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77回国会衆議院1976/05/17

社会労働委員会 第10号

発言数
359
登壇者
19
会派数
5
開催日
1976/05/17

会議録

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 これより会議を開きます。  厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、健康保険法等の一部を改正する法律案、及び予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私は、きょう健康保険法の一部改正と、それから予防接種法の一部改正の二つに関する質問をすることにいたしておりますが、初めに健康保険法の一部改正の方から質問をさせていただきたいと思います。  申し上げるまでもないことでございますけれども、わが国の医療問題というのは、大変に長い間いろいろな問題が解決されないままに過ごされております。たとえば医療供給体制の不備だとか、保険医療以外の自己負担がだんだん増大していくという問題でありますとか、薬剤重点主義の医療であるというようなことでありますとか、さらにはまた医療保険各制度の間のバランスがとれていないというような、いろいろ問題があるわけでございますが、そういった基本的な問題には触れないで、今度の改正は、一口に言うならば保険財政の立て直しと申しますか、保険財政の立場から考えられた改正であるというふうに読めるのでございますが、厚生省の方でも、その点は認識していらっしゃるのでございましょうか、ちょっと確認させていただきたいのでございます。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、今回の改正案の性格でございますけれども、保険財政の立て直しという面について御指摘あったわけでございますが、私どもの考え方といたしましては、昭和四十八年に健康保険制度につきましての大きな前進が図られたわけでございまして、四十八年の改正によりまして、家族の七割給付の実現でございますとか、高額療養費負担制度の実現、さらに健康保険財政の安定を図るという意味から、定率の国庫負担あるいは保険料率の調整規定、それに伴う国庫補助の連動規定等によりまして、一応健康保険の給付の面におきましても、あるいは健全な維持発展を図るという面におきましても、大きな前進が遂げられたわけでございます。しかし四十八年の制度改正の際に予想しておりました事態と、その後の社会情勢、経済情勢、特に経済情勢につきましては、大きな変動があったわけでございまして、当然、健康保険制度におきましても、この影響を受けざるを得ないということから、今回の改正におきましては、まず、その後の経済情勢、社会情勢の変動にいかに対応するかというのを主眼にしているわけでございます。  そういう面におきまして、その後の情勢の変化に対応いたしまして、負担の面なりあるいは給付の面等におきましても、最小限度の改正措置を行いたいということから、標準報酬の問題あるいは一部負担の問題等につきましての最小限度の調整を行いますとともに、給付改善の面におきまして、現金給付の面におきまして、分娩、葬祭関係あるいは任意継続被保険者制度の改善というようなものを内容にしておる次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 これは、そういうふうにお返事になると思いましたけれども、私は、ここでちょっと大臣にお尋ねしておきたいと思いますことは、そうはおっしゃいますが、そのとおりだとは思いますけれども、しかし社会保障制度審議会あたりでもそう申しておりますし、そのほか一般の学識経験者その他の方たちの御意見を見ましても、やはり保険財政に重点をかけ、保険財政を立て直すための今度の改正としか考えられないと意見が出ておりますのと同時に、抜本改正とよく言われますが、日本の医療制度の基本的な問題点を早い時期に何とか解決しなければいけないじゃないかというふうに考えられております。私も全くそのとおりに思うのですが、基本的な問題を解決するための方針あるいは政策等、近い将来お出しになる御予定がおありになるかどうか、その点を政策としてお考えになっていらっしゃるのかどうか、大臣に伺いたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 いま保険局長が答弁いたしましたが、今回の改正は保険財政の立て直しだ、こういうことですが、ある意味でそれに違いないと思うのです。しかし、それだけではどうもぐあいが悪いので、任意継続とか現金給付とか——私は、保険財政の立て直しそれ自体がそんなに悪いことだとは実は思っていないわけであります。保険財政がむちゃくちゃでは国民医療というものはできないわけでありまして、その意味では、保険財政の立て直しだからけしからぬというような御意味ではないと思いますけれども、しかし、それ以上何らかの改善があったらなおいいという意味だろうと思いますが、それについては、こういうことをやっているわけでございます。  何分にも四十八年以降、あの石油ショックを通り抜けてきて、非常な経済変動があるものですから、あのままにしておったのでは結局は行き詰まってしまって、医療保険というものか動かなくなってしまう、これを何とかしなければならぬというのも、私は、やはり政府の責任だと思っておるわけであります。抜本改正をやるのかと、こういうわけですが、常日ごろからわれわれはいろいろと心がけておるわけです。しかし先生、抜本改正というのは一体何だといって人に聞くと、それぞれみんな違うんですね、結局。給付のあり方について、たとえば現物給付、出来高払い制度を改めることを抜本改正だと言う人もありますし、あるいはまた保険のグループをこの際統合してしまえ、そうすればいいのだと言う人もありますし、いや、そこまでいかなくてもいいから金の出し合いでもして、この前われわれがちょっとトライしたようなああいう財政調整の方式でもいいのだ、いろいろなことを言うのですが、そうしたことを踏まえてどこまでいきますか。一遍にこれをやろうと思っても、なかなか簡単にはできません。  ことにこの問題は、関係当事者の利害が鋭角的に対決する場でございます。したがって、できるものからやっていくのが正しいのじゃないか。すべてをシステマタイズしてやらなければだめだというのでは、百年河清を待つかっこうになりはしないか。  そういうわけで、私としては、保険グループをもう少し合理化できないかという意味で、たとえば国保などについてのあり方については、目下役所でいろいろ検討をいたしておるところでありまして そうしたことについての努力は今後続けてまいりまして、できるものから成案を得て、また国会の先生の御審議を相煩わしたいと思っておりますので、そのことについて今後とも努力していく所存であります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 はい、わかりました。抜本改正の問題は、またいろいろの意見がありますからきょうはそのことでなくて、別の機会に私も考えをいずれ述べさせていただきます。  そこで、具体的な問題に入りたいと思うのですけれども、確かに保険財政立て直しだけでないというようにも見ることはできますけれども、やはり何と言ってもそこに重点がかかっているのは否めない事実ですし、それが悪いと言っているわけではありませんけれども、その方法についていろいろと考えてみる必要があるのじゃないかということが考えられているわけです。  たとえば今回の場合非常に問題になっておりますのは、患者に課せられる一部負担のはなはだしい増大という問題があります。元来、保険医療というのは、一人一人の国民が、これは患者になる可能性があるわけですけれども、支払っております保険料と、そして税金とで賄われているはずのものだというふうに考えます。でございますから、考えてみれば一部負担というものは本当は存在しないはずだと思うのです、そういう形で保険医療というものは進められるはずですから。だから、その本来の保険医療の趣旨に反するんじゃないかというふうにも思われますし、あるいはまた制度の後退になるんじゃないかというふうにも考えられるわけなんです、この一部負担というものが非常にどんどんのさばってまいりますと。何か形としてはそうなってくると矛盾があるのではないかというふうに思うわけです。  そこで、一部負担をなさる目的なんですが、どういう意味合いで一部負担をなさっているのかということが知りたいわけです。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 ただいま先生からお話しございましたように、一部負担のあり方につきまして、いろいろな御意見なり御議論があるところでございます。確かに先生からお話しございましたように、本来保険料で支払っているのだから、それ以外の一部負担は要らないのじゃないかというような御議論もあるわけでございます。この問題につきましては、社会保険審議会等におきましても、ずいぶん議論がされたわけでございます。  そこで、一部負担の基本的な性格なりあり方につきましては、いろいろなお立場なりあるいはいろいろな角度から御意見というのが分かれたわけでございます。  そこで、一部負担のあります理由として従来から言われております考え方といたしましては、医療を受ける方と受けない方というものにつきまして、給付を受ける者との何らかの均衡という面からこういうような制度が必要ではないか、あるいは乱受診を防止するという意味でこういうようなものも必要ではないか、あるいは保険財政の見地からも必要ではないか、さらに健康に対する自己責任というものを認識していただくというような面から一部負担の機能なり役割りというものはあるのではないかというような、一部負担につきましての御議論等もあるわけでございます。  一方、一部負担に対します反対論につきましては、ただいま先生からお話しございました御議論もあります。あるいは受診抑制につながり、早期発見、早期治療を妨げるのじゃないかというような面からの反対の御議論もあるわけでございます。  そういうようなことで、社会保険審議会でもいろいろ御議論があったわけでございますけれども、いまの段階におきましては、この問題につきましては、なかなか意見の一致を見るに至らないというようなことでございますし、私どもも一部負担のあり方なり基本的な性格という問題につきましては、今後とも真剣に考えていかなければならない問題であるというふうに十分認識しているわけでございます。  そこで、今回御提案申し上げております一部負担額の改定の問題でございますが、これにつきましては、そういうような基本的な見解なり意見につきまして、いろいろこれからの問題であるというようなことで、基本的な性格論をどうするかということではなしに、昭和四十二年に現在の額が設定されているわけでございますが、昭和四十二年以来今日までの経済状況等を考えました場合に、所得の面におきまして、あるいは医療費の面におきまして、あるいは標準報酬の面におきまして、大体三倍以上というような率になっているわけでございまして、そういうような各種の経済指標等のその後の動き等を考えました場合に、四十二年当時ございました一部負担というものがあるわけでございますので、今日の段階におきまして、経済指標等の動きに見合いましたスライド的な内容であるということであれば、いろいろ御意見のあるのは十分承知している次第でございますが、国民の皆様なりに御理解、御納得いただけるのではないか。しかも医療保険の財政というものが非常に悪化しているわけでございますし、四十八年以後の経済情勢に対応するという意味で最小限度のスライド的な改正をお願いしたいというのが真意でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いろいろおっしゃいましたですけれども、私もまた考えを持っているわけでございまして、たとえば医療を受ける人と受けない人との不均衡が起こってはいけないから、受ける人は自己負担をするのだ、こういうふうに聞こえたわけですけれども、しかし保険というのは、元来相互扶助じゃないのですか、たてまえが。それだったら、医療を受ける人も受けない人もいろいろあるはずですね。保険料を払っているけれども、一遍も病気をしなかったという人もあるわけですね。そういう人はどうするのですか、返してくれるのですか、こういうことになるでしょう。だから私、不均衡説はおかしいと思うのです、保険のたてまえから言えば。だから、その点は私、ちょっと納得できません。  それから、いま一つのことは、乱診乱療ですか、これを予防することができる、高い費用を払わなければならないから余り受診はしないであろう、こういう想像なんだろうと思うのですけれども、それはあるのかもしれませんけれども、逆のこともありますわね。高いから行かれない、そこで早期発見、早期治療のチャンスを失う、そうすると病気がかえってひどくなる、ひどくなったときには、もっと多額の金を払わなければならない、こういうふうになりますでしょう。そういうようなこともありますから、そう簡単な理由で考えたのだというふうになさっては困ると思うのです。  それから、自己責任の自覚ですか、これは先般、本会議の社会党の村山議員の質問に対する厚生大臣の御答弁の中にもその言葉はございました。それでこれは、そういうものかなと思って私は聞いていたのですけれども、しかし考えてみたら、やはり保険料を払っているということは、自己負担の責任をちゃんと持っているということになるのでございまして、それ以外にさらに自己負担を、保険料以外の自己負担を強制するかっこうになるというのは、どうしても考えられないと思うのです。考え方としては筋が合わない。財政的に困難だ、それもよくわかります。ですから、何とかしてそれを満たしていかなければならないということであるならば、筋の通ったやり方、たとえば保険料を値上げするというようなことであれば筋は通っていますよ。保険料値上げがどういうふうになるかということになると、また問題があるかもしれませんけれども、しかし考え方としては、保険料を値上げするということで調整していくということの方が筋が合っていると思うのです。ですから、自己負担、一部負担というのは、非常に問題になると私は思っているのです。だから、これは何とかしなければならぬ。  いま、さらに局長おっしゃいましたね、所得とかあるいは標準報酬とかそういうものが大体三倍くらいになっているから、三倍くらいに値上げしたということはスライド的な考えなんだ、これもわかります。金額として三倍になっていますね、今度初診料二百円が六百円、それから入院料一日六十円が二百円、確かに三倍ですね。だから、それは大変算術的な計算で三倍になさったのだということはわかるのですけれども、もしスライド的な考えでなさるのであるならば、入院したときに、現行で行きますと一日六十円で一カ月間支払うわけですね、だから千八百円ということになりますね、三十日と計算して。それが今度は二百円になって、これはスライド的に上がったのだということで一応おくといたしまして、それはいいとしても、六カ月延長したというのはどういうことですか、これもやはりスライド的考え方でございましょうか。この辺はどうも納得がいかない。それは私の考え方が届かないのかもしれませんけれども、期間を延長したということはどういう意味だったのでしょうか、それを教えてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 確かに先生御指摘のように、金額の面のスライドはあるにしても、期間については現在の一月を六月に延ばすというのは、スライドの範囲を逸脱しているのではないかというような御議論だろうと理解するわけでございますが、確かに現在の入院時一部負担金一日六十円でございますが、金額の面につきましては、そういうような費用を参考にいたしまして二百円という数字にしたわけでございますけれども、やはり医療保険財政の現状というようなものを考えました場合に、傷病手当金の期間が六カ月間出るというようなことから、今回の三倍程度の引き上げを、国民の皆さんに御理解、御納得をいただけるということでございますれば、傷病手当金が六カ月は出るというようなことから、新たな考え方を導入したというよりは、従来あります制度というものを若干延長したということで、質の同じ問題だということで御理解いただきたいというふうに思う次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 傷病手当金が六カ月延びたから一部負担の徴収も六カ月にしよう、大変算術的で、そして本当に国民のことを考えた側に立っていらっしゃらない。これだけ入ってくるようになるからこれはこっちへもらいましょう、こういうふうに聞こえて大変に残念なんです。もう少し何か医療を受ける国民の弱い——医療を受けるということは、病気になっているということなんですから、非常に弱い立場になっているわけです。そういう人たちの立場に立って物が考えられなかったのかということについては大変残念に思うわけです。  ことに社会保険審議会の答申を拝見しますと、一部負担の問題について「賛否をめぐり各様の議論があり、意見の一致をみるに至らなかった。」というんですね。非常に意見があるところだと私も想像できます。そして、その反対意見として、これはごく一部の人が反対しているだけでなくて「被保険者代表委員は、一部負担金の引上げについては、被保険者の負担能力が極めてぜい弱である現状に加え、差額ベット、付添看護等保険外負担によって重い負担を余儀なくされているので、現在の段階では反対である。」こういう御意見です。それから医療経験者である公益代表の方の御意見は、この引き上げについては「国民の医療権を侵害するものであり、特に低所得者に対する配慮及び国民の利益に還元する方途が必要である。」というふうにおっしゃっているし、事業主代表の委員の方は「一部負担金の額の改定については異論はないが、入院時一部負担の期間の延長については、大幅に短縮すべきである。」こういうふうに言っておられるわけです。ですから、私は、今度の一部負担の引き上げが四面楚歌みたいになっているのではないだろうかというふうに感じるわけでございます。  というのは、今度四月から九・一%診療報酬が値上げになりましたね。ですから、あちらであの値上げもありますし、今度の法改正と相まって大変に個人の負担は大きくなっていくと思うのです。そうすると、国民として必要悪な医療を受けようと思うのに、保険財政の建て直しをしなければならないからといって、この改正が行われるというようなことによって、受けようと思っている医療を抑制されてしまうというようなことだって起こらないとは限らない。これは大変な問題だと思います。そういうようなことが実際問題として起こるようなことがあったら非常に問題だと思うのです。  ですから、私も、財政がどうなっても構わないなんて乱暴なことは考えていないつもりでございますが、一部負担のあり方に問題があると私は思うのです。だから、上げ幅を縮小するとか、いまここに御意見も出ていましたように、あるいは入院期間を一カ月だったのを六カ月に広げるということは、幾ら傷病手当金が六カ月に延びたからといって、余りにも芸がないと申しますか、非常に単純に延ばしたような感じを受けますので、そういうふうなやり方でなくて、何か一遍にそこまで引き上げていかないで、段階的にするとか、何かきめの細かい配慮が行われてしかるべきではないかというふうに思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。もうこれ以上全然考えられないとおっしゃるのでしょうか。何か考えてみようという余地はおありになるのでしょうか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 先ほども大臣から御答弁申し上げましたように、四十八年改正いたしました医療保険制度というものが、その後のオイルショック等の経済情勢の変動に対応いたしまして、国民の健康な医療を確保するための医療保険制度をいかに今後維持発展させるかということが、やはり一つの基本であろうというふうに考えられるわけでございます。  そういうふうに考えました場合に、ただいま先生から一部負担のあり方等につきまして、いろいろ御意見をいただいたわけでございますが、確かに社会保険審議会でもこの問題につきましてはいろいろな御意見、御議論等が出たわけでございまして そういうような意味からも一部負担のあり方につきましては、やはり今後の問題として十分慎重に検討していかなければならない問題であるというふうに考えられるわけでございますけれども、少なくともスライド的な額の改定等につきましては、医療保険制度の健全な維持発展を図るという意味からも必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 医療保険の健全な発展のために必要だということはわかります。だけれども、今回の一部負担の決め方が非常に唐突で、そして先ほどから答弁を伺っておりますと、それでは国民は納得できないのではないかというふうに考えられるわけです。ですから、私が申し上げているのは、一部負担をすること自体全然だめだと言っているのではないのですが、その一部負担のやり方をもっと考えられないかということなんです。そして、もっと国民の側に立った考え方で配慮を加えた一部負担の仕方というものを考えるべきじゃないか。  本来だったならば、さっきも申し上げましたように筋がおかしいということなんですから、それに加えて、この答申の方にもございましたけれども、差額ベットの問題だとか、あるいは付添看護料の問題などから考えますと、今度こうなりますと、うっかり入院できないということになるわけです。ですから、そうなると、国民の医療に責任を持つと言い切れるのでしょうか。そこら辺が大変問題になってくる。国民だって医療を受けるのだから、自分でも責任を持ちなさいという考えで一部負担をつくったというふうにおっしゃいますけれども、国民は責任を持つつもりで保険料を支払っているわけですから、それで足りないのだったらそっちで考えるというふうに——先ほども申し上げましたが、この一部負担というものは、考え方としては大変にうまくいけたみたいですけれども、金額がこういうふうに張ってきますと、そして、さらに期間の延長というような、スライドとは何の関係もないものが出てきたりいたしますと、やはり納得しがたいというふうに思います。  そこで、この問題にばかりかかってもおられませんので、この問題は最後に大臣にお願いしたいのですが、一部負担をなさること、それ自体私たちは全面的に否定しているという意味ではないのですけれども、これをもう少し配慮を加えたことができないのかどうか、そのように御努力願えるかどうか、その点をお願いしてお尋ねしたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 金子先生の御議論わからぬわけではないのですが、一部負担を実施する理由はどうか、それは一つ一つ全部意味がないとおっしゃってみたり、あるいはむやみに上げることがよくないのだ、こういう御議論があって、私もよくわからないのですけれども、要は、私は先生と少し所説が違うのでございまして、一部負担というものは絶対に意味のないものではないというふうに思っています。その理由づけについて言葉が足りなくて、説明が十分じゃないのだと思うのですが、ヨーロッパの医療保険だって、一部負担が全然ないかというとそうではないのでありまして、その点については、いろいろ議論のあるところだと思いますが、要は、余りむちゃくちゃに上げて、適切な受診機会が変に抑制されることがあってはいけないということだろうと思います。その限度については、今後ひとつよくどの程度が妥当なのか——それから私は、長い間社会労働委員をしていて、これを上げて国会で反対されなかったことは一回もないのです。ですから、ついためておいてやるというからぎらつくということなんであって、これは次第にステップ・バイ・ステップで上げていくという方法がいいのかもしれません。やはり今後重要な検討課題にしたいというふうに思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 重要な課題にして続けて検討していただくということは、大変に結構だと思いますから、それをぜひお願いしたいと思います。  私が言っていることは、どうもあっちへ行ったりこっちへ行ったり何を考えているのかわからないというふうな発言になったみたいに私は受け取れたのですが、私は、そういうふうに申し上げたのじゃございませんで、本来、一部負担というのは、保険医療としては筋が通らないのじゃないかということを原則として申し上げたわけなんであります。それが原則論でありまして、しかし、それでもやむを得ないのだということであるならば、引き上げるなら、もっと配慮を加えて、国民の側に立った立場で引き上げ幅のことも考え、あるいはスライドと関係のないものが上がるようなことにはならないようにというふうに申し上げたわけでございます。ですから、そういうことで、本来ならば筋を通せば一部負担絶対反対ということを私は考えとしては持っております。しかし、そういうことでございますから、今回の場合も一部負担反対という原則の上に立ってやむを得ず行われるという場合には、いま申し上げたようによく配慮を加えてやってもらいたい。それから今後のこともございますから、今後のことを考えました場合には、ぜひ十分検討を加えていただきたいというふうに思うわけです。  そこで、続いてお尋ねをしたいことは、この健康保険法の改正とは少し外れますが、やはり医療費の問題で政管健保の関係になりますが、高額医療費の問題が今度改正されるようになっております。いままで三万円だったのが、今度は三万九千円ということでございますね。この高額医療費の取り扱いなんですが、療養費払いになっているというところが、国民の側からは大変に苦しいわけですね。それだけのお金を用意しなければ受けられないわけです。後から返ってくるとはいうものの、受けるときは用意をしなければならない、借金もしなければならない、こういうことになるわけですね。ですから、このことは、いまここで療養費払いをどうしろこうしろということを申し上げるつもりはありませんけれども、この問題は、全般の問題を討議するときに一緒に考えていただきたいと思うわけでございます。  ところで、今度その金額が引き上げられて、まあ約四万円ぐらいになるわけでございますね。負担能力があるからいいだろうときっと答弁なさるだろうと思うのですけれども、私は、みんなの負担能力がどの辺まであるかわからないのですけれども、ただ問題は、これが一人、一診療科目、一カ月という条件がついていますね、そこで問題が出てくると思うのです。世帯の中で一人だけしか病気をしないということが決まっていればいいと思うのです。そうすれば、四万円ぐらいの負担能力はあるかと思いますけれども、これが二人も三人も病人が同じときに出てきたということだってあり得るわけでしょう。それがぎりぎりの線まで自分たちで払わなければならないということになりますと、大変な金額になりますね、十万円を超えるような金額になることだってあり得ますね。そういうことになりますと、果たして負担能力があるからと言い切れるかどうかということが非常に問題だと思うのです。  私は、この問題は、前にもお願いして、検討してくださいと申し上げたことがあると思うのですけれども、これをどうして世帯単位に考えられないかという問題です。年金の場合ですと、国民年金は個人年金でございますけれども、その他の年金は世帯単位ですね。家族というものを考慮に入れた年金制度だというふうに理解しておりますが、それと同じように、この高額医療費の問題も、家族を対象にした世帯の単位で考えることができないだろうか。できないというその絶対的な理由があったら教えてほしいと思うのです。できればそういうふうに改善してほしい、国民側の要求としてお願いしたいというふうに思いますが、できないというのだったら、その理由を教えていただきたい。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 ただいま先生御指摘ございました高額療養費につきまして、世帯を単位に考えたらどうかというお話でございますが、この問題は、高額療養費支給制度ができました際にも、一つの研究問題になっておったわけでございますし、これからの問題としても研究しなければならない問題でございますが、何分にも事務処理をどういうふうにするかということになりますと、どうしてもレセプト単位ということを中心に行わざるを得ないというようなことから、事務的に非常にむずかしい問題があるということでございます。しかし、この問題につきましては、社会保険審議会でも問題点として提起されておるわけでございまして、事務的に非常にむずかしい問題があるわけでございますが、今後社会保険審議会でも御議論いただくということになっておりますので、今後の研究課題にさせていただきたいというふうに考える次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 事務的にむずかしいということは、私も想像はつきます。ですけれども、事務が優先して国民の利益が後回しになるというのは、やはり考え方としてはおかしいと思うのです。ですから、いま局長かおっしゃったように、むずかしいけれども検討してみるとおっしゃいましたから、大変結構だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。  もう一つは、月がまたがったらいけないということになっておりますでしょう。一カ月ということで月がまたがったらいけないということになりますと、五日間でも一カ月は一カ月になっちゃうんですね。その次の月にまたがって、次の月が十日間とか十五日間とかでそれで二カ月分になってしまいますでしょう、そういう計算になるんですね。ですけれども、私どもの生活の中では、月が変ったからといって、何かそこでかちっと変わるものは特にない。ですから、生活の流れの中から考えてみれば、月がまたがることぐらいは私は考えてほしいと思うのです。そこら辺のことも、今度検討なさるときに考えてみていただきたい、これは要望として申し上げておきますのでお願いいたします。  それから次に、これは退職者医療制度の問題でございますが、これは社会保障長期計画懇談会から出た意見だったというふうに記憶いたしておりますが、いま退職してから後六十五歳までの間は、前の仕事についていたときの健康保険から十割給付するというふうにしたらいいではないかという意見が出ていたというふうに私どもは聞いておりますが、これは老人医療へ移行するまでの間のいままでの欠点を埋める大変よい制度だどいうふうに私も考えて期待しておりました。  それで、御承知だと思いますが、大体日本の疾病の動向を見てみますと、六十五歳から七十四歳というのが一番病気をするわけですね。この「国民衛生の動向」に載っております国民健康調査から見ましても、一九七三年ですから昭和四十八年になりますが、六十五歳から七十四歳というのは、千人当たり三百三十五・六、千人のうちで三分の一が病気しているという有病率です。七十五歳以上になればもう少しふえまして三百五十八・四。ところが若い時代、十五歳から二十四歳、これは生涯のうちで一番病気しないと言われている期間ですが、五十・三、二十五歳から三十四歳が七十七・九。この一番健康で働き盛りの若い年齢の人たちの有病率に比べれば、六十五歳以上の人たちの有病率というのは五倍も六倍も多いわけですね。そんな多いのに、ところが御承知のように、若い時代は健康保険が余り病気もしませんけれども十割給付見てくれる、そういう約束がある、保障されている。ところが退職して今度は三割負担のある国民健康保険にかわらなければならない、そこに持ってきてさらに病気をする比率は高くなる、何か非常に矛盾していると思うのです。この矛盾を何とかして解明していただきたい。きょういますぐこれが解明されるわけではございませんけれども、いろいろと検討を加えていくとおっしゃるその中にぜひ考えておいていただかなければならない問題だと思うわけです。このたびの改正の中ではこのことが取り入れられなかったのですけれども、なぜ入れられなかったのでしょうか、それを聞かせていただけませんか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 退職者医療制度の問題につきましては、いろいろなお立場の方からいろいろな考え方からこの制度を設けるべきじゃないかというような御意見があるわけでございます。  ただいま先生から御指摘ございましたように、若いうちには被用者保険でおって、老齢の段階になってから七割給付の国保に行くというような問題も含めまして、退職者医療制度を考えるべきではないかという御意見があるわけでございます。社会保険審議会におきましても、この問題につきましては、ひとつ大きな問題として取り上げようじゃないかというようなことから、従来からもこの問題を研究しておったわけでございます。しかし退職者医療制度ということになりますと、医療保険制度の一つの大きな問題であるわけでございまして、この退職者医療というものにつきまして、制度の立て方あるいは位置づけというものを、医療保険制度の中でどういうふうに考えていくか、あるいは具体的な給付の要件なり財源の持ち方をどうするか、あるいはさらに老人医療との関係をどうするかというような、制度の根幹に触れます多くの問題点というものがあるわけでございますので、今後社会保険審議会におきましても、この問題につきましては引き続き検討するという方向になっておるわけでございまして、今回の法律改正というのが、あくまでも四十八年以降の社会経済情勢の変動に対応するための見直しなり基礎固めという意味であるわけでございますので、そういうような基本的な大きな問題は今後の問題として検討するというようなことで、社会保険審議会でも引き続き検討する項目の中に入っているというような次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 よくわかりました。  大臣が持っていらっしゃる老人保健医療問題懇談会、この懇談会で検討してくださるということを期待していいわけでしょうか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 この問題は、社会保険審議会の中で、健康保険等の懇談会というところで従来も議論しておりますし、今後とも社会保険審議会でも議論するということになっておる次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 もう一つ、お尋ねします。今度の改正で分娩料と、それから埋葬料の現金給付が引き上げられたことは、大変結構だったと思っているのですけれども、問題は、これは現金給付でありますから、これもスライドして上げたということになるかというふうに思いますが、そうすると、これは毎年上げていかなければなりませんね。その問題が一つあることと、今後どうなさるかということ。それから各保険の間でバランスがとれているのかどうか。今度健康保険は十万円になりましたね。だけれども、日雇健保だとかあるいは船員保険あるいは国保、これはどうなるのでございましょう。現状でも違っているわけですね。だけれども、お産するのはみんな同じですよ、どこの健保に入っていたって。お産にかかわる費用というのは同じですよ。だから、そういうことを考えると、これも、やはり大変おかしな数字だと思うのです。  ですから、こういうのもやはり何か改めていただかなければならないと思うのですが、さしあたって、この問題についてお尋ねしたい点は、各保険相互間のアンバランスというものは大変おかしいから、調整してもらうことができれば、ぜひ調整してほしいというふうに思います。そのことが一つ。  いま一つは、これは現金給付ができていて、現物給付はできてないわけですね。現物給付にすることができない絶対的な理由があるのかないのかということなんです。もし、それがあるのならばやむを得ません。しかし、そういうものがないのだとすれば、相対的な理由しかないということだとすれば、私は、ぜひ努力をしてこれを現物給付にしてもらいたい。これは昨年ILOの百二号条約が批准されるときにも審議がなされた課題でございますから、きょうここで時間をとってこれを議論しようとは思っておりませんけれども、この問題は残っているわけです。ですから、そのことについて、あのときにはお尋ねしておりませんでしたが、理由がはっきり説明されておりませんでしたので、きょうそれだけをここで聞かせていただければと思います。これが現物給付にならない絶対的な理由をですね。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 現在の健康保険制度におきます現物給付の考え方は、疾病に対する現物給付という考え方をたてまえとしているわけでございます。