地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1976/03/05
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。三谷秀治君。
○三谷委員 ことしの地方財政計画を見ますと、交付税計算に算入すべき費目を地方債に振りかえる処置がとられております。これは総額にしますと、一兆二千五百億に上りますが、このうち一般経費分の四千五百億円は、交付税法十二条に規定されております交付税算定費目であります。これを交付税の費目から外して地方の借金に振りかえるということは、交付税制度の重大な改悪になるものでありますが、その点について見解をお尋ねしたい。 また、このうち二千億円は元利償還を特例交付金で処置をする、二千五百億円は利子のみ特例交付金で処置する、こういう差別が見られますが、この根拠はどういうところにあるのか、お尋ねしたいと思います。
○首藤政府委員 お答え申し上げます。 先生も御案内のように、五十一年度の地方財政全般の収支状況を試算いたしてみましたところ、実に二兆六千二百億という膨大な歳入不足が予想されたのでございまして、何としてもこの二兆六千二百億の歳入不足を補てんする措置をとらなければ五十一年度の地方財政が成り立たない、こういう認識に私どもまず第一に立ったわけでございます。したがいまして、この二兆六千二百億をどのような補てん措置を講じていくかについて大蔵省ともいろいろ折衝をいたしたのでございますが、結論的には、御案内のように一兆三千億を超します交付税会計における臨特と、それから借り入れの措置、それから一兆二千五百億に上ります地方債への振りかえ、こういう措置をもちまして全体の歳入を確保する措置をとったわけでございます。 この地方債振りかえの一兆二千五百億のうち、御指摘のように八千億は公共事業その他の地方債の充当率を上げることに用いますし、四千五百億は、いままでは交付税の中に算入をされておりました包括算入の投資的経費を振りかえるという措置で地方債に振りかえたのは先生御指摘のとおりでございまして、この点、従前は投資的経費のうち交付税でもって包括算入されておったものが交付税措置から外されるという点につきましては、全般の財源補てん上やむを得ない措置であったわけでございますが、いろいろ議論のあるところかと思うわけでございます。しかしながら、そのような措置でございますので、やむを得ず振りかえをいたすこととし、そのことに対応いたします交付税の単位費用の変更、その他あるいは地方財政法五条の特例債の発行、こういったことを含めました法案を御審議いただく、こういうかっこうにしたわけでございます。 しかし、この四千五百億につきましては、ただいまも申し上げましたように、本来は交付税措置をされておったものの投資的経費の振りかえでございますので、所要の将来の補てん措置を講ずる必要がある、こういう考え方で、このうち二千億につきましては元利とも特例交付金をもちまして将来国が補給をしてくれる、こういうことでございますから、姿を変えて言いますならば、交付税特別会計における臨特を年度割りでちょうだいをした、こういうかっこうに相なるかと思いますし、残りの二千五百億は、利子を同じように臨特で補給をしてもらいますので、言いかえますと、交付税特別会計におけるいわゆる借り入れと同じような効果を持つ、このような将来措置を含みといたしまして振りかえをいたしたということでございます。
○三谷委員 二千億の方は結果的には問題はなくなってくるわけですが、二千五百億の方は地方の負債としてくるわけなんでしょう。結局財政収入と財政需要との差額を補てんするという交付税制度の本質から言いまして、その二千五百億というのは差額補てんでなしに、自治体の負担に転嫁するという性質のものでありますから、従来の交付税制度から見ますと大変な改悪になるわけでありますが、この点はどうお考えなんでしょうか。
○首藤政府委員 交付税の補てん措置でございますが、従来とも交付税特別会計におきましてやむを得ず借り入れをいたす、こういう措置を何度かとってきましたのは、先生御案内のとおりでございます。今回のこの二千五百億も、利子につきまして臨特をもらいまして、元金の償還分につきましては、将来とも地方財政計画を通じまして所要の財源措置をいたしますし、それから、具体的には、その償還費を特に基準財政需要額に明らかに立てますことによりまして、当該地方団体にこの償還についての迷惑を及ぼすということがない仕組みにいたしてございますので、言葉を平たくして申し上げますならば、交付税特別会計における借り入れの延長措置と申しますか、将来措置、これを含めた措置である、借り入れにかわるべき、性格的にも全く同じ性格を持ち得るものである、このように私どもは理解をいたしております。
○三谷委員 そうしますと、二千五百億については、将来において国の責任で償還をするということでしょうか。地方の財源に食い込まないで国の財源で処置をするという方針なんでしょうか。
○首藤政府委員 結論的にはそのようなかっこうに相なると思います。と申しますのは、当該二千五百億の償還額は、まず第一に、財政計画をを立てます際に歳出に計上いたしまして所要の財源を確保する、こういう立場をとりますし、具体的に各地方団体に対しては、この二千五百億分の償還費相当額を基準財政需要額に立てて措置をする、こういう措置をとりますので、先生御指摘のように、当該団体が本来必要な、本人の身銭を切って償還をするというかっこうにはならないと思います。
○三谷委員 公共事業費に係ります財源対策債八千億円も交付税算入費目を地方債に振りかえたわけでありますが、これも地方の借金で賄うようになるわけでありますが、これはどう処置されるわけなんでしょう。
○首藤政府委員 この八千億の処置でございますが、具体的なことしの配分は、先生御案内のように、公共事業その他の地方負担に対して九五%という非常に高い率でこの起債を充当していくということで消化をいたします。 この償還額につきましては、このうち、御案内のように、交付税の事業費補正等を切り飛ばしましてそれに振りかえたという性格のものが非常に大部分を占めますので、その分につきましては、この償還額の相当部分を基準財政需要額に算入をするという措置を将来とるつもりでおります。 なおまた、財政計画上は、この八千億の償還額全額が歳出に計上されて将来の歳入歳出の総体の収支の見込みを立てていく、こういうことは当然でございます。
○三谷委員 事業費補正が大部分だとおっしゃいましたが、私どもがレクチュアで聞きましたのは、三千億円が事業費補正であって五千億円が公共事業の単位費用分であるというように聞いておりますが、その点は間違いではないでしょうか。
○首藤政府委員 ただいま事業費補正が大部分と申し上げましたが、その点は若干誤解を与えまして申しわけなかったのでありますが、単位費用分も含めまして、いわゆる従前の公共事業に対します起債の充当率の低かったものを九五に引き上げるという措置をとりましたその差額分、こういうことに相なると思います。
○三谷委員 そうしますと、この八千億分につきましては、地方の一般財源であります交付税を振りかえた処置でありますが、今度の八千億というのは特定財源化しておる。 御承知のように、交付税というものは一般財源であって、使途を特定してはならない、使途を制限してはならない、こういう規定になっておりますが、しかし、この八千億は、実際上見ますと明らかに使途が特定されておる。そうしますと、これは交付税法の観点から見ますとどういうふうな御理解になっておるわけなんでしょうか。
