農林水産委員会 第9号
- 発言数
- 450 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/05/12
会議録
○湊委員長 これより会議を開きます。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。 両案に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 まず最初に、農業者年金法案に対して、主として農林大臣にお尋ねいたします。 今回の政府改正案によりますと、その改正の重要な点の一つといたしまして、経営移譲年金の条件緩和規定が出されておるわけであります。すなわち、経営主がその所有する農地を世帯員である後継者に対し使用収益権を設定して経営移譲をすることができるという規定であります。しかし、これを農地法の立場から見ると、たとえば法第二条第二項及び第五項で自作地、小作地の区分及び世帯員の権利関係等について、また法第三条では農地等の権利移動の許可について、法第六条では小作地の所有制限について、それぞれ法の適用が一貫して世帯主義を農地法においては貫いておることは大臣も御承知のとおりであります。これは日本の農業における農業経営の実情にかんがみまして、その大部分が世帯単位で農業に従事し、家族労働によって経営が行われておるのでありますから、農地法の適用に当たっては、世帯単位に、すなわち家族主義を基本として適用することが実情に即しておるというこの考え方に基づいておるわけであります。 そこで、この家族主義の原則を踏まえて今回の政府の農業者年金改正案を対比いたしますと、やはり農地法と農業年金制度における明確な分野の策定と法運用上の実態というものを明らかにする必要があると思うわけでございます。 そこで、農林大臣に明らかにしていただきたいのは、農業者年金制度においては、いわゆる農業の経営権なるものをどのように考えておるかという点、また農地法制度に基づく経営権、耕作権に基づいた農地法の経営権というものをどういうふうに考えておるか、この点を、大臣の責任ある答弁を願いたいと思います。
○安倍国務大臣 まず、農業者年金制度では、農業の経営権をどのように考えておるかという御質問でございますが、農業者年金制度におきましては、御存じのように、第二十二条に規定するとおり、農地につき所有権または使用収益権に基づいて耕作または養畜の事業を行う者を農業経営主として取り扱っておるわけであります。したがって、農地について所有権または使用収益権を有する者が経営権を有しておる者と考えておるわけであります。 また、今回の農業者年金基金法改正案では、経営移譲年金の支給要件である経営移譲の方法として、後継者に対する使用収益権の設定による方法を認めることとしておりますが、現行農地制度上は、自作農主義を維持する趣旨から小作地所有制限を行っておるので、この現行農地制度の趣旨を損わぬよう同一世帯内での使用収益権の設定に限定して小作地所有制限の例外を認めることといたしたいと考えております。
○芳賀委員 そこで、今回この移譲条件の規定が緩和されるということになれば、当然同一世帯内における使用収益権の設定ということを認めなければならぬということになると思いますけれども、しかし、世帯単位の、この世帯主義の経営の実態の中において、果たして同一世帯内における世帯員に対する使用収益権の設定というものがどのような効果を上げることができるかという点についてどう考えておりますか。
○安倍国務大臣 その点については具体的に局長から答弁いたさせます。
○岡安政府委員 まず効果の点を先にお答えいたしたいと思いますが、私どもは、やはり本来は、先ほど御質問のとおり、これは大臣からお答えいたしましたように、経営権といいますか、それの移転というものを前提として経営移譲年金の発生要件といたしたいと思っておるわけでございます。その場合には、やはり本来は所有権の移転というふうに考えておりますし、特に親子間等におきましては、これは所有権の移転が本来であろうというふうに考えます。ただ、最近のように農地の価格等が上がりまして、資産的な価値が増大してまいりますと、適期に所有権を親から子に移すということもなかなか困難な場合もございますので、実態に合わせる趣旨、意味合いもございまして、今回は親が子に使用収益権を設定するということを認めることによって経営移譲をやりやすくする、それによって年金受給の要件を満たしやすくするということを考えているわけでございます。
○芳賀委員 いま局長の言われた場合においても、当然これは同一世帯内の使用収益権の設定ということになるわけでありますから、この農業者年金法で言ういわゆる土地所有者であり、経営者が、直系卑属の世帯員に権利を設定するわけでありますから、この場合、やはり農地法の定めるところに従って適法に処理しなければならぬと思うのです。そうした場合、この世帯内の使用収益権、いわゆる小作契約の設定が成立した場合、その世帯内における農地は、これは従来どおり自作農地という形でこれを取り扱っていくのか、あるいはまた世帯員に対する使用収益権、いわゆる小作契約の設定が認められた場合においては、これは小作地として扱うかという問題が出てくるわけですが、この点はどういうふうにこの農地法のたてまえから考えられるのか、岡安局長は農地法の番人でもあるわけだから……。
○岡安政府委員 お答えいたします。 わが国の農業経営は、先生御承知のとおり、その大部分が家族農業経営でございます。同一世帯内におきまして、経営主と農地の所有者が違う場合にも、その間におきましては使用収益権の設定というような法律関係を生ぜしめないまま行われているのが通例でございますが、このような場合の自作地、小作地の判定に当たりましては、経営主は世帯員の所有権に基づいて経営しているとみなすというのが、先生御指摘の農地法二条五項の世帯主義の規定ございまして、農地法はいわゆる世帯主義をとっているというふうに言われているわけでございます。しかし、同一世帯内でありましても、経営主が所有者から使用収益権の設定を受けることは可能でございますし、農地法の許可を受けて経営主が農地の所有者から使用収益権の設定を受けて経営している場合には、経営主はその使用収益権に基づいて経営しているわけでございますので、二条五項を適用して、あえて擬制する必要はないものというふうに考えております。したがって、同一世帯内で経営主が所有者から使用収益権の設定を受けて経営している御指摘の農地は、農地法上は小作地に該当するというふうに私どもは考えております。
○芳賀委員 その場合、実態論から言うと、収益権設定前の経営主はもちろん土地使用者であって、六十歳を過ぎたとしてもこれは健在で、実態的にはこれからも数年間は、相当農業経営上の主体的な役割りを果たさなければ、その世帯の経営は成り立っていかぬという、こういう実情はそう変わりないと思うのですね。また、所有者であって後継者に使用収益権を設定するという場合であっても、その世帯主は世帯内の一員として当然これは農業に従事するわけですから、その場合の位置づけですね。 もう一つは、健全な農業経営をやっておる場合においては、当然その後継者と小作契約を締結した場合においてもその本人の社会的な地位あるいは世帯内の地位というものには、そう余り変化は生じないと思うのですね。そういう点が果たして、この経営移譲年金の緩和を図るというだけの趣旨で、今回のこの農地法に触れる重要な改正が行われるわけでありますが、そういうような点については農林大臣としてどういう配慮を考えていますか。
○岡安政府委員 先生の御指摘のような事例というのは間々あると思いますけれども、これを法律的または制度の上で分解いたしますと、なかなかむずかしい問題でございます。と申しますのは、親が子に使用収益権を設定する、にもかかわらず、親がある程度、なお健全で農業経営をやっているという場合はどうかという御質問は、まあ世帯内の実際的な仕事の配分その他の問題になるわけでございますので、実態がどうかということは非常に判断がむずかしいわけでございますが、先ほど大臣が、農業者年金制度では農業の経営権をどのように考えるかという御質問に際しまして、農業者年金制度におきましてもこれは農地法とほぼ同様、農地について所有権または使用収益権を有する者が経営権を有しているものというふうに考えておりますので、親が子に使用収益権を設定し、その後継者が相当程度当該世帯内の農業経営の責任をしょっていれば、その世帯におきましてはその後継者が適当な経営権を有し、また適法な使用収益権のもとに経営権を有してその農業を経営しているというふうに理解をするのが適当ではなかろうか。したがって、そういうことに着目いたしまして、今回の改正ができれば、年金の受給資格をその親に与えようということでございます。
○芳賀委員 もとより農地法においても、同一世帯内における使用収益権の権利の移動、設定を否定しているわけではないのですね。しかも、今回の年金法の改正を行った場合においても、あくまでもこの農地法に基づいた判断でこれは小作地ということになるということになれば、農地法上小作地の保有面積を超える場合においては、当然これは農地法の制限規定に抵触をするということになるわけです。これをどのようにして調整するかという問題が、これは当然制度的に出てくると思うわけですが、今度の改正案に対しては何らそれに触れていないわけですから、この処理は一体制度的にどう考えていますか。
○岡安政府委員 親が農業後継者たる子に農地の使用収益権を設定することによりまして経営移譲をした場合には、その親子が同一世帯である場合にも、その農地は農地法上小作地となるということも先ほど申し上げたわけでございます。そうしますと、先生御指摘のとおり、小作地所有制限に該当する場合も生じますので、農地法から要請されております他の小作地との均衡をも考えまして、農地法施行規則を改正いたしまして、所有者がその世帯員に貸し付けている農地につきましては小作地の所有制限の例外といたしたいと思っております。そのことによりまして、今回の改正による経営移譲にも支障を生じないようにいたしたいというふうに考えております。
○芳賀委員 そうなると、その農地法のいま言われた関係規定をどういうふうに整備するというわけですか。農業者年金法が先に成立して、それから、そのために農地法の規定の改正をするという考えですか。それとも農地法の規定上、その根拠を設けてそれに準拠して世帯内の経営移譲を行うための権利設定については、これは適法であるという処理をするのか、どっちを先にやるのですか。
○岡安政府委員 なかなかむずかしい御質問でございますけれども、今回の制度改正に伴いまして、それが実施される場合には農地法上の制約が生ずるということで、農地法の目的の範囲内におきまして私どもは施行規則をもってこれを措置したいと考えておりますが、その実施に当たりましては、大体、同時並行的に手続を進めまして、今回の制度改正の実施には支障のないようなそういう形で時期を見計らって措置をいたしたいというふうに思っております。
○芳賀委員 それではこの年金法の改正が通らなければ、農地法上の規定の改正は必要ないということになるんですか。
○岡安政府委員 私どもはこの制度改正が通ることを期待をいたしまして準備は進めたいと思っております。
○芳賀委員 通らない場合は必要ないんでしょう、いまの局長の説明から言うと。その点はどうですか、大臣。局長でもいいですけれども。
○岡安政府委員 確かに先生の御指摘のとおり、私どもの検討もこの農業者年金基金法の改正を契機に検討を進めまして、先ほど申し上げましたような農地法体系のもとにおける改善を考えているわけでございますけれども、先ほどお答えいたしましたとおり、最近、同一世帯員間におきます使用収益権の設定、いわば小作地の設定というものが従来は余りなかったわけでございますけれども、ある。たとえば、前回の制度改正後におきまして私どもが措置をいたしました世帯主の妻が農業者年金に加入する場合に、一つの方法としまして、夫が妻に使用収益権を設定をするというような方法もあり得るわけでございますし、現にそういう例もございます。そういうことを考え合わせまして、先生御指摘のとおりこの制度改正と密接な関連もございますけれども、そのような事態を把握いたしますれば、考え方としましては、農地法上の手当てというものは、農業者年金制度の改正とは別に措置せざるを得ないような事柄の筋合いというようなことにも考えております。
○芳賀委員 それで、規定改正に先立って、先ほど農林大臣から、後継者に対する使用収益権の設定に当たっては小作地所有制限に係る現行農地法の趣旨を損なうことのないように適正な運用に当たるということを明確にされておるわけですね。この趣旨に基づいて当然規定の改正ということになれば、これは農地法第七条第一項、第十六号の「その他」の条項の中の規定の改正ということになると思うのですね。その場合、あらかじめ用意しておる省令の改正条文というのはどういうふうに考えているのですか。
○岡安政府委員 先ほどちょっとお答えしたかと思いますけれども、先生御指摘のような農地法の規定を受けまして施行規則を改正し、新たに所有者がその世帯員に貸し付けている農地というものを小作地の所有制限の例外となるように省令で規定をいたしたいというふうに思っております。
○芳賀委員 この運用に当たっては、農林大臣として、ただ書いたのを読んだだけでは済まぬと思うのです。これは非常に大事な点ですから、もしこの省令改正をした場合、それから経営移譲年金の条件緩和ができた場合は、あくまでも農地法の諸原則を絶対に乱すことのないように、その確約はどうしても委員会としても必要だと思うのですが、どうですか。
○安倍国務大臣 もちろん農地法上の諸原則は曲げないようにいたしまして善処をいたしたいと思います。
○芳賀委員 次に、今度の改正案では、法律の定めるところによって五十二年から五十二年、五十四年と毎年三カ年間にわたって保険料の引き上げをすることが改正案に出てくるわけであります。この保険料の法定という点については、四十九年の改正の際、政府案ではこれを政令にゆだねるという改正案が出てきたのを、当然これは法律の定めに従うべきであるということで前に戻した経過があるわけです。どうも今回の改正はそれを逆用したような節が非常に感ぜられるわけでありますが、この点はどういうことで三年間連続に階段式に保険料の大幅引き上げをやるかという点と、それから農業者年金加入者の場合には、農業者年金の保険料の支払いと同時に、国民年金にも当然加入しておるわけですから、国民年金の保険料も今回の改正で相当引き上げになる。そうなると、年金加入者の場合は、両面から保険料負担の増大ということになるわけでありますが、この点は農業者年金制度の趣旨に照らした場合において、できるだけ農業者である年金加入者の負担の軽減を図るべきである。そういう場合には当然、国庫負担分を拡大強化することによってのみ負担の軽減を図ることができるわけでありますが、この点を明確にしてもらいたいと思います。 なお、この点は厚生省からも出席を求めておるので、これは農林、厚生の共管の法律でもあるので、両方からはっきりしてもらいたい。
○安倍国務大臣 まず私からお答えをいたしまして、あと局長から補足説明をいたさせますが、農業者年金の国庫助成につきましては、御存じのように経営移譲年金の給付時と保険料の拠出時に行われておりまして、さらに今回、後継者に対する拠出時の国庫補助率を引き上げることに伴いまして全体の国庫負担率は四六%程度となって、他の公的年金制度よりは相当高いものになっておるわけでございますが、農業者年金の国庫負担につきましては、国の財政上の問題、他の公的年金制度との関連もありまして、むずかしい問題ではございますが、本制度の果たす農政上の重要性にかんがみまして、今後ともその拡充強化には努めてまいりたいと考えております。
○岡安政府委員 私から法定の関係につきましてお答えを申し上げたいと思いますが、今回、年金制度の給付水準の改定をまず考えたわけでございますが、これはやはり最近におきます農業所得、それから厚生年金の改定の行方等を総合勘案いたしまして一・四八倍にいたしたいというふうに考えたわけでございますけれども、それをもとといたしまして保険料を計算をいたしますと、平準保険料といたしまして三千百七十六円ということで、現在の保険料の一・九倍ということになるわけでございます。これを、この前の御決議もございますので、そのまま法定をすることも考えたわけでございますけれども、それでは給付水準の上げに比べまして保険料の上げ幅が非常に大きくなりまして、先生御指摘のとおり、国民年金もこの際保険料の引き上げが考えられておりますので、農家負担が急激に増高をするということを配慮いたしまして、段階的にこれを引き上げまして負担の激変を避けることにいたしたわけでございます。 そこで、大体三カ年間にわたりましてこの平準保険料の要請を満たすことにいたしたわけでございますが、これを一部だけ法律に定めましてそれ以降の引き上げを政令にゆだねるということは非常に不安定な形になりまして、やはりこの国会でも、農民の支払うべき保険料は国会の議を経てはっきり法定をしておくべきであるというような御趣旨でもございますので、この際は三段階に上げるということにいたしまして、その三段階の金額を法律で明らかにするというようなことにいたしたわけでございますので、この点御了承をいただきたいと思っております。
○持永説明員 農業者年金の今回の保険料の改定でございますけれども、先ほど農林省の方から御説明ありましたように、今回の保険料の改定は、本来必要とされる保険料まではいきませんで、給付の乗率と同じ一・四八倍という乗率にとどめておるわけでございます。今回政府といたしまして厚生年金、国民年金の改正案を国会に御審議をお願いしておりますけれども、その中で同様に負担の増額の御審議をお願いしております。その厚生年金、国民年金の負担の引き上げ率と比べまして、今回の農業者年金の負担の引き上げ率一・四八倍というのは決して高いものではないわけでございまして、ほかの制度の方がむしろやや高目だということが言えるかと思います。 それから、農業者年金の加入者は御指摘のように国民年金の加入者でございまして、そういう意味で二重の保険料負担、保険料増も二重の増ということになるわけでございますけれども、これは農業者年金がそれ独自の目的なり性格を持ってつくられた制度でございまして、そういう意味で国民年金とは別個のものでございます。そういう意味で、農業者年金につきましては、やはり将来の財政の健全性をそれ独自で確保するというような立場から、それ相応の負担はやむを得ないのではないかと考えております。 さらに、国庫負担の問題でございますけれども、先ほど御説明ありましたように、農業者年金の国庫負担は今回の改正によりまして四六%程度になるわけでございますが、国民年金につきましては、御承知のとおり給付時におきまして三分の一の国庫負担、三三・三%の国庫負担、それから厚生年金、一般の被用者の厚生年金の場合には二割の国庫負担でございまして、そういう意味からも、農業者年金の国庫負担は、ほかの年金制度に比べましてかなり高率なものだと考えておるわけでございます。
○芳賀委員 私が指摘しているのは、現在各公的年金全体の中で、農業者年金法だけが完全積立方式で運営しておるわけですね。他の年金は修正方式にもう必然的に移行しているわけなんです。そういう中で、これから三年間にわたって階段を設けてどんどん完全積立方式を基礎にした保険設計で保険料を高めていくということになると、他の公的年金との比較から言うと非常な格差が生ずるというおそれがあるわけですね。そこに問題が一つあるわけなんですよ。だからこの際、今後の農業者年金の保険設計については、この農業者年金法というものを政府として、特に厚生省として、一体公的年金の一つとして位置づけをしておるのかどうか。その点どうなんですか。
○持永説明員 農業者年金は、御指摘のように法律に基づく公的な制度でございますから、そういう意味では公的な年金制度ということが言えるかもしれませんが、ただ、私どもで、たとえば年金の通算通則法でございますとか、そういった意味で言っております法律上の公的年金、いわゆる一般的な生活保障としての公的年金の中には、この農業者年金は技術的に入れない場合があります。ただしかし、これはあくまで制度的には法律に基づく制度でございますでの、そういう意味では公的な制度であるということが言えるかと思います。 それから、御指摘の積立方式——財政方式の問題でございますけれども、農業者年金の場合には、御承知のとおり、年金の財政方式をどうするかということは、将来の年金給付費がどうなるか、そういうことを十分勘案した上でこの財政方式を考えていく必要があろうかと思いますけれども、農業者年金の場合には被保険者の構成割合から見て非常に高齢者の割合が高うございます。現実に、農業者年金の場合には、四十歳以上の被保険者のパーセントが八割を超すような状況でございますけれども、そういう意味で、農業者年金につきましては、将来の財政というものを考え、あくまで年金財政の健全性というものを考えていくならば、現在のような積立方式を維持すべきだというふうに考えております。
○芳賀委員 大臣にお尋ねしますが、いまの厚生省の農業者年金に対する位置づけというのは非常に問題だと思うのですよ。五年前にわれわれが当委員会において農業者年金を審議して成立させたわけですが、たまたま安倍農林大臣は、当時与党の筆頭理事であったわけです。この法律を審議する場合は、農業従事者の老後保障を重要な目的として年金制度を創設するということは、政府としても繰り返しわれわれに説明したところなわけです。いま厚生省の答弁から言うと、老後保障の関係はこの農業者年金の中においては任務づけされていない。これは政府部内において非常に問題があると思うのですよ。これは厚生省の所管の法律でないのですからね。農林省、厚生省の共管ということになっておるが、実質的にはこれは農林大臣が所管する年金法になるわけですね。そうなるとわれわれが当時危惧して指摘したように、これはあくまでも離農政策に基づく政策年金ではないか——本物年金ではないということをたびたび指摘して、社会党としては別個に農民年金法案というものを提出して、そこで真剣な論議をしたことがあるわけです。そういうことになると、これは将来、農業者年金の発展性から見ても、重大な障害が起きると思うのです。だからこの点は、政府として統一的に農業者年金の位置づけ、特に農業者に対する老後の保障というものを年金制度の重要な目的の一つとして明確に掲げるかどうかということになるわけでありますからして、その点について所管の農林大臣として方向づけを明らかにしてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 この農業者年金の目的につきましては、いま芳賀委員が御指摘のように、「農業者の老後の生活の安定及び福祉の向上に資するとともに、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与することを目的とする。」ということを明確に書いておるわけでございますので、その基本的な目的の上に立ってこの農業年金というものは実施され、推進されなければならないと考えております。
○芳賀委員 結局、現在のような老後保障を考えない年金の財政設計であるから、あくまでもこれは完全積立方式ですね、この年金だけ別途にやるということになるわけですから。この点を、完全積立方式なるものを根本的に改めて、他の公的年金と同じように修正積立方式等の方向に積極的な改善を図る必要があると思いますが、この検討事項については農林大臣としてどう考えていますか。
○安倍国務大臣 農業者年金につきましては、被保険者の年齢構成が、他の年金に比べまして高齢者の割合が高いこと、将来、被保険者数が減少するというふうに見込まれること等から、完全積立方式でなければ、将来の被保険者の負担が高額過重なものとなりまして、世代間の負担の不公平をもたらすのみならず、年金財政も破綻をするおそれがあるという点から完全積み立ての原則を堅持しておるところでございますが、しかし、年金財政方式は、御指摘のように被保険者の保険料負担にも大きな関連を有する事項でございますので、修正積立方式の導入の問題につきましては、被保険者の加入状況、年金受給者数の推移等をも見きわめながら、今後とも重要な課題として研究をしてまいりたいと考えております。
○芳賀委員 結局この問題は、農業従事者の老後保障を重点にしていないということから、この経営移譲年金だけに重点を置いておるわけですね。だから、六十歳から五年間だけに限って期限を限定してそこに経営移譲年金というものを支給する。六十五歳からは非常に貧弱な、名前だけの老齢年金の支給に年金が移行する、そういう変則な形をとっておるわけです。 そこで、肝心な老齢年金の内容の改善、つまり老齢年金の年金水準の引き上げ等の措置については、農林大臣としてどういうお考えを持っておられるのか。
○安倍国務大臣 御存じのように、実際に農業者老齢年金の支給が開始されるのは、昭和五十六年からでございますが、農業者老齢年金の給付の水準につきましては、いまいろいろと御指摘もございましたが、そういう点も含めて、今後農業者及び農業団体の意見を十分参酌をいたしまして、給付水準の引き上げには努力をする所存でございます。
○芳賀委員 特にこの年金法ができたときの経過の中に、昭和四十五年の国会審議の際に、老齢年金については、政府原案においては、つまり老齢年金の算定の基礎になるいわゆる年金単価、これは一定額に保険料納付済み期間を乗じたものがこの年金額ということになるわけですが、そのときの政府の年金単価の案は、百八十円に保険料納付済み期間を乗じた額を老齢年金の年金額とするということにしてあったのですね。これだと、どう考えても年五分五厘の利回りにもならぬ。これは一体どういうわけだ、老齢年金を犠牲にして、そして経営移譲年金だけを形式的に華やかにするのじゃないかという指摘をした際に、ちょうど大臣が与党の筆頭理事でしょう。私もたまたま社会党の筆頭理事をやっておった関係があって、当時の政府案には、社会党として別個のりっぱな農民年金法を出しておったわけですが、この点について安倍さんとしばしば協議をして、この点については百八十円を二百円に、これは委員会で修正をする、ようやく掛け捨てにならないぎりぎりの水準で二百円に保険料納付済み期間を乗じた額をつまりこの発足当時の老齢年金額ということにしたわけです。このときからもう問題があったのですよ。だから、大臣もそれに気がついて、与党であっても、これはけしからぬ、やはり老齢年金というものは、老後保障の点から見ても、これは相当重要に扱うべきであるということで、最初に手直しをしたそういう経過があるわけです。たまたまその手直しの筆頭人が安倍農林大臣ですからね。やはりこういう際に問題になる老齢年金については、この年金単価を今度の改正案では六百五十円にするわけでしょう。四十九年の改正が四百四十円、今回は六百五十円に引き上げるということになっておるが、結局老齢年金を上げるということになれば、この年金単価の六百五十円をさらに大幅に引き上げなければこの老齢年金の引き上げということにならぬわけですね。いまでもやる気になればこれは法修正ができますけれども。こういう点に気がついて、あくまでも低額の老齢年金制度というのを維持する考えでおるのか、今回は不十分であるけれども、次期改正の場合には抜本的な改正を図る、そういう意欲を持って提出されたのか、その点をこの際明らかにしてもらいたい。
○安倍国務大臣 この点は非常に重要な点でございますし、この次の改正の段階までには十分検討いたしまして善処したいという決意を持っております。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、今度の改正を通じまして、三十五歳未満の特定後継者に対する保険料負担の割引制度というものが出されておるわけです。これをけちをつけて非難する考えはありませんが、せっかく三十五歳未満の特定後継者に対して積極的な配慮をするということになれば、余り要件を限定しないということが非常に大事だと思うわけであります。政府が用意しておる政令案によると、その要件としては県平均以上の経営規模であること、親子が同時に年金に加入していること、後継者が農業に専従していることを予定しておるようでございますが、農村の実態から見ると、次のような点については十分な適正な対応をして、せっかく提案されたこの改正規定というものが広く適用されるようにすべきだと思うわけであります。 そこで、第一の点は、県平均以上の経営規模の関係でありますが、これは農家を経営規模によって差別を設けることにまず基本的な問題があるわけですね。だから、当然この農業者年金の当然加入資格要件というものが都府県では五十アール、北海道は二ヘクタールというのが面積要件の基礎になっておるわけでありますから、ここにも厳然たる基礎があるわけです。この上に立って、特に経営の内容については、水田農家、畑作農家、畜産農家あるいは施設園芸農家というふうに、経営の実態が、単に面積だけで律することのできないいろいろな類型があるわけですから、これらを的確に掌握をして、そうして今回の若年者に対する特例措置というものを実施されるべきではないかと思うわけです。 それから、二番目の親子加入については、親子二名加入の要件は、これもやはり基本的な権利の上において問題があると思うのです。 この制度が発足した当時、一戸一年金加入ということで促進を図ってきたわけですが、特に経営主が高齢のために年金加入の道が閉ざされておるという実態もあるわけですね。そういう場合に、それを理由にしてこの特例対象から除外するということは行うべきではないと思うわけです。だから、経営主が高齢で加入資格を失っている場合においても、やはりこの学割制度というものを後継者に適用すべきであるというふうに考えるわけでございます。特にこれは農業者年金制度の加入の権利にかかわる重要な問題でありますから、これの侵害にならぬように、ただ保険料負担を軽減した分だけが国庫負担になるというような情けない考えの上に立たないで、どうしていま農業における後継者が激減しているか——後継者の激減ということは、年金制度から言うと、後代者が極端に減少しているわけでしょう。年金の設計の上で、後代者がいなくなるということになれば、これは年金制度というのは成り立たぬわけですからね。本人の保険料負担は一銭も要らぬと、たとえば諸外国でやっているように、直接本人には保険料の掛金負担をさせないというような方式であればこれは別ですが、やはり当事者の掛金負担に大きなウエートを置くという場合においては、一体後代者がどうなるかということが非常に大事な点です。 これは年金のために言うんじゃないですよ。これは日本の農業が将来大事な担い手を失った場合に一体どうなるかということに通ずる問題ですからね。これはよほど真剣に考えないと、農業の後継者の確保、あるいは年金制度における後代者の確保あるいは増加ということはできないと思うのです。
○安倍国務大臣 この措置の場合の対象者の要件は、具体的には政令で規定をされることになるわけでございますが、この措置が、将来農業生産の中核的担い手となる後継者の確保、育成を図り、円滑な経営移譲の促進に資することを目的とするものであることにかんがみまして、将来の農業生産の中核的担い手となることが十分期待し得る一定の要件を決めることといたしておることは御存じのとおりであります。 具体的には、農業者年金に後継者加入をしている三十五歳未満の者でありまして、農業経営主と後継者がともに農業者年金に加入しておること、経営耕地面積が一定規模以上——これは県の平均以上であること、農業に常時従事する者であることを予定をいたしておるわけでございます。本措置の趣旨にかんがみまして、御指摘のような実情等をも踏まえまして十分検討した上で決定をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、経営規模要件につきましては、県平均を基準とするわけでございますが、施設園芸等集約的な経営の場合におきましては、県平均を下回る場合であっても対象となり得るように措置をいたしたいというふうに考えております。 また、親子加入の要件につきましては、本措置の趣旨にかんがみまして、これを撤廃をするということはできませんが、御指摘のような実態も踏まえて、経営主が高齢で年金加入の資格がないような場合には救済措置を講ずる方向で対処したいというふうに思っておるわけでございます。 以上のような措置によりまして、三十五歳未満の後継者加入の相当部分が対象となるように努力をいたす考えでございます。
○芳賀委員 いまの大臣の説明は理解できたわけですが、とにかく政令というのは、国会が決める法律の目的に合致して、それを忠実に実行するために、政令に委任しておるわけですから、法律が考えていないようなことを勝手にやってはうまくないと思うのです。老婆心ですが、その点を十分に踏まえてやってもらいたいと思います。 あと数点ありますけれども、いまのことは政令事項ですから、特に政府の責任において善処してもらいたいと思います。 次に、六番目は、四十九年改正の場合においても、農業者年金の低額的な——これはどうしてもそうなるわけですけれども、年金の実態というものに弾力性を持たせて、たとえば専業農家、第一種兼業農家、これまでが加入者の対象者ということになると思いますが、したがって、現在も他の年金においても、厚生年金制度等にも所得比例方式というのがあるわけですからして、この基礎年金のほかに——給与所得者でありませんので家族主義でやっておるわけだから、この専業農家、第一種兼業農家等の単に農業所得に限定しないで、これらの農家所得の実態というものを基礎にして、数段階の簡素な所得比例方式というものを考案して、そうしてそれを加入者が選択できるようなそういう形の、いわゆる所得比例方式等の創設を考える必要があると思うのですが、この点に対して、大臣としてどう考えておられるかという点が六番目の質問であります。 それから次に、七番目は、これも四十九年改正の際もわざわざ附帯決議を付し、時の倉石農林大臣からも、十分検討するという確約があったわけでございますが、農業者年金の加入者の条件として、やはり経営主と同様に農業に従事する、いわゆる世帯員である主婦労働に対する配慮というものは当然必要だと思うのです。世帯主の主婦の場合においては、これは特例がすでに開かれておりますけれども。たとえば一般勤労者の場合は、その勤労者の、まあ岡安局長の場合を例にとると、局長が農林省で公務員として勤務しておる、奥さんが農林省じゃなくとも、たとえば労働省でもいいが、結婚以来共かせぎで勤務しておるということになれば、これは夫婦そろっていわゆる公務員年金の資格を確保して、老齢になれば年金を受けることができるわけですね。給料取りは夫婦で勤め先があれば老齢年金の給付が受けられるわけだが、農業の場合は、もう経営主と一体になって何十年も働いておっても、その配偶者である主婦に加入権が与えられておらぬ。こういうところにもいまの年金の制度上の欠陥があるわけです。 それとあわせて、今回、後継者の任意加入がだんだん拡大優遇されることになるわけでありますが、同時に、後継者にはその配遇者がりっぱにおるわけですからして、結局家族農業の経営というのは夫婦一体になって協力して初めて農業経営ができるわけでありますから、その後継者である直系卑属のその配遇者である嫁さんに対しても、やはりこの任意加入の道を速やかに開く必要があるというふうにわれわれは当初から考えておるわけですが、これに対して十分実現の努力を講じられておるかどうかという点。 八番目は、いま言った配遇者の年金加入の問題とあわせて、遺族年金制度というものが農業者年金制度にはないわけですね。ところが死亡一時金制度はある。年金の受給権を確保する寸前で死亡した場合には、法律によって死亡一時金が遺族に支給される。ところが、受給権が発生して第一回の年金の給付を受けたその直後でたまたま死亡した場合は、これはもう死亡一時金の対象にならぬわけですね。他の公的年金の場合には、それを十分に最初から配慮して遺族年金制度というものがあって、そうして遺族が年金額の二分の一を終身受けることができるということになっておるわけです。だから、どうしてもこの受給権が発生してその直後死亡したというようなこういう事例を救済するためには、最初からもうこれは具備しておくべき遺族年金制度というものを、この農業年金制度の中においても速やかに創設する必要があると思うのです。これは農業者年金制度研究会等においても必要性は認めておるわけでありますし、あるいは政府の審議機関等においてもその検討の重要性というものは指摘しておるわけですから、これについても速やかに具体的な実現に取り組んでもらいたいと思うわけです。 次は九番目ですが、現行制度では、災害によって農地が流失、埋没し、被災農家が離農しなければならぬような場合に、そこに年金資格が発生しないことになっているわけですね。こういうような本人の過失に基づかないところの不可抗力の災害等によってやむを得ず離農する者に対しては、当然、特例を設けて年金受給資格を与えるべきであるというふうに考えるわけであります。これもやはり政令の措置でこれはできることでありますから、この点については特に農林大臣として責任のある答弁をしてもらいたいと思うわけです。 十番目は、実施時期の問題でありますが、今度の改正案は、昭和五十二年一月を実施時期としておるわけですが、これに最も関連のある国民年金、さらに厚生年金の場合は、実施時期がことしの九月及び八月に施行するということになるわけですね。そうなると、ここにも実施時期上の問題があるわけです。どうして農業者年金というものを政府が冷遇しておるかということにもなるわけでありますが、やはり国民年金と農業者年金というものは重大なかかわりを持っておるわけですね。特に農業者の当然加入であるところの農業者年金との関連における定額部分であるとか付加部分というようなものは、これは加入者が同一でありますから、実施時期等についても少なくとも国民年金がことし改正して九月実施ということになれば、その時期にこれは実施するというのが当然だと思うのです。 それから最後になりますが、もう一つ、この農業者年金制度においても、年金スライド方式というものがいよいよ採用されることになっておるわけでありますが、このスライド制の実施時期についても、ことしは農業者年金そのものの改正をやるわけですからことしは無理としても、明年度厚生年金、国民年金がそれぞれスライド実施時期の繰り上げをするというようなことになれば、当然、これは同じ政府が扱うことになっておるし、特に農業者年金の場合には、厚生省と農林省共管でありますから、意思の疎通がとれぬということはないわけですね。特に、ことしの改正の実施時期の問題ももちろんでありますが、今後のスライド制の実施等については、当然その実施時期をそろえる、おくれないようにするということが大事であるというふうに考えるわけであります。 以上について重要な点だけを率直、簡明にお答え願いたいと思います。
○安倍国務大臣 まず、農業者年金制度に農業の経営規模等に応じた所得比例方式ないしは階層制を導入してはどうかという問題でございますが、この点につきましては、農業者年金制度研究会においても検討をされておるところでございます。しかし、このような方式の導入につきましては、これを導入した場合に加入者の所得を基礎とせざるを得ないが、この所得の把握の面におきましていろいろと困難な事情があるという問題があるほかに、階層区分の指標及びその基準を何にとるべきかといった技術上の問題、これは技術上の問題でございますが、あるいはまた、被保険者の階層間の移動の確認、その記録といった事務処理上の問題、さらに農村社会の実態に円滑に対応し得るかどうかという問題等いろいろ問題があることから、まだ研究会としては結論を得るに至っておらない問題でありますが、今後の課題として検討するよう指摘されたところでございますので、今後農業者の意向等も十分確かめつつ慎重に対処してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 次に、今回の改正で農業後継者に新たな対策が講ぜられておるわけでありますが、これら後継者の妻も年金に加入し受給できる道を開くべきではないかというお話でございますが、農業者年金の加入対象者は、単に農業に従事する者とするのではなくて、農地所有権または使用収益権を有する農業経営主及び将来経営主となる後継者に限定をしておるところでございます。このようなことから、後継者の妻の加入の問題につきましては、後継者の妻は農業経営主の直系卑属ということでなくて、本制度の加入対象とすることが困難であるというふうに考えます。しかし、最近における農業就業の動向から見まして、農業生産における女子の役割りが高まってきておる実情も十分承知いたしておりますので、農業に従事する婦女子の老後保障の問題の重要性にかんがみまして、遺族年金等の問題も含めて今後の研究の課題といたしたいと思うわけでございます。 さらに、いま申し上げました遺族年金、これを農業者年金に設けるべきではないかという御指摘につきましては、国民年金制度との関連等もございますが、今後の重要な課題としてこれは十分に検討してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、災害に対する問題ですが、現行の農業者年金制度におきまして、年金支給を受けるための適格な経営移譲要件となるためには、処分対象農地等のすべてについて適格な処分が行われなければならないことになっております。したがって、災害等により処分対象農地等の全部または一部が滅失したときは適格な経営移譲とはならないこととなるわけでありますが、このような場合を救済するために何らかの措置を講ずるべきではないかという問題が、いま御指摘がございましたがあるわけであります。この問題につきましては、そのような実態の有無、実際にそのような事態が生じた場合の事実認定の方法等につきまして十分に検討した上で、経営移譲を行う者に不利益を生ずることのないようこの際所要の改善措置を講ずることといたしたいと考えております。 さらに、国民年金法の施行は五十一年九月となっており、農業者年金は国民年金と密接な関連を有するのであるから、この施行期日を繰り上げるべきではないかという御指摘もあったわけですが、今回の農業者年金制度の改正は五十二年一月実施ということにいたしておりますが、これは前回の五十年一月の改定後二年間で財政再計算を行うものであります。一方、国民年金の改正は、前回四十九年一月、今回五十一年九月でございまして、厚生年金では前回四十八年十一月、今回五十一年八月でございますから、財政再計算の期間としては、国民年金二年八カ月、厚生年金二年九カ月ということになっております。いままで国民年金、厚生年金の財政再計算の期間が四年あるいは五年であったことから見れば、今回の措置は異例ではありますが、農業者年金がさらにこれを二年ということで短縮しているのはきわめて特例的な措置でありまして、これをさらに繰り上げることは、他の年金制度との関連から見ましても困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。 また、スライド改定の実施時期の繰り上げの問題につきましては、厚生年金、国民年金がそういうことになれば、農業者年金についても繰り上げの措置をとるべきではないかという最後の御質問でございますが、農業者年金は四十六年一月に発足をいたしておりますので、今回の改正も五十二年一月から実施することといたしております。また、農業者年金と密接な関連がある国民年金のスライドも各年度の一月からとなっておりますので、これを十分勘案をして、スライド改定を各年度の一月から実施することといたしたものでございます。 来年度におけるスライド改定時期の繰り上げ問題につきましては、スライドの実施そのものが本年度の物価指数の動向にもかかっておりまして、現時点でそういう面で予測することは困難でありますが、来年度、厚生年金、国民年金についてスライド改定の実施時期の繰り上げが行われることとなった場合には、本年金につきましても繰り上げを実施するようにいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○芳賀委員 次に、農林年金の改正点についてお尋ねいたします。 第一の点は、最近は毎年農林年金法の改正を行っておるわけでありますが、その際、年金の財政面から見ての論議といたしまして、まず、農林年金法の六十二条に基づく国庫負担でありますが、現在は六十二条第一項によって国の補助が一八%、第二項では財源調整費補助、これは率は明定されておりませんが、必要額を国庫負担するということになっておるわけであります。この点については、毎年毎年農林省の予算要求の中において、必ず農林大臣が先頭に立って国庫補助を一八%から二〇%に引き上げたいということで、われわれが見ると努力しているように見えるわけですが、遺憾ながら、結果的には歴代の農林大臣がなかなかこの一八%の壁を破ることができない。去年の暮れも農林大臣と私お会いしたときに、今度はわしの責任で二〇%にするということを言われたわけですが、ついに実現に至らぬということになっておるわけです。これは政府部内の予算編成の中において決められることでありますが、毎年毎年農林省としての概算要求を大蔵省に出すというだけで終わらないように、ぜひ来年の予算要求の場合は、まだ安倍さんもう少し先までやっているかと思いますけれども、農林大臣としての責任においてこれは実現すべきであるというふうに考えるわけでありますが、この点についてまず承りたい。 もう一つは、ことしの改正案においても組合員負担を千分の九十八に、これは無理をして抑えたことは、十分その事情というものはわかりますが、結局それだけ整理資源分は急速にふえていっておるわけですから、この点については正常な姿ということになれば、どうしても国庫負担を増額するという以外に道はないと思うのですね。だからこの点について、どういう方針で国の補助の増大を図るかという点。 それからもう一つ、ことしから職員の相互扶助事業助成ということで一億五千万円が計上されておるわけでありますが、これは名称は相互扶助事業の補助でありますけれども、実態はやはり国庫負担に基づいて年金の財政の健全化を図るというところにねらいがあるわけでありますからして、新しいこの相互扶助事業の補助というものは今後継続されるべき性格のものであるとわれわれは受けとめておるわけでありますが、この点をこの際、明らかにしておいてもらいたいと思います。 まず、この点をお尋ねいたします。
○安倍国務大臣 この国庫補助のあり方、いまお話がございましたように、毎年農林大臣として、補助率につきまして二〇%を目標といたしまして大臣折衝まで行うわけでございますが、非常にこれは壁が厚くて、力足らずして据え置きということになったわけでございます。しかし、われわれとしては、この国庫補助のあり方につきましては、目的を何とか達成するように今後とも最大の努力をしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。しかし、そういう補助率についてのかさ上げということはできなかったわけでございますが、内容の改善等につきましては、毎年徐々にこれが行われておるわけでございまして、今後とも、他の公的年金制度全体とのバランスも十分考えまして、この改善はさらに進めていかなければならないと、こういうふうに考えております。 そういう中にあって、今回新たに行うことといたしております全国農協中央会に対する助成措置、一億五千万円の補助は、これは農協職員の福祉の充実と資質の向上を図るため全国農協中央会が行う相互扶助事業につきましてこれに要する経費の一部を補助しようとするものでございまして、農林省としては、本事業の実効を期するためには、なお今後とも当分の間かかる助成措置が必要であるとの立場に立って、その継続には努力をしたいと考えております。
○芳賀委員 次に、これも毎年問題になっておるところの年金法の中における旧法年金期間と新法年金期間というのが昭和三十九年の改正を境にして取り扱い上残っておるわけです。この旧法年金と新法年金との格差是正の問題というのは、農林省においても相当努力されておるわけですが、これがなかなか解決されないわけです。これを速やかに是正しないとむしろ格差が拡大するということにもなるわけですが、今回もこの点については何ら手をつけていないわけです。次回の改正の場合には必ず相当積極的な格差是正措置を講ずる必要があると思いますが、この点はいかがですか。
○安倍国務大臣 確かにいま御指摘のように、旧法年金と新法年金では制度の仕組みに差異があり、そのため給付水準にも格差が生じていることは事実でございます。年金の受給者の生活安定のためには、新法、旧法年金の格差是正は望ましいことでございますし、かねてから努力を払っておるところでございますが、現在、年金額の算定は給付事由の発生時の法律によるべきであり、また、掛金を高く負担した者がより厚い給付を受けるべきであるということは、これは各共済制度共通の原則となっておりますので、農林年金のみこの取り扱いを変えるということにはなかなか困難な事情もあるわけでございます。しかし、農林省としては、旧法年金者に低額年金者が多いという農林年金の特殊性にもかんがみまして、今後とも関係各省とも連絡をとりながら、特に旧法年金の給付内容の改善には努力をいたさなければならないと考えております。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、これは法律ないし農林省の責任において直接解決することはできない問題でありますが、農林漁業団体の職員の給与実態等の特徴の一つとして、特に公務員等の給与に比較すると、団体職員の給与水準が非常に劣悪であるという点があるわけです。この年金の基礎になる給与水準が低いということは、おのずから年金額の水準も低いということになるわけです。だから、年金の内容の改善を図るとしても、年金だけの手直しでは根本的な解決ができないわけです。そこで、この点も前の改正の際に倉石農林大臣とも議論をしたわけでございますが、この際、農林漁業団体職員の給与水準を適正化するという一つの方法として、たまたま年金法には、今回も改正されておるわけですが、標準給与の平均月額の上限、下限というものは別表に法律で定めることになっておるわけです。現行法では月額の上限が三十一万円、それから下限が五万二千円ということになっておるわけですが、これを今度の改正によって、特に問題になる下限については五万二千円を五万八千円に引き上げるということになるわけです。職員の給与実態から言うと、五万円台というのは相当あると思いますが、とにかくいかに低い給与を受けておっても、年金制度の上から見れば、今度は五万八千円というのは標準給与の下限ということになるわけです。これ以下はないということになるわけです。ですから、この場合も農林漁業団体の給与だけを対象にした、たとえば言われておる最低賃金の保障というようなわけにはいかぬとしても、農林省には協同組合課というのがわざわざ設けてあるわけですね。決定権はないとしても、大事な農業協同組合とか漁業協同組合、その他の政府の行う事業等を委任を受けてやっておる共済組合であるとか、多々あるわけでありますからして、農林省の適正な指導によって——私の意見としては、平均月額の下限というものを基準にして、そして標準的な最低給与水準というものを農林省が指導する。まあ窓口は全中になるかそれは別として、毎年毎年答弁だけでそのとおりでございますとか、鋭意努力をいたしますということでは済まないわけですよ。これは歴代の局長が何もやってないんですからね。だから、この際組合員の負担軽減と言っても、これもやはり年金財政の面から限界があるし、それでは経営主である団体側が、農業協同組合とか漁業協同組合が掛金の区分を変更することによって掛金負担を六、四とか七、三にすればいいじゃないかと言っても、この面にも昨日吉岡局長が言ったように経営不振の組合があるから、これもやはり限界があると思うんですね。だから給与改善という具体的な方策として、私がいま言ったような問題、去年もこれは指摘したわけでございますが、一体本当に研究を進めておるのか、あるいは方法としてどういうことを考えておるか、この際明らかにしておいてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 農林漁業団体職員の給与につきましては、これは基本的には農林漁業団体の労使間の協議で決まるということで、自主的に決まるべきものでありまして、政府が介入すべきものでもないと思います。しかし、農林省といたしましては、給与の基準を示すということは困難であるとは思いますが、団体の指導機関であるところの農協中央会とかあるいは都道府県の農協中央会等においてその適正化が行われるように指導はいたしておるわけであります。これらの団体における指導としては、給与規程例の設定あるいは農協労働問題研究会を通じての給与水準の調査とその結果資料等の提供、あるいはまた各ブロックごとの研究会の開催等を行いまして、傘下団体の給与水準の改善整備に努めておるところであります。 さらに、このほか、団体の給与の改善のためには、やはり団体の経営基盤の強化が基本であるところから、この線に沿った農協合併の推進に努めるほか、農協検査等を通じての経営の改善、合理化の指導にも努めておるところでございます。 なお、いま芳賀先生から御指摘がございましたが、農林年金における標準給料表の下限の額が、農林漁業団体職員の給与水準の引き上げにつきましてその実質最低賃金としての指標となっておるといいますか、指標とすべきではないかというふうな御意見でございますが、この点につきましては形式的には当該下限の額はそうした性格を持っておるものではないわけでございます。しかし現実にはそのような効果を持っておる面もあろう、私はそういうふうに考えておるわけであります。
