逓信委員会 第6号
- 発言数
- 360 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/06
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。 この際、村上郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村上郵政大臣。
○村上国務大臣 日本放送協会の昭和五十一年度予算につきましては、放送法第三十七条の二の規定に基づき、さきに四月一日から四月三十日までの期間に係る暫定収支予算等を認可し、先般その旨国会に御報告申し上げたところもありますが、昭和五十一年度収支予算等が五月一日までに国会の御承認を受けることができませんでしたので、さきの暫定収支予算等を五月二十四日までの期間に係るものとする暫定補正収支予算等を認可いたしました。このことにつきましては、現在国会に御報告申し上げるよう取り運び中でありますが、この機会に一言申し述べさせていただいた次第であります。 —————————————
○伊藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 大変重大な時期に、また、厳しい環境の中で、久しぶりにといいますか、八年ぶりの料金改正というような重大問題を審議することとなりまして、大変深い責任感に打たれながら、改めて勉強をしてみたのでありますが、余り問題が複雑微妙の状況の中で、大幅な値上げに取り組まなければならないというような事態の中で、加えて、ただいま大臣から御報告もありましたような異常な暫定予算で新年度を出発しなければならないようなことになりまして、改めて事態の重大さを思わざるを得ないのであります。そこで私は、いろいろちょうだいしました資料または自分で集めました資料などを参考にいたしましてあれこれと思いをめぐらし、国民一般の要望にこたえながら、かつまた、問題になります値上げなどの社会的影響を幾らかでも緩和しなければならない私どもの立場からいたしまして、名案もがなと思って乏しい頭をしぼったのであります。しかし、なかなかそういうわけにはまいりません。といいますのは、私もこのところしばらく不勉強、横着をいたしておったわけでありますから。そうしていろいろと迷路に入りながら抜け道をなどと思っております間に、行き詰まったらば原点へ一応返れなどという、そうしたことにおける常道に思い至りまして、原点から始めてみました。そうしたところが、一つ大変子供じみた問題にぶつかってしまって、そんなところで低迷してしまったのでありますが、郵政大臣の今回の案に対する意見の中に「国民の負担する受信料を基盤として」NHKの経営はなされておる、こういう言葉があるのであります。これはあるいは従来ずっと使ってこられたのかもしれませんけれども、私何かひょっと思いまして、国民の負担するのか受信契約者の負担するのか。国民の負託にこたえて国民の放送をみんなのNHKとして経営してきておるわけでありますが、そのNHKの経費を分担し、負担するのは契約者ではなかろうか。そうすると、ここに書いてあるところの「国民の負担する受信料」とは、どういうことに出発したのか、こんなことに立ち至ったのです。あるいは子供じみたことになるのかもしれませんけれども、その点についてまず私の迷路からの救い出しを願いいたしたいと思うのでありますが、しかしこれは大臣にはなにかと思いますから、むしろその原稿を書かれたと思いまする事務当局の方からお答えを願った方が都合がいいと思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 NHKは御承知のように公共的な放送を行うというたてまえで国民を基盤にしてでき上がったものでございます。しかしながら、その経営を維持するためには、その契約者、契約ということでNHKを支えるというたてまえでございますので、契約者からの料金によってNHKの経営基盤が保たれている、かように考えてしかるべきだと思います。
○金丸(徳)委員 そうすると「国民の負担する」ということは、どういうことを意味するのですか。私ども考えてみますと、国民と受信者とはこの場合は、特に料金値上げというような問題を取り上げるときには区別して考えた方がいいのではなかろうかと思う。「受信者の負担する」というわけにはまいらなかったかどうか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 受信料はNHKの業務を行わせるための費用でございますが、これはやはり受信者たる国民が負担するもの、かように考えられますし、臨時放送調査会の答申におきましても、さようなことでこの問題を解決しております。
○金丸(徳)委員 われわれはNHKの予算を審議するときにいつでも国民全般のことを考え、国民全体の利益においてNHKが経営されることを期待しております。そのためには速やかにカバレージの率を上げなければならない、あるいは放送内容を国民全体のために向上しなければならないことを要求してまいった。そのためによけいなたくさんの金がかかるけれども、それは受信契約において義務づけられたところの契約者が負担してほしいということであります。したがって、一面においては国民のためにサービス向上をお願いする、一面においては受信者のためになるべく負担の軽いことを念願してまいったのであります。この二つを区別して考えた方が問題を解決するのに都合がいいのではなかろうか、こう思ったからでありまして、受信者たる国民の負担、国民の一部である受信者の負担と言った方が、受信者の方としては非常に責任感をくすぐられるような感じで、気持ちがいいのではないかと思うのでありますが、どうでありましょうか。私はこんなことにこだわっていてはいけませんけれども、そこから問題を掘り下げてみたいと思ったからであります。
○石川(晃)政府委員 やはり先生の御指摘のような国民の中の受信者ということが適切だろうと思います。
○金丸(徳)委員 多分そうじゃないか。しかしながら、これは従来それほどにあいまいもこたる間に国民ということと受信者ということとはほとんど一体のように考えられてきたところにNHKというものの組織の特質があるのではなかろうか、あるいはNHKのサービスというものあるいはそれをバックアップするところの受信者というものとの間の関係のいかにもデリケートな、そして非常に微妙で巧妙なそういう関係があったと思うのであります。 そこで、私は次に問題を移しますけれども、NHKは当初は一本立て、専売特許の形で経営してまいったのでありますが、テレビなどの開発に伴いまして商業放送が取り入れられて、わが国においては二本立てとなってまいりました。そしてその間約二十年、あるいは所得倍増の時代を、あるいは高度成長の時代を経て、そして今度は低成長あるいは消極成長とも言われるような困難の時代を経ながら、商業放送もNHKもその業務の内容、サービスの向上からいたしまして、私はまさに両者相まって放送界における国民的負託にこたえる実を上げつつ今日になってまいったと思います。 NHKの方は戦後において順調にずっと伸びてきたのでありますが、商業放送は当初においてはかなり苦しい状況を経て、したがってその間においては、あるいは一億総白痴化になりはしないかなどという心配さえも世間から受けるような状況もあったのでありますが、その後の経営よろしきを得、また国民の支持、協力もあって、この両者ともに順調な成績を上げつつまいり、今度のパニックと言うまではいきませんけれども、不景気の時代に処しても商業放送各社ともに、私の手元にあります資料によると、全体的に順調な成績を上げつつあるように私には思えるのであります。 政府当局の方といたしましては、これを全体的につかんで、どのようにお考えになっておりましょうか。あるいは私どもの知らない面において、ある社は非常に経営困難に陥っておるものがあるかもしれません。そういうものがありましたならば、ごく要点だけでいいですから、どこに原因があって、何がもとでそうなっておるのか、そして今後においてどういうふうに進む見込みであるかなどをひとつお聞かせを願いたいのであります。
○石川(晃)政府委員 民放の最近の経営状況について御報告申し上げますと、近年における民放の経営状況でございますが、これはただいま御指摘ございましたように昭和四十年代の前半は高度経済成長に支えられまして非常に順調に発展してまいりました。昭和四十八年の末にいわゆる石油危機というものが出てまいりまして、これから経済界全般の景気が非常に悪化してまいりました。民放におきましてもその影響を受けまして、四十九年度におきましては増収の伸びが鈍化してきております。同時に利益も減少してきております。 これを具体的に申し上げますと、四十九年度決算における民放百五社の総収入が五千三百五十二億円でございます。これは対前年度比といたしまして一二%の増加ということになります。総費用としましては四千八百七十八億円、これは対前年度比で一六%の増加でございます。したがいまして収入に比べて費用のパーセンテージがふえてきておりまして、したがって純利益が減ってきております。この純利益が総額で二百十二億円でございますが、これは前年度に比べまして二五%の減少という形になっております。 各社の状況でございますが、細かいことは省いて全般といたしましてはそういうことで確かに四十年代の前半に比べまして経営内容というものは利益が減ってきておりますが、しかしながら、やはり民放におきましては、現在は経営を維持するに十分な利益を上げているという状況でございます。
○金丸(徳)委員 業界全体としては、きわめて順調に今日まで成長してき、今後におきましても、そろそろ景気も回復しつつあると伝えられるときでありますから、それらをも加味いたしまして、今後もそれほど、ほかの産業のごとくに苦労といいますか心配せずに順調な発展を遂げていくであろうと見たいのでありますが、いかがでございましょうか。これは大臣から総括的にでもお見込みをお聞かせ願って、これからの審議の参考にいたしたいのであります。
○石川(晃)政府委員 先ほどのお答えにつけ加えまして、ただ百五社全部が非常な黒字でということではございませんで、やはり決算においては、五十年度の三月の決算でございますが、これで欠損をしておりますのが十社ほどございます。欠損ではないが、累積赤字があるというのが七社ございます。 今後の見通しでございますが、民放全体としましては、先ほど申し上げましたように順調な形で進んできておりますが、やはり従来の、昭和四十年度の前半のような大幅な黒字というものについては、その伸びが続いていくかということは疑問でございます。しかし現在は、先ほども申しました赤字といいますか欠損の会社も、できてまだ間もない新しい会社でございますので、今後これは順調に進んでいくのではなかろうか、かように考えております。
○金丸(徳)委員 民放の見方によって、NHKの態度、方針というものも基本的に変わってこなければいけない。といいますのは、日本の放送事業は、車の両輪のごとく、公共放送と商業放送とが相まって、どちらかが成長し過ぎて片一方を圧倒するとか、こちらがまずくなってこちらの方が伸び過ぎているというようなことのないことが国民の念願するところでもありましょうし、放送法の改正のときの基本方針でもあったと思います。それを念願するがために、このNHKの大変な曲がり角におきまして、まず商業放送の育ち方、日本における商業放送の経営の実態というものを、なかなか内部干渉をするわけにはまいりますまい。まいりますまいけれども、何しろ免許の実権を持っておられる郵政大臣でありますから、それらについてはいろいろな形からして一応のめどをつけておいていただいた方がよろしかろうではないか、私はこんなに思ったからであります。時間が制約されておりますが、そういう考え方で、私は、日本のこの二本立ての体制は国民の望むところでもあり、そして今日までの経験の上からいっても維持でき、維持しなければならないものと思うのであります。 しかし、外国においては必ずしもそうでもないようであります。商業放送一本でいったアメリカにおきましても、最近は公共放送がかなり進出してくる傾向があるやに承りました。フランスにおきましては、従来の横割りといいますかそういうものからして、業務別の縦割りの体制に去年かおととしからか組み直したということも言われております。イギリスにおいては、日本のようなあれでありますけれども、そうしたものにおきましても、料金関係、経営の経費などにつきましては必ずしも日本のようにすっきりいっておらない。最近、北欧の某国などにおきましては、政党別の放送の利用の仕方を始めたなどとも聞いておるのでありますが、こうした放送事業などにおける、日本も含めて、先進諸国はいろいろな形でもってなお模索中にあるものが相当あるようであります。日本は単一民族、単一国語という大変好条件の中で、だから特別にそうであるかもしれませんけれども、この二本立てによって安定し、確実に両者とも成長していくというこの姿は、そういう模索の中にある諸国に対してもいい参考になろうかと私は思うのであります。この点については、私は何か古い資料で勉強したものですから、最近の傾向なり事例というものはどんなふうになっておりましょうか。これも、時間も短いものですから、要点でもお聞かせ願えればありがたいのです。
○石川(晃)政府委員 ただいま先生からお話がございました放送制度の問題でございますが、わが国はNHK、民放の二本立てというかっこうで進んできておりますが、これはこれで、ある程度の期間を経ましてそういう歴史ができてきたわけでございます。ただ、ほかの国におきましては、先ほど御指摘のようにいろいろな形での放送制度がございます。内容といたしまして、大体三つくらいに分けられるのではなかろうかというふうに考えられます。 一つは、国家機関が放送を管理運営するという形のもの、これは例を挙げますと中国、ソ連、あるいは大半の開発途上国というのがこれに当たっております。 それから、私企業により放送が行われる形態、これはアメリカなどの例でございますが、ただいま御指摘ございましたように、アメリカにおきましても、連邦とか州とか自治体、あるいは財団というようなところからの寄付金などによりまして、非商業的な放送も実施されております。 それから、公共的な放送事業体により放送が行われているもの、これにつきましては、イギリスあるいは西ドイツというのがその例に当たるかと思われます。 このような大体三つの形態でございますが、ことにイギリスの放送はBBC、イギリス放送協会でありますが、これが公共企業体でございます。それから番組制作会社が提供する番組を放送するインデペンデント放送協会、IBAというのがございますが、イギリスはこの二本立てでやっておりまして、現在のわが国の体制もややこれに近いものではなかろうか、かように考えております。
○金丸(徳)委員 日本の制度こそが日本にふさわしいばかりでなくて、あるいは将来いろいろな政治形態の中で進む場合におきましても、この二本立て、両輪、それで、片や国民の直接負担、片や広告を媒介にしての国民の間接負担、こういう中で微妙に相絡みつつ、そしてしかもいいバランスをとりながら進められるということになることによって、放送事業というものの特質上望まれるべきものが実現されていくのではないか、こんなに思うものでありますから、それを前提としていろいろお伺いをいたしたところであります。 そこでもう一つ、商業放送などをかなり盛んにやっておられるところにおきます商業会社、経営者におきましては、新聞などとの間に広告媒体の奪い合いといいますか、そういうものの競争があって、ともすれば、そこに放送事業者としての非常な苦労があるやにも聞くのであります。これらにつきましてはいかがでありましょうか。日本は、今日までの状況からいきますと、当初は新聞の方がずいぶん多かったのでありましょうが、最近は新聞をオーバーするような形になりつつあることをこの資料によって私は承知いたしたのであります。もっともこれは四十九年のようであります。五十年それからこの五十一年にかけてどういうような傾向を持つのでありましようか。いまのように商業放送が盛んになるということは、もちろんNHKの方にも影響を来すのでありますが、もう一つの面、新聞、雑誌、そうした活字媒体との間のシェアに何か微妙に絡まるといいますか、競争状態が出てきて、将来に問題を残しはしないか。同時に、そういうことについての配慮が各会社におきましてなされておるのか、いかがでありますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 ただいまの活字媒体、電波媒体がどういうような関係になっておるかということでございます。これは電通というところで調査を行いました結果でございますが、わが国の広告費統計、これは電通でつくっておるものによりますと、新聞、ラジオ、テレビ、こういうようなものの広告媒体別の広告費のシニアは、これは当初、当初といいましても昭和二十年ごろから後でございますが、新聞が圧倒的に高かったわけでございます。それから二十六年にラジオの放送、いわゆる放送の中に広告が入ってきた、こういうことでございます。それから、二十六年以来でございますが、この時点では新聞のシェアはだんだん減ってきております。これに引きかえまして、その後テレビも出てまいりまして、ラジオ、テレビのシェアが徐々に上昇してまいりました。昭和四十年でございますが、昭和四十年にはラジオ、テレビを合わせた広告費が新聞のそれを上回るという時点に来たわけでございます。その後ラジオの方のシェアは大体五%程度ということで一定してきておりますが、テレビのシェアは引き続きわずかながら増加してきております。昭和五十年度、昨年でございますが、初めてテレビが単独で新聞のシェアを超えました。 そのような状況でございますが、先生御指摘の活字媒体による広告と電波媒体による広告との関係でございます。これは昨年におきましても、まだ新聞、雑誌、ダイレクトメール、こういうような活字媒体のシェアの方が全体の五四%ということで過半数を超えておりますし、ラジオ、テレビの電波媒体のシェアは約三八%ということでございますので、まだ活字媒体の方が上回っておるというような状況でございます。 今後の状況の予測でございますが、これはなお両者の動向を見きわめる必要はあろうかと思いますが、ここ当分は新聞とテレビの両方が広告市場における主要な媒体になるということで、大体このあたりのバランスを保ちながら今後ともこういう広告の収入の問題が進んでいくものかというふうに考えられます。
○金丸(徳)委員 いまのお話で両者合わせればかなりのところへいくし、これからの伸び率も、ラジオ、テレビ、放送媒体の方が新聞その他の活字媒体よりも率を高くして成長するように思われるのであります。そしてこの傾向はさらに続くものと見てよろしいと思う、放送が果たすところの社会的な性質といいますか、そういう面からいって非常に効率がいいように思われますから。そうなりますと、今度はその方へも気がねしながら今後における免許、さらに希望があるかもしれませんが、そういうものについても、あるいは電波の分け方、使用の仕方などについても、考えてまいらなければ——この方とのバランスをも崩してはならないと思います。そういうようなことを配慮しながら、しかしながらいままでの民放の成長状況からいきまして、私はこれからかなりの確実なる希望を持って進み得ると思うのであります。この点については念のためもう一度お伺いいたしますが、どのようなお見込みの中で郵政大臣としてはお考えをお進めになっておられましょうか。
○石川(晃)政府委員 広告の状況は細かい具体的な問題でございますので、私からかわって御答弁申し上げたいと思いますが、広告費全体を見ますと、五十年では一兆二千三百七十五億という金額になってきております。その前からずっと見てまいりますと、ある時期には広告費というものが非常にふえてきた状況でもございますが、最近の状況、ことに四十八年の石油ショック以来、漸増ではございますが、余り急激な伸びは来しておりません。したがいまして、われわれの予測といたしましては、今後ともわずかながら広告費というものはふえていくとは思いますが、そういうようなことと絡みまして、今後の広告費による民放の経営、こういうものについての考え方を決めていかなければいけないのではなかろうか、かように考えております。
○金丸(徳)委員 この点を余り深く掘り下げるのは私の念願ではありません。問題は民放が確実なる成長を遂げるように、それにバランスするようにNHKの経営も願わくば確実なる基礎を——いままでも持っておったでしょうけれども、これからもさらにその体制を強化して、両者相まってやってもらいたいし、やらなければいくまい、こう思っておるのであります。 ところがそういう時代の中におきまして、NHKの経営は、本年度の予算執行面からしますというと、値上げという大変大きな問題を、しかもそれは五一%ぐらいになるのですか、テレビにおいてカラーで五一%、普通契約の方で三十何%かの値上げをしなければならないということに立ち至った。それは経営の基体をゆさぶるような大きな時期に際会いたしておるように思われるのであります。したがって私は、この問題につきましては、まず基本的にいまのこのままの二本建てをバランスよく進めるということを追求してまいるならば、果たしてではどういうような方策を講じた方がよろしいのかということに立ち至ったのであります。 実は私は、国会の方に議席をもちましてしょっぱな、逓信委員会におきましてNHKの値上げ問題にぶつかったのであります。それは昭和三十四年春のことであります。従来六十八円かのラジオ料金を八十五円に上げたいということであります。私どもは当時の物価値上がりその他経費の増高からいきましてそういう経費の必要さはよくわかるのであります。増収の必要さはわかるのでありますが、もしか値上げすることによって契約者が逃げるといいますか、値上げすることをきっかけとして契約あるいは受信料の徴収に非常な困難を来すような事態となっては困るから、そういうことが先に立ちまして、私どもはその点についてNHK当局にずいぶん迫ったのであります。しかしまあ契約者の理解と支援の中でということで、その案は通りまして、八十五円が実施されました。しかし、私どもが心配したように、それからはラジオ契約はぐんぐんと減ってまいった。これは小野会長よく御存じのとおりであります。その場合においては、ラジオからテレビの方へどんどん移行していったのです。テレビを契約する者は、ラジオの方も聞いてはおるけれども、料金が上がるということをきっかけにして聞かないことにしてしまう、機械が故障を来した、あるいはどこかへ渡しましたとか、そういうことでラジオ契約は減って、これも非常ながれを来したような、急坂を飛び下るような形で減っていったのですね。そうして三十五年を迎え、三十八年でしたか、ついにラジオ契約を甲乙にして五十円に料金を減らさなければならない、減らしたというような事実もあったのであります。そのときのことを思い起こしながら、料金改正については、契約者の気持ちというものをかなり深刻に考えていかぬというと望むところと逆の結果が生じてくる。当時はラジオが減ると同時にそれ以上にテレビ契約がふえてまいりましたから、NHKの全体としてはそれで間に合ったかもしれません。間に合ったばかりでなくて、四十三年には甲乙の乙契約は全廃したというようなことになりました。つまり、ラジオはただになったのであります。そういう過去の経験を思い起こしながら、今度の値上げ、これは八年ぶりなんですね。その乙契約を廃止してから、契約の値上げをしたというときから、今度初めて迎える値上げ問題であります。そして、先ほどから当局の方もお認めになっておられるように、民放はかなりいいサービスを充実しつつある。国民からしますというと、NHKのサービスは受けなくても民放で十分間に合いますなどという声が、これは本当かどうかわかりませんけれども、そういう声も巷に聞かれるような状況にまでなってきた。としますと、今度値上げするということは、ちょうど三十四年、三十五年のころにおいて値上げが契約維持に非常な困難を来したと同じような現象を——三十四年のときは内輪の中でよかった、今度は民放との間に起きはしないか、これを非常に恐れるのでありますが、これはどういうふうにお考えになっておりましょうか、NHKの当局にお伺いしたいと思います。
○小野参考人 日本の放送の体制が公共放送と民放の二本立てで両者相まってその技を競いつつ国民の負託に沿っていき、堅実な発展をすることが好ましいことは、これは御指摘のとおりでございます。世界の各放送体制の現状を見ましても、日本のいまの放送体制、この二本立ての放送体制は、今日の情報化時代に即しまして国民の負託に沿うためには、世界におきましても最もすぐれた進んだ制度であろうと思います。この制度は堅持しなければならないと思います。過去この財政基盤の強化に関連をいたしまして、NHKで有識者に頼みまして基本問題調査会で慎重な審議をいただきましたけれども、この結論も、過去においてこの日本の放送体制は非常に国民の負託に沿う好ましい活躍をしてきた、今後もこれは続けなければならないという御答申を得ております。そのとおりであろうと思います。そのためには、やはりNHKといたしましても値上げが決して好ましいわけではございません。私ども最も好まないところでございますけれども、片ややはりいい放送を出しまして国民の負託に沿うためには財政が堅実でなければならないことは、これまた申すまでもございません。 ただいま金丸先生、昭和三十四年のラジオ料金の値上げ、その後の推移につきまして、値上げ問題がいかに国民のあるいは聴取者の支持と理解を得るために慎重に考えなければならない問題であるかを御指摘になりました。そのとおりであろうと思います。昭和三十四年には、御承知のとおり六十七円のラジオ料金を八十五円に上げました。その増収の予定は四十億を期待しておったのでありますけれども、実施した初年度で半減をいたしまして、二十億しか入りませんでした。そして四十七年にはこの料金は非常な抜本的な検討を加えまして、単一料金と申しますかテレビとラジオを合わせた料金と、まだテレビを持っておられない、ラジオだけしか聴取しておられない世帯とに分けまして、そういった二本立ての料金体系をとりました。この問題はラジオ料金の値上げのみによってそういった現象が起きたのかと申しますと、その面もありましょうけれども、やはりテレビとラジオ、両方を利用せられるという現状に即しましてテレビはテレビの料金、ラジオはラジオの料金、こういった煩瑣な二本立ての料金を持ったことも大いに原因があろうかと思います。一般には今日、ラジオ料金はただになった、ただになった、こう言われておりますけれども、これは決してそうではないのでございまして、ラジオ料金を全然取らないで立っていけようはずはございません。そういうことでテレビ料金とラジオ料金を一本化しまして、これは聴取世帯の大多数がテレビも持ちラジオも持たれる、こういう現状にかんがみまして、そういう料金の一体化を図ったわけでございます。昭和三十七年には、三百円のテレビ料金にラジオ分は三十円を、もっともその内訳はラジオの原価的の計算は五十円かかると見ておりましたので、テレビの原価二百八十円に対しましてラジオ料金の五十円を上乗せしました三百三十円というものを、いわゆるテレビ、ラジオ一体の料金として設定をいたしたわけでございます。ここで一体化の料金をとりまして、従来三百円のテレビ料金と八十五円のラジオ料金、合わせて三百八十五円を払わなければならないたてまえになっておりましたそれは、両方合わせまして三百三十円でいい、一八%の値下げということに相なっております。ラジオだけの聴取者に対しましては八十五円の料金を五十円に引き下げましたので、四〇%の値下げ、こういうことになっておりまして、これは非常な歓迎を受けました。そういう関係で徴収も非常に成績も上がりましたし、楽になったわけでございます。これが昭和三十七年でございます。 そのような過去の経過にかんがみましても、安易に値上げを考えるべきでないことはお説のとおりでございます。これにはやはり国民の皆様のNHKの姿勢あるいは番組に対しての非常な御理解と御支持を得なければならないことは当然でございます。それかといって、この物価諸上昇の中におきまして受信の開発の関係も一生懸命にやっておりますけれども、これも有限のものでございます。漸次そういった傾向は鈍化してまいっておりまして、今日人件費、物件費の上昇にも追いつかないような状況になっておりまして、大きな穴があいております。これをそのままにしていいかというと、非常に不健全なことになりまして、そういうことを永続すればついには崩壊に至ること、これまた自然の勢いであろうと思います。そういうことから必要最小限度の財政の再建策を立てまして、御承認を仰ぐべくいま御提出申し上げておるのが五十一年度の予算でございます。そういうことでございますので、その作業過程においてももちろんでございますが、この実施後におきましても国民の御理解と御支持を得るような最大な努力を傾けまして、円滑にこの財政措置が了承されますような、また円滑な運営ができますような配意を下してまいらなければならないと、こうかたく考えております。
○金丸(徳)委員 当時契約乙というものの制度があったのにもかかわらず、世間の実情よりも実際の契約締結の率は減っていったということは、非常にそうした、複雑でもないのでありましょうが、何か逃げ場をつくったような制度というものは維持がなかなか困難ではないかということを心配するのであります。今度の場合も私は、いまのように値上げをしなければ経営が困難になることは、これはわかっておる。国民も、もちろん契約者もよくわかっていてくれると思います。それはこの調査書に補足されたアンケートでももう値上げするのがあたりまえだというのが多数を占めておるように思うのであります。きっとこれは本当の数字だと思うのですが、しかし、それにもかかわらず値上げすることによって契約から落ちていく、維持が困難になる、少なくとも説得するのにいままで以上に苦労をするという層があるということは、三十四年、三十五年、三十六年ごろのラジオによる実験上私は覚悟しなければならないと思うのですね。で、それをやるとするならば、それらに対する対策を講じておく必要があるのではなかろうか。逃げる者が相当ふえるということも覚悟するとか、それに対する逃げないような何かの名案があるならばそれを考え出して実行に移していくとか、何かそういうことをしておきませんというと、いままでのような姿のままでいっては、こういう層の逃げる逃げ場をつくってやる、口実をつくってやるような形。もう一つ心配するのは、先ほどもちょっと出たのですけれども、一たびその傾向がふえてまいりますと、怒濤のごとくといいますか、なだれのごとくその方向にいきはしないか。いままでとは違う、二本立てでうまくいってきた。二本立てになったという新しい事態に処しての今度の値上げ問題ですから、そういうことを前提として特別なる対策を、逃げ場をふさぐために、あるいは逃げないような何らかの口実を、対策をこしらえるという必要があろうと思うのですが、いかがでありましょう。
○小野参考人 御指摘のとおりでございまして、公共放送の道はきわめて険しいものがあると思います。私はこの公共放送の存続、これは国民的要望であり、この情報化時代においてぜひ堅実な永続を考えなければならないと思います。しかし行く手には非常に険しいものがあろうかと思います。特に財政的な措置として値上げをやればやはり抵抗があることは自然でございます。これを抵抗なくやりますためには公共放送が公共らしい行動をすることであろうと思います。これによって御理解を得る以外にないと思います。そのためには放送法にも規定され、概念上も公共放送としてありたい理念として、不偏不党、厳正、公正と言われておりますけれども、そのことだけでは私は足らないと思います。やはり公共放送といたしましては、現在の国民の要望と幸福増進のために奉仕するばかりでなしに、未来の国民の幸福と繁栄のためにも努めてまいらなければならないと思います。これは厳として胸に畳んでおかなければならないと思うのでございまして、いわんや国際社会に連ならなければ国としても生きていけないような環境におきましては、広く言えば現在並びに将来の国民に対して奉仕するだけでは足らないのでありまして、世界人類のためにも非常に繁栄と幸福のために努めてまいらなければならないものと思います。その意味から言えば、理想は高く一道は遠いのであります。しかし、そういうことに関連をいたしまして、私は会長に就任をいたしました当初、やはりそういった面で国民の要望にこたえますためには、日々起きる現象をその都度追ってこれを放送しておったのでは足らない、基本的にやはり広い視野における確実な、堅実な理想高い基本調査を持っておらなければならない。それに基づいて個々の現象をそれとの関連において適当に価値づけ、意義づけ、これを国民にお知らせをするということが必要ではないかと考えております。これを機構上で申しますと、私はそういう意味における政治、経済、文化、社会万般にわたるいわゆる高度なNHKの内外の、内部ばかりでなしに外部の英知も集めた一つのそういった調査機能というものを持つべきではないか、あるいは機構の形にすればそれが調査部になるのか何かわかりません、そういった基本的な現在並びに将来にわたる確固たる資料に基づいて、個々起きる現象をそれとの関連において位置づけ、意義づけていく、こういうことが公共放送としては必要ではないかということを痛感をいたしております。これは私は当時、会長就任のときにもそういうことを言っておりますし、記者会見でもそういうことを言っております。鋭敏な記者諸君にはこれは非常に歓迎されました。残念ながらNHK内部ではまだこの私のビジョンは、これは十分に理解されておらぬようでございますけれども、私は今後鋭意こういった面について努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○金丸(徳)委員 その会長の理想を追求する熱意は受け取ります。受け取りますけれども、実際その理想に燃える熱意だけではこのむずかしい問題を解決するわけにはいくまいと思います。私はこのアンケートの調査を、これは丁寧に見たわけでもありませんけれども、ざっと見せてもらいました中におきましても、たとえば国民の大多数は値上げはやむを得ない、むしろ値上げ当然であるというように考えている者が多い、こう言っております。私はそうでもあろうと思います。しかし問題は、現にあるところの料金免除を受けている人たち、この人たちは別の調査によりますと、年々ふえつつあるのですね。そういう状況の中において、さらにそのわずかな差においてボーダーラインにおる人たちにとりましては、現在の料金を納めるのにもかなりの抵抗がある。かなりの苦労がある。あるがこそ、おたくの方でそれの現場で働いておられます毎日の苦労にもかかわらず、未収受信料というものは年々ふえておるのですね。そしてそれの欠損償却というものはこれまた大変な率でふえていきつつある。いかにその層というものが——これは悪意の者は別といたしまして、そのボーダーラインにいる人たちがふえつつあるかということの物的証拠が、数字的証拠がここに出てきておると思うのです。問題は、その人たちをどうするか。その人たちを逃がすことによって次の層にまた波及するものがあるのではないか。だからそこを何とか対策を講じなければいけない。会長みずから現場へ出ていって理想論を唱え、わらじがけで一軒一軒訪ねたいと言っても、これはなかなかできもしないでしょうし、これで記者諸君を相手に大きく構えてみましても実効は上がるまいと思うわけです。現場において個々の契約者、全体の国民と接するような人々に、その働きがいなり、その働き、効果を上げるような仕組みというものを中央において考えてやらなければならないときになったと思うのですが、今度の案の中にはそれが見えておりません。文章としては出ておりますけれども、具体策として出ておりません。これが私は心配でならないのであります。いかがであります。いまの理想論はもうたくさんです。
