地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/05/13
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 共済組合法と公務災害補償法について質問をいたします。 五十一年度予算は先週の八日に成立をいたしたわけです。私どもは、本年度予算の性格を、相も変わらず大企業優先の従来の政策を継続しながら、中央、地方の財政の窮迫化に藉口しながら、福祉政策の見直しと称しながらも、低成長経済の中でこそ福祉政策、社会保障の定着を図るべきにもかかわらず、高福祉高負担の原則を認めながらも、実質的には福祉の低下の中で、勤労国民に対しての高負担を押しつける施策をとっているということを感じないわけにはまいらぬわけであります。 そこで、まず厚生省にお伺いをいたしたいのでありますけれども、第一に健康保険法の改正による保険料率の引き上げ、あるいは厚生年金法の改正による保険料の引き上げや、あるいは保育料等を初めとする一連の社会福祉施設の利用料金等の引き上げ、あるいは予想される医療費の引き上げ、さらには国鉄運賃や電信電話料金、すでに引き上げをされたところの郵便料金等の引き上げというのは、社会保障制度の中で実質的には高負担を強く推し進めているというふうに理解していますが、そういう点についてはお認めになりますか。
○坂本説明員 私が所管しておりますのは年金制度だけでございますから、その他の料金については直接お答えをするだけの立場にございませんけれども、年金の保険料について申し上げますと、今回厚生年金、国民年金につきまして内容の各面にわたりまして改善を図っております。これは本来五年ごとに行うべき年金の財政再計算を最近の経済事情にかんがみまして二年間予定を早めて本年度実施いたしたいということで、給付改善を初めとして改定を考えておるわけでございますけれども、その改善によりましてやはり年金の費用というものが増加してまいります。これにつきまして私どもは数理計算を行いました上で必要な保険料率を算定し、なお、現在の被用者の負担を考えましてある程度の配慮をいたしつつ保険料率を改定いたしたいと考えておるわけでございまして、一応保険料率そのものは上がるわけでございますけれども、やはり内容の改善等との見合いにおきまして必要な改定であるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○小川(省)委員 保険数理の関係とかいろいろな理由はあるわけでありますが、いずれにしてもそういう形で保険料率が上がっているということは、厚生省としても当然認めておられるわけだと思っております。本当の意味での社会保障の水準の設定こそ、いまこういうような低成長の時代にこそ必要とされると思うのでありますが、年金の水準やあるいは各般に分かれている現行年金制度を統一する方向に向けて抜本的にどう手を加えようとしていかれようとしているのか。そういう中で少なくも来年度においてはどういう方向で手を打っていかれようとするのか、続いてお伺いをしたいと思います。
○坂本説明員 現在公的年金制度につきましては幾つかの制度に分かれておりまして、それぞれに沿革なり設立の根拠を持って今日まで来ておりますので、これにつきましてはいろいろとそういった事情もあるということは当然考慮しなければならないわけでございますが、やはり社会保障制度といたしましてはできる限り整合性を持ったものであるということが望ましいわけでございます。そういった見地から、今日、年金制度につきまして総合的な調整が必要であるということは各方面から指摘されておりますし、私どももそういう認識を持って今後こういった問題について検討を進めていかなければならないと思っておるわけでございます。そういった点から、今後具体的にどういう措置をとるかということでございますけれども、この問題は政府部内におきましても幾つかの省庁にまたがった問題でございますし、厚生省だけで処理するべき問題でもございませんが、私どもといたしましては、とりあえず最近におきまして厚生省に大臣の私的諮問機関といたしまして年金制度基本構想懇談会というものを設置いたしまして関係各方面の代表の方にお集まりいただいて年金制度の調整について御意見をお聞かせいただきたいということにしております。この懇談会におきまして、今後どのように、またいつごろまでにどういう結論が出るか、これは懇談会が進んでみませんと何とも申し上げられないわけでございますけれども、私どもとしてはできるだけ早期に一つの御意見をおまとめいただけるように期待をしているわけでございます。ただ、先生がおっしゃいましたように、来年度具体的にどうするかという問題につきましては、現在のところまだお答えできる段階にございませんけれども、そういった見地に立って私どももできるだけ幅広い検討を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 私どもはそういう一連の構想の中で水準をこそ引き上げるべきだというふうに思っておりますけれども、どうも厚生省はその水準の引き上げを渋る余りに、そういう年金制度の中で地方公務員共済年金について、あたかも地方公務員共済年金というのは高いんだというような考え方でとらえているのではないかというふうに、実はひそかに思っているわけでございます。昨日の社労委員会の中でも厚年の論議に関連をして地方公務員共済年金が高いというふうな論議があったというふうにも聞いておるわけでありますが、そういう年金制度間の中で、特にマスコミなどの論調の中にもそのようなものを時折散見をするわけでありますけれども、地方公務員共済年金はいいんだというふうなことをひそかに厚生省が流しているんだというふうなことを思うわけでありますけれども、よもやそんなことはないだろうと思いますけれども、その辺はどうですか。
○坂本説明員 各年金制度間に格差があるというようなことはいろいろと言われておることは事実でございますけれども、私どもは、単純に年金の額を比較いたしましてその金額が高い低いという数字だけの問題として取り上げるのは必ずしも適当でないというふうに考えておるわけでございます。それぞれ制度が異なることによりまして、その対象者でございますとか、あるいはその対象になっている方の給与なり勤務の実態、また加入年数、制度の基本的な仕組み、いろいろと相違がございまして、それなりのまた理由もございますから、単純に地方公務員の共済というものが厚生年金よりも高いというようなことは私どもは申し上げておるつもりはございませんけれども、むしろ一般の方は、実際に受けている年金がこういった制度の場合は大体このぐらい、こういった制度の場合はこれくらいということを、感覚的に高い低いというふうにお感じになっておられる向きもないとは申せないかと存じますけれども、しかし、先ほど申しましたように、この問題は非常にむずかしい問題でございまして、簡単に高い低いというようなこと、あるいはさらに私どもの方が年金の水準を引き上げまいとして、地方公務員の場合に高過ぎるというようなことを考えて、そのようなことをいろいろな方面に流しているというようなことはございません。
○小川(省)委員 お答えですが、私は若干反論をしてみたいと思うのです。一連の保険料率の引き上げによって社会保障の見直しだとかあるいは給付率の改善というようなことで、この負担を全部組合員の負担に向けてしまおうというような考え方があるのではないかというふうにも思っているわけであります。あえて言うならば、共済組合年金はいいのだという宣伝を厚生省がしながら、充実をしなければならない厚生年金や国民年金をおくらせて、そして厚生年金や国民年金の組合員の不満を公務員労働者に向けながら、いわゆる官民労働者を分断をしながら、年金制度の現行水準、いわゆるいま一定水準の固定化を持続させようというような意図があるのではないかとすら実は思っているわけであります。昨日の論議の中でもされたようでありますが、大体公務員共済年金の年金受給者の平均というのは少なくとも組合員期間が三十二、三年もあったろうし、それら年金と比べれば掛金もかなり高いわけであります。厚生年金等は、現行の年金を受給する人たちというのは平均恐らく二十三、四年だろうと思うのであります。そういう意味では年金制度間の違いがあるのはおのずから当然の話であります。私は、そういうようなことを厚生省が考えていなければ、年金当局が考えていなければ、こんなことがマスコミの中に載ったり、いろんな面で公務員共済はいいのだというふうな形でとらえられてくることはないと思っているのですが、重ねて伺いますが、その点、いかがですか。
○坂本説明員 私どもが厚生年金よりも公務員共済の方が端的に申し上げていいというようなことをいろんな方面に言っておるという御懸念でございますけれども、そういうことはございません。ただ現実に厚生年金を受けている方とかあるいは厚生年金に加入している方がいろいろ新聞の投書などにおいてそういうような御意見を出されているということは事実としてございますけれども、私どもとしてもそういった際には、共済制度と厚生年金制度とにはいろんな面で相違があって、単純にどっちが高いとか低いとかという比較はむずかしい、先ほど先生もおっしゃいましたように加入期間も異なりますし費用の負担も異りますという説明もいろいろな機会に申し上げておるわけでであります。また厚生年金の水準を引き上げたくないというようなことからそういったことを言っているのではないかというお考えかと存じますけれども、私どもとしては従来厚生年金の水準の引き上げに努力をしてまいりまして、特に昭和四十八年には、大ざっぱに申しますとそれまでの水準の二倍半くらいに厚生年金あるいは国民年金の水準を引き上げたということもございますので、決して年金水準を低く抑えるために世間にそういったようなことを申しておるということはございません。
○小川(省)委員 昨日の経済審議会の答申の中でも出ておりますね。いわゆる負担率を上げていく、高福祉高負担の方向でやっていくというようなことがあるわけですから、現行の年金制度間での組合員の分断を図りながら、水準を引き上げていかなければならないのを渋るというかおくらせることのないように、ぜひひとつ心して私の言ったことを受けとめておいていただきたいと思います。また後ほど伺いますから、ぜひ帰らないでいてもらいたいと思うのです。 次に、実は大蔵省にお伺いをしたかったわけでありますけれども、国家公務員共済をやっておりますので大蔵省は出ておられないようであります。何か自治省がかわって答弁をするようでありますが、私は自治省が大蔵省にかわって答弁をできるかどうか実は疑わしいと思っています。共済組合法の内容は国家公務員共済組合法とほとんど似通っていますからできるとは思いますけれども、自治省は、事ごと何か言うと、実は大蔵が反対でということで国家公務員共済を言うわけでありますから、私はどうも完全な答弁がもらえそうにもないというふうに思っていますが、きょうは大蔵省のかわりに答弁をするということでありますから、ぜひそういう点を加味をして、答弁をしたことは大蔵にもやらせるというようなつもりで私は聞いておりますから、ぜひひとつ御答弁をお願いしたいと思うのであります。 一つは共済組合に対する国庫負担の問題であります。私どもは長い間にわたって国庫負担の導入を要望してまいったわけであります。昨今のように掛金がどんどん引き上げられていくということで、組合員の負担がますます大きくなっていくわけでありますから、これを解決しなければ負担にもたえられないような状態になってくるわけでありますが、国庫負担の導入なりあるいは組合員と使用者の負担区分の変更ということがどうしても考えられなければならない状態に参ったというふうに私どもは思っているわけであります。そうでなければ、負担は組合員に押しつければいいんだというような考え方を貫かれた場合には困るわけでありまして、長期、短期とも国庫負担を真剣に検討すべき時期だと思いますけれども、そういう点についてはどうなのか。また共済組合に対する国庫負担を繰り入れていくこと自体について基本的に大蔵省では、——これは自治省ではないのですよ、大蔵省は、自治省が受けとめてどういうふうな考え方に立って従来までやってこないのか、あるいはまた負担区分と率の変更についてはどう考えておられるのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○植弘政府委員 先生御指摘のように、当事者能力若干疑問ございますけれども、同じような立場でございますので、率直にお答えしたいと思います。 国庫負担の問題につきましては、当委員会でもしばしば御議論いただいておるところでございまして、他の公的年金に比べまして十五というのが少ないではないかということは、私どももそういう感じは持っております。しかしながら、先ほどの厚生省との間における御質疑の中においても拝察いたしましたように、それぞれ年金には沿革なり性格なりというものがございまして、厚生年金と同じような国庫負担をすべきかどうかという点については、やはり検討すべき問題であろうかと思っております。私どもも現在の共済制度の立場に立って大蔵の共済関係とよく話をしておりまして、せめて農林だとか私学並みの十八くらいまでには上げられないものであろうかということを言っておるわけでありますが、大蔵の気持ちといたしましても、私どものそういった要請なり話については理解をしておるようでございますけれども、やはり先ほど申し上げましたようなそれぞれの公的年金問における性格等の関係、それから年金を基本的に抜本的にどう見直していくかといったような問題とも絡めて、まだ実現は見ていない、こういう状況でございます。 それから、折半負担の問題でございますけれども、これはやはり厚生年金制度を中心とした他の公的年金との関係もございまして、共済について現在の折半負担制度をやめて、使用者を七割なり労働者側を三割なりといったことをとることはいまのところはちょっと無理であろうと思っております。
○小川(省)委員 大蔵がそういうことですから、さらに自治省としては、私が先ほど申し上げたような趣旨を体して大蔵には十分ひとつ働きかけをしてもらいたい、こういうことにとどめておきます。 次に、年金の改定実施時期の問題であります。 年を追って着実に、九月から、八月から、七月というように前進をしてきておる点については評価をしているわけでありますが、本年は七月一日になったわけであります。しかし私どもは、基本的にはいつも主張しておりますように、年度当初、四月一日にすべきが当然だというふうに実は思っているわけであります。私どもは、厚生省が年金受給者代表との話し合いの中で、来年度は五月一日にしたいとか、五月にするとかいうようなお答えをしたというふうに実は伺っておるわけであります。厚生省がそういうぐあいに五月一日というふうな点を出したということになるとするならば、少なくとも大蔵との間にある程度の理解というか、話し合いがされているのではないかというふうに実は思っているわけであります。 そこで、厚生省にまず伺いたいわけでありますが、来年度の実施時期は五月一日にするのかしたいのか、この実施をどう考えているのか、まずお伺いをいたしたい。 そこで、大蔵に聞きたかったのですが、自治省、これは大蔵の代弁者としての自治省に聞くのでありますが、そういう点で基本的には四月一日に持っていくことが、ずっと逐年繰り上げているわけですから、そこのところを目標と定めてやっているのだというふうに思っておりますけれども、事実そういうぐあいにやっておられるわけですから、事実来年についてはどうしようと思っておられるわけですか、先に厚生省にお答えいただきたいと思います。
○坂本説明員 厚生年金、国民年金の物価スライドの時期の問題につきましては、従来から非常に大きな問題になっておりまして、過去におきまして本来厚生年金十一月、国民年金一月というのを、厚生年金八月、国民年金九月というように早期に繰り上げて実施してきてまいっておるわけでございます。その後、この時期をもっと繰り上げよという御要望が確かに強いわけでございまして、私どももそういった御要望を受けましていろいろと考えてはおる段階でございますけれども、何分にも一つは現在の年金の受給者というものが、私どもの方で事務処理をいたしております限りにおきましても、五百万を超えておりますし、また毎年百万人を超えるという非常に大きな数になってきておりまして、これを電子計算機を用いて一人一人年金額の改定を計算し、そうしてその通知をした上で支払うという非常に膨大な事務が必要になっておるということと、それから物価の上昇率が対前年度で確定いたしますのは、やはり五月上旬ころである、こういった確定数値を踏まえて年金額を改定していくために、どうしてもそれから一定の事務処理のための期間が必要である、こういう事情がございまして、このスライドの時期をさらに繰り上げるということは実際上はきわめてむずかしい問題でございます。 しかしながら、何とかそういった方向に向けて実現ができないものかどうか、鋭意検討しておる段階ではございますけれども、まだ五月にするというような決定というものはできない段階でございます。 なお、先ほど先生が、関係者の方にそういったことを厚生省として回答したやに伺っているとおっしゃったわけでございますけれども、ことしの春闘におきましてこの物価スライドの時期を繰り上げよという問題も出てまいったわけでございます。これにつきましては、私どもとしてはできるだけスライド実施が早められるように努力はいたしますということは申し上げておりますけれども、そういった繰り上げを実施するという決定をしたということは一切申し上げておりません。したがって、まだ大蔵省当局との間におきましても事務的な詰めが終わったということではございません。
○植弘政府委員 御承知のように、共済年金の実施時期につきましては従来から恩給というものとはずを合わすといいますか、恩給の改定時期に合わせて共済も改定させていただくということになっております。したがいましてやはり問題はいま厚生省からお答えがございました厚生年金についてどうするかという問題とあわせまして、恩給の改定時期をどうするかというものが先行すべき問題だろうと思っております。 その点につきましては、私どももできるだけ実施時期を繰り上げていただきたいという希望は強く持っておりますし、恩給局あたりにもそういう話はしてございます。したがいまして、従来のように一歩一歩でございますが、繰り上げてまいったわけでございまして、今後ともそういうかっこうで繰り上げさしていただきたいものだ、こういうふうに関係当局には強く要請しているところでございます。
○小川(省)委員 いずれにしても逐年繰り上げてきて努力をしてきているわけですから、私は四月一日を当然目標にしてさらに努力をしてもらいたいと思っているわけです。 厚生省に言っておきますが、あなたではなくて、局長かだれかだろうと思うのですが、あなたのいまの発言が後退をした発言なら問題になりますよ。帰って、そのときの交渉のあれを見て、約束をしたようなことは守らなきやいかぬですから、そういう点については篤と申し上げておきますから、ぜひひとつそういう方向で年金受給者の要求を実現できるような方向で引き続き努力をしてもらいたい、こういうことだけ言っておきます。 それからあと一つは、これに関連をするわけでありますが、これは自治省なんでしょうが、地方財政の危機で実は地方公務員の五十年の給与改定が自治体によってはやれ七月だとか九月だとかいうふうな形で四月一日改定にならなかった団体がかなりあるわけであります。こうなってまいりますと、実は人事院勧告が以前に四月一日までさかのぼらなかった段階で五月改定などというときには、いわゆるそれ以前の退職者のばらつき、アンバランスが起きないような形で年金の支給額については調整をしていただいたことがあるわけであります。ですから、そういう意味では退職をされる公務員が、自治体の地方財政の状況によって給与改定の時期をおくらせたというふうなことによって、退職をして年金を受給をされる者が不利な状態をこうむらないような救済策をとってもらいたいというふうに思っていますが、この点についてはどうしてくれますか。
○植弘政府委員 御指摘のように、昭和五十年度の給与改定に当たりましては、当該団体の財政事情等もございまして実施時期を四月よりも後にしたところもございます。おっしゃるように、そういった団体におきましては退職公務員にいま御指摘のような問題が発生するであろうということは私どもよく理解いたしております。しかし現実の問題は明年度以降の問題になりますので、よく実態を調査の上でいま先生御指摘の過去の例等も参考にしながら検討させていただきたいと思っております。
○小川(省)委員 ぜひひとつ自治体のあれによって給与改定をおくらせたということが退職公務員にそういう不利な状態が起こらないように、これはいまから申し上げておきますから、ぜひひとつ万全の手を打ってもらいたいと思います。 あえて言うならばこれに関連をする問題なんですけれども、実は年金の算定基礎給料の問題であります。私どもが三年間の平均を一年間の平均ということで先年改めてもらったわけであります。しかし年金は、その所属する組合から離れた際に、いわば退職時の賃金を基礎にすることが基本になることは当然だというふうに思っておるわけであります。公共企業体職員は事実退職時の給料になっているわけでありますが、これは退職一時金の額がどうだとかこうだとかいろんな理屈はつけていますけれども、実はこの公共企業体の退職時賃金を基礎給料にするというのが正しいのですよ。そういう意味では一年間の平均というのはまだ実はベストではなくベターの状況に入ったところなんです。そういう意味で、やはり結局つまらない理屈にとらわれることなく公共企業体の職員の退職一時金を改めればよいのであって、退職金がこうなんだからというふうなことで退職時受給賃金を基礎給料にしないというところに実は問題があるわけであります。そういう意味で退職時の等級、号級をもって年金の算定の基礎給料にいたすべきだというふうに思っていますけれども、そういう段階にいつになったら踏み切っていただけますか。
○植弘政府委員 もう先生よく御理解いただいていると思いますように、昭和四十九年に制度改正を行いまして退職前三年間平均を一年間に改めさせていただいたところでございます。しかしその際も御説明申し上げましたように、その後におきましてベース改定が行われました場合には過去一年間にわたってベース改定が行われたものということにいたしまして平均を出すということで、もうほとんど退職時の給与に近いものに制度的にもしてあるわけでございます。したがって、そこまで行っているならばもっと思い切って退職時の給与にしたらどうかという御議論になるかと思いますけれども、やはりこれは一年の平均といたしますときにもいろいろと御論議いただきましたように、現実の退職時の給与の問題等を考えてみましても、ほとんどそれに近いような形のいまの制度で、まあまあ十分とは言えなくてもほとんどそれでいいのではないのかということで踏み切らしていただいたわけであります。しかし、いま御指摘のございましたように国鉄等におきましては退職時の給与を基礎といたしておりますから、そこらのところの均衡をどう考えていくか、それから退職手当の割り落としとの関係をどう見ていくかという問題もございますので、今後やはりそういった均衡を考えながら検討させていただきたいと思います。
○小川(省)委員 ほかが踏み切らないのだったら、当事者能力のある自治省ですから、地方公務員共済だけでもせめてそういう方向に一歩先んじてもいいんだと思いますけれども、その点はどうですか。
○植弘政府委員 これはやはり共済制度の従来からのたてまえ等を考えてみましても、私どもだけが先行するというのは適当と考えません。ただ、当事者能力ございませんけれども、大蔵にはよくこの趣旨を伝えて一緒に検討したいと思います。
○小川(省)委員 年金制度間にはばらつきがありますように、不均等に発展をしていく中で実は年金制度というのはだんだん充実をされてきているわけですから、当事者能力があるのですからそのくらい踏み切るくらいの気持ちを公務員部長は自信を持って持つべきだと思いますから、そのことだけ一言言っておきます。 そこで、法的に遺族年金の支給を受けられる遺族というのがありますね。実はその遺族がいない場合には遺族年金は受けられなくなるわけですよ。そういう場合に何も支給されないわけです。そういう点では遺族年金の受給資格を持たない遺族がいても、遺族年金にかわるべきものとしてあるいは十年間分とかなんとか一時金で支給する手だてをそろそろ講じてもよろしいのではないかと思うけれども、そういう遺族というのは、遺族年金受給資格を持つ、法的資格を持つ遺族がいないような退職公務員というのはどのくらいあるものなのかどうかまず伺って、その上で、すぐ遺族年金の一時金というものを支給をするような方向について検討をしたことがあるのか、またしていくつもりがあるかどうか伺います。
○植弘政府委員 申しわけございませんけれども、そういった非支給となった方の件数、これは明らかでございません。そういう御指摘がございましたので、場合によっては関係の共済組合に検討してもらってもいいと思いますが、問題は先生もよく御承知のように、社会保険制度という立場からいたしましていわゆる被扶養者といいましょうか、その組合員の報酬によって生活をするということを前提としたたてまえで社会保障制度は成り立っているわけでございます。そういうことからいいますと、いま言いますように本人から何らの生活保障を受けてなかったという者までにも遺族年金の範囲を広げるかということになりますと、やはりちょっとこれは慎重に考えなければならぬ問題じゃないかと思います。と申しますことは、これは掛金と同時に公費負担とでもって構成しておるものでございますから、そういうふうに今度は遺族の対象を拡げることになりますと当然に財源率にもはね返ってくる、こういう問題がございますから、やはり根本は社会保険制度の原則でございます生活保障といいましょうか、そういった立場から考えるべきものじゃないだろうか。したがって、従来これも余りそう前向きで検討したことはございません。
○小川(省)委員 趣旨はわかります。一応どのくらいいるのか当然資料として出して、一応の検討に値する事項だと思いますから、今後はひとつ調べてみてください。それだけ要請をしておきます。 それから総理府の恩給局に伺いたいと思うのでありますが、今度の恩給法の改正の中ではいわば上薄下厚といいますか、そういう線を貫いたというふうな形になっているわけであります。まあ結構なことなんでありますけれども、いわゆる六段階方式という形で、恩給支給額を六段階に分けているようであります。そういうふうに分けられた根拠ですね。それから六段階における該当人員が大体どんなような分布になっているのか、特に軍人恩給以外の文官恩給等について若干説明をいただきたいと思います。
