大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/04/23
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林政子君。
○小林(政)委員 全日空に対する一〇一一トライスター購入融資の問題につきまして、私は、輸銀法の改正とトライスター導入にかかわる問題点についてお伺いをいたしたいと思います。 輸銀は、全日空のトライスター購入資金を何年から何年にわたって、幾ら貸し付けていたのか、それは航空機何機分の購入融資であったのか、輸銀総裁にお答えをいただきたいと思います。
○澄田説明員 日本輸出入銀行から全日空に対する融資は、飛行機の機体、それから部品及び予備エンジン等にわたりまして、四十八年度から四十九年度、五十年度にわたって貸し付けられております。その貸付額の総額は、貸し付けの前提となります輸銀の融資の承諾額で申し上げますと、外貨で一億六千八万五千ドル、円貨で百三十八億五千三百万円ということになっております。(「それは数字が合わないですよ」と呼ぶ者あり)円貨と外貨と両方にわたっておりますので、もう一度申し上げます。一億六千八万五千ドル、これは米ドルであります。それから円貨で百三十八億五千三百万円、これは両方に分けて、通貨としては二種類の、外貨貸しと円貨貸し、こういう形になっております。その合計を円に換算したものが通常言われる円の貸出額ということになります。 それから、その機数でございますが、ロッキード一〇一一、これか十機、それからボーイングの727−200という機種でありますが、これが三機、合計十三機、こういうことになります。
○小林(政)委員 そうしますと、具体的にロッキードに対しての貸し付けば十機であって、しかもいま外貨と円建てと両方で述べられましたけれども、これは総額で円建てでは幾らになりますか、ロッキード社の関係は。
○澄田説明員 換算レートの関係がございますので、実はいろいろなレートで換算をされております。したがいまして…… いま計算をしてすぐ申し上げます。 ロッキードの機数は十機でございます。
○小林(政)委員 それでは後ほど計算をした上で出してもらいたいというふうに思います。 結局、輸出入銀行がこの輸銀の融資を、貸し付けをいたしたわけですけれども、その貸付条件ですね。ロッキード社に対するこの十機分の貸付条件というのは、その限度額は幾らであって、融資条件はどうであって、そして金利はどのような状況であったのか。まずその点をお伺いいたしたいと思います。
○澄田説明員 輸銀から全日空に対する融資は、先ほど申しましたように四十八年度、四十九年度、五十年度にわたっております。その間で、これは全日空に対するものも、それからその他の航空機二社に対するものも同じ条件でございますが、四十八年の貸付分につきましては、融資割合は契約総額の八割でございます。それから金利は、輸銀貸出金利六・一%、こういうことになっております。それから四十九年度に貸し付けました分につきましては、この金利の決め方がアメリカの輸出入銀行及びアメリカの市中銀行の融資によって輸入した場合の金利と同じ水準というようなことで、当時政府の関係省の間で相談をされたその指示に従い輸銀としては融資をしたわけでございますが、その方針に基づく金利が、その後米国の輸出入銀行及び市中銀行の金利が上がってまいりましたために七・三%ということになっております。融資条件、以上でございます。
○小林(政)委員 十年でしょう。
○澄田説明員 期間は、ロッキード一〇一一の分が十年、それからボーイング727の分は七年でございます。
○小林(政)委員 契約価格の八割を貸付対象にしたというのはどういう理由からですか。
○澄田説明員 米国の航空機の輸出の金融によりますと、八割が融資をされる。二割は自己資金である。そしてその八割を米輸銀及び米国市中銀行で融資をする、こういうことになっておりますので、それと同様の条件ということで、当時これも政府と相談の上、それと同様に輸銀の場合においても二割は自己資金で負担をする、八割の融資を行う、こういう条件にしたわけでございます。
○小林(政)委員 契約価格の八割ということは、全額その八割は輸銀の融資ですね。
○澄田説明員 当時のやり方といたしまして、融資の分につきましては、これは初めて日本の方の輸入金融に切りかえるというような事情でございまして、そして当時その外貨貸しという制度で外貨で貸し付けるというようなこともありまして、そういう事情もあって全額その八割分につきましては全部輸出入銀行の融資と、こういうことになって、市中銀行との協調融資という形はとっておりませんでした。
○小林(政)委員 先ほど総裁も言われましたけれども、従来日本の航空業がアメリカから航空機を購入する場合には、その購入資金はいわゆる八〇%を米国の金策でもって賄ってきた、つけられてきたということが言われていますけれども、実際にその場合にも購入価格の約四〇%ないし四一%は米国の市中金融を当てているわけですね。ところが今回の場合は、この法律改正によって日本の輸銀が適用されるということでもって、全額八割を輸銀の融資を当てているわけです。私はこれは非常に大きな問題を含んでいるのではないか。なぜこのように、日本の輸銀融資を何のために低金利で、しかも巨額の資金を使えるように優遇する必要が当時あったのかどうなのか、私はこの点外務省に伺うと同時に、また当時外務大臣をされていらした大平大蔵大臣、このような中で一体これらの問題についてどういう見解を持っていらしたのか、ひとつお伺いしたいと思います。
○田辺政府委員 ただいま輸出入銀行総裁からお答えがありましたように、それまでは米国輸出入銀行及び米国内の市中銀行、これが四〇%ずつ、合わせて八〇%を貸しておった。それが当時、もう御案内と思いますけれども、第一次、第二次、第三次といったような円対策を緊急にやるというような、外貨減らしが当時のわが国の重要な、緊急な任務といいますか問題であったわけでございまして、そのために米側からお金を借りているのではドルは減らないということで、もっぱらこれを日本の輸銀でもって八割相当、従来の借りておったものも八割でございますので、それと合わせて、頭金部分の二〇%は貸さないけれども、八〇%部分は全部輸銀から貸す、こういうことにしたわけでございます。
○大平国務大臣 わが国が当時予想以上に外貨がたまってまいりまして、その外貨を有効に活用しなければならぬことは当然のことでございます。外国で金融を受けるというよりは、このたまった外貨を安く外国の銀行に預けておくよりは、その外貨をわが国の必要のために活用していくということが当然考えられなければならぬわけでございますので、いま銀行局長からお答え申し上げましたように、米国の金融に頼っておりましたものを輸銀の金融に切りかえたということでございます。しかし、その後また外貨事情が変わってまいりまして窮屈になってまいりましたので、また逆に今度は米国の金融に切りかえるというようなことにいたしたことは御案内のとおりでございます。もっぱら金融事情に応じて適切な金融政策をやってまいる責任が政府にあるわけでございまして、さようなことをいたしたわけでございます。
○澄田説明員 先ほどの融資承諾額の合計でございます。 先ほど申しましたように、外貨で貸し付けましたものが一億六千八万五千ドル、これを一ドル三百八円のレートで換算いたしますと四百九十三億六百万円でございまして、四百九十三億六百万円に円貨で貸し付けました百三十八億五千三百万円を足しますと総計六百三十一億五千九百万円ということになります。
○小林(政)委員 当時のアメリカのドル防衛に日本が大変積極的に協力をするのだという立場に立って対外経済調整法等が四十七年に租税特別措置等も含めて行われ、この中で輸銀法の改正が行われたわけですけれども、しかし私は、ドル防衛に協力をする、いわゆる外貨減らしを行っていくということで八割を輸銀の融資でもって充てるということは、いま説明をされていることとちょっとつじつまか合わないと思うのです。確かにアメリカからの資金よりも日本輸出入銀行がこれを肩がわりをするということはわかりますけれども、しかし、実際に八割全額を輸銀の融資で見るということによってどれくらいの金利差が出るとお考えですか。これは輸銀の総裁にお伺いしたいと思います。
○澄田説明員 先ほどもちょっと御答弁の中で触れましたように、当時の考え方はドル防衛に協力するという意味でアメリカの金融をこちらに切りかえる、そのために同じ条件で、アメリカでもって金融が行われたならばこういう条件であろうというその条件とできるだけ同じ条件で日本側の輸銀融資を行う、こういう方針で政府の方針が決められました。それに従って融資が行われたわけでございます。 当時、アメリカの金利でございますが、輸銀金利は六%でございます。それからアメリカの市中銀行の金利は当時は非常に安い金利でございました。プライムレートが五%台、それに若干のマージンをとりましても六%を超える程度の金利でございます。その平均金利——おっしゃるようにアメリカの輸銀が四割、アメリカの市中銀行は四割、それでアメリカの金融が行われたわけでございますが、その金利に当たる金利といたしまして日本側の金利を六・一%と定めた次第でございます。したがいまして、アメリカの金融による場合と日本の金融による場合と航空会社の金利負担はほぼ同じである、そういう目標で当時の金利が定められた、こういうふうに伺っております。
○小林(政)委員 私はもっとはっきりさせてもらわなければ困ると思うのですよ。実際に四十八年度、四十九年度、ロッキード社に対して輸出入銀行が契約高の八割のお金を支出していますね。これは私は調べてみたのです。たとえば四十八年の分について、四十八年度といいますと、これは四十九年の三月まで決算で入りますけれども、当時輸出入銀行の貸し出しレートが六・一から六・三ですね。ですから、これの平均をとりますと六・二%になります。 ところが実際に今度は当時のアメリカの市中銀行のプライムレートがどうなっていたかというのを調べてみますと、これはやはり九・五から九・七五、これは四十八年十二月。四十九年の場合には九・二五から九・七五、若干の動きはありますけれども。具体的には〇・六二五%を加えた額がプライムレートですから、そうしますと市中金利は実際には一〇%台になるのですよ。ところが、輸銀の金利は六%です。こういうことを考えてみますと、ここに四%の格差が出てきます。しかも実際に四十八年度に一号機が十二月に一機到着しています。また二号機が四十九年の一月に到着しているわけですね。三月に三号機、四月に四号機という形で一覧表にずっとつくってあるのですよ。これを見て具体的に金利を計算してみますと、たとえば四十八年十二月の初めて到着したロッキードの一号機、これが四十九年度の三月の決算の段階では十六カ月になります。そうしますと、四割を市中金利で見た場合と八割を輸銀の融資で見た場合と、一機について十六カ月で一億四千万からの金利の開きが出るのですよ。これはずっと四十九年度の三月期決算までを調べてみたものですけれども、五十年三月末でもその八割と四割の金利差というものは八億四千万円の金利差が出る。私はこれは大きい金利差だと思うのですよ。なぜこんなにまでして輸銀の貸出条件というものを有利にしなければならなかったのか。このところに私は非常に疑惑を持つのですよ。まずこの点について明確にしていただきたいと思います。
○澄田説明員 ただいまアメリカの金利について数字をお挙げになってお示しでございますが、アメリカの金利は御承知のように非常に変動いたしまして、特にこの時期は世界の金利が非常に動いた時期でございます。国際金融が非常に変動いたしまして国際収支の状況等も各国非常に変動いたしました、そういう時期でございまして、そして七二年、すなわち四十七年におきましてはプライムレートは四%から五・五%、年末には五・七、八になりましたが、そういう状態で推移いたしました。そして七三年、四十八年に入りましても一月平均プライムレートは六%、二月が六・二五%、こういったような状態でございました。そして本件の融資、ロッキード一〇一一の融資、それより先行いたしました日本航空の融資等が具体的に問題になって検討をされました時期におきますアメリカのプライムレートは、大体において六・二五%とか六・五%、こういったような水準でございました。日本航空の第一回の……。
○小林(政)委員 どこの数字を出しているのですか、ちょっと……。
○田中委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記再開 小林政子君。
○小林(政)委員 御承知のとおり、輸出入銀行はロッキード社からの飛行機、現物が到着をするとこれを担保に融資を行う、こういうことをやっているんでしょう。
○澄田説明員 お答え申し上げます。 融資の手続といたしましては、航空機の輸入が決まり、そして輸入許可が出た場合に、航空会社からの申請によりまして役員会にかけて融資承諾をいたします。その後、現物の飛行機が到着いたしました段階において、その貸し付けの現金の交付をいたします。その間には、航空機の到着の間にずれがございます。融資承諾の時点におきましてその融資の条件は決定するわけでございます。 その融資承諾はいつ行われたかと申し上げますと、ロッキードの最初の六機分につきましては、四十八年の七月に融資承諾が行われております。その前の五月に日本航空に対する融資承諾が行われております。こういった条件を検討いたしました段階におきますアメリカのプライムレートは、先ほどちょっと私が申しかけておりました六・二五とか六・五とか、そういう状態が続いておったわけであります。年末に至りましてプライムレートは非常に上がりましたが、融資条件を決定する当時におけるアメリカのプライムレートというのは六%台であったわけでございます。それを先ほど申し上げておった次第でございます。
○小林(政)委員 それではお伺いしますけれども、私はあなたの方に金利差というのを計算をしておいてほしいということをお願いしておきましたから、どのくらいの金利差になるのか、八割と四割で総額でどのくらいの差が出てくるのか、こ の点明確にしてもらいたいと思います。
○澄田説明員 八割と四割という御質問でございますが、そこで申し上げなければなりませんのは、日本の場合は輸銀融資の金利とそれからそのときの市中銀行の金利と両方をにらみあわせまして、両方を平均をいたしましてそうして融資の金利が決まるわけでございます。したがいまして、もし仮に市中銀行の融資が行われるといたしましたその場合には、その当時の市中銀行の金利水準を考慮に入れまして輸銀の金利を決める、その結果でき上がった金利が、その両方の金利を合わせて平均をしたものになる、こういう金利の仕組みで決めておるわけでございます。したがいまして、アメリカの金利と同じ水準で金利を決めるという方針を貫く限りにおきましては、もし日本の場合にも市中銀行の融資と一緒に協調融資ということで金利を決めるということになりました場合には、市中銀行の金利を考慮に入れて、そうして輸銀融資の金利が決まりますので、輸銀融資の金利は六・一というようなことにならず、もう少し低い金利に当然なったわけでございます。そういう低い金利と市中銀行の金利を合わせてでき上がったものがアメリカの金利水準ということで、四十八年の七月という時点においてはこれが六・一%というような金利になり、四十九年においては七・三%、こういうような金利になる次第でございます。したがいまして、そういう金利差はない、こういうふうに申し上げるということになるわけでございます。
○小林(政)委員 私はいま具体的な数字を挙げて、アメリカのプライムレートの具体的な推移もいまそこにお見せしたわけです。そうして相当の開きが出るではないか、あなたが、そうでないと言うならば、その差額は全くないと言うのかどうなのか、私は計算をしてはっきりとした額を出しておいてほしいということをお願いしておいたわけです。一体それはどうなっているのですか。 その点が一点と、それから、私は日本の当時のプライムレートも調べてみました。そうしますと、第一次契約で六・一、六・三といわれているこの当時の市中の平均のプライムレートは、日本の場合にはその時期に八・三あるいは八・六です。それから第二次の場合はどうなっているかということで調べてみますと、この場合は市中のプライムレートは九・四から九・九%になっています。 こういうことから考えても、四割を市中銀行から借りた場合と輸銀から借りた場合、これは明らかに金利の上でも日本の額で計算しても二%から二・六%も上回っていますし、実際には金額も相当な額になってくる。このような有利な貸付条件、輸銀法の改正までやってこのように有利な貸付条件というものを当時おとりになったということは、結局は一〇一一の購入を資金面からも積極的に確保する、確実にしていくということの対策だとしか考えられないのです。この点は一般の輸入物資、資源ですね、こういうものの貸付対象から考えても、航空機の場合は全く異常だと私は思うのですよ。こういう金利の四割を、市中から貸すべきのを、プライムレートが高いからといって輸銀の安い金利で八割全額見る、こういう異例の、異常な貸し付けというのは、優遇措置をとったということは、どう考えたってロッキードのいわゆるトライスターを資金面の上からも確実にしていくためにこういう法律改正までやってのけたのではないか、このような疑惑は依然として残るわけです。しかもこのアメリカの巨大企業が現在疑獄事件まで起こしているといってこれだけ大きな問題になっているこの事態の中で、国民の大切な輸出入銀行の資金を使って、結果としては大商いをすることを手助けするような結果になったということが私は言えると思いますけれども、この点について、まず輸出入銀行の総裁の政治的な姿勢も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○澄田説明員 私の立場から申し上げます。 先ほどの米国の金融並びに日本においてもし市中銀行と協調融資という形をとったらば金利差があったではないか、こういう御質問でございますが、この点につきましては、政府の方針を体しまして、政府の指示に基づいて当時金融を行ったわけでございますけれども、その政府の方針はアメリカの金融と、このたび日本側の金融、輸出入銀行の金融に切りかえたことによって金利差を起こさない、こういうことであったわけであります。当時アメリカのプライムレート、アメリカの市中銀行の金利が非常に変動しておりまして、四十七年、四十八年、四十九年とずっと上がってまいりました。どの時点をとるかということで問題が非常に変わるわけでありますが、御承知のように、アメリカのプライムレートというのはずっと変動するわけでありますので、ある期間を見て決めるというより仕方がないわけでございます。当時、それを決めた時点が四十七年から四十八年の前半でございました。その時点におきますアメリカのプライムレートは、先ほどちょっと申しましたように、五%から始まって六・二五%とかあるいは六・五%、そういった状態でありました。一方、アメリカの輸銀の金利は六%でございました。その両方の総合金利といたしまして、四十八年においては六・一%、それから四十九年においては上がってまいりましたので七・三%、こういう金利になったわけでございます。 したがいまして、どの時点をとるかという問題はございますか、融資の決定が行われ、決定というのは融資承諾が行われたときです。現金の交付は飛行機が入ったときになりますが、融資承諾の行われた時点におきますアメリカで金融を受けた場合の金利と差のないというような状態は、当時輸銀の融資がそういうふうな形で行われたというふうに私は考えております。 それから、日本の市中銀行との協調融資によらなかったという点につきましては、先ほど答弁もありましたように、当時の円対策という見地から、日本の黒字を極力圧縮するというために、もし市中銀行の金融を入れますと、その市中銀行は外貨貸しという形で金融が行われておりましたために、その外貨を調達するために、あるいはユーロを引いてくるというようなことを市中銀行はやらざるを得ないわけで、それでは黒字を減らすことにならない。全部輸銀を通じて外貨貸しをすることによって外貨を減らす、そういうことがあったと聞いております。そういうために、あのときは全部輸銀融資という形でこれをやるというふうに政府の方針が決まったわけでございます。 市中銀行の協融によらないということになったわけでございますが、仮に市中銀行の協融ということになった場合にどうかという点でございますが、市中銀行の協融ということになりました場合においては、輸銀の金利をどういうふうに決めるかと申しますと、市中銀行の金利を前提といたしまして、先ほどお挙げになりましたような市中銀行のプライムレートというようなものがございますが、そういう金利を前提といたしまして、その金利の金融と輸銀の金融と両方合わせたところがアメリカの金融条件、アメリカの金利条件と等しくなる、こういうことで決められたはずでございます。(小林(政)委員「簡潔に答えてください」と呼ぶ)もしそうなったといたしますれば、輸銀の金利というものは六・一%でなくてもう少し低いもの、そうして市中銀行のさっきお示しになった八%とかそういった金利と合わせて、やはりそれが六・一%というような金利になるように輸銀の金利を決める、こういうことになったであろうと思います。そういう意味合いにおいて、私は差がないと申し上げたのでございます。 あの当時のそういう政策を踏まえてやった金融としては、私は、この金利条件等は妥当なものであった、かように信じております。