したがいまして、分娩については疾病でないというようなことから、そういう意味では、医療保険の中の疾病に対する現物給付とは別の範疇の問題であるというようなことで、現在、現物給付になっておらないで、現金給付になっておるわけでございます。  そこで、これを現物給付にするかどうかということになりますと、制度の基本的な問題に触れるというようなことから、今後とも慎重に検討さしていただきたいというふうに思うわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それは、もう前から伺っております。私は、新しい考えが出てきているのではないかと思ったのですが、分娩介助が医療であるか医療でないかということの議論をすると、また時間がかかりますから、きょうはやめますけれども、それが本当の理由かどうかというところに私は非常に疑問を持っているわけです。諸外国はこれを医療の中に入れているのです。日本だけが入れてないでございましょう。だから、そこには日本の何か特殊な事情があるのじゃないかということが考えられるわけでございます。  この間の鹿児島の五つ子の生育の問題を考えていただいてもわかりますが、あの五つ子は全部未熟児だったわけですけれども、あの子供たちがりっぱに生育するについては、新聞でもテレビでも申しておりましたから、なるほどそうかと思いましたけれども、いわゆる周産期医療の勝利だというふうに説明されておりました。そういたしますと、周産期死亡率の高い日本の場合には、これは分娩を含めての周産期医療ですから、当然のことながら、ぜひ医療の中に考えられるべきじゃないかというふうに私なんかは考えます。  しかし、いまそのことについての議論をしているときじゃありませんけれども、そういう立場からも、この問題はぜひそうするべきである、現物給付にすべきである。もし現物給付にできないのなら、疾病でないからだめだとおっしゃるのだったら、なぜ自己負担にさせないのですか。そうすれば筋が通りますよ。自己負担になされば、これは疾病でないからだめなんですよというふうにはっきり言うことができると思いますが、現金給付が行われているというような中途半端な形になっていますから、非常にみんなが疑問を持っておるわけです。  ですから、きょうはその時間がありませんからいたしませんけれども、絶対的な理由というのが、いまお話しのような理由だとすれば、私は、それは日本の特殊な事情だというふうにしか考えられません。ですから、この問題は、十分に検討を、もう少し時間があるときにさせていただきたいと思いますし、それだけの問題が残されているということを理解していただきたいというふうに思うわけでございます。  大臣、この前のときも、そういうふうに御答弁いただいたのですが、これは考える余地ございませんでしょうか。時間がありませんのですみません、大臣、一言お考えをお聞かせくださいませんか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 毎度出ている問題でございまして、これは私も、最初現物給付できないのかということを言いましたのですが、疾病給付でないからと、こういう一応のおざなりの説明があるのですが、もう少し突っ込んで検討をしてみたいというふうには思っております。実際問題として、この点数をどう評価するか、先生の方が詳しいのじゃないかと思うのですけれども、なかなかめんどうな問題があるようです。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それでは医務局お見えになっていらっしゃいますから、医務局にお尋ねを一つ、二つしたいと思います。  それはWHOとILOとの合同会議がありまして、そこで看護職員の労働及び生活条件に関する質問書が出ているわけです。その会議の結果出てきた質問書があります。それが各国政府に流されてきているわけですが、各国政府はそれに回答しなければならないことになっておって、日本政府からも回答が出ております。日本政府から出ました回答の中で、私は一、二お尋ねしたいと思うものがございますので、お願いしたいと思います。  その一つは、この合同会議では、看護のカテゴリーを看護婦と看護学生と補助者との三つに分けているわけですね。そこで日本の場合は、准看護婦はどこに位置づけして回答なさったかということが知りたいことが一つです。  それから、もう一つの質問は、質問書IVのD「補助者」についてなんですが、日本政府の答弁は、この質問の前段だけしか回答してないんですね。後段の方は触れていらっしゃらない。前段は「補助者は、その職務に相応する訓練を受けるべきであり、」というふうに言っております。そして、その後段は「その能力に応じて上級教育を受ける機会を得べきである。」というふうになっております。日本政府からの回答は、それに対しては「「補助者」の範囲を明確に画することは難しい面があるので、その範囲は実態に即して判断されるべきである。」こういうふうに回答していらっしゃるのですけれども、前段はそれてわかりますか、後段についてはどうお考えになっていらっしゃるのか。この二つの質問に対する厚生省側のお考えをお聞かせいただきたい。厚生省と労働省とお話し合いになって回答書をお出しになったと思いますから。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 まず第一の質問でございますが、看護のカテゴリーの問題 いま先生の御発言では、看護生徒を含めて三つのカテゴリーというふうに御発言があったようでございますが、われわれの方では、これは四つというふうにとっておるわけでございます。看護生徒のほかに看護職員といたしまして、いわゆる正規の看護婦とオーキシリアリーナースというものとアシスタントナース、こう三つの分類があるというふうにわれわれ理解いたしておるわけでございます。それで、オーキシリアリーナースというものを、わが国の准看に相当するものではないかというふうに理解いたしまして、答弁書を作成いたしておるところでございます。  それから、第二番目の御質問でございますが、これは、ちょっとよく私の方も理解できないのでございますが、いわゆるナースアシスタント、看護補助者というものは、これは世界各国それぞれ実態が違うようでございまして、わが国におきましては、いわゆる看護補助者と言っている者、これは一般的には医療機関において看護業のうち比較的専門の知識及び技能を必要としない、いわば介助的な業務を看護婦等の補助者として行っているというふうに理解いたしておるところでございまして、その名称、業務の範囲等は必ずしも世界的に一致していないというふうに考えておるところでございます。しかし今後のわが国の問題といたしまして、やはり看護業務が非常に専門化していく中におきまして、看護補助者そのものも直接患者に接する場合もあり得ることでございますので、今後の問題といたしまして、この位置づけをどうするか、あるいは今後の問題といたしまして院内教育をどういうふうにするか、そういったものをさらに慎重に検討いたしたいと考えておるところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それは、よくわかっているのです。  私がお尋ねしているのは、後段の方で「その能力に応じて上級教育を受ける機会を得べきである。」という質問についてどうお答えになろうと思っていらっしゃるか。日本政府は答えていらっしゃらないんですよ。だから、どう考えていらっしゃるのかが知りたい、こういうことなんです。これは、いま局長おっしゃったいわゆるアシスタントナースですよね、補助者ですね。そのアシスタントナースに上級教育を受ける機会を与えるべきであるというその質問書に対して、日本政府はなぜお答えをなさらなかったのかがわからないのと、どういま考えていらっしゃるかということを知りたいわけです。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 わが国の看護婦養成制度というものが、正規のいわゆる看護婦養成所、これは准看、看護婦を含めてでございますが、そこを卒業いたしまして国家試験を通るという、かような制度になっておる関係上、この看護補助者の資格というものが、わが国においては非常にまちまちでございまして、そういった点、今後の問題といたしまして、やはり正規の准看養成所あるいは看護婦養成所を卒業いたしまして国家試験を通る、この資格要件というものを、わが国では現段階におきましては変更するということは考えておりませんので、その点については触れていないところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 はい、わかりました。  いま一つお尋ねしたいのです。これは質問書とは関係ないのですが、健康保険の方に関連がありますので、お考えだけを聞かせていただきたいと思いますのは、御承知のように、いま健康保険診療で医療が行われておりますが、その中で大きな位置を占める看護の位置づけであります。いまでは、たとえば基準看護システムをとっておりますから、基準看護をいろいろな段階に区分して、そして基準看護承認を得るようにしている病院もしていない病院もあるわけでありますけれども、基準看護承認をしていない病院が付添をつけることは問題ないのですが、基準看護承認病院であって職業付添をつけて、患者が看護の二重支払いをしているという事実があります。このことは御存じだと思うのですけれども、そういうことを踏まえて考えていただきたいことは、そのことがいい悪いは別問題として、考えていただきたいと思っておりますことは、そうであれば、基準看護承認病院であるとすれば、看護婦の数が他の一般病院よりも多く要るということになりますね。それでもなおかつ付添をつけなければならないという状態であるとするならば、本当にその患者が自分の負担で付添をつけなくても、病院側のサービスでケアが受けられるということになるためには、一体看護婦と患者との数のバランスというのはどの辺に置いたら一番いいのかということなんですね。これは、この保険診療に関係なく、いわゆる医務局の立場で純枠に、技術的に、専門的な立場でお考えになったら一体何人だというふうに考えていらっしゃるのか、聞かせていただきたい。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 ただいまの先生の御質問は、看護婦のあるべき望ましい患者の数との数的関係の御質問でございますが、わが国の患者も、現在非常に疾病構造が老齢化現象に伴って変化いたしておりますし、また病院ごとに非常に患者の質等も違っておるところでございまして、やはりこの患者の質等によって、そのあるべき看護婦の数というものは相当違うのではないかというふうに考えておるところでございます。  それで、この医務局が直接所管いたしております国立病院、療養所等におきましては、看護婦の数の基準を確保するとともに、やはり病棟ごとの患者さんの質に応じて傾斜配置、そういったことで、この患者さんに対する看護の確保に努力いたしておるところでございまして、現在の保険の支払いによります基準看護というものが病院ごとの、施設ごとの基準になっておるところでございますが、先日来、保険の方ともいろいろ御相談申し上げておるところでございまして、今後の問題としては、そういうふうに病棟等によって相当患者さんの質も異なってまいりますので、そういった病棟なら病棟ごとの看護の基準というようなものが設置できれば、そういった面でなお細かな対応ができるのではないか、かように考えておるところでございまして、病院全体として一概に何人の患者さんに対して何人と、かようなことはちょっといまの段階では技術的に申しにくいことかというふうに考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまの医務局長の御答弁である程度お考えがわかりました。いずれまたこの問題は看護問題のときにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは私は、時間の関係もございますので、健康保険関係はこれだけにさせていただきまして、予防接種法の一部改正に入ります。  予防接種法の一部改正について少しお尋ねしたいと思います。時間が大変短うございますので、いろいろ問題を持っておりますのですけれども、概略の質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、今度の法律の改正の趣旨は、いわゆる予防接種によって障害が起こったとか、あるいは後遺症が残ってしまったか、あるいは不幸にして死亡したとかいう方々に対する救済制度が決められるということになっているわけでございますが、そこでお尋ねしたいのは、この法律で言っている救済制度の性格とか位置づけとかというものですが、それはどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 予防接種法による予防接種は、第一に社会防衛のために国民に義務づけられたものでございますし、第二に関係者が幾ら注意を払ってもどうしてもごくわずか事故が起こり得るものでございますし、また、第三に事故発生の危険がありながら、どうしてもあえてこれを実施しなければならないという特殊性を持っております。このような社会的に特別の意味を持っております事故に対しまして、それかたとえ無過失の被害でありましても、相互扶助、社会的公正の理念に立ちながら公的補償の精神をも加味しながらその救済を図ることが必要と考えられるのでございまして、従来から講じられておりました閣議了解に基づく救済措置を、今回恒久的な救済制度として整備することとしたものでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 わかりました。  そこで、予防接種という問題につきましては、いろいろとむずかしい問題があると思います。ただ、今度の法律にもございますけれども、受けなければならないという義務づけがございますね。本人の意思にかかわりなく、これは社会防衛のためだというふうに理解するのだと思うのですけれども、その義務づけがされているわけで、言葉をかえれば強制接種ですよね。そういうことになっておりますから、仮に無過失であっても、これはワクチンの問題あるいは接種技術で全然過失はないということがわかっておるといたしましても、強制してやらせたのでありますから、そこに何か事故が起こった場合には、これは国の責任だというふうに私は考えるのですが、そういう考え方は出ないのでしょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 改正法案によりますと、国民に義務づけられてはおりますが、臨時緊急の予防接種を除いては罰則はなくなっております。主たる目的は社会防衛でございますが、やはり反射的に個人防衛の色彩、性格も含んでいるものでございます。  そこで、事故が起りました場合に、もしも国とか地方公共団体に過失があれば、これは国家賠償法に基づいて処理されるべきものでございますけれども、ほとんどの場合には過失がないわけでございます。したがって、そういった場合には、先ほど申し上げましたような社会的公平とかあるいは正義公平とか、そういった理念に立ちながら公的補償の精神も加味して制度をつくればよいのではないかと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その次に、私は、一つわからないことがあるのですが、どうなっているのかなと思って心配しておりますのは、昭和四十五年の閣議了承の対象になっている人たちであって現在生存している方たちは、今度の新しい制度に切りかえられていくわけですね。新しい制度で切りかえられて引き継いでいかれるということはわかりましたが、死亡者はどうなっているのだろうということ。死亡者は切り捨てられてしまっているのじゃないかというふうに思いますが、もしそうだとすれば、それは大変に不平等であるし、冷淡だなというふうに思うわけですが、この点はどうなっておりますのでしょう。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 改正法案の救済措置は、本来的には改正法施行後において実施した予防接種による健康被害者に対して適用されるたてまえでございますか、改正法施行前のこれらの被害者に対しても、改正法の恒久的救済制度において拡充された救済措置の効果を極力及ぼしていくことが望ましいと考えまして、法附則において経過規定を設けまして、これに対処しようとしているところでございます。  改正法施行前にすでに死亡した者に対しては、改正法の適用が困難でございますが、改正法の救済制度の立法趣旨を考慮し、所要の特例措置を講ずべきであるという強い意見もございますので、政府といたしましては、特別の行政措置を講ずることについて検討し、法の施行時点までにしかるべき結論を得たいと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その問題でございますか、大臣が閣議で発言なさって了解を得たというふうに私どもは聞いておりますけれども。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 そのとおりでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 まだ具体的には検討しておりませんね。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 去る十一日の閣議における了解に基づきまして、事務当局といたしましては、このさかのぼり措置について、なかなかむずかしい問題がございますので、やはり伝染病予防調査会の御意見を聞きながらまとめてまいりたいと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それはぜひお願いしたいと思います。具体的にどういうふうな内容になるかはお任せするといたしまして、ぜひ不安がないようにしていただきたいと思うわけでございます。  それから次に、伝染病予防調査会の答申が出たのが三月二十二日でございますが、この答申が出ましたそのすぐ後でございますが、私は、新聞でその事情がわかったのですが、死亡一時金の問題です。厚生省が死亡一時金について千八百万円用意しましょう、十八歳以上の後遺症のある方については、一級障害者として最高十八万円というふうにする方針であるというふうにお話しなさっていらっしゃるのを新聞で承知したのでございますが、ふたがあけられましたところが、そうじゃなくて千百七十万円に後退してしまっているわけですね。これは一体後退するようなことになぜなったのでしょう。せっかく一千八百万円、みんな非常に期待していたと私は聞いております。約二千万円あるなら何とかあれですが、それが半分の一千万円になっちゃった。これは一体どういうことなんですか。それはいかがでございますか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 今回の法改正による救済措置は、予防接種を受けたことによる健康被害が社会的に特別の意味を有することにかんがみまして、社会的公正の理念に立って公的補償の精神をも加味した救済制度としているところでございます。本救済制度に係る各種の給付水準につきましては、一部新聞に報道されたことはありますが、今後本法案が成立した段階で政令によって明らかにする予定でございまして、他の公的な救済制度の給付水準などとの関連、本給付の特殊性などに十分配慮しながら社会的に妥当な内容のものとしてまいろうと考えております。  なお、一部の新聞に載りました死亡一時金千八百万円、障害年金一級十八万円と申しますのは、私どもといたしましては、どこからそういう数字が出たのか理解に苦しむのでございます。  いろいろ考えますと、事務当局は、死亡一時金にいたしましても、あるいは障害年金にいたしましても、いろいろな計算をいたしました。たとえば死亡一時金の場合は、五歳階級別に計算もいたしましたし、また十歳階級別もいたしました。また十八歳未満は幾ら、十八歳以上は幾らというような計算をいたしました。同様なことが障害年金一級の場合も、十八歳以上で年齢がどういう場合にはどうなるであろうかという試算はしております。したがって、そのような資料の中から何かあのような数字が偶然どこからか出ていったのではないかと思うのでございまして、初めから死亡一時金は千八百万円ぐらいにしようとか、あるいは障害年金一級は十八万円ぐらいにしようと考えていたものではございません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういうふうに局長おっしゃいますが、私が読みました新聞、毎日新聞でございますが、三月二十三日、はっきり書いてあるんですけれどもね。お名前は出ておりませんが、「答申を受けた厚生省は具体的な救済金額を月末までに煮詰めるが、死亡一時金で約千八百万円、十八歳以上の後遺症者に対しては、最高月額約十八万円(一級障害者)にする方針である。」そうすると、これは新聞が間違いですか。誤報であった、そう思っていてよろしいですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもいろんな試算をいたしております。たとえば死亡一時金の場合、まとめてしまって一本にする場合もあれば、たとえば十八歳未満、十八歳以上とするように計算する場合もあるわけでございますが、その千八百万なんというのは たとえば十八歳未満と十八歳以上にした場合の十八歳以上の平均に当たるようなものであろうかと思うのでございますが、その数字がどこからどういうふうにしてお手元に入り、そのように報道されたか存じておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 厚生省は存ぜぬことであるとおっしゃっておられますから、新聞の誤報であったというように理解するよりほかしようがないと思いますね。しかし、その問題にかかっておりますと時間がなくなりますから、次へ進みます。  当然のことだと思うのですけれども、この障害を受けた方々が審査をしてほしいという申請が出ているはずでございますね。その申請している数は二千三百八十八名、かなりありますが、認定を受けたのは、千五百八十六名しかないわけですね。そうすると、半分ちょっとが認定になりましたが、これは残っている人たちの認定は引き続き行われるということでございましょうか。当然だと思いますけれども、ちょっと確認させてください。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 そのとおりでございます。引き続き認定は行われます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そのことはどこにも明記されておりませんけれども、これは、いわゆる厚生省の通達か何かでお出しになることになるのでございましょうね。みんな心配しているわけです。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 制度といたしましては、四十五年七月三十一日の閣議了解制度は、そのままずっと残っていくわけでございまして、いま御疑念の点につきましては、附則三条にそのような規定が設けられておると思うのです。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それじゃ、次の質問ですが、今度の規定によりまして予防接種を受ける義務というのははっきり明記されております。それから予防接種を行う義務、これも市町村あるいは都道府県が行う場合もあるというふうになっておりますね。これはこれでわかりましたが、都道府県あるいは市町村かこれを行います場合に、行う義務者は都道府県あるいは市町村の長かもしれませんけれども、実際にこれをするのは医師でございますね。実際に担当するのは医師でございますが、公的機関の医師は当然のことだと思いますが、民間の医師がこのことを都道府県あるいは市町村の長から依頼を受けて行うということがあり得ると思うのですけれども、この場合に、私がちょっとよくわからないのは、疑問だと思いますのは、民間の医師については、「予防接種の業務に関し協力する旨の申出のあった医師が行うよう制度の体系づけを行う必要がある。」というのは、これは答申の中身であります。というと、協力しないという医師もあり得るというふうに読めますね。そうしますと、過去には予防接種の時期が決まっておって、その決まった期間に何かの事情でできなかった人がいますね、ところが、旅行していたり何かしていなかった場合に、別の機会にしてもらいたいということを申請いたしますと、なかなかたやすくしてもらえなかったという事実がございます。たった一人のためにはできないとか、封をあけてしまったらそのワクチンはどうなる、こうなるというふうな説明があって拒否されたりしたことだってあったわけですが、今度の場合は、そういう理由ではなくて、A医師だったらOK、やりましょう、B医師はノー、だめだということが出てくるのじゃないかというふうに思うのですが、それは医師法違反にならないのでしょうか。その辺は私、大変単純な質問なんですが、どうなりますでしょう。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 たとえば眼科、耳鼻科の先生に予防接種を協力していただきたいということは大変困難なことでございます。そこで、あらかじめ予防接種に協力していただけるお医者さん方に申し出ていただきまして、市町村が広報で公示をしておく、そういった方法の方が間違いがなく、また予防接種を受けられるところがはっきりしていいわけでございます。実態は従来とほとんど変わらないかと思いますが、いま言ったような方法によりまして、予防接種のできるところをはっきりさせるという趣旨でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それなら私なんかでもそういうふうに誤解を持ちますから、一般の方に誤解を与えないように、あの先生はやってくれなくて親切じゃないというようなことになったら困りますから、はっきりとそこら辺は何かの方法で徹底しておかれた方がいいんじゃないでしょうか。そうじゃないと、厚生省の行政も非常におかしいぞということになる可能性がありますので、老婆心ながらそのことは要求しておきたいと思います。  それから、その次にでございますが、この障害認定は厚生大臣がお決めになることでございますけれども、お決めになるときには、伝染病予防調査会の意見をお聞きになってお決めになるというふうになっておりますね。それはよくわかりますが、その場合に、むずかしい問題でございますから白、黒がはっきりしない場合がございますでしょう。はっきり黒だとわかればいいけれども、灰色みたいなものが出てくるかもしれませんね。そういう場合に、疑わしいという場合には取り扱いとしてはどういうふうになさいますか。認定なさいますか、しないでいらっしゃいますか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 現在も予防接種事故審査会というものが設けてございますが、そこにおける審査においても、端的に申しますと、疑わしいものは救済する、認定するという方針で臨んでおります。  なお、これにつきましては、技術的になかなかむずかしい問題かございますので、たとえば西ドイツと絶えず連絡をとって意見の交換をするというようなこともやっております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 最後に、もう一つ伺いたいのは、今度の法律の中に、いわゆる補償とか救済とかの新しくつくられた制度が主体になって規定されている部分が「第三章雑則」になっているわけですね。この「雑則」という言葉、字なんですが、表現なんですが、何か非常に奇異な感じがするわけですね。こんな重要なことを「雑則」にするのかなと、これは大変に単純な質問かもしれません、疑いかもしれませんが、一般的にそういうふうに受け取られているのです。ひどいじゃないか、これは「雑則」で取り扱うのか、こういうふうに考えてしまうんですね。そういう御趣旨では毛頭ないと私も思いますけれども、もう少しはっきりした表現を、たとえば補償とか救済とか何かそれに関する言葉が使えなかったのかということなんです。「雑」という言葉から受けるイメージとか印象とかいうものは、日本の人たちの考え方の中では非常によくないんですね。ですから、こんな大事なことを「雑則」で決めるとはひどいじゃないか、不都合だ、こういうふうな感じがするわけなんですけれども、これは何とかなりませんでしょうかね。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 予防接種法は、伝染病予防対策の一環として、伝染のおそれがある疾病の発生及び蔓延を予防することを目的として、予防接種を国の制度としてどのように実施すべきかということを定めたものでございまして、予防接種の目的、定義、対象疾病、実施方法、予防接種を受ける義務などの項目から構成されておりますが、予防接種を受けたことにより万一発生した場合の健康被害は、予防接種を実施したことに伴う結果でございまして、予防接種法のこれらの構成項目のいずれにも属さない事項でございますので、救済措置については、改正法案においては第三章の中に関連規定を設けたものでございます。印象としては、ただいま御指摘のような点があるかもしれませんが、このような趣旨であのように処理したものでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 一つ落としましたが、結核予防法の関係なんですが、結核予防法関係の予防接種についても同じ取り扱いをするというふうになっておりますね。それはわかるのですけれども、そうすると、この制度が施行される以前の人たちについても、やはりこれはさかのぼって対象にするというふうに考えてよろしいわけでございましょうね。そうすると、それはたとえば他の予防接種の対象になっておる疾病の場合は、四十五年のいわゆる閣議予承という時期かございますね。しかし、この結核予防法は、そのときには関係しておりませんでしたのでしょう。あるいはしていたのかもしれませんが、もししていれば、それと同じに取り扱えばいいわけですし、もしそのときに結核予防法が関係してなかったとすれば、結核予防法施行後のものが全部対象になるというふうに理解していいのでしょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 ただいま少しお話しになりましたように、結論から申しますと、BCGの予防接種も、二十三年の予防接種法制定のとき以後の事故は、全部新制度の対象に——従来から閣議了承制度の対象になっておりましたし、また今後のものは新制度の対象になるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 わかりました。  その次には、風疹のことを一、二お尋ねしたいと思いますのでお願いします。  風疹は、ことしまた流行がございまして、大変みんな心配いたしました。それで、子供がかかったのは大したことないということは、みんなもわかっておるのですが、妊娠の初期に風疹に罹患すると障害児を出産するおそれがあるというので、若いお母さんたちは非常に不安であったわけでございます。そういう事実はあったのですけれども、この風疹に関して新しいワクチン、混合ワクチンでございますか、麻疹と耳下腺炎と風疹との混合ワクチンが開発されているというふうに聞いているのですけれども、この新しいワクチンは一体いつ検定されて安全性が確認されて、いつから使用できるのかということを、おわかりでしたら教えていただきたい。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 風疹ワクチンは、しばらくの間は風疹単味で使ってまいりたいと思いますが、将来の問題として、いまお話ございましたようにムンプスのワクチンとの混合ワクチンということもあり得るわけでございます。     〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕  そこで、今回の風疹ワクチンでございますが、昨年の秋に製造販売承認を与えまして、直ちに準備に入ったわけでございますが、かなりの量が出回ってまいりますのは九月以降と考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いま一つ、風疹の関係ですけれども、これは障害児を出産するおそれがあるから、それを予防しなければならないということはみんな考えますね。そこで、それを予防するためにワクチンを活用するわけです。抗体反応を調べるとか、そして、その結果ワクチンを使うというふうなことが考えられなければならないと思うのですけれども、答申の中には「中学校等の女子に対して接種を行うよう予防接種計画にとり入れる必要がある。」というふうに載っています。そうだとすれば、今回のこの改正のときに年齢を制限してもいいし、あるいは性別を制限なすってもいいと思いますけれども、何かこれを強制的にするという、強制的という言葉は悪いですけれども、定期になりますでしょうか、予防接種を小学校の高学年あるいは中学校の女子にさせて、そして、いわゆる強制接種を義務づけするということでも考えて風疹にかかることを予防するというふうなことはお考えにならなかったのでしょうか。あるいは今後そういうことをお考えになるおつもりはおありになるでしょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 風疹の予防接種の実施の仕方につきましては、ただいま伝染病予防調査会の風疹小委員会でなお検討中でございますが、これまでの御意見を申し上げますと、風疹の予防接種も、まず定期の予防接種と臨時の予防接種に分かれるかと思うのでございますが、ただいまお話がございました中学生一、二、三年の女子の方に打とうというのは、いわゆる定期の予防接種に該当するものでございます。この場合、欧米におきましても二つのやり方があるのでございまして、ただいま申し上げた中学生女子に予防接種をやろうというのはイギリス方式でございます。またアメリカ方式は、小中学生、幼稚園の児童、こういった連中に接種をやりまして、流行遮断に役立てると同時に、免疫を持たせるという方法をとっております。そこで問題は、風疹による奇形児の出生が問題でございますので、少しはやってまいりますと、やはり若いお母さん連中が御心配になると思います。そういった場合は、改正法案の臨時の予防接種の緊急分でない分、天然痘やコレラが入ってまいりましたときの臨時の予防接種が臨時緊急分でございますが、その他のたとえばインフルエンザだとか日本脳炎だとかワイルだとか、そういったものが臨時のその他でございますが、その条項に基づいて必要があれば実施をすればよいのではないかと考えておりますが、なお、これらにつきましては、風疹小委員会の御意見をよく聞きましてまとめてまいりたいと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 臨時の「その他、要するに厚生大臣が定める疾病」そこに入れていこう、こういうお考えでございますね。そうして、その臨時というのは必要な場合ということですから、そのことだと思うのですけれども、そうであるとすれば、そのことは今度この法律及びこの法律の適用の仕方、その他についていろいろと説明された文書なり何なり通達されるだろうと思うのでございますが、そういう場合に事細かにわからせていただけませんですか。そういうことは一般の人たちは非常に心配しております。今度も風疹の小流行があったわけですけれども、あの小流行のときにお母さんたちが非常に心配して、ちょっと騒ぎかけたことがございます。ですから、そういうようなときに、病気に対する理解の仕方が違うということももちろんでございますけれども、障害児か生まれるかもしれないというそのことだけが非常に心配なわけですよね。ですから、当然なことだと思いますから、そういうことはもう未然に防げるのだ、絶対に未然に防ぐという政策を打ち出すのだということをはっきりしていただきたいと思います。  今度はたまたま、せっかく風疹が対象として新しく入ったでしょう。「麻しん、風しん、日本脳炎」対象疾病として法案に入っておりますね。これは今度新しく法案に入ったんですね。ですから、新しく入ったということで非常によかったのですが、それだけに一体どうやってくれるのだということがわからないわけですよね。ですから、そこら辺をはっきりとわかるように示していただきたいというふうに思うわけでございます。その点をぜひお願いして、私は、きょうの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 次に、枝村要作君。