商工委員会エネルギー・鉱物資源問題小委員会 第1号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/08/10
会議録
○橋口小委員長 これより商工委員会エネルギー・鉱物資源問題小委員会を開会いたします。 エネルギー・鉱物資源問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤清二君。
○加藤(清二)小委員 けさの新聞を見ますと、朝日新聞が世論調査を発表しておるですね。ロッキード、疑わしい高官は早く発表しろと、八五%の要求があるという話です。世論に従うのが民主政治なんですね。民主政治を行うとするならば、世論に従うべきである。今日、最も期近に世論調査をしたとするならば、ロッキード事件は早く解決しろ、これはもう当然の結果だと思います。 もう一つの世論は何かと言ったら、逆に、電気料金の値上げはちょっと待て、こういう世論が出ると思います。 そこで、最初に承りたいことは、この電気料金についての世論を一体通産大臣や経企庁の長官はどのように受けて立ち、どのように具体化する予定があるのか。形骸化している。公聴会をしなければならないから公聴会をするのだ、しかしその公聴会はつくられた公聴会である。かっこうだけをつくって逃げようとする。形骸のために人の良心を無視する方向にこれが行われている。これは具体的事実である。挙げよとおっしゃるなら、例を幾つか挙げます。これを行政指導し監督する通産省、物価の審判官である経企庁の長官、これは一体どうしようとしていらっしゃるのか、それを聞きたい。その前に、さきの委員会で私は質問したはずである。その答弁がいまだになされていない。後で書類で結構ですからと言うたけれども、書類はまだ届いていない。これも食い逃げするつもりなのか、それとも私の質問が間違っているのか。質問が間違っているというならば、その場で、加藤君、あなたの質問は間違いであるとはっきり指摘していただきたい。それが一つ。 重油は五十二年度が三万五千円である、五十一年度は三万二千円であるとか言っておったが、それは一体どこからだれが買う値段であるか、はっきりしてもらいたい。
○橋本説明員 まず、公聴会についてお答えいたしますが、料金値上げに当たりましては常に公聴会を先行いたさせまして、御指摘の世論を吸収しまして、それを原価査定の姿勢に生かしておる、こういう状況でございます。 最近の例といたしましては、東京、中部、中国、四国の四電力会社の料金改定に当たりまして、八月の二日から四日にかけて公聴会を実施いたしております。まだ詳細についての報告はまとまっておりませんが、その公聴会の中で、電灯料金につきましては、家庭用料金は据え置くべきである、あるいは電灯、電力の料金格差を縮小すべきである、あるいは社会福祉施設、生活保護世帯につきましては特別の配慮をすること、あるいはナショナルミニマムの範囲を拡大すべきである、こういった事項が電灯料金について述べられております。 それから、電力料金につきましては、公共用の電力需要及び農事用の電力について特別の配慮をするように、あるいは公聴会の運営を改善すべきであるとか、あるいは電気料金の地域格差を縮小すべきである、かような点が述べられておるわけでございますが、私たち今後四社の総括原価の査定に当たりましてもこういった御意見を参考にいたしまして査定するとともに、こういった御意見につきまして可能な限り実行に移すべく、また実行に移し得る段階においてそういったものを一般に公表いたしたい、かように考えておりまして、公聴会を形骸化することなく、自主的にこれをできるだけ取り上げてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 それから、第二の重油価格についてでございますが、ただいま御指摘のとおり、関西電力の申請書によりますと、重油につきましては五十一年度三万一千四十六円、五十二年度につきましては三万二千八百十四円という申請が出ておるわけでございます。 重油価格につきましては、先生御承知のとおり、この五月時点まで採用いたしておりました標準額によりますと、C重油につきましては、サルファごとに、〇・三以下のものにつきましては二万九千七百円、それからサルファが一・六のものにつきましては二万四千七百円、サルファが三%のものについては二万一千九百円、こういう標準額を設定しておったわけでございます。 御承知のように、電力におきましては、公害対策の関係からいたしまして、だんだんナフサだとかLNGといったふうにサルファを含まないものに入っていっておりますが、当面原油あるいは重油に頼らざるを得ない部分につきましては、極力〇・三以下のサルファ分のきわめて低いものを主として使っておるわけでございまして、さような点からいたしまして、まず標準額で申しますと二万九千七百円、こういった工場渡し価格を前提にして申請してまいったものと考えておるわけでございますが、当方におきましては内航運賃だとか基地経費等の査定をシビアにいたしまして、五十一年度につきましては、申請に対して大体千円程度の査定を実施いたしておるわけでございます。 それから、こういった重油につきましては、一部は国内で脱硫したものを使うと同時に、南方系あるいは中国系あるいはアフリカ系といったサルファの低い原油から精製した重油を輸入して使うという方向で、極力公害対策と申しますか、低硫黄化を進めておるわけでございます。
○加藤(清二)小委員 ただいま橋本長官がお答えになりました。長官になられて初の答弁でございます。それにしてはできがよろしいようで、やはり大変頭のいい橋本君ですから、うまく切り抜けたようでございますけれども、私の聞きたいことは、公聴会の意見を、つまり国民の世論をどれだけこの電気料金設定に反映させるかということ、それから、その内訳になる問題で、先般お尋ねしたことに対して現在行われていない値段の答弁がある。それを電力会社が値上げの資料として要請しているということを承りまして、これは容易ならざることである、天下の発電会社が、今日行われていない値段を想定して、想定値で値上げの材料にする、これはゆゆしき問題である、国民を無視し、国会を無視し、自分の利益を図ろうとする、この態度は許せない、こう思いまして、資料要求をいたした。答弁が間違いであると私は認識したから、その場で答えてもらうのは、前の長官が最後の答弁になるときに、余り追い打ちをかけては相済まぬ、功成り名遂げて栄転なさる方を追い打ちかけるものじゃない、こう思って、後で書類でいいからと言うておいた。いまだに出ていない。そこで、そちらの方から承る。 いま橋本新エネルギー庁長官は、C重油の値が二万四千円である、それはS含有量によって少々の移動はありますが、重油の値段、特にC重油の値段は含有量に左右されることが非常に少ないのです。少ないから、脱硫装置を積極的に製油会社はやらないという傾向になっておる。ところが、C重油にして三万円を超す値段がもし仮にありとするならば、これは製油会社にとっては大変な福音になるわけです。ですから、承りたい。三万円を超えたC重油の値は発電会社が要請した資料によって答えられたのか、それとも実勢価格がそのように流通面において生きて動いているというキャッチを通産省みずからがなさったのか、まずそこから……。
○橋本説明員 関西電力の五十一年度の重油の申請額は三万一千四十六円というふうに申し上げたわけでございまして、これは会社側の申請に基づく数字でございます。私たちの判断では、ただいま先生の御指摘になりましたように、C重油はサルファのコンテンツによって価格も変わってくるわけでございますが、低硫黄化対策、公害対策という観点から、重油は主として〇・三以下のものを使っておるのが実情でございまして、その標準額が二万九千七百円。で、その後の運賃あるいは基地内における経費等の値上がり分を織り込んで申請したものというふうに判断いたしておりますが、それに対しまして、先ほどもお答えいたしましたように、当方はそういった経費増高分について査定をいたしまして、申請に対し千円程度の削減をいたしたわけでございます。
○加藤(清二)小委員 幸いに現在の通産大臣は個人の仕事として重油をたくさんに消費なさる仕事にもう長年従事なすって、その道の専門家でいらっしゃいます。そこで承りたい。船会社は一体重油を幾らで仕入れておりますか。河本通産大臣のところの個人を聞くのじゃない、船会社です。
○橋本説明員 先生の御指摘はいわゆるバンカーオイルのことだろうと思いますが、現在具体的にちょっと数字を持ち合わせておりません。ただ、バンカーオイルは非常にサルファ分が高うてもよろしゅうございますので、価格はただいま申し上げました価格よりかなり下回っておるものと思います。
○加藤(清二)小委員 ごまかしちゃいかぬよ。日本の重油は、その精製過程から発生するいろいろな油の種類——軽い方が需要が多いので、重油はむしろ余りぎみなんです。したがって、外国船に対しても日本の製油関係は投げ売りをしておる。それが産油国の非難を受けたり、OPEC、OAPECの、あるいは石油メジャーの非難を受けたり、それがまたあだ討ちとなって、民族系の石油会社に卸すメジャーの値段をわざと値上げさせられたりということになっている。外国の船にも投げ売りするような油を、どうして日本の電気会社に対して三万円以上に売るのですか、具体的事実を示してもらいたい。
○橋本説明員 何度も繰り返すようで恐縮でございますが、申請三万一千何がしに対しまして、その後の実勢価格の動きあるいはその後の内航運賃と申しますか、国内における運賃あるいは基地内における経費等の事情なども勘案いたしまして、千円程度の削減査定を実施いたしたわけでございます。
○加藤(清二)小委員 私の質問に答えていない。もし今日の値段として、石油精製会社が発電会社に対してC重油を三万円以上の値で売っているという例があったら示してもらいたいということを言っている。仮に関電がそういうデータを出したとするならば、関電は一体いかなる会社から、いかなるメーカーからそのような値段でC重油を購入しているのか、証票書類を示してもらいたい。もし東電にしてそういう実例がありとするならば、これはもうまことに珍しい結構なお話ですから、ぜひそれを示してもらいたい。
○橋本説明員 東京電力につきましては日石精、出光、丸善等、関西電力につきましては出光、東燃、関西石油等から低硫黄重油を購入いたしているわけでございます。〇・三%以下のものでございますが。で、先ほど申し上げました二万九千七百円というS分〇・三%の標準額につきましては、五月時点まで標準額として実施しておったわけでございまして、現実には三月時点もこの二万九千七百円で売買されておるわけでございます。その後、これは五十一年度、本年度を通じての見通しでございますので、その他経費の値上がり分を参酌いたしまして、会社申請額より千円弱、当方の案では三万円程度の査定をいたしたわけでございます。
○加藤(清二)小委員 それじゃもう一つ突っ込んでお尋ねしておく。 東電が一体C重油を幾らで仕入れているか。関電はすでにもう値上げの許可が決定しているけれども、実行はまだだと思う。したがって、これが幾らで仕入れているか。去年とことしと来年の想定。去年とことしは証票書類があるはずである。それを添えて出していただきたい。 〔小委員長退席、上坂小委員長代理着席〕 きょうここで千円まけさしたの何のと言っておったって、これは話にならぬ。私の質問に答えたことにならぬ。したがって、それをぜひ御提出願いたい。 なぜ私がこのようなことを聞かなければならないのか。公聴会の答弁において、政府側もさることながら、発電会社の方では、油の値上がり、油の値上がりということを盛んに言うておる。値上がりに占めるファクターの三〇%以上が油の値上がりだと言うておる。そういう資料がここにも出ておる。それで、値段は一体どこの値段でこれを算定したかと言うたら、公示価格であると答えておる。公示価格で重油を仕入れる国がどこにありますか。公示価格とは、産油国、OPEC並びにOAPECがこれだけの値にしたいという要望値段である。実勢価格は常に変わっている。契約の油であろうと、あるいはDDオイルであろうと、GGオイルであろうと、公示価格そのままが実勢価格に移行しているなどということを値上げの材料にしておっしゃって、それが世間に通用するなどと考えておられたら大間違いだ。国民はもっと利口になっておる。 これは私は本当は実勢価格を知るには河本さんに尋ねるのが一番いいと思っている。だから大臣に出てくれと言ったのだ。まさか河本さんのところがC重油を三万円で購入しておるなどということは夢みたいな話なんです。あり得るはずがない。 もう一つのそれを追及しなければならぬ要素は、この東電と関電と中電の「電気供給規程変更認可申請書」、これの「総括原価表および算定根拠」という項がある。これをあなたたちは九電力ともに横に比較して調査なさったことがありますか。
