農林水産委員会 第10号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/05/13
会議録
○湊委員長 これより会議を開きます。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案及び野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案、以上両案を議題とし、審査を進めます。 両案に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案並びに農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について農林大臣並びに大蔵省当局に質問いたします。 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案から逐次お伺いしてまいりますが、本論に入る前に、冒頭、野菜の定義として、どういう定義づけをしておられるか、農林大臣にまず御見解を承りたいのであります。
○今村(宣)政府委員 野菜の定義でございますが、野菜は一般的には人間の副食物に供される草本性植物の根、茎、葉、花及び実、実は穀粒を除きますから、穀粒を除いた実でございます。それから第二はキノコ類でございます。それから第三は、一部の木本性植物の葉及び実、たとえばサンショウの葉だとかイチョウの実ギンナン、こういう物を野菜というふうに定義をいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 野菜の定義を最初にお伺いしましたが、逐次質問に入ってまいります。 まず最初に、指定消費地域が現在の十三地域から今回七地域ふえて二十地域になるわけでございますが、二十地域に指定されるに当たって今回七地域のみにしぼった理由はどういう理由であるか、それをお伺いしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 今回七地域を五十一年度で指定をいたすことにしましたのは、一つはこれらの地域におきます都市が比較的人口の多い都市でありますし、同時に中央卸売市場の整備が行われておるところであります。それから同時にまた、野菜の消費状況その他の要素を勘案いたしまして七地域を定めた次第でございます。
○瀬野委員 熊本市等十五市が都道府県庁所在地であるにもかかわらず今回指定に含まれていない。また中央卸売市場所在の四都市もこれに含まれていませんけれども、これは将来どういうふうにお考えでありますか。
○今村(宣)政府委員 将来の方針といたしましては、県庁の所在地が十五都市まだ指定になっておりませんし、それからおっしゃいますように中央卸売市場所在の四都市が指定になっておりませんが、これらは逐次地元の体制の整備次第指定をしていく方針といたしておるところでございます。
○瀬野委員 地元の体制ができ次第ということでありますけれども、指定地域になっていないところは、二十万以上の都市で、言うまでもなく野菜生産地であって、とりあえず指定を受けたくないという地区もあるわけでございますが、指定消費地域の希望がなかったならば指定消費地域に加えないということであるのか、その辺は将来どういうふうになるのですか。
○今村(宣)政府委員 指定消費地域の希望がございますれば、なるたけそれに即するように措置をいたしたいと思いますが、希望にもいろいろございまして、数年先に何とか指定をしてもらいたいのでいまのうちからそういう意向を表明するということもございましょうし、あるいは完全に地元の体制が整い、要件にも該当する場合に、どうしても来年は指定をしてもらいたいというような性格の要望もございます。したがいまして、私たちとしましては、今回の制度改正によりまして、大体人口規模として見れば二十万都市のような地域まで広げるという方針にいたしておるわけでございますから、その方針に従いまして、地元の要望それから中央卸売市場の整備の状況その他を踏まえまして、できるだけ地元の要望に即するように措置をいたしたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 次に、野菜の生産、流通及び消費について学識経験を有する者七人以上が発起人になるように今回提案されておりますが、御存じのように野菜生産出荷安定資金協会は生産者対策であり、財団法人野菜価格安定基金は消費者対策であることは言うまでもございません。そういったことから、新基金は発起人をすべて学識経験者としております。中身は、いろいろお伺いするところによりますと学識者とは限らないということも言われておりますが、従来どおり生産、流通及び消費の代表者を発起人とすることから実質的には同じことであろうと私は思うのでありますけれども、間接的な指定方法を採用しておられますその理由を伺いたいのであります。 御承知のように野菜生産出荷安定資金の立場から見ますと、従来の会員制から登録制となるわけでありますから、会員だった出荷団体は登録団体となることになります。したがって、従来は、運営を会員でやっていたが、今度は評議員会を設けて運営をやっていくということになるわけでございます。すなわち財団法人野菜価格安定基金も入るということになりますので、これまでのようにはいかないようになることは当然でございます。したがって、間接的な指定方法を採用したということについてその理由を明らかにしていただきたい、かように思うわけです。
○今村(宣)政府委員 最近におきます野菜の消費の非常な多様化あるいはまた生産におきますその重要性等にかんがみまして、従来の野菜生産出荷安定資金協会の業務範囲では十分でないということもあります。それから同時に、財団法人であります野菜価格安定基金につきましては、その組織も小そうございますし、財政規模も弱体であり、このままでは将来増大いたします行政需要に対応していけないということで、これらの両機能を統合して新たに基金を設けることにしたわけでございます。 その場合、統合いたしまして新たな基金を設けますその構成といたしましては、従来の野菜生産出荷安定資金協会にございましたような会員制をとってございません。同時にまた出資の制度もとっておりませんので、その新たな基金を設立いたします場合には、従来のような、構成メンバーとなるべき者が会をつくるというふうな形を法制上とり得ないということがございまして、現在のような学識経験者七人以上による発起人の形をとったわけでございまして、それは法律上の新たな基金の性格によるものでございます。
○瀬野委員 いまの七人以上による発起人の構成の問題でございますが、法第二十五条に定められておりますけれども、どういう構成比になるのか、また業界の代表団体など、どういう団体を予定されているか、その点もこの際明らかにしていただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 発起人の構成でございますが、一つは野菜生産出荷安定資金協会の理事長、それから統合の片一方であります財団法人野菜価格安定基金の理事長、それから生産者の代表、消費者の代表、流通関係者の代表、地方公共団体の代表、学識経験者というふうなもので構成する予定でございます。
○瀬野委員 財団法人野菜価格安定基金が現在実施いたしております事業で新基金が引き継ぐものがあるわけですけれども、この際どういうものを引き継ぐか明らかにしていただきたい。
○今村(宣)政府委員 現在財団法人野菜価格安定基金が行っております全部の事業を引き継ぐわけでございます。したがいまして、今度の基金におきましては従来の資金協会の業務と、それから財団法人野菜価格安定基金の業務と、新たにつけ加えます特定野菜の制度、この三つを担うということに相なります。
○瀬野委員 今回新たに新基金の業務として実施されることになる事業について説明をいただきたい。
○今村(宣)政府委員 従来資金協会が行っておりました補てん金の制度に基づきます補給金の支出の業務がございます。それから財団法人野菜価格安定基金が行っておりました重要な野菜につきましてこれを買い入れ、保管し、売り渡すという業務がございます。それら二つの制度を統合いたしますと同時に、先ほど申し上げました特定の野菜につきまして各都道府県のそれぞれの指定野菜についての事業についての助成をいたす。それからなお、財団法人野菜価格安定基金が従来いろいろ行っておりましたたとえば保管施設の管理その他の基礎施設の設置、管理等につきましての事業をさらに拡充してこれを担当するということに相なるわけでございます。
○瀬野委員 従来野菜生産出荷安定資金協会等が行っておりました契約栽培は今後とも継続実施していく考えでございますか。
○今村(宣)政府委員 継続して実施する考えでございます。
○瀬野委員 財団法人野菜価格安定基金は端境期緊急対策事業を実施して、その対象野菜の品目でありますところのホウレンソウ、キャベツ、白菜等について出荷奨励を行ってきたわけでありますけれども、今後もこの事業を引き続き実施していくことになりますか。
○今村(宣)政府委員 最近における野菜の状況にかんがみましてそういう出荷奨励等を行ってきたわけでございますが、これは野菜の生産出荷の状況によりまして必要があれば実施をするということで、常に継続実施するかどうかについてはなお検討を要するものと考えております。
○瀬野委員 そこで、財団法人野菜価格安定基金が行ってきた事業は消費者対策としての事業の性質上、先ほども申し上げましたように利益を生ずる事業たり得ないものがあるわけでございます。現実に欠損をかなり生じているわけでございますが、どのくらいの欠損を生じているか、その点を明らかにしていただきたい。
○今村(宣)政府委員 御指摘のように資金協会が行います業務は利益を生ずるという業務ではございません。したがいまして、従来からもこれにおきまして欠損を生じましたときには国の財政支出によってこれを補てんいたしてきたわけであります。欠損金は五十年度におきましては大体五億円を含んでおりますし、欠損金の十四億につきましては特別基金よりすでに補てんをいたしておるような状況でございます。
○瀬野委員 この欠損についてはどう処理をしていくお考えですか。
○今村(宣)政府委員 これは予算のときに予算を計上いたしまして、国の一般会計の支出によって補てんをいたすわけでございます。
○瀬野委員 このような欠損が出たわけですけれども、運営上どういうところに欠陥があったのか、その原因はどういうように農林省はお考えですか。
○今村(宣)政府委員 これは消費者対策でございますから、たとえばタマネギならタマネギを保管をいたしておきまして、そうしてタマネギの価格が非常に高騰をいたした場合にこれを消費者対策として非常に安く売るわけでございますから、欠陥があって欠損が出たのではございませんで、政策的な処理によって出た欠損でございますから、したがいまして、その欠損につきましては一般会計をもって補てんをいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 念のために伺っておきますが、この欠損は幾ら多く出てもすべて一般会計から出す、こういうことに理解していいのですか。