○小野参考人 いろいろほらを吹きまして非常に恐縮でございました。 ただいま御指摘の新料金体制下におけるNHKの理解度、支持層をふやすためには、これはやはりいろんな努力をしなければならないと思います。現在そういった面で特に集中的に努力をしなければならないのは大都市であろうと思います。現在の収納の状況を見ましても、都会と田舎ではずいぶん違っております。それだけ都市の構造というものが、生活構造が非常に複雑になっておるということは言えましょうけれども、これは放置できないと思います。そういうことで、日常受信者の方たちと接する外勤の人ばかりでなしに、いまいわゆる特別の推進班を設けまして、それがやはりいろんな御理解を得るために格段の努力をしなければならない対象につきましては、一々出向いて努力をいたしております。そういった面をより今後強化してまいらなければならないと思いますし、もちろん番組に対する御支持を得なければならぬことは第一義的なものでございますけれども、事柄はやはり集金に当たる方々が、いま職員あるいは委託あるいはサービスセンターの取り次ぎ員、それを入れ、あるいは郵政省に委託しております三千五百地区に及ぶ集金区等の関係からいえば、ざっと人員にいたしまして八千人から八千五百人くらいございます。これは日々そういった受信者の方たちと接触しておるのでありますから、これがやはり一集金事務の技術的な問題だけでなしに、やはりNHKに非常に好感を持たれ、NHKに対する支持の支えになるような活動をすることが必要であろうと思います。そういったことはより一層配意をしてまいりたいと思いますし、今回御承認を仰ぐことができれば、この予算についての執行についてはそういった配慮を十分に盛り込みたいと思います。 現在御提出申し上げております資料の中には、そういう気持ちなり具体的なあらわれがないではないかと申されておりますけれども、そういう気持ちを全然持たぬわけではございません。大いに持っております。しかも私は、何かやはりNHKのいわゆる姿勢と申しますか、その関係についてもいろんな懇談会とか懇話会とか、あるいはモニターとか、あるいは相談室を設けて、非常に聴視者の方々との接近を図るような措置をとっております。その他内部的にいろんな要望なり不平なり不満なり、電話あるいは文書でいただきましたものを、これは一生懸命に処理しておりますけれども、内部だけで処理するのでは一体外ではわかりません。一体いいかげんに扱われておるのではないか、こういうような疑いが出るのも当然でございます。そういうために聴視者委員会なるものを昨年の秋に設けまして、それによってその処理の実情もよく見てもらい、処理の足らないところについては御注意をいただき、時にはそれを番組に出すように私も指示をいたしております。そういう努力もいたしておりますけれども、できればそういうモニターとかそういった面も現在二千三百人ぐらいの方に依頼をしておりますけれども、これではまだ足らないと思います。もっと強化しなければならないのではないか。一度モニターになるといつまでたっても同じ人がやっておる。これはやはりときどき交代すべきではないかと思いますし、あるいはそういうことが基盤になって、私は御用機関を希望いたしませんけれども、NHKの視聴者の会、こういうものが全国組織あるいは地方組織としてできれば、これはNHKの内情にも十分に賛意を表してもらえるいい制度ではないかと思うのでございますけれども、そういうような夢も持っておりますが、そういうような面について今後一層の努力を傾けてまいりたい、かように考えます。
○金丸(徳)委員 そういう方針も具体化されることが私は緊急に必要だと思います。ただ、そういう制度がとられまして実行に移されましても、問題は、このアンケートにあらわれた大体理解してくれるような層はそれでつかみ得ると思います。そうでない層、ボーダーラインにおける人たちは、なかなかそれによってその仲間にも入ってこられないかもしれない、対象にもならないかもしれないというようなことになるのではないかと思う。問題は、その人たちを何とつかんでいくかということ、その人たちの理解を得るかということにむしろこの際集中した方がいいのではないかと思うのです。いまのお話については、その上の層、アンケートにおきましてもごもっともですと言ってくれる層の人たちはそういうような考え方でつかめる。そうでない人たちはそれではまだ足りないと思うのです。何か特別の措置を講じなければなるまいと思うのであります。 そこで私はもう一つ別の角度から、ちょうだいしました資料でございますか、非世帯契約の状況ということになって、NHKの料金というのは世帯主義、世帯単位の均一料金制というのがずっととられた。私は非常にめんどくさくなくて、わかりやすくて、大体いままではそれでよかったと思うのですが、事ここまでくるというと、果たして世帯単位の均一料金というものでこれからも押せるのかどうか。少なくともその方針をもってしましては、いまのボーダーラインの、何十万の人たちになるかわかりません。なるべく少ないことを期待するのでありますけれども、しかしその人たち、わずかでもほかに及ぼす影響が多いがゆえになお重視しなければならないという意味において、数が問題ではなくて、そういう人たちに納得してもらう何かの対策を講じなければいけない。したがって、そうなりますというと、私はすぐ簡単な頭ですから思いつくのでありますけれども、均一料金制というのはこの際どうであろうか。まあ受信機単位でもって均一料金といういろんなことも考えておられるように見ました。しかし、いろんな方法を講じましても、なかなか均一料金制をもってしてはそこまでは救い得ない。現にNHKの方においては料金免除という制度もとっております。また、しばらく前から料金半額免除制度もとっておるんです。もうすでに単一料金制というものはその点において、理屈はとにかくとして現実の面において破れてきておるんですから、それの制度というものを何かの形において利用することはできないか、制度化するわけにはまいるまいか。郵政省の免許を得て半額料金制にするというようなことのかわりに、いやそれをむしろ広くして、そういう人たちのための一つの段階の料金制をとるということは考えられないものかどうか。これは立法上のことになりますけれども、すでに半額料金制というのがとられておるように、何かその辺について考えられないものかどうかということが一点。 もう一つは、非世帯契約の数を承ったのでありますが、これが五十八万二千件、これは四十七年でありますから、五十一年の見込みは八十二万件と、こう出ております。私は放送界の現状からいきまして、非世帯の、何と申しますか、単身世帯というのはこれは別です。さっきのボーダーラインの方で考えた方がいいかもしれませんけれども、上の方といいますか、負担力の多い方においては、会社、工場、事業場、その他の場所における非世帯の数、受信機の数というものは、とうていここに計上されたような五十八万とか何とかというものではなかろう、あるいは数百万に達する、もしかしたら千万を超すかもしれぬと思うくらいであります。といいますのは、すでに各ホテルは両三年来各部屋にテレビを持つ、テレビがそうした場所におけるあたかもかつてのお茶道具と同じように各部屋に置かれている。ですから、そうしたものを準世帯とか世帯とみなすという形において考えて、一世帯においても数台の受信機を置いても均一料金でいいという原則にとらわれていって、百台も、二百台も、千台も備えておるところの会社、あるいはその他の職場においても何台かに減らしておるという、この考え方というものは、この際、またさっきとは別の意味において考え直さなければならないのではないかと思います。こうしたことについて、この八十二万件の見込みが、契約率が八三%だとこうあるのですが、これはどこを根拠にしてこういう数字が出てきたのでありますか。本当に実情に合ってのことなんでしょうか。いままでの契約は、テレビの普及の状況からいって、まず世帯から、家庭からいったわけですから、そこを基準にして世帯別でやったという、このことはわかる。いまやそれ以上にテレビの普及率がその方面で密度濃く、密度高くいっておるのですから、今度はこれを重視しながら、契約の維持なり拡張なりをしていかなければならない、そこに何か一つの打開策が収納面において、経費面において出てきやしないかと思うのですか。いかがですか。
○小野参考人 前段のいわゆる料金の体系のあり方、現在の世帯、非世帯を通じて単一料金になっておることについてのいろいろな検討の余地がないかどうかと言われる点でございますけれども、これは現在そのような料金体系をとっておりますが、これには絶対的、合理的根拠は残念ながらございません。ただ、同様な料額をもって徴収をお願いをしておるわけでございますし、また諸外国の例もそのようなことになっておるようでございますけれども、やはり問題を掘り下げて考えますと、世帯と非世帯ではやはり非常な違いがありましょう。テレビ、ラジオの利用の方法、態様等についても違いがあろうかと思います。それかといって、非世帯が全部一律にいくかと申しますと、テレビ、ラジオがあることが営業の活動を活発にさせる一助になる面もありましょうが、そうでない事業所等の、事業が主体であってテレビはほんの補完的なもの、こういうものもあります。それを一律に扱うことが非常にいいかどうか、問題はありましょう。それかといって、料金体系が余りに複雑になることも、これまた非常に現実には沿わないことになるのではないかと思います。そういったような面から、常に検討を下さなければならない問題点であろうとは私は考えております。そういうことで、今後いろいろ合理的な結論に達し得るかどうかは別といたしまして、このままで是なりとはいたしませんで、検討を加えてまいりたいと思います。 後段の非世帯の算出の根拠の問題でございますけれども、一応その資料に出ておりますような、それは今日非常にたくさんあります事業所その他の非世帯の所在から考えまして、あるいはそのままご信じをいただけない資料ではないか、私も個人的にはそのように考えます。しかし、これにはこれなりに事務当局としてはいろいろな努力をして計算の根拠を持ってもおりますので、これは現場担当の理事に答弁さしていただきたいと思います。
○金丸(徳)委員 簡単でいいですから、ちょっと時間がありませんから。
○川原参考人 私どもとしましては、いろいろな各種の官庁統計からこの事業所の全体をつかみまして、ただ、御承知のとおり、事業所と申しましても、実は飲食店等、個人の世帯と一緒になっておるようなものも相当ございます。そういうものは当然差し引かなければなりません。それに加えまして、一部の地域で実態調査をいたしまして、その結果、私どもはいま確信を持って資料としてお出ししておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 それはいつの実態調査ですか。
○川原参考人 これは二年ほど前だったと思います。その後できるだけ、また新しい調査もするように努めております。それから推定をして出した数字でございます。
○金丸(徳)委員 大変、そう断言されますと、私は引っ込まざるを得ないのであります。ただテレビの普及状況、それからメーカーで売り出した数などから勘案いたしますと、一般世帯に流れ込むものに比較して、その方の新しい分野に流れ込む率というものは、この両三年来といいますか、安くなったりまた世間の需要がそうなっておりましたから、かなり高いのではないか。かつての職場とは違う状況になってきておりますから、その点がこの数字では何とも納得できない。もしこの数字が努力をすることによって二倍、三倍の数字になり得るとするならば、それこそひとつ、会長以下幹部の皆さん方がわらじばきでこれを開拓してもらいたいと思うのであります。このボーダーラインの人のところに行って一々なにすることは大変なことであります。しかしながら、物わかりのいい、特に負担力を持っておるところのそうした世帯の受信者というものは、これはNHKの重大さ、NHKの使命はもう説かずしてわかってくれているのでありますから、金が足りませんから、百台持っておったら百台全部出してくださいと言っても聞いてくれる人、聞いてくれ得る能力を持つ人なんですね、この人たちをこそ私はひとつ説き伏せてもらいたいように思う。 いままで私はこの問題につきまして、こうした公式の席ではありませんけれども、いろいろと聞いてみましたが、しかしなかなか、そうは言っても、いろいろデリケートな問題がありましてということであります。あるいはいままではそうかもしれません。そういうことであるかもしれませんけれども、そのデリケートな問題をあえて克服して、いまや負担力のある人が、このNHKの曲り角に際会して、できれば負担力のない人の分まで持ってもらうときが参ったのですから、その方面にこそ力を入れるべきだと思う。いかがでありましょうか。これはこの数字というものにこだわることが何か心配でならない。もしそれについて、そうしたことについての基本問題調査会での意見でもありましたならばお漏らしを願いたい。時間がありませんから、要約してで結構であります。
○小野参考人 御説ごもっともでございます。私ども、いま営業総局長の答えましたそれで現状がもう間違いないのだ、このようにやはり考えて、もうこれで精いっぱい成果を上げておる、こういうようには考えておりません。やはりいろいろ実態に対して、いろいろな届け出の義務もございませんし、調査の権能もございませんので、非常にむずかしい面はございますけれども、いろいろ常に不断の、状態は変化しつつあるでございましょうし、現状把握について一生懸命に努力することは、これは当然の義務であろうと思います。私ども今後、そういった面については格段の努力を重ねてまいりたいと思います。
○金丸(徳)委員 この点につきましては契約の基準を変えてかかればいいわけですね。立法事項ではないはずであります。ですから会長において決意し、幹部においてその方向の努力をするということによって、私はかなりそこに努力の余地ありと言ってもいいくらいなことだと思います。私は、値上げのある部分につきましては、ある層につきましては賛成できる立場をとりながらも、なお、そういうものの余地を残しておいて、ボーダーラインその他のものについてまでこれを及ぼすということの危険性をいまの事態において心配でならないから、繰り返すようでありますけれども、これからの対策を一応お聞かせを願わなければならないのであります。私も二、三の案を持ってまいったのでありますが、時間がこんなに過ぎてしまいました。後日また何かの機会がありますればそれらのことについてお伺いをいたしまして、最後に結論的に申し上げるのでありますけれども、実は私は、大臣、まだNHKがこういう形に出発するかどうかの関頭に立っていた時分、郵政省のチンピラ幹部といたしまして、あの二十一年秋のストライキを経験した者の一人であります。放送事業が国家管理になった、いまから考えますと夢のような時代を経験しながら、そういういろいろな時代をも考えて、NHKはみんなの放送事業体としてみんなのためにのみ働く、サービスするという形で出発し、そしてその後民放と併立するようになりましても、放送事業の中核としてのとうとい使命を果たしつつまいったのでありますが、あのとき実は放送が二十日近くもとまったのでありますが、そんなことがあり得たのだという昔の思い出に身を引き締めながら——あの途中で、放送の途中で工務局の課長さんが犠牲になって亡くなられたのですね。私どもは、あるいはNHKに飛び、あるいは省内を駆けずり回り、そしてNHKや川口の送信所へ飛んでいって、まあ素人ながらとにかく必要最小限度の波を出しておった。その途中において課長さんが犠牲になった。その犠牲になった課長さんのために葬式が芝の青松寺でとり行われました。私は叙勲の要請をいたしまして、関係方面に、あるいはGHQの了解を得るとか、いろいろなことをしながら駆けずり回って、葬式の途中でその結果を報告しながら霊前にぬかづいた。ぬかづいて、あの索漠たる当時の青松寺の畳に座って深く思いましたことは、やはり放送事業というものは、みんなが協力して、国民一般の支持を受けながらやっていかなければ、本当の使命も達せないでしょうし、本当の効果も上げ得ないし、第一スムーズなる経営も困難になるであろうと、身の引き締まるような思いに打たれたことを思い出すのであります。そのときから思い出しますと三十年、いまやこのように百花繚乱たる経営体制になっております。めでたい限りでございます。ございますけれども、しかし、その基盤をなすところの、たとえばNHKにおける経理の状況からいきましても、非常にデリケートな条件の中で、受信料の策定にいたしましても、その対象にいたしましても、あるいは国民と契約者との二層があるようないまの状況からいきましても、なかなか理論上はすっきりしない。さっきも申されましたが、理論上はすっきりしない中において、しかしみんなで善意を持って協力しつつこの事業を育てていかなければならないように思います。そしてそれがいま実行されつつあるのであります。だから、その協力体制、理解と協力を得るという基盤を揺すぶるということは大変なことになると思いますがゆえに、その受ける国民の方もサービスするNHKの方も、言葉ではなくて、本当に誠心誠意、言うならば神様のごとき態度と言動とをもって当たっていかなければ、国民一般の支持、その支持をバックにしての代表としての契約者の維行、開発というものはますます困難になっていきはしないかと思うのです。言うなれば一寸の裂け目もあってはいけない。NHKの全体、会長以下全職員、ことに現場の皆さんの苦労というものはそういう意味において大変大切だと思うのであります。そして、それにもかかわらず世間というものはそれに対していろいろな角度からいろいろな批判があり、注文があると思います。その注文も受けながら、しかしそれが全部国民のための、よくあなたの方でおっしゃるところの、みんなのためのNHKであるという前提の中での毅然とした態度を持っていかなければいけないし、それを受けて国民一般、契約者一般は仏さんのような状況の中で協力してまいると思うのですよ。これがみぞが入ったら大変なことになるであろうと思いますがゆえに、どうかそういうことで、今日までの努力にさらに加えて、熱心なる誠意ある努力をやっていっていただきたいと思いますし、政府の方といたしましても、そうしたことに対して非常に広い立場から、民放、公共放送あわせていろいろな立場から育て上げるという、これはお立場からそうであると思います。そういう立場において万策を講じて、あらゆる知恵をしぼってこれに協力していただきたいと思うので、私どもはそれを受けてまたこの大問題についての審議を誤りなきを期してまいりたいと思うのであります。私は、時間がもう大分過ぎてしまいましたから、以上について大臣からも会長からも改めての御決意、御方針などを承りまして、私のきょうの質問を一応結びたいと思います。
○村上国務大臣 先生なかなかNHKの将来の経営安定のために非常に高邁な御指摘をいただきまして、私どもありがたく拝聴いたしたものであります。少なくとも、いかなる厳しい法律を設けますよりも、NHK自体が打って一丸となって、そうして公共放送としての使命を果たすように、受信者、国民の信頼をかち得ますならば、料金の徴収問題等も自然に解決するものだと思います。何と申しましても私どもといたしましては、世界に誇るこの公共放送であるNHKの育成のために、ただいまの御意見を十分前向きに検討しながら努力を続けてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○小野参考人 非常に御親切な、また激励なり御教示をいただきました。私ども、当然自分たちとしてそのように考えておるわけでありますが、高い御教示と御鞭撻に対しまして、今後NHK一丸となって努力をいたしまして、御期待に沿いたいと思います。
○金丸(徳)委員 どうもありがとうございました。
○伊藤委員長 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 本日は、NHKの皆さんにも参考人として御出席をいただきまして、大変御苦労に存じます。申すまでもありませんけれども、私は、放送法第三十七条二項の規定によりまして本委員会に付託をされましたNHKの昭和五十一年度収支予算、事業計画、資金計画等についてお伺いをしたいと思います。 NHH昭和五十一年度予算は、受信料の大幅な引き上げを内容とするものでありまして、視聴者である国民の皆さんの理解と合意を得ることができるかどうか、この予算の審査に当たる私どもとしては、非常に大きい責任を感じておるところでございます。もしNHK昭和五十一年度の収支予算が、不承認または国会の会期中に承認されるに至らないというふうな事態になれば、NHKは運営の法的な根拠を失いまして、暫定予算の許されておる六月末日まででその機能を停止しなければならないことになります。今日、視聴者である国民の中に、NHKの運営や受信料の大幅な引き上げについて批判や不満を持っておる人たちも数多いことを承知をしております。しかし、そういう人たちといえども、ならばNHKをつぶしてしまっていいという、いわゆるNHK不要論というのはきわめて少ないのではないかとさえ思うのでございます。それは、今日までNHKが公共放送として果たしてきた役割りに対する評価と、そしてNHKの今後に対する期待があるからだと私は思います。私は、そういう前提に立って、これから幾つかの問題について審議の中で明らかにしてまいりたいと思うのでございます。 まず第一点に、NHKの報道姿勢の問題について伺いたいのでございますが、最近、NHKの番組や取材の内容が偏向的であるというふうな意見をよく聞きます。視聴者が、それぞれの立場からそういう意見を述べることは自由であります。私も、かつてNHKの番組の偏向について指摘をしたことがございます。しかし、特定の政党が、番組や取材の内容が自分たちの気に入らないからといって、NHNの予算を承認しないというふうな、いわゆる力による圧力を加えることは、報道の自由、運営の自主性を侵すものだ、このように私は考えまして、こういう言動は許すことができないのではないかと思いますが、まずNHK監督官庁の責任者である郵政大臣と、NHK運営の衝に当たっておる会長から、こういう問題についてどういう所信を持っておられるのか、承りたいと思います。
○村上国務大臣 御承知のとおり、放送法第三条におきまして「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と規定されておりまして、放送番組の編集は放送事業者が自主的にこれを行うこととされております。したがいまして、郵政省がNHKの放送番組の内容について意見を申し述べることは差し控えたいと存じますが、NHKは、その言論報道機関としての性格に基づきまして、業務の運営が自主的に行われるよう保障されているところでありますので、NHKは放送の不偏不党を堅持するよう不断の努力を傾けるべきであると考えます。
○小野参考人 民主主義国家が健全な発展をいたしますためには、国民に自由が保障されなければならないことは当然のことでございます。その国民の自由の基本になります報道の自由につきましては、よりこれは厳正に考えられるべきものと思います。特定政党の圧力によって、これに屈するようなことがあっては、これは公共放送の自殺行為であります。私は、そういうことがあってはならないとかたく考えております。そのような面から、いろいろな御批判があることは、現実にこれはございます。批判は批判として、是は是、非は非としてこれは耳を傾けるべきものと私は思います。いかなる自由も、その背後には重大な責任が裏づけされておると思いますので、本当に自由を守る道は険しいのでございますけれども、これは自由の陰にある責任を十分に考えながら、その自由を最大限に伸長していくことが自由を守るゆえんではなかろうかと思います。そういった意味から、外部の間違った、ゆえない圧力に対しましては、NHKは決して揺らいではならないとかたく信じております。
○阿部(未)委員 私が主観的にいろいろ申し上げるよりも、幾つかの報道機関によって指摘されておることを申し上げた方が客観性があると思いますので、二、三例を紹介いたします。 これは朝日ジャーナルの記事でございます。全部は読みません。一部だけ読みますけれども、「またまた政治権力によるマスコミの赤狩りが始まった。またまた、というのは、権力が重大な危機に直面するたびに必ずといっていいほど反復してきた、お定まりのパターンだからである。その毒牙の餌食になったのは、わが国最大のマスコミにふくれあがったNHK。ひとしきり大騒ぎしたあげく、結局はウヤムヤに終わってしまうに違いない。だが、そんな表面とはうらはらに、毒牙の毒はNHKの体内全体に深く静かに潜行する。そして、その体質をいよいよ蝕むのである。問題はそこにある。」こういう指摘があります。 もう一つ読みましょう。同じ朝日ジャーナルの記事の中でありますけれども、「予算や人事(NHK会長の改選期は七月半ばである)をカタにとって「言うことをきけ」という権力の座からの恫喝は、少数党からする文句や、まして一般視聴者からの苦情とは同日に論ずることはできない。」こういう指摘があります。 それから、これは朝日新聞の天声人語の中に少しございますが、「戦前の、情報局時代のニュース検閲基準に「政府に協力的なりや否や」「国民世論指導上、適当なりや否や」というのがあったが、自民党はこの基準を復活させたがっているようにさえ見える」朝日新聞の天声人語でございます。 まだ数え上げれば切りがありません。東京タイムスの中にこういう言葉があります。NHKですが、「放送局が、なんで「左」寄りの報道をする。」だろうか。「一言、自民党からクレームをつけられて即座に管理強化のためニュース部門に副編集長を補充して顔色をうかがうような局に、なんで「左」偏向が」できようか、こう指摘をされております。そして私は、これらは必ずしも根拠がないとは思わないのですけれども、これらのマスコミの指摘に対して、まず会長がどう考えておるかを伺いたいのです。
○小野参考人 世間ではいろいろなことが言われるでありましょう。私自身は、先ほど御答弁申し上げましたような立場を貫いております。自由の陰に責任があることは私も認めておりますので、何でも自由と言えばもうやりほうだい、しほうだい、こういうようには考えておりません。これは自律的に考えるべきものでございまして、外部の圧力によって左右さるべきものではないとかたく信念をいたしております。
○阿部(未)委員 また、新聞報道によりますと、自民党の総務会でいろいろの意見が出て、NHKの幹部がそこに呼ばれていろいろな忠告を承っていることも聞いておりますが、そういう事実があったかどうかはどうでしょう。
○小野参考人 総務会でいろいろな発言がありましたことは新聞紙上等によりまして承知をいたしております。そのために、私どもはこの問題の了解のために動いたことは、私自身については毛頭ございません。
○阿部(未)委員 会長自身が動かなかったとしても、報道によればNHKの幹部が呼ばれていろいろな忠告を受け、あるいは釈明をしたというふうな内容が報道されておりますが、その事実はどうですか。
○小野参考人 私は、そのようには報告を受けておりませんので、あるいは呼ばれて行ったということは毛頭ないと思いますけれども、予算の関係で非常に重大な局面に参っておりますので、その関係についての動きはあろうかと思います。が、呼ばれて、あるいは進んで了解工作のために動き回ったということは、私は承知をいたしておりません。
○阿部(未)委員 会長、誤解をしないで聞いてもらいたいのですが、私もあなたと同じようにNHKの公共放送としての使命を全うしてもらわなければならない、冒頭申し上げましたように国民もそれを期待しておると思うから歯にきぬを着せずに率直に申し上げておるのです。 そう会長はお答えになりますが、まずNHKのシステムとして、そういう重要な問題が起きたときに、会長の了解を得なくて勝手に動き回るとか、会長にその結果について報告をしないとか、そういう勝手な行為が許されるのかどうかは、システムとしてどうなっておりますか。
○小野参考人 会長の権限に基づきますものは、あるいは会長みずからこれを行うか、あるいはこれを委任したものもございます。委任の範囲なら、その範囲において動くべきでございましょうけれども、これで至当であろうと思います。一々会長の了解を事前に得る必要はないと思います。 いまのような場合の問題については、とかく誤解を受けがちでございますので、そういう動きがあれば、やはり事前にそのような連絡があることはしかるべき筋合いではないかと思います。
○阿部(未)委員 これは会長、余分なことではないのです。会長が責任を持っているNHKの管理システムの問題でございまして、思うとか思わないとかでなくて、NHKのシステムはこういう重要な問題のときに、あるいは委任区分によって動くことはあり得ても、仮に動いた結果の報告があるとか、あるいはいま会長おっしゃったように、事前に会長の了解を得るとかそういう形になっているのかいないのかということを私は聞いているのであって、会長がどう思っておるかということを聞いておるわけじゃないのですから、どうなっておるかお伺いしたいのです。
○小野参考人 これは、やはり会長に事前連絡あるいは事後報告があるべきものと思います。そのような組織になっておると確信をいたしております。
○阿部(未)委員 そうすると、新聞で報道されておる、呼びつけられていろいろ陳弁これ努めたとか釈明をしたとか忠告を受けたとかいう新聞の報道は誤りである、こう決めつけて間違いありませんか。
○小野参考人 これは、いろいろな報道はされておりますけれども、私が承知いたしております限りにおいては、たまたまちょうどいま予算の重大な関頭に立った時期でもございますし、とかくそういう動きが誤解をされるおそれはございましょう。予算の関係について、これがこの国会会期中に承認を受けなければ、NHKは重大な局面になるんだということについては、私も動けと言っております。また、そのとおりに動いておると思います。そのような動きが、たまたまいろいろな批判の出ておりますその時期でございますので、あるいは了解に動いたとか呼びつけられたとかいう、こういうようなそれは、悪意でないにしてもあり得ることであろうと思いますし、そういう辺の混同がやはり問題を非常にめんどうにしておるのではないか、かように想像いたします。
○阿部(未)委員 この問題は、私は議論すればこれでいろいろまだ問題があると思います。率直に言っていま会長の答弁で私が釈然としたわけではありません。私は、まだ新聞報道と実際にNHKの幹部との間にいろいろな問題があったのではないかというふうになおかつ推測をしておりますが、これを立証する証拠はないわけでもありませんけれども、きょうはこのぐらいにしておきましょう。 ただ、問題は、ここで会長個人のお考えについても承りたいのですけれども、ちょうどお見えになっておりますが、前の委員会で志賀委員から質問がありまして、NHKの報道が偏向しておるのではないか、特に灰色の高官名がニュースで報道されたことについてのお指摘があって、一体チェックするシステムはどうなっておるのかという御質問だったと私は理解します。間違っておれば御訂正願いたい。それに対して会長は即座に、管理システムを強化するという御答弁をなさいました。ということは、管理システムが十分でなかったから、いままでの報道に偏向があったというふうに理解をされておるのかどうか、そこをお伺いしたい。
○小野参考人 私は偏向があったとは思いません。ただ、問題は非常に重大なあれでございますし、私があの御答弁を申し上げる前に、やはり特別な報道体制は敷いておったわけでございます。そこに欠員の者もございましたし、そういう者の補充の必要も考えておりました。そういう面において、管理体制の強化というのはちょっと言い過ぎだったと思いますが、報道体制の適正強化、こういった意味で申し上げたのでございまして、決して私自身偏向があった、こう自認をしておるわけではございません。
○阿部(未)委員 それを聞いて私も安心したのですけれども、新聞が伝えるところもそうであるし、私の受けた印象も率直に言って、いままでのNHKの報道の内容に偏向があったのがチェックできなかったから、これからはチェック機関を強化をして、管理体制を強化をしてチェックをしますというふうに私は聞こえたのです。恐らく多くの方々がそういう受け取り方をしたと思いますので、ここで明確に、今日までのNHKの報道の内容に意識的な偏向はないということをはっきり国民の前に明らかにしてもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○小野参考人 私は明確に申します。偏向があったとは私は認めておりません。
○阿部(未)委員 それで私も非常に安心はしました。 そこで、いやらしいがもう一つ具体的なことを聞きますが、何でも仄聞するところによると、会長が三木総理に呼ばれまして、平沢和重さんとかいうような方を解説委員にもう一遍NHKに連れてこいと言われて会長はそれを受けたとかいうふうな——私は平沢和重さんが適任であるかないか、それは知りません。そういう政治的な権力がもし介入してNHKの報道陣が動かされるとするならば、これは大変なことになる。これは全く私も仄聞した程度でありますけれども、言いにくいことですが、そういううわささえちまたに流れておるということを十分会長心して運営に当たってもらいたいと思いますが、この事実はどうですか。
○小野参考人 その事実は無限でございます。総理に呼ばれたこともございませんし、私しばらく会っておりません。
○阿部(未)委員 それでは、こういうことはそういう形での採用と言いますか、そういうことはあり得ない。NHKが自主的な判断の上に立ってやることは、私は少しも文句を言いません。しかし、そういう形で政治権力から指示されてNHKの経営陣が動くというようなことはない、こう理解していいですね。
○小野参考人 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 それではこの問題について最後に会長に申し上げておきますが、いままで申し上げましたように、同じNHKに対するいろんな批判にしても、われわれ野党であるとかあるいは聴視者団体の方々の意見と、現実に国会で過半数を持っておる自民党という大政党が予算を通さないぞというような圧力とでは、まるきりこれは圧力が違うのです。その圧力に屈するようなことがあったならば、私はNHKが国民から見放されるときだと考えておるのです。その意味において、いろいろいままで会長の所信も伺いましたけれども、ここでひとつ明確に、絶対にそういう心配はない、あくまでも厳正中立な運営を行うということを国民の前に明らかにしていただきたい。視聴者の一人としてお願いしたい。
○小野参考人 そのような御懸念は毛頭必要でないと思います。私は、公共放送の使命を守りますためには身命を賭しておりますので、そういうようなことがありといたしますなれば、そういった圧力に屈するよりも、みずから花となって散りたいと思っております。
○阿部(未)委員 大層ごりっぱな御意見で、そこまで会長からおっしゃられると、私ももう一言言いたくなるのです。と申しますのは、私がかつてNHKの番組が少し偏向していないかということを何度も申し上げました。田中さんが総理になったときに従来の二カ月一回の「総理と語る」という番組を毎月一回になさいましたね。そこで私は、総理といえども一つの政党の党首である、したがっていままでどおり二カ月一回くらいならばともかく、これを毎月一回になさるということはいかがなものでしょうかということをお伺いしたときに、会長は、一国の行政の最高の責任者がどういうことをおやりになろうと考えておるかを国民は知りたがっておる、だからこれは当然毎月一回やってもらうのだとして、私の意見に対してがんとして受けつけてもらえませんでした。ところが七月過ぎですか、八月ごろですか、総理が病気になって顔がゆがんだ。とたんに一カ月一回どころか全然出なくなってしまった。一国の行政の最高の責任者がどういうことをやろうとするかを国民が知りたがっておるならば、行政は刻々動いておるはずですから、総理が病気になれば、そのかわりの副総理がおるはずです。しかるに、いま行政が何をしようとしておるかということをNHKのブラウン管を通じて総理のかわりに国民に報告したのはだれもなかったのでございます。ならば、それは田中さんとあなたとの関係であって、総理とNHKの関係であって、行政の最高責任者と国民とのかかわり合いではないではないか、私はこう率直に言って言いたいのです。そのことを私がいままで言わなかったのは、いま会長が言ったように、そういう会長の考えておるような姿勢で運営をしておったが、たまたま手違いがあったのだと思ったから言わなかったけれども、いま会長が、花となって散るという、万朶の桜のような御意見になれば、ああいうことを私はやはりもっと謙虚に聞いてもらうべきであったということを考えますし、またせんだっての志賀委員の質問に対するあなたの回答もきわめて軽率であったと言わなければならないと思います。こういう点はひとつ十分注意をして、先ほどの花と散る気持ちを明確にしておいてもらいたいと思います。