○手塚説明員 先生御指摘の点でございますが、巷間よく六段階方式と言われていますのは私どもの方から申しますと余り内容をあらわしていないので、不本意でございます。恩給、現在のような社会経済情勢でございますと、やはり年々他の年金並みに増額措置を図らなければいけないわけでございますが、その際の指標といったものはどういったものによるか、これはきわめて重要な問題でございます。御存じのように四十八年から総合的な指標として国家公務員給与そのものの改善率を持ってきているわけでございますが、その前には審議会方式と申しまして、物価と公務員給与をアレンジした中間比的なものをとっておりましたし、そのもっと前を申しますと三十七年まではむしろ公務員給与の上がりそのものに即して上がってきたわけです。したがいまして、その四十八年から国家公務員給与そのものを指標としてとりましたので、できればかつてのようにもう少し近い形で国家公務員給与の上がりを反映することができないか、平均のとり方として一つの率にあらわすというとり方も確かにございますが、もう少し給与の上がり方に即してできないか、そういうことを研究いたしまして、結果として統計的な手法も使いまして、統計学上回帰分析と申していますが、そういったものを当てはめることによって別の形の平均を出すことが技術的にできるのではないかということで踏み切ったわけでございます。その際、そういった別の形の平均と申しますのは、国家公務員の給与を大体毎年分析してみましても、率と額、それを組み合わせたもので大体表現できるということは言えるわけでございます。 ただ、現実には現職者に対する給与の改善、きれいな線に必ずしもなっているものではなくて多少のでこぼこ、あるわけです。それを一つの平均として写しとるわけですが、ただたまたま昨年の人事院の現職者に対する給与改善、これはかなり、先生方も御存じのように管理職の者については低く抑えるといったような勧告になっておりまして、実はその辺が手法としてとる場合に一つの線であらわすとかえって実態と乖離してしまうという点が見受けられたわけでございます。それでこの辺工夫しまして、かつまた、実は一昨年の概算要求で三段階というものを出しました。これは六段階と言われる根拠になっていると思いますが、あの三段階は確かにグループを分けてそのグループの中では一つの率とやったわけですが、今回はそうではなくて、修正するにしてもなだらかに修正していくという措置をとっているわけです。連続していくようにしているわけでございます。そういう意味でたまたまなだらかに変えていくところで数値的に多少変更していかなければいけないということで、結果として六つの指標になるように見えますが、基本的にはいま御説明いたしたようなことでございまして、したがって、それぞれの区分の接点の周辺であればほとんど差はないわけです、どちらを使いましても。そういったものになっているということを御認識いただきたいと思います。 それから、御指摘の人数の点でございますが、いま言ったような点を前提としていただいて、なおかつ強いてその該当する分で分けるというふうにいたしますと、私どもの方の文官でまいりますと、一番下の方の指標を使う部分が一万一千六百七十名、それからその次のグループを使いますのが一万二千八百二十八名、それで私ども中心として使っています標準グループですね、真ん中の三等級から七等級といった点ですが、それを使いますのが大多数を含みまして十一万四千三百九十三名、大体そういうことになっています。
○小川(省)委員 上薄下厚に是正するということで六段階方式を採用されたことは大変結構なことだと思っているわけであります。少なくとも従来のような一律の形をとっていきますと、いわゆる年金受給者間の退職をした後の公務員でも格差がどんどん開いてきたわけですから、そういう手法を取り入れたことについては評価をするわけです。国公、地公もこれにならったわけですよ。私は、実はあの上薄下厚の六段階方式というのが一番下の欄、二番目の下の欄というのは、意味があるのは実は軍人恩給の兵の場合と、それからいわゆる戦前、旧満州等ですかに勤務した文官で戦後は公務員としての職歴を持っていない、こういう人たちに効果がある恩給法上の措置だと思っています。これを国公、地公に取り入れるとするならば、恐らく一段階、二段階目の該当者は地公の年金受給者にはほとんど皆無に近いだろうというふうに思っています。そういう意味では三段階目くらいのところから六段階方式を国公、地公の段階として別途恩給法上の改正にならって改正をすべきのことが、実は国公、地公共済における年金の恩給法関係を導入をする際に心すべきことだというふうに実は思っているわけであります。ですから、下の一一・五%の段階なんというのはない、こうなってくるとある意味では人事院勧告による給与改定率を下回るところとなってくるのではないかというふうにも実は思っているわけであります。そういう点についてこの六段階方式を導入をする際に一、二段階にはほとんど該当者がいない、こういうことで考えられたことはないのかどうか、その辺について伺いたいと思います。
○桑名説明員 恩給における六段階と申しますか、上薄下厚の給与の改定傾向を反映した改定方式をそのまま地方公務員の共済組合制度に当てはめた場合に、地方公務員の共済組合制度でどのような分布になるかという実態をまず調べてみたわけでございます。 全数について調査をしたわけではございませんが、年金受給者五万人を持っております地方職員共済組合の実態を把握いたしましたところ、若干推計の部分も入っておりますが、一番低い一一・五%の改定を行われる部分に該当する者が三十六人いるわけでございます。その次のランクに該当する者が二十七人おりまして、三番目の一〇・九%から一〇・五%に該当する者につきましては一万五千八百七十人、四番目の一〇・五%から九・三%に該当する者が三万一千七百人、その他五番目と六番目の欄に該当いたします者が二千四百五十人になっております。市町村職員共済組合の組合年金受給者六万五千人を対象にいたしましたその結果も大体傾向値はそのようになっているわけでございます。したがいまして、御指摘のように一番目と二番目に該当する者については地方職員共済組合については〇・二%、市町村職員共済組合については一%ちょっとというところが実態でございます。
○小川(省)委員 いま数字を聞きましたように、植弘さん、一段階、二段階というのは全体の中の三十六人だとか何人なんというのは、皆無に等しいわけですよ。ですから、恩給法上の改正を国公共済なり地公共済に移行する場合に、何もそれをストレートにあれする必要はないので、少なくとも三段階目くらいから六段階に分けるとかあるいは四段階でもいいですよ、そういうふうな形に変えて、そして退職公務員の生活の安定を図るための方途を講ずるというのが、私は、何も恩給法ぴったしにつかなくともいいので、その精神を生かして共済組合法の改正を考えることだって当然だと思いますので、いま言われたような数字ですから、これは一段階、二段階が、一段階なんというのはほとんど使われていないと言ってもいい形なんですから、ぜひひとつそういう点は今後の中では検討してもらいたい、強く要請をいたしておきます。
○植弘政府委員 いま福利課長からお答えしたようなことでございましたので、これをこのまま適用すべきであるかどうか、私ども実は考えていたのですが、恩給制度の改正というか恩給制度そのものと合わせてきておりますたてまえ上やはり合わした方がいいだろう、若干不利だからそこだけ直すというわけにいきません。ただ問題は、先生御心配のような点につきましては私どもといたしましては通算退職年金ルール、これを使いまして有利な計算をするということにしてございますから、これによりますと、平均では一二%以上のアップになることになっております。そういうことがありますので、制度としては恩給と合わしておいた方がいいであろうという結論になったわけでございます。御趣旨はよく理解いたしております。
○小川(省)委員 趣旨を理解していただければ結構です、討論をしようと思っておりませんから。 そこで、実は次に年金額と最低保障額についてお伺いをしたいわけです。年々改正するたびに最低保障額等についても引き上げてきているわけですから、私どもは少なくともある目標を定めてここのところまでは改正をしたいということで年々改正をしているというふうに実は理解をしているわけであります。しかし、何といっても最低保障額が余りにも低いと思っています。私どもの要求では、少なくとも退職時俸給の七〇%までという要求をしていることは御承知のはずであります。社会保障の後進国である中国へ私は行ったのですが、恐らく日本では社会保障は後進国だと見ていると思うのですが、すべての労働者が現在でも六〇%の最低年金を保障されているわけです。そういう点ではいまの最低保障額は余りにも低過ぎるではないかと思っています。そういう意味で、年金を将来に向けて、少なくとも年金は退職時の俸給の六〇%にしたいとか七〇%にしたいとか、あるいは最低保障についてはこの辺までしたいのだというのがなければおかしいと思うのですが、どのぐらいのところにそういう指標といいますか、目標を設定しているのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
○桑名説明員 最低保障額の目標の問題につきましては、退職年金の最低保障額がいわゆる低額の退職年金について一定水準を確保することによりまして、退職後の公務員が安心して生活できるよう配慮したものと私どもは理解いたしているわけでございます。したがって、その額は原則として厚生年金保険における最低のモデルによって算定をした額によって算定する最低保障額と、もう一つ、恩給の制度に準じた六十五歳以上の長期在職者に係る退職年金の最低保障額について取り扱っている方式と両方の方式をとっているわけでございます。この最低保障額の水準をどのくらいにするのかという問題につきましては、年金のあり方なり年金の役割りをどのように考えるかということでいろいろ議論があるところでございますが、少なくとも各共済組合制度間の均衡は図っていかなければならぬわけでございます。 なお、退職公務員の生活保障をより実効あらしめるためにも各公的年金制度の基準を参考として、給付最低保障額の引き上げについて検討をしていくべき課題ではなかろうかという感じがいたすわけでございます。
○小川(省)委員 議論をしようと思っていませんからいいです。努力を続けてください。いろいろありますが、また別の機会にいたします。 次に、懲戒処分等に対する年金の給付制限についてお尋ねをしたいと思います。 現行では、公務員である者が退職をする際の理由だとか在職中の行政処分等に応じて給付制限がやられているようであります。しかし、退職時の理由やあるいは在職中の行政処分等が共済組合を脱退をする、いわば退職をすることですけれども、そういうことによってこれが給付制限の対象になるということはどう考えてみてもおかしいと思うのです。処分というのはそれなりに行政上の処分によって報いがされているわけでありますから、それによって当然昇給が延伸をするとかいろいろなことがやられているわけでありますから、それで相済みのはずであります。共済組合年金によって、さらにこれが給付制限を受けるなどというダブルパンチが許されてよろしいはずはないと思うのであります。少なくとも、公金横領であるとか収賄をやったとか破廉恥的行為をやった者は別として、その他の理由について給付制限をするのは、あくまでもみそもくそも一緒にするというふうな形であって、是正をされなければならないと思っています。これについて検討していただけますか。
○植弘政府委員 いつもお答えいたしておりますように、共済制度の発足が恩給の流れをくんでおりますと同時に、厚生年金制度、社会保険制度の範疇にも入ってくるわけであります。したがって、いわば恩給法のように厳しい給付制限というものと、厚年のようにほとんど給付制限のないといったものとの問でどう考えるのかというのは、確かに御指摘のように慎重に検討すべき課題であろうと思っております。 ただ問題は、同じように社会保険制度の一環を形成するものと考えましても、やはり職域的な公務員という立場、身分という特性がございますから、一般民間企業の従事者と同じように野放しにすることは適当ではなかろう。したがって、先生いま懲戒処分の理由についても若干の言及がございましたけれども、その点をどういうふうに考えていくのか。少なくとも現実に法律違反等があってそれに対する措置が講ぜられた場合の問題でございますから、その間に差をつけるということが果たして適当なのかどうか。そういう意味からいいますと、やはりその間に差別をつけることはなかなかできないのじゃないだろうかという気もいたします。いずれにいたしましてもそういった二面性を持つ共済制度でありますだけに、大きな課題として今後検討さしていただきたいと思います。
○小川(省)委員 大きな課題として本当の意味で——大体国会委員会での答弁で検討するというのは、何もしないことですが、大きな課題としてというのがつきましたから、重要な課題として検討してもらう約束をしてもらいたいと思うのですよ。というのは、最近の首長なんかだと、労働運動なんかで簡単に停職を食らわしたり解雇をやるわけです。こんなのは公金横領とは違うし、首長の恣意によって、法律違反でもないような場合でもそういう状態があるわけですよ。こんなものに給付制限をしていること自体がおかしいので、これは重要な大きな課題として検討してくれる約束をしてくれますか。
○植弘政府委員 地方団体における服務規律の維持という観点からの御議論もございましたが、そういうものを含めてやはり検討すべきものと思います。ここで労働基本権問題を論議するつもりはございませんが、やはり公務員としての立場から服務の厳正な維持という問題は考えなければいけませんし、そういうものとの兼ね合いをどう考えるか、大きな課題として検討したいと思います。
○小川(省)委員 私は重要な課題と言ったのだけれども、大きな課題と重要な課題というのは委員会の答弁でどう違うのか、よくわかりませんけれども、とにかく検討してください。大きな課題と言うのだから、少しはまともに検討する気があるのだと思いますから、私も一緒に意見を述べますから、ぜひひとつやってください。 次に遺族年金についてお尋ねをしていきたいと思います。 今回の改正の主要な柱になっているようであります。扶養加算、寡婦加算、結構なことだと思っておりますが、これはあくまで要求や要望をそらしたものだというふうにしか私は理解できません。あるいは大蔵の壁が厚いからこういう手だてになったのかとも思っていますが、私どもが強く要望しておりますのは、遺族年金の年金額を少なくとも八〇%までにはしていってもらいたいと要望をしていたわけであります。いずれにしても、遺族年金になると二分の一という、二分の一を改めていくような努力をしたいということを、この委員会で先国会でも答弁をされておるわけでありますから、若干欺瞞ではありますけれども、そういう形での努力の中でとの寡婦加算なり扶養加算という制度が出てきたのだと思っていますが、一般の国民生活の中で一家の収入を得ている方がいなくなった家庭で、その収入の二分の一で残った家族が生活できるなんという理由はありません。私は植弘さんが指定職で給料が幾らか知りませんけれども、少なくともその半分が植弘さんの小遣いになっているとは思わないのであります。そういう意味では二分の一であなたの家族が生活できるなんということは世間一般の通念としてあり得るはずはないと思っているわけであります。そういう意味で私は扶養加算なり寡婦加算というものは認めていきます、それは当然結構でありますけれども、少なくとも遺族年金の総額全体について手を加えていかなければならぬと思っているわけですが、遺族年金のこういう寡婦加算や扶養加算ということでなくて、遺族年金自体についての引き上げの動向というのは現在ではどんなような状態になっているのですか。
○植弘政府委員 この点につきましては、先国会で法案の御審議をお願いいたしたときにも御指摘ございました。私どもといたしましても年金自体をもう少し引さ上げていただきたいという気持ちを持っておりまして、率直にそういうお答えもしてございます。そして関係の向きにもそういった要請もしてまいりました。問題は、こういった年金制度を充実していくということは、お互い公的年金に関係する者としては共通の要請を持っているところでございます。もちろん財源的にはね返り等の問題もございますが、やはりステップ・バイ・ステップで年金を充実していく。その中で一体どれからやっていくかということになってまいりますと、私の感じといたしましても、遺族年金の改定というものは相当優先的に取り上げられるべき課題だろうとは思っております。ただ、今年度におきましては厚生年金等におきましてもその他も課題がございましたために、いま御指摘のような遺族年金そのものとしては若干不満足でございますけれども、前進を見ているわけでございますので、今後とも私どもとしては従来からの希望を持って関係省庁との調整に当たってまいりたいと思います。
○小川(省)委員 政府が遺族年金を五〇%でいいと思っていないというふうに私も理解できるのです。そうでなければ、扶養加算とか寡婦加算などという制度が出てくるわけはないわけですから。そういう意味で、やはり基本的にいまの五〇%のものを上げるということが何といっても究極の目標なんですということを政府もおわかりのはずなんですから、ぜひひとつ政府部内全体で、厚生省の年金課長もおられるわけですから、そういう形の中で、遺族年金については現行でいいと思っているわけではないのですから、努力をしてもらいたいと思っています。 そこで、今度の寡婦加算の中で、子が二人とか子が一人とか子がいないとか、いろいろありますけれども、妻である寡婦六十歳以上については二万四千円、月額二千円の寡婦加算がつくようであります。しかし、私思うのには、実際には退職公務員の奥さんは大体六十歳以上の方々が多いと思う。六十歳以下の妻などというのは幾らもいない。恐らく予算の所要額も幾らでもないと思うのです。そういう中で退職後においても六十歳の段階で線を引いて差別をするというのは余りにもひどいではないか、こういうふうに実は思っているわけであります。せっかくこういう制度をつくるのならば、そこのところで子のいない妻ということで何も六十歳をつけることはないというふうに実は思っているわけでありますが、少なくとも来年についてはそういう方向で、所要の予算額は幾らでもないと思いますから——幾らぐらい要るかわかったら数字も示してほしいけれども、ぜひひとつ来年は妻全体について寡婦加算をつけるようにしてもらいたいと思っています。これは約束してください。
○桑名説明員 今回の法改正によりまして、ただいま御指摘のありましたように、遺族年金に寡婦加算制度が設けられたわけでございます。それは、御案内のように、遺族年金の受給者のうち、その生活の実態等から見まして年金収入の必要性が非常に高いと思われる扶養する子供を持っている寡婦と高齢の寡婦について、年金額を実質的に引さ上げる措置をとったものであると考えておるわけでございます。また、定額の寡婦の加算制度を採用いたしましたのは、年金額算定の基礎給料にばらつきがございまして、高い方もおられますし、また低い方もおられます。したがいまして、年金額の低い方に対する引き上げ率が高くなるように定額の加算制度を導入したものと私どもは理解しているわけでございます。 なお、高齢の寡婦につきまして六十歳以上の寡婦といたしましたのは、六十歳未満の寡婦と六十歳以上の寡婦の就業状況等を考慮したものでございまして六十歳未満の寡婦を対象とすることは妥当でないのではなかろうかという感じがするわけでございます。 しかしながら今後とも遺族である妻の年金の改善につきましては、御指摘の趣旨を十分配慮してまいりたいと思うのでございますが、遺族年金の受給者のうち寡婦である者が六万九千人ほどおります。そのうち今回の寡婦加算の対象になっている者が二万一千二百人ほどございまして、先生の御指摘になっております寡婦加算の対象になっておらない寡婦が二万七千九百人で、遺族年金受給者の寡婦のうちの四〇%が今度の加算の対象になっていないという実態になっているわけでございます。
○小川(省)委員 四〇%という数字は私の想像よりもかなり高い数字でありますが、しかしいずれにしてもそういうことによって差別をつけるのはよろしくない。いまお答えの中にありましたように、就業の状況というふうなことを言われますが、自治体が実は、退職をしていって遺族年金を受けている寡婦の方に就職あっせんなんかできるわけないのですから、みんなそれぞれ苦労しながらパートやなんかに勤めながら生計を維持しているのですから、そういう点については、いい制度、遺族年金を引き上げる以前の段階としての一歩前進をする寡婦加算という制度をつくったんですから、全体に及ぼすように、ぜひひとつ来年度に向けて検討してもらいたい、こういう点を強く要請をしておきます。
○桑名説明員 先ほどの小川委員の御質問に対するお答えの中で、寡婦加算の対象となる者が二万一千何がしという数字を申し上げましたが、四万一千二百人の間違いでございます。 なお、ただいま御指摘の就業の問題でございますが、大分古いデータでございますが、四十六年の就業構造基本調査によりますと、四十九歳未満の寡婦である方の就業率が八〇・二%で、六十歳から六十四歳までの就業率が三八%、六十五歳以上の寡婦の方の就業率が一三%、こういう数字になっているわけでございます。
○小川(省)委員 いずれにしても何かしらとにかく就業していかなければ生活を維持できないのですからね。そういう実態にあるわけですから、これはおのずから就業率も高いのは当然であります。しかしまともの、だんなさんのかわりに、じゃ役所に勤めさせますなんというわけはないのですから、ぜひひとつそういう点の中で寡婦加算の中でも差別をつけるなどということをしないで、ひとつ全体に適用できるような方向を来年度に向けてはとってもらうように、ぜひひとつ努力をしてもらいたいと思うのです。 それから、一つ小さい問題で伺いたいのですが、現行の年金額の計算なんですが、今後も退職をする人の中にも出てくると思うのですが、いわゆる掛金を掛けなかった期間というのを百分の四十五か何か控除する控除期間というのが植弘さんありますね。そういう点についてはもういいかげんこの辺で控除期間などというような計算上もややこしい——ややこしいのはこれはしようがないけれども、もう少なくともこういうあれを残しておかなくてもいいのではないかというふうに実は思っているのですが、いかがですか。
○植弘政府委員 やはりその点は社会保険というものの性格から来るんだと思うのです。公費負担と掛金と折半で持っている制度でございますから、掛金を負担していない期間にまでも年金をつけるということになりますと、公平の原則からいかがであろうかということが現行制度だと思いますので、これはちょっと無理じゃないかと思います。
○小川(省)委員 社会保障の性格だというお話でございます。いま討論するつもりはありません。 そこで、大蔵省の代理である植弘さんに伺うのですが、それならば当然年金そのものについては全額非課税にすべきだと思うのだけれども、一定のところで線を引いて、それを超えるものは課耕していますね。こんなのは誤りで、年金は全額非課税にすべきだと思いますけれども、いかがですか。社会保障の性格から言えば、そんなばかな話はないんだけれども、いかがですか。
○植弘政府委員 やはり問題は、組合の給付として支給を受ける金品に課税しないということになってまいりますと、他の給与所得あるいは退職所得というものに対する課税との均衡が問題になるのじゃないでしょうか。そこで、そういったことを現実の均衡論と生活実態とを考えた場合に、どういうふうに調和させるかというのが税制上の問題だと思うのです。そこで、六十五歳以上の老齢者につきましては、四十八年からでございましたでしょうか、特別控除制度なんかを設けましてその間の調整を図っている、こういうことでございまして、現実問題といたしましては、年金収入が二百万円ぐらいまでの方はほとんど課税されておりません。ということは、税制上から全般的な納税者の均衡が図られているというふうに考えていいのじゃないだろうかと推察しております。
○小川(省)委員 いずれにしても、社会保障の性格からしても年金には課税をすべきでない、これは一般的な社会通念からもそうですよね。そういう点でぜひひとつ大蔵省の意見を出してください、きょうはあなた大蔵省代理で答弁しているのですから。長期については一応終わります。 これから短期給付についての質問に移ってまいりますけれども、私は、共済組合法の運営について、組合員を代表する者の十分な意見の疎通がなければこの法の適正な運用はできないというふうに思っているわけであります。私もしばしばそういうふうな組合員の代表と自治省の当局との間に立ち会うといいますか、オブザーバーで入ったこともあります。昨年あたりは自治省の年金当局といいますか福利課当局と、受給者を代表するような職員団体の代表との問でかなり意見の相違等もあったわけであります。委員会の中で審議をし、あるいは自治省の中で話し合いを詰めていきますけれども、どうしても詰めが甘かったり、別な意味では、実際の具体的なものは政令に移すわけですよね。政令を作成して政令を公布する段階でほとんど協議がされない、ここのところに意見の相違が起きてくる、適切な運営がされない原因がある、課題があるのではないかというふうに思っているわけであります。そういう意味では、従来、地公労の職員団体、この共済組合法の適用を受ける職員団体の代表と自治省とはいろいろな話し合いをしてきたわけですけれども、これは実際に慣行としてはこの法の適切なスムーズな運営を図る上においては非常に結構だと思っているわけであります。今回の四月の異動で実務に明るい桑名さんが課長になられたわけでもありますし、今後ともそういうふうな話し合いをやっていって、この法が適正に運営されることがより望ましいというふうに思っているわけであります。そういう点で、大臣にこの点について約束してもらいたいと思ったのですが、ぜひそういうふうな慣行をやっていって、この法が適正なスムーズな運営がされて、退職公務員の生活を守っていく立場に立っての自治省になってほしいというふうに思っていますが、政務次官、いかがですか。
○植弘政府委員 先生よく御理解いただいて、私どもも非常によく御指導していただいているわけでありますけれども、政令をつくる段階等におきましても、組合員を代表する人々の意見を十分聞くというつもりでおりますし、おりました。しかし、いま先生御指摘のように、そういうぎくしゃくしている点があるとすれば、私ども心づかずといいましょうか、そう思っております。したがって、それは今後とも十分意見を反映させていただくように努めたいと思っております。現に地公共済審議会におきましても、懇談会みたいな形で抜本問題の話し合いをするとかそういうかっこうで、しかし、もちろん制度化の問題もございますからすべて聞くわけにまいりませんけれども、積極的に話を聞くという気持ちを持っておりますので、つなぎでお答えしておきます。
○奥田政府委員 いま先生から、前半は何かコミュニケーションが余りできていないような話と、後段では、自治省と地公労の間のコミュニケーションが大変うまくいっているというようなことでございます。後段の件については大変ありがたく思っておりますし、特に共済福利の関係に関しましてはぜひともそういったいい慣行、つまり地公労と自治省との問のコミュニケーションが円満にいくという形は大変望ましいことだと思います。ただ、先生御指摘の件につきましては、国家行政組織法等に定められているいろいろな障害もございますし、そういった面については、先生の御意見を体して前向きにまた検討いたしてまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 私、この前交付税なんかのときに言ったのですが、奥田さん名次官なんですから、ぜひ、全体の運営のかじをとっていただいて、この法律の運用についても適切、スムーズな運用ができるようにやってもらいたい、こういう点要望しておきます。 それから、長期の件で一つ落としたのですが、実は地方議員の年金であります。 議員年金についても、逐年共済組合法の改善の際に改善をしていく努力をされてきたことはよくわかるわけでありますが、まだまだ、地方議員年金についても通算問題でありますとか、最低保障の引き上げの問題でありますとかいろいろあるのですが、一層の改善について引き続き努力をしていただくお約束をいただきたいと思うのです。一言だけで結構ですが、ぜひお願いをいたしたいと思います。
○植弘政府委員 この点につきましては、御指摘のように年々努力してまいっておりますが、今後とも共済制度全般が改善されるに準じまして考慮していかなければならぬと思っております。
