農林水産委員会 第15号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/07/07
会議録
○湊委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、昭和五十一年産米穀の政府買い入れ価格及び昭和五十年産米生産費について政府から説明を聴取いたします。二瓶食糧庁総務部長。
○二瓶説明員 本日米価審議会に諮問いたしたわけでございますが、その諮問の内容等について御説明を申し上げます。 お手元に「諮問」と書いた資料が差し上げてございます。最初にこれを朗読いたします。 諮 問 昭和五十一年産米穀の政府買入価格について、米穀の需給関係を勘案するとともに、生産費及び所得を考慮して定めることにつき、米価審議会の意見を求める。 昭和五十一年七月七日 農林大臣 安倍晋太郎 それから、引き続きまして一枚めくっていただきますと、「諮問についての説明」というのがございます。朗読させていただきます。 米穀の政府買入価格は、食糧管理法第三条第二項の規定により、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産の確保を図ることを旨として定めることになっており、その算定については、昭和三十五年以降生産費及び所得補償方式により行ってきたところでありま す。 米穀の需給は過剰基調にあり、さらに、昭和五十年産米の生産量が計画を大幅に上回ったことに伴い、本年十月末における政府の持越在庫も計画を大幅に上回る見込となっております。このような事情から、米については需要に即応した生産をすすめるとともに、食糧農産物を中心に増産を要する米以外の農産物の水田における生産の振興を図ることとし、本年度から、水田総合利用対策を実施しているところであります。 一方、米穀の生産費につきましては、引き続き、労働時間の減少、十アール当たり収量の増加等がみられますほか、物価、賃金等の鎮静化に伴い、評価替した生産費の増嵩の程度は、昨年に比べ鈍化の傾向を示しております。 また、米穀は、我が国農業の基幹的な作物であるとともに、国民の主食として重要な位置を占めており、今後長期的な視点に立って食糧自給力の向上を図っていくためには、その消費の拡大に努めるとともに、稲作の生産性の向上を図りつつ、その安定的な生産の確保を図っていくことが必要と考えられます。 上記のような事情を総合的に配慮して、これに即応した米価の適正な算定を行うため、本年産米穀の政府買入価格の算定につきましては、生産費及び所得補償方式によることとし、以上述べた事情を勘案して算定することとしてはどうかということであります。 それから引き続きまして、「昭和五十一年産米穀の政府買入価格の試算」、これについて御説明申し上げます。 一ページは算式がございます。生産費及び所得補償方式でやります際の算式でございます。「P」が求める価格、それでここで「C」というのがございますが、これは十アール当たり生産費の三年平均でございます。価格決定年の前三年の各年の米販売農家でございますが、ただ、ここに括弧書きがございまして、災害農家と五俵未満の米販売農家を除くということでございます。この災害農家につきましては二〇%以上の被害率の災害農家を除くということでございます。そういたしまして、十アール当たり平均生産費につきまして、家族労働費については都市均衡労賃により評価がえをいたし、それから物財・雇用労働費については物価修正する等、価格決定年に引き直して評価がえをする、こういうことでございます。 それから分母の方は、これは価格決定年の前三年の各年の米販売農家の十アール当たり平均収量ということでございます。 そこで二ページでございますけれども、まず求める価格でございますが、ただいまの算式に数字をはめたわけでございますが、分母の方の反収の方でございますが、五百十三キログラムということでございます。それから分子の方が、十三万七千三百六十四円ということで、これが十アール当たり生産費の三年平均というものでございます。 それで単位当たりのものを出しまして、それに六十キログラムをかけるということで、求める価格は一万六千六十六円ということで、これは農家の庭先での裸の価格ということでございます。 それから、基準価格がこれに運搬費を足したものということで、一万六千百七十四円、さらにウルチ軟質三等裸価格、これが一定のルールがございまして、それでやりますと、一万六千二百四十一円。さらに四番目に書いてございますように、ウルチ一−四等平均、包装込み、生産者手取り予定価格、これも一応のルールがございまして、それではじきますと一万六千三百八十一円ということでございます。これは前年が一万五千五百七十円でございますので、五・二%アップのものになるわけでございます。 それから具体的な算定のやり方でございますが、まず最初に、十アール当たり平均生産費のはじき方でございます。 生産費調査によります四十八年、四十九年、五十年の各年産の米の販売農家の十アール当たり平均生産費、これにつきましては次による評価がえを行いましてこれを平均してはじくということでございます。 そこで、最初に家族労働費でございますが、これは都市均衡労賃により評価をするということでございます。都市均衡労賃は、労働省の「毎勤統計」等に基づきまして、製造業の常用労働者数規模五人以上千人未満ということで、昨年と同じでございますが、五人以上千人未満の事業所の賃金に調整係数を乗じて得た額、これは新しく今回採用いたしたわけでございますが、調整係数を乗じて得た額に現物給与相当額をプラスをいたしまして、それから通勤手当相当額を引く、農家の場合通勤という関係のものはございませんので、これを引く、こういうことでございます。 そこで、そういうことではじきましたものが都市均衡労賃一時間当たりでございまして、男女込みの場合が八百五十七円十七銭でございます。それから男子の場合が千三十九円五十銭ということでございます。それで男女込みの方の八百五十七円十七銭は一一・五%アップでございます。男子の方は一一%のアップ、こういうことに相なります。 それ以下は、これを都市均衡労賃をはじいた場合の基礎でございます。これは昨年どおりでございます。規模五人以上千人未満の賃金ということで、五十年六月から五十一年の五月の平均でございます。 それで、四ページの中のところにございますが、去年と同じやり方でやりますと、男女込みが八百四十円八銭になるわけです。これは去年に比べますと八・五%アップということになります。それから男子の方が千二十二円六十四銭で、これも同じく八・五%アップになります。 そこで、「イ」というところで、調整係数というのを新たに採用をしたわけでございます。これは製造業賃金についての前年同期の賃金に対する上昇率と、これと同様にして求めた「毎勤統計」の調査産業計の賃金についての上昇率との格差に基づき定めるということでございます。 こういう調整係数と言いますものを採用いたしましたゆえんのものは、特に製造業賃金の伸びが不況の影響で著しく鈍化をしたということがございます。たとえば賃金に対する特別措置ということで、大分賃金カットとか昇給の停止というようなことがございましたし、雇用調整措置というようなことで、残業規制等もあったというようなことで、どうも製造業の賃金の伸びが鈍化をした。ところが、この「毎勤統計」の調査産業は、製造業以外に鉱業とか建設業とかあるいは卸売業、小売業、いろいろなものがございます。こちらの方の賃金の伸びが高いわけでございます。そういうことで、製造業の賃金の伸びでもって調査産業計の賃金の伸び、これを割りました指数がここに調整係数ということで出ておるわけです。男女込みの場合は一・〇二七六、男子の場合は一・〇二三七ということで、この率の伸びでもってこの格差を是正をするということにいたしたわけでございまして、これは本年限りの臨時特例的な措置という考え方で今回採用をしたわけでございます。 あとは現物給与相当額、これも前年と同じようなやり方ですが、ただこれも調整係数を乗じて算定をするということにいたしております。 それから通勤手当相当額、これは控除する方でございますが、これも調整係数を乗じて得た額と「ウ」の現物給与相当額との合計額に一・一八%というものを乗じて算定をするということでございます。 それから「(2)」の物財・雇用労働費でございますけれども、これも物価が非常に鎮静化しておるということで、先ほど申しました賃金の場合と同じような趣旨によりまして、昨年は実は一−五月をとったわけでございますが、今回は十一月から五月平均の変化率というものを求めまして、現在時点に引き直すという形で物価修正をするということで、その変化率が四十八年の場合が幾ら、四十九年は幾ら、ここに書いておるとおりでございます。 それから副産物価格の方は、これは従来のやり方でございまして、その変化率は六ページの上に書いてあるとおりでございます。 それから資本利子でございますが、その資本利子につきましては、借入金については年利七分五厘、自己資金については年利七分三厘五毛ということで算定いたしております。そういうことで、これは四十九年、五十年と同じ率でございます。ただ、この自己資金につきましては、大体考え方として農協の一年定期の預金金利を普通考えておるわけでございますけれども、最近は農協の預金金利が、一年定期ものが六分八厘五毛と下がっておりますけれども、これも稲作所得の面に及ぼす影響もございますし、据え置くということにいたしたわけでございます。 それから物件税及び公課諸負担、これは稲作を行っていることにより賦課されるものについての稲作負担分を計上するということで、従来のやり方のとおりでございます。 それから地代の方でございますけれども、地代の方は、自作地につきましては現行小作料の最高統制額、五級地ということでございますし、それから小作地及び作付地以外の土地につきましては生産費調査によるそれぞれの地代ということによりそれぞれ評価した地代の合計額でございます。ただ、この最高統制額、自作地についての現行小作料の最高統制額、五級地、これにつきましては、ことしの四月十日から二〇%アップをいたしております。従来四千七百二十円といっていたものを五千六百六十四円ということにこの小作料の最高統制額、これを改定いたしまして、それをこちらは採用をいたしておる、こういうことでございます。 以上のような要素を積み上げまして十アール当たりの価格決定年の評価がえ生産費というものを求めるわけでございますが、それが四十八年、四十九年、五十年とここにございますとおりでございまして、この平均したものが十三万七千三百六十四円ということで、これが二ページの一番上にございます求める価格の分子になっておるのがこれでございます。 それから分母の方が反収でございますが、それが八ページでございます。「十アール当たり平均収量の算定」ということで、これも三年間の年産の反収をそれぞれ平均する。五十年産は五百二十五キロということでございます。これを平均いたしますと五百十三キロということで、これを分母に使ったわけでございます。 あとは運搬費でございますが、これも従来のルールによりまして、一応百八円ということでございます。 あとは算出基礎が一応九ページにつけてございます。 家族労働時間をごらんいただきますと、直接、間接、減少をいたしてきておるということがございます。 以上でございます。
○湊委員長 有松統計情報部長。
○有松説明員 五十年産の米の生産費について御説明申し上げます。 五十年産の水稲の平均生産費、第二次生産費でございますが、十アール当たりで十万二千二百八十四円でございまして、これは前年に比べて一八・二%の増加となっております。これを一俵六十キロ当たりに直しますと、これは二二・三%の増加でございます。なお、この一俵当たりの方が増加率が低いのは、これは反収の増加によるものでございます。 なお、この生産費の構成は、労働費が四五%、その他、こうなっておりますが、労働費は一一・〇%の増加となっております。これは労働時間が八十一・五時間ということで六・四%減少いたしましたが、その反面、労賃単価の上昇によるものでございます。 その他の費目といたしましては、農具費が一六・八%のアップ、肥料費が二七・一%のアップ、賃借料及び料金が一九・八%のアップ、それから農業薬剤費が三二・九%の増加、土地改良及び水利費が一四・八%の増加、地代が三〇・四%の増加というふうになっております。 この結果、稲作の収益性でございますが、粗収益は十アール当たり十三万八千三百八十五円となりまして、前年よりも一八・三%上回っております。これは収量の増加と米の販売価格の上昇によるものでございます。 なお、粗収益から物財費等を控除いたしました十アール当たりの所得は、前年より一九・三%増加いたしまして九万一千五百三十四円となっております。 また、一日八時間当たりの家族労働報酬は六千九百五十三円となりまして、前年に比べて二二・五%の増加というふうになっております。 以上が米生産費の内容の概略でございます。
○湊委員長 以上で説明は終わりました。
○湊委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 この際、昭和五十一年産米価について農林大臣に重要な点について質問をいたします。 まず第一に、本日農林大臣におかれましては米価審議会に政府の試算米価なるものを諮問されたわけであります。また、ただいま事務当局から内容についての説明を徴したわけでございますが、どうして今回の生産者米価というものが五・二%という、全く生産者も消費者も予測することのできなかったような低米価を試算されたかということについて何らかの根拠並びに理由があると思うわけですが、その点について率直に説明を願いたいと思います。
○安倍国務大臣 ただいま事務当局から御説明をいたしましたように、本日の米価審議会に対しまして政府といたしまして本年の生産者米価につきまして五・二%アップの試算値を諮問をいたしたわけでございます。この政府の諮問につきましては、御案内のように食管法に基づきまして生産費所得補償方式によって一応試算をいたしておるわけでありますが、この基本は、算定方式につきましては昨年の算定方式の基本にのっとっておるわけでございます。そうした中におきまして、やはり去年からことしにかけまする物価、賃金の動向というものが非常に鎮静化しておるというふうなことで、昨年度の試算の方式によりますと二・五%程度のアップになっておるわけでございますが、しかしやはり今日の物価、賃金等の非常に著しい鎮静化の傾向が米価に過度の影響を与えないように慎重な配慮を加えなければならないということといたしまして、都市均衡労賃の算定及び物財・雇用労働費の物価修正の方法等に若干の修正を加えまして、五・二%ということで諮問をいたしたわけでございます。私たちは、この諮問値によりまして食管法の趣旨に基づく再生産を確保することができる適正な米価である、こういうふうに判断をいたしております。
○芳賀委員 農林大臣にお尋ねしますが、今回の政府の試算米価なるものは、食糧管理法第三条第二項の規定に基づいた生産費所得補償方式で、しかも米穀の再生産が確保されるとは絶対に思われないわけです。大臣としてはこうした低米価というものが食管法の規定に基づく生産費所得補償方式の枠内にあるというふうに考えておるかどうか。それはどうですか。
○安倍国務大臣 食管法によりまして、生産者米価につきましては生産費、物価並びに経済事情を参酌をして再生産を確保することを旨としてこれを決定するということになっておりまして、その基本的な趣旨に基づきまして生産費所得補償方式によって政府としては今日まで米価の決定をいたしたわけでございます。 今回の米価についての米審に対する諮問もこの趣旨にのっとって行ったわけでございまして、私たちはこれでもって米についての再生産は確保できる、そして食管法の趣旨に従ったものである、こういうふうに考えておるわけであります。