○小野参考人 まことに教えられるところが多うございます。私も時にいろいろ足らぬところもございますけれども、私の気持ちは、先ほど申し上げましたような気持ちでおりますので、そういうことを十分に徹して今後の行動は万全を期してまいりたいと思います。
○阿部(未)委員 もう一点、これはきわめて事務的な内容ですけれども、志賀委員の質問に対して誤解があるといけないので、NHKの経営が非常に苦しい内容の一つに職員の給与が非常に高いのではないか、こういう御質問があったように私記憶しておりますけれども、私もいろいろ調査をしてみました。他のいわゆる大手のマスコミと申しましょうか、そういうところに比較をしてNHK職員の給与はむしろ非常に安い、下の方のランクにあると私は見ております。これは国民の前に、誤解があるといけませんから、NHK職員の給与は決して高くないということをこの際明確にしておいてもらいたいと思います。私の感じに違いがあるかどうか。
○小野参考人 ただいまの御指摘に間違いはございません。ここ数年の、近い最近の例を見ましても、いわゆるあの狂乱物価のさなかで、あるいは二七%あるいは三十数%、こういったベースアップがありました時期でもNHKは二二%でございます。もちろんこれは余りにひどいのでその翌年度におきまして是正はいたしました。いたしましたけれども、これは十分ではございません。その前の年度はやはり平均一八%ぐらいのところが、NHKは一四%ぐらいになっておりますし、その前年の一四%のときには一二%ぐらいで妥結ができております。決して高いとは思いません。今回のベースアップの結果はまだ定かでございませんので比較をしておりませんが、現在主要なマスコミのそれと比べてみましても、月額にいたしましてやはり一万円から一万五千円低位になっておるということは、私も十分に腹におさめております。
○阿部(未)委員 わかりました。 それで次にお伺いしたいのですけれども、予算を審議するに当たっては、いままでの予算の経過がどうなったか、決算がどうなったかということは非常に大きい一つのポイントになると思うのですけれども、昭和五十年度の決算の概数が、大体把握できておるのではないかと思いますけれども、せんだっての会長の事業概要の御報告では、昭和五十年度予算で二百十六億円の赤字が見込まれておったわけでございますが、決算の結果、この赤字はどういうふうな状態に推移しそうですか、お伺いしたいのです。
○小野参考人 二百十六億の見込み欠損をもちましてスタートしたこの年度でございますので、できるだけこれの圧縮に努めるべく、経理運営上におきましては非常な配意をいたしました。あらゆる面について節約、むだ排除を徹底するように指示をいたしてまいりました。その他あるいは金利に非常な変動もございました。非常に高金利のそれが低金利に入ったような状況もございまして、現在の見込みでは恐らく二十億余の節約はできようかと思いますので、二百十六億は百九十億台ぐらいにまで決算できるのではないか、かように考えております。
○阿部(未)委員 NHKも大変な御努力で二十億の節約ができたとすれば非常にありがたいことだと思いますが、担当の理事さんで結構ですが、人件費の節約はできていますかいませんか。
○山本参考人 決算の結果、一番大きい理由は、いま会長が申し上げましたような金利あるいは節約、こういうことでございますが、人件費の問題は、これは年度の当初に労働組合と協約を結びまして、その一年間の給与が支出されますので、実際上基準外給与その他の面についてはいろいろの工夫、努力がなされますが、基本的なところにおいては格別大きな節減というようなものはございません。
○阿部(未)委員 わかりました。 そこで五十一年度の予算についてお伺いしたいのですけれども、いま協会が提案をしておる今回の受信料の引き上げが行われますと、昭和五十一年度において二百八十九億円の黒字が見込まれる、そのうちで百七十九億円というお金は繰り越して昭和五十三年度の赤字に充当する、そういう三年間を見通した財政の立て方のようでございますが、これは間違いございませんか。
○小野参考人 数字ではそのように間違いはございませんけれども、二百八十九億円の剰余が出るのではございませんで、百十億は過去の返さなければならない債務の返還に充てますので、剰余と申しますと百七十九億でございます。これは三年後におきます五十三年度において、ちょうど百七十九億の赤字が生ずる結果になっております。この穴埋めに持ち越す、こういう計画になっております。
○阿部(未)委員 そこでお伺いしたいのですが、放送法三十七条の解釈ですけれども、われわれに昭和五十三年度のNHK予算を議論するまでの権限を与えられておるのだろうかどうだろうか。われわれができ得るのは昭和五十一年度の予算を決める。その五十一年度の収支予算、協会の出したものを承認することによって受信料はおのずから決定をされるのであって、昭和五十三年に赤字が出ますから、昭和五十一年度にこれだけの繰り越しをつくります。そこまでわれわれに権限があるのかどうか、三年間を見通した予算をわれわれがつくるということができるのかどうか、われわれに許されておるのは昭和五十一年度の収支予算であって、その収支予算の結果が幾ばくかの料金の値上げになろうとも、その範囲が許された審査の対象ではないかという気がするのですが、どうでしょうか。
○小野参考人 お説のとおりでございます。予算は単年度予算でございますので、五十一年度の予算は五十一年度の予算として御承認を受けるということでございまして、将来三年間にどうなるかという推移は参考の資料にすぎません。ただ、私どもといたしましては、毎年毎年料金の値上げということは、支払われる側に立ってみましても、生活の設計に不安定を来すでございましょうし、そういったいろいろな面から見て、できるだけ長期の安定料金にして、一度決まればもうこれでしばらくは値上げがないのだ、こういう安定感をとるか、あるいは現在の生活環境から見まして、できるだけそれを単年度単年度の、毎年値上げであっても毎年値上げを積み重ねていく、こういう方式がいいかの選択の問題であろうと思いますが、私どもはその安定料金の前者の方をとったのでございまして、御審議の対象になります予算は五十一年度の予算でございます。
○阿部(未)委員 いま会長もおっしゃったように、物価の変動もありましょうし、これが確定された数字にはならない。現に暫定予算のために値上げができない。そうすると四月、五月の二月分については概算百二十億と聞いておりますけれども、収入の落ち込みができてくるはずになります。そういうふうに考えてまいりますと、やはり予算は単年度をもって明確にしていくべきであり、また受信料によって支えられておるNHKは、仮にいま会長がおっしゃるように来年また値上げを余儀なくされる、再来年また値上げを余儀なくされたとしても、本当に国民の理解と協力を得るためにはその年度年度の予算を赤裸々に国民の前に、視聴者の前に明らかにして値上げをお願いをするという方法の方が正しいのではないか。正確な、明確な見通しもないのに、三年先にはこのぐらいの赤字が出ましょうというので先取りで受信料の値上げをしておく、そういうものの考え方は私は、企業的な考え方であって、全然性格の違う、国民の理解と納得の上に受信料で成り立っておるこのNHKの場合には年度ごとに明確に国民の前にしていってその予算を組み、受信料を決めていく、その方が正しいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○小野参考人 阿部先生の御指摘の面、非常に妥当な面が多いと思います。特に現在の生活環境を見ますと、同じ値上げの問題を迎えるにいたしましても、やはり物価問題については極度にいろんな神経が働いておるときでございます。そういうときにはやはり年々小幅の、小幅と申しましても、仮に将来三年間に値上げをするとしますと、初年度の五十一年度は、現在のそれは五二・七%の値上げでございますけれども、そう小幅にはとどまりません、やはり四百億近い赤字になるわけでございますので、四〇%ぐらいの値上げをしないと収支償わないような状況でございます。第二年目でも、これは小幅になりますけれども、三年目でも九・九%ぐらいの値上げというように分割されることになります。非常に傾聴すべき意見でございますけれども、私どもはそういうことも十分考え、基本問題調査会の御答申の趣旨も検討いたしまして、やはりここはそう長期では大幅になるので困りますけれども、三年間ぐらいの安定料金を志向することはこれはやはりそう不都合ではないのではないか、このような気持ちでいまのような予算を組んだわけでございます。
○阿部(未)委員 実は、内幸町の放送会館を処分をしたときに、前の会長が三年間は値上げをしませんという約束をしたわけです。それが今日の大幅な値上げの一つの大きい原因になっておると私は思うのです。あれがあんなことをおっしゃらずに、単年度ごとの予算で審議をしていただいていったならば、いま私が申し上げたように、去年も小幅の値上げはあったでしょう、ことしもまた小幅の値上げはあるでしょう、そういう形でずっと推移できたのではないか。いま同じことを三年先まで見込んで、恐らくこれでいく限り昭和五十三年度までは絶対に値上げはできないという、一方ではNHKそのものが縛られる形にまでなってくる。しかも申し上げたように、すでに二カ月の収入のずれが出ておる。そういうことを勘案してみますと、私はNHKの運営が中期的な目標を立てるべきである。その場合に、昭和五十年度においてはこれだけの値上げ、五十一年度はおおむねこの程度の値上げ、五十二年度はこの程度の値上げが見込まれるという、そういうことを国民の、視聴者の前に明らかにしていくことは大事だけれども、いま五十三年度の赤字を埋めるために五十一年度において金を取っておく、受信料を取っておくというそのやり方が果たして国民の理解を得る最良の手段であろうか、またわれわれにそこまで審議をする権限があるのだろうか、そのことを私非常に疑問に思うので、どうも会長のお話を聞いておると、あなたの言うことももっともだけれども協会としてはこうですとおっしゃられるのですが、私の言うことももっともであるならば、もっともであるように措置をすべきであると私は思うのです。 そこで、会長のお考えはわかりました。 おおむねこの予算案が妥当であるとおっしゃった郵政当局のお考えはどういうお考えか、承りたい。
○石川(晃)政府委員 ただいま御質問の、単年度にすべきかあるいは三年のような見通しでやるべきかということでございますが、われわれといたしましては、NHKのような公共的な基盤に立って放送を行う機関が非常に不安定では困るということでございます。したがいましてやはりサービスにおきましても計画的なあるいは継続的なサービスができるということ、それから建設計画にいたしましてもやはりある程度の期間を必要とするということでございますので、余り長い、五年、十年という計画では非常に不安定だとは存じますが、三年程度の継続の計画というものはNHKの基盤を安定させるということではかえって必要ではなかろうか、かように考えて、この計画に賛意を表したわけでございます。
○阿部(未)委員 権限の問題はどうお考えですか。昭和五十三年度の予算にまでわれわれが、早く言えば容喙をしたことになりますね。五十三年度の予算まで決めてしまったような結果になるのですけれどもね。私は、委員会に付託をされておる予算に対する承認あるいは不承認の権限はその年度の予算だけであって、五十三年の予算までここで決める権限があるかどうか、非常に疑問に思うのです。
○石川(晃)政府委員 収支予算、事業計画等につきましては、先生の御指摘のとおり、単年度で御審議いただくわけでございます。しかし、先ほど申しましたように、われわれとしましてはNHKの計画がやはり安定した計画をつくっていただくという意味におきまして、やはり三年後までの計画を頭に入れて五十一年度の予算を御審議いただくというのが妥当ではなかろうか、かように考えております。
○阿部(未)委員 ちょっと文部大臣に来てもらっていますから、余り議論が長引くと困りますけれども、局長、そういう理論が成り立てば、十年先の予算までだってできる、二十年先の予算までだってできるということになるのですよ。三年先がよろしいならば十年先もよろしい、二十年先もよろしいということになって、それではわれわれに負託されておる権限の外だと私は思う。われわれが審議をするのはあくまでも五十一年度の予算であり、その予算が妥当なものであるときに初めて受信料は決定をされる、そういう性格のものであるから、三年先の赤字をここで埋めますという予算を決めることの可否について私は疑問があります。しかしこれは後でまた議論をさせてもらいましょう。 文部大臣、お忙しいところを御出席願いまして、恐縮に存じます。 ただ、ちょっと私心外だったのですけれども、何か重要文化財を保持しておる方々に認定証を交付するので国会に出られないという御連絡をいただきましたので、私はやはり国会は最高の機関でございますから、この方を重点的に考えてもらいたいと失礼なことを申し上げましたけれども、事実、私はそう思っております。何はおいても国会の審議には大臣に参加してもらいたい、そういう気持ちで申し上げましたので、お許しを願いたいと思います。 そこでちょっと勉強さしてもらいたいのですが、NHKに関連するのですけれども、NHKに教育放送というのがございます。教育と教養、これはNHKの総合番組の中でも使われる言葉です。教養番組。娯楽番組、教養番組という言葉が使われます。そこで教育と教養、これと非常に似通った言葉で学問という言葉がございます。どんなふうに区別をされるべきものなのか、大臣の識見をひとつお伺いしたいのですが……。
○永井国務大臣 番組の中で、娯楽、教育、教養、学問というものをどういうふうに規定いたしておりますか、それについて私は特に知りませんのですけれども、教育と娯楽との区別はわりにはっきりしていると思います。まあしかしそれも娯楽的であって教育的なものがございますからなかなかむずかしい問題がありますが、NHKの方で考えておられる教育というのは、大体学校教育を中軸にするものだと思います。それから教養というのはそれに対してもう少し広く、当然教育的な面はありますけれども、文化の諸般、科学技術あるいは社会科学、人文科学に関するような、そういう広いものだと思います。学問というのはまたどう違うか。これも大変関連はいたしておりますでしょうが、学問と言う場合は、直接教えますということよりもやはり新たなものを探求していくとか、それから探求されました知識を組織化していくとか、そうしたところに重点があるのだと理解いたしております。
○阿部(未)委員 そこでもう一つお伺いしたいのですけれども、そうなりますと、いまおっしゃった中の教育というものについては、教育の行政、そういうものは文部大臣が中心になってこれをつかさどっていくというふうに理解はできる。特に、学校教育の場合等についてそう理解はできないものでしょうか。
○永井国務大臣 いまわが国の学校教育、おおよそ二千五百万人の人が学んでおりますが、これは責任は文部省にある、その行政に当たっているものと理解いたしております。
○阿部(未)委員 ところで、NHKの教育番組の中に、大臣も御案内と思いますが、中学二年の数学とか高校三年の物理であるとか、あるいは中学一年の英語であるとかそういう番組があるわけでございます。これは明らかに学校教育の中のいま言うところの教育に該当するものであって、本来文部省のつかさどるものではないかという気がするのですが、そこにNHKが出しゃばってというと会長からしかられるかもわかりませんが、中学一年の英語をテレビで教えてみたり、中学二年の国語を教えてみたりするこの教育、学校教育とNHKの教育番組とのかかわり合いというものをどう理解したらいいのか私は困っているのです。大臣、どうお考えでしょうか。
○永井国務大臣 実はNHKがかかわっておられる教育番組は非常に多岐にわたっておりまして、ただいまの語学もございますし、社会、理科、音楽、国語、美術、そしてそれも小学校、中学校、高校といろいろに分かれておりますが、これをNHKがやられるのは出しゃばっているのではないと私は理解をいたしております。そうではなくて、これを世界的に見ましても、いま学校教育の中で現在の時代に視聴覚ということが非常に大事になってまいりました。そこで視聴覚を通しての教育というものの強化充実ということが大変な課題になってきておりますが、そうした点におきましてやはりNHKに非常な力といいますか能力があられるわけでありますから、そういう意味においてわが国の学校教育というものを充実せしめる。NHKは公共的な組織でございますので、出しゃばっているのではなくて、文部省の所管の学校教育というものを公共的な立場からむしろ強化充実する、そういう関係であろうと考えております。
○阿部(未)委員 学校教育は文部省がつかさどっておられる。そこには当然指導要領とかカリキュラムとかいろいろなものがあるはずでございます。NHKの方はそういうことにはお構いなしに中学一年の英語をやる、あるいは理科をやる、こういうふうになってきますね。そうすると、一元的な教育行政でないから、学校現場における先生方の教育課程といいますか、カリキュラムの問題と食い違うような場合も起こり得るのではないかということも私は懸念するのですけれども、しかし、基本的にはいま大臣がおっしゃったように、視聴覚教育というものが学校教育の中でそれほど必要であるということになれば、それは本来文部省が行うべきものであって、国民の受信料によって成り立っておるNHKがこれを行わなければならない、行うという法的な根拠はどこにあるのだろうか、そのことを私は非常に疑問に思うのですが、どうでしょうか。
○永井国務大臣 いまの指導要領等の問題でございますが、実は学校放送番組というのは直接教授番組というのではなくて、補助教材的な性格を持っているわけでございます。補助教材的ということはどういうことであるかと言いますと、先生方が学校教育の指導に当たりまして、ある種の番組というものを利用していくということが学校教育を生かしていく上に適切であるという考え方に基づいており、そしてまた、先生方は学習指導要領に基づき教育をやっておられるわけでありますから、そうした意味において何か人間的な教育の中心ができてきているというのではなく、やはり文部省が一元的でございまして、NHKは公共的な立場からそれを応援しておられるということであろうかと私は理解をいたしております。 なお、そういう視聴覚的なものであるならば、ひとつ文部省が直接やったらどうであろうかというふうな御意見でございますが、これは教科書の場合におきましても、わが国では文部省は教科書をつくっているという立場ではなく、やはり民間の会社がつくりまして、それを検定するという制度にのっとっているわけでございますし、NHKの場合は民間の会社というのではなくて、公共的な組織でございますが、そこが補助教材的に応援をしてくださるのを活用していく、また具体的な問題といたしまして、そもそも視聴覚教材をプログラム化してつくり上げていくということは相当の専門性を要することは申し上げるまでもないところでございますが、そういう要員、機器すべてを持っておられるNHKが、公共的な意味合いにおいて、公共的な学校というものに役立とうというお立場でございますから、これは視聴者の方々との関係におきましても、私は理論的には矛盾がないものと理解をいたしているわけでございます。
○阿部(未)委員 視聴覚教育に非常に大きい貢献をしておる、私も恐らくそうだろうと思う。そうだろうからこの放送があり、学校現場でもこれが見られておる。そういう経過はわかるのですけれども、しかし、もともとNHKというのは、視聴者がお互いに受信料を出し合って成り立っておるものである。NHKがもしそれでは視聴覚教育をやらなかった、教育放送をしなかったとすると、一体教育行政の面ではどうこれを考えるのだろうか。たまたまあるから、その好意に甘えておるということであって、もし受信者の皆さんが、そんな学校の教育の教材になるようなことにまでは金は出せない、それは受益者負担の原則によって——これは三木総理のいつもおっしゃる言葉で、私は異論があるのですが、受益者負担の原則によってという言葉になりますと——子供を持っておる家庭も持っていない家庭も全部負担をしておることになるわけですね。もしNHKが好意的に、あるいはNHKが好意的ということは受信者が好意的にやっておることになるのですが、こういうことをやっておる。そこにいつまでも文部省がのほほんとおんぶをして、非常に結構な公共放送でございますからということで済まされる問題であろうか。もしこれをそれではNHKはやらないというようなことになったときには、文部省は教育行政としてはどういう手段をおとりになるのだろうか。これは必ずしも世界の各国がすべてやっておるわけではないわけでございまして、たまたまNHKだからやっておるということも言えると思うのです。そこにおんぶしちゃって、結構な施設でございます。それで済むだろうか。いまいみじくも大臣おっしゃいましたが、私は、視聴者とのかかわり合いにおいてもこれは検討しなければならない課題ではないか、そういう気がするのですが、いかがでしょう。
○永井国務大臣 実は私、文部大臣になります前に、ハワイにございますコミュニケーション研究所の所長をやっておりましたのですが、そのときに西洋、東洋、資本主義、社会主義の国の別を問いませんで、十数カ国と思いますが、教育放送についての国際会議を開いたことがございます。そのときNHKのことは大変な話題になりまして、諸外国の方々はこれをどう評価しておられるか、要点を申し上げますと、まずNHKの教育番組というものは非常にすぐれている。それでは日本政府はそれにお金を出して、それをいわば政府のお金でやっているのかという御質問がございまして、私は、そうではなくて、視聴者の方々が払っておられる、こう申しますと、これは諸外国あまねくどういう評価があったかというと、日本の国民というものは偉いものだ、そういうお金を払って自分の国の教育を強化しようというふうにやっているということで、ほとんど異口同音に世界的な評価を得まして、私はコミュニケーション研究所長をやっておりまして、大変面目を施したわけでございますが、大体さようなことではなかろうかと理解いたしております。
○阿部(未)委員 国家財政の見地なりあるいは文部省の予算の見地等からすればまことに結構なことに間違いないのですが、それを無条件に負担させられておる受信者の側からしますと、非常に問題があるように思うわけです。 それで大臣せっかくお見えですから、もう一問お願いしたいのですが、この前予算委員会だったと思いますけれども、大臣に御質問申し上げたのですが、もう一つ、学校現場に備えつけてあるテレビ受像機、いわゆる受信機については受信料が免除されておるわけでございます。しかしこれもこの前実は本会議で電電公社の電話について、私は福祉電話等についてもう少し安い料金でできないものだろうかということを質問しましたら、これは大臣も非常に親しい三木総理のお言葉でございますから、三木総理がお答えになったのは、「電話料金のような公共料金については、受益者に御負担を願うという原則にのっとって、利用される人が相応の費用を負担していただきたいと考えております。老人などの社会的に弱い立場にある方々に対する配慮は、電話料金でするのではなくして、社会保障の分野において、所得保障の充実などによって今後十分に努力をしてまいりたいと考えております」というのが三木総理のお答えでございます。そうしますと、NHHの受信料の場合も、これは当然教育現場にそれが必要であるとするならば、それは当然置くべきだと私は思います。しかし、それは受信者、視聴者の負担でやるものではなくて、当然国の教育行政に欠かすことのできない手段として受信料はNHKに納入をして、そしてその予算は、教育現場なら教育現場に文部省の予算として落としていく。これはまたちょっと冗談を言いましたら、主任制度などというものをおやりになって、お金が要らないという先生に無理にお金を押しつけるほど文部省も金が余っているようでありますから、それならばこの際ひとつ受信者の負担を少しでも軽くする意味で、各学校にあるテレビの受信料については、これは各学校がNHKに受信料を納める、こういうふうな措置をとるべきではないかと思うのですが、どうでしょう。
○永井国務大臣 ただいまの問題でございますが、先生御指摘のように学校教育におきましては、受信料につきまして免除をしていただいているわけでございます。これはこの委員会でも御討議になっておりますように、財政事情、NHKにいろいろな問題もそういう点であるということは私も承知をいたしております。しかしながら、NHKは公共的な性格を持った組織体でございますし、そしていまの視聴者のことを申されましたが、しかし、視聴者の方々もやはり学校教育において相当数の方々が——先ほど私二千五百万と申し上げましたが、わが国の人口の三分の一弱の方々がいろいろな形で学校に行っておられる。そういうことで、公共的な組織体であるNHKを財政的に支持している姿になっておりますが、同時に御自分の関係の方々が学校にいるということでございますから、財政事情もございましょうが、今後もこの免除の措置というものをどうか維持していただきますならば幸いである、そういうふうに私は考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 私は、特に大臣、NHKは公共的な性格を持っておるのだからこれをやりなさい、やってもいいのだというふうに、大臣にいやな言葉かもしれませんが、いわゆる政治権力の側がNHKに押しつける。私は、本来受信者が、視聴者が自発的にそうやろうというのならばそれで結構だと思うのです。しかし、権力の側から、これは公共的な性格があるのだからあなたのところはやりなさいといって押しつける形というのはやはり好ましくないのではないか。したがって、今日までこのことが余り問題にならなかったのは、いま大臣のおっしゃるように公共放送としてやってもいいじゃないかという、受信者の合意の上に成り立ってきたものだと思うのです。いまこのような大幅な受信料の値上げをしなければNHKが維持できないのではなかろうか、こういう状態になってきたときに、公共的な性格があるのだから、子供はたくさん学校に行っておるのだから受信料を免除しなさいということを上から押しつける形、政治権力で押しつける形でおっしゃるのは問題がある。私はもし大臣がそれは受信者の皆さんの御意向がそうであるならば国としては当然考えなければならない、こういう御答弁がいただけるならば、さらにこれは受信者の間で議論を深めなければならない問題だと思います。必要なことは間違いないのですから、どういう形かで置かなければならないことは間違いがないのですから、ただいずれが正しいのかという点について、公共放送だから、公益的な性格があるからおやりなさいといって押しつける考え方は、これは無理であって、やはり受信者の中でもっと議論をしてみなければならない問題ではないか、そういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
○永井国務大臣 ただいまの先生の御議論の論旨と申しますか、それは私も十分理解をいたすわけでございます。 ただ、実情を申し上げますと、政治権力をもちまして文部省がNHKに圧力をかけてぜひ免除をしなさいというようなことを申しているのではなく、NHKは公共企業体でやはり文部省から独立しておられるわけでございますから、今後も免除の維持ということにつきましては公共性にかんがみてお願い申し上げるというふうに申しているわけでございます。しかし、またそのNHKの経営というものが視聴者の方々、すなわち国民の相当数に依存しているわけでございますから、それでは国民に対してどうするのかということに相なるかと思いますが、この席をかりて私はNHKを通して国民の方々にも、この世界的に見てもすぐれた学校放送というものを学校に生かしていく制度というものをひとつ維持するように御協力を願いたい。圧力で申し上げているのではなく、そういうふうにして国民の活力を生かす上でぜひともお力をおかりしたい、さように申し上げたいと考えておるわけでございます。
○阿部(未)委員 そうしますと、予算的にどうこうというのではなくて、いままでやってきておるのだからやってくれ、こういうお話になると私は思うのですけれども、しかし受信者の負担が非常にふえてくる中で、国が財政的にその問題がないのならば、各教育現場の学校に、これは受信者の負担が大きくなるから、少しでも軽減する意味で国の教育行政の予算の中で受信料を払いなさいよという措置をとったとしても、これもおかしくないように私には思われるのですが、大臣が圧力をかけないことはわかりました。圧力をかけないことはわかりましたが、この点はどうでしょうか。
○永井国務大臣 ただいまの先生の論旨も論旨としてよくわかりますが、私は従来の方法で公共性が生かされてまいりましたので、ひとつそういう角度でお考えを願って維持するようにしていただきたいとお願いするわけでございます。 あとのもう一つの方法というようなことに相なりますと、これは一体、幼稚園の段階はどうなるのであるかとか、あるいは市町村、県、国家、それがどこが責任を持つのかというような問題も生じてくるかと思いますが、そうしたことはさておきまして、私は日本の場合に世界的に学校教育というものの規模が大変大きいのでございまして、これはもう世界の幾つかの国の一つ、少数の一つである。そしてまた日本の国民というものは非常に教育熱心、またNHKという組織体は東洋は申すに及ばず、世界的にそうした教養・教育番組を持っております点ですぐれている点で、BBCと肩を並べるものである。しかも、それを国民が育て上げてきたという非常に輝かしい歴史を持っておられること、これは世界が認めていることでございますので、私はだから世界ですぐれたものにもたれかかりましょうと言うのではないのでございますが、そうではなくて、そういう力というものを活力とするようにお願いをしたいということでございます。
○阿部(未)委員 本会議の予鈴が鳴ったようでございますから、まだ議論は尽きないのですけれども、大臣のお考えも大体わかりましたので、この問題については終わりまして、残余の質問を保留いたしまして、これで終わりたいと思います。
○伊藤委員長 本会議散会後委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後三時三十一分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 厚生省見えておりますか。——それでは、午前中に引き続いて質問を行わせてもらいたいと思いますが、この前三月五日の衆議院本会議で、これも電電公社の公衆電気通信法の一部を改正する法律案について私が質問を申し上げましたときに、老人福祉電話の関係につきまして郵政大臣の御答弁をいただきました。そのときの大臣の御答弁は「老人福祉電話の電話料金の減免及びその増設、拡充についてどう考えるかとの御質問でありますが、電話料金のような公共料金につきましては、受益者負担の原則にのっとり、利用者が相応の費用を負担すべきものと考えており、現在のところ、老人福祉電話の電話料金について、直接減免措置を講ずることは考えておりません。」こういう御答弁をいただいております。これはもちろん公衆電気通信法の改正に伴うところの電話料の問題ですけれども、この中に流れる、老人福祉等に対して直接受益者の負担として、そのようなことについては国が措置をするという三木総理大臣の答弁とこの大臣の御答弁は全く同一の内容であると私は理解をしますが、そう考えて間違いはありませんか。
○村上国務大臣 そのような解釈にとって間違いございません。
○阿部(未)委員 これもそうすると同じ理屈ですけれども、NHKの受信料の減免に、そのような報いられない生活保護世帯とかあるいは福祉施設等について受信料の減免が行われておりますけれども、この趣旨からいくならば、これもNHKが減免すべき筋のものではなくて、国が福祉施策として行うべきものと考えますが、いかがですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 現在の老人家庭とか老人ホーム、そういうものにつきましては、NHKが定めました実施基準で実施しているわけでございますが、実態といたしまして、老人ホームとかあるいは老人ホームへ入っている人に対しては全免、全額免除というかっこうになっております。それから、生活困窮者についても同じような全額免除という形でございますので、実質的には、貧困な老人世帯につきましては基準によって免除されているというふうに考えられるわけでございます。この問題につきましては、やはりわれわれといたしましても、福祉行政の一環として検討していただく方が適当ではなかろうか、かように考えている次第でございます。
○阿部(未)委員 そうすると、非常に局長さんの御答弁は明快でありまして、福祉行政の一環として考えるべきである、まさにそれは三木総理がお答えになった、これは社会保障の分野において、所得保障等によって措置すべきものであるということと一致をするわけでございます。 そこで、同じ政府でございますから、厚生省にお伺いしますが、三木総理の御見解も、監督官庁である郵政省当局の御見解も、これは社会保障なり福祉の立場で国が本来措置すべきであって、NHKが減免措置を講ずるのは必ずしも妥当ではないのではないかという御意見のように承りますが、厚生省当局のお考えはいかがでしょうか。
○北村説明員 社会福祉のサービスと申しますものは、厚生省だけで行えますものではございません。いろいろと関係の各省、それから民間団体、ボランティア活動その他のような、いろいろな面からこの福祉の措置をとられることが至当であろうかと存じます。 厚生省といたしましては、現在NHKで実施されております受信料の減免措置等につきましても、こういった趣旨から行われておるものと了解をいたしておりますし、今後とも継続していただくことをお願いする立場にあるわけでございます。
○阿部(未)委員 それは、厚生省の御見解は三木総理の見解と非常に違うようでございますが、三体総理は、さっき申し上げましたように明確に、電話料金の減免の問題について、私は趣旨は同じだと思うのでありますけれども、はっきりこれは社会保障の中で所得をふやしてあげることによって措置すべき問題であるというふうにお答えになっております。したがって、いままで確かにNHKの受信者の負担によって好意的にこれが行われてきた、そのことは私も認めるわけですけれども、いま御承知のように膨大な受信料の値上げが行われる、そのことについて受信者の間からも、この大幅な値上げについては強い反対の声もある状況の中でございますから、したがってこれはもはや、おんぶして国がその行為に甘えるという段階は過ぎた、三木総理の言うように社会福祉国家として当然国の責任において、これら恵まれない方々の所得をふやしてあげる、その中からこれは措置をしていく、そういう措置が講ぜられる段階に来ておる、そういうふうに総理もお答えになっておりますし、郵政当局の御見解もそうなっておるのでありますが、ひとり厚生省だけが反対なさることは総理の言う趣旨に背くことにもなるかと思いますが、構いませんか。これはどうです。