○小川(省)委員 短期ですが、私は、掛金率の引き上げは短期の方により問題があると思っているわけであります。短期の経理がかなり厳しいということも、医療費の引き上げ等によって一応承知をいたしておるわけでありますが、しかし、実際には掛金率の増額によってかなり高い掛金が自治体によっては強いられているところがあるわけであります。そういう意味では掛金率が大幅に引き上がるようなところ、千分の十を超えるようなところについては当然政府が何らかの手を打たなければならぬ。これこそ国庫資金を導入するなり何らかの手を打って、掛金率の大幅引き上げによって辛うじて保っていくような方向ではなくして、手を打つべきだと思うのですが、この点についてはいかがですか。
○植弘政府委員 御承知のように最近の医療費の増高等、運営にも若干の問題があるのか存じませんが、短期の財源率が非常に悪くなってきているのは御指摘のとおりでございます。特に今年におきます改定におきましては千分の百を超えるようなところが出てまいりました。しばしば当委員会でも御論議を賜っているわけでありますが、千分の百を超えることになってまいりますと、やはり何らかの措置を講じなければならぬであろうという感じがいたしております。もちろん、健康保険の場合でございますと千分の百八でございますか、ぐらいまではいっておりますから、そこぐらいまではいいではないかという感じもしないわけでもございませんけれども、千分の百を超えますとやはり赤信号ということで別の措置も考えなければならぬだろう。私どもといたしましても、何らかの財政措置をその超える部分については講じなければならぬと思っております。しかし、組合自体といたしましても、経営の健全化といいましょうか、運営には十分努力をしていただく必要もあるだろうということとあわせて措置を講ずる、こういうふうにしたいと思っております。
○小川(省)委員 言われるのですが、その辺が若干あいまいなんですよ。従来は千分の九十か九十五だと思ったのですが、いまのお話では千分の百のようですね。そうすると、百なら百でやむを得ないとは思うけれども、それについては、要するに組合員の負担による掛金率の増額にはよらないで、財産の取り崩しだとかいろいろな方向で、少なくとも組合員の掛金を上げないで措置をするということですか。
○植弘政府委員 いろいろと内部的に検討していただくものは検討していただくといたしまして、それでも百を超えるような事態になりました場合には、掛金を上げないで措置するという方向で考えたいと思っております。
○小川(省)委員 私も千分の百を、私がいま言ったように九十か九十五と聞いていたけれども、かなり上回る団体が出てきたわけですから、私も根拠がないしよくわかりませんが、いずれにしても大幅に上がっていくものについては組合員の負担によらないで措置をするという方向を貫いてください。いまの御答弁ですからそういうことだと思います。 それとあと一つは、実は医療費の足切りの問題であります。実はこの問題は私が提起をして、自治省もかなり努力をしてもらって、つい先年足切りを五百円にしたわけですよ。ところがいつの間にか、知らぬ間に大幅に引き上げられたというか、引き下げられたというか、悪くなったわけですよ。提言をした私には一言の相談もなければ、こうしますよという通知も何もない。私にそれだけの権限があるわけじゃないから通知をしなくたっていいけれども、私が提起をしてそういうふうにやってくれたわけでしょう。一言も話がないというのはどういうことですか。
○植弘政府委員 まことに不敏でございまして、その点はよく存じませんが、足切りの問題は、先生よく御承知いただいておると思いますが、やはり乱診の防止だとかいろいろな立場から、健全な組合運営をやっていただくということの一環として考えたものでございます。もちろんその足切りの額が低いほど、それにこしたことはございませんけれども、やはり組合自体の、掛金と公費負担でもっているものでございますから、できるだけそういった健全な経営を期待することも当然であります。 足切りが五百円から千円になっているところも大分ございますけれども、これはやはり当該連合会が決めたことでございまして、私どもが五百円を千円にせいと、こういったことではないものでございますから先生にもその点を御連絡しなかったのではないかと思っておりますが、意識的に、一般的に千円にしろという指導をしたことはないと思っております。
○小川(省)委員 そういう点は指導しないで自主性に任せるのですね。ほかのことになると常に介入をしてくるわけですね。そういうことなんですか。
○桑名説明員 家族療養費の基礎控除額、すなわちいわゆる足切りにつきましては、従来から組合管掌健保の厚生省の指導基準に準じてやってきたところでございます。従来組合管掌の健康保険に対する厚生省の指導基準が五百円としたところから、従来足切りについては五百円ということにいたしてきたわけでございますけれども、今回、今国会で御審議をいただいております健康保険法の改正案による初診料の一部負担の引き上げ等とも関連いたしまして、各組合が短期経理の健全化を図るために自主的な判断で足切りの額を決めるようにしてきているわけでございます。
○小川(省)委員 私は、よくなることなら別に相談を受けなくても、協議を受けなくても結構なんですよ。しかし悪くなることについては一言ぐらい、提言をした者に話があってもしかるべきだというふうに実は思っているわけなんです。 それと同時に、足切りをこういうふうな状態にしていくことは、特に流行性感冒の時期で家族がみんなやられるというようなことになりますと、これは実際に掛金率の引き上げと同じことなんですよ。自治省はそういう理解をしてないのですか。
○桑名説明員 先ほども申し上げましたように、足切りの制度というのは、いわゆる乱診乱療を防ぐという意味合いもあるわけでございまして、足切りの額を上げることによって必ずしも組合員の健康管理を阻害するということには結びつかないのではなかろうかという感じがいたすわけでございます。
○小川(省)委員 反論をしないけれども、それは結びつくんですよ、やはりこれは組合員の負担の増大なんですから。乱診乱療を云々言うけれども、地方公務員共済組合員に対するところの乱診乱療、いわゆる一般的なものもありますよ、そういう世間的な風潮もあるけれども、それはいわば公務員部が、うちの共済組合員はということの中で別な面でのまた指導の問題でもあるわけで、実際にはこれは掛金率の上昇ともなるような形での負担の増加になるわけですから、まあ経理が大変なこともわかりますけれども、少なくともそういうような状態については、ある程度共済組合を専門に審議し扱っている者については一言ぐらい話があってもしかるべきだという点を植弘さんによく申し上げておきます。——それはいいです。 それから任意継続組合員を一年から二年にしたわけですね。伺うところによると、大蔵省内部では三年にしようかというような話があったというふうに漏れ聞いているわけであります。 これはきょうは大蔵省代理の植弘さんに聞くのですけれども、そういうような任意継続組合員の一年から二年に延長、こういうふうな点は、これは最終約には五年まで延ばしていこうとするのか、あるいは来年は三年にするのか、任意継続組合員の期間延長に関連をして、どういう方向で考えておられるのか、その辺についてお尋ねをいたしたいと思います。
○植弘政府委員 これは昨年の改正案の御審議のときにも、一昨年でございましたか、大分御論議いただきまして、一年では短いというお話もございました。思い起こしますと、当時健康保険自体につきまして基本的な、抜本的な再検討をするという段階でございましたために、とりあえず当時の現行の健康保険法に合わせて一年ということで御理解を賜ったわけでございます。その後もこの問題は、五年がいいのかどうかという議論はあるわけでございますが、少なくとも健康保険とはずを合わせるといいましょうか、そういう均衡を図るということで来てまいっておりますために、今回は二年にさせていただいたわけであります。大蔵の中でもその三年という議論はあったと思いますが、私どもも前に三年とか五年とかいう議論もあったことも事実でございますが、もちろんそこで健康保険が今後どういうふうな扱いをしていくのか、それを見守って措置をしたい、こういうふうに思っております。
○小川(省)委員 今度はいわば被保険者の平均給与といいますか、平均掛金額といいますか、それの二倍でいくわけですよ。だからそういう意味では私は若干ふえると思うのだけれども、現行ではこの一年の任意継続組合員というのはどのくらいあるのか。実際に掛金について、昨年私もずいぶんこれについては議論をしたのだけれども、掛金の点についてはどういう方向にしていこうと思うのか、今後についてはさらに検討をするのかどうか、伺いたいと思います。
○桑名説明員 任意継続組合員制度の適用状況で御説明申し上げますと、組合員の総数が二百六十三万人でございまして、そのうち任意継続組合員制度の適用を受けている者が四千百十四人というのが実態でございます。これは昨年の九月三十日現在の数字でございます。
○小川(省)委員 制度として大変結構なことなんですから、ぜひ掛金を下げるようにして——私どもは退職後の年金額でやったらどうかというふうなことも申し上げてきたわけですから、掛金等について、あるいは使用者負担分を当人が賄うわけでございますから、そういう点について任意継続組合員の負担が増大をしない方向の中で検討を進めていってもらいたい、こういうふうに思っています。それは答弁は別になくてもいいんでしょうね。
○植弘政府委員 これは昨年も御指摘がございまして、検討いたしております。今度法律を通していただきましたら施行令を改正します、その際にあわせてやりたいと思います。
○小川(省)委員 最後に共済制度の管理運営面について伺いたいと思うのであります。これは約束をいただければ結構な事項なんでありますが、まず審議会ですけれども、申しわけ的に職員団体の代表を入れているというふうなことでは困るわけなんですけれども、組合員をまとめている職員団体の代表が、委員構成が何人であるかは知らないんだけれども、少なくとも半分いたっておかしくないと思うのですよね。掛金と使用者負担で賄っているわけでありますから、掛金というのは組合員から出てくるわけでありますが、ほかに自治体代表もあるのだと思うのでありますが、そういうような点ではかなりの数の職員団体の代表が入ってもおかしくないというふうに私どもは実は思っているわけであります。そういう点を踏まえて、積立金の運用であるとか、あるいはまた自主的な民主的な運営ができるようにぜひひとつ今後とも審議会の運営については当たっていってもらいたいというふうに思っています。そういう点はお約束できますね。
○植弘政府委員 先生よく御承知いただいていると思いますが、審議会は四者構成という形をとっております。使用者側と組合員側それから学識経験者、それに政府側というかっこうでございますために、構成はいまのまま大体やらざるを得ないんじゃないかと思いますが、現実の運営に当たりましては、もう十分、先ほども申し上げましたが、組合員を代表する側の意見が反映できるように心してまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 地方公務員災害補償法について若干質問をさせていただきたいと思っています。 従来、地方行政委員会の中で公務員災害補償法についての質問をいたしますと、自治省ではなくして人事院の答弁が多かったように記憶をいたしております。議事録を見ても大体そうなっております。このことはどういうことなんですか。
○植弘政府委員 地方公務員の勤務条件その他、こういった災害補償等につきましても、民間なり国家公務員なりとの均衡を考慮することがまず大事であることは常々申し上げているところでありますが、その意味におきましても、公務災害につきましては国家公務員の災害補償がどうであるかというのが一番私どもで関心の深いところでございます。その国家公務員の災害補償につきましては、人事院が勧告なり意見の申し出をして、それを法律化するのが例になっております。そういう意味からいたしまして私どもは、人事院から国家公務員について内閣及び国会に対して意見の申し出がございますと、それを受けまして、それに準じて地方公務員にもそうしていただくということでございますために、どうしてそういう制度をとったかといったようなことになりますと、人事院の方にお聞きするのがより的確であろうということから人事院にお出ましをいただいている、こういうかっこうです。
○小川(省)委員 自治省は人事院に寄りかかっているという理解でよろしいですか。
○植弘政府委員 原則的には均衡を保持しているつもりでございます。
○小川(省)委員 寄りかかっていてもちょうどうまく寄りかかっていると、大体積み木というのは倒れないのですよね。そういうぐあいに均衡を保持しているわけですね、まあいいでしょう。そこで、公務による弊害というよりも、公務による疾病が急増をしているのが自治体における職場の現状であります。最近の複雑な経済社会の情勢や合理化の進行による管理運営の締めつけなどに起因をしているわけでありますが、自治体の職場でもさまざまな新しい疾病や職業病に類するものが発生をしているわけであります。そういう環境が醸成をされていると言っても差し支えないと思うのであります。昨年の五月十六日の自治省の事務次官通達がこれに輪をかけているというふうに私どもは思っているわけであります。やれ頸肩腕症候群でありますとかあるいは給食現場やあるいは保育所現場における腰痛症でありますとか、清掃現場における腰椎症、ヘルニア、あるいはまた教師のしわがれ病というのですか、声がしわがれる、かすれ病というようなものが非常に発生をしています。これが地方財政の危機につれてふえているのが現状だというふうに私は実は思っているわけであります。ロッキード事件に関連をして児玉譽士夫の脱税調査をやっておる際に、だれか税務職員の方が亡くなられましたね。こういうようなクローズアップされている事案等によって公務による死亡等ありますと、すぐにそれは公務でとられるわけでありますが、じみちな活動をやっていながら公務によるところの疾病になったような場合には、なかなか公務としてとってくれていない場合が多いのが実は公務災害補償法が適用されている現状であります。そういう公務の認定が非常におくれているとかあるいは適用がなかなか容易でない、こういう実態が事実あるわけでありますが、こういう理由についてはどこに理由があるというように自治省としてはお考えですか。
○植弘政府委員 御指摘のように、最近いろいろと職業病ないしこれに類するようなものが多く出ているようでございまして、基金なりその支部に対する申請も多いようでございますが、御承知のように、職業病となりますと労働基準法体系の中におきまして現にもう指定されているものがございますが、最近の資料によりましても、職業病で直ちに公務上の災害と認定されたものは九件くらいでございますが、そのほかで公務上の災害ということで認定されましたものが三千件ほどございます。したがいまして、その意味では職業病というのはわりと労基法体系でも厳選いたしてございますが、私どもといたしましては、公務に起因すると考えられるものにつきましてはできるだけ公務上の災害に認定するという考え方を持っております。しかしながらこれも余り乱に流れますと、基本的にはこの運営自体が国なり地方団体の負担でございまして、税金をもってカバーすることになりますから、そうむやみやたらと乱診乱給式な認定をするわけにはまいらぬと思います。しかしその災害の原因が公務に起因しているかどうかという点については十分慎重に検討さしていただく、そしてまた問題がある場合には不服審査の制度もとるということで万全を期しているところでございます。
○小川(省)委員 同じ質問について私は人事院の見解もお伺いをいたしたいと思うのであります。 いま公務員部長の答弁の中でも、職業病とそれから公務に起因をするというように分けてありますが、実は人事院の公務上災害補償の統計を見ても、職業病とあるいは公務に起因をする疾病というように分けてありますが、公務員の場合の職業病というのは何と何を言うのですか。先ほど私が申し上げたようなものはすべて職業病だというように理解をしていますが、公務災害補償の中で言われている職業病と公務に起因する疾病との区分についてはどうなんですか。これは人事院ですか。
○浦中説明員 お答えいたします。 いわゆる職業性疾病に関しましては、人事院規則一六−〇の二条の二号から十九号までに掲げておりまするのがいわゆる職業病と言われているものでございます。なおこのほかに、実はいわゆるキーパンチャーその他の職種につきまして頸肩腕症候群として現在非常に問題になっておりますものの一部につきましては、別途通達でほぼ職業病に準ずる扱いをしているわけでございます。
○小川(省)委員 人事院は国家公務員ばかりを扱うわけですから、いいです。私は、この補償といいますか認定がおくれたりする理由には、私なりに二つの理由があるのではないかというふうに実は思っているわけであります。 一つは、審査会というのが十分な機能を果たしていないのではないかというふうに思っているわけであります。ただ、基金の支部なり本部というのがありますね、ここが圧倒的に人員が不足である。どういう方たちを天下りさせるのかどうか知らぬけれども、優秀である人を送らすのでしょうが、やはり体制がここのところはできていないのじゃないかと思うのですよね。そういうことが人員の不足とともに作業のおくれを来していると思うのであります。たとえば支部の段階でも疑わしいものを本部に上げることがない、またあるいはなかなか上がってこない、上がってきたものも認定がおくれる、こういうようなことは私は体制の不備に大きな原因があると思っているのです。私も実は支部の参与をしておったのですが、実際に医師である参与がおりますと、医師が、明らかに公務に起因するのだけれども、いわゆる医学的というからの中に逃げこもって吐かれるところの意見というのはやはり通りますよね、われわれは医学の専門家じゃないのだから。そういうような中で、明らかに公務に起因をするにもかかわらずとられない件数が非常に多い。私は、そういうふうな点についてはやはり体制を確立して、指導ができるような体制をつくっていかなければ、あるいは基金の本部、支部を充実をしていかなければ、公務に起因をする疾病の共済組合法傘下の職員が救われない、こういうふうに実は思っているわけであります。それと同時に、これに対応する自治省の指導体制というのが実はほとんどないというふうに思っております。現行の職場の現状に対応するような体制があるいは基金や自治省の方にもないのじゃないかと思うのですが、その点についてありますか、どうですか。
○植弘政府委員 基金の本部なり支部の体制整備が不十分だという御指摘でございますが、なるほど体制そのものが十分整備されているかどうかについては問題もあろうかと思いますが、できるだけ最小経費で最大の効果を上げるという基本的な行政運営に徹しまして努力しているところでございます。 いま先生おっしゃいましたように、認定の問題になりますと、どうしても医学的な問題が中心になってまいりますために、そこらのところがどうも認定の事務が円滑にいってない原因の一つであろうかとは思います。しかし、本部におきましても、日本的な有名なお医者さんを嘱託として参加していただいておりますし、問題はそういった医者の認定というものをどのように拡充するかという点にあろうかと思います。事務だけを広げましても、この問題はそう簡単にいくものじゃないと思います。特に最近のように循環器系統とかいったような問題になってまいりますと、医学的所見というものは非常に重要な要素を持っていることは先生御指摘のとおりでございまして、そういう意味では認定に当たる医師団といいましょうか、そういうものの整備はもっとやらなければならないのじゃないだろうかというような感じはいたしております。
○小川(省)委員 私は、そういう体制が、いま御説明がありましたけれども、やはり不足をしている、それから自治省自体の指導体制もまさに不整備の実情だというふうに実は思っているわけなんです。ですから、満足な資料もほとんどない、完全な指導もできないというのが現状であろうというふうに思っています。 自治省の事務分掌では、公務災害補償法の所掌というのは給与課になっているわけですよね。この一年間の給与課を見ていると、自治省の給与課というのは血道を上げてラスパイレスがどうだこうだと言って、賃金抑制の指導をやってきたのが給与課ですよ。片手間といっても片手間にもやってないわけですよ、地方公務員災害補償法なんというのは。ここのところに問題がある。私は、この公務員災害補償法を生きた制度にしていくためには、地方公務員の公務災害補償を完全にしていくためには、生きて機能をさせるような体制にしていかなければならぬと思っています。現状の職業病や職業病に類する公務に起因をする疾病が多発をしている現場に対応する体制を、それを少なくとも指導をする体制を、自治省内に、公務員部の中につくらなければならぬというふうに実は思っています。こういう全体的な調査もほとんど給与課の中にあってはやられていない、ラスパイレスばかりですよね。そんな日の目の当たらないかわいそうな状態に置いておくことは、機構としては完全なものではない、地方公務員災害補償法を完全に運用をするというような指導体制をとっている状態にはないというふうに思っています。このことが私は一つの大きなガンであり、問題点であろうというふうに思っています。給与課にはなじまないわけですから、そういう意味でも、私は少なくとも福利課の方に公務員災害補償の事務は移して、これはやはり職員の福利とはある意味ではなじまない、確かに休業補償であるとか、あるいは給与に類するものの一面があるわけですから、福利課とも完全になじまないとはわかっているけれども、しかし、職員の福利厚生を考えていくところの方が地方公務員災害補償について生きた運営、指導ができる体制になるというふうに実は思っているわけであります。役人の機構いじりというのは大変なことぐらいは私も百も承知をいたしているわけであります。しかし、生きた行政を行っていくことが何といっても必要だし、そういう点では何といっても思い切りが必要だというふうに思っています。そういう点で私はよくよく考えて実は提言をいたしておるわけでありますから、これについては本来ならば官房長の分掌になるのでしょうが、公務員部内の問題でありますから、植弘さんが基本になるのだと思いますが、少なくとも地方公務員災害補償法を預かるところが生きた機能をさせるという観点に立って、私は真剣に検討してもらいたい、こういうふうに実は思っているわけです。
○植弘政府委員 私どもの公務員部内においてどこで所掌するかという問題につきましては、先生もいまよく御理解していただいておりますように、福利課に持ってきましても若干違います。問題は公務員部の中における指導体制を拡充するのがいいのか、もしくは本部を拡充するのがいいのかという問題であろうかと思うのです。と申しますのは、地方公務員災害補償法の基本的たてまえは、認定権は本来任命権者にあるべきものなんでございまして、任命権者がそれぞれやるのでは大変だからというので、基金をつくらしていただいたわけであります。したがって、私も実は公務員部に参りましてから、給与課よりむしろ基金自体がそういう問題についてもっと指導性を持つべきではないだろうか、それが基金をつくらしていただいた本来の趣旨じゃなかったのだろうか。そういうことから企画課とか、審査課とか、これはパーキンソンじゃありませんけれども、あんまり課をふやすことをいいとは思いませんが、やはり専門に研究する部門もつくらせまして、やっているわけであります。 それで、資料等につきましても、もう四十九年でございましたかの改正のときにも、先生からそういう御指摘がございまして、当時実は私も基金に聞きましたところが、資料の整備が成っていないので、それは困るじゃないかということで理事長にお願いしたこともございます。そういうことでございますから、給与課に置くのがいいのか、福利課に置くのがいいのかということよりも、まず私は基金が本当に災害補償法の趣旨に従って運営する体制を充実するべきであるだろう、こういうふうに思っているのであります。
○小川(省)委員 私は、地方自治体の現場に対応する体制がないということですから、その原因として基金と自治省の指導を挙げたわけです。その原因の一つに、給与課の中で公務災害補償法担当の係が機能していないではないかという点を申し上げたわけでありますから、人は言いますよ、余分にくっつけた一つをとっちゃえばさらにラスパイレス、人件費攻撃が熾烈になるよということを私に忠告をする人もいます。しかし人件費攻撃に耐えられるような体質も大体全国的にできてきましたから、いいですよ、給与課だけで。公務員災害補償法を所掌するところはちゃんと——どうやられるか、あなたの中にあるのだから、やっていただいて、これが生きた機能を果たすような形で地方公務員の公務災害がよりベターに救済をできるような方途をひとつ検討をしてもらいたいと思いますが、真剣に検討してくれますか。
○植弘政府委員 給与課の事務を含めまして、法律の趣旨が徹底するように体制整備をすることについては真剣に努力したいと思います。
○小川(省)委員 それから、それに関連をするわけでありますが、先ほど私が申し上げましたように、学校における声のしわがれ病でありますとか、あるいはまた給食現場や保育所における腰痛症あるいは腰椎症というようなもの、あるいはキーパンチャーの職場やタイプや浄書の集中管理職場における頸肩腕症候群や清掃現場における問題等について私は職業病的なものがかなりあるというふうに思っていますが、全体的な一斉調査がやられたことがないのだと思うのです。 この公務員災害補償法を生きた適用をしていくためには、まずこの全体的な現状の自治体現場における調査を始めなければならぬというふうに実は思っています。恐らくそういう全体についての情勢というのは自治省も握っていないと思うのですね。あるいは人事院は国家公務員のは握っているけれども、地方公務員のは握っていないと思うのであります。国家公務員の方はかなり詳細に把握をされているようでありますが、私は、そういう職場の公務に起因をする疾病を起こしやすいような状態、いわゆる職場環境の整備が当然必要なわけでありますから、環境管理なりあるいはそういう上での職員の健康管理、そういう面について、そしてまた公務に起因をする疾病が発生をしている状況等について調査を早急にやるべき必要があるというふうに思っていますが、こういう調査をやっていただけますかどうか。
○植弘政府委員 御指摘の点は先般も先生から御指摘ございました。私どもも早速、安全といいましょうか、衛生といった面で地方団体に十分配慮してほしいという指導もしたのでございます。本当に私どもも地方の生活は長いのでございますが、どうも地方の団体の場合にはそういった安全衛生とか予防とかいったような配慮に欠けている点は多分にあると思っております。 そこでまず最初に、おととしでございましたか、規定の整備から始めてくれということで、労働省の労働安全衛生関係のあの法律が分離したときにも出したりしてそういった点を課長会議あたりでも話はしてございますが、なかなかそれは徹底いたしておりません。 それから調査の関係でございますが、実を言いますと、基金ではまだそこまでは手が伸びておりませんので、今後はいまの御趣旨を体しましてそういう調査にも当たりたいと思います。
