石炭対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1976/05/19
会議録
○田代委員長 これより会議を開きます。 まず、請願の審査に入ります。 今会期中、本委員会に付託されました請願は、本日の請願日程に記載してありますとおり七件であります。 請願日程全部を議題といたします。 まず、請願の審査の方法についてお諮りいたします。 その趣旨につきましては、すでに文書表等によって御承知のことと存じますし、また、理事会においても御検討いただきましたので、この際、各請願について紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採否の決定を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 それでは、本日の請願日程中、田川市の石炭鉱害復旧促進に関する請願一件、鉱害復旧促進に関する請願三件、幌内鉱ガス爆発事故対策等に関する請願二件、幌内鉱ガス爆発事故対策に関する請願一件、以上の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田代委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、北海道の万字炭鉱及び幌内炭鉱の再建復旧に関する陳情書外三件でございます。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○田代委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 石炭対策に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地等、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 また、閉会中審査におきまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○田代委員長 次に、石炭対策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭人要求に関する件についてお諮りいたします。 石炭対策に関する件について調査のため、本日、電源開発株式会社理事石井泰安君に参考人として出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○田代委員長 質疑の申し出があります。これを許します。多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 石炭及び石油対策特別会計のうち、石炭勘定も五十一年度は千百二十六億でございます。五十二年度以降を展望してみますると、歳出の面においても、かなり増額はしなければならないように考えられるわけです。すなわち本年度は、石炭開発についても、従来よりも著しく費用が要るという面はありませんでした。しかし五十二年度からは、どういうように開発していくか。要するに石炭見直し論あるいは深部開発に伴う問題等を考えましても、かなりの費用が要る。それから石炭火力の助成金についても、すでに松島炭鉱跡で電源開発の計画がありますが、これを促進するにも助成金が要る。あるいは保安についても、やはり増額しなければならぬ。それから鉱害対策費が五十一年度において三百二十一億ほど出ておりますけれども、これも現地におきましては非常に不満で、予算の取り合いっこをしておるという状態である。これも飛躍的増額の要望が非常に強い。あるいはまた産炭地振興につきましても離職者対策にいたしましても、これが存続を要望しておる。こういうことを考えますと、かなりの財源を見込まなければ石炭政策はできないじゃないか。結局は財源のいかんが今後の石炭政策に直接つながる問題である、こういうふうに考えるわけです。 そこで通産省としては一体、石炭対策の財源を、どういうように確保するつもりであるか、この方針を承りたい。
○増田政府委員 石炭及び石油対策特別会計につきましては一応、現行法は五十一年度をもって期限切れになっております。ただ他方におきましては、石炭対策の遂行、ことに昨年、現在のエネルギー情勢というものに対応しました新石炭政策というものに石炭鉱業審議会の答申を得まして、新しい政策に入るわけでございますが、これの遂行のために、ただいま多賀谷先生からおっしゃられましたように多額の金が要るわけでございます。これの確保を図らなければならぬ。また他方、石油の問題につきましても、エネルギーの安定供給確保という面で、その所要財源というものを確保しなければならないということでございます。そういう意味で、この問題につきましては五十二年度予算というものに、どういうふうにして石炭石油特別会計を確保し、また、その必要な資金を確保するかということにつきましては、関係各省とも十分、協議いたしておりますが、ただいま先生からお尋ねの、今後、通産省としてどういう姿勢でやるかということにつきましては、私は新しい事態に処したエネルギー政策の完遂のために必要な資金を、石炭石油特別会計というものでやるか、どういうことかは別といたしまして、確保いたしたいと考えております。ただ現在の石炭石油特別会計は、五十一年度をもって一応その法律上、期限切れになっておりますが、私どもの方で、いま考えておりますのは、これの継続をしたい、こういうことで考えております。
○多賀谷委員 まず、石炭石油特別会計の期限切れの問題については、五十二年度からも、ひとつ存続していきたいという方針のもとで、財源をどうするかということを苦慮しておるという話でありますが、実は、これは重油関税も定額で決められておりまして、かつては一二%の定率でありました。ところが、これが現在六百四十円という額になっている。そのうち基本部分が五百三十円で、暫定部分が百十円ということになっておるわけです。ですから、よく一二%と言うけれども、現在の時点で言うと三%ぐらいになるわけですね。ですから、この率から言うと三%関税という形になるわけです。これはなかなか、むずかしい問題でしょうけれども、ぜひ、ひとつ長官としては財源確保に努力をしてもらいたい。幾ら、われわれが議論をいたしましても、原資が見つからなければ石炭政策はできないわけでありまして、この点はひとつ、いわば長官の行政手腕を最大限に発揮していただきますと同時に、通産大臣も、これには全力を挙げていただきたい、こういうように思いますので、次官から御答弁願いたい。
○綿貫政府委員 ただいま長官からお答えいたしましたように、いろいろと財源対策については、今後、石炭政策を推し進める上におきまして十分とは、いきませんかもしれませんが、何とか財源を生み出すような、従来の石特会計いろいろありますが、見直しをするかどうか、これから、まだ協議しなければならぬと思いますが、多賀谷先生の御趣旨に沿ったような形で検討したいと思っております。
○多賀谷委員 すでに、石炭については十二分の十を確保すると言われましたのが、御存じのように、いま、その中でも十二分の八ぐらいになっていますから、これはぜひ努力をしていただきたい、これを希望しておきます。
○増田政府委員 そのようにいたします。
○多賀谷委員 続いて、石炭政策について質問をいたしたいと思いますが、本日は通産大臣またエネルギー庁長官も、いま私が財源問題で質問した答弁だけで後は退席をされましたので、全体的なエネルギー問題について触れることができないので、非常に残念に思います。石炭部としては、個々の石炭の国内における全体的な役割りといいますか、石炭のエネルギーにおける位置、どういうように考えられておるか、お聞かせ願いたいと思うのです。 それは、エネルギー研究所等の報告書を見ますと、結局、総合エネルギー調査会、俗にエネ調と言っておりますが、エネ調で出しました六十年度の計画についても、まず議論になっております原子力発電というもの四千九百万キロワット、これはとても、むずかしいということを言われておりますし、国会の論議を通じましても、また現状からも、とても、これは立地を選ぶこともできませんし、国民のコンセンサスも得られないということになると、これがまず第一、かなり計画が挫折をするだろう、こういうふうに考えられるわけです。 それから、LNGについても四千二百万トン輸入を考えておりますが、これも、かなりの資金が要って、なかなか、むずかしいのじゃないかということが言われておるわけです。そこで結局は石油に頼るか、石炭に頼るか、こういう以外には、その未達成の部分についての補てんはできないのじゃないかということになるわけであります。 