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77回国会衆議院1976/03/02

地方行政委員会 第2号

発言数
205
登壇者
18
会派数
2
開催日
1976/03/02

会議録

小山省二自由民主党

○小山委員長 これより会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  この際、福田国務大臣から、所管行政の当面する諸問題について説明を聴取いたします。福田国務大臣。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 委員各位には、平素から地方自治発展のため、また警察行政に格別の御尽力をいただき厚く御礼申し上げます。  この機会に、所管行政の当面する諸問題について所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。  現行の地方自治制度が発足してからやがて三十年を迎えようとしておりますが、その間において、都市化の著しい進展による地域構造の変化、経済中心から生活中心への国民の価値観の急速な変化等、地方自治をめぐる環境は大きく変貌を遂げており、このことはまた国民の地方自治に対する期待を高めることとなっているのであります。  今後における地方自治の課題は、このような環境の変貌に加えるに経済の安定成長時代を迎え、これまでのような財源の大幅な自然増収を期待しがたい情勢のもとにおいて住民の自治意識の高揚と行財政基盤の確立に努めつつ、国民の期待と信頼にこたえて、魅力ある豊かな地域社会の実現を図ることにあると存じます。  そのためには、内政の根幹たる地方自治の一層の振興を図り、地方公共団体が自主的で責任ある地方行政を行うことができるよう、現行の地方行財政に関する制度及び運用の両面にわたる見直しと改善を通じて地方自治の基盤の一層の充実を図るとともに、従来以上に長期的視野のもとに、計画的運営と機動的な行政執行体制を確立していく必要があると存ずる次第であります。  とりわけ、昭和五十一年度は、わが国経済にとって石油危機後のいわゆる調整過程の仕上げの年であるとともに、長期安定成長路線を志向する出発点ともなる年であると考えます。  私は、地方自治の健全な伸長いかんが国政を左右するものであり、また、国と地方公共団体とが相協力することにより初めて実りある地方自治が実現されるものと考えております。このような認識のもとに、転換期を迎えたといわれる今日の地方自治行政に対処して明年度における所要の地方行財政施策を講じてまいる所存でありますが、以下その概要について御説明いたします。  昭和五十一年度の地方財政につきましては、国と同一の基調により地域住民の生活安定と福祉充実を図るとともに景気の回復に資することが必要でありますが、最近における経済情勢の推移と地方財政の現状にかんがみ、地方財源の確保に特段の配慮を加える必要があります。このためには、財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、財政の改善合理化を図ることを基本とし、あわせて経済情勢の推移に応じて地方財政の機動的、弾力的な運営を図り得るよう所要の財源措置を講じ、その運営に支障なきを期する考えであります。  昭和五十一年度の地方財政におきましては、 (1) 個人住民税、個人事業税等において住民負担の軽減合理化を図る一方、住民税均等割の引き上げ、自動車関係税の税率の引き上げ等地方税源を充実強化し、 (2) 地方税及び地方交付税の減少、財政需要増加の状況等にかんがみ、地方財源の確保を図るため、臨時地方特例交付金の交付、交付税特別会計の借り入れ及び財源不足に対処するための地方債の発行を行い、 (3) 地域住民の福祉充実のための施策の推進と景気の回復に資するため、地方交付税、地方債、国庫補助金等の重点的な配分を行うとともに、特に臨時に地方債によって市町村道路整備事業の推進を図ることとし、あわせて、 (4) 交通事業及び病院事業の再建対策を引き続き推進するとともに、公営企業金融公庫資金の大幅な増額による企業債資金の確保等の措置を講じ、公営企業全般にわたって経営の健全化を図ること としております。また、国庫補助負担事業にかかわる超過負担の解消等地方財政秩序の確立についても所要の措置を講じてまいる所存であります。  以上の方針のもとに、昭和五十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、二十五兆二千五百九十五億円となり、前年度に対し三兆七千七億円、一七・二%の増加となっております。  現下の経済環境においては、地方財政においても従来のような地方税の多額の自然増収を期待することは困難となる一方、国民福祉の充実を初めとする財政需要はなお引き増大するものと見込まれます。かかる事態に対処するためには、今後歳出の節減合理化に努めるとともに、地方税の充実と合理化を図り、地方財政の健全性と弾力性を確保していく必要がありますが、さらに、国民の租税負担の水準やそのあり方についても検討を加えるべき時期を迎えているものと思われます。しかしながら、景気の着実な回復と雇用の安定のための施策が強く要請されている明年度においては、一般的な増税は行うべきではなく、むしろ現行地方税制の合理化を進める中で、できる限りの税収を確保することが必要であると考えます。  このような考え方に立って、明年度においては、 (1) 住民税均等割の税率の引き上げ、自動車税及び軽自動車税の税率の引き上げ、軽油引取税の税率の引き上げ、その他地方道路目的財源の充実、事業所税の課税団体の範囲の拡大、固定資産税の課税の適正化、地方税の非課税措置の整理縮小等により地方税負担の適正化と地方税源の充実強化を図る一方、 (2) 個人住民税の給与所得控除の引き上げの平年度化、個人事業税の事業主控除の引き上げ、ガス税の税率の引き下げ等地方税負担の軽減合理化を行うこととしております。また、明年度における基地交付金及び調整交付金についても、それぞれその増額を行うこととしております。  経済優先から福祉優先への意識の転換に伴い、国民の生活に身近な場で、各般の行政需要に重点的かつ効率的に対処できる行政の運営がますます必要とされるようになっております。このため、住民の生活に密着した、自主的で責任ある地方行政が実現されるよう地方公共団体の行財政体制を確立する必要があります。  このような要請にこたえるために、すでに第十六次地方制度調査会において国と地方公共団体との間の機能分担のあるべき姿など現在の厳しい社会情勢のもとにおける地方行財政上の諸方策について御審議いただき、考え方の基本をお示しいただいているところであり、これを尊重しつつ事務配分及び財源配分について一層の改善に取り組んでまいる所存であります。  次に、多年にわたる懸案である地方事務官制度の廃止につきましては、関係省庁との間で速やかに意見の調整を図り成案を得るよう、鋭意努力をいたしているところであります。  魅力ある豊かな地域社会の実現を図るためには、まず何よりも地域社会の基盤を強化することが肝要なことと考えます。  このような見地から、大都市及びその周辺地域における人口集中の抑制および地方における中核的な都市の育成に配慮しつつ、都市環境の整備を図るために事業所税の課税団体の範囲を拡大するとともに、首都圏等及び新産業都市等の整備を図るための財政措置を延長することといたしますほか、人口急増地域における公共施設に係る財政措置の充実、過疎及び辺地対策事業債の拡充等過密過疎対策を引き続き推進してまいる所存であります。  また、日常生活圏の拡大に即応し、住民の諸要請にこたえるため、引き続き広域市町村圏の振興整備を図るとともに、住民の積極的な参加のもとに新しいコミュニティーを形成する施策の推進を図ってまいる所存であります。  地方公務員行政につきましては、かねてより公務員秩序の確立と公務の公正かつ効率的な遂行に努めてまいったところでありますが、今後ともこの方針に基づき、特に、地方公務員の給与水準の適正化、職員増加の抑制など、給与及び定員管理の改善を一層推進するとともに、綱紀の粛正等服務規律の確立と公務能率の向上を図り、もって住民の期待と信頼にこたえるようさらに積極的に取り組む所存であります。  近年、火災その他の災害は、複雑多様化の様相をますます深めておりますが、特に死者、負傷者など人的被害が増大しておりますことは、まことに憂慮すべきものがあります。  したがって、私といたしましては、何よりも人命尊重を第一義として、地方公共団体における消防防災体制の整備と予防行政の一層の推進に努めなければならないと考えております。  まず、全国的な消防及び救急体制につきましては、関係各位の御協力によりまして、今日では、市町村数において七八%、人口数において九四%が常備化されることになりましたが、今後とも消防の常備体制の健全な発展を推進するとともに、あわせて消防団の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。  また、消防施設の整備に対する補助制度の充実強化に努めるとともに、大震火災、石油コンビナート火災、林野火災及び風水害等の特殊災害、広域災害に対処するため、高性能な消防防災施設の整備、防災資機材の備蓄、防災無線通信網の整備等を行い、広域の防災行政をさらに推進してまいりたいと存じます。  特に、石油コンビナート等の防災対策につきましては、第七十六回国会におきまして石油コンビナート等災害防止法が成立したところでありますが、今後、この法律に基づく政省令の制定を早急に行い、総合的な防災対策を推進するため的確な指導をしてまいる所存であります。  なお、このたび屋外タンク貯蔵所の規制に関する運用基準を示したところでありますが、今後、タンク本体及び基礎に関する設計、施工等の基準を整備してまいるとともに、これらに関する検査制度の確立を図ってまいりたいと考えております。  次に、大震火災対策につきましては、基本的には、都市の構造そのものを安全なものにすることが重要であると思われますが、消防の立場からは、地震発生時における初期消火、延焼拡大の防止、避難体制の整備、住民に対する防災意識の啓発等を中心とする対策を積極的に進めてまいりたいと存じます。  さらに、既存の百貨店、地下街、複合用途ビル等特定防火対象物に対するスプリンクラー設備等の遡及適用につきましては、さきの消防法改正の趣旨が的確に実現されるよう引き続き指導してまいる所存であります。  なお、これらの施策とあわせて、最近における消防業務の増大に十分対応するよう教育訓練等の機会を通じ消防職員、団員の資質の向上に努めるとともに、処遇の改善にも一層の努力を傾注してまいる所存であります。  次に、警察行政について申し上げます。  申すまでもなく、治安の確立は、わが国民主政治と国民生活の存立と発展の基盤をなすものであります。  私は、最近の厳しい社会情勢に的確に対応する警察運営の推進を図り、引き続き治安の確保に努めてまいる所存であります。  特に、最近の治安情勢のうち極左暴力集団は、世論の厳しい批判と警察の強力な取り締まりにもかかわらず、依然としてテロ、ゲリラへの傾向を強めており、爆弾事件や内ゲバ事件が後を絶たない現状にあることは憂慮にたえないところであります。  一方、右翼も最近の情勢に危機感を深め、活発な動きを示しております。  さらに、暴力団も各地で対立抗争事件を引き起こしたり、資金源獲得のための不法行為を行うなど、その動向には予断を許さないものがあります。  言うまでもなく、暴力行為は民主主義の敵でありまして、いかなる立場に立つものであれ、許すことのできないものであります。  警察といたしましては、従来も各種の暴力行為に対しましては毅然たる態度で対処してきたのでありますが、今後も各種の暴力事犯の検挙と続発防止に全力を傾ける決意であります。  次に、道路交通問題についてであります。  御承知のように、わが国の交通事故は、昨年で五年連続して減少したのでありますが、いまなお、年間の交通事故による死傷者は六十三万人を超えており、交通渋滞や排出ガス、騒音等による生活環境の悪化などとともに、国民生活に重大な脅威を与えているのであります。  そこで、今後とも関係機関と緊密な連絡のもとに、交通事故の減少傾向を長期的に定着させ、少なくとも五年後には、年間の死者数を過去のピーク時の一万六千七百六十五人の半分以下に抑えることを目標とするとともに、公害のない住みよい生活環境の実現を図るため、明年度から発足させる予定の第二次交通安全施設整備五カ年計画の推進を中心に総合的な交通安全対策を実施してまいる所存であります。  また、昨年新設されました自動車安全運転センターにつきましては、本年一月からすでにサービス業務を開始しておりますが、運転者に対する利便の増進と交通事故防止に大いに貢献させるべく適切な指導、育成に努めてまいりたいと考えております。  以上のほか、最近増加の傾向にあります少年非行の問題につきましても、次代を担う少年を健全に育成することは、社会全体の切望するところでありますので、警察といたしましては、関係機関、団体等との緊密な連携を図りつつ、少年非行の防止に全力を挙げてまいるつもりであります。  以上、警察行政に関する諸問題について申し上げましたが、これらの活動を推進するため、常に「国民とともにある警察」の確立を目指し、国民の立場に立った諸対策を講じてまいる所存でありますので、皆様初め国民各位の御理解と御協力をお願いするものであります。  このための対策の一環として、昭和五十一年度においては、厳しい財政事情のもとではありますが、人口が急増している新興住宅団地の派出所、駐在所要員を確保するなど緊急に体制を整備する必要がある都府県について、地方警察官二千人の増員を行うこととしたいのであります。また、警察官の資質の向上を図るとともに、処遇の改善についても配意してまいりたいと考えております。  なお、国民各層の重大な関心事となっております、いわゆるロッキード問題につきましては、事実関係の把握、解明に全力を挙げて取り組んでまいりました結果、関係者に関する外国為替及び外国貿易管理法違反の容疑が認められるに至りましたので、先般、関係個所に対する捜索を行い、多数の証拠資料等を押収いたしました。今後とも一層捜査を強力に進め、国民の期待にこたえるよう、本事案の全貌の解明に鋭意努めてまいる所存であります。  以上、所管行政の当面の諸問題につきまして、所信の一端を申し上げましたが、委員各位の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう、一層の御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。(拍手)

小山省二自由民主党

○小山委員長 次に、昭和五十一年度自治省関係予算及び警察庁関係予算の概要について、それぞれ説明を聴取いたします。  まず、自治省山本官房長。

山本悟自治大臣官房長

○山本政府委員 昭和五十一年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一に、一般会計予算でありますが、歳入は三千八百万円、歳出は四兆六百六十三億八千八百万円を計上しております。  歳出予算額は、前年度の予算額三兆四千六百九十一億七千二百万円と比較し、五千九百七十二億一千六百万円の増額となっております。  また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省四兆五百四十九億三千八百万円、消防庁百十四億五千万円となっております。  以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。  最初に、自治本省につきまして御説明を申し上げます。  まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、昭和五十一年度は三兆八千九十六億五千六百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和五十一年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額三兆八千六百五十六億円から昭和四十九年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れられた額五百五十九億四千四百万円を控除した額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  次に、臨時地方特例交付金の繰り入れに必要な経費でありますが、六百三十六億円を計上いたしております。  この経費は、地方財政の状況を考慮し、昭和五十一年度限りの特例措置として、交付税及び譲与税配付金特別会計を通じ地方交付税交付金として交付する財源の同特別会計への繰り入れに必要な経費であります。  次に、借入金等の利子の財源の繰り入れに必要な経費でありますが、六百八十九億八千九百万円を計上いたしております。  この経費は、地方交付税交付金に係る借入金及び一時借入金の利子の支払い財源を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、百五億円を計上いたしております。  これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、三十五億五千万円を計上いたしております。  この経費は、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として、四百九十八億三千七百万円を計上いたしております。  この経費は、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するために必要な経費であります。  次に、小災害地方債の元利補給に必要な経費でありますが、六億三千万円を計上いたしております。  この経費は、昭和四十一無以降昭和五十年までに発生した公共土木施設及び農地等の小災害に係る地方債に対する昭和五十一年度の元利償還金の一部に相当する金額を地方公共団体に交付するために必要な経費であります。  次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費につきましては、六十六億二百万円を計上いたしております。  これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に地方公営交通事業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、四十五億九千四百万円を計上いたしております。  これは、地方公営交通事業の再建を促進するため、再建事業を経営する地方公共団体が起こす再建債について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、再建公営路面交通事業のバス購入費の補助に必要な経費でありますが、二十三億六千三百万円を計上いたしております。  これは、再建を行う公営路面交通事業を経営する地方公共団体に対する当該事業のバス購入費の補助に必要な経費であります。  次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、二十億八千二百万円を計上いたしております。  これは、公営企業金融公庫の水道事業、下水道事業、工業用水道事業、今通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するために必要な経費であります。  なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費五億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。  次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、百五億八千九百万円を計上いたしております。  これは、昭和四十六年度末における公営地下高速鉄道事業債に係る支払い利子に相当するものとして発行を認める企業債の利子相当額について、地方公共団体に助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、公営病院事業助成に必要な経費として、八億二千二百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和四十八年度末における公営病院事業の不良債務の範囲内で発行を認めた公立病院特例債の利子について、地方公共団体に対し、助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費でありますが、百七十三億七千百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和五十一年度における衆議院議員の総選挙の執行に必要な経費、総選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する総選挙の啓発の推進をするために必要な経費及び総選挙の際に執行される最高裁判所裁判官の国民審査に必要な経費であります。  次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、十二億円を計上いたしております。  この経費は、選挙をきれいにするための国民運動を展開するとともに、常時、選挙人の政治常識の向上を図るための啓発に要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。  以上が自治本省についてであります。  次に、消防庁について御説明申し上げます。  まず、石油コンビナート地帯防災対策に必要な経費として、十一億三千三百万円を計上しております。  この経費は、石油コンビナート地帯における防災体制を確立するため、石油コンビナート等災害防止法に基づき地方団体及び事業者に対する防災指導を行うとともに、消防用特殊車両及び防災資機材の整備に対する助成並びに石油タンク等に関する技術基準の作成、防災に関する科学技術の開発等を行うために必要な経費であります。  次に、大震火災対策に必要な経費として、十三億四千九百万円を計上いたしております。  この経費は、大震火災の発生時における避難の安全、初期消火及び延焼拡大防止を図るために必要な施設等の整備、空中消火試験の実施並びに防災知識の啓発等、大震火災対策を推進するために必要な経費であります。  次に、消防施設の整備に必要な経費として、六十七億三千三百万円を計上いたしております。  これは、消防ポンプ自動車、防火水槽、はしごつき消防車、化学消防車及び消防吏員待機宿舎等、消防施設の整備に対して補助するのに必要な経費であります。  以上のほか、救急業務協力推進費補助に必要な経費として八千四百万円、消防防災無線通信施設の整備に必要な経費として九億円、林野火災対策に必要な経費として一億一千三百万円を計上しております。  第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。  自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は、六兆八千四百六億七千二百万円となっております。  歳入は、地方交付税交付金及び借入金等利子の財源に充てるための一般会計から受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。  歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。  以上、昭和五十一年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

小山省二自由民主党

○小山委員長 次に、警察庁鈴木官房長。

鈴木貞敏警察庁長官官房長

○鈴木(貞)政府委員 昭和五十一年度の警察庁予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。  昭和五十一年度の警察庁予算総額は、一千十六億四百万円でありまして、前年度予算額九百八億三千万円に比較いたしまして百七億七千四百万円の増額となっております。  次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。  第一は、警察庁一般行政に必要な経費三百九十一億四百万円であります。  この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の職員俸給等の人件費、運転者管理センターその他のために設置の電子計算組織の運用に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消粍品購入費等のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務費と都道府県警察官二千人増員に必要な教養経費等であります。  第二は、警察機動力の整備に必要な経費九十二億三千四百万円であります。  この経費は、ヘリコプター、警察車両の購入、警察用舟艇の建造、警察装備品の整備及び警察通信施設の整備並びにその維持管理等の経費であります。  第三は、警察教養に必要な経費十六億一千万円であります。  この経費は、警察学校入校生の旅費と警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備等であります。  第四は、刑事警察に必要な経費五億五千三百万円であります。  この経費は、暴力団犯罪及び一般の刑法犯の捜査、取り締まり並びに犯罪鑑識に必要な法医理化学器材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。  第五は、保安警察に必要な経費二千九百万円であります。  この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、密貿易、拳銃等に関する犯罪の捜査、取り締まり等に必要な資料の印刷費等と、公害事犯取り締まりに必要な鑑定謝金等であります。  第六は、交通警察に必要な経費八千四百万円であります。  この経費は、交通安全に関する広報、執務資料等の印刷費及び交通取り締まり指導のための旅費、物件費等であります。  第七は、警備警察に必要な経費四億二千九百万円であります。  この経費は、警備警察運営に関する会議、指導連絡等の旅費及び備品類の整備等に必要な経費であります。  第八は、警察活動に必要な経費百六億六千二百万円であります。  この経費は、警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。  第九は、警察電話専用回線の維持に必要な経費二十九億一千五百万円であります。  この経費は、警察電話専用回線を維持するために日本電信電話公社に支払う、いわゆる警察電話専用料金であります。  第十は、衆議院議員総選挙取り締まりに必要な経費二億八千万円であります。  昭和五十一年に行われる衆議院議員の総選挙における違反取り締まりを行うために必要な旅費及び物件費等であります。  第十一は、科学警察研究所に必要な経費五億八千五百万円であります。  この経費は、警察庁の付属機関として設置されています科学警察研究所職員の俸給等人件費と、鑑定、検査、研究に必要な機械、器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。  第十二は、皇宮警察本部に必要な経費三十三億三千二百万円であります。  この経費は、皇宮警察本部職員の俸給等人件費のほか、行幸啓の警衛に必要な旅費その他一般事務経費であります。  第十三は、警察施設の整備に必要な経費二十九億一千四百万円であります。  この経費は、直接国庫の支弁対象となっております警察学校等施設の整備に必要な経費であります。  第十四は、都道府県警察費補助に必要な経費二百九十八億七千三百万円であります。  この経費は、一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、外勤警察活動、防犯活動等の一般行政費補助金百四十一億二千三百万円と、警察署、派出所、駐在所、待機宿舎等及び交通安全施設に必要な施設整備費補助金百五十七億五千万円であります。  なお、交通安全施設整備費補助金は、昭和五十一年度を初年度とする第二次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の総事業費一千五百億円を前提とするものであります。  以上、昭和五十一年度の警察庁予算に計上いたしました内容につきまして、その概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

