地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/05/11
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方財政法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 両案については、すでに質疑は終了いたしております。 この際、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して、日本社会党及び公明党共同による井岡大治君外一名提出の修正案及び林百郎君外二名提出の修正案並びに地方財政法等の一部を改正する法律案に対して、三谷秀治君外二名提出の修正案が提出されております。 この際、各修正案の提出者から、それぞれ趣旨の説明を聴取いたします。井岡大治君。 ————————————— 地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案(井岡大治君外一名提出) 地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案(林百郎君外二名提出) 地方財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○井岡委員 私は、日本社会党及び公明党を代表して、ただいま議題になりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 御承知のとおり、不況とインフレは、地方財政の上にもきわめて深刻な影響を及ぼすに至っており、昭和五十年度における地方税及び地方交付税の大幅減収に引き続き、本年度においても二兆六千二百億円もの歳入不足に見舞われるなど、地方財政は、いまや戦後最大の財政危機に直面しているのであります。 このように地方財政が危機に直面することになったのは、引き続く不況とインフレに起因しているのでありますが、その根本的な原因としては、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度経済成長政策を推進してきたことによるものであります。そのため自治体においては、過疎過密、公害その他の対策に伴う莫大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与しなかったことによるものであります。 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って、抜本的な恒久対策を講ずべきことを政府に要求してきたのであります。 しかしながら、今回の自民党政府の地方財政政策によりますと、地方交付税率は、依然として三二%に据え置かれたままであり、国の一般会計の負担としては、わずかに臨時地方特例交付金六百三十六億円の措置を講じたに過ぎず、一兆三千百四十一億円もの莫大な不足額を資金運用部資金の借り入れに依存しているのであります。しかも本来、地方交付税で措置すべき包括算入分及び公共事業費等の一兆二千五百億円においても、これを起債に振りかえるなど今回の政府の財政対策は、地方交付税法の趣旨を大きく逸脱していると言わねばなりません。また財源対策債を含めた地方債の発行予定総額は、四兆八千十億円もの莫大なものとなっており、政府資金引き受けの著しい低下と相まって地方財政は、借金依存と質的悪化を深めております。さらに重要なことは、こうした政府の地方財政対策によって、地方自治体の単独普通建設事業など住民生活に直結する事業は著しく低下し、福祉の後退が顕著になっていることであります。 以上のような自民党政府の地方財政対策では、今日の地方財政危機は、打開されるどころか、ますます深刻化することは明白であります。 したがいまして、この際、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、恒久的な一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を打開し、自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。 第一は、最近における地方行政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来据え置かれてきた地方交付税率の現行三二%を三五%に引き上げることとしております。これによって昭和五十一年度の地方交付税の増加額は、三千六百二十四億円となります。 第二は、最近の地方財政の危機的状況を緊急に改善するため、昭和五十一年度から同五十三年度までの間に限り国税三税の八%に相当する額をもって、第二地方交付税を創設することといたしております。 その内容は、第一種交付税と第二種交付税に区分し、それぞれ第二地方交付税総額の二分の一の額としております。 また、その配分についてでありますが、第一種交付税については、人口一人当たり一千七十九円、面積一平方キロメートル当たり三十二万二千九百円を単位費用として、すべての都道府県及び市町村に対して交付することとしております。 第二種交付税については、前々年度の決算における民生費の額千円につき百十三円、同じく決算における単独普通建設事業費の額千円につき九十五円を単位費用として交付団体に対して交付することとしております。なお、昭和五十一年度の第二地方交付税の総額は九千六百六十四億円となります。 第三は、昭和五十一年度に限り、国の一般会計の負担で、臨時地方特例交付金五千二百三十八億円を交付することといたしております。その内訳は、財源対策債のうち、包括算入分四千五百億円、精算分の補てん五百五十九億円等でありますが、財源対策債のうち四千五百億円を引いた残りの八千億円については、これは、本来、国が特別事業債として元利償還の全額を負担すべきものであるとの立場から、昭和五十一年度の利子分百五十億円を含むものであります。 第四は、人口急増市町村の財政対策についてであります。昭和五十年国勢調査人口が昭和四十五年より、五千人以上かつ一〇%以上増加している市町村を人口急増市町村とし、これら市町村の昭和五十一年度以降発行する義務教育施設整備事業債等償還費及び公共用地先行取得事業債償還費のそれぞれ五〇%を基準財政需要額に算入することといたしております。 第五は、人口急減市町村の財政対策の強化であります。前述と同様の期間において人口減少率が七・五%以上であり、かつ昭和四十八年度から昭和五十年度までの三カ年度の平均財政力指数が〇・四未満の市町村を人口急減市町村とし、これら市町村の公共用施設及び公用施設建設事業のため昭和五十一年度以降発行した地方債のうち過疎債、辺地債、同和対策事業債、公害防止事業債を除いた地方債の元利償還額の七〇%を普通建設事業債償還費として基準財政需要額に算入することといたしております。 第六は、都の特例の廃止であります。