○今村(宣)政府委員 欠損が幾ら出てもといいましても、それは政策的な売買に伴って出た欠損でなければいけませんので、ただ単に金を使って出た欠損を幾らでも埋めるかということではもちろんございませんで、国の政策目的に基づいて生じました欠損でありますならば、これは財政当局と交渉して所要の財政措置を講ずる必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○瀬野委員 農林大臣、いまのいろいろなやりとりをお聞きいただいたと思いますけれども、この欠損については、以上いろいろ申し上げたことを踏まえて、新基金に本制度が移行した場合にどう改めていくか、その点は大臣としてはどうお考えでございますか。
○安倍国務大臣 新基金でいろいろと補てんをしなければならない事情が生じた場合は、いままでの基金においてもそういう際には国からいろいろと助成措置等もとっておるわけでございますから、新基金においてもそういうことも考えていかなければならないと考えております。
○瀬野委員 一応わかりました。 それでは次の問題でございますが、野菜生産出荷安定資金協会は、先ほども申し上げましたようにこれは生産者対策であり、財団法人野菜価格安定基金は消費者対策であります。そこで、目的に応じ別個の団体で従来はやってきたわけでありますけれども、本法が成立いたしますと、今回生産、流通、消費、この三つを一括して行うようになるわけで、利害関係の相反するものが一緒になったわけでございますから、いろいろ問題が起きてくる。すなわちデメリット、メリットが当然あるわけでございます。 そこで、大臣にお伺いしたいけれども、独立採算制のメリットとデメリットはどういうものがあるか。本法が成立して合併統合した場合のメリットとデメリットはどうか、この点をこの席で明らかにしておいていただきたい、かように思うわけであります。
○今村(宣)政府委員 独立採算と統合のそれぞれのメリットはどういうことであるかということでありますが、独立採算ということでありますならば、それぞれの業務として行っておりますのがそれぞれの分野において明確になっておるということはございます。これは統合した場合にもその事業の内容につきましてそれぞれ明確にすべきことは当然でありますが、表面上それが明確になっておるということは言えると思います。統合のメリットは何だと言えば、それは組織の強化であり、それから財政基盤の強化であり、それから事業範囲の拡大であり、人員の合理的活用であるというふうに考えております。
○瀬野委員 新基金の役員についてお尋ねしておきたいと思うのですが、新基金の役員は理事長一人、常勤理事三人以内及び監事二人以内のほか非常勤理事十人以内を置くことになり、任期は三年、再任もできるということになっております。理事長及び監事は農林大臣の任命となるということでございますが、農林大臣、この農林大臣の任命となるということは、どういうことで今回そのように提案されたのか、その理由をお伺いしておきたいのであります。
○今村(宣)政府委員 野菜供給安定基金は、御存じのとおり従来野菜生産出荷安定資金協会が行ってきた指定野菜の価格補てん事業に加えまして、従来の財団法人野菜価格安定基金が行ってきました野菜の売買、保管業務等のほかに、新たに先ほど申し上げました指定野菜に準ずる重要野菜等の価格補てん事業に対する助成を行うことになっております。そういう意味合いにおきまして、その事業範囲も拡大し、かつ公共性も高まったということが言えると思います。このような公共性が強く、また生産者と消費者の利害が必ずしも一致しない業務を適正かつ円滑に実施いたしますためには、野菜供給安定基金協会の組織及び財政面に対する監督といいますか、それを強化する必要があるし、またその業務の適正、的確なる実施を確保するという意味合いにおきまして、役員のうち理事長及び監事を農林大臣の任命ということにいたしたわけでございます。
○瀬野委員 さらに、今回の役員の定数の定め方の中に、現行の理事何人以上と、こういうふうになっておるのですけれども、それが理事何人以内というふうに限定されましたね。これはどういう意味で限定をされたのですか。その点もあわせてお答えいただきたい。
○今村(宣)政府委員 大体最近の法律は、理事長と、あるいは副理事長を置くところもございますが、あわせて監事何人以内というふうに、あるいは理事何人以内というふうに規定をいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 そこで今後どのように運営されていくかということを伺いたいのでありますが、御承知のように現行制度は生産者サイドのみであったわけでありますが、これは当然野菜生産出荷安定法の目的に沿ってきたわけですけれども、今回は生産者と消費者統合で行うことになりますので、これまた利益が相反するということになるわけですけれども、この点についてはどういうふうに見通しておられるか、その点も明らかにしていただきたい。
○今村(宣)政府委員 役員の構成につきましては、今後その業務を的確に行うという観点に立って適正な構成及び人選をしてまいりたいと考えておりますが、御指摘のように生産者と消費者の立場、それぞれございます。そこで、私たちは、その制度上も評議員会の制度を設けることによりまして、基金業務の運営に関する重要事項はその評議員会に諮問をして行うというふうな形をとりました。その評議員会の中には生産者の代表それから消費者の代表それから流通関係について学識経験を有する人あるいは一般的な学識経験を有する者をもって構成をいたしまして、そこにおいて十分いろいろな審議が行われて、相互の利益の調整の上に立った適正な基金業務が行えるようにいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 さらに、この出荷団体の登録の件でございますけれども、現に資金協会の会員である出荷団体は、今回の改正によって改めて登録をせねばならぬということになるわけですか。
○今村(宣)政府委員 さようでございます。
○瀬野委員 登録を申請した現在の協会の会員は、全員、登録出荷団体となるのですか。これまたお答えをいただきたい。
○今村(宣)政府委員 全員登録団体になるわけでございます。
○瀬野委員 さらに、今後申請する団体についてはどのような取り扱いをするのであるか、その点も明らかにしていただきたい。
○今村(宣)政府委員 従来の登録団体の要件に該当するようなものにつきましては、申請があれば登録団体にいたすわけでございます。
○瀬野委員 次に、都道府県の野菜価格安定法人に対する助成の問題でございますけれども、御承知のように新基金が業務として実施する価格補てん事業の対象となる十四品目の指定野菜以外にも、物価に大きな影響を及ぼす野菜、端境期に供給可能な野菜さらには日常食生活に欠かすことのできない伝統的野菜等があるわけでございますが、これらについても安定的供給を図る必要があるという見地から各都道府県がそれぞれ設けている野菜価格安定法人を活用して国は三分の一の助成を行う、すなわち価格補てんを行うというものでございますが、対象品目をどのようにこれは選定されたのか、これについて選定の経過をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 特定野菜につきましての対象品目の選定に当たりましては、毎日の食生活の副食として不可欠でありまして、日々の価格変動が消費生活の安定にとって重要と考えられる日常性の高い品目から優先採択するということで、当面、ゴボウ、カブなどの十四品目を対象として予定をいたしておるところでございます。
○瀬野委員 そこで、価格補てんの仕組みというものはどういうふうになっているのかということと、都道府県の法人が実施している事業に対しては一律に適用する、こういうことに理解していいのか、その点も明らかにしていただきたい。
○今村(宣)政府委員 これは各都道府県にそういう基金がございますから、その基金がその地域の指定野菜につきまして価格補てんを行いましたときに、その三分の一を中央の基金から価格補てんをするという仕組みでございます。したがいまして、それで十四品目を各基金がやらなければいけないということではございませんで、その県その県におきます特定な、地域的な重要な野菜をつかまえまして、たとえば私の県でありますならカボチャをやるということでありますなら、そのカボチャの価格補てんを行いましたときに中央から三分の一の助成をやるということで、画一的なものではございませんで、それぞれの地域によってその品目を選定するということに相なるわけでございます。
○瀬野委員 そこで、今後想定される指定野菜の範囲というのはどういうふうに農林省は考えておられますか。この点も明らかにしていただきたい。
○今村(宣)政府委員 私たちは十四品目を選定いたします場合に相当幅広く拾い上げたつもりでございましたが、この法律制定の経過等の過程におきまして、特にスイカ、メロンそれからイチゴ等の果実的野菜につきましての指定の要望が非常に強うございます。で、メロンなども、施設メロンはこれはとても指定の対象とすべきものではございませんが、露地メロンそれからスイカ、まあイチゴはちょっと、私、若干いろいろ違った要素があると思いますが、そういうスイカ、露地メロン等につきましては、そういう各県、各地域の御要望につきましては十分承知をいたしております。したがって、今後そのようなものを追加指定するということにつきましては、そういう方向で検討をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○瀬野委員 先般も局長には申し上げましたが、熊本県を初め九州等ではスイカが大変盛んな栽培が行われております。もちろん露地メロンにしてもそうでございます。当局は果実的野菜、こういうようなことを言っておられますけれども、実際に食卓に上って、全国的にこれが出荷されておるということも事実でございます。 そういったことから、さらにお伺いしていきますけれども、スイカ、メロン、イチゴ、これについては今後ぜひともひとつ対象十四品目の中に入れていただきたい、かように思っておるわけですが、たまたま従来から指定されている対象品目も十四品目、また今回新たに選定されているのも十四品目あるわけですが、これについて今後スイカ、メロン、イチゴをどういうふうに定義づけておられるか、この際さらにひとつ明らかに御説明をいただきたい。
○今村(宣)政府委員 御指摘のような品目は果実的野菜ということでございますので、副食物としての通常の野菜とは性格を異にするのではないかと思います。したがいまして、今回十四品目の中にはそれを入れなかったわけでございますが、そういう熊本県を初めとします地元の強い要望もございますので、スイカ、露地メロン等については来年度予算の場合に追加する方向で検討をいたしてまいりたいと考えております。