小山省二自由民主党

○小山委員長 以上で所管省庁の予算概要の説明は終わりました。     —————————————

小山省二自由民主党

○小山委員長 次に、警察庁当局からロッキード問題の捜査概要について説明を求めます。吉田保安部長。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田(六)政府委員 いわゆるロッキード事件について疑惑が公にされた直後から、警察といたしましては米国議会における証言や関係資料を初めとして、これらに関係のある情報や資料の幅広い収集を図り、これらの分析、検討をいたしております。  その結果、児玉譽士夫関係につきましては、昭和四十八年六月ごろから同五十年五月ごろまでの間、前後十回にわたりいずれも東京都内において、米国のロッキード・エアクラフト・コーポレーションが被疑者児玉譽士夫に支払うべき現金、合計三億四千三十四万円をロッキード・エアクラフト・リミテッドの社員から受け取った疑いがあり、また丸紅関係では、同社の専務取締役大久保利春並びに伊藤宏は、共謀の上、昭和四十八年八月ごろから同四十九年二月ごろまでの間、前後四回にわたり、いずれも丸紅株式会社東京支社において米国のロッキード・エアクラフト・コーポレーションが丸紅に支払うべき現金五億円をロッキード・エアクラフト・リミテッドの社員から受け取った疑いがあり、これらの資金の流れの関係で、外国為替及び外国貿易管理法第二十七条違反の容疑があるものと判断し、去る二十四日に児玉譽士夫関係で同人の居宅ほか三カ所、丸紅関係で丸紅株式会社東京支社ほか八カ所の合計十三カ所の捜索を行いまして、多数の資料を押収いたしたのであります。  これらの捜索を実施した二十四日付をもって、警視庁にロッキード事件特別捜査本部を設置し、押収資料の分析、検討とあわせて幅広い捜査を現在継続し、事件の解明に全力を挙げているところでございます     —————————————