○芳賀委員 最後にもう一点お尋ねしておきますが、問題は年金財政の関係ですが、政府提出の資料によりましても、年金財政の内容がもうまことに窮迫しておると言っても差し支えないと思うのです。特に、所要財源率を見ると、いままでの九九・五二に対して一三三・五九と、一遍に四〇も財源率が増加しておるというような問題があるわけですね。それに対して掛金負担だけでは、これは対応できないわけですし、もう各公的年金の中で掛金率が農林年金は最高ですからして、これは政府においてもいろいろ配慮して、九六が限界であるのを九八ということにいささか是正したわけでありますが、それだけに整理資源率がいままでの三二・二〇から約三〇ふえて六一・三一ということになったわけですね。このまま放置しておけば、この農林年金というものは、もう財政的にも制度的にも将来の見通しが立たぬというようなことに当然なると思うわけです。この点に対して抜本的な検討を加えて、そうしてこの年金財政の立て直し、しかもそれが掛金負担に転嫁されぬ形においてどうしたらばいいかということに帰納すると思います。各共済組合年金等においても似たような特徴を持っておるわけでありまして、現在は修正積立方式ですが、当然抜本的な改善としてはこれを賦課方式に転換させるべきであるというような根本的な問題もありますが、この年金財政の面から見ての農林大臣の確固たる所見を明らかにしていただいて、質問を終わりたいと思います。
○安倍国務大臣 年金財政の問題につきましての御指摘、またこれに対する私の考え方を述べろということでございますが、不足責任準備金が、将来の年金の給付に必要な財源を事前に積み立てるいわゆる積立方式を採用している場合、現在保有しなければならない準備金の不足額を示すものでありますが、農林年金では四十九年末現在で七千五百五億円となっております。これが発生している主な要因は、各共済組合おおむね共通でありますが、農林年金の場合には、制度発足の際に厚生年金期間に引き続いたことによりまして初期の過去勤務債務が発生したこと、さらに、制度発足後の既裁定年金の額の改定、給与のベースアップ等によりまして後発過去勤務債務が発生したことでございます。前年の既裁定年金の額の改定等によりまして不足責任準備金は増加をするわけでございますが、これにつきましては、財源率の再計算期ごとに見直しを行いまして、年金財政が健全に維持されるように今後は対処してまいりたいと考えております。
○湊委員長 次に、野坂浩賢君。
○野坂委員 時間がありませんから簡単に率直に尋ねますから、農林大臣から明快にお答えをいただきたいと思います。私の持ち時間はあと三十分足らずでありますから、よろしくお願いします。 いま芳賀議員からも御質問がございました農業者年金の基金、そのうちの完全積立方式の問題についてお尋ねをいたします。 農林大臣から、他の年金は修正積立方式、農業者年金は完全積立方式、修正積立方式については将来の加入の推移を見て決めたい、努力をしたい、こういうお話がございました。したがって、昨日私が構造改善局長にお尋ねをしたところ、その加入の推移ということが中心になるようでありますから、十年後には農業者年金基金加入者は百六十五万、来年度は百五十二万人程度を予測しておるという御答弁をいただいたと理解をしております。したがって、四十歳以上は現状八三%の加入率でありますから、来年度百五十二万人お入りになるということになり、十年後百六十五万人ということになると、後継者対策等を含めてすそ野が広がってくる、そうすると修正積立方式は来年度から可能性というものが出てくるではなかろうか、こういうふうに判断をいたしておりますが、それについての御見解と、四十歳以下は百五十二万人のうち何%入ってくるのか、そしてすそ野と完全積立方式、修正積立方式の傾向はどのような線を描くのか、伺いたいと思います。
○安倍国務大臣 まず、基本的な問題につきましてお答えを申し上げますが、農業者年金制度につきましては完全積立方式を行っておるわけでございますが、これを維持していくということになりますと、これは農家の負担を軽減するという見地から国庫補助の一層の引き上げを図る必要がある、こういうふうな御指摘でもあるわけでございますが、農業者年金の国庫助成は、経営移譲年金の給付時と保険料の拠出時に行われておりまして、さらに、今回、後継者に対する拠出時の国庫補助率を引き上げることに伴いまして、全体の国庫負担率は四六%程度、現行では四三%でございますが、四六%程度になったわけでありまして、他の公的年金制度よりは相当高いものとなっておるわけであります。 農業者年金の国庫負担につきましては、国の財政上の問題、他の公的年金制度との関連もありまして、なかなか困難な問題ではありますが、本制度の果たす農政上の重要性、これは非常に大きい意味を持つわけでございますから、今後ともその拡充強化には努めてまいりたいと考えております。 なお、あとの問題につきましては局長から答弁をいたさせます。
○岡安政府委員 完全積立方式との関連におきまして、年齢の見通しその他の御質問が出ましたのでお答えをしますが、現在農業者年金に加入しております加入者のうち、五十歳以下の者の比率でございますが、これはおおむね六〇%でございます。これは前々からお答えいたしておりますとおり、他の年金……(野坂委員「四十歳以下を聞いておるのです」と呼ぶ)四十歳以下でございますか。四十歳以下は二六%ぐらいでございます。ほかの年金に比べますと、国民年金は四十歳以下が大体五〇%、それから厚生年金は四十歳以下が六五%というのに比べますと、年齢構成が非常に高齢者に偏っているということで、先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、今後もちろん私どもは若年齢層の加入の促進に大いに努めたいとは思っておりますけれども、やはりそういう加入者の変化の推移、また受給者がどういうふうになるかということも考えまして当然これは検討を進めていかなければならないというふうに思っております。 ちょっと私、数字を間違えまして、四十歳以下は一六・五%でございます。
○野坂委員 それは現状の分析でありまして、大臣が、完全積立方式から修正積立方式に移行するには、加入者の推移を見なければいま断定的にできない、こうおっしゃったんです。だから、昨日、そういうことを予測をして、来年と十年後はどうですかとお尋ねをしたら、百五十二万人だということになると、後継者で若年が入ってくることだけは確かなんですから、それだけが全部なればすそ野は広がってきますよ、こういうふうに反論はできるわけでしょう。だから、そうなれば修正積立方式というものが加入の推移を見て考えられるではありませんか、こう言ってお尋ねをしておるわけです。だから、近い将来にそういう方向で御検討をいただくことになりますね。この点はどうですか、大臣。
○安倍国務大臣 修正積立方式も含めてこれは検討をしてまいらなければならない問題であると考えております。
○野坂委員 それから、いまの保険料の問題もお答えになりました。しかし不明確でございましたので……。 大臣は特に国庫補助を強調しておられます。四六%。厚年は二〇%、あるいは国民年金は三三・三%だということは私たちも承知をしております。ただ、保険者側から見ますと、平準保険料といいますか、数理的保険料といいますか、それについては、国年の場合は、平準保険料、これだけは必要だという保険料に対して、来年からは四割、再来年からは五割、そういうかっこうになっておるわけです。ところが農業者年金の場合は、三千百七十六円に対して、来年の一月からは二千四百五十円です。三年先の五十四年一月からは三千二百九十円で、平準保険料を上回って三千百七十六円を全部自分たちで負担をするということになるわけなんです。 厚年も国民年金も保険者側から見れば非常に楽なんです。農業者年金は、農業者は所得が少ない割りに完全積み立てであって非常に高い、こういう数字が明確にあらわれておるわけですから、やはりこれを下げていかなければ加入者が増大をしないし、そういう点については配慮をすべきではございませんか、こういうことを大臣にお聞きをしたい。近い将来に善処をしていただけますか。
○安倍国務大臣 完全積立方式によっておりますので、いま御指摘のような問題が起こってくるわけでございますから、今後は、先ほどから御答弁申し上げましたように、修正積立方式ということも含めて検討をしなければならない課題である、こういうふうに考えておるわけであります。 完全積立方式でありますからそうした問題が起こりますが、そういう反面、先ほどから申し上げましたように、国庫負担につきましては、他の年金制度と比較をしてこれを増大しておるという面もあることも御理解をいただかなければならぬと思いますが、しかし、修正積立方式につきましては、これも含めてやはり今後の課題として検討しなければならぬということはよく理解をいたしております。
○野坂委員 そういうことはよく知っております。よく知っておりますけれども、給付額は、他の年金を横目でにらめば、完全積立方式の場合はそうしなければならないわけですから、そうしなければある程度肩が並ばないというこれは苦肉の策なんです。 そこで、すそ野を広げるという問題で、先ほども意見がございましたが、政令の中で四つの特定要件がつけられました。二項と三項が問題であります。 いま、一つ大臣が前進をしたお答えをなさったのは、農業経営主が非常に高齢で入っていなかった、その息子は三十五歳以下だった、それについては軽減措置を講ずるように善処したいという御答弁です。だからこれは第二項というものについて一つの前進の姿を明確にされたわけです。 そこでもう一点。たとえば、きのうも岡安局長にお話をしたのですが、親がない場合です。自分が跡継ぎで若いときに、十九歳なら十九歳で亡くなった、二十二歳のときにはそういう点については後継者じゃないからだめなんだというふうにおっしゃったんですが、高齢化した方の子供さんは三十五歳以下で善処されるわけですから、経営主になっても三十五歳以下であり、親がないというのはより条件が悪いわけですし、好んで親がないわけじゃないのですから、そういう点についてもその門戸を広げて、経営主としての取り扱いと後継者対策としての取り扱いもありますが、いま一歩前進をする措置として高齢者であって入れないという者と同じような取り扱いをすべき段階ではないか、こういうふうに思いますが、その点についてはどうですか。
○安倍国務大臣 御質問の趣旨はよくわかりますが、親がない場合は、これは経営主そのものになるわけでございますから、したがって、後継者対策という面での学割の対象にするということはむずかしいわけで、この場合は一般の保険料率ということの問題になってくるんじゃないか、そういうふうに考えざるを得ないわけであります。
○野坂委員 後継者に余りこだわらないで、若年加入促進というような姿で考えていただきたい、こういうふうに思いますが、どうですか。 それから、三項の「農業経営規模が一定」、これは面積であらわしておるようですけれども、いまもお話があったように、それぞれ農業類型は違うわけですね。だから所得でいくのか、面積でいくのか。たとえば農地の場合は二百三十町歩で何兆円と、野菜の場合はわずかな面積で一兆五千億も、やはり回転率が高いわけですから、ありますね。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 だから、それは一定規模ということについては若干問題があろう。だからそれらの点については、混合相合わせて実施をするとかという点。やはり若年加入の促進という意味で、たとえば税金対策でも、寡婦の場合については税金は免除するとかあるいは軽減するとか、そういう措置が弱い者の立場では十分出ておるわけですから、そういう点を新たな問題として検討すべきではないかと私は提言をしますが、安倍農林大臣はどうお考えでしょうか。
○安倍国務大臣 いまのその点につきましては、まず局長から具体的な問題として答弁させます。
○岡安政府委員 まず大臣がお答えしたことに対する繰り返しの御質問がございまして、親のない若年の加入者について、これを加入促進の意味から保険料を割り引く意思はないかという点でございますけれども、そうなりますと、これは若年齢層一般に対します保険料の割り引きということになりまして、これは一つ農業者年金のみならず、ほかの年金との兼ね合いが非常に強くなってまいりまして、今回も将来の中核的担い手の維持、確保ということから学割ということをやったわけでございますので、一挙にはなかなか困難ではなかろうかと思います。 それから二番目の、いろいろ経営が違う、そういうことを勘案したらどうか、特に所得が違う場合に、両方勘案する要素になり得るかという御質問でございますが、経営が違う点につきましては、私ども都道府県ごとの平均ということを考えますので、その中に相当程度経営の差異はあらわれてくるというようにまず考えますし、それから所得はなかなか所得そのものとしてはとらまえにくいわけでございますけれども、たとえば施設園芸等につきましては、経営面積が少なくてもちゃんと経営をやっておるというような、いわば所得を反映した形の経営が行われておりますので、そういう施設園芸等につきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、例外を設けたいというふうに考えておるわけでございます。
○野坂委員 次に、時間がありませんので老齢年金の問題を大臣にただしておきたいと思います。 先ほども論争がありましたように、老齢年金、農民にも恩給をということから出発をして、政府と野党との案がいろいろと議論をされた。経営移譲年金は四割しか取られないということなんですよ、財政計算の中身を言いますと。そうしますと、六割は全部老齢年金でもらうということの計算にいまなっておるんです。だから、これは申し上げますから聞いておっていただきたいと思うのです。経営移譲年金をしなかった人は現状六十五歳から七十五歳まで幾らもらえるかといいますと、百五十六万円です。経営移譲した人たちは同じ七十五歳まで生きていて五百三十万四千円もらうわけです。その差額は三百七十四万四千円なんですよ。そして老齢年金をもらう方がそのうちの六割を占めるという財政計算になっているわけです。非常に矛盾がありますね。だから年齢が高齢になれば恩給がもらえる、そういう思想を農業者の皆さんお持ちなんですから、老齢年金の引き上げをやっていかなければ、五分五厘の利息をつけて七十六歳まで生きてちょうど自分が郵便貯金をした、しかも現在銀行の利息は六分五厘にもなっておるわけですから、ほど遠いということになる。結局損だということになるから、だからなかなか入らないという結果にも通ずると私は思います。そういう意味で、老齢年金の引き上げこそが急務ではございませんかということを提言をしますが、この点についてはどうです。
○安倍国務大臣 その点については御指摘の点もよくわかるわけでございまして、昭和五十六年度から老齢年金が支給されるわけでございますが、この給付の水準につきましては、いろいろといまお話のような問題もあるわけでございますので、農業団体あるいは農業者の意見も今後十分参酌をいたしまして、そして給付水準の改善には今後とも努力をしてまいる所存でございます。
○野坂委員 高齢者年金の適用の時期には、経営移譲といいますか、そういう年金と比べて十分に比較ができ得きるように措置をしていただくように要望しておいて農業者年金は終わります。 労働省の方おいででしょうか。きのう私がお尋ねをいたしました、いまもお話があったのでありますが、農協なりあるいは農林漁業団体に勤務する職員は非常に給料が安い。安い上に残業手当の計算、そういうものを誤って出されておるというところがたくさんあります。たとえば鳥取県の米子市農協、労働基準法違反、こういうものもございますし、また鳥取県の中央会なり共済連なりあるいはまた信連なり等において、それらの実働期間に対して賃金が十分支払われていない、こういう点があるわけでありますが、これに対して労働省は直ちに調査の上、勧告なり誤りを正すということにしてもらわなければならぬというふうに思うのでありますが、労働省の御見解を承っておきます。
○倉橋説明員 ただいま先生から御指摘のあった事項でございますが、御指摘の農業団体のうち米子市農業協同組合につきましては、いままで現地の監督署が臨検監督をいたしました結果、労働基準法違反につきまして、時間外労働を行った場合の割り増し賃金に計算上のミスが、ミスと申しますか、一部手当が不算入であり、その部分の未払いが出ている、所定労働時間の計算につきましても誤りがあったという事実が判明いたしております。これにつきましてはすでにその是正を現地監督機関が指示をいたしております。 先生御指摘の農業団体を含めまして、今後とも農業団体におきましては労働基準法の違反の根絶をするように監督指導を十分徹底をいたすことにいたしたいと思います。 なお、それによりまして、労働基準監督官の権限によりまして法違反の事実が判明いたしましたら、その法違反につきましては厳しく是正させるように厳正な態度で臨みたいと思っております。
○野坂委員 直ちに措置していただくように要望しておきます。 あと私は十分しかありませんから、農林大臣にお尋ねをします。旧法年金と新法年金との格差の是正、いまもお話がありましたが、さらに納得ができません。したがってお尋ねをいたします。御承知のように、新法といいますか、旧法は三十四年にできております。このときに、公務員も三十四年に新法に切りかわっております。農林年金は三十九年の十月に新法に切りかわって、五年九カ月おくれております。そういたしますと、横並びでありますから、そういう格差を是正をしなければならぬ。特に農林大臣も是認をしておられますように、いまの農協職員あるいは農林漁業団体に勤務する職員の給与水準というものは、他に勤務する方々たちよりもはるかに水準が低い、御承知のとおりであります。したがって、そういう意味で、新法でも少ないのに旧法では非常に少ない。ほとんど旧法にかかる人たちが多い。退職年金の場合は、旧法年金者数が百九十五名でありますが、その八四・一%、百六十四名はいわゆる最低保障額者です。遺族年金の千四百八十五名も千三百四名、八七・八%が一番下です。そういう事情からすれば、余りにもいまの社会情勢と合わない、こういうふうにさえ思われるわけでありますから、これを一日も早く新法との格差を是正をすることがいわゆる新法適用者の声でもあり、旧法適用者はもちろんのことであります。全体の声として、農林大臣が英断をして、たとえば恩給とか他の共済年金、そういうものの関係もあるというようなことを言わないで、この際、この格差是正に踏み切るという措置を考えてもらう段階であろう、こういうふうに思います。その点についてはいかがでしょう。
○安倍国務大臣 確かにいまお話がございましたように、新法と旧法では年金の格差が相当あることは事実でございまして、これが是正を図っていくということことは、農林省としても基本的な考え方として進めておるわけでございますが、現在、われわれは新法そのものの内容を改善をして他の年金制度と比肩し得るものにしなければならぬということで鋭意努力を続けておるわけでございますが、しかし、今後ともいまの御指摘の問題は、農林年金をこれから運用していく場合において非常に大事な点でございますから、特にお話がございましたように、旧法年金者に低額年金者が多いという農林年金の特殊性もあるわけでございますので、今後とも関係省庁とも連絡をとりながら、旧法年金の給付内容の改善にはさらに努力を続けてまいりたいと考えております。
○野坂委員 財政問題が一点、それからいまの最低保障の問題を一点お尋ねをして最後にしたいと思います。 きのうも私は、農林経済局長にも意見として申し上げたわけでありますが、またきょうもお話がありましたが、法律の改正によりまして所要の財源率は一三三・五九、こういうふうに約三四上がってまいりました。国庫補助相当分というのは一六・六三というかっこうになって、純数理的保険料は七五・七五、こういうことになってまいりました。それで、補助率を引き上げなければ農林年金の財源はきわめて不安感を持たれ、脆弱性を持っておるということは、この数字を見ても明らかだと思うのであります。それで、掛金率を九十八にしたというのは、低賃金、しかも、前に大臣その他が千分の九十六でも限度いっぱいであろうという意味のことを言われたこともあって、無理をして九十八に策定されたと思うのです。私はこれでも高いと思っておりますが、そのために利差益充当ということがやられております。この利差益というのは、農林年金の職員の給料等にも影響があって、いままでどおり六〇%を繰り入れておるということであろうと思うのでありますが、これでは将来の展望からするときわめて不安定である、こういうふうに思わざるを得ません。しかも三・五五が四・五九になる、これは、二千五百億というふうに財源が入ってくるものがふくれてきたから、六割でもそうなるということですけれども、それでも非常に不安感があります。だから、証券を売ったりどこかに貸し付けたりして、その分までこの中にぶち込むというかっこうは、健全財政のあり方とはほど遠い、こういうふうに思います。これらは少なくして、それだけ国の国庫補助率というものを引き上げていかなければ将来の展望が非常に立ちにくい、こう思うのでありますが、厚年並みで初めは一五%で発足をし、片一方は二〇になり、片一方は一八になる。だから、丁七七出しておるんだからいいじゃないかという理論はもう古いわけでありますから、このものを利差益分なりあるいは一三三・五九という現実をながめて、思い切って国庫補助率というものの引き上げを断行しなければならぬ、こういうふうに思うのでありますが、これについて農林省としてはこれから大蔵省を説得をする態度でやってもらわなければならぬと思うのですが、農林大臣はどのようにお考えですか。
○安倍国務大臣 農林年金財政の確立と組合員の掛金負担の軽減を図るためには、国庫補助率の増加が強く要望されるところでありまして、農林省としても予算の編成の際には、大臣折衝というところまでこれを持ってまいりまして、いつも強く要請しているわけでございますが、なかなか壁が厚くて、今回も一八%ということに据え置かれたわけでございます。しかし、これは厚生年金が二〇%、国共済が一五%で、一応その中間にはあるわけでありまして、この給付内容や給付水準から見まして、農林年金が両者の中間に位置するというふうに言われておるわけでございます。しかしもちろん満足しておるわけではございません。そうした情勢を踏まえて、財源調整費というふうなことで私たちも努力をしてまいりまして、現在では財源調整費を含めると実質一九・七七%の国庫補助となっておるわけで、これは厚生年金の補助率におおむね匹敵する内容ということになるわけでありますが、しかし、こうした財源調整費ということではだめだ、やはり補助率そのものを上げなければならぬという御指摘はよくわかるわけでありますので、これは今後の課題として、補助率は一応ことしは据え置かれたわけでございますが、今後とも私たちは農林年金の充実、推進のためには、非常に他の公的年金との絡みがありまして困難な問題があるのは私が申し上げるまでもなくよく御存じのとおりでありますが、その困難な中にあっても、この引き上げを行うように今後とも力は尽くしてまいらなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。
○野坂委員 時間がもうないという通告がございましたので、これでやめざるを得ません。他党の皆さんに大変迷惑をかけますからこれで終わりますが、いま一貫して申し上げましたように、財政的にも非常に苦しい状況であるということであります。さらに、農林漁業団体に勤務をいたします諸君たちは、非常に賃金が低いということは大臣もお認めいただきました。その証拠には、絶対保障額といいますか、最低の額に達する諸君たちが約三分の二も農林漁業団体の職員の中にはあるという、こういう低位の賃金体系であります。したがって、今日の農業を発展させるためにも、農業団体あるいは漁業、林業の団体に勤務する諸君の賃金の引き上げをやらない限り、法律改正をいかに行っても、他の団体に勤務する諸君たちとの年金の差は非常に差がございます。その差を縮めるためにも、根本的に賃金引き上げに対する措置、指導を、農林省としては農協の団体の皆さんに十分指導し助言をして、その対策、政策についても配慮をされるように特に要望して、これで私の質問を終わりたいと思います。
○山崎(平)委員長代理 次に、津川武一君。
○津川委員 大臣、きのう私は冒頭に、今度の改正で他の年金に見られないような国庫負担の増があったことは、それなりに評価すべきであるということを申し上げました。 と同時に、農地の拡大だとかそういう意味のこと、それから後継者対策というような、本来農政でやるべきものを年金の概念に含ませたのは、年金というものの正しい発展の障害になるから、これはいただけない。第二の問題は、同じ掛金を掛ける人でありながら、受ける給付で差別が出ている。しかも強者が弱者の掛金で老後が保障されているなどという年金の概念に合わない要素が入っておりますので、これもいただけない。こういうものの掛金の増加もありますので、私たちは反対せざるを得ない、こう申しておきました。 しかし同時に、私たちは、農民の老後保障のためには、皆さんと一緒に全力を挙げなければならぬ。そこで私たちは、とりあえずここ三年ないし五年国民年金を充実させて農民の老後を保障する、そのことをとりあえずやって、その後に日本全体の老後保障の年金制度を抜本的に改正するという立場をとっているということを申し上げて質問に入ります。 一つは、被保険者に対する給付のことでございますが、この年金を受けるために加入する当然加入者、これはどのくらいの数になっていましょうか。
○岡安政府委員 農業者年金の加入予定、入り得る者が全員入ったとしたならば大体百六十五万人程度はここに入り得ると思っております。そのうち当然加入、面積的な制約はありますが、その資格のある者は大体八〇%ぐらいの比率を持っていると思います。現在百十五万人入っておりますが、その中で当然加入ということで入っておりますのが約九十四万人でございますので、この比率が八一・一ということになっております。
○津川委員 この九十四万人の中で、いま後継者のいる農家はどのくらいございましょうか。
○岡安政府委員 現在の百十五万人のうち先ほど申し上げました当然加入者が九十四万人でございますが、それ以外で農業後継者という資格で任意加入いたしておりますのが約十九万人でございます。これ以外にどれくらいいるかということでございますが、推定ではございますけれども、大体五十万から六十万人ぐらいはいるのではなかろうかというふうに考えております。
○津川委員 当然加入者の中で一定の期間が経過して経営を移譲し、経営年金をもらうことができる農家がどのくらいございましょうか。
○岡安政府委員 経営移譲年金をもらえる農家ということになりますと、年齢要件がございます。六十歳以上六十四歳までという年齢要件がございますが、そういう年齢に達した場合には加入者のすべてが経営移譲をなし得る。それは後継者に移譲する場合のほかに第三者に移譲するということも認めているわけでございますので、年齢要件が満たされれば加入者のすべての場合、経営移譲年金を交付し得る要件はしようと思えば満たし得るというふうに考えております。
○津川委員 年金は一つの経済だから、先にどのくらい払うのかわからないで年金を運営するわけにはいかない。そこで実際想定すればどのくらいでございますか。
○岡安政府委員 現在の財政計算上の数字を申し上げますと、大体六十四歳までに経営移譲をする方々の見通しとしましては四〇%というふうに思っております。ただ、これは制度発足時に厚生省がおやりになりましたアンケート調査の資料を基礎にいたしまして、当時の推定で設計をいたしたものでございますので、その後この制度が発足し、また今年から経営移譲年金の交付も始まるということになりますれば、この数字はもっとふえてくるというふうに考えておりまして、これは今後その推移を見ながら当然財政の計算上にも反映させなければならないと思っております。
○津川委員 そこで大臣と厚生省にお尋ねしますが、とすれば、この年金の加入者はおしなべて同じ掛金を原則として払っております、後継者の方は少し減免される部分がありますが。同じに掛金を払っていながら一部の人だけが経営移譲年金を受け取ることになります。その受け取る人も大部分ならいいが少数の四〇%、受け取れない人が大部分の六〇%、こういうことになります。年金というのはこんなものでいいのかというわけです。掛金を掛けた人が同じに給付を受けてこそ年金、これこそ相互扶助の精神、こうではありませんか。まず厚生省、いかがでございますか。
○持永説明員 経営移譲年金がどのくらいもらえるかということは、先ほど農林省の局長が答弁いたしましたとおり、現在の段階で私どもの方で一応アンケート調査をやった結果でございまして、現実に農業者年金が施行され経営移譲年金が発足すれば、それに伴ってまた経営移譲が促進され経営移譲年金をもらえる方がふえるということは十分考えられるわけでございますけれども、その点についてはその都度都度の財政の再計算をすることになっておりますので、その際に十分見直して、年金制度としての政策効果が十分期待し得るようなそういうかっこうに今後持っていきたいというふうに考えております。
○津川委員 厚生省にお尋ねします。 四〇%が五〇%になったとしてもいい、六〇%になったとしてもいいが、同じ掛金で払いためた人ですから受けるときも同じに受けなければならないのじゃありませんかということが私の聞いていることなんです。年金というのはそういうものじゃありませんか。いかがでございますか。
○持永説明員 この農業者年金も一つの社会保険システムという形で運営されているわけでございますけれども、社会保険制度というのは事故が起きた人に対して一定の給付をするということでございまして、そういう意味で、各制度ともすべての加入者、すべての被保険者がすべて全部の人たちが事故に遭って給付を受けるということよりも、むしろ、相扶共済というのはお互い困った人、事故に遭った人たちに対して給付を手厚くしていくということが目的でございますので、そういう意味で事故率の発生がどうこうという議論は確かにあろうかと思いますけれども、軒並みに一〇〇%の人がすべて給付を受けるというようなそういうシステムにはほかの年金制度をとってもなっておらないわけでございます。
○津川委員 後で後継者がいなくて経営移譲年金を受けることができない人の数はまたお尋ねしますが、厚生省、スタートしたときから後継者のいない人には年金の支給ができない、これが今度の年金なんです。それでありながら掛金はみんなから取っている。あなたの言うことと違う。スタートしたときから差別がついている。後継者がなければ、子供がなければ受けられないのだよ。事故の発生率じゃないのだよ。これが一つ。 第二番目には、事故の発生はたとえば健康破壊、失業、生活の中心者になっておる人の所得喪失、これは避けることのできない世の中の規定で定年退職がある、本人の意思をもってしては及ばないところだ。経営移譲は本人がやろうと思えばやれる、やらないと思えばやらない。こういう任意の事故——はしなくもあなたは事故と言ったが、この年金法案は事故を奨励していることになる。 そこで年金の根本概念——農業者年金抜きにして、あなたたちその専門家だから、ここで年金という立場をいま私が指摘したようなことで繰り返します。 〔山崎(平)委員長代理退席、片岡委員長代理着席〕 初めから、後継者があるかないか、ある人とない人がわかっておる。しかも掛金は同じに掛けさせている。その事故は、必然的に自分の力をもってしてはどうにもならないで起こる事故ではなくて、任意に起こせる。保険の経営、保険の経済から言うと、事故というのは防ぐのがあたりまえ。これは事故を奨励することになる。こういう年金というものは、いかにお考えでございますか。
○持永説明員 御質問にありました経営移譲の事故の要件でございますけれども、たしか後継者だけでなくて、第三者に経営を移譲した場合にも経営移譲年金が発生するようになっておるかと思います。 それから、いま先生おっしゃいました経営移譲の問題でございますけれども、この農業者年金制度というのは、昨日も申し上げましたとおり、いわゆる経営移譲を促進することによって農業経営の近代化あるいは農地保有の合理化を図るという農政上の目的を持ったものでございまして、その目的に従いまして、経営を移譲した人たちの老後の生活安定を図ることが密接不可分の関係にある。こういうことから、一般的な所得保障制度では満たし得ないものを課題としているわけでございます。 そういう意味で、私どもといたしまして、この経営移譲というのは、生活の安定という側面からながめますと、経営移譲をすることによって生計手段の喪失、いわゆる一般の被用者年金でいう退職年金に当たるのではないか、一般の被用者年金におきましても、一定の年齢要件とともに退職という要件が老齢年金の発生要件になっておるわけでございますが、そういう意味で年金制度として成り立っておるというふうに理解しております。
○津川委員 経営を移譲というときには、子供にだけでなく、いまほかの人にもいっている。それもあるでしょう。だからこの法律を読んでいけば、後継者の条件として親子ということなんだよ。掛金を減免する人たち。だからそこに流れている。方針がはっきりしている。 そこでもう一つ問題を進めてみます。同じ保険料を払いながら、二十年納付済みの農民で、六十歳から六十五歳未満の経営移譲者は、今回改正の額でいうと一カ月五万二千円。一年でこれに十二掛けます。五年間もらえるから、さらにこれに五をかけると、何と三百十二万もらえるんだよ。移譲できない人はこの五年間にゼロなんだ。そして、移譲した人も移譲しない人も六十五歳からは老齢年金がもらえるんだ。同じ掛金を掛けてこんな差別が明らかに出る。しかもこの差別を自分で選択できるんだ。これは年金の概念としていかがでございますか。
○持永説明員 先ほど来申し上げておりますように、社会保険システムによる年金でございますから、給付の要件に該当した人には給付が出るというのが、これは本来の制度の仕組みでございます。そういう意味で、先生おっしゃいましたように、数字的には確かに経営移譲した人と経営移譲しなかった人の農業者年金制度からもらう給付の額というのは相当の開きがございますが、たとえば一般の被用者年金について見ましても、早く退職して年金を早くからもらった人、あるいは同じ保険料を払いながら、ずっと長い間就職しまして遅くから年金をもらった人、そういった人の間には差がついておるわけでございまして、そういったものをおしなべて、いわゆる保険給付の要件に該当した人たちに必要な給付を出すというのがこれは年金の制度でございますから、そういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
○津川委員 それは普通の年金の死亡ね。これは重大事件だよ。だれも死にたくないよ。だけれども、労働災害で死ぬ場合が出てくる。これは非常に困ったことだ。それなら話がわかる。経営移譲は、やってもやらなくてもいいことなんだ。そこのところに、無理に経営移譲をやらせるという農政の上から、こういう大きな差別のつく年金を導入しているということを指摘して、私は、もう一つ問題を進めます。 経営を移譲し移譲年金をもらえる人は、後継者がある農業者である。経営を移譲するときには、後継者だけじゃないけれども、後継者がある場合は後継者にやれる。これはどちらかというと力のある農民と言ってもいい。だけれども、他人に経営を移譲するということは、家の中で——日本の家族制度といっても、財産としても大したことない。他人に経営移譲をしなければならぬということは相当の事態なんだな。したがって、後継者がなくて他人に経営移譲する場合は、困っている農民なんだよ。弱者の農民なんだな。こういう人からもおしなべて掛金を取っておって、後継者があって悠々自適できる農民が経営移譲した場合に、条件の悪い人たちのおかげで条件のいい人たちが給付をもらえる。私は、年金というのは、社会保障制度で弱者、不慮の事故者をみんなが救うというのが年金で、どちらかというと弱者の立場に立っておる、これが年金だと思うのです。ところがこれは強者が弱者を犠牲にするという立場に立っていやしないかという指摘なんです。いかがでございます。
○岡安政府委員 まあ、そういう見方もあろうかと思いますけれども、この農業者年金は、法律の目的にもございますとおり、農業者の老後生活の安定とあわせまして、やはり農政上の目的といいますか、農業経営の近代化と農地の保有合理化ということをあわせて目的にしているということでございます。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕 まあ、先生のおっしゃるとおりになりますと、農業者年金は要らない、一般の農民に対する老後保障の対策は現在国民年金でやっておりますので、その国民年金でのみ対処すればいいということにもなりかねないわけでございますが、私どもやはり、国民年金で対処しているのでは足りないので、それにあわせて農業者年金によって農民の方方の老後保障並びに経営の近代化その他をねらっているということでございます。 いまお話しの、後継者に経営移譲できる農家は大体強者であって、第三者に経営移譲する者は弱者というお話がございましたけれども、一概にそうも言えないのでございまして、やはり第三者に経営を移譲いたしまして、農業から離れてほかへ行こうという方もおられるわけでございます。そういう方々につきましては従来何も対策がなかった。それに対しまして、先般この農業者年金制度ができまして、そういう方々が離農する場合にこの農業者年金の恩恵を受けるということになったわけでございますので、あながち私どもは、ある階層に偏した運営がこの農業者年金の目的であるというふうには考えていないわけでございます。
○津川委員 局長の言葉は聞いておく。だけれども、大変な問題を含んでおって、これは年金の制度を破壊する非常に危険な状況を含んでおる。 そこで、あなたがはしなくも言った農業者年金は要るか、要らないかという問題なんです。私たち共産党は、今度政策を発表しております。とりあえず六十歳以上の農民に、いま直ちに一人一カ月四万円、夫婦で八万円、国民年金であげろ、あげられる。その財源についての年金税というものを考えて、やれると思っておる。したがって私たちは、この国民年金の改善、整備でも、農業者の老後の保障はできると思っております。この私たちの政策は農林省にも厚生省にも行っていると思いますが、この点、厚生省、農林省、御存じであるかどうかをひとつ答えていただきたい。御存じであるならば、これに対する皆さんの意見を賜りたい。これが二つ目。 三つ目に、私たちは六十歳以上から夫婦で八万円を主張している。だが政府としては年金の制度上いますぐそれはやれないと私たちも承知しておる。そこで、今度の改正でたとえば二十年納付済みの人が六十歳から六十五歳までに五万二千円もらえる。これを経営移譲のあるなしにかかわらずすべての農民にやるべきだと思っております。 農林大臣にこの点でひとつ意見を聞きたいのは、全員掛けさせて一部の加入者だけにしか経営移譲年金が行かない、それから特定の人の犠牲で特定の人にやっていく、その差が余りにも大きい、こういう点で私、厚生省といまやりとりしましたが、この点について農林大臣、どんなふうに考えているか。 以上四点、だれからでもいいですが、答えていただきます。
○持永説明員 年金制度の改革問題につきまして、共産党の方からそういう御提案があることは私ども承知をいたしております。たしか一人四万円、夫婦で八万円の御提案だったと思いますが、これはあくまで国民年金全体の問題として私ども受けとめておるわけでございまして、今回この場で御審議いただいているのは農民年金でございますけれども、農民年金は先ほど来申し上げておりますとおり、一般的な所得保障制度とは別な政策課題を持ったものでございまして、そういう意味でこの御提案の八万円の年金は全体の年金制度、一般的な国民年金制度の改革の問題として私ども理解しておるわけでございます。
○安倍国務大臣 農業者年金制度というのは一つは老後の保障といいますか、福祉の増進を図るということ、それから農政上の見地から農業の近代化を進めていくための経営移譲等を推進していくというふうな目的をもってやられたわけでありまして、いまお話しのように、何か弱者に対しては非常に厳しいとか不公平だとかそういうことは全然ない。制度の目的から見て私たちはこれは農業者の社会的なあるいは経済的な地位をこれから大いに高める非常にりっぱな制度である、こういうふうに考えております。
○津川委員 きょうは反対の法案改正なのでかなり意見が食い違いますことは予想していましたが、農林大臣のいまの言明はよく承知して心にとめておきます。 そこで問題を次に進めていきますが、保険料をめぐっての問題です。 今度は農業後継者の育成を図る意味から三十五歳未満で一定の条件に適合する者の保険料を軽減するというこの点であります。この点は私は特定な人だけにやるので問題がありますが、一つの大きな芽が出ておると評価していますが、ここで一定の条件とは何でございましょうか。
○岡安政府委員 この今回新しく設けようと思っております特定の後継者に対する保険料の軽減措置でございますが、この要件は具体的にはまず農業者年金に後継者加入をしている三十五歳未満の後継者ということが第一の条件です。二番目は、その農業経営主と後継者がともに農業者年金に加入していること。三番目は、経営耕地面積が一定規模以上であること。その次は、農業に常時従事している農業後継者であるということが条件でございます。
○津川委員 そこで、三十五歳未満であっても経営主であれば掛金の軽減が受けられないことになりますか。
○岡安政府委員 これは後継者に対します保険料の軽減措置でございますので、経営主が三十五歳未満であるということでは、これはその軽減の対象にはなりません。
○津川委員 経営規模はどのくらいになりますか。たとえば条件の一つに経営規模のことがありましたが、一定規模以上の経営規模、山形県ではどのくらいになりますか、青森県ではどのくらいになりますか。この点、後の論議のために必要なので、具体的に教えていただきます。
○岡安政府委員 まだ具体的に県ごとの数字を持っておりませんけれども、山形県、青森県等はその県の平均の経営面積というものを基準にして考えております。
○津川委員 私の調査で山形県が約百二十アール、青森県が百二十四アール、これを基礎にしてその次の質問を進めていきますが、ここで後継者として掛金を減免してもらえる耕作反別、山形県で百二十アール以上持っておる人、三十五歳未満でそれだけに達しない人、この実数もしくは比率、青森県でも、山形県でも。
○岡安政府委員 特に具体的に県別に、この特定後継者の要件を備えて保険料の軽減対象になり得る者の数というのは把握しておりません。ただ、私どもは全体で後継者として任意加入ができる者を五十万から六十万ぐらい考えておりまして、それらがなるべく多く入っていただきたいと思っておりますけれども、現に入っておられる後継者のうちでまたどれだけ軽減の対象になるかということは、まだこれからその条件等を定めまして具体的に当たらないと、何とも申し上げられる段階にはないわけでございます。
○津川委員 先ほど局長は、経営の後継者としてこの中に入っているのは現在十九万人、この中からどのくらい減免を受けられると思いますか。
○岡安政府委員 約十九万人、十八万六千人が現在後継者加入をいたしておる方々でございますが、これらの方々の親の場合、これははっきりした数字でございませんけれども高齢者が非常に多いようでございまして、そういうようなこと等を考えますと、現在後継者加入をいたしております約十九万人の後継者のうちではそんなに多くの人が直ちには軽減対象になるとは思っておりません。
○津川委員 農林省の皆さんから、軽減される人というのは三万人とも聞いている。また別な農林省の人から聞くと六万人とも聞くが、どっちなんです。
○岡安政府委員 この軽減の対象になる方々は、現に後継者加入をしておる方々のほかに、今後新たに加入される方々もあるわけですけれども、私どもは、これはほんの推定でございます、つまり要件も確定いたしませんので、そうはっきりした数字を申し上げられる段階ではございませんけれども、大体五、六万人程度ではなかろうかというふうに思っております。
○津川委員 局長、年金は経済だよ。生命保険の会社に行ってごらんなさいよ。どのくらいか試算しなければならない。二万だとか三万だとか五万とか六万。これははっきりして計画を立ててなければ年金の経済成り立たないから、速やかにこの委員会に報告してもらいたい。 そこで、その実施はどのくらいの人を減免できるか把握するために、農林省はきのう問題が起きた山形県の朝日町、それから中山町でお調べになったでしょう、その結果どうでございました。
○岡安政府委員 確かに私ども、山形県の朝日町で大体現在の農業者年金の加入状況、それから後継者がどのくらいいるか、その後継者の方々に対しまして一定の要件、これは政令で決めるわけでございますけれども、一定の要件下においてどれだけの人たちが減免措置を受け得るかということを調査いたしました。そのときは相当厳しい要件を前提といたしましていろいろ計算をいたしたわけでございますけれども、その町におきましては大体一割ちょっとぐらいが軽減の対象になり得るというふうな数字を得ております。
○津川委員 たとえば朝日町で三十五歳未満の加入者が七十八人、うち後継者が五十六人、朝日町の平均耕作反別九十三アール、したがって面積要件で保険料の軽減を受ける人は七・七%、こうでしょう。なぜこれを発表なさらないのです。聞くところによると、この恩恵を受ける人が余りにも少ないので、問題になるから発表を抑えておると聞いておるけれども、そうでございますか。正式に発表——いま私の挙げた数字でよろしいですか、この点ひとつ確認しておきたいと思います。
○岡安政府委員 これは別に隠しておるとか発表しないとかいう筋合いのものではございませんで、私どもが今後政令によります要件を決める場合の参考にいたしたいということで調査をいたしたわけです。何もあそこで非常に少ないからどうのこうのというわけではございませんで、どういう状態になっておるのかということを、山形の朝日町だけではありませんけれども、ほかにも二、三調べましたけれども、それらを参考にいたしまして政令要件を決めたいと考えております。したがって、私どもは調査結果等を十分に検討いたしまして、なるべく多くの後継者がこの恩恵を得られるような方向で現在検討をいたしておるということでございます。
○津川委員 私たちはそれは参考にしたいので、調査された結果を私たちに公表してくれますね。
○岡安政府委員 公表というわけにはまいりませんけれども、先生が特にというならばお知らせしないわけでもございません。
○津川委員 そこで厚生省、保険料をめぐって、山形県ではいまの局長の答弁と私のあれをまぜると百二十アール以上、青森県では百二十四アール以上を持っている人が保険料の軽減を受けるわけです。それ以下の農民は軽減を受けるわけにいかない。軽減した分は国が負担する。これはいいことだ。しかし、具体的に言うと、実体が何であろうが、百二十アール以上という条件のいい農民は保険料三割減、百二十アール以下という条件の悪い人は三割の軽減を受けない。今度は掛金でもこんなふうな差が出てきているわけです。厚生省、年金の問題としてこれでいいですか。
○持永説明員 今回の後継者に対する保険料の軽減措置でございますけれども、これは農業者年金の持っております農政上の要請から来ているものでございまして、現在の農政が将来の中核的な担い手が必要だということで、そういった意味で後継者の人たちの加入を促進する、その加入を促進するための施策として後継者の保険料の軽減措置がとられたわけでございます。そういう意味でいわゆる社会保障的な見地から低所得対策というような意味でこの軽減措置がとられたわけではございませんので、あくまで農政上の必要性から出たものだというふうに私どもは理解しております。
○津川委員 もう一つ。同じ三十五歳未満の農民であっても、親があってやがて農地を移譲してもらえる人、この人には掛金を軽減する。その道がない人には掛金を減らさない。同じく腹を痛めるのが年金でございませんか。同じく腹を痛めるのが相互扶助でございませんか。厚生省いかがでございます。
○持永説明員 保険料の軽減措置でございますけれども、年金財政としての保険料は先生も御指摘になりましたようにその分国庫が補てんいたしますので、年金財政の保険料としては軽減された者も軽減されない者も同じだというふうに理解をいたしております。
○津川委員 そこで農林大臣、日本の農業が必ずしもいい状態にない。たくさんの問題を抱えておる。一部には危機とまで呼ばれている。この中で農民にたくさんの人が年金に加入してもらうことは今度の軽減措置の趣旨から言っても当然である。とすれば、年金の対象はむしろ耕作面積の少ない人ほどそちらの方が救済されるべき筋合いのものと思うのです。この点は農林大臣いかが考えておられますか。この立場から軽減措置を三十五歳未満すべての農業者におやりになるのが本来であると思いますが、この二点で農林大臣の意見を伺わせていただきます。
○安倍国務大臣 いまお話しのようなことをすれば、これは一種の社会政策といいますか社会保障政策ということになってくるわけでございまして、そうなれば、いまの年金制度、われわれがここに御提案申し上げて改正をしていただきたいというこの農業者年金制度の趣旨にも合わないわけであります。農業者年金制度は、その目的として第一条に掲げられたとおり、もちろん農業者の老後の安定というところに一つの大きな課題がありますが、同時にやはり農業を近代化をしていくためのいろいろの措置、近代化を図っていくための大きな目的に沿ってこの年金制度というものを実行していくわけでございますから、三十五歳以下なら三十五歳以下全然これはもうすべて学割りをするとか、耕作規模なんかにつきまして全然無制限に外してやるというようなことならば、これはもう一般的な社会政策、社会保障政策というとらえ方をしなければならないということでございまして、われわれは現在の段階におきまして、法律の目的を達成するには、現在の制度、そしてこれを改善をして進めることがいいことではないか、こういうふうに考えております。
○津川委員 そこで農林大臣、あなたは弱者に学割りしないで強者に学割りしておいでになるということだけ指摘して、次の問題に移ります。 そこで、実際に農業を営んでおる人がこの年金の対象になるべきだと思うわけです。たとえば戸主が農協に勤めておる、農業は奥さんが中心になっておやりになっておる、こういう状態が日本で幾つか出てまいりました。私はこの家庭の主婦、戸主の妻、ここに年金の光を当てなければならない、こう思いますが、農林大臣、この考え方はいかがでございますか。