○北村説明員 先生が例にお引きになりました老人福祉電話の件でございますが、現在厚生省といたしましては、五十一年度予算の分も含めまして、全国で約二万台ほど整備をいたしておるわけでございます。これはひとり暮らしのお年寄りでありますとか、世間との接触が余りない身体障害者の御家庭に電話をつけるという趣旨でございますが、これは一般の受益者ということではなくて、むしろこれは、行政の目から見まして、どうしてもそういうつける必要があるといった世帯に電話をいわば取りつけて差し上げるための経費でございまして、普通一般の受益とは多少趣旨が違っているのではないか。そういうことで一現在では私どもの方で、設置は国が事業として行いまして、その基本料金なり電話料金等は、大体多くの市町村が市町村費をもって負担しておりまして、その要がなくなればまた要のある世帯の方にこれを移しかえる、そのような制度をとっております。
○阿部(未)委員 あなたは私の質問の趣旨をもう少しよく聞いておっていただきたいと思うのですが、私はいま厚生当局がおとりになっておる措置をお聞きしたのではないのです。一般論として、いわゆる老人であるとか所得の非常に低い方であるとか、肢体不自由児であるとか、そういう方々の施設であるとか、そういうもの全体について電話料金の減免の措置を講じたらどうかという質問に対して総理がお答えになったのが、これらのいわゆる恵まれない方々については、所得を保障するということによって措置を講じていきたいというふうにお答えになっているわけで、私は何も厚生省がやっていることの是非を言っているのではなくて、一般論としてどうですかということをお聞きしたら、一般論として総理は所得を保障する方向で措置をしていきたいというようにお答えになっておるのです。ですから、いまの寝たきり老人の電話がどうこうというのではなくて、一般論としてどうなのかということをお伺いしているわけです。
○北村説明員 現在の制度におきまして減免措置が講じられておりますものでございますから、私どもはそのようにお願いをいたしておりますし、今後ともお願いするつもりでございますが、そういう事態になりましたならば、また別途私どもも考えざるを得ないと思っております。
○阿部(未)委員 会長、われわれはこれでも視聴者の声を代弁しておるつもりで質問をしておるわけでございます。したがって、いま行政当局、厚生省の方も、そういう問題が具体的に提起をされるならばその段階で考えなければならないという御答弁をいただきましたし、また、行政の最高責任者である三木総理並びに郵政大臣、郵政当局の御答弁もほぼ一致しておるというふうに私は考えます。したがって、NHKはこの課題について、いますぐとは私は申し上げませんが、来年なりの時期までには、どういう措置を講ずることが最も好ましいのかということについて検討をして結論を出してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小野参考人 現在までNHKがそういう福祉方策といたしまして減免の措置をとってまいりましたことは、御案内のとおりでございます。これは、身体障害者とか貧困な世帯とか、あるいはこれらの施設を対象に減免をいたしております。これはどこから言われたわけでもなく、沿革的にはNHKが自主的にとった措置でございますけれども、福祉の観念が、いわゆる福祉国家を標榜する現代において日本でも大きく変わりつつございます。私のところへも、あるいは母子家庭を減免しろとか老人世帯を減免しろとか、いろいろな要望は聞いておりますけれども、NHKがNHKの犠牲において減免措置をとりますにはおよそ限界があろうかと思います。ひとり現在のNHKの財政状態のみから見ましてもそうでございますが、財政状態を離れても、そういう福祉の関係の状態をすべてNHKが措置するということは適当ではないのではないか、このように考えますので、現在の範囲以上に出る、いわゆる福祉国家を標榜する必要のある福祉政策につきましては、これはやはり国で措置せられることが適当ではないか、かように考えております。そういうような見地で、手続としては、そういった面について、まずNHKが減免措置をとっておいて、その必要な経費は国から補てんせられる、こういう方法もございましょう。そういったような面で、今後客観的なそういう推移とあわせて検討してまいりたいと思います。
○阿部(未)委員 ちょっと気になりますが、その必要な予算を国が補てんする、その考えは私は余り賛成ができないのです。やはり三木総理の言うように、そういう方々の所得をふやしてあげる、所得をふやしてあげる中から、NHKの受信料は直接一般の受益者と同じような取り扱いをしていただく、そういう方法をとらないと、またいろいろ問題が生まれそうな気がしますから、これは老婆心までですけれども申し上げておきたいと思います。 次に、国際放送の問題についてお伺いしたいのですけれども、私は、ここ五、六年国際放送の問題についてずっと質問をしてまいりました。いわゆる放送法第三十三条及び三十五条の関係について、国が命令をする国際放送については国がその費用を負担するということが放送法で明らかなのにもかかわらず、NHKの必要とする予算を大蔵省は削減をする、こういう傾向がずっとありましたので、これは三月四日だったと思いますけれども、衆議院の予算委員会におきまして大蔵大臣にその考え方をただしましたところ、大蔵大臣としては、必要な予算につきましては全額負担しなければならないという御答弁をいただいたわけでございます。そこで、昭和五十一年度の予算についてお伺いしたいのですけれども、国際放送に要する費用は総額幾らで、そのうち命令による部分がどのくらいあるのかをお聞かせ願いたい。
○小野参考人 昭和五十一年度におきまして、国際放送に要します経費は、人件費等一切を含めまして約二十六億でございます。このうち国の交付金によります政府命令分に相当する交付金は四億四千七百万円でございまして、前年五十年度から比較いたしますと約一億五百万円ばかりふえております。その国際放送所要経費の全体に対する交付金の比率は一八・三%ぐらいになっていると思います。昭和四十三年ごろにはこの比率は九・九%ぐらいでございましたが、漸次逐年少しずつふえてまいりまして現在一八・三%ぐらいになっておりますけれども、まだNHK負担分の、いわゆる自主国際放送分野が非常に大き過ぎるのではないかと、かように考えております。
○阿部(未)委員 これはNHKが自主的に行う国際放送の関係と国が命令をする分野に分かれるわけですが、いま私がお伺いしたのは、昭和五十一年度においてNHKが命令をされた国際放送を行うために必要な予算はどのくらいですかということをお伺いしたいのです。
○山本参考人 国際放送の中に、政府の命令分とNHKが自主的にやる分と両方ございます。それで命令放送の分が、幾ら必要であるかということでなくて、命令放送は命令放送分としての金額が政府から提示されますので、その金額の範囲内で命令放送は実施をする、それからその他の分はNHKの自主的な国際放送の分であるという区分けになっておりまして、本来政府が行うべき分をNHKが肩がわりをしておるという仕組みにはなっておらないのが実情でございます。
○阿部(未)委員 従来のお話といまの山本理事のお話は大分内容が違うようですが、放送法の三十三条はそうなっていないんです。国が決めた予算の中でやれとはなっていないんです。これは。読み上げます。「郵政大臣は、放送区域、放送事項その他必要な事項を指定して、協会に国際放送を行うべきことを命ずることができる。」となっておるから、命令が先にあるんです。予算が先にあるんじゃないんです。命令が先にある。その命令に従ってNHKは計画をして、五十一年度の中で命令された国際放送を行うわけです。それがどのくらい金がかかるか、これをぼくは聞いているんです。
○山本参考人 先ほど会長が申し上げましたように、国際放送全体としては、会長が二十六億と申し上げましたけれども、厳密に申し上げますと二十四億でございます。それで、この二十四億の中で金額的な面で区分けをいたしますと、命令放送分が四億四千万、その他の残りはNHKが自主的に自己の予算を組みまして放送をしておる。ただ、それを実際に運用いたしますときには、番組を別々につくっておるわけではございませんので、これについては一体として運用いたしておる。したがいまして、金額としては命令放送分はあくまで四億四千万、その範囲内でNHKが行使をいたしまして、その他の分はNHKの自主放送分として理解をするということになると思います。
○阿部(未)委員 郵政省にお伺いしますが、NHKが予算を出したときに、国際放送分として概算要求は幾ら出されておりますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 この郵政大臣が命令いたします三十三条に必要な国際放送の概算要求でございますが、これは大蔵省に対して五億九千万という要求をいたしております。
○阿部(未)委員 少なくともNHKは当初、この命令された国際放送を遂行するために、妥当かどうかは別にして五億九千万必要であるということを主張したはずですよ。そうでしょう。主張したのに大蔵省から四億四千万に削られた。約一億五千万削られていますね。その一億五千万は、本来のNHK業務である国際放送の中に、言うならば、いま理事が言ったように、どんぶり勘定で食い込んでおるということは間違いがないでしょう。それとも、サバを読んで、四億四千万しか要らない金を五億九千万の概算要求をしたのですか。そういう不明朗な態度は、国際放送に対するNHKの姿勢を疑いますよ。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 ただいまの五億九千万の要求は、郵政省といたしまして大蔵省へ要求したものでございます。この三十三条によります国際放送につきましては、NHKではなくて、郵政省が大蔵省へ要求するというたてまえのものでございます。
○阿部(未)委員 では、郵政省は五億九千万かかる、NHKは四億四千万でできます。こういう食い違いができたわけですね。 おおよそ郵政省が大蔵省に予算の要求をするときには、NHKに対して命令された国際放送にどのくらいの予算がかかりますかということを聞かずに、郵政省が決めるわけはないのですよ。さっき言うように、国際放送の趣旨は、初めから方向とかそれから数を決めて、そして命令するわけなのですから、郵政省がそのために五億九千万くらいかかるだろうというならば、ぼくは、恐らくそれはNHKとの間の話し合いで、このくらいかかるということが決められたものだと思います。それとも、NHKが何ぼかかるか意見を聞かずに、郵政省が勝手に五億九千万というサバを読んだ数字をはじき出した、こういうことになるのですか。
○石川(晃)政府委員 国際放送の三十三条によります郵政大臣の命令分でございますが、これはNHKから資料等はいただきますが、郵政省といたしましては、郵政省の判断といたしまして五億九千万の国際命令を出そうということで要求したわけでございます。
○阿部(未)委員 それは、あなた方は法律を逆さまに解釈しておるのですよ。まず三十三条によって、郵政大臣が放送の区域なり放送の事項やその他必要なことを定めて、これをNHKに命令するのです。これが原則ですよ。それで、命令されたものについて、NHKとしては、これだけの国際放送を命令された以上これだけのお金がかかりますということになるはずなのです。そのかかるお金は国が負担しなければならない。ただ、三十五条の二項で、国会が金額を決めたときにはその範囲内でやらなければならぬという規制はあります。われわれ国会がそれを不都合だと言わない限り、国会が承認するという立場に立つ限り、大蔵省が勝手に減らせるものではないはずなのです。したがって、もし郵政省が五億九千万必要だというなら、五億九千万必要だったのじゃないかと私は思いますけれども、その間、NHKと郵政省の間に何らの話し合いもなく、勝手に郵政省が決めたというのもおかしければ、NHKの方も四億四千万分の放送をやりますというのもおかしい。先ほど会長言ったでしょう。区別することは困難だ、区別することは困難で、この中でやっておるが、どうもこの比率は、国が負担する部分が一八%程度で非常に少ないとおっしゃったでしょう。NHKとしては、国際放送総額二十六億、さっき理事は二十四億と申されましたが、この数字じゃ二十六億出ていますよ。もう一つ参考までに言いますと、こっちの収支予算では十一億四千万になっておるのです。この数字の挙げ方も、ぼくはちょっと納得ができないのですが、これは後にして、仮に二十六億としましょう。二十六億の中に、命令された国際放送のために必要な額はこの程度だという計算をせずに、NHKは国際放送を命令されておるのですか。そういうずさんな経理ですか、NHKというのは。
○山本参考人 私が先ほど御説明をいたしましたのは、金銭の、経理上の立て方の問題として御説明をいたしました。これはNHKの受信料から、国の命令放送そのものに金を支出することは私はできないと思います。したがいまして、NHKが支出しております命令放送以外の二十四億の中の金額は、あくまでNHKの自主放送のための経費であって、国の命令放送分を立てかえて出すという性格の金ではございませんので、これは経理の問題として申し上げました。実際運営してまいります中で、先ほど申し上げましたように、番組その他十一億とおっしゃいましたのは、番組の制作費だけでございますが、こういうものを運用してまいりますときに、これは別々な番組をつくって放送するというものではなくて、同じ時間に一つの国際放送としてこれが放送されますので、この三十分なり一時間の番組の中で、これを一体として運営してまいりますので、その中での比率はどういうものが適当なのであるかということになりますと、一八%よりももっと大きい数字で国が国際放送というものを考える、取り扱う、そういうことが望ましいというふうに私たち思いますけれども、じゃ四億四千万以上国の分をNHKが負担しておるのかというと、そういうことではございませんで、これはあくまでNHKの自主放送として運営されております。しかし、将来国の命令放送分がもっと充実してまいりますと、NHKの自主放送に現在かかっております費用は、全体としてのバランス、パーセントからいいますとより下がってまいる、その方が国全体が国際放送というものを考える場合には望ましいのではないかと私たちとしては考えております。
○阿部(未)委員 これは会長、NHKの役員がかわるたびに答弁が変わってきておりますね。私がこれまで質問したときには、大体大まかに分けてみて四億七千万かかりますとか、五億二千万かかりますというふうな答弁をかつて私はいただいておったのです。いま、山本理事のお話によりますと、国が負担しない部分がNHKが自主的に出す部分だ、経理上そういう解釈になるかもわからないが、しかし、それは国の負担分がきわめて少ない面もあります。確かに、電波の内容が、これが国がくれた分の電波、これが実質的な電波と分けて出すことはできぬでしょう。できぬでしょうが、それでは一体、郵政当局が五億九千万という数字を出した根拠はどこにあったのかと言われたら、郵政当局だって恐らく答弁できぬでしょう。できますか。五億九千万という数字は、そういう電波の分け方からいくならば根拠が説明できますか。これは明らかにどんぶり勘定なんですよ、私から言わせれば。明らかにどんぶり勘定である。それで、どんぶり勘定の中で、いま会長が言ったように一八%という命令放送の負担は少ない、そこのところを明確にしてもらいたいのです。どうですか。
○小野参考人 今日、国際放送のそれは、政府命令分とNHK自主放送分と両方が二本立てになっております。これは混在をいたしております。私どもとしては、国際放送の重要性にかんがみまして、政府命令分が漸次多くなることを期待をいたしております。郵政省もそのような見地で多くなるように予算要求をせられます。そこに査定を受けます。そこで放送法の規定は、政府の命令は、方向、時間等を命令をして、それに基づく必要な経費を交付しなければならない、こうなっておりますけれども、そういう実情から、当初郵政省で御要求になった予算のとおりに通らないとなれば、現実問題としては、命令したそれに十分でない経費が交付されることは法律違反でございます。そういうことで、かつては命令分のそれに対して、あるいはある種のものが欠けておる、こういうようなこともありましたけれども、逓信委員会のたびにこの点は指摘せられまして、いろいろな面で郵政御当局も努力をせられ、そういう面から申しますと、結果論でございますけれども、予算が査定をされるというようなことになれば、それに相応した命令しかなされない、こういうようなことで、一応は割り切って運用せられるという実情になっておるわけでございます。
○阿部(未)委員 それもうそですね。予算が削減されたからといって放送の内容は変わらないです。私が知っておる限りでは。命令分の予算が要求どおりでなかったからといって、当初立てた放送内容を変更したという事実はかつてないです。早く言えば、さっきから俗に言うどんぶり勘定で、国の命令分が減れば減るほど、少なければ少ないほどNHKの自主放送の部分の負担が多くなっておる。 そこで、具体的に伺いたいのですが、実際分けて考えて、半々ならば妥当であろうとか、国が三分の二を持つべきであるとか、国が三分の一を持つべきであるというのは、NHKの自主放送と命令分とのかかわり合いにおいて、NHK自体が判断しなければならない問題ではないかと私は思うのです。この判断できませんか。
○小野参考人 これは非常にむずかしい問題だと思います。BBCの場合には全額国の負担でございます。その規模も非常に大きゅうございまして、現在のBBCの財政状態の逼迫から、在来の国際放送の規模を幾分縮小するやに聞いておりますけれども、それでも百億を超える金でございます。国際放送には非常に力が入れられております。ただ、日本の場合には、かつては政府命令分のみでございましたけれども、昭和三十四年の放送法改正によりまして、政府命令分以外にNHKの自主判断による国際放送があり得ることとなって、その両方が並列しております。明確に区分はされておりません。放送の実態は、両者混在してどんぶり勘定になっておりますけれども、観念上は政府命令分と自主放送分になっております。全部政府命令分になっていいかどうかはいろいろな問題もございます。たとえば「よど号」事件のそれには、いわゆる政府のかかった放送でなく、NHKの公共放送としての自主的放送でありました限りにおいて、国交のない北朝鮮もこの「よど号」の寄港を認める、こういうこともございました。その意味において、自主放送分があっていいと思います。その比率が半々でいいのか、六、四でいいのか、その辺のところはいろいろ問題がございますけれども、私どもはできるだけ自主放送分は、これは残すべきだと思いますけれども、政府命令分が現在よりも多くなることが好ましい、希望であるということには違いございません。
○阿部(未)委員 もう少し具体的に郵政当局でも検討を願いたいのですが、NHKの方でもなかなか言いにくいようですけれども、まあ法律のたてまえでは大体並列になっておるようです。並列になっておるとすれば、二十六億なら二十六億の半々は負担し合って、NHK自主放送は十三億、国の命令分は十三億、そういう形でも負担が好ましいのではないか、これは私の全くの私見ですけれども、常識的にそうではないか、そういう気がするわけです。 ところが、具体的には、いま郵政当局がこの程度は最低必要であると言って要求をした五億九千万が四億何千万に削られておる、これが実態です。これでは結果的には私がるる申し上げたようにNHKの自主放送の予算に食い込んでいく以外ないのです。これは。 そこで、大蔵大臣の所信をただしたところ、大蔵大臣としては必要な予算については、これは出さなければならないということを予算委員会で明確に御答弁をいただきました。したがって、この次の、少なくとも来年度予算——私はことしもやってもらっていいと思うのですが、来年度予算においてはそういう方向でやってもらわなければならないと思います。 大蔵省、お見えになっておりますか、大蔵省、その関係について御答弁願います。
○宍倉説明員 先ほどからの御議論ございますように、本年度はNHKに対する国際放送に関する交付金といたしまして四億四千八百万円、端数切り上げの関係ございます。計上いだして、ただいま参議院で予算が審議されているところであります。 先ほど来御議論ございましたように、郵政省の方から要求がございました額が五億九千三百万円、それに対して四億四千八百万円ということでございますが、昨年に比べて一億強、比率にいたしまして三〇八%ふえているわけであります。一般会計全体といたしまして一四・一%の増加にすぎないところが三〇・八%の伸びになっているということで、私どもがかねてから先生初めこの委員会でいろいろ議論があったということを踏まえて努力をいたしましたことを御了承いただきたいと思います。 なお、先ほどお話ございましたように、三月四日の予算委員会で大平大蔵大臣は阿部委員の御質問にお答えしまして、「郵政大臣の実施命令によりまする国際放送がりっぱにその目的を果たすに足るような予算を差し上げるようにいたしたいものと思います。」こういう御答弁をなすっておられます。私どもといたしましては、この大蔵大臣の御答弁の趣旨に沿いまして、明年度以降も国際放送の問題については取り組んでまいりたい、このように思っております。
○阿部(未)委員 これで大臣、いまお聞きのとおりです。したがって幾らが妥当かということになると、なかなか議論の分かれるところだと思いますけれども、実質上は、内容はどんぶり勘定でございますから、二十四億国際放送にかかるとすれば、法律的には並列されておるわけですから半々の負担、この辺が私は妥当だろうと思いますから、NHKの方でも郵政当局でも検討されまして、昭和五十二年度予算においてはそういう方向での予算要求をされる、また当然大蔵省の方からも御答弁いただきまして、大臣の趣旨に沿うような措置をとりたいということでございますから、来年もう一遍私はこのことを質問をせぬで済むように措置を願いたいと思います。それぞれひとつ御答弁を願います。
○村上国務大臣 聞いていまして、なかなかごもっともな御意見だと感心して拝聴しておりましたが、来年はひとつ大いにがんばってみたいと思います。しかし、果たして先生の御期待に沿うかどうかは、大蔵省というところはやはり予算をそのままうのみにしてくれぬところですから、その点についてはわれわれも努力してみますが、どうぞ御期待ください。
○小野参考人 ただいまフィフティー・フィフティーが妥当ではないか、このような御意見も賜りました。重大な参考事項といたしまして、今後郵政御当局とも十分に連絡をとりながら、私ども、これは要望の面でございますので、そうありたいという希望の面でございます。政府御当局としては必要な限度によって命令をする、こういうお立場でございましょうから、立場のそういった違いはございますけれども、いろいろ検討した上で善処してまいりたいと思います。
○阿部(未)委員 会長に特にお願いしておきたいのですけれども、NHKは政府の機関ではないわけで、あくまでも受信者である国民のものなんですから、あなたが国民の側に立って話をしてもらわぬと、あなたが政府の側に立って話をされたのでは、国民こそいい面の皮ですよね。これは、あなたはあくまでも国民の立場に立って、視聴者の皆さんから預かっておる、その気持を忘れないように、いまのように政府のような話をしてもらっては私はきわめて心外で、私はフィフティー・フィフティーというきわめていい線を出しておるわけですから、その方向での努力をしてもらえるかどうか、もう一遍ちょっと……。
○小野参考人 重要参考御意見として、これによって善処したいと思います。
○阿部(未)委員 政府を恐れてはいけません。国民のNHKですから政府を恐れることなく、必要なものはどんどん要求をする、そしてまた、郵政当局も大臣の理解ある答弁をいただいて、お骨折りもいただけるそうでございますから、電波監理局長によろしくお願いをしておきます。 次に、お伺いしたいのですけれども、先般の当委員会の一般質問の際に、私はNHKの資産運用について非常に不明朗な点があるということで御答弁をお願いしたのですけれども、どうも答弁が納得できませんでしたので、質問を留保させてもらっております。その内容は、例の千葉県の稲毛の土地の購入についての関係でございますけれども、これはこの際非常に重要な時期でもありますから、国民の皆さんの前に内容を明らかにしておいていただきたいと思います。一つずつお伺いしますから。 この前は、当時の責任者がお見えにならないということでしたが、この土地を国際興業——国際興業と言うと語弊があるわけでございますけれども、朝日土地興業から買い取ったこの当時の担当者はどなたでしょうか。
○山本参考人 その当時は現在と組織が違いまして、具体的に大蔵省と折衝がありましたのは、もうやめられました竹田という経理局長でございます。
○阿部(未)委員 経理局長がおやめになっても、だれか当時の責任者でその経緯をお聞きになっておる方がおいでになるはずだと思いますが、その当時、経理局長の上で経理を担当しておった重役はどなたですか。
○山本参考人 上におられたのはただいまの会長でございます。
○阿部(未)委員 それで非常に明確になりました。 それでは会長にお伺いしますけれども、大蔵省はどういう理由でNHKに稲毛の土地を買ってこいということになったのでございますか。
○小野参考人 私は直接関与いたしておりませんので、つまびらかにいたしませんが、ただNHKとしては他意ございません。残余の放送センター所要地の五千坪ばかりのまだ入手しておらない土地、これをいただくべく大蔵省にはお願いをしておりました。事務的に大蔵省の関係の局から、NHK経理局の方へ直接金を払ってもらってもいいのだけれども、実は公務員住宅に建設予定地が稲毛にあるのでそれをNHKに買い取って、それと交換をしたい、こういう申し出があったように承知をいたしております。
○阿部(未)委員 大蔵省から話があった。大蔵省は何とか局といまおっしゃったようですが、大蔵省の方の当時の担当官はお見えになっておりますか。
○安倍説明員 十年も昔のことでございますので、現在ここには当時の担当官は来ておりません。私ども一応引き継ぎといいますか、同じ組織の中でございます。ですから、私がかわりにでもお答えいたしましょう。
○阿部(未)委員 大蔵省はなぜNHKにこの稲毛の土地を買わせなければならなかったのか。私は違法であるとか違法でないとかで聞くのではないのですよ。なぜNHKにこの稲毛の土地を買わせなければならなかったのか、その理由をまず……。
○安倍説明員 お答えいたします。 当時、公務員宿舎の用地がどんどんとなくなりつつある、これをつくるためには相当大規模な土地が必要である、まとまった土地でなくては困る、また東京周辺、通勤可能な場所でなくては困る、そういうような事情がございまして、代々木あたりに公務員宿舎をつくるというのも考えられますけれども、あの目抜きのところにつくってもそれほどの数もないし、もっと広い場所で若干東京から離れても広大な土地をとった方がよろしいのではないかというようなことからいろいろ物色中でございまして、たまたま稲毛の方に広大な土地がある。それではやはり代々木を有効に使うといいますか、そちらの方を手放して向こうを取得する方がよろしいのではないかということで決まったと聞いております。
○阿部(未)委員 少し違うようです。代々木の土地はそのもっと前に払い下げが確定しておった。二回にわたって払い下げられたけれども、払い下げそのものは稲毛の土地を取得する前に閣議決定しておるのです。そうしますと、いま代々木の土地が何とかだから稲毛がどうとかおっしゃるけれども、代々木の払い下げはすでに既定の事実として閣議で決まっておった。稲毛の土地を買うことになったのはそれから後の話です。これはどうなっておりますか。
○松岡説明員 先生御指摘のように、渋谷の土地をNHKに提供するということにつきましてはすでに昭和三十八年の三月二十九日の閣議において決定いたしておりました。したがいまして、その方向でNHKとの本件についての協議を続けていたわけでございますが、たまたまこれがいよいよ実現する時期に国といたしましては公務員宿舎の需要が緊急のものとして生じてきていたということでございまして、この際の選択といたしましては、NHKにこの土地を直接売り払いという形で提供することも可能性としてはございましたし、また現実に行われましたように、別途の公務員宿舎用地をNHKに取得してもらって、それと渋谷の土地とを交換するという選択も可能だったわけでございまして、いろいろな可能性の中で現実的には御存じの処理がなされたわけでございます。
○阿部(未)委員 いまのお話では、いずれも可能性があったというけれども、仮にNHKがこの稲毛の土地を買収して交換をしなくとも、政府は代々木の土地をNHKに払い下げるということはすでに三十八年の閣議で決まっておったわけでございます。したがって、その決定に従って代々木の土地はNHKに払い下げられる筋のものであって、それがあったから、これを奇貨として稲毛の土地をNHKに買わせた。なぜ直接国が買わなくてNHKに買わせたのか。そこのところの理屈が私はどうしても納得がいかないのです。すでに決まっておったのですからNHKに払い下げ、そのお金をもって大蔵省が必要な公務員宿舎の土地を買い取れば何の疑惑もなかったはずでございます。それを払い下げが決まっておることを奇貨としてNHKに替え地を求めた。なぜNHKに替え地を求めなければならなかったのか了解ができないのです。もう少し詳しく説明してください。
○安倍説明員 入れかわり立ちかわり申しわけございませんけれども、こちらの物を売って別の土地を買うということも一つのやり方でございますけれども、予算の上からしましても、土地があるじゃないか、この土地を活用したらいいじゃないか、国有財産当局がある土地を持っていてそれをどう活用するかというのはもう少し土地の活用の面から考えるべきではないかというようなことが常々から言われておりまして、わが方といたしましてもいろいろ公務員宿舎の用地を取得する上におきまして、既存の土地をできるだけ活用して新しい土地を取得していくという方向でずっと参っておったわけでございます。でございますので、この点予算をとればいいじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれども、土地の有効利用という方向からこういった交換制度というものは認められておるわけでございまして、それを使ったということでございます。
○阿部(未)委員 これは昭和三十八年に払い下げは決定しておったのです。そのとき稲毛の土地はまだ海だったのです。埋め立ても何にも行われていなかったのです。いいですか。したがって、払い下げを決めた時点にかわりの土地があろうなどということは、大蔵省といえども夢寐にだに考えていなかった。これが埋め立てができたのは三十九年五月十八日なんです。だから、払い下げをする時点でこっちにこういう土地があるからと言ったのなら、まだ私は幾らか交換の土地を求めるという手段もありましたということはわかります。しかし払い下げを決定した時点では、まだ埋め立ても何もできていなかった、土地を予想することはできなかったはずです。そうでしょう。だから私には詭弁にしか聞こえないのです。これはどういうことなんですか。
○松岡説明員 おっしゃいますように、閣議の決定は三十八年三月二十九日でございますが、その閣議の方針を受けまして、より具体的に本件の処理を決めましたのが国有財産関東地方審議会の答申でございます。これが日付といたしましては昭和三十九年十一月二十五日でございます。この段階で稲毛の土地との交換ということが具体的に決まったわけでございます。
○阿部(未)委員 私は日付がそうなっておると思うのですが、そもそもその払い下げを決めたときにはまだ稲毛の土地なんというのは海のものとも山のものともわからない海であった。それがこの日付を追っていけば大体わかってくるのですが、三十九年五月に埋め立てた土地を市が若松築港というのに工事代金としてその埋め立てた土地の一部を払い下げたわけです。これがいまあなたのおっしゃる三十九年五月ですよ。そして五月二十一日、三日後にこの若松築港は朝日土地興業にこれを転売しております。これが六億二千三百四十万円ということで転売をされております。そしていまあなたがおっしゃる十一月に関東何とか審議会というものがこの土地を取得したらどうかというような御意見になった。これはこの土地ができてきたから出た意見でありて、この土地ができなかったら一体どうなるのかということが問題になってくるわけでしょう。そしてそれから日を経ずして、ここは明確でないが、十二月にこの土地は実質上国際興業に渡っておるはずです。そのときの取引価格は十億三千万になっておるはずです。これは私の調べたところでは登記にありません。そして十二月四日ですからそれからわずか二、三日の間に、この土地がNHKに十二億九千七百九十一万、約十三億で売り渡されておる。そうすると関東何とか審議会というものはこれをさせるためにわざわざそういう審議会を開いて大蔵省に答申をしたのではないかということになってくるわけです。 そこで、問題になるのは、十二月に国際興業が取得した事実があったかどうか、これはどうなっていますか。
○松岡説明員 私ども、登記簿の記録によりまして、本件土地の所有権移転の経緯を把握いたしておりますが、昭和三十九年の五月十四日に、埋め立てを行いました千葉市が所有者としての保存登記を行っております。以降相手先がかわりましたが、三十九年九月二十八日に朝日土地興業が所有権のそれまでの経過を修正いたしまして、朝日土地興業の所有ということがはっきりいたしております。それから三十九年十二月三日にNHKに所有権の移転が登記簿上なされております。この間にいまおっしゃいました会社は登記簿上は介在しておりません。
○阿部(未)委員 そこで私がちょっと疑問を持つのは、このNHKが買い取った十二億九千七百九十一万円に対して課税をしたか、それとも私がさっき申し上げた幻の数字、十億三千万に対して国税庁が課税をしたか、どちらに課税をしていますか。
○篠原説明員 お答え申し上げます。 本件稲毛の土地の朝日土地興業とNHKとの売買につきまして、売却者である朝日土地興業の譲渡価格並びに譲渡によります所得の計算等につきまして、税務の申告書並びに税務調査によりますと、売買価格は申告書に正しく申告されておりまして、また税務調査によりますと、その売買にかかわります所得計算等につきまして適正に課税処理されております。
○阿部(未)委員 われわれが聞いておるところでは、当初この朝日土地興業からの申告は十億三千万というものを申告をされて、NHKの買い取り価格が十二億九千万であったためにその差額が改めて追徴されたというふうに聞いておりますが、あなたの御答弁に間違いがなければ、この納税者である朝日土地興業の申告の内容について資料を本委員会に提出してもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○篠原説明員 先生のいまの御要望につきまして、帰りましてから上司と相談いたしますが、ただいま私どもの方で税務に関しまして税法に基づき公示をいたしておりますのは、法人税の場合でありますと六カ月法人で年所得が二千万円以上の場合、所得を公示いたしますが、申告書そのものを提示申し上げたり公示いたしたことはございませんので、大変むずかしいのではないかと思っております。
○阿部(未)委員 それでは国民の疑惑が晴れないのです。やはりこれは国政の最高の機関ですから、国民の疑惑を晴らすためにも必要な資料は提供してもらわないと困ります。 繰り返して私は申し上げますけれども、われわれが聞く限りでは、当初朝日土地興業から申告されたものは十億三千万といけ価格で計算をされておった。ところがNHKの買い取り価格が十二億九千万であることが明らかになったので、そこで、あとの約三億円に対する税金が追徴された。その税金は朝日土地興業ではなくて国際興業から納入されておるのではないか、こういうふうに私は大体聞いておるわけです。したがって、そうでないとおっしゃるならば、そうでないことを立証するためにも、いま私が要求した資料をこの委員会に出してもらいたいと思いますが、どうでしょうか。もう一遍明確にしてください。
○篠原説明員 ただいまの先生の御要望につきまして、帰りまして上司によく伝えまして協議いたすことにいたしますが、その前の、本件取引にまつわる所得申告等に関するお尋ねにつきましては、四十七年四月五日、参議院の決算委員会でございましたが、当時の国税庁長官から、私先ほど申し上げましたとおり、申告並びに課税処理については適正に行われて処理済みでございますとお伝えしたとおりです。(「十億が正しいのか十三億、どちらか正しいのか、それも言えないのか」と呼ぶ者あり)
