商工委員会 第11号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/14
会議録
○稻村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、一般電気事業会社及び一般ガス事業会社の社債発行限度に関する特例法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近江巳記夫君。
○近江委員 この法案は十年間の特別措置ということにしておられるわけでありますが、十年間にした理由についてまずお伺いしたいと思います。
○増田政府委員 このたび、社債の限度枠を十年間、従来の限度枠の二倍に拡大するということで、これに関する特例法の御審議をいただいておるわけでございますが、十年の限時法にいたしました理由を簡単に御説明申し上げます。 〔委員長退席、前田(治)委員長代理着席〕 電気事業につきましては、今後十年間、特に需要の増加に見合う設備の増設に伴う資金需要が非常に大きくなること、また、電源の遠隔化に伴います送電線の整備に関する設備投資を含めまして、この十年間が非常に大きな資金需要ということになっておるわけでございます。また、ガス事業につきましても、LNG、液化天然ガスの導入に伴う設備の整備というものがございますし、また、需要増に対応するための導管網の新増設というものが、やはりいま申し上げました電気と同じような事情で、今後十年間に急増するということが予測されるわけでございます。 他方、資金調達面の方を見ますと、内部資金に関しましては、減価償却等の点におきまして、この内部資金の総工費に占めるウエートが低下いたしております。また、増資、借入金につきましても、市場の制約などから、同じく当面大幅な伸びが見込めないというような事情にあるわけでございます。 そのために、長期、安定的な資金源である社債の法定発行限度を今後十年間引き上げようというのが今回の趣旨でございます。そういう意味で、今後十年間の資金調達額というものを確保するために——これは社債の発行限度の拡大だけでは全部解決するわけではございませんが、社債発行限度の枠の拡大をいたしませんと、ただいま申し上げましたような今後十年間の資金の需要増というものが調達できないという点がございまして、特に今後の十年間、特例として従来の限度枠の二倍をお願いしている次第でございます。
○近江委員 今回、電気料金の引き上げ問題が出ておるわけでございますが、いずれも出ております四社につきましては、三〇%台という非常に大幅な引き上げを図ろうといたしておるわけでございます。これについては、経営の収支が悪化してきたとか、設備や電源開発等非常に資本費の高騰がある、あるいはまた金利、配当等の負担増、こういういろいろな理由を述べておるわけでございますが、社債発行枠を倍にしていくということになってまいりますと、当然それに対する利子というようなことがありまして、そういう先行きを見込んでの今回の値上げ申請、こういう状態で来ておると思うのであります。どこの電力会社を見ましても、前期に比べまして利益も非常に伸びておるわけでございますし、こういう中でこのように大幅な引き上げをするということは非常に問題があろうかと私は思うのです。 それで、この引き上げの基本的な姿勢についてでありますが、あのオイルショックのときに、大口の需要者である電力業界の説得に通産省が当たった。そういう点で、その見返りとして今後料金等もスムーズにやっていこうというような、そういう背景があったのではなかろうか、このように思うわけであります。さらに、こういう不況の中に突っ込みまして、この不況脱出としまして輸出を伸ばしていくとか、あるいは設備投資等も非常に低下しておりますので、これも引き上げたい、あるいは個人消費も拡大したい、政府の財政支出も高めていきたい、そういういろいろな不況脱出の対策もあったと思うのでありますが、その中で設備投資につきまして、政府として電力業界には非常に要請をしておる。ですから、当初の計画よりも八千億も上積みをしておる。こういうことで非常に借りがあるようにはたから見ておっても思うわけです。 当初、四社の料金引き上げの申請があったときに、上げざるを得ない、ただその幅と時期の問題であるという発言もあったわけですが、これはそういう背景から、根底的にも引き上げざるを得ないというような話になったのではないかと私は思うわけです。政府は、そういう業界の意向というものをのまざるを得ないようなそういう姿勢について、いまどういう反省をなさっておりますか。
○増田政府委員 四月の上旬に北海道電力、東北電力、北陸電力、九州電力、四社の値上げ申請がございました。これにつきまして現在査定中でございますが、ただいま近江先生の御指摘がありましたように、電力会社の料金につきまして、私どもは、電力会社が設備投資を進めるということ、あるいはC重油の購入価格の引き上げということで、それに対する見合いとして電力料金の申請を受け付ける、こういう筋合いのものではございません。 この四社につきましては現在査定中でございますから、どういう結論が出るか、この査定結果によって決まるわけでございますが、四社につきましては、原料費、つまり燃料費でございますが、燃料費及び資本費、その他の諸費用が上昇いたしまして、そのために五十一年度、五十二年度におきまして大幅な赤字が出る、つまり、総括原価と料金収入と比較いたしますとそこに大きな差が出て赤字になるということで、申請が出てきておるわけでございます。 先ほど先生から御指摘のありました、電力業界八千億の繰り上げ発注あるいは受注予約ということにつきまして、これは内容といたしましては電力料金とは今回は関係はないわけでございますが、ただ、経済の不況という中にありまして、電力業界が将来半年先あるいは一年先に必ず行う工事計画につきましては、その直前になって発注するということでなくて、その受注先の業界に対しましてできるだけ早目に受注予定を知らせるというのが、今回の仮発注あるいは発注予約ということでございます。これによりまして、電力の設備を納入いたします各業者、またそれのさらに下請になります各製造業者にとりましては、先の見通しが立つ、また、現在非常に暗い状況にあります景気状況に対しまして、一つの明るさと申しますか、めどが立つ、こういう趣旨で、近く発注が予定されているものについては、できるだけ早目に発注予約を行うということによりまして景気の回復の一助にしよう、こういう趣旨でございます。 以上申し上げましたように、この繰り上げ発注というものは電力料金の申請と直接には関係はございません。
○近江委員 直接関係がないということをいまおっしゃったわけですが、これだけの膨大な設備投資の状況、通産省の五十一年度設備投資計画を見てみますと、全体で七兆八百二十一億円、前年度比一一・九%増、そのうち電力の場合は二兆二千九百三十九億円と、前年度を四三%上回っておる。この全体に対しても三割強を占めているわけですね。そうなってまいりますと、こうしたいわゆる設備投資というものは、いろいろな形での膨大な借入金ということが大きな負担になってくるわけです。当然利子を払っていかなければならぬ、こういうことが非常に連動しておりまして、今回のそうした先を見越した値上げ申請というものが出ておる、このように思うわけです。 しかし、今後の電力の伸び、いろいろなものを見まして、これだけの膨大の設備投資また、特にそれはほとんど原発投資なんですね。最近の電力会社の建設というものは、もうほとんど原子力発電です。ところが、この原発自体非常に問題があるわけでありまして、特にアメリカ等におきましても、原発の問題というものは非常に大きな問題になってきております。特にこの六月八日には、カリフォルニアにおきまして大統領予備選挙の日と合わせて住民投票が行われようとしておる。もしも住民投票が勝ちますと、恐らくこれが全米各州に全部拡大するのではないか。そうなってきますと、実際上この原発の建設ということはできなくなる。また、これだけ問題が高まってきておるわけですから、日本等におきましても同じような状態になるのではないか。 こうした安全性や環境破壊というものにつきまして力を入れずに、ただこの建設、開発を促進していくという姿勢のもとに行われるこうした膨大な設備投資、この辺のチェックにつきまして、あなた方はこれは妥当であると思っておられるのですか。
○増田政府委員 今後の十年間の設備投資また今後の需要の予測ということにつきましては、私どもは昨年約一年間かけまして各種の予測を行いまして、今後の電力の需要というものが、大体十年間に年率にして六・三%増加するということを想定いたしております。 この数字というものが一見非常に大きいように出ておるわけでございますが、ただ、電力の需要につきましては、先生御高承のように、石油危機の始まります前、つまり昭和四十年から四十八年までは大体一一%前後という伸び率で需要が高まっておったわけでございます。今後当然経済の安定成長ということで、従来のような高度成長は望まれないわけでございますし、また、電力の需要につきましては、節約、省エネルギーということで、その需要が従来のように高まるとは私どもも考えておりませんが、この六・三%の需要増というものは相当かた目に見たものと私ども考えております。 この六・三%の需要を満たすために、今後の設備といたしましては、予備率その他を考えまして約七%の設備増加が年率で要る。それに必要な資金として四十七兆六千億という数字が計算されおけでございます。この中にはただいま御指摘になりました原子力も入っておりますが、それ以外にも水力あるいはLNGによります火力発電というものを含めまして、これらの建設を達成することによって、必要といたします電力の安定供給を確保いたしたい、こういうことでございます。 電力につきましてよく言われますように、ほかの物資と違いまして、これは貯蔵もできませんし、また、足りないからと言って輸入もできるものではございません。そういうことから言いまして、やはり需要に合いました供給というものを確保しなければならない、しかも、その電力の発電設備というものを建設するのには相当な期間がかかります。しかも膨大な資金がかかるということでございますが、今回の需要想定というものにつきましては、私どもとしては、年率六・三%というものはほぼ間違いない需要想定であるということで、決して過大なものとは思っておりません。
○近江委員 この電源開発の計画を見ますと、特に原子力につきましては昭和五十五年に全体の比率の一二%、六十年におきましては二五%、いまあなたはLNGの火力であるとかそういうことも入っておるとおっしゃっておりますが、大きくこの原発に傾斜しておるわけですね。 御承知のように、原発というのは最近は一基当たり二千億から三千億かかっておるわけです。こういうものが全部いわゆる電気料金の中に算入になってくるわけですよ。ですから、いまこの値上げの問題ということは、結局そういうような原子力開発というものをそれだけの急ピッチで進めていく、それは全部利用者負担にかかってきておるわけです。そこに私は、現在の安全性なり、環境汚染、あるいは再処理の問題、廃棄物の問題、そういうことをやってないとは言いませんけれども、非常に力の入れ方が弱い。そういう中で推進推進とやっていく、そういう姿勢。そういう中でこうした電源開発というものが組み込まれておる、これは非常に問題だということを私は言っておるわけですよ。 それで昨日はまた関西電力が、値上げの意向を副社長が表明しておられるわけですが、大体二九%ぐらいじゃないかということをおっしゃっておられるようでございます。現在申請が出ております四社ほとんどそうでありますが、関電の場合も、いろいろと調べてみますと、経理内容自体は何もそんなに悪くはないわけですね。そういう中でそうした引き上げを図ってくる。特に関電等を見てみますと、四十八年の九月二十九日に二二・二三%、四十九年六月一日に四六・四三%、それぞれ引き上げておるわけです。ですから、今回のそうした引き上げの申請が出てきますと、この三回引き上げで、その改定率というものは、四十八年九月二十八日以前に比べまして二二〇%から二三〇%、倍以上になってくるわけですね。こういう非常に異常なものになってくるわけです。 これは現在出しております四社も同じでありますが、この九月期の決算等を見ますと、前期に比しまして、売上高で一一・二%、経常利益で三六・三%、税引きの純利益で四〇・一%、配当率も一%引き上げて九%、配当性向も七二・一%と、非常に好調ですね。月間千数百件のそうした中小企業の倒産。各企業も非常に苦しいわけです。そういう中で、ほかの各社も上げるから上げてくる。これはどこの電力会社の経理を見ても、そうした配当もちゃんとしておりますし、内部留保も非常に高めてきておる。 そういう中で、いままた卸売物価も上昇の連続ですよ。政府が幾ら八%に抑えると言っても、これだけ公共料金の引き上げがどんどん政府みずからの手で行われようとしておるわけですね。それの国民生活への影響ということを考えたときに、将来五十一年、五十二年、またそれ以降、ただそういう見込みだけでそうした引き上げを認めていく。これは国民としては、こういう経理内容等を見ておりますと、そんな地域独占の企業がそういうように料金を引き上げてくる、これに対してはだれも納得しませんよ。われわれにもっと理解できる資料等も出せ。それぞれの消費者団体に対して、また国会でもそうですか、経理だって何も公開しないじゃないですか。本当ならそういう地域独占の公益事業でありますから、これは当然経理公開だってやるのが本当ですよ。こんなかっこうでは、だれも納得できませんよ。 基本姿勢としては、私がさきに指摘しましたように、政府としてはもう引き上げざるを得ない。ただ幅と時期の問題である。こんな大幅なことをぼんぼん認めていったらどうなりますか。またガスが同じように来ますよ。そういう経理内容につきまして国民は納得できません。経理公開をするべきですよ。それについてはどう思いますか。