そういう状態の中で、六十年度までは何とかしのげるにしても、その後、一体どうするか。六十年度といいましても、五十一年度予算を除きますと、あと九年ぐらいしかないのですよ。ところが、このエネルギーの開発というものは、もう六十年以降の話をしても、かなり遠い将来の話のようだけれども、現実には早く手をつけておかないと、なかなか成果を得ることができないわけでありますから、すなわち一九八〇年代の後半、六十年度以降というものを見ると一体どういうようになるだろうか。いろいろなところでいろいろな展望を書いておるわけですけれども、その中でも大方の、かなりの意見を見ると、やはり石油をかなり増産せざるを得ないだろう。そうするとOPECに頼らざるを得ない。OPECのうちでも結局サウジアラビアの増産に期待をせざるを得ない。ところがサウジアラビアもドル、金の使いようがないわけですから、あそこも過剰ドルになるという。あるいは、いま、どちらかといいますと、わりあいに急激な変化はないようでありますけれども、あそこも、いつかはナショナリズムが噴出してくるかもわからぬというような問題がある。それから問題は、結局一九七〇年度を境にして石油の場合は、要するに石油を使うのと石油の埋蔵量の発見とが逆転する時期であります。ですから埋蔵量は、いままでのように使っても使っても埋蔵量がふえておった時期と違って、七十年度を境にして大体、埋蔵量の確認の方が、だんだん生産よりも下がるという傾向になる。しかも、その埋蔵量の発見の地点が深海底あるいは北極圏ということになる。それから、あれほど騒がれたオイルシニールとかタールサンドも、やはりコストがかなりかかるというので、六十年代以降は、なお深刻になるのじゃないかということが言われておるわけであります。そうすると原子力と石炭に頼らざるを得ない。原子力が、そのころ国民に、かなりコンセンサスを得られるような状態になるかどうかが一つの問題点であります。あるいは軽水炉から高速増殖炉、高温ガスという方向に、ぐっといくのかどうか、これも問題点ですが、何にしても石炭を大量に使うという状態になる。そうすると日本の場合、これは一体どういう形になるのだろうかということが考えられるわけであります。 なぜ私が六十年後の話をするかといいますと、私も若干、経験をしたのですが有明炭鉱、昭和二十六年から開発計画を立てて、そうして土地の買収をやったわけですね。昭和二十六年からやって途中で若干二、三年の停止もありましたけれども、今日まだ、いわば出炭ベース、軌道に乗ってないのですよ。ですから、炭鉱の開発というものは非常に時間のかかる問題です。南大夕張のように初めから、昭和三十二年くらいから、すでに三菱鉱業としては計画をしておって、ただ他の山が閉山をしておるときに開発するというのは、閉山に対して支障があるというので温存をしておったところは別ですね。ああいうものは、もう、やりかけたら早くいくのですけれども、いま新立地を開拓をするというのは相当やはり長期間にかかる。ですから、いまから計画をして、ぼつ出して、ちょうど六十年くらいに出炭ベースになるという形になるのです、普通の炭鉱の開発をやれば。ですから国内の新規開発について、いまから許画を立てておかなければ、私は非常にむずかしいんじゃないか、こういうふうに思うわけです。 そこで、まず石炭部としては、世界のエネルギーの情勢の中で石炭の地位というものが、どういうような変化をしていくのかということを、どういうふうに把握しておるのか。それから一応、六十年度までは日本の計画、出ておりますけれども、その六十年度以降といいましても九年後ですから、一体それらについては、どういうように考えておるのか、これをまず、お聞かせ願いたい。
○高木政府委員 二年前の石油ショックを契機にいたしまして、わが国のみならず世界的に石炭というものの見直しが再開されましたことは先生、御承知のとおりでございまして、各国とも当時の生産量の維持あるいは増大という方向に走っておるわけでございます。私どもも石炭問題あるいは、その他原子力あるいはLNG等、いま先生、御指摘のように、いろいろなエネルギー問題のエネルギーの将来見通しということで、一応、十年先いわゆる六十年度を目標に検討したわけでございます。 それで、私の管轄外のことは一応お許しいただきまして、石炭問題だけに限って申し上げますと、少なくとも、わが国の唯一の資源である石炭を、できるだけ拡大の方向に持っていこうということで取り組んだわけではございますけれども、何しろ第五次までの縮小体制の中における石炭見直しでございますので、なかなか、その辺、石炭としましては急転して増産ということには、労働問題を初め、いろいろな問題で、むずかしい問題があったわけでございます。その中でも、国内の唯一の資源である石炭ということから、少なくとも現状維持をまずベースに置きまして、今後できるだけ拡大の方向に持っていこうというようなことで、まず六十年度におきます目標を各山別に、いろいろ採掘者の問題あるいは想定される将来のある程度の価格というようなことも入れまして二千万トンという体制を出したわけでございます。 一方いわゆるエネルギーの多元化という点からまいりまして、少なくとも石炭を今後、重点的に使っていただきたいというような観点もございまして、いわゆる輸入炭問題というものにも取り組んだわけでございまして、今後、十年後には恐らく石炭火力としまして少なくとも千五百万トン近い一般炭の輸入が必要になるのではないか。また一般炭の輸入をスムーズに行うためには、少なくとも国としても、ある程度のいろいろな制度を考えなくてはならないのではないかということで、これは不幸にいたしまして本年度、法律改正できませんでしたけれども、来年度の法律改正におきまして合理化事業団の内部に海外炭開発としてのいわゆる融資あるいは保証というようなことまで業務として、とらえまして、今後、国内炭をベースとし、なお輸入炭もスムーズに入れられるような形で、石炭へウエートを置いた石炭政策なり行政というものをやっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 六十年度以降の問題につきましては、そういうことをベースにしながら、また、いまここで六十年度以降の数字がはっきり、どうなるかというようなことは、試算をいたしておりませんので申し上げるわけにいきませんけれども、私どもとしましては、できるだけ石炭ということで、国内炭のみならず海外炭も含めまして石炭のウエートというものを高めていきたいというように考えておるわけでございます。
○多賀谷委員 六十年度までの計画でも、よろしいのですけれども、まず第一に、いままでの炭鉱の、たとえば合理化事業団で整理をした炭鉱等の保有鉱区調整を含めて、現有炭鉱でやるものと鉱区調整等でやるものと新フィールドでやるものと、露天等を含めてで結構ですけれども、どういうような割合になるのですか、トン数になるのですか、計画は。
○高木政府委員 六十年度の二千万トンの数字の中には、現有鉱といたしましては、前から御説明いたしておりますように、現有鉱の炭量枯渇あるいは一部スクラップというようなことも考えられますので、千八百万トン前後というようなことを想定しておるわけでございまして、あとの二百万トンあるいは、それ以上という数字につきましては、先生いま御指摘の合理化事業団の保有鉱区あるいは消滅鉱区あるいは新鉱開発の生産量によって満たすという考えでございます。 その二百万トンあるいは、それ以上の数量はどうなるか、各保有鉱区あるいは新鉱開発関係で、どうなるかという御質問でございますけれども、ただいま、その資料は、ここへ持ち合わせておりませんけれども、記憶といたしましては大体、半分が事業団の保有鉱区、消滅鉱区じゃなかったかと思います。これも実質は二百万トンと数字上は計上しておりますけれども、安全率を見ながら二百万トンと入れたのでございまして、できるならば可能性としては五百万トン近い開発ができるのではなかろうかというふうに見込んだ数字でございますので、そのうちの半分というようなことで二百万トン、二千万トンと安全を見た上での表示をしているわけでございます。あいにく、いま手持ちの地区別の、あるいは事業団の保有その他の分類の表を持ち合わせておりませんので、後ほど御報告いたしたいと思います。
○多賀谷委員 これは若干いままでも質問をされましたし、また、いま調査段階にあるのですが、これを、もう少し私は展望を含めて調査をしてもらいたい、こういうように思います。 そこで今度、電源開発株式会社の方で松島炭鉱がありました地域に新たに発電所を設けられる計画でありますが、この概要と、ことに、その電力コストはどのくらいになるか。それが他の地域における石油専焼火力との値段との差はどういうようになるのか、こういう点を含めて御説明願いたいと思います。