都の基準財政収入額及び基準財政需要額の算定に当たっては、特別区を市とみなした場合に得られる基準財政収入額及び基準財政需要額を加算する特例を廃止し、特別区を市とみなして都とは別に算定することといたしております。なおこの都の特例を廃止した結果、都に交付される普通交付税について、都は、交付額相当額を都区財政調整交付金の財源に充てるものといたしております。 第七は、普通交付税、特別交付税の割合を変更し、現行九十四対六を九十六対四といたしております。 第八は、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備等のための国の財政上の特別措置を廃止することといたしております。 以上が本修正案の提案理由及びその概要であります。慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○小山委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由並びに要旨を御説明いたします。 戦後最大の地方財政危機は、いま最も深刻な事態となって推移し、昭和五十一年度地方財源不足額は、実に二兆六千二百億円の巨額にも上っているのであります。 政府は、この危機を、一兆三千百四十一億円に上る交付税特別会計の借入金や、一兆二千五百億円に上る地方債振りかえ措置に見られるごとく、地方自治体への借金財政の押しつけと、福祉切り捨て、増税、公共料金引き上げなどの反国民的な方向で切り抜けようとしており、その結果、地方財政危機は、同時に、住民福祉の危機、地方自治そのものの危機となってあらわれております。 今日の地方財政危機は、これまでの、政府の地方自治体に対する三割自治の押しつけ、上からの財政統制による地方財政と地方自治の締めつけ、大企業奉仕の高度成長政策、戦後最大最長の不況とインフレの同時進行による経費増と税の減収によってもたらされたものであります。 政府の地方交付税法等一部改正案は、地方交付税法や地方財政法のたてまえを踏みにじり、基準財政需要額を地方債に振りかえるなど、地方交付税制度の実質的改悪となっているのであります。 全国の自治体の強い要望は、真に地方財政危機を打開し、住民生活向上を目指す財政対策であり、具体的には、地方交付税率の大幅引き上げなどの財源拡充であります。この点で政府の本年度地方財政政策は、まさに全国の自治体と、住民に背を向けるものであります。 わが党は、今日、全国の自治体の強い要望である地方交付税率の引き上げ、地方財源不足の自治体負担なしの解決、都の特例の廃止や高度成長政策のための新産、工特などの特別措置を廃止することが必要であると考えております。こうした立場から本修正案を提案するものであります。 次に本修正案の要旨を御説明いたします。 第一に地方交付税率を四〇%(現行三二%)に引き上げます。これにより交付税の法定額は、昭和五十一年度において九千六百六十四億円増加いたします。 第二に、今日の事態のもとで、交付税の所要額を確保するため、一兆五千九百七十七億円を交付税特別会計が借り入れることとしております。この償還は二年据え置き八年償還とし、元利とも国の一般会計の負担とします。これにより、一兆二千五百億円の地方債振りかえ措置を行わないことといたします。 第三に、交付税交付金の増に伴い、単位費用の改定について地方債振りかえを行わないことを基本に、別途法律で定めなければならないことといたしております。 第四に、都の特例を改正し、都区合算方式を廃止し、特別区に対して交付すべき地方交付税は都に対して交付することにいたします。特別区分として都に交付された地方交付税は、都、区間の事務の実情に即して配分するようにするものであります。 第五に、地方財政法第五条の特例規定を削除いたします。 第六に、経済の高度成長政策のための新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律並びに首都圏近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律は、いずれも従来自民党政府のとってきた経済の高度成長政策を延長するものでありますので、この延長は行わないことといたしております。 以上が本修正案の提案理由並びに要旨であります。 なお、修正案の要綱は別紙に添付してありますが、これはごらん願うことにいたしまして、以上で私の提案理由の説明にかえる次第でございます。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。 以上です。
○小山委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 あらかじめ配付した提案理由説明について、字句の修正をしておきます。 本文十二行目の「論外だと言わなければなりません。」を削除して「本末転倒と言わなければなりません。」を挿入します。 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました地方財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由並びに要旨を御説明いたします。 本改正案は、地方財政法第十一条の規定にもかかわらず、政府が関係法律の整備を怠ってきたことについて、遅まきながら改正を加えるものであり、その限りでは問題はないものと思われます。 しかしながら、政府はこれら関係諸法の改正に乗じて、国と地方の負担分野を定めている同法第十条から、耕土培養に関する経費など三種類の経費を削除する改正を行おうとしておるのであります。これら三種類の事務は政府の施策の不十分さこそ指摘されるべきことであり、事業等が廃止、縮小されたことを理由に、経費についての国の負担義務の範囲から除外することは本末転倒と言わなければなりません。 日本共産党・革新共同は、これらの削除について、削除しない旨の修正を加えるとともに、関連する家畜保健衛生所法の補助規定の改正を行おうとするものであります。 さらに、都道府県の普通建設事業費の約六%を占めております国の直轄事業負担金は地方財政危機の中にあって、都道府県の大きな負担となっており、この制度の廃止について全国知事会の強い要望もあり、この際、負担金支出の根拠となっておる同法十七条の二を改正するほか、所要の改正を行うものであります。 以下、修正案の要旨について朗読により、提案にかえます。 一、地方財政法の一部改正の修正 耕土培養、家畜保健衛生所及び繭検定所に要する経費は、国がその全部または一部を負担す る経費の範囲から除かない。(第十条関係) 二、地方財政法の一部改正 国の直轄事業については、その事務に要する経費を地方公共団体に負担させてはならない。 (第十七条の二関係) 三、家畜保健衛生所法の一部改正 国は、都道府県に対し、政令で定めるところにより、家畜保健衛生所に係る創設費、初度調弁費、改修費及び検査機器等設置費、並びに職員に要する経費の二分の一を補助する。 (第七条関係) 以上が修正案の提案理由並びにその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○小山委員長 以上で各修正案についての趣旨の説明は終わりました。 各修正案については、別に発言の申し出はありません。 この際、各修正案について国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があれば、これを聴取いたします。福田自治大臣。
