商工委員会 第2号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1976/03/02
会議録
○稻村委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件及び鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。 まず、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信を承ることにいたします。通商産業大臣河本敏夫君。
○河本国務大臣 第七十七回国会における商工委員会の御審議に先立ち、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し述べます。 まず最初に、基本的な方向でありますが、わが国経済は、現在、内外の激動する環境のもとにありまして、多くの困難な問題を抱えております。 国内的には、石油危機によって引き起こされました異常な物価上昇は、政府の総需要抑制政策により鎮静化の方向にある反面、経済活動は輸出面に明るさの兆しが見えるものの総じて最終需要が盛り上がりを欠いていることから依然低迷を続け、雇用、企業経営面では引き続き深刻な様相を呈しております。このような経済の長期にわたる停滞の背景には、わが国経済が、資源、立地、環境等の面で内外環境の激変に直面しているという事情のあることに目を向ける必要があることは申すまでもありません。 一方、国外に目を転じますと、石油危機を契機に顕在化したスタグフレーションは、世界経済に依然大きな影を落としております。このため、諸外国では景気の低迷に伴う失業の増加等を背景に保護主義的な傾向が強まりつつあり、これまでの発展を支えてきた国際経済秩序は動揺を来しております。また、資源ナショナリズムは引き続き高まりを示しており、従来の南北問題に加えて、資源を有しない発展途上国の問題も深刻化しております。 以上のように、内外の情勢は厳しいものがありますが、このようなときにこそ国民と政府が一丸となって英知を結集し、力を尽くして問題の解決に努め、調和のとれた安定成長への道を切り開いていくべきであると思います。 私は、こうした認識のもとに、国民福祉の一層の充実と国際社会への貢献を目指して、通商産業行政を積極的に展開してまいる所存であります。以下、その概要を申し述べます。 まず、景気対策と産業政策の推進について申し上げます。 わが国経済は、さきに申し述べましたように、長期にわたり停滞を続けております。このような事態に対処するため、政府は数次にわたる景気対策を講じてまいりました。その結果、景気は徐々に回復に向かいつつあるものの、最終需要が盛り上がりに欠けること、景気対策の効果の浸透におくれが見られること等もあって、いまだ完全に回復軌道に乗るには至っていない状況にあります。 このため、未実施分の景気対策の実施を促進し、景気浮揚に努めてまいります。また、来年度予算においても、公共事業及び住宅に重点を置いて需要の増加を図るとともに、貿易の拡大のため、輸出金融の拡充を行って景気の浮揚に特段の配意をしております。なお、今後とも情勢に応じ、機動的、弾力的な経済運営を心がけたいと考えております。 次に、中長期的には、本年はわが国経済が着実な安定成長軌道に乗っていくための基盤づくりを目指す年であります。したがって、今後の産業政策の的確な適用を図るためには、多様化する国民の要求を充足し、かつ、資源エネルギー供給の不安定化、環境問題の深刻化等の諸問題に対処しつつ、わが国産業のあり方を明確にしていく必要があります。このため、産業構造の長期ビジョンについて引き続いて見直しを行うとともに、必要に応じ地域の産業構造ビジョンをも作成してまいりたいと考えております。 また、主要業種における産業組織の実態把握のための調査研究を行うとともに、産業組織政策のあり方を明確にしてまいります。 次に、中小企業政策の推進について申し上げます。 これまでわが国社会、経済において重要な役割りを果たしてまいりました中小企業は、現在の長期にわたる不況の中で、需要構造及び貿易構造の変化等のため、これまでにない厳しい経営環境に直面しております。したがって、これら中小企業が現在の困難を克服し、健全な発展を遂げていくためには、このような環境変化に適応できるようなきめ細かい中小企業施策が従来にも増して要請されることを痛感している次第であります。このような観点から、以下に申し述べる諸施策を積極的に展開してまいります。 まず、厳しい状況下に置かれている中小企業の経営安定を確保するため、資金供給の円滑化、中小企業信用補完制度の充実、下請企業対策の推進等の施策を行ってまいります。また、中小企業の事業分野の適正な確保についても行政指導体制を整備する等十分配意してまいります。 次に、中小企業の約八割を占める小規模企業については、小企業経営改善資金融資制度の充実、経営指導員の増員等を行い、その経営の安定に対し格段の配慮をすることといたしております。 また、中小企業が現下の厳しい状況を打開し、健全な発展を遂げるためには、従来にも増して近代化及び組織化を促進する必要があります。このため、改正中小企業近代化促進法等を積極的に運用して、中小企業の構造改善事業、新分野進出事業等を促進してまいります。 さらに、経済環境の厳しい変化に対応して中小企業者が自主的に事業転換を行う場合に、金融、税制、指導等の面で助成を行う必要があります。このため、中小企業事業転換対策臨時措置法案を提出いたしたいと考えておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 次に、資源エネルギー政策の展開について申し上げます。 国際資源エネルギー情勢の流動化に対処し、わが国経済の発展と国民生活の向上を実現していくために不可欠な資源エネルギーの安定供給を確保することはきわめて重要な課題となっております。エネルギー問題については昨年八月に総合エネルギー調査会の答申が出されるとともに、昨年十二月には総合エネルギー対策閣僚会議において対策の基本方向が決定されております。今後のエネルギー対策の展開に際しては、これらに示されている基本方向に沿って、次のような具体的な政策を展開してまいります。 まず第一は、石油の安定供給確保を図ることであります。このため、産油国との対話を初め国際協調を精力的に進めるほか、開発、備蓄の推進、供給体制の整備等の施策を行ってまいります。特に備蓄については、先国会で成立をいたしました石油備蓄法に基づき、昭和五十四年度末九十日備蓄達成を目標とした石油備蓄増強計画を推進することとし、このための所要の財政金融上の措置を講じてまいります。また、供給体制の整備については、集約化、協同化等による石油産業の構造改善を推進することとし、所要の財政金融上の支援措置を行います。このため、石油開発公団法の一部を改正する法律案を提出いたします。わが国正海の有望な大陸だな開発に早急に着手するため、継続審議となっております日韓大陸だな法案ともどもよろしく御審議をお願いいたします。 次に、石油への依存度を減らしエネルギー源の多様化等を図ることであります。そのためにはまず将来のエネルギー供給源として重要な地位を占めると考えられる原子力の利用促進を図ることが必要でありますが、このためにはあわせてその安全対策を強化し、原子力の安全性に対する国民の信頼を回復していくことが重要であると考えております。 また、国内炭、水力、地熱等の貴重な国内エネルギー資源を有効に活用するとともに、海外エネルギーの多様化を図ることが重要であります。特に石炭については、保安の確保及び鉱害の防止を図りつつ、今後ともその生産規模の長期的維持を図るとともに、海外石炭の開発輸入を進めることといたしております。以上の供給面からの対策のほかに、需要面からも省資源省エネルギー対策を 一層充実してまいります。 第三に、新エネルギー源の研究開発を進めることであります。このため、サンシャイン計画の一層の推進を図り、太陽、水素エネルギー等豊富で無公害の新エネルギーの利用技術を開発してまいります。 第四に、今後の電力需要に対処するため電源開発を促進する必要があります。このため、まず、電源立地難に対処するため、発電所等の環境保全対策と安全対策を強化するとともに、電源立地促進対策交付金の運用の改善を図り、電源立地の円滑化を推進いたします。また、電源開発等に要する巨額の資金の円滑な調達を図るため、一般電気事業会社及び一般ガス事業会社の社債発行限度に関する特例法案を提出いたしますので、よろしく御審議をお願いいたします。 次に、対外経済政策の展開について申し上げます。 最近の世界の経済情勢を見ますと、資源ナショナリズムの高揚等に見られる発展途上国の要請の高まり、輸入制限的動きの顕在化等戦後の世界経済発展を支えてまいりました秩序は揺らいできており、わが国をめぐる世界経済環境は世界的な景気停滞もあって厳しい情勢にあります。 このような情勢の中で主要先進国の首脳がランブイエ城に集まり、広く経済、社会、政治上の問題につき建設的な意見の交換を行い、世界的な経済危機に各国が一致協力して対処する旨合意を行ったことは注目すべきことと思われます。また、産油国を含む発展途上国との対話の場として国際経済協力会議が開催されたことも、今後の国際経済の方向を決定していく上で重要な意義を持つものと考えます。 このように、新しい国際経済体制確立のための努力が世界的に行われつつありますが、わが国としては今後ますます各国との相互依存関係が深まっていくことを十分認識する一方、わが国の対外経済政策が世界経済に対し大きな影響力を持つようになってきていることに配慮することが必要となってきております。このような考え方にのっとり、以下のような対外経済政策を展開してまいります。 まず、世界貿易の安定的発展に積極的に貢献していくことであります。基本的には、自由貿易体制の維持、発展のため、新国際ラウンド交渉の積極的な推進等各般の努力を続けることが必要であると考えております。これに加え、貿易を通じて、発展途上国の経済発展に資するため、一次産品問題に対する総合的対策を早急に立てる必要があります。その具体的対策の一つとして、非鉄金属輸入の安定と備蓄の促進を内容とする金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を提出いたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 次に、経済協力の推進であります。私は、本年初めに中東諸国を訪問し、これら諸国との間の貿易経済関係の緊密化、とりわけ経済協力の推進について話し合いを行ってまいりました。この話し合いを通じて、何よりも十分な意志疎通を図るため対話を頻繁に行うこと及び経済協力プロジェクトを実現するため官民挙げてたゆまぬ努力を行って信頼関係を維持していくことがいかに重要であるかを、改めて痛感いたしました。これに関連し、経済協力の大規模プロジェクトが円滑に実施され得るよう、財政上、税制上の措置を講じてまいります。 また、資源を保有しない発展途上国等に対しても、その国の発展段階と経済情勢等に対応した経済協力の促進に特段の努力をしてまいりたいと思います。 次に、国民生活の安定と充実について申し上げます。 国民生活の安定と充実は、すべての国民の望むところであり、当省といたしましても従来から、消費者の意見を行政に反映させる体制の整備を初め、各般の消費者行政施策を行ってまいりましたが、今後、以下のような施策をさらに推進いたしてまいります。 まず、消費者利益を保護するための施策であります。このためには、電気用品、ガス用品等の規制の強化を図る等消費者の危険を防止する対策を初め、品質表示の適正化等消費者に適正な商品情報を提供する施策を行ってまいります。 これに加え、マルチ商法等の取引の相手方に不測の損害を与えるおそれのある特殊な販売方法について、取引の公正化、取引の相手方の利益の保護を目的とした特殊販売規制法案を提出いたしたいと考えておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 また、物価安定や流通の合理化についても各般の施策を推進してまいります。特に、大規模小売店舗の進出については、消費者の立場も踏まえつつ、小売商業者との円滑な調整に十分配慮してまいりたいと考えております。 さらに、住宅、繊維、生活用品、伝統的工芸品産業についても、引き続きその振興を推進してまいります。 次に、産業保安の確保と環境保全対策の充実について申し上げます。 産業活動に伴う危険を防止するとともに、公害のない快適な環境を維持することは全国民の希求するところであります。 このため、産業保安及び公害防止対策については最大限の努力を払い、今後も以下の施策を重点的に推進してまいります。 まず、産業保安の確保についてでありますが、昨年石油コンビナート等災害防止法及び高圧ガス取締法の改正法が成立いたしましたので、その適正な運用によりコンビナート防災を初めとする産業保安を確保する覚悟であります。また、保安防災の一層の適正な実施を図るため、総合的な防災アセスメントの手法を開発してまいります。 次に、公害防止対策については、従来までの対策のほかに、工場立地による公害の発生を未然に防ぐため、産業公害防止事前調査等の運用を強化してまいります。なお、資源の有効利用と環境保全の観点から、主要廃棄物について再資源化基本計画を策定するとともに、クリーンジャパンセンターを通じて廃棄物再資源化を進めてまいります。 また、金属鉱業等の蓄積鉱害対策につきましても施策の一層の強化充実を図ってまいります。 さらに、産業立地の適正化を図り、産業と地域社会との調和を図りつつ工業立地を促進するため、工業再配置を引き続き推進することといたしておるほか、工業用水につきましては地下水採取の適正化及び工業用水の使用合理化を推進することとしております。 次に、技術開発の促進について申し上げます。 資源の乏しいわが国が安定的発展の基盤を形成するためには、技術開発の果たす役割りは大きなものがあります。このため、サンシャイン計画及び大型プロジェクトの推進を図るとともに、国民福祉の充実を目指して、医療、福祉機器の開発を行ってまいります。 また、技術集約型産業の育成を図るため、超しSIの開発等を通じて電算機産業の振興を、また、YXの開発等により航空機産業の基盤づくりを図ってまいります。 以上申し述べましたように、本年は、長期間にわたる不況からの脱出の年であるとともに、今後、国内的には調和のとれた安定成長を、また国際的には新しい国際経済秩序構築を目指して、新たな時代を切り開くために、力強い一歩を踏み出す年であります。 私は、こうした重大な時期に通商産業行政を担当する者といたしまして、その責務の重大さを痛感いたしますとともに、激動する時代の流れを直視し、発生する諸問題に対しては、的確な判断と果断かつ迅速な実行とにより対処し、国民各位の御理解と御協力のもとにこの難局の克服に全力を傾注してまいる所存であります。 委員各位におかれましても一層の御理解と御支援を賜りますようお願いを申し上げまして、私の所信表明といたします。(拍手)
○稻村委員長 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を承ることにいたします。経済企画庁長官福田赳夫君。
