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77回国会衆議院1976/07/05

大蔵委員会 第15号

発言数
165
登壇者
22
会派数
5
開催日
1976/07/05

会議録

田中六助自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  まず、先般新たに就任されました旦関税局長等よりそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。旦関税局長。

旦弘昌大蔵省関税局長

○旦説明員 先般、国際金融局次長から関税局長になりました旦でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)

田中六助自由民主党

○田中委員長 岩瀬理財局長。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬説明員 証券局長から先般理財局長に拝命になりました岩瀬でございます。証券局以来、大変御指導いただきましてありがとうございました。今後ともまたよろしくお願いいたします。(拍手)

田中六助自由民主党

○田中委員長 安井証券局長。

安井誠大蔵省証券局長

○安井説明員 安井でございます。証券局長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

田中六助自由民主党

○田中委員長 後藤銀行局長。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤説明員 後藤でございます。関税局長から銀行局長に異動いたしました。どうぞ今後もよろしくお願いいたします。(拍手)

田中六助自由民主党

○田中委員長 田辺国税庁長官。

田辺博通国税庁長官

○田辺説明員 銀行局長から国税庁長官を拝命いたしました。何分よろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

田中六助自由民主党

○田中委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 まず、大蔵大臣には土曜日お帰りで、大変お疲れのところを御苦労さんでございました。  まず、そのサンフアン会議の成果についてお伺いをしておきたいと思うのでありますが、私もずいぶんいろいろ新聞等を読んでみたわけですけれども、今度の会議ほど何か大騒ぎした割りには中身がよくわからない会議というのはないのじゃないかと私は思うのです。私の理解度が足りないせいもあるかもしれませんが、どうもこれはやはり政治的ショーにすぎなかったのではないかという気がしてならぬわけであります。  それで、お帰りの大平大蔵大臣にそのサンフアン会議の中身、成果についてまずお伺いしておきたいと思うのでありますが、首相の声明等を見てみますと、内容的には、世界経済の不況から脱出した世界経済の回復、これを持続させるんだ、それから、インフレを起こさずに物価を安定さしていく、それから、自由貿易の原則のもとに世界貿易を拡大していくんだ、こういうような内容が柱だったのだということに尽きるのではないかと思うのです。  じゃ、しからば、いま言ったようなテーマに沿って、一体先進七カ国の首脳たる者が集まってサンフアン会議以後何を具体的にやっていこうとしているのかということになりますと、どうもこれはさっぱりわからない。先進七カ国の首脳が集まって話はしたけれども、じゃその後、ポスト・サンフアン会議というのは一体具体的にどういう政策をどういうふうに実行していくのか、あるいはどういう部分を変えていくのか、まずそのあたりからお伺いをしておきたいと思うのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 去年の十一月、ランブイエの首脳会議がございまして、このときは世界経済が深刻な不況からまだ脱却を見ていないというときでございまして、いち早くこの不況からいかにして脱却をするか、そのために国際協力をどう進めていくかというようなことが主たる議題であったかと思うのであります。幸いにいたしまして、その後世界経済は急速な回復を見せまして、どうやら不況からの脱出は確実なものになってきたようでございます。  今度のサンフアン首脳会議は、これを踏まえた上で経済の回復を、いま佐藤さんがおっしゃったように持続的なものにしたい、さらにこの経済の回復をインフレのない回復にしたいものであるということをねらいといたしまして、国際協力がどのように工夫されねばならぬかというようなことが主題であったと思うのであります。  第一に、そういうことを達するために、御指摘にもありましたとおり、そのことはコミュニケにも明らかになっておりますけれども、節度のある財政政策、金融政策というものを各先進諸国は堅持してまいらなければならないということでございます。  第二は、各国の国際収支は長期にわたりまして黒字を大幅に記録することも決してほめたことでないわけでございますけれども、赤字を長きにわたって記録することもよくないことでございますので、そういうことのないようにやってまいらなければならない、そういうことのないように多角的な手段でもって国際収支のバランスを維持していくようにお互いに協力しなければならぬということでございます。  第三は、佐藤さんの御指摘のとおり、貿易につきまして、ややともすれば保護主義に傾斜しがちな世界でございますけれども、できるだけ無差別、自由な貿易の拡大を図ってまいらなければなりませんし、停とんしがちでございまするジュネーブにおける関税貿易交渉というものも、一九七七年に完成することを目途といたしまして鋭意進めようではないかというようなことが誓われたわけでございます。  さらに、東西関係におきましては、今日デタントが維持されておるわけでございますけれども、それと並行いたしまして、東西の貿易関係、経済関係が年とともに拡大を見ておることは歓迎すべきことである、これを健全な姿で維持してまいることが世界の健全な経済の拡大に役立つことであるということが共通の認識として固まったということでございます。  最後に南北問題でございます。先般の第四次のUNCTADの会合が終わったばかりでございますが、これを受けまして、開発途上国の経済をどのように維持してまいりますか、とりわけ第一次産品の価格をどのように維持して輸出所得をどのように保障していくか、そういうことのために、UNCTADの会議で約束された交渉というものをできるだけ早く始めることによって、そういった問題についての先進国としての貢献をしなければならないというような点が主たる問題として取り上げられたわけでございます。  世界の経済は総じて大変流動的なむずかしい局面にございますけれども、ランブイエにおいて示され、サンフアンにおいてさらに確認されましたような国際協調がどうやら維持されておりますがゆえに、リラやポンドの通貨の問題もその危機が拡大することなく局部的な状態でこの春収拾がついてきましたことは御案内のとおりでございまして、今後もインフレなき経済の拡大を図ってまいるということで、世界の経済が破綻を示すことなく順調な発展を遂げていくためには、世界経済の中で最も力のある、責任のある先進国、サンフアンに集まりました諸国の協力というものは、一番大事なこれを維持する要件であると思うわけでございまして、そういうことが今度のサンファン会議におきましてかたく固められたということは、世界経済にとりまして非常に幸せなことであったと思いまするし、これを踏まえた上で、インフレなき経済の拡大というものがもくろみどおり順調に展開してまいりますことを、わが国といたしましても期待をいたしております。また、それに応分の貢献をわが国もいたさなければならないものと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま御説明のあった点を聞いても、ランブイエから七、八カ月後改めて七カ国の先進国首脳が集まって会議をしなければならなかったという何か目新しいものというのは、どうもいま大蔵大臣のお話をお伺いをしていてもない、確認集会——集会と言うと怒られるかもしれない、確認会議だったように私は思うのですね。  そこで、あえてランブイエの時期とこのサンフアン会議の時期とを、違いを比べてみれば、ランブイエの場合には、世界各国とも——アメリカは若干不況から脱出をしておりましたけれども、他のところがまだ不況を脱出し切れないでいた。ところがいまになってみると、アメリカと日本と西ドイツは不況を脱出した。そしてイタリアとイギリスがいまだに物価高あるいは失業率の高い経済を抱えておる。そのように、全部がほとんどマイナスだったランブイエ会議の時期に比べて、サンフアンの場合にはプラスになっていった国が三つあるというこのことが大きな違いだと私は思うのです。問題は、この先進七カ国の中で、こういつたばらっきを今後世界経済の持続的な発展のためにどうやって調整していくかという問題になると思うのですね。  そこで、二点お伺いをしておきたいのは、こういったばらっきがあるときに、特にイタリアのリラに対して——ポンドに対しては処置かされましたけれども、イタリアのリラに対して何らか援助をするという具体的な話が出たのか出なかったのか。ほとんどなかったように聞いておるわけですが、少なくとも何かやはり目新しいことを、これだけの人が集まったのですから、やるということになれば、イタリアのリラについてどういう救済をしていくのかというのは非常に重要な問題になっていくと思うのです。この点についてはどうか。  もう一点は、日本の国際収支の問題です。確かにいま百五十二億ドルぐらい外貨保有がありますけれども、この中身を調べてみますと、貿易収支の黒字というのはそう大したことない。資本収支の黒字が最近外貨保有がふえているかなり大きな要素になっているわけですね。そういった中身を見てみますと、日本の国際収支がかなり黒字が続いているということについて、世界各国の反応はどうだったのか。特に円切り上げの発言というか要請というか、そういったものは具体的にあったのかどうなのか。すでに、アメリカの財務省が日本の円切り上げについて示唆をしますと、直ちに為替市場で若干円高になるというような反応もあったわけでありますけれども、一体わが国の為替政策について各国から具体的な要請なり何かあったのか、あるいはそれに基づいて日本が具体的に為替政策、貿易政策というものを変えるお考えがあるのかどうなのか、その点についてお伺いをしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 経済の成長でございますが、佐藤さんは、日本とドイツとアメリカだけはプラスの成長に転じたけれども、ほかの国はいまだしの感があるというようなことのお話でございましたけれども、そうではなくて、ここに集まりました国は、イタリアも英国も含めまして、全部がプラスに転じておりますこと、統計の示すところでございます。  ただ、御指摘のように、相当顕著な回復を見ておるアメリカ等に比べまして、英国とかイタリアの場合におきましては、必ずしもそのテンポは速くないということは御指摘のとおりでございます。  そこでリラの問題でございますが、この会議を通じまして、リラ援助の問題につきまして具体的な提議は別にございませんでした。ただ、先ほど私が全体の御説明でも申し上げましたとおり、特定の国が長期にわたって黒字を記録することもおかしいし、長期にわたって赤字を記録することもおかしい、もしそういうことがあれば、多角的手段でこれに対処しなければならぬという趣旨のことがコミュニケに盛り込まれたわけでございます。したがって、リラの場合におきましても、将来そういうことが問題になるかもしれませんし、ならないかもしれませんけれども、もしなった場合は、多角的手段によって対処するわけでございますから、これを扱う適当な多角的な経済を処理する機関があるわけでございますから、IMFにいたしましてもOECDにいたしましても、そういったものがあるわけでございますから、そういうところで取り上げられていくべきものと考えております。また、そういう趣旨が今度のコミュニケに盛られた精神であると私は考えております。  第二の日本の国際収支でございますが、今度の会議全体を通じまして全然日本の国際収支についての言及はございませんでした。先ほど申しましたように、日本の国は長期にわたって国際収支の黒字を記録している国ではございません。また長期にわたって赤字に停滞いたしている国でもございませんで、ようやくことしに入りまして経常収支は黒字に転じようといたしておるような国柄でございます。したがって、あのコミュニケの精神から申しまして、日本の国は問題にすべき性質の国ではないわけでございますので、当然そういう意味で問題にならなかったわけでございます。投機筋で一部日本の為替政策についての論議があったようでございますけれども、全く根拠のないたわ言でございまして、私ども取るに足らない議論であると思っております。さればこそ、市場におきましてもやがてそういう動きは一両日のうちに消え去っていったことは御案内のとおりでございます。  私ども、いまようやく経常収支が黒字に転じかけたといたしましても、経済の回復とともに、いま非常に落ちついております輸入もふえないという保証はございませんし、経常収支自体も、黒字を必ずことしは記録し得るものという断定はできないわけでございます。したがって、日本の国際収支は、その黒字性のゆえに問題にされるなんというのは多少実態から遠いのではないかと私ども考えておるわけでございまして、依然として絶えざる警戒を要する状態にあることは間違いのないことと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いまお話があったような、皆さん方からいえば非常に重要なサンフアン会議に、大平大蔵大臣は三木首相の要請に基づいて一緒に行かれたわけでありますが、内心なかなか複雑なものがあったのじゃないかと私は思うのです。  国会が閉幕する少し前に、大平大蔵大臣の政治に対する感覚と申しますか、政局に対する意見を当大蔵委員会でもお伺いをしたことがあるわけでありますが、そのときは、大蔵大臣としてはみそぎ論を言われたわけですね。みそぎ論、ひいては三木首相退陣、三木内閣退陣ということになるわけでありますけれども、それがこのサンファン会議があるということで一時中断のような形になったわけですね。朝日新聞の報ずるところによれば、大蔵大臣自身が帰られたときの記者会見で、政局に臨む態度として「「(三木首相の退陣を求める)私の考え方は少しも変わっていない」としながらも「首相と私の相互不信をなくすため、今後、機会をつくって意思の疎通を図っていくつもりだ」と語った。」と新聞は報じているわけです。これはサンフアン会議の中で三木首相と大平大蔵大臣とがお会いになって、三木首相の方から、いまのように三木支持派と反三木陣営と党内対決が深まっておる現状を憂慮して「「二人がもう少しざっくばらんに話し合うべきではないか」と持ちかけ、蔵相も「できるだけ話し合う機会をつくりたい」と応じた。この点について蔵相は「党内の意思疎通を図っていかなければ、問題は解決しない。私としても、もっと首相と話し合うべきだったと反省してもいる」と述べた。」と新聞が報じているわけです。これは総選挙の前でありますし、経済が若干上向いてきたというものの、いま政治が抱えている問題というのは非常に大きいわけでございますので、その意味からいって、サンフアン会議前には蔵相はみそぎ論を唱えられ、三木退陣の一つの柱だったわけでありますけれども、こういった新聞報道を読んでみますと、話し合いをもう少しする、しかし三木退陣ということは、いまだそのこと自体は変わっていないんだというふうに報じているわけなんですが、その点の真意は一体どういうことなのか。政局の変動ということが経済界その他に及ぼす影響、さらには政治的に解決しなければいかぬいろいろな問題がある現下の政局の中で、やはり蔵相の行方というのは非常に重要なことだと思いますので、その点について、この新聞報道のように今後とも三木首相と話し合いをして、そして話し合いをするということは、三木内閣のもとで大蔵大臣として続けていくということなのか、それとも、話し合いをしてどうしても一致点がなければ、その際には新たな行動が起こり得るということなのか、その大蔵大臣の真意を少しお伺いしておきたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 われわれ神様の集まりでないのでして、政治家の集まりでございまして、あなたの属する日本社会党も同様であろうと思うのです。われわれ自由民主党の中にもいろいろな問題がありまして、われわれがお互いに自由民主党の立場でいろいろなことを考えて改革を論議していく自由が許されてしかるべきだと思っておるのです。  ただ、三木擁護であるとか反三木であるとか、赤組と白組に分けてそれをゲームのように取り上げられるのにはいささか私は抵抗を感じます。私どももっとまじめにやっておるつもりなんです。問題は、自由民主党はこの時局に対しまして適切な対応力を発揮してまいらなければならぬ厳しい責任を持っておるわけでございますから、その責任にどうしてこたえていくかということは日夜われわれが考えなければならぬわけなんでございまして、考えることがよくないなんていうことではないと私は思うのであります。  そういうことを考える上におきまして、党内に意思の疎通を欠くというようなことはよくないことでございますから、もしそういう意思の疎通を欠き、クレジビリティギャップというようなものが仮にあったとすれば、それは不幸なことでございますから、そういうことはできるだけなくしようということ、これもきわめてあたりまえのことなんでございまして、三木さんと私も、そういうことで過去においてもそのように努力してきましたけれども、努力が足らない面も確かにあったと思うので、今後そういう点は一層気をつけていきたいものだと思っておる、そういう心境を申し述べたまでで、きわめてあたりまえなことを申し上げたつもりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 貴重な時間ですから、そうこだわるわけではありませんけれども、私がここで御質問しているのは、自民党の中のことを言っているのではなくて、あくまで内閣の非常に重要な地位を占める大蔵大臣としてのお考えをお伺いしているわけで、大蔵大臣が自民党員としていろんな考えを述べることについて、いい悪いとか言っている問題ではないわけです。  特に、重要なのは、このほか米価の問題あるいは国鉄の問題、あるいは電信電話の問題、国民生活まだまだインフレの影響というのは非常に大きく、政治の非常に重要な課題を抱えている中で、三木内閣が、特に首相と大蔵大臣との間隔が離れているということは、これは政治の遂行上どう見ても国民的にもマイナスであると思うわけですね。  そこで、もう一問だけ端的にお伺いしておきますけれども、いまの全般のことは、いま御答弁になったことはわかりましたが、しからば、意思の疎通がある程度できていけば、これは三木退陣を大平大蔵大臣としては別に要求しなくてもいいということなのか。それとも、サンフアン会議に行かれる前にみそぎ論を言われ、三木退陣を求められた大平さんは、具体的に椎名副総裁に会ったりそのほかいろいろな行動をされていたわけですわな。その行動というのが、サンファン会議以後は変わって、退陣は、もう少し意思の疎通を図っていけばそれでいいのだということなのか。それとも、やはりいまの三木さんでは党内の指導性がないので、三木退陣を相変わらず——相変わらずというか、今後とも十分話はしていくけれども、基調として、三木退陣というのは、蔵相の行動としてあるということなのか。その点だけは少しはっきりしてもらいたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 大蔵大臣として、財政金融政策につきまして国会に責任を持っておるわけでございますし、総理大臣と財政金融政策について意見の間隔がございまして国民に迷惑をかけるというようなことは瞬時も許されるはずはないわけでございまして、私はその点は大変厳しくやってきたつもりでございまして、佐藤さん、もし財政金融政策について三木さんと私との意見の違いで国民にこういう点迷惑をかけておるじゃないかというような点の御指摘がございますならば、遠慮なく指摘していただきたいと思います。私は厘毫もそういうことはないと確信をいたしておるつもりでございます。  第二の問題でございます。自由民主党は、この時代に、時代の要請に応じて適切な対応力を発揮しなければならないということ、厳しい課題であると私は先ほど申したわけでございます。この対応力を強めてまいるためにわれわれは絶えざる努力をしてまいらなければならない。それはわれわれが毎日毎日追求している道標なんでございますから、そういうことはこの際しばらくやめにするというつもりはございません。そんなことは当然なことではないでしょうか。私は政治家である以上は、いつまでもこの自由民主党をよくしたいという願望は追求し続けるつもりでおります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私もそう余り生産的じゃないことにはこだわりたくもないのですが、その自由民主党をよくするよくしないという立場で私はお伺いしているのではなくて、大蔵大臣という非常に重要な、しかも、私はいまや政治の課題は財政の時代だと思っていますから、その意味では非常に重要な地位に大平さんはいらっしゃるわけですね。その大平さんが、今後の政局について一番肝心かなめな、三木首相のもとでやっていくのか、それとも、やはり党内的にも指導性がないということで問われているので、三木首相、あなたは退陣をしなさいという基調で行動なさっていくのか。それによって今後の政局というものはかなり大きく違ってくるだろうし、どうもサンフアン会議で重要な話をしてきたという割りには、片方ではそういった動きがあるということでは、国民的に非常にマイナスだと私は思うわけですね。ですから、自由民主党云々ということではなくて、それは追求なさるのは、大蔵大臣としても自由民主党員でありますから当然のことでありますけれども、蔵相という立場にあって、内閣の主要な一員として今後それではそれを大蔵大臣が追求する目的に沿って、三木内閣ではそのことができるとお考えになっているのか、やはりそれは三木さんでできないので大平さんが立たなければいかぬというふうに考えていらっしゃるのか、その点を私はお伺いしているわけです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 大蔵大臣といたしまして、三木内閣の大蔵大臣として総理大臣と私との間には間然するところなく意思の疎通を図りまして、御迷惑をかけずにやってきているつもりです。これまで。もしどこが悪いという御指摘がございますれば考えますけれども、佐藤さん幾ら探してみてもあるはずがないと思っております。  今後の話ですが、今後、私はこの三木内閣の大蔵大臣として最善を尽くしてまいりたいと思います。最善を尽くすことができない場合には私は辞任いたします。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大体大平さんの言いたいことは、要するに、大蔵大臣という内閣の一員としてはその職責を全うする、しかし、自由民主党員という立場に立ったときには、自由民主党の再生を求めるというんですか、行動する、こういうことにいまの御答弁を聞いているとなりそうな気がいたしますので、どうも当委員会の問題ではないというふうな大蔵大臣の御認識のようでありますので、次の問題にいきたいと思います。  次は、米軍から返還になった国有地の跡地利用の問題です。六月二十一日に国有財産中央審議会で、大蔵省の諮問を受けましていわゆる三分割有償方式が決定をしたわけであります。答申があったわけでありますけれども、この問題、きわめて重要な問題であるし、特に、長いこと基地返還闘争を続けてきた地方自治体、特にそれが関東地域、東京都周辺、東京都も含めまして周辺の過密地域にあるということで、この国有地の利用の仕方についてはまさに国民的にいろいろな角度から考えてみなければいかぬのではないかと私は思うわけであります。細部にわたってはかなり技術的な問題もありますので、局長で結構でございますけれども、まず冒頭、返還になった国有地を画一的に、三分の一は地方自治体に、三分の一は国及びその関係機関に、そして三分の一は保留地として、五年から十年の間に今後の利用の仕方を考えるというこの三分割方式というのは、土地の大きさも違えば、その地域の特殊性も違い、各地方自治体の持っているいろいろな状況も違う中で、まずすべて、カステラを三つに切って、一つは地元に、一つは国が、一つは残しておきましょうという画一的なやり方というのは本当に土地の有効利用になるだろうか。  中央審議会の経過をずっと聞いてみますと、地方自治体が非常に長い間基地公害に遭って、それを何とか取り除きたいという返還闘争の末にこういうことになったわけでありますので、したがって、この利用の仕方についても関係の地方自治体が、住民感情から言っても自分のところで使わせてもらいたい、払い下げてもらいたいという非常に強い熱意があったがためについに話し合いがつかずに、結局まさに政治的な妥協と申しますか、それでは三つに分けましょう、三分の一は国で、三分の一は地方自治体で、三分の一は残しておいて今後使いましょう。