農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/03/29
会議録
○湊委員長 これより会議を開きます。 土地改良法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 土地改良法の一部を改正する法律案に対して、簡単に御質問をいたしたいと思います。 今回提案された特別会計に繰り入れをして事業実施する七地域、この七地域についてだけ取り上げたというのはどういう理由なのか、まだほかに、順次これは毎年計画にほとんど全部特会に繰り入れていくようなやり方をするのか、その点の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○岡安政府委員 昭和五十一年度におきまして、一般会計の事業を特別会計に振りかえるというのは、合計九地区実は考えているわけでございます。そのうち二地区につきましては、すでに土地改良法並びに特別会計制度上振りかえが認められるいわゆる一般的な灌漑排水事業の地区でございまして、それ以外の七地区につきましては、現在御提案申し上げております土地改良法の一部改正並びに特別会計法の一部を改正いたしまして、振りかえを可能にいたしまして、実施をいたしたいというふうに考えておるわけでございますす。 七地区を選んだ理由でございますけれども、特別会計につきましては、それの事業対象にする場合には、新たに財政投融資資金の確保その他がございますので、一般的には、相当規模の大きい地区とか、ほかの事業との関連から進度をアップしなければならない地区とか、そういう地区を選んで、順次特別会計に繰り入れております。 それからもう一つは、特別会計に振りかえるに当たりましては、地元の同意というものが必要でございますので、そういうような熟度といいますか、そういう面が進んでいる地区から順次これを振りかえるということも考えて、今回の法改正に伴いまして、とりあえず七地区を振りかえたい、かように考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 いまお答えになったように、非常に進捗率がおくれてくる。これを短縮するためにやるというのですが、いままで大幅におくれてきておるわけですね。この期に及んでこれをいかにも正当づけるような理屈をつけてやるというのは、見通しの甘さというか、当然いままで何らかの処置をとらなければ大幅におくれてくることは予測されておっただろう。予算のつけ方から見て、要するに着工、起工式の時点で、関係農民には、およそ何年でやるというぐらいのことは明らかに公表しておるわけですから、それを守らなかった、そして守れなかった理由は何なのか。そして、この期に及んで特会に振りかえなければならぬということ、そのために改めてまた同意のし直しをするということは、われわれちょっと簡単に考えて、農林省のいままでとってきた責任というものが余りにも感じられないという気がするのですが、この点どうですか。
○安倍国務大臣 私からお答えいたしますが、農用地開発事業につきましては、御存じのように、特別会計制度が設けられた三十二年当時は、現行とは仕組みが全く異なった旧制度開拓事業として行われておりまして、特別会計制度を適用する余地がなかったという沿革があることは御案内のとおりであります。また、現行農用地開発事業の仕組みが生まれたところの昭和三十六年以降も、昭和四十八年ごろまでは事業の平均工期も十一年ないし十二年と、さほどおくれを見せることがなく事業が推進されていたために、これまでは特会事業の対象とはしていなかったわけでございますが、昭和四十九年度以降、事業単価の上昇あるいは公共事業予算の抑制などの事情によりまして、昭和五十年度では事業の平均工期が二十年にも達し、事業の推進に重大なる支障が生じておるわけであります。 このような状況に対処して、今回、農地造成事業及びこれと灌排とをあわせ行ういわゆる総合土地改良事業を特別会計の対象に加え、その完了の促進を図ることといたしたわけでございます。したがって、昭和四十九年度、五十年度といった予算の抑制あるいはまた物価の値上がりということに対処するために今回の措置と相なったわけでございます。
○柴田(健)委員 こういう措置をとれば進捗率が伸びるという、そういう考え方は一応持てるのですが、しかし今度は大蔵省との関係で、大きい国営の農用地開発事業はほとんど財投の資金で借り入れでやりなさいということになって、一般会計の財源というものがだんだん削られる可能性が出てくるのではなかろうか、そういう気がするのですが、将来そういう見通しはどうなんですか。
○岡安政府委員 特別会計の対象事業は、御案内のとおり事業費の一部につきまして財投資金を導入するわけでございますが、私どもは、そういう事業が一般会計で行われた場合要するであろう国費、これを節約をして、それを財投資金で肩がわりするという思想はないわけでございまして、一般会計の財政資金、これを大幅に拡大をしたいと思いますけれども、なかなか財政の事情で許さない場合には、それを確保した上でさらに財投資金を上乗せして事業を実施するという心構えで予算要求もし、また予算もセットをされておるわけでございます。したがって、私どもは特別会計事業とすることによりまして事業を大幅に伸展できるというふうに考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 大幅に伸びるという理屈はわかるのですが、しかし大体初年度か二年度ぐらいまではこういう方式をよくとられる。ところが、後は上積みでなしに原資はほとんど財投資金でやりなさい、一般会計はそれこそ今度は逆転する可能性がある、こういう心配があるので、あくまでも一般財源は八〇%なら八〇%つける、その補完的に二〇%なら二〇%を財投で進捗率を伸ばしていくように総事業費をふやしていくのだ、こういうことにしないと、それが逆になって財投が八〇%で一般財源が二〇%だ、こういうことになっては今度はまた進捗率が当初計画よりおくれてくるという心配が出てくるので、あくまでも一般財源充当率は八〇%を下らない、その上積みはこの財投資金でやるのだ、こういうことがある程度明確になっておらないと、そこに不安というものが起きてくるのではないでしょうか。
○安倍国務大臣 いま御心配のようなことは全然ないと思っております。と申しますのは、財投分はこれは地元負担分でございますので、一般事業費につきましては、これからの財政の状況もございますが、これは確実に伸びていくわけでございますので、財投資金によって一般の予算までも食われてしまって逆転するというふうなことはあり得ないと私は考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 そういう心配がないということを大臣が明確に言われるならそれは信用しておきますが、万一狂ったら農林省は重大な責任を持ってもらわなければいかぬ、こういうふうに考えます。 次に、今度特会振りかえの七地区についてみると、事業費が大幅に増額されており、農地開発の宮崎県の美々津地区は五十年度は六億一千万、今度は十二億になるのですね。そのうち借り入れが三億一千二百万ということで、伸び率が相当伸びて倍ぐらいになる。福井県の坂井北部が、十一億が今度は二十一億になる。ところが、いままでの人の問題を見ますと、美々津の方はいま二十九人職員がおり、坂井北部が三十九人おる。五十年度予算の事業費の倍ぐらい事業費がふえるのに、人は全然ふえないというのはどういうわけですか。この点、いままでは予算がないので人が余り過ぎて仕方がないので半人前ずつ仕事をやらぬかということで、一人前の持っておる能力を十分出せなかったのか。何ぼ総事業費が倍になっても人はこれで完全にやれるのか。この点どうですか。
○岡安政府委員 御指摘のとおり、今回振りかえになります七地区につきましては、五十年度と五十一年度の事業費を比較いたしますと、大体倍近くそれぞれ増加いたしているわけでございます。この事業を実施するための職員をどうするかという御指摘でございますが、確かに土地改良関係の事業を実施いたします定員は、毎年総体的には減員、これは一般的な国の方針に従いまして減員はいたしておりますが、このように事業量が増加する地区につきましては、それぞれその事業の進捗状況等を考えまして、適正な定員の配分をいたしておるわけでございます。したがって、五十一年度につきましてこれらの七地区について何人の人員を決めるかということはまだ確定をいたしておりませんが、やはりこれだけの事業量の増加に見合いまして、昨年よりも若干職員は増員されるものというふうに考えております。
○柴田(健)委員 これからの検討課題で、職員の増員配置については十分考慮して取り組んでいく、こういうことですな。
○岡安政府委員 先ほど申し上げましたように、国の一般的な方針としまして、総体としてはやはり減員をせざるを得ないような事態にはございますけれども、地区地区の実情に応じまして、御承知のとおりその事業執行に差し支えないような定員は確保してまいりたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 いままでは一般財源で事業をしたのですが、今度は借り入れをする場合、金利がつくのですが、この金利負担は全額国が持つのですか。事業完了後この金利も計算をして、率に応じて農民に負担をかけるのか。この金利の精算方式、負担方式というものをどう考えておられるのか、この点をお答え願いたい。
○岡安政府委員 特別会計制度に振りかわったことによりまして新たに財投資金が導入されるわけでございますが、この資金の借り入れに伴います利息、いわば建設利息に相当する部分は、これはすべて地元に御負担をいただくということにいたしております。もちろん事業完了いたした後でございます。完了後若干の据え置き期間を置きまして、年賦で御返済をいただくわけでございますが、これには元金のほかに要しました建設利息を御負担いただくというふうに考えております。
○柴田(健)委員 大臣、これはおかしいと思うのです。当初計画五年なら五年、七カ年なら七カ年で、その間にこの事業を完了いたしますということで、予備調査をし、実施設計を組んで、そして事業開始をやって、当初計画からいうと百五十億なら百五十億で十カ年でやるとするならば、毎年十五億の予算をつけてやれば、そう進捗率が狂うということはない。それを三分の一ぐらい補助をつけていくから、十五年なり二十年なり、見通しでは将来二十何年かかるのではなかろうかというようなことになって、大きな見通しの誤りというか、財源をつけないからそういうふうに進捗率が非常におくれてくる。その責任は農民にはない。関係農民ではない。農林省の努力の足らぬところだ。それから、十カ年で計画をやったものだったら、百五十億の総事業費なら年に十五億ずつつけたらいいわけだ。これはだれが考えても当然のことなんです。それを予算をつけずにおいて、今度特会にある程度財投を投資して、財投の金を借り入れをしてやるのだ、金利は農民がかぶりなさいよ。初めからそういうことで、財投から借り入れをしてやるのだということで関係農民に同意を得ておる地域ならよろしいが、しかし、中途で変更するという地域は当然国が金利をかぶるべきじゃないですか。筋が通らぬと私は思うのですよ。初めから農民に同意を得てやったらいいけれども、途中でこういうことを方向転換をさせるという地域については金利は農林省がかぶるべきだ。この点どうですか。
○安倍国務大臣 国営の土地改良事業を一般会計で実施する場合につきましては、農民負担分については、その負担能力等も考慮いたしまして、事業完了後長期の年賦支払いによることとしておる関係で、毎年度の事業費を全額一般会計支出で賄わざるを得ないわけでございますが、この方式によるときは事業の進度が制約されるという問題があるわけでございます。特別会計方式は、この地元負担分について借入金を導入し、一般会計支出額のほかにこの借入金分だけ上乗せして事業を実施することによりまして、工事の完了を促進しようとするものでございまして、この借入金につきましては、国の資金であるところの財政投融資をもって全額を充当するのであって、そのねらいはもっぱら事業効果の早期発現等によります地元の利益の増大にありまして、国の都合で行うものだというような御批判がございましたが、これは当たらないと考えております。 その地元負担につきましては、一般会計で実施する場合に比べ、建設利息等が加わわるため見かけ上高くなっておりますが、その上昇分は地元利益の増加分によりまして十分カバーされると考えられるので、特別会計事業につきまして、金利の負担等により若干の負担増が生ずることは、他事業とのバランス等もあり、やむを得ないと考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、具体的な地区ごとの制度の適用につきましては、国が一方的に決定をするのではなくて、一般会計実施とするか特別会計実施とするかは地元の選択にゆだね、受益者の三分の二以上の同意に基づく地元からの申請があったものに限り特別会計で実施することといたしたいと考えておるわけでございます。 なお、いま事業の中途においては地元の同意を必要とするかしないかという御質問もございましたが、事業の継続中におきましても、特別会計に切りかえていく場合には地元の同意を必要とするということでございます。
○柴田(健)委員 いまの同意のとり方がまた十分説明してない地域がある。今度は事業を伸ばすために特会でやるのだ、そういう金利についてはまだ十分説明してない地域がある。やったようにあなたは言うているけれども、十分同意を得るためにそういう細かいことの説明はなされてない。大体都合の悪いところはなるべく隠すようにしておる。いいところばかり宣伝するんだ。これは役所の常套手段だから、いまに始まったことじゃない。金利負担もこのくらい要りますよ、毎年たとえば五億なら五億財投の金を使います、金利はこれくらいかかります、こういうもっと具体的に表にして同意を求めておかないと、後でまた問題になる。こういう心配があるから、私は、場合によったら金利だけはこの中途変更の七地域については全額国が持ちますというぐらいの腹をくくっておかぬとえらいことになりますよ、こういう気がするから申し上げているのですが、その点の見解を聞いておきたい。
○安倍国務大臣 この特会制度でいくかいかないかということは、あくまでも地元の選択でございまして、地元の同意が得られない、地元がいままでのような一般会計によって行おうということならば、それで事業を進めることになるわけでございますし、多少負担増があっても、事業の進捗を早めて利益の還元を早めるために、特会制度でやろうという選択がなされればそちらでいくわけでございます。いずれにしても、この金利等の問題につきましては、これはもうわかる問題でございますから、何も地元にこれを隠して政府の方で一方的に方向を決めようということではないわけでありまして、十分その実情、実態は説明をして、自由な地元の選択にゆだねたい、こういうふうに考えるわけであります。
○柴田(健)委員 たとえば宮崎県の美々津の事業は大体いまの計画でいくと四十六年着工、総事業費が百五十七億一千万、受益面積が千六百ヘクタールですから、大体十アール、一反が百万円近くかかる。それから坂井北部が大体七十万円ぐらいかかる。三重県の青蓮寺が九十万円ぐらい十アール当たりかかるんですね。兵庫県の東播用水は安くて三十五万、これは灌漑用水施設ですから。徳島の吉野川水系でも四十万ぐらい。こういうことで単価を見ていくと農民の負担というものは、七五%は国が持つんだ、残り二五%の半分は県が持つ、農民は一二・五%だから、百万かかっても十二万五千円じゃないか、それに金利を加えて、十五年償還にして一年が一万五千円ぐらいだから大したことはないだろうと、こういう算用のようですが、私は、そういう算用自体が日本の農民の心理を知らない、日本の農業の実態を知らない人が言うんだという気がするんです。灌漑施設については別としても、農地開発については三年ぐらいはもう絶対収益は上がらない。土壌改良をするために三年ないし五年ぐらいかかる。何をつくるにしても相当長期間収益性は出てこない。そういう中で、事業完了と同時に十アール当たり十二万五千円から十三万円というのは少し高過ぎる。だから、事業をするなら、国が七五%持つんだからもうそれでいいじゃないか、百万かかっても二百万かかってもいいじゃないか、金利が少々ついても早くやった方がいいじゃないかという、そういう軽い気持ちでやっておられるようですが、農民が 一たび作物を植えつけて、それからその作物の品目別に、たとえば償還の年限を弾力的に幅を持たせていく、要するに支払いの方法を何とか考えてやるというようなことを、もうこの辺で考えた方がいいんではなかろうか、こういう気がするんですが、支払いの方法についての見解を聞いておきたい。
○岡安政府委員 お答えをいたします。 特別会計の地元負担分についての支払いの方法でございますが、これは灌漑排水の場合と農用地開発の場合と若干違いますが、御質問の農用地開発の例で申し上げますと、まず支払いは都道府県負担分と地元負担分に分かれます。いずれも支払いの開始は事業完了の翌年度からでございまして、元利均等年賦払いということにいたしております。ただ、御指摘のように農地開発の場合には、開発された農地につきまして十分な生産力を上げるためには若干の年数を要することは御指摘のとおりでございますので、都道府県負担の場合も地元負担の場合も三年間据え置きにいたしておりまして、その三年間の据え置き期間を含めまして十五年の年賦支払いということを考えておるわけでございます。三年が短いか長いか、またその植えつけられる作物の種目によりましてどうかという御指摘で、なお検討をすべきであるという御指摘がございました。確かに、非常に例外的には、三年の据え置き期間を過ぎたら直ちに十分な収益が上がるということも言えないものもあるかと思いますけれども、一般的には大体三年間たてば、十分とは言えないまでも相当な収益が上がるというふうに私ども考えております。しかし最近のようにいろいろ作目も複雑になってまいりましたので、今後そういうような点につきましては十分検討はさせていただきたいというふうに思っております。
○柴田(健)委員 三年据え置きということになっておるのですけれども、品目別に、場合によったら五年にしてやるのもあるだろうし、弾力的に、もう少し農民の立場に立ってこの据え置き期間の幅を決めてやるとか、それから償還も、事業完了後十五年というのも、場合によったら二十年にしてやってもいいじゃないかという、多少上限と下限の幅があって、そこに農民の生産意欲、勤労意欲というものが出てくるのではなかろうか。全国一律というのはおかしいという気がするわけですから、地域的なり品目別によってそういう弾力運用も考えていきたい、こういう答弁をしてもらえば簡単なものだと思っているので、へ理屈を言わなくてもいいのですよ。それをもう一遍お答え願いたい。
○岡安政府委員 先ほどもお答えしたと思いますけれども、御指摘のような事態が確かにございます。そこで私どももいろいろ検討いたしております。それぞれ、こういう案ではどうかというようなところを関係省庁と相談した段階もございます。ただ、現状におきましては、据え置き期間をこれだけ延ばすとか、償還の年限に弾力性はこれだけ与えますということをお答えをできないのが残念でございますけれども、十分問題の所在は理解しておりますので、できるだけ努力をいたしまして、これは関係省庁とも相談をしないと決定ができない問題でございますので、ひとつ今後そういう方向で努力さしていただきたいと思っております。
○柴田(健)委員 大いに努力してもらいたい。期待を申し上げておきたいと思います。 次に、この前にも大臣に御質問申し上げたのですが、土地改良事業全般にわたって、補助率の格差というのがどうもわれわれには納得ができかねるわけです。国営の場合、県営の場合、団体営の場合とそれぞれ補助率に段階別をつけるのは、そこに国営の権威があり、県営の権威があるという権威論かどうかわかりませんが、団体営であろうと、県営であろうと、国営であろうと、補助率は同じであってほしい。この点を是正する考え方を持ってもらいたいし、この点について早急にこの補助率の平均化、平等化というものにひとつ取り組んでもらいたい。その点について見解を大臣から聞いておきたい。
