災害対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/05/14
会議録
○兒玉委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 前回の委員会におきまして、国土庁を初め関係各省からの予算に関する説明がございました。したがいまして、私はそれを受けて総括的なお尋ねからいたしたいと思っておりましたが、何分にもことしの予算は大分おくれておりまして、いろんな関係上、委員会におけるそうした総括的な質疑なり問題点の究明なりをする機会がなくて今日に及んでおります。予算はすでに通過、実施の運びになっておる関係もありまして、何やら六菖十菊のうらみも先立ったものですから、むしろいろいろの時間のことも考えながら、当面する一、二の問題にしぼってお尋ねをし、最後に長官から総括的な、これはむしろ今年度の予算ということよりも、続いてくるところの来年度以降の対策などにつきましての御意見なり所信なりを承っておきたいというようなことであります。さようひとつ御了承をいただきたいと思います。 そこで、幾つかの問題のうちの一つ、実はこれはおとといの読売でありますか、「関東大地震は予測できる」という表題のもとで、山梨県、これは私の生地であります、山梨県東部における地殻の変動その他地震というものがその大地震を予測する材料になるだろうという学者の発表がございました。この発表は、もちろん見方によりますと、その地帯に地震がない限りは大地震はないものと心得てよろしいやにもとれるのであります。しかし、同時に、最近の学説でもうほとんど定説化しておるようなプレート理論、そのプレートの先端があそこに入っておるというようなことを前提としての学説のようでありますから、したがって、現地の方といたしましては、さてはここが第一の洗礼を受けるのかというような心配もなきにしもあらず、これは山梨県民ばかりでなくて神奈川あるいは静岡方面、第一次関東大震災の経験を持っており、ことにあそこの辺が震源地に最も近いというような関係もありまして、非常なショックを受けるに至っておるのではないか、こんなことが考えられます。 それでさらに、それに刺激を受けまして、やや古いのでありますけれども、一月ほど前、これは埼玉県鴻巣地帯が地震の巣であるということが、いろんな観測データなどの集積からいたしまして発見されたということが発表されて、それに関遭いたしまして、現地におきましては大変な衝撃を受けておる記事も載っておりました。 これらをあわせ考えてきょうのお尋ねをいたしたいと思っておりましたところへ、実はゆうべ宵のうちには東京湾北部の海底を震源とするところの震度三の地震があった。けさ夜明け方には茨城県東部の方でありましょうか、また震度三の地震があった。この二つはいずれも深度四十キロと、同じ程度のもののようであります。これらに関連いたしまして、やはり関東地帯においてはあるいは警戒をもっと厳にしなければならない時代に入っておるのではないかなどとも思います。 こうしたことを前提材料といたしまして、私は、きのう何か地震に関する学会があったように、これも新聞報道で見たのでありますが、最近いろいろのところでいろいろの学者がそうした研究もされております。発表されてもおりましょうし、それを受けてきのうあたりの学会などにおきましては、こうした事態に対してどのような意見の交換なり研究の発表なりが行われたか。あわせて、私どものまだ知らないところにおいていろんな学説が、いろんな研究が進んでおるとしまするならば、それらをあわせて、気象庁の方においてできる限り素人にもわかりやすいような限度において、この際、御報告なり御説明なりをちょうだいいたしたいと存じます。
○末広説明員 御説明申し上げます。 最初に、金丸先生お尋ねの学会に発表された研究でございますが、この学説は、先生おっしゃいましたように、もう一度かいつまんで申し上げますと、関東地震を起こすようなエネルギーが関東の南部から相模湾の一帯に蓄積されまして、もうじき地震が起こるという状態が出現いたしますと、まずこの地域の北西部の端にわたる山梨県東部で、前兆といたしまして小被害を伴う程度の地震を含めて異常な地震活動が発生するんではないかということを、五十二年前の関東地震あるいはそれ以前の地震活動を調査して推論なさいまして、さらにこの発表者である石橋博士は、また最近御自分で特別な観測を山梨県でなさって、同地方の地震はそのような一種の前ぶれ的特性があるということも明らかにされたわけでございます。何分おととい発表になった研究でございまして、まだ十分な検討はしておりませんが、私自身もこの研究を拝聴いたしましたし、また何人かの地震の専門家と意見を交わしたところでは、このような学説は事実である可能性が非常に高いと受けとめております。また、関東に限らず他の地方でも似たような前兆、地震活動が十分あると私ども考えておるわけでございます。 それから、鴻巣の地震は、これは非常に小さい地震のいわば巣とおっしゃいましたが、まさにそのとおりでございまして、これは勾配率の観測をしますと、このようなものはあちらこちらに見つかるわけでありまして、特にこれが何か重大問題であるとは私ども考えておりません。 それからまた、きのう、けさと続いて地震が起こりまして、最近平静であったところへお驚きになったと存じますが、これも地震というのは起こり出すと、かたまって起こるという性質がございますので、これは平生の活動の一端であろうかと思っております。 こうしたことを踏まえまして、御存じの地震予知連絡会では、最近、地方地方に対して、特定の地域に対してもっと詳しく調べることができますように部会というのをつくりまして、たとえば関東のこういったいろいろな現象につきましては関東部会というのがございまして、そこで従来しておりましたよりもさらに詳しくデータを検討するという体制をとっておる次第でございます。 それからまた、観測の方でございますが、現在の気象庁の観測網でも相当なところまでは地震活動がわかるのでございますが、こういったいろいろな学説が出てまいりますと、一層監視を強める必要もございますし、かついろいろな地震に関する前兆現象を見逃さないためにも、気象庁は日本内外における地震の検知能力を高めるために、今年度より小地震観測網の強化に着手いたしましたし、また、大地震の起こる海底の地震を監視すべく海底地震計の開発も鋭意進めておるわけでございますが、金丸先生初め皆様の御鞭撻にもお答えすべく、今後一層の努力をするつもりでおります。
○金丸(徳)委員 いま私は、鴻巣における微小地震の状況、それからおとといかきのう発表になりました東大の石橋先生の研究に基づく山梨県東部における状況というものを申し上げたのでありますけれども、ここだけでなくて、日本列島においてはまだ地震の巣などという大きな三つの穴があるんだとかいうような説もほとんど通説化しておるように承っておるのでありますが、その他の地点におきましても、こうした特異な現象といいますか、警戒しなければならない事象というものは最近においてはあるのでありましょうか。目下観測中ではあるけれどもありそうだというようなものがありますれば、それらをもあわせて、気象庁における考え方といいますか、見方というものをお漏らし願いたいと思います。
○末広説明員 こういった地震観測あるいはそれに関連した事象の観測は、気象庁だけではございませんで、国土地理院であるとか、あるいは科学技術庁の防災センターであるとか、あるいは大学の研究観測、広い協力体制のもとに進めているわけでございますが、とりあえず私どもは、全国で十一の特定観測地域、そのうちには二つ観測強化地域が入っておりますが、そこへ特に重点的に観測を集中するということで、それぞれの観測機関あるいは研究機関の特色を生かしつつ研究観測あるいは定常観測を進めているわけでございます。 ただ、気象庁といたしましては、根本的にはやはり全国を同一の監視と申しますか、同一の水準で漏れないように見るということが大変大事でございまして、たとえば多摩川下流域に皆様の注意が集中していた折でありましても九州の大分で地震が起こってしまったようなわけでありまして、やはりどこかの機関は全国をいつでも同じレベルで常に漏れなく見張っているということも必要でございますので、気象庁はそれを忘れないようにしつつ、かつ、問題のある個所への監視を強めるという考えで観測を進めたいと思っております。
○金丸(徳)委員 いまの御説明で、裏にはこの両地点以外にはいま特に問題になっているところは挙げるまでもない状況にあるというように承ってよろしいんでしょうか。観測は丁寧にしているけれどもということを前提としてお答えを願いたいと思います。
○末広説明員 これは、御承知の地震予知連絡会に各研究機関あるいは現業業務機関が集まりまして、そのデータを交換し、かつ、検討いたします。現在聞き及んでいるところでは、多摩川下流域の問題が鎮静に向かったということでございまして、もし何か他に問題になるような地点があるとすれば、恐らく今月の二十四日に予定されております地震予知連絡会に報告され、検討することになろうと考えておりますので、その検討を待って御報告申し上げたいと存じます。
○金丸(徳)委員 実は、そのことを承りたいと思いましたのは、こうした発表がありますというと、関係の地帯においては非常に心配をするわけですね。と同時に、それの対策なり何なりを強力に進めてもらいたいという要望もあろうと思います。もし、そういうことが必要である、あるいはその方がよろしいということでもあるとしますならば、たとえばその地帯に特別に地震計を持ち込むとか、その他の観測器材を持ち込んで、丁寧にして、この分ならばまず当分は安心だとか、大きなものはすぐには来ないだろうからというような情報を入れてやることが私は政治の面において必要なように思われます。全国一斉にやるというわけにはまいらないといたしましても、特別な地点において特別に力を入れて観測し、それで検討をしていくということは、いまお話しになりました多摩川下流の一昨年の暮れから昨年の春にかけてのあの特別な力の入れ方によって事態が究明されて、そして大体原因もわかる、将来の対策もできたということで、その関係の人々は胸をなでおろしながら、あのときに心配しながら対策を練ったことが決して将来に向かってむだではなかったということに思いをいたしておると私は信ずるものであります。したがって、そうした地帯については何か特別に力を入れていく、また、そのために必要があるとしますならば、特別な予算も要求なさる必要があろうではないか、こう思うのでありますが、いかがでありますか。
○末広説明員 御指摘の多摩川下流域の問題は、私ども特別な予算を、これは主に各省が分担しました自省の予算に特別研究調査費というのを科学技術庁から支出していただきまして、特別な観測を多摩川下流域でいたしました結果、初めどうもきな臭いと思ったけれども大丈夫らしいという方向へ向かってまいりまして、やや最終的に近い結論は、いま申し上げました今月末の地震予知連絡会で発表になると思いますが、ある意味では地震がなさそうだという予知をして、まあ安心していただきたいというケースに相なるかと思います。 このように大丈夫だということを申し上げるのも大事な仕事と私ども存じておりますので、もし今後川崎、多摩川下流域ですか、それに似たような、多少なりともきな臭いケースが出てまいりましたらば、直ちに各地の観測を集中いたしまして、安心していただけるものならば安心していただくし、もし多少でも心配があればそれ相応の対策を講じていただけるように観測の面では対処していきたいと存じております。
○金丸(徳)委員 いまここへ関係各省の全員に来てもらってそれぞれの心構えなり方針を承ればよろしいのですけれども、きょうはその時間もありません。問題は、一番私どもの話しやすいといいますか、実際の仕事を現実に行政面で進めておられるところの気象庁の方にお伺いをいたすのでありますが、こうした国民の心配といいますか、対策の要望などというものは、ひとつ気象庁の方から地震予知会議なりあるいはその他の会議の席上に持ち込んでいただいて、十分推し進めるような労をとっていただきたいことを要望申し上げます。 そこで、もう一点お伺いいたしたいのは、最近のイタリアにおける地震であるとか、あるいは昨年のペルーにおける大地震でありまするとか、あるいはまた、しきりと心配されておりまする北米、カリフォルニアですか、あの地点における大変な地震の心配というものが言われておりまして、これらに関連いたしまして、プレート学説というものはほとんど定説化しておると考えてよろしいのでありましょうか。といいますのは、いまの日本におけるいろいろな地震の事象からいきまして、太平洋のプレートでありますとかあるいは相模トラフであるとか、私どものどうも覚えにくいような名称が盛んに使われておるのであります。いずれもそうした地震の起こる原因について学説がやや定説化しつつあるし、それを受けて観測の基本姿勢というものも出てくるのではないか、対策も進められるのではないかとも思うのでありますが、この点はそうした専門学者の会議などにおきましてどのような方向に進んでおるのでありましょうか。これも地震課長としてはあるいは大変表明しにくいかもしれませんけれども、大体の観測でもお漏らし願えれば、私ども、それを土台といたしまして、また一般的な説得なり説明なりができることと思うので、いかがでありましょう。
○末広説明員 御説明申し上げます。 ただいま御指摘のプレート学説は、もはやほとんど疑いを入れる余地はないと存じます。外国を含め、日本のほとんどの専門家の方が、地震を起こす源の力はこのプレートの理論によるのであるということを信ずると申しますか、認めていらっしゃると思います。 ただ、ここまでわかりましたことは、言うなれば、なぜ夏は暑く冬は寒いかということがわかったようなものでございまして、今度はある特定の年の冬に果たして雪が多いか、寒いかという、いわば特定の地震あるいは特定の地方についての予知ということになりますと、やはりこれはここからもう一遍飛躍して細かいことがわかりませんと話がつかないわけでございまして、一番最初に先生が御指摘になりました新しく発表されました山梨県の地震に関する学説も、いわばその過程の一つとお考えいただきたいと存じます。
○金丸(徳)委員 そこで、その学説がほとんど定説化したとしますならば、いままで地震の観測なりあるいはデータの検討なりというものは、いまおっしゃるように、夏は暑くて冬は寒いということさえもはっきりしないままで進められておったかに思われてならないのであります。今度は夏は暑いと一応みんなの意見が一致したとしますならば、それを前提としていままでのデータを見直す、検討し直すことの必要も感ずるのであります。全部の資料を見直してみますと、案外いい結論といいますか、いいデータが出てきやしないかとも思うのであります。これらについては、学会その他についてはどういうふうな要望をなさっておられるのでありますか。
○末広説明員 御説明申し上げます。 確かに、先生のおっしゃるような方向で過去のデータももう一遍見直さなければならないときに来ていることは事実でございまして、この山梨県の地震に関する研究も含めまして、過去の約七、八十年になんなんとする日本内外での地震観測のデータの見直し等に基礎を置いた研究が今回の学会でも大変多うございました。こういうことに関しましては、特に私どもが学会に何か申し上げるまでもなく、皆様すでにお気づきで、その方向に大変多くの方が努力していらっしゃると思います。
○金丸(徳)委員 時間がありませんので、この点はその程度にいたしまして、また次回にお伺いすることといたします。 次の問題は、これもどうも際物みたいで、あるいは局地的で恐縮ですけれども、数日前の朝日新聞に、奈良県で起きた問題ですが、十津川国道でタクシーが大きな岩のかけらで直撃を受けて、幾人かの人がまことに惨烈きわまる、お気の毒きわまる犠牲になったことが報ぜられております。この状況を簡単でいいですから、道路局の方からお話を承りたい。
○中村(清)政府委員 御報告を申し上げます。 大体は新聞に載っておったような状況でございますが、ことしの五月八日、発生した時間は午前十一時三十分ごろでございます。これは大阪府の堺市のお医者さんらしいのですが、個人タクシーの運転手さんを含めまして六人の方が、国道百六十八号を新宮の方に向かって南下中に、風屋ダムという電源開発株式会社でつくりましたダムがございますが、そのダムの周辺を通行しておりましたときに、道路の横が急斜面になっておりまして、その上の約九十メートルくらいの高さのところから大きい石が落ちてまいりました。まだ詳細調査中でございますが、どうも上から落ちてきた石が途中で二個に分かれたらしいのです。一つはフロントを直撃しまして、車の中に飛び込んだ。一つはボンネットに当たりまして、どうもその石はそのままダムの方にはね返って沈んでしまったらしいということでございます。そういう事故でございまして、運転手さんを含めまして五人の方が亡くなられまして、お一人は負傷されたということでございます。