○石井参考人 お答えいたします。 松島火力発電所の建設につきましては、ただいま建設の準備を鋭意、進めておるところでございますが、その概要を申し上げますと、出力といたしましては五十万キロ二台、合わせて百万キロの発電所をつくる計画でございます。発電所で使います石炭は、国内炭、輸入炭と両方を併用する予定でございます。燃料として石炭が大体、年間二百四十万トン程度、使うことになります。 それで、現在のところ一号機五十万キロを五十五年七月、それから二号機さらに五十万キロを二年おくれの五十七年度七月に運転開始をするという計画で進めております。できました電気は中国電力、四国電力、九州電力の三社へ供給するということで話が決まっております。 それから発電原価がどうなるかという御質問でございますが、松島火力の建設費それから発電原価というものを、一応でき上がりの試算はしております。ちょっと古い試算でございますが、五十年度価格で、いろいろ計算した数字を申し上げますと、建設費が大体千四百八十億程度、まあ大ざっぱに言えば千五百億程度ということで考えております。それで利用率を七〇%としまして、石炭の値段をトン一万円といたしまして計算いたしますと、発電原価が送電端で九円三十三銭となります。これは一試算でございます。 それで、これがほかの重油火力と比べて、どうかという御質問でございますが、重油火力につきましても、立地地点あるいは、それに伴う使用する油のS分とかいうようなもので、いろいろ違ってまいりますので、標準的なものがどうだということは、なかなか申し上げにくいのでございますけれども、一応、標準的なところで重油火力で、どうなるかということを、この松島のときに一緒に検討しました数字を申し上げますと、硫黄分の多い油を使って排脱を油火力にも置くというような火力発電所で、普通の立地条件のところで重油火力をつくったらどうかということで一応、試算しますと、キロワット当たり八円八十銭というような数字も出ております。ただ、これは燃料費がどうなるか、あるいは、そこの立地条件で建設費がどうなるかということで、なかなか一概には言えない問題かと思いますけれども、いまの数字で申し上げますと、一般の重油火力よりも松島火力の方が若干、高いという数字が試算としては出ております。 石炭火力につきましては、建設費としましては当然、設備としては機械も石炭取り扱い関係でよけい、かかりますし、それから港の設備そのほかで建設費がよけい、かかりますので当然、高くなりす。まあ普通、常識的に三割ぐらい建設費が高いというような考え方でおりますが、松島につきましては、さらにそれよりも多少、立地条件から考えまして高くなっているということになっております。その建設費が高くなる分を燃料費でカバーできるかどうかということで、石炭火力の経済性が決まるのではないかと思いますが、いま申し上げましたような数字は一試算でございまして、われわれとしましては極力、建設費を下げる、あるいは輸入炭を安く買ってくるというようなことで、経済性のある発電所にしようと思って、せっかく努力しておるところでございます。
○多賀谷委員 その石炭の値段はトン一万円にして、重油の場合、これは現時点の重油の場合は幾らぐらいになりますか。
○石井参考人 いま試算で申し上げたのは、現時点で硫黄分が、排脱装置をつけるという計画で計算しましたので、硫黄分三%の油ということで、キロリットル当たり一万九千四百円ということで計算しております。
○多賀谷委員 ですから、いま、ちょっと高くなっておるでしょう、その後。
○石井参考人 現在まだ油の値段は、いろいろ油の方の御要求はあるようでございますが、現在、仮払いを、この程度で私の方でもしております。
○多賀谷委員 まだ去年の仮払いで払われておるそうですから、若干、二千円ぐらい高くなっておるんじゃないですかね、なるんじゃないかと思うのですが。 そこで、北電の関係ですと重油専焼と、それから石炭を使う場合は、どのくらいのコストになるのですか。
○松尾説明員 ただいまの御質問でございますが、先ほども、ちょっとお話が出ましたとおり、これも発電所の大きさでございますとか場所でございますとか、あるいは、その運転開始の時期によって建設費が違いますので一概には申せませんので、一つの試算的なものでございます。それで申し上げますと、北海道での火力発電所を想定いたしまして、これは実はオイルショックの前のデーターしかございませんので、オイルショックの後、油の値段が三倍ぐらい上がっております。これを補正いたしまして、それから建設費もかなり上がっております。倍ぐらい上がっております。これを補正いたしました数字で考えますと、私の手持ちで大体、発電原価が油火力で八円二十銭ぐらいの見当になっております。それに対しまして石炭火力、これは具体的に砂川の地点の三号をとりまして、これもその後、炭価が若干、昨年より上がっております。その点、若干、補正してみますと大体七円二十銭見当。まあこれは細かいオーダーは、いろいろと変動があるとお考えいただきたいと思います。大体こんな関係になろうかと思います。
○多賀谷委員 北海道の場合は直接、港湾をつくるとかいうような問題がありませんし、また松島の場合も産炭地ではありますけれども、島でありますから、それだけコストがかかるんだろう、こう思うのです。 そこで、この石油と石炭の値段はわからないわけですけれども、しかし一般炭にしても、外国から入れるということになれば、結局は、石油の値段が変動するに従って、やはり外国炭の値段は変動するんだろうと思うのです。まあ一応、常識的には、そう考えられる。問題は、やはり国内の石炭の値段の問題だと思うのです。ですから、油が将来どういうようになるのか、これはもう全く予測がつかないのですけれども、日本の場合の石炭のコストというものは、やはりかなり多くの分を労務費が占めておるわけですから、露天掘りのウエートがかなり高くなれば別として、自然条件の悪化とともに、だんだん、やはりコストは高くなると思うのですよ。ですから、この調整をやる必要がある。 これは直接、電力の関係でやるのか、あるいは国内炭と輸入炭の関係でやるのか。当面は輸入炭といいましても量が非常に少ないわけですから、当面その国内炭と輸入炭の価格の調整をやりましても、余り意義がないと思う。しかし、六十年度にいきますと、むしろこれは国内炭が七百六十万トンぐらい、それから輸入炭が千三百二十万トンぐらいですから、六十年度にいきますと輸入炭の方が倍ぐらいになるわけですから、これは価格調整の問題があるのでしょうが、それ以上に心配なのは、やはり国内価格を何らかの形でコストに見合う炭価にしてやらないと、結局また同じことを繰り返して、採算が合わないから閉山をするという形になりかねないと思うのです。これをどういうようにするか。現時点においても、それほど差がないという状態になると、なお今後の動向としては国内炭のコストは相当上がっていくのじゃないか、そういうように考えられるので、この維持をするということについて制度的に何かされるのかどうか、これをひとつ、お聞かせ願いたいと思います。
○高木政府委員 ただいま先生の御質問の、国内の生産に圧迫を及ぼさぬような形での輸入炭ということを考えなければならぬということは、もう当然でございまして、私どもは、そういう観点に立ちまして、現在ございます電力用炭株式会社法の趣旨を生かして、電力用炭株式会社法そのものは廃止するということに決まっておりますけれども、その趣旨を生かしました運用というようなことで考えていかなくちゃならぬのじゃなかろうかと考えております。 また、もう一つは一定の国内炭を引き取ってもらったところに輸入炭を割り当てをする。その割り当て権は現在、輸入炭につきましては、これは原料炭、一般炭両方ともでございますけれども、わが省で実行いたしておりますので、その辺は問題のないような形で国内炭を引き取ってもらい、あるいは一定の最を引き取ってもらったところに外炭の割り当てをするということで、むしろ安い輸入炭を引き取ることは片一方では望むわけでございますので、そういう安い輸入炭と国内炭の、販売関係におきましても、あるいはコスト関係におきましても、国内炭の方も今後できるだけ努力をしなければなりませんけれども、輸入炭よりも高いということになった場合の一つの歯どめということは考えなければならぬ問題じゃなかろうかと考えております。
○多賀谷委員 その制度の確立をお願いしたいのですが、とりあえず五十一年度の炭価は、どういう情勢になりますか。