○安倍国務大臣 農業の基盤整備事業の事業主体につきましては、事業の種類あるいは受益面積の大小によりまして国営、県営あるいは団体営に区分をしておりまして、それぞれ国の補助率が異なっているのはいま御指摘のとおりでございます。 一般には受益面積の規模が大きい地区につきましては多額の費用を要するダム、頭首工等の基幹施設の建設が必要でございますので、その工事は国、県が実施することとし、国の負担率も比較的高率としているものでありまして、そのようないわゆる基幹的な施設を必要としない小規模の末端事業の補助率との間に差を設けることは現状ではむしろ合理的ではないかと考えておるわけでございます。 なお、土地改良事業の補助率は、現状ではおおむね私たちは適正だというふうに考えておりますが、今後とも実態につきましては十分見きわめまして、必要と認められる場合には、その都度補助率の引き上げ等も要求をしてまいりたいと考えております。
○柴田(健)委員 この補助率については、関係各省いろいろあるでありましょうが、早急に取り組んで解決してもらいたい、こう思うのであります。 時間が余りないですから簡単にお尋ね申し上げたいのですが、いま需給の長期見通しの計画からいうと八十六万ヘクタールの農用地造成をやるんだという農林省の計画、ところが八十六万ヘクタールの農用地造成の適地というものは実際どこにあるのだろうかという疑問もわれわれちょっと持っておるのですが、これは農林省は八十六万ヘクタールという数字を出した限りは確認をしておられるだろうと思うし、その点次の機会に個所別に 一覧表をつくって資料を出してもらいたい、この点要求したいのですがいかがですか。
○岡安政府委員 八十六万ヘクタールの開発につきましては、昨年閣議決定いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」によりまして、そういう需要と供給を考えて農用地面積を五百八十五万ヘクタール確保する必要がある、そのためには壊廃等も見込みまして六十年までの十二年間に八十六万ヘクタールの農用地を新規に開発する必要があるというふうに私どもは考えておるわけでございます。いま、その八十六万ヘクタールについてすでに個所づけがあるだろう、あったらそれを示せという御指摘でございますが、実は私どもはマクロとしまして八十六万ヘクタールを必要とするということを決めているだけでございまして、どの地区についてどういう年次にどういうふうに開発をするというところまで決めているわけではございません。 ただ、これは相当古い調査でございますけれども、昭和四十四年度に農用地開発の可能地の面積の調べをいたしまして、大体全国でその当時百五十四万ヘクタールの可能適地があるというふうに考えております。この地方別の概略の数字は私ども持っております。ただ、その後いろいろ経済情勢その他も変わっておりますので、現在改めて開発適地調査等をいたしております。これは五十年度に地形等の条件を区分いたしまして調査をいたしましたけれども、五十一年度にさらに経済的な条件等を加味しまして、本当に開発が可能なところはどこであるか、どのくらいの面積であるかということを実はさらに詰めたいと思っております。 御要求がありますれば四十四年にいたしました調査資料は御提出いたしたいというふうに思っております。
○柴田(健)委員 四十四年度でもよろしいから個所別のを一応一覧表を委員に配ってもらいたい、こう要求しておきたいと思います。 それに関連してわれわれがちょっと関心を持っておる点は、四十六年以降、大企業、大商社、そういうものがいろいろな形で土地を買い占めをしておるわけですが、近ごろの動きを見ると、買うには買ったが利用計画もなければ何もない。買うだけは買うておけ、こういうことで、四十八年のごときは金融機関が約十兆円ぐらい土地を買うために金を融資した、こういうことが言われておるのですが、そういうふうに土地を買い占めておいて、今日では買い取ってくれ、国土庁にも強い申し入れがある、農林省にもそういう申し入れがあるということを聞いておるわけです。片一方では八十六万ヘクタールの農用地開発をしなければならない。同時にまた一方ではこの買い取りの要請が出ると、大企業が買っておる土地の買い戻しというか、国が買い取ろうか、こういう謀反を起こすような気になってもらっては困るという気がするわけです。どうですか大臣、土地の買い取り要請がどういう形でいま運動されて、大臣の手元に来ておるのか、全然来てないのか、来たところで一切取り合わないのか、取り合うのか、その点の考え方を聞いておきたいと思うのです。
○安倍国務大臣 いま、経済界におきまして土地に投下されました資金の回収が困難となって、これを打開するためにいろいろ対策が検討されておるということは承知をいたしておりますが、私に対しては、まだ何らの要請もないわけでございます。 しかし、私は、この問題は安易な市街化区域の見直しであるとか、あるいは企業救済というふうなことに終わってしまうというふうなことは賛成できないわけでございますが、また反面、買い占められた土地がいつまでも放置されるということは、これは国土の有効利用の観点からいろいろと問題もございます。したがって、農地保有合理化法人の活用によりまして、将来の優良な農林地としての利用が考えられるようであるならば、国土の有効利用上、意味がないわけではないと思っております。いずれにいたしましても、今後の関係方面の動きに注意しながら、優良な農林地の確保という視点に立ちまして、この問題につきましては慎重に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
○柴田(健)委員 大臣、どっちでもとれるような発言をされたわけですが、農林省は、どちらかというとだまされておるのです。たとえば農地転用の許可を農林大臣がおろしている。保安林の指定解除についても農林大臣はやっておるわけです。そのときには適正な利用計画を出して、こういう施設をつくります、こういうことで農地転用の許可も出し、保安林の区域指定の解除許可もおろしておる。それが、いまになって、この利用も何もできないのです、買い取ってください、今度は農地の国土利用計画の中でこれをはめ込んでください、こういう要請をしてくるということは、ほかの省はいざ知らず、農林大臣がだまされた地域に、また色目を使って買い取りだとか、買い戻しだとか、計画変更するということになると、農林省は何をしているのだ。約束をしてちゃんとこういう計画で青写真はもうできて、それに合わして、農地転用の認可なり保安林の指定解除をしたところについて適正に指導して、忠実に計画の実施をさせるべきが当然である。それをさせずにおいて、また農林省が買い戻しに一役を買うなんというのは、何と考えても農林大臣は一人二役の大臣にしなければならぬということになるわけです。農林大臣は一人おればいいわけです。それから、認可をおろしたら認可をおろしたとおりに実行させていくことが農林大臣の任務じゃないのですか。それを、いまのような言葉を聞くと、どうもまた買い戻しのお先棒を担ぐような可能性があるような気がするのですが、大臣、その点をもう一遍はっきりしてもらいたい。
○安倍国務大臣 あくまでも食糧の自給力確保という観点から、優良農用地は確保していくということが農林省の基本的な方針でございます。そのために、農地法の厳正な適用あるいは農振法の運用等によって、われわれは優良農用地が壊廃をしていかないということに対して真剣に取り組んでおるわけでございます。いま申し上げた私の答弁で、いろいろと誤解があるといけませんから申し上げるわけですが、転用した農地等は、その目的、趣旨に従ってこれが開発されることはやむを得ないわけでございますが、実は仮登記がされて、農地の転用はされない、仮登記がされて、そして遊んでおる土地、これは企業等の買い占めによりまして、そういう仮登記はされておる、しかし現在遊んでおるというふうな農地があるわけであります。そういう農用地等につきましては、これは合理化法人等によってさらに買い上げさして、そして農用地として活用していくということ等は積極的に考えていかなければならぬといいますか、その点については十分配慮しなければならぬということを私は申し上げておるわけでございます。
○柴田(健)委員 いま仮登記方式の売買契約した地域をあなたは言われたけれども、またこのくらいインチキな悪いやつはないのですよ。こんな悪い考えをしておるやつの方がよけい悪いのですよ。仮登記方式というのは、この買収方法は法治国家の法の盲点をついたやり方です。あなたがお先棒を担ぐためにそんなへ理屈を言うことになると、われわれはまた問題を大きくしていかなければならぬという気がしますので、その点を十分配慮してもらいたい、こう思います。 次に、時間がございませんから申し上げます。土地改良法のいまの法律が私たちは完全なものではないと思っておるわけですが、各条文ごとにもう一遍検討を加えるときが来たのではなかろうか、こういう気がいたしておる。その中で、特に第十八条の関係、役員選任のところなんですが、いま、土地改良区の役員の選任、中央段階なり都道府県段階は別としても、土地連という簡略な名前で、それぞれ百姓の経験をしたこともなければ、組合員でもない者が役員をしたりする。それはいいとして、末端の土地改良区の役員の選任について公職選挙法を適用しておる。土地改良区の役員選挙になぜ公職選挙法を適用したのか。農業協同組合の役員は——これほどいま問題を起こしておる団体はない。不正貸し付けだとか、土地の乱売買であるとか、不動産事業に手を出して失敗したとか、不当貸し付けであるとか、いろいろな形で全国的に農業団体の方が事件が多い。そういう役員は公職選挙法を適用しない。農業協同組合の役員選挙こそ公職選挙法の適用をやるべきであって、土地改良区の方はそう悪いことはできもしないし、そういうシステムになっておる。公職選挙法を適用する限りは、やはり役員の任務というものがもっと明確にならなければならないし、もっと主体性と権限を持たしていかなければならないし、いろいろ運用の面において、いまの土地改良区の役員の選出の面から見て不明確な点がある。それから要するに、土地改良区の運営の面においてルーズになる可能性がある、私はこういう気がいたしますので、この点について改正すべき時期が来ておるのではなかろうか、こう思いますが、どうですか。
○岡安政府委員 実は土地改良法につきましては、制度発足以来五回改正をいたしまして、特に四十七年には相当広範な内容にわたりまして包括的な改正をいたしたわけでございます。いま御質問の、土地改良区の役員の選挙その他の取り扱いについてなお検討を要するのではあるまいかということでございますけれども、これは先生御承知のとおり、土地改良区と申しますのは相当強行規定等がありまして、公的な権限といいますか、それを持っておりますいわゆる公共組合という性格を持っておりますので、いわゆる準公的団体である農協とは多分に違った性格を持っておるものというふうに考えておりまして、したがって選挙等につきましても農協の場合と別の取り扱いがなされておるわけでございます。しかし御承知のとおりやはり重要な役割りを果たしておる土地改良区でございますので、その管理運営等につきましては厳正にこれが行われなければならないし、そのための基礎である選挙に関する問題並びに都道府県その他の指導の問題等につきましては、さらに私どもは検討を加えたいと思っておりますが、現在土地改良法の中で問題があるとするならば、土地改良施設の管理の問題を中心としてなお検討を要するものが残っていると思いますが、それ以外は大体いま現在までの改正でそれぞれ所要の手当ては済んでいるものというふうに実は考えている次第でございます。
○柴田(健)委員 たとえば同じ行政区域内における土地改良区と、行政区域が広範にまたがる、要するに広域性のある土地改良区とがある。そうすると、たとえば二町、三町にまたがる土地改良区については、私は自動的に該当関係市町村長が理事長になるべきだ、こういう気がするわけですよ。それから、ただ単一の一町村の中の土地改良区については、五つあるところもあれば三つあるところもある、いろいろありますけれども、そういう土地改良区の行政区域単位における役員の選任の方法、この点について私は検討を加える必要がある、こういう気がしておるわけです。そうしないと、どうもうまく運営というものはできない、ばらばらの状態になる。同じ町村ならいいですが、関係町村が二、三にまたがる土地改良区については市町村長が理事長になる、副理事長も市町村長がなる、こういうことにすれば運用がうまくいくんではなかろうか、こういう気がしますので、やはりそれは十八条の「役員の選任」の項目の検討を加えて改正すべきではなかろうか。その他役員の選出方法、総代の員数とか、それは自主的にまかしてありますけれども、もう少し検討する必要がある、こう私は思います。その点、時間が参りましたから簡単にお答え願いたいと思います。
○岡安政府委員 いま広域土地改良区について、その役員は市町村長等がなったらどうかという御提案がございましたけれども、私は多少違うわけでございまして、公的な組合、公権力を持っている団体であると言いましても、やはり土地改良区というのは土地改良事業を実施しまた管理するという団体でございまして、土地改良事業につきましては現在農民の方々の同意を得まして申請事業として事業を実施するというような体系になっております。にもかかわらず、土地改良区の運営が全く行政機関である市町村または市町村長等がこれに当たるということは、いささかやはり現在の土地改良制度そのものと矛盾をしないかという問題があろうかと思います。もちろん現在の土地改良制度そのものが現状のままでいいのかどうか、検討の余地はあると思いますけれども、それとの兼ね合いなくしてはおっしゃるような役員についての変更を考えるということは適当ではないというふうに思います。しかし御指摘でもございますので、現在せっかく土地改良制度につきましては研究会を設けておりますので、そういう御指摘の点も含めまして、さらに検討は深めてまいりたいというように考えております。
○柴田(健)委員 時間が参りましたが、とにかく局長、あなたが言うのはどうも実態に即してない。たとえば農地法があり、土地改良法があり、農振法がありということで、大体いま三本の柱でいろいろ進めておる。そういう中で、市町村の任務なり農業委員会の任務なり農協の任務なり土地改良区の任務なりというものの連携がいま十分とれておらないと私は思うのです。だから、そういう連携をとるというシステムをつくり上げていくというのがいま当面大事な点ではなかろうかと思うので、これは局長も十分勉強していただいて——ただ、全国土地連の会長は小坂善太郎さんでしょう。あの人がどんな権威者なのか、こういうことになる。そのことを思えばやはり末端の方が大事だ。上の方はどうでもいい。小坂さんがやっておろうと安倍晋太郎さんがやっておろうとわれわれは関係ない。けれども末端が一番大事なんで、末端のことをもっと真剣に考えてもらいたい、こういうことを提言して、質問を終わります。
○湊委員長 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)委員 土地改良法の一部を改正する法律案に対する質問をいたします。 まず第一に、全国の農耕地の面積のうちで土地改良を必要とする面積は、田畑に分けてどれくらいあるかということをお聞きします。
○岡安政府委員 現在、全国の既耕地の整備につきましては、昭和四十四年に行いました「土地改良総合計画補足調査」の結果等によりますと、四十八年度以降に整備を要する面積は約三百八十万ヘクタールだと考えております。現在の土地改良長期計画におきましては、そのうち約二百八十万ヘクタールを整備いたしたいというふうに考えているわけでございます。 なお、農用地の新規造成につきましては、先ほど申し上げました「土地改良総合計画補足調査」の結果によりますと、開発可能地は全国で約百五十万ヘクタールと考えておりまして、そのうち現行の土地改良長期計画におきましては約七十万ヘクタールを造成するというふうになっております。なお、これは土地改良長期計画によって大体十カ年間に約七十万ヘクタールの造成を考えておるわけでございまして、昨年閣議決定になりました「農産物の需要と生産の長期見通し」では、十二年間で約八十六万ヘクタールの農用地を造成いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 農耕地面積の中で相当土地改良を必要とする面積がある。土地改良、土地改良と叫びながら大変おくれているのは何が原因か、おくれている原因についてひとつ列挙してもらいたい。
○岡安政府委員 確かに、先ほど申し上げました現行の土地改良の長期計画と現在までの進捗率を見ましても、金額で二二・六%しか消化ができておりませんことを考えますれば、非常におくれていると申し上げざるを得ないわけでございます。 その原因を列挙しろということでございますが、まず何と申しましてもやはり物価の値上がり、それから最近におきます公共事業の抑制等によりまして、財政投融資その他の国の側の投資が必ずしも十分でなかったということ、これが私どもの反省の第一点でございますが、それ以外にも、やはり既耕地の整備にいたしましても、新しい農用地の造成にいたしましても、それぞれ地元の同意を取りつける必要があるのでございますけれども、地区によりましてはそういう手続の進捗がなかなか思うようにいかないという点もあるわけでございます。さらに農用地の新規造成につきましては、最近のように対象のところが奥地化してくるとか、非常に単価がよけいかかるというような事態になってまいりましたので、そういう面からも新しい着手や事業の進行が非常に制約をされるというふうに考えております。以上のようなことが総合されまして、現状のようなおくれを来たしたものというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 政府はさきに四十八年から五十七年を展望する土地改良の長期計画を立てた。これが今度は五十七年の展望が六十年に食糧の方は変わったわけですね。いまの説明だと、十二年間という話をされたけれども、あれはうまくつじつまが合うのですか。五十七年と六十年の間は大丈夫ですか。
○岡安政府委員 私どもは先ほど申し上げましたように、現在の土地改良長期計画をつくる基礎になりましたのはこの前の「農産物の需要と生産の長期見通し」を基礎にいたしまして現在の土地改良長期計画ができているわけでございます。現在は昨年度の決定の新しい六十年見通しというのがございまして、これが、先ほど申し上げましたけれども、全国で五百八十五万ヘクタールの農用地を確保いたしまして需給を見通すということになっておりまして、そのためには大体十二年間に七十万ヘクタール程度の農地の壊廃、それから八十六万ヘクタール程度の農地の新規拡張というのを見込んで最終的には、六十年には五百八十五万ヘクタールの農地が確保できるというふうに見込んでおります。これとの整合性は私どもは十分とっているわけでございます。もちろん六十年まで土地改良長期計画は引き延ばされてはおりませんけれども、現在の長期見通しが過去の長期見通しの上に最近の情勢を踏まえてでき上がったものでございますが、私どもは、五十七年度の土地改良長期計画も、先ほど申し上げました六十年見通しを踏まえたその線上にあるというふうに考えております。したがって現在整合性は保たれているものというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 四十七年の土地改良法を一部改正するときに国会の附帯決議として「政府は、早急に土地改良長期計画の改定を行ない、土地利用の動向、農業生産の地域指標、農産物の需給動向、」云々と前文で明らかにしているが、四十八年の長期計画も改定されたものとして、それはいまも説明があったけれども、そういう理解をしていいわけですか。