小山省二自由民主党

○小山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木野晴夫君。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 ただいま福田自治大臣兼国家委員会委員長から、所管にわたりまして所信の表明がございました。  税法その他につきましてはそれぞれの機会に質問いたすことといたしまして、私は当面する地方行政につきまして、全般的なことについて大臣の所信をお伺いいたしたい、このように思うのでございます。  大臣は、本年は現在の地方自治制度が発足してちょうど三十年を迎える時期に当たっておる、その間に御承知のとおり経済の高度成長時代から安定成長時代に移った、また行政の重点も福祉に重点が置かれておる、こういった時代の移り変わりといいますか、そういった時期に直面いたしておる。考えてみるに、五十一年度はいわゆる石油危機の問題に一応解決のめどをつけまして仕上げにかかるときだ。それとともに新しい安定成長路線を施行する第一歩である。ちょうど地方行政全体につきましても、根本的に検討していくいい時期である、そのように考えているんだという意気込みを示されたわけでございます。私もそのとおり考えるわけでございまして、大臣がその後にまた言っておられますが、地方行政は時代の要請に即応した、住民のニーズにこたえたものでなければならぬ、こういうことで、地方制度調査会に対しまして諮問を出して、そして根本的に検討しているんだ、こういう話があったわけでございます。私は大臣とそういった点では考えが同一でございまして、根本的にこの際検討すべき時期に来ているのじゃないかと思うわけであります。一方、地方財政を見てまいりますと、地方財政はいまだかつて見ない危機に追い込まれておる、こういつたことで一言に申しまして尽きると思うのでありますが、こういったときでもあるわけであります。それで私は、地方制度調査会におきまして大臣はどういつだことを諮問し、また地方制度調査会におきましては目下どういつだところまで検討がなされ、またその結論がいつごろ出るのか、それに対しまして自治大臣はどういうふうに考えておられるのか、この点をまずもってお聞きしたいのでございます。  その次に私が申し上げたいことは、実は毎年毎年こういった問題がありますときに、ことしは根本的に考えるんだといつも申しておった記憶があるのでございます。私はこの制度調査会を見てまいりますと、十六回と言っておるわけでありますが、ことしは前回とはこういうところが違うんだ、前回はそのときは大事なことをやるんだと言っておりながら実は果たせなかったんだ、ないしは結果的に見てそのときびほう策に終わったんだ、しかしそれではいけないのでこういつた点を諮問しているんだ、こういつたことを考えているんだ、そういったところをはっきりと大臣の口から御説明願いたいのであります。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。  ただいま木野さんからお話がありましたように、今日の地方財政は高度成長から低成長に入る時代であり、またしたがって、それと同時に地方の国民の要望も福祉ということを中心にいろいろの施策を要望する状況下にあるわけであります。そこで、結局においては地方制度の見直しということは、歳入と歳出の面と両面にわたって見ていかなければならないかと存ずるのでありまして、歳入の面におきましては何といっても地方財源の充実を図るということが必要になるわけであります。これにはいろいろの方途がございますが、これが一つの大きな要請である。それから歳出の面におきますというと、いわゆる住民の要望にこたえる、ニーズにこたえるということでありますが、最近は特に福祉行政の見直しということ並びに福祉行政の充実ということ、これが非常な重要課題となっておる段階であります。  したがいまして、これらの面について考えていきますと同時に、一方においてはかねがね申し上げておったところでありますが、歳出の面におきまして、やはり人件費の見直しとかあるいはこれと公共事業その他の充実といいますかいずれにウエートがかかっていくか、いままでは社会福祉といいますか公共事業を充実するということに相当なウエートがパーセンテージの上でかかっておりましたけれども、最近いささか高度成長によりまして人件費のウエートが高まってきておることもこれまた事実でございます。もちろん地方自治体に勤める人たちの生活を向上させるということもわれわれの大きな目的ではなければなりませんけれども、同時にまた地方住民の要望にこたえるということも地方行政の一つの大きな柱でなければなりません。こういう面から見て、やはり人件費の問題等についても配慮をいたしてまいらなければならない時代に来ておると思うのでございまして、これらの、いわゆる歳入、歳出両面から見て、どのように時代の要請に応じていくかということが、地方制度は今後いかにあるべきかという考え方の中心になっていかなければいけないと思っておるわけでございます。  そこで、これらの諸問題につきまして地方制度調査会に対しまして従来しばしば諮問もお願いし、そうして答申を得ております。その答申の一部は実現を見ておるのでありますが、なおその答申のとおりに実現できない問題もいろいろございます。これにはやはり中央と地方との間においての意見の相違がありますこと、あるいはまた自治労その他との考え方において相違がありますこと等が一つの障害になっておることも事実でございます。抜本的に見直すとかあるいは根本的に立て直すとかという、言葉は非常にあれでありますけれども、言葉では実際の行政は改善されていきません。やはり実情に応じて、そしてそれを順次直していくということが実際に合った自治行政のあり方であると私は思うのでございまして、そういう意味からいっては、絶えず行財政を見直しをしていくということが必要で、絶えず行財政を見直ししていく上において地方制度調査会の活動にまつところが非常に多いと思うのであります。と同時に、この答申を受けた場合には極力その実現に努力するということもわれわれの大きな任務であると考えておるのでございまして、ただいま、どういうような課題について私が今後自治行政をやっていくつもりであるかという御質問でございますが、はなはだ木野さんの御質問には十分にお答えしておるとは思いませんけれども、しかしすべて具体的に一つ一つ着実に実行していくということが、私は、じみではありますけれども、いわゆる自治というものを充実していき、また地方自治体の活動を時勢に応じて行っていくという道に相通ずるかと存じておるのでございまして、そういう意味で今後も地方制度調査会の活動等に大きな期待を寄せておる、こういうことでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 地方自治体、地方自治、そういったものは歴史的なものでありまして、私も、いま大臣のおっしゃった着実に積み上げていく、それがやはり一番いいんじゃないかと思うわけであります。しかしながら、もし因習とか、そういった打破しなければならぬのが打破できないということでありましたならば、ひとつ勇断をもってそういった壁は取っ払っていただきたい、このように思うのでございます。  それで、私は、いままでの議論を見てまいりまして、そのときは大いに議論したがその後しり切れトンボになっている問題が多々あると思うのでありまして、その点につきまして問題を提起いたしまして、簡単に御意見を聞きたいと思うのであります。  先ほど申しましたように、私も、地方自治体なるものはこれは歴史的なものであって、そうして皆さんの努力によって少しでもよくしていく、力強く一歩進めていく、こういうことだと思うのでありますが、観念的な問題といたしまして、地方自治体とは何であるか、府県なのかそれとも市町村なのかといった問題があるわけであります。これはもう理屈の問題でありまして、どうということございませんが、一応大事なことであると思いますので、府県と市町村、この関係をどのように考えておるか、大臣の所見をお伺いいたします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 御案内のように、府県の中に市町村があるわけでございまして、そこで府県としては、その府県の中における住民の生活向上といいますか、そういう面を大きく考えて、そうして行財政の運営を図っていくというのが府県の任務ではなかろうかと私は思っております。そこで、今度はその中における市町村というものは相当小さい地域、府県に比しては小さい地域になり、同時にまたそこに特別な住民の要望、要請等がいろいろあると思われるのであります。その要請にいかに対応して行財政を行っていくかということが市町村の任務ではなかろうかと思うのでございまして、これらが両々相まって府県の住民の福祉の向上、あるいは平和な、豊かな生活を求める行政の目的が達成される、そしてその府県の上に国というものがあって、またその両者相まって国民全体の福祉の充実を図っていくというように考えていくべきではなかろうか、かように考えております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 この問題は、たとえば地方自治体を考えますときにどういうふうに仕事の分野を考えていいのかというようなときに関連いたしますので、お聞きしたわけでございますが、理論的にどうだと言って割り切れる問題でもないと思いますし、むしろ私は歴史的に、そうして全体を通じてうまくいくように、こういうふうな考え方でいってもらいたい。大臣のお考えで結構だと思うわけであります。  その次に、地方行政は広域でなければいかぬということが出たと思うのでありますが、道州制の議論がよく出たのでございます。一時盛んに議論されたのでございますが、大臣はそれについてどのようにお考えになっておられますか。私もこの問題につきまして、これまた歴史的な問題でございますから道州制がいいとは言っておるわけじゃないのでありますが、議論が出たのでありますが、最近は出ておらないわけであります。どういうふうに考えておられるか。それから府県合併。阪奈和合併という問題も出たことがあると思うのでありますが、その後そういった話はどうなっておるのか。府県合併とかについてどういうふうに考えておるのか。これまた私がいいと言って聞いているわけではないのでありますが、大臣の考え方。それから、そういった問題を通じまして起こってまいりますのには、やはり広域的な行政が必要になってきておる、それにどういうように対処するかという問題だと思うのでありますが、それについての大臣の考え方、あわせて三点、お聞きいたします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 道州制の問題が非常に強く訴えられたときがあり、次にまた、府県の統合の問題が主張せられたこともあります。お説のとおりでございます。  この問題は、いろいろ起こってくる次元によってその理由が違っております。たとえば道州制というものが最近起きた一つの大きな理由は、府県がぞれそれ独自でやっておるのを、むだを省く意味において道州制を確立した方がいい、あるいはまた、その意味で二県なり三県なりが統合される形をとるのがいいじゃないかということが私は最近の一つの大きなテーマであったと思うのでありますが、これは非常に政治というものの根本の問題に触れてくるのであります。先ほど木野さんも言われたように、すべての自治体には一つの歴史というものがございます。同時に、日本のような狭いところでありますと、やはりそれぞれ自分の地域というものに対して大きな愛着を持っておる人がございまして、それが歴史の一つの姿ではなかったろうかと私は思うのです。徳川幕府以来において、大名というものがあったりしたとき、それからその後において府県制がしかれましても、それぞれの府県にそれぞれの特徴があったということ、またそれぞれの府県においては、経済の問題においても産物においていろいろ相違があるとか、交通関係でいろいろな特殊性があるとか、いろいろの問題がありまして、それを中心にして物を考えていくべきではないかという一つの大きな主張がありますと同時に、今度はまた、国全体から見ると、やはり日本の国民である以上はどこにいる人たちも平等に取り扱われなければならないではないか、行財政の面においても公平に行われる必要があるではないか、この点は府県と市町村の関係で先ほどちょっと申し上げたところでございますが、それと同じような意味においてこういう主張が相当強うございます。そこで、おしなべて言えば、小さい個人なら個人というものを中心にして、あるいは一つの地域というものを中心にして、そして政治の運営の問題を考えていくというような空気が非常に強くなればなるほど、いわゆる地方自治というものを中心にした物の考え方が出てまいるわけであります。ところが、国が全体として栄えておりますときにはそういうことも結構でありますけれども、一方、経済等が非常に落ち込んでくるような時代になりますと、今度は全体としての問題を見てくれなければ困る、こういう要望がまた強くなってまいると思うのでありまして、言うなればそういう一つのカーブを描きながら政治というものは動いておるのだと私は考えておるわけでございます。いずれが絶対性があるかということよりは、そういう点をまず頭の中に入れて、それから今度は将来の展望というものをひとつ大きく見て、そして問題を考えていかなければならない、こう考えるのであります。そうしますと、歴史がありますからしてなかなか合併というようなことができないことにはなります。なりますが、というて、やはり交通機関がこれだけ発達した時代において、何もその地域だけにこだわって行政を考える必要がないではないか、やはり物によっては各市町村が一緒になって、そして行政をやる方が住民全体の利益になるのではないかというまた一つの考え方が出てくるのは当然であります。統合ということがある一定の限度まで進んで、もうそれ以上できないとなれば、今度はそのうちでこういうテーマだけはみんなで一緒にやったらいいではないか、こういうのが広域行政を主張する合理性、その意味で行政の合理性を求めておるということであると思うのでありまして、この意味ではやはり広域行政というものは今後も推し進めていかなければならないことであり、また、それが時代の要望にかなう道ではないか、かように私は考えておるわけでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 行政が広域的でなければならぬ、また合理性を持たなければならぬという要望が常にあるわけであります。そういった意味からこういった問題が出てきたのでありますが、私は先ほど申しました、歴史的なものでありますから、そういった意味には必ずしも賛成しないわけでありますが、問題はいつもあるわけでありますから、そのときには議論した、それがぷっつり切れてしまったというのはおかしいのでありまして、こういった点については引き続き、広域行政という意味から、また合理性という意味から、十分検討されていっていただきたいと思うわけであります。そのときに、大臣が言われました大事なことでありますが、地方自治というものにつきましての流れがやはりあるわけであります。地方自治といいますものは根本をなすものであると思いますので、そういう点から、自治省においても十分考えて進んでいっていただきたい、このことを強く要望するものであります。  次に、そういった意味からいきますと私は地方行政で大臣としても一番しっかりやっていただかなければならぬと思いますのは、地方自治が当面いたしております問題のうちで、人口集中の波に押しまくられまして、地方行政が非常に危機に立たされたという点があると思うのであります。それに対しましては人口急増地域に対する対策、そういった点がなされていると思うのであります。私は後ほど財政局長からも本年度の対策についてお聞きしたいと思いますが、人口急増地帯に対してこのように手を打った、助成したというのとともに、もう少しきめ細かく見ていただきたい。ニュータウンができた場合なんかは、人口が同じく集中でありますが、一つの町ができるわけであります。そういった場合には、普通の町が人口がふえるのと違いまして、また独特の要素を示しているわけでありますから、こういったのはまた一つの柱を設けて考えるとかしていただきたい。  ニュータウンの場合に、ニュータウンと隣の旧村との関係が非常に格差があるわけでありまして、ニュータウンについてこのようにしたからいいのだというのでなくして、むしろその隣接する旧村、それについてどういうふうに手を打ったかというようなきめ細かい配意をしていただかないと、住民の気持ちの一体性と町に対する愛着というものを損うことがありますので、この人口急増の波に対してどのように自治省は対処しているか、五十一年度どのように対処したか、またニュータウンとか、そういったものについてもう一つ柱を設けて検討する気持ちはあるのか、それについて、財政局長で結構でございますが、お聞きします。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御説のように、人口の都市への集中とか大規模な住宅団地の開発、これに伴います急激な人口の増加、これが都市需要をかき立てておりますのは御指摘のとおりでございまして、私どもも何とかこういった事態に対処をしたいということでいろいろ苦心をいたしておるところでございます。  いままでやってきました処置といたしましては、まず税制等におきましては、事業所税等の新税を創設をしていただく、このことによって都市的需要を賄うというようなことも考えさせていただいたわけでございますし、交付税制度におきましては、人口急増補正その他いろいろな補正を設けまして、人口急増団体への交付税が傾斜配分できるような措置も考えたわけでございます。  なお、そのほか非常に端的な直接の措置として、人口急増地域に対する財政上の特別措置として、公立の小中学校等を建設いたす必要が出てまいりますが、これの用地及び校舎、幼稚園の園舎、消防施設、こういうものに対しまして国庫補助率を引き上げるという措置もとっていただいておるわけでございます。  なお、ニュータウン造成等に伴いまして各種の公共関連施設の併設が必要になりますので、これにつきましてはいわゆる五省協定に基づきまして日本住宅公団等が立てかえ施行をして、地方が造成すべき施設を立てかえて設置をする、こういう制度もとっておるところでございます。  なお、五十一年度におきましてはただいま申し上げましたような措置を継続をいたしますとともに、特に学校用地取得費に対する国庫補助制度を五十一年度から五十五年度まで五カ年間延長する措置をとりましたし、交付率を六五%から七〇%に引き上げる、こういう措置もとりました。それから五省協定につきまして、立てかえ施行制度の拡充改善をやる、こういうこともいたしておるわけでございまして、そのような措置をいろいろとっておる次第でございます。  なお、このような人口急増対策につきましては今後ともあらゆる分野を通じて検討し、改善をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 人口急増対策というのは、地方自治の場合に非常に大きな問題であって、これに対処できないようでは、地方自治体としましても落第と言っていいのじゃないか。またそれを監督指導いたします自治省としましても、これもよう助けてやらないようでは、私は及第点はつけられぬと思うのであります。いま財政局長からこういった点をやっておるのだということがございましたが、重ねて大臣にお伺いしますが、ニュータウンの場合、これは一遍市町村長に聞いていただいたらわかると思うのでありますが、これにまいったと言っておるわけであります。こういったニュータウンの問題、その他市町村がいろいろ問題を抱えておるわけであります。それぞれの町にはそれぞれの問題があるわけでありますが、ひとつきめ細かい適切な対策をとっていただきますように重ねてお願いする次第でありますが、この人口急増、ニュータウン、そういった関連につきましての大臣の考え方をお聞きします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お説のとおりでございまして、一般的に言って人口急増地域に対する対策を怠るわけにはまいりません。しかし、同じく人口急増地域といっても、普通の場合とニュータウンをつくったような場合とでは、またおよそ事情が違っておることもお説のとおりでございます。従来の町に非常に人口がふえたという場合、それから新しく一つのニュータウンができて、そこで急に人がふえたという場合とでは、その行政における必要度、それから地方住民の要望度も非常に違っておるかと思うのでありまして、これはやはりある程度差を、差というのはおかしゅうございますが、それぞれの要望、ニーズに応じて対策を立てるということが必要かと思うのであります。  ただ私は、この機会でありますから一言だけつけ加えさしていただきたいと思いますことは、やはり経済の発展、経済の高度化に伴って人口の移動というものは非常に大きく行われてまいりまして、そしてその結果が今日いろいろな問題点を起こしておるのでございますが、過疎対策というものが必要になる一方において、今度は人口急増地域に対する対策というものが要る。いままでつくった市町村の施設が全然使われなくて、今度は住民が非常にふえたところにおいて国が非常に施策をしなければならないという問題、いわゆる過密過疎という問題をどううまく連結というか、考えながら行政をしていくということも非常に必要ではないかと思うのであります。たとえばいまここに一つの大きな工場ができて、そこを中心に新しい都市ができた、町ができたといたしましても、その工場が一体どれくらい今後ずっと繁栄してやっていけるのかどうかというようなことによって、せっかく対策を講じたこともかえってまた必要がなくなったり、あるいは人口が過疎になっていくような場合もないわけではありません。こういう意味から言うと、経済の動向というものにはよほど国、自治体とも注意をしておりませんと、非常にいいことをしたのであるけれども、結果においてはむだ金を使ったことになる可能性もなしとしないと思うのでありまして、そこいらは非常に注意深く行政をやっていくという必要がある。私はその点も頭に入れながら、常に過密地域に対する対策というものを考えていく必要があると考えておる次第でございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 次に、私は地方財政についてお伺いしたいのでありますが、先ほど地方自治についてどういうふうに考えるかと言いましたときに、大臣は歳出歳入という面から触れられまして、そしてじみちな話があったわけであります。その場合に私も地方自治という線は置いておいて、地方自治体が充実しておる、この基盤をつくってやることが国として一番大事なことじゃなかろうかと思うわけであります。ところが、地方財政はいまだかつて見ないほどのピンチに追い込まれておる、これが現状でございます。  私は戦後ずっと振り返ってみるわけでありますが、たしか昭和二十九年ごろに自治体が非常に赤字になりまして、財政再建法をつくりまして、数多くの地方団体が財政再建団体になったことを思い出すのであります。ちょうど景気がよくて、それから景気の後退期に入って その波をもろにかぶって各市町村が赤字に転落した。しかしながら、その再建団体は全部立ち直った。その後準用団体ということでその法律の適用を受けて立て直しを図っておるわけでありますが、二十九年、一番多いときに府県、市町村でどの程度の財政再建団体になったのか、その後準用団体となったのはどの程度あるのか、現在準用団体で残っておるのが幾つあるのか、財政局長から説明願います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、昭和二十九年度から三十年度にかけまして地方財政が大変厳しい立場に立たされまして、赤字団体が累増いたしたのでございます。その当時の赤字団体は全地方団体の、府県、市町村を通じましての三八%、約四割弱でございます。これに達します二千二百八十一という多くの団体が赤字に相なりました。このうち五百八十八団体が財政再建団体、こういうことに指定をされまして財政再建をいたしたのでございます。その後、御指摘をいただきましたように、この措置は順調に進みましてそれぞれ赤字の解消をいたしたのでございます。ただいまの状況で財政再建法を準用いたして財政再建を行っております団体は、今年度新たに二市が加わりましたが、その加わりました二市を含めまして現在三市六町、数にいたしましては非常に少しでございますが、それが現状でございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 いま財政局長から話がありましたが、昭和三十年ごろにそれだけ多くのものが財政再建団体になった、しかしながらいずれも立ち直ったというのでありますが、これは私は経済の成長がその後続きまし光ので、環境がよかったので立ち直ったのじゃなかろうかと思うのであります。現在未曽有のピンチだと言われておりますが、そういった点からいきますと、たとえば自治省の減収補てん債、もしこういったものの措置をとらなかったならばほとんどの地方団体が赤字に転落してしまう。また、今度赤字になった場合に、経済が安定に向かう時期でありますから、その傷を治すのもなかなか大変だと思うのであります。したがいまして、問題を二十九年のときよりさらに深刻に考えていくべきじゃなかろうかと思うわけであります。そういった意味から見てまいりますと、自治省においては、減収補てん債をつけたからというのではなくして、むしろ実態的には二十九年当時の数が出てくるとこれは大変だというぐらいの対策を持って臨んでいただきたい。このことを指摘いたしますとともに、今度の場合には経済がそういった安定時代に移るわけでありますからなかなか大変だ、このようにひとつ受けとめてもらいたいと思うのであります。  それで、今回の減収補てん債、地方債、縁故債、そういったものをずっと見てまいりますと、地方債は五十一年度で四兆八千億程度出す、そして減収補てん債、これは政府の方でめんどうを見るが、市町村の税金の落ち込み分、これは市町村の方で減収補てん債——国の税の減収分につきましては国でめんどうを見るが、市町村分のものにつきましては、減収補てん債と認めるが、これは市町村の方で金を探してくるわけであります。まあ縁故債になってくると思うのでありますが、新聞で見ますると、この縁故債を募集するのに各市町村では非常に苦労して、そして走り回っておる。しかもそれが三月とか五月とかに集中するので大変だという記事を見るのでありますが、私はそういった記事を見まするときに、そういったものを世話する銀行といいますか、いまから十年ぐらい前だと思うのでありますが、かつて地方団体金融公庫というものをつくりたいというふうなことを自治大臣なり自治省なりの方で言われておったことを思い出すのであります。もしこういったものがあったならば、全部が全部とは言えませんが、こういったところが相談にいろいろまた乗ってやってやるとかというふうなこともできたのじゃないか。また、高度成長のときに金が余りましたのでそれをば国に貸したというふうな時代もあったのでありますが、そういったときにこういったものをつくっておいたならば、そのときの金でいろいろまた知恵も働かせられたのじゃないかと思うわけであります。私は現在地方財政が非常に赤字である、その実態は非常に深刻である、このように受けとめますとともに、減収補てん債だとかないしは縁故債というふうなときに各市町村が、各地方公共団体が走り回っておるのを見まするときに、こういった地方団体金融公庫、名前はいろいろありましょうけれども、こういったものがあればいいのではないかと思うわけであります。このときできましたのがたしか公営企業金融公庫というのでありますが、公営企業金融公庫はできましたが、そんな形に変わったと思うのでありますけれども、こういった地方行政のピンチを見ますると、こういったのがあれば相談にも乗れたであろうに、そしてまた、実はいま財政の非常に窮屈なときの話でありますから、時期としては悪いかもしれませんが、いまから数年前金の余ったときに、そういった金をこういったところにプールしておいてやったらよかったのではないかと思うのでありますが、この地方団体金融公庫、こういった構想につきまして大臣はどういうように考えておられますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 地方金融公庫といいますか地方団体金融公庫といいますか、いま御指摘がありました考え方は非常に貴重なお考えであると私は思っております。実は、この五十一年度の予算の編成に当たりましても、この点についてはいろいろ考慮いたし、また事務的には大蔵省方面とも折衝をいたした事情があるわけでありますが、しかし大蔵省の方といたしましては、いわゆる市町村が非常に財政的に脆弱で、そうして銀行に借り入れを申し込んでもなかなか困難であると思われるような市町村に対しては、むしろ政府資金を充当するというやり方で、できるだけ縁故債に頼る額を減らすようにしてはどうか、それからそうは言っても縁故債をどうしてもせなければならぬというようなことになることも考えられるが、その場合においては大蔵省としては責任を持ってそれが消化できるように指導をするつもりである、こういうような話がございまして、私もいろいろ考え方はあるわけでありますけれども、この地方の財政、金融という問題を考える場合において、まあとにかく一遍はこのやり方でやらしてもらいたい。これにはまた大蔵省は大蔵省の言い分、いわゆる一括的に金融をやっていくということが経済の運営に必要なんだという物の考え方、これは一つの考え方でございます。そういう考え方からして、とにかくことしは、ことしはというか五十一年度はこの考え方でやってはどうか、こういうことでありますから、弱い市町村には政府の資金を振り当て、また地方の縁故債については責任を持つということでございますから、これは大蔵大臣と話し合いをいたしまして行ったわけでございますが、まあまあことしはこの案で一応やってみよう、こういうことに合意が成ったわけでございます。でありますからして、将来の問題といたしましては、いま御指摘になった公営企業金融公庫を地方金融公庫というようなものにしてはどうかという問題が、今後の予算編成の時期には常に問題として浮かび上がってくるのではないかと私は考えておるわけでございます。  そこで、話はいささか前に戻るのでございますけれども、三十年のときと、そうして今日の地方行財政というものとは、ある意味において非常に似通ったものがあるけれども、あのときよりは今度の方が非常に回復がおくれるであろうという御指摘があったわけであります。私も一般論としてはそうだと思いますが、しかし考えてみますと、三十年のときに、あれだけ非常に苦しい時代においても三、四年の間は実はその苦しい時代が続いたわけでございます。市町村がそれに耐えて、そうして歳入歳出の面を見直していきました結果において、ある程度地方自治体というものの基礎が固まっていったと思うのでございますが、今日の状況も、私はやはり地方自治体が世界の経済の動き、日本の経済の活力、こういうことを十分に見ながらやってまいりますならば、決して立ち直ることが困難であるとは思いません。そういう意味において、やはり歳入歳出という面は十分見直しながら運営をしていく必要がございますけれども、これでもうどうにもならなくなるというような考え方はとらないわけであります。しかし、何と言ってもやはり地方自治体にとにかく自前で物事が処理できる活力を与えてやるという必要がございますから、そういう意味では、これからも中央としては地方自治体のために大いに努力をいたしてまいる考えでございますので、御了承を賜りたいと思うのであります。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 新聞の記事なんかでも「しかし一部の大都市地域を除いて、この借金交渉は難航気味で、金融機関側が発行予定額の削減や利回りなどの条件で厳しい注文をつけるケースが多い。このため自治体側は協調融資団をつくるよう動いたり、新しい資金ルートを探すなど、苦心の作戦を立てている。五十一年度はさらに大量の地方債が発行される見通しとあって、関係者の間には、地方債発行−消化の新ルールづくりを求める声が強くなっている。」こういう声もありますし、私は、地方自治体金融公庫があったならば、そういったときにまた知恵が働かせるのじゃないか、こう思うわけであります。政府の金をつけるからというのでありますが、全部つけるならそれでいいわけでありますが、縁故債にこれだけ多くの額をなにしておるのでありますから、ひとつ何かにつけていろいろこういった構想も研究していただいてと思うわけでございます。私も苦しい苦しいと申しましたが、苦しくてへたばってしまうのではなしに、がんばって立ち直ってもらわなければならぬし、また、立ち直るだけの活力はあると思うのでありますが、たとえば神戸市におきまして市民が市債を持ったというふうな話もあるわけでありますが、ああいったことについて大臣はどういうふうに考えておられますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 まず神戸市の市民が神戸の地方債を持つことを始められたということについては、私は非常な関心と同時に、これでなければ地方自治というものは確立していかないのだという考えを持ったわけでございます。相なるべくばそういうような方向に行ってもらいたいと思うのでありますが、前に返りまして、地方縁故債の消化でございますが、公債というものは、御案内のように、発行条件、またそのときの金融状態等によって非常に変わってまいるわけでございます。金融が非常に緩和されておりますような状態でございますと、地方債の発行もわりあいに楽でございます。また、ある程度タイトになっておりましても、発行条件が非常にいいということになりますと、応募は非常に簡単でございます。今度のことしの一月、二月にかけまして相当地方債を出しましたけれども、これが発行条件がある程度有利だという意味でございましょうか、金融機関といいますか、特に株に関係のあるような金融機関が多数引き受けるということで、案外思ったより楽にこの発行ができたというような記事もあるわけでございまして、これは一概に地方債であるから絶対に消化はできないというものではないと私は考えております。しかし、いずれにしても、縁故債を出してこれが担保適格債でございませんというと、その地域の中小企業金融等に与える影響というものが非常に大きい、それだけ金が固定してしまうわけでありまして、日銀へ持っていってこれを担保にして金を借りるとかあるいはその他の方法を講ずることが困難でありますからして、そういう意味では、やはり地方債というものが非常にふえるということはかなり問題があると思われるのであります。したがって、木野さんが最初言われたように、地方自治体自身が一つの金融公庫というようなものをつくって、そしてそこで、同じように苦しんでおる者がみんなで金を出し合って、個人で言えば無尽だとか講だとかいうようなことをよくやりますが、そんなような形で、困った自治体に金を貸しつけるというようなことをするという考え方、これは私は一つのりっぱな構想であると思っておるのでございますが、同時にまた、その地域の住民が、われわれの市が、われわれの県がそういうような地方債を発行するような場合にはひとつ引き受けてやろうというようなことになることが、今度は県会あるいは市町村会等において市の財政問題等を検討していく場合において住民は非常な利害を感ずることになりまして、まあ任しておけばいいんだ、県に任しておけばいいとか、あるいはもう県会議員を出しておけばそれでおれらはやっているんだというんじゃなくて、直接の利害関係が出てくることになりますから、私は、そういう意味では非常に意味のあることであるし、できれば各地域においてそういうことが行われることになれば大変いいのではないかというふうに考えておるわけであります。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 縁故債が日銀の担保適格じゃないというお話、大臣から説明がございましたが、私も、その金融公庫があればそういうようなこともまた交渉できるのじゃないか、そうするとまたそれで動いてくるのじゃないかということで申し上げたのでございますが、ひとつ御検討願いたいと思います。  住めば都という言葉がありまして、たとえ山の中でも住めば都だと愛着を感ずるわけであります。この住民のそういった気持ちをばひとつくみ取るようにしていく、これが地方自治の一番の大事な点じゃなかろうかと思うわけであります。そして、それがニーズにこたえますと、住まばこの町という気になるわけでありまして、そういったところ辺が私たちも願っておるところでございます。そういった点からいきますと、自治省といたしましてなおしていただきたい点は、さっき申しました人口集中の波に巻き込まれないように対策を講ずるということもありますし、また、きょうは触れませんが、超過負担の解消、これにつきましてもひとつ十分に検討していただきたい。四十六年度におけるものにつきましては、事業をば幾つか挙げて、それについては二年で解消したと、こうなっておるわけであります。自治省の方はそう言っておりますが、政府の方はそう言っておりますが、自治体の方ではまだそれでは不十分だ、またその上にこういった超過負担があるんだというふうな声もありますので、そういった点につきましても十分にひとつ検討、対策を講ずるふうにやっていただきたいと思うわけであります。時間がございませんので、このことを要望いたして、もう問題は十分おわかりだと思います。この問題を議論しますとまた時間がかかりますので、こういった問題をひとつしっかりとした対策を立てていただいて、住めばこの町というふうな気持ちを住民に持っていただけますように、そしてこのピンチを乗り切っていただくようにしたいと思うのであります。  それとともに、新聞紙上を見ますると職員の汚職がやはり目につくわけであります。私も大阪でありますが、大阪におきましても水道関係で大きな汚職があったという記事を見ておるわけであります。この職員の汚職、そういったものがあっては、私は住民に対して申しわけないと思うわけでありまして、こういった点のないようにひとつお願いいたしたいと思うのであります。  それとともに、先般も新宿で銀行強盗がございまして、若い警察官の方が殉職されましたが、そういった記事も伺うわけであります。職員の方のうちには、そういうふうに公務に殉職するという方がございます。また、私の町で、消防の職員で火災消火に努めて殉職した、まだ若い職員でありますが、そういった方もあるわけでありまして、私は職員のモラルの高揚といいますか士気の高揚を図るということも、現在の地方自治体のこういった危機を乗り切る一番の大きな要素であると思うのでありまして、その点につきまして大臣の所見をお伺いします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 超過負担の解消の問題につきましては、御指摘のとおり今後もひとつ大いに努力をいたしてまいる所存でございます。  さらに、何といいますか、地方公務員のモラルの問題でございまして、これにつきましては、自治省としてはしばしば地方に通牒を出して、そういう点に特に注意をするように指摘をいたし、勧奨もいたしておるところでございますが、これからもひとつ大いに努力をいたさなければならないと考えておるわけでございます。実は私が今度のロッキード問題などが出ましたときに公安委員長といたしまして、公安委員の総意をもってこの問題を徹底的に究明をしなければならないということを言いましたのも、自分らが言っているだけで一体どうなっているのかということでは、そういう大きな問題の方はどうなっているのかというのでは、警官その他も仕事がやりにくい、また自治体の公務員の人でも、まじめにやっている人は非常に何か不愉快な感じがするであろうということが一番大きな原因であり、またこれをわれわれが主張をいたした、三木総理に進言をした理由でございまして、その意味では私に木野さんと考え方を同じゅういたしておると思うのであります。特に警察官の殉職、実はこの間の殉職警官が非番というか、自分が担当でないのに、そこへ偶然に入って、そしてそこで射殺された、しかも長男で一人っ子だったというような、私は、あれを考えると親御さんの気持ちはどうであろうかと、本当に警察を担当しておるといいますか、これを指導しておる国家公安委員長として申しわけないと思って、できるだけこれは手厚く処遇をしなければならないということを公安委員会の席上においても私は強く主張をいたしておいたわけでございますが、まあそればかりではございません、消防職員にいたしましても、あの非常な災害が起きたときに命を的にして、そうして働いてくれておる、こういう人たちに対しては、私はより一層、このそういう危害に見舞われたような場合には手厚い処遇をして差し上げるように努力をする義務があると考えておるわけであります。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 大臣に、殉職された警官、ないしは黙々としてそういった仕事に励んでおる消防とか警察とか、そういった方々、また自治体の職員でもそうでございますが、そういった方の士気が宮揚するように、ひとつ十二分に考えていただきたい、このことを重ねてお願いいたす次第であります。  それから、市町村におる人が一生懸命仕事ができるというふうな気持ちといいますか、そういったムードが第一かと思うのであります。私はそういった意味でよく聞かれますので、その点につきまして、農業につきまして一例を挙げて大臣の考え方を聞きたいと思うのでございます。農業をやっている方はそういった点素朴でございますので、非常に心配している、そういったときにはその心配をできるだけ早く解消してやる、また考え方がそうでない場合にはそうでないんだというようにしてやるということが安心すると思いますので、農業に限らずすべてそうでありますが、最近聞かれました農業の例について申し上げますと、農地の宅地並み課税というものがございまして、農地に対しまして宅地並み課税をするんだ、これは市街化地域の農地についてでありますが、実施の段階に入ったわけであります。いろいろ農業者の方から、また市町村の方から自治体の万から陳情その他ありまして、A、Bについて課税をするということで来ておったわけでありますが、五十一年度から、場合によってはC農地に課税する、こういうふうなことで、五十一年度四月から課税するならば五十年度の秋ごろから成案を得なければいけないということで、そういった問題が出てまいりまして、全国の農業関係者また地方自治体その他からそれに対する強い反対の陳情があったと思うのであります。私たちもそういった意見を聞きましてもっともだということで、機会あるごとに申しておったのでありますが、自民党の方におきましてもC農地に拡大しない、こうなりまして、そうして法案におきましてもC農地に拡大しないんだということで、関係者皆喜んで帰ったような次第でありますが、法案が出てまいりますと、五十一年度とあるを五十四年度と変える、こう書いてあるわけであります。そこで農家の人たちがまた心配しまして、それでは五十一年度というのを五十四年度またやるのか、あれだけ説明したのにわかってくれないのかということでおるわけであります。あのときよくわかったということで、なくなっておると思うが、五十四年度と書いてあるから一体これはどういうことなんだ、自治省は税金を取りたいから、あのときは引っ込めたが、また今度は巻き返すんだ、今度は五十四年度は陣容を改めてかっちりとやって、今度は負けぬぞというふうなことでおるんじゃないかということで、そんなにわからぬのならという話が出るわけであります。私は農家の方も、福田大臣のことでございますからこうはなっているがわかってくれたと思っておるかもしれませんが、こういった点がなくもがなの条文ではないかと思うのでありますが、これについての大臣の考え方をお聞かせ願います。C農地に拡大しないということで終わったわけでありますが……。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 市街化区域のうちの課税のあり方につきましては、すでに御承知のように昭和四十六年以降大変いろいろな御論議をいただいたわけでございます。現在の仕組みは、御指摘のありましたように三大都市圏のA、B農地につきましては課税の適正化を進める、三大都市圏のC農地と、それから三大都市圏以外の市街化区域農地につきましては、五十一年度まで検討を行って五十一年度に必要な措置を講ずる、こういう仕組みに落ちついてまいったわけであります。ただ五十一年度の税制改正を検討するに当たりまして、私どももいろいろ税制調査会などでも御検討いただきましたが、何と申しましても都市計画の市街化区域における都市施設の整備状況あるいは市街化の進捗状況などにつきまして必ずしも一斉に急速な進展が見られているというわけにもまいりません。そういうふうなことから、まず検討対象とされております三大都市圏のC農地とそれ以外の区域の市街化区域農地につきましては、引き続き五十三年度まで検討をする、五十四年度において必要な措置を講ずる、こういう措置を講ずることにいたしたわけであります。さらにその間におきましてA、B農地につきましても市街化の状況その他もいろいろございますので、市町村が現に耕作の用に供しております、かつ三年以上引き続き耕作の用に供すると考えられます場合には一定の減額措置が講ぜられる、実態に応ずるような税負担を求める措置も講ぜられる道も開いたわけでございます。そういうことを講ずることによりまして、市街化区域農地の課税のあり方について、五十一年度の税制改正案を御審議願おうと考えておるわけでございます。  三大都市圏のC農地につきまして今後どのように考えていくかということにつきましては、法律上はやはり五十三年度まで慎重に検討いたしたい。私どもといたしましては、市街化の状況あるいは都市施設の整備状況というものを十分考えて税負担のあり方を求めることが妥当かと考えております。いまお話しのように、何が何でもC農地を五十四年度から宅地並み課税に持っていくのだというふうな気持ちは現段階では持っておりません。白紙の状態でございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 白紙の状態だったらこれがなくてもいいわけでありますが、問題は、もう一度申しますが、C農地について課税をする、C農地について五十一年度に検討するということで、昨年の秋ごろから議論が出まして、それで農家の方々は、そしてまたC農地に拡大すべからずという方は、自治省の担当の方なりを呼んでもうあれだけ説得したので洗脳成って帰った、こう思っているわけであります。白紙じゃなしにわが味方になったということで帰ったと思っているわけであります。私は重ねて、この問題は住民のいろいろの希望もあります。都市近郊農業、これをどうするかということにも関連するわけでありますので、十分にお考え願いたいと思うわけであります。  大臣に申し上げますが、農家の方々は非常に単純でございますので、自治省の方はもう自分たちの味方だ、農林省の人よりも話がよくわかるということで帰ったと思うのでありますが、いま聞きますと白紙ということであります。ひとつ、同じ白紙でも前向きの白紙もあれば後ろ向きの白紙もるわけでありますから、ひとつ十分にそういった点は考えてやっていただきたいと思うわけであります。  それとともに、なお二十条というのもございまして、調整地域の農地につきましても五十四年度以降において検討すると、こう書いてあるわけであります。これまた初めて見まして、今度は調整地域の方がびっくりしておるのであります。これにつきましても、調整地域におきまして農業をしている方も安心して農業ができますように十分な温かい気持ちでひとつ見ていただきたい、こう思うわけであります。条文でありますから、いまこれを削除せよと言ったところで——これは税法のときに議論するとしまして、農家の方々は非常に喜んで帰った、わかってもらったと言っておりましたらこういう条文が出ておるので、びっくりしておるということを私も申し上げる次第であります。また調整地域の方は、これが出ておりますのでびっくりしているということを申し上げた次第でございます。  それから政令に譲っている条文がございまして、たとえば市街化地域内の農地でありましても、一定のものにつきましては減額する、それは政令に譲っているんだ、こう書いてあるわけであります。その政令がまだ決まっておりませんので疑心暗鬼のところがあるわけでありますが、私のところへ来ております陳情だけでも申し上げますと、下水道のある地域は減額しない、こうなっておるようでありますが、下水道の入っておるといいますと非常に広くなりますので、これはひとつやめていただきたい。それから区画整理をやっておるところ、これは計画、施行、完成とあるわけであります。完成から後は結構でありますが、途中のところはひとつやめてもらいたい。これは場所によりまして五年とか十年とか要するのがありますので、これはひとつ完成にしていただきたい。こういった点、政令に譲っておりまして、私も内容が定かにわかりませんが、この政令の内容と、その内容を織り込まれます場所に、いま申しました下水道の入っておるところという条文はやめていただいて、そうして区画整理につきましては完成したところ、こういうふうに限定してもらいたいという強い希望がございますので、申し上げておきますが、その点局長いかがですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 先ほど申し上げましたように、三大都市圏のA、B農地につきまして、条例の定めるところによりまして減額措置ができる規定を加えたいと考えておりますが、その際、やはりすべてというわけにもまいりません。宅地並み課税をすることが適当であると考えられる土地は、やはり除外せざるを得ないわけでございます。その場合に、土地区画整理事業でありますとか、あるいはその他の再開発事業が行われております土地は、これはやはり宅地としての環境条件が整っておるということに相なろうかと思います。また、公共下水道の処理区域になりますると、これはやはり都市施設としての整備の最も基本的なものでございますので、それらが整っておれば、やはりいわゆる宅地並み課税の負担を求めていくことが適当ではないか、こういう考え方を私ども持っておるわけでございますけれども、しかし、現実に政令を定めます場合、その具体的な定め方につきましては、種々、なお慎重に検討しなければならぬ面もあると思いますので、諸般の事情も総合的に勘案いたしまして、無理のいかないような方向で検討を進めたい、かように思います。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 先ほど申しました地方自治につきましては、住めば都、住民がそれぞれ愛着を持っておるわけであります。また歴史的なものもあるわけであります。それをどのようにこのピンチを切り抜けるかといいますと、住民全体がそれに協力するということも必要であれば、また市の職員、われわれ含めて、皆さん含めてこれのモラルを上げていく。そしてまた自治省においては大事なことは、そういった基盤づくりをしてやるということでございますので、ひとつ十二分にやっていただきたいと思うわけであります。そして、いま一例申しましたが、住民のそういったムードといいますか気分といいますか、そういったものが上がるように、気持ちをつかんだ行政をやっていただきたいと思うわけでございます。  時間もございませんので、私、最後に国家公安委員長にお伺いいたしたいと思いますが、ロッキード問題でございます。時間もございませんので、私、一言だけ申し上げますが、大臣の方から、検察、警察、国税、総力を挙げてこの問題の解明に懸命の努力をしているという話がございました。御承知のとおり国会におきましても院の決議がなされまして、また予算委員会におきまして証人の喚問を行っておるわけであります。立法府におきましてもこれまた解明に全力を挙げておるのでございます。それで委員会には委員会の任務と方法とあるわけであります。また検察には検察の目的と方法とがあるわけであります。国税、検察、警察それぞれの目的、方法、これに従いまして、そして委員会の方とも十分連絡をとって、そして総力を挙げてこのロッキード問題を一日も早く解明して、そうして国民の疑惑をば晴らし、そうして政治不信をぬぐい去っていただきたい。このためには国家公安委員長の仕事、これほど大事なものはないと私は思うわけでありますが、重ねて大臣の決意を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ただいま、今日のロッキード問題についての国家公安委員長としての責務の重いことを特に御指摘をいただきまして、お説のとおりでございます。この問題をやはり解明するということが政治不信を取り除くゆえんであると私は深く信じておりまして、したがって捜査当局に対しましては国税または検察と十分連絡をとって、全力を挙げてこの問題の解明に努めるべきであるということを国家公安委員会においても指示をいたしておいたわけでございます。具体的な問題は国家公安委員会というものはやるものではありませんが、私はその姿勢だけは徹頭徹尾崩さない考え方で問題に対処してまいりまして、そうして皆様方の御期待にこたえなければならないと深く決意をいたしておるところでございますので、御了承を賜りたいと思うのであります。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 質問を終わります。

