農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/03/02
会議録
○湊委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、安倍農林大臣から農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し述べたいと思います。 最近のわが国経済社会の動向を見ますと、石油危機を契機として従来の高度経済成長を支えた諸条件は失われ、安定成長への路線転換が求められております。不況と物価高の併存、資源問題、環境問題等の幾多の困難を克服して、新しい経済社会を建設してまいらなければならないのであります。 こうした中で、わが国農林漁業を取り巻く環境や食糧をめぐる内外の諸情勢もまた大きな変貌を遂げつつあり、新たな施策の展開が強く要請されております。 まず、農産物の国際需給は、一九七二年の世界的な不作を契機に逼迫基調に転じ、最近の状況を見ましても、昨年のソ連の大量買い付け等に見られるように依然として不安定な状態を続けております。今後においても、開発途上諸国における需要の増加、先進諸国を中心とする畜産物消費の増大、気象変動に伴う農業生産の不安定性等を考慮すると先行き楽観は許されないものと考えられます。 また、わが国農業の現状を見ますと、高度経済成長の過程で、農村の過剰労働力は解消し、農家の生活水準も向上したものの、その反面で労働力の過度の流出、農地の壊廃の進行等、農業の健全な発展にとって好ましからざる数々の問題を抱えるに至り、その体質が脆弱化していることは否めないところであります。 さらに、わが国の動物性たん白食糧の過半を供給している水産業について見ましても、燃油等資材価格の高騰、魚価の相対的低迷、漁場環境の悪化等に起因する漁業経営条件の悪化、国際的な漁場制約の強まり等により、多難な局面を迎えていることは御承知のとおりであります。 このような内外の情勢を見ますと、食糧問題は、いまや農林水産業やそれに携わる者のみの問題にとどまらず、広く国民の安全保障にかかわる問題であると申さねばなりません。国民食糧の安定的供給なくしては、わが国、わが民族の存立も全うできないのであります。 将来にわたり国民食糧の安定供給を確保するため、各般にわたる総合的な食糧政策を強力に展開することは、国政の喫緊の課題となっているのであります。 まず、食糧政策の展開に当たっての基本的態度について申し述べたいと思います。 国民食糧の安定的供給を確保するためには、何よりもまず、わが国農業の生産体制を強化し、自給力の向上を図ることが基本であります。 そのためには、長期的視点に立った需給見通しと生産目標を設定し、これに沿って施策の展開を図ることが必要であります。このような見地から、政府といたしましては、昨年五月に、昭和六十年度を目標年次とする「農産物の需要と生産の長期見通し」を閣議決定し、今日のわが国の社会経済情勢の中で、可能な限りわが国農業の自給力の向上に努めることを明らかにしたところであります。 一方、わが国の気候、風土等の制約から今後とも海外に依存せざるを得ない農産物につきましては、輸入の安定化等を図り、あわせて、国民食糧の安定的確保に資するとの視点もゆるがせにできないと考えております。 私が昨年八月に訪米いたしました際に、バッツ米国農務長官との間で、主要農産物の安定取引に関する合意を取りつけてまいりましたのもこのような考え方に基づいてのことであります。 さらに、水産業についてもわが国の食生活に占める水産物の重要性にかんがみ、これを食糧政策の一環としてとらえ、漁業経営の安定や漁場の整備確保に努めることが必要であります。 私は、以上のような基本的考え方に立って、また、昨年三回にわたって開催いたしました国民食糧会議における各界の御意見等も踏まえ、昨年八月、知項目からなる「総合食糧政策の展開」を取りまとめたところであります。この「総合食糧政策の展開」は、さきに申し述べました「農産物の需要と生産の長期見通し」を実現するための今後の食糧政策の基本的対策とも言うべきものと確信いたしております。 私は、今後、この方向に沿い、農業生産基盤の整備、中核的担い手の育成確保、農産物の生産振興、漁業経営の安定、農山漁村の福祉の向上等、各般にわたる施策を総合的、かつ、強力に推進してまいる所存であります。 次に、昭和五十一年度の主要な農林漁業施策について申し述べたいと思います。 まず、わが国農業の生産体制を強化し、自給力の向上を図るためには、農業生産の基盤である土地及び水資源を確保整備し、その有効な利用を図ることが必要であります。 このため、農業生産基盤の整備については、灌漑排水事業、農用地開発事業、圃場整備事業等の各種事業を計画的に推進することとし、特に、国営事業については、農用地開発事業等を特定土地改良工事特別会計の対象事業に加え、事業の一層の推進を図ることとしております。 また、国営農用地開発事業について、その採択基準を緩和し農用地開発の積極的推進を図るとともに、農用地開発公団事業の拡充を図ることとしております。 さらに、優良農用地を確保し、計画的な土地利用を進めるため、農地法、農振法等の適正な運用を図ることとしております。 このほか、生産の場がすなわち生活の場という農山漁村の特殊性にかんがみ、生産基盤の整備とあわせて集落道路、集落排水施設等の農村環境施設についても、その総合的な整備を進めることとしております。 次に、国内農業の自給力を高めるためには、意欲的に農業に取り組み、農業生産の担い手となろうとする者を育成確保することが不可欠であることは申すまでもありません。 このため、計画的な土地利用を進めるとともに、農業構造改善事業の推進、集団的生産組織の育成に努めることとしているほか、農業の担い手が、創意に基づき、経営改善を進めることができるよう農業生産基盤、農業近代化施設等の整備を行う特別対策事業を実施することとしております。 このほか、普及事業の強化、青年農業士等の育成、総合施設資金の拡充、農業者年金制度の改善等を推進することとしております。 また、農産物の需要に対応した計画的な農業生産を確保するため、各種農産物の生産振興対策を強力に推進することとしております。 まず、米につきましては、現在の稲作転換対策は、昭和五十年度をもって終了いたしますが、米の需給事情は、なお過剰基調にあり、また、米以外の農産物で増産の必要なものが少なくない事情にあります。このため、五十一年度から向こう三カ年間、水田総合利用対策を実施し、米については、その消費の拡大に努めつつ、需要に応じた計画的な生産を進めるとともに、今後増産が必要な大豆、飼料作物、野菜等の食糧農産物を中心として、その水田における生産振興措置を講じ、水田の高い生産力を総合的に利用することとしております。 また、麦、飼料作物等につきましては、水田裏の活用に重点を置いて、その生産振興を総合的に推進することとしております。 このほか、野菜、畜産、果樹等につきましても、引き続き、所要の生産振興対策を講ずることとしております。 次に、農産物の価格安定対策につきましては、野菜につきまして指定消費地域の拡大、指定野菜以外の重要野菜の価格安定事業に対する助成並びに価格安定対策の実施体制の整備等価格安定対策の拡充を図ることとしております。 畜産物につきましては、加工原料乳不足払い制度及び食肉価格安定制度の適正な運営を図るとともに、肉用子牛、鶏卵等につきまして、その価格安定対策の充実を図ることとしております。 また、果実につきましても、特に温州ミカン等について、加工原料用果実の価格安定対策の充実を図ることとしております。 さらに、米、麦についての食糧管理制度の適正かつ円滑な運営に努めるとともに、学校給食における米飯給食の拡大、その他米の消費拡大のための施策を積極的に進めることとしております。 なお、以上のほか、長期的視点に立って、価格政策の展開を図る見地から、引き続き所要の検討を進めることとしております。 また、わが国の国土資源の制約等から見て、今後とも相当部分を海外に依存せざるを得ない農産物については、主要輸出国との間で緊密な情報交換を行うほか、昨年八月の日米農相合意の円滑な履行に努めること等により、これら農産物の輸入の安定化を図っていくこととしております。 一方、飼料穀物及び大豆について、国際市場における需給の変動に対応し、その安定的供給を確保するため、公益法人がみずから買い入れ、備蓄する体制を確立することとしております。 さらに、開発途上地域等の経済発展と食糧増産に寄与し、あわせて長期的視点から食糧の輸入先の多角化に資するため、国際協力事業団を通じて、これら地域の農業開発に対する総合的な協力支援を実施することとしております。 このほか、中央卸売市場等の整備、新流通経路の育成等を進め生鮮食料品の流通の合理化を図るとともに、消費者保護対策、農林関連企業対策についてもその充実を図ることとしております。 また、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金、農業改良資金等の各種制度資金について、所要の融資枠を確保してその運営の改善を図る等金融の拡充を図るとともに、農業災害補償制度の改善を図ることとしております。 次に、林業の振興について申し上げます。 森林・林業施策につきましては、近年、森林の持つ木材生産機能のみならず、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全等の公益的機能に対する国民的理解と要請が高まっており、また、山村地域の振興等に果たす役割りも重要視されております。 このため、国内林業生産の振興と森林の公益的機能の発揮を調和させつつ、森林・林業政策の強力な展開を図ることとし、造林、林道等林業生産基盤の計画的な整備、優良な林業地域の育成、林業構造の改善、林業労働力対策の拡充強化、木材備蓄の強化に努めるとともに、新たに林業改善資金制度を創設する等各般にわたる施策の拡充強化に努めることとしております。 次に、水産業の振興について申し上げます。 さきに申し述べましたように、水産業を取り巻く内外の諸情勢は、きわめて厳しいものがあります。 このため、きわめて困難な事態に直面している漁業経営について、漁業経営の維持安定のために必要な資金制度を創設するほか、減船を含めて、漁業構造の改善の必要のある業種に対し、所要の融資措置等を講ずることとしております。なお、燃油等の購入に必要な資金についても、別途、融資措置を講ずることとしており、これらの措置により漁業経営の安定を図っていくこととしております。 また、沿岸漁業については、新たに沿岸漁場整備開発計画を策定し、人工礁漁場の造成、大規模増殖場の開発等、沿岸漁場の整備開発事業を総合的かつ計画的に推進するとともに、沿岸漁業構造改善事業の計画的実施、栽培漁業の振興等を図ることとしております。 さらに、水産物価格の安定を図るため、水産物調整保管事業について対象品目を追加する等その拡充強化を図るとともに、これにより損失を生じた場合に、所要の融資を行う公益法人を設立することとしております。 このほか、水産業の振興を図るため、漁港施設等の整備、国際協力による海外漁場の確保、新漁場の開発、水産物流通の合理化、漁船に関する損害保険制度の拡充等各般にわたる施策を強力に推進することとしております。 昭和五十一年度の予算は、わが国経済の安定成長への移行に伴う厳しい財政事情のもとに編成されましたが、これまで申し述べて参りました総合的な食糧政策を推進するために必要な経費につきましては、その重点的な確保に努めたところであります。また、これら施策の展開に伴う必要な法制の整備につきましても、鋭意法律案の作成を取り進めているところでありますので、本委員会において、よろしく御審議のほどをお願いいたします。 以上、所信の一端を申し述べましたが、高度成長から安定成長への転換のときに当たり、私は過去十数年の高度成長の過程で脆弱化したわが国農林漁業の体質を強化し、魅力ある農山漁村の建設と活力ある担い手の育成を実現するため、全力を傾注してまいる決意であります。 本委員会及び委員各位におかれましては、農林水産行政推進のために、今後とも御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○湊委員長 次に、昭和五十一年度農林関係予算について説明を聴取いたします。浜田農林政務次官。
○浜田政府委員 御説明の前に一言ごあいさつを申し上げます。 今回政務次官を拝命いたしました浜田幸一でございます。もとより、がさつ者でございまするが、諸先生方の御指導と御協力を得まして、ただいま大臣が所信表明に述べられました諸点について、農民の利益を正しく守り、食糧資源確保のために努力をいたす所存でございますので、各先生方の御指導をいただきたいと存じます。(拍手) 大臣にかわりまして、農林関係予算の説明をさしていただきます。 昭和五十一年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十一年度一般会計における農林関係予算の総額は、総理府など他省所管の関係予算を含めて二兆四千百三十億円であり、前年度の当初予算額と比較して一〇・九%、二千三百六十二億円の増加となっております。 以下、予算の重点事項について御説明いたします。 第一に、国民食糧の安定的確保に関する予算について申し上げます。 最近における国際的な食糧需給の動向とわが国の国土資源の状況にかんがみ、国民食糧の安定的供給の確保を基本とする総合的な食糧政策を強力に展開する心要があります。このため、まず、国内農産物の生産体制を整備し、自給力の向上を図るために必要な各般の施策を強化するとともに、輸入農林産物の安定的確保を図るための施策についても、その拡充を図ることといたしました。 まず、農業生産に不可欠な土地と水の保全、開発及び高度利用を図るための農業生産基盤の整備につきましては、灌漑排水事業、農用地開発事業、畑地帯総合整備事業、圃場整備事業、農道整備事業等の各種事業の推進を図るとともに、地方の景気振興に資することとしております。特に、国営事業について、特定土地改良工事特別会計の対象事業を拡大して、農用地開発事業等を特別会計で実施することができることとしたほか、農用地開発公団事業、農村生活環境の整備に関する事業を拡充することとしており、これらを含めた農業生産基盤整備費として総額四千三百七十三億円を計上いたしました。 次に、主要農産物の振興対策について申し上げます。 まず、米につきましては、その需給事情から見て、消費の拡大に努めるとともに、需要に即応した生産を進める必要があり、他方、米以外の農産物で増産の必要なものが少なくないことにかんがみ、従来の稲作転換対策にかえて、新たに、昭和五十一年度以降三カ年を実施期間とし、食糧農産物を中心とした水田における生産振興措置等を内容とする水田総合利用対策を実施することといたしました。 この水田総合利用対策の対象面積は、昭和五十一年度において、二十一万五千ヘクタール、米換算数量で九十万トンとし、関係経費八百五十七億八千二百万円を計上いたしました。 また、麦、大豆、飼料作物等の生産振興につきましては、助成内容を改善しつつ、引き続き生産奨励措置を講ずることとしておりますが、特に、土地資源の有効利用を図りつつ水田裏作の麦及び飼料作物を振興する観点から、新たに反別奨励補助金を交付することとするなど施策を強化し、これらに必要な経費として総額二百四十二億三千二百万円を計上しております。 次に、畜産の振興対策について申し上げます。 まず、飼料対策につきましては、草地開発事業等の推進、飼料作物の生産振興奨励、緊急粗飼料増産総合対策事業等の生産対策のほか、配合飼料価格安定特別基金を強化するなど、価格、流通対策を含め、引き続きその強化を図ることといたしております。 また、酪農対策として、新たに、酪農ヘルパー育成促進事業を実施するとともに、肉用牛、豚、鶏の各部門につきましても、引き続き各般の施策を実施するほか、新たに、家畜飼養衛生環境改善特別指導事業を実施する等、衛生対策の充実に努めることとしております。 畜産物の価格対策につきましては、肉用子牛価格安定基金制度及び卵価安定基金制度の改善強化を図るとともに、引き続き加工原料乳に対する不足払いを実施いたします。 また、畜産物の流通加工対策につきましてもその充実を図ることとし、これらを含め、畜産振興対策として、総額一千六十七億四百万円を計上いたしました。 野菜対策につきましては、まず、生産対策として、野菜指定産地近代化事業を拡充強化するとともに、新たに、野菜指定産地について見直しを行い、産地の強化を図るための整備事業を開始するなど施策の充実を図ることとしております。 野菜の価格対策につきましては、野菜消費の平準化等、野菜をめぐる諸情勢の変化に対応してその強化を図るため、野菜生産出荷安定法の改正等により、指定消費地域の範囲の拡大、野菜指定産地の要件の緩和、野菜生産出荷安定資金協会が行う価格補てん事業の改善等を図るほか、新たに、都道府県段階で行われている価格補てん事業に助成するなど野菜制度の拡充を図ることとしております。 これら野菜対策として、総額二百六十億四千六百万円を計上いたしました。 果樹農業の振興対策につきましては、引き続き温州ミカンについて、生産、流通、加工にわたる総合的な需給安定対策を講ずるほか、特に、加工原料用果実の価格安定事業を強化することとしております。このほか、新たに、リンゴについて低位生産園の再開発を行うとともに、桜桃、パイナップル等の特産果樹についても施策を強化することとし、これらを含めた果樹対策として、総額七十五億八百万円を計上しております。 また、養蚕対策につきましては、蚕糸業をめぐる内外の厳しい情勢に対処して、養蚕近代化促進対策事業を実施するとともに、特産物等の生産振興につきましては、各作物の地域における重要性、生産性向上の緊要性等に対処して、新たに、てん菜生産安定拡大対策事業、サトウキビ生産合理化緊急対策事業等を実施することといたしました。 以上のほか、米、麦、飼料作物、畑作物等の土地利用型農業について、新たに、生産性の高い農業生産の展開と需給の動向に即した農業生産の再編成を図るため、集団的生産組織の育成、高性能機械施設の導入等を内容とする土地利用型集団営農推進特別事業を実施することとしております。 また、これらとあわせ、農業機械の安全対策、農薬の安全使用対策等についてもその充実を図ることとしております。 次に、輸入農林産物の安定確保対策について申し上げます。 国土資源の制約等から海外に依存せざるを得ない農林産物について、その安定的な供給を確保するため、大豆、飼料穀物及び木材の備蓄対策については、大豆及び飼料穀物について公益法人がみずから買い入れて備蓄する体制を確立するなど施策の強化を図るとともに、木材備蓄の計画的拡充を図ることとし、総額三十億二千七百万円を計上しております。 また、主要輸出国との情報交換を通じて安定的な輸入の確保を図るとともに、開発途上地域等における農林産物の生産の安定と拡大等のための開発協力を行うこととし、国際協力事業団の事業の拡充を図ることといたしました。 第二に、農業生産の担い手の育成等に関する予算について申し上げます。 今後のわが国農業の発展のためには、農業生産の中核的な担い手の育成確保を図ることが重要であります。 このため、総合施設資金について、貸し付け枠の拡大、貸し付け限度額の引き上げ等を行うほか、中核農業経営育成特別普及事業を充実することとしております。また、農村青少年対策として、新たに青年農業士育成事業を実施するとともに、農業後継者育成資金の貸し付け枠の拡大を図ることとしております。 また、農用地の有効利用と経営規模拡大を通じ、生産性の高い農業経営の実現を図るため、農用地利用増進事業促進対策、農地保有合理化促進事業を拡充実施するとともに、農業構造改善事業につきまして、特に、農業の担い手が、創意に基づき経営改善を進めることができるようにするための特別対策費を含め、総額四百七十五億一千七百万円を計上して事業の推進を図ることとしております。 さらに、農業者年金制度について、年金額の引き上げ等を内容とする制度改善を行うこととしていますが、特に、後継者の加入者については負担の軽減措置を講じ、その育成確保に資することとしております。 農業地域の整備開発につきましては、引き続き、農業振興地域整備計画の適切な管理を行うとともに、農村総合整備モデル事業の拡充、農村基盤総合整備事業の一般事業の新規実施等、農村の総合的整備を進めるほか、農業就業改善総合対策、山村対策等につきましても事業の推進に努めることとし、所要の経費を計上いたしました。 第三に、食料品の流通加工の近代化と消費者対策の充実について申し上げます。 国民の日々の生活に直結する食料品を安定的に供給するため、先に申し述べましたように、畜産物、野菜、果実等についての生産、価格、流通加工対策を拡充強化するほか、特に、中央、地方を通ずる卸売市場の整備については、百四十三億五百万円を計上するとともに、助成体系の改善を図っております。また、小売業の近代化、新流通経路の開発等生鮮食料品の流通の合理化、近代化を図ることとしております。 さらに、消費者保護対策を強化するとともに、食品産業等農林関連企業対策につきましても、所要の経費を計上して施策の拡充を図りました。 第四に、農林漁業金融の拡充について申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸し付け計画額を四千九百十億円に拡大するとともに、融資内容の拡充整備を図り、同公庫に対する補給金として四百四十三億八千万円を計上いたしました。 また、農業近代化資金につきまして、貸し付け枠四千五百億円を確保するほか、農業改良資金、漁業近代化資金につきましては、貸し付け枠の拡大を行うとともに、農林漁業に係る融資保証制度につきましても、その充実を図っております。 このほか、林業金融の充実の一環として、林業改善資金制度を創設することといたしております。 第五に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 まず、林業生産基盤の整備につきましては、林道事業として三百六十一億五千万円、造林事業として二百十八億円をそれぞれ計上し、事業の推進を図ることといたしました。 国土保全対策の充実につきましては、治山事業として七百三十億八千万円を計上するとともに、引き続き、森林開発公団による水源林造成事業を実施することとしております。 また、森林の多角的機能の推持増進につきましては、森林計画制度、保安林制度等の改善強化を図るとともに、国土緑化の推進、森林病害虫等防除対策の充実を図ることとしております。 さらに、林業構造改善事業につきまして、百三十三億八千二百万円を計上して事業の推進を図るとともに、新たに、優良な林業地域を育成するための中核林業振興地域育成特別対策事業を実施するほか、林業労働力対策として、新たに、林業労務改善促進事業を実施することとしております。 また、木材の備蓄対策、林産物の流通消費改善対策等につきましても所要の経費を計上し、その推進を図ることとしているほか、間伐の促進、林業労働安全衛生対策、林業後継者の養成等につき無利子資金の融通を行う林業改善資金制度を創設することとしております。 第六に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 水産業につきましては、国際漁業規制の強化、漁場環境の悪化、燃油等資材価格の高騰、魚価の相対的低迷等に起因する経営の悪化等内外の厳しい諸情勢に対処して、水産物の供給の確保を図るため、各般の施策を推進することとしております。 まず、沿岸漁業につきましては、新たに策定する沿岸漁場整備開発計画の第一年度として、沿岸漁場整備開発事業に五十五億円を計上してその推進を図るほか、沿岸漁業構造改善事業、栽培漁業振興対策等を拡充実施することとしております。 また、最近における漁業を取り巻く諸条件の悪化により、不振に陥っている漁業経営対策として、新たに、固定化債務の整理に要する資金の融通につき助成するとともに、農林漁業金融公庫を通じた漁業の構造改善等を推進するための資金融通等を行うほか、漁業経営の逼迫にかんがみ、燃油の購入等に必要な資金の融通に対し助成することとしております。 さらに、水産物の価格、流通加工対策につきましては、引き続き流通加工施設の整備、水産物調整保管事業を拡充実施するとともに、新たに、調整保管事業の実施により損失を生じた場合に、所要の融資を行うための基金を設置することとしており、これらに必要な経費として、総額七十五億三千二百万円を計上しております。 漁港施設及び漁港関連道の整備につきましては、七百四十七億八千九百万円を計上し、その推進を図ることとしております。 なお、海岸事業につきましては、第二次五カ年計画を策定し、事業の推進を図ることとしております。 また、海洋新漁場の開発につきましては、深海漁場の開発を含め各種調査を拡充するとともに、海外漁業協力財団等による海外漁場の確保対策につきましても所要の経費を計上し、事業の推進を図ることといたしまた。 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算といたしましては、試験研究費として四百八十六億八千九百万円、農業改良普及事業及び生活改善普及事業として二百六十九億七百万円を計上するほか、林業及び水産業の改良普及事業につきましても所要の経費を計上いたしました。 また、農業災害補償制度の実施につき九百四十八億百万円、農林統計情報の充実整備に八十四億二千六百万円等を計上しております。 次に、昭和五十一年度の農林関係特別会計予算について御説明申し上げます。 まず、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧につき食糧管理制度の適切な運営を図るとともに、飼料の需給及び価格の安定を図るため、所要の予算を計上しております。なお、米の消費拡大に資するため、学校給食用米穀について特別の値引き措置を講ずることとしております。食糧管理特別会計への一般会計からの繰り入れ額は、調整勘定へ七千六百九十億円、国内米管理勘定へ五百三十四億円、輸入飼料勘定へ四百十四億円を計上いたしております。 また、農業共済再保険特別会計につきましては、一般会計から総額五百五十億四千七百万円を繰り入れることとしたほか、森林保険、漁船再保険及漁業共済保険、自作農創設特別措置、国有林野事業、中小漁業融資保証保険及び特定土地改良工事の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上いたしました。 最後に、昭和五十一年度の農林関係財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等が必要とするもののほか、新たに、国有林野事業特別会計の借り入れに要するものを加え、総額四千九百七十三億円の資金運用部資金等の借り入れ計画を予定しております。 これをもちまして、昭和五十一年度農林関係予算の概要の御説明を終わります。
○湊委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○湊委員長 農林水産業の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 ただいま大臣から五十一年度の農林予算に関連して所信が表明されたわけでありますが、大臣のこの所信に対して、わが党はそれぞれ分野を決めまして御質疑を申し上げる予定であります。水産業なり林業なり、その他食管問題については、同僚議員からいずれ質問をする予定でございます。 私から、まず大臣の五十一年度の予算に対する姿勢の問題、そしてまた、あなたが農林大臣になって以来、五十年度の予算を通じ、また今年度の予算を通じて何が変わったか、日本の農政のどこが変わったのか、その変わった点をまず明らかにしてもらいたいことと、五十一年度で安倍農政にとって何が目玉商品か、その点をまず明らかにしてもらいたい。
○安倍国務大臣 先ほど私が申し述べました所信表明が私の農政に対する基本的な考え方、さらにまた、その考え方に基づいた当面の施策を申し述べたわけでございまして、私の基本的な農政に対する姿勢は、この所信表明に尽きておると言っても過言ではないと思っておるわけでございますが、私は御案内のように、一昨年の暮れに農林大臣に就任をいたしたわけでございます。その後、一年間かかりまして、わが国を取り巻くところの国際的な諸情勢、さらにわが国の高度成長から安定成長へ移る過程における今日の農林漁業の実態というものを踏まえて、これからやはり長期的な視点に立った農政というものを打ち出していかなければならない、こういう考え方のもとにおきまして、農政審議会から昨年の五月に「農産物の需要と生産についての長期見通し」の御答申もいただきましたし、あるいはまた国民食糧会議を開催をいたしまして、わが国の各界の方々から食糧問題についてのいろいろの御意見も拝聴いたし、さらにまた、この国会の審議を通じまして、与野党を通じての真剣な御論議をいただきました。 そういう各方面の御意見をもとにいたしまして、去年の秋に「総合食糧政策の展開」と称する、今後昭和六十年を一応の目標といたしまする農政の基本政策を明らかにいたしたわけでございます。これは私が申し上げるまでもなく、八項目にわたる基本方向でございますが、この総合食糧政策というのが、私が一年間にわたりまして鋭意研究、検討を重ねまして到達した私の基本的な農政に対する考え方であり、またその政策でございます。この政策を五十一年度予算から裏づけをしていかなければならないということで、五十一年度予算の編成に当たりましては、これらの施策を裏づけるための全力投球をいたしたわけでございまして、おかげさまをもちまして、もちろん完全なものではなかったわけでございますが、私の志向しておりますようなこの総合食糧政策につきましては、農林漁業にわたりまする予算の中にこれを大体において打ち出すことができたというふうに考えておるわけでございます。 まず第一には、何としても国内における自給体制をさらに前進させなければならないというのが基本的な考え方でございまして、そのための基盤整備であるとかあるいはまた中核農家の育成対策であるとか、そういうものも打ち出すとともに、国際的には安定輸入の道を確立するということで、昨年以来苦心を重ねました米国との安定輸入の道をさらに確立をしていく。さらにまた備蓄ということにつきましても、本格的にこれをスタートさせなければならないということで、この備蓄対策等につきましても新しく予算を計上いたしたわけでございます。そういったような具体的な方策を今度の五十一年度予算に盛り込むことができた、これが私が今日まで一年がかりで努力、苦心を重ねましてやってまいりました私の基本的な施策の裏づけということでございます。
