大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/04/28
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 これより両案について、政府より提案理由の説明を求めます。大平大蔵大臣。 ————————————— 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組 合等からの年金の額の改定に関する法律等の 一部を改正する法律案 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○大平国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、その額を引き上げることとするほか、年金額算定方式の改善、廃疾給付及び遺族給付の改善、最低保障額の引き上げ、恩給公務員期間等を有する者に対する特例措置の改善、短期給付の任意継続組合員制度の改善等、所要の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、国家公務員共済組合等からの年金の額を改定することであります。すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法に基づく年金のうち、昭和五十年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給における措置にならい、昭和五十年度の国家公務員の給与の改善内容に準じ、年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより、昭和五十一年七月分以後、年金額を引き上げることといたしております。 第二に、通算退職年金等の額の算定方式中の定額部分の額を引き上げるとともに、その加算期間の上限について、三十年とされておりますのを改め、これを三十五年に延長することといたしております。 第三に、継続療養給付等を受けている者に係る公務によらない廃疾年金支給のための廃疾認定日について、療養の給付等開始後三年を経過した時とされておりますのを改め、一年六カ月を経過した時とすることといたしております。 第四に、公務によらない廃疾年金、廃疾一時金及び遺族年金の受給資格期間につきましては、組合員となって一年以上とされておりますのを改め、他の公的年金制度の加入期間と合わせて組合員期間が一年以上となるときは、受給資格期間を満たしたものとすることといたしております。 第五に、夫の死亡に係る遺族年金を受ける妻に遺族である子がいる場合、またはその妻が六十歳以上である場合には、遺族である子の数等に応じた加算を行うことといたしております。 第六に、遺族年金の扶養加給の額を増額することといたしております。 第七に、通算退職年金の受給権者が死亡した場合には、その者の遺族に対して、新たに通算遺族年金として通算退職年金の額の百分の五十に相当する額を支給することといたしております。 第八に、国家公務員共済組合法に定める退職年金等の最低保障額を引き上げることといたしております。 第九に、恩給公務員期間等を有する者に対する特例措置の改善といたしまして、恩給における措置にならい、七十歳以上の老齢者等に対する年金額の割り増し措置の改善、公務関係年金及び長期在職した退職年金受給者等の年金の最低保障額の引き上げ等を行うことといたしております。 第十に、短期給付の任意継続組合員制度の加入期間を一年から二年に延長するとともに、掛金の軽減等の措置を講ずることといたしております。 以上のほか、掛金及び給付の算定の基礎となる俸給の最高限度額を三十一万円から三十四万円に引き上げることとする等、所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、乙の法律案の提案の理由及びその概要であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○田中委員長 木村運輸大臣。
○木村国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げるとともに廃疾年金及び遺族年金の受給資格の緩和、遺族年金の給付水準の改善、通算遺族年金制度の創設等の措置を講ずるため、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等のうち、昭和五十年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給等の改善措置にならい、その年金額の算定の基礎となっている俸給を昭和五十年度の国家公務員の給与の改善内容に準じて増額することにより、昭和五十一年七月分から年金額を引き上げることといたしております。 第二に、旧国家公務員共済組合法等に基づく退職年金等の最低保障額を恩給等の改善措置に準じて引き上げるとともに、公共企業体職員等共済組合法に基づく退職年金等の最低保障額につきましても、その額の引き上げ等の措置を講ずることといたしております。 第三に、廃疾年金、遺族年金等につきまして、一の公的年金制度の加入期間を組合員期間とみなすこととした場合に、これらの長期給付の受給資格期間を満たすこととなるときは、その者またはその者の遺族にそれぞれ廃疾年金、遺族年金等を支給することとして、受給資格の緩和を図ることといたしております。 第四に、公共企業体職員等共済組合法等に基づく遺族年金につきまして、遺族年金を受ける妻が遺族である子を有する場合または六十歳以上である場合には、遺族である子の数等に応じた加算を行うことにより、遺族年金の給付水準の改善を図ることといたしております。 第五に、通算退職年金の受給権者が死亡したときにその者の遺族に通算遺族年金を支給する通算遺族年金制度を創設することといたしております。 このほか、任意継続組合員について、その加入期間を一年延長して二年とするとともに、掛金の軽減を図る等の措置を講ずることといたしております。 以上がこの法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○田中委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。 両案に対する質疑は後刻行います。 ————◇—————
○田中委員長 税制に関する件について調査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。荒木宏君。
○荒木委員 時間が余りございませんので、質問を初めに三点ばかり要約してお尋ねしますので、後ほどまとめてそれぞれ御答弁いただきたいと思います。 まず第一点は、大臣にお尋ねいたします。高成長から低成長に移行したというふうに言われておりますが、税制度、企業課税、特に減価償却の耐用年数や残存率の問題について昨日局長にいろいろお尋ねをいたしました。大臣から昨日の経過を踏まえた上での御答弁をいただきたいと思うのですが、私が取り上げました事例は航空機の耐用年数であります。 これは実際の使用期間が、たとえば運輸省の調査などでは三万フライトアワー、平均約十年以上というふうに言っておりますが、国際線六年、国内線七年、こういう法定耐用年数になっております。そのほか一、二の事例も挙げましたけれども、実際の使用期間と法定の耐用年数の乖離が見られる事例が間々ある。現にいまの耐用年数は昭和三十六年に省令として決定された、こういうことでありましたので、そういった物理的な面からも実情に近づけるという努力、さらに経済的に見ましてもそうした航空需要を拡大推進していくというところからつり合いのとれた成長に切りかえていくという点からも、この償却のあり方、その一つとしての耐用年数の見直しということは必要ではないか。 ことに、予算委員会に提出されました大蔵省の資料で「各国の主要産業種別減価償却率の比較」を見ますと、全製造業で見まして、日本の償却率は四十九年度下期で一五・四%、これはイギリスの七・八%に比べて約二倍であります。アメリカの一〇・三一%に比べて約五割増しということになっております。西ドイツは計算方法が違いますから別としまして、全製造業で見て先進資本主義国の五割増しあるいは二倍という高い償却率、これが高度成長を支える税制の一つの柱であったことは疑うべくもないと思うのです。その中でも特に自動車工業などは二二・四一%、これは世界各国の中でも最高の率を示しておりますけれども、こういったことを踏まえて大臣から、物理的な点、経済的な点あるいは国際比較、昨日局長から見直しという点の御答弁をいただいておりますので、政策責任者としてその点の確認を含めた御意見をいただきたい、これが第一点であります。 第二点は、所得税減税の問題であります。 先般、中期の財政収支ケースI、ケースIIとして大蔵省の方から国会の方に試案が提供されました。中期の見通しを見ますと、税収の平均伸び率が六年間で二〇・九%、弾性値が約一・七%という非常に高い数値が示されておるようであります。これは当然新税もしくは増収ということになるのでありますが、財政面から見ましてこれらの高い伸び率がどういうふうに処理をされるか。財政支出に向けられる面もありましょう、あるいは国債の償還ということに向けられる向きもありましょう。と同時に、減税という国民生活を守る面にも目が向けられなければならない、非常に重要な部分であろうと思います。また景気面から言いましても、政府の方の説明では、輸出の振興あるいは設備投資、公共事業、いま特に財政の面に重点を置いておられるようでありますが、同時に従来の説明から見ましても、個人消費の拡大ということは景気対策の上でも否定はされてこなかったところです。したがって、財政に関する中期の見通しだとかあるいは五十年代前期の経済運営に伴う概案の発表だとか、いろいろありますが、その中で財政面から見ましても、また経済の発展という点から見ても、個人消費の面、それにつながる税制の態様としての所得税減税という問題、特に低所得者の減税という問題、これがその都度その都度の場当りのことであってはいかがなものであろうか。ある年はたまたまだぶついたんでどっと二兆円減税をやった。ある年はふところが窮屈だからというので全然やらない。これでは一貫した筋の通った運営というものはむずかしかろう。 そこで、減税ということについて、いま申しましたような点も含めて、大臣から、一体どういう立場からどういうふうな基準で所得税減税を考えていらっしゃるのか、本年度の年度内もありましょうし、来年度もありましょうし、あるいは中期五年の中の見通しもありましょうし、ほかの面の取る方だとかあるいは出していく方だとか、国債の方だとか、これは個々に出ておるのでありますが、この減税ということについては大きな何でありながら従来はっきりしたお考えがない、これをお聞かせいただきたいというのが第二点であります。 それから、第三点は国税庁の長官にお尋ねをしたいと思います。 児玉譽士夫の事例に触れるまでもなく、税についての姿勢ということがいま厳しく指摘をされておるわけでありますが、私は具体的な事例を少し申し上げてみたいのです。昨年の十月二十二日に、東京江東東税務署の署員二人が事前通知なしで、ある納税者のところへ参りました。理由も明らかにせずに二階の事務所を捜索をした。そして、翌々日二十四日には、主人が不在中、奥さんに個人名義の預金通帳を出せと要求をして、そのため、その奥さんは心臓発作が起こってその場で卒倒して、五日間入院をされたという事例が起こりました。そういう報告がありまして、これは三月一日付の商工新聞でも報道されておるのですが、その後の経過は、再三調査理由をお尋ねしたが明らかにされず、結局十二月になってから、どうも個人名義で主人が出資していた別会社からの返済金の取り扱いに問題があったようだ。これがわかったものですから、その経緯を御説明して、そして横領だとかなんとかという疑いは晴れた、こういうふうな経過のようであります。そこで、こういったいわば警察まがいのようなやり方、奥さんが病気になる、こういったようなやり方はいかがなものであろうか。 また、大阪府の泉大津の税務署で、これは納税者が別の商人会の会計担当をしておりましたので、そこの金員を、別通帳にするのも一つの方法ですが、便宜自分の名義で一緒に預けていた。それが本人の所得だということでいろいろ追及があったのですが、これも、そうではないかということを聞いてもらえばすぐ説明ができることを、理由も明らかにされないで、ただもう見せろ見せろという話一本やりでくるものですから事が非常にこじれてくる。ですから、こういうふうに載っているんだがこの点はどうかというふうな調査のやり方、こういうことも必要なのではなかろうか。 また、本年の二月十三日に大阪の東住吉税務署が確定申告の説明会をやりました。大阪信金の田辺支店でやったというのですが、納税協会の常任理事の方が出られて、そして、納税協会に入れば事後調査はしない、申告書には協会の会員であるということを証明する判を押す、こういう説明があり、その場に原田さんという総括官も同席しておられて確認をされた。こういった差別扱いの事例についての報告がありました。三月八日の商工新聞に掲載をされています。こういうふうな問題があります。 それからまた、大阪府泉佐野税務署の調査官の松田さんという人が納税者のところへ調査に参りました。それで帰るときに、後で申し立てだとか裁判でごたごた言うと脱税で警察から手が回るぞというふうなことを捨てぜりふまがいで言い残して帰ったというような事例があります。 さらにまた、大阪府下の泉大津税務署で法人税課の担当者が調査に行くということで、これは納税者が依頼をした税理士さんの話もあったようですけれども、朝から晩までありまして、それで昼は近くの小料理屋へ一緒に食事に行って、そしてその代金はもちろん納税者の方の負担であります。つまり、納税者の負担で食事の供応を受けるといったような事例があります。 こういつたように調査に当たって、理由を示せば問題なくいけるというふうな事態であるにかかわらず、理由開示なしでもうしゃにむにとにかく見せろ見せろとやる。後で納税者の方で、あれはどうもこうではないかと察知をして、そして急転直下その問題については解決がいくというふうなことです。ですから、事前通知だとか理由の開示とかいうようなことは税務の運営方針でも調査の重点項目として出されておるわけですけれども、なかなかこれが徹底されていない。 したがって、長官にお尋ねしたいのは、一つはいま申し上げた五つの事例について調査をしていただいて、そうして適正でないという点があれば直ちに是正の指導をされたい。またいま申し上げた、奥さんが卒倒して入院するというような事例について一体どう思われるかということと、それから、納税協会に特に不当に差別の扱いをするといったようなことについてどのように処置をされるか。さらには食事供応といった事例についても、長官のこれに対する処置、以上の三点の質問を申し上げて御答弁いただきたいと思います。
○大平国務大臣 第一の御質問は償却資産の耐用年数についてでございます。耐用年数をどうすべきかは、荒木さん御指摘のように物理的な観点から、さらには経済的な観点から適正にやるべきことは申すまでもございません。技術の進歩が非常に早い時代におきましては、経済的な年数は短いと見なければならぬわけでございます。具体的に航空機の問題が提起されたわけでございますが、実情に即さぬ点がございますならば、検討して改めなければならぬことがございますならば改めることにやぶさかではございません。大蔵省といたしましては、歳入政策に偏り過ぎてもいけませんし、産業政策に偏り過ぎてもいけないわけでございまして、適正に耐用年数は決めたいものと考えております。 それから第二の点でございますけれども、個人消費拡大のために所得税の減税を行うべきでないかという御主張を込めての御質問でございました。財政、とりわけいまの時期における財政、それからここ五十年代の前期における財政を問題にする場合、ひとつ荒木先生に御理解いただきたいのは、いまの状態は決して正常な状態における財政ではないということでございます。すなわち、中央も地方も巨額な赤字を抱えた財政でございまして、これから早く脱却して、ノーマルな財政に返らなければならないという身構えをいたしておる財政状況であるということでございまして、非常にノーマルな財政状況でございまして、しかも景気振興上、個人消費を拡大するために個人の所得税を減税するということが必要でございますし、またそれが可能でございますならば、私どももそれに賛同するにやぶさかでないわけでございますけれども、少なくとも現在、そういうことが財政の領域から申しますと余裕がないということが第一点、私どもがいまそれには応じ切れない理由の一つでございます。 それから第二は、そういう中におきまして、しかも景気の回復を図らなければならぬわけでございますが、そういう場合に、所得税減税をそういう苦しい中でもやるべきか、それともその他の公共事業費等の増額によるべきかという選択の問題になりますと、政府は、景気浮揚効果から申しますと、公共事業費の増額を選択すべきでないかという判断をいたしたということが第二点でございます。 それから第三点といたしまして、この中期の財政展望に立ちまして、今後特例債財政からの脱却というようなことを考えてみる場合に、相当程度増収を確保してまいらなければならぬわけでございますが、そういう場合の財政的な必要と、それから経済政策上、消費の拡大を招く必要と、どちらが大きいかというような問題も確かに御指摘のようにあるわけだと思うのでございますけれども、私ども今後の経済の推移は十分ウォッチしてかからなければいかぬと思いますが、幸いにいたしまして、ようやく現在の政策の仕組みの中におきまして景気の回復の曙光が見えてまいってきておるわけでございまして、用心深く進めてまいりますならば景気の回復は着実に可能ではないかという展望を持っておるわけでございまして、いまのところどうしても減税によって消費拡大をしなければ景気の回復は不可能であるし、またそうするより以外に代替政策は手元にないのであるというところまでまだ思い詰めた状況にないということは御理解をいただきたいと思います。
○熊谷(文)政府委員 ただいま先生から御指摘のございましたまず第一の、昨年十月二十二日の江東税務署の件でございますが、私どもが聞いております範囲でお答えいたしますと、何年分の所得の調査につきまして調査をさせていただきますということで、御主人がお留守中でございましたけれども、奥様の御了解を得まして調査に入ったというふうに聞いております。なお、調査に当たりましては、私ども常々心がけておることでございますが、納税者の健康状態というものは重々配慮いたしまして調査に携わるわけでございますが、本件につきまして、調査の途中で確かに気分が悪くなったという時点におきまして直ちに調査を打ち切ったというふうに聞いております。もちろん今後とも調査に当たりましては、納税者の事情というものを十分配慮するような指導をしてまいりたいと考えております。 それから第二点の、大阪の東住吉でございますか、税務署の管内で、確定申告期におきまして説明会を開き、納税協会の方がその席で、協会員となれば事後調査は行わないという説明をしたというお話でございますが、これは恐らく私の想像でございますけれども、そういうことは申し出ることはあり得ないと思います。少なくとも適正な申告があれば調査しないということを申し上げたのではないか。その席へ原田統括官がおるということも行き過ぎだというふうには私は考えません。 その他につきましても、調査の内容につきまして具体的な問題ということでございますが、調査するのは所得全部でございますので、必ずしも適当な、そういうふうなことですべてが終わるとは思っておりません。 それから泉大津の納税者負担で食事の供応を受けたということでございますけれども、これは確かに問題でございまして、検討をさせていただきたいと思います。
○中橋政府委員 事前通知の励行につきましては、かねて、事案の内容にもよりますけれども、そういう方向をとっております。 理由開示につきましてもできるだけ具体的に調査の内容を申し上げたいのでございますけれども、やはり個別の事案につきましては全体的にそうはまいらないということも御了承を願いたいと思います。
○田中委員長 坂口力君。
○坂口委員 昨日も、大臣お見えになりませんときに、この減税の問題は私も少しやらせていただきました。前回に大臣にお聞きいたしましたときにも、大臣は、心を鬼にして減税はやらない、こういうお考えを述べられたわけであります。いまもお話がありましたように、現在の財政状態というのはノーマルな状態ではない、アブノーマルであるというお話でございます。ひとつ、ノーマルな財政状態というのは粗々どういうふうな状態のときにノーマルとお考えになるのかということが一つ。 それからいま財政的に余裕がない、そうしてまた景気回復については公共事業の方がより現在に適しているというお考えを述べられたわけでありますが、一方、公共事業の拡大について、現段階で見ましても、卸売価格がかなり上昇してきているというような側面がございます。そういたしますと、公共事業だけにこれを頼りましたときに、マイナス面と申しますか、再び物価上昇が起こるというネガティブな面もこれにはまつわってくるわけでございます。その辺のところも計算に入れてのことかどうか、この辺のところをひとつあわせて御答弁いただきたいと思います。
○大平国務大臣 どういう財政状態がノーマルかというお尋ねでございますが、現在は、個人の家計がともかくどうにか実質所得が確保されておるという状態でございますが、企業のうちの相当の部分が赤字である、中央、地方の財政が赤字であるというような状態は、決してこれはノーマルな状態でないわけでございまして、企業も家計も財政も健全な状態がまず保証されなければならぬと思いますし、財政におきましては、少なくとも特例債、つまり赤字公債というようなものに依存するような財政であってはいけない、これは財政法も認めていないような異例な状態でございますので、少なくともそこからは脱却しておらないとノーマルと言えないのではないかと思います。 それから第二の、公共事業をふやすことによって卸売価格の増高を招き、インフレを招来するということになりはしないかという御懸念でございます。その点は仰せのとおり政策当局として十分考えなければならぬことでございます。去年、おととしと公共事業は絶対額で抑え込んでしまっておったわけでございます。ことし二〇%ほどふやしたわけでございますが、坂口さんが言われました点につきましては十分配慮いたしまして、これが建設資材を初めといたしましてその他に不当な圧迫を加えることのないように配慮してまいることは当然と考えております。
○坂口委員 この卸売物価の上昇につきまして、大蔵省として現在の段階で何か手を打たれますかということをまず一つお聞きしておきます。
○大平国務大臣 政府が卸売物価の上昇をこの程度と見ておる程度以内に何とかおさめたいし、またおさめ得るのではないかと政府全体いま考えておるところでございます。しかしいまの状態は確かにあなたがおっしゃるように警戒すべき点がないではございませんので、その点、産業政策、財政政策、金融政策、すべての観点から警戒を怠らないようにしてまいりたいと思っております。
○坂口委員 警戒を怠らないという若干抽象的な表現で物足らないわけでございますが、でき得ればこういうふうなことを具体的にやりたいと思うというようなことをもう一つつけ加えていただければありがたいと思います。それが一つ。 それから、時間がございませんから重ねて質問いたしますが、大蔵省は五十年から五十五年までの財政収支試算というものを提出されまして、五十五年まで平均して約七%の経済成長率ということを言っておみえになるわけでございますが、三%の増税を見込んでおみえになるということもあるわけでございます。 先日の質問におきましても、付加価値税というものについては現在のところ考えていない、むしろ付加価値税を云々言うのは、野党が与党の攻撃の材料にしているのではないかというような発言であったわけでございますけれども、昨日も申し上げたのですが、そういう次元の段階でこちらはこの問題を取り上げているわけではないわけでございまして、さすれば、いまから五十年前半の段階においてどのような増税によってこれを埋めようとしていかれるのかということがはっきりしないわけでございます。 これは二十五日の新聞報道でございますが「企業課税抜本見直し」という読売新聞に大蔵省の意見というものが出ておりますが、この安定成長下におきます財源の確保として企業課税というものを見直すとすれば、現在どの程度までこれを煮詰めておみえになるか、あわせてひとつ御答弁をいただきたいと思います。恐れ入りますが、最初の卸売物価に対する政策の方もあわせてひとつお願いします。
○大平国務大臣 卸売物価の点につきましては、一部減産が卸売物価の上昇を招いておったのではないかということで、確かにそういう面はあったわけでございますけれども、通産省を中心にいたしまして減産政策を奨励するというような態度は改まったはずでございますし、また輸入面におきまして関税その他金融面に障害はないばかりか、関税の引き下げという方向に政策は志向いたしておるわけでございます。まだ国内の金融面におきましては、確かに金融は緩慢になってきておりますけれども、金融をさらに緩慢にするという政策はいま日本銀行もとっておりませんし、大蔵省もとっていないわけでございます。 また政府の財政政策でございますけれども、いまこういうアブノーマルな状態でございますので、そういう状態も手伝って、財政をむやみに拡大するというようなことは慎んで、財政需要の増大を抑制するという措置はずっと続けておることは御案内のとおりでございますので、政府が予定いたしております卸売物価の上昇の枠内にとどめ得るのではないかと考えております。 それから第二の点は……(坂口委員「安定成長下における企業課税の見直しはどうか」と呼ぶ)その点は主税局長から答えさせます。