○福田(一)国務大臣 ただいまの地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する日本社会党及び公明党提案の修正案並びに日本共産党・革新共同提案の修正案につきましては、政府としては反対であります。 次に地方財政法等の一部を改正する法律案に対する日本共産党・革新共同提案の修正案につきましては、政府としては反対であります。 —————————————
○小山委員長 これより、両案及び各修正案を一括して討論を行います。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。
○左藤委員 私は、自由民主党を代表し、政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党及び公明党提案の同法律案に対する修正案並びに日本共産党・革新共同提案の同法律案に対する修正案に反対、また、政府提案の地方財政法等の一部を改正する法律案に賛成、日本共産党・革新共同提案の同法律案に対する修正案に反対の意見を表明するものであります。 昭和五十一年度の地方財政対策におきましては、最近における地方財政の状況にかんがみ国と同一の基調により、地域住民の生活安定と福祉充実を図るとともに、景気の回復に資するため、地方財源の十分な確保を図ることとしております。すなわち地方財源の不足に対処するため、一、国の一般会計から臨時地方特例交付金として、六百三十六億円を交付税特別会計に繰り入れる、二、交付税特別会計において資金運用部資金から一兆三千百四十一億円を借り入れる、三、財源不足に対処するための地方債一兆二千五百億円を発行する、等の措置を講じており、これらの措置は、現下の経済情勢国の財政状況等から見て、きわめて高く評価すべきものと認められます。 さて、今回の地方交付税法等の一部を改正する法律案について検討いたしましたところ、昭和五十一年度の地方交付税の総額については、現行の法定額に臨時地方特例交付金及び交付税特別会計の借入金を加算する特例規定を設け、約五兆二千億円を確保することとしており、また、普通交付税の算定については、社会福祉施策の充実、教育水準の向上及び公共施設の計画的な整備に要する財源を措置しているほか、過密過疎対策、消防防災対策等に要する経費を充実し、あわせて投資的経費に係る地方債振りかえ後の所要経費を措置しております。さらに、特別交付税の算定及び交付の時期について、所要の改善措置を講ずることとしております。 また、昭和五十一年度においては、地方財源の不足に対処するための地方債を発行することとしておりますが、この場合に、地方団体が地方財政法第五条の規定により起こす地方債のほか適正な財政運営を行うにつき必要な財源に充てるための地方債を起こすことができる旨の特例を設けることとし、また、公営競技を行う地方団体の公営企業金融公庫に対する納付金の納付期間を延長する等の措置を講じております。 さらに、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律等に基づく関係地方団体に対する国の財政上の特別措置を引き続き講ずるため、その適用期間を五年間延長することとしており、これらの措置は、地方財政の立場から見てきわめて適切な措置であると考えられます。 しかしながら、今後、地域住民の福祉の充実、生活環境施設の整備等の諸施策を推進する上で、地方団体の果たすべき役割りがますます増大する一方、昭和五十二年度以降においても地方財政をめぐる諸条件は依然厳しいものと予想されておりますので、政府においては、今後とも地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。 また、国庫補助負担事業に係る超過負担については、なお引き続きその完全解消に努めるよう強く希望します。 次に、地方財政法等の一部を改正する法律案につきましては、国庫負担金に関する関係法律の規定を整備しようとするものであり、今日の実情に照らし、適切なものと認められます。 以上をもって、政府提案の二法律案に賛成、日本社会党及び公明党提案の修正案並びに、日本共産党・革新共同提案の二修正案に反対の意見の表明を終わります。(拍手)
○小山委員長 山田芳治君。
○山田(芳)委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、地方財政法等の一部を改正する法律案に賛成の理由について申し述べるとともに、共産党・革新共同提出の地方交付税法の改正案に対する修正案及び地方財政法の改正案に対する修正案の両修正案に一応反対の意思表示をいたします。そして、社会党及び公明党共同提案の修正案に賛成する討論をいたします。 地方財政の危機は急激に深刻化し、いまや破産寸前にあります。昭和四十九年度決算で、東京、大阪、京都など六都府県が赤字であったものが、昭和五十年度の決算では、赤字団体数は一挙に三十九に激増し、とりわけ今回の財政危機は、東京、大阪その他のいわゆる富裕団体と言われる府県や、大阪、名古屋などの大都市で大きくあらわれていることは、現在の財政危機は主として各地域の経済力の差異に基づくものでなく、高度経済成長期以後の大都市、大都府県に係る財政需要の増大と税財政構造の欠陥の拡大に起因することを物語るものでございます。 したがって、多くの地方団体は、昭和五十一年度予算編成に当たっては、年間の見通しを立てて予算を組めない状況を呈しているのであります。これは、政府が昭和五十一年度の地方財政対策において抜本的な危機対策を講じようとせず、単なる応急的なびほう策である当面を糊塗する措置に終始し、理論的にも現実的にも地方自治確立の立場を放棄し、国の中央集権的財政構造に組み入れる事態をさらに強化したからであります。 以下、その具体的な理由を逐次申し述べてまいります。 第一に、地方交付税制度の崩壊と地方債の激増とその元利償還にかかわる問題であります。 昭和五十一年度は、交付税特別会計が資金運用部資金から一兆三千百四十一億円を借り入れ、昨年十月の補正予算で一兆二千億の借り入れを含めれば二兆五千百四十一億という膨大な借入額になっております。この額は交付税率として見るならば、現行税率の一〇%を超えるという膨大な額であります。国税三税の三二%とする現行の交付税制度は、このような状況のもとでは大きく崩壊を意味していると言っても過言ではありません。また、本年度の地方財政対策のもう一つの措置としての財源不足対策債の問題であります。 地方交付税と地方税収をもってしても地方財政計画上の不足額として、本来交付税として基準財政需要額に算入さるべき投資的経費の抱括算入分と公共事業費、高校新増設費等合計一兆二千五百億を地方債に振りかえ、これが償還については、後年度において地方交付税に算入して措置しようとしているのであります。