○柴田(健)委員 大臣の就任以来、先ほど御答弁された総合食糧政策の方向づけを明確にした、そしてそれの具体的なものが五十一年度の予算案の中で二、三点変わったところを出された、その点は理解できますが、あなたは三木内閣の中の一員であるし、予算の関係なり国会の審議が非常に大幅におくれてきたという点は、御承知のようにロッキード問題が出てまいりましたが、こういう事態が起きたことについて農林大臣はどういう見解を持っているのか、まずその点をお聞かせ願いたい。 〔委員長退席、菅波委員長代理着席〕
○安倍国務大臣 今回の通常国会も、開会以来国政の審議あるいはまた予算の審議等、順調に行われてきたわけでございますが、御承知のようなロッキード事件等の不祥事件が起こりまして、国会の審議も中断をいたしまして、予算の審議も進まず、それに並行して各委員会の審議等も大幅におくれておるということにつきましては、まことに残念に思っておるわけでございます。
○柴田(健)委員 残念なということはわれわれが申し上げることであって、あなたの方はもう少し責任があろうかと思うのです。その点私たちは、余りにも三木内閣のどこか責任を回避していこうという逃げの考えが非常に強いのではないかという気がいたします。そして一方では、三木内閣の方は、予算を通さなければいまインフレだとか不況だとかいうのがあって、インフレ抑制措置もできないし、不況対策にもならない、不況克服ということがいまの重要な政治課題だ、こういうことを盛んに言っておるが、いまは予算というよりか、ロッキード問題の真相をまず明らかにせよというのが国民の声なんです。 〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕 これはどこに参りましてもそれを言う。どうもうやむやにしてしまうのではないか、そういう形でもはや日本の国会の権威も、日本の民主政治の姿も何もかも崩れてしまっておる、国会というところは何をするところなんだ、こういうことで強い批判をわれわれは受けておるわけですが、この五十一年度の予算を通すことによって不況克服になるのかどうか、われわれ疑問を持っておるわけですが、大臣としてこの農林予算は不況克服とどういう関係を持っておるという認識を持っておられるのか、その点をまず明らかにしてもらいたい。
○安倍国務大臣 不況克服というのは、現在の経済の実情は御案内のとおりまことに不況が深刻でございますし、不況克服をせよということは国民の圧倒的な声でございます。政府としても、そうした経済の実態さらにまた国民の声にこたえて不況克服というものを当面の国政の基本的な課題として取り組んでまいりまして、第四次までの不況対策を実施したわけでございます。そしてこの五十一年度予算というものは不況克服のいわば第五次対策ともいうべきものにもなるわけでございますが、この五十一年度予算によってこの不況を克服したいということで、今度の予算は御案内のように公共事業を中心とした不況対策の色彩を濃厚に打ち出した予算になっておるわけでございまして、私たちは、この予算が成立をして一日も早く実施されることが、不況の克服につながり、国民の声にこたえることにつながっていくものであるというふうに考えておるわけでございます。 そういう中にあって、農林関係予算につきましても、特に公共事業関係につきましては、御存じのように農林関係の公共事業予算というものは地方における事業の推進、あるいは労務の雇用等にも大きく影響するわけでございますし、また農林関係公共事業予算の実施に当たりましては、中小企業等の担う役割り等も非常に大きいわけでございますから、この農林関係予算の実施ということになれば、そういう面での不況対策という役割りは相当出てくるのではないかというふうに私は判断をいたしておるわけでございます。もちろん農林関係予算そのものが不況対策ということではなくて、農林関係予算は、先ほどから私が所信表明その他で申し上げましたように、わが国の農政を長期的な視点に立って積極的に推進しなければならないという立場における予算でございますが、そういう中にあって、この公共事業等は不況対策等の面において相当な役割りを占めるものであるというふうに私は考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 私たちはどう考えてもこの五十一年度の予算が、全体から見ても不況克服にはならないという気がするわけですね。それは減税を一切しない予算、そしてあらゆる公共料金をどんどん上げる値上げ予算、そして払う見通しがあるかないかわからぬような借金予算である。それは国全体からいえば多少の不況克服のところも出るかもわかりませんが、農林関係に関して言うならば、農民の方は今度の予算の中ではしわ寄せを食う、そういう懸念が非常に強いわけであります。それでなぜ不況克服になるのだろうかということをわれわれは疑問を持っておるわけであります。そういうことを農林大臣は、農林大臣でありますから、三木内閣の閣員として全体の責任はありましょう。全体の責任はありますけれども、やはり農民の立場をもっと考えなければいけないのではなかろうか、それが農林大臣に与えられた任務であろう、こう思っておるわけであります。 公共事業を少しやったら農村も不況が克服されるのではなかろうか、こう言いますが、それなら五十年度の補正で多少の公共事業の予算措置をいたしましたが、いま何%ぐらい進捗しておるのか、大臣、その点は御存じですか。同時に、五十一年度の予算が通ってみたところで、農村関係は今年度前半期で何%ぐらい工事が着工できるのか。いままでの慣例で言えば数字が出ているでしょう。けれども、ことしは前半期にどれだけの公共事業をやらせるのか、パーセントで教えてもらいたい。
○安倍国務大臣 詳しい数字については官房長から説明させますが、大体農林関係予算の実施状態というのは各省の予算に比べまして進捗率は非常に高いわけでございまして、大体五十年度予算の補正も含めた予算の実施は年度末までには九九%程度は実現できるというふうに考えております。 なお、五十一年度予算の施行につきましては、これは政府部内における不況対策ということも踏まえて、これを予算の成立と同時に実施できるような準備を進めておるわけでございまして、この点につきましても例年以上の進捗率に持っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 日本列島、御承知のように細長い国でありますから、豪雪地帯があるし、地域によっていろいろ条件が違うわけです。農林関係の公共事業と言われるこの事業はどうしても後半に入るわけです。前半は仕事ができない。それは通年施行という方式をとれば別です。ところがそれはなかなかとれない。それから前半期、いまの不況で、直ちに農村が不況克服ができるような工事が着工できるとは思えない。五十年度の補正で少しやっておるという程度でありまして、五十一年度で今度一千五百億の予備費、わけのわからぬ予備費をこれは農林省がどれだけもらうのかわかりませんが、これらを含めてああいうやり方の予算措置で農林大臣はどういう方法であの予備費を使おうとされておるのか、その点の考え方をひとつ聞かしていただきたい。
○安倍国務大臣 この公共事業等予備費につきましては予算委員会等でもいろいろとその性格についても御論議があったわけでございますが、この予備費をいつどういう形で使うかというようなことにつきましては、もちろん現在の段階においてこれが決まっておるわけではないわけでございますが、しかし少なくとも公共事業費等の予備費ということになれば、もしこれが使われるという段階になれば、農林関係の公共事業についても少なくとも二割以上はこれを使うことができるようになるというふうに私は考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 今度の予算は、われわれが見ておると非常にあやわかりのしない、何が何だかわからないという予算である。農林大臣は、先ほど目玉商品的なことを二、三点言われましたが、ごくわずかな予算をつけて、そしてこれで一生懸命やるのだ、こう言われましたが、私たちは安倍農林大臣の姿勢を悪く言うわけじゃないのですが、攻める農政という言葉を言われた。ところが、予算にあらわれてくるのは、どうも攻めの農政にはなっていない。それを攻めの農政だと盛んに宣伝をするのでありますから、われわれはその点第一に疑問を持っておるわけです。攻めの農政なら、もう少し予算の形が変わってもいいじゃないかという気がいたします。私たちは、国の予算も考えるが、地方公共団体の財政問題もあわせて考えなければならぬと思う。要するに、受けざらを何にも考えずに上から押しつけるだけではいろいろな事業を消化することができないのではないか、消化能力が末端にないのではないか、こういう気がいたします。要するに、予算をどんどんつければ、額をふやせばそれで事業が伸びると思ったら——いままではそれでよかったかもしらぬ。これからはそうではない。やはり受けざらをどう強化していくかということも農林大臣としては考えてやるべきではないか。この点についての、国と地方公共団体との財源問題についてどういう認識を持っておられるのか、まずお答えを願いたい。
○安倍国務大臣 もちろん農林関係事業にいたしましても、これを実施するに当たりましては地方公共団体の負担ということが必要になってくるわけでございます。現在の地方財政が非常に厳しい状態にあることももちろん承知をいたしておるわけでございますが、今回の予算、五十一年度予算の実施に当たりましては、そういうことも踏まえて、地方債等の、いわゆる農林関係事業の地方負担については適債事業にするということで、政府も大いに協力をいたすことにいたしまして、五十一年度予算の農林関係公共事業につきましては、大体九五%について地方債を認めるということになったわけでございますので、私は、五十一年度予算の農林関係予算の施行につきましては、支障なくこれを推進することができるというふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 地方債ですが、私たちは地方債の財源確保が非常にむずかしいのではないか、枠は認めたが、現実の問題として、あれだけの地方債が地方で消化できるのかという疑問を持っておるわけです。国債と地方債と政府保証債、三つで十三兆円近くの借金、これらを考えたときに、たとえば今度国債が市中に何%、六〇%持たされるのか、日銀がどういうことになるのか、まだ政府は明確にしてないのですが、要するにいままでの慣例でいくと、たとえば農林中金でもいままで政府公債を相当大幅に持たされておるわけですが、五十年の九月の段階で千四百三十一億円を農林中金だけでも引き受けた。今度の七兆四千五百億円の国債をいまのような比例でいくと、恐らく二千五百億円ぐらいは農林中金が国債を抱かなければならぬということになるのではなかろうかと推察できるわけでありますが、これにまた地方債を加えると、いままで農林中金で去年の九月段階で千七百二十二億円の地方債を抱えておるわけです。これにまた地方債が大幅に五十一年度で抱けるのかどうか、地方銀行がそれだけ地方債を消化する力があるのかないのか、その点はわれわれ非常に関心を持っておるところであります。いまのような抱き方をさせていくと、今度はいよいよ農民なり零細企業なり中小企業が個人個人で融資を受ける場合、たとえば農林中金なら農民の金でありますから、農民が要求する、それぞれの個人の経営のいろいろな資金を融資を受ける場合、十分資金枠が確保できるのかどうか。一方は地方債で都道府県が信連を頼りにしておりますよいうようなことで信連に無理を言うて地方債の枠を引き受けてもらう。ところが今度は個々の農民の個人個人の融資の枠を狭めるようなことがあるのかないのか。この点大臣はどういう見解を持っておられるか伺いたい。
○安倍国務大臣 地方債の消化につきましては、いま御指摘がございましたように地方財政の非常に厳しい中で地方公共団体もいろいろと今後苦労されると思うわけでございますが、これに対しては政府としても協力すべきところは協力しなければならぬわけでございますが、農林漁業関係事業につきましては、私は現在五十一年度予算の個所づけの準備等もやっておるわけでございます。幸いにいたしまして、農林関係事業につきましては各地方公共団体から、財政状態は非常に厳しいけれども、しかし農林漁業の振興のためにはそういう中にあっても優先をしてやりたいということで非常に希望が殺到いたしておるわけでございます。したがって現在の段階におきましては、地方公共団体もそうした農林漁業関係には優先をして取り組んでいきたいというふうな気構えで進んでおりますし、もちろん地方債の消化等には相当苦労があると思いますが、私はそういう意味で農林漁業関係の公共事業については順調に実施されるというふうに大局的に考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 あなたは農林関係の予算は地方の方からたくさんつけてくれと、こういう要望がある。ところがいま都道府県なり市町村の方は予算審議が始まっておるわけであります。岡山県は、これも財源がない。昨年九十億ほど起債をして、今度は倍、百八十億の地方債というか、起債を充当して予算を組んでおる。そして単県行政費は七・九%倹約する。これはその点は理解できるのですが、国庫補助は六・三%削減しなければならぬ。そして国の認識額からいうと一〇%節減をした予算を組んでいる。岡山県ですらこういう削減予算を組んでおるわけですから、国の認証額より下回って予算を組まなければならぬという地方財政のこの実態から見て、あなたが言うように何ぼでもふやしてくれというようなのはどこの県が言うてくるのか、その点を明らかにしてもらいたい。私はおかしいと思うのです。国も困ると言われるけれども、正直に言って地方財政は非常に厳しい。それは多少の差はあるかもわかりませんけれども、市町村を含めて、国の認証額より上回るというところは一つもないと私は思うのです。ほとんど皆下回っていると思うのですよ。そういう厳しい中で、あなたが言うような答えはわれわれには正直に言ってぴんとこない。何が根拠でそういうことを言われるのか、もう少し具体的に明らかにしてもらいたいのです。
○安倍国務大臣 個々の県によって県の財政状態も違うわけでございますので、積極的な県、あるいは消極的な県もあるわけでございますが、しかし全体的に通観をすると、たとえば圃場整備事業にいたしましても、その他の土地改良事業あるいは漁港事業等にいたしましても、私が全体的に判断をすると、この予算の消化については、いま事務当局に対して各県から、むしろ圃場整備だとか、あるいはその他の土地改良、漁港予算等についても、もっとこれを充実してほしいというふうな声の方が多いように私は考えておるわけです。ですから、農林関係予算については、各県とも全体的な予算に対する要求は非常に強くて、もちろん苦しい地方財政ではありますが、そういう中にあって、農林漁業関係を優先しなければならぬという声が強いので、私は、全体的に見れば農林予算の施行については支障はない、こういうふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 大臣はまことに軽い気持ちを持っておるのではなかろうかと思いますが、私たちは地方でいつも、農林省は頭のいい人が多いんだなあ、こういうことをよく言われる。どういうわけだと言うと、新規事業というか、いろいろな名称を使って予算を少しずつつけておいでになる、なぜあんなことをするのかという質問を受けるわけです。たとえば生産団地育成、高能率団地育成、地域生産団地育成、広域団地育成、地域と広域と生産と高能率。そしてパイロット、総合整備事業、モデル整備事業、モデルがつくのと、総合が入るのと入らぬのがある。どうも農林省というところは近代標語をどんどん取り入れるが、やっている中身はあまり違わぬじゃないか。なぜあんな名前がたくさんぼんぼんついて新しいのが出てくるのだろう。やっていることは大して違いはしない。たとえば農村モデル事業と総合モデル事業というところの農道と、普通の生産団地育成の農道、幅員も大して違わないし、単価も大して違わない、こういうことなんです。結局なぜあんなことになるのかという質問をよく受けるわけです。こういう点について大臣はどういう考えを持っておるのですか。
○安倍国務大臣 これはやはり、それだけ事業がたくさんあるということは、農林省がきめの細かい行政をやっているということにもつながっておるのではないか。各地のそれぞれの特性、実情、事業の性格の相違といったようなものから、普通の公共事業と違いまして、農林関係事業というのはそれぞれ態様が違いますから、それに応じた事業の形ということになるわけで、そういう意味ではむしろ私は非常に親切な、きめの細かい行政ということにもなるのではないかというふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 大臣、きめの細かいと言うのなら、もう少し配慮というか——たとえばモデルという言葉はどういう意味でつけるのですか。
○岡安政府委員 いま御質問のモデル、たとえばパイロットという言葉もございますけれども、私どもパイロットとかモデルという名前の事業をする場合は、先ほど大臣からお話がございましたとおりきめの細かい事業であるだけに、一挙に大幅に普遍的に事業を実施するというような段階でない、いわば初期の段階にはこれをパイロットとし、またモデルとして試みにやってみる、それが大体ある程度定着してきますと、パイロットの名前がなくなったり、モデルの名前がなくなるというような段階、これが通例でございます。
○柴田(健)委員 今度は具体的に聞きますが、農村総合整備モデル事業というのを四十八年から、これは目玉商品として農林省が笛や太鼓をたたいて一生懸命やっておる。全国で四百カ所ほどやろうということで、その時分にわれわれは非常にうまい説明を聞いたわけです。それで大きな期待もかけたし、これはもう本気でやられるだろうと思っておったのです。モデルというなら、そういう地域を各県に二カ所か三カ所か指定をして、早くそれを完成させて、ああいう農村づくりをするのだぞ、あそこを見に行きなさい、あれが本当の新しい農村としての、これからの日本の一つのモデルでありますということになるだろうと思っておったのですが、いまの実施状況を見ると、四十八年度で十カ所、四十九年度で五十六カ所、五十年度で百カ所、五十一年度では八十八カ所ということで、予算はいかにもふえたようなかっこうなんですが、依然として一年に一カ所三百万しかつかない。これは五カ年計画で少なくとも十億以上の事業計画を立てておるわけですね。ことしも七十八億七千五百万円という予算がついて、去年からいうと相当大幅に予算がふえたように見える。ところが、個所をどんどんふやしていくのだから、一事業個所については予算はふえていない。これで本当に農村総合整備モデル事業としての名前に恥ずかしくない予算のつけ方だろうか。四十八年度から始めたが、五十一年度はもうすぐだ。十カ所でも早く済まして、農村総合整備モデル事業がもう本当にでき上がったのだというところを早く見せた方がいいのではなかろうかという気がするわけです。本気でやっておる、きめの細かい、そして本当に親切でということは言葉だけであって、実体論からいったら一つも親切でない、きめの細かい配慮もしてないということです。 これは、大臣どうですか。この農村総合整備モデル事業は、五十一年度も新規採択八十八カ所、それで計算してみると二百五十四カ所になるわけですね。この二百五十四カ所を七十八億で割ってみると一町村三千万円程度。これは二分の一の国庫補助ですから、地元負担があとの半分で六千万の工事しかできない。十億も十五億も事業計画を立てさせておいて一年に六千万ほどしか仕事ができないということで何でモデルか。このままでいくと二十年以上かかる。なぜこれがモデル事業なんです。その点がぼくらにはモデル事業と言うモデルという言葉がちょっとひかかるわけですよ。大臣どうですか、その点。
○安倍国務大臣 農村総合整備モデル事業、これは私も全国各地を回ってみましても非常に評判のいい事業でございまして、各方面から要望が殺到いたしておるわけでございます。そこで、いま農林省として四百カ所ということで事業を進めておりますが、ただいま御指摘のように、この事業の進捗率につきましては必ずしも当初農林省が考えておりましたような計画では進んでおらない。これは今日までの抑制予算等の関係もあったわけでございますが、進んでないわけでございます。しかし、各地の要望が非常に強いわけでございますから、われわれは依然としてこの農村総合整備モデル事業につきましては重点を置きながらこれが実施をあるいは事業の推進を今後とも積極的に図っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 あなたは、非常に人気がいい、評判がよい、こう言われる。評判がよいというのは、鳴り物入りでどんどん宣伝をして、たとえば国土庁へ申請して認定を受けるまで一年かかる。農林省がまたこれを認定するまで一年かかる。二年ぐらいかけてもむ。二年間くらいもんだのならもう少し大幅に予算をつけるべきではないか。二年間もたたき込むものですから、本当にりっぱな仕事ができると思って信じておる。着工してみるとなかなか予算がつかないからだんだん評判が悪い。行きはよいよい帰りは悪いというわけで、初めはいい、初めはいいのだが、しまいは非常に弱っちゃうということになるのですね。この点もう少し、攻めの農政なら、よろしい、いま七十八億ついておりますけれども、今度の予備費でこれに百億つきます、御心配要りません、せいぜい二百五十四カ所は早く完成させるようにいたしますというようなことで、何とかその点は色が出ると思っておったが、余りあなたの答弁——日本語というものは信用できないということなんですね。丸紅の大久保と伊藤みたいなもので、どうもようわからぬようになっちゃう。日本語というものはいかに便利がいいか。どうもようわからぬということなんで、はっきり歯切れがようなければいかぬと思うのですね。それから七十八億のような予算ではできませんぞと私は申し上げている。それから、あなた人気がよいとかなんとか言うてごまかさずに、今度の予備費でこの点を早く完成させます、モデル事業のようにやります、名前をつけた以上はやりますという答えが私は出ると思ったのです。その点はどうですか。
○安倍国務大臣 この予算は御存じのように五十年度予算に比べますと五十一年度は大体倍増いたしているわけでございますから、いかにわれわれが力を入れておるかということの一つの証拠でもあろうと思うわけでありますが、さらにこれは積極的に推進をいたしてまいりたいと思いますので、今後予算に余裕ができるといったような場合においては、最優先的にこれを充てたい、こういうふうに考えるわけであります。
○柴田(健)委員 倍増倍増と言って、個所を倍増しておけば額を倍増したって同じことじゃないか。予算と工事。結局個所を新規採択を倍にしておいて予算が倍というのはあたりまえなことです。これは本当の工事額がふえてないわけですから、その点は十分考えてもらいたい。 それから、要するに先ほどあなたは、ほとんど適債事業になる、こう言われたのですが、この点は間違いないのですか。
○安倍国務大臣 これは関係当局とも相談した結果、大体農林関係公共事業の九五%までは適債事業、こういうことに相なっているわけであります。
○柴田(健)委員 それで、いまの補助率ですね、国、県、市町村、それぞれ品目について違いますが、国の補助率を上げてくれと県の、地方公共団体の非常に強い要望があるのです。それから、本当にきめの細かい十分配慮するという姿勢があるとするなら、安倍農林大臣の時代にひとつ国庫補助率を上げたらどうかという気がいたします。そしてもう一つは、各県の持ち出し分、負担率というものがばらばらであります。ある県においては一五%上積み、ある県では二〇%、ある県では一〇%、ある県では五%、ばらばらの負担をしておるわけです。なぜ足並みがそろわないのか。自主的に任せておるのだといえばそれだけでありますが、要するに地方財源の問題だろうと私は思う。財源がないからそういう実態になってくるのだろう、こう思うのです。 それから、要するに農林関係の予算全部この補助率を何%上げいというのでなくして、安倍農政の中で目玉商品といわれるやつだけはもう少し補助率を上げたらどうか。たとえば基盤整備事業なりの中で圃場整備、たとえば農村総合の先ほど申し上げたものなり、品目を何点かにしぼって補助率を上げたらどうかという気がいたします。たとえば飼料生産で、飼料生産を本気でやるとするならば、いまの基本施設四五%、利用施設四〇%なんというのは非常に低いのではないか。国が音頭をとる限りは、国が本当に飼料の自給政策を強力に進める、自給率を大いに高めるとするならば、飼料生産基盤の整備事業の中で何と何とをもう少し補助率を上げるか。たとえば飼料生産の基地、それから利用施設四〇%というのは低過ぎる。岡山県の場合はそれに三五%上積みしておるわけですが、どうもおかしいという意見が非常に強い。国が四〇%というのはおかしいからこれをもう一〇%上げてくれ、本当に飼料対策を本気でやるのなら五〇%にすべきではないか、こういう意見があるわけです。ほかの五〇%の補助率はないのかといえばあるのだから、本当に重要施策としてやるとするならばもう少しやってもいいじゃないか。たとえば国道高速道のつけかえ道路の中の農道整備については五〇%出しているのですから、本当に飼料対策を本気でやりたいとするならば、四〇%というのじゃなしに、もう一〇%上げたらどうか。そのくらいの親切があってほしいと思う。農林大臣、どうですか。
○安倍国務大臣 補助率につきましては、これを上げてほしいという要望は各方面から出ておるわけでございまして、農林省としても、五十一年度予算の要求に当たりましては、その中にあって上げなければならないと判断した事業についての補助率のアップを要求もいたしたわけでございますが、残念ながら各省予算との関係等もありまして補助率のアップにつきましては実現をすることができなかったわけでございます。この補助率につきましては、全体的に見れば、これは国営、県営、団体営というふうな三つの事業があるわけでありますけれども、この事業の実施に当たりましては、やはり受益者負担という問題もあるわけでございますし、また国の財政の問題もあるわけでございますので、また特に他省の公共事業等との関連もありまして、われわれとしては是正すべき点は是正をしなければならない、これは今後の課題ではあるというふうには考えておりますが、現在の段階におきましては、補助率の一律アップというふうなところまではいけなかったというのが実態でございまして、事業によっては補助率を上げなければならないという事業もあるわけでありますから、その点については今後ともわれわれとしてはしんぼう強くこれが実現に努力を重ねてまいりたい、こういうふうに考えております。
○柴田(健)委員 あなたは総合食糧政策を強力に進める、その中の目玉として水田裏作その他飼料対策に重点を置いてやる、こう言われた。いま日本で輸入量の一番多いのはえさなんですよ。だから、何としても飼料の自給率を高めるというのは日本全体の重要な政治課題であるし、一種の国策として、ほかの省がどうあろうとも飼料問題だけは重点的にやるんだ、こういうことで、でき上がった品物に対して奨励金を何ぼかつけるというのも一つの方法ではありますけれども、何としてもこの飼料対策に最重点を置かなければならぬ。それに対して、ほかの省がどうだとかこうだとか言うのは、どうも安倍農政の中で、やはりただの机上プランで終わってしまうのではなかろうかという心配がある。だからこの点については、この五十一年度では努力してどうにもならぬから五十二年度では補助率を上げるんだ、こういうかたい決意をしてもらわないと、安倍農政というものはだんだん火が細っていくのではなかろうか、こういう気がするので、ひとつその点を明確にお答えを願いたいと思う。
○安倍国務大臣 事業によっては、補助率のアップには今後とも私は積極的に努力をしなければならない、こういうふうに考えておるわけでございますが、これは一般的な補助率のアップということになりますと、非常に困難な問題でもあるというふうにも思うわけでございます。したがって、われわれとしてはそうした補助率の問題を検討するとともに、やはりそれ以外の、いま御指摘がございましたような奨励金であるとかあるいは助成措置であるとか、そういうものもあわせて総合的に、われわれの求めておる事業の進捗には支障のないようにこれは努力もしておりますし、今後ともさらに力を尽くしてまいりたいと思っております。
○柴田(健)委員 あなたの目玉商品で、いままでは中核農家育成、そして後継者育成、今度は担い手育成。後継者育成と担い手育成とはどういうところが違うのですか、ちょっとお答えを願いたい。