○安倍国務大臣 農業に従事する者の老後保障は、一般的には国民年金制度によって行われておるところでございますが、農業者年金制度は、経営移譲の促進によるところの農業経営の近代化及び農地保有の合理化と農業者の老後保障の充実とが密接不可分な関係にあることに着目して、これはいままで私も申し上げたとおりでございますが、一般的な老後保障を目的とする国民年金のみによっては満たされない農政上の要請にこたえるために創立されたものである。農政上の要請というものが大きな意味があるわけでございます。したがって、このような制度のねらいから、その加入対象者は、単に農業に従事している者とするのではなくて、農地の所有権または使用収益権を有する農業経営主及び将来農業経営主となるべき経営主の直系卑族に限定しているところでございます。 なお、実質的な農業経営主であるような主婦につきましては、夫から農地の使用収益権の設定を受けることによりまして、年金に加入できる道がすでに開かれておるわけであります。 農業従事者一般を本制度の加入対象とすることは、この制度の性格からきわめて困難であると考えるわけでありますが、しかし最近における農業就業動向から見まして、農業生産における女子の役割りが高まってきておるという実情も十分承知をいたしておりますので、農業に従事する婦女子の老後保障問題の重要性にもかんがみまして、遺族年金等の問題をも含めて今後研究の課題といたしたいと思っております。
○津川委員 大臣、勉強されて、文章を読んでいただいてありがとうございます。が、私はそんな文章で聞いているのではない。行政だから、政治だから、やはりずばりと農林大臣の腹というものを聞きたいわけだ。 そこで、実際に家庭の主婦が農業の主人公になっている農家がどのくらいございますか。
○岡安政府委員 主婦が農業経営の基幹的農業従事者であるような経営は、現在全体の農業経営者のうちの五五、六%ではなかろうかというふうに思っております。
○津川委員 大臣、半分以上がそうなんだよ。すでにそういう人たちにも道が開かれている、これは農林大臣がいま読んだ。この開かれている実数はどのくらいでございますか。
○岡安政府委員 先ほどの大臣のお答えにちょっと補足いたしますと、そういうような農家、いわゆる主婦が基幹的農業者であるというような場合の農家は、その主人は大体ほかの仕事に従事しておる。たとえば農協に勤めている、役場に勤めている、または近所の工場に勤めているということで、厚生年金とか、先ほどから御審議いただいております農林年金その他に入っているというのが通例でございます。 そこで、主婦の場合には従来国民年金だけに加入できるというかっこうになっていたわけでございますが、農業者年金の場合におきましても、先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、すでにその経営主、要するに農業に主として従事していない経営主である主人がその妻に使用収益権の設定をするということになれば、その主婦は国民年金にも加入していることでもございますので、この農業者年金の加入要件が与えられるということになりまして、農業者年金制度の体系の中に入ってくるわけでございますが、これは一般的になかなか、現在の農村におきましては、家族内、同一世帯の中で従来使用収益権を与えるということがそう普遍的にある事項ではないわけでございます。したがって、例がないわけではございませんけれども、現在はそんなに多い事例ではない。ただ、今回後継者に対する移譲につきましても使用収益権の設定を認めるという法改正をお願いいたしておりますので、そういうこともあわせまして、今後はそういうようなケースも相当ふえてくるのではなかろうかというふうに思っております。
○津川委員 そこで、私は実際農業を経営しておる人の実態論を少しここでやろうと思っておりましたが、時間が来ましたのでやめますが、実際に農業を経営している人の老後が報いられるように、今後さらに検討していただく、このことを大臣に要求して、私の質問を終わります。
○湊委員長 次に瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農林年金並びに農業者年金、二法について農林大臣に質問いたします。 昨五月十一日、この二法について農林省関係当局に質問いたしてまいりましたが、農林大臣が参議院の審議のために当委員会には出席ができませんでしたので、本日は農林大臣に対して特に重要な諸点についてお伺いをしてまいります。 まず最初に、農林年金の方からお尋ねしてまいりますけれども、第一点は、既裁定年金の年金額の引き上げの問題でございますけれども、御承知のように、農林年金の場合には他共済と同様公務員給与によるスライド方式が事実上導入されております。昭和四十年以降、毎年法改正による改定が行われてきたわけでありますが、今回の改正についても同様な方法で、昭和五十年三月までに発生した年金については昭和五十一年七月分から年金額の算定の基礎となった平均標準給与、国家公務員給与の上昇率平均一〇・七%を基準として七・八五%の率で増額を行い、年金額を引き上げるようになっておりますけれども、これは昨日もいろいろ局長に質問してまいりましたが、人事院勧告と同一で右へならっている、こういうふうに私たちは見ておるわけでございます。 そこで、上薄下厚の方式をとられておりますけれども、これについては昨日局長からいろいろ答弁をいただきましたが、中でも、私は今回のこの処置は、今後人事院勧告にかかわらずこの方式でいくのか、今回のみの処置であるのかどうかということを大臣に特に念を押しておきたいわけであります。また、これが将来またもとに戻るという心配はないのか、かようにお伺いしたいわけでございます。 御承知のように、この方法については、給与の高い方は一律改定方式を好むわけでございまして、給与の低い方は傾斜改定方式を好む、こういうことを言われておりまして、一般的には喜ばれておるわけですけれども、当委員会に今回提案されていますこの農林年金に対して将来どういうふうにお考えであるか、この点をまず大臣からの御見解を承っておきたい、かように思うわけであります。
○安倍国務大臣 既裁定年金につきましてはその算定の基礎となりました平均標準給与を物価、国民の生活水準の変動を総合的に反映していると見られる国家公務員の給与改定率を基準として改定することによりまして、年金額を増額改定をしてきたところでございます。従来改定に当たりましては、平均標準給与に対して国家公務員給与の平均改定率を一律に乗じて増額をしてきたところでありますが、国家公務員給与の俸給表の改定の内容は、給与水準が低い者に対してはその率が高く、給与水準が高い者に対してはその率が低くなっております。したがって、農林年金の既裁定年金者についても年金額の低い者には手厚い改善をすべきだという意見もあり、今回の改定につきましては低額年金者の給与改善に重点を置くという趣旨から、国家公務員給与の改定率を基礎として、七・八五%から一一・五%までの率で上薄下厚方式により増額改定を行うこととしたものでございまして、この一つの方式というものが今後の先例になっていくものであろう、こういうふうに私たちは考えております。
○瀬野委員 今後この方式が先例になっていくということでございますので、その点は一応了といたします。 次に農林大臣にお伺いしたいことは、最低保障額の引き上げの問題でございますが、御承知のように、旧法該当者が千九百名、その中で退職年金該当者が百九十五名、最低保障にひっかかる人が百六十四名で八四・一%、障害年金関係が二百二十六名で、最低保障にひっかかる人が百四十二名、六三%、遺族年金が千四百八十五名で、最低保障にひっかかる人が千三百四名、八八%、こういうふうに、要するに千九百名の該当者の中でほとんどの方が最低保障額にひっかかるということになるわけでございます。 そこで、最低保障額は逐次改善を見ているものの、農林年金の場合には他制度に比べてその適用者が多く、その引き上げは切実なものになっております。中でも、新旧の間に格差があることはもう再三指摘をされておることでございます。旧法最低保障額については、厚生年金水準を保障すべきではないかという意見は前々からあるわけですけれども、これについてなかなか改善されない。また、農林年金の場合には旧法から新法への切りかえがおくれておりまして、他制度よりも旧法期間が長いものとなっておることは、毎年当委員会でも指摘されておるところでございます。こういった者に対して何とか救済措置ができないものかということを昨日私は質問いたしましたが、厚生年金には御存じのように新旧の差がないわけです。全部これは新法になっております。農林年金の旧法期間の長い人は、国家公務員共済と比較すれば五年九カ月の差があります。そこで、旧法を撤廃せよ、そして国家公務員の共済並みに合わせろ、こういうことを私たちは叫んでおるのですけれども、こういったことについて、特に格差の問題、大臣はどういうふうにお考えであるか。昨日も局長にいろいろお伺いしましたが、大臣からの見解を承っておきたい、かように思うわけであります。
○安倍国務大臣 旧法年金と新法年金ではこの制度の仕組みから見まして差異がありまして、そのために給付水準に格差が生じておることは事実でございます。したがって、この年金受給者の生活安定を図っていくためには、今後この格差是正ということに重点を置いて努力をしなければならぬわけでありますし、これまでもやってきたわけでございますが、これは他の年金制度との関連もあるわけでございますので、その辺については非常に取り扱いに困難な面もあるわけであります。しかし農林省としては、特に旧法年金者に低額年金者が多いという農林年金の特殊性から見ましても、今後とも関係各省と連絡をとりながら、特に旧法年金の給付内容の改善には一層の努力をしなければならない、こういうふうに考えております。
○瀬野委員 農林大臣、いまおっしゃったことはわかるわけですけれども、先ほど質問申しましたように、そういうふうに格差があってこれは問題になっているわけですから、旧法を撤廃する、少なくとも国家公務員の共済並みに合わせる。それもできないとなれば、次善の策として私学共済、これは三十七年一月に発足しておりますが、この私学共済あるいは地方公務員共済、これは三十七年十二月制定、この共済にせめて合わせてやるというようなことでもぜひお願いしたい、こう思うのですけれども、その点はどういうふうにお考えですか。
○吉岡(裕)政府委員 過去の経緯にわたりますので私から一言お答え申し上げますが、御承知のように、農林年金は国家公務員共済制度と比べまして若干おくれて、五年おくれの三十九年十月から新法に切りかえられたということは、ただいまお話しのように事実があるわけでございます。ただ、この切りかえが行われたのが若干おくれたという点につきましては、国家公務員にならって同じような時期に新法に切りかえるべきではなかったかという意見は確かにあると思うわけでございますが、まず農林年金が厚生年金から独立をいたします際に、その分離独立自体が非常な困難を克服して実現をされたものでございまして、したがいまして、当時の事情からすれば、まず農林年金制度の発足自体が非常に重要であり、それを実現すべきであるということに大きなねらいがあったために、そのような状況になったものであろうというふうに私どもとしては思っておるわけでございます。この年金給与につきましては、それぞれその根拠といたします法律の時点、期間に合わせて年金を給与するというのが年金制度の考え方でございますので、両者を一致させるということは非常に困難なわけでございますけれども、先ほど大臣のお答えもありましたように、今後とも農林年金の特殊性にかんがみまして、旧法年金の改善について努力をしたいというふうに思っておるわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣もいまの格差についてはもう十分承知でありますので、今後さらに次の提案に当たっては改善できるように十分な検討をしていただきたい。このことをつけ加えて申し上げておきます。 そこで、障害年金、遺族年金の通算制度の問題についてであります。これも昨日局長にお伺いしましたけれども、大臣に特に次の点をお伺いしておきたい、かように思うわけです。 従来からこれは懸案となっておりました事項の一つでありますので、わが国年金制度を大きく前進させているということは一応言えるわけでございます。今回、通算退職年金が通算遺族年金として創設されたということは一応評価できるわけでありますが、しかし完全な通算制度を求める意味から申し上げまして、期間通算に対する財源確保の調整措置がない点が問題となっております。その一つの例として、ある会社があった場合に、Aという会社が三カ月、Bが二カ月、農林年金が七カ月、合計十二カ月とした場合に、結局AとBの会社はそれぞれ三カ月ないし二カ月、この五カ月間は保険料だけもらって給付しないというようなことになっております。そうなりますと、残りの七カ月を受け持った農林年金は一番最後にめんどう見る、いわば農林年金だけが損をすると言えば語弊があるけれども、それだけ負担がかかってくるということになるわけです。国家公務員共済から農林年金に来る例はあっても農林年金から他に行くということはまずそうはない、ほとんどないと言っていいんじゃないか、かように思います。こういったことをずっと見てまいりますと、この通算制度の創設に絡んで財源確保の調整措置、こういった問題が今後に残る問題であります。 なお、実施時期がなかなか明確に打ち出されていないためにわれわれがどうなるかというふうに思っているわけですけれども、聞くところによると政令事項になるので法律公布から一年おくれの期間というふうになるやにも聞いておりますけれども、この点もこの際あわせて大臣から御見解を承っておきたい、かように思います。
○安倍国務大臣 通算制度につきましては、来年の一月一日から施行することにいたしておりますが、いまの御質問につきましては専門的にわたる面もございますので、局長から答弁を補足さして説明させます。
○吉岡(裕)政府委員 ただいま先生お話しの障害年金、遺族年金の通算制度の創設でございますが、この中に通算障害年金、遺族年金の創設と、もう一つは通算制度を設けるという二つの問題が入っておるわけでございます。通算障害年金及び遺族年金の創設につきましては、先生お話しがございましたようにそれぞれの年金の方からそれに見合う通算遺族年金あるいは通算障害年金が支払われるということになるわけでございますので、お話しのような財源の調整措置というものは必要としないということになるわけでございます。 それからもう一つは、いわゆる通算制度の創設でございますが、これは組合員期間が一年未満のものでも他の公的年金期間と合算して一年以上であれば、職務によらない傷病あるいは死亡に際して障害年金または遺族年金を支給をするということになっているわけでございまして、この点、そういう原因が起きました年金においてその支給要件に合致しておれば年金の支給をいたす、こういうことになるわけでございます。したがいまして、お話しのように農林年金においてそのような条件が発生しました際には農林年金から支払いが行われるわけでございますが、これを通算制度のようなことにするということにつきましては、組合員ごとに以前属しておりました制度の加入期間が非常に区々まちまちであるというふうなことがございまして、その所要財源を移管をするということにした場合にどういうふうに算定をするかとか、さらにその移管財源をどこに求めるかとかあるいは退職一時金との関係をどうするかとか、非常に困難な技術的問題もその中には含んでおりまして、以上のようなそういう状況から今回の通算措置を講ずるに当たっては財源調整措置というものを特に設けないというような仕組みになっておるわけでございます。
○瀬野委員 次に、遺族年金の寡婦加算の創設の問題でございますけれども、今回の改正では五十一年八月から妻である配偶者に係る遺族年金について、遺族である子がいる場合または当該配偶者が六十歳以上である場合加算を行うこととしておられますが、寡婦加算制度の創設については前からいろいろと当委員会で論議されてきたことでございますが、相当の評価はあるものの、遺族年金の支給率の引き上げの見送りの措置だ、こういうふうに言われておるわけです。まさにこそくな手段である、かようにわれわれは指摘せざるを得ません。支給率の改善措置による方法をとらなかったのはどういうわけか、私はこういった改正ではまさに根本的な改正にはならぬ、かように思うのですけれども、大臣は本案提案に当たってどういうふうに検討されてこられたか、御見解を承っておきたいのであります。
○吉岡(裕)政府委員 先生ただいまお話しの遺族年金の支給に関する問題でございますが、御承知のように各制度共通をいたしまして遺族年金の支給率は退職年金額の五〇%になっておるということでございまして、この引き上げについてかねがね各年金制度共通の問題としていろいろ検討をされてきたわけでございますが、今回の制度改正に当たりましては、遺族年金受給権者のうち、その生活実態等から見て年金の必要性が特に高いと考えられる範囲といったようなものを勘案をいたしまして、かつ低額年金者に手厚い引き上げとなるような配慮を行った上で、先生御指摘の寡婦に対する加算制度というものをつくっておるわけでございます。すなわち、十八歳未満の子供のいる寡婦でありますとかあるいは高齢の寡婦につきまして定額の加算を行いまして、いわゆる寡婦加算制度というものを創設いたしたわけでございます。先ほども申し上げましたような観点から実質的に遺族年金が支給率を引き上げられたという結果になったわけでございまして、今回特に寡婦に主点を置いて年金制度の受給率の実質的改善を図ったというのがその趣旨でございます。
○瀬野委員 農林大臣に農林年金に関して最後にもう一点お伺いしておきます。 農林年金の財政問題のことですけれども、これについても昨日局長からいろいろと答弁があったわけですけれども、さらに農林大臣にお伺いしておきますけれども、今回財源率の再計算後の掛金率の急激な増高を避けつつ世代問負担の均衡等を考慮されて、さきに国家公務員共済等で採用された修正積立方式にならって財政方式を一部変更し、新掛金率を千分の九十八と決定されておられます。すなわち、組合員が千分の四十九、団体が千分の四十九、こういうふうになるわけでございますが、当面は組合員の掛金負担の大幅引き上げは避けることができたとはいうものの、制度の健全な運用を図る見地からは問題を大変後に残しております。農林年金の問題でも大きな問題の一つではございますが、今回の修正率を見ますと七七・五%ですから、あとの二二・五%が後代の若い方に対しての負担になる、こういうことになるわけで、御承知のように四十九年度末の数値で五十年に再計算をやり、五十一年四月より新たな掛金率ですでに始まっているわけです。こういった点を見てまいりますと、私は掛金率は最終的には二%アップになったが、財源的にはもう大変不足して問題になる、財源基盤に今後大変な憂慮をせざるを得ないというのが現状でございます。すでに現在、七千億近い不足財源があるといわれておりますが、こういったことからいろいろ見てまいりますと、農林年金の財政基盤の強化策、将来の見通し、こういったことについて大臣はどう考えておられるか、また整理資源について、これを国家公務員共済等と同様、事業主負担の考え方について処理するというようなことができるかどうか、こういったことを含めて、農林年金の財政問題の今後のあり方ということについて大臣から見解を承っておきたい。
○安倍国務大臣 農林年金におけるこれをさらに充実改善するためには財政を健全化しなければならぬということは当然のことでございまして、農林年金では四十九年度末現在で七千五百五億円という不足責任準備金になっておるわけでございます。これが発生した原因はいろいろとあるわけでございますけれども、一つは、制度発足の際に厚生年金期間を引き継いだことによりまして初期の過去勤務債務が発生したこと、あるいは制度発足後の既裁定年金の額の改定、給与のベースアップ等によりまして後発過去勤務債務が発生したこと、こういうふうな原因があるわけでございますが、これからやはり年々既裁定年金の額の改定等によって不足責任準備金は増加をするが、これについては財源率の再計算期ごとに見直しを行いまして、年金財政が健全に維持できるように対処してまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○瀬野委員 農林年金の財政問題については、いまも大臣御答弁ありましたように不足財源があるわけでございます。将来にわたって財政基盤についての問題が大変残るわけでございます。十分御承知だと思いますが、万全なる体制を整えて農業者に不安のないように処置をしていただきたいということを、重ねて強く要求しておきます。 時間の制約がございますので、昨日質問をしてまいりました農業者年金について、特に大臣に時間の範囲内で数点にわたって再度お伺いをしておきたい、かように思います。 農業者年金の加入実績の問題でございますが、法律制定当時は約二百万人が加入を予定しておったわけです。御承知のように予算措置としては百六十五万人が予算措置をしていただいておりますけれども、五十年三月末現在で百十五万四千三百三十六人という数になっております。年齢別を見ても、先日もちょっと申し上げてまいりましたが、二十歳から三十九歳までが一五%、四十歳から五十五歳までが八五%、こういうことになっておりまして、完全積立方式をとらざるを得なかったという理由がここらにあるわけでございますけれども、これが二十年たったらどうなるかということが大変心配になります。二十年たつと年金受給者になるのがだんだんふえてくるわけでございまして、一五%の方が負担をしていくというようなことになるわけです。もちろん今後、局長も若年の加入を促進していくということでございますけれども、それは当然でありますが、私たちはそんなに急増するとは考えられません。努力はもちろんしていただかなければなりません。そういったことで、農林大臣としては本法提案に当たってどういうように見通されておられるのか、この点について大臣の御見解を改めて承っておきたい。
○安倍国務大臣 農業者年金では他の公的年金に比べますると高年齢の加入者の割合が高くて、今後加入者数が減少する、また、加入者数に対する受給者数の割合が増加する、こういうことで、将来の農業者年金制度を運営する場合につきましては、特に年金財政の健全な運営というものに留意する必要がございまして、こういうことのために農業者年金の財政については完全積立方式を堅持をいたしておるところでございます。 ただ、今回の制度の改正におきましては若年齢層の加入が本制度の健全な運営にとりましては非常に望ましいという観点から、後継者について保険料負担の軽減を図っておることは御案内のとおりでございまして、その結果、農業者年金に対する加入の促進を図ってまいりたいと考えます。 農業者年金制度の基本的なあり方につきましては、現時点は本制度の中心となる経営移譲年金の給付が開始されたばかりでございまして、制度を根本的に見直さなければならない時期とは考えていないわけですが、本制度が農業者にとりましてさらに充実した年金制度となるためには、今後ともその改善充実には積極的に努めてまいりたい、こういうふうに基本的に考えております。
○瀬野委員 次に、年金額の引き上げの問題で、経営移譲年金について昨日もいろいろと指摘をしましたが、御承知のように経営移譲年金の方が現在下回っている原因というものが、年金算定の基礎となる推定農業所得の月額というのが厚生年金加入者の平均標準報酬月額に達していないということに基因しておるわけでございまして、今後さらに農業所得と他産業所得との格差が広がると、年金額の格差が一層拡大し、農業者の期待にこたえることができないという懸念があるわけでございます。 昨日も申し上げましたけれども、厚生年金では九万三百九十二円、いわゆる九万円年金ということが実現した、こう一応いわれておりますけれども、これは一部の人でありますが、それと同じ算定方式で計算をいたしますと、農業者年金は七万二千八百円にしかならないわけです。これは推定農業所得の月額を低く見ているからでございます。御承知のように、現在専業農家はまさに少なく、一二、三%程度といわれておりますし、仮に兼業農家の場合を見ましても、三百万の農家所得があったとしても、その三分の一というものがいわゆる農業所得で、他の三分の二は農外所得というようなことでございます。こういったことから推定農業所得の月額という問題が大変問題になりますけれども、こういうふうなことでは今後に魅力のない年金ということになるわけでございます。もっと魅力ある年金にしてもらわなければならぬ、かように思いますけれども、この点について、経営移譲年金の問題、大臣はどういうふうにお考えであるか、あわせて御答弁をいただきたい。
○岡安政府委員 ちょっと数字にわたりますので、先に私からお答えいたします。 昨日もお答えしたと思いますけれども、経営移譲年金の水準を決定するに当たりまして、今回は一・四八倍に引き上げるということにいたしたわけでございます。それでも低いではないかというお話でございますけれども、私どもは五十年度におきます農業所得というものを推定をいたしまして、これを基礎にいたしまして計算をいたしたわけでございますが、この推定の方法にはいろいろございます。詳しいことは一応省略いたしますけれども、現に農業者年金に加入している農家の平均農業所得、それから当然加入資格規模以上の農家の平均の農業所得というものからいろいろ推定方法を違えて算定をいたしますと、大体百五十五万円から百九十七万円程度に散らばって出てくるわけでございます。それらを月額に直しますと九万六千円から十二万一千円ということになりますので、それらを勘案をいたしまして、大体平均的なところが、厚生年金の水準と厚生年金の考え方とにも合うということで、今回一・四八倍に引き上げることにいたしたわけでございます。
○安倍国務大臣 今回の年金額の引き上げ率につきましては、厚生年金の改善状況が十分に反映をされており、改定後の給与水準は、実績では厚生年金後の水準を下回っているが、農業者と他産業就業者の所得水準の相違等を勘案をすれば、厚生年金と実質的な均衡を実現し得る給与水準となっているものと考えておるわけでありまして、厚生年金に従って農業者年金の算定をいたしておる、こういうことでございます。
○瀬野委員 時間が詰まってまいりましたが、農林大臣に農業者老齢年金の引き上げの問題でお伺いしておきます。 大臣も十分御承知だと思いますが、経営移譲した人としなかった人の年金額の差が大変大きいわけです。六十歳で経営移譲し、七十五歳までもらったと仮定すればどれだけの開きになるかと言いますと、経営移譲した人は五百三十万四千円、すなわち経営移譲年金と農業者老齢年金がつくわけです。経営移譲しなかった人は百五十六万円、これは農業者老齢年金のみしかつきません。そうしますと差額が三百七十四万四千円ということで、同じ制度、同じ保険料でこれほど差があるのは私は本当におかしいじゃないか、かように思うわけです。いわゆる六〇%の人が四〇%の人を見ている勘定になるわけでございますが、きのうもいろいろ申し上げてきましたけれども、そういったことで、農業者老齢年金の水準を引き上げていただきたいというのが私の質問の要旨でございます。 自分の納めた保険料に五分五厘の運用利回りをプラスしたものにしかならないということになっておりまして、結局納めただけもらうということで、何ら魅力がない。もしこれを他に預金するとすれば七分ぐらいの利子がつくということで、一分五厘は当然もうかるということで、こういったことでは全くお話にならぬわけですけれども、これらについて大臣はどういうふうにお考えであるか、お答えをいただきたい。
○安倍国務大臣 実際に農業者老齢年金の支給が開始されるのは、御存じのとおり昭和五十六年からでございますが、農業者老齢年金の給付水準につきましては、御指摘の点も含めて、今後農業者及び農業団体の意見も十分参酌をして、給付水準の引き上げには努力をしていく考えでございます。
○瀬野委員 次に、昨日も指摘したのですが、保険料の引き上げの問題で、数ある年金の中でも完全積立方式をとっているのは農業者年金のみでございますが御承知のように、どの年金においても必要な保険料は取っておりません。なぜかと言いますと、後に続く人が多いからでございます。いまも申し上げましたように、農林年金の場合は古い人が多く、後に続かない年金をもらう人がふえてくる。こういうことで、若年層の年金加入者が少ないというのが一つの大きな問題になります。今回は保険料の引き上げについて三段階方式をとっておられるようですけれども、結局は詰まるところ、取って取り抜くと言うか、一銭も残さず取るという方式になっております。こういったことでは、私はまさに魅力のない問題である、かように思います。 そこで、完全積立方式というのは農業者年金のみでありますが、今後修正積立方式にどうしても移行しなければならぬと思うのですが、その点についてどういうふうにお考えであるか、大臣からお答えをいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 現在は、農業者年金制度を維持していく上から見て完全積立方式ということでやっておるわけでございますが、今後いろいろな問題もございますので、この修正積立方式という点も含めて検討の対象にして、そして、よりよき農業者年金制度の確立を図っていかなければならない、そういうふうに考えるわけであります。
○瀬野委員 保険料について十分検討するということでありますけれども、実際には今回は修正ということにはなかなかまいらぬ、かように考えるわけです。保険料は三段階になるが、これを第一段階で据え置いてもらいたい、かように思うのですけれども、そういうことになりませんか。第一段階で据え置くということは考えておりませんか。どうですか。
○岡安政府委員 今回、三段階に保険料を引き上げるということにいたしましたのは、計算上の平準保険料というのが、現在の保険料に比べますと一・九倍ぐらいになるということから、一挙にそうすることができないので、初めは一・四五倍、それから出まして中間が一・七五倍、それから最後は一・九九倍、こういうことにしたわけでございますので、第一段階で据え置きますと、これは穴が出てしまうわけであります。修正積立方式というのは、ただ単に穴をあけるという方式でもございませんので、今回は三段階にして順次引き上げるということでなければ、この農業者年金制度は維持できないと思いますので、これはそういうふうにさしていただきたいと思っております。
○瀬野委員 農林大臣に最後に一点伺いますが、三段階になるわけですけれども、第一段階に据え置くということにはなかなか困難があるように局長は答弁しておりますが、私はこの保険料の問題、施行期日の繰り上げ等勘案して、少なくとも年金額のスライドの時期を繰り上げるということはぜひやるべきである、かように思うのですが、大臣、その点どうですか。
○安倍国務大臣 農業者年金が四十六年一月に発足しておりますので、今回の改正も五十二年一月から実施することにいたしております。また、農業者年金と密接な関連がある国民年金のスライドも各年度の一月からとなっておりますので、これらを勘案いたしましてスライド改定を各年金の一月から実施することといたしたわけでございます。 なお、平年度におけるスライド改定時期の繰り上げの問題につきましては、スライドの実施そのものが本年度の物価指数の動向にかかっており、現時点で予測することは困難ではございますが、来年度、厚生年金、国民年金についてスライド改定の実施時期の繰り上げが行われることとなった場合には、本年金につきましても繰り上げ実施するように努力をしてまいりたいと思います。
○瀬野委員 約束の時間が参りましたので、一応、以上で終わります。
○湊委員長 次に、稲富稜人君。
○稲富委員 私、持ち時間が少ないのと、さらにこれを終わりまして石特でまた質問いたさなければなりませんので、簡略に質問いたしますから、簡略にするために要を得ぬかわからぬと思います。しかし、大体同僚各位からすでに質問があっておると思いますので、簡略にお尋ねいたしたいと思うのであります。 まず、農林年金の問題につきましてお尋ねいたしたいと思います。 大臣にお尋ねしたいと思いますが、農林年金につきましては、従来その財政基盤が非常に弱いので、年金財政の健全化ということがしばしば問題になってきたことは御承知のとおりであります。それがために、国からの補助率を二〇%以上にするようにという関係者からの要望もたびたびあっておることも、政府は十分御承知であると思うのでございますが、これに対してどういうように対処しようというお考えを持っておるか、承りたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 農林年金制度の財政の確立と組合員の掛金負担の軽減を図るためにはやはり国庫補助率の増加が強く要望されてきたところでございます。現在農林年金に対する補助率は一八%でありますが、厚生年金二〇%、国公共済一五%との中間にあるわけでございますが、これは給付内容、給付水準から見て農林年金が両者の中間に位置することというふうにされておるわけでございます。 このほか農林年金の財政基盤が弱いという実情にかんがみまして毎年財源調整費の獲得に努めまして、近年におきましてはこれ等を含めて実質一九・七七%の国庫補助としておるわけでございます。したがって、実質的には厚生年金の補助率におおむね匹敵する内容とはなっておるわけでございますが、今回の財源率再計算に当たりましては財源率の上昇に対処して国庫補助の増額についても検討を重ねてまいったところでありますが、いろいろの事情から補助率自体は据え置かれたわけでありますが、私はやはり補助率の引き上げということが必要である、こういう考え方のもとに今後とも各省とも協議して、これが実現には努力を続けてまいりたいと考えております。
○稲富委員 念を押しておきますけれども、将来は補助率の引き上げは当然やらなくちゃいけない、こういうような考えを持っておられる、なお、そういう方向で進んでいこう、こういう政府の所信である、こういうように解釈すればいいのでございますか。
○安倍国務大臣 そういう方向で今日までも来ておりますし、今後ともそういう方向で対処してまいりたいと思っております。
○稲富委員 次にお尋ねしたいと思いますことは、農林漁業団体の相互扶助事業に対する予算が一億五千万円計上されておりますが、この予算と農林年金との関係はどうなっておるか、どう理解したらいいのであるか、その点につきましての説明をひとつお願いしたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 やや技術的問題にわたりますので私からお答えを申し上げますが、今回予算措置としまして新たに全国農協中央会に対しまして一億五千万円の補助をいたそうとしておるわけでございますが、これは農協職員等の福祉の充実と資質の向上を図りますために全国農協中央会で相互扶助事業というものを行っておりまして、これに対する経費の一部を補助するという趣旨のものでございます。 農協中央会におきましては、この国から出ます一億五千万の国庫補助を契機にいたしまして、関係団体から資金の拠出等を得まして、従来行っておりました相互扶助事業をこの際拡充をするということを考えておりまして、その事業の一環としまして農林年金に対しまして財政上の援助措置を講ずるという計画になっておるわけでございます。 したがいまして、今回の農林年金の掛金率を改定されるに当たりまして、ただいま申し上げましたような農協中央会からの農林年金財政への寄与ということも考慮いたしまして、その分を織り込んで考えて千分の九十八の掛金率ということにいたしたというのが実情でございます。
○稲富委員 大体わかりました。 次にお尋ねしたいと思いますことは、今回の改正によりまして年金者の年金額というものが幾らアップすることになるか。この法文を見ておりますと、どうも体系が非常に複雑になっておりまして、なかなか内容がわからない点が多いのであります。よって私は、年金者やあるいは組合員にもっとわかりやすいような年金法とする必要があるのじゃないか、こういうことも考えるわけでございますが、これに対しては事務当局の方でどういうふうにお考えでございますか。
○吉岡(裕)政府委員 先生お話しのとおり、これは農林年金法だけではなくて各種の共済年金関係法いずれも共通しての問題でございますが、非常にむずかしくいろいろ表現をされていて、素人が読んだだけではよくわからないというふうな点が多々あるわけでございますが、その内容としておりますことが掛金の納付とか年金の給付内容といったようなことで、組合員でありますとか年金受給者に関する権利義務を非常に詳細に規定しておる。それは法律的にも非常に明確にかつ具体的に規定をする必要があるということ、それからさらに法律の改正が毎年毎年行われていくというふうなことがありまして、法律の規定全体が非常に複雑なものになっており、難解になっておるということは御指摘のとおりであろうと思うわけでございますが、そのような法律的な非常にむずかしい問題を規定しようとするとああいう形のものにならざるを得ないというのが今日までの実情のようでございます。しかし農林漁業団体の職員に関係がございます非常に重要な法律でございますので、その内容を具体的に正確に知っていただくことが非常に重要なわけでございまして、この法律を具体にわからせるために農林漁業団体職員共済組合等を通じまして、いろいろな解説の資料でありますとかあるいは説明会を開催するといったことを通じまして、せいぜいその理解に資するように努めておるということでございます。今後ともこのような努力はさらに強化をしていかなければならないだろうというふうに思っております。
○稲富委員 大体いまのお話で非常に複雑であるということは認めていらっしゃるようでございますが、何かその点をもっとすっきりしたような、法律の内容等に対して簡明にするというような方法をとられないものであるか、この点について十分検討していただきたい、こういうことをひとつ希望として申し上げておきたいと思います。 なお、農林年金の問題についていろいろお尋ねしたいことがありますけれども、時間の関係等がありますので、最後にこの問題につきまして農林大臣にお伺いしたいと思います。 農林年金の年金受給者が他の制度のそれに比べますと低額年金が多い、こういうことは常に言われておることであります。これはしばしばこの委員会の審議を通じましても、あるいは今日までしばしば附帯決議等におきましても指摘されたことでございますが、この原因は何と申し上げましても農林団体の職員の給与が他よりも非常に下回っておることがその一番大きな原因であると思うのでございます。この点に対しまして政府はこの職員の給与に対していかなる指導、助言というものをしていらっしゃるのであるか、また将来しようと思っていらっしゃるのであるか、私はここに一番の基本的な問題があると思いますので、この点をひとつ承りたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 農林漁業団体職員の給与、基本的にはこの給与にいろいろと問題があるということでございますが、確かにそのとおりであるわけでありますけれども、しかし農林漁業団体の給与につきましては労使間で自主的に決定されるべき問題でありまして、政府が給与の基準を示して指導するということは困難であると思うわけでございます。しかし、団体の指導機関であるところの全中とかあるいは都道府県の農協中央会等においてその適正化について努力するようにいろいろと指導的なことはいたしておるわけでございます。そうした方向として、たとえば給与規程例の設定であるとか、あるいは農協労働問題研究会を通じての給与水準の調査とその結果の資料等の提供であるとか、ブロックごとの研究会の開催等を行い、参加団体の給与水準の改善整備であるとか、そういう点につきまして農林省でいろいろと指導をいたしておるわけでございますが、基本的には、何といいましても、そうした農林漁業団体の経営基盤の強化ということが一番大事なことでございます。その経営基盤を強化するためには、たとえば農協の合併の推進といったこととかあるいは経営の改善の合理化等、まだまだこれから経営の基盤を強くするためにいろいろとやっていかなければならぬ問題があるわけでございますから、そういう点に対して積極的に政府としても協力するところは協力をし、指導するところは指導して、そして今後、団体の基盤の強化と同時に、ここで働いておられる団体職員の給与の改善等にいい影響が出るように努力をしてまいりたいと考えております。
○稲富委員 それでは、次に農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対して質問いたします。 本年金制度の発足は、御承知のとおり昭和三十年代から農民の非常な要請に応じまして制定を見たのでありますが、この年金制度は、農民の老後を保障するといった純粋な年金制度とは逆に、離農を奨励する政策的要素が非常に強い、農民の本当の要望にこたえるものではないではないか、こういうような批判があったことはすでに御承知であると思うのであります。本委員会におきましても、そういう点から、四十五年の法律制度の当初においてはその年金額の引き上げの修正を行うとともに、四十九年の法律改正のときにも農業者老齢年金の充実についての附帯決議を付したことも、これはもう大臣も十分御承知のとおりであります。よって、今回の改正においても、農業者老齢年金の引き上げにつき経営移譲年金の引き上げと同率、すなわち一・四八倍としたことは、この年金制度がはからずも農民の期待を裏切るばかりか、委員会の決議にもこたえていないのである、こういうことを言われてもいたし方ないと思うのであります。この点に対して政府はどのような考えを持っておられるか伺いたいと思うのでございます。何と申し上げましても、農業者年金制度というもの、これがわが国の農政上にどう位置づけるかということは非常に重大な問題でございますので、そういうような、この制度の農政上の位置づけ等も加えまして、政府の大局的な立場からの考え方というものを冒頭承りたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 農業者年金制度を農政上どういうふうに位置づけていくかということは、これからの年金制度を維持発展していく上において非常に重要な問題でございます。私たちは食糧の自給力の向上を図っておる。そのために担い手の育成強化を行っていかなきゃならぬ、そういうふうに考えて、これから諸種の対策を積極的に講ずるわけでございますが、優秀な経営担当者の確保あるいは経営移譲の促進になる農業経営の近代化等の農政上の課題、これは農業者の老後保障とはやはり密接な関係があるというふうに認識をいたしております。 農業者年金制度は、この点に着目をいたしまして、一般的な老後保障を目的とする国民年金の給付に加えて、農業者の経営移譲に対して年金を給付することにより、農業経営の近代化及び農業者の老後保障に資することを目的としておるものでございまして、これは農業者年金法の第一条の目的にも明記してあるわけでございます。 今回の制度改正は、年金額の引き上げのほか、農業後継者に対する措置に重点を置いてその充実改善を図ったものでございます。この制度の改善によりまして、年金給付が大幅に充実するほか、農業経営後継者の育成確保、農業後継者に対する経営移譲の促進が図られることによりまして、本制度の目的とするところの政策効果が一層発揮されることになる、私はそういうふうに判断をいたしまして、これからのわが国の農業政策を積極的に推進する上において大きな意味を持つものであると理解いたしておるわけであります。
○稲富委員 次にお尋ねいたしますことは経営移譲行為をしなかった者は、六十五歳から農業者老齢年金しか支給されないのでありますが、その支給総額は、自分の掛けた保険料に五分五厘の運用利回りしか受給し得ないことになっております。こうしたことは、国が関係します年金等では余りほかに例を見ないことでありまして、経営移譲が何らかの事由によりできない者にとっては、本年金に加入することに何らのメリットもないという結果になってくるのでございます。こうした意味からしましても、農業者老齢年金の充実をもっと図るべきではないか、こういうことも考えられますので、政府は農業者老齢年金の充実に対してどういうような考えを持っておられるか、具体的に承りたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 農業者老齢年金の給付水準をさらに引き上げるべきではないかという御指摘でございますが、この老齢年金が支給されるのは昭和五十六年からでございますが、この老齢年金の給付水準につきましては、御指摘の点も含めまして、今後、農業者あるいは農業団体の意見も十分参酌の上給付水準の引き上げに努力してまいる考えでございます。
○稲富委員 次に、保険料の引き下げと国庫負担の引き上げについてお伺いいたします。 保険料につきましては、本年金のみが完全積立方式を採用していることが従来から問題となっております。これは先国会でもいろいろ御質問があったのでございますが、四十九年の法律改正時においても本委員会で引き下げるという修正が行われたことも御承知のとおりであります。しかるに、今回の改正においても政府は相変わらず完全積立方式を採用しております。年金額の引き上げに対し、保険料については、当初は年金額と同率の一・四八倍とはいいながら、毎年段階的に引き上げられて、三年後には二倍にまで引き上げることになっております。こうなりますと、農家は農業年金の保険料のほかに国民年金の保険料も支払わなければならないということになります。その合計額は当初でも一月当たり七千二百五十円となり、以後段階的に引き上げられた場合は、果たしてどれだけの農家が保険料負担にたえ得るかというような懸念さえも生じてくると思うのであります。 この点に対して、他の年金制度、たとえば厚生年金あるいは国民年金等はいずれもすでに修正積立方式に移行しております。特に国民年金は必要な保険料の半額程度しか納付していないのが実情であります。こうした意味からも、本年金においても修正積立方式に移行するなどして保険料の引き下げを講ずべきものであると思いますが、これに対してはどういうようなお考えを持っておられるかということと、さらに時間がありませんのでつけ加えますが、こういうこととあわせてひとつお尋ねしたいと思いますことは、わが国のこの農業生産様式が非常に兼業化がふえてまいります。そうしますと、主婦の労働力に依存しなければならない面が非常に大きいところがありますので、農家の主婦の老後保障というものを十分充実する観点からもこのような主婦についての年金加入の道を開く、こういうような改善もいま考慮しなければいけないのではないか、こう思いますが、この点もひとつあわせて承りたいと思います。
○安倍国務大臣 保険料の額につきましては、年金給付に要する費用の予想額並びに予定運用収入及び国庫負担の額に照らし、将来にわたって財政の均衡を保つことができるものでなければならないことは当然のことでありまして一農業者年金の財政方式につきましては、将来の被保険者数と、受給権者数との関係、被保険者の年齢構成等にかんがみまして、長期にわたって健全な財政運営を確保するため給付と負担のバランスを維持することが不可欠でございます。したがって、従来から完全積み立てのたてまえを維持してきております。保険料をできるだけ低額に抑えてほしいという農業者の現実の要請は十分理解をしているところでございますが、保険料を不当に低額にとどめることは適当でもない、またそのような措置をとれば後代、後の時代に非常に大きな負担をかけることになりまして、世代間に著しい不公平が出てくる、こうした事態を避けるために給付水準の改定に当たっては保険料についても適正な増額は図っていかなければならないのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 また、主婦の老後保障の問題と、この年金制度との問題でございますが、農業に従事する者の老後保障は、一般的には国民年金制度によりまして行われておるところでございますが、この年金制度は経営移譲の促進による農業経営の近代化及び農地保有の合理化と農業者の老後保障の充実とが密接不可分な関係にあることに着目して、一般的な老後保障を目的とする国民年金のみによっては満たされない農政上の要請にこたえるということがこの農業保険制度の趣旨でございます。 したがって、こうした制度のねらいから、その加入対象者は単に農業に従事する者とするのではなくて、農地の所有権または使用収益権を有する農業経営主及び将来の農業経営主となる経営主の直系卑属たる後継者に限定をしておるところでございます。また、実質的に農業経営主である主婦については、夫から農地の使用収益権の設定を受けることによりまして年金に加入できる道がすでに開かれておることは御承知のとおりでございますが、農業従事者一般を本制度の加入対象とすることは、この制度の性格から見てきわめて困難であるというふうに考えるわけでございますが、しかし、最近、女子の労働というものがわが国の農業におきましては非常に役割りが高くなってきておりますので、そうした実情も十分承知をいたしておりますし、これからやはり農業に従事する婦女子の老後保障の問題は非常に重要でございますので、遺族年金の問題等も含めて今後の研究課題としてまいりたい、こういうふうに思うわけであります。
○稲富委員 この法案につきましては、まだ質問したいことがたくさんあるのでございますけれども、実は私早くこの法案を採決していただかなければ、次の石特の方で質問の時間がありませんので、私の質問はこれで終わりといたします。
○湊委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○湊委員長 ただいま議題となっております両案中、まず、農業者年金基金法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより本案について討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。中川利三郎君。
○中川(利)委員 私は日本共産党・革新共同を代表して、農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。 反対する第一の理由は、本改正案が、今日の深刻な不況、インフレのもとで営農と生活を脅かされている農民に対し、過酷な保険料引き上げを強いるものであるからです。保険料を現行の一・四八倍に引き上げ、引き続き段階的に二倍にまで引き上げるというこの改正案が通ると、農家負担は三千二百九十円となり、昭和四十六年の制度発足当時と比べると、実に四・四倍という負担の増加となるのであります。しかも、農業者年金制度は、国民年金の上積み制度であり、加入者は当然国民年金の定額部分、比例部分の両方にも加入しているのでありますから、国民年金の保険料の引き上げと合算すると、毎月の負担が、現在の四千八百五十円から、明五十二年四月より一・五倍の七千二百五十円となるのであります。このような大幅な負担の増大は、とうてい容認できるものではありません。 反対の第二の理由は、経営移譲を促進するという本年金の政策年金としての性格がますます強められ、経営移譲をしない加入者の不利益が一層ひどいものになっていることであります。六十五歳までに経営移譲せよといっても、今日多くの農民にとっては、経営を譲るべき後継者がいないというのが現実の姿であります。これは政府の計算によっても、六十五歳までに経営を移譲できず、老齢年金しか受給できない加入者が、六割以上も見込まれているところからも明らかであります。この人たちにとっては、今回の給付改善によっても、なお毎月三千円も保険料を二十年間支払って、六十五歳からの月々の年金は、わずか一万三千円にしかならないのであります。一方、経営移譲した加入者は、六十歳から月々五万二千円の年金が支給されるのです。これでは経営移譲のできる比較的有利な条件にある少数の農民の年金支給のために、経営の困難な多くの農民が過大な負担を強いられる結果となっているのであります。まさに相互扶助の精神に反しているものであります。 第三の理由は、本改正案で改善面として評価し得る保険料の軽減措置において、その対象となる後継者に不当な制限を加え、後継者対策に新たな選別を持ち込んでいることです。六十歳で経営を移譲させるという政策的なねらいから、特定後継者を三十五歳未満に限定し、しかも、その上政令で平均以上の経営規模を持った農家と規定し、所得の高い層の保険料を所得の低い層よりも軽減するというもので、この点でも社会保障の根本理念にも反するものと言わざるを得ません。日本農業の将来を担うべく決意を持って農業に従事している後継者に対し、その経営規模をもって差別することは断じて容認できません。 以上、本改正案は、わが党が従来から指摘してきたように、中小零細農切り捨ての手段としての性格を強め、農民に対する真の老後保障のための年金制度の確立という方向とはますます逆行するものであります。したがって、わが党は社会保障の根本理念に反し、いわゆる低福祉高負担の典型というべき本改正案に反対するとともに、当面、国民年金の支給開始年齢を六十歳に繰り上げ、夫婦月八万円以上の支給を実現するなど、国民年金を一層充実させることとあわせて、本年金制度の抜本的改善を強く主張するものであります。 以上をもってわが党の反対討論にかえるものであります。