○増田政府委員 電力料金が値上がりすることは、ただいま先生からもお話がございましたように、これは家計にも非常に大きく響く問題でございますし、また、現在非常に苦しい状況にあります産業界、特に電力多消費産業につきましては、場合によっては致命的打撃を与えるというおそれもあるような内容でございます。そういう状況というものを私どもは十分踏まえまして、電力料金の問題には対処していきたいというふうに考えております。 現在四社が申請しておりますが、この内容が果たして正しいものであるかということにつきまして、厳しい態度で現在厳正な査定作業に入っておるわけでございます。ただいま先生がおっしゃられましたように、電力料金という問題は、電力は地域的に独占されておるものでございまして、それが高いからと言っては、かの電気を買うわけにはいきません。そういう意味から、この電力料金の重要性というものを十分踏まえながら、果たして値上げが適当であるかどうかということにつきまして、先ほど申し上げましたように、厳しい態度で査定作業をいたしておる次第でございます。 それから、この料金の値上げの理由の問題につきまして、これは私どもが電力料金の査定をいたしまして、値上げもやむを得ないという場合には、十分に値上げの理由を需要者の方々に御納得いただけるようにできるだけの説明をするつもりでございますし、また、現在申請されております申請書の内容、それから各種の経理の内容については、できるだけ会社側にもこれを公開させるようにいたしております。
○近江委員 理由はいろいろ挙げておりますが、たとえば燃料費の高騰、こうしたことも値上げの理由の中に入ってきておるわけですが、たとえば北電の場合、基準単価の二二%アップ、あるいは中東原油の一〇%値上げ、石油標準額の設定によるC重油一一%の上昇等を理由として言っております。前回の改定で為替レートが一ドル二百八十円で査定されて、その後三百円、この円安になったことによります為替差損、いろいろなことを言っておるわけです。 ところが、こうした燃料の値上がりに対して、各電力会社がどういうように対処したのか、この中身は全然わかりませんよ。国民はだれもわからないのです、一体何ぼで買っておるのか。また、どれだけの先ほど申し上げた差損を免れることができたか、こうした報告といいますか、そういうことは当然出すべきですよ。また、その努力をした、そのためには燃料の購入先、購入価格、購入ルート、商社マージン、あるいは燃料の先買い、備蓄量等を明らかにすべきだ、こう思うのですね。こういうことは全然わからないですよ。こういう資料を出しますか、どうですか。
○大永政府委員 燃料費の推移につきましては、石炭、重油、原油等につきまして平均的な価格の推移の資料はお出しできます。
○近江委員 平均的なものを出してもらってもしようがないわけですよ。各社別に、とりあえずいま四社出しておるわけですから、あとまた関電がやると言っておるのですから、それを出しなさい。どうですか、その点は。
○大永政府委員 会社別にお出しいたします。
○近江委員 こういう電力料金の引き上げという問題は、特に家庭を直撃するわけですが、また各産業にも非常にいろいろ影響が出てこようかと思うのです。特にアルミ等は非常に電力を使うわけです。さらに便乗値上げということがあるわけですね。電力が上がったから引き上げざるを得ない、それを一つ一つこれはまたどれだけの影響があるのか検討していかなければならぬわけですが、しかし、常に便乗で何倍かのそういう要因をかぶせて引き上げを図ってくる。そういう波及を考えますと、これは大変な問題になると思うのです。 鉄鋼なんかは、今度また引き上げをやる、こういうようなことを言っているのですね。六、七月の出荷分からトン当り平均七千八百円、一〇%の値上げを実施する方針を固めておる。鉄鋼だってやはり電力を使うわけですよね。そういうことを敏感に反映してこういうことを言っておるのか。この鉄鋼の引き上げの問題については大臣はどう思うのですか。特に鉄や電力なんというものは、全く産業の米ですよ。こういう基礎資材が高騰してきたら一体どうなるのかということです。こんなに安易に各業界が次から次へと引き上げを図ってくる。この鉄鋼の引き上げについて、大臣はどう思うのですか、通産相として。
○河本国務大臣 電力であるとか鉄鋼などは、物価に非常に大きな影響がございます。特に電力の場合は、産業に直接大きな影響が出るだけではなく、国民生活にも非常に大きな影響がございます。そういう意味で、あくまでこれは慎重に取り扱ってきたわけでございますが、昨年の前半は比較的経営が悪い状態ではなかったのですけれども、下半期になりましてから急速に悪化をしたわけでございます。そこで、現状では配当もできなくなる、こういう状態でございますので、先般四社の申請を受け付けまして、電気事業法に基づきましていま厳重な査定をしておるところでございます。御案内のように、能率的な運営のもとに適正な利潤と適正なコストを算定して計算をするということになっておりますので、果たして能率的な会社経営が行われておるかどうか、こういうことを十分調べますと同時に、コスト等の計算につきましても、いまシビアな見地に立ちまして査定中でございます。 なお、鉄鋼につきましても最近は値上げの動きが出ておりますが、これは業界同士の話し合いに原則として任せる、ただし、その値上げが余りにも大きくなりまして経済全体に悪影響を及ぼす、こういう場合には、政府は行政指導をいたしまして、十分その間の調整をするつもりでございますが、そこそこの妥当な線であれば介入をしない、こういう考え方に立っております。 鉄鋼の状態を若干申し上げますと、現在の日本の価格水準は、欧米の鉄鋼の価格水準に比べまして大体二割前後安い水準にございます。しかも、鉄鋼会社は、昨年の値上げにもかかわりませず、この三月期は一社の例外を除きまして非常に苦しい決算をいたしまして、過去の蓄積を吐き出しましてそれによって一応体制を整える、こういう状態でございます。ある鉄鋼会社のごときは、千九百億円にわたる思い切った経営の合理化、経費の節減をいたしまして、そうしてなお千億近い実質上の赤字が出る、それを過去の蓄積によって表面糊塗する、こういう実情になっております。そういうことがあります上に、最近の海外における原材料高、こういう状態が加わってきておりますので、若干の価格調整は万やむを得ないのではないか、かように考えておるわけでございますが、繰り返して申し上げますが、電力も鉄鋼も大きな影響がございますので、その動向につきましては十分注意をして見守っておるところでございます。
○近江委員 この鉄鋼の場合、電力ももちろんそうでありますが、四十九年の六月以来二年足らずで、一昨年はトン当り七千九百円、昨年九月には六千八百円、ことし初めに三千円と、この三回の値上げ総額は一万七千七百円に達しているのですね。今回値上げをまた表明しているわけですが、新日鉄や川崎製鉄の首脳は、一万円以上にはならない、こういうように言っているわけです。そうすると、それに近いような線ということになってくるわけですね。この高炉五社は大口需要家に対して、六月、七月の出荷分からトン当り平均七千八百円、これを需要家と交渉するというようなことでありますが、実際業界のそうした問題に対して、いま大臣もおっしゃったように、電力、鉄なんというものは一番の基幹産業ですが、こんな相次ぐ引き上げの状態を、ただ業界同士の話し合いに任しておくのだと、こんな大幅な値上げを任しておいて平然として見ておる。 御承知のように、新日鉄をトップにしまして、全くそうした管理価格といいますか、寡占体制というものができ上がっておるのが鉄鋼業界ですよ。これだけの国民生活に重大な波及をする引き上げについて、そういう態度でいいのですか。鉄鋼だって、これだけの大影響のある業界です。われわれは常に経理も公開せよということも言っておりますけれども、もっと政府自身、国民生活を守るという立場に立って厳しい対処をすべきじゃないですか。ただ業界のそれだけ見ておる。なぜそんなに値上げをしなければならないかということについて徹底した追及をすべきですよ。こんな大幅な値上げをしたら、国民生活はどうなりますか。どうですか。
○河本国務大臣 決して軽視をしておるわけではございません。特に鉄鋼などは基礎物資中の基礎物資でございますから、影響するところがきわめて大きなものがあります。でありますから、非常に大きな関心を持ってその動向を見守っておるところでございます。 そこで、繰り返して恐縮でありますけれども、国際的な動きを見ますと、先ほどもちょっと申し上げましたが、大体国際水準に比べまして日本の鉄鋼価格は約二割安いという状態でございますが、そこへ最近はヨーロッパ、アメリカとも相当な値上げがございましたので、現在は三割近い価格の差があるのではないかと私は思います。世界全体がそういうふうな価格水準の修正という動きをしておるわけでございます。もちろん今度若干の値上げはあろうかと思いますが、なお依然として国際的には相当低い水準にある、こういうことは言えると私は思うのです。 でありますから、余りにも大きな値上げになりまして国民経済全体に悪影響が出てくるということになりますと、これは政府も黙っておるわけにはいきません。やはりいろいろ意見を申し述べるつもりでございますが、まあまあそこそこの値上で、しかも業者間で話し合いがつく、こういう場合には、鉄鋼業界と需要家、消費者側の話し合いに任せておこう、こういう考え方でございますが、いずれにいたしましてもその動向には非常に大きな関心を払っておる、こういうことでございます。
○近江委員 では、まあまあそこそこの値上げというのは、通産省としてはどのくらいの線を見ておるのですか。どのくらいの線をオーバーすればそうした行政的な指導といいますか、介入していくのですか。
○河本国務大臣 これはまだ具体的には決めておりませんけれども、われわれが特に希望をいたしておりますことは、鉄鋼は、現在の生産水準でいけば当然大幅な赤字だろうと思うのです。なぜかといいますと、昭和四十八年に一億二千万トンの生産水準をずっと維持しておったわけです。四十九年におきましても一億一千七百万トン、こういう水準でございましたが、昨年は一億二百万トンという水準に急低下をいたしております。しかも年初の水準と年の後半の水準は非常に大きな生産の違いがございまして、第三・四半期、第四・四半期のごときは一億トンを相当大幅に割り込んでおった、こういう状態でございます。 しかし、幸いに貿易の状態もよくなりましたし、国内の方も需要がふえておりますので、私どもは、ことしの後半あるいは第三・四半期、第四・四半期には年率に直しまして一億二千万トン前後の生産水準になるのではないか、現在は一億トンをちょっと超えたところでありますが、それぐらいになるのではないかと思うわけです。一億トンの生産と一億二千万トンの生産ということではコストが非常に違ってくるわけですね。でありますから、鉄鋼業界におかれましても、現在の生産水準を基礎にしてコスト計算をするのではなくして、私は、ことしの後半の生産のおおよその見通しを立てまして、それを基礎にしての原価計算をしてもらいたい、そうすれば相当安くなるのではないか、そんな大きなことにはならぬのじゃないか、こういうふうに理解をしておりますが、現在のところ、具体的な金額までまだ計算をいたしておりません。
○近江委員 御承知のように、今年の春闘は一けたですね。実質賃金というのは下がっているわけですよ。そういう中で、こういう電力、鉄鋼を初め、公共料金はばんばん引き上がっていく。それの波及なんというのは大変なものですよ。国民生活はどうなるか。通産省は常に業界の立場に立って、業界には非常に理解の姿勢を示すわけですよ。もっと国民生活に理解を示して、そうして徹底したぎりぎりの厳しい追及をしていかなければいけない。余りにも姿勢として安易な感じが私はするわけです。こういう状態が続いたら、国民は本当に許しませんよ。 電力料金でも、早ければ今月末認可、あるいは増田長官は来月初めにも認可したいというような意向をおっしゃっているわけですが、電力会社の経理自身、先ほど私が一社の例を申し上げましたように、そこまで窮迫していないわけですよ。五十一年、五十二年、設備投資に膨大なものをかけている。今回出ておりますこの法案で、社債の発行額を倍にしていく、こうなってきたら、利子がまた倍になるわけですよ。そういうことを見込んで、これだけの値上げを、いま認可の方向に動いておられるわけです。われわれとしては徹底してこれに反対でありますが、この値上げの時期等についても大幅におくらせるとか、さらにずらす、幅も大幅に圧縮させる、こういう努力、決意というものが通産省に必要なのと違いますか。 あなたがおっしゃっているように、来月上旬にはこれはもう認可するのですか。時期をずらすとか、さらに幅を大幅に圧縮するとか、真剣に——もう査定にもかなり時間をかけておられるが、どういう感触を持っておられるのですか。 〔前田(治)委員長代理退席、委員長着席〕