○大倉政府委員 時間の関係がございますので、できるだけ簡単にお答えいたしたいと思います。 中期財政収支試算の中で、ある時期に何らかの負担増をお願いしなければならないかもしれないということは、かなりはっきりと描かれているように思います。それをいついかなる名目でやるかということが、これからの私どもの、当然のことながら一番大きな問題でございますが、たびたび予算委員会などでもお答えいたしておりますように、ある特定の税目なり時期をいま政府が予定しているわけではございません。ただ、検討いたしますときに、やはり所得課税と資産課税と消費課税とすべてをもう一度見直すということはどうしても必要になろう。所得課税の場合には、当然のことながら個人の所得課税にあわせまして法人の所得課税がいまのままでよいかということももちろん検討の対象になる、その意味で企業課税の今後の水準なり仕組みなりというものにつきまして作業を始めなくてはならないというのが現状でございますが、ただ一点だけこの機会に申し上げておきたいのは、やはり法人の収益に対する課税につきましては、これだけ資本も技術も国際的に自由に動ける世界の中の日本でございますから、余りよその国と違ったことは、やるとかえって思わざる弊害が起こるかもしれないという点を十分頭に置きました上で、負担の水準なり仕組みというものをなお研究してまいりたい、そのように考えております。
○坂口委員 本当はこの問題はもう少しお聞きしたいところでございますが、もう時間がほんのわずかしかありませんので、次回にまたお聞きをしたいと思います。 もう一つ大臣にお聞きをしておきたいと思いますのは、先日金融制度調査会の中間報告が出まして、いわゆる銀行法の改正を絡めての金利の自由化の問題がそこで論じられております。 これは税金の問題とは若干方向が違いますけれども、この際にお聞きをしておきたいと思いますが、どういうふうなお考えをお持ちなのか。われわれはこの収益の銀行利用者への返還ということがより重要であって、銀行収益率が一定率を超すときには預金金利に反映させるなどの臨時金利調整法等の改正もあわせて検討されるべきではないかというふうに思っておりますが、時間がございませんので簡単で結構でございますから、御意見を承ってしまいにしたいと思います。
○大平国務大臣 要するに、金融機関が金融機関なるがゆえにその特権を享受するというようなことは許されないと思うのでございまして、適正な競争のもとでそのサービスのコストを下げて預金者に奉仕しかつ資金の利用者に奉仕するということを心がけていただかなければならぬわけでございます。しかしそのためには金利をできるだけ自由化の方向に持っていくことが一つの大きな道標でないかという示唆が与えられておるわけでございまして、私はあの中間報告は大筋におきまして理解できるところでございまして、今後この問題のより立ち入った討議を通じまして、実のある成果を得たいものと考えております。
○坂口委員 時間がありませんので、終わります。
○田中委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 今日の大蔵当局はいろいろ御苦心があると思いますけれども、税の自然増収がたくさんあって困りはしなかった、非常に幸いしたときと、最近のように自然減収で赤字公債というようなことで、税の収入がきわめて不安定である、見通しがなかなか困難である、こういう事態につきまして、私は改めて十分論議したいと思うのですが、最近、大蔵省がやや長期の見通しとして財政収支試算というものを示された。これは私、非常に高く評価しているのでありまして、後でまた事務当局にもいろいろと伺いたいと思いますが、そういう財政の収支の試算をすることも必要である。同時に、財政の収支の試算が計画的に確実に見通されるためには、経済のいわゆる文字どおりの安定化が必要である、かように考えますし、私どもはそういう意味で、経済安定計画化基本法というものをつくらなければならぬ、こういう立場に立っておるわけであります。 しかしこの二つとも、議論をすれば非常に長い問題になりますので、きょうは時間がありませんから、そういうこととあわせて、要するに、先ほど話が出ておりましたけれども、日本の経済全体がアブノーマルである、これを本当にノーマルな安定的なものにしなければならぬ、こういうふうに考える意味において、それとの関連において、私はこれからデノミネーションの問題についてひとつお伺いいたしたいと思います。ポイントを質問しながら、後でまとめて、時間がありませんから、大臣に答弁していただきたいと思います。 まず第一に、デノミネーションはやるべきであるかどうかということになれば、これはだれが考えてもやるべきであるということについては異論はないと思います。と申しますのは、御承知のように、世界に国は多いけれども、ドルに対して三けただ、三百八円がいいか三百円がいいかは別として、三けたであるというようなこと、それからその結果、物価はインフレで非常に上がりまして、一円というようなコインは落ちていても拾う人はだれもいないということになっておること、それから、計算の上ではゼロばかりたくさん書かなければならないので、これを簡略化する必要があるということ、さらに、いま発行されている通貨は、一万円札が大体八〇%ぐらいになっておりまして、これだけの高いレベルに達してしまっておるということ、これらをノーマルな状態に持っていくということのためには、だれが考えてもデノミネーションというものは必要であるし、やるべきであるということは問題ないと思います。問題は、やるべき条件が整いつつあるか整っていないかというところに判断の重要な問題があると思うのです。 そこで、私はまず第一にお伺いしたいことは、やるべきであるかないかということではなくて、これはやるべきだと思いますから、そこで、いまの政府はこれをやるという取り組みを、具体的に検討に入っておられるのか入っていないのか、実施の準備を進めておるのかいないのかという点が質問の第一点であります。と申しますのは、証券界においては、まあ業者の操作の関係もあるでしょうが、大しておもしろい材料のないときにはすぐデノミ株が上がるというようなこともありまして、しょっちゅう証券界が不安、動揺の種になっておるということが一つ。それから、去年の暮れにも、十月ごろですか、五年内にデノミはやるんだということがある新聞に出て一騒ぎをしたこともある。これもそのまま消えてしまった。さらにさかのぼれば、四十六年の佐藤さんのときに、年末に新円を出すんだというようなうわさが出たこともある。要するに、ちまたにはデノミはやるんだとか近づいたとかしょっちゅうデマが飛んでおりますから、そういうデマを一掃する意味においてまず第一に伺いたいことは、いま申しましたように、政府はこのことに具体的に取り組みをしておるのかいないのかという点が第一点であります。 それから第二点は、私はデノミをやるのには大体、簡単に申しまして四つぐらい条件があると思うのですね。それに対する大臣のお考えを伺いたいのですが、第一の条件は物価の安定ということである。この物価という場合には、細かく申しますと、一ドル何円ということでございますから、世界経済全体がやはり安定的な方向に切りかわっていなければならぬ。第二に、その中でドルが安定しなければならぬ。さらにあわせて、円が安定しなければならぬ。その結果として円レートというものが安定しなければならぬ。それらを含めての物価の安定ということが基本的な前提条件になると思うがどうか、これが一つであります。 それから第二の条件というのは、強力なる政治力というものが必要である。フランスがやって成功したのが例になっておりますけれども、これは当時の経過をいろいろ調べてみると、ドゴールにして初めてできたんだということでありまして、裏から言えば三木内閣ではなかなかできぬではないかということになるのですが、強い政治力というものが前提になる。その強い政治力がなければ、関係法案を通すとか、あるいは特に大事なのは、便乗値上げを抑える、これが大問題でありますが、場合によっては牢屋に五年もほうり込むというぐらいの気魄なり政治力というものがなければならぬが、そういうことも含め、さらにもう一つ大事な点は、これは先ほどの租税の収入の安定化の問題と関連しますけれども、やはり新しい経済新秩序の創造といったようなビジョンを描いてそれに取り組む政治力というものでなければならぬと思うのですね。いま新価格体系ということが言葉としてはありますけれども、調べてみれば実体は値上げということだけであって、何も新体系でも何でもない。そして、少し独占的な力を持っているものが早く値を上げて勝ちだというような程度のものであって、新物価体系というものもさっぱり私には意味がわからないのだけれども、その物価体系を含めての新経済秩序の創造というビジョンとそれに対する力強いバイタリティーのある取り組みというものがなければならぬが、それらができるのは、やはりドゴール的な強い政治力が要ると思うが、その点は第二の条件として必要なのではないか。どの内閣でも時期が来たらやれるというように簡単に考えてはいけないということであります。 それから第三の条件というのは、これはフランスもそうですが、要するに円の切り下げとあわせてやるのかやらないのか。ただ百分の一もしくは千分の一にすればいいという問題ではなかろうと思うのだが、その切り下げをあわせてやるか。同時にあわせて、資産の再評価というものをやるということを考えるのか考えないのか。これは大変な問題であります。証券界がデノミだ、デノミ株を買えとかいうことをいろいろ読んでみると、デノミをやるときには必ず資産の再評価がある。だからいまのうちに十年前に資本投下をたくさんやったような会社を選んで買わなければいかぬ、銘柄を選べというようなことで盛んにPRをいたしておりますが、これはデノミはすなわち同時に資産の再評価をやるということが前提になっておる。そういう前提を含めて考えるべきかあるいは円の切り下げを含めて考えるべきか。それらを含めて考えるということになれば、これは大変な問題になりますから、それが第三の条件として、単純にデノミだけやるのかあるいは円の切り下げや資産再評価も含めてやるということにするのか。 それから第四番目の条件は、これは簡単にできない、先ほども申しました強い政治力が要りますが、それでもなお理想的に言えば二年ぐらいの準備期間が要ると思うがどうかということであります。したがって強い政権ができて、そして二年ぐらいの将来も見通し得る体制の中で初めてやるべきことであるというふうに思うがどうか。その四つの条件についてそれぞれどういうふうに考えておられるか。 最後にもう一つ伺いたいのは、これはいま申しましたように二年ぐらいの準備が要るということと、それから単純にデノミをやる場合でも非常に経済界に与える影響が大きいので、その場合に特定の政府あるいは特定の大臣が抜き打ちにやってこれをやったというようないわゆる功績表の中に書き込むような問題ではない、経済全体の方向づけ、私の言う新しい経済新秩序の創造の問題でありますから、国民とともに、そして与野党ともに取り組むべき重大問題である、抜き打ち的にやるべき問題ではないし、やってみても大した効果がある問題でもない。そういう意味で、これは水田大蔵大臣のときであったと思うが、当時王子の工場で新円を刷っているとかつくっているとかというようなことで、百円玉のことでしょうが非常にうわさが飛んだときに、こういう問題は一体大蔵省として準備をしているのかしていないのか、新しい金を刷っているかつくっているかということを理事会で私が細かく追及したところが、そんな準備は一切いたしません、しておりませんという話がありました。さらに、それだけではなくて当時の文書課長に確かめても、官房長に確かめてもやってはいないということであるし、あわせて将来これをやるときには少なくとも大蔵の理事会あたりには、細かいことは別としまして、一応相談をかけて、要するに国民的規模において与野党協力してそういう問題には取り組むべきであると思うがどうかと申しましたところが、ぜひそうしたいというような、これは口頭でございましたけれどもお話があった。大平大蔵大臣にはそういうお考えがあるかないか。 以上の点を伺って、それだけで終わります。答弁だけでよろしい。
○大平国務大臣 デノミについて準備をやっておるかどうかという第一の御質問でございますが、そういうことを内々決めてもおりませんし、またそういう準備もいたしておりません。 それから第二の問題は、竹本さんは四つの条件を言われたわけでございまして、物価の安定、ド ル、円レートの安定、そういったものがあること、強力な政治力、そして新経済秩序の創造を体した強力な政治力を必要とする、それから準備期間に二年ぐらいは必要じゃないかというような点は、私は竹本さんの御意見に同感でございます。けれども、円の切り下げとの関係、資産の再評価を伴うかどうかということについてはちょっと理解しかねるわけでございます。 一番最後の御質問でございますが、もしやるとした場合にひとり政府だけでなく、与党だけでなく、与野党ともに、また国民とともにこの栄光を分かつべきじゃないか、責任を分かつべきじゃないか、仰せのとおりと心得ております。いよいよ決心がついたならば、まず当委員会に御相談するのが当然でございますし、それを起点といたしまして、いろいろな諸般の準備をその決意を基礎にいたしまして勉強するのは当然の道行きだと考えております。
○竹本委員 終わります。
○田中委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 大臣は三十分ほどしかおいでになりませんので、初めに大臣にお尋ねすることだけにしぼりましてお聞きをしておきたいと思います。 そこでまず第一に、きのう横山利秋委員の質問に対しまして、土地税制の問題については来年度の大きな税制改革の柱として検討をしたい、こういうことを言われたようにきょうの新聞あたりには大きく報道されているのがあります。そこで、土地税制というものについて、主税局長は、その穴があけてあるところを現実にどういうふうに適用したらいいのかというような点を見ながら、それでカバーできないかどうか、そういう点を見たいということの答弁がなされていました。 そこで私は大臣に、その土地政策とそれから土地税制の問題、これについてどういうふうな御所見を持っておいでになるのか、その点をまずお尋ねをしておきたいと思うのです。大臣は閣僚でございますから、四十九年度の「国土の利用に関する年次報告」、第七十五回国会に提出をされました国土白書でございますが、これはごらんになりましたね。大臣。——あなたに聞いているのですよ。
○大平国務大臣 まだ詳しく読んでおりません。
○村山(喜)委員 これはしかし閣議にかけて国会に提出をするということになっているのですから。あなたそのときは欠席をなさったのですか。おいでになったのでしょう。
○大平国務大臣 欠席いたしておりません。
○村山(喜)委員 おいでになったのだと思うので、その中で百五ページですが、そこに——お手元にないだろうと思いますけれども、事務当局が持っておるかもしれません。「土地取引に伴う資金の流れ」この図表が掲げてありまして、実際の総取引金額が昭和四十八年の分でございますが、推計として十八兆八千億円あった。その中で法人が九兆八千億円の投資をやりましてその土地を買ったということが推計されております。また、そのほかに、そのために金融機関から法人が六兆一千億円土地購入の資金を借り出した、そういうふうに試算がされておるわけでございますが、大臣はこの図を見ながら、この推計は大体ほぼ正確であろうというふうにお考えになっておいでになるのですか。それともこれは間違いだというふうにお考えですか。
○大平国務大臣 こういう数字は伺っておりまするし、それは相当政府筋あるいは金融機関筋からそういう話は聞いておりますので、ほぼ間違いない、実態を反映した数字ではないかと考えております。
○村山(喜)委員 そこでいま不動産業者やあるいは土地をたくさん抱えている法人、あるいはそれに大口融資をいたしました大銀行、金融機関、そういうところから土地政策についての見直しを図り、土地税制についても、この際、諸悪の根源みたいなことを土地税制にかぶせまして、そしてそれの訂正を要求をする、こういうような動きがあるわけですが、大臣はきのうの答弁ではそれはそういうような土地の買い上げを国の資金なりあるいは地方の公共団体の資金でもってやるというようなことは考えないということは言われたわけですか。この点は間違いございませんか。
○大平国務大臣 土地を国が購入する場合、必要な土地であったら買いますけれども、そうでない土地は買うつもりはございません。
○村山(喜)委員 その必要性はどういうお立場からかということについてはまたいろいろ見方もありましょうが、大臣、この際私はなぜいま土地問題がそういうようなところから出てきたのかという問題を考えてまいりますと、六兆一千億も借りておる、そうしてそのために一〇%くらいの金利負担とか、あるいはそれを抱えておるためになかなか売れない、そのための諸費用が要る、そういうようなものはどうも持ちこたえられなくなるから助けてもらいたいということなんだろうと思うのですけれども、土地がインフレヘッジとして非常に役に立つ、そしてこれからさらに土地の資産評価というものは上がっていく、そのことを期待をして自己責任において買った土地を持て余して、それのしりぬぐいを国や地方公共団体にしてもらいたいというような、そういうよこしまな考え方は断固として排除すべきであるし、そういうようなことを政治がやるようになったらこれはもう国民は何をか言わんやということで、政治不信の声はますます高まってまいりますから、そういう人たちの声に押されて問題の処理を図るというような愚かなことはなさらないだろうと考えておるわけでございますし、また一体、土地が動かないということが、税制がそういう重課措置があるから土地が動かないのか、いまの適正利潤の場合にはその重課措置は排除しているわけですから、その適正利潤そのものが、当時のいわゆる金利の水準等から見まして、それが果たして二七%というものが適正なりやいなやということについては検討をしなければならぬと思うのですが、それが税制がそういうように前に障壁をつくっているからこれを直さなければならないというのは、これは間違いじゃなかろうか。だから合理的に客観的にこの程度は社会的な基準として当然認められるべきだというようなものがあるならば、それを今日の金利水準に合わせて訂正をするとかいうような方法をとるなどの、そういういわゆる調整的な措置は必要だとしましても、基本的に税制そのものをいじくるというのは間違った考え方だと私は基本的に思うのですが、大臣どうなんでしょうか。
○大平国務大臣 税制が土地政策の阻害要因になっておるというような点がございますならば、それは改めるにやぶさかでございません。そういう点についていろいろ私どもにその理由を証明していただきまして、私ども納得がいきますならば租税政策を改めるにやぶさかでございませんけれども、やみくもに租税がどうも邪魔になっておりそうだというような、そんな単なる思いつきはにわかに賛成するわけにはまいりません。
○村山(喜)委員 いま地価が鎮静しまして、庶民はまた夢を、マイホームが持てるのではないだろうかというふうに希望を取り戻しつつある。ところが、そのいま抱えている不良債権を国なりに買わしていく、地方公共団体に買わせるという政策をとれば、地価上昇は目に見えているわけでございまして、そういうような意味から、昭和三十年までは日本の場合でも三年間ぐらいの給与で家が持てた、いまでもヨーロッパ、アメリカの場合には三年ぐらいの給与で家が持てるという状態があるようでございますが、昭和三十年と五十年のGNPの伸び率を比較をしてみると、市街地の土地価格は二十七倍になった、それに対して労働省の統計によります平均給与総額は九・八倍である。標準的な住宅二月の価格をとってみましても、比較をしてみるとそれは十六・七倍である。大学卒業の退職一時金で昭和三十年には一戸の家が買えた。いまでは標準的な家の半分にも退職金は手が届かない、こういうような状態が生まれてきているわけですが、いままで大蔵省は土地の値上がりというものから生まれてくるその課税の果実というものを税収の中に取り入れて、そうして高度経済成長政策の中から土地の値上がりが生まれてまいったわけですから、今度はそれだけ譲渡所得が生まれた場合には課税が増税という結果になってはね返ってきた。そういうものに土地の値上がりによって税収を図るという政策が、意図的であろうがあるいは無意識的であろうがとられてきたことは事実だと思うのですね。 ところがもうその土地の値上がりがないということになると、勢いそれだけ売買が少なくなってくる。売買が少なくなるから譲渡所得の課税対象が減ってくる、こういうような形になっていると思うのですが、大臣はやがて総理、総裁を目指される人だと聞いておるわけですが、その庶民に家を持たせる政策というものを、これはやはり国土政策との関係がありますので、土地の税金の問題だけではなくて、国土利用計画をも中心にした国土政策というものを柱にしながら土地政策というものはなければならないであろうし、住宅政策もそうでなければならないと思うのですが、ややもすればいままでは土地税制によって土地政策が進められ過ぎてきたのではないだろうかという気がするのですが、大臣はそういう一つのビジョンをどういうふうに将来の問題として描いておられるのか、この点もし抱負があればお示しを願いたいと思うのです。
○大平国務大臣 私は税制を土地政策の上においてそんなに有力な手段として高く評価しておる見解は持っていないわけでございまして、土地政策上必要があれば税という手段を活用していくということも考えられてしかるべきだと思いますけれども、それが主であってはならぬという考え方を従来から持っておったわけでございまして、税が初めからしゃしゃり出て、土地政策は税でやるんだというようなことを大蔵省はやったとは、私はいま考えていないわけでございますし、今後もそんなつもりはないわけでございます。土地政策は、やはり広い視野から工夫されてしかるべきものでございまして、その限りにおきまして、税もまたお手伝いすべき領域におきましてはお手伝いをするにやぶさかではないという、そういう気持ちでおります。
○村山(喜)委員 もう一つの観点は、私は先ほど利益率の二七%の見直しの問題に触れたのですが、それと同時に、大型の団地の形成というような問題については、特に公社、公団あるいは民間のデベロッパーが開発をします場合に、従来までは開発することによりまして相当な土地の値上がりが期待ができたわけで、その中からそれらの施行者が費用を負担をして、公共的な、あるいは公益施設等については負担をする力があったわけですね。それが今日においてはほとんどなくなってきた。そうなると、地方公共団体がそれをかぶらなきゃならぬというような形の中で、新しい住宅団地というものについては、もう地方公共団体としては、学校をつくったり、いろいろな公共的な施設をやらなきゃなりませんから、そういうようなのはもう要らないということになってくるわけですが、こういうような問題の解決は、五省協議機関みたいなものがあるようでございますが、そこら辺の障害になっているようなものをうまく処理していくというような方式を考えなければ、宅地の造成なり、あるいは住宅の建設の促進というものは生まれてこない。だから、むしろ税制の問題じゃなくて、そういう総合的な政策というものが欠けてきたところに今日のそういう政治問題が出ているのではなかろうかと思っているのですが、大臣、どういうふうにお考えですか。
○大平国務大臣 全く村山さんのおっしゃるとおりだと思います。そういう点に公共団体も政府も手軽に依存し過ぎたきらいがあるわけでございまして、それが地価の高騰、土地の確保難というものを招いた相当大きな原因になったと思うわけでございまして、私ども大いに反省しなければならぬ点だと思います。
○村山(喜)委員 そこでもう一点だけ大臣にお伺いしておきますが、税制改正の方向というものについてでございます。というのは、春闘も終わりました。大体八%台ということで、ゼロから一けたの間に抑えるといった、そういう形の中で春闘の賃金の相場が決まったようでございます。ところが、経済の見通しの中では、個人消費の見通しを一三・七%ということで策定をしておりました。そこで、一三・七%の個人消費の伸びを期待するためには、賃金の上昇がまず第一の要素でありましょう。それが八%程度に終わった。そのほか、定期的な収入の伸びだけではなしに、時間外手当の問題であるとか、あるいはボーナスの問題であるとか、そういうようなものに期待をするという方法もあるでありましょう。しかし、それでも足らない場合には、貯蓄率の低下を図って、貯蓄の中からそれに充当するという方式も考えられるだろう。もう一つの方式は、減税によって、個人消費の一三・七%といういわゆる政府が予期した経済の見通しの数値をそれによって合わせるという政策手段もあり得るわけですね。 そこで、物価調整減税もことしはしない。八・八%程度の物価調整減税をやるとすれば二千二百億ぐらいの財源が必要になる、この際、赤字国債も出さなければならないときだからがまんをしてくれということで処理がされた。そうすると、現実に九%上がった職場においては、収入もふえるけれども、税金としては年収三百万円の標準世帯で三万四千円ぐらいの国税、地方税の増税という結果が待ち構えている。だから、増税に食われてしまうベアじゃないかということが言われるわけでございますが、そういうような状態の中で、減税の問題については、経済の見通しとの関連において、これをもう一回適当な時期に再検討するというお考えはないのか、これが一つの問題点であります。 それからもう一つは、付加価値税の導入の問題については、三木総理は本会議等で示唆をされるような発言もされたわけですが、大平大蔵大臣は慎重な答弁をなさっていらっしゃるわけですけれども、ではいまのような状態にしておいてよろしいということはお考えになっていらっしゃらないだろうと思う。やはり財政の健全化というものを目指していくということになってまいりますならば、何といっても法人税の基本的な仕組みの洗い直しの問題であるとか、あるいは租税特別措置等の整理、合理化のさらに——ことし若干の措置をされたわけでございますが、それの措置の問題であるとか、あるいは利子、配当の課税の強化の問題であるとか、株式譲渡所得課税の強化の問題であるとか、あるいはこれはなかなかむずかしいのでしょうが医師優遇税制の是正の問題であるとか、あるいは何らか新しい意味の新税を創設をするとかいうような形の中で、税収の割合を強めなければならないということはお考えになっていらっしゃるだろうと思うのですが、いま大平大蔵大臣の胸中にあるものは、一体どういうような方向のものとして今後の税制改正の方向をお考えになっているのか。何も考えていないと言えばそれまででございますが、大臣としてはこういうような異常な状態の中で、赤字国債の発行というようなものを続けていくべきではないという良心がおありであろうと思いますので、当然税制改正の方向というものはお持ちになっていらっしゃるであろうし、それをまた税調あたりに答申を求められることになるだろうと思うので、税制の問題についてその点を御説明をいただければいいと思うのでございます。 以上二点です。