○金丸(徳)委員 それで私は、その事後対策などはまだなかなか大変だと思いますから、それはまた別途あるいは別の場所でいろいろと究明されることと思うのですが、この新聞記事だけで見ますと、大きな岩があって木が支えておった、その木が大分古くなって枯れてきたというようなことでついに、いまの二つに分かれたかどうかはわかりませんけれども、四百キロ近い岩が落ちてきたというようなことでございます。これは事前に発見できなかったのか、事前に対策が講ぜられなかったのかどうか、それを承りたいのであります。
○中村(清)政府委員 ちょっと話は古くなりますけれども、実は四十三年八月に飛騨川のバス転落事故というのがございまして、百余名の方が亡くなられましたが、あれはやはり国道でございまして、それを契機にいたしまして、全国で危険個所が相当あるであろうというので、点検を早速いたしました。その結果、約九千カ所くらい非常に危ない個所があるということで、そういう個所について至急防災対策事業をやろうということで、約九千カ所につきまして四十六年、七年、八年度三カ年にわたりまして、たとえば落石防止のネットを張りました。それから、落石防止のさくをつくるとか、そういう対策を講じてまいりました。 この個所につきましても、実はその事業の一環といたしまして、四十六年に落石防止のネットをつくっております。問題は、この個所は落石防止ネットを約四十メートルくらいの長さにわたって張ってありますが、その上さらに五十メートルくらいのところから石が落ちてきたということと、それから当該個所は非常に木が繁っておりまして、パトロールはよくやっておりますけれども、よく視認できなかったというふうなことで、実際上は、道路管理上はそういう事故を事前に防ぐということはなかなかむずかしかったのではないかというふうに考えております。
○金丸(徳)委員 下から見ることはなかなか大変だと思うのですけれども、土地の管理者がどういう人であるか私は知りませんけれども、そういうことを見つけることが可能なところのように思われるのであります。奥山の十年も二十年も人跡未踏というようなところと違いまして、国道が走っておるすぐ八十メートル上、それも集中豪雨であるとかあるいはその他の台風とか大きなものがあり、あるいは地震というような特殊な事故が起きての事件ならなんですけれども、通常のときに落ちてきたということは、よほど長い間の原因が積み重なって自然に落ちてきたように思われる。ということは、そういう網を張るぐらいの危険な地帯ということが前からわかっておったし、警戒しなければならないところでもあったということだと思うのです。そうすれば、事前にそうしたところを発見できたんじゃないかと思うのであります。しかし、これはなかなか人手もかかるでしょうし大変なんですが、そういうことについて、この前のバスの転落事故による大事件直後には総点検をなさったということでありますけれども、それは常時やるべきことじゃないかと思うのです。これは建設省がおやりになるのか、あるいは山の管理の責任を持っておるものというか、私その辺は現地の状況に詳しくありませんからわかりませんけれども、いずれにいたしましても、だれかがそうしたことについての注意をしておく、警戒をしておく、パトロールしておくということによってこの事件だけは防止できたように思えてならないのでありますが、いかがでございますか。
○中村(清)政府委員 結果論になりますが、先ほど私全国の約九千カ所について道路防災事業を実施したということを申し上げましたが、これは四十九年度をもって終わったわけではなく、その後また再点検をいたして、現在依然としてそういう事業を継続しております。 そこで、問題の場所でございますが、これは民地であることはどうもはっきりしております。役所の所有、いわゆる道路敷ではございません。また、これは管理者が県知事になっておりますので、県の方から詳しい事情を聞いておりません。確かに先生御指摘のように、たとえば道路上のパトロールだけではなくて、そういう民地にも立ち入りをしてチェックをするということになれば万全でございましょうけれども、これは実際問題としましては、いまお話がございましたように人間の問題もある、それから変な話でございますが予算の問題といったこともございますので、現在のところは道路をパトロールして、それで上の方もチェックをしながら通るということが、どうも道路管理上の限界ではなかろうかというふうに考えております。
○金丸(徳)委員 道路管理者としてそこまではなかなかということになろうかと思います。 そこで、私はきょう林野庁からも来てもらっておるのでありますが、これは特に奥山の関係において、ともすればこうした事故の原因をたくさん包蔵しておるかに思われるのであります。毎日みんなが通っておるところは、あそこは危ないからとか、通るときには気をつけろなどとお互いに言い合うということも可能であるかもしれませんけれども、奥山の方においてはそうしたことがなかなかでき得ない。しかしながら、それをやってもらいませんと、下流の方においては大変な心配の種を持ったまま生活していかなければならないようなことになるのであります。そうしたことについて、道路局などは今度の事件についてはあるいは被害者であるかもしれないと私は思うのです。土地の管理がしっかりしていてさえくれればこうしたことにはならなかったろうとさえ思うのであります。そうしたことは、国土全体としてはだれが責任を負うか、だれが第一線に立つかは別といたしまして、だれかが何かの注意をすることによって避け得られる事態ではなかろうかと思うのであります。この点については、奥山の方の管理の責任を持っておられる林野庁としては、山はだの保護というような見地からいたしましてどのような対策をとっておられますか、この際、一応承っておきたいと思います。
○藍原説明員 お答えいたします。 いま先生おっしゃいましたように、林野庁といたしましては、全国二千五百万ヘクタールの森林がございます。したがいまして、その森林の中で特に危険と思われる個所、あるいは国土保全上必要な個所につきましては、保安林という指定をいたしました。現在、水源涵養保安林を含めまして約七百万ヘクタールございますけれども、保安林に指定をいたしております。さらに、落石の危険あるいは土砂の流出等の非常に危険な個所につきましては積極的に治山事業を行うという形で国土保全なり危険、災害の防止に努めておるわけでございますが、このような保安林等に対しての巡視、あるいはこういう災害とは直接関連はございませんけれども、山火事という問題もございますので、そういうものを含めまして、ただいま全国で一年間に約十四万六千人、そういう危険地帯のパトロールをさせております。これは約四千三百市町村にわたってこういうパトロールをやりまして、危険地については積極的なパトロールによって予防対策をしようというふうに努力いたしております。必ずしもこれで万全とは私たちも考えておりませんけれども、こういう意味で今後とも積極的に危険の予防、さらにはその監視ということに努力してまいりたいと考えております。
○金丸(徳)委員 十四万六千人が適当であるかどうかは別といたしまして、何らかの形で一年に一度か二度程度は、特に危険個所については丁寧な見方をする、それもただ見るだけではなくて、たとえばいまのように岩が落ちそうだというときには、落ちる前にそこに支えの方法を講ずるとか、あるいはどこかに事前に取りのけるとかいうことをすることによりまして、たとえばせんだって起きた奈良県の問題のように、五人も一度にくしゃっといってしまうという惨烈きわまる事件——もしこれが普通のタクシーでなくてバスであったらどういうことになるだろうかという気もいたします。同じように、もしこれが一つの石でなくて大きなダムにでもこんな事故が起きたとするならば、下流の住宅団地はどうなるであろうかなどと、いろいろと思いをいたしたのであります。 そこで、国土の保全というものに対して改めて力を入れるべき状況になっておるのではないかと私は思うのであります。といいますのは、列島改造から急激に山の奥の方にも開発の手が伸びてまいりました。ここ何年かの間に思いがけないところに思いがけない施設ができ、開発されつつある。そしてそれは、開発を急ぐの余り、開発に伴うところの下流なり中流なりの対策がまだ追いつかない、おくれておるという状況のままにやられておるという心配が多々ある。そういうところからして、いまはなくとも、ある時期が来ればこうしたまことに思いがけない惨烈なる事故が起きるもとをなしつつあるやにも思われるのであります。そこで、開発が一応足踏みをしておる今日の状況において、建設省なり農林省、関係当局においては改めて四、五年この方の状況にかんがみての対策を練っていかなければならないと思うのでありますが、それらについてはどういうお考えでしょうか。これは道路局次長に河川局長のことまでお答え願いたいということでなくて、建設大臣の立場からひとつお答えをいただきたい。林野庁におきましても、そのような立場で一応ここでお考えをお漏らし願いたいと思います。
○中村(清)政府委員 道路局だけの立場に限定してお答えを申し上げたいと思いますが、御承知のように、こういう落石とか土石流とかいったことが原因になって道路上で事故が起こっておるということは、私どもも非常に残念でございます。先ほど申し上げましたように、防災対策事業を積極的に推進するということは、既設の道路についてはもちろんそういうふうにやりますけれども、新しく道路をつくるという場合には、そういう危険な場所をできるだけ避けて、安全に通れるようなところに路線を選んでいきたい、そういうことによりまして、できるだけ人身事故といったものをゼロにしたいという方針で進みたいと思っております。
○藍原説明員 林野庁におきましては、先ほど御説明いたしました保安林以外に、昭和四十九年度からは普通の森林地につきましても、その乱開発を規制するという意味で開発の規制をいたしております。こういう考え方から、森林全体の開発に対しまして無秩序な開発が行われないようにまず規制をしていきたいと考えておりますし、さらに治山事業を積極的に進めまして、いろいろな災害対策に重点を注ぎ、災害の防止に積極的に今後とも一努めてまいりたいと考えております。
○金丸(徳)委員 それでは、時間が参りますから、これで長官の方にお伺いをいたしたいのであります。 せんだっての長官の概要説明の中に、特に私は非常に注意してお伺いいたした項目は、「国土保全につきましては、国土の保全が防災の基本であることにかんがみ、」云々とありますし、さらに「都市中小河川、緊急度の高い危険地等に重点を置き」という所信を表明されております。私はここに非常な注意を引かれたのでありますが、前段申し上げましたように、列島改造政策の推進以来、私は国土の安全度はいろんな角度から見てかなり損なわれつつあるやに思われるのであります。施策の上で安全度が損なわれるばかりでなくて、国民一般の注意の程度も、開発に専念する、あるいはそれにあおられるの結果といたしまして、保全なり安全度の確保というようなことについてはとかく力が入らなかったのではなかろうか。そうして、そういう世相がいろんな条件の中でたまたま大きな事故となってあらわれてくる、あるいは大きくはないけれどもまことに深刻なる事故となってあらわれてくるのではないかと心配されるのであります。そこで、低速経済になりまして、国の政策も安全度の確保に、特におっしゃるような国土の保全につきましては、大いにいままでに増しての力を入れるという段取りになったことと思います。ことしの予算につきましては、全体としてはそういう方面に力が入っておると承るのでありますが、その力の入れ方というものは、過去数年間強行されてきたところの列島改造政策へのあの力の入れようからしますると、まだまだいまだしの感があってならないのであります。いかがでありましょうか、ことしは間に合わないにいたしましても、次の年度あたりからそういう方面における格段の御努力が必要ではないかと思います。御所信のほどを承りたい。
○金丸国務大臣 国土庁でただいま全国総合開発計画というものを、見直しという意味で第三次新全総を作成いたしておるわけでありますが、その基本方針は、入間居住の環境を計画整備するということでありまして、まず人命の尊重ということを主体に、人間本位に考えなければならぬということでありました。高度成長から低速の時代に変わってくるという事態、あるいは物の有限というような立場から考えてみまして、先ほどからの御質問に対しまして、私は、地震の問題にいたしましてもあるいはいろいろの人身事故等の問題につきましても、未然にこれを防止するような方途を講ずることは当然であります。ことしの予算も、そういう意味では、見方によればまだ足らない。また、事務当局からも限界という問題があると思うのですが、しかし人命の尊重という立場から考えるならば、予算の限界ということを考えて、予算がないからだめだとは言っておられぬと私は思うわけであります。ことに地震等の問題につきましても、地震の予知という問題について、現在予知だけで二十五億ぐらいの予算を持っておると思うのですが、学者といろいろな話をしてみれば、これが倍になれば、その予知という点においては、なお知ることの速度が速められるだろうというようなことを考えてみれば、いわゆる毎年の予算が何%伸びということでなくて、人命に関することに関しては思い切った予算をつけるべきじゃないかということを私は常日ごろ考えておるわけであります。そういうことから言えば、建設省の関係あるいは林野庁の関係あるいは河川の関係といろいろあるわけでありますが、そういう問題につきましても、人命の尊重という立場から、台風が来た、水があふれた、そのために人命が危険にさらされるというような状況の河川に対しては思い切った予算もつけて、そういう場面ならば、一方にそれをがまんしてもらわなくちゃならぬ場所もあるだろう。その場所は人命には影響はないという推定のもとに、一方に思い切って予算をつける。何でもかんでも、いつでも平均でまんべんなくやるということばかりではいかぬじゃないか。今後そういう意味で、防災関係の担当窓口の国土庁といたしましては、各省庁と連絡をとって、御期待に沿えるように最大の努力をいたしたい、こう考えております。
○金丸(徳)委員 時間ですが、もう一点だけ、お願いを兼ねるのであります。 私が奈良での問題を取り上げましたのは、関係各省とも、それぞれのところにおいてはベストを尽くしておると思う。しかし、その接点において、ちょっとしたすき間をねらわれるのが事件を大きくするもとだろうと思います。そこで、そういう意味におきまして、上流で何か仕事をするときには下流にも十分なる連絡もとり、下流の人たちの意見も知るとか、あるいは山の開発をするときには道路、河川の方にも十分の連絡、協調もとってもらう。そして、そういう意味におきまして、ことに地震のようにとかくおくれがちの、しかも緊急の問題につきましては、まだまだ私どもは学者、専門家の人たちが遠慮に過ぎていると思うのであります。大いに要求もしてもらいたい。国はそれに力を入れながら、この際、いままでおくれておったところを取り戻すという勢いをもって施策を強く推し進めていただきたいのであります。ただ、いままでの態勢が、官庁の縄張りといいますか、それぞれのところでそれぞれの責任を果たせばそれで足りるということじゃなくて、相互にかみ合った中において力を入れる、そしてそのために、私は国土庁の方において十分なるあっせん役なり推進役なりを務めていただくことがこの際大切であろうと思うものですから、これはお願いの形において、あるいは所信を承れればなおいいと思いますが、これで終わります。
○金丸国務大臣 お説のとおりだと思うのですが、中央防災会議等もありますので、当然国土庁がこの防災の窓口となり、ただいま御指摘の各省庁等の横の連携等につきましても、十分な配慮をしながら連携をとれるような最大の努力をしてまいりたい、こう考えております。
○金丸(徳)委員 ありがとうございました。
○兒玉委員長 津川武一君。
○津川委員 昨年夏の集中豪雨で、岩木山ろく百沢部落で死者二十二人、重軽傷十三人、人家の全壊十七戸などの被害が出たことは御承知のとおりでございます。政府はこれに対してどのように考えていられましょうか。
○増岡政府委員 昨年の青森の岩木山の百沢土石流で大変に大きな人身事故ということで、非常に私ども心痛をきわめておるわけでございます。 すでに先生御承知のとおり、全国にいろいろな危険個所があるわけでございまして、鋭意今日まで努めてきたわけでございますが、現在これに対しましては……
○津川委員 対策は後で聞きます。いま私が聞いているのは、これに対して、国民に対しておわびなどというのをする気があるかどうかということだけなんです。——そういう状態が出ましたが、国土庁長官としてはこの状態に遺憾の意を表して、何か被害者をお見舞いするなどという気持ちがあるのかどうか、端的に伺わしていただきます。