○小林(政)委員 この問題については、厳密な意味で金利差というものが、当時一般の市中銀行から四割を借りたと想定して、プライムレートを上積みして計算した場合にどのぐらいになるかという点は、私はきのうから計算をしておいてほしいということを言っておきましたけれども、それはまだできていないということですね。 そして私は、いろいろな航空機のかつての輸入状況を調べてみました。アメリカの輸出入銀行の平均は、貸し出しは二六%ですよ。そして航空機製造会社、ここがやはり十何%か持っていて、あるいはまた市中銀行は四一%、これがいままでのアメリカ輸銀の貸し付けの平均といいますか、こういう状況が出てくるのです。私はこういう点から考えて、今回八割全額を、しかも安い金利で、一般の市中の金利に比べたって輸銀の金利というのは安いのですから、こういうことをなぜこの時期にやってまで優遇をしなければならなかったのだろうか。しかも、その時期は輸銀法の改正も行われる、こういう中でこれがやられたわけでしょう。航空機は重要物資だということを指定して、そして輸銀法の改正が行われた。当時大平大蔵大臣は外務大臣であった。そして田中・ニクソン会談が行われましたその八月三十一日、九月一日、それと同時に行われました鶴見・インガソル会談、ここでもって三億二千万ドル相当の大型機を含む民間航空機の購入を計画中である、日本政府はその購入契約が締結された段階でこの航空機の輸入を容易ならしめる、こういう覚書といいますか交換公文が取り交わされた。そしてこれと日にちが幾らもあかないで輸銀法の改正が閣議で決定される。そしてあのどさくさの中で、十一月に輸出入銀行法の改正が行われたわけです。しかもそれは対ドル協力、ドルの防衛という点に協力するのだ、こういうことで行われたわけですけれども、私はこの一連の金利の動き、なぜこんなに優遇しなければならなかったのか。これはやはり資金の面からもトライスターを確実に確保する、そういう国の裏づけというものが行われたのではないのか。この疑惑は、私だけではありません、多くの人たちかこの一連の動きの中でその点を強く感じています。私はこういう点を考えて、実際にまず、当時の総理は田中さんでした。そして通産大臣は、記憶の違いがなければ中曽根さんだったと思います。そしてこのようなことがあの総選挙を目前にしたどさくさの中で短期間でもって閣議で決定されたというその閣僚の人たち、当時参加されていた閣僚、私はこの事態というものは、一連のこの経過を調査して委員会に報告してもらいたいと思うのです。 私は当時大蔵委員会に所属していました。そしてこの法律の改正を直接審議いたしております。しかし、その審議の中で、航空機の購入のためというのは法律の中に一言入っていました。しかし、これだけ大きな動きがあるというこの問題については、当時政府の説明の中には一言もなかったのです。法案の中には、後で見ましたら確かに活字で入っていました。しかし、説明の中にはこれらの問題については一言も触れていなかった。こういう点から考えても、当時のこの疑惑について、これはぜひとも委員会にその経過については報告してもらいたいということを私は強く要望をいたしたいと思います。 それから、時間がなくなってまいりますので先に進みたいと思いますけれども、貸し付けの審査を行う場合に、輸入融資の貸付額の決定は、契約金額が基準になるのですね。そして、それに必要な金額を貸し付けを行うというのが輸銀の貸し付け方法だと思います。この貸し付けの際の審査で、契約額がその購入価格に照らして適正であるかどうかということは、輸出入銀行としてはどのような方法でチェックをされているのか、お伺いをしたいと思います。
○澄田説明員 融資の承諾に当たりましては、対象の契約につきましてその内容を審査いたしまして、そして輸銀の融資対象として適格であると認められるものにつきまして、たとえば航空機の場合等については政府の輸入許可等がございますので、その輸入許可の内容等とも照合いたしまして確認いたしまして、その融資の金額を決定いたしております。
○小林(政)委員 トライスターのそのような調査の中で購入価格の水増しというものはなかったと思っているのですか、どうなんですか。
○澄田説明員 輸入契約の内容にわたりまして審査をいたしまして、そして審査としてはこれは適格と認められましたもので、融資の決定をしております。水増し等はなかったと思っております。
○小林(政)委員 いまこれほど大きな問題になっている、いわゆる一般でも領収証等も具体的に出ている、こういう中で、ロッキード社の売り込みのために児玉に渡されたと言われている二十一億円だとか、あるいは代理店である丸紅を通じて政府高官に流れたのではないかということが言われている六億円だとか、具体的に大きな疑惑を持って、いま問題になっているんでしょう。こういった問題が具体的にアメリカの証言の中では、これらのコストだとか経費だとかというものが実際には価格そのものの中に含まれているということは——契約価格の中にこういうものが含まれていないとあなた言い切れますか。
○澄田説明員 契約の内容にわたって審査をするわけでございますが、それの関係書類等によって調査をして、そして融資のもとになる契約金額というものを決めるということでございます。この限りにおきましては、他の航空機あるいは他の売り先に売った場合等との関係等も参考にいたしまして審査いたしました限りにおきましては、何らそういう問題となるようなことはない、われわれ金融の面における融資の際の審査という限りにおきましてはそういうふうに信じております。
○小林(政)委員 単なる書類の調査ということで、具体的にそれではどんな調査をされているのか。いま問題になっているこの問題ですね、本当にどういう形でこれから調査しようとしているのか、あるいはされたのか、この点明確にしてください。
○澄田説明員 改めて本件が問題になりましてから全日空から説明を受けました。また、全日空に赴きまして帳簿、資産台帳等の確認を行っております。そういった改めての確認調査の結果におきましても特に問題となるような点は見当たらなかった次第でございます。
○小林(政)委員 この問題がいま非常に国民的にも大きな問題になっておりますので、普通一般のときと違いまして、やはり契約の内容だとか、これは本来で言えば個人のあるいは企業の経営にかかわる問題だとかいろいろありまして、それを公にするという点についてはいろいろと問題の出てくるということもありましょうけれども、しかし、いまこういうときでもありますので、契約の価格だとかあるいはまた全日空の契約額や融資額ですね、こういったようなものについてはひとつ資料として具体的に委員会に提出してもらえますか、その内容に立ち入った問題を。
○澄田説明員 融資に当たりまして、契約の内容というものは、その個々の取引の秘密というようなこともございますために、従来外に明らかにするというようなことはいたしてまいっておりません。そういう関係もございまして、本件につきまして、いまお話のありましたような融資の際の契約の内容等にわたることにつきましては、なお政府とも御相談を申し上げて、可能な限りにおいて報告をするというようにいたしたいと思います。
○小林(政)委員 私は、この問題はどうなっているのかという国民の疑惑を招いている問題であるという点からも、政府はできるだけこれは本当に協力するということを言っているのですから、この問題についてはひとつ資料を提出していただきたいと思います。私ども、この問題について特別金融課ですか、何回もいろいろと資料をいただきたいということで要求しても、そういう資料はいままで出てこないのですね。私は、この際やはり明らかにしてもらいたいと思うのです。大蔵大臣、御答弁願います。
○大平国務大臣 国会の御審議に対しまして、行政府といたしまして最大限の御協力を申し上げて、御審議に支障のないようにしなければならぬことは当然でございます。どこまで政府の立場で御協力ができますか、よく検討いたしました上でおこたえいたしたいと思います。
○小林(政)委員 この問題は委員会としても、ひとつ理事会でお取り計らいいただいて、この具体的な調査の内容等も私ども資料としてぜひ提出をしていただきたいというふうに思いますので、取り計らいをよろしくお願いいたしたいと思います。よろしいですか。
○田中委員長 十分慎重審議の上、善処したいと思います。
○小林(政)委員 それでは、調査の結果、価格の上に上乗せされている不当な黒い資金部分、この部分が出てきたという場合どうするのか、あるいはこれについてどういう認識を持っているのか、いまどう認定されているのか、この点もひとつお伺いをいたしたいと思います。
○田辺政府委員 ちょっと誤解があるといけませんので、私から申し上げたいと思いますけれども、輸出入銀行は全日空に対して融資をするわけでございますので、その購入契約を締結するのは全日空とロッキード社でございますが、融資に当たりまして、その購入価格がこれこれであるということを確認する義務はあると思います。 ただ、何かいまお聞きしておりますと、ロッキード社の全体の収支といいますか、ないしはコスト計算といいますか、そこまでも輸銀がやらなければいけないような前提で先生がもし御質問をされておるとしますと、それはちょっと不可能でございまして、当該飛行機の値段をどう決めた、その値段が本当にそれだけで購入されたのか、それを確認する義務は輸出入銀行にあるわけでございますが、それをまた再度にわたって確認をしたと、こう総裁は答弁をされておるわけでございます。
○小林(政)委員 結局、いままで問題になってまいりました金利差の問題だとかコストの問題、あるいは経費というようなものに恐らく価格に上乗せされているのではないか、この疑惑が国民から大きく出ているんですね。またアメリカでのコーチャン証言によってもそのようなことが言われておりますし、こういう点から見て、私は、輸出入銀行の貸し出し資金部分の中にこのような価格に上乗せをされている黒い資金というものはあってはならないわけですけれども、しかしそういう疑惑があるということをさっきから申し上げているわけです。この点についてどのような認識を持っているかお伺いをいたします。調査してもらいたいと思います。
○澄田説明員 先ほどから重ねて申し上げておりますように、われわれは融資に際しまして全日空とロッキード社、あるいはこの場合には一部イギリスのロールスロイス社からエンジン等も買っておりますが、そういう部分等の契約の内容は審査をいたしました。そうしてその契約が妥当なものであるかどうか、そしてその輸銀融資が契約金額から見て適当かどうか、こういうような調査をして、審査をいたして融資金額を決定しているわけでございます。したがいまして、その限りにおきましては何ら疑惑になるような点はなかった。そして、さらに本件が問題になりましてから、全日空にも赴いて重ねてそういう調査をいたしております。その限りにおいてもそういうことはなかった、こういうふうに先ほどから申し上げている次第でございます。したがいまして、黒い資金とか疑惑とかいう点について、われわれは、われわれの融資の対象になる契約そのものに関する限りはそういうことはない、輸銀の融資に関する限りはそういうことはない、こういうことを申し上げている次第でございます。
○小林(政)委員 私は、この問題については徹底的な調査を行うべきだという意見を申し述べたいと思います。輸銀の場合は、御承知のとおり政府金融機関でございますし、その原資も一般会計からの国民の税金も入っておりますし、資金運用部資金もこれに投入をされているわけです。私は、もし黒い資金の部分までが、輸銀の融資の中にその分まで融資させられていたということになれば、これはもう本当に重大な問題だと思うのです。事実、絶対に総裁はそのようなことはあり得ないんだと私は言い切れないと思うのですね。この問題についてどのような形でこれが上乗せされて——知らないうちにされているということはあり得るわけですから、こういう点からもこの調査については徹底的に調査を行ってもらいたいというふうに思いますし、また調査の過程の中で私一つお伺いしたいんですけれども、これは輸銀総裁並びに大蔵大臣に伺いたいと思います。 ロッキード社の日本の代理店である、いま問題になっております丸紅、こういった反社会的なことを起こしました企業に対しては、私は少なくとも政府系の金融機関の融資というものの新規の融資分はストップをすべきではないか、こう考えますけれども、お二人の御意見をお伺いいたします。
○澄田説明員 著しく国民の利益に反するような悪質な行為があった企業に対する政府金融機関の融資のあり方につきましては、四十九年に政府の方針が明らかにされております。輸銀といたしましても、現在もその当時の精神には変わりはなく、これを尊重しなければならない、かように思っております。それは四十九年の事例は、あのときの狂乱物価とか、ああいう異例な事態に対する措置でありまして、そして関係当局の意見を十分基礎としてそれを尊重して、それに従って行う、こういうことでありますので、私どもは融資に当たっての心構えとして関係当局とよく相談して、慎重な業務運営を行っていかなければならない、かように考えております。
○田辺政府委員 いわゆる反社会的行為をした企業に対する政策金融機関の融資の問題につきましては、先年ある考え方を出したわけでございますけれども、そもそも反社会的行為が実際に反社会的行為であるならば、それはそれぞれの法規に従いまして処断されるのが当然でありまして、それに絡めて、ほかの面では正当な商行為といいますか、あるいは国策に沿った行為をやっている場合の融資を直ちにストップするというのはきわめて避けなければならないことである、こういう原則の認識でございますけれども、当時の石油のあの重大な危機状態が狂乱物価を現出した、世の中が非常に不安な状態になったというときにある考え方を出したわけでございますが、これは結局国の政策目的の実現のためには、この政策金融に対する信頼感を尊重する精神というものを出したわけでございまして、この精神は当然のことでございますけれども、現在も変わりはないと思います。 ただ、いま具体的に丸紅に対する融資をストップする意向はないか、こういう御質問でございましたけれども、本件につきましては、現在各方面におきまして調査がなされておる段階でございますので、注視してまいりたいと思っております。
○小林(政)委員 犯罪行為に対しましては一層厳しい規制が私は必要ではなかろうか、このように考えます。 それから、一つだけこれはお伺いをいたしたいと思いますけれども、丸紅への輸銀の融資状況というものが現在どのような事態になっているのか、これをひとつ資料として提出をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。要望いたします。
○澄田説明員 従来、輸銀融資の対融資先企業との間の関係におきましては、できるだけ国会の方の御要望に沿う趣旨で、しかしやはり政府金融機関といえども金融取引としての信頼関係というようなものもございますので、たとえば名前はABCというような名前にして出すとか、いろいろな形で御協力を申し上げてきておった次第でございます。丸紅の場合におきましても、いままでのそういうような扱いとの関係もございますので、よく当局と打ち合わせをし相談をいたしまして、なるべく御趣旨の線に沿うように、どこまでできますかよく検討いたしてみたいと思います。
○小林(政)委員 これはやはりまだはっきり——調査の段階と言えばそれまでですけれども、ピーシズだとかピーナツだとか、いろいろこれも大きな社会的な問題を喚起しております。私どもとしても、この問題をやはりもっと明らかにしていかなければならないというふうに思いますけれども、こういう企業を何か一般的な企業という範疇の中で公表するということはできないというようなことは、私は、政府が本当に徹底的に真相の究明というものを今後行っていこうという積極的な姿勢の上に立ってこういった問題についても対処していくのが当然のことじゃないかというふうに思います。この点についてもぜひともこれは提出をしていただきたいというふうに思いますし、いかがでしょうか。
○澄田説明員 輸出入銀行の融資は、御案内のように個々の案件に従って、その案件の目的を達成するように、輸出であれ輸入であれ、あるいは経済協力的な案件にしても、それぞれの案件の内容、案件自体を中心にしてやっております。関係企業がどういう企業であるかというのはその案件次第でございまして、したがいまして、丸紅の場合でありましても、丸紅が単独で、あるいは他の企業と共同でいろいろな海外プロジェクトを遂行しているわけでございまして、そういうものが輸銀の融資として出てくる、こういう結果の金額だけを見るというわけにもいきかねる次第でございます。そういうことも含めまして、その丸紅に対する融資としてどういうふうにどの程度まで取り上げて御協力することができるかという点について当局と十分打ち合わせをして対処いたしたい、こう申し上げている次第でございます。