○大平国務大臣 所得税減税の点でございますが、これはたびたび私から申し上げておりますように、毎年減税をやらなければならぬというわけのものでもございませんし、複数年度でひとつお考えいただいて、ずっと長い間わが政府は減税を精力的にやってまいったわけでございますので、ことしあるいは強いて言えばこの困難な財政状況を脱却できる間はそういった一般的な所得税、法人税の減税というようなものはひとつ考えないということについて御理解をいただいてもいいのじゃないかという感じが私はします。しますけれども、しかしこれはこれからいろいろ各方面の御意見も伺わなければいかぬし、税調の御審議も願わなければいかぬわけでございまするので、これから先のことはまだ申し上げられる段階じゃございませんが、今年度につきましてはすでに発表いたしておりますとおり減税を財政政策の立場からはいたさないことについて理解を得たいと考えております。 それから景気政策の面からでございますが、これはすでに景気自体が立ち直りの徴候を強く見せてきておるわけでございまして、いまの政策の配列の中でそのことが可能になってトンネルからようやく脱出しかけた段階でございますので、村山さんがおっしゃるようにこの際さらに所得減税をやらなければならぬという状況であるとは私考えていないわけでございます。 しかし、第三の問題として、あなたが言われるようにことしの消費の拡大あるいは経済計画を予定どおりやっていく上におきましては、今度のベアの状況から見ましても心細い状況じゃないかという御指摘でございますが、これはこれから個人消費の問題もございますが、輸出もございまするし、その他の投資、在庫、いろいろな経済要素がどのように展開を見せますか、一年間の推移をもっと見た上で判断さしていただきたいと思いますが、いまの段階でそうしなければならぬというようにお答え申し上げるわけにはまいらぬと私は考えております。 それから今後の増税問題でございますが、何をいま考えておるのかということでございますが、あなたもおっしゃったとおり、何としてもこういうアブノーマルな状態から早く脱出していかなければならぬ。中央、地方の財政がこんな赤字を抱えた状態であっては困ると思うのでございまして、早いところ健全な状態に立ち直らなければならぬと思うわけでございまして、しばらくの間まずそれが第一義的な財政運営としては一番基本的な問題じゃないか。それから割り出して、歳入政策も歳出政策も考えさしていただきたいと思うのでございます。しかしながら現実は生きておるわけでございますから、財政の都合ばかりで私ども勝手を言うわけにはまいらないわけで、現実の福祉の政策もあるいは産業の政策も教育の政策も考えながらそのことをやってまいらなければならぬわけでございまするので、なかなか財政の都合ばかり言っておれないことは仰せのとおりでございますけれども、そういうことをあわせてやりながら、何としてもこのアブノーマルな状態から脱却すべくどういうことを考えるべきかという大きなデッサンをかいたのがこの間の財政の中期の試算でございまして、それで計算される増収を何によってそれじゃ確保するかというような点につきましては、またそれを増収で確保するかあるいは歳出を削ってつじつまを合わせるかというような問題はこれから財政論議を通じて国会内外でやっていただかなければならぬ問題になろうと思うのでございまして、いま何でもってこれをやるやらぬとかいうようなことを申し上げることは差し控えたいと思います。 いずれにいたしましても五十二年の税制改正につきまして、政府は、こういう点はとりあえず税調で御審議をいただこうというようなことをお願いしなければならぬわけでございまして、目下そういう点についての腹案を勉強いたしておる最中でございます。
○村山(喜)委員 もう大臣は行かれるわけでございますから、大臣に対する質問はやめますが、望洋としたつかみどころのない、これから検討しますというただ一言を長々とおしゃべりになった。つかみどころのない大臣みたいな答弁でございますが、やはり税制の問題はきちっとしておかなければならぬ問題でございますから、私はやはり増税をやらなければならない段階だと思うのですよ。それをどこから、どの階層に増税を求めるかということが政治であろう、そういうような意味でいま申し上げましたようなことが柱にならざるを得ないと私は思うので、そのことを考えながら質問をしたわけですが、今後御検討をいただきたいと思います。 主税局長にお尋ねいたします。 四十七年から四十八年、そして四十九年、五十年の土地の取引件数をずっと調べてまいりました。 〔委員長退席、森(美)委員長代理着席〕 その中で、去年の十二月になりますと、それまでは対前年度同月比でずっと減少になったものが、にわかに三・七%増加件数に転じておるわけです。この現象は、駆け込みでいまのうちに処理をしなければならないという考え方の中からそういう売買登記がなされたものだ、こういうふうに考えるわけでございますが、東京の土地白書を調べてまいりますと、五十年の四月から十二月にかけましては十万九千百五十件で対前年度よりも一四・六%ふえておるという白書も出ているようであります。そこでこの十二月の件数、これは全国ベースで見たものでしょうが、私は国土庁に聞いたんです。そうしたら、そういうような状態になった、それは税制の問題に関連がありますということでございました。そこで予算上予定外に土地譲渡所得税の歳入増というものが、たしか新聞あたりでは千三百億ぐらいあったとかいうような報道もちらりと見たのですが、その税収上の状態はどういうふうになっているのか、その点を明らかにしていただきたいのです。
○大倉政府委員 五十年度予算におきましては、当初予算では分離課税の譲渡所得の税収は税額としまして七千九百億ぐらいではないか。税収ではまた延納等いろいろございますが、基礎になる税額のところで申し上げますと七千九百億ぐらいではないかという予想で当初予算が組まれておりました。しかしそれは四十九年の補正後の見込みしかまだわかっていない状況でございまして、四十九年補正後で六千百億と見ておって、それに対して七千九百億と見ておったわけですが、昨年九月に補正予算を組みました。そのときには四十九年の実績がわかりました。実績はうんと減ってしまって、三千四百億であるということがわかったわけでございます。したがいまして、土地の譲渡というのは率直に申し上げまして非常にあなた任せみたいなことでございますので、昨年九月に補正予算組みますときには、大体四十九年の実績と同じぐらいとして組むよりしようがなかろうということで、三千四百億というふうに予定しておりました。この三月に確定申告の時期にふたをあけてみましたところ、ただいまおっしゃいましたいわゆる駆け込みが予想外に大きかったということのようでございまして、ただいままでの国税庁からの速報ベースで見ますと、三千四百億と見ておったものが、大体六千百億ぐらいになりそうである。したがいまして、増差額としましては、約二千四百六十億ぐらい、つまり予想外の税収が駆け込み譲渡で出てきた、そう思われます。
○村山(喜)委員 わかりました。二千四百六十億、それだけふえたわけですが、そうなってきますと、駆け込みでございますから、今度は厳しい、五十一年度から税制が資産所得のそういう不公平感を是正するということになってまいりまするので、この予想外の伸びは五十年度の収入だけにとどまって、今後の土地の分離譲渡所得の伸びはどの程度期待ができるというふうに見込んでいらっしゃいますか。
○大倉政府委員 制度的に村山委員よく御承知のとおり、ことしに入りまして以降の譲渡はむしろ本則よりも負担が強くなるということで、すでに法律をお通しいただいておりますので、まさしくおっしゃいますように五十一年分以降は従来のような個人の土地の大きな動きというものはないであろうと考えます。具体的に五十一年度の予算の税収見積もりの中では、全くゼロというふうにも見ておりませんが、約千二百億ぐらいを予定いたしております。千二百億というのはその補正予算で見ました、先ほど私申し上げた三千四百億ぐらいのものの四割ぐらいはまだそれでもあるかなという見込みをしていることになります。したがいまして、実績の六千億に比べますと二割ぐらいというふうなことに結果的には見たことになります。
○村山(喜)委員 それだけしか土地が動かないという見込みでございますが、本則が強化されて、しかしながら、特定市街化区域の農地等にかかる長期譲渡所得の場合は、税率が五%引き上げになったわけですが、二〇%というので五十年までは二年間延長をし、それから地方税の場合でもその特例の措置を二年ほど延長をことししておるわけですね。そういう点から考えてみた場合に、あるいは二千万円以下については二〇%の課税措置をやる。それ以上の譲渡所得の場合には四分の三方式ということになりますが、そういうのが適用されたらもう土地が動かない、二割ぐらいしか収入が予定できない、そういうふうにしか見られませんか。さらにその後は、地方税等においても特例の措置が外されるということになればなお厳しくなるので、五十一年なり五十二年、五十三年分まで延長しているわけですから、そういうような点から見れば、まだいまよりも、昨年よりはきつくなったけれども、将来の展望から見るとまだ経過的な段階だから、この程度は動くんじゃなかろうかという想定の仕方は二割程度のものにとどまらざるを得ない、そういう見方の方が正しいんですか。
○大倉政府委員 そこは正直に申しまして、私ども歳入見積もりのときに実は一番見当のつけにくい分野の一つでございます。二割と申し上げましたのは、結果的に二割という率になったという意味でございまして、当初予算の見積もりの仕方としましては三千四百億の四割ということは、いわば四十九年実績の四割ぐらいという感じで見ておるというふうに申した方がいいのではないかと思いますが、全く動かないかという点につきましては、村山委員がおっしゃいましたように特定市街化区域内のA農地については、いわゆるあめ法がございますので、ある程度の売却はまだあるんではなかろうか。それから税がある程度高くなりましても売らざるを得ないという場合もまああるでしょうというようなことで、正直に申し上げてこれは腰だめで見てあるとしか申し上げられない。これはふたをあけてみませんと、五十一年分がどうなるであろうかということは本当によくわからない。冒頭に申し上げましたように、どうもあなた任せという感じで私はおります。ただ税が一体どう働くかという先ほど大臣に御質問のございました一番最初の問題に戻りますれば、それは個人の持っております土地が住宅用にかわるためには、それはやはり税を下げなくてはうまくいかない。しかしそう思ってやってみたら、結果的に土地成り金がうんと出たとかいうような御批判があって、逆にいまや課税の強化の方になってきておるわけでございまして、そういう経緯を踏まえました上で、今後をどうするかということが先ほど来の御質問の中の一つの検討項目になるであろうと思います。
○村山(喜)委員 法人がいま抱えておる土地は市街化調整区域外が多い。あるいは地目から見たら山林の部門等が多いというので、いきなりそれを土地、宅地の方に振り向けるというようなこともなかなかむずかしいものがありますが、しかしながら現実に持っている、もてあましている土地がこのままで済むものではありません。やはり需要と供給の関係で、それだけ需要の方が少なくなれば、もてあました土地を値を下げて売らざるを得ないという状態が客観的には生まれてくるわけでございますから、先ほど申し上げましたように、なぜ土地が流動化しないのかという点については、税制の問題に原因があるんじゃなくて、いまの実際のそういう土地の利用状況というものに問題がある。あるいは都市計画、町づくりをする場合に、その町の中心地域になるものをどういうふうに構築をして、その周りに住宅街をつくっていくかというそういう手法において、いままでの手だてが十分でなかった、そういう点等があるんじゃないかということも考えますときに、この税収の見積もりというのは、そういうような政策をやる意思がなければ別でございますが、やるとするならば、二割程度の税収の見積もりでは余りにも少ないのではないだろうか。もう少し私は的確に見積もるという点においては必要性があるけれども、こういうような問題については大蔵省だけの問題ではございません。建設省なり国土庁なり自治省なりその他との関連性もございますので、そういう点から処理をされませんと、土地税制が諸悪の根源であるというふうに思われて、思わぬところを攻撃をされて、そして痛くもない腹をまた探られるというようなことになるような大蔵の行政であっては私はまずいと思うので、その点については忠告を申し上げておきますが、そういうようなものについて、税制の面だけでなくて、全体的な問題としてこの問題を処理をするのには、やはり大臣の代理である政務次官が答弁をなさってしかるべきだと思いますが、唐沢政務次官、どういうふうにお考えですか。
○大倉政府委員 政務次官からお答えをいただきます前に、ただいまいろいろ御批判いただきました点につきまして、私、基本的には村山委員の御意見とほとんど同感でございますが、若干つけ加えさせていただきますと、先ほど来私が御説明いたしました税収は所得税でございまして、これは個人保有の土地が動いた場合の税収見積もりでございます。現に法人が抱え込んでおります土地がもし動きました場合は、これは法人税の方に入ってまいりますということを一つ申し上げたいと思います。 もう一つは、まさしくおっしゃいましたように、私どもが昨日横山委員にお答えいたしました趣旨は、穴あけを見直せばいいとだけ申し上げたつもりではない、言葉が足りなかったのかもしれませんが、要するに、適正な価格で優良な宅地が供給できるという、それが一番原点の一つの政策だったのだから、そのために税が邪魔をしているということがもしあるのなら、それは直さなくてはいけないと思っております。邪魔になっているかどうかは、十分勉強いたしたいと思います。ということを申し上げたわけでございまして、おっしゃいましたように、たとえば、これから何年か先に縦貫道がつくであろう予定地を買い占めてしまったとか、北海道の湖のそばを買い占めてしまったとか、それをいまになって税制を直してくれれば宅地になるというのは、それはうそでございますから、そういうつもりで私どもが税制を見直すというつもりはございません。それは、もし土地が動かない、そのために信用恐慌になりかねないというふうな全然別の角度からの御議論はあるのかもしれませんが、それは税とは別のところで議論していただきたい。やはり私どもは原点に戻って、市街化区域なり、場合によって調整区域の一部でも、これは開発してよろしいと改めて認定された区域なり、本当に下水道もできるし、公共施設もあるし、そういうところを宅地にするのだ、そのために税がいま邪魔になっているというのがあれば、それは見直したいと考えております。 ただ、その税を考えますときに、常に本当は税以前の土地政策というものがほしいということは税制調査会も終始一貫して言っておられます。土地政策全体につきまして、幸いに国土庁という所管官庁はすでにできておりますけれども、大蔵省としてもそういう角度からの検討を踏まえた上で税を考えるということは絶対に必要であるというふうに私は考えております。
○唐沢政府委員 先ほど大臣も御答弁いたしておりましたけれども、いま局長も申し上げましたとおり、土地供給の促進とか仮需要の抑制といった政策全般について税制の果たしておる役割りというものはあくまでも補完的、誘導的なものでございます。いろいろ先生の御指摘された将来の問題もあろうかと思いますが、そのような立場から政策の基本的な目標を実現する上でこの税制がもし障害になっておるということならば、これはやはり税務当局としても考えなければならないと思ってはおりますが、現在の時点では、いま局長の申しましたとおりではないか。その点につきましては、さらに国土庁初め関係省庁とも十分協議をいたしてまいるつもりでございます。
○村山(喜)委員 この際、四十九年度の法人税法によります引当金、準備金、特別償却等の利用状況の調査資料を見ながら、五十年の五月一日から適用をされているこの実効税率の計算が、資本金一億を超える法人の実効税率という資料を見たことがありますが、それによりますると四九・四七%ということでしたね。これは間違いございませんね。
○大倉政府委員 ただいまおっしゃいました四九・四七という実効税率は、いわば理論計算でございまして、その配当性向を三割という仮定を置きました場合の理論計算でございます。
○村山(喜)委員 そこで、今回租税特別措置法等の手直しを若干やりましたね。それによって変化がありますか。
○大倉政府委員 四九・四七という理論計算のベースになりますのは、法人所得を一〇〇とするという仮定を置いただけでございまして、租税特別措置法の改廃によりまして動きますのは、いわばタックスベースそのものが動いてまいるわけでございます。したがいまして、動いた後のタックスベースについての同じような計算値というものは変わらないわけでございまして、ただいまの村山委員の御指摘は、恐らく前々から大蔵委員会の御要求で各年度分についていわば実績的に資本階級区分別に実行税率がどうなっておるかということをやったことがございまして、それにつきましては、五十一年度がどうなるかというのは、実はあとまだずいぶん時間がかからないと出てまいらないわけでございます。四十九年度分につきまして、もう少し時間をいただきますとお出しできるのではないかと思っております。
○村山(喜)委員 そこで、いろいろ私も調べてみたのですが、いまの法人関係の税制の中で、これは所得税なり、あるいは法人税なり、あるいは租税特別措置との関係もありますが、引当金、準備金、それから特別償却、こういうようなものの分類をしてみた中で、それと国際的な比較の資料等を調べてみると、日本の企業法人の場合には、他の国々に比べて減価償却率が非常に高い。四十八年度の減価償却引当金が七兆五千二百二十四億、それから四十九年度は八兆三千五百四十六億という数字が出ておりまして、国際比較の場合に、全製造業でとった場合には、日本の場合が一五・四〇%になっているのに対して、アメリカが一〇・三一、イギリスは七・八、西ドイツの場合には計算方式がちょっと違いますので参考になりませんが、やはり減価償却率が高いというのは設備の更新には大いに役立つわけでありますし、その中の最たるものは特別償却制度というものによってそれがなされているのだと思うのです。ところが、この特別償却制度の中で今回廃止をされたものもあります。そうしてまた、縮小されたものもありますけれども、しかしながら、全然手が触れられていない——これは期限が来ていないものもありましょうし、中を見てみると、適用期限がないものがありますね。たとえば特定設備の場合等については、これは十六の内容については適用期限なしに特別償却制度というものが認められている。一体そういうようなものが正しいのかどうか、もう 一回この点については期限を決めてそれを適用するなり、あるいはもっと整理をして合理化するなりというような方法をとらないと、この特定設備の中で、地中送配電設備等は今回廃止になったわけですが、そのほかに新たに算入したものもありますし、若干の修正をされたもの等ありますが、これは期限なしに適用されているものが大部分であります。そういう点については見直しを図るという考え方があるのかないのか、やはり今後の問題になってまいりますが、どういうように検討されているのか、説明を願いたいのです。
○大倉政府委員 今回の縮減、合理化に際しましては、中小企業関係で縮減をしなかったものが一部ございますけれども、そのほかは原則としていわゆる一段落としという縮減をやらしていただいております。公害防止施設だけは、これは公害防止ということの重要性ということもございますと同時に、公害防止準備金の方を積立率を半減いたしましたものですから、全体をながめました上で公害防止施設の償却率だけは現状のまま維持するということにさせていただきました。期限の問題は特定設備につきましては、法律上の期限はおっしゃるとおり法律の表にはつけてございませんけれども、個別の設備を指定いたしますときに、告示におきまして期限をつけるというシステムで従来からやってまいっております。 それからなお対象の設備につきましても、具体的な範囲につきまして洗い直しをして、できるだけ合理化を図るということで、公害防止施設につきましても償却率はそのまま残しましたが、対象設備はかなりの縮減を行うということにさせていただきまして、すでに告示をいたしております。
○村山(喜)委員 そういう特別償却制度については、今後は検討をされるのですが、される御意思はないのですかということを聞いているんです。それと準備金についても、二十二の特別措置の種目がありましたが、その中についてそれぞれチェックされて縮減をされたものもありますし、あるいは全然手の触れられていないものも残っておりますね。こういうようなものについてはどういうふうに今後検討をされるのでありますか。たとえば渇水準備金なんというものもありますね。これなんか全然手をお触れになっていない。あるいは商品取引責任準備金とか違約損失補償準備金とか異常危険準備金とか海外探鉱準備金とかいろいろありますね。こういうようなもの等については、期限が到来をしていないというようなものもありましょうが、今後さらに検討されるつもりであるのか、あわせてお答えをいただきたいのです。
○大倉政府委員 本年度の税制改正につきまして、予算委員会ではなはだその程度が不十分であるという御批判を野党議員の諸先生からいただいておりますが、私どもとしましては、項目的にも内容的にも従来にその例を見ないほどの内容ではないかというふうにひそかに自負はいたしておりまして、税制調査会でも答申の中に、この段階でここまでやったということにはそれなりの評価をしていいと考えるとおっしゃってくだすっておりますが、さらに続きまして今後とも既得権化を排除する、常に合理化を図るという意味で、不断の努力を続けるべきであるということも言われておりまするので、今後とも機会を見まして縮減、合理化に一層努めてまいりたいと考えております。 ただ、これは御批判があるかもしれませんが、私どもとしましては、昨年の夏から暮れまでかけましたこの作業というのは、期限の来ていないものも含めて相当暴れ回ってやりましたものですから、もう一年、ことし同じことをやるかというお尋ねであるといたしますと、ちょっとそれは無理であろう。もう少し時間をかけた上でもう一遍見直すということでないと、現実的にはことしの暮れにまた去年の暮れと同じくらいの幅の合理化がやれるかという点につきましては、正直申し上げまして私はそれはちょっと無理であろうというふうに考えております。
○村山(喜)委員 その法人税法なりあるいは所得税法、措置法の両面に関係があります引当金ですね。これは政令で措置ができるものについては、金融の場合等の貸倒引当金等については若干の手直しをされておるわけですが、今後やはり六つの引当金、これについてはどういうふうに検討されるつもりでありますか。
○大倉政府委員 引当金につきましては、考え方の根本は私はやはり期間損益を合理的に計算するために設けられているものであって、特定の政策のために設けられているものだとは考えておりません。ただ、法律、政令で規定されております繰入率が合理的でないという面があるとすれば、それは見直しをしなくてはいけないと考えますし、その意味でここ数年、ずっと引き続いて貸倒引当金の繰入率は縮減を続けてまいっております。貸倒引当金の繰入率は、五十二年の三月期に千分の八まで下がりが実現いたします。その後は五と八の間で別に決めるという約束になっておりまして、私主税局長としましては、なお段階的に縮減を続けたいと考えておりますが、それは五十二年三月までの間に関係方面と十分議論をいたしてみます。 退職給与引当金につきましては、いまのシステムが非常に不合理であるという御批判が一部の委員から出されておりますけれども、これは引当金そのものを全く否定するという見解には、私はどうも賛成はいたしがたい。それからいまの残高が二分の一限度という、二分の一がいいのか悪いのかという御議論がございまして、これはつくりましたときにかなりの作業をしていただいて、いわば一種の計数的なバックをもってでき上がっておりますので、これを腰だめ的に簡単に動かしてしまうというわけにはまいらないと思いますが、今後なお研究はいたしてみたいと思います。 そのほかの引当金につきましては、それなりに私としては現在は合理的な制度であるように考えておりますけれども、なお現在の制度につきまして、その合理性について吟味をすべきところはもちろん今後とも研究は続けてまいりたいと思います。
○村山(喜)委員 ちょっとこれは、社会党の方から租税関係六法を提案をいたしました際に、また引き続いて質問をいたしておきたいと思いますが、その前に有価証券の譲渡によります所得の課税の強化の問題は、これは検討になっておりませんか。年間取引が五十回以上、二十万株未満については非課税だというような措置がいまとられて、今度のロッキード問題等でもそれに関連をするような形で、所得の隠しやあるいは時期を分離して課税回避に動いたというようなもの等も見られるわけでございますが、こういうふうなものについては社会的公正の確保を図るという意味からも、そういうような有価証券の譲渡等については、配当所得、利子所得等の軽減措置とあわせて、国民の間に不満の非常に強い要素が指摘をされるわけですが、そういうようなものについては検討をするとか、あるいは有価証券取引税法の譲渡した場合の税率が〇・三%というきわめて低い形になっておりますが、そういうようなものについて税率を引き上げるというようなこと等については検討をされる意思はないのか、お聞きをしておきたいと思います。