○芳賀委員 私は事前に農林省から米価算定上の過去の各年において採用いたしました米価の試算の資料を提出してもらったわけでございますが、大臣も手元に資料があると思いますが、これを申しますと、まず昭和四十二年の算定方式、これは四十二年の米価決定に当たって政府が算定方式として実行したものでございますが、これによりますと、六十キロ、一俵当たりについて二万二千百四十四円ということになるわけであります。そういたしますと、今回の政府の諮問米価と比較いたしますと、実に六十キロ、一俵について五千七百六十円の価格上の差があるということになるわけです。こういうような食管制度の中における算定米価というものは金額的に大幅な差異があって妥当と農林大臣は考えておるのかどうか。その点はいかがですか。
○安倍国務大臣 昭和四十二年のときの算定方式と今回あるいは昨年、一昨年、そういうものとも比較いたしまして変化があることは事実でございます。そういう背景には、やはり昭和四十二年の算定方式の、いわゆる経済情勢の中に米の生産を進めなければならないという客観的な情勢があったことは事実であります。今回におきましては、御案内のようにことしの十一月には在庫の積み増しが二百三十万トン以上になるという、われわれとしては今日の状態から見ますと今後とも生産調整を行っていかなければならないような、そうした米の需給関係が非常に過剰基調にあるということをやはり一つの大きな、米価決定に当たっての参酌しなければならない要因として判断をしなければならぬわけでございます。そうしたこともございまして、そうしたやはり物価、経済情勢というものの変化というものに対応いたしまして、なおかつ、しかし米が国民の主食であり、なおかつまた米が農村にとりましては最も重要な作目であるということも留意をいたしまして、やはり農家の所得の確保という点も配慮いたしまして今回の試算ということに相なったわけでございます。
○芳賀委員 いま大臣の説明によると、米の需給関係というものを米価の算定に導入するというような、そういう考えに基づいて、過剰傾向にあるから米価をできるだけ抑制してそして農民の生産意欲というものを抑える、そういう意図で今回の低米価を試算したと言われるが、これは食管法上から見ると根本的な誤りを犯しておるわけです。当委員会においては、ちょうど昭和四十四年の米価決定の際に時の農林大臣が米審に対して、米価算定上需給動向というものを米価の算定に導入しようと思うがどうかという、そういう趣旨の諮問を行おうとしたわけです。それをわれわれ農林委員会においては、これは食管法に背反した諮問の内容である、速やかに撤回して食管法第三条第二項の趣旨に基づいた厳正な米価を計算してそして米審に諮問すべきであるということで、ついに当時農林大臣は間違った諮問を訂正したという経過があるわけです。過ちは再び繰り返すべきでないと思うのです。知らないで、無知で過ちを犯す場合は許す点があるとしても、もう裏も表もわかっておって、どうしたら低米価を強行することができるかというような、そういう考え方に立った米価の算定というのは、速やかにこれは撤回すべきだと思うのです。社会党としては五十一年度米価についてはいままで四回にわたってわれわれ代表が安倍農林大臣とお会いいたしまして、社会党の方針としてはことしは六十キロ当たり二万百二十円の農民の要求米価というものを社会党の方針に照らしてこれを最低の要求米価と確認してこの実現に取り組んでおる、ぜひ農林大臣においても切実な農民の要求というものを十分に認識をしてこれが実現に努力していただきたいということを再三にわたって懇談を通じて申し上げたわけであります。いま私が言いました二万百二十円米価というのは政府の四十二年の算式に比較いたしますと、一俵について二千二十円四十二年の試算米価を下回る、はるかに内輪の要求米価ということになっておるわけです。 さらにこれにつけ加えて申しますならば、まず三月の末には加工原料乳の保証価格を決定したわけでありますが、これは前年度に対して七・六%の価格の引き上げ、さらにまた六月の二十五日には国内産の麦類の政府買い上げ価格が決定されたわけでありますが、これは前年度に対して七・三%の引き上げということになっておるわけであります。同じ食管法の中に所在するところの麦と米の関係、それからまた法律に基づいて農林大臣が決定して告示する保証乳価との関係においても、どうして米だけが五・二%というような低い価格で試算されなければならぬかということは、これは全国民がひとしく疑問を抱く点だと思うわけです。しかも、米作農家の自家労賃については、他産業の主として製造業に従事する労働賃金というものを農家の自家労賃に評価がえすることになっておるわけですが、これについても、ことしの国民春闘を通じまして、労働者の平均的な賃金は前年度に対して八・八平均の上昇ということになっておるわけであります。 いま私が列挙した問題は、当然これらは米価算定の要素として試算をしなければならぬ点であるというふうに思われるわけでございますが、こういうような不当な試算米価というものは十分に反省を加えて、米審にすでに諮問されたと思うわけでありますが、潔く速やかに撤回をして、そうして食管法の趣旨に基づいた厳正なる、適正なる米価というものを算定をして、そうして米審に再諮問をすべきである、また当委員会としては、具体的に五十一年産米のあるべき問題点というものを率直にわれわれも指摘するわけでありますからして、それらを十分に農林大臣としては理解し尊重して、そうして生産者が納得できるような、それが日本の農業の発展と農民生活の向上に寄与できるような米価というものをぜひこれは算定すべきであるというふうに思いますが、その点はいかがですか。
○安倍国務大臣 社会党からこれまで私に対しまして、正式に数回にわたりまして五十一年度産米についての強い御要請があったわけでございます。これは確かに承りました。 政府といたしましても、今回の米価につきましては、食糧の確保というわが国国政の重要課題であるというような見解に立ちまして、特に米の持つ重要性というものは十分認識をいたしておるわけでございます。そうした観点から、米の生産対策等についてもこれまで努力もしてまいりましたし、あるいはまた在庫の上積みであるとか、消費の拡大等についても鋭意努力を続けておるわけでございますが、しかし今日依然として、米につきましては過剰基調にあるということは事実でございます。 私たちは、この米価の決定に当たりましては、いま御指摘がありましたような食管法の趣旨に基づきまして、生産費所得補償方式によって今日まで決定を続けてまいりました。昨年におきましては、昨年の算定方式で、一四・四%の米価の上昇を見たわけでございます。その一四・四%の上昇を見た昨年の算定方式でそのまま今回算定をいたしますると、今回は二・五%というふうな非常に低い数字になるわけでございます。これは昨年の反収の非常な伸びあるいはまた物価、賃金の非常な鎮静化、そういうものが反映をいたしてそういう数字になるわけでございますが、しかしわれわれとしては米の持つ重要性というものも十分認識をいたしまして、昨年どおりにやれば二・五%になる、しかしそれの内容としてはやはり賃金、特に製造業労賃等が非常な鎮静化をいたしておる、そのいわゆる不況の影響が昨年どおりにやれば著しく出てくる、これはやはり米の重要性から見てどうかというふうなことも十分考えまして、米価というものに対するいわゆる不況の過度の影響というものは避けなければならないというふうな判断に基づきまして、先ほど事務当局が説明いたしましたような修正を行いまして、五・二%ということに相なったわけでございます。 私は、この五・二%につきましては、国会におきましてもいま御審議をいただいておるわけでございますし、米価審議会においてもこれから三日間にわたりまして十分な御検討、御審議をいただくわけでございます。その結果によりまして最終的な政府としての決定を行うわけでございますが、農林省といたしますれば、今回諮問をいたしましたこの試算値というものは決して食管法の趣旨を曲げるものではない、再生産の確保に支障を来すものではないというふうに判断いたしておるわけでございまして、したがって、今回の諮問値というものはわれわれとしては適正な諮問値であるというふうに考えております。
○芳賀委員 次に、具体的な問題について指摘をしたいと思いますが、第一の点は、今回の五・二%引き上げというのは一俵について、六十キロ八百十一円の引き上げということになるわけです。八百十一円というのは、先ほど事務当局から説明のありましたことし採用するところの男女込みの一時間の自家労賃に相当する額だと思うのです。一時間の労賃相当分だけ引き上げて、大げさに五・二%に加算しましたと言ったって、これは一時間分でしょう。一時間分の労賃相当額は加算されたが、それでは昨年の十アール当たりの投下労働時間に対して、ことしは何時間削減したですか。
○二瓶説明員 例の「政府買入価格の試算」というのに、九ページに算出基礎がございますが……(芳賀委員「算出ではない、こっちはわかっているんだよ、どれだけ引いたということを聞いているんだよ。」と呼ぶ)直接と間接、この両方を足しましたもので見ますと、前年と比べますと四・六時間の減でございます。
○芳賀委員 去年より四・六時間削減しておるわけでしょう。削減したということはそれに対応する所得というものが削減されたということになるわけですね。そうして一時間分だけ五・二%の値上げということでつけたわけだから、そうすると差し引きをしても三・六時間貴重な労働に対する報酬を削減したということになるのです。いいですか。これがいわゆる擬装された生産費所得補償方式におけるマイナス要素として毎年使われておるわけです。つまり、十アール当たりの投下労働時間が短縮されるということは、その分だけ結局労働の生産性が高まっておる、結局機械化等が全面的に普及することによって、高度の機械技術とか管理技術等によって、なるほど労働時間というものは短縮はしておる。しかし、労働の生産性の向上というも一のは、当然評価さるべき労働賃金の水準の引き上げに通じなければ、一生懸命働けば働くほどみずから米価を下げるというような道具に使われるということになるわけです。特に去年は、先ほど統計情報部長の説明がありましたとおり、調査農家の平均反収というものを五百二十五キロにしたでしょう。一昨年から見ると、十アール当たり二十二キロ一遍にふやしておるわけですからね。そうして全国の実収高の平均収量はどうかというと、これは統計にも出ておるけれども四百八十一キロ。これが史上空前の最高の反収ということになるわけです。だから、毎年毎年時間短縮を誇大に計算する。収量についても実態的な平均収量というものを無視して、単に調査農家だけの、しかも二〇%以上の災害農家を除外したそうした対象農家の収量計算をやるわけですから、実態に沿わない五百二十五キロというような結果が出るわけです。 一俵当たりの米価の計算上は、反当の全体の生産経費というものを分子にして収量を分母にするわけですから、反収を過大にふやして分母を大きくすればするほど答えである一俵当たりの米価というものはいやでも安くなるというようなことになるわけです。ここに生産費所得補償方式の算定上の大きな欠陥というものが内蔵されておるわけです。毎年の米価に対する論議の中においても、農林当局においても厳正に、こうした欠陥とされる点がむしろ悪用されることのないように、これらの投下労働時間の評価の問題であるとかあるいはまた収量の問題等についても、米の生産農家が政府が決める米価の中にできるだけ包容されるようにするということは、やはりわれわれは重要な問題だと思うわけです。だから、昨年の生産費調査の結果においても、農林省が算定した四十九年の生産費米価によっては全販売農家の四〇%しかカバーされないということを、時の統計情報部長みずからが告白をしておるわけです。 四十二年の算定方式の場合においては、幾ら農民が生産の努力や経営努力をしても土地の自然条件とか気象上の条件に制約をされて、いかに努力をしてもどうしても十分な収量を上げることのできないそういう農地とか水田地域というものは、全国的に相当の面積を占めておるわけです。これを米価算定上はいわゆる限界地農家という表現を使っておるわけです。こうした限界地において営々として生産に取り組んでおる農民に対しても、政府が食管法を忠実に実行して決める米価の中に、できるだけこれを包容しなければならぬ。それが標準偏差一シグマの場合はおおよそ八〇%程度の販売農家を包容することができる。ちょうど農業団体や農民組織が八〇%のバルクラインを限界生産費農家として採用するというのと、手法は違うけれども、大体相通ずるものがあることは、大臣を初め農林省の皆さんは十分承知しておるところです。 そういう標準偏差方式を、最初は一シグマ、それから〇・五シグマというふうにしてだんだん取っ払ってしまったでしょう。そして一方においては、農林省の過大な生産費調査に基づく、実態に即応しないところの収量を採用する、あるいはまた労働時間が毎年毎年四時間から六時間削減される、いかにもこれが当然であるというような形で昨年の米価、ことしの米価も算定をされておるわけです。 今回の算定方式だけが唯一無二のものじゃないでしょう。たとえば四十二年方式にしても、四十三年方式にしても、〇・五シグマにした四十四年方式にしても、これを取っ払ってしまった四十五年方式にしても、あるいは地代関係では、四十八年、四十九年と毎年毎年算定方式を変えて、結果的には低米価がどんどん進行しておる。そしてそのたびごとに、これが食管法第三条第二項を忠実に守った算定方式でありますというようなことを毎年強調しておるじゃないですか。だから、われわれはこの際、安倍農林大臣に、過去を振り返って、どうしたならば五・二%という不当な米価が試算されないで済むかというような点についても十分な努力をしてもらう必要があると思うわけです。 これは一つ一つ詰めれば切りがないですよ。昨年の当委員会においても、収量の問題とか時間の問題等は指摘してあるわけですから、まず以上の点について農林大臣から率直な答弁をお願いします。
○安倍国務大臣 いま芳賀委員の御指摘のいろいろの問題点、これは確かに生産費所得補償方式における基本的な問題点であると言えると私は思うわけでございます。確かにこれは問題点であることは事実であろうと思います。ただ、われわれが今回とっておるところの諮問の方式によりますれば、反収はもちろん分母になっておりますし、労働時間につきましてもそれだけ縮小されたというわけでございますが、これらも過去三年の平均をとっておるわけでございますので、去年の労働時間の縮小あるいは去年の史上最高の反収の増というものがそのままストレートに反映しておるわけではなくて、これを過去三年にならしたということでございますから、生産性向上のメリットにつきましてはそれなりの評価がなされておるのではないか、こういうふうに私は考えておるわけでございます。 稲作生産性の向上に伴いまして労働時間数は減少しつつあるわけでございますが、これとともに、他方では、稲作の労働評価がえをする都市均衡の労賃の単価も、製造業における生産性の向上を反映して上昇してきておるわけでありますし、生産費所得補償方式によって算定された米価によって稲作農家の所得はそれなりに上昇しておるというふうに私は判断をいたしております。問題としては存するところでございますが、私たちは、今回われわれが算定をいたしました試算値につきましては、法律の趣旨にのっとって、昨年の米価の算定方式にさらに著しい不況の影響というものを緩和するための修正措置をとったわけでございますので、私はそれなりに評価されてしかるべきじゃないかというふうに考えております。