そういう処理方式になったように聞いているわけでありますけれども、このような残された国有地としては唯一の非常に大きな面積を持っている米軍跡地の利用方式が、こういった三分の一ずつという画一的なやり方で本当に土地の有効利用が図れるのだろうかということについては、基本的な点でまず私は大変な問題があるのだと思うのですが、その点についてはいかがお考えでございますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬説明員 いま先生の方から三分割については非常に機械的だというお話がございましたが、これは二つに割るとか三つに割るとかいうような便宜的なことではございませんで、中央審議会で長い間時間をかけて検討いたしました一つの知恵でございまして、私どもとしてはこれは大変妥当なものと考えておるわけでございます。  その理由は、このような大きな返還財産、いわゆる国有財産の残されたものというのはもはやこれからわれわれ国民のところに期待できないわけでございますので、これが関東プランによりまして返還されるに当たりまして、その都度何かかんかんがくがくとした議論をして不統一な利用をやったのでは国民のためになるまいというので、これを一括していかなる統一的な基準によって処分するかということを議論していただいたわけでございます。先生のいま御指摘のように、一つは重大なる関心を持っておられる地元、これは提供財産である以前に地元の所有であったものもございまして、また提供中の地元民の利害関係というものが非常に強かった。ことに地元感情と申しますか、そういうものも非常に強いところでございます。それからまたもう一つは、国並びに行政機関の需要というものも御案内のように年々歳々大きくなってきておるわけでございますから、その方の配慮も考えなければなりません。さらにこの中央審議会の方で三つの中の一つとして重要に考えております留保地と称しましたものは、これは先ほども触れましたように、もはやこういうものが再びまとまって国民の手に渡ることはない。ところが、戦後の国有財産の処理にかんがみましても、五年、十年先の需要というものを本当に予測することができるかどうか、あるいは国民全体の立場から見ましても、その貴重な財産をさらに有効に利用することがあるのではないかという従来の需要というものにつきましては、必ずしもいま私どもが本当に自信を持って処分するだけの権利や知識はないわけでございます。その点を留保いたしますと、三つの柱という点ではこれはそれぞれに理屈があるということで、その三つの柱をもとにしたことが三分割ということになったわけでございます。  ただ地元の関係については、新聞等でもいろいろ報道されておりますけれども、留保地という点は後ほど先生御質問があるかもしれませんが、単に処分をほっておくということではなくて、将来の有効な利用を妨げない範囲内において地元民の利用に開放するというような配慮も加えておりますし、この三地区に分けた処分の仕方も、お互いにその地域の整合性と申しますか、そういうものにも配慮しなければならない。これは地元の土地ではございますけれども、強いて言えば国土の中における広い意味での国有地であるという観念から、やはり国民全体の立場で配慮しなければならないということを考えますと、単に三分割と申しましても、これは足して三つに割ったというものではなくて、むしろその三本の柱をそれぞれ重要だと考えたわけでございまして、中央審議会におきましてかなり長い御議論をいただいた結果でございますので、私どもはかなり賢いやり方だというふうに自負しておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私の手元に、東大和市の場合の大蔵省案として、五十一年一月十四日に出した図面があるわけです。これは全部で三十ヘクタールあるわけですけれども、一番西にA地域として地元利用地域、真ん中が保留地域、そして一番東がB地域として、十ヘクタールずつ機械的に南北の線でぽんぽんと三つに切ってあるわけですね。ところが、具体的にこれを実際に東大和市が利用しようとする場合には、十ヘクタールといってぴちっと細かに当てはめてしまったら、土地の利用が非常にぎくしゃくしたものになって、本当に有効利用になるかというと、第二次の、五十一年二月十六日に出した東京都の案を見てみますと、大蔵省案というのは全く機械的、画一的で、土地の有効利用ということをうたっていながら、実は土地の有効性をつぶしてしまうことになっていると、図面を見てつくづく思うわけです。  それで、もう一つお伺いをしておきたいのですが、今度の跡地は、御存じのように米軍の基地があったところでありますので、長いことその地域にはいろいろな意味で大変な迷惑をかけてきたわけですね。返還闘争自体も、その地方自治体や市民が中心になって返還闘争をしてきた。恐らく国の方としては、交付金や調整金である程度見てきたのだから、ほとんどそういった被害はないのだというふうに言われるかもしれません。ここで例を挙げますと、そういった金銭にあらわれた被害を見てみましても、これは神奈川県の例でありますが、基地交付金及び調整交付金の総額を見てみましても、これもいろいろはじき方があって、細かく言えばいろいろな問題がありますけれども、その対象資産価格と交付金額とを比べてみますと、もちろん固定資産税のように百分の一・四が掛けてあるわけじゃないので、神奈川県側がはじいた額が、昭和三十二年から今日まで八百二十七億円入ってくるはずが、交付金額としては合計五百九十九億円にしかなっていない。したがって二百二十八億円、神奈川県としては基地関係の施設があったことによって固定資産税とかそういったものが入らない、それだけの差額が出てきているということですね。横須賀市の計算では、基地交付金の対象となる防衛施設を民間企業に転用した場合の市税収入見込額というのをはじいているわけです。それによりますと、四十九年度の収入ベースで、これは民間企業がその土地にあったとしたら約三十三億円の市税が入ってきたであろうけれども、国から出る基地交付金と調整交付金を合わせてみても五億円。したがって、これだけでも約二十八億円、単年度に横須賀市は得べかりし収入というのが入らなかったという数字が挙げられているわけです。  これは明らかに表に出た、いわゆる基地交付金と調整交付金と固定資産税等々比べてみた場合の数字です。しかし、それによって、相模原市を例にとってみれば、基地渕野辺が市の真ん中にあって市の発展を阻害をしていたという、そういった無形の問題、あるいは騒音の問題あるいは交通障害の問題、下水道の問題、こういった目に見えない長い災害というものを考えてみたら、これは市の発展にとってははかり知れない大きなマイナスがあったわけですね。そういった地元のいわゆる基地災害等を考慮してみますと、今度のこの三分の一分割有償払い下げ方式というのは、こういった基地を持った地元地方自治体の苦しみというのが、一体どこでどういうふうに考慮されたんだろうか。一体こういった苦しみというのは後で払い下げの値段の問題も取り上げますけれども、こういった三分の一有償分割というやり方で、本当に、昭和二十年に進駐されたときに接収されて以来周辺住民が非常に苦しんできたこれらの感情、それから基地返還闘争というのを自分たちでやってきたという市民としての自負、そしてそれが返還されるんだ、自分たちの利用になるんだという期待、こういったものに対して今度の方式というのは一体どういう形で報いたんだろうかということになると、その辺の考慮というのは何にもなされてないんじゃないか。ただ局長が言われるように、中央審議会の中でいろいろな利害がぶつかって、結局、それならばということで三分の一、三分の一、三分の一というやり方になったということが優先をしてしまって、長いこと基地公害に苦しめられてきた地方自治体には、そういった経緯というのがほとんど考慮されていないのではないかと思うわけでありますけれども、その点は一体どういうふうに受けとめられ、今度の三分の一分割方式の中で、そういった長いこと基地公害に悩んだ地元の地方自治体の苦しみというのは、一体国はこの払い下げ方式のどういうところで考慮をしてきたんだろうか、この点についてよく納得のできる御答弁をいただきたいと思います。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 最初の御質問の東大和市の問題でありますけれども、これにつきましてはわれわれとしまして、三分割方式として必ずしも画一的に三三%ずつということを考えているわけではありません。現在、東大和市基地の跡地については、東京都を通じまして地元といろいろ折衝中でありますが、そういうのをもとにしましていま話し合いが進められているところでありまして、そういうふうに決まっているわけではございません。  それから、従来、基地の存在によって地元が長年にわたって受けてきたいろいろな被害、そういうものをどう考慮しているのかというお話でございますが、ただいまお話がありましたように基地の存在する市町村に対しましては、ただいまはなはだ不十分であるとおっしゃいました基地交付金、これも毎年いろいろ充実してきておるわけであります。それから一方、防衛施設庁の方で所管しております周辺整備法等に基づきましていろいろな施策も講じておるということで、そういう点でそういった基地が存在するがための影響についての対策というものを行っております。  それで、今回の三分割方式によりましても、これは必ずしも一律ではなくて、全体として十万平米程度以上の大規模なものについて考えておるわけであります。そういうことで三分の一でも地元の学校用地とか公園用地ということについて十分貢献できると考えているわけでありまして、その価格等の点についてもわれわれは全額一〇〇%有償ということを考えておるわけではありませんので、いろいろその他、基地の存在しない人口急増地域等とのバランスを考えた場合には、いろいろわれわれの案によっても地元に対して十分貢献できるというふうに考えているわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それは答弁になっていないですよ。いいですか、それでは大きな国有地があって、それがたとえば基地でないといたします。そのときに、じゃ、その有効利用を図るというときに、中央審議会にかけたときに、国あるいは地方自治体、そして保留地、三分の一ずつ——基地じゃない場合ですよ、基地じゃない場合でも、三分の一ずつというのはそれなりに考えられる案ですよ。しかし、この場合には長いこと、戦後昭和二十年から接収された地域もあるわけですから、三分の一ずつというのはきわめて便宜的な分割方式であって、戦後三十年間苦しんできた基地の公害に対して、いまの御答弁ですと十分基地交付金も調整交付金も払っているという話だけれども、たとえば、私がさっき数字を挙げて、それも十分満たしていないということを申し上げましたが、その論議をさらにしたいのですが、とても時間がないからそれをおいたとしても、市の発展の阻害とか騒音公害とか、あるいはそのほかのいろいろな整備がその基地があることによって長いことできなかった、市民に迷惑をかけてきたということに対して、じゃ、今度の三分の一分割方式というのは、長いこと基地公害に悩んできた人たちに対してどういう便宜と申しますか、少なくとも国として、安保条約に基づいて基地を提供してきた国として、地方自治体に長いこと苦労をかけてきたことについて報いてきたんだろうかということになると、いま私は十ヘクタール以上の話をしているわけですから、細かいものは結構ですけれども、十ヘクタール以上の国有地の払い下げに対して三分の一、三分の一、三分の一というのは、これは私は基地の問題がなくてもある意味では考えられる案だと思うのですね。今度は、基地で長いこと迷惑をかけてきたんですが、それでは一体それに対してどういう有効的な払い下げが考えられたんだろうかということをお伺いしているわけですよ。基地がない場合の払い下げだって三分割というのはある程度考えられる線です。しかし、今度の場合にはみんな基地の公害をこうむってきたわけですから、それはそれなりに国として払い下げの際に考えるのが当然ではないか。それに対して一体国は何をやってきたのか、何ら考慮していない。皆さん方は、それについてお金を払ってきたと言うけれども、その額も普通の固定資産税の評価額等々考えてみても非常に差がある現状の中で、それでは基地公害で長いこと御迷惑をかけた地方自治体について何を考えてきたのかと言うと、いまのでは答弁になっていないと私は思うのです。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬説明員 先生の先ほどからの御質問の中で、十万平米以下のものにつきましては、くどいようでございますが三分の一方式というのはとっておりません。それはそういう考え方も当然あるではないかとおっしゃいますけれども、それについてはケース・バイ・ケースで処理してきておるわけでございます。  ただ、今度の返還財産というのは一どきに大量の返還が行われるということでございますから、そこに何にも基準がなくて処分をしたのでは、これは後々やはり悔いが残るであろうということが基本でございまして、したがいまして、先ほどから申し上げておるように、単に三分の一と言いましても、何回かの議論の末に到達した三分の一でございまして、初めからわかっておる三分の一というわけではございません。これは本当に、たとえば地元と申しましても、地元の市町村と県という立場があります。国にとりましても、その地方というものと、国全体あるいは政府関係機関、いろいろな立場がございます。さらに先ほどから私が強調しております留保地というC地区でございますが、これはむしろ将来地元に全く返ってこないというものではないわけでございまして、将来予測できない需要、これはわれわれも現在予測できないわけでございます。そういうもののためにとっておこうというわけでございますから、地元に近いという関係におきましては、私はかなり地元に関係が出てくるものだと考えております。したがいまして、その三分の一というものは、もう国にいってしまったのだということではなくて、貴重な国有財産としての国の配慮というものがそこになされておるわけでございます。したがいまして、足して二で割ったわけでは全くないわけでございまして、何回かぶつかった問題を処理してくると、これ以上の知恵は、統一的な見解としてはないというところに立ったわけでございます。ただ御指摘のような地元の感情なりあるいは地元の利害関係なりというものは、もう私ども身にしみるほど十分わかり過ぎておりますけれども、それを考えた上で三分割ということは、私どもはそれなりに御評価していただけるのじゃなかろうか。ただこれを機械的に三分割して、そして地元の御意見を聞かないということではなくて、この分割の際に当たりましては、県と地元市町村とが十分話し合っていく余地を持っておるわけでございますから、なお先生の御指摘の点につきましては、私どもこれからも十分心得てまいりたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 十分納得してないから、かなり政治的な問題になっていると私は思うのです。私の手元にも渉外知事会の緊急要望書、渉外知事会ですから、これはある意味では当然ですが、そのほかに全国知事会、関東地方知事会、それから全国市長会、全国都道府県議会議長会、こういった地方自治体の関係者が、基地の返還に関係ない地方自治体まで、とにかくいまの三分割方式には反対である、すべての地方自治体が反対をしているという現状にあること、それから中央審議会でも、ついに採決をしなければ答申が出せない、反対をしたのは地方自治体の関係者でありますけれども、そういう状況の中で決められてきていることなんですね。ですから、いまの局長の答弁でも、では本当に長いこと基地の公害で苦しんだ方に対してどういうことが国としてなされてきたか、この分割方式で考えられてきたか、ほとんど顧慮されてないと言ってもいいのじゃないかと私は思うのです。  残念ですが、時間がありませんので、最後に値段の決め方の問題だけを少しお伺いをしていきたいと思うのです。  私の方からお話をしてしまいますけれども、今度の値段は、御存じのように二分の一は時価だ、残り二分の一は最高五〇%まで減額譲渡できるというやり方で、つまり二五%しか安くなってないわけですね。ところが、私から申すまでもなく、小学校、中学校については国有財産特別措置法の第二条第二項で、急増地域については無償で貸し付けることができるという法律改正が昭和四十八年になされて、そしてわざわざ小学校、中学校については無償で貸し付けることかできる——政令で五年間というふうにしたそうでありますけれども、これも私は、法制局を入れて、法律で規制してないものを時限にすることができるかどうかは、一度またゆっくりやらなければいかぬと思いますが、小学校、中学校については急増地域は無償で貸し付けることができる、高校については五〇%以内の減額譲渡ができるということをわざわざ四十八年に法律を改正して、そして人口急増地域の地方自治体の小中学校、これは何と言っても国が第一義的な義務を持つわけでありますから、四十八年にわざわざ改正されて、そういった法律的な処置がなされているにもかかわらず、今度の場合には、半分は時価、半分は五〇%の減額譲渡、つまり二五%しか安くしないということがどうしてなされたのか。当大蔵委員会で審議をされた経過、過去の経緯から考えてみて、明らかにこれは当委員会で審議をしたことの違反ですよ。過去の経緯を全く無視をした値段の決め方だと言わざるを得ないわけです。この点についてはどうですか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 ただいま御質問の義務教育施設に対する無償貸し付けの規定でございますが、ただいまのお話のように、これは四十八年の特別措置法の改正によってできたものでございます。それで、そのときには、要するに災害地とか、そういった人口急増市町村、それから僻地とか、そういうものと一体にして、そういう点についての財政状況を考えて、義務教育施設については無償貸し付けすることができるという規定が設けられたわけであります。  それで、この辺はもちろんわれわれとしては法制局とも十分打ち合わせておるわけでございますが、これは一般的な規定でございまして、御承知のように、国有財産につきまして、返還について移転経費を要したものにつきましては原則として有償とする、これは四十七年の国有財産中央審議会の答申に基づいて、われわれはそういう方針で対処しているわけであります。そういうことでありますので、そういった一般的に制度として無償貸し付けすることができるという場合につきましても、移転経費を要したものについてはその適用範囲を制限して運用してきている実態であります。  そういうことで、今回いろいろ答申にも述べられておりますように、返還基地が所在する各市町村相互間、それから返還基地が所在しない市町村、そういうところでも、いろいろ人口急増地域で義務教育施設なり公園用地を必要とする市町村が非常に多いわけであります。それらの市町村とのバランス、公平ということを考えて、有償原則を基準にしながら、そういった優遇限度は二分の一適用するというふうにしておるわけであります。ですから、その考え方として、四十八年の特別措置法の改正の趣旨を無視しておるということには相ならないものと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 移転経費がかかるということについては私もわかりますよ。しかしそのことについては、これはもう時間がありませんから詳しく読みませんが、特別措置法の審議の中で、四十八年七月五日の参議院の大蔵委員会でわが党の竹田四郎氏が、それでは大変金がかかるじゃないか。「そうしますと、その範囲内でということになりますと、まあその金全部ではないにしても、かなりの私は、これは市町村の大きな負担になると思うんですが、その辺は具体的に個々には、たとえば、無償で譲渡するなり、あるいは無償で貸し付けるなりという措置をとることができるんですか。それは原則としてそういう措置はとらないということになっているんですか、どっちですか。」というのに対して、当時の小幡理財局次長は「その辺はいろいろケース・バイ・ケースということでございまして、実情に応じまして弾力的に処理するということになろうかと思いますが、基本的には、別に移転経費を全部カバーしちゃおうと、そういう気持ちは毛頭ございませんので、やはりこういった公共用に供するという場合に、地方公共団体間のバランスというものもございまして、」云々ということになっておるわけですね。つまり、今度の場合には米軍の跡地について、その移転経費を時価で売ったりあるいは二分の一減額して譲渡をして、その費用から全部捻出するということではないのだ。それを受けて、当時の愛知国務大臣も同様の趣旨で、「何も移転費用が相当かさむからといって、その全部をこれで埋めようという意味ではございませんから、やはりケース・バイ・ケースで、地方公共団体の負担能力ということも十分考えなければなりません。」と、その委員会で述べておるわけです。  もう時間がありませんからはしょりますけれども、しかもこの法案が通るときに、当大蔵委員会で附帯決議がついておるわけです。その附帯決議の内容というのは、第二項目で「米軍提供財産の返還後の処理については、国民の福祉に役立つ公用・公共用に優先的にあてることを原則とし、できるだけ住民の意志を反映させ地域の再開発、住民福祉向上等に資するよう配慮すること。」という内容であります。そしてその趣旨説明はわが党の武藤山治議員がしているわけでありますけれども、趣旨説明の中で、「特に、返還財産と地域住民をめぐるこれまでの経過を思い起こすとき、第一義的には、地元民の利便に供する姿勢が、民主政治の理にかなった措置であると思います。したがいまして、公用、公共用に充てる場合においても、できる限り地域の再開発、住民福祉の向上等に資するよう十分に配慮すべきであります。」と、こういう趣旨説明がなされているわけですね。  こういったことから考えますと、最後に大臣にお伺いしておきますが、     〔委員長退席、森(美)委員長代理着席〕 いずれまた機会を改めてさらに細かくいたしますけれども、いまの小中学校の払い下げの問題についても、あるいは高校の五割以内の減額譲渡の問題についても、今度の場合には事実上高校は二割五分の減額譲渡にしかならない、あるいは小中学校の場合には面積の二分の一が時価譲渡で面積の二分の一は無償貸付ですから二五%減額しかならぬ、こういうことになっているわけですね。これは明らかに特別措置法の成立のときにこの大蔵委員会で質疑をして、特に附帯決議までつけた内容から言って、法の精神、考え方、当時の立法の経緯から言って、明らかにこれは当委員会で審議をされた内容と違反をすることであると私は思います。  さらに細かく詰めたいわけでありますけれども、時間がありませんので、そういった意味で、私この問題の冒頭でお伺いをしたように、長いこと基地公害で困り、基地返還闘争をしてやっと国に返ってきたと思ったら、その次には国からは従来やってきた方式よりもさらにきつい処理案が、値段の面でも出てくる。これでは本当に地元の地方自治体としては納得できないというのは私は当然だと思うのです。  その点で、私、先ほど例を挙げましたように、全国の知事会に始まって全国市町村会から何から地方自治体という地方自治体全部この画一的な三分割方式には反対をしているという現状を踏まえて、もう一度改めて考え直す必要があるのではないかと思いますが、いかがでございますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 国有財産の処分に当たりまして地元との話し合いということで出たとこ勝負で事に当たるということが一見民主的なようで実は私は賢明でも親切でもないと思うのです。やはり政府は政府として政府の立場で最善を尽くした考え方を一応持ちまして、地元との間のお話し合いに臨む必要があると思うのであります。  三分割案というものも、これも一つの原則でございまして、これを中心といたしまして中央、私どもと地元との間の具体的な話し合いを詰めていくよすがにしようということでございまして、何でもかんでもこの仕組みに合わぬものはぶった切っていくというような、そういうやり方をやろうとしておるわけではないことは佐藤さんも御理解いただいておると思うのでございまして、こういう一応の原則を持って、これを中心といたしまして、現在と将来、中央と地方全体の利害というものを調整する方途を発見していこうじゃないかということでございますので、具体的な問題につきましてはケース・バイ・ケースで話し合いを進めていかなければならないし、そういう用意は十分あるわけでございますので、私どもの意のあるところは十分御理解もいただき、また具体的なケースが出た場合にいろいろ御指導いただかなければならぬと思いますけれども、そういう心構えでおりますことは御理解を賜りたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 きょうは時間がなかったから詰められませんでしたが、その三分割でも話を聞いてみますと、しゃくし定規というか、画一的というか、機械的というか、そういった意味で、かなり三分の一というのは大きなウェートを持った数字なんですね。そこがまず一つ問題である点。それからもう一つは、払い下げの条件として値段が、これだけ三十年間も迷惑をかけておきながら、その条件の値段が移転費がかかるということを背景にしながら、他の場合よりも、しかも法律が求めている急増地域の小中学校の建設の払い下げの条件よりもきつい条件になっているということは、これは明らかに過去三十年間基地公害で悩んだ地方自治体やその市民に対してこたえる政治のやり方ではないと私は思います。  したがって、いまの大臣の答弁についてもまだ不満でありますが、時間がありませんのでさらに機会をつくっていただいて、さらに詰めることを申し述べまして、私の質問を終わります。