○大倉政府委員 有価証券、特に株式のキャピタルゲイン課税につきましては、前々から当委員会でも御指摘をいただいております。昨年の改正作業に関連いたしまして、私どももキャピタルゲインについてもう少し前進できないかということを、いまだから申し上げられますが、関係方面とかなり議論をいたしました。結果といたしましては、証券関係の準備金の縮減もございましたので、もう少し時間をかけてお互いに勉強しようではないかということで、現在非公式に専門家に入っていただいて一種の勉強会をいたしております。ただ、事柄が事柄でございますので、だれが入っているかとかどういうことをやっているかということにつきましては、ちょっといまの段階ではお答えを差し控えさせていただきたいのでございますが、いずれにいたしましてもおっしゃいました五十回、二十万株というのがいまのままでいいとはなかなか言い切れないと私も思いますし、あんな取引が税法がそうなっているから課税を逃れてしまうというのはおかしいのではないかというようなところを現実に積み上げてみまして何かの前進を図りたいという気持ちは強く持ち続けております。有価証券取引税の税率につきましては、前回政府提案でかなりの上げ率で引き上げてからまだ余り時間がたっておりませんので、もう少し様子を見た上で判断をいたしたいというのがいまの率直な考え方でございます。
○村山(喜)委員 ここで私は——国税庁見えていますね、確定申告に関連をいたしまして、源泉徴収に対する不満やあるいは給与所得者の場合等の課税の的確な実施を期待をすることから、特に年度途中で退職をした人たちの還付の問題等が申告をすることによって実現をしておるものがたくさん報告を受けているわけでございますが、その中で実務的な中からいろいろな問題が出てきております。それを具体的に時間が許す範囲内で詰めてまいりますので、この点についてはこうするのだという統一的な見解をお示しをいただきたいわけです。 まず給与の問題でございますが、所得税法によります給与所得の場合は控除率が百五十万円までは四〇%程度になるようでございます。そこで、それの対比関係の中から郵政の職員が簡易保険とかあるいは郵便貯金の勧誘をいたしまして報償金をもらうのですが、その場合はその報償金については事業所得としてみなして経費率を四〇%ということで押さえて計算をする、それと同業的な民間の生命保険等に携わる外務員の外務員手当というのは経費率を四四%ということに押さえているようであります。これは一体どういうところから来るのだろうかということなんですが、固定給と歩合給の関係で経費率を四%違わしているのかどうか、その点はどういう説明がされるのか、この点を第一に承っておきます。 第二点は、労災補償、健康保険の医療給付の場合には、労働者災害補償保険法等によりまして——医療給付というのは傷病手当金ですが、これは給与の六〇%は法律の定めるところによりまして非課税扱いになっている。ところが、休業補償については非課税扱いになっていないものもある、こういうように聞くのでありますが、所得税法九条三号によりますと「公務上文は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受ける」政令で定めるものとして、労働基準法上の休業補償については非課税扱いにするというふうになっているわけでございますが、そういうような取り扱いが、現実に休業補償については非課税扱いになっていないというようなものもあるというように聞くのでありますが、それは一体どういうふうになるのか。 それから、電力会社の検針員とかあるいは集金人等の給与というのは、これは請負給与だというふうに考えた場合には、事業所得としてこれをみなして課税をするということになるのでしょうが、それが現実にはその事業所得としては見ているものと見ていないものとあるようでありますが、そういうような違いはどういうように統一をされるつもりなのか。これが給与の性格に関する問題でございます。お答えをいただきたい。
○熊谷(文)政府委員 ただいま初めの御質問の郵政省の職員の奨励報償金の控除の問題でございますが、申すまでもなく一般に所得の計算をするに当たりましては正確な実額計算を、収支計算を基礎としていただくことはもちろんのことでございまして、民間保険の外交の方あるいは簡易保険の外交に従事している方もその例外ではないわけでございますが、ただすべての納税者にそのようなことをお願いすることはできない場合もございまして、私ども税務部内のいわば目安といたしまして、業種によりましてはサンプルによる実態調査というものを行いまして、それに基づきまして平均的な経費率なりあるいは所得率なりを求めておるわけでございますが、このいわば目安というものを先生ただいま御指摘になったケースではないかと思います。こういうものは私どもの過去における実態調査の結果を踏まえましてしたものでございまして、四四という数字あるいは四〇という数字の差はそういった実態調査の結果の差によって出てまいったわけでございまして、その原因は先生ただいま御指摘になりましたようなこともございますでしょうし、またあるいは募集の担当範囲が違うとか、あるいは募集の関連の経費の負担の差がある、そういったことがあった結果ではないかというふうに思います。これはかなり古い調査の結果でございますので、最近の実情等につきまして、もしこういう実態が非常に違うというようなことでございましたならば、私ども実態調査をするということについてはやぶさかではございません。
○大倉政府委員 第二点の労災給付でございますが、これは労災保険法によります休業補償給付なり休業給付は法律上明文をもって非課税とされておりますので、取り扱いで区々になるということはないはずだと私理解をいたしております。もし取り扱い上どこかが課税になっているというのが出てくるとしますと、それは労災法でない別の支給源泉による休業補償ではないかと思いますが、恐縮でございますが、なおもう少し実態について御指摘いただきますれば、それに応じてお答えいたしたいと思います。
○熊谷(文)政府委員 第三点の電力会社の検針員の件でございますけれども、私ども、その検針員につきましては、雇用契約を結んでいないというふうに承っております。したがいまして、給与所得ではないというふうに考えさせていただいております。
○村山(喜)委員 中部電力の集金人の給与というのは、雇用契約を結んでいないとおっしゃったのですか。だから請負給だと。これは、雇用契約なしになされているのと雇用契約に基づいたものとの違いがあるということですか、他の職場との比較で。
○熊谷(文)政府委員 中部電力の検針員の場合につきましては、雇用契約によらないで、請負契約によりまして仕事をしている、こういうことでございます。
○村山(喜)委員 だからそれは事業所得として取り扱いをしている、こういうことですか。
○熊谷(文)政府委員 さようでございます。
○村山(喜)委員 そういたしますと、これは、雇用契約の内容取り決めがあるかないかによって、普通の給与所得としての取り扱い、あるいは事業所得としての取り扱いの差を決める、これは実態に即応してやっているんだ、こういうことですか。 そういうことになれば、税法の上からは、実態に即応してやるから、そういう措置はケース・バイ・ケースで決める、こういうことの指導になるわけですか。その点を明らかにしておいてください。
○熊谷(文)政府委員 ただいま申しましたように、雇用契約に基づいてしている場合には給与所得として見るという原則で処理をいたしております。
○村山(喜)委員 そうなりますと、先ほど説明いただいた、実態調査で、募集経費等の差によって実際の経費率が四〇とか四四とかいうものが出てくる。それは地域によっても違うでしょうし、またその募集経費の内容によっても——民間の場合にはいろいろな物を持っていくとか、そういうようなものが経費として算入されたら、それは経費率というのは四四%というふうに高くなるわけですね。一方、郵政職員の場合には、そういうような物を持っていくわけにはいかぬとなったら、経費率は落ちることになりますね。そういうような契約者のところに持っていく物まで募集経費の中に入れながらその経費率というものを計算をして、あなた方、課税するんですか。
○中橋政府委員 そもそも、所得税を、いまおっしゃいましたように、課税いたします場合には、実額の経費で算定するのがたてまえでございます。しかし、実額で一々やりがたい場合には、私どものところでサンプル的に、このくらいの率であればあえて更正をしたりしないで、許容する限度というもので、いわゆる標準的な経費というものを見ておるわけでございます。 そこで、いまおっしゃいましたように、民間の外交員と郵政省の簡易生命保険の外交員とでは、そういうサンプル的な調査によりましては若干経費が違うわけです。その中には、いまおっしゃいましたように、持っていく物が若干違うということも一つの要素になっていると思いますけれども、そういう概括的な率として違っておりますから、一応そういう適用率として使っております四〇と四四というのが出てくるわけでございます。本来は、やはり個別の経費で算定するのが所得税のたてまえでございます。
○村山(喜)委員 実際の取り扱いはそういうふうにやっていらっしゃるのですか。標準的な経費率を想定して、これでやりなさいという指導をなさっていらっしゃるのでしょう。これだけの経費が必要であるからこの経費については経費として控除を認めましょう、こういうようなことで確定申告で経費を事業所得の中から落とすやり方で認めていく、どちらの方をやっていらっしゃるのですか。
○中橋政府委員 それは、私がさっき申し上げましたように、たとえば四〇とか四四という数字をお使いになりまして申告なさっても、それは私どもの方で認めるという数字でございます。原則は個別にやっていただくのが一番望ましいのですけれども、大量処理のためには四〇とか四四というものでも結構ですということで申告をしていただいているのが実情でございます。
○村山(喜)委員 そういたしますと、郵政職員は四〇、一般の民間の外交保険員の場合は四四、これは全国的なものですか。 〔森(美)委員長代理退席、委員長着席〕
○熊谷(文)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○村山(喜)委員 その問題はどうも客観的に——四%の差があることがサンプル調査の結果実態として出てきたとおっしゃるのだが、そのサンプル調査は何件ぐらいのサンプル調査に基づいてこの標準率の設定をされたのですか。
○熊谷(文)政府委員 正確に覚えておりませんが、恐らく百件程度のサンプル調査ではないかと思います。
○村山(喜)委員 私は、百件程度のサンプルで四%の差をつけてやるような、そういうようなやり方はきわめて客観的でないと思うのです。もしおやりになるのだったら千件ぐらいのサンプルでも集めてその経費率の測定をおやりになったらどうですか。そうしないと、現実にそういう労働者の場合には、自分たちの経費率は四四%だ、郵政の職員の場合は四〇%だ、なぜこの差が出てきたんだろうかということに対する疑問、納税者の疑問に答えることができないじゃございませんか。その点は、そういう実態調査をもう少し的確におやりになって、そういうような経費率の算定をおやりになる場合には余り実態から離れないような措置が必要だと思いますので、それをおやりになる考え方がございますか。これは国税庁長官か次長にお尋ねいたします。
○横井政府委員 御存じのように、統計的な批判に耐えるようなものでなければならないということは当然のことでございますから、必要に応じまして、今後ともこの種のものにつきましては、そういう見地から検討してまいるということをいたしたいと存じますが、同時に、長官から申しましたように、個別に実額計算していただくということが本来の姿でございますので、そのような点につきましても関係の方々を御指導申し上げるというふうに努力をいたしたいと考えます。
○村山(喜)委員 時間がありませんので、そのほか医療費控除の問題等についても税務署の所管によって違いがあるというような問題もございます。そういうような問題はもう統一的に処理を願いたいと思うのです。 最後に一点だけお尋ねして、これは確認をしておきたいと思いますが、内職の場合、パートの非課税額七十六万円ですが、運用の面で非課税として取り扱うように措置をするという指導原則のお話を主税局の方で、だれが言ったというのもここに記録があるのですが、この場合に、たとえばその事業所に内職者の名簿等があれば、そういうようなパートと同じような指導、そういうような措置の取り計らいというものがされるというふうに確認をしてよろしゅうございますか。
○熊谷(文)政府委員 ただいま先生からお話のございましたことにつきましては、私、心当たりがないのでございますが、たとえば主婦の内職収入というようなことでございましたならば控除失格になる方が多いんではないかというふうに思っております。ただ、申告納税制度の円滑な遂行のためには、もちろん正しい申告というものをしていただくということは当然でございまして、税務の執行に当たりまして、もちろん悪質なものや多額なものを重点的に調査を進め、少額のものにつきましては重箱の底をつつくような処理というものはいたさない、そういう気持ちでやっております。
○村山(喜)委員 ちょっとはっきり聞こえなかったのですが、いま扶養者控除の対象にならない——たしか五十万円でしたね。五十万円までは妻の場合扶養者として認めることになっておったですね。(「二十万円」と呼ぶ者あり)二十万ですか。そこで、パートの場合は七十六万でしたね。その場合、内職の場合はこれは幾らまで認めるのですか、現実の取り扱いは。そういうように、パートと同じような非課税額まで運用面で考えていくようにしたいというような話を聞いているのですが、その点をちょっと説明願います。
○中橋政府委員 いま村山委員のお話を伺っておりまして、あるいは問題はこういうところにあるんじゃないかと思います。と申しますのは、パートと一口で申しましても、先ほど御指摘のような給与所得者としてパートタイマーの仕事をしているのであるか、事業所得者としてパートタイマーの仕事をしておるのであるかということによりまして、例の所得税法上の給与所得控除の金額がかなり違うものでございますから、そこで先ほどの七十六万円というような数字が出ましたり、あるいは単独の事業所得者とします場合にはその給与所得控除の五十万円というのは効かないわけでございますから、そこで差が出てくるのではないかと思います。そういうことになりますれば、やはりパートタイマーとしては、こういう場合には給与所得者として仕事をしていただければ、むしろ税金の面ではかなり寛大な取り扱いができるものでございますので、あるいはいま御指摘のように、名簿を備えつけるということによって給与所得者として取り扱えという御要求であるのではないかなというふうな気もいたしますが、私どもともども、できるだけ、実態としてやはり給与所得者としてパートタイマーの仕事をしていただくようにお考えをいただきたいと思っております。
○村山(喜)委員 その点については、それは内職のそれぞれの立場のなにがあるわけでしょうが、総評あたりから言ってきておりますのは、パートの非課税額までは運用面で非課税措置として取り扱うように指導してもらいたい、こういうような要請が来ておりますので、そういうようなことを踏まえて処置を願いたいと思います。 時間が参りましたのでこれで、あとの質問はまたほかの機会に譲らしていただきます。
○田中委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 最初に、国税職員の処遇改善の問題をひとつ伺いたいと思います。 その前に、これは政務次官でもどなたでも結構ですが、委員会でつける附帯決議と政治的効果、どのくらいの拘束力があり、どのくらいに実現されておるかという問題について、突然で悪いけれども、ひとつ大蔵省はどの程度真剣に取り組んでおるか。大臣が、附帯決議をつけると必ず御趣旨に沿って努力しますということを言っているけれども、それじゃ附帯決議がついた案件は、大蔵省に限り何件あるかというようなことを、大蔵省なり大臣官房長でも覚えているのかいないのか、きょうは突然だからそう細かいことは言いませんけれども、そういうことも含めてどの程度真剣に附帯決議には取り組んでおられるか、その辺をひとつ伺ってみたい。
○唐沢政府委員 昨年の附帯決議何件かというようなことは存じておりませんけれども、附帯決議の趣旨は十分に尊重さしていただいて、われわれの内部でも検討し、できるものから実施してまいりたい、そしてそういうものにつきましては先生方に御報告をいたしていくべきである、かように考えております。
○竹本委員 抽象的で余りわかりませんから、今度大臣が出席されたときに改めてまとめてひとつやりますが、附帯決議というものはお互いに気休めやごまかしでやってはならぬ、やはり相当真剣に取り組んで、段階的に漸次それを実現していくような、御趣旨に沿うような努力をしてもらいたいということであります。 そこで、大蔵委員会では税の問題を論ずるときに、毎回、たとえば税務、国税職員の処遇改善については附帯決議がつきまして、これは去年のものですが、「政府は、変動する納税環境の下において、複雑、困難で、かつ、高度の専門的知識を要する職務に従事している国税職員について、職員構成の特殊性等従来の経緯にかんがみ今後ともその処遇の改善に一層配慮すべきである。」こういう決議をしている。それから、国税関係には二つの組合があるようですけれども、それぞれ代表の方が見えて、理事懇その他の機会にいろいろと事情を説明しておられる。 そういうことで、政府の方も、ほかの附帯決議に比べればある意味においてこの決議の実行ということについては努力しておられるように私も一応評価をいたしておる。しかしながら、その努力にもかかわらずまだまだ問題が多く残されておるので、ひとつ一、二の点を伺ってみたい、こういうことであります。 まず第一点は、税務職の俸給表の優位性、いわゆる税務の水準差の問題でございます。 これは二五%ぐらいから出発をして、だんだん上がったり下がったりでございますが、現在は一〇・二五とかいうことになっているようだけれども、これを毎年御努力をいただいてどの辺まで持っていくつもりであるかということと、それから何年計画で持っていくつもりであるかということについて、具体的なプランを持っておられるのかないのかという点でございます。国税庁長官もいろいろ御努力をしておられることも知っておりますが、昭和三十二年のときでも一三・三%ぐらいになっておるのが、いまは一〇%、一時は一〇%を割った、こういうことでございますが、大体どの辺まで回復さしたらいいものか、これは感じでいいのですが、感じを持っておられるのか。それから、できれば、それを達成するためには、これはやはり財政負担の問題もありますから、一遍に理想的なことを言ってもどうにもなりませんから、私はすべて三年なら三年、あるいは長ければ五年の計画を立てて漸次そういう方向に持っていくべきではないか、こういうふうに思っておるのですけれども、どの辺を目安にしておられるのか、あるいは何年ぐらいでそういうところへ持っていこうとしておられるのか、そういう点について何かお考えがあれば伺っておきたい。
○中橋政府委員 いわゆる税務俸給表の水準差の問題でございまして、これを一体本来——昔幾らあったのかという問題も実はいろいろとり方がございます。かつて二五あったということをおっしゃいましたが、確かにそのときにはいわゆる税務特別手当が支給されておりまして、これを万一そういうものを受けた場合と仮定した場合に支給される手当の一カ月分を平均給与月額と比較して計算をしますと約二五%近い計数になったということから発足をしたようでございますし、たまたま今日の給与表のもとになりましたのがいまお示しのような昭和三十二年でございまして、そのとき一三・三でございましたので、そういうものと比較をすることも一つの目安だ思っております。 ただ、私は常々思っておりますが、一つには、税務の仕事というのは、いま竹本委員に御指摘していただきましたように、非常に複雑で困難であることはわれわれも身をもって知っておるわけでございますけれども、やはり、これが他の職種と比較をされます場合には、なかなか私どもの主張というのが十分加味し得ないという事情もございます。いろいろそれぞれの職種についての特殊性というのを人事院としてはやはり加味をいたさなければなりませんので、われわれの仕事についての理解を持ちながらも、なかなかその間の水準差というのをわれわれが庶幾するほどにはつけがたいし、また、かつてありましたものとも比べて今日それほどになっていないという事情もあるわけでございます。 それからもう一つは、これは私、組合交渉のときにもよく言っておるのでございますけれども静態的な水準差というものも確かに一つの問題ではございますけれども、ずっとその後従事しております税務職員なら税務職員、あるいは一般の行政職の人たちというのも、年齢、経験を加味しながら移動しておるわけでございますから、動態的に見まして、一体税務俸給表の適用を受けておりますわれわれの税務職員の俸給水準というものが、一般の行政職の公務員の俸給水準とどの程度の差になってきつつあるのかという動態的な差もまた考えなければならないのではないかというふうに思っております。 しかし、いずれにいたしましても、やはり静態的な水準差というものはわれわれの仕事の特殊性から言いましても相当程度確保してもらいたいということは、常々私どもも思っておる次第でございますし、昨年まで、あるいは数年前からのいろいろそういう折衝時点におきましても、かなり他の職種との関連を問題にされながらも、人事院においても相当程度加味していただいておるというふうに思っております。現に最近、いわゆる水準差が九・五%というところから一〇・二%にまで回復しましたし、五十年におきましては本当に苦しい中からも一〇・三というふうに上げていただきましたその配慮について、われわれもありがたく思っておりますけれども、なお、さらに私どもとしますれば、いまお尋ねのどのくらいの目安を持っておるかということになりますと、非常にむずかしいのでございますが、たとえば一三・三というときとか、あるいはそれを超えましてもう少し上のところの線ぐらいまでぜひ実現をしていただきたい、そういうようなことの気持ちで、今後ともなお折衝してまいりたいと思っております。
○竹本委員 非常に前向きに努力しておられる点は評価をしておるわけですが、より具体的に申しまして、三十二年の一三・三とかあるいは一五%ぐらいに達するまでは、一つの努力目標として毎年一%ずつぐらい回復するような目標を設定してみたらどうか、こう思いますが、その点について何か御意見があれば、ひとつ。
○中橋政府委員 確かに早い期間にわれわれの仮に目標としておりますところに到達するためには、お示しのように、ある程度毎年毎年逐次上げていってもらわないと困るということでございますので、そういう点も今後の私どもの折衝のときには十分加味しながら、関係方面にお願いを続けてまいりたいと思います。
○竹本委員 この税務職員の問題との関連で、せんだっても大臣に質問をいたしましたときに、児玉事件、あるいはロッキード事件と言うのが正確かもしれませんが、そういうものが納税道義にいかなる影響を与えたかという問題について質問をいたしましたところが、大臣の方では、三月十五日の申告等も、予想をむしろ上回るような成績がよくて、喜んでおるような話もあって、道義そのものにどういう影響を与えたか、また第一線の国税の職員がどんなにやじられたり、しかられたりして悩んでおるかということについては、深い思いやりのあるような発言は余りなかったと思うのです。 二つのことを伺いたいのだが、一つは、最近における、まあいろいろの条件がありますが、納税道義は上がったと見るべきか下がったと見るべきかということについて、国税庁長官はどういう感想を持っておられるか、その辺を具体的に伺いたい。 それから、これと関連していまの児玉事件の問題も、この間はアメリカの資料が国税の方に来るのか来ないのかというような話もいろいろありましたが、それに関連して検察の方は今度は異常な決意をしておられるようにわれわれも新聞を通じてでも一応理解できる。恐らく国税の方もそうであろうと思うし、また、そのことが納税道義に対する高揚の一つのてこになる、こう思うのですが、今回のロッキード事件関連の問題に対する取り組みの姿勢として、精神的な条件は別にしても、人員その他において、従来はこういう事件についてはこのくらいであったけれども今回はこのくらいの大動員をかけているのだという点があれば、その点をひとつ、決意を具体的に数字で示してもらいたい。
○中橋政府委員 最近におきますわが国民の納税道義がどの程度であるかということでございます。これについては、もちろん客観的な指標というのはないのですが、私自身少なくとも感じておりますことは、特に問題になっておりまする所得税におきまして、まずは、源泉所得税を納めてもらっておる人たちの納税意欲というのはもう非常に高いというふうに思っております。それからその次には申告所得税でございますけれども、これもまさに四半世紀たちました今日を振り返ってみまして、だんだんとよくなってきたというふうに感じております。もちろんまだ個々の問題については多々ありますけれども、青色申告の普及とも相まちまして、相当程度の水準を漸次実現しておるのではないかというふうに思っております。特に今回のロッキード事件に際会をいたしまして、私どもも確定申告の状況がどの程度になるかということを非常に心配もいたしましたけれども、その際の事情あるいは結果を振り返ってみまして、それはときどきはロッキード問題についてのわれわれの税務が不備であったということについて若干の御批判もございましたし、確定申告上法律には許されないような特別のロッキード控除なるものを設けられた人が本当に少しはございましたけれども、大部分の納税者といいますのは御自分の適正な納税義務をこの際実現するのがやはり正しい道ではないかということを感じられたと思いますし、また、私どももそれを期待いたしておりました。そのとおりの成果が出てきたのじゃないかと思っております。正しい納税者がたくさんになればなるほど、われわれの税務というものも、的をしぼって不正な納税者というものを摘出しやすいわけでございまするから、大多数の納税者が正しくなっていただければわれわれの仕事もやりやすくなる、こういう立場を十分理解をし、また、税金によりますところの国の仕事の理解というものを深めながら、多くの納税者というのは御自分自身の適正な納税義務を実現しようという方向に非常に進んできていただいたということを私は今日反省をし、喜んでおる次第でございます。 それから、今回のロッキード事件につきまして私どもが動員をいたしました人員といいますのは、私の記憶いたします限りにおいては、余り例がなかったと思っております。冒頭いわゆる普通の税務調査をやりましたし、それにも相当の人員をかけましたけれども、二月二十四日に強制調査に移行いたしましてからは、三月十三日に告発いたしますまで、査察調査に従事いたしました人員は延べ三千二百八十二人でございますし、査察調査以外の調査に従事しました者が四百五十五人ということでございます。この人員の規模というのは、実は私は相当のものであったと思っておりますし、なおその後におきましては昭和四十八年、四十九年の査察調査も続行いたしております。これにつきましても相当の人員を、約五十人の査察官を先端としてなお動員中でございます。 おっしゃいますように、やはりそういう大きな脱税があったということについては、私どももまた真摯に反省をいたさなければなりませんけれども、その解明に当たりましては、できるだけの努力をすることによりまして、われわれが常に念願といたしておりますところの税務行政に対する信頼をかち得る、それがまた納税の道義を高揚する道であるというふうに思っておりまして努力をいたしておる最中でございます。
