公害対策並びに環境保全特別委員会 第9号
- 発言数
- 347 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/11
会議録
○吉田委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 振動規制法案について、本日、参考人として日本鉄道建設公団工務第一部長中井善人君の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○吉田委員長 内閣提出の振動規制法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。深谷隆司君。
○深谷委員 わが国初めての試みである振動規制法案、同時にこれは世界的にも、かつて例のない、まことに新しい法律でございまして、その意味では、これをこのたび提案なさったお考え、そして、その決意に敬意を表する次第であります。しかし一方においては、とにかく初めての試みであるだけに、その内容においても、さまざまな問題点があると思われます。特に環境庁長官といたしましては、この規制法案の提出に当たり、どのような決意、抱負を持って臨んでおられるか、そういう点を、まずお尋ねをしたいと思います。
○小沢国務大臣 おっしゃるように、諸外国のいろいろな事情の違い等もあろうかと思いますが、振動規制につきましては法律をもって一律に国として規制をしている国はございません。その意味においては、わが国が初めてでございますので、その意義は大変、大きいものがあると考えております。 この法案の内容につきまして、いろいろ御批判もあろうかとは思いますが、中公審におきまして二年有余にわたりまして、いろいろ御検討願った結果でございます。また、やはり自治体等の意見等もいろいろ聴取しまして、私どもの方としては十分、慎重に検討してまいったつもりでございます。必ずしも全般的に御満足をいただける内容であるとは思いませんが、いわば振動公害解決の第一歩だという意味で、この法案について何分の御理解と御協力を得たい、かように考えております。 なお、この法案が制定をされますと、関係各省の協力も得まして、振動公害に悩む住民の生活環境が着実に改善されると私どもは考えておるわけでございます。
○深谷委員 世界各国でとにかく例がないということで、恐らく、これから先、わが国の振動規制法案というものは各国の参考例になるだろうと思います。もちろん他の国の状況を考えてみますと、たとえば地盤が非常に強固であるとか、あるいは環状道路が市外地にあるとか、いろいろな問題があって、わが国ほど深刻ではないと思いますが、しかし、いずれにしても、そう時を経ないうちに各国とも公害についての振動規制というものは当然、問題になってくると思いますが、そういう場合に、わが国のこの法案が、他の国の十分な参考に供することができると確信をお持ちで御提案かどうか、その点、一点お尋ねしておきます。
○小沢国務大臣 私どもは、そういう確信を持っておるわけでございます。各国のいろいろな実情も違いますから、その国において、こういうような法律でいくべきか、あるいは個々のいろいろな対策でいくべきかということは、各国の事情によっていろいろ違うと思います。もし統一的なものをつくろうということになれば、大体こういう線じゃなかろうかとわれわれは考えております。
○深谷委員 それでは、具体的な問題について一つ一つお尋ねしてまいりたいと思いますので、それぞれの担当者からお答えを願いたいと思います。 まず第一は、このたび提案された振動規制法案というものは、全体的な枠をはめるという意味から、どうしても規制値というものが、いわゆる標準的なものになりがちだと思います。きょうまで各都道府県ともに条例で振動規制については規制を行ってきたわけでございますが、その各都道府県の条例と比べて極端に数値の違いが幾つかあるわけであります。そういう意味で、かえってこの法律は後退しているといったような批判もあると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の各都道府県の既存条例に比して後退している点があるかという問題点でございますが、基準の問題は告示の問題になるわけでございますが、中公審の答申に示された基準値というものを、現在、各都道府県の条例でやっている基準値に比較してみますと、厳しいか厳しくないかということは、いろいろな条件がありまして、なかなかむずかしいのですが、数字だけをながめてみた場合に、その一番上の高い方の振動を国の工場の基準値にはめてみますと、七つの都道府県の基準値は、国が決めている上限よりも甘くなっております。それから次は、下の方の低いところを比べてみますと、七つの都道府県の数値を見てみますと、地方自治体の示している方が国が出している下限のものよりも低い、こういう状態でございまして、ものによっては国の規制の方が厳しくなる、それから、ものによっては国の規制よりも地方自治体の基準値の方が数値的に見ると厳しいのではないか、そういうような問題点があるわけでございます。 それから、その対象の問題でございますが、道路をストレートには取り上げておりません。それから建設作業を地方条例でやっておりますのは三つございますが、いずれも指導基準ということで、規制基準値としてストレートに働かすというような形にはなっていないということでございます。 そういう点から見てみますと、確かに国は、より低いものを決めているではないかということの数値だけを比べてみた場合に、後退したのではないかという御批判が出される節があるのではないかと思いますが、私どもは自治体が果たして、どれだけのことを本当に、その数値で勧告、命令をかけたかということを、これまた調べてみたわけでございます。そうしますと、本当に勧告をかけ命令をかけてやったのは七十デシベルということになります。一つだけ七十デシベル以下のものがございまして、これが六十九デシベルでございます。ですから、指導基準とか条例基準値は持っておるが、本当に命令までかけて強制をしたというケースから考えてみると、環境庁としましては、国の基準値そのものが甘い、後退であるという批判は一概に言えないのではないか、そういうぐあいに考えているわけでございます。
○深谷委員 実際に命令という形で行われたのは、いまお話しのように七十デシベルということであります。しかし一応、条例で一つの規制値の基準をつけているわけですから、そこまでは命令でき得るという意味では数字の差があるわけです。たとえば第一種地域の夜間五十五デシベルから六十デシベル、こうしておりますが、大阪の場合の条例は五十デシベルですね。あるいは兵庫とか奈良はもっと厳しいわけであります。具体的に、たとえば大阪、兵庫、奈良と私、挙げたわけですが、この個々の問題についてどうお考えか。たとえば大阪のいまの基準値が、もともと厳し過ぎる内容であるのか、そういうものを比較対照してお考えをお話し願いたい。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の問題は、大阪の夜間の住居関係のところで五十デシベルになっておる、国の答申は五十五であるという第一の問題でございます。 この点につきましては、国の五十五といいますのは、六十デシベルというところで睡眠にほとんど影響はないということになっておりますので、家屋の増幅等も考慮しまして五十五ということで、これは全く問題ないというぐあいに私どもは考えております。もちろん五十五以下でも苦情の出る場合があるかと言われますと、確かに苦情の出る場合も、いままでのケースから見れば、あるということでございますが、夜間の睡眠という観点から、これを保てば十分いけると思いますが、大阪が五十デシベルとしておるということでございます。 これは五十デシベルにしますと、まず、ほとんど感じないということで、これは確かに数値的に見れば、いい条件であると思いますが、それでは国の告示の基準で五十は全然あり得ないのかという議論になりますと、法律の中にもございますが、国で決める範囲内で厳しい条件を、病院等の周辺において、条例で決めることができるというのがございます。ですから、国の条件を用いましても、病院というような非常に静穏を要するという住居地帯の問題では、条例でやろうと思えば、その部分については五十デシベルというのは可能にはなっておるという点は、ひとつ御承知おき願いたいと思います。そういうことで亘理先生のお話にも、五十デシベルというのは、先生個人としてお考えになると、それは肯定しておられました。私ども国の考え方では、病院というような特殊な静穏を要するような場合には、条例でやろうと思えば、できるという形にするというのが、この考え方でございます。 次に、ゼロというやつでございますが、このゼロというのにつきまして、いろいろ私は、この間の参考人のときの問題がございまして、調べてみましたら、こういう経緯がございます。これは実は地方自治体が非常にむずかしい中で苦労をして、振動の規制を条例で始めたわけであります。そういう意味で、国よりも地方自治体の方がはるかに先んじて、しかも材料もない中で苦労して、やったということの努力は、国としては十分、敬意を払わなければならぬと思いますが、三十年代の後半でございますけれども、地方自治体の条例の中で、振動計にひっかからない程度にするというものをゼロミリメートル・パーセカンドとした大阪の条例、それから神奈川県の条例、こういうものがございます。そこでは確かにゼロとしました。これは聞いてみますと、ゼロというのは振動計でかからないという意味だということでございますので、科学的にゼロミリメートル・パーセカンドと言っている意味ではないわけでございますが、その条例をつくったところは、後で、いろいろ努力をして経験をしてみまして、しかも知見を積んで、その上で大阪も神奈川も、これは四十年代の中ごろ過ぎでございますが、実績に基づいてゼロというのはやめまして、改定しまして、五十デシベルに相当する数字でございます〇・一ミリメートル・パーセカンドというような数値を置いて、やるようになってきたわけでございます。ところが、そのような大阪、神奈川が変える手前に、実は、その次の後発の条例県というのがございまして、後発の条例県が、先発の条例県は一体どういう厳しい規制をしているかということで、ゼロという数字がある、そこでゼロを決められた、このような経緯があるわけでございます。 確かに、数字的に見れば厳しいということは事実でございます。ただ、一番最初からゼロを決めたところが、本当にやってみて、そして四十年代の中ごろ過ぎに〇・一ミリメートル・パーセカンドということに直してきたということは事実でございますし、また国の基準を決めます場合に、専門委員会で、これだけの資料を集積されたものは、いままで皆無でございまして、実験や調査や、あらゆるものをいたしまして、またISOの勧告の出ましたのも四十九年でございますから、基本法にも、科学的な知見を見て新しく定期的に検討をしてみるということがありますが、まさしく、それに合う努力をいたして中央公害対策審議会が出してきました数字が実はこの五十五デシベル。そして一部は病院の近所で五十デシベルになし得るということでございますので、ゼロミリメートル・パーセカンドということを決められたときの決断と、それまでの努力には敬意を表しておりますが、しかし、それ以降、それを決められた自治体においても改定された、また、さらに多くの専門家、国の内外の知見を集めて決めたのが、この五十五デシベルで、一部、五デシベル下げることができるという規定がございますので、そのところは、私どもは後退であるというような考え方は、余り適切なものではないのではないかというぐあいに思っております。
○深谷委員 この間も亘理参考人に私は聞いたのですが、いわゆる感覚公害というのは非常にばらばらに受けとめやすいですね。したがいまして人によって、かなりの格差がある。そこで、いわゆる基準を決めていく場合あるいは規制していく場合に、住民からの訴え率というものが非常に問題になってくると思うのですが、大体、何%ぐらいが適切だと思っておられますか。
○橋本(道)政府委員 住民からの訴え率の何%ぐらいのところで基準値を決めるのが適切であるかという御質問でございますが、まず、その先例といたしまして、先生の御指摘のような感覚的な公害、生活公害ということで騒音の先例があるわけでございますが、騒音の場合の環境基準を設定するという際に、先生の御指摘の何%ぐらいの訴え率のところで水準を決めるのかということがあったわけであります。これは国際的にも先例がございまして、そのときに、維持することが望ましいような条件を決めよう、長期の目標としてセットをしよう、それ自身が直接、規制に働くものではないというようなものをやります場合には大体三〇%という数字を、イギリスやフランスの社会科学者たちが寄ってセットをしました。それを長い期間をかけて達成していくというやり方をした。それを日本の騒音の基準設定の場合、特に新幹線の場合に引いたわけであります。 今回は環境基準ではございません。これは規制の基準でございます。あるいは要請の限度値というようなものでございます。そういうことでございますので、本来、数値の特性を異にしております。 そういうことが一つと、もう一つは、先生の御指摘にもございましたが、いろいろ、ばらばらの反応があるということでございます。これは非常に大がかりな、また学問的にも評価の高い、実は住民の反応調査というのをいたしております。工場とか道路とか新幹線というところでいたしております。それをいろいろ解析してまいりますと、苦情が出てくるのを調べますと、苦情の出てき方を左右する一番大きなものは騒音でございます。騒音が大きければ苦情が大きいということになります。騒音で苦情があるということが一つと、第二番目は、たとえば新しい家ができまして、そこにぽっと入ったとします。入ったときに、これは振動があると思ったところでは、非常に、そういうものが苦情の出方に強く影響してきておる。それから第三番目に、振動のレベルが影響してきておる。これは要因解析をしてやってみますと、そういう順位になっております。 そういうものもございますし、また苦情の出方を調査研究の方で調べてみますと、やはり騒音が一番。騒音と振動は、ほとんど離れないで出ておるものが多うございます。その場合に騒音のレベルと、もう一つは地域説、この地域の住民は苦情が非常に多いというのと、その二つが大きくて、その次に振動のレベルということでございます。また、そのほか距離減衰等もございますので、ここでは、その三〇%というような数値をとっておらないというところで規制基準を決めていきまして、要請の限度を決めます場合に四〇とか、そこらの数字をとってきたわけですが、振動については国際的に、そのような例がないということでございます。 そういうことで、何%ぐらいをとるのがよいのかということについては、私どももストレートにはお答えいたしかねますが、数値として決められましたものの被害についての、実体的な被害が絶対出ない、健康の被害が絶対あらわれない、それから睡眠に問題を残さないというところの水準として勧告されてきましたこの数字で見てみますと、工場、道路、新幹線について六十−六十五デシベルで、まあ三〇%程度、六十五−七十デシベルで四〇%程度というようなところの数字で、そこを基準値として採用したというのが経緯でございます。
○深谷委員 まあ騒音の場合には三〇%の訴え率というのですが、振動の場合には特別、何%の訴え率というのを決めていないというお話ですが、あなた自身もおっしゃいましたように、やはり感覚ですから、いろんな人によって違うわけですね。たとえば、この間の参考人で大田区の住民の苦情がかなり出されましたね。頭痛だとか吐き気がするんだ、いろんな症状を言われたのですが、実際に、はかってみると、せいぜい四十五デシベルぐらいだという話なんですね。ところが、この中公審の報告によれば、睡眠に影響がないのは大体六十デシベルまでは睡眠に影響はない。数値に相当な開きがあるのですね。そうしますと数値だけでは、なかなか当てはまらない問題が出てくるのじゃないか。当然、訴え率は大体どのくらいをつかむんだということを目安に持っておかなければいけないと思うのですが、どうでしょう。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の点で、専門委員会でいろいろ検討をした結果、このような意味を持つ基準値を決めるということの場合には、六十ないし六十五デシベルで三〇%程度あるいは六十五ないし七十デシベルで四〇%ぐらいという訴え率というものを一つの目安として、それに実験の方で得られた睡眠の被害というものを考慮して決められるということでございます。
○深谷委員 今度この法案が通りまして、国の基準値というものが決定をいたしました場合、先ほども、ちょっと触れましたけれども、現にある各都道府県の条例の数値と差が出てまいりますね。そういうものについては、どういうふうな調整をしていくのか。その指導等についてお考えを述べていただきたいと思います。それからまた上乗せ条例について、どういう処置をしていくのか、それをあわせて伺います。
○橋本(道)政府委員 まず第一点が指導の問題でございますが、この法律にもございますように、この法律が適用されてきますのは、この法律の地域指定が始まってからでございます。地域指定をするまでは地方条例が、そのまま生きておるということでございます。そういうことで、この法律が適用されるまでの間は条例が生きておりまして、都道府県知事が決意をして地域指定をして決めるという手順になってきております。従来の騒音の場合も同様の問題がございました。騒音の場合は四十四年に法律を決めまして、大体、全国の都道府県の問題のところに指定地域が入ったのは、実は昨年から、ことしでございます。やはり既存条例との調整ということで国会での議論もございましたが、地方自治体も、そこに非常に意を用いられたようでございます。振動の場合に、どういうぐあいに設定していくかという点につきましては、やはり従来の経緯等もあろうかと思いますが、このような形、先ほど申し上げたような手続で決められてきた数字でございますので、やはり先ほど申し上げたような五十デシベルというような数字でございますが、夜間の五十五デシベルを、住居地域で病院等の横の地域というのを五十にしよう、これは法律で、できる形になっております。しかし、それは条例でやらなければいけません。そういうものを、どういうぐあいにきめ細やかに実態に適するようにやっていくのかというところが地方自治体との問題点でございます。 それから第二点は上乗せ条例でございますが、この法律におきましては、振動の規制のためには、この法律の規制基準で十分であるという立場に立っておりますので、上乗せ条例というものは、この法律では、これよりも厳しい基準を設けるというような条例はできないと解するのが、この法律の形でございます。先ほど申し上げました住居地域で病院の横で特に五デシベル厳しくできるというのは、これは「環境庁長官の定める範囲」ということで、上限、下限を決めているほかに、さらに五デシベルそのような場合には厳しくできる、しかし、それは条例でやらなければならないということになっておりますが、これも、やはり法律から授権されてやるということになりますので、これ以上に厳しい基準を設けるということは、この法律の趣旨から見ては適切ではないということで、上乗せは、この法律の予定しているところではございません。
○深谷委員 公共性のある建設工事に関しては特別な配慮をするということですが、公共性のある建設工事というのは一体どういう枠を指して言うのか。
○橋本(道)政府委員 公共性のある建設工事でございますが、「公共性のある施設又は工作物に係る建設工事」と申しますと、たとえば道路、学校、病院などの施設または電気工作物や水道の工作物がその対象とされます。この場合いろいろな御意見があって、災害復旧に限れというような御議論もございますが、学校の建設とか上下水道のような住民の毎日の生活に直接、密接な関係のある施設というものの場合には、それがずっとおくれるということによって、水が出ないとか道路が使えないとか、いろいろそういう、ごく日常の住民の非常な利害関係にも関係してくるということが、やはり、きわめて重大な問題でございますので、公共性の問題を、騒音の場合と同様に、この法律の中にうたったわけでございます。なお建設業法の施行令の中に「公共性のある施設」として、いろいろカテゴリーを設けておりますが、余り細かくなるので、この点につきましては省略をさせていただきます。
○深谷委員 公共性のある建設工事に関して、この間も意見が出ていましたが、たとえば災害復旧の場合だけに限れとか、非常にきちっと枠をはめて、それ以外は公共性の工事として特別な配慮をする必要はないといったような強い意見もあるようであります。確かに住民の生活環境を守るということは非常に大事なことなんですけれども、いまも、お話があったような、いろんな公共性の工事というのは、同時に住民の環境を改善する、改良するという大事な仕事でもありますので、そう極端にしぼって限定してしまうと、かえって住民の利便に反してしまうような結果も出てくると思うのです。そこで、この運用に当たっては、それらのバランスを相当、綿密に検討を加えていかなければならぬと私どもは思うのです。それについて、もう一言お考えを伺いたい。
○橋本(道)政府委員 いま先生からも御指摘のございましたように、公共性のある建設作業と申しますと、上下水道とか、そういう非常に住民の生活に密接に関係があるもの、あるいは道路工事、そういうものも、その中に入ると思いますが、昼間は使っている、そうすると、どうしても作業の時間帯に制約が加わる。しかし、そこの道路をとめることによって、また別の非常に大きな問題が起こる、そういうような問題があるわけでございます。そういう場合に、やはり、この法律におきましては決して公共事業を適用除外にしておるというわけではございません。当然、公共事業も、この法律の定めるところに従って最善の努力をしてやるということでございますが、そのやる、やり方に、公共性のある先ほどのような幾つかの事例をとってまいりますと、その制約が、どうしても作業そのものについて加わってくるものがある。これは住民の日常の利便にも非常に関係が出てくるということでございますので、最善の努力を尽くして、もともとの基準を守るというのは、あくまでも大前提でございますので、このことにつきましては私ども、この法律の考え方は、公共性だから、もう何をやってもいいのだ、あるいは受忍義務があるのだというような考え方には全く立っておりません。そういうことで、公共の利益という御指摘のあったような面と、ぎりぎりの問題をよく慎重に判断した上で、まず必要ならば勧告をするという形をとっておるものでございます。
○深谷委員 公共性の建設工事に関しては、たとえば建設業法で指定された公共事業というのも相当、枠が広いですからね。余り強調すると住民の利益に反するし、そうかといって、これを限定すると、かえって逆に住民の利益に反するというようなことから、いまお話がありましたように、この運用面では、どうか十分な検討と配慮を加えるように、ひとつ御配慮いただきたいと思います。 建設省関係の方にお尋ねしたいのですけれども、今度の規制によって建設業関係に、かなり大きな影響を与えるであろうと想像されます。特に建設業者は五十一年の三月末で全国で三十八万を数えると言われている。そのうちの九十数%という圧倒的多数が、いわゆる資本金一億円以下の業者であるということを考えますと、国民全体つまり住民の環境を保全するために規制をすることは、全く私たち賛成でありますけれども、一方において、それによって影響を受ける業者というものも出てくると思うのであります。 そこで、建設省の方々にお尋ねをしたいのですが、一体どういうような影響を受け、実際に業界が対応できるだろうか、そういうことについてのお考えを伺いたいと思います。
○丸山説明員 いま先生がおっしゃいましたように、この法律が施行されますと建設業者には相当な影響があると考えております。しかしながら、いま先生のお話しのように、やはり環境問題ということに重点を置かなければならないという観点から、建設事業を施工する場合にも国民に御迷惑をかけてはならぬということで、最大限の努力をする考えでございます。 そこで問題は、どういう負担があって、それをどう見るかということでございますが、この法律が適用されますと、たとえば低振動工法の採用とか、あるいは一日の作業時間を短縮するとか、そういうことをしなければならないことになるわけでございまして、それには当然いままでよりも建設工事費がふえてくる、こういうことになると思います。しかしながら、その負担は当然、発注者が持つべきものと考えております。現在、建設省におきましては、公共工事を発注する場合にも公害対策には最大限の配慮を払っておるわけでございまして、これに必要な経費は、予定価格を積算する場合に必要経費として見積もっております。今後この法律が適用されますと、なお費用が増大することと考えられますものですから、そういう点については十分に配慮してまいりたいと考えております。なお、建設省以外の公共工事の発注につきましても、建設省から通達を出しまして、いろいろとお願いをしておりますが、その面につきましても十分に配慮していきたいと考えております。 次に、民間工事でございますが、民間工事につきましては先生、御承知のように、その大部分が発注者と建設業者の協議によりまして発注価格が決まる、こういう形になっております。したがいまして、この費用を含めるか含めないかということは協議の問題になるわけでございますが、建設省の考え方といたしましては、冒頭にも申し上げましたように、当然これは発注者が持つべきものである、このように考えておりまして、そのような指導をしてまいりたいと考えております。
○深谷委員 低振動の対策として、たとえば機械の改良等が具体的な例ですね。現在たとえば建設業者が使っているくい打ち、これは八十デシベル以上の振動だと言われています。このくい打ち機械を、たとえば具体的に例を挙げれば八十デシベル以下に下げるという技術は、ちょっと不可能ではないかという専門家の意見もあるのですね。これはどうでしょうか。
○桑垣説明員 いまの御指摘のくい打ち機械でディーゼル・パイルハンマー等では、発生する場所、測定する場所によりますけれども、八十デシベル以下に抑えることは非常にむずかしいだろうと思います。
○深谷委員 むずかしいというのは私が指摘したことで、むずかしいので、こういう機械の改良について、どのようにお考えになっておるかということです。
○桑垣説明員 改良につきましては従来から、いろいろ騒音の対策等についても、やっておったわけでございますが、振動の関係では、現在の技術的な対応といたしましては非常に困難である。ディーゼル・パイルハンマーの場合に限定さしていただきますと、不可能に近いのじゃないかと思います。 それで、くい打ち作業といたしましては、いろいろの工種がございまして、すでに騒音の対策の方からはバイブレーションを使うのが一時、使われたわけですけれども、それも今回の振動規制法で、やはり八十デシベルを超えると思います。 それから、アースオーガーを使いまして、最後の打ちどめだけを、衝撃を与えるディーゼル・パイルハンマー等でやる。そして時間をできるだけ少なくするという、これは消極的な対応かもしれませんが、そういう方法がとられておりますが、今回の法案にも盛られておりますが、そういう時間的な制限的なこと以外の方法で、積極的に新しい機械で置きかえるというのは、現状では、なかなかできないのじゃないだろうか。もちろん今後の研究開発によって絶対、不可能というわけではないかもしれませんが、機械的には非常にむずかしい問題がある、そのように考えております。
○深谷委員 機械の改良という問題は非常にむずかしい問題であろうと思います。しかし、実際に先ほど申し上げたように全国三十八万の業者がいて、そのうち中小企業関係もかなり多いわけですね。そういうような業者に機械の改良まで考えろといっても、これは全く無理なことであります。そこで、やはり所管の役所が中心になって、機械の改良についての積極的な指導、対策というものをとっていきませんと、単に、これ以下の振動に抑えることはできません、短縮しかありません、これでは事態の解決にならないし、将来に必ず禍根を残すであろうと思いますので、こういう機械の改良については積極的な前向きな姿勢がなければならぬと私は思うのですね。こういう点どうでしょうか。
○桑垣説明員 今回の法律案にも、その研究の推進の項目がございますが、この法案が成立しましたら、これを受けまして、今後は、そういうものに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○深谷委員 積極的に取り組むということですから、大いに期待をいたします。 それから同時に、工事そのものの施工法も、やはり変えていかなければならぬのではないかと思いますね。従来どおりの形では無理だろうと思うので、施工法の改良というものも加えていかなければならぬと思うのですが、そのあたりはどうでしょうか。
○桑垣説明員 先ほども申し述べましたが、基礎のくい打ち作業等に代替する工種はいろいろございまして、いまの衝撃力を利用するディーゼル・パイルハンマーの工費というのは非常に経済性があるわけですけれども、地域環境を保全するという意味で、また別の工法がいろいろございます。それはいろいろありまして、それをどういうかっこうに、どう指針をつくったらいいかというのは現在、検討中でございますが、ほかにも、いろいろ工法はございますけれども、これという決め手と申しますか、これに全部、置きかえたらいいのだというのは、ケース・バイ・ケースもございますので、一概には、なかなか決めがたいのじゃないかと思っております。ちょっと御返事にならなかったかもしれませんが。
○深谷委員 前向きで取り組む決意があるかどうかを聞かしてください。
○桑垣説明員 それは当然、従来から基礎工法には、いろいろやっておりまして、建物の基礎というのは、もし、でき上がったものに影響を与えれば安全性の問題もございますし、十分それは取り上げて研究を進めるということでございます。