森美秀自由民主党

○森(美)委員長代理 武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 時間が四十五分しかありませんから端的にお尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に大蔵大臣の一般的な感じを御説明いただきたいのでありますが、一−三月の実質経済成長率を見ると約三・一%くらいの上昇、年率にこれを直すと一四・八%の風速である。かなり速いテンポで経済回復が上昇に転じた、こう見ていいのではないかと思います。いまの経済状態全体を経済、財政を預かる大蔵大臣として何が問題であり、何も問題はないと認識しているか、その辺、ひとつ経済動向についての見解をお示し願いたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 御指摘のように、ことしに入りまして住宅投資、個人消費など、内需の堅調な増加がございましたに加えまして、輸出が急速に伸びてまいりました。したがっていま御指摘のように、一−三月期の実質成長率は年率にいたしまして一四・七、八%というかなり高い水準になってまいりまして、鉱工業の生産、出荷も四十八年秋のピークにはまだ達しないものの順調に増加いたしておりまして、景気はようやく回復の軌道に乗ったということを申し上げても差し支えないのではないかというように私どもも見ております。  問題は、そういう内外の需要が持続的に期待できるかどうかということ、同時に卸売並びに消費者物価の動向が落ちついた動きを見せるかどうかということが問題だと思うのでございまして、大丈夫これで確信を持って乗り切れるということを申し上げるまでにまだ至りませんけれども、私どもは警戒して経済の運営に当たりますならば、政府が五十一年度の目標といたしておりまする経済の成長、物価の水準等につきましては、これを実現することが期待できるのではないかというように私どもは考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 大臣、いまの景気上昇の原因、要因は、大臣のいまおっしゃる民間の住宅投資さらに輸出の伸び、個人消費も少々回復してきた、こういうことから景気は上昇気流に完全に乗った感じがする。今後これが持続的にどの程度の期間——資本主義は当然周期的に変動は起こりますが、この変動幅がどういう円をどういうぐあいに描くだろうか。少なくともいまのような状態が二年ぐらい続くと見るか、これはごく短期的な現象であって半年後ぐらいにはいま予想するサイクルと違ったサイクルに変わるのではないか。そういう見方については大臣はどう見ておりますか。

佐上武弘大蔵大臣官房審議官

○佐上説明員 お答え申し上げます。  確かに、この第一・四半期の前期比三・五、年率換算いたしまして一四・七という実質成長率というのは、非常に高いわけでございますが、いままでの不況の谷が深うございましただけにそういった形で参る点につきましては、これは一つの喜ばしい現象だと私は思うのであります。  しかしながら、今度四−六あるいは七−九にかけましてこれと同じようなテンポに進んでいっていいものだろうかという問題は、確かに政策課題としてあるわけでありますけれども、四−六の状況をながめてまいりますと、輸出も従来ほどの騰勢にあるわけでもございませんし、そういった状況からながめますと、一−三のような急速な伸びはない。さればといって、一時伝えられましたような中だるみの現象もいまのところないのではなかろうかと私どもは判断いたしております。六月の企画庁の経済の月例報告におきましても、従来のような著しい輸出の騰勢はないけれども、最終需要が全体として堅調であるから、これで着実な回復が進んでいくであろうという推定をいたしておりますけれども、私ども当然同感でございます。  さて、それから七−九についてどうなるのだろうか、あるいは十−十二月についてはどうであろうかという長期的な見通しをすることは、これはまことにむずかしい問題でございますけれども、先ほど大臣が申し上げましたように、何と申しましても今回のサンフアン会議におきまして、インフレなき持続的な経済の拡大というのが国際的なコンセンサスでございますので、海外情勢及び国内の特に物価動向というものも勘案しつつ、息の長い経済成長に持っていくという政策努力が必要であろうかと思います。  先生の御質問のように、これは一時的なものであるのかあるいはもう二年も続くようなものであるのかということについては、何と申しましても対外的要件その他がたくさんございますので、一義的にお答えをするわけにはまいりませんけれども、私ども事務的には、もし他の海外的要件において異常なことのない限りは、各国政府ともインフレなき経済の拡大ということを志向しておりますので、そういった方向で進んでまいるのではないかと判断しております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 きょうは米価のことを中心に聞こうと思っておるものですから、余りこれは時間ないのですが、いまの景気は経済学的に言えば価格景気なのか、すでに数量景気的な様相を帯びてきているのか、これはどちらと判定をしておりますか。

佐上武弘大蔵大臣官房審議官

○佐上説明員 非常にむずかしい御質問でございます。数量景気かあるいは価格景気かということがよく言われるわけでございますけれども、御案内のように仮に数量景気というような立場からながめてまいりますと、生産、出荷、この状況からながめますと、先ほど大臣が申し上げましたように、四十八年の十一月のピークまでにまいりませんが、かなり急速なテンポで上昇いたしております。一−三は御案内のように五・八という生産の状況になっておりまして、かつてのピークには達しませんけれども、数量的な騰勢というものはかなり量的に拡大をしつつあるということは否定できないのではないかと思います。  そこで、では価格の面はどうなんだという御質問であろうかと思いますが、価格面におきましては、昨年の十二月ごろから卸売物価につきまして年率七から八%程度の上昇が考えられたわけでございます。まあ十二月、一月、二月、三月、これは旧会計年度の中に属しますけれども、七、八%の高さになったのでございます。何せ昨年の十月までは、どちらかと申せば卸売物価は低迷状態にございましたので、年度平均としては二・一という世界でもまれに見る非常に低い水準に少なくとも対前年比はなったわけでございます。  そこで新年度に入りまして四月、五月の数字をながめてまいりますと、これはいろいろな事情もございますが、月率〇・四から〇・五という大体の数字になっておりまして、年率換算いたしますと約六%という程度のことになっております。したがいまして、現段階でながめます限りは、生産は上がってきている。それから卸売物価の指標は、四月、五月に関する限り、あるいは六月も恐らく〇・四から〇・五ぐらいの対前月増になろうかと思いますが、その段階におきましては、私はここで価格景気が再現しているのだということを直ちに一義的に言えないと存じます。しかしながら一面、企業といたしましては、何と申しましても名目的な収益を上げる、そしていままでの欠損を埋めるというか、そういう価格志向、価格を値上げをしようとする気分が非常に強いということは、武藤先生すでに御案内のとおりでございます。したがいまして、今後たとえば鉄あるいは電力といったようなものの値上げ等がございますと、そういったものの需要管理に慎重を期しませんと、全体として水面からはい上がるというような企業の価格志向型な気持ちが非常に強うございますから、その点の配慮をしなければならないのではないかというふうに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 価格景気的な要因がかなり強い。特に秋から電力料金の値上げあるいは油類、ガス、私鉄運賃、それぞれの料金がだっと上がる、最も基礎物資に影響のあるそういう基礎産業の料金改定、これがかなり価格に転嫁されて、価格景気的様相が非常に強くなるような感じがするわけであります。これもあくまでも未来の予測でありますから、感じで申し上げる以外にありませんが、そういう傾向が見られてきたときに、早く政策努力をしないと——いまも審議官は政策努力いかんによっては物価も上がらない、しかも完全雇用への道が達せられる、水面下からの上昇、大変好ましい経済像が描ける。しかしいつも大蔵省のとった手段は、かつては後手、後手なんですよ。いつも結果があらわれてから大あわてにあわてて手段を講ずる。だから私は、きょうはこの問題をちょっぴり冒頭に、大蔵省の政策努力というものを従来とは変わってもっと果敢に早く、そういう状況を見たら速やかに手を打たないと、また結果的に物価が驚くべき勢いで上昇すると私は心配しているのであります。  しかし、きょうはその問題を中心に質問をする時間がありませんが、税収の面を見ましても、関税の収入が極端に伸びているわけであります。前年同月比で見ても、前年は一三・六、五百七億一千五百万円、現在は一八%の進捗状況で七百七十八億円、この関税が極端に増収になっているという側面は、やはり輸出、輸入の関係、これが大変ふえていると見てしかるべきだと思います。個人消費の問題を税面から見る場合には物品税の問題でありますが、これは昨年と比べやや横ばいでありますから、さほど高級品を購買していないということが税の面からもややうかがうことができるわけであります。でありますから、今日の景気上昇の要因は、もちろん個人建築投資、これはかなり旺盛になっていることは間違いありませんが、やはり最大のものは貿易関係である。大平さんは、この間、会議の帰国後、貿易為替政策は一切変更の必要はない、当面はないということだと思うのでありますが、しかし景気動向いかんによっては、ここに大きな問題が一つ横たわっているということを見落としてはならぬと思うのであります。  さらに、第二は物価の問題でありますが、この問題を大蔵省、企画庁、日銀サイドで通貨の面から、あるいは投資の面から、貸し出しの面からどうコントロールをし、うまく誘導するか、特に銀行局長の判断、指導というのは大変むずかしいところにいま差しかかってきておると私は思うのであります。というのは、日本の個人預金が三月末で百五十兆円を突破した、預金の伸びは二〇%以上ふえている。しかし、一方、もう技術革新は行きどまり、個人設備投資の意欲というのはそう旺盛にならない。そういう観点から見ると、年々ふえていく預金の伸び率と経済の成長率との関係を考えてみると、銀行の貸出動機というものをどこにウエートを置いていくか、福祉国家を建設するという立場から金融のあり方をどう大蔵省は指導するか、大変むずかしい重要な段階だと思うのですが、その点は新しい銀行局長はまだ勉強して十五日間で大変だとは思いますが、ひとつあなたのイデオロギーをちょっと聞かしてください。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤説明員 大変基本的でむずかしい問題の御指摘でございまして、私、これから仕事をしてまいります上で一番重要な点だと思っております。  いま先生の御指摘の点は、貯蓄、投資のバランスの問題であり、あるいはマネーサプライのあり方の問題を両方のサイドから御指摘をいただいたことだと思います。従来と違いまして、これからの先行きの見通しは大変むずかしいのでございますけれども、しかしこれから先、公共部門でございますとか、あるいは住宅を中心といたします個人部門でございますとか、こういう方面の資金の需要というのがいままで以上に強くなってくる、大きくなってくるということは否定できないことであろうと思います。そういう資金需要のウエートの変化に対応いたしまして、金融機関、これは民間、政府機関を通じましてどういうふうに資金の配分をいたしていくかというところが一番重要な点であろうかと思います。したがいまして、金融機関としましては、民間におきましても国民経済の要請にこたえるような、長い目で見まして国民経済の発展に寄与するような方面へ資金を順便に流すという心構えが一番大事であろうかと思います。  それからもう一つは、先生御指摘の金融政策の効果、機能の問題があろうかと思いますが、ただ資金の流れ方につきましては、これがなかなか人為的にどこまで手を出せるか、あるいは価格機能にどこまで任せるかという大変基本的な問題があろうかと存じます。私は、できればそれが市場の原理に従って最もスムーズに金が流れるように確保できることが最も望ましいと思っておりますが、そういう点も含めまして、目下金融制度調査会におきまして、普通銀行のあり方からスタートいたしまして、金融全体の御検討をお願いをしておるところでございます。そういう勉強を中心といたしまして、これからの制度、政策のあり方を基本的に勉強をしてまいりたいと思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 きょうは金融問題を論ずる時間はありませんから後日に譲ります。  次に大臣、現在の歳入状況あるいはこれからの歳出要因、もう大蔵省は早々と来年度予算編成についての大蔵省の方針をちょっぴり新聞にこの間出しましたね。あの新聞を大臣もちょっとごらんになったんじゃなかろうかと思うのでありますが、その来年度予算のことまですでに大蔵省は考えておるのでありますから、来年のことを言わずにいまのこと、この九月、十月、当面の問題をまず先に明らかにしないと、来年のことを言うと鬼が笑うということわざがありますように、それまでの橋渡しの期間一体どうするのか、この問題をちょっと聞きたいわけですね。  私の感じでは、米価の改定が当然行われるだろう、公務員のベースアップも五%一応当初予算にベア分が見込まれていても、なおかつ補正をしなければならぬだろう、国鉄運賃値上げ法案が延びたために、その遅延された分の月数だけ国鉄に対する何らかの措置をしなければならぬだろう、まあ電電公社は値上げがおくれてもその分何とかカバーできるんじゃないかと思いますが、この三つの問題を考えただけでも補正予算は組まざるを得ない、こう感ずるのでありますが、大蔵大臣、補正予算を提出することになりますか、提出しないで済みますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 本年度の追加財政需要についての御質問でございますけれども、ただいま御指摘のございました事項は、いずれも内容的に申しまして、現在の時点で数字的に御説明申し上げられるだけの段階になっておりませんので、考え方といたしましてお答え申し上げますが、米価につきましては、現在両当局間でこの算定につきまして相談を行っておるところでございます。基本的に申しますれば、生産者価格につきましては、米の生産費なり物価その他の経済情勢を勘案いたしまして計算を行うということでございますので、これがあるいは改定が実施されるかと存じますが、米の問題には両米価の逆ざやという先生御承知の非常に大きな問題がございまして、私どもも財政資金の効率的な使用という見地から、また食管会計を通じます米の流通の正常化を促進するというような考え方から申しまして、両米価の間の逆ざやにつきましては、これをでき得る限り段階的に解消してまいりたいという基本の考え方を持っておる次第でございます。したがいまして、生産者米価、消費者米価につきまして、それぞれ法律の定めるところによりまして算定をいたすわけでございますけれども、その際には両米価間の逆ざや関係の正常化という方向で対処してまいる必要があるのではなかろうかと存じているわけでございます。  公務員の給与改定につきましては、人事院当局におかれまして民間給与の実態調査を行われまして、その後計数を整理し、ただいま作業をなさっておられるように伺っておりますけれども、これは私どもといたしましても、人事院が勧告として数字をお出しになる……(武藤(山)委員「そんなことはわかっているんだよ、補正予算を出す気があるのかないのかと聞いているんだよ、大臣に答えさせろよ、いまの事情を聞いているんじゃないのだよ」と呼ぶ)そういうことでございますので、勧告が出ました場合にはこの対策について考えてまいりたいと存じます。給与改善費五%もございますことでありますし、これが対策については勧告尊重の考え方でまいりたいということでございます。  そういうことでございますので、現在の財政状況を私から御説明を申し上げた次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 現在の事情はわかっておるんですよ、そういうことは新聞に皆書いてある。だから、補正予算を組まなくともいい、切り抜けられる、いや、やはり出すようになるかもしれません、それを聞いているのですよ。そんな長々答えなくも、出す気はありません、出さずにやってみせますというのか、いや、出さざるを得なくなると思います。答えはどっちかですよ。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 何とかこの補正を組まないで今年度は切り盛りをいたしたいものとせっかく考えておるところでございます。年度が始まってまだそんなに期間がたっておりませんので、いまの段階で確信を持って申し上げられませんけれども、私といたしましては、補正予算は組みたくない、総合予算主義をことしは貫かしていただきたいものと念願いたしております。     〔森(美)委員長代理退席、委員長着席〕