○安倍国務大臣 一般的に担い手というのは、中核農家とわれわれは言っております自立経営農家、それから専業農家、第一種兼業農家も含めたわが国の農業の中核層を中核農家、担い手農家と、こういうふうに言っておるわけでございますが、後継者というのは、これから農業に従事するところの、これからの農業従事者というものを対象にしてわれわれは考えて、これに対する施策を進めておるわけであります。
○柴田(健)委員 どうも先ほど申し上げたように、農林省というのは頭のいい人が多いかどうか知らぬが、名前がぽんぽこぽんぽこ変わって出てくるだけで、実際問題としては、専業農家育成、それがいつの間にか中核農家になって、後継者という言葉が消えて担い手と、こうなるのですが、どうも節度がないような気がするのですね。要するに、何をもってああいうことを言うのかということの基準がない。 たとえば、過去農業基本法ができてから生産単位の数字がとっととっと変わってきた。通貨の膨張によってある程度の変動は考えられますけれども、高度経済政策というものは通貨の膨張政策なんだから、だから要するに生産単位を、初めは北海道では三町以上、内地では一町五反以上、一・五ヘクタール以上というような生産単位を決め、家畜においても、飼育頭数を初めは乳牛の場合は五頭でよろしい、十頭でよろしい、さらに十五頭になり、いまや三十頭、いずれ五十頭と、こうなっていく。生産単位は数字的には机上論でぱっぱっと変えられますけれども、実際農民がついていけない。ついていけないといういまの現実。なぜついていけないのか。やはりその点、農政の後手後手というか、後でついていくというやり方、先手先手と打てない農林省の農政の弱さがある。 今度の担い手でも、この予算を見ると、ぱっとしないのですよ。予算措置から見て、どこに変わってくるんだろうか。やはりいま農家が所得をどうして上げるか、水揚げ論よりか要するに利益論に農家の方は非常に関心を持っておる。一千万円揚げなくてもいい。五百万円でもいい。どれだけ利益が出るか出ないかというのに関心がある。一千万揚げてみても一千二百万支出したんじゃ何にもならないわけです。水揚げ論で、要するに総合所得論だけでなしに、利益論をもっと考えてやらなければならぬじゃないか。利益論を考えるとするならば、もう少し利益の上がるような、それこそきめの細かいことを考えてやる必要がある、こういう気がわれわれはするわけですが、問題は、本当に担い手を育成するなら、いまの時点でどういう施策をやってやるべきか、またどういう方途を講じてやるべきかということを、もっと奥深くもう一歩踏み込んで考えてやる必要があるのではないか。ただ上面だけを走っていくというやり方では、担い手育成にはならない。 だから、今度は税制改革が来ておるわけですが、地方税が非常に上がってくる。今度のこの固定資産税の引き上げ、これらについて農林大臣はどう考えておるのか。畜舎を建てる。じきに不動産取得税、また建物の固定資産の評価。それで今度は、五十年度から一・五倍のスライドを入れて大幅に引き上げをする。今度は税率を引き上げる。大体建物なり農地の税率は一・四%、それを今度は平均一八%以上五十一年度、上げる。本当に担い手育成なら、税制の面からでも少し考えてやる。租税特別措置法の枠を拡大して、担い手育成についてはこういう処置をしてやるという、もっと具体的なものを出してもいいじゃないか。 それで、農村にはいろいろ別荘がどこでもいまふえている。別荘を建てられるような人をながめてみると、われわれは額のような狭いところでも飼料作物をつくったり、国が大豆をつくれというから大豆をつくってみるかということでいろいろ苦労しておる。ところが別荘の方をながめると、大変な庭ができておる。一本五十万も百万もするような樹木を買ってくる。庭石でも一個五十万も百万もするような庭石を買ってきてでっかい庭園をつくる。この庭園には何にも税金がかからぬのか。農民がつくる畜舎なり作業場はすぐ税金かける。おかしいな。こういう矛盾を目の前に見せておいて担い手育成なんというのは、言うてみるだけで、それはもう人間でありますから、人間というものは競争心も反抗心も抵抗心もいろいろ持っておる動物です。だから、かえって矛盾を目の前に見せて反抗心や抵抗心や競争心——競争心は起きない。ばからしい、とこうなる。もう少し税制的な面でこの担い手育成を考えるんなら、その点を十分配慮してやってもいいじゃないか、こういう意見が強い。この点農林大臣どうですか。
○安倍国務大臣 担い手育成というのは、今後の農政を推進する場合におきまして最も大事なことでありますから、農林省としても特に力を入れ、五十一年度予算にもいろいろの面でこれを予算化をいたしておるわけでございますが、やはり担い手育成のためには、全体的には総合的な対策を進めるということでございます。そういう中にあって、特に、たとえば規模拡大あるいは土地利用の集積といったような面も、これは積極的に進めなければならぬわけでございまして、幸いにして農振法の改正等も行っていただいたわけでございますから、そうした農振法の改正によるところの規模拡大を進めるとか、あるいは今回予算措置等も講じておりますが、集団的な生産組織の育成といったこともこれを進めていかなければならぬわけでございますし、同時に、またいまお話がございました金融の面も大事でございます。 金融につきましては、近代化資金あるいはその他の総合施設資金といったものを充実する必要があるわけでございますが、御存じのように中核農家の規模拡大、初度的経営資金を五十年度に設けたわけでございますが、五十一年度におきましても、農林漁業金融公庫の総合施設資金につきましてその貸付限度額の引き上げあるいは貸付枠の拡大等を行うとともに、計画的、段階的に自立経営に到達しようとする後継者等に対して同資金を積極的に貸し付けるよう、その運営の改善を図ることといたしておるわけでございます。 また、さらに税制の面も大事でございますが、この税制面につきましても、相続税につきましては御案内のような改善措置がとられたわけでございまして、相続税の納税猶予制度とかあるいは生前一括贈与の贈与税の納税猶予制度等の種々の特例を設けておるわけでございますが、今後ともこの税制の面につきましても、やはり担い手が農業に魅力をもって従事できるように、税制の改善等につきましてもわれわれとしてもできる限りの努力は続けてまいりたい、また続けなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 とにかく税制問題をいろいろ総合的に——これは金融について、融資については利子の問題その他いろいろ考えてやらなければなりませんが、税制問題でも、たとえば畜産農家で非常に不満があるのは、短期肥育にしろ長期肥育にしろ、肉牛生産をやる。また豚をやる。ところがいま、えさがどんどん高くなっている。乳価を決める前にはえさを少し下げてまた乳価を抑えるわけですから、そういうコントロールは政策的にやっておるという農民の受けとめ方ではありますけれども、とにかく畜産振興で片一方では一生懸命奨励するけれども、えさが高い。実質的にはもうけになっていない。たとえば一頭二十万円で売る、五十万円で売る。五十万円で売っても必要経費は四〇%しか見てくれない。四〇%。六〇%は所得として課税をやられるわけですから、国税の方よりか地方税が高いということになるわけです。もう少しこれは必要経費を上げてやるべきじゃないか。本当に畜産振興するのなら、せめてもう二〇%上げて六〇%は必要経費を認めてやる。お医者は七二%も必要経費を認めておる。農民は実際赤字を出しておる。えさは高い、その他は高いで、本当にもうかってない。もうかっていないのは市町村でもわかっておる。それはもうよくわかります、ところが税率がもう、この必要経費は四〇%しか見られませんと言う。一頭五十万で売っても実際農民は損をしておる。損をしておるのに必要経費は四〇%しか認めてくれない。六〇%は課税対象になる。こういう矛盾が現実の姿として出ている。この点について、税制の面でもう少し農民のことを考えてやらないと、どんなに笛や太鼓をたたいて畜産振興だとか、いや総合食糧の推進だと言ってみたところで成果は上がらないし、農家の担い手というものは生まれてこない、こう思うわけであります。その点は税制改革については農林省だけではいけないので、やはり大蔵省なり自治省なりとこの点十分、地方財政計画の中でどう考えてやるかということを農林大臣は努力する必要がある、こういう意見を強く申し上げておきます。 まず今度の予算の中でちょっと変わったなという点が一つ出ている。それは農機具でけがをする、農作業中の安全対策。いままでは農業の近代化だ、農業の近代化というものは農機具をまず買うことだ、こういうことを植えつけておりますから、大変な農機具がいま農村に入っております。それから起きるけが、そしてまた人体に与える影響、まあこの機械を使ったら、たとえば妊娠障害が起きるのか起きないのか、振動病にかかるのかかからないのか、そういう労働安全、労働衛生学から見た機械の改良というものは日本は非常におくれておる。この点についてはちょっと変わった予算を組まれたなという関心を持っておるわけです。ところが聞くところによると輸送関係、大型農機具を運ぶ輸送関係については、トラックで運ばなければいかぬのだという。そういうことをするのが安全対策ではないと私は思うので、根本的に人体の衛生学から言って、もっと安全性の高い農機具に改良をするとか、けがをした場合にはどういうようにして補償してやるとかいう、いま農業団体が互助会方式で多少これに予算を何ぼか援助するようになっておりますけれども、それは農業団体が互助会方式でやるような問題ではない、これはもう少し国が考えてやるべきではないか。林業問題、いずれ同僚議員から申し上げると思いますけれども、林業労働者の中でも、今度の予算、大臣の所信表明では、林業労働者も大いに確保して、安定させていくと言っておる。林業労働者を確保するにしても、やっぱり安全性というものをまず考えて、いろいろな機械の導入について考えてやるべきではないか、こういう気がいたしますが、もう少しこの予算の中で農民の農作業中における労働災害について、ただこれだけの予算では完全ではないとわれわれは思うので、もっと抜本的に考えていくべきだ。この労働災害補償法をどう枠組みを変えさせていくか、これは労働省との関係もあるでありましょうが、この点について農林大臣の見解を聞いておきたい。
○澤邊政府委員 農業機械作業その他農作業におきますいろいろな労働災害に対します救済制度といたしまして、現行制度におきましては労働災害補償保険法の適用が農業者にも行われておるわけでございますが、この保険制度は御承知のように一般の雇用労働者を対象としておりますので、農業者の場合は特別加入というような制度で特別に加入を認められておる。したがいまして、加入者の範囲は農業事業主、これは雇用するような農業事業主でございますので、数は余り多くないと思いますが、一般の農家につきましては指定農業機械作業従事者というふうになっておりまして、作業の種類と機械の種類が限定をきれて特別に加入が認められておるということになっております。これに対しまして、これは労働省所管の制度でございますので、農林省といたしましてはできるだけ機械の機種を拡充をしてもらいたい、あるいは作業につきましても、なるべく業務上の災害であるという認定の基準を緩和してほしいということでこれまでも努力しておるわけでございますが、四十九年の四月から指定農業機械という労働省の指定は十三機種まで、かなり拡大をされております。また、業務上外認定基準というのが労働省で局長通達で行われるわけでございますが、これにつきましても、作業場所の範囲等の拡大が五十年の十一月に一部行われたわけでございます。われわれとしてはまだ十分ではない点がございますので、さらに作業の種類あるいは機械の種類を拡充するように、今後とも労働省に働きかけ、努力をしていきたいと考えております。
○柴田(健)委員 特別加入方式があるのだけれども入れないという弱さがある。入れない弱さをどう克服してやるかというのが農林省の任務であろうと思うのです。近ごろ農村の出かせぎのけがが多いのですが、農林省は沈黙をして何も農民の出、かせぎに対しては、あるいは労働省で、あるいは建設省で、あるいは厚生省でということで人ごとのように言う。農民は、所属はやはり農業という産業の所属になっているのだから、そういう農民の出かせぎに対して、けがというか、そういう安全性の問題について農林省はもうちょっと発言をしてもいいと思うのですが、そういうことはひとつもやらない。黙っておる。 それは別として、時間がございませんから次を申し上げますが、いま世界の動きを見ると、国際的に見るとまた貿易の自由化という言葉ですよ。いま二十二品目ほど規制をしておるわけですが、これを自由化拡大されるのではないか、要するに輸入の自由化を認めるのではないか、こういう心配をしておる向きがあるわけですが、自給率を高めるなんと言いながら、一方では自由化を拡大するのではないか、農産物の自由化を拡大するのではなかろうか、こういう心配をしておる向きが強いわけです。要するに、新国際ラウンドという言葉の中で、農林省がどんなに抵抗しても、関税面から締めつけられてくるのではないか。これは通産省、大蔵省の関係もあろうかと思いますが、農林大臣としていまの線をあくまでも守っていく、これ以上農産物の品目の自由化は拡大しないというお考えがあるのかないのか、その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○安倍国務大臣 農林水産物の輸入の自由化につきましては、これまでも必要に応じまして所要の国内対策を講じつつ、国内農水産物への影響に十分配慮しながら、これを進めてきたところでございますが、現在残っておるところの残存輸入制限品目、これはわが国農林水産業にとりましては非常に大事なものでありまして、またわが国はこれら産品の対外競争力の強化には努めておるところでございますが、なかなか困難な問題もあるわけでございますので、私はこれ以上の自由化を行うということは考えておらないわけでございます。
○柴田(健)委員 これはもうどうしても守ってもらわないと、安倍農政という、強い総合食糧政策を進めておる中で、また基本的に狂うてくるという心配がありますから、これはどうしても堅持してもらいたい、こう思います。 それから次にお尋ねしたいのですが、今度の予算に関係して、公共料金一斉値上げ、今度また国鉄運賃を大幅値上げをするわけですが、国鉄の貨物は五八%も値上げをやる、こういうのですが、これは大変なことなんで、けさの新聞だったか、農林大臣は物価を抑えるために、一けたが危ないということで、全国の生鮮食料品の業者、小売業者から卸売業者を全部集めて訓辞をしたそうですが、あなたは一方ではとんとことんとこ公共料金を上げるようにしておいて、なぜ物価の一番の基準は——弱い者、農民や漁民が生産しておる生鮮食料品だけを物価抑制の何か基準にして、それだけ抑え込んだら物価対策になるのだ、ここに私は非常に農民や漁民が抵抗する、一つの疑問を持ってくる、そして反抗する一つの原因をつくっておる、こう思うのですよ。なぜ農林省は生鮮食料品だけを対象にして、物価が一けたにどうも抑え込めない——あなたは福田さんの子分だから福田さんが物価対策で非常に苦労しておるから協力しようと思うてああいう芝居をしておるのか知らないけれども、われわれ農民の立場から言うと、ふざけたことをするなという気がするのですよ。一方では公共料金をどんどん上げておいて、生鮮食料品だけを抑え込もうとする。この点われわれは矛盾を感じておるが、農林大臣は矛盾を感じずにあんなことをやっているのですか、まず見解を聞きたい。
○安倍国務大臣 ことしの三月末に物価を前年対比一けた台にするというのが政府の公約でございます。政府の一員として私もその公約の実現のために協力することは当然であると思いますが、同時にまた、私は農林大臣として、生鮮食料品につきまして、やはり非常にこれが高騰するということは、単に消費者の立場ということだけじゃなくて、生産者の立場から見ても決して得策でない、やはり価格の安定を図っていくということが、これからの農政を進めていく上に非常に必要なことではないか。ですから、そういう意味において物価を安定をさせるということは、政府の一けた台におさめるということとの整合性は保っておる、そういうような見地から、生鮮食料品に対する価格安定について積極的に施策を進めておるわけでございます。特に私は、せっかく価格安定制度等ができた、ところがその価格安定制度で上位価格を常に上回っておるというふうなことは、これから価格安定制度というものを維持発展をさせていかなければならない立場から見ましても、これはよくないことだというふうな考え方もありまして、いろいろの施策も講じておるのが今日の段階でございます。 公共料金につきましては、国鉄料金等も上げようということで、国会に運賃改定法がかかることになっておるわけでございますが、これは国鉄の現在の収支の状況、いままでの赤字の実態から見ても、ある意味においてはやむを得ない処置でもあろうかと思うわけでありますが、こうしたことが今後の生鮮食料品の輸送にもいろいろと響いてくることは事実でございましょうし、われわれはそういう点については非常に重大な関心を持っておりまして、こういう生鮮食料品の輸送のあり方等につきましては、今後ともこれは国鉄当局とも相談をしながら善処をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 われわれは、こういう農民や漁民を苦しめるような——いつも物価の上がる原因は生鮮食料品だ、生鮮食料品を常に前面に出してほかのやつは全部隠しちゃう。だから農民、漁民が怒るのはあたりまえなんです。 それなら大臣に私は聞きますが、あなたは中央へ生鮮食料品の業者や小売業者、卸業者を集めて訓辞する前に、平素何で——農政局が全国に七つあって、その農政局の生産流通部というのは何をするところか。農政局へ行ってごらんなさい。会議をする場所も何もありやしない。それで、たとえば地方の生産者代表なり、また流通に関係する小売業者なり、卸売業者なり、市場の業者を集めていろいろ知恵をかりるとか、また指導、助言というようないろいろな点で、年間に何回そういう会議をしておるのか私は調べてみた。何にもしていないじゃないか。なぜできないのかといえば予算がない。それはいろんな補助で非常に苦労して、補助額はいろいろ数多く出しておられます、農林省の予算を見ればわかるように。ところが、実際農政局の生産流通部でそういう調整なり研究会なりいろいろ持つ予算は全然ない。ここに来ておる局長答弁じゃなく、大臣そういう実態を知って、生鮮食料品の対策を本気でやっておる、あんたがそういう自信があるんなら、私は予算を詳しく、時間がないから言いませんが、そういうことをあんた知っておって言われておるのかどうか、もう一遍見解を聞いておきたい。
○安倍国務大臣 私が、昨日全国の生鮮食料品の小売業界の代表に集まってもらったのは、訓辞をするためではなくて、要請をするとともに、各業界からのいろいろの要望について率直にこれを承りたいというふうなことでお集まりをいただいたわけでございますが、私たちは流通対策につきましては、予算措置等も漸次これを強化をいたしておるわけでございまして、これは本年度の予算においても市場整備等につきましては、非常に力を入れておるということはおわかり願えると思うわけでございますが、なおまだまだこの流通問題というのは、これは非常に農政の中においてむずかしい問題でございます。なかなか一挙にこれを解決できるわけではないわけでございますが、これは段階的にこれが改善には努めていかなきゃならぬし、いろいろな問題があることは事実でございます。そういう点については、今後とも力を尽くしてまいりたいと思いますし、各農政局等におきましても、そういう問題は十分把握しながらやっておるわけでございます。 予算につきましては、十分でないのではないかという御指摘でございますが、確かに御指摘のように流通対策、その中における生鮮食料品に対する対策等につきましては、これは十分でない点もあるわけでございますが、そういう点は価格安定という問題で、経済企画庁の調整費等も活用してやっておるわけでございます。
○柴田(健)委員 安倍農林大臣は、答弁技術が非常に上手になったが、われわれは上手に聞こうと思わないんです。そのものずばりお答えを願いたいんです。 われわれは、農政局が、農林省の出先としては中心的な任務と役割りを果たさなきゃならぬ。ただ農政局というと、何か建設部だけが生きておって、あとはもう青息吐息というのはおかしいのであって、生産流通部をこしらえて、歴史が浅いからという言葉をあなたは言われましたが、全くそのとおりで、歴史が浅いのは必要があるからこしらえたのだから、こしらえた限りはそれをどんどん活用していくような予算を考えてやらなければいかぬ。もう少し出先の予算をふやすように十分考えてやってもらいたい、こう思います。 時間がございませんから、最後にちょっと聞きたいのですが、いずれ改めてわれわれは論議を深めていきたいと思うのは、いま商社の問題でいろいろある。特にいま話題になったのは丸紅であります。この丸紅が、小麦の輸入なり肉の輸入なり農産物の輸入を割り当てをしてやっておるわけですが、丸紅というたら、国民の本は名前を聞いただけでおじけづくというか、寒さいぼが浮くというか、いやな感じがする。丸紅の名前を聞いたら、笑顔をする人はおらぬようになっておる。そういう丸紅商社を今日までのさばらしたというのは政府全体の責任でもあるし、ただ飛行機の輸入だけでなしに、農産物の輸入についても農林省は重要な責任がある。だからピーナツも農林省の管轄だろうと思うのですが、農産物は全部農林省の管轄ですから、ピーナツ何個売買したかということまでは農林大臣わからぬでしょうけれども、生産は農林省の管轄である。 それはまあ別として、丸紅は、いままであれだけモチ米の買い占めをして農林省に迷惑をかけ、豚肉の輸入で脱税をしてこれも農林省は大きな迷惑をしておる。常に丸紅が出てくる。そういう丸紅に対して何も規制もしない、処置もしないというのはおかしい。農林省おかしいんじゃないかと国民は思い出した。これはえらいことだと思う。それだから、もう少し丸紅に対する規制措置というものをしないと、たとえば飲酒運転しても三カ月、半年は運転免許停止を食うわけですから、これだけ悪い商社に対して何も規制しないというのは、国民感情として相入れない。特にわれわれのような年代は、ロッキードだとかダグラスだとかボーイングだとかいう名前を聞いただけで身の毛がよだつ。なぜならば、あの大東亜戦争の末期に、どれだけ日本の本土を爆撃して日本の非戦闘員を殺したか。そういう飛行機会社から金をもらうなんというのは、日本の民族の悲劇だし、日本の国民の恥だと私は思う。そのお先棒を担いだのが丸紅だ。もう許せぬという気がするのです。この点については、われわれは徹底的に究明をしていかなければならぬ。農林省としていま麦を輸入さしておるし、肉も輸入さして割り当てをしておる。この点について農林大臣はどういう処置をするつもりなのか。いまはうわさの種だというからまあ事実がはっきりしたら処置をすると言われるかわかりませんが、農林省としては、そういう処置をするためにもう内部的に会議を持っておるのか、どういう調査をしておるのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○安倍国務大臣 農林省としては、農産物の輸入等につきましては商社を利用していることは事実でございますが、農林省の関連における商社の悪徳といいますか、不正、そういうふうな事件が起こった場合においては、厳正にこれに対して措置をするのは当然のことでございまして、いまお話がございましたようなモチ米の事件等につきましては直ちに丸紅に対して厳正な措置を講じたわけでございます。同時にまた、食管違反の刑事事件がいま係争中でございまして、食糧庁が訴えておるわけでございますが、この結果を待ってさらに厳正な措置を講じてまいりたい、こういうふうにも考えるわけでありまして、全体的に農産物の輸入等につきまして商社を利用しておるわけでありますから、その商社の姿勢において非常に違法、不正、そういうふうな事実がある場合には、直ちにこれに対しては厳しい措置をとるということは、われわれは確固たる態度を持っておるわけであります。
○柴田(健)委員 時間が参りましたからやめますが、いずれ同僚議員からも申されると思いますが、あなたは三木内閣の一員ですから、三木内閣として丸紅というのは本当にまじめな、良心的な商社と認めておられるのか、あれは本当に悪いやつだ、悪徳商人だ、こういう認識を持っておられるのか、その点、一言だけひとつ聞きたい。
○安倍国務大臣 農林省の業務に関して言えば、モチ米事件等が起こりまして、決して姿勢の正しい商社ではないというふうに思うわけでございますが、その他、その後の業務等につきましては、いままでのところは問題はないということでございます。
○柴田(健)委員 大臣、そういう認識はおかしいですね。土地の買い占めで農林省にどれだけ迷惑をかけたか、あなたは知らないのじゃないかな。構造改善事業でやった、ところがばっと土地を買い占めて、農林省にどれだけ迷惑をかけたか、肉の輸入の脱税でどれだけ迷惑をかけたか、米の買い占め、木材の買い占め、売り惜しみでどれだけ農林省に迷惑をかけたか。そういうことを一つも検討しないというのは、あなたは農民の方に目が向いてない農林大臣と言われてもしようがないですよ。もう少し農民の方に目を向けた農林大臣になってもらって、悪いところは悪い、いいところはほめてやるが、悪いところはしかる、そういう姿勢がないと世の中よくならない。いいか悪いかまだわからぬと言うのは、いままでの農林省が受けた迷惑というものをあなた一つも気にとめないというふうな、聞きおきもしないというふうな、もうあなたは姿勢が狂うておると私は思う。いままで丸紅のやったあらゆる問題についての資料を全部提供してもらいたい。早急に出してもらいたい。それによってわれわれは今後追及を緩めずにやっていきたい、こう思いますので、委員長からひとつ資料要求をしていただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○安倍国務大臣 いいところはいいし、悪いところは悪い、そのとおりでありますし、農林省としても、いままでの丸紅等の商社が農林省に関連する業務で不正を働いたというふうな場合においては、直ちにこれに対して厳重な処罰をしておることは御案内のとおりでございます。また、これに関するいろいろの資料等については、これは御提出申し上げるわけでございますが、われわれとしても、今後ともこうした農林省に関連する業務について間違ったことがあれば、これに対しては断固たる措置をとっていくという考え方は変わらないわけであります。
○湊委員長 この際、午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開議
○湊委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 農林大臣の所信表明に関して、農政の基本の問題と農村の実情というものとを絡み合わせながら質問をしていきます。 もず最初に、日本社会党の成田委員長が一月二十六日の本会議の質問で、「均衡のとれた経済成長を図るため、農業、漁業を日本経済の基幹産業として位置づけ、農用地の拡大、主要食糧、飼料の備蓄制の確立、公害から漁場を守り、とる漁業から育てる漁業への転換に思い切って国家資金を投入し、食糧の自給率向上を図らなければなりません。」食糧の安全保障を確立するべきである、こういう質問をしておりますが、これに対しての答弁は、農林大臣は答弁をしていないわけですが、私の聞いたところではきわめて御粗末であり、きわめてさびしい次第であった。そこで、この問題について農林大臣から、改めてここで、農林水産業という第一次産業を国の基幹産業として位置づけるという、そういう考え方があるかどうか伺いたい。
○安倍国務大臣 農林水産業を国の産業の基幹として位置づけるということにつきましては、全く私も同感でございまして、農林水産業はかけがえのないわが国の産業であって、そして国民生活に最も直接的に重要な結びつきを持つわけでございますので、この農林水産業こそまさに私は民族の源泉である、こういうふうに考えておるわけであります。
○竹内(猛)委員 同感だと言われたので次に進みますが、農林大臣は昨年の九月十一日に東京丸の内の工業倶楽部で講演をされました。その中でこういうことを言っておられます。私は食糧の問題というのは、基本的には国の安全保障の問題であると考えております。かつて石油が不足したときには大混乱がありましたが、食糧が不足すれば単なる経済不安だけではなくて社会不安、政治不安につながらざるを得ない。その後いろいろ言われておりますが、その講演の内容は私は正しいと思う。私も同感です。そこで、食糧問題は単なる農業サイドだけで考えてはならないということについても、きょうの大臣の方針の中にもあったわけだし、この点についても同感であって、国全体の問題として考えるべきものであり、解決すべきものである。 そこで、それには私も同感ですが、これを進める上において注意すべき事項として、何と何と何が重要かという点について、大臣から柱を挙げてもらいたいと思う。
○安倍国務大臣 先ほど申し上げましたような基本的な考え方のもとに農林水産業の振興を図っていくためには、やはり長期的な視点に立った政策を打ち出していき、これを確実なベースで実施することであろうと思うわけでございますが、私はそうした考え方のもとに、昨年来種々各方面の意見も聞き検討いたしました結果、「総合食糧政策の展開」と称する八項目の基本政策を打ち出したわけでございます。これは、わが国の自給力を可能な限り高めていくための生産体制を整備していくことを初めといたしまして、わが国における自給のできない農産物については安定輸入を図っていく、あるいはまた、さらに備蓄についても本格的にスタートしていく、さらにまた水産業の問題につきましても、非常に危機的な症状にある水産物の確保を図るための諸施策を進めていくということが、具体的にはいまわれわれが取り組んでおる方策でございます。