○瀬野委員 生産体系があくまでも農業としてスイカ、メロン、イチゴ等はつくられております。すなわち野菜としてつくられておるわけです。私はこれが今回指定品目に入らずに区分されたということに対していささか疑問を持っておるわけでありますけれども、局長は来年度はぜひ考慮したいということのようでございますけれども、願わくはことしからぜひ入れていただきたいというのが私の提案でございます。そういった意味で、このスイカ、メロン、イチゴというものはどういうことで今回の提案に当たっては対象から外されたのか、さらにひとつお聞かせをいただきたい。
○今村(宣)政府委員 先ほども申し上げましたように、食生活の副食として不可欠なものであって、日々それが価格変動によって消費者の家計の安定といいますか、広くはそういうことに影響があると言われますようなところに従いまして品目を選定いたしますと、果実的野菜というものが横に置かれるということに相なるわけであります。しかし、そういう基準で十四品目を選定いたしたわけでございますが、地元の御要望もございますので、先ほど申し上げましたように、スイカ、露地メロン等についてはこれを追加する方向で検討いたしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○瀬野委員 イチゴについてはどういうふうな考えでおっしゃるのですか。スイカ、メロンについてはとおっしゃるけれども、イチゴについてはどういう定義づけをしておられますか。
○今村(宣)政府委員 これはイチゴの生産農家の意向もよく聞いてみませんといけませんので、といいますことは、イチゴのように常に——常にと言いますと語弊がありますが、わりあい高い水準で推移をしておるものにつきましては、その生産農家としても自信を持っておるわけでございまして、生産者団体が基金を、三分の一でございましても基金を拠出して補てん制度に乗っかるということにつきましては、必ずしもそういうふうに希望しておるかどうかにつきましてなお問題なしとしないわけでございますから、そういう意味合いにおいて制度に入れてくれることもありがた迷惑というようなことでは困りますので、そこら辺のことを十分見きわめてイチゴについては検討してみたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 スイカ、メロンが指定野菜の十四品目に入れることがことしは無理だ、こういうことになれば、特定野菜等価格補てん事業の対象には入れることはできないのですか。そういったことは考えられませんか。
○今村(宣)政府委員 特定野菜の制度には、これは十四品目の対象品目のほかに特認といたしまして、地域農業振興上重要で、特に必要と認められるものについて予算の範囲内でこれを追加対象に含める道を開くということで検討しておるものがございます。たとえばニラとかブロッコリーとかいうふうなものでございますが、私は、行いますとすればそういうふうな特認制度でスイカ、露地メロンというふうなものを処理するのではなくて、やはりスイカ、露地メロンというふうな品目につきましては十四品目に追加指定をするという形での処理が適正ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 特認についていま若干申されましたけれども、県の方の特産物は各県とも特認として入れてもらいたいというものが地域的にあるわけですけれども、大体農林省としてはどういうものを特認に将来考えておられるか、この際これも明らかにしておいていただきたい。
○今村(宣)政府委員 これは今後各県のいろいろな要望を聞いてみなければいけませんが、現在のところ、ニラでありますとかブロッコリーというふうなものについて県に特認の要望がなされておるのが状況でございます。
○瀬野委員 いまスイカ、メロン、イチゴの指定問題でいろいろお尋ねしてまいりましたが、大蔵省きょう来ておられるわけですが、昨日も大蔵省の宮下主計官は、農林省から相談あれば検討したい、こういうふうなことを言っておられたようでございますけれども、今回のこの十四品目の指定野菜について、スイカ、メロン——イチゴはさておくとして、これが入らなかったことに対して生産地では大変な憤りを感じておるわけですが、大蔵省も十分その点は踏まえて検討するお考えであると思いますけれども、改めて大蔵省の見解をお伺いしておきたい。
○宮下説明員 お答え申し上げます。 先ほど来御議論がございますように、この品目の選定に当たりましては、一人当たりの年間消費量の大きい野菜であるとかあるいは特産県の生産シェアが高い野菜等に限るという方向で予算の折衝の場合も決着したものでございまして、消費生活上必ずしも必須の品目とは言えないようなものは対象としないというような原則、考え方に基づきまして、一応、スイカ、メロンのいわゆる果実的野菜については対象としないということで予算措置が講ぜられております。先ほど今村局長からも答弁がございましたように、今後生産地における実態を踏まえて、農林省から要求がございますれば、その段階で十分検討いたしたい、かように考えております。
○瀬野委員 宮下主計官は今後農林省から要求があれば考えるということですが、農林省、要求したら考えてくれるそうですか、その点どうですか、いつ要求しますか。
○今村(宣)政府委員 要求をいたしたいと思います。
○瀬野委員 いつ要求しますか。
○今村(宣)政府委員 来年度の予算要求で行いたいと思います。
○瀬野委員 遅過ぎる。その辺をひとつこれは農林大臣、十分考えてもらいたいと思うのですけれども、やはり農林省の方から大蔵省へ、生産地の要望を踏まえて、来年の法改正を待たず、ひとつ早急にやっていただきたい、こういうふうに思うわけです。いろいろ都合もあると思いますし、今回本改正法案を提案されたばかりですから、いろいろ事情はわかるとしても、大蔵省の方はかなり積極的な姿勢が見られるわけです。いままで私たちは、農林大臣や農林省の姿勢が、攻めの農政というけれども、守りの農政で、何となく弱いものですから、大蔵省から圧力をかけられて、相当大蔵省に対して弱腰である、かように思っていたものですから、きょう改めて大蔵省の宮下主計官を呼んでお尋ねしたわけですけれども、私も大蔵省のお考えにきょうは敬意を表する、こういうふうに思うわけです。そういった意味で、積極的に今後相談、要求をされて、これが実現に早く努めてもらいたいと思います。その点農林大臣、あなたの決意を伺っておきます。
○安倍国務大臣 メロン、スイカを要求をしていないから守りだとは言えないと思いますけれども、これはいまお話ししたように、やはりその他の十四品目の野菜は国民生活、特に消費生活、食生活には必須な副食でありますし、その点はやはりメロンとかスイカというものとは違うと思うわけであります。しかし、非常に栽培が盛んで、また農家の経営と非常に密着をしている点もあるわけでございますから、そういう点ではさらに、この十四品目に固定しているわけではなくて弾力的に、情勢を見きわめながら農林省としては供給安定価格対策等を行っていくわけですから、そういうことも踏まえて、いま局長が申し上げましたような方向で努力をしてまいりたいと思います。
○瀬野委員 大蔵省も農林省の要求があれば検討するということでございましたから、大臣もいまおっしゃったように十分生産者の要望をかなえて、早急に実現するようにさらにさらに御検討いただきたい、このことを強く要望しておきます。 次の問題ですけれども、価格補てん事業の補償基準額の改定等の問題でございますが、今回この算定方法のうちに、三十六年から最近年までとしていたものを四十年から最近年までと期間を短縮し、補償基準額の引き上げを図ろうとしておられるわけでありますが、これによりまして、野菜によりゼロ%から最高三〇%まで、平均一二%でございますけれども、引き上げられることになるわけですが、しかしながら、野菜農家の要望は「補償基準を算定する場合には再生産を確保することを旨として」という強い要請がなされておるわけです。このことは、生産費補償方式にもつながる再生産の確保について、農民が昭和四十六年の本法一部改正の際にも取り上げて問題になったわけでございますが、ついに実現に至らなかったという経緯がございます。 そこで、第十五条「業務」の第三項に「第一項第一号の生産者補給金の額は、対象野菜の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、対象野菜の生産及び指定消費地域に対する出荷の安定を図ることを旨として、定めるものとする。」こういうふうにあるわけですが、私はこの第十五条第三項に「再生産を確保することを旨とし」ということを入れなければいかぬと思うのです。これは現在入っておりません。この点について、大臣、どういうふうにお考えですか、御所見を承っておきたい。
○今村(宣)政府委員 現在の野菜の基準価格の算定は、先生先ほどおっしゃいましたようなことで、その改善を図っておるところでございます。なお、野菜の価格補てんといいますのは、やはり価格変動、価格の低落した場合の下支えとしての基準価格でございますから、これはやはり、需給実勢を踏まえた価格であるということが必要であろうと思います。ただ、その場合に、生産費あるいは生産事情というものを十分念頭に置いて物を考えるべきことは当然でございます。 ただ、生産事情ということのほかに、再生産の確保とかいうことになりますと、その再生産の確保ということの意味は、野菜のような場合には非常にむずかしゅうございまして、たとえば、豊作であった、そして価格が非常に低落をした、それを再生産するというふうな概念になりますと、これはまた非常に困ったことに相なるわけでございますから、生産事情ということからさらに再生産の確保ということは、一般的な考え方としては理解できるわけでございますが、法律的な問題としての再生産の確保ということになりますと、そこは野菜の場合はなかなかむずかしい問題があると思います。 したがいまして、私たちとしましては、趨勢値価格を算定いたします場合にも、農家の生産事情あるいは生産費というものを十分考慮して行っていくことによって、先生の御趣旨に沿うものであるというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 大蔵省宮下主計官にお尋ねしておきますけれども、この価格差補給交付金の資金の問題でございますけれども、国が四分の三、都道府県が八分の一、会員が八分の一と、こういうふうに負担を行っておるわけでございますが、会員と同額を都道府県が負担をするということから、対象数量の決定に当たり、都道府県はその財政事情によりまして数量を制限したり、生産農家の要望する出荷数量が認められないということがしばしばあるわけでございます。政府は、国庫補助金の大幅な引き上げ等によって都道府県及び生産者負担の軽減を図るべきであるというのが生産地及びわれわれの強い要請なんですけれども、実際に、都道府県は財政が現在厳しいために、県がなかなか出せない、それで県が出した分に見合うだけのものを国が出す、こういうことになるわけでございますから、生産者が予定以上に出しますと、どうしても県の出す分以上に上回る、そうなれば国から出てこないということになりますので、その差額が大変問題になってくるわけです。こういったことでなかなか、価格差補給交付金の問題が地方ではいろいろ問題になっておりますけれども、こういったことについても、国民の食糧を賄う産物でありますし、また農民は国民の食生活のために営々として働いておるわけでございますので、こういったことを十分踏まえて、野菜の安定供給を図るためにも、こういったことに大蔵省は耳を傾けて、農林省の要請にこたえて、ひとつ十分な国庫補助の大幅引き上げをして、そして理解を示していただきたい、かように思うわけですが、この点について大蔵省の見解を承っておきたいと思います。