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 そうすると、答えがやや出てきたのですが、大蔵大臣は補正予算を組みたくない。主計局は、生産者米価と消費者米価との関係で逆ざやは解消の方向だから、生産者米価がアップされても消費者物価でカバーして補正予算を組まなくとも済む。そうすると、生産者米価が上がった分だけは必ず消費者米価へはね返すという結論ですね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 逆ざやの解消問題あるいは逆ざやを狭めていくという課題は、いずれにいたしましても前々からある考え方でございまして、財政当局といたしましては、これは農政上の問題もほかにございますし、今後いろいろ折衝にまたなければならぬ問題でございますけれども、われわれの方針といたしましては逆ざやの解消を進めてまいりたい、そういう方針は崩したくないと思っています。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 大蔵大臣、日本の農家は大ざっぱなところ戸数にしてどのくらいあると認識されていますか。大蔵大臣、大ざっぱでいいです。一千万あるのか二千万あるのか、三百万なのか五百万なのか、どのくらいだと認識していますか。そのくらいは常識問題だよ。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 五百五十万戸ぐらいでございまして、そのうち十数%が専業と承知いたしております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 そのように五百万を超える大変な戸数なんです。それでまんまを食っている家族を入れたら大変な数なんです。したがって、農家にとっては米価の決定というものは大変重大な死活の問題なんであります。ですから、一大蔵省の主計局の判断で逆ざやを解消するんだ、簡単にそういう見解で米価の問題が引きずられていくということは、農民サイドから考えてみても、あるいは国民的な視野に立ってみても、余りにも安易であり機械的であり過ぎる、私はそう思うのであります。  きょうはじっくりその答弁を農業の専門家から聞かせてもらおうと農林省にも来てもらっておるのです。私は、自分は百姓でありますが、専門家ではありません。ですから余り詳しくは知らぬのでありますが、それにしても、農家の皆さんは農協や農業委員会や各地方自治団体でもどんどん決議して、栃木県だけでも十四の市町村が要求米価を当然であると議会で議決をしておるのですよ。それば一俵六十キロ二万百二十円にしてくれ、こういう要求なんであります。この要求は全く不当な、話にならぬわからず屋の要求だと考えますか、主計局次長。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 ちょっと。武藤さんと同様に私も百姓の小せがれでございまして、農家のことは若干承知いたしておりますが、必ずしも専門家とは言えません。ただ、農業予算の問題は、これは食管予算ばかりではございませんで、一般会計も通じまして全体としてわが国の農業の立場から、農民の幸せの立場から考えなければならぬと私どもは考えておるわけでございまして、米価の逆ざやというような狭い視野からだけ問題を見ておるわけでは決してございません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 そういう偏見で見ておらぬというなら、いま逆ざやと称される、それについての所要資金が私の認識では約三千八百億円、この数字に間違いがあるかどうか。主計局どうですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 逆ざやと言われますものの中に、御承知のようなコスト逆ざや、売買逆ざやというような考え方がございますけれども、ただいまの御質問は売買逆ざやのことかと存じますが、五十一年度の売買逆ざやに伴います財政負担は約四千八百億円でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 四千八百億円、日本の国家財政は二十四兆。大蔵大臣、この四千八百億円を全国の消費者一人頭に平均したら幾らになりますか。わずかなものでしょう、全国では。国を守るんだといって、ガソリンを一生懸命使って飛行機を飛ばし、戦車を動かして一生懸命やっている自衛隊、これが一兆五千億円。これは国を防衛するためだ。もし国民生活を防衛するための生活防衛費、生活防衛予算、そういう感覚でながめたときに、考え方として、四千八百億円の逆ざやの支出は多過ぎると思いますか、大臣。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 それは見方でございまして、これを大きいと見る人もあれば、必ずしも大きくないと見る人もございましょう。三食に一食を松下幸之助さんにまで差し上げておるような状態が果たしていいかどうかということについていぶかしく思う向きもあるわけでございます。でございますから、これはやはり物の見方の問題だと思うのであります。  ただ、財政当局の考えはどうかと聞かれますならば、私どもといたしましては、逆ざやは解消の方向に持っていきたい。これは財政当局として当然の願いであろうと思っております。もっとも財政当局だけが米価政策を推進いたしているわけでは決してないのでございまして、関係方面と御相談をしながら、御相談にあずかりながらやっているわけでございますので、私どもの意見を聞かれますならば、これは解消を望んでおりますということ以外答えようがございません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 いまの大臣の発言は食管法違反の発言なんですよ。食管法は、一方で農民には生活安定のために所得を補償するんだ、米価はそういう形でめんどうを見ます。消費者には、家計の安定を旨として消費者米価を決めるんだ。矛盾することが法律に書いてあるんですよ、食管法というのは。食管法の精神が二重米価制度なんですよ。いまのはこれを否定する発言ですよ。だから、できるだけ消費者には家計を圧迫しない、低廉な米価で消費者米価を決めていく。生産者米価は所得を補償するという形で生産費調査をやって計算を出していく。だから当然逆ざやは常にあっていいんじゃないですか。これを全く解消するという論理は食管法を全く無視した発言じゃありませんか。私はそう受け取りますよ。大臣、弁明してください。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 私も、生産者米価、消費者米価それぞれ決定の原則が法定されておりますし、それは尊重されねばならぬことは重々承知の上で発言いたしておるつもりです。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 だとしたら、生産者米価は審議会で出された案を当然のんで、消費者にはそれよりも安い消費者米価で配給したっていいじゃないですか。なぜそれを解消しなければならぬかという財政上の理由だけで、そういう国家の根本的な大きな問題を財政当局の理由だけで一切解消を年次的に段階的にやるんだということは、食管法の精神に反するじゃありませんか。だからある程度あっていいんじゃないですか。逆ざやの予算を一般会計から繰り入れていっていいじゃないですか。それをいままでずっと歴代やってきたんじゃありませんか。いままでやってきたことを大平蔵相になってから逆ざやは一切認めないんだということは大きな転換ですよ。日本の農民の態度、要求、希望、願望、全く無視する大蔵大臣ですか、あなたは。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 大変議論が飛躍するようでございますけれども、そうではないんでありまして、それぞれの米価決定の原則を尊重しながら、それを生かしながら、しかも逆ざやはできるだけ少なくする方途が発見されるならばそれを探求してまいるのは財政当局者として当然の責任であろうと私は考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 私は、当然いまの食管法からいくならば、四千八百億円程度の逆ざやの額があるということは当然過ぎるほど当然だと思う。これでも少ないと私は思っておる。そして、国民のだれもが必要とする、人間が生きるために欠かすことのできない米は、米だけは日本に生まれている限り安心して食っていける、そういう体制を国がめんどうを見ていくということは、国家全体の目的から見て決して間違ってないと私は思うのです。だから逆ざやのそういう補給を一般会計で、税金で負担することは当然である、私はそう思う。あなたはそういう考え方は否定するんですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 武藤先生の御意見は御意見として拝聴いたしたわけでございまして、私は財政当局者といたしまして、米価の決定に当りましてあなたよりやや渋い考えを持たざるを得ないということでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 いや渋いんじゃなくて、渋いんなら私やや了解するんですよ。渋いんじゃなくて、逆ざやがあること自体が認められないという考えなんでしょう。段階的に解消してなくそうというんでしょう。さっき主計局次長もそう答えた。あなたもそれを追認したんですよ。ということは、もう逆ざやは一切いかぬのだという議論に通ずるわけでしょう。渋いんじゃないんだよ。ゼロなんだよ。ゼロ回答なんですよ。少々あってもやむを得ないと思いますというなら渋いんだよ、私はそう思う。日本語の表現から言ったらそういうことじゃないですか、論理的にも。  やむを得ない、時間がなくなりますから次に進みますが、農林省、米価審議会が七、八、九の三日間開かれると新聞に報道されております。この審議会に諮問する案はどのくらいの米価を諮問案として農林省は出すんですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 お答え申し上げます。  先生おっしゃいますとおり、七日、八日、米価審議会を生産者米価で開かせていただきますが、そこに諮問いたしますいわゆる諮問値でございますが、これは本日五十年産米の生産費調査が出ましたので、これに基づきまして算定をいたしまして新たにお諮りをいたすということでございまして、ただいまのところではまだまとまった数字というのはございません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 新聞の報ずるところによると、五・一%程度、こう出ておりますが、あの新聞記事は全く間違いですか、当たらずとも遠からずのアップ率だなあという感じですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 私どもの段階は、先ほど申し上げたとおりでございますので、これは、いろいろの推測はございます。推測に基づくものではないかと存じております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 それでは五・一か六かわからぬけれども、いずれにしてもアップをすることは間違いない。そういう案を出すことは間違いない。いま六十キロの生産者米価は一万五千五百七十円ですか、それの五%ぐらいということになると、これに七百円か八百円の上積み、一万六千五百円。農協や農業団体が要求をし、地方自治体が議決をして政府に陳情、請願をしている内容は二万百二十円、大分開きがありますね。農林省の方は平均生産費で計算をしている。農協、農業団体はバルクライン八〇%のところで、八〇%の農家の生産費をカバーするところの米価、大部分の農家がこれなら生産費を超過しない、所得を補償した価格である、こういう計算をしてきている。しかし、計算が違うことによってそんなにも米価の算定に差が出るのですか。どういうところに一番差の出る大きな原因があるのですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 ただいまの先生の御指摘にもございましたように、一番大きな点はやはり八〇%バルクラインの点にあろうかと思います。なお、私どもが従来とってまいりました算定方式と、それから農協の方でとってまいりました算定方式との間には、もちろんこれは対象調査農家の違いもございますし、いろいろございますけれども、ほかに大きな点といたしましては、労賃の置きかえをやっておりますが、その労賃の置きかえます場合の製造業の規模でございますけれども、これは私どもは五人以上、千人未満をとっておりますが、農協の方では、これは天井なしという五人以上の全規模をとっておるというようなところにもかなりの相違が出てこようかと存じますし、さらに地代の計算の仕方等におきましても相当な違いがありますので、かなりな開きが出るということかと存じております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 米が余っているからそんなに米価を上げる必要はないという理論もあります。この米穀年度、十月末ですか、このときに大体古米というのはどのくらい在庫になる予想ですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 本年の十月末現在の見込みでございますが、ただいまのところ二百三十万トン以上というぐあいに見ております。なお、これは十月末までの消費の動向等もございますので、なお動く要素はございますけれども、ただいまのところはそう見ております。  また、私ども当初計画をしておりました段階では、本年の十月末の数字は百五十万トンというぐあいに計画をしておったわけでございますけれども、昨年の豊作によりましてそのような見込みに相なっておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 二百三十万トンぐらいは災害用として、四ヵ月分くらいの消費者の米は当然過ぎるくらい備蓄としてあっていい、適正規模の在庫だ、こう私は認識しますが、農林省が考える適正備蓄在庫というのはどのくらいが適当と思っているのですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 この点につきましては、私ども実は年度末の食管在庫の積み増しということを、昨今の世界的な穀物情勢からいたしまして、たしか一昨年あたりからやってまいっておるわけでございます。そこで本年の米穀年度末には百五十万トン、それから両三年の間に二百万トンまでそういう見地から持っていこうという計画を持っておりましたので、その意味におきましては、二百万トンが現下の需給情勢からいたしまして適正な在庫であるというぐあいに認識をいたしておるということでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 去年の農林省の買い入れた量は六百三十五万トンですか、大体予算で見積もったのは六百三十五万トン、ことしは六百二十万トンしか予算書に書いてないですね。そうすると、去年よりもこれまた十五万トンも買い入れが減るわけですね。そうでなくとも、昨年ですら農家は全量買い入れしてもらえないので大変戸惑って困っているわけですね。全量買い入れをなぜしないのですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 先ほど来先生からも御質問が出ておりましてお答え申し上げておりますとおり、本年度末の食管在庫、これがすでに計画量を上回っておるということでございますので、私どもはそれ以上には買い増したくない。したがいまして、本年度も実は食管在庫の積み増しの計画を持っておりましたけれども、そういう需給事情からいたしまして、その積み増しの計画をやめたということがございまして、限度数量の減ということになっておるわけでございます。そういう状況からいたしますと、国民の必要といたします食糧を確保するという食管法の本旨に基づきまして、やはり余分な生産はいたしたくない。つまり単年度の需給の均衡を図ってまいりたいということが基本の考え方でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 しかし、もう休耕田奨励金はやらないのでしょう。調整をするというのならもっと思い切ってやらないことには、去年の米だって買ってくれないので農家は大変不満です。そういう制度をいつまでも続けていたら、農家は売れなければしょうがない、親戚、知り合い、嫁入り先に売る以外にない。しかし、それは食管法違反だ、やみになる。これは一体海の中にでも捨てろと言うのですか。これは血も涙もない処置じゃないですか。食管法がある限り全量買い入れするのが当然じゃありませんか。なぜできないのですか。大平大蔵大臣が話がわからぬために金が出ないからだめなんですか。

下浦静平食糧庁次長

○下浦説明員 昨年の豊作の結果出てまいりましたいわゆる限度超過米につきましては、これを自主流通のルートで流すということにいたしまして自主流通米に準じた流通を行ったわけでございます。その結果、これは全量そういうことではけたわけでございますが、政府から売却いたします米がその反面売却操作をいたしました関係で逐次たまってまいったということで、本年度末の食管在庫がかなりふえるということに相なったわけでございます。そういったような状況からいたしますと、やはりなお過剰基調であるということでございますので、単年度の需給均衡はどうしても保っていかなければならぬと考えております。  それから休耕に対する助成は本年度から確かになくなっておりますけれども、引き続き、稲作をほかの必要な増産を要する農産物の方に転換をする、これに対しまする助成につきましては、本年度からなお三カ年継続をしてやる。これは衣がえをいたしておりますけれども、水田の総合利用という見地から助成をしようということでやっておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 時間でありますので、あと一つだけ聞きますが、大蔵大臣、いまの米価の問題ですね、政府自民党はなかなかずるいことを毎年やるのですよ。諮問価格は低いところで、五・一%ぐらいにして、後は今度は自民党内でもってベトコン議員と言われる集団が、われわれが政治的に上積みしたぞ、最後は大蔵大臣が財政上この程度と言って五・一を七・五なり、八にして、われわれがこれだけかせいでやったぞと言って、例年しゃんしゃんで終わるのです。政治的米価と言われているのですね。こういう理論値を無視し本当の意味の科学的根拠に基づかない形で米価が年々決めていかれ、日本の農業はそれによって荒廃をしていく。ほかのものに転換しろと言ったってほかのものは所得を保障されない。こういう状況にある。したがって、米価を決定するに当たっては、先ほどの主計局次長が答弁するような、木ではなをかんだような、そんな態度で日本の農業というものを財政上の理由で処分をされたら大変だと私は思うのであります。大蔵大臣にしっかり、米価の問題をめぐって、もっと農業問題についても真剣に十年後、二十年後を展望して、日本の農業をどうあらしめねばならぬかということを対案として出さなければ、米価を抑えるということに説得性がないですよ。私はそういう点で大変きょうの答弁は不満であります。  しかし、時間ですからやめますが、最後に国税庁、一級白雪という酒の卸売価格は何ぼぐらいになりますか。

大槻章雄国税庁間税部長

○大槻説明員 お答えいたします。  清酒一級の標準的な価格といたしましては、末端で千三百三十円、小売価格でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 卸は。

大槻章雄国税庁間税部長

○大槻説明員 卸は建て値ということで申しますと千六十八円でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 白雪と限らず一級の大体標準的な価格は、小売千三百三十円、卸千六十八円。消費者にしてみれば、安ければ安いほどいい、こういうことで安いお酒に飛びつくのは当然であります。いま私がここで取り上げるのは、こういう中元大売り出しを出して、卸売価格よりも安い値段で酒がばんばん売られる。九百五十円。白雪、白鶴、日本盛、九百五十円で売りますという、こういう広告をどんどん出す。そうすると、今度は近所の先祖伝来酒小売で食っている小売店は、これではとてもかなわぬ。一体国税庁は、これは何ぼ安く、五百円で売っても構わない、卸売価格を割る値段で売っても、もう昔のような基準価格、標準価格はなくなっちゃったのだから、何ぼ廉売してもいいという指導なのか、それとも一定の秩序を保つような指導をしているのか、その辺のいまの国税当局の指導方針というのはどうなんですか。

大槻章雄国税庁間税部長

○大槻説明員 清酒の価格につきましては、先生御案内のように自由価格でございまして、小売の段階におきましても、個々の小売業者がそのお店の販売政策なり経営政策なりに即しまして自主的な判断によって価格を設定するということになっているわけでございますが、御案内のように清酒の価格の中には多額の酒税が含まれておるわけでございます。したがって、小売業者の経営の健全性ということが当然必要になってくるわけでございます。したがって、酒類の販売を業として行っている以上、酒類の価格には原則的には自分の実質仕入れ原価に販売のために必要な経費あるいは適正なマージン等を加えたもので販売するということが望まれるわけでございまして、私どももそういう方向で販売するように一般的には指導しておるわけでございますが、冒頭申し上げましたように酒の価格というのは自由価格をたてまえとしておるところから、価格問題には原則して介入しないということにしております。しかし、各企業の設定した価格が値引き、リベート等を調整した後の実質仕入れ価格を下回るようなものであるときには、酒税、国税上の立場から見ましましても好ましくございませんので、その価格を適正なものに改めるように指導する方向で対処しておる次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 しかし、その指導する基準の法令、規則、省令、通達は何もないのでしょう。あるのですか。自由価格だから、何も税務署はそれをチェックしたり指導したり具体的にできないのでしょう。お手上げなんでしょう。どうなんですか。