○湊委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○湊委員長 これより採決に入ります。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○湊委員長 この際、本案に対し、角屋堅次郎君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表して、ただいま議決されました農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本年金制度が国民食糧の生産の担い手としての使命を有する農業者の老後保障と後継者の確保等に果す役割の重要性にかんがみ、本制度の一層の整備充実を図り、かつ、加入の促進に格段の努力をするとともに、本法の施行に当たつては、左記事項に留意し、その速やかな実現に努めるべきである。 記 一、農業者老令年金については、やむを得ず六十五歳までに経営移譲を行わなかつた者の立場をも考慮し、年金支給が開始されるまでに、速やかにその引上げを図ること。 二、保険料については、農家負担能力の実情等にかんがみ、その軽減を図ること。このため、国庫助成については、本年金の政策年金としての性格に照らして、更にその引上げを図るよう努めるとともに、完全積立方式をとつている現行の財政方式について他の公的年金の動向等をも勘案して検討を加えること。 三、年金給付の額の自動改定時期については、国民年金等他の公的年金の改定時期に準じてその繰り上げが図られるよう措置すること。 四、最近における農業就業の動向にかんがみ、農業に専業的に従事する者に対し年金への加入の途を開くとともに農業の家族経営としての一体性、保険料の掛け捨て防止等にかんがみ、遺族年金等について創設の方向で検討すること。 五、後継者に対する使用収益権の設定については、小作地所有制限にかかる現行農地法の趣旨をそこなうことのないよう適切な運用に努めること。 六、中核的農家の育成に資するため、農業者年金についても厚生年金等と同様、所得に応じた給付が行われるよういわゆる所得比例方式等の導入を図ること。 七、農業後継者の確保並びに本年金への加入促進のため、農業後継者に対する保険料軽減措置の対象者要件の緩和に努めること。 右決議する。 附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の経過等を通して委員各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略さしていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○湊委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対して別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 角屋堅次郎君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。 —————————————
○湊委員長 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について議事を進めます。 この際、理事会等における各派協議により、私の手元で起草いたしました本案に対する修正案を提出いたします。
○湊委員長 修正案はお手元に配付してあるとおりであります。 その案文の朗読は省略いたしまして、以下修正の要旨を簡単に申し上げます。 修正内容は、農林漁業団体職員共済組合の保養施設の経営を委託されている財団法人農林年金福祉団を本年七月一日以降本法の適用対象団体とするとともに、これらの団体の職員について、その者が有していた厚生年金被保険者期間で当該団体の職員であった期間を、本共済組合の組合員期間とみなし、これを通算する特例措置を講じようとするものであります。 このような修正を行うことといたしましたのは、財団法人農林年金福祉団は、農林漁業団体職員共済組合の福祉事業の円滑な運営に資するため、その業務を受託経営することを目的に昭和三十七年十月に設立されたものであり、財団法人としての農林大臣による監督のほか、農林大臣の指定を受けて、もっぱら農林漁業団体職員及び年金受給者の福祉を増進するための事業を行うことにより農林漁業団体の発展に寄与している団体であり、農林漁業団体の福利厚生事業の一翼を担っている性格からして、同一の年金制度を適用することはこれら役職員の希望にもかない、むしろ自然であるとの判断に立った次第であります。 また、この団体について加入と同時に、加入前の厚生年金被保険者期間を本共済組合の組合員期間とみなすことといたしましたのは、加入を認めただけではかえって制度上は不利となるおそれがあり、より充実した老後保障をもとめる趣旨にもとると考えたからであります。 また、この通算措置に伴い、厚生保険特別会計から本共済組合への交付金、みなし組合員期間についてのいわゆる掛金不足額等の納付金、その納付金についての社会保険料控除の適用等について必要な規定を設けております。 以上が修正の趣旨及び内容であります。 何とぞ御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればお述べをいただきたいと存じます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの委員長の提案の修正案につきましては、政府としては必ずしも適当でないと考えております。
○湊委員長 修正案に対して別段御発言もないようでありますので、原案並びに修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより採決に入ります。 まず、委員長提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、委員長提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○湊委員長 この際、本案に対し、角屋堅次郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、ただいま議決されました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本制度自体がもつ特殊性を考慮し、制度の健全な運営が図られるよう左記事項について特段の配慮をすべきである。 記 一、給付費に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げること。 二、財源調整補助の増額に一層努力すること。 三、公的な財政援助措置の導入を図ること。 四、組合員の掛金負担の軽減措置を検討すること。 五、旧法年金について新法年金との格差是正を図ること。 六、農林漁業団体職員の給与等その待遇改善について適切な指導を行うこと。 右決議する。 附帯決議案の趣旨につきましては、質疑を通してすでに明らかとなっており、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○湊委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対して別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 角屋堅次郎君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努めてまいりたいと存じます。 —————————————
○湊委員長 なお、ただいま議決されました両案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○湊委員長 この際、午後三時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後二時二十二分休憩 ————◇————— 午後三時一分開議
○湊委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案及び野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。 両案に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対して質問をいたします。 いま大臣が病気で病院に行っておられるようですので、これは人道上の問題でありますから、しばらくの間局長を中心にして進めますが、大臣になったつもりでひとつりっぱな答弁をしてもらいたいということを要望いたしまして質問に入ります。 昭和四十一年に野菜に関する法案が制定され、四十六年に同法の一部が修正をされ、昨年農林省内に野菜制度研究会がつくられて、そして報告がなされ、それに基づいて改正案が提案された。その問十年かかっておりますが、この十年間の間にどういう問題が問題であったか、そのことをまず最初に伺いたい。
○今村(宣)政府委員 野菜は、御存じのとおり国民の消費生活に非常に密接な関連ある農産物でございまして、また農業生産の中でも稲作、畜産と並ぶ重要な部分でございます。したがいまして、その価格の変動が著しいということがこれは生産者にとりましても、また消費者にとりましても重大な問題であるわけでございまして、野菜の価格の変動は一つは供給量の変動に起因し、しかも天候等によって供給量が変動するということが非常に増幅した形で価格に反映されるということがその実情であります。したがいまして、供給の安定、それから価格の安定という点を踏まえまして現在の野菜生産出荷安定法が制定されたものと考えております。私たちはそういう趣旨に基づきまして、従来から指定産地の拡大あるいは指定消費地の拡大あるいは価格安定のための保証基準額の充実ということに努めてまいったわけでございますが、先生の御指摘の何が問題であったかということにお答えをいたすとすれば、やはりそれは生産者の価格の安定ということが非常に大切なことであり、同時にそれがまた野菜という特性のもとにおきましては非常に重要かつ問題を含んでおる問題であるというふうに理解をいたしております。
○竹内(猛)委員 いま価格問題ということが出てまいりましたが、研究会の報告の八項目があります。その八項目の中に実は価格問題もありますが、そこに「計画生産出荷の改善」という項目がある。資本主義の機構のもとで計画生産、計画出荷ということはきわめてむずかしいが、そういうようなことができなければ実は価格保障なり、価格支持というものは困難だと私は思う。こういう点で、あるときには野菜が暴落をし、あるときは暴騰する、こういうように上がったり下がったりというものがある。この資本主義の社会機構の中で本当に価格安定というものができるのかできないのかという問題について、これは局長から明確な答弁をもらいたいと思います。
○今村(宣)政府委員 計画生産、計画出荷ということにつきましては、これは資本主義社会のもとにおきましてもできるだけそういうふうに努めるということが価格の安定につながるということは御指摘のとおりだと思いますが、しかし農業生産につきまして、これの生産の規制をすることはできないと私は思いますけれども、そうでございますならば、できるだけ指定産地の拡大を図り、指定消費地の拡大を図ることによって、そしてまた同時に保証基準額の充実を図ることによって全体としての価格の安定、しかも野菜のような場合におきましてはできるだけその変動幅を小さくするということに努めることがまず大事ではないかというふうに考えております。そういう意味合いにおきまして、今回の法律改正におきましても指定消費地を人口二十万程度の都市にまで広げる、それからあわせまして指定産地の条件の緩和を行いまして指定産地の拡大を図る、あわせましてそれぞれ流通機構の整備ということに伴いまして、これらの総合的施策によって生産出荷の安定ひいては価格の安定を図るということをたてまえといたしておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 現在審議しようとする法案は、従来から見れば前向きのものであるということは私もこれを認めますけれども、しかし、われわれから見たらこれは完全なものではない、やはり非常に不十分なところがある、こういうふうに言わざるを得ないと思うのです。農林省のこの六十年展望の長期見通しによると、四十七年においては六十三・三万ヘクタールの野菜の面積があった、六十年では六十六・六万ヘクタール、大体九九%の自給率がそこでは完全に自給される、こういう形で米と同じように野菜の完全自給というものが確立をする、現在においても千五百八十三万七千トン、こういうものが生産をされております。そういうような状況の中で、生産農家の実態というものを見ると、四百十万農家のうちで八〇・三%というものが非常に零細な生産規模である、少なくとも野菜の生産構造というものはきわめて零細な規模の上に、しかも相当高度な収益を上げているという実態がわかります。なお四十九年度における七兆七千億の農業収益の中で米が三六・三%、畜産が二三・六%、そして野菜が二〇%というように、その占めるウエートも高い、こういうような状態は世界でもちょっとまれに見るような生産形態ではないか、こういうふうに思うのです。この形態は日本の独自な形のものだと思うけれども、よそにこういったようなものがあるかどうか、この点についてお伺いします。
○今村(宣)政府委員 まず、第一点の需給見通しの問題でございますが、私たちは需給見通しといたしまして一人当たりの需要増は大体年率一%程度であろうと思っております。それから人口の増加による需要量増というのが見込まれますから、これらを合わせまして、年率といたしましては大体一・八%程度の年率で需要が伸びていくのではないか。これは現在の野菜の需要から考えてみましておおむね妥当なものであるというふうに私たちは考えています。 同時に、生産につきましては、先ほど先生御指摘のございましたように、大体国内産で賄うというたてまえのもとに、六十七万ヘクタール程度の作付を見込んでおります。これは四十七年の作付面積に比べまして大体三万ヘクタール程度の増でございます。したがいまして、野菜の生産につきましての農用地面積の確保ということは、面積そのものとして見ればそんなに困難なことではないのではないかと私は思いますが、野菜の需要の中身を見ますと、根菜類の伸びは低うございまして、洋菜類はかなりの伸びが見込まれるということでございますから、そういうふうな需要に対応した生産を今後どのように進めていくかということが問題であろうかと思います。こういう観点に立ちまして、集団産地の一層の育成でありますとか、土地基盤整備と地力の維持向上のための生産対策、あるいは機械化、装置化による生産性の向上を図っていくことが必要ではないかと考えております。 わが国の野菜の生産の特性を見ますと、一つは露地栽培、それから施設栽培がございます。施設栽培について見ますと、私はこれは世界に冠たるものではないかと思っておりますが、露地栽培におきます農家の二月当たりの作付面積というのは非常に少のうございます。したがいまして、問題は、そういう露地栽培における生産性の向上というものをどのように考えていくかということが今後の生産課題であり、そのための基盤整備の推進とあわせましての主産地の集団化と機械化というふうな問題に今後重点的に取り組む必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 長期見通しがしばしば変更をしなければならない状態に逢着をする。今度も海洋法の問題をめぐって、もうすでに動物性たん白に対する再検討をしなければならない段階に来ている。こういうふうに国の方針、目標がときどき変わらざるを得ない状態の中で、農家の方は、野菜にしても、果樹にしても、あるいは畜産にしてもそうですが、これに対応して施設をつくっていく。これが変わったときに、農家の方の施設をにわかに変えるわけにはいかない。ミカンなどはいま大変困っている状態であります。同じように野菜にしても、暴騰、暴落というのは、計画的な生産と出荷が確立しない段階においては、その責任はやはり農家にかぶせられる。そういうときの行政の責任を責任者はとることができるかどうか。とってほしい、こういうふうに要望するわけですが、これはどうですか。
○森(整)政府委員 私どもが作成いたしました農産物の需要と生産の長期見通しは、一種の農業生産のガイドラインというふうに考えておるわけでございまして、数回公表し、また見直しを行っておるわけでございますが、どうしても需給の要因につきましては、経済全般の影響を受けまして、予測が非常に困難な問題がいろいろございます。いろいろなそういうような事情から、改定を行う必要が出てまいるわけでございますが、重要な農産物につきましては一御承知のように、価格政策ということでいろいろ対応をしているわけでございまして、その中でいろいろ需給の変動が出てまいる、これはどうも行政の限界を超えておるし、先生のおっしゃるように、望むらくはそういう見通しが当たってほしいわけでございますが、そのこと自身は、国際的な問題もあるし、経済全般の動きもあるし、一応やむを得ないというふうに思っているわけで、要は、そういう新しい局面に対応して、できる限り行政的にそれを修正なり処理をするというふうに心がけていくべきではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 まあその努力のことも理解はできますが、本来ならば長期計画というものを策定し、それに基づいて生産計画ができて、そしてそれを消費に直結をさせていくというような方向で価格の安定をしてほしいということでありますが、今回のこの法案の趣旨というものは、従来の野菜生産出荷安定資金協会及び財団法人野菜価格安定基金を一元化して野菜供給安定基金を設定する、こういうことにあるわけでありますが、その場合に、つくられる基金の運営に対する生産者、消費者あるいはその他の割合、こういうものはどういう形で構成されるか、この点について御説明願いたい。
○今村(宣)政府委員 今回の野菜基金が新しく設けられた場合におけるその運営につきましては、一方におきましては生産者の立場を十分考えた運営が必要でありますし、同時にまた、今度の新団体はいろいろ価格安定のための直接的な、たとえば保管事業、売り渡し事業等を行いますから、その意味合いにおきましては、また消費者の立場も十分考慮した運営が必要であろうと思います。 そこで、法律にもございますように、二十五人以内をもって組織する評議員会を設けまして、重要事項につきましては、これに理事長が諮問をいたしまして基金の運営を行っていくということに相なっております。 この場合の二十五人の委員の構成でございますが、これにつきましては、私は、農業団体の立場も十分考慮し、同時に消費者、流通関係の学識経験を有する人等々含めまして、十分適正を期していくつもりでございます。 なおまた、生産者の意向を十分反映するために、生産者、出荷主要産地の代表者をもってします協議会を設置いたしまして、生産者の意向もまた別途十分反映するような措置も講ずることを検討いたしておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 せっかく新しくできる団体を本来の目的に沿うようにするためには、何といっても生産者が意欲を持って生産しなければ、消費者に新鮮なものが適切に渡らないのだから、生産者を大事にするということをまず考えてもらいたい。そういう立場から生産、出荷の調整機構というものを確立をし、そして生産者に意欲を持たせるという方向をとると同時に、その構成についてまず遺憾なきを期してもらう。現在、その活動に関しては、いまの予算から言えば、日当は出すけれども、調査費等々に対する予算が十分でないというふうに私は思う。ここら辺についても、調査活動もできるようにして、ただ会議に出てきて、物を言って、それでおしまいにするというようなことではなくて、活動の範囲というものを拡大していく方向にできないかどうか、こういうことはどうですか。
○今村(宣)政府委員 今後、基金が設立されまして評議員会を構成いたします場合に、先ほど申し上げましたように、生産者の立場を十分考慮した構成といたしますと同時に、その活動につきまして、先生御指摘のように、ただ手当を出すだけではなくて、産地におけるいろいろな問題点を洗って、そういうことにつきましても十分会の運営に反映させるように、これは実行予算上の問題になりますから、実行予算の段階におきまして、財政当局とも十分打ち合わせをして、御趣旨に沿うように措置をいたしたいと考えております。
○竹内(猛)委員 この問題については、ぜひそのような措置をとることを要望します。 続いて、本法案の重要な問題の一つである対象品目ですね。十五条の一項に関係する問題でありますが、ゴボウやレンコン、カボチャ等々がふえたことは結構ですが、これに伴いさらに特認する物があります。その特認とはだれがどこでどういう物を対象にするのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○今村(宣)政府委員 私たちは一応指定野菜に次ぐ地域的な重要野菜として、特定野菜十四品目を対象として当面制度をスタートするというふうに考えております。 特認の問題につきましては、それによってなお処理し得ないようなものができましたときに、その所要の措置を講じたいと考えておるわけでございまして、いま検討いたしておりますのはごく数品目になっておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 スイカとかメロンとかイチゴ、こういうものは農林省の方でも、たとえば試験場を通じて品種改良なり生産に対するいろいろな意欲を農民に与えている。ついこの問も、朝のテレビでメロンの問題が報道されました。こういうぐあいに各地でやっている。あるいはまた、六十年展望の野菜の項目を見ても、この種類の物もやはり重要な食糧の需給対象の品目に入っているはずです。四十九年の統計によると、イチゴは一万二千九百ヘクタールで十六万六千トン、スイカは三万七千三百ヘクタールで一千万トン以上の物が生産されているし、露地メロンにしても一万一千八百ヘクタール、二十一万トンというように生産が大変高いものでありますけれども、これを対象から外した根本的な理由は何か伺いたい。
○今村(宣)政府委員 御指摘のスイカ、イチゴ、メロンでございますが、これは私たちは果実的野菜、こう言っておるわけでございまして、どちらかといいますと八百屋よりも果物屋で売っておるような種類の物でございます。それで、制度発足の当時どこで線を引くかということがいろいろ問題になったわけでございますが、一応制度のスタートとして、そういう果実的野菜ということについては、今年度の予算の折衝でそれを含むということには至らなかったわけでございます。しかし、この制度に関連をいたしまして、各地からそういう非常に強い要望があることは私も十分承知をいたしております。したがいまして、そういう果実的野菜を含めることは適当であるかどうかという問題が基本的にはございますが、なお今後十分その問題を検討いたしまして、私たちとしましては、今後制度の中に取り入れるように努力をしたいと考えております。 いずれにいたしましても、新しい制度で十四品目を抱え込んでスタートいたすわけでございますから、とにかくその制度ができ上がるということに非常な意義を見出していただきまして、なおスイカ、メロン、イチゴ等の果実的野菜につきましては十分検討をいたしてまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 先ほどスイカの生産量をちょっと誤りましたから、一千万トンじゃなくて百万トンに訂正します。 いま局長から答弁がありましたが、これは国が生産目標でも対象にしているものであります。確かにスイカやメロンやイチゴは必需品でないかもしれない、あるいはおかずにならないかもしれないけれども……。 これは大蔵省の方に問いたい問題でもありますけれども、農林省としては要求は出した、私はそう聞いている。これに対して大蔵省がどうも渋ったということも農民から聞いていますが、大蔵省としては、これは根本的に、永久に野菜としては認められないということになるのですか、どうですか。
○宮下説明員 お答え申し上げます。 御指摘のように、予算折衝の過程で、特定野菜につきまして品目の議論があったわけでございますが、先ほど局長の方から御答弁ございましたように、果実的な野菜でございますし、その用途等も、どちらかと言えばまだ大衆的とまでは言い切る段階に至っていないという物も数々ございますので、まず制度の発足が重要であるという認識のもとに、十四品目に限ってまず発足させてみようということで御了解願ったわけでございます。今後この問題は、制度が発足いたしましてから、そのぐあいいかんによって、また農林省から御相談がございますれば検討は申し上げますが、基本的にはそういう立場で予算の折衝があった次第でございます。
○竹内(猛)委員 先ほどからも何遍か要求しているように、スイカ、メロンというものと白菜等々は、一貫した輪作体系の中に入っているものでありますから、ぜひそういう特産地における特徴というものを考慮をして、これも指定品目に加えてほしいということを要望したいと思うのです。 続いて、補てん事業の拡充強化に対し、国庫補助が三分の一のものを七〇%ぐらいにできないか、こういうことを端的に要望したいわけですが、この点はどうでしょう。
○今村(宣)政府委員 特定野菜の今回設けます制度の趣旨は、その地方におきます非常に特定された重要野菜といいますか、そういうものにつきましてこの制度に乗せようということでございます。したがいまして、こういう野菜につきましての価格補てんにつきましては、現在相当の県ですでに実施をいたしておるわけでございます。したがいまして、これを国の制度に乗せます場合には、やはり県がそういうふうなことをやっておるというたてまえに立ち、またその県におけるその地域の重要野菜の生産の安定、出荷の安定という観点に立ちますれば、やはり県と国と生産者団体というか、そういうものとの共同的な責任によって処理をするのがいいのではないかというふうに考えますと、国の補助率は高ければ高いほどいいわけでございますが、一応三分の一ずつを負担するということが制度のたてまえとしては適当なのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。もちろん、今後の制度の運営のもとにおきまして、私たちとしましては、農家の利益が十分に図られるようにすることが制度発足の意味合いでございましょうから、そういう観点に立った検討、努力ということは十分努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 いまの点についても強く要望をして、次の問題に移っていきますが、本法の目的のもう一つの目は、第二条に関係する野菜の消費指定地域の問題であります。価格の補てん対象範囲を拡充する、こういうことが各地域の関係者に強く関心を呼んでいるところであります。現在七地域、九市及び柏、奈良、和歌山三市となっておりますが、たとえば私の茨城県をとってみた場合に、水戸、日立、勝田というのは五十万の人口を持っているが、これが仮に決まっても対象にならない。あるいは県はちょっと違うけれども、米子、松江、安来というようなところも相当な人口があるはずでありますけれども、これもまた対象にならない。いつになったらこういうのは対象になり得るのか。かけ声ばかりかけても結局後だ後だ、こういうことではぐあいが悪い。この辺のことについてはどういうふうに答弁をされますか。
○今村(宣)政府委員 御存じのとおり、五十一年度では新たに七地域を指定をいたしますが、今回の法律の改正によりますれば、従来は人口の集中が著しい大都市ということに限定をいたしておりましたのを、野菜の消費上重要な都市及びその周辺の都市というふうに改めますので、私たちとしましては、今後の指定の範囲というものを一応人口二十万人程度の都市まで指定消費地域を指定し得るような道を開きまして、指定消費地の拡大を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 指定消費地を指定をいたします場合につきましても、当該地域の、たとえば中央卸売市場の整備状況、あるいはまた当該消費地域の拡大、どの地域をどういうふうにとっていくかというふうな問題もございます。したがいまして、ただ単に人口が多いからそれをすぐ指定するということにはまいりませんけれども、私たちの今後の指定方針といたしましては、まず県庁の所在都市、それから中央卸売市場を持つ都市ということから逐次指定を進めてまいりたいと思います。大体これはなお今後検討を要しますが、七、八年後には人口二十万人以上の指定要件を満たすような都市は指定をしていくというふうな心づもりで物事を取り運びたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 七、八年後ということになると、大分これは先の話になって、もう少しスピードを上げてもらわないと法案の趣旨と期待に反する、こういうふうに思います。この点を七、八年後ということではなしにもっとスピードを上げてもらいたい。 そこで、問題は先ほども出ましたけれども、価格の問題についてやはり大変重要な問題が私はあると思うのです。これは米の問題にしても畜産でもそうですけれども、今日日本の農業が一番突き当たっているところは価格問題をどうやるかということに尽きると思う。そこで、私どもは重要農畜産物については生産費及び所得補償の価格を決めてほしいということを常に要望してまいりました。ところが米はそういう方式をとっているけれども、その米も最近は大変邪魔になるとみえて、なるべく生産費所得補償方式を小さくしていこうという感じがしてならない。米のことについては後でまた質問します。 そこで、六十年展望をしたところの重要農畜産物、国が重要だと言っているものについては、少なくともこの価格に対する一定の支えをしていかなくちゃならないだろう。そこで、いまこの野菜の問題に関する農民なり農業団体からの要請は、再生産を確保することを旨とし、生産費、生産条件、需給事情、物価その他を配慮して決めるべきである、その基準額は原則として物価その他の変動に応じて毎年改定というようなことが要求をされております。しかし、ここでこの法案で問題になっておるのはそうではなくて、趨勢値方式、これに関する一定の割合に対してそれぞれ国と地元とが補てんをするという形をとっておりますが、これは農家なり農業団体の要求から見るとかなり隔たりがあるし、私たちが考えているものから見れば全くこれは隔たりがある、どうしてそういうことが起こるのか。ここで問題になるのは、農林省の中に価格問題を見直す会議ができて約束がされているそうですが、私はやはりこの法案を離れて価格問題については一遍農林大臣から意見を聞きたい。いつになったら農産物の価格というものに対して本当に農林省が確信を持った答えが出せるのか、まずこの辺をお聞きしたい。
○安倍国務大臣 農産物の価格につきましては、それぞれ価格算定の方式等があるわけでございます。米は米なりの算定方式があるわけで、麦は麦で算定方式がそれぞれあるわけでございます。野菜につきましては、やはり野菜の価格安定を図るということが基本的には一番大事なことでありまして、そのためのやはり計画的な生産出荷を推進するとともに、価格が低落した場合に価格補てんを行って生産者への影響を緩和し、次期以降の作付の変動を防止することとしておるわけであります。 これが農産物、特に野菜に対する私たちの基本的な考え方でありますが、価格補てん事業の保証基準額は、過去の市場価格から趨勢的に求めたいわば想定平均価格を基礎にして決められ、需給実勢を反映した方式となっておるわけでございますが、この保証基準額が低いという不満や、これを生産費を基礎として決めよという意見があるわけでございますが、野菜につきましては、その特性として、自由に流通する商品であること、あるいは気象条件により著しい豊凶変動がある上に、貯蔵性が少ないということ。野菜は種類、作型も多く、生産形態も多様であり、統一的な生産費を把握しがたいこと等から生産費を基礎とする方式の採用は困難でありまして、やはり価格低落時の下支えとしては、現行の需給実勢方式を基礎とすることが妥当ではないかと考えておるわけでございます。 価額低落時の不安がなく農家が生産できるようにすることは、野菜供給の安定を図るためにきわめて重要であるわけですが、五十一年度におきましても、保証基準額の見直しによる引き上げを行ったところでございまして、今後とも野菜需給・価格研究会を開催して、算定方法の改善あるいは補てん機会の増大等、生産者の負担の緩和等につきまして検討してまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 私は、われわれが言うような方向が完全にいまの自由主義、資本主義体制でできるとは思わないから、ここで申し上げるのは、やはりこの法案がいままでのものよりもやや前進をしているということを評価しながら意見を言うわけですけれども、前にも農林大臣に要求をしたのですが、国が必要とする重要な農産物に対する価格決定のあり方について、いまは米に生産費所得補償方式がとられているが、畜産物にしても、野菜にしても、果樹にしても、そういう形ではない。それに近寄ろうという努力もありますけれども、基本的にはそれをとらないということを明確にしている向きもある。これはいけないと思うのですね。なぜなら、そういうことをしているから結局米に力が集中する、米をつくれば安心だという形でやる。だから重要な農畜産物なり野菜等についてはどうしても生産費所得補償方式で労賃部分を補償していく。現在農家というものが、農家そのものがいま解体をしているような方向にあるだろうと思う。農業者というものはあります。その農業者が年間農業の中で働いて、その労賃部分を確実に補償するということをとる。つまり、就業率とそれから賃金率というものを同じくしていくという努力をしていかない限り、やはり米中心の農業というものはどうしてもなくならないと思うのですね。この点について農林省としてもぜひ考えてもらいたいと思う。そのことを含めて考えてもらいたいと思うのです。 これと関連して、私はひとつここで農林大臣なり大蔵省に尋ねたいことがあります。きのうの新聞によると、ことしの生産者米価の問題が出ておりますが、米の逆ざやを解消する意味において生産者米価は五%、消費者米価を一九%に値上げをするということが発表されている。このことについて、すでにこれを読んだ者からどうしてもこの点については尋ねてもらいたいという要求がある。このことについて大蔵省の方からも農林大臣からも、担当者からぜひ説明を求めたいと思います。
○安倍国務大臣 新聞には確かにいまお話しのようなことが出ておりましたけれども、私は全くあずかり知らないことでございまして、今年度の生産者米価につきましては、何ら具体的にはこれを決めていない。ただ、基本的にはやはり食管法に基づきまして、生産者米価については生産費、さらに物価その他の経済事情を参酌し、消費者米価につきましては家計費、その他の物価経済事情を参酌してこれを決める、その場合に米価審議会の意見も十分聞いてこれを決めるということになっておりまして、そういう順序を経てやらなければならぬわけでありますから、農林省といたしまして現在何らの具体的な方策、具体的なことは考えていない、検討していないということでございます。
○宮下説明員 お答え申し上げます。 ただいま農林大臣からお話のございましたように、農林省においてもまだ米価の具体的な検討がなされていないように伺っております。したがいまして、もちろん大蔵省に対しても農林省から御相談ございません。したがって、新聞にいろいろ観測的なことが書かれているようでございますが、政府部内においてそのような検討をしておるという事実はございません。
○竹内(猛)委員 それじゃ新聞に伝えられているところのものは、これはでたらめであって全く根拠がない、こういうぐあいに理解をしてよろしいですか。そういうぐあいに訂正をされますか。
○安倍国務大臣 新聞は新聞なりに書いておるわけですが、われわれとしては全く具体的に何も検討してないということでございます。
○竹内(猛)委員 私は、この野菜振興という問題に関連をして、若干法案からは外れるかもしれませんが、生産調整の中で干拓あるいは開拓、こういうことをしてきた地域における農民の悩みというもの、これをやはりこの際ぜひ関係者に明らかにして、そしてこの問題に対する、これはまた別の機会にしっかり議論をしたいわけですが、その糸口として問題を提起をしたいと思うのです。 これに関連して、とりあえず次のことを資料として要求をしたいと思いますので、ぜひこの資料をつくってほしい。第一に、四十五年から五十年までの間に生産調整をやったし、さらに進めておりますけれども、このために費やした費用の総額、それからその成果と欠陥というものはどこにあったか、どこにいい点があり問題、があったのか、この点。それから、この生産調整の中で地方からどういうような要求と意見が出ていたか。それから開拓、干拓地の当初目的、これに手をつけた目的と、その後生産調整に基づいて使用目的、対象目的を変更した、そういう地域の状況、こういう資料をひとつ早急につくってほしい。 この問題を議論するに当たって、私は先般新潟県の福島潟の干拓地に行ってまいりました。ここは言うまでもなく三十一年に国が市島という大地主から土地を買収する過程で、従来そのところで漁業権を持ち、入会権を持ち、そこで耕作をしていた農民があります。そしてその市島は国の買収価格に対して訴訟した。七百万円で買おうというのに一千万円でなければだめだという形であったわけでありますが、これに対して農民が三百万円の金を出して、そしてその問題をおさめて買収をし、四十一年から干拓に入って、昨年の九月二十八日に農林大臣も出席をしてここで完工式が終了しております。「拓魂」という大きな碑が建っており、その後ろには終了したということが明確になっているにもかかわらず、土地改良法の九十四条におけるところの大臣の告示がされておらない。しかも一時利用というのはすでに四十八年に一時利用の通知がそれぞれにされていながら、いまだにその告示をされておらないという状態。そういう中でことしは四千二百五十万円の予算をつけて、そしてそこに土壌改良をやろう、こういうことになっておる。その土壌改良をやって何をつくるかというと、レンコンを四十五町歩つくろう、あるいはニンジン等々のものをつくろうというわけです。海面よりも相当低いところで、雨が降れば必ず水が入るという、そういうような干拓の土地柄に野菜をつくったならば、これはもうどうにもならないということはわかっている。酸性の強いところでレンコンができるはずがない。そういうところにレンコンを四十五町歩もつくれと言う。レンコンの問題について言えば、茨城県の芳賀沼においてはすでにそのことは試験済みで、何とか米をつくらしてもらいたいという要請もある。こういうようなことで現地は大変厳しい状態にあります。私どもは、やはりこれは四十五年ころの米の生産調整というものが原因をしてきたと思う。米の生産調整がいいか悪いかという問題はそれはまたいろいろあるにしても、ともかく日本の農業の中で少なくとも米と野菜、果物ぐらいは自給ができる。その自給ができる米については生産調整をして国内だけでがまんをして、海外に非常に米が足りないところがあってもそれに援助もしないで、国内でがまんしよう、そして残ったものは生産調整をしろ、こういうことではやはり国際的に見ても本当に友愛がないじゃないかというような気持ちがすると思う。問題はやはり財政的に見て米に金がかかり過ぎる、だからそこのところを生産調整で抑えようじゃないかという、財政がきわめて重要な位置を占めているように思う。だから私は、防衛費にはGNPの一%なり何%というものは平気で政府の方は言うけれども、食糧の自給あるいは安全保障、そのためにGNPの何%あるいは国の予算の何%というものをはっきり打ち込んで明確にされたということは聞いたことがない。ことしは農林予算は一〇%を割っている。いろいろ計算をすれば一〇%を超したということにはなるかもしれないが、それは結果の問題であって、当初の場合には九・九七ですか、そういうふうになって、去年よりも落ち込んだ。だから常にねじりはち巻きをして要請をしなければ農林予算というものはふえないという状態ではこれは不安でかなわない。さっきの米の問題にしても、生産者米価を五%、消費者米価を一九%という形になれば確かに逆ざやは解消するかもしれませんが、それだけでは農家の生産意欲をふやすことはできないと思うのですね。そういう意味において福島潟の問題は単にあそこだけの問題じゃなくて、あれと同じような悩みを持っているところが各地にある。 そこで、ここでこの問題についてとかく結論を求めるわけではありませんが、私はこの際、これは委員長に要求をするのですが、この委員会が済んだ後でぜひ理事会で相談をしてもらって、農林委員会として同じようなところに調査に行ってつぶさにこのような問題について調査をし、生産農民の声を聞いて反映をしなければいけないと思うのです。そういうことをして本当に官民が一体になって、日本の食糧自給体制をつくっていくために、対立するのじゃなくて本当に手を組んでいくような方向をとらなければ大変悲しい状態です。だからあれやこれやと申し上げましたが、その点を要望をしたいと思うのです。いま言ったことについて委員長のお取り計らいをお願いしたいと思いますが、これはどうですか。
○湊委員長 ただいまお話がございました点については、理事会において協議いたしたいと思います。
○竹内(猛)委員 農林大臣にこれはお伺いするわけですが、農林大臣もこの問題については承知だと思います。これについていまここで何か結論を出すことは非常に困難だと思います。だけれども、あのところで農家の皆さんとそれからそこの現地の自治体あるいは農林省の出先機関、この間では相当険しい状態にある。四つの関係自治体は米をつくらしてもらいたいという決議をそれぞれしている。そういう状態の中で何が起こるかわからない、そういう心配される事態でありますから、ぜひここでは農林大臣として適切な処置をとってもらって話し合いを続けていく中で、対立ではなくて話し合いの中で事を処置していくということについてぜひ窓口をつくってもらいたいと思のうです。そして何としても力と力のぶつけ合いでなくて、話し合いで物を処理するという政治姿勢をとってもらいたいと思うが、これはどうか。
○安倍国務大臣 この福島潟の問題は、他の同様の問題も含めて、わが国農政上の非常に重要な基本に関する問題がございますので、これに対する私の基本的な考え方を申し上げさせていただきます。 わが国農業の基幹をなしている稲作の今後における発展を図るためには現在の米の生産過剰基調への適切な対応が不可決であるというふうに私は基本的に考えております。福島潟干拓地はこのような事態への対応策として講ぜられた開田抑制政策のもとに、巨額な国費を投じ、畑地として造成されたものでございまして、同干拓地において稲作を認めることは他の開田抑制地区との均衡を失するものと考えるわけであります。 なお、同干拓地の所有権を農民に移転することについては、工事の完了が前提となるわけでありますが、その時期は本年度に予定している展示圃の成績、土壌改良等の工事終了後の圃場の状態等を総合的に検討して、今後さらに追加工事が必要かどうかということを見きわめなければ何とも言えないわけでございます。 こういうふうなことが私の基本的な考え方でございますが、しかし、福島潟の実情は悲しむべき力と力でぶつかるという状態が起きているわけでございまして、これはまことに遺憾なことでございます。私たちはこうした基本的な考え方を持っておりますけれども、今後とも話し合いでもってこうした問題は解決をしていく、農林省のわれわれの考え方も十分農家の方にも理解をしていただいて、話し合いでもって解決していくという、今後の方針としてはそういう方針で対処してまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 福島潟の問題は時間がありませんからこれ以上私は触れません。 そこで、このように農地を造成をする、そしてそこに米をつくろうという形でつくってきた農地が、米の生産過剰のためにそれを抑えなければならない、そしてそれを今度は転作する場合に、思いつきであそこにレンコンを四十五町歩つくれといっても、レンコンなど四十五町歩つくっても一体だれが買うのだ。どういう所得が保障されるかということは全く明らかでない。そういうようなことはやるといっても無理なんだ。お互いに農民の立場に立ってみればわかると思うのですね。そこで、重要な農畜産物の価格保障というものがなければいけない。だから、転作をする場合においては、国が必要とする農畜産物の価格については一定の労賃並みを農産物価格で保障していくということが明らかにされない限り、今後同じような問題が常に起こると思うのです。こういう問題は時間がありませんから次の機会に十分にいろいろ討議をすることにいたしますが、ともかく価格問題は今後農政の上の大きな重要な問題であるということと、もう一つは財政上の問題が何といっても大事だと思うのです。 これは宮下主計官の方にも特に要望したいのですが、大蔵省としても日本の農業というものを発展させるために経済合理主義だけではなくて、やはりこれは非合理な点があると思う、あると思うけれども、ともかく一億一千万国民の食糧を安定的に供給するためには、何としても一定の財政の援助がなければ、裏づけがなければ、これはどうしてもできません。このことについては、私は生産調整を中心とする幾つかの地域といろいろな資料を見たけれども、だれもこの生産調整を喜んでくれている者はない。農民の心は打ち砕かれて、そして中央の政治というものが非常に批判されて、農民がそこから離反する、こういう状態になっていて、大変憂うべき事態があると思うのです。だからこの際、価格問題と自給体制の確立、それからりっぱな土地を確保するということは不可分の関係にあるから、ぜひこの問題は考えてほしいと思います。 最後に野菜の問題に入りますけれども、野菜が狭い土地で大変生産を上げているというのは、やはり土地を非常に痛めつけている。肥料を多くし生産回転を何回かやるためにそういうふうになっているわけでありまして、土壌改良の問題についてどのように考えられておるのか。先般地方行政委員会では、農林省はもう耕土培養は済んだのだという形でそういう取り扱いをされたそうですが、私はこれから土壌改良というもの、土をよくする運動というものはますます強めていかなければいけないと思うのです。たとえば群馬県の嬬恋村のキャベツの地帯にしてもいろろいな病気が発生する、だから輪作体系をとらなくちゃいけない。こういう形で堆肥なりのその他のものが入ってこなければ生産が高まらないということが言われておるわけでありますが、土壌改良に対する努力というものをどのように考えられておるのか。この点はどうでしょう。
○今村(宣)政府委員 最近、野菜産地の一部において先生御指摘のように地力の減退とか病害虫の発生等、いわゆる連作障害を起こしている例が報告されているわけでございます。これは経営規模等の問題もありましょうか、やはり適正な輪作が行われがたい、あるいはまた労働力不足等によって有機質肥料の投与が不十分であるということが原因であると考えられますが、私たちとしましてはできる限り適正な輪作を行うように所要の指導を事務次官通達を出しまして行いますと同時に、野菜につきましてそういう有機質肥料の投入等のために本年度から野菜生産安定対策事業を実施をいたすことにしております。これは従来の指定産地を見直しまして、地力の増強施設でありますとか、病害虫防除施設の導入等を図るための所要の予算を計上して、そういう地力保全、培養等に努めてまいりたいと考えておりますし、また指定産地の指定の場合におきましてもそういう輪作ができる限り行い得るような重複的な指定ということも十分考えていくつもりでおります。
○竹内(猛)委員 最後にひとつ選別の問題について質問します。 キュウリあるいはナス、トマト、こういうものは生産者の手を離れるときに選別基準が非常に複雑であります。キュウリの場合には秀、優、並、良。秀が三段階、優が二段階、良が二段階、こういうふうに分かれている。ナスにおいては七段階、トマトが九段階というわけで非常に手間がとれる、労働力が要ります。そのように農家の庭先からは出されてきても、消費者の前に出たときには必ずしもそれはそういう形ではない。一体どこにそれはメリットがあるのか。あれほど労働力をかけて人手を必要とするそういう選別をやっている。この点は何とかならないかどうかという問題については、これはいろいろな要望があると思うのですが、この点は妥当だと思いますか。
○今村(宣)政府委員 野菜の選別あるいは包装問題につきましては、従来から各県あるいは各産地ごとに、自分のところの野菜はいいものだ、しかもそれをできるだけ見ばえよく高く売りたいという生産者の気持ちがどうしても働くわけでございまして、そこで各県の各産地ごとに従来いろいろ規格を決めて、それが非常に複雑に細分化されているという実情にあったわけでございます。そのために、最近におきまして、市場取引量が非常にふえるとかあるいは流通が広域化するという傾向のもとにおきましては、こういうことも市場取引に支障を来すということにもなりますし、また先生御指摘のように、産地における選別労働が非常に過重になるという問題がございます。そこで、農林省としましては、昭和四十五年以来、主要な野菜につきまして全国に統一した野菜標準指導規格というのを決めるということで、現在十三品目について設定してその普及を図っておるわけでございます。野菜の種類につきまして、私たちとしましては最小限度と思われるような規格に統一をいたしておるわけでございますが、今後ともそういう規格の統一、簡素化等の問題につきましては、市場の意向あるいは生産地の意向等を十分反映して、そういう努力を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 最後に一つだけ要望しておきます。それは、生産者と消費者を直結するために、農協並びに農業団体を中心とした生産調整機構をつくって、できるだけその真ん中に妙な仲買人、仲介人みたいなものを退けていくような方向というものをぜひとってもらいたい。そして野菜は完全自給ができるのですから、やはり生産と消費の計画化というものに対して、いまの制度の中で、いまの体制の中ででき得る限りの体制をとって、生産農家の手取りを保障していく、こういう点について努力をしてもらいたいということを要望して終わります。
○湊委員長 次に、柴田健治君。