○橋本説明員 各社ごとの申請に対しまして、それぞれの申請額の項目ごとに、総括原価の各社ごとの項目ごとに検討することは当然でございますが、当然日本国内での総括原価の問題でございますから、会社の事情なりあるいは立地事情の差もございますが、横並びと申しますか、他社間とのバランスと申しますか、そういった点も査定する際には検討の対象といたしております。
○加藤(清二)小委員 それでは、あなた、持っていらっしゃいますね。東京電力のこの項を出してください、「3 総括原価表および算定根拠」、三ページにありますでしょう。その五十一年度、五十二年度の重油並びに原油の値段、千キロリットル当たり、そこを読み上げてみてください。
○橋本説明員 東京電力でございますが、五十一年の重油のキロリッター単価は三万八百七十一円、五十二年は三万三千三百三十二円、原油は三万二百九十七円、五十二年が三万二千百六十四円となっております。
○加藤(清二)小委員 それを関電、東電と比較してみてください。私もここへ持っているけれども、あなたの調査の方が正しいでしょうから。
○橋本説明員 関西電力につきまして、同じく重油につきましては五十一年三万七百十円、五十二年三万二千三百五十八円、それから原油が三万四百五十八円、三万二千二百八十八円となっております。
○加藤(清二)小委員 もう一度質問します。東電の三ページですよ。「重油」「五十一年度」というところを読んでみてください。要請されているこれですよ。これを読んでみてください。あなたの方が逆算して試算したものではだめだ。これを読んでごらんなさい。
○橋本説明員 ただいま会社の申請書を持っておりませんで、申し上げましたのは表にいたしたものでございます。
○加藤(清二)小委員 そうでしょう。そんなものを聞いているのではない。それでは、そっちに持っていってあげる。
○上坂小委員長代理 速記をとめて。 〔速記中止〕
○上坂小委員長代理 速記を始めて。
○加藤(清二)小委員 そこで承る。三社とも量においても値段においても大変な違いがある。それは仕入れる時期並びに相手国により少々のアローアンスのあることは認めます。 ところで、各会社が地域においてそれぞれ公害協定を結んでおります。この協定を実行に移すに当たって、そのC重油の使用量から類推し計算していきますと、これは協定書の実行ができないという数字が出てくる。つまり、協定書には非常に低いS分が記載され、実際たいているC重油の現行の実質のものではそんな低いザルはとうていあり得ない。 なぜ私がこういうことを質問しなければならないかと申しますと、いま電力会社は向こう十年間に四十七兆八千億もの設備投資をするというので、さきの国会におきまして授権資本の一対四に当たる社債発行を要請した。それはそれだけ資金が要るからだということなんです。しかし、これはほとんど発電とか送電に使われる設備投資の資金であるということであった。もしそれがしかりとするならば、年間五兆円になんなんとする設備投資がそれだけで行われなければならぬ上に、今度の値上げの資料を見ますと、これまた設備投資の値上がりが大変なファクターを占めているということである。しかし、ここに考えておかなければならないことは、果たして九電力でもって年間五兆円ずつの設備投資が行えるかどうかということなんです。大所高所に立って行政指導をなさらなければならない通産省としては、当然ここに思いをいたすべきであると思う。 どこの電力会社でも、いま受け入れ側の地域と至るところでトラブルを起こしている。このことはもうすでに東電においても痛いほど体験済みである。さきに東電が静岡に火力発電を要請した。自民党の仲のいいはずの県知事が断った。なぜ断らなければならないのか、それは地元の世論に抗しがたいということなんです。地元の世論が反対するからなんです。なぜ地元の世論が反対するかといえば、過去の実績がSO2の始末ができていないからです。そこで今度は千葉へこれをつくろうとした。また千葉の県知事の友納君に反対された。これも何も知事個人が反対しているわけではない。これは千葉の世論が公害を恐れて反対したからである。したがって、今後十年間に約五十兆円になんなんとする設備投資をする場合には、地元の合意なくしてはこの計画は砂上の楼閣に終わると思います。 したがいまして、地元の合意を得るためには、火力発電から発生する一番大きな公害、すなわちSO2の公害はもう会社の方で万事引き受けます、さようなことはさせませんということにならなければ、中電における渥美火力としても、いま百だけれども、百で公害が出ている、次に七十五、七十五と二つ、百五十を増設、すでに通産省の許可をとっている、これが遅々として進まない。進まない理由は一体何かといったら、百万級でさえも公害が出ている、それにプラス百五十だったら二百五十万キロワットになる、これならば今日のC重油をたいておったら公害は二倍半にふえるという勘定になる、だから反対であるという声が非常に強い。だから、私は申し上げる。 さて、この資料を見て、今度はどこが一番たくさんにC重油を使っておるか、あなた、発表してもらいたい。
○橋本説明員 お借りした資料で申し上げますと、東京が一等多くC重油を使っておるということだろうかと思います。
○加藤(清二)小委員 忘れぬうちに言うておきますが、さっきの資料、東電が一体どこの会社からいつの時点に幾らの値段の重油を購入しておるか、それから関電が値上げのための資料提出をしていますね、関電がいつの時点においてどこの会社から幾らの値段のものを仕入れたか、これはことしと去年と、それから来年の想定が出ておりますから、来年の想定で結構です、証票書類を添えて御提出願いたい。 それからもう一つは、そのC重油におけるS含有量。もっともその燃料の中にはC重油だけでなくて、あるときはA重油を使うかもしれない、ある時点においてミナス原油を使うかもしれません。この前の質問においてミナス原油という答えがありました。しかしそのミナス原油は、全体、マクロの立場から見ますと、九電力がフル回転するに必要なミナス原油はありません。あるとき瞬間的にたくことはいいでしょう。また仮にファーイーストから三万キロに対する一割を超えた三千キロも入るようになったとしても、それを電力会社が全部生だきに回すなどということは、日本の製油会社もメジャーも承知しません。 そのことは私が断定することではない、橋本さん、あなたの先輩の東君がこれは総括しているのですから、東君を呼んで調べてごらんなさい。もしも私の言うことがうそだというなら、理事会に要請して委員会に東君を参考人として呼んでみたら一番早くわかる。岡田君は、これもあなたたちの先輩だ。それはそのはずだ、昔スチール、今オイルといって、通産省の高級役人のほとんどがオイルヘオイルヘと行かれているから。で、岡田君を充てた。けれども、それがいま日本へ購入されて、電気会社、火力発電ヘストレートで入るなどとは考えられない。これは全額あったとしても一割だ。一割に足らない。 そこで、これの裏づけをするために承る。電力会社が使う重油、原油、ナフサ、合わせて日本の総輸入の何%を使いますか。
○上坂小委員長代理 資料はついては、長官から答えさせます。
○橋本説明員 資料につきましては、できるだけお出しできるような方向で検討させていただきたいと思います。 それから、ただいまの御質問でございますが、まず低硫黄原油について五十一年度の計画数字で申し上げますと、いわゆる低硫黄原油といたしましては南方系、中国系、アフリカ系等の原油が中心でございまして、五十一年度は六千五百八十万キロリッター程度の輸入を考慮いたしております。このうち精製用に約四千六十万キロリッター回ることになりますので、電力用としてはその差額の約二千五百万キロリッターに当たろうかと思います。 それから重油につきましては、いわゆるローサルファを〇・三%以下のものとして計算いたしますと、輸入量は約七百七十万キロリッターと想定いたしております。そのほかに、先ほど申し上げました生だきに回さない低硫黄原油から精製いたします国内生産量が約千四百七十万キロリッターぐらい、合計いたしまして、〇・三%以下の重油は、国内での生産量、輸入量合わせまして約二千二百四十万キロリッターになるわけでございまして、これが電気事業用に五十一年度では約千三百万キロリッター、五十八%程度、かように理解いたしております。
○加藤(清二)小委員 こういう計算をやってみてください。九電力が火力発電に使う油の総トータル、これは日本が輸入する全輸入量の何%になるか。
○橋本説明員 大体一六ないし一七%程度と考えております。 〔上坂小委員長代理退席、小委員長着席〕
○加藤(清二)小委員 もう一度いまの数字、お答えは洗い直してみてください。 それから、ミナスを初めとする低硫黄原油、すなわち〇・三%含有以下ですね、〇・三%から〇・一に至る、その総輸入量が二千をちょっと超える、それを発電所が使うのは、総トータルで一千ちょっと超える、だから五〇をちょっと超える、この数字はそのままで結構です。事実そのとおりです。 さてそこで、この低硫黄原油、いわゆるミナスと称するものは、今度は発電会社が使いますC重油その他の油のうちに占める率は何%ですか。
○橋本説明員 御質問の点は、九電力会社の燃料種類別の構成比だと理解いたしますが、五十年時点で申し上げますと、重油が四四・六%、原油が三八・〇%でございます。ただ、四十七年当時と比べますと、重油が五八・六、原油が三二・六ということで、特に重油の消費構成比率は下がってきております。これは、重油だけ、ローサルファとはいえ、現在の協定値を守るためにはこれではまだ不十分であるということで、ナフサだとかLNG、そういったさらに低硫黄のものを使ってきておることの結果だと思います。
○加藤(清二)小委員 ローザルに向かうために発電会社がハイザルの重油から逃げて、原油生だきとかあるいはLNGとかLPGとかナフサに移行しつつあることは知っております。しかし、これは言うべくしてすぐにこれを行うことは、日本の石油精製の構造並びに石油精製における得率からいって不可能なわざなんです。したがって、ローザル移行のために私のところはA重油をたきますとか、私のところはミナス原油をたきますという協定書は実行不可能なことなんです。ある時点、ある時期にそれを瞬間的に行うことはできる。しかし、コンスタントにこれを行うことは不可能なんです。不可能なことは通産省が一番よく知っているはずなんです。そこで首を振っておるが、よう聞いてくださいよ。不可能なんです。なぜ不可能かといえば、それはあなた、輸入量がそんなにローザルのミナス原油はないということなんです。それから得率の関係からいって、日本の需要はガソリンやナフサや灯油が非常に多い。したがって、どちらかといえば重油は余りぎみなんです。余りぎみだから、外国船に投げ売りをするということが行われてくるわけなんです。 さてそこで、通産省の行政指導としては、やらねばならぬことが出てくるわけです。ハイザルを日本の国内でローザルに切りかえる努力が必要であるということなんです。すなわちザル抜きの設備をするということなんです。かつて姫路の出光の二十万バーレル・パー・デーの開設の場合に、地元がザル抜き装置がないから火入れ式はやらせないと言うて、二ヵ月ももめたことがございます。そのことのよしあしは別として、その時点において通産省としては、地元がいかにハイザルをきらっているか、いかに公害をきらっているかということは認識済みのはずである。 そこで、承りたい。きょうはエネルギー・鉱物資源の方のことでありますから、そこにしぼってお尋ねいたしますが、ザル抜きの装置はいま何ぼありますか。