○金丸国務大臣 そういう事故が出たことはまことに遺憾であります。
○津川委員 そこで、昨年の八月十九日、この委員会で私は事態を起こしたことに対して金丸長官にもかなり強い抗議を起こしましたし、青森県がまた調査委員会をつくりまして調査を始めた、その調査委員の中に責任者といってもいい建設省の人や林野庁の人まで入っているので、こんな調査委員会は意味がないというふうなことも申し上げました。そして、今回その調査委員会の調査報告書が出ました。私がそのとき心配していたように、調査報告書全体としては、何か政府の態度をかばう、県の態度をかばう、天災論一点張りでいこうという報告書になりました。本当に遺憾でございます。しかし、この中にも、よくよく見てみると、一緒に勉強し、認識を共通にして対策の参考にしなければならない部分がかなり含まれております。そこで、きょうは気象庁、消防庁、建設省にこの調査委員会の結論をどう見るか、きょう私は非難攻撃めいたことはやめまして、認識を共通にする、この認識の上にどう対処していったらいいかという、こういう点で質問を繰り広げてみたいと思います。 そこで、消防庁と気象庁でございます。岩木山百沢土石流災害調査委員会、この報告書によれば、その二ページに観測の状況が書かれてあります。警報の状況も書かれております。この点、この報告書を前もって提示してありますので、この調査委員会がまとめた報告をどう見られるか、気象庁と消防庁にまずお伺いいたします。
○永井説明員 私どももやはり報告を受けたところでは同じように聞いておりますが、具体的に昨年の八月六日の時点につきましてさらに詳しく申し上げますと、八月六日の午前一時三十五分に青森気象台から大雨警報、洪水、雷雨注意報が発令された。これを受けて青森県庁が午前一時五十分に防災無線によりまして県下の各市町村に伝達された、こういうふうに報告を受けております。
○有住政府委員 先生御指摘の二ページでございますけれども、洪水警報が五時四十五分に出ているということで非常にわれわれとしては遺憾だと思っております。 このときの状況ですけれども、お時間いただけましたらあれしてみたいと思うのですけれども、例の北海道の少し北西のところで非常に低気圧が発達しまして、それから出ます寒冷前線が南西に伸びまして、これが非常に急に南下してまいりましたので、八月五日の夕刻には警戒しなければいかぬということで全部が警戒に当たりまして、それから秋田と函館のレーダーが十八時にすぐ入ってまいりました。そうしましたら津軽それから白神地区で高度の高い大雨を降らせるエコーが出てきまして、すぐに十八時三十分に雷雨注意報を出しました。その後レーダーを見ておりましたら、また秋田、函館のレーダーで非常にエコーが活発化してまいりましたので、二十一時四十分に大雨、雷雨注意報を発表しました。さらに見ておりましたら秋田レーダーが入りまして、またエコーが広がる。そのときに、その後一時ちょうどでございますけれども、碇ケ関で五十七ミリ、大鰐で二十四ミリ、空岱山で三十四ミリというデータがアメダスのデータで、即刻オンラインで入ってまいりました。そこで、急遽一時三十五分に大雨警報、洪水注意報と雷雨注意報を出したわけでございます。この注意報の中では洪水のおそれもあるということで洪水注意報を出したわけでございまして、河川は増水、はんらんし、洪水が起こるおそれがある、低い土地では浸水し、またがけ崩れの起こるおそれがありましょうという警告を出したわけでございます。しかし、この洪水警報となりますと、やはり技術的な困難がございましたために、その後若干の時間がかかったせいがありまして、洪水警報に踏み切るまでに若干時間がかかったわけでございますが、秋田のレーダーで十二キロ、それから函館のレーダーでも十一キロというような非常に高いレーダーが出てきた。これはますます注意すべきだというときに、鯵ケ沢からアメダスで五十六ミリのデータがオンラインで入ったわけであります。そこで、そうこうしているうちにまた黒石で六十五ミリというのがアメダスで入りまして、五時四十五分に大雨、洪水警報、雷雨注意報を発表したというようないきさつでございます。 大雨警報を出すまで、洪水注意報を出すまで、この辺はレーダーを非常に自由に駆使しまして、さらにアメダスのデータが入ったと同時に出したということで、予報官は非常によくやったとわれわれは思うのですけれども、その後の処置はやはり非常に遺憾だったと思います。特に二十二名の死者を出したというようなことで、私どもとしては非常に遺憾だったと思っておりまして、今後こういうことのないように十分に指導していきたいと思っております。
○津川委員 そこでわかりましたが、土石流が百沢部落に到達したのは八月六日の大体午前三時、いま気象庁が言われたように、大雨、洪水警報が出たのは五時四十分、そうするとその間に災害が起きてしまっているわけです。この点非常に遺憾だと仰せられました。そのとおりですが、もし的確に洪水警報が出ておったら一人、二人、人の災害なんか少なくて済んだのじゃなかったでしょうか、これはいかがでございます。
○有住政府委員 その洪水警報がおくれたということ、非常に遺憾に思っているわけでございますが、警報がもし早く出ていれば、やはりそれだけ有益な情報が出るわけですから、それだけベターであった、そういうふうにそれは思います。
○津川委員 そこで、ここでは昭和三十三年に雨量計があって、四十三年に廃止した。したがって、いまだに幾ら問題の場所に雨が降ったのかだれもわからないわけです。なぜこれを廃止したのか。この教訓から、ここにまたそういうものを、気象観測施設を復活すべきだと思うのですが、この点はいかがです。
○有住政府委員 昭和三十三年に確かに岩木山にございましたが、これは調査用ということで数年間置いたものでございますが、調査用ということのためにここに置きました雨量計というものは長期巻きの自記雨量計で、速報性、アメダスのように降ったらすぐに雨が降ったということを中央気象台の方に知らせる組織でございませんで、三カ月なりぜんまいを巻きまして、記録をとっておくわけでございます。そういう長期巻きの雨量計を置きまして、資料を集めて調査に使ったわけでございます。その調査結果によりまして、現地その他で検討したところ、この雨量計の位置としてここには置かないでもいいだろうという結論になりまして、そのときに廃止した、そういういきさつでございます。
○津川委員 昭和三十三年ですね。昭和三十八年にかなりの大きな雨が岩木山にあった。そのときの雨量計ではかって、その教訓によって四十一年に建設省がそこにダムをつくったんだよ。だから、三カ月たってからでも、後からでもいいから、事態究明のためには非常に大きな宝だ。これがいま岩木山にないんです。しかも、東北の大きな山であそこだけなんだ。また、起きるんですよ。また、対策ができないんだ。これを見てごらんなさいよ。どのくらい雨が降ったかわからないから、結論がぐるぐるぐるぐる回っている。したがって、私はそういう形でもいいから、警報用でできなくても、後の対策検討用としても雨量の測定施設をつくるべきだと思うのですが、いかがでございます
○有住政府委員 実際のいまの組織といたしましては、岩本山を取り巻くものといたしましては、鰺ケ沢、五所川原、弘前、四兵衛森、それから黒石というようなものがございまして、またそのほかにも先ほど申しましたように南の方には碇ケ関というようなところもございまして、たとえば今回の大雨警報に踏み切ったときも碇ケ関で五十七ミリ降ったということで、警報に踏み切ったわけでございます。 そういうことでございますので、警報を出す上で、やはり推定ではございますけれども、こういう観測網を敷きまして、非常に役に立つ、さらに秋田と函館のレーダーというのが働きますので、非常に役に立つわけでございます。さらに、やはり警報を出すというときには、先ほどの例に見られますように、速報性がなければいけないとわれわれは感ずる次第でございまして、私どもとしては推量として警報を出すのにはある程度踏み切れる。しかし、今回の洪水警報のおくれということは、やはり遺憾な事態を起こしたということでございますので、私どもとしては今年度も青森につきましては、新設したりあるいは強化するというような計画がございますので、その計画の中で前向きに検討したいというふうに思っております。
○津川委員 長官、現地を見ていますか。私はあのとき見て回った。鯵ケ沢はめんどうだからやめたいと言っているのよ。弘前は縮小しつつありますよ。もう一つ弘前の中野というところはやられていない。これはおばあちゃんが一人おって、そのおばあちゃんがそれをやるためにどこへも出られない。孫のところへも行けない。こんなもの返上しようと言っている。それをあなたは強化すると言う。そこでこの点、きょうは時間がないから、青森県岩木山ろくを中心として気象観測施設の整備計画を、具体的に長官現地を見て、現地の状況を調べてまたこの委員会に報告していただいて、私は先に進みます。 消防庁、気象庁がせっかく出したこの警報が被災者に伝達されておりましたかということです。いかがでございます。
○永井説明員 先ほど申し上げましたように、青森地方気象台、それから県庁から市町村に連絡されておるわけでございますが、さらに当日、岩木町の宿直者がこれを三時ごろになりまして防災担当者それから消防団長に連絡をした。聞きますと、夜中で急激な集中豪雨、局地的なものでございますということと、それから従来そういった大きな災害がなかったということで、宿直者も若干安心をして、こういうのをおくらせたのではないかと考えられるようなわけでございます。
○津川委員 このときの雷の状況を御存じですか。だれも警報伝達に出られないんだよ。寝ておったんじゃないんだよ。みんな起きておるんだ。それはとんでもない間違いで、それは当時の消防団の人たちに対する大きな侮辱なんだ。おったけれども、雷がひどくて外へだれも出られないでだれにも伝達できなかった、こういう状態なんだけれども、それはわかりますか。そう認識されますか。
○永井説明員 私どもも情報が誤りであったと考えますが、そういう非常に真っ暗で雷が非常にああったということも聞いておりまして、外に出ようと思ってもなかなか出られる状態ではなかったということも聞いております。
○津川委員 どうもはっきりしないね。これからの教訓にしたいと——ぼくはいま皆さんを非難するというのではないので、実態を調べてよ。ぼくはちょうどあの晩、夜自動車で回っておった。ものすごい雷雨でぼくらも進めないんだよ。警報を伝達するときに、あの雷のときに注意報だとか警報を伝達しようがないんだよ。そこで、一人の篤農家が自分で、これは見ておれないといって起きて村々をたたいて回った。それがやられて死んじゃったんだよ。この事実をもう一回よく調べて、私の委員会に、委員長あてに、伝達されておったかどうか——されなかったということを私責めるつもりはありません。伝達するためにはどうすればいいかということを、ここでは教訓を、先ほど話したとおり共通に生み出そうと思っておりますから、消防庁、現地に行って調べて、その状態を報告していただきたいと思います。 次に進みます。建設省に、あのスキー場とアップルサンドの関係でございますが、報告書で言うと四十一ページです。ここでは幾つかの事件が書かれてあります。 一つには、スキー場が設置されて、地形補整の土木工事が行われました。二つには、スキー場設置前にあったあの谷が、岩木山というのは日本でも谷の多い山で有名なんです。その谷が埋められて、でこぼこ部分が削除されて平たんになった、これが二つの事実。三つ目の事実は、そのために水を多く含む能力を持っておる腐植表土が失われた、これが三つの事実。四つ目には、そこに二百メートルの横断道路をつくった。五つ目には、道路をつくったので水が流れていけなくなって、ヒューム管で暗渠排水をつくった、これが五つ目の事実。その次には、埋め立て用の土壌としてアップルロード、ちょうどその近くのところでアップルロードをつくっておって、その土をたくさん持ってきて、それが五百四十六立米一緒に流れて、これがまた大変そういうことになった。それから、林野庁の行った緑化工事が必ずしもいい結果を生んでなかった。こういう事実が、この私が問題だと思った委員会の報告書で出ているわけです。 これらが総合されると災害を強化する作用になりませんか、水の流れを速くする、水の流出を多くする作用を果たしておりませんでしたか、これを建設省にまず聞いてみます。
○増岡政府委員 まだ私の手元には報告書は参っておりません。いま担当の方へ一冊来たということで、私全部まだ読み合わせておりませんが、現地にも一度参った経験から考えまして、いろいろいま先生がおっしゃいましたようなゲレンデ、いわゆる地形の補整によって平たん化されてくるとか、その捨て土の問題だとか、あるいはヒューム管、いろいろ確かに一つ一つ細かくやれば、いわゆる洪水をふやすといいますか、土石流をふやす要因の一つにはなると思いますけれども、全体的な感じから見ますと、やはり今回の災害というものは、先ほど気象庁の方で申されましたようなまれに見る最大級の時間雨量と、それからやはりここにおきます第四紀層といいますか、火山噴出物、そういうようなことでのものが大きな支配要因であったと思っております。しかし、これだけが、そういうものがすべてではない。確かにその要因はあると思います。
○津川委員 そこで、森林を切ってスキー場をつくった、これだけでも幾らか影響あるでしょう。その上に今度は、あの谷特有の凹凸を埋めた、凹凸があればそこで水の勢いをとめるとか水をためる、これが二つ目の問題。三つ目には、そのために道路をつくった、道路というのは洪水になってくると水を流す水路をつくってあげたようなものだ、これが三つ。道路をつくると、沖繩の米軍基地ですでにわかるとおり、そこで流れておった川をせきとめるから、そこでまた水がたまってしまう、これが四つ目の問題。そういう点で、それで表土をはいだ、これがあった。しかも、おまけにあそこは見られればわかるとおり、アップルサンドがどおっと流れてきた、こういう流れて物を壊すものをわざわざそこへためておいた。これは相乗すると一足す一は二でないのですよ、一足す一は二でなくて、これは倍数で、比例で深まっていく。局長は要因であったと、全部とは言わないけれども要因であったと言うから私もそれで納得する。要因ではあったわけですね。
○増岡政府委員 一つの規模の問題で、いろいろな災害現象は非常に複合されることは間違いないのです。ただ、全体を支配しておるのは、そういうものが直接原因ではない、しかし細かく見ればそういう先生の御意見の点もあったということで、私どもはそういう問題がありましたけれどもこれが一つの直接原因にはなっていない、そういうぐあいに考えております。ただ、そういう事の大小を問わずそういうことを言えば、あらゆる災害のときにそういうものは、必ず共存するものはあるであろうということを申し上げたわけです。
○津川委員 大雨が降らなければ、あの山がああでなければ起きなかったですよ。あなたはそれを言っている。それにプラスしたから起きたんです。この点はいかがでございますか。プラスしたから起きた、こういう点はいかがですか。
○増岡政府委員 これはそこまでの実際現地を見たわけじゃないのですけれども、私どもの全体の感覚は、今回の土石流の大きさといい、その規模ということから考えますと、今回の災害そのものはやはり先ほど言いました大きな集中豪雨であり、いわゆる地質の弱さ、こういうものでございまして、いまおっしゃった細かい問題があると思います、どんな災害でも、しかしこれは直接的な原因にはならなかった。しかし、これはいま先生のおっしゃるように、そういう問題はずっと水を相手にする以上は絶えず頭に置かなければいけない要素の一つとしては、今後の行政では考える、そういう意味で、今回の原因とは直接考えておりません。
○津川委員 集中豪雨ってどのくらいの雨だったの。いままでどのくらい雨があって起きなくて、今度は最大原因はいまあなた集中豪雨、大雨だと言った、どのくらいの雨だったのです。そうなれば今度は私もきつい態度で迫らなければなりません。どのくらいの雨だったのです。
○増岡政府委員 先ほど気象庁から申されましたように、岩木山に今回なかったわけです。したがって、周辺のものから推定せざるを得ないだろうということで、それで大体そういう気象的な感じで私どもが耳に入れておりましたのは、時間雨量七十ミリくらいではなかろうか、そういう意味で、これはやはり時間雨量とすれば大きいクラスと考えておるわけです。
○津川委員 過去にどのくらいありました。いまの七十ミリは推定だな。だから、確認されていたいね。過去に確認された豪雨でどのくらいありましたか。
○増岡政府委員 ただいまここへ資料を持ち合わせておりませんのでわかりません。