小山省二自由民主党

○小山委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後一時三十九分開議

小山省二自由民主党

○小山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  この際、本日発生しました北海道庁の爆破事件について、警察庁当局から説明を求めます。三井警備局長。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 本日午前九時二分ごろ、北海道庁本庁舎一階ロビーの一号エレベーター前付近におきまして大規模な爆発がございました。  この爆発によりまして多数の死傷者を出しておるのでありますが、ただいままで判明しておりますところでは、死者二名、負傷者六十七名であります。死者はいずれも道庁勤務の職員でありまして、一人は道庁民生部国民年金課の溝井是徳さん五十歳、もう一人は御婦人で、道庁商工観光部工業課振興係五十嵐怜子さん四十五歳であります。その他の負傷者もいずれも道庁職員が多いものと考えられるところでございます。この午前九時二分というのは、ちょうど道庁に出勤する人たちのいわばラッシュアワーに当たる時間帯でございます。  なお、物的な被害といたしましては、道庁一階ロビーの天井が落下をする、またエレベーター付近の外壁が破損する、窓ガラスが大破をするというような物的被害が出ております。  発生の状況でございますが、三月二日、本日午前九時二分ごろ、北海道庁本庁の一階ロビー一号エレベーター前付近で、エレベーター前にセットされたと思われます爆発物が大きな爆発音を上げて爆発をし、ただいまの死傷並びに物的被害を出したわけでございます。  警察措置でございますが、この時間にこの大爆発音を聞きました道警本部におきましては、これによって本事件を認知し、直ちに緊急配備を発令するとともに、所轄の札幌中央警察署員七十名、道本部の捜査警備課員ら五十人、計百二十人を現場へ急派いたしまして、現場の保存、現場鑑識活動、聞き込み、検索など所要の初動捜査を講じておりますが、このほかに機動隊員一個小隊約三十五人、自動車警ら隊十台約二十人を動員いたしまして、現場及びその周辺の交通規制並びに重点警ら等に従事させておるところでございます。  本件に対する捜査の体制といたしましては、道警本部では九時三十分に道警本部長を長とする北海道庁庁舎内爆破事件捜査本部を設置いたしました。この捜査本部は本部長以下六百人をもって構成をいたしまして、目下鋭意所要の捜査を進めておるところでございます。  なおつけ加えて申し上げますと、北海道におきましては、今回爆破事件が発生いたしましたこの道庁の庁舎と並んであります北海道警察本部の庁舎におきまして、昨年七月十九日土曜日の午後、退庁時間帯でありますが、同じような大爆発が起こりました。この際は警察職員五名が負傷をいたしておりますが、今回に比べますと規模が小さかったわけであります。本件につきましても特別捜査本部を設置し、九十四名の要員を充てまして鋭意捜査をしておるわけでございますが、この事件が検挙されないうちに本件事案が、一層凶悪な事案が発生したということで、北海道本部におきましては道警挙げてこれが捜査に取り組み、かつ今後この種事案の発生に対して未然防止、警戒に当たるという意気込みでこれに臨んでおるところでございます。  以上でございます。

小山省二自由民主党

○小山委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————

小山省二自由民主党

○小山委員長 質疑の申し出がありますのでこれを許します。岩垂寿喜男君。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 いまやロッキード事件は、日本国民を初め世界じゅうの注目の中にあります。この事件はアメリカの上院外交委員会多国籍企業小委員会並びに銀行通貨委員会あるいは証券取引委員会などの調査、関係者の証言などによって明らかにされたわけでありますけれども、日本の国会での審議や証言が行われながら、なおかつ疑惑はますます濃くなるばかりであります。日本国民は言うまでもなく、世界の注目の中で真相が追及されているわけでありますが、この事件は戦後最大の疑獄事件であり、日本の民主主義の根幹にかかわる問題であると言わざるを得ないと思います。  先ほど国家公安委員長が所信表明の中で見解を述べられましたけれども。この機会に、自治大臣は、そして国家公安委員長はこの事件についてどのような御見解をお持ちであるか承っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ロッキード事件は国民各層の間に重大な疑惑を与えているところでありますので、警察といたしましては、国民の信頼にこたえる立場から徹底的にその真相を解明しなければならないと考えているところであります。このような観点から検察庁、国税局と協力をいたしまして、必要個所の捜査を二月二十四日に実施したところであります。現在の容疑は外国為替及び外国貿易管理法違反でありますが、今後とも全力を挙げて真相の解明に努めてまいる所存であります。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 公安委員長は、去る二月十三日の閣議後の記者会見で次のように述べられております。「個人的意見だが、キッシンジャー米国務長官がどういったとか、友好国が倒壊するとかどうとか余計なことだ。人の顔にドロを投げつけておいて、なぜ投げつけたか理由を明らかにしないで、(高官名が)出るとその人に気の毒だとか、そんな失敬な話はない。あとは知らないという米政府や米議会の態度はけしからん、と思っている。対等国である以上、やり出したらはっきりすべきだ。国際的な企業がそんなことをするのを米国はやめさせる、日本もやめる、というようにただすことが、自由主義国家群の義務だ。」というふうに指摘をされているわけであります。私は当時の新聞を拝見をして、国家公安委員長としてりっぱな見解を示されたものと考えておりますが、公安委員長の今日の心境はこのとき記者会見でお述べになったお言葉とお変わりはないと思いますが、念のために承っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私が個人的見解ということで申しましたのは、やはり公の立場で言いますといろいろの問題もあり得るという考えがございましたから個人的見解ということで申したわけであります。  いずれにいたしましても、こういう自分の国の者が何か疑惑を他国に与えるようなことをしておるけれども、その場合には他国に影響があるといけないから、その真相を明らかにするとか氏名を明らかにするということはしないのだという意味の、これもアメリカの新聞記事が通報されてきて私は知ったわけでありますが、その新聞記事をあれにしたので、私はキッシンジャーさんから直接聞いたわけではありません。ただそういうことはやはり日本の国民に非常に疑惑を与えると私は思うのです。特に日本では、昔からある言葉でありますが、名を惜しむという言葉があるのであります。名誉をたっとぶということがあるわけでありまして、男ならば名を惜しむということは私は当然のことであると思うのであります。そうすると、何かそういうようなことがあって相手側に影響があるようなことがあると気の毒だからと言われたのでは、何かいかにもわれわれは対等の立場でないような印象を受けると思うのであります。それが私には非常に遺憾に感ぜられたわけでありまして、もし対等であれば、また親友の間であれば、あるいは親しい国交を持つ国であればお互いに知らせ合って、私は必ずしもアメリカが全部が全部いいと考えるべきかどうかということは、問題があると思っております。日本にも悪い点があるかもしれません。しかし、それをお互いに知らせ合ってよくしていくというのが、これが友好国としての私はむしろ任務ではないか、こういう感をその新聞記事を見て持ちました。そこで、あのような個人的な見解であるが、ということを前提にしてではありますけれども、自分の率直な気持ちを申し述べたつもりでございまして、私はいまの段階においてもその考え方は少しも変わっておりません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 その後、キッシンジャー国務長官が日米関係を考慮して、政府高官の名前の発表を差し押さえているということなども、これは公然とした事実として指摘をされているわけですが、キッシンジャー国務長官の発言についてお確かめになった経過がございますかどうか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私は国務大臣ではありますけれども、外交担当をいたしておりません。したがって、この種の問題は外交担当の方がどういうことであるかということを確かめられるのが筋であると思いますので、私自身はそういうことについては、個人的な意見を発表したということであって、国務大臣として言うのは余りにも問題が、変に誤解を与える、相手にまた非常に強い刺激を与えるということは決して好ましいことではないと思いましたから、個人的見解と言ったわけであります。私の担当すべき部面ではありませんから、確かめるというようなことはいたしておりません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 個人的見解という前置きがあるようでありますが、しかし、にもかかわらず、現実には三木内閣の重要な閣僚の一人であり、その御発言というものはある意味で政府の中にも重きをなすべきだと私は思っています。その意味では、これらの経過というものを三木内閣としてやはりアメリカに対して問い合わせていく、そういう真相を明らかにしていくということが、実はいま公安委員長もお話しになったような国際的な信頼関係を深めていく道にもつながりはしないだろうか、こんなふうに考えますけれども、この点について、個人的だからその後アメリカに問い合わせてないとおっしゃいますけれども、政府としてこれらの事態について、これらのキッシンジャー国務長官の発言について何か措置したことを聞いていますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 政府としてキッシンジャー国務長官にそのようなことを問い合わせたということは聞いておりません。ただ、私が発言しまして以来、発言した後において、国民の間からも、また政府の部内においても、そういうことはやはり明らかにしてもらった方がいいんじゃないかという空気が、特に両院を中心にして非常に強く起こってまいりました。私が言うまでもなく、そういうような真相を明らかにしてもらいたいという空気がほうはいとして起こってまいりましたから、私はこれ以上発言しないでもよろしい、また外務大臣でもないし、そこまでやらぬでも、政府としても向こうにひとつ真相を明らかにするようにしてもらいたいということを言っておりますし、それからまた、国会においてもああいう決議があって、それを受けて政府がそういうことを言っておるのでありますから、これで十分私の目的は達成できた、いまの段階においては私の言いたかったことはそれで実現されておる、こう思っておるわけであります。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 キッシンジャー国務長官が言った真相を明らかにして、もしそういうことを発言をされておるとすれば、日本政府の名誉において、やっぱり私は政府として抗議をするなり何かをすべきだと考えますが、それは本件の中心の問題ではございませんので、それならば、いま公安委員長がおっしゃった言葉の中に、目的を達した、こうおっしゃいました。実はお言葉の中にある、全部を明らかにすべきだという目的はまだ達せられておらないのであります。その意味で、衆参両院の満場一致の議決やあるいは三木首相の親書によって、アメリカ政府から、政府高官名を含むロッキード社の未公開文書が全部提供をされると公安委員長はお考えになっていらっしゃるかどうか、承っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 これも新聞紙上で伝えるところでありまして、私は向こうがどういうように言っておるということを確かめたわけではありませんが、こちらの国会の決議とかあるいは政府の三木親書等に対して、できるだけというか、好意的に処置をしたいという空気をアメリカ側が持っておるように承っておりますので、私としてはそういうふうに両国の間で話し合いが進むようになればそれでいいので、私の方も何も言わぬし向こうもそのままというような形でなければ、当初私が考えていた意味では一応目的を達した、こういうことを言ったのでありまして、この真相が明らかになったかどうかということについては、まだ明らかになっておらないことでありますから、その意味では目的を達したとは言えないと思います。しかし、私が最初申し上げたことは、そういうふうに問題があるのならば、お互いがよく話し合いができるような姿に持っていくことが親しい国の間柄の関係ではないかという意味で、そういう話し合いがいま行われることになったのでありますから、その意味で私は目的を達した、こういうことを申し上げたのであります。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 政府高官名を含む全資料は、私は当然国民の前に公開されるべきであるというふうに考えております。すべての国民に公開されるべきだと考えますが、それがいまの記者会見のお言葉とも一致する最も素直な措置だと私は考えますけれども、その点についてはどのようにお考えか、承っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私が十三日に発言いたしました後において、捜査当局が国税庁並びに検察庁と合同で異例の捜査に踏み切っておるわけであります。一方は脱税を中心にし、一方は外為法を中心にしての捜査ではありますけれども、それを通じて事件の真相が明らかになることをわれわれは期待をして、とにかく国民の前に疑惑をなからしめるということを目的として、いま捜査に乗り出しておる段階であります。したがって、私が当初申し上げたときとは、いまはその意味では事情が違ってきておる。いわゆる警察、検察が動いておるという段階になっております。でありますからして、向うから何か資料の提供等があった場合に、その資料を全部公開するかということについては、国政調査権というものは何といっても非常に重要な、最高の機関であるという意味でございますから、十分尊重されるべきものではあると思います。しかし、一方においては、捜査というものは公開して捜査ができるものではございません。となれば、やはり捜査上必要がある場合には、また一部を、一定の時期まで——これは将来いつかは公開せねばいけませんよ。しかし、一定の時期までは押さえることが必要になるかもしれない。これもまだ向こうの通知の内容が明らかになっておりませんから、申し上げることはできませんけれども、そういうことも全然考慮しないで、何でも全部発表すればいいのだ、こう言えるかどうかということは、私は問題があると思います。その場合には、行政と議会との立場において、政府と議会との間においてよく話し合いが行われる必要があるかと思うのでありますが、そのときには私、国家公安委員長の立場から申しますと、捜査に必要がある場合には、ある一定の時期はこれを押さえておくということも起こり得ると思っております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私は、公安委員長の「人の顔にドロを投げつけておいて、なぜ投げつけたか理由を明らかにしないで、出るとその人に気の毒だとか、そんな失敬な話はない。」という言葉は、むしろそれらを通して問題を明らかにしていくという筋道の方が素直ではないだろうか、こう思います。同時に、国政調査権が最高のものとして配慮されるべきであるという公安委員長の言葉も信頼をしたいと思うのであります。だから、捜査上必要だということで、いま国民が一番求めているのは高官名を含む全資料の公開だということを恐らくは公安委員長も一番身にしみて感じていらっしゃると私は思うのです。そういう点では全資料を公開をするという筋道が非常に重要だというふうに考えます。  そこで伺いますが、アメリカ側に対してその資料の公開について、たとえば公表に当たってアメリカ政府も責任を持てるものというような前提で日本政府の側がアメリカに対して資料の提供を求めているというふうに承る向きもあるわけでございますが、こういう事実はございませんか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お互いに、そういうこの種の、相手に非行があるとかどうとかいう場合においては、当然事実に基づいてそして言うのが筋だと思います。幾ら親しい間柄だといって事実を確認しないで物を言うことは、私は必ずしも筋の通ったことではないと思うのです。やはりこれは責任というものがあります。お互いに、親しき中にも礼儀ありということがありますけれども、やはり幾ら親しいからといって余り何でも言っていいということではないと思います。そうすると、今度の問題においてアメリカ側としても日本側としても一番問題に考えなきゃならぬことでありますが、やはり事実に基づいてだれが何をどこでどういうことをしたかという確たる証拠がないのに名前を出すということになりますと、私は非常に問題が起きると思うであります。そういうことは、そんなことはないと思いますけれども、たとえばアメリカの方が日本で何かした場合においても、われわれとしては事実を確かめないでこういうことをしたというようなことは言うべきではない。そういう姿勢だけはちゃんと持っていなければならないと思っております。したがって、アメリカからどういう回答が来るかということについては、御案内のように三木親書が出ておりますから、それに基づいてアメリカ側がどういうふうに措置をされるかわかりません。また一部新聞で伝えるところによりますと、アメリカの政府の場合にも一応司法権においてこの内容の発表等を差しとめている面もあるので、それらの面をどう国務省が解明していくか、政府が解明していくかということも問題があると伝えられておるので、これはまたもつともなことだと思う、アメリカの政府の立場として私は当然なことであると思うのでありまして、それらの問題を含めながらアメリカの方でどういうふうにわれわれに資料の提供をされるかということを見ていかなければなりません。したがって、ただ単に名前だけが出てくるというようなことでは、これは非常に問題があるので、そういう点があったとしたら、日本の政府であるとすれば、名前だけが出ておる場合にはその人は何をどこでどういうようにしてしたのですかというような一つの疑問を解明する必要、向こうに求める必要が起きる場合もあるかもしれません。しかしまた、名前が出たことによって、犯罪捜査の上からいえばそれが何らかの手がかりになることもあり得るかもしれません。こういうことをにらみ合わしてみますと、具体的に回答があった場合に処してわれわれとしてはどう態度をとるかという、どういう措置をするかということを決めればいいのだと思うのでありまして、いまここでこういう場合にはこうとかああいう場合にはああというようなことを言うことはむしろ誤解を招くおそれがあると思いますから、私としては申し述べたくありません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 確かめておきたいことは、今度の丸紅あるいは児玉譽士夫など関係者の一斉捜査というのはアメリカの多国籍企業小委員会の関係者の証言というものに依拠して捜査が行われたわけですね。これは事実ですね。片方で、つまりアメリカから寄せられたそういう議会におけるやりとりと言われるものが基礎になって捜査が続けられておる。片方、政府高官の方はどこでだれがどういうふうにしてということが明らかにならなければ具体的な捜査の段階にならないということになれば、これは捜査の均衡を失することになりかねない。特に大事なことは、どこでだれがどうしてという事実関係を明らかにさせるという手続は、捜査の結論を待たなければ発表できないということになってしまう。これではいま国民が求めている政府高官名を含む全資料の公開という国民の率直な気持というものにこたえることにはなり得ないのではないだろうか、そういうふうに思いますけれども、いかがでしょう。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私は、国民が一つのそういうものを求めておるということについては否定をいたしません。あなたと同じ考え方であります。しかし、政府が責任を持って政治をやっており、そして捜査当局が責任を持って仕事をしておる段階において、その政府を信頼していただく面も必要であると思っておるのであります。そういうときに、国民が求めておるからという理由だけで名前を発表しなければならないかどうかということは、私は問題があると思います。やはりそこに行政、司法、立法の三権の分立の意義があるわけでありまして、やはり司法の立場においては独立の権限を持ってやっておる。しかし、やっておるけれども、それが非常に間違っておるという場合には、これは国会が政府を糾弾をする必要がある。その場合にはわれわれを含めて政府を糾弾していただいて結構だと思うのであります。いま私たちは真剣にこの問題に取り組んで問題の解明を図ろうとしておる段階でございますから、たとえ国民の側にそういう御要望があったからといって、捜査の必要があればこの名前を秘匿することもいたし方がない、これはわれわれの責任においてやるべきであると思っております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 アメリカ上院での証言やあるいは日本の国会の証言を考え合わすならば、政府高官が関係しているということはまず間違いないと私は思うのであります。したがって、三木内閣がその責任においてやはりすべての関係資料というものの提供を求めて公表するということは、ある意味で政府の責任にあるいは義務にかかわる問題だ、私はそう思うのです。率直に申し上げて、三木総理もおっしゃっているわけですが、三木内閣に関係がないというならば、そのことを資料の公表を通じて明らかにする、これこそ政治責任を果たす道筋ではないだろうかと私は思うのでございます。事実関係が判明しないから責任はない、こういう形では済まされないところに問題が来ている。事の本質は政治責任の問題である。さらに、きょうまで明らかにされてきた事実関係からして、いまや三木内閣に関係がない、責任がないとおっしゃるならば、その挙証責任はむしろ政府に移っている。私は、関係がないとおっしゃる言葉を、国民の前にそれらのことを含めて挙証責任を政府に転換されているというふうに思うのでありますが、この辺は福田大臣、率直なところ、三木内閣の重要な閣僚のお一人としてぜひ見解を承っておきたいと私は思うのであります。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私は政府に責任がないと申し上げておるわけではありません。政府に責任があると申し上げておるわけでもありません。真相を明らかにするという責任はあると思っております。しかし、その真相を明らかにするにはアメリカの協力だけでできない場合も起きるかもしれません。その場合にはやはり捜査ということが必要になります。その捜査というものは公開を原則にしてやるべきかどうかということは問題があると思っておるのでありまして、したがってその意味では一定の時期まではこれを公開しない場合もあり得る、一定時期がたってもこれを明らかにできなかったということになれば、捜査の責任とかあるいは政府の責任ということは問題になってくるでしょう。しかし、そこにいまそういう要望があるからといって直ちに何でも名前を言わなければならないのかどうかということは、これは私としてはとらざるところでございまして、やはり捜査の責任があって、事実を解明するということも重要な政府の責任である、このように考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 捜査に必要があるならばというふうにおっしゃるわけですが、捜査に必要な資料の限界というものは、大臣、なかなかそれは警察当局が関係のところでは必要だというふうになるかもしらぬが、この場合に国民の率直に求めている気持ちと、言われるものとはどうも食い違う可能性と危険性があるのです。そういう場合に、どうもやはり少し隠匿していはしないかというふうに疑われることが私は日本の民主政治に対する重大な危機を招くことを心配しますので、その点は可能な限り、私は全部を求めていますが、つまり、私いま聞いていると何となく宮澤さんの答弁のところに戻っていってしまう感じがするので、そういうことではないということをはっきり明らかにしてください。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 国民がこの内容を知り、真実を知りたいという気持ちを持っておるということはよくわかります。したがって、可能な限り明らかにするということは当然であります。しかしまた、政府には犯罪を捜査するという一つの大きな責任がございます。この責任と、どう処理していくかということは、いまあなたがおっしゃった可能な範囲という意味で公開をしていくということに相なるかと存ずるのであります。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私は可能な範囲でやれと言っているのじゃなしに、全部を出せ、こういうふうに言っているのですが、大臣の方が捜査の必要とかあるいは守秘義務だとかということになっていってしまいますとどうなっていくか、ちょっと私は心配なのです。だから、私の言っている気持ちを含めて、国民の気持ちもそこにあると僭越ですが思いますので、全部の公開をするという方向で御努力を願いたい、このように申し上げておきたいと思うのです。  引き続いてですが、アメリカに対して捜査の協力を要請していますけれども、アメリカは積極的に協力をしてくれているかどうか、それからもう一つは、検察、警察当局のアメリカ派遣についてすでに人選が決定しているやに承っておりますが、差し支えなければ公表願いたい。それから、日本の捜査当局がアメリカで活動する場合には、当然のことながらアメリカ政府当局の同意を得た上で、しかも任意で関係者を調べるということになるわけでありますけれども、この件について今日現在アメリカ政府の同意を得ているかどうか、この三点を承っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 その可能な範囲において明らかにするという態度においてはあなたはどう——まああなたはできるだけもう全部何でも出せと、こういうお話でありますけれども、およそ事に当たって政治をする者は責任を感ずると同時に、その自分のやっておることに対してちゃんとした確信を持ってやっておらなければ政治というものはできません。そういう意味では私はできるだけ公開するということ、可能な限り公開するということ、これは私の考え方でございます。  いまあなたはアメリカが一体協力しておるのかどうかというお話でございますが、これはちょっと外務大臣か何かに聞いていただきませんと、いまの段階において私はお答えは……(岩垂委員「捜査です」と呼ぶ)捜査の問題は担当の警察庁の方からお答えをさしていただきます。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 米国からの資料の提供の問題につきましては、先ほどの大臣の御答弁のように、これは外交ルートを通じて入手された資料の扱いの問題でございまして、これは政府の方針により決まるものと考えておりまして、捜査機関として特にいま申し上げる問題ではない、こういうふうに私どもは考えております。  なお、アメリカのその捜査についての協力の問題でございますが、今度のロッキード問題はアメリカに関連するところが非常に多いわけでございまして、できたならば捜査官の派遣についても実現したい、こういうふうなことで関係向きと折衝を行っておるところでございます。しかしながら、まだ人選などについて具体的に決定しておるわけではございません。また、御承知のようにこれはアメリカ政府の同意がなければ、こちらから捜査官派遣といっても向こうではそういうふうなことができないわけですから、アメリカ政府の同意が問題でございますけれども、ただいま御質問のような、そういうアメリカ政府の同意というのはまだ私どもの方には届いておりません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 アメリカ政府に派遣について捜査当局の気持を伝えてはあるのですね。それをお答えをいただきたいことと、もう一つは、ICPOを通じてたとえばFBIなどに直接捜査に対する協力を求めていらっしゃるかどうか、これは実はよその国でもそういう形を通して問題の解明をしているところがあるわけでありますが、日本の警察はそういう措置をとっておられるかどうか、承っておきたいと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 アメリカのほかにもその他の関係国につきましても、捜査の進捗状況に応じまして外交ルートあるいはICPOのルートによりまして必要な資料の入手等について協力を要請していく所存でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 この事件はすでに国税庁あるいは地検あるいは警察のブリッジ捜査方式によって捜査が行われているわけですが、この機会に三者の事件捜査の経過を中間的に御報告をいただきたいと思うのです。その際、地検や警視庁や国税庁の三当局が一斉調査に着手してから約一週間の経過の中で、それぞれの容疑について確信に至っているかどうか、そういう点も添えて御答弁いただければ大変幸いだと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 二十四日に当庁としては外為法違反の犯罪容疑を認め、検察庁、国税局と合同して捜査に入っておるわけでございますが、まだ現在、その押収した証拠資料等も膨大な数に上っておりまして、それについて鋭意内容を検討しておる段階でございまして、いまこの段階で捜査の内容について申し上げるということはちょっと困難でございます。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田説明員 検察庁の関係について御説明いたします。  東京地検におきましても、ただいま警察庁の方から申し述べられましたように、二月二十四日東京地検は児玉譽士夫に対する所得税法違反により捜索、差し押さえを実施いたしております。自後東京地検においては検事二十八名、事務官六十名、その他いつでも検察官、検察事務官等の協力を得る態勢のもとに鋭意捜査を続け、関係人等の取り調べを行っております。しかし、この具体的な内容については、ただいま警察庁刑事局長から申し上げたとおり、いまの段階でその内容を申し上げることは差し控えたいと思います。