○橋本説明員 九電力会社の現在の排脱装置は、五十年度末で十九基、四百十万キロワットでございますが、その後若干の増設が行われまして、ことしの七月末現在では、二十二基、五百二十二万キロワットになっております。それから、ただいま建設中のものを考慮いたしますと、五十一年度の末には二十七基、六百十六万キロワット、五十二年度末には三十一基、七百五万キロワットまで増設することになっております。
○加藤(清二)小委員 あなたはいま発電の方のことをお答えになりました。それは排煙脱硫装置のことでしょう。そこへ話が行ったから、そちらの方を質問しますが、私の質問は製油会社における脱硫装置を聞いておるわけなんです。 そこで、あなたのいまのお答えについてお尋ねするが、重油専焼火力発電のうちの排煙脱硫装置をつけているのは、あるいはつけようとしているのは、何%に当たりますか。
○橋本説明員 全設備に対する排脱容量ということで申し上げますと、五十一年度末で一一%、五十二年度末で一二%になるわけであります。
○加藤(清二)小委員 そうでしょう。一割です。低硫黄の原油の輸入量も全体の約一割。それから電力会社が、脱硫します、脱硫しますと言ってやっている、それも全体の一割以下です。同時に、それはまだ稼働していないものもあるし、稼働したけれども調子が悪いからといっていま中止している分も多い。 そこで、これについて、さきの電力値上げのときに私は約束したことを覚えている。何か。いま電力会社に対して火力発電に直ちに排煙脱硫装置をつけろと言ったって、それは無理だ。物理的に無理である。なぜ無理かといえば、発電の装置が一号から四号まで、面積を全部とってしまっている。ところが、遺憾なことに、脱硫の装置は発電の装置の面積よりもたくさんに面積が要るわけなんです。したがって、たとえば四日市のあれほど公害で裁判になった問題地点においても、一基はつけられてもあとはつけられない。だから、今後火力発電を建設する場合には、脱硫装置をつける面積をプラスアルファして、そうしてこの精製に当たりなさい、これは附帯決議にもつけてあるはずだ。それが行われているかいないか、これが第一点。 それから、もう一つの問題がある。橋本さん、よくこっちを見てくださいよ。ここに電力会社の本音があらわれてくるから、頭隠してしっぽ隠さずというところが出てくるから、よく聞いてくださいよ。いま火力発電は三十万ではない。五十万ではない。七十五万でもない。大きいのは百万。原子力はなおその上を行く。そういう規模が幾何級数的にふえて、効率を上げようとしておる。そうですね。ところが、国民に、地元に被害を及ぼすであろう、及ぼしておる、すでに裁判になっている、それに対する除去の努力である排煙脱硫装置の問題は、試験管やフラスコの中では完全にでき上がっている。しかし、工場の規模としては十万以上のものは珍しいのです。しかもこれが大きな規模が必要である。 したがって、七十五、七十五、合わせて百五十、この火力発電に対して完全に脱硫装置をつけるとするならば、脱硫装置を最低限十から十五までつくらなければならない。どういう結果になるかといえば、私はこれを称して豊太閤の千なりびょうたんだと言っている。真ん中に一つの発電装置があると、その周囲に鈴なりに排煙脱硫装置をつけなければならない。まるで千なりびょうたんのようにくっつけなければならぬ。それをしなければ住民の納得が得られないという状況下にある。だから、これはどのように指導していらっしゃるか。この前の値上げのときに懇々と申し上げておいたことだが、果たしてそれ以後この問題は前進しているのかいないのか、これをはっきりしてもらいたい。それが第二です。 次に、精製過程における直脱の設備は、いま精製能力と直脱の能力はどういう比率になっているのか、これをお示し願いたい。
○橋本説明員 第一番の御質問は、電気事業者のSOX対策をどういうふうに通産省としては推進しているかという御指摘かと思います。 電気事業者の対策といたしまして、大きく分けまして、排煙脱硫装置を設置する、低硫黄重油を確保する、あるいは低硫黄原油の生だき、ナフサ、LNG等の軽質燃料への転換、こういういろいろな措置を講じてやっておるわけでございまして、現に年を追いまして低硫黄化は推進されてきておるということでございますが、いま一つの問題は、発電所におきましてはその立地条件あるいは地元との協定値等の関係もございまして、やはり発電所ごとに総合的に判断して、何が最も低硫黄化対策に資するか、公害対策に役立つかという観点から考える必要があろうかと思います。 先ほど先生も御指摘になりましたように、排煙脱硫設備につきましては用地等の関係あるいは技術的な関係からなかなかうまくいかない。あるいは先ほども触れました協定値そのものが非常にシビアなものになってきておるということで、現在の排煙脱硫の能力と申しますか、性能からいたしますと、それだけでは十分協定値を達成することができない。たとえて申しますと、脱硫率を九〇%といたしましても、サルファ三%のものが〇・三%にしかならない。ところが、協定値では〇・二九だとかあるいは〇・一というような問題がございます。したがいまして、脱硫設備を必要とあらばこれも増設していく必要もございますが、あわせてその他の方途、特に燃料等の面からもサルファをできるだけ少なくして、協定値が実行に移せるような形に持っていくということも一つの方法かと思います。したがいまして、発電所ごとの事情に応じて総合的に低硫黄化対策は進めていくべきだと考えます。 それから、二番目の御指摘の石油精製会社における脱硫能力でございますが、五十年度末で直脱、間接脱硫合計いたしまして百二十七万四千五百バレルとなっております。これをキロリッターに換算いたしますと、約七千四百万キロリッターになるのではなかろうかと思います。それに対しまして、現在の原油は二億七千万キロリッター程度処理いたしておりまして、重油得率を四〇%といたしますと、まず重油が一億三千万ないし一億四千万キロリッター。それに対しまして、ただいま申し上げましたように脱硫設備の能力が約七千四百万ございます。あとの問題は、いわゆる電気事業者が持っております排脱あるいはローサルファ原油といったものを勘案いたしますと、能力的には大体現在の原油の処理量と見合っておる数字ではなかろうか、こういうふうに思っております。
○加藤(清二)小委員 製油能力と脱硫能力の数字的な比較をお尋ねしたが、いま総体の量は御説明がありましたけれども、一体一日に何万バレル・パーでやるのか。ただし、脱硫装置はこれだけしかない。それは今日ある脱硫装置は何%に当たるか。それを一遍皆さんに知らしてください。 なぜこんなことを私が言わなければならぬかというと、脱硫装置があると宣伝しますと、全部脱硫がされておるように誤認をするのです。そういう宣伝をしておるのです。だから、十分の一しかないものを全体に及ぼしておるように言われては国民をごまかすもとになるから、それで私はパーセンテージを聞いておる。
○橋本説明員 次長からお答えさせていただきたいと思います。
○大永説明員 お答え申し上げます。 五十年度の稼働の脱硫設備の能力でございますが、約千二百七十万キロリッターでございます。したがいまして、重油の生産量に対しましては約八%ないし九%程度じゃなかろうかと存じます。
○加藤(清二)小委員 よいお答えです。そのとおりです。大体みんな十分の一でごまかして進んできているのですよ。あれも十分の一、これも十分の一。そこでだんだんと大気汚染が進行して、公害はますますふえる、これが現状なんです。そのことだけでとどまれば、電気会社はそれで事足りるかもしれません。しかし、やがてこれが天つばになる。私はそれを恐れる。 なぜかならば、すでにそういうことは、公害審議会が各県、各都市に行われていて、そこにお医者さんや学識経験者や大学の教授さんあたりが参加されて、もう認識している。だからこそ、どうなるかと言えば、せっかく通産省が許可を与え、ここに発電装置をつくりなさいと言っても、地元の反対、地元の合意が得られないままにこの計画がどんどん先へ延びていっている。やむなく裁判にかけてもなどという争いを起こしてもやらなければならぬ、こういう状況がいまあちらにもこちらにもある。特に電気に多いのです。だから、電気会社が金だけは一対四の社債やら料金の値上げやらで確保されても、目的どおりにはいかない、自分の公害追放を怠った罪が、やがて自分がより設備をふやそうとする場合の大変な障害になる、私はそれを恐れるのでございます。 何よりも大切なことは、きのう、おとついと長崎でも総理までがお出ましになって、原爆症患者に対して慰めの言葉を述べていらっしゃいますが、言葉は簡単なんです。それよりも、本当に誠意があったら私は実行で示すべきであると思います。このことをすることがすなわち今後の日本の電気事業界をスムーズに発展させる最大のポイントであると思えばこそ申し上げたわけでございます。 すでにこの件につきましては、きのう、きょうじゃありません。芦原関電社長が連合会の会長で いらしたときに、あそこの傘下の発電所が国会で問題になりました。その折に東電の会長が、そのときは社長でしたね、芦原さんの代理になって公害委員会へお出ましになった。これをするという念書が通産省にもあり、時の委員長の私の手元にもあるのです。しかし、あれ以来値上げはどんどん行われていったけれども、公害追放に対する努力は遺憾ながら遅々として進まない。私はこのことをまことに遺憾に思っておるのであります。 時の電気事業連合会の会長関電さん、代理で出なすった東電さん、あえて名前を控えておきますが、それが共同で念書を通産省へ出された。この念書で、努力するから勘弁してくれと言われた。私はそれを持っている。経過報告もない。事後報告もない。そうして、公聴会に出れば、口をぬぐって公害は大丈夫です、油が値上がりしたから、投資がたくさんかかるからこれで値上げをしてくれと言う。公聴会の声は聞かれていない。形骸化している。だから、公聴会に出席を約束した人までが、道具に使われ、隠れみのに使われるならもういやじゃと言うて公聴会に出られない人が今度はたくさん出てきた。ゆゆしい問題だと思います。 値上げも大切かもしれませんけれども、それに見合う、大衆の幸せのために会社の金も使うだけの実行がないと、ついに値上げは企業のために行われるという解釈が行われるようになる。そのことはやがて、電気事業関係はもはや公共企業ではない、あれは利益追求の私企業である、こういう批判になり、それなれば九電力を再編成して、もっと政府の、もっと国会の意見が十二分に盛り込まれるように組織がえもすべきではないかという声まで及んでくるわけなんです。 私は、この際、ロッキードの関係からいって、官界と財界と政界が癒着してあれが行われたと言われているけれども、まさか私は電気関係においてロッキードほど官、財、政が癒着しているとは思いません。しかし、努力の足りなさを非常に憂えるものです。値上げの努力は行われたけれども、それに見合う大衆のための努力がなおざりにされていることを非常に遺憾に思います。私は、この際、原子力に及びたいと思っておりましたが、時間が参りましたのでそれは後に譲ります。ただし、値上げ前にこの原子力の関係の質問はお許し願いたいと思います。 結論を申し上げます。 民主主義の政治は世論政治である。世論の声を政治に反映し、行政に反映することが一番大切なことだと思っているのです。その世論の第一は、ロッキードは早くはっきりさせなさい、電気料金値上げは早過ぎるからちょっと待て、値上げ賛成の方もちょっと待てという声であることをよく御認識なすって、その大衆の声を行政の上に必ず反映さしていただきたい。反映する用意、勇気があるかないか、これは大臣答弁のはずだが、やむを得ぬ、新長官、大臣のかわりに御答弁願いたい。
