営ができなくなるというようなことが起きないとも限らない、そういった場合どうするかという問題。さらに財政に重点を置いたとしても、五千円で百人の会員を得るよりも五百円で千人の会員を得ることの方が動愛の本来の姿勢と思うわけであります。もちろん現在千円でございますから、会費を千五百円あるいは二千円程度に上げるというならばいざ知らず、かように思うわけです。現在三百五十四名の入会申込者があるわけです。まだこのほかにも続々あるわけでございますが、この機会に動愛みずからがこういった一挙に五千円に上げるということで会員の増員を放棄しているような感がなきにしもあらずであります。動愛本来の精神にもとる感じがしてなりません。昨年次官答弁の折、営利主義、財政面だけに重点を置いた動愛を監査し指導するとあったのでありますが、このように会員を減らして財政面重点主義の方向はいままでよりますます閉鎖的協会につながり、政府の指導より逆の方向へ進んでいると言わざるを得ません。今後このような事態、協会をどういうふうに指導されるつもりか、その点をこれまた簡潔にお答えを願いたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 御指摘のように協会の本来の目的が動物愛護の思想を広く世間に周知徹底するということでありますから、その媒体としての賛助会員的な維持会員の数をできるだけふやすということは当然一番大事なことじゃないかと思っておるわけであります。ただ、それとあわせて会費を幾らのレベルにするかということは、協会がよく自分の財務の状況等を考えて判断していいことだろうと思うわけであります。間違いでありましたら訂正いたしますが、四十八年以来たしか据え置いておるわけでありますから、千円というもの、それから五千円という価格、現在の物価情勢からしてどれが高い、どれが安いというような議論はこの際は役所からは避けたいと思うわけであります。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように禁止的なものあるいは閉鎖的なものであってはならない。あくまで広く門戸を開放するという態度は協会としてはとるべきものだと思うわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 会費は昨年が六百円、ことしが千円ということになっております。また後で当局もよく検討してください。  さらに、時間がございませんので端的にあと二、三点急いでお聞きをしますが、この協会規定に維持会員三十名で一名の評議員を推薦することができるとなっておりますけれども、この規定は現在も存在しておりますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 評議員の選任に当たりましては、これは、その候補者としての資格を得るためには維持会員三十人の推薦が必要であるということは、現在の規定でもそうなっております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 さらに、評議員を推薦した場合、理事会がこれを選出すると規定にはありますけれども、もし推薦された評議員が理事会で選出されないとしたならば、評議員選出規定が動愛になくてはならないが、この点どうか。すなわち、選出規定がなければ推薦されれば選出されなければなるないはずだと私は思うのですが、この点どうですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 協会の評議員につきましては、「寄附行為」によりまして「理事会の議決により理事長が委嘱する。」という規定になっております。繰り返しますが、評議員の委嘱をしようとするときは、理事長はあらかじめ評議員の候補者を定めて理事会に提出するということが、これは協会の細則でありますが、規定されております。さらに別に、協会の細則におきましては、ただいま御指摘になりましたように評議員の候補者の有すべき資格要件が定められておりますが、その一つとして「維持会員三十名以上が推薦する者」というふうになっておるわけであります。こういったことからいたしますと、維持会員三十名以上が推薦した者は自動的に評議員ということになるわけではございませんで、「理事会の議決により理事長が委嘱する。」ということになるわけでありますから、評議員の候補者たる資格を有するにすぎないということになるわけであります。  そこで、御指摘の評議員の選出といいますか決定の仕方になるわけでありますが、これは「寄附行為」の二十二条にありますように「学識経験ある者又はこの会の事業に功労ある者のうちから、理事会の議決により理事長が委嘱する。」ということになっておりますので、「寄附行為」に定める評議員の要件あるいは評議員の数というのはもちろん制約要件になるわけでありますが、そういったものに照らしまして理事会が判断するというふうになっておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間が参りましたので、最後に問題を指摘し、資料要求を三点して終わることにいたします。  本来、公益法人の事業は公益性がなければならないとされております。現在動物愛護協会の病院事業は、過密獣医師の中にあってもはや公益性を失しており、またその事業遂行により獣医師の職域を脅かし競合しておるのは事実であります。しかも困ったことには、この獣医師も当然動物に深い関心を持ち、動物愛護運動を熱心にやっている。このような人たちの生活を破壊してまで公益性を失した事業をやることに問題がある。こういったことで過去三回にわたって指摘してまいりましたが、きょう言い足らぬ問題については、後日答弁を検討した上で再度質問することにして留保します。農林省は日本動物愛護協会本来の目的の精神にのっとって遂行できるように監督指導を十分にやっていただくようにさらにお願いしておきます。  委員長に資料要求をお願いしておきます。  一つは、第二回目の資料要求をしました際に提出いたしましたけれども、四十八年度の施療カルテ、これは十八頭でありますが、わずかでありますから、カルテをコピーでひとつ出していただきたい。  二つは、五十年度の里親名簿のコピーをお願いしたい。  三つには、先般提出願いました日本動物愛護協会の三井銀行の普通預金通帳、七三年十二月三日から出ておりますけれども、この前の一年、この後の七五年三月十三日以降の一年、前後一年の預金通帳のコピーを提出願いたい。  以上三点の資料要求とともに、最後に農林省の監督指導をさらに要求しまして、私の質問を終わります。  委員長、よろしく取り計らい願いたい。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 政府側、出せますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場説明員 御連絡いたしたいと思います。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 それでは承知いたしました。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 では、以上で終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十九分散会

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