○小川(省)委員 ぜひやってくださいよ。基金には恐らく先ほど申し上げたように調査をやる体制がないと思うのです。あなたは地方が長かったと言うけれども、あなた方エリートは雲のじゅうたんに乗っかっているのだから、地方の実態を知っているようで意外と知らないのですよ。そういう点を現場の状態を調査してもらわないと困るので、ぜひひとつ調査をやってください。 改正法に関係をして、時間もそろそろ来るようでありますから、一、二点だけ伺いたいと思うのであります。 二十八条の三が新設をされたわけですね。私どもは労働基準法の十九条の一項との関連について聞きたいのでありますが、これは公務員にも適用されるわけですね。しかし地方公務員災害補償法の中には解雇制限の明文規定というものがないわけですよ。そういう点で、現行法でも傷病等で休んだ場合、復職をする際にはいろいろな問題があって、職員団体と任命権者との話し合い等の中で、いわば休んでいた方の権利が保障されるような形で復職をしていっているわけですが、この二十八条の三が新設をされたことによって傷病補償年金を受けて三年経過をしてさらに治癒をしなかったというふうな場合に、私は分限による解雇を任命権者が、わからない任命権者の場合にはやってできないことはないということに法的に解釈をするとなるのだろうと思うけれども、従来のようにそういう話し合いの中で、その方の権利を守るような形で話し合いが進められてきたわけでありますから、慎重を期してこの乱用を防ぐような救済がなければならぬというふうに実は思っているわけであります。この点について自治省に伺いたいし、国公についても同じような形になるわけでありますから、人事院についてもあわせて見解をお伺いしたいと思います。
○植弘政府委員 地方公務員につきましてはいま先生から御指摘ございますとおりでございまして、国家公務員の場合は労働三法を完全に適用除外いたしておりますが、地方公務員の場合には一部労働三法の適用を受けておりまして、まさに労基法の十九条は適用されている部分でございます。したがって労災の方について何らか措置が講じられておるということになりますと、そういった労働三法の適用を受けている部分については労災法との均衡上同じような措置をする、こういうたてまえでございますために、今回労災法でそういった制度改正がございましたので、私どもも制度改正させていただく、こういうことで案を提案しているわけでございます。 もちろんその運用につきましては先生から御示唆もございましたが、十分適正な運用をするように努めたいと思います。
○浦中説明員 お答え申し上げます。 先生御存じのように、今回の国家公務員につきましては労働基準法十九条の解雇制限に類する規定はございませんで、七十八条、七十九条によります分限規定のみでございます。それで今回のこの傷病補償年金制度と申しますのは、長期傷病療養中の者につきまして、その実態に即しますように保護を厚くするという趣旨の制度でございまして、基本になりますところの分限規定そのものにつきましては何らの改正を及ぼしておるものではございませんので、いま先生が御心配になりましたような問題は起こらないのではないか、かように解しております。
○小川(省)委員 それから二十八条の二ですか、傷病補償年金ができるわけですね。そこで傷病補償年金を見ますと一級、二級、三級とあって、一級が八六%で二級が七六%で三級が六七%ですね。一年六カ月経過をして治癒しない場合にはこれに移行していくような形になるわけでありますが、現状では六〇%の休業補償があってさらにこれに加えて二〇%の、正式の名称は特別給付金ですか何かありますね、そうすると八〇%ですよ。そうなりますと廃疾等級が二級なり三級なりの八〇%を下回っている場合には現状よりもこの部門だけでは悪くなるのではないかというふうに実は恐れているわけでありますが、こういう点等については当然何らかの救済措置がとられなければならないし、従来の法改正の際にはとられてきているはずだと思うのですが、これについては、二級、三級に規定をされるような人については、従来との関連の中で既得権といいますか、従来行われていた慣行でこれよりいい部門があったわけでありますから、そういう点についてはどう補償をしていただけますか。
○植弘政府委員 先生御指摘のように、特別支給金という制度がございますために、それが付加給付として給付されますために、それを合わせますと従来より悪くなりません、少しですがよくなるわけです。
○小川(省)委員 そうですが、私が若干心配をしていた点はなくなるわけですね、むしろ現行よりはよくなるということでよろしいですね。私はそれについて若干心配をしておったわけでありますから、これはより充実をしたといいますか、ベターの方向に改善をしてきたわけでありますから、これに付随をし発生をするような従来よりおかしな部門になるという点がありましたら、ぜひひとつ救済というかそういうような手だてを少なくとも講ずるように努力を要請いたしておきます。 以上で質問を終了いたしますが、一貫をして申し上げてまいりましたのは、私は、自治省が大蔵省の壁といいますか、そういう中で自主的なあるいはまた自治省独自の立場をとりながらも、なかなか実際地方公務員、この法律の適用を受ける人たちの利益を擁護する努力が足りないとは言いません。努力しておっても努力に見合わないような形が大蔵との折衝の中で出てきているわけでありますから、そういう点についてはきょうの委員会の中では大蔵を代弁して御答弁を申し上げますというふうな形で公務員部長は指摘をされているわけでありますから、よくわかりました。 そういう点で今後は大蔵の方に何も言わせないで、自治省独自でできるような当事者能力というか、そういう状態をより強化をしていって、地方公務員全体のより前進、より福祉のために努力をしていっていただきたいことを強く要望して、大臣おりませんけれども、明晰な次官がおりますから、ぜひひとつそういう形で自治省全体が対処できるように最後に要請をして、質問を終わります。
○小山委員長 本会議終了後再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 ————◇————— 午後二時六分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 両案について質疑を続行いたします。林百郎君。
○林(百)委員 最初に、今度の共済年金の改正案についての私たちの党の評価をまとめてみましたのですが、いままでたびたびこの委員会で指摘しておりましたように、上に厚く下に薄いという年金額のシステムの是正が、不十分ではあるけれども初めて行われたものと言っていいと思います。しかし、これを見ますと、まだはなはだ初歩的で第一歩を踏み出したというように見ておるわけなんです。また、最低保障額の引き上げも退職公務員の生活に見合った額とは言えないと思いますけれども、とにかく第一歩であることは間違いないのですが、政府も、こういう方向、上厚下薄、ことに下の方の退職地方公務員の退職後の生活の保障という点では、やはりこれでまだ十分だとは考えておらない、こういうように思うと思います。まず、そこのところを押さえておきたいと思いますが、いかがでございますか。 〔委員長退席、左藤委員長代理着席〕
○植弘政府委員 年金制度につきましては前々からいま先生の御指摘のような観点で検討を続けてまいりました。そして、歩みはのろいようでございますけれども、年々充実を図ってきたところでございまして、今後とも他の公的年金制度との均衡を保持しながら充実を図っていかなければならないと思っております。
○林(百)委員 率直に自治省当局もお認めになっておるようですが、昨年までと違って、昨年までの一律引き上げではなくて、今度は一応率は上の方に低く下の方に厚いという率になっておりますが、しかしこの絶対金額は、これはもう基礎が上の方が多くて下の方が薄いのですからやむを得ないと思いますが、したがって退職金の絶対金額の方も漸次これを改善していく方向が必要だと思いますが、しかしいずれにしても率を変えたという点で、退職金が低額だった人にとっても不十分ではあるけれども改善されたという受けとめ方はできるのではないかというように思うわけですね。したがって、こういう方向を、こういう基本的な方式を一層積極的に今後前進させていく必要があると思うのですけれども、そういう点についてはどういうふうにお考えになっていますか。
○植弘政府委員 後でお話があるのかとも存じますが、最低保障制度だとか、それから通年方式の採用をして有利にするとか、こういったことでいま先生の御指摘のようなもとの根っこの比較的低い者が余り恵まれないという点をカバーしてまいっておるわけでありますが、そこらを含めてやはり改善を図っていくべきであろうというふうに考えております。
○林(百)委員 率をこういうような形にしていって、上に低くして下に厚くするという方向をさらに強めていかないと、下の方の者は率が幾らか上がっても、給与体系からいって絶対額が少ないんで老後の生活にとっては不十分だということになるので、依然として本質的には、高い給与だった者は高い年金を受け取り、低い給与であった者は、率は変わったけれどもまだまだ老後の生活の、少なくとも公務員としての生涯に報いるだけの最低の保障があるということにはならないと思いますので、やはり来年もまたこういう方向をさらに進める。こういうことはどうでしょうか。部長の言われるようにいろいろの他の措置もとられておりますけれども、こういう共済年金の率を、ことしとったような方向をさらに積極的に進めていくという考え方は、今後の方針としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○植弘政府委員 多分恩給でも、いま先生の御指摘のような観点からことし初めてああいう制度をとったのだと思います。したがって、方向といたしましては御趣旨のような方向で恩給の方も進めていくのではないだろうかというふうには推察できます。ただ問題は、やはり共済制度は社会保険の制度でございますから、掛金との見合いということもある程度考えなければいかぬ点がございます。したがって、掛金を相当多額に支払った者がある程度高いというのは、社会保険制度としてある程度考えなければならぬところでしょうが、しかし、そう言っても低いところの者をどういうふうに底上げするかという点は、いま御指摘のように考えていかなければならない問題であると存じております。
○林(百)委員 ぜひそういうふうに、ひとつことしとられたような方針をさらに積極的に進めていっていただきたいと思うわけです。 昨年の七十五国会で、私の方が、退職公務員の生活実態がどうなっておるか調査されたい、その実態をよくつかまない限り年金改善へのエネルギーも出てこないのではないかという論点から、このことを自治省の方へ要望したわけです。次いで、七十六国会でうちの三谷議員もこのことの調査を要求しまして、部長はそのときに三谷議員に、「先般御指摘ございましたために」——ということは七十五国会での私の、退職公務員の生活実態はどうだろうかということを調査した方がいいではないかという質問を指しておると思うのですが、「先般御指摘ございましたために、早速関係の向きに調査を命じてございます。それで明年度丁というのはことしのことですが、明年度またこの内容改定についての審議を煩わすと思いますが、それにできるだけ間に合わせるようにしたいと思います。」こういうように答弁しておりますが、この調査結果はどのようなものになっておりますか。大体の概要は三谷議員のところへ配られまして受け取っておるわけなんですが、これを要約すると、自治省としてはどういうふうにおつかみになっているのですか。このとおりということですか。
○植弘政府委員 実は、今回の審議にぜひ問に合わせたいと思ってやったのでございますが、コンピューターはもう全部打ち終わっておりますけれども、相当な分量でございます。それを分析しないことには、資料としてお出ししても余り参考にならぬじゃないかと思いまして、いまその分析を急いでおるところでございますが、大体のざっとした概要をつかみましたので、この前三谷先生から御要求あった折に申し上げたのですが、福利課長から御説明をさせていただきます。
○桑名説明員 今回の退職年金受給者の実態調査につきましては、昭和五十年末に行いまして、すべての地方公務員共済組合が退職年金受給者を無作為に抽出いたしまして、五万人を対象にいたして集計したところでございます。 その結果、年金受給者の平均年齢が六四・四歳という結果になっております。その方々の退職時の平均年齢は五十八歳でございまして、年金受給者の八五%の方々が配偶者を持っておられることになっております。なお、調査対象の八七%の年金受給者の方々が世帯主であられるわけでございまして、その五三%が就業をしておられるという実態になっております。また、平均の年金月額が七万七千円でございまして、そのうち世帯主である年金受給者の平均の年金月額が八万円という結果になっております。 先ほど公務員部長が申し上げましたように、年金受給者の全体像を考察するためにはもっと分析をしなければいかぬわけでございますけれども、この結果からいたしまして、年金受給者の過半数が公務員を退職した後に民間等に就業して所得を得ておられるということ、それから平均家族数が三・四人ということからいたしまして、自分の収入のほかに配偶者であるとかあるいは子供さん等の収入を合わせて生活しておられる実態があるということ、さらに住宅についても、年金受給者の九割が自宅であること等の結果が出ているわけでございます。
○林(百)委員 地方公務員として年金を受け取ることができるまで働いていた人が公務員の地位を去って、この激しい今日の社会のいろいろの条件の中で老後の生活を立てていくということはなかなかむずかしいと思うのですね。公務員としての置かれている条件と、それから、人の足を引っ張っても自分が上へ行かなきゃいけないというような激しい社会状態との間では、やはり非常にむずかしい問題がいろいろあると思うのですね。そういう意味で、地方公務員を退職した者の生活実態というものをつかみ、少なくとも老後は年金によって一定の精神的な安定を得るという制度まで高めていかなければならないという意味で、私も、また同僚の三谷議員もこの資料を要求したわけでございます。 そこで、さっきの公務員部長のお話では、いまコンピューターでいろいろ整理してもう少し正確なものにしておきたいということですから、それができましたら、委員長、参考までにそれを当委員会へ提出するようにしていただきたいと思いますがね。 それで、ごくマクロのものだけは来ているわけなんです。私たち、やむを得ませんからこれを材料にして、退職後の地方公務員がどういう生活状態であるかということを若干拾い上げてみたのですが、これを見ただけでも、現在の年金額で退職者が一体どんな生活状態になっているかというのは大体わかると思うのですね。たとえば、この自治省の資料にも「世帯主である者の平均生活費の月額十二万六千円」とあるわけですね。年金は平均八万円の支給なんで、したがって生活費の中に占める年金の比率というのは六三%になるわけですね。この年金で賄えない生活費を退職者はどのようにして埋め合わしているというのか。先ほどの福利課長さんのお話でも、この資料にもありますように「自分の収入のみでくらしている」のは五一%ですね。そのほか「健康である」という者は五〇%で、健康が損なわれているという者があと半分ということになるわけですね。そこで、この表にあります生活実費が十二万六千円、それで年金の平均が八万円、これはどういう状態で埋め合わしているかということですね。先ほどのように自分の収入のみの者が五一%ですね。あと家族の収入もあるからというようなことがあるのですけれども、この統計から見ますと「自分の収入のみでくらしている」のが五一%とあるわけですが、この十二万六千と八万との差額はどのように埋めていると考えるのでしょうか。
○左藤委員長代理 その前に、ただいま林委員から御要求のあった資料については提出することができますか。
○植弘政府委員 いま申し上げましたようにコンピューターを打ち終わっておりましていま分析中でございますので、それができましたら提出させていただきたいと思います。
○桑名説明員 林委員の御指摘のように、世帯主である人の平均生活費の月額が十二万六千円で、その方々の平均年金額が八万円、差額をどうして埋めているかという問題でございますが、先ほどもちょっと触れましたように、年金受給者の平均家族数が三・四人であるということから考えまして、自分の収入で生計を立てているほかに、配偶者なりあるいは子供さんの収入と合わせて生活しておられる実態がうかがえるわけでございます。暮らすための収入の道として、調査の結果を見てみますと、「自分の収入のみでくらしている」方々が五一%に対しまして、「自分の収入と一部配偶者の収入によってくらしている」方が一六%あるわけでございます。なお年金の使い道を分析いたしますと、「日常の生活費に全部あてている」方が年金受給者の六四%あるのに対しまして、「日常の生活費に一部あてている」方が三一%あるという結果が出ております。
○林(百)委員 共済年金の方は厚生年金と違って職を持っていても支給はされるわけですが、実際は退職後の再就職というのは、働いているというのはどういう働きだろうか、恐らく他へ就職するというのは容易じゃないというように推測されるわけです。簡単に再就職ができるようなものではないと思うわけですね。この調査によりましても、年金受給者の半数が健康の点においては「健康である」が五〇%、「軽い仕事しかできない」が二八%、「病気がちである」のが一九%、「ほとんど寝たきりである」というのが三%という状態なんです。したがって年金受給者の約半数が健康が損なわれておる、働こうと思っても普通の人のようには働けないという状態なんです。それでもなお就業しているという人の割合が五一%くらいだということですね。この実情は恐らく、年金が老後を保障するに十分でないために、残りの人たち、要するに働いて生計を立てているという人、この五一%以外の人たちは、やはりできたら働きたいと思っておるけれども働くことができない、あるいは健康がすぐれないということで働く場所がないと見ていいと思うのです、要するに自分の収入のみで暮らしている人以外の者は。そこで課長さんの話では、一部配偶者の収入によっている、一部子供の収入もあると言いますけれども、子供の収入と申しましても、これは核家族が進んできておる今日は、なかなか子供の収入に依拠して自分の生活を賄うということはむずかしいかと思うわけなんです。したがってやはりそういう意味で、上厚下薄と言いますが、ことに下の方の人たちの最低の年金額を少なくも老後の生活を最小限度保障するというように改定していくことは、これは非常に必要だと思うのです。部長の言うように、保険制度であるのでそれは掛金と連動になると言いますけれども、それではそれよりさらに一歩進んで、この制度だけでは国の補助とかあるいは他の公な補助ということがいかないにしても、もう少し上の人の方を薄くするとかして、要するに最低の生活だけは保障するという方向へ年金制度を綿密に洗い直す必要が、私や三谷議員が要求した資料の中からも出てくると思うのですけれども、そういう点、答弁されている方々は自治省の部長、課長級ですから余り切実でないのでしょうか。あるいは私たちも林さんのおっしゃるとおり、老後のことについては決してそんなに安穏なものでありませんとお考えか。部長さんなんかはどうか知りませんけれども、私たちはそういうことのためにこの資料を要求したわけですから、資料にちゃんと出てきておりますので、やはりこれについては真剣に洗い直すというか、方針を立てていく必要があると思うのですが、そういう年金制度についての根本的な見直しというような問題についてはどういうようにお考えでしょうか。部長と、さらに大臣がいれば大臣に聞きたいのですが、次官がおいでになりますので次官にお聞きしたいと思うのです。ということは、地方公務員として生涯をささげているわけなんですから、地方公務員として三十年から四十年働いた人が他へまた就職して、他の環境の全然違ったところで働けといっても、私は常識からいって無理だと思うのです。非常に高い地位に立った人で地方自治に関係する団体へ行って生活が保障されるというなら別として、大部分の地方公務員として生涯をささげてきた人たちが、老後は五〇%しか年金だけで生活できない。あとの五〇%の人は他に何とかしなければならないという状態に置いておくということは、これは年金制度のあるべき本来の趣旨を満たしておらない、少なくとも共済組合法の第一条に規定されているような趣旨には沿っておらないように思うのですが、その点どうでしょうか。
○植弘政府委員 まさに御指摘の御趣旨はよくわかります。私ども、そこで、自分の収入だけで生活している者あるいは働いている者、そういった方が健康状態の関係あるいは家族構成の関係、退職時の年齢、その後どうなのかということを実は分析したいわけでございまして、いまそれをやりつつあるわけであります。そういたしますと、どういう世代のところに最もそういうしわが寄っているのか、こういったようなものを調べたい。もちろん先生方から御要求なさったのもそういう御趣旨だと思いますが、その上に立って今後の年金制度というものはどうあるべきかというのを探っていきたいという気持ちでございます。 もちろん、現実に調査の結果によりますと、世帯主の平均で、十二万六千円使っているのに八万円しかないということになりますと、やはりその差額はどうするんだという問題は確かに起こってまいりますが、それが一体具体的にはどこら辺のところが多いのかということを探ってみたい。そこでその結果をもとにいたしましていろいろの手だてを講ずべきでありますが、とりあえずは、先ほどもちょっと触れましたけれども、最低保障制度の引き上げを図るとか、こういったことを考えていくべきではないだろうかというふうに考えております。一度またその資料を十分分析させた上で申し上げさせていただきたいと思います。
○奥田政府委員 いまお聞きいたしますと、先生が御提案になって、昨年、ことし、これからも毎年引き続いて生活実態調査を続けるようでございますけれども、いま統計の一部の中で六〇%近くがまだ依然として生活費に全部年金を使っているというような実態等を踏まえまして、先ほど来お話しになっているように、やはり恩給に見習うとは言うけれども、上薄下厚のこういった線を今後とも貫いていくことによって、老後生活の安定という形を、長い間御苦労なさった公務員の皆さんにそうして報いるべきが一番大切なことではなかろうか、さように考えております。
○林(百)委員 そこで、家族との関係もこの際われわれは見ておく必要があると思うのですが、経済の高度成長政策の結果のいわゆるスタグフレーションですか、インフレと不況の同時進行といいますか、そういう中で受益者の負担等も非常に多くなっている。 家賃も最近では平均——これを見ますと、自分の家を持っている人が非常に多いわけなんですが、ただ子供の方は、核家族になっていますから、先ほど課長さんの、子供の収入もあるからそれも老後の生活保障の一助になるのじゃないかというお話も、しかし子供の方の立場から見ますと、家賃は三万から最近は五万というのが常識みたいになって、われわれの年齢ではおよそ想像もつかないような高い家賃ですし、それから子供を保育所へやれば一人三万円程度、二人子供をやれば六万円というようなことで、これは若い子供の家庭自体が、自分の生活を守っていくのが容易じゃないと思うのですね。したがって、さっき課長さんの言われましたような二八%子供の収入によっているという数字も出ているし、配偶者の収入によって暮らしているというのも一六%出ているのだから、こんなようなもので年金で足りない分は補うだろうと言うけれども、それはだんだん厳しくなるんじゃないかと思うのです。 そういうわけで、この点は、やはり部長さんも言われましたように、また次官も言われているように、ことに下の方の最低限の方を何とかして、ぎりぎりその年金で生活だけはできる、六十歳近くになって女房を働かせなければ年金だけでは生活できないとか、あるいは長い間地方公務員で働いていたのに、やめてから、年金は来るけれども、子供の収入に依存しなければならないとか、それは年金をもらうようになる初めの条件ですね、年をとってから途中で公務員になるという人もあるでしょうし、いろいろの条件はあると思いますよ。しかし少なくとも、年金がもらえるだけ、二十年近く地方公務員として働いた者は、自分の職を退いた後は、他人に迷惑をかけなくても、その当時の社会条件の中で最低の生活が保障されるということを考えていくことが必要ではないかというように思います。これはもう先ほどから繰り返し皆さんの方も、そのことについては十分関心を持っていますと言っておられますから、改めて答弁は求めません。 そこで、この問題と連動的に出てくるのが財源率の問題なんですけれども、先ほど部長さんも、千分の百を超えるところが出てきている、これは容易ならぬ数字で、先ほどは危険信号だという話がありましたが、これは幾つぐらいの、基金というのですか、あるいは共済組合と言ってもいいですが、どのくらいの数が出てきていますか、千分の百から百を超えるようになっているのはですね。
○桑名説明員 市町村職員共済組合における短期の財源率が千分の百を超えているのが四組合でございます。 〔左藤委員長代理退席、委員長着席〕
○林(百)委員 そうすると、市町村組合全部で四つというように聞いておいていいわけですか。
○桑名説明員 地方職員共済組合であるとか公立学校共済組合あるいは警察共済組合は超えておりませんので、現実に地方公務員の共済組合の中で短期の財源率が千分の百を超えているというような組合は四組合である、そういうことでございます。
○林(百)委員 ちょっと四組合の名前を言ってみてください。
○桑名説明員 秋田県の市町村職員共済組合、徳島県の市町村職員共済組合、長崎県の市町村職員共済組合、熊本県の市町村職員共済組合の四組合でございます。
○林(百)委員 これに対しては、この傾向がそこらでとまってくれたりあるいはそれが、一たん百を超えたものが百をまた割るということはないかと思いますが、百を超えるものが多くなるという傾向がそのまま進んでいきますと、言うまでもなく掛金がアップするということになるわけなんですが、給付の方はさっき言ったような条件で、なかなか年金だけで生活費を償うということにはまだまだほど遠い条件にある。ところがこちらの財源率の方はそういう状態になってきている。そうしてそれは連動的に掛金がアップしていくということになるわけですが、地公の共済は長期についても国庫負担がなくているわけなんですけれども、これは国庫の導入ということを考える必要があるのではないか。これはわが党を初め自治体労働者もこういうことを要望しているのですけれども、こういう方向についての見通しはどうなのか。また、長期と同時に短期にも国庫の導入をするとか、あるいは健康の管理のできるような方法、これもなかなかむずかしいので、どこがどういう責任を持って健康の管理をするかということになりますとむずかしいことになりますが、何とかしないと、国庫の導入をするか、あるいは短期の方では健康をなるべく管理するようにしてやらないと、この財源率の上がる方向がずっとスライドアップしていく、それから連動的に掛金が多くなるという傾向がとまらないということになると、これは公務員の負担はそのうちに自分の給与の一割もこれにかけなければならないということになって非常に耐えがたいものになると思いますが、この辺のところについては、これも制度の根本に関する問題で、なかなか関係するところもあるでしょうし、公務員部長さんがあるいは福利課長さんが考えてもなかなかこういう壁があるのだというところもあると思いますが、率直に言ってみてくれませんか。自分はこう考える、しかしこういう壁もある、何とかこれをこうしたいという考えがあったら言ってもらいたい。