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 私は、国民健康保険に対する助成の問題について一点だけ質問しておきたいと思います。  この国民健康保険組合に対する助成については、臨調などによって年々増額の措置がとられているところであります。特に昭和四十五年日雇健保の擬制適用の廃止によりまして設立された新設国保組合については、定率補助も含めて四〇%を超える補助率にいまなっております。臨時的補助もここまで参りますと、単なる臨時的なものではなくなっておりまして、恒常的な性格を持っておるようにわれわれは見るのであります。定率補助を二五%に据え置きにしておくのは、このような実態と矛盾をしてきているのではないかと思いますので、そのため法改正によって定率を引き上げるべきではないか、このように考えております。これはひとつ保険局長から答弁をお願いいたしたいと思います。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 ただいま先生からお話のございましたように、国保組合につきましても、財政力が非常に弱いところもあるわけでございまして、二五%の定率の国庫補助に加えまして、四十二年以来特別の助成措置を行っておりまして、これによりまして財政力の弱い新設の国保組合に対しましては、重点的な国庫補助の充実強化を図っているところでございます。ただいまお話のございました定率化の改正の問題につきまして、国保組合の国庫補助のあり方、非常にむずかしい問題はあるかと思いますけれども、現行方式のもとでその実態というものをさらに見きわめまして、今後の問題として慎重に検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 その次に、第七十一回国会と第七十二回国会における衆議院社会労働委員会、本委員会での二度連続の決議の精神を踏まえて早急に法改正する考えはありませんか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 従来からも附帯決議をいただいておるわけでございまして、私どもも、決議の趣旨ということを、国保組合の事情から考えまして十分考えておる次第でございまして、この方向に従いまして、従来からも国保組合の助成につきましては、定率の国庫補助のほかに、特に財政の弱い国保組合に対し、重点的な特別助成措置を行っていたわけでございますが、現行方式のもとにおきまして、実態をさらに見きわめつつ、お話ございました法改正の問題も含めまして、今後の課題として検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 そこで、厚生大臣にお聞きするのですが、いま保険局長から、法改正の問題を含めて今後の課題として検討する、こういう答弁がありました。この答弁はやや抽象的ですが、しかし、いままでの政府答弁よりは一定の前向きの姿勢が見られると思うのであります。  そこで厚生大臣も、これに対してどのようにやろうとしておるのか、ひとつお伺いいたしたいのです。私どもも、定率の引き上げの法制化については、新、既設、それから既設の中でも富裕組合もありまして、同列に一律に引き上げるという点については、きわめて複雑な問題があるように見受けます。ですから、この格差の問題をどうするかという点なんかは非常にむずかしいような気がします。しかし厚生省の中でも、この問題について事務当局の段階で検討しておるようでありますから、こういう情勢、姿勢を踏まえてこの定率の引き上げ法制化などを、早い時期に実施すべきであると思いますが、その点についての厚生大臣の決意、所見をお伺いいたしたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 国保組合の助成につきましては、従来からいろいろと関係者から要望があったところであり、また当委員会でも附帯決議がしばしばついておるところであります。これに対処するために臨時調整補助金でやっていたわけでございますが、いつまでも臨時じゃあるまいというふうに私も思っているわけでございます。しかも、いま先生おっしゃるとおり、新設組合については、すでに四〇%を超えて実質上補助されているわけでございますので、この辺でそろそろ定率化を考えにやなるまいというふうに私も思っているわけであります。  ただ、先生いみじくも御指摘になりましたが、国保組合については財政力に相当の格差がございます。これを市町村国保のように四〇%、五%、この五%は財政調整交付金、こういういちずなやり方というものは不適当だと私は思うのでありまして、そういう場合には、いわゆる財政調整交付金というものを、市町村国保よりは幅広く設定しなければなるまいというふうに思って、いろいろと検討をいたしております。  ただ、この問題は、いままで臨時の調整補助金でやっておったものですから、したがって市町村の分との見合いもあるものでございますから、市町村国保の方との間にどういう調整ができるか、組合だけを先行できるものかどうか、市町村と一緒にやらにゃならぬか、市町村もまたいつまでも臨時じゃあるまいというふうに思うものですから、彼此勘案をしてできるだけ早くきめの細かい配慮のもとに定率化に一歩踏み出すように努力をいたしたい、かように私は思っております。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 終わります。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 次に、田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 健康保険の問題について質問いたします。  まず、いま一般の国民が一番恐れておりますことは、保険料が値上げされるということと、それから入院費が、六カ月入院しますと約二十倍にもなる。初診料が三倍になるということを非常に国民は憂えておるわけです。これは財政対策であるというふうに言われておりますけれども、この点はどういう形から——特に入院費と初診料というのは、財政対策からやったのでしょうか、簡潔に答えてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 今回の改正の考え方につきましては、四十八年度におきまして、給付の面、あるいは財政の面におきまして、現在の健康保険制度が大きく前進したわけでございます。しかしその後、四十八年以後の時点におきまして、社会経済情勢に大きな変動があった。特にオイルショックなり狂乱物価なり、あるいは低成長への移行というようなことがあるわけでございます。それに伴いまして、当然医療保険制度も大きな影響を受けるということになりますと、やはり医療保険制度としましても、これに対応することを考えなければいけないというようなことで、むしろ四十八年の改正を踏まえましていかに基礎固めをし、将来の発展を考えるかというようなことから考えたわけでございますけれども、ただいまお話ございましたように、一部負担の引き上げ、改定等があるわけでございますが、これも四十二年以来据え置きになっておるというのも、その後の経済情勢等に見合いましてスライド的な改正を行う、さらに単に財政的な問題だけではございませんで、給付の改善の面におきましても、現金給付なりあるいは任意継続被保険者制度の改善等を行う、さらに標準報酬等におきましても、現在の賃金実態に合わせて改正するということで、負担面の均衡を図るというようなことから、もちろん結果的には財政面に影響があることは当然であるわけでございますが、四十八年後の健康保険制度を、現時点におきまして今後の発展のためにいかに基礎固めをするかというのが今回の改正の趣旨でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 その基礎固めというのが非常に抽象的で、何の基礎固めかということがはっきりしないわけです。それからもう一つは、財政面ということを言われましたけれども、財政面というのは、おたくの資料ですけれども、いろいろなもので結局七百六十六億円増ということになるわけです、この表でいきますと。その中で初診料の値上げと入院時の値上げでもって百十一億円なんですね。これだけ国の増になるということですね。そうすると、全体の増の中の七百六十六億円の一四%、わずか七分一ぐらいの、率から言えばわずかなものです。こういうものを取ったからといって、初診料を上げたからといって、保険財政にそんなに大きく貢献するというふうには考えられないわけです、数字からいけば。そうすると、これは財政対策ではない。財政対策のほんのちょっと、ないとは言いません、ふえるわけですから。むしろこれは受診制限につながる、これを一番恐れているわけです。ですから、初診料の六百円を多少修正したところで、こんなことは、その意味にはならないわけですね。結局受診制限につながる。ちょっと医者にかかれば、もう初診料だけの六百円は取られてしまう。これは一番低収入の人も高額所得の人も同じように、ちょっと病院に行けば六百円取られるというところに問題があるというふうに思います。  そういう観点から私のところに電報が三本来ております。これは愛知県医師会と名古屋市の医師会と、それから愛知県保険医協会から来ておるわけです。これには「受診抑制と高負担を強いる健保法改悪に断固反対する」というふうに書いてありますし、愛知県医師会でも「受診抑制につながる健康保険法一部改正案に絶対反対する」こういうふうに言っているということは、値上げが主な理由ではなくて、受診制限が主な、そのために値上げをしておるのだということを、医師会もそのように受け取っているということだと思うのです。  この受診制限というものが基礎固めということなら、これは国民不在の物の考え方で、考え方の発想が反対だと思うのです。医者にかかりたいのは、趣味でかかる人はいないわけですからね。体が悪くなったからかかるのですから、これを制限するというのは人間無視ですね。むしろ病気にならないようにして受診をする人が減るという、そういう予防の方に力を使って患者さんを減らしていくというならば、そういう意味での受診数が減るということならば正しい道ですけれども、病気になっているのだけれども、初診料を高くして、なるたけ医者にかからせないようにするということは、人間無視の逆立ちしたやり方だというふうに思うのです。この点は基本的な医療行政の姿勢ですので、大臣にお答え願いたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 いまこの健康保険法の改正案についての考え方は保険局長から申し上げました。一部負担について、いろいろ御批判がございました。一部負担を上げるときには、いつでもそういうふうに両方から議論が出るんですね、本当の話が。お医者さんの方も出ますし、被保険者の方も出る。問題は、このような一部負担が適切な受診機会を抑制するようなことになってはいけないということだろうと思います。私は、やはりある程度の経済指標でこれを直すことは、そう悪いことはないのじゃないか、いつまでも据え置きというのは、ある時間たちますれば妙なことになるわけですから、直すことはいいのですが、受診の機会を抑制してはいかぬ、こういうことだろうと思います。  そういうわけで、この問題については、国会の内外で大分議論があるわけでございます。私どもは、しかし仮に財政効果は少ないとしても、そういうことで手直しをしていいのじゃないかというふうに思ってこれを出しているわけですけれども、世間では適切な受診機会を抑制するのだという議論がございます。どの辺までいったら受診機会を抑制するのか、どこまでならいいのか、その辺のことについては、ずいぶん議論のあるところだろうと思います。そうしたことをめぐって今後、私どもとしてはいろいろ検討も対処もいたしたいと思っておりますが、法案を提出したのは、決して受診機会を抑制しようという気持ちではなかったということでございますから、その辺を御考慮願いたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そういう気はなかったけれども、結果的には受診制限になったのか、初めから受診制限しようとして、そのいまの基礎固めというのは、そういう観点から基礎固めしようとしたのか、人の心の中はわかりませんけれども、この昭和四十九年度厚生行政年次報告書、この中に書いてあることを見ますと、これはおたくの方、厚生省が出しているものですが、この十一ページに書いてありますけれども、わが国の受診状況が諸外国と比較して非常に多い、だから外来の受診回数が数倍という表になっているとかいうふうな、何しろそれが多いということで、だから、これを制限しようというふうには書いてありませんけれども、読みますと、非常に多いからというふうに勘ぐられるようなことが書いてあるということは事実です。ですから、大臣は、そういう気持ちでないと言われましても、国民の方は初めからそういう気持ちでなったのじゃないかというような疑いを持っているということをまず言っておきます。  そして次に、心の中ではそういうつもりでなかったけれども、上げた場合にどこまでが受診制限につながらないかということが、いま大臣はおわかりにならないと言われたのですけれども、ちょっとかぜ気だ、かぜは万病のもとですから、早いうちに医者にかかっておけばいいのじゃないかと思いましても、ちょっと一遍医者に行けば初診料だけ、六百円かかる。本人の場合はいいわけですけれども家族はその上にまだ三割かかる。となりますと、ちょっとかぜを引いたといって病院に行けば、すぐ千円近くかかる。それから電車代、自動車代というのもあるわけですね。そうしますと、結局ちょっとかぜを引いても医者にかかりますと現金がかかる。それでもほうっておくわけにいかないから、どうするかと言えば、結局近所の薬局へ行くわけです。そうしますと、結局大衆薬に頼るということになるわけですね。  問題は、いま大臣が言われました、どこからがあれになるかということですけれども、結局大衆薬の方が安いということになれば、安い方に流れるのは当然です。そういうことが結果的に受診制限になるというふうに国民が受けとめるということだと思います。  いまここに、これはことしの四月七日、中日新聞に出た東京都衛生局の調査です。これを見ますと「副作用に注意しましょう」三人に一人は副作用が出ているという大衆薬ですね。これは薬局で買った薬です。これによって副作用を起こした人たちというのが大体三二%、三百九十三人いるわけです。そのうちの三百七十四人、ほとんどですね、ほとんどが具体的に薬の因果関係を、素人ですけれども、この薬を飲んだためにこうなったということを言っているわけですね。その中では、かぜ薬に至っては四五%が発疹が出たとか胃が悪くなったとかいうふうになっているわけです。これがこのような状態になりますと、医者なしで飲む薬ですので、医者に診断をしてもらわないということになりますと、大衆薬の方もこういう副作用が出る。これは一体厚生省としてはどういうふうにお考えになるでしょうか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 まず医薬品の副作用の問題でございますが、厚生省としましては、医薬品全般について病院なり薬局の使い方、それから取り扱い方を適正にするためにいろいろな措置をとっておるわけでございます。  一つは、副作用のモニター制度をつくりまして、そこから集めるということ、それから新しい薬につきましては、企業から副作用の報告をとるということ、それから文献、学会報告といろいろあるわけでございます。  いまお話しになった東京都の資料も私どもいただいておるわけでございます。そういうものを専門の学者の集まりでふるいにかけまして、必要なものを病院なり薬局の方に伝達をする、副作用情報のフィードバックということについては、相当精力を挙げてやっておるつもりでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 相当整理をやっているというふうに言われますけれども、これは、ことしの新聞に出た中央薬事審議会常任部会ですね、厚生省の諮問機関、ここからの報道として出ておりますのに、効かない薬が十年間も放置されている。こういって出ているわけですね。それのチェックができない。  細かく言うと時間がありませんので、簡単に申しますと、九百二十三品目のうち、結局これを再評価したのはわずか三四%くらいでしかできていないということで、特にひどいものでは、これはカマロンカプセルという胃潰瘍だとか月経痛だとかいうときのけいれんの抑制剤に使われている薬です。これは昭和四十二年前の薬ですが、これの再評価がまだできていなくて、そうして、これは効かない薬だということがわかっていながら、ずっと売り続けられて、やっと今年度になって禁止になった。そうすると、昭和四十八年も四十九年もこの効かない薬というのが、わかっていながら禁止しないものですから、三億円も二億円も年間の売り上げを上げているということが報告されているんですね。こういう何というのか、怠慢というか、能力がないというかわかりませんけれども、こういう状態であって副作用をどうやってチェックしていくのですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 いまお話しになりましたのは、医薬品の再評価の作業でございます。  それで、医薬品の再評価というものは、四十二年以前に承認になった医薬品について、これは相当数あるわけでございまして、その洗い直しを始めましたのが四十六年からでございます。したがいまして、目下再評価の作業が進行の過程にあるわけでございまして、進行の過程にある場合に、ある時点でそれが三割であるというふうなことは、これはやむを得ない数字じゃないかというふうに思うわけでございます。  より一層精力的に取り組むつもりでございますが、とにかく医薬品の数というのは非常にたくさんあるわけでございますし、以前の医薬品というものを、有効性と安全性の両面からチェックをするというのは、相当慎重な作業になるわけでございますので、いま申し上げたような経過になっておるわけでございます。  それで、副作用の情報というのは、先ほど申し上げましたように、各病院、それからメーカー等々からとっておるわけでございまして、その中には、たとえばいま引き合いに出されました東京都のデータなんかでは、あらかじめかぜ薬を飲めばそういう発疹があるとか胃の障害があるということを能書に書いてある副作用もあるわけでございます。薬でございますから、大衆薬であっても、若干の副作用というものは避けられない。そういう副作用程度のものは無視していいのじゃないか。問題は、やはりいままで予期できなかったような副作用が発現したときに、それに対して迅速果敢な手を打つことがどうしても必要であろうというふうに思っておるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 私いま言いましたことは、日本の医療というものは、非常に抜本的に改善しなければ、どこかをちょっと動かしてもどうしようもないほどひどくなっているというその一部分のことを話しているのです。薬のところにそう書いてある、書いてあるのに患者が勝手に飲んだ、それで発疹が出たのは無視していいという言葉は、ちょっと問題の発言ですよ。これは取り消さなければいかぬですよ、国民の健康に厚生省は責任を持っているわけですから。ちょこっと小さく書いてあるのを見忘れたからといって、テレビで大きく薬の報道が出て、ああ効きそうだなと思って買って飲む、そこを読まなかった、それで発疹が出たら、それは無視していい、この言葉は取り消すべきだと思いますよ。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 舌足らずな点があったかもしれませんけれども、私が申し上げましたのは、読まなかったのがいけないとかいいとか言ったつもりじゃございませんで、薬品の副作用というものを絶えず把握して、それを薬の能書にも書かせるように努力をしておるわけでございます。したがって、そのかぜ薬を飲んだ場合に、その能書にある副作用というのは予期できる副作用でございますし、大衆薬ではその程度の副作用ならばいいのじゃないかということで承認しているわけでございまして、これは予期された副作用である、行政上大事なのは、予期できない副作用が発現したときの対策であるということを申し上げたわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 私は、副作用があるにもかかわらず、これを市販するということも検討事項だと思います。おたくの方ではその程度はいいのだ、こうおっしゃるけれども、私はそうは思いません、いろいろなものが重複して作用を起こすわけですから。しかし、これだけ追及しますと、次のことができませんので……。  もう一つは、国民の医療費に占める薬の比率が四〇%強とか多分五〇%近くなっている。これをヨーロッパなどと比較してみますと、イギリスでは一二・五%、西ドイツでは一三・五%、フランスでは一九・六%というふうに、日本の薬の使い方が圧倒的に多いわけです。医者にかかっても薬の副作用が非常に大きい。学者の論文の中にも医者が非常に心配したことを書いています。医者としてはわからないので、その薬に対して非常に心配をしながら使っているということを言っているわけです。医者が患者に常に接近した診療をしているときは、薬を使いながら副作用がないか、その人の体に何か異常が出てこないかというようなことを見ながらやっているそうですけれども、ある薬を飲んでチーズを食べたらひっくり返ったというふうな、その薬と食べ物によっても相乗していくということを学者が論文に書いていらっしゃるわけです。そういうふうに、薬というのは、食べ物とそれからほかに飲んでいる薬といろいろなものが相乗している、非常に心配だということを医者が言っているわけです。薬の量が非常に多いということで、病院の中でも、医者がついていても副作用が出ているということが出ている。  日患同盟が調査をしました国公私立病院の医療内容と看護内容の実態調査、この中で薬の副作用に対する不安下回らずという資料が出ております。これを見ていただいたらわかると思いますが、これは結核のある病院ですが、大体四十六%の人が薬を飲んでいて副作用を起こしたということを訴え、その副作用で悩んでいると言っているわけです。  こういうふうに考えてみますと、市販されている薬をチェックするのにこれだけ時間がかかって、もうだめな薬なんだとわかっていながら、薬会社は三億も二億も売り上げを上げている。それで禁止がのろいという状態になっている。それならば薬を認可するときに、なぜもっと厳密にやらないかということを私は言っているわけです。めちゃくちゃに売り出させておいて、極端に言えばサリドマイドだとかキノホルムによるスモン病などを起こしているわけですね。そうしておいて、後からチェックしていくのには時間がすごくかかってだめだとわかっても禁止しないで、その間、大独占の薬屋はどんどんもうけている。こういうシステムが総合的に間違っていないかということを言っているわけです。この点大臣、どうお思いになりますか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 さっきも申し上げましたように、四十二年十月に医薬品の承認に関する基本方針というのを新しく定め直したわけでございます。それ以後の医薬品の承認のあり方とそれ以前のあり方とについて差があるものでございますから、四十二年以前の医薬品について洗い直しをしておるということを申し上げたわけでございます。  それで目下世界の評判では、医薬品の製造承認についてはアメリカ、日本というのが一番厳しいのじゃないかというのが目下の世評でございます。  それで病院……(田中(美)委員「簡潔にお願いします」と呼ぶ一病院等で副作用があるのにどうしているかということでございますが、さっき申し上げましたように、厚生省から直接医療機関に副作用情報を流しましたり、あるいは医師会関係の雑誌にはさみまして流しましたり、メーカーに指示をして流しましたりいたしまして、できる限り早く医療機関に副作用情報がキャッチできるような努力は重ねておるわけでございます。  ただ、医薬品というのは、人体にとってどうしても異物であるわけでございます。異物を人体の中に入れるわけでございますから、そこにどうしても副作用というものが避けられない場合が出てまいる。そこでその効能、効果と副作用というものをてんびんにかけて、そこで投薬というものが行われるものであるというふうに考えております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 こうした副作用がこれほどたくさん出ているのに、これは大臣にお聞きしたいのですけれども、昭和四十八年に、そういうことから医薬品の副作用による被害者救済制度研究会というのができたはずですね、これが四十八年の六月にスタートしながら、いままで一度も中間報告も答申も出されていないというのはどういうことなんでしょうか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 医薬品の副作用による被害者に対してどういう救済制度をとるかということで、これは懇談会をつくったわけでございませんで、研究費を出しまして研究をお願い申し上げておるわけでございます。事柄は、先ほどのお話ではございませんけれども、医療制度全般ともつながってくる問題でございますので、検討に手間取っておるわけでございますが、目下鋭意、各研究班の先生方が検討されておりますので、近くその結論が出るのじゃないかというふうに期待しておるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 近くというのはいつなんですか。四十八年にできていながら、ことし五十一年ですよ。いまなお何の中間報告もなければ何も出てこない。国民は不安で不安でいるということですので、近くというのは一体いつですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 研究班に研究を依頼して検討してもらっておるわけでございますので、近くと申しましても、いつだということは、明快に申し上げられませんけれども、できるだけ早い機会というふうに御理解いただきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 早い機会というのは、いつもおたくの方と私どもの言う方とでは、おたくの方は何年かかっても早いというふうにお考えのようですし、見解が非常に違います。こういうことがいつまでも、三年も四年もたっても出ないというならば、もう一度研究は研究でやっていく、その後どのようにやっているのか、その研究の仕方がどうであるのかということも政府はもっときちっとチェックする。答申も報告もできないような審議会というのは、ちょっと私は問題だというふうに思います。なぜ中身をきっちりとできないのか、納得いくようにしてほしいというふうに思うのです。  それから、もう一つお聞きしたいのですけれども、薬務局長、おたくは薬務局長ですね、おたくの前の前の薬務局長の松下薬務局長、いま現在何をしていらっしゃいますか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 製薬団体の理事長をしております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 製薬団体というのはどこですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 製薬協と略しておりますけれども、七十数社の医薬品のメーカーが集まりました団体でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 正式の名前は、私の方がお教えしたいと思います。日本製薬工業協会というところの理事長をしていらっしゃるわけですね、この松下さんは。これは大メーカー七十一社の集まったところです。ここの理事長ですね。ここの会長は、武田製薬の社長の武田さんがなっているわけです。こういうことは、私は、松下さんがどういうことをしたということを言っているわけではありませんけれども、少なくともいま問題になっている政府高官、これは常に問題があっていろいろ国民に疑いを持たれているわけですね。こういう政府高官が、それも厚生省の薬務局長をした人が、七十一のメーカーの集まりの理事長をやっておる、そこに天下りする。あなたも、やめたらまたどこかそういうところに天下りするということがもしあれば、国民としてみれば、だから、こういうふうに効かない薬が十年間も売られて何億円もの売り上げを上げている、中には危険な薬が売られてサリドマイドやスモン病を生んでいる、そういう結果になるのではないか、もうちょっと政治姿勢というものをきちっとしていただきたいと思うのです。この点、大臣どう思いますか。この天下りということです。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 実態を知っている私から見れば、製薬協の理事長になったからといって、薬事行政が曲げられるような傾向にはないわけであります。しかし、そう思われるのは業腹ですから、なるべくそういうのはやめた方がいいだろうとは思いますけれども、実態は御心配は要らぬというふうに私は見ている。前の局長さんが行ったからといって、妙な行政処分をするなんというようなことは考えられません。しかし、やはり季下に冠を正さずということもございますので、頂門の一針として受けとめていきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 大臣は、そういうことはないというふうにおっしゃいますけれども、ないといったって、一国の総理大臣がひょっとしたら黒いピーナツをもらっていたかもしれないというふうな、あり得ないことが、いままだはっきりしませんけれども、これがいま大きな問題になっている。あり得ないことというのがいっぱい起きているじゃないですか。だからこそ、季下に冠を正さずということは絶対に守らなければいけないことですよ。あり得ないことが起きているので、これはどう見たって国民からは、おかしいところに天下りしている、こういうことで厚生省の中でしっかりとしたそれができないのではないかというふうに疑われますので、今後一切こういうことをやめていただきたいというふうに思います。  先ほど医務局長が言われたように、医療全体の問題からというふうに言われましたけれども、日本の医療はもう荒廃の一途をたどっているわけです。一般の庶民は実に的確なことを言うと思って私は感心するのですけれども、医者は薬を売ってもうけている、薬局が診断している、こう言うのです。これは極端な言い方ですけれども、結局アルバイトの医者を雇ったり医者が足らなかったりということで、カルテの上だけ見て薬をぽんぽん投薬していくということで、医者が直接接触して患者の言い分をよく聞きながら診断ができないような医療の実態になっているわけです。医者が悪いと言っているのではなくてね。ですから、こういう病気にはこういう薬というのでばんばか薬をやっている。そういう形になっている。そして、こういうふうに初診料が高くなれば、今度は薬局に行く。薬局に行ってこうです、ああですというふうに言いますと、薬剤師はよく聞いてくれるわけですね。じゃ、これはどうですか。これでこうなった。では薬をこう変えたらどうですかといって、むしろ薬屋さんが診断をしてくれるということから、庶民はこういうことを言っているわけです。  こういうところに医療の抜本的な改革をしなければならないところがあるわけですけれども、こういう抜本的なことをしないでおいて、入院料を上げ、初診料を上げ、そして国民から保険料を上げる。国民負担だけをどんどん上げていくというところに大きな問題があります。  抜本的に改善をして、そうしてその中でということならば、大臣のさっきのお答えはまだ理屈はありますけれども、そういうところは何も改善されないでおいて値段だけ上がっていくということで、私は、いまここに強く、初診料と入院料は一切上げてはならないということ、それから弾力条項の問題は、これは法律の問題ではありませんけれども、これもこういうものが改善されない限り、この保険料を値上げするということも絶対にしないでいただきたいということを強く要請しておきたいと思います。その点についてはどうでしょうか、大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 抜本的な問題を解決しないうちはといっても、抜本というのは一体何だろうかということですよ。また、先生の考えている抜本と私の考えている抜本と違うのじゃないかと思う。しかし医療の世界には改革をしなければならぬいろいろな問題がある。しかしまた、医療保険のいわゆる抜本策と広く言われているものの中にも、理論の上では成り立つのですが、具体的にやるということになると、なかなか実際は手間暇のかかるものがあるわけです。  そういうわけで、私どもも基本の問題についてはいろいろ検討をし、また、これをできるだけ早く皆さんの御審議を煩そうと思っていますが、さればといって、時間がかかるのに、一部負担もだめ、保険料をよけい取ることもだめ、そして医療保険をやりなさいと言われても、当面まいっちゃうものですからね。そこで、適当なところまでは何とか医療保険が現実に運営ができるようにというお願いをしているわけでございますが、私は、さっきから言うように、適切な受診機会が損なわれるようなことがあってはいけないというところに一点を置きまして、その辺でまたいろいろと検討は今後いたします。  なおまた、これは誤解を生ずるといけないのですが、先ほど初診時一部負担について家族ならまた三割取られるというのですが、それは、そういうことはないので、これは本人の部分だけですから、その辺もし誤解があったらいけませんから、ちょっと申し上げておきます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いま大臣は抜本のところ、違うと言われましたけれども、これは一応私はお話ししましたが、いまのような庶民が言っている、医者が薬を売って薬屋が診断するというふうな妙なことが出るような問題、それから天下りの問題、看護婦の不足の問題、いろいろあります。それから大きな薬価の問題、それから許可の問題、こういうものに手をつけないでおいて、初診料だけを上げていく、入院代を上げていくということか問題だと私は言っているのです。  それで、いま申したいのは、こういう副作用があったとき事故救済をするような委員会をつくるというようなことはできないでしょうか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 いまお話しになっておりますのは、医薬品の副作用によって事故が起きた場合に、その人たちを助ける制度というものはできないかというお話てございますか。——私とも、そういう方向で検討をお願い申し上げておるわけでございます。  それから、先ほどのお話の中に効かない薬を十年間ほっておいたというふうに、相当きついお話があったわけでございますが、効かないとわかりましたのは最近なんでございまして、わかりましてすぐにそういったものに対して措置をとった。たとえばペニシリンなんかは、いまはもう効かないことになっているわけです。しかし製造承認をしました段階では、あらゆる病気に効いたわけでございます。それがその後耐性菌ができ、よりいい薬が出てきて、使命が終わってきた。薬というものは、大体そういうものだというふうに考えるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 結果的に余りにゆっくりだからですね、チェックするのが。だから、効かない薬が十年間も放置されているということになるということを私は言ったわけです。  それで、事故救済や苦情処理ですね、病院の中には苦情処理するところを置くとか、一般の薬局でやったときの事故救済を訴えていく委員会のようなものをつくる、こういうことはいま検討をしているわけですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 先ほど来お話に出ております医薬品による副作用事故の救済制度というものは、そういった問題意識を踏まえて、いま検討をお願い申し上げておるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 できるだけ早く、抜本的に改善される過程の中で苦情処理をしていくというものもつくっていただかないと、片手落ちになりますので、これは早急に進めていただきたいと思います。  次に大臣に、これこそ恨みつらみというよりも、大臣というのはいいかげん発言をするのかという強い抗議ですけれども、亡くなられました仮谷元建設大臣が一いいかげん答弁ということで国会や世間を大きく騒がした言葉がありました。