○深谷委員 環境庁に、ちょっと伺いたいのですけれども、いま言いましたように、たとえば、くい打ちだけでも八十デシベル以下には全く現在の段階では低くできない、それから可能性も相当おぼつかないというふうに私たちは思います。そうしますと、今度の規制法にもありますように結局、工事時間の短縮ということしかないのですね。そうなりますと逆に今度は期間が長期化するわけですね。そうすると、いわゆる住民の苦痛といいましょうか、それも毎日毎日、長期化していくわけなんです。そこで、時間の短縮と工期の長期化、この辺の関係を、どう理解するかということは大変、重要になってくるのではないかと思います。環境庁はどういうふうにお考えでしょう。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の点が、地方自治体との議論をいたしますときも、もちろん建設省からも、強く、その御意見がございましたが、一番むずかしいところでございます。 そこで、七十五デシベルを超えるというものについては、四時間を限度として時間を圧縮できるという形にしておりまして、それを圧縮すればするほど日が長くなるわけでございます。そこをどうするかという点につきましては、地方自治体の意見としては、やはり「4時間を限度として」ということにして、そこのところは自分たちが間に入って、周りの住民と、それから、その作業をする方の側と、いろいろ話し合いをして時間の見当をつけるので、国として余りきちっとしたことを、はっきり決めない方が、その場の実情に最も適したやり方ができるというようなことでございますので、四時間を限度として時間を圧縮することができる、そういう形にしておるわけでございます。しかし、やはり工期が延びるということによって、ある程度のコストのアップということは避けられない、こういうふうに思っております。
○深谷委員 環境庁長官に、むしろお願いでございますが、国務大臣として国民の生活環境を守るために規制をしていく。しかし一方においては、ただいま、お話がありますように業者そのものに、たとえば機械の改良化が、いま、なかなかむずかしいとか、あるいは工期が長期化してしまうと、そのために費用がかさむとか、いろいろな問題が起こってくるわけであります。そこで国務大臣として各大臣に、これから積極的にお話をしていただいて、ただいまの建設省の方にもハッパをかけていただいたり、あるいは融資、助成関係についてもお働きを願ったりしなければならぬと思うのでありますが、これはお願いでありますけれども、長官のお考えをお聞かせください。
○小沢国務大臣 本当におっしゃるとおりだと思います。通産関係の方の工場関係では相当そういうような助成の道が制度としても確立しております。建設関係の方が、どうしても、こういうような規制が新しく設けられ強化されていきますと、従来そういうような助成の道がなかったものですから、非常にお困りになるわけでございます。私どもも、その点を非常に苦慮いたしたわけでございますので、実は御承知のように新建設大臣とも、その点の話し合いを進めまして、何とか来年度の措置の中に税制の問題やら、あるいは融資の問題やらについて何か対策をひとつ、この法案の結果、起こる問題に対処するための措置をぜひ、やっていただきたいということで、いろいろ、いま話し合っております。いわゆる着任のときの抱負として、ロマンのある建設行政ということを言っておられる大臣でございますから、十分、話し合って来年ひとつ、その点の何らかの措置を二人で研究をして進めてまいりたい。大蔵省にも強力に働きかけるつもりでございます。
○深谷委員 長官の大変、力強いお言葉で大いに期待をいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。 工場振動についてお伺いしたいと思うのでありますが、この間の参考人もしくは日弁連等の意見の中にも、工場振動について、たとえば住民から苦情が出た場合、勧告、命令等で一時、工場の操業を停止さしたらどうだといったような非常に強い意見があるのですね。これも非常に問題だと私、思います。思いますが、こういう意見に対してはどうでしょう。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の問題は、一種の差しとめ要求でございます。この問題は、裁判におきましても、その差しとめ要求をするという問題は非常にむずかしい多くの問題がございまして、両者のこの問題の比較考量ということが入ってくるわけでございますが、この法律では、やはり作業時間を変更するというような程度のことということが、改善命令の中の内容として入っておりまして、実際いま地方自治体がやっておりますのを、いろいろ聞いてみますと、命令ではなく話し合いで実際は、しばらくとまっておるというケースは、もちろんございます。そういう意味で話し合いによって、そういうことができる場合には、これは別でございますが、この法律の改善勧告あるいは改善命令として一時の差しとめを命ずるということは、この法律の形からは、従来の騒音規制法と同様、やれないという形になっておるわけでございます。
○深谷委員 都道府県の条例でも従来から規制がありますね。そのわりには、この工場関係、改良がやはり、おくれていると思います。そのおくれた理由は、やはり工場関係者が、先ほどの建設業界と同じように中小企業が非常に多くて、みずから改善するには、力が余りにもなさ過ぎるという点にあると思うのです。今後これをさらに改良させて規制法に基づいて住民の環境を守るためには、相当これらの業界の人々に対する融資、指導、改良方法等についての育成もしなければならぬと思いますが、こういう点について、どういうふうにお考えになっておりますか。
○坂倉説明員 お答えいたします。 御指摘のとおり、この間、参考人が申し上げました鍛造品なんというのは一番、工場で騒音を出す業種でございますけれども、こういうものについては御指摘のとおり中小企業が非常に多いということで、技術的には機械をつり上げるとか、あるいは下の方に水を入れて振動を吸収するとか、いろいろなことをやることによって、ある程度、騒音を抑えることは可能ではございます。ですけれども、御指摘のとおり中小企業の場合は、かなり財政的、資金的な負担がございます。ちょっとした機械を改造するにも二千万円程度の費用がかかる等のことがございます。したがいまして、われわれといたしましては、中小企業者等がそういう設備をする場合に、いろいろな政府関係の金融機関等がございます。それによります低利融資あるいは、もっと抜本的な解決、と申しますのは、市内で、もう少し住民に迷惑をかけないような場所、まあ工場団地という形になるわけですけれども、そういうところへ移転をして、付近の環境と問題のない場所で操業する、これが一番望ましい形でございます。こういうものについても相当、資金がかかるわけでございますけれども、そういうものに対しては特に優遇した融資制度もございます。そういうものを活用して、なるべくこういう法律の趣旨を達成をするように努力していきたいと思っております。
○深谷委員 時間がありませんから急いで先へ進みますが、いまの防振対策の指導については、ひとつ鋭意、取り組んでいただきたいということと。それから建設業界と同様に、国務大臣として、それらの助成も含めた保護、育成のために、お骨折り願いたいということを申し添えておきます。 道路交通振動に関して、この間から、いろんな意見が出ているわけですが、先ほども、ちょっと触れましたけれども、たとえば環状七号線の住民の苦情の中に、さまざまな人体的な影響があるという話があって、その中で四十五デシベルぐらいの測定値であったというようなことがあったんですが、これはどういうことなんでしょうか。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御質問の、四十五デシベルぐらいのところで苦情があるが、どうかということでございますが、従来の学問的な調査研究の結果では、大体五十ということで普通、感じないというのが基本でございます。先ほど申し上げた、いろいろな調査の内容を見てみますと、騒音問題とか、ほかの要素が大きく出てくるということは一つございますので、その四十五デシベルというところの人が、実は、そのほかに騒音の問題が非常に大きいとか、あるいは大気汚染の問題があるというようなものと絡んで、非常に苦情を持っておられるというものも中にはございます。また、やはり心理的な影響ということになりますと、いろんなものに影響されてまいりまして、この調査研究の結果を見ましても、五十までぐらいは大体、音のレベルと関係のあるような形で出てくるのですが、五十以下ぐらいになると全く不規則なかっこうになりまして、どうも、あるルールをもって、それから以下もずっと出てくるということではないようでございます。そういう点で、やはり個人差や社会的な問題の相違というものもあり、ほかの汚染問題もあるので、そういうことが出てくるのではないかというぐあいに解しておるわけでございます。
○深谷委員 そうしますと、実験的な研究によって、この中公審の報告で出ているように、まあ六十デシベルでは睡眠に妨げにならない。五十デシベルぐらいなら、もちろん人体に影響ない、こういうふうに私たちは理解してよろしいでしょうか。
○橋本(道)政府委員 全く、そのように御理解いただいて適切なことであるというように存じております。
○深谷委員 道路の交通振動に関しては、道路管理者または公安委員会に対して改良の要請をするということになっております。そこで、道路行政の立場から建設省が一体このようなことに対して対応できるかという御意見を、まず伺いたい。
○浅井説明員 御説明いたします。 従来、国道等で調査した結果によりますと、舗装の路面の被覆によりまして、振動の軽減効果が大体五ないし十デシベル程度、それから舗装の打ちかえをやりますと、その効果が大体ならして十五デシベル程度というような数字も出ておりまして、路面を平らにし舗装版を固めることが、この振動に対する非常に大きな直接的な効果があるわけでございまして、こういった対策を中心にしまして、道路管理者としては、都道府県知事から道路管理者に対する交通振動防止に関する要請がなされた場合には、こういった軽減効果を勘案して必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○深谷委員 道路の現状というのは必ずしも十分ではないのですが、道路交通振動について要請がある。それにこたえて、たとえば舗装するとか、あるいは修繕をするとか、相当な費用と日数も要するのではないかと思うのです。こういう軽減策について、もう、いまからお考えになっておかなければならぬと思いますが、どのように具体的にお考えでしょうか。
○浅井説明員 御指摘のように、たとえば路面の被覆あるいは舗装の打ちかえというような仕事に限って試算してみましても、これは、いろいろな振動の測定方法などが従来、余り確立されていなかったというようなこともございまして、正確な調査ということではございませんが、ごく大ざっぱに推計いたしましても、当面の措置として二千億がらみの路面修復予算が要るのではないかというような計算も出ております。そうしますと、かなりな負担になるわけでございますが、当然こういった対策は、今後の道路行政の中で維持修繕費といったものに対する手当てを厚くしまして、管理体制の強化の中で措置していかなければならないというふうに考えております。
○深谷委員 同じような質問を、警察庁の方がお見えであると思いますので、伺いたいと思います。 いまのような要請があった場合に、当局としては、どのように対応していくのか、また対応を十分できるとお考えか、伺いたいと思います。
○福島説明員 警察といたしましては、道路交通振動に対しまして、交通規制によって、その防止または軽減を図っていくという考え方でございます。 従来からも騒音公害防止等の観点から、具体的には、生活道路における大型自動車の通行禁止また幹線道路等における最高速度の制限、大型自動車等の中央寄り車線通行の通行区分の指定などの交通規制を実施してまいったところでございます。これらの規制は振動防止につきましても効果があるというふうに考えられますので、振動防止の観点からも、さらに検討を加え、今後これらにつきまして必要な措置をとってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○深谷委員 交通規制で、さまざまな対策を従来も騒音で講じてこられたわけで、振動でも当然、講ずるわけですが、たとえば大型車は中央線を走らせるとか全体の車をスピードダウンをさせるとか、いろいろな方法があると思うのですが、具体的には、どういう方法でしょうか。たとえば、もう一つ交通管制センターのコンピューターを使った信号機の連動ですか、こういうこと等も含まれると思いますが、具体的に二、三その例を示していただきたいと思います。
○福島説明員 交通管制センターは、都市内に設置されております多数の信号機を、コンピューターによりまして面的に系統制御するシステムでございまして、これによりまして交差点における停止回数の減少を図る、一定の速度で安定して走行する、円滑に走行することができるというものでございます。交通の安全それから渋滞の緩和さらに騒音、振動、排ガス等の防止あるいは減少に顕著な効果を上げているわけでございますが、ただいま私、具体例につきましては、ちょっと手元に資料を持っておりませんが、現在、全国三十一都市に整備されておりまして、ただいま申し上げましたような面につきまして相当、効果を上げてきているところでございます。これらにつきましても振動防止の規制の対策の一環として考慮してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○深谷委員 スピードダウンという点も限界があると思いますね。つまり余りスピードダウンさせてしまうと交通渋滞で、排気ガス等かえって公害がふえるということになってくると思います。いま都心部では四十キロに制限しておりますね。これよりも、さらにダウンさせるということは、そういう点から考えて無理ではないかと思うのですが、その点お考えをひとつ聞かせておいてください。
○福島説明員 速度を低く抑えました場合には、振動及び騒音の軽減には効果が見られるという反面に、一般的には一酸化炭素が、高い速度の場合に比べまして多量に排出されるというふうに言われているわけでございます。したがいまして、排ガスへの影響また交通渋滞の影響等を考慮いたしますと、幹線道路におきましては時速四十キロの速度規制というのが一応、限度ではなかろうかというふうに考えられているわけでございます。したがいまして、先ほども申し上げましたが排ガスにつきましては、発進、停止の回数が多いというところにも問題がございますので、交通管制センターの制御等によりまして信号機を系統化する、これによって円滑な走行を図るということも加味いたしまして、実情に即した速度制限の運用に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○深谷委員 時間がありませんので最後に、国鉄の関係の方お見えだと思いますが、お尋ねします。 国鉄当局は今回の指針値について、どういうふうにお考えか、対応できるかということ、それをひとつ伺います。
○吉村説明員 お答えをいたします。 国鉄といたしまして、新幹線に七十デシベルという緊急指針が出ましたことにつきましては、かなり厳しい線だと感じておりますが、この種の外にかけております御迷惑を除くという線からは、真摯に取り組まなければならないことだと基本的に思っております。 従来から、つくります段階、運営を始めました段階でも運営をやっております段階でも、振動あるいは、これと同時に発生しております騒音の防除につきまして努力してきたところでございますけれども、残念ながら、まだ、かなり多くの御迷惑をかけておるということでございまして、今回の七十デシベルという線が、なぜ厳しいと感じているかという点でございますけれども、対象家屋として、東海道を例にとりまして約一万戸くらいになると想定をしております。相当の数でございまして、これを緊急にやれという御命令でございますので、かなり厳しいというふうに考えておりますが、さらに、この種の鉄道振動の問題は、その原因が非常に多く、地盤に起因をするわけでございまして、地盤のいいところでございますと、まあまあでございますが、地盤の悪さというのばかりは、なかなか大きな振動がとまらないというのが実情でございます。したがいまして、既設の新幹線につきましては、いまから構造物を基本的に直すとか、なかなかできないわけでございまして、やはり外のおうちに対しまして障害防止工でございますとか、あるいは移転ということを今後、急速に講じていきたいと考えております。四月の二十六日付で環境保全部が新設されまして、私それに当たりまして鋭意、今後進めていく所存でございます。 なお、振動の問題は先ほど申しましたように、騒音とも非常に深い関係がございまして、この方につきまして、すでに規制値をいただいておりますので、これと総合いたしまして今後の対策を急速に講じていきたいという所存でございます。
○深谷委員 もう一点だけ伺っておきます。 大体、新幹線の場合に七十デシベルという指導値がきついということをお話しになったのですが、そうしますと、かつて阪神三市、西宮等ですね、あそこと結んだ覚書で〇・三ミリ、六十デシベルを守るとあるのです。七十デシベルで、きついというのに実際に覚書で六十デシベルと約束しているのですが、これは実際に可能なんでしょうか。そしてまた約束を守っていくおつもりなんでしょうか。
○吉村説明員 阪神三市の場合、尼崎の東部の神崎川寄りの一部を除きまして、先ほどお話し申し上げました中で申し上げたところでございますけれども、地質は土木的に見まして平均して、いいところでございます。すなわち、後ろの山から流れ出ました土砂が洪積層として沖積しておるわけでございますが、その土砂の質がいいために比較的、土木的にはいいところでございます。 御承知のように、この阪神三市間につきましては四十一年以来、激しい反対運動が起こりまして、いろいろお話を申し上げて進めてきたわけでございます。実は私、その当時の工事の担当工事局の次長をしておりまして、これらの経緯につきましては詳細みずから、やったわけでございますけれども、覚書の中で直接〇・三ミリ以下にするということは、若干その当時の各種の経緯から、真意と違っておるわけでございまして、決して、いまさら、それを強く否定をし、やらぬということを申し上げておるわけではないのでございますが、当時といたしましても〇・三ミリというものに向かいまして努力するということを申し上げておるわけでございます。その当時のことでございますので、振動の研究あるいは測定というようなものにつきましては、その水準が今日よりは格段にプアでございます。その中で各種の研究をいたしまして、さらにマイスターの感覚値というようなものから見まして、人体にほとんど感じない程度にする、それは目標としては〇・三ミリ・パーセックに近づけたいのだということを申し上げたわけでございます。 残念ながら一部につきましては、その数値を超えております。現に、現在はかりましたデータの中で申し上げますと、五十年六月に実施したものでございますけれども、側道の端で三分の一ぐらいは〇・三ミリ・パーセックを割っております。一番、大きなものは〇・六六ミリというところが一カ所ございます。そのほか、この種の測定をずっとやっておりますが、先日もお話がありましたように、測定技術と申しますかコンディションが非常にむずかしいために値が、かなり、ばらつくものでございますが、いま申し上げたのが一例でございまして、平均値として三十点ばかりの測定点の算術平均が〇・三三、少しお約束値を超えておるというのが実情でございます。今回、出ました数値と比べれば、その中で、ある程度その当時、担当者としましても努力したことをお認めいただけるかと思うわけでございますが、ある意味で申しまして、お約束を申し上げたのに対しまして超えているということは、きわめて残念だと思います。今後とも、この種の問題は、単に値が出たから、それでいいというものではございません。あるいは、いろいろのお申し出があることも承知しておりますので、十分さらに地元の方々とも、ひざを交えて接触し、害を除いていきたいという所存でございます。
○深谷委員 御注意願いたいのは、激しい住民運動が起こるからといって、不可能な約束をやって、その場だけをしのぐというようなことは、かえって住民にマイナスでありますので、そういう意味では、じっくり住民とひざを交えて、よく協議するように今後ぜひお願いをいたしたいと思います。 時間でございますので、以上で質問を終わります。
○吉田委員長 深谷隆司君の質問は終わりました。 次は、岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 私は、この法案が、振動に対する規制を通して生活環境を保全し、国民の健康の保護を目指そうとするものであることや、特に、国際的にも先進的な対策を進めようとする意欲があるものだということを否定するつもりはありません。しかし、内容をしさいに検討してみますと、公害対策基本法の「国民の健康の保護」は言うまでもありませんが、「人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。」と明記された「生活環境の保全」とは、かなり、どうも距離があると指摘をせざるを得ないのであります。特に工場振動の規制値や、あるいは建設作業の振動の基準値、道路交通振動のいわゆる要請基準、さらには新幹線鉄道振動の指針について、きわめて不十分な対策になっていることを遺憾に思うのであります。 たとえば、それを例示的に申しますと、要約でありますが、工場振動については夜間五十五ないし六十デシベルとなっているけれども、いまも、やりとりがありましたが、地方自治体では五十デシベルと、法律を上回る値が定められて、それに基づいて指導をしてきている経過から見ると、実情にそぐわないのではないだろうかという点や、あるいは建設作業振動の基準が、やっぱり甘過ぎるのではないか、特に七十五デシベルを超える作業も、一日に四時間に短縮すれば認められるというような例外規定があるわけであります。あるいは参考人の意見陳述の中でも問題になったブルドーザーの振動が対象外になっているというようなこと、あるいは今度、道路交通振動について申し上げましても、幹線道路については基準値が緩和できるというふうなことになっている。新幹線について言っても、対策指針というのは現実の被害を受けている国民の気持ちからすれば少し甘いのではないだろうか、あるいは違反に対する直接強制措置というものが欠落をしていやしないだろうか等々、全体的に見て都道府県の公害条例の振動規制よりも甘くなることは、どうも避けられないのではないだろうか。特に、いまもやりとりがありましたが、地方公共団体の上乗せ条例が不可能になるというような問題点を強調せざるを得ないのであります。そういう意味で、この規制値あるいは基準値、要請基準あるいは指針、大変どうも、ややこしい言葉の羅列でありますが、この指針というものが、目指すべき目標に対応するものであるよりは、むしろ現実にどうやら、おもねると申しましょうか、現状の数値や時間区分に合わせるものになってしまっているような気がしてならないのであります。むしろザインとゾルレンとの乖離を問題にせざるを得ない気持ちなんであります。中公審も環境庁も、公害対策基本法と、この法律の距離を承知しつつも、応急措置といいましょうか、緊急避難の対策として経過措置や基準値というものをはじき出したのではないだろうかと推察をしますけれども、率直に申し上げて、そのように考えてよろしいかどうか。もし、そうだとすると、その応急処置の要件というものを率直に、ここで明らかにしていただきたいと思います。
○小沢国務大臣 総括的に私からお答えいたしますと、おっしゃるように確かに、いろいろな点を挙げられまして、どうも少し現実に妥協し過ぎたのではないかとおっしゃるかもしれませんが、われわれは振動公害に悩む住民の問題を一日も早く解決をしてやりたいという気持ちから、いわば緊急対策として、この目標値を決め、そして、いろいろな現実の技術開発の問題なり、あるいはまた住民の利害と密接に関係する、いろいろな建設工事なり等の調和をも考えながら、何とか、ひとつ緊急対策として、この振動公害というものに対する対策をとっていきたい、こういう気持ちからやったわけでございます。 大体、環境基準というものは望ましい環境基準という考え方で統一をされてきたわけでございますが、そういう面から言いますと、おっしゃるような欠点はあるかと思います。あるかと思いますが、しかし、こういうような初めての規制をやる場合には、現実にある程度、妥協していくこともまた、やむを得ない面があるということは、これはひとつ御理解をいただきたいと思うのでございますし、また地方庁との関係においても、本当によく打ち合わせをいたしましたが、やはり大部分の地方庁では、ぜひ国の統一した、こういう規制を考えてもらいたい。ある県とある県では非常に態様が別々で、まちまちだというようなことになっては、かえっていかぬし、また超えるものもあり、また、それ以下のものもあるというような現状から見ますと、二年半ばかり中公審の専門部会がいろいろ検討して、これがやはり今日、考えられる相当、前進した、緊急対策としては妥当なところじゃないか、こういう判断をされたわけでございますので、いろいろ今後とも、もちろん検討を重ね、技術開発の状況等もにらみ合わせながら、また、それを促進しながら、理想的な目標に向かって前進をしたいと思いますので、今回のところは、ぜひ、ひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。
○岩垂委員 言葉の揚げ足を取るつもりはございませんが、環境庁は、この基準値には、つまり満足してないものだ、まだまだ十分やらなければいかぬ、しかし、とりあえず、こういうことで応急措置として、その要件を満たすためにということで一定のプログラムを、やはりお持ちだろうと思うのです。その意味で大臣もし、あれでしたら担当の局長で結構ですが、そういう応急措置というものの内容というか気持ちを率直にお聞かせ願っておきたいと思うのであります。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の点に対する大臣の御答弁が基本的な考え方でございますが、少し具体的な問題になりますと、少なくとも工場の振動につきましては、これは現在の時点で、われわれは最善のものである、こういうふうに思っております。 ただ、いまの段階で新幹線の問題が入ってない、この法律をつくりながら入ってないじゃないかという御指摘は、恐らく岩垂先生の非常に大きなポイントではないかと思います。この点は、先ほど国鉄の環境保全部長さんからのお話にもありましたが、新幹線の騒音の環境基準を決めまして、一番激しい八十ないし八十五ホンのところを三年以内にちゃんと直すというのが、もうすでに一年、来ておるわけでございます。それで、その地帯は実は振動も非常にある。その場合に騒音の方だけで防音工事をやったところが、振動の方が非常にひどくて、また別に家をつくり直したり動かしたりしなければならぬ、これは何と見ても非常な不経済で耐えられない。やはり、まず一番ひどいところの三年のときには、騒音と総合的に対策を打つのが一番必要ではないか。ところが、その沿線の地方自治体の条例のはかり方や数値が、いろいろ、まちまちであるし、何とか、これを一つの統一したものに持っていかなければならない、そのような非常に差し迫った要望がございまして、そういう意味で新幹線は実質的には無理なので法律規制にはなりませんが、当面、緊急に講ずべきことということで、七十に満足しておるわけではございません。しかし、先ほどの三年以内にというところの、むだな二重投資を省くために、こういうことが行われたということが一点ございます。 それから、もう一つは道路の方でございますが、道路は従来、一番公害問題の苦情の多い、裁判まで起ころうというようなものでございますが、道路の方では、先ほど、ちょっと答弁で申しましたように、苦情というのは騒音と振動と排気と三つが重なっておる、そのほかの利便も重なっておるということでございまして、なかなか、むずかしいところがあるのでございますけれども、やはり道路公害というのが一番大きいので、とにかく非常にひどいものを、まず、ちゃんとすることが大事ではないか。委員の先生方も、いろいろな議論をされましたが、やはり本当にひどいところを、きっちり直すような手がたい行政をするのが、まず第一だ。そういうことで、まず答申にございますように住居地域関係では昼間六十五、夜間六十、商工業地域では昼間七十の夜間六十五、少なくとも、その上を超えるものは、それを直してやっていく。これとても相当、莫大な金額を要するわけでありますが、ただ騒音の場合と違って道路は、舗装をしたりするということによって、かなり、よくなることもあるわけでございます。これは騒音と、ちょっと様相が違います。そういうことで従来、自治体もやってない、しかし問題は非常にひどい、一体的に解決していかなければならない。まず、そのような要請限度を決めて、やっていくようにしたらどうかということで今回の答申があり、それを受けて国としての各省とも折衝いたしまして、今回の法律の提案となったということが実際の実情でございます。
○岩垂委員 いまのお言葉を伺いますと、それならば、全部ではないのですけれども応急対策の完了をめどにして、本来の公害対策基本法の立場に立つ規制基準といいましょうか、そういうようなものを再検討することを予定をしているものだ。しかも、それは応急対策という一つのめどを考えているわけですけれども、そういうふうに当然のことながら理解してよろしゅうございますか。
○橋本(道)政府委員 先生の御指摘のような意識がございまして、ただ、これらの工場の場合は、われわれは、そういう意識を持っておりません。工場の場合は持っておりませんが、特に道路などは、これだけでも、きっちり、まず直してしまわなければだめだということでございますので、これがちゃんと直れば、先ほど建設省の方からも御説明がありましたように、どれぐらいの程度によくなるのかというお話を聞いていますと、五デシベル、十デシベル、ものによっては十五デシベルよくなるとか、いろいろあるわけであります。そうすると、この限度値の上のところから、それぐらい引いていきますと、かなり低いところになってくるということでございます。そうすると、やはり七十ぎりぎりぐらいの、かからないというところの中にあって、直せば、わりによくなっているというのがあるわけです。当然に、それをちゃんと完了すれば次の段階があるということと、決して、このような限度を新しい道路とか、そういうところにやるような筋合いのものではないというぐあいに思います。また新幹線につきましても、委員会の答申の中でも、そういう点をはっきり指摘しておるわけであります。