○福田(赳)国務大臣 常日ごろ皆さんに大変御指導にあずかっておりますが、本国会におきましてもまたよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。 ちょうどよい機会でありますので、この際、最近の経済情勢並びにそれに対処する私の考え方につきまして概略申し上げさしていただきたいのであります。 私の基本的な考え方につきましては、すでに経済演説におきまして本会議で皆さんにも申し上げておるわけでございますが、五十一年度という年は、わが国の経済、社会、政治を通じまして最大の課題は、インフレの再燃を抑えながら不況からいかに脱出するか、そこにある、こういうふうに考えておる次第でございます。 石油ショック後、ことしは三年目に当たり、また三年度目を迎えようといたしておるわけでありますが、あのショック後の第一年度でありました四十九年度、この年度の課題は、インフレの燃え上がる火の手を消しとめることであったわけでありますが、この火消しは大体順調に実現した、こういうふうに考えております。そういう情勢で第二年度であるところの五十年度を迎えたわけであります。五十年度になりますと、さあインフレの火の手は消えた。消えたものの、まだくすぶりが残る。そのくすぶりを抑えると同時に、火の手は消えたのでありますから、経済活動をまた再び活発にしなければならぬ、この二つの課題を抱えておったというふうに考えておるのであります。 さて、その五十年度は終わろうとしておるわけでございまするけれども、その経過を顧みてみますると、まず物価。物価は引き続いて着実に鎮静化の方向をたどった、こういうふうに見ておるのであります。卸売物価につきましても消費者物価につきましても同様でございます。特に国民の深い関心を持っておりまする消費者物価につきましては、これは一けた台三月末実現ということを政策目標にしてまいりましたが、まあその政策目標はどうやら達成されそうだというふうに存じまして最後の努力をいたしておる、こういう段階でございます。 他方、経済活動につきましては、これは昨年のいまごろ皆さんに申し上げたところとちょっと違いまして、回復の基調がかなりおくれてきておるということを率直に皆さんに御報告申し上げなければならないのでありますが、その最大の理由は、これは世界経済がはからざる深刻な状態に陥った、アメリカ初め先進諸国という先進諸国全部がマイナス成長、五十年という年はそういう年であったわけであります。ただ、その中でわが国は、二%強でありますけれども、微弱ではありまするけれどもとにかくプラス成長を実現し得たという状態ではありましたが、さて、そういう中でわが国の経済界は一体どういう状態だということを見ますると、これはかなり深刻な状態です。 その深刻な状態であるということは、過去の景気循環におきましては、まあ一年ないし一年半ぐらいの不況、その後には三年前後の好況が来る。三年前後の好況が来ますと、また国際収支などに問題が起こりまして、そして引き締め政策がとられ、一年、一年半の不況になる、こういう循環で、不況というと一年、一年半ぐらいの状態だったのです。それが今度は三年になろうとしておる、そういう状態でありますが、そういう状態の中でわが国の企業は、終身雇用体制下で遊ぶ労働力に対しまして賃金の支払いというものがある。その賃金支払いの重圧、また借金体制の企業体質でありますので、その金利負担の重圧、こういうようなことがありまして、この一つ一つの企業運営ということをとらえてみますると、なかなかこれは容易ならざる状態で五十年を推移し、五十年度を終わろうとしておる、そういう状態でございます。 さて、五十一年度、四月から始まろうとするこの年度の経済展望はどうか、こういうことになりますと、私は、物価の方はこれはまた一段と鎮静化の方向を進め得るというふうに確信をいたしております。まあ物価を動かす、特に消費者物価を動かす要素は、これは海外の問題やなんかありますけれども、当面大きな要素というのは賃金と公共料金であります。 賃金は、五十年度におきましては、これは昨年の春闘になりまするけれども、あのように労使の間でなだらかな決定が見られた。それが五十年度の物価情勢に強く反映されておるわけでございまするけれども、五十一年度におきましても恐らく労使は合理的な決定をしてくださるだろう、その合理性に私は大きく期待をいたしておるわけであります。 問題は公共料金ということになりますが、公共料金は、五十年度におきましては一けた物価と申し上げましたが、その中で、酒、たばこ、郵便料金というようなもの、その他私鉄の運賃でありますとか、地方公共団体の公共料金とか全部ひっくるめますと、大体二・七%ぐらいのウエートを占めるのです。五十一年度におきましては、その公共料金の消費者物価上昇に占めるウエートを二%強ぐらいに抑えたいと思う。そこで、事業官庁におきましては、この際公共料金を一挙に引き上げ、経理の均衡を得たいというような要望もありましたが、それを遠慮してもらって、公共料金というものは大体三カ年ぐらいの間にならして解決いたしたい、こういう考えでありました。その初年度たる五十年度におきましては、酒、たばこ、郵便料金、こういうものの解決をする。それから五十一年度、五十二年度になりますと、国鉄運賃並びに電信電話料金、これを中心といたしまして、二年にこれをならして大方の解決を図りたい、こういうふうに考えておるわけであります。 そういう公共料金政策なんかを背景とし、また政府の政策努力等総合勘案いたしてみますと、まず大体八%程度の消費者物価上昇にとどめ得るし、とどめたい、これをもって政府の五十一年度における消費者物価の政策目標といたしたい、かように考えておる次第でございます。 他方、経済活動はどうかと言いますと、これは私はわりあいに明るい展望です。つまり、五十年度の経済が沈滞傾向であったというその最大の理由は、世界経済がはからざる不振の状態になった。アメリカ、ドイツを初め、先進諸国という先進諸国全部がマイナス成長を記録する、こういう状態であります。そういうさなかにおいて、わが国だけがひとり行くというような状態は実現できない。まあいろんな政策努力をいたしたけれども、総合的に二%強の成長というにとどまるという状態でありましたが、五十一年度の展望といたしましては、世界経済が今度は逆に総浮揚の状態になってくるというように見ておるのであります。すでにアメリカにおきましては景気回復の基調を固めた、ドイツにおきましても大体固めようとしておる、その他の諸国におきましてもこれに追随するという動きでございます。そういうさなかにおきまして、世界貿易がかなりの活況を呈するであろう。わが国の輸出には大きな期待が持ち得るという段階になってきておるのであります。 また、しかしそれだけでわが国の経済が浮揚できるかということになりますと、それでは心もとない。そこで、わが国国内におきましても景気浮揚政策としての財政政策を展開する、そういうことで、ただいま御審議を願っておる昭和五十一年度予算におきましては、その予算の規模、特に公共事業費におきましては四十九年度、五十年度両年度にわたりまして厳しくこれが増額を抑制してまいりましたが、ことしはかなりの拡大をする、そういう政策を打ち出しておるのであります。 また、国民経済全体に大きなウエートを占める国民消費はどうか。これは非常な沈滞状態だという声も聞きますが、沈滞というのはいかがであろうか、こういうふうに考えます。これが盛り上がりというような状態ではないにいたしましても着実な伸びを示し、五十年度全体を通じますと大体五%、実質五%程度の伸びを示してきたのでありますが、この勢いは五十一年度においても続くものと見て差し支えはない、こういうふうに私は考えております。ただ、設備投資におきましてはそう大きな伸びを期待できないのです。もっとも、五十年度におきましてはマイナスだった。それがプラスには転じよう。しかしこれは大きな期待をすることはできないのです。 そういう中で国全体の経済がどう動くかというと、結局、輸出と財政需要が牽引力となって経済活動を引っ張る、こういうふうに見ておるのでありまして、輸出は、私どもは実質七%を下らざる程度のものが実現できるであろう、また政府財政需要、これまた七%の程度のものは期待できる、こういうふうに見ておるわけでございますが、輸出と国内の財政需要というものが牽引力となって、五十一年度におきましては五ないし六%の成長実現は可能である、こういう見解でございます。物価の安定の基調をさらに固めながら、さように不況からの脱出を本年度におきましてはぜひ実現をいたしたい、かように考えておるのであります。 ただ、当面そういう問題は処理したいというふうに存じておりまするが、さらに重要な問題は、世界情勢というものが質的に非常に変わってきておる。その最大の理由は、資源無限時代から資源有限時代への突入という問題であります。そういうものを踏まえますと、これから先の長期、中期にわたってのわが国の経済社会のあり方というものには根本的な改定を加えなければならない、さように考えるのでありまして、そういう見地から、いま政府におきましては、暮れに五十年代前期経済計画概案というものを発表いたしたわけでございまするけれども、さらにこれを精細に煮詰めまして、この春ごろにはこの前期経済計画の決定版を作成いたしたい、かように考えております。 ことし、また五十一年度という年は、さような当面のことから考えましても、あるいは長期的、中期的に問題をとらえてみましても非常に大事な年でありますので、最大の努力をいたしまして国家国民の御期待にこたえてまいりたい、かように考えておる次第でございます。 詳細はお手元にお配りいたしましたごあいさつにもお目通しおき願いたいのでありますが、今後とも一層の御協力、御鞭撻をお願い申し上げましてごあいさつにいたします。(拍手)
○稻村委員長 次に、公正取引委員会委員長代理から、昭和五十年における公正取引委員会の業務の概略について説明を求めます。公正取引委員会委員長代理橋本徳男君。
○橋本(徳)政府委員 高橋前委員長が辞任いたしまして、新委員長の発令がまだでございますので、私、かわりまして公正取引委員会の五十年におきまする業務の概要を御説明申し上げます。 御承知のように、昨年のわが国経済は、物価につきましてようやく落ちつきを見せましたけれども、景気の回復は思わしくなく、長くかつ厳しい不況の年となりました。 公正取引委員会といたしましては、安定成長期を迎えようとするわが国経済が、競争的な体質を維持して健全な発展をいたしますように、引き続いて独占禁止政策の厳正な運営に最大限の努力を払ってまいりました。 まず、昨年におきまする独占禁止法の運用状況でございますけれども、五十年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は全部で百七十二件、同年中に審査を終了いたしましたものは百六件でございまして、そのうち、法に基づきまして排除措置を勧告し、また審判開始決定をいたしましたものは、全部で三十六件でございました。 これら三十六件のうち、カルテル事件が二十四件を占めておりまして、主な事件といたしましては、板ガラス業界、火薬業界におきまする価格、数量等の協定事件がありましたほか、新しい問題といたしまして、建築家の団体が報酬基準等を決定いたしました事件がございました。なお、一昨年来の傾向といたしまして、受注調整に関しまする事件が増加しておりまして、昨年はこれらのうち四件について勧告してございます。 このほか、最近目立っておりますことは、不公正な取引方法に関する事件が多くなっていることでございまして、三十六件中五件を占めておりまして、違法な再販売価格の指示とか、あるいは競争品の取り扱い禁止等につきまして、極力その摘発に努めてまいりました。また、いわゆるマルチ商法が社会問題となっておりまして、このような不公正な販売方法につきましても、適切な排除措置を講じてまいりました。 次に、許認可、届け出受理等に関する業務でございますが、まず、合併、営業譲り受けにつきましては、五十年中に、それぞれ九百九十六件、三百九十九件、合わせまして千三百九十五件の届け出がございまして、一昨年より若干の増加となってはおりますけれども、数年前と比べますとむしろ減少しておりまして、内容的に見ましても、ほとんどが中小企業等の合併、営業譲り受けでございまして、特に問題となるものはございませんでした。なお、最近におきましては、企業間の業務提携が活発となっておりますので、昨年その実態調査に着手いたしました。 次いで、事業者団体でございますが、事業者団体がカルテルの温床になりやすいということからいたしまして、そのあり方について基本的な検討を行いますとともに、事業者団体の成立等の届け出につきましてもこれを督促いたしました結果、五十年中に約四千件に上る届け出がなされております。 また、国際契約等につきましては、五十年中に五千三十八件の届け出がございまして、改良技術に関する制限条項とか競争品の取り扱い制限条項等を含む三百三十四件について、これを是正するよう指導いたしました。 独占禁止法の適用除外関係といたしましては、四十九年九月から再販指定商品の大幅な縮小が実施されているところでございますが、残されました再販商品につきましても、それらの弊害が生ずることのないよう、十分な指導監督に努めてございます。 不況カルテルの問題につきましては、一昨年末に認可いたしました繊維関係の二件については昨年四月及び五月に終了いたしましたが、御承知のとおり、需要の伸びが鈍く景気の回復が思わしくなかったために、昨年の秋、小形棒鋼、セメント、ガラス長繊維につきまして申請がございまして、これらにつきましては、これらの認可要件に照らし慎重に審査いたした結果、不況事態の克服に必要な限度を超えることがないように、実施期間を短縮する等の修正を加えまして、これを認可いたしてございます。 なお、鉄鋼業界におきまして、不況下にもかかわりませず、需給状況とは関係なく鋼材が同調的に値上げいたしましたことに対しまして、事情を聴取する等調査を実施いたしまして、独占禁止法上の問題点を明らかにするようにいたしました。 次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申し上げますと、昨年は、不況の長期化に伴いまして親事業者の資金繰りが悪化いたしまして、下請代金の支払い遅延等の増加が懸念されましたので、約一万九百件の親事業者に対しまして調査を行い、九百四十九件につきまして支払い改善等の措置を講じさせまして、下請事業者の保譲に努めてまいりました。 最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申し上げますと、五十年中に同法違反の疑いで取り上げました件数は全部で千九百九十九件でございまして、これらのうち、排除命令を行いましたものは三十件、警告等によりまして是正させましたものは七百二十八件でございます。公正競争規約につきましても、新たに歯みがきの表示に関するもの等四件につきまして認定をいたしまして、五十年末現在におきまする公正競争規約はすべてで五十三件となっております。 また、都道府県の行いました違反事件も五千件を超えておりまして、着実な歩みを見せており、今後とも都道府県との協力を一層推進してまいる所存でございます。 以上、簡単でございますが、業務の概要につきまして御説明申し上げました。何とぞ、よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願いいたします。(拍手)
○稻村委員長 次に、公害等調整委員会委員長から、鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務処理概要について説明を求めます。公害等調整委員会委員長小澤文雄君。