これまた交付税の借り入れと同様、交付税の先食いであり、将来の地方財政に大きく問題を残しているものであります。この意味でも、地方交付税制度の崩壊とその抜本的対策を示さるべきであります。すなわち、いまここで地方行財政についての抜本策を示さない限り、地方財政は将来危機という以外の何物でもありません。 次に、これらの地方債にかかわる縁故債の消化についてでありますが、地方債総額四兆八千十億円中縁故債二兆八千億に上る公債が国の十三兆に近い公共債の上に乗せられることば、果たしてスムーズに消化できるかどうか疑問なしとしないところであります。 次に、歳出面から見れば、第一に公共事業費の増大とこれに伴う地方負担増であります。政府の景気浮揚策に対応して膨大な公共事業費を計上していますが、その地方負担額が問題であります。すなわち、公共事業の地方負担額の九五%までを地方債で措置したこと、公共事業優先、公共事業なくしては投資的経費は充実されないという状況を呈しているのであります。 また、五十一年度の普通公共事業費は三兆九千三百八億となっておりますが、その内容を見ると、産業基盤強化関係費が四六%で、生活環境施設、厚生労働施設、住宅など生活基盤整備費はわずか二〇%にすぎません。この発想は、相も変わらず高度経済成長時代と同様であります。 第二に、社会福祉費の抑制であります。 たとえば、生活扶助人員数を昨年度より四万七千人ふやして百十六万四千人と見ておりますが、これは現在の失業者数の増加、就職難の現状からきわめて不十分といえます。 第三に、人件費の圧縮であります。 昨年五月十六日の次官通達の人件費圧縮方針を引き続き本年も強行し、地方公務員の給与を一律に国家公務員に平準化させようとしております。このことは、すでに指摘しているように種々問題があり、容認できません。とりわけ、次官通達を悪用し、職員団体とも交渉を行わず給与条例を議会に提出するような、地方自治体の職員の労働基本権を無視する理事者については、強い指導を望むものであります。 第四に、超過負担についてであります。 政府は、五十一年度予算で二百三十一億円の解消措置を講じたといたしております。しかし、物価騰貴及びベース改定分を差し引けばわずか六十四億円にすぎず、昭和四十九年度分として地方六団体の調査結果の六千三百六十億に比べれば、全く九牛の一毛にすぎません。 最後に、地方財政計画には使用料、手数料の大幅増が図られております。不況下に住民負担を軽減するのでなく、かえって大衆負担が加重されていることは、私たちは声を大にして反対を叫ばざるを得ません。 以上、今回の政府の地方財政の対策の問題点を指摘し、その地方財政対策の不備をあらわしている点を申し上げ、政府案に対し反対する理由を申し述べ、社会党及び公明党が提案しているように真の地方財政確立のための裏づけ措置を直ちにとるべきであり、私どもの案に賛成されることを期待して、政府案に対する反対の討論といたします。 また、共産党・革新共同提案の修正案には、前進している点もありますが、わが党案に比ぶればまだ不十分であり、一応反対いたします。 次に、地方財政法の一部改正案については、現状の確認的意味での改正であり、その事態については問題がありますが、あえて反対をいたしません。 共産党・革新共同提案の地方財政法一部改正案に対する修正案には、右の理由により一応反対をいたします。 以上であります。(拍手)
○小山委員長 多田光雄君。
○多田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となっております政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、同法に対する日本社会党、公明党共同修正案に棄権、日本共産党・革新共同提案の修正案に賛成、政府提出の地方財政法等の一部を改正する法律案に賛成、同法に対する日本共産党・革新共同提出の修正案に賛成の討論を行うものであります。 まず初めに、政府提出の地方交付税法等一部改正案について述べます。 この地方交付税法等一部改正案は、昭和五十一年度における二兆六千億円にも上る地方財源不足を、地方交付税特別会計の借入や地方債などによって取りつくろうことがその中心となっているのであります。 その中身は、地方交付税が地方自治体の独自財源と規定した地方交付税法のたてまえを踏みにじる、地方財政に対する政府の乱暴な支配と干渉と言わざるを得ないのであります。 著しい財源不足が生じた場合は地方交付税率を改定するという地方交付税法上の条項があるにもかかわらず、政府はこれを一方的に無視し、前年度に引き続いて借金政策をとっているのであります。交付税率の引き上げは年来にわたる地方自治体共通の強い要求であるにもかかわらず、政府はこの引き上げについて今回も無視し続けているのであります。 基準財政需要額を地方債に振りかえる措置は、本来交付税で措置すべき財源を地方債に置きかえるものであり、地方財政の計画的運営を阻害するのみならず、後年度における自治体の負担増を強制するものであります。 次に、赤字地方債の発行は、地方財政の健全な運営を規定した地方財政法の本旨を踏みにじるものであります。 第三に、交付税の地方債への振りかえについてであります。 この措置は地方交付税のたてまえを無視し、本来一般財源として交付すべき地方自治体の財源を、特定事業を受けざらとする政府の政策誘導にその性格を変質させるものであります。 第四に、単位費用の改定であります。 これは地方債振りかえを前提として一部を減額する一方、増加している部分についても各種制度改正による措置などいわば義務的に措置したものにすぎず、全く実情に合わない不十分なものと言わざるを得ません。単位費用の改定は、地方財政の実態に合わせた財政需要に応じて根本的に検討すべきであります。 以上述べたとおり、本地方交付税法改正案は、政府の責任で引き起こした地方財政危機を地方債への振りかえという地方財政制度のたてまえを無謀に踏みにじり、自治体と住民の犠牲に転嫁したものにほかなりません。またこの措置は同時に、政府の地方財政政策の破綻を示すものと言わざるを得ないのであります。したがって、わが党はこれに反対するものであります。 地方財政法第五条の特例もまた、さきに述べた理由により反対いたします。 新産工特及び首都圏等の整備のための財政上の特別措置に関する法律の延長は、十年間の実績が明らかにしているように、経済の高度成長政策のための産業基盤整備に自治体財政を誘導するものであり、この延長に反対であります。 以上述べたとおりの理由により、政府提出の地方交付税法等一部改正案に反対するものであります。 次に、社会党、公明党共同修正案についてのわが党の態度であります。 第一に、社公案の地方交付税率の引き上げ及び第二地方交付税交付金の創設についてでありますが、次のような問題点を持っております。 今日、全国の自治体が強く要求しているのは、交付税率の大幅引き上げであります。