○芳賀委員 それは大臣詭弁じゃないですか。生産性が高まっておることは確かに大臣も認めておられるわけでしょう。そうなれば、たとえば製造業の規模別賃金をとっても、ことしの算定は五人以上千人未満の平均労賃ということになっておるわけでしょう。以前は五人以上の規模の全国平均労賃ということになっておるわけですね。ただ、やはり賃金水準をいかように生産性向上に適合させるかということが一番大事ですね。だから、昨年から見て、極端に反収も上がっておる、あるいは労働時間も短縮しておる、そういう場合、それに見合った賃金水準ということになれば、これは何も新しくやれというのではないのですよ。かつて採用したいわゆる千人未満というような頭打ちを取っ払えば、これによっても相当生産性の高まった農家の労働に対する賃金水準というのは、これが高まるということになるでしょう。これは一体どれだけ違うのですか。こっちでわかっておるけれども、食糧庁の皆さんは一年じゅうどうしたら米価が安くなるかということだけやっておるわけでしょう。われわれ国会議員は国政全般に取り組んでおるわけですからね。ゆうべまとまったばかりじゃないですか。それをわれわれによこしたわけでしょう。これを取っ払った場合にどうなっておるのですか。——取っ払えば一時間九百九円になるじゃないですか。
○二瓶説明員 今回の試算の場合に、先ほど申し上げましたように、五人から千人未満ということでやっておりますが、これを五人以上全規模ということでやりますと、男女込みの場合、今回の八百五十七円十七銭というものが九千四円十七銭ということで一〇五・五%上がる、一応計算をすればそういうことになる、こういうことでございます。
○芳賀委員 九千じゃないでしょう、九百でしょう、十時間なら九千円になるでしょうけれども。
○二瓶説明員 九百四円でございます。
○芳賀委員 結局自家労賃がそれによって何%上がるかということを言っておるのです。大体農林委員会の同僚の皆さんというのは一通りわかっているのですよ。だから、小学校の子供が問題がわからぬから先生と言って聞いているのじゃないのですからね。皆さんが間違った行政をやっているのじゃないかという不安があるからそこをただしているわけだから、間違わないで答弁してくださいよ。
○二瓶説明員 今回の試算で用いております五人以上千人未満、これでいきました場合の男女込みの一時間当たりの単価、いわゆる賃率でございますが、これを一〇〇といたしますと、五人以上全規模ということで仮に試算をしますれば、一〇五・五%ということに相なります。
○芳賀委員 それだけで五・五%自家労賃が上がるということになるでしょう。 次にお尋ねしたいのは、ことしは地代というものをどういうふうに適正にやったわけですか。去年も地代論争を当委員会において相当行ったわけですが、今回は相当実態に合致したように是正したかどうか、その点をお尋ねいたします。
○安倍国務大臣 自作地の地代につきましては、統制小作料、これは四月から二〇%アップしたわけでございますが、その統制小作料によって行ったわけであります。
○芳賀委員 大臣、自作地について統制小作料——自作地に小作料というのはないですがね。統制小作料の額を適用されているというのは、これは間違いじゃないですか。どうして自作地に対して統制小作料の額を適用しなければならぬか、その点をはっきりしてください。これは大事な問題ですよ。
○安倍国務大臣 小作地は御存じのように五%、自作地が大体九五%ということになっておるわけでございまして、農地の大部分が自作地である、そういうふうな状況でございます。そういう中にあって、自作地の地代をどういうふうに判断するかということでございますが、これは実納小作料でやれというふうな要請もあるわけでございますけれども、この点につきましては、自作地の地代と実際に支払い行為を伴うところの小作地の小作料とは、経済的にも性格を異にしておりまして、その水準が一致しなければならないというふうには考えておらないわけでございまして、しかも小作地のいわば限界収益に基づく高水準の実納小作料、五%の実納小作料をもって自作地の地代評価を行うということは不適当ではないか。自作地の地代というのは、これはいわば擬制的にこれを考えるわけでございますから、そういう面において私は、実納小作料でもって自作地の地代評価を行うということよりは、統制小作料ということによって行うことの方が妥当である、こういう判断のもとに、統制小作料でこれを評価いたしておるわけであります。
○芳賀委員 その認識が間違っているのじゃないですか、大臣。 これを専門家といえば構造改善局長ですけれども、統制小作料の出し方というのがあるでしょう。算式があるわけですから、それに基づいて統制小作料というのは算出されるわけです。それもことしの四月に二〇%上げて、今回のこの自作地の地代に適用したことはわかりますけれども、どうやったら統制小作料というのは出てくるのですか。二瓶さんでもだれでもいいですが、あなたは自分で自作地に統制小作料を当てはめたのだから……。
○岡安説明員 まず統制小作料の算定、特にことしの四月に変えたわけでございますが、これも先生御承知のとおり、従来から統制小作料について採用いたしております収益残燈方式ということによりまして、ことし、四十二年以来凍結しておりました統制小作料を二〇%上げたわけでございます。問題は、いま御指摘の自作地についてどういうような地代というものを見込んだらいいかという問題であろうと思いますけれども、私どもの立場から申し上げますと、小作料につきましては、政策的には先生御承知のとおり統制小作料と標準小作料もございますし、また実態としましては各種の調査によります実納小作料がございます。いろいろこれは差が確かにあるわけでございますが、そういうような実情の中で、自作地についてどういう地代を見込むかということは、これはもっぱら米価政策上の問題だろうと思いますけれども、現在小作地は大体二十四万ヘクタール余りございますけれども、その中で大部分の小作地が統制小作料の適用になっておりますので、それを採用するということが適当であろうと思っております。 計算方式は先ほどちょっと申し上げましたけれども、収益残燈方式ということでやっておりますので、この統制小作料の改定に当たりましては、田について申し上げますと、十アール当たりの収量を出しまして、それから粗収益を出します。粗収益は主産物と副産物で、その合計から生産費用——これは物財・雇用労働費、家族労働費、資本利子、租税公課等を引きまして純収益を出し、その純収益に利潤部分を加えた農地の純収益を出すということになりますと、今回、基準としましては五千六百八十八円ということになりまして、これが四十二年以来基準になっておりました四千六百三十円に対して二〇%アップということで改定をいたしたということになっております。
○芳賀委員 私からもう少し具体的に農林大臣に申し上げますが、いま岡安局長の言われた、まず粗収益というのが十二万二千四百五十三円になっております。これに対して生産費用、これは物財とか雇用労働費とか家族労働費、資本利子、租税公課、こういうものを全部入れて生産費用と称するわけですが、これが十一万二千二百七十四円。粗収益から生産費用を引いた残りが純収益で、一万百七十九円ということになるのですね。その中で、さらに生産費用十一万何がしの四%を利潤として見るということで、この利潤が金額にして四千四百九十一円ということになるのです。これが問題だと思うのです。小作者の場合は、やはり経営利潤というものをたとえ少額であっても四%純収益から見るということは、これは小作者の持ち分ということになるわけですね。所得分ということになるのですよ。それを引いた残りがいわゆる統制小作料額ということになるわけですから、つまり純収益の一万百七十九円から利潤であるところの四千四百九十一円を引くと、農地純収益として五千六百八十八円というものが残るわけです。これは五級地ですが、これを今回の統制小作料額ということにしておるわけですね。小作者の場合はこれで何も問題はないのですが、自作者の場合は、標準小作料を適用しても統制小作料にしても、いずれにしても自作者に対しては地代というものは擬制地代で適用するということになるわけですから、そうなれば利潤の四千四百九十一円というのはどこへ帰属するかという問題が出ると思うのです。そうなればいまの米価の算定上からいうとその帰属がなかなかむずかしい。という場合には、やはりこの分は統制小作料に見合う五千六百八十八円にこれをさらに付加すべきである。そうしないと、四千四百七十円がどこかへ消えてしまうのですからね。そういう点から見ても、自作地に対して利潤をどこかへ取り上げてしまった残りの五千六百八十八円を適用するというのは間違いですね。これも、知らないでやっているならまだ許す点がありますが、わかっておってこれだけ十アールから引くわけですから、十アール八俵ということになれば一俵当たりにすると五百円これだけで違うわけです。昭和四十五年の農地法改定の際、標準小作料の設定というものが法律に出てきておるわけですから、統制小作地については残存期間というものは十年以内でまだ存続しておるが、しかし新しい小作契約ということになれば、農地委員会が設定した標準小作料というものを基礎にして小作契約を締結しなければならぬということになっておるわけです。その標準小作料というのは、これは五十一年三月十五日現在の全国の改定結果は十アール当たり一万五千五百九十五円ということになっておるわけです。なかなかここまでは到達しないとしても、やはりこの際地代として、小作料算定の基準に基づいた純収益の一万百七十九円というものは、当然これは自作地の地代に適用するというような配慮を、これは農林大臣から直接事務当局に指示して、間違いなくやれというふうに取り運ぶべきだと思いますが、どうですか。
○安倍国務大臣 具体的な点につきましては事務当局からお答えをいたしますが、いまお話しのように、地代につきましてはいわばいまお示しのような残渣ということになるわけでありますが、その場合は擬制的な意味を持つわけでありまして、そういう点からいまお話しのような利潤というのはわれわれは見ていない。芳賀委員の計算では見ておるということでございまして、標準小作料あるいはまた実納小作料、統制小作料というのがあるわけでございまして、標準小作料につきましては農振法の改正に伴って行われるようになったわけでありますが、これはほんの一部の小作地のみに適用されるわけでございますから、やはり自作地全体の地代の評価に標準小作料を用いるというようなことは問題があるのではないか、こういうふうに考えておりまして、実納小作料にしましても非常に限られたいわば限界地でございますので、そういう点も全体的に判断をいたしまして統制小作料、もちろん擬制的でありますが、統制小作料によって地代の計算を行うのが妥当ではないだろうかという基本的な考え方のもとに、今日までその方式をとってきておるわけであります。
○芳賀委員 井上委員の時間に大分食い込んだからこれでやめますが、いまの地代問題というのはその場限りの答弁で逃げ切るわけにはいかぬですよ。小作地であれば、統制小作料で契約を結んで実行している場合には、それがいわゆる実納小作料の中の大部分を占めるわけでしょう。だからそれは政府の算定どおりでいいと思うのです。ただ、自作地の地代ということになれば、その利潤の四千五百円の帰属というものは米価算定上ははっきりしないわけですね。米価算定には利潤を計上していないでしょう。しかし幸いと言えば、小作料算定には四%の利潤というものを認めて、そうして残り分についてこれが小作料として地主に渡す分というふうに、これはやはり耕作者本位の統制小作料制度ということになるわけです。だから、この帰属不明の四千五百円というものは、これは標準小作料には満たないが、これは自作地代の中に当然算入して、そうするとこれはもう一万円の自作地の地代ということに理論的にもなるわけですからして、こういう点は大臣ももちろんだが、事務当局の皆さんももう少しいい方に頭を使ったらいいんじゃないかと思うのです。答弁は要らぬです。あとはやるかやらぬかという問題だけ残されておるわけです。 最後に、冒頭にも言いましたとおり今回農林大臣が米価審議会に諮問された五・二%、一万六千三百八十一円米価というものは、これは絶対に不当な低米価と断ぜざるを得ないわけですからして、やはり率直にこれは一応撤回をされて、そうして食管法に基づいた、しかも全国の生産農民が納得できる適正な米価を算定されて再諮問されるように、特に社会党の立場からもこれを強く主張いたしまして、これに対して大臣のお答えを伺って質問を終わりたいと思います。
○安倍国務大臣 今回われわれは種々判断をいたしまして、特に米が国民の主食であり、なおかつ最も重要な農産物であるというふうなことも十分踏まえまして諮問をいたしたわけでございまして、まだ本日諮問したばかりでございますので、この諮問につきましては米審の御論議を十分いただき、なお国会でも衆参両院を通じて御論議いただいておるわけでございますから、その結果も私としても十分考えながら最終的に適正に決定をしてまいりたいと考えております。
○湊委員長 次に、井上泉君。
○井上(泉)委員 いま芳賀委員の最後の質問への答弁で、国会の論議あるいは米審の審議を踏まえて最終的に態度を決めたいとこう言われたことは、諮問案の原案に固執をしない、こういうふうに理解をしていいですか。
○安倍国務大臣 もちろん今回出しました諮問、いわゆる試算値につきましては適正な価格である、これでもって十分米の再生産は確保されるという判断のもとに出した諮問値でございますので、これがお認めいただけることを心から期待しておるわけでございます。
○井上(泉)委員 期待はしておるけれども、国会の論議あるいは米審の審議を通じて最終的に結論を出したい、こういうお考えを述べられたのでありますから、そのことは、これが通ることを期待はしておるけれども、しかし国会の論議あるいはその他の米審の意見等を通じて農林省のやったことがどうも間違いだ、こういう大勢になれば考えるということの意味に私は理解をするわけでありますし、いまの大臣の答弁によりましても、いま出したばかりだから、これは農林省としてこの案をどうするといういまの段階ではない、そういう御見解でありますので、そのことを私は理解します。 ところで、時間が非常に少ないので要約して質問するわけですけれども、いま農協団体等が要望しております二万百二十円という米価の算定の内容について、農林大臣もこれは検討なされたと思うわけですが、この農協のいわゆる要求米価というものは、これは不当であり不合理な数字であるのかどうか、それについての感じを承りたいと思います。
○安倍国務大臣 農協が試算されたその算定の方式あるいは算定方式を形成する理論、それは農協団体なりの理論に基づかれて出されたものである、こういうふうに判断をしております。しかし、われわれ政府といたしましては、政府が今回諮問いたしました諮問はこれまたやはり食管法の趣旨に基づきました生産費所得補償方式によって出したものである、こういうふうに考えておりますので、ここで農業団体の出された要求、その算定方式についていろいろと私から批判をすることは差し控えたいと思います。
○井上(泉)委員 別に批判というのではなしに、農民のこういう農協から出してきた算定資料と政府のこの資料とは大きな食い違いがあるわけだから、やはりその食い違いに基づいて批判をする。農協団体からこの数字を出してきておるけれども、あんたのところのはこうこうでこれは間違っておる、こう言って反駁するものがなければ政府の案に自信を持てないじゃないですか。ただ政府がつくったものだからもうこれは間違いない、相手のものは批判の対象にはならない、そういうことではこれは余りに専制的な考え方じゃないでしょうか。
○安倍国務大臣 しかし具体的な問題としては、農業団体が出された要求米価の基礎となる算定方式につきましては、たとえば労賃のとり方にいたしましても全規模をとっておりますし、あるいは小作料にいたしましても実納小作料という方式をとっておられるわけでございまして、それは先ほどから申し上げましたように、政府としてはそういうふうには考えないというふうに思うわけでございます。