○橋本説明員 電気事業の料金改定に当たりましては、先生の御趣旨を体しまして厳正に対処いたしたいと思います。
○加藤(清二)小委員 残余の質問は後の関係で……。ありがとうございました。
○橋口小委員長 米原艇君。
○米原小委員 朝日新聞の八月六日付の朝刊によりますと、中曽根幹事長が通産大臣であった当時の問題、これに絡んで重大な疑惑があると、こういう記事が出ております。四十八年の当時、ジャパンラインのアブダビからのDD原油輸入契約に関する問題であります。この問題は、一応ロッキード問題とは別としても、通産行政の問題として非常に重大な疑惑を私自身感じますので、私はこの点について質問いたします。 すでに四十七年の十一月にアブダビ政府のアブドゥラ・イスマイル石油次官が日本に参りまして、事業参加、パーティシペーションによる取得原油を日本に直接供給する用意があるということを非公式に申し入れていることは、当時の新聞にも、ここにも持っておりますが、出ております。そして、民族系原油精製各社は、すでにアブダビの石油の試掘の段階からかかわっていたアブダビ石油を窓口として交渉を進めておりました。ところが、この朝日新聞の記事で報道されているとおり、ジャパンラインが強引に、現地渡しで実勢一バレル当たり二ドル二十一セントのところを二ドル三十八セントという高値をつけて、さらに五・二五%の低利で一億五千万ドルを前払いするという条件で落札しました。 当時通産省はジャパンラインに対して、このような取引は日本側に不利であるとして、契約の再考または白紙還元を求めたし、また民族系四社に対して、ジャパンラインがそのような条件で契約した場合はジャパンラインの石油は買わないとの声明を出させて、事実上四社による不買同盟を結成させる強硬な姿勢を示して、ジャパンラインの態度変更を迫った、これは事実だと思うのです。また、輸入代金前払いに必要な通産大臣の認可の発動を取りやめるということもあり得るとしておりました。このような行政を実際に行ったならば、ジャパンラインは契約の変更ないし撤回をせざるを得なかったはずであります。それが報道されているように念書による解決となったわけですが、まず第一に、この通産行政の当初の姿勢が変わったのはどのような経過と判断に基づいたものであったかということを説明願いたいのです。 朝日新聞の八月六日付の報道によりますと、中曽根幹事長の談話というものが出ておりまして、当時中曽根通産大臣は「買った方がいいと事務当局に指示した。」こういうふうに中曽根さん自身が述べられて出ておりますが、当時大臣からはどのような指示がこの件に関してされていたのか。また、ジャパンラインの契約にある輸入代金前払い一億五千万ドルは、大蔵省令第六十二号に基づき、標準外決済であり、通産大臣の認可が必要であります。当初の行政当局の方針で認可を拒否すれば、ジャパンラインは契約できなかったはずであります。認可に踏み切ったのはどういうわけか、その点をまず説明をお願いしたいと思います。
○橋本説明員 まず、先生御承知のように、わが国の原油輸入の大半はメジャー系に依存しておるわけでございます。そういった現状を踏まえまして、通産省といたしましてはできるだけ自主開発原油の比重を高めて供給ソースを多元化するという方向で努力いたしておったわけでございますが、ただいま御指摘のように、産油国におきましてもいわゆる事業参加、パーティシペーションの進行に伴いまして、DD取引と申しますか、二国間における取引によりまして自主的に原油を輸入し得る可能性、機会というものが出てまいったわけでございまして、通産省といたしましても、価格等の輸入条件が適正なものであればそういった方向で輸入拡大をしていきたい、こういう立場におったわけでございます。 こういう状況下におきまして御指摘のジャパンラインによるアブダビ原油の取引計画ということが出てまいったわけでございますが、これもただいま御指摘がございましたように、その取引の内容といたしましては、輸入価格が割高であるということと、いま一つはわが国の精製企業との間に需要の裏づけがなかった、こういう点から、私たちといたしましても、初めてのDD原油でございますので、今後将来ともにそれが前例になっていくといったような立場もございまして、ジャパンラインに対しまして、価格についてはアブダビ側と再交渉を行うように、また精製企業の需要を確保してくるように、その上で輸入したらどうか、こういう立場で指導してまいったわけでございます。これを受けまして、ジャパンラインはアビダビ政府と価格水準について再度交渉を行ったわけでございます。結果として不調に終わったというのが事実でございます。 その時点におきまして、当省といたしまして、このアブダビとの契約が円滑に遂行されない、実施されないというような場合には、国際信用の問題、あるいはアブダビを含めまして産油国との関係にかなり微妙な影響を与えるのではなかろうかといったような点も一考慮いたしまして、価格問題はやむを得ないとしても、国内の取引体制の整備を図りたい、こういう観点に立ちまして指導してまいったわけでございまして、外的な条件の変化でございまして、われわれ通産省として特に方針を変更したという性格のものではないわけでございます。 それから、その間、大臣の指示はどうであったかということでございますが、やはり今後の二国間取引の重要性と、原油需給がタイト化する傾向にございましたので、そういった事情を踏まえてこの問題を検討するようにといった一般的な指示であったと承知いたしております。 それから、一億五千万ドルの前払い代金につきましては、本件については輸入代金の前払いとしてではなく、単純なローンとして資金調達をしているものというふうに当方では承知いたしております。
○米原小委員 それではさらに、その点も伺いますが、四十八年三月五日の通商産業省鉱山石炭局の「産油国との原油直接取引における輸入秩序に関する指導方針」、この中でも、「原油取引は、」「精製企業との間に量と価格について十分な約束を取りつけた者が、協調して、産油国との間に交渉を行なうことが必要」こう書いてありますし、ジャパンラインが通産省に当時入れた念書によりますと、ジャパンラインがアブダビで購入する原油全量を新しく設立する輸入会社に実勢価格以下で引き渡すということになっておりました。 ところが、念書で確認された新しい輸入機構は設立されておりません。原油はジャパンラインが株の七・一%を持つ東亜石油、またジャパンラインが株の二三%を持つ西部石油といったジャパンラインの独自輸入、独自販売体制が確立して、念書や指導方針は完全にほごにされております。一体、事務当局はだれの指示でこのような行政方針の転換を行ったのか。行政当局の当初の方針は百八十度曲げられているではないか、こういうふうに感ずるのでありますが、この点、いかがでしょう。
○橋本説明員 ただいま御指摘の輸入機構の問題でございますが、これは先ほども申し上げましたように、価格交渉は不調に終わった、せめて輸入体制を整備したいということで、二国間取引を円滑にするための需要の裏づけと申しますか、精製企業の受け入れ体制をジャパンラインとの間に整備いたしたいということで希望し、またその方向で指導してまいったわけでございますが、御承知のように、当時の石油市場が買い手市場からだんだんと売り手市場に変わってまいった、それにつれて価格も上がってまいったといったようなことから、価格を含めての引き取り条件等を中心になかなか意見がまとまらなかった。 そういった過程におきまして、いわゆる石油危機と申しますか、オイルショックの結果、供給構造が激変した、あるいは石油危機以後直接取引が一般化してきた、こういうような事情変化がまいりまして、輸入機構を設立する必要性と申しますか、その環境条件がだんだん変化してまいった、こういったことでございまして、その間、方針の変更だとかいうことではございませんで、先ほども若干触れましたように、石油をめぐる世界の情勢というものの変化が、結果としてそういった方向に結果づけていった、こういうふうに理解いたしております。
○米原小委員 その当時石油市場の情勢が大きく変わったというこの事実は、私もそうだと思うのです。そういう中で、そういうふうに方針も変わってきたとおっしゃいますが、ただ、これは今度の朝日新聞が書いた記事じゃなくて、その当時の新聞を全部私、調べて読んでみますと、どうしてもそれ自体が腑に落ちない。明らかに通産省鉱山石炭局が出した指導方針は守られていないと思うのです。また、ジャパンラインが通産省に入れた念書もそのとおりには実行されてない。どうしてもこの点は非常に不可解なんです。 特に、石油業法を読んでみますと、石油業法の第十二条で、石油の輸入業者は通産大臣に届けをしなければならないことになっておりますが、このジャパンラインは石油の精製会社でも何でもない。そういうジャパンラインのような会社が一体輸入する権利があるのかどうか、これは石油業法の第十二条からしたっておかしいじゃないか、どういう基準と方針でこの輸入業務を認めたのか、そういうことを感ずるのですが、この点、一体どうなんでしょう。
○橋本説明員 ただいま御指摘のありました石油業法に言うところの石油輸入業者ということでございますが、これは御指摘ではございますが、ジャパンライン自体はおっしゃるようにタンカー会社でございまして、このDD取引におきましては、石油輸入業者としてみなされるものは先ほど御指摘になった東亜石油だとか西部石油等の石油精製企業でございまして、ジャパンラインではございません。したがって、通関前にこういった東亜石油だとか西部石油に原油が引き渡されまして、この人たちの手を通じて通関する、こういうことになるわけでございます。一言で申し上げますと、本取引においてはジャパンラインは石油の輸入業者ではないということでございます。
○米原小委員 おっしゃるとおりですよ。ジャパンラインというタンカー会社ですね。タンカー会社がどのようにして石油の輸入権を獲得したのかという点なんです。現在でも、輸入権があるのは石油精製会社と一部の商社だけだと思うのです。電力会社などがこの輸入権を得ようとしたけれども、通産省ははねつけたと聞いております。ジャパンラインがアブダビのDD原油の入札に参加するには、この輸入権がなければ参加できない。このような一タンカー会社に石油の輸入権を認めたのは異例のことで、この点に私は疑問を感ずる。当時の経過、いまおっしゃいましたけれども、少しおかしいのじゃないか、こう思うのです。経過を説明していただきたい。
○橋本説明員 ただいまもお答えいたしましたように、ジャパンラインは石油の輸入業者ではございません。東亜石油あるいは西部石油が輸入業者でございます。いまも御指摘のありましたように、輸入の権利と申しますか、輸入業者ならざるジャパンラインが、国内における精製企業との実質的な需要の裏づけなしに契約に入ったというところを私たちとしても問題といたしまして、そういったところから価格の再交渉と受け入れ体制について整備を図るようにということで指導してまいったわけでございまして、ジャパンラインがこういう場合輸入業者というふうに誤ってとられがちでございますが、この場合の輸入業者は、何回も繰り返すようでございますが、ジャパンラインではなくて、東亜石油あるいは西部石油ということでございます。