大槻章雄国税庁間税部長

○大槻説明員 一般的にはさようでございますが、私どもはいま御説明したような趣旨でもって各局署において業界を指導するようにしております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 しておりますと言ったって、昔のような基準価格がなくなっちゃったのだから指導できないでしょう。どうやってやるのですか。また新たに基準価格を設けるような検討をこれからやるということなんですか。どういうことなんですか。

大槻章雄国税庁間税部長

○大槻説明員 第一線の税務署等におきましては、いろいろ酒類組合等の会合におきましても、個々の小売業者に接する機会も多々ございますし、そういう機会等もとらえまして、酒の販売価格についての一般的な考え方を述べまして、そういう線で売ってもらうように指導しておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 これはもっと詰めなければだめですが、時間ですからやめます。しかし、そういう指導をやる根拠法令がないとなかなかむずかしい。だから、恐らく言うことを聞かない。税務署も困っておる。そういう実情だと思うのです。具体的な例は、資料を提供しますから、後で調査をして、どこに不備があるか、どうしてそういうことが行われるか、どうしたら直せるか、具体的に研究した結果をお知らせいただくことにして、質問を終わりたいと思います。時間ですからやめます。

田中六助自由民主党

○田中委員長 増本一彦君。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 すでにいま同僚の社会党の武藤委員からもお話がありましたけれども、今年度の米の値段の問題がこれから重要な問題になるわけで、先に食管制度の問題について基本的な考え方を大臣にまずお尋ねをしたいと思うのです。  私たちは食管制度というものは二重価格制度を保障した制度であるというように考えているわけですが、先ほど来の大臣のお話を伺っていますと、あるいは財政当局の意見では、どうも二重価格制度を採用しているというようには考えないという前提に立っておられるように思われます。私はこれはきわめて重大なお考えだと思いますので、その点まず念押しをしておきたいと思います。大臣の食管制度に対するお考え、二重価格制度を採用しているというようにお考えなのかどうか、その点をまずはっきりさせてください。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 食管法におきましては、生産者米価の定め方、消費者米価の定め方、それぞれにつきまして、要件、要点を別の条文で書いてございます。したがいまして、生産者米価につきましては生産費、物価その他の経済事情を考慮し、また消費者米価につきましては家計に及ぼす影響、物価その他の経済事情を考慮して定めるというふうになってございます。ただ、一つの物資につきまして、国がこれを一元的に食糧管理会計を通じまして買い入れし、あるいは販売を行っておるという点に着目いたしますと、条文の所在は別々でございますけれども、二つの価格は非常に重要な関連をお互いに持っておりまして、相互的な関連を考慮しながら定めてまいるのが適当であろう、そういうふうに存じております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 結論がよくわからないですね。結論はどうなんですか。二重価格制度をたてまえにしているという結論になるのですか、それともそうではないという結論になるのですか。結論だけ言ってください。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 食管制度の経緯を顧みますと、昭和二十九年度ごろまではコスト逆ざやもない状態が多うございました。その後、大きな逆ざやを生じたこともございます。したがいまして、この二つの価格が即一致をしておらなければならないという制度ではございませんけれども、同時にまた、この二つの価格が必ず別々の水準で定められるべきものであるということにはなっておらないと存じております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 食糧管理法によりますと、三条では米穀の再生産の確保をうたい、つまり農家の所得補償が基準になる、そして四条では消費者の家計の安定ということで消費者価格との間に差が設けられてもよいということが前提になっていますね。食管法の第一条の目的を見ますと、国民食糧の確保と国民経済の安定、この二つが目的だというわけでしょう。そうすると、国民経済の点から見ると、消費者米価というのは——家計の安定によって国民経済の安定が確保できるというのは、三条から見てもこれはあたりまえなことですね。そして、国民食糧の確保の点から農家の所得補償、所得の確保を図るということになるわけで、その第一条の目的に照らしても二重価格制度が食管制度のたてまえであるということは変わらないのじゃないですか。あなたの先ほどの御答弁でいくと、当初はそうだったけれども、逆ざやが生まれてきた今日の時点では解釈が変わるかのようなお話だけれども、法律の精神そのものは制定のときから全く変わらずに、そういう政策目的に従って食管制度、食管会計というものは運用しなければならないという点は全く基本として変更がないというように見るべきじゃないですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 生産者米価、消費者米価の定め方についての考え方が時代に応じて変わったと申し上げたわけではございませんので、それぞれの考え方によりまして、その年その年の米の生産事情、需給事情あるいは物価その他、家計の事情等を考えまして算定をいたしました二つの米価が、結果的にコストを償っておりましたこともあり、また償わない場合もあったことを御説明申し上げたわけでございます。したがいまして、米価を算定いたします場合の考え方につきましては、先生御指摘のように、法律の条文に従いましてそれぞれの再生産の確保あるいは家計その他の国民生活の安定ということを念頭に置きながら定めてまいることは当然でございますが、その間の二つの価格の水準の問題につきましては、これはその年その年におきまして、種々の資料から計算をされますところによりましておのずから出てまいるものでございます。ただ、ここの間に当然にある幅のさやを設けておくという前提では必ずしもございませんで、その計算の結果、現在では現状程度の逆ざやが発生しておるということでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 昭和五十一年六月作成ということで「生産者米価及び消費者米価について」こういうパンフレットが出ているのですが、これはどこがつくったものですか。大蔵省の政府委員室からもらったのですが、この。パンフレットによると「「食管法は二重米価を建前としているので生産者米価は引き上げ、消費者米価は据え置いて、それに伴う損失を財政が負担すべきではないか」との意見もありますが、食管法は当然に二重米価を前提としているものではありません。」十ページにこういうことが書いてある。大蔵省がつくったのだったら、大蔵省は二重米価のたてまえをとっていない、こういうことを公言しているのじゃないですか。松下さんの考え方、いまの答弁とも違いますね。これはどこがつくったものですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 私は、担当の関係で、ただいまお示しの書き物に実は目を通してございませんのですけれども、そこに、いま御指摘になりました当然に二重米価でなければならない、つまり食管法上、生産者米価と消費者米価は当然に逆ざやを持たなければならないという意味に法律を解釈いたしておりませんということば、私も先ほどお答え申し上げましたけれども、いまお引きになりました文章は、その解釈上のたてまえを文章にしたものであろうと存じております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 もっと権威ある答弁をしてくださいよ。あなたの推測を聞いているのじゃないのですよ。これはわかりませんか、どこがつくったか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 政府委員室から差し上げたというふうに聞いておりますので、それは大蔵省の主計局におきまして、恐らく主計局の主管の係におきましてつくったものであろうと存じます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 あなた方は、国会で答弁されることで、こういう作成名義人の名前も書いてないようなパンフレットではそれと違うことを宣伝している、こういうことになりませんか。  ところで、この生産費を償う価格を生産者米価としては補償しなければならないというのが食管法第三条のたてまえであるということですと、当然米価の算定の基準になる米の生産費、これの調査が毎年やられていますね。いま食糧庁に聞きましたら、きょうの三時でないと政府委員室の方に届かないので質問はちょっと遠慮してくれというお話であったのであれですが、四十九年度の生産費の調査については、主計局の方でも皆さん御承知だと思うのですよ。六十キロ当たりで一万三百二十九円が平均生産費で、たとえば農林省が調査したところによりますと、この平均生産費を償うことができるのは、戸数にしてわずか四〇・四二%だ、大方の米の生産販売農家の場合には、六〇%の人たちはそれを償えないで生産をしている、こういう状況ですね。五十年でもその傾向は余り変わらないだろうと私は思います。食糧庁に伺っても、大体大勢としては変わらないのではないかというようなお話もありました。そこへもってきて、今年度は、こういう今日の経済の状況のもとで二万百二十円の要求米価が全中で出ていますけれども、あるいはそれよりも高い米価を要求して運動している農民組合などもありますが、こういう今日の生産費の実情を見て、少なくともそれを償うだけの米価を生産費として補償をしていくことが米価算定の場合の基本にならなくちゃならないし、そして財政当局としてもそれを本質的に補償をしていくような財政運営をすべきだというように私は思うのです。それがやはり食管会計の統一的な経理としても、精神のたてまえからいっても当然であるというように私は思いますが、その点大臣はいかがお考えでしょうか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 本年度の算定方式につきましては、これから数字に基づきまして検討いたすところでございますが、ただいま御指摘になりました平均の生産費でカバーし得る農家数の問題でございますけれども、私どもは米の再生産を確保いたしますためには、農家全体といたしましての経営がそれによって成り立ち、米の再生産が可能になるという水準を求めてまいるように努力をしているところでございます。したがいまして、たくさんの農家が米を生産しておられますけれども、その中で自家用の米を差し引きまして、政府に対して売り渡しが行われるという農家はそのうちの全体ではございません。そういったところから、結果的に、お示しになりましたような米価の水準におきまして、農家の米の再生産の意欲が維持され、政府に対しまして、国民の食糧管理の上に必要とされますところの米の売り渡しが確保されるということが非常に大事なことであろうと思っております。ただいままでの生産者米価の水準におきまして、農家の米の再生産の意欲なりあるいはその実績なりが大きな支障を受けておるというふうには判断をいたしておりません。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 先ほどから逆ざやの問題が出ておりますけれども、逆ざやの存在による財政負担が四千八百億円というお話がありました。ちょっとこの内訳を大ざっぱで結構ですが明らかにしていただけますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 四千八百億円と申し上げましたのは、売買逆ざやでございますので、米の買い入れの価格と売り渡し価格との差額の損失額に取扱数量を掛けましたものが四千八百億円でございます。政府全体として米に対してかけておりますコストは、実はその買い入れの価格のほかに、政府が食糧の管理に必要な人件費でございますとか、保管料でございますとか、運送費でございますとか、そういういわゆる政府管理経費を含むものでございまして、その分はただいま申しました四千八百億円のほかに約二千六百億円でございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 これが結局消費者米価への転嫁の一つの引き金になっているわけですね。原因になっている。そこでもう一度食管会計上、会計処理をする中で洗い出しをやって、そして理論上の筋から言っても、一般会計で処理してよいものが費目として出てくるのじゃないか。この点はすでにいろいろなところで指摘をされていますけれども、たとえば事務人件費とか運送費とかそのほかいろいろな費目が挙げられているわけですが、そういう点について食管会計の会計処理でこの点は改善をしていく、そして一般会計の負担をそういう面でも補充していけば、私はその点で筋の通った会計処理になるというように思うのですよ。  たとえば、食糧庁のお役人が、同じ公務員でありながら、食管会計で人件費が見られるとかいうようなことは、会計処理からいってもあるいは公務員そのものの体系からいったっておかしいことじゃないですか。実際に、たとえば五十一年度予算の中で、事務人件費そのものは、米から麦まで全部ひっくるめて九百六十五億円ぐらい、そのほか運賃その他の経費を含めますと三千億をはるかに超えるお金になってくるのじゃないでしょうか。こういうものの処理を一般会計で見るということで、食管特別会計そのものの会計処理をもっと改善するということを検討すべきだと思うのですが、いかがですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 ただいまの食糧管理特別会計の最終的な損失は、これを全体といたしまして政府の一般会計の繰り入れによって補てんをしているわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘の事務人件費なり保管料、運送料といったようなものも、結果的には一般会計で現在は負担をしているところでございます。これを食糧管理特別会計の負担に入れるか、あるいは一般会計の負担とすべきものがないかという点は御議論がございますけれども、私どもとしましては、米という一つの物資を売り買いをしております政府の会計におきまして、その会計での収入と費用との対比を検討しながら、全体としてたとえば経費の節減等経営の健全化をさらに図る余地がないかというようなことを見ますためにも、米麦の売買あるいは保管、管理、運送等に直接要しました国家公務員の人件費等につきましては、これを特別会計で経理することによって政府の食糧管理の効率を明らかにすることができる、そういう観点から特別会計負担に入れておるわけでございます。したがいまして、食管特別会計の人件費のうちでも、完全に食糧管理にのみ帰属させることが適当でないといったようなものは別途一般会計職員に繰り入れをしておるというように理解をいたしております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 逆ざやの解消ということで消費者米価を上げていくために、いわゆる食管会計の損失とか、あるいは赤字ということの中で、できるだけその額を、損失額なり赤字額を肥大化させていくために、こういう当然政府が見るべき経費そのものも、その勘定の中では算入をしていくという、そこのところが一つは基本的な問題としておかしいんじゃないか。しかも、もう一つの点は、皆さんの方はだんだん食管制度の二重米価制度、二重価格制度そのものを実質的にはうやむやのうちにしてしまおう、換骨奪胎してしまおう、こういうところに大きな問題があるというように思います。この点は、十分食管制度の精神、たてまえを尊重する形でやるべきだということを申し上げて、時間がございませんので、もう一点だけ伺います。  先ほどは農林省の方から答弁がありましたけれども、米の買い入れ制限、これの食管法の運用の問題として、本来、生産したものは全部買うというたてまえで食管法は成立をし、運用をされてきたわけですよ。そして、同じ食管対象になっている麦については、全部これは買い入れをするということになっているわけですが、米の場合には、御承知のように制限を設けて、そのために後から超過米などの問題も引き起こしている、これも食管制度そのものを一片の政令とか命令によって歪曲をして運用をしているというように私は見ざるを得ないのですが、この点はやはり改善をすべきだと思いますけれども、いかがです。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下説明員 食管制度は、国民の必要といたします主食の確保を目的とし、あわせてその際に国民生活の安定に資するというたてまえの法律でございますので、食管制度によりまして義務的に生産者に対して政府に売り渡しをしていただくという数量は、おのずから消費者の側から見まして、食糧消費に必要な量を確保するというために、所要の米の量の範囲内におきましてこれを賄ってまいり、かつ生産の面におきましてはそのように買い入れの制限がございますこととうらはらに、米以外の総合的な食糧の生産というふうに農業政策を誘導してまいる、この両方の措置が相まちまして、日本の農業生産全体を国民の必要とする食糧の生産の方に有効に向けていくことができるものだというふうに存じております。したがいまして、食管法のたてまえが当然におっしゃいます全量買い入れということではございませんので、食糧確保のために、あるいは農政の総合的な推進のために必要な運営を法の精神に立って行っておるというのが現状でございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 時間がございませんので、私は次に国有財産の処理の問題で、これも先ほど社会党の佐藤委員からも御質問がありましたけれども、お尋ねをしたいと思います。  六月の二十一日に国有財産中央審議会で有償三分割方式というのを答申されました。いま対象は十施設ということになっております。十ヘクタール以上ということでなっていますけれども、その中には非常に広いところもあれば三十ヘクタールあるいは六十六ヘクタールというようなところもある。なぜ地方自治体には三分の一しかやらぬのかということです。皆さんの方は、基地のあるところと、それからないところの間に公平を失するから、一つは三分割という統一基準、処理基準を決めたのだ、こういう言い方をされるわけです。しかし、たとえば一つの市町村で三つも四つも米軍基地のあるところで、そのうちの一つだけが戦後三十年たってようやく返ってきた。このときに、まだほかの基地は米軍に使われている、あるいは自衛隊も共同使用をしている、やれやれ一つ返ったというところを、トンビに油揚げをさらわれるような状態で三分の一しか地方自治体に渡さぬ。これが皆さんの言うような公平論で万民の納得のいく解決になると考えているのかどうかという点です。その点を、なかなか吉岡さんをつかまえることができなかったのですが、きょうはお見えですから、あなたから率直にひとつ御意見を伺いたいと思うのです。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 先ほど佐藤委員の御質問にもお答えしているわけでありますが、いまおっしゃいましたように、今回国有財産中央審議会から三分割方式と称せられる方針について御答申願ったわけですが、この三分割方式を必要とするゆえんのものは、その答申にるる述べられているわけでありますが、御承知のように、ここ数年来特に関東地区におきまして大規模な返還財産がいわゆる関東プラン等によりまして逐次返還されてきているわけであります。これらは、こういう関東地区の首都圏に存在するものでありますので、きわめて貴重な土地であります。それで、これに対しましては、地元地方公共団体はもとよりのこと、国なり政府関係機関の需要が非常に強いわけであります。一方、これらのような国有地というのは最後に残された国有地である、今後このような大きな利用し得る国有地というのは期待し得ないというような観点から、現在の時点ですべてその利用計画を立ててしまうのではなくて、将来の需要にも充てるためにこの際は留保しておくべきだという要請が非常に強いわけであります。それでそういうことを考えまして、返還以来相当な期日がたっているわけでありますので、これらの有効利用を促進していくためにこういう一つの基準をもって何か対処しなければいかぬのじゃないかということで、このような三分割方式というものが考えられたわけであります。われわれとしては、この三分割方式というものを、それらのいろいろな各般の需要を調整する一つの基準として、今後具体的には地元地方公共団体とも話を詰めていきたい、それによっていろいろ十分地元の納得も得ていきたい、こう考えているわけであります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 基準ということですと、具体的な適用ではいろいろ例外がそれでは考えられるのですか。さっきも例が出ましたけれども、相模原市のキャンプ渕野辺ならキャンプ渕野辺の例をとりましょう。一般的な処理基準としてはそれぞれ三分の一だ、しかし、具体的に渕野辺の場合には、それが半分になることも、あるいは八〇%やることもある。この基準というのはそういう例外は認めるのですか。どうですか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 今回の答申でも、この三分割方式の適用につきましては「特別のものを除き、」とうたわれているわけであります。この「特別のもの」でありますが、これにつきましては、具体的には国有財産中央審議会で御審議いただくことになるわけでありますが、そもそも先ほど申し上げましたように、なぜわれわれとして三分割という基準を提案するに至ったかという趣旨から考えまして判断していかざるを得ないと思っているわけであります。具体的には、たとえば北富士演習場のようなものです。首都圏にそのものがなくて余りいろいろ需要が競合しないというようなものについては、「特別のもの」に該当するのではないかと考えております。  それで、いま御質問の渕野辺でありますが、この渕野辺の問題につきましては、いろいろと地元の御計画があることは十分承知しております。それに対しまして、国なり政府関係機関の方からもいろいろ用地の希望があるわけであります。そういうことで、われわれとしては、渕野辺につきましてもこの三分割方式によりまして十分今後地元との話し合いを進めて円満な解決を図っていきたいと考えておるわけであります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 ですから、一般的な処理基準としては三分の一ずつだけれども、具体的にはある地域の跡地については四〇%、五〇%をやることもあるということなんですか。そのことを聞いているのですよ。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 もちろん、この答申に「特別のものを除き、おおむね」「三等分し」と書いておりますように、これは具体的なそこの地元側の利用計画、それから国側なり政府関係側の利用計画を詰めていった結果どういうふうになるかでありますが、     〔委員長退席、森(美)委員長代理着席〕 その結果が必ずしも三三・三%ずつにはならないという場合ももちろんあり得るわけでありまして、ですから、そこでただいま四〇%になるか、五〇%になるかとおっしゃいましたが、一応われわれとしては三分の一というのを基準にして折衝を詰めていきたいというふうに考えておるわけであります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そのときに、あるいは一〇〇%全部くれとか、いや七五%だ、五〇%だ、あるいは四〇%は欲しいと言ったときに、この統一処理基準の三分の一とは違うわけでしょう。そういうものは運用としては認めるのかということですよ、聞いているのは。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 ただいま申し上げましたように、そういう三分割の原則をもとにしまして、今後具体的に地元の計画、それから国側なり政府関係側の計画を寄せ合って話を詰めていくわけでありますから、その結果によりまして、必ずしもきっかり三分の一ずつにはならぬ場合もあり得るわけであります。  それで、ただいま問題になっております十大財産につきましては、その利用計画の大綱につきましては、具体的に決まりました段階でさらに中央審議会に御審議願うことになっておりますので、具体的にはそこで審議していただいて御判断願うということに相なるわけであります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 逃げないで真っすぐあなたも答弁してくださいよ。時間がかかってしょうがないのです。  結局これは、ある国有財産の処分やそれからその利用については、もともと国有財産法や国有財産特別措置法によって、大臣に裁量権を保障しているわけですね。そして、その裁量が恣意的にわたらないようにということで、審議会の答申が法律で予定されておる。今回のこの統一処理基準というものも、大臣の裁量の範囲、基準について答申を求めたんだというようになっていますね。これは私の質問主意書に対する六月十一日付の政府の答弁書でそういうように答えています。  もともと、大臣の裁量権というのは、具体的にそれぞれの国有財産の状況やそれを利用する地方自治体や政府機関やその他いろいろな需要との関係、あるいは地方自治体に払い下げをする場合には、その地方自治体の使おうとしている計画の内容や目的、地方自治体の財政の状況というものをケース・バイ・ケースで判断をして妥当な結論を見出していこう、それが国有財産の適正で、具体的で、妥当な運用なんだというところにあるのじゃないですか。それを十カ所の対象施設について、ともかく大蔵大臣の裁量権の基準はもう三分の一、三分の一、三分の一と、使う相手方は全部決めてしまう。それから処分の仕方ですね、これも決めてしまう。先ほども指摘がありましたけれども、国有財産法や国有財産特別措置法では、無償貸し付けとかあるいは五割以内の減額譲渡ということが決められているのに、それを一律にこの答申で大臣の裁量権そのものを縛ってしまうということになるでしょう。これは実際には、国有財産中央審議会の答申によって、国有財産法とかあるいは国有財産特別措置法を変えてしまうか、あるいはそれとは全く別の新しい特別法をつくったのと同じような役割りを果たすのじゃないですか。だから、そういうものを国有財産中央審議会に答申を求めるということで奔走した大蔵省の理財局というのは大変な越権行為をやっていると私は思う。  二月六日の返還財産処理小委員会に根回しをして、六月二十一日、たった一日で全体会議を開いて答申を決めてしまったでしょう。決めた中身は、国有財産法の特別法を新たにつくったのと同じような効力を与えて、具体的にケース・バイ・ケースで大蔵大臣の裁量権を行使するというものを縛っちゃって、だから私が、個々の処分では三分の一ではなくて、四割の場合も、五割の場合も、あるいは一〇〇%便ってくださいという場合もあるのかと言ったら、それはない、三分の一ということで地方自治体とあくまでもすり合わせはしていくんだ、こういうことですから、これは中央審議会の方も立法機関にかわって別の立法をしたのと同じようなことになる。大蔵大臣はそれに縛られてという結果になるのじゃないでしょうか。いかがですか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 ただいまおっしゃいましたように、個々の跡地ごとにいろいろ事情も違うだろうし、それから地元の地方団体の財政事情等違うだろうから、個別にケース・バイ・ケースで処理していったらいいじゃないかという御趣旨でありますが、御承知のように、先ほど来申し上げておりますように、ここ数年来たくさんの基地が一度に返還されてきているわけであります。それで、それが返還以来長年たっているものもありますし、未利用のまま放置されているという状態であります。われわれとしては、これらのきわめて貴重な土地でありますので、これを一日も早く有効に活用していきたいというのが趣旨でありまして、そのためには、これだけの多くの返還基地跡地の処理を進めていくためには何らかの基準がなくてはかえって有効活用が進められないという考えに基づいているわけであります。そのために一つの基準を考え、それに基づいて今後具体的に地元地方公共団体との折衝をやっていきたい、こう考えておるわけであります。  それで、これが裁量権を縛るから法律に違反するのではないか、越権行為ではないかということでありますが、われわれとしては国有財産法なり国有財産特別措置法の中でいろいろ与えられております権限の範囲内でやっておるつもりでありまして、もちろんこの点については法制局とも十分話し合いをしてやっていることであります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 それなら法制局も共犯だ。  では伺いますけれども、地方自治体の場合には、この基地跡地について学校をつくりたい、病院をつくりたい、キャンプ渕野辺の場合には高等学校三校と小学校、中学校一校ずっと、あとは運動公園として使いたいということで皆さんの方に利用計画までつくって地元の自治体が要請をしてきた。ところが、その計画は三分の一削られるということになるわけです。計画そのものを圧縮され、運動公園の大部分がなくなってしまうということになる。ではそのあとの三分の一、B地区、ここに入ってくる国または政府機関の方は利用計画というものを持って、どこがこの土地を使いたいということで来ているのでしょう。そういうことは具体的に煮詰まっているのですか。ほかの跡地でもいいです。全部について国または政府機関、ここをこういうように使いたいということで利用計画を持って全部出てきているんだったら、それは全部明らかにしてください。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 国なり政府関係側の利用計画の問題でありますが、これにつきましては、比較的話の進んでおりますキャンプ朝霞なり東京都下の東大和空軍基地跡については具体的にいろいろ案を提案して地元と折衝しているわけであります。  それからキャンプ渕野辺の問題につきましては、これはいろいろ国側の利用計画としましては必ずしもキャンプ渕野辺に特定されるものではなくて、キャンプ朝霞なりその他の首都圏の基地との絡み合いで決まってくる問題でありまして、現在各省と詰めている段階でありまして、具体的にいまどういうものがキャンプ渕野辺に予定されているということを申し上げる段階には至っておりません。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 それもまたけしからぬ話と違いますか。地方自治体の方はこの跡地についてはこういうように使いたいということで計画まで立てて政府の方に陳情をしている。ところが、うちのところが三分の一使うんだといって出てきた国や政府機関というのは計画も持っていない。そうでしょう。何にも煮詰まっていない。国だ、政府機関だという、その権威をかりて地方自治体が使おうとしている計画を横取りするのと同じことじゃないですか。そういうように地方自治体の計画を抑えてまで国が出なくてはならぬその根拠が、あるいはいま緊急必要性というものが、地元はもちろん、これをいま質問している私たちだって納得できるような状況になってない。ただ国のために用地を確保してあって、あと御自由にお使いなさい、こういうことで、基地公害で苦しんでこられた、あるいは人口急増地域で公共用地の取得に非常に困難を来している地方自治体がどうして納得できますか。そこのところにもこの統一処理基準の重大な問題があるのと違いますか。あなたはいま国または政府機関は利用計画を持ってないとはっきりおっしゃった。これはもう重大な問題ですよ。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 具体的にキャンプ渕野辺の跡地につきまして、これこれの省のこれこれの機関というのを申し上げる段階まで至っていないということでありまして、首都圏における国有地に対する国なり政府関係機関の用地の要望というのはきわめて大きいわけであります。  それで、キャンプ朝霞なり大和空軍基地の跡についていろいろ話は詰めているわけでありますが、それだけではどうしても国なり政府関係機関の要望には応じ切れないという状態にあるわけであります。それで、当然全体としましては、キャンプ渕野辺についても、国なり政府関係機関としていろいろそれを利用していかなければ需要が賄い切れないというぐらいたくさんの国側なり政府関係機関の要望があるわけでありますから、いまの段階で具体的に示し得る計画がないからといって、国側なり政府関係機関側の要望がキャンプ渕野辺についてないということではございません。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 時間がございませんのであれですが、たとえば東大和の場合には、これはもうはっきり決まっていますね。それは警察庁が使って、警視庁がそこを運動場みたいなものにするということでしょう。それからあと、いまおっしゃったキャンプ朝霞は、これは自衛隊でしょう。前から自衛隊がいるのだもの。そういうように決まっているものを除けば、地元の方はちゃんと利用計画を立てて具体的にお願いをしているのに、国の方は全然そういう計画のすり合わせもできていない。だから、地方自治体がなぜがまんしなくちゃならないのかという、ここの根拠はだれも判断できないわけです。国の側の必要性、緊急性、なぜこの土地を使わなければならないのかという点、そういうものは全く明らかにされないで、おまえたちは三分の一でがまんしろという、こういうやり方になっているところに問題があるということを指摘しているのです。これはもう十分に検討してもらいたい。  それから、最後に一点お伺いしますけれども、お金の負担だってそうですね。この特特会計による処理は、何も——「個々の返還財産ことに直接その返還財産に要した移転経費の額のみに応じて処分条件を定めることは適切とはいえない。」というようにこの答申では書いてありますが、しかし、たとえばキャンプ渕野辺を例にとりますと、この移転費には二十三億七千四百万円かかったということになっています。ところが今度三分の一で、しかもこの皆さんの有償処分の基準で計算をすると、七十六億円から七十八億円ぐらいになるんじゃないか。これも昭和四十九年から五十年の固定資産税の評価額の方法で計算をしてもそのぐらいの額になる。面積は三分の一になって額が三倍になるということになると、地方自治体の側から見ると九倍の負担をしょわされるのと同じことになるわけですね。こういう点でも、地方自治体の今日の財政状況というものを全く無視して、しかもそれぞれの国有財産法や国有財産特別措置法で減額譲渡やあるいは無償貸し付けの条項を決めているのに、その運用をきわめて機械的にやる、そして、当初お話をした大臣の裁量権そのものを、具体的なケースによって具体的に運用してうまみを発揮するというものを、これを全部殺してしまうということになるんじゃないですか。ここのところを一体あなた方はどういうように考えるのですか。そのことだけ伺って、ちょっと関連質問で小林さんがありますので、かわります。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○吉岡説明員 ただいまの移転経費との関連で、国有財産の払い下げの価格の問題でありますが、この答申にも述べられておりますように、今回の米軍基地の整理縮小というのは、全体としてこの整理縮小集約化が行われているわけであります。ですから、その要しました移転経費が個々にどこの基地の分に見合うのかということを対応的に考えることは非現実的でもありますし、実際問題として不可能なわけであります。  それで、われわれとしては返還財産全体に対応してこの移転経費を考えていかなければいかぬということで、キャンプ渕野辺に具体的に移転経費が幾らかかったからということではなくて、その有償の度合い、優遇措置を適用する範囲の度合いを統一して処理していきたい、こう考えているわけであります。  それから、先ほどのように、地元が考えていたより面積が三分の一なりそれから金額が三倍になるということにつきましては、どういう基礎で計算になられているのか私ども具体的に承知しておりませんが、地元はもともと全部無償でと考えておられたわけでありまして、それから考えますれば負担がふえることはやむを得ないということになるわけであります。そういう統一的な処理基準の結果こういうことになるということでありまして、われわれとしては個々に考えることはかえって公平を失するし現実的でない、こう考えておるわけであります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 もう小林さんに関連質問をお願いするので、時間がありませんのでやめますけれども、これからの米軍基地の移転経費を地方自治体に膨大な負担をさせて、それで結局賄っていこうということになるのですよ。そういう意味でも、特定国有財産整備計画とその特別会計についてはもっと地方自治体の実情に即した運用をやっていくことが必要ではないかということを考えますので、この点を指摘して私の質問は終わります。