○首藤政府委員 交付税でございますれば一般財源でございますし、地方債であればまさしく特定財源になりますことは、先生御指摘のとおりでございます。しかしながら、今回の措置は、最初に申し上げましたように、二兆六千二百億という膨大な不足額を交付税と地方債に振り分けて措置をせざるを得ない事態に追い込まれておりましたことが前提でございますが、その結果として、八千億の額の振りかえをいたしましたこの八千億につきましては、もともと公共事業の総額を地方団体が消化をいたします場合に、やはりいままでは地方債と一般財源を充てましてその消化をいたしてきております。その公共事業の消化に要します財源が必要だという面においては同じでございますので、そのうちの大部分を地方債に振りかえるという措置をとっても実際上財政運営の施行上差し支えはないもの、このように考えたわけでございます。 なお、この償還費について、将来財政措置を講じていくべきであるということはもう当然のことでございますので、先ほど申し上げたように、計画計上ないしは基準財政需要額計上、こういう措置は的確にとってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○三谷委員 いま基準財政需要額に計上することを盛んに強調されておりますが、基準財政需要額に計上しても、基準財政需要を賄っていく財政収入に限度があれば、たとえば交付税率の引き上げをしなければ、その税率の引き上げをしないままで基準財政需要の算定費目をふやすということは、結局は総枠をふやさないで各項目をふやすということになって、実際上は地方財政にとりましては何ら裨益するところはないばかりか、これはますます地方財政を硬直化させる要因になってくるわけでありますが、いまおっしゃいますように、基準財政需要に算入するということと、基準財政需要と収入との差の補てんをする財源をどれだけ強化するかという問題、これは連関して考えてもらわぬと意味がないわけでありますが、その点についてどうお考えなんでしょう。
○首藤政府委員 問題の所在は御指摘のとおりでございます。単に基準財政需要に算入しただけで、総額が少なければ役に立たないのは御案内のとおりでございますが、その点につきましては、先ほども申し上げましたように、まず当初に所要の財源を確保するために地方財政計画を立てます。この総体によりまして財源不足額あるいは措置所要額を算定をいたしまして、これに対する措置を講ずるということが前提でございます。したがいまして、この八千億全部の償還額は当然地方財政計画にまず歳出に立てまして、補てん所要額を算出をいたしまして、これに対する補てん措置はいろいろあろうかと思います。税財政全般の問題あるいは交付税率の問題、こういった問題が将来あろうかと思いますが、いかなる措置をとるにいたしましても、所要の財源は総体的に確保した上で基準財政需要額に算入をする、こういう二段構えでおるわけでございます。
○三谷委員 地方財政計画にこれを織り込んで処置されるとおっしゃいましても、地方財政計画の中にはさまざまな費目があるわけであって、たとえばどこかを削ってこの償還財源を見込むということもあり得るわけなんですよね。たとえば福祉行政部分を縮減して、そうして一方においてはこの償還財源を織り込むという処置もできるわけであって、そういうところでは問題の解決にならぬわけなんですよ。ですから基準財政需要がそれだけ増加する見通しがある限りは、交付税率の改定を当然行って、それでこの基準財政需要の増大分は賄っていくのだという方針がなければ、これは地方団体としても納得できるものではありませんし、私どもとしても首肯できるものではありませんですよ。
○首藤政府委員 地方財政計画の歳出を立てます場合に、ただいま御指摘のように公債償還費を入れるかわりにほかのものを削ってしまう、こういう措置をとれば何にもならぬじゃないか、そのとおりでございます。そのような気持ちは私どもは毛頭持っておりませんで、的確に必要だと見込み得ます歳出は、それは財政計画上の歳出をなべて確保いたしまして、その上に償還費を積むということは当然のことだと思うわけであります。その結果、財源所要額、要措置額が出てまいりますれば、これをどういう方法で埋めるか、これについてはいろいろやり方があろうかと思うわけでありますが、いろいろな方法をその事態に応じて検討して、的確にその不足額を埋め、しかる後に基準財政需要額に算入をしていく、この措置は私どもの務めでございますので、そのような態度で過ごしたい、こう考えております。
○三谷委員 大変お答えが一般的なんですよね。要するに、これは財源の問題なんですね。ですから地方財源としましては交付税、国庫支出金、それから地方税収、これが正常な財源でありますが、基準財政需要額がふえるということは支出がふえるわけでありますから、いまでも地方財政が大変窮乏に追い込まれて危機的状態に到達しておるという状況の中でこれだけの負債をするわけですから、これを処置するにつきましては、その地方の基本的な財源について何らかの対策がなければ、地方財政計画の中でやりくりをして片づけるということでは納得できるものじゃないですよ。これだけの新しくふえてくる支出に対して基本的にはどこで歳入をふやすかという展望がないと、いまの御説明では納得できません。
○首藤政府委員 地方財政全般が——地方財政も国の財政もそうでございますが、最近のような窮乏時期に立ち至っておるわけでございまして、このことに対応する対策をどう持っていくか、これは御指摘のように将来の非常に基本的な、かつ重大な検討事項であると考えておるわけでございます。 その方法といたしましては、行政制度、税制制度、それから交付税率を含めました財政制度、いろいろ各般にわたる問題があるわけでございますが、これは、五十二年度以降の国の財政及び地方財政を通じます重大な問題として、今後慎重にかつ熱心に検討していくべき問題だと思っておりますし、その具体的な方策等につきましては、先生も御案内の地方制度調査会等におきましても議論をしていただくということになっております。そういった事柄をすべて総合的に勘案をしながら的確な措置をとっていく、少なくとも地方財政に財源不足を頭から与えて地方財政の運営が困難になるということのないように、極力全力を尽くしたい、こう考えておるわけであります。
○三谷委員 あなたがおっしゃいますのは、いつも一般論だけをおっしゃっているのですが、一般論だけでは私どもはやはり納得できないわけですよ。問題を具体的に指摘をしてお尋ねしているわけですから、それに対する具体的な処置、方針を示してもらわぬと、大丈夫だ、後は万全の措置をとるんだと言うだけですと、これはあらためて質疑をする必要もないわけであって、そういう態度では私たちは納得ができません。これだけのものを基準財政需要に算入されて処置されるとすれば、当然増大する財政需要に対してどのような方策をとっていこうとされるのか、このことがどうしても必要になってくるわけであります。 そしてもう一つは、さっきの交付税は一般財源だという問題でありますが、もともと事業費補正というものが事業の受けざらがなければ補正を認めないということ自体が、交付税の一般財源としての性格を損なっているわけなんです。交付税というものは、御承知のように交付税法の三条で規定されておりまして、使い道を制限してはいけないということが明確になっておるわけなんでしょう。ですから、受けざらがなければ交付税を出さないということは使い道を制限することなんです。特定することなんですよ。ですから、事業費補正におきまして受けざらを必要とするというふうな補正処置そのものが大変問題でありますが、それはいまのところは置いておきまして、今度の八千億円というものがすべて事業に対して交付されるわけなんですね。そうしますと、これは明らかに一般財源ではなくなってしまうのです。特定財源になってしまう。これは明らかに交付税の性格に反しているわけなんでしょう。この点についてはどうお考えなんでしょうか。大臣、どうでしょうか。