社公案では、それが主として第二地方交付税という臨時的措置で行われることです。 いま求められているのは、恒久的な一般財源の強化であり、それはまず交付税率の大幅引き上げによることであります。交付税率の四〇%引き上げが、地方六団体や多くの自治体労働者を初め国民的要求となっている現状に即して見るならば、この統一した要求を推し進めることが重要であると考えます。 第二に、臨時特例交付金の増額でありますが、社公案の増額のうち四千五百億円は、政府の交付税の基準財政需要額を地方債に振りかえた財源対策債を交付税に戻すものであり、この部分は賛成であります。 その他、特別事業債、都の特例廃止、特別交付税率などの問題についても検討を要する部分があり、にわかに賛成できかねるものであり、社公案全体としては棄権の態度を表明しておきます。 したがって、わが党は、政府案に対する抜本的な修正案を提出するものであり、その内容はすでに述べたとおりであります。 次に、政府提出の地方財政法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 まず初めに地方財政法第十一条に規定する関係各法律の補助規定について整備を図ることについては、当然行わなければならなかったものであり、今回の改正は遅きに失したとはいえ、その趣旨には賛成できるものであります。むしろこれを機会に補助基準の拡充や超過負担解消について政府は積極的に対処すべきものであります。 ところが、政府はこれらの改正とは別に、耕土培養事業、家畜保健衛生所、繭検定所に要する経費を地財法第十条の国が負担すべき費用の範囲から削除するという後ろ向きの法改正をあわせて行っているのであります。 すでに審議の中で明らかになったごとく、耕土培養事業ほか二種類の事業は、政府が事業終了などいかなる理由づけを行おうとも、関係農民と自治体にとっては欠くことのできない事業であり、事業の拡大と予算の増額、補助基準の拡充こそ必要であって、何ら廃止されるべきものではありません。ましてや関連法の条項が存在しているのに、地財法上の負担原則から除外することは、法規定の整合性を理由として提出されている本改正案の趣旨そのものとも矛盾するものであり、この地財法の削除を規定している改正部分には残念ながら賛成することはできないのであります。 よって、共産党・革新共同はこれにかかわる修正案を提起するものであります。 以上のように、政府原案には不十分な点もありますが、改正点の大部分は改善点となっているため、賛成いたします。 以上、各法案に対する態度を述べて、討論を終わります。(拍手)
○小山委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております内閣提出に係る地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対し、社会党、公明党提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、共産党提出の修正案につきましては、大筋において理解できますが、なお検討の余地がありますので反対、また内閣提出に係る地方財政法等の一部を改正する法律案については賛成、共産党提出の地方財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案に反対する討論を行います。 以下、その要旨を申し述べます。 まず初めに、交付税率の引き上げを含む地方行財政の抜本的改革についてであります。 長期化する不況とインフレによって地方財政はいまや戦後最大の財政危機に直面し、各自治体は財源不足に頭を抱え、新規事業はほとんど盛り込めず、住民生活に直結した事業すら大幅に縮小を余儀なくされ、福祉の後退、行政水準の低下を来しているのが実情です。 また、財政危機の実態は、五十年度の決算見込みでも赤字団体が急激に増大している状況や、さらにまた政府の発表した地方財政の中期見通しでも、現在の行財政制度のままではここ数年大幅な赤字を生ずることが明らかにされているところであります。 また、低経済成長に入った今日では、従来の高度経済成長の財政構造のままでは、経済情勢の変化に対応することが十分できず、従来の国、地方を通ずる行財政制度や慣行の見直しが必要であることは、三木総理自身が認めているにもかかわらず、これに対する抜本的見直しが行われておりません。 今回の政府の地方財政対策は、昨年の借り入れに引き続き、交付税等特別会計が一兆三千百四十一億円の借り入れを行っております。また本来地方交付税で措置すべき包括算入分及び公共事業等の一兆二千五百億円を起債に振りかえる措置を講ずるなど、その場しのぎの対策に終始しているにすぎません。交付税会計の膨大な借入金の返済は、後年度の地方財政を圧迫することは明白であります。 このような小手先の財政対策では、民主主義の基盤である地方自治が財政面から崩壊することを恐れるものであります。 いまこそ地方財政危機打開のために、国税三税の八%をもって第二地方交付税制度を創設し、現行交付税率三二%を三五%に引き上げることや、地方税の自主財源を強化する等、地方行財政の抜本的改革を行うべきでありますが、これらの措置が何らとられておりません。地方交付税率の大幅な引き上げを含めて、地方行財政の改革を断行することを強く主張するものであります。 第二に、地方債についてであります。 今回の地方債の大量増発は、臨時的なものとはいえ、その償還に当たっては、国の一般会計と交付税でわずかばかりを補てんするのみであり、これは政府の経済見通しの誤りによる地方財源不足の穴埋めを一方的に地方に責任転嫁したものであると言わざるを得ません。このままでは、地方財政の後年度負担は膨大なものとなり、今後において地方財政を大きく圧迫することば明らかであります。国の施策による今回の地方債増発の元利償還は、あくまで国の責任においてなされなければなりません。しかし、このような措置がとられておらず、地方財政はますます窮地に追い込まれる一方であります。 また、今回の地方債の大量増発の大部分は縁故資金に依存しており、国債の発行と相まって、地方縁故債の消化が最も憂慮されております。これに対し、完全消化の確固たる保証が何ら示されておりません。わが党は、地方債について、政府資金の大幅な拡充を行うほか、地方縁故債の円滑な消化を図るため、現在の公営企業金融公庫を改組し、仮称地方公共団体金融公庫を創設して、地方債資金を充実すべきであると主張しておりますが、この措置が、残念ではありますがとられておりません。 さらに、地方債の許可制について言及すると現行の地方債の厳しい許可制は、戦後の金融事情の混乱していた時代の一時的なものであり、民主的財政運営という立場から、許可制は廃止すべきでありますが、この措置がとられておりません。 第三に、超過負担についてであります。 超過負担は、国と地方との財政秩序を乱す最たるものであり、地方財政を圧迫する元凶として、その完全解消が急務であります。しかし、今回も超過負担解消のための財源はきわめて微々たるものであり、完全解消とはほど遠いものであります。