森美秀自由民主党

○森(美)委員長代理 小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 大変短い時間でございますので、私は、福島信用金庫の深夜残業の問題、女子職員二名を含む五名の死亡事件について、二点にわたって簡潔に質問をいたしたいと思います。  この問題は、女子行員に深夜作業を行わせていたということで、単なる労働基準法違反、労働行政だ、こういう角度からだけでは考えられない。当然金融行政の立場からもその背景あるいは原因についてどのように政府当局が考えているのか、大蔵当局がこの問題をどう改善しようとされているのか、この問題について、私自身六月二十八、二十九日の両日、現地調査を行ってまいりました。そして、事故現場を初め、遺族の方々にも弔意を表しながら、その娘さんが常時あるいは月末の勤務の帰宅時間はどのような状況であったか、仕事の内容等についていろいろと話を伺い、さらに福島信金当局、労働基準局、財務部などからも事故の概況とその背景についてその実情を聴取し、調査をいたしたわけでございます。この中で、私自身本当に、これは起こるべくして起こった事故である、こういうことを痛感いたしました。  一例を挙げれば、国見支店の場合には、これは事故を起こした支店ですけれども、職員二十二名中男子十二名、女子十名、しかもこの中で残業の状況がどうなっているか、この点については男子の平均残業時間は、外勤の場合は一カ月十八時間、そして内勤の男子は三十時間、女子の場合には平均ですけれども二十二時間だ。これは年間に直しますと、女子の場合は二百六十四時間、まさに労働基準法に基づく一日二時間、週六時間、年間百五十時間をはるかに超える基準法違反が行われていたわけでございますし、しかも労働基準監督署は二回にわたって是正の勧告をすでに行っております。しかも事務の状態等を調査いたしますと、締め後の処理が午後七時を過ぎても終わらない、こういうような状況ですし、月末はもうこれは午前さまになる、こういうことが慢性的に行われていたという事実なども具体的に幾つか私は調査をいたしてまいりました。時間がないのでそのすべてを申し上げることができませんけれども、まさにこの業務量の増加に対する人的な体制も十分とられていなければ、慢性的時間外が公然と行われていた。これに対して経営首脳は、この基準法違反という状況について全くこれを無視して、そして残業時間のチェックすらも実際には何らやられていなかったという、こういった問題等も明らかになってまいりました。  今回この死亡事故が起きた背景と、明白な法違反が行われました金融業界の実態について、金融政策上、現状を一体どう認識されているのか。そしてまた、今回この不幸な事故を起こした原因等について具体的にどのようにお考えになり、そしてどう改善をされようとしているのか、この点について、まず第一点をお伺いしたいと思います。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤説明員 先生御指摘のように、今回私どもの監督をいたしております信用金庫におきまして大変痛ましい事故が起こりましたことを大変遺憾に存じております。  当信用金庫の状況を私どもなりに調べてみますと、ちょうど当日、五月三十一日の月末でございました。(小林(政)委員「経過は存じておりますから、時間もありませんので結論だけ……」と呼ぶ)この信用金庫の場合には、合併直後の忙しさとか月末の伝票の多くなったとか、いろいろな事情はあったにいたしましても、しかし先生御指摘のように、この重大なる法令違反を起こしたということはまことに遺憾なことと言わざるを得ないと思います。こういう小さな店舗の場合に、なかなか業務量が多くて仕事が夜に及ぶということは起こりがちなことかとは存じますけれども、しかし免許企業といたしましてこういう法令を守らなければいけないということは御指摘のとおりでございます。     〔森(美)委員長代理退席、委員長着席〕  早速この事故を承知いたしました直後に、まずは経営者におきましてこういう労働基準法の遵守につきましての心構え、これが最も大事なことだと存じまして、信用金庫の協会を通じまして傘下の信用金庫全部に通達を発してもらいまして、注意を喚起いたしたところでございます。  それからまた、具体的な当該信用金庫の責任問題等につきましては、私ども問題が労働省のあれでございますので直接ではございませんけれども、間接に具体的な指導を実はいたしまして、それぞれ責任者の責任をとらせるということになっておりまして、恐らくは明日その処分がはっきりといたすことに相なろうかと存じます。  なお今後の問題につきましては、あるいは信用金庫だけではないのかもしれませんので、全部の各金融機関につきましてこういうことの起こらないように具体的な指導、これは労働省と御相談をしながら実効を上げるように考えてまいりたい、こう存じております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 もう一点。この問題は福島信金だけの問題ではありませんでした。私は、やはり金融関係で相当広範にこのような事態が起こっていたという事実も調査をいたしてまいりました。私は、むしろ、この問題が単なる労働行政という立場からよりも、金融行政として具体的にどう改善をしていくか、是正をしていくかという点について後ほど答弁をしてもらいたいというふうに思いますけれども、私は、この原因が金融機関のやはり一つ過当競争が災いをしているというふうに具体的な事例を調査いたしてまいりました。その中には、結局預金勧誘ということで退社後、深夜にまで預金獲得のために勧誘に回らせる、しかもその現金を持って届けることができないから自宅に一晩置いて、そして翌日、朝出勤するときにその現金を持って出勤をする、こういったような事態も出てきておりますし、あるいはまた、個人の預金獲得の割当制度、しかも目標達成の場合にはクーポン券など、旅行券を出したり、こういうことをしながら、女子に至るまで相当ボーナス期間預金とかあるいはまたいろいろな名目を使って預金の獲得が慢性的に行われている。こういう問題がやはり過当競争を起こしている一つの原因ではないか。  最後にひとつ、閉店後の渉外活動というものは、これは禁止させる必要があると思うけれども、どうなんでしょうか。あるいは個人の割り当て制度というもの、こういうことが過当なまでに行われている、こういう実態の調査をおやりになりますかどうですか。そして自宅に現金持ち越しというような実態の是正をどうおやりになるのか。これはいずれも一行だけではできる問題ではございません。競争の激しい中で自分のところの銀行だけがいま言ったようなことをやれば、これは他の銀行との競争に太刀打ちできない、こういう事態が起こってくることも事実であります。したがって行政指導の措置として、これらの問題等について今後どのようにおやりになろうとされているのか、具体的な見解を伺って質問を終わりたいと思います。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤説明員 先生御指摘の、金融機関が預金獲得のために大変過度なことをやっている場合があるということは、私どももそう思っております。したがいまして、私ども前から、何周年運動でございますとか、そういう過度な行き過ぎがないように指示をしてまいっております。ただ、ただいま御指摘の、現金をうちへ持って帰りますとか、あるいは閉店後のいろいろ金を集めたり何かして回らなくちゃいかぬとか、こういうところは銀行の都合ももちろんあろうと思いますが、これはお得意様のサービスを求める声もなかなか最近は強うございまして、なかなかそこら辺の両者の問題があろうかと存じます。ただ、いずれにしましても、行き過ぎたことをやりますのはいろいろな面で問題を起こすおそれがございますので、行き過ぎは自粛してもらわなければならないと考えております。そういう線で具体的に指導をしてまいりたいというふうに考えております。