○小澤(文)政府委員 ただいまから、公害等調整委員会が昭和五十年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整事務について御説明申し上げます。 まず初めに、公害等調整委員会が所掌いたしております鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整事務について、概略御説明いたします。 第一は、鉱区禁止地域の指定に関する事務でありまして、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、聴聞会を開いて一般の意見を求め、利害関係人を審問した上で、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定し、また、同様の手続によりその解除を行うものであります。その指定をした場合、当該地域内における鉱物の掘採が著しく公共の福祉に反すると認めるときは、既存の鉱業権についてもその取り消し等を通商産業局長に対し勧告いたします。 第二は、不服の裁定でありまして、鉱業法、採石法、森林法、農地法、海岸法、自然公園法、地すべり等防止法、河川法、砂利採取法、都市計画法、自然環境保全法及び都市緑地保全法に規定する特定の処分に対する不服については、鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益または農業、林業その他の産業との調整を図るため、行政不服審査及び行政事件訴訟の特例として、直接裁判所へ出訴することを許さず、もっぱら当委員会が公開審理等準司法的な手続によりまして、不服の裁定を行います。当委員会の裁定または裁定申請却下の決定に対して不服のある場合は、当委員会を被告として東京高等裁判所に訴えを提起することができることになっております。 第三は、土地収用法及び森林法上の事業認定や収用裁決等に関し、主務大臣が不服審査を行う場合には、あらかじめ当委員会の意見を聞かなければならないこととされており、これに対し回答を行うものであります。 次に、昭和五十年中における当委員会の事務処理の概要を御説明申し上げます。 第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務でございますが、昭和五十年中に当委員会で処理手続を進めましたものは三十三件でございました。そのうち二十六件は、前年から係属中のものであり、七件は、昭和五十年中に新たに請求のあったものであります。この三十三件を請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するものが二十九件、環境保全に関するものが二件、景観の保護に関するものと、鉄道施設の保全に関するものがそれぞれ一件となっており、請求者別に見ますと、内閣総理大臣一件、農林大臣七件、建設大臣八件、運輸大臣一件、都道府県知事十六件となっております。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問、現地調査等所定の手続をとるとともに、具体的に地形、地質、鉱床、一般公益等各般の事情を詳細に検討し、審議を進めまして、八件について処理を終了いたしました。その中には、工事の円滑な遂行と施設の保全を請求理由といたします青函トンネル関係地域の問題、それから景観と文化財の保護を請求理由といたします中部山岳国立公園関係地域の指定が含まれております。 第二に、不服の裁定でありますが、昭和五十年中に当委員会に係属した事案は二件で、農地法の規定による知事の処分に対するものと、砂利採取法の規定による知事等の処分に対するものでございます。いずれも、前年から係属中のものであります。その処理でございますが、前者については棄却の裁定を行い、後者については申請の取り下げがなされ、その処理を終了いたしております。 第三に、土地収用法関係の意見でありますが、昭和五十年中に当委員会で処理手続を進めましたものは、十五件で、そのうち五件は、前年から係属中のものであり、十件は、昭和五十年に新たに建設大臣から意見を求めてきた事案であります。これらの事案の内訳は、道路河川関係十一件、都市開発関係三件、鉄道関係一件となっており、また、収用委員会の収用裁決を不服とするもの十四件、建設大臣の事業認定を不服とするもの一件となっております。当該十五件のうち十二件については回答済みでありますが、残り三件については審査中であります。 以上をもちまして、昭和五十年中の事務処理の概要を申し述べた次第であります。 なお、公害等調整委員会設置法第十七条に定められております昭和五十年の所掌事務処理状況の報告書は、会計年度で取りまとめまして、追って所定の手続を経てお手元にお届けいたしますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○稻村委員長 以上をもちまして、所信表明及び説明は終了いたしました。 なお、この際申し上げます。 昭和五十一年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算等につきましては、お手元に配付の資料で御了承願います。 —————————————
○稻村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
○佐野(進)委員 私は、いま大臣の行われた所信表明、さらに公取委員長の報告等に対して質問をしてみたいと思うわけであります。 その前に、福田副総理並びに河本通産大臣にお伺いしておきたいわけでありますけれども、いま国会や国の内外を挙げて大問題となっておりますのはロッキード問題であることはもう御承知のとおりであります。当委員会はこのロッキード問題に直接関係なしとはしながらも、ときどきの新聞報道あるいはその他の場所において、時の通産大臣がこの問題について相談を受けたとかあるいは表敬訪問をされたとかいうことが報ぜられておるわけであります。いわゆる通産省のこの種問題に対して果たしてきた責任というか立場というか、そういうものは否定することのできない現実であろうと思います。また、対潜哨戒機の問題に見られるように、一時国産化を決定しておりながらこれを白紙撤回してロッキードから購入する交渉が進められておるというような、そういうこともこれまた報ぜられておるわけであります。 航空機産業に対する通産当局の取り組みは、いま所信表明にもありましたとおり、「YXの開発等により航空機産業の基盤づくりを図ってまいりたい」と言われるごとく、またこの問題については多年にわたって通産行政の中で重要な役割りというか柱というか、そういうものであったことは間違いない事実であろうと思うのであります。したがって、通産行政の中において、このロッキード問題の処理あるいは考え方、あるいは将来どうするのかということについては、やはり当委員会に所属する委員の一人として重大な関心を持たざるを得ないと思うのであります。そこで、二、三の点を伺ってみたいと思うのでありまするが、まず福田副総理にお伺いをいたします。 副総理、時間の関係もあるやに伺っておりますのでお伺いいたしまするが、政治の大問題になりつつあるこの種問題は、いわゆる経済的な問題としてもちろん全面的にそれを把握するというか、そういう立場から見ることは適切でないかもしれませんけれども、この問題を中心にしていま起きつつある国内外の情勢は、将来日本の国の経済のあり方に対して非常に大きな示唆を与えておるというぐあいにも考えられるわけであります。総理がおりませんので、副総理として、このロッキード問題に対する見解をまずひとつお伺いをしておきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 ロッキード問題は、これはもう国民全体に非常に政治に対する疑惑という考え方を巻き起こしておる。非常に残念なことでありますが、何よりも私が残念なのは、世界の目が、日本の国というものに対する見方、これが揺らいできておる、このことだろう、こういうふうに思うのです。この際、どうしてもこれは事態を究明し、黒白を明らかにして、国民の疑惑を解き、世界のわが国に対する信頼、動揺というものをなからしめる、こういうことにしなければならない、かように考えておりますが、私は、この問題をいわゆる事件的処理で片づけることでは足りない。事件は事件として究明し、これを明白にしなければならない、こういうふうには思います。が、同時に私は、政治のあり方、政治の流れ、こういうものに対しましてこの際非常に深い反省をしてみる必要のあるときだ、こういうふうにとらえておるのであります。この間予算委員会におきましても申し上げたのですが、どうもわが国の政治風土、風潮の中に、金が政治を支配する、金で政治を動かすというような流れがないかということを深く反省させられるのであります。 私は、こういう非常に不幸な事態を引き起こしたこと、これの事件的究明ということ、これはもうどうしてもやってのけなければなりませんけれども、同時に、これは災いである、間違いなく災いでありますけれども、この災いを転じて政治の流れに対する反省、そして清く正しい政治を確立すするということですね、災いを転じて幸いとする、その方向でこの事件に対処しなければならぬ、そういうふうにかたく考えておる次第でございます。
○佐野(進)委員 福田さんは、経済見通しあるいはきょうの所信表明の中にもたびたび触れておるわけですが、日本経済は調整期間をいまや脱却しつつある、ことしは年末においては相当明るくなる、その明るくなる重要な見通しの一つとして輸出の増加を挙げておられ、さらに対米輸出が非常に強調であるということを強調しておられるわけです。そういう関係が今後の日本経済の運営上きわめて重要であると、そういう判断に基づいて所信を表明されておると思うのでありますけれども、そういう形から言いましても、今日このロッキード問題を中心とする日米間におけるところのわだかまりと申しましょうか、日本政府対アメリカ政府の、いわゆる総理大臣の書信という問題に対する返信、返答がいまだ来ない。それらの中で何か一定の役割りを日本政府は表向きはしながら、大使等を通じてこれにブレーキをかけているのではないかと言われるような一つの情勢等も見られるわけであります。 私はそういうことは信じたくないのでありまするが、いずれにせよ、日米間における重要問題、これは日米間だけでなく、世界的な重要問題としていまあるわけでありますけれども、そういう形の中で、この問題を、いま福田さんがお話しになられましたような国内的ないわゆる政治不信ということ、これはもちろん一番大事な問題でありまするけれども、政治が金によって支配されるという風潮をこの機会に改めなければならぬということは結構でございますが、日米間の外交、いわゆる経済的な意味におけるところの日米間の調整、そういうような方面においてどのような状況の変化を見られるのか、あるいは見られないようにすることが必要であるとするならば、その方面に、いま行われておるような書信、疑惑を解明するための対策とともに、経済的な面において、この種いわゆる多国籍企業の持つ諸外国、なかんずく日本の国内企業に対して与える悪影響を排除し、正常なる日米経済環境を樹立するためにどのような対策をとられることが必要であるとお考えになっておるか、多国籍企業問題は、世界的にも、日本の今日の経済状況の中においてもきわめて重要な課題になっておりますので、この点ひとつその見解を明らかにしていただきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 私は、この問題が起こりましてから、日米間の経済関係に重要な影響があっては大変なことになるだろうと、こういうふうに考えまして、その辺注目しながら情報等も集めておりますが、どうもこの事件自体が日米間の通商関係という幅広い角度に直接なり間接なり影響を持ってくる、こういうふうな見方はしておりません。しかし、それだからといって、今度の問題が醸し出されたというその問題の処理に当たりまして、これをただ単に先ほど申し上げました事件的処理で終わらしてはならぬと思うのです。やはり多国籍企業はもうすでに国際間でも問題になっており、OECDの場におきましても国連の場におきましても問題になり、わが国もその中で重要なメンバーとして参加をいたしておるわけでございますが、多国籍企業問題をどういうふうに考え、どういうふうにこれからこれに対処していかなければならぬかという問題これを進めるまた一つの契機ともしてとらえていかなければならぬだろう、こういうふうに思います。 いまここに通産大臣もおられます。また外務大臣はおりませんけれども、両大臣ともこの問題につきましてはそういう角度で深い関心を持っておるわけでありますから、さらに国際的な場を通じまして、この問題をどういうふうにとらえるか、どういうふうに対処をしていくかという方策につきまして協議をさらにさらに積極的に進めていかなければならぬだろうと、そういうふうに考えております。
○佐野(進)委員 私は、この問題が日本の国内において発生した問題でなく、アメリカの上院のいわゆる多国籍企業小委員会において問題として取り上げられ、それが国際的な反響を招き、結果的にわが国に重要な影響を与えている、そのことを考えたとき、国民の一人として、この問題の本質が国民の手によって解明されずして外国の国会の中で問題が提起されたということ、そのことのためにわが国政治経済の最大の課題になるということについて、きわめて遺憾というか、じくじたるものがあるわけでございますけれども、その原因の中に、いわゆる資本の自由化、貿易の自由化、あるいはわが国とアメリカとの経済関係の中で発生した、長い年月をかけて発生した一つの問題の終着的な意味におけるところの結論がアメリカにおいて暴露されたと、こういうぐあいに考えざるを得ないと思うのです。したがって、このことは単にロッキード問題だけでなくして、いわゆる多国籍企業というものの持つ性格上、あるいは他に存在するやもしれないという疑惑もまた当然持たれておると思うのであります。 したがって、この種問題に対して、日本が貿易を国是としてその政策を、経済運営を行っておるという形の中において、諸外国とのいわゆる信頼に基づく交流あるいはそれに基づく貿易、こういうことがますます円滑に運営されていくために、この際、大胆にこの種問題、いわゆる多国籍企業のあり方、それとわが国の関係商社との関連、こういうものに対してメスを加え、いわゆる政治の一つの黒い霧を解明するだけでなく、経済の根幹的なあり方に対して対策を講ずべきではないか、こういうぐあいに考えるわけでございまするが、いま一度副総理の見解をお伺いしておきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 多国籍企業問題につきまては、すでに国際社会におきましてこれを問題として取り上げておるわけです。たまたまそういう過程におきましてロッキード問題というのが起こってきたわけでありますが、これを契機として、さらに国際協力というものを前進すべきであるというふうに考えております。ただ、この問題の処理は、余り感情的といいますか、そういう雰囲気のもとで処理いたしますと、事の解決の方途を誤ると私は思うのです。あくまでも冷静にやらなければいかぬ。冷静沈着にこの多国籍企業問題というものをながめ、またその本質をとらえ、そして対策をとっていかなければならぬというふうに思います。 わが国といたしますと、とにかく貿易立国だ、そういう国柄であります。その立場から申しましても、対処の方向を過つというようなことがありますると、わが国の存立にも影響があるという問題でございますので、あくまでも冷静でなければならぬ、そういうふうに思いますが、冷静の中にも厳しくこの問題には対処するという必要があるのじゃあるまいか、その方向で対処してまいりたい、かように考えます。