○岩垂委員 私が申し上げたかったのは、実は、この法律を一遍つくってしまいますと、それが未来永劫に一つの許容限度、権利みたいな部分になってしまって、そして、それが改善措置というものに対してつながっていかない、こういう懸念がございましたので、この法律が持っている、これは応急対策、緊急避難だ。特に新幹線などについて言えば、あるいは道路について言えば、本当にひどいところを、とにかく直していくのだということであるとすれば、その応急対策の完了をめどにして、やはり基準なり規制値なりというものを見直していく。当然のことなんでありますけれども、環境基準の方向を目ざしていってほしいという気持ちを申し上げたかったからであります。 さて、次に進みますが、振動というのは多くの分野で騒音と発生源が共通であることは言うまでもありませんし、騒音の問題は、この委員会でも、すでに審議が終わっているわけでありますけれども、質問が、どうも振動だけではなくて騒音問題にも関連をせざるを得ないということを、最初にお断りをしながら、道路と新幹線のことを中心にして関係当局の御意見を伺いたいと思うのですが、最初に建設省に、お尋ねをいたしたいと思います。 振動、騒音について生活環境を保全する場合に道路行政のあり方が問われていることは、もう申すまでもないと思うのであります。特にこれは、たしか大阪国際空港の判決によって、たとえば損害賠償とか、あるいは差しとめが認められた時点で、建設省としても、これまでの、いわば道路建設至上主義、そう言うと言葉が過ぎるかもしれませんが、そういうものの方向転換をしなければならぬ、こういう認識に立って、たとえば緩衝緑地帯制度を初めとする、さまざまな公害対策といわれるものを続けてこられたということを私も承知をいたしております。 そこで伺いたいのですけれども、この中公審の答申の中にある「道路交通振動について」という項目は、もうすでに御存じだと思うのですけれども、念のために申し上げますと「道路交通振動については、道路構造の改善、緩衝地帯の設定、沿道地域の改造、交通規制及び交通管制、自動車構造の改善等各種の施策を総合的に推進する必要がある。また、道路の新設に当たっては、路線選定、道路構造等に関して環境影響評価の実施を更に推進する必要がある。更に、幹線道路沿道地域の立地規制に関する所要の法制度について検討する必要がある。」こういうふうに述べているのであります。この中で建設省は道路行政上どんな対応、対策を、これから具体的にお進めになるおつもりか、この点を最初に伺っておきたいと思います。
○中村(清)政府委員 お答え申し上げます。 道路関係の公害につきまして、どういう対策をやっているかということにつきましては、大体いま先生から御指摘があったようなことに尽きるわけでございますが、再度、私の方からお答えを申し上げたいと思います。 自動車交通に伴う騒音とか振動あるいは排気ガスといった交通公害に対処いたしますために、どういう手を打っているか。道路側の対策としては、いま、おっしゃったようなことがございますが、総合的には、たとえば自動車構造の改善であるとか、あるいは都市の再開発の推進であるとか、あるいは交通規制の強化とか、あるいは道路構造の改善といったことがあると思います。 そこで、道路側の対策としましては、どういうことをやっているかといいますと、まず第一番目に、たとえば大都市の周辺におきまして、これは非常に通過交通が多うございますし、それから、その中で発生する交通量が相当多い。これをさばくためには、まず環状線をつくるとか、あるいはバイパスを推進するといった問題が一つの問題になっています。それから幹線道路の整備に当たりまして、良好な住宅地を形成するといったところは、できるだけ避ける、まず計画の段階で避けるということを考えておりますが、どうしても、そこを通らなければいかぬという場合もございます。そういった場合には、たとえば掘り割りの構造にするとか、あるいは高架構造にするとか、場合によれば、立地条件にもよりますし一定の条件がございますが、十メートルなり二十メートルという緩衝緑地帯というのを道路用地としてとりまして、そこに遮音壁なり植樹帯をつくるといったことも考えております。それから、一般的に既設の幹線道路の沿線で騒音が非常にひどいといったところにつきましては、遮音壁をつくるといったこともやっております。それから、道路管理を強化しまして、路面をできるだけ良好な状態に保つように、しょっちゅう維持管理をやるということもやっております。なお、先ほど触れましたが、良好な道路環境を維持するといった意味合いから、道路の緑化対策を推進するということもやっております。 また最後になりますが、いま申し上げましたのは大体、道路構造上どういう対応をするかといった問題でございますが、今度は沿道対策としまして、一つの方法としまして防音助成を今度からやろうかということを考えております。どういう場合に、それをやるかといいますと、これは、いま基準をいろいろ考えて検討中でございますので、はっきりしたことは、まだ申し上げる段階ではございませんが、一例としましては、たとえば交通規制策が非常にとりにくい、そこで沿道の住民の方から非常にやかましいというふうなお話があって、しかも沿道の住民の方が直接、利用できないような通過交通が多い高速自動車国道あるいは有料の自動車専用道路といった周辺で、騒音の影響が特に強いといったところにつきまして、新たに防音工事の助成をしようということで、これは目下、基準を検討中でございます。 大体、以上のようなところでございます。
○岩垂委員 防音助成の問題なんですけれども、いままでは必ずしも個々の家に対する防音助成というのはしてなかったと思うのですが、これから、やっていくということはいいことなんですけれども、五カ年計画で、公団のすでに供用している道路の沿道に限って、夜六十五ホンを超える家屋約六千戸に対して、二重窓の設置や換気装置など必要な防音工事をする費用を助成をする、こういうことだろうということなんですけれども、実は予算審議が十分、行われていなかった関係があって、どうも必ずしも理解が不十分だと思うのですが、今年度どんな計画で、どこで、どのくらいの規模で、おやりになるおつもりか、この機会に明らかにしていただきたいと思うのです。
○中村(清)政府委員 先ほど申し上げましたように、まだ基準を検討中でございますので、確定的なことを申し上げられないのは、ちょっと残念でございますが、たとえば五十一年度の事業費でございますが、環境施設帯等の費用としまして道路公団では百五十八億ほど用意をさせていただいておりますが、これは細かい内訳を持っておりませんので、大体の推測でございますが、道路公団の分としましては、そのうち約四億くらいのお金が防音助成の方に回ると思います。 なお、首都高速道路公団なり阪神高速道路公団では、それぞれ七億なり六億という予算を用意しておりまして、合計で道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団を含めまして約十七億というお金を用意しております。
○岩垂委員 十七億といいますと、対象戸数六千戸の何%くらいに当たりますか。何戸くらいになるか見当がつきますか。
○中村(清)政府委員 大体、数百戸程度になるかと思います。 それで先ほど、ちょっと御答弁が漏れましたが、どういう場所を考えておるかというお話でございますが、たとえば東名高速で言いますと、川崎の料金のバリアーがございますが、あそこに南平台という住宅がございますが、あの辺の騒音のひどいところ、道路に面した方などは一つの候補になるかと考えております。
○岩垂委員 川崎だけじゃなくて、たとえば首都高速と並行する国道二百四十六号の高架部分、三軒茶屋あるいは用賀の間とか、あるいは阪神でいえば西宮、芦屋、尼崎など、かなりひどいと言われている地域は、優先的に考えるというふうに理解してようございますか。
○中村(清)政府委員 大体の基準としましては、夜間で六十五ホンを超えるというふうな地域につきまして、これは予算との関係もございますけれども、重点的に実施をしてまいりたいと考えております。
○岩垂委員 これは騒音のことで大変、恐縮ですが、実は振動とも深い、つながりがあるものですから伺うのですが、周辺住民に対する手だてというものは当然なさなければならない。その措置が大変おくれているというふうに私は思うのですけれども、率直に言って、いままでは、いま道路局次長が言われましたように、道路に遮音あるいは防音壁を設ける、あるいはオープンカットの道路をつくるとか、あるいは植樹帯を設けて住宅との距離を置くとかなどのことをやってきたことは、大変どうも十分ではないと思いますが、承知しております。初めて今度、沿道の家屋について防音工事などの助成をすることになったわけでございますが、これは具体的には二重窓をつくるとか、あるいは換気装置を助成するとか、そういうことなどを含めて、個々の家に助成をするということになりますか。
○中村(清)政府委員 仕事の中身としましては、たとえば民家で二重窓の工事をされる際に助成をする、あるいは、その助成工事だけでは、まだ騒音が依然として直らないというふうな場合には、どこかに移転をしていただく、その移転工事の助成も考える。それから移転された後の跡地の買い取りといったことまで考えております。
○岩垂委員 しかし、いまお聞きした金額というのは大した金額ではないのですけれども、主として防音対策、遮音壁装置などを含む対策だというふうにも、ちょっと聞いているのですけれども、その点は間違いでしょうか。 それともう一つ、実は川崎なんかでは地方自治体で、それをやってしまっているんです。そういうケースは、たとえば地方自治体との話し合いを通して、いままで、すでに先取りをしてきた、つまり住民の要求が非常に強くて、それに対応してきた自治体の努力、そういうもの等も十分、考慮して、それらの努力と実績を考慮して今度の助成措置の中に含めていくというふうに、当然のことだけれども理解をしてよろしゅうございますか。
○中村(清)政府委員 自治体等で、すでに、ごめんどうを見ていただいた分につきましては、これは予算制度上の問題がございますから、ちょっと、いろいろ検討すべき問題があるかと思っておりますが、先ほど申し上げました約十七億という数字の中には、遮音壁を設けるとか、そういうお金は、これは別になっております。
○岩垂委員 遮音壁といっても窓の方ですよ。
○中村(清)政府委員 再度、申し上げますと約十七億ということで、三公団で申し上げましたが、その中には、たとえば二重窓をつくるというお金が入っております。それから、二重窓だけでは騒音が依然として減らないという場合には、どこか騒音の少ないところに移転をされる、この移転工事の助成の費用も入っております。それから、移転された後の跡地の買い取りというところまで含めまして十七億ということでございます。
○岩垂委員 これは日本道路公団の予算になるのかもしれませんけれども、いま、たとえば住宅地において昼間六十ホン、朝夕五十五ホン、夜間五十ホンという、いわゆる道路の騒音に係る環境基準は、ほとんどの道路が、たとえば東名も名神の場合も環境基準を上回っておりますね、これは御存じだと思うんです。もちろん要請基準というのがありまして、それよりも、かなり緩くなった昼間七十五ホン、朝夕七十ホン、夜間六十ホンというふうになっているわけですが、この要請基準を上回る緊急地区の対策というのは大体、対策が終わったというふうに承っております。これから環境基準のクリアーを目指して遮音壁装置を全般的に対策をしていくということも承っているのですが、それらは詳細お持ちじゃございませんか。道路公団の予算関係たとえば四十五億でという話も、ちょっと仄聞をしているんですが、その辺についても、ぜひ環境基準のクリアーを目指して日本道路公団が実際的に措置をしていくという方向を、この機会に明らかにしてほしい。ことし、その対策がどのように行われているか、この辺もお聞かせ願っておきたいと思います。
○中村(清)政府委員 道路公団なり首都高速道路公団あるいは阪神道路公団で、いろいろ事業をやっておりますが、事業をやります際に、先ほど御指摘がございました公害関係に注意をして、できるだけ、そういう問題が起こらないように配慮していくということで、ずっと仕事をやっておりますが、さしあたり五十一年度につきましては環境施設帯等ということで、これはくくっておりますので、環境施設帯をつくる経費のほかに、たとえば遮音壁をつくるとか、いろいろな、そういう公害対策用の費用を全部ここに含めておりますが、道路公団で申し上げますと、五十一年度が百五十八億でございます。それから首都高速道路公団が約二十九億です。それから阪神高速道路公団で約三十五億五千万という事業費に相なっております。
○岩垂委員 どうも建設省との打ち合わせが十分でなかったので、あれなんですけれども、とにかく振動対策と関連して騒音問題というものを、この際、積極的に対策をしていくということについて、私どもの方からも、たとえば、この法律が通ったって、きちんと、そういう道路の対策ができてないと、もちろん自動車の対策も必要なんです。その方が先かもしれませんけれども、そういう対策がないと、幾らつくってみても、受けざらがきちんとしていませんと、単なるお説教の文章になってしまう、こういうふうに思うわけです。だから、いままでの、そういう道路行政のあり方を問い直してみるという姿勢も含めて、この機会に大変くどいようですけれども御答弁を煩わして、あとは、その次に移りたいと思うんです。
○中村(清)政府委員 簡単に申し上げますと、公害対策を推進しまして、できるだけ環境基準を実現していきたいという方向で、今後とも仕事を進めてまいりたいと考えております。
○岩垂委員 次いで環境庁に、ちょっと伺いたいのですが、環境影響評価法案の扱いを伺いたいと思うんです。この法案の国会提出がおくれておりますけれども、おくれておる事情をお聞かせいただきたい。あるいは通産や運輸や建設などの調整は、もう終わっておるのかどうか。この辺にも問題があるというふうにも承っておりますし、産業界からは、どんな意見が述べられているかということを、この前、島本さんがたしか伺っていますけれども、重ねて、この法律との関係もございますので、この際、御答弁を煩わしたいと思います。
○小沢国務大臣 はなはだ、おくれておって残念に思っているわけでございますが、各省調整が実はなかなか容易でございませんで、全般的に実は非常におくれているわけでございます。鋭意、最後の努力をいたしておるところでございまして、各省の御理解を得て、できるだけ早く法案としての私どものまとめにかかりたい、かように考えているわけでございます。経済界とは私どもは、もう接触をいたしておりません。
○岩垂委員 国会、終わってしまうわけです。この段階で、まだ出ないわけです。長官が決意を述べられた方針の中にも、この国会でという、そういう気持ちがあったわけでございますから、各省調整の中で、どんな問題が、むしろ問題になっているのかということを、これは率直に、この際、承っておきたいと思うんです。
○小沢国務大臣 詳しいことは、もし、あれでございましたら局長、来ておりますから、あれですが、たとえば各省庁のまず第一におっしゃることは、環境影響評価の手法並びに評価基準というものが、まだ本当に科学的に明確になっていない段階ではないか、そういう御指摘が強く、まず第一点でございます。 それから、やはり社会的、経済的環境上のいろいろな配慮をした上での総合的な判断というものをやっていかなければいかぬのだが、環境問題だけの考え方が先行し、あるいは、これが偏重するというようなおそれはないかというようなこととか、あるいは住民の意見のとり方等について、やはり問題点が多々あるのではないか。それから、各省庁がそれぞれ独自で、先ほど言いましたようなアセスメントのやり方あるいは、そうした方法等について、いろいろな審議会なり、あるいは関係各省のそれぞれの専門機関ございますが、そこで、いま研究をどんどん進めているところだから、もう少し、それらの結論が出るまで検討を延期したいとか、いろいろな基本的な事項について、あるいはまたアメリカのやっている制度というものと比べて、いろいろな点の内容の違いがあるのではないかというようなこと等につきまして、各省庁の意見がいろいろございます。これらについては私ども、よく一つ一つ解明をいたしまして理解を得るように、もう何回かやってございまして、それらの調整を十分、図っていく、御理解を得ていくという努力を、いま、いたしている最中でございます。
○岩垂委員 ちょっと、くどく聞いて恐縮なんですけれども、私の理解では、たとえば、いま長官のおっしゃった言葉というものを拝聴していると、主として通産、運輸、建設などのところの各省の間に特に、いろいろ問題がある、強い意見がある、こんなふうに理解してよろしゅうございますか。
○小沢国務大臣 いや、その三省だけではございません。もう各省全部にまたがるものでございますから、決して、その三省に限っている問題ではございません。
○岩垂委員 限ってはいないが、それも有力な、それぞれであるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○小沢国務大臣 それはもう、そうでございます。
○岩垂委員 それでは運輸省に伺いますけれども、運輸省は環境庁の、このアセスメント法案に対して、どのように答えていらっしゃるか。それから環境庁のそれに対して運輸省は、どんな見解を持って折衝に当たっておられるか。特に、その手法と手続の問題のところに恐らく大きな問題があると思うのだが、率直な見解を、この機会に述べていただきたいと思います。
○阿部説明員 担当審議官が、ちょっと運輸委員会の方におりますので、かわりまして私から事務的な答弁をさせていただきます。 環境影響評価法案、まあ中公審の専門委員会のまとめをもとにしました考え方というものを環境庁から伺っておるわけでございます。私ども運輸省といたしましても、四十七年の閣議了解に基づきまして、それ以後、所管する事業につきましては鋭意、環境保全対策ということを強化しておるつもりでございます。たとえば四十八年には港湾法あるいは公有水面埋立法の改正をいたしまして、そういうような計画の策定の段階に環境保全の配慮をいろいろ加えていく。あるいは埋め立てにつきましては計画の告示、縦覧というような制度を設けますとか、そういうことを進めてきております。また飛行場などにつきましても、設置の許可の段階におきまして被害関係者に対する公聴会という制度もございますし、このような個別法における体系のもとで環境評価、環境対策というものをあわせてやっていく、あるいは、それを強化していくということが、基本的にわれわれの進めるべき方向じゃないかというふうな考え方を一つ持ちましで、そのような問題提起を環境庁の方に申し上げております。 また、独自の制度を考慮するにいたしましても、やはり評価する以上は、評価の基準というものは、客観的といいますか、科学的に、ある程度、合意されたようなものができる必要があるのではなかろうか。環境基準ができました項目につきましては、当然それを目標に各種の計画を進めるわけでございますが、その他まだ、そのような合意されたような基準ができていない問題も現在なお多くございます。現在、不足している部分につきましては、まさに、そういう問題だろうと思いまして、われわれも、そういう問題についての研究を鋭意いたしておりますが、やはり統一的な制度、手続というものを設けるに当たりましても、そのようなものが並行的に確立される必要があろうということ、そういう意見を申し上げております。 また、住民との関係、これはまた一つのポイントというふうに、われわれも考えておりますが、国の行政機関が住民と直接、関係を持つという形のやり方がいいのか、住民の意見というものは、やはり地域住民を代表するものは地方公共団体であると思いますし、地方公共団体の場を通じまして、やるというような方向が、むしろ現実的ではないのだろうかというような考え方も、問題点として提起いたしております。 いずれにいたしましても基本的な方向としまして、われわれ鋭意、検討しておりますが、手続法だけが何か先行的にいくことについては、やはり問題があろうというような認識を持ちまして、現在、環境庁とのお話を進めておる段階でございます。
○岩垂委員 私、運輸省に聞きたかったのは、この振動法案を議論したって、あるいはまた騒音のことを決めてきたって、公害対策基本法というのは、どこに位置をしているのだということに対する認識がきちんとしませんと、それはまちまち、ばらばらになっちゃうのですよ。そして、それぞれの個別法があるから、いいじゃないかという説もあると思いますけれども、それで果たして現実の住民なり国民の要求、健康被害、そういうものについてこたえきれているのか。きれていないから、もっとグローバルな形で考えなければいかぬということを言っているわけなんです。とりわけ、その住民参加の形なんですけれども、やはり被害者がいるわけです。当事者がいるわけであります。むろん自治体の配慮というものも必要でしょう。しかし、その被害者という当事者を抜かした、たとえば住民参加とか、あるいは、そういうアセスメントに対するいろいろな手法、手続、これで十分、満足できるはずはないのであります。少なくとも環境行政というものが今日まで定着してきた、最近は、やや後退し始めているという説もありますけれども、私も、ちょっとその嫌疑を持ちますが、それはそれとして、今日まで定着をしてきた公害対策基本法の筋道というものをグローバルにカバーしていく、いわば、そういう手法と基準、つまり手続と言われるものを求めなければならぬ。そこのところは運輸省として、一体そういう考え方に対して、いま言われた形だけでは、四十七年の閣議了解に基づいてと、こう、さらっと言ってみたところで、私ども、これでも不十分だと言っているわけでありますから、まあ島本さんの法案が出ているのですけれども、それは別として、そういう状況のもとで、やはり運輸省の態度というものは、きわめてけしからぬと私は思うのですが、この点もう一遍、御答弁を煩わしたいと思います。
○小沢国務大臣 ちょっと各省別におっしゃいますと、私どもに対する運輸省なり、あるいは、それぞれ各省の回答が先生に返ってくるだけだと思うのでございます。私は、この問題は必ず調整ができると思っております。環境アセスメントは現実にやっておりますし、また、やらなければならないわけでございますし、ことに、そういうような住民参加の手続がないところに、かえって混乱を起こすという点もございますので、私は、だんだん理解を深めていけば必ず御理解を得て、この統一した基本法ができ上がっていくだろうと思っております。また、そのために最善の努力をいたします。 ただ、要するに日本では行政手続法というものはないのです。これが今度初めて、いわば環境アセスメントということで出てきたわけでございますので、そういう初めての行政手続法的なものに対する、いろいろな、いままでの現業官庁の御理解の不足、不安というものがございますので、そういう点の理解を得、それから積極的に協力をせしめるという努力は、やはり相当、時間をかけなければいかぬ。これはやはり日本の現状ではないかと思うのです。 私は、実は昨年、着任しましたときに、環境問題あるいは原子力の問題その他について非常にティピカルに行政手続の問題が問題になっておる。これはやはり日本全体として行政手続を何らかの意味で、相当、識者を集めて二年ぐらいかかって、日本としても行政手続法というようなあり方に検討を加えるべきじゃないかという意見も、実は内閣には出してございます。ですけれども、これは相当、行政の経験者あるいは民間の学識経験者あるいは学者等を集めて、相当の時間をかけてやっていかなければいかぬ問題でございますので、そういうような状況の日本の行政というものを考えますと、行政手続法の一つであるこの問題は、現業の、いろいろ実際やっておられる官庁は多種多様でございますし、それぞれ運輸省の中でも飛行場と港湾と、それから埋め立て、あるいは、その他の問題、それぞれ、やはり地域のいろいろな特殊性がございますので、なかなか理解が進んでいかないわけでございますが、しかし、どうしても環境問題というのは、やはり、それが一番必要な行政でございますので、どうせやるのなら、各省が、それぞれの個別法でやるのでなくて、統一した一つの基準を持っていくべきじゃないか。しかも、それをやる際に、社会党、公明党さんの法案等もございますし、また、いろいろ各団体等の意見もございますが、そういうような現状から考えますと、十全の法案でなくとも一応まず、国が関与するような相当の規模の開発行為から、これを進めていったらどうだということで、いま、せっかく努力中でございます。ひとつ、もうしばらく猶予をいただきたいと思います。
○岩垂委員 これはアセスメント法の審議をしているわけじゃございませんから、もう、これ以上、言いませんけれども、ともかく民主主義の基盤というものを、より根強いものにしていく、あるいは行政というものが、できるだけソフトな、住民のニードにこたえていけるような、そういうパイプをより太いものにしていかなければならぬ、こんなことは、もう言うまでもないと思うのであります。そのためには何といったって、よらしむべし知らしむべからずの上意下達の行政のあり方と言われるものの姿勢を正さなければいかぬ。それには、いま長官がおっしゃったように役所の姿勢というもの、役所のいわば惰性というものを、ある程度、大転換させることを、この手続法と言われることの中でも配慮すべき条件が非常に差し迫った課題になっている、こんなふうに思いますので、どうか、この各省調整いろいろあると思いますけれども、ぜひ積極的に対応していただきたい、このことをお願いをしておきたいと思います。 まあ時間がございませんから次に続きますけれども、これは国鉄になりますか、中公審の振動専門委員会というものは、報告の中で七十デシベル以下の指針値を示しながらも「基本的には第1種区域については65dB以下、第2種区域については70dB以下を目標として今後さらに検討の上、対策を講ずるのが望ましい」と指摘していることは御理解のとおりであります。実は住民要求というのは、もっと厳しい条件を要求していることは言うまでもありませんし、たとえば、せめて昼間は六十五デシベル、あるいは夜間は六十デシベル程度の区別を求めていることも、これはもう御存じのとおりであります。国鉄が実は、この法案の関連で三月末をめどにして、新幹線の振動についての調査を終わっているというふうにも、ちょっと聞いておりますけれども、この機会に、その調査の結果を明らかにしていただきたいと思います。 また、指針のこれは一歩譲って、この指針の達成について、どんな具体的な対策をおとりになるおつもりか、これをお聞かせ願っておきたいと思うのであります。国鉄はこれまで、先ほど深谷委員も言いましたけれども、あっちこっちで実は沿線住民と約束をしてきた騒音や振動に対する基準というものがあるわけでありますから、これを、どういうスケジュールで解決をなさっていらっしゃるか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○吉村説明員 振動の調査でございますけれども、昨年度いっぱいかかりまして、東京−博多間で十三カ所、延長二十五キロに及びます側線、これは全部で側線数にしまして一千側線でございますが、測定を行ってまいりました。その一部につきましての資料は中公審の審議にも出したという点は御承知のとおりだと思いますが、測定の実務を年度末に終わりまして、現在そのデータを分析、取りまとめ中であります。 概要を申し上げますと、先ほど申しました測定個所のほとんどは、やはり一番、問題になっております東海道地区でございまして、この中で、振動の大きさでございますけれども、線路中心から十メートル離れまして——十メートルと申しますと、ちょうど四メートル側道を置いた外側と申しますか、民家として残っておるとすれば、一番近い位置に相当するわけでございます。ここで、はかりました振動が大体、六十デシベルと八十デシベルの範囲内にばらついております。このようなばらつきは非常に各種の条件が重なるわけでございますが、一番大きいのは地質的条件でございまして、地質がいわゆる土木的に軟弱と言われるところにつきましては、その大きい方が出てきておるわけでございます。 問題になります。今回、暫定指針値で出てまいります。十デシベルという値でございますけれども、これがどういう範囲に出るかというわけでございますけれども、地盤の非常にいいところでは、線路の真下で、はかりましても七十デシベルまで達しないというところもございますが、先ほど申しました地質条件の悪いところにつきましては、線路中心から五十メートル離れましても、なお七十デシベル示したところが一部ございますし、極端に悪い数値で申しますと八十デシベルを超えるものが若干あったというのが、現在の測定でわかっております。
○岩垂委員 何カ所ぐらいですか。
○吉村説明員 三カ所程度でございます。 平均的に申し上げまして、先ほど地質が大きく左右するというふうに申し上げたのでございますけれども、地盤の悪いところでございますと、先ほど五十メートルと申しましたのは非常に極端な例でございますが、平均いたしまして、地盤が悪いと三十メートルぐらいまで七十デシベルが出るというふうなことがわかっております。 構造種類別にも、かなりの振動の数値が違うわけでございまして、切り取りでありますとか盛り土でありますとかいうところは比較的、用地幅も広うございますし、それから、もともと、そういうものをつくりましたところの地質がいいという点も、両方ございまして、はっきり地質と、それらの構造というふうには分けがたいものがある。この辺の分析を、いまやっておるわけでございますけれども、比較的よろしい。 それからコンクリートで構造物をつくりました場合でも、普通に私どもラーメン高架橋と呼んでおりますが、あの形式よりも、いわゆる一本一本の橋脚の上にけたを載せました、けた式橋梁の構造の区間の方が比較的いいようでございまして、どの程度いいかにつきまして、いま全数を分析中でございます。このような分析を取りまとめまして、さらに御報告を申し上げたいわけでございます。
○岩垂委員 これは、いつごろ、まとまりますかということと、さっき、ちょっとお伺いしましたように、いまもう、はっきりしている、特に東海道について、どう対応していくかということを、この際お答え願いたいと思います。
○吉村説明員 取りまとめにつきましては今年、前半中に取りまとめたいと思っております。 なお、測定としまして、これで終わったわけではございませんで、今後、今回出ました暫定規制値を実施に移すとなりますと、もっと個々の個所の測定をいたさなければなりません。これらの実施につきましては、この四月二十六日付で、私のいまの職名であります環境保全部というのが国鉄内に新設になりまして、前に規制値の出ました騒音の問題とあわせまして急速に実施をしろということでございまして、不肖、私が初代部長を拝命いたしまして、ただいまスケジュールをつくっております。今後これらの緊急の問題につきましては、音の方でも緊急という御指示のものもございますし、八十ホン以上の対策等もございますが、何とか今後、三年間ぐらいで片づける方法を考えていきたいというふうに考えております。