また、超過負担の調査についても、国側の考えのみで、地方側の意向は全く無視されております。 したがってわが党は、超過負担の解消を行うため、超過負担解消法案を提出しておりますが、現在のような国の一方的な超過負担の解消策ではなく、地方団体の意向が十分反映されるように、国と地方の構成による調査会を設け、調査に当たっても全費目を調査すべきであり、また、単価差のみならず、対象差、数量差、認証差についても完全解消を行うべきであります。これら、従来からわが党が主張している措置が全くとられておりません。 第四に、過密並びに過疎対策についてであります。 人口急増市町村の悩みは、言うまでもなく、著しく立ちおくれている生活関連公共施設の整備充実であります。中でも、義務教育施設の整備は、社会増が低下したとはいうものの、児童、生徒の自然増が依然急増を続けているため、施設の整備は、今後当分は大きな財政負担になることは必至であります。また、これらの地域は、地価が高いため、現行の足切り制度や交付率の低い用地補助制度では、建築費よりも用地費の方が大きな負担となることは周知の通りです。したがって、補助制度についても、府県立高校を補助対象に加えるとともに、従来のような建築費重点の考えを根本的に改善しなければなりません。 その他、ごみ、屎尿処理、公害、交通安全対策等、住民生活に密着した施設等についての財政措置を充実強化すべきでありますが、十分な対策がとられておりません。 また、過疎対策についても、過疎地域は税源が乏しく、交付税以外は一般財源も十分でないのが実情であります。したがって、過疎対策を強化するため、過疎地域緊急措置法を改正し、対象団体の拡大を図るとともに、交付税をもっと手厚く配分する措置をとるべきであります。 第五に、公営企業についてであります。 一昨年来の物価、人件費の増大により、交通、病院、水道など、生活に密着した公営企業会計はますます経営が苦しくなっております。公営企業の経営の健全化を図るためには、特例債を発行し、五十年度末の不良債務のたな上げを行い、その特例債の元利償還については、国が大部分を持つなどの措置を講ずるほか、補助制度の拡充、一般会計との負担区分の改善を図ることを強く希望するものであります。 最後に、地方財政法等の一部を改正する法律案についてであります。 今回の改正案は、主に手続的な規定の整備でありますので、賛成の立場をとります。 以上をもって討論といたします。(拍手)
○小山委員長 折小野良一君。
○折小野委員 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております各議案について、まずその賛否を申し上げます。 内閣提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、同じく地方財政法の一部を改正する法律案に賛成、次いで、日本共産党及び公明党提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に反対、同じく日本共産党・革新共同提案の同案修正案に対して反対、さらに日本共産党・革新共同提出の地方財政法の一部を改正する法律案に対する修正案に反対であります。 主として地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対の理由を申し上げます。 本来わが国の地方自治は、主として制度的な面からする国の立場と、主として運営の面からする地方の立場と、双方の努力があって初めてその本旨に沿った発展を遂げることができるのであります。 今日の地方財政の危機を克服するにつきましても、事態が厳しければ厳しいだけ地方財政のあるべき姿を明確にし、これを目標にして抜本的な対策とその努力がなされなければなりません。昨年からことしにかけての応急措置で当面の財政運営は一応賄いがつくといたしましても、そのことは同時に、将来に対して大きな財政負担を残し、さらに財政硬直化の原因をつくることになるのであります。しかも、これまでの高度成長の過程において地方行財政の基本に触れる多くの問題が発生し、改善、改革を望む機運もまた高まってまいっております。 今日のピンチは、一面改革のための絶好のチャンスであります。五十一年度の措置において抜本対策の第一歩を大きく踏み出すべきであったと考えます。目標を明らかにし、方向を示すことが国としての最大の使命でなければなりません。 右の趣旨において、この法案は制度本来の今日的情勢に即した機能を果たすにも十分でなく、したがって国民の期待にこたえるものでありません。 以上、私のこの法案に対する根本的な反対の理由を申し上げて、反対討論といたします。(拍手) 日本社会党及び公明党提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に反対、同じく日本共産党・革新共同提出の同法案に対する修正案に反対、さらに——間違えたところかあったそうですか、ただいま申し上げたように、日本社会党及び公明党とひとつ訂正させていただきます。
○小山委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○小山委員長 これより採決に入ります。 地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。 まず、井岡大治君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、林百郎君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○小山委員長 ただいま議決いたしました法律案に対して、山崎拓君、山本弥之助君、小濱新次君及び折小野良一君から、四党共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、本動議の提出者から趣旨の説明を求めます。山崎拓君。
○山崎(拓)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表いたしまして、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、地方財政をめぐる現下の厳しい諸条件を考慮し、左の諸点について善処すべきである。 一、来年度以降においても、引き続き地方財源の大巾な不足が見込まれる現状にかんがみ、地方交付税率の引上げ等を含め、地方行財政の抜本的改革について早急に検討し、昭和五十二年度を目途としてその実現を図ること。 二、昭和五十一年度における交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金及び地方債への振替分の償還が、将来、地方財政を圧迫することのないよう適切な措置を講ずること。 三、国庫補助負担制度の超過負担については、引き続きその完全解消措置を講ずるとともに、あわせて対象差、数量差についても、その改善合理化を図ること。 