それは夜勤の看護婦さんの車送りのことですが、昭和五十年十一月十三日の委員会で大臣は、私に「車でおうちへ帰れるようにということでございますから、われわれはその目的に従って大いに努力をする決意でございますので、先生の御趣旨拳々服膺して予算折衝に臨みたいと思います。」というふうに言っております。この拳々服膺という言葉は、教育勅語の中の言葉で、お互いに年がいっておりますのでわかる言葉ですけれども、拳々服膺というのは、田中美智子の言葉を厚生大臣田中正巳さんが大事にささげもってこれは必ずやります、こういった言葉です。そうしていながらこれが完全に切られている。ことしは必ずできるというふうに看護婦さんたちも喜んでいたところが、今度一銭もついていない。これはいいかげん発言だったのでしょうか。まず大臣じきじきにお聞きいたします。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 私、確かにそういう御答弁を申し上げました。私も、看護婦さんの車送りは何とかしたいものだというふうに当時思っておりました。いまでもそう思っているのです。しかし、ここで必ずやります、実現したいと思っております。努力をいたしますと言っているのですが、したがって私は、これについて、それこそ拳々服膺と言うと、またしかられますけれども、よく御趣旨を体しまして予算要求をしたわけです。しかし、いろいろな問題が出てまいりました。技術的にめんどうであるとかいろいろなことがあります。私、最後まで粘ったんですよ。しかし最後は、御承知のとおり夜勤手当をアップするという方向で落ちつかざるを得なかったわけです。憮然といたしまして私はこのときに、いつまでたっても承知しなかったのです。夜の夜中でしたけれども、こういうお話があったので、本当の話がずいぶん私はヒステリーを起こしまして、事務当局に当たり散らしたのですけれども、万やんぬるかなということで、ゼロ配するよりこっちの方がいいということで、実はまだこれは残した方がいいということで、こっちの方の夜勤手当のアップでもって矛をおさめざるを得なかった、まことに残念でございます。  したがいまして、私としては、こういう努力をいたします、いろいろな形で検討いたしますということを、やはり財政当局との間では、いろいろな話し合いがありますから、したがって、結論として違った形になったりすることがあるので、それをひどく怒られるのでは、今後は私もかたい答弁をせざるを得ないということになってしまうのですが、私は、いまでもこの問題については、非常にめんどうだけれども、さらにひとつ精細に検討し、理論武装をして、これはできるだけ早く解決したいものだというふうにいまでも思っています。  どうぞそういう意味で、そういう言葉だけで言って何もしなかったのじゃないので、実は私としてはかなりやったのですけれども、残念ながらそういう結果になったということについては御了承願います。それだからといって、決して偉そうなことを言うのじゃないので、まことに残念だった、しかし努力はいたしました、こういうことを私としては申し上げたいわけです。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 大臣のおっしゃることはよくわかります。大臣が拳々服膺という言葉を使ったのがけしからぬと言っているのじゃないのです。それはいいのです。言葉は若い人にはわからない教育勅語の中の言葉ですけれども、一生懸命やろうとしたその気持ちはわかります。しかし力足らずだったということですね、同じ日本の政府で。そうしますと、大臣は、かたく答弁しなければならなくなると言いますけれども、私の方からすれば、国民の気持ちを受けて、それこそいろいろな問題で国民が苦しんでいる姿を目に浮かべますと、どうかすると発言中に涙ぐみたい気持ちになって大臣を説得し、一生懸命言っているわけですね。それが全然だめになるというのだったら、社会労働委員会というのはなくてもいいというような——せっかく大臣もやる気になっている、こっちも一生懸命言っている、それでできないということでは、大臣も残念かもしれませんけれども、国民は一体どうなるのだという感じです。  それで、大蔵省に聞きたいわけですけれども、大蔵省はなぜこれを切ったのですか。厚生大臣がこれだけ拳々服膺してこれはやる、いまでも残念でしようがない、ヒステリーというのは女の言葉でして、男はヒコポンテリーだと言うのだそうですけれども、ヒコポンテリーを起こしてまで大臣ががんばっているのに、なぜ大蔵省はこれを切ったのですか。どこからの圧力でそういうことをなさったのかお聞きさしたい。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○梅澤説明員 国立病院の看護婦さんの車送りの問題は、ここ二、三年議論がございまして、たしか先ほど委員がおっしゃいましたように、私も昨年の当委員会でこの問題は非常にむずかしいということを御答弁申し上げた記憶がございます。五十一年度予算の要求に当たりまして、厚生省の方から車送りの予算につきまして約五億円の予算要求があったことは事実でございます。これは昨年も申し上げましたように、現在の給与制度のもとで車送り代の実費を補償するというのは、どうも給与の性格にはなじまないという基本的な問題があるわけであります。  それからもう一つは、たとえば国立病院でも立地条件もいろいろございましょうし、通っておられる看護婦さんの通勤状況も非常に違うということで、それぞれについて実費を補償するということになりますと、たとえば近くの寄宿舎におられる看護婦さんとの均衡をどう考えるかという問題もございます。それから、いろいろな職種がございまして、看護婦さんだけが別に夜勤をされるわけじゃございませんで、交代制勤務の職場というのは、公務員の分野にいろいろたくさんあるわけでございますから、その辺の均衡を一体どう考えるのか、こういう問題もあるわけでございます。  それで、予算折衝の問題というのは、これは実は政府の台所の話でございまして、予算というものは閣議決定で決まるものでございますから、そういう内輪の話を私ここで申し上げる気持ちはございませんけれども、厚生省といろいろ議論いたしました経過におきまして、結局そういう現在の看護婦さんの勤務条件、特に交代制勤務による夜勤の職場という特殊性に着目して、先ほど厚生大臣がおっしゃいましたような夜間看護手当という特殊の作業手当があるわけでございますが、五十一年度は予算の財源事情が非常に苦しゅうございまして、公務員の各種の特殊作業手当につきましては一切引き上げを行わなかったわけでございますけれども、そういう看護婦さんの御労苦に報いるという意味で、やはり現在の看護手当を引き上げるのが筋じゃないかということで、実は千七百円に引き上げまして、その財源がおよそ五億円でございますから、タクシー代の引き上げの要求が五億円、夜間手当の引き上げの御要求が実はなかったわけでございますけれども、やはりこれで処理すべきじゃないかということで、五十一年度の予算を編成したわけでございまして、やみくもに財政当局はそういうものを切ったというような経過ではございません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 梅澤さんとおっしゃいましたね、あなた、すりかえをしないでくださいよ。ちゃんと看護婦さんの夜間手当というのは別にあるのです。そして夜勤の看護婦さんの特別通勤手当というのは六億七千万円も厚生省は要求しているのです。大臣は要求しているんですよ。それをすりかえないでください。そして言葉遣いも、よくもこんなことを言えたものだと思うのです、御苦労に報いるなんて。御苦労に報いるのだったら、厚生省の方では夜間勤務手当というのは二千二百円にしてくれということを要求しているんですよ、これを大蔵省は千七百円に切ってきているじゃないですか。何も車のお金を夜勤にプラスしたのじゃないでしょう。そんないい頭を悪いことに使うような、あなた、人をばかにするような物の言い方をしないでくださいよ。財源がなかったのだ、これは軽い問題だからお金は組めなかったのだというなら、はっきり正直にそう言ったらいいじゃないですか。夜勤手当と車送りは全然別の問題じゃないですか。別に予算を要求しているのじゃないですか、概算予算の中では。その上に御苦労に報いるならば、夜勤手当は千四百円を二千二百円に要求しているのですから、これを切ることはないじゃないですか。これが御苦労に報いているということですか。どういうふうに御苦労に報いたのですか。もう一度梅澤さん、はっきりおっしゃってください。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○梅澤説明員 問題は二点ございまして、タクシー代の話と手当の問題をすりかえているとおっしゃいましたけれども、これは先ほど私が申し上げましたように、現在の夜間手当というのは、そういうものも含めた給与であるというふうに考えまして、それはたとえばタクシー代だけには限らないと思います。たとえば遅くなりますと、軽い夜食をとるとか、あるいは健康薬品を飲むとか、いろいろな費用もかかるわけでございますが、その中にタクシー代というような要素も入っている、そういう手当としてやはり処置すべきではないかということで、五十一年度ではこの夜間手当を引き上げたというふうに申し上げたわけでございまして、私は、別にすりかえるという意味で申したわけではございません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いまあなたの言った言葉の中にも矛盾がありますよ。最初立っておっしゃったときには、この車送りというものは給与になじまない、当然ですよ、これは給与じゃないですよ。仕事をする上にかかった実費なんですから、これはどこに行ったって出すのはあたりまえですよ。どこかに出張すれば、その実費というものは出されるのがあたりまえで、これは給与じゃないのです。しかし勤務手当というのは給与なんですからね、それとこれとを一緒にするという考え方はない。だから、厚生省も一緒にしていないわけで、一緒にしないで別に払っているのです。  そして、いまあなたは給与の中に含めたと言う。いまのこの何分かの間にも、あなたの言っている言葉の中には、給与になじまない、だから給与じゃないと言っていながら、今度はこれを給与に含めたのだ、こういう矛盾したことを言っているわけです。ですから、何の理由もなく看護婦さんの車送りを切ったということが、いまの私への回答の中ではっきりしておるじゃないですか。これは看護婦さんの御苦労に報いるなどとはとんでもない。看護婦さんの御苦労を踏みにじった回答だというふうにしか思えません。  次に、大臣にお願いいたしますが、厚生大臣という地位は、これからますます——皆さんたちかおっしゃっている福祉国家というのは、私の概念とはちょっと違いますけれども、国民の社会保障に対する要求というのは、世論調査では物価の次になっております。物価を下げてほしいというのが第一位です。その次が社会保障。二、三年前までは社会保障に対する国民の要求というのは五位だったわけです。これが年々上がっているのです。ですから、厚生省に対する国民の期待というのは、ますます大きくなっている。厚生大臣の位置というものは、ますます国民から大きな期待を持たれておるわけです。  こんなわずかな金額を、いまなお防衛庁ではロッキードのP3Cという飛行機を何機も買おうとしておる、こういう中で、わずか五億くらいの金をなぜ厚生省は説得できないのか。もうちょっと努力をして、大臣が全力を挙げて、ヒポコンデリーを起こさないで、冷静に時間をかけてこの必要性を訴えていただきたい。そうしなければ、病院のベッド不足にしても何にしても日本の医療は、看護婦さんの地位を高くし、看護婦さんを優遇しない限りは解決できないというところまできているではないですか。そういう点を拳々服膺して、来年度必ず予算を組んでいただきたいというふうに思います。大臣の決意を聞かせていただきたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 率直に言いまして、私は、ことしの予算編成をめぐりまして、夜間看護手当の三百円アップでこの問題は解決をいたしたとは思っておりません。今後さらにこれについてはいろいろと検討いたしまして、よく理論武装もいたしましてやっていきたい。  ただ、これは速記を読んでみると、私も、こうした形そのままで実現しないで、お金ではなしに現実に実質的に夜勤の看護婦さんが車に乗っておうちに帰れるようになればよろしいのですから、そういうことでと言ってはいますけれども、私の気持ちは、何とか実現をしたいという気持ちであることはいまも変わりはありません。努力はいた  します。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 次に、看護婦さんの増員の問題についてお話ししたいのですけれども、いま一類をとってみますと四対一。これが一つの総合病院の場合で、私は、この間、国立名古屋病院を視察をしてみて非常に驚いたのです。たとえば神経内科とか脳外科病棟を見てみてびっくりしたわけです。実際の患者さんは、私たちはいままで話で聞くだけで見ておりませんが、見ますと、大臣も一度見ていただいたらもう大変だと思うのですけれども、この人たちは意識も多少もうろうとしておりますし、意識のない方もある。本当にやせ細っていろんなところに管やら注射やら何か年じゅうくっつけているわけです。ですから、ちょっと動いても、それが取れたりすれば死につながる。あのカレンさんではありませんけれども、ああいう人に近いような状態の患者さんがずっといるわけですね。  これは名古屋の国立病棟ですけれども、患者さんが四十六名おりました。その中で、きのう確認いたしましたら、付添さんが家族十九名、家政婦四名で二十三名ついているわけです。ここでの看護婦さんは十六名なんです。私が行ったときには、昨年の秋だったと思いますけれども、視察したときには、付添が三十名いて、看護婦さんがその半分なんですね。ここのところは基準看護で、一般の人が言っているいわゆる完全看護なわけですから、面会時間に会えるだけであって、あとは一切家族がいなくても看護婦さんが全部やってくれる、病院が全部やってくれるというところなんですね。ところが、現状はこうなっている。これは、どうお思いになりますか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 看護婦の問題でございますが、先生御指摘のように、最近医療そのものが非常に進んでまいりまして、たとえば神経外科あるいは脳外科、そういったところで従来治療の対象とならなかったような患者さんが現在医療の対象になっておりまして、そこには非常に看護力を必要とする、かような状況になっておりまして、従来のわれわれの看護婦需給計画そのものが医療の進歩に対応して今後修正されるべきものと、基本的にはそう考えております。  と同時に、そういった患者さんの医療というものが、病院の中の特殊な病棟、たとえばICUとかCCUという非常に濃厚な医療、看護を必要とするような病棟もあるわけでございまして、そういった点につきまして、先生御指摘の四対一というような看護基準でございまして、それを病棟ごとに傾斜配置することによって、従来われわれはこれに対応してまいったわけでございますが、さらに今後の問題といたしましては、病棟ごとにそういった看護基準というようなものをさらに細かく検討してまいりたいと考えておるところでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 私が見ましたとき、そこの看護婦さんたちは誇りを持っているんですね。これだけの、四十六人の重症患者ですね、夜中にこの中の一人、二人はいつも危篤状態になるわけです。そうすると、ここは三人夜勤をとっているわけですけれども、その三人が、危篤になりますので手がかかる。こっちの方で危篤になる。命にかかわるわけですから死にもの狂いでやるわけです。ですから、あちらの部屋で危篤になっているということがこちらでは見つけられないわけですね。そういうひどい状態の中で駆けずり回って働いている。そして彼女たちが誇りを持っていることは、その患者さんは一人も褥瘡というのですか、一般に言う床ずれができていないわけですね。ですから、二時間ごとに患者さんを全部動かし、そして、おふろにも入れませんので、体をふいてあげるというので、だれ一人床ずれができていないということに対しても非常に誇りを持っている。私に、こんなふうですということで、非常に清潔にもなっているわけですね。  そういう中で、今度は家族付添の方たちに一カ所に集まってもらって、どうなんだと聞いたわけです。すると、その家族付添が話をしているうちに泣き出すわけです。どういうことを言っているかというと、初め入院したときには、ものすごく看護婦さんに不満を持った。完全看護なのになぜ自分たちがこんなことをせぬならぬのか、どうしてもっとしてくれないのだ、それで、夜中におかしいといって、素人ですので、危篤でもないのですけれども、ちょっと何か目をむいたりしますと、びっくりして看護婦さんを呼びにいく、そうすると、看護婦さんは向こうのどこかの危篤の部屋に入り込んでいて、控え室にいないわけですね、それで探し回る、すごく怒りまして看護婦さんに当たる、そしてけんかをしたけれども、やむなく病院で半年も一年も二年も、家族付添というのは、病院で一緒に付き添いして寝ているわけですね、そういう中で看護婦さんたちの重労働がいかにひどいかということを見まして、看護婦さんが悪いんじゃないのだということがわかってきたわけです。それで、いまはむしろ看護婦さんの手伝いを、自分のついている家族だけじゃなくて、ほかの患者さんの様子などを看護婦さんに伝えたり、ちょっとしたことなら手伝ったりというようなことをやり始めて、看護婦さんの労を少しでも軽くしてやろうというふうな気持ちに変わってきているわけですね。  この状態を私は厚生大臣と一緒に見にいきたいと思うのです。その状態を見てほしいと思うのです。そして家族のおっしゃる話ですが、一人はお母さんについていましたけれども、高校二年の子でした。これがもうどうしようもないので高校を休学しているのです。しかし長いこと休学したらやめなければならない。しかし治る気配もなければ、死ぬ気配もないわけです。そういう中で娘さんはぼろぼろ泣き出すのです。それから六十歳ぐらいのおじさんが奥さんについているんですね。完全に家のことはほっちらかしてついているのだという話をしているし、また夫についている奥さんなんか号泣し始めるんですね。うちに小学生を頭にして何人か子供を置いてきている。自分だけこっちへ来ているわけですね。それで小学校の上の子に御飯を炊かせて、そして下の子も学校へやらせている。完全に子供はほっちらかしているわけです。そういう家庭破壊につながる話をもう号泣しながら私に訴えるのです。それで国会議員ならば、先生何とかしてください、こう言われるんですね。こういう状態を大臣ごらんになったことがありますか。ちょっとそれだけお聞きしたいのです。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 先生がおっしゃっている病院には行ったことはございません。しかし職掌柄、病院にはときどきお伺いをいたして、看護の実態というものについては触れることがございますが、今後ともさらにひとつ、そうした問題を解消するように努力をいたしたいというふうに思いますが、先生、率直に言うと、これには二つ問題があるのではないか。現実に人手を得られるか、いま一つは、ファイナンスの問題、この二つあるということだろうと思います。そうした二面からこれについては解決について努力をしなければならないというふうに思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いま修正されるべきものというふうにそちらも認めていらっしゃるし、これが結局、病棟によって患者さんによって違うわけですね。ですから、もう自分のことは何でもできる患者さんと、こういうふうになった患者さんとは全く違う。それが全部四対一になっているところに問題があるわけです。  それで、難病等ではこれは別に一般会計から出していますね。ですから私は、神経内科とか脳外科とか、こういう特別の病棟に対しては、何らかの措置を至急とっていただきたいのです。抜本的にいまできないということなら、せめてこういうところを難病のようにこれをとっていただきたいと思うのですけれども、この点はどうでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 先生御指摘のそういった患者さんに対する看護、医療そういった面につきましては、基本的に今後検討しなければならぬ問題が非常に多かろうと思います。ただ、看護婦さんの問題は、ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、わが国全体の看護婦の絶対数というものが、いわゆる医療資源という観点からすれば限定されておるところでございまして、それを一カ所に集めれば、また他の方が手薄になる、そういった問題もございますので、全体的な問題として、さらに今後看護婦さんの養成ということに全力を上げて、絶対数の確保に努力してまいりたいと考えております。  さらに、この現状において、それではどうするかという問題があるわけでございまして、その点につきましては、われわれといたしましては、経済的な問題もございますけれども、さらに看護婦さんの人手不足というもの、たとえばテレビモニターを使ったり、あるいはコンピューターによる監視とか、いろんなそういう機械的な省力化という点におきましては、これは金さえあればできることでございますので、そういった点については、さらに今後医学、医療の進歩を取り入れながら対処してまいりたいと考えております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 医療機器の問題は、いろいろまた問題点がありますので、必ずしも本当に治療にいい面と、また医療機器の大会社がもうけるために、ちょうどいまの薬価みたいな問題になるおそれもありますので、この点はまたの話しにしたいと思いますけれども、問題は、免許状を持っている看護婦さんが、大ざっぱに言えば約五十万を超しているのに、実際には三十万ぐらいしか働いていないところに問題がある。これはどうしてかと言えば、看護婦さんに対する車送りはその一つですけれども、実際に仕事のためにがかった実費さえも払わないというような状態、それから基本的な給料が少ないという問題、それから労働に比例して給料が非常に少ないという問題、それから家庭生活が維持できないような夜勤が多い問題こういった問題を解決すれば、養成をしていくと同時に、いま持っている看護婦さんを引き出すということはできるわけです。それをしないで、かかった実費の車代、これさえも自己負担にさしていながら看護婦さんを幾ら養成したって、免許状を持った人ができるだけあって、看護婦になっていかない、こういう点を根本的に解決してほしいと思うのです。  それで、いま言いましたのは、神経内科、外科、脳外科、そういうところに根本的にではなくて、いますぐの応急措置をとっていただきたい、その検討をしていただきたいと言っているわけです。その点は大臣いかがでしょうか。何とか検討していただけませんでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 看護婦さん確保の問題、ただいま先生おっしゃったようにいろんな問題がございます。基本的には、ただいま御指摘のように、給料の問題に帰着するのではなかろうか、こう考えておりますが、さらに、ただいま御指摘のように、潜在看護能力の発掘と申し上げましょうか、現に能力を持ちながら就職をしていない看護婦さんの問題もあるわけでございまして、それがやはり給与の問題になろうかとは思いますが、そのほかには、たとえば子供さんがいるというような面もございます。そういった面からは院内保育所の整備ということに現在も努力いたしております。さらに就職したくても就職先とのコネがなかなかつかないというような問題もございまして、そういった点につきましては、各都道府県にナースバンクを設置して、無料職業紹介等も考えておるところでございまして、そういったあらゆる手段を使いまして潜在看護能力の発掘ということに努力いたしたいと考えております。  さらに現実の問題といたしまして、ある程度付添さんに頼らざるを得ない面もあるわけでございますが、これは国立病院だけの話しになりますけれども、われわれといたしましては、そういった面、看護のために必要な付添さんを要した場合には、これは病院の費用でこれを賄うという、かような措置もとっているところでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、いまのは家族看護婦にもそういう措置をとりますか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 家族は別でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、一般の付添をつけたら、これは全部病院で見てくれるわけですか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 患者さんの希望でつけるのではなく、医療上必要と病院が判断してつける場合でございます。ただ、御承知のように国立病院はほとんどすべて基準看護をとっておりますので、原則としては、そういった付添はいないわけでございますが、特に重症患者が一時に多数入院いたして、定員で看護能力が足りないというような場合、病院が必要と認める場合には、その患者さんに付添をつけまして、それは病院の費用でつける、かような措置をとっております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、いわゆる完全看護をとっているところでも病院でそういうことをするということがあるわけですか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 どうも現実問題として、そういうことが臨時的にあるということを申し上げたわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それじゃ医者がそれを認めれば、そういうことができるということですね。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 国立病院の場合、医者が医療上必要と認めた場合には、そういった措置をとっております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、そのように名古屋病院の方もやっていただくようにできるということですので、そういうふうにしていただきたいと思います。そういう家庭破壊が起こるようなということは、これは医療上どうしてもそうしなければならないということで病院から頼まれて家族がついているわけですからね、それはそのようにしていただきたいというふうに思います。  その次に、虫歯の問題ですけれども、これは東京歯科大学の竹内教授の表を見たわけです。これは有名な表ですので御存じだと思いますが、砂糖の消費量と虫歯の患者の率がほとんど同じように上がっていっているわけです。昭和二十年、敗戦直後、甘い物が全くなかったときには、虫歯も非常に少なかった。それがどんどん砂糖の入った食品を食べるようになって、虫歯がどんどん多くなった。これは厚生省の歯科疾患調査を見たわけですけれども、大体三歳までに八七・四%という虫歯ができている。この一人平均の虫歯が六・三本、三歳までに六・三本の虫歯があるという。切り上げすると約八八%ということです。この後、五十年に調査をしたということを聞いたのですけれども、その後どうなっていますでしょうか、三歳のところ。私のは四十四年の調査です。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 先生御指摘のように、昭和五十年十一月に歯科疾患実態調査を実施いたしておりますが、その結果につきましては、現在集計中でございまして、まだ結果は出ておりません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 その集計ができてないと、この調査が一番新しいわけですね。これでも八七%、六三本の虫歯が出ている。これは大変な問題だと思うのです。いま母親の非常な悩みになっていますが、どういうふうにいままで厚生省は虫歯をふやさないような手を打ってきていますでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 この小児の虫歯は、その性質からいたしまして、治療に頼るよりは、先生御指摘のように予防の方がはるかに重要な問題でございます。この小児歯科予防対策でございますが、これは私から申し上げるより、児童家庭局長の方の所管でございますが、私からちょっと御答弁申し上げますと、従来から母子保健法に基づきまして、三歳児を初めとする妊産婦、乳幼児の歯科健康診査及び保健指導を実施するなどいたしまして、母親に対する衛生教育、保健指導の充実を図ってきております。同時に、希望者には弗化物の塗布によります予防措置を行っておるところでございまして、その数が年々増加している状況でございます。  また、私の方の局の仕事といたしまして、歯の衛生週間などによりまして、国民に歯科衛生思想の普及を図るとともに、地域におきます保健衛生指導者を対象に昭和三十七年度から講習会を実施いたしまして、歯科衛生に関する知識の普及を図っておるところでございまして、さらに今後、母子衛生関係者あるいは栄養学者、特に砂糖の消費量との関係等の問題もございますので、栄養関係などの団体にも協力を求めまして、虫歯予防の必要性を各方面から国民に強調してまいりたいと考えております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 戦後三十年、砂糖を使う量がふえるにつれて子供がこういうふうになっている。小さい子供にとって一生の問題です。それが、いまべらべらべらとお読みになりましたが、あなた自身もしっかりこれとこれとこれとやつでいるというふうにまとめて自信を持って言われないから、そうやってべらべらべらとお読みになった。私、聞いていて、何だか弗化の塗布だとか衛生週間だとかやれ何だとか言っていますけれども、そんな年に一遍何とか交通安全週間なんて言ってお巡りさんが出たって交通事故が減っていかないと同じように、一年に一遍歯科衛生週間をやって、そこで何かやったからといったって、それで解決つくと思っていらしたら——思っていらっしゃらないでしょうね。それともそれで十分だと思っていらっしゃるんですか、べらべらお読みになったので。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 これは他の局の仕事でございましたので、私、書いてあるものを読んだのでございますが、基本的には、やはり小児歯科というものは歯医者さんの教育から始まるわけでございまして、先生あるいは御承知かと思いますが、小児歯科学の教育というものが、大学設置基準で歯科大学に設けられましたのが昭和四十三年からでございまして、まだその専門の医師の養成も必ずしも十分とは言えないわけでございまして、特に最近、砂糖の消費量その他から考えまして、今後小児歯科の必要性というものが非常に高まるわけでございまして、そういった面、歯科医師の教育の面からも考えておるわけでございます。  さらに歯科医師会等に対しましても、小児歯科診療に関する研修会を委託して実施いたしておるところでございまして、そういった専門家の集団に対しましても、今後さらに強力にこの仕事の面での進展をお願い申し上げたいと思っております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 もうちょっと現状を考えてほしいと私は思いますね。それは長期の展望として歯科医師にそういうことをする、これも大事なことです。しかし、いますぐ何をやらなければならないかということは、素人で考えましても、三歳と言いましたら一番——もう学童になりますと、先生の力というのがお借りできるわけです。しかし、三歳までと言えば幼稚園と保育所と母親ですよ。幼稚園ではいま歯科の検診をやっていますが、保育所ではやっていないですね。それから母親の教育をどうするかということです。そういうふうに考えますと、砂糖が子供の歯に一番大きいのだということがあるならば、そういう医者や何かのいろいろな問題というのは、これは長期の展望として常時やっていかなければならない問題ですけれども、いますぐ——いま生まれている子供か三歳までにもうほとんどが、学童になるまでにほとんど全部が虫歯になっている。それが一本ぐらいじゃなくて何本もなっているわけですね。  それで、私はこれは大臣にお願いしたいのです。別にいままでのやり方がどうのこうのということを、いまここでがみがみ言おうというふうに思っていないのです。大臣に対して、いますぐ手を打ってほしいというのは、まず第一は、保育所でも検診してほしいということ、幼稚園と同じように保育所でも検診してほしい。保育所ではもう三歳になってから、大分大きくなって入ってくる子もたくさんいるわけですからね、ゼロ歳児もおりますけれども。保育所でやってほしいということ。  それからもう一点は、テレビや何かでPRをしてほしいと思うのです。テレビでカルピスだとかチョコレートだとかあめだとかというのが、いかにもおいしく、私までちょっと食べたくなるように乗るわけですね。それも夕飯前のおなかのちょうどすいたようなところにありますと、私もちょっと食べたくなるというふうなテレビが放映されるわけですね。それをどう規制していくかということは、いまここの問題でありませんが、それに対応するぐらいにテレビを使って、厚生省として、子供に砂糖をたくさん食べさせないようにお母さんたちの教育をしてもらえませんでしょうか。これをひとつ検討してほしいと思うのです、大変な問題になると思いますので。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 小児の乳歯が問題であるということを私も聞いております。いまここで、どういう方法をとるかなどということを具体的に申し上げますと、また先生に後でしかられますから、よく研究をいたしまして対処いたしたいというふうに思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 テレビの問題ですけれども、よく研究するというのが時間がかかりますと、また二年も三年も研究されてますと、もういま生まれた赤ん坊がまた三歳までに虫歯になりますので、少なくともいま生まれている赤ん坊をどうしていくかという観点、このテレビの問題と、それから保育所の問題ですね、検討していただけますか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 国でテレビを使っていろいろ宣伝啓蒙をすることは、やっていないわけではございませんが、これにはいろいろな問題もございますので、いまにわかに、すぐテレビで来月から放映いたします、こちらの方がテレビのスポンサーというのになれるかどうか、そこのところはわかりませんけれども、ともあれ、いろいろな角度から小児齲歯の対策については具体的に検討いたしたいというふうに思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 できるだけ早くやっていただきたいと思います。  それから、これは小さなことのようですけれども、日大の小児科の真野敏明助手、この先生たちを中心にして、これは日本小児科学会で発表されたもののようですけれども、最近、小児の糖尿病が非常にふえているということが報道されているわけです。それで、いままでのこの調査で言いますと、簡単に申しますと、相当発見されて、これは実に危険な状態の一歩手前だった。この病気が始まりますと、急速に昏睡状態に陥って命をとられる。そういう一歩手前のところを、この調査で発見したということが書いてあるわけです。  私は、これは新聞のあれだけですのでよくわかりませんけれども、検討していただきたいのは——腎臓病のあれをするというので厚生省では二年置きか三年置きに尿の検査をしていますね。三歳児検診でやっているんじゃないですか。やっておりますね。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 やっております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 やっているのでしたら、これは同じおしっこでできるわけですので、新しくまたやるというと大変でしょうけれども、そのときに一緒に糖尿病も検診したらどうだろうかというふうに考えますので、その点検討していただいて、もしその調査の結果が、そういう疑いがあるということを厚生省もお認めになるのでしたら、やっていただけませんでしょうか。