○田中委員長 澄田総裁に一言申し上げておきます。 いま小林政子委員の資料の質問がございますが、可能な限りの資料を提出するよう注意しておきます。
○小林(政)委員 それでは大分時間もたっておりますので、国税庁長官に時間の関係で二、三点お伺いをいたしたいというふうに思います。 アメリカの多国籍企業の調査特別委員会、ここの証言というものが最近非常に信憑性もある程度高いのではないかと言われるような事実がいろいろと出てまいってきているようでございますけれども、こういう信憑性という点から考えても、児玉から小佐野氏にお金が渡ったということも、これは証言の中に言われていることですけれども、この点について小佐野氏の所得調査ということが国税庁として着手しているのかどうなのか、この点をまず第一点としてお伺いをいたします。 それから、時間の関係もございますので、最近の調査の中で、今回国税犯則取締法によって調査が進められたわけですけれども、無記名預金やあるいは架名預金などがその後相当いろいろな銀行から出てきている、こういうことが新聞等でも報道されている、あるいはまた大量の株券が発見されたというようなことも新聞等でも報道されております。具体的には日本不動産銀行の三億円の割引債、こういったものが申告を本当にされていたのかどうなのか、あるいはまた殖産住宅の二万株と言われておりますけれども、これも当時の金で二千五百万円相当というふうにも書かれておりますけれども、申告が具体的にされていたのかどうなのか、この点について二点目としてお伺いをいたします。
○中橋政府委員 アメリカの議会におきますところの証言内容といいますものも、いままで申し上げておりますように、私どもはわが国におきますところの税務調査の重要な資料の一つだというふうに考えております。それで、そういうこととはまた別にいたしまして、いま名前を挙げられました小佐野氏に対します税務調査でございますけれども、この点につきましてはわれわれは従来からいわゆる大口の所得者なり、大口の資産家というものについてはかなり注目をいたして調査をいたしております。したがいまして、連年小佐野氏についても調査をいたしております。 それから、今回のいわゆるロッキード事件に関連いたしまして、無記名預金なり架空名義の預金なりが相当あったのではないかということでございますが、たしか私どもの承知いたしておりますところでもそういうものがございます。それから、いまお示しのように、日本不動産銀行の割引債なり殖産住宅株式会社の株につきましても、われわれとしましては言われるようなことも十分承知しながら現在調査を進めておる段階でございます。
○小林(政)委員 時間がないということですけれども、これらの調査をいままでされてきた、あるいはまたすでにもう四十七年度所得分ということで実際に調査も行われて、すでに済んでおる問題こういったものについて、児玉の取引銀行など、これもやはり資料として委員会に提出してもらうわけにはいかないかどうか。ぜひ、これはいま調査中というものも含めてできれば提出をしてほしいと思います。少なくとも四十七年のときは実際に調査をして済んでいるこの銀行の取引の一覧表というものを国会にぜひともひとつ提出をしてもらいたいというふうに思います。 それから、あと大平大蔵大臣に一つお伺いをいたしたいと思います。 私は先ほども申し上げましたけれども、今回のこの輸出入銀行のあり方あるいはまたロッキード融資の金利の問題、あるいは輸出入銀行法の改正などをめぐりまして、非常にいろいろと国民からもこの点について疑惑が持たれているし、私自身もきょうの質疑の中ではまだ十分これを納得することができない。ますます異例な事態だという感を深くしているわけでございますけれども、これは大臣にお願いすることが一番いいと思いますが、この問題の経過等について調査をして、大蔵委員会にぜひ提出をしてもらいたい、このことを強く要望いたしまして、お返事を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○大平国務大臣 最後の御質問でございますけれども、調査するまでもなく、先ほど私がお答えを申し上げましたように、明々白々でございまして、この問題は当時外貨がわが国の貿易が伸長いたしまして大変ふえてまいりましたので、外貨の活用を考えて、これまでアメリカの輸出入銀行等に金融を依頼いたしておりました航空会社等の金融をわが国の金融に切りかえたわけでございます。これは輸出入銀行が政策として変えたわけでもございませんし、航空会社がそういたしたわけでもございませんで、政府が外貨を活用するためにそういたしたわけでございます。したがって、航空会社としてはアメリカの金融を受けようとすれば受けられるし、アメリカもそれを提供する用意があるわけでございますけれども、日本政府としてせっかくたまりました外貨を活用する意味で日本の輸銀の金融に切りかえていくわけでございまするから、金利の負担もアメリカで金融を受けるのと同じような条件で金融をするようにということを考えるのは当然でございます。 したがって、先ほど小林さんの御質問の中で、それが、アメリカから融資を受けておった場合の金利負担と澄田さんのところから受けておった場合の金利負担とが果たしてイコールであったかどうかという点についてあなたが疑問を提出されて、別に疑問はございませんという答弁を総裁はいたしておったわけでございますが、あなたもまだ釈然としていないようでございます。 その点はなお究明していただく必要があると思いますが、私から一言言わせていただきますならば、もしあの当時アメリカの金利が逆に下がったとした場合にあなたはどうされますか。アメリカのプライムレートがずっと下がってきたということがあったとすれば——あのときはむしろプライムレートが上がったからあなたのような疑問が起こったのだろうと思う。もしあの当時プライムレートが下がったというようなケースがありとすれば、また逆のような結果が出たのじゃないかと思うのです。ですから、何も輸出入銀行や政府に細工はないわけでございますので、その点は小林さんは何かここに細工があるのじゃなかろうかということを誤解されているようでございますけれども、日本政府も輸銀にも何らその点特別の意図はないということを私は大蔵委員会を通じて御答弁申し上げておきますが、先ほどの金利負担の点につきましてはまだ釈然とされていないようでございますから、なおその点は十分輸銀側からも御解明をお聞き取りいただくようにお願いしたいと思います。
○中橋政府委員 先ほどお尋ねの、これまでいわゆる児玉事件につきまして税務当局として調べました金融機関でございますけれども、四十七年分につきまして告発をいたしました段階で調査をいたしました金融機関は、証券会社を含めまして五十行を超えております。店舗の数にいたしまして百店舗を超えております。しかし、なお後に続きます年分についても調査を続行中でございますし、一般的に税務について、いろいろな内容については、これまでもたびたびお願いをいたしておりますように、その名前等については御容赦を願っておりますのでお許しを願いたいと思います。
○田中委員長 坂口力君。
○坂口委員 私も少し輸出入銀行の問題に触れさせていただこうと思っておりましたが、小林議員から非常に詳しい質問がありましたので一言だけ承って次にいきたいと思います。 いまいろいろと御答弁がありまして、最後に大臣からも御答弁があったわけでありますが、あの四十七年の十月前後の時期に、たとえば田中・ニクソン会談が持たれる、そしてその後にトライスター購入が決定する。あるいはまた児玉譽士夫の領収証があの辺に集中しているというような諸般の事情をずっと時間的に並べてみましたときに、少なくともあの時期にこの輸銀法の改正案が出されたし、時期的な問題と、ここに一つの大きな疑惑を生む原因があったのではないかということが私は少なくとも言えると思うのですが、いかがですか、大臣。
○田辺政府委員 先ほども小林先生に御答弁申し上げましたけれども、四十七年の十月、対外経済関係を調整するための租税特別措置法等の一部を改正する法律案を国会に提出しまして、これが成立を見たわけでございましたが、その当時の状況というものは、日本に、それまでにすでにニクソンショックを経ましてスミソニアン体制という円の実際の切り上げ措置が行われました。それにもかかわらず、なお日本の外貨がたまり続けている状態、しかも諸般の情勢から見ると円の再切り上げということも話題に上りつつあるような状態でございましたので、それがわが国経済に与える重大な影響というものを考えますれば、いかにしてこの円の強い動きといいますか、それをなだめるか。このためにはいままでの輸出優遇措置、これをなるべくやめる。それから輸入をなるべくしないような仕組みになっておりました制度をやめる。むしろ輸入を促進する、こういう制度をつくったわけでございます。それが先ほど申しました法律案の中身でございます。その中に輸出入銀行法の改正があるわけでございまして、まさしくこれは、ハワイ会談におきまして、日本とアメリカとの間で日本の輸入をいかにしてふやすかというその相談が行われる。それと全く同じ意思といいますか、同じ政策目的に応じまして、この輸出入銀行法で従来できなかったところの機械の輸入、設備の輸入、しかも前払いでない輸入、これができるような改正をしていく。それによって航空機の輸入もできた、こういうことでございます。
○大平国務大臣 明治、大正、昭和にかけて近代日本約百年間、日本は資本の輸入国であったと思うのです。したがってその百年間というのは日本は終始国際収支の亡霊に悩まし続けられた百年であったと思うのです。それがようやく資本の輸出国に転換できる条件が整ったのではないか。これで対内外の経済政策の転換を図ることができるという非常に希望に満ちた瞬間を迎えたというのがあの当時のわれわれの感懐であったわけでございます。不幸にいたしまして、これは石油ショックの衝撃でもろくも破れましたけれども、もしそうでなければ、日本は恐らく、ドルユーザンスで融資を受けておったものもみな円融資に変わりまするし、グローバルに対外投資も着実に進んでまいりまするし、またわが国の経済の体質も非常な改善を見ておったに違いないと思うのでありますが、それが阻まれたということは返す返すも残念であったと思うのでございまして、あの当時そういうことを予告する一つの立法がわが国にできたということは、私はあの当時大変胸をふくらませて喜んだ一人であったわけです。しかし先が見えないのがこれ人間の悲しさでございまして、あれから間もなく御承知のような危機を迎えることになったわけでございます。いまあなたから御質問を受けて私が思い出しますことは、その当時ロッキード事件が進んでおったというようなことは夢にも知りませんでして、そういうことがもろくもついえ去ったことに対するくやしさが胸いっぱいでございます。
○坂口委員 文学的な答弁でまことに恐れ入るわけでございますが、一番先のよく見える大臣が見えないとは思えないわけでございますけれども、この問題おきまして、次に進みます。総裁結構です。 同じようにロッキード問題、もう少しお聞きをしたいと思いますが、もう一つは久保発言がございまして、いわゆる機種選定に対する大蔵省の態度が問題になったことがございます。前田中総理、それから当時の相沢主計局長、それから当時の後藤田官房副長官、この三人が御相談をなすったということか報道をされまして、幾多の疑惑もここから生まれたわけでございます。いろいろその後、新聞等にもその間の事情が出ましたり、防衛庁長官からの談話が出ましたりしたわけでございますが、少なくとも大蔵省はその当時PXLの輸入ということを進められた、これだけは間違いのない事実だと思いますが、いかがでございますか。
○田中(敬)政府委員 PXLの経緯につきましては、先ごろ久保発言の後を受けまして、防衛庁から当時の経緯に関する統一見解が表明されておりまして、中身はそのとおりでございますが、大蔵省がその間でどういう立場をとったかという点につきましては、費用対策効果、特にわが国の受ける財政負担との関連から、同じ性能を持つものであれば、より安い経費で買えるものの方が望ましいという観点に立ちまして、PXL問題につきましては、昭和四十五年度から防衛庁から予算要求が続いておりましたけれども、それに対しまして財政当局といたしましては、国内開発というもの、国産化を前提とする国内開発は否とする、輸入の方向で検討していただきたいということを主張してまいりました。しかしながら、結論といたしまして、しからば輸入に決まったかということでもございませんで、国産化を主張する防衛庁の見解と輸入を主張いたします大蔵省の見解ががっぷり四つに組んだままで現在までに至っておる。最近におきます防衛庁のお考えというものはまだ聞いておりませんが、つい先年までの経緯はそういうことで、依然として大蔵省は輸入を推進してきたという立場でございます。
○坂口委員 この問題は以前にもここで何度か議論をされましたが、四十五、六年ごろには国産ということで研究費等もついていた。それが大蔵省の態度が四十七年のこの時期になってかなり傾いてきた、変わってきたという印象を受けざるを得ぬわけです。その辺のところももう少し御答弁をいただきたいと思いますし、それから、そのときの判断と、それから現在の経済状態を比較いたしまして、現在もなおかつその当時の考え方が変わっていないか、あるいはまた変わっているとしたらどういうふうになっているかということも、あわせてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○田中(敬)政府委員 坂口先生おっしゃいますように、四十五年、四十六年度、国産化に大蔵省は傾いておったのではないか、予算もそういうふうな観点でつけられたのではないかという御質問でございますが、これは先回武藤委員からの御質問にもお答え申し上げましたとおり、いろいろ技術の調査費というものは予算に計上いたしておりますけれども、この技術の調査費というものは、国産にするか輸入にするかを判断するための調査であり、かつまた、あるいは国産、また輸入、いずれに決まっても有用となる技術調査、そういう費用を計上したわけでございまして、これにつきましては、防衛庁との間に国産化を前提とするものでないということははっきり確約がされておりましたし、このことは防衛庁自身におかれても、内閣委員会において当時の久保防衛局長あるいは当時の経理局長が説明をいたしております速記録が残っておりますが、いずれにいたしましても国産化を前提としたという事実はないわけでございます。 それと、現在いかに考えておるか、その後考え方に変化があるという御質問でございますけれども、この点につきましては、昨年の十二月に防衛庁長官の方から、PXL問題というものはポスト四次防の問題として検討する、そのためには五十二年度予算編成までに防衛庁の方針を決めたい、こういう御発言が国防会議の議員懇談会で行われております。大蔵省はそれを受けまして、防衛庁がいかなる御要求をなされるか、あるいはその内容等をその段階で検討いたしまして、大蔵省としての見解を表明したいと考えております。
○坂口委員 四十五、六年ごろに出ておりました調査費これは実際はどういうことに使われておりましたか。
○田中(敬)政府委員 まず、四十五年度の技術調査研究費が二千二百万ばかりついておりますが、この調査研究は、対潜哨戒につきましての運用構想を満足する航空機の技術的可能性というものを検討して性能諸元等を概定するということで、諸外国機についても既存の外国機について比較検討するというための経費でございまして、そのための主な研究項目は、当時の記録によりますと、次のようになっております。一つは重量等諸元の見積もり、二つ目は飛行性能、これは速度、航続距離、オンステーション時間、高度、離着陸距離等の検討、三番目にはエンジンの検討、これは推力、消費燃料等でございます。それから四番目は、諸外国について上記三項目について調査するということでございまして、いずれにいたしましても、国内開発をするにいたしましても、あるいは民間輸入をいたしますにしましても、必要な事前調査でございまして、あわせて輸入あるいは国内開発あるいはライセンス生産も含めました費用対効果をもこの経費をもって研究するという経費でございまして、実行もそのとおりに行われております。 それから、四十六年度に技術調査研究委託費か……
○坂口委員 結構です。いま四十五年度の調査費の使われた内容を御説明いただいたわけでありますが、たとえばエンジンでありますとか、離着陸に対してどうだとかいうような、いわゆる技術的な可能性がどうかということに使われているわけですね。先ほど御説明になりましたように、国産かそれとも輸入かということに対する大蔵省の考え方は、これは輸入の方が安くつく、そのためのいままで四十五年、四十六年の調査であった、こういうことを先ほどおっしゃったわけですけれども、しかし、この調査されている内容というのは、これは技術的なことであって、どちら側が安くつくかということじゃないわけですね。その辺に、大蔵省が一貫した考え方を持っているかのごとく言われるけれども、一貫していないということを主張しておるわけです。いかがですか。
○田中(敬)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、四十五年、四十六年度に計上いたしました技術調査研究委託費は、輸入の方が安いということを理屈づけるための調査研究ではございませんで、確かに先生のおっしゃいますように、輸入するにしろ、国内開発、国産をいたしますにしろ、その前提となる技術的な問題の調査費でございます。 私どもが申し上げております。大蔵省は絶えず一貫して輸入を主張してまいりましたという点につきましては、これらの調査段階におきまして、すなわち、四十五年、四十六年、そして四十七年度にも、防衛庁から国産化を前提とした技術調査研究費というものの要求がございましたが、三年間それに対しまして大蔵省は、輸入の問題、国産の問題というものは、この技術調査研究費をつけることによって決められる問題ではない、国産するにしろ、輸入するにせよ、いずれにしても必要な基礎的技術研究費であるということで計上したものでございまして、その段階におきましては、まだ国産をするか輸入をするかという議論は、この調査研究費を計上したこととは別に、大蔵省と防衛庁の間で論争が続いておった、こういうことでございます。