○津川委員 何だ、それは。過去に六十四ミリ、六十六ミリ、これが記録に載っている。あなたは推定で七十ミリ、これが原因である、これしか原因はないのだ、こんな考え方、私は七十ミリと想定される雨がないと起きないと思いますよ。だから、これが言っているとおり、ぼくがいやだと言っておる報告書でもこのとおり重ねてある。無理にあなたにこれを承認せいとは言わないが、こういうことが原因の一つではありませんでしたかと言っておる。しかも、一つではない、七つが相乗されている。あなたたちは一番よく力学を覚えている人たちだ。虚心坦懐にいくと、これだけ力学が重なったならば、重複したならば何が起きるということはわかりますよ。薬でこんなふうになったら人は死にますよ、こういう重複して飲ましたら。私は医者ですが、これが科学というものです。したがって、依然として推定の七十ミリ、過去における実績、何ぼ多いの、どのくらい多いの。七十ミリというのはこれだけですよ、六十五ミリというのはこれだけですよ、これっぽっち流れが越しただけだよ。過去にそれでなかった、今度は推定で七十ミリ、これに主因をかぶせるつもりでありますか。こうなれば私も今度専門家を呼んでこなければならなくなります。どうですか。
○増岡政府委員 いろいろな災害には、先ほどから言いましたようにたくさんの要素が蓄積される、これは私もよくわかっておるわけです。ただ、今回の岩木山の災害というものが、そういう大きな雨とそれから地質の問題であったということはそのとおりだと思います。全国まだ三万五千という危険渓流を私ども抱えておりますが、そういうようなことで、いつ大きな雨が降るやらわからない、こういうことは絶えず考えておりまして、その上にはやはり単なる雨がどうのこうのという以上にそういう地形の変貌その他についてもこれを押さえて同時にやっていくという姿勢は確かに私どもありますが、今回のこの件に関しましてただいま先生がおっしゃるように平たん化とかそういうもの、それがいわゆる主原因とは思われないということを申し上げたわけで、これは決してそれがプラスのといいますか、いいことをしたと思っておるわけじゃないのです。ただ、そういうことを申し上げておるわけで、気にかかる現象ではあるということを申し上げているのです。
○津川委員 主原因じゃなくても、原因の一部だとは思いませんか。
○増岡政府委員 私が実際の調査委員で現地をずっと歩けばある程度のまたあれができるのですが、まだ調査報告書を読む段階に至っていないということで、ただ当時私どもがいろいろ現地で調べて、われわれの砂防部等で調べた結果を申し上げておるわけで、その後の専門委員の皆さん方の意見というものを私まだ実は聞いておりません。しかしながら、現実、先生がおっしゃった言葉を聞いてそういう感想を申し上げたということでございます。
○津川委員 そうすると、専門家として、私がいま挙げたのを今後覚えておりますね。あなたをテストするつもりはないけれども、七項目挙げましたよ、こういうものが一つ一つでも影響がある、相乗されるとさらに影響を強めるということは専門家のあなたの常識としては考えられますか。あなたは主原因ではないと言っている。そのとおりかもわからぬ。雨が降らなければ、あの山がなければ起きないのだから、その点はぼくもそう思う。しかし、これがなければ、こういう七つのことがなければああいう災害はなかったろうとは思いませんか、いかがです。
○増岡政府委員 たとえそういういまのスキー場の平たん化、その他いま先生が御指摘になったものがすべて自然のままにあっても、恐らく今回の大きな雨ではやはり同じような現象の災害は起きたのではなかろうか、そういうぐあいに考えております。
○津川委員 そうすると、あなたは、あってもなくても二十二人は死んだ、こういう考え方で、全くあの山は何としても災害が起きることが宿命的だ、こうおっしゃるわけでございますか。
○増岡政府委員 そこになるとこれは推定の問題になりますが、しばしば申し上げておりますように、いま先生がおっしゃった要因というものは、はっきり言ってない方がいいのです。私どもはそういう要請をいましておるわけです。それであそこを四十一年に砂防指定したわけです。そういうようなことをしておるだけに、そういうことがあってはならない。原因の問題からいきますと、主原因にはならない、そういうものがない方がいいという程度ですが、ただ、もしそれが自然のままであったら二十二人云々の話が出ましたけれども、これは推定の問題でわかりませんけれども、各専門の方の意見が出ると思いますけれども、もしなかったらどうなるかという推定は非常にむずかしい話なのでございまして、もう少しよく勉強しなければちょっと言えない問題です。
○津川委員 それなら、なぜあなたたちはあそこへダム一つ、それから副ダム二つつくられたのですか。どうしてつくられたのですか、このことを明らかにしていただきます。
○増岡政府委員 いま申し上げたように、昭和四十一年砂防指定地にしまして、やはり過去から見て、こういう沢について、全国三万五千ぐらいありますが、その中において先生が先ほどおっしゃった百沢の問題というのは、砂防的にも何か工事をしようということで大体三基ぐらい入れたかったわけでございますが、全国のバランスといいますか、まず一基を入れてみて少し監視しながらまた次を入れるというような一つの砂防の全国のバランスの問題があったわけでございまして、一基入れたわけでございます。その後のことは災害復旧で全部やりました。 以上です。
○津川委員 あなたたちが砂防をつくったときの理由書を覚えていますか。あなたが私にくれた資料の中に何て書いてあります。昭和三十八年に雨が降った、三十三年にも降った、危ない、このままではいけないから、そのためにつくった、こう言っている。あなたはそのままにしておいてもあったと言う。つくった理由は何ですか。そのままだといけないからつくったと言ったのでしょう。そのままでいけないものとして七つのものが出てきたわけですね。 そこで、もう一回最終的な、結論的な質問をするけれども、主原因でなかったと思う、原因の一部ではありませんでしたかと私は聞いている。それに対してあなたは、原因ではない、どこまでも雨だった、あの山だった、こう言っている。しかも、あのままだといけないので、あなたたちはちゃんと細工もしている、危険を覚えている。それに加えてこういう事件が七つも起きている。これは副原因の一部とは考えませんかと私は聞いている。あなたは頑強にそれを否定している。ここで詰まってしまっているわけです。どうですか。
○増岡政府委員 そういうことがあるだけに、青森県におかれては調査委員会がつくられたものと私どもは考えておるわけです。東京におってすべてがわかるはずじゃございません。ひとつ十分報告書を読ませていただいてでないと、即座にすべての正しい答弁ができるかどうか、私まだわからないのです。
○津川委員 だから、あなたの専門家としての識見を聞いているわけです。こういう七つの事件は災害に影響しますか、どうですか。
○増岡政府委員 複合されたものを分解する場合もありますし、総合的に考える場合もあるわけですが、今回は、私は……(津川委員「今回でなく、あなたの専門家としての常識を聞いているのですよ」と呼ぶ)それは山の森林は伐採されぬ方がいいのです、すべて。何でも自然のままが一番いいに決まっているのです。しかしながら……(津川委員「わかった」と呼ぶ)それはそのとおりです。
○津川委員 その次、その心配であなたたちがつくったダム、あそこに二号をつくったでしょう。あなたたちの計画は三〇%以上のものを一回でとめるものがなければならぬ、それでもだめだから三つくらいつくらなければならぬ、これがあなたたちの計画だ。それに対してどうして一つしかおつくりにならなかったのですか。私が文句を言っている調査委員会が、この点は遺憾であった、ちゃんと計画どおりつくっておったならばと言っている。この点はいかがですか。「しかしながら既設堰堤が一基しか施工されておらず、今回の災害を十分に防止できなかったことは残念である。」七十ページです。私がかつて大臣に文句を言った調査委員会の結論がこうなっている。この認識は同じですか、これも私と違いますか。
○増岡政府委員 これは全く財政といいますか、治水事業全体の問題でございまして、やはりあるところだけに集中豪雨があるということがあればそこだけをフルの計画で全部やってしまうことができるわけですが、先ほども申し上げましたように、危険渓流、土石流の発生個所三万五千、まず一基を完成しようというのが、いま私どものいわゆる財政を考えたときの唯一の方法であるということでございまして、これは一つ一つ、三基要るなら三基要るということで、そこに集中投資するような財政があればこの上ないと思っております。そこで、毎年いろいろと諸先生にも治山治水問題をお願いしているわけですけれども、これは確かにいま先生がおっしゃるように、大きな予算があって、ほかの地区を考えないでここまでやっておけばよかったというのは先生と同じ意見です。しかし、これができないのが実情であるということも本当でございます。
○津川委員 珍しくこの点は認識が一緒になりましたね。 そこで、さっきの金丸大臣の話を聞いていましたか。金丸大臣はここで何とおっしゃったか。予算、そんなものではない。人間の命を救うことがいま問題だと言っているわけです。 そこで、十分でないということの認識の上で、今度はあそこをどういうふうに手直しをいたしますか。だから、私はきょうは認識を共通にして対策を協議することに対して、先ほど七つの事件で逃げるから、そこのところはこれからどうしますか。
○増岡政府委員 一基、三基の問題が出ましたので申し上げます。 これは災害が起こりましたので、まず第一は緊急砂防事業費と荒廃砂防事業で約一億五千万かけまして、先ほど先生おっしゃった足らない二基の工事に着工しておりまして、一基はでき上がりまして、一基は五十一年中に完成しますので、いわゆる三基の一つの系列は五十一年度に済みます。下流の浸食の著しい区域と、いわゆる最下流のはんらん区域につきましては、一定災という災害復旧事業費をもちまして、これには二十一億八千万、約二十二億をかけまして、床固めあるいは流路工によって現実には大仕事をしておりますことは先生も御承知のとおりでありますが、これも本年度中に概成、大半でき上がるところまでいまやっておる。これで大体この沢についてはいけるという自信を持っておるわけであります。
○津川委員 これで終わりますが、河川局長、例のスキー場を平たんにしたとか、いろいろなアップルサンドをまいたとか、こういうことがなかったならば、災害がもっとゆるやかになっただろう、こうは思いませんか、この確認が得られれば私はこれで質問を終わります。
○増岡政府委員 思うか思わないかということなのでございますけれども、そればもとの自然のままの森林が一番いいということは言えるわけですけれども、今回は、たくさんの要因が相乗されたら大きいではないかとおっしゃいましても、一つ一つを見てみますと、やはりそれが大きなものに巻き込まれての問題であったと思うのですけれども、この辺は実は私自身もよくわからないのです。
○津川委員 あの現場を見てないのだからしようがない。あなたは見てないでしょう。
○増岡政府委員 時間がないものですから下流から……。
○津川委員 県道に沿うてこんなに大きな石が来ている。あれはアップルサンドで五千立米だという。これだけ積んでこのうちから二千が流れている。報告書では五百四十六立米と言っているが、そこのところを調べて、私は自然のままならばよかったろうということを聞いたから終わりますけれども、そこで本当に真剣に、相乗したものがどんな影響を与えているかやって、これから自然に手を加えるとき、幾つもの要素を加えているところに対する非常に重要な一つの参考だと思っているので、これをいま以上にさらに結論を出してこの委員会に報告をしていただく、こういうことを要求して質問を終わります。
○兒玉委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 最初に農林省に伺いますけれども、先般の五月六日から九日にかけまして関東地方、それから山陰地方にひょうによる被害が発生しておりますが、農林省では現在のところこの被害状況をどう把握しているか。それから、最終的な被害集計はまだできていないと思いますけれども、いつごろにできそうか、この点をお伺いします。
○若林説明員 本年五月の上旬以来現在までに降ひょうに見舞われた地域は東北南部、関東、東海及び中国地方の一部に及んでおります。主として被害を受けました作目は果樹、工芸農作物、野菜に被害が発生しておりまして、詳細被害状況については目下調査中であります。したがいまして、いつごろこの調査結果がまとまるかという御質問でございますが、降ひょう被害の特徴からいたしますと、通例六月中には降ひょうが発生するということでございまして、同一地域内に重ねて発生してくるというような事情、さらに作目の特性からいたしまして被害がどのように進行していくかという点がございますので、現時点でいつごろに明らかになるかということを申し上げにくい状況でございます。
○柴田(睦)委員 各県庁に問い合わせて聞いたのですけれども、千葉や茨城、それから鳥取などでナシ、たばこなどが合わせていま十八億円の被害がある、こう言われています。千葉の場合は、ナシは果樹共済の対象となっているわけですけれども、加入率が二〇%台で少ない。そこに壊滅的な被害を受けたわけで、その中の市原や市川の農家の生活、これは大変生活の上の影響が心配されるわけです。自治体でそれぞれ対策は検討しておりますけれども、農林省としてはこのひょう被害に対する対策としてどういう考えでいるか、お伺いしたいと思います。
○若林説明員 ただいま申し上げましたように、被害状況の把握を十分いたしておりませんので、明確に申し上げにくいわけでございますが、これらの調査結果を踏まえまして、被害の状況、深さ、広がり、さらに被害を受けました農家の資金需要を勘案の上、自作農維持資金及び天災資金の融通等について検討してまいりたい、このように考えます。
○柴田(睦)委員 最終的には被害の集計待ちということになるわけですけれども、集計は極力急いでいただきたい。そして、いま言われました天災融資なりあるいは自作農維持資金なりの金融対策を検討していただきたい。特にひょう害は、昨年の干ばつと違って局地的に深く被害が出るわけですから、弾力的な運用を図ってもらいたい。これを要望しておきたいと思います。 それから、果樹の共済制度についてですけれども、ナシの場合、芽がつく時期が前年の六月一日ということで、最終的な被害の評価が出るのが来年になるわけです。したがって、保険金が支給されるのも来年になるということで農家が不安を訴えているわけです。特に今年度収穫見込み分については今年度の早期に支給されるように、場合によっては概算支払いなども考えていただきたい、こういうように思うのですけれども、この点いかがでしょうか。
○大塚説明員 お答えいたします。 果樹共済におきましては減収に対して共済金を支払うわけでございますが、その減収の確定する時期は収穫期でございます。ところが、収穫期を待つまでもなく被害が決定的であるというような場合は、収穫期に至る以前に仮渡しという措置をとることができます。もし、組合あるいは連合会が仮渡しをする際に必要があります場合は、再保険金の概算払いを受けて仮渡しをする、こういう措置もとれます。私どもは、昨年もナシのひょう害の例がございますが、被害の実態をつかんだ上で仮渡しあるいは概算払いの支払いということで対処していきたいと考えております。
○柴田(睦)委員 共済の話に関してですけれども、ことしはひょう害のほかにも低温やあるいは霜が降って、山梨ではスモモが大変に被害を受けて七億円の被害だ、鹿児島ではお茶がやられで十四億円の被害を受けたと言われております。ところが、このスモモもお茶も現在は共済の対象になっておりません。この二つを将来共済の対象とするように、そういう要望があるわけですけれども、それについての見通しはいかがでしょうか。