石丸隆治厚生省医務局長

○石丸政府委員 これは、やり方はいろいろあろうかと思いますが、普通同じ試験紙で二つ同時に検査可能の面もございますので、検査方法等はさらに考えますが、できるだけ御希望に沿えるように努力いたしたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 じゃ、一緒にできるということですので、できるだけやっていただきたいと思います。  その次に、スペインかぜの問題です。ちょうど朝のテレビで「雲のじゅうたん」という連続ドラマをやっておりますが、あの中でちょうどスペインかぜになる。そして何十万あのとき死んだというふうなことですが、私には記憶はございませんけれども、いまなお語り伝えとしてスペインかぜのときにばたばたと人が死んでいったということ、これは私どもの年齢ではよく知っているわけです。  そういう点で、いまスペインかぜがアメリカに一人ですか、出たというようなことで、検査したら五百名くらいが軍隊の中であったというふうな報道がされているわけですけれども、日本としては、このスペインかぜに対してどういう対策をとられようとしているのか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 伝染病予防調査会にインフルエンザ対策小委員会を設けまして検討いたしておりますけれども、四月の上旬にWHOで世界各国の専門家会議がございました。その結論に従って対処することにしておりますが、その内容といたしましては、まず国内の監視体制を強化すると同時に、国際的な情報交換を活発にやる、また国内の医療機関と関係機関の協力をよく得るように事前の連絡をとっておく。それから最後に、豚インフルエンザビールスでつくりましたワクチンを用意しておくということで進んでおりますけれども、まだ最終的な結論は得ておりません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 ワクチンはつくる計画になったわけですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 つくる計画になっております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 厚生省でワクチンつくる計画をした、しかし大蔵省がパーンだと困りますので、大蔵省はどうですか。ワクチンをつくるというときに、ちゃんとお金の裏づけ大丈夫ですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 予防接種は、原則は本人負担になっております。貧困者とボーダーライン層だけ公費負担するのがたてまえでございますが、それも現在の制度ではポリオ、急性灰白髄炎だけ国庫補助の対象にしておりまして、その他のものは交付税、特別交付税で措置することになっております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、国庫補助は、お国の金は使わなくてもできるということですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 できるということでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 監視体制を、何とかむずかしい言葉で出ておりましたが、その監視体制をつくるときに、これをでふやすわけですね。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 監視体制はシステムの問題でございますから、従来から第一線の開業医、保健所、地方衛生研究所、それに大学病院、大学研究所等々いろいろなものがありまして、従来からもあることはあったわけでございますが、そのシステムのさらに近代化、合理化、強化を図るということでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 その合理化、強化を図るのに、国のお金は全然使わずにやるわけですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 これは平常時防疫の措置でございますので、一部は伝染病予防補助金でやり、一部は交付税とかまた特に異常な疾病のあった場合には特別交付税とか、そういう仕組みになっておりまして、それで十分やれるものと思っております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、全然予算を組まないでやるわけですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 伝染病予防対策費は約七億枠で組んでございまして、もし不足すれば、過年度払いでお払いするとか、あるいは緊急の場合には、予備費だとかあるいは補正予算とか、そういうこともあり得るのではないかと思いますが、あのような疾病の対策でございますから、従来からそういうふうにしておりまして、支障は起こっておりません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうしますと、このスペインかぜか入ってきますと——入るか入らないかという見通しというのは、これはわからないわけですか。いま日本政府はどう見ているわけですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 そういった流行予測もすでに始めているわけでございます。ですから、その見通しは近い将来にわかるわけでございますけれども、ただ、やはり秋になって突然アメリカから入ってくるということもあり得るわけでございますから、そういう意味では、常時監視体制をしいておかなければならないと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 私は、どうもその監視体制が——結局、今度アメリカの軍隊の中で、ニュージャージー州ですか、ここでスペインかぜが発見されて、アメリカでは大変な予算を組んで、幾らでしたか、四百五億ですかの予算を組んでワクチンをつくるという、国の予算を組んでやっておるわけですね。ところで日本にはアメリカの基地があるわけですからね。日本もアメリカの州みたいになっているわけですからね、ちょっと見ますと、あっちこっち日本の中に外国があるわけですから。そこにはアメリカの軍人が何の検疫も受けずに、たったたった入ってきているわけですね。向こうの軍隊で起きていることですので、どういうふうになっているかわかりませんけれども、日本で流行したら大変な問題になるわけです。  アメリカでは、私いろいろ調べたところでは、まだその後流行が起こってはいないそうですね、一人出てからは。しかしアメリカという国は膨大な、私の感覚ではわからないほど大きな国ですね。そういうところですし、軍隊という限られた、まさに隔離したような状態の中で起こったから、この伝染というものがまだひどくいっていない。しかし、そういう国でありながら、四百五億円もの予算を組んでワクチンをつくると言っているわけです。日本にはそのアメリカの基地がいっぱいある。そこは全然わが方の監視はできないで入ってくるという中で、もし日本にちょっとでも来たら、狭いところに人口が密集しているわけですので、わっと大変なことになっていくわけです。  ですから、このワクチンというのをどういうふうにするかというのは、非常にむずかしい問題だと思うんですけれども、厚生省としては、大体どれくらいの人数分をつくろうとしていらっしゃるのですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 その点につきましては、インフルエンザ対策小委員会で現在検討中でございますので、いまお答えできませんけれども、その前にお話がございました、一体どういうふうに流行しそうかというような流行予測の調査だとか監視はすでにやっております。これはまだ仮説の域を出ませんけれども、スペインかぜのビールスと先般のニュージャージーのビールスが大体同じようなものだと言われているわけでございます。  それで、国内で調べますと、七十歳以上の方はおおむね一〇〇%免疫をお持ちでございます。また五十以上の方は九〇%ぐらい免疫をお持ちでございますから、そういう関係で、また先般のアメリカの流行状況を見ますと、それほど感染力とか毒力の強いビールスではないようでございますので、いまのところは、そう厳しく考える必要はないと思いますけれども、万全の措置を講じております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 五十歳以下の人というのは、人口としては約八千八百万いるわけですからね。ですから、それに対しての監視体制というもの——アメリカ軍の中の監視体制はどうなっているのか。こういう全く新しい特別な恐ろしい病気に対して、いままでどおりの監視体制では、私は非常に危ないというふうに心配をしているわけです。ですから、これが伝染性が余りないというものであればいいですよ、しかし来たときどうするかということ。それからもう一つは、このワクチンというのは、つくり始めてからどれくらい日にちがかかるのですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 まだアメリカの製造株を四月末に入手したばかりでございますから、それがどういう速さでふえていくのか見当がつかぬわけでございますけれども、普通インフルエンザのワクチンというのは、四カ月ないし五カ月かかるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 つくり始めてから四、五カ月かかるわけですね、そうすると、七月ごろからやり始めますと七、八、九、十、こうなるわけですか。そんなにかかるわけですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 現在つくっておりますインフルエンザワクチンについても、そのくらいの期間かかっておるわけでございます。ことに、いまの場合アメリカからの製造株を入手したばかりでございますので、それをどういうふうにつくっていくか、いま技術的な検討をやっている最中でございますから、何カ月かかるかということについては、いま直ちにお答えいたしかねますが、相当数の日月がかかるということは確かでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 結局、厚生省としてもわからないし、世界的に見ても、その株がどういう株であるかということもはっきりしないというふうな点があるようですけれども、もし入ってきたときに、先ほど申し上げましたように、人口密度の多いところですので、一遍にやられてしまう可能性があるわけですので、まず監視体制を厳重にやっていただきたいというふうに思うのです。そして、それを手落ちなくやっていただきたいと思う。そして一日も早くそのための——四カ月も五カ月もかかるのですと、入ってきてからでは間に合わない。こういうのは冬になってから、十一月ごろからぼつぼつ出てくるわけですので、それまでにはワクチンというのができていないと間に合わないわけですので、大至急この点での万全の措置をとっていただきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 そのような措置を講じてまいりたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 質問を終わります。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 この際、午後二時三十分まで休憩いたします。     午後一時三十四分休憩      ————◇—————     午後二時三十二分開議