○阿部(未)委員 いまお話があっておりますように、じゃ課税した対象は十三億になっていますか、十億になっていますか。
○篠原説明員 お答えいたします。 大変申しわけございませんが、法人税法百六十三条によりまして、職務上知り得ました、税務調査によって知り得ました事項にわたりますので、大変申しわけございませんが、ここでちょっと御答弁差し控えさせていただきます。
○阿部(未)委員 私は守秘義務かどうかわかりませんが、しかし国民は自分たちが受信料を出しておるNHKがこの稲毛の土地を、何かわからぬが買わされた、しかもそれは非常に不当な価格ではないかというふうにみんな考えておるのです。さっきちょっと金額を申し上げましたが、三十九年の五月に六億二千万であったものが三十九年の、同じ年の十二月にはわずか六カ月間で十三億という、倍以上にはね上がっておる。しかも私が質問しましたように、その間には悪名高い、と言うとしかられるかもわかりませんけれども、国際興業などというものが一枚入ってきておる。それから当時の大蔵省の最高の責任者が田中角榮さんであったというふうなことを考え合わせてみるときに、このことを大蔵省が守秘義務であるといって隠すことが国民の納得を得ることなのか、それとも国会のすべての資料を提供して、かくかくなっておりますと言って疑いを晴らすのが大蔵省の任務なのか。私は、単に法文上の守秘義務などというものを盾にとって、国政の最高機関に対してさえ資料の提出を拒むという大蔵省の姿勢の中に非常に後ろ暗い後ろめたさがあるような感じがしてならないのですが、その点を大蔵省はどうお考えになりますか。
○篠原説明員 阿部議員の重ねてのお尋ねでございますが、幾らの価格で所得が計上されておったかということにつきましては、大変申しわけありませんがここで申し上げることはできませんが、私いまここで、先ほど申し上げましたように、朝日土地興業の所得申告並びに税務調査によって判明いたしたところでは、申告所得は、売買価格は適正に申告されておりましたということを申し上げて御了解いただきたいと思います。
○阿部(未)委員 どうも私はこれでNHKの予算を認めるということはむずかしいのですが、そこで、NHKもNHKだと思うのですよ。 土地を買うのに、その土地の価格が妥当であるかどうか、そのくらいのことも調べぬで買うはずは私はないと思うのです。大蔵省が買えと言ったからといって、わずか六カ月で倍にもなった土地をひょろひょろ買うというのは、一体NHKの財産運用をどう考えているのか、私は本当に不満を持つのです。これは一体価格は妥当であったと考えているのですか。
○山本参考人 NHKといたしましてその当時、これは内容について全く評価をしないで買ったわけではございません。 その当時の評価を不動産銀行それから安田信託銀行、この両行に評価をしてもらいました。ほぼ大蔵省側の評価と平仄が合っておるということで交換に踏み切ったわけでございまして、価格自体はその当時としては妥当な金額であるというふうに思っておりました。
○阿部(未)委員 それで税金の方は守秘義務でどうしても申していただけなければ、まだ私が納得のできないのは、さっき申し上げた、どうしてNHKに稲毛の土地を買わせなければならなかったか、ここはどうしても私は納得ができません。なぜ直接大蔵省が買わずに、NHKにそれを買わせなければならなかったか、ここだけは明確にしてください。
○安倍説明員 先ほど申し上げましたように、国有財産当局といたしましては、既存の土地をいかに有効に使うかという形で物事を考えておりまして、そこに交換制度という制度がございます。それを活用してそれを入手したということでございます。
○阿部(未)委員 大蔵省は通常土地を払い下げるときには、そのときはない土地でも——そのときは土地になってしまうかごみになってしまうかわからぬところでも、将来そこを買わせて交換させるというような計画を持つわけですか。
○松岡説明員 ただいまのまだそこに土地ができてなかったではないかという点でございますけれども、閣議決定によりましてNHKに渋谷の土地を提供するということが決まりましたのは、大きい方針として決まったわけで、そのときに売り払いによるべきか交換によるべきかというようなことは、閣議決定の段階では白紙でございます。いわば処分の具体的な態様が明確に決まりましたのが、先ほど御説明いたしました三十九年十一月二十五日の国有財産関東地方審議会で決まったわけでございまして、このときには明らかにそこに土地があったわけでございますから、そのことに特別の問題はないと理解いたしております。
○阿部(未)委員 私は、くどいようですが、詭弁にしか聞こえないのですよ。昭和三十八年に渋谷の土地は払い下げるという閣議決定があったのです。そのときには、稲毛の土地はまだ海の中で、なかったのですよ。それがたまたまそのときにその土地ができたと言うけれども、できなかったら一体どうするのですかと逆に聞きますよ。たまたま稲毛の土地ができたからそういうことを関東何とか審議会が決めたかもわからないけれども、稲毛の土地がなかったら一体どうするのですか。そのままNHKに払い下げるのが筋でしょう。替え地がないからNHKに土地を払い下げないということは、決まっておったのだからできぬはずです。たまたまそこに土地ができたからこれをNHKに買わせようではないかという考えが動いたことは間違いがないでしょう。そこで法的な手続をとって何とか審議会に答申をさせるということになったのであって、幾ら関東の何々審議会でも、昭和三十八年という時点に、そこに土地ができるなどということはおおよそ考えられなかったことでしょうが、後になってたまたまできたからこれを交換させようということになったことは間違いない。たまたまできたからこれを交換させようとした裏には何かあるはずだと私は言うのです。これは初めからあった計画ではないのでしょう。
○松岡説明員 土地がそこにできなかったらどうであったろうかという仮定のことにつきまして、余り意味がないかとも思いますが、仮にそういう仮定で考えますれば、その際にはまたいろいろな可能性が十分あったわけでございまして、NHKにこの土地を提供するということだけが方針として決まっておりましたから、その具体的な処理の態様は、いよいよ実現する時期に、複数の可能性の中から一番適切と思われることを審議会の答申を得て選択する、こういうことでございまして、現実に行われましたこともまさにそのとおりのことが行われ、具体的にこういう結果になったわけでございます。
○阿部(未)委員 あなたがそんなにおっしゃっても、国民の目から見ればそうは見ないのですよ。予定もされてなかった土地がたまたまできた、これを奇貨として、時の大蔵大臣田中角榮さんを中核にして、そして国際興業が一枚かんで、高いから直接大蔵省が買うのはいかがなものだろうか、あるいは国民の目から疑惑を受けると悪いから、あるいはNHKがあっちを払い下げるとおっしゃるから、たまたまここに土地ができたからこれを奇貨としてこっちをひとつNHKに買わせてやれ、そのためには法的な手続が要るから、関東何とか審議会とかいうのにちょっと諮ってみろ、大蔵大臣のお声がかりならそんな審議会は恐らく率直に言って何でもできる。そういう時期だったのですよ。それを奇貨としてやったのではないかという、国民の大きい疑惑を残念ながらあなた方は解明することができない、そのことは明確にしておきますが、どうですか。
○松岡説明員 現実に渋谷の土地をNHKに提供する時点におきましては、埋め立ても完了していたわけでございます。その時点におきまして、可能性といたしましては、この土地以外の土地と交換するということもあり得ましたし、あるいは直接払い下げということもございました。いろいろな可能性の中で、国の立場からは、宿舎の建設のためにこの土地が一番望ましいということに判定されたわけでございまして、そういう形でなされたわけでございます。仮にこの時点で埋め立てが完了していないという仮定で考えれば、その他別のセカンドベストの土地を宿舎用地としてNHKに取得してもらったということもあり得るわけでございます。
○阿部(未)委員 それでは第一次分の払い下げのときに、なぜNHKに土地の提供を求めなかったのですか、そういう言いわけをするなら。第一次分は現金で払い下げているでしょう。二次分だけが何で土地の代替地を求めたのですか。
○松岡説明員 御指摘の第一次分でございますが、これは昭和三十八年四月十三日にNHKと契約を締結いたして処理した分でございます。この時点におきましては、あの稲毛方面に公務員宿舎の用地を緊急に取得したいという需要は国の側にはなかったわけでございます。
○阿部(未)委員 ちょうどNHKが買わなければならない十一月に公務員宿舎が忽然として必要になってきた、あなたの御答弁によりますとこういうことになるわけでしょう。公務員宿舎などというのはかねてから必要であって、その都度物色をしていくというのが私はあなた方のお仕事じゃないかと思うのですけれども、たまたまNHKは代々木の土地を払い下げてもらうその時期に、公務員宿舎が忽然として必要になった、そこで稲毛の土地をNHKに買わせた、これで国民は納得するでしょうか。どうも私はまだ釈然としませんから、やはり私は大蔵大臣に出てもらわなければいけないと思ったのですが、大蔵委員会か何かもあるということで、それで大臣のかわりにと言うから、大臣のかわりに答弁できる方ということを要請しておったのですがどうも大臣のかわりになって答弁を私は承ったように思いません。まだ守秘義務などというようなことをこの段階に来て言っておるような係官の方で私は納得できませんから、この質問はまた保留しておきます。 ただ、さっき申し上げたように、国民の皆さんを納得させ得なかったことだけは間違いがない。慎重に審議をせぬとNHKの受信料値上げの問題はなかなか国民の理解は得られないのじゃないですか。そのことを私は非常に懸念しているのですが、いいですか。——それでは次に行きます。 次に、NHKの内幸町の跡地、これは三菱地所に売り渡されたというように私は記憶しているのですけれども、当時の売り渡しの条件、役所で言えば用途指定と言いますか、そういうものがあったかどうか、御記憶ありますか。
○山本参考人 当時入札参加をしていただくための条件というものを五つほどつけました。一つは、内国の法人であるということ、それから経営状態が良好で、信用、支払い能力そういうものに十分であるということ、それから買い受け者自身がこれをその後利用する、それからその利用について近隣に迷惑を及ぼすような使い方をしない。それから最後が風俗営業取締法適用の施設に使用しない。こういう五つの条件をもとにいたしまして参加者の選択ということをしたわけでございます。
○阿部(未)委員 いま所有者はどなたになっておるかわかりませんか。
○山本参考人 三菱地所でございます。
○阿部(未)委員 それでは、いまあそこの何か使用されておるビルの名称が日比谷国際ビルヂングとかなっておるようですが、何も私は「国際」という字にこだわるわけではありませんが、この営業の内容はよくわかりませんか。
○山本参考人 詳細に調べておるわけではございませんが、現在名称は別といたしまして、実態としては貸しビルとして使われております。
○阿部(未)委員 その貸しビルの経営が日比谷国際ビルヂング、こういう名称で行われておるようでございまして、これが果たして三菱地所なのか、あるいは三菱地所が経営権といいますか、ビルディングの運営をこの国際ビルヂングなるものに譲渡しておるのか、その辺がよくわからないのでお伺いしたのですが、これはちょっと後で調査をしておいてくれませんか。 その次に移りますが、昭和五十年度の予算で赤字の見込額は、さっき申し上げた二百十六億という見込みになっておったのですが、このうち借入金による補てん額は百二十九億円ということで、この百二十九億円については五十一年度以降の受信料の値上げができれば、その中で充当されるという計画のようでございます。そうしますと、二百十六億の赤字とこの借入金による補てんの百二十九億との間には八十七億という差が出てまいりますが、この八十七億の処理はどういう形でおやりになるわけですか。
○小野参考人 これは田村町の土地、建物の売却益金の中で、八十七億は一応は当初といたしましては債務返還に充てる予定にいたしておりました。それが四十八年度から翌年度に継続されまして、その後容観的財政事情等からいたしまして、この金は借金で返すよりも、大幅な赤字が出るわけでございますので、むしろ財政安定のためにこれに充当した方がいいということで充当いたしたわけでございます。
○阿部(未)委員 それで八十七億の穴埋めがわかりました。 もう一つ伺いますが、昭和五十一年度の資金計画説明中に、出金の部で支払い利息等が三百三億円という膨大な数字になっております。借入金を調べてみますと、五百三十五億ぐらいの借入金です。五百三十五億の借入金に対して三百億の利子を払うということは常識では考えられないのですが、どういう計算の内容になっておるのですか。
○山本参考人 三百三億の中身でございますけれども、これは百七十九億、けさ方も御指摘がありましたが、五十一年度に収支の差金が出てまいります。この百七十九億とそれから前受金約百億、この二つが使われますので、金額として非常に大きな数字になりますが、内容としてはそういうものでございます。
○阿部(未)委員 ちょっとわかりませんが、国債を買うのですか。
○山本参考人 国債も含めて有価証券いろいろ買います。
○阿部(未)委員 有価証券を買うのが支払い利息になるのですか。
○山本参考人 「支払利息等」となっております。「等」の方が圧倒的に多い数字になっております。
○阿部(未)委員 日本語の解釈として非常におかしいので、有価証券を二百何十億買って、利子が三十七億。それで「支払利息等」と書いて、実は有価証券を買います。私は有価証券を買うのは支払い利息でないと思っていますから、大体「等」の中に含めるのも、本来、会計上おかしいのではないかという気がするわけです。出金に間違いない。出金には間違いないが、しかし債券を買う金が支払い利息と同列に扱われるようなこの内容では、これはお聞きするまでわからないのです。なんで五百億の借入に三百億の利子を払うのだろうかとびっくりする。こういう表示の仕方というものは、数字の扱い方についてはひとつ今後御注意を願いたいと思います。 最後に、これは大臣、会長にお願いしておきますが、実はさっき私どもの党の金丸先生からも話がございましたけれども、たとえばテレビの世帯主義というのが正しいのかどうか。テレビはその受信機に対して大体受信料を払う契約をするというのが原則になっておるはずです。したがって、私も前申し上げたことがありますけれども、第一機目は世帯主義で四百六十五円でも構わないでしょう。しかし、二台目はその半額でもいい。やはり受信機に対して受信料をもらうという原則は打ち立てられるべきではないか。しかもこれはきのう、きょう言い出した話ではないのです。もう三年も四年も前からこの方法について検討すべきであるということを、それぞれの委員の皆さん方から口を酸っぱくして申し上げておるのに、NHKとしてはほとんどこれを検討していない。非常に技術的にむずかしいとか、捕捉が困難であるとか、いろいろな言いわけはありますが、その困難を克服しなければ私はいまの放送法にいうところのNHKの映像を受信できる受信機を持つ者が契約の対象になるという原則から考えてもきわめておかしいと思います。また、残念ながらいまこの段階で私どもはこの予算について賛否の態度を明らかにすることができません。しかし、そういう今日の委員会まで出された意見についてもっと真剣に取り組んでもらわなければ、いまのようなやり方でその場が過ぎればいいというような考えで運営されたのでは、われわれとしてもこの料金の値上げにとうてい賛成することができないのです。 それから大臣には特にお願いしておきたいのですけれども、大臣がおいでになるから万々心配ないと思いますが、最近いろいろ言われているところの、NHKがそら右に揺れたとか、左に揺れたとか、いろいろな意見があるようでございますけれども、こういう意見に左右されることなく公共放送として厳正中立な報道が確保できるように、監督官庁としても十分な配慮を払っていただくと同時に、特に自民党の代議士でもございますし、閣僚の一人でもございますから、その点についての決意のほどを明確にしていただきたいと思います。
○村上国務大臣 NHKの中立性と申しますか、これは全く不偏不党であるべきでありまして、少しでもゆがめられるようなことがあってはこれは公共放送の使命を達成することはできない、かように思っております。
○小野参考人 いわゆる台数主義、これには非常に合理的な根拠があることは私も認めております。したがいまして、いろいろな財政安定の措置を考えます場合に、これを全く無視いたしてはおりません。かなり重要な要素として考えておりますけれども、その理想の域に達しますためにはここに重要な問題がございまして、NHKの捕捉能力の強化でございます。現在の状況ではなかなか捕捉ができません。そうなってみれば、どうしたら捕捉ができるのか。これは一遍のやはりいわゆる届け出の義務制とか法律改正を要しますけれども、あるいはNHKの立ち入っての調査権、こういったものはかなり、民主国家としては重要な問題でございます。BBCその他諸外国の受信料制度をとっておるところにおきましても、これはそういった権限は法律上与えられておるのでありますけれども、なかなかこれはいわゆるプライバシーの領域へも入ることでございましょうし、法律の規定はあってもなかなか実際には運用しにくいということで、これらの国すべて、世帯で一契約主義——契約ではございませんで許可でございますけれども、そういう形をとっております。そういう形をとっておるところに、民主国家におけるいわゆるそういった権力行動に対する政府の重要なブレーキがあるのではないかと思います。日本の場合には幸いにそういった強権はNHKには与えられておりません。もっぱら受信者の方々の善意と好意によって今日の運営をいたしておりますが、この制度は非常にすぐれた制度だと思います。それをやはり捕捉を強化しますために、これが有効かどうかは別といたしまして、法律上、やはり民主憲法のもとにおいてはかなり私生活の上において疑義のあるそういった立ち入った調査権等を持ちますことも非常に問題でございましょうし、そういうようなことで今日のような財政の危機に当面いたしまして値上げもしなければならぬという状態であれば、ただすぐ考えられますことは、今日二台、三台と持っておられる世帯というものは全体の四〇%ぐらいになっておるわけでございますから、そういうところのあんばいによって値上げ幅を小さくして、しかも必要な財源措置をとる道はあるのでございますけれども、一面やはり捕捉力を十分にいたし、負担の公平を期しますためにとらなければならない措置なるものが非常に問題のあることを考えなければなりませんので、今回のそれにつきましてはそういうことは十分私は検討といいますか、私の念頭にはあったのでございますけれども、これを直ちに取り入れる、こういう段階には実はなし得なかったわけでございます。
○阿部(未)委員 くどいようですが、私はことしの予算までに間に合うとは思いません。これは実際に日程的にも困難でしょう。しかし、少なくとも来年NHKが新しい予算を組むまでには、こういう提起をされた問題について、さっき申し上げましたように、その場が済めばいいというのではなくて、この次の予算のときにはまず大原則として、会長おっしゃるように視聴者の善意を基盤にしながらそういう方法を講ずる、そのためには具体的にどうしたらいいかということを検討して、提起ができるような努力を払ってもらわなければ、軽々にNHKの受信料の値上げについてはわれわれ賛成がしかねる。特にもう一点会長にもお願いしておきますが、いわゆる放送法三条によるところの放送番組編集の自由、それからもう一つは放送法一条の表現の自由、これはどうしても守ってもらわなければならないNHKの使命だと私は思っております。だから、ずいぶん面憎い、言いにくいことも言いましたけれども、これをひとつNHK運営の基本に据えて視聴者の期待にこたえてもらいたい。その点についての会長の決意をお伺いしたいと思います。
○小野参考人 放送法第一条、第三条は公共放送としての非常な重要な生命線を規定したものでございます。私は、このことは公共放送として厳に守っていかなければならないものと考えますので、その点を御了承をいただきたいと思います。
○阿部(未)委員 終わります。
○伊藤委員長 平田藤吉君。
○平田委員 今度の予算、大変大幅でございます。大幅な値上げを内容とした予算ですので、この問題については当然予算内容についてかなり深めて検討する必要があると思いますし、同時に国民の皆さんからしてみれば、とにかくNHKの実際の経営、運営、そういうものに対する批判もかなり強くあるわけです。ですから、当然、経営の民主化をも含めて検討されなければならないだろうというように思うわけです。後で予算内容全般については土橋委員の方から質問があると思いますので、幾つかの点に限って質問したいと思うのです。 まず最初に、やはりずっと問題になってきておりますロッキード疑獄をめぐる問題ですけれども、この事件の真相を明らかにしてもらいたい、とりわけ関係のある政府高官名を早く明らかにしてもらいたいという国民の怒りと要求は非常に強いものがあるわけです。NHKを含めてマスコミがその国民の期待にこたえようと報道のために努力することは当然だというふうに思います。しかもその場合にあらゆる角度から情報を収集して報道していくということは大変大事なことだというふうに思いますが、小野会長並びに大臣の見解をひとつお聞かせいただきたい。
○小野参考人 御説はごもっともでございます。ただ問題は、常に真実と確実、これを旨としなければならないと思います。そういった面について、NHKとしては、これほどの大きな事件でございますので、真実こうだということがあれば、これを放送において控えるつもりは毛頭ございません。やはり事態の解明について本当に確実な真実の資料を把握することに努めておりますし、これが把握できれば放送で差し控える意図は毛頭に持っておりません。
○村上国務大臣 全く小野会長と同様でございまして、真実を報道することには何らの差し支えないと思います。
○平田委員 先ほど来問題になっておりますけれども、四月十三日の自民党の総務会で、赤旗の記事だけで云々という、ロッキード事件に対するNHKの報道を取り上げて問題にしているというふうに伝えられております。事実、先日志賀委員もこの問題を取り上げておりました。 そこまでまずお聞きしておきたいのは、報道の事実関係ですね。社会新報、赤旗などの記事を取り上げて報道したのは問題だというふうに言われておるけれども、事実関係をひとつ明らかにしてもらいたい。
○坂本参考人 御指摘のように、NHKのニュースで社会新報並びに赤旗に掲載されることになりました事実関係を、上田耕一郎氏の記者会見の記事として取り上げた次第でございます。
○平田委員 はっきりさせておきたいのは、共産党国会議員団の記者会見を報道として扱ったのでしょう。
○坂本参考人 私が承知しております限りにおいては、共産党の上田耕一郎氏の記者会見というふうに聞いております。
○平田委員 これについて中曽根幹事長が総務会でいろいろ言われて、善処するというふうに答えたと伝えられているわけですけれども、これが事実だとすれば重大な問題だと思うのですが、大臣、どのように考えられるか、お聞かせいただきたい。
○村上国務大臣 NHKはその言論報道機関としての性格に基づきまして、業務の運営が自主的に行われるよう保障されているところであります。したがいまして、NHKは放送の不偏不党を堅持するよう不断の努力を傾けるべきものである、かように考えております。中曽根幹事長云々のことにつきましては、私は全く承知しておりません。
○平田委員 善処すると言われた以上、大臣に対しても善処するようにという話があったんじゃないかというように考えますけれども、そうじゃないのですか。
○村上国務大臣 幹事長からもその他の方面からも何ら私に対してはそのような話はなかった。
○平田委員 NHKに対しては中曽根幹事長またはそれにかわるべき人から、いわゆる善処するという立場に立っての話が何かありましたか。
○小野参考人 全然ございません。
○平田委員 報道によると自民党執行部はNHKの幹部から事情を聞いたというふうに報道されているのですけれども、さっきのお話を聞いていますとそういう事実はない、予算の関係でいろいろ動いているかもしれないというふうに言われているのですけれども、しかし報道によるとこの問題を通じて説明に行っているというふうに言われているのです。そう言われるような状況があったんじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
○小野参考人 私自身に関します限りそういうことは皆無でございます。中曽根幹事長が総務会の空気を受けて善処される、それが私に対してどうこうというあれは全然ございませんし、またその他の役員につきましてもそういったことは私は承知をいたしておりません。ただ、たまたま新聞紙上で、総務会でいろいろな御議論が出ておるということは承知をいたしておりますけれども、ただそれだけでございまして、これを受けて党としてNHKに対して物申されたことはございませんし、たまたまそういった新聞記事が出ますこともちょうど予算のこういう重大な関頭に立ったさなかでもございますので、予算に対する御承認が会期中に得られるように行動はいたしております。そういうことがあるいは混同される条件があるといえばあるわけでございまして、事実は、ただいまの御質問に対しまして善処のそれがNHKに抗議の申し入れとかあるいは説明の聴取とか、そういうことは私に関する限り毛頭ございません。
○平田委員 しかし説明を受けたというふうに報道されているのです。全く根拠のないこととは思えないわけです。だから会長自身が行かなくても会長にかわるべき人かあるいはしかるべき人が行って事情を説明しているんじゃないかというふうに考えられるのです。その辺について会長は、全くそういうこともないと言えるのかどうか。
○小野参考人 私は全然承知をいたしておりません。ただ予算には、その当時いろいろな人に役員が会っておりますので、そういうことがあるいはそのようなことと結びつけて報道せられたのではないか、こう私は想像いたしております。
○平田委員 しかし会長、御承知のようにこの前の委員会で志賀委員の方から質問があったことについて、編集のチェック体制を強化するということを答えておられるわけですね。ちょうどこの問題が一番問題になっているこの時期に、あなたの方であわてて体制を強化するということを決めなきゃならぬという状態自身は、自民党の総務会から言われた、また言われたと言われている状況のもとであなたの方でとっている措置なんでしょう。だれの目から見たってこれは自民党総務会から圧力があって、NHKは予算で締め上げられているものだからあたふたして、そしてチェック体制をつくった、こういうふうに見られるのは当然だと思うのですね。そういう意味で、あなたがいまそういうことはございませんと言って説明されたって、現実には総務会で問題になってからチェック体制の強化ということが改めて始まったという事態、この事実は動かすことができないのです。そういう意味で私は大変重大だと思うのですよ。だからそういう態度をとっている限りにおいてはやはり説明があったのじゃないかというように判断する以外にないと思うのですよ。その点についてどうお考えですか。
○小野参考人 報道体制の強化を図りましたことは事実でございます。また党の方から総務会ではいろいろな発言があったようでございますけれども、それを受けて中曽根幹事長から私の方に何らの連絡、申し入れもなかったことも事実でございます。 ただ、報道体制の強化はやはりNHKとしては自主的に考えなければならぬ問題でございますので、時たまたまそういうような時期に遭遇いたしましたので、いろいろな誤解を受けるわけでございますけれども、あの時期でなくてもっと前にロッキード事件が始まるときに、もうすでに体制はいろいろ考えておりました。それは重要な副編集長が二人制のところが一人がまだ欠員のままにもなっておりましたし、そういうような面からこれを補充した、これがたまたまそういう時期だったので、そのような誤解も受けることだろうと思いますけれども、真実は私がいま申し上げましたように、党からそういう圧力があったので体制を強化した、こういう事実は毛頭ございません。
○平田委員 あなた方が予算を通さなければならないというので真剣になっていることはわかりますよ。真剣になっていることはわかりますけれども、現実には自民党の総務会から、そういう問題が騒ぎになったのであわててやっているというふうにしかわれわれには見えませんよ。国民の側から見ればそうとしか見えないと思うのです。だから問題になるのですよ。したがって、この間の委員会であなたがおっしゃったこと自身が私は大変問題をはらんでいるというふうに理解せざるを得ないのですよ。あなた自身が、そういうことでたまたまそうなったので問題はないのだと言って説明してみたところで、現実に起こっている事態はそうなんですから。ですからそこら辺は、あなたがもしそう考えていないのだとしたら、それはうそになると私は思う。現実に問題になったのでこの際やろうというのでやったんだというのが本当の姿だと思う。そこのところをはっきりさせておいてください。
○小野参考人 明確に申し上げますけれども、これは決してそのような圧力に屈してやったわけではございません。私どもの自主判断において、協会の使命に照らして事柄の重要性にかんがみて、欠員になったそれを補充し、その辺の報道体制の強化を図った、こういうことでございます。
○平田委員 それでは聞きますけれども、欠員になったのはいつですか。
○小野参考人 昨年の四月の末でございます。
○平田委員 昨年の四月の末に欠員になったものを一年間置かないでおいて、それで総務会からわあっと言われた時期にあなたの方は補充をしているのですよ。だからおかしくないと言い方がおかしいのですよ、現実にはそうなんだから。それだけに私の方もやはりこの問題は重視せざるを得ないのです。あなたはたまたま時期が一致しただけで、強化しなければならなかったのだと言うのですけれども、それなら四月の初めにでもちゃんとできているはずですよ。あれが問題になったからそういうふうにあわてて体制を組んだというふうに見ざるを得ないのですよ。そういう意味で、あなたが幾ら言いわけをしても、これはやはり国民の側から見れば自民党の圧力、権力を持っている者の圧力というものをNHKが受けてあわてている。これは大変だというふうに国民の側から見る。国民のNHKでございますと言ったって、自民党の意見がこれほど機敏に反応するということじゃこれは大変だというふうに見ますよ。そこのところは私は、あなた方自身がやはり慎重に対処してもらわなければならない問題点だと思うのです。 しかもその自民党の総務会で、こんな偏向放送では参議院に送られても承認しない——予算のことですね——などと、NHKの予算の問題で語ったというふうに伝えられているわけですけれども、これは非常に重大なんですね。自民党の気に入らないものに対しては権力によって圧迫してでも通してみせるというものとしか考えられない。そういう意味で見逃すことはできないと思うのです。私は、いかなる言論、報道機関もこうした圧力に対しては毅然とした姿勢を堅持すべきだと思うわけです。放送法でも明記されているが、NHKは当然不偏不党、公平中立、そして自立の原則をしっかりと守って、いかなる圧力にも屈することなく毅然とした態度をとって進むべきであるというふうに考えるわけです。そういう意味で、今後の対処についてその態度をひとつお聞かせいただきたい。
○小野参考人 公共放送といたしまして不偏不党であり、公正中立であることは当然のことでございます。これはどこまでも守り通さなければならないと思います。その辺につきましてはけさほども御答弁申し上げましたように、NHKのいわゆる死命を制する重大ポイントでございますので、外部の圧力に屈して右往左往するようなことは決していたしません。ただ、いろいろな偏向の問題は、自民党だけでなしにいろいろ各党からもときたま伺います。また聴視者の方々からも私のところへは、政府べったりではないかという投書もありますし、野党べったりではないか、こういうそれもあります。両翼からそういうように言われるから真ん中を歩いているとは私は申しません。これは自主的にNHKが判断をいたしまして、公正、妥当、中正、また不偏不党の立場を貫き通さなければなりません。そればかりでなしに、もっと理想を高くして、NHKは現在の国民の要望に沿うと同時に、明日の国民の幸福と繁栄のために運営をしてまいらなければならないと思うわけでございまして、この点についてはいろいろ御示唆をいただきました。私ども一〇〇%そのとおりに思っておりますので、そういった運営に志してまいるつもりでございます。
○平田委員 会長はそう言われるのですが、たとえば今度のチェック体制を強化して補充した、こういうかっこうであらわれますのは、自民党が命令をしなくたって、自民党の方でわあっと騒いだら、それに対応してぱっと体制を組むというふうにしか理解できないのですよ。だからそういう意味では、今後の問題もありますけれども、やはり慎重に対処してもらわなければならないし、原則に立った毅然とした態度で臨んでもらわなければ、これは知らず知らずのうちに、これをやったら文句言われるだろう、あれやったら文句言われるだろうというふうになっていっちゃうのですよ。これは当然起こり得ることです。従来にも幾たびもこういう経験を経ているわけでしょう。ですからそういう意味で私どもは、今回の問題決して偶然に起こった問題ではないというふうに考えます。とりわけこの点は強調しておきたいというふうに思うのです。 次にお伺いしたいのは、専門懇座長問題についてお伺いしたいと思います。 小野会長が公共企業体等閣僚協議会専門委員懇談会の座長として働くことについて、私はわが党を代表して会長に対し、昨年十一月二十一日に申し入れを行っております。その要点は、一つはNHK会長がこの種の懇談会に参加し政治的色彩を帯びた立場に立つことは、NHK本来の性格に反し、国民の期待にも背くことである。二つ目に、このことは小野会長を座長とする専門懇が、現在政治問題となっているスト権問題について原則的にスト権付与に反対する立場を明白にしているというこうした事実からして、NHKの公正、不偏不党性を守る立場から十分に真剣に考えるべきものであるという趣旨の申し入れを行ったわけです。会長は留守でしたために、代理の藤根井副会長ですかに託しておきましたけれども、お読みになられたかどうか、それからお読みになってどう考えられたか、またどう対処されたか、お聞かせをいただきたい。
○小野参考人 ちょうど当時、私はアジア放送連合の総会でオーストラリアの方へ出向いておりました。帰りましてつぶさにその申し入れ書も拝見いたしましたし、またいろいろお会いをした模様も拝聴をいたしております。私は非常に敬意をもってその報告を受けました。 それに対しまして、あの文章の中にあります。不偏不党、公正中立でなければならないNHK会長がああいった座長をやることは本質的に相入れない、こういう点については、私はそうは考えておりません。人間の個人の使い分けというのは非常にむずかしい問題でございますけれども、NHKの会長は会長として、また専門懇のそれは決して各党派の意見に傾くわけではなく、国民的立場においてこの問題をどうするかを、私だけではなくあの専門懇の委員はすべてそういう立場で考えておったと思いますので、この点は両立しないものとは思いません。ただ、不偏不党の立場にあるNHK会長という一つのイメージがございます。これに対しまして、やはりとかくそれと抵触するんではないかと思われるような、それについてこれは好ましくない、こういう誤解を受けることはよく承知をいたします。そういうような面から、人間の生き方としてこれは非常に重要な問題でございますけれども、やはりNHK会長としてはいささかの誤解も受けないようにNHKの職務に専念する、こういうことがやはり理想的で好ましいのではないかということは身をもって私も考えておりますし、両立しないものを両立するようにやった、過誤を犯したとは思いませんけれども、より理想的にNHK会長として一点の疑惑も受けないような対処をする、いわゆる人生の行動規範として非常に有益に読ましていただきましたし、それは今後きわめて貴重な教訓として体してまいりたい、かように考えております。