○竹本委員 道義の問題についての御答弁でございますが、申告は予定よりも上回ったということで、これは一応喜ぶべきことでしょうけれども、問題は、大部分の納税者の心理的ショック、それがどの程度内向しておるかということの方が政治的に考えれば重大な問題であって、税金は納めたくない、しゃくにさわると言ってみても、納めずにおれば罰則が適用されるのだから結局ばかばかしい、納められるものなら納めておくのが経済的な配慮から言っても当然のことでして、問題は、それがどの程度内向するか、あるいは内向しておるかという問題ではないかと思います。 で、特に国税の職員の数は余り変わらないけれども、たとえば申告所得の人数だってあるいは法人の数だってあるいは源泉徴収義務者の数だって、仕事の分量といいますか、そういうものは十年たてば大体倍になるでしょう。人の方は横ばいである。そうすると、対象も仕事も倍になっておるのだから、納税者の方で納税道義が高まって、なるべく協力をするとか、あるいは科学的にも正確なものを出していくというような、レベルが高まってこないと、仕事が倍になって人は同じだ、こういうことになると、どこかに見落としができてきたり、いわゆる社会的不公正が拡大されるという心配があるのではないか。そういう意味で、やはり納税道義の高揚ということは、単なる小学校の倫理の話みたいに聞こえるけれども、実際的には非常に大事な問題ではないか。これが高まらなければどうにもならぬではないかと言うし、また、そのためには政治の姿勢も変えなきゃならぬということにもなるわけですけれども、とりあえず納税道義の高揚というものをよほど真剣にやらなきゃならぬ。 そこで、私はいつも思うのですけれども、たとえば専売公社がたばこを売るためにどれだけの努力をしているかということを、人の面、予算の面から考えて、それと対比して、それ以上に重要な十五兆円から十六兆円とかいう、さらには二十兆円近くの税収を得ようというときに、その納税道義の高揚のために——私はたばこをのまぬから特に言いたいかもしらぬが、専売がたばこを売るために、健康を害してまでもたばこをのませようという宣伝、PRをしておるその努力と比較をした場合に、僕は、専売の方が、国民の健康の犠牲においてしかもよほど積極的だ、納税道義なり納税知識の普及なり、そういうことの納税という面からの国民に対する指導なり啓蒙なり協力なりというものは努力が足らない、あるいは不十分だと思いますが、政務次官並びに長官のお考えはどうですか。
○唐沢政府委員 先生申されましたように、税収は歳入の大宗を占めるものでございまして、何といっても納税者が正しく申告し納税していただかなければならない。特にいま御指摘ありましたように、非常に件数、仕事がふえていく割りに人はそれほどふえないということはございますので、ますます納税道義というものを高めていかなければいけないと思っております。まあ、最近起きました事件はまことに遺憾でございますけれども、何と申しましても納税道義を高揚するためには国民の税務行政に対する信頼が第一でございますので、いま国税庁長官も申しましたように、人員の規模におきましてもその他の面におきましても、全力を挙げて児玉問題の査察調査に当たっておるわけでございまして、今後ともわれわれ当局といたしましては、国民に税務行政を信頼をしていただけるように一生懸命努力をしてまいるつもりであります。
○中橋政府委員 いま政務次官からお話がございましたように、私も一にかかりまして税務に対する信頼が第一だと思っております。それで、竹本委員がおっしゃいますように、私どもの努力の方向を一体どういうふうにするかということでございますが、先ほどいみじくもおっしゃいましたように、たとえば専売公社がたばこを売る努力というものをわれわれのところに当てはめてみますと、まず第一には、やはり税金というのは歳出の評価を国民、納税者にしてもらわなければならないということでございます。税金を取ることのPRよりはむしろ使うことのPRが第一であるというのが税金に従事するわれわれ職員の宿命なんでございまして、実はそういう方向にもわれわれ非常に努力をいたしますけれども、これはやはり国を挙げて、あるいは政治を挙げての問題かと思います。 そうしますと、私どもの次の仕事は、やはり税金の納め方なり恩典なり納税手続なり、そういう納税のしやすさということについてのPRを十分やるということであると思います。 それから、第三番目には、やはり何といいましても税金の問題は一にかかりまして公平の問題でございますから、公平の確保というのをいろいろな角度からやっていかなければなりません。そのために私どもに与えられておる職務権限も使いながら、また権限だけでなしに、いろいろな環境を整備しながら公平の確保という努力をしなければならないというふうに思っております。
○竹本委員 第二の問題は例の中高年層の職員の処遇改善の問題ですが、これも戦後三年の間にどかどかと何万の人をとって、戦後三十年近くになりますので、大体二十五年なら二十五年たって、一定の処遇を考えなければならぬ人が一万四千名ですか、おるということだけれども、これまた一遍に解決できる問題でもないし、去年もおととしも、とにかく毎年これは非常に努力をされておることも先ほど来申し上げるように評価をしておるのですけれども、しかしまだ四千人なり五千人なりという人をどうするかという問題が残っているようです。これもやはり二年なら二年のうちにどこまでは持っていくという目標をつくることが——まあ財政的な事情から言っても非常にむずかしいと思いますけれども、しかし救われないでおる人たちから言えば、いますぐ急に解決されなくても三年計画で解決されるのだとか、あるいは早ければ二年計画で大体処遇改善をしてもらえるのだとかいう希望を与えて、ファイトを燃やすということが政治だと思うのですね。そういう意味で、まあ事務的に——ことしは八百六十一名ですか、非常な御努力でこれは成功だと思いますよ、しかしながら、そういうのを事務的にやってみたら八百六十一名とれた、大成功か中成功かは別としてよかった、こういうのも必要ですけれども、しかし前向きに言えば、そのことを後から報告するのと前から約束するのでは、人を使う上において非常に違うと思うのですね。そういう意味で、僕は政治的に物を見るからそう言うのですけれども、ことしはこのくらいまで持っていきます。来年はこのくらいまで持っていく。しかしもちろん約束は一〇〇%実現し得るようなものとも思いません。しかし、後から結果を報告するということにとどめなくて、前もって大体約束をする、そういうことが人を生かして使う方法ではないか。こういう意味で僕はその点を、四千名なら四千名をひとつこういうふうな計画で努力して持っていきたいというようなお考えがあればそれを伺いたい。 それから、もう一つついでに申しますけれども、沖繩の問題のときに、佐藤さんが名言を吐いて、沖繩の問題が解決しなければ戦後は終わらないとか言って、名文句を吐いた。佐藤語録に出ているが、このいまの国税のあれは一つの戦後処理だと思うんだ。だから、この問題が解決されなければ、国税庁に関する限り、あるいは国税職員に関する限り戦後は終わらないと言うべきではないか。少なくともそういう基本認識に立って一つの努力目標を設定されてはどうか。四千名なら四千名を二年なら二年で解決をするための取り組みを始めるというのと、じわじわいつかなし崩しにできてくるというのとでは大分条件が違いますから、その辺についてのお考えをひとつ伺っておきたい。
○中橋政府委員 先ほどお話しのように、本年度八百六十名といいます三等級格づけ可能ポストを認めてもらったわけでございますが、この点に関しましても、先ほどの水準差についてお答えをいたしましたように、やはり他の職種との問題が非常にございます。確かに、税務におきましても特殊事情として、あの戦後混乱のときに相当数の職員を確保する必要がございましたその結果としまして、今日まで多数の職員が相当の高年齢に達しておるということは、特殊事情でございますけれども、やはりほかの役所にも曲がりなりにもそういった事情はございます。そういう点の中で、特にまた税務の特殊性というのを主張しながら、こういうポストを確保しなければならないわけでございますし、そういう評価をしてもらった結果、本年八百六十という数字が得られたわけでございます。 これを数年来比べてみましても、たとえば数年前には百七十七程度でございましたのが、五十一年度に八百六十という数字になってきたわけでございますし、その結果から見まして、たとえば五十歳以上の税務局署の男子について見ましても、約半数以上の人たちというのはいわゆる特三等級以上の格づけのポストにつき得ることになったわけでございます。これは他の役所に比べれば、私は、非常に評価をし、また優遇をしてもらっていると思いますけれども、おっしゃいますように、なおやはりあの当時入った人で一生懸命に苦労した仕事をやりながらそういうポストにつけない人を、どの程度そういうポストを確保することによってそういうポストにつけなければならないか、またつけ得るかという目安を今日いろいろ算定もし、また、二、三年来の年次計画をもってこういうことの実現をやってみたいというふうに思っておりますけれども、何しろこれは、先ほど来申しましたように他の職種との関係、それから予算折衝の段階におきますところの査定の問題がございますものですから、なかなか私どもの一概の見積もりというわけにはまいりませんけれども、なおもうしばらく中期的な二、三年間の計画をもちまして、いま御指摘のような、税務の戦後というのはなかなか終わりませんけれども、そういう方向へ持っていきたいというふうに考えております。
○竹本委員 この点は、なお一段の御努力を願い、特にできるだけ一定の目標を設定して、みんなに希望を与えながら御努力を要請をしておきたいと思います。 次に、主税局長に一つだけ伺いたいのですが、大蔵省が先般提出した財政収支試算ということについていろいろ論議がありますが、これは本格的に議論すると大変たくさん問題点があると思いますが、きょうは時間がありませんから一つというか、二つになりますか、この場合、赤字公債をなくすんだ、財政を健全化するんだという努力目標、これはちゃんとはっきりしている。その場合に、税の収入はこういうふうになるんだと、こういう表が出ていますね。 そのときに、ちょっとお伺いしたい点は、一つは、これは議論がすでに出たとも思いますけれども、二四・三%ぐらいの増収を五十二年、三年というようなところで考えておられるようだと。しかし、これは経済の見方によって幾らでも変わりますけれども、一定の税の自然増収というものを考えて、なおかつ、それを一八ぐらいに見ると、六%ぐらいは、われわれがちょっと考えられない増収額が出てきておるように思うのだけれども、その税の収入の見通しの中には増税というものを、自然増収プラスアルファとして考えておられるのかどうかという点が一つ。 それから、まとめて申しますが、もう一つは、その赤字公債を解消する過程においては、ことしもそうであるように、減税というものは考えないということが前提になっておるか、あるいは減税を考えるけれども、さらにより多い増収を別途考えておるという形でこういう数字になっておるのか。 その二つの点を結論だけ伺って、終わりにします。
○大倉政府委員 昨日、坂口委員にもお答え申し上げましたように、中期財政収支試算は、実は五十五年度の姿の方に最初の考え方が出ておりまして、それを機械的に年割りしてあるわけでございます。したがいまして、五十二年度が計数的に、ここにあるような姿に歳出、歳入ともになるかどうかという点につきましては、積み上げをしたものではない、つまり五十五年の結果を見て、それを年割りに輪切りにして機械的に置いてあるという趣旨のものでございます。ただ、そういう前提を置きました場合でも、まさしく、おっしゃいますように、この線に乗るためには五十一対五十二で二四・三%の増収が期待されなくてはならないということになっております。その場合の前提になっておりますGNPは一五%でございますから、いわば弾性値としましては一・六二ということにならないと合ってこないということでございます。従来の経験的な弾性値の方は、これは竹本委員よく御承知のとおり、過去十年平均では大体一・三五、過去五年平均では一・三九というふうに私どもは試算いたしております。 したがって、五十二年度がどういう年になるかということをもう少したって何とか見当をつけないと、一・六というのが無理かどうかということはわかってこないのでございますが、従来の平均がいま申し上げたようなことでございまして、その平均を上回った年というのは、たとえば四十二年度は一・四三である、あるいは四十五年度は一・四五である、あるいは四十八年度は一・八四であるというような経験はないではないわけでございます。したがって、五十一対五十二に関します限りは、もう少し時間をいただいた上で、果たしてかなりのスケールの増税を必要とするのかしないのかということを歳出の所要の伸びとあわせながら判断するしかしようがない。 しかし、この試算が意味しておりますところは、やはり計画年度中に、どの時点か、どの税目かということは別にして、いまのシステムのほかに負担の増加をお願いしないと、恐らくこの五年間という期間を通じてはそろばんが合わないだろうということはかなりはっきりしておるように思います。したがって、五年の期間内に、まあどの時期かという点につきましては、これは経済情勢との絡みで決めざるを得ませんし、どの税目かということにつきましては、先ほど大臣からの御答弁に私、若干補足いたしましたように、所得課税、資産課税、消費課税のすべてについて全面的にもう一遍根元から洗い直しをして決めてかかるということをこれからやらなくてはならないと考えております。 その過程で減税は果たして可能かということになりますと、政治的な御判断の問題を全く抜きにいたしまして、事務当局としての私からいま申せますことは、仮に減税が必要となる場合には、それをカバーするだけの増収を別途図らないとこの計画の線には乗ってこない、事務的にはそうとしか申し上げられない姿になりそうだという気がいたしております。それをどう判断していただくかは、またそのときどきの経済情勢、政治的な御判断をいただくということであろうと思います。
○竹本委員 終わります。 ————◇—————
○田中委員長 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 ただいま議題となりました共済二法に関連して、短い時間でありますが、若干の質問をいたしたいと思います。 そこで、つい最近発表になりました昭和五十年十二月の調査で、日本の社会において老齢化社会への道が急速に進展している、ヨーロッパ諸国、たとえば西ドイツであるとかあるいはスウェーデンであるとか、そういう社会保障にとっては先進国と言われる諸国が百七十五年かかって一二%とか一三%というような老齢人口構成比というところに来たというのが、日本ではわずかに三十年、四十年というような早さで進行している、こういう状況があるわけであります。 そういう中で、老齢化社会に対応する政策、こういうことが非常に重要な意味を持ってきているということが言われておるわけでありますが、そういう中で、年金というものが何といっても老後における所得保障の政策として非常に重大である、ウエートの高い問題であるということが言えるわけであります。 しかも、日本の場合でも、いまや八百八十五万の六十五歳以上の老人が存在することになった。これは人口比七・九%に当たりますが、あと二十年足らずで一二・四%ぐらいになるであろう、こういうことで、まさに今日のスウェーデンの一三%の比率に接近するということでありますから、そういう意味で、老齢化社会に対する対応としての年金制度のあり方、こういうような位置づけをいま改めて非常に重要な政策課題としていかなければならぬと思うのであります。 私どもは、しばしばこの委員会で問題にし、またがって代表質問の際、本会議において三木総理にもただしたことがあるのですけれども、年金というものは一体何なんだという位置づけでありますが、われわれは、やはり老後の生活保障である、国際的に確立された社会保障に関する国際憲章というようなものの本旨から言ってもそういうことが当然である、このように考えておるわけでありますが、この共済年金制度における年金あるいは厚生年金保険における年金あるいは国民年金における年金、こういうものについて、あるべき正しい姿としての年金とは一体何なんだということについて、ひとつ大蔵、運輸両政務次官にまずお伺いをしたい。
○松下政府委員 わが国がただいま老齢化社会の入り口に差しかかってまいっておるという点は、ただいまの先生の御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもは、年金の問題は、これまでも社会保障の中の非常に大きな柱でございましたけれども、今後その重要性はますます高まっていくであろうということは十分理解をいたしておるつもりでございます。 そこで、そういう将来の社会保障全体の中で年金というものがどういうものであるべきかという点につきましては、政府の中でもいろいろと検討もいたしておりますし、また、政府関係の各種の審議会におかれましてもこれまでたびたび御議論をしていただいておるところでございます。いまちょっと年次を記憶しておりませんが、社会保障制度審議会の御答申の中で、年金、ことに老齢年金といいますものは老後の生活の有力な手がかりになるべきものであるというふうに御指摘をいただいておるところでございます。 ただいま先生の御指摘になりました生活保障そのものとしてこれを把握せよとおっしゃる御意見に対しまして、若干のニュアンスの違いと申しますか、老後の生活全体は、年金はもとよりでございますけれども、それに伴いますところの各個人の働いておりますときのいろいろな自主的な御努力とかなにかというものも当然老後生活の基礎づけの一つにはなるわけであろうと思っておりますけれども、しかし、いずれにいたしましても——失礼いたしました。これは昭和三十三年度の社会保障制度審議会の御答申でございますけれども、老後の生活設計の有力な手がかりとなるという趣旨で、私どももその将来を見通しながら健全な年金制度の充実発展ということを考えてまいりたいと思っておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 この点で基本的な論争を繰り返していますと、きょうは三十分の予定時間だそうですから、時間がとうてい足りないものですから……。 問題は、私どもはやはりこれからの福祉社会において、特に老人福祉という問題、しかも現実に進行している老齢化社会、六十五歳以上のいわゆる老齢人口が一〇%台に近づいている、そして昭和七十年には一二・四%になるというような場合に、人生やはり老後ぐらいはせめて生活するために無理やりに働かなければならないというところから解放されて、みずから人間としてゆとりのある老後の暮らし、それはやはりやりたいことをある程度奔放にというと、そういう言葉は語弊があるかもしれぬけれども、したいことをしながらゆとりある老後の生活が保障されるということが今後の老人福祉問題における最も基本的な問題点だろうと思うのですね。そういう立場から、老後の生活は、やはり少なくとも六十五歳以上くらいになったら、これはもうしたいことをして、どうしても賃金を稼得しなければ家族を養えないのだというようなことでなくて、自分の欲するままに、社会的な仕事をしたければ社会的な仕事をするし、あるいは個人の趣味を大事にしたいというのならば、それなりの仕事をしながら、生活は年金でやはり保障されていくというようなことが本当に人間らしい生き方をしてこの人生を終わったということになるだろうと思うのですね。そういう立場で言うならば、やはりそれを目指して、老後の生活保障である、年金はそういうものであるということで、その実体の備わった年金制度にアプローチしていくという立場で努力をしていただきたいということだけにとどめておきたいと思います。 そこで、具体的な問題点に入りますが、今度の改正法につきましては、年金額の改定が行われる、こういうことになりました。これは主として既裁定額の引き上げ、あるいは廃疾年金、遺族年金等の受給資格の緩和とか遺族年金の給付水準の改善、通算遺族年金制度の創設、あるいはまた任意継続組合員の組合員期間の延長というようなそれぞれの面について、ある程度の前進を見た。さらに既裁定年金の改定に当たって上薄下厚、こういう姿で六段階方式というものを取り入れたというようなことについては、私が冒頭申し上げた基本理念に幾らかでも近づこうという努力がそういう面で見られるというような面においても、ある程度の前進だと評価するわけであります。そういう点はあるにしても、問題はそういういい面があることを認めながらまだまだ十分ではない、こういう立場で質問をするわけです。 最初に、組合員の掛金の問題に関連して、国公共済の場合あるいは公企体共済の場合、これは国鉄、専売、電電ですが、こういうものについて財源率が一体いまどういう状況になっているか、これをひとつ示していただきたいと思います。たしか国鉄等は収支計画策定審議会の結果、五十一年度から千分の百二十七になるはずであります。これは皆相当な違いがあると思うのですが、国家公務員、それから公共企業体三公社、これは各別に財源率の今日の状況、五十一年度にどうなるかという数字をひとつ示していただきたい。
○松下政府委員 御質問のうちで国家公務員の共済組合連合会加入の長期組合員について申し上げますと、全体の掛金率と申しますか、財源率は千分の百十・五でございます。そのうち組合員の掛金分が千分の四十六・五、国の負担金分が千分の六十四ということになっております。 それから、地方公務員等共済組合の一般地方職員について申し上げますが、財源率は百十二・〇でございます。そのうち本人分が四十七・〇、地方公共団体負担分が六十五・〇でございます。 それから、公共企業体でございますけれども、国鉄におきましては、財源率は千分の百二十七でございます。そのうち本人分が五十三・五、公企体負担分が七十三・五でございます。電電は財源率千分の百十四でございます。そのうち本人負担分が四十八、公企体負担分が六十六でございます。それから専売につきましては、財源率は千分の百十五でございます。そのうち本人負担分が千分の四十八・五、公企体の負担分が千分の六十六・五に相なっております。
○広瀬(秀)委員 続いて伺います。 在職者に対する年金受給者の割合を、いまと同じように国公、地公それから三公社別にお示しいただきたい。
○松下政府委員 昭和五十年三月末の数字でお答えを申し上げます。 国家公務員共済組合の全体の平均で申しますと、組合員総数に対します年金受給者数の割合は二〇・三%になっております。 それから公共企業体職員等共済組合の全体について申し上げますと、その割合が三六・七%と相なっております。 それから地方公務員等共済組合におきましては、これも全体でございますが、その割合が一四・四%となっております。
○杉浦政府委員 公企体の全体を大蔵から申し上げましたが、個別に申し上げますと、四十九年度末の割合で専売が三二・五%、それから国鉄が五三・五%、電電が一二・三%ということでございます。
○広瀬(秀)委員 いまずっと幾つかの共済組合を比較して数字が示されたわけですが、財源率も国鉄が一番高いわけですね。そして特に在職者に対する年金受給者の割合ということになりますと、国鉄が圧倒的に高い。五三%というのは、要するに二人弱の現職者が一人の年金受給者の年金の支払いを担当している、ざっくばらんに言えば、そういうことを意味します。電電のごときは一二・三%ということでありますから、八人ないし九人弱の現職者対一人の年金受給者、こういう関係になっている。専売の場合には三人に一人という割合になっている。公務員の関係は大体五人に一人という状況になるわけですね。この点について、一体将来にわたって年金財政を支える財政はこのままの姿でいっていいのか。こういう問題について一体どういうふうにお考えでしょうか。これは大蔵、運輸両方から聞きたいと思います。
○杉浦政府委員 ただいま御指摘の国鉄の問題が一番シビアな問題でございます。今後の展望をいたしますと、今後ますます退職者が増加してくる。五年後の状態を考えますと、毎年二万人以上の退職者が出るであろう。それに引きかえまして組合員である在職の職員、これは国鉄財政の見地からいろいろな合理化等も進めてまいらなければいかぬということで、ちょうど逆な方向に向かっているということでございます。したがいまして、掛金を拠出すべき者とそれから年金を受ける者との差が非常に大きくなっている、ここに非常に大きな問題があるということは先生御指摘のとおりであります。今後国鉄の財政問題等も絡みまして、国鉄の共済組合の財政問題、非常に楽観すべからざる状況にあるものと私ども判定をしております。今後鋭意検討を続けたいと思います。