○高木政府委員 五十一年度の炭価につきましては、まだ最終決定をしておるわけじゃありませんけれども、御存じのように、電力会社の方の先発四社の今回の電力料金の改定に当たりまして、一応、石炭の値上がりとしまして本年度及び来年度千五百円ずつのアップということで織り込んでいただいているところでございます。この数字をベースにしまして、片一方、電力料金の値上げが物価へのはね返りとか、いろいろむずかしい問題がございまして、料金改定の方が、そのままスムーズにいくかどうか疑問でございますけれども、その中におきます石炭の価格は、私どもは、ぜひ実行していただきたいということ。なお千五百円というのはトン千五百円でございまして、私どもは、これを電力用炭株式会社法に基づきます十五条炭価ということでカロリー別に展開いたしますので、その辺のカロリー別の展開と、それから、まだ全然、具体的になっておりませんけれども、鉄鋼関係への原料炭の価格ということも加味いたしまして、石炭鉱業ができるだけ早い機会に黒字に転換できる方向へ持っていきたいということを念願しておるところでございます。
○多賀谷委員 黒字に転換できるのは、今度のベースアップを含めて幾らになれば、できますか。
○高木政府委員 今回のベースアップが、例の一万二千円その他メタルとの格差ということでの一時金の問題あるいは家族手当のベースアップというようなことがございまして、トン当たり約八百円前後になるのではなかろうかと想定いたしております。昨年度の石炭鉱業のトン当たりの赤字が、これは審議会の方で御審議いただいたわけでございますけれども、千百四十五円という赤字になっておりますので、それと今回のベースアップ分、そのほか鉄道輸送の問題、海上輸送の問題等、輸送費関係のアップ等いろいろのことも考えられますけれども、できるならば二千円上げていただければ大体とんとんになるのではなかろうかと思いますけれども、先ほども申しましたように、電気の方でお使いいただきます一般炭につきましては、いろいろ物価へのはね返りというようなこともございまして、申請の千五百円ということが実行できるかどうかも、いろいろ問題があるのではなかろうかと思います。また反面、鉄鋼の原料炭の価格のアップということもあわせまして、ただいま申し上げた数字が、ことしで完全に解消するかどうかは問題がございますけれども、できるだけ、その方向に進みたいというのが、私ども、いま考えておるところでございます。
○多賀谷委員 次に、保安について質問をいたしたいと思います。 五月十四日に石炭鉱山保安懇談会の方で「今後の石炭鉱山の保安確保対策について」というのがまとまって、われわれの手元に資料として送られました。これを拝見をしたわけですが、そこで一、二点これに関連をしてお聞かせ願いたいと思います。 この中で、例の技術開発センターについては、海外派遣等、内外のいろいろな情勢を十分、調査をして今後、推進するということだったと思います。それで、この海外調査は大体いつごろから始めるのですか、これをまず、お聞かせ願いたい。
○宮本政府委員 五月の十四日に石炭鉱山保安懇談会から答申をいただいたわけでございます。その中に一つ大事な項目として「研究開発体制の強化」という項目がございます。これにつきまして、いろいろ討議が行われておるわけでございます。ここにも、その考え方が、るる述べられておるわけでございまして、先生、御指摘の海外事情の調査というものもやろうではないかという提起がございます。これにつきましては、私どもの気持ちといたしましては、でき得るならば来年度の予算に計上いたしまして、こういった海外調査も引き続き、やりたい。なお事実、昨年の秋には主要な国は一応、見て回った実績は持っておる次第でございます。
○多賀谷委員 「内外における保安技術研究の状況調査及び今後における研究のあり方等の検討を行う。」ということですが、これは来年度の予算ではなくて、ことしの予算で、どこか出ないのですか。私は、それは早く行うべきだと思うのですよ。まず十分、調査をして、そして少なくとも、あれだけ国会で問題にしたわけです、この本院で。ですから来年度は、かなりの要するにそういうものをつくるなら、つくるための調査費を組むぐらいの意気込みでいかないと、こういうものは拙速でも困りますけれども、その機運の向いたときでないと、なかなか、むずかしいのじゃないか。ですから調査は、ことし、もうすでに何らか予算を捻出して、そう、かかるものじゃないでしょうから、私は当然、派遣をされて、しかるべきではないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○宮本政府委員 実は、そういう考え方については前から持っておったわけでございまして、昨年の秋には、なけなしの予算を捻出をいたしまして、小規模ではありましたが海外の調査を実施をした次第でございます。たまたま、この懇談会で徹底した御検討を賜ったわけでございますが、その結論といたしましても、現在ございます。いろいろな研究所、研究施設、これを拡充強化をした上で、特に方向といたしまして北海道にございます公害資源研究所の北海道支所というものを、これを拡充強化いたしまして中核的な存在に育て上げるという方向が出されております。この上で、なお各般の研究所を通じまして相互に研究テーマ、研究内容の相互調整が十分、行われなければならぬということで、いろいろ検討するわけでございますが、同時に先生、御指摘の海外の事情も、さらに徹底して調べたいということでございます。したがいまして、私どもの方といたしましては、ただいま、お話が出ましたように五十一年度の予算におきましても引き続き予算が海外調査のために捻出できるかどうか、検討さしていただきたいと思います。
○多賀谷委員 それから例の保安委員並びに補佐員等の、従来、保安監督補佐員が一人ですから終日というわけにはいかない、一交代しか見ないわけです。この終日すなわち三交代問題あるいは権限すなわち、これは作業停止勧告権まで含む権限の付与問題、それから保安日の増設の問題、これはどういう結論になったのでしょうか、これらをお聞かせ願いたい。
○宮本政府委員 作業停止権限あるいは監督員補佐員の問題、それから保安日の問題、ただいま先生、御指摘の諸問題につきましては、いずれも大変、慎重な、かつ活発な論議が行われた部分でございます。 作業停止権限を監督員補佐員の問題と合わせてお答え申し上げますけれども、るる御議論賜りました結論といたしましては、作業停止を含む保安の確保というのは、保安統括者から係員に至るラインが責任を持って当たるべきものである。それで、その実施状況が適切であるかどうかということにつきましては、保安監督員と、その下におります保安監督員補佐員がチェックをするたてまえになっておる。このチェック機能をさらに十分、生かすように図るべきであるという考え方になっております。したがいまして、保安監督員、保安監督員補佐員につきまして、これを量、質ともに充実をする。保安監督員の権限を、さらにチェック機能を高めるように強める。さらに補佐員の仕事のやり方について、細かくなりますから省略いたしますけれども、新しい考え方で、この仕事の責任のやり方を明らかにする。さらには誘導無線を携帯させることによって、坑内を巡回いたしておりまして随時、応急の措置がとれるようにする。こういうことに考えておる次第でございます。 保安日の点につきましても、いろいろ議論がございましたが、結論といたしましては、保安日を充実し、これを活用するのだという方向が打ち出されております。
○多賀谷委員 保安日を充実し活用するというのは、きわめて抽象的で、具体的には、どういうことですか。
○宮本政府委員 御指摘のとおり抽象的な意見になっておりますが、山ごとの事情がかなり違うという議論が、いろいろございました。そこで、その山ごとの事情に従いまして、たとえば現在、一回やっている保安日を二回にふやすとか、そういうふうなことが当然、含まれるのだという御説明を私どもは承っております。
○多賀谷委員 そうすると保安日を日数をふやすという問題が一つ当然、起こるわけですね。
○宮本政府委員 山ごとに事情は違いますが、当然、含まれております。
○多賀谷委員 これは私どもが常に災害のあるたびに調査に参りまして感ずるわけですけれども、そういう事故が起こった場合に体で覚えてないということですね。頭では教えておっても体で覚えてない。ですから、やはりとっさに、あの瞬時に起こった災害に対応できない。これはぜひ保安日を設けての訓練というのは必要じゃないかと思いますし、また保安日の、そういう点検ということも必要ではないかと思います。 そこで次に、例の常設救護隊問題はどうなりましたか。
○宮本政府委員 救護体制の強化につきましても一つのポイントでございました。救護隊の増強をするということが直ちに打ち出されております。さらに訓練の充実それから迅速な招集体制の整備、他山の救護隊との連携の強化ということが打ち出されております。また新しく、救護等に必要な資材、機器の常備及び、あっせんというものを、特に九北でございますが鉱山保安センターがございますので、そういうふうなところで行うのだということをうたっております。なお救護隊の増強、訓練の充実のほかに、効果的な救護のあり方について、いろいろな意見が出されておりましたので、この点につきましては引き続き検討ということになっております。