○平田委員 会長はそのときは個人として受けられたと言われるのですけれども、意見が真っ二つに割れている問題なんですね。しかも専門懇を設けるについては、専門懇の座長としてNHKの会長である小野さんだから、あたかも中立であるかのように見せるためには大変便利な存在なんですよ。あなたの方が利用された。あなたが意図していようと否とにかかわらず、NHKの会長だ、だから公平な立場に立っているんだというふうに理解される。しかし結論はどうなんです。やはり一つの政治的な方向に結論が出されていっているのですよ。そういうふうに今後もいろいろな機会にあなたの立場が活用されるといいますか、そういうことは起こり得るのではないかということを考えるわけですね。それだけに改めてもう一遍念を押しておきたいと思うのですけれども、あれはやめられたのですね。たしかそうだと思うのですが、今後その種のものについてどう考えるか。
○小野参考人 私は利用されたとは思いません。実はあの専門懇のいわゆる座長の選出は最年長者ということになっておったわけでございます。したがいまして、毎日新聞のその後社長になられました田中香苗さんが最初の座長でございました。これが毎日新聞の社長に就任されるに当たって、社務が非常に繁忙だからというのでこれを辞退せられましたので、次の年長者である私に回ってきただけでございます。世間の目からは先生のおっしゃいますようなそういう誤解を受けるおそれもございましょう。この専門懇のそれは、全然ある単一の方向に集約をいたしておりませんで、各種の意見は多数意見と少数意見でこれは書き分けてございます。全然少数意見を無視いたしてはおりません。 それはともかくといたしまして、この専門懇の座長は十二月をもって解任になっております。今後のいわゆる人生航路といたしましては、私はNHKの会長であります限りにおいては、先ほど申し上げましたようにいささかの誤解も受けないような立場でNHKのこの重要な業務に専念したいと思いますので、そういった他の誤解を受けるようなおそれのあるものを引き受ける意思は毛頭ございません。
○平田委員 次に受信料値上げ問題、若干の問題についてお聞きしておきたいのですけれども、今度のNHKの受信料を値上げする主な理由についてお聞かせいただきたい。
○小野参考人 NHKといたしましては、過去値上げの経験は余り持っておりません。昭和三十四年にラジオ料金の六十七円を八十五円に値上げをいたしました。これは過去十五年ばかりの間の唯一の値上げでございましょう。その後三十七年に至りまして、当時ラジオとテレビと両方の料金建てで、両方いただくたてまえになっておりましたそれを一本化いたしまして、テレビとラジオを合わせて三百三十円、ラジオだけの方は五十円、これはテレビとラジオの単一料金の関係では一八%の値下げでございますし、ラジオだけの料金としては四〇%の値下げをいたしました。そういう一般には値上げをするような環境でありながらNHKが値下げをして、しかも必要な難視解消その他国民の要望に沿う業務の運営ができてまいりましたのは、やはりテレビの普及の上昇カーブに支えられたことでございましょう。受信者の方々の非常な御協力と御支持によってそれが得られたわけでございます。 続いて四十三年には、白黒のテレビはむしろ値下げをいたしまして、三百三十円は三百十五円に値下げをいたしました。そのときにカラー料金四百六十五円を設定をいたしました。これが世間には値上げと、このように考えられます。財政的な面から申しますと、確かにこれによって財政の安定の得られる道ではございましたけれども、これは厳格に言えば、私は値上げではなく、カラーテレビの普及に備えまして白黒よりもよけい経費のかかるカラー料金を新設したもの、このように観念をいたしております。しかもその幅は白黒の五〇%増でございます。今日、イギリスの放送協会等におきましては、白黒の倍がカラー料金になっております。各国のいろいろな例を見ましても白黒とカラーとの比率は、NHKのように小幅ではございません。それはともかくといたしまして、四十三年にそういうようなカラー料金を設定をいたしました。 その後は急速なカラー化の時代に入りまして、そういった状況で経営はやや安定した運営ができたわけでございますけれども、四十六年の対前年に対する収入の伸び九・四%を天井にいたしまして、その翌年には九%、その次には七・五%、さらにあの石油ショックの年には五・六%、さらに前年度は四・一%と、収入の伸びは非常に鈍化してまいっております。片や物価の上昇は非常に世間の人心を震憾させるような状況になったわけでございます。こういう状況で赤字なしにやっていけよう道理はございません。 赤字と申しますと、昭和四十七年の沖繩返還の年にはすでに十億円の収入不足でございました。そのときが危険信号だったわけでございまして、通常ならいろいろな公共料金等はそのころに皆手入れをされております。NHKも値上げの必要があったわけでございますが、その翌年の四十八年には、これは経常的な財政の視野で見るべきものではありませんけれども、臨時収入として田村町の土地、建物が案外高い値段で売れました。そういうことから、経常収支の不足がありながら臨時収入のそういう望外の収益によって糊塗し一しかもその当時に、将来の運営の姿は予見できたのですけれども、将来三年間は値上げをいたしませんという公約もしてしまったわけでございます。そういうことから、石油ショックの非常な物価高の状況を迎え、賃金の大幅上昇、こういった事態に遭遇いたしまして今日に参っております。 ただ、これも、収入が鈍化した、物価は上がった、その関係の収支のアンバランスができたのでやむなく値上げに踏み切らざるを得ない、こういう無能な成り行き任せの経営はいたしておらないつもりでございまして、そういうカラー化料金設定以来、四十三年からずっと合理化には努めてまいっておりますし、いろいろ電気料金その他の料金が値上がりましても、それは値上げ幅のそれに追随できなくてもいろいろな節約によって合理化に努めておりますし、また地方の放送中継所等の運用につきましても、できるだけ人手の要らない無人化のそれを推進してまいるような合理化の措置もとっております。 そういうことをあわせまして今日ののっぴきならぬ事態になったわけでございまして、実はたまたまいろいろ料金問題というものが何よりも国民心理には非常にショックに思われる時期に遭遇したことはまことに残念でございます。過去においてすでに早く値上げの必要があったわけでございますけれども、それを耐えに耐えて今日に至っておる。過去八年間——私はカラー料金の設定は料金値上げにあらずしていわゆる新サービスに対する新料金の設定と申しましたけれども、世間ではやはりそれでは納得は受けません。値上げという印象も強うございましょう。仮に大いに一歩を譲ってこれを値上げと観念をいたしましても、あの激しい経済変動の中で経営を圧迫する要素が漸次膨大化する中で、八年間全然手をつけないでまいっております。それでは収入が非常によかったかと申しますと、先ほど申しましたような最もピークの四十六年でも九・四%です。これは電電公社、国鉄等の関係を見ましても非常にそれを上回った収入増があります。九・四%というようなものはそんなに高いものではございません。しかもそれをピークに、漸次急速度に収入の伸び率は低下しておる、こういう状況でございますと、公共放送の使命を全うし、国民の負託にこたえますためには、やはり財政の安定を図らなければならない。そういうようなことなくしては公共放送の使命すら達成できなくなる危険がある、こういうようなことで実は値上げの予算を御審議をお願いいたしておるような次第でございます。
○平田委員 確かにカラー化が進行し、カラー契約が速いテンポで伸びてきた。これが一つの支えになったわけですね。たまたま困難な時期に、土地の売却をめぐる問題など、これ自体問題をいろいろはらんでいるわけですけれども、困難な時期を乗り越えるのに役に立った。しかしずっと見てみますと、いろいろ言われるけれども、赤字が累積してきたものをいろいろな形で補いながら食い延ばしてきたので、結局この段階に来て大幅な値上げをせざるを得ないという事態に遭遇している。この中にはいろいろ問題がありますけれども、その問題の中の一つにインフレが進行してきたということが避けることのできない問題だったのではないのかというふうに思うわけです。それで、この点についてあなたの方は、それ自体いままで放置してきたのではないのだと言っているけれども、放置してきたのであろうとなかろうと、今回のような大幅な値上げ案を出さざるを得ないような事態になってきているわけなんですから、それ自身は私はやはり目をつぶるわけにはいかない問題だと思う。重要な要因がインフレにあるのではないかというふうに考えますので、そこのところはひとつお聞きしておきたいと思います。
○小野参考人 御説は謹しんで拝聴いたしました。まあ大幅と申されますけれども、これは何しろ先ほど申し上げましたような過去のNHKの料金問題に対する推移等から見ますと、急に五二%の値上げというと大幅に聞こえます。白黒ではかげんをいたしまして三三・三%でございますけれども、両方を突っ込んでも五〇%になるわけでございます。しかし、家計に対するこれが影響度等も十分に考えまして、かつて昭和三十四年ごろにはいわゆる家計の消費支出に対する受信料の負担ウエートというものは一・三一%でございました。それを、先ほど申し上げましたような三十七年にテレビ、ラジオ合一料金は一八%の値下げ、さらにラジオ単独料金は四〇%の値下げをいたしましたので、この一・三一%の負担率は〇・七%に下がっております。自来、カラー料金を設定いたしましても一方には所得倍増の収入の伸びなり、こういったものもありましたので、〇・八から〇・七、〇・六と下がりまして、五十年度、前年度におきましては〇・三%でございます。今回五〇%の値上げをいたしましても〇・四二%で、かつて昭和三十四年ごろの一・三一%から見ますと、四分の一ぐらいのウエートしか実際はないわけでございます。そういうこともよく考えております。そういうような状況でございますので、何しろ料金としては月額四百六十五円、値上げをしましても七百十円でございます。比率をとれば五〇%という大きなものが出ますけれども、金額から言えば——それを軽視はいたしません。軽視はいたしませんけれども、過去における値下げをこそし値上げをしなかった、こういう沿革と同時に、しかも厳しい経済環境で、通常であれば何回か値上げをしていなければならないような、こういう環境の中で現行料金を維持して努力してまいった、こういうようなこともおくみとりをいただき、しかもパーセントにすると非常に高うございます。高うございますけれども、いまの家計に対する犠牲をかける負担の率から言えば、昭和三十四年ごろから見ればだんだん低下をして、値上げをしてもざっと三分の一ぐらいの負担率にしかならぬわけでございますので、そういう面も十分に御勘案をいただくことを切にお願いを申し上げとうございます。
○平田委員 大臣にひとつ、今日の状況の中でNHKの受信料の大幅値上げをせざるを得なくなった要因の一つとして、インフレが急速に進んでいて因難さを増大しているというふうに見ているわけだが、大臣はどう考えられるか。
○村上国務大臣 インフレというそのインフレがどういうような状態でやってきたかというようなことをずっと検討してみますと、これを一口にだれが悪かったんだというふうな結論は出しにくいと私は思います。 そこで、小野会長から先ほど来るるその今日値上げせざるを得ないという状態について説明がありましたので重複を避けますが、私は公共放送の使命を達成するためには、この難視聴の解消等、これもやはりNHKでなければ解決できない問題だと思います。それらに日ごろの経常費もさることながら、難視区域の解消をするとか、本当に合理的な経営によって受信者に対するサービス、これの効果大いにあらしめるためには、どうしてもいま御審議願っておる料金の改定は必要だ、かように思っております。
○平田委員 とにかく四十二年を一〇〇として消費者物価指数を見ますと、政府は二二六%というふうに五十一年度を見ているわけですね。ですから、これが影響ないはずはないのですよ。余り影響のないような話ばかりしておられるのだけれども、これはかなり大変だなという感じがする。大臣自身もその問題については余り問題にしておられない。このNHKの料金、今回の大幅値上げを実際大幅じゃないのだと言われるけれども、視聴者の側から見ればやはり大幅なんですよ。大したことないんだ、大したことないんだ、みんなそうなんですよ。郵便料金値上げも、何%でございます。大したことない、電報電話料金の値上げも、何%でございます。大したことはない、国鉄の値上げも、何%でございます。大したことはない、それが総合されてきて大変なことになりますね。そういう感覚では国民の支持を得ることはできないと思うのですよ。やはり視聴者の側の今日遭遇している問題について真剣に考えて一緒の立場にいなければ、国民の立場に立っていますとは言えないじゃないですか。 〔委員長退席、志賀委員長代理着席〕 そういう意味で、私は国民生活に与える影響というものを総合的に考えていただく必要があるんじゃないのかというふうに思うのですよ。そこのところをひとつ聞かしてもらいたい。
○小野参考人 ごもっともでございます。私は大したことない、大したことないでそんな——国民生活に対する負担の増あるいはそれの幅、金額はともかくとして、いまのこのインフレ下で生活におびえておる国民が、多少でも、一〇%にしても料金が上がるということに対しては、一〇%のウエート以上のやはり不安感を持たれる、その心理状況というものは重大視すべきものと思っております。したがって、事柄を非常に軽く考えておるわけではございませんので、今後のNHKの運営に対しましてはそういうことも十分に腹におさめながら、サービスの面については公共放送らしい放送によって国民に御奉仕を申し上げる努力をしなければならない、かように考えております。
○村上国務大臣 御指摘のとおり、たとえそれが何%でありましょうとも、国民生活に全然影響がないというような不都合なことは決して考えておりません。
○平田委員 国民生活に影響はないなんて不都合なことは考えていないと簡単におっしゃるのだけれども、国民にとってみればこれはやはり深刻なんですよ。これはまたかということですな。NHKにしてみれば何年ぶりだと言っていますけれども、国民にしてみれば毎年いろいろなものがとっととっと上がるのですから、またかということになる。そういう国民の気持ちを、感情をやはり踏まえた上で問題に対処してもらわなければならないと思うのですね。 そこでお聞きしたいのですけれども、NHK自身は、一月に値上げされた郵便料金、いま準備されている電気料金、それから電報電話料金などの一連の公共料金の値上げがNHKにとってどんな影響をもたらすと考えておられるのか、その点お聞かせいただきたい。
○小野参考人 五十年度から五十一年度に予定されます料金の値上げ、これによりましてNHKが影響をこうむりますそれは、額で申しまして六十三億ぐらいでございます。このうち約十億は五十年度に影響をかぶっておりますし、残余のものは、予定どおりにそういうような伝えられる料金値上げがあればNHKの運営に対して負担増になりますものは五十三億ぐらいになろうかと思います。
○平田委員 大臣、NHK自身にとっても公共料金の値上げ自体がやはり非常に大きな影響を与えるのですよ。それもまたNHKの受信料値上げにかかわり合いを持っているのですよ。そこのところ、大臣は一体どういうふうに考えておられるか。
○村上国務大臣 これはもう全般の値上がりですから、それぞれにある程度の影響のあることはやむを得ないことだと思っております。
○平田委員 やむを得ないことだ、仕方のないことだというふうにして次から次へやっていかれたのじゃ、これは国民はとてもたまったものじゃないですよ。だから、そういう意味で私は、大臣自身が今日国民の遭遇している困難さを、どうしてこの困難を軽くしていったらいいかということで熱心に考えていられると判断できないのですよ。まあそれは後でNHKの予算内容をめぐる問題でも論議になると思いますけれども、とにかくこの値上げをめぐる問題、公共料金の値上げをめぐる問題に対する対処の仕方、これ自身、NHK自身もやはり考えなければならないものがあると思う。といいますのは、この放送内容に対する姿勢にも影響を与えておるのですよ。といいますのは、たとえば電電公社が五十年の四月から電報電話料金を値上げしようということで政府に対して値上げ申請をした時期なんです。この値上げ申請をした時期、四十九年の十一月です。「一億人の経済」、たしかそうだと思うのですが、その番組の中で電電公社の値上げ理由を長時間にわたって放送したのですね。それ自身は私は当然あり得ると思う。今度はこういう値上げになる、こういうふうに電電公社は言っていますよということは当然あり得ると思うのです。ただ問題なのは、それを一方的に放送して、国民の側からする批判の声も意見もとても届かないという状態でその報道をされたわけですね。私も長い時間、仕事の関係がありますからこれはもういやおうなしに見ていざるを得なかったのですけれども、ずいぶん腹立たしい思いをした。私の方から言わせれば大企業本位のための値上げだというふうに批判をしているわけですけれども、NHKが報道している限りにおいては全面的にその大企業の負担でもって一般住宅電話のめんどうを見てやっているのだという趣旨の報道が一貫してなされた。そういう意味で私は、そういうことを一方的に放映しているという姿の中にも、いまのNHKが十分に国民の気持ち、そして報道として当然あるべき姿がとられていない、インフレに対しても公共料金値上げに対しても何といいますかやむを得ないみたいなかっこうになっている状態がうかがえるのじゃないかというふうに思うのです。ああいう状況の場合には、当然のことですけれども、批判意見を取り上げて、そして国民が判断できるためにNHKとして貢献すべきだ。これは当然のことだと思うのですね。 〔志賀委員長代理退席、委員長着席〕 そういう意味では、この種のものについては今後はやはり検討してもらう必要があるだろうというように思うのですよ。ですから私は一つだけ例を挙げましたけれども、こういう立場に立っているということはやはりNHKが国民の立場によう立ち切れていないんじゃないか。いまも会長の話を聞いていて、いやNHKは手放しで見てきたんじゃないんだ、努力をしてきたんだという、ここを言うことに全力を挙げているんですね。こういう状況で困難が生まれているという総合的な問題の提起はないわけですよ。その話を聞いていて、私はやはり一抹の不安を感ぜざるを得ないんですな。そういう意味で、公共料金の値上げに対しても当然批判的な精神があってしかるべきだ、また国民の中にある意見の反映を当然行ってしかるべきであるというふうに思うのですが、どうですか。
○小野参考人 番組全体を通じましては値上げ結構だ、こういう態度は持っておりません。それに対する批判もあるわけでございますので、これも取り上げなければなりませんし、取り上げております。ただ問題は、ある種の料金の値上げがあります場合に、どういうような経緯でどういう理由で値上げが必要なのか、これをやはり紹介することも一つのそれぞれ必要なことだと思います。それに対する批判もございましょう。その批判は取り上げるべきだと思います。同一番組でそういう値上げの必要とそれに対する批判を同時に取り上げるという方式もございましょうし、あるいは番組を異にして一応何がゆえにどれだけの値上げが必要なのか、その実情を十分に国民に周知することも必要であると同時に、それに対する批判がございましょう。この批判も紹介することを怠ってはならないと思います。そういった面は番組全体を通じましてはやるべきだし、だからやっておるつもりでございますけれども、なお、この辺のところは非常に心しなければならない問題でございますので、一層将来はそういった理想の姿に向かって慎重を期してまいりたいと思います。
○平田委員 NHKに対する批判の大きな部分を占めている面と言えば、やはりそこの配慮の不足じゃないか、私はそう思うのですね。後でも若干触れますけれども、そういう意味で引き続いて努力をしていただく必要があると思うのです。 これは収入とかかわり合いを持ってくる問題ですけれども、五十一年度の受信契約はどれくらいと見込んでおられるか。またその世帯数、非世帯数についてお聞かせいただきたい。
○小野参考人 五十一年度当初における契約総数は二千五百九十四万三千件と見ております。これに対しまして年度内に七十万の増加を期待しております。年度末におきましては二千六百六十四万三千件に相なる予定でございます。これは世帯の方でございます。もちろんこの世帯の契約につきましても、七十万件の増そのものを、増加を努力するわけではございませんので、こり年度中には三百二十万件ぐらいの新規契約を獲得をいたします。しかし社会は動いておりますし、その世帯の動態の中で契約の中から落ちるものもございます。これが約二百五十万ばかりございますので、その差七十万ぐらいが純増で残るわけでございます。非世帯につきましてはいろんな御批判もあるわけでございますけれども、六十三万件のそれを六十八万件にふやしたい、こういうことを予算としては織り込んでございます。
○平田委員 非世帯の自主申告といいますか、契約についての五十一年度の申し立てがどれぐらいになるか、その数字をちょっと聞かせていただきたいのですが。
○川原参考人 非世帯の契約の数は五十一年度の場合、いま会長が申し上げましたように全部で六十八万件を私ども予定しております。
○平田委員 そのうちホテル、旅館などの申告数はどれぐらいになりますか。
○川原参考人 ホテル、旅館の契約は、いまの六十八万のうち約三十二万、端数をちょっとつけて三十一万九千としておりますが、約三十二万件を見込んでおります。
○平田委員 そのうち五十年度の実際の徴収数はどれぐらいになっておりますか、このホテル、旅館。
○川原参考人 ホテル、旅館につきまして、五十年度につきましては私どもは大体二十八万件の契約に最終的になると見込んでおりますが、これは推定いたします設置台数に対しまして八三%ぐらいになるであろうというふうに考えております。
○平田委員 推定台数八三%といいますとあれですが、厚生省の四十九年度の調査によりますと、ホテルと旅館の客室数九十九万八千七百八十四室というふうになっていますが、これはあなたの方はどういうふうにつかんでおられますか。
○川原参考人 いま私どもホテル、旅館の全部の客室数というのは率直に申し上げまして手元に持っておりませんが、私どもがたとえば一つの資料といたしまして、これは国際観光ホテル整備法、これに基づいて登録されている、いわばどちらかといえばあるレベル以上のホテル、旅館と思いますけれども、これの客室数について申し上げれば約十万六千客室数があるというふうに承知しております。これに対します契約数としましては、客室数に対しましては約六四%ぐらいの契約率になっております。
○平田委員 いま真し上げましたように、厚生省の調査によれば、四十九年度でホテルが千二十九軒、九万九千百六十客室あるわけですね。ホテルの場合ですと、ほぼテレビは各室に全部入っているんじゃないですか。それで見ましてもいま言われた客室数は十万六千だというふうに言われた数と、ホテルのこの実際の客室数とはほぼ同数近い数になるのですね。旅館が八万二千六百九軒、八十九万九千六百二十四室、こういうふうになっているのですよ。これは厚生省の調査なんですよ。ですから、これで見るとどうもあなたの方から出してくる数字との間の——私も、これが全部が全部テレビが置いてある客室であるというふうには断定はいたしません。しかし余り大きな開きがあるので、これは一体どういうふうにあなた方は見ておられるのかについてお聞きしたいんです。
○川原参考人 確かにホテル、旅館等の総事業所数といたしましては、私どもも五十年度において八万六千ぐらいになる、こういう数字は承知しております。それに対しまして、たしかこの統計にありますホテル、旅館、これは旅館という営業形態全部を含んでおりまして、実は必ずしも非世帯契約にならないごく小規模のものまで入っているのが実情でございまして、私どもはその辺を実際に非世帯契約の対象になるのは六万三千ぐらいの旅館業者としては数ではないだろうかと推定いたしております。それに対しましてサンプルの調査をいたしまして、それから推定いたしましたので、これは部屋数ではございませんが、ホテルの事業所数、対象となり、かつテレビを設置している事業所数としては五万七千ぐらいの数がある。それに対しまして設置台数が約三十三万九千、約三十四万ぐらいはあるはずだ、こういうふうに推定いたしております。それに対しまして、先ほど申しましたように、これは五十年度でございますが、二十八万の契約をいまのところいただいておりまして、その数が八三%になる、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○平田委員 いや、私が言っておりますのは、実際に部屋数、まあいままでからこの委員会でいろいろ答弁がなされている際にも、ホテル、旅館などの場合は一室一世帯とみなしているという話ですからね。ですから、部屋数がこれだけある。厚生省の調査によってこれだけの部屋数があるわけですから。そうしましたら、あなたの方でいまおっしゃった数というのはこの厚生省の部屋数の半分なんですよ。五〇%ですよ。——五〇%にならないですよ。そうでしょう。ですから、そういう意味でどうもそんなことはないだろう。あなたの方の推定数との関係での開きが余りにもでか過ぎるので、そこはどう理解したらいいのか、あなた方はどう考えられるのか。
○川原参考人 恐らく厚生省のその数字というのは、実は私は承知していなかったのでございますけれども、これは恐らく全国のおよそ旅館業というもので登録されております数を全部合わせたものではないであろうか。これは率直に申し上げまして、大都市等にあるホテルだけでなくて、地方にありますいわゆる昔風の旅館あるいはごく小規模の、名前はホテルと書いてありますけれども、そういう営業の実態まで全部を合わせたものではないだろうか、かように考えます。それに対しまして、私が先ほど途中で国際観光ホテル云々と申し上げましたのは、これは当然ある一定の規模以上のホテルでございまして、これは大体私は部屋数に近いものがあるいはテレビ等あるかもしれない、かように思っております。しかし、私どもが実際にサンプル調査しました限りでは、部屋数に全部テレビがあるというふうにはなっておりません。これは東京都内の大きなホテル、著名なホテル等にも私どもはしかるべき者が行きましてお伺いしておりますが、やはり逆に大ホテルの大きな部屋になりますと、部屋数が三つ、四つつながっておりましても、テレビは一台しか置いていないとか、そういうことも事実ございますし、あるいは一部の部屋をホテルの宿泊でない、部屋数としてはございますけれども、別の形に使っていたり、こういうこともございますので、やはり私どもの実態調査としましては、先ほど申し上げましたような数が私どもとしては一番確かな数字であろうというふうに推定しているわけでございます。
○平田委員 厚生省の方も客室というふうに数字を出しているのですね。ですから、あなたが言われるように、全部が全部あるとは限らないと言われればそれまででしょう。しかし、余りにも大きな差がありますので、今日少なくとも旅館という以上、私どもも出かけていって泊りますけれども、ホテルでもピンからキリまであります。旅館でもいろいろあります。ありますけれども、大方の旅館というのはやはり置いてあるのですね。しかも、このごろはレンタルか何かで、百円入れると映るという仕組みになっているのが多いのですね。あれは借りているのでしょうけれども、いずれにしてもそういう形で置いてある。金はお客さんから取っているという状況にあるわけですよ。そういうものが多いようです。小さい旅館ほどやはり金を入れて映るようにできていますね。ですからそういう意味では、あなたの方でも断定しないで、これはやはりしっかり検討していただく必要のある問題ではないかというように思うのです。それはやはり、先ほども会長が言われましたように、契約ですから御協力をいただいて、そして契約をしていただくという努力が必要なんだと思うのです。まあ、そこにはいろいろ困難さは伴うと思いますよ。実際に現地で一軒一軒歩いてくれる職員や嘱託の方々にすればいろいろな困難があると思います。しかし、これしかないんだという断定から出たのでは、これはやはり道は広がらないわけですから、ぜひそこのところは検討していただいて、今日の困難を打開する努力は必要なんじゃないかというように思うのです。そこのところをもう一遍ひとつお答え願います。
○小野参考人 先ほど先生の申されました厚生省のいわゆる部屋数と私どもの方の数との非常な隔たり、これはやはり部屋数自体と、私どもの方では部屋数でなくテレビが設置してある部屋の数、これの推計でございます。そういうことでございますので、これはホテル、旅館、一々シラミつぶしに全部実査するしろものではございません。そういうような関係で誤差も出てくるわけでございましょうし、現在の私どもの持っておる推計のそれが絶対的なものである、こういうような気持は毛頭持っておりません。なおいろいろ実情に近いものを把握する努力をしなければならないと思いますので、大いにこの点については一層の努力を傾けて、実態に近いものを把握するように努めなければならないものと思います。
○平田委員 次に、視聴者の意見を反映させるという問題について若干お聞きしたいわけですけれども、NHKは公共放送として、当然国民の期待と要望に沿うように努力をしなければならないわけですが、NHKの立場もそういう努力としてモニター制度による国民の意見、または直接NHKに寄せられている投書、あるいはまた新聞、雑誌などによる評価と批判、これらに当然注意を払っていられると思うのですけれども、それは総合してどれくらいの数になるものか、お聞かせいただきたい。
○坂本参考人 番組それ自身について申し上げますと、まず法律で定められております番組審議会の委員の先生方、その方々が全国で百十三名現在御委嘱申し上げております。 それから投書の年間の総数が百八十六万三千三百七十二通、これは五十年度でございますけれども、その投書の中に当然、ホールに入りたいというような単純な入場御希望などもございますので、具体的に番組についての御批評というようなものになりますれば、年間で三万七千四百九十通ということになります。その内訳は教育、報道、芸能というふうにそれぞれ分かれております。 なおその他、先生御指摘のモニターについて申 しますと、これも番組を聴視していろいろ御意見を伺うわけでございますけれども、全中の番組モニターとして百九十二名、それからローカルのモニターといたしまして、本年度五十一年度においては、五十年度に比較して四十四名増員したいと考えておりますので、そういたしますと、五十一年度では七百三十三名になりまして、そのほかにいわゆる臨時番組等のモニターであるとか、あるいは専門家の方々に御委嘱するモニターとか、そういう方々を加えますと、全体でモニターとしては二千名前後になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 その他、放送番組そのものに「みなさんとNHK」というような番組で、一般の聴視者にも御出演いただいて希望を述べていただくというような、そういう番組での意見吸収と申しますか意向吸収と申しますか、そういう努力をいたしておる次第でございます。 その他経営的な点につきましては、他の理事より……。
○野村参考人 お尋ねの件の経営その他の聴視者の意向吸収について、私どもは、たとえば各地で懇談会、懇話会を年間千五百回ぐらい開いております。これに参加してくださいます聴視者は大体四万四千名ほどでございます。 さらに、各放送局に私ども相談センターというものをつくっておりまして、年間、これは五十年度の統計で申し上げますと、大体四十二万件の御相談がございます。これは御本人がいらっしゃったり、あるいは電話で相談を持ちかけられたり、お手紙をいただいております。 この四十二万件の相談の内容を申し上げますと、大体番組が四〇%近く、受信料関係の問い合わせ、御相談が三六%、あとは技術関係等々でございます。 さらに、今回御提案申し上げました予算案の作成の中に受信料の改定が盛り込まれておりますので、特に昨年からことしにかけましては、そのためのいわゆるアンケート調査等々を行いました。そのアンケート調査は千百五十二名の方々から御意見をちょうだいしております。
○平田委員 新聞、雑誌などに載せられた批判といいますか、評価、こういうものの数はどれくらいになりますか。
○野村参考人 大体年間、新聞、雑誌等でのNHKへの批判は、大部分は番組が多うございますけれども、最近の傾向として、やはり投書その他等で、経営問題、NHKの姿勢問題、受信料問題、大体千二百件ぐらいが掲載されております。
○平田委員 先ほど坂本理事の方から若干答えられましたけれども、そうした声に対するNHKの側からの視聴者に対する答えというのは、どんな方法でなされておるのですか。
○坂本参考人 投書等につきましてのお答えは、先ほども申し上げましたように非常に多数でございますので、一々お答えするということはなかなか困難でございますけれども、少なくとも重要な御指摘をいただいているというような投書につきましては、その投書者個人に責任者の名前で御返事を差し上げるという努力をいたしております。なお、一般的には番組を通じます。「NHKガイド」等の時間でもそういう御意見を紹介しながらお答えする努力をいたしておりますし、先ほど申し上げました「みなさんとNHK」というような番組の設定の趣旨も、そういうフィードバックということを考えての番組設定でございます。
○平田委員 まあこのところへ来てまた一定の努力がなされているんじゃないかというふうには見ているんですけれども、やはり新聞や雑誌の場合でも、一定のページ数を割いて読者の声を紹介していますね。それから放送の場合も、ラジオの場合には前から声として報道している。短い時間ですけれども、とにかくやられている。テレビの場合でも何か視聴者の意見そのものを紹介する形での、やはり全体でもってつくり上げていくといいますか、いいものにしていくという立場からの時間を設けるなり、立法を考えるべきではないのかというように思うのですけれども、その点検討されているのか、あるいはされてないとすれば、やはり検討する必要があるのではなかろうかというふうに思うのですが、どうですか。
○小野参考人 御説ごもっともでございます。現在そういった、国民の要望の那辺にあるかをNHKとしては把握し、これにこたえる道といたしましては、先ほど関係の理事さんからお答え申し上げましたように、いろいろな方法をとっておりますが、法律上の制度そのものといたしましては、やはり国民の意向を吸収しなければならない義務がNHKにはございますので、いわゆる世論調査所その他におきましては、国民の意向がどこにあるかを定期的に調査をいたしております。そうしてそれを経営に反映させるような努力をいたしております。また、電話とか文書によるいろいろな要望もございますけれども、それはやはり考査室というところがございまして、約七十名ばかりの人員がタッチしておりますが、これは新聞論調その他新聞の投書欄その他の関係も全部ひっくるめまして、定期的にこれを集約して理事会で報告をしてもらい、これに対する対応をいたしておるようなわけでございますし、また、その他の問題につきましては、NHKでは一生懸命に処理をいたしておりますけれども、これは内部限りでは世間には何をやっているかわかりません。NHK独善だというようなことも考えられやすいことでございますので、昨年の暮れにはそういった面をガラス張りにいたしますために、外部の人を委嘱しまして、聴視者委員会なるものを設けております。これによってそういった投書、電話等の要望がいかに内部処理をされつつあり、いかにこれが経営に反映されつつあるかを外部の人に見てもらうような方法もとっております。ただ、その限りでは私は十分でないと思いますので、テレビに一定の時間枠をとりまして、それらのことを、外部の人も見られたそれもあわせまして、一体どういうように活動しておるか、これを出すべきだと、私はかように考えて、そういう要望をいたしております。現在何回かやっておりますけれども、まだ十分ではないと思います。この辺についても一層の配意を下してまいりたいと思います。