○佐野(進)委員 この問題では後で通産大臣に質問をいたしますが、副総理の時間的関係もあるようでございますので、副総理に関する質問を続けてみたいと思います。 この所信表明をお聞きして、私、いつもそう思うのですが、この前の予算委員会でも質問をしたのでございまするが、福田さん、経済はおれに任せておけとよく胸をたたいて言われておるようであります。そういうような形から、この所信表明全体をながめてみましても、非常に楽観的な、あるいは楽観的というか希望を込めてという形の中でこういう表現になっておるのだと思うのでありますが、あなたはいまこの所信表明の文章も見ないでお話しになりましたから、相当の自信があってそういう形になったのだろうと思うのです。しかし、私もいろいろ各方面の勉強をし、意見を聞いたり本を読ましていただいておるのですが、そう福田さんが言われるほど日本経済の現状は必ずしも楽観を許さないというような情勢だ、そういうふうに話を聞く中であるいは現地を見る中で私は感ずるわけであります、もちろんそれは、全体的な情勢と、さらに個々の企業というか産業というか、そういう関係の中におけるばらつき、それが一つの物の見方として、いやいいんだ、いや悪いんだという判断の相違になってきているかもしれませんけれども。 問題は、あなたがいつも言っておられるように、いわゆる実質成長が二・二%だとか三%だとかおっしゃっておるわけでありますが、その数字の出し方そのものにも問題はあるわけでございますけれども、要すれば、いつもどこでも言われているように、あなたは操業度が七五%から八五ないし九〇になれば景気が回復したことになるということを、よく以前は言われておったわけであります。いわゆる水面下におけるところの水かきであるということをおっしゃっておったのですが、いまそのことは余り言われない。この所信表明を通じ、またここのところたびたびお話を聞いていると、そういうことを言われない。いわゆる操業度と輸出の関係あるいは国内消費の関係、そういう形におけるところの分析をどのようにこの経済見通しの中でなされておるのか、この点が一点です。 それからもう一つは、いわゆる需給ギャップが二十兆円ある。これは一般的に言われておるわけですが、これは二十兆円なのかあるいは二十二兆円なのか、それも見方によって相違があると思うのでありますが、その需給のギャップを埋めずして景気の回復あるいは六%の経済の上昇といいますか、そういうことは不可能ではないかと、これまた一般的に指摘をされておるわけです。あなたはいまこの需給のギャップをどうごらんになっておられるのか、分析されておられるのか。いわゆる操業度と、この二点について、あなたが言われるきわめて楽観的な裏づけとしても私はぜひ聞いておきたいと思うので、具体的にひとつ御説明をいただきたい。
○福田(赳)国務大臣 需給ギャップの問題と操業度の問題というのは相関連するわけです。需給ギャップにつきましては、これを金額的にとらえるということがなかなかむずかしゅうございますが、これをまた別の裏から見ますと操業度、こういうことになるわけです。いま企業の操業度ということが日本経済として大きな問題だというとらえ方を私はしておるのです。望ましい操業度より操業度というものが低い。そこで人手の遊びが出、設備の遊びが出る。そこで人件費あるいは金利費が企業を圧迫する、そしてそこに不況感というものが生まれてくる、こういうふうに見ておるわけでありますが、その大事な操業度は一体今日どういう状態であるか。 この操業度を測定する資料といたしましては、製造業稼働率指数というのがあるわけです。この稼働率指数というものは実際の操業度をあらわすものではない、実際の操業度というものはそれに〇・九を掛けて考えなければならない、こういうふうに言われておりますが、そういう性格の製造業稼働率指数は、昨年の第三・四半期、十—十二月におきましては大体八三ぐらいであります。昨年の三月でございましたが、これが七七であったものが、八三という水準まで回復をいたしておるわけであります。だから、実際の操業度ということになりますと七四ということになるわけです。まあそういうところです。暮れから生産もふえておる。経済諸指標はかなり活発に動いてきておるわけです。そういうことを考えますと、ことしの一−三には操業度はかなり改善をされまして、稼働率指数で言うと昨年の十—十二月の時点では八三ぐらいでありましたのが、八五という水準に行くのじゃないかというふうな見方をしておるのです。 さて、それが五十一年度中にどういう推移を示すかというと、大体一〇%ぐらいは改善される、また改善をいたしたい、そういうふうに考えておるのです。一〇%というと、昨年の暮れが八三%で、ことしの三月が八五になる、それが九五という程度のところになる。その辺になりますと、まあまあ望ましい操業度、製造業稼働率指数の水準ということになるわけでありまして、五ないし六%成長が実現されるということになると自然そういうことになってくるわけでありまして、ぜひ五、六%成長を実現し、稼働率指数を九五%程度のものに持っていきたい、かように考えておりますし、また持っていけるだろう、こういう見通しでございます。 ただ、こういうことは国民全体に御注意願わなければならぬと思っておりますが、夢よもう一度というか、あの高度成長期、つまり製造業稼働率指数で言いますれば一〇〇%を相当超えるというような状態、まあ実際の稼働率から言いますると九〇%を相当超えるんだというような状態はなかなか実現できないのじゃないか。これは世の中は非常に変わってきているのです。その変わってきている中において、先ほども申し上げましたが、わが国の企業の運営は相当カーブを切りかえなければならぬという問題があるわけでありますが、そういうことを頭に置く企業経営者につきましては、私は、ああまずまずいいところへ来たなという感じを、来年の三月、五十一年度末ぐらいの時点においてはお持ち願えるのじゃないか、さように確信をいたしております。
○佐野(進)委員 まあ稼働率指数はそうなるかどうか、これはわかりませんけれども、そうである、相当上がってきたと、各種の報告、データ等もそういうことになっていますから、いまここで議論しません。ただ、いわゆる需給のギャップはその裏表だとお話しになりました。私は、この二十兆円というのは、もう約半年以上そのギャップがあるんだということに対して訂正されたということを余り聞かないのですね。 景気が上向いてきたとは言いながら、この二十兆円近い需給のギャップが存在している、これをどうやって埋めるか。五十一年度予算を繁成するに際して、いろいろな議論があったというぐあいに聞いております。結果的に公共事業を中心にして、減税を切り捨てた。そうして減税をしないで、公共事業においていわゆる景気浮揚を図った。結果的に言えば、需給のギャップもその中で埋めるために努力をされたのじゃないか、こう思うわけでありまするけれども、この点をいまあなたは幾らぐらいに分析されているのかということをやはりお話しになっていただかないと、説明に迫力がないのじゃないか、こういうような気がするわけですね。それを採用するについて、公共事業か減税かということについて結果的に減税を切り捨てて、公共事業重点で景気浮揚を図っていく、こういう政策をとりつつある裏づけの中でどうなのかということが一つあるわけですね。 それからもう一つは、そういうような政策をとり続けていく形の中で、結局減税をしないで公共事業や住宅という形の中でそれをやっていく、そうすると、ことしは七兆二千七百五十億のいわゆる公債を発行して財政のつじつまを合わせた。こうなりますると、いわゆる中期の財政見通しの中では五年間でこれを解消するんだ、こうなりますと、減税はしないで公共事業、そして赤字公債を発行する、結果的に言うと、この財政で公債の償還を図って五年間にこれをゼロにするということにいたしますると増税ということになる。減税をしないで増税する。そういうような形の中でこの需給ギャップ問題をどうしていくのか、この点は、これからの経済見通しというのですから、あなたがいま報告された上における相当国民としては聞いておかなければならない問題じゃないか、また私どももそういう説明をしなければならぬのじゃないか、こう思うわけでありますが、この点、その見解をひとつお示しを願いたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 いわゆる需給ギャップにつきましては、二十兆円説あり、三十兆円説あり、あるいは十五、六兆だというような説もあり、これは計算の仕方によりまして非常にまちまちなことになるのです。つまり、稼働力というか生産力、これをどういうふうにとらえていくかということで、なかなか統一的な見解は出ないのですが、しかしそういう中で稼働率というものが大体安定した水準に達するということになれば、おのずからそこに需給ギャップ論というものも解決をされるというふうに見ていいのじゃないか、そういうふうにとらえておるのでありまして、私ども、そういう経済の動きの測定、それをはかり知る手段といたしましては製造業稼働率指数しかありませんものですから、それを中心にして考えるほかないというのが現状でございます。 そこで、これから先々の経済社会の中で稼働率指数が一体どういうふうになっていくか、あるいは需給のバランスがどうなっていくかということは、これはインフレ、デフレ、それに大きくつながっていくわけであります。私は、五十一年度以降五カ年間、これは大体六%強の成長が妥当である、こういうふうに考えておるわけですが、需給がその間におきまして非常に厳しくなる、こういうようなことになれば、これはインフレ傾向を助長するということになるわけです。需給が非常に緩和するという状態になれば、逆にデフレ的傾向を招来する、こういうことになるわけであります。 そこで、六%強の成長を目指しながら、物価も安定し、景気も着実に安定するという状態を実現するためには、これはどうしても政府といたしましては何らかの政策的な手段を持つ必要があるのじゃないか、そんな感じがするのです。いま五十年度、五十一年度、これは景気調整の過程でありますので、なかなか景気調整手段というような基本的な問題と取り組むのに適当な時期ではございませんけれども、その先々の経済を安定的に需要を管理し、そうして景気の波、高い低い、これをなるべくなだらかに抑えていく、そうして着実な成長を長期にわたって展開していくというためには、何かそのときどきの情勢に応じまして政府がそれをコントロールする、つまり需給管理というか、これを実現していくための政策手段というものを持たなければならないのじゃないか、そういうふうに考え、これからどういうふうな政策手段を必要とするであろうかというような検討、勉強をしていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 そして、その間におきまして財政が非常に重要な役割りを演ずる、これはもちろんいま御指摘のとおりでございます。で、事は政策手段の問題とはそれまするけれども、五カ年間にわたる財政の展望といたしましては、これは五十四年度、五年度、この辺で赤字公債体制から脱却をしなければならぬ、そう多額な公債財政体制というものを続けるわけにはいかない、そういう基本的な考え方を持っておるわけです。 その考え方に立ちますると、五十四年、五十五年の時点において赤字公債を脱却する。そのためには、どうしても国民所得に対する中央地方を通ずる税負担というもの、これが三%ぐらいふえないとどうも均衡をとりにくい、つじつまを合わせ得ない、こういう見方をしておるのです。もっとも、国民所得に対する中央地方を通ずる税負担三%というものは、これは増税だけで考えるという必要はないのです。景気が上昇する、そうすると自然増収というものが出て執る。景気がよくなければ、これはどうしても相等負担率は上がるわけでありまするから、ほっておいても、税制を改正しないでも負担率は上がってくる。その三%を自然増収でどのくらい賄い得るか、賄い切れない点は増税——増税といっても、新税の創設もあれば、既存の税率の引き上げというようなこともありますが、新たな増収というものを考えなければならぬということになるわけなんです。これはこれからの財政が景気に順応いたしまして、自然増収問題なんかを含めましてどういう推移を示していくかということを見ながら決めていかなければならぬ問題である、そういうふうに考えておるのであります。 あらかたの経済の方面の粗ごなしというのは私は五十一年度中に大体できると思っておりますけれども、財政に対する大変なしわ寄せを受けておる。その事後処理といいますか、これはなかなか容易なものではないのでありまして、これにつきましては財政が望ましい姿になるまでにはかなりの時間がかかると思いまするけれども、大体赤字公債だけは五十四年度、五十五年度の時点において脱却したいというかたい方針を持って臨んでいきたいという考えでございます。
○佐野(進)委員 それでは、福田さんは御用があるそうですから、通産大臣に質問をしていきたいと思います。 先ほど福田さんに質問をしたわけですが、今日の情勢下においてロッキード問題がわが国経済あるいは政治の上に及ぼしている影響はきわめて大きいわけでありまして、その問題が時の通産大臣であるとが通産省であるとか、あるいはその飛行機の製造はどうだとかということで、先ほど来申し上げているように大変大きな問題になっておるわけです。通産大臣は、この問題が通産行政の中において占めている役割りというか立場というか、そういうものがどの程度のものであると御判断になっておられるか、ちょっと聞いておきたいと思います。
○河本国務大臣 御質問に直接答えるということはできませんけれども、この問題に対する取り組み方につきましては総理もたびたび言明をしておりますし、内閣としての方針はすでに決まっております。そのことを先ほど副総理が敷衍して説明されたのだと思いますが、いずれにいたしましても、すべてを明らかにしていって、今後の日本の政治や経済のあり方についてよほど考えていく必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
○佐野(進)委員 コーチャン副会長が日本へ来て、ロッキードの売り込みを図った。時の田中通産大臣に面会を求めた、そして田中通産大臣に要請をし、さらにそれに関連する人たちとお話をして大変効果があった、こういうように言っておられるわけですが、これは田中さんが通産大臣であったという立場が非常に効果を上げる運動の一つとしてコーチャンさんが理解されたのか、あるいは田中さん個人がそういう立場における強力九影響力を持っていたがゆえに効果を上げたのか、その点、通産大臣はどう判断されますか。
○河本国務大臣 この問題は事実が正確に明らかにされておりませんので、私からコメントする立場ではないと思います。
○佐野(進)委員 大臣、事実は明らかにされていないけれども、その事実はだれも否定しないでおるわけですね。通産大臣に会って要請をしたという形のことはだれも否定していないわけです。私は、通産大臣の持つ権限というものがやはり機種の決定ないしはその飛行機の買い入れ、そういうことに対して相当大きな影響力を持っているというぐあいに判断して差し支えない、こう思うのでありまするが、この点はどうですか。
○河本国務大臣 私は、通産大臣という立場は民間航空機の機種の選定であるとかそういうものには関係はないと思います。防衛庁の機種の決定等につきましても、これは御案内のように国防会議で決定さるべき問題でございますので、通産大臣としては直接の権限はない、こういうように思います。
○佐野(進)委員 それでは、直接の権限がないという判断、それはそれでしばらく聞いておいていいと私も思うのでありますが、それでは、たとえば通産大臣が非常に権限があるものであると人も言い、またコーチャン氏もそう考えて要請に来、一定の効果を上げた、こういうことになっておると思うのでありますけれども、この問題の解明のためにいわゆる丸紅の果たしてきた役割り、それに付随するいろいろな商社活動、こういうものが国民の上に大きな疑惑というか、そういう点における倫理というか規制というか、そういうものが必要ではないかというような印象を、たび重なる喚問の中でますます強くしていると思うのであります。したがって、丸紅の果たした役割りというものがロッキード問題については重要であるということはもう間違いないわけでありまするが、この商社活動に対して通産行政はどのような権限と、その指導というか、そういうものをしておられるのか、この点をひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。