○首藤政府委員 最初に事業費補正についての御批判がございましたがそういう御意見もあり得るわけでございまして、もともと、公共事業等の事業を地方団体が施行いたします場合に、その地方負担に対してどのような財源措置をとっていくのが最も適切であるかということについては、いろいろ意見があろうかと思うわけでございます。一般的には、交付税措置をもちまして投資的経費の措置をしていく場合に、これは御案内のように平たい措置になるわけでございまして、どこの団体におきます投資的経費所要の一般財源の付与額も比較的均衡化をした配分になるわけでございます。 ところが、実際の地方団体の事業執行は、ある時期におきましてある種の公共事業が集中する等の事態が不可避でございまして、年度によりまして、地域によりまして、県によりまして、その公共事業の裏負担等が非常に大きく変動することがあるわけでございます。このような場合にどういう財源措置をしていくのか、的確にそういった財政需要に対応していくかという方法につきましては、一つは、ただいま事業費補正でやっておりますように、交付税の配分そのものをこの事業の集中度に応じて配分をしていくという方法がございましょう。 それからもう一つの方法としては、地方債を高度に充当いたしておきまして、その償還費につきまして将来一般財源をもって措置をするという方法があり得ると思うわけでございます。実態にほぼマッチしたものとしてとり得る方法としては、どちらの考え方もあろうかと思うわけでございます。 前の一般財源をもちまして事業費補正をやったことにつきましての御批判も、その意味では、先生の御主張は非常に首肯できるわけでございますが、同じような意味におきまして、今回二兆六千二百億という膨大な財源不足に対処しますためにとった措置として、一応起債を高度に充当をしてその償還費を将来にわたって一般財源で措置をしていく、こういう方法をとることもまた一つの道として許容される道ではなかろうか、こう考えておる次第でございまして、そのような考え方で今回の振りかえ措置をとったわけでございます。
○三谷委員 事業費補正は二千億程度でありますが、今度は八千億円なんですよ。しかもこれは交付税で交付しますと一般財源として運用できるものが、特定財源としてしか運用ができない、利用ができないということになってくるわけなんですね。ですから、これは交付税の本質に反するものである。私は、いまいろいろ、いまの時点の財源難について強調されておりますことは、実態としてはよくわかります。わかりますが、しかし、これは国の財政と地方財政との関係における基本の原則があるわけなんですね。ですから、いまの時点におけるいろいろな実態的な事例というものと、それから財政の基本の原則というもの、これとをやはり混同してはだめだ。財政の基本原則というものは厳格に守るという立場で処置をするということがたてまえであって、御承知のように、地方自治というものは憲法条項であって、地方自治の本旨ということは、憲法で厳しく規制されておりますし、財政法におきましても、地方自治の本旨に基づいてそれぞれの財政法ができ上がっておりますことは、財政法の随所におきましてすべてこのことがうたわれておることでも明らかであります。 そうしますと、この交付税といいますものは、条文を読みますと、「交付税の交付に当っては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」こういう規定があるわけであります。やはりこれを守るということはやっていかなければいかぬですよ。これを無視して、いまの現実の事態がどうだからというので基本的な財政秩序を無視してもはばからないというような態度というものでは、もう地方財政秩序はめちゃめちゃになってしまう。いまそのことが六団体などでも大変問題になっておるわけなんです。 そういう点からしますと、私は、これは交付税として振りかえたものであるならば、交付税の精神に基づいた処置をとってもらう必要があるというふうに考えておりますが、大臣の所信に対する質問でありますから、大臣にも少し答えてもらわぬと困るわけです。
○首藤政府委員 ちょっと技術的なことでございますので、申しわけございません。 御説はごもっともでございますけれども、地方団体の投資的経費に対します財源措置をどのようなかっこうで持っていくかということについては、やはりそもそも議論があるわけでございます。御案内のように、地方団体の歳入は、税、交付税といった一般財源もあるわけでございますし、もともと地方債という制度もあるわけございまして、公共投資そのほかのいわゆる建設事業の財源に公債を充てていくということもあり得るわけでございます。そこで、現在見込まれております地方団体の実際の財政運営上の公共事業等に充てます投資的経費の財源を、一般財源でどれだけ持っていくのか、それから地方債でどれだけかましていくのか、こういう問題であろうかと思います。 そこで、いままでは一般財源の比率が高うございましたので、投資的経費に対しましてもかなり一般財源で充当してまいったわけでございますが、最近大変大きな歳入不足に相なりましたので、これを地方債という特定財源に振りかえていった。ただ振りかえっぱなしではいま先生御指摘のような問題が起こるわけでございますので、この償還財源は将来所要の一般財源、こういうかっこうで財政措置をしていく、こういうかっこうをとったのでございまして、その意味で、いわゆる交付税の一般財源としての性格をこのことをもって曲げて、交付税を目的財源的にひもつきにしてしまったということにはならないのではないか、こう考えておる次第でございます。
○三谷委員 だって、使途が制限されますから特定財源ですがな。公共事業だけにこれは適用するわけなんでしょうし、受けざらを必要とするわけなんですから。明らかに使途が制限されておるわけなんです。そうしますと、これは交付税法の六条に明確に違反しているわけです。そういう違法な財政処置をおとりになることは私どもは認めがたい。 それで、いまいろいろおっしゃいましたけれども、要するに国が負担すべき経費を地方に転嫁しようとされておる。そして、それだけではちょっと都合が悪いものだから、それぞれに、ある部分は元利負担をするとか、ある部分は利子負担をするとか、ある部分は政府債との差額の利子負担をするとかいう、まやかしの処置がすべてとられているわけなんです。ここにやはり少しは良心の反映があると言い得るわけだと私は思っておるんだけれども、そういう状態になっておる。要するに気休めのそういう処置をとりながら、実は法に違反する処置をおとりになろうとしておる。これは総理もおっしゃっておりますし、大臣も特にその点は強調されますが、法治国ですから、行政部門におきましても、法令を守るという態度は一貫しておらにゃいかぬと私は思うのですよ。 この八千億というものは、使途を特定しないのかどうか。これ、もう一遍お尋ねしたい。