○米原小委員 実はそうなっておるから聞いておるのです。石油業法十二条によると、石油の輸入の事業を行おうとする者は通産大臣に届けることになっておる。また、石油輸入計画も立てて通産大臣に届けなければならない。むやみやたらと、だれでも石油輸入業務を行うことを認めておるわけではない、こう思うのです。当時、日本の原油の引き取り手である国内の精製業者にこの原油の引き取りの合意は、不買同盟などがあって、なかったはずです。そのようなタンカー会社の輸入業務を認めたのが私は不可解だ、こう思うのです。 当時のジャパンラインが通産省に入れた念書では輸入会社をつくることになっておりますが、それとも、初めから西部石油など特定のジャパンライン系の石油精製会社が受けざらになっていたので、ジャパンラインに輸入業務を認めた、こういうふうに言われるわけでありますが、そうだとすると、統一した輸入機構をつくるなどという念書は初めから欺瞞であった、こういうことになろじゃありませんか。この点、どうでしょうか。
○橋本説明員 問題は、輸入業務ということと、輸入に随伴する業務という関係になるかと思います。こういったことを申し上げてなんでございますが、輸入業務というのは、通関して日本の国内に持ち込むということになろうかと思います。それから輸送会社の場合、そこまでに至る輸送を業務としておるということでございまして、その観点で分けますと、石油の輸入業者は東亜石油であり西部石油であって、ジャパンラインは、到達するところまでアブダビからタンカーで油を運んでくるという、輸入の前提になる輸送業務を事業としてやっておるということでございまして、ジャパンラインを石油の輸入業者として取り扱っておるわけではございません。
○米原小委員 もう一つの点は、ジャパンラインが前払いする一億五千万ドルに対しては輸銀資金は使わせない方針のはずだったわけであります。そのかわりに一億五千万ドルの協調融資が行われておるわけですが、この協調融資の中には通産省所管である日本長期信用銀行が入っております。これで一体ジャパンラインに対する制裁になるのか。輸銀使用など金融面で協力はできない、当初はそういう方針でありながら、後になって変更しているわけです。これはどういうわけですか。
○橋本説明員 当初一億五千万ドルを輸銀を使用して確保したいという意見があったことは事実のようでございますが、御指摘のように当方としてはいろいろまだ問題があったので、輸銀使用は認められないという立場をとっておったのでございます。 それから、ただいま御指摘になりました長銀が中心になって銀行シンジケートをつくったというお話でございますが、実はその長銀は私の方の所管とかいう性格のものではございませんし、それから長期信用銀行法に基づく銀行ではございますが純然たる民間金融機関というたてまえでございまして、御指摘のとおりであったかどうか、実は私たちも十分確認いたしておりませんが、仮にそういった事態であったといたしましても、われわれが所管外の、かつは民間の銀行である長銀に対して何らかの介入をするということは許されないことではなかろうかと思います。 それから、先ほどもお答えいたしましたように、当初原油の代金前払いという形であったようでございますが、私の方で調べたところでは、輸入代金前払いとしてではなく、単純なローンとして日銀の扱いで調達をされたというふうに承知いたしておることをつけ加えておきます。
○米原小委員 おっしゃるように、形はそうなっております。だけれども、実質的には最初の方針とは変わっているのじゃないかという点が非常に疑わしいから私は聞いているのです。 原油の直接取引の推進それ自体に対してはもちろん私たちも賛成でありますし、非常に重要なことだし、今後も進めなければならないと思います。ただ、ジャパンラインのような当時のあのやり方は、メジャーの値上げの絶好の口実に実際その当時にもなったと思うのです。四十八年の六月に一バレル当たり三十セントもの大幅の値上げをメジャーが通告してきておりますが、その点では、直接取引の推進に当たって四十八年三月五日の鉱山石炭局の指導方針、これは私、非常に正しかったと思う。これがその後どうなっておるかということを一点聞いておきたいと思います。
○橋本説明員 ただいま御指摘になりましたように、割り高の原油を引くということが国際的にも価格引き上げの引き金になるのじゃなかろうかといったような心配もあったわけでございまして、先ほど来お答えいたしましたように、結果として不調であったわけでございますが、アブダビ側と再交渉を指示したといった趣旨に合致するものでございます。 先ほど御指摘の三月五日付の指導方針なるものは、こういった経験にもかんがみまして、DD取引というものは今後日本の油の輸入に対して大きな一つの柱になってくるであろう、そういった場合によく事前に調査をし、あるいはよく関係者と話し合いをした上で円滑にこれが輸入されるように、相手国の立場あるいは世界の石油事情等も勘案いたしまして、重要なエネルギー源であるだけに慎重な対処が望ましいという趣旨で実施に移したわけでございまして、現在時点でもその指導の方針に従ってわれわれとしては対処していきたいと考えております。
○米原小委員 私が以上質問しましたように、ジャパンラインのアブダビ原油購入に関する通産行政にはどうもまだ不可解な点が残っております。ジャパンラインと児玉譽士夫の関係は河本通産大臣が一番よく御存じのところで、児玉と中曽根幹事長との関係もいろいろ取りざたされております。きょうの答弁では、八月六日の朝日新聞が報道した中曽根幹事長の疑惑をどうも払拭できないように思われます。行政当局としてこの点さらに明確にしていただきたいのですが、この点を最終的に聞かせてください。
○橋本説明員 私たちには、御指摘のような点は非常にわかりづらい点でございます。ただ、経済的な問題に限って申し上げますと、やはり現在でも石油はわが国のエネルギー構造に非常に高いウエートを占めておりますので、これを安定確保するということが国民経済あるいは国民生活の上からもきわめて重要でございますので、できるだけ世界各国における石油事情、あるいは産油国あるいは先進消費国との関係等も重視しながら対処してまいりたいと思っております。
○米原小委員 それでは、アブダビ原油の問題はそれだけにしまして、次に東京瓦斯のガス料金値上げ問題について伺いたいと思います。 東京瓦斯は、すでに四十九年に石油危機で原材料費が上がったためとして値上げ申請を行い、このとき政府は四六・八五%もの大幅な値上げを認めているのであります。これに引き続いて今回、またもや二六・七八%もの値上げを申請しているのであります。現在行われようとしている電力料金の値上げとあわせて考えると、このような光熱費の一斉値上げは国民生活に新たな負担を強いるものとなることは必至であります。そこで、この値上げ申請に対して政府はどのような態度で臨まれるか、まずこの基本的な態度について伺いたいと思います。
○橋本説明員 都市ガスは、申し上げるまでもなく国民経済あるいは国民生活の非常に重要なものでございます。と申しますことは、安定供給の確保ということが必要であると同時に、反面、それを消費する人に対して多大の影響を及ぼすことのないように、いわゆる原価主義に基づきながら、消費者の利益と安定供給の確保という立場に立ちまして厳正に査定してまいりたいと考えております。
○米原小委員 東京瓦斯のここ三年間の純利益の推移を調べてみますと、有価証券報告書によって私たちが計算したところでは、四十八年七月期、四十九年一月期と黒字を続け、四十九年七月期と五十年九月期は赤字でありますが、五十年三月期、五十一年三月期は黒字となっており、そして製品売上高比純利益率は五十年三月期が六九七%、五十年九月期は不況でマイナス一・四三%でしたが、五十年後半期は経営状況が急速に改善されて、五十一年三月期九・八七%にもなっております。このような大幅な黒字経営のもとで値上げしょうとしていることに国民は疑惑を抱いており、公益事業としてのたてまえから見ても値上げはすべきではない、こう考えますが、この点はいかがでしょうか。
○橋本説明員 ただいま各期の純利益について御指摘があったわけでございますが、特に五十年度の決算について申し上げますと、特別償却を中止しておる額は約二十五億ございます。それから特定ガス導管の償却準備金の目的外の取り崩しが約十一億ございます。それから役員賞与の返上等によりまして決算対策を実施しておる、かようなことでございまして、実質的にはかなり苦しい経理状況にある。特に五十年の下期におきましては二%減配しておる、こういう状況でございます。かたがた、これは東京瓦斯の申請書の数字でございますが、このままほっておくと五十一年度の収支見込みで約三百億円の大幅欠損が生ずる、こういう申請になっております。 私たちといたしましては、ただいま先生御指摘のように、できるだけ値上げというものは避けたい、あるいは値上げをする場合にも極力低位に抑えたいという立場もございますが、反面、原価主義に基づきまして厳密な査定を行って、いやしくも安定供給が阻害される、あるいは安全対策が等閑視されるといったことにならないように、そういう立場に立って厳密な査定に入りたい、かように考えております。
○米原小委員 おっしゃった内部留保の点ですが、との点から見ましても、引当金、資本剰余金、利益準備金及び任意積立金を合計した内部留保は、四十八年七月期で三百九十七億円、四十九年一月期で四百四十九億円、五十一年三月期が五百六億円、こうなっております。石油ショック前から見ますと約百九億円、また石油ショック後の原材料費の高騰や不況の中でも、五十七億円の積み増しを行ってきたのであります。この点から見ても、今回の値上げはどうも納得できないのであります。 そればかりじゃありません。七六年三月期の東京瓦斯の投資資産は、帳簿価格で百六十二億円に達しますが、そのうち公表されている企業名で時価の判明している十二社の持ち株簿価は三十六億円ですが、これを時価で見ると五倍余りの百八十九億円にもなります。この差額、実に百五十二億円が含み資産になっているのであります。 このように、内部留保や含み資産に全く手をつけず、値上げによって、国民への一方的なしわ寄せでこれまでどおり、あるいはそれ以上のもうけを維持しようというのは、余りにも虫がよ過ぎるというものではないか、こう考えるわけですが、この点、いかがでしょうか。
○橋本説明員 最近三年間の東京瓦斯の内部留保でございますが、四十八年度末が約四百十八億円、四十九年度末が約三百八十九億円、五十年度末が約三百八十億円、わずかながら減少しておるわけでございます。 ただ、この数字を考えますのに、法定準備金、退職給与引当金、こういったものはその性格上取り崩しが不能なものになっておりまして、決算対策上取り崩しの可能なものは、五十年度末について申し上げますと、繰り越し利益、別途積立金、価格変動準備金、こういったものを含めて約八十四億円であるということでございます。さようなところから、内部留保は御指摘のような額を持っておるわけでございますが、決算対策としては八十億円程度しか取り崩しがきかない、こういうことでございますので、私たちといたしましては、先ほど申し上げた物価等への影響については十分考慮するとともに、ガスの安定供給を図るという立場から、ガス事業法に定める原価主義に基づいて、その原価諸要素につきまして慎重かつ厳正に査定を行っていきたいと考えておるわけでございます。
○米原小委員 東京瓦斯の説明では、値上げ率二六・七八%の内訳は、原材料費三五%、資本費三〇%、諸経費二五%、その他一〇%ということであります。原材料費上昇の値上げ寄与率が最も高いのでありますが、東京瓦斯の申請では、原料炭、ナフサ、LNG、LPGの五十一年度、五十二年度の平均単価はそれぞれ幾らになっておりますか。
○橋本説明員 国内炭につきましては単価が二万一千二百三十七円、外国炭につきまして二万五千百十一円、それからナフサが三万二千六百八十一円、LPGが四万四千六百八十一円でございます。
○米原小委員 では、五十年四月以降の国内原料炭の平均価格と輸入原料炭の五十一年一−三月、四−五月のCIF価格はそれぞれ幾らになっておりますか。
○橋本説明員 五十年度下期の実勢価格で申し上げますと、国内炭は一万六千円、外国炭は二万一千五百円、ナフサは二万九千五百円、LPGは四万四千円でございます。