○岡安政府委員 御指摘のとおり四十七年に土地改良法が改正されましたときに本委員会の附帯決議がございまして、土地改良、農業基盤整備事業を計画的に推進しろということがあったわけでございますが、現在の土地改良長期計画は、先ほども申し上げましたとおり、この前の旧土地改良長期計画策定後におきます農産物需給の変化とか農業就業人口の減少の進行等を踏まえまして、今後の農業発展の方向に即応して高能率農業の早急な展開を図ると同時に、高福祉農村の建設に資することを目標として策定されたものでございまして、いわば現在の土地改良長期計画は、四十七年におきます土地改良法改正時の附帯決議の趣旨を生かされてでき上がったものというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 先ほど土地改良に必要な土地の面積の数字が出たのですが、この必要な面積というものを、私は土地改良というのは造成する部分すべての土地を改良しなければならない。特に先ほど柴田さんからも質問があったように、八十六万町歩の造成をする、七十万町歩を壊廃するという中で、造成する部分というものは大体山村僻地であるし、これは相当費用がかかるところだ、こう思っております。そういうものと残った部分の土地というものを全部改良するという意思はあるかどうか。先ほどの話ではそういうようには受け取れないのですが、もう一度その辺を確かめたい。
○岡安政府委員 先ほど申し上げましたとおり、現在の土地改良長期計画によりますと、既耕地につきましては二百八十万ヘクタールを整備する、それから新しい農用地の造成は、この期間内に約七十万ヘクタール造成をするということになるわけでございますが、その結果昭和五十七年には農用地面積の約八割が機械化営農が可能となるように整備されるということになっているわけでございます。ではあと二割をどうするかということでございますが、私どもはやはり日本におきますすべての農用地につきまして高能率な営農ができる状態にいたしたいという願望はございます。したがって、これはその自後の対策になろうかというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 そこで重ねてお尋ねをしますけれども、土地改良の基盤整備の事業の負担が、面積によって個人負担と公的負担が変わるというのは、一体どういうことになるのですか。
○安倍国務大臣 私からお答えいたしますが、御存じのように土地改良事業等につきましては国営、県営、団体営というふうに分けておるわけでございまして、これによって国庫の負担率も異なっておるわけでございますが、一般に受益面積が大きい地区につきましては多額の経費を要するダム、頭首工等、基幹的施設の建設が必要でございますので、国、県が実施することといたしておりまして、したがって国庫負担率も比較的高率としているものでございます。したがって、この差は面積の大小によるというよりは、施設の性格によるものでございまして、そのような基幹的施設を必要としない小規模の末端事業、団体事業等との間には負担率の差を設けることは、現状では合理的なことではないか、私はそういうふうに考えております。
○竹内(猛)委員 農家が納める税金や諸負担というものは、面積の広さ狭さにかかわらず平等に納めている。ところが土地改良になると、それは施設の問題に対することはわかりますけれども、その負担を面積の広いところは個人の負担は小さい、狭いところは負担が多い。そうするといまから問題になるように、これから造成する土地というのはそれほど広範な土地は期待できない。残った土地は山間僻地の大変金のかかるところだ。生産力が低いところで金がかかれば農業をやりにくくなるのは決まっている。そういうふうなところをどういうふうに理解したらいいのか、これはどうですか。
○岡安政府委員 先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、土地改良事業について面積だけでもって補助率を変えているわけではございませんで、やはり面積というものが事業の内容を体現しているということで、社会的な資本投資が大きいようなものを含むような事業につきましては国庫補助率を上げる、それ以外のものはそれよりも比較的下がるというようなことでございます。ということは、補足して申し上げますと、やはり圃場整備というようなことにつきましては、社会資本投資の大小に余り関係ないわけでございますので、これは県営、団体営も補助率は一様であるというようなことも、そういうことがあらわれているものと考えております。 御指摘の今後の農業基盤整備の対象となる山間僻地においてはどうかということでございますが、これは山間僻地の財政状況その他の問題として別途過疎対策、山村対策として考えることはありましても、基盤整備の方で補助率を変えるということはいかがかというふうに考えるのでございます。その理由は先ほど申し上げたとおりでございまして、もし負担能力その他のことがございますならば、これは別途対策を講じてしかるべきものというふうに実は考えております。
○竹内(猛)委員 これは先ほど局長からも話があったように、まず八〇%は大体五十七年までに完了する。あと二〇%というものは何がしかの方法によって処理をするということになれば、一〇〇%土地改良をやろうというわけでしょう、そういうことになればやはり土地改良、基盤整備というのは全額国または公費の負担による、こういうことはどうです、思い切って言えませんか。いままではそれはわかるのですよ。私的財産が価値が変わるわけだから、だからそれは国は持てないという話は答弁でよくわかるけれども、そういうことは了解した上でも当然全部の土地の価値が上がるんだからそれはいいじゃないですか。要するに基幹のものは、基本になるものは国がやる、公的なものはやる、こういうことにならないですか。それは早いか遅いかという問題はありますよ。それはあるけれども、全部やる意思があるならそれはできるじゃないですか。どうですか。
○岡安政府委員 やはり基盤整備事業について地元負担があるというのは、何もそれは農家個々の、Aの農家、Bの農家でアンバランスがあるということではございませんで、やはり私的土地所有の中におきまして農業者がたまたま土地を持っている、その土地について改良工事が行われた結果資産的価値が上がる、それを全額国費でやるということが、ほかの農業以外の土地所有、農業以外の資産所有との関係からいきましてもやはり問題があるということで、これはやはり地元負担というものはいたし方がないというのが立場でございますので、土地なりすべてが国有とか公有であるという場合とは違うんではなかろうかというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、今後できるだけすべての耕地につきまして合理的な高度の営農ができるように土地改良事業をいたしたいと思っておりますが、だからといって、すべての土地が対象になるから、もう不公平がないからすべて国でやるというのはいささか問題があるというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 これは意見として私は申し上げて、答弁は要らないけれども、税金はとにかく平等なんだ。物を買ってもこれは山間僻地であろうと平場であろうと同じに価格は変わりはない。土地改良というような基盤整備を全部をやるんなら、ただ早いか遅いか、十年早いか十年遅いかというだけの話なんです。それなら何も別に公費でそこのところを負担をして、お互いに話し合いをしてやっていけばいいことじゃないですか。そういうふうに考えたって別に差し支えない。そのことは意見として申し上げて、これ以上答弁は求めません。 そこで、その次の問題は、今度の法律改正で、いままで灌漑排水、干拓に限られていた借入金が農用地の開発と区画整理事業等にも使えるようになった。このことは非常に前進だと思うのです。ただしかし、そういう金が使えるようになったらば今度は財政からの資金がカットされる、こういう心配はないか。どうですか。
○岡安政府委員 一般会計事業が特別会計事業になった場合の変化は、先ほど御指摘のとおり、財投資金が新たに導入されることになるわけでございますが、私どもはやはり従来から投資を必要とされる国費につきましては引き続きこれを確保いたしまして、それに上乗せをいたしまして財投資金を導入をするということを考えているわけでございます。現在、今回の改正もその財投資金の導入の限度も地元負担部分までということにいたしておりますので、私どもは特別会計振りかえによりまして従来よりも国費部分がカットされて、減少されて、その部分が財投振りかえというような措置は考えておりません。 現に、現在御審議をいただいております五十一年度予算におきまして振りかえられます七地区については事業量におきましても大体倍近い事業量を確保いたしておりますので、したがって、それに伴い必要とする国費もほかの一般会計地区に比べて増額確保をいたしているつもりでございます。したがって、私どもは特別会計に振りかえられたことによりまして国費がカットされるとか縮小されるというようなことはあり得ないというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 それではその借りた金、つまり財投の償還条件と公共事業の制度金融の返済条件には特に変化はないかどうか。金を返す条件、金利等に差はないか。
○岡安政府委員 一般会計の場合の地元負担はこれは二つに分かれまして、一部は都道府県が負担をする、残りは地元負担ということになります。一般会計の都道府県負担につきましては、原則として事業を実施する当該年度にこれを納付するということになりますが、都道府県の財政事情によりましては特例としましてこれを延納する、分割払いができるということにいたしております。それから農民負担部分につきましては事業完了後これを年賦で支払うということになりますが、その場合の金利は五%ということに計算をされております。 特例会計の場合には、都道府県負担並びに農民負担を合わせました地元負担部分は、事業完了後これは年賦償還ということになります。この場合の金利でございますけれども、これは財投資金から借り入れましたその金利を上乗せをする。それぞれ最近は資金運用部からの借り入れ資金につきまして金利が変動いたしておりますが、それらの変動をそのまま反映をさせまして、それぞれ年賦償還でもって返していただくということになるわけでございます。
○竹内(猛)委員 この金利ですけれども、土地改良をする、それで終わった後二、三年はやはり生産が落ちて、その後から高まってくるわけだけれども、その間に若干の据え置きがあるけれども、金利の基準をどこに決めるのか、何をもって金利の基準にするのか、土地改良だけでなしに、農業金融一般の金利が日本の場合には高いのではないか、こういうことが一般に言われている。あるいはそうじゃないという意見もあるかもしれないが、私たちは金利は高いと思っている。その点についての金利を決め出す基準は何か。
○吉岡(裕)政府委員 農業金利一般についての御質問でございますので私からお答え申し上げますが、先生御承知のように、農業関係の投資というものは、収益がほかのものに比べて非常に不確実で危険が大きいということになっておりますし、また資金の規模が小さくて貸し付けコストとしては割り高になるという性格を持っておるわけでございます。したがいまして必然的に、一般的に申しますと一般の市場金利水準よりも高目の金利水準が農業投資については要求をされるというのが原則的な状況なわけでございます。したがいまして、制度資金というものはそのような状況を補完いたしますために、農業生産の低収益性でございますとか、不安定性でございますとか、あるいは経営規模の零細性といったようなことを考慮いたしまして、必要な資金が円滑に供給されるように金利を含みます貸し付け条件を設定をしておるというのが一般的な考え方になるわけでございます。 そういうふうな考え方に基づきまして、たとえば農林漁業金融公庫の金利でございますと、現在では土地取得資金あるいは農業構造改善の非補助資金等についての三・五%というような低い金利から、いろいろ段階が資金の種類によってございまして、共同利用施設資金などは八%程度の金利になっているわけでございます。その間に四・五、五、六・五あるいは七・五といったような金利が設けられておるわけでございます。そういう中で、個別の資金種類ごとにさらに政策上の緊要度とか償還期限等を加味して金利水準が設定をされておる、こういうことでございます。 それから近代化資金については、御承知のように農協の一年の定期預金の金利が六・八五%だというふうなことも勘案をいたしまして、農家が借り受ける場合には、原則として六・五%というようなことで決まっておるわけでございまして、結局資金の種類ごとに資金の性格でございますとか政策上の緊要度とかあるいは他の制度資金との金利上のバランスでございますとか、さらには償還期限といったようなことも総合的に勘案をして設定をされておるというのが現状でございまして、私どもといたしましては現段階の金利水準というものはおおむね妥当な水準にあるというふうに考えておりますが、いろいろこのような金利を含みます貸し付け条件というものは、農業を取り巻く諸情勢の変化に応じまして、絶えず検討を加えていくべきものであるというふうに考えておりまして、今後ともこの改善には努力をしてまいりたいというふうに思います。
○竹内(猛)委員 いまお答えがありましたけれども、私はやはり農業のように、工業や商業や金融業と違って土地を対象に自然を相手にして、天候や病虫害の被害というものの危険を伴いながら経営をしていく。それで投下資本の回転率も悪いわけですから、そういう場合には特別の考慮を払うべきであるというのが大前提です。その使い道にもよるけれども、たとえば基盤整備のような生産の基礎をつくるもの、たとえば一時金あるいはその種子を買うとか何とかというようなものは別にしても、やはり長期で低利であるということが大原則でなければならない。そのためには原資がそれに耐えられるかどうか。もし原資が高いものであるならば、それに対して国が利子補給をするなり何なりして、農業経営等のいわゆる農産物価格とのバランスのとれた金利でなければ、これは農業金利とは言えないと思うのです。だから、そういう意味では農林省の中でも何か研究機関がつくられているようだけれども、早急にこの研究機関が結論を出して、何でもかんでも研究だというようなところにいかないで、やはりこういう機会に金利のあるべき姿というものを出してもらいたい、こう思うのです。簡単でいいから、これは大臣ひとつ答弁してください。
○安倍国務大臣 農業金融のあり方につきましては、これは農業の本質にも根差す問題でありますし、農業発展の基本的な課題でございますので、これまでもいろいろな角度で検討もされておりますし、今日の農業金融のあり方そのものが、農業の特殊性から見て、私はそう間違っておるとは考えておらないわけでございますが、農業を取り巻くところのいろいろの情勢の変化等に対応して、農業金融につきましても今後さらに検討は進め、そうして改善をすべき点は改善をしていかなければならない、こういうふうに考えております。
○竹内(猛)委員 この金利の問題についてもまだ問題にすべき点があると思いますが、次に進みます。 いつもよく要求される問題ですが、基盤整備等々についてはいろいろ補助を出しているけれども、この施設に対する管理費の補助と土地改良区の運営費との関係についてはしばしば要求をされているけれども、これはまだ実際に手がついておらないけれども、これはどう考えられるか。
○安倍国務大臣 維持管理費や土地改良区のあり方の問題につきましては、土地改良制度の根本に触れる内容を持つ問題でございまして、基本的には土地改良制度のあり方の問題の一環として、現在学識経験者から成るところの研究会を設けておりまして、その成果をまって所要の対応を行っていきたいと思っておりますが、土地改良区に対して一般的に施設管理費あるいは運営費を助成することにつきましては、本来管理費を見込んでも農民の負担上問題がないという計画のもとに事業が申請をされ、そうして実施されておるということ、あるいはまた、土地改良区は農協と同様農民の自主的な組織としての性格を有すること等から見て、私は、施設管理費あるいは運営費を助成するということにつきましては困難であるというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 米は生産費及び所得補償方式で一応計算されているけれども、四十九年度の米の生産費には、全国では十アール当たり二千四百六十三円の土地改良の費用が入っているし、それから北海道は三千五百十四円、中国は千二百三十六円と非常に安い。また一俵当たりに計算をすると、全国では二百九十八円、北海道は三百九十円、中国は百五十一円という形で大変各地域によっては違っております。 また、今度は茨城県の例をとってみると、猿島郡の境町に長井戸沼という土地改良区がある。ここの反当の維持管理費は五千円である。同じ地域におけるもう一つの釈水という土地改良区の維持管理費は三千円だ。これはいずれも全国平均よりは高いわけです。そういうものは米価には当然入ってこないし、あるいは税金の対象にもなり得ないということであるならば、こういう問題はどういうふうに考えて処理したらいいのか、こういう点はどうですか。
○岡安政府委員 御指摘のとおり、土地改良事業の負担金とか土地改良施設の維持管理費というのは、農産物の生産費を構成する重要な要素でございます。生産費調査におきましても、水利費というような項目を設けまして、これを調査いたしているわけでございまして、御指摘のとおり、米のように生産費をもとにして価格が決定される農産物の場合には、平均的な水利費というものがその決定される価格の中に織り込まれているわけでございます。ただ、米は御承知のとおり全国一本で決められておりますので、それに反映されるべき水利費というものも平均的にしか反映はでき得ないわけでございます。確かに水利費というものは、その地区、地区によりまして千差万別でございますが、そういう千差万別の水利費というものを一本の農産物価格のようなものに反映することは不可能であるというふうに思っているわけでございます。 土地改良の実施に当たりましては、地域の実情に即しまして、作物とか営農方式等を十分検討の上事業内容を決めているわけでございますが、さらにその後におきます施設の維持管理その他の費用も当然考えまして、これが収支相償うような、そういう検討を加えた上で事業を採択し、実施をいたしているわけでございます。
○竹内(猛)委員 まだいろいろ問題がありますけれども、時間の関係からこれを省略をして、次に、後で取り扱う法案との関係もありますから、養蚕の問題について質問します。 いま国内において必要な繭というか生糸の量、国内の生産と輸入との関係はどうなっているか、この点について伺いたい。
○安倍国務大臣 生糸につきましては一元化輸入を行っておるわけでございますが、この実施につきましては各国別の量統制に十分配慮をして決めておるわけでございます。具体的には、過去におけるところの各国別の輸入の実績を基礎といたしまして算定したシェアによりまして各国別に適正量を輸入しておるところでございます。大体そういうことで、いま二国間交渉でそういう基本的な方向でわれわれは交渉を続けております。
○竹内(猛)委員 一元輸入の方式というのは、自由貿易を抑えて、そしてこれは国家貿易になってしまうじゃないかという意見がある。だから、したがって二国間協定でやれという声があるけれども、一元化の場合においてその問題と矛盾をしないかどうか。運用でどうにかなるのか。この点はどうですか。
○安倍国務大臣 この一元輸入というのは、決して輸入を制限するものではなくて、わが国が必要とする生糸量を各国の平等性に十分配慮しつつ適正に輸入しようということでございます。したがいまして、この一元化輸入の継続は何ら二国間協定、二国間の交渉の推進とは矛盾するものではないわけで、二国間協定が成立をすれば、その内容に従って運用されるものでございます。むしろ二国間協定の履行を担保するものであるというふうに考えておりますので、決して矛盾はしていないと思います。