○増田政府委員 電力料金の値上げにつきまして四社の申請が出ておるわけでございますが、ただいまの新聞の記事は、当委員会で御質問がありまして、現在どういうように作業をしておるかということでございましたので、それに関しまして発言いたしましたものがああいう記事になったわけでございます。ただ、これは、いつ認可をするとか、またその値上げがいいとか悪いとか、現在査定中でございますので、六月上旬に認可するというのは私は実態に合ってないと思っております。 ただ、この前当委員会でお答えいたしましたのは、五月の十四、十五日の北海道の公聴会が終わりまして、その後、従来の公聴会の意見というものを十分入れて、そして最終的ないろいろな査定に入ります、すでに四社からのヒアリング、聞き取り及び特別監査は終わっておりますということを御報告申し上げ、また、今後の手順といたしましては、経済企画庁と相談し、物価安定対策会議、あるいは最終的な結論というものは物価対策閣僚会議に諮ります、そういう手順ということから言えば、まあ六月上旬ごろには一応の結論が出る、こういうことでございますということを申し上げたわけです。決して私どもの方はぜひとも早く認可したいということではございませんで、やはり現在はその内容を調べて、この値上げが正しいかどうかというものを審査中でございます。 電力料金につきましての計算は、これは今後の総括原価というものが幾らであり、それから料金収入が幾らであって、その差額がどれくらいになる、その差額があった場合にそれに伴って料金の引き上げということになるわけでございますが、そういうことになりますと、もし査定の結果マイナスが出るということでありますと、五十一年度の当初、つまり四月一日からの総括原価と料金との比較でございますので、この認可がおくれますと、その赤字を埋めるためにはどうしても値上げ幅が大きくなるという問題もございます。そういうことで、時期についても慎重に検討いたしたい、こういうふうに思っております。
○近江委員 電力需要を見てみますと、この三カ月連続で伸びているわけですね。四月は前年比一一・二%伸びておる。収益も相当上がってきておるわけですよ。しかも、前回の引き上げの場合は、オイルショックという背景もあったことかと思いますが、認可に至るまでの期間が非常に短かった。一カ月ぐらいじゃなかったかと思いますが、今度だって、もしも六月上旬ということであれば、これは非常に早いですよ。国民生活に与える影響をそれだけ慎重にお考えになっているのだったら、これは余りにも早過ぎますよ。だから、結論が大体そういうところに来るということをおっしゃっていますが、どんどんとそのように収益が上がってきておるわけです。需要が上がってきておるわけですから、状態も変わってきておる。これはもっと慎重にやるべきですよ。実際にその認可をする段階というものは、もっと時期をおくらせ、幅ももっともっと圧縮すべきです。六月上旬とおっしゃったこと、撤回しますか。
○増田政府委員 六月上旬に認可するという内容につきましては、これは先ほどるる御説明いたしましたように、作業をこういう手順で進めておりますという内容だけでございまして、認可につきましての時期その他、これは慎重に考えていきたいと思います。
○近江委員 私の同じ質問に対して、大臣からお答えいただきたいと思います。
○河本国務大臣 作業のいまの進行状態及びこれからの手順につきまして、長官が詳細御報告をいたしまして、なお、それについての取り扱いについても長官が慎重にいろいろな手順を経て行うということを言いましたが、長官の申し述べたとおりでございます。
○近江委員 この問題は何回も申し上げておりますように、大変国民生活に影響を与えるわけです。結論がほぼそういう時期だということであっても、これは政治的な判断によって幾らでもできるわけですよ。だから、あなた方もこういうことは慎重の上にも慎重にいかなければいけません。こんなスケジュールどおりでいくなんというのは、国民生活を無視していますよ。拙速主義ですよ。こういうことは納得できません。 時間も来ておりますから、あと一問でやめますが、この社債の法案が通過したとした場合に、公社債市場を考えてみますと、地方債であるとか国債であるとか、公共債が非常に大量に発行されておるのですが、この点についての見通しはどうなっておるのですか。
○増田政府委員 今回電力債の限度額が広がることをお認め願いましたときには、本年の電力債の発行額は一兆円近くになるわけでございます。そうなりますと、五十一年度は相当大幅な国債及び地方債の発行が予定されております。これとの競合関係、消化ができるかどうかということについての問題点でございますが、これらにつきましては関係方面とも私、何回も打ち合わせをいたしたわけでございますが、先生御存じのように、国債あるいは地方債につきましてはそのほとんど大部分が金融機関引き受けでございますが、電力債は大体七割が個人消化になっています。そういう意味で、引き受けをいたしますところではそう大きな競合関係は起こらない、また、最近の景気の回復状況に伴います金融情勢から見まして、現在考えております電気事業の社債の発行につきましては、この引き受けは確保できるというふうに見通しております。 また、今後十年間、年率にいたしまして大体二〇%前後の伸びを予定いたしておるわけでございますが、社債全体、つまり事業債全体の過去の伸び、また今後の伸び率その他から見ますと、年々一般事業債の二〇%の伸びは期待できるということで、その中で電気事業債もほぼ同じ伸び率でこれを消化していきたいと考えておるわけでございます。
○近江委員 もう一度念を押しておきますが、六月上旬に認可をする、こういうことは、徹底した慎重の上にも慎重な審査をしていくという上において、大幅におくれる、また値上げの幅についても大幅に圧縮をする、こういうことはあるわけですね、どうですか。
○河本国務大臣 いずれにいたしましても、厳重な査定をいたしまして、一定のスケジュールに従いまして行うつもりでございます。
○近江委員 そうすると、一定のスケジュールに従うというのは、エネルギー庁としては六月上旬に結論に近づく、スケジュールどおりでいけばそのとおりにいくのですか、政治的な配慮は加えないのですか。
○河本国務大臣 それは先ほど長官が申し述べたように、最終の査定ができましても、物価安定対策会議というものがございまして、そこで国の物価全体にどういうふうな関係があるかということにつきまして慎重に総合的に国全体の立場から検討することになっておるわけですね。その手続がまず要るわけです。それが終わりますと物価対策閣僚会議というものがございまして、またここで議論する、こういうことでございますから、最終的にはそういう手続が必要である、こういうことを申し上げたわけでございます。
○近江委員 もう終わりますが、そうしますと、通産省自体としてはそうした結論を下して早くやってもらいたい、しかし、経企庁との関連、閣僚会議との関連かある——通産省か主体的にもっとおくらせる、あるいは幅等においても大幅に圧縮する、それでなければ、主体性がないじゃありませんか。その主体性のある結論をもっと慎重にやるべきである、こう言っているのですよ。六月上旬ごろに通産省自体の結論に近づくということをおっしゃっているのですが、私はそれをもっと慎重にやれということを言っているわけですから、それ自体をおくらせるということはあるのですね、こう言っているわけです。
○河本国務大臣 これは長官が繰り返し申し述べておりますように、電気事業法には電気料金の計算につきましていろいろ法律的に決まっているわけですね。だから、その電気事業法の精神を受けまして、いま申し上げましたような手続を踏んで慎重に行う。もちろん通産省はいろいろ査定をしたわけでございますから、いろいろな会議に出まして通産省の意見は申し述べます。
○近江委員 それでは、時間がありませんから、終わります。
○稻村委員長 神崎敏雄君。
○神崎委員 まず、先般当委員会で問題にした東北電力のラジオ放送番組の問題について伺います。 私が資料を挙げて申し上げましたように、番組作成の過程での意図が料金改定のスムーズな展開を図るための土壌づくりであった事実は認めますか。
○増田政府委員 先般の当委員会におきまして先生から御質問のありました東北電力のラジオ番組につきまして、その後内容を、事実関係その他を調査いたしました。先生から御指摘のありましたそのラジオ番組の計画書に、料金値上げの土壌づくりをねらいとするということが記載されておる、そういうことについて、これはおかしいではないか、けしからぬではないかという御指摘があったわけでございますが、これについて調べましたら、先生の御指摘のような文書がこの番組企画の初期の段階で担当者の書いたものとして作成されていたという事実を私どもは確認いたしました。そういうことで、当初こういうメモがあったということにつきましては、これははなはだ遺憾だと思っております。 ただ、実際に放送されました番組の内容につきましては、私どもの方は全番組のテープも取り寄せまして、そして問題のある個所がないかということを調べましたが、当初にはこういうことがありましたが、その後、関係者、東北ラジオの担当者その他を含めまして、いわゆる教養番組ということで編成いたしておるということを確認いたしておるわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたような担当者のメモとはいえ、その内容に穏当を欠くものであるというふうに考えましたので、今後の東北電力における社員教育あるいは監督の体制というものについて十分考え直して改めるようにということで、広報担当の責任重役に対して厳重に注意をいたしました。
○神崎委員 誤解があったらいけませんので、通産省の見解等、注意されたということをいま言われたので、それで了解しますが、私たちは、少なくとも私が先般指摘したのは、放送された内容を問うているのではなくて、放送されるまでの過程に示された東北電力の意図を問題にしたのです。しかも、公益独占としての電力会社のこのような一方的な立場で、公共心に欠けた日本人である、あるいは日本人に対して反省を求めるというような、こういう国民をべっ視したような立場からやられるということについて指摘したということで、あなたの方も早速調べられて注意をされたということであれば、これで一応了解します。以後そういうことのないようによく監督をしていただきたい。 そこで、本論の特例法についてでありますが、電気事業の今後の設備投資について、四十七兆円を超える巨大な額が想定されています。ところで、経費を低く抑える努力がどう検討、追求され、かつこの面での具体化はどう進んでいるのでしょうか。たとえば、送電、変電の経費を低く抑えることのできる電源立地方式をもっと開発するとか、この面の対策の具体方針を私は明らかにしていただきたいと思います。
○大永政府委員 経費の投資効率の向上のためには、一番適当な手段といたしましては、いわゆる広域運営の強化ということが一つあろうかと思います。この点につきましては、昨年の六月に九電力及び電源開発の社長、総裁が会合いたしまして、広域運営に対する結論を出しておるわけでございますが、先生御高承のように、発電所にいたしましても、たとえば五十万キロワットのものを二基つくるよりは、百万キロワットのものを共同で建設いたしまして一基つくる方が、多分一割程度の設備投資の減にはなるわけでございまして、そういう共同開発の強化を今後各社間で行っていくということを決定しておるわけでございます。それから同時に、もう一つは、発電機器等につきましても、いわゆる標準化ということがまた経費の節減になりますので、そういうことに関しましても電力会社間で方針を決定いたしておるわけでございまして、今後そういうことで投資の効率化に努めることになっておりますが、なお指導を強化してまいりたいというふうに考えます。
○神崎委員 今後十年間に十兆円を投じて原子力発電を開発するということであります。四十八年八月の審議会中間報告では、原子力発電の開発に見合った国の保安体制の強化拡充が必要である、こう指摘しております。当然この指摘を受けて具体化されなければなりません。一般的、抽象的な答弁ではなくて、資金調達策の方法の具体化に見合う具体的な対策を明らかにしていただきたい。