○河本国務大臣 今度の事件に関係をいたしまして、通産省といたしましても丸紅から事情の聴取をいたしました。 それはさておきまして、いまお尋ねの商社活動のあるべき姿でございますが、昭和四十八年四月に、当時商社活動のみならず産業界全体のあるべき姿勢につきましていろいろ議論が起こりましたのを機会に、経済団体五団体が寄りまして、海外における活動の行動規範というようなものをつくっております。それを受けまして、四十八年の後半に各商社がそれぞれ具体的に企業ごとに行動規範というものをつくったわけでございます。通産省もそれを受けまして、自来毎年一回各商社の海外における活動状況等につきまして事情を聴取いたしております。四十九年、五十年と続けて聴取をしておりますが、ことしもこの三月、第三回目の事情聴取をする予定になっておりますが、各商社が四十八年の後半につくりましたこの行動規範を読みますと、みな内容は非常にりっぱなんですね。これさえ実行すれば何も問題は起こらないわけなんです。でありますから、この各社がつくっておる行動規範が厳格に実行されるということを私は強く期待をいたしておるところでございます。
○佐野(進)委員 私は昨日の証人の尋問を聞きながら強く感じたことなんですけれども、いわゆる日本におけるビッグスリーというのですか、あるいはフォアというのですか、三井物産と丸紅が飛行機の機種を決定するという問題について、それぞれの激しい売り込み合戦が行われ、その中で丸紅が勝利を得て結果的にロッキードになった。そのロッキードになるについてだれとだれとだれとがその役割りを果たしたことが今日の事件の原因である、こういうようになり、全日空の社長、前社長が血みどろのというか醜いというか、国民的なひんしゅくを買うような形の中で、どれがうそを言っているのか、どれが偽証かというような形であのような姿を国民の前に明らかにしておるわけであります。したがって、商社活動の、あなたが言われる昭和四十八年、いわゆる売り惜しみ、買い占めを初め、ラーメンからミサイルまでと言われる、その強力なエネルギーというか、そういうもののほとばしるところ、活動するその活動力は敬意を表するとしても、その活動力の及ぼす結果として、多くの中小零細企業、あるいはまた、いまやまさに多国籍企業を巻き込んだ大きな社会的問題になっておるとき、この問題に対する責任というものが何らかの形において明らかにされていかなければならぬ。その明らかにされていかなければならない責任をだれが一体政府の中において担当するのか。経済企画庁が行うのか、通商産業省が行うのか、総理府が行うのか、どこが行うとお考えになりますか。
○河本国務大臣 商社の監督は通産省がしておるわけでありますから、商社活動全体についての責任は、私はやはり通産省にあると思います。ただしかし、商社活動、激しい競争をして国内あるいはまた国際的に活躍するということは大変結構でありますけれども、いまの問題は私は次元が違うと思うのですね。その激しい競争という事実と別に、犯罪行為というものがあったのではないかということがいま課題になっておるわけですね。犯罪行為ということになりますと、これは通産省の管轄を離れまして別の管轄になりますから、おのずから次元は別の問題だと思います。
○佐野(進)委員 私もその点については同感であります。ただ、四十八年以来この種問題があらゆる場所において論ぜられておるわけでございますから、この際、商社の活動というか、それらについて通産省が監督するというお言葉でございましたけれども、監督するというか指導するというか、その点がどのような法律的根拠に基づいて行われておるのか、あるいはさらにそのようなことを行う責任的セクションは一体通産省のどこの局が担当するのか、貿易局なのか、通商局なのか、産業政策局なのか、一体どこなのか、そこいらの点についてこの際明らかにしていただきたい。
○和田政府委員 商社活動一般に関しましては、産業政策局においてこれを担当いたします。ただいま大臣から御答弁申し上げましたが、種々行政指導を実施いたしておりまして、約二千社程度だったと記憶しておりますが——失礼いたしました、四十九年、五十年のそれぞれ三月に商社から任意の行政的な協力を求めておりますが、五十年におきましては、商社の取り扱い品目に関しまして、特定の品目に関しましてはこれを自粛するというような商社サイドからの申し出がございまして、その後これをフォローいたしてみましたところ、ほぼ取り扱い品目等に関しましては商社の主張どおりになっておるように考えております。本年三月におきましても、引き続き過去二年間実施しましたような協力を商社に求めて調査をしてみたいと思っておりますが、今回におきましては先生御指摘のようないろいろな問題が世上ございますので、特に商社の内部におきますところの管理機構と申しますか、どのようにして商社の内部において意思が決定せられていくか、そのような過程に関しまして特に重点を置きまして、商社サイドの主張、それからその実施を確認していきたい、このように考えております。 なお、通商関係、貿易関係それぞれに関しましては、所管の局におきまして為替管理法等の施行が確実に行われているかどうかを所管所管によりましてチェックをいたすことは当然でございます。
○佐野(進)委員 私がいま大臣に質問した中で、法律的根拠をどこに求めて行政指導をやっておられるか、こういう点についての答弁がないのですけれども……。
○和田政府委員 特に商社に関しましてこれを指導監督するような単独法は持っておりません。通産省の任務一般といたしまして、物の生産、流通、消費あるいは調整というようなことに関連をいたしまして行政指導を行っております。
○佐野(進)委員 大臣、この問題で質問を続ける時間がございませんので、一応締めくくりの質問をしてみたいと思うのでありますが、あなたの所信表明の中で、この問題とは直接関係ない形の中で触れておりますけれども、YX等云々という説明があるわけでございますが、国産機の製作については通産当局としてはどのような対策を立てておられるか、御説明を願いたい。
○河本国務大臣 これからの産業構造のあり方でございますが、オイルショック以降この問題が非常に大きな課題になっておりまして、今後は機械工業を中心に日本の産業の発展を図らなければならぬというのがいまの基本的な考え方でございます。しからば機械工業を中心に今後産業構造の転換をさらに高度化していくということであるならば、その場合にやはり中心はコンピューター産業とそれから航空機産業である、これが一つの大きな柱である、こういうふうな認識に立っております。 そういう意味で、航空機産業を育成強化していくという体制のためにYXの生産等を中心に強化を図っていこうということでございますが、航空機産業というものはすそ野が非常に広うございまして、航空機産業が発展をいたしますと、関連をいたしまして幾百幾千という関連産業の発展ということも期待できますし、このことによって日本の産業技術が飛躍的に高まっていく、こういうことも期待できるわけでございます。そういう意味におきまして、私どもは国内における航空機産業の今後の育成強化という点について引き続いて努力をしていかなければならぬ、その中においてYXの果たす役割りというものは非常に大きい、こういうふうに考えております。
○佐野(進)委員 いわゆる対潜哨戒機が国産化に決定したのが凍結され、白紙に還元された、こういうような形で、国産化するといえば、これは当然指導を通産省が担当するということになったと思うのでありますが、この種の問題について相談を受け、あるいはその機種決定等の間におけるところの、それに対して取り組もうとするような動きを通産省がそれぞれ指導したことがあるかないか、その点はいかがですか。
○河本国務大臣 この対潜哨戒機の機種の最終決定はこれは国防会議で当然行われることになるわけでありますが、通産省といたしましては、この問題が取り上げられまして以来ずっと国産化を強力に主張しております。通産大臣もこれに関係いたしまして発言する機会があるわけでありますから、ずっと通産省全体として国産化を主張してきております。現在も私どもは、国産化が一番いい、日本は国産を進める技術的な力もあるし、十分それに対応することが可能である、こういう考え方のもとに立ちまして、いま申し上げましたような態度を終始一貫とり続けておるわけでございます。
○佐野(進)委員 それでは、この問題の最後の質問といたしまして、二つの点についてひとつお考えを聞いておきたいと思います。 一つは、商社活動が、丸紅の問題を中心にいたしまして、すべて商社が悪いのだというような、商社とはこんなものかというような印象を国民に与え、あるいは同じのもあるかもわかりませんが、全部がそうではないと思うのでありますが、ほかの商社の方々も大変迷惑も受けておるし、また商社活動によって国民が得ている利益に比べると、この悪評は全く耐えがたいほどの悪評だと思うわけであります。そういう意味において、いま直接的に法律がない、こういう答弁でございまするが、商社に関係する法律を制定し、健全なる活動をしてもらう、こういうようなことが必要であろうと思うのでありますが、これに関するお考えをひとつ伺いたい。 もう一つは、対潜哨戒機については国産化について全力を尽くすということでありますが、これを機会に、国内におけるところの航空機産業の振興のために、この種問題についてはいまこそ決断して、さらに通産省挙げて政府の決定に対して強い要求をすべきではないかと考えますが、これについての見解、この二点を聞いてこの問題に対する質問を終わり、次の問題に入りたいと思います。
○河本国務大臣 商社活動について単独立法をして監督指導を強化していく、そういうことは考えておりません。先ほど和田局長が申し述べましたように、通産省設置法で十分商社活動を指導監督できるようになっておりますので、今後は商社活動が非常に巨大化していきますので、管理機構が果たしていまのままで十分なのかどうか。幾十幾百というような企業が一つの商社というものに一本にされて、そしてその中で非常に複雑多岐な活動をしておる、こういうような状態でございますので、管理機構というものをよほど合理化する必要があるのではないか。そのことが一つと、それからさらに、先ほど申し上げましたように、四十八年の後半に各商社がつくりました行動規範を確実に実行するということによって、私は十分商社活動はやっていけるものだ、こう思います。 先ほども申し上げましたように、今度の事件というものは、商社活動の行き過ぎとして一部に犯罪行為があったのではないかというふうな問題が発生いたしましたためにいろいろ問題が起こっておるわけでありますが、犯罪行為というようなことは全然別問題でございまして、当然こういうことは起こしてはならぬわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたような行動規範の徹底化と管理機構の再検討、このことによって商社活動は十分チェックできるのではないか、私はこう思っております。 それから、航空機産業の問題につきましては、これは先ほど申し上げましたように、通産省は終始一貫国産化を強く希望をし、現在もそれを強く期待をいたしておるわけでございますので、通産省が決める立場にありませんが、そういう意見を必要なところに、また機会に、十分積極的に開陳をしていって、これが実現するように努力を続けたいと思っております。
○佐野(進)委員 それでは次に、所信表明の内容に入ってまいりたいと思うわけでありますが、基本的方向についてはこの前大体聞きましたので、触れないでいきたいと思います。 第二番目の景気対策と産業政策の推進について若干質問してみたいと思うわけであります。 御承知のとおり、わが国経済は深刻なる不況の中に若干の明るさを見出したとは言いながら、水面下においてあがいておるというのが現状であることは、先ほど福田さんとの一問一答、あるいは先日の予算委員会において大臣とやりましたので、私もそのとおり理解をいたしておるわけでありまするが、結果的にこの景気浮揚という対策の中で、公共事業と住宅に重点を置いて需要の増加を図る、さらに貿易の拡大をし、輸出金融の拡充を図って景気の浮揚をする、こういうようなことが景気対策の柱という形になり、通産大臣が特にこの中において強調されておることは、プラント輸出が非常に成約されて効果を上げてきており、明るい見通しだ、こういうぐあいに言われておるわけであります。したがって、プラント輸出の成約の現況について、その内容をここでひとつ御説明をいただきたいと思います。
○河本国務大臣 ことしの景気浮揚の大きな柱といたしまして、財政面からするところの公共事業並びに住宅投資、それと貿易の拡充、こういうことを大きな柱にしておるわけでございますが、貿易の拡充の中におきましてもプラント輸出というものを最大の課題と心得ております。 昭和五十年度の大体のプラント輸出の成約額はおよそ六十億ドルを期待しておりますが、五十一年度は最低その倍の百二十億ドルというものを期待しております。現在の成約状態から考えますと、この百二十億ドルを達成するということは、努力次第では十分可能である、あるいはまたそれ以上可能である、こういうふうに考えております。 すでに成立したものは、これは御報告するにやぶさかでありませんが、成立寸前または引き合い中のもの等につきましては、外国との競合関係等にあるものが非常にたくさんございますし、それからその条件等につきましてもいま最終折衝の過程にあるものがございまして、大変デリケートな問題をはらんでおります。そういうことでございますので、すでに契約を完了いたしましてでき上がったものについては御報告をいたすことができますけれども、引き合い中のもの等につきましては、そういうことでしばらく御猶予をお願いしたいと思います。
○佐野(進)委員 それは私もあえてこの席で将来の成約に支障を来すような質問を続けようと思いません。それで結構です。 ただしかし、私はこのプラント輸出というものが、わが国の国益に合わない形の中で、ただやみくもに成約を急ぐということがあっては断じてならないと思うのであります。と申し上げますことは、いわゆる低開発国に対してプラントを輸出し、そこの輸出したプラントによって生産された物資がわが国に逆に輸入され、結果的に国内産業に重大な悪影響を与える、こういうような場合もなしとはしないと思うのであります。特に繊維であるとか、あるいは化学製品の一部であるとか、その他いろいろなものがわが国に輸入されることによって、わが国経済がきわめて困難な情勢に逢着しつつある。その部門の産業があることは大臣御承知だと思うのであります。プラント輸出についてはその成約を急ぐとともに、一定の条件下においてわが国産業の将来を見通した上にその成約をなすべきではないか、こういうような気がするわけでありまするが、この点についての配慮が行われておるかどうか、国内産業育成という意味において大臣の見解を承っておきたいと思います。
○河本国務大臣 多分御質問の要旨は、たとえば東南アジア等に対する繊維機械等の過去数年間の輸出等によりまして、東南アジア各国において繊維工業が発展をした。日本に対してそれぞれの国から輸出が非常にふえた。結局日本の産業が混乱をした。それに似たような事態は起こらないかどうか、そこまで配慮しておるかどうかということの御趣旨の御質問だと思いますが、最近外国から引き合いがありますプラント輸出というものは、非常に大きなプラントが多うございまして、たとえば石油精製設備、あるいはそれに関連するパイプライン、あるいはLPG、LNG等の設備、そういう一連のエネルギー関係の施設、それからまた発電施設等、それからダムの建設とか、その他幾つかの巨大なプロジェクトが非常に多いわけです。でありますから、過去に起こりました繊維産業のような例はないとは思いますけれども、しかしやはり輸出する国の事情等を勘案いたしまして、それが将来日本に対してどういう影響を持つであろうかということについては、十分考えてみる必要であろうかと思います。しかし、それだけを余り神経質に考えますと、なかなか思うように輸出もできませんので、ある程度踏み切らなければならぬ場合も出てくるわけでございますが、基本的には、いま御指摘の点、これはもう当然考えていく必要があろうかと思います。