○米原小委員 いまおっしゃった点ですが、国内原料炭、東京瓦斯の見込みでは平均単価の上昇二千二百円、さらにフレート積み込み費で二百円、まだ決まってない国鉄運賃の値上げを既定のものとして五百円、計三千円の上昇としています。また、通関統計では、輸入原料炭は五十一年一—三月で一万七千七百三十円、五十一年四−五月で一万七千九百六十円でありますが、東京瓦斯では五十一年度千六百五十円の上昇を見込んでいます。東京瓦斯によると、五十年度下期の原料炭購入価格は、国内炭、外国炭合わせて一万九千五百円で、五十一年度下期は、申請書では二万二千六百七十円と約三千円余りの上昇を見込んでおります。 このように、国鉄運賃の値上げを既定のものとして、それから円切り上げを無視して一ドル三百円のレートで計算するなどを含めて、トン当たり約二千円もの水増しも行っております。五十一年度下期の原料炭消費量が約五十三万トンですから、原料炭だけで十億六千万円もの水増しとなりますが、この点はどう見ておられますか。
○橋本説明員 先ほどお答えいたしました会社側の申請額とそれから五十年度下期の実勢価格、その間、現在価格というものがそれぞれあるわけでありまして、当然のことではございますが、現在価格は過去の実績価格より高くなっておるといった事情もございます。いずれにいたしましても、ただいま御指摘になりました各燃料の要素につきまして、今後の需給動向等も勘案しながら厳密に査定いたしたいと思っております。
○米原小委員 水増しは石炭だけではありません。石油流通課によりますと、ナフサの平均実勢価格は五十一年三月で二万七千七百円、四月で二万九千七百円であります。元売り各社は、さらに七月より石油製品の値上げに出て、ナフサは千円から千三百円の値上げと言われており、これがそのまま通ったとしても三万一千円であります。しかも東京瓦斯は大口需要家として、実際にはこの平均価格より安くなっております。申請では今年度下半期は一キロ当たり三万二千十七円と、千円以上の水増し申請となっております。今年度下半期消費量が五十三万キロリットルでありますから、五億三千万円もの水増しになります。 ところで、政府はさきに値上げ申請した西部瓦斯の査定では、ナフサについては将来の値上がりを見込まず、現行価格を据え置いて算定しております。東京瓦斯についても当然に西部瓦斯と同じような査定を行うべきであり、そうすれば今年度下半期だけでもキロリットル当たり三千円で、約十六億円を削減できるのですが、政府は価格据え置きを約束できますか。
○橋本説明員 御指摘のナフサについては、大体据え置きでいけるのではなかろうかと考えております。と申しますのは、東京瓦斯につきましては、申請を受け付けて会社側からの事情聴取あるいは特別監査等は実施いたしておりますが、公聴会はまだやっておりません。もちろん申請書を受け付けていろいろと検討は続けておりますが、いまの段階でまだ確たることは申し上げられないということは御了承おきいただきたいと思います。
○米原小委員 前回の申請のときにも、東京瓦斯は、五十年度のナフサはキロ当たり三万二千七百五十一円、LNGはトン当たり三万九百七十八円、LPGはトン当たり四万四千九百七十八円、こう見込んでおりましたが、実際には同社の公表価格で見ても、五十年度下半期でナフサは二万九千五百円、LNGは二万九千円、LPGは四万四千円であります。このことから見ても、東京瓦斯の原材料費の水増し申請は前歴があるのであります。 政府は、前回の認可に際して、原材料費は申請の九百七十八億円から九百六十二億円へと、わずか一・六%削ったにすぎなかったのであります。しかし、今回の査定に当たっては、このような水増し申請をもっと厳格にチェックすべきであります。そして、この間に積み増した内部留保や含み資産を一定吐き出させるなどすれば、値上げを大幅に抑えることは可能であります。この点を強く要求して、時間がありませんから、私の質問を終わります。
○橋本説明員 料金査定の前提といたしまして、あるいは料金改定申請といたしましては、その前に供給計画等を含んだいわゆる前提計画というものがございます。その前提計画をどのように詰めていくか、それに基づいて総括原価の各項目よりどういうふうにチェックしていくかという問題もございますので、当初に申し上げましたように、消費者の利益の保護と都市ガスの安定供給、安全性の確保といった観点に立ちまして、厳正な査定に入りたいというように考えております。
○米原小委員 終わります。
○橋口小委員長 松尾信人君。
○松尾小委員 きょうは原子力行政に問題をしぼって質問してまいります。 昭和四十一年の七月にわが国最初の商業用の原子炉が運転を開始して、ちょうど十年を迎えたわけであります。その間、数多くの原子炉が建設されました。なお今後ともに原子力に大きな期待を寄せておられるわけでありますが、この十年間で原子炉が何基建設されて、総出力は幾らになったか、まずこれから質問してまいりたいと思います。
○橋本説明員 現在稼働中の原子力発電設備は十一二基、六百六十万キロワットでございます。なお、建設中のものが十二基、一千五十万キロワッート、建設準備中のものが四基、三百七十万キロワットでございまして、こういったものが完成した段階では、二十八基、二千八十万キロワットになる予定でございます。
○松尾小委員 いまお答えでありますけれども、建設中のもの、これが千五十三万ですか。
○橋本説明員 千五十万でございます。
○松尾小委員 千五十万、十二基。安全審査に入っているもの、これが三百六十六万という私の計算になっておりますけれども、いかがですか。
○橋本説明員 切り上げて申し上げました。
○松尾小委員 運転中のものが六百六十万、十二基、それから建設中のものが一千五十三万、十二基、審査中のもの三百六十六万、四基、これで合計二千七十九万キロワットになるわけでありますが、いまお答えでありましたので一応その数字を了承しておきますけれども、現在運転中の十二基につきまして、その設備の利用率、これはどのように推移しておりますか。
○橋本説明員 四十八年度六七・三%、四十九年度五五・七%、五十年度四八・四%となっております。ただ、四十九年、五十年と稼働率が低くなってきておりますが、これの原因といたしましては、一昨年及び昨年、一部の原子力発電所におきまして、御承知かと思いますがドレスデン事故の通報がありまして、同じ型の炉を使っておるということで設備を停止いたしまして臨時点検をいたした、そのほか故障、トラブル等がございまして稼働率が下がったわけでございます。 趣旨といたしましては安全性の確保を第一にいたしました結果でございますが、昨年末までに大体これらの故障、トラブルにつきましても必要な措置が終了いたしましたので、ことしの四月以降について申し上げますと、四月が七〇・九%、五月が七七・六%、六月が七一%、大体七〇%程度に利用率は戻ってきておるのが現状でございます。
○松尾小委員 総点検もやった。これはアメリカの方の事故がありまして、同じ型を入れている日本でもどのような不測の災害が起こるかもわからぬというので急遽政府としてもやったわけでありますけれども、そういうことを入れても五〇%を割っておるということについては、大きな反省がなされたものと思います。そして、いろいろそのような臨時の点検も終わった、それからいろいろの故障修繕もいたしましたというので、やや繰業率が上がってきたとおっしゃるけれども、やはりアメリカも同じく繰業率がだんだん落ちてきておる。最初の能力、出力というものと現実の出力というものに相当の違いがあるということはよくよく反省されまして、今後ともにこのような事故のないように——というのは、五〇%を割っているということは遊んでいる期間が非常に多い。そうすると、お金も要るけれども電力料金も大きな高いものになる。きょうは電力料金をあえて聞きませんけれども、原子力発電によるコストと現在の他の発電のコストというものは、過去に安い安いと計算されたものよりも相当大きく変わってきておるのではなかろうか。ウランの値段も急激に上がっている。そういうところで、コスト的に言えば、一言で現在の電力料金と原子力による料金というものとはどうですか、大まかに言ってどのようになっておりますか。
○橋本説明員 現在、重油専焼火力に対して、キロワットアワー当たり大体二分の一ぐらいではなかろうかと見ております。ただいま御指摘のように、将来ウランの価格あるいは濃縮、加工の費用あるいは建設資金、こういったものが大幅に上がっていくということも予測されるわけでございますが、そういった時点におきましてもなおいろいろな試算がございますので、数字を挙げることはむしろミスリードすることになるかと思います。そういった時点におきましても、やはり原子力発電のキロワットアワーコストの方がかなり安いという計算結果を得ておるわけでございます。
○松尾小委員 かなり安い、こういう答えでありますので、一応それを信頼いたしますけれども、なぜ安いかといえば、いろいろやらなければならないことをやらないでおる。安上がりに発電だけ一生懸命やっておいて、そして付属施設という一番大事な、便所がないとかなんとか言われるわけでありますけれども、下水処理だとか排水処理だとか便所とかいうものをつくっていないアパートか団地みたいなものでありますから、安いのがあたりまえ。これは本格的につくっていかれましたら、安い安いという認識はいまから改めていきませんと、電力料金の比較におきましては、近い将来これは現在のバランスを大きく破っていくものであろう、また破っていかなければならない、私はこのように思います。 それからなお、今後ともに原子力発電の大きな開発目標があるわけでありますけれども、当初、六十年に六千万キロワット、これが昨年八月に見直しがされまして、四千九百万キロワットに下方修正がされた。その下方修正された四千九百万キロワットさえも、立地問題、安全問題、また建設が長期にわたるといういろいろの問題から、遅々として進展はしておりません。それで結局この四千九百万キロワットという、あなたの方の修正されたこの目標値の達成も困難であろう。電力業界はあなたの方にいろいろの意思表示をしておると思いますけれども、そういう点の見通しはいかがですか。
○橋本説明員 昨年八月の総合エネルギー調査会の答申で、御指摘のように昭和六十年における原子力発電規模を四千九百万キロワットと想定いたしておるわけでございますが、このうち、先ほどお答えいたしましたように、すでに稼働中のもの、建設中のもの、それから建設準備中のもの、これを合わせまして約二千百万キロワットになる、ここまではいまのところまずまず実現見通しについてはかなり濃度を高く考えていいのじゃなかろうかと思いますが、この差の二千八百万キロワットを今後十年間に建設しなければならないということは、御指摘のとおり立地上の問題あるいは安全対策の観点等からいたしまして、必ずしも容易なものではないという気持ちは持っております。ただ、基礎エネルギーの安定供給という立場からいたしましても、この目標達成のために環境保全だとか安全対策だとか、あるいは住民の信頼を得る方向でいろいろの努力を並行して、この開発目標規模を達成するように努力いたしたい、かように考えております。
○松尾小委員 なかなか困難のようでもあるが、努力して達成していきたい。電力業界自体は自分の方ではできない、やはり六十年で四千九百万キロワットは三千五百万キロワットぐらいがぎりぎりだというような意見も出されておりますし、私はこれは業界の指摘の方が実情に沿っておるのじゃないか、こう思います。 さらに、通産省では、五月の末に総合エネルギー調査会の原子力部会に二〇〇〇年を目途にした超長期の原子力発電の開発目標、それから核燃料サイクルの確立などについて諮問しておられますけれども、その諮問のねらいは何ですか。