○増田政府委員 今後の電源構成といたしまして、その一翼に原子力発電というものが相当大きな役割りを果たしていかなければならないということでございまして、この原子力発電所の建設につきましては、いま先生からおっしゃられましたように、これに対する安全性の確保及び環境の保全対策というものが前提でございまして、これを第一の前提といたしましてその上で原子力発電所を建設する、こういう方針で今後この建設を進めていきたいと考えています。 このために、具体的にどういうことをするのか、また、従来の方策に対してどういうふうな新しい政策をつけ加えていくのかということについて簡単に申し上げたいと思いますが、一つには、原子力安全対策の強化というために、従来からやっております電気事業法に基づきます審査及び検査というものがございます。これらにつきまして人員の整備を行いますとともに、これらの審査、検査というものを強化するという方向に持っていきたい。 また、現在内閣に原子力行政懇談会が開かれておりまして、その中間報告も出ておりますが、原子力委員会のあり方、ことに安全規制のあり方というものにつきまして中間報告が出ております。それによりますと、ただいま私が申し上げました通産省で行います各種の審査、検査につきまして、新しく安全規制委員会を設けて、あるいは現在の原子力委員会がそれまではやるということになりますが、将来は安全規制委員会を設けましてダブルチェックを行う、こういうことになっておるわけでございます。 また、この原子力発電所の安全性につきましては、この安全性に関します信頼というものがなければ、国民の協力を得ましてこれが進むということは不可能でございますので、この前も本委員会で詳細答弁申し上げたところでございますが、実証試験というものを行うということで現在考えておりますのは、発電所の地震による影響、つまり原子力発電施設の耐震信頼性実証試験というものを、相当な金額、現在考えておりますのは百億以上の、二百億近いものをかけまして、いわゆる振動台の上に実物大の原子炉を置いてこの実験をし、そしてそのデータを全部公表いたしまして国民の実証的な信頼を得るということを行いたいということで、これは原子力工学試験センターというものがすでに発足しておりまして、今年度は予算でも二十五億の国家予算がこれに投入され、この実証試験を行う計画になっております。 それから、それ以外に原子力発電所の設備でございますが、これにつきましてはいわゆる標準化、改良化を行うということで、これも時間の関係で詳しくは申し上げませんが、日本に合った、つまり原子力発電炉は現在軽水炉でアメリカから導入いたしたものでございますが、これにつきましても過去十年間の経験によりまして日本的にこれを適用させる、そして日本型の原子炉をつくるということで、この改良、標準化の作業をいたしております。これにつきましても先般中間報告を発表いたしたわけでございます。 それ以外に、温排水対策とか、あるいは一番問題となっておりますいわゆる核燃料サイクルの確立ということで、ウランの取得、それの濃縮、また原子力発電所から出ます使用済み燃料棒の再生処理あるいは廃棄物の処理というものにつきまして一貫した政策を立てるということで、これにつきましても五月の初めに私どもの方で専門の学者の方々と討議いたしました内容の中間報告を一応取りまとめておりますが、これにつきましてもこれから原子力委員会あるいは科学技術庁と十分相談をいたしまして、核燃料サイクルの確立に努めるということでございます。 以上、若干落としたものもあると思いますが、原子力行政につきましては、これは先生からもおっしゃられましたように、安全性の確保とそれから環境の保全というものを第一義にしてこれを進めていくというのが私どもの方の基本方針でございます。
○神崎委員 お願いしておきますが、きょうはみっちりやろうと思っておったのですが、本会議に間に合うようにしなければならぬということで非常に時間を制約されているので、簡潔に要点だけ、聞いているところを答えていただきたい。 いまも申したのは、それもありますけれども、いわゆる資金調達策の方法の具体化に見合う具体的な対策を明らかにせい、こういう形から関連して、さらにいまもお話しされたが、重ねて聞きますが、審議会の建議で、内部資金の充実のために、消費者、需要家も負担、協力し、政府も十分な配慮を行うべきである、こう言っているのは、具体的に何を意味するのか、料金値上げを含んでいないと断言できるのかどうか、この点どうですか。
○大永政府委員 内部資金充実の方策としてまず考えられますのは、資産の再評価をやればこれは一番よろしいわけでございますが、現在の情勢ではなかなかむずかしいわけでございます。 資金問題懇談会、電気事業審議会での建議の中にありますのは、オイルショック前には、先生御指摘のように、電気事業につきましてはいわゆる定率償却をやっておったわけでございますが、現在は定額償却になっております。その点で、できるならば一部でも定率にした方がいいのではないかという内容が電気事業審議会の提言の中に含まれている意味であろうというふうに理解しておりますが、これは料金にもはね返る問題でございますので、現下の情勢でこれがすぐできるというふうにはわれわれとしては考えておりません。
○神崎委員 先日わが党の野間委員も指摘したように、相次ぐ巨大な設備投資は必ず料金値上げにつながるのです。しかも、原価主義を貫くならば、その値上げ幅も一般家庭用の値上がり幅がより高くなっていくのであります。これからの十年間、料金制度も従来どおりでよいのかどうか、このような検討もされたのでありますかどうか。
○増田政府委員 電気料金につきましては、これは電気事業法に基づきまして適正な原価、適正な利潤というものを計算いたしまして、これを査定して認可の対象にいたすわけでございますが、今後の設備投資というものが相当大幅に行われれば、それがはね返って電気料金の値上げにつながるのではないかというのが御質問の重点というふうに理解しておりますが、これにつきましては、他方におきましては、電力の需要というものが今後やはり六%前後伸びていくと、それに対しましての設備というものを確保しなければならない。この設備につきましては相当な資金というものを要する。しかも、その設備の負担というものは、やはりどうしても需要家にはね返らざるを得ないということになるかと思います。 そういう意味で、今後の設備費というものが最終的には料金の中に入っていくということが考えられるわけでございますが、ただ、この料金の問題につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、国民生活に非常に大きな影響を及ぼすのみならず、物価問題あるいは産業においても非常に大きな影響を与えるということで、私どもといたしましては、電力企業界に対しましてもできるだけ料金を上げないということで指導してまいる所存でございますし、また、電力料金というものについては特に慎重な扱いをするということが今後の方針でございます。
○神崎委員 先ほどからも答弁しておられるように、慎重な審議をするというきわめて便利な言葉があるのですね。慎重な審議というものは、何を慎重にするのかということになってくるわけですよ。 そこで、私は、電気事業の設備投資をすべてだめだというような暴論を吐くものではありません。しかし、このように特例法という処置までとることは、それだけの説得力がなくてはならぬと思うのです。四十七兆六千億円の設備投資が国民本位の生活と日本経済の振興に必要であり、その設備投資が民主的に、国民犠牲ではなくて国民本位にやられるのかどうか、そのために電気事業のあり方が全体的、総合的に検討されるべきであります。 ところが、先日来の審議でも明らかなように、要するに政府は、他のことには一切目もくれないで、大企業の設備投資の資金対策にのみひたすら集中的に研究、具体化されているという姿が明白になったと判断せざるを得ない。資金対策以外はきわめて抽象的、一般的で、審議会の結論を繰り返しておられるにすぎません。保安体制の面、あるいは料金制度の面、電源開発の新しい手法、これなどの面に対する検討あるいは具体策は、なぜ資金調達策ほどになっていないのか、この点、私は特に大臣から答弁を求めます。
○河本国務大臣 先ほど来いろいろ御意見を拝聴しておったわけでございますが、まずその御意見に対して、なぜ四十七兆六千億という膨大な資金を必要とするのかということについて、ごく簡単に申し上げてみたいと思います。 日本の経済にとりまして一番大事なことは、雇用問題を解決するということでございます。それから第二は、経済的に国際競争力を持たせるということでございます。 本日、閣議で正式に昭和五十一年度から五十五年度までの新しい五カ年計画を決定いたしましたが、これなどを見ましても、昭和五十一年から大体昭和五十五年までの間に約三百万人の労働力人口がふえておるわけです。年間に約六十万人ずつふえておる。でありますから、やはりこの六十万人ずつ新たに仕事を求める人たちに新しい雇用の機会というものをつくり出していかなければならぬ。それから、安定成長の時代に入ったとはいえ、現在のように新しい技術が日進月歩で進んでおります以上は、これにおくれをとらないような競争力のある設備というものを次から次へリプレースあるいは新設していかなければならぬ、こういうことのためにはやはりある程度の経済の成長が必要である。 そういう基本的な認識の上に立ちまして今後の十カ年計画というものを策定いたしました結果、どうしても六%台の成長が必要である、また電力の伸びも六%台が必要である、こういう結論に達しまして、そしていろいろ計算いたしました結果、現在の九千万キロ強の電力というものを一億九千万キロ強にする、十年間で約一億キロの電力の増強が必要である、これは日本経済が生きていくためにはどうしても最低必要である、こういう結論に達しまして、そうして上半期五カ年の間に約十六兆円、下半期五カ年の間に約三十二兆円という資金の配分になったわけでございます。 それに応じましてそれぞれの大体の資金計画を立てたわけでございますが、この十年間におきましては、やはり特例といたしまして社債の発行というものを相当積極的に考えませんと、この計画がうまくまいりませんので、今般、社債の発行の枠の拡大ということをお願いをいたしまして、先ほど申し上げましたような計画がスムーズに進むようにお願いをしておるわけでございます。
○神崎委員 大臣の話もよくわかりますが、十年間に四十七兆六千億という設備投資は、これは国民生活はもちろん、日本経済に対しましてもきわめて大きな影響を与える膨大なものだということを前提として、ひとつ全般的、総合的立場から考えてやらなければならない。単に、四十七兆六千億ということになれば、まあ算数的に言えば一年四兆円平均を超えるのですから、こういうようなことが電力設備に片寄っていってどんどんやられるということについては、それこそ先ほど言った慎重な観点に立って考えなければ、日本経済そのもの、国民生活そのものに大きな影響があるということを私は申しておきたいと思うのです。 次に、先日の当委員会で私が問題にした施設計画届出書で発電所建設の立地場所をAとかPとかの記号にしている問題でありますが、本来的に言って、私は電源開発はもっとガラス張りで正々堂々とやるべきだと思います。それでこそこれからの十年間の計画も実現の道が開かれるでしょう。やはり大原則としては好ましいことではないと思うのです。AとかPとかいう記号でやることについて先般長官もいろいろと答弁されましたけれども、いま申しますように、もっと電源開発そのものを国民の前にガラス張りにして堂々とやるべきである。なぜこういうような形になるのか。原則としてはこれは好ましくないと私は思うのですが、どういうふうに思われますか。
○増田政府委員 今後着手していきます電源の計画につきましてできるだけ公表すべきだという先生の御意見に対しまして、私もそのとおりだと考えております。先般、五十二年度着手分の計画の中に記号地点でMとかPとかいうのがございました。これにつきましては、電気事業者が五十二年度に着手しようとして計画はいたしておりますが、地元との関係でまだ全部話し合いが済んでいない、そのために地元との話し合いが済むまで地点名を外へ出さないでくれ、つまり明記しないでくれということが、これは地元の関係者からも要請がありまして、それによりまして、届け出をいたしました電気会社が一応地点につきまして符号を付しておるわけでございます。 それで、私どもは、電源立地というものにつきましては基本的に地元の理解と協力を得て進むべきものであるということを考えております。それが基本方針でございます。そういう意味で、開発計画を隠す意図は毛頭ございませんが、しかし、私どもの方で一方的にこれを公表いたしますと、地元の情勢とか、あるいはこの地方の方々の感情問題というものを考えますと不適当という場合があります。そういうことで、そういう場合にはしばらくは符号地点ということで御理解をお願いいたしたいと思います。決して公表をはばかりましてこれを隠すという意図はございません。 それから、現在、地元との話し合いが行われておる地点につきまして、話し合いが済み次第できるだけ早く地点名を明らかにし、また、私どもに対しまして届け出を受けておりますこの設備計画の中に具体的に地点名を報告するように指導しております。それで、私どもの方がその報告を受けた場合はこれを公表するということで、改善の方向に進めていきたい、こういうふうに考えております。
○神崎委員 話の流れとしてはよくわかりました。しかしながら、それがもし話し合いがつかない場合、これは反対を押し切って強行することもあり得るのか、あるいは計画どおり進まないというような場合もあり得るのか、この点どうですか。
○増田政府委員 お答えいたします。 新しい発電所の建設につきましては、電源開発調整審議会にかけまして、その手続を経ませんと電気事業法に基づく設備の新設の認可は得られないという形になっております。電源開発調整審議会にかけますに当たりましては、地元の意向ということで、当該発電所が建設されます県知事の承諾書というものをいただく、こういうことになっております。そういうことから、ただいま先生が御質問になりました、地元が絶対反対をしているという発電所を計画し、これを強行して建設するということはできないような仕組みになっております。特に漁業補償の問題その他いろいろございます。それから地元の住民の方々の理解、協力というものが必要でございますので、これにつきましては地元の賛成を得てから、原子力発電のみならず、すべての発電所の建設というものに移るわけでございまして、強行するということは考えておりません。 それから、もう一つ御質問のありました、地元が絶対反対する場合どうなるのかということになりますと、これにつきましては、できるだけ地元の御納得を得られるように、あらゆる努力を建設者が行うわけでございますが、それが得られない場合は、それだけ遅延するとか、場所を変えるということにならざるを得ないと思います。しかしながら、先ほども申し上げましたように、日本における電力の総需要というのは従来の約半分でございますが、やはり年々ふえていくわけでございます。それの供給ができませんと、これは電力会社にも供給義務がございますし、また、これが供給が不足いたしましたときには非常にいろんな悪影響を及ぼすということでございますので、この発電所の建設というものにつきましては、地元の協力を得て、そして計画どおりにできるだけ行いたいというふうに考えておる次第でございます。