○岩垂委員 時間がありませんから次に進みますが、新幹線鉄道構造規則の中には「著しい騒音の防止」あるいは「著しい騒音を軽減するための設備」という項目で騒音には触れているけれども、実は振動については触れてないわけでありますが、本法との関連で新幹線鉄道構造規則というものの改正が必要ではないだろうかというふうに思いますが、その辺については、どのようにお考えになっていらっしゃるか、御回答を煩わしたいと思います。
○田中説明員 お答えいたします。 御指摘のように、新幹線の構造規則には騒音に関しまして「線路及び構造物」の「線路構造」の方で規定をしておりますのと、「車両の車体」のの方の項で規定をいたしております。これに基づきまして現在、防音壁の設置とか鉄げたの遮音板の取りつけとか、主として音源対策と言われている対策を実施しておるわけでございますが、こういうような対策が現実には推進されておるわけでございます。 ただ、振動につきましては、ただいま国鉄の方から答弁がございましたように、その実体の解明というものが残念ながら、なかなか進んでおらない状況でございまして、振動の発生の状況とか、あるいは伝搬の機構というものは、地質とか構造物の形式とか、こういうようなものが非常に関連しておりまして、なかなか解明できなかった段階でございますが、しかしながら環境庁から七十デシベルというような指針値も勧告をされております現段階におきまして、できるだけ早急に、先ほどの国鉄で行っております実態調査のデータをもとにいたしまして、振動の発生とか、あるいは伝搬の機構を早急に解明いたしまして、振動低減のための技術上の可能性というものも、あわせて早急に検討いたしまして、振動に関しても構造規則の中に織り込むということを前向きで検討してまいりたい、かように考えております。
○岩垂委員 次に、この三月一日に開通したばかりの武蔵野南線の問題について、お尋ねをしたいと思います。これは鉄建公団になりましょうか、関連して国鉄にもお答えをいただきたいと思うのです。 実は、国鉄あるいは鉄建公団は、この建設計画のときに住民説明を行いまして、騒音や振動はないということを約束しておるのであります。また、これは川崎の市議会でありますが、昭和四十五年六月二十日に第四委員会で、日本国有鉄道東京第二工事局長宮下和夫さん、日本鉄建公団の東京支社長の川崎敏視さんのお二方が確認書にサインを行いまして、たくさんありますけれども、騒音、振動の問題について言えば「神奈川県条例の基準以下に抑えるよう努力する」ということをお約束をなすっておられるわけであります。念のために申し上げますと、神奈川県の条例の基準というのは、振動は〇・三ミリメートル・セコンド、騒音では昼五十五ホン、夜五十ホン、深夜は四十五ホン以下となっていることは、もう御存じのとおりだと思うのです。 実は三月一日に開通してから、住民の非常に強い騒音と振動の苦情が、特に振動の苦情が多いのですが、川崎市に寄せられまして、市当局がこの実情を調べてみました。ところが、調査地点は高津区というところと中原区というところの七カ所十地点を選んだのですが、振動が最も激しかったところは、わずか二・六メートル下をトンネルが通っておりまして、二・六メートルというのも、ちょっと非常識だと思うのですけれども、中原区の新城の七百二十八というところでは、線路と同方向の水平動で最高一秒当たり五・一ミリメートル、この数値は神奈川県の条例の何と八倍であります。騒音では高津区の野川というトンネルの出口付近なんですが、線路から約二メートルの宅地内で夜間八十七ホン、国の基準というのは夜間は四十五ホンでありますから、倍近い数値が出ているわけであります。これに対して川崎市が国鉄あるいは環境庁に要請を行ってきたことは、すでに御理解のとおりでありますけれども、実は私は、この開通になった線路の近くに住んでいるものですが、非常に深刻だと思うのです。私自身が被害者から、国会議員として何をやっているんだというおしかりを受けておるという状態でございますが、国鉄や鉄建公団は、こういう状態について、びっくりしておられるように非常に異常だということもおっしゃっているわけですが、どんなふうに、お感じになっていらっしゃるか、あるいは今日まで、どのような対策をとってこられたか、この点を、お聞かせいただきたいと思います。
○中井参考人 武蔵野南線の現状については、ただいま先生からの御質問の中で相当、詳しく述べられたわけでございますけれども、私どもは建設に際しまして、お話のとおり地元にも、なるべく公害の少ない線路をつくっていくというお約束もしておることでございますし、鋭意、新しい技術その他を取り入れまして建設してきたわけでございますけれども、実際、三月一日に開業いたしましたところ、沿線の住民の方々から騒音、振動等についての苦情とか、それから改善処置をしてくれというような要望が二十数件出てまいったわけでございます。 現実に、これらに対応するにつれまして、まず実際に環境が、どういうような実情になっているのだろうかというようなことから、公団独自の立場におきまして実情を把握する必要がある。基本的な対策を立てるにいたしましても、基本的な実情把握が必要であるということで、その苦情をいただきまして、すぐ行動に移りまして、地元の方々と、どういう地点を、どういうふうに測定していくかというようなことで、お打ち合わせをさせていただきまして、関係者の御理解を得て現在、騒音並びに振動の実情調査をやっている最中でございます。本日まだ調査中でございまして、ただいまの測点につきましては、武蔵野南線、約二十五キロございますけれども、二十五キロの住宅の多い個所を大部分、網羅していると思いますが、それらのデータが出るのが一応、六月末ということで測定しておりますので、きょう現在、私どもの手持ちの資料といたしまして、どこが、どういうふうになっておるということが御説明できないのは残念でございますけれども、鋭意、実情調査ということで現地の騒音、振動調査をやっている段階でございます。
○岩垂委員 何カ所調べているのですか。
○中井参考人 二百五十カ所でございます。
○岩垂委員 すでに市当局の調査が一つのデータとしてあるわけですね。それで、この鉄建公団の調査というのは当然、今後の対策に及ぶ調査だ、それを六月いっぱいに終わるというふうに理解してようございますか。
○中井参考人 実情調査の結果をもちまして、今後の対策を立ててまいりたいと思っておりますので、いまの御質問のとおりでございます。
○岩垂委員 これは約束しているのは市議会で、市民全般つまり川崎に住んでいる市民全般に対する約束の性格を持っているのですね。したがって、市民全体の環境保全ということを考慮していかなければいけませんよ。その点は十分、御配慮を願っていると思うのですが、そのことを前提にして、ちょっとお尋ねしますと、調査の結果が出なければ何とも言えないというわけでありますが、しかし、いままでの経験から考えても、その対策として考えられることが幾つかあると思うのですね。たとえば開口部のシェルターの取りつけ、あるいは吸音テックスによる防音壁の設置、これはいまブロックなんですね。あるいは影響家屋に対する防振、防音設備の助成、被害補償、被害者の希望がある場合には立ち退き補償をする、あるいは電波障害対策も十分にやる、現にたくさん起こっているわけですから。これらのことを具体的に個別の対策として進めていくのだというふうに理解してようございますか。
○中井参考人 ただいまの御質問の趣旨にありましたとおりでございまして、私どもといたしましても、まず、その対策としてどう考えていくかというような問題のときには、大きな騒音の生ずるところにおいては現在の防音工を、もう少し増強しなければいけないだろう。また大きな振動のございますところでは、家屋の移転とか家屋の耐振強化、それから地盤の強化というような工法が考えられるわけでございます。この地区は先生、御承知のように、非常にかぶりの薄いオープンカットで施工しましたような区間で、非常に特殊な区間でございまして、他と比べまして、ちょっと異なるような地域の状況でございますので、ケース・バイ・ケースとして解決をつけていきたいと考えております。 なお、その進め方につきましては関係省庁の方とか国鉄の方、それから実際に地元に入りまして沿線市町村、十九キロが川崎市でございますので、川崎市が大部分になろうかと思いますけれども、そういう方、それから地元の住民の方々と御相談して、きめ細かい対策を進めていきたいと考えております。
○岩垂委員 被害補償は、もちろん含まれるかどうかということを、もう一遍、お尋ねしますが、それに関連しまして、いま私が申し上げたことは、いわばアフターケアでございまして、発生源というか音源対策、つまり振動や騒音が起こっている、そのこと自体を見詰め直してみる必要があるのじゃないか。技術的にむずかしいなら、むずかしいということを含めて、住民の皆さんに理解をいただくということをしなければなりませんけれども、たとえば軌道関係について、もうちょっと防振軌道を改善するという余地はないのかどうか。夜間の運転本数、深夜が一番多くなっていますから、運転本数を削減することはできないかどうか、あるいはスピードのダウンによって、どんな効果があるのかというようなことも含めて再検討をしてみるというふうに理解をしてもよろしゅうございますか。
○吉村説明員 国鉄の方からお答えをさせていただきます。 この問題が起こりまして以来、運輸省の御指導を得まして、運行を担当しております国鉄と鉄建公団と協力をいたしまして対処することに決めております。地元関係の調査あるいは今後の対策等につきましては、工事の計画時点、先生、先ほどお話しになりました住民への説明時点あるいは工事施工中に関しましても、多くの方々と直接、接触をし、技術的な手法を講じてまいりました公団が当面、工事のアフターケアとして担当いたすことに決めております。その点、決して国鉄が逃げておるわけではございませんので、御了承いただきたいと思います。 軌道構造の点でございますが、この種の運営に係わる設備につきましては、鉄建公団と国鉄の間で協議をいたしまして進めておるわけでございます。このトンネルの中はスラブ軌道で、継ぎ目のないロングレールを入れておりまして、スラブ軌道の下にパッドを入れるという、いまとしましては一番、騒音、振動等を考慮いたし、かつイージーメンテナンスにもかなうものをやったつもりでございますが、不幸にして、先ほど先生もお話がございましたように、やや異常と思われる大きな振動になっているわけでございます。 現在の列車の運行でございますけれども、一日上下百四十八本、御指摘のとおり夜に運行いたしております。もともと、この線区の使命が、東海道を上がって参りましたものを東北、上越へ移す、あるいはその逆に東北、上越から来たものを、東京を外回りをいたしまして東海道方面に流すというような、本当の背骨というか貨物流の大動脈をなしているわけでございまして、なかなか、その機能を削減するということにつきましては、別の面での困難性があるわけでございます。 ちなみに列車の速度で申しますと現在、五十ないし七十五キロ、貨物列車のことでございますから、いろいろな種類がございまして、ばらばらですが、その範囲内でございます。振動の原因も、車の方の各種の原因もあるかと思われますので、今後、公団の調査等を待ちまして、列車の方の特性も調べ、総合的に対処をいたしまして処置を決めたいと思っております。 ただ何分にも、先ほど申しましたように貨物流の大動脈でございますので、なかなか、その機能を殺すという方向の対処もむずかしいかと思いますが、今後それらの調査を待ちまして総合的に対処いたします。
○岩垂委員 これは川崎の市民にとってみれば通過交通でございまして、実際問題としてのメリットは、新幹線も、その面が強いのですけれども、全くないわけでございます。そういう点でも、いま私が申し上げましたような運転本数を削減することはだめだというのではなくて、そういう可能性を含めて、スピードのことも含めて、車体構造も含めて、ぜひ基本的な再検討を煩わしたい。そのように理解してよろしゅうございますね。 それでは、これは被害者のグループが出てきています。市当局も、そのことについては無関係ではございませんので、市当局と国鉄と鉄建公団、三者の間で問題解決のための話し合いのルールをつくることには御異存ございませんね。
○中井参考人 十分、地元と話をさせていただくというふうに先ほど御説明いたしましたけれども、結構でございます。
○岩垂委員 ぜひ、これは環境庁にも重大な関心を持っていただいて、これは大気保全局長になるのですか、適当な機会に現場を見ていただくことなども含めて、お願いするつもりでございますけれども、環境庁としても、ぜひとも、こういう具体的な措置を、現に振動の法律を審議している三月の一日から開通したのがこんな状態なんですから、善処願いたい、このことを改めてお願いをしておきたいと思います。
○小沢国務大臣 この前から、この問題は非常にいろいろな問題点があることを聞いておりますので、私どもの局長にも、早速この前の委員会の後、いろいろ対策についての協議を行わせておるわけでございまして、私どもも重大な関心を持って、必要があれば、いつでも大気局長は調査にも参りますが、調査の結果を待って万全な対策をとるように、私どもからも強く要請をいたします。
○岩垂委員 最後になりますけれども、これは国鉄になりましょうか、上越新幹線あるいは東北新幹線の東京乗り入れについて伺ってみたいと思います。 美濃部さんは地下方式を要求していますね。国鉄は高架でなければいかぬと主張されているわけであります。これは平行線のままであります。都知事が都民の立場で、つまり被害者の立場に立って求めているのは、いままでも議論をしてきたように、たとえば騒音であるとか振動であるとか日照であるとか電波障害であるとか、そういう問題を含む、いわゆる公害対策に対して、こうすれば、こうなるのだという確信があるものを、いままでのように口約束や、実際問題として実現ができないような確認じゃなくて、きちんとしたアセスメントに基づいて対策を提示することが、都民に対する知事の義務だと考えているから、それを言っているんだろうと私は思うのであります。問題は平行線のままじゃ解決がつきません。その意味では、この際、国鉄が高架を主張なさっているならば、都民参加のアセスメントとでもいいましょうか、つまり手法と手続を東京都の諸君とも協議をして、そうして、こういうことでいこうじゃないか、こういうことで都民の平穏な生活を守ろうじゃないかというふうなことを、アセスメントの手法や手続を含めて都民を参加させるというふうな道を、もはや考えるべき時期が来ているんじゃないだろうかと私は思うのであります。 そういう意味で、この問題は非常に重要な問題でありますけれども、ちょっと大きなことでございますけれども、振動との関係がございますので、あえて、この機会に伺っておきたいと思うのですが、都民参加の、それはいろいろ方式があると思いますが、アセスメントに基づく都との具体的な協議に入る意思がないかどうか、これを承っておきたいと思います。
○吉村説明員 東北、上越新幹線の大宮以南、東京への乗り入れの問題につきましては、私どもも大変、頭を痛めると同時に、方々へお願いに上がって工事の実現に努めてきておるわけでございます。 先生のただいまの、環境問題につきまして環境アセスメントをやる、そのために共通の土俵に乗って、その問題を進めたらどうだという御意見、大変、貴重な御意見でありまして、私どもも、その進め方につきましては深い関心を、かねて持ってきたわけでございます。ただ、東京都内で、いま立往生をいたしております問題点といたしましては、単に環境の問題だけでございませんで、そのほかの、いろいろの方々の、いろいろの御意見がありまして、それがもとになっておりますので、現時点で公害対策の環境アセスメントだけで、これがゴーになる、進捗するというものではないのではないかというのが、いまの私どもの見込みでございます。 ただし、先ほども申しましたように環境保護問題につきましては、将来どこかの段階で大きなキーポイントになることは確かでございますので、いずれ何らかの方法で、また東京都あるいは関係区、住民の方々の広い御理解を得るために十分なお話し合いをしなければならないと思っております。アセスメントの手法に近いものに、いずれかの時期には必要かと思っておりますが、現時点では、まだ、これだけで進めていいとも思っておりませんですが、今後とも十分、検討いたしまして、御意見をくみまして進めたいと思います。
○岩垂委員 環境庁長官、あなたも上越新幹線に無関係ではないわけでして、運輸省あるいは国鉄、そういうところを含めてアセスメントの法律も用意されようとしていらっしゃるわけですから、やはり非常に大きな要素なんです。いま、いろいろな事情があると言っていますけれども、これは最大のことですよ、率直に申し上げて。だから環境庁がせっかくアセスメントの法律を用意なさって内部の調整をしているわけですから、この問題が解決すれば、私は、この問題に対する非常に大きな前進になることは否めないと思うのです。そういう意味で長官も積極的に、アセスメントに対する都民参加、いろいろ方法はあると思いますけれども共通の土俵で始める、片方がやって、それは不信だとか、片方がやって、それは信用できないというのではなしに、そういう共通の土俵というものを、いま求める時期ではないかと私は思うのであります。その点について、もう時間がございませんから、最後の御発言を煩わして、質問を終わりたいと思います。
○小沢国務大臣 当然アセスメントをやることになっているわけですから、その一環として住民の意向を十分、尊重する手続を踏むということは、私はやってくれるものと思っております。 で、美濃部さんの態度が変わってきたのは、私どもの環境基準ができてから、私はお変わりになったように思うのですよ。やはり環境基準ができたから、大体それを守っていかなければならぬ、新線については、そういうことになっておりますから、したがって、そういうものがきちっと決まった以上は、ひとつ、そういう線で、この問題の解決に当たりたいというお考えになってきたんじゃないかと私は思うので、せっかく基準もできたことでもございますし、その線に沿って十分アセスメントをやり、住民の理解を得る努力を国鉄が当然とるべきだと思いますし、われわれも、そういうように要望していきたいと思います。
○岩垂委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○吉田委員長 岩垂君の質問は終わりました。 この際、暫時休憩をいたします。 午後零時五十六分休憩 ————◇————— 午後四時三十三分開議
○吉田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出の振動規制法案の質疑を続行いたします。島本虎三君にお願いします。
○島本委員 振動規制法、この法律ができ上がりますと、公害対策基本法による典型七公害の、いわば関係法律案いわゆる受けざらと思われる実体法ができるわけです。しかし、やはり法律はできたけれども環境庁の姿勢はますます強くなった、毅然たる態度を示すようになった、こう言われてあたりまえだ。法律はできたけれども弱体化した、後退した、こう言われるとあっては、何のために法律をつくったのだ、こう言われることになりますから、これはやはり大臣としても、そこを十分考えておいてもらわないとだめなんです。 最近、経済不況に藉口して、よく、この対策をサボる傾向が出てきたのです。また口にのる財界等の言葉によっても顕著に、それがあらわれている。しかし決して、そればできないのじゃない。むしろ、これを利用して自分に有利に展開しようとする、こういうふうなことでありますから、その辺をきちっとして環境庁も指導するのでないと、これはもう画竜点睛を欠くと言われるわけであります。自動車のあの排気ガスの五十一年規制、五十三年規制、いろいろな点にわたって猛烈な論議が交わされました。あれほど技術的に困難だと言っても、けさほどの報道によると、日産は、もうすでに五十三年規制を完全にマスターできる体制にあるという喜ばしいような報道さえあるのであります。したがって、有利になれば、すぐ取りつくのだ、そして努力はしないのだ、これじゃ、しようがないのであります。いよいよ、この法律ができると、これから典型七公害に対して全部そろうわけであります。ここで環境庁としても一層、環境公害対策この問題に対しては意欲を燃やして、どこへ行っても、環境庁健在な限りにおいては本当に日本は世界に誇るべき、りっぱな環境の国だ、こう言われるのでないと、何のために大臣、あなたはいるのだ、こう言われることになってしまうのであります。これができたならば、七つのうちの最後の一つでありますから十分、決意あってしかるべきだと思いますが、ありませんか。
○小沢国務大臣 長い間、公害行政に、あるいは公害の立法化に取り組んでこられた島本先生の、むしろ御訓示とも言うべき御意見を私、十分、腹に置いて、今後とも一生懸命に公害対策に取り組んでいく所存でございます。
○島本委員 その決意を聞いて、次に局長は何人おりますか、四人ですか三人ですか。
○金子政府委員 私、官房長を入れまして五人でございます。
○島本委員 官房長は局長ですか。
○金子政府委員 局長の扱いでございます。
○島本委員 それで、局長の点においては本当に実務指導者ですから、その点は長官ひとり能吏であっても、長官ひとり、りっぱであっても、局長が動かないとだめなんでありまして、その点、全部動かすようにしておかないとエンジンはフル回転しないのであります。最近までの間に、どうも望ましくない局長さえ来ても、環境庁長官は盛んにそれを援護しておった、いつの間にかいなくなってしまった、こういうふうな事例があるのであります。こんなことが二度、三度とあってはだめであります。したがって、瀬戸内海環境保全臨時措置法がまだ宿題を残しているのであります。御承知のとおりです。これはやはり三年間の時限立法でありますから、期限切れは十一月ということになります。この受けざらの問題においては、一年半前から常に口を酸っぱくしてこれを言っているのであります。しかし前から、この点は言ってあるのですが、ゆめゆめ、ありませんでした、やりませんでした、このまま、また延ばしてください、こういうようなぶざまなことを言う局長はないだろうと思いますが、この点においては管理監督をきちっとしていますか、長官の御意見を承ります。
○小沢国務大臣 どうも、ぶざまなまねと言われますが、これはやはり各党の合意をいただいてからでないと結論は出すべきじゃないと私は考えておるのです。政府がやらなければいかぬとは思いますが、各党一致の合意に基づく議員立法でございますので、やはり生まれた性格を考えますと、先生方とよく相談をして、その方針を決めていかなければいけない。ただ、あの法律には、御承知のように皆さんがおつくりになったときに、三年間の議員立法ではございますが、その三年間で基本計画をつくれ、こうなっておるわけでございまして、私どもは、その三年の法律の間に、どうしても基本計画をつくり上げたいというので早速、審議会もつくり、それから研究をしてもらっておるわけですが、その基本計画の答申が出ないと、これを内容として、どういうふうに、さらにいろいろな前進を図るべきかどうかという点が、せっかく法律に基づく審議会、その審議会で基本計画、こういうことになっておりますので、その基本計画が出ないうちに私どもが、その内容を決めるわけにはいかないわけでございまして、やはり基本計画を待って決めなければいけない。今後、国会で会期の点その他について、どういう御意思を決定されるかわかりませんけれども、あるいはまた臨時国会その他の問題、どういうようにお決めになるかわかりませんが、私どもとしては、その基本計画の策定に鋭意、取り組んでいるというのが現状でございますので、この点はひとつ御理解をいただいて、私ども自分だけで、こうあるべきだという考えでなくて、各党の、それぞれの御意見を体して、ひとつ、この法律のやり方について決定をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○島本委員 立法の過程では議員立法です。しかし、それが発動している過程においては、この主管官庁は環境庁であります。したがっては、これは環境庁がこれをやるように、もう議員から手放されて行政府に移っているのです。いまさら議員の方へ、議会の方へ、それを戻してよこすなんて少し、ひきょうじゃありませんか。やれないならやれないと、きちっとこの際はっきり自民党政府ではやれません、いままで、やると言ったのはうそでありました、申しわけありませんと、はっきりそう言うのなら言いなさいよ。いまさら各党でこれを協議してもらわないとできないのだ、こんな言い方はないのであります。何か間違っていませんですかね。どうも、この点では確かに、あいまいなところがあります。基本計画はだれがやるのですか、だれが。議員がまたやるのですか。議員立法だから議員がやれというのですか。一体この主管局長はだれですか。
○小沢国務大臣 ちょっと先生誤解しておるので、私は、その基本計画を先生方に押しつけるとか、あるいは、この法案の取り扱いを皆さんに押しつけるなんということを申し上げておるのではないのです。性格からいって議員立法でございます。各党一致の合意を見て成立したものでございますから、先生方の御意向とは無関係に、私どもだけで、この法案の内容を決めたり、そういうことはできないと思うので、皆様方のいろいろ御意見を拝聴しつつ、一致した御意向を承りつつ、私の方で今度はアクションを起こす、それはもう、そういうつもりで申し上げておるわけでございます。それから計画も、これは当然、法律に基づいた審議会ができまして、その審議会で、いまやっておるわけでございますから、これはもう、もちろん私どもの方の法律施行の責任でやっておるわけでございます。
○島本委員 十一月の期限ぎりぎりには受けざらは完全に発動している、これは体制上、間違いないものである、こういうように私は思いますが、この点はどうでございましょうか。そういうのは局長が答えないとだめだろう。ほかの局長、来てないのか、だめだよ。
○小沢国務大臣 この法律三条で基本計画をつくりなさいというふうになっておるわけですから、いま、その基本計画を、審議会をつくりまして、その審議会の中で、そうした専門の部会も設けまして、やっておるわけですね。その基本計画がまだ出ないうちに、私どもが、こうあるべきだと思って内容を、とっとと行政庁だけで決めていくというわけにはいかない。これはやはり、この立法の趣旨に反すると思いますので、その計画を待ちまして、それを受けて私どもが立法の具体的な改正なり、あるいは必要な面の延長なりというものを考えていかなければいかぬわけでございます。 十一月で期限が切れますが、その三年たったときに、別に法律を定めることによって効力を失う、こういうことになっておりますので、まあ法的な議論としては、別に法律を定めなければ、そのまま、これが生きているものなのかどうかという、いろいろ議論もございます。議論もございますが、まあ法律的にそういうような議論でなしに、これを三年たったら、そのまま延長するのか、あるいはまた内容を変えるのかという態度は何らか決定しなければいけないと思っておりますので、そういう意味では、そのどちらかと言われましても、いま私どもは、やはり基本計画をつくるのを急いで、その見通しをつけながら、そうして、この二つのうちのどっちにするかということを考えていかなければいかぬものですから、それからまた、法律の内容は御承知のように予算とも関連をしますものですから、やはり来年度予算の要求にも関連をしてまいりますので、そういう意味においては、もうしばらく、ひとつ時間をかしていただきたい、こう思っておるわけです。
○島本委員 一年前から、しばらく、しばらくでしょう。これは完全にやります。やりますでしょう。環境影響事前評価も、この国会で出しますでしょう。やはりだんだん後退、後退、後退でしょう。幾ら首を振ったってだめだよ、そのとおりなんだから。私の言うのは、それが姿勢として今後きちっとしてもらいたいということなんです。これで法律がそろうのです。典型七公害は。そろっても、なおかつ後さり後さりだったら、これはだめですよ。もうそういう徴候があらわれていますよ。これはやはり御臨終です。こう言われない前に措置しないとだめですよ。それをやっておいてください。これがそろうからこそ、これを強く要望するのです。 この振動規制法、これによって順次この内容と関係している部分、全部入ってきます。この中に「電気工作物及びガス工作物に係る取扱い」について第六条から第十三条までの規定を適用しない。そして「電気事業法又はガス事業法の相当規定の定めるところによる。」こうやって全部除外してあります。これはどうして、こういうふうにしてあるのですか。この担保するものは何でございましょうか。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の、この十八条のところに「電気工作物及びガス工作物に係る取扱い」というところで、御指摘のような第六条から第八条第一項、第十条、それから第十一条第三項の規定に相当する云々というところのことでございますが、これは、この法律の規制をこうむる特定施設であるということは何ら除外をしておりません。そういうことで、まず規制の対象になります。次に届け出をするとか、あるいは届け出されたものを審査をして、必要がある場合には計画変更命令をかけるとか、あるいは立入検査をやるとか、また立入検査の結果、改善勧告をしなければならない、あるいは、それに次いで改善命令をかけなければならない、そのような具体的な規制の実務ということになりますと、おのおの、すでに御承知のように、いろいろの公害関係の規制法のできる前から、これは電気事業法及びガス事業法というのがございまして、全国一体的な運用として通産省所管の事業としてやられておりまして、対象なり規制基準は全くこれと同じものを、通産省の体系で規制が行われておるということでありまして、それにつきまして十八条の二項のところにもございますように、届け出に該当する事項を特定施設所在地の都道府県知事に通知するとか、あるいは都道府県知事が「電気事業法又はガス事業法の規定による措置を執るべきことを要請することができる。」というようなものにつきまして、規制については、そごは来さない、そういう形になっております。そういうことで、この法律によって都道府県知事の権限としてやるという形にはなっておりませんが、当然に従来の大気汚染防止法、水質汚濁防止法等々と同じ体系によりまして、通産行政の一環として規制をされるという形でございます。
○島本委員 この点はきちっと担保しておりますか。間違いございませんか。機能していますかということです。
○橋本(道)政府委員 この点につきましては間違いなく機能しているというぐあいに私は存じております。
○島本委員 資源エネルギー庁から来ておると思いますが、電気工作物関係の法規制によっても、公害対策、環境保全の実を上げるのに、いま十分だ、担保を十分している、こういうような話でありますが、間違いありませんか。