四、上・下水道、清掃施設、教育施設、社会福祉施設等生活関連公共施設の計画的整備を図るため、国庫補助負担制度の拡充強化を図ること。 五、人口急増対策、過疎対策、公害対策等住民生活の安定と住民福祉の充実のための施策に対する財政措置の充実強化を図ること。 六、地方交付税の基準財政需要額の算定に当つては、地方団体の財政需要を勘案して単位費用等の改善充実に努めること。 七、地方債については、政府資金の拡充を図るほか、縁故債の消化の円滑化、償還期限の延長、起債手続きの簡素化等改善措置を講ずるとともに、地方公営企業金融公庫を地方団体金融公庫(仮称)に改組し、地方債資金の充実を図る等の方針を講ずること。 八、住民生活に不可欠な地方公営企業の経営の現状にかんがみ、引き続き国庫補助制度の拡充強化を図るとともに、総合的な経営健全化対策を講ずること。 九、公営ギャンブル収入の均てん化については引き続き強化を図ること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○小山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立総員。よって、山崎拓君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。
○福田(一)国務大臣 ただいま満場一致で御決議のありました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと思います。 —————————————
○小山委員長 次に、地方財政法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。 まず、三谷秀治君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 —————————————
○小山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
○小山委員長 ただいま議決いたしました法律案に対して、渡辺紘三君、山本弥之助君、三谷秀治君、小濱新次君及び折小野良一君から、五党共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、本動議の提出者から趣旨の説明を求めます。渡辺紘三君。
○渡辺(紘)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表いたしまして、地方財政法等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。 地方財政法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、国と地方との財政秩序の確立を図るため、左の諸点について善処すべきである。 一、地方団体の財政の自主性を尊重し、国と地方の適切な財政関係を確立すること。 二、国と地方団体相互の利害に関係がある事務の円滑な運営を期するため、補助金等の改廃に当っては、既存の行政に支障を来すことのないよう配慮すること。 三、農林行政に関し、地力保全その他国が進んで経費を負担する必要があると認められる事務については、すみやかに法律上の規定を整備すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、皆様方の御賛同をお願いいたします。
○小山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立総員。よって、渡辺紘三君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。
○福田(一)国務大臣 ただいま満場一致で御決議のありました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと思います。 —————————————
○小山委員長 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○小山委員長 内閣提出に係る消防法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の三案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。福田自治大臣。 —————————————
○福田(一)国務大臣 ただいま議題となりました消防法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 最近における産業経済の発展及び科学技術の進歩に伴い、屋外タンク貯蔵所はますます大規模化してまいっておりますが、一昨年の岡山県倉敷市における重油流出事故に見られるように、一たん、災害が発生した場合には、その地域社会に重大な影響を及ぼすことは御承知のとおりであります。 こうした事態にかんがみ、今回、消防法を改正し、市町村長等の委託に基づいて屋外タンク貯蔵所が技術上の基準に適合するかどうかについて審査すること等を目的とする危険物保安技術協会を設置するほか、危険物施設の保安に関する検査その他の検査の充実を図る等屋外タンク貯蔵所に関する規制の強化の措置を講じようとするものであります。 これが、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、危険物の規制に関し、次の三点について、強化を図ろうとするものであります。 第一点は、完成検査前の検査の新設であります。 タンクを有する製造所、貯蔵所または取扱所のタンクに係る工事について、その工事の工程ごとに特定の事項につき完成検査前に検査を受けなければならないことにいたしました。 第二点は、屋外タンク貯蔵所に係る保安に関する検査の新設であります。 屋外タンク貯蔵所のうち大規模なものにあっては、定期に、さらに中規模以上のものにあっては、不等沈下等が生じた場合に、それぞれ保安に関する検査を受けなければならないことにいたしました。 第三点は、危険物保安技術協会への委託であります。 市町村長等は、中規模以上の屋外タンク貯蔵所について、設置の許可、完成検査前の検査または保安に関する検査を行う場合には、危険物保安技術協会に技術的審査を委託することができることといたしました。 第二は、危険物保安技術協会の設立について所要の規定を設けようとするものであります。 危険物保安技術協会は、全国知事会等の代表者及び危険物の保安について識見を有する者が、発起人となり、自治大臣の認可を受けて一を限り設立されるものであり、市町村長等の委託を受けて屋外タンク貯蔵所に係る技術的審査に関する事務等を行うものであります。 以上のほか、罰則の強化その他規定の整備を図ることとしております。 