○井上(泉)委員 その政府が考えないということは政府は間違っておると、こう芳賀委員もいろいろ指摘をされておるわけですが、いまたとえば労働の評価にいたしましても、普通一般五人以上千人未満とかいうようなところにいたしましても、労働者にはいろいろ厚生年金とか退職金とかそういうようなものから年間を通じ生涯を通じて労働者が受け取るべき保障条件と、農民は、農民が受け取る米価というものによる労働の代償の算定の基礎には労働者が現実に受けておる退職金だとか厚生年金の負担金だとかそういうふうなもの等についての算定もなされてないし、あるいは労働の密度においても労働時間がどんどん低下しておる、たんぼへ入る時間が非常に少なくなっておる、こう言っておるけれども、しかし、もみをまく以前から刈り取って農協なり政府に売り渡しするまでの間の労働力の密度というもの、これを全然評価をしてないという点も指摘せざるを得ないわけですが、こういう労働力の密度というものについてはどういう算定をもって臨んでおるのか、説明を承りたいと思います。
○安倍国務大臣 労働力の密度という御指摘につきましては、私まだよく質問の趣旨について理解できない点があるわけでございますが、たとえば評価がえの賃金として五人以上の製造業の全規模賃金をとれという農協団体の御要請があるわけでございますが、これにつきましてはやはり私たちは問題があるということでしばしばお答えをいたしております。その問題点というのは、やはり米作農家の所得均衡を考える対象として巨大企業を含めることには無理があるのではないか、中小企業従事者賃金と対比させるべきではないだろうかということでございます。賃金計算上、ウエートの高い巨大企業の賃金まで含めて都市均衡労賃を算定すると、やはり米が他作物の価格に比べまして非常に有利になる、そして米の生産を著しく刺激するおそれがあるというふうにも考えておるわけでございます。 なお、五人から九百九十九人という規模区分は、これは事業所規模による区分でありまして、企業の規模によるものではないことは御承知のとおりでございます。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 したがって、事業規模五人から九百九十九人の賃金の中には、大企業の事業所の賃金がすでにかなり含まれておるわけでございます。したがって、われわれとしては、実際のわれわれの計算方法によりまして、実際の中小企業の従事者の賃金よりかなり高い水準になっておるというふうに考えておりますので、政府の試算の労賃の評価がえ賃金は妥当であるというふうに思うわけであります。
○井上(泉)委員 そういう細かい数字を対比してそれを論議をすると時間がありませんので、常識として、物価が非常に下がっておる、そして賃金も上がってない、だから米はことしは五・二%だ、こういう話になるわけですけれども、物価の平均的な値上がりは政府がいろいろ宣伝をしております。内容はともかくといたしましても、表面的には一けた以下というぎりぎりの線で物価の値上がりは出ておるわけです。それで労賃も、なるほどことしは八%ないし九%の値上がりだ、そうすると物価も賃金も大体八%、九%になっておるのに、なぜ百姓の生産する米の値上がりだけを五・二%に抑えたかということになると、これは米をつくる農家としても納得のいかない心理になると思うし、常識的に考えても、これは五・二%やあるいは六%の値上げで、米作農家が日本の農家の中核であるとか、あるいは米は国民の食糧の基本をなすものだとか、こういうふうにきれいごとを言っても、農民としても納得しないのじゃないですか。やはり農民として、物価の指数がこうなっておる、値上がりの指数がこうなっておる、賃金もこうなっておる、それにもかかわらずこれだけの低米価に押さえつけるということは、これは余りにも農政というものが農民不在の、国民の主食を生産をするという農家の社会的な使命、国家的な使命に対して、これはそれを冒涜する、つまり本当に情け無用の米価の諮問案の内容だと私は思うわけですが、それについてどう考えますか。
○安倍国務大臣 いま情け無用というようなお言葉でございますが、私としては、今回の諮問値を出すに当たりましては、やはり農家の生産意欲というものを減退をしてはならない、しかし米が過剰という状況にあるわけでございますから、これに対して著しく刺激的な米価であってもならないわけでございまして、そうした米の位置づけというものも十分判断をいたしまして出したわけでありまして、先ほど申し上げましたように、昨年の米価の算定方式によれば、昨年は一四・四%米価はアップしたわけでございます。その昨年の一四・四%アップした算定方式そのままでことし計算をいたしますと、二・五%にしかならない。その背景としては、やはり物価、賃金、特に家族労賃の中のいわゆる評価がえをしなければならない、製造業労賃が非常な不況の影響を受けて、これが著しく鎮静化したというふうなことが米価を抑えるというふうな要因にもなったわけであります。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕 あるいはまた反収が昨年は史上最高であったということも、やはり生産費所得補償方式の場合には反収が分母になるわけですから、これがまた米価を抑える、落ちつかせるという要因にもなったわけでありまして、そういうことから二・五%という数字が出たわけです。しかし、これではやはり米の持つ位置づけというものから見て、またやはりそんな不況によるところのあふりを受けた製造業労賃をそのまま米価に反映させるということはいかがなものかということで考えて、われわれはそれに対して修正を加えまして、二・五%から五・二%に積み上げをいたしたわけでございます。たとえば金利等にいたしましても最近は非常に落ちついておる、低くなっておる、こういう情勢でございますが、やはり安定した金利を見なければならないというふうなこともその中には含まれて、われわれは五・二%というところまで、いろいろと米価の持つ重要性、農家の皆さんの米に対する非常な熱意といいますか、そういうものをわれわれは十分考慮いたしましてやったわけでございますから、決して私は今回の試算値というものは何も情け無用だというふうなものじゃなくて、われわれもそういう点は十分配慮しながらやってきたということはもう御了解いただきたい、こういうふうに思います。
○井上(泉)委員 米が過剰ぎみということと、全体的な食糧の需給状態から考えても、私は決して過剰だとは思わないですけれども、そのことをここで論議する時間がありませんので省略するわけですけれども、去年並みであったら二・五%だけれども、それじゃどうも選挙もあることだし、お百姓さんに協力を求めることはできぬ。そこで三%近いものを上積みして、そこに一つの米作農家に対する恩恵を施した、こういう政府の態度というものは、私は非常に問題だと思うわけです。恩恵で政治をするべきものじゃないと思うのです。やはり農協が出しておる米価にいたしましても、これはこれなりの科学的な根拠があってやっておるし、そうしてまた現実に農業生産に従事しておる米作農民といたしまして、私は今日五・二%の値上げというようなことで納得する道理はないと思うのです。 そこで、この間の農協の要求米価大会でも恐らく三百人余りの国会議員の方が集まって、断固支持するという見解を披瀝をされておった。ただ票欲しさに集まっておったとは私は考えないわけであります。そういう点から考えまして、初めに大臣が芳賀委員の質問に答えて、とにもかくにも諮問案をいまどうこうする意思はないけれども、米審の意向とかあるいは国会論議の意向等を踏まえた上において検討するという気持ちにあるわけですが、恐らく私は、当委員会におきましても、この五・二%の諮問案に賛成をする議員というものは、よしんば与党である自民党でも恐らくないと思うのです。賛成を表する人はないのじゃないか、こう思うわけであります。そこで、たとえばこの農林水産委員会において諮問案を撤回をして再諮問を農林大臣が出すように、こういう決議でもなされた場合には、やはり農林大臣としては国会の意思としてそれを尊重せざるを得ないと思うわけですが、それについての農林大臣の見解を承っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 もちろん私も国会議員でありますし、国会は国権の最高機関でありますし、そういう意味において国会の決議というものは尊重しなければならないわけでありますが、しかし米審に対する諮問、そうしてそれから答申を受けるということは、これは米審の問題であるし、また政府の問題でございます。したがって、現在の段階におきまして私はもちろん今回の諮問につきましては十分論議を尽くしていただけばいいわけでございますから、この諮問に対して米審が十分な論議を尽くしていただくことを心から期待をいたしておるわけであります。
○井上(泉)委員 それでは米審の場合、これは米審に諮問をしたからということで米審の意向ということもここに引き合いに出されたわけですけれども、米審において、生産者委員とかいうようなもの、多数の委員がこういう諮問案に反対をして米審をボイコットするというようなことも予想されるような状態を聞くわけですが、そういう事態が出た場合においても米審はあくまでも残った委員で強行するお考えですか、そのことを承っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 これは米審自体がどういうふうに判断をされるかという問題でございまして、私がこれに対して何ら介入する筋合いの問題ではない、こういうふうに思います。
○井上(泉)委員 終わります。
○湊委員長 次に庄司幸助君。
○庄司委員 この五・二%の諮問案はもう問題にならない。私はけさ北海道と東北の農協代表者の集会に参加してきましたが、ここで主催者の方が、言葉も出ないと、こう言っております。そして、こういう諮問がなされたのではもう重大な決意をせざるを得ない、この事実を生産農民に徹底して全国的抗議行動を起こす、そしてきのう以来農業団体の中では米審代表の引き揚げも考慮されつつある、それからこの農林水産委員会に対していま各地の代表の方々がこもごも訴えられたわけですが、この中で、体を張っても、実力に訴えても抗議をする、こう言っていらっしゃいます。その点で非常に重大な情勢だろうと思うのです。 それで、先ほど来、やはり再諮問の問題が各委員から出ておりますが、私も、これは農林大臣がこの五・二%の諮問は撤回して再諮問さるべきであろう、かように考えます。その点で、農林大臣、何遍も質問が繰り返されておりますが、もう一遍、こういう重大な情勢を踏まえて、日本の農業者がいま重大な決意を固めているわけです、この重大な決意をあなたはどのように認識されているか、これをひとつ答えてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 いま、実力に訴えても、体を張ってもというようなお話でございますが、これはいささか不穏当な発言ではないかと思います。米価とかそうした決定の問題につきましては、やはり手続を踏んで民主的に決定をされるのが今日の民主国家の筋合いじゃないかと私は思うわけでございます。われわれとしても、この米価の決定に当たりましては生産費所得補償方式にのっとって、食管法の趣旨も忠実に守りながら米の再生産を確保するということを大前提として努力に努力を重ねました結果今日の諮問値ということになったわけでございます。そしてこれは米価審議会にいま諮問されておるわけでございますから、米価審議会で十分御検討いただかなければならない、そして、同時にまた国会でもいま御論議いただいておるわけですから、国会の御論議も十分いただかなければならぬ、そうした御論議を経て、最終的に政府の責任においてこれを決定するということでございまして、私はそういう意味におきまして、この諮問値につきましては、撤回して再提出するという意思は毛頭ありません。十分御論議を尽くしていただいて最終的に決めたい、こういうふうに思っております。
○庄司委員 米審の話をなさいますけれども、これはこの間、三日の日に私もあなたのところへ参って、米審の構成がきわめて非民主的である、生産者の代表がたった四名、消費者代表が四名、あとはいわゆる学識経験者、この中には農林省のいわゆる引退された方々、つまり農林省の言うことなら何でも聞くと言われるような方々も相当含まれている、これが十七名です。だから農民からはこれは御用米審だ、こう言われているわけです。私どもはあなたに対して、米審の改組、少なくとも生産者代表三分の一、消費者代表三分の一、それから学識経験者三分の一、これを要求したわけですが、あなたはにべもなくこれを拒絶されたわけです。そうして米審の公開も拒絶されました。これはこの七月三日のことであります。だから、あなたは米審とおっしゃいますけれども、これは農民から信頼されていないわけです。その点は私どもは強く今後も要求いたします。 そこで、委員長に一つお伺いしますが、この再諮問、これはぜひ理事会で諮っていただいて、国会の、この農林水産委員会の決議として上げていただきたいと思うのでありますが、委員長の御見解をお伺いしたいと思います。
○湊委員長 実は先ほどの理事会におきましても今回の米価に関する決議についてのいろいろな相談がございまして、いま続行中でございますから、ただいまの問題等も話としてはけさ出ておりましたし、理事会の御協議にひとつお任せをいただきたいと思います。
○庄司委員 ひとつよろしくお願いします。 二番目にお伺いしたいのは、今度の五・二%アップの諮問ですが、これはだれとだれとで相談して決められたのかという問題です。 これは昨年の七月十日の会議録によりますと、昨年は「今回の諮問を決定するに当たりまして政府・与党間でいろいろと協議をしたことも事実であります。それぞれの立場からいろいろの要請等があったことも事実でございます。」こう答えておいて、その後で「何としても今日は政党内閣の時代でございますので、政党の意見、特に与党の意見等とも十分調整をして、そして最終的に決定をする。」こう答えられております。私の地元に帰りましても、米価は自民党が決定すると与党の先生方が胸を張っておっしゃっております。その点で、政党内閣の時代だから特に自民党の意見を調整してやる。あなたの言葉だと、何かいろいろ野党の方の要請も聞いてなどという言外の意味も含ませているようですが、野党に相談されたことは一遍もないのです。そうして政府と自民党の間でこれまでの低米価を決めてこられたわけです。その点で、ことしの決定に当たって政府は大蔵大臣と農林大臣とそれから福田経済企画庁長官の問で意見調整をやった。その後自民党の総合農政調査会、こことも突き合わせをやった、こう報道されております。そのとおりでございますか。
○安倍国務大臣 今回の諮問につきましては、法律に基づきまして農林大臣がこれを諮問したわけでございますから、最終責任は私の責任において決定をして諮問をしたわけでございますが、それまでの間におきましては、政党内閣であることも事実であります、したがって与党の意見も聞かなければなりません、あるいはまた政府部内における調整も行わなければなりません。したがって、財政当局であるところの大蔵省であるとか、あるいはまた経済企画庁であるとか、そういう役所との調整もいたしました結果、私の責任において諮問いたしたわけでございます。その間に、各野党の皆さん方から、それぞれ米価に対するいろいろの御要請も私は十分承りました。あるいはまた農業団体等の御意見も、何度もひざを交えて承ったわけでございます。
○庄司委員 野党は全然了承していないわけです。いまの論議を聞かれても同じだろうと思うのですが、全然了承していません。あなたは野党の方は聞きっ放し。今度の場合、与党の自民党とは意見の調整をなさいましたか。