○和田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。 振動規制法案の関係条文と電気事業法関係条文の比較を申し上げますと、適用除外になっておりますのは第六条から第十二条まででございますが、「特定施設の設置の届出」の六条につきましては、電気事業法の第四十一条、第四十二条、第百六条、電気事業法では工事計画認可及び届け出。それから「経過措置」の第七条につきましては、騒音に関します報告、電気関係報告規則第三条の二。第八条の「特定施設の変更等の届出」につきましては、工事計画変更認可及び届け出、電気事業法四十一条第一項同じく四十二条第一項。それから第九条の「計画変更勧告」につきましては、工事計画認可及び計画変更、廃止命令、電気事業法第四十一条一項、同じく四十二条二項。それから第十条の「氏名の変更等の届出」につきましては、電気事業法第九条並びに第八条「氏名等の変更」及び「供給区域等の変更」。続いて第十一条の「承継」につきましては、電気事業法第十一条並びに第十三条「承継」の届け出及び「設備の譲渡し等」の許可。「改善勧告及び改善命令」の第十二条につきましては、電気事業法施行規則であります技術基準適合命令、これは電気事業法で第四十九条の規定に相当するわけでございます。 以上の電気事業法関係の規定に基づきまして振動規制法案に相当する規制をしてまいるつもりでございます。
○島本委員 これは振動の場合はもちろん、いまの言葉でそれぞれの条文、それによってやるでしょう。ただし、それだけじゃない、大気汚染の場合でも、すべてこれは除外されているわけです。すべてこれは除外されているから、除外するだけの担保がきちっとしていますか、このことを聞いたのであります。いま環境庁の方では、しているはずである、している、こういうようなことであります。したがって、電気工作物関係の法規制によって公害対策、いま決められた、それをやったから全部、対策だということにはならない。それを全部、対策をして公害対策に当たり環境保全になっております。あるいはまた受忍限度を十分これをカバーして一歩も引きません、したがって、これは健全です。こう言えるのであります。何を言ったか、それはよけい言いましたが、それは恐らくは公害対策や環境保全の実を上げるのに十分な要件は備えています。したがって担保しています。こういうようなことじゃないかと思いますが、その点、間違いないでしょう。
○和田説明員 ただいま、おっしゃいますとおり間違いございません。
○島本委員 この際ですから申しますが、前に伊達のパイプラインの問題がありました。これも先に事業計画をきちっとやってしまってから、許可をしてしまって後から、この問題が出てまいったのであります。この問題に対しての公害対策、環境保全対策、こういうようなものは何ら調査もしていかなかった。また法律によっても、この点は疑義がある。これに対して環境庁長官の肝いりによって伊達のパイプラインでは統一見解を出す、こういうようなことになっておったはずであります。これはいま、どういう段階になっていますか。出たということを、まだ聞いておりませんが、この点は環境庁長官環境庁が主になって、これは出させるということになって鋭意、努力中であるというところまで聞いておるのです。あれから一カ月、まだ出ないのですか。こういうふうにして、任してあっても担保しないのですよ。そこに問題がある。なぜ環境庁は全面的にこれを横断して規制できないのか。通産省のやる行政に対しては手を入れられないのか。ちゃんと担保しておると言う。しておると言いながら伊達のパイプラインの問題で、まだ何もやっていない。統一見解を出すと言いながら、まだ出されておらない。一体これは担保しておることにはならないじゃありませんか。いま振動の方はわかったです。これからですから、わかりませんけれども、これで担保するというのですから、その言葉は未来永劫に議事録に残りますから。しかし、どうですか、これはいつ出るのですか、準備段階はどうなっておるのですか。
○伊藤説明員 伊達のパイプラインにつきましては、先生、御質問いただきまして以来、三省庁の担当課長ベースで鋭意、詰めておりまして、ほぼ、その原案がまとまった段階でございます。
○島本委員 長官、そういうふうになって、あなたが、この問題に対しては統率の任にある人ですから、いずれ、きちっとして、われわれの目に触れさせてもらいたい、これを要望します。完全なものじゃないでしょう。完全なものだという自信ありますか、伊藤火力課長。
○伊藤説明員 伊達のパイプラインにつきましては、法律上の扱いの問題と環境審査問題と二つございまして、電気事業法のたてまえからまいりますと、すでに供給施設の許可をいたしたわけでございますが、パイプラインの工事の認可は、これから申請を受け付けて、するわけでございます。その工事認可申請に先立ちまして、環境調査資料を事業者から出させ、これを私どもの環境保全審査官によりまして審査し、あわせて環境庁の方の御意見もいただく、そのような方法で今後、進めたいと思っております。
○島本委員 これから進めたいというのと、できておるというのと、ちょっと違うじゃありませんか。(小沢国務大臣「いや、統一見解はできておる」と呼ぶ)できてないですよ、まだ。それで長官また、うそを言っておる。あれによって北海道では委員会か、また審議会か、それはあの当時、議事録にありますが、それで環境調査をやっております。北海道がやっております。すぐ調査したどころか、やっておらないのであります。この点等についても、もう少し的確に調べておかなければいけません。やっておりません。ですから、こういうようにして、せっかくやっても、しり抜け。他の方へ任しておくと、担保すると思われているものが担保してないのです。ですから、この点は十分、立法の際にも考えてやらぬとだめです。だから環境影響事前審査法を急げというのに、これだけ出したってだめです。それも十分調べて後で、この報告も私いただきたいと思います。 それから、この点に対しては後で新幹線の方も聞きますが、国鉄、来ていますか。私も同志の木下委員の発言によって、はっと思ったのが一つあるのです。工場内の騒音はでかい。しかし、そこは一つの生産の場であって隔離されている場所。ですから工場の中、これは労働災害法または別な法律でやっております。しかし民家から離れ、または遮蔽をしている、または一定の時間、この間だけやっている。そうでなくても、そこには人間が遠ざかっている、あるいは断続的に入っていって八時間勤務になって動かしている、こういうのが実態であります。しかし一種地域と二種地域を別別にしてやったというけれども、そこに住む人間の条件を、初めから一種地域にいる人はいいが、二種地域、商工業地帯にいる人は、うるさい中で自分の体をならしなさい、文句を言いなさんな、こういうようなことになってしまうのでありますが、この点等に対しての人間的な解明は、この際はっきりしておいた方がいいと思うのです。前回は、この点を私ども聞いておって、なぜ住居地帯にいる場合には緩く、商業地帯の場合には、もっと緩くしてやっているのか。しかし中にいる人間は同じじゃないか、工場の中というようなところは別ですけれども、地帯ということになれば、みんな、そこに生活をしているのでありますから、この点はやはり振動といえども差別はつけるべきじゃないのじゃないか、こう思ったのでありますが、この点は、どういうふうなことで差をつけましたか。 それから、この点と同時に、これだったら人間の健康と睡眠には十分、事欠かないのだというような、やはり、それもなければならないのじゃないかと思うのですが、この点きちっとカバーしていますか。
○橋本(道)政府委員 まず第一のポイントは、先生の御指摘の一種、二種の地域区分があることについての問題点の御指摘でございますが、用途地域と申しますものは、これは社会的、経済的な活動の態様ということで、都市計画の中に用途地域の区分がすでにございまして、そして全く御承知のように用途地域別に、いろいろな施設の、こういうものは、こういう用途地域のところに立地をしてはならない。たとえば非常に問題になるような振動の施設は、もう少なくとも新しいところでは住居の中には入ってこれないという形になっておるわけでございます。そういうことで土地の利用の形態というのは、やはり、そのようなものが既存の法律にもあり、また騒音規制法でも、そのような態様をとり、また、そのようなことが、いずこの国においても認められているということは、これはお認め願えると思います。で、振動公害の問題を、どういう立場から扱うのかという問題になってまいりますと、非常に問題になりますポイントは、振動公害と申しますのは基本的に、生活環境における生活妨害あるいは心理的な影響あるいは財産の被害ということの関連性が非常に強いということでございまして、今回の決められましたような基準では、人間の健康にかかわる身体的な被害を生ずることはもう絶対にない、また人間の健康にかかわる生理的な変動が起こるというような数字でも絶対にない。ただ一番キーの問題は、睡眠に対して、どの程度それをきっちり確保できるようになるかという、基本的な健康を保つための生活条件というところを一番キーとしてやっているわけであります。 そういうところから一種、二種のところの区分というものにつきまして、答申の中におきまして主に問題になりますのは晩のことであると思うのです。夜間にとりますと第一種では五十五デシベルから六十デシベル、第二種では六十から六十五デシベルということといたしておりますが、この点につきましては、六十デシベル以下では、まず普通は振動感覚というのは出てこない。従来の振動感覚の閾値は大体六十デシベル前後、あるいは住居の中におって五十七デシベルぐらいで感ずるかどうかというようなところでございますので、五十五から六十デシベルというところにセットいたしますと、睡眠の障害という点では、その一番下限の点に、もしも設定をされますと全く問題が起こらないというように私ども考えておりますし、たとえ六十デシベルというところへセットいたされるとしましても、その家の中が六十五デシベルになる。六十五デシベルの場合の睡眠の被害というのも、これはほとんどそういう問題は起こらないというような水準になって、それが第二種になりますと六十から六十五デシベルということになりますので、そうしますと、家の中におきまして第二種の一番高い六十五デシベルですと、それに五デシベル足されますので、家の中では大体七十デシベル近所で感ずるというところでございますが、七十デシベル近所のところから上は、これはやはり睡眠障害が起こってくるということで、そこから上は絶対にしないということで六十五デシベルというところを決めたわけです。実験をいたしましても大体、六十九ぐらいまでのところでは、浅い睡眠には若干、影響を及ぼしますが、第二度以上の睡眠には影響が出てこないということが医学的にも明らかになっておりますので、そういうことで土地の社会的な利用の態様という伝統的な法律や何かの考え方と軌を合わせまして、しかし絶対に睡眠を明らかに阻害をして問題を起こすというような程度にはしないということで、このようなことをしたわけであります。 そういうことで、身体的な健康被害を生ずるということでしたら、これはもう全くどちらも差別がないのが当然でございますが、先ほど申し上げました心理的な問題あるいは生活妨害的な問題という観点からは、土地の利用の形態とあわせて格差を設けるということは、都市計画法から見ても、あるいは従来の騒音規制法から見ても認められることであるということで、この審議会の答申は両方の差を設けたわけであります。
○島本委員 それで国鉄新幹線振動公害の問題でありますけれども、新幹線鉄道のように公共性のある事業、いわゆる公共事業というものに対しては、逆に、これを遠ざけるのじゃなくて、公共事業は政府の責任においてやるのであるから、真っ先にその規制を強化して、それからやるのが、あたりまえの考え方だと思うのでありますが、真っ先に規制すべきものであるにもかかわらず、今回の法案においては規制の対象としなかったということに対しては、私はやはり何かしら腑に落ちないものがあるのであります。政府や自治体、地方公共団体が主体になってやる公共事業、こういうようなものは国民のためにやってやるのだから、国民は、その過程において何ら文句を言ってはならない、こういうような思い上がった考え方があるのじゃないかというような気がするのであります。 それで、なぜ、この規制の対象にして、きちっとしなかったのか。それと新幹線鉄道の振動対策について環境庁長官が運輸大臣に対して勧告したそうです。当面の指針を七十デシベル、こういうふうなことのようでしたが、この数値は地震の軽震程度のものでありますが、屋内での増幅を考えた場合には、これは暫定的なものとしても問題あるんじゃないか、こういうように考えられるのであります。なぜ真っ先に規制の対象にしなかったか。これは余りにも問題があり過ぎはせぬか。こう思いますが、この点で環境庁のはっきりしたお答えを賜りたいのであります。
○橋本(道)政府委員 まず第一の点は、なぜ、この規制法の対象としなかったかというところでございますが、この法律の体系云々ということは別にいたしまして、法規制の対象に今回、踏み切れなかったという点につきましては、一つは、やはり技術的に、騒音でも非常にむずかしいところが、たくさんあるわけですが、振動の場合には、より未解明の点がございまして、車両の問題あるいは軌道の構造の問題、幾多の難関がございまして、やはり規制をするという段階になってきますと、もう技術的にも、こうやれば、こうなるということの見当が、かなりつくということがなければ、できないものでございます。 それから、もう一つは、この特性といたしまして運行規制でございますが、運行の問題は、これは問題として残されております。中公審の答申は走行の問題を全然、無視しておるわけではございませんで、今後の課題の中に走行の問題も含めて総合的に検討をしてみることが必要であろうという考え方を持って言っておるわけでありますが、基本的には、やはり軌道というのは一定の時間割りで走っておる、それが基本であるということでございまして、普通の交通信号の赤と青、ぽっぽと変えれば走行のパターンが変わるというものとは、これは相当、様相が違ってまいるというところがあります。 それからまた土地利用の問題が非常に絡んでまいりますし、そういうことで現在の段階では、法律で規制するというには余りに、まだ問題が多過ぎるというところで、法規制に踏み切るところまでいけなかったということが第一でございます。 それから第二の点は、七十というのは余りにひどいではないかという御指摘でございます。これは、この七十デシベルというのを、私どもは、これでいいんだということで、このような数字が中公審の答申から出てきて、それで運輸省に勧告をしているというわけではございません。これは当面、緊急に講ずべき措置をやる場合に、どういう指針値をもって目安とするかということでございまして、全く当面、緊急の措置のための問題で、非常にひどいところだけ、まず何とかする、そういうことでございますので、決して、こういうことの数字で私どもは、これで、もう終わったんだ、あるいは、これで満足だということを言っておるわけではありません。 しかし、なぜ、そういうことを言い出したかと申しますと、御承知のように昨年の七月に新幹線の騒音の環境基準というものが決められまして、そして、この騒音の環境基準の中で、三年間に早急に、ちゃんとしなければならない八十ないし八十五ホンの非常にやかましい地帯の問題がございます。そこの地帯の対策を、もうすでに、いまでも十カ月近くの年月がたったわけでございますけれども、あの時点からいきますと、三年間は、もうしばらくでございます。その間にやる場合に、基本は防音工事ということでございますが、しかし騒音と振動と両方があるわけでございまして、防音工事をしても振動の方は全然ひどい状態であるということでございますと、また後で振動の規制値を、ずっとおくれてから途中でやり出しますと、防音工事をしてから、やはりだめだったから、この家は移転をするとか、あるいは防音工事をして、やはりだめなので、もう一回たとえば建築構造を変えるというような形のものをやる、これでは非常に二重、三重の資金の浪費ということになってまいりますので、とにかく騒音と一体的に対応しなければならないという非常に緊急性のあるものをとりまして、七十デシベルという指針値をとってやることにいたしたということでございます。これで満足しておるわけではございません。
○島本委員 それで、この規制値についての仕分けの仕方と、それから、その効果、これを聞きたいのであります。 工場振動や建設作業振動は規制値、道路交通振動は要請基準、新幹線鉄道振動は暫定指針ということであります。この要請基準、暫定指針値それから規制値、こういうようなものは行政目標として、ただ示されてあるのか、規制値として、これをやる義務を付しているのか。どうも、こういうように三つもやっていると、この点に差があるのかどうか、ちょっと私いまだに理解しかねているのでありますが、この問題をはっきり解明してもらいたいと思います。
○橋本(道)政府委員 先生の御指摘のように答申を受け、その答申を基礎として、この法案を組んだわけでございます。 まず、工場につきましての規制値でございますが、これは御承知のように振動の特定工場との敷地の境界線における大きさの許容限度ということでございますので、これに合わせなければならない。これ以上、超えるようなことがあって、そして周りの人々の生活を著しく乱すというようなことがあれば、それに対しましては、まず最初に勧告、それに次いで命令ということの規制がかかる、こういうものでございます。そういう性質が、工場の特定施設につきましては規制値としてかかってくるというのがこれでございます。ですから、これは最もはっきりした規制、守らなければならない許容限度という数字でございます。 それから次に、建設作業の方でございますが、建設作業の方は、規制をいたしますやり方が少し異なっておりまして、まず建設作業そのものを、どうやって選び出してくるかということになりますと、五メートル離れたところで七十デシベル以上の振動を起こすというものの中から、地方自治体のいま規制をかけているもの、また苦情の非常に多いものを、ずっと順番に選びまして、この規制をかけていこうというわけでございますが、その規制対象作業を抜き出して、そして、その作業の条件を、これは決めてくるわけでございまして、この答申にもございますように、振動の大きさが七十五デシベルの大きさのものでないこと、これが、まず一つの原則になっております。 そういうことで、そのような条件のものは、どのような時間帯が作業ができないか、あるいは一日当たりの作業時間はトータルでどれだけか、あるいは同一場所における作業期間は連続六日とか、日曜、祭日、休日はやっちゃいけないというようなことをかけておるわけでございまして、ですから、この場合には七十五デシベルを超える大きさのものでないことということの基本が入って、その七十五デシベルの大きさを超えるものでないものについては、時間帯とか継続作業時間とか作業期間とか休日の禁止というような作業のやり方によって規制をしております。そういう意味で規制がかかってまいります。 しかし、どうしても七十五デシベルを超えるものがございまして、ほかの工法がない、代替工法が完全にすべてをかなえられて実行できるものがないという問題があるわけでございますが、そういうものにつきましては四時間を超えないというところ、最低限四時間のところまで認める。たとえば第一の住居関係の区域では十時間という作業の条件、継続時間があるわけですが、そこの場所では、それから六時間を減じて四時間までは圧縮をできる、このような形態で規制をいたしておるわけでございます。そういう意味で、先ほどの工場の規制値とは違った形で、作業のやり方に強制が及ぶという形を、特定建設作業の方ではとっております。少し性格が違います。 次に、今度は道路の方になってまいりますと、道路の方におきましては、これは第十六条のところにございますが、都道府県の公安委員会あるいは道路管理者に対して要請するという場合の、要請という行為を起こしますときの限度値、これを超えれば要請という行為を起こす。法律上も、見ていただきますと第十六条のところにおきまして、まず初めに「都道府県知事は、第十九条の測定を行った場合において、指定地域内における道路交通振動が総理府令で定める限度を超えている」これは限度値でございます。「限度を超えていることにより道路の周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、」云々ということがございます。そしてその最後に「措置を執るべきことを要請するものとする。」となっております。ですから、これは法律の条文といたしまして「要請するものとする。」ということが書いてございますので、これは要請するのが当然の原則であるという立場に立っております。これは知事といたしましては当然そのような意味での拘束を法律の上で受けるという理解のもとに、私どもは、このような条文を組んだわけでございます。 また、それに対しまして、第二項にございますが、道路管理者の方では「道路交通振動の防止のため必要があると認めるときは、当該道路の部分の舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。」ということでございまして、やはり、これはとるのが原則である。確かに、これは、ある意味では訓示規定だということは事実でございますが、当然の原則として拘束がかかることも事実でございまして、意見を述べるというような弱いものではございません。意見を述べるということになりますと、第二十条の「関係行政機関の協力」という中の「都道府県知事は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長」云々に対して「振動の防止に関し意見を述べることができる」この場合には、たとえ限度値に達してなくても意見を述べることは自由であります。しかし、それに対して相手が応ずるという場合、先ほどの訓示規定のような意味ほど拘束は、言われた方には非常に厳しい形ではかかっていない。しかし、この道路の方では「措置を執るものとする。」ということで一応の拘束がかかっておる。そこで道路の対策が実際行われるようになる。 そういうことで、この道路の限度値というのは、先ほどの規制値とは性質の異なったものであり、それで直接、規制をされるわけではございませんが、要請を受けた方は、それに対して補修等の措置をとるということになります。道路交通法の方には当然そういう法的な措置をとる条項がございますので、その体系で法律条文によって処理をされるということになりますので、この「修繕の措置を執るものとする。」というような法律上の条文は、この中には入っていないということでございます。 それから、最後の新幹線のところでは、これは指針値という考えで、そのような性格で出しておるわけでございます。環境庁長官が運輸大臣に出しました勧告の中にも「新幹線鉄道振動の補正加速度レベルが、70デシベルを超える地域について緊急に振動源及び障害防止対策等を講ずること。」こう、はっきり言い切っておるわけです。そういうことで、七十デシベルを超えた地域に対しては、確かに現在は法律上の拘束はございませんが、環境庁長官が環境庁の設置法に基づく勧告の権限を行使をいたしまして運輸大臣に勧告をして、それに対して運輸大臣から、それに対する措置を講ずるということにつきましての返答があるわけでございます。そして、先ほど申し上げましたような環境保全上緊急を要する新幹線鉄道対策についての当面の措置を講ずるということが、このような指針値を超えているところでは行われるようになるということであります。先生の御指摘のように、おのおの非常に性格が違っております。
○島本委員 この道路交通振動の要請基準の場合、道路交通振動についても道路管理者と都道府県公安委員会との、どちらに要請することになるのですか。
○橋本(道)政府委員 これは両方に要請するわけでございますが、そこの場所で、いずれの措置を、その場合とるのが適切かという問題があろうかと思います。補修等の措置をとる場合には道路管理者の方が中心になるわけでございますし、もう一応の交通規制がやられておって、それ以上の交通規制ができないというときには、道路交通法があるといたしましても、それ以上のことを要望することはできませんが、まだ、そういうことが行われてないときには当然、公安委員会の方にも要請をして、公安委員会の方は道路交通法で措置をとるということになります。両方というぐあいに解していただけば結構でございます。
○島本委員 これは工場振動、建設振動いわゆる民間の工事主体については規制値ということで、きちっとやれるけれども、公共企業体、地方自治体並びに、その方面の権限があるもの、道路交通振動、これに対しては要請というような名前で要請基準になっている。新幹線鉄道のような振動に対しては暫定指針値ということで出しております。みんな、それぞれ違う。恐らく、これじゃ本当に規制されるのは民間の方ばかりで、あとは要請を受けても訓示規定であるからということで逃げられる。目標値であるというだけで逃げられる。新幹線の場合とても、七十デシベルとかいいましても、これはやはり暫定指針値であるからということで、今後の研究待ちということにされてしまう。これでは、きちっとした規制値ということでやれないではありませんか。規制値であるなら、民間でやれるなら、自治体であろうと国鉄であろうと、これはやるべきですよ。こういうふうにして、一方には弱めていく。民間には強く出る。悪代官的なこういうような考え方で、もしやられるなら、それもできる。こういうようなことで私は差をつけたということに対して若干、疑義があるのであります。これはもう運用の面で、訓示規定であっても守らなければどうするんだ。暫定指針値であっても、技術の開発がない限りにおいては走行速度にもよる、いろいろやっていいはずなんであります。やり方としては。こういうようにして官尊民卑的なことが感じられるような規制の仕方ではまずいじゃありませんか。私は、そういうようなことが絶対あってはならない、こう思いますが、ありますか、ありませんか。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のお話は、気持ちの上では、聞いていますと、そういう御議論も確かにあり得ようと思いますが、道路交通法では、ちゃんと公安委員会がもう法律上の権限を持っておるわけでありますから、当然そういうことはやるのがあたりまえであるという考えの上に立っております。道路管理者も当然、道路管理者として責任があるわけでございまして、そこで要請があれば、このような措置をとる。建設省も非常にその点について積極的な姿勢になってきてくれておりますので、当然やってくれるものであるというぐあいに感じております。 新幹線につきましては、これは環境庁長官の設置法に基づく勧告という形でございますので、やはり姿勢としては非常に厳しいものであり、運輸省としても当然、大臣名での返答をもって、やる、こう言っておるわけでございますから、お互いの行政機関同士の信頼というふうになっておりますので、別に官尊民卑という意味で出したわけではないということは、ひとつ御理解を願えればありがたいと思います。
○島本委員 環境庁設置法第六条によって、環境庁長官として内閣総理大臣にかわっての権限の行使ができるのですから、新幹線に対して、あえてこれをやらなくても、やろうと思えばできる。だけれども、あえて載せた以上これはきちっとしておいた方がいい。形式的に、ただ載せておくだけでは少し、さびしい、こういうような感じもします。 それならば、もう一歩進んで、地域指定という点がありますけれども、具体的に、どの範囲を予定しての地域指定になりますか。そして、この地域指定には自衛隊また米軍、こういうふうなものの基地が含まれるのか含まれないのか。自衛隊等が使用している大砲、これは振動を伴いますが規制の対象とされるのかされないのか。あるいはまた特殊飛行機、こういうふうなものは飛び立つごとに家が揺れる、または騒音のために、どうにもできなくなる、こういう被害をいつでも受ける住民が多いのでありますが、そういうふうな点は指定地域に入るのか入らぬのか。
○橋本(道)政府委員 第一の御質問は、地域指定は、どういうところに対してやるかということでございますが、この第三条にございますように「都道府県知事は、住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の地域で振動を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認めるものを指定しなければならない。」ということでございまして、ここにございますように、現に住居が集合している、また病院や学校等がある、そして住民の生活環境を保全する必要があると認められる地域を指定するわけでございますが、一番、具体的な例といたしますと騒音規制法でやっておる指定地域と同じ性質のものであるというぐあいにお考え願えれば、おわかり願えるのではないかと思います。そういうことで工業専用地域というのも、本来その中に住んでいる人がもういない、工場だけであるということですから、そういうところは省かれております。あるいは飛行場というような広いところで、これもやはり、そこの中に、住民の生活環境を保全すべき、振動としての住民の生活環境を保全すべき実体がない。ですから飛行場の中だから、そういうものが規定されているということもございません。 第二の問題でございますが、自衛隊の問題として先生の御質問でございますが、地域指定は、いま申し上げましたような条件でやられますので、この自衛隊の基地があって、そして、そこで問題があるから地域指定をするという考え方には立っておりませんで、自衛隊の基地というのは広いところで、そしてそこで住民がその基地の中に生活しておるということの実体ではございませんので、そういう観点から、この法律はされておりません。 この法律では、規制等の対象といたしておりますのは、工場または事業場における事業活動に伴って発生する振動、建設作業に伴って発生する振動、それから道路交通によって生じてくる振動ということで、この振動の問題を取り上げて、そのような振動を、ここの三条の規定にございますように住民の生活環境を保全する必要があると認める地域を指定するということになっておりますので、御指摘のような自衛隊の基地があって、そこで振動の問題があるから、その地域を指定するかという場合には、そういう形にはなっておらないということであります。ですから、その町に工場等があり、そして、その工場等の規制をする、あるいは、そこに道路があって道路騒音の問題があるという場合に、その横に自衛隊の基地があるという場合はありましょうが、自衛隊の問題は、この法律の規制の対象の中には入っておらないわけでございます。