○市川説明員 最初にスモモの問題でございますが、これは果樹共済としまして、現在温州ミカンとかリンゴとかナシ等果樹農業振興特別措置法の対象果樹につきまして、ちょうどいま九品目になっておりますが、これを私ども共済の対象果樹でやっております。なお、果振法の対象果樹には梅とかビワとかサクランボ、それからパイナップルというものがございますが、現在それらにつきまして、やはり保険でございますので、掛金率を設定するとか基準収穫量を設定するとか損害評価の方法とかいろいろの問題点を調査しております。 スモモにつきましては、実はまだ地方的な果樹でございますので、果樹農業振興特別措置法の対象果樹になっておりません。しかし、かねて山梨県でございますとか山形県では、一部の地域でありましてもかなりまとまってスモモの栽培をやっておる農家がおられまして、その農家の方々から、将来の問題ではございますが、やはり果樹共済の対象果樹として調査をしてほしい、こういう要望がございまして、四十九年から調査を始めております。したがいまして、四十九、五十年の調査がいままとまりつつございますが、こうした調査結果をわれわれよく分析し、将来の問題としまして、果樹共済の対象果樹としての適格性があるかどうか研究させていただきたいと思っております。 それから、お茶につきましては、これは四十五年から、被害が出ました鹿児島とか静岡とか京都等々におきまして、私どもも将来これを制度化するための基礎資料を得るために、被害状況、それからどうしたものを——先生御承知のように、お茶には一番茶、二番茶というようなことで摘採期間がいろいろございます。一体どれを対象にしたらいいだろうか。また、お茶につきましては、御承知のように、一番茶で凍霜害等に遭いましても二番茶で収穫量が回復するという問題がございます。したがって、収穫量ないしは減収量だけで共済を仕組む場合に、ほかの作物と違って、お茶はそうした一番茶と二番茶で、収穫量は変わらないと言っても、価格の面で非常に変わるわけでございます。こうしたいろいろな問題点がございまして、私どもその間農家の意向調査もやったわけでございます。これはやはり保険を仕組む場合に、農家がこの保険を望んでおるかどうかということで、実は四十五年に調査をやりまして、五十年にも調査をやったわけでございますが、残念なことに、四十五年当時には四六%ほどの保険をやってくれという要望があったわけでございますが、五十年はこの保険需要が少し落ちてきております。私ども、そういうこともございますが、四十五年からの基礎調査がございますので、五十一年、本年度でございますが、ひとつそうしたいままでの調査を補完する調査をやると同時に、試験調査と申しまして、一つの大ざっぱな保険設計を組みまして、それに基づいてこれはペーパーテストでございますがやりまして、保険になじむ範囲というのはどういうところにあるだろうか、もし保険として取り上げる場合の技術的な問題点を詰めることにしております。 以上でございます。
○柴田(睦)委員 その点は、また私も研究を進めて要望してまいりたいと思います。 最後に大蔵省に伺いますけれども、この被害農家の税の減免措置、それから延納措置などについて、千葉県の方からすでに要請が来ていると思いますけれども、被害状況をよく調査して個々の納税者の実情に合った措置をやっていただきたいと思います。 それから、もう一つは専売公社の関係、たばこ災害補償制度についてですけれども、従来から全損についてはすぐに補償措置がとられるけれども、一部損については収納時まで待ってもなかなか措置がとられないという声があるわけですけれども、重大な損害の場合は全損並みに補償を急いでいただきたいと思うわけです。この点についてお考えを伺っておきます。
○田口説明員 それでは、先に国税の方から御説明いたします。 先ほど御指摘のございました納税者が大きな災害を受けられた場合の救済措置として、いろいろございます。御承知のように、たとえば住宅、家財のような生活用資産に受けた災害損失でございますれば、所得税法に雑損控除という制度がございます。所得の一割を超える部分を所得控除として控除するという制度、それからさらに別の救済措置として、所得が四百万円以下の方で大きな損害を受けたという場合であれば、災害減免法という法律で税の免除なり軽減がなされるわけでございます。 こういう制度のあることを十分被災者の方々に知らせるということが大事だと思います。その辺のきめの細かい配慮をしていきたいと思いますが、先ほど御指摘のございましたいわば農作物が大きな被害を受けた場合は、この制度とはまた別に、そういう損害を受けた農業所得がどうなるであろうかというその損失の扱い方の問題でございます。申すまでもなく、ことしの所得ということは、来年の三月に確定申告をしていただく、そのときの問題になりますが、御承知のように、一般農家の場合でございますと、農業標準で申告していただく場合が多いかと思いますが、そういう場合に、私どもとしましては農家の経営実態、実際の姿というものを十分踏まえた標準をつくるようにこれまでも努力してきておりますが、なおことしの被害状況をよく見た上で、無理のない標準がつくらるれように第一線を指導してまいりたいと思います。 なお、標準以外の方々で、青色申告をしていらっしゃる農家であれば、まさにその被害の実態に即した収入、支出ということで結論が出るわけで、所得が出ないとかあるいは赤字になるという場合もありましょうが、いずれにしても税の面では無理のない結果になるということだと思います。 今度の、特に五月の降ひょうで大変な被害があったようでございます。現地の国税局、幾つか関係局ございますが、早速第一線の税務署に対して被害の状況などを調査するよう指示しておりまして、現在関係の市町村なり農業団体から事情を伺ったり、被害状況の大変なことを十分私ども認識するように、共同で調査をしておるというところでございます。 なお、さしあたっての税の問題として、予定納税というのがございます。これは御承知のところかと思いますが、前年の所得が幾らであったか、それを基準とした税金の額が年五万以上の方の場合には、一定額をことしの分の税金としてあらかじめ納税していただくという制度でございます。これが六月に差し迫っておる。こういう予定納税の関係でも、災害を受けた場合の救済措置がございます。これは災害を受けた方で予定納税をしなくちゃいけないという方が非常に困るという場合には減額申請、減らすようにという請求をすることができますが、こういう制度のあることも行き届いたPRが必要かと思っております。 ただ、御参考までに、被害を受けた地区の一つである千葉の税務署の管内で、農家の数が約一万八千ぐらいのようでございますが、その中で国税を納めていらっしゃる農家が三百戸ほど、またその中で、五万円以上の税金額だということで予定納税をしていらっしゃるところが七十軒程度ということのようでございますが、数が少ないだけに、私どもの第一線の方でこういう制度があるということをきめ細かく指導していかないと行き届かないおそれもございますから、そういう点の配慮も、御指摘ございましたので、よくしていきたいと思っております。 それからなお、農家に限りませんが、被害を受けた場合に、すでに決まった税金を払えない、まだ払っていらっしゃらないで期限が来たというような場合に、ちょっと待ってほしいという制度として、われわれの方では納税の猶予という制度もございます。こういうことも、申請をいただければなるべく被災者の身になって行き届いた措置をするように十分気をつけてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○小松説明員 葉たばこの災害補償の関係についてお答えいたします。 葉たばこがひょう害等によりまして災害を受けました場合に、畑全体のたばこが全滅いたしました場合には、御指摘のとおり全損ということで、調査等手続の終わり次第、たばこ災害補償制度に基づく補償金の支払いをいたしております。 全損以外の場合におきましては、特に今回のひょう害のように、たばこが畑に植えられました初期の段階におけるひょう害等の災害におきましては、その後の立ち直りの状況等々、これは収量の面におきましても、また葉たばこの品質の面におきましても、回復の状況が今後の天候その他によって非常に変わってまいりますので、現時点におきまして災害の金額を推定することは葉たばこの場合非常にむずかしい、こういう面がございます。したがいまして、御承知のとおり葉たばこは収穫、乾燥の終わりました後、公社で全量を買い上げておりますので、その段階になりますと的確な平年に対します減収が確定してまいりますので、その時点において補償金を支払う、こういうようなことになっておりまして、繰り返しますが、現時点における損害額の推定ということが非常にむずかしいという点があるわけでございます。
○柴田(睦)委員 要するに、一部損の場合もおくれぬように急いでもらいたいということです。 これで終わります。
○兒玉委員長 高橋繁君。
○高橋(繁)委員 私は、本年度の「実施すべき防災に関する計画」の中で、国土保全、その中でダム事業について質問をしたいと思います。 このダム事業は、「水需給の実情及び激甚な災害の発生状況に対処するため、治水計画と合わせて多目的ダム等」云々とありますが、そういう意味でダムを建設しているわけであります。いま国土庁がつかんでおります水資源の確保、こういうことについて計画がおありと思います。その計画に伴って現状どれだけのものが確保されているのか、あるいはどれだけ不足しているか、もし現状がわかれば、御説明を願いたい。
○宮崎(明)政府委員 現在、全国的な各地域別の水需給計画を策定すべく作業中でございますが、御承知のように、水資源開発促進法に基づきます水系指定をされた利根川等六水系につきましては、水資源開発基本計画をつくっております。それに基づきまして事業が実施されておるわけですが、ダム設置地域の水没関係者の同意がなかなか得られないというようなことで全般に事業の進捗がおくれておりまして、たとえば利根川水系で申しますと、すでにもうできていなければならないものでまだ着工していないというものが二、三あります。そういうことで、関東地域で見ますと水の需給バランスが計画に対して崩れておりまして、年間におきまして大体数億トン程度の不足の状況を来しているという、大体の数字でございますが、そういう状況でございます。
○高橋(繁)委員 年間数億トンの水不足を来しておるということになりますと、将来にわたって民生の安定の上からも、水資源の確保という点から言って重大なピンチになるのじゃないか、そういう予想は立ちますか、立ちませんか。
○宮崎(明)政府委員 地域によって水の賦存量がかなり違いまして、たとえば関東地域につきましては、現在計画されておりますプロジェクトが完成するであろう昭和六十年ごろの時点を考えますと、もうそれ以後の開発というのは相当努力しても余り大きな水が期待できない。したがって、六十年代になってからはかなりきつい状況になる。したがって、私どもは節水とか、あるいは下水処理水の再利用とか、そういう水の循環利用あるいは節水型社会の形成、そういうことでいまから対応をしていかなければいかぬということで、十年後の昭和六十年代になりますと、こういう首都圏地域では水が社会の、地域の発展の制約要因にかなりなってくる、こういうふうに考えております。
○高橋(繁)委員 関東地域については大変な問題になるというお話でありますがこの水資源確保の中で最大におくれている点は、ダムの建設がおくれている。先ほどちょっとありましたが、ダム建設がなぜおくれているか、先ほどいろいろな補償の問題とかありましたが、最大の原因は一体どこにおありと思いますか。建設省でも、どちらでも結構です。
○宮崎(明)政府委員 何と申しましてもダムをつくられるところは被害者、利益を受けるのはそのほかのところ、受益と被害が同一の地域の場合はまあまあという感じでございますけれども、もう一方的に犠牲を強いられるという点で非常に根強い反対がある。それから、従来もかなり努力はしてきていますが、やはりダムができるようなところは大体過疎化が進み、高齢化社会になっている。それで、しかもダムの建設というのはその地域社会太の破壊につながるものですから、よほど手厚いいろいろな対応をやっていかないと、なかなかその水没地域の方の納得が得られない。その点に一つの大きな難点があろうと思います。 したがいまして、一昨年ですか、水源地域対策特別措置法も施行されまして、その水没地域の産業あるいは生活環境基礎の整備、そういう公共投資によっての地域の振興ということの措置がとられてきたわけですが、さらに今後その水没者の生活再建対策、移転後の生活再建についてのきめ細かいフォロー措置が必要だろう、そういうことで私どももいろいろな対策を講じてきておるところであります。 難点は、何と申しましてもそういう過疎化が進んだ地域の破壊ということにつながるものですから、しかも一方的に被害といいますか、犠牲を強いられるという点で地域の方の納得が得られない、この点が一番の難航している点かと思います。
○佐々木説明員 事業を実施しております建設省の立場から申し上げますと、先ほど国土庁からお話がありました地元対策も、これは一番大事な問題でございますが、まだあと一つ二つ問題点がございます。 一つは、ダムサイトが地質的、技術的に言って非常にむずかしいものが多くなっております。増大する水需要に対処するためには、そういったむずかしいものもこなしていかなければいかぬ、そういった面で技術力の強化結集あるいは技術者の確保のための研修制度の拡大、こういった問題が一つございます。 また、水源地対策にいたしましても、直接きめの細かいいろいろな御相談にあずかるためには、そういった組織的な地元対応の窓口をきちんとつくっていくというような現実の問題もございます。 また、ここ数年、建設資金の調達問題が、国のこういった状況からなかなかむずかしい問題がございます。一方、水需給のアンバランスといいますものは、先ほどもお話がありましたように、現在でもアンバランスはございます。この状態が続いてまいりますと、五年先、十年先にますますアンバランスを拡大するということが予想されますので、必要な建設資金が計画的に調達できるように、そういった財源の問題について国全体として考えていってほしいというのが担当の願いでございます。
○高橋(繁)委員 おくれている最大の原因は、いまお話のありましたように、一つは予算化の問題ですね、財源の問題、もう一つは、立地の条件あるいは補償の量と質、技術の問題、いろいろおありと思いますが、財源の問題は、これは政府が大いに努力をすること等によって解決をされていくと思います。また、幾ら財源をつけても地域の補償の問題とかそういうものが解決しなければできないのだということもおっしゃるかもしれませんが、そういうことですね。 ダム建設について建設省は従来どういう手順でこれを進めてきたのか。ということは、たとえばある日突然ここにダムをつくるんだと発表になる、地域の人はびっくり仰天して右往左往する、それから何年かたってやっと腰を上げて補償問題とかそういうものが出されて、それまではただつくるという——私素人ですから、皆さんは専門家ですからね。そういう例がいままでたくさんあるわけです。それでうまくいかない。このダム建設については、慎重な計画が事前になされていかなくちゃならないし、あるいは地元住民に対してもある程度の理解というものもされていかなくちゃならないと思うのですが、いままでどういう手順で実際事業着手に至るまで進んでいらっしゃるのですか。
○佐々木説明員 ダムの調査から実施に移ります制度的な段階を申し上げますと、まず予備調査という段階が一つございます。これは水系の中でいわゆる適地を広く探すという調査でございます。そのうちからダム地点をしぼってまいります。しぼるときには、いろいろ地域の状況であるとか、技術的な問題であるとか、いろんな社会的な需要の問題であるとか、こういったものを踏まえながらしぼってまいります。ここで何とかやれそうだというめどがつきますと、実施計画調査という段階に移るわけでございます。これは地点を定めましてつくることを前提にダムの調査もやるし、地元の方々にもいろんな意見を伺いながら逐次計画を固めてまいります。それで一応めどがつきましたならば、たとえば多目的ダムでございますと基本計画というものを法律に基づきましてつくります。それで着工予算ということになるわけでございます。 それで、先生のお話にもありましたように、予備調査段階の入り方がいろいろ問題がございまして、うまくない入り方をいたしますと、後で尾を引いていつまでも物にならないという問題があるわけでございます。われわれも従来、調査は、端的に申しますとダムサイトのボーリングからというような感覚があった時期もあるわけでございます。なかなかむずかしい問題がございますので、四十九年度から省内にダム事業隘路対策委員会というようなものを学識経験者にお集まりいただきましてつくりまして、調査立ち入り以降の問題をどういうふうにやっていったらいいのかということをいろいろ御審議いただきました。やはりそういった従来のダムサイトの調査からということでなしに、水没地域のいわゆる情勢把握、それからその地域の再建計画、そういったものをまず勉強して、それから並行して技術的な調査も進めてものを進めていかなきゃいけないんじゃないかというような御答申もいただいております。最近そういうふうにぜひ取り組みたいということで、本省の中にもそういった対応組織もこの秋からつくることにいたしました。また、現地の第一線の担当官にも、そういったことに関する研修も改めて強化をする予定にいたしております。
○高橋(繁)委員 地元への発表も、従来のような発表の仕方じゃなくて慎重にやるということですね。 そこで、建設省がダム計画をしております。私の調査が間違いかもしれませんが、百七十一のダムの建設にかかっておる。そして、年間百四十一億トンの水を確保するという計画でありますが、実際いま、簡単で結構ですからダム建設はどのような進捗状況でございますか。