横井正美国税庁次長

○横井政府委員 お答え申し上げます。  国税庁といたしましては、ロッキード問題が発生いたしまして以来、児玉譽士夫を初めといたしまして、関係法人、個人につきまして調査を続けてまいったわけでございます。その段階におきまして、児玉譽士夫の所得税法違反の疑いが持たれるに至ったということで、令状を請求いたしまして、二月二十四日、東京地検と協力をいたしまして、査察官約二百名を動員いたしまして、所要の個所等につきまして強制的な調査を実施したわけでございます。以来今日まで、その時点におきまして押収、差し押さえいたしました二千六百点に上ります物件の解明、参考人等の事情聴取、これらを手がかりにいたしますところの銀行調査等を鋭意続けておる段階でございます。  事件の見通しにつきましては、先ほど警察庁、法務省からお答えしたとおりでございまして、いまの段階では申し上げる段階にないということでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 これは警察にお伺いしたいのですが、外為法違反、二十七条の何項か、それをちょっと後で教えてください。  それからもう一つは、児玉譽士夫の領収証のゴム印が押収物件の中にあるかどうか、これは児玉譽士夫の方ですから国税庁になると思いますが、聞いておきたいと思います。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田(六)政府委員 外為法の二十七条一項三号でございます。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田説明員 児玉邸の捜索、差し押さえの証拠品の関係の御質問でございますが、証拠品は、先ほど国税庁の方からも申し上げましたとおり、証拠品多数に上っておりまして、その内容について一つ一つ報告はまだ受けてない段階でございますので、お答えいたしかねるのでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 国税庁に伺いますが、児玉の脱税は三月十三日の時効までに起訴できるかどうか。それは国民がみんな見詰めていることだと思います。  同時に、関連して伺っておきたいのは、四十五年、四十六年にさかのぼって徴税する決意を持っていらっしゃるかどうか。これはそうでないと、国民の税負担の公平というものを失するおそれがあるわけであります。五万、十万のつけ落としが二、三年前にさかのぼって調べられて徴収、追徴されているというような半面で、大口の脱税が見逃されているというようなことを認めるわけにはいきません。問題は、所得を隠そうとする犯意の立証にあろうと思いますが、そういう四十五年、四十六年にさかのぼって脱税についてきちんとした処理をなさっていく決意かどうか。そして同時にそういうことについて今日までの状況、捜査の状況についてお教えをいただきたいと思います。

横井正美国税庁次長

○横井政府委員 お答え申し上げます。  起訴につきましては法務省の方にお尋ね願いたいと存ずるわけでございますが、私どもは三月十五日という期限については十分承知をいたしておりますので、それを念頭に十分置きまして調査を進めておるということでございます。したがいまして、偽り、不正の心証を得ます場合におきましては、その期限を失しないように告発をいたしたい、かように考えております。  第二のお尋ねの件につきましては、御承知のように国税通則法七十条によりますと、偽り、不正の場合におきましては五年間さかのぼって課税ができることになっております。この点につきましても十分念頭に置きまして捜査を進めておるということを申し上げたいと思います。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田説明員 起訴の点についてでございますが、その公訴時効が迫っていることについてのお尋ねでございますが、この点につきましては、もとより東京地検としましては、本件に着手する当時から十分その問題を認識しております。東京地検は、鋭意昭和四十七年分の所得税法違反容疑につきまして、その期間内に適切な処理ができるように、現在総力を挙げて捜査中でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 この事件がアメリカで明らかにされてから約二十日間を経過した二月二十四日に、地検、国税局それから警視庁、三者による捜査が行われたわけであります。この間一億国民総捜査官といわれるように、国民一人一人がこの問題についてそれなりの推理を行ってきたと私は思います。その立場から見て、この二十日間という期間は、たとえば証拠書類を隠したり、関係者の口裏合わせがあったのではないかというふうに疑問に思う。そういう疑問というのは私だけではないし、皆のものだろうと私は思います。特にアメリカの多国籍企業小委員会の公聴会が行われるその前の日に、 ロッキード・インターナショナルの元東京事務所長のA・H・エリオット氏、この人はコーチャン社長とコンビで、トライスターやP3Cオライオンの売り込みを日本に来てやってきた人なんですけれども、この事件のことが新聞に報道された翌日帰国したとか、あるいは丸紅の大久保が急遽アメリカに飛んで、コーチャン副会長を初め関係者と話をしてきたとか、あるいは児玉邸わきのごみ箱から関係資料らしきものが発見されているなどは、まさにその疑惑を一層濃くするものだと言わなければなりません。率直に申し上げて、押収した書類の関連性などから見て、関係書類が欠落したり、あるいは証拠が隠されているというような疑いといわれるものを今日まで捜査当局がお感じになっていらっしゃるかどうか、国民のそうした気持ちに即して御答弁を煩わしたいと思います。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田(六)政府委員 捜索をするために必要な疎明資料を整えるには、ある程度の日時を要することは御承知のとおりでございます。特に今回のような状況のもとでは、この程度の期間がかかったのはやむを得ないと申しますか、むしろきわめて迅速であったというふうに私どもは考えております。  なお、この期間に、関係者によって証拠隠滅がなされたかどうかということは、現在のところ把握されておりません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 国民の感じから見て私は申し上げたわけであります。特にいろいろな動きがありましたね。それは恐らく捜査当局はつかんでいらっしゃると思うから、私がここであったかなかったかということを聞き、あったと言えば何かすぐ動かなければなりませんから、なかなか慎重を要するとは思いますけれども、国民の疑惑がそこにあるということだけはひとつ御理解を願っておきたいと思うのであります。  次に伺いますが、一月三十一日から二月五日までの児玉譽士夫の行動をつかんでいらっしゃるかどうか。たとえばゴルフ場での行動、二回だそうでありますが、あるかどうか、あるいは北海道に旅行していたという話もあるようでありますが、そういう事実があるかどうか、恐らくお調べになっていらっしゃると思いますが、その辺を明らかにしていただきたいと思います。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田(六)政府委員 児玉譽士夫の動静について、必要な範囲内で捜査することは当然なことでございますが、何分現在捜査中のことでありますので、一月末から二月五日まで、あるいは北海道へ行ったかどうかというような具体的な答弁はこの際差し控えさせていただきたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 それは調べてはいるのですね。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田(六)政府委員 捜査の必要な範囲内でと申しましたが、そういうものも含んで捜査いたしておるというように御理解願いたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 児玉譽士夫の病状について伺っておきたいのですが、二十四日の捜査の際あるいは例の入院騒ぎの際に、付き人に支えられて歩いておられるというようなことがあるわけでございますが、これはそういう事実があったかどうか、それらを含めて、私は臨床尋問も急ぐべきではないだろうかという感じがしてならないのです。特に社会的に公正を担保できるような医者を立ち合わして臨床尋問を行うべきだと考えておりますが、この辺についても御答弁をわずらわしたいと思います。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田説明員 所得税法違反で捜査に着手いたしました児玉につきましては、その病状等について検察当局としてはいろいろ可能な方法で慎重な確認措置を行っているものと思います。その内容は、どういうふうにやっているかということまではこの席上申しはばかれるのでございますけれども、いやしくも所得税法違反として立件して現在鋭意捜査中のものでございますので、この捜査の進捗状況にかんがみて、必要な段階において取り調べを行う等の措置をとるようなことができるか、一般的にすることは当然のことであると思いますが、そういうことが可能かどうか、いま臨床尋問の方法等の御指摘がございましたが、検察当局においてはそれらもすべて含めてその可能性を慎重に配慮し、また慎重にそういう病状等についての確認措置を行って適切な措置をとるものと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 きのう衆議院の予算委員会で全日空の大庭前社長の証言で問題になった例の融資の話、これに関連した鈴木明良事件の概要をお教えをいただきたいと思うのです。全文が大変たくさんだろうと思いますから、特にその中で全体の輪郭をお教えいただくと同時に、当時の融資申込書あるいは手数料支払い念書の回収について捜査二課が協力をして回収したわけでありますが、それはどんな人々のところに念書があったかということは、もう過去の事件でございますから、ぜひお教えをいただきたいと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 全日空大庭前社長の融資問題でございますが、警視庁におきまして、昭和四十四年十月に全日空株式会社常勤顧問長谷村資氏から全日空社長名の三千億円の融資あっせん依頼書などが鈴木明良を通じて人手に渡っているので回収したいがどうしたらよいかという、これは警視庁の聴訴係というところでございますが、この聴訴係でそういう相談を受け入れたのでありますが、刑事事件として取り扱うことはむずかしい状況であったため、当事者の話し合いで解決するよう指導したことがあるようでございます。しかし、事件処理をするに至らなかったために、相談を受けた具体的内容など詳しいことはわかっておりません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 いまの事件に関連して、被害者側の参考人である長谷村氏、これは佐藤総理の秘書を前にやられた方だそうですが、調書はとってございますか。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 調書はとっておりません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 事件にならなかったからその当時の状況というのはつまびらかにすることはできない、こういうことですか。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 先ほどお答え申し上げましたようなそういう状況でございましたので、正式記録なども残っておらないわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 この記録がないことは大変残念なんでありますが、それはそういうことであれば仕方がないでしょう。  きのうの同じ証言で、丸紅の大久保、伊藤両前専務の証言というのは前回の証言を訂正するような発言でもあり、くるくる変わっていることもみんな感じていることなのであります。事の信憑性を疑わざるを得ないものであったと私は思うのですが、特に大久保証言というものが伊藤証言に口裏を合わせるようなものに実際はなってしまっているわけであります。率直なところ、宣誓の上で証言をした発言としては問題性を浮き彫りにさせたものだと私は思うのです。しかし、ピーナツ、ピーシズ、ユニットの領収証は丸紅本社でつくられたということだけは再び改めて確認をされたわけですが、これらの問題を含めて、大久保、伊藤両専務の国会証言と関連をして捜査当局はどのようにお考えになっていらっしゃるか。特に被疑事件、容疑と言われるものもあるわけですから、その容疑との関連でお答えが願えるならば御答弁をわずらわしたいと思います。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 これはどちらでお答えかあれですけれども、私どもも先ほど来申し上げておりますように、単に外為法違反事件にとどまらず、この事件全体について究明するよう全力を挙げておるわけでございまして、そういう見地から昨日の証人喚問につきましては非常に真剣にそれについて注目しておったわけでございまして、いろいろと今後とも参考になろうかと存じておる次第でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 同じように、全日空の大庭前社長と若狭社長の証言の食い違いというのは私はかなり重要な問題を含んでいるように思うのです。特に大庭前社長が総会屋対策として児玉譽士夫と会わざるを得ないというような状況、あるいはオプションとその後の経過などの問題というのは、トライスター選定と言われるものが本当に技術的な面で行われたのではなくて、政治的な圧力のもとで行われたということを示すきわめてリアルな状況を描き出していると私は思うのであります。この件について、捜査当局は国会における大庭、若狭両者の証言をめぐって事情を聞く必要が生じていると私は判断をいたしますが、この辺について、立ち入った質問でありますが、御答弁が願えるならば御答弁をいただきたいと思います。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田説明員 先ほど警察庁刑事局長から御説明がございましたように、国会に証言として喚問されたその証言の内容全般につきまして、捜査当局といたしましては非常に注目しております。もちろん参考となるものについては十分これを検討するということもいたしておるのではないかと思います。ただいまの段階ではこれ以上の御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私はこの事件の本質というのは、単なる脱税や外為法違反事件ではなくて、贈収賄の事件であると判断します。この点は、警察も、視庁の防犯部生活課だけじゃなくて刑事部の捜査課の主力を投入している事実によっても、この点に重大な疑惑を持って捜査に臨んでいるというふうに思います。政府も、三木総理や法務大臣も予算委員会の席上などで答弁をされているわけですが、自治大臣はこの問題についてどのような御見解を持っておられるか、承っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私は、この事件について、ロッキードから丸紅にあるいは児玉譽士夫に、金がどういう経路でどう渡ったかということが一つ、それから、その先がどう渡されたか、この二つを解明しなければ事件の本当の真相解明にはならないと思います。もちろん、児玉でとまっておれば、そこでまた一つの、児玉を中心とした犯罪が起きます。それから、丸紅を中心にすれば、背任罪とかいろいろなまた問題が起きるでありましょう。しかし、事件の全貌ということ、また国民が非常に疑惑を持っておるという意味で言えば、それから先がどうなっておるかということが一番問題だと思うわけであります。そういうことを解明する、渡っているかいないか、渡ったらだれに渡ったかということを明らかにすることが、この際の大変重要な目的でなければならないかと思うのであります。  ただ、この際もう一言つけ加えさせていただくことは、そういうことが明らかにならない前に名前が出るということは、一種のリンチみたいなことになりまして、われわれはいかなる人の権利も守る義務がある、国民の権利を守る義務があるわけであります。あれは危ないだとか、あれはどうもそうらしいとかということで、軽々に名前等を出すのがいいかどうかということについては、私は法治国の国家公安委員長としては十分に考えていかなければならないと、かように考えておるわけであります。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 もう約束の時間ですから、あと同僚の佐藤議員が関連質問を求めておりますから、私はこの辺で終わりますが、いずれにせよ、もしこの事件があいまいな形で始末されるとすれば、それは国民の政治に対する信頼が決定的に損なわれることになりかねません。わが国議会制民主主義の重大な危機を招くものだと言わなければならぬと思うのであります。  それらの立場から、国会はもちろんでありますが、捜査当局の責任はきわめて重大だと思いますので、まあしっかりやってくれということになるわけですが、しかし、私どもは、国民の重大な関心がここに寄せられているということをひとつ御認識いただいて、たとえばかばい立てをしたり、あるいは必要以上に時間の遷延を許すというようなことのないように、証拠隠滅などという事態が起きないように処置してくれることを期待をしたいと思います。  なお、関係者のお忙しいところ御答弁を煩わしたことに感謝をして、質問を終わりたいと思います。