○植弘政府委員 いろいろとたくさんの問題が出ましたが、一つずつ申し上げますと、まず、いまの財源率の問題でございますね。これは短期だけの問題でございまして、長期の方はいまのところ財源率はそんなに多くなっていません。千分の百を超えるのが四つの県の市町村共済にあるわけでありますが、一体それが高過ぎるのかどうかという問題であります。もうすでに五、六年前から当委員会でも、先生もよく御記憶あると存じますが、秋田県が千分の九十を超えて百に近づこうとしたときがございまして、そのときにどうするのだという御論議いただきまして、百に近づけばやはり考えざるを得ないのじゃないだろうかという話がございまして、その後ベースアップがあったりしたこともあったのでございましょうか、ずっと下がってまいりました。最近また医療費が上がったりいたしまして百を超えるようなところが出てきたわけであります。今後どうなるかということでございますが、やはり医療費の増高がどうなるか、それからまた老人医療あたりでは不況によって一体どういうふうに影響してくるのかと、いろいろあると思いますが、まあそんなに急激に下がることはないだろうと思います。したがって、当分は医療費の増高がございますけれども、まあいまのような財源でできるのではないだろうか。 そこで高いか低いかでありますが、政府管掌健保、これは千分の百八か百十ぐらいの負担になっているわけであります。したがって、政府管掌の健保に比べますと、千分の百になりましても短期の共済の方が安いということになります。大体地方共済の全体の平均は千分の七十六か五ぐらいのところであります。特に高いところというのは何かやはり特別な理由があるのだろうと思って、よく事務局にも調査をお願いしているのですけれども、医療費が非常に高いということもあるのかもしれません。したがって、千分の百になったからといって特にどうしなければならぬということもないのじゃないかと思う一面もありますが、それにいたしましても、平均が千分の七十五、六というところで、千分の百を超えるということになりますとやはり何らかの手を打つべきであろう。当委員会でもそういう御示唆、御指導を賜った経緯もございますので、ことし百を超えたところにつきましては何らか公費負担の形で措置すべきではないだろうかということで、いま検討中でございます。 それからもう一つは、短期について国庫負担を導入してはどうかという御意見、前々からございますが、これはやはり国家公務員の共済制度なり健康保険の関係もございまして、ちょっとむずかしい問題じゃないかと思っております。 それから長期につきましては、やはりこれもまた公費負担の問題が従来からしばしば御論議いただいているわけでありますが、これも午前中お答え申し上げましたが、やはりそれぞれの沿革等もございまして、直ちに厚生年金ないしは私学、農林と合わせることが適当なのかどうか、相当仕組みが違うわけでございます。同じ百分の二十とか百分の十八とか申しましても、その計算の基礎になるものが共済と若干違っております。そういうこともございますので、やはりそこらの均衡を考えながら慎重に検討を要する課題であろうか、しかし、できることなら長期については公費負担をもっとふやしていただきたいという強い願望は持っております。
○林(百)委員 財源率の問題は、ほとんど短期給付の問題だということで、これは私どももそのとおりだと思います。これがやはり財源率が高まるというのは主に医療費との関係だと思うんですね。医療費との関係だと申しますと、これは福利課長さんでも結構ですが、いただいた資料の中の健康状態で、軽い仕事しかできない、病気がちである、ほとんど寝たきりである、これは一体どういう病気が多いのですか、参考までに聞かしてもらいたい。詳しい資料が後から出るなら出るで、またそのときで結構です。
○桑名説明員 現在の段階では、どういう疾病が多いかというところまではっきりいたしておりません。
○林(百)委員 コンピューター作業が済めばわかりますか。やはりこれが財源率にも影響してきますので、どういう状態の病気なのか知りたいと思うのです。
○桑名説明員 年金受給者の生活実態調査の対象になりますのは、年金受給者の生活状況において病気になっているか健康であるかという調査をいたしたわけでございまして、その年金受給者がどういう病気になっているかということは調査項目にいたしておりませんし、またその疾病の度合いによって直ちに短期の財源率に、もう退職者でございますので、短期の財源率にどう影響するかということも調査の対象にいたしてないわけでございます。
○林(百)委員 これで見ますとアンケート調査ということになっていますが、アンケート調査で健康状態のところはどういう項目になっていますか。もしそこでわかったらちょっと、どういう調査の方法をしたか。
○桑名説明員 年金受給者の方々が健康であるかどうか、それから軽い仕事しかできない状態であるか、あるいは病気がちであるか、ほとんど寝たきりであるかという四項目にわたって調査をいたしております。
○林(百)委員 そうすると、軽い仕事しかできないという中に、どういう症状なら症状だとか、病気がちであるというならどういう症状だとか、そういう項目はなかったわけですね。
○桑名説明員 そこまで調査項目を広げておりません。
○林(百)委員 できたらさらに、そういう状況まで一応今度の整理がつきましたら、そこまで突っ込んで調査していただければ非常に審議の材料になると思います。 いずれにしましても長期、短期合わせて掛金が給与の一割近くになる、あるいはそれを超えるということになりますと正常な負担であるとは考えられませんので、共済組合法の一条によりましても、「退職、廃疾若しくは死亡又はその被扶養者の病気、負傷、出産、死亡若しくは災害に関して適切な給付を行なうため、相互救済を目的とする共済組合の制度を設け」云々と、こういうようにありますので、この一条の精神からいって、共済組合の健全な運営の発達を図るということのために必要な配慮をしなければならないと思うわけなんですけれども、これについてはひとつ今後とも、たとえば公費負担の分についても率直に問題を当委員会に提起してもらって、その点についてのわれわれの協力も必要な場合は協力をするとか、そういうような方向で積極的にこれと取り組んでいただきたい。さっき言ったように年金で最低の老後の生活が保障されるというその担保と、それから短期の場合の財源率が高くなるということは恐らく健康の障害があるではないか、退職後の人たちの。そういう点をやはり積極的に調査していただいて、それをここで実情を出していただいて、あるいはわれわれの質問に答えていただいて結構ですが、そういう中で、たとえばわれわれも附帯決議の中にそれを入れるとか、あるいは大蔵省なりを呼んで皆さんに協力するという方法もあると思いますから、そういう点はひとつぜひ今後もう少し緻密な調査もして当委員会に率直に実情を出していただきたい、こういうように思います。
○植弘政府委員 いま先生が締めくくりに申していただいたことは、私どもかねがね懸案にしていることでございますので、十分また御協力、御指導も賜りたいと存じます。 調査につきましては、できるだけ早い機会に分析を終わりまして提出したいと思いますが、ただ一つ、先生、短期の問題で申し上げますと、実は先生いま御心配いただいております退職者の病気の問題でございますね。これは共済の短期には関係ございません。多分健康保険か国民健康保険にいっていると思います。そちらの方の関連出てきますが、そうなってまいりますと、全体的な健康保険の中においてどう考えていくか。たとえば老人医療をどうするかとか、ああいう問題がございますね。そういう問題と、総合的な意味で抜本対策といいましょうか、こういう中で検討される課題も多いと存じております。そういう意味では関係省庁とも十分連絡をとりながら、先生の御趣旨を踏まえた上で検討さしていただきたい、かように考えます。
○林(百)委員 わかりました。 財源率の問題についてはむしろ現在働いている人たちの健康状態ですね、これは短期給付ですか。これは部長のおっしゃるとおりだと思います。そこもあわせて実情がわかったら知らしてもらいたいと思います。 それから災害補償の問題ですが、先ほども同僚議員から問題になりましたが、二十八条の三ですね。これは労基法の十九条第一項と関連して、一方では一定の恩恵を与えたから、一方ではやはりやるべきことはやるのだというようなニュアンスの答弁に聞こえたわけなんですけれども、そうしますと、創設された障害補償年金はこれが打ち切り補償とされて、しかも解雇の口実にされるようなことになりはしないか。要するにこれに入っているからこれでいつでも解雇できるのだ、労基法の十九条一項の適用をいつでもすることができる、そういう口実にこれがなりはしませんか。そういうことを考えているのですか、いないのですか。その点を答弁願います。
○植弘政府委員 その点につきましては、先ほどもお答え申し上げましたが、国家公務員と違いまして地方公務員は労働基準法の適用を一部受けております。それで解雇制限の規定も適用されているわけでありますが、今回労災で認められましたので、同じようにその労基法の適用のある部分はやはりはずを合わせて整理するというのが主たる目的でございまして、現実にそういう事態が起こっているからどうしようといったような意図は私どもには正直のところありませんでした。労災との関係における均衡論をまず考えたわけであります。 そこで、なるほど三カ年間分を前払いすることによっていつでも解雇できるという規定になりますけれども、それを意識的に活用するとかいったような予定を持っているわけではございません。やはりこの問題についてはケースによると思いますけれども、適正な運用を図りたい、そのように指導したいと思っております。
○林(百)委員 これは公務員の諸君にとっては非常に真剣な問題になると思いますが、するとこういう答弁はされますか。この条文を設けたからといって、これを首切りの手段に使う、解雇する口実に使うということにはする考えはない、こういうことは答弁できますか。あるいはそういう場合もあり得るというのですか。
○植弘政府委員 個々具体の運用については適正を期してまいりたいのですが、制度の解釈といいましょうか、からいきますと、先生後段のように、これを適用して分限解雇をすることは当然考えられます。
○林(百)委員 そこが大事なんだ。考えられるということになりますと、そうすると、分限解雇するためにこういう制度を新たに設けたということになるわけですか。
○植弘政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもは積極的に分限解雇の理由にするために設けようとした趣旨ではございません。 労災がそういう制度をとりましたから、それとの均衡上そこらの取り扱いはもう労災と皆軌を一にしておるのでございますから、この部分も軌を一にしたということでございます。もちろん、国家公務員の場合は現在でも分限解雇ができるわけでございます。したがって、その意味では労災、国家公務員災害補償制度との制度間の均衡がこれで図られているということでございます。
○林(百)委員 よそでそういう制度があるからといって、何もこれはどうしても入れなければいけないということもないですね。だから、部長がいろいろ言っていますけれども、むしろわれわれとしてはこれは解雇する口実に使われる可能性が非常にありますので、それじゃこれは決して乱用するようなことはしないという、そういう歯どめといいますか、さっき発言もありますけれども、そういうものは何かあるのですか。それは行政の運用に任してもらいたいということなんですか。
○植弘政府委員 分限規定というのは、もう申し上げるまでもございませんけれども、公務能率を維持確保するということのためにあるものでございまして、これをいわば懲戒処分なんかと同じように考えているものじゃございませんので、そこに乱用という問題は、現在の分限の規定におきましてもほとんど起こらないだろうと思います。そういう意味におきまして、この規定はなるほど解釈論からいきますと、分限解雇の理由になることは制度として当然でございますが、だからといって、直ちにそれをもって解雇するのだ、解雇しなければならないのだというような気持ちを持っているものじゃございません。運用については適正を期してまいりたい、こういうふうに考えておるものであります。
○林(百)委員 それではここで抽象論を交わしていても仕方がありませんが、もしこれが解雇を容易にする手段に用いられるというようなことになると、これは大変なことでありますので、これがあなたの言う分限解雇ですか、分限解雇を合理化する、その手段に使われる、そういうことをしやすいとびらを開くためにこの制度が設けられたのだということになると、これは大変だと思います。あなたは節度のある運用をいたします、乱用なぞはもちろんいたしませんと、こう言っていますが、これは今後の運用の実情を見なければなりません。ことし初めてこの改正法が出たわけですから、われわれとしては十分監視していかなければならないと思います。 念のために、これは大臣にお聞きしておけばいいのですが、政務次官もこの問題については決して乱用するとか、本人の不本意にこれをもって分限解雇に用いるとか、そういうことはいたさないという答弁をしていただけますか。
○奥田政府委員 この二十八条の三の規定がもちろん乱用されないように、運用に当たっても適切に慎重にという形の中でやっていくことは当然であろうかと思います。 強いて具体例を挙げれば、全く公務能力にたえられなくなったような植物人間という形容が妥当かどうか、そういった方たちがそういった事態の二十八条の三の規定によるあれになっていくのじゃなかろうか。これは決して乱用しないということをお約束しなければいかぬと思います。
○林(百)委員 今後の実情を見て、また問題にする必要があれば当委員会で問題にしたいと思います。 それから、災害法の方で新しく設けられて神経系統の機能障害というようなものが条項に入れられてきているのですが、ここで言う神経系統の機能障害というのはどういうものを言うのか。最近自治体労働者の中で非常にふえておりますたとえば自律神経の失調症だとか頸肩腕症候群ですか、こういうようなものも含めると見ていいですか。これはなかなか微妙というか医学的な表現ですから、神経系統の機能障害というのは範疇を広くしようと思えば広くもなりますし、またなるべくわれわれの方はそういう心配のある人には補償をするようにしたいと思いますが、いま私の言った自律神経失調だとか頸肩腕症候群だとか、こういうようなものは入ると見ておいていいですか。
○金子説明員 自律神経の失調症あるいは頸肩腕症候群等の症状を呈しているものにつきましては、これらの障害が公務に起因する場合にのみ公務上の災害として認められ、一般的にはそういった積極的な認定がなければ認められないものというふうに考えております。
○林(百)委員 せっかくこういう制度が設けられたけれども、あなたみたいに味もそっけもないことを言うと、これは私も後で申しますけれども、公務と神経の失調との因果関係の証明なんというのはなかなかむずかしいわけなんですよ。ところが、こういうように社会生活が複雑になり地方公務員の仕事も複雑になりますと、神経が非常にすり減らされる、したがって自律神経の失調だとか頸肩腕症候群というようなものが出てくるわけなんですね。いや、それはおまえが気が弱いからだとか、おまえの生まれつきだからだとか、あるいはおまえは両親からそういう神経の失調症状を受け継いでいるとかなんとか、金子さんの言うようなことを言えばみんな外されてしまうのだ。入れたけれども外すために入れたようなもので、その辺は公務と神経系統の障害とは客観的に合理的に因果関係ありと認める場合には当然認められますとか、あなたは政治家でないからそういう含みのある言葉は言えないかもしれませんけれども、因果関係がなければ外しますと言えば、外すことの方が強調されてしまって、入れるのは何が入るかちっともわからないためにこれが入ったことになりますので、その辺をもう一度表現し直してください。
○金子説明員 言葉が足らなくて恐縮でございますが、神経系統の障害にはいろいろございますが、認定上の考え方といたしまして、通常、負傷によりまして神経系統が損傷を受ける場合と、あるいは脳出血といったような疾病によって神経系統に障害を残すというような場合が考えられるわけです。いろいろな例がございますけれども、負傷によりましてあるいは半身が不随になる、あるいは手指にいろいろな異常を来すというようなことが典型的な例として考えられるわけです。自律神経失調症あるいは頸肩腕症候群、最近非常にふえてきておりますけれども、これらにつきましてはそれぞれの症状それからその勤務がどのようなものであったのかということを個別的に見て、公務上、外の認定を行うということをやっておるわけです。 その考え方は先ほど申し上げたわけですけれども、負傷の場合には障害の原因となる負傷が公務に起因するものであれば、これは当然公務上のものになるわけですが、疾病の場合には非常にむずかしいものがある、そういうようなことで、その障害の状況であるとかそれから障害を引き起こした勤務状態等を判断して個別的に認定をせざるを得ない、こういうような状況でございます。
○林(百)委員 それではこう聞きましょう。新たにこの本法の改正の中にこれを入れた理由はどういう理由ですか。
○金子説明員 従来も神経系統の障害につきまして等級の中に入っております。ただ、これにつきまして最近神経系統の障害を持つ者が非常にふえてきておる、それらにつきましてやはり等級上において明確にする。それからもう一つ、内容におきまして従来よりも改善措置を行うということが今回の改正の目的あるいは内容でございます。
○林(百)委員 等級を変え、それから補償も十分にしてやりたいということでこういう改正をしたのだ、こう聞いておけばいいですね。 そこでこれは公務災害の根本にかかわる問題ですが、公務と障害との因果関係の立証の問題ですが、これが金子課長さんの言うように、疾病の場合は非常に困難な場合があるわけですね。ことに神経障害となるとあなたも言っているように因果関係の立証というのははなはだむずかしいデリケートな場合があると思うのですね。それで私の方としては因果関係の立証はむしろ認定を外した側で因果関係も立証する。要するにいままでの被災者の方、公務災害を申し立てた方ではなくして、公務災害ではないということを認定した方の側、これはまあ共済組合の方の側と言ってもいいと思いますけれども、そちらの認定を外した側に立証の責任の重点を置くのであって、認定を外された側の公務員の方に立証の責任を負わせるということは酷だと思いますけれども、この点についてはどういうようにお考えになるのでしょうか。 要するに因果関係がないということで安易に労災の対象から外されるというようなことの不満をよく聞いておるわけなんですけれども、労災だということを主張する側の実情をよく聞いて、できるだけ認定をしてやるようにして、そして被災者の不本意でないような措置をしてやる、そういう場合に一番大事なことは、公務と災害との因果関係の立証を外した側の方に責任を持たせる、こういう方向で運営をしていくということはどうでしょうかね。
○金子説明員 現在地方公務員の災害補償制度につきましては請求主義をとっておりまして、本人の請求に基づいて認定を行うということをやっております。ただ、実際の実務の上におきましては実施権者の方におきましていろいろ調査も行っておりますし、必要な書類その他調査上において必要なものがあれば協力をしていろいろ不備な点については補うということで認定事務を行っておるというような関係がございます。したがいまして、請求主義に基づきまして本人側に立証についての責任がある、極端に言えばそういうたてまえにはなっておりますけれども、実際上にはその際にあとう限りの協力をいたしまして、むしろ共同で実際の認定上の作業を行っておると言ってもいいのではなかろうかというふうに思っております。
○林(百)委員 具体的な例を挙げておきたいと思いますが、昭和四十七年の九月に起こった佐賀県での死亡事故ですけれども、これで公務否認がされているわけです。これは、佐賀県の商業高等学校の技術職員でありました原正己という方ですが、共済組合に関する学校用務で県庁へ向かう途中、交通事故を起こして十五時間後に死亡したのであります。当時、この事故はだれが見ても公務災害だ、もちろん過失が相手方にあって事故が起きて死んだわけですから、それで補償の申請をした。ところが、四十八年の五月、基金の佐賀支部は公務外と認定した。そこで審査請求を行ったところ、基金の側では、事故の直前に動脈瘤破裂を起こしていたのではないか、それが交通事故につながったのではないかと、ないか、ないか、こういう形で、審査請求に対する裁決書では「被災者はブレーキをかけることなく、信号待ちで停車中のタクシーに接触し、さらに、ブレーキをかけることなく、ふらふらとした状態でセンターラインをこえて約二十メートル位進んで転倒しており、第一の接触の前にすでに意識を喪失していた」自動車に乗っていって、その自動車がふらふらしていって、そうして接触をしたのだ。こういう「していたと推測され」というわけですね、基金の側では。「これらのことを考え合せれば、本件脳動脈瘤破裂は、この交通事故により発症したとは」考えられないで、脳動脈瘤の破裂が先に起きていて、そういう状態で自動車に乗っていたから、自動車がふらふらしていって、それで事故が起きたんだ。したがって「この交通事故により発症したとは明らかには認められない。」ということですね。そういう理由で審査請求が却下されているわけです。 この件はいま係争中ですから微妙な点もあると思いますけれども、こういうように脳動脈瘤破裂がいつの時期であったかというようなことを本人の側に立証しろと言ったって、それはできぬわけです、金銭の点からいっても科学的な知識からいっても。そういう場合は基金の側で、いや、それはもう事故の起きる前に脳動脈瘤が破裂したんだという立証をして、だから却下したんだということにしないと、立証責任を申請側に置いたのではこれはできないことになってしまう。はねられる者ははねられっ放し、外されれば外されっ放しということになってしまうわけですね。そういう点の改善をどういうように考えておられますか、その点が一つ。 それから、いままで公務災害で申請した件数と却下した件数がどのくらいになっておりますか。 そして、できたら、その却下した件数のうち審査請求が幾つあって、その審査請求がどのような状況で処理されているか、数字がわかりましたら示してもらいたいと思うのです。一たん却下されれば、恐らくもう申請が通るということは非常にむずかしくなると思うのですよね。ところが、これにもありますように、公務との関係で発症したとは明らかには認められないというようなことで、こちらの方も自信がないわけですね。そうして外してしまっているわけです。それがいけないならおまえの方で立証してこい、脳動脈瘤がいつ破裂したか立証してこいと言われたって、これは困るわけです。 この二つの点にひとつ……。
○植弘政府委員 まず立証の問題でありますが、先ほど給与課長からお答えいたしましたように、公務災害補償制度では請求主義をとっておりますから、第一義的に被災者の方にあることになっているわけであります。しかし、現実の問題として私どもは、そういう挙証責任がいずれかということより、むしろ実際はどうだったんだろうかということを非常に慎重に調査をしてございます。したがって、不服のある場合でも、まず審査請求を支部に対してやりまして、その後でまた本部に対して再審査請求をやる、こういうような手続をとっております。本部におきましても、日本でも一応名の通った三人のお医者さんを嘱託してございまして、そこで医学的な所見を求めているわけでございます。したがって、立証責任がいずれにあるかは別にいたしまして、基金が事務的な立場で主観的に結論を出すということはほとんど行っておりません。特にそういう微妙な問題につきましては、医者の意見というものを最大限に尊重するという立場をとっておるわけでございます。 そこで佐賀の問題でございます。これはいま先生から御説明ございましたような状況でございますが、目下再審査を終わりましていろいろ訴訟係属中でございますので、私どもとやかくこれを言うのは差し控えたいと存じます。いずれにいたしましても、午前中にも小川先生にお答えしたのでございますが、この認定に当たっては慎重に事実を十分確かめた上で行うようにということは、基金によく指導をしているところでございます。
○金子説明員 審査請求及び再審査請求の状況でございますが、五十一年三月末日までの数字は、審査請求で三百二十七件ございます。このうち、裁決済みのものが二百十二件、それから取り下げが十五件ございまして、現在審理中が百件でござ います。 それから、本部の審査会に対しましての再審査請求が、同じく昭和五十一年の三月末日現在で五十九件ございます。
○林(百)委員 そうすると、三百二十七件のうち、認定されたのは結局何件ということになるわけですか。
○金子説明員 再審査請求をしていた者の主張が通ったというものが五十六件になっております。
○林(百)委員 そうすると、申請が三百二十七あって、そのうち五十六件が認定を改めてされた、こう聞いておけばいいのですね。
○金子説明員 はい、そのように御理解いただい て結構です。
○林(百)委員 申請した件数に比べて認定を受けた件数が非常に少ない、約二割と見ていいですね。
○金子説明員 まだ審理中のものがございますが、裁決済みのものに比べますと、約四割ほどが請求者の請求が認められたということになっております。
○林(百)委員 いまの佐賀の例、これも部長の言うように訴訟中ですから、余り立ち入ったことの答弁を求めませんけれども、医師の診断を見ましても、この脳動脈瘤破裂があったということは認定をされていますけれども、それが一体事故によって起きたものか、事故の前にもうそういう状態があったのかという医師の判断がないわけなんですよね。したがって、非常に精神状態が興奮して緊張していたために脳動脈瘤が破裂して、そういう状態で自動車の運転が正常になされなくて事故が起きたということが考えられるわけですよね。こういう場合の立証を申請者側にしろというのは非常にむずかしいということで、この点の改善を積極的にして、なるべく申請者側の意向を尊重するようにしてもらいたい、こういうように考えるわけですが、これは部長、どうですか。
○植弘政府委員 先ほども考え方を申し上げましたが、やはり請求制度そのものが制度としてはやむを得ざるところだと存じますが、現実の認定に当たりましては、実施権者の方で十分に医師の診断をしていただくとか、それからまた参与だとか委員会、そういうものもございますから、意見も聞くとかいうことで、十分慎重に被災者の身になって考えるという立場を貫きたいと思っております。
○林(百)委員 時間の関係で、それでは具体的な例を申し上げまして、現場ではこういう実情があるということを認識してもらいたいと思うのです。 これは、長野県長野市の旧篠ノ井町というところで起きた職員の頸肩腕症候群という診断ですが、この人は窓口業務をしていたわけですね。窓口業務をする者が頸肩腕症候群にはならないじゃないか、公務上の因果関係ないじゃないかと言われたのだけれども、よく調べてみると合併に際して各種書類の書き直し等が山のように積まれてしまって、窓口だったけれども、合併によって長野市に入ったものですから、合併の書類を徹夜で書きそろえなければならないというようなことで、その疲労が蓄積して病気になったと思われる理由もあるわけですね。しかし、これが単に形式的に、おまえは窓口だ、窓口にいる者が頸肩腕症候群になるはずないということで外されているというような例があるわけですね。 それからもう一つ、これは北海道の実情を聞いた例です。北海道で公務員が頸肩腕症候群の認定を受けたが、札幌の病院に道全体の総合的な医療をしておるセクションがあって、そこのお医者さんがこれに対して非常に権威がある。北海道ですから地域が非常に広いので、専門的な治療を受けるようなお医者さんがいないということで、札幌へ行って治療を受ける。こういう場合、そこの医師を選択する自由、自由と言っても恣意に認めるというわけではありませんけれども、ああいう北海道というような特殊な条件の中で、そういう医療の集中的なところへ行って治療を受けるという場合の移送費が支給されるのかされないのか、こういうような問題もあるわけなんですね。ですからこういう場合に、単に形式的な判断だけでなくて、実情にまで入り込んで公務とその災害との因果関係について慎重に調査をして、せっかくこういう制度があるのでありますから、地方公務員の公務災害に対して十分の補償になるような制度に運用してもらいたいと思うわけです。 いま言ったような事例があるわけですが、それに対してどういうお考えなのか、この制度のたてまえで申請者の立場を十分配慮していくという意思があるかどうか、これを部長と次官に聞いて、私たちもいろいろ相談を受けているものですから、こういう方針だということを伝える必要もありますので、答弁願いたいと思います。