○竹内(猛)委員 わが国の場合には大体四十万俵ぐらいの生糸が必要だ。その中で三十万は国内で生産が大体可能だということを前に資料で聞いたことがある。そして十万俵ぐらいを輸入しなくちゃならない。そういう場合に、中国は世界の大きな養蚕国であります。あるいはまたいわゆる韓国もそのうちに入っているでしょう。パキスタンであるとか、最近はブラジルでも手を出しているようだし、あるいはトルコあたりでもやっておるようですが、そういう場合に、やはりいままでの数量で最も輸入されているのはいわゆる中国といわゆる韓国になっていると思う。中国の場合には私たちも何遍か訪問をして、現実も見てきたし話もしてきましたが、中国は日本の農業あるいは中小企業を圧迫するような形で農産物の押しつけを絶対しないということを明らかにしている。価格の面でもそうです。そういうように非常に計画生産の国ですから、むやみに生産をして、余ったから押しつけるという国ではない。ところが韓国なんかの場合には、大変物を押しつけたり、いろいろな形で操作されたりしてきている例が現にある。こういうときに、不平等性、平等な取り扱い、こういう点のことについてはどういうことになりますか。
○安倍国務大臣 先ほどから申し上げましたように、生糸の輸入につきましては一元化輸入という基本的な方向で、わが国の需要に対応してこれを入れなければならぬわけでございますが、その場合に、外国から入れる場合に、外国で生糸を輸出したいという国は中国、韓国を初めたくさんの国があるわけでございます。また、それぞれの国がわが国に対しては長年にわたって実績を持っておるわけでございます。わが国としてはそうした実績も十分尊重をし、なおかつ各国との平等性というのも維持しながら、二国間交渉を通じて適正な量を輸入するということで交渉を妥結したい、こういう基本的な考え方でわれわれは現在交渉を進めておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 一方の国が非常に信義を重んじるというのに、一方でそれをどんどん破壊していろいろな形でやられた場合に、その処置をどういうふうに、どんな方法でとられるか、そのことだけは明確にしてもらいたいと思う。
○安倍国務大臣 私は、一元化輸入を進めるとともに、輸入の秩序化ということを強く訴えておるわけでございまして、そういう考え方のもとにいま二国間の交渉をそれぞれ続けておりまして、基本的にはこの二国間の交渉が円満に妥結をするということをわれわれも考えながら、もちろん輸入の秩序化を図るという大前提のもとにしんぼう強くいま交渉を続けておりまして、これが円満な形で解決するといいますか、妥結することをわれわれも非常に期待をして努力を続けておるわけであります。
○竹内(猛)委員 いま蚕の掃き立てを前にして日本の養蚕農家が非常に心配をしている状況でありますから、われわれもこれに対しては格段の努力をしなくちゃならない、こう思っています。 そこで、一つは外国からの輸入の問題に対する不平等性をなくなして、そうして平等にこれを取り扱っていくということに対する保証。もう一つは、国内における従来の伝統的な産業としての養蚕業というものを守るために、農家の生産した繭に対する生産費所得補償の方式による価格の決定。この価格問題については、もちろん畜産物の価格あるいは米その他の農産物の価格等も同じように私どもは農家の生産費と所得を補償する価格でやっていかなくちゃいけない、こういうことを要求しているわけですが、この点についての決意を求めたい。
○安倍国務大臣 基準価格につきましては、生産条件、需給事情、その他諸般の事情を総合的に考慮して決定をしておるわけでございまして、いまお話のありましたような生産費所得補償方式でこれを決めろという御要求につきましては、現在はそういう考えをとっていないわけでございます。そうしたことで今日、本年の基準糸価につきましては本日蚕糸業振興審議会に諮問を行ったところでございまして、答申を得次第、繭糸価格安定法の規定に基づきまして適正な決定を行いたいと思っております。 なお、わが国蚕糸業の安定に万全を期するためには、やはり生糸、絹製品全体を通ずる輸入の秩序化というものが絶対に必要でございまして、この点につきましては皆様方の御指導、御協力のもとに早急にその具体化措置を確立をし、繭糸価格安定及び蚕糸業の安定を図りたいと考えておるわけでございまして、その点は何分よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○竹内(猛)委員 この問題は緊急性の問題ですから、重要な問題だけを意見としても申し上げ、要求し、最後に私は畜産物の問題に触れます。 いま畜産物の価格を決定する審議会がそれぞれの分野で開かれております。そういう中で、農家の要求する加工原料乳にしてもあるいは豚価にしても、牛肉の価格にしても、三〇%、二〇%以上を要求しているのに一〇%以下の答申しか出ておらないという。それを最終的には自民党と政府が決定する、こういうふうになっているけれども、これはまさに農家の生産意欲をそぐものである、こういうふうに私は思います。この問題についての農林大臣の決意を求めたいが、なおもう一つ私は要求したいことは、過ぐる三月の五日の日に養鶏の問題で大場畜産局長に全国の畜産団地の代表の責任者と一緒に要求したことがあります。それは養鶏の問題なんです。これはブロイラーなりあるいは卵の生産者に対しては生産調整をいま、特に卵の場合にやっているわけです。ところがその生産調整を一方でやりながら、その一方では大企業がどんどん上の方から垂直的におりてきて、各地で勝手に自分の金で鶏を物すごい勢いで買い上げている。こういう問題について私は畜産局長に要求した。きょうまた地元の新聞を見ると「大手が鶏卵を“モグリ生産”中堅農家に打撃」こういうぐあいに大きく新聞に出ている。これは大変なものです。こういうものについて本当に農林省が養鶏をやっている農家に対して愛情を持って調査をし、これに対する適切な指導をする。できなければ法律的にこれを取り締まるような方法をしない限り、どんなに生産調整をやったってこれはだめだ、こういうふうに思うのです。この現在進んでいる畜産物の価格決定に対する農林大臣の決意と、それから養鶏に対するインテグレーション、この問題の取り締まりに対してはどういうように農林省としては考えられているのか、この点を最後にお聞きします。
○安倍国務大臣 現在御存じのように加工原料乳の保証価格につきまして畜産審議会に諮問をいたしておりまして、きょうじゅうにはその御答申が受けられるというふうに考えております。農林省としてはこの御答申をまって、二十六日にすでに答申をし諮問を受けました牛肉、豚肉の安定価格とともに適正な価格で決定をしたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、この大前提というのは、あくまでも農民のいわゆる再生産を確保するということが大前提でございまして、私としては農民の再生産を確保することを大前提といたしまして現在の需給事情その他経済事情等も十分参酌をして適切に決定をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、インテグレーションの問題につきましてこの前も竹内委員からお申し出があったわけでございまして、農林省としてもこれに対しては重要な関心を持っておりますし、養鶏農業の振興というものに対してわれわれも非常な熱意を持っておるわけでございますが、ただいまの具体的な問題につきましては、事務当局からお答えを申し上げたいと思います。
○関根説明員 養鶏のインテグレーションについて御質問がございましたけれども、養鶏につきましては、御承知のように生産調整をここ数年進めておるわけでございます。私どもといたしましても卵に対する需要の動向にかんがみまして生産調整の実を上げたいというふうに思ってせっかく指導しているところでございます。 その中身といたしましては、市町村の段階の市町村協議会、それから県の段階の県の需給調整協議会、それから地方農政局のブロックの協議会というようなものを通じて指導をいたしておるところでございます。具体的にインテグレーションにつきまして過去にも問題があったことがございまして、農林省の方で具体的に指導した場合もございます。先生のおっしゃるようなケースにつきまして、具体的に私ども情報で必要なことがわかりますれば、そこにつきましても同じように指導してまいるつもりでございます。
○竹内(猛)委員 終わります。
○湊委員長 次に、津川武一君。
○津川委員 土地改良法の一部改正、これに賛成し、次に出てくるだろうと思われる附帯決議にも賛成でありますが、いままで非常におくれたことに対して政府の責任も明らかにしつつ、農民の立場に立って土地基盤整備を進める立場から若干の質問をいたします。 一つは工期の問題でございます。昭和三十二年の四月四日のこの委員会で井出農林大臣はこう言っております。特別会計を設けるに当たって、財政当局とも十分に話し合いをして、七カ年で目標を必ず達成する目途のもとに臨んでいる、これが農林大臣の答弁です。同時に、そのとき関係局長はこう言っております。特別会計においては、新規事業も継続事業も、原則として七年で完成することをたてまえとしている、非常な物価の変動とか、天災などが起きた場合とか、客観的にやむを得ない事情以外はそれで完遂することを前提としている、こういうことを言っておるのでございます。そのときの参議院の農林水産常任委員会の附帯決議の中に「特定土地改良工事について、その完了を極力促進し、七ヶ年以内において必ずこれを竣功させること。」こういうことがあるのでございます。 ところが、実際はどうでございます。五十年度の場合工期は平均十五年となっております。これはどうしてこうなったのか、こういうことに対し反省がどうなのか、こういうことを今後どのように克服していくのか、これを答えていただきます。
○岡安政府委員 確かに特別会計制度発足のときには七カ年間でこれを完成をいたしたいというふうに思ったわけでございますが、御指摘のとおり既着工につきまして振りかえ後七カ年を経過しましてもなお完成をしない地区が多いことは、御指摘のとおりでございます。この理由は、最近におきます労務とか資材費の高騰とか総需要費の抑制という事情がございます。しかし、その以外にも地区別に、具体的には用地交渉の難航とか追加工事等が起きたとかいうような地区ごとの特殊事情もございまして、残念ながら七年間で完成をいたさなかったわけでございますが、私どもはそういう点につきましては特に反省をいたしまして、今後特別の事情がない限り振りかえ後八年ないし十二年ではこれを完成をいたしたいというふうに考え、その目標に向かって努力をしてまいりたい、かように考えております。
○津川委員 局長はそう申しましたけれども、調査室の資料で見ると、七年で計画して四十七年度はすでに工期が十一・三年、四十九年度で十三年。四十七年で十一年。最近の事情と言いますけれども、かなり早くから延びておる。大臣がここでかなり責任ある態度で完成させると言っているのです。行政はやはり継続しなければならないし、この点で安倍農林大臣はどう考えているか、この点をどう直していくのか、大臣の所信を承らなければならなくなりました。
○安倍国務大臣 土地改良事業等につきましては長期計画がおくれておることは事実でございまして、これにつきましては総需要抑制政策であるとかあるいは物価の上昇あるいはまた地区の特別な事情等もありましておくれたわけでございまして、農林省としては極力努力を続けてきたわけでございますが、そうした客観的な事情のためにおくれておることも事実でございますので、今回の特会制度の活用等によりましてそのおくれを取り戻して、そして計画をぜひとも実行していかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
○津川委員 事の本質を見きわめなければ、事が進みません。そこで農林大臣は総需要抑制、こういうことによっておくれたと言っておりますが、高度経済成長華やかな四十六年にすでに七年工期が十一・七年になっているのです。したがって、農林大臣にこの点の格別の対策を要請し、要求して、質問をさらに進めていきます。 第二の問題は、いわゆる特急としてスタートし、特急料金として農民にとって負担が割り高、利子が高い、こういう点でございます。国庫負担の農民の地元負担について言うならば、事業費の四二%、これが特急、普通の一般会計では四〇%、利息は借入金の平均金利と言っていますが、これは四十九年十月一日から八%で、平均で七・五%になっておる。一般会計の場合は五%、特急だからよけい負担せい、高い利子をもてと言って、特急券を農民に出したと思うのです。ところが、もう特急でも何でもなくなってしまったのです。したがって、これは常識で言うと払い戻すのが本当だ。そこまで言わないけれども、こいつを補うために、政府として当初の約束したことに対して何らかの考え方がなければ無責任になると思いますが、この点はいかがでございます。
○岡安政府委員 確かに、特別会計事業につきましては、一般会計事業と比べまして地元の負担率も若干、灌漑排水につきましては二%、農地開発事業につきましては一%、これだけ負担が上がります。それに加えまして建設利息が地元の負担ということになりまして、いわゆる特急料金ということになっております。 確かに予定工期に完成しないでおくれていることは申しわけないと思っておりますが、それで私どもは、これはちょっと顧みて他を言うようなことで、余り大きな声では申し上げにくいのではございますけれども、おくれた特別会計におきましても、一般会計事業もその間非常におくれているわけで、余り自慢することではありませんけれども、そういうことになっておりまして、比較の問題からいけば、やはり特別会計事業は一般会計事業よりもとりわけ工期が短縮されておりますし、また今後ともそういうようなバランスはぜひとってまいるつもりでございます。 したがって、やはり私どもといたしましては、特別会計事業についてはそれ独特の負担、地元負担というものはお支払いいただきたいというふうに考えております。
○津川委員 局長はおくれたものに比べたのです。行政は進んだものに比べて、そこでやるべきなんです。言いわけでなく、本当にこのおくれを取り戻すために全力を挙げなければならないと私は思います。この点で農林大臣の気持ちをお伺いします。
○安倍国務大臣 私たちは、この土地改良法の改正案を御提出いたしたのも、いままでのおくれを取り戻すということが基本的な考え方でございまして、今後ともこうした特別会計制度の活用を初めといたしまして、その他予算面の充実も図って、計画どおり実行できるようにこれからも全力を傾けてまいりたいと考えております。
○津川委員 大臣の決意を了として、次に補助率の問題で質問します。 物価上昇による工事単価の上昇と工期の著しいおくれによって農民負担はかなり増大しております。工事単価で言うならば、四十九年度で前年比三四・四%の増です。この点で工事がおくれている、そのためにどんどん物価高で単価が上がっていく。これで農民負担がかなり強くなっている。たとえばあの福岡県の耳納山麓、この総合灌排事業は、当初計画では総事業費が百十億円、これが五十一年度の計算では二百五十億円と二倍強になっております。これだけ農民負担が多くなっている。そこで、このために土地改良事業の進みぐあいにかなり支障を来しております。予算の確保に政府としては全力を挙げなければなりませんが、この点で農民はかなり注文をつけております。たとえば農民の要求は、土地改良事業については国庫負担割合及び補助率を引き上げることと、採択基準の緩和をしてくれ、これが根本的な農民の要求であります。 この点については、全国農業会議所も五十年九月二十二日に農林大臣に答申しておりますが、その答申の文句にも、土地改良事業については国庫負担及び補助率を引き上げることというのがあります。これが農業団体の意見でもあります。 ところが、今度の改正案で見ますと、灌排事業では六〇%の補助率が五八%に下がる、農用地開発の場合は七五%から七四%に下がる、こういうふうに逆になっておりまして、何としてもこの点は私たち理解できない。農民の負担を少なくするためには、国庫補助率のアップに対して格段の努力をしなければならない、こんなふうに思うのですが、いかがでございます。
○岡安政府委員 特別会計制度とそれから一般会計と比べましては、御承知のとおり、灌排事業につきましては、一般会計事業の場合には国庫の補助率が六〇%、それから特別会計の場合には五八%ということになりますし、農地開発事業につきましては、一般会計の場合に七五%、これが特別会計の場合は七四%ということになります。これはやはり、先ほど申し上げましたように、一つは、特別会計制度に移行することによりまして早期に利益が上がるということから、一般会計事業とのバランスをとりまして、特別会計の場合には地元負担を若干上げるということでございます。しかし、一般的にやはり、土地改良事業につきましては、御指摘のとおり国庫負担率または補助率を上げてほしいとか、それから採択基準を緩和してほしいという御要望が非常に強いわけでございます。 五十一年度予算におきましては、残念ながら補助率につきましてはこれを上げるというわけにはまいりませんでしたけれども、採択基準につきましてはこれを緩和をするということ、たとえば国営の農地開発につきましては面積を五百ヘクタールから四百ヘクタールに下げるというような措置等も講じておりますし、従来その他にも、採択基準につきましては緩和措置を講じております。したがって、今後とも私どもは補助率の増高並びに採択基準の緩和につきましては、関係当局とも十分相談をいたしまして、できる限り御要望に沿えるような方向で努力はしてまいりたいというふうに考えております。
○津川委員 局長は、この事業をやると国営事業の方がメリットがふえるから、補助率や利子が多少問題であってもいいというふうに言っておるけれども、現に耳納山で百十億のものが二百五十億に工事費が上がっておる、メリットどころではなくなっちゃっている。だから、どうしても農民負担を少なくするとすれば工事を早めること、これは大臣も言っているからいいが、そこで農民負担のこの補助率を上げること、利息を下げること、ここに問題は集中してくるわけだ。五十一年度では補助率を上げられなかった。そうするとこれからは上げることを考えて、五十二年度あたりは期待していいのか。この点を具体的に答えていただきます。
○岡安政府委員 これはやはり御要望が強いことは承知いたしておりますけれども、これはほかの事業とのバランス等もございまして、努力はしてみたいと思いますけれども、なかなか困難なことであろうというふうに正直に申し上げたいと思います。 ただ、やはり私どもといたしましては、御指摘のように、土地改良事業につきまして、物価その他によります事業費の増大、それから確かに工期のおくれによります農民負担の増高等もございますので、今後ひとつ研究をさせていただきたいというふうに思っております。
○津川委員 研究するというから、五十二年で何らかの形で具体化されることを期待しながら、時間の関係もあるから、さらに進めます。 四番目は、先ほども局長の答弁にありましたが、条件の悪いところ、コストが高かったり、いろいろな点でおくれた。その条件の悪いところをどうするかという土地基盤整備の一つの基本問題であります。私たちは、山村などの限界地域では、土地基盤整備に特別助成が必要だと思っております。現行の新土地改良長期計画では、圃場整備百二十万ヘクタール、畑地総合整備六十万ヘクタールなどを実施して、これを実施すれば、農用地面積のおおむね八〇%について整備が終わる、こういうことになっております。 そこで、第一に聞きたいのは、いまの事業費ベースでこの計画の達成にめどがあるのかどうか、これが一つ。また、めどがあるとしても、いまの事業量ベースでは、達成できるか、事業費と事業量についてめどがあるか、これを聞きます。これが二つ目の質問。三つ目は、八〇%の残りの二〇%はどういう地域なのか。局長が先ほど話したような、条件の不利な、それだけにまた土地基盤整備を何よりも必要としておる、そういう限界地域だと思うが、そうかどうか。この点について答えていただきます。