小山省二自由民主党

○小山委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。佐藤敬治君。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 いま岩垂議員からロッキードの問題について質問がありましたけれども、関連して、これは質問であるか、要請であるか、意見であるかわかりませんけれども、簡単に公安委員長と警備局長にちょっと……。  このロッキードの問題は、国民から見ると非常に奇々怪々でよくわかりません。大体海の向こうからあらわれてきて、本体がまだ海の向こうにあるのですね。それが今度はニクソンと田中前総理がハワイで会ったとかなんとかかんとか、今度はこっちへきて右翼の大物が介在しておるとか、田中さんの刎頸の友の小佐野さんが入っているとか、政府高官に金が行ったとか、今度は児玉さんが病気になったとか、まあいろいろな問題があって、非常によくわからない。私どもはミステリーというか、この問題について何か一種の薄気味悪さを非常に感じております。私、きのうのあの証言を見まして、たとえば大庭証人なんか見ますと、本当に顔面蒼白でふるえてついには倒れてしまった、ああいうようなことを見まして、何というか、非常なミステリーまがいの危険を感ずるのですよ。  それで、私、けさの新聞をずっと見てみましたら、やはり国民が同じことを感じているのですね。たとえば児玉さんの病気のことについて、これはけさの毎日新聞の投書ですよ。   私は、児玉のナゾのUターンに、ああ、ついに来るべきものが来たと、臨時ニュースを見て、なんのためらいもなく思った。事件の当初から、可哀そうに児玉の病気回復はないだろうという予感はしていたものの、これがこんな形で、こんなにも早く現れるとは思わなかった。   もっとも人道的であらねばならぬ大学教授、医学博士の喜多村氏が何故にナゾに包まれたサル芝居をしなければならなかったのか。たとえ、このロッキード事件の容疑者であるにしても、その人間の生命は尊重し、しかも丁寧に看護、治療せねばならぬ医師としての責任があるにもかかわらず、病状悪化の方向に行動した喜多村教授の「ツルの一声」は、全国民から責められて当然であると思う。   この事件の中で、政治に左右されたり、権力に屈することない厳然たる態度が大学病院の教授にもとれないということは、ロッキード事件の根の深さを如実に示していることで、まことに背筋の寒い思いがする。こう言っている。今度は、これと逆のことを考えている人もいる。   児玉譽士夫氏の病状は依然として思わしくないという。臨床尋問にも耐えられないという。主治医をはじめ、派遣された医師が口裏を合わせたように毎度同じことを報告している。   過度の精神緊張をおさえ、血圧の動揺を防ぐために安定剤を使用しているという。時にはこんこんと眠っているそうだ。これは実に不思議だ。そんなに安定剤を平気で使用できる脳卒中後遺症の患者はごく軽症のはずである。脳に器質的な障害が明らかで、精神機能の低下が認められる患者に目がさめないほどの安定剤が与えられているというのは医学常識からしても解せないことだ。これは医者なんですよ。   見当識の障害や幻覚が時にあるのは当然で、これは安定剤によってつくられた病状である。その修飾された病状を“医師団”がみている以上、だれが出向いていっても同じことだ。安定剤を中止すれば、児玉氏の病状は正常にもどるだろう。それから後の異常環境の克服は児玉氏の強じんな神経で十分可能である。 こういうようなことも言っているのですね。まことに何といいますか、児玉さん自体に対しても、うそをついているということとひどいことをやっているという二様の見方があるくらい、国民はいろいろ混乱した見方をしておるのです。  それで、私きのう全日空の大庭さんのあの悲惨な状態を見ていて思いましたけれども、いま岩垂さんがお聞きになったM資金事件、マーカット資金の事件ですね、あの事件の当初の記録を新聞なんか見たり週刊ポストなんかを見ると、かなり脅迫があっている。あれに対して念書をやった。念書が暴力団に渡っている。その暴力団から盛んに脅迫が来て、あの当時大庭さんが非常にまいったことが書かれてあって、その脅迫のためにやめたというようなことも考えられる。そういうことが書いてあるのですね。今度大庭さんがあの証言台に、国会に証人として呼ばれるそのときにも、再び盛んに脅迫が来ている、電話が来たりいろいろして。これを見ますと、そのために大庭さんはもう眠られないで、顔面蒼白で、貧血になって家にいても倒れそうになっている、こう書いてあるのです。私はこれを見まして、しかも、いま言ったような、こういうあれを見まして、証人が自殺するか、非常に悪い想像ですけれども、そうでなければ抹殺されるか、何かそういうような危険を感ずるのです。非常に強い危険を感じます。  そこで、私お願いですが、そんなことがあるともちろん人道問題でありますし、また国民の疑惑を晴らさなければならない非常に大切な証人がそういうことになると、国民の疑惑はいつまでたっても晴れませんよ。そこで、私は国家公安委員長や警備の当局者にお願いするのですけれども、身辺の警護なりにひとつ気をつけて、絶対にそういうことにならないようにしてもらいたい、それを一言お願いするために関連質問に立ったのです。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 まことにごもっともな御注意でございまして、私たちも御指摘の点については、実は私は、この二十四日の捜査に入る前の段階でございましたけれども、警察当局に対して、いわゆる関係者の身辺については十分注意をするようにしなければいけないということを注意を与えておりました。御案内のように、公安委員長というのはこれをせいとかあれをせいとか言うのではございませんが、全体としてそういうようなことがあったら大変な問題を起こす、責任問題も起きると思いましたので、実は私は注意を与えておりまして、現にここにおる刑事局長、保安部長にも、呼んで私が特に注意をいたしておったところでありますが、まことにごもっともな御指摘であります。きのうの証言台に立たれた人たちの姿を見ておりましても、御指摘の点は十分われわれとして注意をしていかなければならないと考えますので、一段とこの面に対して注意を怠らないようにいたしまして、御懸念のないように努力を傾けてまいりたいと存ずる次第であります。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 局長、何か具体的なことがあったら……。言えることだけで結構です。

土金賢三警察庁刑事局長

○土金政府委員 大臣から御答弁申し上げましたとおりであります。  それから、大庭前社長の融資問題に関して暴力団等がそれに介在して云々ということは、現在私どもでは把握しておりません。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 終わります。