○島本委員 そうしたら、いかに大砲を撃っても、特殊の飛行機が飛び立っても、自衛隊基地であるならば、これは治外法権だ、こういう考えですか。
○橋本(道)政府委員 治外法権という意味ではございませんで、自衛隊の問題になりますと、私どもの法律の、先ほど申し上げました規制対象ではございませんで、当然、防衛庁がどういうぐあいにこの問題に対応するかという問題で、私どもが判断をし触れる事項ではございませんが、常識的に考えますと、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律というところの中で、どういう議論が起こるだろうかということは、われわれはまだ、そこまでの考え方は持っておらない、こういうことでございます。
○島本委員 では大分、時間がたってきてしまって、肝心なところに入らないでやっていたら大変であります。 国鉄関係の方では、この問題に対しては鋭意、研究されているようでありますが、この振動規制法が成立してしまった以後においては、国鉄関係、ことにトンネルの内外、この振動については、やはり工事上、事前調査や事後の振動の規制、こういうようなことは十分考えられる、対処できる、私どもそう思います。もし、この法律がなくても、それはやらなければならないはずです。公共の事業ですから。それはもう四十七年の閣議了解事項になっているはずなんですが、あえて、これもやっておらない。今後やはり、そういうような点に対しては調査してから完全にして、これを実施に移す、こういうようなことはあってしかるべきじゃありませんか。ただ早くつくって速く走らせればいい、これだけが新幹線の使命じゃないはずであります。確かに、速く運搬することも必要でしょうけれども、付近住民に迷惑をかけちゃならないという鉄則があるはずであります。これが、いままで国鉄の場合には守られていなかった。今後こういうようなことを野放しにはできないし、法律ができたのを契機にして、この点はきちっとやらなければならないと思うのであります。この点に対して対策はよろしゅうございますか。
○吉村説明員 望ましいのは、いま先生のおっしゃるとおりだと思います。従来から、この種の鉄道、鉄道ばかりではございませんで、音のするもの、振動するものをつくる立場にあれば(島本委員「高速道路も」と呼ぶ)はい。その責任ある技術者は、それまでにつくられた多くの事例あるいは、それの及ぼすインパクトというようなものにつきまして十分、承知をし、それを新しい地域に適用したらどうなるかということは常に頭の中に考えているわけでございまして、決して、ないがしろにしていたということではないわけでございます。ところどころ不十分なものがある、御指摘の点がありますのは承知をいたしておりますけれども、それらを経験あるいは調査というようなものを適用いたしまして、次の工事に移っていっておることは、従来も、いま言われておりますような環境アセスメントとは形も違い、あるいは程度も違うかもしれませんが、何らかの、そういう判断をしながら進めてきておることは確かでございます。 今後、法規制というようなものがますます厳しくなる、規制が厳しくなったからというだけではなしに、環境自身の汚染というものに対する厳しい御意向が強くなればなるほど、この種の問題を慎重に扱っていく必要があることは、私どもも痛感をいたしておるわけでございまして、各種の試験をやり、調査をやり、常に技術開発に努めておるつもりでございます。環境アセスメントそれ自身の方法論につきましては、いろいろの御意見いろいろの資料等がございますので、ただいま私ども、それも研究をいたして今後に誤りないように考えております。
○島本委員 では、各条にわたって、これは具体的な問題として今後、伺いますが、工場振動に関しての基準値これも、五月の七日金曜日の十時から始まりました参考人の意見でも十分、出されておりましたが、条例以下に切り下げないようにしてもらいたい。本法が施行しても、条例で決めた基準値、これ以下に引き下げないようにしてもらいたい、こういうようなことのようでありました。これは局長も聞いていて知っておられると思うのです。したがって、もう基準値の範囲の拡大、そうでなければ上乗せ規定をきちっとするか、あるいは、これで決まっても上乗せ、横出しは条例において可能なんだ、このことをきちっとして、これを指導すべきじゃないかと思います。これが第一。大体わかりましたね。 第二番目、時間区分これを、どう考えているのか。昼間というのは何時から何時までで、夜間というのは何時から何時までなんだ、この点あいまいにしておいてはならないと思います。まず、この二点について大体、伺いたいと思います。
○橋本(道)政府委員 まず第一の点は、規制基準と既存地方条例との調整の問題でございます。この法律の第四条にございますが、この第四条の一項のところで「都道府県知事は、」ここをずっと飛ばしまして「環境庁長官が特定工場等において発生する振動について規制する必要の程度に応じて昼間、夜間その他の時間の区分及び区域の区分ごとに定める基準の範囲内において、」ということでございますので、上限と下限を地域の区分ごとに示し、昼間、夜間の別を設けて示してくる、その幅の中で選択があるわけでございます。そういう形に、この考え方はなっております。 それで、ここは基本の幅を示しておるわけでございますが、第二項をごらんになっていただきますと、第二項のところに「市町村は、前条第一項の規定により指定された地域の全部又は一部について、当該地域の自然的、社会的条件に特別の事情があるため、前項の規定により定められた規制基準によつては当該地域の住民の生活環境を保全することが十分でないと認めるときは、条例で、環境庁長官の定める範囲内において、同項の規制基準に代えて適用すべき規制基準を定めることができる。」そういう意味で環境庁長官が、その第一項にある基準の範囲を示し、また第二項で、それでは特別に下げられるところはどこかという幅を示す。第二項で、この示される範囲に、さらに厳しくできるという形をとっているわけでありまして、一例でいきますと、第一種の住居を中心とした区域で、夜は五十五という数字が一番低いところではあるわけでございます。一番低いところではあるわけでございますが、そこの中で病院あるいは学校がありまして、これらは非常に特殊に、全く問題のないようにしたいというような問題になりますときには、条例で、五十五から五を引いて五十デシベルということは決められますが、これはあくまでも条例によって、環境庁長官が後でこれらの告示で示すわけでございますが、その五デシベル厳しくできるということはあるわけですから、そのような規定の仕方ができるということになっております。 そこで、この上乗せという議論でございますが、先生の御指摘の上乗せといいますのは、大気汚染防止法あるいは水質汚濁防止法で、国が最低のレベルを決めて、地方自治体がそれ以下に、地域の自然的、社会的な特性でもっと厳しくできるということを念頭に置いておっしゃっておられるものと解しますが、大気と水の場合には最低限度を決めておりまして、その幅を決めておりません。ところが、この場合には、騒音と同様に幅を決めて、さらに特別に厳しくできる幅を、もう一回、設けておるということでございますので、この上乗せ基準を認めるというのは、公害国会の議論の中におきましても、その当時に存在いたしました騒音規制法の、そのようなやり方に対して別にまた上乗せができるというようなことの問題は、その当時も扱われておらないわけでございまして、騒音規制法のやり方が認められておるということと解しておるわけであります。
○島本委員 それはどういうことだ、ないということか。
○橋本(道)政府委員 はい。上乗せを基準値としてそれ以上に厳しく……(島本委員「うそだ、あなた間違っている」と呼ぶ)いいえ、間違っておりません。水質と大気では上乗せができます。けれども騒音では上乗せはできる形にはなっておりません。騒音規制法では、その形になっておりません。そういうことで上乗せはできないようになっております。
○島本委員 それはできないのか。
○橋本(道)政府委員 これは上乗せはできません。この第四条の二項に「環境庁長官の定める範囲内において」特別に厳しいものをやることができるというところがありますので、そこで、一般的に示されたものよりも、さらに五デシベル厳しくしようと思えば、条例で、そういうことができるということでございます。ですから、それ以上にさらに厳しい、環境庁長官が示している範囲以上に、さらに厳しい上乗せをしようということは、この法律では認められておりませんし、騒音の場合も同様に認められておらないわけでございます。しかしながら、施設として、この法律で特定する施設は政令で決まるわけでございますが、その施設のほかに、その地域の独特の問題があって、こういう施設を規制に加えたいということがあります場合には、それは「条例との関係」というのが、この法律の条文の中にございまして、第二十四条でございますが、この第二十四条に「この法律の規定は、地方公共団体が、指定地域内に設置される工場若しくは事業場であって特定工場等以外のもの又は指定地域内において建設工事として行われる作業であって特定建設作業以外のものについて、その工場若しくは事業場において発生する振動又はその作業に伴って発生する振動に関し、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」とあります。これは上乗せではございませんで、規定を決めた施設を横にはみ出させるということは地方条例でできるという形になっておるわけであります。そういう意味で、大気と水と同様の上乗せは、騒音と同様、これにはできない形になっておるということであります。 その次の問題は、昼間と夜間の時間の区分でございます。これは、この審議会の答申によりまして示されておりますが、時間の区分につきましては、この基礎の参考にいたしましたのは、NHKの国民生活時間調査というものを参考にいたしております。それを中心といたしまして、昼間は、午前五時から八時までの間、五時、六時、七時、八時、そこから、その場所のどれを昼間のスタートにとるかということが朝の部分にありまして、それから次には、一方の夜間の方は午後七時から十時ということでございまして、七時、八時、九時、十時、そのどこのところに昼間の最終を置くかという形にいたしております。
○島本委員 それは時期によるんですか、選択によるんですか。
○橋本(道)政府委員 その幅を示しておりますので、その幅の中で地方自治体がどれを選択して決めるかという形をとる形になっております。そういうことで、これは日本列島というのは非常に細長くなっておりますので、日の出等も相当、違うところもございますし、そこの時間は一定の幅を持たせて、自治体がどの場所をとるかということをもって昼間、夜間の区分をするという形といたしたわけでございます。
○島本委員 同じく、この法案の十二条一項それから十二条二項、一項は勧告、二項は命令ですね。これは必要と認めるときは、一時的にでも当該施設の使用を停止することが勧告または命令でできる、ただ言いっ放しじゃなく強制力も、これに含む、当然こうあってしかるべきじゃないかと思うのですが、この強制力はないんですか。 それと十三条の「小規模の事業者に対する配慮」これでは小規模事業者に対する配慮ということで、どのようなことを考えるのか。下請はいま重層的にやっていますから、一つの大企業が受けたら、事業は全部ずっと下請、孫請から、まだ何次までも下がって小さい企業にやらせるわけです。そうであったら、みんな零細企業と中小企業だということになったならば、そういうような小規模の事業者に対して、これは全部、認めるということは、大企業にいたずらにもうけさせることにもつながるのじゃないですか。これ、全部、大企業が引き受けた事業の末端へいくとみんな零細企業ですが、この辺の解明が不十分じゃないかと思うのです。法案十三条の「小規模の事業者に対する配慮」むしろ、本当に小規模事業者であるならば、これは勧告、命令の内容に対する配慮だけじゃなくて、そういうようにしないための一つの助成措置なんかの指導を含めて、これは当然、配慮すべきではないか、こう思うのです。この点等は、はっきりしているのですか。
○橋本(道)政府委員 まず最初に、前段の御質問でございますが、第十二条の勧告といいますのは「勧告することができる。」という形になっておりまして、これは別に罰則は伴っておりません。ですから、相手がどの程度それを受けるかという問題がございます。それから、その勧告に従わなかった場合には、次の第二項にございますように命令がございます。この命令に従わないときには、これは罰則がございます。そういうことで改善勧告は権限によって行われるわけでございますが、改善命令の場合には罰則を伴う強制を受けるということであります。 そして、そこのところで先生の御質問の一時停止云々の問題でございますが、第十二条の中に「振動の防止の方法を改善し、又は特定施設の使用の方法若しくは配置を変更すべきことを勧告することができる。」ということになっておりまして、一時停止は勧告及び命令の中には含めておりません。騒音の場合と同様でございます。一時停止は含んでおりませんが、時間を短くするとか動き方を変えるとか配置を変えるとか、あるいは防止装置をやるとか、こういうことはもう当然その内容として入ってきます。一時停止の問題は差しとめの問題と絡みまして非常に法的にむずかしい問題でございまして、従来の規制法の中におきましても、一時停止という形は騒音の場合にも入っておりませんで、本法案におきましても、勧告もしくは命令の内容に一時停止は含んでおりません。実体の問題といたしますと、いま申し上げました時間を変更させるということで、部分的には、その時間には動いておらないということが結果としては起こるわけでございますし、また実際に工場が対応する場合には相当、長期間にわたって一時、機械をとめて工事をしなければならない、結果的には、そのような問題が起こってくる。それだけでも経済的には実は相当な重荷であるということも、産業界の零細業者からは言われておるところでございます。 それから、十三条の小規模事業者に対する問題でございますが、これは期間等につきまして配慮をするということは起こりますが、別に、それ以上に緩めるというようなことを考えておりません。 また、そのほかに、どういうことがあるかということでございますが、それにつきましては、この法案の附則の中にも入っております。法案の二十一ページのところに中小企業近代化資金等助成法の一部改正がございますが、これは中小企業近代化資金等助成法は当然これで改正されます。また、この法律が出てきますと、公害防止事業団法の業務方法書も改正されまして、こういう問題が扱えるようになってまいります。また、そのほか、これは来年度からの問題でございますが、税制上の問題も当然やらなければならないというぐあいに、われわれは考えております。 先生、御指摘のように中小企業は大企業の下請だから、そういう中小企業のめんどうを見てやるものが、大企業に有利に働いておるのではないかという一つの見方もあるかもしれませんが、あくまでも責任といいますのは、その事業者に課しておるというのが、この法律の体系でございまして、その発生源を持っている者に対して規制がかかるという形になっております。むしろ先生の御指摘の点は、そういうことによって生じてくるコストを、一体どういうぐあいに、その中小企業に対して下請させている企業が払うかということでございまして、規制法とはまた別の問題であり、この費用を、どのように価格に転嫁してくるかということでございまして、規制法では、そこまでは関与するものではない、こういうことでございます。
○島本委員 いまの十三条「都道府県知事は、小規模の事業者に対する第九条又は前条第一項若しくは第二項の規定の適用に当たっては、その者の事業活動の遂行に著しい支障を生ずることのないよう当該勧告又は命令の内容について特に配慮しなければならない。」この受ける意味は、中小企業は零細企業であるから、その者に対しては余り厳格にするなよという意味なんでしょう。そうじゃないのですか、これは。
○橋本(道)政府委員 規制基準を甘くしろよということを言っているわけでは全然ございません。いつまでの期間にという場合の問題等を考えておるわけでございまして、規制基準を緩めるというような考え方は全くございません。
○島本委員 建設作業振動に対しては、私はブルドーザーの規定は復活すべきだと思う。これを抜いてしまったということの根拠は、前の七日の参考人の意見の中でも、あいまいなんでありまして、あいまいなままに、これを抜いてしまった。これはどうも解しかねます。ブルドーザーの振動は多いはずでありますが、これは少ないという。そして、そういうようなことからして抜いてしまったということですが、当然ブルドーザーの場合には、もっと考えておいてしかるべきじゃないかと思うのです。ことに事前の措置もあるでしょう、やり方もあるでしょう。これを全然、構わないで野放しにしておくということは千慮の一失じゃないかと私は思うのでありますが、五十一年二月二十日の専門委員会の中間報告では、この点はどうなっているんですか。
○橋本(道)政府委員 いま御指摘のあったブルドーザーの問題が、この間の参考人の意見聴取のときにも指摘されておったわけでございます。それで、このブルドーザーの問題につきましては、専門委員会では、国の規制対象としてブルドーザーを取り上げるかどうか問題があるな、この問題は一回、部会とも議論してもらって、そして決めようということで、中間報告でブルドーザーというものが出てきたわけでございます。 専門委員会が、どうしてブルドーザーを、そのような規制対象にはっきり挙げるということでなくて、やったのかと申しますと、ブルドーザーにつきましては、ブルドーザーの作業に伴う振動をはかったデータを見てみますと、五メートル離れたところで七十デシベル以上のものも、それはございます。ございますが、多くは、その七十デシベル以下で、平均してみますと七十デシベルとほぼ同じか、それ以下ぐらいになってくる、平均的に七十デシベルに満たないということの問題が一つ。 〔委員長退席、田中(覚)委員長代理着席〕 それから地方自治体の建設作業の苦情の中をいろいろ調べてみますと、ランクとして非常に低いところにくる。これは東京都も調べております。東京都は、指導という立場でブルドーザーも建設作業として取り上げておりますが、苦情として上がってくるものは非常に少なく、ランクも下の方であるということであります。それから、もう一つは、ブルドーザーは動き回って作業をいたしますので、ほかの建設機械のように一つのところに固定をして、その住宅まで何メートルのところで、どういうことを起こすかというものとは非常に様子が異なる。そういう意味で、規制するにしても、なかなか、むずかしい問題もあるということが技術的な問題としてございます。 専門委員会は、その技術的な問題と同時に、部会での議論の場合に、ブルドーザーを持っている企業というのは約六〇%近くが資本金一千万に満たない零細企業であるというような問題も出てまいりまして、また地方条例としても、ブルドーザーを取り上げて本当に強制の規制をかけているものはございませんが、指導をするということで、二つの県が指導をする対象としてはっきり取り上げている。しかし、漠然と取り上げているものまで入れれば三つになるというようなことでございまして、これは余り国の規制として政令で規定をして規制をする対象の施設としないでもいいんじゃないか。そのような全体の判断でブルドーザーが落ちた、こういうわけでございます。
○島本委員 この十五条の第一項、第二項、これは勧告、命令ですね。この期間を定めるということは、どういう意味ですか。原則として期間を定めないことが一番、効果的ではないですか。同時に、期間を定めるのだとすると、その間、必要に応じて、ひどい場合には、やはり一時停止とか、それに対しての命令もできるようにしておいた方が妥当なんじゃないですか。どうも、この辺についても、あなた任せのような感じがいたしますが、こういうようなところで逃げられませんか。答弁を、もう少しきちっと早くやってください。
○橋本(道)政府委員 期間を任せるという点は、何日までにということでございまして、この規制のやり方につきましては、自治体が最も事情をよく存じておるわけでございますので、現地の状況をよく判断した上で勧告をするという立場に立っております。そういうことで逃げられるというようなことはないのではないか。自治体としても非常に厳しい姿勢に立っておると思っております。
○島本委員 橋本局長としては、いままでの公害住民運動というようなことに対して無知なようですね。いつも知事や市長がこれを実施して、実施されてから住民の反対運動が起こってくるわけです。だから、知事や市長に任せれば、代表だから間違いないんじゃないか、これは形式民主主義によってやられています。逆に自治体はやりたいんだけれども、やっては住民の方は困るから、公害防除並びに環境保全のために反対運動が住民運動として起きてくるということなんです。したがって自治体の長に任しておいたらいいということには断じてならないんじゃないかと思うのです。思うのじゃなくて、そうなんです。それを、任しておけばいいんだというような考え方では、どうも運営の面で、とろさがあるようです。 同時に、法案の十五条の第三項はどういう意味ですか。公共事業に関する規定、十五条の三項「都道府県知事は、公共性のある施設又は工作物に係る建設工事として行われる特定建設作業について前二項の規定による勧告又は命令を行うに当たっては、当該建設工事の円滑な実施について特に配慮しなければならない。」公共性のある施設には配慮しなさい、これなら新幹線も入る、そのほかのいろいろな工事も入る。むしろ公共性のない事業というのはどういうものですか。これがあるために、いままでの法律が全部しり抜けになるおそれがある。十五条の「改善勧告及び改善命令」が、この十五条の三項で、できないようになっている。逆に、そういうようなことがないように進めろという、その筋の何かがあったのかもしれませんが、これは最大の改悪条件だ。私は、もうこれがある限りにおいては、この法律は機能しないと思います。何のために、これをつけたのですか。
○橋本(道)政府委員 先生の御質問の、何のために、これをつけたかということでございますが、これは、たとえば下水道の問題であるとか道路工事の問題であるとか、あるいは水道の問題というような住民の日常生活に非常に関係の深い工事の実態を見てみますと、どうしても時間帯として制約を受けることがあるというようなことが起こりますし、また先ほどの勧告等の前に、時間も四時間までの限度で、ぐっと制約できるわけですが、そうすると、その作業が非常に長くなるということが起こるわけでございます。そういうことで、公共事業を適用除外にしているわけでは全然ございません。それはひとつ誤解のないようにしていただきたいと思いますが、そういう意味で、勧告または命令を行うということは、一つの前提として、もしも、そういう問題があれば行うということに立っておるわけでありますが、そのときに住民の生活環境を保全するという問題と、もう一つは非常に長引いて、なかなか直らなくて、住民の日常生活に密着した問題がある場合に、そちらの方で別のまた非常に大きな不利益が出てくる、そういうことがあってはならないということで、この規定を設けたわけでございまして、騒音規制法の場合と同様でございます。 また、当然に公共的な事業におきましては、この規制基準を守るための最大限の努力をする。これはもちろん私企業と、その努力について何ら差があってはいけないわけでございます。私企業と全く同じようなことである。しかしながら、先ほど申し上げました道路とか下水とか水道ということになりますと、私企業が自分の地面の中でやっているのとは様子の違う問題がございますので、その場合には、生活環境の保全という問題と、もう一つは期間が延びるということによって生ずる住民の不利益との比較考量をしながら慎重にやるということの意味で、これを置いたわけでございます。
○島本委員 いま言った程度のものであるならば、住民が自分の福利のためにやるのであって、むしろ逆に協力するはずのものです。この法律は要らない。ことに災害復旧または災害性のあるもの、緊急避難的なもの、こういうものに対しては、というならいい。しかしながら「公共性のある施設又は工作物に係る建設工事」こう言うに至っては、そうでないものは何があるのだということになって、逆に、これが悪用されるおそれがある。これは百害あって一利もないものだ。もし入れるとするならば、災害復旧または災害性のあるもの、緊急避難的なもの、こういうのなら、それはそれでわからないわけじゃない。漠然とこれを入れておくということは、法をつくっても、まさにこれあるがために全部死んでしまう、こういうようなおそれがあるのであって、私はこの点では絶対もう残念でしょうがありませんから、この問題は了解することはできません。 しかし、いまの答弁だけでも、あなたの言っていることは本当におかしいですよ。下水だとか何だとか、そんなことを言って、いままで、ちゃんとついたことがありますか。逆に早くやれ早くやれと言うのですよ。下水なんか音をたてませんよ。下水をやるために何の振動がありますか。
○小沢国務大臣 ちょっと誤解があると思うのです。これは環境基準を守らすことはやるのです。改善命等についても一定の期間を設けてやらすわけですが、そのやり方について、いま言ったような水道とか下水とか非常に生活に密接な関係のある事業については、いろいろ配慮をそこに加えて、やることはやるのだけれども、そのやり方について配慮を加えていかないといけない。先生もお認めのように、水道なんかはむしろ早くやってくれ、あるいは、とめられては困るから、全然、使わない夜間にやってくれとか、いろいろな要請が地域住民にあるものですから、そういうことで、この配慮は、勧告、改善命令その他やらすときに、そういう点もよく考えてやりなさいよというだけなのであって、何も例外として騒音、振動基準を守らぬでもいいとか、そんなことを言っているわけじゃないのです。これは騒音のときにも国会で皆さん方が御審議いただいて御承認いただいているのと全く同じなのですから、その点はひとつ、よく御理解をいただきたいと思うのです。
○島本委員 結局、後からできる法律が先行するのですよ。前にできた法律は、公害対策基本法の中に産業との「調和」というのがあって、せっかくつくっても、これは何ら機能しない、しても最低のような法律だったのを、だんだんやっている間にわかってきて、そして改善されてきたのですよ。そして抜いたのです。その後に、また法律ができたのです。これは七つ目にできる最後の法律で、これは前の方の悪いところばかりまねせぬでもいいのですよ。きちっと、そういうのをやって、この法律はりっぱですからと言って、逆に他の、そこまでいかない法律を、それに右へならえさせるべきなんです。 〔田中(覚)委員長代理退席、委員長着席〕 どうも、いままでのは、前の方はそうだから、前の方はそうだからと言って、一回それができ上がってしまえば、永久にそれを守らなければならないような考え方に立つということは、これはいけません。ことに、いま言っただけの答弁では、公共性のある施設であるとか工作物に係る建設工事、住民が待望しているものなら、やってくださいと言いますよ。そういうようなのを知事や首長に任されて、勧告や命令をするに当たっては、工事の円滑な実施について特に配慮せい、これじゃおかしいじゃありませんか。やはり、こうやるならば、特に考えなければならない点は緊急避難的な問題それから災害の問題または、その他どうしても今晩じゆうにやらなければ人命にかかわるのだ、こういうようなものは当然そうあってしかるべきですが、普通のこういうようなものまで何のためにやっていく必要がありますか。これは常識を逸脱しておりますよ。私は、この第三項だけは、どうしても納得するわけにはまいりません。 もう時間が来たようでありまして残念でありますが、積み残しが大分ありました。明日、時間があったならば、この積み残しを長官のいる時間の中で、もう少しやらなければだめですから、他の人に迷惑を与えてはいけませんので、残念でありますが、これで終わったんじゃありませんが、ひとまず中止をしておきます。委員長、長い間ありがとうございました。
○吉田委員長 島本君のきょうの質問は終わりました。 次は、米原昶君の順序です。
○米原委員 初めに、鉄道の振動の問題について聞きます。 騒音規制法と同様に、振動についても鉄道は規制対象外となっておるわけですが、その理由を聞かしていただきたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いまの御指摘の鉄道がなぜ法規制の対象になっていないかということでございますが、一つは、特に振動の問題につきましては、防止技術の開発あるいは車両や線路構造の改善という幾多の技術的な難関があるという一つの問題がございます。 それからもう一つが、走行条件を変えるということを全然、考えていないわけではございませんが、鉄道の場合には時間を守ってきっちり走るということが一つの基本になっていることも事実でございまして、そういう走行規制ということが非常に困難な特殊性が、ほかのものよりかは、あるということが第二の問題になっております。 それから第三の問題としましては、やはり土地利用との関係というような問題もありますし、また現在、騒音の環境基準達成のために新幹線等で行われております移転の補償や、そういう問題が全部ございますので、やはり現在の段階では法律の規制というところに持っていくには余りに無理があるということで、今回は当面、緊急に講ずべき措置としての指針を出すということにとどめたわけでございます。そういうことで、鉄道については入っておりません。
○米原委員 どうも理由を聞いておりますと、鉄道にいろいろな事情があることはわかりますが、公害を防止するという立場から言うと、国民の生活、健康にかかわるものである以上は、やはり鉄道を特別に例外にすることは、基本的な法律としては、まずいと思うのです。騒音については、公害対策基本法で環境基準を定めることになっておって、事実いろいろ問題はあったけれども、在来線を別にして新幹線騒音については環境基準が決められて、それに基づく対策が曲がりなりにもとられつつあります。その点からすると、この振動では公害対策基本法に環境基準を決めるべき規定がない。したがって、今回の新幹線振動のごとく当面の指針と、それに基づく勧告などということで、きわめて、あいまいなものとなっております。そういう点からすると、これはどうしても法の対象として規制を行う必要があると思うのでありますが、今後の問題として、これを検討する姿勢があるのかどうか、この点についての見解をあわせて問いたいと思います。