○安倍国務大臣 それは先ほども申し上げましたように、政党内閣でございますから、共産党が政権とったって同じことだと思うのです。やはり与党の意見も十分聞かなければならぬ。調整しながら政治を進めなければならぬのはあたりまえのことだと私は思います。
○庄司委員 共産党が政権とれば、こんなでたらめな米価は決めません。これは確認しておきますが、政府と自民党で決めた米価だ、われわれ野党は何も相談にあずかっておりませんから。これは確認しておきます。したがって、米審後の政治加算、恐らくこれも政府と自民党間でいろいろやりとりをやって、いわゆるベトコンなどと言われる方々が関与なされるのだろう、こう思います。 それで、私は、今度の諮問についての説明を見ますと、「米穀の需給は過剰基調にある」これが、今度の諮問米価を決められるに当たって、あなた方の頭を占める非常に大きな要素になっただろうと思うのです。米の生産を抑える、これが諮問米価の基調の一つだ、これはあなた方の説明のとおりです。その後を見ますと、「米については需要に即応した生産をすすめるとともに、」云々と書いて、「米以外の農産物の水田における生産の振興を図る」依然として米を邪魔者扱いにしている。余った余った、こう言っている基調があるのです。 そこで、この米過剰論、米が過剰だ、確かにあなた方は在庫を抱えていらっしゃいます。なぜ米がこのように余されたのかという根本認識の問題、これがあなた方の農政の非常に重大な欠陥であろうと思うのです。外麦はどんどん輸入する、そうして米を余らしておいて、生産者農民に対しては米過剰論を振りまいて米価の抑制をやる。この点が転換を迫られている非常に重大な点だろうと私は思うのです。あなた方は、米の需要拡大ということもおっしゃっておりますが、これが根本的に解決するような方策を講じていらっしゃらないだろうと思うのです。そういう点で、この米過剰を克服するための方策は、中期の計画もつくらなければならない。そして外麦の輸入をもっともっと制限して、日本の農家の大黒柱である米を農民が生産意欲を持ってつくれるというような政策に転換しなくちゃならないだろうと思うのです。その決意を一言、時間がありませんから簡単にお願いします。
○安倍国務大臣 米の過剰をなくしていくというためには、米の需要の拡大、消費拡大を積極的に推進しなければならぬという御意見については全く同感でございまして、政府としてもそういう方向で、学校の米飯給食を初めといたしまして、消費拡大には全力を挙げております。これは、やはり国民的な一つの米に対する理解というものがなければ、米の消費拡大というものはなかなか進んでいかないわけでございますから、われわれとしても懸命に、米というものに対する国民的な一つの見直し、そういうものを強く求めて、いろいろと努力をいたしておるわけでありますが、それじゃ外麦を輸入制限したらいいじゃないか、これは政府の食管物資でありますから、制限しようと思えば政府の一存でできるじゃないかという御意見がよくございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 しかし、今日の自由な経済体制の中で、麦製品というものが国民の食生活において一つ定着しつつあるというふうな現状にもあるわけでございますから、これを一概に、一方的な措置でもって麦の輸入を制限して、麦製品の国民の消費を一方的に打ち切るということについてはやはり問題があるのではないか。国内における麦作振興等は積極的にやって、外麦を入れないで、国内の麦作振興によって麦の生産をふやしていくということは積極的にやらなければならぬ。 全体的には、米の消費拡大というのはなかなか時間のかかる問題ではあろうと思いますが、だんだんと国民の米というものに対する認識も深まってまいりました。国民食糧の確保というものもだんだん理解が深まってまいりましたので、今後努力すれば米の消費拡大というものは進んでいく、そうなれば米の過剰、米政策にとって一番困難な問題も漸次解決していくのではないかと考えます。
○庄司委員 国内産の麦をつくらせる、このための価格補償の問題があるわけです。 もう時間がありませんから、私は最後に農民の生の声を一つだけ伝えておきます。「農村の女性は朝早く、夜は月をいただいて家に帰り、炊事洗たく等すませ〃ほっと一息〃ぢいっと手を見る「黒くガサガサ」のこの手で夫に晩酌のサービス、このような状態が農村の婦人なのです。」だから要求米価二万百二十円をぜひ実現してくれ、こう言っております。 次に、「百姓なるが故に貧しく百姓なるが故に苦しく米を作るが故に落ちぶれる、こんな言葉がどこにあるのでしょうか」こう言っています。 それから最後に、これは自民党の農林大臣よく聞いてもらいたいのです。「自民党政府の農政にはもうついていけません、又、ロッキード事件にしても、徹底的に追及してくれ、」こういう政治がいまの米価を低米価にしている根源なんだ、こういう声が非常に強まっております。 そういう点で、私は最後に、この諮問を再諮問なされることを強く要望して、私の質問を終わらせてもらいます。
○山崎(平)委員長代理 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 いま庄司議員からもこのような不当な諮問では許せない、再諮問せよ、こういう御発言もありました。さらに大事なことは、けさほど農林水産委員会の理事会がございまして、米価問題で決議を上げようじゃないか、まだこれは案でございますが、この案の中にさえも、試算米価は生産農民の要望と期待にこたえたものではないということが一応われわれの仲間で、自民党を含めて確認されておるような状況ですね。 さらに、いま庄司議員から農村の婦人の実態のお話がいろいろございましたが、私の方の農協婦人部の女性の方々も私にたくさん手紙をよこしていただきまして、さわりだけ読みましても、「本当の農家の実態を知り理解してくれているなら、とてもそんな事でおさまるはずはないのです、」こういうことやら、「私たちがこんな大事な役割を果しているのに、どうしていつまでたっても日の出を見ることができないのでしょうか?」と切々たる訴えがきているわけであります。いま言ったように再諮問が各党の要請として先ほどの質問にも出ています。あるいはわれわれの農林水産委員会の中でもそういう意見が出ておる。農民のたくさんの声もそれを言っている。これに対して農林大臣、改めてあなたの御意見を聞かしていただきたいと思う。
○安倍国務大臣 しばしば申し上げましたように、今回の米につきましてはわれわれも米が国民の主食であり重要農産物であるということは十分認識をして、米の再生産を確保するというたてまえのもとに諮問をいたしたわけでございます。私は、米の価格の問題のみについて——まあ農政全般についていろいろと御意見があるわけでございますが、価格政策、その中において米の価格というものが最も重要なものであるということはよく認識しておりますが、しかし農政全般として見るならば、ただそうした価格政策だけでなくて、やはり基盤整備を進めることであるとか、あるいはまた中核的な農家の育成であるとか、後継者づくりであるとか、あるいは環境整備の問題であるとか、われわれとしてはやはり農業、農村の地位を確立し高めていくためにはいろいろの角度からやらなければならぬわけでございます。農政というものはそうした総合的な政策の背景の中で進められなければならぬというふうに思うわけでございますが、そういう中にあってもちろん米の価格というものは非常に重要なものであるということは十分認識しております。なお、そうした認識の上に立っても、今回の私たちの行っております米審に対する諮問については、米の再生産を確保することは十分できるという自信は持っておるわけであります。
○中川(利)委員 農政というものは全般を見なければならないとおっしゃりながら、その農業の中で最も基幹的な米の価格、これを農政全般の中の問題にすりかえて、後継者の問題もやらなければならない、あれもやらなければならないとおっしゃるけれども、後継者もいろいろな問題もすべて、食える米価が保障されるかどうかという、この一番肝心なところをあなたはほかの問題にすりかえていらっしゃる。 それはそれとして、私の質問の問題点は、一つの米価算定に重要なかかわりを持つ農業用資材、農業用機材あるいは肥料その他で聞きますが、前段、肥料の問題でお聞きするわけであります。皆さんの資料によりましても、「昭和五十一肥料年度の肥料価格について」ということで六月十五日付の農蚕園芸局長の通達が出ておるわけでありますが、前年度に比べましてわずかながら肥料が値下げになる、こういうことを言っておるわけでありますね。こういうふうにわずかながら値下げだという、いわば善政だが、しかしこれが見せかけだということを、私は皆さんの政治姿勢に関連して申し上げたいと思うのですね。皆さんの政府の資料を見ますと、「昭和五十一肥料年度新価格は、硫安及び尿素を除き国鉄運賃値上りを織込んである」こう書いてある。国鉄運賃五八・六%値上がりを織り込んであるのだ。国鉄運賃いつ決まりましたか。まだ決まっていないでしょう。決まってないものを皆さん織り込んでおるとは何事ですか。さらにこの解説を見ますと、主な値上がり要因が書いてありますね。この中には電力料金の値上げも織り込んである。電力料金は一部値上がりしたことはわかっておりますが、いつはっきり決まりましたか。先発、後発あるが、大手のこのようなメーカーを抱えるそういう電力会社系のものはまだほとんど値上げしておりませんね。つまり大資本には、決まっていないものでさえ含めて、本来もっと安くできるものをそういうものを織り込ませてそれだけの配慮をしているのに、農民の皆さんには抑えられるだけ抑えてしまう。こういう政治姿勢がどこからきたものか、農林大臣から一言御説明いただきたいと思います。
○安倍国務大臣 私は農林大臣になりましてから、やはり農業の生産資材の価格を安定しなければならぬというために努力を続けてきたわけでありまして、これは主として行政指導によらなければならぬわけですが、私自身としてもその行政指導を行いまして、価格の安定にはこれまで極力努めてきたつもりでございます。 いま肥料のお話が出ましたが、肥料につきましては、先般全農とメーカーとの間で価格交渉がまとまりまして、七月一日から適用をされておるわけでありまして、新価格は肥料全体としては前肥料年度価格に比較して〇・六%の値下がりとなっておるわけでございまして、この新価格が適正に末端小売価格に反映されるように、現在流通業者に対しましても必要な指導を行っているところであります。その動向は監視しなければならぬと考えておりますが、いま国鉄の運賃がこの〇・六%の値下がりの中にすでに織り込まれておるというような御指摘でありますが、そういうように私は聞いておりません。これは事務当局から答えさせます。
○澤邊説明員 ただいま国鉄運賃を織り込んでおるのはおかしいではないか、こういう御趣旨の御質問でございますが、全肥料平均で〇・六%七月一日から値下がりするということにしたわけでございます。国鉄運賃につきましては、その〇・六%値下がりの中にはもちろん計算上人っておりますけれども、これはまだ実施が決まっておらないわけでございますので、それまでの間は一・七%引き下げるということでございますので、七月から現在やっておりますのは〇・六%ではなくして一・七%の引き下げが行われておるわけでございますが、国鉄運賃が政府が現在出しておりますような形で実現します場合には〇・六になる、こういうことになっておるわけでございます。 それから電力料金につきましては、御承知のように四電力につきましてはすでに値上げが決定いたしております。他の五電力につきましても現在通産省に申請が行われておりまして、公聴会等の手続が終わってから決まることになるわけでございますが、四電力につきましては肥料メーカーが使います電力料金は約三〇%値上げすることになっております。他の電力につきましてはこれからでございます。したがいまして、〇・六なりあるいは一・七%の値下げの中に入っておりますのは、今後の見込みも含めまして二五%の引き上げということで、四電力の引き上げよりは低く見積もっておるわけでございますが、これらは五電力の値上げが正式に決まりますれば、その段階で事後に調整をするということで取り決められております。
○中川(利)委員 問題は、その政治姿勢がどこからきたかということを聞いておるのです。大資本のやるものはまだ上がっていないものでさえも、国鉄運賃なんか通るか通らないかわからないものでさえも、それを十分配慮してあげて値段の中に織り込んで、そして農民が要求するものに対しては、もう生きるぎりぎりの要求でさえもあなた方は足げにし踏みつけにしているわけです。肥料の硫安、こういうものに対してもその実態について私はお聞きしたわけでありますが、これに対する返事がなかった。 それならば、先ほど農林大臣がおっしゃったような農業用機材、資材、とにかく農機具の問題についてお聞きしたいと思うのですが、これはなぜかというと、五十年産米価の試算要素の中でやはり農機具、資材の値段の関係が大きな要素を占めているわけであります。そこでお聞きするわけでありますが、昭和五十年産米の生産費という政府の資料がございますが、農機具の場合にはこの中の農具費等の償却の欄に入っておりまして一一七・一ということになっておりますね。そこで聞くわけでありますが、このような数字がどこから出たかというと、耐用年数で皆さん方は簡単に割り出してこういうことしの数字を出すわけですね。ところが実際の耐用年数と、大蔵省が税金とるためのそういうかっこうの耐用年数とは全く違うのです。大臣、聞いてくださいよ。たとえばコンバインの耐用年数が五年になっている。田植え機も五年です。トラクターは八年です。ところが実際は、三日使ったら使えないというような状況が頻繁に起こっているわけですね。一年使って次の日に部品を取りかえに行ったらもう部品は何もなかったというようなことで、こういうかっこうの中でただ形式的な耐用年数だけであなた方が割り出して米価算定の要素にする、こういうことでありますが、だからこそ昔から農民の方々から実態に見合った耐用年数を何とかひとつ見直してくれ、私もこの問題では再三発言しているわけでありますけれども、実にこの状態が、耐用年数が短くなれば生産費の四分の一以上を占める農機具費が高まっていくし、米の生産費を正当に評価して米価を高めることになるわけでありますが、あなた方、逆に実態に見合わないやり方をしているものですから、この算定の要素の中でいつも低いわけです。これはもうそろそろどころじゃなくて、今回はっきり見直すということをあなた方はお約束できるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○有松説明員 生産費調査に用いております農機具の耐用年数についてのお尋ねでございますが、現在生産費調査に使っております耐用年数、これは昭和四十六年度に農機具の耐用年数の基礎調査を実施いたしまして、四十七年度に改定を行って、それを現在適用いたしておるところでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、その後農機具の使用の実態等にあるいは変化もあろうかと思いますので、本年度さらに農機具耐用年数の基礎調査を再び実施いたしまして、その結果を待ってさらに検討をいたしてまいりたいと存じます。
○中川(利)委員 そうすると、再検討するということですね。
○有松説明員 ただいま申し上げましたように、本年度実施いたします調査の結果に基づいて、その実態によって検討をいたしたいということでございます。