○植弘政府委員 いま先生が引例されました頸肩腕症候群、それから循環器系統、これがやはり公務災害では認定が一番むずかしい問題のようでございます。頸肩腕症候群の中でも、キーパンチャーというものになりますと、これはほとんど職業病として認定されているのです。しかし、先ほどちょっと議論がありました素因の問題としての因果関係がどの程度あるか。いま先生がおっしゃいました篠ノ井の事件でございますけれども、合併という特殊事情によって一時的にそういった窓口業務をたくさんやった、それによってなったのたと言うのですけれども、それが医学的に本当に直接の因果関係を持っているのかどうかということが非常にむずかしい問題のようでございます。したがって、先ほど申し上げましたように、医者の方も決して意識的に認定しないとかということじゃなくて、医学的蓋然性という見地で所見を出しておられますので、先ほどもちょっとお話ございましたけれども、事務屋の方ではそういうことになってくるとどうも自信がないものですから、結局お医者さんの判断が全面的に影響するということになっているわけであります。しかし先ほども言いましたように、私どもとしては、やはり個別の実態をよく調べて適切な判断をしていただくことをお願いしたいと思います。もちろんこれが乱に流れるということになりますと、問題は、やはり租税負担によって補償するわけでございますし、そこらのところはいろいろと考えさせていただかなければならないだろうと思っております。
○林(百)委員 部長のおっしゃるように、神経系統の機能障害、それから内臓関係、胸腹部臓器の障害とか聴力障害、歯牙障害、これは今度等級評価の改善がなされているわけです。非常にむずかしいのばかり等級評価を改善しているわけです。改善しているというのは、皆さんの方も考えていることだと思うのですね。ですから私、最後に次官に聞きたいのは、こういう非常に激しい社会情勢の中で、地方公務員の職業も非常に複雑多岐にわたって、また緻密さを要するような仕事に携わっておりますので、神経系統の障害だとかあるいは胸腹部の内臓障害だとか、こういうものに対しは、やはり申請者が納得するように、部長も言われるように、医者にかかって科学的なデータでちゃんと出ているのを、それを私は聞けませんというのは聞かない方が悪いと思いますけれども、十分そういう配慮をして、申請を入れるべきものは入れ、却下する場合は本人が納得するような手だてを十分尽くしてやって、地方公務員の公務災害に対しての十分な担保をこの制度によって確立してもらいたい、こういうように思いますが、最後に次官にこの点の保証をぜひしっかりと答弁してもらって、私の質問を終わりたいと思います。
○奥田政府委員 林先生に御満足いただけるお答えにならないかもしれませんけれども、係争中のものに関しては、先ほど来例を挙げられた件については、やはり御返事を差し控えた方がいいと思います。 ただ私も、先ほどから質疑を承っておりまして、この制度自体もそういった個々のケースを前向きにとらまえて処置されることが本当だろうと思います。ただ、基金サイドからいいますと、やはり一つの税金で賄っておるという一定の枠、手続、時間のかかる点等々、御指摘になった点は確かにあるのじゃなかろうかと思いますけれども、結論として、個別的にとらえて前向きに判断をしていく、そういった点については御趣旨に沿うように努力すべきであろうと思っております。
○林(百)委員 委員長時間が参りましたので……。
○小山委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 公明党を代表いたしまして、年金問題及び関連の法案について御審議中でございますので、質問させていただきます。 最初に、労災は労働省、国家公務員災害補償法は総理府、地方公務員災害補償法は自治省と、こう三つ分かれておりますが、総理府社会保障制度審議会自体が、五十一年一月二十七日、労働大臣に対して、今回の労働者災害補償保険法等の一部改正法案についての意見を述べておりますね。この中で、「おおむね了承できるが」ということからずっとありまして、「労働者災害補償保険法は労働基準法を受けて出発したにもかかわらず、今日、同法との関係において」、すなわち労働基準法との関係について、「その性格に不明確な点が生じつつあると思料されるので、以下の点に留意されたい。」まず、この大河内一男さん会長の総理府社会保障制度審議会の、これは長谷川労働大臣の諮問機関ですが、これの答申の第一編からこういったことが書かれております。これはどういうことを指しているのでしょうか。私もよくわかりませんが、「同法との関係においてその性格に不明確な点が生じつつあると思料されるので、以下の点に留意されたい。」ということで以下ずっと書いて、答申が出ている。この点について御説明をお願いしたい。
○田中説明員 ただいま御指摘のように、労災保険法の改正につきましては、社会保障制度審議会から種々御指摘を受けたわけでございます。答申の冒頭に労働基準法との関係が不明確ではないかという御指摘があるわけでございます。労災保険法と労働基準法との関係につきましては、かねがねいろいろな立場から御議論があるわけでございます。沿革的に申し上げれば、昭和二十二年に両方の法律が同時に成立をいたしまして、そしてまた労災保険自体の給付の中身も、労働基準法の第八章に規定しております災害補償の中身と全く同じ内容でございましたので、労災保険法と労働基準法とは全くパラレルな関係にある、こういうふうな理解が一般的に行われたわけでございます。 ただ、労働基準法の災害補償の方はあくまで個個の使用者に法律上補償を強制するということでございますので、個々の使用者の補償責任の負担にはおのずから限度があるということで、一つの内容的な制約があるかと思うわけでございますが、労災保険法におきましては、労働基準法の補償の枠にとどまらず、さらにそれを超えてでも必要な保険給付を行うべきである、こういうようなことから、昭和三十五年には打ち切り補償という制度にかえまして長期傷病者補償という年金を導入したわけでございますし、また昭和四十年には、障害補償のみならず遺族補償についても年金化を図る、さらに四十五年、四十九年、年金の給付水準の引き上げをやってまいりました。そういう意味で基準法の枠を超えて給付の充実を図ったという点が一つございます。 それからもう一つは、労働基準法上は補償の対象にはなっておりませんけれども、通勤災害というものがございます。これも業務との関連性が濃いということから、労働基準法上は補償の対象にはなっておりませんけれども、労災保険法の上では給付の対象にしているわけでございます。 そういう意味で、労働基準法に対応した部分と、それから労働基準法を超えて給付内容なりその他の保譲施策の充実を図っている部分と、両方の関係がどういうふうになっているのかという点が、総理府の社会保障制度審議会の御指摘かと思うわけでございます。私どもとしては、労災保険法が本来労働基準法との関連から出発した点は、あくまで労働基準法上の災害補償責任の裏づけになっている、また、そういう点で業務災害に関する給付は大いに充実しなければいかぬ、こう考えているわけでございますが、ただそれのみにとどまらず、私どもとしては、通勤災害であるとかあるいはその他の援護措置であるとかいう面は、これはこれで大いに充実しなければならぬというふうに考えております。労働基準法と直結している部分と労働基準法を超えて拡充されている部分と二つの組み合わせになっている点が、ここで全体をひっくるめてどういう関係に立っているか非常にわかりにくいというような御指摘があったのかと思うわけでございますが、私どもは、労働基準法と関連する部分と、それを超えて拡充された部分、二つの部分から労災保険法はでき上がっている、こういうふうに理解しているわけでございます。
○小川(新)委員 それは非常にいい解釈で、超えている分にさらに上乗せしてリンクさせてくれるという考え方ならいいのですけれども、使用者側すなわち企業、国、地方公共団体の労働者の権利に対して災害補償を行わなければならないという本来の義務と責任を、ただ単に労働者災害補償保険法の一部改正案によって金銭的な補償を行いさえすれば他の損害補償などは逃れられるのではないか、——金銭の補償も非常に低額であるとかいろいろ充足されない面、最低保障という面もありますが、そういった面が、諮問の中にあらわれた労働基準法と労働者災害補償保険法との違いが出てくるのであっては大変だという考えから私は質問したわけです。政務次官、これは全然畑が違いますが、非常に大事なことで、労災法を基幹にして国公法とか地公法とかいろいろな法律が出てくるので、労働者の憲法と言われている労働基準法と災害補償保険法の立場、その底流に流れている思想が労働基準法に定められたものよりもさらに上回った補償の精神が出ているならば理解されるのですけれども、それ以下の分野に立って、権利と責任ということが明確にならないままに、そういったリンクの関係が不明確であるというような大河内さんの答申であるなら問題でありますから、その辺は政務次官、自治省としてはどう考えていますか。
○植弘政府委員 地方公務員の災害補償制度は国家公務員と労災、両方と関係があるのでございますが、先生すでに御承知いただいておると存じますが、地方公務員につきましては、もともとは労災の適用をやったり条例でやったりしておったのでございます。それを四十二年に国家公務員に災害補償法がございますので、同じ公務員という立場から地方公務員にも災害補償法をつくった。したがって当時は、公務員という特殊な立場から、ある程度は労災よりもその措置が優先してもいいという考え方もあったようであります。しかし、その後、労災についてもだんだんと質が充実してまいりましたので、いまほとんど変わらないような状態になっております。したがって、私どもといたしましては、いま先生の御指摘は、労働省からお答えしたことで、大体そういうふうに考えていいのじゃないだろうかと思いますが、私どもといたしましても、今後ともこういう点の充実は労災とともどもにやっていかなければならない課題であろうと考えております。
○小川(新)委員 そういう見地から関連性を持っていただきませんと、労働者の権利、労災とかまたそれを基盤にしたところの地方、国家、こういった枝が流れてきますから、そういった面を私たちは非常に重視しているわけですから、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、地方公務員の災害補償法の今回の改正案で目的の改正が行われているかないかということなんですが、本法案の中に一言も出ておりません。地方公務員災害補償法は労働者災害補償法、国家公務員災害補償法に準ずることになっているため、地方公務員災害補償法の目的も労災法の目的の変更に準ずることになるために今回の改正法案の中に目的の変更というものをあえて入れなかったのかどうか。これもいまの問題と非常に関係してきますけれども、その目的がなぜ入れられなかったか。それはいま私が申しましたように、労災法の目的の変更に準ずることになるから入れなかったのか、そうでないから入れないのか、その辺のところはいかがでしょうか。
○植弘政府委員 労災法では目的の中に「必要な」という用語が入ったようでございますが、どうも私ども、きょう労働省がお見えですから労働省からお聞きした方がより的確なのかもしれませんが、特別に意図があったとは聞いておりません。したがって、地方公務員の災害補償制度上につきまして、補償給付の考え方が従来と変わったものでございませんので、あえてそこに文言を挿入するということは行わなかったわけでございまして、特別な意図はございません。
○小川(新)委員 労働者災害補償保険法は第一条の目的が改正されることになっております。すなわち、第一条に「労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、廃疾又は死亡に対して迅速且つ公正な保護をするため、保険給付を行ない、併せて、労働者の福祉に必要な施設をなすことを目的とする。」とあったものを、今度は、肝心な保険給付については「必要な保険給付を行い」というふうに改正されるとしておりますが、これはどのように目的が変わるのか。「必要」という言葉が入ったことで、必要でないという問題も出てまいりますが、この点はいかがでございましょうか。
○田中説明員 ただいま御指摘の目的の規定の改正でございますが、この目的の条文からいたしますと、業務上の災害に対して「迅速且つ公正な保護をするため」保険給付を行う、こう書いてあるわけでございますが、一つの「迅速且つ公正な保護」という目標に対して、裸で保険給付という書き方自体についてかねがね、率直に申し上げてやや舌足らずではないかという感があったわけでございます。そこで今回、「福祉に必要な施設をなす」というところを「福祉の増進に寄与する」という目的規定の整備をいたしましたので、これと合わせて、字句整理的な意味で「必要な」という文字を入れたわけでございます。 そこで、ただいま自治省からのお話もございましたように、私どもとして格別これに重大な意味を持たせて入れたということではなくて、やはり文章整理上「必要な」という字句が入った方が表現としてはよろしいのではないか、したがって、「必要な」という字句が入ったために必要でないものを切り捨てるとか、あるいは特別の給付の中身なり運用なり解釈なりに影響するというような考え方ではございませんで、それは全く文章整理上の問題でございますので、その点はそういうふうに御理解いただきたいと存じます。
○小川(新)委員 いまの説明で明確になったのですが、「必要」という言葉があれば、必要でないものはどうするのか。必要でないもののさじかげんはどうするとか、必要でないということが今度あえて出てくるので、紛らわしくなるのではないかという気持ちがありましたのでいま御質問したのですけれども、ではこれは、あくまでも文章を整理する、字句を整理するための「必要」という言葉であって、いままでと変わらない、こういうことなんですか。
○田中説明員 ただいまおっしゃったとおりでございます。
○小川(新)委員 特別支給金制度についてお尋ねいたしますけれども、労災の場合は休業補償は、これは企業ですが、本俸の六割が支給される、場合によっては二〇%の特別支給制度が省令によって設けられております。今回の労災法の改正の際に、省令による恩恵的な給付でなく、働く者の生命と健康を守るという、労働者の権利、使用者の義務、権利と義務を明確に法律事項によって定めるべきであると私は思いますが、今回の労災法の改正案にはこのような措置がなされていないのであります。これはただ単なる省令の恩恵的な給付ではなくして、法律の条文によって労働者の権利と使用者の義務ですね、これは使われている側と使っている者の立場を明確にした方がいいのじゃないか。これは今回の改正では送られておりますが、どういうお考えでございますか。
○田中説明員 特別支給金につきましては、実は昭和四十九年の改正で一部そういう制度を設けまして、また今回の改定でそれを拡充したわけでございますが、もともと労災の保険給付と、それから同じく労災の保険施設の中にも、いろいろ現金給付をしている面がございます。たとえば介護料であるとか各種の援護金であるとか、あるいは遺族の子弟に対する就学援護費の支給であるとか、援護的な性格を持つ給付金が幾つかございます。法律上法定給付として設けておりますのは、やはり労働基準法の災害補償責任から出てくる部分について法律で規定をする、それ以外の援護的な側面については、従来は保険施設という形で何らかの給付金を行い、あるいは融資だとかその他のサービスもございますけれども、いろいろなものの一環として援護的な性格を持つ給付金も設けておったわけでございます。 今回特別支給金を拡充いたしましたのは、その分野についての充実を図るということでございましたので、法定給付の規定そのものはやはり労働基準法の災害補償責任との結びつきがございますので、特別支給金はやはり法定給付とはまた別枠の一つの援護措置という意味で、これは具体的な規定は労働省令にゆだねたわけでございます。
○小川(新)委員 政務次官、いまお話を聞いておって、労災の問題なんで畑違いかと思いますが、これは大事なことですけれども、私のいま言ったような精神を、そういった法定的にやる場合と、恩恵的といいますか、そういった面に分けること自体おかしいのですけれども、いずれにいたしましてもこういった問題は法律に明確にすべきであるというのがぼくの考え方なんですが、これは政務次官はどのような御意見を持っていらっしゃいますか。
○植弘政府委員 そこらになってまいりますと、実は私どももよく労災との均衡を考えながら、その政治性を保ってやってまいっておりますのですが、やはり法律でもって規定しなければならない給付内容と、それに準ずるようなもので政令にゆだねるとかいったようなものは当然あるだろうと思います。やはりそこのところは、最小限法定しなければならないものは何であるか、また、それに準ずるようなもので、それとの均衡を考えて当然法定すべきものは法定するという先生の基本的考え方は、私どもは別に反対でございませんし、そうだと思いますが、やはり具体の内容に至りましては法律で全部書けるものでもないのじゃなかろうかという感じもいたしております。基本的にはお考えでいいんじゃないだろうかと思います。
○小川(新)委員 国家公務員、地方公務員災害補償法の場合には、労災法の特別支給金制度に相当するようなものはどのような扱いになっておりますか。
○植弘政府委員 地方公務員の場合は福祉施設としてやってございます。
○小川(新)委員 これは各地方公共団体が条例によって定めるものなんでございますか。
○植弘政府委員 福祉施設は公務災害補償法で根拠を置きまして、現実の問題としては地方公務員災害補償基金が業務規程できちんと規定してございます。
○小川(新)委員 そうすると議会で条例で定めるというようなことじゃないのですね。
○植弘政府委員 従来は地方団体が条例で定めたのでございますが、四十二年にこの制度をつくりましてから各地方団体が負担金を出し合いまして基金をつくってやっておりますから、もう条例は要りません。
○小川(新)委員 地方公務員の給与は国家公務員の給与体系に準じていると思いますが、休職中の取り扱いについても国家公務員に準じている団体が多いと考えてよいのか。もし国家公務員よりも低いところがあれば、国家公務員並みに引き上げるべきであると考えますが、どうでしょうか。これは最近、地方自治体の財源問題で、地方公務員と国家公務員の給与の問題がとかく比較されておりますね。ラスパイレス方式というもので批判されております。私は何もそれをいまここで持ち出しているわけではございませんけれども、それでは国家公務員と地方公務員がこういった補償給付の問題とか年金の問題について格差がどういうふうになっているのかしら、また、それが地方公務員のベースが国家公務員の平均ベースよりも下回っているようなことがあるのかないのか、こういったことがちょっと思いつきましたので、いまお尋ねしているわけでございます。
○植弘政府委員 細かく言いますとラスパイレス指数によってあらわしております本俸の高低によって若干の高低が出てくると思います。と申しますのは、本俸を基礎にしての定率で支給されるものが多うございますから、その意味ではそういうことになろうかと思いますが、基本的にはそういった高低だとか差異というものを考えているものじゃございません。現実にはどうしているかと申しますと、災害補償制度上の給付といたしましては休業補償を平均給与額の六〇%、それから平均給与額の二〇%に相当する休業援護金というものを支給しております。ですから約八〇%相当額が支給されておるわけであります。ところが、冒頭にも御質問がございましたが、大部分の地方団体は国の場合と同様に休職給が支給されているのでありますが、一部の地方公共団体におきましては休職給の制度は設けられておりませんで、休業補償と休業援護金が支給されている、こういうふうなところもございます。しかし、休職給の制度がない団体でも、これは条例で差額を支給するという制度がとられております。
○小川(新)委員 そういうものを踏まえた上で国家公務員と地方公務員の差がどうなっているか、またそのことによる高低というものがどうかということを私はいま聞いているわけなんです。
○植弘政府委員 公務災害の場合でございますと、平均給与の決め方が前三カ月間の平均給与をとりますですね。したがいまして、非常に個別的なケース・バイ・ケースになりますから、その比較はちょっとむずかしいのかもしれませんが、非常に大ざっぱに言いますと、大体国とパラレルかほんの少しいいかという程度ではないかと思います。
○小川(新)委員 私の聞いたところでは低いのです。中には一〇%、一五%ぐらいは低いところもあるやに聞いておったわけでございますが、それは私の方の調査が間違っているのであれば訂正いたしますが、そういうことでお聞きしているわけなんでございます。
○植弘政府委員 ちょっと補足します。 休職給は百分の百出るわけでございますね。ところが、休職給を出していなくて、先ほど申し上げました労災制度の休業補償と休業援護金を出しているところは八〇%しかないわけですね。したがって、二〇%は足らぬことになるわけです。その分は別に今度は給与条例の方で差額を出していますから、その団体でも総額では変わらない、こういうことになります。
○小川(新)委員 次に、災害補償の特別支給金制度についてちょっとお聞きしますが、労災では災害補償については傷病補償年金、障害補償年金、これは一時金でございますが、それから遺族補償に分かれております。労災の場合には年金部分についてボーナス分としてゼロから二〇%までの特別支給金があり、一時金には一定額が特別支給金として支給されているわけでございます。これに対して、国家公務員、地方公務員の災害補償についての特別支給金に相当する制度というものはあるのですか、ないのですか。
○植弘政府委員 先生いま御指摘の特別支給金でございますが、これは来年の四月からの予定のように承っております。これは昨年でございましたか、人事院から意見の申し出がございましたときに同じような問題を提起されておりますので、国家公務員でもそういうものをお考えのようでございます。そこで私ども、国家公務員労災との均衡を図って同じようなものを考えていきたいと思っております。
○小川(新)委員 これは来年の四月からやるということですね。そうすると、この労災に準じてボーナス分は特別支給金として加算すべきであると私は思っておりますが、四月から実施していただくに当たって、ボーナスの分も含めた支給額というものをおやりになられるのですか。
○植弘政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、計算の基礎になります平均給与額をどう見るかというのが制度として大きな問題の一つのようでありますが、その場合にいま御指摘のございましたボーナス等の臨時的なものまでも入れるかということになりますと、これはやはり非常に問題があります。といいますのは、先進諸国の例を見ますと、ほとんどボーナスというのは少のうございますからそんなものは議論にならないのですが、わが国の場合は案外ボーナスの方がウエートが高いものですから、入れてはどうかという意見があるのですが、それにいたしましても、御承知のようにボーナスというのは相当変動性があるものでございます。いわば安定性に欠くる点がございます。そういう意味から、わが国では臨時的なものは平均給与に入れないということになっております。しかし現実には、先ほど申し上げましたが、相当なボーナスも出ているのが実情でございますから、その一部といいましょうか、約二〇%程度を特別支給金で措置しよう、ボーナスそのものじゃないのだ、しかしボーナス的なものも含めた意味でそういうものを考えよう、こういうことのように承っておりますので、国家公務員でそういう措置をとるのならば私どもも同時にとらしてていたきだたいと思っております。
○小川(新)委員 そうしますと、生活給、要するに平均給としての、まあ議論はいろいろあるでしょうけれども、ボーナスは含めないがボーナスに準じたような形で支給するといういまの表現であります。これは、そういった根本的な議論が至るところで行われているということになれば、その支給の基本の率ですね、どこから含めるかという率についての考えが、ボーナス分に準じたという考え方でなくて、それを含めた中からいくという考え方の方がよりベターではないかと私は思います。これはまたいろいろと議論があると思いますが、そういった考え方について前向きに検討されるということは、来年の四月にはないのでしょうか。
○植弘政府委員 いま先生の御指摘のような点を含めて、労災制度の審議会等で御議論の上でそういう制度をいまからつくろうとするわけでございますから、その意味では前進でございますし、今後、先生の御趣旨のような線でもっともっと拡充するのかどうかは、今後の労災制度の運営を見ていきたいと思っております。
○小川(新)委員 政務次官にちょっとお尋ねします。 これはちょっと大きい問題なので、細かい問題じゃないからお答えできると思いますが、今回の災害補償法の改正の目的が給付の改善にあることはもう間違いないと思います。こういった給付の改善が行われたことによって、ILOの百二十一号条約の勧告の水準に近づいたのか越えたのか、そこにはまだとうてい達しないのか、この辺の問題は次官としてはどう考えておられるのか。これは大きな問題ですから本来大臣にお聞きしたいことなんですけれども、今度の改正による給付の改善によって、わが国の労災補償の水準が国際的な視野の上に立ってどの点まで来ているのか。いままではさりながら、今回の改善によってどうなのか。
○奥田政府委員 大変むずかしい先生の質問なので何ですが、ILO関連の条約において、今度の改正も含めてそれが国際的水準として果たしていいところまでいっているのかどうかという御質疑ではなかったかと思うのですけれども、大変申しわけございませんが、従前でも国際的な水準には大体達しておったように聞いておりますので、今度の改善によってさらにいい線にいっておるであろうと私は思います。あと、具体的な数字について公務員部長にお答えいたさせます。
○小川(新)委員 私は意地の悪いことは言いません。あなたの御意見ですから、それはそれとして私も聞いておきますが、ILO百二十一号条約では、身体機能の喪失と所得能力の喪失はイコールではないので、いずれかの能力を喪失した場合年金にすることが定められておりますね。たとえば、五〇%仕事をする能力を失ったから所得が五〇%になるというのじゃないのですね。五〇%なくなってしまったら、その職種によってはゼロになる場合だってあり得るわけです。おれはけがをして二五%できなくなったから二五%所得を減らすというようなイコール制度ではないわけです。人間の体というのは非常に微妙にできておりまして、ある職種においては指一本なくなってしまったためにゼロになってしまう場合もあり得るわけでございますね。また、百二十一号の勧告では、身体機能か所得能力を指すのかは明らかにされておりませんけれども、能力を四分の一失った場合は年金にすることを勧告しております。 わが国の障害等級区分によりますと、一級から七級までは年金で、八級から十四級までは一時金になっておりますね。たとえば労働能力を一〇〇%失った人は一級から三級までにランクされると思います。五六%失った人は七級、ここまでは七級ですから年金ですね。二七%喪失した人は十等級となっております。ところが現実には、仮に身体機能を半分喪失した場合には所得が五〇%になるのではなく、いま私が言ったようにゼロになる場合もある。だから、こういった問題を、年金の給付の面にランクをつけていること自体がILOの精神からいけば、一級から七級だ、八級から十四級だというような等級だけで物事をやっていく上にもう一つ配慮を加えてもらえないのだろうか。一歩譲って政府の作成した等級に当てはめてみたとしても、最低限十等級までは一時金ではなく年金にすべきであると私は思っているわけです。一歩譲って、七等級まででなくてあと三つか四つランクを上げたらどうかという私の意見なんですが、これはいかがでしょう。