○竹内(猛)委員 この問題についてはまた後で触れていきますが、私はこの委員会で五十七年度の長期展望が出されたときにもいろいろ議論をしましたが、特に六十年の展望が去年のこの委員会に出されて決定をし、それがいま農林省の一つの長期展望になっている。これをつくる過程において、国民食糧会議等が開かれ、その報告が出たことも了解しているし、いま話のあった「総合食糧政策の展開」が五十年の八月二十二日に出されたことも理解をしております。 そういう中で、問題は、昨年の十月十八日の毎日新聞でも論説で明らかにしているように、農林省が調査したその問題点の中で、「農民はなぜ農業を捨てたのか」という標題で、いま言われるところの中核農家というものがあるいは専業農家というものが中心になって農村から去っていくということが論説でかなり明らかにされている。そういうときに農業基本法、三十六年に所得倍増計画とうらはらの関係でつくられた農業基本法が——私たちはこれに対して社会党の対案を立てて、採決に参加しない状態で、これは単独採決のような形で通されたものでありますが、今日あの農業基本法の趣旨なりそれはほとんど実施されていないと思う。だから自民党の中曾根幹事長は、昨年も農業団体に会ったときに、農業基本法は見直しをしなければならないと言った。つい最近も農業団体との懇談の中で、これは見直しをしなければならない、こういうぐあいに言われる。農林大臣は、その都度、いやそういう必要はない、こう言われているのですね。この点は対立をしているわけだが、それはどういう方向に持っていくかは別にしても、自民党の中曾根幹事長の方がどうも前向きの考え方だと思うのですね。実際にあってそれができないような法律をそこに置くということは意味がない。だからこれは決意をして、やはり食糧自給促進法とも言うべき、もっと現実に沿ったそういうものにしなければいけないのじゃないか。そのために、たとえばこの農林水産委員会の中にそういうものをつくる、基本的なものをつくる小委員会などを設けて、そしてこの問題を党派を超えて内外の専門家に来てもらうなりいろいろしてつくっていくような、こういう考え方が必要じゃないかと思うのです。要するに、全国民的な課題であるから、そういうことをやる気持ちがあるかどうか、この点は大臣どうですか。
○安倍国務大臣 何の法律にいたしましても、やはりその法律をよりよくしていくためにはいろいろ研究が必要であると思うわけでございますが、私は、農業基本法につきましては、これがやはり農政の憲法とも言うべきものであって、あの農業基本法が成立に至る過程には外国の法制等を十分調査をする、さらにまた三年がかりでわが国においても慎重に論議をした結果あの基本法ができたわけでございますし、この基本法に書かれておるところの基本的な精神というものは今日においても適合性を持っておる、こういうふうに考えておるわけでございます。したがって、私は、この基本法について、時代が移り変わってきておるわけでございますから、研究はしなければならないわけでございますが、しかしこれを改正するかどうかというふうなことは簡単に結論を出すべきものではない、やはり慎重に研究を重ねて、その結果の結論として出されることならいいわけでございますが、初めから結論を出してかかるということには問題があるのではないかというふうに考えるわけでございます。 もちろん、農業基本法が実施されまして以来十数年たっておるわけでございますが、その間、わが国におきまして経済の高度成長が起こりまして、確かにそういう中で農村の環境もある程度整備もされましたし、あるいは農家の所得も増大したことも事実であります。また生産の拡大あるいは基盤整備等も進んできたことは事実でありますが、しかし反面、労働力の流出であるとかあるいはまた兼業の増加であるというふうなことで、農業の体質自体も高度成長の中で相当脆弱化しておるということも実情でございます。そして、今日は高度成長から安定成長へと大きく時代が転換をしようというわけでありまして、そういう中で農政の転換ということも求められておるわけでございますが、私もそうした今日の時勢の変化というものをとらえて、これに適合した長期的な視点に立った長期政策を打ち出さなければならないということで総合食糧政策を打ち出したわけでございまして、それはやはり時代に応じて、農業基本法の精神に基づき、そしてその時代に適合した施策として打ち出されてきておるというふうに考えるわけでございますので、私は、いま今日の段階において農業基本法そのものを改正をする必要はないのではないかというふうにいまも考えておるわけでございます。 なお、中曾根幹事長が基本法の改正を発言をされたということは承知をいたしておりますが、これは自民党としての基本的な方向ということではないわけでありまして、党としてそうした基本的な方向を打ち出す場合においては、党の各種の機関というものに諮って、その結果打ち出されるわけでございまして、幹事長としてそういう考え方を持っておられるというのは承知をいたしておりますが、自民党の正式な意向ではないというふうに了承いたしておるわけであります。
○竹内(猛)委員 国民的な課題であるから、この委員会の中に、これはどういう取り扱いをするか、小委員会などというものをつくって、それで検討していく、こういう考え方があるかどうかということについてはどうですか。
○安倍国務大臣 これは国会の中での委員会ということでありますれば、国会の御意思によって決まるわけでございますので、私からとやかく言う筋合いではないのじゃないかと思います。
○竹内(猛)委員 その問題、ひとつ委員長の方でもよく相談をしていただきたいと思うのです。これは要望です。 続いて食糧の自給の問題について質問します。 三十五年に八三%の自給率があった、四十八年には四一%に低落をする、そしてさらにこの十年目標においては穀物において三七%になる、こういう状態ですね。そして食糧自給というのは、国内におけるところの生産とそれから海外からの輸入による備蓄と、こういう二本が国内における食糧体制の確立のように私は理解をする。そのときに海外に依存をする率が穀物においては余りにも多過ぎる。そこで農林大臣が昨年アメリカに行かれて、農務長官との間で三年間千四百万トンの契約を約束をされてきた。本委員会でも前からいろいろ質疑をしてまいりましたが、量の確保は確かに三年間はできております。ところが価格の面に至ってはこれは決まっていない。量が決まって価格が決まらない。しかもその価格は商社がこれを決める。アメリカにおいて六つの大きな穀物商社があります。日本でもまたそれを取り扱う商社というものはたくさんあるけれども、大きいのは、先ほどから問題の多い丸紅を初めとする大商社がこれを扱っているわけなんです。しかも最近のようにアメリカに気候条件によるところの十年来の不況というか不作という徴候があらわれている。ソビエトもまたこれを買い付けをする。こういうときになると、量は確保したけれども価格の問題がはっきりしなければ、何をされるかわからないということは明らかなんです。こういうときにこういう不安な問題をどういうようにして解消するかということについてやはり心配でならない。この点はどうでしょう。
○安倍国務大臣 アメリカとの間に今後三年間にわたるところの安定輸入の道を開いたわけでございますが、これは量だけであって、価格まで話し合いをいたしたわけではないのではないかという御指摘でございますが、これはやはりアメリカの今日の経済の実情から見まして、アメリカにおける穀物は、世界の需給関係等においてこれが決まるわけでございます。そういう中にありましてわが国とアメリカ政府との国同士の間で価格までを決めるというふうなことはなかなかむずかしい問題もあるわけでございまして、私としてはとにかくソ連のああした不作というものを踏まえて、やはりアメリカからの量についての安定輸入の道を開いていくということがまずやらなければならない大前提であるというふうに考えまして、千四百万トンという量についての紳士的な協定といいますか、協定を結んだ次第でございます。これを価格まで推し進めていくということには、これは実情から見まして非常に困難な問題がいろいろと起こってまいりまして、非常にむずかしい情勢ではないかというふうに判断をいたしております。
○竹内(猛)委員 やはり問題があると思うのですね。 そこで最近の小麦の値段にしても、去年の十月の段階で一ブッシェルが大体四ドルに近かったものがずっと下がってきておりましたけれども、最近はまたどんどん上がる傾向にある。こういうことになると、これはもう大変不安なわけであって、やはりこの際商社だけに任せないで、何とかこれを公団とかあるいはその他の公的な機関で一遍タッチをして、そうして事務的なものを取り扱わせるというふうな方法をとらない限り、ロッキードの丸紅のようなああいうことが起こりかねない。かつてそういうことがあった。一遍や二遍じゃないんです。この問題についてはなお考慮する余地があると思うけれどもどうですか。
○安倍国務大臣 食管物資の麦につきましては、これは御存じのようにカナダとかアメリカにも食糧庁からも常時派遣をいたしまして、アメリカ、カナダ等における価格の実勢等も常に食糧庁に対して報告をさせ、そうした報告等を中心にいたしまして食糧庁が適正な価格を把握しそれに基づいて輸入商社から買い付ける、こういうふうな仕組みになっておるわけでございます。今日まで食糧庁がやってまいりました小麦の買い付けにつきましては、今日までの間においてその運営あるいは商社の買い付けのあり方等において間違いがあったというふうな事件等は起こっておらないわけでございます。 小麦以外の飼料穀物等につきましては、これは民貿でございますので、各社がそれぞれの立場で自由に買い付けるというふうなことになっておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 この問題はどうしてもやはり将来問題が生ずると思いますが、先ほど柴田委員から要求があったように、海外の農産物、農業関係の輸入の問題でいま丸紅が取り扱っている材木であるとかえさであるとかあるいは肉であるとかいうもので農林省が関係しているものについての資料をぜひ早急にこの委員会に出してもらいたい。あしたわが党の委員がこの問題についていろいろ質問をすることになると思うのですが、そういうことを要求をしたいと思います。そういう取り扱いを委員長の方にお願いしたい。いいですか。
○森(整)政府委員 ただいま御要求の資料、早急に整理して、できる限りの資料を提出いたします。
○竹内(猛)委員 内閣の大臣官房の広報室が去年とことし二回に分けて、食糧あるいは農業問題に関するアンケートをとっております。この中で、七〇%から八五%までの回答者が多少財政に負担がかかっても国内で食糧の自給をしてほしい、こういうアンケートがあることを御承知ですか。
○安倍国務大臣 よく承知しております。
○竹内(猛)委員 この気持ちはわれわれが前々から言っているように、国内において若干の負担がかかっても、経済的なコストを仮にオーバーしたとしても、安全保障のためには日本の国内で最高に食糧を自給をしたい、こういうことだと思うのです。だから、そういう立場に立って物を考えた場合に、やはり農業政策の基調になるものの中にその気持ちが入ってこなければいけないと思う。 そこで、長期計画を立てられた、これはいいことだと思うのです。長期計画を立ててそれを実行していくためには確固不抜の姿勢がやはり必要だと思う。常に動揺してはいけない。四十七年から五十七年を展望した、あれは大変お粗末なものであった。この委員会でいろいろ質疑をした中で六十年展望が出た。これはなるほど閣議の決定と農政審議会の議を経て、その後における国民食糧会議にも説明をしてかなり練り上げたものである。その上に総合食糧政策というものが出たということは知っていますが、そういう場合において、六十年の展望とそれを実施する単年度の計画、それに伴う行政的な責任、こういうものが一貫をし、その裏に農林予算が保障されていなければ、これはやはり安心ができないと思うんですね。そういう点からいって、本年は六十年展望の第一年度であります。そういう立場からことしの予算を取り上げてみるというと、いろいろ問題が出てまいります。 そこで五十一年度の予算に入りますが、先ほど柴田委員からもいろいろ質問がありました。その中で私はことしの農林予算が国の全体の予算に占める割合からいってみれば、どんなことを言っても一〇%を切っている。四十九年は一〇・七であった。五十年は一〇・二ありました。これは当初予算です。ことしは九・九三、あるいはそうじゃないと言う人がいるかもしれないが、千五百億の握り金がある。それは何ぼ使えるかと言ったら、二〇%と先ほど答弁があった。そうすると三百億ですね。それならば、仮に、これは別に固定しているわけじゃないが、四十九年という年は当初予算で一〇・七あった。去年は一〇・二あった。だから、国の総予算の二十四兆二千九百六十億に去年のパーセントを掛けたら何ぼになるか、あるいはまた一〇・七というものを掛けたらどうなるかということを考えてみると、やはりことしは、農林大臣の努力は、これはよくわかる。わかるけれども、やはり農林予算は全体として落ち込んでいると言わざるを得ない。そこで一〇・二というものを想定をした場合にどれだけの額になるはずであるか、この点についての答弁を……。
○安倍国務大臣 ことしの農林予算は二兆四千百三十億でございますが、御指摘のように国全体の予算から見ますと、九・九%というようなことで、一割は切っておるわけでございますが、しかし、いまお話がございましたように、公共事業等予備費を引きますと、楽に一割を超すわけでございますし、また同時に公共事業予備費のうちの二割以上が農林予算に回されるということになりますと、これまた一割を楽に超すというふうなことで、総合的に見ると一割は超しておるというふうに考えておるわけでございます。 さて、その予算の内容について見ますれば、御承知のようにことしは一四・一%の国全体の予算の伸び率であったわけでございます。それについて、農林予算は食糧管理費を除きますと、一八・六%という対前年度比伸び率でございますから、国全体の予算の伸び率が一四・一%ということと対比をいたしますれば、非常に大きく伸びたということははっきり言えるのではないか。これは、五十年度の予算と比較してみるとはっきりわかるわけですが、五十年度予算について言えば全体的には二四・五%四十九年度予算より伸びたわけでございますが、その中にあって農林予算は食管を除きますと、一三・一%しか伸びなかったというふうな情勢であったわけでございます。したがって、少なくとも一八・六%と国の平均伸び率一四・一%と比較すると非常に伸びておる。それだけ施策は非常に充実したものになっておる、そういうふうに私は判断をいたしております。
○竹内(猛)委員 そこで、食管会計と農政一般予算との関係というものが実はこれから問題になってくる。なるほど去年までは食管は年々赤字が増加をしておりました。それだから、一般農政費が圧迫されたということなんです。だから、農林の一般予算が圧迫されるのは食糧管理特別会計の赤字がふえるから、だから農政一般予算がどうも使えないんだという形で、あるときには食糧庁長官などは背を丸めて農林省の廊下を歩くというようなこともあったということであります。ところが、去年は米の生産者の方が一四%、消費者の方は一九%値上げをすることによって、生産者、消費者あるいは行政の努力によってことしはほとんど食管の方の赤字がふえていない。わずか二億程度のものである。そして農林予算に占める割合が四一・七から三七・六と食管の方は減った。そこで、一般農政費の方にそれが回ってきたわけであります。だから、それはそれとしてその努力を認めるわけですが、来年は——来年のことを言えばどうとかというが、これはやはり来年のことが心配になるわけです。来年も同じことをしなければならぬでしょう。これはいま新しく芽の出た何項目かの行政というものをさらにふやしていくためには、やはりこの食管の方を抑えなければならない。 たとえば、ことしの賃上げは一〇%以下に抑えろということを盛んに経営者の方も自民党もそういうふうに言っている。自民党の方は言っているかどうかわからないけれども、大体そういう気持ちでやっていますね。この一〇%というのは、それはわれわれはそういうことは承知はできないのだけれども、仮に一〇%生産者米価が上がったとしたら、消費者米価は一二・八上げなければ、これは現状の食管の会計はもたないでしょう。そうすると、大変先の話になるけれども、ことしの米価はどうなるかということがいまからそもそも問題になるんだ。生産者米価はどうするか、消費者米価はどうなるか、そのことと来年度の予算がどういう形で組まれるかということが問題になる。それは常に農林予算というものは年末になるとあのように農業団体が農林大臣や局長や大蔵省のところに押しかけていかなければならぬ。われわれがまたその先棒をかついで一生懸命あっちこっち飛び回る。こういう長期計画が先にあるんだから、ああいうことをしなくても、これだけ国民に必要な食糧をつくるんだから、やはり農林予算の枠というのは最低これだけは保障するのだというぐらいの大きな見通しがあって、その中で細かい問題については話し合いをするというぐらいにしなければ、毎年毎年はち巻きで決死隊のようなものをつくって予算の取り合いをするような状態では、実際の話不安でかなわない。だから来年度のそういう生産者米価、消費者米価、一般農政との関係についての見通しというものをいまから心配しなければいけないような状態になっていることについて、どういうように考えられるかということをまず聞きたい。
○安倍国務大臣 来年度予算につきまして、生産者米価、消費者米価をどうするのか、あるいは食管の中には麦価もありますから、麦価の問題もどうするのか。さらにそれとの関連において一般農政費をどういうふうに考えるのかということでございますが、まだ生産者米価、これは基本的には食管法に基づきまして米価審議会の議を経て決めることになるわけでございますが、具体的にどういう形で決めるかということにつきましては、生産者米価、消費者米価ともにまだ決めてないわけでございますが、全体的に見ますと、確かにいまおっしゃるように食管における米麦の逆ざやは段階的に解消していきたいというわれわれの固い決意でございます。したがって、そういう方向が進むということになりますれば、やはり来年の食管というものも赤字がふえるというよりは減っていくということになるわけでございますので、来年の予算で、たとえば一割を確保するというふうなことになりますと、これはなかなか大変な問題もあるわけでございますが、しかしそうした一割であるとか一割でないとかいうこと、これは農林予算だけの問題でなく、国全体の予算が、たとえば国債の償還費等が非常に比重が大きくなりますから、そういうところから見ると、予算の中身というものも変わってくるわけですから、一概に一割であるとか一割でないとか、それがいいとか悪いとかいうことは言えないわけでありますが、しかし私たちはそういう食管の赤字を抑えながら、その分は少なくともやはり総合食糧政策推進のための積極的な農政費にこれを充てなければならない、そういうふうに考えておるわけでございまして、せっかく五十一年度に芽を出した総合食糧政策の新しい施策は、来年度さらに飛躍的に充実をしていくように今後力を尽くしてまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 来年度の予算の話にまで入ってそれをここでやるというのは、これは取り越し苦労かもしれないが、この問題をやはりいま出しておかないと重要なことに対して差し支えるからさらにあれしますが、いま四七・四%まだ食管の逆ざやがあるでしょう。だからこれを解消していくためには、ことし、これはさっき言ったように一〇%も生産者米価を上げれば、当然消費者米価を一二・八ぐらい上げなければならぬ。これは連動方式という形、そういう方式になると思うが、それはそれとして、一方ことし新しく芽を出した諸政策というものをさらに前進するためには、やはり農林予算というものはどんなことがあったって一〇%を切るようなことがあったんでは、それは幾らがんばってもよくならないと思う。 農林予算が国の予算の中のどれぐらいを占めるかということは、本当はこの委員会の問題じゃないかもしれない。本来ならば予算委員会の問題かもしれませんが、しかしこの委員会でそういうような強い要求があったということは、ひとつ農林大臣ぜひ出しておいてもらいたいと思う。私は分科会等においてはこのことは常に言っているわけだけれども、農業問題というものを少なくとも国全体の問題として考える場合には予算が常に削られてしまう。農林省の内部の努力でやったものがほかへ持ち去られるということは、これは大きな問題だと思うのです。先ほど計算してみても、仮にこの一〇・二という予算になった場合には七百二十億くらい多くなるのではないか。予算課長そうじゃないですか。一〇・二の場合には七百二十何億というものがこれは現在よりもつけ加えられるわけじゃないですか。そういうことで、仮に三百億の予備費が出たとしてもまだまだやはりこれは削り取られているかっこうになる。その辺はどうですか、詳しく数字を出して説明してください。
○森(整)政府委員 先生御指摘のような計算をいたしますと、国の五十一年度の予算額が二十四兆二千九百六十億でございますから、この〇・一%は二百四十三億ということになるわけでございます。それを先ほどのように一〇・二から九・九の差額が〇・三%ですから、三倍いたしますと約七百三十億程度、いろいろ計算はございますが、一応そういう計算になります。
○竹内(猛)委員 これはまあ算術みたいな話だけれども、だれが見てもわかるように、やはりこれは国の予算の中の何%というものを農林予算として確保するという、そういう意気込みが常になければ、長期計画を立てながら単年度で勝負をしていく場合においてはきわめてやりにくいものになると思う。 そこで、やはり農林予算というものの性格について、これは農林大臣にぜひ尋ねておきたいと思う。農林予算というものを私はこう思うのです。農林予算は、たとえば土地改良なり、あるいは麦なりそういうものの生産助成金を出す場合には、そこへおろした金というものは、将来はそれは再生産としてまた国民に返ってくるものなんです。決してそこで消耗してしまうものじゃないと思うのですね。中にはそのまま消耗するものもあるけれども、かなりの部分は再生産なり物として返ってくるものであると思う。だから他の省庁の予算が——これは必要じゃないというわけじゃないですよ。そういうことじゃないけれども、農林予算についてはいま言ったような面が多々あるということ、それはかなりの部分があると思うのですけれども、その点について農林大臣どうですか。予算の性格についてどういうぐあいに考えておられるか伺いたい。
○安倍国務大臣 農林予算の内容をその性格から見ますと、まず第一には、生産対策として、需要の動向に応じて選択的拡大を図りながら生産性の向上、総生産の増大を図るためのものでございます。第二番目は、構造対策として農林漁業の生産構造の改善を図るもの。第三番目が、価格、流通及び所得対策として農林水産物の生産者価格、消費者価格の安定を図るとともに流通機構の改善、合理化を行う等によりまして、生産者の所得の向上、消費者家計の安定を図るもの。第四番目が、農林漁業従事者の福祉の向上対策として農林漁業の生活の改善、農山漁村の地域振興を図るためのもの等がございますが、公共事業が大半を占める建設省予算、地方交付税交付金が大半を占める自治省予算等と比べて、いま申し上げましたようにその性格は多種多様でございまして、それぞれが直接、間接に食糧を中心とする農林水産物の安定供給を図るため有効に生かされておるものである、こういうことが農林予算の性格ではないかと考えております。
○竹内(猛)委員 そういうことでありますから、やはり胸を張ってもっとこの予算を確保するように努力をしてもらいたい。これは私が言うのはおかしいけれども、当然のことだと思うし、私はそういうふうに考えている。 そこで、今度は土地問題に入りますが、何といっても食糧の自給を前進させるためには優良な農地が確保されなければいけないということなんです。ここで六十年の展望と関連をしますが、あれを見ると十年間に八十六万ヘクタールを新しく造成する、七十万ヘクタールというものを壊廃する、こういうことになっている。本年度はその初年度でありますから、これは年度によっていろいろ多少の変化はあるにしても、それを平均的に考えると、ことしは八万六千の新しい造成地をつくらなくちゃならない。これはどこへつくるのかということをまず聞きたいし、七万ヘクタールが壊廃をする。どの辺の部分がどうなるかということも、これは当然明らかにされなければならぬ問題だと思う。まあ壊廃する方は、これはいいでしょう。どうせ宅地や工場用地や、あるものは山林に返ってくるものがあるかもしれない。ところが、新しくつくるためには、その土地の費用、あるいはそういう土地はこれは当然かなり僻地であるし、しかもそこは傾斜地であろうし、いままで余り顧みられなかったところだと思う。だから、そういうところには大変金がかかるはずだ。道路も必要であろうし、水も入れなければならない。あるいはまた、それには所有権があるはずですね。国有林であるとか、公有林であるとかあるいは民有林であるとか、こういう所有権の問題もあるだろう。あるいは地価がどうであるか、こういう問題もあるだろう。行政として、方針として出されたものが、単年度、ことしは最初でありますから、そういうことについての処置はできているかどうか、この辺を明らかにしてもらいたい。
○岡安政府委員 先生御指摘のとおり、計画といたしましては、大体土地改良長期計画では十カ年間に約七十万ヘクタールの農用地を造成する。それから六十年見通しによりますと、大体十二年間に八十六万ヘクタールの農地の造成ということになっております。ただ、これも先生からお話しございましたけれども、毎年同じような面積というわけにはまいらないので、漸次これをふやしてまいりたいというふうに実は考えております。 どこでこういう農用地を拡張するのかという御質問でございますけれども、もちろん計画では地域の想定等はございません。私ども現在考えておりますのは、まず一つの枠としましては、現在全国すべてのところで大体農振法の地域指定ができましたので、大体その農振地域の中の農用地区域内の山林というものが第一義的には農用地開発の対象になるのではあるまいかというふうに考えております。現に、農用地区域内の山林原野と称される面積は、約八十万ヘクタールを超える面積が現在指定をされておるわけでございますので、これが最初に開発の対象になるのではあるまいかというふうに思っております。 それから、大ざっぱな地域としましては、やはりそういう開発の余地がありますのは、北海道とか東北とか九州というようなところであろうというふうに思っております。ただ、やはりこれも先生御指摘のとおり、最近こういう開発適地といいますか、開発対象地域というものは相当山間地帯の方に寄ってまいりましたし、それから権利関係も相当むずかしいところが残されてきておる。にもかかわらず、また土地を取得する価格も相当上がってきているということで、農用地の開発の促進というものはなかなかむずかしい状態にあります。そこで、私どもはやはりある程度予算を重点的にこの事業につぎ込みたいというふうにも考えておりますし、また工夫をこらしまして、たとえば今回御提案いたしたいと思っております土地改良法の一部改正等によりまして、財投資金を活用いたしまして、この農用地開発事業を促進するというようなことも考えておりますので、いろいろ努力もするし、また工夫をこらしましてやはりこの計画どおり農用地の開発は確保いたしてまいりたい、かように考えております。
○竹内(猛)委員 この問題は、この問題だけでも本当は一、二時間いろいろ議論しなくちゃならないことだから、それは細かいことについては余り触れていきません。きょうは総論だけでいきます。 そこで、きょう国土庁が見えていると思いますが、国土庁はこの土地の問題についていままで調査をされてきたと思うのです。それで、四十四年ごろから四十八年ころまでの間に大商社が全国の土地を買い占めをしたということが、国土庁も調査をされているし、農業会議も調査をされているはずです。この面積と場所等についてできるだけ報告をしてもらいたい。
○佐竹説明員 お答えいたします。 国土庁といたしましては、国土利用計画法の遊休土地制度適用の可能性を調査するため、都道府県、市町村を通じて、四十四年一月一日以降四十八年十二月三十一日までにどのくらいの土地が動いたか、その土地が現に使われていないか、あるいは使い方によって非常に問題がある土地がどのくらいあるかというような調査を実施したわけでございます。 その調査の結果を御報告いたしますと、まず取引された総面積は七十八万六千ヘクタールでございます。その相当部分は都市計画区域以外の土地、約七割は都市計画区域以外の土地、したがって、まあ山林、原野といったところが主体になっております。その七十八万六千ヘクタールのうちに、現に使われていないかあるいは実質的に見て使われていないと同じような状態にある土地、これが約二十六万七千ヘクタールでございます。これをさらに地域別に見ますと、二十六万七千ヘクタールのうち、市街化区域が約一万一千ヘクタール、その他の都市計画区域、これは調整区域あるいは線引きのされていない都市計画区域ということでございますが、八万一千ヘクタール、それからその他の区域、これが十七万四千ヘクタールでございます。ただいまのを構成比で申し上げますと、市街化区域が四%、それからその他の都市計画区域が三〇%、それから都市計画区域以外のその他の区域が六五%、かような結果になっております。さらに、その未利用地の所有を見てまいりますと、そのうち約三割は個人でございますが、七割は法人でございます。そのうち、特に県外の法人が大体五割程度を所有している、こういう結果が出ております。