○佐野(進)委員 次に、産業政策の推進の中で問題になっている事項について質問をしてみたいと思うわけでございます。 現在の経済情勢の中でそれぞれの企業がきわめて困難な情勢に直面しながら運営をしておることは御承知のとおりでありますが、特にいわゆる安宅、伊藤忠の合併に見られるような、繊維あるいは特殊鋼等々、数えれば数限りない企業がその存立をかけて再編成あるいはまた合併というような形の中で進めておるようでありますが、この中で政府が、いわゆる通産省がこの産業再編成という問題に対して積極的にその役割りを果たしておられるというように聞いておるわけでありますが、日本経済の現状の中で産業再編成、企業の合併等を促進する真の意図はどこにあるのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、安田委員長代理着席〕
○河本国務大臣 いま幾つかの業種におきまして合併等の再編成作業が進んでおることは事実であります。これに対する政府の基本的な取り組み方はどうかということでありますが、これはむしろ政府が積極的に介入してああしろとかこうしろとか言うことではなくして、業界がやはり自主的な発想において自主的に合併、業務提携、再編成を決めていくということが望ましいわけでありまして、政府といたしまして、これまで具体的にどことどこが合併すべきである、そういう指導はできるだけ避けていまして、業界の自主的な判断にまちたい、こう考えております。
○佐野(進)委員 そういたしますと、通産省で最近、産業組織政策室というのを発足させたり、あるいは産業審に産業組織部会を設置して産業組織政策に関する諮問を行う等、積極的にこの問題について取り組みをしておるわけですね。そうすると、いまの大臣の御説明と若干違うようなニュアンスを持つわけでありますが、この問題が、いま公取委員長はまだいないのでありますが、代理も来ておられますので、結局独禁法の改正はもはや必至である、したがってその前にこれら企業の合併ないし産業の再編成というものは積極的に推し進めていく必要がある、こういうような判断もあるいは働いているのではないか。いま大臣のお話と違ったように、事務当局はこのように進めておられるようにも考えるわけでありますが、これは今日の低成長下に移行するわが国経済の中で産業構造を転換させることが通産省としては必要であるという判断に基づいてやっておるのではないかという気がするわけであります。 この問題は、安宅と伊藤忠の提携の問題で明らかにされているように、そこに働いている人たちあるいは関連している企業の人たちにとっては死活の問題となっているわけでありますが、そういう点についての配慮——いわゆるこの産業再編成というものの持つ本質的なねらいはどうなのか、いま大臣のお言葉と若干違うようでございますので、これは局長からでもよろしゅうございますから、この点の答弁をひとつ求めたいと思います。
○和田政府委員 通産省の産業政策を推進してまいります場合に、われわれは基本として二本の柱を考えております。一つは産業構造問題でございますし、いま一つは産業組織問題でございます。 御承知のような社会経済情勢でございまして、わが国経済も今後は安定成長期を迎えることになったわけでございます。従来の形での継続ということがなかなか困難になってまいりました。景気問題一つとらえましても、生産、流通、在庫というふうな物的な面のほかに、さらに企業収益、あるいは大きくわれわれの問題としてとらえておりますのはあわせて雇用、このような問題が一体的にとらえられなくてはならない、こういうふうな変化を来しております。このような景気情勢、またわが国の経済情勢、世界情勢等を対応して考えますと、従来のわが国の産業組織、つまり一つの産業の中におきましていろいろな再編成問題が生じてまいりますことは、これは必然でございます。そのような場合に、従来は高度成長の中で一般的に吸収されてまいりました諸問題が、今後はなかなかそのようにはなってまいらないのではないかというふうに考えられますので、産業組織問題として一定の産業の中におきまして市場パフォーマンス、競争等がよく行われるか否か、あるいは業種ごとにいかなる産業組織が持たれることが一番望ましいかということを検討いたすことを開始いたしたわけでございますが、本件は直には必ずしも再編成その他には結びつくものとは考えておりません。一定の産業部門におきまして市場成果がいかにすれば一番上がるかということを考えることが本質的な課題かと存じます。 そうは申しますものの、産業再編成というものは非常に密接な関係を持っておりまして、ただいま大臣から御答弁申し上げましたごとく、通産省の基本は、やはり自分の企業をどのように持っていくかということは当該企業の経営者の方、これに関係される方々の問題ではなかろうかと考えております。しかしながら、国民経済全体の立場から考えますと、産業の再編成と申しますのは、高度経済成長期から安定成長期に向かいます際にわれわれがやはり一番関心を払わなくてはならない問題の一つは、国際競争力の維持ではなかろうかと思います。 先ほど大臣から御答弁もございましたが、このような一番鋭角の突端にある産業、たとえば航空機とか機械産業でございます、これらの部門におきまして、いかにして国際的に値段の通る価格で国際的に通用できる商品を供給し続けてわが国経済の発展のために寄与できるか、あるいは需給関係におきまして調整を要するような産業としてはどのような産業があるであろうか、あるいはそれが再編成をしていく場合にはどういう形で、申し上げましたような企業の収益、雇用等を維持しながら将来の継続を可能とするであろうか、さらにまた、国際的に生きていく身でございますので、国際協力という観点から漸次産業の国際的レベルにおける転換が行われます場合に、これに対してどう対処していくか、このような問題が産業再編成問題に関する主要点ではなかろうかと思いますが、いずれにいたしましても、それは個々の企業の自主性と自発性のもとにこれを決定していくというのが基本ではなかろうかと思っております。 さらに、このような産業各部門の中におきまして、仮にも価格の硬直問題あるいは産業部門における停滞等が生じてはなりませんので、個々の産業の中におきまして競争が最も活発に行われ、雇用が維持され、効率的に経済全体の運用をされるということを念願いたしまして、産業組織の最も望ましいあり方というのを時間をかけて検討をいたしておるところでございます。
○佐野(進)委員 産業再編成の問題は今日非常に大きな課題になり、案外不況だということで軽く見られている、こういうようなきらいもあるわけですが、いま答弁の中にありますとおり、ただ大きくなればいい、大きくなる形の中において寡占体制をつくり上げればいい、こういうような、企業あるいは銀行、あるいはまたそれに関連する指導者、特に言うなれば通産当局なり何なりがそういうことをやっているのだというようなうわさもそれぞれあるような気がするわけであります。しかし、これは厳にその歯どめをかけない限り、結果的にそれこそ経済の健全なる発展を阻害する、そういうことにもつながりかねないわけであります。日本の企業そのものがやはりそのことによって誤った道に進む、そういうことにもなりかねないわけでありまするから、これはひとつ慎重に対処していかなければならない問題だろうと思うのです。 そこで、公取委員長にお伺いしたいわけでありますが、いま起きつつあるこの種問題に対して、前高橋委員長はきわめて積極的に対処しておられたわけでありますが、公取委員会としてはどのようにこれを把握し、どのように対処されようとするのか、基本的な考え方で結構ですから、確固たる決意を持って答弁をしていただきたいと思います。
○橋本(徳)政府委員 公正取引委員会は、御承知のように、独禁法、とにかく法律を運用していくという立場でございまして、政策的な物の考え方というふうなものから独立してその法の運営に当たるという考え方になっております。したがいまして、いろいろ今日提起されている問題につきまして、まだ具体的な問題が出ておりませんが、基本的には何といいましても法律のいろいろな要件を厳正適切に運用していく、法の第一条の目的を達成させるということがあくまでも公正取引委員会の役割りだろうというふうに考えております。
○佐野(進)委員 基本的な姿勢ということですから、この種問題については、いわゆるそのことによって起きる弊害に対して、やはり断固たる決意を持って、委員長はかわっても公取はそのまま残っておるのですから、公取としてこの種問題に対しては積極的に、やはり直接的に調査をするなり、あるいは起きてくる弊害に対してそれを防ぐ、そういう手だてが必要であるならばそういう手だてを断固とした決意を持ってとる、こういうようなことを独禁法上における運用の中で行うのは当然でありますので、そういう決意があるかないかということをいまお伺いしているわけです。どうですか。
○橋本(徳)政府委員 もちろんこの法律を運用するために必要なる調査とかあるいは必要なる手段というもののは、法律の許す範囲であらゆる方法をとってまいる。そうしまして、やはり法律の目的達成ということのためには、もちろんそういった競争といいますか、将来における競争が阻害されないという状態をつくり出すためには全力投球をしていくという態度でございます。
○佐野(進)委員 それでは、これと関連いたしましてエネルギー問題について質問してみたいと思います。中小企業問題については過日行いましたし、また日を改めてこの問題についてはゆっくり長官と議論をしてみたいと思いますので、きょうは省略をしたいと思います。 エネルギー問題につきましては、いま一番大きな課題になっておりますのはやはり業界の再編成問題であろうと思うのであります。最近のいわゆる石油製品新価格の浸透に伴って、業界自体もこの問題についてはきわめて消極的になりつつあるということも聞いておりまするし、政府もまたそういうような業界の態度に対応するがごとく、この種問題に対しましてはきわめて消極的な姿勢を示し始めた、こういうようなことが言われておるわけでありまするけれども、今回の石油開発公団法の一部改正法案の提出という形についていま大臣からもその説明がございましたが、この問題についてエネルギー庁はどのような態度をとっておられるか、また政府としてはこの問題がエネルギー問題、特に石油問題、わが国の経済問題の中で最も大きなウエートを持つこの問題についてどうあることが望ましいと考えておられるか、最初に大臣の見解をお伺いし、長官の考えを聞きたいと思います。
○河本国務大臣 石油業界の再編成を議論する前に、昨年の秋ごろになぜこれまでくすぶっておりました再編成問題が急速に浮上してきたかということについて申し上げますと、石油ショック以降石油価格を低く抑えてきたということ等もございまして、石油業界の経営状態が昨年の秋ごろには非常に悪くなりました。各企業ごとに検討してまいりますと非常な問題点をたくさん抱えておりまして、これはもう大変なことである、こういうことを私たちも認識をいたしましたし、業界自身も声を大にしてこのことを強調されたわけであります。 そこで、これをほうっておくわけにいきませんので、とりあえず価格問題について昨年の十月には行政指導価格というものを発表いたしまして、十二月一日には標準価格というものを石油業法に基づきまして決めたわけでございます。幸いにいたしまして関係業界からも理解のある態度をとっていただきまして、この標準価格は私どもが考えておりましたより以上急速に具体化してまいりました。そういうことで、一時危殆に瀕しておりました石油業界の経営状態は、完全によくなったとは言えませんけれども、小康状態になったといいますか、一時の危急状態を脱した、こういう状態になったと思うのです。やや安心できる状態になった。そこへもってきまして、円安レートが続いておりまして、これも経営の圧迫になっておりましたが、これも最近はほぼ落ちついてまいりましたし、そういう面からも経営圧迫の材料というものはなくなったわけでございます。 たまたま自由民主党の方におきましても石油問題調査会というものができまして、今後の石油業のあり方についてひとつ抜本的に検討してみたい、こういう機運が出てまいりまして、昨年の秋の状態では、これはもう一日、二日もゆるがせにできない、そういうことで、一刻も早く再編成問題を片づけなければならぬということでございましたけれども、経営的にも余裕ができましたし、党の方にもそういう委員会ができまして、抜本的に検討してみたい、こういうことになりましたので、若干タイミングを延ばしまして、十分この問題と取り組む時間的な余裕ができた、私はこういうふうに思うのです。昨年の秋ごろの事情と大分事情が変わってまいりましたので、自民党の方もこの秋ごろには一応の結論を出すと言っておられますので、それにスケジュールを合わせまして再編成問題というものを考えていきたい、こう思っております。 しかし、再編成といいましても、日本の石油業界の場合は御案内のようにすでに五五%は外資系なんですね。外資系は四グループからできております。これは相当しっかりした経営を皆それぞれやっておられるわけです。民族系は約四五%のシェアしかございませんで、そのほぼ三分の一が共同石油、ほぼ三分の一が出光石油、残り三分の一がその他の数社ということになっておるわけでございます。そういうことでありますので、石油業界の再編といいましてもごく一部に限定される、こういうふうに私は考えておるわけです。でありますから、むしろ、石油業界は再編ということももちろん大事でありますけれども、同時に開発体制のあり方、それから備蓄のあり方、こういう問題が非常に大きくいま問題になっておると思うのです。こういう問題をあわせて解決していかなければならぬ、こういうふうに考えておるのが現状でございます。
○増田政府委員 石油再編成の問題についてお答えいたします。 石油業界の現状につきましては、いろいろ問題がございます。それで、石油業界をいかなる形に持っていき、それによって新しい時代に適応していくかということにつきましては、昨年の八月から総合エネルギー調査会の石油部会で、石油産業、ことに精製業及び元売り業のあり方について学識経験者その他関係者の検討を依頼いたしたわけでございます。これにつきましては昨年の十二月十九日に一つの回答が出ておるわけでございます。 〔安田委員長代理退席、委員長着席〕 これは石油危機以後の新しい世界の情勢、あるいは日本の経済というものが従来の高度成長から安定成長に移りました国内事情に適応して、いかなる石油産業のあり方がよいかということにつきまして検討いたしたわけでございます。ただ、これは一つの将来の考え方、あり方というものを出したわけでございまして、具体的にどこの会社とどこの会社が一緒になるということまでここに回答が出ておるわけではございません。 先ほど大臣から申し上げましたように、石油産業が新しい時代に処していかにあるべきかということにつきましては、これは業界自身が考え、そして石油という日本におきますエネルギーの八割を供給いたしております重要な産業というものが、安定的に石油を供給できるような体制に持っていくということから、業界自身で慎重に検討すべき問題だと考えております。 ただいま大臣から申し上げましたように、昨年の九月、十月、OPECの再値上げがありまして、このままでは石油産業は一部崩壊するのではないかということがございましたので、この石油再編成の問題が非常に焦眉の急として考えられていたわけでございますが、最近、価格につきましては小康状態も出ておりますので、これにつきましては慎重に検討をしながら結論に持っていきたい、こういうふうに思っております。