○岡安政府委員 まず第一点でございますが、現在の土地改良長期計画の進捗率と今後の見通しいかんという点でございますが、まず事業費ベースで申し上げますと、五十一年度予算まで含めまして、達成率は二二・六%ということでございます。今後大体毎年一七・二%くらいの実質伸び率があれば達成ができるわけでございますので、私どもは、事業費ベースではこれは達成できるというふうに思っております。 ただ、御指摘の、それでは事業量ベースではどうかということでございますけれども、確かにこれは、最近の物価の上昇その他がございまして、現在までの達成率は、圃場整備で一七・五%、農用地の開発で一五・四%という程度でございますので、今後事業量ベースで面積を確保することは容易でないというふうに思っております。ただ、私どもやはり六十年目標という「農産物の需要と生産の長期見通し」がございますし、五百八十五万ヘクタールの農用地確保というものを私どもの至上目標といたしておりますので、ぜひともこれは、事業費のみならず事業量ベースにおきましても努力をいたしまして、達成をいたしたいというふうに思っております。 それから、土地改良長期計画達成後、残された約二割の土地は、悪い条件のところばかりではないかという御指摘でございますが、確かに二割の中には、すでに事業を完了する予定の八割に比べれば、山間地帯とか僻地等がわりあい多く含まれているというふうに考えられます。しかし、事情によりまして、十カ年間の土地改良長期計画期間に完了しなかった平場地帯等も相当多く含まれますので、残りの二割がすべて条件劣悪なところにおきます土地改良事業だというふうには考えていないわけでございます。
○津川委員 国民の主食を確保する意味においても、農民のために農業を振興する立場からいっても、農民の利益からいっても、求めているものは事業費の完遂でなくて事業量なんです。したがって、これから長期計画を立てるときに、事業費で計画を立てると同時に事業量で計画を立てなければならないと思いますが、最初予定した事業費に当たる事業量を完成する見通しがあるのか、そのための計画を立てているのか、まずこの点一点先に質問してみます。
○岡安政府委員 先ほども申し上げましたとおり、確かに事業量ベースで考えた場合に、いままでのような進捗率では、なかなかこの十カ年間で所期の事業量を確保することは容易でないと思っております。ただ、私どもは、やはり何らかの手段を講じましてこの事業量はぜひ確保達成をいたしたいというふうに考えていることを申し上げておきたいと思っております。
○津川委員 大臣、局長ははしなくもやはりこの事業量を何とか確保したい、これは局長としては非常に大胆な表現でもあったし、非常によかったと思いますが、この局長のことを大臣はもちろんバックアップするでしょうね。当然だと言えば当然だ。この点でむしろ大臣主導型で事業量を完遂する、こういうことで大臣は攻めると言っているから、この点で攻めるつもりがあるか、お伺いしてみます。
○安倍国務大臣 いままで、事業費から見ましても、事業費ベースから見ましても、おくれているわけでございまして、さらに事業量ということになりますとさらにおくれておるというのが実態でございます。したがって、私たちは、食糧の自給力を確保するためには基盤整備が大前提でございますので、この事業量を確保するために今後とも力を尽くしてまいりたいと考えます。
○津川委員 そこで、残った二〇%、限界地域の、ここは、平場地帯は楽なところだ、やりやすいところだ、限界地域はやるにいろいろな困難がある、経費もかかる、事業もめんどうだ、だがここのところをやるのが私は国政のあり方だと思うのです。一番農民にとって困難な問題、これを避けて通ってきたのがいままでの農政じゃないかと思うわけです。現地に入ってみると、農民が、平場よりもここのところをやってくれた方がいいんだが、ここのところは採択基準がきつくてなかなかやれない、条件がそろわない、こう言っているのです。 この農民の期待というものが、いま、一つの大きな声になって、さっきの全国農業会議所が、五十年の九月二十二日に、農林大臣諮問に対する答申として出ているのが、やはりこうです。「山間及び高冷地における農地と農業生産のウエイトを考慮し、生産増強に果たすその役割を重視して、この地帯に適合した作目の導入を可能とする土地基盤整備を推進するとともに、当該地域の地理的特殊性等を考慮して、さらに事業の採択基準の緩和、補助率並びに補助単価の引上げ等について弾力的措置を講ずること。」これが全国農民の代表である農業会議所の大臣に対する答申なんです。この答申をどう受けとめているか、この答申に対してどうされるのか、お答え願います。
○岡安政府委員 確かに、御指摘のとおり、山間地帯のように農業の立地条件に恵まれていない地帯につきましては、一般の平場地帯につきましてよりも土地改良事業を推進するに当たりましては種々な困難があるということは御指摘のとおりだと思います。したがって、従来からもこういうような地帯につきましては、大体こういう地帯は過疎地帯とか、振興山村の地帯とか、急傾斜地帯というところが多いわけでございますけれども、圃場整備事業を初め各種団体営業事業の採択基準、これは平場と比べまして緩和をいたしております。それから、特に急傾斜地帯につきましては農道整備事業の補助率、これを一般の地区よりも条件をよくいたしているわけでございます。 さらに五十一年度におきましては、従来から農業生産基盤整備事業と農村生活環境基盤の整備事業とあわせて行う場合に、中山間地帯等はなかなか十分でなかったわけでございますが、新たに農村基盤総合整備事業というものを興しまして、数個の農業集落を対象にこういう事業を行えるようにいたしたのでございまして、私どもも今後とも平場地帯より以上に山間、中山間地帯等におきましてさらに土地改良事業が促進されるように諸般の手段は講じてまいりたい、かように考えております。
○津川委員 どうもさっきから農林大臣も局長も、指摘されると御指摘のとおり、こういうことが毎回繰り返されておりましたが、そう指摘されてもこうだというふうなかっこうの何らかの前進的なものが欲しかったのですが、これはない物ねだりしても仕方ありませんのでさらに進めます。 そこで、山間地帯でなく、今度の改正で具体的に問題になっておる宮崎県の美々津地区について、もう少しこの点、具体的に質問してみます。 皆さんの計画は千六百ヘクタール、これに対して地元で私たち調査してみましたら、千ヘクタールどうだろうと言っておりますが、予定どおり千六百ヘクタールやれそうでございますか。
○岡安政府委員 国営の農地開発事業の美々津地区でございますが、これは千六百ヘクタールの農地開発を目標にいたしまして、昭和四十五年度に全体実施設計、昭和四十六年度に着工をいたした地区でございます。現在のところ、若干の減少はあるかと思いますけれども、おおむねこの千六百ヘクタールの農地開発は実施されるものというふうに考えております。
○津川委員 大丈夫ですか。日向市では、三百二十一戸参加予定が半分ぐらいになるだろうかというのが市役所の声です。農民の実態は三分の一入れるかどうかという、こういうのが実態なんです。それから桑で言うと、当初七百七十ヘクタール予定しておった。それが現在百七ヘクタールしか植えられていない。これもふえる見通しがちょっとめんどうなんですね。それから今度はわせの温州ミカン、全体計画七百五十六ヘクタール、造成したのが二百五十四ヘクタール、これは三四%。この後、いまのミカンの価格ではやれないだろう、こういうことなんです。そこで、局長はやると言うからこれ以上念を押してもいけませんけれども、やれないという条件の中には幾つか問題があるわけです。まず条件が悪い。急傾斜地である。農家から離れ過ぎておる。桑の畑を造成してみたが、工事がずさんで耕運機、トラクターが入らない。石が出てきて爪がぽんぽん折れる。ミカンの値段が合わない。こんなふうなことが具体的に出てきているのです。非常に粗末な工事になって、農民の求めているものになっていない。したがって、これは厳重監督して農民が求めている土地改良、土壌基盤整備をやるべきだと思いますが、私のこの指摘を見て指導する、こういうことが必要だと思いますが、いかがでございますか。
○岡安政府委員 御指摘ではございますけれども、この美々津地区はまだ工事施工中の地区でございまして、千六百ヘクタールの造成を目標にしておりますが、現在までに造成されましたものは四百ヘクタールでございます。したがって、御指摘のとおり現在まで造成の実績はミカン園が二百五十五ヘクタール、桑は百七ヘクタールでございますけれども、これは造成途中の数字でございまして、私どもはこれが全部完成すれば大体計画どおりの面績が植栽されるというふうに考えております。 それから、いまお話しの農家が脱落しているのではないかということでございますけれども、私どもの調査によりますと、確かに事業参加資格者といいますか、それの交代は行われておりますけれども、これは当初予定された農家の後継者等の労働力の確保が困難となったというようなことで、これ以上新規造成事業に参加することは困難になったという農家が出てきたことはございますが、反面、経営規模を拡大をしたいという農家が出てまいりまして、その間におきまして事業参加資格者が交代をしたという事実はございます。したがって、多少の異動はありますけれども、この事業の実施には支障はないというふうに私どもは考えております。 それから、非常に事業の実施が粗漏である、石ころが多いという御指摘でございます。確かに私ども当初計画いたしますときには、桑畑等の造成につきましては、機械で苗を植えるのではなくて、手作業で植えるというような設計になっておりましたので、一定の大きさ以上の石はのけますけれども、一定の規模以下の石はそのまま残すというような作業をしてきたわけでございます。ところが、地元におきましては桑の移植に当たりましても機械力を導入をいたしたいということになりまして、機械で移植をするためには、現在の石れきがそのままあったのでは支障があるということになりましたので、これはやはり地元ともよく相談をいたしまして、石れき除去につきましては、営農に支障のない限りさらにこれを除去するということで現在作業は進めております。
○津川委員 私は千六百ヘクタール予定して千六百ヘクタールが完成することを局長とともに願う、し、そのために応援するにやぶさかでありませんが、かけをやるわけじゃありませんけれども、不幸にしていかなかった場合がありますので、十分にこれは気をつけていただいて——現地の声を聞くと、正直に指摘していくともっと落ちそうなんです。したがって、これはせっかく国費を使うのであるから、当初の目的どおりさせていかなければならぬ。この点で、ここに植える農産物の価格が決定的な問題になってまいります。 そこで、この間ふとした機会から秋田県の能代、山本地域の国営パイロット事業の役場、農協の人たち、農民から意見を聞く機会がありましたが、これは開田を前提としてやった、米の生産調整でこれが中止になった、畑作になる、そこでとまってしまっています。農民は何をやったら飯を食えるのか、ここのところなんです。したがって、この事業をやるとすれば、畑作で稲作並みの収入が入るような農産物の試験研究、開発、それの植えつけを農民と相談する、このことが一つ。二つ目には、畑作になるので、あの地域における輪作体系をつくらなければこれまただめです。いま皆さんが望んでいるのは、たばこがかなり要求されておる。こういう点で美々津の場合もそうですが、こういう大きな国営のパイロット事業においての開田、米作については民主的に調整する必要があろうと思いますが、畑作の場合、価格の面で成り立つ、農民が喜んでやれるような体系をつくらなければ、美々津の場合も能代、山本の国営パイロットの場合も事が成功しないと思いますので、この点の農林省の見解を承って、私は質問を終わります。
○岡安政府委員 確かに新規造成されました農用地について何をつくるかということは非常に大きな問題でございます。特にこの美々津につきましても、大体私どもはミカンと桑、飼料というように考えておりますが、ミカンは温州ミカンでは問題があるわけで、ここにおきましては青切りミカン、それから雑柑というものを対象に考えているわけでございます。それらにつきましては、ただ単に決めたというだけでは今後の営農にも問題があるということで、この地区におきましては美々津地域国営農地開発事業推進協議会というものを設けまして、その中に果樹及び養蚕部会、それから畜産部会というものを設けて、県それから普及所、市町村、農協、その他の関係者が集まりまして、今後の営農について十分打ち合わせをし、そごのないようにしているわけでございまして、私どもも、こういうような体制がいろいろな農用地開発地区におきましても整備されて、事業の実施完了から営農の開始に至るまでそごのないように十分な指導をしてまいりたい、かように考えております。
○津川委員 これで終わりますが、私は、この七つの地域で一番めんどうなのは美々津と見ているんです。したがって美々津が成功するならばほかも成功する。そこで、私たちの党が調べた、いま指摘した若干のもの、農林省も同じ見解でないとこれから相談していくことがめんどうなので、私が指摘したような事態を一度調べて、調べた結果を私と一緒に合わせて、そして一緒に事を進めていきたいと思います。これはいいですね。
○岡安政府委員 できるだけ調査をいたしたいと思っております。
○津川委員 終わります。
○湊委員長 次に、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 土地改良法の一部を改正する法律案について、農林大臣に質問いたします。 本日は、昭和五十一年度予算が国政上かつてない状況で、国会が正常化されていないため、国民生活安定のため四十日間の暫定予算を組むということで、きわめて限られた時間の範囲内で土地改良法の一部改正案の審議をすることになったのであります。本法案は重要な点がたくさんございますが、時間の制約もあるわけでございますので、若干の点について質問を行い、細部についてはいずれ国会正常化の上で質疑をさらに行うということを留保して、ただいまからはしょって質問をいたしたいと思います。 本案は、国営土地改良事業のうち、特別会計事業の範囲を拡大し、もって、これら事業の工事促進をはかろうとするものでありますが、実際には、土地改良事業の進展は大変遅延をいたしております。そこで受益者、農民等からも大変農政不信の声が上がっておることは御承知のとおりです。 まず最初に農林大臣にお伺いしたいのは、特別会計事業は早期完成のかわりに受益者負担の増大ということが伴うことになります。この点が一貫して問題になるわけでございますが、本法提案に当たってまず最大の問題だと私は考えておりますので、この点大臣は今後土地改良を進める上において農民に対してどういうふうにお答えになるのか、それの見解からまず冒頭お答えをいただきたい。
○安倍国務大臣 今回御提案申し上げております土地改良法の改正によりましてこれまでの特別会計事業の対象範囲の拡大をいたしまして、農用地造成等を特会事業の枠に入れるわけでございます。これは、これまで政府が計画をし、推進しております基盤整備事業が非常におくれておるわけでございまして、地元の皆さん方からもこの工事の促進、計画の遂行につきましては非常に強い要請がなされておるわけでございます。そうした国の要請、地元の要請等も背景にいたしまして、これらの事業を早急に完成をするために特会事業の対象の拡大を図ったわけでございます。われわれは、この特会事業の対象の拡大によりまして、対象となりました事業についてはわれわれの期待するこの事業の促進はなされて、計画の完遂ができるものと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 現行の特別会計事業は昭和三十二年に改正されたわけでありますが、対象事業の早期完成の目的をもって創設されてきました。国営土地改良事業のうち、灌漑排水事業等、これとあわせ行う防災ダム事業、干拓事業及びこれら事業により生じた施設の災害復旧事業が法定されて実施されてきたわけでありますけれども、今回の改正案は、これらの事業のほかに新たに農用地造成事業、総合農地開発事業及び総合灌漑排水事業にもその道が開かれていくということになるわけでありますが、このため、国営土地改良事業にあってはほとんどの事業種目に係るものが、一定の要件に該当すれば特会事業に取り込める道が開かれる、こういうふうになるわけであります。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 そこで、本法案が農民にメリットがあるならば、私は相当この改正案に対して農民も殺到してくるということになるであろうと思うのです。そこで、将来これがどういう方向へ進むかということを大臣に伺いたいわけですが、御承知のように国営地区は農用地開発事業及び草地開発事業等二百四十本近くある中で、特別会計事業は四十本ということでありますが、実際に特別会計を重点に今後大臣は進めていこうと思われるのか、または従来のいわゆる一般事業を重点にやっていくというふうに考えられるのか、その辺の考え方、すなわち農林省の基本的な姿勢はどういうふうにお考えであるか、その点お伺いしたいのであります。
○安倍国務大臣 これは、一般的には非常に規模の大きい事業につきましてはやはり特会事業の中に入れまして工事の促進を図っていきたいというふうに考えております。規模の比較的小さい事業につきましては一般事業でもって事業の推進を図る。両々相まってわれわれの長期目標というものを一日も早く達成をしたい、こういうふうに考えるわけであります。
○瀬野委員 時間の制限があるので、両々相まってということもいろいろ詰めたいわけですけれども、後日この点はまた詰めることにしますが、その辺が問題になってくるわけです。 そこで引き続き質問してまいりますが、農用地開発事業及び草地開発事業がいま申しましたように二百四十本近くあるわけですけれども、これらのうち特別会計事業に適格するものはどのくらいあるか、どういうように見ておられるか、その点率直にお答えください。
○岡安政府委員 いま何本が特別会計に適格であるかということをお答えすることはむずかしいのでございますけれども、具体的な条件を申し上げますと、先ほど大臣からお答えいたしましたように……(瀬野委員「何本あるかだけでいいから。わからぬならわからぬでいい。大分期間もあったんだから研究していただろうけれども。」と呼ぶ) これは地元の要望等もございますし、ほかの事業との関連ということもございますので、直ちに何本が適格であるかということは申し上げられませんが、一応今後十カ年間におきます特別会計予定地区数、私どもだけの考えでございますけれども、農用地開発並びに国営の総合農地開発につきましては大体十八地区が対象にし得るものというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 そういうことはこの法案を出すときにずいぶん研究もしたし、期間もあったんだから、ぱっと言えるようになっていなければならぬはずだ。こういうのは想定問答集の範囲内だから、ぱっと答えられるようにしておかなければだめです。 熊本県の場合は何本ぐらい該当しますか。地元の要請もあることはよくわかるが、おおむね特会に該当するのはどのくらいか、検討しておりますか。
○岡安政府委員 熊本県では私ども考えておりますのは総合灌漑排水事業のうち川辺川地区、これは相当事業量も大きい地区でございますので、特別会計の対象になし得るというふうに考えております。
○瀬野委員 大臣、よく聞いておいてください、後でまたいろいろお尋ねしますから。 そこで端折ってお尋ねすることになりますが、特別会計事業と一般会計事業と両々相まってというようにおっしゃるけれども、政府の方はかなり特別会計を重点に見ていくという思想が流れているわけですが、いずれにしても二百四十本からどんどん取り入れするということになると、これは予算が大変かかるわけですね。これは先ほどからいろいろ論議されたところであります。そこで緊急なものは、地元から了解も必要でありましょうし、また地元負担が多くかかるということになる。経済効果も上がる、したがって負担金も多くかかるというようなことになるわけですが、その辺の問題が今後地元との関係で問題が提起されるところであろうと思います。 そこでこれは一々詳しくお聞きする時間はございませんが、たとえば百億の事業中、一般会計でやれば農民負担が幾らかかるか、特別会計でやれば幾らかかるか。すなわち農民はデメリット、メリットがはっきり出てこないと乗ってこないわけです。その辺、たとえば百億の事業の場合一般会計とそれから特別会計でやればどのくらい農民はメリットがあるか、その点端的に答えてください。