○橋本説明員 核燃料サイクルにつきましては、先ほど先生も御指摘になりましたように便所のない座敷ということで、私たちといたしましても原子力発電というものがエネルギーの中で非常に重要なウエートを占めておるというところで推進の立場にあるわけでございますが、先ほど申し上げたように、現在すでに六百六十万キロワット、将来のことを考えまして四千九百万キロワットというところまでの発電規模に達してまいりますと、鉱石から濃縮、加工、再処理あるいは廃棄物の処理といった燃料サイクルについて整合性のとれたものに持っていく必要があろう、しかもそれを事業として確立していく段階にきているのじゃなかろうか、こういった核燃料サイクルを打ち立てていくためには、多額の資金と長い月日を必要とするわけでございますので、いまの段階からこういった核燃料サイクルのいろいろな問題点について検討していただきたい、そういう趣旨でございまして、一言で申し上げますと、整合性のある燃料サイクルの上に原子力発電体制というものを考えていきたい、こういうことでございます。
○松尾小委員 問題点はちょっと残しますけれども、この原子力の発電はほかのものと違いまして目に見えない、そしてまた影響力は非常に大きい、大きい危険性というものを潜在的に持っておるわけでありますね。小さな故障でありましても故障は事故につながる、こういうことであります。見逃すことはできないわけであります。 それで、二〇〇〇年に向けてのビジョンを持つということについては、原子力発電の必要性は全く否定するものではない。しかし、エネルギーの単なる需給、年々これだけふえていく、これだけ経済成長がある、それでこれだけ電力消費がふえていくであろうというような計算から、エネルギー需給の面からの必要性から原子力発電が簡単に、これだけだ、これだけだというものが、年次的に六十年でどうだ、二〇〇〇年のビジョンでどうだといろいろ考えられていく。先ほどちょっと指摘しましたけれども、どちらかというといろいろやらなければいけないことをやっていないで、そしてただ電力の必要量を満たしていこうということを非常に端的に志向されておる。拙速である。何としてもまず安全性というものと効率運転の確立、環境の保全、この点が最大に配慮されるべき問題であると私は思うのでありますけれども、一言、いま二〇〇〇年のビジョンに向かってのお答えがありましたが、この点をもう一回はっきりと聞いておきたいと思うのです。
○橋本説明員 何事につけましても、安全性の確保、それから環境の保全ということは非常に大切でございますが、特に原子力につきましてはそういった観点を第一の問題点として考えなければいけないかと思います。 ただ、ここで一つ申し上げておきたいのは、いわゆる軽水型発電原子炉につきましては、世界におきましてすでに昨年の十二月末で約五千八百四十八万キロワット、これは全原子力に対して八割ぐらいになるわけでございます。それから建設中、計画中のものを合計いたしますと約四億二千四百万キロワットという数字になるわけでございまして、このように、ある意味で国際的にも商業用として認められてきておるということは申し上げられるかと思います。ただ、冒頭に申し上げましたように、安全の確保、環境の保全ということはゆるがせにできませんので、今後とも安全対策、環境対策の一層の強化、稼働率の向上など信頼性対策の推進、核燃料サイクルの確立、関係者の理解と協力、立地周辺地域の福祉向上対策等をあわせて進めながら、この原子力発電を考えてまいりたいと思っております。
○松尾小委員 いま安全性の問題についてのお答えがありましたけれども、原子力の安全性に疑問だと米国の技術者が辞職しておる。これはゼネラル・エレクトリック、そしてNRC、米国原子力管理委員会の技術者が相次いで辞職しておる。古い問題じゃないのです。その理由は、「原子力の安全性に自信が持てなくなった」、それから一人は「これ以上、いまの職場で仕事を続けることはどうしても良心が許さない」、もう一人は「安全性には重大な疑問があり、本来なら直ちに操業を取りやめるべきところだが、自分にはその力がない。辞めることにより、」——共通でありますけれども、「こうした事実を世間の明るみに出したい」、このようなことでありまして、そうしてアメリカにおける原子力規制の方向へこういう人たちはいま力を注いでいるわけであります。 でありますから、このような安全性を非常に強調されて、そして大事に考えるというならば、政府はどのようなお考えがあるか、具体的な対策というものがあればお示し願いたい。
○武田説明員 お答え申し上げます。 先生のおっしゃいましたように、安全性の確保は大変大切なことでございます。それで、アメリカからの導入技術でスタートしているということも事実でございますが、アメリカからの導入技術から日本の自主技術というような方向で日本における技術の確立に努めていきたいと考えております。 それで、今後原子力の安全につきましての、従来からもやっておりますけれども、審査、検査等の充実に努めますことももちろんでございますが、安全性の実証試験というようなものも行いまして、さらに安全性の確保に万全を期していくということが私どもの考え方でございまして、そういう安全性の確保、先ほど出ました環境の確保もそうでございますが、それをベースに置きまして、その上で必要なエネルギーの確保、 エネルギー源の多様化というような意味での原子力を進めてまいりたいというふうに考えております。
○松尾小委員 ある面でのお答えがありましたけれども、基本的には責任体制というものを一貫して政府の方で持つ。現在の原子力委員会というようなものの改組の問題もございます。そして、この安全を中心とした一つの委員会。開発という責任も委員会に負わせられておるので、開発という面に走りがちである。どっちかというと政府の諮問機関みたいなものでありますから、政府がこれだけやる、やりたいと言えば、その開発目標に向かって委員会としての答えが出る。そういうことでなくて、やはり強力なる独立した権限を持たした安全審査のための一貫したそういう委員会というものをつくるべきであろう、このように意見も出ておりますが、この点に対しての長官の御意見はいかがですか。
○橋本説明員 ただいま先生の御指摘の問題は、有沢先生が座長をなさっておられる原子力行政懇談会の答申に関連しての御趣旨かと思います。ただいま御指摘のように、あの答申の骨子は二つございまして、一つは、原子力委員会を二つに分けて、基本的な委員会と安全のための委員会。いま一つは、行政官庁における所管区分をはっきりさす。いずれにいたしましても責任体制を明確化する、一貫化するという趣旨で貫かれておるのが答申の骨子ではなかろうかと思います。 この問題につきましては、われわれ関係各省庁でその答申をどのように現実のものとして生かしていくかということにつきまして現在検討を重ねておる段階でございます。
○松尾小委員 話は飛びますけれども、原子力船「むつ」の調査の結果が出ておりますけれども、いろいろ指摘されております。ここにその指摘されたものがございますけれども、これは時間の関係上あえて申し上げませんが、開発は開発、そしてどこに本当に安全性に対する責任があるのかということになると、どこにもない。ですから、あっちに問題を譲り、こちらに問題を転嫁して、そして本当に自分たちがそこでやるべきことが足らなかったとかいう反省もなされていないので、それがこの調査によって指摘されておるわけであります。 やはりいろいろ機構をいじるということは、単にいじってはいけないのでありまして、安全という問題を中心にその責任の帰属というものをはっきりさせていく、そして政府にどんどんと強力なる意見を出させてそれを取り上げて、そしてそれを公にして、これだけ安全だ、これはこうなんだ一ということが納得できれば、現在この発電所の建設がおくれておる、地元の反対というものも、年がら年じゅうどこかで事故が起こっておる、そして一時は操業率も五〇%を割った、そして故障故障というけれども、大きな事故につながる要素がある、そういうものがすべて地元の人々には納得できない。 そして、公聴会を開けば、安全だから、または必要だからどうしてもつくるのだという一方的な結論が初めから出ておりまして、形式的な時間かせぎの許可を与えるための公聴会にしかすぎない。そういう点も非常に原子力発電所の建設というものをおくらしておる大きな原因になっております。そういうところを打破しなければ、六千万キロワット、やがて一億二千万、一億三千万キロワットというあなたたちの計画というものはちゃんとありますが、そういうものが非常に国民の間に常に摩擦を呼んで、不安を起こして、そして反対運動につながっていっておる、この現状から大きく反省していかなければいけないと思うのですよ。 ですから、いまお答えがありましたけれども、形式的なことじゃなくて、日本のこの資源エネルギー問題を解決する立場にあるあなたでありますから、新しい皮には新しい酒を入れなければならない。古いものを本当に一新されまして、おれの代になってこのように変わったのだ、また変えていくのだという決意がなくちゃいけないと私は思うのですが、いかがですか。
○橋本説明員 まさに御指摘のとおり、原子力発電を考える場合に、安全性の確保と環境の保全ということをどうしても等閑視するわけにまいらないと思います。御承知のように、せんだってのオイル危機以降、石油自体について安定供給ということが必ずしも楽観を許されないような事情になってきております。そういった意味から、エネルギーの安定確保という観点も非常に重要でございます。 特に原子力につきましては、詳細は省略さしていただきますが、非常に少量のものから大量のエネルギーを産出できる、あるいは炉に装荷いたしまして一年ないし一年半作動しておるといった点から備蓄性が高い、あるいは先ほども触れましたように、コスト的にも安いといったような非常にメリットもございます。メリットもございますので、これを何とか推進していかなくちゃいけないという立場でもありますが、かといって、安全性あるいは環境の保全ということについてゆるがせにすることはできない。実態的にそういった安全性確保のための諸般の調査なり研究なりを進めると同時に、またこれを国民によく理解、納得していただきまして、そういった国民的コンセンサスの上に立って原子力発電政策というものを進めていくべきであると考えておるわけでございます。
○松尾小委員 まだコストが非常に安いという点に長官はメリットを置いておられるようでありますけれども、では次に問題を移しまして、現在非常に問題となっておりますところの核燃料の再処理の問題でございます。 現在動燃事業団で建設しております再処理工場、この処理能力は年間二百十トン、五十二年に運転開始のようでありますけれども、衆議院の調査団が参りましても、事故が非常に続々出ておることはわかっております。二百十トンというこの能力でございますけれども、これはいつまでの需要に対して賄う、また応ずることができる能力でありますか。
○橋本説明員 使用済み燃料の発生量は、昭和五十年度に九十トン、五十五年度に三百四十トン、六十年度に七百トン程度になるというふうに総合エネルギー調査会の中間答申で予測されておるわけでございます。これに対しまして、現在わが国といたしましては、ただいま御指摘の動燃事業団の再処理工場のほかに、イギリス、フランス等に対する海外委託を主としてやっておるわけでございまして、これらの線で大体昭和五十八年ごろまでは国内で発生する使用済み燃料の処理ができるものというふうに考えておるわけでございます。