田中六助自由民主党

○田中委員長 坂口力君。

坂口力公明党

○坂口委員 大臣お見えになります前に、ほかの分からひとつお聞きしたいと思います。  来年度の予算編成のことにつきまして、最近新聞等にも若干出ておりますが、細かな問題はさておきまして、来年度予算編成に臨まれます態度、それからその大きな柱というものについて、まずお聞きをしたいと思います。

田中六助自由民主党

○田中委員長 大臣がおられますから……。

坂口力公明党

○坂口委員 それじゃ大臣お見えになりましたから、順を追ってお聞きをさせていただきたいと思います。  サンフアンの七カ国首脳会議の問題、きょうトップバッターの方のお話にもございました。これに臨まれます前、日本の政府の対処する方針としていろいろのことが報道されておりましたが、その中で、主要国は政策調整のための協調を強化する必要がある、こういう日本の七カ国首脳会議に臨む方針の中の一つの項目がございました。そこでこの政策調整、これはいろいろございましょうけれども、大臣向こうに行かれましていろいろの首脳とのお話し合いを通じて、今後どのようなことが一番大事であるというふうにお考えになっているか、この辺、ひとつお伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いまの世界の経済、大変相互依存関係が濃密でございます。貿易にいたしましても金融にいたしましてもそうでございまして、貿易でございますと、一国が保護主義をとるということは大変ほかの国に迷惑を及ぼすことになるわけでございますので、わが国といたしましても、御案内のように開放的な無差別の自由な貿易の拡大の方向に問題を進めておりまするし、関税政策その他もできるだけ引き下げの方向をとっておることは、端的に国際協力のあらわれでございます。  通貨、金融の面におきましては、ついこの間、御案内のようにポンドの問題について主要国が支援をいたしたわけでございまして、わが国もその一役を担ったわけでございます。そのためにポンドは安定した価値を取り戻しておるわけでございます。その他、技術の交流にいたしましても投資にいたしましても労働の移動にいたしましても、何にいたしましても国際協力の保証がなければ世界経済は動かないわけでございます。そしてその必要は年とともに濃密な方向に向いているように思うのでございまして、わが国が経済政策を立案する場合、それを運営する場合におきまして、このことは瞬時たりとも忘れてはならないことでございますし、現にそのようにいたしておるつもりでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 わが国の現在の黒字というのは長期的な傾向ではないから、他の国からそうとやかく言われるべき立場ではないという意味のことを大臣は言っておみえになりました。が、しかし今後の問題を考えますときに、将来におきましてはそういう懸念もなきにしもあらずと思うわけです。特にOECD等は早くから日本が輸出主導型の景気回復をしているではないかという指摘をしたように私も聞いておりますが、今後の景気回復、これはインフレなき経済拡大とけさおっしゃいましたけれども、この景気回復について、いままでの方針を今後変えていくのか、それともいままでの道を歩もうとしておみえになるのか。この会議を通じて、今後変えていこうというふうな気持ちを固められたのであれば、今後こういうふうにしていきたいというようなところを、簡単で結構でございますからひとつお聞かせいただきたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いままでやってまいりましたこと、現にやっておりますことに間違いはないと思うわけでございまして、特に政策のやり方を変えなければならぬという考えはサンファン会議を通じましても持っておりません。

坂口力公明党

○坂口委員 時間がございませんので、この問題はこれだけにさせていただきたいと思いますが、初めにちょっとお伺いしかけたのでございますけれども、来年度予算の編成についてぼつぼつ新聞等もにぎやかになってまいりました。その中で、来年、特に税制上の問題のどういうふうな改革をしていこうと考えておみえになるのか、大きな柱だけで結構でございますから、ひとつ簡単で結構でございます。お聞かせ願いたいと思います。

大倉真隆大蔵省主税局長

○大倉説明員 来年度の税制改正につきましては、実はまだ時期が早過ぎるものでございますから、景気局面がどうなるのか、どういう経済情勢であるのかということにもう少し時間をいただきませんと、いまから具体的にどの程度の歳入を必要とするかということが実は数字的にわかってまいらないわけでございます。したがいまして、当面は税制調査会にはむしろ来年のことでなくて、五十年代前半を展望しながら、今後ある時期に何らかの負担の増をお願いしなくてはならぬと思いますが、その場合にどういうタイミングでどういう税目で考えたらよろしゅうございましょうかという、むしろやや中期的な問題についていま御審議をお願いし始めたところでございます。五十二年度に具体的にどういうことになるかという点につきましては、やはりこの秋かなり深くなりませんと、数字的な見当がついてこないというのが現状でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 現在の情勢のいかんによってはというお話でございますけれども、しかし、今年度におきましてもこれだけの赤字国債を発行したわけでありますし、来年度がそう急激な変化を遂げてそして状態がよくなるとは考えられない、こういう状態でございますから、税制の改革を加えていかなければならぬことだけは、これは当然だと思いますし、またその用意というものを万端怠りなくこれはやるべき問題だと思うわけであります。ですから、現在の景気の状態によってこれがどう変わるかわからないから、この問題もまだもう少し先の話だというわけにはいかない、もっと差し迫った問題があると思うわけです。そういう中で、ちょっといまの御答弁は余りにも控え目過ぎる発言じゃないかと思うのですが、もう少しその点お聞かせいただきます。

大倉真隆大蔵省主税局長

○大倉説明員 先ほど私がお答えしましたのは舌足らずであったと思いますが、五十年代前半を通じまして、やはり私どもとしては前半に特例債依存から脱却する。しかも、経済計画に盛られておりますようなある程度の福祉の水準の向上ということも考えるということになりますと、どうしてもある時期に何らかの負担の増加をお願いしないと全体としてのバランスがとれない、これはどうも避けて通れないと思っております。したがいまして、中期的に、どのタイミングで、どういう税目で負担の増加をお願いするのが最も適当であるかということを、いまや作業をお始めいただくようにお願いをしておる。したがいまして、それが五十二年度改正に間に合ってくれれば一番望ましいわけでございますが、仮に何らかの方向がそこで打ち出されたといたしまして、さて、五十二年度に具体的に何を取り上げ、どの程度のことをやるのかということになりますと、それは先ほど申し上げましたように、来年度の歳出の水準がどうなるか、国債発行額をせめてどこまで圧縮しなくてはならぬか、それに見合う自然増収は一体幾らあるのかということと一緒でないと決められないわけでございます。したがいまして、大体御審議を重ねて方向をある程度打ち出していただいた中で、五十二年度は具体的にその全体の方向と狂わないものとして、またそのときの見込まれる経済情勢にそぐうものとして何ができるかということは、やはり具体的にはどうしても十月とか十一月とかいう時期になりませんと、いまの段階で具体的にどの税で幾らというふうなことはちょっと申し上げかねるわけであります。

坂口力公明党

○坂口委員 そんなに細かく言っていただこうとはこちらも思っていないわけであります。もちろん変動もございましょうけれども、その変動の幅というのはあらあらの予測のつく幅ではないかと思うわけです。しかしこれは時間がありませんので、何遍やっておりましても結論出ないと思いますが、もう一つ具体的に、新聞報道等を見ますと、来年度は当然増経費を極力抑えるというようなたてまえから、たとえば老人医療など福祉関係の見直しをやる、あるいはまた国鉄運賃の二年連続大幅値上げ等のような文字がかなり出ているわけです。これは老人医療の無料化になりまして、なるほどいろいろの問題、確かに出ておりますが、これを来年度はかなり思い切った改革を——改革と申しますか、手直しをして、個人負担というものをかなりふやすのだというようなにおいの文字が報道されておりますが、その辺のところは、ある程度これは話に出ておるのでございますか。簡単で結構でございます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 そういった問題はこれからの検討でございますが、ことしの予算編成のいきさつから申しまして、老人医療のメリット・デメリットの検討は一年間一つのタイミングをかそうじゃないかということ、かしてもらおうじゃないかということになったのです。ですから今度、来年度の予算編成までの間によくメリットもデメリットも検討した上でどういたしますか考えさせていただこう。問題は五十年代前半に赤字財政から足を洗うということを何としてもやり遂げなければ申しわけないのではないか。そのためには歳入、歳出全体にわたりましてあらゆる知恵をしぼっていかなければならぬのではないかと思いまして、老人医療ばかりでなくいろいろな問題についてそういう観点から極力努力を傾けて、そういう目標の達成をいたしたいものと、いま願っておるわけでございますが、具体的な項目について一々具体的な答えをいま出せるというような段階でないことは坂口さんも御承知のとおりでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 税制調査会の報告等でいつも問題になります企業優遇税制の問題とそれからもう一つ医師課税の問題がございます。きょうも時間ございませんので細かく聞くことできませんが、厚生省の方もお越しいただいておりますので一言だけお聞きをしておきたいと思います。  この医師課税の問題は、結局診療報酬の適正化とにらみの問題でございます。その点で、今後この問題をどのように進めていかれるかということをお聞きをしたいわけでありますが、何か四月の二日に閣議決定で今後の取り組み方等についても一つの方向を出されたようでございます。大蔵省の方それから厚生省の方、簡単で結構でございますが現在のお取り組み、どの程度かということをひとつまずお聞きをしたいと思います。

大倉真隆大蔵省主税局長

○大倉説明員 最初に私の方からお答えいたしますが、これはかねてから非常に批判の多い制度でございまして、主税局長だけの立場で申し上げれば、税という角度から言えばこれはやはりやめていただきたいということを言い続けてここまで来ておりますけれども、しかしまさしく御指摘のようにこれは医療問題全般と非常に複雑に絡み合っている問題だということで、今日までいまだに具体的な改正案をお出しできないで来ておるわけでございます。その意味で、本年の四月に、診療報酬のあり方などを含めまして医療問題全般についてもう一度専門的な学識経験者の方々から御意見をひとつ体系的に伺いたい、それを厚生大臣のところでやっていただこうということを閣議決定していただいて、私どもとしましては、できるだけ早い機会にその審議の結果が出てまいりまして、それを踏まえて税として適切な措置をとらしていただきたいと考えておりますが、現在閣議決定に沿いまして具体的にどのような進み方になっておるか、それにつきましては厚生省の方からお答えをいただきたいと思います。

中野徹雄厚生大臣官房審議官

○中野説明員 ただいまも主税局長から御答弁がありましたように、ことしの四月でございましたか、厚生省で医療問題に関する専門学識経験者の意見を体系的に聴取いたしまして、そういう具体的な検討の結果を待って租税特別措置のあり方について検討をしていただく、こういう閣議の決定があったわけでございます。  先生御指摘のような診療報酬の適正化という問題につきましては、これはいわゆる診療報酬課税の特例についての超党派的な議員立法が行われた際の国会側のお考えに示されている点でございまして、その適正化そのものについて役所の側でいろいろと考え方もあるわけでございます。いずれにしましても、その適正な報酬水準、あるいはわが国の診療報酬が今後日進月歩いたします医療の進歩というようなものに即応し得るかどうか、また、医療の世界が十分に人的、物的資源を引きつけるだけの高さにあるか等の問題すべてを含めまして具体的な検討をしてまいり、それを大蔵省側においても参考にしていただくというふうに考えておるわけでございます。ただ残念ながら、厚生省側におきましてはここ数カ月間医療問題におきまして、御案内のとおり歯科の問題その他いろいろ問題が山積をいたしておりまして、この問題についての具体的な人選その他につきましてまだ最終的な結論に到達いたしておりません。これらの問題につきましては今後なるたけ速やかに具体的な段取り、人選等を決定いたしまして問題の検討を急ぎたい、かように考えておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 いまお話しいただきましたように、この問題は企業の準備金でありますとか引当金とかといったような問題とは、いわゆる異質のものでございまして、根本的に違うと考えているものの私も一人であります。先般、社公民三党が税制改正の法律案を出しましたが、その中でも第十条に診療報酬の適正化を挙げておりまして、この適正化とあわせて解決しなければならない問題であるというふうに考えているわけでございます。  そういたしますと、厚生大臣のもとに今回置かれるといいます。審議会になりますのかどういう会になるのかよく存じませんが、結局大体めどはどのくらいのところに置いて今後審議をされるのか、あらあらのことがもしわかっておりましたら、ひとつお答えをいただきたいと思います。

中野徹雄厚生大臣官房審議官

○中野説明員 事柄が医療全体にわたる問題でございますので、医療そのものの専門家、あるいは経済現象としての医療全体を御検討いただくような医療経済と申しますか、そういうフィールドの方、あるいは事柄が財政にも関連いたしておりますのでそちらのフィールド等、恐らく人数から言えば十人前後の方々から、いろいろと段取りをし、システムを含めまして具体的に御意見を承っていく、またいろいろ役所の方でも他の研究等もございますので、それをもつけ加えるというふうないろいろなやり方があろうかと思いますが、時期的には、私らの方の考えといたしましては、恐らく一年ということではちょっと時間的な余裕がきつ過ぎるのじゃないかというふうに考えておりますので、おおむねめどといたしましては二年程度の時間的な余裕をいただきたいというふうに大蔵省側にもお願いをいたしている次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 話がもとに戻りますが、五十一年度には不公正税制の是正ということで租税特別措置も十一項目廃止、五十八項目の整理縮小ということがあったわけであります。これらの点は皆さん方側から言わしむれば非常に大きな改革をやった、こういうふうにおっしゃるわけですが、われわれの側からはやっと是正の入り口にたどりついたというふうに考えているわけです。この租税特別措置の是正、これは引き続き本年もやられるかどうか、これはひとつ具体的にお聞きをしておきたいと思います。  それから大臣には、先ほど老人医療の問題を申し上げましたが、全体の中で老人医療の占める割合が非常に多くなってきていることは私もよく承知をいたしております。しかし、これに一部負担をかけるというようなことで、せっかくお年寄りが自由に診療を受けられる体制になったのをまた逆戻りさせるというようなことがあっては断じてならないと思うわけであります。その点、強くそういうことがないようにひとつ配慮をしていただきたいということを要望しておきたい。  最後に、税制の問題をお聞きして終わりにしたいと思います。

大倉真隆大蔵省主税局長

○大倉説明員 将来ある時期に負担の増加をお願いしなくてはならぬ、ただ、その場合には、当然の前提として、歳出面でできるだけ資金の効率的な運用を図り、むだを排除すると同時に、歳入面では納税者から不公平だと思われている項目をすべて洗い直してその是正に努めなくてはならぬというふうに考えまして、つとに昨年の夏から税制調査会にそのための具体的な審議をお願いしたわけでございます。昨年いっぱいかかりました作業の結果は、先般特別措置法の一部改正として御提出いたしまして成立させていただきました。おっしゃいましたように、お立場、お立場であれでは非常に不十分だという御批判があることは承知はいたしておりますけれども、私どもとしては相当思い切ったことをやったつもりでございまするし、また税制調査会の答申の中でもこの時期にここまでやれたということについてはそれくらいの評価をしてもいいと思うということをわざわざお述べいただいておるわけでございます。しかし、これで全部が済んだというふうに考えているわけではもちろんございません。引き続きまして、昨年の作業の中でなお残されている問題があるのではないかということで不断の努力を続けてまいりたいというふうに考えております。  ただ、具体的に法人税関係の特別措置につきましては、率直に申し上げて昨年は期限の来ていないものまで全部取り上げて一応の整理をさせていただいておりますので、今後はやはり期限到来分が中心になった検討が引き続き行われるということになるのではないか。そのほかに資産所得、これは所得税系統でございますが、これについて従来からいろいろの御批判のある問題を今後引き続き取り上げて勉強をしてまいりたい、そう考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 終わります。

田中六助自由民主党

○田中委員長 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 きわめて簡単に二、三の問題を伺ってみたいと思います。  第一は、法人税、所得税の時効の問題ですけれども、御承知のように今度のロッキード事件については国税庁の職員の皆さんが非常に真剣に取り組んでおる、このことは国民も高く評価しておると思うのです。今度の事件で、これは国税の問題だけではありませんけれども、時効、時効と言って時効のことをみんな非常に気にする。そういうところでちょっと考えてみたのですけれども、所得税、法人税等が一応一二年あるいは特別な場合に五年。まあ法的な安定ということを考えると、余り長いということも問題でありますから、一応の期間三年なり五年なりというものがあればいいではないかというふうにも考えますけれども、多国籍企業の最近におけるあり方等を見て、特に今回の場合でも、たとえばコーチャンがアメリカでしゃべったから気がついたということだけれども、今後毎回しゃべってくれるわけではないので、そういう点から考えて、時効というものが特に長くなったから非常に弊害が出るというものではない。むしろそれよりも、やはり悪いことをした者は、あるいは脱税した者は必ず最後にはやられるんだということの確信をみんなに持たせた方がよりベターではないか。そういう意味で、これは刑法の問題にも関連があると思いますけれども、考え方として、犯罪が国際的犯罪になり、非常に複雑な様相を示しておる。しかも、これがなかなかわれわれにキャッチできないというような情勢を今後相当長期にわたって考えなければならぬということになれば、今度の場合だって、これは国税だけではありませんけれども、時効にかかっていた者もおるし、かからない者もあるし、かかりそうな者もある。そういうことでわれわれ国民の立場から見ると、非常に不安や不満があるわけですけれども、税についても、そういう意味で時効のあり方について新しい国際的な情勢を考えながらひとつ再検討してみる、そういう御意思はないかどうか、あるいはすべきではないかと思うが、その点についてどういうふうにお考えであるか、その点だけひとつ伺っておきます。

大倉真隆大蔵省主税局長

○大倉説明員 御質問の中で、二つの側面があるように存じます。一つは、税法上の適正な課税を実現するための更正決定の期間をいつまでと考えたらよろしいか。これは竹本委員がただいまおっしゃいましたとおり、普通のものは三年間、偽りその他不正の行為によって免れた場合には五年までできます。これは私ども除斥期間と申しております。まさしく、おっしゃいましたような経済取引の安定性というふうなものとのバランス上、これは五年をさらに延ばしていいのかどうかという問題については、今後とも私どもももう一遍考えてみる必要があるのかもしれません。ただ、やはり六年、七年前のことをさかのぼって直していくということについて、必ずしもいま直ちに延長の方向で考えますとまで申し上げる自信は実はございません。  もう一つの問題は、今回特にクローズアップされました公訴時効の問題でございますが、これは刑事訴訟法の方で刑法及びたとえば税法などの刑事罰を持つ法規におきます罰則の重さによって時効の期間が決められておることは御承知のとおりでございまして、その意味では現在の所得税、法人税の脱税の罰則が三年以下の懲役ということになっておるがために、公訴時効が刑事訴訟法の二百五十条の規定で三年間になってしまう。したがって、四年目になると、偽り、不正の行為があったということで更正はできるけれども、もはや刑事罰を追求することはできないという仕組みでございます。したがって、公訴時効の側面では、これは刑訴法二百五十条を一遍に書きかえるというわけには恐らくまいりませんでしょうから、いまの所得税法、法人税法におきます罰則の三年以下というものがそれでいいのかどうかという問題として今後検討されるべきものである。ただ、三年以下の懲役という規定そのものは、やはり刑事局におきまして、他の違法行為に対する罰則とのバランスをとりながら、多年の議論を重ねた上で現在そう規定されておると私は承知いたしておりますので、今後の問題としまして脱税犯の罰則が三年以下の懲役でよろしいかという問題として改めて議論をしてみるという問題であろうかと思います。