○坂口委員 その点釈然としないところがあるわけでありますが、これをやっておると次の問題がやれませんので、これだけにしておきますけれども、しかし、その大蔵省の考え方が一貫していたとは私には考えられないわけであります。日本が幾つかの種類の航空機を購入することになりましたが、その値段が適正であったかどうかということが国民の大きな関心事になっておる。と申しますのは、児玉譽士夫のコンサルタント契約を見ましても、五十機以上を売れば二十五億円のコンサルタント料を払うというようなことがあったりいたしますと、その分だけロッキード社ならロッキード社が余分にわが身を切ってコンサルタント料を払っているというのではなしに、結局のところはそのコンサルタント料なるものは、上積みしてそして日本に売りつけてきておるのではないか、こういうまことに素朴な疑問だと思いますが、そういう疑問がたくさん出てきている。私も、その辺のところに疑問を持つ者の一人である。そこでどういうふうな基準でもってこの辺のところの購入機の値段というものを決定されておるか、防衛庁の方もきょうはお越しいただいていますか、あわせて一つ両方からお話を伺いたいと思うのです。
○江口政府委員 ただいまご指摘のありました航空機の購入の問題でございますが、一応、防衛庁の方といたしましては、原価計算というものにのっとりまして、調達の予定価格を決定いたしまして、それに基づいて購入するというのが通常のやり方でございます。 蛇足を加えますと一市場価格がございますものにつきましては、もちろん市場価格、たとえばMU2でございますとかそういったものとか、市場価格のあるものにつきましては、それに準じておりますが、市場価格のないものにつきましてはもちろん原価計算を行っておるわけでございます。 それで、原価計算を行いまして、製造原価その他の一般管理費等々について調査を行い、そして契約をいたしますときには中途確定、条件づきの契約と申します。途中で値段の変動等がございました場合にはそれをチェックいたしまして、後で確定をするという形の契約をいたしまして、一応厳重な監査をして調達をいたしておる、こういうことでございます。
○坂口委員 原価計算をするのはそれは当然のことだと思いますし、それをお聞きしておるわけじゃなくて、その基礎になるところをどうかということをお聞きしておるわけでして、もちろんそれは原価計算をなすってその上に購入されるのだと思いますが、その原価計算の基礎なるものをどこに置いておるのであるかということをお聞きしておるわけです。
○江口政府委員 航空機の場合でございますと、通常、初めて航空機をつくります。開発をいたしまして設計をいたします場合には、やはり類以の物の単価というものを考えるわけでございますが、一応現在のやり方といたしましては、そういったもののあるいは前年度または前々年度等において調達いたしました物の調達実績を基礎にいたしまして、それに製造原価でございますと材料費、加工費それぞれにつきまして最近の値上り率というものを掛け合わせます。それからさらに工数の節約のできたものあるいは原単位の向上したものについてはもちろんそういう点を考慮いたします。そういったものを考慮いたしまして、さらに仕様変更等のものを見まして、その上で原価計算をする、こういう運用をいたしております。
○坂口委員 チェックの方はどうなっているのでしょうか。
○田中(敬)政府委員 防衛庁の方から予算の要求段階におきましては、たとえば、五十一年度予算の例をとってみますと、F4EJという飛行機の購入予算が予算要求が行われます。その予算要求には防衛庁の方で先ほどのような、御説明のあるような原価計算に基づいた単価を積み上げたもので要求が行われるわけでございますが、これを受けまして、大蔵省は予算の査定段階においてこれをチェックいたしますが、チェックといたしましては、防衛庁の単価の積み上げというものが航空機につきますと機体、エンジン、搭載武器、電子機器等にそれぞれ区分されて計上されておりますので、それにつきましては防衛庁の原価計算に間違いがないかどうか。すなわち、材料費、加工費等が原価の中に入っておりますけれども、材料費の単価につきましては、五十一年度の予算要求をするものは五十年の夏に要求をされるわけでございますから、五十一年度における加工費の中に占める人件費のアップ率でございますとか、材料費の中に占める鋼材、原料等の値上がり率というようなものが想定して入っております。それが防衛庁の想定どおりであろうかどうかというような点を私どもはチェックいたします。そして人件費あるいは加工原材料費等について、大蔵省が予算で明年度の物価その他を見積もります人件費アップ率あるいは卸売物価の上昇率というようなものも統一した見解をこの防衛庁の要求の加工費原材料費に適用いたしまして、これを査定いたします。従来、通常の経験で申しますと、防衛庁から御要求いただいた単価に対しまして査定割合というものが九割ちょっとでございますが、防衛庁の御要求が大体一割ぐらいカットできるんではないかというようなことで予算の単価を決めて、これを予算に計上するわけでございます。 予算はそのようにして決まりまして、いざこれをいかなる形で発注するかということでございますが、この発注契約自体は防衛庁で行われるわけでございまして、実際に発注される場合は私どもの方にも一応協議がございます。その段階で同じようなチェックをいたします。
○坂口委員 その当時の原価計算の基礎資料というのは、これは御提出いただけますか。それをひとつお願いと、それから時間がありませんのであわせて質問をしておいて、まとめてひとつ御答弁いただきたいと思いますが、国税庁長官お見えでございますので、長官の方は、児玉譽士夫に対する臨床尋問をかなり続けておみえになりますが、今後もまだ続けられるかどうか。国税庁が独自で調査を進められておりますけれども、これは刑事捜査とは別にどの段階でこれを発表になるか。その二点、国税庁長官の方からお聞きしたい。あわせてお願いします。
○田中(敬)政府委員 原価計算の中身が提出できるかというお話しでございますが、たとえばこの原価計算の中身というものは、防衛庁当局が航空機購入先あるいは生産発注先と契約される場合の今後の商議、いろいろのネゴの要素になる問題でございますので、これはなかなか出しにくいと存じます。装備局長の方でお答えいただくべきことと存じますが、今後の発注のネゴに影響するということで、公開はむずかしいと存じております。
○江口政府委員 いまの主計局次長のお話に尽きるわけでございますが、俗に申します手のうちと申しますか、を明らかにすることにもなりますので、商議の関係上、従来は御遠慮させていただいておるところでございます。
○中橋政府委員 いまお尋ねの児玉譽士夫に対します臨床尋問は東京地検の方で御担当になっておりまして、国税当局としてはやっておりません。 それから課税の問題でございますけれども、もうすでにいわゆる更正をやり得ますところの期間が過ぎましたものもございます。それからなおそういう期間が残っておるものもございますけれども、いずれにいたしましても、その結果というのは従来どおり一般にはお示ししないということで御了承お願いしたいと思います。
○坂口委員 初めの話でございますが、基礎資料の方でございますけれども、それほど、見せられないまでもきちっとしておるものなら結構でございますけれども、しかしある程度の点は出せると思いますので、これも程度ものだと思いますが、できるだけのものをひとつお示しいただきたいと思います。
○田中(敬)政府委員 防衛庁とも相談いたしまして、なるべく御協力申し上げたいと存じます。
○坂口委員 国税庁長官への質問は続きましての中小企業等の問題にも絡んでまいりますので、また後ほどお聞きをさせていただきたいと思います。 政府の方は最近景気回復宣言というものを出したわけでありますが、これに対する大蔵大臣としてのお考えをまずお聞きをしたいと思います。景気回復宣言を大蔵大臣自身もそのとおりであるとおっしゃるのならば、その根拠というものをひとつ簡単にお示しをいただきたいと思います。
○大平国務大臣 御案内のように去年の春からわが国の経済諸指標、もろもろの指標でございますが、生産出荷、在庫、企業の稼働それから最終消費の状況、輸出の状況、雇用の状況、そういった点をしさいに見ますと、非常にスローテンポでございますけれども逐次上向いてまいりましたことは事実でございます。とりわけ、ことしに入りましてから輸出が対米輸出を筆頭にいたしまして予想以上に活況を呈してまいっておりますし、その他の経済指標も着実に上向いてきておるわけでございます。しかしテンポは依然として緩慢でございますが、こういう傾向を見まして、ようやく政府並びに日本銀行当局も景気は底をついて上向きに転じた、不況脱出の色を強めたという表現で今日の事態を説明いたしておりますことは御案内のとおりでございます。 ただ問題は、この輸出の好況というものが果たして持続性があるのかどうかというようなこと、それからたとえば三月に入りまして百貨店の売り上げ等が頭打ちになったことは一体何を意味するのであろうかというようなことがいま取りざたをされておるわけでございます。果たして手放しで楽観していいのかどうかという点につきましてまだ若干の懸念は持つものでございますけれども、全体として経済の基調は、不況が底入れしてまいって明るい方向に進んでいっておるのではないか、したがってこの傾向をいよいよ着実なもの、持続性を持ったものにしなければならぬのではないかというように私は考えております。
○坂口委員 そういたしますと、大臣のお考えとしましては、現在着実に回復をしてきているように思うけれども、現在回復宣言ということを大きく言えるだけの自信はない、これが長期的に続くかどうかということも含めて考えた場合に、こういうようなお言葉のようなニュアンスに私聞いたわけです。後で御意見ありましたらお聞かせを願いたいと思いますが。 それから三月には御承知のように一千二百件台の倒産が記録をされている。四月の結果はまだ出ておりませんからよくわからないわけでありますが、二月よりもこの三月の方が中小企業を初めとする倒産はふえてきていることは事実であります。このいわゆる企業の末端におきますところの現在の感じというものと、それから政府あるいはまたいま大臣がおっしゃったような景気回復過程の感覚というものとはかなりずれがあるというふうに考えます。もちろん末端までこの景気回復が響いてくるのには、それは時間的なタイムラグというものが当然あることは私も承知いたしておりますが、それにいたしましても、現在のところ末端ではこれで本当に回復をしていくのであろうかという危機感がまだなおかつ強く残っていることは事実でございます。 しかしながらこの倒産も、いわゆる回復期に見られる倒産というのもいままでの事例から見ましてあるわけでありますが、この三月度におきますところの千二百件を超える倒産というのをどういうふうに位置づけておいでになるか。なおかつ厳しい状態が続いているための倒産なのか、それともかなり回復期に入ってきた、いわゆる回復期の倒産であるというふうな認識をお持ちになっているのか、その辺あわせてひとつ御答弁いただきた い。
○田辺政府委員 依然として倒産件数が多いのでございますが、この現象をどう受けとめるかということにつきましては、現在の経済全体の姿から見ますと、私はどうも、徐々に回復に向かう場合に、従来も景気循環の過程におきまして回復の初期に中小企業等の倒産の件数が多かったということがございますので、やはりそれに類以した現象ではなかろうかと思います。 金融面におきましては、中小企業等が他の倒産の余波、あふりを食らって、まじめに経営をしていたにもかかわらず思わざる災難というような形で倒産に追い込まれるというようなことは避けなければならないということで従来から金融機関を指導しておるところでございまして、金融機関等もその点はよく体しておりまして、この三月も民間金融機関におきましては、中小企業救済特別融資というようなことで四百五十億円でございましたかの枠を設けて、問題業種、問題企業についての援助といいますか、きめの細かい配慮を行っている状態でございます。ただ、過大投資であるとか、放漫経営であるとか、従来のいろんなしわといいますか、きずがここに来てやはりどうにも持ちこたえられなくなったという企業が出てくるのは、これは遺憾ではございますけれども、ある面では仕方のないことではないかと思っております。
○坂口委員 大臣、何かございますか。
○大平国務大臣 いま銀行局長が申し上げたような感じ方を私もいたしております。
○坂口委員 そうしますと、いわゆる回復期に見られるところの倒産であるという御意見だというふうにお聞きしたわけですが、ただし、その理由として挙げられた放漫経営その他の理由につきましては、私いますべてそうだという意見を持っているものではないわけでありますけれども、たとえば銀行でありますとか商社などが問題を抱えております企業への融資を打ち切りますとか、あるいはまた景気が悪いときには銀行も突き放しにくいけれども、ちょっとよくなってきたときには企業の責任だというようなことで非常に安易に銀行が突き放すとかというようなこともあるだろうと思いますし、あるいはまた、子会社でありますとか関連企業を自分の方が立ち直るために突き放すというようなこともございましょうし、そういった、銀行でありますとか親会社との絡みで回復期の倒産というのはふえてくるのではないかと私は認識をしているわけでありますけれども、若干先ほどお話しになった回復期の倒産の原因についての認識は、私、異にしているわけであります。中には一部放漫経営というのもあるかもしれませんが、しかしそれがいわゆる回復期の倒産の大きな原因ではないと私は思うわけです。 さらに、今回は不況期が長く続いておりますから、私としても各地域を歩いてみまして感じますのは、やはり長い間借り入れ等をしてきておりますので、その担保がもうどうにもならなくなる、あるいはまた担保切れが続くというようなことで倒産をしなければならない羽目に陥っておるというようなところもかなりあるわけでありまして、その辺のところに回復期倒産というものがふえているという認識をお持ちいただいておりますならば、その辺に対してこれを防ぐためにどうするかという手を打たなければならないと思います。これに対する手を、皆さんと私と挙げました理由は若干違いますけれども、一応私がいま挙げましたものを可としていただいた場合に、どういうふうな手を今後打っていったらいい、また現在打ちつつあるかというところをひとつ聞かせていただきたいと思います。
○田辺政府委員 過大投資、放漫経営というような言葉を申し上げましたけれども、現在の倒産の中には必ずしもそういうことだけでは律せられないものもあろうかと思いますが、先生のおっしゃるような意味合いでもって今後の問題をどういうぐあいに解決すべきかということでございます。長い間借り続けてきて、またそれがふくらんできておって、企業が担保切れになっておる、これは一番頭の痛い問題でございまして、市中の金融といたしましては、やはり適正な担保なくして安易にこれを貸し出すということは、経営の健全性という意味から問題がございます。ただ、従来貸すときに担保を評価しておったその評価が、現在の時点に立って見るならばもう少し評価増しをする可能性のあるもの、そういうものもあるのではないか。あるいはまた、従来は普通担保にはとっていなかったけれども、たとえば工場の建物とか敷地にたけではなくて、中にある機械設備等も担保にとれるものであるならばとったらどうだ、こういう措置もいろいろと考えて、かつ民間金融機関もそれなりにやっておるところでございますが、一番問題を解決するためには、中小企業の場合でございますと、地方の保証協会の保証、これによりまして担保力をつけるということで、いま民間金融機関もなるべく保証協会の保証をしてもらうということで貸しているように聞いております。
○坂口委員 私の方の公明党の方で、中小企業の経営、雇用実態の全国調査というのを実はやりました。これはコンピューター等にかけておりまして、非常に時間がかかりましたのと、それから発言の機会がなかったのとで少し遅くなっておりますけれども、昨年十月から十二月のものでございます。この辺の調査を見てみますると、政府が第一次から第四次までの不況対策をずっとしておみえになりましたけれども、昨年十二月段階におきましてはこれが末端までしみ通ってきていないということを感ぜざるを得ないわけです。 金融の状態でありますと、約手の割引金利、それから貸付金利は下がる傾向を示している中で、企業規模の差が出ている。それから十月以降の融資は、悪くなったと答えた人がよくなったというよりも八%多いという結果が出ております。その中でも特に、仕事を始めてから十年以下あるいは二十人未満、それから資本金が百万円以下の企業でそれが顕著にあらわれている。まあ当然の結果と言えば当然の結果かもしれませんが、こういう結果があらわれております。それから融資を断られた理由では、融資の限界額をもっと下げろと言われたのが、逆に言えば融資額が非常に多いというので断られたのが最も多くなっておりまして、金融緩和政策の中で選別融資が進んでいることがこのことからうかがわれるわけであります。また歩積み両建てなどの拘束預金も、四六%の企業が受けている、こういうふうに答えております。 お聞きするところによりますと、大蔵省の方もこの拘束預金等についてはアンケートを現在求められて、そしてその集計をしておみえになる過程だということをお聞きしておりますが、この結果がいつごろ出るのか、あるいはもう出ているのかということもお聞きしたいと思いますし、それから、ここでもいつも問題になって、大臣からも銀行局長からもこれはもう何回となく行政指導をしておるというお話を聞くわけでありますけれども、現実にはこれが全然なくなっていかない。なくなっていかないどころか、変わらないあるいはふえているとも言えるわけであります。これはどの辺にその問題があるとお考えになっておるのか。まあ、これから皆さん方がアンケートを出された結果が出れば、より皆さん方もはっきりすると思いますけれども、これが私どもの調査におきましても非常に多いわけなんです。われわれの予想を超えて非常に多いわけであります。これがいままで何度か指導なさってもなくならない原因はどこにあるか、それを改革してなくしていくためには、今後どういう努力をされようとしておるのか、あわせてひとつお答えいただきたいと思います。
○田辺政府委員 中小企業金融につきましては、さらにこれからも一層きめの細かい配慮をしていかなければならないと思うのでございます。 いま具体的にお尋ねの歩積み両建て預金につきましてのアンケートでございますが、これは、この四月の十日を期限といたしましてアンケートを発送いたしたのでございますけれども、十日現在におきましてやや、回収率といいますか、返事が少ないものでございますので、さらに電話等で全国の財務局から問い合わせといいますか、催促といいますかをやりまして、大体今週いっぱいまでは御返事を待とう、こういう形でおります。まだ集計に取りかかっておりませんので、その後どれくらい返事が参りますか、それによりまして、来月の早々になりますと集計に取りかかりましてその内容の分析をいたしたいと思いますが、その調査の仕方等につきましてはこれから考えたいと思っております。 御指摘の歩積み両建て、いわゆる拘束性預金というものは、私どもが年二回金融機関から報告をとっておるものによりますると、この十年来着実に減ってきておる、現実の拘束性預金の比率は、昨年でございますが、五十年の五月には全体の平均値で四%という数値でございましたが、十一月の調査によりますと三・八%という数値になっております。公正取引委員会が別途調査をやっておりますけれども、これの十一月の調査はまだ存じませんが、五月の調査によりますとこれが三・八%と、むしろわが方の調査よりは純粋の拘束預金につきましては比率がちょっと低いというような形になっております。問題は、どうもいわゆる法律上の手続あるいはちゃんとした契約というようなことでもってその預金を担保にしているとか担保手続をとるとか、はっきり拘束している、こういうものではなくて、普通の預金である、こうしておるけれども、企業の側から見ると、それがなかなか事実上引き出せない、引き出しにくい、拘束されておる、こういう感じを持たれておる。私はそこに一番問題があるのではないかと見まして、そのような問題意識からアンケートの調査も行っておるわけでございまして、今後それによりましていろいろな手を打ってまいりたいと思いますけれども、要は、拘束しているかしてないかをこの際銀行側もはっきりとするということがまず第一ではなかろうかと思っております。