○佐野(進)委員 まだ質問する事項は残っておりますが、大臣もそれぞれ御用があるようでございますし、短時間では質問が終わらないような情勢でありますので、きょうはこの程度で質問を終了し、あとは保留いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○稻村委員長 前田治一郎君。
○前田(治)委員 福田副総理なり通産大臣の所信表明を伺ったのでございますが、それに関する質問をしようと考えておりましたが、予算委員会の関係で大臣が離席されましたので、きょうはもっぱら通産省の所管局長さん方に対してさらりとした質問を試みたいと存じます。 まず、大臣の所信表明を皆さんもお聞きになったわけでございますが、その通産行政のポイント、俗に通産省は大企業偏向であるとかよく言われております。中小企業庁もあるけれども、中小企業政策というものがどうも型にはまったものになってしまって、なかなか新機軸を出しかねている。それでもって中小企業を振興させるというようなことはとても困難な状態に現在あるわけでございまして、しかし、それでもなおかつ今回の国会においては、大臣の所信から伺いましたら、いろいろな法律の改正案あるいは新法の制定等ももくろまれておる模様であります。しかし、私はあれをもって中小企業政策能事足れりとするにはいささか心細い感じがするのでございますが、大臣いらっしゃいませんが、中小企業庁長官、現在の通産省の方針あるいは中小企業庁のお考えから割り出して、私がこういう疑念を抱いていることについてどうお考えでございましょうか、まずお尋ねいたします。
○齋藤(太)政府委員 中小企業者は全国の事業所の九九%を占めておりますし、またその生産額も全体の五割を超える。そこに従業しております従業員の数も、第二次、第三次産業におきます従業員の約八割近くを占めておる。こういう非常に大きな割合を占める分野でございます。したがいまして、通商産業政策の中におきまして中小企業の育成振興ということは一番力を入れておる点でございまして、たとえば現在審議をお願い申しております昭和五十一年度の予算案におきましても、通産省の予算の約三分の一強、四割弱を占める比率の予算を計上いたしまして、中小企業の振興に努力をいたしておるところでございます。何分大変広範にわたっておりますので、それで十分かという御質問でございますれば、なかなか私どもも十分だというように言い切れるほどには、万全を期すということにつきまして努力はいたしておりますが、決して十分とは申しかねるかもしれませんけれども、最大限の努力をいたしておるというところでございます。
○前田(治)委員 あらかじめお断りしておきますが、私はきょうは三十分ぐらいで質問をとどめたいと考えておりますので、時間が足りませんからはしょってお尋ねをするかもしれません。よろしく御理解を願いたいと思います。 大臣の所信表明の中に、中小企業については資金供給の円滑化、信用補完制度の充実、下請企業対策の推進、事業分野の適正な確保などが言われている。あるいは小規模企業のために経営改善資金を充実するのだとか、経営指導員を増員するのだとか、その程度のこと、そして事業転換法というのですか、事業転換のための臨時措置法も出すのだと言われておりますけれども、それぐらいで今日の日本の政府としての中小企業対策はいいのでしょうか。私は非常に物足らないものを感ずるのですけれども、中小企業庁長官、責任を持ってこの行政をなさっておるのですが、これぐらいのもので中小企業政策は完全なんだとお考えでしょうか、どうでしょうか。
○齋藤(太)政府委員 昨年の暮れに世界の各国の中小企業当局者あるいは中小企業団体、中小企業者、学者が集まりまして国際シンポジウムを開いたのでございますが、その際に各国の中小企業政策の披露と申しますか、がありまして、いろいろ討議をいたしたわけでございますけれども、いろいろな施策が整備されておるという意味におきましては、わが国が一番進んでおるように私は感じた次第でございます。これはヨーロッパ各国あるいはアメリカに比べまして中小企業の占める割合が非常に日本は高いということの反映でもあろうかと存じますけれども、施策としてはずいぶんいろいろな施策が整備されておる。ただ、不十分と申せば、それぞれの施策がその内容におきまして、たとえば資金面の充実にいたしましても、すべてにつきまして中小企業の要望に十分こたえるには必ずしもまだ線が太くないと申しますか、十分ではない、こういううらみは感じておるわけでございまして、そういう意味合いにおきましては、現在ございます各種の多様な施策をさらにその内容におきまして充実をするように努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○前田(治)委員 私も地方行政の分野で商工政策等についてはかなり苦労してまいった人間でありますけれども、たとえば現在通産省、中小企業庁が所管されております中小企業関係の法律一つを取り上げましても、実に種々雑多な法律を次から次へとおつくりになっている。通産省のお役人だってその法律を全部御存じないのじゃなかろうか、こう思うのです。いわんや日々の生業にのみ営々努力しておって、その種の法律等の勉強をするいとまとてもない中小零細な商工業者に、それらの法律なりを勉強しろというのは無理でございます。制度融資がたくさんありますけれども、その制度融資がどんな場合にどのようにして利用できるのかさえも、十分に中小零細業者には周知徹底されていない。だから、私をして言わしむれば、運のいい人だけがだれかに教わって、その制度融資の利用をなさっておる程度じゃなかろうかというような気持ちがするのでございます。 そこで、こういう問題をひっくるめてお尋ねしておきたいのは、そういう種々雑多な法律を一括なすったらどうか、法律改正という手続によって一本化してしまうというような意欲はわきませんかということが一つ。 それからもう一つは、たとえば経営指導員の増員ということをおっしゃっておるけれども、その経営指導員がどのように日々活動しておるか、そのためにどれほど国費を投入しておるか、それでどれだけの成果が上がっているかということを御存じでしょうか。私は実地の状況をよく知っておるのですけれども、こういうような点で何かしておけばそれで責任を果たしたような考え方では困ると思うのですけれども、以上二点についてお答えを願いたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 先生御指摘のように、中小企業関係の法律はたくさんございます。十数本の法律があろうかと存じます。ただ、これはそれぞれの目的に応じまして必要があってできておる法律でございます。常時法律の内容につきましては見直しをいたしまして、その目的を達成したもの、あるいは他の法律と統合した方がいいと思われるようなものにつきましては、その必要に応じまして、その時期時期にそういった手を加えておるつもりでございます。 ただ、非常に複雑なと申しますか、各種の多様な施策をとっておりますために、それが中小企業者に十分徹底をしていないと申しますか、知らない中小企業の方がまだ多数おられるということは、私どもの努力の不足を痛感するわけでございまして、各通産局その他中小企業団体あるいはテレビ、ラジオ等の各種の手段を使いまして、中小企業施策のPRと申しますか、利用される方にこういう施策が準備されておるということを、広報方をさらに努力をいたしたいと考えております。 経営指導員につきましては、これは地方の零細な商工業者のつえとなりまして指導をする方々でございます。現在約七千名おりますが、さらに五十一年度中に七百名の増員を図る予定にいたしております。この方々が日夜、町工場あるいは商店を巡回あるいは相談を受けまして指導に携わっておるわけでございまして、この方々がより働きやすくしますために、御承知のように経営改善資金といったような金を五十年度は二千四百億円、五十一年度は三千五百億円用意をいたしまして、その指導の結果が実を結ぶようにこの資金を融資する、こういうふうな仕組みをとっておる次第でございます。数が非常にふえてまいりましたので、その資質の低下を防ぎますために、さらにその研修施設の整備ということで中小企業大学校というものを完備したいと考えまして、五十一年度予算でまたそういった関係もお願いをいたしております。また、特に経営指導員が安心して仕事ができますように、その待遇の改善につきまして各種の是正方を今度の予算でもお願いをいたしておるところでございます。 こういった待遇改善あるいは研修の強化ということによりまして、なるべくすぐれた資質の経営指導員を得まして、その方々の活躍によって特に零細なる中小企業の方々が安心して仕事ができるように進めてまいりたい、かように考えております。
○前田(治)委員 経営指導員につきましては、お考え方は大変結構なんですけれども、実情がそれにそぐうていないと言うことができます。町村あるいは人口二、三十万程度以下の市が設置している商工会議所及び町村が設置している商工会等に派遣されている経営指導員は、おおむね所期の目的を達する程度の活躍をしておるように私は見受けておりますけれども、なかんずく大都会、大都市の商工会議所に派遣されている経営指導員、これはもう一度洗い直しをする必要があると思う。商工会議所の性格そのものから考えていかなければいけないと思う。だから、私は、これは中小企業庁の枠を外れた問題になってまいりますけれども、商工会の組織等に関する法律というのがあります、あの法律の中には商工会議所を設置しておるところの地域では商工会は設置できないというふうにうたわれておったと記憶いたしますが、商工会議所の区域でもいいじゃないか、その区域内をもっとさらに小さな行政区域、行政単位に区分をして、そして幾つかの商工会を設置することができるというように改正をして、そこで中小企業庁が所管される経営指導員の活躍ぶりというものをしっかりと押さえ込んでいくということも必要な手段ではなかろうか、こういうふうに考えます。 したがって、経営指導員という問題から離れまして、商工会議所の設置されている区域にも商工会を設置できるように商工会の組織等に関する法律を改正すべきであるという意見を私いま述べたわけでございますが、これに関する御見解を、これは中小企業庁と、それから本省の方は生活産業局ですか、両方から御答弁をお願いいたします。
○齋藤(太)政府委員 この商工会議所あるいは商工会は、その地域の商工業者に対します総合的な経済団体と申しますか、指導機関ということになっておるわけでございまして、ある地域におきまして独占的に一つだけ設立することができるものというふうにいたしておるわけでございます。原則といたしまして、市の地域におきましては商工会議所、それから商工会議所のない地域につきまして、町村が中心になりますが商工会を設置できるということで、その重複は法律によりまして禁止をいたしておるところは先生御指摘のとおりでございます。二つの機関が同じようにその地域の商工業者の指導機関でございますので、同じ地域に二つの機関ができますとその指導業務が混乱をする、そういう意味におきまして、現在の法律では重複を認めていないわけでございます。 ただ、商工会議所地域は、特にたとえば東京でございますとか大阪とかいったような非常に大きな都市になりますと、商工業者の数も多数ございます。したがって、小規模事業者の数も多数になります。こういった地域では経営指導員を配置いたしましてもなかなか末端までその指導が届かないといううらみがあることは先生の御指摘のとおりでございまして、そういう意味で、私どもなるべく都市の商工業者の多い地域に多数経営指導員を張りつける、こういうことでやってまいったわけでございますけれども、やはり指導のための根拠地と申しますか、それが東京の場合には日比谷の角にあります東京商工会議所だけで東京一円の指導をする経営指導員の本拠にするというには余りに広過ぎますので、支部というものを区単位に設けまして、その支部ごとに経営指導員を配属するというふうにいたしまして、現在全国のいわゆる政令都市と申しますか、区が設けられております都市につきましては全部区ごとに支部の設置を五十年度中に終わったわけでございます。ただ、区でも、なおまだ管轄として広いという感じがございますので、実際の活動におきましては、商店街等に駐在所と申しますか、駐在する場所を設けたりいたしまして、極力末端までその指導が行き渡るように努力をいたしておるところでございまして、都市部におきます経営指導員の充実ということにつきましては今後ともさらに力点を置きまして進めてまいりたい、かように考えております。
○前田(治)委員 時間がないから、続いて質問いたします。経営指導員の問題につきましては後日またゆっくりと質問もさしてもらい、意見も聞いてもらうことにいたしたいと思います。 私は、この大臣の所信表明の中に商業、小売店に関する事項が非常に薄いということについて若干の不満を抱いておるのでございますけれども、それに関連いたしまして、きょうは通産省にお尋ねしておきたいことがございます。 大規模小店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律というものがございます。四十八年の十月に制定されております。これは従前ありました百貨店法をこのように改正したのでありますけれども、百貨店法においては百貨店が売り場面積を新設あるいは拡張する場合には許可を得なければいけないというふうに規定されておったと記憶いたします。ところが、この大店法と略されている、ただいま私が言いました法律におきましては全く許可制というものが影を消して、届け出制になっている。しかも、指定都市においては三千平米、それ以外のところにおいては千五百平米という規定がございまして、三千平米といいましたらかれこれ千坪に近い面積でございますけれども、そこまでは全く野放しであるというふうに規定されておる。そしてそれを超えるものについては表示をして、あと届け出をしなさい、届け出をしたものについては通産大臣が調整を行うことがあるという公示をするのだ、そして六カ月以内に開業ができるのだけれども、その間に通産大臣は大規模小売店舗審議会の意見を聞いて、届け出の日から三月以内にこれの改善命令を出すことができる。改善命令とは何かというと、開店日の繰り下げであり、店舗面積の減少にすぎないというように、まことに大資本家が行うところのスーパーと称されるそういう店舗に対して寛大な処置であって、私の大阪なんかではこのために小売店舗が舞い上がっておるというような現象が起こっております。 そのようにして小売商店、特に零細な小売商店をいじめる、商売ができないような立場に追い込んでいくということが果たして通産行政なのかということになるわけでございまして、もっとも消費者の保護だというようなことで消費者が喜べばいいじゃないかという考え方もありましょうけれども、しかし通産省の立場からいけばやはり零細な小売店といえどもあなた方の行政の傘下におさめて、これを育成振興するような措置を講じてやらなければいけない、かように思うのでございます。 百貨店法を改悪して大店法をつくり上げた。一方におきましては、いまだに法律が現存していますけれども、小売商業調整特別措置法という法律がある。三十四年に制定された法律でございますけれども、ここでは間仕切りをした十店舗以上を擁するいわゆる小売市場というものを全部都道府県知事の許可制にしております。十店舗のうちで一店舗でも野菜とか生鮮魚介を販売している店があるなれば、もうこれで小売市場として知事の認可を得なければこの小売市場は開設できない。それが三百坪であろうと二百坪であろうと、この規定によって規制されている。一方ではその生鮮魚介も販売するであろうスーパーマーケットが、三千平米までは平気の平左で大都会では開店ができるというようなことで、法律ではこれを規制することが何らできないという状態になっております。 現実に私の選挙区内で旭区というところでございますけれども、仮にイニシアルをJと言っておきましょう、Jというスーパーがボーリング場の跡を賃借りいたしまして、そして二千七百平米ぐらいの面積のマーケットを開店しようと計画をしておる。地元の旭区の区内及びお隣の都島区の区内の公設、私設の小売市場の商人あるいはここいらの町の商人の皆さん方が本当に座り込みをするのだと言って息巻いて、このJというスーパーの開店、開業に反対をしております。この件は私は通産省にも状況を申し上げたし、また地元においては大阪府も大阪市も大阪通産局もこの件を関知していますけれども、陳情も受けておるけれども、どうにも手の施しようがない。業者のなすがままにして、いま改造中であるけれども間もなく開業される。そのために旭区と都島区の二区の区域内の商店が、食料品店も衣料品店もほとんどが全滅状態に陥るという危機を招いておるという、この現実問題もあわせて申し述べまして、一体通産省はこの大店法の今日の規制内容というものをどうお考えであるか、お尋ねを申し上げます。