○首藤政府委員 八千億につきましては、これは地方債でございますから、当然公共事業等の裏負担に充てられます。その意味では使途を特定をするわけでございます。しかし、もともと地方債というものがいままでも公共事業の裏負担には充てられておったのでございまして、御承知のように、三〇%とか四〇%は地方債、残りが一般財源でございました。その地方債を充てます幅を広げてまいるわけでございます。 それからもう一点は、公共事業の消化でございますが、ただいまのような状況ないしは景気刺激といったような問題もございますけれども、地方団体側の方も、公共事業につきましては、ほとんどこれを満度に消化をしていくという体制を実際問題としてとっておりますので、その裏負担が現実にあるわけでございます。その裏負担に充てます地方債の充当率が高められていくという措置でございますので、地方団体が実際に金を使います場合にも、そのことに伴いまして、交付税であったから、起債であったからということで使い方に非常に制約を受けて、事実上困るという問題はない、このように存じております。
○三谷委員 おっしゃいますように、公共事業の裏負担分につきましては、交付税による処置もあるし、地方債による処置もあるわけなんですよ。それはよくわかっております。今度の場合は、いまおっしゃっている八千億というのは、確かに地方債ですけれども、交付税を振りかえたわけなんでしょう。交付税として処置すべきものを地方債に振りかえたという処置なんでしょう。だから振りかえと言っているわけなんでしょう。ですから、従来言っている地方債とは違うわけなんですよ。交付税というものを地方債に肩がわりをした、そういうわけなんでしょう。本来は交付税として支給すべきものである。そうであれば、本来の姿において交付税としての使い方を保障するということが必要なわけであって、確かにおっしゃいますように、公共事業の裏負担というものは地方債もあり、交付税もありますが、交付税というのは、元来言いますと、これは裏負担として算定をしましても使途は自由なわけなんですよ。今度の場合はそうじゃなしに、交付税の振りかえと言って実際上は交付税で支弁すべきものを地方債に振りかえた。だから、これは使途につきましては当然一定の自由が保障されなくてはいけません。そのことをお尋ねしたのです。
○首藤政府委員 お言葉でございますが、ただいままでの公共事業の裏負担に対します財源措置が、いま先生御指摘のように、単純な例でございますが、たとえば地方債が四〇%、一般財源が交付税で六〇%、こういう措置がされておったということでございますが、これが今度は地方債が九五%、一般財源が五%、こういう措置に変わったということでございます。したがいまして、これは経過的に見ましてもいままで公共事業等に対します地方債の充当率、これはそのときの財政状況等によりましても変動があるわけでございます。国の公債依存率というものも変わってきておるわけでございますが、事態に応じましてこの率が変わっていくことは、その地方団体の自主性をその意味で阻害をしてしまうということには必ずしもならないものじゃないか、こう思っております。 それからもう一点でございますが、ただいまの八千億は、そのように公共事業等の裏負担に対します財源措置の一般財源と地方債の割り振りを変えた措置でございますので、地方債はもちろんひもつきでございますが、先ほど御指摘がございました四千五百億、この分はいわゆる包括算入を地方債に振りかえましたので、この四千五百億円につきましては、事業の受けざらを設けてそれにひもつきにしてしまうという考え方ではございませんで、これは場合によりましては一般財源と同様な使途、これをもって確保し得るという地方債の特例法の御審議をお願い申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 さっきの四千五百億につきまして私はいま問題にしておりはしません。別のところに問題を持っていったらいけません。私、問題にしているのは八千億円なんですよ。それで、八千億円につきまして、元来言えば交付税で算入すべきものを地方債に振りかえたということなんでしょう。ですから、これが交付税として交付されますと一般財源になるわけなんですよ。使途は制限されないわけなんですよ。それを振りかえられて地方債として扱われた。そこで使途が特定されておる。そうしますと、これは交付税の振りかえにならない。だから交付税として支給すべきものをこういう処置によって手当てをしたということは成り立たないわけなんです。ですから、そういう問題がありますから、交付税法の六条では交付税率の変更を行うことができる、こうなっておるわけなんでしょう。この規定に基づく処置をおとりになってこれを交付税として扱われれば問題がないわけなんですよ。ところが、この税率改定をやろうとしないからこういういびつな形の処置が行われて、違法性が持たれてくるということになってくる。ですから、この交付税率の変更を交付税法でも決めておりますが、これをどうしておやりにならないのか、このことをお尋ねしたい。 それで、もう一つあわせて申し上げておきますが、国の財源とか地方の財源とかおっしゃいますが、国の財源というふうな問題から論議しますと国の予算全般について触れなくてはいけませんから、そのことの議論はきょうは私はしようと思いませんから、あなた方の方もそこのところで問題をすりかえないようにしてほしいと思うのですよ。国の財源問題でいけば、たとえばことしの防衛予算はどうなんだ、いまのような、ロッキード事件を起こしている状態の中であれだけの防衛費が要るのかというふうな問題も起きてきますし、あるいは税源につきましても租税特別措置の問題などが起きてきますからこれはいま触れずにおいて、この交付税率の改定をこういう状況の中でもなぜおやりにならないか、これをお尋ねしたいと思う。
○首藤政府委員 地方財政だけの立場から言いますならば、所要の交付税額が確保され、また交付税率が改正をされるということをもって補てんをされるということは非常に望ましいことであることは申すまでもないことでございますが、今回交付税率を改正をいたしませんでした理由は、一番大きなことは、五十一年度の財政措置を講じますに当たりまして、非常に経済の状況が特殊な不安定の時期にございまして、景気の停滞等の問題から、国、地方を通じまして税収入も非常に激減をしておる、まあ大変動をいたしておる時期でございます。したがいまして、恒久的な措置として交付税率による措置をとる時期としては時期が適当でない、したがって一応三二%の率はそのままに据え置いて、不足額についてはぞれそれ所要の措置をとる、こういう措置をとることが適当であろう、こういう判断でもちまして二兆六千二百億という膨大な歳入不足に対してそれぞれの補てん措置を講じた、こういうことでございます。
○三谷委員 時期でないとおっしゃいますが、いつであれば時期なんですか。好況のときから交付税率の改定という問題は強調されております。たとえば本委員会の附帯決議を見ましても、七十一国会以来、毎回、税率の引き上げを含む地方財源の拡充という附帯決議を付せられております。ですから、いわゆる経済成長の好況時におきましても、地方財源の硬直化という問題の中で交付税率の改定ということは論議されてきました。今日におきましては、不況の中で異常な経済の混乱状態にある、だから時期でないとおっしゃっている。好況のときでも時期でない。いつになったら時期が来るわけですか。どういう状況になれば時期だとお考えになるわけですか。
○首藤政府委員 経済の状況等の推移がある程度見通しがつきまして、一応言われております安定成長路線、こういったものが見通し得るといったようなことも一つの前提かと思いますし、それからまた、国、地方を通じます行政、財政全般の措置につきまして所要の財源措置等の問題が根本的に議論をされる、こういうことも一つのあれかと思いますし、そういったことを含めながら、五十二年度以降はこういった問題全部を含めまして私ども鋭意検討をさせていただきたい、このように考えている次第であります。
○三谷委員 そうしますと、お尋ねしておきますが、使途を特定しない地方債四千五百億、それから八千億円の公共事業費を賄う地方債、これの償還については、もう一度はっきりしておいてもらいたいのですが、地方団体には負担はかけないということでしょうか。