○坂口委員 ひとつこれはこの際はっきりしてほしいと思うわけです。 もう少し詰めて聞きたいのですが、時間がなくなってしまいましたもので先を急がなければなりませんが、一つは、きょうの一部の新聞を見せていただきますと、大蔵省の方で今後のあり方として、物価警戒、景気中立型運営ということが報ぜられているわけです。この中に、この上期の公共事業の促進措置はとらないという一項目がございますし、それから金融面でも四月から六月の間は中立志向を強めて、長期金利の引き下げ改定を見送る、あるいは量的拡大もしないというような御主張がされておる。それからもう一つは、三番目として、当面卸売物価の動きに警戒を強める、この三つのことが主にきょうの一部新聞に出されているわけでございますけれども、こういうふうな見解を固められたのかどうか、まずお聞きをしたいと思います。
○佐上政府委員 お答え申し上げます。 本日の一部の新聞にそのような報道を見ておりますが、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、景気の回復は、確かに十二月を踊り場にいたしまして、一月に入りましてから底離れをする傾向を強めてまいっておりますけれども、この四月−六月の間にいまのような基調で進むかどうかというのはにわかに判断を許さない状況にございます。したがいまして、現段階におきまして、一部新聞に伝えられているように、公共事業の施行の問題にせよあるいは今後の金融の問題にせよ、特に大蔵省としてその方針を決定しあるいは大臣に御相談を申し上げるというような段階には立ち至っておりません。
○坂口委員 そういたしますと、この上期の公共事業の促進措置はとらないというのではなしに、これは上期の公共事業は今後促進をしていかれる、こういう立場だというふうに理解してよろしゅうございますか。
○佐上政府委員 お答え申し上げます。 御案内のように、予算もまだ成立しない段階でございますから、先ほど申しましたように四—六の全体の姿を見て、予算成立後いかような経済、財政、金融政策の方向をとるか、部内あるいは日銀、経済企画庁、それぞれ関係省庁との意見も聴取しつつ執行状況について決定いたすことと相なろうと思います。
○坂口委員 予算成立との絡みの問題もあることはよくわかりますが、現在の経済状態を見て、予算とは別に公共事業の促進をした方がいいと判断をされているのか、それとも、きょうの新聞にありますように、促進措置はとらないという方に傾いたお考えを持っておみえになるのか、それをお聞きしたいわけです。
○佐上政府委員 繰り返し申し上げて恐縮でございますが、暫定予算中でございますし、執行の段階にございませんから、大蔵省全体とし、あるいは主計局その他関係局として今後の予算執行のスタンスをどのようにするかというのは、いまだ正式決定しておりませんので、官房の審議官としていま私見を申し述べる立場にはございません。お許しいただきたいと思います。
○坂口委員 大臣にこれはお聞きをしないといけないと思いますので、大臣にお聞きをしたいと思いますが、先ほど申しておりましたこの三点が新聞報道されているわけです。新聞報道されております以上、これは何もなかったことが書かれているわけではなしに、こういうふうな御討議等が一部で恐らくあったのだろうというふうに思うわけです。 そのこととは別にいたしまして、現在の経済状態というものを踏まえて大臣としてはこの公共事業の促進措置というものをどのようにした方がいいとお考えになっているか。それからもう一つ、この長期金利の引き下げ改定を見送るやの報道がされておりますけれども、これに対するお考え、あわせてひとつお願いしたいと思います。
○大平国務大臣 財政、金融とも政策の基調を変えるつもりはありません。したかいまして、公共事業の促進それから金利の利下げの促進、従来どおり精力的に進めていかなければいかぬと思っています。
○坂口委員 それから大臣、一番最初に御質問申し上げた点で、まだその辺を詰めていないわけでありますが、現在のこの景気回復宣言、これに対して初めにもちょっと私申しましたとおり、大臣の御答弁は景気回復宣言というところまでは言いがたいというような印象にお聞きをしたわけであります。その点いかがでございますか。
○大平国務大臣 経済は実体が物をいうのでありまして、レトリックの問題でないと思うのです。したがって政府が全体として申し上げておりますのは、回復の色を強めたということを申し上げておるわけでございまして、それをどのように表現していくか、それはおのおの報道機関の方の問題でございまして、政府としては実体経済がまだいろいろな問題を抱えておるわけでございますので、慎重な運営をやってまいりますことは当然のことと思っております。
○坂口委員 それから銀行局長さんの方にも一つお聞きをしておきたいと思いますが、やみ拘束預金について、大蔵省の方が全国銀行協会を通じていろいろと御指導なすっているけれども一銀行の強い反発があるということが伝えられているわけです。この辺が事実そうなのかどうかということ、これは一部発表されておりますので、まず銀行側の反発はこれは事実なんだろうと思いますけれども、どういうふうなものなのかということをもう 一つだけつけ加えてお聞きしておきます。
○田辺政府委員 御案内のように全国の銀行協会それから各個別の金融機関はもちろんでございますが、従来から拘束をしておる預金については、必ず拘束しておりますという旨を当該債務者に対して通知をする。それ以外のものは拘束していないということをはっきりさせる通知をさせているわけですが、それについても、通知をちゃんとやっているかどうかというようなことは検査の際にチェックをしております。 それからもう一つは、各店の店頭におきまして拘束預金について御不審の点あるいは御不満がおありならば、自分の銀行に相談室があり、あるいは全国の銀行の銀行協会、地方にありますが、等に相談に来てくれというようなことを周知徹底をさせておる。それから、大蔵省といたしましても全国銀行協会全体といたしましても、大蔵省は財務局財務部におきましてもそういう相談に応じているわけでありまして、全国銀行協会は広告という手段でもってそれを訴えている。こういう事態でございますが、おっしゃいましたのは、恐らくこれからどうしたらよろしいかというもう一つ別の何か工夫はないかということについて、これは銀行局がこうしたいという意見を固めたわけではございませんが、どういういい方法があるかということはやはり専門家とも寄り寄り協議をしながら、それが実際にどういうぐあいな効果になるかということも考えていくという研究会みたいなものをやっておる。それが恐らく新聞に出たのではなかろうかと思いますけれども、これは銀行局としてこうすべきだと決めたわけではございませんので、この際は御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○坂口委員 時間がなくなってまいりましたので、国税庁長官にお聞きする暇がなくなってしまいましたので、次に回させていただきたいと思います。 最後に、大臣にもう一つだけお聞きして終わらせていただきたいと思います。 これはまことに大きな、マクロから見た話でございますけれども、西ドイツと日本との現状を比較してみた場合に、西ドイツはこの数年実質経済成長率が四・二、三%ぐらいのところに平均してある。日本の場合には九%から九・五%ぐらいのところに来ているわけです。実質経済成長率というものは西ドイツの場合日本の半分以下ですね。実質経済成長率はそういうふうになっておりますが、しかし実際の国民一人当たりの所得を見てみますると、この数年間西ドイツは日本の一・五倍という大体の線はずっと変わっていないわけです。しかもなおかつ、西ドイツは福祉に対しても一九七三年でも日本の五倍ぐらいな予算を使っているということもあるわけでありまして、ことしの予算編成等に当たって福祉見直し論ということが言われて、あたかも何かいままで出し過ぎていたかのようなことが言われる節もあるわけでありますけれども、西ドイツと日本との状態を比較いたしました場合に、日本がこれだけ、実質経済成長を西ドイツの倍も、あるいはそれ以上も遂げていたのになお一人当たりの所得か追いついてこない。この辺のところがもう少し突っ込んで論じられないと、本当にみんなが低経済成長というものを望んでいるかどうかということの議論になってこないと思うのです。この辺のところをきょうはもう少しお聞きしたかったわけでありますが、全然時間がなくなってまいりましたので、一言だけお聞きをして終わりたいと思います。余り文学的でないお話を……
○大平国務大臣 大変大きな問題で、私が該悉なお答えができるかどうか自信がございませんけれども、西ドイツの場合と日本の場合——GNPというのはいわばフローの大きさでございまして、ストックではないわけでございます。そこでわが国の場合は、坂口さんも御承知のように社会資本か非常にプアーであるというようなことで、これの充実ということが従来から言われておったわけでございますけれども、高成長を通じまして徐々にまず社会資本の充実を図ってまいらなければならぬという面が確かにあったのではないかと思うのでございまして、端的に個人のインカムが大きくなるという方向に貢献しなかった面があったのではないかと思うのであります。しかしそれだからといって、わが国の高成長を私は賛美するわけでは決してないわけでございます。山高きをもってとうとしとせず、何も高成長がいいというわけのものでないと私は思うのでございまして、やはり適正な成長でなければならぬわけでございます。わが国が今日まで歩んできた道が果たしてわが国の条件に照らして適正であったかどうかという点は、われわれがいま十分解明いたしまして今後の指針にしなければならぬと思うのでございます。資源の乏しい国でございますもので、もう少しやり方があったのではないかと思うし、今後私どもといたしましては低成長の中にもっと充実した活路を模索していかなければならぬし、またそういう道は必ず発見できるのではないかと考えておるわけでございます。過去われわれの先輩がやってまいりましたこと、全部が全部悪かったわけではなく、しかし全部が全部よかったわけでもございませんで、そこらあたりは十分解明いたしまして、その反省の上に立って今後の指針にしたいものと思います。
○田中委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 私は当面の問題について三つ四つお伺いしたいと思います。 まず第一は、ロッキード事件が国民、特に納税者に与えたショックといいますか、影響についてであります。 日本はショックを受けることが非常に多くて、ニクソンショックあり、ドルショックあり、オイルショックあり、今度はロッキードショックということになって、ショック専門のようですけれども、今回のロッキード事件の国民に与えたショックは一番深刻ではないかと私は思います。税金を納めるのがばからしくなった、これでは税金は納められない。これがお互い庶民に接した場合に聞く一番大きな声ではないか、こういうふうに思います。大臣はこの問題が納税者の心理にいかなるショックを与えておるとお考えになるか、この点をまず伺いたい。
○大平国務大臣 まずこの問題が起きまして、私ども三月十五日の確定申告期を控えて非常に心配をいたしておったわけでございますが、国民、納税者の皆さんの御協力を得まして、三月十五日の確定申告は、私どもが予想をいたしておりましたよりやや上回る記録をお示しいただいたことによりまして、五十年度の決算は心配なくできるようなことになりましたことを、納税者の皆さんに大変感謝をいたしておるわけでございます。 それから第二に竹本さんがいま御指摘になりましたように、この問題が一般の納税者心理にどういう影響を及ぼしたかということにつきましても非常に心配をいたしておったわけでございますが、納税の実績に見る限り、そういうことは杞憂であったと思いますけれども、先般国税局長会議がございまして全国各地のモニターからの意見が寄せられたわけでございますが、大部分の御報告は非常に健全でございました。納税思想というものに揺るぎがないということを確認いたしまして、非常に力強く思っておるわけでございます。しかし、一部にいま御指摘のように納税について一抹の疑念を持たれた方がなかったわけではないわけでございます。したがって、私どもといたしましては、まず徴税に当たりましてその点を十分戒めてかからなければならぬ。課税に公正を期するように、充実した課税が行われるように気をつけなければならぬと考えております。
○竹本委員 私はいま大臣のお話のありました点は認めておるのでございますけれども、ただ一つつけ加えておきたいと思いますのは、三月十五日のお話もありましたけれども、税務職員が一般市民に接触した場合に、どれだけ怒りをぶつけられたか、あるいはどういう不満をぶつけられたか、どんな罵声を浴びせられたかというような問題については、徴税の実績が予定よりも上回ったということ以外にやはり深刻な問題があると思うのです。これは長官もいらっしゃるから改めて聞いてもいいのですけれども、時間がないからやめます。これはどなたも同じではないかと思いますが、とにかくわれわれが接する範囲において相当内部にこもった怒りというものがある。これはこのままにしておいてはいけませんので、何としても前向きに解消していく努力をしなければならぬ。 その努力の一つとしては、今回の事件において徹底的に不正を追及するということが一つ。これは検察庁も国税庁も今度は真剣にやっておられるようでございますから、その成果を期待したい。 もう一つは、政治家的な立場でいえば、税の公平ということが盛んに言われておりますが、公平原則に立ち返って、税は国民の納得のいくような、精神的な一つの満足感を与えるような、公平感を訴えることのできる体制に切りかえなければならぬ。そういう姿勢が大蔵省の方から余り出ていないような感じがするのですけれども、この際、国民に納税的な意識を高める意味からいっても、心配するな、税の不公正はこんな程度に思い切って速やかに直していくんだという姿勢を示すことが必要であろうと思いますが、大臣にその点についてのお考えがあれば承りたい。
○大平国務大臣 仰せのとおりでございまして、充実した徴税をやらなければならぬ、課税をやらなければならぬことは当然でございますけれどもそれ以上に公正な課税に徹しなければならぬわけでございます。この間、国税局長会議の御意見の中にも、高額納税者に対する調査の徹底ということも結構であるけれども、実は隣と公平かどうかという点が一番関心が深いんだという意見が多くのモニターから寄せられておるのを見ましても、課税の公平というようなことは大変重大な問題だと思うのでございます。本委員会におきましてもこの点が税制論議の中心でございますし、また租税に対する世論の中核的な課題も公正論議であろうと思うのであります。 そこで、まず、現行税制が果たして公正なものであるかどうか、もう一度見直そうじゃないか、徹底した究明が必要じゃないかということで、本委員会を中心に火の手が上がりましたことは竹本先生も御案内のとおりでございますし、政府並びにわが党の税調におきましてもそういった議論が支配的になってまいりまして、五十一年度の税制改正はこの点に重点をしぼって努力をいたしたわけでございまして、租税特別措置を中心といたしまして従来にない徹底した洗い直しを相当やったわけでございます。もとよりこれは、まだ不徹底であるという御指摘が各党からあるようでございますけれども、私ども政府といたしましては、従来のものよりはよほど勉強いたしたつもりでございます。問題意識はそういうところに置いてやつたつもりでございます。租税の公正を期するという点につきましては、今後さらに五十二年、五十三年と続けて努力してまいらなければならぬことは当然と考えておるわけでございますが、五十二年、五十三年、どのような税制改正を考えるかということにつきましては、まだ政府でまとまった考えがあるわけじゃございませんので、どういうところに重点を志向した御審議をお願いするかということにつきまして目下まだ検討いたしておるところでございまして、本委員会で御報告を申し上げる用意はまだいまのところございません。いずれ考えがまとまりましたならば、いち早く本委員会に御報告を申し上げて御検討を煩わさなければならぬと思っております。
○竹本委員 税の公平化の問題は集中審議でいろいろ論議もされることでありましょうから、これ以上触れません。 ただ、一つ要望を申し上げておきますが、大平財政ここにありということを示す程度に、五十二年度の税制改正のときには勇断をふるってはっきりした税制改正を打ち出してもらいたい。回り合わせが悪いので、大平さんには気の毒のような気もしますが、いま大平財政というと、われわれが頭に浮かんでくるのは赤字財政だけだ。こんなことでは困りますので、やはり大平財政ここにあり、税制はこれだけ思い切って公平化のため前進させたということが庶民にも納得できるぐらいに明確な線を打ち出してもらいたい。そうでなければ、先ほど申しましたロッキードショックにも前向きの回答を与えることにならぬ。確かに、租税特別措置の一部分については、今後は、いま大臣が言われるような御苦心のほどはわかりますけれども、全体として肝心なところはまだ抜けておるというのが野党の大体の感覚じゃないかと思うのですが、いずれにいたしましても、大臣も御承知のように、事務的なものを幾ら積み重ねましても政治にはなりません。やはりそこは、政治というものは次元を高めてカーブを切らなければいかぬ。そのカーブは何か、どういうふうにカーブを切るかということについて、大平財政ここにありということが庶民にも納絡できるように、五十二年度の税制改正はひとつはっきりした取り組みをしてもらいたい。これは要望でありますから、お願いをしておきたいと思います。 第二の問題は円の国際化の問題ですけれども、円建て外債の発行を拡大しようというような動きが一部に見受けられるのです。まず第一に、そういう円建て外債の発行については、従来大蔵省が非常に渋い態度をとっておったのではないかと思いますけれども、その理由は何であるか。次に、今回、これもカーブを切ったというほどでもないけれども、弾力的に適応しようという動きのように見えるけれども、その理由は何か。それからついでにもう一つ、従来渋い態度をとった理由は、特にドルの問題あるいは国内金融市場に対する影響の問題、どういう面をどの程度に考えたからそういうことになっておったのか、その辺をちょっと承りたい。