○平田委員 次に、受信料の契約をさらに広げ、滞納をなくして徴収をもっと効率的にやっていくという立場から考えて、NHKとしては受信料の滞納者を幾つかに区分しているというふうに聞いておりますけれども、どういうふうに区分しておられるのかお聞かせいただきたい。
○川原参考人 受信料の支払いが滞っている契約者につきましては、幾つかのジャンルといいますか、がございますので、私どもいま大きく、いわゆる受信障害、たとえば飛行場周辺等のことでテレビがよく聞えない、見えない、こういういわゆる航空騒音、これはかなり数がございますので、この航空騒音関係の方でお支払いが滞っている方、それから、飛行場とは関係ありませんが、建築物等でやはり受信障害、本来私どもいただかなければなりませんが、いろいろ主観的な判断で、これでは払えぬというような受信障害の方と、それから、いわゆる不払いと申しますか、NHKのありようにつきまして御理解いただけない、あるいは基本的にこの受信料制度に反対であるという、なかなか御理解をいただけない方々、それからもう一つが、これが実は一番数が多いんですけれども、私ども努力をいたしまして何度か聴視料のちょうだいに上がりますけれども、いつも御在宅にならないで、不在がちでお支払いが滞っている方、大体大きく分けてこの四つに分類いたしております。
○平田委員 区分の中で「無理解」というものがあるようですな。この場合でもやはり区分方法というのはちょっと工夫する必要があるんじゃないかと思うんですよ。それなりに言い分があって、契約をしないとか、あるいは契約はしたけれども納めないとかという言い分があるわけですね。多くの場合には、やはりよく話し合うという状態がないんですよ。意見が違うとすぐ、もう結構だというので分かれてしまうというような事例が少なからずあるんですね。それもやはり無理解、理解しない人なんだという立場から接しているところから起こってくると思うのです。そういう意味では、区分の内容についてももうちょっと工夫される必要があるというふうに思うんですね。だから、自分の側から、話したけれどもだめなんでこの人は無理解だというふうにきめつけてしまわない区分内容にやはり工夫すべきではないかというように思うんですよ。そこいら辺も、未納者の区分についての決め方について、やはりもう一度よく見直してみていただいた方がいいのじゃないかというように思うのです。そのほかの問題にもかかわり合いがあるのですけれども、やはり姿勢としてそこのところが大事だというように思いますが、どうですか。
○小野参考人 きわめて大事なことだと思います。 現在いろいろな区分を立てておりますけれども、契約すべくして、NHKあるいは番組が気に食わぬとか、いろいろな不平を持って契約をしない、拒否しておる数がNHKでいま把握しておりますものは五万五千でございます。そのほか、一たんは契約をしておっても、あるいは番組に対する偏向とかいろいろな理由で支払いを拒否しておる者が十万五千ばかりあります。合わせて十六万くらいはそういう契約すべくして契約を拒否する、あるいは一たん契約しておっても支払いを拒否する、こういう状況になっております。これは放置してはいけないと思います。いろいろな言い分がありましょうけれども、それぞれに応じて、NHKは理解をしてもらい、契約、収納を完全にしてもらうような努力を積み重ねなければならないと思いますので、これはもう手がつけられぬ、しようがないで放置すべき問題ではないと思います。そういうような面で、いままでも大いに努力をいたしておるわけでございますけれども、将来一層の努力を傾けてまいりたいと思います。
○平田委員 それならば、引き続いて努力を要する人ということでもいいのですよ。だからそこいら辺は、実際に対応する人の気持ちがそこへ出ますから、NHKの考え方というものが。そこいら辺はやはり検討していただく必要があるというように思います。 それから次に、業務をめぐる若干の問題について、かなり重要な内容を持っていると思うのですけれども、お聞きしておきたいのです。 放送法第九条二の一で「放送番組編集上必要な劇団、音楽団等を維持し、養成し、又は助成すること。」ができるというふうにしているわけですけれども、この項に該当する劇団なり楽団なりの数、どんなものがあるのか、お聞かせいただきたい。
○坂本参考人 五十一年度御契約いただく方は、総数で二百二十九名でございます。それで、管弦楽団に所属する方が百五十名、合唱団に所属する方が二十三名、劇団の方が五十六名という数字になっております。
○平田委員 維持し、養成し、助成するということで、そのためにNHKとしてはどんな措置をとられているか、お聞かせいただきたい。
○坂本参考人 先生御指摘の出演者は、NHKの中では回数出演契約者というふうに呼んでおりまして、年間の出演回数を契約いたしまして、それによって契約料ないしは出演料をお払いする、こういうことで、またその契約条項の中でいろいろ技能奨励というような意味合いの科目も設けて、御指摘のような指導育成という点についての努力をしておるわけでございます。
○平田委員 世界的にも有数だと言われているNHK交響楽団の場合、これに対する助成はどれくらいになっておるか、一人平均すると幾らくらいになるか、お聞かせいただきたい。
○坂本参考人 N響につきましては、大体楽員が百十八名おりまして、NHKからの助成金が大体二億八千万ということで運営いたしておりまして、楽員の平均的基本給と申しますか、それが十七万円強ということになろうかと思います。
○平田委員 この方々に対する退職金や保険はどんなふうになっておるのでしょうか。
○坂本参考人 恐縮でございますけれども、ちょっといまここに手持ちの資料がございませんので、調べまして後ほど御報告いたします。
○平田委員 それでは、それは後ほど資料をいただくことにして、いま言われた助成、すぐれた音楽家に対する正当な待遇だというふうに言えるのだろうか、どう考えておられるだろうか、そこをお聞かせいただきたい。
○坂本参考人 現在の日本の管弦楽団の全体の中で考えれば、一応妥当な線ではないかというふうに判断はいたしておりますけれども、またいろいろと御意見のあるところかとも思います。
○平田委員 楽団員、合唱団員、劇団員で組織されておる日本放送協会芸能員労働組合の構成員も、当然放送法第九条の二項の一号の規定に該当するのではないかと思いますけれども、これらの人々に対してはどういうふうに考えられているのですか。
○坂本参考人 回数出演契約者の方々も、当然NHKの日常の放送を支える出演者でございますので、そういう意味合いで誠実に対応しなければならないというふうに考えております。
○平田委員 これらの人々は、少ない人でも九十回、それから多い人で二百三十回、平均しても百五十回も一年間に出演されているわけです。いま言われましたように、まさに専属に等しい実態だというふうに思うのです。歴史的に見ましても、NHKの職員として働いてこられた人々のようですし、この人々の処遇は当然現在のような低い処遇の仕方ではやはり大変問題があるのじゃないか、当然改善されてしかるべきだというふうに私は思いますが、どうですか。
○坂本参考人 御指摘の方々についても、先生御承知のような経過で今日に至っているわけでございますので、できるだけの努力はすべきであろうということで、実は先般来、五十一年度の契約につきましてもいろいろ御相談申し上げまして、そしてお互いの合意に達しまして、三月末から四月上旬にかけて五十一年度の契約も円満に終了したという事態でございますので、それだからいいというふうに申し上げているわけではございませんけれども、なお一層の努力はしたいというふうに考えております。
○平田委員 いまの日芸労に属する人々の年間の平均月額はどれぐらい保障されているんでしょうか。
○坂本参考人 日芸労所属の回数出演契約者は全国で百十四名おいでになりまして、大体契約回数としては平均七十回ということで年間の支払い総額の予定数と言いますか、それが百二十七万強というような数字になっております。
○平田委員 これらの人々に対して、ボーナスや諸手当、社会保険などあるのかどうか、それから退職金制度あるのかどうかお聞かせ願います。
○坂本参考人 先ほど私読み間違えまして、日芸労の回数契約の平均は七十回と申し上げましたけれども、九十回の誤りでございます。 それから、それは御承知のように回数出演契約でございますので、いわゆる賞与というような形での処遇はいたしておりません。 なお、退職金というようなこともございませんが、ただ長年にわたって契約を更改しているというような意味合いもございまして、いまその契約をもし解除する場合には慰労金というような形でのお話し合いを進めておるわけでございます。
○平田委員 これらの人々の出演回数はふえる方向にありますか、減る方向にありますか。
○坂本参考人 これはその年その年の編成の番組の実態に応じてということでございますけれども、回数出演契約者の従来からのステータスと申しますか、そういうところがラジオを中心に発足いたしておりますし、全体の番組の傾向等から言いまして回数出演契約者の方々に責任を負っていただくというようなシェアがだんだん減少しているというのは否めない現状でございますので、御指摘の回数という点になりますと、必ずしもふえるということではなしに、まあ減るというような傾向にならざるを得ない、こういうことでございます。
○平田委員 これは、やはりかなり重要な問題だと思うのですね。N響にしても日芸労にしても、私はやはり放送法第四十四条では、「豊かで、かつ、よい放送番組を放送することによって公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、最大の努力を払うこと。」「わが国の過去のすぐれた文化の保存並びに新たな文化の育成及び普及に役立つようにすること。」というふうになっておりますけれども、この立場から見まして、この目的に合致するようにしていくためにも、不断の努力がやはり必要なんじゃないかというふうに思うのですよ。しかも不断の努力と言いましても、それぞれ具体的でなければならないと思うのですね。いまのようにたとえば日芸労の方々にしても、契約回数が減っていくということは、そうでなくたって出演料が私どもから見れば生活していく上で正当だというふうには見られないわけですよ、拘束時間その他もいろいろ作用しているようですけれども。したがって、私どもは、減る傾向にあるということですし、これらの人々に対する生活困難を一層増大させる結果になるのではなかろうかというように心配しておるわけです。そういう意味で私はこの際やはり十分見直しして考えていきませんと、これは大変なことになるのじゃないかというように思うのです。まさにNHK交響楽団や日芸労に属する方々に対して十分な配慮をし、待遇改善などについても話し合って、さらに改善のために大きな努力を払うべきだ。特に芸術の分野で活躍される人々、あるいはいろいろな意味で出演される方々にとっては、芸能の分野でもそうですけれども、今度は幾らか配慮しなければならぬという努力は認めますよ。努力は認めますが、これらの人々に対してもさらに改善のための努力をすべきじゃないかというように考えるわけですけれども、会長ひとつ……。
○小野参考人 何分にも芸術分野に属する問題でございます。芸術家としての評価にはいろいろ段階もありましょう。総体的に申しますと、先生の御指摘のとおりに、芸術に報いる処遇を考えなければならないことは私も同感でございます。将来いろいろそういう観点から検討してまいりたいと思います。
○平田委員 最初に問題にしましたけれども、とりわけ私ども今日の段階で、いわゆるNHKの報道に対して偏向があるなどという圧力を加えてくる傾向に対して、注意を払わなければならないと思っておるわけですけれども、特に民主主義の根底としてやはり言論、出版の自由、当然のことながら報道の自由は守られなければならない。このところは大変大事な問題だというように考えますので、最後にもう一度、いろいろNHKの報道内容について圧力を加えるという動きが報道されておる状況のもとにあって、会長の決意また大臣の決意をひとつお聞かせ願いたい。
○小野参考人 民主社会の発展に自由が欠くことのできない重要な要素であることは、これは申すまでもございません。その国民の自由の中でも知る権利と申しますか、あるいは報道の側から言えば報道の自由、言論の自由、これはやはり民主社会の発展に欠くことのできないきわめて高度な自由であろうと思います。これが他の圧力、干渉等によって曲げられることがあってはなりません。もっとも自由の保持者の方の側では、自由で何をやってもやりほうだいということは許されないでございましょう。やはり裏づけに責任のある自由、これはどこまでも貫徹すべきものと考えておりますので、自主的にそういった責任の裏づけがある自由、これの貫徹につきましてはいかなる干渉、圧力にも屈することがない運営が必要であるとかたく信じております。
○村上国務大臣 NHKはその言論、報道機関としての性格に基づきまして業務の運営が自主的に行われるよう保障されているところであります。したがいまして、NHKは放送の不偏不党を堅持するよう不断の努力を傾けるべきものと考えております。
○平田委員 最後にもう一度、私は、いずれにしても権力を握っている側から問題にされるといった場合にどうしても受け身になりがちなのが常だ。そういう意味で、いま言われた態度を貫かれることを特に要望しまして私のきょうの質問を終わります。
○伊藤委員長 大野潔君。
○大野(潔)委員 私は公明党の第一陣でございますので、主として大筋について大臣並びに参考人である小野会長、参考人というよりは当事者の小野会長を中心に御質問したいと思います。 まずNHKの基本問題調査会の調査報告書の冒頭に「NHKが、国庫収入を基盤とする国営放送機関でもなく、広告収入を基盤とする放送機関でもなく、受信者が受信料を拠出して維持するというわが国独得の国民による自主的公共放送機関として、一貫して運営されてきたことは、特筆されてよい。この放送形態は、言論と報道の自由と公正を保障するために必要であり、今後とも維持されて行くべきである」このように述べておりますが、私もこの国民の放送機関としてのあり方は賛成であります。今後とも維持されていくべきものと考えております。 そこでまず伺いますが、外国の公共放送の形態というものは主としてどういう形になっているか御説明願いたいと思います。
○小野参考人 いわゆる放送形態として見ましては世界にはおよそ三つの類型があろうかと思います。いわゆる商業採算によって、スポンサーからの広告料によって運営をする放送機関、あるいは国が直接管理する国営の放送、それと公共放送であろうかと思います。日本のNHKの場合は最もこの公共放送の性格を具備したものと思いますし、世界各国の放送関係者からも非常にすぐれた制度として羨望をもって見られております。これに似た、いわゆる公共機関としての放送機関の形態を持っておるのはイギリスのBBCであろうと思います。その他国営のそれにつきましても多少そういう公共機関的な性格を加味するような配意を下しておりますのがカナダでありますとかいろいろございますけれども、大体は公共放送機関としての形態を名実ともに備えておるのは、世界非常に広うございますけれども、NHKとBBCではないかと考えております。
○大野(潔)委員 NHKの五十一年度収支予算、事業計画及び資金計画を見ますと、五十年度の運営費が赤字二百十六億円、また五十三年度までの推定二千三百八十三億円の赤字ということで八年ぶりとはいえども受信料の値上げが計上されておるので、わが党としても大変戸惑っているわけであります。国民放送としてのNHKを維持していきたい、そのためには受信料の値上げが必要だという。しかしわが党は、物価値上がりに重大な影響を与える公共料金値上げについては、御承知のとおり厳しく対処してまいりました。そこで会長に伺いますが、新しい受信料すなわちカラーテレビが月四百六十五円が七百十円、これは一・五三倍という率でございます。また白黒が月三百十五円が四百二十円、これは一・三三倍、この案が出ておりますが、なぜこのような値上げが必要になったのか。またこの料金の算出根拠、これについて伺いたいと思います。
○小野参考人 御承知のとおりNHKではほとんど値上げの経験を持っておりません。はるかに遠い昭和三十四年におきまして、ラジオ料金六十七円を八十五円に値上げをしたことは、値上げの唯一の経過ではないかと思います。しかしこの料金もそれから三年たちました三十七年におきましては、テレビとラジオの別料金立てでなく一体化いたしまして、三百円のテレビ料金に八十五円でなく三十円を加えました三百三十円をもってテレビ、ラジオ全体をひっくるめての単一の料金にいたしました。これはその前に三百円とラジオ料金の八十五円を支払わなければならぬたてまえのもとにおきましては一八%の値下げでございます。ラジオだけを持っておられる向きについては、八十五円の料金は三十七年には五十円にいたしましたので、四〇%の値下げでございます。そのような値下げをいたしましても運営ができてまいり、難視聴の要望にもこたえ、あるいは教育テレビの整備、FMの整備も可能にいたしましたそれは、テレビの急激な普及の上昇であったと思います。下って四十三年には白黒のテレビ料金は三百三十円を逆に三百十五円に値下げをいたしております。と同時にカラー料金を新たに新設いたしました。これは将来カラーの時代を迎えるのに当たりまして、必要なコストを計算して決めたものでございますが、世間では、これが財政の安定に資したことは事実でございますけれども、値上げと見られておる向きもございます。これは新しいサビスに対する新しい料金を設定したものでございまして、その料額もBBCのような白黒の倍額がカラー料金、こうなっておるそれから見ますと五〇%増にとどまっておるわけでございまして、世界ではNHKのカラー料金は非常に安い、こういう目で見られております。これは世間では値上げと言われますけれども、新種サービスに対する新種料金の設定でございます。それはともかく、あるいは値上げのように見られて、幾らそういうことを申しましてもこれは通用しない面もございます。仮に値上げといたしましても、それから以後八年間というものはそれによる収入の伸びは四十六年がピークでございまして、わずかに九・四%の収入増でございました。その当時の諸般の料金を見ますと、電電にしても国鉄にしてもそんな低いものではございません。電電あたりは一七%の増ぐらいになっております。国鉄にしても九・四%を上回っております。自来四十七年、四十八年とこの伸び率は低下しておりまして、九・四%は九%に、あるいは七・五%、五・六%、五十年度に至っては実に四・一%であります。その間に石油ショックその他によるインフレ、急激な物価上昇、人件費の上昇等もございました。それはそういったような状況で耐えてまいりました。しかも昭和四十七年には赤字予算を組んでおります。このときに将来の契約の伸び悩み、物価の上昇、人件費の上昇の事実は予見できたことでございますので、実際はその時期に将来の財政の安定を図る料金のてこ入れをしなければならなかったのでございますけれども、これはいろいろな合理化の措置でがまんをいたしました。越えて四十八年には、これは恒久的や収入ではございませんが、ごく一時的な収入として、世間の非常な、また別の意味の批判はございましたけれども、田村町における土地建物が非常に高く売れましたので、そういった赤字経営の趨勢に対して何がしかの当座をしのぐことにはなりました。そのころに将来三年間は値上げをしない、こういう公約を前会長もいたしまして、その公約のとおりに、非常な社会環境の激変にもかかわらず、しかも収入の一層の鈍化にもかかわらず赤字を計上し、これは借金で穴埋めして、料金値上げをしないで今日に至ったわけでございます。たまたまいま料金値上げには環境の悪いときでございます。こういうときに遭遇いたしましたことは非常に私ども残念でございますけれども、それかといって財政に対するいわゆるそういう破局的な状況を続けることは将来に禍根を残し、続いては公共放送としての国民の負託にもこたえ得ないことに遭遇する危険もございますので、一応そういうようなことを考えまして料金の調整に手をつけたわけでございます。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 この料金のいわゆる算出の根拠といたしましては、いろんな合理化措置を積み重ねながら、公共放送として、国民の放送機関としての負託にこたえるための報道、教育、教養この番組の充実をも考えながら計算をいたしたものでございまして、カラーテレビにおきまして五二・七%、白黒テレビはいろんな配慮を下しましたけれども、三三・三%の値上げでございます。両方を突っ込んで約五〇%の値上げでございます。パーセンテージとしては非常に高いのでございますけれども、昭和三十四年以来ほとんど値上げといった経験を持たない事業運営というのは恐らくほかには余り例がないのではないかと思います。カラー料金を設定しましたこの八年間でも、数回の値上げをしなければやっていけないような企業もございました。NHKは非常に安閑としてこの料額が維持できたわけじゃございませんけれども、いろんな赤字を忍び、またそこには合理化の努力を積み重ねながら八年間は全然値上げをしないでやってまいって、ここに至って、非常なそういう料金値上げをしなければならなかったわけでございます。この点については受信者の方々に与える一つの心理的なそれ、あるいは物理的なそういった影響等にかんがみましていろんな配意も下したわけでございますし、基本問題調査会でもこの辺は真剣に御討議をいただいたのでありますけれども、五〇%というと大きいようでございますけれども、しかしそれかといって、決してこれを軽く考えておるわけじゃございませんが、昭和三十四年当時、テレビ料金とラジオ料金を合わせて払わなければならなかった当時の家計費に圧迫を加える度合いは一・三一%でございました。その後、先ほど申し上げましたように三十七年には値下げをいたしておりますので一・三一%の負担率は〇・八%に落ち、自後漸次下がりまして、前年度では〇・三%の負担ということになっております。今回の五〇%の料金値上げをいたしましても〇・四二%、この御負担を願う、こういうような状況でございますので、この点については、いま時期が悪いのですが、そういう面も十分に御理解をいただき、片や一層の合理化措置を徹底することにいたし、他面、国民の負託にこたえる放送面については本当に公共放送らしい一つの姿勢と現実の事績を踏まえてお答えを申し上げたい、このように考えておる次第でございます。
○大野(潔)委員 やはり余り高額なんで、後ろめたい、長い答弁をいただきましたけれども、郵政大臣に伺いますが、大臣は収支予算は「おおむね適当である。」という意見を付されておりますけれども、やはり庶民の感覚から言えば大幅値上げ、こういう感じでございますが、その「おおむね適当である。」という判断をされた根拠、またさらに物価指数にどれだけの影響を与えるか、その点についての論議、検討というものをされたかどうか、その点についてお答え願います。
○村上国務大臣 NHKは昭和四十三年以来八年間にわたって受信料月額を据え置いてまいりましたが、テレビジョン受像機の普及によりまして、受信契約者数が伸び悩んでいるのに対し、諸経費の増加が避けられず、最近経営状態が悪化いたしまして、経常事業収支におきましても昭和四十七年度以降毎年赤字を計上しております。この間NHKは東京放送会館の売却益を活用するなどして、受信料月額を据え置いてまいりましたが、今後の経営の見通しから見て、現行の受信料月額によって経営を維持することが困難となりましたので、やむを得ず受信料月額を改定し、財政基盤の確立を図ろうとするものであります。このことは、NHKが今後とも受信料収入を基盤とする公共放送としてその使命を果たしていく上で必要な措置であると考えまして、「おおむね適当である。」と判断した次第であります。
○石川(晃)政府委員 お尋ねの物価指数の問題でございますが、これにつきまして、具体的問題でございますので、私から答えさせていただきます。 今回の受信料の改定が消費者物価指数に及ぼす影響でございますが、これを試算してみますと、消費者物価を〇・一%程度上昇させることになると見込んでおります。
○大野(潔)委員 あなたよりも会長の小野さんの方が詳しくお調べになっていて、〇・一二とおっしゃっていましたが、会長さんの判断の方が正しいようでありまして、私が質問しているのは、そういうことを経済全体から考えたかどうかという御質問をしたわけでありますが、大臣その点について……。
○村上国務大臣 何ゆえに料金改定しなければならないかという点につきましてはNHKの小野会長から詳細に御説明申し上げましたので重複を避けますが、ただいまの物価指数に及ぼす影響あるいはまた家計に及ぼす影響等も、八年前の状態と比べてみますとはるかに軽微になっております。そういうことだからどうしても料金改定するということでなくて、実際に今日のNHKの使命を果たすためには、どうしてもこのままでは、現状ではこれを乗り切ることができないのであります。しかもNHKの、国民に対してりっぱな放送をもって当たり、また難視聴解消という大きな目的のためにはどうしても財政的にある程度の安定を図らなければならない、かように思っております。
○大野(潔)委員 大臣の答弁はあいまいで、ちょっとピントがはずれたような答弁でございましたけれども、要するに物価指数から〇・一または〇・一二といっておりますが、公共料金というものはむしろパーセンテージよりもその醸し出すところの物価値上げのムードづくり、これが恐ろしいと思うのですよね。国民の立場でもそれを一番心配しているわけでありまして、私も、そういうムードづくりを果たすという危険を冒してまでこれほど値上げが必要なのかということについて基本問題調査会の調査報告、これをもとにしていろいろ検討いたしました。 大きく分けて、まず第一に日本放送協会、NHK自身の経営努力にまだまだ甘い点があるんじゃないかということを感ずるのです。また第二としては、国営放送ではないから国庫の一部負担というものはすべきではないと思いますけれども、しかし当然国が負担すべきものを負担してないんじゃないか、そういう点に非常に気がつくわけであります。 そこで、順次御質問してまいります。 まずNHK会長に伺いますが、NHKはマンモスまたはNHK王国と陰で大変言われておりますけれども、こうしたNHKの膨脹主義、放漫経営というものが今日の赤字を招いたのではないか、このような批判が大変多いように思います。すなわち放漫経営のしりぬぐいを受信料値上で国民にしわ寄せをするのではないか、こういう庶民の感覚でありますが、こういう批判に対して会長はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○小野参考人 御指摘のとおりNHKは、膨脹主義、拡大主義をとったそのしわ寄せが今日に来ておるのだ、経営の中にもまだまだ甘いところがある、こういう御批判はえりを正して聞くべきだと思います。いろんな努力をいたしておりますが、私はこれが非常に万全であるとは申しません。膨脹主義とか拡大主義と言われるそれは、昭和三十四年当時にはまだ総合テレビだけしかございませんでした。教育テレビはやや東京、大阪の拠点だけに端を発したぐらいでございまして、その後これの全国普及を図るためにいろんな配意をいたしました。ラジオ放送につきましては第一、第二の放送だけしかございませんでした。これにFM放送は昭和四十三年度以降ぐらいに整備を図ったわけでございます。これが非常に膨脹のように見えますけれども、これはNHKとしてはなさなければならないそれであろうと私は思います。 その他象徴的に、きわめて放漫な経営ではないか、ぜいたく過ぎはしないかと言われるそれはセンターの建物でございます。これは私どもも非常に謙虚に聞かなければなりませんけれども、実を申しますと、これにかかった総経費は三百十七億でございます。田村町に昭和十四年に建築をいたして持っておりました在来の土地建物、これを処分いたしました金額は三百五十四億でございます。この移しかえによってその建設費を全部賄ってまだ余りがあったわけでございます。しかも、職場が、オリンピックを中心に第一期工事のセンターの建物と田村町の建物、こう二分いたしておりましては、日常の業務連絡等の関係についても、あるいは監視員等の二重配置、こういったような面でも年間六億のむだがあるように計算されました。いわんやそれだけの第一期工事、第二期工事と田村町の建物だけでは——田村町の建物はラジオ時代にできたものでございますので、テレビ時代にとても耐え得るものではございません。そういうことでそのスタジオの不足は、他に七カ所ばかりの——これはスタジオばかりではございません、営業拠点等も足らないので借り物をいたしておりました。この借料が、当時年間五億円でございましたが、今日の値段にいたしますと、少なく見てもその借料は三倍になっておるはずでございます。年間十五億ずつを負担しなければならないものでございます。これは田村町の建物をセンターのあの豪華に見えます建物の建設費を上回る売却値段で売って、しかも六億の連絡費等のむだ、他のスタジオのそういった借料等も、それは不要になるような措置をいたしたわけでございまして、私どもといたしましては、あのセンターは、外見上はきわめて不必要にぜいたくではないか、こういうように見られますけれども、これは今日の経営を支える合理化の一環になっておると考えております。 また、コンピューターの導入が膨脹主義等のそれに挙げられます。これはなるほどほかに例がございませんので、きわめてなくもがなのものに金をかけてやったのではないか——あの建設には六十億かかっております。そして、毎年十三億のレンタル料を払っております。これが全部むだではないかという見方もあるわけでございます。他面これに対するメリットは余り考えてもらえないのが非常に残念でございますけれども、あの導入によりまして営業関係のいろいろな面、人事管理上のデータあるいは経理上のデータ、放送関係における利用等に関係いたしましてざっと二千五百名ぐらいの人間は節約になっておるわけでございます。今日、一人当たり四百万円と計算をいたしますと、年々百億のセーブがこれによってできておる、こういうことでございますので、いわゆるレンタル料その他あれにかけた建設費等の面ばかりを見て、これは非常に膨脹主義であり、あるいはそれによって今日ぜいたくのしわ寄せが料金値上げに来た、こう見られがちでございますけれども、これはまことに残念なことでございまして、そのメリットの面も御理解をいただきたい、かように考える次第でございます。
○大野(潔)委員 さすがいろいろな批判をお聞きだと見えまして、こちらが聞こうと思うのを聞く前に全部お答えになっているようでありますけれども、NHKを紹介したある雑誌に、東京代々木の森の一角に二万五千坪の敷地、地上二十三階地下一階のNHK新本館、その新本館のすそ野はテレビ、ラジオのスタジオと付帯設備、さらにその隣には、帝劇よりも豪華と形容される四千人収容の大ホール、その中には一億五千万円の世界最大級のパイプオルガンがおさまっている。このほか全国七十三の都市にりっぱなビルの放送会館を持ち、そこにはそれぞれスタジオからホールまで完備している、とこうあるわけです。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 黒字ならばともかく、赤字経営というのにこれほどの施設が必要なのか、こういう国民からの素朴な疑問があるわけでありまして、結局受信料のむだ遣いではないか、こういう批判が強いわけですね。それは必要だという答弁がさきにあったようでありますけれども、しかしながら田村町のあれを売ってつくったと言われますけれども、結局将来受信料収入だけでは赤字になるのじゃないか、こういうことを見越したはずだと思うのですけれども、見越しながらあれほどの建物をつくり、しかも管理するための費用は大変なものだと思うのです。あの大ホールなんかほとんど使っておりません。その点について強い批判があるということをひとつよく御認識いただきたいと思うのです。その点についていかがでしょう。
○小野参考人 きわめて傾聴すべき御意見であろうと思います。私どもは、そういった御批判に対しましてはそれなりの一つの理由を持っておるわけでございますけれども、抗弁めいたことは申しません。そういう批判に耳を傾けながら将来の運営に対しましてはよりコンパクトな運営をいたさなければならないと思います。 今後の趨勢を見ますと、受信料だけではやはり周期的に値上げの必要が起きてくる、こういう趨勢の予見もできます。これについては基本問題調査会も触れておられますけれども、いろいろ副次的な何かの、やはり公共放送の品位を害さない収入を上げる努力をすべきではないか、こういうような御指摘もございます。私も同感でございます。 こういうことで、番組のあるいは二次利用を大いにやることによりあるいはせっかくあれだけの資料もあるのでございますので、これの活用を図るあるいは出版物収入あるいはこれに対するカセット等による収入、こういうものもいろいろ真剣に検討しなければならない時点に際会しておるのではないか、かように考えております。
○大野(潔)委員 余り納得する答弁じゃありませんけれども……。 そこで伺いたいのは、料金の値上げを申請するに当たりまして、NHK自身としてはどのような経営努力なり、経営改善を決意しておられるのか、まずそれについて具体的に伺います。
○小野参考人 いわゆる業務の効率化あるいは合理化につきましては私は非常な熱意を傾けておりまして、NHKの経営に対する問題の検討をいただく外部の方を委嘱しての基本問題調査会のほかに、内部的には経営改善委員会を昨年四月に発足させまして、いろいろ検討を重ねてまいりました。できるだけむだを排除し、また現在必要と思われるものでも業務を切り捨てる、こういうような覚悟を持ってやるべきだ、こういうことを指示して作業をいたしました。その第一点は組織の簡素化でございます。責任の所在を明確にし、しかもそれが効率化につながるような組織の改正、これは遂行すべきものと考えます。その他業務運営体制の再編成でございますけれども、県庁所在地以外に、一県の中に複数の局のあるところがございます。これはそれなりに意味があってつくったのでございますけれども、こういう時代には県庁所在地に機能を集中して運営をする、効率化を図るべきではないか、こういうことで、この実施のために八十五名の人員がセーブできます。そういうような措置も考えておりますし、同じく業務運営体制の問題としては、内外に取材の拠点がございます。内部には通信部を百八十何カ所持っております。外部には諸外国に総局、支局を持っておりますけれども、これのやはり有機的な運用によりましてこれを何がしか縮小できないものかどうか、その辺についても検討をいたし、大体の縮小できるめども立てております。その他監査室とか考査室とか、あるいは研究機関が、いわゆる文化関係で総合放送文化研究所と世論調査所がございます。技術関係では総合技術研究所と放送科学基礎研究所がございます。これのやはり単純化、こういったものも検討すべきではないか。いろいろ職場には、現場には抵抗もございましょうけれども、いまやはり値上げに際会して、国民の方々の負託に沿うためには、内部の事情ばかりは言っておれません。英断をもってこの縮小を図るべきだ、こういうことも考えておりますし、その他地方放送局の業務体制の見通しでは、現在非常に多くの人が宿泊しなければならぬようなたてまえになっております。これは一朝有事の場合にいろいろ備える、それは万全の措置ではございましょうけれども、これも何かの工夫によっていわゆる宿泊というむずかしい勤務をできるだけ縮小する、こういうようなことを検討をいたしておりますし、また外国放送受信業務を行っておりますが、これもいろんな関係から申しまして検討をしなければならない。また宮古、八重山地区の業務の関係につきましても、海底ケーブルの開通に伴いまして、これはやはり縮小の検討をすべきだということもございます。その他省力化施策の推進といたしましては、東京、福岡、礼幌、ラジオの放送所でございますけれども、これはその他の放送所はほとんど今日人手がかからないような自動化をしております。この大きな東京と福岡と礼幌のそれも自動化をすべきだ、こういうことで、いろんな万一の場合に対する心配、懸念はあるのでございますけれども、そういうことを言っておっては何もできないので、これはぜひ自動化をするような方向で進めておりますし、その他いろいろなものがございますけれども、合わせまして人員にして五百名ぐらいの力が省力できる、経費にして五十億ぐらいは削減できる、こういうようなめどで五十一年度から五十三年度までの間にはこれの実現を図ってまいりたい、かように考えております。