以上が、消防法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 政府は、恩給年額の増額を図るため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議願っておりますが、これに伴い、地方公務員の退職年金制度についても、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるほか、通算退職年金の額の算定方式に準ずる算定方式に係る退職年金等についての定額部分の額の引き上げ及び定額部分に係る加算限度年数の延長、公務によらない廃疾年金等に係る受給資格の緩和及び廃疾認定日までの期間の短縮、遺族年金の給付水準の改善、通算遺族年金制度の創設、任意継続組合員期間の延長等の措置を講ずるとともに、地方議会議員に係る退職年金等の増額改定措置及び地方団体関係団体の職員に係る退職年金制度について地方公務員共済組合制度の改正に準ずる措置を講ずる必要があります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項のうち恩給制度の改正に伴うものについてであります。 その一は、恩給年額の増額の措置に準じ、地方公務員共済組合が支給する退職年金等の額について増額することとしております。すなわち、その年金額の算定の基礎となった給料年額の区分に応じて定める率及び額により、昭和五十一年七月分から増額する措置を講ずることとしております。 その二は、恩給における最低保障額の引き上げに伴い、退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その三は、恩給における七十歳以上の老齢者に支給する普通恩給等の加算措置が改善されたことに伴い、年金条例職員期間等を有する七十歳以上の老齢者に支給する退職年金、廃疾年金及び遺族年金について、その額に最短年金年限を超える年数一年について、五年を限度として、給料年額の三百分の一に相当する額を加える措置を講ずることとしております。 その四は、恩給における増加恩給の額が増額されたことに伴い、公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その五は、以上の措置のほか、恩給制度の改正に伴い、いわゆる高額所得停止基準の緩和、旧軍人等に対する加算減算率の緩和等の措置を講ずることとしております。 第二は、その他の地方公務員共済組合制度の改正に関する事項であります。 その一は、通算退職年金の額の算定方式に準ずる算定方式に係る退職年金、減額退職年金、廃疾年金及び遺族年金について、その定額部分の額を引き上げ、定額部分に係る加算限度年数を延長するとともに、通算退職年金についても、その定額部分の額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その二は、退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その三は、公務によらない廃疾年金及び遺族年金並びに廃疾一時金の受給資格期間を他の公的年金制度の被保険者期間と合算して一年以上とする措置を講ずることとしております。 その四は、組合員の資格を喪失した後継続療養費の支給を受けている者に係る廃疾認定日までの期間を療養の給付等の支給開始後一年六カ月に短縮する措置を講ずることとしております。 その五は、遺族年金に係る扶養加算の額を引き上げる措置を講ずるとともに、遺族である寡婦について遺族年金の額に一定額を加算する制度を創設することとしております。 その六は、通算退職年金を受ける権利を有する者が死亡した場合、その遺族に通算遺族年金を支給する制度を創設するとともに、これに伴う必要な調整措置を講ずることとしております。 その七は、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額を三十四万円に引き上げることとしております。 その八は、任意継続組合員期間を二年に延長するとともに、任意継続掛金の軽減等の措置を講ずることとしております。 その九は、以上の措置のほか、年金である給付の額の端数計算の方法、厚生年金保険の被保険者であった者の職員でなかった期間に対する年金の算定等に関して必要な改善措置等を講ずることとしております。 第三は、その他の制度の改正に関する事項であります。すなわち、地方議会議員共済会が支給する退職年金等について、増額改定をするとともに、地方団体関係団体の職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度における措置に準じて所要の措置を講ずることとしております。 以上が、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 政府は、業務上の災害または通勤による災害を受け、長期にわたり療養する者の実情等にかんがみ、傷病補償年金制度の創設、身体障害に対する評価の改善その他補償内容の改善整備等を図るため、すでに、一般労働者の災害補償について、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を、また、国家公務員の災害補償について、人事院の意見の申し出に基づき、国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を、それぞれ今国会に提出いたしておりますが、地方公務員の災害補償制度につきましても、同様の改善措置を講ずる必要があります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず第一は、療養の開始後一年六カ月を経過しても治らない病状の重い長期療養者に対しては、現行の休業補償にかえて、障害等級第一級から第三級までの障害補償年金の額に相当する額の傷病補償年金を支給することとしたことであります。 第二は、身体障害に対する評価の改善であります。先般、労災保険制度において障害等級の改正が行われたことを考慮し、神経系統の機能または精神の障害等についての評価を改善することとし、別表に定める障害等級表の改正を行うこととしたことであります。 第三は、その他災害補償の内容等の改善整備であります。 その一は、平均給与額の算定方法の改善であります。補償額の算定の基礎となる平均給与額につきまして、一般私傷病のため勤務することができなかった日数及びその間の給与についてもその計算の基礎となる日数及び給与から控除することとしたことであります。 その二は、同一の事由について地方公務員災害補償法による年金たる補償と厚生年金保険法等による年金たる給付とがあわせ行われる場合の年金たる補償の年額の調整について、その方法を改善整備したことであります。 その三は、以上の措置と関連して所要の規定の整備を図るものであります。 以上が地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○小山委員長 以上で三案についての提案理由の説明は終わりました。 次回は、来る十三日木曜日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会 ————◇—————