○広瀬(秀)委員 特に国鉄の場合には、企業体として将来の成長性、これは業務も拡張する、したがって、職員の数も成長の方向、増大する方向、そういうものが少なくとも今日の交通政策の中で将来先細りのような感が現実の姿である。そういうことになれば、まさに、いまおっしゃったとおり職員の数は減る、企業成長というのもきわめて望み薄であるというようなことがあるわけです。これは思い切った交通政策の転換で、マイカー時代からもう一遍公共大量輸送機関である国鉄あるいはレール輸送というようなものに大転換でもない限り、そういうものである。そうなれば、国鉄の共済組合財政というものはもう目先間もなく破綻する、一両年先には財政はまさに真っ暗であるというような状況になりかねない今日の数字の状況になっていると思うのです。 そこで、収支策定審議会でことしから修正賦課方式による追加費用の積立率をいままで対俸給千分の五であったものを千分の十にする。しかし、その千分の十だって、それはどこから出てくるものでもない。国鉄の収入の中から、独算制を強いられて、しかも運賃値上げをするにしても国民的な大抵抗があるというようなことで、おいそれとできない。そういう不確定なものしか当てにできないということになれば、言葉の上で千分の十追加費用で積み立てましょうと言っても、国鉄財政はむしろそれによってさらに圧迫され困窮の度を加える、加速される、こういうような関係に立つ。しかも国鉄には三兆数百億に上る過去勤務債務というものがある。しかも、そのいわゆる不足責任準備金というか、そういうものに対する利子相当額の積み立てというようなことで追加費用も積み立ててきたけれども、その利子相当額に至れば、その段階で過去勤務債務は凍結されていくということになるわけだけれども、現在そういう状況になっているかどうか。ひとつその辺のところを説明してください。
○杉浦政府委員 過去勤務債務の問題でございますが、御指摘のように昭和四十九年度末の金額を見ますと四兆二千百八十二億円というような非常に膨大な数字に達しております。今後、この過去勤務債務に対しまして、責任準備金の積み立て等によりましてこれを担保していくわけでございますが、将来の問題といたしましては、やはり依然としてこの過去勤務債務は増大を続けるだろうということが予想されるわけでございます。 御指摘のように千分の十ずつの上積みという新しいやり方を収支策定審議会の答申に基づきまして、今回、五十一年度からやっておるわけでございますが、これらの見通しにつきましては、掛金率の財源率の増大とあわせまして、大体五年ぐらいの見通しにつきましてはおおむね黒字になるというような見通しを持っております。
○広瀬(秀)委員 五十何年ですか。
○杉浦政府委員 五十五年でございます。五年間ぐらいの状況は大体黒字を続けるというような見通しを持っておりますが、先ほど申し上げましたように、五年先の人員構成その他の問題がございまして、それから先の状況というのは非常に問題があるというふうに思っております。 御質問の過去勤務債務の利子相当額への到達の状況でございますが、千分の十ずつの上積みによりまして、従来なら千分の五ずつの上積みに比しまして、二倍の速度でこれが積まれていくわけでございます。なお、利子に到達する年次はちょっと何年というふうに申し上げられませんが、まだかなり先ではないかというふうに思っております。
○広瀬(秀)委員 そういうようなことで、いま国鉄部長がお答えになりましたけれども、何年先に到達し得るかというようなことは見当がつかないという状況、そして五十五年度あたりまでは何とか大丈夫だろうと言うが、これもこれからの国鉄の人員整理などというのがかなり急速に進行しそうな、そういう計画がどんどん出されている。そういうような状況の中で、甘い見通しだけでわれわれはとうてい安心できるところにはならぬわけでありまして、この点はもっとシビアに考えていただきたいわけであります。そこで過去勤務債務、そういう積み立てをふやす。同じ公共企業体共済組合法の中で、ほかはそういう修正賦課方式による追加費用の積み立てというようなものも、積み立ての残高においても、三公社ともかなり格段の差があって、国鉄が一番よけい積み立てている。積立残高もかなり大きな差をもってほかの公社を凌駕しているわけでありますが、それでもなおもはや追いつかないところに来ている。そういうシビアな状況にあるわけです。 そこで私ども毎々主張していることですけれども、過去勤務債務の中で、本来国が持つべきものを持たない。新法切りかえのときにも、それ以前の、新法施行前の過去勤務債務というこの面も、整理資源として何も国がめんどうを見なかった。そういうようなものだけでも八百三十六億もある。さらに恩給公務員期間の吸収による増加額、恩給納付金は全部国のふところに入って、公共企業体になった国鉄には一文もそれが利用されない、そういうような面が九百四十一億あるし、さらに新法施行時の所要財源率改正による増加額というようなものが二百五十三億もあるということだし、そのほか年金改定による増加額、これは年金改定が行われるというのも職員にとってはまさに予期せざるものであり、国の政策の失敗によるものが多いということだから、これだけでも五千五百二十億、これは、私の言っている数字は四十九年の三月末現在でありますから、五十年度末になりますと、先ほどおっしゃったように四千二百億になる数字でありますから、若干の差はあると思います。そのほか軍人期間を算入するとか、これも国鉄の場合に、公共企業体等軍人期間というものが何も関係がない。これはやはり国の問題として国庫サイドでめんどうを見るということを意味しているわけです。さらにまた満鉄等外地特殊法人の期間通算、こういうようなこと、こういうもの等によるものでも百億を超えている、こういうもろもろの問題があるわけですね。こういうものについて、少なくとも国が当然負担すべきものというのは仕分けができるわけだと思うのです。過去勤務債務の中で。そういうものについてはやはり国が応分の助成なり負担なりというものをこの面でやることが必要だ、こういうように考えるわけであります。 時間が余りありませんから一緒に伺ってしまいますが、そういうものが一つありますということと、さらに公共企業体の場合に、これは三公社いずれも同じでありまするけれども、法律上のたてまえは国の負担分として一五%という規定がある。しかしながら現実の問題としては、事業主である国鉄なりあるいは電電公社なり専売公社が全部それを肩がわりして、国庫負担分も負担をしている。こういうたてまえになっている。いまやそういうものについても、少なくとも厚生年金においても給付費の二〇%は国庫が負担をしているのです。こういう状況にあるし、船員保険の場合は給付費の二五%も持っている。そしてまた農林漁業団体共済組合あるいは私立学校共済等では、給付費のやはり一八%ずつを負担している。さらに国民年金の場合には、保険料の二分の一を負担しているし、福祉年金では給付費の全額を負担しているという、こういう状況になっている。公共企業体にその独立採算制を強い、あるいは企業性企業性と、黒字を出すように、赤字を出さないようにというような独立採算を強いておって、そういうものを肩がわりさせているということではもはや相済まぬ時代になってきているのではないか、こう思うわけであります。したがって、少なくとも厚生年金並みぐらいには、二〇%ぐらいのものはやはり国が本来的に負担をする。まあ一五%というのが法律のたてまえではあるけれども、厚生年金並みぐらいの負担をしていくような方向を出さなければ、本来筋の通らぬ話ではないか、こういうことなんであります。 以上二つの問題点についてひとつ明確な答えをそろそろ、もう何回も繰り返してやっていることですから、この辺でひとつ明確に、そういう方向に進むように、いい答弁を願いたいと思うわけです。
○松下政府委員 御質問の、他の一般の年金制度におきまして国、事業主、被用者、三者負担になっておるものについて、公共企業体についても同様、国と使用者と被用者と、この三者負担にすべきではないかという問題が二つに分かれておりまして、一つは過去勤務債務の問題と、もう一つは、いわゆる国庫負担部分と言われておるところの問題をあわせて御指摘になったと存じます。 国鉄共済の場合のいまの過去勤務債務の処理についてでございますけれども、先生よく御存じのとおり、新法の施行前に係りますところの過去勤務債務につきましては、いわば使用主、事業主としての公共企業体がこれを負担しておる。それから、新法施行後のいわゆる過去勤務債務につきましては、これは私どもはやはり三者構成でございますと申し上げているわけでございますけれども、いわゆる公経済の主体であるところの公共企業体、それから使用主でありますところの公共企業体、それと被用者の三者の構成になっておるというのが現在の姿でございます。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 これは単に公共企業体のみではございませんで、地方公共団体につきましても、やはり公経済の主体としての立場から過去勤務債務の問題、それからいまの、いわゆる国で言いますところの国庫負担の問題については、それぞれの負担をいたしておるところでございます。私ども、これも過去長きにわたりまして問題の御指摘もいただき、また検討もしてまいったのでございますけれども、やはりいろいろの沿革的な事情から申しましても、また現在の制度のバランスという点から考えましても、公経済の主体としての公共企業体の持っておる役割りというものを一概に否定してかかるわけにはまいらないというふうに思うわけでございます。それはやはり、元来国の行っておりました事業から分かれてスタートいたしました、公共性の高い事業でございまして、事業体はいろいろ法律上の権限も与えられ、法律的にあるいは事実的に独占的な形で事業を営んでおりまするし、また、その事業を営んでまいります場合のいろいろの収入の決定の仕方などにつきましても、法律上その他のいろいろの要件の制約を受けておりまして、公的な活動をいたしておるわけでございます。 国の——国と一概申すわけでございますけれども、国の収入も狭く解しますればそれは一般会計の財源の収入ということになるかと思いますけれども、さらに広く、国としての立場で事業を営んでおります場合の事業収入でありますとか、資産収入でありますとか、あるいは最近でありますれば公債発行の収入でありますとか、収入の態様にはいろいろのものがあろうと思うわけでございます。いまの話題になりました公共企業体の収入も、一種の国として事業を営む立場で上げておりまする収入でございまするから、その中で、その職場で働かれる方々の人件費なりあるいはこういう共済についての負担でありますとか過去勤務債務につきましても、そういった立場で負担をしていただくということは、それなりに理由があろうと存ずるわけでございます。 ただ、ただいま御指摘になりましたように、国鉄の財政にとりましてこの過去勤務債務なりあるいは一五%の負担部分なりというものが結果的に相当の負担になっておるということは、確かに事実であろうと存じますけれども、私どもこれに対しまして、個別にこれは過去勤務債務の負担について一般会計に肩がわりをしてまいりますとかそういう形でなしに、国鉄全体の経営をいろいろな方法で国が助成すべきところは助成をいたしまして、それが総合された姿で国鉄の経営が力を持つことによりましてこの問題も解決を図っていくのが本筋ではなかろうか、そういう趣旨で、本年度の予算案におきましても国鉄に対しまして三千六百億近い国の種々の支出金を投入をいたしまして、この国鉄の財政の再建をいたそうということでいろいろ御審議をお願いいたしておるところでございますけれども、そういう方向でこの問題の解決を図っていくように私どもよく努力をいたしたいと存じております。
○広瀬(秀)委員 どうもその公経済の主体であるということは、歴代主計局次長が常にそのことを繰り返してちっとも前進がないわけですよ。しかし、考えてごらんなさい。公共企業体で企業をやりながらその利益を上げていく、そういうような中からやはり年金が支払われていくような形というのは、本来社会保障の一環である年金制度というものについて、年金制度なりあるいは社会保障というものは、これはやはり所得再配分という問題を基本に抱えたものなんですね。そういうものと、企業体の経理の中でそれを全部賄わせるというようなものについては、おのずからやはり筋が違うと思うのです。そういう点も考えて、これはまあ大臣相手に長時間にわたって論争しなければならない基本問題を含んでおりますので、時間もありませんからもうこれ以上言いませんが、その点についてのいま私が申し上げたような点をさらに真剣に検討をしていただかないと、これはもう国鉄の財政と年金問題、特にその財源問題においてきわめて早急の間にピンチが来る、破綻が来るというようなことを同時に指摘しながら、しかもこれは、公共企業体がいまのようなままでいったら、やがて、電電公社ももう赤字に転落をしているというような状況もありますし、何年か先には——いま人員構成が若い、したがって年金受給者が少ないというような状況の中で、八対一ぐらいの割合である、国鉄のように二対一になるというような時期は、しかし、十何年か先には恐らく同じような状況になってくるのじゃないかと思われるわけで、非常に大きい問題を抱えている問題ですから、これはやはり国庫負担というものについて真剣に考えていただきたい。少なくとも厚生年金並みぐらいの給付額に対する国の負担というものは現ナマで支出をされるというような方向にやはりいかなければいかぬのだろうと思います。 時間がもう実は超過しちゃったようですから、遺族年金が今度若干の改正がありました。しかし、それはそれなりに意味のあることですし、結構なことだけれども、先ほども申し上げた老齢化社会の中でいまひとり暮らしの老人世帯というのが六十万世帯、これは四十五年比で、わずか五年の間に五二%もふえている。それから、老夫婦のみの世帯が九十一万世帯、これもやはり四十五年対比で、五十年十二月現在で五三・六%の増、こういう割合でふえていっている。これは大変なふえ方ですよ。五年間に五割以上ふえているのです。こういう状況で考えると、遺族の人たちがひとり暮らしになるというような場合が非常に多いと見なければならないわけであります。そういうことを考えましても、いまの一律五〇%という形で遺族年金が半分になってしまうという点についてはもう少し、先進諸国では七〇%あるいは八〇%というようなところまでいっておるところもあるわけですから、この点について将来改善する気持ちがあるかどうか、この点をお伺いしたいと思うのです。
○松下政府委員 本年度の改正案におきましては、遺族年金につきましては遺族年金を受けておられる方々の生活実態に着目をいたしまして、特に年金に対する依存度が高いと思われますところの高齢の方々あるいは子供を持っておられる方々に対しまして、それぞれ事情に応じまして一定額の寡婦加算制度というべき制度を設けて改善を図ったところでございます。 遺族年金の問題につきましては、ただいま御指摘の支給率の改善について各方面からの意見もございまして私どもも検討いたしたところでございますけれども、ただいま外国との比較も御指摘ございましたけれども、外国の制度とわが国の制度を比較して考えますと、支給の率につきましては外国の方が高い例がいろいろとございますが、また反面で支給の要件につきましては、わが国の場合遺族年金の受給資格は外国に比べればかなり広い範囲で認められておるというような問題がございます。あるいはさらに、わが国の国民年金に対しまして被用者の妻の方が任意加入できるというようなこともございまして、実際の妻の年金上の位置づけというものは外国と比べましても有利なところ、不利なところいろいろあるわけでございます。そういう状態でございますことと、定額の加算の場合には比較的所得の低い方々に対してそれが有利に働く、定率の場合でございますと所得が高い方が額としては余計の額を受け取られるわけでございますけれども、定額の場合比較的低い方に対して効き目が大きいというような問題。さらに、率を改定いたすとしますと、それはわが国の公的年金制度全体を通ずる制度の根幹的な問題に触れてまいるわけでございます。また、財源率に対する影響も相当大きくなるものと考えられますので、ただいまの問題につきましては本年度のような改正によりまして、本当に必要とされておられる方々に対して手厚く配慮をするという形を考えたわけでございます。 御指摘の基本的な問題につきましては、今後いろいろな場所で公的年金全体を通ずる根本の問題を議論されることになろうと思いますけれども、恐らくそういう根本的な意味での、相当の規模での検討、調査ということが前提となってまいることであろうと思っております。
○広瀬(秀)委員 時間がありませんから簡潔にあとを飛ばしながら伺いますが、老齢年金に対する所得税の所得控除は現在七十八万円ということになっていますが、これなどもまだまだ低いように考えます。この点については六十五歳以上の年金受給者という制限が一つあります。それで控除額が七十八万円、こういうことになっておりますけれども、これをさらに六十歳ぐらいまで適用年齢を下げなさいということと、さらに共済年金の場合におきましてもあるいはその他の公的年金の場合におきましても、非常に高額のものは別にして、少なくとも共済年金の現在の平均的な支給額のものは非課税になるというようなことにしなければいけないだろうという、まあ平均という言い方ではこれはカバーできないかもしれませんが、現行より少なくとも控除率を大幅に引き上げる、そして特別な高額の年金受給者というものを除いては年金非課税というようなものが実現するように努力してもらいたいということ、これは要望だけにとどめておきます。 それからもう一つは、最後に短期給付の問題で、最近民間企業の健康保険組合等において、労使の労働協約によって労使の折半負担ということが七、三の割合で、労働者側三割、使用者側七割負担をする。現在のたてまえはフィフティー・フィフティーであるけれども、それをそういうことに労働協約で決めているという企業がもうすでに三割から四割に達しているだろうと思うのです。私、そういう数字を拝見した記憶があるのですけれども、そういう状況の中で依然としてこの共済組合がその面においても折半方式というのはいささか時代おくれだろうと思う。だから、そういう面についても世界的な傾向も取り入れながら——世界的にはやはりそういうところが非常に多いわけであります。日本でもそういうものがもう四割ぐらいに到達しているのじゃないかと思います。五分五分から七、三あるいは六、四というようなところにいっているというところがもう四割程度にはなっていると記憶いたしております。これは正確な数字は留保しますけれども、そういう状況である。こういう点についても、折半方式をさらにそういう点で組合員の労働者側の負担を軽減する考え、そういうものに向かって努力する意思があるかどうか、そのことだけを最後に伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○松下政府委員 わが国の社会保険制度におきましては、種々の制度を通じまして労使折半負担というものが原則となっておるわけでございまして、政管健保におきましても現在労使の負担は折半でございます。ただ、健康保険組合につきましては、御指摘のように原則は労使折半でございますけれども、場合によってそれ以外の負担方式でも差し支えないことになっておりますので、特に負担能力の高い一部の企業におきまして高い負担をいたすという例もあるわけでございます。 ただ、共済組合の場合を考えてみますと、やはり現在の組合員の負担の程度から考えましても、政管健保に比べまして必ずしも不利な状態ではない。その政管健保がわが国の健康保険の一番基本的な姿であるという点。あるいはもう一つは、実は労使と申しますけれども、国の共済組合の場合は、結局それは企業の収益というものではございませんで、国民の税金の中から負担をさせていただくということに相なりますので、そのあたりを考えてみますと、現在の労使折半負担の原則を共済組合について変えていくというのは、いま差し迫った必要性も認められませんし、またよほど慎重な考慮が要る問題であろうというふうに思っております。
○広瀬(秀)委員 非常に不満な答弁ですけれども、時間がありません。時間を大分超過して申しわけありません。
○山下(元)委員長代理 山田耻目君。
○山田(耻)委員 時間がございませんので、簡単に一、二点伺っておきます。 いま、広瀬委員の前半の質疑の中心は、最近老齢化が非常に進んできて年金受給者がふえてきた。それが、国家公務員、地方公務員、それから公共企業体等の受給者と組合員比率が述べられましたが、膨大なものになった。このままいきますと、日本のいまの保険システムによる年金、共済制度というのは必ずどこかにぶち当たる、こういうことがお互いの質疑、答弁の中で明らかになっております。 政治というものは、行き当たるまで行き当たらせて解決策を見つけ出す、今日の国鉄経営にもそれが指摘できるのですけれども、それはとるべき策ではない。やはり将来の方向にそういう問題点が指摘できるのならば、いまから、気づいたときから具体的な対策、検討に入る。もちろん関係各省も検討なさっているんだと私は思いますけれども。そこで、いまのような議論で終わったのでは私は意味がないと思う。少なくともこうした議論を受けて、大蔵省が主管省として、国家公務員年金、当面この委員会でできる公企体年金、こういう問題の将来方向を具体的に検討する機関をつくる、そうして各般の意見を集めて問題を安定させていくような具体策を示す、そういう段階に入る時期だと私は思います。私たちも、こういう議論をするんですから責任を持ってその機関の構成に入りたいと思う。もっと進めて言えば、この大蔵委員会に共済年金の問題を検討する小委員会、こういうものを設置してでも積極的に将来に向けての解決策を明示する責任があると私は思います。 将来、これからの政治も、三木さんの内閣の言い方ではないし、全体がそうだと言われておるのですけれども、これからの安定経済の中ではどうしても福祉国家へ衣がえしていかなければならない。福祉国家とは何ですか。社会保障なんでしょう。そういう社会保障の中に共済年金というものは位置づけられておるのですから、そういう国家の政策目的を達成するためにも、当面直面をしておるこういう年金の非常に困難な状態をもあわせて加味するならば、当然この大蔵委員会に小委員会を設置をして、この問題を各般から検討していく、そういう一つの決意を大蔵省はお持ちなのかどうなのか、答弁していただきたいと思います。
○松下政府委員 ただいま御指摘になりました、老齢化社会を迎えた将来を見通して年金、共済の制度についてしっかりした検討を行うべきではないかという御趣旨につきましては、私どももそのとおりでございますし、その必要は非常に強いものだというふうに思っております。ただ、これは共済の問題に限って申し上げますと、ただいま国家公務員共済組合審議会がございまして、そこで懇談会を設置せられまして専門家がお集まりになり、使用者の代表、組合側の代表の方も参加をされまして、共済制度の基本に関する種々の問題につきまして、昨年来非常に御熱心に御審議をいただいておるところでございます。しかし共済の問題は、御指摘もございましたように共済の問題だけで解決ができるものではございませんで、やはり他の公的な年金制度全体のあり方の中でどういうふうに位置づけをしていくかということでございまして、他の公的年金制度ということになりますと、それは大方は厚生省が所管いたしておりますところの各種の年金がその大宗をなすかと思っております。 それで、これらの年金問題全体を検討していただく場といたしましては、現在、社会保障制度審議会もございまして、御審議をいただいておるところでございます。また、そのほか厚生省当局におきましても、各種年金共通の将来問題に対する勉強は、省の中においていわばプロジェクトチーム的に外部の専門家の方々、学識者の方々の御意見も伺いながらいろいろやってまいりたいという希望を持っておるようでございます。 そういうことでございますので、共済の問題、各種の公的年金制度全体を通じます問題、それぞれの現在ございます審議の場におきまして、私どもこれから非常に内容の充実した御討議が必ずいただけるものと思っておりますし、また私ども自身も、それから関係各省に対しましても、そういう審議に十分協力を申し上げながら、将来の公的年金制度の本当のあるべき姿はどういうものであるかという点については真剣に検討を重ねてまいりたい、そういうふうに思っております。
○山田(耻)委員 私は、松下さんがおっしゃっているような答弁は三年前にも聞いたことがあるんです。それは、あなた方はその問題の責任者ですから絶えず御努力いただいているはずだと私は思っているんですよ。それがなぜ今日までこの状態か。恐らく来年の本委員会でも同じ答弁をまたなさると私は思う。そうして問題が転がっていって、行き着くところまで行き着いたらさてどうするかということになるのが、いままでのいわゆる国民生活に非常にかかわり合いの深いこの種の問題の国会における処理の仕方であったと思うのです。そういう状態ではいけないと私は思う。時代が違いますから。少なくとも解決できる方向の機関設置を行っていきたい。あなたのおっしゃっているように共済組合審議会、そうしてまたがるところが大蔵省あり、運輸省あり、厚生省あり、農林省あり、ずっと文部省もある。年金は九つに分離されておりますから、全般にかかわり合いがありますから、そういうものを将来統一的にどう結合させるかというのは、私はその問題はまた別に考えていきたいが、大蔵省所管にかかわるこうした年金の問題が一番行き着いてきておるのですから、当面やはりこの委員会でそういう方向を考えてまいりたい。きょう、ここで、じゃこうしましょうという結論は出ませんから、私は、この問題についてはひとつ具体的な方策を検討しておいていただきたいと思う。 しかも、この年金問題を審議する時間はきょう全部で二時間しかないのですよ。この二時間の論議でこの委員会で具体的な方策が決まるとは思いませんから、私たちも努力いたしますから、あなた方もひとつ今後の折衝の過程で努力してください。将来の具体策についてどうしたらいいか、どういう機関を設置したらいいかということを含めて協議して決めていきたいと思いますから、そのように御判断をいただきたいと思います。時間がありませんから、返答が非常に長いので、これはイエスかノーかだけで結構です。
○松下政府委員 当委員会におかれましてどういう御審議の方向が出ますか、その委員会におかれますところのお話し合いなり結論なり、私ども十分尊重してまいりたいと思います。