○柴田(健)委員 野菜生産出荷安定法の改正案に関係して、割り当て時間がございますから、簡潔に質問を申し上げたいと思います。 今度の出荷安定法の改正については、指定生産地に対する野菜の品目の拡大、そして指定消費地しの拡大、そしてまた生産出荷安定資金協会と価格安定基金という二つのいままでの団体を一本化していく、それが大筋の法案の改正でありますが、私たちは生産、消費ということを考えたら、流通という問題を無視するわけにはまいりません。そういう点で、生産と流通、そして消費というルールを頭に描きながら御質問申し上げたいと思います。 今度いままでの十三地域から七地域ふやして二十地域にする、そして四千五百八十万人ですか、そういうように消費地対象人口がふえていくわけですが、それだけに供給体制に万全を期していかなければならぬ、こう思うわけであります。私は今度の法案の中でまず考えなければならぬのは、先ほど竹内君も言いましたが、価格問題で、これは生産農民が非常に関心を持つところであります。ところが、いま農民の気持ちは、日本経済の中の物価問題、物価指数から野菜だけ外してくれ、こういう声があるわけです。とにかく野菜類というものは、大臣、春夏秋冬の中で生産農民が、自分が生きるために、そして生産を高めるために、土地の高度利用を考えていろいろと知恵を使っておるわけであります。 そういう農民の立場から申し上げると、施設栽培と露地栽培、特に露地栽培については、気象条件が大きく影響するわけでありますから、時期的に供給数量が変化を起こすのは当然であります。ところが、一月から三月までの物価指数の中に、生鮮食料品の中で特に野菜類を入れるのはおかしいじゃないか。個人消費の面から見ても、一世帯の指数から見ても、野菜が占める比重はそう大したことはないじゃないか。物価高騰を招く原因は野菜が上がるからだ、物価高騰の元凶は野菜だというような印象を与えることで、生産農民にとっては非常に精神的なショックを受けておるわけです。私たちは、物価指数の中から野菜を外すべきだと思うのですが、農林大臣どう考えておられますか。
○安倍国務大臣 その御意見は、柴田さんからだけじゃなくて、ほかの方からもよく私も聞くわけですし、私も季節商品といったものが、それも特に天気に非常に左右される野菜が、消費者物価指数の中に大きなウエートを占めておるということにつきましては問題がある、こういうふうに思うわけでございます。 しかし、最近の消費者物価の動向を見ると、野菜については、季節的な要因もあり短期的な変動はあるが、年間を通じて見た場合には、消費者物価全体の水準とほぼ同様の動きを示しておる。また、野菜は国民生活と密接な関連があり、消費者も高い関心を持っておる重要な品目でありますので、そういうふうなことから消費者物価指数の算定の中に取り入れておる、そういうふうに私は判断をいたしておるわけでございますが、しかし消費者物価指数の変動の場合は、常に野菜がやり玉に上がるということにつきましては、私もいささかその点については、これは入っておるわけですから外すというわけにいきませんけれども、問題はあるのじゃないかというふうな感じは、率直に言いまして持っておるわけであります。
○柴田(健)委員 大臣は素直な答弁をされて、非常に疑問を持っておるし悩みを持っておられるようですが、あくまでも物価指数から野菜が外せないということになれば、野菜づくりは農林省だけの責任じゃない、政府全体の責任になってくると私は思うのです。だから、国が本当に生産から出荷に至るまで、要するに計画生産であり計画出荷であり、そして価格調整というものを思い切って考えなければならぬ。それなら、この資本主義体制の中で、自由経済の原理原則論だけでこんなものをつくってみたって、完全なものはできないじゃないか。こういう法律をつくって、たとえばいままでのものを一つにして、生産と消費というもののそれぞれで完全に一つのチームワーク、協力協調という立場で、そういう体制づくりというものは完全にできないじゃないか。物価指数から外せないものなら、もっと政府が全責任を持つ、そういう姿勢で野菜問題と取り組んでいかない限り、私はいいものができないと思うのですが、大臣どうですか。
○安倍国務大臣 野菜は、国民生活に非常に密接なつながりを持つ重要な食料品でございますから、そういう意味におきましては、野菜の価格の安定あるいはまた野菜の供給の安定ということは、農政の面からも非常に重要なことでございますが、国民生活という立場から見ましても、もっと広い意味におきましても重要な課題である、私はそういうふうに感ずるわけであります。
○柴田(健)委員 野菜は、本当に政府が力を出し切れば外圧を受けなくても十分やれる、そういう品目だと私は思うのです。ただほかの農産物になると、たとえば大豆であるとか麦であるとかいうことになると、国際貿易という外国のいろいろな影響というものをちょいちょい受けるわけですけれども、野菜類については、うまくやれば完全に国内自給体制ができるわけですから、それだけ計画生産なり計画出荷というものが整っていく。要するに価格問題というものを生産費所得補償方式というものを取り入れてやっていくならば、何も外国の圧力を食わなくても国内の行政の力でやっていける、こうわれわれは判断をしておるわけですから、もう少し農林省としても知恵を使ってもらいたいということを意見として申し上げて、次の質問を申し上げたいのです。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 まず、いま農村をめぐって農民の意見というものが一番出てくるのは、どうも思いつき農政であり思いつきの奨励をやる、一貫性がない、展望がないということを農民の皆さんはよく言われる。本当に生産農民のことを考えてくれるならもう少し総合的な施策をやってくれたらいいじゃないか、総合農政という言葉をよく聞くけれども、本当の総合農政になっていないじゃないか、こういう声。それは要するにいまの税制問題、税金の問題、これについて自治省、大蔵省が見えておると思いますが、いま農民の、たとえば施設園芸、畜舎というような生産に必要な施設についての固定資産税の基準というものが段階別にあるわけですけれども、これをひとつ軽減してくれというような意見が強い。これについて全くそのとおりだと、私はこの農民の意見を素直に受けとめておるわけです。もう一つは、総合所得方式でありますから国税の方の、要するに農民所得の中でいろいろと必要経費の見方が非常に酷だ、もう少し必要経費を認めてくれ、こういう意見が強いわけであります。 大体、日本のいまの税制の基本は昭和二十五年のシャウプ勧告が起点になっておるわけですから、もうこの辺で日本の全体の税制改革をやらなければならぬときが来ておると思うわけですが、なかなか政府は手をつけない。けれども当面、われわれは、こういう施設園芸、野菜等に力を入れる、また畜産に力を入れるということになれば、そういう農民に対する税制の面で、優遇してくれとは言わないけれども、公平を期してくれ。農民だけ特別に優遇してくれと言いはしない、お医者さんみたいに。特別優遇してくれとは言わないけれども公平を期してくれ、こういう意見が強いわけであります。たとえば金持ちが大庭園をつくる、ちょうど兒玉譽士夫の庭みたいに一本何百万円もするような植木、一個が五百万円も一千万円もするような庭石を持ってくる、そういうどちらかと言えば遊休土地に対する資本投下には庭園税も取れないような日本の姿。農民が施設園芸でささやかな投資をする、それに固定資産税をかけるというような現行の制度、そういう不公平な税制の中で農民がはだで受けとめておるいまの課税標準というものは不合理じゃないか、こういう意見が強いわけです。たとえば畜産農家へ行って聞いても、肉牛の生産をしておる農家がどんなに損をしておっても、とにかく必要経費は四〇%しか認めてくれない。六〇%は利益があったんだということで課税される。どう考えても不思議だ。それから必要経費四〇%をもう少し、お医者さんみたいに七二%までしてくれとは言わないけれども、最低限五〇%に上げてくれ、ちょうど芸者さん並みにしてくれ。バーのホステスや芸者さんは五〇%が必要経費だそうです。せめてこの芸者さんやバーのホステスぐらいの位置づけをしてもらいたい、もう一〇%上げてくれ、こういう意見がある。勤労者の方は大体三七%ぐらいの必要経費だそうですけれども、農民は四〇%。もう少し必要経費が上がらないのか。認めてもらえないのか。要するに標準課税の基礎というものをもっと上げたらどうか。 それから固定資産税の面について、いま地方公共団体はもう財源がないからウの目タカの目で限度いっぱい、率の最高限度を取っているわけですが、住宅や宅地や山林というものは仕方ないにしても、せめて施設園芸なり畜舎程度については大幅に減免してもらいたいし、この課税の基準を大幅に上げてもらいたい、こういうふうに考えるのですが、両方一括して大蔵省、自治省、ひとつ答弁願いたい。
○田口説明員 国税庁の所得税課長でございますが、先に国税の面の御説明を申し上げます。 先生の御発言で私どもも十分いろいろ反省しなければいけない点などを頭に浮かべる次第でございますが、所得税と申しますと、言うまでもないことでございますが実際の収入から必要経費を引いた所得というものの実額を基礎として課税するということは当然でございます。そのために農家の方々にも、なるべくならばきちんと帳面をつけていただき、青色申告をしていただこうというふうに願っておるところでございます。しかし一般農家の現状から見ますと、そういうことをしていただこうというのも無理な場合も多かろうということで、農業所得標準というものを作成して農家の方々の申告の便に供しておるということでございます。この農業標準を作成いたします場合に、私どもは農家の経営実態に即して、必要経費というものの見落としがないように、かかった必要経費というものは十分織り込むようにというようなことを最大限努力しておるつもりでございます。毎年標準の見直しをしておりますが、その際にも農家の実態調査をいたしまして、その結果なりいろいろの資料を参考としながら、また農業関係団体の御意見も伺い、さらに市町村が構成メンバーになっております標準協議会というのがございますが、そういうところで地域のバランスを十分見るというような方法をとっておりまして、必要経費につきましても、私どもとしては農家の経営実態を反映した無理のないものになっているものと考えておるわけでございます。しかし、御指摘の点を踏まえまして、今後とも現地の農業関係団体なり農林当局の御意見も十分聞きまして、実態に即した無理のない標準を作成するようにきめ細かく第一線を指導してまいりたいと思います。 なお、先生の御指摘の中に肉用牛のお話が出ましたが、肉用牛の所得につきましては、御承知のとおり一般的には免税でございまして、国税としては無関係でございますから標準の作成もしておりませんのが普通でございます。御指摘がございましたので、ちょっと調べてみましたら、一部の地区におきましては、国民健康保険税の賦課のために参考とするために、免税所得をも含めた所得が必要であるということで、市町村からの要望がございまして作成している地区がございます。こういう場合にももちろん私どもに直接関係はございませんけれども、必要経費を十分に織り込んだ無理のない所得率というものをつくるべきことは当然でございまして、今後とも一層きめ細かく配意するように第一線を指導してまいりたいと考えております。
○川俣説明員 固定資産税関係についてお答え申し上げます。 農業用の家屋につきます固定資産税について御説明申し上げますと、たとえば鶏舎でございますとか豚舎等の畜舎あるいは堆肥舎、こういうものにつきましては、特に構造その他から見まして、一般家屋との均衡上、課税客体とせざるを得ないというものを除きましては、課税客体としない扱いにいたしております。 それから、ビニールハウスについて申し上げてみますと、ビニールハウスは通常季節的にビニールを取り外すことを常態といたしておりまして、恒常的に屋根、周壁を有するもの、家屋であるための必須の要件でございますが、屋根や周壁を有しているというふうには言いがたいということでございまして、一般的にはビニールハウスについても課税客体といたしておらないところでございます。ただ、農業用の温室等のうち、基礎コンクリート、骨組み鉄骨、屋根、周壁等がすべて調っておるというようなものにつきましては、一般の家屋との均衡上当然家屋として取り扱われる、かようなことでございまして、ただいま申し上げたような線で私どもは市町村に対して農業用家屋の固定資産税の課税については指導いたしておるところでございます。 それから、課税の基準を引き上げたらどうか。恐らく固定資産税の免税点の引き上げを考慮したらどうかという御説だろうと思うのでございますが、実は固定資産税の免税点は、四十八年度におきまして大幅に引き上げたばかりでございます。現在土地は十五万円、家屋八万円、償却資産百万円ということに相なっております。 ところで、この免税点を適用いたします場合は、家屋なり土地なり同一の所有者が持っておられるものをすべて合計をいたしまして、それで免税点以下であるか免税点を超すかということを判定するわけでございまして、農業用の家屋だけを取り出してきまして免税点を別に適用するということは、現行法のたてまえからは困難ではなかろうかというふうに思うわけでございます。 ただ、五十年度で私どもが調査いたしたところによりますと、農業用の家屋について免税点未満になっておるものは、他のたとえば一般住宅等に比しますと、比率にいたしまして約倍のものが免税点未満になっておるというような次第でございます。 なお、今後の問題といたしましては、物価の変動その他状況を見ながら免税点の引き上げが今後において必要であるかどうかについては、検討をすべき時点になれば検討いたしたい、かように考えておるところでございます。
○柴田(健)委員 農業用の施設は特に掘っ立て小屋なら課税は一切しない。基礎工事を何ぼかしておったらこれはもう課税対象物件になる。これは町村が厳しくやっておるのですよ。財源がないものだから厳しくやる。あなたはここでうまいこと答弁するけれども、末端ではそうではない。非常に厳しい。 それからもう少し明確に指導しないと、ここでは答弁をうまくされても、こちらの方では拡大解釈できるような指示をしておる。だからどんどん厳しく拡大解釈して適用していく、こういうことになっておるので、もうあらかじめ農業用施設については課税対象にしないという、そのくらいな方針をやってもらいたい。これは希望申し上げておきます。 時間がございませんから、いずれまた税制問題については新たな機会に申し上げたいと思います。 次に、電力料金が今度上がるというので、われわれ非常に心配しておるわけです。特に施設園芸等について、農民は、どれだけ上がってくるんだ。全国九つの電力会社があって、北海道、東北、順次やって今度四国、九州ということで、恐らくこの九月ごろまでに九つの電力会社が一斉に電力料金の値上げを申請する。通産省の方はいずれ値上げを認められるだろうと思います。申請どおり認められるかどうか知りませんが、いま平均するといずれ三五%ぐらいになるのではないか。家庭用と工業用ひっくるめて平均すると三五%ぐらいになるのではなかろうか。そうすると農業用の電力も三五%ぐらいは上がるのではなかろうかという予測をせざるを得ない。そういう場合、農林大臣、これはもう本気で取り組んでもらいたいという希望を私は申し上げて、意見を求めたいと思います。 それから通産省の方、見えておると思いますが、この農業用電力はもうできるだけ抑える心構えがあるのかどうか。一緒くたに認めるのか。農業用だけはうんと抑えていく、値上げは余り認めない、こういう方針でいかれるのか。その点のお答えをひとつ願いたい。
○篠島説明員 ただいまの件でございますが、われわれといたしましては現在の電気事業法のたてまえが電気料金については原価主義でこれを算定するということになっておりまして、従来からいわゆるコストを離れた政策的な安い料金というものは認めない方針でやってきております。今回もいろいろ各方面から政策料金の導入の声はあったわけでございますけれども、一応基本的には従来どおりいわゆる特別安い、コストを離れた政策料金は導入しないということで基本的に考えております。 電力料金のアップ率が非常に高いということで、その影響が国民生活なりあるいは産業あるいは農業に非常に大きいということはわれわれも十分承知しておりまして、その料金のアップ率については、それぞれの原価項目を十分厳正に査定をして合理的な扱いをしてまいりたい、こう考えております。
○柴田(健)委員 農林大臣に本気になって通産省と話をしてもらいたいのですが、われわれは通産省の物の考え方は平素からおかしいと思っておるのですよ。そのおかしいと思っておる点を申し上げると、家庭用であるとか農業用だとかいうような送電施設についての投資額の比例を見ると、思い切って大企業の使う工業用の送電施設は投資額が七、三になっておると思うのです。七割が工業用の送電施設に投資している。三割が家庭用なり農業用なんです。だから施設投資から見て同じような率で上げるというのはおかしい。それで農業用の施設の方はその三相を使うというには——ほとんど単相ですが、その施設の投資から見て、たとえば電流の消耗というか送電の消耗率から見てそうひどいものではないという気がするわけですよ。それを同じような率で、多少差を、二%ぐらい違える、三ぐらい違える。電力の開発を見て、水力でも火力でも、投資額から見る一キロワットアワーの単価というものを見て、そう上げなくてもいいじゃないかという気がする。今度も一斉に三十何%も平気で上げる。その中で農業用電力も同じように上げるというのはおかしい。私たちは、農業の位置づけというものを考えたときに、国の政策の中で農業用電力というものは考えなければならぬ、ただ企業ベースというだけでこの料金を決めるべきではない、こういう考え方を持っているわけです。ひとつ通産省は農林省と十分話し合いをして、農業用電力については値上げはできるだけ抑えていく、そういう答えを願いたいのです。どうですか。
○篠島説明員 農事用電力がほかの一般の電力とアップ率がほぼ等しいという点はおっしゃるとおりでございまして、それからまた、電力施設の割合が先生おっしゃるような数字になっておるのもまた事実でございますが、電力のコストの場合には、施設のコストとそれから燃料、水力の場合ももちろんありますけれども、最近では電力の中では火力の占めるウエートが非常に高くなっておりまして、したがって、燃料のウエートが大分大きくなっているわけですが、たまたま今回の申請をいろいろ当たってみますと、各電力会社とも、施設とそれから燃料と、この上がり幅が大体同じような数字になっておりますために、今回農事用電力についても、ほかの電灯あるいは電力と同じように三五%少しばかりの平均アップ率になっておるわけでございます。したがって、おっしゃったような施設の数字も十分われわれ承知の上でこれを見ておるわけでございますが、まあまあ三五%、ほかと同じようなコストのアップ率が出てきておるというのはそれなりの理由があるというふうに考えております。
○柴田(健)委員 通産省は十分考えておられるのだろうけれども、私、岡山県のことを申し上げると、岡山県の県営のダムで中国電力へ一キロワットアワー四円十九銭で売っているんですよ。四円十九銭で、通産省の指導で大体売電価格が決まる。それを家庭なり農業用では一キロワットアワー十七円、四倍です。なぜこんな四倍も、県民の金で投資して多目的ダムでダム建設をやったのでありますけれども、いまはすべて電力オンリーになっている。県民感情から見るとおかしい。四円そこそこで買うておるものを十七円近くで売りつける、どう考えても暴利じゃないか、また今度三十何%上げる、という疑問が国民の中にある。その点は十分通産省も考えてもらいたい。まあそれはもういい。 農林大臣、この電力問題、農業用電力が通称二十五億七千万キロワットアワーぐらい使っておるという数字になっておるようですが、二十五億七千万キロワットアワーの農業用電力が三五%ぐらい上がったらどれだけ農民が負担するかということを考えたときに、また物価を上げる張本人は野菜だと、こういうことになる可能性がある。農林大臣としても痛しかゆしで非常に心苦しい点だろうと思うので、電力のこの農業用料金について抑え込みをひとつ力いっぱいやってもらいたいと思うのですが、いかがですか。見解を聞いておきたいと思う。
○安倍国務大臣 電力料金につきましては、これは通産省、経企庁それぞれ御相談もありまして、やはりいま御説明がありましたような電力会社の採算の問題あるいは物価の問題総合的に決まるわけでございますが、電力を消費している農業関係、これはいまいろいろと聞いてみますと、施設園芸の方はむしろ石油に頼ることの方が非常に多いということで、電力を消費する面は非常に少ないようですが、灌漑排水関係は電力を消費する面も相当あるということであります。そこで、農事用の電力というのは、これは特別に割引をされておるということですが、値上げ等に関して特別な扱いは従来もやっていないというふうに承っておるわけでございます。なかなかこれは影響が出てくるわけでございまして、そういうことは十分われわれも認識をして、その上に立って電力料金が公正、適切に決められるように期待をいたしておるわけであります。
○柴田(健)委員 この法案の中で、生産出荷安定資金協会と価格安定基金を供給安定基金に一本化して、理事長は農林大臣が任命をして、この評議員制度——二十五名の評議員が、説明を聞くと、何か理事長の諮問機関的な任務を持つというようなんですが、それはある半面諮問的な機関にならざるを得ないようなそういう機構ですから、多少はそういうことを認めるにしても、本格的に野菜の価格安定を図るとするならば、そして安定的供給を図るとするならば、生産と消費というものが大きくウエートを持つわけですから、私は、生産者代表を思い切って入れるべきだという気持ちを持っておるわけですが、構成についてどういう配分で、どういう率で委嘱される考えがあるのか。これが第一点。 それからもう一つは、この評議員会、理事会もあるわけですけれども、評議員の皆さんがもう少し、ただ理事長が出した案を審議するというだけではなしに、第一線へ飛び出していく、会議費だけでなしに、この行動費、二十五人全部がなかなか現地調査もできないでしょうけれども、今後この法の精神を生かすべく活動させていくとするならば、行動費というか調査費というか、たとえば生産地調査をやるとか消費、流通の実態調査をするとかというような運営の面で、そういう行動費、調査費というものを思い切って予算化するのかどうか、この二つの点を聞いておきたいと思う。
○今村(宣)政府委員 第一点のお尋ねの、評議員会の構成をどういうふうにするか、特に生産者を代表する学識経験者を何名ぐらいにするのかというお話でございますが、私たちといたしましては、今後の構成を考えます場合に、生産者の立場も十分考慮して構成を考えたいと思っております。そのほか消費者あるいは流通関係者その他一般の学識経験者をもってこれに充てるつもりでございますが、生産者を代表する学識経験者につきましては十名程度置くことによりまして、その生産者の立場の配慮ということに遺憾のないようにいたしたい、こう考えております。 それから第二点の評議員には単に会議でなくて、行動費を予算に計上して生産費の調査あるいは流通調査をすべきものではないというお話でございますが、私たちとしましては、そういう御趣旨に従ってそういう活動費につきましても所要の予算を計上いたしたいと思います。これは農林省の予算ではございませんで、基金の予算でございます。今後基金の予算をどういうふうに編成をするかという過程におきまして、そういう御趣旨に基づく活動費につきましても、実行予算の問題として十分配慮をいたしたいと考えております。
○柴田(健)委員 次に、先ほど竹内委員からもちょっと質問したのですが、この選別、余りにも段階というか、等級というのが多過ぎるということから包装にも関係して、包装費が非常に高い。生産農民は要するに選別、規格、包装というような面に相当の経費と労働力を費やしていかなければならない。もう少し全国流通に乗せる品物と地域流通に乗せる品物について、もっと包装のあり方を工夫したらどうかというのが第一点。 それから、本当に消費者の立場に立って規格を決めておるのか、流通業者の立場に立って規格を決めておるのかということを考えたときに、われわれ生産者の立場から申し上げると、どうも流通業者が運びやすくてもうけやすくて、消費者をだましやすくて——言い方は極端だけれども、そういうことになっておるような感じを強く持っておる。それから消費者の方は、この高度経済政策で消費も美徳ということでぜいたくを余り強要し過ぎたものだから、手を汚さない。大根でもゴボウでもニンジンでも、汚れておったのでは、どろがついておったのでは大根に思わないというような錯覚を消費者の方に与えてきた。これは要するに季節感がなくなったということ、そして生産者が使命感を持ってつくっておるのに、それにこたえる気持ちというものが生まれてこないといういろいろな弊害を起こしてきたこの高度経済政策の矛盾というものが、消費者の気持ちも荒らしたという気もするわけです。少しはどろがついておったって、キュウリだってトマトだってナスビだって、多少は大きい小さいがあったって、質がよくて安くていけば消費者は喜んでもらえるという、そういう考え方に切りかえていくような啓蒙運動というか、そういうものも並行して行政指導の中でひとつ理解を深めていくようなことを将来考えたらどうか。 それから、いまのようなやり方をすると、いつでもどこでも土地があればつくれるじゃないかというような季節感も何もない、元日でもキュウリやトマトやスイカも何でも食べれるんだというような、そういう農民が本当に苦労して、それはまあ施設栽培で正月でも出したら少しでも金になりはしないだろうかということで、消費者のことも考えながら自分の生きる道を探索をしておるわけです。それだけ農民は生活の知恵を使っておる。それだけにいつでもどこでも土地があれば何でもつくれるんだというような錯覚を消費者に与えたということは、これはもう将来大変なことになっていくという気がするわけですね。だからもうそれにつけ込んで運びやすいような、もうけやすいような、というような規格や基準や選別や包装をしなければならぬ。それから包装の容器にしてもまことにむだな面がある。だから、むだをどう省いて中身のあるものを供給していくかということをもっと農林省は考えたらどうかという気がするわけですが、この点について農林大臣の見解を聞きたい。
○今村(宣)政府委員 包装の問題と規格の問題につきまして、私から先にお答えさせていただきます。 まず、容器の問題でございますが、農林省としましては、包装資材費の低減を図りますために、極力簡易な包装を行うように指導しておるところでございまして、また系統による共同購入等も推進いたしておるところでございます。 包装は申すまでもなく固定経費でございますから、これに多くの経費をかけることはまことに好ましくないことでございます。そういう意味合いにおきまして、包装資材費の節減と省資源を図るということから、通い容器による出荷を促進するということで五十一年度から輸送合理化推進事業というのを新たに起こしまして、金額は三億一千二百万程度でございますが、それによりまして通い容器の促進を図ってまいりたいと思います。 また、包装の強度につきましては、輸送距離その他の関係がございますので、遠距離産地の場合はどうしても荷痛みを防止するということから、ある程度堅固な包装を必要としますけれども、御指摘のように地域流通のものにつきましては、できるだけ簡易な包装が行われることが必要であり、またそういうふうなことで指導をしてきておりますし、まただんだん実情もそのようになっておるというふうに考えます。そういうわけ合いにおきまして、包装容器の節減を図ることにつきましても、今後できる限りの努力をいたしたいと思っております。 なおまた、規格でございますが、規格につきましては先ほどの御質問にもお答え申し上げましたように、できるだけこれを簡素化する、こういうことで、地域のそれぞれ特性を生かすというふうなことよりも、むしろ全国的に一定の規格でこれを行うということが適当でございますので、農林省自身として野菜の標準規格を設定をしておるわけでございまして、五十年度までに大体十三品目について設定をいたしております。このような標準規格の設定は、私は地域的にいろいろ細かい規格が行われていることを統一することによってできるだけこれを簡素化し、合理化することができると考えておりますので、今後とも主要な野菜について逐次規格を設定していくと同時に、すでに設定されましたものにつきましても必要に応じて見直しを行いまして、一層簡素化を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 われわれは今度の法の改正で重要な関心を持たなければならぬのは、指定生産地、指定消費地をどう結ぶか、要するに問題は、共販体制をどう強化していくか、これにかかっておると思うのです。共販体制がいま強化されておらないという認識をわれわれは持っておるわけですが、この共販体制を強化する方法、農林省としては具体的にどういう考えを持っておるのか、この共販体制の強化のあり方をひとつ具体的に説明してもらいたいという点が第一点。 それから第二点は、要するに消費地における中央卸売り市場の整備、また、その他地方市場の整備、先般恐らく、この市場の整備計画、六十年までか、十カ年計画か何か立てられたと思うのですが、いま日本で流通が改善できないというのは、市場の整備がおくれておるということをわれわれは考えておるわけですが、この消費地の市場の整備というものに今後どういう考え方で取り組んでいかれるのか、その点をひとつ御説明を願いたい、こう思うのです。
○今村(宣)政府委員 第一点の生産者の自主的な調整といいますか、生産出荷に果たす役割りをどのように活用をしていくつもりであるかということの御質問でございますが、計画的な生産出荷ということの推進は、いわゆる生産者団体による共同販売活動を通じて行う以外になかなか効果的な方法が見当たらないわけでございまして、従来これを計画的に誘導いたしますために産地、県、地域それから全国の段階にそれぞれ生産出荷協議会を設けて、逐次これを開催をいたして協議をいたしておるわけでございますが、この生産出荷協議会は、なかなか問題が問題でございますから十分な効果を上げていないのではないか。あるいはまた今後これを一層活用する方法をどうするんだということは研究会でもいろいろ論議されたわけでございます。しかし野菜につきましては、御存じのとおり非常に多数の農家によって栽培されておりまして、また作付面積がそれぞれ変動するということもありまして、また気象条件によって作柄も変動いたしますので供給もまた変動をする。それからなかなか貯蔵性がございません。それから出荷団体に共販率が低い。そういう非常にむずかしい要素がございますので、そういう野菜の特性を踏まえながら、この問題をどういうふうに解決するかということになりますと、これを制度的に一挙に解決するということは非常にむずかしいわけでございます。 したがいまして、生産者団体の自主的活動を通ずる計画的な生産出荷の助長ということにつきまして、従来からは秋冬季重要野菜につきましては特別な措置ということで、予約金の概算払いだとかあるいは特別の価格補てん等をやって、そういう生産者の活動の促進措置を講じてきたところでございます。また、大きく言いますれば、現在の野菜の生産出荷の安定法はそういう共販に乗ったものについて価格補てんに取り上げておるわけでございますから、制度全体がそういうことを助長するということは言えるわけでございますが、端的にそれをどういうふうに活用して助長していくかということになりますと、従来のそういう政策に加えていかなる方策を講ずべきかということにつきましては、なお具体的方途につきまして、いまこれだということには及び至っておりません。したがいまして、私たちといたしましては、そういう生産者団体の調整活動の方策、活用の方策につきましては、さらに研究会を開きまして十分今後とも検討し、適切なる方法につきましてはこれを直ちに実行に移すという方針で処理をしてまいりたいと考えておる次第でございます。 それから第二の、中央卸売市場の整備が大切であるけれども、これについていかなる考え方であるかということでございますが、先般、中央卸売市場の整備の基本方針を中央卸売審議会に諮って決めました。それからそれに基づきましての第二次の中央卸売市場整備計画も策定を見たわけでありまして、今後十年間に大体三十九市場を新設をするという計画になっております。同時に、その市場の設置に伴いまして周辺の市場を吸収するということもございまして、十八市場を移転しあるいは廃止する。したがって差し引き二十一の中央卸売市場を増設するということでございます。したがいまして、五十年度末現在の八十市場にこれを加えますと六十年度末には百一市場が全国に配置をされるということに相なります。また、既設の八十市場のうち六十六市場につきましては、各市場の整備改善を図っていくということで、これに要します財政投融資規模は、事務当局の試算によりますと五千二百六十五億円を要するというふうに考えております。 地方卸売市場につきましては、卸売市場法の規定によりまして、都道府県知事が作成する都道府県の卸売市場整備計画に基づきまして計画的にその整備を促進することにいたしておりますが、その際地域流通の拠点となるものにつきましてはできる限り公設のものにする、これに対して補助金を出すということで、民営地方市場、卸売市場につきましては農林漁業金融公庫の長期低利の近代化資金の融資を行うことといたしております。それにつきましてのいろいろな計画策定は現在進行中でございます。
○柴田(健)委員 われわれは共販体制を強化して、本当に正常なルール確立を図っていかなければならぬ、これがある程度の基本だと思うのですが、それがいろいろのいままでの長い慣習、慣例というか、いろいろなものが入り込んで混乱を起こし、また農家の考え方もいろいろな面でいまの制度的な矛盾から強化されていかない弱さを持っている。そういう全体のもろもろの矛盾をいま持っておるわけですから、それを解明をしながら、メスを入れながら一つ一つ改善をして、共販体制の強化を農林省としてもやってもらいたい、こう思います。 私たちは、何としても野菜も思い切って全部共済制度を適用していくべきだ、共済事業に全部入れるべきだと思うのですよ。この共済事業に入れるねらいというのは、たとえば野菜をつくって、キャベツでもカンラン、タマネギでも何でもですが、青田売りというのがある。青田刈りと言う青田売り、これらが行われるところに、仲買人というものがそういうことをやるわけですが、共済制度を確立しておけば、そういうものがある程度防ぎとめられるのじゃないか。それで青田売りをした農家は共済制度からはずしてしまう、除外してしまうというようなある程度の規制措置というかそういうことを制度的に考えて、できるだけ共販体制に乗せていくような、そういうことを考えたらいいんじゃないかということもわれわれ一つの方法として考えておる。そういうことで、われわれは何としても共販体制の強化を急がなければならぬ。と同時にまたこの価格問題、要するに所得というものを考えていく、そういう両面で今後の検討をひとつ願いたいと思うわけであります。 それから私たちは今度の法案について、余り急いで、あすの十二時までに上げるという法案ですから、当局の方もやれやれと思われておりますけれども、質問時間はごく短い。短いけれども、われわれのこの気持ちをよく農林省はくみ取って、実施段階、要するに実行行為の実のあるものにしてもらわなければ困るので、法案だけ通したらやれやれで今村局長は安心してもらっては困るわけですね。法案が通らないと言ったらびっくり腰になったといって恐れ入ったようですけれども、われわれは何としてもこの法案をいいものにしてもらいたいということでまた協力しなければならぬ、そういう気持ちで審議をしておるわけでありますから、先ほど申し上げたもろもろの問題を十分御理解をいただいて、この法案の趣旨が生かされるようにしてもらいたい。 今後の希望を申し上げて、私の質問は、四分間残しまして終わります。
○山崎(平)委員長代理 次に、美濃政市君。
○美濃委員 私は、災害補償法及び共済基金法関係につきまして若干の質問をいたしたいと思います。 まず、最初にお尋ねしたいことは、今回の改正で、特定の施設等により収穫量を適正に把握できる見込みのあるものとして主務大臣が指定する地域においては、全相殺農単方式については共済金額に総基準収量の百分の九十に相当する数を乗じて得た金額を共済金額とする、こうなっておりますが、この特定の施設というものの見解をきちっと整理して承っておきたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 今回農単方式の推進の一つの方策として、全相殺の農家単位引受方式というものを導入をしたわけでございますが、これを実施をいたします地域の条件といたしましては、ただいま先生お話ございましたような一定の施設要件等があるということで具体的に地域を決めてまいりたいというふうに思っておるわけでございますが、私どもが現在考えております基準といたしましては、全相殺農家単位引受方式を実施いたします地域というのは、たとえばカントリーエレベーターあるいはライスセンターといったような施設がございまして、その地域の農家の大部分のものがこの施設を利用をして収穫後の処理をしておるというふうな地域を一つの条件として考えておるわけでございます。つまり、全相殺農家単位引受方式をやります以上は、全体の収穫量というふうなものが把握される必要があるわけでございますが、そういうふうなものに役立つ施設といたしましては、ただいま申し上げましたような施設が一つの条件になって地域が決められるということになろうと思います。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 なお、カントリーエレベーターなどの施設によらなくても、農家ごとの収穫量を適正に確認のできる地域というものがあります場合には、これは具体的に農林大臣が指定をする予定でございますが、そういう地域については同じように全相殺農単引受方式が実施できる地域になるというふうに思っております。 なお、この地域につきましては、来年度実施までの間にそれぞれの地域の希望も聞きまして、団体等の意向も十分お伺いをした上で地域を指定していくというふうな措置をとりたいと思っております。
○美濃委員 小麦も適用されますね。麦作改善等で、コンバインで全収が把握できるというものがかなりできております。これも当然該当しますね。
○吉岡(裕)政府委員 お説のとおりでございます。
○美濃委員 そこでいま、全国的に米と麦に分けまして、大体大臣が指定できるという見込みはどのくらいという見込みですか。
○吉岡(裕)政府委員 現在カントリーエレベーター等の利用をされております面積でまいりますと、全国で約六%強というふうなことでございますが、そのほかに先ほど申し上げましたような農林大臣の指定をする地域については、その具体的な指定の基準というふうなものをこれから具体的に詰めてまいりまして、農単の利用できる地域というものをなるべく適正に把握してまいりたいというふうに思っております。
○美濃委員 次に、米にはカメムシ等の黒蝕米ですか、それが出ますし、それから小麦には穂発芽が出ます。これは御存じのように検見によるものではなくて、的確な把握は収穫後でなければこれを把握できないというのが現状でありますが、しかし被害粒であることには間違いないわけですね。いままでもこれに対して多少より分けたり何かして被害算定が行われておりますが、しかしそれは不十分ですね。 第一にお尋ねしたいことは、この方式をとった場合は全収量把握、カントリーエレベーターなりあるいは麦の施設によって全収量がそこで把握できると同時に、その条件というものが全量について的確に出てきますから、これは把握がしやすいわけですが、これからの方式としてこの方式でした場合、その損害率算定はどのぐらいに見ていくか、この方針をお尋ねしておきたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 カメムシ等の被害あるいは麦の穂発芽による被害といったようなものが起きまして実質的には品質が非常に落ちた場合の処理といたしまして、農業共済制度というのはやはり収穫量の減収に対してその損失を補てんをするという法のたてまえになっておりますので、やはり減収量としてこれを把握しなければならないというのがたてまえでございます。そういたしますと、従来のやり方としては、そのような被害が非常にはなはだしい地域につきまして収穫後に被害粒を控除して収穫量を決定をするというふうな特例措置を講じて、これをいわば減収量に換算をいたしましてその補てんをいたしておるわけでございます。今後、全相殺農単方式を導入いたしました場合のそういう被害率の算定につきましては、この制度が実施をされます来年度を目指しまして、先ほど申し上げましたような手続を踏みながらそれぞれの地域の被害率というものを的確に把握をした上で実施をしたいというふうに思っております。
○美濃委員 共済の目的は、もちろんこれは現在の場合収量の減に対して共済金を支払う、こういうたてまえをとっておりますけれども、所得共済ではないことは当然ですけれども、しかし共済の目的はやはりこの被害減収というものをてん補するのが共済の目的であれば、いま申し上げた質的被害ですね、これを当然、特例だなんというのでなくて、当然被害として算定する方式にしなければならぬと思うわけですね。結局、量はあったとしても販売できなければ収穫の目的は達成されてないわけです。どうでしょうか、特例措置でも、それが円滑に行われれば契約しておる農家に対しては目的は達成されるのですよ。しかし、私どもの考えは、特例措置はいつまでも特例措置じゃなくて、カメムシなんかというのは前にはなくて最近出てきた問題ですから、一定期間は特例措置でもやむを得ぬと思うのですが、もうそろそろ特例措置という取り扱いをやめて、当然減収量にきちっと算定する、算定要領等をきちっとするべきだと思うのです。どうですか。
○吉岡(裕)政府委員 先生御承知のように、農作物共済におきまして、特に米、麦等においては一筆引受方式というものが支配的であったわけでございます。したがいまして、この一筆方式の場合には何としてもやはり検見という方式で収穫量を判定をしなければならなかったということになるわけでございます。そこで、減収量というものを損害としててん補をするという、現在の農災法がそういうふうに規定をされておりまして、そういうたてまえになっておる中で、いまお話のございましたような一種の品質低下というものをどう処理をしていくのかということになりまして、先ほど私が御説明を申し上げましたような、いわば特例措置として減収量というものに換算をしてといいますか、減収量として損害補てんをするというたてまえをとっておるわけでございます。ただ、今度カントリーエレベーター等を利用いたします際には、農家全体の収穫量あるいは等級別の数量というふうなものが非常に的確に把握をされるということになりますので、先ほど私が申し上げましたような一筆方式でとられているような特例方式というものがより円滑に、より適正に行い得る可能性が非常に強い、こういうことでございまして、そういうやり方で先生の御趣旨が非常に生きやすくなる制度になるように、私どもとしては今後具体的な基準等を考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○美濃委員 この方式によれば確かにお話のようにそういうものが的確に把握できて、減収量算定もできると思いますが、できるだけ近い機会に、これは全般的に減収量として、畑作共済も、後から申し上げますけれども、本格共済に直すと、いわゆる農作共済というものの中に、量は得たけれども、何といいますか、いわゆる収穫の量はあったけれども、その量が天災や自然災害によって収穫の目的には到達しない、これはやはり減収量だと私どもは思うのです。減収量というのは、量はとれておるのだから、量的被害ではないということになるかもしれませんけれども、しかし、最終の収穫目的は達成されないわけです。したがって、これも減収量というふうにみなすべきだ。これを特例措置ではなくて、早くそういう体制をつくるように御努力を願いたいと思います。 次に、農単方式の場合、これは一筆全損耕地に関するものは足切り三〇で、七〇の共済金を支払うということに今回なっておりますが、これは理由のいかんを問わずですか。全損する場合のいろいろの条件があると思います。いかなる条件においても一筆が全損した場合は共済金を支払う、こう解釈してよろしゅうございますか。
○吉岡(裕)政府委員 ただいま先生お話しの制度は、農単方式の推進の一つの方策といたしまして、現在一筆方式というものが全般的に行われている中で、たとえばある農家の一つの耕地が全損を受けたような場合に、農単方式でありますために共済金がもらえないというふうなのは非常に農民感情にも反するのではないかというような趣旨から、そういう全損耕地がありまして、そこで損害が評価されたものが農単の評価された共済金の支払い額よりも多くなる、あるいは共済金が支払われない場合というふうな場合には、その全損耕地について共済金を支払うという特例を開いておるわけでございます。したがいまして、この全損と申しますのは、ある一つの耕地が全く収穫皆無の状況になるということでございまして、一番端的な例としては水害による埋没というふうな例が非常に的確な例であろうと思いますが、原因は問いませんが、全く収穫皆無の状況になるということを私どもとしては考えております。
○美濃委員 それでは次に進みます。 今回家畜の掛金に対して国庫負担が改正されましたが、これは牛は全部二分の一。結局私どもから言うと、新しく肉豚が加わっておりますけれども、同じ国民のたん白食糧であって、国民たん白食糧生産というたてまえからいくと、農林省の考えとして肉牛と肉豚とどういうわけで違うのか。これは用途なり肉質なりの比重が非常に牛肉の方が上だから、だからそれには二分の一の国庫補助をして、豚は質的に悪いんだとか、何かこれは理由があるんですか。何かの理由か根拠があってこういうことをしたのか、どうしてこういう差別待遇をするのか、同じ家畜を生産する過程において。私は、行政上の差別というのは好ましくないと思うのです。二分の一であれば全部二分の一にした方がいいと思うのです。牛だけは二分の一だ。豚は三分の一だ。それから馬ですね、産業用馬はいまは少なくなってきましたけれども、馬とか種豚については五分の二だと、こういう差別待遇をするという根拠はどこから出てくるのか。できるだけ行政というものは公平でなければならぬと思うのです。いかがですか、これは何か根拠があるんですか、正当な理由が。こうしなければならぬ正当な理由があればお聞かせ願いたい。ないのであれば、今回すぐ修正というわけにもいかぬだろうけれども、間髪を入れずこれはやはり差別待遇をしないようにする、結局全部二分の一に直すということを考えてもらわぬと、すぐ実行してもらわぬとならぬ。この段階で修正ということもなかなか困難だということはわかりますけれども、こういう差別待遇は好ましくない。しかし、われわれが納得できる正当な理由があればこれは別になりますけれども、私どもとしては、こういうふうにする正当な理由がないという判断に立つわけです。牛が上であって豚はその下なんだという正当な根拠と理由はないのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○吉岡(裕)政府委員 ただいま先生お話しの、家畜共済の国庫負担の方式の問題でございますが、これは御承知のように、現在の負担制度というのは昭和四十六年の制度改正によって決められておるわけでございまして、それに至りますまでも逐次いろいろな家畜の種類に応じながら、その国庫負担割合というものは改善をされながら今日の状況になっておるわけでございます。 したがいまして、私どもの考えておりますことは、畜産振興の重要性ということで牛と豚とを特に区別をしておるということではございませんが、そのような国庫負担の改善方式を進めてまいります過程におきまして、今日ではまず牛について二分の一に近い状況が頭数割合などに応じてあるわけでございますが、そこで二分の一ということを牛について実現をいたす、そうしてすでに種豚について三分の一という経緯をたどってきておるわけでございますが、これはひとつ牛が上るのにつれて五分の二までは何としても引き上げていきたい、肉豚については、これは今回新たにいわば新入生としてこの共済制度の中に組み入れられたものでございますので、これはほかの種豚等が出発をいたしました状況等も勘案をいたしまして、三分の一の国庫負担によって賄い、農家負担の軽減による加入促進を図りたいということで考えたわけでございます。 したがいまして、馬につきましては先ほど先生お話しのとおり、頭数が全体として非常に減ってきておりまして、共済への加入頭数としては非常に高い率のものが加入をしておるという状況でございます。したがいまして、私どもとしましては、今後この国庫負担の改善については全体的な制度のあり方というものを絶えず見直し、長期的な観点から今後の検討をいろいろ尽くさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
○美濃委員 お話を聞いておって納得できる説明ではないですね、抽象的なお考えでありまして。ですから、これはいずれも肉豚についてはなかったものが、今回お話しのように初めてであり、改悪されたものはないわけですから、一応今回はこれで了解せざるを得ないと思いますけれども、しかし絶えず見直しをするというお考えですから、これは早く、できれば来年でもいいです、来年でも再び法改正を出すように努力を願いたい。初めてであるとかそういう客観的な問題でこういう差別待遇をつけておくのはいかぬですから、二分の一国庫負担に全部なるように御努力を願いたい。答弁はいいですから、希望を申し上げておきます。 それからその次、病害虫の防除に対する今回共済金を支払うという条項に当たって、まず第一番にお聞きしたいことは、「病害虫の防除を適正に行う見込みがあるものとして」というふうにうたっております。病害虫の防除を「適正に行う見込みがあるものとして」主務大臣が指定した地域においてという表現ですが、この「病害虫の防除を適正に行う見込み」というのは、これは米にしても麦にしても——麦には比較的成育期に入ってからの病害虫というのは米よりも少ないですけれども、しかし農作ですから、これはあるんですけれども、特に畑作共済の豆類等になるとかなり病害虫防除というのが出てきますが、これは実験段階でありますからそれは別としても、私は全国、病気がついても虫がついてもほっておく、それに対して適正に防除しないという地域はないと思うのですね。こういう表現を使わなくても全国全部これは適正に行う見込みありと私は思うのですが、どうですか。病害虫に対する防除を適正に行うという意識の上に立って農業生産が行われておる。それを適正に行わぬでもいいのだという地域は私はないと思うのですが、どこかにありますか、これをお尋ねしておきたいと思います。どこかの県かあるいはどこかの郡で、病害虫に対して適正な防除意識がないというところがあったら、私は教えてもらいたいのです。 そういうものがないという前提に立てば、こういう表現を使う必要はないのじゃないか。全国のどこにおいても異常に病害虫が発生した場合における、通常防除の基準を超えて防除に要した費用に共済金を支払う、これでいいのじゃないですか。意識がどうだ、適正に行う見込みがあるということの、ちょっとまずその条件を聞いておきたいと思います。私は見込みのある地域ということになれば、もう一回申し上げますけれども、全国全部だと思うのです。全国全部一律に病害虫に対する防除意識は持っておると思うのですね。あえてこういうふうに法律上扱わなければならないというのであれば、防除意識のない地域があるからこういうことがうたわれるのだろう。あるのであれば、その地域をはっきりここでお聞きしたい、こう思います。