○神崎委員 そこで、値上げ申請中の四社の場合を見ますと、このようにまだ地元と話し合いがついていない分で水力、火力、原子力合わせて二百五十六万九千九百キロワットの発電所建設の計画があるのです。ところが、この工事のための支出計画としまして、五十一年度と五十二年度合計で百七十億の支出が予定されております。この百七十億の支出は、料金値上げ申請には支出分として計算されているわけです。いまの話から、この支出が不必要になる可能性もあるわけです。また、場所が変更になったりすれば、いまもお話のあったように、価格も変わってくると思うのですね。料金値上げ申請の算定ではこれをどう判断されるのか。実行不可能な工事予算も料金負担させられるということになるのですか。これは一体どういうことになるのですか。
○増田政府委員 五十一年度、五十二年度の総括原価というものに基づいて電力料金の申請が出ておるわけでございます。その中に、新しい地点の開発に着手するということで、これについてまだ地元の了解が完全に得られていない、そういうペンディングのものについて料金算定の中にどういうふうに扱うのかというごとの御質問でございます。これにつきましては、電力会社の方は何年何月何日に建設に着手いたしますということが書いてありましても、私どもの方から判断いたしまして、それまでに地元の了解を得るのは非常に困難だという判定をいたしましたときには、当然その分は除くということで計算いたします。
○神崎委員 非常に弾力的な答弁なんですが、申請には、いま申しましたように、水力、火力、原子力合わせて二百五十六万九千九百キロワット、もう出力まで決め、そして五十一年、五十二年で百七十億を支出するのだ、それが基礎算定になって値上げの数字も出ているのだ。ところが、それが話がついていない、あるいはつかない、途中でこれが場所を変更したり、あるいはこれがまたその先へ流れていくということになれば、今度の値上げ幅が何%になるか知りませんが、過去が三〇%とかあるいは三十何%とか、いま巷間伝えられていることの基礎そのものが変動し、狂ってくる。あくまでもこれは全部いけるのだ、これだけの費用がかかるのだ、だからこれだけの値上げをしてもらわなければぐあいが悪いのだ、こういう形から申請書というものが出ているのでしょう。だけれども、それが変われば、申請書そのものの信憑性あるいは価格的な基礎というものが根底から崩れるわけですね。そういうことを見て、あなたの方で値上げを決められるということについては、きわめて慎重という形の中へ入るのかもしれない、先ほど言ったように便利な言葉ですから。 しかし、先ほどもお話があるように、どうやら今月の末か来月の初めにも上がりそうだというのに、まだ先の用地は決まっていない、まだ話もできていないというようなときに、いわゆる出力量もわかる、建設費用も決める、だからこれだけ上げます、よろしいと言って、今月か来月の当初に許可される。ところが、後でそれが場所が変わった、うまくいかなかったということになったら、あなたの方では行政責任上、あるいは認可権者としての責任上、国民にどのような形で解明されるのだろうか。そこらあたりは非常に重大な中身を持っていると思うのですが、そういうことになった場合に、どういう判定を下すのですか。
○大永政府委員 先生が御指摘になりました四社のいわゆる符号地点につきましては、地元との話をつけて、なるべく早く公表するように業界を指導いたしますが、仮に査定の終了までの段階におきましてなお符号地点としてとどまっているというようなものにつきましては、申請では先生の御指摘のように設備が入っておりますけれども、これは査定におきましてはその設備費を料金に算入するということは困難であろうというふうに考えております。
○神崎委員 今月から来月にかかるというと、もうあと幾ばくもありませんね、ものの半月ですか。来月の初めはどこまでいかれるのか知りませんが、初めと言えば大体上旬でしょう。そういう間に話がつかぬのだから、物理的にも私はむずかしいと思うのですね。そういうことから見て、一応話は十あれば七つぐらいはいくだろう。そうしたら、三つはいかぬだろうというようなところから、そういう常識的な形から算定の基礎をそこへ持っていかれるのですか。それとも、できるだけやってから、大体十あれば十全部話がついてから、値上げ幅というものは、申請書が初めてそこで価格的な保証を得るのだからという形で判定を下されるのですか。
○増田政府委員 これを具体的にどうするかということにつきましては、個々のケースによって違いますが、一つの発電所についてまだ正式に了解を得ていないと申しましても、いろいろの段階がございます。その建設する市町村その他全部賛成だ、そのほか近辺の漁業組合も賛成だけれども、しかし相当離れているところの漁業組合がまだ反対、しかもそこがいろいろ意見があって、電力会社と漁業組合との間でもめているという場合のようなケースもございます。それからまた、原子力発電とかその他に見られます中には、建設する町もいま反対している、町長さんも反対だという場合もございます。 そういうことで、この取り扱いについてはやはりケース・バイ・ケースで考えなければならないと思いますが、将来この建設につきましてまだ了解を得るのにはほど遠いというものを入れるのは、先ほど部長が御答弁申し上げましたように、これは不適当だと思います。 ただ、少しでも反対があった場合に、全部それを料金の算定から落とすのがいいかどうか。私は、常識的に、実際的な立場でこれを判断し、また、それについて料金の認可をいたしましたときに説明いたして、こういう判断をしたということで御納得を消費者の方々に得られるようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○神崎委員 話としては聞きますが、客観的には、結局は企業側の思惑どおりの形で強行されるという側面と、それからその線上に来るものは申請書がそのまま認められる、幾らかチェックされるか知らないけれども、基本的にはそのまま認められるということに、あなたの答弁から私は感ずるのですね。しかし、一般的に国民の立場から見ても、本当に説得力を持たそうと思えば、きちっとした上でされるべきである。そうでなければ説得力はない。だから、先ほどからも指摘するように、すべての計画や総合的な立場に立っては物を考えないで、事料金だけの問題についてはきわめて企業に対する立場に立って、一貫してそれを堅持されていくという通産当局のあり方、これは極端に言えばそのとおりかもわからないけれども、善意に言えば誤解されますよ。これはだれもが思うことは、一貫してそういう姿勢なんですね。 そこで、それならこれはPとかMとかいうようなことにしないで、全く書かないか、あるいは書くか、どっちかにした方がいいと私は思うのです。全部はっきり書いて、ここは予定地なんだという立場から国民に納得をしてもらって、その該地の方々に、どうぞひとつここは予定だからと言うならまだ話は通るのですよ。あるいはそこを全然書かないでするか、どっちかにした方がいい。あるところはPとかMとか書いておいたら、よけい誤解を招くのです。まだこれから建設する予定地がPです、あるいはTですとかMですとか、これはイニシアルか何か知りませんが、符号でしょう、そういうことを書いておくから、こういう質問をしなければならない。 同時に、その架空な、幻と言うたら言い過ぎか知らないが、幻の指定地があって、その幻の指定地に何千万ワットかの出力のものを建設するために、たとえば百七十億を五十一年、五十二年に使うのだ、こういうようなことになると、それは筋が通らないと思うのです。そういうところからこういう問題を正しておかぬといけないと私は思うのですね。だから、電力会社と当局の電源開発の今後の進め方について再検討さるべきだと思います。 やはり基本は、国民の前にガラス張りでやることだ。そうして住民の納得のもとで、電源開発について進めていくのだ、こういうふうに、先ほどずいぶん先の話まで大臣は見てお話がありましたが、それならなおかつそういう立場ではっきりして話を進めていった方がいい。先ほども言ったように、私は電源開発そのものを全然やっちゃいけないというような暴論は吐きませんということを前提にして物を言っているのです。だから、そういう形ではっきりとした上でやられた方がおかしくないのではないか。最後の答えは出ておる、終着駅は決まって、そのプロセスも大体わかっているのに、肝心の出発点がわからないというようなことは、論理的にも成り立たぬと思うのですね。そういう点から言うておるのですが、こういう点については今後再検討されますか。
○増田政府委員 電力料金の算定の問題でございますが、これにつきまして私どもの方の立場といたしましては、先ほども申し上げておりますように、電力料金というものが引き上げられた場合、国民生活あるいは産業、つまり国全体として非常に大きな影響を及ぼすということを十分頭に入れつつ、また他方、電力の安定供給の確保を図るという立場でございます。査定をいたしまして、もし値上げをせざるを得ないということで認可した場合には、この責任は政府が負うわけでございます。また、それの内容につきましても十分消費者、国民一般の方々の納得を得られるように、私どもも説明に努めていきたいと思います。 ただいま御指摘のありました具体的な御意見につきましては、十分頭に入れながら今後の取り扱い方針を検討していきたいと思います。
○神崎委員 次に、問題を変えて伺いますが、電力会社、ガス会社の場合は、このような特例扱いをしても社債権者を十分保護できると判断される理由、また、その根拠はどういう点ですか。
○増田政府委員 このたびお願いいたしております特例法は、電気事業者及びガス事業者に限って、商法の一般原則、あるいは電気事業法で認められておりました電気事業者に対する従来の取り扱いに対しまして特例を行うわけでございます。そういう意味で、一般社債権者に対しての保護ということから原則的に限度というものが設けられ、その限度を特例で伸ばすわけでございます。 その電気事業者、ガス事業者に特例をしても、社債権者に対しての保護は十分かどうかということについて、簡単に御答弁申し上げます。 まず、電気事業者及びガス事業者は、それぞれ事業法に基づきまして、今後の設備投資計画あるいは料金その他、すべてこれは役所の許認可対象になっております。また、経理その他についても十分監査ができるような体制になっておりまして、ほかの一般の私企業とは違う内容になっております。いわゆる公益事業会社としての扱いを受けまして、相当な部面に至るまで政府の許認可事項となっておるということでございます。 それからまた、これらの会社の現在の状況から見まして、いまのような特例を開きましても、これが将来社債権者の保護ということに支障を生ずることはないものと考えております。 また、これの慎重を期するために、今回の特例法の第三条におきまして、一応確認ということで毎年の計画を確認することになっておりますので、それらで社債権者の保護を行う、こういうことになっております。
○神崎委員 もう時間が迫ってまいりましたので、簡単に答えていただきたい。 電力会社は、社債を国民に買ってもらわねばなりません。そのときには、電力会社は決して倒産しません、経営は大丈夫です、こう宣伝をして、安心をして買ってもらわねばなりません。まさか、経営は大赤字です、大変なピンチです、どうかこの赤字会社の社債を買ってください、こういうことは言いませんね。ところが、電気料金値上げのときには、大赤字です、経営は大ピンチです、こういうふうに宣伝しなければなりません。ことしはこの二つの顔を国民に見せることになりかねません。一体どちらが本当の顔なのか。この矛盾について政府はどう説明されるのか。大丈夫だ、自民党政府がついておるから、料金値上げはどんどん認めますから、電力会社の赤字倒産はありません、こういうふうに言われるのですか。大臣、どうですか。
○河本国務大臣 両方の顔とも本当の顔でございます。それは、値上げを承認しますまでは、いまおっしゃったように経営は大変だ、こういうことでございますが、値上げを認めますとしばらくの間はそれでやっていけるわけでございますから、私は両方とも真実であろうと思います。
○神崎委員 自民党政府がついておるから大丈夫だ、値上げは必ずしてやるから、いまは赤字だけれども買っておきなさい、こういうことになると思うのです。 最後に、前回も指摘いたしましたように、いますでに過剰設備である上に、大企業の大幅な電力需要増大にこたえた膨大な設備投資計画は、国民の合意を得られるものではありません。先進資本主義国と比べても、設備過剰の疑惑もある。原子力発電の安全対策は何らまだ解決していない。したがって、今後の設備投資計画は私は再検討すべきであると思います。 また、五十年から六十年の電気事業のあり方や、六十年までの需要想定、設備計画、その資金調達を検討するに当たっては、先ほどからくれぐれも言うように、国民生活本位の電気料金制度を確立する検討も行わるべきである。政府はそうした検討を避けて、もっぱら資金調達対策を優先し、国民犠牲の上で設備投資を促進しようとしている。本法案は、依然として大企業本位、国民生活犠牲の設備投資の強行を裏づけるものである、こういうことが、私がこの法案に対して先日来質疑を交わしてきた一貫とした論旨なんです。よくよく検討していただきたい、強くこのことを要求して、質問を終わります。