○松尾小委員 何かよくわかりませんでしたけれども、現在は核燃料の再処理というものは全く海外に依存でありますね。日本でできても、うまくいって二百十トンが五十二年ですね。そして、海外に依存する、こうおっしゃいますけれども、世界の商業用の再処理工場、これは天然ウラン系の再処理がイギリス、フランスで操業中である。濃縮ウラン系の再処理はイギリスのみ。ただし、現在、一九七三年事故以来ストップ中。これはその後どうなったか、私、調査はそこまで及んでいませんから、ストップ中である、このように申し上げますが、わが国もこの濃縮ウラン系でありますが、これは五十二年をめどにいまテスト中。事故が相次いでおる。能力も年間二百十トン。 それを五十五年には、いまおっしゃったように、ぼくのところは三百二十トンですが、三百四十トンというお答えがありましたね。そういうことでありまして、明らかにこれは現在は工場がない。できても、出てくるものよりも処理する力がない。そしてよそにお願いしょうと思うけれども、濃縮ウラン系の再処理はイギリスのみだ。これは七三年事故以来ストップ中である。これは増設しなくちゃいけないとか、イギリスでもこういうものをつくっちゃ困るという世論の反対も起きておるし、日本に建設する金を出せとかという、そのような報道も載っておるわけでありますけれども、よそをそのように全面的に当てにしておいて、そして大丈夫だというようなお答えがいまあったと思うのでありますけれども、本当に大丈夫ですか。
○橋本説明員 イギリスのプラントは現在時点でまだ停止中だそうでございます。 それから、世界的にまだ商業プラントは稼働に入っていないと申しますか、動いておらない段階でございますが、フランスでは間もなく、と申しても一九七七年、年間の能力として四百トン程度のプラントが稼働する予定だということのようでございます。それから、イギリスにつきましても新増設の計画を持っておる。日本につきましては、動燃事業団は第一工場が近く完成するわけでございますが、第二処理工場についてもやはり現在建設のための調査準備段階に入っておる、こういう現状でございます。
○松尾小委員 結局このように押し問答しておるとおりに、日本ではそのような核燃料の再処理というものがなされていない。しょうとしておるけれども、非常に規模が小さい。第二工場の建設についても、計画はあるけれども具体性が余りはっきりしていないということでありまして、これでは廃棄物がたまる一方であります。問題はやはり廃棄物というものをどのように処理するかということがきちっとなりませんと、安心できない。 そこで、廃棄物の処理でまず安心できないという点から聞きますけれども、原発から出る放射性廃棄物の処理、これは官民といいますか、政府対民間、そのような分担の体制ができておるかどうか。低レベルはどこでやるのか、高レベルの廃棄物はどこでやるのか、こういう点ははっきりしておりますか。
○橋本説明員 放射性廃棄物につきましては、先生御承知のように、発電所から出る低レベルの廃棄物と再処理工場から出る高レベルの廃棄物とがあるわけでございますが、初めの発電所から発生いたします低レベル放射性廃棄物につきましては、現在発電所の敷地内の固定廃棄物置き場に、ドラムかんに密封して厳重に保管しておるというのが現状でございます。発電所の敷地内におきましてもこの保管はかなり長期間にわたって可能であるわけでございますが、将来のことを考えまして、陸地処分あるいは海洋投棄等についても検討する必要があるのじゃなかろうかということでございまして、現在公益法人を設立して、その公益法人の設立と同時にいろいろな検討をするとともに、民間サイドをも指導してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 後の方の再処理工場から出てまいります高レベル放射性廃棄物につきましては、特に放射能が強い、また半減期が非常に長いといったようなところから、現在動燃事業団の第一工場から出る高レベル廃棄物につきましては、同事業団で責任を持って保管するということになっておりまして、どうもこの高レベルの放射性廃棄物については民間ベースでは現実問題として非常にむずかしいのではなかろうか、国もしくは事業団等において管理する、あるいはその管理の方法を考えていくということになろうかと思います。
○松尾小委員 低レベルは現在の原子力発電所から出るのだからそこでやろう、これは海洋投棄するか陸上で処理するかという問題はいま検討中であるという問題でありますけれども、どっちかというと海洋投棄の方にいま重点が移されておりまして、そしてそのような方法でやりたいということを一生懸命やっておるような感じがいたします。これは研究を非常に深くやらなくてはならない問題でございまして、いろいろ調査もされておると思いますけれども、なおこれは結論を出すことなく、陸上における処理というものを基本的に考えてやっていかなくてはいけない問題じゃなかろうか、私はこのように思います。 それから、もう一つはハイレベルの問題でございますけれども、これにはやはり力を十分入れて、こういうところに思い切った研究開発をする、そして世界でもまだまだ大きな開発ができておりませんから、自分の廃棄物をよそに頼むということではなくて、これだけ原子力というものをしっかりあなたたちがやっていこうとするならば、そこでできた廃棄物ぐらいは自前で処理するという心構えでいまから臨む必要があると思うのですけれども、考え方はいかがですか、低レベル、高レベルに分けて。
○橋本説明員 低レベルの廃棄物、高レベルの廃棄物等について、先生の御指摘の点、私たちこれから検討するに当たって参考にさせていただきたいと思います。
○松尾小委員 これは確立しなければいけない問題であります。もう検討ということでなくて、現在毎日毎日発生しているかすでありますから、または再生処理できる有効なる燃料でございますから、これは基本を早くお決めになりまして、そしてこの電力会社がやるべきものはどうしていくのだという結論を早く出す。電力会社でできないこの再処理というものはどこが責任を持ってどのようにしてやるのだというような点はもう研究されておると私は思います。いまお答えがありませんでしたけれども、十二分に研究しておる、そしてこのようにやっていきたいのだという計画があると私は思いますから、これは率直にここでお答え願いたい。
○橋本説明員 まず、低レベルの放射性廃棄物について申し上げますと、これは現在御指摘のように科学技術庁と共同でいろいろと研究をいたしておるわけでございますが、その検討の一環といたしまして、この秋に、まだ名称は仮称でございますが、原子力環境整備センターという公益法人、財団法人を設立いたしまして、放射性廃棄物の処理、処分の調査研究あるいは試験的事業、こういったものについての事業を行いたいと思っております。 それから、海洋投棄につきましては、この財団法人に委託いたしまして、試験投棄事業を行うよう準備を進めておるわけでございますが、その場合といえども環境に対する影響、投棄に際しての被曝防止等慎重な検討を要する事項も多うございますので、関係省庁間あるいは関係業界と綿密な連絡をとりながら作業を進めておるというのが現状でございます。 それから、いまも御指摘ございましたが、こういった低レベルの放射性廃棄物につきましては、海洋投棄のほかに陸上での処分あるいは工場敷地内での処分、こういった三つの方法を並行して検討してまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、高レベルの方は、先ほども申し上げましたように非常に放射能が強い、それから半減期間がきわめ獄長いということから、これはどうしてもやはり民間ベースではなじまない問題でございますので、国あるいは事業団が中心になってこの体制を整えていくという方向になろうかと思います。
○松尾小委員 方向はわかりますけれども、いずれにしても早くそういう方向なら方向を決めて、それで具体的に発足していくことが必要だろうと思うのです。 この核燃料サイクルにつきまして、価格とか料金というものを許可とか認可制にする立法措置というような問題が報道されておるわけでありますけれども、これはあなたの方でどのようにこういう問題を考えて、それでこのような報道というものが本当に真実であるかどうか、お答え願いたい。
○橋本説明員 報道されたとおりであるかどうかは別といたしまして、本件は非常に重要な問題でございますので、われわれ内部で事務的に法規制が必要であるかどうか、必要とあらばどういう体系でこれを実施したらいいかということの検討に入っておることは事実でございます。
○松尾小委員 これは検討をされていらっしゃる、大変結構だと思います。そして、この問題を本当に早目に解決するということが私は原子力発電の基本だと思うのですよ。 先ほどお話がございました安全性の問題、これをどのようにして責任を持ってやるかというのが一点。そして第二点は、核燃料サイクル、このハイレベルの問題に真剣に取り組んで、そして日本の技術陣を動員し、力を込めてやる。日本の政府のやることは原子力発電所をつくるということにいま重点がございますけれども、それは大きな問題を置き忘れておる。そして現状のように事故が起きておりまして、操業率も非常に低い。地域の人々に大きな不安を与えておる。 幾ら計画が一億二千万とか一億三千万キロワットと申しましても、これはてんで動かない計画である。それを本当に乗せようと思うならば、何としてもやらなくてはいけないことは、安全性の問題についてはこのようにやって皆さんに迷惑をかけません、絶対安全でございますと言えるだけのものをつくりなさい、それに力を入れなさいということ。そして、いままで非常に等閑視されておった核燃料サイクルの問題をこのようにしてやります、二百十トンが第二工場でこうなります、この問題には私は非常に大番な反対は起こらぬと思うのです。現在発電しておいて、そこから出るそういう廃棄物の処理もできないことについて問題があるのでありまして、それを処理するのだから納得してくださいということについては、私は大きな反対は起こらないと思うのですよ。 力を入れるべき問題は、繰り返し申しますけれども、安全性の問題と核燃料サイクルの問題、これをしっかり解決する方向に新しい長官としても大きく使命感に燃えてやってほしい。そして、これは民間レベルではハイレベルのものはだめだからと言うて、これは大きな事業であり、大きな金が伴っていくわけでありますけれども、そういうものを発電の原価計算に仮に入れるとすれば、非常に高い発電原価になるであろう。そういうものを処理ができないから、とりあえず何でもかんでも発電する、安いものでやる、高いものは控えておく、安全性の問題も控える。業界でできないならば、政府が安全性については全責任を持ってやりなさい、そして国民のコンセンサスを得なさい。そして、ハイレベルの問題についてはこうやると、自前でやって皆様方に安心してもらってやっていただきたい。 現在の軽水炉でやる発電は、濃縮ウランというものを非常にむだに使っておるわけであります。熱の効率からいきますれば〇・何%とか言われるものにすぎない。あわてて発電しておいて、つくったかすで困っておるというような問題、二百年も三百年も五百年も閉じ込めておかなくてはいけないというこのハイレベルの廃棄物の問題、こういう問題を真剣にお考えなさって解決されていくのが、私は新しい長官の最大の使命だと思う。ですから、発電発電と、発電力の充実に力を入れることではなくて、繰り返し申し上げました点に重点を置いてしっかりやっていかれるかどうか、一言、長官の決意を私は聞きたい。これは大臣の決意もあわせて聞くわけでありますが、あなたの決意さえはっきりしておれば、資源エネルギーの基本的な運営というものはそれに乗ってなされるものということを信頼しまして、私はあえて申し上げておるわけであります。いかがですか。
○橋本説明員 御指摘のとおり、ハイレベルの放射性廃棄物の処理を含む核燃料サイクルの確立ということが非常に大切だと思います。検討の過程におきまして、国でなすべきもの、民間でなすべきものの区分等も定かにいたしまして、定全性あるいは環境の保全という観点に立って、原子力発電行政というものを進めてまいりたいと思います。少なくともそういった安全性の問題について、後手に回らないような対策が大切であろうと考えております。そういった方向で努力いたしたいと思っております。
○松尾小委員 以上で質問を終わります。
○橋口小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十三分散会