○植弘政府委員 災害補償制度の根幹に関する問題でございまして、どこからどこまでを年金にし、どこからどこまでを一時金にするかというのは非常に議論のあるところでございます。そしてまた、その症状によりまして一時金の方がより適切な場合もあると聞いておりますし、そこらのところになってまいりますと、私はちょっと不勉強でよくわかりませんので、労災の方の担当課長にお答えをお願いした方がいいのではないかと思いますが、私どもの聞いておりますところでは、ILO関係では、四十九年でございましたか、この前の改正されました段階でも水準を突破しておりますし、人事院の意見の申し出といいますか、資料によりましても世界的にも相当優位に立っているように承っております。ただ問題は、先ほどもちょっと触れましたが、給与制度の違いがございまして、本俸と諸手当の関係が日本と諸外国では違う点もございます。そこらのところについては若干の議論があるようでございますけれども、それにいたしましても、ILOとの関係ではいいように承っております。
○田中説明員 ILOの条約なり勧告なりとの関係でございますが、少し補足させていただきたいと思います。 百二十一号条約ではかなりの程度を超える者を年金、それに至らない者は一時金という言い方をしております。百二十一号の勧告のところでは、たとえば先生が言われましたように、二五%以上の場合には年金にしろ、それ以下の場合には一時金で、年金にした場合の額の三年分にしろというような勧告に相なっておるわけでございますが、一つ問題は、身体障害の程度をパーセンテージで評価する場合の評価の基準と申しますか、中身、これは実を申しますと恐らく各国非常にまちまちではないか、またわが国の障害等級表がちょうどこれのパーセンテージに合うような形で構成されているのかどうかという点についてもいろいろ解釈の問題がございます。それからまた、ただいま自治省の公務員部長からお話がありましたように、どの程度のところが一時金がいいか年金がいいかというのは、やはり受給者の側からのいろいろな利害判断があろうかと思います。 それから、障害補償給付自体が、障害のバランスを考えて、三級以上は、先生も言われましたように一応一〇〇%喪失ということを考えて、それとのバランスで構成されているわけでございますが、金額が下の方になりますとだんだん少なくなってくる、これを年金化した場合にはかなり金額的に薄い年金になりますので、そういう年金がよいか一時金がよいかという点は、これまたいろいろ受給者側にも議論がある。そんなこともありますので、私どもとしても、一般論としては年金の方が安定的な給付として補償にふさわしいと思いますけれども、やはり受給者側の考え方もいろいろあるということで、その辺は慎重に検討したいと思うわけでございます。
○小川(新)委員 よくわかりますけれども、私が指摘しているのは、ILOの百二十一号勧告では、四分の一能力を失った場合は年金にすることを勧告しているのですよ。四分の一といったら二五%でしょう。ところがわが国の十等級は二七%で一時金でしょう。それだったらILOの勧告より低いということになるから、私は四分の一の勧告に従って、二七%の十等級以上の重い者、さっき私は一歩譲ってと言ったじゃないですか。一歩譲って十等級、四分の一の機能を喪失した者については年金を勧告しているのだから、少なくとも十等級の二七%については、一時金でなくて年金にしたらいいじゃないかということになるのですよ。それをいま私は言っているわけなんです。あなたの方は高い高いとおっしゃっておられますけれども、ちっとも高くないじゃないですか。それは、ILOに加盟している国々だっていろいろあるから、開発途上国、低開発国のいろいろな問題の中から算定したら差が出るでしょうけれども、やはり欧米先進諸国の社会保障の国々から見れば、これは低いわけでございますよ。ということは、政府は給付の改善を行ったとは言うものの、生活保護等の社会保険制度全体がILOの水準よりも低くなることを認めるということになってまいるのじゃないかという考えを私は持つわけです。 また、それを今度改善するとなったら、一番下の基準のところから上に上げていくということになると、保険金制度の抜本的な、総体的な大改革になってきますから、私もいまここで軽々にあなたがお答えできないということはよくわかりますけれども、いま私が言っているような精神だけはよく御理解いただいて、いやしくもILOよりもわが国の水準が高いなんということを、それは高い分野があったら教えてもらいたいぐらいであって、いまの一例を挙げても、二七%十等級、これでさえも勧告に従っていないではないか。これが最低ランクにすれば、そこからかさ上げしていくのだから、これは大変なことになるということを指摘しているわけでございます。
○田中説明員 確かに先生の御指摘のように、その辺については、勧告との関係についてはまだなかなか十分でないということはごもっともかと思います。私どもとしても、障害等級表の問題は、障害等級表自体が各関係法律それぞれバランスをとってできております。また、どこから上を年金にするかという問題も、各公的年金全般に共通する問題でございますので、ひとつ慎重に研究させていただきたいというふうに思うわけでございます。
○小川(新)委員 もう一つの柱は、先ほど私が申し上げました給付率の問題です。ボーナスを含めるのか含めないのか、これも私は非常に大きな問題だと思うのです。政府の改正案では給付率を改善したとおっしゃっておりますが、基礎となる給付の基準の日額自体が全く改正されていない。その根本的なボーナスの問題を含めていない、災害を受けたときからさかのぼって三カ月間の給与の算定だけである、そういった問題を改正されていないということは、私に言わせれば、あんまり進んだ改正ではないし、片手落ちではないかというように決めつけたいぐらいなんですが、一歩前進の立場から、反対の法案じゃありませんからきょうはやさしく言っているわけです。これが反対だったら、こんな穏やかに言わないのですが、その辺のところは政務次官、聞いておってもよくわかると思うのですよ。いまの問題は、いつごろまでにこういう抜本改正をやるかということをお隣のベテランにひとつ答えさせていただきたいと思います。
○植弘政府委員 先生の御趣旨が非常によく理解できますので、つけ加えることはございませんけれども、平均給与につきましては、先生、ほんの少しですけれども改善されております。私傷病は相当の改善になるわけでございます。それから、ボーナスの問題というのはわが国の独特の給与制度の一環でもありますし、今後相当慎重に検討してみる必要があるのじゃないだろうか。ただしかし、実態を踏まえた上で、四月から特別支給金というかっこうでその問の調整を図ろうとしているわけでございますので、今後の検討課題ということで御理解賜りたいものだと存じております。
○小川(新)委員 傷病補償金制度でもう一つお尋ねしますけれども、労災の問題で、長期療養者についてはこれまで療養開始後三年を経過しても傷病が治らない場合には、長期傷病補償への移行は、政府が必要と認められた場合に限られていたのですけれども、交渉次第では何年たっても長期補償に移行されず、雇用関係を継続したまま安心して治療に専念することができましたけれども、今度の改正案では、長期傷病補償を廃止して、傷病補償年金化することによって、労働者は、療養が開始されてから一年六カ月の間には長期療養にするのか短期療養にするのかということの判定をして、少なくとも長期療養になったときには解雇もできる、これはもういままでのように長くめんどうを見てあげなくてもいいんだ、今度はそういうことができる、解雇してもいい、こういうふうに改正になった意図というものは、一年半で長期療養に切りかえるのか、短期療養に切りかえるかということを判定した上で、長期療養に切りかえたときには会社が、企業が解雇することもできるのだということが入ったということですが、これはどういう意図なのでございましょうか。
○田中説明員 長期療養者につきましては、現在でも療養開始後三年たっても治らない場合において必要と認めるときは長期傷病補償給付を行う。長期傷病補償給付を行った場合には、現在でも、労働基準法の規定との関連から申しますと、長期の決定をすると同時に解雇制限が解除される、こういう仕組みに相なっております。 今回、長期傷病補償給付を傷病補償年金という名前に変えて、支給開始の時期を一年半に繰り上げたわけでございますが、解雇制限の関係から申しますと、これは従来どおり三年間は解雇制限が存続して、三年経過後でなければこれは解除されない、こういう仕組みに相なっておりますので、その点は従来と特段の変更はないというふうに考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 そうすると、従来は労使間で話し合いによって、たとえ三年以上たっても解雇しない、ところが今回は、一年半にさかのぼって支給される年金をいただくようになれば解雇することもできるということになりますと、これは企業にとっては療養三年以上になった者については年金が上げられるのだから解雇しちゃうんだ、強制解雇につながっていくのじゃないか、こういうような懸念も出てくると思うのですが、これはどうでしょうか。
○田中説明員 ただいま長期傷病補償給付を三年たった段階で支給する場合の御指摘がございましたけれども、現在どういう基準で支給をしているかと申しますと、三年たった時点で、今後当分治らない、長期にわたって休業状態が続くと認められる場合には、長期傷病補償給付の決定をするということで、交渉によって決まるという性格のものではございません。これはあくまで症状の実態に即して、症状が当分治らない、長期にわたって休業状態が続く、こういう場合には年金の形で支給をするというわけでございます。 今回の傷病補償年金につきましてもやはり同様でございまして、病気が治らない、負傷が治らないために労働不能の状態が続くというふうに認められる場合には、これを傷病補償年金の対象にするということでございます。ただ今回の場合には、症状の程度を勘案して、症状が重い方には重いなりに給付の中身をかさ上げしていくということで、一級から三級までの区分を設けて従来の一律の年金よりは高い年金を差し上げたい、こういうふうに考えたわけでございます。したがいまして、年金の対象となる人の範囲あるいはその症状は共通のものを考えておりますので、従来ならば年金にならなかったけれども今度の場合には年金になるとか、あるいは逆に従来は年金になったけれども今度は年金にならないということのないように廃疾の等級を決めたい、こういうふうに考えております。 いずれにいたしましても、一年半で傷病補償年金に切りかわっても、三年間は労働基準法の規定が働いておりますから解雇ということは起こらない。三年以降になりますと、解雇制限が解除されれば一つの労使関係の問題として基準法上の解雇制限の制約が離れますので、それはそれなりの一つの事態になってくるわけでございますが、長期の傷病補償給付を傷病補償年金に切りかえていくことによって解雇が行われる、あるいは事態が変わるというふうには私ども考えておりませんので、その点は、ただ年金の支給時期が三年から一年半に繰り上がったんだ、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○小川(新)委員 確かに現実はそうであっても、今度の改正法によってそういう誤解が生じたり、そのことによって強制解雇の理由になったりしたのではいかぬので、私は本委員会で明確にこういうことを議事録にとどめておきたいのです。確かに改正になった、一年半に繰り上がった、だからおまえはこういう特典が出てきたのだ、もうどう見ても三年以後に治りそうもない病気だから、けがだから、これはもうこうだというようなことがあってはならない。いまそれは確かに三年間は労働基準法が働くということでありますけれども、現実は非常に厳しい状態が中小零細企業に行われておりますのでこの問題はあえてやったのでありまして、どうかそういう間違いの起きないことを確約していただきたい。
○田中説明員 ただいま先生御指摘のように、制度の改変に伴って労使関係で事態が変わるということは、私ども決して望ましいことではございません。使用者側にあるいは誤解を生じてそういう事態が起こらないように、私どもとしては制度の趣旨を十分徹底いたしまして、保護に欠けることのないように十分指導してまいりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 時間が余りありませんので、ずっと読んでいきますのでよく聞いていていただきたいのですが、併給の調整についてでございますが、地方公務員等共済組合法九十一条には、公務災害の補償、障害補償と共済年金との併給調整が定められておりますが、災害補償を全額払って、共済年金の方を障害等級一級の場合で三〇%減額、二級の場合で二〇%減額、三級の場合で一〇%減額ということになっております。 そこで、地方公務員の災害補償の場合、一般的には共済年金との併給が問題になると思いますが、厚生年金との併給になるのはどのような場合なのか、これが一つお尋ねしたい問題であります。 これは中高年齢者の中途採用でいつも問題になっておりますが、現業部門で働いている地方公務員の場合がこれに当てはまるのではないかという気がいたしております。すなわち災害補償額の低い人から減額することになるのではないか、これが質問の第二点でございます。 そして三番目が、ILOの廃疾、老齢及び遺族保険勧告、第四十三号の中に「年金の停止又は減額に関する規定」がありますが、ここでは災害補償の方は減らさないことが原則になっております。しかしながら厚生年金との併給の場合、なぜ災害補償の方を減らすのか、災害補償額を減らすことは使用者にとっての責任を減らすことになるのではないか、こういう考え方を私は持っておりますので、以上の点をまとめてお尋ねしておきます。
○金子説明員 ただいまお話にございましたように災害補償制度上の年金と共済組合制度上の年金が重複する場合には、その間の調整が行われるということになっております。 それで、御質問のありました厚生年金との問はどういう場合に調整規定が働くのかということでございますが、二十年以上厚生年金の被保険者であった、そして老齢年金の受給資格を取得した者が、常勤の地方公務員に採用されて公務上死亡したといったような場合に遺族補償年金が支給されるというような場合がこういった例に該当するかと思います。 この調整につきまして、補償の方で調整するのはおかしいではないかということかと思いますが、これにつきましては、非常に広い意味におきましての社会保障制度、これの相互間においての調整の問題かと思います。この辺につきましては私ども詳細に承知してないところもありますが、制度を立てる上での私どもの考え方といたしましては、厚生年金につきましてはこれらの制度の中の中心的な制度である、したがいまして厚生年金との調整につきましては他の制度の方でもって調整を行うというふうなことで、いままで制度を立てて考えてきております。 なお、公務災害と共済との間の調整につきましては、先生がおっしゃいましたような公務災害に基づくものにつきましては、まず公務災害の方でもって負担をするという考えで調整を行っております。
○小川(新)委員 そこで、いまお尋ねしましたILOの廃疾、老齢及び遺族保険勧告、第四十三号の中には「年金の停止又は減額に関する規定」がありますが、ここで災害補償の方は減らさないことが原則になっているというふうに私は理解しておりますが、これはどういうふうにあなたはお考えになっておりますか。精神はどうなんですか。
○田中説明員 いま先生御指摘のILOの条約との関係について、ちょっと手元に私その点持っておりませんので、その辺どう解釈しているか、しかとお答えいたしかねますが、先ほど自治省からの答弁にも触れておりますように、厚生年金と労災との関係で申し上げますと、結局厚生年金が業務上、業務外を問わず共通に一つの生活保障を目標として給付をするという性格を持っているそういう給付であるということからいたしまして、これが民間における一つの公的年金のベースになるのではないか。業務上の場合にはもちろん労災がそれをさらにカバーをするということで給付が併給をされるという形になるかと思います。 沿革的に申しますと、労災保険が一時金の給付をしておりましたころには、一時金をぽんと払って厚生年金の方をまるまるとめてしまうというような調整もやっておりましたけれども、労災が年金化された場合に、厚生年金はまるまるとめるというわけにはいかない、厚生年金の性格からして業務上外を問わず支給する、こういう性格を持っておりますので、両方の給付を併給しながらしかも費用負担が重複する部分については労災保険の方で調整するという処理を昭和三十五年以来してまいりました。それが一つの調整方法として定着しておりますので、それが最善の方法かどうか、いろいろな御議論があろうと思います。 また、公務員の場合と民間の場合と違うではないかという御指摘もあろうと思います。そういう整合性に欠ける点は確かにございますけれども、これは長い検討の経緯もございますし、そのあり方を根本的に変えるということに相なりますと、これまたかなり根本的な議論のし直しを必要とするということがございますので、私どもとしては、これが最善かどうか、問題の所在を十分承知しながらできる限り両方のバランスを考え、受給者の保護を失しないようにということでやってまいりたいと思っておるわけでございます。
○小川(新)委員 私はきょうこの議論をするために来ているわけじゃないのですが、これを読んでみてそう感ずるんです。だからいまの災害補償という、災害が起きたときに、そこから併給になっている分を、さっき申し上げましたように二〇%、三〇%というように減額をしていくことが果たして妥当なのかどうかという大きな考え方に立って、これも大きな検討事項だと思うのですね。これは諮問委員会じゃないから諮問してくれというのではないけれども、これは大事な問題なのでちょっとお答えを求めたわけです。
○植弘政府委員 いま労働省からお答えいただきましたように、制度としてはそう定着しているということなんでございますが、考えてみますと、厚生年金と労災と同じように保険制度でございますね。したがって、そこのところはさっきからお話ございますように、母法といいましょうか、労務上の災害、労災の内外を問わず厚年を主体にするという考え方。ただ、公務員の場合は、御承知のように、災害補償は従来は労災と同じようなかっこうでやってきましたけれども、負担関係からいきますと、これは明らかに国なり地方の負担だけでございます。そこらのところが若干制度によって違うのではないかという感じもいたしますが、先ほど労働省がお答えしましたように、十分社会保障制度全般に通ずる問題として今後検討、研究してみたいという感じがします。小川(新)委員寡 私は災害補償の方から取らないで厚生年金の方から減らせという考えを持っているのですよ。これは当分の間、昭和四十年の労災保険法を改正した際の附則第四十五条で、当分の間というふうに定められた措置でありますから、永久ということでありませんから、こういった意見が当該地方行政委員会に出たということで、社会労働委員会の方で問題になるときには、労働省でも、地方の委員の中から、こういったILOの問題に関連した問題の中で、併給になった場合の分についての相殺関係については、厚生年金の方から減らすべきであるという私ども考えを持っておるということで、ひとつ参考にしていただきたい、こういうつもりでございます。 そこで、私どもは今回の地方公務員共済年金の改正案の中に、公明党から強く要求してまいりました年金額の改定方式の改善、通算遺族年金制度の創設及び寡婦加算制度の創設などが含まれてはいるものの、当面の重要課題としておった年金スライド制の確立、改正時期の繰り上げ、国庫負担の新設及び増設、負担割合の改善などは盛り込まれておりません。こういった問題を私はもう一遍改善していくという立場に立っていまいろいろと二、三質問させていただいたわけでございます。 時間の関係で次に移らしていただきます。 それでは一問だけ、大きな問題ですからお尋ねしますが、毎年のように、本委員会の附帯決議の中で、国家公務員共済組合、公共企業体職員共済組合、地方公務員等共済組合などについて、公務員関係共済制度における基本問題を調整改善するための関係閣僚会議を設置することが検討課題になっておりますが、昨年からの一年間で一体これは検討されたのかどうか。公務員関係閣僚会議が設置できない理由とは一体何なのか。三木さんが総理大臣に就任するときの公約の中で、食える年金制度、年金のリンクについて、関連性について、たくさんある年金の調整を図りつつ、七万円年金ということをわれわれ野党としては申し述べてきたわけでございます。こういった重要な年金制度の抜本的改正を図るためにも、年金の関係閣僚会議というものを開け開けと附帯決議その他でもいろいろ言ってきたわけですが、何ら一向そういった問題がないように思われておりますが、実際はあったのかどうか、またあればどういうことを審議されてきたのか。また昨年の本委員会における共済年金の審議の際に、政府は五十年度の抜本改革を見送って、五十一年度には年金制度の抜本改革を行うということで、昨年わずかな改正事項だけにとどめるという説明がなされております。しかし、五十一年度においても一向にそういった、いま私が申し上げたようなことが実現の運びにならないのでございますが、こういった問題は一体どうなのか、そうして田中厚生大臣が記者会見して発表した基礎年金構想は、政府の統一見解として考えていいのかどうか、この二つの大きな問題を聞きまして、まだたくさん聞きたいのでございますが、時間が参りましたので、これでやめさしていただきますが、これは政務次官、部局の問題でありませんから、政治家としてのモラルを問われておる問題でありますから、これはひとつ閣僚会議の問題とか、田中厚生大臣の年金構想の問題について十二分に反映させてもらわなければ困りますので、お二人にこもごも立ってお答えをいただきたいと思います。
○植弘政府委員 関係閣僚会議の問題は、すでに当委員会で何度も御指摘賜り、私どももその方向で検討を進めてきたところであります。しかし、現在年金制度自体につきまして、先ほどお話しございましたように、公的年金全般の立場から総理府にございます社会保障制度審議会なりあるいはいま御指摘のございました田中厚生大臣がおつくりになりました年金制度基本構想懇談会、こういったところで基本的な審議検討が進められているわけでございます。そうして私どもまた公務員のサイドにおきましては、国家公務員共済組合審議会あるいは地方公務員共済組合審議会におきましても、先ほどもちょっと触れましたが、そういった基本的な問題を検討いたしております。したがって、そういった構想がある程度出回ってまいりました段階において、また十分の調整をするということがより妥当じゃないだろうか。昨年お答えしました五十一年度を目標にしての抜本改正というのができなかった点は、これはまことに私どもとしても遺憾に思いますが、いまはそういうことでいろいろの角度から真剣に検討いたしておりますので、その検討を見守っていただきたいというふうにお願いしたいと思うわけでございます。
○奥田政府委員 先生の御指摘のとおりに、この年金給付の改善の歩みというものは、私らは一歩前進という形で評価していただきたいわけでありますけれども、何か牛の歩みに似たような形でしかやらないという御指摘でございます。 ただ、いま閣僚会議を約束したのにやらなかったじゃないかという形についてはまことに遺憾と思います。七十六国会の衆参両院においての附帯決議の趣旨も体しております。ただ、地方公務員の共済制度審議会ですか、こういったところでまだ結論も出ていないといったことが一つの原因でもあるようでございます。と同時に、ほかの年金との関連もございますし、地方公務員共済制度だけの問題でもって閣僚会議開催ということは、いまのところなかなかむずかしいような情勢ではないかと思います。 田中厚生大臣の構想、私まだ大変不勉強でございますけれども、恐らく年金の一元化の方向に向かって、何かやはり賦課方式なり積み立て方式なりというような問題点を指摘して年金の一元化を図られる、その方向での構想のように記憶しているわけでありますけれども、私自体、いま自治省にいるからといってこういったお答えをするのじゃなくて、やはり一般の厚生年金と違って、長い間こうやって公務員生活をなさった方にいかに報いるかということの中で、現在のところ多少のギャップがあってもやむを得ないのじゃないか。また恩給の例の精神にならっても、そういったことは地方公務員の労働権等々の制約をした中で何十年にわたっての生活権もありますし、そういった面も勘案して将来の年金改善の方向を考えるべきではなかろうか。全くお答えになったかならぬかまことにあれでございますけれども、お答えにかえさしていただきます。
○小川(新)委員 一言だけ申し上げますが、全くもってお答えになっておらぬですな。第一、関係閣僚会議さえ行わない、懇談会の答申を待つのだということだけでは、五十一年度抜本改正というようないろいろな附帯決議がついて、尊重いたしますと言っている大臣の口裏としては本当にいかぬのですが、あなたは大臣じゃないからそこの責任を追及しているわけじゃありませんけれども、やはり女房役として、おやじの至らないところはひとつ奥さんがしっかりさせるのが家庭の姿ですから、来年にはどうするのだということを明確にしない限り、本当におかしな問題になります。そして田中厚生大臣の基礎年金構想というものは政府の統一見解として出されたものかどうか。こういった問題がいいかげんであればあるほど大臣の価値が下がるのですよ、片っ方においては。何でも行き当たりばったり的、自分の人気取り的じゃないだろうけれども、自分の所管の中で自分の考えだけというわけにいかぬでしょう、この年金問題だけは。いま言ったように労働省があれば、これは国家公務員法それから地方公務員の問題、あらゆるものに広がってくる。民間も公務員もすべてに関連した年金問題を、一大臣の思いつきや何かだけで言われることは非常に迷惑なんです。だから、こういった問題をきょう改めて提起したわけでございます。答弁要りませんから、これはそういったことで十分御注意いただきたいと思います。 以上。
○小山委員長 折小野良一君。
○折小野委員 最初に、地方公務員災害補償法の一部改正案の方からちょっとお伺いをいたします。 いただきました資料によりますと、四十七年度から四十九年度までの補償の年度別の実施状況、これを調べた数字があるわけなんですが、この数字を見てまいりますと、療養補償が、件数におきましても金額におきましてもその比率が毎年減ってきております。件数でしたら、四十七年度が八二・一%、四十八年度が八丁六%、四十九年度が八〇・八%、金額におきましても五八・二%から五四%、五一・三%というふうに減ってきております。その反面、休業補償関係におきましては、これが逆に四十七年度、四十八年度、四十九年度にかけてその率が高まってきております。これは一つの傾向として見られるように考えられるわけなんですが、こういうような傾向というのは地方公務員の災害あるいはそれに対する補償制度のあり方、こういうような面に具体的に何かはっきりした現象というものがあるわけなんでしょうか。