○竹内(猛)委員 農業会議でも調査をしているようですが、そこで、また話が戻るわけですが、丸紅というような商社が土地の買い占めをやっている事実がある。いまも話があったように、七〇%はこれは法人であり、県外の者がその土地を買っているということだ。そうすると、この法人ということになると、これは商社かそういういろいろなものだと思うのですが、私のところにもいろいろな調査したものがありますが、農林省の方として、商社が買っているところの面積というものについて数字があれば、どこがどうだということを出してもらいたいと思います。先ほど柴田委員からも若干岡山のことが出ておりましたが……。
○岡安政府委員 いま国土庁の方から御報告がありましたけれども、農林省といたしましても、やはり農林外資本によります土地の取得というものは、私ども非常に関心のあるところでございますので、実は四十七年以来、農外者によります農林地の取引状況について末端からの情報は集めております。ただ、私どもとしましては転用とか、それから農地法に上がってまいりますような取引等については正確に把握ができますけれども、手付を打ったというような状態の取引はなかなか正確に把握し切れない面がございまするので、やはり情報程度でございますので、なかなか面積が何ヘクタールであるかというようなこと、特に大企業がどれくらい買い占めているかというような面積につきましてはまだ正確に集計ができないわけでございます。したがって、御指摘の大企業の中の丸紅がどれくらいの土地を買い占めているかという点につきましても、面積的にはっきりとは把握いたしておりません。
○竹内(猛)委員 これはある政党の調査によるものでありますが、これは関東近郊中心ですが、伊藤忠が三千百五十六、丸紅は二千九百十一というような数字が出ている。農林省はこういうのを知っているかどうか。
○岡安政府委員 いろいろな機関がそういう調査をいたした数字等は承知いたしております。
○竹内(猛)委員 そこで、今度は農林省に要求しますけれども、国土がこれだけ買い占められている。それは恐らく、転用の問題でいろいろ、まだ開発に入っていないところがあるだろうと思う。しかもその買い占めたときが四十七年から八年。特に四十八年が多い。売り惜しみ、買い占めで大もうけをして、そして庶民をうんと苦しめて、その金で今度は土地を買った。ところがそれがいろいろな法律のために押さえられて、それが転用できなくて困っている。こういう状態だと思う。国内においては食糧の自給度がだんだん低下してきている中で、大商社が土地を買い占めているなんというのは、とんでもない話なんだ。この問題については徹底的に調査をしてもらいたいと思うのです。国土庁にもこれは要求しますし、農林省もこれは調査をして、そうしてそういう不届きな者に対してこれを明らかにしてもらいたいと思う。このことは強く要求をします。 それから次の問題は水の問題ですけれども、当然、これから新規開発をするところは傾斜地であったりいろいろのところで、水が必要なところなんです。農業をやるためには水が必要です。牧草をつくるのだって水が必要なんです。水は高いところから低いところへ流れるわけだから、傾斜地に水を揚げるためにはそれなりの費用がかかる。これは大変な費用がかかると思うのですね。その水について、建設省などの報告によると、水は今後足りなくなってくる。特に農業用水が枯渇をするであろう、こういうぐあいに言われているが、水の確保というものはされているのかどうか、これはどうですか。
○岡安政府委員 御承知のとおり、農業用水につきましては、現在、慣行水利権その他、河川法によります水利権等によって確保されておりますが、今後も、既成水田その他におきましても、圃場整備等が進みますればさらに用水を必要とするわけでもございますし、また畑地等につきましては、用水利用形態というものが非常におくれております。したがって、畑地灌漑も大いに進めなければならない。また、農用地をさらに開発する場合にも、必要な用水というものも相当あるわけでございますので、私どもも今後いろいろな方法によりまして水の需要の見通しは持っております。ただ、これはマクロの計算でございますので、できればこれを順次下に下げまして、具体的な用水需要として積み上げたいというふうに思っております。 ただ、一方、これは先生十分御承知でございますけれども、供給の方はなかなかむずかしい状態になっております。農業用水のみならず、工業用水、上水、その他用水も、非常な勢いで需要量を増しておりますので、そういう全体の水の需要量がふえる中で必要な農業用水の確保というものはなかなかむずかしい問題であるとは思っておりますが、私どもも、農業用に必要な水は今後ともぜひ確保いたしたいというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 水に関連して、あと二点質問します。 建設省は、二月九日の新聞によると、五十二年度をめどに河川の水の利用税というものをかける、こう言っている。農林省は、このことについて承知をしているかどうか、そしてそれに対して同意を与えているのかどうなのか。
○安倍国務大臣 河川水利用税構想につきましては、農林省としては正式な話は一切聞いてないわけでございます。事務当局をして建設省に真意をたださしめたところ、目下発電用水の流水占用料の見直しを初めとして、河川水利用に金銭を課することについて事務的な研究会を開始した段階というふうに聞いておるというふうに報告を受けました。農林省としても、先ほど局長が申し上げましたように、農業用水に課税されるようなことがありますれば、これは農業用水の利用に重大な影響が出てきますので、農業用水の利用に支障を生ずることのないよう、その具体的な動きにつきましてはこれから特に慎重に対処しなければならない、このように判断をしております。
○竹内(猛)委員 この点については慎重に考えてもらいたいということを要望して、もう一つ今度は具体的な問題を質問します。 いま茨城県で霞ケ浦用水事業というものが計画されて、これは国営事業ですが、いま調査に入っている。この事業は今度は水を農家に売る。一トン幾らという形ですね。そういうことになっている。同じ水でも栃木県では水を売るということは聞いてない。そうすると茨城県で同じものを取る場合には、水の費用だけは農産物にかかってくることは事実なんです。土地改良費としてそれに含まれるなら別だけれども、水そのものが今度は価格を持つということになったら、これは大変なことになると思うけれども、この水の価格のことについて承知しているかどうか。そして承知していたら、それは一トン幾らになっているのか。その点はどうですか。
○岡安政府委員 いま御指摘の霞ケ浦用水事業というのは受益面積が大体二万二千五百ヘクタールに及ぶような大きな面積の開発事業でございます。これは農業用水のみならず上工水もあわせて開発しようということになっておりますが、ただ私どもとしましては、この事業が完成しました暁において水を売るというような構想ではまだ必ずしもないわけでございまして、したがって、この事業によりまして生み出される水の価格がトン当たり幾らになるかというような正確な計算はいたしておりません。ただ仮に総事業費と、それから生み出される水の量とを勘案しまして、単純にどれくらいの事業費がトン当たりかかるのかというような計算はできますが、それをやってみますと、この事業におきまして上工水関係は除きまして、農業用水関係の総事業費は、現在のところまだこれは確定しておりません、いま全計が進行中でございますので、確定しておりませんが、約千二百十億円というような数字もございます。それからこの事業によりまして霞ケ浦から用水するわけでございますけれども、その用水量は、算定をしますと年間大体一億二千万トンというような数字もあります。耐用年数等も考えましてそれらを割りますとトン当たり大体二十八円くらいのコストになるというように私どもは計算をいたしております。
○竹内(猛)委員 こういうわけで水がだんだん税金の対象になったり、それが売買という形になってくると、これは農政としてもゆゆしい問題が起こってくるわけだから、この点はいまから問題として提起をしておきます。 続いて、建設省は見えておりますか、これも農地に関係することだからここで質問いたしますが、茨城県の結城市の西部土地区画整理事業というものが昨年六月ごろから説明会に入っております。そしてこれについてその周辺の農家の三分の二以上が反対の署名を出している。それにもかかわらず、結城市は自分の市が赤字で、いま赤字団体に転落しようという寸前であるにもかかわらず強制的にこれを測量しようとしている。地元でこの間話をしたら、一たんは中止をするようなかっこうをとったけれども、いつ測量するかわからないという。その周辺は農地です。それからその先には工業団地があります。十八メートルの産業道路がそこへできる。こういうような産業道路に対して農家は反対している。四十八億の総事業費の中で六億は市が持つ、十二億を国が出す、三十億というのは減歩二四%でこれをやっていくという。住民は、農業をやる人々は二四%も減歩をとられれば農業はできないと言っている。だからこういうような無謀な計画は、日本列島改造の北関東開発百万都市か百五十万都市のその一つのあらわれだと思うのです。こういうことは調査をして、無理をしないで中止をさせて、もっと住民とよく相談をするまではやらせないようにしてもらいたいと思うが、この点はどうですか。私の言うことに対して事実が違うかどうか、まずその事実の認識から答えてもらいたい。
○高桑説明員 お答えいたします。 結城市の西部地区につきましては、市当局におきまして昭和四十九年末以来無秩序な市街化の防止を図るとともに環境の整備を図りたいという考えから、新たな市街地といたしましての計画的な整備が必要であるというふうに考えましたことと、またその整備には、望ましい手法といたしまして土地区画整理方式で実施する必要があるといたしまして、十分な調査によるものではございませんが、素案の概要を作成いたしまして、地元の関係住民の方々に説明を行っているところでございます。さらに現地の状況に即応しました計画をつくる必要から、国庫補助によります調査測量を実施しようと予定しておった状況でございます。そのため、測量を行いますには現地の立ち入りが必要となりますので、本年二月に地元の関係権利者の方々に測量調査の立ち入りについて通知をいたしたわけでございます。しかしながら、調査の目的について十分な趣旨の理解を得られる努力が市当局においても不足していたかとも思いますが、大ぜいの方からの署名によります立入測量反対の申し入れが市当局に対してなされたわけでございます。したがいまして、現在は測量の実施を見送っておるという状況でございます。さらにこれにつきましては直ちに強行するというふうな話ではございませんで、市当局におきましても市長さん御自身、現在病気であると承っておるわけでございますが、そのとき反対者の代表の方にも病気が回復後地元の関係者の方々に対し再度説明することを約束されまして、現在測量の実施を見送っておるということでございます。 なお、建設省といたしましても、今後地元関係者の方々との調整につきまして、一層十分な調整を図った上で調査測量を実施するなりして事業計画をまとめ、より順調な事業の進展が見られるよう県及び市を指導してまいりたい、かように考えるわけでございます。
○竹内(猛)委員 三千五百十八万四千円という調査費が予算に組み込まれていて、その三分の一を国が出すわけだから、こういう強行をした場合には必ずそこには不測の事態が起こるということは明らかなんです。そういう問題について建設省も十分に注意をして、地元の住民は区画整理そのものに絶対反対しているわけじゃない、いまのやり方についてよくないと言っているわけだから、それが理解できるまではこの問題については十分に監視をしてもらいたいということを要望します。 続いて質問をしていきますが、農林省はかつては自立経営ということを盛んに言ってこられた。ところが最近は中核農家ということを言うようになった。この自立経営と中核農家というものの違いはどこにあるのか説明願いたい。
○森(整)政府委員 先生御承知のように、自立経営農家とは、簡単に申しますと町村在住の勤労者の収入に匹敵できるような農家経営を考えておるわけでございまして、四十九年で全農家戸数の大体八%程度ではなかろうかというふうに思います。で、中核的担い手とかいう言葉につきまして、先ほどもいろいろ御質疑がございましたけれども、現実に農業の生産力を担っておりますのは、ただいまの自立経営農家はもちろんでございまして、農業の粗生産額で約三割くらいを占めておるわけでございます。そのほかに私どもが考えておりますのは、まあほかといいますか内といいますか、含めまして、基幹的な男子がおりまして、それが農業に専従をしておるという農家、大体年間百五十日、十六歳から六十歳末満という農家を対象に考えてみますと、逆に、大臣が申されましたように、専業なり一種兼業、そういう層が大体当たると思いますが、大体全農家数の二五%程度になるわけであります。農業の粗生産額に占めますシェアが約六割というふうに考えておる。その他いわゆる兼業、安定兼業を含めまして、全体で生産力の担い手になっているわけでございますが、やはりそういう中間層も含めまして——また中間層というのは両方に分解をしていく性格のものだろう、また自立農家を目指していく農家も多々あるわけでございます。したがいまして、それらの四分の一程度の農家、粗生産額で言いますと約六割を担っている、そういうものを中心に、やはり今後の農政は進めていかなければならないのではないか。その中から自立農家というのは生まれてくるでしょうし、また、全体のことしの稲作の生産の状況を見ましても、そういう方々の相当な力が農業の安定供給、食糧の安定供給というものを担っておるというふうに考えて、そういうものを大いに政策の対象にしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 そのことはよく理解をします。 そこで問題は、十六歳から六十歳までと言われたが、実際五十歳以上の人が金を借りに行っても、六十までに金を返せないということで、事実上金を貸してくれないということがあるのをどうします。中核農家と言いながら金を貸してくれないということがあるのです。
○吉岡(裕)政府委員 私どもは、いま先生がおっしゃいましたような事例を現実には承知をいたしておりませんが、それぞれの制度金融あるいは農協の金融におきまして、農家の資金需要の実態に即応して、それぞれの制度の目標に従った貸し付けをするようにということで、私どもとしては指導をしておるところでございます。
○竹内(猛)委員 十六歳から六十歳までということを言って、それで五十歳の人が金を借りにいくと、金を返す可能性がないからそれはだめだ、こういうようなことで断らないようにしなければ、うまく話が合わない。だから、そういうようなことのないように、ひとつ農林省は十分に注意してやってもらいたいということを言っておきます。 そこで、予算の中に五十億の担い手集団経営改善特別対策事業費という、農林省は要求しないけれども、与えられたものがある。去年は増産対策として三十億、ことしは五十億、まあそれは努力した、がんばってくれたということだけれども、これは一体どういうぐあいに使おうとしているのか、この点の使い方について説明をいただきたい。
○安倍国務大臣 農林漁業の構造改善事業費に計上されておるわけですが、特別対策事業費五十億につきましては、目下その執行方法の細部につきまして検討を進めておるところでございますが、現段階では次のように考えております。 予算の使い方につきましては、農林漁業の担い手が創意に基づきまして経営改善を進めることができるよう、担い手集団等の意見を徴し、その十分な反映を図りながら、生産基盤の整備、生産施設の整備等、経営構造改善のために必要な事業を実施するということであります。農林省では、それぞれ農林漁業構造改善事業主管課でこれに当たらせたいと思いますし、また、分配方法につきましては各地域における特別対策事業の計画を審査し、事業の目的に適合するようなものについて配分する考えでございます。
○竹内(猛)委員 その問題はいつごろまでに結論が出ますか。
○安倍国務大臣 五十一年度予算が成立をいたしました段階においては速やかにこれを実施したい、こういうふうに考えております。
○竹内(猛)委員 農業士というものが最近よくあちらこちらに見受けられます。この農業士というものはどういう基準によって何を与えていくのか。何か基準があるのか、何か法的な基礎でもあるのかどうか、何か特典があるのかどうか、まずその点から伺いたい。
○澤邊政府委員 五十一年度予算に新たに計上して御審議をお願いしておる中に、青年農業士及び指導農業士の関係の予算がございます。これは現在二十道県におきまして農業士、あるいは青年農業士あるいは指導農業士等の称号を認定いたしまして、研修目標を与えあるいは農家に社会的評価を与える、また、それらの称号を持った農家を指導の中心にしていくというような施策を講じておるわけでございますが、これらの内容は県によりまして若干区々ありまして、現在全国で約二千名ばかりおるようにわれわれ把握しておりますが、これらの政策を後継者対策あるいは中核農家育成対策の一環といたしまして、国におきましても取り上げて助長するという考えで、国の予算としても新たに計上することにしたわけでございますが、お尋ねの法的な制度ではございません。事実上、予算上やっていくということでございます。 これの認定の基準でございますが、先ほど申しましたように、現在すでに二十県ばかりやっておりますので、これらの現状の最大公約数というようなやり方で、ある程度県ごとに弾力性を持たしてやっていいのではないかという方向で現在検討をしております。 これに対しまして特別の特典を与えるということを制度として考えるつもりはございませんけれども、実際には後継者の中心的な方々になろうと思いますし、あるいは農村の優秀な農家の中心になる方でございますので、これらの活動を積極的に促進する意味で、研究活動あるいは情報の提供なりあるいは先進地の調査等は援助したいと思いますが、具体的な融資とか補助について、これらの方々だけに限るとかというような考えはございませんが、結果としてはこれらの方々が対象になることが多いということは期待をいたしております。
○竹内(猛)委員 農業士というものがいま二十道県ですかにふえてきたということで、二千名ほどいるということになる。だんだんふえてきて、何か特権を与えて、そこに差別待遇をやって選別農政ができないように、誤りをしないようにしてもらわなければ、将来問題が起こる可能性がないことはないので、これについてはなお今後の経過を見て、またもし別な問題があればそのときに問題にしますが、そういうことについての一つの希望というか問題提起をして次の方に移っていきます。 農林大臣は、去年本委員会で、来年度は一つの重点として農畜産物の価格体系についてメスを入れる、こういうことを言われた。それで、総合政策の中にもそのことが書いてある。その問題についてどこに問題があって、それはどういうふうにしていつまでに答えを出すのか、この点について伺っておきたい。
○安倍国務大臣 農政を推進する上におきまして価格政策ということは非常に重要でございます。そういう面から、総合食糧政策の中にも価格制度を充実するということをはっきりとうたっておるわけでございますが、この農産物の価格政策の適正な運営につきましては、従来からいろいろと意を用いてきたところでございますが、今後農産物の需要と生産の長期見通しに沿いまして生産を進め、あわせて中核農家の育成を図っていくためには、生産及び構造に関する各般の施策と相まって価格政策を有効に機能することが必要である。しかし、現在の各種価格制度は、各農産物の特性、特質や、あるいは異なる需給事情あるいは流通事情等に基づいて非常に長い歴史的な過程を経て形成されてきたものでありまして、これらを統一的な視点に立って運営をするということはいろいろとむずかしい問題があることは、御承知のとおりであります。 こうした観点から、現行の価格政策についてはまず十分な見直しを行い、その上に立って今後長期的な努力を積み上げていく必要があると考えまして、現在省内に価格政策検討委員会を設けまして所要の検討を進めておるわけでございますが、価格政策検討委員会におきましては、これまで畑作物につきましての行政価格の同時期決定の問題あるいはパリティ価格の算定方式の統一の問題を検討をし、実施に移してきたところでございますが、さらに中核的農家の所得確保状況についての判断材料を整備するための統計調査の改善、これはいろいろと国会等でも御論議いただいておったわけでありますが、この統計調査の改善、整備の問題に着手をいたしております。 また、今後の長期的な検討予定といたしましては、中核的農家の所得確保あるいは作目間の相対価格関係の調整、需給事情の価格への反映、各種奨励金の性格づけと価格政策との関連等の問題を中心にいたしまして検討を進めたいと考えております。
○竹内(猛)委員 この問題は、六十年の展望ときわめて深い関係を持っております。六十年展望と いうのは六十年までの間に十年間、土地の問題それから重要な作目別の生産目標、それを達成するための処置としてのそれ、それで最初に申し上げたとおりに、ことしはその一年度である。一年度であるときにものをつくっておいて、価格はいままでのように作目間のいろいろな決め方がある。いま農産物の決め方には大体五つの決め方があります。ああいう形で、あるものは生産費所得補償方式をとり、あるものは後払いをする、あるものは補給金でやるというように、それは農家としては非常に困った話だ。農家が買う肥料にしても農機具にしても、その原価については丸紅に行ってもどこへ行っても原価は教えてくれない。さらに聞こうとすれば、それは秘守主義だと言って現に原価を明らかにしない状態にありながら、農家は原価のわからないものを使って、労働を投資して、そしてつくったものについてその価格を決めるのは、これは生産費所得補償方式というものが唯一の方式であるべきなんだ、そういうような方向に行かなければいけない。それにもかかわらず、この間三善事務次官は、われわれが農林省に出かせぎの組合の人と一緒に話をしたときに、三年間はかかるだろう、こういう話なんだ。十年目標を立てておきながら、三年間、現在のこの全く理解のできないような農畜産物の価格決定の方式を踏襲するとするならば、その目標は達成しないことは明らかだと思うのですね。だから、もっとこの価格の問題については早急に手当てをしない限り、とうていその目標を達成することは不可能だと私は思う。 その場合に、これからは私の意見ですけれども、やはり生産費所得補償方式をとるならば、その手取りと、農村内部における就業率というものが、これがはっきりしなければいけないと思うのです。半分は出かせぎをして、それで半分は農業をやって、それで生産費所得補償方式はなかなかむずかしい。だから、国が必要とする農産物の価格というものはやはり統一して、米をつくり、麦をつくり、畜産物をやり、野菜をつくっても、最低の所得は保障されるというように、重要農産物に関する価格の統一性、要するに農村内部の就業率、労働者は、三百六十五日の中で六十四日は祝祭日で休みがある。そして二十日間くらいの年休があります。こういうものを引くと年間二百八十日くらいの就業率というか稼働日数になる。農村内部で農業実態に沿ってそれができるような状態をつくらない限り、農家が納得する農畜産物価格の決定方式は決まらないと思う。インフレのときにパリティ方式なんというものをやっておったら、これはどうにもならない話なんです。 時間がだんだん来てしまったから、私はこの価格問題についてかなり議論をしようと思ったけれども、きょうはそれ以上はやりませんが、そういうことを希望して次の方に移ります。 次は農家の借金、負債というものはどれくらいあり、その原因は何であるかということについて、農林省の調査を聞きたい。
○有松説明員 農家の借入金につきましては、特別の調査を行ったものはございませんが、農家経済調査の中で借入金について調査をいたしております。いままで確定して公表になった一番新しいものは、昨年の三月末現在のものでございますが、昨年三月末現在の農家の一戸当たり全国平均の借入金の残高は七十万一千円ということになっておりまして、それはその一年間に一〇・七%増加をしたということになっておりまして、その増加率は、その前年は一五・七%でございましたので、かなり増加は鈍化をしたということになっております。 なお、この借入金残高の内訳を種類別に申し上げますと、財政資金が十一万六千円で一六・六%、農協系統資金が四十万二千円で五七・三%、銀行その他十八万三千円で二六・一%、かような状況でございます。
○竹内(猛)委員 その原因はどうかということを聞きたい。
○有松説明員 この原因につきましては、農家経済調査では特に突っ込んだ調査はいたしておりませんが、これは四十九年度の調査でございますので、四十九年度におきます資材価格の上昇というようなことも若干あったかと思いますが、伸び率としてはそう大きなものではございません。
○竹内(猛)委員 もう時間が来たから、最後に言いたいことだけ言って終わりますけれども、実は価格問題を重点に議論をしたいと思っていたのですが、時間が来ました。だから価格問題はまた後にします。 それから麦の振興という問題について。麦の作付振興については、六十年計画はまことにさびしい限りである。日本の麦というのは戦後においても、昭和二十九年には四百九万トン生産をした経験がある。百七十八万町歩の作付の実態もあります。一番可能性のあるものが最もさびしい状態では困る。この麦の振興については社会党としても新しい考え方を出すけれども、農林省はもっと勇気を出してこれはやってもらいたい。われわれのところでも麦の価格が気に入れば大いに麦をつくるという農家がいっぱいいるわけだから、ひとつこれはさびしい気持ちじゃなくて、大きな気持ちで麦については力を入れてもらいたいと思う。これが第一。 その次には農村工業導入問題。これは各地で大変失敗しています。せっかく農家から土地を買い上げて、そうして町村にきわめて会社に有利な条例をつくらせて、そうして今度はそこに入ってきた企業が利益中心のために倒産をして、労働者をほうり出しているという例が各地にあらわれている。これは農村工業導入法だけじゃありません。農業団地をつくっているところでも大変問題があるから、これは別なところで十分に議論しますけれども、その問題についても、これは重要な問題ですからやります。 それからその次には、安倍農林大臣のもう一つの重要な問題であった備蓄方針、備蓄というのはこれは日本の食糧確保のためにはきわめて大事な問題である。それがいつの間にか、だれがどういうふうに妨害をしたか知らないけれども挫折をしてしまって、せっかく農林省の中に備蓄の対策室をつくって資料を整えて法案まで出そうというときに腰が折れてしまった。そうしてきわめてささやかな状態でいまやっている。これはきわめて消極的で困るから、この点については、後で大臣からもう一遍出すか出さないかということだけを最終的に答弁をもらいたいというふうに思うのですけれども、その問題。 それから補助金と助成金の問題については、依然としてこれは問題がありますから、また別な機会に、この前も申し上げたけれども、徹底的にこれは掘り下げて、いい補助金と悪い補助金——農家に迷惑になるような補助金はやめてもらって、農家が喜ぶような補助金を出してもらいたいということは、ぜひこれは実行してもらいたい。この点についてはわれわれも一生懸命に補助金の研究をし、農家の最末端でいろいろ話は聞いておりますから、その点を明らかにしていきます。 そこでいまの備蓄の問題について、時間があと一分しかないから、とにかく農林大臣から、備蓄は今後どういう形で、何が障害になっておって、それを克服して、次に出すか出さないか、このことだけを明らかにしてもらいたいと思う。
○安倍国務大臣 備蓄につきましては、総合食糧政策の一環としてこれを特に取り上げまして、五十一年度から本格実施ということについていろいろと法案措置、財政措置等も含めて検討し、その案等も発表いたして、これが実現のために努力をいたしたわけでございますが、いろいろの事情がございましてこれは困難な事態になったわけでございます。したがって、当初の考え方はこれを見送ることにしたわけでありますが、五十一年度におきましては、しかし大豆、飼料作物それぞれにつきまして公益法人がみずから買い入れ、備蓄する体制を確立するということにいたしまして、これに要する経費を全額国が助成をすることといたしました。この公益法人で大豆だとか飼料穀物等を備蓄する、これはいままでにないことでございます。これは当初の案とは異なったものでございますけれども、しかし本格的な備蓄体制をつくり上げる第一歩だというふうに私は考えておるわけでございます。今後ともこの方策を中心にいたしまして、さらに備蓄対策は緊要な問題でございますから、検討を加えながら充実強化をしてまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 終わります。
○湊委員長 次に、津川武一君。