小山省二自由民主党

○小山委員長 山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 お手元へ大阪府の堺市と高石市並びに泉大津の臨海工業埋立地の簡単な地図をお配りをいたしたわけであります。  実は、この地域につきましては、いわゆる泉北埋め立ての開発地域でございます。ここにおいては堺市と高石市の境界の問題について争いがございます。  御存じない方が多いと思いますから、きわめて簡単にその状況を地図に応じて説明を申し上げますと、昭和四十二年に泉北1区埋立地、すなわちお手元の地図ではいわゆる高砂一丁目、二丁目と書かれているところでありますが、それができ上がったわけであります。ところが大阪府は泉北臨海工業地帯を増強して、さらに大きな工業地帯をつくろうということで、昭和四十三年に、上の方にあります泉北1区追加埋立地というものをつくろうということで高石市の市会に、埋め立てについてどうだという諮問があったのであります。高石市では市の議会にその諮問をいたしましたところ、進出の企業が石油化学だということで、公害発生になるんだということで、これに反対をしようということであったわけであります。  ところが昭和四十六年には、大阪府はいま言いましたように石油化学であるということを言っておったのですが、その後現黒田知事が就任してから、石油化学ではいかぬと言うんなら、これを公園にするんだ、こういうことを言うたのであります。ところが企業局では、公園などにしたのではそれに要する経費を償還することができないというので、次はクリーンエネルギーをつくるんだということで、大阪瓦斯と大阪府内陸部の中小企業の誘致を図る、こういうことにしたわけであります。  ところで泉北1区の埋め立てができたときに、堺と高石市の境界線は、お手元にあるB地点からC地点に移り、それからDに行き、それからDからEに行き、Eから二百七十度線という線ではすに横切るという線を大阪府は境界としたわけであります。ところがE点から二百七十度ということになりますと、泉北1区の追加埋立地というものを横切ってしまう。ところがこの二百七十度線という線は、堺7区という右の方にあります、それに平行している線でありますが、それに平行するんだということで、そういうことを決めたわけでありますが、終わりの線が、泉北1区ができたときには決まってない。泉北1区の追加埋め立てというのは、先ほど申しましたように昭和四十六、七年ごろにできたわけでありますから、この泉北1区の四十三年のころには追加埋立地というものができるかどうかということがはっきりしてない。そういう時点でE点から堺7区の横に平行した線をかいておった。終点も大阪府では決めてなかった、こういう形になっておるのであります。  そこでまず第一点は、このAからCへ行き、CからDへ行き、DからEへ行くというような、これは堺と高石の、高石市が市になる前の町の時代でありますが、話し合いができておりますから、こんな線もおかしいと思いますけれども、それはそれとして、この泉北1区の境界というものはこれで一応了解ができておったわけであります。ところがEから二百七十度の線、すなわち堺7区と平行した線をかくと、泉北1区の追加埋立地というものが完全に分断をされる、こういう形になるわけであります。そこで高石市としてはこれはとても承知ができぬ。しかも大阪府がこの二百七十度線というものを決める際には、終わりの線がないのであります。これがいま裁判の訴訟になっておりますが、大阪府の関係者の証言等も聞いたり、あるいは高石市の関係者から聞くと、E点から二百七十度線、すなわち(1)と書いてあるその堤防くらいまでを予定しておるというような話があったので、この二百七十度線という線で境界をすることを高石市は承知をしたという経緯があります。ところが大阪府はその後、いや二百七十度線で横切るのがもう前に決まっていて、高石市も了承したんだ、こういうことを現在言い張っておりますもしたがって、この問題については現在裁判で争われております。しかし裁判所も、こういう飛び地の境界をつくるということは適当でないので、これは両方で話し合いをしなさいということで話し合いをさして、裁判所の調停案が出されました。その場合に、裁判所としてはやはりこれを二つに分断することは適当でないという調停案を出したところが、大阪府はそれを拒否をした、こういう経緯がございます。  そこで、この問題について行政局長さんは十分詳しく御存じだと思うのですが、大阪府はこのE点から二百七十度の線で泉北1区追加埋立地を横切るというそういう主張をいましておるわけでありますが、高石市はこれを承知をいたしておりません。こういう状況にある状況を、地方自治法第九条第一項による境界についての争いがある、争点があるというふうに認定されるかどうか、自治省の見解をまず伺いたいのであります。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 解釈問題として大変むずかしい問題でございます。  通常、境界について争いがあるないというのは、境界がはっきりしていないものについて双方の主張が相異なっておるという場合が典型的なものでございますが、この場合は一号の追加埋立地の計画ができる前に、前にも実は相当いろいろ議論があった結果、府の方で両市の意見を合致さして、その時点で争いがなくてこの二百七十度線というのを決めた、その時点では争いがあるとは言いがたかったわけでございます。ところがそれを、いま先生の御質問の中にもございましたように、片一方の高石市の方はこの(1)の堤防の点くらいで終わるのだと了解しておった、それから一方大阪府と堺市は当然これはずっと先もやると了解しておった。その争いがなかった時点において実はその解釈に違いがあったというのが最近になって出てきた。しかもその埋立地というものが竣工しまして、そこにいろいろ企業が入り、そこに税源その他もたくさんできているということで、今日は争いがないというわけにはいかぬ。恐らく主張が食い違っているのでございましょうけれども、この境界について争いがあるかないかということのいまの法的解釈を決めるには大変むずかしいケースだと実は存じます。  そこで裁判所の方もあるいはもてあまして和解というか、話し合いも進めたのかと思いますし、法律的にさらにもう少し詰めてみなければ、いまの先生の御質問の、いまの自治法に照らしてどうかと言われるのに対して明確なお答えはしにくいわけでございますが、一方、この法律の解釈ができればそれで直ちに紛争が解決する問題でもございませんので、大阪府の立場もございましょうし、この問題が取り上げられました機会に私の方も両方の言い分をよく伺う、府の方の言い分も伺った上で御相談に乗りたい。いままでも実は何度か、主に高石市の方からでございますけれども、市会議員さんあるいは市長さんお見えになりまして、御相談を受けたことがございますが、まあ、とにかく話し合いで意思が合致しない限りは、法律的な解釈でごつごつし合っておってもなかなか解決するものでもないので、ひとつできるだけのお話し合いをと要望したにとどまってまいりましたけれども、せっかくこの問題を委員会でも取り上げていただきましたし、さらに今後積極的に、解釈も解釈でございますけれども、両者の話し合いをお進めする上において役に立つことがあれば、われわれは努力を惜しむものではない。こういう考え方で現在おります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 実はいま林局長からお話があったのですが、裁判の間においては証人調べなど審理が十四回行われ、そうして裁判所のあっせんによって和解の話し合いも八回行われて、裁判所がやはり行政区域が二分をされるということは適当でないということを前提にして裁判所の和解案を示されたわけですね。ところが、大阪府はそれじゃ堺が不利だということで、堺市は大阪府がそう言うなら堺市もそうだということで、調停案が、和解案がつぶれたという経緯があるのですが、それは御存じですか。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 実は詳しくはそこまで承知しておりません。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それはひとつ調べていただきたいと思いますが、裁判所の調停案、和解案を大阪府が拒否をしているというようなことになりますと、これはもうまさに確かに堺市は高石市の十倍も人口のあるところでありますし、非常に力も強いかもしれませんけれども、そういうふうに大阪府が裁判所、すなわち第三者の調停、和解案を拒否をするというようなことになると、これは大阪府はまさに堺市の味方であって、高石市の味方でないということが高石の住民並びに関係者から強く不満が言われているという一つの具体的な事実としてあるわけであります。したがって、やはりこれは大阪府というのが、本当を言えば、地方自治法の第九条その他から言えば、当然第三者的な立場に立って、たとえば紛争があれば、自治紛争委員会という制度もあるのですから、そういうものに対して調停案をつくらせるような考え方を示すべきだと思うのですね。ところが、これについて争いがない、争論がないのだということで、二百七十度線というものの真っすぐに走る線をそのまま告示を強行したということがあるわけですね。そういうことについては局長はどう考えられますか。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 当然府なり県の立場は、管下の市町村に意見の食い違いがあれば、そのどちらの味方に立つというわけのものでもなく、公平な意味で双方の言い分も聞いてその間の和解を図るのが当然の使命だと思います。  しかし、現在先生が御指摘されるようなことが、大阪府が調停案を拒否したという事実もあるようでございますけれども、府の立場なり、府の言い分もまた十分に聞いてみないと私もにわかに即断しがたいわけでございますが、ただこの境界線そのものについては確かに設定のとき争いがなかったことは間違いないわけでございますので、あるいはその辺を強調しておられるのではないかと思いますが、いずれにせよ、この問題、意地を張り合ってみたり、あるいは府が一方の肩を持ったとかいうようなことくらいで解決がつかないような、実は相当長い問題だと存じますので、積極的によく事情も、私の方で、私のところの振興課というところで所管をしておる仕事でございますけれども、今後積極的によく言い分も聞いて判断ないしはそれで一生懸命やってまいりたいと存じております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 もし仮にこの線が強行され、もちろん裁判になって現在は両者で話し合うべきであろうということで、裁判の進行はとまっているわけでありますが、もしこれが強行されるとすると、問題になるのは、まず第一に水道関係ですね。これは一体堺市から水道を引くには海底一キロ引っ張らない限り、これだけ争いのあるものを強行したなら、水道は、これは高石市は送りません。送らなければならぬ義務がないわけですね。そうすると、これだけのクリーン何とかだと言うけれども、企業には水は絶対に要る。現在は堺からドラムかんに入れてトラックで運んでいる。こういうことで非常に経済的にもおかしなことになっておる。だから、まず水道関係が海上を隔てた戸口への水道の敷設というようなこと、ここは航路になっておりますから、そんなことはとてもできない。その次は、ごみの収集も高石市を通らなければ堺の車は入れない。それから、屎尿処理等は処理場は高石市がいま置いているんですが、それを拒否したら、これはもうの屎尿処理もできない。それから、公害関係につきましても、一体高石市と堺市とこの二つに分断をしてしまったら、同じような基準で行くべかりしところがばらばらになる。それから、現在争いがありますから番地も定まらない、定まらないから土地所有権者が移転登記ができない、移転登記ができないから保存登記ができない、保存登記ができないからそれを担保にして金も借りられない。そういうことで破産をするというような会社も出ている、こういう状況なんですね。したがって、これは緊急の状況で処理していかないと、裁判で争えばこれは最高裁まで高石も恐らく争うでしょう。しかも、いま言ったように住民としてみれば水道の問題、屎尿の問題、ごみの収集の問題、公害の問題あるいは財産権の問題等々、分断をするなら大変な問題が起こるということが目に見えているわけでありますから、本来ならばもっと積極的に大阪府が高石市と話し合うべきであると言うのですが、去年一年間で川上君という地方課長が一遍だけ高石市に赴いたことがあるという程度のことであるというふうに私は聞いておる。こういうようなことでは、これは大阪府は本気になってこれを処理する気持ちがあるのかどうかわからない。そうであればあるほど私は自治法の第九条第一項の自治紛争委員の調停にかけるような行政指導を早急に自治省としてやるべきであるというふうに考えますが、大臣どうでございましょう。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 確かに御指摘のように非常にむずかしい問題を含んでおりまして、しかもこの争いが一日、二日の争いではなくて、実はもうずいぶん前からのいきさつのある問題でございます。確かに、自治紛争調停委員会をつくってかけるというのも有力な御提案だと思います。本来、府県というものは、管下の市町村にそういう争いがある場合には公平な第三者の立場に立って調停をし、自分ができるものはしてやって、そういうものをおさめるという使命を持っているはずでございますし、私は大阪府がその使命からはなはだ外れているというふうには実は考えたくない。私たちも府県を信頼しております。ただ、具体的なこの問題につきましては、いろいろないきさつそ他もありましたし、あるいは府のメンツなどという問題もあるいはあったのかも存じません。いずれにいたしましても、至急府の方とよく連絡をいたしまして、そして最も妥当な解決に至るよういまの御提案の趣旨も含めて府との間に相談をし、できるだけのサゼスチョンをしてまいりたい、こう思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 これは実は、私がこれを取り上げているというところに意味があるのですよ。なぜなら、大阪府にはたくさん国会議員もおるし、地方行政委員もおられる。なぜこれを取り上げないか。やはり、堺市は大きいですよ。選挙にも影響するかもしれない。わかりませんけれども、やはり、堺市の不利になることは言いにくいのです。だから、私は隣の京都府の人間であるけれども、客観的にいろいろ事情を調べてみるとある程度私は大阪府のやり方が間違っているというふうに判断をしたから取り上げたんであって、大阪府のいままでのやり方が本当に公正妥当で高石市の主張がある意味において、間違っているというならこれは私は取り上げないのであります。なぜなら利害関係がありませんから。なぜおかしいかと申しますと、もう一つ申しますと、いまの二百七十度線というものを一つの境界線でやるというなら、高石市と泉大津市を見ていただきたいと思う。それもやはりそういう線を引かなければいかぬはずですね、これは境界として。そうなると、泉北第4区は分断されるし、その先の埋立地も今度は高石市と泉大津市が分断される、こういうことになるわけですよ。その点一体、林局長どう思われますか。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 先ほど来申しましたように大変長いいきさつを含んでおりますので、この場で私の常識としてどうだというのを言うのも実は差し控えたいと思いますが、海岸線に沿って境界をどう引くかということには確たる原則は実はございませんでして、いろいろな陸地の境界線とちょうど直角にするというのが、たとえば真っ平らな海岸などのようなときには大変合理性があるかもしれないけれども、そこに島でも一つあったりあるいはこちらに港があったりすると、その場で最も妥当な線を引くというその現地に則しての決め方しかないわけでございます。ですからいま御指摘のようにこの線をずっと延長し、今度は泉大津と高石の間は、いわば陸岸に直角に引けば、これは海の上で交わってしまって海域がもうきわめて限られたものになる。それじゃおかしいからということで、この地図の上にどういうふうな線を引いたらいいかということは、白紙でもって伺えば一つの案は出るかも存じませんけれども、いま直ちにこの線が妥当であるか妥当でないかという判断は実は差し控えたい。というのは、今後この問題に首を突っ込んでと申しますか、いろいろ御相談申し上げるときに、初めから一つの方向に色がついていると思われることは決していいことではない、そういう意味で控えさしていただきたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私は大阪府の考え方が必ずしも妥当していない。少なくとも泉北1区の追加埋立地ができない段階においては、これは両方の当事者が話し合って了解をしたのでありますから、これはこれなりに、おかしな線だと思うけれども、それなりの合理性なり妥当性があったと思うのですけれども、それは泉北1区追加埋立地ができたという新しい事情変更の原則といいますか、事情変更をしたのですから、新しい線を引くべきであるという高石市の主張も妥当であるのにかかわらず、それを強行されるから、私はちょっと大阪府がおかしいぞ。そういうことを援用するなら、いま言った泉大津市と高石市との間の境界もそうあるべきであるという理屈になりますよと言ったので、局長の言われたように、私も現地に妥当する線を引かれるということがいいと思います。  そこで、もうやめますけれども、具体的にそれじゃどうしていただけますか。具体的な解決方法と時間その他についてもどうされるか、それをひとつお伺いをしたい。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 具体的には至急府と連絡し、府のこの関係の何と申しますか、ずっとタッチしておる人に来ていただきまして、従来のいきさつ、最近の状況の話も聞いた上でいろいろサゼスチョンをしたい、こう思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 これは大阪府の告示の無効、そして高石市の主張確認の訴えという訴訟と、それから境市を相手にするところの境界変更に対しての争いと、二つの訴訟がいま現に係属をしているわけでありますが、話し合いをするということを前提にして、その訴訟は一応とまっている状況でありますから、だから積極的に自治省が、大阪府、堺市並びに高石市の関係者を呼んで、一日も早くこの問題についての調停あっせん、そして両者が同意ができるというあっせんを積極的にやっていただけますね。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 その具体的な解決に至る方法としては、私の方がそのあっせんをやるということも、これも一つの方法でございますけれども、さっき先生のおっしゃいました地元にまさに第三者たる自治紛争調停委員を任命して、そこで地元に詳しい人で議論してもらうという方法もありましょうし、その辺をよく府当局ないしは府当局だけで不十分であれば、場合によっては当事者の市の方にでも御相談し、御意見を伺った上でよしなに取り計らいたいと思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 これはさっき言ったように、原因は二百七十度線というものを強行した大阪府にやはり問題があるんだから、この点は大阪府も呼び、それから関係者の堺市並びに高石市の関係者を呼んで、裁判は一応進行をとめながら、一日も早く妥当な路線を出してもらう。これは自治省以外に指導をしていただく行政当局はないと私は判断をして、しかもできるだけ早くやらなければならぬというのでこの問題をここで提起をしたわけですから、早急にひとつ両当事者並びに大阪府の関係者を呼んで、行政局長の手元で一日も早く——水道の問題もあります、屎尿やごみの収集の問題もある、それからいま言った保存登記ができてなくて、担保の問題経済上の問題もある、こういうことでありますし、学校も一体どこへ通うのかわからない、こういう問題が四月一日から起こってくるのでありますから、少なくとも早急にその手を打っていただけるかどうか、ひとつもう一度答弁をいただきたい。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 本来こういう趣旨の問題というのが私の方の手まで煩わさなければならないということは、私は実は非常に不本意でございます。本来ならば、そういう問題こそまさにまず地元の市が話し合い、それから府がもっぱら第三者の公平な立場に立ってあっせんし合い、それで解決していくのが地方自治の真髄だと思いますが、この問題については少し長くかかり、こじれた点もあり、あるいは先生の言をかりれば、府の態度にも問題があるということでございます。ですから、一つの例外という形で、私たちの方も御相談を受けて力をかしたい、この努力を惜しむつもりはございません。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 じゃ、最後に大臣、こういうふうにあれしているのですから、行政局長をして早急に解決させる手続をとらせるようにさしていただきたいと思いますが、一言答弁を……。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 承知いたしました。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それでは、いまの問題は林行政局長の行政手腕に期待をして、ひとつ早急にやっていただくことをお願いをして質問を終わります。  次に、本日、先ほどいわゆる中期地方財政収支試算というものが配られたわけであります。これは経済企画庁の昭和五十年代前期経済計画概案というものに基づいて大蔵省が財政収支試算というものを出されたものと並行して出されている、こういうふうに承っているわけでありますが、これは大臣も御存じでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 知っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 大臣が御存じだそうでありますから少し質問をいたしたいと思うのでありますが、これは基本的には昭和五十五年において国民の税負担が二〇%から二三%にふえるということが前提になっております。国の場合には、予算委員会等を通じて付加価値税等を検討に値する云々ということで、われわれは反対でありますけれども、そういうことを考えているのではないかというふうに思うわけでありますが、新しい税がない限りこのような一般財源の数字は確保できないというふうに考えるわけでありますが、昭和五十五年における国民の税負担の二三%のもとになるいわゆる国民総生産は幾らと試算されておりますか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 国民所得の算定につきましては、五十一年度の額が御案内のように百四十一兆一千百億円でございます。経済計画概案では五十二、五十三年度の国民所得の成長率を一五%、五十四、五十五年度一二%というふうに、前期がやや高く、後期が安定成長というふうな見方をいたしておりますので、それを用いまして算定いたしますと、五十五年度は約二百三十四兆円の国民所得という計算に相なっております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうすると地方に配分される一%の税額はどのくらいになりますか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 国民所得に対する租税負担率が一%上がるという前提で計算をいたしますと、五十一年度ベースでは、先ほど申しました百四十一兆の一%でございますから約一兆四千億、五十五年度ベースになりますと二兆三千億見当と、こういう数字が挙げられるわけであります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それだけの数字を一体どういう税で収入されるとお考えになっておられますか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 この財政収支の試算は、備考でも書いてございますように、五十年代前半の地方財政の収支を展望いたす。その場合にいろんな前提を置かなければならぬわけでございますけれども、歳出の問題は別にいたしまして、歳入については、やはり租税負担率がどうなるかということを一定の条件を置いて考えなければなりません。その場合に、経済計画の概案をもとにいたしまして算定したということでございます。  そういう意味合いで、具体的にどういう税金によってこの税収を確保するという具体策といいますか、具体案といいますか、これを現在のところ持っていないわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 具体案がなくてそれだけの大きな税が入るという試案ということになると、これはどういうふうにわれわれは検討していいのやらちょっと検討のしようもない、こう思うわけでございますが、少なくともそれだけの一般財源の増というものを考えた場合に、何らかのことはやはり考えておられるのではないかというふうに思うのですが、全然考えないで数字だけ出された、こういうことでございましょうか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 国税、地方税を通じまして、今後の安定成長下におきます国民に対する租税負担の求め方、税制のあり方につきましては、かなり総合的にあらゆる角度からこれから検討を進めなければならぬ問題だと思うのです。そういう意味合いで、社会経済情勢の推移の問題もございます。今後の財政需要の動向も考えなければなりません。いま軽々に事柄を決めるという段階ではないと思います。  そういう意味合いにおきまして、私どもといたしましては、この収支試算を行います際に経済計画概案の指標を用いたというわけでありますので、今後の税制のあり方につきましては、いま申しましたように、各般の情勢を総合的に検討して国民のコンセンサスを得た上で適切な結論を得る、こういうことが必要だという考え方を持っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 具体的な租税負担の内容がわからない限り、単なる数字のあれにしかすぎぬということになると思うわけですが、それはそれなりにして、一応五十五年までの考え方をまとめたという意味の労は多とするものでありますけれども、内容が不十分だと思うのです。  たとえて申しますと、ケースI、ケースIIという二つの試案があるわけでありますけれども、いずれの試案にいたしましても、五十一年、五十二年は要調整額として一兆九千億あるいは一兆八千三百億という財源が足らない、こういうことになるわけですね。そうなると、大臣が前回の国会においても答弁をされているように、三年間も財源が不足をする場合には交付税率というものを考えなければいけないということを言われておるわけであります。当委員会においても明確に言われたわけでありますが、そういう点の意見というものは全然ネグレクトしている。また新聞等によると、大蔵省は、たとえ三年ぐらい財源が地方で不足しようとも交付税率を上げることは考えられないというような発言をされているわけでありますが、そういう点についての意見はいかがなものでありますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 この中期収支試算でございますが、ただいま御指摘のように五十二年度ではこのような前提に立ってはじきました限りにおいては約一兆九千二百億の財源措置が必要であり、五十三年度においては一兆余りの措置が必要となるということでございます。ただいま御指摘のように五十年、五十一年とかなりの財源不足が現実に生じており、将来もまたこのような不足が生ずるとするならば、地方交付税法第六条の三の、いわゆる見直し規定、こういうものが働く時期ではないかという御説はそのとおりでございます。ただ、この試算はあくまで現在時点における試算でございますので、今後五十一年の明年度の秋過ぎになりましょうか、将来の経済見通しあるいは税収入の見通し等がある程度確定をしてまいりますと、この数字にも異同を生じることがあるかもしらぬと思うわけでございますが、そういう前提を置きまして、このような状況になるならばまさしく御指摘のとおりだと思います。  その場合に、御案内のように六条の三は交付税率のことも言っておりますし、地方財政制度、行政制度、こういった制度全般の改正、見直し、こういうことも言っておるわけでございますので、そのようなものをすべて含めまして総合的に十分検討をして所要の措置をとるように努力をしてまいりたい、このように私ども考えておる次第でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうすると、この資料はいま言った交付税率を含め、あるいは別途の方向を含めて何らかの措置をしなければならないということを主張するための試算書であると理解して、そのメリットがあるというか意味がある、こう理解すべきものですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 そのような意図を持ちましてつくった資料ではございませんで、ただいまの時点におきまして長期ないしは中期の見通し、これを明らかにするようにという国会の御要請もございましたし、経済計画概案も出ておりますし、国の中期計画もございます。そのような前提に基づきまして素直にはじきますならばどうなるかという試算をいたしてみたものでございます。その結果、このとおりであるならばただいま御指摘のように将来いろいろな措置を含めての検討をすべきものである、こういう考え方を私ども感じておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私はそういう、何というか、すべて前提というものはなくして政治的な形で収支の試算を出せというのが国会の意見ではなかったのであって、こういう場合にはどうするのかという次の意見を、自治省としては一定の考え方、政府としてはどう考えるかということを含めた五十五年なりの試算を出せという趣旨であろうと理解しておったのでありますが、出てきたものがこうであるから、せめてこれを見る限り何らかの措置をしなければならないということだけは明確に言えるんだというところに意味があるんだというふうに、強い理解をしたわけでありますが、そうでなければ余り意味はない。失礼ですけれども政治的にはあるいは政策的には余り意味のない数字になってしまっているのではないかというふうに思うのですが、余りそれでは言い過ぎでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいまの時点におきます諸条件を前提にした数字を一応素直にはじいた、こういうことでございまして、今後これをもって具体的にどのような政策、対策をとり、処置をしていくのか、こういう問題は今後の政策上の大きな問題になろうかと思います。その点につきましては先生も御案内のように、われわれといたしましても、たとえば地方制度調査会等の御議論、こういうものも通じましてあらゆる意見をいただきながら今後の方策を模索してまいりたい、実行してまいりたい、このように考えておるわけであります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 財政問題の細かい点についてはいずれ交付税法の審議の際に細かく質問をいたしたいと思いますので、きょうは先ほど大臣から説明のあった所信並びに自治省の予算に関連をした問題について質問をいたしたいと思います。  まず第一に、大臣の地元である福井県の原子力発電所のある大飯町のことについてちょっと数字をお伺いをした上財政の問題に関連して質問をしたいと思いますが、大飯町の財政規模はどのくらいでございますか。ちょっとその財政規模を調べておいてくださいとお願いしておいたのですが。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 大飯町でございますが、昭和四十九年の基準財政需要額が三億七千二百万、五十年の基準財政需要額は四億一千六百万でございまして、四十九年の決算によります歳出規模の総額は十億二千七百万、こういった団体でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 交付団体ですか、不交付団体ですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 交付団体でございます。二億八千万程度の交付税。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 電源開発の交付金は五十年においてどのぐらい行っておりますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 電源開発の交付金は、四十九年度は一億五千六百万、五十年度は四億七千四百万、このような金額が交付をされております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 基準財政需要額が四億一千六百万ですね、五十年度で。それに電源開発の交付金が四億七千四百万というのですから、基準財政需要額を超える金がこの交付金として入るわけですね。私は交付金の入ることが反対ではありません。大いに地方団体のためにそういう金が入って施設が利用できるということは、多々ますます弁ずるし結構なことだと思うのですが、この交付金は基準財政収入額には入りませんね。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘のとおり基準財政収入額には算入をいたしておりません。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうなりますとどう考えられます。四億一千六百万の基準財政需要額に対して四億七千四百万の需源開発交付金が入るというような団体は、これは非常に結構で私もうらやましいと思います。しかし財政制度的に言うて、果たしてこういう形が制度問題としていいのかどうか。大飯町の皆さんのことを別にとやかく言おうと思いませんけれども、地方財政を総括する自治省として、このような法律なり、発電用施設周辺地域整備法という法律ができるときに賛成をされたから国会に出されて可決をされたと思うのでありますが、余りにも地方団体が現在財政危機の中で特定のところだけがこれだけの交付金を受けられるということは、公正というか公平という立場からいうと、地方財政制度としていかがなものであろうかという感じを持つのでありますが、こういう考えを持ってはまずいものでしょうか、その点ひとつ財政局長にお伺いいたします。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘がございましたように、この交付金は発電施設周辺地域整備法という法律に基づきまして発電施設の整備を促進するために設けられたものでございます。このような施設の所在する地域ないしはその周辺地域が公共用施設の整備計画を立てまして、その整備計画に基づく事業を実施いたします際の目的財源、こういうかっこうで、上がりました税収入を当該地域に交付するという制度が創設をされたわけでございます。したがいましてかなりその地域にとりましては——まあ大体は田舎の市町村でございますから、収入、財政規模ともに少ない市町村でありますところにかなり多額の金額が交付されることに相なるわけでございます。いずれもこの金額は先ほど申し上げました整備計画に基づく事業を行うための目的財源、こういうことで交付をされておりますので、当該地域の発展を図りますためには一応妥当なものではないか、私どもそう考えたわけでございます。  それから、きわめて大きな金額が参りまして、そのことによって財政運営がへんてこにならないか、こういう心配はもちろん私どももいたしたわけでございまして、やはり物事には限度があるべきものでございますので、その限度の考え方をいろいろ考慮をいたしたのでございますが、御承知のように、当時この制度をつくります際に、金額的に一応の交付の頭打ち制度を考えることにいたしております。その頭打ち制度は当該発電用施設が完成をいたしました暁に入ります固定資産税、つまり建設経費の約一・四%の固定資産税でございますが、この税収があった場合の財政規模なり収入なりはどうなるかというようなことを想定をいたしまして、端的に申し上げますと、そのような想定をされた固定資産税の額の四分の一の額、つまり交付税の計算の際の二割五分の残りでございますが、そういったものを一応の限度に置いて、そこまでの頭打ちの範囲で整備計画をつくれ、そうすれば、極端にそのことによって水ぶくれをいたしまして将来困ってしまうというような事態はないのではなかろうか、このような配慮は実はいたしておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私はそういう周辺地区の整備計画に基づいて、それの目的税として出されるということでありますが、あえて私の言いたいのは、発電の施設が置かれる市町村だけではなくて、どの町村においても、過疎の地域においては過疎の計画その他があって、それに基づいて過疎債なり何なりが配分されておりますけれども、これの十分の一程度のものであろうと思うのでありますが、そういう意味で、私は多からざるを憂えずで、要するに多くないからけしからぬということではありません。ただほかの団体が、そうでない団体との間の措置というものが必ずしもいま十分でないというととを憂えているということを申し上げたかったわけで、余り言いますと、何かこれにけちをつけているように思われて、また大臣からいやな顔をされるからこれは申しません。ただ、こういうことは結構だから、どこのところにも均てんしてやっていただきたいということを自治省としては当然考えるべきことであろうということを一言申し上げて、終わります。  次に、せっかく各省から来ていただいておりますから……。まず第一に通産省の、石丸車両課長さんにおいでをいただいております。  実は、去る二月の十二日の日でしたか、新しく昭和五十一年度の交付税の特例並びに地方債の特例等の法律が出てまいるわけでありますが、それのかかった次官会議において自治省から提案をされた、いわゆるギャンブル収入の開催団体と非開催団体との間の財源の不均衡を生じているので、なるべくわれわれとしてはこれを均てん化させろということを当委員会の決議において、ギャンブルをやっている市町村とそうでないところの市町村との間の財源の均てん化ということを累次にわたって強く要求している。これを受けて、不十分であっても自治省の原案というものは、ギャンブルの収入の〇・五から〇・七に引き上げる、そして、それは当分の間とする、そして五十一年度以降は毎年〇・一%ずつアップをして、五十四年度までには一%とするという方針のもとに原案が出された。しかるに、まず通産、農林、運輸の各省の次官から反対が出て、この次官会議の決定が異例ともいうべき延期をされまして、次の段階に持ち越されたということを当時の新聞は報じているわけでありますが、こういう事実はありましたか。

石丸博己通商産業省機械情報産業局車両課長

○石丸説明員 先生のおっしゃいました法案につきまして自治省からも御相談がありまして、通産省としましてもいろいろ意見の交換をしたことはございます。それで、政府といたしまして閣議決定された以上、そういう法案の内容ないし経緯につきましては、私どもといたしましてはその法律に関しまして直接の権限を持たないわけでございますから、これにつきまして詳細なことを御説明する、こういうことは差し控えたい、こういうふうに感じておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私は新聞によって、二月十二日の次官会議に自治省から提案をされた、いま申し上げた特例法について、通産やあるいは農林並びに運輸の次官からクレームがついて、次の次官会議であるところの十六日に延期されたという新聞報道があるので、それは事実ですかどうですかということを伺っているので、ひとつ事実かどうか承りたいと思うのです。

石丸博己通商産業省機械情報産業局車両課長

○石丸説明員 先ほど私御説明申し上げましたとおりに、政府原案として提出されました法案に関しまして、直接の担当の省ではございませんので、そういう関係につきましてはわれわれの方から意見を申し上げるのは差し控えたい、こういうことでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 新聞の報道によると、あの当時はその自治省の原案に対して通産、運輸、農林の各次官からクレームがついて決定が延ばされたという報道があったけれどもそれは事実ですかという問いに対して、私はそれに答える権限がないからお答えしませんと、こういうことでございますか。

石丸博己通商産業省機械情報産業局車両課長

○石丸説明員 そういうことでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それじゃ、これ、だれにお答えをいただけばよろしいでしょうかな。自治省からお答えいただけるのですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 では私の方からお答え申し上げますが、そのように三省との間の意見調整ができませんで、それで一回次官会議が延びたということは事実でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 次官会議に出す場合には、各省庁の間と一応の了解はできて次官会議に出されるのですか、それとも、そういう点の法案の関係省庁とはあらかじめ折衝というものがなされないで次官会議に出されるのですか、どうでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 この法案につきましては、法的な意味における合い議官庁ないしは協議官庁という、正確な法的な意味の官庁ではございませんけれども、事業の執行そのほかで関係のある官庁でございますので、前々から御相談も申し上げておったわけでございます。大体了解はつきますものという前提のもとに見込みを立てまして次官会議の日にちを設定をいたしたわけでございますが、案に相違をいたしまして意見が調整できませんで、一回延びまして決定を見た、このような経過をたどっております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 主催団体ですね、地方団体の主催者の団体の責任者、長はこれに了解をしておりましたか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 もちろん、各競技ごとに主催者の団体あるいはそれを持ちます施行者の団体ないしは議長会、こういったところとも事前に相談もいたしておったのでございまして、まあ平たく申しますならば大方の了解は得られておったわけでございますが、何と申しますか、全面的に任せる云々といったような文書を取り交わすとかなんとかいうものではございませんで、大体話し合いをしました結果、大方の了解はもちろん得ておったわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それでは石丸さんにお伺いをいたしますが、自治省の原案ですね、いま私が申し上げた、これは前からわれわれもこういうふうに決定をされた、自治省としては決定をするということを聞いておったわけでありますが、これは当分の間というのが六十年までということに直り、来年度以降において毎年〇・一%ずつアップするのは、また来年度以降相談であるというふうに決まったということをまたわれわれはヒヤリングで聞いておりますが、自治省の首藤財政局長さん、私が申し上げた事実は間違いございませんか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 おおむねそのようなことでございまして、当分の間といたしておりましたものをさしあたりの期限を明確にしよう、こういうことで明年度、五十一年度から十年間の六十年度まで、こういうように法案を修正いたすことにいたしました。それから納付率でございますが、さしあたり五十一年度の比率を〇・七に上げる、こういうことでございまして、以後の年次は改めて政令で定めるということにいたしておりますが、その間五十四年までの時点におおむね一%になりますように、これはそのときの施行状況等もあるかと思いますが、毎年引き上げを行いながら一%に近づける、こういう大まかな方向としての了解はいたしておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それでひとつ通産省にお伺いをしたいのですが、いま言ったような実情でありますが、主催者団体もおおむね了解をする、自治省当局も当委員会の決議その他に沿っていま言ったような均てん措置をとろうとしたものに対して、次官会議等においてクレームをつけた理由は何でございましょうか。