○稻村委員長 加藤清二君。
○加藤(清二)委員 委員長にお尋ねいたします。 いままで私、慎重に皆さんの質問並びにそれに対する政府側の答弁を聞いておりまして、まだ審議は十分尽くされたとはどう考えても言えない。しかるところ、理事会の方では、あと一時間でこれを上げたい、しかもなお本会議に緊急上程をしたい、こういう御意見のようでございます。いま私の前には共産党の方、その前には公明党の代表の方が質問なさいましたけれども、これで審議が十分だとはだれも考えられない。なぜ緊急上程をしなければならないのか。それほど緊迫したものであるのか。もしそうだとすれば、自民党の方がそういうことをおっしゃるならば、なぜ委員の方がもっとたくさん出てこられないのですか。これで定足数はだいじょうぶですか。
○稻村委員長 加藤委員に申し上げます。 ちょうど会期末ということもありますし、各党ともまだ審議はいろいろ十分ではないというふうな考え方もないわけでもありませんが、きょうは理事会の中で、一応は審議を打ち切るという意味でなく、審議を尽くしたということにいたしまして緊急上程をするという御了解を与野党一致で賜ったわけであります。そういう意味で、与党の方のそういう重要な法案であるとするならばということでありますが、与野党を問わず、先ほどから論議をなされておるように、きわめて急を要するというふうな判断をいたしましてお願いをしたわけでございます。 与党の理事に申し上げます。 与党の理事の諸君に、ひとつこういう重要な審議のときには全員出席するように督励をしていただきます。
○加藤(清二)委員 本委員会の定数は何人ですか。 もう一度委員長に申し上げます。野党が質問をしたいという、その質問に対しては時間制限をする、満足し得るまでの審議は尽くされない、そういう時点においてなお緊急上程をしたい、ところが、緊急上程をしたい方の出席者の数が少ない、私はそれに対して不満である。
○稻村委員長 与党の理事に申し上げます。 与党委員の出席が少ないということでは、審議を進めることはできません。速記をとめて。 〔速記中止〕
○稻村委員長 速記を始めて。 加藤清二君。
○加藤(清二)委員 では、委員長のお許しを得まして、質問をいたします。 第一番、四電力がただいま料金の値上げを要請しているようでございます。その料金の額は、多きは三九%、少なきもともに三二、三%、これはことしの経団連が労働組合に指示したところの一けた以内に賃上げを抑えようとした額の優に三倍でございます。しかも、この電力料金は前年、前々年七〇%から八〇%値上げが行われております。そのやさきの出来事でございます。しかし、四電力が値上げを許可されれば、引き続いて残りの五電力もまた料金値上げを要請することは、過去の実績にかんがみて明らかでございます。 そこで、通産大臣にお尋ねいたします。あなたはいまの料金値上げをいつまでに許可をするか、あるいは否定をするか、まずそこを承りたい。
○河本国務大臣 現在の状態は、四月の初めに四電力から申請がございまして、通産省ではそれを受けまして厳重に電気事業法に基づきまして査定をいたしておるところでございます。経営が果たして能率的に行われておるかどうか、妥当なコストとはどういうことであるか、妥当な利潤はどの程度見込めばよろしいか、こういうことにつきまして厳正にしてシビアな査定をいま続行中でございます。大体五月の末には査定は終わるのではないかと思いますが、しかし、その後物価安定対策会議等の御意見も聞きまして、それからさらに、物価対策閣僚会議等の意見も十分聞いて、それから結論が出るということでございますので、ただいままでのところは鋭意作業は急いでおりますけれども、時期についてはまだはっきり申し上げる段階ではございません。
○加藤(清二)委員 五月末にその作業が終わる。そこで、結論はいつごろ出ますか。
○増田政府委員 お答え申し上げます。 加藤先生のお許しを得まして、ただいまの御質問のお答えをする前に、前回板川先生の御質問に対する答弁漏れがありましたので、それについてちょっと答弁して差し支えございませんでしょうか。——それでは、お許しをいただきまして、前回商工委員会で、増資とそれから社債と資金コストについて板川先生から御質問がありまして、私の答弁漏れがございましたので、答弁いたしたいと思います。 社債が十年償還の場合で、発行者利回りが九・六三%であるのに対しまして、増資は一七・五%、これは内訳は配当が一〇%と税に充てますのが七・五%でございますが、両方比較いたしますと増資の方がコスト高ということになります。社債特例法の基礎となっております資金調達計画を前提とした資本コスト、つまり資本費と法人税等との合計でございますが、仮に社債限度を現行のままに据え置いて、増資を市場の限界を越えて実施しつつ社債を発行するケースを想定しますと、資本費及び法人税は五十五年度で八百二十一億円、六十年度で二千三百六十四億円ということになりまして、後者の方がふえることになりまして、十年間で約一兆円ということが試算されております。前回答弁漏れがございましたので、お答えさしていただきました。 それから、ただいま加藤先生からの御質問に対して、今後の手順ということでございますが、先ほど大臣から申し上げましたように、私どもの方は公聴会が北海道が十五日に終了いたします。この四カ所で行いました公聴会の意見をいろいろ参考にし、またそれを取り入れまして最終の査定に入るわけですが、この作業が終了いたしますのが五月の終わりというふうに考えております。 今後の手続といたしましては、一応通産省の事務的な査定案というものができましたら、これを経済企画庁の方と相談する、こういうことになっております。経済企画庁との相談が済みますと、物価安定対策会議というものにかけます。それから、最終的に認可をいたしますときには、物価対策閣僚会議の議を経まして、その上で認可の手続になるということでございます。私どもの方の事務的な査定案というものが大体五月の下旬に終わりますが、それ以降、経済企画庁との間の相談というものがどれくらい続くか、また、経済企画庁と話し合いが終わりまして、先ほど申し上げました物価安定対策会議というものがいつ開かれるか、これはまだ予定がしてありません。
○加藤(清二)委員 民三主義の世の中でございますので、何事を実行に移すにも国民の合意ということが真っ先に考えられてしかるべきだと思います。しかるところ、先回の値上げの場合には、公聴会その他の手続において大衆の意見をくみ上げるに当たって、非常に遺憾な点が多々ございました。しかるがゆえに、後から後からとクレームがついて、いまだに先回の始末ができ上がっていないというところもございます。したがって、きょうのこの法案も緊急上程でお急ぎのようでございますが、値上げの場合も、拙速をとうとぶことも必要かもしれませんけれども、後から後からクレームがついて後で難渋するようなことや、大衆に恨まれるようなことがないように、ひとつ慎重に進めていただきたい。この点について、大臣、私の意見は間違っておりますか。
○河本国務大臣 御意見のとおりでございます。慎重に進めます。
○加藤(清二)委員 引き続いて五電力が申請すると思います。これについてすでにその申請というか、内意と言おうか、相談と言おうか、それが行われたことがありますか、ありませんか。
○増田政府委員 五電力について申請をすることについて、何か私どもの方に来ているかということにつきましては、具体的に申しますと、関西電力が経理状況が五十一年度になって非常に苦しいという話は聞いておりますが、まだ申請その他については、五社については聞いておりません。
○加藤(清二)委員 過去の実績からいきますと、九電力の値上げはいつもながらさみだれ戦術がとられる。西の方から上がってきて、西高東低型で、最後は北の方を上げてしまう。今度は北の方から始めてきて、東高西低型がしばらく行われているというと、これが一年たつやたたずの間にまた西の方も上げてしまう。これはいままでの常套手段なんです。したがって、やがて東電から関電から上がるということは、過去の実績によって国民も心配している。労働者の賃金は一けたで抑えておきながら、企業の値上げは三〇%も四〇%も認めるということは、政府みずから、財界みずから二律背反を行っていると言われても答弁のしようがないだろうと思うのです。この点をよく御検討願いたい。 そこで、大臣にお尋ねする。残り五電力は、もし申請があった場合に、どのように行政指導なさいますか。ことしうちに上げられますか、上げられませんか。
○河本国務大臣 五電力から申請がありましたときには、電気事業法に基づきましてその内容を精細に検討いたしまして、厳正に査定をいたしました上、結論を出す所存でございます。(発言するものあり)
○加藤(清二)委員 いま声がありますね。私は先ほど西高東低型とかあるいは東高西低型と言いました。それは凹凸があるということなんです。九電力を後から後からさみだれ的に上げる場合に、理由は何を言われたかというと、凹凸があってはいけません、こういう口実だった。いまの大臣の答弁でございますと、今度ことしじゅうに上げようとした場合に、その答弁は成り立たなくなるおそれがある。 もう一度大臣にお尋ねする。五社の問題、仮に凹凸があっても、ことしじゅうは上げられますか、上げられませんか。
○河本国務大臣 ただいまのところは、いつ申請があるのか、申請の内容がどういう形になるのか、全く未定でございます。でありますから、申請がありまして、その後で、先ほど申し上げましたように、電気事業法に基づきまして厳正に査定をする、そして各方面の意見も聞きながら結論を出す、こういうことでございますので、ただいまのところ、いつ、いかなる形で値上げをするかということにつきましては、申請を待って検討をしたい、かように考えておるわけでございます。
○加藤(清二)委員 仮に値上げが行われ、この法案が通ったとして、資金ができたといたしましても、現在の住民の意思、住民の受け取り方からいきますと、予定どおり工事が進行するとは思われません。その理由は簡単です。電気は欲しい、ガスは欲しいけれども、公害だけは御免だ。この声でございます。 そういう声が起こってはならないから、公害基本法と公害関係十四法を審議いたしました場合に、大気汚染で一番汚染の大きい火力発電はこの法案で取り締まるべきであるという野党の意見にもかかわらず、あの時点において、公害関係は電気、ガスに限って除外させてくれということだった。そこで、この間、参考人のときにも私は申し上げました。電気事業法、ガス事業法によってこれを取り締まるから除外してくれ、こういうことで約束づきでございます。木川田さんの念書を私は持っております。時の委員長ですから。 ところが、あれ以来、果たして本当に公害関係がなくなったか、あるいはまたなくすべく努力をなさったかと見ると、遺憾なことに大気中のSO2の量は減っておりません。電気会社みずからが行っている脱硫装置、これもふえておりません。すでに新しく建設する建設予定地には、発電機のみならず、脱硫装置もつけるための面積をとるべきであるということが附帯決議にも決められているにもかかわりませず、それはなかなか行われておりません。一体、公害に対する行政指導はどうしてみえますか。
○増田政府委員 お答え申し上げます。 公害問題につきまして、ことに電力につきましては硫黄の問題、サルファの問題がございます。これにつきまして、九電力の現在使っております燃料の硫黄分につきまして、年々硫黄分の低下というものが見られるわけでございます。これは実績で簡単に申し上げますと、昭和四十年におきましては二・六%でありましたものが、昭和四十五年一・五八%、それから昭和四十九年は〇・四九%、五十年は〇・三八%ということで、年々非常に大きな低下ということが行われます。 これにつきましては、先生御承知のことでございますが、従来ハイサルファの重油をたいておりましたのをローサルファに切りかえ、また一部は低硫黄の原油の生だきを行う、あるいはさらにナフサをたくということによりまして、硫黄の率というものは相当減ってきておるわけでございます。また発電所におきます排煙脱硫の設備その他の設置につきましては、私どもの方も推進いたしておるわけでございまして、大体去年、それから本年度の投資金額のうちの約一〇%は公害関係の投資ということになっております。 そういうことで、公害問題につきましても私どもとしてはできるだけの努力をいたしまして、公害の除去というものに努めていくという方針でございます。