○宮下説明員 お答え申し上げます。 補助率の点でございますけれども、野菜の場合には御承知のように一般七〇%、重要野菜七五%ということで、かなり高率な補助となっておりまして、他の果実とかあるいは畜産の子牛関係、鶏卵その他に比べまして、それらのものは二分の一の補助率でございますけれども、野菜の場合にはただいま申し上げましたように七〇%、七五%ということで、かなり高率にして、野菜の重要性にこたえておるわけでございます。 なお、この野菜の価格補てん制度につきまして、先ほど来議論ございますように、保証基準額の算定に当たりましても、他の価格安定制度よりもかなり有利な算定になっておりますし、また、補てん率等の面でもわれわれはかなり有利にしておるというように考えておりまして、そういうことで予算措置もいたします。予算額も非常に増額しておりまして、当面これでわれわれとしては野菜に対しては十分な手当てがなされておるものと、こう理解をいたしております。
○瀬野委員 大蔵省は十分これに対して検討いただいて、農林省の要請にこたえていただくように今後ともお願いしておきます。 農林大臣、野菜関係で本法に関連してあと二点お伺いしておきます。 時間の関係で詳しくは申しませんけれども、野菜の生産地において、大臣も十分御承知のように近年著しい土壌の老化現象が見られております。野菜生産に大きな脅威を与えていることも事実でございます。土壌の老化現象がこのままいけば、野菜産地は将来壊滅するとまでいわれるように、将来を心配されております。御承知のように連作、農薬、化学肥料、こういったことに起因していることは言うまでもございません。そういったことでこういった土壌の老化現象対策について適正な処置を講じなければならぬと思いますけれども、この機会に農林大臣のお考えを承っておきたい、かように思います。
○安倍国務大臣 いまお話がございましたように、野菜産地の一部におきまして地力の減退、病害虫の発生等、いわゆる連作障害を起こしておる例が見られるわけでありますが、この地力の減退につきましては、野菜産地だけでなくて、一般的に農地全体についてもそういう傾向があるわけでございますが、特に野菜の産地の地力減退につきましては、経営規模が非常に零細であるということによって適正な輪作が行われにくい、さらに労働力不足によるところの有機質の投与の不足によるもの、こういうふうに考えられるわけでございまして、農林省としては、こうした実態に照らして、適正な輪作を行うような指導強化をいたしておるわけでございます。これは「昭和五十一年春・夏作の技術指導について」という次官通達を出しております。さらにまた、野菜生産安定対策事業を実施いたしまして、地力増強施設、病害虫防除施設の導入等を推進するとともに、五十一年度から野菜指定産地整備近代化事業等におきましても、地力の増強に留意するよう事業の推進を図っておるところでございます。この地力減退につきましては今後とも、やはりこれは農地全体についても言えるわけでございますので、政府としても積極的に努力をしてまいらなければならぬ、こういうふうに考えております。
○瀬野委員 農林大臣にもう一点お伺いしておきますが、この野菜供給安定基金の行う野菜の売買、保管事業等の、高騰した場合等の対策事業については十分お考えいただくことは当然でありますが、円滑な事業運営に必要な予算措置を講じなければこれはどうしようもないと思うわけです。そういったことで今後これらの事業の強化に努めていただかなければ、本法制定後、将来に問題が残ると思うわけです。いろいろ論議してまいりましたけれども、その点についても大臣は十分対処していただくようにお願いしたいのですが、御所見を承っておきたい。
○安倍国務大臣 せっかく今回野菜制度について抜本改正を行うわけでございますから、これを機会にさらに予算その他につきましては充実を図ってまいりたいと考えております。
○瀬野委員 以上で野菜関係を終わりまして、次に、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について、時間の範囲内でお伺いをしてまいりたいと思います。 まず、農作物共済についてでございますけれども、農作物共済では、今回の改正により、共済団体の主張だとかあるいは農災制度問題検討会の答申がほぼ取り入れられておりますけれども、比例てん補方式の採用が見送られております。昨日からもいろいろ論議されてまいりましたが、この比例てん補方式の採用が見送られたことについて農林大臣は将来どう考えておられるか。農民の期待にこたえて比例てん補方式を早急に採用すべきじゃないかと、かように思っておりますけれども、この点冒頭大臣からお答えをいただきたい。
○安倍国務大臣 比例てん補方式は望ましい支払い方式と考えられるわけでありますが、一方、共済金の支払いが増大をし、掛金率が上昇いたしまして農家の掛金負担が著しく増大するとか、あるいは損害評価の労力も著しく過重となるというふうな問題もあるわけでございます。 また、軽微な被害につきましては農家が農業経営上自家保険するということが基本でありまして、また道徳的危険を防止するという観点からもある程度の足切りを行う必要はあるのではないかと考えております。 本問題につきましては、今後とも補償内容の充実という観点から長期的な視点に立って慎重に検討してまいりたいと存じます。
○瀬野委員 従来の半相殺と今回の全相殺の方式について、利害得失があるわけですけれども、その点について明らかにしていただきたい。
○吉岡(裕)政府委員 農作物共済におきます農単方式は、先生御承知のとおり、一筆方式に比べまして補償の充実という観点からは合理的であるというふうに考えられますので、今後とも農単方式の普及には努めてまいるという所存でございますが、今回創設をいたしました全相殺方式と半相殺方式という農単の両方式を比べてみますと、全相殺方式では、特に農家の掛金負担の増高を来すことなく足切り水準を一割引き下げることが可能となるという利点がございます。しかし一方、その損害評価は農家ごとの全収穫量を確認するという必要がございますために、圃場の検見、実測といった方法によりますと非常に労力がかかるという欠点がありますので、カントリーエレベーター等の利用されておる地域について客観資料によって収穫量を確認をするという方法で実施をし、それによって評価労力の軽減を図ろうということにしておるわけでございます。そうして、この全相殺の場合の足切り水準は一割ということで、最高補てん率九割ということになるわけでございますが、半相殺の方はそれに比べまして八割ということで補てん内容が若干劣っておるという欠点があるわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣、いま局長がそういうふうに答弁されましたけれども、時間がないから詳しく一々申しませんけれども、今回の制度改善を通じて、大多数を占める一筆単位引受方式に加入している農家は、今回余り見るべき制度改善になっていないわけです。というのは、政府は農家単位引受方式に移行させるためにその手だてをしなかったというふうにいろいろ批判しておるわけです。比例てん補方式の主張を農家単位引受方式にすりかえてしまったということで、結局現に一筆と農単があるにもかかわらず半相殺と全相殺の方に移行して、一筆方式がだんだん色あせて、こっちの方は干されたようなかっこうになってきております。こういうこそくな手段では相ならぬと私は思うのです。その点、大臣どの程度認識しておられるかわかりませんが、この点、私は本法提案に当たって大変残念に思うわけですけれども、大臣はどういう見解をお持ちであるか、お答えをいただきたい。
○吉岡(裕)政府委員 やや詳細にわたりますので、私から御説明いたします。 現在、一筆方式が広く行われておりまして、将来の農業経営の安定を図り、補てんの充実を図るという観点からは、農単方式が望ましい方式であるというふうに私どもは考えておりますが、今回の改正の中に、一筆方式の場合にも適用される方式といたしまして、従来、米価あるいは麦価の百分の九十というものを単位当たりの共済金額というふうにしておりましたが、今回米麦価と同額の一〇〇%にするという措置をとっておりまして、これによりまして、一筆方式についても補償水準が相当程度引き上がり、補償の充実が図られておるということもございまして、一筆方式についても今回は配慮をしておるということでございます。
○瀬野委員 今回新設されましたところの低被害地を対象として防除共済が行われるわけでございますが、その際の発動基準というものはどういうふうにお考えであるか。さらに、組合の損害防止事業との調整とか、防除費用の認定、掛金率、こういった運用等はどういうふうにお考えであるか。この点もこの機会にお答えをいただきたい。
○吉岡(裕)政府委員 今回、水稲の低被害地対策として、防除につきまして損害防止給付を設けたわけでございますが、そういう対象地域として考えておりますのは、その地域として水稲に係る病虫害の防除を共同して行うための施設が整備されている等、共同防除を行うための体制が整っているということ、その上に、なおその地域におきまして防除基準でございますとか、防除実施計画というものが設定をされておりまして、共同防除が適正に行われる見込みがあるというふうな地域について、組合等から申請を受けまして主務大臣である農林大臣が都道府県の意見を聞いた上で指定をいたす、こういうことになっておるわけでございます。 そういう地域について、病虫害による被害が異常に発生をするおそれがある場合に、それらの地域の組合員等が共同して防除を行いました際に、その防除に要した費用の一部を支払おうということになっております。そういうことの実施による掛金率等へのはね返りにつきましては、これから法実施までの期間に、それぞれの地域の条件、実態等を勘案いたしまして、適正に決めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○瀬野委員 次に、蚕繭共済の改正の内容について説明をいただきたい。