○多賀谷委員 この常設というのは検討事項になっておるのですか、常設救護隊というのは。
○宮本政府委員 各山におきまして救護隊を持っております。それを各山から、それぞれ常設のために何名か、数は別といたしまして選抜をして、最寄りのところに常設のために、つくれという意見は出されておりまして、これを中心に検討したわけでございますが、先ほど申しましたような結論になったわけでございまして、常設は必ずしも適当ではない。したがって現在の状況をさらに強めることによって、いろいろと当面の対策を打っていく。なお、その点について問題が残っておりますので、検討課題に残されたわけでございます。
○多賀谷委員 時間が来ましたので最後に一点だけ。 これも実際は、かなり労使問題になるのですけれども、財源的には石炭特別会計といいますか石炭部の方で確保して最初、出発したという経緯があるわけですが、例の石炭年金の問題ですね。これは炭鉱がずっと続いておる場合を想定したものですから、私どもも、やめるときは五十歳という条件を入れたわけです。五十歳でないと、二十年おっても二十五年おっても、ほかの資格が全部あっても、年齢が五十歳に達しておらなければ、これは受給資格がないのだ、こういうことにしたわけです。というのは、五十までは、どうしても炭鉱に置きたいという気持ちがあったわけです。ところが現実に筑豊あたりでは行く炭鉱がないわけですね。ですから、その人は、かつて二十年、炭鉱に勤めておった、それから法律ができて五年間、勤めた、ですから資格は年齢以外は全部ある、こういうわけですけれども、残念ながら五十歳という年齢に、やめるときに達しなかった、しかも他に行く炭鉱はない、こういうことで、せっかくの石炭年金が実際、給付を受けられないという人が、年齢によって、かなり多いのですよ。ですから年齢を何らか下げる方法はないのだろうか。たとえば二十から働いても四十五ですね。こういう人たちは、かなりあるわけですよ。二十五年働いても四十五だ。しかし残念ながら五十歳という年齢があるものですから、せっかくの石炭年金の恩恵に全然、浴さない。これはひとつ何らか給付の引き上げとともに考えていただきたい、こう思うのです。これは本来ならば厚生省ですが、厚生省は実は、それを左右する何物もない。ただ定款が来れば、その定款を認める受けざらの方ですから、あえて通産省にお聞きしているのです。この点は今後、改正をしていただくことにはならないでしょうか、どうでしょうか。
○高木政府委員 本件につきましては前からの先生の御指示もございまして、いろいろ現在、検討しているところでございますけれども、他の保険制度との関係もございまして、範囲を拡大するということは、なかなか、むずかしいというふうに聞いております。しかし、もっともな点もございますし、私どもとしましては、できるだけ、そういう方向で動きたいという考えを持っておるわけであります。金額の方のアップは可能であろうと思いますけれども、直ちに年齢の引き下げと申しますか、範囲の拡大ということは少し、むずかしいのではなかろうかと思いますけれども、今後、先生の御趣旨も体しまして、そういう方向で検討してみたいというふうに考えております。
○多賀谷委員 他の制度には年齢によるものはないのですよ。年齢によるのは受給開始の時期なんですよ。たとえば公務員共済の場合は五十五歳であるとか、それから厚生年金は六十歳とか国民年金は六十五歳。私が言っているのは、そういうことじゃないのですよ。本来、二十五年勤めても、ちょうど、やめるときに五十歳でなかったら全然、資格がないのですよ。それを言っているわけですよ。これは他の保険制度には全然、例のない制度ですよ。当時、五十までは勤めてもらいたいという気持ちがあったわけですから、われわれも賛成して五十歳という条件を入れたのですよ。ところが本人のせいでなくて炭鉱がつぶれて、行くところがないわけです。ですから本人は二十年なり二十五年勤めておるわけですね。ただ受給開始年齢を言っているわけじゃございませんから、やめるときに五十歳というのは現時点においては余り意味がないのじゃないか、こういうように思いまして、その改正をお願いしたいということでありますから、ひとつ、よろしくお願いしたいと思います。
○高木政府委員 ただいま先生の御指摘の方向で厚生省の方と十分、話し合って、できるだけ、そっちの方向に進めたいというふうに考えております。
○田代委員長 多田光雄君。
○多田委員 石炭部長に、ちょっとお伺いしたいのですけれども、この間ここでの、あなたの答弁で旧北炭赤間、これは住友赤平鉱に鉱区調整して売却するというふうな御意向だったわけです。そして、その北炭赤間の石炭は、二千万トンを構成する例の新鉱開発を含めた二百万トン、つまり現有炭鉱千八百万トンで残り二百万トンを消滅や、その他あるいは新鉱開発でやっていくという、その二百万トンの中に、赤間が入っているというふうな答弁をされていたのですが、それは間違いありませんか。
○高木政府委員 赤間の鉱区につきましては現在、住友赤平と鉱区調整したいということで出ておりまして、この前も御説明したと思いますけれども、いままでの鉱区調整が、なかなか困難な点がございましたし、今月でございますけれども合理化事業団の業務方法書の改正もできたところでございますので、その点は直ちに調整し、今後の赤平の増産に寄与すべく、私どもとしましては現在、住友に対して指導しておるところでございます。
○多田委員 ですから二千万トンの中に入るわけでしょう。
○高木政府委員 赤平炭鉱の存続ということ、これは当然、二千万トンの中に入っておるわけでございますけれども、赤間の鉱区調整した区域を掘るということでの赤平炭鉱の将来ということでは、二千万トンの中には入っておりません。
○多田委員 そうすると旧北炭赤間鉱では幾らぐらい生産可能なのですか。その前に、ちょっとお伺いしますけれども、どのくらいの炭量を持っているのですか。
○高木政府委員 ここへ赤間の鉱区の炭量の資料を持っておりませんので答えられませんことを、お断りいたしますけれども、赤間の鉱区調整というのは、いわゆる赤平の深部移行をできるだけ防ぎたいということと、せっかく、いま掘っております横にあります赤間の鉱区の炭量を、現時点で掘った方が、将来そこを掘るということよりも、いまの坑道を生かしつつ掘れるという利点もございますので、できるだけ早く、これを鉱区調整すべきだという趣旨のもとで、約二年前でございますけれども話が出まして、鉱区調整するにしましても、いろいろ金の問題、いわゆる金の支払いの関係で、むずかしい点もございましたので、その辺を今回、改正いたしまして、やりやすいような形にしてあげたというのが実態でございまして、そういう鉱区調整をやりますと当然、赤平としての増産ということも期待できるのではないかというふうに考えております。
○多田委員 そうすると現有鉱区で大体、千八百万トンぐらいということでしたね。その現有鉱区の中には当然、住友赤平が入っているわけだけれども、そこの現有鉱区の住友赤平が掘る石炭の中には、いま鉱区調整を進めている旧北炭赤間鉱の炭は当初、計算に入っていなかったわけでしょう、どうですか。
○高木政府委員 私どもが検討いたしましたのは現有鉱区で千八百万トンということしかございませんで、現在の炭鉱が対象にしている炭量を掘っていって一応、経済的にやれるもの、なお経済性だけを追及するわけでもございませんけれども、そういう観点にも立ちまして、現在の炭鉱が千八百万トンは生産維持できるという観点に立ったわけでございます。
○多田委員 くどいようだけれども、そのときに住友赤平は旧赤間鉱を鉱区調整していくということも前提にしていたわけですか。
○高木政府委員 当時の資料では入っておりません。 それで、先ほど申し上げましたように赤平の深部移行をできるだけ防ぐという一つの意味もございますし、現在の坑道を生かして掘るという利点もございますので、横に広がっておるところの赤間の鉱区を鉱区調整した方がいいのではないか。これは会社の希望も、そういうふうに出てきたわけでございまして、私どもも、そうすべきであろうということで、その鉱区調整しにくい点を今回、排除してやって、できるだけ早く鉱区調整により、赤平の炭鉱の経営改善にもなりますし、片一方、石炭の増産にも寄与するのではないかという観点に立ったわけでございます。