○津川委員 私は、安倍農林大臣の重点農業施策の一つである水田総合利用、それから担い手農家の育成、これに対してまず質問し、時間があれば食管のことも尋ねてみたいと思います。 そこで水田総合利用政策でありますが、私たちの日本は、過去、戦前、朝鮮や台湾にお米をつくらせてもなお足りなくて、私たちの一部はヒエやアワを食べたことがございます。 〔委員長退席、菅波委員長代理着席〕 それがいま日本農民の懸命な努力と試験研究などのたくましい成果によって、今日食べる以上の米の生産ができるようになりました。本当によかったと私は思っております。われわれがやる気になればそういう農業生産ができるというので、いまの米の生産の状況は日本農業のあしたを非常に明るく照らしておる、こういうふうに考えております。この立場から言うならば、小麦でも、大豆でも、米並みにやる気になれば問題が展開される、こう思う次第でございます。これが一つ。 しかし、私たちの国民の食べる以上の米が出ることは何とかしなければならないと思っております。また農民は稲作だけで満足しない。ほかの作目にも異常な情熱を燃やしておる。この点も私たちは承知しております。そこで民主的に、総合的に日本の稲作を調整する、こういうことをやらなければならないと思っております。これが二つ目。 三つ目に政府が余り米に困ってしまって、四十六年から五十年まで過去五年間、稲作転換、生産調整、農民の中では米つぶしだと言われる、こういう政策をやってまいりまして、この五年間に使ったお金が一兆一千二百六十七億円、こうして使って投資したが、五十一年度予算でもまだ二十一万五千ヘクタール、五十万トンの米に当たる分を生産調整しなければならない、こういう形であります。五年やってもだめでさらにまた三年続けなければならないという政府の施策をわれわれは見て、非常に問題があるのではないかと思います。この点の批判は後にまたやるとして、そこでどうしても転換しなければならぬ。転換したものが定着しなければならない。ここのところに大事な問題が出ております。 そこで政府は、五年生産調整をやってみて、今度三年水田総合利用としてやる、転作をさせる、定着させる、こういうことに対する基本的な方針をまず伺わしてもらいます。
○安倍国務大臣 水田総合利用対策の実施期間につきましては、農業者が一定のめどをつけて計画的に転作を実施するという経営的な観点からこれを単年度の対策とするということは必ずしも適当ではないというふうに考えております。すでに五年間の転作奨励のための対策を講じてもきておるわけでございますので、今後、生産、流通、価格対策等各般の施策の総合的な展開によりまして、できるだけ早い時期に転作の定着化についてめどをつけたいというふうに考えて、そういうことを総合的に勘案をいたしまして、実施期間を三カ年ということにいたしたわけでございます。
○津川委員 五年で目的を達することができなくて、今度また三年期限をつけてやる。そこで五年間やってみた、これに対する検討が必要だったと思う。なぜできなかったか、なぜ定着が思うようにいかないか、なぜいまなお減反しなければならぬか。この点で全国農業協同組合中央会が昭和五十年の三月に「稲作転換定着化動向調査結果報告書」というものを出しております。この調査報告書に政府は関係しておりますか、いかがでございますか。
○澤邊政府委員 ただいまのお尋ねは稲作転換関係の指導費として援助はいたしておりますが、個々の調査そのものに対しては特段に固定をして援助はしておりません。
○津川委員 指導費として援助しているから当然結果はお読みになっていると思いますが、この点でいかがでございますか。
○澤邊政府委員 読んだことはございます。
○津川委員 農林大臣はこれを読んでどう検討されましたか。
○澤邊政府委員 大分前に読みましたので詳しく記憶しておりませんけれども、いま手元の資料でお答えするわけでございますが、全国農協中央会の調査で見ますと、四十九年の稲作転換の五十一年度への継続見込みというものにつきまして各作物ごとに調べておるわけでございますが、飼料作物では四〇%、それから野菜は六一%、豆類は一二%、花卉は七八%、たばこ七二%、作物間でかなり差がございます。なお永年作物は、果樹については八七%、当然のことながらかなり高い継続見込みとなっております。
○津川委員 大臣、五年かかってなぜだめだったか。いま話したように、定着したものは五一%、この調査報告書を見ると、五十年度のものは出ていないけれども、四十九年度の転換面積、永年作物合わせて二十七万六千ヘクタールやってみた。定着したのは五一・二%の十四万一千ヘクタール、永年作物を除いて、普通畑作では二十一万三千ヘクタールの転換面積のうち定着したのは四〇%に満たない八万五千ヘクタール。定着にはまだ道が遠い。定着には必要な施策を施さなければならない。その必要の個々の例を挙げているのですが、農林大臣、これをお読みになって、胸に手を当てて考えてみたでしょうか。
○安倍国務大臣 いま農蚕園芸局長が言いましたように、定着したものもありますし、定着していないものもある。その中で永年作物あるいは施設園芸関係はわりあいに定着しているということでございますが、いま御指摘がございましたように全体的な判断からすれば、非常にうまくいっておるというふうには言えないという点もあるわけでございますので、今後三年間さらに努力を重ねて、そしてその間にいろいろの施策を進めて定着を図っていきたい、こういうふうに考えるわけであります。
○津川委員 そこで農林大臣、お持ちになっていればいいけれども、この報告書の三七ページ、定着しない理由のうちで、販売収入が少ない、転作奨励金が支出されていない、こういうパーセンテージが、飼料では七九・五%。大豆等豆類で八三・六%。この大豆の中には価格が不安定だからというもう一つの要素が入っている。バレイショでは八〇・七%。いま局長も大臣も声高らかに言った果物も柑橘以外では六〇・六%、こういうことなんです。この点で、定着できない理由としてはそういうことがあるわけですが、こういう三つの点、販売収入が少ない、価格が不安定だ、転作奨励金が支出されないため、こう書いてありますが、収入が少ない、価格が不安定だということを、今度の三年間続けていく水田総合利用対策の中でどう生かしましたか、お答え願いたい。
○澤邊政府委員 ただいまの調査は、当然のことでございますけれども、現在の奨励金がなくなった場合に引き続いてやるかという趣旨の調査であるわけでございますが、その際ただいま御指摘がございましたような数字あるいはその理由、われわれも当然予想されるところでございます。調査としてまあまあ正しい結果が出ておるのではないかというように考えております。それで三年間にわたりまして水田総合利用対策をやるわけでございますが、この間にわれわれとしてもできるだけ定着をさせるというような努力を、生産対策あるいは先ほど大臣からお答えがございましたような価格対策あるいは構造的な対策等を総合的にやらなければならないというように考えておりますが、ただいま農協の調査の中にございました価格が不安定であるというようなことにつきましては、ただいま御審議をいただいております五十一年度予算におきましても、私どもの直接やっております果樹の価格の安定対策、これは基金制度でやっております。あるいは子牛の対策あるいは卵の対策等畜産局関係の価格安定対策につきましても、基準価格の水準を改定し、あるいは一部のものについては補てん率を上げるというような対策もとりあえず講じておるわけでございます。 さらにまだ生産対策につきまして問題になりますのは、作目間にかなり差がございますので、特に普通作物関係が問題が多いわけでございます。これらにつきましては各般の生産対策も講じておりますけれども、土地利用型の集団営農促進対策というようなものも、これだけをねらいにしたものではございませんけれども、転作作物の生産性を上げるために機械を導入したり、あるいは小規模な土地改良もできるような対策も総合的に講ずることによりまして、定着化について努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○津川委員 農蚕園芸局長の長い説明、結構だと思います。皆さんがお金を出して生産調整のことを調査して農民が端的に言っていることを重要な転換のかなめと考えているかどうかというと、いまの局長の答弁はゼロです。何のためにこの調査をやらせたかわかりません。この調査で転作を定着させるための農民の要求はこうです。米の生産調整施策は廃止すること、米以外の昨日について米作と均衡する所得を補償する畜産物の価格制度を確立すること、これが何と四八・六%です。その次にもう一つの要求の多い問題は、米の生産調整施策は廃止し、稲作転換による畑作物について生産奨励金を増す、こういうことの要求が一六・二%、合わせるとこれで六五%近くになっている。これが何よりも原因、経過を調査したときのその調査の結論。これに対して局長はあれやこれやの価格政策を言った。前に委員が質問したのに対してパリティだとかいろいろなことを言っている。だが、稲作と同じような、米作と均衡する所得を補償する転換作物の価格、これがかなめなんです。これなしには、私はほかの方に後でも触れていきますけれども、せっかくやったものが三年終わるとまた米に帰ると思う。本当に定着するかなめはここにあると思うのですが、農林大臣いかがでございますか。この政策、この価格保障にいま踏み切らなければ、また同じことを三年、四年、五年繰り返しになると思います。定着化のかなめはここにあると思います。農林大臣いかがでございますか。
○安倍国務大臣 いまお話しのように、やはり定着をするためにはいろいろな施策を講じて収益性が均衡がとれるというふうなところに持っていくことは非常に大事なことである。しかし、そういう方向のためにいろいろと努力はいたしておりますが、なかなか困難な点もあるわけでございますが、基本的にはやはりそういうことであろうというふうに私も判断するわけでございます。しかし、五〇%以上定着をしておるということも、稲作転換対策ということが決して失敗ではないというふうにも考えるわけであります。
○津川委員 いや、大臣いいことを言ってくれました。必要な収入を確保する、これはそのとおりです。 そこで、収入の点で転換作目の筆頭に挙がっているのはやはり大豆。大豆で言うと、今度の皆さんの予算で見ると、転作奨励金十アール当たり四万円、集団転作加算十アール当たり一万円、反収二・四俵、五十年の価格一俵六十キロ九千六百七十二円で言うと反収二万三千二百十三円、これに生産奨励金一俵二千五百円つけて、二・四俵だから六千円、反収七万九千二百十三円。稲作から転換を大きく求められている東北で言うと、米反収十俵、三等米で言うと十五万五千七百円。大臣、収入を保障すると言ったのです。これでは大豆に転換していかないのです。思い切って大豆の反収を上げなければ、どんなに皆さんが力んでみても上がらない。 もう一つ大事なことは、ブラジルの開発輸入、五十一年度で大豆のために二十億円つぎ込む。 〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕 日本の大豆は反収七万幾ら。お米で十五万何がし。この状態においてブラジルから開発輸入して大豆を入れてくるという気持ちがわからない。あなたたちは五年やってみて依然として国際分業論、どうにもしようのない国際分業論でございます。これを、ブラジルの大豆の開発輸入二十億円をとめてみましょう。これを生産体制の中の、大豆の生産奨励金、いま皆さんが出しているものを倍にする。そうするとどうやら反収十三万円になります。この道こそ——あなたたちは五カ年の計画を反省して農業転換すると言っている。きょうのあなたの説明の中でも食糧の自給力を上げると言っている。こういう点でブラジルの二十億円の大豆の開発輸入は速やかにやめて、この二十億円を、皆さんが大豆の生産対策として二十二億円、生産奨励金として出しておる十七億円、これに加えることによって反収十三、四万円の大豆ができる、ここで初めて大豆の増産が始まる。あなたの言う自給力も向上する。いかがでございます、この二点。
○安倍国務大臣 われわれは御存じのように、大豆につきましては食用大豆についての六割自給を図りたいということで計画を立てて進めておるわけでございます。いまおっしゃいましたような大豆対策をやっておるわけでございますが、必ずしも十分でない。これはやはり今後とも大豆の増産を図っていくためには大いに努力をしなければならぬ点があるということは率直に考えるわけでございます。しかし、大豆は食用大豆、それから油脂大豆という分野に分かれておるわけでございますが、食用大豆については六割の自給力をつけたいと思っております。油脂大豆につきましては、これは国内の生産はなかなか困難である、今後ともどうしても外国に依存せざるを得ない、これは基本的にはそうならざるを得ないというふうに考えるわけでございます。 そこで、ブラジルに対して経済協力を行って、ブラジルで油脂大豆を初めとするところの農産物の生産の振興を図るということでございますが、これは二十億とおっしゃいましたけれども、国費は十億です。あと十億は民間の資金によって、合わして二十億をブラジルに投資をする。そしてこれは必ずしもおっしゃいましたような開発輸入ではないと私は思います。開発輸入というのはこちらが輸入するための開発ですから、われわれは経済協力という立場について言えば、食糧が国際的に非常に逼迫をしておるという情勢の中で、これから生産力が増強される未開発の地域に対しては積極的に農業協力をして、そしてそこで増産をしていただく、そして国内の自給力の向上を図るとともに、余力ができたらこれはわが国も輸入をするということであります。ブラジルなんかは未開発の農業地域が非常に残されておるわけでありまして、これにはやはり日本の農業協力を非常に強く求めておるわけでございますので、こういう点についてはわれわれも積極的に農業協力を進めていく、経済協力を進めていくということは、今日の国際的な情勢の中における日本の立場から見ると、これは当然のことではないだろうかと思うわけでございます。そしてそこでいろいろの作物が生産をされるわけでございますが、そういう中にあって、油脂大豆等についてはできれば日本にも輸入を図ってまいりたいというふうにも思うわけでございますが、これは直接的な開発輸入といったものではないというふうに御理解をいただきたいと思います。
○津川委員 いま食糧の自給率、わけても大豆の自給力を上げなければならぬとき、日本大豆には二十二億足す十七億、三十九億、ブラジルで大豆を開発するために二十億円、こういうやり方は、あなたの親分の福田副総理にも相談してきて相談し直したのをもう一回私たちの方の質問に答えてくださることを要求して、これはやめていただかなければならぬ。日本の大豆に十分やったならば外国の未開発の発展途上国にも出してよろしいが、日本の大豆をこのままにしておいて、いま皆さんが出している問題では七万何ぼである。大豆の増産ができないことは明らかなのをこのままでやることに強く抗議して、次の方に進んでいきます。 そこで、三年やるということになると、雪が消えると稲作を畑作にする、そうすれば水を抜かなければならぬ、用水も直さなければならぬということになってくると、かなりな覚悟が転作する農民に必要になってくる。水田から水を抜いて暗渠排水なんかやって、その上で畑に転換して三年後にやめるのですかということなんです。三年後に補助金を切るのであれば、農民は転換できない。畑として永久に援助してやっていけるならば転換する。この三年というのはどういう意味でございます。四年目、五年目、六年目はどうするのか、明らかにしてもらいます。
○澤邊政府委員 水田総合利用対策によりますと、稲作の転換は今回は三年間を期限として実施をするわけでございますので、その間できるだけ生産対策あるいは価格対策その他を含めまして総合的に定着化を促進するための施策をやりまして、三カ年間を目途に定着化を図っていく、こういうような考えで推進をすることにいたしております。
○津川委員 大臣、局長、本気なの。リンゴで三年。どうする。水田をリンゴに移す。いま実験中矮小化の三年苗木を植える。四年目になるのは四つか五つ。下手すると七年。普通のリンゴであれば十五年から十六年。三年やらしておいて四万円の補助金を切るのですか。あなたは三年のうちに何かやると言っている。現実に何をやるのかということです。東北はいま生産調整をする一番大きなところです。この調査でもわかるとおり、東北が一番定着していない。東北で定着しているのは果物、それもリンゴ。福島、山形、秋田、岩手、青森。これを三年でやって、後ぶった切ると言うのですか。行政は続けなければならぬ。だからぼくが言っているのです。雪が消えれば田をつぶしてリンゴ畑にするのかしないのか。三年ではやられない。どうです、行政の継続として、これは。定着するまで援助するのが余りにも当然と思う。これが一つ。 もう一つ、リンゴ。皆さんの去年の閣議で決めた百二十一万トン、これは繰り返しません。これを達成させるのはいまが機会だ。九十万トンより出ていない。腐乱病でやられている。いまついている畑でさえもう二割が腐乱病だとか高接ぎ病とかでだめになっている。この水田の転作は、東北で総合転作のまさに恵まれた一つの作目であり、機会である。こういう点で皆さんの閣議決定の長期見通しをリンゴについて遂行する意味において、東北における稲転の順調な発展のためにもこれはいただけない。三年は継続しなければならない、三年後はいかがでございます。
○澤邊政府委員 今回の水田総合利用対策を一応三年を期限としてやることにいたしておりますので、果樹についてもこれから転作を始める方につきましても三カ年を限度ということの御理解の上に転作をしていただきたいというように考えておるわけでございます。ただ、第一次の転作、転換対策のときからすでに果樹園に切りかえてやっておられる農家につきましては、経過措置といたしまして五年を限度としてというような考えでおるわけでございます。 そこで、先生の御指摘になります永年作物、果樹の場合は販売できるまでにかなり長期間かかるために、その間は全然収入がないではないかという、単年性の、一年性の作物とは違うということはおっしゃるとおりにわれわれも思います。ただ果樹の場合は、一般転作の場合に限らず通常経済樹齢にまで達しまして収支単年度でバランスするようになるのには五年なりあるいは十年なりかかるわけでございますので、これらは果樹園経営としては当然収入が上がるようになってから上がらない部分まで回収をするというような経営計画で実施をするのが常でございます。これは何も稲作転換に限らず通常一般に果樹園経営をする場合は初年度からは収穫がないわけでございますから、当然そういう長期計画に基づいて営農を始めるわけでございますので、必ずしも収入が十分上がらない間その期間全部国で特別な措置をしなければ経営が開始できないとかあるいは維持できないというものでもないというように考えておるわけでございます。
○津川委員 農林大臣、私は幾人もの農民から、リンゴはいいから転換したいんだ、雪が消えれば水田を埋めてリンゴを植えたい、さて三年ではやれない、転換したものかどうかという相談を受けている。四年、五年と続ける。五年の継続でさえ皆さんの調査で東北でリンゴの定着率は八割二分。三年。そこで、はっきり農林省は四年目からは顧みないぞと農民に答えていいか、答えなければならないのか、この私の苦衷に答えてください。
○安倍国務大臣 これは先ほど農産園芸局長が申し上げましたように、いままで五年間やってきて、これから三年を限度としてお願いをしているわけでございますので、そういう御理解のもとに転換に踏み切っていただかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。
○津川委員 殺人的な農政だね、これは。そうすると局長、十五、六年後に収入がふえるから、その収入を担保にしていまから農業労働を突っ込みなさい、肥料をやりなさい、四年目から農薬をかけなさい、こう農林省が言っていると言ってもいいですか。
○澤邊政府委員 通常の果樹園の経営をやる場合、新植すれば当然いまのようなことになるわけでございますけれども、稲作転換という国の政策に御協力をいただくという意味で、特別に三年間だけは奨励金を交付するというような特別措置をとっておるわけでございますので、その限度における国の特別の援助を前提に御協力をいただきたい、こういう考えでおるわけでございます。
○津川委員 安倍さん、あなたもいつこんなに残酷になったのです。これはもうあきれて物が言えないような体制だ。そこで私は強く、少なくともこういう三年で、実験中の優性化であっても七、八年かかるものを、実験中でなく健全な道を歩むとすれば十七、八年かかるものを、三年で切るということに強く抗議しながら、いまからでもおそくないから、考え直して返事することを要求して、次の質問に進んでいきます。 もう一つ。畑作に転換するとすれば収入が上がらなければならぬ。価格のことが保障されなければならぬ。収入が上がらなければならぬということは大臣はしなくも言った。たとえば青森県の日本海岸の木造という町、非常によく畑作、スイカに転換した。昨年はバッタン病にひどくやられてしまった、おととしはコンニャク病というワイルス病にやられて、いま農民がどうしようかと思って悩んでおる。これに対してこの二つの病虫害に対する対策があるならば、そこで農民たちはさらにやってもよろしい、ないならばここで困るというふうなかっこうで、非常に問題を生んでおります。こういう点で、この試験研究、根本的な対策の解決、これに向かわなければならないと思いますが、いまだこのことが、仕事が緒についておりません。したがって、この試験研究を根本的に速やかにやらなければ稲転が定着しない、これが一つ。そこで稲転が、これをやらないために、皆さんのところからの稲作転換特別対策事業として補助をもらって、九年間田に復活してはならぬ、その期間内に復活すれば補助金を取られるという農民が、補助金をやってもいいから、バッタン病とコンニャク病のワイルス病がこういう状況ならば補助金をやってでもいいから水田に転換したい、こう言っている。これに対して青森県庁は過酷な念書をとっている。こういう形で力での、対策を放棄してごり押しの稲転を維持しようとしているわけだけれども、この点、やはり試験研究を速やかにやる、これが一つ。 第二番目には、スイカなものだから、輪作体系ができなければならない。スイカだけでない。これから全国の稲転の場合、畑作の場合は、輪作体系ができなければここで問題が困難になるわけです。転作を快くやらせる一つの道は、畑作における輪作体系。したがって、畑作における輪作体系に対する政府の方針。この木造というところでは、スイカ、メロンにニンニク、加工トマト、たばこ、こういうことをやろうと思っておるが、たばこは専売局で耕作面積に文句を言って、輪作体系に入らない。たばこはいいと思うのです。こういう点で、全国の畑作転換の輪作体系、これはどうなっているか、これからどうするのか。屏風山の具体的な姿でこの二つの病気を試験研究でどう退治していくのか。このたばこを輪作体系に取り込むために専売局のいろいろな文句、協議しなければならぬと思うのです。この三点を答えていただきます。
○澤邊政府委員 水田転作としてのスイカ栽培にバッタリ病とコンニャク病が発生をしてかなりの被害を出しておるという点で問題になっておるのは、青森県の木造町屏風山地区でございます。このうちでバッタリ病の被害は、五十年は八百十ヘクタールというように聞いております。現在スイカ栽培農家に対しまして輪作の励行とか、それから接ぎ木の台として従来はユウガオの苗を使っておるのでございますが、これを使う場合はバッタリ病が出る。ところが、カボチャの苗に切りかえますと非常に出なくなるということがわかっておりますので、台木、接ぎ木の台をカボチャに変えるように指導をしておるわけでございますが、試験研究関係につきまして、技術会議がきょう来ておりませんが、私ども聞いておりますところでは、病原の解明と防除技術の拡充につきましてまだはっきりわからない点がありまして、国の試験場、県の試験場で現在研究を進めておるところでございます。 それからコンニャク病の方は、四十八年から青森県全域に急増したわけでございますが、これは防除体制に、防除の方法がある程度効果的なものができまして、これによりまして最近は非常に減っておるというように報告を受けております。これはユウガオの無病種子の共同購入によりまして無病なものを購入し、それから種子の消毒を励行するとか、これは台木になるわけでございますが、それからスイカになってから検診体制を確立をするとか、それから、あるいは発病した株を抜き取るというようなことを励行いたしますことによりまして、四十八年には屏風山地区で六百四十九ヘクタールでございましたのが、五十年には四十四ヘクタールということにかなり大幅に減っておりますので、これらの対策の励行によりまして被害を防いでいきたいというように考えております。 なお、これにつきましても植物ウイルス研究所だとかあるいは国の九州農業試験場だとか四国農業試験場、各県の試験場におきましてさらに研究を進めておるところでございます。 なお、輪作の問題についてお触れになりましたけれども、これは水田転換でございましても畑作として利用するわけでございますので、水田作と違いまして輪作というものは考えないと数年間はよろしいですけれども、数年たちますれば土壌病害虫が発生したりあるいは反収が急激に低下するということがございますので、私どもといたしましては、合理的な輪作体系を、これはそれぞれの地区によって違いますので、県の試験場なりあるいは普及組織等を通じまして指導するようにやっておるわけでございます。 問題のありますこの屏風山地区につきましても、私どもの聞いておりますところでは、県がモデル的な輪作体系を立てておりまして、いろいろAからFまでのタイプをつくりまして、スイカの中にバレイショとか大根とか落花生とかあるいはたばこ、御指摘のありましたたばこなども入れた輪作をそれぞれモデルとして示して指導しておるわけでございますが、これは聞くところによりますと、必ずしも農家の場合は、少しは被害が出てもスイカの連作でとりたいというような希望もあるようでございますので、これはやはり単年度の勝負ではなしに数年間を通じて所得の安定、収量の安定を図るという点からは輪作をぜひやっていただく必要があるということで、その面の指導はさらに県を通じて強化をし、全国的にもそのような指導を強めていきたいというふうに思っております。
○津川委員 転作の畑作の輪作体系、これの検討、研究を全国的なもの、一度書類で私のところに届けていただきたい。 それからバッタン病について試験研究を進めるというならば、それからたばこの転作についても専売局と相談するというならば、私それを答弁を求めないで進んでいきます。 中核的担い手農家の質問をしようと思っているのを、三年でリンゴを打ち切るという驚くべき答弁にびっくりして、そこをやり返しているうちに時間がなくなってしまったので、農村婦人の問題、担い手と絡んで若干質問します。 農村婦人の問題について、今日、農業就業人口中女子の占める比率は、昭和三十五年で五九%であったのにいまでは六二%まで上がっております。農村とは、婦人が中心であるところと言ってもよくなりました。この農村婦人が農業生産に従事しておる、農村生活や家庭生活の中心になっておる。彼女らは子供を育て、子供を教育する点で、非常に大切な役割りを果たしております。したがって、農村婦人が安心して生産と生活ができるようでなければ、日本農業の発展は望めません。 そこで大臣に伺いますが、昨年は国際婦人年であり、三木総理も先頭に立って婦人の地位向上に努める行動計画を立てております。この中には農業も入っております、行動計画の中には。大臣はこれを知っておるでしょうか。国務大臣として知っておられるならば、どのようにしてきたでしょうか。これが一つ。 もう一つには、婦人の地位向上という立場から、農林省に婦人課長が何人おいでになるか。これを答えていただきます。
○安倍国務大臣 昨年は国際婦人年でございまして、総理大臣を初めといたしまして政府としても婦人対策を推進するためにはいろいろと努力をしてまいったわけでございますが、世界婦人行動計画はでき上がっておるわけですが、わが国の国内の行動計画につきましては、各省でいま相談をし、検討をして作成中ということでございます。 なお、婦人課長は農林本省には一人ございます。今日出席をいたしております。
○津川委員 大臣の名誉のために私読みたくないのだけれども、どうやら、いま聞いているところを見ると、国際婦人年の行動綱領に対して余り確かでないようですが、七十七項目にこう書いてあります。「農村地域の女子青年と婦人のために総合的または特別の訓練プログラムを発展させるべきであり、それによってかの女らが経済的、社会的発展に全面的に、生産的に参加し、技術的進歩を利用して、日常生活の苦しい骨おり仕事を減らすことができるようにすべきである。」と、指摘だけしておきます。 そこで、農林省に一人おいでになる。能力のある婦人が幾らもいると思うので、やはりこの際、国際婦人年にちなんで、行動計画に従ってやるならば、大臣、もっと婦人の地位を上げてあげなければならぬ、もっと婦人課長をつくらなければならぬと思いますが、この点はいかがでございます。
○安倍国務大臣 これはもう適任者があれば喜んでふやす考えでございます。
○津川委員 いま大臣が適任者と考えている人はございますか。その点で婦人職員というものを少しながめ渡したことがございますか。
○安倍国務大臣 婦人だからといって特に特別な扱いをしておるわけではございませんが、仕事によりましていろいろと行政において働いていただいておるわけでございます。
○津川委員 安倍農林大臣の人事として後世に残るように、これから一人、二人探してくださるように要請して、続けていきます。 そのたった一人の婦人課長にお尋ねしますが、農村婦人の地位向上、農村生活の改善に対して、あなたはどんな抱負とどんな計画をお持ちになっておるか、ひとつ話してみてください。