○中川(利)委員 最後にでありますが、ことしも農機具価格の改定が、例年六月に決めて七月一日から実施するというかっこうになっているわけでありますね。ところが、ことしはこの価格改定の問題が、全農とメーカーと詰めておると言うけれども、その後どうなったかということについて、まだはっきりしておらないわけであります。米価の行方を見ながら、米価がどうなるかということを見ながら、何か後ろの方で決まっているけれども発表できない、これは大変だ、農民の反発を食えば、こういうかっこうになっているのではないかという心配も私するわけでありますが、この点について、政府はこの七月価格の問題についてどういう状況になっているかということについての段取りその他についてひとつお答えいただきたいと思います。
○澤邊説明員 農業機械の価格は五十年の一月、五・三%平均引き上げまして、以降一年六カ月据え置きになっておるわけでございますが、今回七月一日が例年の改定期になっておりまして、メーカーは鋼材等の原材料費の値上がりあるいは安全対策費とか運賃、外注加工費、さらに労務費等の値上がりを理由に全農に対しまして値上げを要請し、現在価格改定の交渉中でございます。 当初私どもが聞いておりますのは、平均一〇%以上上げたいというような気持ちがメーカーの方にあったようでございますが、現在までの交渉経過としてわれわれが承知しておりますところでは、全面的な値上げではなくして、特定機種に限って最小限の値上げをしたいということで全農と個々のメーカー側と折衝中であるというように聞いております。 農林省といたしましては、こういうようなときでございますので、やむを得ない要因がありますれば最小限ということで通産省とともに十分チェックをして指導してまいりたいというように考えております。
○安倍国務大臣 農機具につきましては、いま局長からも答弁いたしましたが、私も農林大臣になりましてから一年半、これの据え置きということにつきまして行政指導によりまして措置をしてまいったわけでありますが、現在全農とメーカーの間に折衝が行われているわけでありますし、これにつきましてもできるだけ抑えていくという方向では努力をしなければならぬというふうに考えております。 なお、先ほどからお話がありました耐用年数とかあるいは安全の問題、これは中川さんもしょっちゅう言っておられる安全の問題とかその他パーツの問題、いろいろと現実問題として問題が農機具行政の上にあることは私はよくわかるわけでありまして、この辺はやはり今後の行政面においてわれわれ十分調査をし検討をして、農機具行政というふうなものを見直していかなければならぬ、そういうふうに私は考えておるわけであります。
○中川(利)委員 質問じゃありませんけれども、いまの価格改定に関係して相当裏の方では、あなた方交渉中だと言うけれども、ほかの御意見も聞こえてくるわけでありまして、つまり、なぜそれを出さないかというと、いま農民が米価を要求するときに出せばぐあいが悪い、こういうかっこうで、いわば農民をペテンにはめる、こういう状況が背景にあるような話も私聞いているわけでありますが、いやしくも農民をペテンにかけることのないように、農林省は厳重にひとつ指導していただきますことをここに希望して、私の質問を終わります。
○山崎(平)委員長代理 次に、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 昭和五十一年産の米価について農林大臣に質問いたします。 米価問題については去る六月の二十二日、当委員会で農林大臣を初め政府当局に算定要素のとり方その他についてるる質問をいたしてまいったところでございます。そこで、私は大臣にまずお伺いしたいことは、けさほどから米価審議会が始まって、諮問がなされました。五・二%という低米価の諮問でございます。われわれの予想したとおりでございました。 けさ私も八時から三番町に詰めておりましたが、委員会が始まるので十時前にこちらに参りましたけれども、農林大臣もけさいち早く、八時半ごろでしたか米審会場に着かれて、たくさんの農民の歓迎を受けられたわけです。ことしは御存じのように、異様なまでに農民の熱気がこもり、農民の米価要求における農政の原点に返れという厳しい叫び、また米価が農業の基本をなすということ、米が国民食糧の基幹であるということから、悲壮なまでの米価要求の姿を目の当たりに大臣も見られたと思います。 御存じのように、六月末までに全国大会を開くために各県で大会が開かれてきましたが、去る七月の一日には米価要求全国農業委員会会長代表者大会が行われ、二日には武道館で一万二千名が集まって、衆参両院の議員も四百名近い方が結集し、そしてあのようないまだかつてない盛り上がりの米価要求全国大会が行われたわけでございます。大臣も十分承知しておられると思いますが、いろいろなことは去る六月二十二日も質問してまいったわけですが、いずれにしても低米価であるということで終始農民団体も、また異口同音に国会議員のわれわれ仲間も、こんなことではけしからぬ、日本農業の壊滅であるということで厳しい憤りと、再諮問ということでいま各党いろいろと検討し、何とかして再諮問を要求せねばならぬということでいろいろと対策をとっているところでございますが、いずれにしても、私は先般も大臣に申し入れをし、さらに二十二日には質問もいたしてまいりましたが、今回の諮問米価の算定について、いわゆる生産費のとり方、家族労働費の評価、また企画管理労働費の評価、さらには地代、資本利子等、こういった主要な五つの要素を見ましても、全部これが農業団体の要求と政府のいわゆる試算されたものとが、同じ生産費及び所得補償方式でありながら、土俵は同じような形をとっているけれども、その中身というのがいわゆる大相撲の本場所と村相撲の土俵との違いみたいに、算定の要素、方式、またとり方というものが違うわけです。そこでどうしてもかみ合わない。いわゆる農業団体と政府との算定要素のとり方の基準というものも今後は統一をしなければならぬ、かように思っておりますので、農林省も農業団体を指導してもらうと同時に、われわれもまた農業団体にもこれをよく話を申し上げたいと思っておりますが、それもさることながら、どだい基本のとり方が違っております。そういうところでかみ合わない。こんなことを幾らやっていても、毎年同じようないわゆる茶番劇と言われたりショーと言われるような大会に終始し、貴重な時間と貴重な金を使って、全国からはせ参じてあの悲壮なまでに叫んでいる農民が、いつも地元へ帰って報告する資料も持たずに帰っていく。こういう姿を見るときにわれわれも本当に忍びない思いでいっぱいであります。 そういったことで、この諮問米価の算定についての食い違い、これは本当に問題でありますが、この算定の中で家族労働費はこの算定要素の約二分の一でありますが、なぜ農業の労働者が一般の労働者よりも低い賃金に甘んじねばならぬか、どうしてそんな賃金に甘んじていいのか。こういつたことについて農林大臣、あなたはいわばその主管大臣でありますが、どういうふうにお考えであるか、その点をまず最初に承りたいのであります。
○安倍国務大臣 私も、同じ生所方式でありながら政府の算定方式と農協団体が掲げる算定方式との間に非常に大きな隔たりがあるということにつきましては、非常にこれは不幸なことであると考えております。やはり生所方式でございますから、この考え方につきましても今後十分話し合いをしながら何とかコンセンサスを得るように努力をしていかなければならぬ。そういうところに農民の皆さんの生所方式に対する信頼というものが生まれてくるのではないか。ですからこれは、こういうふうにお互いに相隔たった違う土俵で相撲をとっているようなことは非常に残念なことであると考えておりますし、そういうたてまえから今日までも農業団体の皆さん方ともいろいろと話し合いをしてまいったわけでございますが、なかなか結論には達しなかったわけでございます。しかし、今後生所方式を進める中で、いろいろな問題点につきましてはできるだけお互いにひとつコンセンサスの得られるような方向に、これは非常に困難な問題ですが、できるだけの努力は試みてみなければならぬ、そういう気持ちを持っておるわけでございます。 そこで、農林省と団体との間の非常に大きな算定方式の考え方の差の一つに労賃の評価がえの問題があるわけでございますが、団体の方はいまお話しのように全規模をとれということでございます。われわれは五人以上九百九十九人、千人未満というところをとっておるわけでございます。それを全規模をとれということでございますけれども、これについては問題があるというふうに私たちは考えておるわけでございます。いろいろな問題があるわけでございますが、米作の農家の所得均衡を考える対象として非常に巨大な企業までも含めるにはやはり無理があるのではないか、中小企業従事者の賃金を対比させるのが米作の場合を考える上においては妥当ではないかということでございまして、その理由としては、賃金の計算上ウエートの高い巨大な企業の賃金まで含めて都市均衡労賃を算定すると、他の作物の価格に比べまして米価が非常に有利になってきて、米の生産に非常に刺激的になってくるというおそれがあるというふうに私は考えております。しかしなお中小企業労賃とは言いましても事業規模でいくわけですから、その中には大企業の事業所の賃金もかなり含まれておるわけでありまして、実際の中小企業従事者の賃金よりはかなり高い水準にわれわれの評価がえの賃金はあるということでございます。その点については団体側との間にやはり意見が根本的にかみ合わない、これは残念でございますが、いたし方ないと思います。
○瀬野委員 農林大臣、そこで農協米対中央本部が五日の午前十一時前から農林大臣に申し入れをした際に、農林大臣は、今回の米価に当たっては、一挙にはいかない、これまでも一歩一歩農政の前進のために努力をしてきた、ことしも米価は私が責任を持って決めたいが、しかしおのずから限界がある、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、おのずから限界があるというのはどういう意味の限界でございますか。それもこの際ひとつ明らかにしていただきたい。
○安倍国務大臣 農業団体とはいろいろの問題で話し合ったわけでありますけれども、またしょっちゅう話し合っているわけでありますが、農政を推進しなければならないということにつきましては、お互いに根本的に意見は違わないわけであります。そういう意味で、私は農林大臣に就任以来、いろいろの農政上の諸問題についての前進のために全力投球もしてまいったわけでありますし、六十年目標を掲げて、長期政策のもとに、五十一年度予算につきましても相当各方面から歓迎をされた予算編成も行ったわけでございます。そういう中にあって、米価というものをどういうふうに決定していくか、私は、この決定に当たっては、私のいわば農政に対する姿勢を反映して、これに対しては誠意を示していかなければならない。同時にまた、米が過剰であることは事実でありますが、過剰であるからといって農家の生産意欲を著しく減退させるようなことがあってはいけない。生産意欲を持ちながら、再生産が確保されるような方向で、過剰な事態にあるとはいえ米価というものを決定をしていかなければならぬということで努力をしてまいったわけでございますが、御案内のように昨年の一四・四%上がった米価の算定方式によると、非常に低い二・五%という数字にしかならぬわけでありまして、算定方式をいたずらに動かすべきではないというのがいままでの議論でございました。これは確かにそのとおりであろうと思うわけでございますが、しかし算定方式を動かさないでそのままくれば、二・五%という数字にとどまるわけでございますから、これでは余りにも米価というものに対していろいろと問題が出てくる、米生産というものについても問題が出てくるということを私はいろいろの角度から配慮をいたしまして、その算定要素の基本は変えないで、しかし過度に米に影響のある面については調整を行って、五・二%という数字にいたしたわけでございます。これには私は私なりに私の米価に対する誠意を反映ができたというふうに判断もいたしておるわけでございます。したがってそういう面で私の誠意を尽くしております。 ただ限界というのは、農業団体の御要求というものは三〇%というふうな非常に高い御要求があるわけでございまして、そういう御要求をそのまま米価に反映させるということにつきましては、これはやはり政府としての限界があるということを私は申し上げたjただ、基本姿勢として農政をお互いに推進さしていかなければならぬ、お互いの意見の食い違いというものはできるだけ話し合いの中で一致させるような方向に努力をしていかなければならぬということは私はずっと一貫して申し上げておりますし、私もその考え方というものは現在に至っても変わらないわけであります。
○瀬野委員 農林大臣、そこでいま昨年の算定方式を動かさずにいけば、二・五%という数字が出てくる。これは新聞でも報道されておるのでわれわれはかねがね見ておりましたが、この二・五%では余りにも米生産に問題が出てくる、いろいろな要素が出てくるから、基本は変えないけれども五・二%にした、こういうふうなことでいまも大臣から答弁がございました。それならば、百歩を譲って二・五%——昨年の算定方式でいけば二・五%。そうすると、今回五・二ということで低米価に抑えてあるけれども、その差というものは二・七%ということになっておりますが、それでは二・五というふうに算定が出たにもかかわらず、五・二として二・七%アップした。この中身、すなわちその算定要素はどういうことになっているか。先ほど簡略に微調整その他云々ということであったけれども、具体的にこの二・七%はどういう要素でこういう積算をしたということを私は大臣から説明願いたいのです。 御存じのように、すでに数日前、テレビ、新聞等で五・一%というようなことが報道された。農林省は当初何か五・一%を考えていたようですけれども、新聞、テレビ等で先手を打たれたので、これではということで、その後大蔵省と折衝して〇・一%上積みし、五・二%にして諮問をしたというふうなことが言われて、何かしらそこに政治的配慮みたいなものが動いている。どうも不愉快な気がしてならぬ。そういった意味から、低い米価であるけれども、二・五を五・二にされた、その差二・七%アップの内容を具体的にこの機会に明らかにしていただきたい。
○二瓶説明員 前年の方式でありますと大体二・五%アップということになりますが、今回五・二%アップ、差し引き二・七%の差があるわけでございます。この面につきましては、本年の特異の事情といたしまして、これまでの賃金なり物価等の著しい鎮静化の傾向が見られるわけでございますが、これが米価に過度の影響を与えることのないよう慎重な配慮を加えるということで若干の修正をやっております。 そこで、まずこの二・七%の内訳でございますが、一つは一・五%分、これは都市均衡労賃の算定に当たりまして調整係数というものを用いました。この関係で一・五%アップでございます。それから第二番目には、〇・七%アップ分というのが一つございます。これは米生産費パリティ指数の計算期間を従来一月から五月平均を使っておったわけですが、これを十一月から五月平均というものに改めたわけでございます。その関係が〇・七%。それから第三番目に、〇・五%分がございますが、これは資本利子の算定に用います利率、これを据え置いたという形のものが〇・五%分でございます。金利の水準は最近下がっておりますけれども、これを据え置いた、その関係でございます。合計いたしますと二・七%に相なります。 以上でございます。