○橋本(道)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、現在の段階で法規制になじまないということでございまして、永久に、そういうことであるというような立場に立っておるわけではございませんが、たとえば騒音の場合には新幹線の構造規則というものを運輸省令の告示でちゃんと出してきておるということがございます。交通関係の体系の規制は、みんな航空機は航空機の公害防止の法律があり、あるいは海洋は海洋の公害防止の法律があり、また騒音につきましては新幹線が一つの形態としてあるということは、私ども将来の法規制の形としては、このような形が一つの方向ではないかというように考えております。
○米原委員 その問題について五月七日の参考人質疑の際に私、聞いたのですが、中公審の専門委員会の亘理委員長は、鉄道振動が対象外となっている点について、経過も知らないし、理由もしたがって知らない、こういう意味の発言をしましたが、そうすると今回の中公審答申に当たっては、新幹線振動の当面の措置についてのほか、これら新幹線を含む鉄道について法規制の対象とすべきかどうかなどという点については、中公審では全く議論されなかったということになると思いますが、そう理解してよいですか。
○橋本(道)政府委員 今回の答申のまず一番、基礎になりましたものは、昭和四十八年十二月六日に「振動公害に係る法規制を行うに当たつての基本的考え方」というものにつきまして、これは大臣からの諮問に対しまして、あった答申でございまして、その答申の中で、新幹線につきましては当面、講ずべき措置をやるという、そういう限定的なものになっておるということから入ってきておりますので、鉄道をいかに規制するかというような形では、今回の専門委員会に検討をお願いする材料には入っておりませんでした。
○米原委員 諮問の中に、その項目が入ってなかった、こういうことですね。 そうしますと、いまお話しになった昭和四十八年十一月三十日付で中公審に対して「振動公害に係る法規制の基本的考え方等について」という諮問で、三項目の諮問が行われておる。第一項目は「振動公害に係る法規制を行うに当たつての基本的考え方について」第二項目は「振動規制を行うに当たつての規制基準値、測定方法等」それから第三項目は「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について当面の措置を講ずる場合のよるべき指針」こういうことだったと思うのですが、そういうことでよろしいわけですね。それに入ってないから一般的に検討する、そういう意味ですね。
○橋本(道)政府委員 先ほどの私の申し方がいささか不正確でございましたが、先生の御指摘のとおり、この長官からの中公審に対する諮問の第三事項の中に「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について当面の措置を講ずる場合のよるべき指針はいかにあるべきか。」ということがございますので、それに限定された答申であるということでございます。
○米原委員 この三項目の諮問について、あとの二項目ですね、すなわち規制基準値、測定方法等及び新幹線振動については今回、ことしの三月六日付で、二年余の審議を経て答申があったわけですが、第一項目の「振動公害に係る法規制を行うに当たつての基本的考え方」についての答申というのは、いつ出されたわけですか。
○橋本(道)政府委員 いま先生御指摘の、この第一項についての答申は、四十八年の十二月七日に中央公害対策審議会から環境庁長官あてに出されております。
○米原委員 そうおっしゃいますと諮問されて、わずか一週間で答申が出たということですね。つまり、この答申の時点、すなわち二年半も前に、いま問題にしている鉄道振動については、すでに法規制の対象から外されることになっていたわけですが、諮問後わずか一週間での答申で、この点は一体、審議会で十分審議されたのかどうか。わずか一週間ですよ。この点どうだったのでしょう。
○橋本(道)政府委員 いま御指摘のように、時間的には非常に短い期間に答申をされたということでございますが、御承知のように、環境庁が四十六年の七月に発足をいたしまして、そして騒音の問題が非常に大きくございましたので騒音の問題に取り組み、次に振動の問題に取り組むということで、きたわけでございます。そういうことで騒音の方が先に取り組まれました。これは騒音の方が公害としては、はるかに大きな規模の問題があったから、そういう形になったわけでございます。 そこで、この振動の問題につきましては、諮問はされておりませんでしたが、環境庁として同じく騒音と並行して振動に取り組まなければならないということで、四十七年から四十八年にかけて非常に広い角度からの調査研究をお願いいたしまして、技術とか法制というような面からの議論が十分されて報告が整理されておったわけです。総合的な調査検討がされております。そういうものがございましたので、この諮問を、第一項のその基本的な施策ということにつきまして、聞けば現在、約一年余にわたって整理されたものがあるという前提のもとに、これが行われたということでございます。そういうわけで短い間に、この答申が得られたという経緯があるわけでございます。その間だけに検討をしたというようなものではございません。
○米原委員 質問点はこういうことなんです。第一項目の「振動公害に係る法規制を行うに当たつての基本的考え方」その基本的な考え方の中で、鉄道振動をどう扱うか、技術的にも制度的にも非常に高度な検討を要する問題ですが、初めから扱わない、こういうふうになったように思いますが、こういう非常に重大な問題を、わずか一週間で答申されているとすると、実際は審議会は環境庁の案にただ判を押しただけ、ないしは環境庁が判を押させただけで、この点についての審議会の実質審議、こういうものはなかったということですか。
○橋本(道)政府委員 一年半以前からの長い検討をされたものをまとめて、それを議論をして審議されたということでございますので、別に、非常に短い議論で終わったというようなものではございません。ですから、約一年有余の調査と専門家の検討結果があって行われた、こういうことでございます。
○米原委員 そうしましたら、一年有余にわたって実質討議があったとしますと、鉄道振動を法規制の対象外とするかどうかということについて、技術的な面でも制度的な面でも、その点は根本的に検討されただろうと思いますが、そういう点で資料があるのだったら、それを提出してもらいたいのです。これを一気にやることは、いろいろ困難な面があることはわかるのですが、基本的に、どういう検討を、この点でされているのか、そういう資料があれば出してもらいたいのです。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の問題につきましては、振動検討委員会というところで、法律の成田先生が座長になられまして、その鉄道振動についての議論を一年半余りの間のところ、やっておられまして、その中で非常に緊急な大きな問題として新幹線の問題はまず、やるべきだということで、新幹線の問題が具体的に上ってきた、こういうことでございます。
○米原委員 そうしますと、その一年半にわたって基本的な考え方の点は検討されているわけですから、そういう資料があれば、ぜひ提出してもらいたいと思います。 それから、諮問後わずか一週間で出された、この十二月七日の答申の文書を読んでみますと、「昭和四十八年十一月三十日付中公審諮問第二十三号により中央公害対策審議会に対してなされた「振動公害に係る法規制の基本的考え方等について」のうち標記については、諮問のとおりとすることが適当であるとの結論を得たので答申する。」こうなっておるわけです。これは当時の三木環境庁長官のときであります。これを見ますと「諮問のとおりとする」と、いま読み上げたようになっており、「振動公害に係る法規制を行うに当たつての基本的考え方」についての諮問は、白紙で諮問されたのではなくて環境庁の案がつけられておって、審議会が一週間でそれを追認したことになるような印象を受けます。 そこで伺いますが、なぜ、この点の諮問では環境庁が案をつくって、それを追認させるような形をとったのか、答弁していただきたいのです。
○橋本(道)政府委員 その点につきましては、実は先ほど御説明いたしましたように、この振動検討委員会というところで膨大な調査を一年半余りしたものを、法律の方も皆さん寄って議論をされた報告が、たまたま幸いにあったということから、これが出てきまして、やはり早く対策を組むべきだということで優先順位をつけて出してきた、そういう意味で、環境庁の事務当局だけがそれを読んで、その案をそのまま盲判のように見ていただいたという意味では毛頭ございません。
○米原委員 そうしますと、これは全体にかかる基本的な考え方の重大な点なので、どういうふうな審議の経過で、こういう結論が出ているかということだけは、ぜひ基本的な資料を提出してもらいたいのです。これは全部にかかってきますから、ぜひこれはお願いしておきます。 ところで、この答申を見ますと、鉄道振動については、この答申の最後に「なお、鉄道振動については、振動防止技術の開発の現況等を勘案し、別途、騒音対策とともに総合的な対策によつて措置するものとする。」とあります。このとき、先ほど述べたように同時に諮問された「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について当面の措置を講ずる場合のよるべき指針」という新幹線の振動とは別に、鉄道振動については別途に総合的な対策をということに二年半前からなっていたわけで、この趣旨からしても当然、在来線の鉄道振動について総合的な対策がとられてしかるべきではないか。二年半も前にこういう方針がすでに出ている、そう思うわけです。私、心配しているのは、たとえば新幹線の振動について、東京都内、新幹線が一番走っておる、あの近所ですが、ちょうど在来線と重なっておるわけです。そのために特別、振動の被害がひどいのです。まさに総合的な対策というところになりますと、ああいうところに、まず最初にやってもらいたい、こういう感じがするものですから、二年半前に一応そういう考え方が示されたとすれば、どうして対策が一歩も踏み出せないのかどうか、こういう点を聞いておきたいのです。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございましたようなことが、この基本施策についての答申の中にあるわけでございますが、これはやはり行政としては実際の現実の中でやるわけでございますから、優先順位というのは当然、決めてやっていく、持っている人員も経費も技術能力も限られているわけです。そういうことで、まず最もはなはだしい新幹線を取り上げたという点は御理解願えるのではないかというように思います。 それから在来線の問題につきましては、五十年度と五十一年度、二年間にわたりまして調査を現在いたしておる最中でございます。その結果が出てきまして、どういう形で、これを取り上げるかということを検討いたすことになっておりまして、優先順位としては当然、新幹線の次に来たという形になっておるわけであります。
○米原委員 今度、出ましたこの法案で一応、工場、建設、道路については規制が行われることになりましたが、鉄道だけ対策がおくれてもいいという理由は、住民の生活、健康を守る見地を第一に考えれば、鉄道がおくれていいという理由は全くないわけであります。いま述べたように、ほかの振動と同様、鉄道振動についても総合的対策という答申が、もう二年半前に出されているわけであります。ひとつ早急に検討して対策を講ずる義務が環境庁にあると思うのです。 この点、この前の参考人の質問のときにも述べましたけれども、地下鉄の丸ノ内線や武蔵野南線では、新聞にも報道されているような大きな社会的問題となっております。都会の密集地を走る私鉄沿線でも相当の被害住民がいることは明らかであります。この点で何としても環境庁、率先して、この問題をやらせるようにやってもらいたいわけですが、この点について答弁をお願いしたいと思います。
○橋本(道)政府委員 四十八年十二月に答申を得ましてからの一番大きな問題は、やはり振動の測定とか基準をどうするか、これは非常にむずかしい、世界にも例のないものでございますから、そこにも非常な大きな力が注がれたということでございます。そういうことで、その二年間のほとんどすべての力を専門委員会は、そこに使ったわけでございまして、それが大体、整理されたわけでございます。そこで新幹線の当面の講ずべき措置をやりましたが、五十年、五十一年で今度は在来線を調べておりますので、やはり、その結果を待ってやるべきであるということで、在来線はやはり、おっしゃるような問題はあると思いますが、優先順位から考えると、どうしても、そのような次第になってくるのではないかということを思っております。私ども決して無視しておるわけではございません。例の武蔵野南線につきましても、この間の御質問以降、早速、運輸省あるいは川崎市を呼び、いろいろ対策につきまして、先ほど長官が御答弁のあったような形の努力をいたしておるところでございますので、御承知願いたいと思います。
○米原委員 次に、道路交通振動の問題です。法律では、この点はわずか一条、十六条の「測定に基、つく要請」という条文があるだけであります。その内容も道路管理者や公安委員会に対する要請というようなことだけで、一体この振動に係る道路周辺の生活環境が守られるかどうかを伺いたいのであります。
○橋本(道)政府委員 「道路交通振動に係る要請」でございますが、確かに法律の条項としては一条でございますが、この中にございますように、公安委員会の方は、もうすでに道路交通法というものがございまして、その法律によって対応できる形になっておりますが、その関連条文が実は、そちらの方に全部あるということでございます。 それから、もう一つは、この法律の中で要請をされた場合に、第二項にございますように「道路交通振動の防止のため必要があると認めるときは、当該道路の部分の舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。」と言っておりまして、非常に具体的に「舗装、維持又は修繕の措置」ということにいたしております。これは具体的に、そのような措置がとられるということになりまして、従来のものよりも、はるかに具体化したものではないか。そういうことにおきまして、要請の限度値として決められたところを超えているところにつきましては、そのような対策が、これから順次、進められていくということと解しておりますので、その進行に伴って、少なくとも振動に関しての非常に著しい問題の第一段の解決は、かなり前進してくるのではないかというぐあいに私どもは期待しているところであります。
○米原委員 この「要請」という規定ですがね、騒音規制法でも「要請」という規定になっているわけです。しかし騒音規制法施行後、五年近くもなっておりますが、道路周辺の騒音の環境基準は一向によくなっていない、こういうことを感ずるわけなんです。道路に関しては全く騒音規制法は実際には役立っていない。そういう意味で私は、この「要請」という問題にこだわるのです。これと同じようなことで果たして効果が上げられるだろうか。いま、おっしゃったように振動については幾つか具体的な問題、確かに書いてありますけれども、果たして、これで成果が上がるだろうかどうかという点で非常に心配しておるわけでありますが、この点について、どういう確信を持っておられるのか、聞いておきたいと思います。
○橋本(道)政府委員 まず第一の騒音規制法の効果の問題でございますが、道路周辺の、われわれのいままでの調査の結果ですと、改善は非常に遅遅たるものであるということでございますが、少なくとも全体としては少しよくなってきているということは事実でございまして、たとえば四十七年、四十八年、四十九年とずっと調査を続けて、約千点近くのところの調査を続けておるわけでありますが、それで見ますと、環境基準に合っているところは四十七年は一〇%くらいしかなかったものが、四十九年は一四%くらいになっておるということもございますし、要請の基準を超えているというようなところについて見ますと、もとは三六%くらい超えておったのが、四十九年には二四%くらいになっておるということであります。 ただ、非常な問題のある道路の沿線に住んでいる人には全く感じられないような効果ではあるということの問題があるのではないか。あるいは非常に問題のある道路におきましては、やはり車の大型化等によりまして、別の問題があるのではないかというように私どもは解しておりまして、なお、この努力を続けていきたいということでございます。 第二段の問題で振動の方でございますが、振動と騒音の問題を考えてみますと、実は道路交通振動と道路交通騒音と比べてみますと、道路交通振動の方が少し技術的な可能性が明るいのではないかということでございます。といいますのは、ここにございます舗装、維持、修繕ということでございますが、建設省の専門の方々のいろいろな御意見を聞きますと、舗装を直すということによって、かなり改善される、五ないし十デシベルとか、場所によっては十五デシベルくらい変わるというようなものもございます。あるいは一車線を、より大きな車を通さないようにしてやってみると二、三デシベル下がるとか、騒音の場合と違いまして、騒音は自動車自身が騒音を発して走っておるものでございますが、振動は自動車自身が振動を伝えていくという役割りは、どちらかというと少ないわけであります。道路自身が揺れておるということでございますので、そういう点で、いま申し上げましたような建設省の方が実際にやられた補修等の効果を見てみますと、ちょっと騒音の場合には、あれに相当したような改善は、なかなかなしがたい。これは道路交通の規制等によって、ノイズダウン作戦ですか、そういうものによっても若干よくなりますが、しかしながら補修を少し直してみると五デシベルも十デシベルも下がるというような効果は、実は騒音の方にはないということでございますので、このような規定を設けることによって、従来、法律上、全く手がかりがなく苦情を強く言うところの方だけが、ある程度、対象にされたというようなことが実態上、多かったのではないかと思いますが、少なくとも、この限度値を超えるようなひどいところでは、改善の見込みはかなり、あるのではないかというように期待しております。
○米原委員 おっしゃる点も、わからぬわけじゃないですが、ただ、どれほどの効果が一体あるのかという点、やはり疑問を感ずるのです。道路周辺の振動では環境基準も規制基準もなくて、あるのは、この要請だけなんですが、では、この道路周辺の振動の規制は今後、何を目標にして、どんな計画で行われるのか。この点をもう少し、考えておられれば聞きたいのです。
○橋本(道)政府委員 今後の計画の問題でございますが、これは騒音と振動と絡んだ問題でございますし、また大気とも部分的に絡んだ問題でございますので、いま、ここで、どのような形の構想を持っているかは、私どもは、まだ、そこまでの整理がされておらないわけでございますが、やはり道路公害にどういうぐあいに対応するかというようなことに、これから積極的に一回、取り組んでみまして、そして実際いままでの知見をいろいろ整理したり、いま騒音の方でも調査研究をしておりますが、そういうものを合わせて本当の長期の物の考え方が整理できてきますのは、やはり、そう一年や二年では、なかなかできないのではないか。しかしながら、これからの一番大きな問題は道路公害であろうというぐあいに理解をしておりますので、そのような方向での努力をいたしたいというように思っております。
○米原委員 おっしゃるように当然、騒音と絡めて今後の対策を立てていかなくちゃならぬだろうと思いますが、騒音で言うと、この十六条と同様に要請基準のほかに、環境基準や自動車騒音の許容限度が定められております。それでも一向に改善されてない。振動では、このうちの要請基準しかないわけで、これじゃ果たして、こんなものがあっても役に立つだろうか。あってもなくても同じということになりかねないのじゃないか。先ほども述べましたように、公害対策基本法で振動に係る環境基準の規定がないために、いまのままでは振動の環境基準をつくるわけにはいかないと思いますが、規制の効果を上げるには、要請基準などということではなくて、どうしても生活環境で守られるべき基準、そして、それを達成する期限を明確にして規制に取り組む、こういう考え方が必要じゃないかと私は感じているのです。こういう点、振動について、そういう基準をつくって、それを目標にして期限を決めて達成するために取り組んでいく、こういうことは一体できないものかどうか、聞きたいのです。
○橋本(道)政府委員 環境基準の問題でございますが、公害対策基本法には振動の環境基準は入れておりません。振動に対する対応として環境基準というやり方が有効であるかどうかという問題も一方にはあろうかと思います。やはり騒音と振動の特性が、少し質の違っているところがございます。一番基本的なのは道路の構造、維持管理、交通管理というような総合的な体系を、どういうぐあいにしてつくっていくかということとで、まず当面、この要請限度に決めましたところ、これは建設省は非常に積極的に思い切って、この数字をやって、とにかく手がたく、まず、ひどいところは徹底的に改善しよう、それから、これを第一段として次に入ろうというような形になっておりますので、私がいま申し上げているのは、環境基準の問題も全面的に否定をしておるというわけでございませんが、むしろ、そのようなものを決めてやるということよりも、いま言った具体的な対策を手がたく決めて計画的に進めることの方が、より優先すべきではないか、こういうぐあいに考えております。
○米原委員 おっしゃる点もわからぬじゃありません。確かに振動は騒音と異なって、道路の路面の状態による影響が非常に大きいことはもちろんです。したがって、舗装の改善や強化などが有効であると思います。しかし、それには相当の費用が必要となるし、地方自治体の管理する道路では財政的な問題もあると思いますが、これについて環境庁として、自治体の管理する道路を含めて、道路の舗装、改善強化、財政的にも、ずいぶん問題があると思うのですが、どのように、これを扱っていかれるつもりか、見解を聞いておきたいのです。
○橋本(道)政府委員 今回の、あの検討の場合には、実は一体、費用効果として、どれぐらいのものがあるかということを非常に注意して調べていただいたわけでございます。その費用効果というような観点で見ていきますと、路面補修というようなものをやると五ないし十デシベル下がるという効果がある。しかし、それは百メートルに対して三百五十万円ぐらいかかるというようなことが専門家の間で言われております。また舗装を直すということにしますと、百メートルに対しまして千五百万円ぐらいかかるというようなものがございます。こういうものを、まず、きっちりつかまえていこうということでございまして、その次に、それでは、どれだけの対策をしなければならないかというところを、きっちり洗い出して、そして全体としての計画が次第に固まっていくというように考えております。 道路につきましては国の補助金が二分の一とか三分の一、これは建設省でございますので、私は詳しく申し上げる能力がございませんが、そういう補助金をもってやられておりますし、建設省は、その補助金の中で、今回の限度値によって要請されていく舗装等もやっていくということを、はっきり申しておりますので、次第に、これが全体に整理されますと計画として成り立っていく、しかし、それまででも、やるというところがあれば当然、建設省が最善の努力で、この補助金として見られていくのではないかというぐあいに期待しているわけでございます。
○米原委員 おっしゃるように確かに、そういう研究が進んでいるんだろうと思うのです。しかし実際に、どんどん仕事を進めていかなくちゃならないので、そういう意味で一般国道について、たとえば例をとると第一京浜国道、あそこを通ってみると相当ひどい状況のところがあることがわかります。これは調査の上、知事が要請するだけではなくて、全国的な問題なので環境庁としても建設省に対して必要があれば勧告などの措置をとる必要があるのではないか。さらに、いま述べました地方自治体の管理する道路については、道路法などによる補助割合以上の補助を公害対策として検討する、こういうようなことも必要じゃないかと思いますが、この点どうでしょうか。
○橋本(道)政府委員 いま先生のおっしゃったようなことも含めまして、できるだけ積極的な検討をいたしたいと思います。
○米原委員 時間がないので、あと二点ほど簡単に聞いておきます。 第一点は、先ほども質問がありました第二十四条の「条例との関係」です。騒音規制法では「この法律とは別の見地から、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」とあるのに、この振動規制法では、この点が抜けておりますが、これはどういう理由でしょうか。
○橋本(道)政府委員 騒音規制法の「別の見地から」という条文を落としているのは何かということでございますが、これは法制局の議論のときに、そういうことを書かなくても全くあたりまえの話である、そこまでのことを書く必要はないのではないかということがございまして、何ら騒音規制法に書かれている「条例との関係」は違うものではございません。むしろ、その基本は地方自治法の第十四条の第一項というところで法目的の異なる場合に行えるということになっておりますので、決して騒音規制法と、こういう書き方によって違っているというものではないというぐあいに御理解願いたいと思います。
○米原委員 そうしますと、こうした騒音規制法のような条文がなくても、この法律とは別の見地から条例が規制するのは一向に構わない、そういうふうに確認しておいていいですか。
○橋本(道)政府委員 本法律の目的と違う見地から規制されるものであるというものであれば、これは抵触しない。これは地方自治法第十四条一項に基づくものであるというぐあいに解しておりまして、そういう御理解をお願いいたしたいと思います。
○米原委員 そうしますと、この振動規制法の場合、別の見地から条例で規制するという場合に、具体的に、どのような形での規制だったら可能かということを聞いておきたいと思います。
○橋本(道)政府委員 私も、騒音規制法のときに立法いたしまして、そのときに質の問題が入れられておらないということがございました。しかし、現在のところ、別の見地とは何かというのは、私も模索をしておりますが、まだ、わかりません。
○米原委員 さらに、もう一点、これは騒音規制法と同様の問題ですが「都道府県知事は、公共性のある施設又は工作物に係る建設工事」「に当たっては、当該建設工事の円滑な実施について特に配慮しなければならない。」こうありますが、この点は最近、特に、いわゆる公共性と公害とのかかわりが相当、問題とされて、大阪空港裁判でも、公共性があるとはいえ公害を発生させてはならないという判断が下されていることを思うと、こうした条項は削除されるべきだ、こういうふうに考えるのです。こんな条項は書かなくていいじゃないか、こういう気がしますが、どうでしょう。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘がございましたが、公共性の名のもとに不当な受忍限度を強いるというのは、これはもう、いけないということは当然でございまして、別に公共性のある仕事だから努力しないということでいいんだ、あるいは甘いやり方でいいんだというようなことを意図しているものでは毛頭ございません。 しかしながら、公共性の問題についての考え方が変わってきたといいますが、公共性という問題についての具体的な条件は何かというところに議論があるわけでございまして、その点は大阪の控訴審も、いままた上告になっているところがあるわけでございますが、しかしながら、この公共性を重視をするということ、これはいささかも変わらない。条件をどのようにするか、従来のような考え方では成り立たなくなったということだけでございまして、こういう建設作業におきましては、これは作業の特性として騒音と振動というのは、ほかの大気や水と違って不可避でございます。また、非常に日常生活に密着したところで公共的な問題で、先ほど申し上げましたような時間の調整など、なかなかむずかしい問題があることも事実でございます。そういう点におきまして、騒音規制法と同様の公共性の規定を置いておるわけでございますが、これは必要なものであるということを考えております。
○米原委員 先ほどから、その点をおっしゃっているので、その意味はわかるんですが、ただ、こういうふうに書きますと、いろいろな場合に、これが適用されるのです。法律になってしまえば。 そこで「公共性のある施設又は工作物」とは具体的には、どの範囲のものを指すのかということの説明を、ひとつお願いしたいのです。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御質問のありましたところにつきましては、建設業法の中に「公共性のある施設又は工作物で政令で定めるものに関する紛争」というのがございまして、それを受けて建設業法の施行令の中の第十五条の一号、二号、三号、四号の中に書かれております。 一号が鉄道、軌道、道路、上下水道等が入っております。ほかに、いろいろ書いてございますが、省略させていただきます。それから第二号が、消防施設、水防施設、学校もしくは地方公共団体が設置する庁舎等、そういうものが入っております。それから第三号といたしまして、電気事業、ガス事業というものが入っております。それから第四号で「前各号に掲げるもののほか、紛争により当該施設又は工作物に関する工事の工期が遅延することその他適正な施工が妨げられることによって公共の福祉に著しい障害を及ぼすおそれのある施設又は工作物で建設大臣が指定するもの」というものがございます。そういうものが、この建設業法の中に定められておることは事実でございます。 ただ、振動規制法でございますから、地域住民の生活環境を保全するということが一つの大きな柱であるということは当然、一方にあるわけでございまして、そういう意味で非常に慎重に、この問題は判断をしてやられるべきだということでございますが、やはり公共性の規定は、これは絶対に要るということで入れております。