○多田委員 この間ここでも私、お話ししたのですけれども、北炭の幌内鉱再開の問題について、いままでのタコ足的なところは切ってしまって、そして六片の三百万トンぐらいあるという石炭を掘って、七片は、いつやるかは別にして、それから有望な住友の方に入っていくということに非常に警戒を持っていて私は発言したのですが、あの後すぐ北炭の萩原会長が新聞記者会見をやって、大体、指摘したような方向で幌内の延命を図っていくということが新聞でも出ているわけです。ですから私は、これで非常に心配なのは、日本の石炭を掘るということは結構なことだけれども、やはり、まんじゅうの中のあんこだけ取って、そして、ほかは捨てていく、つまり経済ベース経済ベースということで、企業にとって都合のいい石炭は、どんどん掘っていくけれども、少々、負担のかかるようなところは投げていく、つまり食い荒らしですよ。これを非常に警戒しているのですが、今度の赤間鉱を住友がやるかどうかは別にして、私は、石炭を掘るということは、一般論としては賛成なんです。 ところが現有鉱区の中に旧赤間鉱は入っていない。そして、この一、二年、赤間鉱を鉱区調整するという案も飛び込んでくるということで、住友赤平の資源を本当に掘って、そして旧赤間鉱を掘っていくというのであれば、われわれは一面、納得できないわけではないけれども、住友赤平の見通しが一体どうなのか。この一、二年ずっと減産していくということは事実ですが、それが明確にならないで、今度は簡単に旧北炭の赤間に入っていく。しかも、この赤間は再開発の対象にはなかった。ずるずると入り込んでいく、けじめのつかないやり方なんですよ。ここが私、非常に心配なんです。ですから鉱区調整ということは、非常に石炭の採掘の合理的な面なので、一般論としては私は否定はしないのだけれども、いまの各社の企業のやり口、いままで、やってきた食い荒らしという点からいえば、私は鉱区調整になお多くの疑問を持っているわけです。 きょうは時間も余りありませんので、これは、これ以上お伺いするいとまもないのですが、そこで鉱区調整する場合に、幾らで炭を売っているのですか。
○高木政府委員 先ほど赤間の問題が、ちょっと出ましたので、一口、言わせていただきますと、いわゆる赤平を採掘し終わり、あるいは赤間の方を再開発というようなお考えじゃなかろうかということですけれども、そういう方法も、あるいは、あるかもしれませんけれども、私どもとしましては、少なくとも現在の坑道を生かしつつ隣にある資源を有効に利用しようという観点からの鉱区調整でございまして、むしろ赤平が完全に終わりました後、赤間の残された炭量を掘るということは、これはまた、いろいろ坑道の利用の問題も恐らく不可能になりましょうし、経済的に見ましても相当、高い炭でなくちゃ出せぬというようなことにもなりますので、私どもは現在の坑道を利用しつつということであるならば、当然、早く鉱区調整すべきではないか。その早くやるということが、いままで、いろいろ支払い条件その他において問題がございましたので、それを取り除こうという観点に立ちまして、鉱区調整の緩和と申しますか、そういう方向に進んだわけでございます。 なお、幾らで売っているかということでございますけれども、これは、もともと閉山いたしますときに事業団としまして、閉山処理のために炭量を対象にいたしまして、あるいは坑道を対象にいたしまして計算した経緯がございます。そういう点から、閉山交付金の支出というものを一応、炭量をある程度、頭に入れて支払ったという観点からいきますと、これをただで譲渡するというわけには、いかぬのじゃなかろうか。しかし、国の資源である石炭をほっておくよりも、むしろ掘っていただくということの方が有利ではないかという観点もございますので、できるだけ安くということを前提に置いて、今回の鉱区調整の、いわゆる合理化事業団の業務方法書の改正を行ったわけでざごいまして、いままでの、いわゆる譲渡価格というものは、はっきり、いまここで数字を私、記憶しておりませんけれども、大体四十円以内ぐらいではなかったかと思います。
○多田委員 その価格の前に、そういうふうにおっしゃるのであれば、住友赤平の場合、現在の住友赤平の坑道から行って旧北炭の赤間を掘った方が都合がいいということであるわけでしょう。つまり、そのことは旧北炭赤間の炭を本当に掘っていく、掘り尽くしていくということではないでしょう。結局、住友から見て、坑道の延びから見て、そこで都合のいい面を掘っていく。あとの炭は、それは鉱区調整になるのですか、鉱区調整にならないのですか。それは住友の都合のいいところの鉱区調整でしょう。かって北炭の持っていた北炭赤間の全鉱区を鉱区調整するという意味ですか。そこはどうなんですか。
○高木政府委員 全鉱区を鉱区調整するという考えではございません。一応、赤平から見まして、現在の坑道の規模なり、あるいは通気系統、保安上の問題等も検討いたしまして、この範囲は鉱区調整できるという大型な鉱区調整をしたいということでございまして、いままでであるならば先生、御指摘のように都合のいい、その場その場の鉱区調整ということを一炭鉱について何回も行ったというのが実態でございますけれども、そういうことのないような鉱区調整をやりたいというのが私どもの念願でございます。
○多田委員 それは大型であっても小型であっても同じことですよ。結局、譲渡の炭価にしても、いま四十円前後と言ったけれども、これは事業団に聞いたら四十二円。そこは昭和二十九年度の買い上げ基準が変わっていないのですね。現在の評価炭量に四十二円を掛けて、それで売却をするということですよ。この間、事業団に聞いたら、ともかく億単位のところというのは常磐しかなかったという話ですよ。ともかく買うときは、住友でも北炭でも、相当な政府の金を出して買って、さあ石炭見直しだ、今度は掘ってもらうのだというので、いま、あなたの言ったように安い値段で買ってもらう。しかも今度の譲渡の支払い方法も大変めんどうを見ているんだな。前のを見ると頭金二分の一で、残り二分の一は二年以内、金利が六・五%。今度、改正すると頭金は五分の一で、あと五分の四は最大限度十年払い。これを見ていても、私はやはり企業中心の石炭だったと思うのです。オイルショックで石炭はつぶれたといっているけれども、結果的に石炭をとりつぶしたはの政府と、あなた方の言うスクラップ・アンド・ビルド、この合理化をやってきて、炭鉱資本も、それをつぶしてきた。そして、その石炭を政府は買ってください、さあ今度は幾らか明るくなってきた、そうすると売った鉱区を払い戻してもらう。それは確かに、いまは北炭が売ったものは北炭には返ってきません。しかし、この間も言ったように結局、日本の企業が中心になって鉱区を、また払い下げてもらうのです。こういう、めちゃくちゃなやり方は決して日本の石炭にプラスになるものじゃないと私は思っているのです。 そこで、もう一つ、ちょっとお伺いしますけれども、さっき電発でも日本の国内炭と、それから輸入炭を使うということでしたね。一般炭を千五百万トンですか、六十年代に輸入していきたいと言っていますが、その一般炭の千五百万トンの輸入先、これをちょっと言っていただけませんか。六十年代にどこを予定していますか。
○高木政府委員 まだ輸入先が確定しておるわけではございませんで、候補として挙がっておりますのは豪州、中国、ソ連というようなところの炭を、現在いろいろ当たっておられるというのが実態でございます。
○多田委員 次官、よもや一般炭まで輸入するとは思っていなかった。ところがオイルショックで石油もなかなか思うようにならない。今度は原料炭のほかに一般炭だ。その一般炭こそ、原料炭、原料炭ということで、まさに食い荒らしていったのです。そして深部へ深部へと入っていって一般炭を食い荒らしていった。ところが一般炭は足りない。そして今度は輸入だ。輸入先はどうだ。豪州、これは確かに来ています。中国、これも若干、来ています。しかし中国は一体どうなんですか。最近また油を含めて国内の資源の日本への輸出を非常に渋ってきております。非常に不安定なんです。それから石油開発だ、石油開発だといって、ずいぶん金を使いました。ところが通産大臣が半月ほど前、海外の石油開発は失敗でございました、思うようになりません。日本の石炭開発だって政府筋はよく知っているでしょう、ほとんどメジャーズが国際的にわたって石炭のいいところを占めているということは。石炭の海外開発だって、そう思うようにいくものじゃないのです。 だから、本当に大事なことは、日本の一般炭をいま掘るのだ。一遍に千万、二千万、三千万トン掘れませんけれども、計画的に二千万トン以上であれば、二年後には、ともかく二百万トン多くしますとか、五年後には三百万トン多くします、そういう展望を日本の国民に示して、そのために予算が要るのだということになれば、われわれも協力やぶさかではないのです。