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、健康保険法等の一部を改正する法律案及び予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案の各案の質疑を続けます。石母田達君。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 きょうは私、予防接種法案について御質問したいと思います。  今度の法案について、特に風疹の予防接種の問題については何かありますか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 風疹の予防接種につきましては、改正法案の予防接種の対象疾病と申しますか、種類のところに掲げてございまして、法に基づく予防接種として今後は実施する意向でございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 御承知のように、いま風疹が非常に流行しております。私どもの住んでいる神奈川県は特にそれが流行している多発地域の一つになっていると聞いております。私の周りの人でも風疹に妊娠中にかかって、医者に行ったところが、医者に行って初めて風疹にかかっていることがわかって、結局中絶なさっている方がいるわけです。その方は二十九歳で初めて子供さんを持たれたので非常に期持しておったけれども、そうした医者の指示もありまして泣く泣く子供さんを中絶してしまったわけであります。  こういう非常に風疹の危険性というものが、沖繩で発生して障害児が出たというあの時期から叫ばれていたわけでありますが、この風疹の危険性について、国民に対してどのように知らせているかどうか。聞けば、これは私、確かな情報ではありませんけれども、厚生省では、不安を助長するから余り国民には知らせない方がいいんじゃないかという意見もあったというふうに聞いておりますが、そういうことを聞きますと、なおさらこの点についての御見解を伺いたいと思います。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 厚生省といたしましては、風疹は八年から十年に一遍大きな流行を一、二年にわたって起こしますので、昨年も流行がございましたので本年の流行に着目いたしまして、昨年の秋以隆、報道関係の御協力も得、また各都道府県、市町村の協力も得て、健康教育について力を入れてきたところでございます。  なお、ただいま、風疹についてはむしろ国民に知らしめない方がいいのではないかというような御発言がございましたが、それはそのようなことが誤り伝えられたわけでございまして、そのような方針は全くとっておりません。やはり正しい知識の普及、健康教育の徹底に努めているところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いま風疹の被害状況について、三月でしたかの数字は聞きましたが、もっと新しい数字がありましたら発表していただきたいと思います。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 本年の流行状況でございますが、まず二月の初めぐらいから流行が東京、神奈川等を中心にして始まりまして、二月いっぱいの各都道府県教育委員会などからお寄せいただきました報告によりますと、二月いっぱいの患者が約五万三千人でございました。また、三月じゅうの患者さんの報告が十二万三千人でございました。四月、五月、六月がどうなるかということでございますが、これにつきましては、昨年の経験から見まして四月もかなり患者さんがふえ、また五月も少しふえ、六月から減り始めるのではないかと考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうしたことが新聞にも反映して、六月には下火になるんじゃないかという説と、また、もっと長い時期に、一時こう上下はありましても、もうその時点で風疹の流行が終わったというふうに判断するのは危険ではないか、こういう説もありますけれども、その点についての見通しはどうですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 確かに、マクロで見ました場合の流行の山と、また地方の山間僻地、そういったところを見ました場合の流行の波では若干の狂いがあるわけでございますけれども、この伝染病の過去の流行経験から見ますと、やはり六月上旬を境にして減少し始めまして、特に七月に入りますと学校が夏休みに入るというような関係もございまして、一応流行が終息するという形をとっております。ただその場合も、秋に学校が再開されますとまた、いままではやっていなかったところにはやるのではないかという危険はあるわけでございますけれども、従来の経験では、ことしの秋も少しは流行するかもしれませんけれども、また来年も少しは流行するかもしれませんが、本年の二月から六月を山にして今回の流行はだんだんとおさまっていくのではないかと考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 一番深刻な問題は、生まれた子供が障害、特にこれは白内障であるとかあるいはまた心臓ですか、三つの症状になって、そうした問題の障害児に生まれるのじゃないかということが非常に不安になって、特に妊娠して医者に行って、それがなっているんじゃないか、これは本人がほとんど自覚症状はなくても胎児にかかっている、こういうことで結局心配のまま中絶するとか、あるいはまた中絶しないまでも生まれるまでが非常に不安だという精神的な苦痛を与えているわけです。こうした既婚婦人に対して一体風疹に感染する危険があるのかどうかということを、どうやってその一番知りたい点に対して答えていくかということがこの問題では非常に大きな問題だと思いますけれども、既婚婦人が風疹に対して一体免疫があるかどうかという問題を、先ほど予防接種の計画を出されましたが、その中でどう考えておられるか、お示し願いたいと思います。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 既婚婦人の免疫の保有状況でございますが、これも日本全国の推計でございますけれども、八五%は免疫を持っていらっしゃるといわれております。  そこで、その調べ方でございますが、これは各都道府県の衛生研究所あるいは大学の病院、県立、市立の大きな病院、その他医師会の臨床検査センターなどでもかなりの施設がやっておりますけれども、そういうところで血清抗体の検査をやってもらえばわかるわけでございます。ただ、病気にかかったかどうかという検査になりますと、一回だけの検査ではわからないわけでございまして、病気の初めと終わりと二回血清をとりまして血清抗体を調べて、その変動のぐあいを見て診断をするということになりますが、そういった検査を実施するのは先ほども申し上げたような諸機関でございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 その検査するところの検査料はどうなるんです。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 検査料は原則として御本人の負担でございまして、これは各都道府県が条例などで定めているところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私は、既婚婦人が一体免疫を保有しているのかどうかという問題で、結婚時にそうした検査が行われていれば、妊娠したときにまた検査してもらうというようなことでいま言った不安が非常に少なくなるんじゃないかというふうに思いますけれども、この点についての対策は何か考えておりますか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 そのような御意見ございます。つまり結婚前にというような御意見もございますし、また成年式のときに調べてみるというような方法もあろうかと思います。まあとにかく、若い御婦人が結婚してお子さんを産む前に一応免疫があるかどうかチェックしておくというのは一つの方法であろうかと思いますけれども、これも全対象者ということになりますとなかなか大変でございますので、ただいま伝染病予防調査会の風疹小委員会では、中学の一年、二年、三年のときに風疹の予防接種をいたしまして免疫をつけておいてもらったらどうかという、いわゆる風疹の定期予防接種のあり方について検討しているところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いまの、中学校一、二、三年というのはもちろん女子だけを対象にしてワクチンを予防接種する、こういう方法だと思いますが、そのワクチンはいまできていないでしょう。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 風疹ワクチンの詳細は薬務局長から御報告いたしますが、昨年の十月、風疹ワクチンの製造販売承認をいたしまして、その後製造に移っているわけでございます。ことしの秋にはかなりの量のワクチンが出てくるものと考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 その風疹ワクチンの問題でありますが、昨年の十月に認可されながらいままでにできていないということの最大の障害は何なんですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 昨年の十月三日にワクチンの製造許可というものを四社に与えたわけでございます。それで目下、最初の市販用ワクチンというのを、約二十万人分でございますが、製造しておりまして、ことしの八月中に国家検定に持ち込まれる。国家検定に合格次第市販される予定でございますから、市販の時期は十一月ぐらい。これはネックと申しますよりも、ワクチンそのものを培養する過程、それから国家検定が中間と終わりに行われます、そういった国家検定の期間等々勘案いたしますと、どうしても一年近くかかってしまうというものでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 この八月にできて十一月まで、三カ月間国家検定にかかるということになるのですが、それはどこの場所でこれを国家検定して、何でこんなに時間がかかるのですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 検定をいたしますのは予防衛生研究所でございます。それから、国家検定の期間が中間段階で約三カ月かかるわけでございます。それから最終段階で約一カ月かかるわけでございます。それで、三カ月の期間の間に行いますのが無菌試験、それから動物の接種試験、細胞培養接種試験等々、それぞれに時間のかかる試験がございますので、どうしてもそれだけの期間がかかってしまうということになるわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私は、風疹についての対策が非常に後手後手になっている、そのために大きな被害と不安を現実に与えている、こう言わざるを得ないと思うのです。すでに沖繩でああした問題が起きて社会的にも大きな問題になったわけです。障害児も生まれているという中で、こういうワクチンの問題一つ見ても、一体なぜこれまでおくれているのかという問題であります。すでにこうした問題については、アメリカの例を見ましても、予防接種が小児を中心に一九七五年末までに七千万人に行われて、従来七年という周期で繰り返されるといわれる風疹の流行の波が著しく変わったというふうに報告されているわけです。ですから、こういうアメリカの例を見ても、このようなワクチンというものについてもっともっと早く対策をとるべきではなかったか。先ほども申しましたように、沖繩で大流行があって五百人近い障害児が生まれたというあの事件からもう数年たっているわけですよ。何でこんなことがおくれるのか。こういう問題について大臣はどう考えておられるか、直接お伺いしたいと思います。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 風疹ワクチンの開発につきましては、日本におきましてもすでに六年前から始められていたわけでございますけれども、まず第一に、やはり当時非常に予防接種に対する批判が高まっていたときでございますから、新しいワクチンの開発については慎重に慎重を期さなければならないという問題があったわけでございます。また、特に風疹のワクチンの場合には、その予防接種によって奇形児が生じてくるというような理論的な可能性なども考えられたわけでございますので、そういう点についての配慮も十分されなければならなかったわけでございます。また、メーカーの方にしてみますと、やはりもしもそういうことでも起こった場合には、予防接種事故の救済制度がきちんとしていないとなかなか大々的には生産に移れないというようないろいろな問題もあったようでございます。  そういう関係で、若干欧米よりもワクチンの開発実施がおくれたわけでございますけれども、ただ、念のために申し上げておきますが、沖繩はあのようにかなり多くの奇形児を出しましたけれども、まだ本土の方の経験ではあのようにたくさんの奇形児が生まれるという経験を持っておりません。昨年も二月から六月まで、教育委員会などの御報告によると約五万人の患者が報告されている、小さな流行があったわけでございますが、その跡を詳細に追跡いたしておりますけれども、現在のところ風疹による奇形児ではないかと疑われておるものは二名しかないわけでございまして、これについてはいろいろな御意見がございますけれども、どうもアメリカの風疹と日本の風疹では奇形児の出方が違う、日本の方は非常に少ないということが経験上確かめられております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私はいま大臣に直接聞きたいのです。それは、ああいう感覚だからどんどん後手後手になるんです。二名しか出ていないと言うが一風疹のこの問題というのは、一九四一年に初めて、オーストラリアでしたか、あそこで出されて以来まだ新しいものなんですよ。それで日本ではその実態だって十分つかめていない。たまたま、先ほどの報告のように教育委員会、学校を通じてつかまえている、こういう状況の中で、日本の風疹のウイルスがちょっとほかのと違うのじゃないかということでは——風疹かいま流行して、お母さんたち、家族を含めてみんな心配し、また中絶をしている方もふえているのですよ。こうしたときに、これを何とか出さないような予防の対策を緊急にとっていく、これまでのそういう立ちおくれを克服してどんどんやるというのが行政の姿勢でなければならぬ。それを何か、おくれてきたのがあたりまえで、今後も余り日本の場合は障害児は出ないのじゃないかというような印象を与えるようなことをああいう最高の担当が言っているということは、私はどうしても納得できない。この点について私は大臣から直接聞きたいと思っています。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 風疹流行に関し世間で非常に不安を感じているということについては、私、大臣就任後すでに聞きました。昨年の十月ですか、いよいよ風疹のワクチンを製造許可することになりましたというので、できるだけ速やかにやれということを申しておるわけでございますが、後手になったということについては大変申しわけなく、反省をいたさなければならないと思いまして、今後この種のものについては後手にならないように努力をいたす所存でございます。  なお、こういうわけだからおくれたということじゃないんだろうと思います。先天性風疹症候群についての型がアメリカと日本とは違うというのは、これは学会でも認められたところであるというふうに私は聞いていますが、それだからおくれたのじゃないのでありまして、やはりいろいろな問題でついおくれにおくれたということであります。しかしこれは決していばれた姿じゃない。今後こういう問題については速やかに対処するようにいたします。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 先ほどの報告を聞いても、ワクチンが出てくるのは早くて十一月のような状態ですから、いまこれは法定伝染病じゃない、届け出伝染病じゃないものですから、予防のしようといっても、学校へ行く子供もいる、それから職場へ行ってかかっても予防のしようがないのですね。特にこの中で職種として学校の先生ですね。いま女性の教師が非常にふえていますし、あるいは保母さんですね。特にそういう人たちに風疹の問題で、国が保健所あたりの先ほどの機関などを通じて早急に予防、あるいはまたそういう風疹にかかっていないかどうかの検査なりを具体的にやる必要があるのじゃないかというふうに思いますけれども、この点についてはどうでしょう。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 風疹の予防方法につきましては、他の伝染病と違いましたなかなかむずかしい点がございます。端的に申しますと、小さいときに早く自然にかかって、その際発病することも発病しないこともありますが、免疫を獲得しておくということも一つの方法であろうかと思います。また、先ほど来問題になっております中学校の女子生徒を対象にしまして、予防接種で免疫を得させるということも一つの対策であろうかと思います。そのほか、インフルエンザなんかと同じように、学級閉鎖をしたりあるいは学校閉鎖をしたりというような方法もあるのかもしれませんけれども、その辺につきましてはほかの伝染病とかなり様相も違いまして、たとえば伝染力はそれほど強いものではございませんし、また「三日ばしか」と言われている軽い症状のものでございます。問題は奇形児の生まれることがあるという点でございますが、そのような関係から、ほかの現在の法定伝染病と同じような非常に厳しい対策を講ずることはなかなか困難であろうと思われるのでございます。  そこで、行政指導によりまして教育委員会等を通じまして、各学校の判断によりまして、伝染病予防の一般原則に従ってその都度適当な措置をとっていただくということにしているわけでございます。なお、国といたしましては、毎年国民のサンプルから血清の抗体を測定いたしまして、本病の流行予測もやってきているところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 あなたはお医者さんだというんだが、失礼ですけれども内科の専門のお医者さんですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 内科でございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私は専門じゃないのですけれども、いま学会や、それから私の川崎などの第一線で診療しているお医者さん、あるいはまた神経内科の分野では、風疹がいままでのような一時的な病気でなく長く続く病気であるということと同時に、重症の風疹患者がふえていると言われている。いままで「三日ばしか」と言われていたような、ある一時の時期が過ぎれば自然になくなる、治るというふうなものじゃなくて、そのかかった年齢も、いままでは子供たちが多かったのだけれどもだんだん大人にもふえているし、私の同僚議員も現になったわけですが、その中に重症の患者がふえているという報告がされているのです。あなたはいま「三日ばしか」だから大したことないような話をしているけれども、専門的な医師たちとしては、本当にどういうふうに考えているのか、いまのこういう趨勢についてきわめて軽く見ているんじゃないかというようなことなんですが、私の言っているようなそういう重症患者がふえているというふうに、重症患者といいますか、風疹としての重症ですね、難聴とかそういうようなものがすでに風疹の段階から出ているというふうに聞いていますけれども、その点については聞いたことはありませんか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 純粋な「三日ばしか」、風疹も子供の間にかかりますと「三日ばしか」で軽く済むわけでございますが、だんだん年齢が上がってまいりますと病気が重くなる、一週間も十日も病気にかかっているということはすでに戦前から報告されておりまして、決して最近の新しい知見ではございません。また、確かに風疹の中にもいろいろな事情によりまして重い症状を出す場合もあるわけでございますけれども、この疾患につきまして特に重い症状ということになりますと、本当にそれが風疹であったか、あるいは麻疹ではなかったかという鑑別診断といった医学的な問題が起こってくるわけでございます。したがって、そういうところにつきましては現在小児科学会等にお願いをしてよく調べていただいているところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 この風疹にかかった親から生まれた子供が、スローウイルスというんですか、ウイルスが非常に遅く出てくる。十年ぐらいたって出てくる例もあるということで、関東逓信病院の北山小児科部長の書いたものを見ましても、やはり六四年に米英で大流行したときもそういう傾向があった。それから、ある調査によると、四歳以下で調べた場合と四歳以後に再び調べた場合とでは、耳が聞こえないとかいうような子供が倍以上出てくるといった問題が出ているわけですね。こういうことはやはりある程度追跡調査をやってみないとよくわからぬ。この点についてはどういう対策をとっておられるか、また追跡調査をやるつもりがあるのかどうかですね。この点をお伺いしたいと思います。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 ただいま全国的な追跡調査には至っておりませんけれども、たとえば東京でございますと渋谷区の医師会、また群馬でございますと前橋市の医師会、そういったところにお願いして、流行の後の追跡調査を昨年からやっておりますし、そのほか小児科学会、内科学会等にもお願いして追跡調査をやっているところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 もうちょっと聞かしてもらいたいのだけれども、あなたが「三日ばしか」だと言ったときに私が言ったのは、看護婦さんだってあるとか、あるいはまた学校の教師だとかという、職種として非常に感染しやすい、また予防としても子供やお医者さんを保護しなければならぬ、そういう立場からいってもきわめて重要なところにいる特にそういう職種の人たちに対して、特別の対策をとる必要があるのじゃないかということを私が聞いたときにあなたは「三日ばしか」の話をしたのですけれども、そういう人たちについて特に抗体検査なりをきちんとやるというような点については考えているかどうか、それを聞かしてください。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 その点につきましては、文部省の御判断、またそれに基づく各都道府県の教育委員会の御判断にお任せしているわけでございますけれども、対策の概要を申し上げますと、学校の先生あるいは保育所の保母さんの場合も、まだ若い方である、あるいは未婚の方であるといえば、かかって早く自然免疫をつけてしまうというのも一つの方法でございます。しかし、そういった施設の、あるいは学校の職員の場合も、若い奥さんであるというような場合にはやはり先ほどの妊娠による奇形児出生の問題が起こってまいりますので、いろいろな特別対策を特に講じなければならないのではないかと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私は最後に大臣に、いま言ったやりとりをいろいろ聞いて幾つかの点について要望と、お答えを聞きたいと思うのです。  それは、風疹の問題について非常に不安が広まっている。そして、流行も六月に下火になるのじゃないかというのは夏休みとかそういうことであって、まだ流行がずっと持続するかもしれない。こうした時期に、風疹による危険性あるいは予防法、それから正しい知識、こういうものについて、テレビやあるいはその他の周知させる機関を通じてぜひこれを知らしてもらいたい。いまこういう時期ですから、いろいろなお医者さんの報告もあるのです。それを聞いて非常に不安に思っている人もいるし、あるいはまた逆に子供のうちにかかった方がいいんだと言って澄ましているお医者さんもあるというのです。それを聞くと、これまた先ほどのやりとりからいってもそんなものじゃないということになりますと、やはり厚生省としても正しい知識、正しい予防法、こういうものを、特にワクチンの製造が十一月というような状況ではきわめて不安な状況でありますので、風疹による危険性、予防方法、それについての正しい知識、あるいはまた今後のそういう流行の予測といいますか、そういうものについて周知させる緊急の手段をとった方がいいのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、この点について大臣どうでしょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 今回の風疹の流行も昨年の二月から六月の流行に端を発しているわけでございますが、昨年二月、これはむしろ大臣から風疹対策をしっかりやれという御指示がございましたので、特に各都道府県教育委員会にお願いをして報告を出していただいて、昨年の流行をまとめて、各都道府県にそのデータをフィードバックすると同時に、正しい知識の普及につきまして、その後再三再四にわたって都道府県の衛生当局に対し指示をしたところでございます。しかしながら、第一線におきましてはなお不十分なところもあるようでございますので、ただいま御提案のように、テレビ、ラジオ等の報道関係の御協力も十分に得ながら、さらに各都道府県、市町村の衛生当局を督励いたしまして、正しい知識の普及に努めてまいりたいと考えます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 なかなか大臣が答えないので、大臣、最後にこれだけは答えてください。それは、ワクチンの問題があるでしょう。あれが十一月だというのです。これは時間を何としても早めてもらいたい。これは武田とか四つの機関ですね、いま頼んでいるのですが、会社の人ははっきりとこういうことをテレビで言っているのですよ。それは、流行のときは売れる、ところが流行でなくなったときやると、これは生ワクなそうですね、ですからどうしても採算という問題が出てくるということを率直に述べておるわけです。それは会社という立場から出るかもしれないけれども、こうした国民的な健康の問題については政府がそれを保障していくという点でもっともっとワクチンの製造を——いまでさえあなたが反省されたような立ちおくれの状況に、これまた十一月というのではきわめて私は不安だと思いますので、この点の促進方を図っていただきたいということと、その間におけるこの予防の緊急対策、あるいは保健所などを通じて、有料なんて言わないで緊急に予算でも出して無料でどんどんやってもらうというふうにすることが国としての責任を果たすことになるのじゃないかと思うので、この点について大臣にお伺いしたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 風疹の問題につきましては、私は独特な立場からこの問題を実は認識したわけであります。こういう私事にわたることをこういう委員会で申し上げるのはなんですが、私のせがれは小児科の医者でございまして、風疹の流行を非常に私に訴えましたものですから、ある日公衆衛生局長にこのことの注意を促したわけであります。ところがこのせがれそのものが実は風疹にかかってうちに帰ってまいりまして、厚生大臣が風疹になったら新聞で箱物になるというわけで待っていたのですが、私は抗体があるらしいのでなりませんでした。そんないきさつがあるものですから、非常に私としては注目しているわけであります。したがって、正しい知識、予防法等をPRすることはもちろんいたします。それから検定についてはできるだけこれを早めるように努力をいたすよう、ひとつ薬務局に指示をいたします。検査の有料無料、これはにわかには私はいまのところお答えすることはできません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 以上、要望して終わります。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 次に、大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私は初めに健康保険の改正案について質問いたしたいと思います。  大臣、今回の健保の改正案も非常に評判が悪いですね。健保財政は単年度的に均衡を図っていかねばならぬことはわれわれもよく理解できるわけです。確かに財政的に数字的につじつまが合えばその立場からは理解できないはずはありませんけれども、問題は、抜本改正の方向を示さないままこうして出されたところに問題があると思うわけです。抜本改正への具体的方向も全く明らかにしないままに、言うならば経済情勢の変動に対するスライド的改定にとどまっている今回の案というものは国民の期待を裏切ったものだ、私はこう思うのでございます。またそれとともに、抜本的な改善の方向を明らかにしなかったということは政府自身の怠慢ではないか、私はこう考えるわけですが、これについての大臣の所信をまずお伺いしてみたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 私も長い間社会労働委員会に所属をしておりました。この間私は何遍、一体健康保険法の改正について参加をいたしたかわかりませんが、評判のよかった健康保険法の改正というのは聞いたことがございません。大体、健康保険法の仕組みというのは結局歳入と歳出のバランスがとれないというところに問題が出てくるわけであります。つまり、歳入と歳出の間に、はさみ状のシェーレが出てくるというのがこの問題の実は本質的な点でございまして、そうしたところから抜本改正ということが叫ばれるわけであります。  一体、抜本改正というのはどういうものであろうか。人によって違うわけでありまして、政府の一部のように、四十八年はあれは抜本改正だ、こういうことを言う人もありますが、あれは半ばそうですが本当の抜本改正じゃないというふうに私は実は正直思っていますけれども、しかし、どういうものをつかまえて抜本改正と言うか。極端に言うと、基本から言うと、現物給付による現在のこのような給付の仕方そのものについて触れる人もありますし、あるいは保険のグループというものが分立しておる、これを統合調整できないか、あるいは少なくとも財政調整ができないか、こういつたようなことからいろいろな問題をそれぞれ人によって考えるわけでございますが、こうした問題については、前々から申しておるとおり当事者の利害が非常に鋭角的に対決をいたしておりまして、それぞれの人のそれぞれの議論が公の場に出ますといろいろの支障を来し、今日まですべてを含めた抜本改正というものが完了をいたさないということはまことに残念なことだと私は思っておりますが、そうしたことを含めまして、われわれは抜本改正についていろいろと検討をいたしております。  私の考えでは、全部を包含して抜本改正を一遍に解決しようったってとてもできることじゃないというふうに思います。言うべくして行われないということです。したがって、ステップ・バイ・ステップ、できるところからやっていこうということでございまして、たとえば老人医療、この老人を多く抱え込んでおる国民健康保険のあり方などについては一種の抜本問題になるだろうと思いますので、そうした抜本改正というものは私もいま鋭意詰めておるところであります。そうしたことをやってはいるものの、やはり非常に問題が多く、またこれだけのものを実現するためには時間がかかります。  そこで、健康保険制度というものをほうっておきまして健全な運営ができないということになってはいけませんものですから、したがって、今日御審議を願うような法律案、何遍も局長が言っていますが、現行の制度というものを経済指標に合わせてスライドアップしただけだ、こう言っておりますが、さらに給付改善等も若干含んでいます。午前中も、財政対策法だからくだらないとかけしからぬと言われますが、私はそれもそれなりにやはり評価していただかなければならぬ。健康保険財政というものがむちゃくちゃになって、国民の健康保険ができないようになったのではやはり政府として申しわけないわけですから、そういう意味で、財政対策の一部でもあろうかと思いますが、いろいろと皆さんにお願いしているのはその辺に理由があるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣、私は、財政対策だからくだらぬということは少しも思っておりません、先ほど申し上げましたとおり。単年度で収支を均衡させるのは健保財政の当然の考え方でありますから、これについて私は文句を言っているわけじゃないのです。やるべきことをやらないで財政対策だけやって、しかも被保険者の負担増ということでの解消はよくない、こう言っているわけですね。  抜本改正の内容は人によって違うとおっしゃいますけれども、一応正式機関として社会保障制度審議会だとか社会保険審議会等が、昭和四十八年にその基本方針を分厚い答申で示しているわけですね。これが一挙に全部実施できるかといえば、これは無理です。われわれはわかります。ですから、少なくともこの示された内容を踏まえた改正が毎回出てこなければ公約違反ではないか、こう言っているわけです。今回の法案の内容は、そうした四十八年の制度審議会の基本的な抜本的な改正の方向を踏まえた、財政対策ではないぞということを今回の諮問に対する答申でも明らかに指摘しておりますね。私はこういう意味で言っているのでありまして、今度の答申の中身からもそのことははっきり指摘をしております。恐らく両審議会の答申をお読みになったはずでございますので、私はこれを繰り返したくはございません。ですから、いまもおっしゃいますように、もっと本気になって制度の根幹に触れる改善をその都度その都度、一挙でなくても示してこなければならぬということを強く指摘をしておきます。  そこで今回の法案の内容に入ってまいりますが、一部負担の問題でございますが、答申を尊重して今回は据え置くべきである。今度の答申ですよ、今度の答申を尊重するならば据え置きにすべきであるということを指摘をしたいわけですが、この点についてはどうお考えですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 一部負担の考え方につきましては社会保険審議会等でもいろいろ御議論いただいたわけでございまして、確かに、一部負担金の機能なり基本的な性格なりあり方につきましては、いろいろな立場の方あるいはいろいろな考え方の御意見というものがありまして、社会保険審議会でもこのあり方については結論が出なかったというような状況であるわけでございます。したがいまして、この問題はさらに今後の問題として研究いたすにいたしましても、私ども改正案を提出しました理由は、そういうような基本的な性格、その根幹に触れるということはそういうような社会保険審議会等の御意向もあるわけでございますし、今後の問題とするにいたしましても、少なくとも、昭和四十二年に設定されております現在の金額につきましては、その後の経済情勢の変貌等もあるわけでございまして、所得の伸びなり医療費の伸びなり標準報酬の伸び等を考えましても、それらの四十二年から今日時点までの伸び率等を考えまして決して無理な数字ではないというようなことから、これらの経済指標を参考にいたしました額を今回の改正案で御審議をお願いしているよう孝次第でございまして、一部負担論の基本的なあり方に触れるということではないわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 局長、いまも私、大臣にお話し申し上げましたが、今回の答申にも、言葉はちょっと違いますけれども、抜本対策への政府の態度が明らかとならない限りは、今回の一部負担等を含めた改正は国民の納得を得ることは困難である、このようにはっきり指摘をしております。これはわかるでしょう。また、被保険者の負担能力が非常に脆弱であると言われている政管健保でありまして、現実に差額ベッドだとか付添看護婦等の保険外負担によって重い負担を余儀なくされているので、現在の段階では反対である。保険審議会でもこのような厳しい反対の意見が出ているのも事実であります。したがいまして、私は先ほどから言いますように、今回制度の根幹に触れるような改善をしなかったわけですから、抜本対策案を明らかにしなかったのですから、その罪滅ぼしといいますか、そういう意味からも今回はこの一部負担については据え置きにすべきである、このように私は主張しているのですが、もう一度この点についての大臣のお考えを……。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 この答申には、抜本改正をやらないからだめだ、こういうことを手厳しく書いておるのですが、酷だなと、実は私これを読んで思ったのです。抜本改正はそう簡単にできるものでもなし、いま保険は危殆に瀕しておるのだ、この程度のことは何とか認めていただきたいなと、受け取って思ったのですが、書いてあるものは仕方がございません。国会でもいろいろな御意見があるようでございます。問題は、このような改正によって国民の適切な受診というものが抑制をされるようなことがあってはいけないということに焦点を合わせて考えるべきものだろう、こういうふうに思うわけでございまして、私どもとしてはなお、現下の情勢上こうした程度の改正はやむを得ないものではなかろうかと思いますが、いろいろ御意見があるということも私知っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いま、審議会の答申、これはちょっと無理だぞ、こういう御意見ですけれども、大体審議会というのは皆さんの諮問機関であって、その意見は尊重しなければならぬはずでしょう。いつも、審議会を隠れみのにするのではないかとよく言われるわけですね。しかしその都度、大臣などは、いやそんなことありません、審議会の意見は尊重いたしますと、このようにいつも答弁が返ってくるわけですが、いま大臣は大変なことをおっしゃいましたね。審議会の意見なんというものはとてもできることを言っているのではないんだ、こういうことでございますが、私はこれは後で大きな問題を残すのではないかと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 審議会の答申についていろいろと論評いたすことがよくないと言えばそれまでですけれども、受け取った者としては、困ったことになったなあと思うことは、私、正直に申し上げてもいいのじゃないか、かように思います。  ただ、これは私、国会議員、社労委員時代から実は思っていたのですが、この種の一体諮問、答申というのは、これはこの後の質問になるだろうと思うのですが、ああいう時期にああいう諮問をし、答申をいただくというシステムそのものを根本的に考えなければならぬじゃないか。なぜかならば、そのときは結局予算はできているわけですな。それで答申をいただいても実際問題としてもう動かすわけには……。国会で、予算委員会で審議しているわけですから。そういう仕組みについてはひとつまたいろいろお互いに考えてみなければいかぬというふうに思うのです。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 要するに、この一部負担というものは乱診乱療を防止しようということが大体発想の原点ですね。ですからその意味が果たされれば私はいいと思うわけですよ。経済情勢がかなり変わったので、物価も上がったし生活水準も上がったので、それに対応して三倍くらい引き上げろなんという考えは必要ない。第一、諸外国の例を見てみますと、一部負担を取っていないところがたくさんですね。一部負担を取っていないところは、西ドイツもないし、あるいはイギリスあるいはソ連、あるいはアメリカもごく一部ですね。スウェーデンもごく一部です。フランスもきわめてごく一部ですよ。こういうふうにいくと、一部負担そのものが本当はやはり再検討されねばならぬ問題であるわけですね。しかし、大臣は大臣なりのお考えでいま進められているわけでございますが、先ほどからも言いますように、抜本的な改革の方向性すらも明白にしなかったという罪滅ぼしのために、今回はこれは据え置くというくらいの決意と英断を私は期待をいたします。  まあ、時間も非常に限られておりますから次に移りますけれども、この一部負担の中で入院費の引き上げと同時に期間の延長がありますね、一カ月を六カ月にしようなんという。これなどは経済情勢の変動云々なんということには当たらないということをやはり答申の中で指摘をしておりますね。これについてはどうお考えですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 入院時の一部負担金の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、額の面におきましてはスライド的な各種の経済指標等を基礎にしまして改定をお願いしているわけでございます。そういうような面から見ました際に、現在傷病手当金の支給期間が六カ月であるということから見ました場合に、新たな考え方を導入したというよりは、既存の制度のこの程度の延長ということにつきましては十分御理解いただけるのではないかというようなことで、現在の健康保険の財政状況等も勘案いたしまして、最小限度この程度の改定ということをお願いしたいという趣旨でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、外国の例にはほとんどない一部負担でございますし、乱診乱療防止の立場からいけば今回の引き上げはさらになし、ましてや抜本改正の責任を考えた場合、今回はこれを据え置くべきであることを強く主張しておきます。  それから、標準報酬の上下限の引き上げについてでございますけれども、一挙に二十万円から三十二万円の引き上げになるわけでございますが、これは急激過ぎるのではないかと私は思うのでございます。仮に今回三十二万円と決定したとすれば、標準報酬が三十二万円の人は従来に比べると四千五百六十円の負担増になるわけですね。月に一万二千四百八十円の保険料を払わねばならぬ。現在二十万円どまりですから、三十二万円の人も七千六百円でよかったのが一万二千四百八十円に負担増になるわけですね。これもやはり急激過ぎるのではないかということです。  もう一つは下限の引き上げでございますけれども、これは先ほどから言いましたように、政管健保という特殊事情にある制度ですから、やはり低所得者に対する配慮が足りないのじゃないか。上限を引き上げるから下限も一緒に引き上げようという考えは安易ではなかったのか、私はこう考えるのですけれども、この点について御見解を承りたい。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 標準報酬の上下限の問題は、一つは、賃金の実態をできるだけ社会保険制度の中に反映するということでございます。特に上限の問題につきましては、先生から一挙にやるのは非常に急激ではないかという御指摘があったわけでございますが、ただ、現実の姿で見てまいりますと、上限の方にたまっている階層というのがかなりの数字になっているというようなことから見ますと、被保険者間の負担の公平を図るという意味から、むしろ高額の所得者の方が負担率が低いということでは、所得再配分というような面から見ても、賃金の実態にできるだけ合わせるというようなことから上下限の改定というものは考えるべきではないかというふうに考えておる次第でございまして、特に従来からの上下限の上の方のたまりぐあい等を見ました場合に、現在では相当な数字になっているということで、このままでまいりますと相当なたまりが出てくるというようなことからも、上限につきましては賃金の実態に即応する、負担の公平を図るという見地からぜひ改定をお願いしたいということでございます。  それから下限の問題につきまして御指摘がございましたけれども、現在の二万円というのは、現在の賃金体系から見ますと、非常に低い額でございまして、むしろこのような低い額はどちらかと申しますと、パートタイムでございますとか非常に一部の層に限られるのではないかというふうに思われるわけでございますし、さらに、この下限の引き上げというのはむしろ給付の面等におきましても、たとえば傷病手当金の問題等につきましては給付改善につながる問題でございますし、それから同じ社会保険でございますから健康保険、厚生年金一体に考えるべきでございまして、そういう意味から下限の引き上げというのはむしろ年金の給付水準等の引き上げにも資するという面も多分にあるわけでございまして、現在の下限に占めております方々の比率等から見ましても実態に即応させるという両面から見ましても、今回の上下限の引き上げ程度のことはぜひお願いしたいと思う次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣、いま局長がるる説明したわけですが、恐らく標準報酬の上限の頭打ちが全一体の五%以上になったのでこの引き上げ措置がとられたんであろうと私は思うのですけれども、そのことについて私は異議はないのです。異議はないのですけれども、一挙に引き上げるということは余り感心できませんので、これはやはり実態に即しながら、一挙に引き上げるような怠慢は今後はなくして、その都度その都度適当に引き上げていくように強く要望いたしておきます。  それから下限の引き上げについて、いまの賃金体系からいくと二万円というのはこれ自体が低過ぎるんだという話ではございますけれども、実際にいるんですよね。なければ別ですけれども、いらっしゃるわけですよ。ですから、今度二万から三万に引き上げられた場合、現実にその二万円の人は保険料が七百六十円から千百七十円にぐっと引き上がっていくわけですね。やはり大変な負担になると思うのですよ。あるいは二万八千円の人は千六十四円から千百七十円と、こうなるわけです。人数といたしましても、これは厚生省の調査を見ましても、五十年十月末現在で、二万円に位する人は一万六千四人、二万二千円の人が四千二百五十四人、二万四千円が五千二百八十六人、二万六千円が一万四千二百四十七人、二万八千円が九千六百二十八人で、合計四万九千四百十九人、約五万人は現実に三万円以下の人がいるわけですから、やはり私はこの点は配慮すべきじゃなかったかと、こう思うわけです。大臣の見解を簡単で結構ですから……。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ことしの標準報酬の上下限の改定は余りに急じゃないかということですが、何しろこれは四十八年以降の例の石油ショックをくぐり抜けてきたものですから、この間、物価も高いのですが、ベースアップ率も極端に高かった。三五とか三四とかいうあの時代をくぐり抜けたものですから、一遍に非常に高いことになったのだろうと思います。しかし、ステップ・バイ・ステップ、毎年やればいいじゃないかというが、この間、健康保険法の改正がほとんどございませんでした。今後はひとつできるだけその節その節に、急激にならぬようにやろうというふうに。ですから、これは政令に落とせという議論が一部あったが、私はこいつはよくないと言って、これはやはり法律事項にしてもらいました。  それから下限については、先生、いま一万円とか二万円というのは大体政管健保に入ること自体が、本当の政管健保の被保険者なのだろうかどうかということを考えなければならぬ状態じゃないかと思うのであります。そういうことであってはいけないし、ないとは思いますけれども、たとえば擬制的な政管健保の被保険者というものが中にあるということを言う人もあるわけです。たとえば私みたいなのがどこかの会社の政管健保の被保険者になるのに、では嘱託料二万円ということにしておきましょうかというようなことで入るというような例もたまにはあるといううわさもありますので、この辺のことを考えると、いまのところこの程度のものは下限については、正しい標準報酬を反映させるためにはいまのよりは少し上になってもそう差し支えないのじゃないか、こういうふうに私は思って、逆選択みたいなことをかえって助長しやしないかという気持ちも実はあってやったわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 理屈からいけばそんなにおかしな問題じゃないのだけれども、実際的な実情の上から見た場合にやはり配慮すべきじゃなかったか。特に、先ほど言いましたように、政府は今回いわゆる公約的な、抜本的なその制度の根幹に触れる問題については何も明らかにしないままのこうした改善策を持ってきたのですから、こういう際はやはり配慮すべきであるということを私は指摘をしているわけです。いつも法改正のときには、いわゆる薬になる部分、改善部分ですね、それと毒の部分、改悪部分がいつも盛り込まれてくるんですね。今回の一部負担というのはやはり毒の部分ですから、われわれはこれを大いに修正しない限りは納得がいかない。  というのは、薬の部分である改善部分も、これはどちらかといえば欺瞞的だと言っても私は言い過ぎじゃないのじゃないかと思うぐらいなんです。なぜならば、給付改善については分娩費と葬祭料が、最低保障額の引き上げが行われるわけでございますが、政府はこれを大変な給付改善だ、改善だと言って大声を張り上げて強調なさっているわけでございますけれども、これは健康保険の給付部門のうちでは特異な部分といいますか、普遍妥当的な給付部門ではないわけですよ。保険給付部門にいたしましてはその件数も非常に少ないところで、給付改善によるその支出費も全体から見ると非常に少ない額でおさまるところなんですね。したがいまして、標準報酬の上限をぐっと引き上げるとかなりの財政収入がありますね。一方では改善して支出もありますよと言いますけれども、大きく取って少し出して、そしてうまくいこうというのが今回の案ですよ。私は分娩費や葬祭料の引き上げについて反対じゃございませんよ。これは誤解しないでくださいよ。反対じゃございませんけれども、こういうことよりももっと大事な、たとえばいま政管健保の本人と家族の給付率が全部違いますね、ここを引き上げるのが本当の意味の給付改善の個所であるわけです。これは私はごまかしだと思うのですよ。そういうことで不満いっぱいなんですが、こういう点について御見解を承りたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 何しろ政管健保の経理内容は非常に悪いわけであります。そういうわけですから、何とかこれを健全に維持できるようにしなければならぬということでいろいろお願いをしているわけですが、それにしても、分娩費の現金給付などは、去年以来の委員会等における質疑もありました。これでもやはり相当の金がかかるのです。七月実施で二百億、満年度で二百五、六十億かかるのだから、本来ならこんな苦しいときにはこれを遠慮してもらおうか、こういう議論も実は内部であったわけですけれども、やはり去年以来の問題でもあるからまあやろうじゃないか。だけれども、別にそんなにわれわれ声を大にしてどうだどうだというようなものではございませんで、つつましやかに、これもありますけれどもと、こう言っているわけでありまして、そんなに私、大きな声でよくなるのだということは言っておりません。確かにこれについては、私どもは苦しい財政の中でこれだけのことをやるのに実は相当骨を折ったというか、努力したということではございますけれども、そういばって言うほどのものではございません。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 まあ、大臣がそこまでお認めになるのですからこれ以上追及する気持ちはないのですけれども、ちなみに、厚生省からいただいた資料を見ても、たとえば葬祭料は被保険者千人当たり件数が四十九年では三件、分娩費は同じく被保険者千人当たり件数を見ると十四件です。出産手当金は同じく十二件、一件当たり金額も六万七千七百八十三円となっております。それに比べて診療費の方を見ると、被保険者一人当たり診療費は五万七千七百三十二円、件数が千人当たり六千三百五十八件と、全然違うわけですね。ですから、いまもおっしゃいますように、大声で言うほどの改善ではないけれども、努力したことだけは認めてくれと言うからそれは認めます。しかし、この次もし健康保険の改正をなさる場合は、本人と家族が大きな開きがある、その制度の根幹に触れての改善をなさるかどうか、この点を聞いておきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 健康保険の給付率が、いまの十割、七割というのがいいのか悪いのかということについてはいろいろ議論があります。極端なのは、十割が悪いから本人も九割にしてしまえなんという議論も実は世間にないわけではございません。いろいろ議論がありますので、決して私はそれをとるというわけではございませんが、こうしたことについてはさらに検討をいたします。しかし先生、問題はやはり健康保険のふところぐあい、財政のいかんによるということは間違いがないのでございまして、いまでさえあっぷあっぷという状態でございますから、にわかに家族の七割をもっと上に上げるということについては容易ならぬことだということは私は申し上げなければなるまいと思います。いろいろ検討はいたします。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 要するに、抜本的な改善の中には当然触れられなければならぬ問題点であろうと私は思うわけです。そういうことでいま強く要望しているわけです。健保財政の立場からいけば無理じゃないかというお話でございますが、それにはいわゆる抜本的な改善で、ざるみたいにあそこもここも漏っておるところを全部穴をふさいでいけばこの給付改善は十分可能になるわけですから、そういう点を配慮して大改善に当たっていただきたいということです。  次に、今回の改正案では直接問題にはなっていないのですけれども、健保財政上から重要な役割りを果たしておるものに弾力条項の問題があるわけです。今回千分の二の引き上げが予定されているようでございますが一やはりこれは現在の経済情勢、生活水準の立場からいって政管健保の方々の状況を考えるならば、これも一挙に上げるということは考え直した方がいいのではないか、私はこう強く指摘をいたします。千分の二引き上げれば国庫負担率も千分の一について〇・八%の引き上げが連動されるわけですから、国の方もそれだけちゃんと見ますよということでございましょうけれども、これは私はやはり時期を引き延ばすぐらいの配慮をすべきじゃないか、このように考えるわけでございますが、いかがですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 先生、一部負担もやめろ、それから標準報酬もどうのということになると、もうやっていけないのでありまして、何とかあれこれいろいろ苦労いたしました。本当ならもう弾力条項を余すところなく発動しなければやっていけないんじゃないかというぐらいの情勢でございますが、しかし、一遍に上げることはよくないということで、弾力条項を少々にとどめよう。先生いまおっしゃいましたが、弾力条項というのはそう簡単に引き上げられないのでありまして、裏に連動の国庫負担の増がついて回る。実はこれは私の発明なんですよ。したがいましてなかなか簡単にいかないというところにみそがあるんです。これをあえてやるというところ、しかも財政当局がこれをのんだというところはひとつ承知をしていただきたい。国民だけに負担をかけているというわけではございません。そういうわけですから、これを全然やめろということについては、私どもとしてはさようにいたしますとはお答できません。いろいろと考えてはみます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 保険料千分の一引き上げに対して〇八%の国庫補助率を上げるということは、これは厚生大臣がかつてこの修正のときに非常に努力なさったことは私もよく知っております。これは評価します。だが、問題は、あの定額国庫負担を率に改定するときにあれは一〇%で終わりましたものね。その当時、国庫補助率を一〇%にする。ところが審議会等の意見では二〇%ぐらいまでにすべきじゃないかという意見も出たことは事実ですよ。せめて一五%はどうかということで大分押したり引いたりしたのですけれども、これはとうとう政府の、あるいは自民党さんの考えに押し切られたかっこうになって、一〇%でおさまったわけですね。ですから本当は一五%ぐらいまでに国庫補助率を持っていけばいいんですよ。持っていけば今回の保険料の引き上げもする必要はない。第一、この標準報酬の引き上げを今回のような手おくれのようなことでなくて、前にやっておれば今回の引き上げもしなくてもよかったのでしょうけれども、いずれにしましても国庫補助率が一〇%で出発していま幾らになっておりますか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 その後、千分の四の引き上げがございましたので一三・二%という率でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いま言われたとおり一三・二になっているわけですね。まだ一五%にはなっていないわけですよ。仮に、あの四十八年当時を思い起こして、ああそうだったなということになれば、これは大臣、保険料も千分の二引き上げないで国庫補助率の方を引き上げるぐらいの配慮の方がなお厚生大臣の国民を思う真情があらわれるというところですな。だからその辺はやはりもう一回、国庫補助率を引き上げるというような考えを持っていただけませんかね。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 医療保険に普通の場合、たとえば国民健康保険とか日雇というふうな独特な立場のものを除いて、医療保険そのものに国庫補助を一体入れるべきか、入れないのが正しいのかということについてはいろいろ議論がございます。先生さっき外国の例を出しましたが、フランスなどは実はほとんど医療保険には国庫補助なり負担をしておらないというのが実態でございまして、外国の例もそれぞれのいいところだけをとるといろいろ出てくるんですが、そういう問題も実はあるわけでございます。したがって、前は全然つかみ金だったわけですね、本当の話が。それを一〇%にしたのは当時としては英断ですが、さらにこの連動幅を最初私が考えたよりはなはだしく大きくしたものですから、今回これをわれわれが言っているようにすると一五%近くになるわけでございますので、大蔵省も実はかなり重い負担をしたものだというふうにいま後悔していると言うんですが、それは決まったことですからいまさら言わせませんけれども、そういうわけですから、これについては、弾力条項の発動だけは今回できるだけ少なくいたしますけれども、ひとつこれだけはやらせていただかなければにっちもさっちもいかなくなるという状態でございますので、御了解願いたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 非常に時間に制限がありますので、次に移りますが、これも厚生大臣の功績の一つかもしれませんが、任意継続保険制度ですね。この問題なんですが、今度は一年を二年に延ばそうということで、このことについては別に反対ではないわけですけれども、要するに、任意継続になった場合は保険料を事業主分までその被保険者が当然払わねばならぬことになるわけでありますので、この点はやはり問題として指摘をされているところでございます。審議会等の御意見を伺いますと、これはやはり退職者医療制度を新設すべきじゃないかということがありますが、この点についての大臣の御見解を承っておきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 とりあえず保険局長から……。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 今回の任意継続被保険者制度の改正につきましては、制度の根幹に触れるということではなしに、当面、その任意継続被保険者制度につきまして少しでも入りやすくしたいというようなことから、加入期間について一年を二年に延ばしたり、あるいは保険料につきまして、ただいま御指摘がございましたけれども、従来でございますと退職時の最終の標準報酬を基礎にするという保険料であったわけでございますが、その者の属します保険集団の平均の標準報酬を基礎にしました保険料と比較してどちらか安い方をとるというようなことで、若干の保険料の軽減は考えておるような次第でございます。  それから、基本的な退職者医療の問題でございますが、これは今回の任意継続被保険者制度とは全く別の問題であるというような観点から、今回はいまの制度の手直し程度ということで、退職者医療制度につきましては、制度の立て方なりあるいは社会保険全体の中でどういうような位置づけを考えるかとか、あるいは具体的なその制度の内容、仕組み方をどうするかとか、あるいは財源負担をどうするかとかというような、余りにも大きな基本問題を抱えているというようなことでございますので、この問題につきましては社会保険審議会等におきましても今後十分な研究問題として取り上げていくということになっておる次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 これはぜひこの問題について真剣に取り組んで、一日も早く国民の期待にこたえられるように要望いたしておきます。  次に、医師に対する税制上の優遇措置がございますが、これは診療報酬の適正化がなされた場合は当然廃止になるものであろうと思いますけれども、いま一つ現状で非常に矛盾を感じている問題がありますのでお尋ねをいたします。  まず、僻地だとかあるいは無医地区、救急医療等について医師がいま不足をしておるわけですね。特に勤務医についてこの診療報酬の七二%の優遇措置は該当しないわけですね。ですから、同じお医者さんでありながら、一般開業医はその優遇措置を受けていて、勤務医はそれを受けない、ここで差別的な内容が出てきますね。これは矛盾を感じます。ですから私は、せめて勤務医に、特に、僻地等に勤務している医師に対しては研究費が支給されておりますね、その研究費ぐらいは税制上非課税にしていったらいいんじゃないかという考えを実は持っているわけでございますが、大蔵省の方、来ていますね、どうぞ。