○吉岡(裕)政府委員 今回の蚕繭共済の内容でございますが、まず一つは、現在の蚕期の区分の中にさらに小蚕期を設けたということでございまして、これは多回育の養蚕というものがかなり各地に普及をしまして、定着をしてきておる地域がございます。そういう地域について、蚕期区分をさらに小さくいたしまして、その蚕期区分ごとに共済金額を定めて、損害評価ができるようにしたということでございまして、この結果、農家の飼育慣行の実態に即した損害評価が行えるということになりまして、農家の共済掛金の負担の公平化が図れるというふうな利点があるというふうに私ども思っております。 それから、第二の改正点といたしまして、桑葉の獣害による減収というものを共済事故に追加をしたわけでありますが、それとあわせまして、春蚕繭の共済責任期間の始期を延長いたしまして、冬期間に発生をいたします地域的な災害についても補償ができるようにしたというのが第二点でございます。 それから第三点といたしましては、単位当たりの共済金額というものを、従来の繭価の百分の六十を標準にいたしておりましたものを百分の七十に引き上げまして、補償の充実を図ったということでございます。 以上が蚕繭共済の改正内容でございます。
○瀬野委員 蚕繭共済については農作物共済と基本的には同じ問題があるわけですが、今回実質てん補水準を若干引き上げられておりますけれども、私は、現在の民族産業である養蚕が衰退していく現状にかんがみまして、さらに実損てん補水準の引き上げなどお考えいただきたいと同時に、将来比例てん補方式を考えるべきではないか、こういうふうにも思っておるわけですが、これに対して農林省はどういうふうにお考えですか。
○吉岡(裕)政府委員 蚕繭共済の補償限度は、昭和四十六年の法改正によりまして現行の百分の六十に引き上げられたのでございますが、その後さらに補償の充実を図るために、今回百分の七十までそのてん補水準を引き上げるということの措置をとったわけでございます。今後とも、農家の単位当たり共済金額の選択状況でございますとか、あるいは被害の推移というふうなものを見ながら、長期的な視野に立って、この点慎重に今後検討してまいりたいと思っております。
○瀬野委員 時間が詰まってまいりましたので、はしょってあとお伺いしておきますけれども、家畜共済の問題で、まず第一点は、肉豚共済については、その共済価額を共済成立時の価額と定めて、その後の肥育に伴う増加を予定していないというのが一つの問題点になっております。御存じのように、豚というのは出生して五十日からさらに六カ月で成育豚として出荷をするということになりますが、この五十日の時点で共済価額は見るわけでございますので、子豚基準になるということが問題になるわけです。五十日から出荷までの六カ月の間相当えさ代を使って肥育をしておるわけですけれども、この間の事故については共済は見ないということになっております。これは矛盾があるということで指摘するわけでございますが、この点については当局はどういうふうにお考えでございますか、明らかにしていただきたい。
○吉岡(裕)政府委員 家畜共済の対象家畜の共済価額というのは、一般的に加入時の家畜を評価してその価額を決めておりまして、内豚共済についても従来のやり方と同様の方式で加入時の家畜の評価額ということにしてあるわけでございますが、肉豚共済に付すことのできる豚の最低年齢をいま先生御指摘になりましたように出生後五十日を経過したものというふうに決めております。 そういうふうに決めました理由としましては、肥育素豚が取引される最も早い時期が大体その時期でございまして、これは北海道の地域でこの年齢の子豚の取引が行われております。しかし地域によりましては、五十日よりも遅いような取引もいろいろあるわけでございまして、地域の取引実態に合わせまして農林大臣がその五十日以降の日をこれから適切に決めていくということをやろうとしておるわけでございます。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 なお、先生お話しのございました肥育の月齢に応じて共済金額をスライドさせるかどうかというふうな問題があるわけでございますが、特にこの肉豚につきましては、豚価が非常にその肥育期間の間に上昇あるいは下落をするというふうなことがございまして、損害評価というものが非常に複雑になるという問題があり、そのほか掛金率の設定といったようなこともそれに伴いまして非常に困難であるというような技術上のいろいろ問題も多くございますので、今後将来の問題としてこれもひとついろいろ研究をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
○瀬野委員 大蔵省にお尋ねしますけれども、肉豚共済について共済掛金に対する国庫負担率が他の家畜共済に比べて大変少ないわけです。すなわち、国庫負担が牛の場合は、従来は頭数に応じてやっていたのを、今回一律に二分の一としております。馬、種豚については従来三分の一が五分の二、今回新規に提案されております肉豚については三分の一ということになっておりますけれども、これは農林省が大蔵要求においてはすべて二分の一で要求したにもかかわらず、大蔵省の強い圧力でついにこのような国庫負担になった、こういうようにわれわれは承知しておりますけれども、まことにこれは残念でなりません。この点について大蔵省も認識をしてもらうと同時に、農林省要求のようにまたわれわれも熱望しておりますが、二分の一という要求をぜひとも早期に実現するように御理解をいただきたい。また、そのように対処していただきたい、かように思うのですが、大蔵省の見解を承っておきます。
○宮下説明員 お答え申し上げます。 肉豚の掛金の国庫負担率の設定につきましては、いろいろ次のような点を考慮いたして三分の一といたしたわけでございます。 その第一点は、種豚につきまして、前回の制度改正のときに掛金国庫負担が導入されましたけれども、発足時は三分の一でございました。今回その三分の一を五分の二に引き上げているのは御承知のとおりでございます。 第二点は、肉豚共済につきましては、任意共済事業として現在青森、長野及び愛媛等の三県においてすでに実施を見ておりますが、その三県の加重平均の純共済掛金率で申しましても七・五%くらいでございます。今回国が肉豚共済を行う場合の掛金率はおおむね六%程度となる見込みでございますが、これに対して三分の一の国庫負担を行いますれば、農家の掛金負担は四%程度に抑えられることになるということで、ただいま申し上げました三県の肉豚共済に比べまして、農家負担の相当の軽減になるものと考えられました。 第三点に、肉豚の単位当たり共済金額につきましては、肉豚は、乳牛とか肉牛等と比較いたしまして相当程度低額でございます。 それからまた、共済事故も、牛馬等は死廃、病疾等にまで及んでおりますけれども、肉豚の場合には共済事故は死亡のみになっております。したがいまして、肉豚につきましては三分の一の国庫負担率によって新しく設定をいたしますれば、他の家畜共済との間あるいは他の共済の掛金負担との関係でバランスがとれるじゃないか、かように考えて三分の一にいたしたわけでございますが、今後の加入状況、農家の負担能力等々勘案いたしまして、慎重に今後とも検討してまいりたい、かように存じております。
○瀬野委員 次に、家畜共済における死廃、傷病事故の増大に対処するために、家畜診療所の整備強化、経営の安定を図るべきだと思うのですが、当局の見解を承っておきます。
○吉岡(裕)政府委員 先生御指摘のとおり、家畜診療所の整備強化という問題は非常に重要な問題でございますが、特に最近、家畜の疾病が非常に多様化してきており、あるいは複雑な様相を呈しておりまして、こうした対家畜の疾病の態様に応じまして損害防止機能を充実する必要があるということで、四十九年度から五カ年計画で診療所の検査設備の強化のために補助を行って、整備を図ってきておるところでございます。五十一年度には約一千二百五十六万円の予算を計上をいたしておるところでございます。
○瀬野委員 さらに、獣医師の雇い上げ費や待遇改善についても十分検討していただきたい。御承知のように獣医師が三日間ストライキを起こすと日本の食生活はストップするというふうに、重大な問題があるわけですけれども、なかなか国民の理解も得ることがむずかしいわけですけれども、獣医師に対してもっと待遇改善をすべきだと思うのですが、その点についての見解を承っておきたい。
○吉岡(裕)政府委員 共済関係の獣医師の雇い上げ費用につきまして家畜防疫員手当というのが畜産局の関係でございますが、これにならいまして毎年改定をしてきております。 それから診療点数の改定につきましても、三年ごとに見直しまして、公務員給与の引き上げ率を基礎にいたしまして診療技術料部分の点数を引き上げてきたり、あるいは薬品、器具等の価格変動を見ながら直接費部分の改定を行ってきておるというふうなことでございまして、特に技術診療費の点数部分につきましては、昭和五十年度に七五%というふうな高い引き上げを行ってきております。今後ともそういう実態を踏まえながら改善に努めてまいりたいというに思っております。
○瀬野委員 時間があとわずかになりましたので、最後に果樹共済について簡潔に二、三点伺って質問を終わることにしますが、果樹共済の中でも専業農家が果樹共済に加入する問題があるわけですが、これは大変問題になっています。これを加入するように改善してもらいたいというのが一点。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕 特に、九州でも熊本県初めミカン産地では、収穫物について農家の収入安定を図るために所得保障の道を開いていただきたいということが問題になっております。この点が第二点。 もう一点は、保険設計の失敗から赤字で、実際に将来が大変憂慮されますけれども、これをどうするかという問題。時間があとわずかでございますので、時間の範囲内で御答弁いただければ幸いであります。
○吉岡(裕)政府委員 前段の果樹共済の加入促進につきまして、私からお答えを申し上げます。 現在果樹共済につきましては、本格実施が発足以来なお日が若干足りないというふうなこともございまして、いまだ加入成績は必ずしも十分ではないという実態があるわけでございますが、今後は現在の果樹共済の加入率を高めますために、さらに一層その普及促進を図るとともに、今回新たに果樹栽培経営の必要性に見合った共済事項を選択できる制度を導入したということでございまして、これによって加入の促進に努めてまいりたいと思うわけでございます。
○安倍国務大臣 昭和四十七年度産の温州ミカンの価格の暴落を契機に、四国、九州を中心に価格変動を加味した所得共済の制度化につきまして御要望があることは承知をいたしております。価格の変動による損失は、その性格上全国的に同一の傾向を示しますので、危険の地域分散の働く余地が少ないこと、価格の形成には社会、経済的な複雑な要因があって、保険制度に必要な蓋然性の把握がきわめて困難であること等共済制度になじみがたい性質があります。これを共済の中に仕組むことは技術的に困難であると考えております。しかし果実の価格変動が果樹農家に与える影響にかんがみまして、これを共済の対象とすべきであるとの意見もありますので、生産及び価格の安定施策の成果などを見ながら今後さらに調査検討を進めることといたしております。
○瀬野委員 時間が参りましたので以上で終わります。