○塚本説明員 現状を踏まえまして、次のように考えております。 一つは、農村婦人の過重労働の軽減と労働の適正化の問題でございます。 それから二番目には、農村婦人の健康生活の維持とそれから増進の問題。 それから三番目に、農家生活の担い手でございます農村婦人の家庭管理能力の向上と、それから農村婦人の自主的活動の促進という問題を考えております。 それから四番目に、農村生活環境の改善の問題と、村づくりに対します農村婦人の積極的な参加の問題。 それからただいま御指摘のございました農村婦人に対します農業技術の向上とそれから改善の問題でございます。これはその生活にしわ寄せのいかないような形で、農家婦人に適切な農業技術の改善と向上という、そういうふうな問題でございます。 それから最後に、これら農家生活の改善の担い手としての生活改良普及員の数の確保とそれから資質の向上、これらの生活改善普及組織の整備強化の問題を考えております。
○津川委員 どうも御苦労さまでした。 そこで、問題を推し進めます。政府統計によりますと、農業専従者が婦人のみの農家戸数が全農家の一二%、六十一万五千戸ございます。また婦人も農業に従事している農家で、これは恐らく兼業農家がかなり含まれていると思いますが、農業の計画を婦人が切り回しておる、農業生産計画の主人公になっておる農家の比率は、十年前には一七・五%だったのに、最近では五八%にまでふえています。日本農業新聞の記事によりますと、農業改良普及所の主催した説明会などへの婦人の参加率は、男の農業者よりもぐんとよくなって九〇%前後になっています。婦人はこうして農業の重要な担い手となっています。いま生活改善課長の話された農業の重要な担い手となっておる。ところが、政府はこの婦人の役割りを必ずしも正しく評価しておりません。たとえば四十九年度の農業白書、生産組織の中核となる、育てていく農業者として、五十九歳以下の男子専従者がいる家庭というものにスポットを当てている。これがいま政府がやっておる施策の一つの重点です。 そこで質問です。今度あなたが——まあわれわれは四十億、五十億は別なものが削られて、名前を変えたにすぎないと思っていますが、あなたはこれで攻めの農政だと言って国民をだましにかかっていますが、それは私はそうじゃないと思う。つくべきものがついたと思うのですが、この担い手、重点の一つとしておる担い手、これはきょういただいた予算説明書の三十一ページから書いてありますが、農業生産の担い手を育成する。この育成する農業生産の担い手に婦人農業者が当然入っていると思うのですが、入っていなければ大変だと思います。実際いま話したとおり、農業の中心になってやっている人たちが男よりも多い。ここのところに婦人の問題で施策を向けなければならぬ。いかがでございます。
○安倍国務大臣 担い手集団特別対策事業につきましては、いま農民をだますというふうな御発言がございましたが、そんなことはとうてい考えておりません。われわれはまともにこれが農政推進の一つの課題であるというふうにまじめに取り組んでおるわけですから、そういうふうに御理解いただきたいと思いますが、その中にあってやはり婦人の農業労働に占める役割りというのは非常に大きいわけです。これはもう全部の産業の中において農業の分野が私は一番大きいんじゃないかと思うわけでございます。そうした立場から、やはりわれわれはこの担い手集団の特別対策事業においても婦人のそういう役割りを重視して、当然これはその担い手集団の中に婦人というものはその一つとして位置づけなければならない、こういうふうに考えております。
○津川委員 じゃ楽しみにして見ています。来年のいまごろどのくらい出ているか、これはお尋ねしてみますから、ひとつよろしくお願いします。 そこで農林大臣、「議会と自治体」という雑誌にこんな記事がございます。「農林省は当初、要求もしていないのに、後継者対策と称して、新たに組みこまれた五〇億円をさして、「農政重視」のシンボルであるかのようにいっています。しかしこれは“要求もしていない”どころか、当初要求の「農地高度利用特別基盤整備事業」(四〇億円)を全額削減し、その名称をかえたにすぎないもので、選挙めあてのペテンにすぎません。」と言っている。これは答弁を求めない。これはあなたに指摘だけしておきます。 そこでまた質問を進めていきます。 次に、農業専従者が婦人のみの六十一万戸からの農家、婦人が農業計画の一切を切り回している農家、これは先ほども話したように兼業農家と思いますが、こうした婦人労働者に適するように行政を運営していかなければならない。たとえば機械化。あの振動が多いところで妊婦が、婦人が機械を操縦していると妊娠しない。した妊娠が流産になる。こういう点でいくならば、機械化に対しても特別な配慮が必要じゃないかと思うわけであります。 また母子家庭だけの農業者のいるところで共同化の場合、共同作業をやる場合、この母子家庭に、残念ながら日本の民主主義の現状から一番後にその田を耕したり機械共同作業が回されたりする。こういう点で私はこの母子家庭の農家がやりたいときにやれるような形の体制をしいておかなければならない。土地基盤整備でも、この方たちの土地は必ずしも大規模でない。したがって大型の機械の機械化というのではなく、この方たちの農業に適合した機械化というものが必要になってくるんじゃないかと思います。こういう点で婦人が操縦して婦人が安全であるような機械化やそういう施策をぜひやらなければならぬと思います。これは私、単なる思いつきですが、自転車に婦人用があるみたいに、農機具機械のある種に婦人用の機械があってもよろしいんじゃないか、こういう点なんです。こういう形で農政の運営をする必要があると思いますが、いかがでございますか。
○澤邊政府委員 婦人が農業労働の半ば以上を分担をしておるという現状でございますので、御指摘にございましたように、農業機械につきましても婦人が運転をするという場合が非常に多いわけでございますので、婦人の体位、体格に適したような機械をつくっていくということは、私どもとしても基本的に大事なことではないかというふうに思うわけでございます。 いろいろ問題があると思いますけれども、御指摘がございました振動の問題、これはさしあたり一番大きな問題ではないかと思っております。農林省では、農作業の安全基準とか農業機械の安全装備基準といったようなものを行政指導の指針として定めております。これは強制するわけでございませんけれども、これは指針としてこれまで定めておりますが、その中でも「農作業の安全基準」という条項の中におきまして、「妊娠中の者は振動を伴う機械作業に従事しないこと」というような具体的な指導指針も出しておりますし、さらにメーカーに対しましても、できるだけ振動の少ない機械を開発をするように指導しているわけでございます。 また研究分野におきましても、農業機械化研究所におきまして安全研究室を設置をいたしまして、安全工学といいますか、人間工学というような研究に着手をいたしておりまして、乗用の農業機械の座席の改良に関する研究というものは現在実施をいたしております。これは振動をできるだけ軽減するというのが重点になると思います。 さらに、この問題の重要性にかんがみまして、五十一年度から三カ年計画で新技術の開発研究を行う中でも、この問題をさらに引き続き取り上げるということにいたしております。 通産省におきましても、生産関係は通産省所管でございますが、機械安全化・無公害化委員会というのを設けてやっておりますが、この中でもそういうようなものを取り上げるようにいたしております。 確かに、御指摘のようにいままで不十分な点があると思いますので、この点につきましてはさらにメーカーの指導なり、あるいは作業につきましては農家の指導なり、徹底を期するようにしたいと思っております。
○津川委員 最後に、婦人の技術や研修の問題です。 国際婦人年の行動計画にもありましたように、婦人課長が言いましたように、農村婦人に技術的な生産面での研究、こういうものがぜひ必要になってまいりましたが、家庭から通える研修会に婦人の参加率が先ほど言いましたように九割なのです。ところが、泊ってやる、家から通えない、そういう研修会になってくると俄然事情が変わってまいります。たとえば青森県での農業大学で、四十九年までの三カ年で九十二名が入学していますが、これに農村婦人はゼロです。農業青年大学の受講生もこの三カ年間八百三十一人、このうち婦人がたったの六人、農業研究センター入所者百十二人のうち婦人が二十三人、まことに残念でいたし方ない。したがって、どうしても、やはり生産の担い手でありますので、こういう大学や講習会、研修所は婦人が参加できるような形を考えていただく、参加できるような体制を農村の中に、家庭の中につくっていただくか、こういう講習所をもっと細分化して地域に持ち込むか、こういうことがぜひ必要だと思うのですが、この点はおやりになってくださいますか。
○澤邊政府委員 ただいまお話がございましたように、長期の研修機関を各都道府県で農業関係は持っておりますけれども、これに対する入所者の数は非常に少ないという現状でございます。これは選考の際そのような枠をあらかじめ決めておるということもございますが、施設が、婦人が宿泊して研修を受けられるということに十分なっておらないという点も原因の一つではないかと思います。私どもといたしましては、そのような施設の整備等につきまして今後考えていくべきではないかというふうに思いますし、さらに、これも御指摘ございましたけれども、そういう長期の研修ではなしに、短期に通って受けられるような短期研修を普及所を中心でやるとか、これは各県でいろいろ試みが行われておりまして、婦人農業講座とか婦人農業教室とかいうようなことで、兼業農家を主とする婦人の方々に通常の技術を教える、講習をするというようなことが最近各地で行われておりますので、そのような方向で、長期研修とあわせまして、地元での短期の研修というような点に力を入れていきたいというふうに考えます。
○津川委員 終わります。
○湊委員長 次に瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農林大臣の所信表明に対し質問をいたしたいと思います。 安倍農林大臣は就任後二年目を迎えられたわけであります。大臣が主張する攻めの農政、この実現に向かっての正念場とでも申しますか、私は今年の予算を期待して見ておったわけであります。御承知のように、世界的な食糧危機等を背景に農業を見直し、食糧自給率向上が叫ばれておるわけですが、五十一年度新農林予算の編成に当たって、大臣の予算に対する評価並びに五十一年度への決意、これを冒頭に伺いたいのであります。
○安倍国務大臣 最近における国際的な食糧需給の動向とわが国の国土資源の状況にかんがみまして、今後の農林行政の推進に当たっては、国民食糧の安定供給の確保を基本とする総合的な食糧政策を強力に展開をするとともに、わが国農林漁業をめぐる内外の厳しい諸情勢に対応した諸施策を積極的に推進する必要があることは、言うを待たないところであります。 このため、昭和五十一年度におきましては、わが国経済の安定成長の移行に伴う厳しい財政事情のもとにおきましても、食糧管理費の増高をもたらすことのないように配慮しつつ、総合食糧政策の展開の方向で、立ちおくれておる農林漁業の生産基盤の整備と、農山漁村の景気回復に資するため、農林漁業関連公共事業の促進を図るとともに、主要農作物の生産奨励、価格安定等の一般的な諸施策の充実強化に努めてまいりました。この結果、国全体の予算の伸び率が一四・一%であるに対し、食糧管理費を除いた農林予算の伸び率は一八・六%となったわけでございます。
○瀬野委員 大臣は、昨年まとめた総合食糧政策の確立に完全な基盤ができた、こういうふうに高く評価されておられるようでありますけれども、実際の予算を見る限り、私は手放しで喜べる予算ではない、かように指摘をしたいわけであります。 大蔵原案の段階では、農林予算は対前年比が九・六%増と、国の予算総額の一四・一%を四・五%も下回っております。いまも大臣から答弁がございましたように、食糧管理費を除けば一八・六%増で、国全体の伸び率を大幅に上回っておる、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、その後の復活折衝で大幅復活が実現したといっても、対前年比一〇・九%にとどまり、国全体に占める農林予算の割合は九・九三%、すなわち二兆四千百三十億円と、一〇%台を割っております。従来から国家予算の大体一割ということが言われておりましたが、われわれも米価の闘争のたびに大臣にいつも強く申し上げておりますように、何としても一二—一三%、食管の赤字の分を含めて総額でとるべきである、この辺にもっと攻めの農政の努力をしてほしかった、かようにわれわれは指摘をしておるわけであります。 さて、農林予算の国全体に占める割合は、農業の見直しというかけ声とはうらはらに年々低下をしてきている、こういうふうになっておりまして、一〇%以下に落ち込んだのは、私の記憶では昭和三十九年以来のことではないか、かように私は思っております。農業生産の増強のためには巨額の国家的投資を要することはしばしば指摘をされてきたところでございますけれども、わずか一〇%弱の予算規模で衰退一方の農業に歯どめをかけ、増産体制を整備するということが果たして可能であるかどうか。攻めの農政を言われておる農林大臣に、まずこの辺率直な御意見をさらにお伺いしておきたい、かように思います。
○安倍国務大臣 これは先ほどからしばしば申し上げておりますように、全体で一割を切ったというふうにおっしゃいますけれども、公共事業千五百億を除きますとこれは一割を超えておるわけでありますし、また公共事業費の中でもしこれが実現をされて農林関係に二割以上配分されるということになりますと、これまた一割をオーバーをするわけでございます。したがって、今回の農林予算は国全体の予算の中で一割を超えたということははっきり言えると私は思うわけでございます。 同時にまた、先ほど申し上げましたように、ことしの予算全体が昨年の予算と比べると一四・一%の伸びであったわけでございますが、その中で農政の推進に直接関係のある食管を除いたいわゆる予算というものは一八・六%の伸びをいたしたわけでございますので、国全体の予算の伸び率をはるかに上回っておる。それだけ農林予算は質的には非常に充実をしたといいますか、伸びたと言っても私は過言ではないと考えるわけであります。
○瀬野委員 二月八日内閣広報室が公表した食糧問題のアンケート調査の結果を見てみますと、全国で九四%が食糧問題について関心を示し、八〇%を超える人が食糧について不安を持っておるデータが出ております。いかに国民が日本農業再建を期待しているかということがこの調査でも歴然としております。大臣も先ほどこれはよく承知しておるということでございましたが、すなわちいま農村では、都会からUターンしてきても果たして今後農業を続けるべきか、また農業をやるにしても一体何をつくればよいのかわからないということで、まさに右往左往しているのが実情でございます。しかも、先月農林省が発表した低利用耕地等総合調査報告の数字を見ましても、現在耕作せず遊ばせている田畑が二十五万ヘクタールもある、こういうふうに言われております。なぜ農業再建、自給率の向上ということが叫ばれる中にあって、このような貴重な人的資源と土地資源が有効に生かされないか。さらに、五十一年度の農林予算で果たしてどの程度これが生かされる可能性があるか、大臣はどういうふうにこの予算編成に当たって見ておられるか、伺いたいのであります。 私は、このようなことを考えてみましても、国は早急に日本農業をいかに再建すべきかという具体的なプロセスをつくって、そしてその予算の裏づけを明確にすべきだ、かように思っておりますが、この辺については大臣はどういうふうなお考えを持って予算編成に当たられたか。現在農村にUターン現象で帰っている若い者のために、また希望を持てる農政を推進するために、あえて全国農家のために大臣から所見をお伺いしたいのであります。
○安倍国務大臣 わが国のこれからの農政は、いままでしばしば申し上げましたように、できる限りの自給力を高めていく、限られた資源の中において可能な限りの自給体制を確立していくというのが農政の基本でなければなりませんし、そういう基本的な考え方に基づきまして総合食糧政策を打ち出し、これをもとにいたしまして五十一年度予算を編成をいたしたわけでございます。そうした中にありまして、いまお示しがございましたようなこれから農村にUターンをする人たちが喜んで農業に従事できるような農村の基盤整備あるいは生産対策、さらに環境整備等も予算の中にはこれを含めておるわけでございますし、また資源の利用という面からいえば、未利用地につきましては極力これを有効に活用していくということは当然なことでございますので、そういう関係につきましても、いろいろの予算措置を講じましてこうした未利用地の農地への復元といいますか、そういう方向へ努力をいたしておるわけでございます。今後ともこの点については力を入れてまいりたいと考えます。
○瀬野委員 そこで、農林大臣は今回の予算編成に当たって、所信表明の中でも述べられましたが、昨年五月の「農産物の需要と生産の長期見通し」、これを踏まえて昨年八月の二十二日発表されました「総合食糧政策の展開」をもとに、五十一年度の農林関係予算の一つの大きな柱として組まれておることは御承知のとおりであります。この総合食糧政策では八つの柱を主要目標にしておられますが、この総合食糧政策は過去の総合農政とどう違うのか、この点ひとつ大臣からお答えをいただきたい。
○安倍国務大臣 政策はやはりそれぞれの時代を背景にいたしました、その時代に適合した形においてこれを立案をしなければならぬわけでございます。この総合食糧政策は、経済の高度成長時代が終わって安定成長時代に移っていくという非常な大きな経済の転換期に当たりましてこれを立案したわけでございまして、したがって高度成長時代に立案した政策とはおのずからそこには相違点もあるわけでございますが、この総合食糧政策の基本的な考え方ということになりますと、最近における世界的な食糧事情の変化等から見まして、国民食糧の安定供給を図ることが国政の基本的な課題である、そういう認識のもとに昨年の五月に「農産物の需要と生産の長期見通し」をつくったわけでございます。同時にまた、農政審議会の建議あるいはまた国民食糧会議の検討結果の報告等を踏まえて、衆知を集めて総合食糧政策を打ち出したところでございます。 この政策は、何よりもわが国農業の生産体制を整備し、食糧自給力の向上を図ることを基本としており、農業生産基盤の整備、主要農産物の生産振興、農業生産の中核となる担い手の育成確保、価格政策の強化等の各般にわたる施策を積極的に展開することといたしております。また、わが国の国土資源の制約等から海外に依存せざるを得ない農産物につきましては、輸入の安定化と備蓄対策を進めることにいたしておるわけであります。 さらに、水産業につきましても、わが国の食生活に占める水産物の重要性にかんがみまして、漁業経営の安定、漁場の整備確保等に努め、これらをあわせて国民食糧の安定確保を図ることといたしておる、こういうことでございます。
○瀬野委員 そうしますと、この総合食糧政策というのは、呼び名のとおり懸念される食糧危機に十分対応でき得るところの総合的な食糧政策、こういうふうに理解していいですか。
○安倍国務大臣 世界的な食糧情勢というものは、数年前までのような世界的に食糧がだぶついておったというふうな時代が終わって、今後は逼迫の基調に世界的にも入ってくるだろう、こういうものを背景にいたしまして、この総合食糧政策を打ち出したわけでございます。
○瀬野委員 所信表明でも自給率のことを大臣いろいろ表明されましたが、二年目を迎えた大臣の攻めの農政で、従来の総合農政から総合食糧政策ということで、大臣はかなり強力な打ち出しをしたというふうにおっしゃっているが、果たしてどれだけの自給率が上がるか、そういう点はどういうように見通しておられますか。
○安倍国務大臣 これはよく御存じのとおり「農産物の需要と生産の長期見通し」に基づきまして昭和六十年を目標にいたしました試算をいたしておるわけでございますが、それによりますと、現在七一、二%という自給率でございますが、これを七五%に持っていくということをわれわれは目標といたしておるわけでございます。
○瀬野委員 時間の制約があるので多少端折ってお伺いしていきますけれども、この総合食糧政策は、要するに過去の総合農政における政策を基本的に転換するものとなっているかどうか、こういったことを私はいろいろ疑問に思うわけでございます。たとえば米の生産調整や買い入れ制限が日本の農業をいかに荒廃させるものであったかは、過去の歴史を見ても明白な事実となっておりますが、これはいずれも総合食糧政策の中でも引き継がれておるわけでございます。言いかえるとそれを確認するためのものであると言っても過言ではない、私は中身を見ましてかように評価しているわけでございます。したがって、この総合食糧政策で基本的に転換できるかどうかまことに疑問でございます。 その辺も、二年目の攻めの農政と言われた農林大臣、あなたは一年がかりで苦心して、そして政策を考え、今回の予算編成に臨んだということで所信表明がありました。そういった意味から果たして基本的に転換できるかどうか。その辺の心構え、決意のほどをさらにお伺いしておきたい。
○安倍国務大臣 米につきましてはやはり依然として過剰な基調が続いておる、こういうことでございますので、今回は水田総合利用対策を三年間にわたって推進するということで、新しく増産を要請されておるところの作物の生産のための稲作転換対策等も行って、需給のバランスのとれた米の生産体制につくり上げていきたいと思うわけでございます。 同時に、米の在庫積み増し等につきましては、やはり今日の食糧事情を反映して、今後三年間にわたって、われわれとしては二百万トンの在庫積み増しを行うということを基本として考えておるわけであります。
○瀬野委員 農林大臣は米の生産調整のことを申されましたが、この総合食糧政策を見ましても、従来の生産調整政策を水田総合利用政策というように看板を塗りかえておる、こういうふうに私は見ておるわけです。今後三年間継続して生産調整を行うというのにすぎないわけでございまして、相変らず米切り捨て政策を踏襲しているものである、かように申し上げたいわけであります。そういう意味で大臣は、生産調整政策を水田総合利用政策に看板を塗りかえた、こういう私の指摘に対してはどういうように見解をお述べになりますか、お答えをいただきたい。
○安倍国務大臣 先ほどから申し上げますように、米が過剰基調にあるということは現実の問題でございます。この米の過剰基調をそのまま続けていくと、そうして過去のような生産調整のない米づくりが行われるということになれば、これはかつて昭和四十七年時代にわれわれが直面をいたしたような農政の危機を迎えることはもう火を見るよりも明らかでございまして、これは決して生産者のためにもならない。ですから、やはり米の生産というものは需給のバランスのとれた生産ということが国民のためにもまた農村のためにも必要である、こういうふうな考え方から、米につきましては水田総合利用対策という、水田の総合利用という中にあって米のバランスのとれた需給体制をつくり上げるためにいろいろの施策をあわせて総合的に実施をしようという考えでございます。
○瀬野委員 総合食糧政策は、いま大臣もるるお述べになりましたが、結局は米農政から米切り捨て政策ということになっているわけでございまして、その証拠として、私は今回の予算を見てみましても、政府の方針がはっきりとあらわれている一つの例として食管会計の合理化を指摘せざるを得ません。 農林予算は大きく分けますと、食糧管理費、公共事業、一般事業、この三つになると思うのですが、昨年までは食管の伸びが比較的著しかったのですが、しかしことしは食管の伸びがゼロに抑えられ、その抑えられた分だけ他の公共、一般事業に振り向けられているというような形になっております。農林予算に占める食管の割合は前年四一・七%だったのが、ことしは三七%と低下しておることは御承知のとおりです。私は、農林省は今後ともこの食管については抑えていく考えなのか、食糧管理をなぜこういうふうに抑えられたか、さらに食糧管理費についてこれ以上ふやさないという方針でいかれるのか、その点を大臣から明快にお答えをいただきたいと思う。
○安倍国務大臣 私は、食管制度につきましては基本的にこれを堅持していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございますが、この食管制度の健全な運営のためには、やはり今日の米麦の逆ざや現象というものは健全であるとは考えていないわけでありまして、なるべく逆ざやを段階的に解消していくことは、当然われわれの責任において行わなければならない、そういうふうに考えてこれを進めておるわけでございます。この食管の逆ざやの解消が進むにつれまして食管の予算というものは減少をしていくわけでございます。それに反比例して農政の占める割合というものも漸次増大をしていくということで、積極的な農政につながっていくものであると私は考えております。
○瀬野委員 これは細かく詰めておると時間もかかるわけですが、先ほど総合食糧政策について、大臣はずいぶん時代も変わってきた、高度成長時代と違っておるし、国民的課題であるというようなことでいろいろ申されたが、私はここであえてお聞きしておきたいのですけれども、この農業基本法の問題でございますけれども、いまいろいろな食糧政策の方のことで御答弁ございましたが、確かに一時期を過ぎて、またこういう次の段階へ入るというような感じがしてなりませんが、せんだって、中曾根自民党幹事長が、たしか二月の二十六日ごろだったと思いますけれども、農業団体との懇談会で、昨年暮れに続いて再び農業基本法は改正の時期に来ている、こういうように発言をしております。これについて安倍農林大臣は、たしか同じ日だったと思いますけれども、記者会見をされて、慎重に扱うべきだと繰り返し従来からおっしゃっていることを申されたように記憶しておりますが、この農業基本法の改正の必要性、これは従来どおり否定されるのか、将来ともその考えはないのか。この農業基本法の改正については、これはもう政調会長も昨年いろいろ発言した経緯もあるし、いろいろな立場の意見を聞いても当然だ。大臣は、農業基本法を変えても、中身が変わらなければどうしようもない、農業基本法が変わったからすぐ中身が変わるんじゃないとおっしゃる。そういうことであれば、これは法律があったってしようがない。法律はあっても法律どおりやらないということになると、これはもう大変なことになる。やはり私は先ほどからいわゆる総合食糧政策の問題、水田の裏作の問題とかいろいろ考えて予算を組んで大きく変貌する、大臣みずからも高度成長時代からずいぶん時代が変わって国民的課題である、こういうようにおっしゃっておる。そういった面から、私はやはりこんなことに何も感情的になっておられるわけでもないと思いますけれども、こういった問題についてはやはり真剣に取り組んで、すぐにできないにしても検討をし、そして早い機会に農業基本法の改正ということを大臣の手で大きく、やはり農業の憲法と言われる基本法を改正していく、こういう腹構えはあって当然じゃないか、かように思うのですけれども、その辺について大臣の御見解はどうですか、さらにお伺いしておきたい。
○安倍国務大臣 私は、農業基本法の制定に参画をした一人でございますけれども、あの農業基本法ができるに当たりましては、われわれの先輩が外国の法制の研究をいたし、あるいはまたわが国の農業のあり方についてもずいぶん長い間の年月をかけまして調査研究をいたしました結果、あの農業基本法が生まれたわけでございます。したがって、私はこの農業基本法というものはまさに農政の憲法であるというふうに考えておりますし、この農業基本法の条文をいま読んでみましても、農業基本法の条文あるいは精神というものは、基本的には今日においても適合性を持っておるというふうに私は判断をいたしておるわけでございます。したがって、農業の憲法でございますから、そう簡単に変えるとか変えないとか言えるものではないんじゃないか、慎重に取り扱わなければならぬ問題であるというふうに思うわけでございますが、ただ、時代がずっとその後変化をし、農業の実情等もいろいろと変化をしておることも事実でございますので、これについては農業基本法のもとに農政の運営につきましては、時代に適した運営をしていかなければならぬということで、先ほどから申し上げましたように、昨年一年かかりまして「総合食糧政策の展開」と称する基本政策を打ち出して、これからの時代に適合した農業の運営、農政の運営を図っていくというのが私の基本的な考え方でございます。したがって、いま直ちにこれはもう農業基本法そのものを改正しなければならないというふうには考えておりません。 それから、中曾根幹事長が農業基本法の改正を言われたわけでございますが、これはどういう気持ちで発言なさったかわかりませんが、私の属しておる自由民主党の機関におきましても農業基本法の改正問題を取り上げておるというふうには聞いておらないわけでございますし、これはそう簡単に扱うべき筋合いのものではないだろう、私はそういうふうに考えるわけでございます。ただ、法律はやはり時代というものを見越して一つの研究をしていく、法律の改善、改正等について研究をしていくということは、これは当然のことでもあろうと思いますが、先ほどからしばしば申し上げますように、農業基本法を現在の段階において変える必要はないと私は考えております。