大竹宏繁大蔵省主税局税制第一課長

○大竹説明員 ただいまの御要望につきましては、厚生省から同じような趣旨の税制改正の御要望が出されておるところでございます。去年も同じような御提案がございました。  それで、税制でどう考えるかということでございますけれども、まず、地理的な条件あるいは職種としての特殊性というようなところに着目をいたしまして税の面で優遇措置を講ずるということは、同じような条件にありますいろいろな職種なりあるいは地理的な特殊性なりから同様の控除を設けるべしというような議論を呼ぶわけでございまして、極端な場合には、職種ごとに特別の控除を設けるとかあるいは地理的な控除を設けるというようなことに議論が発展しかねないということになりますと、税制といたしましては収拾のつかないことになるわけでございます。ただいま御指摘がございました勤務医につきましての研究費を何か税制上見るべきではないか、特に開業医の方と比較しての御指摘でございました。開業医の場合の七二%という法定の経費の率は、これはいわば事業所得の経費を決めておることでございますが、給与所得者の場合、勤務医の場合には概括的な経費の控除という意味におきまして給与所得控除の制度が設けられており、かつその控除の幅も四十九年度の税制改正以来非常に大幅なものになっておるということでございます。したがいまして、そういう税制改正の御要望はあるわけでございますが、やはり税制の立場といたしましてはちょっと実現ということはむずかしいというふうに考えております。ただ、それ以外の面には、税制以外の施策ではいろいろな施策を考えられ得るとは思いますが、税制だけでこれを何とか手当てをするということはむずかしい問題ではないかというふうに思っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 厚生大臣、私はいま一般医と勤務医とで、いまの税制上の問題で格差的なものがある。特に勤務医で僻地などに勤めている人がなかなか定着しないというわけでですね。だから、そういう場所でも喜んで行けるようにするためには何らか優遇措置を講ずべきである、こう思うわけです。私が考えたのは、せめて研究費ぐらいは非課税にしてあげるべきではないかということで質問したら、いま大蔵省の方としては税制の体系上からそれはちょっと無理じゃないだろうかというお答えのようでありました。私もそれはなるほどと、いまある程度の理解はできたわけですけれども、いま私が言わんとする気持ちはおわかりだろうと思うわけです。勤務医等について、特に僻地や無医地区等に勤務しようとしている、そういう人が喜んで行けるようなことにするためには、研究費等からそういう配慮をしてあげるべきではないか、何かないだろうかと、こう思うのですけれども、その点についてはどうでしょう。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 これは、医師の租税特別措置と勤務医の話というのはちょいちょい地方へ行くと出るわけでございますが、基本的に実は、いま一課長が言ったように、これは違うのですね。事業所得について必要経費の経費率を法定しているという独特な制度でございますが、片一方はいわゆる勤労所得に対する必要控除をどうするか。そうなってくると、これは一般サラリーマンがよく洋服がどうなの靴がどうなのという議論とやや似たようなかっこうになってくるわけでございまして、そうした勤務医として勤務するためにやはりどういう必要な経費がかかるかということになってくるのだろうと思います。そういうわけでございますから、いま税務当局でもってそうした研究費等を控除の対象にするということはなかなかめんどうだということは私もわからぬわけじゃございません。ですからこれはなかなかめんどうだと思いますが、要は実質的なメリットがあって僻地に勤務できるようにすればよろしいことだろうと思いますので、そうしたことについての施策は税だけに限らず広い範囲で物を考えるということをしなければなるまい。そこに一つの政策課題があることは知っておりますので、今後ともさらに研究してみたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 期待をしておきます。  それでは次に移りますが、救急医療についてずいぶんと議論がなされておりました。救急体制の整備を急がねばならぬわけでございますが、要するに、現在救急医療をやっているところにはかなりの補助がいくようになって私は前進だと思っておりますけれども、問題は、全国的な救急医療体制網といいますか、これがまだ計画的になっていないわけです。これをぜひ急いでもらいたいということと、そうした地域に対してはお金も、それから人も積極的に配慮をしていく。今度は何とか懇談会、この救急医療のための懇談会がつくられているわけでございますが、せめてこの救急医療体制については特別立法をして施策をしていくべきではないかと、こう考えるわけでございますか、いかがでございましょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 救急医療の運営が円滑にいかないということは、もう皆さんから御指摘があり、私もこれについては申しわけなく思っているわけであります。そこで、いま問題の、どうしてうまくいかないのか、どうすればいいのかということについて、役所もいろいろやっておりますが、御承知のとおり私の私的諮問機関である救急懇、救急医療問題懇談会というところでいろいろ掘り下げていただくことにしておるわけであります。すでに出ている話は、これの情報システムというものをもっとはっきりさせなければだめじゃないか。これは一部の地方でやっているそうですか、救急患者が出たらどこの病院に行けばいいかということがもう電光掲示でさっとわかるというような——一々電話をかけて、あなたのところあいてますかというようなことではだめなのでありまして、そうした専門医とかあきベッドということの情報システム、そしてそのネットワークというものを整備しなければなりませんし、また一部には助成の出ていない救急医療機関があるわけでございまして、こうしたことを含めて私は救急医療がもっとうまくいくように、システムの問題と予算措置の問題とを含めて五十二年度予算の目玉にしたいというふうに思っておりますので、どうぞ御支援をお願いいたしたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 そのための特別立法を厚生省としては考えていらっしゃるように伺っているのですけれども、その点……。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 これについては本会議でも御質問がございました。私は立法をしないとは申しません。しかし、立法よりもむしろ具体的に政策を実現することが第一だと思っているわけであります。この間にあって、こうした問題に取り組むときに法的規制を必要とするような部面が濃厚に出てきた場合にはやはり立法の必要があろうか。ですから、できてくる今後の対策の内容を見て立法するかどうか決めますが、第一は法律よりも何よりも実際にうまくやることだというふうに私は思っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 よくお話はわかります。しかしながら、やはり法律ができればそれに基づいて改善もなされていくし、施策も円満にいきます。いま大臣がおっしゃったように、検討の中において立法の必要が出てくれば、そのときはそのときで配慮するということでございますので、この点はこれで終わります。  次に、診療報酬の問題なんですけれども、薬剤偏重をやめて、技術料を適正に評価して原価を償うようなものにしていただきたい。これは前々から話があるわけでございますが、とにかく診療報酬の適正化について特段の配慮をしてもらいたいということを要望しておきます。  あわせて、これももうすでに質問が出ていたと思いますけれども、中医協の委員について公的病院の代表をぜひ加えてもらいたい。いま医師会の方から代表が出ている中にそういうものも含まれているのだという答弁ではございますが、実際出ているメンバーの中身を調べていってみますと、決して公的病院の代表というような方々ではないと思います。特に、基準看護をやっている代表でなければわからないような細かい問題がたくさんあるわけでございますので、ぜひこれも実現していただきたい。強く要望しておきます。この点についてはいかがでしょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 薬価基準を適正にいたし、薬でお医者様が収入を上げないようにしなければいかぬというのは、これは事実でございます。したがって、薬価調査をし、これを逐次技術料に振り向けているというのも先生御案内のとおりであります。今回はさらに薬価調査をいたしますから、その結果はやはり従前のような手法で、これを先生おっしゃるような方向に近づけることができる。それから銘柄別収載をいたしますから、これでまたある程度の改善はできるだろうというふうに思っていますが、さらにこの問題は大いに前進するようにいたしたいというふうに思います。  中医協の二号側委員、つまり医療側委員に病院経営の利益を代表する者を入れろ、これは私、若い議員のころにえらい苦労したものですからいやというほど知っているのですけれども、なかなか言うべくして簡単に行われないというのが事実でございます。今日、日本医師会では病院の経営の実態もよく知っておるし、また病院の利益も自分の方で代表をして十分であるという御主張がございまして、この問題を解決するためには、先生のおっしゃるようなことを実現するためにはなお多くのやはり討議が必要であろうというふうに思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 これも強く要求をいたしておきます。  実はきょう、全国の日本看護協会の定時総会、通常総会といいますか、これが開かれたわけでございますが、両国の会場に一万人ほどの方々が集まって熱心な討議がなされておりました。各党ともそこにごあいさつに上がっておりましたが、皆様の要請なさろうとする准看制度廃止に対して、趣旨は各党とも理解できる、その方向に努力をしようというようなみなあいさつがあってやっておりました。その請願の内容について、  准看護婦養成は昭和五十二年度入学者の卒業の  時点をもって最終とする。  看護婦の教育は、高校卒プラス三年以上とし、  将来は大学教育をめざす。  准看護婦の名称を五十二年度入学者が卒業の時  点で看護婦とする。   ただし、国家試験合格までは、都道府県登録  とする。したがって、看護婦は国家登録と都道  府県登録とする。  前記事項のすみやかな実現のため国は関係法規  の改正をおこなうこと。というようなことが決議されていたわけでございます。これもかなりむずかしい問題ではあろうと思いますが、いまの医療の向上あるいはあらゆる条件を見た場合、看護の質とその内容の向上、量の向上は必要でございますので、皆さんの主張は非常にもっともだということでもございます。この点について特段の配慮、検討を要請をしたいと思いますが、いかがでしょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 いま先生がおっしゃったような御主張というものは、看護協会を中心にしてわれわれのところにも来ておることは事実でございます。いろいろと問題がございます。看護制度の改定というのは非常にむずかしい問題でございまして、いろいろと考えなければならぬこともございます。また、さなきだに少ない看護婦の実数というものをいかに充足していくか、養成していくかという問題ともつながっておるようでございますが、しかしこの問題はじんぜん日を過ごすわけにもいくまいというふうに思いますので、私は医務局に対して、できるだけ速やかにこの問題についての結論を得るように努力せよということを先日指示をいたしました。むずかしい問題でございますけれども、相も変わらず酢だのコンニャクだの言っているわけにはいかなくなってきたというふうに私も認識をいたし、努力をひとつスピードアップしなければならぬというふうに思っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは健保に対する質疑は以上で終わります。  あと残りの時間、わずかでございますが、予防接種法についての質問をしたいと思います。もう時間がありませんので、まとめて質問をいたしますからよく聞いておっていただきたいと思います。  伝染病予防調査会の答申の、強制ではない、国民の意思による国民のための接種という精神が今回の改正案でどこまで生かされているか。これまであいまいな形になっておりました被害者救済がどのような形になるのかというのが、今回の改正案に対する国民の非常なる期待であったわけでございますが、今回、現行法の一律接種の強制規定を削除したということ、あるいは罰則を外したということは、法の体裁からは確かに答申の精神を一応生かされたものだ、こう見るわけでございます。しかしながら、現実の運用面では現行法と同様、社会防衛面に立ったいわゆる強制接種であることには間違いない、このような批判があるわけでございますが、この点についての御見解を承っておきたいということでございます。  それから、いまの問題に関連いたしまして、改正案では定期接種の疾病が痘瘡、ジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎の四種になっているわけでございますが、これを見てまいりますと、これが定期、年齢と、政令でその四種についていわゆる期間が定められるわけですね。この期間に病気とか事故などの理由を含めてできなかった人は接種を受ける必要がない、こういうふうになっているわけですね。ところが現行法第九条では、たとえば事故による延期者の予防接種ということがあって、事故消滅後一カ月以内に接種を受けなければならない、こうあるわけですね。事故とか病気等で受けられない者は、それが解消した後一カ月以内に受け直しなさいということがあるわけですけれども、今回はこれも削除されるわけでございまして、仮に接種をその間に受けても事故が起こった場合は一切補償の対象にしない、こういうことになっておりますから、私はこれは後退ではないかというふうに感ずるわけでございますが、この点についていかがでございましょうか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 改正法案の予防接種の実施につきましては、ただいま御指摘のように、国民に予防接種を受ける義務は課しておりますけれども、罰則は臨時緊急の場合の予防接種を除いて全部外しております。したがいまして、国民の道義的義務を課しておるわけでございまして、決して強制接種というようなものではございません。  また、定期の予防接種の場合において、今回は市町村長が定めた期間内あるいはその期間の前三カ月以内に受けた者は法律の対象といたしまして、不幸にして事故が起これば救済制度を適用するわけでございますけれども、その期間に受けられなかった者は、特に受けなければならない規定もございませんし、また御指摘のように救済制度の対象にならないわけでございます。しかし、定期の予防接種は、一応伝染病の流行を防ぐために一定水準の免疫を国民に付与しておけばいいという性格のものでございますので、そのような国民の協力、自発的意思で受けていただければいい。またその期間に疾病等の理由でどうしても受けられなかった方はお受けにならないでもいいということにしてあるわけでございますけれども、近く政令で定めます予防接種実施の年齢とか期間等を見ていただけばわかるように、非常にその範囲も広くなっております。したがって、その期間内にどこかで受けるということは従来よりもより容易になってきておるわけでございまして、御心配になりますような、病気等で定期の予防接種が全く受けられないというようなケースは大変少なくなるのではないかと思っております。また、法案を見ていただけばわかるように、市町村長や都道府県知事が実施する以外の予防接種についても、定期の期間内にお受けになった方は全部本法の予防接種とみなして、もし不幸にして事故が起これば救済の対象にすることにしておりますので、先生御心配のような点は余り起こってこないものと考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それではもう一、二聞きます。  一つは、破傷風の取り扱いなんですけれども、答申の中では、接種の対象疾病として加えなさい、このように主張されていたように思うわけでございますが、破傷風は新制度でも定期接種として百日せきあるいはジフテリアとの三種ワクチンで接種される方針だと聞くわけでございます。この点について伝染病予防調査会も、これを外したことについて非常に批判的であるわけです。予防接種法の政令には対象疾病としての記載がない。この点についてどのようなお考えであるのか、お伺いしておきます。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 破傷風につきましては、御指摘のように、伝染病予防調査会はできるだけ定期の予防接種に取り入れて幅広く接種するように希望しておりました。しかしながら今回の改正法案では、救済制度との関係もございますので、今後予防接種法で行います予防接種はやはり社会防衛のために行う予防接種に重点を置いたわけでございます。しかしながら破傷風の予防接種は、ジフテリア、百日せきと二種混合ワクチン、あるいは三種混合ワクチンといった形で幼児の時代に接種をされますので、成人になりましてから接種する場合はこれは業務上の予防接種というような形で、土木関係とかあるいは農業、林業関係、こういった方々がお打ちになればいいのではなかろうか、定期の予防接種としてはジフテリアや百日せきと一緒に小さいときにお打ちになっていれば目的に達するのではなかろうかという考え方をとったわけでございます。なお、この点については諸外国においても意見が二つに分かれております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 最後に大臣にお尋ねいたします。  今度の予防接種法案は確かに大改正であり、あるいは抜本的な改正であると私は評価いたしますが、一つ問題になっておる、過去の死亡者について補償の対象から外されているということは片手落ちではないかという意見がかなり強いわけでございます。私もこれは何とか配慮すべき問題ではないかと思うわけでございますが、大臣、いかがなお考えでございましょうか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 確かに先生のおっしゃるように、過去の予防接種事故によって死亡した者については法律上、この法律には何も書いておらないわけであります。しかし、これについて救済をしてくれという声は強いわけであります。私もある程度ごもっともだと思いましたものですから、法文に書くにはいろいろと実際は法律上の問題もあり、実態上の問題もあるものですからこれはあきらめましたが、しかしこれを実質上救済することについて何とかしたいと思いまして、この法案が閣議で決定をする前に私から閣議で発言をいたしまして、各省庁の御協力、なかんずく財政当局の御協力を求めるということを申しましたところが、大蔵大臣もこのことについて事務当局とよく相談をするようにということでございまして、その後このことについて前向きの相談が始まっているようであります。実際はこの制度が実現をいたしましたときにそれと彼此勘案をして定めるものでございますから若干の期日がかかりますが、しかし、そうした方について、すでに死亡した者についても今後これに準じた扱いをすることに相なれるものというふうに思っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 厚生大臣の誠意、熱意を期待して私の質問を終わります。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 次に、和田耕作君。     〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 今回の健康保険法の一部の改正法案につきましては、特に入院時の一部負担、初診時の一部負担の増額、これは大変な問題点だと私どもは思っておりました。そうしてまた、この前の国会で決めました弾力条項の適用千分の二の問題とか、高額医療の負担の増というような問題についてもなかなか問題点だと考えておりました。これらの問題について少し厳しく質問をしなければならないと思っておりましたが、どうやら政府の方もその問題であるということを御認識なされたようでございますし、相当良心的な修正等もお考えになっていただけるようにも思いますので、これらの問題についての質疑は一応ここでは省かせていただいて、いままで同僚議員がこれらの問題についていろいろと申し上げた点は私も同じような意見でございますので、ぜひともひとつ御検討を賜りたいと思います。  ここで私は、二、三の問題について、この法案の関連の問題を御質問申し上げたいと思います。  第一は難病関係のものでございますけれども、きのうも新富町の勤労福祉会館で、腎臓病を患っている方々の全国大会がございました。この大会にあいさつを述べに参ったのですけれども、この会も、御病気になっている方々が会長になり事務局長になり世話人になってやっている会なんですね。それで、去年一年間に五人も亡くなられたという報告もございまして、大変苦しい中で難病にかかっている方々がお互いの福祉の増進のために挺身をしておるという様を目の当たりに拝見したのでございますけれども、この腎臓病を患っている全国の組織の人たちも、今度医療費の自己負担を公費で賄ってくれるという病気に指定されたということを大変喜んでおりました。これがこれらの人たちに対する支えになる意味では非常に大きな役割りを果たしておるなという感じを持ったのですけれども、いま難病と言われておる病気の中で約四十三の病気が指定されておる、その中でわずかに十三の病気だけが公費負担の恩恵にあずかっておるということのようですけれども、これらをどのように理解していいか。今後次から次へと指定がふえていくように理解していいのか、あるいはここらで違った考えをお持ちになっていこうとしておるのか、この問題についてひとつお伺い申し上げたい。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 現在、難病対策におきましては、原因不明、治療法末確立の疾患を対象にいたしまして、現在は十五の疾患について医療費の公費負担を行っております。これにつきましては、私どもも今後必要なものは少しずつふやさなければならないと思うのでございますが、難病も非常にたくさんございます。まずその中で原因不明、治療法末確立というものを取り上げ、また従来医療費の公費負担をしております十五疾患との均衡も考えながら進めていかなければならないと思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これはひとつぜひともその実態調査を促進されて、まだ難病の中で公費負担の種類に指定されないものが相当あると思います、こういうふうなものをできるだけ早く指定してあげていただきたいと思います。きのうも腎臓関係の方々はこの問題で非常に喜んでおりましたので、特にこれは急いで厚生省としても検討させなければならないという感じを持ったわけでございまして、最初に御質問申し上げたわけでございます。  それから、その問題とも関係しますけれども、今回のこの予防接種の問題についての法案の要綱の(五)に、「疾病にかかり、廃疾となり、又は死亡した場合」には、市町村長が医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金及び葬祭料を支給することとしておる、こうあるわけですね。この内容は政令でお決めになっているようですけれども、これは患者、該当の方々にとってはまだまだ不十分だという意見も非常に強くあるようで、私どもも再三要望を受けているわけで、これらの点についてはぜひともひとつ改善できるものは改善をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  きょう御質問申し上げているのは、その点と関連しまして、たとえばいろいろの病気、これは難病の場合も相当多いのですけれども、病気になり、そうして薬を飲み、あるいは医者に薬を支給される、このようなことで大変困難な、たとえばスモン病ならスモン病というような病気にかかった人が非常にたくさんおるわけですね。この人たちは、御案内のように非常に悲惨な生活をしておるわけでございますけれども、これは裁判等があった結果からいろいろな救済措置もできるわけですが、裁判はなかなか時間がかかる。その間にもこのような方々の困難な状態は続いておる。これに対して救済の措置をとりあえず国が肩がわりするとか、あるいは他の適当な機関を設けて何とかこれを救済するということが必要だと思うのですけれども、いまの予防接種の制度と並んでどういうふうに政府としてお考えになっておられるのか、そのことをお伺いしたい。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 いま御指摘になりました、薬の副作用によって健康被害を受けた者、この人たちに対する救済制度を検討いたしますために、四十八年の六月から専門家を煩わせまして、医薬品の副作用による被害者の救済制度研究会というのを設けまして検討を続けてまいっておるわけでございます。近く結論が得られる見通しでございますので、こういった結論を参考にしながら、私どもとしては具体的な救済制度というものを検討してまいりたいというように思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 その結論はいつごろ出る予定ですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 四十八年の六月から検討を続けておられますので、近くということで、もうしばらくの間であろうというふうに私ども期待しておるわけでございます。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 率直に言いますと、そろそろファイナルなところへ来たようでございます。いま最後の推敲を実はいたしておるところでございますから、いつということははっきり申し上げられませんが、もう最終段階に来ておりますから余りほど遠くなく意見書というものが出てくるだろう。それから今度は政府が対処するということですから、四十八年の六月からじんぜん日を過ごしていたわけではございません、もう少しお待ちを願いたい。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いまも申し上げておりますように、病気にかかって、これは何々の薬が原因だということが明らかになるのには五年、十年、あるいはそれ以上もかかるという問題があるので、なかなか対策として講じにくい問題の一つだと思うのです。しかし、それはそれとしても、どうもこれらしいというような感じのものは早くから出てくるわけですね。そういうふうな問題をどういう時点でこの対象として選び出すかということについて、厚生省の考え方としてで結構です、どういうふうにお考えになっておられるのか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 医薬品の副作用による被害の救済という観点で取り組むわけでございますから、やはりその病気あるいは健康被害というものが、医薬品の副作用によるものであるという一般的な因果関係が明らかになった段階でない限り取り込むわけにはまいらないと思います。しかし、その段階になれば、医薬品の副作用による健康被害として当然対象になる、そういうところじゃないかと思うわけでございますが……。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 その審議会の結論を待たなければならぬのですけれども、一つの疑問は、こういう薬が原因になってこういう病気になったという、後からということもよくわかるのですが、問題は、それ以前の状態に対して製薬会社なりあるいは政府なり関係のお医者さんなりがどのような責任を持つべきか、というような問題も当然対象にしなければならないと思うのですけれども、いかがでしょうか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 いま御指摘になりました点、必ずしも私よくわからない点でございますが、問題は、医薬品による健康被害と申しましても、病気になった後薬を飲むということが普通なわけでございますね。したがって、それがもとの病気なのか、その薬を飲んだために起きた病気なのか、必ずしも明快でない。しかも同時に、医薬品のメーカーならメーカーについて、そういった予期せざる副作用が出たことについて責任を負わせるとすれば、その医薬品との一般的な因果関係が明らかでない限り、それは、何と申しますか、責任を越えた負担をさせることになるのじゃないかというふうに思うわけでございます。抽象的に申し上げますと、医薬品について無過失責任ということは導入できない筋合いのものだろうと私は思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いろいろなケースはありましても、薬をつくっておる会社、これはその会社の製品が問題の医薬品であるかどうかは別として、薬をつくる会社、そうして薬事審議会等の公式の機関でもって薬を認可する政府・厚生省、この二つは、たとえば何らかの財団あるいは基金をつくる場合に欠くことのできない構成要素だと思うのですけれども、いかがでしょう。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 薬事法上、医薬品を承認する厚生大臣の立場というものはいろいろな考え方があると思うわけでございます。ただ、そういった予期せざる副作用が発生した医薬品をつくっておるメーカーの責任というのは、当然その考慮の中に入れなければならない性格のものである、このように思うわけでございます。医薬品を承認するという立場だけでの国の責任についてはいろいろな論議があるところでございます。目下いろいろな裁判で争っておる立場にあるわけでございますので、これ以上申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 明らかになればその会社が主として責任を持つということはわかるのです。明らかにならない事態がかなり長いわけです。そういうふうな状態の患者を救済する場合に、何か特別の救済基金のような制度ができた、当然そういうような考え方が出てくると思うのですが、そういう場以には特定のメーカーからお金を取るというよりは、そういうことを予想して、一種の保険みたいなものですね、予想して、薬をつくっておる会社全体から、そのような基金をつくり上げるために応分の寄付をするというような考え方は私は必要だと思うのですけれども、これはいかがです。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 一つの研究課題であるというふうに理解いたしております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 まあ局長さんはなかなかいろいろなことを御心配になっておられるが、大臣、このような考え方としていかがですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 この問題は、結局研究会の答申をいただいてから考えます。ただ、これは先生御承知のとおり、なかなか複雑なんです。薬そのものの製造承認、そしてその投与の仕方、あらゆるところがかむわけですから、さっきの予防接種よりもっとめんどうなんでございます。そうしたことについて慎重に配慮しなければなりませんし、またもう一ついやなのは、率直に言うと、いまこれをめぐって訴訟になっておる事案が多いものですから、したがって訴訟維持にもいろいろと関係するものですから薬務局長も慎重な答弁をしていると思いますが、いずれこの答申をいただいた上でまたいろいろ御相談をさせていただきたいというふうに思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 一般的なこういう問題についての政府の責任を、厚生大臣、どのようにお考えになっていますか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 これがまさしく訴訟でいま対象になっているところでございますので、われわれは一応、薬剤の承認というものはそうした責任、少なくとも不法行為による損害賠償の責めに任ずるものではないというふうな主張をいたしておるところでございます。これは裁判の一つの焦点でもありますので、これはこの程度の答弁で今回はひとつ御勘弁をお願いいたしたいということでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いずれにしましても、このような自分の責任では全くない、しかも、いずれは何かの薬が、複数であるかもしれませんが、原因であるというものがはっきりすることに時間がかかる、しかもその間大変苦しみを受けている患者がたくさんおるということですから、ある時点から、全体としての製薬会社、それと政府というものが応分の責任に応じてそのような事態をカバーできる、主としてお金ですね、あるいは医療制度あるいは生活等の問題を含めて、何らかのカバーする基金のようなものがなければそういうことに対処できないわけですね。事態が明らかになれば当然会社が主として責任を持つということになるでしょうけれども、これはぜひともこういうものを早くつくっていくのが必要だと思います。ひとつ大臣もそういう機関を督励していただいて、何とか早くこの問題が皆さんの議論になるように急いでいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょう。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 大体、この問題の解決のためには、先生おっしゃったようなやり方というのが必要であろうというふうに思われている向きか多いわけであります。ですから、いま現実に問題が起こっておりますのでその方向に取り進むことに相なろう、こう思っておりますが、やる場合には、事案にかんがみてできるだけ早くこれを進めていく、実現するようにいたしたい、そういたすべきだと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 特に私がこの問題を重視しますのは、いろいろの事例から見て、普通の素人、状態をよく理解しない人が、マスコミその他を通じまして、大変エモーショナルないろいろな運動が出てくるわけですね。そのこと自体は、問題の重要性を国民が知るということのためには必要だと思うのですけれども、いろいろな決定が行われる場合に、そういうふうな運動が中心になってその判断が行われる、裁判自体もそういうようなことになってくるということになれば、これは今後の問題としていろいろ問題があると思うのです。薬、特に新しい薬が今後国民の生活にとって必要でないというなればまたそれでもいい。しかし、これは絶対必要なことですね。新しい薬を開発することも必要な問題です。ちょうど原子力発電が必要なのと同じような意味で必要なものですね。したがって、このような薬から起こるいろいろな問題について、一つの目安あるいは安心感を持つような保険制度、こういうふうなものが絶対に必要だ。これはいろいろ問題があることはよく承知しておりますけれども、ひとつ勇敢にこういう問題を取り上げて、そして国民の議題に供して議論をしていく、そういう時期に来ていると私は思うのです。余りマスコミに受け入れられるようなことばかり考えないでこういう問題を解決していくことも必要だと思うがために、この問題を特に大臣として早く提起をしていただきたいと私は思います。やはり冷静な判断、科学者や担当者あるいは経験者の総合的な判断によって物事が決められていくという方向をつくり上げるためにも、とにかくわからないうちはこのような機関がその人の病気の治療あるいは生活保障を含めての問題をカバーするのだという、この体制をぜひともつくるということが、正しい薬に対する行政から見ても大事なことだと思いますので、ひとつぜひとも急いでいただきたいと思います。その点、いいですね。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 はい、いいです。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは法案と直接関係のあることですけれども、船員保険の国庫負担の問題なんです。現行法は国庫負担は六億ですか、定額制になっておるのですね。これは今後給付が改善されるとだんだん率としては非常に低いものになっていくわけで、何でもいま二%ぐらいにしか当たらないというのですけれども、そうでしょうか。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 そのとおりでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これを何とか、海員組合の諸君は定額制から定率制にしてもらいたい、できたら政管健保の一三・何ぼでしたか、これに準じた率にしてもらいたいという強い要望があるし、これは私は非常に筋の通った意見だと思うのですけれども、いかがでしょう。