○佐々木説明員 百八十のダムのうち、実施調査段階にありますものが約七十でございます。建設段階にあるものが百十でございます。この百十の内訳を大まかに申し上げますと、いわゆる工事に着手しておるというものが約半数でございます。残りの半数は、用地補償その他の折衝中という状況になっております。
○高橋(繁)委員 そこで、百十のうちその半分が工事に着工した、あと五十が折衝中であるということになりますと、まだかなりの年数を要するということになりますね、実際に建設工事にかかるまでに。 そこで、先ほども話がありましたように、四十八年ですか、水特法の実施に伴って地域住民の再建策あるいは地域全体の振興対策、下流の受益者負担、こうしたものに対して埋没をされる部落の再建計画というものがなされることになっておりますけれども、これがなかなかうまくいってないというような現状のようであります。埋没する部落の第一次産業への依存度、あるいは祖先伝来の土地を失う、あるいは長年住んできた人間関係、あるいは経済的なあるいは精神的な打撃というもので、なかなかこの問題がうまくいかないということは先ほどからお話ししておる、また現実もそうであろう。そういうことで、せっかく水特法ができたのでありますから、その運用じゃなくて再建策あるいは制度というものを、この際実態に即して適合させなくちゃならないという声もありますが、その辺のお考えはどうですか。
○宮崎(明)政府委員 水特法ではいままで約二十ダムと一湖沼を指定しまして、そのうち約十のプロジェクトにつきまして水源地域整備計画を決定しております。そのほかのダムにつきましては、まだ地元とのいろいろなお話し合いがこじれているといいますか難航していまして、事業者及び県当局それから水没地域、その三者で生活再建策をいまいろいろ練っておる段階でございます。近く県の方から申請がありますれば、できるだけ早く決定してまいりたいと思いますが、そういうことで、地元でのお話し合いがなかなかうまくまとまっていかないというのが実態でございます。
○高橋(繁)委員 実際の交渉は都道府県がやることですけれども、せっかく水特法ができても国の助成制度というものが確立をしていないので、都道府県でも大変にその交渉に苦労しておるというようにもうかがえるのですが、その辺のあれはないのですか。
○宮崎(明)政府委員 水特法では、特に非常に大きな水没の場合、補償率のかさ上げ等の措置を講じておりまして、できるだけそういう地域の負担にならないように考えておるわけですが、さらに第十二条で、下流受益者の負担という条項もございまして、現実にいままで整備計画を決定したものにつきまして、下流の受益者の負担によって、たとえば水没地域の町村の裏負担の肩がわりをする、こういうふうな運用でやっております。必ずしもすべてがすべて下流の受益者負担でというわけにはいきませんけれども、いままでの水没地域の市町村が投資しておった額が著しく上回るような場合は、これは町村財政も大変でございますので、その辺は従来のペースを上回るような場合には下流受益者の負担によって肩がわりするということで円満に進んでいるものもかなりございます。
○高橋(繁)委員 その下流の受益者負担という、これも問題ありますよ。たとえば二県、三県にまたがっている、恩恵をこうむる、特に関東なんかそうだと思うのです。そこら辺が本当に、たとえば埼玉、東京と千葉とかいうところが下流の利益を受ける地域になると思うのですが、そこら辺にも非常に問題が出てくると思うし、水特法ができるときの審議の状況に私参加しておりませんのでわかりませんが、この第八条にしても、義務規定じゃないわけでしょう。努力規定でしょう。そこら辺に大変な、うまくいかない問題がある。だから、国がそうした特別な、制度的にある程度の基準というものをつくらないと、交渉というものはうまくいかないのじゃないかということを言いたいのです。 そこで、いま関東の水資源確保に最大の影響を及ぼそうとしておるあの八ツ場ダム、この生活再建案というものを建設省が出した。ところが、その関連する地域の人たちが、これは絵にかいたもちだと言っている。ということは、ダムができたことによって水没する部落の人たちの考えというものがそこににじみ出ていないというふうに私は思うのです。だから、ある人は、国土庁の幹部の方かどうか知りません、私新聞で読んだことですから、この水特法は八ツ場ダムをつくるためにつくったような法律だと、こうおっしゃっていることも聞いたことがありますが、そういうように水特法がせっかくできても、それが本当に生かされてこないということになると、いま八ツ場ダムでそれが実際に生かされようとしておるが、これがまずくいきますと、これから計画中のダムはすべてうまくいかないというふうに私は考えるのでありますが、その辺の考え方はどうなんですか。
○宮崎(明)政府委員 八ツ場ダムにつきましては、いままで地元の方が反対ということで、建設省当局と事業者との話し合いの場に全然乗ってこなかったわけでございます。したがって、何かそのきっかけをということで、建設省の方で生活再建といいますか、地域整備の案をたたき台として出して、こういうことを一応考えていますからひとつお話し合いに乗ってくださいよということでやってきた。地元は、それは絵にかいたもちだと言っていますけれども、これは一つのたたき台として建設省が示したもので、あくまでも地域住民の方の意見を入れて、それで本当に地についた整備計画ができることを私ども期待しておるわけでございます。したがいまして、八ツ場ダムにつきましては、水特法に基づくダム指定という、これもまだ済んでないわけであります。ダム指定すること自体、県知事さん方がいままで困る、もう少し待ってくれということをおっしゃっていますので、今度の利根川の水資源開発基本計画に八ツ場ダムを入れましたけれども、いずれこれから県当局、地元の納得を得てダム指定という行為をまずして、それから地元の方たちと土俵に乗って話し合いをして、本当に地元のための地域の再建計画をつくっていく、練り上げていく、こういう段取りになろうかと思います。
○高橋(繁)委員 せっかく水特法が成立をして、今後ダムの開発といいますか促進をしていく、そのためには地域の人たちが安心して将来にわたって生活再建ができるということでなければなかなか進まないので、国が努力するじゃなくて、ある程度義務的にこの事業を進めないとうまくいかないと思うのです。そういう点で、いま申し上げた八ツ場ダムあるいはその他のダムについて地元との話し合いというか、地元の意見を十分聞いて、その要望が実現されるための、これは限度もありましょうが、そのための話し合い、住民の意思を尊重した話し合いというものを今後進めるためにも、国土庁がこうした水特法の実施に伴っての国の特別な助成制度なりそういうものをつくって実施に進んでほしいということを申し上げたいのです。大臣、どうですかね。
○金丸国務大臣 いろいろ先生からお話を承り、私もそのとおりだと思う。私は国土庁長官という立場でなくて、政治家としても、昭和六十年度を踏んまえますと、水の不足というものが判然としてもう出ておるわけでございますから、そういうことを考えてみると、水というものは人間生活に必須の必要品目でありますし、これが地元の拒否反応のためにダムをつくることができないということになれば、ゆゆしい政治問題が出てくる。先ほど八ツ場ダムの問題も出ましたが、一つは新しいシステムをここでつくって、今後のダムをつくるのにはあのシステムでやってもらえば安心してわれわれもその案に乗れるというような体系をつくってやることが、今後の推進に私は大きくプラスするだろうという考え方を持っておるわけであります。ですから、法律もあるいは措置法も、その他いろいろあるわけですが、具体性が欠けている面もある。そういうものを補ってするためには、先ほどの基金の問題も、ことし国土庁では一億を予算づけ、各自治体からも出してもらうというような問題、これは努力目標であってということでございますが、いわゆる上流の水没する人たちの、あるいはその関係の環境整備等を考えてみると、水をいただかなければ生活ができない、必要な需要者はこの人たちに対して感謝の念というものがあってしかるべきだ。いわゆる連帯性というか連帯感というものがあっていいじゃないか。そういう意味で、そういう基金をできるだけ大きいものをつくって、それによって、先ほど水資源局長からお話ししましたような裏金の負担にしてもあるいは表の負担もできるものはしてやって、そして生活再建をして、ああ、われわれはあの湖底にいるより、この外に出て生活再建をしてよかった。それは一回のことなんですから、国がやることにしても県がやることにしても。それだけの思い切ったことをやるべきだという考え方をもって今後とも推進してまいりたい、私はこう考えております。
○高橋(繁)委員 ダムの建設につきまして戦前あるいは戦後三十年、これまではただ簡単にダムをつくります。そうすると、十年先、二十年先の見通しというものは、立てたには立てたと思うのですけれども、現実はなかなかそうなっていない。たとえばダムをつくった上流は、河床の上昇によって災害が起きておる。いまだかつてそういうことがなかった地点が、たとえば佐久間ダムの奥であるとかあるいは大井川水系にしても、かなりのそうした問題が出てきておる。と同時に、せっかくつくったダムが、上流から流れてくる土砂によって埋まりつつある。そうすると、実際このダムというものは、百年も二百年も将来にわたって水資源を確保するということは非常にむずかしいと思うのですね。そういうことを考え合わせてダムをつくらなくちゃならない。ただ建設サイドでダムをつくっておりますと、もう五十年先になってくれば、またダムをつくらなければ、将来の人間の生活というものは大変むずかしくなってくると私は思う。 そこで、建設省はこのダムの建設について、ただ従来のやり方ではまずいと思うし、いろいろ考えているようでありますが、そうした組織の面でもあるいは人員配置の問題にしても、将来の、ダムをつくった後の十年、二十年、五十年先のことを考えてつくらなくちゃならないと思うのですが、これらをひっくるめて、いまどういう考えでおりますかということと同時に、ことしから新しいこういう点に取り組んでいくというものがあったら、お答えを願いたい。
○佐々木説明員 建設省は、ダムの計画から建設、管理まで河川官署の立場から一貫して担当いたしておるわけでございます。 まず、砂の問題でございますが、最近つくります多目的ダムにつきましては、とにかく百年間上流から土石が流れてきてたまっても有効部分を侵害しないように、その百年間の堆砂分はもう使えないものという前提で、その上に有効貯水容量をとりましてダムの計画をしてございます。したがいまして、計画どおりにまいりますれば、百年間はもう絶対大丈夫ということでございますが、御承知のように、砂は必ずしも水平にたまるわけではございませんで、やはり貯水池の末端等に堆積いたしまして、先生おっしゃるように、洪水時等に水位が上昇して河岸にいろいろな問題が起こってくるというような事例もあるわけでございます。これにつきましては、ダムの寿命と言いますよりは局部的な防災対策の問題というふうに観念いたしております。天竜川であるとかそういったところに事例が多いわけでございますが、これは主として利水ダムでございますが、設置者をよく行政指導いたしまして、砂を取らせるとかあるいは用地の追加買収をさせるとか、そういったことによりまして、当面そういった不測の災害がないように対処いたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、今後長い将来にわたりましてはいずれ問題が出てくるわけでございます。ダムの若返り対策といったものは、これは勉強していかねばいかぬわけでございます。考えられることは、やはり砂をしゅんせつ、掘削いたしまして、砂利資源その他として利用するというようなことは当然勉強していかなければいけないわけでございます。試験的にたとえばダムの維持管理費で一部そういったしゅんせつ等の研究を行う、そういったことは現に始めておるわけでございます。 それと、砂の問題に限らず、つくりましたダムを河川のシステムの中でうまく使っていくということは非常に大事な問題でございます。特に防災面で言いますと、洪水というものは急に出てくるわけで、そういった心構えなり平素のゲート操作等の熟練が非常に大事なわけでございます。最近いろいろ新しいコンピューター等も開発いたしまして、ある種の洪水を想定して自分がシミュレーターと申しますか模擬的な演習をやっておくというようなことも、本年度から研修を開始いたす。あるいは利水の問題にいたしましても、これはいろいろと水系相互間も含めましたいろいろな問題を考えていかなければなりませんので、そういったことにつきましても、全体の流水管理といった観点から、水系全体の情報ネットワークをより高度に組み立てていく。これは利水ダムもあわせまして、そういったことは大水系で昨年度からもうすでに仕事にかかっておりますので、そういったことで対処してまいりたいと思っております。
○高橋(繁)委員 いろいろ研究なさっているようでありますが、防災対策を講ずればいいというのは、これは非常に問題だと思うのですよ。私の知識、経験からすると、佐久間ダムの上流なんか、もう十年足らずして起きておる。毎年水がたまるものですから、堤防をかさ上げしておるわけですね。部落の人たちはむしろ旗を掲げて県庁に押しかけたことがある。それでもなかなか解決がつかない。だから、これはもうダムが建設されますと、その上流に部落があれば必ずそういう問題は起きてくるので、防災対策を後で講ずればいいという考え方ではなくて、そこまで、百年たっても上流の部落に対しては影響がないという、ある程度の計算ずくでやらないと、私は将来に必ず問題が起きてくることをここで一つ警告をしておきたいと思います。 それと同時に、建設省が水源地対策室というものをつくるというのですが、これは一体どういう任務なんですか。
○佐々木説明員 先ほどちょっと触れましたが、国土庁の方で、国とされまして各省調整をされて、水源地対策のための計画、整備計画を決めていただくわけでございますが、それに先立ちまして、特に建設省関係の公共事業が主体になるわけでございますが、省内のいろいろな相談をする、あるいは現実にそういった公共事業を執行していくにつきましての細かいいろいろな調整をやっていくというような水源地対策を現実に行うという立場で、窓口をはっきりして水源地の御要望に正面から取り組んでいきたいというのが第一の任務でございます。 それからもう一つ、水源地問題といたしましては、最近いろいろな環境問題等が重視されてまいっておりますので、あわせて環境問題等につきましてもその対策室で取り組んでいきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 ダム問題は以上で終わりまして、あと簡単に急傾斜地あるいは地すべり、がけ崩れ等の問題についてですが、四十七年に総点検をして、具体的な対策をお立てになって順次進めてきておったわけでありますが、ことしの二月、行政管理庁が安全対策に対する勧告として、崩壊防止対策の適正化であるとか、被害防止対策の強化であるとか、崩壊危険区域の指定の促進等々を勧告されておりますが、きょうは一々聞く時間もありませんので、まとめて、その勧告に基づいていままでやってきた事柄についての反省と今後の考えをお聞きしたいと思います。
○大工原説明員 現在、急傾斜地関係の対策といたしまして、先生御承知のように、四十四年に急傾斜地の法律ができまして、それ以来ずっと法律に基づきます管理体制の強化あるいは防止工事の実施という面で促進してきたわけでございます。たまたま本年の二月に、急傾斜地の安全対策に関する行政監察ということで昨年度一カ年かかりまして行政管理庁が実施された結果、法律の施行の中身につきまして、管理の強化という面で危険個所の把握ということがまず第一に勧告されております。私どもとしては、建設省が一つの調査要綱に基づきまして調査した結果、四十七年度におきまして、約六万カ所の危険個所の把握をいたしております。その危険個所の中から順次危険度の高いところ、あるいは対策を必要とするような個所から急傾斜地法によりますいわゆる危険区域の指定を実施してきたわけでございます。この勧告でも指摘されておりますが、十二月末におきまして四千七百七十八カ所が指定済みでございます。六万カ所に対しまして非常におくれておるということでございますが、実態といたしまして、指定を受けますと、その土地が私権の制限を受けるというふうなことで、住民のコンセンサスが一様に得られない。非常に危険度の認識が高いところにつきましては、あるいは災害がありますと非常に指定が促進されるわけでございますが、われわれ予防的に危険だというふうな物理的な判断から危険個所を想定しておるわけでございます。そういった意味で、住民のコンセンサスが得られないというふうな点から指定の促進がおくれておるというのが実態でございます。 さらに、各地方財政が厳しいという面から、指定をいたします場合にもいろいろ調査するための経費がかかるわけでございます。それから、指定いたしました土地の管理というふうな意味でも経費がかかるわけであります。そういった意味で、法律ができまして以来多少指定の速度が落ちておるというふうな面がございますが、この勧告を受けまして、私どもといたしましても、都道府県に対しまして、そういった危険個所の把握の問題も含めまして、実は先月付で河川局長通達を流しまして、管理の強化、あるいは危険個所の把握というふうな点につきまして、今後強力に促進していきたいというふうに考えております。 また、対策工事等につきましては、先生御承知のように、四十七年にも大災害がございまして、それを契機に調査をした結果、六万カ所ということになったわけでございますが、対策工事につきましても、四十九年、五十年というふうに一般的な公共事業の伸びがほとんどない時期ではございましたが、約三〇%の伸びで事業を伸ばしてきたというふうに非常に積極的に取り組んでおるということでございまして、おかげさまで五十一年度の予算規模も百四十二億というふうに、予算の増額のスピードからいきますと、他の事業とは比較にならないように大幅に伸ばしているということでございます。