○瀬野委員 農業基本法については、これは根本的な問題でありますので、また別途論議する時間をとって大臣に伺うことにしまして、次に農業基盤整備のことで一点伺っておきたいと思います。 農業基盤整備は前年まで抑えられておったわけですけれども、これは公共事業抑制、総需要の抑制ということでやむを得ない事情もございましたが、今回は二一・六%と国の公共事業の伸び率を上回っております。これは事実であります。土地改良事業は、いままでのおくれを取り戻してやっと平年ベースになったと一応言えるということであろうかと思いますが、農業生産の基礎が基盤整備であるだけに、食糧供給政策に政府が力を入れようという意欲は、われわれもこの厳しい予算の中では一応くみ取っております。だが、苦しい地方財政のもとで、県、市町村は財政負担が伴うものを喜んで引き受けるものかどうかという心配が最近、また数年前からだんだん多くなってきておりまして、大変心配をいたしております。各県の土地改良の要請でも、団体営、国営ならばよいけれども県営は困る、こういう意見が多くなっておるのも事実であります。 また一方では、農業基盤整備事業に来年から新しく起債が使えるようになったということで一応喜びはするものの、この起債も借金であることには変わりありませんから、それだけに国が予算を計上したものを消化し得るかどうかということで、この辺が大変地方の心配の要素になっております。こういう点について大臣はどういう見通しを持っておられるか。農業の基盤整備は重大な仕事でありますが、この点について所信表明の中でもいろいろ触れられましたが、ひとつ御所信を承っておきたい、かように思います。
○安倍国務大臣 いま地方財政が大変逼迫をしておることは事実でございます。したがって、国が事業をする場合に、そうした逼迫の情勢にあるところの地方財政がこれに伴わないということになれば、せっかくの予算をつけても実効が伴わないということにも通ずるわけでございます。そうした点を政府としても十分配慮いたしまして、特に農林漁業の公共事業等は非常に重要であるという判断のもとに、農林漁業関係の公共事業については九五%まで適債事業として認めるということになったわけでございますので、私は今後の予算の実施、執行に当たっては支障は来さない、こういうふうに考えておるわけであります。
○瀬野委員 そこで、一つの例を提起して大臣にお伺いしますが、事業の停滞で問題になっている熊本県の国営羊角湾総合農地開発事業は、御承知のように熊本県天草郡河浦町に面した羊角湾を締め切って、干拓地百四十八・八六ヘクタールと淡水湖二百三十八ヘクタールを造成、さらに河浦町及び隣接の牛深市にまたがる傾斜地を切り開いてミカン団地を造成し、そこに淡水湖の水をポンプアップして灌水するというものであります。従来農家一戸当たりの平均耕作面積は〇・五九ヘクタールという生産性の低い同地区にとって、干拓農地と水を一挙に得ることができ、さらに未利用地の急傾斜地まで開発され、ミカン園が造成されるという計画でありますが、昭和四十三年に国営開拓パイロット事業として発足したのですけれども、後に総合農地開発事業に名称は変更されております。本格的に始まったこの事業が、その後漁業補償のもつれから八年も経過した現在、計画の重要なポイントであり、目玉でもあった湾の締め切り工事すなわち締め切り堤防工事は中止されたのであります。そこで暗礁に乗り上げて今日に至っておりますが、このため事業計画は大幅な遅れとなり、当初の完了予定の五十一年に入っても工事の進捗率は四〇%、このままでは早くても五十四年まではかかるという事態に陥っているのでございます。そこで農地造成は九百七十七ヘクタールの計画に対しまして三分の一の三百七十ヘクタールにとどまり、ミカンの不振などの事情で、当初千三百七十戸の事業参加者が現在百六十六戸に激減している実情にあります。このため事業参加農家は負担金問題等この事業に対して大きな不安を抱いておるわけで、この事業を重視した公明党では、昨年十二月から全農家を対象に、戸別アンケート方式による家庭訪問調査を行い、私も去る一月十七日、二月十四日の二回にわたり現地を調査いたしてまいりました。またこの二月十二日には、安倍農林大臣にこの件で申し入れも行ったところでありますが、この事業の参加農家の救済を基本として諸問題を解決し、事業を早期に完成させる必要があると考えておるわけですが、大臣もこのことは十分承知の事業でありますが、農林大臣としての基本的な考え方をまず承りたいのであります。
○安倍国務大臣 国営羊角湾総合農地開発事業につきましては温州ミカンの不振などの事情から事業推進上種々問題が生じており、また農業用水確保のための締め切り堤防工事が、漁業補償問題が未解決であるために中断をしていることは事実でございます。目下これらの問題を解決するために努力をしておるわけでございます。農地開発につきましては温州ミカンの新規植栽を抑制している事情もあることから事業参加農家、関係市町並びに関係県当局と協議してできるだけ地域農業の発展と関係農家の経営改善が図られるよう事業計画を大幅に変更し、早急に事業を完成させたいと考えております。そのためには諸問題、特に漁業補償問題は関係者も多く、むずかしい面もあるわけでございますが、誠意を持って積極的に折衝し、円満に解決するよう努力する所存でございます。
○瀬野委員 現在までの農地造成面積は三百七十ヘクタールであるが、昭和四十九年十月二十八日付四九農蚕第六五〇五号によって、農林経済局長、構造改善局長、農蚕園芸局長連名通達で「温州ミカンの新規植栽の抑制について」という、すなわち抑制通達というものが出されたことは御承知のとおりでございますが、これによってこれ以上ミカン植栽がこの羊角湾パイロット事業ではふえることはもう考えられないということで、昭和四十五年からのミカン過剰時代を迎えて国営事業の現地では大変心配をいたしております。したがって本国営事業の資格を失うのではないかということで現地の関係者は大変に心配をし、政府の方針でこのような計画にそごを来すことになったのであるから、かつまた離島で特殊な地域でもあるということから、何とか国営事業の基準面積五百ヘクタールは特例的に引き下げていただきたい、こういう意見が強いわけですが、これに対して大臣のお考えを述べていただきたい。
○岡安政府委員 御指摘のとおり最近におきますミカンの生産事情を考えまして、御指摘のような通達が出ているわけでございます。そこで、すでに着工をいたしております地区につきましてミカンを計画的につくるという場合は、極力他の作物に転換または削減するように地元と調整中でございます。その調整の結果、地形上の問題とかその他の状況によりまして、五百ヘクタールというような規模が確保されないような場合には、特例といたしまして三百ヘクタール以上の面積が確保できれば国営事業として継続実施するというようなことといたしまして、すでに五十年九月二日付で通達をいたしておりますので、この地区につきましてもそういうような取り扱いで処理をいたしたいというふうに思っております。
○瀬野委員 事業規模が縮小され、そして参加農家が減少するということになっております関係から、受益者負担金が増大するのではないかということで、現在地元の入植している百六十六戸の皆さん方は大変心配しております。営農が続けられなくなるのじゃないかということで、これまた地元の不安を高めておるわけであります。したがってこの受益者負担を最小限度に抑える必要があると考えるわけですが、この点についても特段の農林省の配慮をひとつお願いしたいと思うのですが、農林省の御見解を承りたいのであります。
○岡安政府委員 御指摘のとおりこの地区は九百七十七ヘクタールのミカン園の造成ということと、あわせて三百十八ヘクタールの既存畑地の畑地灌漑を実施するということで発足をいたしたわけでございますが、ミカン園の造成は大体これは縮小をいたしまして、農地の造成は三百七十ヘクタール程度、それから周辺の既存畑地に対する畑地灌漑は中止をするというような方向で、現在計画変更を考えております。したがいまして、このように事業規模を縮小いたしますと、道路とか水源施設等の経費が割高となる、その結果受益者の負担が増大するということも考えられますので、まず第一は先ほど申し上げましたとおり国営事業としてこれを存続するということによりまして、受益者の負担が増高しないように配慮をすることと、それ以外の点につきましては関係の県それから市町ともよく相談をいたしまして、できるだけ受益者の負担が軽減されるように相談してまいりたいというふうに思っております。
○瀬野委員 わが党のアンケート調査によりましても明日になりましたように、また大臣にもその結果は申し上げましたが、農地造成面積の三分の一に相当する百二十ヘクタールの農地は現在何も作付されないままになっております。作目の選定などをもっと積極的に指導、助成していただきたいというのが現地の切なる願いでありますが、この点について政府はどういうふうに対処されますか。
○岡安政府委員 造成されました三百七十ヘクタールのうちで何も植わっていないという未植栽の面積は、昨年末では確かに百二十ヘクタール余りでございましたけれども、最近のといいますか、五十一年の一月末で私どもが調査いたしました結果は、九十四・八ヘクタールというふうに考えております。この未植栽地につきましては、現在熊本県とそれから関係市町と関係の農協が中心になりまして、引き続き何を植えるべきかということの相談をいたしておりますが、現在花木とかクリというものを導入したらどうかということを、地元の関係者と相談を進めている最中でございます。この地区につきましては御指摘のとおりミカンをつくる予定でございましたけれども、他の作物に転換をするということが必要になりましたので、特に営農指導につきましては積極的な指導が行われる必要があるわけでございまして、熊本県その他と営農指導につきまして十分今後とも相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 本事業は、農業用水の早期確保ができなければ画竜点睛を欠くということになるわけで、その要望が強いことは言うまでもありません。すなわち、この計画の目玉である締め切り堤防工事が中止されておるわけで、またこの理由というものが漁業補償問題のもつれ等でございます。先ほどから大臣からも話があったとおりでありますが、この漁業補償問題の早急な解決が迫られておるわけですけれども、これについては多少時間もかかるんじゃないかと思いますが、いずれにしてもできるだけ早くこれを解決し、また所期の目的を達するということが重要であります。この漁業補償問題は緊急課題である、このように考えておりますけれども、この点の見通しについては農林省としてはどういうように見ておられるか、見解を承りたい。
○岡安政府委員 干拓地の造成並びに淡水化によります水源の確保のためにはやはり漁業補償問題を早期に解決する必要があるわけでございますが、これは先生十分御承知と思いますけれども、現在漁業協同組合の内部が数派に分かれておりまして、それぞれいろいろな主張をいたしているわけでございます。したがって、私ども一生懸命相談をし、解決をいたしたいと思っておりますけれども、なかなかまとまらないので工事は実質的に中断をしているということでございます。しかし私どもはやはり干拓地の造成もさることながら水源の確保のためには締め切りがどうしても必要であるというふうに考えておりますので、またそういうような地元の農家も強い要請をいたしておりますので、できるだけ早くこの補償問題を解決いたしまして、円満に事業が進めるように努力をいたしたいというふうに思っております。
○瀬野委員 そこで、もう一点伺っておきますが、本事業は、ミカンの抑制等の諸問題の関係から事業の基準面積が、先ほど岡安構造改善局長から明らかにされましたように三百ヘクタール以上あればよい、いわゆる基準面積の六割ということになるわけでありますが、そうしますと、国営パイロット事業として今後も遂行していくということでありますが、一日も早く本事業を完成させるということが望まれるわけです。われわれも早くこの問題については決着をつけるべきだと、かように地元でも申しておるわけでございますが、早急に事業計画を変更し、事業の円滑なる推進を図るように指導をしていかなければならぬのじゃないか、かように思うわけですけれども、これに対して当局はどういうふうに考えておられるか、これをあわせてひとつお伺いしたい。
○岡安政府委員 先ほど大臣その他から、私からも申し上げましたような方針で進むことに決まっておりますので、早急に県それから地元の市町それから地元の農家の方々と御相談をいたしまして計画変更を実施いたしたいと思っております。
○瀬野委員 農林大臣、いまの件について、地元から計画変更が出たならばひとつ早急にこれを許可して、ひとつ早急な解決を図るように努力していただきたいと思いますが、農林大臣のお考えをひとつ承っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 先ほど私が基本的な考え方を申し上げましたような方向で今後とも努力をいたします。
○瀬野委員 時間が詰まってきましたので、農地問題、備蓄問題、林業関係等に触れる予定でしたけれども、次回に譲りまして、あと若干質問をしていきたいと思います。 次に、生糸の問題でお伺いするわけですけれども、養蚕農家が年々減少しておることはもう御承知のとおりです。緊急な問題として生糸のことについてお伺いするわけでありますが、御承知のように中国は絹織物については五十年十一月七日事前確認制でもってきておりまして、これは五十年の十一月と十二月の約束でありますけれども、いまだにこれが続いている関係から中国は不満が強い、こういうことが言われておりますし、また絹撚糸について韓国は、五十年九月二十六日事前許可制となって、これまた五十年の九月から十月の二カ月の約束であったにもかかわらず今日まで続いているということで不満であるというようなことが言われております。さらに絹撚糸は世界全域を対象として五十一年二月二十六日より事前確認制ということをとっておられるわけであります。これは、言わなくても農林省は十分御承知のとおりでありますが、この事前確認制のねらいというものと実際の効果の見通し、これをまずお伺いしたいわけです。というのは、明らかに輸入制限を目的とした事前許可制と違い、本来輸入監視を目的としたもので、強制力はないわけです。だからどうしてもこういったこそくな手段では私は相ならぬ。日本の養蚕農家を守るためにも、国家的伝統産業である養蚕の壊滅を防ぐためにも私は国内立法でやるべきだ、かように叫んでおるわけですが、この辺についてまず当局の御見解を承りたい。
○澤邊政府委員 世界的な生糸の過剰下におきまして韓国からの撚糸、絹撚糸、中国からの絹織物の輸入が昨年急増いたしまして、このままでは織物業者も困りますけれども、繭糸価格安定制度、生糸の一元輸入制度が空洞化するというような心配がございまして、政府部内で関係省と話し合って輸入の秩序化につきまして、生糸から絹撚糸、絹織物を通ずる総合的な絹製品の輸入の秩序化につきまして種々検討をしてまいっておるわけでございますが、その一環といたしまして、御指摘ございましたような撚糸についての事前許可制が九月の下旬から韓国について行われておる。それから二月二十六日から韓国以外の全地域に対して絹撚糸について事前確認制が適用された。また一部の絹織物につきまして事前確認制が十一月の初旬からとられておる。これは中国からの輸入についてとられておるわけでございます。これは通産省が貿管令に基づきましてとっておる措置でございまして、確かにこれで割り当て制度のごとき厳正な数量規制ができるというような制度ではございませんけれども、行政指導とあわせまして、事実上輸入の計画化といいますか秩序化といいますか、そういうようなことを図っておるわけでございます。われわれといたしましては、現在のような生糸の世界的な過剰傾向はなおしばらく続くということでございますので、繭糸価格安定制度を守り、養蚕農家あるいは製糸の立場を擁護するという意味からいたしまして、生糸から絹織物まで至る全体を包括した輸入秩序化のためのさらに強い措置が必要ではないかということで、関係省の間で現在検討を進めておるところでございます。
○瀬野委員 この事前確認制よりももっと根本的な対策としてわが国の生糸、絹製品輸入の八割を占める韓国、中国と二国間協定を結び、生糸と絹製品をひっくるめた数量規制を実施したいというような考えのようでありますが、この方針に沿って、通産、農林の代表者が一月末から二月初めにかけて中国、韓国を訪問し、すでに打診を始めておられるわけですけれども、これまで二回にわたっての交渉経過、内容、また中国、韓国の意向を、参考に、時間もございませんので、簡潔でいいですから、お伺いしたいのであります。
○澤邊政府委員 一月末から二月上旬にかけまして中国、韓国と第一回の交渉をやったわけでございます。近く第二回が行われる見込みでございます。 第一回では基本的な事項につきまして話し合いを始めたわけでございます。その前提といたしまして、わが国におけるあるいは中国なり韓国における需給事情の説明、それから基本的な事項について第一回の打ち合わせをしたわけで、具体的な数量規制の問題にはもちろんまだ入っておりません。 基本的な事項の中でなお問題になっておりますのは、最終的に何らかの取り決めを行います場合 の当事者にだれがなるのか、政府自身がなるのか、民間団体がなるのかということが中国との交渉においてはなお未解決の点がございます。韓国につきましては、私どもが主張しております、日本側の主張しております生糸から絹撚糸、絹織物まで全体を含めた輸入の秩序化、計画化とその数量を取り決めるというようなことについて、必ずしも韓国側が賛成をしておらない、絹織物を全面的に含めることについてなお異議あり、異論がある、こういうような状態でございます。今後国内的な措置とあわせまして、やはり輸出国と円満にこの問題を解決するためには、できるだけ話し合いを続けていきたいというふうに考えております。
○瀬野委員 そこで、政府はこうした輸入規制強化に踏み切るほかになくなったというのは、私たちが察するところ、昭和五十一年度の国内基準糸価の決定時期を控えて、一つには今年五月末で期限が来る生糸一元輸入を永久化せよという要請がなされておりますし、二つには絹撚糸を新たに一元輸入の対象にせよ、三つには絹織物について輸入制限措置をとれということが叫ばれておるわけです。ということで、そのための繭糸価格安定法一部改正の議員立法の動きが出ておりますし、私も昨年来再三にわたって言っておりますが、自民党もまだ蚕糸懇話会等でも意見がまとまっていないようですけれども、これは農林委員の一致した意見でありまして、ぜひとも議員立法を早くやらなければならぬ、かように思っておるところです。もしこのような輸入規制立法が通ると、関税貿易一般協定、すなわちガットですね。この違反はもとより、加工貿易立国の立場上、わが国が国是としている自由貿易の原則をみずから破ることだということで、このため政府としてはガット違反にならない事前承認制と二国間協定による数量取り決めによって切り抜けようとしておられるのではないか、こういう批判が高まりつつあるわけですけれども、これに対してはどういうように当局は御見解をお持ちですか承りたい。
○澤邊政府委員 御指摘のように政府部内並びに与党内部におきまして、生糸から絹織物に至るまで輸入の秩序化といいますか、数量を計画的にするという点につきましての対策の検討が進んでおるわけでございますが、まだ結論に至っておらないわけでございます。われわれといたしましては、やはりガットその他の対外的な関係もございますので、相手との話し合いも進めながら、国内措置といたしましても正面からガット規約にぶつかるというような方法をできるだけ避けながらやっていく必要があるというふうには考えておるわけでございます。 現在行っております生糸の一元輸入措置、この一元輸入ということは輸入禁止ということではございませんので、国家貿易の一種でございますけれども、ガットの条項にもろにぶつかるというような性格のものではないというふうに理解しております。それらの対策の継続等含めましで、現在検討いたしておるわけでございます。
○瀬野委員 養蚕農家は昭和五十一年度の繭糸価格安定法に基づく基準繭価は、最低キロ当たり二千円以上にせよと悲痛な叫びを訴えております。また、三月中旬には全国大会が開かれるということで準備が進められておりますけれども、国家的産業を壊滅させるなとわれわれは叫んでおるわけです。こそくな手段ではいけない、これは国内立法で絶対やらなければいかぬということで、われわれも議員立法の準備を急いでおりますが、いずれにしてもこれまで政府の措置というのは、事前承認制にしても二国間協定にしても、つけ焼き刃的発想であり、危機に直面しているわが国伝統の養蚕業を抜本的に救済するという方途とは思われません。 そこで大臣に伺いたいのですが、先ほども述べましたように、法的制限措置を盛り込んだ繭糸価格安定法の一部改正、これはぜひとも議員立法としてやる考えでわれわれはおりますが、大臣としては、養蚕農家を守るためにこれに対する大臣の考えはどうであるか承りたいのであります。
○安倍国務大臣 先ほどからしばしば局長が申し上げましたように、今日の生糸につきましては法律に基づくところの一元化輸入措置が講じられておるわけでありますが、しかし撚糸であるとかあるいは絹織物については大きな問題が生じております。したがって、こうした撚糸、絹織物についても輸入の秩序化を図るということで、いま農林省としても各省と相談をしながら、外交交渉等も行いまして懸命に努力をいたしておるわけでございます。 一方、国内特に国会におきまして、こうした秩序化の進度というものが思うように進まないというふうなことから、議員立法によってもこの輸入の規制措置をとらなければならなぬというふうな動きがあるわけでございます。われわれとしては、養蚕農家を守り、そして生糸輸入、撚糸あるいは絹織物の輸入の秩序化ということをこいねがっておるわけでございますので、そういう立場からこの議員立法の行方をいま見守っておるところでございます。
○瀬野委員 大臣、もう一点。この特定輸入絹織物への課徴金制度の問題があるわけですが、詳しく申しませんが、通産省との関係でなかなか大変だ、昔のように農商務省の時代ならば簡単に解決できたと私は思うのですけれども、セクト主義でなかなかむずかしい点があるようです。私たちはこの課徴金問題については断固反対しておりますが、これに対して大臣はどう考えておられるか、時間もございませんので、端的にひとつお答えいただきたい。
○安倍国務大臣 そういう意見が通産省等であるようでございますが、私としては詳しくまだ聞いておらないということでございまして、先ほどから申し上げましたような基本方向で私は進みたいというふうに思っておるわけであります。
○瀬野委員 最後にもう一点、はしょってお伺いしてみたいと思いますが、沖繩農業の問題で、せんだって公明党沖繩県本部が、沖繩全域当たり農業経営実態意識調査をいたしました。昨年十一月二十日から十二月三十一日まで四十一日間、延べ二千名をもって、四千戸農家に十四項目についてアンケート方式による聞き取り調査を行ったわけです。現在の農政に対する不満は九一%に達しており、また経営が成り立たない、生産保障がないという理由で、将来農業をもとに生計を立てたくないと希望している農家が五七%も占めていることが明らかになりました。農業従事者の深刻な不安を浮き彫りにしたものでありまして、沖繩農業の将来が憂慮されておるところでございます。 大臣も一月十八日海洋博の閉会式に出られて、沖繩の一端を視察してこられたわけでありますが、沖繩農業はわれわれも手厚い保護をして、また育成を図っていかなければならぬ、かように思っております。この農業経営実態意識調査に基づいて去る二月二十四日安倍農林大臣に申し入れを行っていろいろと陳情申し上げたわけですが、これについてどう評価されておるか、またお考えがあれば述べていただきたい。 そこで、これと関連して、実は沖繩の、その申し入れの際にも申しましたように、また現在キビ作農家が、キビをつくってもメーカーが買わないということで、砂糖業界は大変な混乱が起きつつあります。これは海外相場が原糖よりもキビが高い、またメーカーに金がない、資金繰りがないという理由、それからまた消費が減って、消費拡大が大変いま困難な状態にあるというようなこと等もございまして、キビをつくってもメーカーが買わないという問題で大変危機に直面しております。時間がないのではしょって申しますが、農林省は五月、支持価格をキロ二百九十五円で決めたが、現在市価はキロ二百三十円でございまして、ゆえに安いからメーカーは買わないというようなことが起きております。 そこで私が申し上げたいのは、砂糖の価格安定等に関する法律及び甘味資源特別措置法についてぜひひとつ改正をせねばならぬ、こういう時期に来ているというように思うのです。たとえば糖価安定資金を国庫から大幅に支出するとか、それから原糖輸入量、製品の供給量、製糖設備の計画的調整を図るため、労働者、農民、消費者等を含めた需給協議会をつくる、こういうようなこと。それから砂糖行政を統一的に進める機能を持たせる。さらには甘味資源作物の最低生産者価格算定方式をパリティー方式から生所方式にかえる、こういった問題、いろいろあるわけです。こういったことについて、糖安法の改正ということをぜひ考えてもらいたい。 それからもう一つは、いま糖業関係でも、沖繩でも中部製糖第二工場が六十人の首切り、または明治製糖の川崎工場でも二百二十人の首切りが始まるということで、実は大変農家も、また製糖関係も心配しております。これはどうしてかといいますと、簡単に申しますと、消費者に適正な価格で安定供給することが不可能になってくるというような動きがだんだん強くなっておりまして、すなわち商社は、ブラジル、オーストラリア等から原糖を買う場合に長期契約をしているから、メーカーは商社を通じて買う以外に道がないということになります。こうなると、商社は販売権を持つことになる。さらに入り口と出口を支配するから、勝手に価格が決められる。端的に申すと、砂糖パニックが起きる可能性が起きてくるということで、大変憂慮すべき状態になっております。まあロッキード事件で丸紅が大変いま問題になっておりますが、この丸紅のいろんな全資料等を私からも要求しておきますが、ぜひひとつこの商社の実態をつかんでいただいて、農林省はよく指導してもらわなければいかぬ、かように思うわけです。現に商社の支配というのがいまたくさん動きがございまして、もう御承知かと思いますけれども、昨年末から年始にかけてジャーナリズムは、糖業、砂糖業界の苦況と商社を中心とする再編成構想ニュースをはでに報じておったのであります。そこで三井、三菱グループも内部編成を固め、日商岩井、丸紅、伊藤忠、三社の提携と系列化の企業グループなどが固まりつつありまして、こうなってきますと、いよいよカルテルの支配ということになってきます。こうなるともう大変な問題になってきて、これはひいては生産農家も、北海道のビートにしても沖繩のサトウキビにしても、大変な苦況に立たされるということになりますので、大臣としてもぜひともひとつこの製糖業界の危機、沖繩、鹿児島県の甘蔗糖企業の危機でございますので、ビート糖企業を救うためにも、農民の危機を救うためにも、原料高の製品安である現状をぜひとも踏まえて、こういった合理化攻撃を許すことはできませんので、甘味問題についての対策を十分やってもらいたい。沖繩のサトウキビ農家を守るためにも農林省はこの点を十分踏まえて、こういった対策または方策を講じていただきたいというのが私の願いであります。 時間がございませんでしたので少し時間を超過して恐縮ですけれども、いま沖繩のアンケート調査の問題とサトウキビの問題をはしょって若干の点を申し上げましたが、大臣の方からこれらに対する決意のほどを述べていただいて、細部はまたいずれ機会を見て詳しく質問するということで、予定の通告をしておりましたのでお答えをいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 過日公明党沖繩県本部長から、沖繩農業の経営実態意識調査の結果を踏まえて六項目の申し入れをいただいたところでございます。 政府としては、沖繩の本土復帰以来、著しく立ちおくれた農業生産基盤の整備と経営流通の近代化に重点を置いて手厚い施策を広範に推進してきたところでございますが、復帰以来日も浅く、現在でもサトウキビ、パイナップル産業及び畜産等、沖繩農業をめぐる情勢は依然として厳しい事情にございます。農林省としても、これまで沖繩関係予算の確保に努めるとともに補助率の優遇、事業採択の緩和等の運用を行ってきたところでありますが、右のような事情も十分考慮して、特に沖繩海洋博が終わったいま、現地では農業を見直す機運が出ておると聞いておりますので、申し入れの趣旨も体して、農業振興に一層努めてまいりたいと思うわけでございます。 なおサトウキビの生産者とメーカーのトラブルがあるようなお話でございますが、現在農家よりのキビの引き取りに支障のある問題は起こっておらないというふうに聞いております。 また糖安法、甘味資源法を改正すべきではないかという御意見でございますが、現時点では法律改正を行う考えはございませんが、しかし近年の情勢の変化も見られるところでございますので、今後の甘味資源対策の円滑な推進を期する観点から、現行糖安制度の見直しをも含めて検討を、広く学識経験者の御意見も踏まえつつ行うことにしたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、大商社による砂糖の分割支配の動きがあるが、どうかという御指摘でございますが、現在精製糖業界が非常に不振でございますが、この不振を克服するために商社を中心とした業界の再編が効率的であるという見方が業界関係者の間にはあるわけでございますが、しかしこの種の問題は本来業界の自主的判断にまつべき面も多いと考えております。しかし、精製糖業界はこれまでその合理化が進んでいない面もございますし、今後の糖業政策推進の上で業界構造の改善を図ることが不可欠であると思われるので、これらの動向にも十分注意しつつ適切に対処してまいりたいと考えております。
○瀬野委員 細部はまた機会を見てやることにいたしまして、以上で終わります。 御協力ありがとうございました。
○湊委員長 以上で、本日予定された質疑は終了いたしました。 次回は、明三日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十七分散会