○岡安政府委員 では簡単にお答えいたしますが、これは灌排事業と農地開発事業と異なるわけでございますが、百億の事業を一般会計でやる場合におきましては、灌排事業につきましては、このうち四〇%の四十億が一般の地元負担、これは都道府県負担と農民負担に分かれますけれども、それぞれ負担になります。特別会計事業におきましては私どもは百億の事業というのは多少おかしいので、事業費になる場合には国費百億に上乗せをされまして借入金でもって七十二億丁合計百七十二億の事業ができると考えます。と申しますのは、国費で五八%負担をし、四二%を一般の地元が負担をするということになります。したがって同じ国費を使った場合、一般会計では百億の仕事ができ、特別会計では百七十二億の仕事ができる。その場合に地元負担は一般会計の場合には四十億の負担となり特別会計におきましては七十二億の負担になるけれども、事業の進捗率は百億対百七十二億であるというようになります。これは灌漑排水の場合で、同じように農地開発につきましては、国費と地元負担の割合が七四対二六となりますけれども、同様な関係にあると言えると思います。
○瀬野委員 さらに百億の土地改良をやった場合に、いまもその負担の例を申されましたが、一般会計事業ですと十五年かかるが特別会計だと十年で終了するというふうなことが言えるかどうか。土地改良区の理事長なんかは農民を説得するために大変苦労するわけですが、その点この公開の席で端的に一つの例をとって、これは経済の変動やいろいろなことを言えば切りがないが、百億の土地改良の場合に、この改正が通れば実際今度は一般会計事業は十五年、特別会計は十年、こういうふうになるのか、その辺の見通しはどうなんですか。
○岡安政府委員 いまの国営の一般会計事業は工期が大体三十年ぐらいかかっております。今後ともこれは大いに短縮をいたしたいと思っておりますが、特別会計につきましては現在大体十五年ぐらいかかっておりますのを、今後私どもの予定でございますけれども、今回特別会計に振りかえられる地区のうち総合灌漑排水事業の四地区につきましては、特別の事情がない限りというような条件はつきますけれども、五十一年度以降おおむね十カ年間で完成をいたしたいと思っておりますし、今回特別会計に振りかえられます農地開発事業三地区につきましても、特別の事情がない限り振りかえ後八年以内で完了をいたしたいというふうに思っております。そういたしますと一般会計で事業を実施するよりも工期は飛躍的に短縮をされるというふうに考え、そのように努力をいたしたいと思っております。
○瀬野委員 工期の問題が出ましたが、これは表を挙げて説明すると時間がかかりますけれども、特別会計はもともと七年でやることになっていて、公約してありますけれども、それが現在もう倍以上もずっとおくれてきている。口を開けば政府は物価とか総需要抑制の問題とかすぐ言われるけれども、そうであるなしにかかわらずずっとおくれてきておるわけです。そういったことで、この事業の年数の問題は、同じ事業量の土地改良が一般会計事業でやった場合と特別会計でやった場合といずれが得策か、農民は実は推測しかねるわけですね。それで結局農林省の言うとおり政府主導型の土地改良になっていると言われてもしようがないわけですが、表を見てもずいぶんおくれてきております。ますます年数というのは長くなりつつあります。そういったことで私たちも大変懸念をしているわけですけれども、この点についてはどういうことになるのか。 皆さん方の方ではかつて長期計画は四十八年から十カ年で七十万ヘクタールの造成を閣議決定して進めておられますね。これに対して実績は、計画の面積は七十万ヘクタールですから、十カ年だと一年に七万ヘクタールを実施するということになるわけですけれども、実際に、農林省から提示された資料の十三ページ「主要事業受益面積の推移」を見ますと、農用地造成の中で農地造成と草地造成、干拓、これを合計しますと、昭和四十五年が四十六・一、四十六年が四十・八、四十七年が三十八・五、四十八年暫定で三十五・三、四十九年暫定で二十二・三、これはいずれも千ヘクタールですが、そういうふうに計画の半分です。期間もおくれる。しかも、この長期計画は四十八年から十カ年で七十万ヘクタールという閣議決定をしているのだけれども、これまた落ち込みがひどい。こういったことを見ましたときに、かっこうのいいことは言うけれども、なかなか内容が伴わない。これは実に重要な、大事な問題であるにもかかわらず、安倍農林大臣の攻めの農政の姿、こういったところに実に落ち込みがある。皆さんは、この点どういうふうに農民に説明されますか。
○岡安政府委員 確かに土地改良長期計画の計画量といまの実績を比べた場合、非常におくれていることは御指摘のとおりでございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 特に農地開発につきましては、相当事業量の点においておくれておりますが、これはもちろん物価の上昇、総需要の抑制施策の反映であるということもございます。それ以外に、やはり最近におきまして、農用地造成を行います対象の土地が相当遠隔の地といいますかに後退をしておりまして、それらについて農用地造成を進めたいという希望となかなか合致しなくなってきているという点もあるわけでございます。 つきましては、やはり農用地造成の計画面積、六十年目標で八十六万ヘクタール等を達成するためには、一段と工夫をこらさなければならないというふうに考えておりまして、五十一年度におきましても、新しく農用地造成を進めるに当たりまして、従来のネック等を解消する手段はどうか、新しくそれらを促進する手段はないかというような調査研究を進めたいと思っておりまして、それらの成果を踏まえてぜひ計画どおりの面積を確保いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○瀬野委員 それで、これはもう問題を指摘する程度になりますけれども、さらに農用地造成の反当事業費、これも問題です。これについて、どのくらいかかっているかということを、昭和四十五年からの推計をお尋ねします。 御承知のように、昭和四十八年、四十九年は物価狂乱時代ですから、これは特例として、いろいろ問題があったことはよく認識しておりますけれども、私の試算によると、昭和四十五年ごろは四十万円程度であったと思っております。県営農地六十三万円、団体営六十八万円。五十年の造成費を見ますと、農用地造成は八十二万円、草地造成は三十五万円。要するに、五十年は倍になっておるわけです。予算もそれだけ多くつけねばならぬ。だから、面積は閣議決定で相当大きく言っておるけれども、実際は、諸物価の値上がり、労賃の値上がり等によって、実質は低下してきておるということであります。反当事業費等を見ましても、これまた問題です。だから、実質予算の低下になっておる、私はこういうふうに指摘するわけですけれども、金額では上がっても、実際の面積は余り施行できないということで、ずいぶんかっこうのいいことはぶち上げられるけれども、内容が伴わぬ、こういうふうに思うわけです。この点について、昭和四十五年からの推計、どういうふうに今後を見通しておられるか。推計と見通し、簡潔にお答えください。
○岡安政府委員 一般の農地開発につきましての反当事業費の推移でございますが、平均で申し上げますと、四十五年度は平均事業費で反当平均二十六万円というのが、五十年度では八十万円というふうに上がっております。ただ、これは物価の高騰等がございますので、これを一応換算いたしますと、五十年度が平均で大体八十八万六千円ということにいたしますと、四十五年は五十二万五千円で、倍はかかっておりませんけれども、実質相当上がっておるということは言えるわけです。草地開発につきましても、四十五年度が平均大体八万六千円のものが、五十年度では三十五万三千円、これも物価等を勘案しまして修正しますと、五十年度三十八万一千円が四十五年度は十七万四千円、これは倍以上ということになります。これらは、やはり先ほど申し上げましたとおり、対象の土地が非常に奥地の方になってきたということで、いたし方なく反当の平均事業費が上がるということでございまして、この傾向はやはり今後とも避けられないというふうに考えるわけです。 したがって、事業費につきましても、特段の努力によりましてこれを確保いたしませんと、なかなか事業量の確保はできないというふうに考えておりまして、今回の特別会計の制度の改正も、農地開発につきまして財投資金を導入して、飛躍的に事業量を増大いたしたいという気持ちからでございます。 さらに、私どもはそういう価格の点のみならず、農地取得に当たりましてもいろいろな問題が介在をしておりますので、取得等につきましても新しい工夫をこらしたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 そこで、特別会計事業として完成した灌漑排水事業は二十地区ございますが、その実態を見てみますと、その工期が六ないし八年のものが三地区、九ないし十一年のものが十地区、十二ないし十四年のものが六地区、十五年以上のものが一地区となっております。ほとんど七、八年以上かかっておりますが、これまた、今後本法による土地改良を推進する意味において、農民が尋ねたい端的なことをお聞きしておきますが、こういった実情にかんがみまして、予定工期内の完成について今後いかに対応していかれるかということから、七年の工期というのが公約ですが、これが仮に延びた場合、一年くらい延びればどのくらい地元負担が負担増になるのか。二年の場合、三年の場合幾らになるのか。現時点で、工期が延びていく傾向にあるわけですけれども、地元負担の負担増、これが仮に百億の場合どのくらい負担増になるか。一年の場合、二年の場合、三年の場合、それを端的にお答え願いたいのでございます。
○岡安政府委員 これは前提がございまして、今後物価上昇がないというような仮定の計算でございますけれども、一般灌漑排水の場合、一年工期がおくれますと、地元負担は大体三・三%くらい増加をするという計算になっております。なお、三年おくれれば九・五%、五年おくれれば一六・九というような計算になります。
○瀬野委員 その点は明快でございました。一応承っておきます。 次に、ずいぶん問題があるのだけれども、時間の制約があるのではしょりますが、金利負担について大変問題なんですけれども、今回の本法改正によると、二年据え置き十五年払いで都道府県がみずからの負担金及び農民負担金を徴収して特別会計に支払うということになっておりますけれども、これでは短い。これは農林大臣に特にお答えいただきたいが、二年据え置き十五年では短いということで、国営ではすぐ効果が出ないし、県営、次に団体営で事業完了するまではかなり時間がかかってくる。県営、団体営も終わっていないので、水はなかなか使えぬというような問題もあって、負担金を納めておるけれども、実際に利用するのはずっとおくれる。これは事業の一貫性という問題もあるのですが、そういうことで少なくとも据え置きを五年にしてくれという声が強いのですけれども、これに対して農林省はどう考えていますか。五年にしますか、大臣。
○安倍国務大臣 特別会計事業の場合におきましては、地元負担の金利、さらに据え置き期間につきましては二年据え置き、十七年ということになっております。この二年を五年にしろという御要請でございます。われわれとしても据え置き期間を長くしたいという考え方は持っておるわけでございまして、そういう面からいろいろと交渉もいたしておりますが、他の制度との関係もございましてなかなか困難でございます。しかしこれは農民負担が軽減をするということにつながっていくわけでございますので、われわれとしてもさらに再検討をして、そういう方向で努力は続けてみたい、こういうふうに考えるわけでございます。非常に困難ではございます。
○瀬野委員 それで大臣、これは重要な問題であるので、もう一つそれと関連してお尋ねしておきますけれども、この金利負担についてはこれが過重であることは言うまでもありませんが、ぜひひとつ軽減の法体制をとってもらわなければ、とてもこれでは、さっきから言っているように土地改良は閣議決定して、四十八年から十カ年で七十万ヘクタール、一年七万ヘクタールで推進しようといったって絵に描いたもちである。 そこで、「昭和四十七年度以降の資金運用部資金の貸し付けの経緯」による建設利息の元利表等を見ますと、適用期間と貸し付け利率、四十七年八月三十一日までが年六・五%、四十七年九月一日から四十八年五月三十一日までが六・二%、四十八年六月一日から四十八年十月三十一日が六・五%、四十八年十一月一日から四十九年一月三十一日が六・七%、四十九年二月一日から四十九年九月三十日七・五%、四十九年十月一日から八・〇%、こういうふうにずっと六%台から七%、八%と上がってきています。地元民はこういった金利負担の軽減をしてくれ、こういうふうに血の叫びをしているわけです。農民は、国費で利子補給をせよ、こういうふうにも言っております。私は、制度ができたころは六%だった、かように思うのですが、こういうふうに四十七年度以降の資金運用部資金の貸し付け経過を見ましても金利政策で変わってきておる。これでは工期が延びるほど金利がかさむわけです。この辺は農林省は本法を十分検討されたと思うけれども、これではとても受けられない。これは問題です。この点、大臣、どういうふうに農民にこたえようとしておられるか、お答えをいただきたい。
○安倍国務大臣 建設金利につきましては資金運用部の金利をそのまま転嫁をしておるということで、資金運用部の資金が上がると建設利息も上がる、下がると下がるということになっておりまして、現在では七・五%というふうになっておりますが、現在は金利の水準全体が下がりぎみになっておるというふうに判断をしております。そういうふうな、資金運用部の資金をそのまま転嫁しているということでございますので、これを変えるということは非常に困難でございます。ですから、われわれとしては工期をできるだけ短縮をして完成を早めるということに重点を置いて取り組んでまいりたい、こういうふうに思います。
○瀬野委員 次にお尋ねしますけれども、四十九年度の特別会計決算に三億三千六百余万円に上るところの収納未済額が計上されておることは御承知だと思いますけれども、これはもちろん地元負担金を特別会計に納入している地区のうちでこういうふうになっております。これが一つ問題なんですけれども、取れぬところがあるということで農林省もいろいろ苦慮しておるのじゃないかと思うが、この発生の理由をこの機会に明らかにしてもらうと同時に、中身がはっきりしないのですけれども、それがどうなっておるのか、これらも農民負担になっておるのか。県費が払えぬので徴収ができぬとも言われているが、その点農林省はどういうふうにつかんでおるか。何せ時間が迫っておるものだからはしょって聞きますけれども、この辺も問題点であるので指摘します。お答えをいただきたい。
○岡安政府委員 特別会計事業の負担金の未納でございますけれども、負担金には都道府県負担とそれから地元の農家の負担ということがございまして、都道府県負担部分の未納はございませんで、未納が発生しておりますのは受益者たる農民からの支払いが遅延をしたということで未納が生じておるわけでございます。 その理由を二、三申し上げますと、一つは、関連する県営とか団体営事業による末端工事が未完了なので直接的な効果が発生していないということを理由にいたしまして地元の農家が負担金を納付をしないということ、それから災害が発生をいたしまして減収があったので納付できないというような理由によるものでございます。
○瀬野委員 次に、御存じのように本事業は特別会計事業、一般会計事業それから先般通過しました農用地開発公団によるところの農用地開発事業、こうあるわけですが、このうちどれがよいのかということになるとなかなか農民は判断つかぬ。いわゆる役人主導型ということで、結局役人の言うとおりということになりかねない。これも農民が疑問を持つところでございますのではっきりしてもらいたいわけですが、いずれにしてもこういう農用地造成事業における国営事業の位置づけということ、それから国営事業と農用地開発公団事業との関係は政府はどういうように説明されるのか、また開発作目の選定等どういうようにお考えであるか、こういった基本的なことについてもひとつ簡潔にお答えをいただきたい。
○岡安政府委員 いま御指摘の一般会計事業、特別会計事業、農用地開発公団事業、それぞれ特色がございまして、一概にどちらがと言うわけにはいかないと思います。先ほど申し上げましたように、簡単に申し上げれば、一般会計は比較的総事業費が少ないものでございまして、それについては一般会計事業でやった方が先ほど申し上げましたように特別会計と比べて若干農民負担も軽減されるし、それから建設利息という負担もない。特別会計の方は、総事業費が大きいものにつきましては早くやって、多少地元負担がふえてもまた建設利息を払っても早く完了した方がメリットがあるというふうに考えて農民が選択をするというように、それぞれ理由があると思います。農用地開発公団事業につきましては、これは広域的な未開発地域について土地基盤整備と、それから上物である機械とか施設等をセットで導入するというような事業でございます。これもそれぞれ特色があるわけでございまして、それらは最終的には農民の希望によるものであり、私どもはそれに従って事業を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 大臣、時間の関係もあるので一点お伺いしますが、県営、団体営が国営事業が進まないと遊んでしまって、国営事業の関係からおくれてきて県営、団体営が困るという、いわゆる一貫施工の必要性ということですね。先ほどもちょっと触れましたが、これは重大な問題でございます。国営がおくれるために県営、団体営が大変困っているわけですが、これを何とか促進してもらいたいと思うわけです。一つの例を申し上げますと、群馬用水の場合は水資源公団でやったわけですが、県営が六割、完成して五年もたっているのに利根川の幹線水路から水を末端に流すことができないまま今日になっている。結局水はむだになるし、また地元では困っている。こういう例があちこちあるわけですが、よく御承知だと思いますけれども、この一貫施工ということについて、これは一昨年も触れたのですが、なかなかこれが解決できないのですけれども、本法改正に当たって積極的に進めてもらいたいが、どういうように大臣はお考えですか、お答えいただきたい。
○安倍国務大臣 国営事業が進まないと、県営、団体営事業ができない。たとえば水が来ないから県営事業、団体営事業ともやれない、こういう地区があるわけでございまして、こういう地区等につきましては、国営事業を最優先的にやれというふうな声も非常に強いわけでございます。われわれとしても、予算の面においても重点的にそうした地区につきましては国営事業を取り上げておるわけでございますし、また特別会計制度の活用によりまして国営事業の工事の進捗を早めるということが大きなねらいとなっておるわけでございます。そういうふうなことで、国営事業をまず進捗し、そういう中に合わせて県営あるいは団体営事業等も整備を進めていくという方向で対処してまいりたいと考えております。