○加藤(清二)委員 私は時間が短うございますから、あえてこの問題で論議を深めようとは思いませんが、あなたがいま発表なさった数字は、どこでとられたデータですか。そういう数字を通産省みずからが信用しておるとするならば、通産省みずからの間に矛盾を来すことになりますよ。それは電気会社から報告された数字をうのみにしましたとおっしゃれば、それはそういうこともある。 しかし、いまS含有量をおっしゃられましたが、あなた、それだけの重油というのはミナス原油しかないのですよ。ミナス原油はオール輸入の一割しかないのです。三億キロのうちの一割足るや足らずなんです。アラビア石油はあれこれありますけれども、多きは三・七、少ないものでも一・〇以上含有されている、これを重油に歩どまらせば倍になる、そんなことは当然だ。したがって、通関実績あるいは輸入関係をつかさどっている通産省に聞いてごらんなさい。そういうことをおっしゃるなら、あなたの先輩が昔スチール、いまオイルにほとんど行っておられますから、たとえばファーイーストの東君、あそこは全体の何ぼ入れておるのですか。そういう重油がどこから出てくるのですか。 では、脱硫装置はどれだけあるか。それはなるほど千葉に出光がある。わずか四万バーレルだ。あそこにここにと少々ずつあるが、それは九牛の一毛にすぎない。しかも、技術から言って重油は一・〇以下に硫黄を抜くことは非常に困難だ。脱硫しました、しましたと言っても、千葉のあれは一・〇で歩どまっておる。〇・三だの何だのというものか——一体火力は、重油を日本のオール生産の何ぼたくのですか、それを全部その数字で満たされますか。それはある日、緊急避難の事態においてそういうものを使うというならわかりますよ。そういう数字が事実実行に移されておったとしたならば、非難はなくなっているはずなんだ。何もこれは電気会社が悪いわけではない。むしろこれはメジャーが悪い。メジャーが日本に対してそういうハイザルのものを押しつけてくるのだから、やむなく買わされているのです。そこから掘り返して直していかなければ、日本の石油からくるSO2の公害は直らない。だから、こういう点について企業にのみ任せておかずに、政府みずからも進んで公害除去に努力すべきであると申し上げておる、そのことがやがて、火力発電をするにも、あるいは原子力発電をするにも、地元との合意がよりたやすく達せられるようになる、その近道である。公害は野放しにしておいて、地元に向かってさあ賛成せよ、さあ賛成せよと言ってみたって、そんなことは住民は聞きません。ザルはさようでございます。反論があったら言ってください。 次に、原子力の関係も、先般他の議員からも話がありましたけれども、廃棄物の処理をみずからが行わずに、東海村へ持っていったり、フランスへ預けたり、イギリスへ預けたり、こんなことで原子力発電設備がどんどんふえたら、廃棄物の始末はどうなるのですか。廃棄物の始末は全部他人任せでしょう。これは、政府みずから、通産省みずからがその処理施設をつくるか、あるいは今後原子力発電のふえるのにかんがみて、発電会社がみずからそれを始末する、こういう方向に行政指導すべきである。それがまた、今後次々とふえていく原子力発電所の増設を容易にならしめる道であると思いますが、これについて、大臣、どうお考えですか。
○河本国務大臣 先ほど、電力事業の場合には公害対策、すなわち環境の保全と安全対策というものが基本でなければならぬ、こういうお話がございましたが、全くそのとおりでございまして、通産省といたしましてもそれを二大方針といたしまして進めておるところでございます。 なお、原子力の問題につきまして、核燃料サイクルの対策が不十分である、こういう御指摘がございました。ただいまのところは大体五十八、九年ごろまでの対策は一応できておるわけでございますが、それから数カ年にわたりまして、第二処理工場の完成がもしおくれた場合に若干問題がありますので、その間、フランスあるいはイギリスといま話し合いをしておるわけでございます。仰せのとおり、原子力発電の場合にはこの燃料サイクルの問題が最大の課題だと思います。当然今後の最大の課題と心得ております。
○加藤(清二)委員 次に、質問の順序がごちゃごちゃして悪いですけれども、もう一度料金に戻りますが、今後料金値上げを行われようとする場合に、前からの約束を実行に移していただきたいということなんです。いままで言ったことは、全部前に約束されたことの実行を要求しているわけなんです。 もう一つ約束されたことに、料金の体系は総原価主義であるというきれいごとを言ってみえますけれども、実質の料金はやじろべえ方式になっている。これは西高東低でなくして、民生用に高く、工業用に安く、大企業ならばなお安いということになっておるわけです。事実なんです。こんなになっているやじろべえを、高いところは下げなさい、安いところは上げなさい、これが当然の話じゃないかと思います。これは歴代の通産大臣がみんなそう約束しておることなんです、実行に移します、移しますと。ずっと昔よりはやや改善されましたけれども、なお民生用、大衆には十円から十四円、大企業になりまして熱管理工場の許可を受けていると、電発が売電する値段よりも安く仕入れているところがたくさんにある、あえて名前は言わぬけれども。このやじろべえ式な料金の段階を是正すべきである。是正する気があるかないか、これは大臣に承りたい。この問題は通産大臣でいいです。
○河本国務大臣 最近の実情を、とりあえず長官から御報告させます。
○加藤(清二)委員 それでは、その長官の答弁は後にしてください、副総理が次に急ぎの用事があるから、早くまとめてくれ、こういう話ですから。 それでは、話を中断して、今度は副総理にお答え願いたい。 副総理、日本の経済がリセッションに非常に弱い、その理由の一つは自己資本が少ないからである、低成長下に臨んで自己資本はふやすべきである、こういう意見が圧倒的に多いのでございますが、経企庁としてはどのように指導していらっしゃいますか。
○福田(赳)国務大臣 わが国は、いろいろな事情がありまして、景気循環に対する企業の抵抗力が弱い、その一つがいま御指摘のように自己資本比率の問題だ、こういうふうに認識しております。つまり、不景気になればそこから過剰設備が出てくる、その過剰設備に対しては資本が投下されている、その資本がわが国におきましては他の国々と違いまして大方借入資本である、したがって不況期になりますと金利負担というものが重く企業にのしかかるという点に問題がある、そういうふうに考えるわけでありますが、低成長になったからどうこうということじゃないのです。どうせ経済は循環で波がありますから、その波の上がり下がりに対しまして抵抗力をつけるというためには、これはどうしても自己資本比率というものの向上を図らなければならぬ、こういうふうに考えております。 そこで、それができるかどうかという問題なんですが、そのできるかどうかという問題になりますと、今度は高度成長のときと違って、減速経済下ではそのことがより容易になるという事情が出てくるのです。つまり、高度成長ですと、さあどんどんと設備の拡大だ、そういうようなことで資金需要が多い。余りに資金需要が年々ふえるものですから、それを自分で調達するいとまがない。そこで、手軽な借入資本に依存するというような状態になってくるのです。ところが、経済の成長、発展が減速されるというようなことになると、資金調達の量も減ってくる。そこで、その資本調達の資金の質を選択するという余裕が出てきますので、自然私はこの資本比率の改善という背景が出てくると思うのです。そういう背景をもとにいたしまして、企業に対しまして体質改善、またその中での自己資本比率の充実ということは大いにこれを進めていくべきじゃないか、誘導していくべきじゃないか、さように考えております。
○加藤(清二)委員 自己資本比率はふやしていくべきである、こういう意見ですね。それは、きょうの日経の一ページにもあなたのことが大きく出ておるのですね。経済の大物大臣で、やがて総理にもと言われるあなたのことですから、何ぞ国民が拍手するようなことをいまのうちにでもやっておいていただいた方が、国民のためにもあなたのためにもなるのじゃないかと思うのです。 そこでお尋ねしたいが、大体自己資本比率を何%程度にすべきかというこの理想、志向し得る範囲内において、ことしは何ぼぐらい、来年は何ぼぐらいと計画があってしかるべきで、ただふんわかとふやすべきであるということであれば、学者でなくても、大物大臣でなくても、だれだって言えることなんです。それをおっしゃるならば、計画があったら、現在はこの程度だけれども二年先にはこう、五年先にはこの程度というものを指標とし、目標とすべきである。その指標なり目標なり、あるいは計画でもよろしい、それをお教え願いたい。
○福田(赳)国務大臣 わが国は統制経済をやっておるわけじゃありませんから、たくさんある企業の内部の経理構成をどういうところまでしなければならぬということ、これを誘導するということは、なかなかむずかしいことじゃないかと私は思うのです。しかし、基本的な考え方として、企業よ、ひとつ自己資本の充実に努めてください、こういう姿勢はぜひ必要である、そういうふうに思います。先進諸国のことを考えると、とにかく一五%という資本比率は本当に過小も過小です。これは改善しなければならぬ。しかし、来年は何%まで、再来年は何%までというものは、いま統制経済をやっておるわけじゃありませんからこれは申し上げかねますけれども、気持ちといたしましては、何とか改善ができるように企業を誘導し、またこれを刺激するための手段がありますれば、まだ固まった考えは持っておりませんけれども、考えなければならぬだろう、こういうふうに考えておるわけです。
○加藤(清二)委員 いま一五%という言葉を出されましたが、それよりも低くて一二%というのもありますね。一〇%程度というのもございますね。いま審議しようとしているこの電力会社も、このまま推移するのは別として、現在でも一八%程度ですね。この一八%程度というのは、アメリカとかあるいはドイツの自己資本に比べて多いですか、少ないですか。
○福田(赳)国務大臣 これは比較にならないくらい低い数字でございます。
○加藤(清二)委員 当然これは改善されてしかるべきである。そのことがやがて経済自体を守ることにもなると同時に、自力をつけさせることが、暴風、台風、リセッションの場合に生き長らえる道にもなる。同時に、それはやがて金利負担増ということを減少させまするから、そうなれば、当然のことながら物価引き下げの要因にもなる。だから、私どもも当然資本比率は一〇%や一二%では少な過ぎる。アメリカのように四〇パーも五〇パーもとは言えないまでも、せいぜいここ五、六年の間に当然のことながら三〇%前後には近づけていくべきであると思いますが、私の意見は間違いですか。
○福田(赳)国務大臣 私も加藤先生のように思いますが、数字だけは、いま私、責任のある立場にありますので、いつの時点に何%ということは申し上げかねるのですが、お考えは全く同感でございます。
○加藤(清二)委員 そういうやさきに、電力関係の審議会はどうしたかというと、資金確保に当たって、自己資金をふやす道をとらずに、社債という道をとられたようでございます。私は意味がわからないのです。しかも、その金額が何と四十七兆円に対して、外部資本の方をうんとこさふやしていくというこのやり方、私は理解ができないのですが、審議会の答申に対して経企庁としてはどのように行政指導してみえるか、あるいは指導なしか、うのみですか、どっちなんですか。
○福田(赳)国務大臣 社債になりますと、いまの加藤さんと私の間のやりとりは大分違ってくるのじゃないかと思うのです。一般の金融機関から金をいわゆる借入金として借り入れる、それと安定資本と言えるところの社債は、私は区別して考えていいのであろうと思うのです。ただ、自己資本充実、借り入れをしなければならぬ。借り入れはなるべくやめなければならぬと言うが、社債は非常に安定した資金でございまして、同じ他人資本と申しましても、一般の借り入れとは非常に性格が違うと思うのです。いま電力会社の事情を見れば、これから設備投資も先行的のものを含めましてかなりしなければならぬ。しかし、なかなか資本の充実はむずかしい。そういう状態において、資金の道を社債の発行に求める、私はこれは自然の行き方じゃないかと思うのです。 今回の電気事業会社の社債の発行限度の枠の拡大は、私はなるべく早くこれをやってもらいたい、そして、設備投資も将来の安定供給が確保されるように先行してできるような状態にしていただきたい、これをお願い申し上げます。
○加藤(清二)委員 君子途端に豹変する。それは銀行借り入れと社債とは内容も違うし、性質も違うぐらいのことは、だれだって知っていることなんです。そんなことはだれでもわかった話なんです。 それじゃ承るが、大企業ならば、社債を自己資本の、あるいは自分の力の三倍も四倍も借りてもよろしい、中かげんのガスは二倍にあきらめておけ。ところが、このガスというのは四社だけじゃないのですよ。大小合わせると百六十社もあるのです。同じガス業界の中で、ある企業は社債を二倍も三倍も受けられる、ある企業はそれができないということになれば、ますますアンバランスを増加させることになりますね。小企業のガスが、じゃおれのところも縁故債を何とかしてくれと言ってきたら、経企庁としてはどうなさるのですか。
○福田(赳)国務大臣 どうも非常に具体的な問題ですが、そういう問題を私ども扱っておりませんけれども、私個人として意見を求められますれば、ケース・バイ・ケースで適当なお答えを申し上げます。
○加藤(清二)委員 では、社債はこの程度にしておくけれども、小規模のガス会社が要請をした場合には、ケース・バイ・ケースでそれに見合うものに応ずる、こういうお考えですか。ケース・バイ・ケースで応ずるか応じないか、これだけ。
○福田(赳)国務大臣 企画庁としてそういう相談にはあずからないのですよ。もし、さあ弱った、増資をしようか、社債を出そうか、あるいは借金をしようかというようなことがありますれば、私が個人として、私の乏しい知識ではありまするけれども、ケース・バイ・ケースの際、適当なアドバイスをする、それが人情であろう、こういうふうに考えております。
○加藤(清二)委員 約束の時間が来たようです。実は、本当はこれは緒論でして、これから本論に入りたいところですが、約束の時間ですから、副総理、どうぞ。 では、さっき留保しました答弁をどうぞ。