○湊委員長 次に、稲富稜人君。
○稲富委員 私は持ち時間が三十分になっておりますので、両法案に対していろいろお尋ねしたいことがありますけれども、野菜生産出荷安定法の問題につきましては、昨日あるいはただいまも同僚各位からずいぶん質問応答がなされておりますので、まず私は農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきましてお尋ねをいたしたいと思うのでございます。 最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、農業災害補償制度は、災害対策として農業経営の安定のために多大の寄与を今日までしてきておることは事実であります。しかし、本制度の今日の発展充実は、災害の試練を教訓に農家が本制度を支持してきたことはもちろんでございますが、これに対しましては共済関係者の並み並みならざる努力があったということは、これは私たちは見逃すことができない、かように考えます。 今回の改正に対する大臣の提案理由の説明では、農業災害補償制度のよって立つ基盤となっている農業及び農村社会の実情は近年大きく変貌し、これらに対応した制度の改善が要望されていることを述べておられますが、それは全くそのとおりでありまして、農家の本制度に対する一番大きな期待はどこにあると考えておられますか、まずこの点をお尋ねをしたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 やはりこれは制度全体を通じて農家が非常に期待をしておるのは、補償の内容の充実ということではないかと考えております。
○稲富委員 簡単な御答弁でございますが、それではそれにつきましてさらにお尋ねを申し上げていきたいと思うのでございます。 改正案は、災害農家からの損害てん補率の引き上げの要請にある程度こたえたものとなっていることは承知しておりますが、しかし、その前に、現行の足切り補償方式を取りやめ、損害額に応じた比例てん補方式の導入を今回の改正に向けて強く要望しておったということを私たち十分承知しております。政府もこれを受けてこの点については真剣に検討を加えられたものであるということは私も承知しておりますが、それが今回実現できなかった理由は何ゆえであるか。私は、本当に農家というもののこれに対する切実なる希望というものがわかっておるならば、こういうことに対しては政府は応ずべきだったと思うが、なぜその要望に応ずることができなかったのであるか。この点いま大臣は簡単に御答弁なさっておられますが、本当に農民がどの点を要望しておるかということを政府が把握していらっしゃるかどうか、この点に対して疑惑さえ私は持つのでございます。この点に対してまずお伺いをいたしておきたい、かように考えます。
○安倍国務大臣 いまお話がありますように、比例てん補方式が望ましい方式であるというふうには考えられるわけでありますが、しかし共済金の支払いが増大をする、あるいはまた掛金率が上昇して農家の掛金負担が著しく増大をするとか、損害評価の労力も著しく過重になるというふうな問題もまた比例てん補方式では出てくるわけでございます。また軽微な被害につきましては、農家が農業経営上自家保険をするということが基本であると思いますし、また道徳的な危険を防止するという観点からもやはりある程度の足切りを行う必要があるという考えを政府は持っております。したがって、本問題につきましては、今後とも補償内容の充実という観点から、長期的な視点に立って慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○稲富委員 その点についてさらにお尋ねしたいと思いますが、私は、農業災害補償制度のあり方として、農家の災害による損害についてはそのすべてを補償する立場に立つことが本来の姿であらなければいけない、かように考えます。近時は農業共済組合を中心とした共同防除も進み、あるいは肥培管理の技術ももう前とは違って、相当進歩してまいっております。被害の発生率はきわめて低下しております。水稲などはその被害は二割、三割の足切りの中で補償対象とならないし、この点においても現行の足切り方式に強い不満が出ていることは大体政府も御承知であると思うのであります。 以上のような状態から、今度の制度の改善のあり方として政府の御所見というものに対して、どうもわれわれはいまの御答弁でも十分納得いきませんので、この点ひとつ政府の御所見を承りたい。これは大臣がもしもなんならば、専門的に局長からでも結構でございますから……。
○吉岡(裕)政府委員 先ほど大臣からお答えがございましたように、現在の特に水稲についての生産性の向上等による低被害によりまして実質的な共済金の支払いの機会が全体として減少してきておるということは御指摘のとおりであろうかと思います。ただ、この足切り水準をさらに引き下げるという問題につきましては、当然農家の掛金負担の増高それから損害評価の具体的なやり方といったようなことについて非常に多くの問題を伴うわけでございまして、そういうことを是正いたしますためにすでに半相殺の農単による二割足切り制度、さらに今回は全相殺によって一割足切り制度を設け、共済掛金を非常に高めることなく農家の実際の損害に対するてん補水準を高めたいというのが私どもの考え方でございます。 ただ、しかしながら掛け捨て不満といったようなことが一方に非常にございますので、病虫害の地域的な事故除外でございますとかあるいは損害防止給付の新設でございますとかあるいは無事戻し制度の活用といったようなことを通じまして、そういう掛け捨て不満に対応してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○稲富委員 さらにお尋ねいたしたいと思いますことは、今回の改正では農家単位引受方式については拡充が図られておることは私も認めます。ただし一筆単位引受方式については見るべき改善が少ないのであります。農家単位引受方式は一部の地域を除いてその普及率はきわめて低く、大部分の農家は一筆単位引受方式によっているのではないか。政府は農家単位引受方式を従来から推奨してきておられますが、農家は依然として一筆単位引受方式によっておるのでありますが、その理由は何であると判断されておるのであるか、この点を承りたい。
○吉岡(裕)政府委員 農作物共済におきます一筆引受方式というのは、すでに戦前からの小作料減免が一筆単位で行われたというような非常に長い発生的な歴史を踏まえまして戦後の農業共済制度の発足に当たって取り入れられたということがございまして、過去の日本の農村においては非常になじみの深い制度であったということが言えるのではなかろうかと思うわけでございます。 問題は農家単位引受方式でございますが、この点先生御承知のように、軽微な損害というものに対しましては一筆引受方式ほど支払いの対象になる機会が少ないということでございまして、その結果農家にとって十分まだ理解されていないという点があるのではないかと思っておりますが、長期的な見通しからしますと、やはり農家に対する大きな被害に対する補償の充実というものには寄与する制度であるというふうに私どもは思っております。現に昭和四十七年にこの引受方式が実施されたわけでございますが、その普及率というのは年々やはり上がってきておりまして、四十七年には六%程度でございましたものが五十年には一〇%に上がってきておりますし、特に北海道、山形においてはその大部分が農単に移行しておるというふうな事実もございます。したがいまして、私どもとしてはこの制度の利点というものについて農家の理解をさらに深めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○稲富委員 次にお尋ねしたい問題は、ただいまの問題とも関連する問題でありますが、このような制度改正は私たちから見まするといささか片手落ちではないかというような感じがするのであります。政府は、将来一筆単位方式を農家単位引受方式一本に持っていくというような意図があるのではないかとさえ考えられるのでございまして、これに対して政府はどう思っていらっしゃるか、率直にひとつこの際政府の考え方を伺いたいと思うのでございます。
○吉岡(裕)政府委員 きのう大臣からもこの点お答えがあったわけでございますが、私どもとしては先ほど御説明申しましたようなことで、農家単位引受方式というものは大きな災害があった際の農家の損害補てん制度としては非常に有利な点を持っておる制度であるというふうに考えておりますが、これを決して政府から農家に対して無理に押しつけようということを考えておるわけではないわけでございまして、この農単方式を採用するかどうかということは組合等の全く選択制ということになっておりまして、しかもその農単方式、特に今回の全相殺農単方式というものが導入をし得る地域というものは、基盤整備でございますとかあるいはカントリーエレベーター等の施設の整備状況とか、そういうことがいろいろ条件として必要になってくるわけでございまして、そういう地域の組合がそのような制度を選択的に採用をしていくというその道を開いてきた、そうして将来の方向としてはこういうことを着実に推し進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○稲富委員 いろいろお尋ねしたいことがありますけれども、時間が迫りますのでこのくらいにしまして次の問題に移りたいと思いますが、御承知のとおり麦作振興が奨励され、その増収もある程度の期待が持たれております。麦作の引き受け現状はどういうふうな状態であるか、また農家単位引受方式を麦についても適用していこうとしておられるのであるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思うのでございます。
○吉岡(裕)政府委員 現在引受面積といたしましては十万一千ヘクタールの引き受けがございまして、最近の麦作の見直しとともに若干増加の傾向がございます。
○稲富委員 これに対してはもっと麦作に対しても農単方式を適用してやっていこう、こういうような見当で対処しよう、こういうことでございますね。
○吉岡(裕)政府委員 麦作地域におきまして先ほど御説明いたしましたような農単を引き受けることのできる条件を持つ地域、つまり客観的にそういう収穫量等を把握できるようなそういう条件のある地域につきましては、組合がそういう方式を選択いたしますならば私どもとしてはそれに沿って推進を図りたいと思っております。
○稲富委員 それからひとつついでにこの機会にお尋ねいたしたいと思いますが、これは昨日芳賀君からもお尋ねがあり、ただいま瀬野君からもお尋ねいたしておったのでありますが、家畜共済に対して馬に対する対策というものが非常に片手落ちの状態になっておることはすでに御質問になっておるとおりでございます。御承知のとおり馬と農家というものは特別な関係があるのであります。こういうようなことでは、これはこの家畜共済としての目的を達成するためにもやはり馬に対するこの制度の特別扱いをするとおもしろくないと思いますので、馬に対する共済掛金の負担等に対しましても十分な配慮をする必要があると思います。これは農家の地力を増進する上からも馬というものは必要でございますので、この点に対してもひとつ重ねて私からもお尋ねしたいと思います。