○藤岡政府委員 いわゆる円建て外債につきましては、昭和四十五年の終わりにアジア開銀の第一回の円建て債を日本で発行いたしましてから、最近に至るまでに十六件、千九百九十億円発行いたしております。その間、石油危機の後に日本の国際収支が赤字になりましたので一年半余り休んでおりましたが、最近国際収支も少しよくなってまいりましたので、もちろん国内におきましては国債その他公共債の発行というふうなむずかしい事情もございますが、そういった制約の中でできるだけ前向きに取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。 もう少し具体的に申しますと、昨年の後半から大体三カ月に一遍ぐらい、つまり六カ月に二本峰たわけでございます。ことしも三月に一件出たわけでございますが、できますればもう少しその間隔を縮めていきたいということを考えておるわけでございます。こういう形で、円を国際的に供するという一つの制約要因は国際収支でございますが、この国際収支につきまして、さっき申し上げましたような若干の改善が見られましたので、いま申し上げましたような、少しばかりでございますが、前進をしようということでございます。
○竹本委員 ちょっと事務的な、技術的な面を伺いますが、円建ての外債を発行した場合に、たとえば百億円なら百億円の外債を発行する、それが日本の国際収支に影響があるというのはどういうプロセスで、また従来の経験から言えばどのくらいがドルの持ち出しということになるのですか。
○藤岡政府委員 円建て外債を東京で出しましたときに、それが国際収支に与えます影響は、たとえば百億円発行いたしましたかわり金をドルにして持ち出すという場合に、その分が資本の流出という形になるからでございます。もちろん国によりましては、すぐに金は要らないということで若干円を日本国内に滞留させておく場合もございますが、概して、外貨が欲しいという意味で東京で債券を発行するわけでございますから、相当部分が相当早い機会に国外に持ち出されるということになりまして、その分が資本の流出ということになるわけでございます
○竹本委員 次には、日本が外債発行を去年はずいぶん、二十億ドルぐらいやったんじゃないですかね。そういうものとのバランスについての考えはどういうことになっていますか。
○藤岡政府委員 昨年、日本の国際収支の赤字が大きくあったわけで、その対策といたしまして外債の発行等をやったわけでございます。相当金額出したわけでございます。約十五億ドル出したわけでございます。最近、国際収支が改善されてまいりましたときに、日本がそれだけの外貨建て外債を発行して資本の流入を図りながら、こっちから出てまいります外国の円建て債が少ないではないかというふうな御指摘ももっともな点はございますが、これはそのときの国際収支の状況、外債の発行市場の状況、それからさっきも申し上げましたように日本の国内におきます国債その他の発行の状況、そういったものを総合的に考えて、バランスのとれたやり方をしていきたいと思っております。
○竹本委員 大臣にお伺いしたいのですけれども、これは世界の世論の動き等に対する考慮からいっても、もう少しバランスがとれるようにした方がいいのではないか。それからもう一つは、日本の円経済圏といいますか何といいますか、そういうものを一遍に飛躍させればまた問題は多いと思いますけれども、漸次広げていくというような見地から見てももう少し積極的でなければならぬと思いますが、この円建て外債の発行の問題については、今後従来以上に積極的に取り組むお考えはないかどうかという点をひとつお伺いしたい。
○大平国務大臣 東京市場を可能な限り国際化してまいりまして、円建て外債などももう少し簡便に発行が可能であるような状況が望ましいと思います。ただいままでの状況は決して十分と思いませんし、内国債の発行に比べて本当にわずかの金額でございまして、もっと大幅であってしかるべきと思いますので、そういう方向で逐次拡大してまいりたいと思います。
○竹本委員 いま大臣からも前向き、積極的なお考えのあることを示されたわけですけれども、局長に伺いますが、月に一回あるいは二月に一回なんという——これは額にもよるでしょうし、それから内外の情勢にもよりますから簡単には言えませんけれども、いままでのような二カ月に一つかそれも危ないとかいうような考え方でなくて、毎月一つぐらいずつは取り組んでいくというぐらいの姿勢がいまの点の具体化として望ましいと思いますが、いかがですか。
○藤岡政府委員 先ほど申し上げましたようにいろいろ考慮すべき要素かございますので——最近ですと、三カ月に一本百億円から二カ月に一本百億ないし百五十億円というふうに進んでおりますので、できるだけ前向きに取り組んでいきたいと思います。
○竹本委員 第三番目は銀行法の改正について伺いたい。 まず第一に、銀行法の改正については私はもう予算委員会で質問をして、これを受けとめて答弁をされて、その点は評価しておるのですけれども、金融制度調査会の答申と大蔵省の考えというものはどういう関係に立つのか。金融制度調査会の意見は調査会として全然独自に出すのか、あるいは大蔵省がある程度内面指導するのか、全然しないのか。それから出てきたものは一〇〇%そのまま受けとめるのか、あるいはまた大蔵省がもう一遍それを再検討していく余地があるのかという点、金融制度調査会と大蔵省の銀行法改正に関する基本姿勢とのつながり、その辺をちょっと伺いたい。
○田辺政府委員 金融制度調査会は御案内のような諮問機関として審議を続けているわけでございますが、先般中間取りまとめというようなものが対外的にも発表されましたけれども、これは答申ではございませんで、これからじっくりと各方面の問題点について審議の上、答申が行われると思います。その審議の過程で何か大蔵省の方の意思といいますか、考え方をそれに押しつけるというか誘導するというか、そういうことをするのかということでございましたが、そういうことはするつもりはございません。やはり公正な審議をお願いしなければならないと思っております。ただ、審議の過程で事実の誤認であるとか、そういうようなことに基づいてどうも私どもでは全く理解できない結論が出そうだというような場合には、それはその前提となっている事実が違うというようなことはこちらからも申し上げなければいかぬ、こう考えておりますけれども、概して言うなれば、その審議会の独立性といいますか中立性といいますか、その適正な審議をお願いするということに尽きるわけでございまして、答申が出ました暁におきましては、その答申の趣旨を尊重するということは申すまでもございません。ただ、銀行行政といいますものは、実態との結びつきがございますので、非常にりっぱな、理想的な御意見でございましても、それを実施に移すためにはいろいろな障害がある場合も想像されますので、その辺はやはり行政当局としては調整をしなければならない問題も出てくるかもしれない。将来のことでございますのでわかりませんけれども、一般的にはそうお答えをしたいと思います。
○竹本委員 金融制度調査会が答申をしたものを大蔵省独自の見識と責任においてそれを修正していったという例がいままでにございますか。正確でなくても、記憶する範囲でいいです。
○田辺政府委員 特に修正をして違ったことを行った、実施に移したということは私の記憶ではないような気がいたしますが、答申は出たけれども、それが全然動けなかった、実施に移せなかったという問題があります。
○竹本委員 新聞にこの間、金融制度調査会中間まとめというのが出ました。ちょっと驚いたのですけれども、言っていることは、「市場競争原理を現在以上に導入すべきだ」ということが結論になっている。「ここ数年来の銀行批判に根ざした「社会的責任論」に対し、銀行の役割の重点が本来の機能発揮にあることを強調することによって「自由主義経済原理」を強く打ち出したものとして注目される。」こう書いてある。この記事が正しいかどうか、まだ詳しく調べていないから私にもわからない。顔ぶれから見てこの辺ではないかと私は思うのだけれども、そうなると非常に奇異な感じを受けるのですね。そのおかしいところをこれからいろいろ申し上げて、大臣のお考えもただしたいのです。 まず第一に、金融制度調査会というのは、ことに高度成長から低成長への減速経済の中で、福祉を中心とした経済をどう立てるかということになりますと、いままでの高度成長というのは、言うまでもなく設備投資主導型の高度成長であって、これは低金利と間接金融が支えになっておる。これを根本的に変えるということから新しい経済秩序を考え出していかなければならぬ。そういう意味から言うと、相当思い切った改革を打ち出してこなければならぬ。その意味でまず第一に問題になるのは、私はまだきょうは十分調べてもいないので、常識的な質問にとどめるわけですけれども、金融制度調査会の中の構成メンバーがどうなっておるかということを細かく聞こうと思いません。これは調べればわかることだから聞きませんが、感じで申し上げても、たとえば参議院では保守と革新が伯仲に近いと言われておる。衆議院もこれから解散をやればどうなるか、いろいろ議論が出ておる。 大平大臣に聞きたいのですけれども、私は社会を革命によって一遍にひっくり返せという立場をとっていない。そういうことから申しますと、社会というものは漸進的に改善、改革をされながら前へ進んでいかなければならぬ、こう思うのですね。そういうことは、抽象的に言いますけれども、大蔵委員会に関する限りで言うならば、税制とかあるいは金融というもののあり方は常に日進月歩で、社会の新しい流れに沿って動きをしなければいかぬ。そうでなければ、たとえば法人税は自民党政権のときにはこんなに低かったけれども、今度は革新政権ができたから一遍に二〇%上げるというようなことはできる話ではない。国会の中においても、野党の意見も十分くみ取っていただきながら漸次税制のあり方も変えていく。同様に、金融あるいは銀行のあり方についても、一遍にいわゆる革命的衝撃を与えるような切りかえというものはなすべきではない。われわれもなすべきではないと思いますが、同時に政府の側においても、そういう革命的な激変、ショックが必要でないように、漸次そのあり方や姿勢やビヘービアを変えていかなければならぬと思うのですね。そうでしょう。そうでなければ政権がかわった場合には、一遍に百八十度変わらないにしても、何度変わるかわからぬが、ショックを与えるほどの大変革をやらなければならぬところへ追い込まれてしまう。そういう大変革が望ましくないという立場に私ども立っておりますから、なおさら、漸次、少しずつ改革をしていかなければならぬ、こう思うわけです。そういう意味から言って、金融制度調査会の構成メンバーを仮に保守と革新に分けた場合には何対何になるか。これはこの次またゆっくり聞きますからそれでいい。きょうはただ問題点を指摘しておるのです。何対何になるか。五十対五十にはなっていない。七十対三十になっているのかあるいは八十対二十になっているのか。このメンバーを一度色分けしてごらんなさい。そして、やはり革新的な意見が金融制度調査会の中にも常に反映するような委員会構成にしておかなければ、そんなところから出てきた意見を尊重するという名のもとに大蔵省がそのまま実行するということになれば、これじゃ、私の言う革命的激変をみずから招き寄せることになる。 そういう意味で、まず、委員会のメンバーの構成というものは、国会の中の大体のバランスも考えながら、保守、革新がいま対等になったとは申しませんが、そういう方向に近づいておるんだから、委員会の構成も大体それに近寄せたようなあり方を考えなければならぬではないかと思うが、そういう考え方に無理があるかどうか、大臣にも承っておきたい。
○田辺政府委員 金融制度調査会のメンバーは、御承知のとおり、金融、経済に関しまして学識経験を持っている方から委嘱しておるわけでございまして、特別に保守は何名で革新が何名というような、そういう、人を見まして、あの人はどっちだというようなことを考えながら任命しているわけではございませんし、また、これは私の意見で恐縮でございますけれども、そういった国会の勢力といいますか、それに応じて調査会の人数割りを考えるというのはちょっと適さないのではないかと思っております。
○大平国務大臣 委員会の構成、金融制度調査会ばかりでなく、その委員会の審議を深めてまいる上において固定の概念にとらわれず、できるだけ広く人材を登用というかお願いするという弾力ある態度が望ましいと私も思います。それから、この人は保守であり、この人は革新であるという名札をつけて歩いておるわけじゃございませんから、いま銀行局長もお答え申し上げましたように、現在の委員会の皆さんにはそれぞれ言い分があるのじゃないかと思いますけれども、格別政党色を念頭に置いて選考したものでないことは御理解を賜りたいと思います。ただ、私どもがこの運営に当たりまして公正を期すということ、これが審議が偏向することのないようには十分気をつけなければいかぬことは当然だと思っております。
○竹本委員 考え方はいろいろあるかもしれませんが、社会的な事実として保守的な考え方と革新的な考え方とあるわけですから、それらの意見がそれらの層に大体見合ったように委員会の中にも反映するようにまず委員の構成から考えていく、そのぐらいの配慮がひとつ望ましいということをいま申し上げておるわけです。 大臣もおわかりいただいておると思いますからこれ以上申し上げませんが、なぜ私がそういうことを特にいま問題にしたかというと、この中間の取りまとめというのは全く驚いた感覚で、これは三十年前か百年前か知りませんけれども、何を言っておるのかさっぱりわからない。われわれが銀行問題を論じている場合に、まず第一に、きょうは時間がありませんからいずれまたゆっくりやりますけれども、こういう答申なんかをするなんという人の感覚を疑いたいんですね。 まず一つ言いますが、「その骨子は銀行の責務を預金の受け入れ、資金の供給、為替、振替など基本的機能を十分に発揮することである」としている。こんなものは責務というのか。それは責務の解釈だからどうでもなりますよ。しかし運送屋が物を運ぶのを責務と言ってみてもちょっとおかしいので、それは普通の仕事ですよ。ビジネスですよ。銀行にいま問われているのは、銀行が預金を預かるのですか、資金を供給するのですか、為替をやるのですか、そんなことを世間がいま問題にしているんじゃないんだ。銀行が一つの社会を原点として、銀行の姿勢のあり方に問題があるから、それをどう考え直して、どう出てくるかということを期待して金融制度調査会にわれわれは注目をしているのに、銀行の仕事はこんなことですといって女事務員の仕事まで並べてみたってしょうがないですよ。そんなものは。それはそれでやればいいんだ。しかしそれは責務というような問題じゃない。一体責務というのはどういう定義をするのか。これは金融制度調査会の責任者を呼んで一偏徹底的に問題にしなければならぬと思いますがね。 しかし、そういうことで始まって終わりの方も、いま言ったように、銀行批判に根ざした「社会的責任論」に対しては銀行の仕事はこんなものだという「銀行の役割の重点が本来の機能発揮にあることを強調することによって」云々と書いてある。そんなとぼけたことを聞いておるわけじゃないのですね、だれも。銀行というものは金を預かったり貸したり為替を組んだりしていることはだれでも知っている。そんな中学生の定義を聞きたいわけじゃないので、金融制度調査会に大蔵省が諮問された意味も、われわれがここであるいは予算委員会で問題にしているのは、銀行の姿勢が今日の社会的、時代的要請にどれだけこたえておるかということを聞いておるわけですから、銀行がこんなことをやっておりますという仕事のメニューみたいなものを並べてみたってしょうがないと思うのですね。そういう感覚はだれから、どこから出てくるかというのでぼくは委員のメンバーを聞いているのですがね。まあこれはしかし序の口ですけれども……。 それから中身は何かというと「競争原理を現在以上に導入すべきだというもの。」こういうことになっているんだが、競争原理は私どもも非常に大事なもので、民社党が混合経済を言っておるのも、プライベートイニシアチブを殺してはいけないんだ、こういう感覚、考え方でわれわれは混合経済ということを言っておるし、国営のための国営は言わない。しかしそういう立場から見ても、いま問題になっておるのは、資本主義経済のいいところでもあるが同時に大きなマイナスにもなっておるいわゆる競争原理というものを時代に合ったようにどう歯どめをかけるか、どう再編成していくか、こういうことが問題になっておるし、そういうことをわれわれ問われておると思うのだけれども、「競争原理を現在以上に導入すべきだというもの。」大蔵大臣に伺いたいのですが、私は競争原理というものは先ほど申しますように混合経済の中核でなければならない、軸でなければならぬと思いますよ。しかし競争原理の行き過ぎた点や行き足らざる点や問題が多い、だから問題になっておるのですよ。その競争原理をさらにこの上拡充するというそういう考え方に基本的な理解として大臣は賛成されますか、どういうことでございますか。私は競争原理には限界があると思う。その限界をどういうふうに設定するかということがいま問われている問題だ。それを、社会的責任論は全部そっちのけにして、競争原理一本やりで、あとは事務的説明で、競争原理はさらに現在以上に導入する、こう書いてある。したがって、導入の仕方については後できめ細かく質問をいたしますけれども、まず第一に競争原理というものの位置づけですね。位置づけを——いや、これは大臣の問題だ。競争原理の位置づけだ。競争原理というものを無制限にさらに拡充していくという方向で大蔵省は銀行行政を考えておられるのか、あるいは日本のいまの経済全体でもいいですよ、競争原理を位置づける、どういうふうに位置づけるかの問題なんだ。もっともっと競争をやらせるのだ。土地も買いまくれ、貸し出し競争もやれ、預金獲得競争もやれ、こういう形で、競争原理をもっと拡大強化する方向にいくのか。私は、競争原理は別に否定しているのじゃないですよ。競争原理は根本になければならぬと思うからわれわれの基本的立場というものがあるわけだけれども、しかしその弊害を認めるということが同時にわれわれのいまの立場ですね。これは大蔵省といえども認めなければならぬ点ではないかと思うので伺うわけですけれども、いかに競争原理を位置づけるかどいうことですね。