○首藤政府委員 それぞれその償還額を基準財政需要額に将来算入をしていく、それから全般的には財政計画を通じて全体の財源所要額を確保していくという措置をもちまして地方団体の財政運営に支障を来させない、このような措置は必ずとりたいと思っております。
○三谷委員 支障を来させないというのはおかしい話であって、たとえば福祉の切り捨てなどをすれば、したままでもやはり地方財政の運営はできるわけであって、行政水準の低下ということを意に介しなければ、幾らでも地方財政の運営はできるわけなんですよね。ですから、そういう答弁でなしに、地方団体に新しい負担はかけるものではない、交付税というものの本質に基づいて当然これは国が保障するものだという立場でおやりになるのかどうか、これを聞いているのです。
○首藤政府委員 そのような考え方で進めたいと思っております。
○三谷委員 そうしますと、これは地方の負担にはならないとおっしゃいますが、もう一度聞いておきたいのは、基準財政需要に算入するとおっしゃっておりますが、その基準財政需要に算入するだけでは地方には迷惑はかからないということにならない。地方財政需要というものに算定をされましても、結局これの財源になります地方財源、この基準財政需要が増大するのに伴った保障がなければだめなわけですが、それについても十分な処置をおとりになるということなんでしょうか。
○首藤政府委員 基準財政需要額が増大することに対する保障でございますか。それならば、先ほど申し上げましたように、財政計画そのものに償還費を歳出に立てるということをもちまして所要となります財源措置所要額ですね、これを確保するということをいたしますので、そのような保障措置がとられる、こういうように考えます。
○三谷委員 少しまだそこにあいまいさがありますが、まあきょうはこの程度においておきますが、こういう処置によりまして地方債が非常に増大しております。 そこでお尋ねしたいのは、この地方債の消化の問題ですけれども、一体これは果たして可能なのか。昨年の減収補てん債の消化状況をまず聞いておきたいのです。
○首藤政府委員 減収補てん債につきましては、二月の末に地方団体の申請も得まして一応配分を終わりまして、ただいま各団体で鋭意消化中だと思います。まだ全般的な結論報告を受けておりませんので確たることは申し上げられませんが、各地方団体においてこの消化が非常にきしんで困っておるという事態は、まだ一つも報告を受けておりません。したがいまして、五十年度のこの減収補てん債等の消化につきましては円滑にいくものと、このように私ども考えております。
○三谷委員 地方によりましては、もうこれ以上引き受けられないと、地方銀行などはそういう態度をかなり強めております。大阪府などでも、この減収補てん債を一、二、三、四と四ヵ月に割って、やっとこさ消化するということになったのです。つまり、年度内には消化できなかった。四月に一つ持ち越しているわけです、来年度に。そういう状態なんです。大阪あたりは、御承知のようにシンジケート団をつくりましてかなり準備をして、しかも銀行の数も比較的多いというところでありますから、どうにかめどがついたわけでありますが、これは減収補てん債なんです。その上に今度財源対策債が膨大な量に上っておるわけでありますが、果たしてこの消化ができるのかということについては多分に疑問を持たれております。全国知事会などもなかなか消化はむずかしいということを言っておりますが、その点についてどうお考えなんでしょう。
○首藤政府委員 御指摘のように、五十年度までの消化は一応円滑にいったといたしましても、五十一年度にこの振りかえ債を含めました膨大な民間資金の調達が必要であるわけでありますから、五十一年度の消化が円滑にいくかどうかということは、私どもにとりましても非常な心配事でありかつ関心事であるわけでございます。したがいまして、この消化の万全を期しますために大蔵省、日銀筋等とも連絡をいたしておるわけでございますが、予算確定の際に、先生御案内のように、自治大臣と大蔵大臣はこのことについて特に覚書を取り交わしていただいておりますし、この消化について大蔵も挙げて協力をするという体制をとっておりますので、結論的には消化ができるものと、このような確信を持っておるわけでございます。 なお、大蔵の銀行局等の筋の観測によりますと、現在の時点では、預金の増加状況それから民間資金の需要の伸びの状況、こういったようなことを勘案をいたしまして、マクロといたしましては十分消化が可能であるという確信をお持ちのようでございます。ただ、これは全体的なことございまして、御指摘のようにミクロの面においては、地域、地域においては場合によってはきしみが出るかもしれません。そのような場合には、私どもも大蔵省と連絡をとり、日銀にも連絡をとり、お願い申し上げながら、いろいろな措置を講じてその消化の確保を図る、こういうことは責任を持って実施いたしたい、こう考えておるわけでございます。
○三谷委員 この財源対策債というのは、一つは消化の面がありますが、もう一つは、果たして地方自治体がそれを積極的に消化しようとするかどうかという問題があるのですよね。結局、本年度の直轄事業、補助事業などの公共事業費総額というものは二兆二千五百六十二億と言っておりますが、地方負担分が八千八十億、こういう計算になっております。この九五%を起債でやるということになっております。そしていまのお答えでは、この起債については将来地方団体には迷惑をかけないとおっしゃっておりますけれども、地方団体は必ずしもそのようには考えていないわけなんですよ。それほど信用はしていないのですよ。ですから、これ以上借金をして公共事業の消化が必要なのか、借金をしてまでしなくちゃならぬのかという問題が地方団体の中にはかなり出てきておるわけなんです。そうしますと、金融市場の問題が一つはある。一つは自治体の将来における財政上の問題に対する配慮がある。この中で果たして予定されております公共事業や直轄事業の消化ができるのかという問題になってきますと、やはり非常な難関があると私たちは考えておるのでございますが、この点についてはどのような御所見でしょうか。
○首藤政府委員 ただいま各地方団体におかれましては、五十一年度の予算を編成をなさいまして、それぞれ地方議会に提出をされる、ないしは提出をした、こういうような時期だと存じております。大体府県等の予算編成の状況等を承っておりますと、公共事業の施行につきましてはほぼ八割、八割五分、この程度から、ところによりましては見込み得ますものの満度、こういったものを計上されておりまして、この完全消化、早期実施、これについては鋭意努力をするという向きの御編成をなさっていらっしゃるところがもうほとんど大部分、このように私どもは考えております。そういう意味で地方団体の方でもちろんこの地方債の消化は今後いろいろ問題がございますけれども、鋭意消化にも努力をしていただくことと、こう考えております。 それからさらに、幾らそう言いましても、民間資金等の確保がなかなかむずかしい団体、つまり市町村でございますが、この向きにつきましては、現在確保しております政府資金、これを充てまして、いわゆる民間資金等の募集は府県とか大都市、こういった能力のあるところにお願いをするという措置もあわせ講じたいと思っておりますので、私どもとしては円滑な実施が、施行が期待できるのではないか、こう思っておるわけでございます。
○三谷委員 いまの段階における地方団体の予算計上で、この公共事業費の消化についてはどの程度の予算規模、いま八五%とおっしゃったのはそのことなんですか、が計上されつつありますか。