竹本孫一民社党

○竹本委員 大臣に一つお伺いしたい。いま主税局長からいろいろ御答弁がありましたけれども、私が問題提起をするのは、要するに新しい情勢に対する政府の基本的な取り組みというものが常におくれておるといいますか、手ぬるいといいますか、そういうところに一つ問題がある。  多国籍企業のあり方についてもこれからいろいろと議論が出たり、あるいは法案も用意されるかと思うのでございますけれども、常に情勢の動きに対応が遅過ぎるということをぼくは心配するわけですね。そういう意味で、やはり社会的な正義感の上から言っても、あるいは政治の政策効果の面から見ても、対応というものは早くなければいかぬが、それを行政指導なんかでやる、これは法的な基礎を持たないままにやってみたりするようなことになると、これにも問題がある。したがって、法律は——これは議会の能率も余りいいと私思いませんけれども、しかし政治の対応というものはタイミングを誤ってはならぬ。そういう意味で、この時効の問題も含めて、新しい情勢が発生し、新しい条件ができてきている場合には、もう少し政府全体の対応というものを早くすべきではないか。少し手ぬるい、ツーレートではないかというふうにぼくは思うのです。後で、さきの米の問題についても一口申し上げてみたいと思いますが、全体として政治の姿勢、取り組みのあり方が常に遅過ぎはしないか。もう少し、先手を取るというのが一番先なんだから、先手まで取れなくても、対応のタイミングを誤らないようにすべきではないか。この点について大臣はいかなるお考えをお持ちでありますか、お伺いしたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 適切な対応をタイムリーにやりたいものだと思うのです。下手な対応はあらかじめやったりしてはいかぬと思うので、やっぱりやる以上は適切でなければならぬと思うのでございます。したがって、事態の掌握にいたしましても、なまはんかな掌握の上に立って政府があわてるというようなことは決してほめたことではないと思うわけでございますので、そのあたり正確に申しますと、政府として適切な対応がタイムリーにできるような心構えは常に持っておるべきでないかという御提言といたしまして、いまの竹本さんの御発言は尊重いたしたいと思います。

竹本孫一民社党

○竹本委員 下手な対応というのは対応のうちに入らぬとぼくは思うのですけれども、とにかくタイミングに合ったりっぱな対応を考えてもらいたいということを要望しておきます。  次に第二番目は、国税の職員の処遇の問題でございますけれども、人事院の勧告という問題は現在どういう取り組みを一体されておるか、一般的な問題をまず伺っておきます。

茨木廣人事院事務総局給与局長

○茨木説明員 国税職員の給与関係の取り扱いについては、基礎が行政職俸給表の(一)でございまして、それとの関係で税務職俸給表を相当の優遇をしながら考えている、こういうような関係に相なっております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 後で懇談のチャンスもあるようですから、結論だけですけれども、私は、やはり二五%の水準の回復、水準差の拡大という問題も一遍にいかないので、これは目標をどの辺に置くか、そして何年ぐらいでこれに近づいていくか、たとえば三十二年ごろの一三・三%の水準を一応の目標とするなら目標として、それに毎年一%ずつ近づけていくとか、あるいは三年計画でやるとか、そういう基本的な見通しあるいは計画なり考え方を持っておられるのかどうか、その点だけちょっと伺っておきたい。

茨木廣人事院事務総局給与局長

○茨木説明員 いま御指摘されましたポイントについては、関係職員の団体等からも累次そういう御意見がございまして承知いたしております。  まず二五%の点について申し上げますと、これは終戦当時の各俸給表等の間の問題としてそういう姿の時代がございましたが、例のドッジ・ラインのときであったと思いますけれども、竹馬経済を切るんだというときに大体二分の一程度にその相対関係が修正された時代がございます。これは国税職員だけがそうなったわけでもなし、また給与だけがそうなったわけでもなく、いろいろな面についてそういう問題があったわけでございます。したがって、それを目標にということは、私どもといたしましては現時点においては考えるべき問題ではないというふうに考えております。  それから、第二点にございました一三%台の問題でございますが、これは、現在の行政(一)の方の俸給表は八段階制度でございますが、三十二年当時、従来の十五段階から八段階に変わったわけでございまして、その当時の置き変わる直前の姿についてそういう率が論議されておるようでございますが、その当時と現在との関係でいきますと、私どもといたしましてはやはり二つの問題点を考えていかなければいかぬというふうに考えております。一つは、給与改善の方法といたしまして、俸給表上どういう関係で行政(一)と税務職俸給表の間を見ていくかという問題が一点。それからもう一つ、職種間についてもそうでございますが、年齢別分布というものがやはり変わっております。それぞれの職場によっても変わっております。そういう関係から、級別定数というような関係で対応していく面がございます。この点は予算時期にということで、給与改善の勧告と切り離しまして、九月以降各省庁と相談をいたし、また予算当局とも相談をいたしまして、毎年のあるべき姿を予算書の方に出していただくと、こういうようにしておるわけでございます。  そういう点でいきますと、三十五年から現在までの姿を見てみますと、御案内のように、税務職俸給表は七等級から始まっておりますし、行政(一)は八等級から始まっておりますが、約五年間に税務職俸給表の人員分布の一番多いところは一つずつ上がって改善を加えております。ですから、七等級に三十五年ごろこぶがありましたものは、五年後には六等級、それから四等級、三等級というところにいま現在こぶがかかってきております。一方、行政職俸給表の方は、それが一段階少のうございます。三十五年当時、七等級にこぶがありましたものが、一つ上がるのに約十年間かかりまして、六等級のところにこぶがいき、ようやくいま五等級のところにこぶが来ておるというようなことで、したがって、そういう面で見ますと、大変国税当局も努力されたわけでございましょうが、専門官制度をつくりましたりいろいろそういう対応されました結果を反映しておるわけでございましょうが、等級別定数的に見ますと、一般行政よりも大変水準が上がっておる、そういう面が一つございます。そうでございますから、俸給表上の問題と、それからそういう級別定数上の問題と、相乗積でやはり検討をいただかないと大変むずかしい問題が出てまいります。  大変技術的なことになりますけれども、行政(一)俸給表とこの税務職俸給表との相対関係では、下級の、要するに現場により密着しました等級の方々をより優遇するということで、下位等級の職員ほど水準差が高くて、上位等級になりますとだんだん行政事務の方とそう変化がなくなるということで、だんだんこの水準差の率が少なくなるようになっております。そういう関係で、いま言ったように、十五年間で行政よりも一段階上の等級に上がってくるというような非常に有利な改正を  一方加えております関係上、相対的にはやはり水準差がどうしても押さえぎみになってくるという動きが一方にあるわけでございます。その辺をやはりよく御理解いただきませんと、私どもとしましては手取り額から見ていただけば十分優遇をしていただいておるはずでございますけれども、なかなかそこが御理解いただけないということで、大変つらい立場だという気持ちを、実は私どもの胸中には持っておるところでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 国税庁長官がいらっしゃるから一口だけ。この水準差の問題とかあるいは中高年齢層の処遇の改善の問題、そういう問題について、国税庁としては最近、人事院と具体的に折衝なさっておりますか。

田辺博通国税庁長官

○田辺説明員 御指摘のように、この水準差自体がやはり問題でございます。例年これは人事院の方でも御助力願っておるところでございまして、五十年度の分につきましても水準差の率は若干上げていただいているというような状態でございますので、大変この点は感謝しているわけでございますが、ますます水準差自体につきましても私どもはもう少し引き上げてもらいたい。それからまた先ほど給与局長からお話がありましたように、高年の人たちの実際の昇格のスピードを速めるとか、昇格の率を高めるとか、そういうようなことで、実際の手取りといいますか給与の面でもその点をアップしていきたい、こう考えております。  実は、ただいま御質問がございました、何をやっているのだ、最近何をやったかということでございますが、私の対外的な仕事始めは人事院総裁に対してその辺のことを陳情することから実は始まったわけでございまして、せっかく努力をしております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 これは御承知のように各党協力で附帯決議も満場一致で通っておりますし、しかも二年引き続いて通っておる問題ですから、やはり積極的に取り組んでもらうように要望して終わります。  次に、投資調整税制度を検討してみたらどうかということなんですけれども、御承知のように最近の景気の動きを見てみると、法人税が六七%ふえたというようなところを聞くと、ばかに景気がいいのだけれども、やはり全体として見れば進捗率の割合等を見ても、所得税も法人税も一向ばっとしない。さらに日銀券の動き、対前年同月比の増加率等を見ても、一二・二%になったかと思うと、また一〇・七%なんというようなところへ落ちてくる。結局いま大きな景気の問題は、表面的には相当動いてきたように見えても、実質的には本格的な個人消費というものがふえていない。それから設備投資が動いてきていない。個人消費が本当に動かなければ在庫の積み増しもないし、したがって、また設備投資が動いてこないのもきわめて当然だと思いますが、そういう観点から——これは当面の問題もありますし、あるいは制度という考え方から、より根本的、長期的な展望という問題にも関連するわけですけれども、私は、民社党としましては、経済安定計画化基本法というような構想を持っておりますし、具体的にはドイツの一九六七年の法律、経済の安定、成長というような法律の政策手段というものは大体——そのままとは国情が違いますからなりませんし、また議会のあり方についても違う点がありますから、そのまま持ってくるべきとは思いませんけれども、考え方としては日本が本当の意味で安定的な成長をやるということになれば、安定的な成長を可能ならしめる環境づくり、その政策手段というものがなければならぬ。ただ自由経済で経営主体が四百万も五百万もおるものが、私の言う自由勝手に分列行進曲をやっておる。しかも、その結果がうまくすべて総合調整ができる、整合性が確保できる、そんなことはあり得ないことでございまして、本当の意味の安定的な成長を確保しょうと思えば、それに必要な環境づくり、それに必要な政策手段というものを用意しなければならぬではないか。これは経済全体に対する一種の計画化でございますから、改めて論じたいと思いますけれども、そういう政策手段の一つとして投資調整税といったようなものを考えたらどうか。これは二つ、プラスの面とマイナスの面がありまして、景気が行き過ぎるような場合には税金をかけて、ドイツはこの前一一%をかけましたけれども、そういう形で行き過ぎを抑える、そういう努力をする。いまのように景気が沈滞して設備投資が全然動いてこない、このままで行けば将来はあるいは供給力の不足も心配になる、それでも動こうとしない、こういうような場合には若干税制で、ドイツの場合は奨励金を出したそうですけれども、税額控除か何か、アメリカもやっているような工夫をする。いまはどうというんではなくて、私の言うのは、制度のあり方としてそういう安定的な成長を確保するための環境づくりなり政策手段の用意というものが要るではないか、その一つとして投資調整税というものを積極、消極両面から用意するということは、一つのそれこそ時宜に適した考え方ではないかと思いますが、いかなるお考えであるか、伺いたい。

大倉真隆大蔵省主税局長

○大倉説明員 ただいま御指摘のように、設備投資が主因で過熱の危険があるときには投資税、または設備投資を財政面から誘導したいときには投資補助金あるいは税額控除という物の考え方は、かなり以前から提示もされておりますし、私どもなりに内部的には議論も続けてきております。竹本委員よく御承知なので釈迦に説法でございますが、そういう議論をしておりますときに一番制度としてむずかしいのはやはり租税法定主義との関係のように私は思います。各年度で決めるのであればそれはそれぞれの税制改正でお願いできるわけでございますが、ただいまの御提案のような御趣旨で言えば、それでは実は不十分である。年度の途中で判断をして、プラスの方かマイナスの方かを発動するというシステムでないとややおかしい。その場合に一体どういう条件ならば行政府の権限でそれを発動させていただけるのか。これはやはり税負担に直に関係する問題でございますので、租税法定主義を、率直に申し上げてわが国では非常に厳密に解されておるように私、思いますから、そういう国会での御論議の中で果たしてシステムとして受けとめていただけるかどうか。さらにそのためには合理的な発動基準というものが見つからないといけない。遺憾ながらいままでのところ、いろんな先行指標でございますとか公定歩合でございますとか、いろいろ中で議論してみましても、どうもこれだというものがなかなか見つからないという感じがいたしております。なおそのほかに、そういうことをやるとすればそれは景気調整資金を同時に持たなければいかぬ。それは財政法の原則を変えてある程度多年度運営という考え方を持ち込まなくてはいかぬという問題ももちろんでございます。さらに、ここに至って非常にむずかしくなりましたのは特例債を抱えてしまっておる。仮におっしゃるお言葉で言えばプラスの方、税を取るというときに、それは調整資金にためておくのか特例債をなくすのかということになりますし、逆に特例債を出しながらなおかつある程度の補助金なり税額控除をやるということがどの程度できるのかということにもなりますし、やはり五十年代前半に特例債依存から脱却したいということがいわば財政当局への至上命令になっております状況では、システムとしての勉強は引き続き十分いたしてみたいと思いますが、これを具体的に持ち込むというのにはやや環境が悪くなってしまったというのが私のいまの率直な感じでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 大臣、アメリカに行かれたときに、御承知の問題になっている日本の輸出が急激に伸び過ぎるという問題が出たと思うのです。結局これは円の切り上げがいいか悪いかという問題にもつながるでしょうけれども、別の観点からすれば、国内の景気の進行が不十分であるから輸出ドライブがかかり過ぎる、それがアメリカに向けて五〇%、六〇%の輸出超過になるという形だと思うのですね。でありますから、もちろん景気が出てくれば輸入がふえるという一つの説明もできるわけですけれども、いま日本で一番大事なことは、対外的な摩擦を余り起こさないようにするという見地からも、国内の景気を刺激するということだと思うのですね。これには、物価が上がり過ぎて卸は一年続いて上がっているといったような問題、そういう心配もあることも事実ですけれども、何にしてももう少し国内の景気を出していくということがすべての前提になる。そういう意味でわれわれは三万円減税も大衆の購買力を充実したいという意味から論じておるし、それから設備投資についても、いま言ったように、何とかこの機会に設備投資を少し刺激する税法上の手段が必要ではないか、そういう努力をやらないと、国際的な面から見てもますますフリクションが起こるではないかというふうに心配をするわけでございますけれども、大臣はそういう国際的なフリクション等に対していかなる対策、手段で臨まれようとしておるのか、あるいは国内の景気を刺激するために減税なり投資調整税といったようなものを考える余地があるのかないのか、その二つの点をちょっと大臣にお伺いしたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 けさほど佐藤さんの御質問に答えましたように、今度の私どものアメリカ旅行を通じまして、日本の為替政策、貿易政策が問題にされたことはなかったわけでございます。その理由はけさほどお答え申し上げたとおりでございます。問題はこれから先の問題でございますけれども、輸出がこのまま順調に持続性を持った姿で伸びてまいるかどうかでございますが、いまの場合まだ地域は限られておりますし、品目も限られておるわけでございまして、本当に輸出に期待を大きく持っていいとまで断言できるとは申し上げられませんけれども、しかし六月の数字は私どもが予想しておったよりもっといい数字が出てきておるようでございまして、やや希望が持てる状況でございます。それから住宅投資にいたしましても消費需要にいたしましても、比較的安定した着実な推移をたどっておるわけでございますし、また銀行や証券会社等の調査によりますと、投資需要の方にもやや明るい展望が見えかけておるわけでございます。したがって、いま政府が、あなたの言われるように、景気を刺激しなければならぬ、積極的に刺激するという、いままでとっております政策にプラスして景気政策をさらに強化していくということをやらなければならぬかというと、私どもはそうは考えていないわけでございまして、いまの状態で、いまの政策の基調は変えないでよろしいのではないかと考えております。しかしながら同時に一部に言われておりますように、景気が過熱に向かう懸念があるのではないか、物価も心配なので引き締め基調に転じなければならぬでないかというお説もあるわけでございますけれども、そういう議論にもくみしないわけでございまして、いまのところ、いままでとってまいりました政策基調を変えることなく手がたく推進していくことで必要で十分ではないかというのが、いま政府の考え方でございまして、しばらくこういう状態で事態の推移を放置させていただきたいと考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 時間がありませんからこれで終わりますが、最後は要望です。  先ほど一番最初にも申し上げましたけれども、タイミングを誤らないように政策面の対応をやってもらいたいということと関連をしまして、先ほど米価の問題が出てまいりましていろいろ議論がありましたが、私の感じを率直に申し上げまして、改めてまた論議をさせていただきたいと思うのですけれども、そういうことを言うと語弊がありますが、一つは政府の対応というのは余りにも事務官的であるではないかということですね。たとえば赤字があるときには減税は無理だ、これは一応そのとおりもっともだと思うのですよ。しかし、それならアメリカはどうだという議論もまたできるわけで、とにかくステーツマンシップというものは、むちゃするのがステーツマシシップとは思いませんけれども、少し次元を高めてより大きな立場から見る、考える、対応するということが最近の日本の政治、政府の御施策の中には何だか足らなさ過ぎるという感じを私は持っておるので、率直にそのことを申し上げておきたい。  それから、あわせてたとえば米の問題で言いましても、いわゆる市場原理だ、市場原理でいくべきものかいくべきでないのか、あるいはいくべきとしてもどこまでいけるのかという問題についてはっきりした図が書かれていない。何だかそのときの情勢あるいは陳情団の動き、あるいは与党の動きといったような外部的な動きで、先ほどもちょっと御議論がありましたけれども、理論的、科学的なデータに基づいての考え方というようなものがどうも全般的に少ないのではないか。市場原理でいくべきものはいく、いけないものはいけないとはっきりすべきではないか。次に、いかない場合にも、構造的な矛盾というものが資本主義のいまの発展の段階ではいろいろな面に非常に深刻に出ておりますので、それにメスを入れるという覚悟、決意、対応というものがなくて、それこそ事務的に対応するということになれば、すべて何だか不徹底なものにならざるを得ない。私は、農村の問題も本当の意味の構造改革といったようなものに本格的に取り組まないで、後ろ向きの予算ばかり幾らつけてみても本当の問題の解決はないと思うのですけれども、一方ではそれは余りやっては大変だという赤字の心配がある、一方ではまた本格的な取り組みは当分お預けという形になっておる。そういう点についても、より基本的な分析なり取り組みなりが必要ではないかというふうに思っておりますし、さらにもう一つ言うならば、戦後のわれわれの政治の姿勢あるいはエゴイズムのあり方、そういうものまで掘り下げて、もうこの辺で一遍それこそ出直し的改革かみそぎか知りませんけれども、根本的に一遍やらなければならぬところにきておる。それは事務的な対応では問題が解決しないと思っておりますので、その点はひとつ十分おくみ取りをいただきたいし、改めてまた十分論議をさせていただきます。  きょうはこの辺で終わります。

田中六助自由民主党

○田中委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後五時十四分散会

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