○安倍国務大臣 馬に対する国家負担につきましては、牛を二分の一にした、馬はそのまま据え置かれたということで、いろいろと質疑もありましたし、馬の畜産振興に及ぼす非常に大きな役割りというものもあるわけですから、これは次の機会に十分検討しろ、そういう御意見でございまして、私もなるほどそのとおりだというふうな感じを持っておりまして、したがって、この点につきましては真剣に検討して善処したいと考えております。
○稲富委員 次に、最後にお尋ねしたいと思いますことは、農業共済の仕組みは基本的には農業共済組合、同じく連合会が特別会計を通じて共済保険、再保険の方法をとっておりますが、末端ではかつて農業共済組合事業を市町村に移管しているところが多いとされております。その現状はどうであるかということをまず最初に承りたい。 さらに、元来この方法はかつて農業共済が非常に苦難な時代がありました。そのときにこの町村移管というものが起こったのでございますが、最近では政府の指導もあり、あるいは組合合併による広域合併組合も出現しまして、市町村からまた逆移転も見られているというようなこういう現状もあるのでございますが、この問題に対して政府は将来どういうような形で処していこうとしておられるのであるか、この点をひとつ十分承りたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 農業共済事業の実施主体は、農家の自主的な組織である共済組合を原則といたしまして、共済組合では事業運営が困難な場合に市町村移譲が例外的に認められておるわけでございます。したがって、共済組合の事業運営基盤をより一層強化するために、積極的に組合の区域の広域化を促進してきたところでございまして、昭和四十五年以来六年間の合併推進の結果、すでに二百を超える広域合併を達成をいたしております。しかし、組合が都市近郊あるいは離島などに立地し、その他諸般の事情によりまして、広域合併が困難であり、かつ事業量が比較的僅少であって、事業の執行及び農家負担の観点から見て市町村に事業を移譲することが事業運営の効率化または事務執行の適正化を図るために必要と思われる場合等、事業の運営上市町村への移譲によらなければならない特別の事由がある場合には移譲を認めるという考えでございます。
○稲富委員 ただいまの大臣の答弁を聞いておりますと、基本的には共済組合が主体となっていくけれども、そういう特別な事情があった場合は町村移管もやむを得ないとしてこれを取り上げていくという、二本立てでいくというような考えで将来いこう、こういう考えでありますか。これは、事実上の問題として果たしてこれでいいかどうかということは別といたしまして、やはり何とか検討しなければできない問題ではないかと思うのでございます。 たとえば町村に移管いたしておりますと、町村職員がこの衝に当たるし、ようやく共済の事業になれた時分にはまた係がかわるというような問題も生じてまいる。これは一長一短あると思いますが、これをこのままでやっていっていいのであるか、この点は将来再検討の必要があるのではないかと思いますので、この点を念を押してもう一度承りたいと思うのであります。
○安倍国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、あくまでも原則としては組合主体でありまして、特別な事由がある場合は市町村に移譲するということですから、原則は何としても組合主体という方向でこれからも進んでいかなければならぬと思っております。
○稲富委員 それでは、いま町村移管をやっておるところと組合自体でやっておるところが、全国的にどういうような組合の色分けになっておりますか。
○吉岡(裕)政府委員 昭和五十一年四月十日現在の調査でございますが、これは組合と市町村を含みますが、総数が二千四百三十五ございます。そのうち市町村営は千百八十三、約四八%という数でございます。ただ、農家の数といたしましては、共済対象農家の三六%がただいまの市町村営に加入をしておる。したがいまして、残りの六四%、大多数のものは組合営に属しておる、こういうことでございます。
○稲富委員 その点も、大臣おっしゃいますように主体は組合である、ところが、半数は町村移管である、こういうような実態から見て、そこにも非常に矛盾があるのではないかと私は思うので、これはやはり十分検討する必要があると思いますが、その点を特に私申し上げたいと思いますが、これはどうでございますか。
○安倍国務大臣 今後十分検討いたしまして、組合主体の方向へ移って、移譲するような方向に進めたいと思います。
○稲富委員 要は、これによって実際農民のどれほどの希望に沿うことができるか、こういうことが主眼でございますので、何も私は制度上の、共済がいいあるいは町村移管がいいというのではなくして、どうした方が農民の期待に沿い、共済制度のこの事業というものを十分発揮し得るかという、ここに観点があると思いますので、こういう点を含んで将来十分ひとつ御検討願いたい、かように考えるわけでございますので、最後にこの点をつけ加えて、希望として申し上げておきます。 次に、もう時間があと五分間しかありませんから、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案について簡潔にお尋ねいたします。 これは実は私の方で質問したいことはたくさんありますけれども、政府から来られたときに大体質問することを申し上げておきましたので、まとめてあるようでございますから、一括して質問いたしますので、あと五分間でございますから、まとめてひとつ御答弁願いたいと思います。 第一にお尋ねいたしたいと思いますことは、今回の指定消費地域の指定基準は、人口規模以外にどのような基準を考えておられるかということが第一点であります。 第二点は、本年度新規に指定消費地域となったのは七地域でございますが、この選定はどのような基準で行われたのか。 第三点は、消費地域の今後の指定の方針はどういうような考え方を持っておられるかということを伺いたい。 次には、指定野菜の価格補てん制度の対象は各地域特産物でありますが、全国一律に適用するのであるかどうか、この点も承りたいと思います。 五番目に、特定野菜に、スイカ、イチゴ、メロン等を追加すべきではないか。これは農村の事情から強い要望が出されておりますので、この点をひとつ承りたい。 第六には、既存の二つの団体を統合しなければならないということになっておりますが、この必要性を明確にひとつ御説明願いたいと思います。 第七番目には、今回できます新基金は、生産者と消費者の利益の調和を図らねばならないが、その運営の公正を確保するための具体的な方法をどう考えておるか。これが今回のこの法律案におきます最も重要点であると思いますので、この点に対する政府の考え方というものを伺いたいと思うのであります。 第八番目には、出荷団体の総会にかわる協議会を設けて出荷団体の意向を反映する処置を考えておられるのであるかどうか、この点をひとつ承りたい。 最後に、価格補てんの資金造成が最近地方自治団体の財政上の悪化のために困難となることがあります。法律によりますと、地方自治団体と生産者が半分ずつ持つことになっておるのでございます。そういう点から考えますと、生産者の負担というものも非常に増加するということになりますので、こういうことに対して、やはり生産者の要望を満たすためには国庫補助率を引き上げるというようなことも当然考えないといけないかと思いますので、この点もひとつ政府の意向を承りたい。 はなはだ簡潔でございますけれども、時間がありませんので、私まとめてお尋ねいたしましたので、まとめて御答弁を願いたいと思います。
○今村(宣)政府委員 御質問の九点につきまして、要点を簡潔に御説明を申し上げます。 一つは、指定消費地指定の基準でございますが、これは野菜の消費量、遠隔地の依存率、卸売市場の整備の状況等を勘案して指定をいたすわけでございまして、本年度七地域につきましても、そのような基準に基づいて指定をいたしたわけでございます。今後県庁の所在地その他を含めまして人口二十万以上の都市につきましては逐次指定を進めてまいる所存でございます。 それから第四点の特定野菜につきましては、各県の必要とする品目を選定をして実施していくわけでございまして、価格の算定方法等につきましては、国として全国統一的に行いますが、各県の実情に応じて処理をしていただくということにいたしたいと思います。 第五点の、イチゴ、メロン等につきましては、これを来年度追加する方向で検討いたしたいと考えております。両団体につきましては、これは従来のそれぞれの財団法人等で行っております価格処理では十分ではございませんので、これらを統合いたしまして、画期的な事業を実施をいたすというふうに考えておるわけであります。 なお、出荷団体の総会にかわる評議員会につきまして、出荷団体の意向につきましては、これを反映するよう十分考慮をいたしたいと思いまして、そのメンバーの構成等につきましても、生産者団体の代表の方十名程度はこれに入れることによって、十分その意向を反映するようにいたしたいと思います。 それから、価格補てんの資金造成につきましては、今後とも十分努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○稲富委員 ただいまの御答弁に対しましてもいささか再質問したいこともありますけれども、時間がありませんので、私はこれで質問を打ち切りますが、この際、大臣からひとつ……。
○安倍国務大臣 野菜は、米、畜産に次ぐ重要な農産物でございまして、その生産の振興と価格の安定は、野菜作農家の経営上きわめて重要な問題であります。また、消費者家計にとりましても、肉類に次ぎ重要な地位を占めておりまして、野菜の価格の安定は消費者にとりましてもきわめて重要であると思います。したがって、野菜生産出荷安定法の一部改正の速やかな成立をお願いをいたしますとともに、その運営につきましては、御趣旨のような線に沿って適正を期し、その成果の発揮に努力をしてまいりたいと考えております。
○稲富委員 時間が来ましたので、私の質問はこれでもって打ち切ります。
○湊委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○湊委員長 ただいま議題となっております両案中、まず、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 この際、本案に対し、津川武一君から修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。津川武一君。