○瀬野委員 ことしの米価は農林大臣が責任を持って決めるというふうに何回もおっしゃっておりますが、いまの算定要素を聞いても、いわゆる五・二に合わせるためにいろいろな要素のとり方を逆算してとっているということは明らかであります。これを一々言っていると本当に時間もない上にばかくさくなりますけれども、私はこういったことが、どうして現在の米価についてこのような算定の方法でしなければならぬかというところが実に残念でならぬ。 そこで、私は後で新聞を引用してどうのこうのというわけでもないけれども、農林大臣は新聞も見ていると思うが、これも私は実にけしからぬ問題だと思う。きのうの七月六日の読売新聞の夕刊です。きょうの朝刊にもいろいろ出ております。持ってきておりますけれども、一々全部読み上げません。一つちょっと例を挙げますけれども、「五・二%上げ諮問農相一任生産者米価」という見出しで、「政府は、六日午前九時から首相官邸で大平蔵相、福田経企庁長官、安倍農相の三閣僚会議を開き、五十一年産米の政府買い入れ価格(生産者米価)と同売り渡し価格(消費者米価)について協議した結果、生産者米価の政府諮問案は、農相一任とした。」これはテレビ、新聞でも報道されているから、当然の、すでに行われたことであります。「これにより、安倍農相は、生産者米価を五・二%引き上げる政府諮問案を今夕までに決定、七日からはじまる米価審議会に諮問、答申を得たあと、さらに約一%政治加算をし、最終生産者米価を六・二%程度とすることで自民党総合農政調査会、同政調審議会、総務会などの了承を得る意向である。消費者米価については、生産者米価決定後、再度、三閣僚会議を開き協議するが、この日の会議で、福田副総理から物価抑制の強い意向が示されたため、一ケタ台の九・八%前後の引き上げに落ち着く見通しとなった。」以上ですけれども、消費者米価についてはもう何回もこういったことが報道されているから、われわれも一応ここで検討に入っておりますが、いずれにしても、この新聞にもありますように、すでに五・二%引き上げるということが周りでわかっておった。そして今回のこの新聞を見ましても、また私が巷間いろいろな関係で伝え聞く、またわれわれのはだざわりで情報を入れる中でも、もうすでに米価の最終決定は六・二%、こういうふうになっておる。いわゆる微調整というものが普通一%以内ということで大体考えられますから、一%以上ということはないので、五・二であれば微調整、政治加算をして一%、そうすると六・二。ところが、選挙もあるということからいろいろ圧力もかかり、これじゃいかぬというので〇・一、二はふやす。これは大蔵省との相当の折衝も要るでしょうが、六・四ぐらいには何とかと言って、自民党の立場からもぜひこういった加算をしたいというような動きがあることも、新聞でもいろいろちらちら出ておるし、そういったことがわれわれの耳に入ってくる。そうなれば、すでにもう米価審議会に諮問したそれ自体が、米審が形骸化されているということになるし、まことにけしからぬ問題でもあると思うが、大臣はこの新聞を見られてどういうふうに御感想をお持ちであるか、その点まずお伺いしたいのであります。
○安倍国務大臣 新聞の報道は自由でございますから、自由な取材に基づかれて書かれたわけでありますが、まだ現在、私は米審に対して諮問をいたした段階でございます。この諮問につきましては、われわれとしては適正な諮問である、試算値である、こういうふうに考えて諮問をいたしたわけでございますから、これはこれから十分米審で御論議をいただかなければならぬ。また、国会の御論議も続けて行われるわけでございますが、そうした御論議を終わった段階において、与党である自民党とも相談もしなければならぬことは事実でございます。そうして後で、政府間の、部内の調整を図って、最終的に私の責任において生産者米価を決定するということになっております。したがって、どういうふうな形でこれが決まるかということは、現在まだ申し上げる段階には至ってないし、そういう状況にもないわけでございます。
○瀬野委員 大臣は、当然そういうふうに答えざるを得ないと思いますけれども、どの新聞にもそういったことが書いてあるし、また従来から、新聞は書くのは自由だとよくおっしゃるけれども、やはりその意図があらわれているから新聞は書くわけで、まあ十日にはその結果が出るわけですが、恐らくそんなことじゃないかということで、農民団体もわれわれも頭に来ているわけです。こういったことは本当に茶番劇というか、サル芝居みたいなことで、けしからぬ問題だと思うのです。それならば、政治加算ということをしない方が本当だ。政治加算をせずに当初から諮問案でいくべきだと、私はこう言いたいわけです。どうせ結果はあと三、四日したらわかるわけです。これは政治加算の部分もあると思うわけですけれどもね。そういったことを私はいつも毎回申し上げるが、大臣もそういったことを含めて諮問をしてもらわなければ、微調整をするとかいうようなことでやられると、まことに不愉快千万と私は言いたいのです。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 それにしても、六・四、これじゃ農民はとても怒ります。こんな米価ではわれわれは納得できない。いわゆる六十キロ当たり二万百二十円という最低米価、これは昭和四十年から据え置かれたあの経緯を見ましたときに、すでに三〇・九%のアップは当然のことであります。大臣もよく御存じだと思います。そういう意味で、再度米価の諮問をやり直す、再諮問をするということで十分検討してもらいたい、かように思うわけです。 そこで、大臣にさらにお伺いしておきますけれども、今回この米価決定に当たって低米価で諮問されたために、去る七月三日には農協米穀対策中央本部では岩持本部長を中心として声明が出されております。「米審に提示される政府の試算米価は、われわれの要求を無視し、極めて低いことがつたえられている。われわれは、かかる低米価が米審に諮問されるならば断固としてこれを拒否し、農協代表者は直ちに総引揚げを行ない、現地において、全国統一の抗議行動を起すものである。これによって生ずる混乱は、挙げて政府の責任である。以上、声明する。」こういうことで声明が出されています。この声明を大臣もよく承知であると思いますし、また報道機関にも報道されておりますが、きょう諮問されて予想どおりの低米価であるということで、明日は米審の生産者代表四名は恐らく退場するということになる。そしてまた要請活動、農民団体等の行動も、現地において倉庫前の集会、抗議活動ということで、今後出庫停止の問題とかいろいろなことが起きてくる、こういうことになると国民の生活に与える不安は大きいものがあります。これはいわゆる農民の労働費並びに算定要素を政府が踏みにじった結果こういうふうに抗議行動が起きていろいろな混乱が起きたということになりますと、これは挙げて政府の責任であることは当然であると思う。そういったことを予想しましたときに、大臣はどういうふうに対処されるのか。こういったことが起きたのでは大変であると思いますが、それのお考えを大臣に承っておきたい。
○安倍国務大臣 せっかく政府も誠意を尽くしてその結果諮問をいたしたわけでございますので、米審におきましても十分慎重な御論議が行われることを心から期待をいたしておるわけであります。混乱が起こるとかそういうことがないように私は心からこれを祈っておるわけであります。
○瀬野委員 時間が参りましたので、最後に一問この機会にお伺いして終わりにします。 食管制度における財政負担のあり方というもの、並びに事務費、人件費について一般会計移管の方向を明らかにしてもらいたいということでありますが、御承知のようにお米は農民から高く買い消費者に安く売る、この差は逆ざやであります。大体米に対して赤字、赤字ということを言うから国民も何か全く赤字みたいに変に印象づけられるけれども、これは逆ざやで食管では当然認められた当然の措置であり、二重米価制は当然であります。また米の全量買い上げは当然であり、買い入れ制限は撤廃すべきである、かようにわれわれは言っているわけです。 そこで食管制度における財政負担でありますが、本来国が負担をすべきものはこれは損失として取り扱わないようにしてもらいたい。食管の米勘定における国の財政負担というものは政府管理経費と配給経費とすることが妥当であるとわれわれは主張しているわけです。すなわち政府が米を直接管理し、配給の責任を負っているからでございます。こういったことで、赤字損失でなくて、政府の一般予算と同様、経費でありますから、そういったことを政府は一般費で見るというようにしてもらいたい。以上、お答えを簡単にいただいて質問を終わります。
○安倍国務大臣 食管における政府の管理費あるいは人件費というものは別建てにしたらいいじゃないか、これはしばしばそういう御議論もあるわけでございます。しかし現在食管の中においてこれが含まれておることも事実でございます。そして私としてはこれは財政上の見地からではなくて、農林予算の中に食管が含まれているという現実の問題の中から、逆ざやというものはやはりできるだけこれを縮小していく、そしてやらなければならない農政というものを積極的に進めていかなければならぬ、私はそういう農政上の見地から逆ざやの縮小というものを叫んでおるわけでございます。
○瀬野委員 以上で終わります。
○湊委員長 次に、稲富稜人君。
○稲富委員 私の持ち時間がずいぶん食い込まれておりますし、私次の会場にまた行かなければいけない関係もありますので、簡略に質問いたしますので、大臣もひとつ簡略に御答弁を願いまして、なるべく早く切り上げたいと思っておりますので、御承知を願いたいと思います。 まず私は、米価の時期になりますと毎年同じようなことを繰り返して質問しなければいけないということを本当に遺憾に思っております。昨年もそういう意味から、米価の決定方法というものを何とか考えたらどうかということを、私は大臣にも数回にわたって要望したのでございますけれども、ついにそれもことしもできなくして、従来と同じような形で米価決定方式がやられるということは最も遺憾に思います。そこで、ここで申し上げたいと思いますことは、いろいろありますが、米価の決定に対しましてはその算定方法によっていろいろ異なるものでございます。しかし、この内容等につきましてはすでに先刻から同僚各位よりいろいろ質問があっておりますので、そういう具体的な問題は私は省略いたしまして、大局的な見地から二、三質問をいたしておきたいと思うのであります。 まず最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、米価の決定というものが米の再生産に非常に大きな影響があるということはすでに御承知であるし、これは食管法でも明らかにされておるのでございます。それで私は、本年度非常に米価を安くしょうというような考えを政府は持っていらっしゃるようでございますが、一体政府は、今日の国際的な食糧需給の逼迫がどういうような状態にあるかということをどの程度に受けとめられておるかということをまず第一にお聞きしたい。 さらに第二にお尋ねしたいと思いますことは、農民は国民に対して長期的に食糧を安定供給するところの義務があるわけでございます。すなわち、国民に食糧の不安を与えないようにするという使命が農民にはあるわけであります。これは食管法におきましても米の再生産を確保することを旨とするということがうたわれておるわけでございますが、この国際的な食糧の逼迫をどの程度に政府は認識されておるかということと、今日置かれております農民の食糧を安定供給する義務づけというものをどのくらいの程度に評価されておるか、この点をまず承りたいと思うのであります。
○安倍国務大臣 最近の世界における食糧の情勢というものは非常に厳しいものがあるわけでございます。去年はソ連が大不作であった、アメリカが大豊作であるから何とか均衡はとれたとはいえ、在庫というものも総体的に非常に減ってきておるわけでございます。これからの人口の伸びあるいは生活水準の向上というものを踏まえてみましても、私はこれからの世界の食糧事情というものは、一時小康を得るようなことがあっても、全体的には逼迫の基調で進んでいくのではないかと判断をいたしております。そういう中にあって、わが国が一億一千万人の食糧をいかにして確保するかということは、これは農政上の最も大きな課題でございます。そのためには、何としても第一には食糧の自給力をできるだけ可能な限り強化していくということは当然でございますが、しかしまた同時に、どうしても国内において資源的な制約があって生産できない農産物につきましては、外国からの安定輸入といったことも図っていかなければならぬ、あるいは備蓄の問題ということもこれからの大きな課題としてわれわれは取り上げていかなければならぬわけでございます。これが私の農政、今日の世界の事情から見てわれわれがやらなければならぬ当然の任務である、責任であるというふうに思っております。
○稲富委員 それほど農林大臣みずからが御認識なさっておるとするならば、この米価の決定に対しましては食糧管理法を厳正に運用するという、こういう立場に立って生産者米価というものは決定すべきものである、かように私は考えております。もちろん先刻からの答弁を聞いておりますと、食糧管理法に基づいて米価を決定した、かようにおっしゃっておりますけれども、私たちが見ると、この食糧管理法というものが厳正に運用されて生産者米価が決定されている、諮問をされておるとは思われないのでございます。私たちはそういう点から考えて、政府はどうも今日までの考え方というものを見ますと、従来生産者米価が上がれば物価及び労働賃金が上がると称し、生産者米価を据え置きにしたという時代もあります。またできるだけ生産者米価を低米価にしたい、こういうような希望を持って今日まで米価対策に処せられたという事実もたくさんあるわけであります。ところが、今度は労働者の春闘相場が上がらなかった、こうなりますと、それを理由に生産者米価をまた抑えようとする。こういうようなことを考えますときに、いま農林大臣は、農民の持つ使命というものは非常に重大だ、こういうことを口にはおっしゃいますけれども、一体農民の社会的地位というものがどういうような状態にあるかということをどのくらい評価していらっしゃるのか、率直なところをひとつ承りたいと思うのであります。
○安倍国務大臣 国際的なそうした食糧の非常な逼迫の基調の中にありまして、わが国は世界でも最大とも言える食糧の輸入国でありますが、その中にあって、国内の最も重要な農産物である米が残念ながら過剰の基調にあるということは事実でございます。われわれはそうした事態を踏まえて、やはり米につきましては需給の調整を図りながら、米以外の重要な農産物について水田総合利用対策等も進めまして、増産というものを図っていくために懸命な努力をしております。あるいはまた米につきましてはやはり国民食糧の確保ということで在庫の積み増しも行っておりますし、消費拡大等につきましても積極的な努力もいたしておるわけでございます。したがって、そういう意味で米は主食でありますし、あるいは農民にとりましては最大の農産物でございますから、そういう点を十分配慮しながら、米の価格決定に当たりましては、このまま過剰状況を続けていくということはこれからの米対策というものを考えるときに非常に問題が出てくる可能性もありますから、そういうものは十分踏まえていかなければならぬわけですが、同時にまた米が非常に重大な農産物である、そしてこの価格決定に当たっても不況の影響というものをストレートに米価に反映させるということは、やはり重要農産物であるという米の位置づけから見て問題があるということも配慮いたしまして、私たちは法律の趣旨にのっとって、再生産を確保するという前提のもとに今回の諮問値の決定をいたしたわけでございまして、われわれとしてはこれでもって米についても再生産を確保しながら、農村における米の生産意欲というものはやはり確保しながら米対策を進めていくことができるというふうに判断をいたしておるわけであります。