○高橋(繁)委員 時間がありませんので、長官、この勧告にもありますように、急傾斜地の警戒避難体制の整備状況というようなことで、実態の把握の調査についても都道府県が調査したのと大分把握に差がある、あるいは地方防災計画にも計上されていない市町村が三十七市町村、二百十六カ所と出てきております。したがって、今後都道府県に対して、警戒避難対策というものを樹立するよう指導しなければならないというように勧告されておりますが、そういうことについて、災害防止という点から都道府県に対する指導、あるいは急傾斜地全体の実態の把握の点について長官としてのお考えをお聞きしたい。
○金丸国務大臣 ただいま説明があったわけでございますが、この問題につきましては各県、自治体にいたしましても十分な認識を持ってもらわなくてはならないし、また防災という立場から人命ということを主体に考えているわけでありますから、今後国土庁といたしましても、そのような県に対し、あるいは自治体に対しては、十分考え方を改めていただくような強い要請をして御期待に沿うようにいたしたい、こう考えております。
○高橋(繁)委員 最後に、具体的な問題で、新潟県小出町の地すべりの問題で、小出駅前がもし地すべりした場合は大変な災害が起きるということで心配をしているようでありますが、これは保安林の関係で林野庁が調査をしたようでありますが、状況と今後の対策についてどういうように考えているか、簡単にお答えを願いたい。
○藍原説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、四月十八日に新潟県小出町の駅前で地すべりが起きております。これは十八日の十五時ごろ、国鉄の駅前の山腹が約一・一ヘクタールにわたりまして、幅約七十メートル、長さ約百五十メートルでございますけれども、地すべりを起こし始めまして、亀裂が生じたということでございます。これは四月十五日以降の急激な気温上昇と、十五日に雨が降りまして、それによりまして急激に融雪が進みまして、山腹の中部にございます粘土層が滑りやすくなりまして発生したものと考えております。 ここはちょうど駅前でございますけれども、昭和十三年ごろに保安林に指定いたしております。山は杉の四十年から五十年の山でございますが、保安林に指定いたしまして、なだれ防止ということで保安林対策としてなだれ防止の事業を施行いたした地域でございます。また、ここは従来木々の伐採は行っておりませんが、昭和四十七年に県道のバイパスの建設に当たりまして約〇・三八ヘクタールの保安林の解除をいたしましたけれども、これは十分な保安施設もいたしておりまして、今回の崩壊とは無関係であると考えられております。 これの対策といたしましては、災害の起きました翌日、林野庁から係官を派遣いたしまして、応急の対策を打ち合わせまして、排土しなければいけません崩土、約一万一千立米ございますけれども、そのうちの八千立米はすでに排土いたしております。応急措置としての対応、そのほか落石の防止フェンスだとか、シートによる亀裂の被覆だとか必要な応急対策も講じておりますし、今後の計画といたしましては、本年度緊急治山事業といたしまして約一億三千万円を執行する予定にいたしております。 このような応急対策の結果、四月十八日に避難命令が出されまして退避いたしましたその付近の人家の方々も、五月三日に一軒を除きまして全部避難解除という形になっております。
○高橋(繁)委員 これは一億三千万というのは林野庁の予算でやるということ、いろいろ国、県、地元の割合はどうなっておりますか。
○藍原説明員 一応、工事費といたしまして国が三分の二、県が三分の一出す形でやることになっております。
○高橋(繁)委員 以上で終わります。
○兒玉委員長 宮田早苗君。
○宮田委員 雨季が近づいておりますので、災害復旧のおくれております地域とか土砂崩れ等、危険区域にお住まいの皆さんが不安をお持ちのところでございますので、私はさきの高橋委員の質問と重複いたしますが、もう一度建設省の方にお伺いをいたします。 御承知のように、行政管理庁が去る二月、急傾斜地の安全対策に関する行政監察結果に基づいて勧告を出しております。読んで見ますと改善すべき点が実に多いのでございますが、建設省として、この勧告を受けてどう対処あるいはまた改善策を講じられておるか、具体的にお答えをいただきたいと思います。さきにも答弁なさいましたので、中でも把握漏れということが強調されておるようでございますが、こういう点につきましても対策がございましたら御説明を願いたい。
○大工原説明員 急傾斜地の総点検は、先ほども御説明申し上げておりますが、四十七年の大災害を契機といたしまして総点検を実施した結果、約六万カ所という危険個所の把握をしておるわけでございます。今回の指摘の中に、一部把握漏れがあるということで、ある局地的な県の、実績数字をもちまして指摘を受けております。私どもといたしましても当初そういった危険個所の把握につきましては、建設省の調査要綱というものをつくりまして、がけの角度が三十度以上、高さは五メーター以上、人家五戸以上に災害を受けるおそれがあるようながけというふうなとらえ方をして調査をしたわけでございます。一部に把握漏れがあったのは事実でございますが、私どもとしては過去の災害の事例からいきますと、現在把握しておりまする六万カ所がそう大幅に違っておるというふうには考えてないわけでございます。したがって、精度が非常に高いというふうに私どもでは考えておるわけでございます。ただ、特に四十七年あるいは四十九年の災害の事例で申し上げますと、静岡県等でミカン畑の斜面が崩壊いたしまして災害を起こしておる。ミカン畑の斜面といいますのは農地でございまして、そういった意味でのとらえ方が甘かったという面があったわけでございますが、それらにつきましては勧告にも出ておりますが、静岡県当局はすでに四十九年の災害の後自主的に調査をなさいまして、一部修正、実態把握に努められておるわけでございます。その他災害の実態に合わせまして各県とも調査漏れ、精度が悪い地域といいますか、そういった実態を踏まえまして正確な把握ということに現在まで努めてきたところでございます。しかしながら、今回の勧告を契機といたしまして私どももさらに一層正確な把握ということに努力するという意味で、先月、四月二十八日付で河川局長通達を出しまして、その他の項目も含めまして、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する管理の強化についてという通達を流しまして、今後万全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○宮田委員 こういう時期になりますと特別に不安がつのるということでございますので要望しておきますが、団地もどんどん造成されておるようでございますので、そこに住みます人々、素人ばかりでございますので、行政官庁ないしは地方自治体、十分連絡をとっていただいて万全を期していただきたいということを特にお願いをしておきます。 次に移りますが、石油コンビナート等災害防止法が前の国会で成立をしたわけでありまして、その施行が待たれているところでございますので、この法律の予算、運用につきまして質問をいたします。 コンビナート法施行に伴う五十一年度の予算額は合計で約十四億六千万円に上ると思います。また、海洋汚染防止法に基づく運輸省関係の予算を含めますとさらに大きくなるわけでして、国、地方自治体あるいは特殊法人が一体となって防災に取り組もうとする姿勢は、十二分とまではいかなくても時宜を得たものだと思います。国、地方自治体がより積極的に予算措置を講ずることは当然ですが、業界の自衛防災に対する姿勢を国民はいま非常に注視をしておるところでございますが、企業にはどのような姿勢で臨んでおいでになるか、特に消防庁にお伺いをいたします。
○永井説明員 ただいま石油コンビナート法の施行令を一応各省と折衝いたしておる次第でございますが、具体的に企業に義務づけますところのいろいろな消防資機材、防災資機材につきましては、現在、企業の規模あるいは設備の態様に応じまして、大型化学消防車であるとか、大型高所放水車であるとか、あわ原液搬送車であるとか、あるいはまた油回収船であるとかいうようなものを義務づけようというふうに考えております。また、防災施設といたしまして、いわゆる流出油防止堤、消火用の屋外給水設備といったようなものを義務づけよう、かように現在各省と折衝を進めている次第でございます。
○宮田委員 四十九年暮れの三菱水島の市油流出事故は、企業の事業所内の防災投資がいかに大切であるかという貴重な教訓を残したと思うのでございます。タンクの構造、地盤の関係等科学的解明を待たなければならない問題もあろうとは思いますが、不慮の事故に対する予測、それに対する防災設備投資が必ずしも十分でなかった、その結果は企業の存立をも揺るがしかねない損害をこうむったわけでございまして、企業の自衛防災費の負担能力の限界ということは承知はしておるつもりでございますが、要は企業と国、地方自治体との分担の問題であろうと思うのでございますが、国、地方自治体の今日の財政能力ということもありますので、企業の責任範囲、調整について考え方を聞かしていただきたいわけです。
○永井説明員 コンビナート区域内におきまして大量に危険物を扱っている相当規模の企業、こういった企業につきましてはやはり企業の社会的な責任というものがあるのではないか、そういうふうに考えまして、そういった企業に対しましては、その中で起こった災害、これについては企業自身で対処して発生の防止あるいは拡大の防止、そのために有効に防災活動ができるだけの防災資機材、こういうものを備えつけていただきたい、かように考えておるわけでございます。ところが一方、地方公共団体でございますが、なかんずく市町村におきましては、地域全体の防災責任、いわゆる消防責任というものを持っておりますので、こういった観点から、地域全体の防災活動が有効にできるというだけの消防資機材あるいは防災資機材というものを持たせたい。しかしながら、ただいま申しました企業に持たせる防災資機材との調整というものはそこで勘案してまいりたい、こういうふうに指導をいたしております。このため、そういった資機材を整備するためのいわゆる財政的あるいは資金的な要素というものが出てまいりますので、コンビナート地域の市町村がそういった大型消防車等を整備する場合には、今年度から国の補助金を二分の一用意いたしまして、それを促進するようにさしていきたい。さらに、国の補助金だけでなくて、その裏財源としての起債についても十分考慮してまいりたい、かように考えておるわけでございます。それから一方、企業におきましても、そういった必要な防災資機材の義務づけが行われておりますので、それに要する資金につきましては開発銀行の融資枠というものを活用するように現在考えておる次第でございます。
○宮田委員 水島のような大事故が発生した場合、国や地方自治体が防災現場に出動をいたしましたときの資材とかあるいは人件費等の処理は、企業との間で解決するということでございますが、水島事故の際はどういうふうな処理をなさいましたか、それをお聞きします。
○永井説明員 水島事故におきまして、県なり関係市町村がやはり油の回収、防除のためにいろいろと活動いたしておりまして、それに要する費用といたしまして、私ども聞いておりますところでは、三菱石油から約二億一千六百万円ほど支払われたというふうに聞いております。これにつきましては、いわゆる法律上の損害賠償とかいうような法律要件の構成が非常にむずかしゅうございまして、現地に設立されました政府の事故対策本部というものがございますが、そこが一応の判断基準を示して、そういった金額的ないわゆる補償的な支払いというものをしなさいというような見解を示して指導しておるわけでございますが、その見解といたしましては、あくまでも両者が話し合いで地方公共団体に支払いをしなさい、その場合の経費としては、地方団体が直接油の防除に要した経費であるというのが妥当ではないか、こういう見解を示して指導いたして、現地ですでにこれは解決済みでございます。
○宮田委員 海洋汚染防止法の強化改正案がさきの衆議院本会議で成立したのでございますが、船主に義務づける油回収船の配備についてでございますが、どのような海域を考えておいでになりますか、それをまず聞かせていただきたいと思います。
○栗林説明員 油回収船の配備を今度の海洋汚染防止法の一部改正で義務づけられることにしたわけでございますが、法律に書いてございますように「特定タンカーが常時航行する海域で地形、潮流その他の自然的条件からみて油の排出があったならば海洋が著しく汚染されるおそれがある海域」ということでございまして、具体的には運輸省令で決めることになるわけでございますが、私ども現在考えておりますのは、東京湾、伊勢湾、それから大阪湾を含む瀬戸内海全域ということを現在考えております。
○宮田委員 この油回収船の配備は当然外国船の船主も対象になろうと思いますが、諸外国のケース等から案外抵抗と申しますか、そういう問題が出てきやしないかというふうに憂慮するのですけれども、その点はどういうふうにお考えですか。
○栗林説明員 先生御指摘のように、外国船に対する問題がございます。これはやはり海洋汚染の問題でございますので、日本船主、外国船主を問わず義務づけることにしております。それで、この義務の内容を考えてみますと、船舶自体の構造とか設備という問題ではございません。配備ということで、自分で構造をどうする、設備をどうする、あるいは自分で持ってくるという問題ではないわけでございまして、条約とか国際基準に反するというものでもないというふうに考えております。具体的には、実は現行海洋汚染防止法でもオイルフェンスとかいうような防除資材というものはすでに外国船にも義務づけておりまして、これを義務づける際にもそういった外国船主からのどういう意味かというふうな問い合わせなどはいろいろございましたが、趣旨を十分説明して納得していただいたという経緯もございます。それから、法律は違いますが、海上交通安全法でも一定の船には外国船主であっても進路警戒船の配備を義務づけるといったようなこともやっておりますので、その辺はよく説明して、十分理解を得た上でトラブルのないようにしていきたいというふうに考えております。
○宮田委員 次に、海洋汚染防止法の改正案に盛り込まれております海上災害防止センターの設立構想でございますが、このセンターの運営について具体的な構想がございましたらお示しをしていただきたいと思います。
○栗林説明員 海上災害防止センターは、今度の改正法によりまして民間からの発意に基づいて運輸大臣が認可するというかっこうで設立ができる道を開いておるというわけでございますが、御承知のように、海上災害は、油が流れても短時間に広がってしまう、あるいは船舶に係るものである場合には船舶側から防除活動をするということは非常にむずかしいという事情とか、また船主がすぐそばにはいないというのが常態でございますので、民間のそういった一極の共同の防災組織的な性格を持ったセンターというものが非常に意味があるのではないかということでこの制度を設けたわけでございます。 それで、実際の仕事といたしましては、現在考えておりますのは、海上保安庁長官の指示を受け、あるいは船舶所有者等の委託を受けまして海上災害の防止措置を実際に実施するという点、これはいわばいま言いました民間サイドの共同の組織として指示を受け、あるいは自主的に委託を受けてやっていくというふうなことが一つ大きな仕事でございます。それから、現在財団法人で海上防災センターというのがあるわけでございますが、そこで先ほど申しましたオイルフェンスなどの海洋汚染防止法による義務づけの共同備蓄事業というふうなものをやっておりますので、それも新しいセンターで引き継いでいったらいいのじゃないかというふうなことも考えております。それから、いま言いました財団法人の海上防災センターでは、これは全く民間の組織でございますけれども、消防船を運用するとか、あるいは防災の訓練事業をやるとかいうふうなこともやっております。これは非常に公益性の高い事業でございますので、あわせて新しいセンターで事業をやっていった方がいいんじゃないかというふうに考えておりまして、国としても五十一年度予算において、最初に申しました海上災害の防止の措置の実施に関する業務関連ということで、二億円を予算に計上して助成をし、適切な指導監督を行っていくというふうなことを考えております。