○増田政府委員 電力料金につきまして、電灯といわゆる産業用の電力との格差の問題でございますが、これにつきましては、料金の原則は原価主義でございますから、この格差を意識的に縮めるということでなくて、結果的に格差というものがだんだん縮まってきております。 細かい数字は省略いたしますが、昭和二十九年、これは九電力が一斉値上げの認可申請をし、その認可が行われた年でございますが、このときに電灯と電力との格差は二・八四でございました。それから、昭和四十九年度に、前回一斉値上げがありまして認可いたしましたのが一・五六でございます。そういう意味で、過去には電灯と電力は約三倍の違いがあったものが、大体五割の差になったということでございます。 今回の申請につきましては、四社が電灯と電力の格差を若干さらに縮めるということになっておりますが、四十九年度のように大幅に改善されるという数字にはなっておりません。
○加藤(清二)委員 料金についてもう一つだけお尋ねいたします。 電気を使用した場合に、民生用、一般大衆には税金がかかっております。大企業には税金がかかっておりますか、おりませんか。
○大永政府委員 家庭用電灯につきましては五%の電気税がかかっておりますが、大口電力につきましては、かかっているものとかかっていないものとがございます。
○加藤(清二)委員 お尋ねします。アルミにはかかっておるか、いないか。
○大永政府委員 かかっておりません。
○加藤(清二)委員 鉄はどうですか。
○大永政府委員 ちょっと手元に産業別の資料を持っておりませんが、かかってないと存じます。
○加藤(清二)委員 料金がやじろべえ型になっている、これを是正しなければならぬということは、歴代の大臣の約束なんです。 ところで、もう一つの問題は、いまの税金の問題なんです。なぜ大衆にだけ税金をかけて、電気のかん詰めと言われるアルミは除去されているのか、もう一度理由を聞きたい。
○増田政府委員 電気税の問題につきましては、これは政府部内で意見が一致しないということになるといろいろ問題がございますが、私どもは、やはりこういう基礎エネルギーあるいは国民生活の必需エネルギーにつきましては税金をかけるべきじゃないという意見で、政府内部では自治省といろいろ折衝いたしております。ただ、この中で電力を多消費しております産業につきましては、いまのような率で電気税をかけますと非常にコストに響くということで、産業別に一応免除の措置をとっておる、これが現状でございます。
○加藤(清二)委員 過去に何度も何度も料金改定が本委員会で論議されたけれども、その当時からちっとも前進していない。なぜ同じものを使いながら、大衆には税金をかけて、しかも零細なものに税金をかけて、大量に使う大企業には税金がかからないか、国民が納得するように説明願いたい。私ではなくて、国民が納得できるように御説明願いたい。なぜかならば、料金値上げ値上げと言っても、その使用の内容を見ると、大体民生用は三〇%前後なんです。産業用が七〇%の余なんです。零細で少ない方へ税金をかけて、七〇%も使う方へはほとんど税金がかからない。これは一体どういうことなんだ。私にはわからない。議員を何年やっておってもわかりません。教えてもらいたい。
○増田政府委員 電気税につきましては、ただいま先生のおっしゃられるようないろいろな問題点、疑問点というのはございます。従来七%であったものを五%までには下げたわけでございますが、現在でもこれが残っておる。ただ、免税点については、二千円までの引き上げを行うということで若干の手直しは行っております。 民生用の電灯には電気税をかけ、産業には免税しておるというのはバランスが合わないのではないかという御質問に対して、私もその点に問題があると思いますが、ただ、電気を相当多消費しております産業につきましてこの電気税をかけますと、それだけ製品の価格が上がり、また国際競争力の問題があるということで免除になっていたというのが、従来の経緯でございます。 今後、この電気税の取り扱い、ことに民生用と産業用をいかにすべきかということについては、ただいまの先生の御趣旨に合わせまして検討していきたいというふうに考えております。
○加藤(清二)委員 大臣、長官は検討すると言われましたけれども、長官は大体長くて二年程度でかわっていかれるのです。だから、大臣、この際あなたにこの税金問題について一言お答え願いたい。
○河本国務大臣 検討させます。
○加藤(清二)委員 大臣が検討させるとおっしゃれば、長官がだれにかわろうとこれは検討せざるを得ぬということになりますね。したがって、これは永続する、こういうことでございますから、では、いまの言たるやまことによしとして次へ進みますが、最後に承りたいことは、何兆円という社債を発行して資金を確保する。その使い道は設備投資である。設備投資を行えばこれは資産になる。その場合に、大臣、あなたは一番専門のプロフェッサーですが、株価はどうなるかということです。
○河本国務大臣 ちょっと私から社債のことで簡単に御説明してお願いをしたいと思いますが、先ほど長官も答弁いたしましたように、増資で資金調達をいたしますとどうしてもコストが一八%ぐらいにつくわけですね、一割配当しようと思ったら。社債の場合ですと大体九%につく。そこで、経営上非常に大きな負担の違いというものが出てくるわけでございます。でありますから、先ほど来自己資本というお話がございましたけれども、社債は非常に安定した資金で、外部負債には違いありませんけれども自己資本に準ずる、こういうふうにも見なされておりますので、どうかそういう意味におきまして大局的な立場からひとつ御理解を賜りたいと思います。 なお、株価の問題はそのときのいろいろな条件によって決まりますので、ここで一概にこうだということは申しかねると思います。
○加藤(清二)委員 あなたはいままでの質問者に対する答弁で、株よりも融資よりも、インパクトローンよりも、何よりも社債の方が有利である、非常にいい資金源である、こういう御説明でございました。 ところで、今度は逆に立場を変えてみます。個人の場合には、しからば社債を買った方がいいのですか、それとも株を買った方がいいのですか、大衆の側から言ってどっちが有利なんですか。私は株のことで大臣に教えてもらいたい。
○河本国務大臣 いまの御質問でございますが、公益事業部長に聞きますと、十年間塩づけにいたしますと、株の方が有利だそうでございます。
○加藤(清二)委員 当然でございます。そのとおりです。 ところで、電気、ガスの場合に、無償交付とか額面割れの親株に対する配当はどうなっていますか。
○大永政府委員 増資の際には大体二割無償を従来つけておりまして、配当は八%から一割ぐらいと変動しております。
○加藤(清二)委員 親株に対して、無償交付が二割行われておりますね、これを私はけしからぬとかどうとか言うわけじゃない。株の一般例からいけば、五百円株が六百円になる。したがって、利回りはよくなるけれども、今度は売買するときになんだから、二割ぐらいあったって常識だと思っている。ところが、株主を調べてみますと実に妙なことに気がついてくる。それは保険か金融機関がほとんど大株主を占めてしまっているということなんです。しかもなお、十年前と今日とを比較してまいりますと、株の数は三倍程度になっております。これは東電も関電も。ところが、株主はほとんど異動がなくて、最高でせいぜい一・二倍ぐらいでございます。したがって、一人の持ち株数は二倍以上にふえております。 大臣にお尋ねする。自己資本をふやす場合に、企業側から考えて、株の大衆化、民主化ということが叫ばれるようになりましてからもう大分何年もたっております。ところが、十年間過去の実績を調べてみますと、株主の数はふえていない。大衆化が行われていない。だから、増資の場合に、電力、ガスはどのように一般売りをしておりますか。
○大永政府委員 一度ぐらい時価発行したことがございますが、現在は時価発行はいたしておりません。公募はいたしておりません。
○加藤(清二)委員 そうでしょう。だから、株主はふえない。少々ふえておるのはあたりまえの話なんです。遺産相続の場合に、おやじの分をきょうだいが分ければ、一人持ちが三人、四人に分けられていくのはあたりまえの話なんです。だから、十年かかって一割か二割しかふえていない。これは一体それでよろしゅうございますか。社債の場合だけはこうやって広告を出して、折り込みまでやる。これは東電です。株の場合に、これをやられますか。もう一度それだけ聞く。
○大永政府委員 現在は公募いたしておりませんので、そういう宣伝はいたしていないと存じます。
○加藤(清二)委員 そのとおりです。しかも、持っている側は生命保険と銀行なんです。ちょっと読み上げてみますと、日本生命、第一生命、日本興業銀行、朝日生命、住友生命、明治生命といった調子なんですね、十傑を調べてみると。十年持っていたら社債よりは株の方がはるかに有利であると大臣もお答えになった。そのとおりだ。有利なものを特定個人にくぎづけしておいて、不利なものを大衆に売り出す、この行き方は正しゅうございますか。これで株の民主化ということが言えますか。 私はなぜこういうことを言うか。できるならばこの株は社内の労働者にも持たせるべきである、もっと言えば地方自治団体に持たせることが、公共企業により合ったものであると私は思う。もっと突き進んでいけば、地方自治体に株を持たせるということ、社債を持たせるということは、やがて一心同体になって住民とのコンセンサスを図る容易な道行きになると思う。だからこそ私は、社債も株ももっと民主化されて、大衆に開放されてしかるべきであると思うのですが、これはいかがでございますか。 時間が来たようでありますから、もう一つだけ。株の大衆化はいかがでございますか。 それと、最後に、さっき言いました公害について大臣の所見を承って、それでおしまいにします。
○河本国務大臣 株式の民主化についてお話がありましたが、私もいまのお話、全く同意見でございます。そういう方向に持ってくるように話し合いを進めます。 公害の問題につきましては、これは先ほども答弁申し上げましたが、電力事業にとりましては最大の課題でございますので、今後とも積極的にこの問題と取り組んでいく所存でございます。
○加藤(清二)委員 ありがとうございました。
○稻村委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
○稻村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 一般電気事業会社及び一般ガス事業会社の社債発行限度に関する特例法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稻村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
○稻村委員長 次に、本法律案に対し、前田治一郎君外三名より、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党四党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 附帯決議案につきまして、提案者を代表し、私からその趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 一般電気事業会社及び一般ガス事業会社の社債発行限度に関する特例法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、電気事業及び都市ガス事業の健全な発達による電気及びガスの安定供給の確保の重要性にかんがみ、次の諸点について適切な措置を講ずべきである 一、社債発行限度額の拡大に伴い社債権者の保護に万全を期するとともに、長期的には自己資本の充実を図る等一層経営の健全化に努め、料金の安定に努力するよう指導すること。 二、電気事業における設備投資の巨大化等に伴い、投資効果を高める等経営の効率化を図るため、広域運営を強力に推進し、今後における経営のあり方について検討するとともに、消費者の意向が事業経営に反映されるよう指導すること。 三、原子力発電については、発電所の建設、運転、使用済み核燃料の再処理、放射性廃棄物の処分等について万全の安全確保対策を講じ、原子力発電に関する国民的合意が早急に形成されるよう努力すること。 以上であります。 附帯決議案の各項目の内容につきましては、審査の過程及び案文によりまして御理解いただけるものと存じますので、詳細の説明は省略をさせていただきます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○稻村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○稻村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、万全を期する所存でございます。 —————————————
○稻村委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○稻村委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 訪問販売等に関する法律案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選及び出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る十八日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十五分散会