○首藤政府委員 そういうことでございまして、低いところで八割ないし八割五分ですね。それから多いところは見込み額の一〇〇%、こういう当初予算計上をなさっていらっしゃるようでございます。それで八割ないし八割五分程度の計上の県にも、つまり残りの一割かそこらは執行できないというつもりかという意味の質問をいたしてみましたところ、当初予算でございますから、さしあたりそれだけ組んでおけば十分執行上問題はない、こういう態度のようでございますので、各団体とも公共事業の消化については一様に熱意をお示しいただいておるものと私ども理解をいたしておるわけでございます。
○三谷委員 八割五分ですと、果たしてこの全体の消化が可能かどうかということは問題になってくるわけでありますが、このようにしまして地方自治体に公共事業を強要して、このいまの財政難の中でこの消化が非常に強要されておるわけでありますが、そのことがやはり地方自治体のその自主性とか、あるいは裁量権というものに大きな影響を持ってくるわけなんですよね。そのこと自体も私は非常に問題だと思っておるのです。財政の組み方によりまして地方自治体を一定の方向の仕事に連れ込んでいく、強制していくというやり方、これが今度の公共事業の扱いの中に非常に出てきておるわけでありますが、これは景気対策だと言っていらっしゃいますが、地方自治体というものは景気のよし悪しにかかわらずやっていかなければならぬ仕事があるわけなんですよ。ゆるがせにできない仕事がある。そのことはしばしば自治省が大蔵省に対して主張されておることなんですよ。その点が非常に弱くなってきて、そうして公共事業を国の方からやかましく言うもんだから、とにかくある程度というふうな形のものがかなり出ておる。しかし、余り積極的なものではないから、いまおっしゃいました点では八五%の予算計上となっておりますが、しかし、これは実際進みます過程におきましてどうなってくるかわかりませんけれども、そういう点からしまして、私はこういう特定財源というものを格づけするのでなしに、もう少し地方の自主財源を強化してもらう必要がある。この点が特に私は重要だと思っておるのでございます。 今度の交付税の上積み一兆三千七百億と言っていらしゃいますけれども、この大部分というものは交付税の先食いなんですよ。上積みなんという性質のものじゃないですよ。いずれこれは後で返していかなくちゃいかぬものなんですね。ですから、交付税の先食いなんというものは元来規定にはないことなんでしょう。交付税には明らかに年度性がある。「年度における」ということが明確にうたわれておるわけなんですよ。その年度性を無視して先食いをしてみたりあるいはそれを返してみたり随意気ままに調整が行われておる。年度間調整と言われておりますけれども、行われておるわけなんですね。このこと自体が私は予算の年度性の問題から見ましても決して妥当なものとは言えないと考えております。ですから、交付税の不足につきましては、これは交付税率の引き上げなりあるいは特例交付金で賄っていくという態度とそ法令に基づく厳格な処置だと私は考えております。自治省もそのことを大蔵に対して要求されたのじゃないでしょうか。その点についての見解をお聞きしたいと思うのです。 どうも財政局長との議論になって、大臣はもうぼちぼち退席するようだけれども、所見を述べてもらわぬといかぬですな。
○福田(一)国務大臣 先ほど来の三谷さんの御意見を聞いておりまして、一つの御意見として私は承っておるわけであります。ただ、今回の予算の組み方において、交付税率の問題に触れなかったというところに、一番大きな税率の変更というところに触れなかったということが大きな理由になると思われるのであります。 私は去年のうちから考えておったのでございますが、交付税の税率を変えるという問題については、去年の暮れに予算編成をする段階でやるのは少し実際問題として無理がある。そこで政治的に、ことしはこの程度にしておいた方がいいのではないか、こういう判断をいたしました。 しかし、そういうことにいたしますと、地方の財源が非常に大きく不足をいたすことになりますので、それをどうして一応さしあたり補っておくかという問題を考えて、いま事務当局が申し上げましたような理由づけによって地方の財源の不足を五十一年度においては補っておく。しかし、そのことが将来の地方財政に悪影響を与えないような措置をとっておく。この二つをたてまえにいたしまして、五十一年度の予算の編成を行ったわけでございます。 そこで、それをやったやり方について非常にすっきりした筋が通らないじゃないかという御意見をいまずっと三谷さんは述べておられたと思うのでありますが、私は法理論の問題でいろいろここで御議論を申し上げようとは思いませんけれども、政治のことでございますから、やはり一つのやり方としてこういうやり方をいたしたわけであります。そこで、ひとつ今回はお認めを願いたい、こういう立場でわれわれは実は今度の予算編成について御理解を求めておる、こう考えていただきませんと、ここで幾ら法理論をやっておりましても、実際われわれとしては非常に短い期間に予算編成をやっておったわけでございますからして、一応の理屈が立たないままにやるということは、これは絶対できません。それはもう法治国でございますからできませんが、まあ一応かっこうがつくということであれば、これでひとつ今回はお認めを願いたい。こういう態度をとったと御理解をしていただいて、先ほど来財政局長がお答えをしておった点を御理解をしていただきたい、これが私の申し述べたいところでございますので、御了解を賜りたいと思います。 そこでまことに申しわけありませんが……。
○小山委員長 質問者の了解を得ておりますので結構でございます。御退席ください。
○三谷委員 いま大臣がお答えになりまして、一応かっこうをつけたということなんですね。ですから純理的に言いますと非常に問題があるということなんですね。問題なしにはできないのか、問題がないように財政処置がとれないのかというと、とれる道があるわけです。これがとられていないわけです。 そこで、本来国と地方の歳出歳入の純計をしてみますと、国の歳出が三割なんでしょう、地方の歳出が七割なんです。財源は国が七割、地方が三割ですね。つまり地方の方が仕事を七割しておりながら財源が三割しかない、そういう状態になっている、逆比例になっているわけなんでしょう。そうしますと、四割分は国の方から財源の移転をしなくちゃならない。それが従来とられてきた処置なんですね。その財源の移転というものを今度は借金でやろうとしているわけなんです。そこに問題があると言っているのです。これでは地方団体はなかなか納得できない。国が責任を持って移転をしなくちゃならない財源というものを、地方で借金でやれということになってきている。ですから、ここで問題になってきますのは、事務と財源の配分の問題ですね。七割の仕事をやらしておいて財源は三割しかやっていない。そうして今度は、国の方も金が足りないからといって、移転する金を移転をしない。借金でやれと、こう言う。これではなかなか地方は納得できません。そうなってきますと、どうしても地方と国との事務と財源の配分について合理化してもらう必要がある。これについては是正する意思があるかないか。大臣が逃げてしまってこれはもうどうにもならぬわけですけれども、答えてください。