○吉岡(裕)政府委員 先生御指摘のとおり、農作物を栽培しております農民がそういう防除意識を持っていないような地域というものは、おっしゃるとおり、まさに探すのがむずかしいという状況であるかもしれません。 私どもがこの法案で考えておりますことは、これは水稲病虫害の損害防止に対する費用の一部を給付をする、そういう金を支払うという内容でございますので、条件がきちっとしていないと非常にルーズに流れることは困るという条件が一つあるわけでございます。そういう条件をどう客観的に保証をする目安になるものがあるかということが問題になるわけでございまして、今回の改正の法律の百五十条の五にそれを規定をしておるわけでございますが、「その地域における水稲に係る病害虫の防除を共同して行うため必要な施設が整備され、その他その防除がその地域内に住所を有する水稲の耕作の業務を営む組合員等により共同して適正に行われる見込みがあるものとして主務大臣が都道府県知事の意見を聴いて指定する地域」というふうな決め方をいたしておるわけでございます。 つまり、共同防除体制がとられていて、それが共済組合の場合でございますとかあるいは農協の場合でございますとか、市町村の場合とかいろいろございますが、一定の組織された状況で共同して防除が行われたような場合には、その病虫害防除のために使った費用でありますとか、あるいはその病虫害防除のやり方というふうなことを客観的に確認をする資料がそれによって得られるわけでございます。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 したがいまして、そういう条件のもとにこの損害防止給付というものを新たな共済金の支払いとして今回の法律改正の中に入れたということでございますので、この法案のねらっておりますところは、そういう客観的な把握の仕方としてこういう条件をつけておるのであるというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○美濃委員 そうすると、この条項は書いてある文章と説明とがちょっと食い違いますね。結局、共同防除等によって、やはり通常こういった農薬が使われたということが共同防除等によって的確に把握できるものにとりあえず適用する、こういうことですね。すると「適正に行う見込みがあるものとして」ということとは違うわけですね。ですから、今回共済支払いの対象にするのは、共同防除で農薬が非常に使われたということがいわゆる実証できるものにとりあえず適用していきたい、こういうことであって、結局適正に行う見込みがあるない云々ということは、これは共同防除をしなくたって、この意識のない農民というのは私はいないと思うのですよ。そうすると、この防除費に対して行う共済金の支払いとここの文章は少し違う、書いてある文章と、こういうふうに解釈して間違いないですか。
○吉岡(裕)政府委員 現在の改正法案でお願いをしております点は、先ほど私が申し上げましたような書き方になっておるわけでございまして、そういう条件に適合をするところについて水稲病害虫の損害防止給付が出ることになる。そういう地域といいますのは、これは都道府県知事の意見を聞いて、そういう条件が整っているかどうかということを主務大臣が判定をいたしまして、組合の地域の全部または一部を指定をする、こういうことで運営をいたしていくつもりでございます。
○美濃委員 意味はわかるのですが、法律にはこうなっていませんか、いわゆる「適正に行う見込みがあるものとして」というのは。何かもらった資料にはそういうふうになっておるのですがね。これは農林省からもらったのですが、「農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案骨子」という小さい冊子です。「適正に行う見込みがあるものとして」となっている。そうすると、これはいま言ったそういう体制が整っておるもの、こういうことですね。そうすると客観的な判断ではないわけですね。客観的に意識があるとかないとかいう問題じゃなくて、条件は、共同防除施設が整備されている等、その地域における組合員が共同して云々というようなことが書いてありますが、これが主体になるわけですね、この文章は。そうですか。
○吉岡(裕)政府委員 先生ただいまおっしゃいましたようなことでございまして、意識の有無というふうなことを問題にしておるわけではなくて、そういう先ほど申し上げましたような条件のあるところというふうなことを法律的に表現をしますと、このような法律上の表現になるというふうに御理解をいただきたいと思います。 なお、その「骨子」はやや省略をして、法律の文句と同じように書いてございませんので、その点どうもおわび申し上げます。
○美濃委員 次に、同じ条項で、この骨子によれば「異常に病害虫が発生した」場合、私から申し上げるまでもなく、虫害の場合、病虫の場合は発生を見てから直ちに手配、防除体制を整えるということもあり得ると思いますけれども、病害の場合ですね。これはもういかなる農作物といえども、病害にかかる場合、病気を発見してから防除に入るのではだめです。たとえばいもちにしても、あらゆる農作物の病害というものは大体発生時期なり気象観測による温度等からそういう病気が発生する疑いが起きたときにすぐに防除に入らなければ、病気が発生してから薬をかけても、これは治療薬ではないのですから、予防薬ですから、病気にかかった農作物に農薬でその病気を治すような薬をかけたら、もう枯れてしまうのです。予防薬ですから、葉に抵抗を持たす。ですから病気が出る前にかけなければならぬわけですね。ところがこのあれでは異常に病害虫が発生した場合ということになっている。発生したということになると、発生を確認してから防除を行うということになるからこれはだめだということになります。そんな防除のあり方はない。これは発生を確認してから防除をするなどというものではないのではないか。虫については、病虫については一応発生が出てから早急に防除に入るというのでも間に合うと思います。そういうことはあり得ると思うけれども、病気の方は、おそれで防除に入っていかなければ、発生した場合という表現で、発生してから防除に入るという防除の仕方はないと思うのです。これはどうですか。
○吉岡(裕)政府委員 先生御指摘のとおり、特に病害についてはおっしゃるような方向で予防をしなければ大発生になるということであろうと思います。 この改正法でこれから運用いたしまして、水稲の損害防止給付をいたしますための条件として私どもが考えておりますのは、植物防疫法の警報というのが県単位で出ることになっております。この防疫法上の警報と申しますのは、たとえば稲作につきましては有害動植物が大発生をし、重大な被害をもたらすことが予想され、かつ早急に防除措置を講ずる必要が認められる場合に発令をされるというふうなことになっておりまして、先生ただいま御指摘のように、重大な被害をもたらすおそれがあるという状況が客観的にいろいろ観察田その他で出るようでございますので、そういうものに基づいて警報が発令をされました場合に今回の給付の条件がいわば発生をしたというふうに考えていくことにしております。
○美濃委員 今回の改正はいま実験中の畑作共済にも全部適用されると判断してよろしゅうございますか。実験中だから、しかしこれは共済法ですから、実験共済といえども、法律が改正されれば実験中のものにも適用される、こう判断してよろしゅうございますか。
○吉岡(裕)政府委員 今回の措置は農作物共済のうち水稲について特に講じようということでございますので、今日別の法体系でやっております畑作共済などについてはこのような措置は考えていないわけでございます。
○美濃委員 いや、水稲と言うけれども、麦はどうですか。麦は入るのでしょう。どうですか。
○吉岡(裕)政府委員 今回は麦については考えておりませんで水稲だけでございます。なぜこのようなことを水稲だけについて考えたかということでございますと、先ほど私が御説明いたしましたような、客観的にそういう農薬その他病害虫の異常発生に対します防除体制がとられていて、そうして的確に客観的にそのような費用を判定をできるという条件が要るということを申し上げたわけでございますが、そういうものが水稲にはとられて、そういう条件があるということでございます。 もう一つは、こういう措置を今回考えましたのは、やはり水稲の低被害対策といたしまして、いわゆる掛け捨ての不満というものが水稲共済について一般的にあるわけでございますが、そういうふうなものに対応する措置ということでも考えておりますので、今回は水稲に限ってこういう措置を講ずることになったのであるというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○美濃委員 他のものについては将来どういうふうにお考えですか。一応水稲——なるほど別にもらいました資料を見ると「水稲」と明記してありますね、この項は。「水稲」として明記してありますが、これもまた水稲だけでは片手落ちだと思うのですね。行政の公平というものを無視されておる。米だけが農作物じゃないと思いますね。米だけでよろしいということになれば、他のものはなくてもいいということになる。しかし他のものも、米ももちろん必要ではあるけれども、他のものも必要だというのであれば、なぜ米だけをこういうことをして、他のものについては当面適用しないということはおかしい。おっつけこれもやらなければならぬ。どうでしょうか。
○吉岡(裕)政府委員 先ほど御説明申し上げましたとおり、こういう給付をやるために客観的なそういう体制の整備があることが必要であるということを申し上げたわけでございますが、水稲については長年にわたって組合等を中心にいたしましてそのような共同防除体制というふうなものが確立をしてきておるということを前提にいたしまして、さらに掛け捨て不満といったような問題もあわせ考えて今回の措置をとったわけでございますが、法律の規定にもございますように、「当分の間、」ということでこの一種の実験的措置としてこの制度を開いたわけでございまして、今後防除体制のあり方とかそれから農家経済の動向とか、いろんなそういう問題を含めましてこの水稲についての損害防止給付というのもさらに検討を続けていかなければならぬだろうというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、現状におきましては水稲を考えておるということでございまして、非常に長期的な問題としてはほかの農作物についても先生御指摘のような問題はあろうかと思いますが、これはひとつ長期的な観点で今後の検討課題とさしていただきたいというふうに思うわけでございます。
○美濃委員 参考にちょっと申し上げておきますが、畑作共済等が本格実施に入ってくるようになると、これはバレイショのウイルス病の対策などというものは、水稲水稲と言うけれども、とても稲作にああいう条件の病気はありませんからね。これらの対策というものは、それは経費的に見ても労力的に見ても、とてもじゃないが、水稲にバレイショのウイルスに匹敵するような、それを、いわゆるウイルスを防ぐための手段に要する経費、労力、米にこれに匹敵する病気なんか起きたらお目にかかります、こう言っておきたいと思います。しかし米だからそういうものを見ていく。いま畑作共済も実験中ですから、いますぐここでとは申し上げませんけれども、そういうものがあるということだけははっきり認識しておいてもらわなければならぬ。労力も経費も少ないものに米だからといって見ても、他もやはり主要作物ですから、他の主要作物に共済を適用しながら見ない、こういうことは私はあり得ないと思うのですね。ですから十分これは今後の問題として早期に検討を完了するように、これも要望しておきます。 次に、役員の問題ですが、管理体制の問題ですね。これは立候補制によって選挙を省略する。これは合併組合等ができて大きくなってくれば適切な処置だと私は思いますけれども、これはきちっと、立候補をもって当選確定するということになれば、現行法と変わってきますから、これは立候補制というものを法律をそういうふうにして、定款なり各単協でつくる役員選挙規程なりを、立候補制できちっと当選が確定できる拘束性を持つ立候補制にしなければならぬが、その準備はできておるんですね。法案を見ると、「定款の定めるところにより、」と書いてあるが、「定款の定めるところにより、」「省略することができる。」この定款の定めるところは、政省令か何かでその拘束をきちっとうたっておかぬと、ただこの法律だけは定款の定めるところによってできる。法律事項としてはこれでいいと思うのですけれども、ここのところはもう少しきちっとしておかぬと後日問題が起きるんじゃないか。行おうとするのはこれでいいと思います。合併組合等ができて大型化してきておりますから、この措置は私はよろしいと思うのですけれども、きちっとそれは整理をしておかぬと、やはり資格に関する問題ですから十分手落ちなくやってもらいたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 役員等の選挙につきまして無投票当選制を導入したいということで法改正をお願いをしておるわけでございますが、先生御指摘のとおり、その辺がきっちりしていることが組合の運営の適正化を図るために非常に重要なことであろうというふうに考えます。ただ、こういう制度をとるかどうかというのはそれぞれの組合が自主的な判断として総会の決議等でそのような制度をとりたいという場合にとれるということにしてあるわけでございまして、私どもといたしましては、選挙規程が現在定款の付属文書ということで決められておりますので、模範選挙規定等をよく組合まで流すようにいたしまして、この制度をとる場合にはきちっとした選挙規定を整備をして、完全立候補制を保障するというふうな措置をとった上でこの措置をとるように指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○美濃委員 国庫負担のところでもう一つ落としたのですが、事務費の補助、それから家畜の診療点数、こういうものがどうも実情に合わなくなってきておる。結局、こういう経済条件で必要経費は増大するのに、それに伴う国庫補助のアップは伴っていない、こう思うわけですが、これは早急に改善しないと、なかなか共済団体の運営上大変だと思うので、この点がことしの予算でも改善されていないのですが、どういう見込みに立っておるのか、これを聞いておきたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 農業共済団体の経営いたします家畜診療所の問題でございますが、最近牛馬の飼養頭数の減少といったような畜産事情の変化に伴いまして、特に過疎地域の診療所の経営が悪化をしてきておるようなところがございます。こういうふうな状況を踏まえまして、国としましては、家畜共済の診療点数の改定でございますとか、損害防止事業の際の獣医師の日当の引き上げといったような措置をいろいろと講じてきておる次第でございますが、ことしはこの家畜診療所の経営に関する問題を総合的に検討をいたしまして、ぜひ今後の家畜診療所の健全な運営に資したいということで、今回のこの改正案を通過させていただきました暁は、早急に学識経験者等を集めまして検討会を開きまして、今年中に結論を出すことを目途に種々検討を加えていきたいというふうなことで取り組んでおるところでございます。
○美濃委員 もう一点質問しておきますが、今回家畜共済を原則として一割単協が保有するという考えですが、元来、家畜共済なんか見ると、たとえば一例を生命保険にたとえれば、いま一件五十万くらいの生命保険は全部赤字なのです。管理費が出ないわけです。百万の生命保険になると、大体赤字ということはない。元来、私どもが計算してみると、家畜共済は全く事務費がかかって、単位が非常に低いですから、家畜共済における家畜の安全保障よりも、手数がかかって、経費が効率を上回るという状況もあるわけですね。ですから、多頭飼育をしておる農家あたりになると、共済掛金が損害率を上回るという面も出てくるわけです。そういうふうに考えると、これはもっと、やはり原則的な考え方は、もう共済事業もずいぶん実施してきておるわけですから、通例災害率は単協が全部しょって、伝染病とか異常危険部分だけを再保という仕組みにしていかぬと、再保は危険分散の上で結構だけれども、再保険をすることによって、やはり重複手数になって、事務費は増大するわけですから、そこらが将来の検討課題だと思うのです。十分これは検討してもらいたいと思います。いまここで、ちょっと思い切った発言ですから、答弁のしようもないと思いますので、まあそういう方向を検討する、結局効果を上げて経費がかからない方向を検討する、これを検討してもらいたいと思います。 次に、まとめて大臣に御質問をしたいと思いますが、いま実験段階の畑作、それから施設共済上いうものについて、この実験地域から、ことし終われば三年ですから早く本格化してくれ、三年の実験でもうやれるのではないかというような意員がございますので、この畑作共済を早期本格化してもらいたい、これが第一点です。 それから、いま申し上げたいわゆる家畜の掛金に対する国庫補助がばらばらですから、これは行政の原則を欠いておりますから、できるだけ早く二分の一補助にするようにひとつ進めてもらいたい。もう検討の段階じゃないと思うのです。どうして進めるかということでありますから、進めるということ。 それから同時に事務費ですね、あるいは家畜の診療の点数の改正等も適確に行わないと、事業運営が円滑にいかない面が出てきておる。この体制を、これはもう速やかな措置を必要と考えております。 こういう点について、政策的に農林大臣としてひとつ強力に進めてもらいたいと思いますが、大臣の御意見を承って、もう時間ですから、私の質問を終わりたいと思います。
○安倍国務大臣 畑作物の共済につきましては、昭和四十八年に制定されました畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法に基づきまして、四十九年度から北海道、鹿児島、沖繩におきまして試験実施を行ってきておるところであります。試験の実施は、料率算定に必要な被害率等の基礎資料の整備、損害評価方法につき調査を行うためのものでありますが、適正な被害率の算定には最低三年から五年問の被害状況のデータが必要とされるわけであります。そのため本格実施は五十四年以降になると考えられるわけでありますが、その時期はなるべく早くするように、今後とも努力をしてまいりたい、このように考えておるわけであります。 なお、家畜共済の中の共済掛金国庫負担方式は、昭和四十六年における制度改正により決められたものでありますが、今回共済掛金の国庫負担を特に畜産経営の実態、畜産振興の重要性を踏まえて、牛につきましては二分の一、種豚につきましては五分の二に引き上げるとともに、肉豚につきましても三分の一の国庫負担を行うことによりまして、農家負担の軽減による加入の促進と畜産経営の安定を図ろうといたしておるわけでありますが、今後、畜産に占めるところの養豚経営の動きを見ながら関係方面と十分連絡をとりまして、将来の問題としてこれは慎重に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
○美濃委員 終わります。
○片岡委員長代理 次に、芳賀貢君。
○芳賀委員 この際、農業共済制度の改正点について主として農林大臣に御質問を申し上げます。 今回の改正案を検討いたしますと、各共済部門を通じて相当大幅な改善の跡が見られるわけでありますから、これを総評してわれわれとしても認める点が相当多いわけでございます。これで完全ということはできませんし、また従来のしばしばの共済制度の改正を通じましてここ十年来の足取りを見ましても、昭和三十九年、それから四十一年、四十六年等は農作物共済あるいは家畜共済、果樹共済の実現等、相当大幅なわが国の農業共済制度の前進の跡が見られるわけでございます。そのたびにわれわれ国会の立場においてはさらに高度の制度に発展するように、あるいは質疑を通じて、あるいは委員会の附帯決議等を通じて政府に実現を迫ってきておることは大臣も御承知のとおりであります。 そこで、第一の農作物共済の関係につきましては政府改正案によりますと、現在の農家単位引受方式を改定して損害補償内容の改善が講じられることになっておるわけでございますが、具体的な内容としては農単引受に係る方式の改定でございますが、現在の農単引受方式というのは半相殺二〇%足切り方式を主として北海道を中心として実施しておるわけであります。これを今回の改正を通じまして全相殺一〇%足切り方式に改定するということを意図されておるわけでございますが、この際現在実施中の半相殺農単二割足切り方式と、政府が改定を意図しておる全相殺農単一割足切り方式と、もう一つは従来からの一筆引受方式、これは三割足切りでございますが、この三様の引受方式を比較いたしまして、特に共済組合の組合員である農民の立場から今回の改正案の利点となる点を具体的に明示してもらいたいと思うわけでございます。
○安倍国務大臣 今回の制度の改正におきまして一割足切りの全相殺方式を導入するということにいたしたわけでございますが、これがいままでの制度で行われた方式等と比較をいたしまして、農家の実質的な要請にこたえるものである、こういうふうにわれわれは考えております。
○芳賀委員 その中身を……。
○吉岡(裕)政府委員 先生御承知のとおり農単方式で農家掛金を特別に大きくふやすことなく損害てん補率を引き上げたいということで考えてまいりますと、全相殺農単一割足切り方式というのは確かに一つの非常に前進した形態であろうというふうに思うわけでございます。ただ、保険の制度に仕組みます場合の技術的な問題といたしまして、全部の農家の耕地を増収分と減収分とをあわせてそれぞれたとえば検見で収穫量をつかむというふうなことは非常な労力を要しますし、保険技術的にもそれを仕組むことは非常にむずかしいという問題があるわけでございます。そこで今回の全相殺農単方式を実現いたします条件といたしましては、カントリーエレベーターあるいはライスセンターといった収穫量を農家単位で客観的につかむことができる施設がある、またはそれに準ずるような、その地域の組合員農家の全体の収穫量を確実に把握をするような仕組みがあるところにつきましてそういう農単方式が初めて可能になるということになるわけでございます。したがいまして、農家が非常に大規模な被害を受けました際に手厚く補てんをされる制度としては全相殺農単方式、しかも一割足切りという方式は進んだ方式であるというふうに考えられますので、今後そのような客観的な資料を得る施設あるいは仕組みの発展を図りまして、この共済制度の促進を図ってまいりたいというふうに思うわけでございます。
○芳賀委員 ただ、問題は現在実施中の半相殺農単二〇%足切りもまだ選択的実施に入ってから日が浅いわけですね。だから、果たして現在の農単制度が実際に農災制度の中で定着したかというと、そこまでいっていないのです。局長も御承知のとおり昨年の北海道における台風六号あるいは五月上旬の集中豪雨等による大水害によってこの農単制度の弱点というものが明らかになったわけです。従来の一筆立て方式であれば一筆ごとの災害を掌握して、それに対する共済金の支払いができたわけでございますが、北海道において、五ヘクタールあるいは十ヘクタール経営の中において、水害の場合ですから全損というような形はなかなか出てこないのです。全面積の何割かが全損被害を生じても、それを農単で全面的に平均するとなおかつ共済金の支払い対象にならぬ、そういう欠点が生じたわけです。昨年秋の国会等においてもこの問題を災害対策委員会で私が取り上げて、行政上とり得る最大の措置を農林省としても行ったことは私も認めておるわけですが、それをまた今度は理想に近いとはいえ、全相殺引受の一〇%足切りということになるが、現在の半相殺方式と比較して、果たして実態論から言ってこの方が明らかに生産者、組合員である農家の立場に立って制度上利点であるかどうかという点については、私はまだ確信を持つに至っていないわけです。しかし一たん実施に入るとなかなかいい悪いをそう言っているわけにはいかぬですから、この点を農林当局としても、これについての実験等をやってこられたわけですから、確信のあるところをこの際具体的に例示的に示してもらいたいと思うのです。特に局長が言われた農家負担を現在制度よりもふやさぬということをたてまえにしてということは非常に大事ですから、その点も含めて。
○吉岡(裕)政府委員 先生御指摘の一筆引受方式というものが支配的な状況を占めております中で、半相殺農単方式及び今回の全相殺農単方式を推進していくということのために、やはり御指摘になりましたような一筆の耕地が全損といった被害を受けたような場合に、農単方式であるがために共済金の支払いが受けられないというふうなことは非常に農民感情にも反しますし、またそれが農単方式というものを推し進めていく上の一つの重要な障害になろうというふうに私どもも考えるわけでございます。この点、昨年北海道の水害等の場合にそういった具体的な例があったわけでございますが、今回の改正案の中には農単、これは半相殺、全相殺両方でございますが、農単方式で共済関係を持っております農家が被害を受けましてその経営する耕地の中に全損となったような耕地が出てきました場合には、いわばその部分を分離いたしまして損害を評価いたしまして、耕地ごとに共済金の支払いができるというふうな道を開いたわけでございます。これは農単で全然共済金の支払いが受けられない場合にも当然出ますし、また農単の方よりもこの全損耕地の損害の方が大きい場合には、共済掛金が大きい場合には、農単による共済金の支払いにかわりましてこちらで共済金の支払いをするという方式を開いたわけでございます。こういう方式を通じまして、農単制度に伴うデメリットと申しますか、そういうものを改善をしながら農単を進めていきたいというふうにいま思っておるわけでございます。 それから掛金負担の問題でございますが、これは四十六年以降いろいろ調査をいたしておりまして、この調査はまだ完全にまとまっておりませんが、このような調査に基づきまして全相殺農単方式の掛金を適正に決めるようにしていきたいというふうに思っております。
○芳賀委員 いま言われた全相殺の農単方式の中に、水害等の場合を配慮して全損耕地に対しては 一筆方式の特例を開くという点については、私も農林省の配慮のほどを認めておるわけでございます。 〔片岡委員長代理退席、山崎(平)委員長代 理着席〕 そこで、全相殺方式の特徴として、これはカントリーエレベーターとかライスセンター等の設置があるということが前提にならなければ、量的な掌握ができないわけですね。そこで、農協等の設備であるカントリーエレベーターあるいはライスセンターにおいてもみを玄米調整するわけですから、被害を受けたもみの場合は、玄米調整の中で政府に対する出荷用として適合する等級別の調整をするということになるわけですね。だから平年の場合にはそれほど大量な被害米というものはくず米として出てこないわけでございますが、被害を受けた場合、水害あるいは冷害等の場合においては、カントリーエレベーター等で一括玄米調整をした場合において、量的な面からは総体的な数量が掌握できるとしても、元来生産目的である出荷、販売に供される米であるかどうかということで調整するわけですから、被害認定の場合全部を含めて収穫量とするか、明らかに認定される被害米あるいはくず米というものは当然収穫量から除外して、正常な米の数量というものを収穫量と認定するかどうかという点は、これは技術的な問題として、特に全相殺農単引受の場合一番大事な点になると思うわけですから、この点を明確にしておいてもらいたいと思うわけです。
○吉岡(裕)政府委員 今日の一筆引受方式の場合に、お話ございましたようなカメムシによる黒色米でありますとか、麦の場合には穂発芽といったような災害が出てまいりまして品質が著しく低下したというふうな場合には、御承知のように損害評価の特例措置といたしましてその被害粒を控除して収穫量を決定するということをやっておりますし、特に米につきましては搗精試験をやりまして、搗精歩どまりの低下分を収穫量から除外をするというふうな道を開いておるわけでございます。ただ、これは一筆一筆あるいは農家農家ごとにこのような措置を決めることは技術的にも非常に無理でございますので、組合単位等の地域をとりましてそのサンプルについてこのような措置をやって、これから引き受けております農家の収穫量を導き出す、こういう措置をとってきておるわけでございます。したがいまして、今回の全相殺の農単引受方式を実施する地域について、カントリーエレベーター等の施設を利用して収穫量を把握するということになりますと、先生御指摘のように収穫量全体及び被害を受けております米麦の数量といったようなものがより農家単位に的確に把握ができるというようなことになるわけでございまして、私どもといたしましては現在開かれております特例措置というものが、このカントリーエレベーター等を利用してやる場合にはさらに的確にそういう措置がとりやすくなるという利点があるのではないかというふうに思っておるわけでございまして、具体的なこのやり方につきましては、法実施までにいろいろと検討を重ねて、結果を出したいというふうに思っておるわけでございます。
○芳賀委員 吉岡さん、これは大事な点ですから、法律が通った後で研究してなんというのでは遅いです。これが一番注目される点です。問題は、全相殺をやる前提は、必ずカントリーエレベーターあるいはライスセンターの施設があるということを前提にして収穫量あるいは被害率の全面的な掌握ができるということでこれに踏み切るわけですから、そうなれば、ライスセンターでその農家の収穫全量のもみを玄米に調整するわけですから、結局正しい収穫量というものは正粒歩どまりによって調整されたものが収穫量である。除外された被害粒あるいはくず米というものは被害数量の中に入るというこの区分ができますということにならなければ、国会でこの法律だけ通してみても、これを信頼して各共済組合が実施するということになかなかならぬと思うのです。細目のことは別として、大まかにそういう方法で収穫量あるいは被害数量の認定ができる。それが相殺農単方式の最大の利点であるというそこがはっきりしなければ説明の根拠にならぬと思うのです。これはむずかしい問題ですから場合によっては市川課長でもいいですよ。
○市川説明員 お答えいたします。 カントリーエレベーターやライスセンターの場合に、先生御承知のように検定を行います。その際に、たとえばカメムシみたいな場合には立ち木の段階でわからないものがその段階ではっきりわかるわけでございます。したがいまして、全相殺でやる場合には、先ほど先生もおっしゃいましたように、農家の収穫量を完全につかむわけでございますので、同時に農家がそうした災害によりまして品質が著しく低下したというお米ならお米の数量もつかめるわけでございます。したがいまして、その数量を減収量として把握し、それを収穫量から落とすということを当然やるわけでございますが、その場合に先生御承知のように一等から四等までの等級というのは非常に変動もございますし、必ずしもカントリーエレベーターに入れた段階では最終的にはわかりません。したがって、これは食糧事務所の検査ということになるわけでございますので、災害によって受けましたいわば規格外と申しますかそれと、規格内と申しますかこれとの差は歴然といたしますので、そうしたものについては十分な手当てをしたい、こう思っております。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、元来共済制度の理想とするところは損害の程度に応じててん補する比例てん補方式の実現が望ましいわけでございますが、農林省としては全相殺農単方式までようやく到達したわけでございますから、この次の段階ということになれば当然比例てん補方式の実現ということになると思うわけです。これについてもいま直ちにというわけではないが、やはり農林省としてあくまでも理想を追求して、正しい共済制度のあり方というものについては長年の検討もやっておると思いますが、今後の基本的な方針等については一体どうなっておるか。特に方針については農林大臣から示してもらいたいと思うわけです。
○安倍国務大臣 との方式として比例てん補方式が望ましい支払い方式というふうに考えられるわけでありますが、一方共済金の支払いが増大をし、掛金率が上昇して農家の掛金負担が著しく増大するという面、また損害評価の労力も著しく過重となるというような問題もあるわけでございます。また軽微な被害につきましては農家が農業経営上自家保険するということが基本でございまして、また道徳的危険を防止するというような観点からもある程度の足切りを行うことが必要であるわけであります。本問題につきましては、今後とも補償内容の充実という観点から長期的な視点に立って慎重に検討していかなければならない問題だ、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 それでは、この論議はいずれ次の機会にすることにいたしまして、もう一つ今度の農作共済の中で水稲の病害虫損害防止給付を制度化して実施するということになっておるわけですが、この実施の内容とか、どの程度の範囲においてこれが対象になるかというような点について大筋でいいですけれども、この際説明を求めておきます。
○吉岡(裕)政府委員 水稲病虫害の損害防止給付でございますが、これはまず病害虫の発生態様、それからどのような形の防除が行われているかというようなことは、地域的に非常に異なっております。そういう状況のもとで給付の内容を具体的に決めていかなければならないわけでございますので、私どもといたしましては、地域ごとの病害虫の発生状況、あるいは水稲の生産条件といったようなものを十分考慮しまして、防除基準それから給付限度額を設定するといったように、逐次各地域の防除の実態に即応するように努めてまいりたいと思っておりますが、地域といたしましては、条件があれば組合単位あるいは組合の地域が非常に広くて、その地域の中で地域の一部がそのような条件を持っておるというような場合には、組合の地域の一部もそのような地域として考えられるのではないかというふうに思っております、いずれにしましても、これは法施行までに具体的な地方の需要、要望等も聞きまして、その条件を具体的にして実施をするようにしたいというふうに思います。
○芳賀委員 第二の問題として家畜共済についてお尋ねいたします。家畜共済制度については、昭和四十一年並びに四十六年で相当大幅な改正並びに前進を示しておりまして、特に四十一年に包括共済制度というものが個別共済と並んで実施されたわけであります。それから四十六年にまた内容の改善が行われておる。今回の改正は特に掛金の国庫負担率の全面的引き上げ、是正が行われておるわけでございまして、その中でも牛については乳牛あるいは肉牛を通じて従来の包括共済における頭数別負担区分を全廃して、牛と名のつく家畜はすべて掛金の国庫負担率が二分の一というふうに改めることになるわけですから、これは私どもとしても多年の宿題が牛については解決できたというふうに考えておるわけです。 そこで、この際お伺いしたいのは、今度の改正を通じて、いままでは牛馬一体、歴史的に制度の中で国の掛金負担等についても牛馬を柱にして取り扱ってきたわけでございますが、今回の掛金の国庫負担の内容改正については、馬については牛と切り離してこれを現在の五分の二のままに据え置きをする、そして四十六年から実施されました種豚については、現在の三分の一国庫負担をこれを五分の二に引き上げをする。そうして肉豚については今回から全面的に本格実施をすることにして、これは三分の一の国庫負担ということになるわけでございますが、これを見ると、馬を牛から切り離して結局種豚並みにするという、そういう政策があらわれておるわけですね。この点が、私どもとしてはいかなる理由で馬を豚並みにしなければならぬかということについて、これは決して軽々しい問題ではありませんので、この際家畜共済制度並びに畜産政策上の問題としてまず馬の位置づけを明らかにして、そうして今回馬の国庫負担率をこれだけを据え置きにして豚並みにする、種豚並みですね、その理由をこの際明らかにしてもらいたいわけです。 それとあわせて、今度の国庫負担の引き上げによって相当額財政負担がふえることは、これはもう明らかになるわけでございますが、この改正案が実施された場合、この国庫負担の引き上げによって現在よりもどの程度国の負担額が増加するかという点、これはまあ総体でいいです。それともう一つは、馬についてもこの際二分の一国庫負担ということにした場合において、馬に対する国庫負担の増加額というものは現在よりどれだけふえて、農家負担の減少がどういうことになるかという、この二点について数字を挙げて明らかにしてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 おっしゃるように今回共済掛金の国庫負担を、牛につきましては二分の一、これはまあ特に牛について重点を置いたと思うわけですが二分の一、種豚につきましては五分の二に引き上げるとともに、肉豚につきましても三分の一の国庫負担を行うことにいたしたわけでございますが、馬につきましてはいま据え置きということで、その間、どういう理由でそういうことになったのかという御指摘でございますが、この点につきましては局長から答弁をいたさせます。
○吉岡(裕)政府委員 ただいま先生から牛馬一体ではないかというお話があったわけでございますが、わが国には昔から牛は牛連れ、馬は馬連れというようなことわざもございまして、必ずしも牛馬が一緒に歩いていくということではない点もあるのではないかと思いますが、それは別といたしまして、私どもが今回考えました点は、何と申しましても馬の全国飼養頭数というのが昭和五十年で約四万三千頭というようなことでございまして、最近三年間で五割減少し、今後もさらに減少する傾向にあるということでございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 特に農耕馬が非常に急激に減少をしておりまして、農業経営上の重要性という観点から見ますと、やはり何と申しましても馬より牛ではなかろうかというのが今日私どもの考えました点でございます。それで、過去の国庫負担の改善の際に、昭和四十一年改正の際には牛は三分の一ないし二分の一ということで、内容的にはかなり二分の一の要素が強かったわけでございますが、馬についてはやはり三分の一というふうに国庫負担を割合を決めておりまして、その点で牛馬について全く同様な国庫負担措置を従来とってきたということでは必ずしもないわけでございます。そこで今回の制度改正に当たりましては、先ほど申し上げましたような理由で、とにかく牛の縦割り二分の一というものを何としても実現をしたいということで、頑強にいろいろ意見を申しました大蔵省等に対しましてもこの点を強調いたしまして、牛の二分の一を実現をしたということでございますし、豚につきましては今回新たに肉豚として共済度制に入ってきたということもありまして、三分の一というような負担割合になったわけでございます。したがいまして、馬については現行の負担割合の五分の二の据え置きという結果になったわけでございます。 なお、今回の改正で国庫負担の増といたしましては、家畜共済だけの国庫負担の増は約二億二千万円ということになっております。 それからもし馬を……(芳賀委員「縦割り二分の一になって、そんなものじゃないでしょう、牛から豚から全部だよ」と呼ぶ)純増分といたしましては、二億二千万円ということになります。 それから馬を御指摘のような二分の一国庫負担ということになりますと、ざっとした計算でございますが、約四千二百万円の国庫負担の増ということになるようでございます。
○芳賀委員 大事な畜産政策上における馬の位置づけというのはどう考えていますか。これはむしろ大場畜産局長の担当ですから、これは局長、大事な問題ですよ、にやにや笑ったような答弁じゃこれは済まぬですからね。
○大場政府委員 先ほど経済局長から御説明いたしましたように、ことに農用馬の激減傾向というのはひどいわけでありまして、この十年間で一割三分ぐらいに下がってしまった、それから五年の例をとりますと、三分の一以下に下がってしまった、こういうような状況でございます。これは当然農機具使用というようなことを初めとする農業を取り巻く客観情勢の著しい変化から起因するものでございますが、しかし全国的に見てそういう意味におきましては他の家畜に比べて農業経営に占めるウエートといいますか、そういうものは非常に低下したということはこれは否定できないだろうと思います。しかし地域的に見てたとえば急傾斜地域とかあるいは山村地域、そういったところにおきましてはやはり補助的に農業経営の中に占める割合というものは相応にある。ことに北海道におきましては、大体年によって違いますが、五十年で言いますと六八%、あるいはその前後の年で言いますと大体七五%から六八%ぐらいが北海道に集中しているということでございまして、そういった地域にとりましてはやはり馬の農業経営に占める割合、ウエートというものはなお軽視できない、かように考えているわけであります。そういう意味におきまして、私ども決して馬を軽視するというような態度ではございませんので、たとえば国におきましても十勝の種畜牧場におきまして馬の、農用馬としての、これは農用馬でございますが、育種改良を進めたりあるいは種馬の譲渡、貸付事業というものをして生産の確保を図っているわけであります。 なお、別に軽種馬の問題につきましては、競馬の規模拡大に伴いましてこの十年ぐらいの間に二・四倍ぐらいにふえて規模が拡大してきているということでございまして、これにつきましてはいろいろ中央競馬会あるいは地方競馬全国協会、そういうところからいろいろの助成をしているわけであります。 なお、農用馬につきましては、国の十勝種畜牧場だけの育種改良事業だけではなくて、地方競馬全国協会等からもそれ相応の助成措置を講じているということでございます。
○芳賀委員 昔は農林省の中に馬政局という一局があったわけですからね。馬の頭数が減っておる。結局農耕馬については全国的に農業の機械化によって、農耕馬あるいは北海道以外は昔から役牛によって農耕をやってきたのですが、それが一変した事情はわかるが、しかし、それだけで馬の振興問題というのは済まされないと思うのです。大臣におかれてもあるいは大場局長におかれても、ヨーロッパあるいはアメリカ等の農業事情あるいは畜産事情とか馬産あるいは馬事振興の状態というのは調査されておると思うのですが、ヨーロッパ等においては全面的に農耕作業が機械化したからもう馬は要らぬというようなそういう政策はとっていないのですね。どこへ行っても相当数の馬を大事に保有して、そうして時代に適合した馬の活用というものを国民生活と合致させてこれを行っておるわけでしょう。日本の場合は、戦後三十年自民党政治のもとに置かれておるわけだから、すべて経済合理主義ですね。機械が出たら馬は要らぬ、何は要らぬということで、切り捨て、切り捨てでやっておるから、農業の状態も畜産の状態も馬の状態もこういうことになったわけです。これ以上もう馬産を減退させぬというようなもし意欲があるとすれば、相当思い切った政策というものを畜産政策の中で確立する必要があると思うのです。 だから、家畜共済というのは、午前中に審議した年金などと類似した点もあるわけです。私は今回の質問に当たって、馬に関する統計資料を集めたのですが、ほとんどこれはないのです。畜産局にもないし経済局にもない。ようやく統計調査部からわずかな保存資料でその内容を数字として出してもらったのですが、一体きょう来ておる関係局長の中で——全国的に馬に関する飼養戸数あるいは都道府県別の飼養頭数、あるいは北海道が全体の均七〇%以上を占めるわけですが、北海道における支庁管内別、市町村別の戸数とか保有頭数というものは、以前は克明に統計調査資料として毎年報告されてきたのですが、もうそういうものをやってないでしょう。統計上から見たら、馬の部なんというものはないのです。「その他家畜」の中にわずか、ようやく探し出すというような状態ですからね。これは大臣、大事な問題だと思うのです。吉岡局長も局長就任以前は統計調査部長として特に生産費調査の問題等で相当の業績を上げたことは認めていますが、この大事な畜産統計上ますます馬というものを閑却したということは大きな手落ちでなかったかと思うわけです。こういう点について一体どう考えておるのですか。 宮下主計官、来ていますね。——そこで、日本の畜産の中で国家財政に最も寄与しているのはいかなる家畜であるかということは、もう宮下さん、一番知っているわけでしょう。たとえば中央競馬会の益金からの国庫納付金についても昭和五十年度の実績額は一千百十一億円ということになっておる。五十一年度の見込み額は一千百七十七億円。それから地方競馬全国協会というのがありまして、この協会における畜産振興事業費の補助金額というものが、五十年度、これはまだ見込みでありますけれども、九十三億円、五十一年度の見込み額が同じように九十三億円。これを合わせると約千二百億を超える。日本の馬という家畜がおることによって、それが国の財政に寄与しておる。 もちろん、われわれは競馬というのはギャンブルというふうに規定して、全面的に奨励とか賛成ということは言っていませんが、とにかく現在の制度下においてはこの競馬等を通じて一千数百億の納付金というものが、国庫あるいは地方競馬の収益を通じて畜産振興のために活用されておるわけですから……。 そういう点から見ると、私は今回馬の国庫負担を据え置いたということは、これは大蔵省の角度であれば最も財政的な貢献度合いの高い馬を粗末にして豚並みにするなんということは考えないと思うのです。結局、農林省における畜産政策上あるいは家畜共済制度の上においてこの馬というものをことさら軽視する結果というものがこういうような改正案の中にあらわれてきたのでないかというふうに思うわけですが、これは大臣もこういう細かいことというので気がついていなかったと思うのですが、当然、今回の改正の中で私はこの馬についても従来の課題である二分の一国庫負担をあわせて実行すべきであったというふうに考えておるわけですが、これに対して農林大臣から責任のある答弁を願いたいと思います。
○安倍国務大臣 いま畜産局長からも答弁いたしましたように、馬につきまして決して軽視をしておるということではないと私も思うわけでございますし、またいまお話のありましたように馬がたとえば競馬というようなものを通じまして畜産振興には大きなウエートを持っておることは事実であります。農用馬の方は非常に減っているわけでありますが、競馬を通じましての畜産振興には大きなウエートを持っておるということはわれわれも十分に理解をしておるわけでございますが、牛が二分の一だけれども、これは二分の一にしないで種豚と同じような五分の二にしたということにつきましては、今回私の聞いた範囲では牛を二分の一にするというところに非常に重点を置いということ、また馬の飼養頭数がだんだん減っておるというふうな点もあるわけではないか、こういうふうに思うわけでございますが、しかしいまお話のような点も十分われわれとしても理解できるわけでございますし、今後の畜産の振興も積極的に進めていかなければならぬわけで、そうした畜産の動向というものも十分踏まえながら、これは関係方面とも連絡をとりながらこれからの問題として検討してまいらなければならないと考えるわけです。
○芳賀委員 そこでこの際率直にお尋ねしますが、いまこれは審議中ですから、だからこれは手落ちであった、この際これは二分の一にすべきだというお考えがあれば、これは委員長のもとにおいてもうたびたび修正等をやっているわけだから、そういう御意思があれば喜んでこれは委員会修正ができるわけですね。しかし、せっかく政府案としてまとめて出したのだから今回は困る、そのかわり次回の農災制度の改正等の時期には必ずこの分は、馬についての国庫負担二分の一を実現するとか、どちらかについて大臣から明快にしてもらいたいと思います。頼むから直してくれと言うのか、次回の改正の際必ず牛並みに、牛と同じように一体化して二分の一に直すようにするとか、二者択一と言っては大げさですけれども、そのいずれかを決着をつける必要があると思うのです。
○安倍国務大臣 今回につきましては、これは政府案として提出したわけでございますし、予算の面も伴うわけでございますし、今回はこの政府案をひとつ御了承をいただきまして、これからこの次の問題としては、先ほど申し上げましたように、馬産の重要性というものにつきましても畜産振興との関連から見ても非常に重要でございますので、これは真剣に検討して善処をしたい、こういうふうに考えるわけであります。
○芳賀委員 せっかくの大臣の発言ですから、次に進みたいと思います。次は、家畜共済の中で今回は診療点数の改定あるいはこれに伴う獣医師の待遇改善、つまり診療報酬をもって獣医師の人件費に充てる仕組みになっておるわけですが、この点についてはわれわれとしては昭和五十二年度が診療点数等に関する改定期であるというふうに考えておるわけですが、その点は事務的にどうなっていますか。
○吉岡(裕)政府委員 次回の改正の年度は五十三年度ということになっております。
○芳賀委員 それでは、五十三年度が改定期ということになれば、それまでに診療点数等の問題については相当具体的に改善の案を固める必要があると思いますけれども、その方向あるいは概要等についてはどう考えていますか。
○吉岡(裕)政府委員 家畜診療所のあり方につきましては、ことし学識経験者等にお集まりをいただきまして、今後のあり方としていろいろな角度から検討を加えたい、そしてその結果をできるだけ今年中に取りまとめたい、そういう方向で検討したいというふうに思っておりますので、その検討過程の中で十分研究をさしていただきたいと思います。
○芳賀委員 これは、検討過程において随時必要な場合はその作業の実態等について何らかの方法で報告等をしてもらいたいと思いますが、どうですか。
○吉岡(裕)政府委員 適切な段階でそれぞれまとまる段階があるかどうかはこれから検討会のいかんによるわけでございますが、それぞれの必要な段階で特に御希望がございましたならば、私どもとしては検討の中間報告をすることにやぶさかではございません。
○芳賀委員 次に、今回の改正案においては、家畜診療所の経営安定のために法律の規定に基づいて特に不振と見られる診療所の健全な運営等について助成をするということになっておりますが、これの具体的な対応の内容について準備ができておれば示してもらいたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 具体的内容につきましては、担当課長から御説明をさせていただきたいと思います。
○大塚説明員 保険業務課長の大塚でございます。 五十一年度の予算措置といたしまして家畜共済不振地区対策費を計上いたしました。これは、加入率が低い、したがって危険率が高い、危険率が高いから掛金率も高い、したがって加入がいよいよむずかしくなる、そういういわば悪循環を繰り返しているような地帯の加入を推進して家畜共済事業の安定を図るというためには、ここでいわば人間の集団検診のような、損害防止を兼ねた引受検診を行いまして加入を勧誘し、損害防止の具体的な指導をする、こういうことで四千万円ほどの経費を計上しております。 何が不振地区かは、相対的なものでございますが、私どもとしては標準率の全国平均を著しく上回るような組合等、これを不振地区と定義いたしまして、年次計画をもって逐次加入の推進を図っていきたい。その過程で獣医師の技術的な援助を仰ぐ、それに対しては必要な手当を支払う、こういうことで加入の推進、それから危険率の安定、獣医師の協力体制、こういうことを図りたい、このように考えております。
○芳賀委員 次に、大事な点だけについてお尋ねいたします。 今回の改正案の中に農業共済団体の役員等の無投票当選制の導入の事項があるわけですが、四十六年の法改正の場合もこれと同様の趣旨の改正案が出されたわけです。その際は、果たして共済団体の役員の選挙の投票省略規定というものを今後の共済組合団体の健全な運営の面から見て必要とするかどうかということを慎重に検討した結果、これは政府の改正案を委員会において削除する修正を行ったわけです。理由を明らかにして削除したわけです。それがまた今回、全く同様の趣旨で再度無投票制度の導入ということで提案になったわけですが、この際、なぜ二度にわたってかかる投票省略規定というものをわざわざ法律の改正の中に提案しなければならぬか、その真意を明らかにしてもらいたいと思うわけです。
○安倍国務大臣 農業共済団体の役員等の選挙につきましては、最近における農業及び農村事情の変化等によりまして、立候補者が選挙すべき役員の定数以内である場合が多いわけでありますが、その場合においても現行法によると必ず投票しなければならないとされておるわけであります。しかし、最近において組合が広域合併が非常に進んでまいりました。それに伴いまして、共済団体側から組合の自主的判断により投票を省略できる措置を講じてほしいという要望が出ておりますので、今回無投票当選制度を導入することとしたわけでございます。 この無投票当選制の導入は、最近における組合区域の広域化の方向にも即するものであり、またこの制度を導入するか否かは組合の自主的判断、これは定款に決めるかどうかということであると思いますが、この組合の自主的判断にゆだねられているほか、たとえ定款に無投票当選の規定を設けたとしても、立候補者が選挙すべき役員等の定数を一人でも超えた場合には必ず投票しなければならないものである点等から見て、組合運営の民主化に反するものではない、こういうふうに考えておるわけであります。