○宮田委員 センターは船会社、石油会社が配備いたします資材、機材を保有するわけでございますが、コンビナート法や海洋汚染防止法に基づく国、地方自治体、それに企業の防災体制の強化、これだけで十分とお考えかどうかということ、それから費用の関係につきましては、負担の分散化ということも考えられるわけでございますが、この点はどういうふうな理解をしたらよろしいか、お聞きします。
○栗林説明員 最初の問題でございますが、もちろん私ども海上災害防止センターというものが仮にできた場合に、それだけでいいというふうに考えておるわけでは実はございませんで、海上災害あるいは海洋汚染の防止ということにつきましては、まず原因者であるたとえば船舶所有者でございますとか、そういった人たちが措置をとるべきであると思いますし、それから海上保安庁はもちろん海上保安庁の立場で国民の生命、身体、財産を守るという見地から当然防除体制を整備していく必要があると考えております。また、この新しいセンターに海上保安庁長官が指示をして防除措置を実施させるということがありましても、それによって海上保安庁の責務が軽減されるといったものではないというふうに私ども理解しておりますので、そういった民間、それから国あるいは地方公共団体一体になって、それぞれの立場で体制を整備して進めていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。 それから、いまの費用の負担の問題は、これは基本的にはやはり最終的に原因者が負担すべきもの、特に油の問題につきましてはそういう制度ももうすでに確立しておりますし、そういうことになっておりまして、海上保安庁が実際に油の防除に当たりました直接的な費用はやはり請求して負担させるというふうなことで考えておる次第でございます。
○宮田委員 最後でございますが、要望をさしていただきます。 海上災害、最近特に頻繁に起こるわけでございまして、特に住民の方々の不安というものがさらに大きくなりつつあるわけでございますので、これの予防措置、法律がいろいろできておるわけでございますが、この施行はもちろんのことでございますけれども、それに伴います予防措置ということを十分にひとつやっていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
○兒玉委員長 宮崎茂一君。
○宮崎委員 私は急遽きょう質問通告をいたしましたので、あるいは関係の官庁の方々、打ち合わせ十分でないかもしれませんが、ひとつ御存じのことを言っていただきまして、もしも打ち合わせのできないところは、また後でも結構だと思いますから、資料なりその他で出していただきたいと思います。 と申しますのは、鹿児島県の桜島の問題でございますが、きのう相当な噴火をいたしまして、新聞、テレビで御存じのように十五センチくらいの大きな石が、垂水市というところがございます。これは桜島から多分二、三十キロ南東の方にございますが、そちらの方に石が降ったということでございまして、そのために通行中の自動車のウインドーが壊された、三十台くらい壊された、あるいはまた通学中の小学校の子供のヘルメットに当たりましてヘルメットに傷が入った、それから農作物の被害が相当ある、こういうことでございまして、このヘルメットをかぶっていなければ即死ということになるわけでございます。そしてまた、観光地でございますから、あるいは大ぜいそういう団体が行った場合に、ヘルメットなしで行くわけですが、急にそういったことがありますというとこれはまた大変なことになるわけで、昨日の分は大した被害がなかったから実は問題なかったのだろうと思うのです。そういうことを考えますと、やはり火山立法というのはでき上がってはおりますけれども、私どもきのうのこの災害にかんがみまして、どうすればいいか、もっと大きなときにどうすればいいかということを考えて対策を立てていく必要があろうかと思うのでございます。 まず第一点でございますが、きのうの報告はもう官庁の方には被害関係は集まっているかどうか、これは国土庁ですか、いかがですか。
○山本説明員 私どもも被害の状況については詳細な報告を受けておりませんが、先ほど調べましたところでは、先生御指摘の桜島の爆発で自動車二、三十台がフロントガラスに破損を生じた、その他農作物が御指摘の垂水地区でビワを中心に七千五百万円ぐらいの損害を受けた、こういう程度の報告は先ほど照会して来ております。
○宮崎委員 全国的にも桜島だけでございますから、被害の範囲が非常に局限されておるわけで、それにつきましては被害額は非常に少ないわけですけれども、地元の住民から考えますというと大変なことになるということですから、その点はひとつ額の問題にかかわらず、本当にこれは不可抗力の災害でございますから、特別にひとつ配慮する必要があろうかと思うわけでございます。 それでは、これは委員長にお願いでございますが、県庁その他からの報告が一括してまとまりましたならば、委員長の御判断によりまして、この委員会にひとつお示し願いたい、よろしゅうございますか。
○兒玉委員長 そのように処理いたします。
○宮崎委員 それでは、次に移ります。 まず私は、火山活動の予測の問題が一番大きな問題じゃないか、基本になるのだろうと思うのでございます。昨日のような火山活動に対する予測が学問的にできるかどうか、と申しますのは、たとえば台風でございますというと波浪注意報だとかあるいは津波警報とか、天気関係もいろいろテレビで警報が出るわけでございますが、この点はひとつどうであろうか、もっと大きな噴火、つまり溶岩が流出する等大正三年のようなことは、もう一日くらい前に予報をひとつしていただかないと大変なことになると思うわけでございます。 気象庁にお伺いいたしますが、現在の火山活動の学問と申しますか、そういった点から考えて、きのうのようなああいう火山活動は予測できるのかどうか、そしてまた私が申し上げましたような大正三年のような火山流ですか溶岩流ですか、来るような大被害を予測できるかどうか、この点はいかがでございますか。
○末広説明員 御説明申し上げます。 今回の活動でございますが、桜島は御承知のとおり昭和四十七年より活発な活動が始まりまして、四十九年にそのピークがあったわけでございます。その後火山全体といたしましてはやや鎮静の方向に向かっているのでございますが、御案内のとおり桜島南岳には二つ火口がございまして、昨日活動いたしましたのは、本火口のヘリの高くなったところがございますが、その南東の火口のふちの上にまたもう一つ火口があるのでございまして、そこが活動したわけでございます。したがいまして、火山活動そのものといたしましてはさほど大きくないのでございますが、本火口のように回りに壁がありますと、飛び出したものが一遍壁にぶつかって、よほどでないと外へ飛び出しませんが、今度の場合にはいわば火口のへりの上にありますために、小さな活動でもすぐ噴石あるいは噴煙が外へ飛び出してしまうということでございまして、四十八年六月あるいは四十八年十一月にもこのような事故といいますか、噴火、爆発があったわけでございます。 しからば、このようなものが予測できるかということでございますが、残念ながら現在の水準ではきのう程度のものを事前に的確に予測するというところまでは私どもの技術が進んでおりません。しかしながら、火山は地震の予知と違いまして場所はもう初めから限定されているわけでございますから、そこへ極力観測を集中するという方式をとりますれば、あるいは地震予知よりも技術開発の速度が速いのではないかとわれわれは思っているわけでございまして、桜島は全国多々ある火山の中でも一番重要な火山として、気象庁のみならず、関係の研究機関も取り組んでおるわけでございます。したがいまして、昨日のような活動は現時点ではまだ的確に予測するというところまで至っていませんが、大正三年のあの大災害をもたらした大噴火、あるいは昭和二十一年の噴火といったような非常に大規模なものに対しましては、何らかの事前の予告は現段階の技術で出すことができると思います。したがいまして、全く無警告にこの前のような惨事が起こるということはまず今後はないと私どもは思っておりますが、御承知のとおり敵火山噴火予知連絡会も発足したことでございますし、これらを中心に連絡を一層緊密にして、一日も早くより的確な噴火予知のできるように努力してまいりたいと存じております。
○宮崎委員 いまのお話を伺っておりますと、きのうのようなのは予知はできない、大正三年みたいな大災害を起こすようなものは多分できるのじゃないかというお話でございますが、付近の住民から言いますと命にかかわる非常に重大な問題でございますから、いまでも火山活動の観測をしておられると思いますが、これをひとつ極力充実していただきまして、きのうのような活動でも、予測ができなくても、危ないぞということになって道路の一部分を通行どめにするとか、何かそういう行政措置をやっていただかないと大変なことになるのじゃないかと思うのです。これは気象庁ではなくて、後の方は国土庁かもしれませんが、答弁は要りませんから、ひとつよく協議していただきまして、気象庁の方と警報を出すかどうかという問題、波浪警報とか津波警報とか、こういうのはしょっちゅう出ているわけで、実は警報が出てそのとおりにならなかったという例もあるわけですけれども、警報を出してマイナスになるかもしれないけれども、ひとつよく打ち合わせをしていただきたい。そして、大災害のないようにしていただきたい。これは要望にとどめます。 何かございましたら……。
○末広説明員 昨日のような火山現象としては小爆発であっても、あるいは人命にもかかわるおそれのあるような場合でございますが、事前にはなかなか予告はむずかしゅうございますが、その現象がある程度起きて観測ができた後では、たとえば今回のような場合には、噴石が飛ぶ前に二十分ぐらい余裕がありまして、漸次噴煙が増加してきてから噴石が飛ぶという特徴がございます。こういうものはそういう事実をつかみ次第、地元の消防、防災課等へ御連絡を差し上げて、今度の爆発はこういう特徴があるから、こういうふうにすればある程度危険から身を守ることができるといったような情報活動でできるだけの努力はしていくつもりでございます。
○宮崎委員 それでは、次に移りまして、自動車のウインドーガラスが壊れる、簡単な話でございますけれども、実は通行中の車でございますし、ひょっとするとドライバーの人身事故まで起こしかねない問題でございます。こういう被害は現行法ではどういうことになるのか、道路管理者の責任になるのか、あるいは自動車の事故の保険で救済できるのか。自動車の所有者から見ますと、思わぬ災害で被害をこうむるわけですが、この点は現行法で救済できるかどうか、この点につきましてひとつお伺いいたしたいと思います。
○山本説明員 ただいまの御質問の点は、現在自動車の事故と申しますと、いわゆる自賠法という法律がございますが、自賠法自体は自動車の運行による被害、加害の状況があって、損害賠償の責任が生じた場合に国がかわって賠償するという制度でございまして、実際に被害、加害の状況にない今回のような自然災害による事故については適用にならないと思いますし、このほかに自動車の賠償責任保険として任意保険がございますが、恐らくこれも同じような扱いであろうかと思います。したがいまして、現在のところはこういった火山の噴火等によって通行中の自動車が被害を受けた場合に、その被害を救済する方法は法律制度としてはないと思います。 またもう一点、道路通行中に被害を受けたという問題で道路管理上の問題があるかどうかという問題につきましては、たとえばきょうも前に御質問がありましたが、がけが崩れたりあるいは落石によって通行中の自動車が被害を受けたという場合に道路管理上の責任があるかどうかということは、最近いろいろ訴訟等でも問題になっておりまして、これらに対しては、どちらかといえば道路管理者にだんだん責任が加重されてくるという方向に行っておると思います。そういう面で、いま末広課長からもお話がありましたように、噴火の予測というのは非常にむずかしいという面からすれば、事前に交通規制をするという措置が具体的にできるかどうか、現段階では問題があるかと思いますが、将来爆発なり噴火の予知が可能になってきた時点におきましては、やはり道路交通管理上の問題としても十分検討していかなければならないというふうに考えております。
○宮崎委員 将来検討の問題は、ひとつ大いに検討していただきたいと思うわけでございます。現実にこの被害をどうするかということもまた起きようかと思いますから、その点も十分御検討願いたいと思います。 それから最後に、農作物、ビワの被害等でございますが、これは農林省にお伺いしたいのですが、現行法による救済方法があるわけですか。
○名田説明員 お答えいたします。 活動火山の噴火に伴いまして、主として農作物につきましては、降灰等によりまして農作物の被害が発生するわけでございますが、これの防除につきましては、活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律、この法律の第八条の規定に基づいて防災営農施設整備計画がつくられておりますが、これに基づきまして防災営農対策を現在実施しております。 その中身といたしましては、一つには降灰土壌の酸土の矯正、それから二番目には降灰の防止のための被覆施設なりあるいは洗浄施設の整備、三つ目には灰に強い作物への転換、こういったことを内容としております。こういった事業を総合的に五十年度から実施しておるわけでございます。このうち特に植物といいますか、野菜とか果樹とか桑とかこういったものにつきましては、圃場において作物に付着している灰を除去するための散水施設なら施設、あるいは収穫した作物を洗浄する施設、あるいは降灰を防止するために被覆栽培をしよう、こういった施設をも含めて助成しておるわけでございますが、こういった防災の対策の中で対応ができるのではないかと考えております。
○宮崎委員 いまの火山立法による救済でございますが、これは災害を防止するためのいろいろな施設をつくることに対して、国が補助金を出すとか融資するとかそういうことなんですが、たとえばきのうの場合の農作物の被害が七千万円程度あった。これに対しては天災融資法、被害が大きくなれば天災融資法とかそういったのがあるわけですね。実際に農作物の被害額に対して現行法ではどういう措置がとられているのかということをもう一遍お伺いしたいのです。
○名田説明員 いまのお話で、天災融資法は確かに災害の規模というものがございます。政令で発動しなければいけないと思いますが、自作農維持資金がございますので、これは災害の規模が大きくなくても、たとえば似たような災害では降ひょうの被害、これは局部的には非常に被害が大きくても天災融資法の発動にならない場合がございます。そういった場合には自作農維持資金という制度で対応しておるところでございますので、この場合もそれが適用できるかと思います。
○宮崎委員 いまの資金はなかなか出にくいのじゃないですか。こういう何千万という、国から見ますと非常に小さい被害ですが、局部的に限られておりますから、一農家から見ると非常にこれは大きな被害になる。そういうようなものを完全に救済できるわけじゃないのじゃないですか、いまのお話は。どうですか、たとえば七千万円に対して三千万円なら三千万円ぐらい国庫補助を出せる、こういった問題ではないのじゃないですか。どうですか、現実的にどのくらい救済できるわけですか。
○名田説明員 自作農維持資金の制度の中でこのような被害の場合には特例を設けまして——通常の場合は二戸当たり百万円が貸し付け限度でございますが、かかる場合には特例を設けまして百八十万円まで融資が可能であるという措置をとっております。
○宮崎委員 現在の制度ではそのくらいが最大だという話でございますが、先ほど来申し上げましたように、地元の住民は、こういう天然の自然活動の被害によってどうにもならない、もう移転せざるを得ないのじゃないかというようなことまで言われているわけでございますから、その点農林省におかれましてもよくひとつ現地の県なりにそういった指導をしていただきたいと思います。要請をいたします。 これで終わります。
○兒玉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十四分散会