○首藤政府委員 御指摘のように、国、地方を通じましての財政総体を考えました場合に、歳出面では国が三であり、地方が七である、歳入面ではそれが逆でありまして、その差額分を国から交付税や補助金そのほかで持ち込んでおるというのは御指摘のとおりでございます。そういう意味で税源配分の適正化を図っていく、地方税に対する強化を図っていくということは、もうまことに仰せのとおりの筋でございまして、私どもも毎年そのようなことは何とか実現をしたいものということでいろいろ苦慮、努力いたしておるわけでございます。 今回の場合はそのような仕掛けでございますが、一番致命的につらかったことは、国、地方を通じましての歳出規模に対応いたしました歳入、同じ七、三で分けておりますその十そのものがひどく足りないというところにやはり一つの現実的な問題点があったわけでございまして、そのためにこそ国も大幅な国債、それから地方もやむを得ず多額の借金、こういうようなかっこうに相なったのであろうと考えておるわけであります。この点はもちろんずっと将来ともこんなかっこうでいいというものではございません。御指摘のように税源配分、事務配分、こういうことについてはもちろん私どもは鋭意検討いたしてまいりたい、このように考えております。
○三谷委員 もう一つ地方財政にとりまして大きな問題は超過負担の問題なんですが、これにつきまして予算委員会で少しお尋ねをしましたが、産業関連の事業ですね、これには超過負担が出ないということです。そうして生活関連事業では超過負担がふんだんなしに発生をする、こういう制度になっている。なぜこういうふうな格差のある処置がとられておりますのか、大蔵省からお越しになっておると思いますので、お尋ねをしたいと思います。
○藤井説明員 御指摘の点、私どもも予算委員会で伺っておりましたが、道路等につきましても道路構造の一定の基準がございまして、それに従って一定の単価をはじいたいわばその実績そのものという一つの基準であることは間違いございません。 ただ、道路の方は構造としては非常にそういうふうに一定しておるわけでございますが、つくる場所とか、そういうものによりまして、地形とか、地勢とか、そういうものによりまして非常に単価が差異がございます、したがいまして、単価だけをとってみますと、非常に高い単価も是認するというような形になっているのは御指摘のとおりでございますが、それも一定の基準に基づいた算定が基礎になっているという点をひとつ御理解いただきたいと思います。 それに対しまして、御指摘がございました保育所等につきましては、これは大体地形とか、地勢ということに余り関係ないということで、ほぼ全国一定の基準ということになっておるわけでございますが、そういうような意味で単価的に余り大きな格差を是認するということはできないということはひとつ御理解をいただきたいとは思いますけれども、もちろんいまの基準がもうこれでいいのかということにつきましては、やはりその実情等見ながら毎年毎年是正をしてまいりたい、こういうように考えております。
○三谷委員 それだけではどうも私はまだ納得できませんが、道路、港湾、工業用水道などは超過負担が出たという話を聞きません。そういう処置がとられている。ですから、これにつきましては、たとえば道路なんかですと、まず最初に建設費の計画あるいは費用の申請をしますときに、建設省は、実際それで実現ができるか、工事ができるかということをだめ押しをして、そうしてこれは十分な予算をもってかかる。そうしてそれに基づいて概算払いをしてやる。そうして工事半ばで物価の変動なんか起きますと、すぐにそれに対応する処置をとる。スライドをするとか、やるわけなんでしょう。最終的になおそれで予算が足りなければ、道路の事業量を減らすか、あるいは予算の増額をするか、やられている。これをやったら、超過負担が出るわけはないのだ。これだけの優遇がされている。ところが、ほかの方はどうなんですか。生活関連に行きますと、これが基準なんだ。十分な費用を計上してこいと言うのじゃない。国はこういう基準でやるのだ。スライドがあったって、それは年度半ばでは認めようとしない。そうしておまけに精算払い。その精算払いも、実際にやりました工事費の法の規定に基づくものから見ますと、はるかに不足する額が精算払いされている。そこで超過負担が依然として後、を断たない。これは地方財政法にありますが、国の補助事業については十分でかつ何とかいう規定があるわけでありますが、要するに十分なものでなければいけないということがうたわれておる。同じ法令のもとで施行されます地方における事業というものがなぜそのような差があるのか、取り扱いが違うのか、ここが理解できないところです。これをお尋ねしたい。
○藤井説明員 ただいま御指摘の生活関連と道路等という御比較でございましたが、ただいま申し上げましたように、これは事業の性格によってそういう差が出ているというふうに御理解をいただきたいと思います。したがいまして、通常生活関連と申します中でも下水道とか水道水源とかそういうものにつきましては、先ほど御説明いたしましたような道路の方式がとられておるわけでございます。 また、次に御指摘のございました概算払いの制度でございますが、これも生活関連のたとえば保育所は概算払いの制度がないじゃないかということでございますが、これは大蔵省といたしましては、補助金につきましては生活関連施設の補助金につきましても概算払いの制度を採用いたしております。これが現実にその概算払いとしての効果を発揮していないのじゃないかということでございますと、この点はむしろ厚生省の問題かと思いますが、実際の交付決定の時期が遅いということからこの概算払いの効果が出にくいということで御理解をいただきたいと思います。
○三谷委員 それはどういう意味なんでしょう。具体的にはどういう仕組みになっているわけなんですか。
○藤井説明員 例が前回から保育所で出ておりますが、保育所でございますと具体的に個所づけをなさいますのが年度の非常に後半になるということでございます。そこで、その交付決定が決まらない限りは概算払いはできません。これは道路であろうと何であろうと同じでございます。ところが、道路の方は年度の当初に交付決定をしておるという一つの仕組みができ上がっておるわけでございますが、保育所等についてはいろいろな事情があろうかと思いますが、交付決定の時期がおくれているということから、御指摘のような実態になっているというふうに理解をいたしております。
○三谷委員 いま下水道の問題が挙げられましたが、それでは下水道からは超過負担が出ないかといいますと、そうではない。下水道の超過負担というのはいま地方自治体においてはかなり問題になっている部分なんです。たとえば尼崎などにおきましても、下水道建設によります超過負担というものがかなりな数字に達しております。これは大阪府下の各自治体でもかなりな超過負担が出ております。下水道にしましても屎尿処理場にしましてもあるいはごみ処理場にしましても、大変な超過負担を抱えておるわけでありますが、それが道路と同じ扱いになっておるということは、どういう扱いになっておりますのでしょうか、実際上の扱いは。
○山村説明員 ごみ処理施設関係でございますが、先ほど大蔵省の方から説明がございましたように、いわゆるプラントである、きわめて定型的なものであるという判断から、従来から単価方式がとられてきたわけでございまして、実態上従来それで支障はなかったわけでございますが、最近公害規制が進んでまいる、あるいはいろいろな地域の周辺住民対策とかそういうものの強化が必要になってくる、その辺で地域性がかなり顕著になってまいりまして、この結果として実質的な補助金の割合が少ないというような結果になっておるわけでございます。 先ほど概算払いの制度のことですが、ちょっと私事務的なことは詳しくございませんが、確かに交付決定の時期が遅くて実際上効果がないという面も若干あるのではないかというふうに感じております。