○大野(潔)委員 いまのお話は大体目立つものについてお話ございましたけれども、しかし黒字時代から赤字時代に移って肝心な節約というところが抜けているのじゃないかと思うのですよ。私もいろいろNHKに対する、出入りしている人、いろいろな人から聞いてみたのですけれども、一つはNHKが民放と比較すると、放送ドラマなどの自主制作が非常に多い。大変結構なことでありますが、その自主制作の場合にプロデューサーのなわ張りというのがある。そこで同じような時代背景のドラマをつくるにしても、プロデューサーがかわってしまうと、そこにある小道具などは使えない。全部新規にかえる。こういうことで非常にむだをやっておるのです。こういうことがその答えとして返ってまいりました。そのような非常に細かな問題かもしれませんけれども、黒字時代に行われていたことが、この赤字時代になって変わってないんじゃないか。こういう点、細かい点でありますけれども、やはり私は本気になって考えるべきじゃないかと思うのでありますが、いかがでありますか。
○小野参考人 御説ごもっともでございまして、そのような非常に好ましくない運用の現状があれば、これは即刻直していかなければならないと思います。そういうことを是正するのにやぶさかではございません。
○大野(潔)委員 五十一年度の予算内訳書を見ますと、職員給与というものが約一〇%、一割のアップになっております。国内放送費予算は四百四十三億九千七百万で、前年より七十億七千六百万ふえておりまして、これは一八・九五%、二割近いアップになっております。また営業費については二百三十四億七千四百万で前年より四十九億六千百万円の増で二六・八%。それからまた管理費は二百八億三千七百万円で、前年度に比べまして三十五億九千万円の増で二〇・八%アップ。この数字は間違いありませんね。いかがですか。
○山本参考人 間違いございません。
○大野(潔)委員 そうしますと、小野会長は大変経営努力をすると言われましたけれども——その前にちょっと大臣に伺っておきますけれども、大臣の所管じゃありませんが、五十年度の消費者物価指数、これは一けたに抑えられたわけでありますが、五十一年度の指数については政府としてはどの程度を目標にしていらっしゃいますか。
○村上国務大臣 企画庁長官の言明によりますと、大体八ないし九%ということであります。
○大野(潔)委員 一けた台を目標ということでございましょう。そうしますと、いま伺ったように、職員の給料だけは確かに一〇%に抑えておりますが、そのほかのいわゆる国内放送費、これは二割近いアップになっていますね。それからまた、営業費は二六・八%のアップ。それからまた、管理費は二〇・八%。こうなりますと、先ほどのNHK会長がいろんな経営努力をすると言うのは、これはそらごとになるんじゃないですか。少なくとも政府は一けたにおさめるんだ、こう言っている。その物価値上がりが一遍に年度初めに起きたとしたって一〇%以内でおさまるわけでしょう。順次上がっていけば、平均すれば六%程度と見込んでもいいわけですね。しかもそこに経営努力が含まれればこんな大幅な値上がりの予算が出てくるのはおかしいんじゃないかと私は思うわけでありますが、その辺についてお伺いします。
○小野参考人 数字の比較においてはそのような御印象を持たれること、ごもっともでございます。たとえば番組の制作費等につきましても、過去においてはあれほどのやはり客観情勢の変化にもかかわらず、年間たかだか四%ぐらいの増でございました。常にこれは低過ぎるのであります。そういうような関係が、出演者に対するいろんな処遇等の関係につきましても民放さんと格段に劣る、こういうようなことで、その都度国会でも附帯決議をつけていただいておるようなことでございます。業務費の大半は人件費でございます。これは集金の委託集金人を使っておりますけれども、こういった面につきましても、いろんなやはり財政の不如意から十分でない面もございますので、そういう面がやはりいまのような計数の面にあらわれてくるわけでございまして、決して、いま値上げをするから在来のそれを大幅に緩めてやろう、こういうような意図は毛頭持っておりません。
○大野(潔)委員 会長は数字の上でやればそういうことになるかもしれませんがというふうにおっしゃいますけれども、これは予算書ですからね。予算書というのは、少なくとも五十年度はこういうことでやった。しかしながら五十一年度までには恐らく資材もこれだけ上がるだろう。しかし経営努力すれば、先ほど会長は五十億近くとおっしゃいましたけれども、これは節減できるんだ、こうなればこれはそれなりの数字が出てくると思うのですよ。結局料金の値上げをどうせできるんだからいままでの伸びでよかろうということで、いままでにも放漫経営という批判がある。それの批判の上へ、結局延長線上に予算が組まれているんじゃないか、こう私は感ずるわけでありますが、その点もう一遍しかと御答弁願います。
○小野参考人 延長線上において物を考えることはこの際断念すべきだ、こういうことでございまして、たとえば新規計画にいたしましても極力これをセーブいたしております。ほとんど新規計画らしい新規計画は計上いたしておりません。わずかに教育テレビに対する要望の強いカラー化の面を拡充しておるぐらいでございまして、その他はいまの非常な財政上の逼迫の面から、取りかえなければならない施設の耐用年数が過ぎたものを酷使して使っております。ために、地方等におきましては民放さんよりも画質の劣る面が常に指摘されております。こういう面の取りかえは、ちょうどそういう時期も過ぎておるような状況でもございますので、そういう面はこれを手をつけなければならないと思いますけれども、経営としては、過去のいわゆる成長時代から、ここで安定期と申しますか、やはり将来へのカーブが非常に鈍化しておる状況に即するように、概定の、それにしても必要最小限度、いわんや拡張の新規計画につきましてはこれは全部認めない、こういう方向で編成をいたしましたのが五十一年度の予算の中にそういった努力はあらわれておると思います。
○山本参考人 大筋としまして会長が御説明いたしましたが、具体的にお挙げになりました数字についてやや詳細に御説明をいたします。 給与につきましては、御指摘ありました一〇%、これは大体社会的な水準に合わせたものでございます。 それから番組関係、国内放送費でございますが、確かにパーセントとしては大きゅうございますが、これは実は非常に特殊な、いま会長が申し上げました教育テレビのカラー化の問題、それからオリンピックがことしございます。非常に特殊な金額がこのために必要になってまいります。それからイタリアオペラの招聘ということがございますので、これが特殊な金額としてふえてまいりますが、中でも従来NHKは薄謝協会であるというようなこともいわれておりまして、必ずしも出演される方々に対して社会的水準からいいますとやや低いのではないかという御批判もございましたし、事実民間放送の方と比較をいたしますと非常にお気の毒な出演料であった面もございまして、しかし、財政状態がよろしくございませんでしたので、ここ両三年そのアップを控えてまいりました。この際やや従来のそういう状況も配慮いたしまして、五十一年度に出演される方の出演料というものに対して、少し手厚く配慮をするというようなことがございまして、これが平年度としてこういうふうに上がってまいりましたわけではございませんで、いま申し上げたような具体的な内容によりましてパーセントが少し上がってまいりました。 それから営業費の問題でございますけれども、これは単に収納契約の面だけではございませんで、こういう状況になりましたために、できるだけ、いままでも御指摘がございましたように、国民との関係をもっと密にしようというような経費をこの中に相当盛り込んでございます。また営業関係で収納契約面で仕事をしていただく方々に対する処遇の改善ということもこの中に織り込んでございまして、これも先ほど一般職員の給与と大体似たような水準のものを織り込んでございます。そういうようなもので、これも五十一年度の特有のものが入りましたので、やや金額として多くなっております。 それから管理費につきましては、これは全くNHK側の経費というよりは社会保険法改正、こういうようなものの増加分を、非常に大きく上がりましたものですから、これを織り込んで数字が上がっておるだけでございまして、全体といたしまして物価の伸びというのは、私の方の計算では八%で計算をいたしておりますし、給与もいま申し上げた一〇%、それからその他職員はこの三年間数を一切ふやさないというようなもろもろの努力を積み重ねまして、大体三年間の財政安定から、先ほど会長が申し上げました数字で受信料の金額を定めたということでございます。
○大野(潔)委員 いまの答弁で私は実は納得できないわけでございまして、本当はもう少し突っ込んでやりたいのですけれども、時間がないわけでありますが、いずれにしても私がちょっと目の子で計算しますと約百億ぐらいはどうも余分に組んでいるのではないか、そういう感じがするわけでありまして、またいずれの機会に聞いていきたいと思いますが、いまのいろいろな論議をお聞きになっていて、郵政大臣、おおむね適当であるという意見を出されましたけれども、どうお考えになりますか。
○村上国務大臣 先生の御指摘の点もなるほどと私は思いましたが、いまの説明を聞いておりますとこれまたおおむね納得ができるというように、どうも本当の真髄まで私には把握できませんので、大体説明からすれば当然であろうというように考えられます。
○大野(潔)委員 時間がどんどんなくなってきましたので大分飛ばして質問しますけれども、受信契約について若干いろいろ伺いたかったのですが、時間がないので一点だけ伺いますが、心配されることは、いままでは白黒テレビからカラーテレビにどんどん移ってきた。それで伸びがあって何とか物価の値上がりその他について対応できてきた。ところがその増加率はだんだん先細り傾向ということになってきまして、値上げが必要なんだという質問が先ほどあったわけです。ところが、そうなりますと、これまた二、三年すればまた受信料の値上げという問題になってくるのではないか。いまの傾向論拠からいいますと、そう感ずるわけですね。 それで、私は値上げでもって対処するというやり方自身は間違っているのではないか。確かにラジオ時代からテレビ時代、そのテレビの白黒時代からカラー時代となってきている。ところが最近はカラーテレビがだんだんと小型化してきまして、一つの家庭の中で二台も三台もテレビを置くという傾向になってきていますよ。非常に生活が苦しくてやっと白黒テレビをカラーにした。そこも七百十円。ところが一方、片や裕福でもって各部屋にテレビが何台かある。これも一世帯だから七百十円。これはおかしいのではないか。やはりこれからの時代に合わせた料金制度をとるならば複数料金制度、いわゆる二台目は、その七百十円でなくても、その六掛けとか五掛けとか、そういうことで料金制度を定めていくのが本筋ではなかったかという気がいたしますが、その辺についてひとつ会長の御意見を伺います。
○小野参考人 複数のテレビを持っておられる向きには複数分を、一台しか持っておられないそれには一台分、これは非常に合理的な負担の公平を図る道でございます。私どもも決してこれをおろそかにしておるわけではございませんけれども、悲しいかな現在どこの家に何台あるかということを把握する道がございません。届け出の義務もございませんし、NHKが立ち入って調査する権限もございません。そういうような状況から、把握できないものを、やはりそういうような体制をとりますと、計算自体もできませんし、現実にはこれはなかなか実行できないような状況の悩みを持っております。観念としては非常に合理的な、公平を得る道であろうと思います。将来の検討問題であろうと思いますけれども、悲しいかな、現状では的確に各家庭の世帯別に台数を把握する道を持っておりませんので、そういった理想の体系をとり得ないことを非常に残念に思っております。
○大野(潔)委員 確かに二台目、三台目があるかということは掌握するのはむずかしいかもしれませんけれども、一台のテレビを契約するのでも現在八五%しかないわけですね。何も私は一〇〇%、二台目、三台目をとるというのではなくて、当然すぐわかるところがあるわけですから、傾向として値上げを図るよりはそういう複数制をとるべきではなかったか、そういうわけでして、どうもNHKのいろいろな方でその掌握をするのに障害が多いということだけでもって、先ほど申し上げているようにいわゆる公共料金の一環であるこの受信料を五割も上げるという考え方は、私は非常に安易ではなかったか、こう考えるわけであります。 時間もありませんから、次へ進みます。 次に、不払い運動というのが大変起きているようでありますが、その現状と理由について、お調べになっておられましたならばお話し願いたいと思います。
○川原参考人 不払い、意図的にNHKの受信料を払わないという方につきましては、大きく申しまして、契約そのものをまず結ぶことを拒否される方、これが約五万五千軒、それから一応契約はしておられますけれども、どうしてもその後払わないという方が約十万五千軒ぐらい、合わせて十六万軒ぐらいございます。ただ、いま御質問の不払い運動という観点になりますと、私どもそれほど大きな数とは思っておりませんで、いろいろな運動と称せられる動きがございます。これに対しまして、本当にその運動に共鳴しておられる、たとえばその方たちのお配りになっておるシール等を張って意志を表明しておられるという方は、全部含めまして五千から六千くらいの数ではないかというふうに考えております。
○大野(潔)委員 大きかろうが小さかろうが、その地域においては不払い運動であることは間違いないわけでありまして、私はあえて不払い運動と申し上げますが、その運動自体は、負担の公平という立場から見れば決して好ましいことではないと私は考えております。しかし、その大きな理由の一つは、要するにNHKが国民による自主的な公共放送機関であるという理解がなされていないからではないか、こう思うわけでありますが、この点会長はどう考えておられますか。
○小野参考人 御指摘のとおり、そのような意見を持って不払い運動をしておられる向きもございます。あるいはNHKの番組批判に関連をいたしまして、やはりこれが偏向しておる、こういうようなことで不払いをしておられる向きもあるわけでございますし、またNHKの、国民の放送機関と称しながらわれわれが経営に参加する現実がないので支払いを拒否する、こういうような理由の方もございます。いずれもこれは無視できない問題であろうと思うわけでございまして、この辺については十分に御理解を得るような努力をNHKとしても積み重ねてまいらなければならないと思います。そういう面で、日常の契約、集金に回る職員だけに任せておれない問題もございますので、相当に経験といろいろな知識を持った、いわゆるやはり相当NHKでは高度な立場にあった人たちを動員をいたしまして、特別推進班を設け、これによっていろいろ御理解を得るような努力を重ねておる次第でございますけれども、今後とも一層こういった向きに対しましては、その波及力が非常にこわいわけでございます。そういった面で一層の努力をしなければならないものと考えております。
○大野(潔)委員 考え方の違いとかいろいろおっしゃっておられましたけれども、私、今度質問するに当たって何人かの方に、NHKといえばどんなイメージがわくかという質問をしましたら、そのまず一番多かったのは官僚主義ということだそうです。二番目に独善ということであります。三番目に、おもしろいことに「紅白歌合戦」、こういう答えが返ってきたわけであります。確かに毎年行われております「紅白歌合戦」、これはNHKのメーン番組の一つでありますけれども、私どもも毎年大体見せていただいておりますが、この「紅白歌合戦」というのは最近非常に批判が高まってきている。なぜこのような批判がメーン番組の一つに大きく高まっているか、会長はどのように受けとめていらっしゃいますか。
○小野参考人 いろいろな御批判もございましょう。またいろいろな立場で物を考える人もございます。「紅白歌合戦」といったもの自体の、ああいった構想のものに対して余り好ましくない、こういう意見を持った方もあります。これはいろいろ、放送関係で受信者懇談会等を開きましても、そういう意見を持っておられる方もあります。あるいは、皆それぞれ特定の歌手に非常な感心を持っておられますので、自分の関心のある歌手が出ないということに対して、非常な反発もある場合もございます。そういうような状況でございますので、そういった意見は十分承知をいたしておりますけれども、おしなべてこの番組に対する視聴率も非常に高うございますし、そういった面で、より歌手の選定等について改善を要する点は改善をしてまいるべきではないか、かように考えます。
○大野(潔)委員 大変番組編集に立ち入ったことを伺うようでありますが、その「紅白歌合戦」の出場歌手の選考、こういうものは、差し支えなければ、大体どうやっておられるか、伺いたいと思います。
○坂本参考人 先生のおっしゃいますように、最近の「紅白歌合戦」に対します聴視者の御関心が非常に高い、一部われわれのレベルだけで選定することについてやはり反省するところがあるのではないかというようなことから、実はここ数年来、まずNHKの放送世論調査所が「大体あなたの好きな歌手、男女それぞれ一名ずつ記入してほしい」という世論調査を、大体十月の上旬に全国の三百地点で、三千六百人について実施いたしております。その他、放送局の営業部門が中心となりました視聴者懇談会等で、やはり御出席になった方々から約一万通の投書をいただいております。その他、営業部長、放送部長のアンケートもちょうだいいたしまして、その最後の選定をわれわれのところで選びまして、そしてなお御意見を伺う会ということで、有識者の方々おおむね十名程度御参集いただきまして、それを諮問いたしまして、そして決定するという段取りをとっておる次第でございます。
○大野(潔)委員 歌手の美空ひばりさんといえば大変有名な方でありまして、去年八月の日本放送労働組合発行の「放送白書」、これで見ますと、人気歌手ベストテンの第六位にランクされております。この美空ひばりさんがそういう立場でありながら、なぜ「紅白歌合戦」に出ないか、大変不満を持っておる人たちもいらっしゃいますが、その点どういうわけでございますか。
○坂本参考人 三年ほど前に美空さんの御家族の方で不祥事件がございまして、そのことで最終的には御依頼しないという決定をいたしましたところが、その後美空さんの方から、その後の年においては出場しない、御依頼があっても出場しないという意向表明がございましたので、残念ながら現在においては御出場いただけないという状況でございます。
○大野(潔)委員 まあ、私も弟さんをめぐるいろいろな問題については承知して伺っておるわけでありますが、しかし放送協会の番組編成基準の一章一項にも、人権、人格を尊重すると書いておられるわけでありまして、その立場から言えば、これはもう個々の人格の問題でございますから、弟さんがどうあろうと、御本人には関係ないわけでありますね。ところが、結局弟さんが問題だからということでずっと出場させられないのではないかという点で、美空ファンというものがいま非常に怒っておる。これは一つの原因だと思うのですね。そういうことで、これは美空さんひとりだけの問題ではありませんけれども、結局、いま説明を聞きますと、本人が断ってきたと言います。それがやはり私は官僚主義じゃないかと思うのですよ。年に一遍の行事なんですから。野球でさえも、いわゆるセ・リーグとパ・リーグの対抗試合があるわけでありますが、これはファン投票でもって選手を選んでいるわけですね。そうして一応各ポジションごとに一名ずつ選んで、あとは監督推薦によって調整を図っていくという。本当にNHKが国民放送であるなら、ファンによる投票をやればいいじゃないですか。美空ひばりさんが入った、ところが本人は断ってきた、これははっきりするじゃないですか。その辺をいかにも——確かにいろんな形の上では公平的なルールをとっているかもしれませんけれども、肝心なところでもって、結局裏で調整している。それがいわゆる官僚主義、独善主義、こういうことになるんじゃないかと思うのですが、その点、会長いかがですか。
○小野参考人 御説ごもっともでございます。私個人といたしましてはいろんな配意を下して慎重な選考の手順を踏んでおりますけれども、これがやはり、あるいはNHKは官僚、独善だと言われることは非常に嘆かわしいことでございます。私自身官僚の出身でございますけれども、官僚性が発揮されることは最もきらいの方でございまして、最も開放的に経営に当たっておるつもりでございます。 いまの歌手の選定につきましても、私個人としては、やはり広く聴視者なり国民の意向をアンケートでとって、それによって選定するような方法をとったらどうか、かように考えておりますので、この点は十分に検討させていただきたいと思います。
○大野(潔)委員 いま紅白歌合戦の問題を取り上げましたけれども、私が申し上げたいのは、いわゆるNHKのおかしなメンツというものが、結局国民による自主的公共放送機関である、こういう点、肝心な立場を大きく曲げちゃっているのじゃないか、こういう意味から一つの実例として申し上げたわけでございます。 しかし、それだけじゃありませんよ。実際にはニュースの取り上げ方一つにしても、わが党内でもずいぶんいろんな意見があります。一体全体NHKというのは中立、公平な報道をしているのか、そういう論議がずいぶんなされておりますけれども、こういう短い時間でそういうことを申し上げますと、かえって誤解を生じますので省略いたしますけれども、今後国民放送らしくその体質改善をするとともに、どうかひとつ中立、公平な報道、これについては厳正にされることをまず要望しておきます。 次に、国庫の一部負担について若干伺いたいと思うのですが、これは国でもってNHKを援助しろと言うんではなくて、要するに当然国がやるべきことをNHKに押しつけているのじゃないか、こういう立場の質問になるわけであります。 まず、テレビの難視聴解消についてでありますが、これは当委員会でもしばしば問題になりまして、各党一致によって毎年意見書が付されておりまして、いわゆるNHKの努力を義務づけております。しかしながら、黒字経営の時代から赤字経営に転落したそのような今日、NHKの負担というよりはむしろ受信料による負担ということになるわけでありますが、それだけで進めていっていいかどうかという点が問題ではないかと思うのです。 そこで、五十一年度における難視聴解消対策の予算について御説明を願いたいと思います。
○藤島参考人 五十一年度予算についていま御審議をいただいているわけでございますけれども、これは例年の国会の、ただいまお説のとおり附帯決議もございますし、われわれの当然義務でもございますので、格段の力を入れております。 五十一年度につきましては、辺地の難視聴解消につきまして、約五十八億の金額をもちまして共同聴視を九百カ所、置局を二百カ所やる予定でございます。
○大野(潔)委員 簡単に言えと言いましたから、ずいぶん簡単過ぎちゃって……。いわゆる中継放送局の分が二百局で二十三億四千八百万、それからまた、その他によるものが九百カ所、三十四億八千四百万ということです。 ところが中継放送局の設置による解消状況を見ますと、四十八年度は対象が一局平均五百三十二世帯、世帯平均単価にいたしますと約一万八千八百円。これが五十一年度に参りますと、その一カ所における対象が二百五世帯。四十八年度が五百三十二ですが、これが二百五世帯に減ってきてる。しかも一世帯平均が四万六千五百円、約二・五倍の経費がかかっておるわけです。 それからまた共同受信施設システムによる解消は、四十八年度では一施設当たり約八十世帯、一世帯当たり平均三万三千円が、五十年度では七十世帯になり、一世帯当たりの費用が約一・五倍、平均五万円、このようにぐっと上がってきております。対象世帯が減り、また経費も一世帯当たり非常に高くなっている。ますますこういう対象世帯はグループが小さくなってくる。必然的に経費もだんだんと多額になる、こういう傾向が歴然と示されていると思うのですね。これをずっと今後も受信料負担ですべてやらせる、NHKにやらせる、これは少し無理な状況に来ているんじゃないか。 そこで大臣に伺いますが、この際、国の補助対象として検討する時期に来ているのではないかと、こう思うわけでありますが、大臣のお答えを願います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のように、この辺地難視聴の解消の問題でございますが、これは非常にいろいろなむずかしい問題を含んでおります。 御承知のように、NHKは放送法によりまして全国普及義務というものがございまして、この達成のために従来から中継局とかいろいろな置局をやっていたわけでございますが、従来はこれを受信料をもって充てるというたてまえで進めてまいりました。しかしながら、先ほど先生から数字をもって御指摘がございましたように、だんだん今後の難視聴地域というものが狭くなってまいります。また散在してまいります。そのために非常に効率が悪い。いわゆる世帯当たりの単価が高くなってまいりました。このままで進みますと、難視聴解消に必要な経費というものは、果たして受信料のみをもって賄うことについてはどういうことになるか。あるいは受信者の納得が得られなくなるのではないかということをわれわれも懸念している次第でございます。 この点は、テレビジョン放送難視聴対策調査会というものの報告におきましてもこの問題が取り上げられまして、そうしてただいま御提案がございましたような国庫補助という方法もあるのではないかというサゼスチョンもございます。 ただ、われわれといたしましては、国がNHKに補助金を交付するということは、従来からのNHKと国とのあり方というものから見まして、今後のNHKのあり方の根本にもかかわる問題であろうということでございますので、この点については、実は慎重に検討を進めていきたいということでございます。 ただ、最近、幸いNHKの方では、このような地帯の救済のために極微小電力テレビジョン放送局、いわゆるミニサテと称しておりますが、これが非常に経費が安くて設置できるような状況になりましたので、その設置の進捗状況なども見ながら、ひとつ今後検討を進めていきたい、かように考えております。
○大野(潔)委員 いまのについて、大臣の施政方針をひとつ聞かしてください。
○村上国務大臣 ただいま電波局長が御説明申し上げましたとおり、非常に金がかかると思っておりましたところが、ただいまの御報告のようなミニサテの設置によって非常に格安に上がる、要するに非常に安易に難視聴の解消ができるということで、大いに希望を持っておるところであります。
○大野(潔)委員 次に受信料免除の取り扱いについて伺いますが、五十年度において児童福祉並びに生活保護など各施設、この全額免除などは約六十万七千件、金額にして約二十二億三千八百万円、また基地周辺受信者などの半額免除は四十四万五千件、金額にして約十一億。五十一年度の受信料免除件数と金額を関係各省別にちょっと報告していただきたいと思います。
○川原参考人 関係各省別に申し上げますと、五十一年度の免除は、厚生省関係が全部で五十二万件、二十七億円くらいになります。それから文部省関係が三十二万件、約十八億円弱でございます。それから法務省関係、これは二千件余りで千三百万円。それから労働省関係が八百七十数件で五百六十万円余りです。そのほかに、これは後で全額補てんになりますが、防衛施設庁関係のものが二十八万件、約十一億円ということでございます。
○大野(潔)委員 厚生省関係の各施設、文部省関係の学校や図書館などの全額免除、こういう現在免除されておるものについては私は賛成なんです。反対じゃありません。しかしながら、放送法三十二条の規定によれば、受信施設を設置した者はすべて受信料を支払うたてまえ、こうなっておるわけでありまして、そうなれば、結局、これは国の福祉政策として免除者に免除しているわけでございますので、国が免除者にかわって、関係の各省が予算措置を行って、そしてNHKに支払うのが本筋ではないか。各省の方針による費用、いまお話ありましたように、全体で約四十五億近くになるわけでありますが、これをNHKに負担させておくのはおかしいじゃないか。役所が公然と不払いをやって、結局全体の受信者にぶっかけている、こういう感じになるんではないかと思うのでありますが、ひとつ大臣のお考えをお伺いします。
○村上国務大臣 社会福祉事業施設、また文教施設等に対する受信料の免除は、大正十五年にNHKの前身である社団法人日本放送協会が発足した当初から今日まで引き続き実施してまいっているものであります。この問題につきましては、各方面からの御指摘もありましたので、関係の向きとも相談しながら検討を進めているところでありますが、受信料の免除は、公共放送としてのNHKが自主的に実施してきたものであり、それなりの役割りを果たしてきた経緯もありますので、にわかに結論が得られないところであります。なお、受信料の免除につきましては、第一次的にはNHKにおいてそのあり方を検討すべきものと考えておりますので、今後さらにNHKと連絡をとってまいりたいと考えております。
○大野(潔)委員 NHKが黒字時代ならばちょっとまけておけということもあるでしょうけれども、いま赤字、そのために受信料が値上げになるということなんですから、これは本気になって検討すべきだと思うのですね。いろんな経緯についても大臣からお話ございましたけれども、基地周辺並びに射爆場周辺の受信者に対する半額援助というものはすでに防衛庁は負担しているわけですから、一つの役所が負担していながら、ほかの方のが歴史を踏まえてこれは全部NHK負担、こんなばかげた話はないわけでありまして、ひとつ十分前向きに検討していただきたいと思います。 ますます時間がなくなってしまいましたが、もう一つの問題として、NHKは放送番組やフィルムなど内外の膨大な情報を持っているわけでありまして、たった一回の放映だけで終わらしてしまうのは余りにももったいないじゃないか、いわゆる番組の二次利用ということ、これが盛んに言われる、また考えられるわけでありますが、この二次利用の実態というものはどうなっておりますか。ひとつNHKの方でお答えください。
○坂本参考人 番組そのものをたとえば民放で使用してもらうとかあるいは外国の放送機関で放送してもらうという方法と、それから番組をもとにして出版等、そういう形での二つの二次利用が考えられるかと思いますけれども、大体金額で申しますと、四十九年度の実績で、まず国内で出版、録音その他を利用して収入を上げましたのが三千九百七十七万二千円でございます。それから海外関係で約一千万円ちょっと、それから二次利用ではございませんけれども、テキストの編集料というようなことで八千三百万円ほど収入を得まして、総額で二次利用関係としては一億三千二百八十一万二千円というのが四十九年度の実績でございます。
○大野(潔)委員 二次利用に対するNHKの収入までお答え願ったのですけれども、これはたとえば出版物などは実際出版された費用の何%が収入になっているわけですか。
○坂本参考人 それは出版されます中身とのかかわりでございまして、大体定価の一%から一〇%くらいまでの間でその実態に応じて決めているという状況でございます。
○大野(潔)委員 ちょっと私もこの辺具体的に調べる最中に質問に立ってしまったので詳しく調べてなかったのですが、郵政省に伺いますが、放送法の九条三項ですね、そこで言うところの営利目的、これについては、その番組制作実費のどの程度までが営利目的ではないと認定されるのですか。営利目的と営利目的でないという境目はどの辺なんですか。
○石川(晃)政府委員 ただいまの放送法九条三項でございますが、これはNHKはその業務を行うに当たっては営利を目的としてはならないという規定がこの九条三項でございますが、この件につきまして、ただいまの実費で頒布することはできないかということでございますが、これは放送法の九条の二項七号というのがございまして、その中に放送番組及びその編集上必要な資料は一般放送事業者の用に供することができるということは認めているわけでございます。したがいまして、営利を目的としないで、すでに使用したフィルムを対価を得て頒布するということは可能でございます。その価格はNHKがこの法の趣旨を体して決定すべきだと考えますが、このほかに問題としては著作権等の問題があるかと存じます。
○大野(潔)委員 時間もないので詳しいことは言いませんが、いずれにしても国民負担の軽減という立場から考えれば、番組の取材実費、制作実費といいましょうか、そういうものはその営利目的にならない限りはやはり回収するという方向で大きく認めていくべきじゃないか、これがいわゆる赤字時代に入った一つの対応ではないか、こう思うわけでありますが、この辺、大臣、いかがでございますか。
○村上国務大臣 御指摘の点は十分価値あるものとして研究してみたいと思います。
○大野(潔)委員 大臣が答弁すると非常に素直に答えられるもので、本当にやってくれるのかどうか心配になりますけれども、いまお答えになったのはひとつ真剣になってやっていただきたいと思うのです。 いずれにしても時間がなくなってしまいましたので、以上、自主的放送機関としてのNHK予算に関して数点について私お尋ねしましたが、八年ぶりといえども五〇%以上に及ぶ受信料アップ、その必要性については、正直言って余り納得できませんでした。すなわち事業支出については、赤字時代としての経営努力、これは本気に計算して予算が組まれたのか。どうも私は目の子百億以上は節約できたんではなかろうかという気がしてなりません。それからまた難視聴解消対策費五十八億円、これを一般受信料で賄う必要があるのか。これはやはり郵政省がもっともっと真剣に考えるべき問題でなかったか。また三つ目として、国が行う福祉政策としての受信料免除四十五億円、これも一般受信者の負担に押しつけられたままでよいのか。また、きょうは質問を略しましたけれども、国際放送、これはほとんど郵政大臣の命令で行われていながら、政府支出は全体の費用の一八%ということでありまして、残りの八二%、約二十億円です。これもやはり一般の受信料負担になっている。 以上のほか、番組二次利用について、営利目的禁止の法律を盾にとっていささか努力が欠けているのではないか。また受信料の複数制導入に対してもっともっと前向きに真剣に取り組むべきではなかったか。これもなかなかややっこしいから、大変だからということで進めてないんではないか、こういう印象でございましたし、また未契約や不払いに対する問題など、やるべき研究と努力、こういうものがあいまいで受信料値上げを含む予算及び事業計画案が提出されているような気がしてならないわけであります。 以上、本日質問いたしました感想として申し述べるわけでありますが、できるならばこういう点を真剣に論議しながらこのNHK予算に対する承認問題を今後とも検討していきたい、こういうことで私の質問を終わらせていただきます。
○伊藤委員長 次回は、明七日金曜日、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時三分散会