ところが、二千万トン以上と言いながら、実際には千九百万トン、千八百万トンに下がってきましたね。中身は何だ、これは保安が最大だ。 炭価はどうなるのですか。さっきも炭価の話が出てきたけれども、結局、電力と石炭のコストに合わせて炭価を決めているわけでしょう。これは石炭産業みずから自活していくという意味でのコストの計算じゃないのです。依然として五年、十年前と同じように、電力、鉄鋼に合わせてお願いします、頼みますでもって千五百円上げます、こうなんでしょう。石炭企業が赤字になるのはあたりまえなんです。みずから立てたコスト計算で幾らで売るじゃないのですから。だから全然、抜本的に石炭は見直しされていないのです。 こういう仕組みの上に石炭産業は進んでいっているのです。政府も、その考えなんです。だから私ども共産党、これはほかの野党の方も、私はそう変わっていないと思うのです、本当に石炭を興していきたいというのは。何も石炭時別委員会に籍を持っているから意地を張って言っているのじゃないのですよ。日本のエネルギーの根幹を本当に正していくには、石炭が非常に大事なんだということで繰り返し主張しているのです。だから私は、この間も言いましたけれども、この北炭の幌内鉱をめぐる鉱区調整を含めて、あるいは会社姿勢を含めて、どういう姿勢を政府がとるかは、これからの石炭政策の、いわば試金石になるのだというふうに言ったのはそういう意味なんです。 今度の赤間の問題もそうなんです。大型鉱区調整で、さらに住友が掘りやすい状況をつくることは一概に否定しない、炭を掘るという点からだけ見れば。しかし、それは従来のスクラップ・アンド・ビルドや、その他のエネルギーの基本姿勢と余り変わっていないのです。希望が持てないのです。そういう意味で、今度の鉱区調整についても五十二年度には相当、思い切った抜本的な法律の改正案その他も準備しておられるということですが、次官もひとつ、ぜひこの辺を考えていただいて、日本に残された唯一の資源と言われる石炭を、どう尊重していくかというたてまえから考えていただきたい、こう思うのです。これをあえて申し上げましたのは、この国会で、この問題で発言できますのは恐らく、きょうが最後だろうというので、大臣も来ておりませんし、もっと外炭の問題も含めて、お話ししたかったのですが、これだけで、とどめておきたい、こう思うのです。
○綿貫政府委員 エネルギーの、いろいろの使用あるいは需要供給の歴史というものは非常に変わってまいっております。いまはオイルが中心になったような需要構造になっておるわけでありまして、そのとき、そのときによって最善のエネルギー供給体制がとられてきたものだと私は思います。したがって過去のものと現在と比べて物差しにするというのは、はなはだ当を得ない面も出てくると思います。そういう意味で現在、総合エネルギー対策と申しましょうか、その中での石炭対策という形になると思います。 先ほど多田さんから、いろいろお話がございましたが、国際的な開放経済の中で、価格というものも、やはりある程度、考えざるを得ない、こういう問題もあります。国内面から見ますと、いろいろな問題から、この産業を保護しなければならぬ、こういうことでありますが、基本的には自由主義経済という中で私企業というものを中心にして考えておる現在の日本であります。その中で政府としては、なるべく計画性を持ち、しかも落ちこぼれがないように、企業をある程度サポートしていく、こういう間接的な政策を、いま、とっておるわけであります。 いろいろと、どんどん掘れと、共産党さんあたりは四千万トン政策というものをお立てになっておるようでございますが、現在、二千万トン政策ということで、なるべく中身を充実させて国際的な競争力にも耐え、しかも国内的にも成り立つような二面的な問題を含めて、石炭というものは考えていかなければならぬわけであります。特に一部には石炭を掘るなという意見もあるわけであります。将来、石炭の液化が成功した場合は大変、貴重な資源になるわけだから、こんなものを、いまから、どんどんやってはいかぬという意見もある昨今でございますが、政府としては二千万トン政策というものを立てて、なるべく、これが狂いがないようにやっていこうということでございますので、その辺は現在の経済政策の推し進め方の中で私どもは最善を尽くしておるわりでございますから、その点は御了解を得たい、こういうふうに考えております。
○多田委員 次に移っていきたいと思います。ただ次官、開放経済あるいは自由経済と言っておられますけれども、その自由経済でイギリスやフランスやイタリアなんかが、油を除いて公的な機関で石炭をやっているのです。つまり資源がなければないほど大事だから、それを公的な機関でやっていく、何も社会主義国だけじゃないのです。私は、それを一つ、つけ加えておきたいというふうに思うのです。 そして日本の場合、労働力を見ましても、保安の問題を見ても、政府の金の出しぐあいを見ても、どう見たって、もうこれは私企業の限度だということは、はっきりしているのです。ただ私の方は、四千万トン体制といま次官が言われましたから言うのですが、四千万トン体制というのは、それで終わりだと言っているのじゃなくて、少なくとも四千万トンは掘れるし、一定の中期計画を立てて掘っていこうということなんですよ。ですから、そういう意味で、さしずめ四千万トン以上、掘っていかなければならないということを言っていますので、その辺、誤解のないように。同時に私どもは、いますぐ、すべてを国有化するなどと言っているのじゃないのです。現行の私企業にやらせておいて、同時に国の買い上げたところだとか消滅鉱区だとか、国が責任を持って同時並行でやっていったらどうだという、これは法律案を近く出しますけれども、そういう考えでいるわけなんです。これも一つ、つけ加えておきます。 きょうは、あと保安の問題でちょっとお伺いします。 保安の懇談会から、こういう報告ですか答申ですか、これが来ておりますが、ちょっと読ませてもらったのですが、この答申を政府の方としては、どういうように評価しているのか。それから、今後どういう扱い方をするのか。特にその扱い方の問題では、中央鉱山保安協議会との関係で、どう扱っていくのか。それを答えていただきたいと思います。
○宮本政府委員 石炭保安の問題につきまして、昨年来いろいろ論議がございましたので、関係労使それから中立のトップの諸先生にお願いをいたしまして、方向づけをしていただくということで、二月から五月十四日まで十一回、会合を開いていただきまして、大変、徹底した真剣な熱心な御討議を賜った上、全員一致ということで、この報告書をいただいたわけでございます。政府といたしましては、この貴重な意見を尊重いたしまして実行に移すということでございます。 ただ、その中には先生、御指摘のように中央鉱山保安協議会で、さらに具体化しなければならぬ問題点も含まれております。したがいまして、私どもは早急に、早急と申しましても先生方の都合がございますので、できるだけ早く、この会議を開きまして、規則を定めるべきものは規則を定めて実施に移す、引き続き検討を賜るテーマにつきましては検討を賜る。その間、この精神にのっとりまして、企業を指導すべきものについては企業を指導する、こういうことでまいりたいと思っております。
○多田委員 この答申、これは答申と言っていいですか、報告ですか。
○宮本政府委員 どちらでも結構だと思います。
○多田委員 これには鉱山保安法の改正については一言も触れていないのですね。これは鉱山保安法の改正の必要は認めないということなのか、それとも、それに基づいて政府は保安法の改正も考えるということなのか。これはどういうことなんでしょうか。
○宮本政府委員 この報告書におきましては、石炭鉱山の保安確保のための基本的な考え方が、まず書かれておりまして、さらに引き続きまして現在、実施されている諸対策のほかに、保安管理体制、深部対策、研究開発体制、保安教育、国の監督指導等に具体的な考え方が述べられております。その具体的な内容におきましては、いずれも中央鉱山保安協議会にお諮りいたしまして、そこで決定をして、規則の形で実施いたす、こういうことで対処できるものと考えておりますので、現在、特に鉱山保安法の改正は考えておりません。
○多田委員 懇談会をつくるとき、あなた方は、こういうことを言っていた。中央鉱山保安協議会は比較的、技術的なことをやるのです、ところが今度の懇談会は、そういう技術的なもの以上に法律の改正の問題を含めた、もっと根本問題をやるのです、こういうお話だった。この懇談会を大臣の私的諮問機関としてつくったこと自体にも、われわれ異議がないわけではないけれども、では、法改正を含めて、かなり積極的なものが出るのかなと思っていたら、意外と技術的な問題に触れて、そして法改正だとか、より根本的な問題には触れていないんじゃないかと思うので、それを聞いているのですよ。そうすると、この報告を見て、皆さんは法改正が必要になってきたと思いますか、この限りにおいては鉱山保安法の改正は必要ないと思いますか。