○津川委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、農業災害補償法及び農業共済基金法を今回の一部改正よりさらによくするために修正案を提案し、その説明を行います。 政府案は、農民の要求とわが党の従来からの主張に押されて、災害による農作物被害に対する補てんの改善、家畜共済の掛金国庫負担割合の引き上げを図るなど、一定の改善措置となっていますが、小規模被害を補てんの対象としない、いわゆる足切りはほとんど改善されず、国庫負担割合の引き上げも不十分であり、また農業共済組合の民主的運営に逆行しかねない内容を含んでおります。 私たちの修正案は、政府案の弱点を改善して、農業災害補償制度を農民の経営の安定と農業生産の発展に役立つよう一層充実させるためのものであります。 修正の第一は、農作物共済のいわゆる足切りを次のように改善します。耕地一筆ごと引受方式にあっては、現行の三割を二割に、農家単位引受方式にあっては、現行二割を一割にすることであります。 第二は、第一の改善に要する掛金負担については、農民負担が過大にならないよう、掛金国庫負担割合を高めるために、その算定表をお手元に配付しているように改め、累進性を強化します。 第三は、家畜共済の掛金国庫負担割合について、政府案で三分の一から二分の一までとしているのを、一律二分の一に改めます。 第四に、農業共済組合の役員、総代の選挙について、政府案の定数内立候補の場合投票を省略できる旨のただし書きを追加する改正は、無投票を誘導するものとなるおそれがあるので削除します。 何とぞ満場の御賛成をお願いして、修正案の説明を終わります。 なお、これに要する費用としては、農作物共済の収支を改善するなどを見込んで、百四十億円を予定しております。 終わります。
○湊委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればお述べいただきたいと存じます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府としては賛成しがたいものであります。 —————————————
○湊委員長 修正案に対して、別段御発言もないようでありますので、原案並びに修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより採決に入ります。 まず、津川武一君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立少数。よって、津川武一君提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○湊委員長 この際、本案に対し、角屋堅次郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、ただいま議決されました農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、最近における農業事情の変化等にかんがみ、長期的視野に立つて、制度の一層の拡充整備を図り、農業経営の安定と農業生産力の発展に資するよう左記事項の実現に努めるべきである。 記 一、農作物共済については、補償の経営安定効果を一層高めるため、農家単位引受方式の円滑な推進を図るよう努めるほか、災害の発生態様の変化及び農家の共済需要の動向を勘案して今後とも足切り水準の引下げ又は損害の程度に応じててん補する比例てん補方式等につき調査検討を行い、てん補内容の充実を図ること。 二、水稲病虫害損害防止給付については、地域における防除の実態に即応するよう、その給付内容の充実に努めるとともに、その実施に当たつては、関係団体等との連絡、協調に特に留意すること。 三、家畜共済については、馬及び肉豚等に係る共済掛金国庫負担等につき一層の改善に努めるとともに、実情に即した診療点数の改定、獣医師の待遇改善、損害防止事業の強化等を促進し、家畜診療所の経営安定を図ること。 四、果樹共済については、加入の推進に一層努めるとともに、果樹栽培農家の経営安定に資するよう補償内容の充実、対象品目の拡大等に努めること。 なお、最近における果実の需給動向にかんがみ、果実の生産及び価格対策の一層の充実強化を図ること。 五、畑作物共済及び園芸施設共済については、可及的すみやかに本格実施への移行を図ること。 六、野菜等の新種共済については、早急に調査等を行い、基礎資料の整備を進め、その早期制度化に努めること。 七、役員の選挙等農業共済団体の運営に当たつては、民主的運営が損われぬよう、特段の指導を行うこと。 八、農業共済団体の事務費に関しては、事業運営の複雑多様化に対応して、事務執行体制の整備、職員、共済連絡員等の待遇改善に資するよう、国庫負担の充実を図ること。 右決議する。 附帯決議案の趣旨につきましては、質疑を通して委員各位のよく御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ、全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○湊委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対して別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 角屋堅次郎君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。 —————————————
○湊委員長 次に、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 この際、本案に対し、中川利三郎君から修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。中川利三郎君。
○中川(利)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由を説明いたします。 修正案の朗読は省略させていただきます。 野菜が国民の食生活に占める重要性にもかかわらず、近年野菜生産農家の減少と都市近郊産地の壊廃の急増等によって野菜生産は依然停滞を続けています。 一方、野菜の消費者価格は異常な乱高下を続けながら高騰し、その消費量の減少とも相まって大きな社会問題となっています。 本改正案は、このような野菜をめぐる情勢に対処し、現行の野菜価格安定制度を一歩前進させようとするものであって、わが党はこれを評価するにやぶさかではありません。しかしながら、本改正案について幾つかの問題点を指摘せざるを得ないのでありますが、それは本改正案によってもなお野菜の再生産を確保するに足る価格安定制度とは言いがたいこと、また都道府県の野菜価格安定法人が行う価格補てん事業に対する助成についても、いまだはなはだ不十分であることなどであります。 日本共産党・革新共同は、これらの諸点について引き続き改善を要求するとともに、ここに次の修正案を提案するものであります。 その第一点は、評議員会の構成を生産者を代表する者十人以内、消費者代表五人以内、販売業者を代表する者五人以内、学識経験者五人以内とするものであります。 第二点は、野菜供給安定基金がその定款、業務方法書、事業計画等の作成もしくは変更について農林大臣の認可を受けようとするときは、あらかじめ評議員会の意見を聞くことにしたことであります。 これら二点は、野菜供給安定基金の民主的運営を保障するために最小限必要な要件であると考えますが、とりわけ第二の点は、現行法では野菜生産出荷安定資金協会の総会の議決事項とされているのでありますから、この修正案が示すように法定すべきは当然必要なものと考えます。 委員各位の御賛同をお願いして、修正案の概要と提案理由の説明を終わります。(拍手)
○湊委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○湊委員長 修正案に対して別段御発言もないようでありますので、原案並びに修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより採決に入ります。 まず、中川利三郎君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立少数。よって、中川利三郎君提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○湊委員長 この際、本案に対し、角屋堅次郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、ただいま議決されました野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず案文を朗読いたします。 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 最近における農業生産及び国民消費生活に占める野菜の生産、消費の重要性の増大にかんがみ、政府は、本法施行に当たつては、すみやかに左記事項の実現に努めるべきである。 記 一、野菜の供給及び価格の安定を推進するため、指定消費地域の拡大指定及び複合指定を含め作付の実態に即した野菜指定産地の拡充を図ること。 二、都道府県の野菜価格安定法人の行う価格補てん事業については、地域農業の振興及び国民消費生活の安定に果たす重要性にかんがみ、対象品目の拡大等助成内容を充実すること。 三、野菜供給安定基金は、生産者の意見を反映する措置を講ずるとともに、消費者との調和をその基本として、適切な業務運営を行うこと。 四、野菜の計画生産、計画出荷を確保するため、系統農協組織の活用による生産出荷の調整のため、所要の措置を講ずるとともに、価格補てん事業の保証基準額の算定に当たつては、生産費その他の生産事情を十分考慮し、再生産確保の観点に十分留意して行うこと。 五、野菜の生産、消費の重要性にかんがみ、価格補てん事業に要する資金については、野菜生産農家及び都道府県の負担の軽減を図るため、国庫負担を大巾に増額すること。 六、野菜供給安定基金の行う野菜売買保管事業等の高騰時対策事業について、円滑な事業運営に必要な予算措置を講じ、その強化に努めること。 右決議する。 以上の決議案の趣旨につきましては、審議の過程を通して委員各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○湊委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対して別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 角屋堅次郎外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存でございます。 —————————————
○湊委員長 なお、ただいま議決されました両案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○湊委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時八分散会