○金子説明員 御指摘のように、療養補償につきましては構成比が落ちる、さらに休業補償につきましては構成比が高まるというような関係がございます。 補償の内容につきまして特別の違いができてきたかということでございますが、年々の補償内容あるいは災害の内容において変化があるというものを必ずしも示すものではないというふうに考えております。 と申しますのは、療養補償につきましては、四十八年から四十九年にかけましての総額の伸び率が約三割になっておりますが、件数につきましてはほぼ横ばいになっております。さらに特別補償経理休業補償でございますが、これも伸び率につきましては一五・一%というふうになっておりますが、件数はほぼ横ばいになっております。これから見ますと、特に災害件数がふえたとか、そういったことによって療養補償の総額がふえたということではなくて、療養補償の単価、診療報酬の引き上げによるもの、それが主原因ではなかろうかというふうに思っております。 なお、休業補償につきましては、構成比が高まり、さらに伸び率が四十八年から四十九年にかけまして四五%というふうに非常に大きな伸び率になっておりますが、これの主たる部分は、一つは休業補償の件数の増加、もう一つは休業補償の単価の引き上げ、主としてこれは給与改定等に伴うものかと思いますが、この両面から来るものかと思います。同じような問題が年金にもあるわけですが、これにつきましては制度が発足いたしまして、次第に遺族補償を給付をすべき対象人員がふえてきておる、そのために年金総額がふえてきておる。もちろんスライドによる単価の改定等も若干働いておるわけですけれども、主たる原因はそのようなものというふうに考えております。したがいまして、特に災害の内容とか、そういったようなものの変化によるものではないというふうに御承知いただいてよろしいのではないかというふうに思っております。
○折小野委員 わりあいはっきりした傾向が見られますので、社会情勢の推移その他を反映した何らかの傾向があるんじゃなかろうかというふうにも考えたのですが、しかし、災害の内容については特段の傾向は別に見られないということであります。しかし、いま御答弁にもありましたように、年金につきましては明らかに増加しておる。そして今後の傾向を考えましてもやはりふえていくんじゃなかろうか。これは当然予想されるんじゃないかと思います。そうしますと、結局これは財政上の問題に影響をしてくる。国や地方団体の財政でもそうですが、年金的なそういうようなものがいわゆる義務的な経費としてふえてくるということは、それだけ硬直化が高まるということになってくるわけであります。したがいまして、特にこの年金額の増加の傾向というのは今後の財政状態にいろいろと影響をしてくる。そういう面でやはり注目すべき傾向じゃなかろうかというふうに考えますが、いかがでございますか。
○金子説明員 ただいま御指摘がございましたように、療養補償の額の増加、さらに年金額の増加、これが今後の財政面に対して非常に大きな影響があることは事実でございます。特に年金額の増加に対しましては、その他の理由もあるわけですが、現在、五十年度末の決算で恐らく百五十億ほどになろうかと思いますが、支払い備金についての蓄積がございますので、これによって現在のところまず対処できるんではなかろうかというふうに考えております。 さらに、療養補償の増加につきましては、今後さらに診療報酬の単価がどのように変わっていくか、あるいは療養件数がどのようになってくるのか、これらが非常に大きな分かれ道になってくるわけですが、この辺はここ数年の動向等を考えて慎重に今後の見込みを立ててまいりたいというふうに考えております。
○折小野委員 それじゃ次、お尋ねいたします。 福祉施設の資料をちょっと拝見いたしますと、この中に援護金とかあるいは特別支給金というようなものがございます。現実の制度運用の中におきまして福祉施設というのは非常に重要な問題だというふうに考えておるのですが、こういう援護金とかあるいは特別支給金というものがこういうような形で出されるということは、本則における給付というものを曲げるおそれはないのかということなんです。そういう面については運営上どういうふうにお考えになっていますか。
○植弘政府委員 御指摘は福祉施設の中にそういった金銭給付のようなものを入れることが適当であるかどうか。なるほど先生御指摘のように、名前からいいますと、福祉施設でございますから、どうも金銭給付を含むことが名前自体が適当でないと思います。ただ問題は、その福祉施設という名前が必ずしも十分適切でないのですが、それでは補償の中に入れることができるだろうかということを考えてみますと、やはり補償というのは逸失利益の補てんというのが基本的な補償制度の原則でございますから、そういうことからいきますと、現在福祉施設の対象としていますものは、ちょっと補償とはニュアンスが違うんじゃないだろうかという感じを私ども持っておるわけでございます。したがって、いま御指摘の特別支給金なり援護金といったようなものは、名前からすれば受ける感じは補償の方がいいのではないかという御意見もっともだと存じますけれども、やはり現行のように福祉施設の範囲で考えるべきじゃないだろうかと思っております。ただ問題は、御指摘のように、福祉施設という名前によって何でもかんでもやるということになりますと非常に乱になるおそれがございましょうから、その点は私どもといたしましては先ほどもちょっとお答えしましたが、業務規程をはっきりと書かず、認可事項にしておりまして、他の労災なり国家公務員との均衡を十分保持する。人事院も意見の申し出のとき等にはある程度指示もしてございますので、そういう点では乱に流れないように十分注意をしておるところでございます。
○折小野委員 実は、私この内容がよくわからないのです。だからそういうような疑問も出てくるわけですが、端的に言いますと、福祉施設というような金銭給付が、いわゆる補償費の上積みになってはおかしいのではないかということなんです。たとえばここに奨学援護金というのがございますけれども、こういうような配慮が交通遺児の問題とかそういうような問題に関連をいたしましてなるほど特別に必要であろう、そういうものを福祉施設としてやっていくことはいいことなんじゃなかろうかというふうに考えます。ですが、休業援護金が休業補償の上積みにされるとかいうような形の金銭給付ならば、結局制度そのものをかえって乱る原因になるおそれがあるんではなかろうか。たとえば地方自治法によります福利施設として、各地方団体が互助会というものをつくっておる。その中でいろいろな互助あるいは職員福利のためのいろいろな事業をやること、それは結構なんですが、中にはその運営がいまのお話のように乱に流れるということになってまいりまして、正当な給与制度を乱るような例もないではないわけでございます。したがいまして、こういう面の運用には十分気をつけていただく必要があるんではなかろうか、こういうことで申し上げておるわけでして、今後の運営、指導に当たってその辺の配慮をよろしくお願いをいたしたいと考えております。 それから次には、今回四十六条の改正が行われております。これは警察官、消防吏員等の特殊公務に従事する職員に対する特例を定めたものでございますが、これはこれなりで私は結構だというふうに考えます。しかし現実には、こういうような業務に対しましてその他の人たちがいろいろな形でこれに関係すると申しますか、そういうことがあるわけでございます。たとえば犯人逮捕に関しまして一般民間人が協力をする、たまたま協力しなければならないような立場に立って、それで事故が発生をするということはございます。それは火災の場合だってそのとおりでございます。それからまた特に水害等の場合におきましては、これは人手を要するということでございますから、消防吏員だけでない団員もやらなければならない、場合によってそれぞれの役所の一般の職員もそれに携わらなければならない、また一般民間人もいろいろな場合に当たるということが出てくるわけでございます。そうした場合において、その事柄は同じようなことであるにかかわらず、警察官とか消防吏員、こういうような人たちに対する処遇、一般の公務員に対する処遇あるいは消防の場合には消防職員と団員との場合、あるいは協力をした民間人との関係、そういう面で補償関係必ずしも一様じゃありません。そういう点については、直接これだけに関係した問題じゃございませんが、どういうふうにお考えになるでしょうか。
○植弘政府委員 もう先生よく御承知いただいておりますから詳しく言う必要はないかと存じますが、御承知のように警察官、消防職員という職種に限っておりますのは、職種が現実に身体、生命に非常に危険があり、その危険が予見されながらも敢然として任務を遂行しなければならないという特殊な立場にあるものですから、すでにああいう制度を設けていただいているわけです。それに似たような事態が起こった場合はどうだということになりますが、これは前から御議論いただいて、私どもも本当は頭が痛くなるくらい考えておるのです。ただ国家公務員の場合にもございますし、民間の労災の制度だってあるわけでございます。問題は、そういった職種でなしに事実でということになりますと、これはどちらかといいますと、具体的な災害発生の場合におけるその個人に対する補償の内容をどうするかという問題に実はいくのじゃないだろうか。したがって、そういう考えをいたしますと、特殊公務災害というものとは立て方が違うのじゃないだろうかという感じがいたします。しかし、それにいたしましても、労災制度ではそこらのところを対象として制度改正をするということになりますと、基本的な全般的な改正になるようでございまして、労働省が労災制度の審議会等で研究してもらっておりましても、なかなかいい結論は出ないようでございます。 よく御承知をいただいておると思いますが、国家公務員でもたとえば地建の職員、地方建設局ですね、地建の職員あたりはやはり危険な場合もあるわけですが、これなんかも本来特殊公務災害に入れていいのじゃないかという意見もあるぐらいなんですが、かと言って地建の職員全部入れるわけにもいきません。そういうようなことを考えてみますと、やはりどうもこの問題は、気持ちとしてはわかるのですけれども、なかなか制度化することは容易なことじゃないのじゃないだろうか、そういうふうに関係の省庁間でも論議しているところであります。 たとえば具体的には、昨年八月に台風六号の影響で徳島県の祖谷でございましたか、集中豪雨による山崩れがございましたときに、一般職員が亡くなられました。これには、消防業務についていたために消防団員の補償基準によって補償したような事実もございます。したがって、やはり気持ちとしては、そういう個別な問題について補償するという方向が一つの方向じゃないだろうかという感じがいたしておるものでございます。今後とも関係省庁と研究を続けていきたいと思います。
○折小野委員 確かにいろいろとむずかしい問題はあると思います。それを一つの体系の中にまとめていこうとしますと、いろいろなかかわり合いも出てくるということはよくわかるのでございますが、しかし具体的なその事実に対しまして補償がはなはだしく違うということ、これは決していいことじゃございませんので、そういう面の配慮も十分やっていただかなければならない。特に自治省でございましたら、消防関係も同じところでやっておられるわけですし、したがって一般消防吏員に対するものと消防団員に対するものとの差がはなはだしく大きいということは、消防の行政指導という面からいたしましても非常に大きな問題でなければならないと思います。そういう際に、こちらは地方公務員の災害補償の関係だから、こちらは消防の関係だからということで、別々に考えていくということじゃ、大きい意味の整合性と申しますか、そういう面からやはりいろいろと問題が出てこようと思っておりますので、そういう面はひとつ今後とも、ほかの関係であっても十分な御配慮をひとついただきたいと思っております。 それでは、時間の関係もございますので、共済について一、二お伺いをいたします。 実は、共済制度というのは非常に複雑で、しかも難解で、私どもよくわかりません。もっともっと統合されて、もっともっと簡単なわかりいい制度になったらどうだろうかというふうに考えるわけです。それに関連をいたしまして、今回の改正でいじられております二、三の点についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。 ただ、今回の改正は、私はすべて非常に結構な改正だと思うのです。そのことに対して別に異論はないわけなんですけれども、そのことが結構であるがために、他の方が余り結構でなくなってしまっておるというような例がいろいろとあるような気がいたすわけであります。 たとえば、寡婦加算というのが出てまいっております。これは大変結構なことだと思うのです。寡婦が子供を養っていかなければならぬということは、自分自身の生活にも大変なのに、さらに子供があってはより一層大変であろう。それに対して多少なり加算をやっていくということはもう当然なことであるし、決して十分でなくとも、それなりに非常にいい改正だと思います。しかし、この寡婦、これはもちろん御婦人のことですが、男の方で、年とって、しかも養っていかなければならない子供を抱えて——実情を聞きますとこれもなかなか大変なのです。年とってからの再就職というのはなかなか容易でありませんし、十分な収入が得られるというわけでもない。そういうような中で子供を抱えて仕事をするということの困難さ、こういうものもありますし、特に男手で子供を育てるということのいろいろな問題というのもあるわけです。そうしますと、男であったらこういう加算はない。それはかい性のない男だということになるかもしれませんけれども憲法上は男女同権ということになっているわけです。そうしますと、そういうふうに非常に困るような状態にある男、寡婦の婦を夫という字に変えたそういう措置もやはりあっていいのじゃなかろうか、そう思うのです。そうしますと、寡婦に対する加算は結構なのですが、それをやればやるほどこちらの方が気の毒じゃないかという感じが出てくるのですが、これはどうなんでしょう。
○桑名説明員 先ほど来折小野委員から言われました共済制度が非常に複雑で、かつ専門化してまいりまして、一般受給者にきわめてわかりにくい制度になっているということは御指摘のとおりでございます。ただ、地方公務員の共済制度が、三十七年度以前に地方公共団体の種類であるとか、あるいは公務員の職種によりましてばらばらに存在しておったのを統合整理いたしましたために、従来の制度の既得権なり期待権を尊重する必要があったために、これに伴う経過措置を中心とする諸規定が非常に複雑になっているわけでございます。同時に、その後における年金額の改定あるいは年金制度の改善等につきましても、恩給に伴うもの、あるいは厚生年金保険に伴うもの、あるいは共済制度相互間の均衡上必要なもの等、いろいろ複雑な要素がありますためにさらに複雑に輪をかけたかっこうになっているわけでございます。 御指摘のように、今回の寡婦加算あるいは老齢者加算というような恩給あるいは厚生年金に伴うものにつきましても新たな格差を生ずるものではないと私どもは考えるわけでございますが、たとえば六段階方式につきましては、高給者と低給者、すなわち年金の基礎になっている給料が高い人と低い人との格差の是正のためであり、また、先生がいま御指摘になりました寡婦加算につきましても、特にその引き上げの必要なものだけを対象とした実質的な年金の手直しを目指すものでございまして、特別な妻の立場にある方々に対する制度で今回処理をいたしたわけでございます。 ただ、御指摘のように、それでは夫で配偶者を亡くした人はそのままでいいのかという問題ももちろん残される問題でございますが、今回の改正は、とりあえず遺族給付の改善の一つの実質的な価値の高めという意味合いから、特殊な立場にある寡婦を中心として制度を改善したわけでございます。
○折小野委員 答弁の方が先になされたのですが、次にお伺いしますのが、もう答弁がちょっとあったのですけれども、高齢者に対して特別に配慮するということは結構なことだと思います。私たちも、この社会全体として高齢者を尊敬していかなければならないと思います。しかし、七十歳以上の高齢者と八十歳以上の高齢者を区別する必要がありますでしょうか。七十歳以上の高齢者に加算をする、これは結構です。しかし、その上に今度は八十歳以上になったらまたそれに加算をする、そういう必要がありますか。そういう差別を設ける必要がありますか。
○桑名説明員 御指摘の点は、今回の老齢者加算につきまして、七十歳以上の者に対する三百分の五を限度とした加算のことを御指摘だと思うのでございますが、確かに八十歳以上の者と七十歳以上の者との所得保障の区別はする根拠はないと思います。しかしながら七十歳以上と八十歳以上の人に対する生活の保障と申しますか、生活の態様から考えまして、やはり高齢者の方に厚く優遇をいたしまして、まだ就業能力が若干おありの方には限度いっぱいの加算をしてないという、こういう格差があるのはこれはやむを得ないものではなかろうかという気がするわけでございます。
○折小野委員 どうもその人間の生理的なあれが七十歳だからこうで、八十歳になったらこうと、こういうふうにはっきり区別されているものじゃなかろうと思いますのですよ。お年寄りはできるだけ尊重する、お年寄りの生活費はできるだけ若い者が見ていく、これは当然だと思う。しかし七十歳はまだ稼働能力が残っているからこうで、八十歳になったらこうだという区別は私は必要ないんじゃなかろうかと思うのです。 それから、これもちょっと答弁が先にありましたが、今度年金の改定をしていただく、これも非常に結構なんです。それに対しまして従来の改定率のとり方、これは公務員が平均幾らベースアップになったからということで、その平均値を掛けて改定増額をするという従来の方式を改めて、よりきめ細かな改定の方法をとろうとしておられるわけですね。これは非常に結構だと思います。そのことによりまして、より合理的になるということは確かに言えるわけです。ところが、それがより合理的であるということは、これまでのが不合理であったということです。それならこれまで不合理であったのはどうしてくれるかという問題が出てくると思います。それはそのままです。これからは少しでも合理的にしていこう、これは結構なんですが、とかく従来年金におきましても不公正とか不均衡とかいうのが常に問題になってまいりました。そしてその不均衡是正のためにいろいろな努力が今日まで払われてきておるのですが、それで問題がなくなったかというとそうでもない。一回是正をしましてもまた不均衡が出てくる。またやる、また残る。またやる、そしてまたほかの方に不均衡が出てくる、そういうことの繰り返しなわけなんです。ですから、こういう問題につきましては余りにも細かにやり過ぎる。そう言っちゃ悪いのですけれども、そうするそのことがかえって多くの不均衡を生んでいくんじゃなかろうか、こういうような気がするわけなんですけれども、その辺はどんなでしょう。
○植弘政府委員 やはり先ほど来先生御指摘のように、共済制度がいろいろの職種によって、職域によりまして沿革を持っておりまして、それを何とかまとめようと、本来ならば社会保険一本といいますか、そういうかっこうであるべきなのかどうか知りませんが、ここまで沿革的に成熟してまいりますとそうもまいりません。しかしそうかといいまして、それぞれの公的年金相互間の整合性というんですか、均衡というものを考なければいけません。そういうようなことからいたしましてだんだんとむずかしくなるわけでありますが、やはりそれぞれの立場における人方の退職後の生活を保障するとしますと、きめ細かく細かくなっていきますので、おっしゃるとおり余りきめ細かくなっていきますために、逆に言うと迷路に入ったような感じもしないわけじゃございません。しかし今回の六段階制等は、やはり従来の実態を踏まえまして、できるだけ下の方に手厚く、それでもなおかつ、先ほども御答弁いたしましたが、通年ルールを使わないことには実際には余り上がらない、こういう実態でございます。先生の御趣旨をよく体しまして、制度改善に当たっても逆に今度不均衡が発生しないように、関係省庁の間で相談をしながら進めていきたいと思います。
○折小野委員 最近は技術も進んでまいりまして、カメラが非常に精巧になっているんです。精巧なカメラで撮りますと、よほどの専門家でありませんとなかなかいい写真ができません。ところが、いわゆるばかちょんカメラと言われるようなカメラで撮りますと、私らが撮りましてもわりあいきれいな写真ができる。結局それと同じようなことじゃなかろうか。細かに細かに考えていかれればいかれるほど、いろいろな不均衡とかその他のものが出てきてしまう。それよりか、むしろやはり、いませっかく取り上げられております最低保障額、こういうものを少しずつでもふやしていく方に努力をしていただいて、そうして細かな不均衡はその中にもう組み入れていってしまう、こういう方向が私は今後の方向として正しい方向じゃなかろうかというふうに考えております。 先ほど抜本改正の質問等もあっておりましたのですが、五十一年度あるいは五十二年度か知りませんけれども、その抜本改正がありましても、なかなか年金というものはこうあるべきものだという線は出てこないんじゃなかろうかと思います。やはり年金制度というものの本当の目標というものを見定めて、そしてこれまでいろいろな沿革とか経緯とかいうのがたくさんあったわけですから、だんだんそれに近づけていく、そういう実績を積み上げていく、こういう努力が大切なことじゃなかろうか。その目標がなくて、余りにも目先の問題にこだわっていろいろなきめ細か過ぎる配慮をやられる結果がかえって不均衡を拡大していっておる、こういうような気がしてならないわけでございます。 時間の関係もございますのでもうこれでやめますが、今後、そういう面についてよろしくお願いをいたしまして終わります。(拍手)
○小山委員長 以上で、両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○小山委員長 これより両案について討論を行うのでありますが、別に討論の申し出もありません。 これより採決いたします。 まず昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○小山委員長 ただいま議決いたしました法律案に対して、高鳥修君山本弥之助君、三谷秀治君、小濱新次君、折小野良一君から、五党共同をもって附帯決議を付すべしとの動機が提出されております。 この際、本動議の提出者から趣旨の説明を求めます。高鳥修君。
○高鳥委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表いたしまして、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、地方公務員共済制度の一層の充実と地方公務員の退職後の生活を配慮し、特に次の諸点についてその実現に努めるべきである。 一 地方公務員共済組合が支給する年金について、国民の生活水準公務員の給与、物価の上昇等を考慮し、既裁定年金額の実質的価値が保全できるような対策を早急に検討すると ともに、年金額の改定時期を公務員の給与改定時期にあわせて実施するよう努めること。 二 共済組合の給付に要する費用について、公的負担の拡充を図るとともに負担区分のあり方について検討すること。 三 長期給付の財政方式については、賦課方式の採用を含めて検討すること。 四 退職年金等の最低保障額をさらに引き上げるとともに、最低保障額からの既支給一時金の控除を廃止するよう検討すること。 五 遺族年金の支給率の引上げ等についてさらに検討すること。 六 年金額の算定の基礎となる給料を退職時の給料とするよう検討すること。 七 短期給付の給付水準について一層の充実を図ること。 八 共済組合の運営については、その自主性を尊重するとともに、運営審議会において組合員の意見がさらに反映するよう努めること。 九 地方議会議員の年金について、その充実改善に努めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、皆様方の御賛同をお願いいたします。
○小山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立総員。よって、高鳥修君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。
○福田(一)国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。 —————————————
○小山委員長 次に、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○小山委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、渡紘辺三君、山本弥之助君、三谷秀治君、小濱新次君折小野良一君から、五党共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、本動議の提出者から趣旨の説明を求めます。渡辺紘三君。
○渡辺(紘)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表いたしまして地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、地方公務員災害補償制度の現状にかんがみ、次の諸点について善処すべきである。 一 地方公務員の良好な職場環境の保全、健康管理のため、疾病発生の状況等について常に調査し、公務による傷害、疾病の状況把握、予防・指導の体制を確立すること。 二 新しい障害等級表の適用ならびに傷病補償年金制度の運用に関しては、分限条項を含め適切に措置するとともに、職業性疾病については、その実情に即し適切な運営を図ること。 三 年金額については、給与改定等の動向を的確に反映しうるよう改善を図ること。 四 遺族補償をはじめとする各種補償の給付水準の引上げについてさらに改善に努めること。 五 福祉施設については、職員の安全及び衛生の確保を図るための事業の実施について検討すること。 六 公務上災害等の認定及び審査会の審査にあたっては、被災者の実情を十分把握するよう努めること。 七 一般公務員が、特に危険をおかして職務を遂行し災害を受けた場合にも、特殊公務災害の対象となるよう検討すること。 八 民間企業における業務上の死亡等に対する法定外給付の実情にかんがみ、公務員の場合においても適切な措置を講ずること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○小山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立総員。よって、渡辺紘三君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。
○福田(一)国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。(拍手) —————————————
○小山委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○小山委員長 次回は、明十四日金曜日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十六分散会