○田辺政府委員 大臣にまだ中間取りまとめをお読みいただいておりませんので……(竹本委員「その内容を聞いているんじゃないんだ、競争原理をどうするかということを聞いているんだ」と呼ぶ)いまの新聞記事だけをもとにして御質問でございますので、ちょっと私からこの中間取りまとめの性格について御説明をいたしたいと思います。 これはまずこれからの審議、銀行のあり方といいますか、これに入ります場合の序論といいますか基礎になるような総論的な部分でございまして、もちろんこれが結論ではございません。その点も断ってあります。 それからその基礎になるものとしてどういうアプローチをしたかといいますと、いまのようにわかり切った、銀行は何をするところだという、銀行の機能は何であるかということを述べておるわけでございます。 それから銀行の責務はどういうことかというと、結局その基本的な機能を適切かつ十全に発揮することである、それが根本だということを言っているわけでございまして、競争原理のくだりは、それを十全に発揮させるためにはどういう手段が必要であるかということに関して触れているわけでございまして、いまのこの中間取りまとめの中に出ております思想といいますかは、いまの銀行間にはやや価格的な競争が十分に発揮されてない面があるという面のアプローチをやっております。もちろん自由競争が万能であるといっているわけではございませんで、銀行は健全性を維持するという重大な任務があるわけでございますから、時と場合によってはその競争と健全性とが矛盾することがあるわけでありまして、その健全性を強調しておる面もございます。 それから資金の効率的配分という意味でのプライスメカニズム、これを基本に置くんだけれども、おっしゃるとおり、それには限界があるということも述べておるのでありまして、もっぱら競争原理万能でもって突っ走れというようには書いてないということをちょっと申し上げたいと思います。
○大平国務大臣 率直な意見としてお聞き取りをいただきますと、今日の銀行が、銀行なるがゆえに公的な保護のもとに経営が安定的であり得るというようなことは決してよいことではないわけでございまして、やはり適正な公正な競争の原理が金融界におきましても働いておることが健全な状態であろうと思います。しかし同時に競争が過度になり、弱肉強食になりまして、金融機関の金融秩序に混乱を来し、ひいては経済界に害毒を流すというようなことになりますことは許されないことでございますので、そこには緊張した競争とそれから安定秩序というものはちゃんとしたバランス、緊張したバランスがなければならぬと思いまするし、それをどういう状態において確保するかということが銀行法改正に当たりまして一番根幹的なことではないかと思います。
○竹本委員 この問題はいまの経済体制の根本に関する問題でございますから、一遍に論議を終わるわけにもいきませんから、まあ入り口だけの議論になると思いますけれども、まず、それじゃ今度は裏の方から聞きますよ、裏っ側から。 銀行法の改正ということが言われるのは、銀行の事務がふえて、それで項目を足さなければならぬから、そういう技術的、事務的要請によって銀行法の改正を取り上げるのか、あるいは銀行も社会的な機能が非常に大きい、そういう意味で社会を原点として銀行のあり方をもう一遍見直そう、そのビヘービアをもう少し変えてもらおう、そういう俗な、よく言われる社会的責任論という観点から銀行法を見直すのか、これが根本だと思うのですね。銀行の事務的なものの、そんな百貨店の項目を並べるような、品物の数を数えるようなことを考えておるのじゃない。いま銀行法が問われておるのは、銀行法の、あるいは銀行のあり方の中でとかく忘れがちになってきた、そして土地投機その他ではっきりしておるように、社会的責任の問題から問題が多いという意味でその社会的責任を問われておるのであって、銀行の定義を聞いておるのでもなければ事業項目を聞いておるのでもない。そういうことを含めて銀行法の改正の一番大きな眼目は、銀行の社会的責任をどう受けとめてどう解決するか。何をやれということの内容は別ですよ。考え方の基本として、社会的責任を問われておる、それにどうこたえるかということが銀行法改正の根本問題ではないかと思いますが、その点について。時間がないからまとめて言います。それが第一点。 それから第二点は、現在の銀行法が制定された昭和の初めの社会的な背景というものを考えてみると、金融恐慌その他銀行が下手なことをしてつふれるようなことになっては困るということを中心にして、それがまた今日の銀行の先ほど言われた過保護の原因でもあるわけですし、だから、銀行の、あるいは銀行法の生まれた時代的背景と今日の社会的な背景というものはまるっきり変わっておると思うのですね。その認識があるかないかということが問題なんです。ここには何にもないですね。だから聞いておるのですよ。社会的責任を問われておるということにどうこたえるかということが第一の銀行法改正の眼目であるべきだと思うが、その点はどうか。 第二に、いまの銀行法自体は、金融恐慌その他の時代的な制約あるいは環境の中で銀行をどう守っていくかということが中心になっている。そして、過当競争になればこれは大変だからということがまた今日までの行政のあり方だったとぼくは思うのですね。そういう点で、昭和二年だったか、そういう銀行法制定のときの時代的な背景や社会的な要請とは百八十度時代が変わっておるのじゃないかと思うが、その点をどう認識されるか。 それからもう一つ、三つあわせて聞きますが、第三点は、競争するということになれば、競争原理を入れるということになれば、競争相手をふやすことが一番競争ですよ。ところが、銀行法のいかなる、第何条に基づくのか、そしてそれが憲法の第何条に基づくのか、これも改めて聞きますが、銀行についてはニューエントリーは全部抑えている。それは一体どういうことか。ここに新しい銀行をつくって、いまのサービスの悪い銀行をひとつ向こうに回して一勝負やってみよう、これにチャレンジしよう、仮にこういう者が出ても、いまの大蔵省はなかなかこれを認めないという方向のようだけれども、果たしてそうか。果たしてそうであるとするならば、それは第一にここに書いてある競争原理に反するではないか。第二に、競争原理に反する行政指導でそれをやっておるのか、法律の第何条に基づくのか、その辺もひとつ聞きたい。 以上三つです。
○田辺政府委員 まず第一点の問題でございますが、この先ほど出ました中間取りまとめの中で「銀行の責務は、上記のような銀行の基本的な機能を適切かつ十全に発揮し、国民経済の発展、充実に寄与することにあると考えられる。」こう述べております。この意味は、先生のおっしゃる現在の状態、現在あるいは将来の国民経済の状態を考えてみて、それに対して十全にその機能を発揮していないという社会的批判といいますか、そういうものに対してこたえる、言うなれば先生のおっしゃる社会的責任論に全く同じことを言っているのではないかという感じがしております。 それから第二点の昭和二年のこの現行銀行法ができました当時の経済、金融の状態と現在の状態はおっしゃるとおり違います。あの当時におきましては非常な不況の時代でございまして、金融機関も非常に多数ございまして、中には休業、倒れるというようなものも出てきたわけでございまして、これではいけないということで資本金の最低限度を法定するとかそういうような部分の規定は 一種の合併促進といいますか、そういう要素を持っておったことは確かでございます。ただ、現在の銀行法は非常に簡素に条文ができておりますので、そういうことを抜きにしまして一般の業務としましては特に古めかしくて使い物にならないというようなものはないわけでございますけれども、おっしゃるとおり社会経済の状態が今日ずいぶん変っておりますものですから、今後の経済の動き、長期的に見ました場合の日本経済の姿というようなものも頭に描きながら、それに即応して十分な機能を発揮できるような銀行制度というものがどうあるべきか一遍考え直してみよう、こういうことでございます。 それから三番目は、競争原理を十分に発揮するためには新規参入を許すことである、まさしくそうかもしれません。ただ、この中間取りまとめで言ってありますのは、何も競争原理万能ではないと申し上げましたけれども、現在の体制の中でも価格的な競争以外の非価格的な競争によるひずみがあるのではないかというようなことも指摘されております。これは先生のちょっと指摘されました過保護といいますか、過行政というのでしょうか、そういうものがありはしないかというようなことが俎上に乗っておるわけでございまして、まず私どもは、もしそういうものがあるかないかということについては今後も検討していかなければならないと思っておりますけれども、いまの時点で新規参入を積極的に許すことによってこの競争を促進しようという気持ちは現在のところ私どもは持ってはおりません。現在の体制の中で、もっとうまく資金配分機能が働くような方法はないかというようなことを考えております。 何の条文によって、どうしているんだというような御質問でございますけれども、これは銀行の免許制というものによりまして、原則として新しい免許は考えない。もっとも外国の銀行で優秀な銀行が最近特に、近年東京に、日本に支店を設置したい、そこで仕事をしたいという希望が相当多数出ておりまして、これはやはりある種の刺激になるわけでございますので、日本の金融市場というものの育成のために外国の銀行の支店の設置につきましては応じている、こういう状態でございます。
○竹本委員 第一点の社会的責任の問題は、私もまだその文章をよく読んでおりませんが、文章としては単語はどこかにあると思うのですね、いまの時代ですから。問題はそのどこかにそういうことを書いておくという、単語があればいいという問題ではなくて、意欲の問題なんですね。社会的責任をはっきり受けとめて、時代の要請に応じたように銀行のあり方を変えようという意欲があれば、極端な場合を言えば、単語がなくても読む人にはわかる。ところが、それが余りないから、これは新聞一つや二つ証拠に議論してみても仕方がありませんから、具体的な資料に基づいて追ってやりますけれども、しかしぼくは銀行法改正という問題が、こんな重大な問題が、そんな感覚で取り組まれたのではたまらないという感じを持ったから、いま質問しているのですね。 そこで問題は、単語のどこかにそういう社会的責任論みたいなことが書いてあるかないかということじゃないんだね。全体を貫く一番大事な問題ですよ。銀行の社会的責任をどうするかという問題は、銀行法改正の根幹だ。その意欲が貫いておれば、ばかが読んでもわかるわけだ。何も書いてない。それは新聞の記事が間違いか、新聞記者がぼんくらなのかどうなんですか。意欲があれば意欲というものは大体人にわかる。全然受けとめられていない。ここにも書いてあるように、銀行批判に根差した社会的責任論に対しては、銀行の役割りが本来の機能を発揮することにあることを強調することによって、そんな事務的な答弁ですりかえようということになっている。だから単語がどこに何と書いてあるかということではない。問題は社会的責任というものをどう受けとめて、どう取り組んでいくか、そういう意欲があらわれておるかあらわれていないか。あるいは大蔵省自体としても、そういう問題意識があるのかないのかということが問題なんです。この点は、きょうは時間がありませんから、これが問題なんですということをひとつ銀行局長にも大臣にもはっきり認識しておいてもらいたいですね。こんなとぼけたものを出してもらっては話にならぬですよ。 それから第二番目の昭和二年と時代が違うとか、あるいは銀行法は抽象的に書いてあるのだから、かれこれ五十年役に立ってきたのだという議論はぼくはいただけないと思うのですよ。大蔵省は何のためにあるか、銀行局長は何のためにおるかということだ。やはり時代の動きがあるのですから、新しい時代には新しい革袋も要るわけだ、新しい銀行法も要るのですよ。それを問題意識がないから何とかごまかしてきているのです。 問題は、いま、さっき言った社会的責任論ということに対する厳しい問題意識があれば、いまの銀行法を読んで見れば全く事務的、技術的説明であって、そこに問題も悩みも、解決しようという意欲が何もあらわれていない。だから問題だ。それが現実の行政にもあらわれている。そういうことを問題にするのです。抽象的に書いてあるからいままでは間に合ってきましたという考え方も、これは私はいただけない。やはりもう少し大蔵省自体が問題意識をはっきり持っていただいて、銀行のあり方というものについて——きょうは拘束預金かどうだとか細かいことは言わないのですよ。言わないが、ただぼくは調査会の流れか問題なんです。基本的な流れというものが、姿勢がちょっとわれわれとは離れ過ぎておるじゃないかという点を問題にするのです。 それから三番目の問題のニューエントリーの問題は、免許制の問題がいろいろありましたけれども、しかし免許制というのは、免許制という法的根拠があるから、免許するしないは大蔵省の判断だということになりますね。今度はその判断のあり方が正しいかどうかということが問題なんですね。そういう意味において一体何年間ニューエントリーを禁止しておるか、あるいは抑えておるか、その辺どうですか。これも何年何月からという細かいことは聞かないのですよ。 私は、銀行の新しいものは認めぬという考え方でずっと大蔵省は来ておると思うのです。それは間違いであるか。またその方針を競争原理の上から言って——とにかくいま日本はカルテル列島とよく言われますけれども、現にいまだって、これは銀行じゃないが、鉄だって二割、セメントなど四割現在の業者が操短をしている。それで値を上げよう、こういうことになってきているし、値が上がってきている。しかし、それはその業者の間でも大いにあれがあるでしょうけれども、新しい競争者か出る、なかなか社会的条件から言えばないのだけれどもね。しかし、そういう独占的あるいはカルテル的体制というものか一番競争を制限しているのですよ。だから大蔵省が今度競争原理によって銀行法を改正するというなら、その前にセメントや鉄鋼のカルテル的な統制をやめなさい、そうして全部競争原理で行くというならまだ話はわかる。値上げのときだけはカルテルで行こうというようなことで、ときどき競争原理をやられたのでは困りますから、首尾一貫した体制というものを考えてもらわなければならぬ。 それからもう一つは、これも時間がなくなりましたから、今後の問題にしておきますが、これから一体預金金利を自由化するということはどういうことを考えているか、その結果どういう成果を期待しておるのか。それから貸出金利を自由化するということは、どういうことを期待して、どういう結果が出ると考えておるのか、そういう点の総合判断もしなければならぬと思うのですね。いずれにいたしましても、この競争原理ということがきわめて古典的な形において押し出されておる。私はその点に不満が持っておるわけです。競争原理そのものを否定しない。しかし競争原理を古典的な形で出して、いまごろ——現に銀行の頭取の中には、銀行はもうけ過ぎているでしょうかと私に言った人がおりますよ。それではぼくは逆に、あなたは銀行はもうけていない、もうけか足らないと思っておられますかと聞いたことかある。しかし、すべてがそういう感覚なんですよ。そういう点について、この銀行法の改正というものは、やはり新しい社会の要諦というものを織り込んだ改正にしてもらいたい。これは要望を含めて最後に申し上げるのですが、それが一つ。そういう方向に行かれるつもりがあるのかないのか、大蔵省としての銀行法改正に対する基本的姿勢、これが一つ。 それから第二番目は、いまから一年かかって研究するとか、さらに日銀の問題を考えなければならぬとか、あれこれ言っておりますと、銀行法の改正は三年くらいかかる。一体大平大蔵大臣は、銀行法の改正をいつごろまでに仕上げるお考えであるか。 すべてタイミングが大事ですから、いつかできるでしょうというようなことを言われたのでは困りますので、銀行法改正というものは、第一は、いま申しましたように、基本的な取り組みの姿勢、方向として何をねらっていかれるかという問題と、第二は、いつごろまでにこの銀行法改正というものを実現しようと考えておられるのか、この二つを承って終わりにいたします。
○田辺政府委員 銀行法改正といいますか、銀行制度の見直しに当たっての基本的姿勢は、まさに先生のおっしゃいますように、現在拡散されております日本の経済社会の状態、それから今後どういうぐあいに経済構造、金融構造が動いていくだろうか、それをにらみながら、銀行としての役割り、銀行の機能が最も理想的に発揮できるようにするためにはどうしたらよいか、そういう基本的姿勢でもって臨まなければならないと思っております。 それから第二点の、いつごろという問題につきましては、特に期限を限っておりません。これまで、昨年五月開会されましたから小委員会の会議も含めまして延べ十七回、大体二月に三回くらいのベースで審議か行われておりますが、この「銀行の役割について」という項目は、その前の「今後の我が国の経済構造及び金融構造について」に次ぎます第二番目の検討項目になっておったわけでございます。今後予定されまするのは、三として「銀行の資金配分機能のあり方について」四として「銀行経営上の諸原則について」五として「銀行の取引、サービス面における諸問題について」六として「銀行業務の範囲について」七として「銀行に対する監督について」そういった大体七つの大きな項目に分けて今後審議が進められていくと思います。はっきりした期限は大体いつごろかということは現段階では申し上げられないと思います。
○竹本委員 結論は、三木内閣の存続する間に銀行法改正はできますかと聞いているのです。
○大平国務大臣 この調査会で審議をお願いするときに、いま銀行局長が申し上げましたとおり、期限を付してございません。付さなかった経緯がございますが、いまいつまでということを申し上げかねます。 三木内閣との関連でございますけれども、そういう政治的な展望との関連、定かにいま私はわかりません。(笑声)
○竹本委員 まあこのくらいで終わります。
○田中委員長 武藤山治君。
○武藤(山)委員 私の割り当て時間は三十分でございますから、二、三点、端的に大臣の見解を伺ってみたいと思います。 まず最初に、昭和五十年度の不況克服のために第四次不況対策を政府は実施いたしました。その中心的課題は公共事業費をふやして早期に実施をするというのが目玉でありますが、公共事業費の支出の状況はどのような結末になりましたか。昭和五十年度の進捗状況。——答える人かおらぬようでありますから、大臣にちょっと答えろと言っても無理でありますが、大臣どうですか。大体の感触として五十年度の公共事業費予算というのは完全に執行できたと、三月末で大体期待するようなパーセンテージで実行されたと認識しているか、後で数字は出ますから。それとも繰り越しがかなり出たと、そういう答えになるのか、大体大ざっぱな大臣の認識はどうですか。
○大平国務大臣 順調に消化できておるものと私は考えております。
○武藤(山)委員 順調に消化できたという認識に立って、今日の経済動向は、不況という状況認識、いやもう不況は脱出できた、しかし好況とは言えない。しからば何と定義するか。大臣のその辺の認識のほどをちょっと明らかにしていただきたいと思います。