八木哲夫厚生省保険局長

○八木政府委員 御指摘ございました船員保険に対します国庫負担の問題でございますが、ただいまお話がございましたように、政管健保につきましては昭和四十八年の改正によりまして定率化の措置がとられたというようなことから、船員保険につきましてもただいま先生からお話ございましたように、過去六億円ということで定額になっているわけでございますが、この国庫補助の定率化を図るべきではないかという御議論もかねてかちあるわけでございます。社会保険審議会等でもこういうような御意見がいま出ているわけでございます。しかし、この国庫負担の定率化の問題になりますと、船員保険の疾病部門におきます財政状況が、従来必ずしも政管健保の場合と同じような状態ではなかったというような船員保険の事情がございまして、さらに、政管健保と比べまして船員保険の場合、保険料の料率の水準等につきましても考えなければいけない問題があるというようなことでございまして、社会保険審議会から従来もそういう御意見も出ているわけでございますけれども、この問題につきましては、今後の船員保険の中におきます疾病部門の財政収支の推移というようなものを見ながら検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 保険料率が違うということを私今度初めて実は承知したのですけれども、違うから国庫負担の割合も違ってくる、何か理屈になるようなならぬような感じもするのですけれども、これは全体として同じ保険の体系になるわけですから、是正するものは是正しながらもやはり条件を次第に同じくしていくような配慮が私は必要だと思うのです。ぜひともこの問題についてはお願いをいたしたいと思います。  それから、この前、年金の審議で、いろいろ修正等の話し合いで私質問を取りやめたのですけれども、最後の機会ですから一言大臣にお伺いしておきたいのですが、千分の十八という今度の料率の引き上げ、これはいかにも大きいものだという感じを受けるのですね。やはり今後の低成長になる、ベースアップも非常に低目に、物価以下に抑えられるという状況もありますので、国民の負担というものはできるだけ低くしなければならないという感じも持つわけです。しかも、この料率をこういうふうに上げなければ当面の年金の運用が非常に困るというならば別ですけれども、ここしばらくはなかなか困るという段階ではないという性質のものですから、余りこれは一遍に上げないで、もっと段階的な配慮を加えたらどうかという感じがするんですが、いかがでしょう。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 厚生年金、これは修正積立方式をとっているわけでございまして、確かにおっしゃるように、いまこれだけちょうだいしなければいますぐまいるというわけではございません。しかし、長期の数理計算の上に立っておるものでございまして、余り低い保険料ということになりますと、保険数理の上で後日穴があくということでございます。現実に、現在修正率六〇%ということで、まだ平準保険料よりもはるかに低いのでございますが、そうしたことで長期の数理計算に立つものはなかなか理解がしていただけないというのがわれわれの悩みでございます。これがたとえば完全賦課方式みたいのなら、多いとか、要るとか要らないとかいう議論になりますが、そうしたことでなかなか御理解を得られないのですが、私どもとしては、やはり厚生年金の保険の財政を健全化ならしむるためにはあの程度のものが必要だということでお願いしているわけでございます。しかし、今日の経済社会情勢に対応して、上げ過ぎだという御議論もございまして、これについてはいろいろと検討をしてまいりたい、こういうことでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 たしか、審議会の答申では段階的に引き上げなさいという趣旨の答申があったと思うのですけれども、これは間違いないですね。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 社保審の御答申には「段階的配慮も加え大幅に圧縮すべきである。」こういう御議論があります。これは、公益の方は別でございますが、労使の御意見として出ているわけなんです。われわれとしては段階的にやっているつもりなんでございますが、しかし段階の上げ方が急だというこれは御意見だろうと思います。われわれもこのままでいつまでもこれをやっているわけじゃないんで、さらに段階的に上げていただかなくては収支償わないのですが、問題は、同じ段階でも段階の上がり方が早過ぎる、こういうことだろうと思いますので、考え方だろうと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 段階的という言葉を普通に解釈しますと、たとえば、千分の十八というようなことではなくて、今年は十だ、来年は五だという、少なくとも十八を二つか三つに割るような考え方が段階的だと私は理解しておるので、今度の年金の問題もそういうふうな考え方ができないかどうか、これをひとつ局長さん。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 先生御指摘のように、この社会保険審議会ではそのような議論もこの審議の過程において行われたところでございまして、私ども実は千分の九十四、男女平均九十一という料率を設定するに際しましてそのようなことも一応考慮いたしてみました。毎年少しずつ上げるというやり方もあるでしょうし、あるいは二年ごとに上げるというやり方もあるわけですけれども、従来の経緯もございます。従来の考え方でいきますと、実はその九十一という料率は、平準保険料に照らしましてもっと必要だという数字があるわけでございますが、いまいったような議論も踏まえまして、結局従来の考え方、再計算ごとの段階引き上げというのが現実的ではないか。そのかわり——そのかわりと言ってはなんでございますけれども、従来の考え方よりはもっと低目に抑えて、九十一程度にとどめたいというのが今回の料率設定のいきさつでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この問題は、実は私どもの同盟も非常に重視をしている点でございまして、何とかこれは来年あるいは再来年にかけて、十八というかなり大幅な引き上げというものを二年か三年かけてカバーできるような、そういう考え方をぜひともしてもらうように政府と交渉してもらいたいという非常に強い要望があるのでございます。これは答申の精神から見てもそういうふうな考え方が必要だと思うし、先ほど申し上げたとおり、これは引き上げないともう二、三年の会計が困るんだというのであればまたそういう無理なことは申しませんけれども、かなり遠い将来の問題ということになっているわけだし、またこれ、十年、十五年の後になりますとこれらの問題はかなり抜本的に、これは田中厚生大臣のいろんな着想、発想から考えましても抜本的に変えられていくという予想もあるので、そう急いでこういう問題を、かなり無理だなというふうな形で上げなくてもいいじゃないか、こう思うんですけれども、大臣、率直な御意見をお伺いしたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 一面にはそういう理屈も実は成り立つわけでございますが、さればといって、いまだ成案を得ていない、また政府の意思も決まっていない、国会の意思も決まっていない段階で、なおざりに年金の数理をやっておくわけにはいきません。したがって、そういう制度ができるまでの間はやはりいまのやり方でもって正しい措置をしていかなければならぬということだろうと思いますし、また、そういう制度になってみても、やはりいまの地固めというものは後日に役に立つというふうな考え方で私は割り切っておるわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この年金の問題は、組合の諸君は一番関心を持っている問題の一つでございまして、特に、いまも申し上げたとおり、いま困難な問題があれば別だけれども、これはどうも十年も十五年も後の問題であって、しかも大臣自身がいまの制度とは違った年金の制度を考えておられるという段階ですから、こういうふうな物価の問題もあり収入等の問題もある問題について、これはやはり従業員、労働者諸君の気持ちをもっと深く察してあげるべき問題ではないのか。今後、参議院段階もあります。衆議院でもまだいろいろな問題もあるでしょうけれども、ぜひともこれはお考えをいただきたいと思うんです。  きょうは私、先ほど申し上げたとおり、今度の健康保険法の問題は一部負担の問題を中心にして非常に重要な問題がたくさんあると思っておりましたけれども、どうやら政府もその間違った点を御反省になっているような面もあるようでございますから、これで私のきょうの質問を終えさしていただいて、できるだけ正しい修正について御同意をいただくようにお願い申し上げまして、そしてまたいままでの問題点についてのいろんな質疑をきょう全部省きましたが、いままでの各委員の申し上げた重要点をできるだけひとつ前向きに御判断をいただきたいと思います。これだけ申し上げまして私の質問を終わることにいたします。ありがとうございました。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田委員長代理 次に、枝村要作君。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 私は年金問題について質問いたしたいと思います。わが党の委員からの質問で大方は問題点としては明らかになっておるのでありますけれども、締めくくりという意味で行いたいと思います。  まず第一に、福祉年金の支給月を一カ月ずつ繰り上げ、十二月、四月、八月にできないかという、こういう要求が各団体やら私どもがしておりますが、この問題についてどういうふうに考えておられるか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 福祉年金の支給期の一月、五月、九月は、年一回の所得状況届の審査事務、郵便局窓口の事務体制を考慮して決められているところであるが、これを変更することについては、受給者からの強い要望もあるところであるので、今後関係省と連絡を密にし、できるだけ早く実現するよう努力いたします。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 第二番目の質問は、遺族年金は五十二年度の予算要求で七〇%に引き上げるようにしたらどうか。ことしも厚生省は大蔵省に対して同様の要求をしたようでありますが、これは握りつぶされておるというように聞いておりますが、その厚生省の基本的な姿勢に対してわれわれ賛成でありますから、ぜひ五十二年度から引き上げができるように努力していただきたい、こういう質問であります。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 遺族年金の支給率の引き上げについては、種々検討した結果、現行の遺族年金制度は支給要件等の面で諸外国と比べ緩やかであること、被用者の妻の国民年金への任意加入と関連する問題であることなどから、現行制度のままで遺族年金の支給率を引き上げることは種々問題があるということで寡婦加算制度を創設したところであり、今後、公的年金制度を通ずる基本的な問題として引き続き検討していくこととしたものである。明年度の予算要求については、今年度の財政再計算の直後であり、各制度を通ずる基本的な問題としてかなり検討期間を要するものと思われるので、いまのところそれは考えておりませんが、次期再計算期までに結論を得ることを目途に努力をいたしたいと考えております。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 三番目の質問でありますが、国民年金審議会に被保険者代表を参加させることを、委員任期切れの時点、いわゆる五十二年度でありますが、十分ひとつ考慮していただきたいと思います。考慮することについて厚生大臣はどのように考えておるか、質問いたします。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 国民年金審議会の委員の選任に当たっては、被保険者及び受給者の意向が十分に反映されるよう、御質問の趣旨を踏まえ十分配慮する考えであります。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 第四番目には、年金というものは一日も早く本人の手に渡るのが望ましいことでありますから、わが党はこれを毎月支給することがよいということで要求をしておりますが、その阻害になっておるのは事務体制がどうも整備できないということでありますが、これを早く整備してそれが実現できるようにしてはどうか。厚生大臣はどう考えておるのか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 年金の支給を毎月払いに切りかえるためには、中央地方の事務処理体制の大幅な整備が必要であるので、現段階で実施することはむずかしいと思います。毎月払いの要請にこたえていくためには、今後の受給者の急増をも考慮すると、事務処理体制の整備のほか、年間延べ一億一千五百万通を超える支払い通知書の作成等を必要とする現行支払い方式の合理化の問題や、郵便局支払いの対応体制等各般にわたる検討が必要となりますが、御指摘の問題については関係各省とも協議しつつ、今後とも検討をしてまいりたいと思います。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 第五の質問でありますが、積立金の管理運営は大蔵省の資金運用部資金から切り離して、政労使三者の管理する独立基金とすること、こういうことも常々われわれは要求しておりますが、それとあわせて、勤労国民への還元融資を現行の三分の一から二分の一へ拡大することについて、厚生大臣はどう考えるか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 厚生年金、国民年金等の年金積立金は、将来の年金給付の財源として被保険者から拠出された保険料の集積であることにかんがみ、その運用については有利運用並びに福祉還元の両方の目的にかなうものでなければならないと思います。年金積立金は五十年度末で十四兆円に達するものと見込まれ、その国民経済に与える影響を考えると、他の政府資金と一元的に管理運用することが、総合的な国民福祉実現の観点から、また資金運用の効率的な上から望ましいと考えられます。なお、年金積立金の運用について保険料拠出者の意向を反映するため、四十九年度から労使代表を含めた関係有識者を委員とする年金問題懇談会を設けているところであり、今後とも関係者の意向に沿って年金積立金の適正な運用が行われるよう十分努力してまいりたいと思います。  年金積立金還元融資事業の改善充実については、従来から枠の拡大と事業内容の改善との両面から努力しているところでございます。厚生年金及び国民年金の積立金還元融資資金枠については、昭和四十八年度以降当該年度の新規預託増加の見込み額の三分の一相当額とされていますが、昭和五十二年度以降において、現行方式による資金枠では還元融資の資金需要に十分対応し得ない事情が生ずる年度については、財政投融資の原資事情をも勘案しつつ所要の資金枠の拡大を図ることで、大蔵、厚生両省の間で意見の一致を見ておるのでございます。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 以上で質問を終わります。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田委員長代理 次に、石母田達君。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 年金の問題について質問いたします。  わが党は今度の年金の問題について、特に保険料の値上げという問題について、これは全面削除すべきだという意見を持っております。もしこのようにした場合に給付改善にどのような影響があるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 まず国民年金の保険料について申し上げますと、御案内のように国民年金の財政は非常に窮迫しておりまして、五十一年度予算をごらん願いましても、この五十二年度以降収支均衡を図るためにはどうしても今回御審議願いますような保険料を設定していただきませんと当該年度の収支が逆転する、そのような事情がございます。したがいまして、この点は保険料引き上げのいかんが給付枠を決定する、そういうことが十分考えられるわけでございます。     〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕  次に厚生年金でございますが、厚生年金は、再次にわたって御質問がございましたように、それじゃ来年度、再来年度、具体的に厚生年金財政が全く成り立たないかどうかというような御質問でございますとおのずから答弁は違うのでございますが、先般来お答えいたしておりますように、私どもの方は、長期にわたってこの制度の財政の健全化を図っていくということが結局現在並びに将来の労働者の福祉につながるわけでございまして、財政不健全のままで現在はこういうことが可能だからこの程度の保険料引き上げは見送ってはどうかということであれば、結局は、国民年金にすでにそういう傾向があらわれておりますように、制度の運営に大きな支障を来すことになるわけでございますので、どうか、今回の料率設定の意義について御理解を賜りたいというのが私どもの考えでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 理解するかどうかはこちらの問題ですけれども、いまあなたが言われたように、厚生年金について言えばこれを上げなくても影響がないわけでしょう、現在の給付について。十兆円以上の積立金があり、昭和八十五年には三百四十八兆円という膨大な積立金があるわけです。ですから、私が聞いているのは、いまの給付改善、もっと言えば今度の給付改善については直接には影響がないでしょう。ありませんということをはっきり言ってください。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 そのようなお尋ねに対しては、御指摘のようなことになろうと思うのです。ただ、私どもはそのような考え方が非常に危険であるということを申し上げております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そういう質問しておるのですから……。そういうことについては影響がない。いま自民党から修正案が出されまして、千分の三ほど引き下げるということが出されましたけれども一千分の三というと大体予算でいうと七百億ちょっとなると思いますけれども、そうした問題は当然全面削除しても影響がないわけですから。千分の三削ってもそういう意見では給付改善に影響なさそう見ていいわけでしょう。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 年金制度の財政方式を論議する場合に、御設問のような立場での議論というものはこの問題の真の解決には何ら益するところがないというのが私どもの考えでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 したがって、どちらでも給付改善に影響がないとすれば、私はこの際全面削除をした方がいいじゃないか、それ以外にはないと思うのです。それは当然、これだけの給付改善はあることを私承知しております。ですから、この法案の態度については、われわれは原案には反対でありましたけれども、しかしこのような修正が行われる、また給付改善が行われるということについては、その態度を再検討したいというふうには思っております。しかし、われわれはいまの話を聞いたら、給付改善に直接影響がないとすれば何で上げなければならぬのか、何で全面削除できないのか、こういう点について大臣にお伺いしたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 現行の厚生、国民両年金は修正積立方式で運営されていることは先生御案内のとおりであります。その場合には、単年度における収支というものだけを考えてその是非を論ずることはできないというのは恐らくわかっていただけるだろうと思います。長期における保険数理上、これが健全であるか不健全であるかという観点に立って検討をしなければならないというふうに私は思うわけでございまして、そうした点に立脚してのいろいろな御意見でありますればまたいろいろと考慮の余地がございます。しかし、賦課方式ではございませんから、単年度でこの程度の給付改善をしてもなおかつそれは要るのかとか要らないのかというような観点の議論というものは、私はかみ合わないのではなかろうかというふうに思います。私どもとしては長期の数理計算を必要とする。先生の所説については別途の観点から議論をしなければならないものというふうに思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私も別途の立場から十分検討したい、論議をしたいと思いますが、時間がないからそれはやめます。  それから一つだけ、この間私の質問の中で、福祉年金についてのいわゆる一月支給を十二月に繰り上げる問題について、前の質問でも触れられたと思いますけれども、同じようなことでよろしゅうございますね。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいまこの問題については枝村委員より御質問がございました。その点については各委員に対してお答えを申し上げたものでございますから、答弁としては変わりがございません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 質問を終わります。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 次は、大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 年金法案についてはかなり議論してまいりましたけれども、ただいま政府・自民党の方から修正案の内容が示されました。不満でありますが、一歩前進と見て賛成の方向でいきたいと思います。  一、二質問申し上げますが、年金の支払い期月につきまして、厚生法は三十六条で、毎年二月、五月、八月、十一月の四期に分けて支給されていることになっておりますけれども、ところが通算老齢年金ですね、この通算老齢年金の通則法第十条で毎年六月と十二月の二回払いとなっております。ここで何でこのように差がついているのだろうか、この理由をまずお尋ねをしたいと思います。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 通算老齢年金につきましては、各制度共通の支払い期月として年二回となっております。これは当初、この制度をつくります際の関係省庁との協議によってこういう設定をされたわけでございますが、今後やはり通算老齢年金の受給者も非常にふえてまいりますし、金額も多くなってくる。そうするとやはり将来の問題としては、現在の二回というものを手直しする必要が出てくるのではないか。ただ、これはやはりやるならば各省庁一斉に各制度共通にやった方がよろしいと思いますので、今後各省間で検討してまいりたい。今後の問題として検討してまいりたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣にお答え願いたいと思います。  いまのとおり通算老齢年金の支払い期が二期払いになっておりますが、いまの局長の答弁では、これはやはり状況次第では改定の必要があるかもしれない、これは十分検討するということでございますので、大臣の見解も伺っておきたいと思います。(私語する者あり)

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 静粛に願います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 いま年金局長が申したような事情でございますので、これについては合理的な改善を試みたいというふうに思って検討いたします。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 じゃ、もう一つお尋ねいたします。  国民年金の保険料の改定でございますが、五十二年四月に二千二百円に引き上げることが今度の法案の中に示されているわけでございますが、はるか遠い将来のことをいまこの際決める必要はないんじゃないかという考えがあるわけでございます。特に経済情勢が激変する今日ですから、これはむしろ、五十二年の保険料引き上げはそのときに検討していくべきではないかと思うわけでございますが、この点についてはどうでしょう。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 先生の五十二年四月のお尋ねは五十三年四月以降の分までを含められての御質問だと思いますが、年金の財政健全化という点から申しますと、これは昨年の国民年金審議会の意見にもございましたように、できるだけきちっとプログラムを書くということが望ましいという見方もございますが、いろいろの事情もございまして今回は二回、五十二年四月から二千二百円、五十三年四月から一応二千五百円、スライドがあればスライドの率、そういうことでございます。これは四十八年改正の際も九百円、千円という二回分、法律に書いたという経緯もございますので、この辺は御了承願いたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 こういうのは今後は改めていただきたいということを強く要望いたしておきます。  それから、年金の改革については国民の関心はきわめて高く、いわゆる制度の根幹からの改正を望んでいるわけでございますから、次回の改正についてはより根本的な、いわゆる抜本対策と言われるような年金改革を強く期待をいたしまして、きょうの質問を終わります。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 これにて三案についての質疑は終了いたしました。  速記をとめて。     〔速記中止〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 速記を始めてください。  この際、二十分間休憩いたします。     午後五時十八分休憩      ————◇—————     午後五時三十四分開議

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  まず、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。  ただいままでに委員長の手元に、本案に対し、竹内黎一君から修正案が、また、石母田達君、寺前巖君及び田中美智子君から修正案が、それぞれ提出されております。順次趣旨の説明を聴取いたします。竹内黎一君。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員 ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の要旨は、  一、六十歳以上六十五歳未満の被保険者に支給する在職老齢年金について、年金額の五割または八割を支給する標準報酬等級の上限をそれぞれ一等級引き上げるものとすること。  二、保険料率を千分の三引き下げ、改正案の一般男子千分の九十四を千分の九十一と、女子千分の七十六を千分の七十三と、坑内夫千分の百六を千分の百三とすること。  三、船員保険についても右に準じた修正を行うこと。以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 次に、寺前巖君。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  お手元に配付させていただいておりますが、まず、本修正案の内容であります。  修正の第一点は、厚生年金並びに船員保険の全保険料の引き上げをやめ、保険料率を現行どおりの率に据え置くこととし、関係条文を削除するものです。  第二点は、国民年金保険料を五十二年度から月額二千二百円とするのをやめ、現行どおりに据え置くこととし、関係条文を削除するものであります。  第三点は、国民年金保険料を五十三年度から月二千五百円とし、さらに物価スライドにより保険料の引き上げを行うとする条文を削除するものとしたのであります。  以下、理由を御説明いたします。  その第一は、政府提出の法案による厚生年金、船員保険の年金部分並びに国民年金の保険料の大幅な引き上げは、不況とインフレに苦しむ国民の生活を一層圧迫するものであるからであります。  第二の理由は、厚生年金に見られるように、保険料の大幅な引き上げは、当面する給付改善にはいささかの影響もないし、単なる積立金累増をねらったものであるからであります。  政府の厚生年金財政の収支見込みによれば、昭和八十五年の年金給付費総額は、五十一年度価格で見れば十四兆円で足りるのに実質価格の低下により、百四十三兆円の巨額が要るとしているのであります。  このことは、現在被保険者が生活水準の大幅な切り下げをがまんして拠出した保険料が、十分の一の実質価値に下落もしてしまうことを政府自身の手によって示したものであります。このような被保険者に多大の損害を与えることになる積立金累増のための保険料の引き上げは行う必要はないのであります。  第三の理由は、国民年金財政を国民の保険料引き上げだけで対処しようとする政府のやり方は抜本的に再検討すべきものであります。  国民年金被保険者のうちの農民の比率を見ても、昭和三十七年には三七%、四十二年には三六%であったものが、四十七年には二七%と大幅に減少しているのであります。これは高度成長と政府の農業政策の結果、多くの農民の子弟が農業を離れ、都市の勤労者となった結果であり、年金制度で言うならば、国民年金の被保険者となるべき人々が厚生年金の被保険者となったのであります。  五十一年度の国民年金財政は収支ゼロとされております。今後の国民年金財政については、単に被保険者の保険料負担の引き上げで賄うことだけではならないのであります。すでにフランスでは、農民や自営業者の年金制度には社会連帯税といった形式による大企業が負担する目的税が導入されています。わが国においても、厚生年金を賦課方式にし、積立方式をやめ、大企業や高額所得者による年金特別税ということでの国民年金財源を実現するならば、保険料を引き上げずに大幅な給付改善を可能にするのであります。  さらに言うならば、国民年金保険料は五十二年度以降の引き上げを予定しての法案であるので、当面の給付にはさしあたり影響がないのであります。  私どもは、以上に申し上げた理由により、年金財政のあり方を抜本的に再検討し、保険料を引き上げることなく、厚生年金の給付を月平均十万円、国民年金拠出制の給付を夫婦で月八万円に引き上げることを直ちに実現されることを願うものであります。  したがって、政府提出の法案による保険料の大幅な引き上げは行うべきではないことを強く主張し、修正を求めるものであります。  残念ながら、自民党修正の千分の三減率では支持するわけにはいきませんので、棄権の態度をとりたいと思います。  以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 両修正案について、内閣の意見があればお述べ願います。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 両修正案について、内閣の意見を申し述べます。  まず第一に、竹内黎一君提出の修正案について申します。  ただいまの修正案については、政府としてはやむを得ないものと認めます。  また、日本共産党・革新共同提出の修正案についての内閣の意見は、ただいまの修正案については政府としては反対でございます。     —————————————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 これより本案並びにこれに対する両修正案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、石母田達君外二名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。  次に、竹内黎一君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決した修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。(拍手)     —————————————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 この際、住栄作君、枝村要作君、石母田達君、大橋敏雄君及び和田耕作君から、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  その趣旨の説明を聴取いたします。住栄作君。

住栄作自由民主党

○住委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。    厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、次の事項について、適切な措置を講  ずるよう配慮すべきである。  一 公的年金制度全体を通じ、各制度間の関連を考慮しつつ、その基本的なあり方について検討を加え、年金制度の抜本的な改善を図ること。  二 遺族年金の引上げについて、更に検討すること。  三 在職老齢年金制度の支給制限の緩和について、なお一層検討すること。 四 加給年金のあり方について更に改善に努めること。 五 各福祉年金について、その年金額を更に大幅に引き上げるとともに、その実施時期及び支払時期について検討を加え、本人の所得制限及び他の公的年金との併給制限についても改善を図ること。 六 厚生年金、国民年金のスライド改訂実施時期について検討すること。 七 すべての年金は、非課税とするよう努めること。 八 年金制度の負担のあり方及び財政方式特に賦課方式への移行については、将来にわたる人口老齢化の動向を勘案しつつ、その改善について積極的に検討を進めること。 九 被用者年金加入者の妻の年金権の整備に努めること。 十 五人未満の事業所に対する厚生年金保険の適用を検討すること。 十一 積立金の管理運用については、被保険者の福祉を最優先とし、特に被保険者住宅資金の転貸制度の普及を図るとともに、積立金の民主的運用に努めること。  十二 児童扶養手当、特別児童扶養手当、児童手当及び福祉手当の支給額を一層増額する等支給内容の改善充実を図るとともに、所得制限を更に緩和すること。 以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本案については住栄作君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣から発言を求められています。厚生大臣田中正巳君。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。      ————◇—————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 次に、健康保険法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。  ただいままでに委員長の手元に、竹内黎一君、  枝村要作君、石母田達君、大橋敏雄君及び和田耕作君から、本案に対する修正案が提出されております。  その趣旨の説明を求めます。竹内黎一君。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員 ただいま議題となりました健康   保険法等の一部を改正する法律案に対する修   正案につきまして、自由民主党、日本社会党、   日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を   代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上   げます。  修正の要旨は、  第一に、健康保険法及び船員保険法における一   部負担金に関する改正規定を削除し、現行ど   おり据え置くこと。  第二に、国民健康保険診療報酬審査委員会の委   員の定数について、社会保険診療報酬支払基   金に準じ必要な改正を行うこと。以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 この際、修正案について内閣の意   見があればお述べ願います。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいまの修正案については、   政府としてはやむを得ないものと認めます。     —————————————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 これより本案並びにこれに対する修正案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、健康保険法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、竹内黎一君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     —————————————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 この際、住栄作君、枝村要作君、石母田達君、大橋敏雄君及び和田耕作君から、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  その趣旨の説明を聴取いたします。住栄作君。

住栄作自由民主党

○住委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。    健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。  一 国民医療の確保を図るため、医療供給体制の整備、医療従事者の確保等につき、計画的にこれが実現に努めること。    特に救急医療体制等の整備は、緊急な対処を要する問題であり、速やかに具体的改善策を講ずること。  二 政府管掌健康保険の運営について必要な人員及び予算を確保し、行政面における一層の努力を払うこと。  三 差額ベッド等保険外負担については、更にその対策を強化し、国民の負担の軽減を図ること。  四 医薬分業についてはその前提条件の整備を図ることによりこれを推進し、技術を中心とした合理的な診療報酬体系の確立を図ること。  五 国民健康保険組合に対する助成については、市町村の国民健康保険事業に対する定率補助との均衡を考慮し、早期改善を図ること。  六 船員保険(疾病部門)に対する国庫補助の強化を図るよう努力すること。  七 一部負担金の微収に関する保険者の責任について検討を加えること。 以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本案については住栄作外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣から発言を求められています。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。     —————————————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 この際、お諮りいたします。  ただいま二法律案を修正議決いたしました結果、字句等に整理を要するものがありましたときは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 次に、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案について議事を進めます。  これより本案を討論に付すのでありますが、別に申し出もありませんので、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 この際、住栄作君、枝村要作君、石母田達君、大橋敏雄君及び和田耕作君から、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  その趣旨の説明を聴取いたします。住栄作君。

住栄作自由民主党

○住委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。    予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、本法の施行に当たり、次の事項についてその実現に努めること。  一 予防接種については、ワクチンの改良開発、サーベイランス体制の充実、検疫・防疫体制の強化、環境衛生の向上等、他の伝染病予防対策とともに総合的に実施を図るよう特に留意すること。  二 種痘については、WHOの痘そうに関する見解その他海外諸国の流行状況等を適確に把握し、適切に対応すること。  三 麻しん及び風しんの予防接種については、準備体制を一層整備し、速やかに実施に移せるよう努力すること。  四 救済のための給付の額は、他の公的な補償制度の給付水準、被害者の実情を十分考慮し、適正な額とすること。また、物価水準の変動等に応じて速やかに改定の措置を講ずること。  五 給付の額、支給方法、障害等級等を定めるに当たっては、伝染病予防調査会の意見に被害者側の意向が十分反映されるよう配慮すること。  六 すでに死亡した被害者については、今回の立法趣旨にかんがみ、適切な行政措置を講ずること。  七 予防接種による健康被害者に対する救済は、そこなわれた健康を回復することが最も重要であるので、健康被害者の実態等を十分把握し、調査研究を進め、補装具の支給、リハビリテーションの実施等実情に応じた効果のある福祉事業の推進に努めること。 以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 起立総員。よって、本案については住栄作君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣から発言を求められています。厚生大臣田中正巳君。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。     —————————————

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 なお、ただいま議決いたしました三案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長 次回は、明十八日火曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十五分散会

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