○宮本政府委員 この懇談会を十一回、討議を願いました過程におきまして、衆議院、参議院の決議、それから労働組合から出されておりました諸般の意見その他も徹底的に御議論を賜ったわけでございます。その上で、こういう報告が出ておりまして、私どもは、その限りにおきましては鉱山保安法の改正の必要はないと考えております。
○多田委員 この懇談会の審議の経過を見ますと、五十一年三月一日には衆参両院のあの決議の説明というのがありますね。あの衆参両院の決議の中には、法の改正も盛られていたのですよ。それから大臣も、昨年は保安法の抜本改正を述べている。さらに懇談会では、仄聞するところによれば労働者代表は法改正の問題も相当、強く主張されたということを私、聞いているのです。そうだとすれば、中央鉱山保安協議会と違って、もっと高度の問題で保安の問題を検討するということで、つくられた懇談会、しかも、いま言われたように、そこで国会の決議も説明があり、労働者代表も法の改正の問題を要求していく、話が出るという中で、文章に一言も出ないし、そして、いま皆さんが、この限りにおいては法の改正は必要と認めないような御発言だとすれば、当初から法改正をも含めた抜本的な問題を、この懇談会でやるという意図はなかったのじゃないですか、皆さんは。そういう方向で事務局として、この懇談会を内面的か外面的かわからないけれども、指導というか運用されたのじゃないですか。だから審議会に参加した個々のメンバーの皆さんの中には相当、思い切ったことをやりたいというお考えがあっても、そこまで、いかなかったのじゃないでしょうか、どうなんでしょうか。
○宮本政府委員 この懇談会におきましては、保安の基本的な方向づけをお願いするということで、現在、出ております事情、意見、こういうものはこうでございますと全部ありていに御報告申し上げて、その上で先生、御指摘のような活発な議論がございました。もちろん何回かの会合の中では、いろいろな意見が出されておりましたが、最終的に全会一致で出されました結論におきましては、こういうふうになって、いただいたわけでございます。したがいまして、その過程におきまして私どもは、いろいろ参考になる資料の提出あるいは事情の説明には当たりましたけれども、先生、御指摘のような働きかけなどは一切いたしておりません。この御意見は全会一致で、その懇談会の考え方として私どもが提出を受けたわけでございます。
○多田委員 いま、この報告全体を批判するのはどうかなと思うのだけれども、読んでみて、ちょっと気のついた点があるので聞きますが、たとえば、この四ページに、こういうのがある。「鉱山労働者の意見を保安確保上十分に反映させることを目的とした保安委員会や、鉱山労働者の申告制度、保安上のチェックシステムとしての保安監督員、同補佐員制度などは」云々というのがあるのです。そうかと思うと十一ページに「次の事項を保安委員会における審議事項として明確にし、保安委員会の保安確保に果たす役割を明らかにする。」ということでイ、ロ、ハ、ニ、ホを審議事項として、やっている。そうかと思うと、必ずしも、これらがうまくいっていないという表現もある。つまり労働者の意見を反映する目的でつくった保安委員会が、必ずしも十分にいっていないから、こういう審議事項も決める、こう言っているわけでしょう。つまり、形をつくっても保安委員会に、なぜ労働者の意向が本当に反映しないのか、こういう問題は、どうやって皆さんはお考えになりますか。検討してもらいたかったのは、そういうところなんですよ。形では保安委員会もある。ところが保安委員会は十分、労働者の意見を反映する目的でつくったんだけれども、必ずしも十分ではない。じゃ、それはなぜ十分じゃないんだ。そういう問題を根本的にさかのぼっていけば、私は保安法の改正も必要になってきたんじゃないかと思うのですよ。これは局長に聞きますけれども、たとえば保安委員会は勧告の単なる審議機関なんですか、それとも決議機関ですか。これは何ですか。
○宮本政府委員 諮問機関であると心得ております。
○多田委員 その諮問機関でもって諮問されたものについて、保安の最高責任者、統括者が、それを絶対やらねばならないという法的な拘束はありますか。
○宮本政府委員 現在の保安の責任は鉱業権者にございまして、鉱業権者が実際に動かす場合におきましては、統括責任者というのがやっておるわけでございます。したがいまして、そういった諮問委員会、実名は保安委員会でございますが、それから出された意見は十分、尊重するということがたてまえでございます。
○多田委員 現場で、保安の問題で一番、関係あるのは労働者ですよ。そこから出る意見が保安委員会に反映することが目的だ。そこの勧告を本当に聞くか聞かないかというのは、統括者の態度一つにかかるわけです。ある意味では右の耳で聞いて左で聞かないふりをしたっていいんです、これは。そういう傾向があるんですよ。だから、たとえば保安委員会で決めた問題については、特に労働者の意見が反映されたものについては、保安統括者はそのことを聞かなければならないんだという、きちんとした義務規定さえ設けてやらなければならないのです。そういうふうにしないと、せっかく保安委員会をつくったとしても、本当の労働者の声が形だけのものになってしまうのではないか、そういうようなことを私は思いますので、思い切った法改正が、ここで必要なんじゃないかというふうに思うのだけれども、実際は、そうなっていないわけです。 だから、ここへ出ているので何とか幾らか具体的だなと思うのは、まさに技術上の問題ですよ。根本的な問題を提案したところよりも、技術基準の強化、この辺がかなりリアルである。この辺は大いに改正してもらいたいんですけれども、後は、私は本当に根本的な改正にはなってないと思うのです。たとえば労働者と経営者とを同格に置かれて、本当に保安に責任を負うのは経営者なんだから、そして、その経営者について、これとこれとを必ず、やらなくちゃならないという、そういう、もっと迫ったものを私はここに感じないのです。だから、せっかく諮問機関をつくってみても、これで一体、災害が抜本的になくなるような改正になるだろうかという疑問を私は持つわけです。 そうしますと、この報告が昨年来、論議されてきて、保安法の抜本改正を含めて政府が取り組んできた、これから、いよいよ腹を決めていく、これは、そういう意味の最終的な材料ですか。
○宮本政府委員 そのような情勢で答申を受けたわけでございますので、私どもは、これを尊重して実施に移してまいりたいと考えております。
○多田委員 ということは、保安法の改正は、この範囲では出ないということですね。
○宮本政府委員 必要は、現在はないと考えております。
○多田委員 昨年から、これは衆参両院で決議を行い、大臣も、その後、消極的になったけれども、ともかく保安法の抜本改正をします、しかも五十年度内にやると言う、これも、ほごになってしまった。法の改正を含めて私的諮問機関をつくってやるんだ。ところが出てきたものは、法の改正は必要ないというものなんです。いつか、ここに専門家を呼んだときにも、深部開発の問題について言えば、保安法規の改正が必要なんですということを専門家の方はここで言っていたのです。それも参酌されないでしょう。だから言えば、国会で、あれだけ論議になってきた保安法の改正というものが竜頭蛇尾というか、国会の最終盤に来て、部分的な技術的な改正というのは手直しか、その程度に終わっているのです。まさに政府の、いままでの二千万トン以上、まるで抜本的な政策だと言ってきた、それがどんどん後退していく。それから保安法の改正もそうなんですよ。結局しりすぼみになっちゃった。こういう状態で、石炭政策を見直すなんという言葉さえ使わぬ方がよろしいと私は思うのです。そういう意味で、政府・自民党のとってきている石炭政策というのは依然としてスクラップ・アンド・ビルド。ただオイルショックがきてから、何とか興していきたいという、主観的には個々の人たちが持っているでしょう。政策的には、そうじゃないのですよ。私は、その点について大変、強い不満を持ちます。今国会の最後と思われるこの石炭特別委員会で、ともかく政府の外国一辺倒のエネルギー政策、そして国内では労働者を犠牲にしていくエネルギー政策、石炭政策、こういうものについて私は強い不満を持つ。そして、苦労されて働いてきておられる労働者の皆さんに対して、私は心から敬意を表して、この委員会での発言を終わりたいと思います。
○田代委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時十七分散会