○稲富委員 私は安倍さんの性格もよく知っておりますし、あなたの人柄もよく知っておりますし、まじめな方であるし、うそを言わない方であるということも十分知っております。また、ただいまおっしゃった意味もよくわかります。あなたはそういうような意味を十分考えて農政に携わっていらっしゃるだろうと思います。しかしながら、今回お示しになりましたこの諮問米価というものを見ますと、食管法の趣旨に基づいて決定したとは言われますけれども、本当に食管法第三条の規定には沿っていない。いかなる圧力があなたに加わっているか知らないけれども、私はこの点を最も遺憾に存ずるのであります。すなわち、御承知のごとく、食管法の第三条の二項には、「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」ということにはっきりなっておる。この食管法に基づいてあなたは試算米価もつくったんだ、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、私たちが実際のその算定の基礎を見ますると、わざわざ安い米価に決定するような試算の方法をやられている。あなたのおっしゃることと実際の決定というものが非常に違う。ここが私はあなた個人に対しても遺憾に思うところです。どういう圧力が加わっておるか知りませんけれども、本当にあなたがいまおっしゃったように食糧の重大性を考え、農民の地位の重大性を考えて健全なる農業経営のできるような状態にするとするならば、やはり生産者米価というものは、農民の本当に希望するような生産費を率直に認めて試算米価をはじき出すべきものである、私はかように考える。これがいかないことを私は最も遺憾に思うわけでございますが、これに対してどう思っていらっしゃいますか。どういう圧力が加わっているのか。あなたは農林大臣だから、いまあなたがおっしゃったようなことを率直に実行されるならば、いま諮問されているようなああいう安い価格なんか算定できないはずなんですよ。この点が私は腑に落ちないから、あなたの考え方を率直に承りたいと思うのです。
○安倍国務大臣 率直に申し上げますが、去年の算定方式によって一四・四%去年は米価が上がったわけでございます。そしてあの算定方式というものは米審の御了解も大方得られましたし、国民的にもある程度の理解が得られた。これで算定方式というものはある程度定着をしていくのじゃないかというふうに考えたわけでございます。したがって、今回はその算定方式によってやれば十分であるというふうな判断も、実は試算をする前には率直のところあったわけでございますが、それによって試算をしてみたところが大変な物価、賃金の情勢の冷え方が反映をされまして二・五%という数字に相なったので、私も実はいささか驚いたのが偽らない気持ちでございます。しかし、去年の算定方式でやればそういう結果になるわけでございます。 しかし、その中にあって、われわれこれで果たしていいのだろうかという点も考えたわけでありますし、過剰の中にあっても米の重要性というものは認識しているわけでございますので、やはりそうした去年の不況の影響をストレートに米価の中に反映させるという去年の算定方式の基本は変えなくても、これは修正をしなければいかぬのじゃないかという気持ちになりまして、いろいろと事務当局で努力をした結果、御案内のような五・二%という数字までが積み上げられたわけでございます。しかし去年の算定方式を基本とするという中で筋を通す限界ということになりますと、この辺におさまらざるを得ないわけでございます。そういうことで今回五・二%という試算値でもって諮問をいたしたわけであります。私は去年の算定方式は決して間違ってはいないのではないかというふうな判断も持っておりますし、これでもって十分昨年も米の再生産は確保されたわけでありますし、幸いにして豊作であり、反収も非常に伸びたということもあったわけでございますが、非常に農業所得というものも伸びた。ですから、やはり去年のそうした算定方式に一部修正を加えて今回これを提案した。これでもって私は米の再生産は確保できる、食管法の趣旨は貫いていくことができる、こういうふうに考えております。
○稲富委員 本年度の米価を決定するのですから、去年の算定方式だけを考えて参考にする、こういうようなことでは本当に五十一年度の米価決定に対して沿うものではない、かように私は考えます。 私は食管法の問題につきましては、この問いやというほどあなたにいろいろ質問いたしておりますので、食管法の問題については今日もう繰り返しません。ただ、こういうような示された試算米価、こういうようなことから編み出される本年度の米価決定で、果たして農民が米穀の再生産を確保するような生産意欲というものが本当に出るかどうか、ここを私は非常に憂慮する。去年の算定基礎によって米価決定した、しかしながら生産は非常に上がったんだと、こう言われる。しかし、これは農民は本当に不満ながら今日までやっているのです。全く今日の農村の状態というものは——農民というものは徳川時代から支配階級に利用されるような生活しかやっていません。それと一つも変わらない状態で、何でもしわ寄せは生産者米価にやってくる、農民にやってくる、こういうようなことをやっておりましたならば、農民の生産意欲はなくなりますよ。先刻申されたような国際的に食糧問題が非常に重大であるときに、食糧というものは非常に自給体制を進めなければいけないという、こういうように自給を唱えながら、農民がもしも食糧生産に対して意欲を喪失するというようなことになるならば、これこそ私は取り返しのつかないことになる、かように考える。こういう点から考えると、私は、いろいろな米価の決定に当たりましては、なるだけ安くさえすればいいのではなくして、率直にその生産費を認めて、しかも農民に対して生産意欲を持たせる、希望を持たせるような米価決定をするということが、政治としての当然やるべき道だ、かように考えます。そういう意味からいって、私たちは今回示されましたこの試算米価、いわゆる諮問された米価というものは非常に不満な米価である、かように考えます。先刻から各同僚委員がことごとく言っておりますように、こういうような米価、いかにも算定方式というものが安くしよう、こういうようなことからのみ材料を編み出してやられた、こういうことさえも疑われるような状態でございますので、これは本来から言うならば政府は取り下げて、いま一度十分再検討して、そして諮問をし直す、このくらいの考えを持って対処することが、政府が農民に対して報いる誠意あるあり方である、かように私は考えます。本当にあなたが農村の重大性を考え、食糧の重大性を考えるならば、そのくらいの態度にひとつ出られることが妥当である、かように考えますが、いかがでございますか、承りたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 農政、農業の将来につきましての基本的な考え方については、私も稲富委員の考え方とそう変わってはいない、こういうふうに考えております。農作物の中で米が最も重要な農作物であるということも十分認識もいたしておるわけでございます。ただ問題は、私はいつも過剰過剰ということを言うということでいま御批判をいただいておるわけでございますが、しかし、現在確かに米というのが過剰の基調にある、そしてことしの十一月には二百三十万トンという在庫の状況になってまいりますし、またやはり自己開田等も各方面でいろいろと進んでおる、あるいは生産調整も、現在の状況を見ますと、われわれが期待しているほどにはなかなか進んでないというふうなことも考え合わせますと、この状況が続いていくならば、やはりますます米についてのみの過剰というのが深刻化して、四十年代についに三年間米価の据え置きをしなければならぬ、食管法の再検討をしなければならない、休耕田まで含めた生産調整対策まで踏み切らなければならぬというふうな苦い経験をわれわれは持っておるわけですが、米が過剰という事態が著しくなると、そういうふうなところまでまた進む可能性はあるわけで、そういう二の舞はわれわれは踏んではならないということも実は私としては考えざるを得ないわけでございます。したがって、そういう中にあって米の重要性というものは十分認識しながら、しかしやはり他の農作物の生産奨励もやっていかなければならぬ段階において、米だけがいたずらに生産刺激的になるということは今日の段階においては避けていかなければならぬことも、これは農政全体を考えると私はやはりやむを得ないことではないかと思うわけでございますが、そういう大前提には、やはり食管法の趣旨に従った米の価格というものはもちろん再生産を確保するという中で決めていくわけですから、その中でいろいろとやった試算が、去年の試算どおりやったところが非常に低い数字が出たということで、これに対して修正を加えたわけでありまして、生産費所得補償方式は、いろいろと先ほどからも議論——われわれもいつもその点については考えざるを得ないわけでありますが、非常に幅が広いといいますか、農業団体が要求しておる価格の算定方式も一もちろん生産費所得補償方式であるし、政府がやっておる算定方式も生産費所得補償方式である。それが土俵が違うほど非常に幅が広い。これはお互いに不幸であるし、その生産費所得補償方式のいろいろな問題点というのは、今後生産費所得補償方式というのはいかなる形にあるものかということは、いろいろとわれわれが今後本当に検討していかなければならぬ問題がずいぶんあるし、今度の米価につきましてもそういう感を深くするわけでございますけれども、しかし去年の算定方式、それに修正を加えて現実問題としてはやらざるを得ないということでわれわれはこれでやったわけでありますし、去年一四・四%上がったわけでございますから、その後の周囲の情勢が非常に鎮静化したということが米価にも反映をした。過去三年というものを基準にして反収、労働時間でやるというところに米価決定の問題もあるわけでございますが、そうしたいろいろな問題を考えて今回やった。いろいろな批判はあるわけでございますが、私は今回の諮問——これは諮問で、さらに御論議を賜らなければならぬのですが、この諮問によって農家が著しく生産意欲が減退して米の生産が減ってくるとか、そういうふうなことは決してあり得ないことであるというふうに思っております。やはり再生産は十分確保される価格ではないかというふうに最終的には判断をいたしておるわけであります。
○稲富委員 どうも大臣の話を聞いておりますと、米が生産過剰になっておるから価格が上げられないような、あなた非常にそういうような気でいらっしゃるようだけれども、食管法には米が生産過剰になった場合は米の生産費は安くしろと書いてありません。「経済事情ヲ参酌シ」と書いてありますが、その経済事情を参酌してということは、米が過剰になった場合の問題を示したものではないのでございます。この点を大臣は、米が生産過剰になっておるから生産者米価を上げてはいけないのだというような、しかも農民がこれによって生産意欲をなくする、米の生産が少なくなるようなことはないのだ、こうおっしゃっている。農民は引き合わないけれども泣く泣く今日生産しているのです。農民の心情というものを余りに知らな過ぎるのですよ。農民は米をつくらなくちゃ生活ができないから、引き合わないでもつくっているのです、泣く泣くつくっているのです。そうしていま御承知のとおり、ほとんどこれは米だけで生活しているのではなくて、ほかの仕事に出かせぎに行きながら農家経営を今日維持しているという状態なんです。この点を農林大臣は十分考えなければ、ただこれが生産過剰であるがゆえに米価を高くされないのだというようなことは、あなたはさっきは食管法に基づきながら米価決定されたと言っているけれども、食管法でそういうことをうたってないのです。この点は私はあなたの根本的な考え方が非常に違っていると思うのです。 余り質問しておると時間がありませんので、こういう点に対しましては、あなたは諮問されて答申が出ましょう、答申が出てから最後の決定権は政府にあるのですから、あなたが政府の決定をされる場合には、この点も十分考えながら諮問米価よりも大幅な決定をする、そうして農民の希望にこたえる、農民が再生産に意欲を持つような米価決定をする、こういうことが農林大臣の大きな役割りであるということを十分考えて処していただきたい、かように考えますが、あなたの決意のほどをひとつ承って私の質問は終わることにいたします。
○安倍国務大臣 米の過剰というのは、食管法に基づきましてやはり経済事情を参酌しなければならぬというその中において十分これは考えていかなければならぬ。四十年代に生産者米価を三年間据え置かなければならなかった。その背景には、やはり米が非常に過剰であったということがあったことも御存じのとおりでございます。しかし、ただ米の過剰だけをもって私は米価をいたずらに抑制しようということじゃないわけでありまして、やはり食管法の再生産を確保することを前提として決めなければならぬわけでございますから、これは十分前提として今回も諮問をいたしたわけでございまして、私としては誠意を持ちまして、いろいろな批判はありますけれども、誠意を持ちましてできるだけやはり生産農家の生産意欲にこたえていかなければならぬということも十分反映をさして今回の諮問にいたしたわけでございますが、これからの御論議も、米審、国会でもいま承ったわけでございますし、そういうこともいろいろと今後の最終的な決定の中にあっては考えながら最終的な結論というものに持っていかなければならならぬ。しかし今日諮問したばかりでありますし、私たちはこの諮問というものは、十分この諮問値でもって再生産は確保できるというふうに判断をして、適正な米価である、こういうことで判断をして出したことは、御納得はいただけないと思うわけでございますが、御理解はいただきたいと思います。
○稲富委員 もう発言せぬつもりでございましたけれども、どうも大臣、あなたは生産が非常に過剰になっておるから、これは「経済事情ヲ参酌シ」云々ということを言われるが、この食管法に書いてある「経済事情ヲ参酌シ」ということは、生産過剰になっておるというものを示したものじゃないのですよ。米が生産過剰になっておるから、これは「経済事情ヲ参酌シ」となっておるから、これによって生産者米価を安くするというあなたの考え方というものは基本的に私たちは考え方を直してもらいたい、かように考えております。 きょうはもう時間がありませんから、この問題はまたの機会にひとつ問わなくちゃいけないと思いますけれども、この考え方は非常に間違った考え方だということでひとつ検討していただきたい、こういうことを申し上げまして、私の質問を終わります。 ————◇—————
○湊委員長 この際、昭和五十一年産米価決定に関する件について決議をいたしたいと存じます。 本件に関しては、各党の理事間におきまして先ほど来御協議を願っておったのでありますが、その協議が調い、ここに案文がまとまりました。便宜、委員長から案文を朗読し、その趣旨の説明にかえたいと存じます。 昭和五十一年産米価決定に関する件(案) 今回政府が米価審議会に提示した試算米価は生産農民の要望と期待に応えたものとは言えない。 よつて政府は、昭和五十一年産米価の決定に当たっては、食糧管理法第三条の趣旨を尊重し、試算米価に検討を加え、生産費および所得を十分に補償し、米の再生産が確保される適正な水準に引き上げるべきである。 右決議する。 以上でございます。 ただいま読み上げました案文を本委員会の決議といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は委員会の決議とすることに決しました。 この際、本決議に対し政府より所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 今回政府が試算いたしました昭和五十一年産米の政府買い入れ価格につきましては、ただいま米価審議会におきまして審議中でもございますので、その答申も承りました上で、ただいまの御決議につきましては十分検討の上、適切に措置してまいりたいと存じます。
○湊委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十五分散会