○芳賀委員 大臣、この問題の弊害となる点は、投票省略制度を盾にして、必ず無投票になるような工作というものが行われるわけです。結果的に定数に満度であるという場合は別として、投票省略制度というものがあるのだから、この際何とかして枠内でやるというようなことになると、それが果たして今後の共済制度の全体の組合員の意思を反映した健全な運営に資することになるかどうかという問題があるわけです。大臣にしても私にしても、たびたびの選挙で出てきておるわけですから、衆議院が投票省略制にでもなれば、至って気楽なことでございますが、そういう厳しい選挙あるいは全体の信任というものが投票を通じて明らかになるわけですから、それを省略するということは決して奨励すべき点ではないと思うのです。しかも、これは改悪につながることになるので削除すべきであるというふうに、四十六年にこの委員会で修正したわけですから。その後、それほど事態の変化というものはないと思うのです。しかも、共済組合というのは、組合員である農民が自主的に組織した団体であって、政府が官製で押しつけているわけじゃないのだから、自分で加入して、自分たちの最も利益になる組合の運営をするということになれば、信頼できる役員あるいは総代を選出をして、そして当選した役員も組合員の信任にこたえて十分な責任ある努力をするということが最も好ましいと思うのです。しかも、毎年とか毎月やるのじゃなくて、三年なら三年の改選期だけにやるわけですから。そうしないと、全く関心をなくしてしまうと思うのです。今度もだめだとか、けしからぬというわけじゃないですけれども、どうして前回だめになったのをもう一回おこがましく出してくるかという点がわからないのです。絶対にこれは必要だ、これをやらなければ、今後共済団体運営に支障がくるというような特別の事由等があれば、これは慎重に考慮する必要があると思うのですが、大臣の先ほどのお話では、広域合併で区域が広がった、投票に参加するのが煩瑣でしようがないというようなことは理由にならないと思うのです。共済組合が提出したのじゃないですからね。内閣提案ですから、政府としてよほど根拠のある理由がないと、簡単にいかぬのじゃないかと思うのですがどうですか。
○安倍国務大臣 組合の民主的な運営ということから考えれば、確かに選挙というのは一つのたてまえだと思うわけであります。しかし、先ほど私が申し上げましたように、合併が促進されて組合が非常に広域化した、そういうふうなこともあるし、また定員以内の立候補が非常に多いというふうなこともあって、団体側から、前回と違いまして、今回は特に非常に強くこの点について要望があったわけでございます。そしてこの制度は、森林組合や土地改良区、水産業協同組合等におきましてもすでに導入されておるわけでございます。さらにまた、定款等によって自主的に組合がこの制度を導入するかどうかが決められる、こういうことになっておりますので、こういう制度を導入するということは、現実的な面から見て、これからの組合の運営においては組合側の要望が非常に強いわけでございますし、この方向で十分組合の民主的な運営というものはやっていけるのではないか、私はそういうふうに判断をするわけでございます。
○芳賀委員 幾ら広域と言ったって、北海道が一県単位の共済組合になるということはないでしょう。われわれの衆議院の選挙区も相当広大ですし、参議院では地方区とか全国区というのがあるのです。それでも、衆議院は二年半に一遍解散、総選挙。決して投票は省略しないということになっておるのです。だから、広域合併をやって、それで投票場が遠隔になったからこれは大儀だというようなことでは、本当に共済組合というものは発展しないと思うのです。これに特にこだわるわけではないですけれども、こういう道を開くことによって、この方針で指導して、こうやりなさいというような政府の方針や態度であれば、これは絶対に容認することはできないと思うのです。だから、このけじめをちゃんとつける、決してこれを奨励方針とはしないというような確約ができれば、これは十分に判断しなければならぬと思うのですが、その点はどうですか。
○安倍国務大臣 この制度は、政府が押しつけるとかあるいは奨励するとかという筋合いのものでは全然ないわけでございまして、組合側の方の、団体側の方の強い要望がございましたので、そういう道を開いて選択を求める、こういうことでありますから、政府としてはこれに対して奨励するという考えはございません。
○芳賀委員 最後の一問ですが、今回の改正案には出ておりませんが、畑作物共済制度の本格実施をいつ行うかという問題であります。 これは、昭和四十八年に畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法が成立いたしまして、自来畑作共済並びに園芸施設共済が四十九年、五十年と二カ年にわたって指定組合を中心として実施されておるわけです。今年度は三年目の試験実施に入るわけですが、この点は、四十八年の法案審議の場合も、私どもとしては少なくとも三年間を限度として試験実施を行って、その結果——実際問題として、こういうものは実験してみなければわからぬというわけではないはずです。たとえば、肉豚共済は今度の改正で一遍に本格実施をやることになるわけですから、ふだん農林省の皆さんが勉強しておれば、三年実験してみなければわからぬというわけはないはずです。北海道においては、この実験開始前に、北海道が中心になって三年間実験をして結果をまとめておるわけです。それを踏まえて農林省が臨時措置法をつくって、そしていま試験実施ということになっておるわけです。だから、もう一年試験実施を続けて、その結果だけに待つというのは弊害が生ずるわけでありますから、先ほどの農作物の水稲共済等についても相当大幅な制度の前進であるし、あるいはその補てん内容の改善にしても、基準になる米価については、前年度、五十年度の一俵当たり一万五千五百円というのが今度は一〇〇%価格保障の対象になるわけです。畑作の実験をやっている間に他の共済制度というのはどんどん前進しているわけですから、むしろそういうものを踏まえて、せっかくやり出したのですから、もう一年実験をして、そうして少なくとも五十二年をめどにして改正案を国会に提案されていよいよ畑作共済の本格実施をやるべきではないかと考えるわけですが、この点について農林大臣の意欲的の方針を示してもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 畑作物共済につきましては、御存じのように北海道それから鹿児島県、沖繩県におきまして実施をいたしておるわけであります。この試験実施につきましては料率算定に必要な被害率等の基礎資料の整備あるいは損害評価方法等につきまして調査を行うためのものでございますが、適正な被害率の算定には最低三年から五年間の被害状況のデータが必要とされるということでございます。そのために本格実施は、いま五十二年というふうなお話でございますが、五十四年以降になると考えざるを得ないわけであります。しかし、その時期につきましては可及的速やかに行われるようにこれからも努力をしてまいりたいと考えております。
○芳賀委員 それでは五年間、余り効果のない実験を続けるということになるのではないですか。幾ら実験を続けても、いまのような方式では成果は出ないですよ。たとえば、対象作物を集めた、一種の農単方式と言っておりますが、これは厳密に言えばむしろ家畜の包括共済方式に類似した点があるわけですね。あるいはまた農家が希望しない安全作物も危険分散の意味からそれを対象に無理やり加える。そうして全体の危険度を引き下げるというような方式でいま実験しているのだが、こういう実験は幾らやったって意味がないと思うのです。 それから基準反収の問題にしても、あるいは大事な共済金支払いの基礎になるそれぞれの対象作物の基準価格というものを一体どういう実態把握でやるかという問題等、最初から問題のあるやり方で実験をしているのだから、実際実験を担当した共済組合は迷惑千万ということになるわけです。だからこういう実験を長くやっておれば、先へ行けば行くほど畑作共済に対する本来的な期待が失われて、こういう畑作共済制度であればむしろ参加しない方がいいというような、逆に水をかけるような結果になるということを恐れて、私は早々に三年ぐらいでこれを切り上げて基本的な方針の上に立って畑作共済制度の本格実施に踏み切ってはどうかということをこちらから農林大臣に提起しておるわけですから、そこを履き違えぬようにして答弁してもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 いま私が調査だけで五年かかると言ったように受け取られたわけでございますが、スケジュールとして本格実施するのが昭和五十四年度ということで、調査、試験実施の成果は三年あればいい。いまおっしゃるとおりでございます。 そこでわれわれのスケジュールとすれば、昭和五十一年に試験実施の成果の取りまとめを行って、五十二年に本格実施制度の検討会を行い、さらには法案の国会提出も行わなければならぬ。五十三年に法律の成立を図り、制度の普及も必要ですから、普及推進を図って、五十四年から本格的な実施を行いたいというのがわれわれのスケジュールでございます。
○芳賀委員 わかりました。
○湊委員長 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 まず、野菜の出荷資材の問題でお聞きするわけでありますが、先ほども同僚議員の質問の中にもあったようですけれども、特に包装資材ですね、これが木箱からダンボールにかわりまして、そうしないと卸売市場では荷受けしない、こういうことでありまして、これまでわずか二十円か三十円で済んだものがいま七十円くらいするわけですね。年間にしますと約二十万円から三十万円の費用がかかり増しするという状況があるわけでありまして、せんだって私も秋田市の中央卸売市場を見た場合に、大概の人がそういう問題を大変重要なこととして出しておったわけです。 そこでお聞きしたいことは、従来通い箱でいろいろやっておったわけでありますので、そういう点をひとつ国がもっと指導すべきではないかということですね。同時にダンボールが非常に値段が高いわけでありまして、こういう点についての行政指導をして抑えてほしいということです。 同時にもう一つの問題、たとえばホウレンソウなんか見ますと全部平束で、そのためにわらのひもをたたいて、なわをつくって、そういうかっこうで難儀しているわけですね。そういうことより丸束のまま出荷できるように指導すべきだし、一部そういう実態もあるわけでありますが、こういう出荷資材のむだな経費あるいはむだな労力、こういうものに対して皆さん方がどうお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 お話しのように包装資材は固定経費でございますので、これに多くの経費をかけるということは全く好ましいことではございません。そこで農林省といたしましては、包装資材費の低減を図りますために、極力簡易な包装をするように指導をいたしておるところでございます。先般もお話のございました通い容器の実験事業をいたしたことがございます。ところが、通い容器ということにいたしますと、容器そのものに相当経費がかかる、それからそれの回収に非常に手間がかかる、それから回収率がどうしても悪くなるということで、かえってなかなか経費がかさむというふうな問題点を含んでおります。そこで私たちといたしましては、そういう実験的な助成事業も踏まえまして、今後包装資材費の節減と省資源という立場から、通い容器による出荷を促進する輸送合理化推進事業を本年度から新たに実施をすることにいたしております。予算的経費が三億一千万程度でございますが、輸送設備でありますとか、選果包装施設でありますとか、予冷保蔵施設等に補助いたしましてそういうふうな輸送の合理化事業を実施いたしたいと思っております。 それから、御指摘のようにホウレンソウについても、丸束というようなかっこうでの出荷ということにつきましても今後検討してまいりたいと思いますが、一方また消費者におきましても、きれいな容器に入っておる物が必ずしもいい物とは限らないわけでございますから、その辺の理解を深めるようなことにつきましても十分意を用いたいと思っている次第でございます。
○安倍国務大臣 私も市場に参りましてその点をよく痛感をするわけでございますが、結局見かけだけはきれいでもそれだけ費用がかかる、それがまた消費者価格に転嫁されるということになるわけでございまして、これまで消費者の対応という面もあったわけでございますが、そうしたむだな見ばえだけをつくろうというやり方は、農林省としてできる限りの行政指導等をいたしまして改善をしていくということは、今後とも積極的に努力してまいりたいと思います。
○中川(利)委員 ですから、たとえば段ボール箱だと七十円、秋田あたりでは大体そういうことになっておるわけですが、場合によれば野菜の暴落が激しいので中身の野菜が段ボールの値段にも負ける、こういう状況さえ生まれるわけでありまして、この点については私は強く指導していただきたいと思うのです。 同時に、実験事業をことしから行うことになっておりますが、たとえばいま、私自分の秋田のことばかり言うて申しわけないのですけれども、具体的に言うと、秋田の中央卸売市場の場合、どうなるのか。そういう点、ちょっともう一言触れていただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 今年度から実施いたします合理化事業は、数年前に行いました実験事業を踏まえましての本格実施でございまして、秋田県等につきましても今後実施段階で十分検討させていただきたいと思っております。
○中川(利)委員 今度秋田市が指定消費地域に新たに追加指定されることになっているわけでありますが、これはもう皆さん大変喜んでいらっしゃるのですね。ところが問題なことは、そのために見合う指定産地がわずか五カ所しかないわけであります。そうすると、せっかく消費地域に指定されましても、価格補てんの対象にはならない分野が非常に多いわけですね。参考までに申しますと、山形はまあ少ないわけですが、東北全体でも相当の数が、たとえば福島は二十三の指定産地があるし、宮城、岩手は十九の指定産地がある。秋田だけが五カ所というのはまことに少ないわけでありますが、この指定産地をふやすということ、これはもう私の方の県としても緊急な課題で、それなりにいま新しい野菜団地づくりに精魂込めているわけでありますが、この指定産地をふやすための要件といいますか、そういうことについてひとつどのようにお考えになっているか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 指定消費地の指定が行われますれば、それに見合う産地もまた指定できるわけでございますから、指定消費地の指定が行われまして以後の指定産地のそれに見合う指定の増加といいますか、産地の拡充ということについては十分配慮してまいりたいと思います。 そういう意味合いにおきまして指定消費地を拡大いたしますとともに、指定産地の指定要件の緩和を図る等によりまして指定産地自身も拡充をしてまいる方針でございます。
○中川(利)委員 価格の問題は後でやるわけですが、指定野菜というのは全野菜の七七%、こういうかっこうになっておるようであります。価格保障をそういう該当の野菜に対してやっているわけでありますが、大体そういうことで、おおむね野菜問題について厚い手当てをしているのだという御認識なのかどうか、ここら辺はいかがでございましょうか。
○今村(宣)政府委員 指定野菜の種類は現在十四種類に及んでおりまして、野菜生産の中におきますそのもののウエートは相当高いのでございますが、指定産地から指定消費地に行きますものを補てんの対象にいたしておるわけでございますから、そういう意味合いにおきましては一定の比率を持つことに相なるわけであります。したがって、私たちといたしましては、そういう補てんの範囲を拡大するという意味合いにおきましても、指定産地を広げ、指定消費地を広げることによって、いままで六大都市余を中心にしました野菜の出荷安定制度を、県庁の所在地を含みますまでの範囲に拡大しようという趣旨でございます。
○中川(利)委員 大臣、あなた十分おわかりだと思いますが、野菜の全収穫量は昨年で千五百五万トン、うち指定野菜が千百五十六万トンあるわけですが、そのうち価格補てんの対象になっている野菜はわずか百万トンしかないのですね。そしてこういう状況の中で価格保証なりをやっているかというようなことになりますと、おせじにも十分だなんて言えないと思うのですね。したがって対象地域をふやしてそういうことのないようにするという方向はわかりますけれども、実態がそういうことであったということについて御認識ありましたか。大臣、補てん対象がたったの百万トンであったのですね。
○安倍国務大臣 そういうふうな状況でありますから、野菜制度の根本的な改正を行って、そして対象品目もふやし、そしてまた指定消費地もふやして、そして野菜の価格の安定というものを図っていかなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。
○中川(利)委員 そういう状態であった、わずか百万トンぐらいしか補てんの対象になっておらなかったという実態があるから今回いろいろ考えた、こういうことでありますけれども、しかしそれにしては対象野菜に対するあれこれの条件、これは非常に複雑多岐というか、網の目がかけてありまして、たとえば指定野菜でやっているでしょう、指定産地の産でなければならない、あるいは指定消費地域に出荷されたものだとか、あるいは定められた期限内に出荷されたものだとか、契約数量がどうだとか、こういうかっこうになっておるわけであります。したがって、生産者から言わせますと、これではなかなか大変だ、何とかならないかというのです。出荷時期なんかの問題を見ましても、工業製品ではないのですから相手はお天気さんでどうにも変わる、そういうのが野菜の特性なわけでありまして、したがって、出荷時期の多少のずれを認めろ、こういう声もあるわけであります。そういうことについてちょうどいま大臣の御発言もありましたが、これは検討する必要があるのじゃないか、そういう反省の上に立っているとするならば、こういうことについて大臣、どうですか。
○今村(宣)政府委員 ちょっと私から補足的に御説明させていただきますと、現在の制度は指定産地から指定消費地に出荷されるものであって、しかもそれが共同出荷という形をとるものについて価格補てんの対象にいたしておるわけでございます。これは指定産地から仮にどこへでも行くものについてもさらに補てんの対象にするとか、あるいは指定野菜であっても、指定産地以外のところでできたもので指定消費地に行くものであるということを仮に制度に乗せて価格補てんの対象といたしましても、それは実際上、そういう野菜の流れというものを把握することは非常に困難でございます。したがいまして、現在の制度といたしましては、指定産地から指定消費地に出荷されるものであって、しかもそれを共同出荷という形で行うということによって生産出荷の安定を図ろうとするものでございますので、そういうたてまえのもとに指定産地及び指定消費地の拡大を図ることによって、また一方、生産者団体の共同出荷の機能をさらに活用することによって、野菜の生産出荷及び価格の安定を図ろうとするものでございます。
○中川(利)委員 そういうことだと、先ほど言いましたように四十九年度千五百五万トンもあった全収穫量の中で指定野菜が千五百五十六万トンですね。その中でわずか百万トンしか対象にならない。そうすると、あなた方のおっしゃる今度はこれだけふやすのだぞということであなた方が見込んでおる価格補てんの対象となる野菜の数量というのは、どのくらいを考えているのですか。
○今村(宣)政府委員 先生のおっしゃいますように、昭和五十年度においての対象の数量は約九十三万九千トンでございますが、交付予約数量は指定野菜の指定消費地域に対する出荷量の二〇%であります。このうち指定産地からの入荷量に対しては四〇%を占めておるわけでございますから、野菜全体のウエートとしてはお説のように低うございますけれども、いまの制度のたてまえのもとにおける対象数量としてはある一定のウエートを持っておると思います。この数量をどの程度まで高めるかということは、今後の指定産地の指定の問題あるいは指定消費地の指定の問題あるいは共同出荷にどの程度乗っていくかという問題で一概にどこまでと言うことはできませんけれども、私たちとしましては、事業内容の改善を図り、指定産地及び指定消費地の拡大を図って、その交付予約数量の増加に最善の努力を払いたいというふうに考えておる次第でございます。
○中川(利)委員 私が聞いたのは、予算上の対象数量です。いままでの実績によれば百万トン前後ですね。今度はそれを予算上に何ぼのせるか、このことを聞いたのです。
○今村(宣)政府委員 百二十万トン程度を見込んでおります。
○中川(利)委員 実態はそういうことなわけですね。百二十万トン程度。だからそういうことで価格補てんだというようなことはいろんな条件の中でやむを得ないとあなたおっしゃるけれども、本当に野菜価格を安定するとするならば、もう一つ突っ込んだところでやはりお考えにならなければならない。いま言ったような出荷時期のずれの問題これは何とかできることだと思うのですが……。 それから、一つの指定産地の野菜の対象地域を余りきつく限定しないで、対象地域以外のものも補てん対象にするとか、何かの知恵がありそうなものだと思うが、こういう状況の中では遅々として——本当に野菜価格を安定するものにはならないというふうに思うのですが、これは大臣、一言でいいからあなたから御意見ありませんか。
○今村(宣)政府委員 先ほど出荷時期の調整、出荷時期の運用問題が出ましたので、私から御説明をさせていただきますが、対象出荷期間につきましては、従来から産地の生産出荷の実態に留意しまして、いろいろそれの適正な運用に努めてまいったわけですが、今般その出荷時期の改善を図ることによりまして、たとえば種別の統合でございますが、冬キュウリと春キュウリというふうに決めてありましたのを、これを一括しまして冬春キュウリというふうに出荷時期を統合するということにいたしますと、その出荷時期はずっと延びてくるわけでございますから、そういうふうに種別の統合あるいは価格補てん期間を延長する。たとえば夏白菜はいままで八月から九月まででありましたのを七月下旬から十月の上旬ぐらいまで延ばすというふうに、御指摘のございました出荷時期につきましてもそういう弾力的な運用ができるように改善を図っておるわけでありまして、今後とも産地の実態に応じたそういう弾力的運用には十分努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○中川(利)委員 あなた方そういうかっこうで十分手を尽くしてこれまでもやってきた、これからももっとよくやるということはわかりますけれども、そういうかっこうの中で野菜の作付面積あるいは指定野菜の作付面積、あるいは野菜作農家、こういうものはどんどんふえてきたのか減ってきたのか、どうなんですかそこは。
○今村(宣)政府委員 野菜の作付面積は、この一両年を見ますとごくわずか減少をいたしております。野菜作農家も減少をいたしておりますが、そういう分を反収の増加で補っておるというのが実情でございます。
○中川(利)委員 あなた反収で補っているなんて言ったって、私のところに資料があるのですが、昭和四十年と四十九年の比較では、野菜の作付面積ですが、四十年が六十六万ヘクタール、四十九年五十九万ヘクタール、うち指定野菜を見ますと、四十年四十三万ヘクタール、四十九年が三十七万ヘクタールですよ。どんどん減っているのです。野菜作農家四十年四百八十八五尺四十九年は四百十五尺一体これは何ですか。なぜそうなっているのですか。あなた方の筆法からすればもっとふえなければいかぬはずだが、その点どうですか。
○今村(宣)政府委員 野菜の生産の形態の変化ということ、一言で申しますとそういうことであろうかと思います。 野菜の生産の形態は、従来の、たとえばこの十年前を考えてみましても、現在とは相当な生産の形態の変化というのがございます。したがいまして、そういうもとにおきましてはやはり農家数というのは従来減少をしてきたのであろうと思われます。一方また消費の形態も平準化、広域化をいたしておりますので、そういう生産の形態の中におきましてたとえば産地の集団化、それの反収の増加による能率化、こういう形の傾向を示しておるものと理解をいたしております。
○中川(利)委員 野菜の生産形態の変化で年々作付面積も農家戸数も減る、消費の形態の変化が年年作付面積も野菜農家も減らしてきた、具体的にどういうことですか。
○今村(宣)政府委員 これは生産の形を見ていただきますと、従来は自分のところで食べます野菜は自分でつくる、それから野菜専業農家といいますか、そういう形のものも比較的少ないということであろうかと思います。したがいまして、現在の状態におきましては野菜の生産の団地化と申しますか生産の地域的集約化と申しますか、そういうことが一つであろうと思います。 それから同時にもう一つは、やはり施設栽培その他におきます、そういうことに重点を置いた施設野菜につきましては相当な面積が増加いたしておりますが、そういう集約的な施設野菜の生産という問題であります。したがいまして、そういうふうな農家戸数の減少がすなわち生産の増加につながるのではなくて、農家の施設園芸を含めました生産規模の拡大といいますか生産規模の増大と、それと申し上げましたような一般的な野菜作の、自給的な野菜作プラス若干の出荷をいたしておりました野菜作生産の減少というふうな形の生産の形態の変化がこの数年、十数年の間に生じてきたというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○中川(利)委員 大臣はその点どう思いますか。
○安倍国務大臣 私は、野菜につきましては、これは農産物の中で一番天気に左右されやすいといいますか、天気によりまして非常に豊凶の差が激しい、それで非常に野菜の生産が少なかった、その次は生産者が野菜に意欲を燃やして、その結果野菜が過剰になって暴落をする、こういうことを繰り返してきておるのが野菜の実態だと思うのですが、そうした野菜全部を価格安定対策の対象にするということはこれはもうとうてい不可能であることはよくおわかりのとおりであります。したがって、われわれとしても、ただ天気だけに任せるわけにはいかない。行政の限界でできるだけのことは、野菜の供給安定、価格の安定のためにできるだけのことは行政として努力をしなければならぬ。そう考えますと、いままでのやり方をさらに拡大することによってさらに野菜の価格安定には近づいていく。たとえば指定産地、指定消費地を拡大をして、そして産地と消費地との間のパイプを太くするということによりまして野菜の価格安定は大きく前進をしていくという基本的な考え方から今回の野菜制度の改正ということになってあらわれておるわけでございます。したがって、この制度が実施されれば、これまで以上に野菜の価格安定、野菜の供給確保については大きな実績を得ることができる、私は基本的にそういうふうに考えております。
○中川(利)委員 局長さん、あなたの答弁を発展させて伸ばしていきますと、だんだん野菜の作付面積が減る、農家戸数が減る、そのことが集約化、高度化でりっぱなことだということになりますな。問題はそういうことでないでしょう。大臣もまたピントが外れた答弁をしておるのですけれども、問題は生産費が償えないということでしょう。あなた方の計算したところによって野菜作に対する生産費が償えているのですか、いないのですか。生産費を償う基準額、こういうものをちゃんとやっているのですか。
○今村(宣)政府委員 現在の統計情報部の生産費調査を見れば、現在の野菜の価格をどういうふうにとるかは、これはなかなかちょっとむずかしい問題でございますが、通年的な価格をベースにして考えていきますれば、生産費を償っておるというふうに思っております。ただ、現在の基準額が生産費を償っておるかどうかということになりますと、これは私の方で継承をいたしておりますが、今度改定をいたします基準額をもちますれば、評価がえをした生産費は別でございますが、評価がえをしない生産費とは大体いい線に行っておるのではないかと思います。これは基準額は御存じのとおり価格の低落を防止しますその下支え価格でございますから、それが生産費を即償っておるような水準であることは望ましいし、またそういうふうな生産費の問題あるいは再生産を確保するという観点も十分考慮して基準額を算定するときに考慮する必要はございますが、現在のところ統計情報部の調査によれば、私たちは、種類によっては違いますけれども、生産費を償っておるし、また基準額の算定の場合におきましてもそういうことを十分考慮して考えるべきであると思っておりますが、評価がえをしたその生産費を償っておるかどうかになりますと、これはちょっと別の問題になるかと思います。
○中川(利)委員 なかなか歯切れの悪い答弁ですね。私が言ったのはもちろん保証基準額以下の生産費しかおたくではやっていないわけですね。したがって、補てん対象になったとしても、あれこれの網の目をくぐってやっと資格があるという状況になったところで、市場の趨勢法則といいますか、それで計算される保証基準額というのは、生産費、出荷経費を償っていないということは、昭和四十二年から毎年のあれですね、ずっとそうなっていますね。これでは作付面積がふえるわけもありませんし、農家戸数もふえるわけがないというのはあたりまえのことだと思うのですね。したがって、いまあれこれおっしゃいましたけれども、たとえば秋、冬の重要野菜以外の野菜についても保証基準額と販売価格との差額の全額を補てんするよう改善すべきではないか、私たちはこういう要求を持っているわけでありますが、実際補てん水準そのものが低いけれども、さらに農家が受け取る段になればもっともっと低くなるのですね。なぜなれば、この野菜は農協の共販がほとんどでありますから、農協ではプール計算されているために、実際受け取る場合は、その補てんのまたさらに半分ぐらい、これが通常なわけであります。したがって、私は何としても今度保証基準額を再生産確保の水準以上に定めるということが一つと、このことを何よりも重視しなければならないと思っているわけでありますが、いままで農林省では保証のし過ぎだ、こういう言い方をしてきたわけでありますが、こういうことに対しては厳重な反省がひとつ必要ではないかというふうに考えているわけでありますが、大臣の御見解を承りたいと思います。
○今村(宣)政府委員 保証基準額のことにつきましてちょっと御説明申し上げたいと思いますが、保証基準額は御存じのとおり趨勢値価格の九〇%ということで従来やってきたわけでありますが、今般保証基準額の算定につきまして従来の方式に修正を加えまして、従来は三十六年から四十七年ということでございますが、新しい要素を入れますために四十年から四十九年の市場平均価格を基礎として算定される五十一年の推定平均価格、こういうことに算定方式を改めました。したがいまして、五十一年度においては野菜の品目によって違いますが、最高が三〇%、それからそれより計算によりますと下がりますものがございますが、それは据え置きということで、平均して一二%の引き上げを図るようにいたしております。
○中川(利)委員 次に、都道府県法人に対する助成の問題でお聞きしたいのでありますが、今回の改正の中で何とか気のきいた部分と言えば私はこの都道府県法人への助成の問題だろうと思うのです。この新しい基金を通じて三分の一の助成がなされるということになっていますけれども、しかし考えてみますと、これは現行の国の制度に対する国庫負担割合が七〇%から七五%なんですね。だから、それから見るときわめて少ないといいますか、こういうことが非常に目立つわけであります。したがって、このやり方でいきますと農民負担は現行制度の約倍ぐらいが予想されるのじゃないか。したがって、国の助成をやはりこれに見合ってもっと引き上げないとおかしなことになるのじゃないかと思いますので、この点についてあわせて見解を承りたいと思います。
○今村(宣)政府委員 今回の特定野菜の価格補てん制度のねらいでございますが、指定野菜は十四品目ございますけれども、それ以外の品目の野菜におきましてもその全国的な生産量というものよりもむしろ地域的な、非常に地域として考えてみれば重要な野菜であるということに着目をしたわけが一点でございます。 それから第二は、そういうものにつきましてそれぞれ相当県におきまして価格補てん事業を県の事業として実施をいたしておるわけでございます。それについての援助という問題が第二点でございます。したがいまして、本制度の補助率につきましては生産者、都道府県、国がそれぞれ等分に負担するというたてまえをとることが適当ではないかというふうに考えまして三分の一の補助率ということにしたわけでございます。したがいまして、国の価格安定制度における補助率が七〇%である現状において、これと同等の水準まで引き上げることは困難また妥当とも思いませんが、やはり生産者の立場その他を考えまして、これら指定特定野菜の制度の充実という問題につきましては、今後とも十分検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○中川(利)委員 いま十四品目ですね。それぞれこの充実を図りたいということですから、そうすると、それらについては国の制度の対象となる指定野菜に格上げすることが必要になってくると思いますが、これに対する考え方についてお聞きしたいということと、もう一つの問題として、やはりその地域の特産、たとえば京都で言えばスイカ、イチゴ、竹の子なんか、今回予定の十四品目以外にありますね。こういうものを対象としていますね。私の秋田で言えばジュンサイだとかあるいはトンブリという特殊農産物もあるわけでありますが、いずれ都道府県が行う価格対策の対象野菜というのはいろいろ雑多にあるわけでありますが、各地域の伝統、歴史、そういうものに根ざした地域の味、味覚を守るためにもこのような地域特産物に対する価格対策、国の助成を積極的にやるべきだ、こう思います。 以上二つの点についてもう一回お聞きしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 特定野菜として補助といいますか援助の対象といたしておりますような野菜でありましても、それが将来全国的に流通消費され、かつまた、その価格の安定が非常に重要であるという観点に立つ現在の十四品目のような野菜の地位を占めることとなりますれば、それを指定野菜として格上げをしていくことに相なると思います。 それから第二に、特定野菜につきましても、現在十四品目の指定を考えておりますが、それ以外に、地域にとって非常に重要なものであるとかあるいはまたスイカ、イチゴ、メロンのような果実的野菜についてどうするかというような問題がございますが、これらの品目の指定の追加の問題につきましては、今後の検討の課題として十分検討していきたいと思いますが、たとえばスイカでありますとか露地メロンのようなものにつきましては、今回の制度の改正におきましても、各地域からそれを特定野菜の対象にしてもらいたいという非常に強い要望がございますので、そういう要望を踏まえまして、スイカ、露地メロン等につきましては、今後早急に検討をいたしてまいりたいと考えている次第でございます。
○中川(利)委員 いまお話もありましたが、いま全国の各府県がそれなりに独自に多種多様の野菜に対して価格補てんをやっているわけですね。京都では反当粗収益補償方式というのをやっていますね。東京都では契約方式というのをやっていますね。それぞれ農民や消費者の要求を取り入れて、国の不十分な制度を補完する、こういう役割りを果たしているわけであります。ところで、この改定による措置によりますと、省令で定める要件に適合する事業に限って助成を行うということになっているわけでありましで、そういう点からしますと、せっかく京都や東京都が行っていることに対してそれは当てはまらないということになりますと、逆に国が足を引っ張る、こういう関係にもなりかねないと思うのですね。そういう点について十分御配慮をいただいて、この要件というものはできるだけ緩やかといいますか、きつく設定すべきではない、こういう方向にお考えになっているのかどうか、この点を確認をしておきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 御指摘の問題は二つあるのではないかと思います。 一つは、現在の指定野菜の制度に上乗せをした県のいろいろな制度がございます。いい例は東京都でありますが、中には運賃補助をしておるような県もありまして、いろいろな県の現在の指定野菜の上乗せ制度というのが一つございます。これについてどう考えるかということでございますが、私は全国的な制度として運用されるというたてまえに立って考えますならば、ある一つの県がそういう非常に濃厚な制度を上乗せをするということは、全国的な流通、生産、出荷の安定ということについてなお検討すべき問題があると思います。 それから、第二の御指摘の今度新たに設けます特定野菜制度につきまして、県が現にやっておるような特徴をそこなわないように、なるたけそれを生かして措置するようにというお話でございますが、この点につきましては、私たちは制度の運用として県と十分協議をしながら、いい点はこれを生かしていくという観点に立って措置いたしたいと考えております。
○中川(利)委員 ある地域の特定野菜、たとえば東京と京都、こういうところのように非常に濃厚なやり方をしますと、全国的なバランスから見て非常に問題がある、前段の問題についてそういう御発言がありましたが、京都であれ東京であれ物すごい人口集中ですね。日本の最大の消費地に近いところなわけですね。そういうところでやっているということを一つの模範にして、政府もそういう方向に近づくということを前提にすべきであって、東京都や京都が勝手にやっているのではなくて、地域の住民にそういう要求があるからそういうことを取り入れたということになるだろうと思うのです。そこから学ぶという態度でなしに、それはいろいろ問題あるということで十把一からげにするということになりますと、やはり地域住民に対する考え方としても私はまずいのじゃないかと思うのですが、いま一言、その基本的な皆さんの考え方ですね、こういうせっかくの先進的な例に対してどうお考えになっているのかお聞きしたい。
○今村(宣)政府委員 私は、国の指定産地なり現在の野菜の生産出荷安定制度の上に乗っかって県がさらに手厚いことをやるということは、それはそれぞれの県の置かれました立場その他によりまして、いろいろな事情があると思います。しかし、そう申してはあれでございますが、相当かさ上げされた国の制度の上に県が県単で助成をして、そうして自分の県が何か施策をやっていくという形、そういう形の施策につきましては、すぐに国がそれがいいことだということで、それを施策に取り入れるということにつきましては、いろいろ問題があるところではないかと思っております。したがいまして、そういう県単独の施策につきまして、私たちとしましても、それぞれ県につきましてどういうことをやっているかということは十分研究をいたしております。研究いたしておりますが、それぞれの県の特殊性に基づく施策でございますから、それを国の全体の施策として取り入れるかどうかにつきましては、なお十分検討を要するものというふうに理解をいたしている次第でございます。
○中川(利)委員 次に、わずかの時間ですが、共済の問題でお聞きしたいわけでありますが、共済が非常に人気が悪いのですね。特に私のところは水稲共済の本場といいますか、そういうところでありますが、同じ「共」という字でも共産党の「共」なら大歓迎だけれども、共済の「共」なら聞きたくも見たくもないというのが農民の率直な声なわけです。しかも職員自身が、共済というと肩身が狭いと言うのです。何しろ掛金は高いがもらいは少ないという、この代名詞が共済になっているのですね。そういうことで、共産党はりっぱだけれども、共済はだめだ、こういうことなんだ。なぜこのような不人気なのか、このような不人気が一体どこから来ているのか、ひとつ御返答賜りたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 保険制度の本来の目的といたしましては、災害がないということは非常に好ましい状態なわけでございまして、一たん被害があった場合に、それに見合う手厚い補償が得られるというのが共済制度としては本来の目的になるわけでございます。 ただ、最近の、特に水稲の生産というものは非常に安定をいたしまして、災害によって共済制度の恩典を受ける機会が非常に少なくなってきたという傾向は、特に水稲の主産地などにはあるわけでございます。したがいまして、農民の掛け捨てに対する不満といったようなものもございまして、これに対応して今回水稲の病虫害防除のための特別の事業をいたしますとかあるいは無事戻し制度の活用といったようなことで対応をしてきておるわけでございますが、今後とも制度の改善には努めまして、農民のそのような掛け捨て不満に対しては適切に対応していきたいというふうに考えるわけであります。
○中川(利)委員 そういう問題もあるわけでありますが、仕組みが物すごくむずかしいのですね。農民が自分が組合員になっておって自分でわからないわけですよ、ほとんどの農民の方々は、余りむずかしいものですから。そうすると職員ならわかっているだろうと思って、私、職員に聞いてみたのです。そうしたら料率のやり方なんか頭が痛くなってわれわれもわからないというのですね、法体系の仕組みそのものが余りりっぱで。しかしもらいは非常に少ないというのだ。そのことだけはっきりわかっておるのです。 そういうことで、だれが聞いてもわかるような、農民の方々もなるほどと思うような、何とかそういう状態にならないものか、私ら自身もこの法案をいろいろ見て、何だかややこしくて、これは頭が悪いせいかもしれませんが、もう少し農民のサイドに立ってもっとわかりやすいものにやるべきだ。むずかしくてもらいが少ないというから、何か農民にとっては端的な言葉としてそういう言い方をしているわけでありますから、この点も十分留意していただきたいと思うのです。 同時に、いま無事戻しのお話がありましたけれども、最近は若干そういうものも出てきたということで農家の方々も何ぼか不信感が薄らいでいるようでありますが、つまりこの状況はいままでは農民は掛け捨てで組合は黒字だというわけです。非常にアンバランスがあったわけであります。ですから、どうしても無事戻しをもっと充実すべきだと思うのですけれども、ひとつその辺についてどのようにお考えになっているのか伺いたい。
○吉岡(裕)政府委員 水稲の低被害地帯等に対しまして、今後無事戻し制度の活用はいろいろ図ってまいりたいと思っておるわけでございますが、今度の制度改正の中におきましては、組合に従来ございます無事戻しのための積立金とそのほかの特別積立金というのがございますが、この両方の積立金を統合をいたしまして、無事戻しについてより弾力的に対応できるような措置も講じてきておるわけでございます。このような制度を通じまして今後とも適切な無事戻し制の運用に努めてまいりたいと思っております。
○中川(利)委員 今回の法改正によりますと、農単方式の導入という問題がいろいろと考えられているようでありますが、農単になりますと掛金は安くなるわけですね。それに見合いまして国も持ち分が少なくなる。両方から考えてみますと、どうも安上がりの共済をねらっているんではないか、こういう感じもしないわけではありませんが、いまこのようなかっこうで農単をいろいろ奨励しているわけですけれども、実際秋田あたりの農家の現状から見ますと、素直に受け入れるだろうかという点が一番気になるところでありますが、そんなことをするよりも一筆方式の三割の足切りを二割にしてくれた方がよっぽどいい、こういうふうな言い方もあるわけであります。私、一番心配しているのは、さっき言ったように農家があれを素直に受け入れる、それだけの自信が皆さん方はおありかどうかお聞きしたいと思うのです。
○吉岡(裕)政府委員 いまお話がありましたが、一筆単位方式におきましては、たとえば農家全体としては非常に増収してよかったというふうな場合でも共済の支払いが行われたり、あるいは非常に零細な共済金が全体的には多額に支払われるといったような不合理な面もございまして、大災害のときに補償が厚く行われる、しかも農家の掛金としてはそう高めないでやれるというふうな方式として特に従来の半相殺農単方式に加えまして全相殺の農単方式を導入をしたというふうなことがあるわけでございます。したがいまして、この方式は非常に大きな災害があったような場合には手厚く農家の損害を補てんする方式としては非常にすぐれた方式であるというふうに考えておるわけでございますが、政府として決してこの全相殺農単方式といったようなことを無理無理に農家に押しつけるというふうなことではございませんで、一筆、半相殺農単あるいは今回の全相殺農単のいずれの方式を採用するかということは組合ごとの選択制になっておるわけでございまして、組合の自主的な判断としてその地域に即した農単方式ないしは一筆方式というものをとる道を開いておるわけでございます。ただ、全体としてはすぐれた方式であると考えておりますので、各種の奨励、促進措置というものは一面用意をしておるということでございます。
○中川(利)委員 最後に一言あれですが、職員給与等、基幹事務費というか、これは全額国庫負担がたてまえでありますね。ところで西高東低という言葉が共済の中にはやっているんですよ。西が高くて東が低いというのですね。それで北海道や東北の連中はまあ皆さんのところへ再三にわたって、おかしいじゃないか、こういうことで陳情なりその他要請があったと思うのですけれども、同じそういう基幹事務費を配分するにしても、私の方では五割そこそこしか職員の人件費が来ておらないという。せんだって私調査に行った南秋田郡の天王町なんかへ行ってみましたら、これは六割しか来ていません。こういうことでは、何か見てくれだけで実態とはなはだそぐわないと思うのですけれども、その辺についてちゃんとしてもらわなければ困るということを申し上げて、これに対する御回答をいただいて私の質問を終わらせていただきます。
○吉岡(裕)政府委員 農業共済組合等の事務費でございますが、昭和五十年度で見ますと全国で五百八十九億円の事務費がかかっておりまして、このうち基幹的な経費については国が負担をいたすということになっております。その基幹的な経費でございます職員の給料、手当でございますが、これが同じく全国で三百一億円、これに対する国庫負担の額は二百七十億円ということになっておりまして、約九〇%程度は国庫が負担をしておるということでございます。これについて秋田県の給料、手当に対します国庫負担割合を見てみますと九二%ということで、県平均といたしましては全国平均ないし若干上回っておるというような私どもの数字になっておりまして、このような団体事務費に対する国庫負担を国としてはいたしておるわけでございます。
○中川(利)委員 じゃ終わります。
○湊委員長 次に、津川武一君。
○津川委員 安倍大臣、御飯食べさしていないそうで、どうぞ御飯食べに行ってきてください。私は後で、大臣が来てから大臣に必要なところを聞きますから。 最初に、野菜生産出荷安定法の一部改正に対してお尋ねいたします。 まず一つの問題は、農業基本法の第十一条、ここでは農産物の価格安定、こういうことが義務づけられておりますが、これに従って政府がとっておる農産物の、特に野菜も農産物の一つでありますので、野菜の価格安定についてとった措置をまずお伺いしてみたいと思います。
○今村(宣)政府委員 野菜価格の安定を図りますためには需要に見合った供給の安定を図ることが大切でありますので、私たちは野菜生産出荷安定法に基づきます生産出荷の安定と価格の安定という観点に立ちまして、一つは価格補てん制度の充実ということにつきまして逐年努力をいたしてきたわけでございます。同時に、制度改正以後指定消費地の拡大を図り、それから指定産地の逐年の拡大を図ることによりまして、この制度に乗ります野菜の範囲の拡大を図ることによって生産出荷の安定を図り、価格の安定を図ってきたという実状にございます。
○津川委員 いま私たちが問題にしておる野菜生産出荷安定法、これも農業基本法の十一条によるものと考えてよろしいでしょうか。
○今村(宣)政府委員 十一条に基づく重要な農産物であるというふうに考えております。
○津川委員 とすれば、余りにも野菜生産出荷安定法の中には価格保証面が少ないと思いますが、これはいかがでございます。どう思います。
○今村(宣)政府委員 先生のおっしゃっておりますことは、現在の基準額は重要な農産物の野菜について農家の価格を保証する制度あるいは水準としては不十分なものではないかという御質問かと存じますが、現在の野菜生産出荷安定法は、申すまでもございませんが、指定産地から指定消費地へ向けます野菜につきまして、それについての生産、出荷の計画化を図り、生産を近代化することによって野菜の出荷の安定を図り、そうして野菜の価格の安定を図るという考え方に立っておるわけであります。それをもう少し裏返して申し上げますならば、野菜の価格変動が余りにも激しいということは、それは高いときはよろしゅうございますけれども、低いときには翌年の農家の生産意欲を失う。したがって、そういう野菜のような非常に価格変動の激しいものにつきましては、基準額を設けて、その下支えをするということによって、翌年農家が生産の意欲を失わないようにするという制度のたてまえでございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 したがいまして、その基準額そのものが直ちに農家の全体の所得を保障するという考え方ではないのではないかと思っております。そういう下支えのもとにおいて価格の変動幅をできるだけ小さくする。したがいまして、価格の高いときにはやはり農家の所得も多いけれども、価格の低いときにはできるだけ下支えによってこれを支えていくという趣旨でございますから、したがいまして、一定の基準額を設けて、たとえばそれを下がるときには政府が買い入れをするとかあるいはまた一定の上限価格を超える場合に政府があるいは物を出して価格を安定するとかいうそういう制度の仕組みではございません。したがいまして、その基準額は従来から趨勢値価格というふうな需給実勢価格を反映するような価格として考えられておるわけでございます。しかし、同時にそういう価格でございましても、やはり農家の下支えとしての所得なりあるいはまたその再生産という問題を十分念頭に入れて考えるべきものであることはもとよりでございますので、私たちといたしましては、その基準額につきましても、今年度その算定方法の内容を改めて、全体として申し上げますならば、その水準を一二%程度上げるという努力をいたしておるわけでございます。また、そういう基準額は従来三年に一度改定をするという扱いでございましたが、今後はやはり毎年予算のときに見直しまして所要の予算の要求をして、その実態にできるだけ合い、農家の所得の確保という観点にもできるだけ近づくという、そういう考え方で処理をしてまいる方針といたしておるところでございます。
○津川委員 どうも局長、御苦労様です。苦労されていることはわかります。ところが、農業基本法の第十一条は、見るまでもなく、野菜の価格の安定を図るために必要な施策を講ずると書いておるのですよ。野菜生産出荷安定法では、主要な野菜について、一定の生産地におけるその生産及び出荷の近代化を計画的に進める措置をとるとともに、当該生産地域における生産及び消費地域に対する出荷の安定を図るといって、どうやら私は、もっと次元の高いことを——農業基本法とこの生産出荷安定法との関係を聞いて、価格保証には生産出荷安定法は法の精神としてどこか違っておるのではないか、抜けておるのではないか、そういうことを聞いておるのです。あなたはあなたのされた非常な苦労なことを話されましたが、もう一回答弁をお願いします。