○山田(耻)委員 ほかの委員の時間に食い込んで恐縮なんですが、もう一つだけ。 非常に細かい問題ですが、一つは去年出しました附帯決議の第五項、退職手当法五条の二にかかわることで、公企体の退職金を三%減らしております。それは、国家公務員共済組合の基礎俸給の策定、それと公企体の基礎俸給の策定の相違からそういうふうな差がつけられてきたのが、退職手当法五条の二の問題であります。しかしこの点につきましては、公務員は三カ年間の平均を基礎俸給にいたしております。しかし最近ではこれが一年平均になり、そうして特に全部がそうだと私申しませんけれども、三月三十一日退職を四月一日付の退職にいたしますと、当該年度のベースアップ、これが全部加算をされていきますから、基礎号俸は上がってまいります。そういうことになりますので、これだけの三%の差をつけておくいわれはなくなった、こういうことを私は理解いたしておりますし、先般来の質疑でもこの点は明らかになっております。検討するということで附帯決議に入れてございますが、いまだ具体的になっておりません。そこできょうは、この質問はいたしません。これはことしの附帯決議にまた出しますので、五項目の検討については、これも別途折衝の段階で片づけていきたいと思います。それは、だから答弁は要りません。 もう一つは、今回の法改正で、組合員が退職しまして以後の短期関係の給付に係る任意継続が一年を二年にされております。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕 いままではこの任意加入につきましては、退職してなお所属の共済組合に短期給付、病気になったとき医者にかかれる権利を継承していくわけですが、この場合の掛金がいままでは退職したときの基礎俸給に負担割合を掛けまして、その掛金額と経営者なり国が負っておる負担金、これの合計額をまあ掛金として取り上げていた。ところが共済組合の長期、短期の掛金というのは自分がいまもらっておる賃金、これを基礎俸給としてこれに割合を掛けて掛金を納める、こういうことになっておるわけです。それが退職をいたしますと、大体基礎俸給の百分の六十、六十三、六十五、六十七、七十と上がってきたところもございますが、大体年金割合はその程度しか最高額でもらえません。といたしますと、どうしても基礎俸給となるべき年金受給額は下がってくるわけです。下がってきますのに退職前の高い掛金と負担割合の合算額を掛金として取り上げるということは、私は共済組合のあり方として許せない。前回も指摘をしたんでありますが、今回はこの制度を二年に延ばしていって全組合員の平均の掛金、そうして平均の負担額、これの合算を上回らない、こういうふうな改正になっております。そういたしますと、国家公務員の平均賃金が、いま私幾らかわかりませんけれども、大体十五万と想定をいたします。公企体の諸君の基礎俸給となるべきベース平均は十五万六千円と想定をいたします。これに対して掛金率を掛けて掛金を納めてもらっていたのですが、退職して年金をもらいますと、高いところでこれの百分の七十、低いところで百分の六十と想定をいたしますと、その人の年金受給額は一月十二万ないしは十万ないしは八万となってきます。これをもって生活していくのです。ところが納める掛金は、退職前の掛金あるいは現在の職員の平均の割合ということになりますと、十五万なりあるいは十五万六千円なりということになるので、それは余分に掛金を取ることになる。こういうことを共済組合はしてはいけないと私は思うのです。この任意継続というのは、おれは元気でまめなとき一生懸命掛金を掛けてきて退職した。おれはいままで一遍も病院にかかったことない。にもかかわらず、退職して最近は足腰が痛い、医者にかかるようになった。そのときには共済組合の、おれはおまえたちより高い掛金を掛けて短期にめんどうを見てもらっているんだ、こういうやり方は私はいけないと思う。だから、どうかこの掛金は、二年間に延長させていただいて私もありがたいと思うが、この掛金はもらっておる年金に掛け率を掛けていただきたい。それで生活をするのですから、もらっておる年金受給額に掛金率を掛けてそれを本人の掛金にしていただく、私はこれが最も整合性のあるやり方だと思います。合法的だ。そういう方向でひとつ御検討いただくということはできないか、できるのか、その点を答えていただきたい。
○松下政府委員 本年の任意継続組合員制度の改正につきましては、私どもも任意継続制度がせっかくあります以上、なるべく多くの退職者の方が積極的にこの制度を活用されることができるような内容のものにいたしたいという気持ちで考えたものでございます。 ただいま御指摘の掛金につきましても、私どもも昨年までの方式を改めまして、いま御指摘のありましたような平均的な水準を基礎といたしまして、その本人の掛金率と国の負担率と合わせたものを原則としてめどにして考えてまいったらどうかというふうに考えましたことは、一つは御本人の負担能力を考えますと同時に、やはりいま一つには保険の財政のことも考えてまいらなければなるまい。やはり退職者の方が任意継続の制度を御利用になっていただくことはまことに結構なことでございますけれども、仮にそのために現在の保険財政がやや苦しくなる、あるいは一般の被保険者の方々の掛金率に影響があるということでも、制度の趣旨から考えましていかがかということで、財政の問題と負担軽減の問題と両方はかりにかげながら見当をつけてまいったものでございます。 ただ、先生のおっしゃいます本人の退職後の負担能力についてさらに一層検討をすべきではないかというお考え方そのものはごもっともなお考えと存じますので、私どももそういう原則的な考え方は考え方といたしまして、あるいはまた、組合の負担能力等も考えて、特定の場合に負担軽減の措置を講じていくことができないかどうかという方向で検討いたしたいと存じます。
○山田(耻)委員 御検討いただくということなんですが、検討してください。ただ私が申しますのは、大体三十年も四十年も掛金を掛けて、そうしてそのころは病気に余りならなかった、そうしてやめて病気になる機会が多くなった、向こう二年間はどうかひとつ共済に残って、病気になったとき治療を受けていただいてやってくださいというその考え方が本当の共済の精神だと思うのだが、少し余分に銭を取るぞ、そうしたらおまえ残れ、こういう言い方というのは社会保障、共済制度の精神ではないと私は言うのですよ。だから、特にあの中にあります全組合員の平均の掛金、これを納めてくれ、あるいはそれ以下にとどめるぞ、それはそこのあたりでどういう行政措置をなさるかわかりませんけれども、経営者が納めていた負担割合まで掛けていく——せめて二年間ぐらいは残って病気のときにはかかってくれというときには、経営者が払う、国が払った負担分ぐらいは免除してやる、こういうことが共済制度としては当然じゃないか。私はそこらあたりもひとつ腹に入れて検討していただきたい、そういうことをお願いして、いずれ御返事を伺うために来ていただきますから、よろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○田中委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 時間がないということなので、できるだけ簡潔に四点ばかり伺いたいと思います。 今回の共済年金の改正は恩給法の改定に基づくものでございますけれども、従来の一律方式といいますかこういう方式から一応上薄下厚方式に改善をされているとか、また、いろいろ問題点はありますけれども遺族年金に寡婦年金制度が創設されたとか、これはまだまだ十分なものではございませんけれども、こういう点については私ども一定の改善も行われているというふうに見ているわけです。 しかし、いまも問題になっておりました年金財政の問題は、これは今後相当重大な問題になっていくのではないか。特に総収入に対する給付の割合というものを見てみますと、昭和三十五年度では、掛金や負担金など総収入に対して給付の額の割合は一二%であったけれども、四十九年度では三七%、五十年度の見込みでは四五%、五十一年度では五三%にもなろうとしている。一方、組合員の年齢構成も、昭和四十八年現在の数字ですけれども、国公共済組合連合会加入組合員全体のうちで四十歳以上が四二%を占めておる。こういう点から、こういう人たちが早晩年金受給者になるということははっきりしているわけですし、実際にこのような年金財政が困難になっているという現状の中で、事実年金受給者がふえていくという点から、この財源問題、具体的にどう解決されようとしているのか。まずその点を最初にお伺いいたしたいと思います。
○松下政府委員 年金の将来の成熟に備えまして、各人の将来の年金給付に必要な財源をあらかじめ積み立てておくという方式が、御承知の積立方式でございます。現在国家公務員の共済組合におきましては完全な積立方式ではございませんで、負担力を考えまして、完全な積み立てをするに必要な平準保険料を相当下回る水準の保険料にとどめておりますけれども、考え方といたしましては、現在の修正積立方式はやはり将来の年金成熟化に備えてあらかじめ所要の積み立てをやっていくという基本の考え方でございます。この方式を基礎にいたしまして将来対策、将来設計というものを財政再計算の都度考えてまいりたいと思います。
○小林(政)委員 やはり国の負担割合というものを本当にここでふやしていくという方向で検討していかなければこの問題は解決できないのじゃないか。具体的には、いまですらゆがみがいろいろと出てきている。一つには、連合会が福祉事業計画というものを立てていますけれども、その中身は保健経理とか医療経理とか宿泊経理とか物資経理とか、こういう四つの経理部門に分かれていて、そして具体的には、これは四十九年度の数字では四百十九億一千三百万からの事業計画というものを持っているわけですけれども、しかし、現に組合員から住宅の貸付資金など非常に希望が多くあらわれてきていて、そして五十一年度では約六百五十億円貸付希望が出ているわけですけれども、これに対して連合会の事業計画では三百六十八億、約半分近くしか住宅資金の貸し付けという問題については計上していない。一つ一つ例を挙げればいろいろありますけれども、いま住宅を一つ例に挙げれば、こういう実態から見て、組合員の切実な貸付要求というものにこれから一体どう対応していこうとしているのか。自分たちの積み立てた金を自分たちが、住宅をつくるとか、必要に応じて借りたいというのは当然のことだと思うのです。こういう点から、これにどのように対応されていこうとしているのか、お伺いをしたいと思います。
○松下政府委員 ただいまの御質問の前段は、現在の一五%の国庫負担の率につきまして、これを引き上げるべきではないかという御指摘であると存じます。後段は、長期の資産運用におきます貸付金の充実についてであると存じますので、順にお答えを申し上げます。 〔委員長退席、森(美)委員長代理着席〕 前段の、共済に対します国庫負担一五%の率は、他の公的年金制度との比較におきましては、厚生年金に対します二〇%の国庫負担の率との比較でお考えをいただくのが一番適当ではなかろうかと思うのでございます。ただいまの国家公務員共済組合の年金の平均給付の高さと申しますものは、いまの厚生年金の平均の給付の高さと比較いたしますと、共済の方がかなり高い状態でございます。例を申し上げますれば、今回の改正後の姿で申し上げまして、共済組合の五十一年度新規裁定の平均年金額は十一万七千七百円というふうに予想されるところでございますが、一方、厚生年金の今回御審議をいただいております改正案が成立したといたしました場合の水準が九万三百九十二円でございます。したがいまして、両方の年金の間にはかなりの開きが水準であるわけでございますけれども、そのほかに、国家公務員の場合には御承知のように五十五歳から支給開始いたしまして、厚生年金の場合に比較いたしまして五年間支給年限が長くなっております。こういう要素を加味いたしますと、共済の水準を一〇〇といたしますと厚生年金の水準は約七割程度になっておるわけでございます。現在の厚生年金の国庫負担二〇%でございますけれども、その水準の差を考えますと実際には一人頭で考えますと……(小林(政)委員「できるだけ簡潔に、時間がないものですから」と呼ぶ)二〇%の七割、約一四%程度ということでこの間がバランスのとれた形になっておるわけでございます。 次に、貸付経理の問題でございますけれども、四十九年度末の決算におきます貸付金の残高は二千八百二十六億円に達しております……
○森(美)委員長代理 簡潔に答えてください。
○松下政府委員 私どもも今後とも、組合員の御要望の強い点でございますので、これの充実について配慮してまいりたいと思っております。
○小林(政)委員 連合会の資金運用、いま証券に投資したり、そのほか資金運用部も入っておりますし、貸付信託などにも相当の金を融資していますが、こういうものをもっと事業計画の中で組合員に相当大幅に貸し付けその他の枠を広げていく。そして、具体的には大企業向けに投融資されているこういったものは縮小していく、割合を減らしていく。福祉事業というものにもっと、事業計画の中で一般の組合員の期待にこたえるといいますか、要望にこたえるようなものにしていくことが当然じゃないか。そういうことも検討されていく余地が実際にあるのかないのか、この点をもう一回明確に聞きたいと思います。 それから、時間がなくなってきましたのでもう一つ。結局は、現行のような財源の積立方式をとり続けている限り、年金改定に応じて掛金もこれから上げていくというような方向が出てくるということを危惧するわけです。 現在組合員の給付水準は非常に高いというお話がありましたけれども、掛金の水準も非常に大きいのですね。実際には国公の組合で、長期と短期両方合わせますと、組合員一人当たり平均約十万円の掛金になっているのですよ。これはもう限度額じゃないですか。もう負担の限度だ。こういうことを考えますと、掛金に求めるということではなくして、国庫負担を実際にはふやしていくということがなければ、この矛盾と現在のこういう財政の状況の根本的解決ということにはならないと思います。この点について、ひとつ明確にしかも簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○松下政府委員 御質問の前段の共済組合の資金の運用について、組合員の意向を十分反映さすべきではないかという点でございますが、現在共済組合の資金運用につきましては、各共済組合にはそれぞれ運営審議会がございます。また国家公務員共済組合連合会におきましては運営協議会と評議員会とがございまして、いずれもこれは経営側、経営側というのは言葉が悪うございますが、主管者側と組合員側の双方から代表が出まして十分協議をいたしまして決定をするということになっております。また、その場合の主管者側なり組合員代表なりの人選につきましても、各省庁におきまして不公平がないように十分努力をしておるわけでございます。したがいまして、御質問の組合員の意向を反映するような運営をやっておるかという点につきましては、そういう制度のもとにおきまして各団体が努力をしておるところでございます。 それから、後段の国庫負担をふやす問題でございますけれども、現在の国庫負担の水準は、日本の場合、公的年金の制度全体を通じまして、国際的に考えてみますと相当の高い水準になっております。将来、年金制度が成熟いたしました場合を考えますと、全体的な年金に対しますところの負担の割合というものも、全体としては給付を維持してまいるためにはある程度上がっていかなければならないという状態でございます。ただ、私どもは、いまの資産運用等につきまして十分努力をいたしまして、そういう意味での負担が急激に過大にならないように十分運営に努めてまいりたいと思っております。
○小林(政)委員 大変時間がないので、聞いていることに率直にお答えいただきたいのです。 私が聞いたのは、現在の負担割合がもう限度ではないかということについてどう思うのかということと、また運営協議会だとか評議員会で民主的に決めているとか言いますけれども、ここにこそ問題があるから私は言っているので、そういう内容についてということであれば、私どももいろいろと言いたいことはあるのです。だけれども、やはりもっと組合員の人たちの意向というものが、住宅の例一つ挙げてもわかるように、こういう事態が至るところに出ているから、こういう問題については、もっと運営の民主化はもちろん図ると同時に、十分意向を尊重して、こういったものに割合をふやしていくべきではないか、こういう点を言っているので、きちっと質問に対してまともに簡潔に、具体的な答弁をしてもらわないと、時間がなくてこちらも大変困っておりますので、こういう点は委員長からもひとつ御注意願いたいと思います。
○森(美)委員長代理 答弁は簡潔にお願いします。
○小林(政)委員 その点だけ指摘をしておきたいと思います。 それから、次に遺族年金の問題について、今回の改正によって扶養加算あるいは寡婦加算ということで、六十歳以上の寡婦の場合には年額が二万四千円新たに給付される、あるいは子供二人の場合には幾らという形で、新たにこういう制度が設けられましたけれども、私はこれが、日本で批准したILO百二号との関係で、ILOの場合は夫の生前の所得の四〇%ということになっているのですね。これが具体的に年金で計算すると、ではどのぐらいになるのかという点について、ひとつお伺いをいたしたいと思います。
○松下政府委員 遺族年金の水準につきまして、ILOに言いますところの百分の三十、百分の四十との関係でございます。 数字でお答えを申し上げますと、例でございますが、五年間勤続して死亡された方の寡婦が二人の子供をお持ちの場合、ILO百二号条約に言うところの従来の勤労所得の百分の三十というものとの関係について申し上げますと、この方の場合には、平均的なケースで、夫の俸給が年間九十二万七千六百円という想定でございます。この場合の年金額は、最低保障が働きますために、今回の寡婦加算等を入れまして四十九万二千円ということでございまして、その割合は五三%になっております。
○小林(政)委員 平均の支給がいま四十九万円ですか。私は四十九年度の数字しか持っておりませんけれども、新しいのは、寡婦加算や何かは今回の制度で、まだこれは計算もしていないでしょうからわかりませんが、四十九年度の遺族年金額は、国公共済組合で平均で年額三十七万四千八百十六円。そうしますと、これは月額三万幾らですよ。そして公共企業体の場合でも三十一万五千六百八十三円というと、これも月額二万六千三百六円。実際にこのような年金額で、一家の主柱を失った遺族が、事実上家計をとうてい賄うことのできないものではないかというふうに私は思いますし、ILOでもって決めたのは一番最低の基準を決めているのであって、諸外国などではさらにそれをはるかに上回っています。たとえばアメリカの場合には、夫の基本給に比べて、六十歳以上の寡婦の年齢の場合には、たしか八一%ぐらいの支給になっておりますし、またイギリスあるいはドイツの場合には、夫の年金支給額がほぼ全額寡婦に渡されている、こういう実情も出てきているわけです。 私は、日本が、いま五割ということにして、そして寡婦加算だとか抹養加算だとか、こういうものでもって補おうとしているわけですけれども、むしろ基本の、夫の年金の五割から七割なり八割なりにやはりしていくということが当然のことじゃないか、このように思いますし、また厚生大臣も、予算要求等についてもこれらの意見を強く出していたわけですけれども、今回五割ということで、あと補足的な手段で寡婦加算だとか、あるいは扶養加算というような形で若干の上積みがされていますけれども、当然これは五割からさらにもっと引き上げていくべきではないかと私はこのように考えますけれども、見解を伺いたいと思います。今後の方向についても。
○松下政府委員 遺族年金の支給率の問題は、日本の場合、公的年金全部を通じる問題でございます。したがいまして、この支給率について調整を行うということは、年金全部につきまして財源上も相当の影響のある問題でございます。また日本の場合、遺族年金の率につきましては、大正十二年の恩給法改正以来五割ということで制度がつくられておりますけれども、確かに御指摘のように、外国の場合それらの率を上回って支給をいたしております国もいろいろとございます。 ただ、この場合に私どもとして注意せざるを得ませんのは、一つはそういう高い支給率をつくりましたときに、果たして掛金の負担の方は一方どうなっていくであろうかということでございますし、いま一つは、外国の年金制度をまたしさいに検討いたしますと、なかなか支給要件の方ではいろいろの制約がございまして、たとえば何年以上結婚生活を送った寡婦でなければ年金の受給資格がないとか、あるいは主人が相当長い年数勤務をしなければ遺族の方に年金が得られないというように、支給率の問題とうらはらの支給要件の問題がいろいろとあるわけでございます。わが国のいまの遺族年金の問題につきまして、私どもも将来の物価、生活費等の上昇に応じまして、遺族の年金につきまして適切な改善を考えるということは当然といたしまして、私どもがいまそれらの制度としての問題を抜きにいたしまして率の改善の問題をまず取り上げるということはなかなかむずかしい問題であろうと存ずるわけでございます。
○小林(政)委員 非常にやはり答弁そのものが私は不満ですね。本当にできるならできる、できないならできないという点、もっと明確にきちっとさしてもらいたいのですよ。それで事実、老後の生活保障の問題がどんなにいま深刻であるかということで、今後の年金制度の重要性という問題が先ほど来各委員の中からも意見が出ました。私も全くそのとおりだと思うのです。まして、寡婦の場合の生活という問題がいまどんなに深刻な状態になっているか、そしてまた六十歳以上で配偶者を亡くした男子の場合は、これは年間の統計ですけれども八十三万人いると言われているのですね。あるいはまた婦人の場合は三百四十四万人、非常に夫を失った婦人の方が多いのですね。いわゆる寡婦というものが圧倒的に多くなってきている、こういう数字が出てきているし、また平均寿命その他を見ても、婦人の場合はそういう点では非常に年齢も高くなってきている。こういうことを考えますと、夫を失って、そして年金でもって生活を続けていかなければならない、こういう寡婦の生活状況というものを本当にもっと遺族年金の点についても深刻に考えていかなければならないと思うのです。私は、いまの五〇%でいいのだなんというようなこういう考え方を、もっとこれを引き上げていくということを真剣にやはり検討してもらわなければ困ると思います。こういう点について、これは、時間がもうなくなりましたので御答弁いただいても——納得のいくような答弁が得られるなら答弁してもらいたいと思うのです。
○松下政府委員 遺族年金の問題に関連いたしまして、ただいまの寡婦の生活の実態という点は実は本年の改正でもいろいろと考えた点でございます。本年の改正で設けました寡婦加算制度は、子供二人お持ちの寡婦につきまして年額六万円の加算をいたそうということでございますけれども、六万円の加算をいたしますと、厚生年金の場合でございますと、平均的な遺族年金の受給者について見ますれば、夫の生前所得の約七割程度の給付に相なるわけでございます。定額の加算でございますから、平均以下の年金をお受けの寡婦にとってみれば、さらに大きな改善になっているわけでございます。そういうふうに私どもも、一律の率の問題としてでなく、今回は生活の実態に合わせまして、子供さんの数なり寡婦の方の年齢なりというものに応じた額で、必要に応じたという方向での改善を行った次第でございます。
○小林(政)委員 政務次官にお伺いいたします。 遺族年金の場合は、先ほど来から質疑を行っておりますとおり、すでに諸外国の中でも、イギリス、イタリアなども、夫の年金支給のほとんど全額支給、これがすでに実現をいたしておりますし、わが国の場合にはいま五〇%ということでございますけれども、これを今後やはり引き上げてほしいという要望が、国民の中からも、また事実受給者の中からもきわめて強い要求となって出ておりますけれども、この問題についての御検討を今後どのように検討していただけるのか、検討の余地がないとおっしゃるのか、具体的に積極的に検討していくというのか、お答えをいただきたいと思うのです。
○唐沢政府委員 きょう先ほどから伺っておりますと、年金が非常に重要であるというお話がございました。 〔森(美)委員長代理退席、委員長着席〕 社会保障と申しますと、揺りかごから墓場までということでずっと全部必要なわけでございますが、終わりよければすべてよしということではないけれども、やはり老後の保障ということが一番重要である。そういう意味で老人福祉というものが非常に重要であるということは、もう諸先生御指摘のとおりでございます。その際やはり年金が老後の生活設計の基本であるということで重要であるということもよくわかっております。また、いま小林先生が女性の立場から、遺族年金について支給率を五〇%と言わず、もっと高めろというお話でございます。先ほど主計局次長が再々申し上げておりますように、本年は寡婦加算制度を設けまして、その改善に現実に第一歩を踏み出したわけでございます。 ところで、その遺族年金の支給率につきましては公的年金制度共通の問題でございまして、国民年金におきます妻の任意加入制度というものもあるわけでございます。これとも関連をいたします。また遺族の範囲の調整等解決すべき問題もあるし、また、先ほどから問題になっております財源率に対する影響ということもやはり財政当局では考えなければならないわけでございます。しかし先生からもいま非常に強い御要望がございましたので、今後もなお一層慎重に検討してまいる必要がある、かように考えております。
○小林(政)委員 それではいま時間がもうぎりぎりだというようなお話がございましたので、私はこの問題について、まだ短期給付についての問題点もいろいろお聞きしたかったわけですけれども……
○田中委員長 質問は制約しませんよ。
○小林(政)委員 しかし時間がないということでありますので、それでは一応改めてまた質問をいたしたいと思います。
○田中委員長 広沢直樹君。
○広沢委員 ただいま議題となっておりますこの二法案につきまして、今回の改正では、遺族年金あるいは廃疾年金の通算制度の創設、こういった問題等につきましては、いままで主張されたことを相当盛り込んで大分前進している、そのように私ども評価するわけです。 しかしながら、この法案を提出されるまでに、いわゆる国共審議会の答申が出ておりますが、一応評価しながら、やはり公務員の、あるいは公企体職員の置かれている特殊な立場といったものを勘案して、特にこの制度が企業福祉ないしは企業内福祉に当たる分野、こういう制度の基本的な違いということに立脚して、いままでの改正のように、恩給法並びに年金といった制度と見比べてそれの均衡を図っていくこと、私はこれは重大なことだと思うんですね。しかしながら、そういうことだけではなくて、独自に自主的に考えていかなければならない点が抜けているということを答申の中で指摘しているわけですね。この点に対して、この答申を受けられてこの法案を提出されたわけでありますが、当局としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、基本的にお伺いしたい。