○大平国務大臣 今度の不況は御承知のように大変長い、それからまたピーク時とボトムとの間の落差が非常に険しい不況でございまして、もとのようなピーク時の状態に返ることを不況の回復というのでございますならばまだほど遠い感がございます。ただ企業がまじめにやっておりますならば、どうにか、ともかく自立経営の目安はつくのだという意味で、稼働率が八割の高いところあるいは九割に近いところまでまいりますならば、そういうことが可能だといたしますならば、そういうことは必ずしも不可能でございませんので、武藤さんの言われる不況という意味を非常に現実的にとらえて希望が持てる状況というように見ますならば、政府が申し上げておりますようにややそういう自信を強めつつあると私は思います。
○武藤(山)委員 まだ不況という状態は続いている、そういう認識であると、私もまだそういう認識でありますが、特に雇用関係が、失業者が非常に多い。百万を超えている。こういう状態が——日本資本主義経済のノーマルな失業者の数というのは大体六、七十万、まあ五十万台、この辺を常に横ばいに推移してきていた。ところが今日、百万近いというのは、かなりアブノーマルな状態である。であるから、これを完全に六、七十万に定着をさせるというのが、まず一つの雇用関係から見た経済動向としての指標だと私は思うのでありますが、そういう状態というのは一体いつごろ実現するんだろうか。きょうは三十分ですから、そういう論争をしている暇がありませんが、経済が輸出の伸びによってやや希望が持てるようになってきた。その最大の原因は、大平さんも一骨折ったのでありますが、ジャマイカ会議以後やはり世界の流動性の不安というものが、各国それぞれの立場でやや従来のような不安というものが縮小されてきた、解消まではいかぬが、そういう通貨面からの世界的協調というものが一つこうできた、ジャマイカ会談で。その後の世界経済に与えた影響というものが非常な好影響を与えたために、世界的な規模における貿易というものの方向が従来と違った方向に進みつつある、そういう認識をしていいのかどうか。その辺ひとつジャマイカ会談に出席をした蔵相としての見解を、世界経済と日本経済のかかわりという点から一言説明を願いたいと思うのであります。
○大平国務大臣 ランブイエの会議とかジャマイカの会議とかいうのは必ずしも成功とは言えなかったと思うのです。ただ、強いて言いますならば、そこで各国が協力し合おうじゃないかという意図が鮮明にされたということが世界経済にとってプラスであったと思うのでございます。去年は、OECDが見ておりまするところによりますと、わが国を除きまして全部の先進諸国がマイナス成長であったわけです。ところが去年の十二月のOECDの予測によりますと、アメリカを筆頭といたしまして、次はドイツ、次はフランス、イタリア、それから英国もようやくプラスマイナスゼロのところまでくるのではないかというのが、去年の十二月現在におけるOECDの見込みでございまして、OECDは日本についても四・二五%の成長であると見ておるわけです。政府はもうちょっと高目に見ておりますけれども、このことは去年が日本を除くところ全部がマイナスであったのが、同じOECDはことしは全部プラスに見ておるということでございます。けれども、いま武藤さんが言われたように通貨はまだ動揺いたしておりまするし、各国の、ほかに輸入規制の動きもございまするし、またアフリカ、中近東あたりの状況必ずしも安定いたしていないわけでございますので、このように世界経済が上向きで安定するというようにいまわれわれは楽観的であっていいかというと必ずしもそのようには思えないのであります。したがって、わが国の輸出がいま非常に対米輸出を初めといたしまして好調でありまして、これがどうぞ持続的であってほしいといま念願いたしておりますけれども、必ずしもことしはこの上向きの路線をひた走りに走れるであろうなどということをいままだ言えないのではないか。そういう意味で、なかなかこうだということを確信を持って言えない状況であることは大変残念に思っております。
○武藤(山)委員 そこで、日本の政府の経済見通しでは、ことしは実質五・六%の経済成長をするだろう、個人消費支出は一三七%伸びるだろう、個人の給与所得は一三%平均、全体で伸びるだろう、こういう実は経済見通しを政府は立てているわけですね。そういう目標と現今の諸情勢というものを比較勘案をしてみるときに、果たしてこの経済見通しは達成されるだろうか、大変狂いが出るのではないか、そういう心配が出てきたと私は思います。 その一つの点は、この間の春闘のベアの結果であります。大臣も御存じのように、鉄鋼が八・五%アップ、私鉄が約九%程度、恐らくこれは高いランクであって、全国平均にしたらかなり低い六%から七%台が給与所得全体の伸びというところに落ちつくのではなかろうか、こういう感じがいたすわけであります。 なぜ私がこういう質問をするかと言えば、それは主税局長御存じのように、税収見込みに関係があります。一%給与水準が多くなると支給額全体で何千億円になると仮定していますか。さらに一%給与がふえることによる税収の伸びは、弾性値から計算して何百億円になりますか、それぞれ所得と税額を一%についてちょっと説明してみてください。
○大倉政府委員 総給与という意味ではちょっと手元に正確な資料がございませんが、税収見積もりのベースになっております給与総額は七十五兆五千九百億と見ておりますから、一%当たりは大体七千五百億、税収で申し上げますと、これも正確な計算はなかなかむずかしゅうございますが、一%ポイント当たり大体六百億円ぐらいかというふうに考えます。
○武藤(山)委員 大蔵大臣、ことしのベアは平均どの程度に落ちつくだろうか、これもまだ正確な数字は出ませんが、しかし、大体政府の高官ならば恐らく閣議や何かで労働大臣ともお話をしていると思いますからやや見込みが立つと思うけれども、どの程度と見ておりますか。
○大平国務大臣 それより前に、先ほどの公共事業の五十会計年度の達成率は現在取りまとめ中でございますが、九七%程度の見込みで、目標九八%にはやや及びませんけれども、例年は九五%程度でございますので、それをやや上回って順調に進んでおる由でございます。五十一会計年度への繰り越しは二千数百億円程度だということでございます。 それから、ことしのベアの問題でございますけれども、ただいままで要求があり、回答があり、妥結があったものにつきましては、八%とかあるいは九%とかいうのが報道されておりまするけれども、これから出てまいりますものはややそれより下回るのではないかと思います。
○武藤(山)委員 やや下回るとなりますと、七%と仮に見ても、政府の税収見積もりでは一三%伸びると見ているのですから大変な段差がつきますね。五%か六%給与総額でも狂いが出る。仮に一%で六百億円税収に響くとなると、五%にして三千億円主税局長笑っているけれども笑っていられる状況だろうか。これはどうしますか。仮に五%ベアが大蔵省見積もりより低かった場合の税収の欠陥が三千億円くらいは出るのではなかろうか、そういう危惧を私は持つ。その危惧が単なる杞憂であるかどうか、主税局長の見解を聞かしてください。
○大倉政府委員 武藤委員よく御承知のとおり、五十一年度予算の歳入見積もりにおきましては、雇用者所得の伸びを一二・八というふうに見ておりますが、それを分解いたしますと、雇用の伸びが一で一人当たりの所得の伸びが一一・八と見ておるわけでございます。その一一・八は基準内賃金と申すべきものだけではございませんで、基準外、それからほかの統計の言葉で申せば所定内と所定外すべてを合わせたものとして非常にマクロ的に見ておりますので、おっしゃいますように、仮に基準内賃金に相当するような春闘ベースアップというものが七とか八とかいう場合でも、所定外労働時間が最近のように一時よりふえておるとか、あるいは景気のいかんによりまして、ことしの年末のボーナスは去年の年末のボーナスよりは勢いがいいとかいうようなことがございますれば、それは一一・八の方に近づいてまいるということはあるわけでございまして、私どもとしてはなるべくそっちに近くなってほしいなあと思っておりますけれども、計算のやり方としましては、それは一%ポイント当たり六百億が余り何%も積み重なりますと、それは他の税収でどれほどカバーできるかということを考えなくてはならぬ、それはおっしゃるとおりでございます。
○武藤(山)委員 大倉さん、別に言葉じりを取っつかまえるわけでありませんから、もっと素直に率直に答えていいのじゃないかと思うのです。大臣は大体いま決まっているランクよりも平均すると低くなるだろう、だから、私は七%ぐらいかなあ、だとすれば、段差が、仮に個人所得の伸びを見ても、雇用の一%増を切り離して、あなたはなるべく率の差はないのだと見せかけるための答弁をいましたけれども、そういうことをやってもやっぱり四、五%の開きが出てきそうですね。そうすると、やっぱり四%にしても二千四百億、だからこれをどうするかというまたこれは補正問題が出てきますね。補正予算を組まざるを得なくなるかもしれない。補正を組まずに滞納額をびしびし取り上げる。これは中橋さんの方の担当ですが、三千億円も滞納があるのですから、そういう滞納もひとつこの際何か新手を考えて大いに効果を上げる、あるいは脱漏所得を捕捉する方法を考える等々国税当局はいろいろ考えるのだろうと思いますが、いずれにしても、こういうベアの状況から経済見通しも政府の見通しどおりいかない。この経済見通しは完全に狂う。一三・七%伸びるという消費支出の増加だけでも私はかなり狂いが出てくると思います。そういうような情勢の中で、年度途中で経済見通しの改定をせざるを得なくなるのだろう、こう私は推測をいたしますが、大平大蔵大臣いかが認識されておりますか。
○大平国務大臣 まだ五十一年度に入りまして一カ月に満たないわけでございまするし、また五十一年度の予算もまだ成立していないわけでございます。そういう状況のもとで五十一年度の経済の展望をこういう材料不足の状況のもとで大胆にできるほど私も頭はよくないわけでございます。政府も例年、武藤さん御承知のように、その年の経済の展望について考える場合は、秋が深くなりまして、補正をやるような場合は考えたことがございますが、去年のように非常に大きな落差がございまして、歳入の見積もりを大きく変えなければならぬというときは前広にやったわけでございますけれども、例年はずっと年末押し詰まってやったわけでございますので、ことしは恐らくいまの後者のカテゴリーに入る年だろうと思うので、もう少し後になってお聞き取りをいただきたいものと思います。
○武藤(山)委員 まだ予算が暫定しか通っていない段階で経済見通しを改定するとか再検討するとか大臣の口から言えない、そういう状況はよくわかります。しかし大臣、われわれがここでいろいろ意見を交換し議論をすることが、早く手だてをすることによって、早く政策の決定なり変更をすることによって被害を受けなくもいい、事前にこれを食いとめるということも可能なのであります。ですから、われわれは、いたずらに時期を見て確実な数字を把握して、しかる後でなければ対応ができないという官僚政治であってはいかぬと思うのであります。役人というのはどうしても自分の首を大事にし、地位を大切にしますから、不確実な、あるいはもし誤ったら、もし違った結論が出たら自分の立場がということが常に頭にある。したがって、思い切った発想の転換、そういうことをやれない本性を持っている。これは個々人の高級官僚がいけないというのではない。これはもう官僚政治そのものの本性なんだと吉村正の書いた「官僚政治」という書物には書いている。だからわれわれは、日本の経済なり日本の動向なりがいろいろな意味で過去と違ったパターンで動くようなときにこそ、役人の発想とか熟慮とかいうようなものが大変重要なんだということを言いたいのであります。そういう意味で、やはり時期を失してから気がつくのではなくて、常に先取りをしながら、特にそれをやらなければいけない官庁は私は大蔵省だと思うのです。日本の財政を背負い、国民から税金をいただく、分配と徴収と両方やる官庁というのは大蔵省しかないのです。したがって、その大蔵省の行動や政策決定というものは国全体にえらい大きな影響を及ぼすわけでありますから、それだけに大蔵官僚、その大蔵官僚を指導する大蔵大臣の責任というのは私は大変重いと思うのであります。また国民もそういう目で大蔵を見ているのですから、その気持ちになって大蔵官僚というのは対処しなければいけない、私はこう思うのであります。いずれにしてもこの論争は、後で予算委員会で参議院でも恐らく経済見通しとベアの関係、いろいろまた議論が出ると思いますが、入り口だけでやめておきます。 時間がありませんから次の第二問に入ります。 先ほども竹本さんや他の同僚諸君からも、ロッキード事件が国民に与えた影響、ショックあるいは税に対する感覚、国民に与えたマイナス、はかり知れないものがあるという指摘がありました。私も同感であります。そういうときにたまたま児玉譽士夫なる者が、国税をごまかしたばかりではない、新築した家までも届け出しない、不動産取得税も払わない、固定資産税もごまかしていた、そういう上塗りでさらに批判が出てきた。そういう最中にわれわれ国会議員仲間の政治団体の申告が虚偽であった。架空の人間を並べて申告をしていた。自治省はこれを指摘して訂正をさせる、こういう記事が出て、しかもそれが一党の幹事長の指揮する政治団体である。これに至っては、国民からはもうまさに政治家というものをますます頼りにならぬ、政治家というものは一体何をしているんだという指弾を受けると私は思うのであります。 そこで、きょうは簡単に伺っておきますが、まず一般論として、そういう政治団体が支出を誤って、ごまかして、架空や偽名でやったのが発見されて、正式なものに訂正しなさいと指示をされた。今度は具体的に金を受け取った政治家の名前を全部報告すると新聞では報道されている。その場合、昭和四十八年、四十九年、五十年、三年間にわたって派閥の国会議員に配った金を正式に今度は自治省に訂正をして申告をすると新聞によると報道されております。その場合、国税庁長官、もらった方の代議士は個人の贈与になるのか。政治団体にもらえば別ですよ、国会議員の個々の後援会にもらった場合は無税でありますが、個人に配ったということになった場合には、これは当然修正申告を出さなければならない、出さない場合は更正決定を国税庁はしなければいけない、こう思うのでありますが、まず一般論としてどうでございますか。
○中橋政府委員 いわゆる政治団体から政治家が資金を受け取りました場合には、従来から雑所得として取り扱っているわけでございます。したがいまして雑所得としての収入から必要経費を引きましたところの残りがございますれば、それはその人の所得として課税になるわけでございます。仮に逆に赤字になっておりましても、それは他の所得から引かないという取り扱いになっておりますが、そういうことでございますので、今回訂正後の、あるいは真実の雑所得というのがあります場合に、従来そういうことでなければそれ相応の措置をとっていただかなければならないと思います。
○武藤(山)委員 税法上四十八年分について自主修正申告というのは可能なんですか。自主修正申告というのは前年度までぐらいのですか。三年前のも自主修正申告で認めるのですか。
○中橋政府委員 四十八年分は、本来でございますれば四十九年の三月十五日が申告期限でございます。ですから、仮にそういったところで漏れておった所得がありということであれば修正申告は可能でございますし、そういうことがなくて、税務当局として個人の雑所得としての課税が必要であるという場合には更正の可能性もあるわけでございます。
○武藤(山)委員 その雑所得が収入と支出が同金額だ、だから私は申告しなくもいいんだ、そういう処理をしていいか。いずれにしても政治団体から個人が受けたとなれば、所得税額が出ないにしても申告だけはしなければいけないか、それを明らかにしてみてください。
○中橋政府委員 本来でございますれば、収入と経費とか相等しくてゼロであります場合にも申告をしていただくのが望ましいわけでございますけれども、私どもの方で仮にそういう場合に申告がなくて調査をしまして収支ゼロであるという場合には、あえて更正の必要はないわけでございます。
○武藤(山)委員 あえて更正の必要がないということではなくて、私が聞かんとしておるのは、ゼロであっても修正申告を出さなければいけないか。後で、政治団体からもらったのが、二百万もらった、五百万もらったというのが発見されて、正規に支出した方の政治団体が発表した場合、もらった本人は恐らく書類をつくって、もらっただけそっくり使ったという形にして税金がかからぬような工作をすることは間違いないと思いますが、支出と収入が同額ならば、その場合に修正申告しなくもいいのかどうか。同額であっても税法上は全部申告しなければいかぬのだということになるのか、そこはどうですか。
○中橋政府委員 所得税法上修正申告をする必要があります場合は、追加的に納付すべき修正税額がある場合でございますので、本来は修正申告をする必要はないわけでございます。国税通則法第十九条によりまして「先の納税申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に不足額があるとき。」ということでございますから、税額について不足があるときに修正申告をする必要があるということになっているわけでございます。
○武藤(山)委員 そうすると長官、たとえば四十八年に二百万円もらった、四十九年にも二百万もらった、五十年に二百万もらった、その年に二百万を正規に政治活動に使いました、しかし税金に関係ないから税務署へ申告しない。申告しなくもいいと言うのでしょう。その場合にだれが証明するのですか、もらった金だけをそっくり政治活動に使いましたという証明は。申告しないで証明のしょうがないじゃないですか。本人が口頭でも説明する必要ないわけでしょう、いまの話だと申告しないのだから。じゃ、わからないじゃないですか。税務署につかまったときに、二百万受け取っておれは二百万みんな政治活動に使ったよ、そういう説明ができればいいのですか。いまの長官の説明でいくとこれはそういうことでも済むね。
○中橋政府委員 仮に今回の場合、ある政治家がそういう非常に多額の収入があるということがございますれば、税務署としますと、その収入の行き先を調査するわけでございます。それで、もちろんその支出について支払いがなされておる、必要経費として認められるという心証があれば、あえて更正をする必要はないわけでございますし、仮にその中で個人資産に転化しておるとか、政治的な経費として支出が認められないという場合には更正をいたしますから、それは御本人の申告がなくても税務署としてはそういうことについての調査をいたすわけでございます。
○武藤(山)委員 そうすると、自治省へ申告書が訂正されて真実の氏名が掲載された書類が出れば、告発をされなくも国税庁は調査をさせますか。
○中橋政府委員 これは今回の場合だけに限りませんで、例年出ておりますそういった政治資金規正法によります届け出の中から、私どもの方では政治家の方々あるいは受け取った人として調査を要すべきものについてそれぞれ調査をいたしております。
○武藤(山)委員 時間ですから、終わります。
○田中委員長 次回は、来る二十六日月曜日午後五時理事会、五時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会