○瀬野委員 時間もありませんので、最後に簡潔に二点、農林大臣にお伺いしまして質問を終わることにしますが、国、県、団体営の管理についてですけれども、地元が大変、これはいろいろ諸問題があって困っている問題です。一般の公共事業すなわち農道、道路等も農民負担で管理をしております。国は国、県は県、団体営は団体営で、事業区分で管理すればはっきりするわけですけれども、何しろ問題があって管理がなかなか行き届かない面がございます。そこで、大蔵省等は、いろいろ聞いてみると、これは二重補助だとかなんとか言って経済効果が上がるから地元で負担せよとかいろいろ言っているようでありますが、農林省としては積極的に施設管理は国がめんどう見てもらいたいということで進めてもらいたい。そこで、こういうことで農林省は制度検討のために研究会を設けていろいろいま検討しておられるけれども、これはなかなか結論が出ないようだが、これは十分ひとつしりをたたいて早く結論を出して改善してもらいたい、その見通しはどういうふうになっておるか、結論はいつごろ出る予定か、その点一点。 それから最後に、もう一つは農林大臣に、本法提案に当たって、五十一年度予算の要求が行われるについて、予算編成の過程で国庫負担分について財投資金の導入の特別促進対策が出されたわけですけれども、ついに農林省が断念されて特別会計事業の範囲拡大のみが認められたといういきさつがあります。御承知のように農政審議会の内閣総理大臣に対する建議に基づいて農政審議会の基本方針として昨年来しばしば追及してまいりました。昨年八月の二十二日に出されましたところの「総合食糧政策の展開」、この第一の柱に掲げられておるところの国営事業の特別促進対策が欠落してしまった。農林大臣は攻めの農政と言って一枚看板だった。一枚看板の一番大きな柱がついに欠落した。大臣はこれに対しては相当責任を感じておられると思うし、本法提案に当たっては、実に残念で仕方ないだろうと思うのだが、こういったことは説明の中では何ら触れておりませんが、今後これに対してどういうふうにされようと思うのか。今後、次年度以降実現を図るために最大の努力されるのか、それともこれができなければ総合食糧政策、これはもうまことに攻めの農政で、安倍農政張り切ったけれどもだめだったから、かぶとを脱いでこれらいわゆる「総合食糧政策の展開」というものは削除をするというようにはっきり言われるのか、その点明快に、最後にこの二点、大臣からお答えいただいておきたい。これに基づいてまたいずれ機会を見て質問したいと思いますので、明快にこの二点についてのお答えをお願いしたいと思います。
○安倍国務大臣 土地改良制度の改正につきましては、現在改正の一つの課題である維持管理問題というようなものもあるわけでございますが、そうしたものを含めた改正問題につきましては、現在土地改良制度改正の研究会を省内につくりまして、学識経験者を集めて鋭意検討を続けておるわけでございます。なかなかしかし、これは非常にむずかしい問題でございまして、時間的にいつまでを限度とするかということについては、現在はっきり申し上げる段階にないわけでございますが、いずれにしても、真剣に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岡安政府委員 もう一点は、当初予算において今回の土地改良、特に国営土地改良事業の促進のために、対象の拡大のほかに国費の財投肩がわりという考えがあったことは事実でございますが、これは五十一年度予算要求の段階と決定の段階におきまして、資金運用部資金の需給が非常にさま変わりになりまして、当初は国費を獲得するよりも財投資金を確保した方が事業量拡大のために非常に有利であろうということで要求をいたしたわけでございますが、その間において財投資金の方は非常に逼迫をいたしましたので、今回はとりあえず対象事業の拡大、これによる財投資金の新規導入だけを図ることにいたしまして、国費を財投に肩がわりする部分は見送ったわけでございます。これはやはり今後とも、財投資金の資金繰りその他をよく見きわめませんと、どちらが有利であり、どちらが実現の可能性があるかということは別でございますので、今後とも慎重に行く末を見定めながら対処していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 残念ながら時間が参りましたので、以上で一応終わります。
○湊委員長 次に、稲富稜人君。
○稲富委員 今回の土地改良法の一部を改正する法律案に対して若干の質問をいたしたいと思いますが、私に与えられた時間がわずか二十分でございますので、要点だけを若干お尋ねいたしたいと思うのでございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 まずお尋ねいたしたいと思いますが、今回のこの土地改良法の改正案にかんがみまして私たち思いますことは、農業基盤整備事業の必要であるということは私たちも認めるのでございますし、またこれに対しては各地方ともいろいろ希望があると思うのでございます。ところが、政府におきましては、その地方地方の希望がありますと安易な計画でその基盤整備事業をやって、そうしてついにはその期限がおくれて、逆に農民の期待外れになるというような事情等が生じた点が非常にある。今回の法律の改正等もそこにあると思うのでございますが、こういうことに対しましては、今後やはりもっと十分検討する必要があるのじゃないか、こういうふうにわれわれは今回の改正案を通じて思うわけでございますが、これに対しては政府はどういうような考え方を持っておられるか、まず冒頭にお尋ねしたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 農業の基盤整備事業の新規採択につきましては、従来から継続地区の事業促進との関連にも留意しながら適正を期したところでございますが、一方におきまして、土地改良長期計画の目標を達成しなければならないという必要性があるわけでございますので、年度によっては新規地区の採択がその年度の予算と必ずしもバランスがとれていない、いまお話がございましたバランスがとれていないというようなときもあったというふうにも考えておるわけでございます。 工期の遅延につきましては、いまさら私が申し上げるまでもなく、物価の上昇とかあるいは公共事業の抑制などの原因がありますが、五十一年度予算案におきましては、国営事業を初めとして、各種の補助事業につきまして新規採択地区を極力抑制をして継続地区の事業促進に重点を置いたわけでございます。 将来におきましても継続地区の事業促進はもとより重要なことでございますが、反面、前述のような土地改良の長期計画の目標を達成するためにも新規採択は確保しなければならないという問題もあるわけでございますので、今後これは全体の予算枠の確保に努めることが第一でありますが、この全体の予算枠確保に努めるとともに、新規採択につきましては、継続事業との兼ね合い等も十分に配慮しながら、これに慎重に対処してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○稲富委員 私が申しますことは、いま大臣のおっしゃったように、継続事業もありながら新規事業もやられる、しかもこれに対しては安易な考え方で七年間には完成するのだ、こういうことでおられる。これに対して非常に農民は期待をしておる。ところが実際において予算はつかない、それがために農民としては非常に期待外れになる、こういうようなことから今度の土地改良法の一部を改正しなければいけないような状態にもなった。こういう事実にかんがみまして、いまおっしゃるように新規事業はやらなければいけないが、この点を安易な考え方で、そして農民の期待外れにならないように十分検討しながら対処しなければいけないのではないか、こういう点を私は申し上げておるわけでございますので、この点を今後十分検討すべきではないかと思うのであります。 特にそういう点から申し上げましても、今回の法の改正に関係いたします七地区におきましてもこういう問題が生じているわけでございますので、現在この法の改正によります関係ある七地区の事業計画及び今日のこの事業の進捗状態、こういうことに対しましても、これは時間がありませんので、簡単にひとつその内容の御説明をお願いしたいと思うのであります。
○岡安政府委員 今回振りかえをいたします地区は全体で九地区ございますが、法改正によって可能になります七地区につきましては、大体大規模な事業地区でございますけれども、まだ工事着工早々の地区が多いわけでございますので、今後特別会計に振りかえられましたならば、これはひとつ一般地区が現在置かれておりますような工期ではなくて、特別な事情のない限り当初計画の予定どおりの工期内にはぜひとも完成をいたすというような心算で取り組んでまいるつもりでございます。
○稲富委員 私いまの進捗状態を聞きたかったのですけれども、それは御説明がありませんから、これは時間がかかりますので、重ねてお尋ねいたしません。 ただ、申し上げたいと思いますことは、今回の七地区の問題につきましても七年間にこれを完了するのだ、こういうことで農民は非常に期待を持っていた。ところがその七年間がすでにもう半分以上の年月がたっておるにもかかわらず、事業そのものは一つも進捗いたさない、今日のような予算措置でやっておりますと二十年かかるかもわからない、こういうような状態が生じている。その点から今回のこの法の改正をして、財投によってやらなくちゃならないという問題に肩がわりをしたわけなんで、この点はいやみを申すわけではございませんが、ややもしますると政府は国営事業、直轄事業でやろうとしたものを財投に切りかえたという一つの責任転嫁をやったのだという感さえなきにしもあらずと言わなくちゃならないと思うのでございます。こういうことに対していささか責任をお感じになっておるのであるかどうか、この点もひとつこの機会に承りたいと思うのであります。
○安倍国務大臣 確かに最近の国営事業の工事の進度が予定よりもおくれておることは事実でございますが、これは私も何度も申し上げましたように、労務であるとかあるいは資材の高騰であるとかあるいは公共事業の抑制等この種の事業全体を通ずるところの事情によるもので、これは国の財政の仕組みから見てやむを得ない面があったということも御理解をいただきたいと思います。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、国営土地改良事業の工事の進捗のおくれ、これは受益の農家の経営といった面からは非常に大きな妨げになるわけでございまして、国民経済的にも好ましくない影響を及ぼすわけでございますから、国としても極力工夫をして事業の促進に努めなければならないわけでございます。そうした観点から今回の特別会計事業の対象枠の拡大をいたしまして、一般会計の支出の上に財投資金を上乗せをして工事の促進を図るということで今回の法律改正をお願いいたしたわけでございまして、この法律改正によりまして事業が進むことが受益農家のメリットにもつながっていくわけでございますし、国民経済的にも大きな効果が出てくるというふうに判断をいたしておるわけでございます。
○稲富委員 これは大臣、責任を感ずるとおっしゃるとなかなか問題があるから、なかなか責任を感ずるということをおっしゃらないかわかりませんが、これに関係しておる農民といたしましては七年間でこれを完了してもらうのだ、こういうような期待を非常に持っておった。ところがもうすでに七年間のうちの半分の年月は経ておるけれども、一向に事実は進行しない。非常に農民は期待外れになっている。この点は、政府もその点が非常に困った問題だということから、今度は財投によってこれをやっていこうというようなことになったものだと私は想像いたしております。私はその責任を追及するわけじゃございませんけれども、その責任の一端を考えられた結果がこういう切りかえになったものだ、かように考えておるわけなのでございます。 そうしますとおのずから、最初の計画に期待をいたしておった農民は、今回の切りかえによって負担増が生じてまいるわけでございます。こういう点もあるので、その当初の計画どおりにできなかったということは、もちろんいま大臣のおっしゃるような国の財政的な都合があったということは一応われわれわかる。しかし国の財政的な都合があったということは政府の責任であって農民の責任ではないわけなんです。その財政的な十分な処置をやることができなかったということに対しましては、やはり政府といたしましても一縷の責任は感じなければいけないと私は思う。ただ国の財政的な処置ができなかった、やむを得なかったんだ、農民おまえたちもがまんしろ、こういうことでは過ごされないと思うので、この点私はその気持ちを率直に伺いたい。こういうことを責めておるわけではありませんけれども、率直にその点をひとつ農民の前に披瀝をしてもらいたい、こういう意味で私はお尋ねをしておるわけなのでございます。
○安倍国務大臣 これは農業の公共投資だけでなくてその他の一般的な公共事業におきましても、総需要抑制あるいは物価の上昇といった面が反映をいたしまして財政的な面からおくれておるわけでございますが、特に農業の基盤整備につきましては、受益者が農民であるというふうなことからわれわれもこの事業がおくれることによって受けるいろいろな問題を何とかして早く解決をしなければならないという立場に立って今度の特会制度の対象の拡大ということになったわけでございまして、そうした事業のおくれに対しましては、われわれとしては国の責任において事業の推進を図って農民の期待にこたえていかなければならないという気持ちは全く同じでございます。
○稲富委員 政府といたしましては今後この法律の改正によりまして財投になりますと当然農民の負担というものはふえてまいります。この農民の負担の増加した分に対しては何とか親心をもって農民の負担を少なくするような、そういう方法を政府の責任において考えなければいけない問題があるのではないかと思うのです。なぜかといいますと、現在農民は従来国営事業としてなされるものだとして承諾をしているのです。ところが今度はこれが財投に切りかえられるということになりますと当然負担が大きくなる。やはりこれに対してはまた承諾をしなければいけない。三分の二が承諾をすればできるということでございますが、もしその場合農民が承諾しないということになれば非常に困った問題が出てくると思うのです。そうすると、前のとおりに返るのだからおまえたちは長くがまんをしろ、承認しなければしようがないじゃないか、こういうことで放任さるべき問題ではないと思う。政府は一番最初に農民がこれを承知した場合は七年間において国で完了するんだということで農民を納得させているんだから、しかしながら財政上の都合によってこれが完工することができなかったからやむなくこういうような切りかえをやったんだ、それがために負担が大きくなるとするならば、この負担を少なくすることによって切りかえを農民が承認をするような形をとらなければ、もしも農民が承知しないということになればどんどん困った問題が生じてくると私は思うので、こういう問題に対しては何かひとつ農民に負担のかからないような方法を考慮すべきものであると思うが、これに対してどういう考えを持っておられるか、この点を承りたい。
○安倍国務大臣 私は、特別会計制度の実施によりましてこの対象の中に入りました国営事業は、事業が非常に促進をされるということになると考えております。その場合に農民の負担は一般会計事業と比較をして多少ふえるわけでございます。しかし工期が早まるということでこの負担を補って余りあるメリットがこれによって得られるのではないかというふうに判断をするわけでございます。そうした状態の中で農民の皆さんが特別会計制度を選ぶか、あるいは一般会計制度でこれまでの事業を進めていくかということは地元の自由選択ということになるわけでございまして、われわれとしてはおくれたことにつきましては、一般会計事業も特別会計事業もこれからの予算枠あるいはまた財政投融資の枠の拡大等を図りまして事業の進捗を図っていかなければならぬわけでございますが、しかしいろいろの客観的な事情のためにおくれた、それでもって農民の負担も確かにふえてはおりますけれども、その負担分についてこれを軽減するという措置はいまの段階においては考えてはいないわけでございまして、これはなかなか困難であるというふうに私は判断をしております。したがって、特別会計事業によって事業の進捗を図って、そして地元の期待にこたえ、そしてメリットを一日も早く還元をするという方向で今後は努力も続けてまいりたい、こういうふうに思うわけであります。
○稲富委員 私は、非常に遺憾に思いますのは、繰り返してくどいようでございますけれども、最初の計画というものは農林省は七年間にやるということを言って農民を納得させている。それが国の財政の事情によって延び延びになっているということなんです。これに対してはいささかなりとも政府としてはやはり責任というものを感じなければいけない。いろいろな各般の事情でやむを得なかったのだ、農民にはうそを言ったけれども、やむを得なかったのだ、これでおまえたちは納得しろ、こういうようなことではなくして、こういう延びたことは財政的ないろいろな国家的な事情はあったにしろ、やはり農民に対してその示した計画どおりできなかったということに対しては、いささかなりとも政府としては済まなかったぐらいな気持ちは持たなければいけないのじゃないかと私は思う。ただやむを得なかったのだ、それだからこれでいやならば前の計画どおり長くかかってもいいじゃないか、こういうようなことで放任されるものであってはいけないと私は思う。最初は七年間で完成するのだ、こういうことで政府は農民に納得させて事業に取りかかったのだ。ところがそれができないから今度の法改正になっているのでしょう。これはいろいろな財政の事情上やむを得なかったからもう農民はがまんしておけ、それでできないならば、今度はこう切りかえたけれども、これで農民の負担が多くなる、高くなる、これがいやなら前どおりやっておけ、あと十年かかったって知らぬぞ、こういうようなことで処理すべき問題ではない、私はかように考える。やむを得なかったならやむを得なかったとしても、こういう事情でやむを得なかったのだからと言って、いささかなりとも政府としては相済まなかったぐらいな気持ちは持たなければいかぬのじゃないかと私は思う。それをやむを得なかったのじゃないか、こういうふうに政府として責任を感じないということは、私はどうも思い知ることではない、かように考えます。 しかし、これをやかましく言っているともう時間が来ますから、その点を考えながら、もう一つ今後の問題に対しては、少なくとも最初の計画どおりになし得なかったということは、財政的な関係で政府に責任があったけれども、そのかわり今後これに対して埋め合わせをするのだ、こういうようなことで今後の問題には処してもらいたい、こういうことを私はこの際特に申し上げたい。こういう点から今回のこの事業の推進に当たりましては、今回のこの法の改正によりまして、最初の計画どおりの期間内にそれでは完了するという確約がされるかどうか、この点についてひとつ承りたい。
○安倍国務大臣 政府としては基盤整備事業がおくれておるということにつきまして責任を逃げておるわけではございません。それは確かにいままで申し上げましたような財政上のいろいろの問題はあるわけでございますが、やはり長期計画を実現して完遂をするということは政府の責任でございますから、これはやらなければならぬ。しかしおくれてきておるわけですから、ここでこれを早めるための特別会計制度の活用等も図って、そして事業の進捗を図らなければならぬわけでございますし、さらにこれからの基盤整備に対しましては、食糧自給という大前提を貫くための最も重要な事業でございますので、今後の公共事業予算等の確保についてはわれわれは全力を傾けてこれに当たりたいと思っておりますし、特別の事情のない限りは、この事業は計画どおり完遂をしていきたい、私はそういうふうに考えております。
○稲富委員 時間がありませんから最後に具体的な問題で伺います。 今回の法改正に当たりまして耳納山麓におきます土地改良事業というものに対してどういうような計画で推進されるという見通しがあるのか、これに対する具体的な今日の見通しをひとつ承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○岡安政府委員 御指摘の耳納山麓の今後の推進の見通しでございますけれども、この地区は四十七年度に着工をしたところでございまして、五十年度までに九・五%の進捗というような地区でございますが、五十一年度から法律が改正をされまして、特別会計に振りかわるということになりましたならば、私どもは十カ年間で完了いたしたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、これは蛇足でございますけれども、特別会計に振りかえないで一般会計で実施いたしますと、ほかの地区との振り合いその他もございまして、大体二十年程度はかかろうかというふうに考えられますので、この地区につきましては地元の同意も得られまして、特別会計に振りかえれば十年程度工期が短縮するものというふうに考えております。