○今村(宣)政府委員 価格全体にまたがります非常なむずかしい御質問でございますので一局長のお答えし得る範囲を超えておるかと思いますが、価格制度には御存じのとおりいろいろな制度がございます。その中で野菜の価格補てん制度というのは一つの特別なカテゴリーに属するものでないかと私は思っておるわけでございます。そういうことで先ほど申し上げましたように生産、出荷の安定、それから価格の安定という、そういう一つの制度を組み立てておるわけでございまして、そういう意味におきましては、たとえば農安法でございますとか糖安法でございますとかあるいは食管法でございますとか、そういう制度とは非常に異なったものでございます。そこで先ほど申し上げましたように、基準価格というのは需給実勢価格を反映して下支え価格であるというふうな組み立てをいたしておるわけでございまして、その意味では通常いわれる所得補てんといいますか、所得補償といいますか、そういう形での基準額とは異なった性格を持っておることは確かでございます。
○津川委員 私は日本の農政に本当の意味の野菜の価格保証制度はない、こう思っているわけであります。したがって、それを局長に指摘して、そういう意味において本来の野菜の価格保証を検討してみるべきだということを申し上げて、後で大臣が来ればこのことをもう一度問題にするとして、次に進んでいきます。 そこで沖繩でございます。海洋博の場合も野菜不足が非常に大いに宣伝された。沖繩には指定消費地がいつごろ、どのようにしてできるのか。先ほどの論議でも明らかになったように、指定消費地ができると指定野菜もできていくし、指定生産地もできていく、これが仕組みでございます。したがって、沖繩における指定消費地をどのようにしていくのか。それと関連して指定生産地、指定作物などというものの計画見通しをお伺いいたします。 次に、山形県。山形県は庄内は日本有数の稲作単作地帯、村山平野は日本でも有数の果物地帯、この稲作単作地帯と果樹地帯では野菜をつくるよりも、果物オンリー、米オンリーの方がはるかに、はるかに収入がいい。したがって、ここでは野菜が育たない。したがってここではまず指定消費地を決める。その上で指定産地を拡大していく。特定する作物を拡大していく。こういうことが必要だと思います。したがって、山形県における具体的な計画を伺います。 第三の問題は青森県、ここも米の主産地と日本でまれに見るほどリンゴの主産地であります。私もリンゴ畑がだんだんつぶされて畑がなくなっている実情をこの目で百ほど知っております。ここにおける指定消費地、山形における指定消費地がおくれておる、なぜおくれているのか、これからどうするのか、指定産地をどうする計画を持っておるのか、指定野菜、特定野菜をどうするのか、このことを、沖繩、山形、青森の三県について具体的に一つずつ答弁していただきます。
○今村(宣)政府委員 沖繩県でございますが、沖繩におきます人口二十万以上で野菜の消費上重要な地域と申しますと那覇市及びその周辺の地域だと思います。那覇市につきましては現在卸売市場法第五条に基づきます中央卸売市場整備計画の対象都市になっております。那覇市としましては、また沖繩県としましては、その整備計画に基づいてできるだけ早く中央卸売市場をつくりたいということで努力をいたしておるわけでございます。したがいまして、私としましては、やはりその市場の整備とにらみ合わせて指定消費地域を指定するのがいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。また同時に、沖繩県におきます野菜の自給率は大体八割弱ぐらいでございますが、冬、春の季におけるキャベツ、ニンジン等につきましては非常に産地形成が見られまして、ニンジンについては県外出荷量も増加をしておるような状況でございますので、指定消費地域への安定出荷等を勘案して指定を十分今後検討していきたいと思っております。 それから山形の先生の御指摘につきましては、私たちの方としまして現在県の方から指定消費地域の指定の問題を余り詳しくお聞きをしておりませんので、山形県の県の考え方なり何なりを徴しまして十分検討をいたしてまいりたいと思います。 それから青森県につきましては、来年度以降早急な時期の問題としてこれを検討するつもりでおるわけでございます。
○津川委員 沖繩県が長いことアメリカ軍の占領に苦しんで、経済、したがって農業もおくれておりますので、この点については、私は農林省自身でも沖繩県と相談をしながら計画を立案すべきだと思います。この点はいかがでございます。山形県については県庁の上層部はそんな考え方でも下部の方にはかなり強い要求が起きておりますが、事沖繩県に関する限り一定の計画を持たれているのが沖繩県に対する農政上の当然の責任じゃないかと私は思いますが、この点、沖繩について重ねてお尋ねいたします。
○今村(宣)政府委員 御趣旨のように沖繩県と十分協議をしまして、その計画的な遂行について努力をいたしたいと思います。 それから先ほど山形県につきまして県の方と十分というお話を申し上げましたが、ちょっと私、答弁の間違いでございまして、山形県は大体五十一年度に指定の予定でございます。訂正をいたします。
○津川委員 そこで不十分ながらの指定産地、指定野菜になると、ほかの野菜よりもよけいつくると思います。これは私はいいことだと思います。そこで今度は耕作面積の条件を緩めて、二十五ヘクタールというのが出るでしょう。そうするとそこに指定野菜、こうなってくると、一産地一品目で、どうしても連作になると思います。これはやはり避けなければならぬ。重複していたとか複合していたとか、いろいろな考え方もあるでしょうが、どうしても、やはり農業の実態から言っても、ここで連作になる心配がかなり出てまいります。そこでこの法律のために連作障害を起こしては大変だ、起こさせないようにするのが法のたてまえだと思うわけです。若干の例を申し上げますと、現に福島県のキュウリ、これはかなり連作でウドンコ病だとか立ち枯れ病、細菌の班点病なんかが出てきて連作障害が出ております。高知県では根腐れ萎凋病、枯れて縮んでしまうのが出てきております。高知県はトマトです。岐阜県の高鷲では大根に萎凋病が出てまいりました。千葉県や方々のスイカ地帯、私の青森県の屏風山もその例に漏れません。ここでも連作としてコンニャク病、バッタン病、こういうものが出てまいっております。先ほど問題になりました国の制度の上にさらにまた加えておる群馬県の嬬恋、ここではネコブ病、枯れていく萎凋病などがこういうふうに出ております。これはいい面と悪い面があって、法律、油断していくとこういう障害が起きてくる。非常に気をつけなければならない指定産地、指定野菜の現実でございますが、この法律と関係して、連作の障害、これに対する対策が必要かと思いますが、いかがでございます。
○今村(宣)政府委員 御指摘のとおり相当な大産地におきます連作を継続するということになりますと連作障害を起こすわけでございまして、その地域の一部において先生の御指摘のような連作障害を起こしている例があるわけでございます。その主たる原因は、経営規模が小さいので適正な輪作がなかなか行われがたいということもございましょうし、また労働力不足等による有機質の投与が不足するということもございます。そこで私たちといたしましては、産地の実態に即しました適正な輪作を行うように指導しておりますが、一方指定産地の重複指定が容易になりますように指定産地の条件の緩和を図ることによって生産面から適正な輪作の導入を助長することにいたしております。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 五十年度から地力増強対策としまして有機質の投与をします施設、病害虫防除施設の導入等を推進するということで、野菜生産安定対策事業、特に野菜指定地につきましては、これを指定野菜のほかその前後作等の野菜にも着目いたしまして、新たな観点に立った産地整備計画を樹立をいたしまして、これに基づいて地力の増強、輪作体系の確立等に十分留意した総合的な産地整備を行うということで新たに野菜指定産地整備事業というものを今年度から始めることといたしたいと思います。いずれにしましても、そういう輪作の問題というのは非常に重要な問題でありますので、私たちとしましては、制度的にもあるいは予算的にもあるいは指導部面においても、そういう点については十分配慮してまいりたいと考えておる次第でございます。
○津川委員 土壌の肥沃、いろんな結構なことを答弁していただいて御苦労さまでございます。ところが、連作障害として起きてくる病気、嬬恋村で言うとネコブが一番なんです。これに対する駆除対策を考えなければいけないと思うのです。茨城、千葉のスイカではワイルス病、バッタン病、これの本質、バッタン病はまだわかっていない。これも局長の主管の領域に入るわけだ。こういうものの試験研究と撲滅政策をまずおやりになることが——そこにこの法律との関連した行政がなければならない。この点はいかがでございます。ネコブ病だとかスイカのバツタン病をどうされます。
○今村(宣)政府委員 お話のございますような、俗称バッタン病とかあるいはその他の病気の病原とその対策につきましての試験研究を充実すべきではないかということは、まことにお説のとおりでございますので、技術会議あるいは技術審議官等とも十分連携をとりながら、お説のような対策を取り進めたいと思っております。
○津川委員 これは局長、局長になって受け継いだかどうかわからぬけれども、いまに始まったことじゃない。私がこの委員会でも何回か話をしておるのです。役所に何回言っているかわからない。 そこで、ここまで来ましたので、具体的な試験研究の耐性計画をつくって私に報告していただけますか。この点まず答えていただきます。
○松平政府委員 先生から御質問があろうかと思って控えておったわけでございますが、先生御指摘のいまの病気につきましては、野菜の病気は、野菜の作物の種類が非常に多いということ、それから作型がいろいろ違うということからいろいろあるわけでございまして、その病気の防除という点については、私ども、野菜試験場その他国立の専門場・所の協力を得て研究に従事しておるわけでございますけれども、なかなか簡単には結論が得られないということでございますけれども、それぞれの病気につきまして、現在、鋭意研究を続けておるという状況でございます。
○津川委員 そこで、いま私が話をした嬬恋におけるネコブ、これは全国的に出ておるのです。これとスイカのバッタン病、これに対する試験研究の計画を立てて私たちのところに提示してくれますか。
○松平政府委員 先生から具体的に御指摘のございました病気につきましては、私どもも対策を早急に立てることが必要な病気であるというように承知をいたしておるわけでございます。先ほど言い落としましたけれども、病気そのものの本体とそれからそれをどうやって防除するかということのほかに、作物自身をその病気に対して耐性を持たせるというようなことも病気に対する対策であるというふうなことでございますので、そういうふうな点についての研究を目下進めておるわけでございますから、またいずれ先生のところへお話を申し上げたいと思います。
○津川委員 そこで局長、先ほど話したように、野菜が非常に産地を指定される。二十五ヘクタール。そして品目をやる。重複指定もあるけれども、やはり連作障害が起きるので輪作体系は非常に必要なんだ。そうしたら役所で、輪作体系の幾つかのひな形を技術会議が非常に研究されて持ってきた。この中には落花生、ホウレンソウ、枝豆、レタス、サトイモ、こういう組み合わせがあります。落花生、スイカ、サトイモ、大麦、ジャガイモ、こういうこともあります。そこで、指定野菜としてレタスで価格保障をしてもらった、次にかえたときに、それが価格保証の対象、指定野菜になっていないと、ここのところは輪作体系がうまいこといかないわけなんです。そうなってくると、輪作体系の中に組み入れるものはすべて指定野菜にする、こうすることが非常に望ましい。これが今度のを進めていく上に不可欠だ。私は、ますます指定産地がふえると思います。時によると指定野菜から特定野菜もふやしていただかなければならぬと思います。とすれば、いよいよもってこの輪作体系というものが問題になってくるわけです。 そこで、私がいま読んだように、落花生、スイカ、サトイモ、大麦、ジャガイモ、こうなったときに、これは野菜であると同時に、今度は畑作物の芋、ジャガイモ、こういうことになってくると、産地指定、消費地指定、こういうことが一体にならなければならないと思いますが、この点はいかがでございますか。
○今村(宣)政府委員 お話の点は私も問題認識としては持っておりますが、しかし野菜ばかりの輪作ということになりますと、一ついまのようなことを考える根拠になるわけでございますが、たとえばその間に緑肥が入るとか大豆が入るとかいうふうな形の輪作として物を考えますと、複合産地方式ということをなかなかとりがたいという問題が一つあります。 それからもう一つは、たとえばキュウリをつくりバレイショをつくり加工トマトをつくり、またバレイショに返っていくということになりますと、これはまたバレイショの価格問題ということの問題にも相なるわけでございまして、農家としてはどうしてもキュウリが高いということであればバレイショをつくるよりもキュウリをつくるという形に相なりますので、そうしますと農産物価格全体をとらえた価格補てんといいますか、価格保障問題にもつながる問題でございますので、この点につきましてはなかなか解きほぐしがたいむづかしい問題を含んでおると思います。そこで、そういう点につきましてはなお十分検討をさせていただきたいと考えておる次第でございます。
○津川委員 はしなくも局長は苦悩を吐露しましたが、野菜だけじゃだめなんだね。複合して指定して価格を保証しなければならぬ。だから私が初めに問題にしたのは、この野菜生産出荷安定法で、農業基本法の十一条の農産物の価格安定ということにどれだけ役立てるか考えているのかということを基本的に問題にしたわけですが、こういう点で農林大臣、指定産地を、指定野菜を、それから特定野菜を、指定消費地をもっともっとふやしていく、これは先ほどの論議でわかりました。と同時に、この中から連作障害が出てくる。それを除去しなければならない。と同時に、そうすると輪作をやらなければならぬ。輪作物全体に対して価格保証の光が当らないと、先ほど中川議員が言ったように産地が減って野菜の絶対量が落ちる、こういうことになりますので、最終的にこういう形を含めて農林大臣の御意見を伺わせてもらいます。
○安倍国務大臣 なかなかむづかしい問題ですが、やはり農産物全体の中の八割は何らかの形で政府が価格形成には介入しているわけでありまして、米は生産費所得補償方式、あるいは麦はパリティ方式というように、何らかの形で介入しているわけでございますが、野菜につきましても実勢方式をとりながら、これが結論的に生産費を補っていくという方向で今後とも野菜の供給安定あるいは価格の安定というものを図っていくわけでございますし、やはり農産物それぞれの特色がありますから、それぞれに対応したところの価格の形成というものをやっていかなければならぬわけです。ですから、野菜は野菜としてわれわれがいま出している法律に基づきまして補てん価格を決めていくわけですが、どういうことに輪作を組み合わせていくか、あるいは米と組み合わせるか何と組み合わせるか、それはそれなりにやはり政府の価格介入の農産物ということになれば、それなりの方式でもって再生産が確保できるような形で決めていくということだろうと、私はそういうふうに思っております。
○津川委員 そこで大豆やバレイショの問題が出たけれども、もう一つは果菜類。スイカ、イチゴ、これは特定野菜、指定野菜、こういうものに組み入れるつもりでございましょうか。
○今村(宣)政府委員 今回の制度改正におきまして、スイカ、イチゴ、メロンというふうな果実的野菜につきましては重要品目の中に含めなかったわけでございますが、スイカ、露地メロン等につきましてはそれぞれの地域の非常に強い要望がございますので、私たちとしましてはこれを今後前向きで検討したいと思っております。
○津川委員 いつごろになるようでございますか。
○今村(宣)政府委員 来年度の予算折衝の際に、大蔵省と、財政当局と折衝してこれを追加するように努力をいたしたいと思っております。
○津川委員 ここまで議論してみて、いろいろな農民の意見も加わらなければならぬですね。今度の法改正でいままであった団体の総会がなくなったでしょう。したがって、こういう形でかなり生産者の団体が評議員の中に加わらなければならないと思いますが、私たちは少なくとも十人以内、十人そこいらは生産者を代表する者が入らなければならないと思いますが、この点はどうでありますか。それが一つ。 もう一つ。この評議員会の任務でございますが、基金の定款の変更、業務方法書、予算、事業計画書、資金計画の作成もしくは変更について大臣の認可を受けようとするときはあらかじめ評議員会の意見を聞く、こういう基本的なことが必要じゃないかと思います。そうでないと、国民に即して野菜価格の安定も出荷もできないと思いますが、この点いかがでございますか。
○今村(宣)政府委員 評議員会の構成につきましては、生産者の立場も十分配慮してその構成を決めたいと思いますが、先生のお話のように十人程度は考えていかなければならないと思っております。 なおまた、評議員会の審議する重要事項でございますが、いま御指摘のような点につきましては、当然評議員会の諮問に付するということを考えておりますが、さらにまたそのほかの重要事項につきましても、必要があればこれを諮問するという形の運営を図るようにいたしたいと思っております。
○津川委員 そこで、今度は農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案についてお尋ねします。 一番最初に、おとといでしたか、スモモの被害が山梨県でかなりひょうでやられておりますが、どのくらいの冷害、ひょう害だったか、わかっていたら御披露願いたいと思います。
○吉岡(裕)政府委員 山梨県のスモモの被害の概況でございますが、御承知のとおり、スモモにつきましてはまだ農業共済の対象になっておりませんので、私どもとして有権的に調査をするというわけにはまいらないわけでございますが、いろいろな情報を総合いたしますと、主な被害地といたしましては、甲西町落合農協、ここに栽培面積が約百二十一ヘクタールあるようでございますが、九割被害、塩山農協、栽培面積が四十ヘクタールあるようでございますが、七割被害。それから被害の著しい品種としましてソルダム、サンタローザという両品種に被害が著しいということでございます。 その被害の原因としましては、開花期を迎えた三月二十一日ごろから県内の天候が崩れ、気温が受粉に必要な十五度に達しない日が続いたのが原因と見られておる、こういうふうな情報を私ども現在手に入れておるものでございます。
○津川委員 九割被害、七割被害。それできょう山梨県下の農民が大会を開いております。そうして共済の対象に組み入れてくださいということが決められておりますが、ひとつこの際思い切ってスモモを対象に加えるべきだと思いますが、いかがでございます。 もう一つ重ねてこの点で申し上げてみるならば、果樹振興法の対象になっている果物の中でまだ災害補償法の対象になっていない梅、ビワ、サクランボ、パイナップル、こういうものが果振法の政令指定果物でありながら指定されてない。ところが梅で言うならば、梅酒の材料として全国にかなりつくられておるし、生産も消費地も多くなっている。市場の要求も出てきている。農林省に聞きますと、何か災害の裁定がめんどうだ、非常に小さいときからやらなければならぬというようなことで、技術上めんどうだから対象にしていないということを聞いておりますが、これだと農政じゃなくなります。したがって、梅はぜひやっぱり果振法の政令指定果物でもあるし、サクランボ、これは主産地が山形ですが、方々の県にも出ておりますが、あのハウスの施設で、補助してかなりよくなっていますが、ハウスのないものは雨が降ると一遍にだめになってしまう、こういう果物で、かなり強烈な地元の要求が出ておりますが、農林省自身は一局地だからというので、これを省いているようでございます。こうなってくると、特産物がどこでもだめになって、特産物全部入れると総合共済が成り立つという理論もあり得ますので、サクランボも対象に組み入れる方針はないか。パイナップル、先ほども沖繩のことで話しましたが、沖繩は非常に不利な状況に、アメリカ軍の占領下に置かれておって、パイナップルは適期作物であるし、地域の特産物である、いろいろ外国の輸入にも問題があるけれども、これをやらなければ農民が立っていけない、こんなところがありますので、いまの山梨県のスモモ、果樹振興法で政令指定果物になっている梅、ビワ、サクランボ、パイナップル、これに対する災害補償法の対象にする見通し、計画、政府の腹づもりを伺わしていただきます。
○吉岡(裕)政府委員 最初にお話のございましたスモモでございますが、確かに一部に地方的な産物ではございますが、要望がございます。そこで実は昭和四十九年度から主産県でございます山梨と山形の二県に委託いたしまして、被害率等の基礎調査を現在行っておるところでございます。その結果を見た上で、このスモモについての農災法の対象にするかどうかといったような点については検討することとさせていただきたいというふうに考えております。 それから梅、ビワ、桜桃でございますが、これは四十七年度までの三年間主産県に委託をいたしまして、同じく被害率等の基礎調査を行ってきたわけでございますが、その結果わかりましたことは、まず一つは園地化率といいますか、一つまとまって園地の状況になっておる度合いというものが一般に非常に低くございまして、それからいわゆる隔年結果と申しますが、一年ごとに収穫量の変動が大きいわけでございます。 それから第二の問題といたしまして、非常に地域的に偏った果樹でございますので、御承知のように保険と申しますのは危険分散が広く行われることが必要であるわけでございますが、その点から見て危険分散というのがひとつむずかしいという問題がございます。 それから第三点といたしまして、被害の発生の態様というのが一律ではなくて、非常に複雑であるということと、被害発生の頻度が結構大きいというふうな問題があるわけでございます。 したがいまして、一応四十七年度から三カ年の調査はいたしたわけでございますが、さらにこの被害率などについて現在補完調査を進めておりまして、この補完調査の結果あるいは実際にこういうものに対する共済の需要の強さがどの程度であるかというふうなことも見きわめました上で共済の対象果樹にすることについて検討をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、沖繩のパイナップルのお話があったわけでございますが、これは果樹農業振興特別措置法に基づく振興対象果樹ということで四十七年の五月に追加指定されておりますが、四十七年度から沖繩県に委託をいたしまして、保険設計上必要な被害率等の基礎調査を得るための調査を行っておるところでございます。 現在までの調査の結果によりますと、植えつけの時期とかあるいは収穫の回数、それから収穫期といったようなものにいろいろ変動がございまして、したがって、収穫量の年次間の変動が大きい。そういたしますと、基準収穫量の設定や損害評価等が非常にむづかしいというような、いろいろ難点も出ております。したがいまして、こういう基礎調査と並行いたしまして、五十年度から学識経験者による現地検討会を開催をいたしまして、制度化についての検討を行っておるという段階でございますので、この検討の結果をまちまして、対象果樹として取り上げるかどうかというふうなことについて検討をしていきたい、現在こういう段階でございます。
○津川委員 かなり沖繩は急を要するので、この点は私ここで資料をたくさん持って論争するつもりであったけれども、ほかの重要なこともありますので、この点はこれで切り上げますけれども、あしたにでも採決が終わったら、専門の人を私のところへよこして、私と少し詰めさせてくださいませんか。局長、どうです。
○吉岡(裕)政府委員 そのように取り運ばさせていただきたいと思います。
○津川委員 そこで、先ほども中川委員から問題になりました農作物共済で、足切り三割、それから農単で二割これが不評なんですね。農民が一生懸命努めてがんばってきたものだから、三割の開きというものはなかなか出てこなくなった。農単の地域についても同じです。そこで、農作物共済では収支率が〇・六、うんともうかっている。そこで、この際思い切って足切りを一筆では二割、農単では一割というふうに下げても、私は十分採算がとれると思います。こうするとたくさんふえていくと思いますが、これは局長でも大臣でも、どちらでもよろしゅうございます、お答え願います。
○吉岡(裕)政府委員 ただいま先生の御提案のお話は、一筆、農単、それも半相殺、全相殺、それぞれ足切りを引き下げるというお話でございますが、この足切りを引き下げるという問題は、その結果非常な農家負担の増高を来すという問題がありますほかに、損害評価面についても非常に困難な問題が出てくるわけでございます。 何よりも一番大きな問題は、農家負担が全体として急増をするということにあるわけでございますが、そのような農家負担の急増を避けながら、しかも損害評価の簡素化、損害評価のやりやすさというふうなこととかみ合わせました場合に、今日御提案を申し上げておりますような農単方式というものが出てきておるわけでございまして、現状ではひとつこの一割足切りの農家単位引受方式というものをもって推進をしてまいりたいというように思うわけでございます。
○津川委員 私たちの計算でいけば、収支率を〇・八にしても、農民負担を全然ふやさないで、足切りを下げればいいと思うのです。これは本当に検討してみてください。 時間がないから先に進みますが、リンゴの点で選択制をとって、台風にだけ一つの対象としてやることを決めた、これはよろしい。ところが、これは農単なんだ。これにだけ農単を加えて、ほかの方に一筆と農単をあわせておきながら、リンゴの場合これだけやっている。ところが、台風には通路がある。そこで、リンゴの農家ですが、このごろ交通がよくなった、山ろくにでもリンゴ畑を開く。そうすると、一定のところだけ災害が来るところがある。それを農単でやるからだれも入らない。だから、主産地の青森県でまだ二八%という加入率なんだ。そこでリンゴの問題は、この農単ともう一つは一筆、これを二つ採用するとぐんと加入率がふえる、現在二八%が五〇%、北海道並みにもっと超すのではないかと私は思います。この点はいかがでございますか。
○吉岡(裕)政府委員 現在の農作物共済の場合には長い経緯がございまして、一筆単位方式というものから保険発足以来出発をいたしまして、四十六年に至って半相殺農家単位引受方式というものが導入をされたということでございまして、現状におきましては、一筆方式といわば農単方式が併存をしておるという状況なわけでございます。そういう中で、農家単位引受方式というものを将来の方向として私どもは望ましい方向であるというふうに思っておりますが、それと一筆方式との関係を調整をいたすというような観点から、全損耕地が出てきた場合に、農家単位方式でもらう金額と全損耕地がある場合の共済金額との間に差があり、全損耕地の方がもらう額が高い、あるいは農単方式ではもらえないというような場合に、その全損耕地についての共済金の支払いをするというような制度を導入したわけでございます。 したがいまして、果樹共済の場合とはそこは状況が違うわけでございまして、果樹共済というのは農家単位方式ということで出発をいたしまして、その中には果樹独特の非常に強い問題として、品質低下というものも見ておるわけでございます。収量と品質低下というもの両方を見ておるわけでございます。そういうことをいたしますためには、やはり共同出荷体制でございますとか、そういう農家全体としての収穫量が確実につかめるというような状況でありませんと、品質問題等の導入はできないわけでございまして、そういう趣旨で、果樹共済の場合には農家単位引受方式をとっておるということでございまして、この果樹の共済をさらに進めていくために、今回のような病虫害の事故除外でございますとか、その他の特例措置というものを考えておる次第でございます。
○津川委員 農単、どのくらい進んでいると思いますか。四十七年で引受面積六%でしょう、四十八年で七・四%でしょう、四十九年で九・三%ですよ。こんな子供だましみたいなことで農単方式を無理してもだめです。そこで、皆さんたちはこれを救うために一筆全損という制度を大担に導入した、リンゴの場合には台風に対して制限方式を大胆に導入したのです。だからこそ問題は解決していくのです。 そこでリンゴの場合、どうしてもやはり農単と、農作物共済と同じように一筆、これが欠かすことのできない、リンゴの共済を進める基本の要件だということを、私、局長と農林大臣に申し上げます。そして、この共済団体から生産団体が強くこれを推しておる、この意見が来たならば大胆にこれを踏み切るべきだと思いますが、再度の答弁をお願いします。
○吉岡(裕)政府委員 私どもといたしましては、果樹共済につきましては、農単方式で制度を出発させており、その年数もまだ余りだっておりませんので、ぜひ現在の共済方式による加入を促進していくといいうことがまず第一に必要なことであろうというふうに考えておりまして、そういう方向をもっと進めていきたいというふうに現状では考えておるわけでございます。
○津川委員 次に、家畜共済で肉豚。これは、ほかの農作物で国庫負担が五九・六%、蚕で五六%、果樹で五割。肉豚にも二分の一国庫負担で持たせるべきではありませんか。いかがでございます。
○安倍国務大臣 現行の家畜共済の共済掛金国庫負担方式は、昭和四十六年における制度改正により決められたものでございますが、畜産振興の重要性及び最近における畜産経営の実態にかんがみまして、今回共済掛金の国庫負担を、牛につきましては二分の一、種豚につきましては五分の二に引き上げるとともに、肉豚につきましても、これは初めてでございますが、三分の一の国庫負担を行うことによりまして、農家負担の軽減によるところの加入の促進と畜産経営の安定を図ろうとすることといたしたわけでございまして、いま申し上げましたような段階で牛、豚について国庫負担の割合を決めたわけであります。
○津川委員 少し時間が延びましたが、これで最後にしますが、先ほど問題になった、選挙しなくてもよろしいという、あそこの削除、これは、農林大臣、団体の幹部は選挙がめんどうくさいからやりたくない部分がある、その話を皆さんが聞いているのです。ところが、本当に共済制度を健全に発達させようとするならば、たくさんの農民が下から起きてこなければならぬ。だれでもが役員に立候補していけるようなかっこうを進めるべきだ。だからこそこの間のときわれわれがわざわざ皆さんのものを削除したことは、先ほども問題になりたとおりで、これに逆行してくることをあえておやりになっておる。ここのところに非常に大事な問題があります。 第二番目、私は津軽。有名な津軽選挙、ここでは、理事者や幹部がどうしたならば選挙をやらないで済むかということが、幹部のひたすらなる努力なのです。したがって、あのとおり汚れた選挙が出てくる。そこで、押さえて押さえてどうなるかというと、ならず者を出してくる。これが、選挙をやると落ちるのです。したがって、選挙をやらないというのは、このならず者を出してくるためのボス支配の腐敗の具体的な根源なのです。したがって、この問題は撤回していただいて、選挙をやる。これはならず者に対する信任投票です。したがって、定款において、このならず者がきわめて少ない点数であった場合には資格を与えないという制限を加えてこそ、初めて健全なる運営ができると思います。 そこで、まず選挙をやるという形にして、省くことができるということを撤回していただいて、私は、現地を、そういうものを御案内して説明しますから、それであえてやらなければならないのだったら、来年この削除案を出していただきたい、ここまで思う次第でございます。大臣いかがでございます。
○安倍国務大臣 こういう規定は、土地改良区、漁業協同組合等にあるわけでございますし、組合にいたしましても、選挙をやるなということで押さえつけるというふうなことではもちろんないわけでありますし、ただ定足数に足らない場合は選挙を省くことができる、そして選挙をやるかやらないかはその組合の自主的な判断によって決めるという道を開くわけでございますから、先ほど申し上げましたように、前例も、ほかの団体等にもそういう例があって、そして非常に円満に運営が行われておるわけでございますから、私は、これを入れることによって一層組合の民主的な運営というものには差し支えない、こういうふうに判断しております。
○津川委員 これで終わりますが、円満に運営されていると言って、大臣、大丈夫ですか。私は、選挙を省くことができるという団体でめちゃくちゃなところを幾らでも案内するから、見てみて、それでも大臣が自信があったならば来年出してくださいと言っているのです。どうです、もう一回答弁を求めます。それで終わります。
○安倍国務大臣 先ほど申し上げましたように、組合の民主的な運営というものを妨げるものではないわけで、この投票を省くということもあくまでも自主的に決定されるべき問題であって、政府としてこれを押さえつけるというようなことは一切いたしません。
○津川委員 終わります。
○湊委員長 次に、染谷誠君。
○染谷委員 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。 わが国は天然自然に恵まれまして、季節を問わずいつも新鮮な野菜が供給されて、その種類もまことに数え切れないほど多くのものがございます。このように多種多様な野菜が大量にいつでも国民の食卓に提供されるということは世界でも類例のないことではないか、このように思っております。私は、かくも豊富な野菜を日夜営々として供給してくれまする野菜生産農家のあることを世界に対して誇りに思ってもよろしいのではないか、このように考えておるわけであります。 そこで、野菜はいまや私どもわが国の農業にとりまして米、畜産に次いでのきわめて重要な部門を占めておりますが、私は、生産農家の絶え間ない創意と努力によるところでありまして、深く敬意を表するものでありますが、あわせてこれが指導奨励に当たられまする政府当局の施策がまことに時宜よろしきを得たものであると思考するわけであります。 それだけに、国民の毎日の食生活と緊密不離の関係にありまするこの野菜の価格というものは、これが一たん変動いたしますと、国民生活にとりましては非常に大きな高い影響があるわけであります。野菜価格の低落のときの生産者の苦しみを理解して、これに温かい手を差し伸べることがそもそも安定供給を確保するところの要諦である、こう思っておりますが、反面にそれがまた国民のための政治にほかならない、かように考えております。 このたびの野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案につきまして、以上のような観点から、基本的な問題につきまして政府の見解をお尋ねいたしたい、かように思っております。 まず第一に、今回の法改正の経緯につきまして政府の所信をお伺いいたしたいと思います。 昭和四十一年に野菜生産出荷安定法が制定されました当時、野菜対策といいますと、まことに微微たるものでありましたが、このような体系的な野菜制度が確立されたことは画期的なことではないか、このように思います。その後における野菜農業の発展は隆々たるものがありますのみならず、いま日本人の食生活の中におきまする野菜の摂取量というものはフランス国民に次いで大体世界第二位である、こう言われております。このような状況の中で今日まで十年間、この制度は一体どのような役割りを果たしてきたものであるか、その意義につきまして、当局の見解をお尋ねしたいと思います。 俗に十年一昔と言われますが、この十年間に、野菜をめぐる諸情勢は著しく変化いたしまして、農業生産におきましても、国民消費生活におきましても、野菜の重要度というものは非常に高くなっております。このようなときに、本制度の改正に踏み切ったことは、まことに時宜を得たものであると考えられますが、そこで、今回の法改正を行うに至りましたのはどんな理由によるものであるか。この野菜対策に取り組む政府の基本的姿勢とあわせて所見を承りたい、このように思います。
○安倍国務大臣 いまお話がございましたように、昭和四十一年に野菜生産出荷安定法が制定されるに及びまして、初めて野菜に関して体系的な施策が講じられることとなったわけであります。すなわち、野菜の集団産地の育成、そこでの計画生産、そこからの指定消費地への計画的出荷、野菜生産出荷安定資金協会による低落時の価格補てん等であります。これらの施策は逐次拡充をされまして、昭和四十七年には秋冬期重要野菜に関する助成の拡充と消費者対策としての野菜価格安定基金の売買保管事業等が新たに行われることとなったわけでございます。 野菜の生産は、同法制定以来国民所得の向上に伴う需要の伸びと消費構造の変化に対応して品目構成の変化を伴いつつ増大をしてきましたが、このような円滑な対応が可能であったのは、生産者の努力はもとよりでございますが、野菜の生産、流通、価格にわたる諸対策が大きな役割りを果たしたものと考えております。 しかしながら、この十年間に野菜の生産及び消費を取り巻く事情は大きく変貌いたしました。野菜の農業生産及び国民消費生活に占める重要性の増大、野菜の消費の多様化及び平準化、流通の広域化の進展等、最近における野菜に関する諸事情の変化に対応して、これまでの野菜制度の骨組みは動かさないこととするものの、野菜の供給安定対策の強化を図る見地から、制度の対象となる消費地域の拡大及び野菜供給安定対策の実施体制の整備等を行うこととして、野菜生産出荷安定法の一部を改正することといたしました次第であります。 この場合、農家が安心して野菜を生産できるようにすることは、野菜農業の健全な発展のためにも国民消費生活の安定のためにも重要なことでありますので、今後とも価格安定制度の充実に努めるとともに、需要に見合った生産を確保していくことを基本といたしまして、施策の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
○染谷委員 次に、今後の野菜需要の見通しとその施策につきまして政府の見解を伺いたいと思います。最近の野菜の生産、消費は順調に伸びまして、消費者の多種多様な需要にこたえて供給が図られておりますが、その生産の内部に立ち至って細部にわたってこれを検討いたしますと、作付面積はむしろ減少しております。一方、生産者の努力によりまして収穫量は増大しておるというのが実情でございます。しかも、わが国は世界に冠たる野菜国でありながら、その生産は零細にして多数の農家によって支えられておるのが事実であります。今後、野菜の需要はますます増大すると思われますが、現在のような生産構造のもとで今後の必要な供給を確保することにいささかの不安もないかどうか。 さらにまた、政府は農業基本法に基づきまして昭和六十年の供給見通しを立て、これに即した施策を実施していくのに十分な自信はあると思われますけれども、その見通し達成のために政府はどのような施策を展開していくか、その方針等についてお尋ねをいたしたいと思います。
○安倍国務大臣 お答えをいたします。 昭和五十年五月の「需要と生産の長期見通し」によりますれば、需要は、一人当り需要増年率一%程度、人口の増加による需要増一四%で、基準年次四十七年の二六%程度の増加を見込んでおるわけであります。このような需要の見込みは、野菜の消費動向としては妥当なものではないかと考えております。 他方、生産につきましては、このような需要を原則としてすべて国内生産で賄うたてまえのもとに、六十年におきましては述べ作付面積六十七万ヘクタール、十アール当り収量平均三トンと見込んでおります。 野菜生産に必要な農用地は六十年では四十五万ヘクタール程度と見込まれるので、面積的にはその確保は可能であると見込んでおります。 しかし、野菜の種類別の需要の伸びを見ますと、根菜類の伸びが低く、洋菜類はかなり伸びが見込まれるなど、種類間では異なり、それに対応した生産を確保するためには、生産対策について今後特に留意をする必要があると考えられるわけであります。 こうした観点から、集団産地の一層の育成、土地基盤整備等、地力維持向上のための生産対策、機械化、装置化等による生産性向上対策等を重点に、今後施策の一層の充実を図ってまいらなければならないと考えております。
○染谷委員 次に、価格補てん制度問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 野菜価格の不安定なことが野菜に関する最大の問題点であることは論を待ちません。そこで、野菜生産の振興を図っていくためには、野菜価格の低落時に対する不安をなくすることが不可欠の要件であります。政府は、価格安定のために今後どのような対策を講ずるお考えでありますか、お尋ねをいたしたいと思います。 特に、生産者が安心して生産するためには、いまの価格補てん制度ではまだ必ずしも十分であるとは言えないと思う。むしろ生産費を基準に再成産の確保が図られるように保証基準額の引き上げを図るべきであるという意見もございます。そこで、価格補てん事業について政府は今回制度改善を行っておりますが、さらに今後どのようにこの充実を図っていくか、これらの見解につきましてお伺いをいたしたい、こう思います。
○安倍国務大臣 野菜価格の安定を図るためには、その供給の安定を図ることが基本的に重要でございます。このため、計画的な生産、出荷を推進するとともに、価格が低落した場合には価格補てんを行って生産者への影響を緩和し、次期以降の作付の変動を防止することといたしておるわけであります。 価格補てん事業の保証基準額は、過去の市場価格から趨勢的に求めたいわば想定平均価格を基礎にして決められ、需給実勢を反映した方式となっておることは御存じのとおりであります。この保証基準額が低いという不満や、これを生産費を基礎として決めよという意見があるわけでございますが、野菜は自由に流通する商品であるということ、あるいは気象条件等によりまして著しい豊凶の変動がある上に貯蔵性がないということ、野菜はまた種類、作型も多く、生産形態も多様であり、統一的な生産費を把握しがたいこと等から、生産費を基礎とする方式の採用はなかなか困難でございまして、価格低落時の下支えとしては現行の需給実勢方式を基礎とすることが妥当ではないかと考えております。 価格低落時の不安がなく農家が生産できるようにすることは、野菜供給の安定を図るためにはきわめて重要でありますので、五十一年度におきましても保証基準額の見直しによる引き上げを行ったところでありまして、今後とも野菜需給価格研究会を開催をいたしまして、算定方法の改善、補てん機会の増大等を行いまして、生産者の負担の緩和等につきましては検討をしてまいりたいと考えております。
○染谷委員 次に、野菜の流通合理化問題につきましてお尋ねいたしたいと思います。 野菜が物価問題としてしばしば話題になりますことは、流通部門に問題を含んでいるのではないかというところであります。野菜のように多種多様で、しかも常に生鮮性を要求されるものにつきましては、これに即応する流通体系が要求されることは当然であります。これを一朝一夕に改善するということはなかなかむずかしい問題でありますが、この合理化を図ることはきわめて必要な事柄でございます。これらにつきましで、政府としての考え方を具体的にどうお考えになっているか、お尋ねを申し上げたい、こう思います。
○今村(宣)政府委員 お話のとおり、野菜の価格安定を図りますためには、生産出荷の安定と同時に、流通の合理化を進めることがきわめて重要でございますので、私たちとしましては、その流通の合理化について次のような総合的な対策を強力に推進をいたしたいと考えております。 まず第一は、野菜の流通の大宗を占めます市場流通の改善、合理化を図ることでございます。このために、卸売市場整備基本方針あるいは中央卸売市場整備計画を定めまして、これに基づいて計画的に市場施設の整備を進めると同様に、価格の安定、流通の合理化を図る観点から、市場における取引についても予約相対取引の定着化に努める等、所要の改善を図ってまいりたいと考えております。 第二は、卸売市場を通ずる野菜流通への刺激や補完、こういう意味合いの効果を期待いたしまして、いわゆる産地直結取引その他さまざまな形での市場外流通を正当に評価して、これを育成することでございます。このために、産地直結取引を行うモデル事例等に対する助成でありますとか、あるいは農協営の食料品小売施設に対する助成等の新流通経路の育成事業を実施をいたしておるところであります。 第三には、小売業の合理化、近代化を図ることでございますが、このため、地方公共団体等の設置する総合食料品小売センターの整備でありますとか、小売業者が共同で設置します配送合理化施設等に対する助成を行いますほか、生鮮食料品等小売業近代化資金貸し付けの拡充でありますとか、食料品流通改善協会に助成して行っている、小売店の経営改善指導事業の強化を図っているところであります。 第四番目には、以上のような市場流通の円滑化あるいは新流通経路の育成、小売業の近代化等とあわせまして、産地におきます集出荷体制の整備を図ることでございます。このため、産地の集出荷施設の整備強化を進め、野菜の出荷、流通についての所要の施策を講じておるところでございます。 以上申し述べましたように、政府としては、野菜の流通の合理化の問題に対しそれぞれの段階でさまざまな努力を重ねてきているところでございますが、生産者団体による系統出荷の促進も含めまして、流通問題の改善には、その性格上、一朝一夕に効果はなかなか期待しがとうございますが、長期にわたるじみちな努力の積み重ねを行いまして、今後とも流通の重要性を十分踏まえて施策の拡充強化に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○染谷委員 次に、生産、出荷調整に関する問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 野菜価格の安定を図るためには計画生産と計画出荷を行うことによって、需要に見合った生産、出荷を確保することは不可欠の要件であります。そこで、生産者団体は、共販体制の拡大、強化に努めて、共販活動を通じて自主的な調整や計画的な生産、出荷の確立を図っていきたいと考えているわけであります。これら生産者団体の役割りはまことに大きなものと考えられるわけでありますが、しかし、野菜は作柄が変動したり貯蔵性が乏しいなどの点から、生産者団体といたしましても出荷調整を行うことがなかなか困難なこともまた事実であります。このような生産者団体の自主的調整機能の活用による計画出荷の推進につきまして、政府としてどのようなお考えがあるか、ひとつお伺いをいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 野菜の計画的な生産、出荷を推進するということのためには、やはりどうしても生産者団体による共同販売活動を通じて行うということ以外に効果的な方法は見当たらないわけでございます。そういう観点に立ちまして、現在の野菜生産出荷安定法も、指定産地から指定消費地へ出荷される野菜で、しかも共販に乗っておるものについて価格補てんの対象にいたしておるわけでございます。このために、計画的な生産、出荷を図るという意味合いにおきまして、産地、県、地域、全国というそれぞれの段階に生産出荷協議会を開催をいたしておるわけでございます。 この生産出荷協議会の今後の活動ということにつきましては、私たちは十分いろいろ検討を加えてその改善を図ってまいる必要があると思います。また、従来から生産者団体の自主的活動を通ずる計画生産、出荷の一層の助長を図りますために、大根、白菜、キャベツというような重要な秋冬期野菜につきましては、たとえば予約概算金を支払うとか、あるいは特別の一〇〇%の価格補てんを行うというふうな措置を講じまして、生産者団体の需給調整機能の活用を図ってまいってきておるところでございますが、御指摘のようになかなかその生産者の調整機能の活用ということにつきましてはいろいろの問題がございますから、私たちは、その機能を十分活用するという観点に立って、今後さらに具体的にどのような方法が考えられるかということにつきましては、研究会を設けまして生産者団体等の代表者も含め、十分検討を行ってまいりたいと考えている次第でございます。
○染谷委員 次に、新しいこの基金制度の運営につきまして所見を承りたいと思います。 今回のこの法律改正により、野菜供給安定基金が設立されることになり、従来この生産者対策を行っておりました野菜生産出荷安定資金協会と消費者対策を行ってまいりました財団法人野菜価格安定基金が統合されることになりました。生産者対策といい、あるいは消費者対策といっても、野菜につきましては全く車の両輪のようなものでございまして、一体的にこれを行っていくということはこの機構の簡素化にも役立ちますし、またこの体制の強化にもなるのではないかと、このように思いまして、まことに結構なことだと思うわけですが、しかしながら、従来の野菜生産出荷安定資金協会におきましては生産団体が会員として参加しており、新しい基金におきましても生産者団体の意向を十分反映して業務の運営を行う必要があると思われますが、この点に対して農林当局がどのようにお考えになっておるかお尋ねしたいと思うのです。 それは、たとえば評議員会の構成というものは一応明示されております。これだけで果たしてよろしいかどうか。運用上の問題でありますが、さらに一歩を進めて、この出荷団体の協議会的なものを設けるなどにつきまして十分な配慮をなされるべきではないかというふうな考え方を持っておりますが、これらに対する見解を伺いたい、こう思っております。
○今村(宣)政府委員 このたび新しく設立される基金は、従来の資金協会が行っておりました資金と、それから従来の安定基金が行っておりました消費者対策といいますか、そういう側面の業務と両方行うわけでございますから、御指摘のとおりその業務の運営は適正でなければならないと思っております。しかし、同時に従来の生産者のお立場ということも十分に配慮をしなければなりませんので、私たちといたしましては、二十五人以内の評議員会の構成におきましても生産者の立場を十分配慮をして、十人程度はこれに参加をしてもらうというふうな構成で考えていきたいと思っております。また、出荷団体の意見を反映させるというふうな意味合いにおきまして、出荷団体の協議会を設けまして、出荷団体の代表者の方にお集まりいただいて、そして出荷団体の意見も十分基金の運営に反映されるような措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○染谷委員 次に、都道府県の公益法人に対する助成問題についてお伺いをいたします。 従来、価格補てんの対象が指定野菜に限られておりましたものが、今回は都道府県の法人を活用して各地域の特産的野菜にまで価格補てんが行われるということになりましたことは、まことに時宜を得たものと、かように思っております。ただ、対象品目が十四品目に限定されておりますが、今後さらにこれを拡大していくべきではないかと、このように考えております。これらについてひとつ政府の見解を伺いたいと思います。
○今村(宣)政府委員 特定野菜の品目の選定に当たりましては、毎日の食生活の副食として不可欠であって、日々の価格変動が消費生活の安定にとって重要と考えられる日常性の高い品目から優先採択するという方針で、当面ゴボウ、カブなどの十四品目を対象といたしたわけでございます。しかし、スイカ、イチゴあるいは露地メロン等につきましては、各地から非常に強い御要望がございますので、私たちは今後消費と生産の動向を踏まえた上で十分前向きに検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○染谷委員 時間の関係もありますので、以上をもちまして私の質問は終了させていただきたいと思いますが、この法案が一日も早く成立をして、国民食糧の提供者である農業生産者とその恩恵に浴する多数の消費者に対して、野菜の安定的供給確保が適正価格の維持に大いに役立つことを期待いたします。
○湊委員長 次回は、明十三日木曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時三十一分散会 ————◇—————