○三谷委員 何や要領得ぬことばかりおっしゃっておりますが、質問に対して答えてもらわぬと困りますよ。下水道の問題につきましては大蔵省のお答えはかなり事実と違っておるので、これはよく実態を調べてください。そのようにはなっておりません。 それで、いま屎尿処理場の問題が出ましたが、たとえば一つ実例を挙げますと、大阪府下でこの五年間に整備されました屎尿処理場は十ヵ所なんです。日量処理量が八百五十四キロリットルになっております。総事業費が三十九億三千万円なんです。これに対する国の補助金は五億八千万円です。総事業量の一四%にすぎないわけです。中でも寝屋川市の施設に対しては国の補助は六%、東大阪と大東市清掃センターの施設に対しては一二%、大変低いものですね。三分の一の補助がたてまえなんですよ。平均しまして一四%の補助になっておる、これが大阪において見られる実態であります。特にこの東大阪、大東清掃センターの施設に対しては、これは増加する処理量に対応するためにやむなく日量処理能力二百キロリットルのものを三百五十キロリットルに増強したものですが、増強に当たりまして既設の施設の部分が使用できない、全部やり直すわけなんですよ。ところが補助認定に当たっては、既設施設能力に相当する日量二百キロリットル分の事業費は補助基本額には入れない、こういう処置をとられているわけなんでしょう。そういういろんな処置上の問題があって莫大な超過負担が出てきているわけです。こういう状態が実際の生活関連事業の実態になっている。ところが道路なんかはそうじゃないのです。これはやはり同じように扱ってもらわぬといかぬじゃないでしょうか。生活関連であろうと生産関連であろうと地方自治体がやる事業でありますから、これについては地方財政法が保障しますように、十分な費用を見るという定めになっているわけでありますから、片ちんばにならないようにやっていくということをぜひやってほしいと私は思っておりますが、どうなんでしょう。
○山村説明員 従来きわめて定型的なものであるために一律的な単価で十分いけるんじゃないかということで進めてまいったのでございますが、先ほどちょっと触れましたように、公害規制とか周辺住民対策とかいうような事情から、かなり地域差が出てきたということは明らかでございますので、一律的な単価方式については少し考え直す必要がある、できるだけ実情に合ったような運用を図る必要があるというふうに考えておりまして、財政当局とも相談しながら、その制度については見直してまいりたいというふうに考えております。 先ほど東大阪の例が出まして、二百キロから三百五十キロに改造するに当たって、既設のものを改造するのにそれは認めないというようなことでございましたが、詳しい実情は私いま承知いたしておりませんが、この種施設は非常に耐用年数が短うございまして、平均しますと十二年ぐらいでつぶして新しくつくるというような措置が必要でございます。したがいまして、東大阪の場合がどういうケースに当たるか存じませんが、恐らくつくってから五、六年でありますとか、比較的新しい施設なためにまだ耐用年数が来ていない、むしろ一部改造等の措置でつないでいくべきであるというような判断で恐らく補助対象から外したのじゃないかというふうに考えるわけでございまして、いずれにしましても実質的な補助金が非常に低い、三分の一が実質一四%であるということは全国的に見ましてもやはりこの程度というふうに私ども理解をいたしておりまして、今後改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
○三谷委員 ごみも一緒なんです。ごみ焼却場ですね。これも大阪府下の例ですけれども、最近五年間におけるごみ焼却施設は十六ヵ所つくられました。この総事業費が百八十五億円なんです。国の補助は三十一億円ですから、補助率は一六%なんです。これは四分の一補助だと思いましたが、一六%にとどまっておる。ですからこの補助単価、補助基準とも実情を無視しているのですよ。いままで超過負担といいますと保育所の問題、義務教育施設の問題、公営住宅の問題、これを中心にして私たち問題にしてきましたが、最近はごみとか屎尿の問題、これ非常に深刻なわけなんです。やはり五百万トンから肥を海洋へ投棄しているわけなんでしょう。ですから漁業資源にまで影響が出るというような状態になってきておる。ごみの焼却場にしましても、有毒物質が残芥から発生をするということで大変な問題になっておるのでありますが、厚生省の調査によりましても、全国のごみ焼却施設、千六百四十五ヵ所とおっしゃっておりますが、このうちで重金属の除去能力を持つものは二百にすぎないとおっしゃっておる。後は能力がない、有毒物質がそのままたれ流しになってくるという状態になってきておる。そういう重金属除去能力を持つ施設を建設しようと思いますと大変な金額になるわけです。ですからいまの補助制度ではできっこないのですよ。小さい市町村などがそういう施設をつくることはとてもむずかしい、そういう状態になっております。ですからこれは改善してもらわなくちゃいかぬのです。たとえば大阪府に熊取町という小さい町があります。これが四十九年度から着工しましたごみ焼却場は日量四十トンです。これが建設費が六億一千万円の事業なんですが、この地域は公害防止指定地域のために補助率は二分の一のはずなんです。ところが実際の国の補助額は六千六百五十六万円で、二分の一補助どころか十分の一にすぎない、こういう実態が出てきておる。熊取町というのは財政規模が二十億の小さい町なんですが、これが六億の建設費でごみの焼却場をつくる、それに対して六千万円の補助金を国が出す、こういうことではなかなかごみの処理もできっこないし、それから、ごみから出ます有毒物質の除去も簡単にできるものじゃありません。ことし十ヵ所ほど何か残芥の処理の堰堤の補助金をお組みになったようでありますが、これはないよりはましでありますが、しかしこれは全く取るに足りないといいますか、問題にならない額であって、もう少し厚生省は、こういう生活関連事業の最も所管省でありますから、国庫支出金について、補助金、負担金について改善してもらいたい。これは各自治体言うております、厚生省が一番腰が弱くていかぬ。この間の予算委員会の参考人に出席されました町長さんがおっしゃっておりますのは、厚生省がしっかりしてもらわないと困るのだということをしょっちゅうおっしゃっている。いつでも大蔵に頭を抑えられて要求がおざなりになってしまう。いま財政局長は頭を振っていますが、そういう定評があるわけなんです。もう少し善処してもらいたい。このごみの焼却場の施設やあるいは屎尿処理場の施設について、時間がありませんから詳しい例を挙げてお尋ねはできませんが、改善をする意思があるかないか、これをはっきり答えてもらいたい。
○山村説明員 地方財政が逼迫してまいりましてそういう超過負担的なものがいっぱい出てきておる、最近については特に問題があるということは十分意識いたしておりまして、ただいま審議をいただいております五十一年度予算の中でも、たとえばごみ処理施設につきましては五十年度約九千トンの事業量がございますが、規模を七千五百トンまで落として実質的な補助金がふえるように要求をいたして、ただいま案に入っておりますのは、たとえばごみについて見ますと、平均的な単価といたしまして四一%上がるような内容にしております。したがいまして、こういう面の改善については十分意識しておりますので、運用面も含めて今後とも十分改善の方向について検討してまいりたいというふうに考えております。
○三谷委員 時間ですから、これで終わります。
○小山委員長 次回は、来る九日火曜日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十六分散会