○稲富委員 この耳納山麓の問題は一番最初は七年間という農林省の方針でありまして、その七年間がもう四カ年は終わっているのです。しかもそれがいまおっしゃるように九・五%しかできていないというような状態なんです。それで、あと十カ年間かかると言いましても、農林省が農民に確約をしたその期間というものよりもずっと延びるわけなんです。それだけ農民は非常に期待外れになっておるというのが現状でございますので、これはあと十カ年でも長過ぎるのですよ。もう七年間のうちの四カ年間は終わっているのですよ。本来なら、約束どおりとすると、あと三カ年間で終わってしまわなければいけない。こういう点をやむを得なかったとして、恬として相済まないというような顔もしないなんて、これは政府としても余りにも厚顔無恥ですよ。もっと責任を持って、これはもう十カ年間とかそういうことじゃなくて、もっと進捗するように、こういうような具体策をもってやってもらわなければ、地元の者は立っても寝てもいられないのですよ。何をやっているんだと言われる。これはもっとあなた方は責任を感じて——最初からいささか政府は責任を感じなさいということを言っているのはそれなんです。政府に責任があって延びておるんだから、その責任の一端を感ずるならば、農民の期待に反しないような行為をやって、一日も早くこれを完成させる、こういうことが、農民の期待に反しないような行為をやる政府の処置である、こういうことを私は申し上げているんだから、その点もさらにこれは検討して、もっと農民の期待に反しないような、こういう方法で一日も早く完了するように——いま大臣は最初の計画どおりにいくような方法でやります、こうおっしゃった。最初の計画どおりいくとあと三年で終わらなければいけないのですよ。それを局長は十年かかると言われる。最初の計画どおりじゃないじゃないですか。この点をひとつ再検討をして、もっと早く完了をするようにしてもらいたいと思うのですが、これを検討する余地がありますかどうか。
○安倍国務大臣 いままで、先ほどから申し上げましたようないろいろの事情で事業がおくれたわけでございますが、今回の土地改良法の改正によりまして特別会計制度の対象が拡大をして、いまのお話のような事業につきましても、この対象の中に入れれば相当の事業の促進ができるというふうに判断しておるわけでございます。これを選ぶか選ばないかは地元の選択にもよるわけでございますが、私たちとしては、この特会制度の活用によりまして事業の進捗を大幅に早めて、そして先ほどから局長が申し上げましたような計画でもって着実に事業が一日も早く完成するように今後とも努力を重ねてまいりたいと思います。
○稲富委員 それではもう終わりますが、一つ最後に。 あと三年残っておるのを、このままでいけば二十年かかるとおっしゃる、それを今度の法の改正によって十年でやるとおっしゃる。すると、七年を十四年でやるということになるわけです。こういうようなことでは本当に農民というものが農業に対して意欲を持たないことになるのですよ。それだから、こういう問題にもっと真剣に取り組んで、そして本当にやはり期待に反しないように、十カ年間をもっと縮めてでもやっていこう、こういうことで再検討をしていただきたいという希望を申し述べまして、時間がありませんから私の質問を終わることにいたします。
○湊委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○湊委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 土地改良法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○湊委員長 この際、本案に対し、角屋堅次郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、ただいま可決されました土地改良法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 土地改良法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 近年、国民食糧の安定的供給の確保と農業の健全な発展を図るため、農業基盤整備事業の積極的な推進が強く要請されているが、ここ数年来、国営土地改良事業をはじめとして各種事業の進展が著しく低下している。 よつて、政府は、この際土地改良長期計画の計画期間内の達成及び工期遅延の回復等のため、土地改良事業予算の大幅な確保に特段の努力を傾けることはもとよりであるが、特に、本法の運用に当たつては、左記事項の速やかな実現に遺憾なきを期すべきである。 記 一 国営土地改良事業の完了を促進し、その効果の早期発現を図るため、特定土地改良工事特別会計の事業量の拡大を図るとともに、国の負担金に借入金を充てるいわゆる特別促進対策の導入及び附帯県営事業等の一貫施行等についての方途を検討すること。 二 特別会計事業実施地区における工期の遅延は、農民負担の増加につながるものであることにかんがみ、予定工期内に必ず完了せしめるよう万全を期すること。 三 土地改良事業の円滑な促進を図るため、地域の特性に配慮しつつ国庫負担率及び補助率の引上げ、採択基準の引下げ、借入金の金利の引下げ、償還条件の緩和等所要の措置を講ずること。 また、土地改良事業推進における地方費負担の重要性にかんがみ、土地改良事業に係る起債措置、地方交付税措置の充実を図り、地方財源の確保に遺憾なきを期すること。 四 農村環境の変化に対処し、土地改良施設の維持管理のあり方及びこれと密接に関連する土地改良区のあり方を早急かつ根本的に再検討して国の助成等積極的な対策を講じ、土地改良施設の適正管理を図ること。 五 農業生産の基礎資源としての農用地並びに農業用水の重要性にかんがみ、積極的にその開発を図るとともに、農業水利の歴史的特性を考慮し、これが不当に侵害され、又は新たな負担を課せられることのないよう特段の配慮を行うこと。 右決議する。 以上でありますが、その趣旨は、ただいま本委員会における質疑の中でも指摘されたところであり、委員各位の十分御承知のところでありますので、これを省略さしていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願いいたします。
○湊委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対して別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 角屋堅次郎君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を体し、十分検討の上、善処いたしてまいりたいと存じます。 —————————————
○湊委員長 なお、ただいま議決されました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○湊委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、法律案起草の件について議事を進めます。 まず、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会におきまして御協議を願っていたのでありますが、本日その協議が調い、草案がまとまりましたので、その内容につきまして、便宜委員長から御説明申し上げます。 本案は、酪農の健全な発達に資するため、農林漁業金融公庫が行う乳業者に対する牛乳の処理または乳製品の製造に必要な施設の造成等に必要な資金の融通に関する臨時措置をさらに五年間延長しようとするものであります。 以上がその内容でありますが、その詳細につきましては、お手元に配付してあります案文により御承知願いたいと存じます。
○湊委員長 本起草案について別に発言の申し出もないようでありますので、直ちに採決に入ります。 お諮りいたします。 お手元に配付いたしております農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決定いたしました。 —————————————
○湊委員長 次に、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会におきまして御協議を願っていたのでありますが、本日その協議が調い、その草案がまとまりましたので、その内容につきまして便宜委員長から御説明申し上げます。 本案は、漁業協同組合の合併の促進を図る必要性がなお存続している実情にかんがみ、都道府県知事の認定を受けるための合併及び事業経営計画の提出期限をさらに四年間延長し、計画が適当である旨の認定を受けた漁業協同組合については、従前の例により法人税、登録免許税等の特例措置並びに漁業権行使規則の変更または廃止についての特例措置を講じようとするものであります。 以上がその主な内容でありますが、その詳細につきましては、お手元に配付してあります案文により御承知願いたいと存じます。
○湊委員長 本起草案について別に御発言の申し出もないようでありますので、この際、本案について、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があればお述べ願いたいと存じます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案につきましては、政府としては、やむを得ないものと考えます。 —————————————
○湊委員長 お諮りいたします。 お手元に配付しております漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案の草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決定いたしました。 —————————————
○湊委員長 次に、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会におきまして御協議を願っていたのでありますが、本日その協議が調い、その草案がまとまりましたので、その内容につきまして、便宜委員長から御説明申し上げます。 本案の第一は、生糸の輸入は日本蚕糸事業団において当分の間一元的に行わせることとしたことであります。 すなわち、現行法上の一元輸入措置は、政令で定める一定期間に限って実施できる臨時的なものでありますが、内外における生糸、絹製品需給の供給過剰基調は当分の間継続するものと考えられますので、今後は事業団の一元輸入措置についてその臨時的性格を改め、当分の間生糸の輸入一元化措置を実施することといたしております。 なお、事業団が一元輸入した生糸については、事業団が糸価に悪影響を及ぼさない方法により売り渡しすることといたしております。 第二は、繭及び繭短繊維の輸入についても、これが生糸等の需給に大きな影響を及ぼすことになりますので、これらの輸入増加によって生糸価格が低落した場合、必要に応じ政令で定める一定期間、日本蚕糸事業団による一元輸入措置を実施できることといたしております。 第三は、絹糸等の輸入に関し、政府は必要があるときは適切な措置を講じなければならないこととしたことであります。 すなわち、生糸と完全に競合する絹糸並びに生糸の需給及び価格に大きな影響を与えるその他の絹製品につきましては、それらの輸入が生糸にかわって急増した場合、繭及び生糸の価格安定が図れないこととなりますので、そのような事態に立ち至ったときは、政府はその輸入を制限する等糸価安定のための適切な措置を講じなければならないことといたしております。 そのほか、以上の措置に関連して必要な経過措置等諸規定の整備を行うことといたしております。 以上がその内容でありますが、その詳細につきましては、お手元に配付いたしました案文により御承知願いたいと存じます。
○湊委員長 本起草案につきましても別に発言の申し出もないようでありますので、直ちに採決に入ります。 お諮りいたします。 お手元に配付いたしております繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決定いたしました。 —————————————
○湊委員長 なお、ただいま決定いたしました各案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○湊委員長 この際、角屋堅次郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五常を代表して、繭糸価格安定対策に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、繭糸価格安定対策に関する決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず案文を朗読いたします。 繭糸価格安定対策に関する件(案) 最近、世界的な生糸、絹製品需給の著しい供給過剰基調を背景として、生糸の一元輸入措置にもかかわらず、生糸に代わり絹糸等絹製品の輸入が急増し、本一元輸入措置を空洞化させるばかりか、我が国の蚕糸業及び絹業に重大な悪影響を与える事態になっている。 今後の蚕糸業及び絹業の安定的維持発展を期するためには、生糸、絹糸、絹織物を通ずる全体的な輸入秩序化を緊急に図る必要がある。 よつて、政府は、かかる状況を考慮し、今回の繭糸価格安定法の一部改正に伴い、生糸の一元輸入措置の運用等に関し、左記の事項に十分留意して、生糸、絹製品の輸入秩序化に万遺憾なきを期すべきである。 記 一、生糸の一元輸入措置は、国内及び世界の生糸、絹製品需給が安定し、本措置を止めても国内蚕糸業に悪影響を与えることが全く無いと認められるまで継続実施すること。 二、絹糸については、本来輸入量が極めて少なく、一元輸入措置下の生糸に代わって輸入が急増したものであることにかんがみ、生糸と絹糸の輸入については、生糸での輸入を原則とし、絹糸の輸入は極力抑制すること。 三、今回の繭糸価格安定法の改正により、新たに設けられる第十二条の十三の九の規定に基づき、事前承認制等の適正な運用に努めるほか、必要に応じ輸入数量割当制を導入する等、絹糸及び絹織物の輸入について実効ある輸入抑制措置を講じ、繭糸価格の安定に万全を期すること。 四、蚕糸業の維持発展を図るため、長期的観点に立つて、生産拡大等のための施策を拡充強化する等強力な蚕糸業振興対策を講ずること。 右決議する。 以上でありますが、その決議案の趣旨につきましては、委員各位の十分御承知のところでありますので、これを省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願いいたします。(拍手)
○湊委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 別に発言の申し出もないようでございますので、直ちに採決いたします。 角屋堅次郎君外四名提出の繭糸価格安定対策に関する件の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本件は委員会の決議とすることに決しました。 この際、本決議に対し、政府より所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に体して、生糸等の輸入の秩序化及び繭糸価格の安定に万全を期してまいりたいと考えております。
○湊委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 ————◇—————
○湊委員長 この際、昭和五十一年度の畜産物政策価格について、安倍農林大臣から説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 昭和五十一年度の畜産物価格の決定に係る経過につきまして御報告申し上げます。 まず指定食肉、すなわち豚肉及び牛肉の安定価格につきましては、去る二十六日に開催されました畜産振興審議会食肉部会において御審議を煩わしたところでありますが、同審議会におきましては、同日「最近における豚肉及び牛肉の生産動向にかんがみ、現行の安定価格水準を引き上げることとし、消費に与える影響をあわせ考慮して慎重に決定されたい」との答申をいただいたところであります。 次に、加工原料乳の保証価格等につきましては、本日開催されております畜産振興審議会酪農部会において御審議を煩わしているところでありまして、本日答申をいただく予定であります。 政府といたしましては、今後審議会の答申を踏まえ、指定食肉及び加工原料乳の再生産の確保に十分配慮して、これらの価格を今月末までに決定したいと考えております。
○湊委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○湊委員長 この際、山崎平八郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、畜産物の価格等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。山崎平八郎君。
○山崎(平)委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、畜産物の価格等に関する決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 畜産物の価格等に関する件(案) わが国畜産業は、近年の飼料価格等の高騰及び畜産物価格の低迷により未曾有の打撃を蒙つたところであり、今日に至るもその経営は依然として不安定な状況におかれている。 よつて政府は、昭和五十一年度の畜産物政策価格の決定等に当たつては、左記事項に留意し、畜産業の安定的発展の諸施策充実に万遺憾なきを期すべきである。 記 一 加工原料乳保証価格については、生産コストの上昇を適正におりこむとともに、家族労働費については、製造業労賃が適正に反映されるよう評価し、生乳の再生産確保が図られる水準に引き上げること。 この場合、自給飼料労働費の評価については、酪農における粗飼料生産の重要性にかんがみ、特段の配慮を加えること。 二 飲用原料乳については、価格決定のあり方も含め、消費の安定的拡大に資するための方策について早急に検討するとともに、生乳の長距離輸送に対する施策を一層強化すること。 三 豚肉及び牛肉の安定基準価格等については、労賃、生産資材等の上昇を適正に反映させるとともに、所得の補償にも十分配意し、その再生産確保が図られる水準に引き上げること。 なお、養豚農家及び肉牛生産農家の経営安定に資するため、子豚、子牛価格の安定制度の強化を図るとともにいわゆる長期平均払い制度の早期確立とその整備拡充に努めること。 四 近年生産過剰基調のもとに卵価が低迷している養鶏業に対し、その安定的発展を図るため、鶏卵の需給調整等に対する行政指導を徹底するとともに、卵価安定基金及び液卵公社等による価格安定機能を一層強化拡充すること。 五 牛肉の輸入割当、豚肉の関税減免措置等にかかる畜産物の輸入政策については、畜産物の国内自給の維持向上の観点に立ち、国内の需給と価格に悪影響を及ぼすことのないよう慎重な配慮のもとに行うこと。 六 飼料自給度の向上を図るため、草地造成の拡充及び飼料作物の増産奨励に対し重厚な財政措置を講ずるとともに、輸入飼料の安定的供給を確保するため、備蓄及び価格安定機能の充実強化に対し積極的な財政援助を行うこと。 右決議する。 決議案の趣旨につきましては、委員各位の十分御承知のところでありますので、これを省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願いいたします。(拍手)
○湊委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 別に発言の申し出もないようでございますので、直ちに採決いたします。 山崎平八郎君外四名提出の畜産物の価格等に関する件の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本件は委員会の決議とすることに決しました。 この際、本決議に対し、政府より所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 御決議につきましては、十分検討し、適切に対処すべく努力いたす所存であります。
○湊委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十九分散会