○松下政府委員 今回の共済法の改正に当たりまして、恩給との関係あるいは厚生年金法あるいは健保法の改正とそれぞれ関連があります事項が多うございますので、あるいは御指摘のように、恩給なり厚年なり健保なりの改正をそのまま共済のベースに引き直したものがわりあいに多くて、共済独自の改正が少ないのではないかという、いまの御意見であろうと存じます。 共済制度は、基本的には厚生年金制度、それから健康保険制度というものの代行をいたす役割りを持っておりますけれども、同時に、その分だけにとどまりませんで、公務員という特定の一つの職域の中で、一般の基本的な年金の制度の上にある種の企業年金的な上積みをいたした部分もあろう、また企業の場合に企業主が実施しますところの各種の福利厚生事業的なものを、また共済内部で代行的に行っておるという点もあるというふうに理解しております。したがいまして、改正の方向といたしましては、御指摘のように、共済制度独自のいろいろな問題も当然考えざるを得ないわけでございまして、そういうふうに努力もしてきたところでございます。 ただ、最初に申し上げましたように、他の公的年金との関連もございますので、たとえば先ほど来御議論に出ました任意継続組合員の問題でございますとか、あるいは通算遺族年金の新設問題でありますとか、廃疾年金の通算等の問題につきましても、でき上がりました姿は他の制度と共通でございますけれども、むしろ共済の制度の中におけるそれらの問題に対する要望なり議論なりというものが一つのきっかけになりまして、そういう公的な年金制度を通じるところの改正の実現が行われた、これはすべて共済が原動力であるというふうな幅ったいことを申し上げるつもりはございませんけれども、それが少なくとも共済の議論が一つの口火を切ったきっかけになったという点があろうと思います。 そういうことでございますが、なお、ただいま国家公務員共済組合審議会におきましては、先ほども申し上げましたように、昭和四十九年以来、共済制度の根本に触れた検討をやろうということで、懇談会を相当頻繁に開催をいたしまして、共済制度のあるべき姿はどうか、またどこに当面の問題があるかといろいろの重要事項を取り上げて御議論もいただいておるところでございます。一つには、そういう根本の御議論が別にございますものですから、今回の改正では、それらの根本問題はその場での議論がさらに煮詰まるのを待ったという点もないわけではございません。いずれにしましても、御指摘のような精神で今後も運営に努めたいと思っております。
○広沢委員 それで、今回の改正を見ましても、たとえば国家公務員の場合の改正点は、趣旨説明にありましたように、大きく分けて十点に分かれているわけですが、二点は恩給法の改正、それから七点は今回の厚生年金法の改正、あと一点は給与法の改正、こういう前例にならって整理したという形になっているわけです。ですから、恐らくその答申もそういうような抜本的というか独自の体制というのがおくれていることを指摘しているものと思うのですが、その点については早急に検討されるように要望しておきたいと思います。 そこで、きょうは時間の関係もありますし、先ほどもお話がありましたけれども、遺族年金にしぼって簡単に伺っておきたいと思うのです。 それは、まず趣旨説明にありました項目の第四項目に、公務によらない廃疾年金あるいは廃疾一時金及び遺族年金の受給資格期間について、組合員となって一年以上とされている、これを改めて、他の公的年金制度の加入期間と合わせて組合員期間が一年以上となるときは、受給資格期間を満たしたものとみなすと、こうありますね。これも一つ前進ではある。それは認めますね。しかしながら、厚年の場合はこれが六カ月になっているわけですね。この違いはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。
○松下政府委員 ただいま御質問の共済の廃疾あるいは障害年金の受給資格期間でございますけれども、これは先生御承知のように、厚生年金、国民年金というものとの横並びを考えます場合に、実は国民年金の一年という方に連動しておるわけでございます。これにはまたいろいろと制度の沿革自体からの問題がございまして、まあちょっとよその話でございますけれども、たとえば公企体共済組合の廃疾年金の場合は、資格期間が現在は二年であるというふうなこともございます。それで、私どもは、共済制度と申しますものが本来公務員という職域の中に長年にわたって忠実に勤務をしてまいった者を対象とする制度としてスタートしてまいりましたところから言いまして、最低限と申しましても、やはり常識的に言いましてある程度の継続性を持った期間はこれを置いておく必要があるのではないか。長年忠実に勤務したという言葉の中にぎりぎり読み込まれるのはどのぐらいの期間が適当であるかという観点から見ますると、六カ月ということはやはり若干物足りないのではないだろうか。いまの一年間というのは、その点から申しますと、両方兼ね合わせまして、ここらの辺がぎりぎりの最短期間ではなかろうか、そういうふうに考えている次第でございます。
○広沢委員 改善する場合はよりよい方向に、また、より適用ができるような方向に改正をしていくのが至当だと思うのですね。確かに国年の期間に合わせるという形もあろうかと思いますけれども、やはり私は、こういった問題も厚年と比べて、いままでの改正を全部見ていますと、厚年が改正されるとそれに合わせてこの改正が進んでおりますから、当然こういった面も見直すべきではなかろうかと考えますので、これもひとつ要望として申し上げておきたいと思います。 それから、先ほどもお話がありましたけれども、御承知のように、遺族年金の場合、百分の五十、いわゆる半分になるわけでございますが、それは先ほども話があったように、どうも実態に合わないのじゃないか。年金の性格から言っても、やはり遺族年金の方にまでやはり生活できる年金という考え方は、これも年金制度ができて、きのうきょうじゃないわけですから、改善をしていくべきじゃないかという意見は再々言われたわけです。そこで今回、趣旨説明がありました第五番目にある程度加算をすることをうたっておるわけでありますけれども、実際この程度加算していったって、これで生活ができるだろうかという問題があるのですよ。 そこでまず、その最低保障額が今度も上がっております。最低保障額が四十三万二千円ですか、それに、いまたとえば子供を二人抱えた寡婦の場合だったら、年間加算されるのが六万円ですか、ですから四十九万二千円ですかね。そうした場合に、それを月に直しますと大体四万一千円ぐらいになろうかと思うのですね。現実に厚生省の統計情報部社会統計課で出しておる資料を調べてみると、四十八年で子を二人抱えた寡婦の一カ月の生活の費用というのが六万三百九十円、四十九年が七万百三十円かかっているわけですね。そうなりますと、いまの最低保障の額というものは、いわゆる生活できる年金のぎりぎりのところも保障していないという実態になるのじゃないかと思うのです。さらに、これは寡婦だけではなくて老人の場合をとらえて考えてみましても、これも最低保障額が四十三万二千円プラス、六十歳以上の場合は月に二千円、年間で二万四千円つくわけでありますから、これをプラスして、それを十二で割りますと月に三万八千円、こうなりましょう、そうですね、最低保障額のところで計算しているのですよ。そうすると、これは五十年のいわゆる老人一人の世帯の生活保護基準、生活保護費をもらっているわけですが、その一級地における基準よりもまだ低い額になるわけです。こういう実態から見ますと、最低保障額、ことしも少し上がっているわけでありますけれども、この考え方、これは共済だけの問題じゃない、全体の問題に影響してきますけれども、しかしそれはそれとして、やはりこの考え方というものは、右へならえの方式を先ほど冒頭に申し上げたようにやっているからいけないのであって、具体的な実態に合うような改正の方向へ持っていかなければならないと思うのですが、その点どういうふうに議論され、どういうふうに考えられておるのか、それを明確にしていただきたい。
○松下政府委員 御質問の遺族年金の最低保障の水準につきましては、一つは、この最低保障の水準をもって全体の遺族年金水準の高低を御判断になるという点にいささか問題があるかという感じがいたします。それはつまり、一般的に年金の水準が相当の水準に行っておりまして、実際に最低保障の制度によって救済される者が少ないということでありますと、それは年金全体の設計としては大体うまくいっておるけれども、その限界の場合について高低がどうかという問題になるわけでございます。現在、遺族年金の場合、最低保障の適用される事例は三割を切っておる程度の状態でございまして、遺族年金の大多数の方々にとりましては、最低保障よりも上の水準での給付を受けておられるわけでございます。 次に、それではこの最低保障の絶対額の高さ自体はどうかという点でございますけれども、ただいまちょっと生活保護の水準との関係についてお話がございましたが、私ども、この年金の制度と生活保護の制度はどこかでぴったりと一致するというようなたてまえのものでは必ずしもないのではないか。つまり生活保護は、ほかの財産なり収入なり一切を挙げましても最低の生活ができないという方々に対しまして、文字どおり最低の生活だけは確保して差し上げようという制度でございますから、これは最低の生活費から考えまして必要な水準は必ず維持しなければならない性格のものでございます。他方、年金におきましては、年金が先ほど申しましたような、たとえば老後の生活設計におきまして非常な有力な手がかりになるべきものだということはございますけれども、そのことをもって、すなわち年金だけによってすべての人が最低の生活を保障されるようなそういう年金をつくるということは、実際負担の現実からまいりましても、また、多くの勤労される方々それぞれ自力で御自分の老後についていろいろの配慮もなさっておられる、そういう自主的な御努力というものも一方であるわけでございます。また、少しずつ老人の同居の割合が下がっていることも先ほども御指摘がございましたけれども、まあわが国の社会の場合、なお老人と子供とが同居するという割合は国際的に見て非常に高いわけでございます。 〔委員長退席、森(美)委員長代理着席〕 そういう点を総合判断いたしまして、掛金の負担との見合いでどの程度の最低保障額が望ましいかということでございまして、私どもも逐年、この最低保障額については現実に引き上げられてきておりますけれども、今後も物価なり生計費水準といったようなものの上昇に応じまして、改善の方向を考えてまいるべきものだと心得ておりますが、現在の最低保障の水準をにわかに生活保護の水準まで持っていったらどうかという点は、先ほど申し上げましたようなことでこれは相当私どもも慎重であらなければならないというふうに思います。 〔森(美)委員長代理退席、委員長着席〕
○広沢委員 一つの例に最低保障額——まあその最低保障額をもらう人も相当多いわけですね、いままでの制度の関係もありまして。それから見た場合においても、たとえば生活保護の問題とこれは一緒に考えるべきじゃないとわれわれは思っていますよ、たてまえは違うんですから。あなた、先ほどそういうふうにおっしゃいましたけれども、年金は、やはり生活できる年金というのが年金の目標なんですよ。いまの一定の老齢年金みたいに、あめ玉年金と言われるみたいに手当をある程度恩恵的に出そうというものではなくて、それによって生活をしようということを年金の一つの主眼に置いているわけですからね。それは財源の関係があって一遍にそこまで持っていけないということはわかります。わかるけれども、いま現在の制度を比べてみたところで、生活保護費にも満たないではないか。ですから、そういう意味から考えていくと、やはり最低保障というものは毎年上がってはおるけれども、もう少しここに配慮をしていくような議論というものはなされなければならないし、そういう体制に、議論の上に積み重ねて持っていかなければならないのじゃないかということを指摘しているわけです。 そこで、これは国家公務員共済と公企体の話をしているわけですから、一年以上二十年未満の国家公務員で、公務によらない傷病によって亡くなった場合、一つの試算をしてみているのですけれども、これがあながち全部このとおりであるとは言い切れないかもしれません。たとえば五年の場合、いろいろな資料から現状を踏まえて試算してみますと、上級職の場合は、五等二号俸で現在の俸給額で十万六千六百円、これは年金法による八十八条三号で計算しますと、遺族年金が十二万七千九百二十円、当然、これは最低保障にかかりませんね。一般職の場合は七等四号、俸給額が八万七千七百円、遺族年金が十万五千二百四十円。ですから、こういうふうにずっといきますと、五年、十年、大体十五年、二十年近くにいかないと全部最低保障額の中になってしまうわけですね。そういうふうな問題から考えてみましても、ここに遺族年金をもらう場合においては、先ほどの百分の五十ということでは非常に低過ぎるんじゃないか。ですから、やはりこれは上げていくべきだ。具体的には先ほど寡婦の場合と老人の場合と実際の生活に要る費用と対比してみましても、とうていそれは足らない。そういうことからいま一つ指摘を申し上げたわけです。 いずれにしても、本法案は、われわれとしては一歩前進だと思っておりますので、賛成の法案であります。まだまだこうやって具体的に指摘してまいりますと、もっともっと改善しなければならないし、善処していかなければならない問題点がたくさんあります。したがって、またいずれかの機会に細かい問題をもう少し詰めてやってまいりたいと思いますので、以上をもって私の質疑は終わりにします。
○田中委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律案の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○田中委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して山下元利君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。山田耻目君。
○山田(耻)委員 ただいま議題となりました共済二法につきまして附帯決議案を提出いたします。提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 まず、案文はお手元に配付してございますので、省略をさせていただきます。 現在、公務員関係の共済組合制度については、その特殊性にかんがみ、制度全般にわたって自主的な判断を求められているところであります。附帯決議案は、このような観点から、共済制度の充実を図るため、引き続き検討を要すべき諸点を取りまとめ、その実現を期するよう政府の一層の努力を要請するものであります。 何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げます。 ————————————— 「昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案) 政府は、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。 一 共済組合の給付に要する費用の負担及びその給付内容の改善については、他の公的年金制度との均衡等を考慮しつつ、適切な措置を講ずるよう検討すること。 二 国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの年金について、国民の生活水準、国家公務員及び公共企業体職員の給与、物価の上昇等を考慮し、既裁定年金の実質的価値保全のための具体的な対策を早急に進めること。 三 長期給付の財源方式については、他の公的年金制度との均衡を考慮しつつ、その負担区分のあり方について検討すること。 四 旧令、旧法による年金額の改善については、引き続き一層努力すること。 五 国家公務員共済組合及び公共企業体職員等共済組合両制度間の差異について、早急に是正するよう検討するとともに、国家公務員等退職手当法第五条の二に規定する公共企業体職員の退職手当についてすみやかに改善措置を講ずるよう検討すること。 六 家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。 七 共済組合の運営が一層自主的、民主的に行われるため、運営審議会において組合員の意向がさらに反映されるよう努めること。 八 公共企業体職員等共済組合に関する制度について、学識経験者等により調査審議する機関の設置について検討すること。 —————————————
○田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。
○大平国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。
○田中委員長 木村運輸大臣。
○木村国務大臣 ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨を体し十分検討したいと思います。 —————————————
○田中委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○田中委員長 税制に関する件について調査を進めます。 この際、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党五党共同提案による税制に関する件について、本委員会の決議を行うべしとの動議が山下元利君外四名より提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 ただいま議題となりました税制に関する件につきまして、提案者を代表して、その趣旨を簡単に御説明申し上げます。 なお、案文につきましては、お手元に配付してございますのでごらんいただき、朗読を省略させていただきます。 第一に取り上げましたのは、物価水準の推移による担税力に対する影響への配慮であります。この趣旨から、特に経済的弱者である中小所得者に対する所得税負担が過重とならぬよう、その軽減合理化について常に努力する必要があるものと思われます。 次に、通勤手当の非課税限度につきましては、住宅事情等から通勤距離が大になっており、また運賃の推移もあり、それらの実情が税執行に当たってもよく反映される必要があります。 深夜労働につきましては、労働者の払う肉体的、精神的犠牲は大きく、それによって得られる割り増し賃金を昼間労働による賃金と同質視することなく、何らかの配慮がされてしかるべきものと思われるのであります。 法人の受取配当益金不算入制度及び支払い配当軽課制度等、法人課税のあり方や利子配当課税のあり方についてなお検討すべきと思われます。 社会保険診療報酬課税の特例につきましては、すでに税制調査会において課税公平上合理化が行わるべきことが指摘されておりますが、この問題は現行法の立法の経緯等も踏まえ、かつ社会保険診療報酬の適正化など医療制度のあり方とも関連する重要問題でありますので、今後とも十分検討すべきであります。 企業経営における交際費の多額の支出は、企業経営の健全化にも反し、社会通念的にも大きな問題がありますので、さらに適切な課税をすべく検討すべきと考えます。 健康で文化的な生活の維持及び社会福祉の充実増進はともに憲法でも述べられており、その見地から住宅及び年金の充実増進は望ましいものであり、これらの課税の軽減をし、またこれに反する高公害車については課税の加重を図るなど合理化が行わるべきものと思われます。 税に対する国民の理解がいまだ十分でなく、ことに税務職員が職務上接触する納税者にその傾向が強いなど、国税職員には常に困難で複雑な職務が課されております。これらの点を留意し、かつ採用時の特異性等にかんがみ、給与面でもポスト面でも現在の職員構成の特殊性を織り込んだ改善が十分考慮さるべきと思われます。 冬季積雪地における豪雪は、交通を阻害するのみならず、はなはだしき場合は家屋の倒壊をもたらし、また人件費の高騰で除雪費用も膨大になっており、その出費は無視できないところまで来ております。これらも税制上一層検討すべきであります。 以上が各事項につきましての趣旨であります。 何とぞ満場一致の御賛同をいただきますことをお願い申し上げます。(拍手) ————————————— 税制に関する件(案) 一 政府は、今後においても、所得、物価水準の推移等に即応し中小所得者を中心とする所得税負担の軽減合理化(配偶者控除の適用要件である配偶者の所得限度の引上げ等を含む)に努力すべきである。 一 通勤手当の非課税限度額については、通勤の実情の推移に応じ、適宜見直しを行うべきである。 一 深夜労働に伴う割増賃金については、一定の非課税限度を設けることの是非について検討すべきである。 一 法人の受取配当益金不算入制度及び支払配当軽課制度等法人課税の基本的あり方や利子配当課税の総合課税の方向について今後さらに検討を進めるべきである。 一 社会保険診療報酬課税の特例につ いては、その合理化について早期に 実現を図るべきである。 一 交際費の支出が社会に与える影響 にかえりみ、課税の強化措置につき 、さらに検討すべきである。 一 社会福祉充実の見地から、住宅、 年金及び高公害車等に関する課税の 合理化を検討すべきである。 一政府は、変動する納税環境の下にお いて、複雑、困難で、かつ、高度の 専門的知識を要する職務に従事して いる国税職員について、職員構成の 特殊性等従来の経緯にかんがみ今後 ともその処遇の改善に一層配慮すべ きである。 一 豪雪雪除費用にかかる災害費用の 雑損控除については、実情に即し適 切な配慮を計るべきである。 右決議する。 —————————————
○田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○田中委員長 別段御発言もありませんので、これより本動議について採決いたします。 山下元利君外四名提出の動議のとおり、税制に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、本件を委員会の決議とするに決しました。 本決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。
○大平国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨に沿って十分配慮をいたします。
○田中委員長 本決議に関する議長に対する報告及び関係各方面に対する参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○田中委員長 昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を求めます。大平大蔵大臣。 ————————————— 昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○大平国務大臣 ただいま議題となりました昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昭和五十一年度の予算編成に当たりましては、現下の情勢を踏まえ、国民生活と経済の安定及び国民福祉の充実に配慮しつつ、景気の着実な回復と雇用の安定を図るとともに、財政体質の改善合理化を進めることを主眼としたところであります。 ところで、昭和五十一年度においては、五十年度に引き続き、租税収入に多くを期待することができない状況でありますが、他方、現下の経済情勢からすれば、大幅な歳出の削減や、一般的な増税を行うことも避けるべき時期と考えられるところであります。政府といたしましては、極力財政体質の改善合理化に努めたところではありますが、本年度において適正な行財政水準を維持してまいるためには、なお、昭和五十一年度の特例措置として、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債の発行のほかに、特例公債の発行によらざるを得ない状況にあると考えられます。このため、同年度の特例措置として、昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案を提出する次第であります。しかしながら、このことはあくまでも特例的な措置でありまして、速やかに特例公債に依存しない財政に復帰することが財政運営の要諦であることは申すまでもないことであります。政府としては、財政の正常化をできる限り速やかに実現するよう努力を傾けてまいる決意であります。 以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。 まず、昭和五十一年度の一般会計歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を得た金額の範囲内で、特例公債を発行することができることといたしております。 次に、租税収入の実績等に従って、特例公債の発行額の調整を図るため、この法律に基づく公債の発行は、昭和五十一年度の出納整理期限である昭和五十二年五月三十一日までの問行うことができることとし、あわせて、この期間に発行する特例公債に係る収入は、昭和五十一年度所属の歳入とすることといたしております。 また、この法律の規定に基づき、特例公債の発行限度額について国会の議決を経ようとするときは、その償還の計画を国会に提出しなければならないことといたしております。 なお、この法律に基づいて発行される公債については、償還のための起債は行わないものといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○田中委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、来る五月六日木曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時四十一分散会 ————◇—————