○天谷政府委員 大店法が百貨店法の改悪であるかどうかという御質問でございますが、最初に、少し先生のおっしゃいましたことと重複するかもしれませんが、百貨店法と大店法とどこが変わっているかということを簡単に御説明申し上げます。 まず、千五百平米、それから政令指定都市におきましては三千平米以下につきましては、百貨店法の時代も許可制が適用されておりません。その百貨店法を踏襲いたしまして、大規模小売店舗法におきましても千五百平米、三千平米以下は何らの規制も加えないということになっておるわけでございます。 第二番目に、百貨店法におきましては許可制がとられておりましたが、大規模店舗法においては届け出制がとられておることは御指摘のとおりでございます。ただ、この届け出制は純粋の届け出制ではございません。先生も御指摘になりましたように、この届け出の内容に対しましては、通産大臣が大規模小売店舗審議会の意見を聞きまして、変更の勧告、それから変更の命令を出すことができます。命令に従わない場合には、営業停止あるいは罰則の担保もございます。したがいまして、届け出制とは申すものの、実質的には許可制にかなり近い面も含んでおるような制度に変わっておるわけでございます。 第三番目に、法律の目的でございますけれども、百貨店法、これは昭和三十一年に制定されておりますが、この百貨店法、それから昭和三十四年の小売商業調整法、この二つの法律は、その目的におきまして消費者の保護という目的が入っておりません。小売商業者の事業活動の機会を確保するというようなことが主たる目的になっておるわけでございます。しかし、大規模店舗法におきましては、消費者の利益を書かないということは目的として正しくないという考えのもとに、消費者の利益の確保と、それから中小商業者の事業機会の確保、それから流通業の効率化ということの三つを目的に掲げておるわけでございます。 この百貨店法から大規模店舗法への変化を改正と見るか改悪と見るかということにつきましては、いろいろな考え方があろうかと存じます。通産省の一応の考え方といたしましては、戦後約三十年の間に製造業は著しい合理化、効率化、生産性の向上が見られたわけでございますが、流通業におきましてはその効率化がかなりおくれておったという認識を持っております。ために、物価狂乱時におきましては、国会におきましてもあるいは政府首脳部からも、流通コストが高過ぎるということが物価高の一つの原因となっておるのではないかというような指摘もたびたびいただいておるわけでございます。あるいは国際比較をいたしましても、日本の流通業とアメリカあるいはヨーロッパの流通業を比べてみますと、明らかに日本の流通コストが高いということが指摘できます。 流通コストが物価に占める割合はどのくらいかということにつきましては、正確な統計はございません。しかし、きわめて大ざっぱに申しますならば、消費者が小売店舗で買うところの物の値段の約半分が流通コストであるということになろうかと思います。したがいまして、この物価高にあえいでおる消費者の利益ということを考えますならば、いかにして流通の合理化を進め、流通コストを低下せしめるかということも考える必要がございます。同時に、零細商業者の立場も考える必要がございます。通産省の所管のもとには零細中小商業者も入っており、大規模店舗も入っており、消費者も入っており、要するに国民経済が入っておるわけでございますので、その間の調和をとりたいというふうに考えておる次第でございます。 現在の大規模店舗法によりますと、通産大臣が変更命令等を出す場合には大規模小売店舗審議会の意見を聞けということになっております。大規模小売店舗審議会は、意見を決める場合に、各地にありますところの商業活動調整協議会の意見を聞くということになっております。で、この商業活動調整協議会は、中小商業者、大規模店舗、消費者、学識経験者という四者の構成になっておるわけでございます。ここで各地域地域の具体的な実情に応じましてできる限り民主的な方法でこの四者の間で利害の調整を行い、一致点、調和点を発見していく、そこで民主的な手続に従って発見された結論を通産大臣は九九%尊重する、こういうたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、私は、いまの法律が適正に運用される限りにおきまして、中小商業者と消費者とそれから国民経済上の流通の合理化という三つのポイントがバランスをとれるものというふうに期待をしておるわけでございます。ただし、現実の運用がなかなか理想どおりにはいきませんので、なお一層の努力を続けたいと考えております。
○前田(治)委員 あらかじめお断りしたようにわずかな持ち時間であるのに、あなたはいま制度の説明をなすった。私は、よって来る現象等も説明をして、それに対するあなたの見解を聞いたのです。そんな制度の説明なんかで時間をつぶされたらこちらが迷惑いたしますので、端的にあなたの見解をひとつ聞かしてもらいたいと思う。 それは、私は先ほど、大都市の商工会議所を設置されておる区域にも商工会を、小さな行政規模でいいからその区域ごとに商工会を結成できるように法律の改正をすべきであるということを言いました。これはいまあなたがおっしゃった、審議会が商調協と略称する団体の意見を聞くのだとお述べになったけれども、その商調協の委員の構成というものがこれは決して公平な構成にならない、なっていないということもあわせて考えて、じゃその委員はだれが選んで構成しておるのかというと、商工会議所が中心になっておる。大都市の大きな商工会議所では、これは全く大企業のサロンのような状態になっておって、いわゆる零細な商工業者のための意見代表の機関ではありません。それは通産省もよく御存じになっておらなければ困るのです。 だから、そういう点のギャップをどのようにして補うていくかというところから、私は商工会を大都市にも設置できるようにしろと言うたし、また、その商工会議所が選んだ商調協のメンバーが必ずしもこれは公平じゃない。しかも、現実に小売商人側に非常に不利な人員構成になっておるという点を何とか考えなければ、現在の法律における小売商業の調整はできはしませんよ。のみならず、三千平米という面積がどんなものであるか、およそ想像つくでしょう。町々につくられておる私設の小売市場なんかが一体どれくらいの面積か、二、三百坪ですよね。そういう大きな店舗を資本力によってつくってどんと一発打ち出すことによって、もう付近の小売市場もまた小売商店も全部壊滅状態に陥れてしまう、圧殺してしまうということが現に起こっておる。私はJというイニシアルのスーパーがということを言いました。それについてそのような騒動が起こっておるんだと申し上げたのに、審議官は全然お触れにならなかった。その問題をどうお考えになるか、もう一度聞かしてください。もう時間がないのだけれども……。
○齋藤(太)政府委員 商工会議所地域に商工会を設けるように法律を改正したらどうかという先生の御意見につきまして、私どものお答えを申し上げたいと存じます。 現在、原則として市の区域に商工会議所、それから町村区域に、商工会議所のない区域に商工会を認めておりまして、この商工会と商工会議所はそれぞれの法律に基づきまして重複を禁止いたしております。その理由といたしましては、どちらもその地域におります商工業者の一元的なと申しますか、独占的な指導、経済機関である、こういうふうな性格を持っておるわけでございますので、その地域に一つだけつくられる機関が二つできますと、お互いの仕事が全く同じような仕事でございますので競合して、混乱をする。この混乱を避けるために、法律的には重複を認めていないわけでございます。 ただ、先ほどもお答え申し上げましたが、それでは大都市におきます商工会議所が、特に小規模な中小商工業者の指導という面で十分かという点につきましては、確かにまだ手が届いていないという面がございますので、そういう面につきましては、たとえば支部を区単位に設ける、さらにその支部の出張所みたいなものを商店街単位ぐらいにこさえる、こういうことによりまして末端の商工業者までその指導の手が届くように対策を講じておるわけでございますが、まだまだ不十分な面がございますので、さらにその点は充実を図ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○前田(治)委員 天谷審議官に申し上げますが、先ほどあなた、百貨店法と大店法だけを比較なさったが、百貨店というものとスーパーマーケットというものとの比較をなさっていない。これは性格が違うのですよ。百貨店というものはしにせ、歴史を持った小売店ですけれども、これの経営方針というものと、店舗の大小を問わずとにかくチェーンシステムでもって売らんかな主義でどんどんと商品を売りまくろうというスーパーの経営方針とは全然違う。それとこれと一緒にして一つの法律で、これで前のとおりでございますというような考え方をなさるからおかしいのですね。その辺の御所見を私は聞きたかったのです。 それから、現実に大阪で起こっておるこの問題をどう考えているかということも聞きたかった。それは法律の網にひっかからない問題であるからおれは知らないよというようなお気持ちなのかどうか。その辺だけでも結構です、お聞かせを願いたいと思う。
○天谷政府委員 大阪の件につきましてはわれわれはまだ報告を受けておりませんのですが、三千平米以下のものにつきましても、商工委員会の決議もございますので、行政指導をすることになっております。したがいまして、よく実情を調査しました上で、適正な行政指導をいたしたいというふうに存じます。
○前田(治)委員 どんな行政指導ができるのか、ひとつお手並み拝見と言いたいのですけれども、これは地元の小売商人たちは祈るような、本当に必死の思いで通産省の処置を期待しておりますので、その期待にこたえるような善処を何とかお願い申し上げたいと、いまこの場で申し上げておきます。 実は、私、通産大臣にもっと大きな問題を聞きたかったのですけれども、大臣がいらっしゃらないので、もう一つだけこの機会に、小さな問題ですけれども伺っておきたいと思います。 省資源ということを所信表明でもおっしゃっている。これは単にエネルギーとかあるいは大きな意味合いの資源だけを指すのではなしに、ありとあらゆる角度から省資源精神を発揮しなければいけないというふうに思うのでございます。いま世の中にくず屋さんというのがありまして、そのくず屋さんは古新聞、古雑誌、いわゆる古紙と称されるものを集めておる。また一方では、くず屋さんが古金属というのですか、いろいろな金属類のくずを集めておる。これは活用すれば十分再生資源として効力を発揮するものでございますが、これらの業界を通産省の枠の中で何かめんどうを見ておられるかどうか。 これの取り締まり法というと、警察が所管しておる古物商取り締まり法ですか、それだけによって彼らは鑑札をもらってくずを買いに回っておる実態であったと思います。しかし、集めてくるものはパルプの省資源にもなるし、あるいは金属鉱石の省資源にもなる。これはつつましく日本の経済を立て直していくためには非常に重要な資源の一つであると思うのです。これがあるいは盲点みたいに目こぼしされてしまっているのではなかろうかというふうな感じもいたします。古紙業界に対しては何か保管倉庫をつくるための融資制度がちょっと道が開かれたということも聞いておりますが、現状はどうなっておるかについて御説明を願いたいと思います。
○野口政府委員 古紙の問題に限ってお答え申し上げたいと思っております。 省資源という見地から、私ども古紙の問題は非常に大事だと思っております。現在、紙パルプの原材料といたしまして、すでに四〇%は古紙で賄われているような状況でございます。重要性につきましては時間の関係で省かしていただきますが、御指摘の古紙回収業というのが非常に零細な、企業とも言えないような中小の零細の方々が多うございます。したがいまして、その仕事のしぶり等につきましても、いわば前近代性と申しますか、非合理的な面が多々あるわけでございます。しかるところ、今回のようなこういう省資源という重大な仕事をその方々に依存する、こういうことになったわけでございまして、この紙業の育成、近代化、合理化のために、通産省といたしましてもいろいろ努力をしているわけでございます。 そのために、先生御存じだと思いますが、昭和四十九年に、官民一体となりまして、財団法人でございますけれども、古紙再生促進センターというのを設けました。もちろんこの財団はいろいろな仕事をやるわけでございまして、基礎的な仕事といたしましては、古紙を回収するということ、そうして利用することはいかに大事であるかというようなPR等もございますけれども、この重要な仕事は古紙回収業の育成にございます。このために基金を設けまして、古紙回収業の近代化、育成のためにいろいろやることはたくさんあるわけでございますけれども、何よりも企業的な事業の基盤が弱いということがございます。したがいまして、債務保証の仕事をやってきておるわけでございます。これも非常に零細でございますので、仕事をやるのに必要なお金を借りるにもなかなか思うに任せない面もございますので、基金を設けまして債務保証の仕事をやっているわけでございます。その他、この財団は、古紙回収のための実態の把握というようなことから、あるいは古紙回収、古紙の利用の重要性のPRをやるということ、さらには地方の府県、市町村と協力をいたしまして、古紙の回収、再生利用のシステムの開発、こういうような調査もやっておるわけでございます。 ともかく、私どもは実際の紙を集める回収業の育成ということのために、債務保証を中心といたしましていろいろ支援措置を講じ、省資源対策のための重要な一環として働いてもらうように努力をしているわけでございます。
○前田(治)委員 もう時間が来てしまいましたので、これできょうの質問は終わりたいと思います。 実は用意しました項目の四分の一しかお尋ねしておりません。なお、きょう実は景気対策の一環として、一体最近の倒産状況をどういうふうにごらんになっているかということもお尋ねしたかったし、また倒産とは何ぞやということについても少し議論をしたかったのです。銀行、手形交換所で一回か二回手形の不渡りを出すと、その手形の不渡りを出したことによって倒産だ倒産だと言うて騒いでおりますけれども、それは手形の不渡りであって、決して破産ではない。したがって一概に倒産と言うにはふさわしくないと思うのだけれども、その辺のところをもう少し通産省においても詰められて、吟味されて、そうして、こういう場合に倒産と言うのだ、手形の不渡り等の場合はこのような意味合いで呼んで、その企業はまだまだ立て直しをしてやることができるのだというような方法もお考えになっておくべきじゃなかろうかという意見を私は持っております。その点にも言及したかったのですけれども、きょうはその時間がございません。 わずかな質問でまことにお恥ずかしい次第ですが、本日の質問はこれで終わります。
○稻村委員長 次回は明三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十分散会