石丸博己通商産業省機械情報産業局車両課長

○石丸説明員 私どもは直接の担当の官庁でございませんから、実はそういうことにつきまして詳細をお答えする立場にはないと思うわけでございますけれども、われわれといたしましては、競輪等オートレースの公正、安全な競技の確保という点を中心に考えております。それで、その収益率というものが非常に落ちてまいりますと、その中から一定額の拠出をされるということは、競輪場の施設の整備とかそういうものにも非常に影響してまいりますので、そういうことについてもう少し慎重に考えたらどうだろうか、こういうことをわれわれは考えたわけでございます。  ちなみに申し上げますと、自治省から正式に御提案がありましたのは一月二十九日でございました。それで、二月十二日、十三日の次官会議、閣議にかける、こういうお話でございましたので、もう少し検討の時間をかしていただきたい、こういうことで申し上げました。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 収益率が下がったというのは不景気の状況ですから、これは波があるのでありまして、現段階でそういうことを判断するのが適当かどうかは別だと思いますが、そうであったと仮定をしても主催者団体が、少なくともそこの責任者が賛成をしておる。それからもう一つは、議会として、地方行政の当委員会としては全党が一致をして、このギャンブル収入の均てん化を図れということを政府に対して要求をしているという点から言うと、いまの理由は当たらないと思うのですが、主催者団体からそういう話があったのか、それともそうであろうと判断をされたのか、どっちでしょうか。

石丸博己通商産業省機械情報産業局車両課長

○石丸説明員 主催者団体の了解は、私どもは、関係の四省の間で了解したところに従う、こういうようなお話である、こういうふうに聞いております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうすると、通産省が判断をする基準というのは何でございますか。

石丸博己通商産業省機械情報産業局車両課長

○石丸説明員 この均てん化の問題は、現在も均てん化の措置というのはとられておるわけでございます。御承知のように、〇・五%というのが公営企業金融公庫に納められております。それからまた、このほかに一号交付金、二号交付金というのがございまして、特に二号交付金につきましては、一・七%というものが日本自転車振興会及び小型自動車振興会を通じまして各地に均てん化といいますか、その公益事業のために補助金として交付されておるわけでございます。そういうものも考えてみますと、均てん化につきまして一体どういうような考え方をすべきであろうか、その辺もう少し検討する必要があろうと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 当委員会が全党一致して均てん化を何回か決議をしているということはあなたは存じていますか。

石丸博己通商産業省機械情報産業局車両課長

○石丸説明員 何回にわたってと申しますか、何度されているかということは存じ上げておりませんが、そういう決議がされておるということは存じ上げております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 少なくとも地方行政の責任ある委員会が全野党異議なく均てん化を強く要求しているにかかわらず、政府の当局として、まだ考える余地がある、慎重にやる。この委員会では何遍もやっているんでありますから、国権の最高機関の議会の意思を全然無視するようなそういうクレームのつけ方というものは許せない、そういうふうに私は考えているのです。自治省ももっとがんばって均てん化をもっと進めてもらいたいというふうにわれわれは思うけれども、これにクレームをつけることについては非常に遺憾であるということを申し上げて、今後もこの点についてはできるだけ均てん化の方向に各省も協力をしてもらいたいということを申しまして、この件については質問を終わります。  次に、基地交付金並びにいわゆる国有財産提供市町村等の国有財産の評価は五年に一遍ですね。ところが、普通の固定資産は三年に一遍評価をします吟何で固定資産は三年で、同じような基準をとるところの国有資産の提供等の再評価は五年なのであるか。この点を合わすべきでないかと思うのですが、大蔵省の山田国有財産総括課長さんのお考えはどうですか。

山田幹人大蔵省理財局国有財産総括課長

○山田説明員 国有財産につきましては、先生御指摘のように、五年に一度ということで従来から運用をしてきておりますが、確かに、おっしゃいますように固定資産税と合わせてはどうかという御議論はあろうかと思います。しかし国有財産につきましては、何分全国にまたがりまして非常に膨大な件数がございますので、そういった実務の面を考慮いたしまして、現在、国有財産法施行令によりまして、「五年ごとに」ということで運用してきております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 少なくとも、この基地交付金にいたしましても、あるいは国有資産提供の市町村に対する交付金にいたしましても、やはり固定資産見合いという立場で交付されるものであるし、それに近づけていくべきものであるというふうに考えますが、税務局長さんどうですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 いわゆる基地交付金は、米軍に提供しております国有財産あるいは自衛隊が使用しております一定の基地施設につきまして、そのものから固定資産税収入を得られない、半面また、そういう施設が所在することによりまして財政需要が大変かさむという両面を勘案いたしまして、いわば固定資産税がわりということで財源を付与するというたてまえで創設したと私ども考え、ております。そういう趣旨から、御指摘のように、固定資産税が入ります場合と同様な金額をできるだけ確保してまいりたいという気持ちでいままでずっと予算折衝を続けておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうであれば、やはり一般の固定資産が評価がえになる時期には国有財産も評価がえをさるべきものであると自治省ではお考えになりますか。どうですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 先生も御案内のように、固定資産税はたしか昭和三十年度までは毎年評価がえをしておったわけであります。しかし、市町村で毎年度評価がえをいたしますことは大変事務的にも手数がかかり大変だということで、いわゆる三年度ごとの評価がえに三十年代に入りましてから切りかえてまいったわけであります。御趣旨のような固定資産税と国有財産価額の評価がえとが期日が一致しますことは、国有提供施設所在市町村交付金、基地交付金の面から申しますと確かに望ましいと思います。けれども、やはり国有財産の管理の面から申しますと、そこはまた別の立場での意見もあろうかと思います。私どもは、できるだけ五年ごとの評価がえを、実態、特に固定資産税の評価とのバランスを確保していただくよう強く要請をし、固定資産税相当額の金額が確保できるような努力を今後続けてまいりたい、かように思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 大蔵省にお伺いをしますが、三年に合わせるということはそんなに大変ですか。

山田幹人大蔵省理財局国有財産総括課長

○山田説明員 大蔵省の普通財産につきましては、財務局が実務を担当いたします。各省それぞれの実務担当者もおると思います。まあ経常の仕事があるわけでございまして、定員その他非常に厳しい中でございますので、いま五年に一度の改定作業につきましても、御承知のようにきわめて簡便な方法をとらしていただいて責めをふさいでいるというような実情でございますので、三年に一度というのはなかなか大変なことだということでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 簡便な方法でやられるんだから、三年に一度ぜひ合わしてやっていただきたい。やはり市町村の方はそういう基地なり国有財産を提供しているということについてのハンディがあるわけですから、市町村が三年に一遍やるのですから、それらとの均衡を考えながら、いま言った簡便な方法で評価をして、それぞれの予算にその評価に近い形において予算を計上してやるということでないと、地方団体としては、国に協力をする、防衛その他に協力をするという方がかえって財政的に非常に危機であるというようなことではいかぬので、ひとつよく理財局長にも伝えてもう一遍検討してもらいたいと思いますが、どうですか。

山田幹人大蔵省理財局国有財産総括課長

○山田説明員 本年はたまたま両者が一致することに相なります。で、私どもの評価につきましても著しく不合理であるという場合には弾力的な扱いができる道を開いておりまして、個別にアンバランスというようなことがございますれば、ケース・バイ・ケースでございますけれども、処理さしていただきたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私の要求は、やはり固定資産税の評価と同様に三年ごとにやってもらいたいということ、個別的なケース・バイ・ケースで弾力的な扱いをされることについてはもちろん結構なことですから、それは大いにやっていただくとしても、全体としての考え方というのは、やはり固定資産税見合いであるということで累次これも予算等がそれに近い形で増額されてきているという経緯から見ると、地方団体が三年に一遍やるのですから、国もこれに協力している市町村のためにも三年に一度やるべきであるということを強く要求をしておきたいと思います。もう結構です。ひとつ局長にもよく伝えておいていただきたいと思います。  次に、地方財政計画について若干質問をいたしたいと思うのでありますが、ギャンブル収入ですね。この間四十九年の府県及び市町村の決算の概要がまとまりましたが、ギャンブル収入は地方財政計画に入れられておらないわけですが、その額とその理由をひとつお示しをいただきたいとと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ギャンブル収益金でございますが、これの財政計画上の取り扱いは、非常に偏在もいたします特殊の税源でございますので、全額を算入するということをいたしておりませんで、収益額の約四割、この額を財政計画に算入する、こういう措置をとっております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうすると法定外普通税についてはどの程度算入していますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 法定外普通税につきましては、歳出の方も増加をさせておりますが、全額算入をいたしております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうするとギャンブル収入を四割程度しか入れないというのはどういうわけですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 先ほども申し上げましたように、この収益はかなり偏在をいたしております。それがゆえに均てん化の措置ということでいろいろお考えもいただいておるわけでございます。そのような性格のものでございますので、これを単純に全額地方財政計画に算入をいたしますと、昔いわゆるロス額と言っておりましたが、既定規模、標準規模以上の財政規模、それをよほど多額に立てませんと、いたずらに歳入だけがふえまして、所要の財源措置額が逆に減少して他の団体に累を及ぼす、こういう観点もございまして四割に制限をいたしておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうすると、先ほど出た発電用施設周辺地域整備補助なんかは、先ほども申したように非常に偏在をしているのですが、これは全額入っていますね。これはどういうわけでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 これは特定の施設整備のための目的税源というかっこうになっておりますので、当該所要額を歳出に立てますれば算入をしても他には累を及ぼさない、こういう面ではなるたけ的確に算入をした方がいわゆる財政計画と実運営との乖離は減るわけでございますので、特に偏在によって他団体の財源確保に影響を及ぼすおそれのないものについてはなるたけ財政計画に算入をする、こんな考え方でおるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 法定外普通税は偏在をしていると思うのですが、その点はどうですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 それは取る団体だけでございますからまさしく偏在をするわけでございますが、これは金額的にも先生御案内のように四十数億、知れておりますし、また、法定外普通税を設定をいたしますときには当該設定をするだけの財政需要というものを見込んでおるわけでございますから、その点では他団体には相対的に影響を及ぼさない、こういう考えでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ちょっと説得力が弱い感じがするのですが、ギャンブルの収入をできるだけ均てん化をして財政計画へ入れるべきである、私はそういうふうに考えているわけであります。これはまたいずれ交付税の質問のときに申し上げたいと思います。  次にちょっと法定外普通税についてお伺いをいたしたいと思います。  熱海市が別荘税を創設をするということで、五十一年の二月二十日に自治省は熱海市の別荘税を許可をされ、それの課税客体は床面積に応じて一平方メートル年五百円である、こういうことでございますね。これは間違いございませんか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 そのとおりでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 これは固定資産税と競合するという形になりはしませんか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 いわゆる別荘等所有税と申しますのは、家屋の中でもまさに別荘、レジャーとして使われる建物につきまして、お話のように床面積平米当たり五百円という課税の仕方でございます。したがいまして、法定外普通税のいわゆる条件でございますね、税法で定めております条件、たとえば国税、地方税と課税標準を同じくし、かつ税負担が過重になること、という条件がございますが、これには私ども該当いたさないと考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私は別荘税結構なんですよ。法定外普通税を取りたいという市町村が非常に多くいまあるものですから、これがいいのなら、私はこれから申し上げるようなものはどうかという質問の前提に、固定資産税と課税客体が競合しやせぬか、こういうふうに思ったんだけれども、これでもう別に構わぬとおっしゃるんなら、まずひとつお伺いをしたいのは、私どもの市町村から言われておりますのは、これは償却資産と同じかもしれませんけれども、原子力発電所の若狭あたりの、いまの大飯町あたりからどんどん入ってくる形で、大阪へ行くのに、ものすごい大きな何十という鉄塔が一つの町村に立っている。これは償却資産税がかかっているとは思うのですけれども、非常な財政危機の中で、そういう鉄塔に対して、いろいろ危険であるとか、そういうものによってその下の利用等が非常に制限をされるというような問題もあるので、これに対して一定の、これは別に償却資産のようにそれに伴うところの資産の評価に従ってでなくて、一本幾らというようなものを課税客体として法定外普通税としてやるのはいかがなものであろうかというのですが、どうですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 鉄塔などにつきましては、現在のシャウプ税制の前には、御承知のように電柱税という形で個別の資産に対する課税が行われておりました。それを統合いたしまして、事業用の減価償却資産に対する固定資産税という制度ができたわけでございます。  で、鉄塔といまの別荘の比較でございますけれども、一つには別荘がありますと当然人がそこに一定の期間住みつく。それに伴いまして大変な財政需要が出てまいっております。熱海市の状況を見ますと、下水から水道施設あるいは道路、清掃、それらを合わせまして今後五年間に百三十一億円ばかりの財政需要が増加するということが顕著に出ておるわけであります。ですから、そういうものに対応いたします財源を他の市民の負担によってやっていくということはやはり問題があるということが一つ基本的にあろうかと思います。  鉄塔の場合には、これはいろんな見方もあろうかと思いますけれども、鉄塔があることによって大変な——別荘がありますのと似通った財政需要というものがどういうものがあるだろうかという点は、一つなかなかむずかしいところではなかろうかな、かような感じがするわけでございます。  そういうふうな意味合いにおきまして、鉄塔に対して固定資産税とは別に新たな法定外普通税を課することはなかなか問題が多いし、率直に申して困難ではないかな、かような感じを私は持っておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 都市整備税という形で、目的税としての事務所事業所税がありますが、課税客体を異にするというか、従業員とその床面積に課税客体を求めているのは事務所事業所税でありますけれども、外形標準を導入する中で、いわゆる人口三十万以下である、しかし非常に都市的な財政需要が多い、人口急増地域で小中学校をどんどんつくらなければいけないという人口がふえている団体ですね、そういうのが、事務所事業所税そのものではないけれども、事務所事業所税とは課税客体を異にしながらも、考え方として都市整備、小中学校、公園、下水、いろんな整備をするための財政需要、並びに人口急増地域でありますから財政需要というのは当然必要である、しかも都市の整備をするというような場合に、法定外普通税を要請したらいかがなものですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 その場合の法定外普通税として想定される内容の問題がどういうふうなことになるかということが、一つむずかしい問題だと思いますけれども、たとえばいまお話しのような事業所税という形で実施をするということになりますと、私ども事業所税を創設いたしました、また今年度の税法の改正案ではその人口基準を三十万に引き下げて御審議を願おうと思っているわけでございます。そういう意味合いで、都市施設の整備に必要な財政需要がいままでの課税資格団体と同じ程度のものにまで引き下げたわけでございますので、当面は法定外普通税としての事業所税的なものにつきましては、私はやはり慎重に対処してまいることが妥当ではなかろうか、かように考えます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 確かに税調の報告の中に慎重にということはあるけれども、私はなぜこの税を、前の国会でも同じでことを質問しておるのですけれども、なぜこれを言うかというと、少なくとも、この税をできるだけ創設すれば、自動的に国税を地方税に移管する効果を持っておるわけですね。だからいわゆる地方と国の税源配分というものをこの税によって行い得る効果があると、こう思うから、私はできるだけこの税の課税の団体の数、対象をふやすべきだということで、先般も大臣に対して、せめて県都中心、人口二十万程度というものまで下げるべきではないかということを要請したわけでありますが、三十万ということで非常に少ない。二十万まで下げると、おおむね県庁所在地は取れるというふうになる。そうすれば労せずして国と地方の財源配分が、損金として法人税から落ちて地方に移るわけですから、非常に有意義であると思うわけでありますが、なぜ三十万がよくて二十万のいわゆる県庁所在地がいかぬのかという積極的理由は——これは相対的なものだと思うのですね。何か一年たったから急に二十万に下げるのはいやだという程度の差であろうと思うのですが、確かに税調では慎重にということを書いてあるけれども、せめて二十万程度にまで下げるべきである。もし下げないのなら、都市整備税として人口の急増市町村の中ではそういう法定外普通税、税務局長が心配しておられるようなものはちゃんとアレンジして、うまいぐあいに地方団体が考えて持ってくれば許可をされるかどうか、あわせてひとつ伺いたい。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 事業所税というふうな一種の外形課税的な法定外普通税を設ければ、その分だけ国税から地方税に税源の自動的な移動がある。確かにその面はございますけれども、地方財政全般から申しますると、これは申し上げるまでもないことでございますが、法人税がそれだけ移れば全体としての地方交付税は減ります。また、他の団体の法人税割も、それだけ損金算入された分に対応する法人税割額が減ってくるわけでございます。でございますから、税源配分論から言いますると、やはりメリットもあればデメリットもあるということではなかろうかと私は思います。  それと、都市整備のための財源の確保ということはまことに大事なことでございますので、私どもとしては一般論として積極的に考えてまいりたいと思いますけれども、ただ、都市整備の緊要性というところに着目して考えていくことが、国民負担という面もあわせ考えますならば妥当かと思いますので、やはりこの際三十万に人口基準を引き下げるということを御審議願っておる段階でございます私どもとしては、さらにそれを引き下げた形の実質の税負担を求めるということは、これは慎重に対処してまいることが適切ではなかろうか、かように思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 せっかくの局長の御意見であるけれども、都市整備税でもつくりたいという要請が、地方財政の危機を契機として私どもの地元からも非常に強く要請を受けておるわけであります。少なくてもこれだけ財政危機が叫ばれる中で、税源を確保していこうというために地方団体が四苦八苦していろいろ知恵を出そうとしているわけですから、なるべく自治省としては、やはり住民の福祉を増進するための地方財源の確保、景気の動向が十分でない中でできないわけですから、いろいろ知恵をしぼりながらやっていくことについては十分ひとつ親切に指導して、できるだけ財源確保に協力してやるという姿勢を示すべきだというふうに思うのですが、どうでしょう。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 私どもも税制の援用、特に法定外普通税に対する対処の仕方につきましては、御指摘のような気持ちで、これからも十分各市町村の実情に即するような対応の仕方を続けてまいりたい、かように思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 最後の質問にいたしますが、きわめて細かいことで恐縮で、財政課長さんに伺いたいと思いますが、いま組合立の病院等で、特例債の元金の償還等は、組合に交付税はいきませんから、主たる町村のところに算定を便宜的にやっていくというやり方でやっておりますね。その場合、当該団体が不交付団体になった場合には、組合を形成している他の団体も不交付ではないのに超過財源になってしまって交付税がいかないという形になりますね。それは非常におかしいのですが、これはやはり論理的に言うとどう処置されるのか、ひとつお伺いしたい。

石原信雄自治省財政局財政課長

○石原説明員 病院関係に限らず、救急業務その他につきましても、一部事務組合で行政を処理していく場合において、特別交付税等の算定を行う場合には各構成団体の負担割合に応じて算出額をそれぞれ分けております。そうした上で各団体ごとに他の財政需要と合わせて需要額を積算し、それから財源超過額あるいは公営競技の収益金その他の減額要因を差し引いて特別交付税を算定している。そういう算定のメカニズムからまいりますと、財源超過団体等についてはそこで算出額が消えてしまうということになります。結局特別交付税は各団体の財政力に着目して必要な財政需要に見合った額を交付しているわけでありますから、交付税制度の基本的な性格からいってこの点はやむを得ないのじゃないかと考えます。どうしてもそこに必ず一定の額を交付するのだということにするのであれば、補助金制度に切りかえざるを得ない。もっとも特別交付税の場合でも災害関係の支出項目でありますとかあるいは合併算定替えでありますとか、その内容上不交付団体にもどうしても配分しなければならない項目については特定項目というような扱いがなされております。病院関係の算出項目等について特定項目扱いにすることが他の算出項目の関連で必要かどうかというふうな問題になってくるのではないかと思いますが、基本的には財源超過団体等において算出項目が消えてしまうというのは交付税の性格上やむを得ないのじゃないか、このように考えます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 別途また継承いたします。私はこれで終わらしていただきます。

小山省二自由民主党

○小山委員長 次回は、来る四日木曜日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十五分散会

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