○米原委員 「公共性のある施設又は工作物」ですが、実際には、この工事を請け負うのは、やはり民間の業者。しかも先日、七日に参考人で見えた全国建設業協会技術委員会の斎藤委員長は、今回の予定されている規制は妥当な線だ、こう述べられておるわけであります。そういう意味では、この程度の規制ならば厳しく規制しても何の支障もないはずですし、したがってまた、この条文で私たちが心配するのは、「特に配慮」こうあるわけですが、これは当然ながら規制値の緩和などということは意味しない、こう思いますが、その点、そう確認していいですか。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御質問の点につきましては、法律第十五条にございますが、読んでみますと「都道府県知事は、指定地域内において行われる特定建設作業に伴って発生する振動が総理府令で定める基準に適合しないことによりその特定建設作業の場所の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、当該建設工事を施工する者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度において、振動の防止の方法を改善し、又は特定建設作業の作業時間を変更すべきことを勧告することができる。」ということでございます。ですから、勧告の内容は何かということになってまいりますと、ここにございますように「期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度において、振動の防止の方法を改善し、又は特定建設作業の作業時間を変更すべきことを勧告することができる。」そういう内容にかかる言葉でございます。 それで、基準値ということが先生の御指摘の中にございましたが、特定建設作業につきまして基準値と言いますのは、まず、どういうものを特定建設作業として政令で制定するかという場合に、五メートル離れたところで七十デシベル以上のもので非常に問題も大きいというものを取り上げるというところで、これは表に出る数字ではございませんが、そこに出てまいります。 それから、その作業の方法の中で、七十五デシベル以下のものであることということの一応の締まりが入っておりまして、それ以下のものにつきましての、どれだけの時間帯であるとかトータルの時間数であるとか、日曜、休日はやらないというようなことにつきましての作業方法の規定があるわけでございまして、基準値そのものがストレートにかかるわけではございません。あくまでも、ここにございますような「必要な限度において、振動の防止の方法を改善し、」「特定建設作業の作業時間を変更」すべき、そのようなことをやる場合に、この特定建設作業としては、先ほどの公共性のある事業につきましては「特に配慮しなければならない。」と言っていることでございまして、特定建設作業として指定されていることは、もう毫も変わりはございません。
○米原委員 では、質問を終わります。
○吉田委員長 米原昶君の質問は、以上で終わりました。 次は、木下元二君にお願いします。
○木下委員 振動規制法が施行されますと、工場や建設作業に関しまして、中公審答申に基づく所定の基準の範囲内において規制基準が定められることになります。ところが、工場振動について申しますと、中公審答申の基準よりも、現に地方自治体の条例で定めている規制値の方がずっと厳しいわけであります。 その実態でありますが、たとえば工場振動の規制値について見ますと、答申では第一種区域で夜間五十五から六十デシベルであります。自治体の現状はどうかと見ますと、これは手元に資料がありますが、中公審の資料によりましても、たとえば千葉は〇・一、神奈川は、これは最低値でありますが〇・一、岐阜は〇・一、静岡も同じ、大阪は〇・一、兵庫はゼロ、奈良もゼロ、香川は〇・一、広島はゼロ、徳島は〇・一というふうになっておりまして、多くの自治体の規制基準値の最低を、この答申の基準値でいきますと上回るわけであります。工場振動が、中公審の答申の基準より多くの自治体の条例による規制値の方が厳しい。これらの自治体にとって本法案というのは、少なくとも工場振動に関する限りは振動規制法にはならずに振動緩和法になるではないかと思うのです。 本法案の提案理由説明におきまして、振動公害について住民からの苦情、被害の訴え等も相当数に上っておる、その改善を図ることが重要な課題になっておる、このような振動公害の未然防止を図るべきであると考え、法律案を提出したと述べておるのでありますが、この工場振動に関する限りは、答申よりも厳しい規制値を設けている自治体にとっては、決して改善にならない、改善ではなくて改悪になることをお認めになりますか。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の、この数字を比べた場合の議論を述べられたわけでございますが、きょうの朝もお答えいたしましたが、七つの府県の数字は、この中公審の答申の上限上りも甘いものがある、それは、この中公審の答申のところまで下がってこざるを得ない、それから七つの都府県のものでは、その最低限のものが、中公審の五十五という一般的な示された枠に比べれば、いま先生の御指摘の県のゼロは別にいたしまして、五十一というようなところでございますから、結果的に数字だけ比べると、五十五と五十一のどちらが大きいんだと言われますと、それは五十五の方が大きいということでございますが、それを直ちに甘いというぐあいに言い切るというのは、私どもは実体的には少し、そこまでの明らかな判断は、なかなかむずかしい問題ではないだろうかというように考えておるわけでございます。 〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕 この点につきましては五十五というような下限がございますが、その地方の自然的、社会的な条件で特に厳しい基準を設けなければならないというところにつきましては、さらに五デシベル厳しくできるというのが、この工場の規制基準の中にございまして、ですから五十五から五を引きますと五十デシベルに、条例として、ある特定の場合には決めることができるということが、この法律では担保されておりまして、それは第一種の地域の中で病院や学校があって非常に厳しくしなければいかぬということがある場合には、そういうことになりますから、それでいきますと、ここで言っている五十一と五十はどっちが大きいかというのは、これは測定誤差からいきますと、そういう意味のある議論にはなりませんが、同じ程度の水準に、非常に問題のあるところでは、できるようになっておるということでございます。 そういうことで、ゼロの問題につきましては、ゼロと五十五はどちらが大きいかというと、それはまあ五十五の方が大きいということでありますが、ゼロということを決めた経緯というものをよく調べてみますと、最初、三十年代に先進都道府県の条例がゼロということを決めて、このゼロは、計器にひっかかってこないということを決めております。それを後で四十年の初めから四十四年ころまで条例を決めた県が、一番厳しいことを言って、その数字を採用してきた。ところが、一番最初にそのゼロを決めた県は、これはやはり先進県でございますから、いろいろな経験を積んで、この調査研究、規制をしてみると、やはり、これは〇・一ミリメーター・パーセック、つまり五十五デシベルでございます。五十五デシベルということに、ちゃんと改正をいたしております。これはやってみると、どうしてもそうだということになってきたわけです。 この法律をつくりますときに審議会では、その以降の非常に新しい、いろいろな国際的な資料も集めてやりましたところ、いまの、この審議会の答申をいたしました工場の規制の基準というのは現在の時点における最善の知見であるということで、私どもは、これ以上に下げる必要はないということを考えておりますので、そういう意味で、この法律を施行することによって改悪するという先生のお考えは、そういう議論をなす人もあろうかと思われますが、私どもは決してさように後退するものとは思っておりません。
○木下委員 少なくとも、この数値で見れば、これははっきりしておるわけでありますが、確かに、よくなる府県も一部にある。しかし最低値が厳しい数値を示しておるものを後退させるということになることも明らかなんですね。その意味では相当数の府県において、これは後退を余儀なくさせる、そのことは、お認めになりませんか。
○橋本(道)政府委員 非常に機械的な議論ですと、そういう議論もあり得ると思いますが、私どもは、この点につきまして地方自治体は、やはり振動につきましての学問や知見がないので何とか国で早く整理をしてくれ、兵庫県につきましても、そういう強い要望を出しております。そういうことでございますので、その要望を入れて、われわれとして最善の努力をやり、また地方自治体のヒヤリングもしております。自治体との会議も開いております。そういうことにおきまして、その数字を機械的に見れば、先生のような御意見もあり得るということを決して否定するものではございませんが、法律として後退してくるというようなぐあいには私どもは考えておりません。
○木下委員 何も私は機械的な議論をしているのではないのですよ。ゼロについては問題がある、それは、そう聞いておきます。いま私はゼロのことを言っておるのではなくて、〇・一ミリ・パーセカンドと最低値を決めておる府県が相当数あるわけで、それが中公審の答申の基準でいけば、ずっと後退をするということになるのですから、これは数字を見れば明らかなんですから、だから、これは何も機械的な議論ではなくて、数字によって科学的に私は申しておるわけなんですよ。これがちょっと私は、あなたが言われる議論が、よくわかりにくいのですけれども、なぜ私の言っていることが間違っているのですか。
○橋本(道)政府委員 私がいまお答えいたしましたのは、間違っていると申したわけではございませんで、そういう御批判があるということは私どもも重々承知をしておらなければなりませんし、数字的に見れば、そういう問題があるということは、これは認めております。ただ、先ほど申しました今度いろいろ検討されたものは、いま、あるものを緩くするために、そのような意図のもとに組まれた数字ではないということにつきまして、私どもは確信を持っているということでお答えしたわけであります。
○木下委員 その意図はともかくとしまして、客観的にあらわれてきた数値の上で後退をしておるということを私は言っておるのです。これは明らかなんです。 そこで私は、もう少し聞きますが、第三条の「地域の指定」という項があります。これは工場振動に関する第一種、第二種の区域、それと建設作業振動に関する第一号、第二号区域、この両者を含む地域の指定という意味だと思いますが、そうですね。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のとおりでございます。
○木下委員 この第三条の規定の大要でありますが、これは都道府県知事は「振動を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認めるものを指定しなければならない。」ということでありますが、これはこの条文にありますように「住民の生活環境を保全する必要があると認める」場合には必ず指定をしなければならないという解釈でしょうか。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のように、必ず指定しなければならないということと解していただいて結構でございます。
○木下委員 行政法学上の覊束裁量行為だと思いますが、そういうふうに聞いておきます。 この場合、都道府県の条例で独自に地域指定をしておる場合はどうでしょうか。つまり、そういう独自に指定をしておる場合に、もう指定をしておりますから、新たに住民の生活環境を保全する必要があると認めて指定をしなくてもよい、つまり、この場合は、もうすでに指定があるから必要がない、必要がないと認めて指定をしなくてもよいということになるのか、あるいは指定をしなければならないということになるのか、あるいは指定をしてもよいというのか。また、この三条に基づいて指定をした場合には、条例による指定がある場合には一体どういうことになるのか、こうした問題については、どのような解釈に立っておられますか。
○橋本(道)政府委員 いまの先生の御指摘の、すでに条例があって指定をしておるという場合に、どうなるかということでございますが、その条例が、この法律に基づかないで間々やっておられたわけであります。先進的な努力をしておられたようであります。そこで、その条例のままの条例でいかれるのか、それとも、この法律に基づく条例として制定されるのかというところの問題が法的には起こると思います。ただ、ここにございますのは、地域指定というのは、いつまでにしなければならないということはございませんので、時間的に、いろいろな調整問題があって指定をするのがずれてくるということは、当然、騒音規制法の経験をもって見ても、あるわけでございまして、四十四年に騒音規制法を施行いたしまして、五十一年に初めて大体、全体の都道府県に指定地域が及んだ。これはやはり既存の条例との関係や、その地域の社会的、自然的、経済的な要求があったのだと思いますが、そのような時間的なずれは当然に起こってこようというぐあいに感じております。
○木下委員 そうしますと、時期的な限定は明記されていないから、指定をしなければならないという仕組みにはなっておるが、まあ自治体に独自の条例を持っておる場合は、これは必要がないという判断も働いて、別に、この三条による指定はしなくてもよいということになりますか。
○橋本(道)政府委員 指定をしなくてよいということは決して申しておりません。いつ、やるかということの規定がないということだけでございます。
○木下委員 そうすると条例による指定がある場合にも、やはり、その三条に基づく指定はせぬならぬ、こういう解釈ですか。
○橋本(道)政府委員 やはり、この法律に基づいてやる場合には、この法律による手続を踏まなければならないということでございます。
○木下委員 いや、この法律に基づいてやる場合はなんということを言われるから、ちょっとわかりにくくなるわけですが、この法律に基づいてやらぬでもよいわけかどうかですね。どうなんですか、はっきり言ってください。
○橋本(道)政府委員 申しわけございませんが、いま先生のおっしゃることが、ちょっと私、聞こえませんでしたので。
○木下委員 この法律に基づいてやる場合は指定をせぬならぬというふうな言われ方をしますので、それでは条例がある場合に、この法律に基づいてやらなくてもよいのかということを聞いているんですよ。
○橋本(道)政府委員 いま私のお答えいたしました言葉は、きわめて不正確で誤りでございますので、よる場合にはというようなオプションを申しておるわけではございません。これはせなければならないという立場になっておりまして、期間をいつまでにということを指定していないということだけでございます。
○木下委員 この点を明確にしたいのは、規制基準との関係があるからであります。つまり、いまのは第三条でありますが、第四条で、地域指定をするとき、環境庁長官が定める基準の範囲内において都道府県知事は規制基準を定めなければならないということになっております。また第十五条によりますと「都道府県知事は、指定地域内において行われる特定建設作業に伴って発生する振動が総理府令で定める基準に適合しないことにより」「生活環境が著しく損なわれると認めるときは、」改善勧告ができるという仕組みになっております。そこで、この第三条による地域指定をしないでよければ、四条、十五条というのはかぶさってこないわけですね。つまり都道府県の独自の条例によって、答申よりも一段と厳しい規制ができるということになるわけなんで、やはり、そういう余地を残しておくことが必要ではないかと私は思うのです。自治体が地域の状況や特性にかんがみて厳しい規制をしておるものを、答申の線に全般的に後退させるということはよくないと思うのですね。この点、よいことと思われますか。
○橋本(道)政府委員 先生のお言葉の中に、そういう余地を残しておくということがございましたが、私どもは、そういう意図ではございません。しなければならないということがかかっておる。時間については、その知事がどういう決断をするかということになっておりますので、意図的に余地を残しているというような気持ちは全くございません。この法律が、できるだけ早く全国に及んで適切な振動の規制が行われるということを、政府としては期待をしておる、こういうことであります。
○小沢国務大臣 先生は、強い条例を持っているところが、この法律ができたために、より緩くなるじゃないか。強いところは地域指定もやって強い基準でもって住民のために振動規制をやっているのに、この法律ができたために、どうも、この法律に基づいて条例のつくり直し、地域指定のし直し、そういうことを全部しなければいけないというのは後退になるじゃないか、こうおっしゃいます。 そういう議論だろうと思うのですが、私どもは、それは知っておるのです。みんな地方と打ち合わせをしたのです。もう入念に、いろいろ打合会もやったわけですから、今度の基準より非常に低い、ゼロもありますし、あるいは〇・一ミリ・パーセコンドがあるというのを知っております。しかし、いろいろ聞いてみますと、必ずしも本当の意味で科学的に、本当に技術的に検討して自信を持った数値であるかどうかということについては、これはみんな、それぞれ自信がないわけですよ。まあ今度、約二年かかって環境庁が専門委員にお願いして、本当に、これはもう世界で初めての法律ですから、非常な検討をしてつくったこの基準ですから、みんな都道府県は、いや、これができれば、これ全部やりますということで、その方が自信を持って全部できるわけですから、そういう意味で私は、いままでの規制は、もう全部ひとつ、これに変えてもらいたい、それがやはり理想だと思うのですよ。全国一律にきちっとした科学的な知見をしっかり踏まえたものの基準ができて、そして、それをみんな国民のために実行していくということ、私はこの方がいいと思うので、ひとつ、そういうような事情があることは承知しながらも、打ち合わせの結果この方がいいというので、皆さん納得の上で了承していただいているわけですから、この点はひとつ、この法律による規制に統一してやっていただいた方がいい、かように御理解いただきたいのです。
○木下委員 都道府県がどういう態度をとったのか、私よく知りませんが、私が聞いているのは、自治体がこれまで規制をしてきた、その規制が、国がつくろうとしておる規制よりも、より厳しいものである。そうでないところもありますが、厳しいところが多いわけですね。そういうところのものを、結局この答申の線で進めていきますと後退をさせることになる。その後退させるということがよいことなのか。よいと判断されているわけですか。
○小沢国務大臣 私が申し上げているのは、新潟市の私のうちの付近の方々に及ぼす振動のいろいろな環境破壊、その受忍の限度というものと、先生の兵庫における同じ日本人の国民の限度とは、大気や水のように最低のラインを決めているのなら、これは、その地方、地方によって上乗せるということはあっても、このような振動基準については、やはり一本でいくべきではないか、そういうことなんです。それで、また十分、健康と環境保全のための措置がとられるという科学的な確信を持っているものだから、そう申し上げているわけですから、ひとつ、そのようにしていきたい、また、すべきだ、こう思っているわけです。
○木下委員 どうも私は理解に苦しむのでありますが、この前の参考人質問の際に、中公審の亘理参考人でも、問題になっていましたゼロミリ・パーセコンドというのは別といたしまして、そのほかの自治体の、より厳しい規制値をよくないというふうには、さすがに言えなかったわけであります。これは私は当然のことだと思うのです。各自治体で住民の生活環境を守るために、より厳しい規制値をつくっていると思うのです。その足を引っ張り、後退、緩和させるような法律であってはならないと思うのです。この点いかがでしょうか。言われるように確かに全国一律が望ましいということはわかります。それが理想でありましょう。しかし、それは、その全国一律の基準というものが、より内容的に厳しい、完全なものであるという前提で言えることであって、そうでなくて全国一律のものが必ずしも十分なものでないという場合に、それよりも、より前進した厳しい規制値をとっておる、厳しい規制をやっておる、こういう自治体があれば、それは結構なことではないかと思うのです。何も、その足を引っ張る必要はないのではないか、こう思うのです。いかがでしょうか。
○小沢国務大臣 公害を防止するということの基本は、基本法にありますように、人の健康を守って、そして環境保全上、必要な措置をやるわけでございますから、先生は、少しぐらい、それが行き過ぎても、より厳しいものがあれば、何も、それの足を引っ張らぬでもいいじゃないか、こうおっしゃいますが、これには大気とか水とかと違いまして、やはり、そこに一定の犠牲があらわれてくると私は思うのです。その規制によって当然、事業場についても、ことに中小企業についても、あらわれてくると思う。あるいは道路なり他のいろいろな建設工事についても、住民は一方において、ある面を忍びながら、大事な健康と環境保全については他の地区より厳しく求めて、それを承知されているのではないかと思うのです。その場合に、われわれが科学的に本当に検討して、これで十分なんだということがあれば、しかも一方、その基準をお決めになったところが、それほど学問的な科学的な検討をしたものでないとすれば、私どもの考え方に従っていく方が、より住民のためじゃないかと思うので、その点は打ち合わせによって、そういうことの理解を十分得ているつもりでございますので、先生のような心配は、そうないのじゃないかというふうに私は思うわけでございます。
○木下委員 自治体でつくっている規制値が何か学問的、科学的に不十分であるかのようなことを言われますが、そんなことはないですよ。そんなことを言われたら自治体は怒りますよ。ことに、この資料の表を見てもわかりますように、多くの自治体において〇・一という基準が出ているわけでしょう。そうすると、これは皆、間違いですか。そんなことはないですよ。私は、この法律がつくられることによりまして、そしてこれが実施されることによりまして当然に、せっかく先進的な役割りを果たし、現に厳しい規制をしておる、その条例を改廃することになると思うのです。これは条例があって地域指定をした場合、そして規制値を決めた場合に、条例の効力がどうなるのかという問題もありますけれども、そういう問題とは別に、これは当然、改廃の動きが出てくると思うのです。これによって結局、振動規制は事実上、答申の線まで後退するおそれがあると思うのです。また条例による規制を行っていない自治体では、当然、新法による規制が行われることになるわけでありまして、そうすると、もうすでに厳しい規制をしておる自治体のように、より厳しい規制を図っても、これは不可能になるわけであります。このような振動規制を中公審答申の線で抑えて事実上、規制を緩和、後退させる結果を招く、こういうことになるんじゃありませんか。これが環境庁の考えでございますか。
○橋本(道)政府委員 大臣のおっしゃったのは、地方自治体がやっているのが科学的に間違っているとか、そういう意味ではございませんで、地方自治体が現在、決めた基準というのは大体、昭和四十五年ころまでの科学的な知見で、いろいろ、やっておられます。その時点では、振動については科学的な知見というのは、まだ非常に乏しい時代で、この先達として努力をされたということにつきましては、私たちも敬意を表しておりますし、そういうことで今回の基準を決めますときに、東京都と大阪府、これは最も先進的にやったところですが、この二つのところは、おのおの十分な時間をかけて、規制の基準を決めた経緯あるいは、その実体を、いろいろ細かくお聞きしてやっております。また地方自治体につきましては二回、全体会議を実際、条例を持っておられるところとやりまして、そして徹底的にお話をしておるのです。最後に、あるところ、名前は申しませんが、そこが最後まで後退するのは困るという議論がございまして、私は自身で、これは東京からかなり離れておりますが、そこに参りまして、そこの部長や皆さんとお話をして、これだけのことで整理をして、ここに来たということでお話をして、それでは、そういうことで国の法律の方に合うように、われわれとしても努力をいたしますということで御了承をいただいたということでありまして、私どもは、先ほどお話ししましたように四十七年以降、非常に大変な資料収集をいたしまして、しかも国際機関としても、できましたのが四十九年でございますから、その一番新しい知見をもって整理をすると、こういうことになりました。そういうことですので、そのような合理性のものには地方自治体の方も——こういうことをやったのは、地方自治体の要望も非常に大きかったわけでございます。厳しい基準を決めておられるところも、測定法がちゃんとしていない、基準の知見がちゃんとしていない、防止技術がはっきりしていない。何とか国として、ちゃんとやってくれというような要望のもとに、やったわけでございますので、どうか先ほどおっしゃったような御批判も一部にはあると思いますが、決して、そのような間違っているとか、よくないとか、統制して引き下げようとか、そのような意図を持ってやるのでは毛頭ございません。それを正しく御理解いただければと思います。
○木下委員 どうも私の質問に答えていないと思うのです。あなた方の意図なり意欲なりは、そういう主観的なお考えはともかくといたしまして、それを聞いているのではないのですよ。少なくとも事実上、客観的に現にある規制を緩和させる、後退させる、そういう結果になるじゃないか、これを認めるのかということを言っているのですけれども、結局それを認めることになると思うのです。私は、やはり真に住民の立場に立った振動規制法をつくるというならば、さっきも長官が言われましたけれども、全国一律のものをつくるというのは確かに理想でありましょう。しかし現状においては、そうした理想論で直ちに、これを実行するということが、いろいろな事情で、できない。より厳しい、自治体がとっておるそういう規制よりも厳しい数値を出して国が規制をするということは、なかなか、むずかしい問題があると私は思うのです。現状におきましては、私は、この法律をつくるというならば、市町村などの自治体が、それぞれの地域の状況や特性のもとに規制基準を定める、そして、それが維持できるように自治体の規制権限を大幅に強化していく、こういう形にするべきだと思います。仮に譲って、本法案のように政令で基準を決めるというならば、少なくとも条例による、より厳しい規制を緩和させることのないような仕組みにすべきだと思うのです。いわゆる上乗せを認めまして、条例による規制の足を引っ張ることのないようにするというのは、私は当然の配慮だと思うのですよ。これがないから問題にしておるわけであります。この上乗せ基準をおつくりになるという考えは、環境庁には全くないわけですか。
○橋本(道)政府委員 大気と水と同じような形での上乗せ基準をつくるという考え方は全くございません。ただ、その第四条の二項にございますように「環境庁長官の定める範囲内において、同項の規制基準に代えて適用すべき規制基準を定めることができる。」ということで幅を示しまして、さらに、それから五デシベル下げられるものもあるということも、ひとつ御理解願えればと思います。
○木下委員 それは上乗せとは違います。考えはわかりました。 それでは、もう少し聞きますが、この中公審答申の規制基準値の定め方の問題点を指摘したいと思います。 工場振動について夜間、第一種区域は五十五デシベル以上六十デシベル以下というふうに書かれております。これは睡眠への支障を来たさない限度の数値ということであります。ところが第二種区域は夜間六十デシベルないし六十五デシベルということで、五デシベル上積みされております。睡眠への影響を及ぼさないようにする必要は、第二種区域にも認めるべきではないのでしょうか。認めなくてもよいという考えですか。
○橋本(道)政府委員 この数字でございますが、いろいろ実験をしてみますと六十五から六十九というところの間で、たとえば六十五の場合ですと、睡眠の深度一の場合は過半数が覚せいするが、深度二の場合には影響が見られないということで、全然、影響がないわけではございませんが、これは、いま言った上限のところにくるのじゃないかという考え方で、この第二種の方を決めております。 地域の第一種、第二種というのは用途の性質が違うわけでございますので、非常にいいところに保つということになってきますと、住居地帯の方は、もともと住居の地域でございますし、また住居地帯の方が、その反応も非常に厳しいという傾向もあるということで、亘理委員長もそういう御説明をされましたが、そういうところで地域類型別に基準を決めるという考え方は全く除外してしまいますと、先生の御指摘のような問題もあるかと思いますが、やはり商工業が混在しているということの中におきましては、いま申し上げたような住居の方は非常に厳しくなっておって、第二種の方は、それよりも若干、一段違えておるが、しかし、非常に問題になるようなレベルを決めておるわけではないということで、このようなレベルを決めたわけであります。
○木下委員 この六十五ないし六十九デシベル、そして地表値で言うと六十ないし六十四デシベル、これが浅い睡眠に影響を及ぼすというふうに、この前の参考人も言われておったと思いますが、だから、これからいくと、この第二種区域の夜間は睡眠に影響を受けるわけですね、そうでしょう。
○橋本(道)政府委員 ですから、地表値に換算をいたして、その基準を決めておりますので、若干、影響があるかということは、これは全く否定できることではございません。 〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕
○木下委員 いま第二種区域というのは住居の用に、あわせて商工業が混在をしていると言われましたが、しかし、一般の住居に居住をしておる住民もたくさんいるわけでありますが、そういう区域におる住民というのは、夜間の睡眠が、わずかなら妨害されてもいいんだという考えなんですか。そこが私はわからぬのですよ。
○橋本(道)政府委員 私のいまの説明、非常に不十分でございまして、前回、亘理委員長も申されたところですが、五デシベル家屋増幅を見ておるというのは実際は、かなり大きく見ておる節もあるというところもございますので、その点も考慮の中に入れておいていただきたいと思います。 それから社会的な地域の用途によって若干の相違があるというのは避けられないといいますか、やはり一法として、そういう物の考え方はあるのではないかというように、われわれは考えておりますので、われわれは、この基準で工場振動につきましては十分やっていけるというふうに思っております。
○木下委員 あなたの言われているのは問題のすりかえですよ。地域によって若干の格差があってもいいじゃないか、それは、そのことを私は何も否定していないですよ。そうじゃなくてこの夜間の数値というのが、第二種区域では睡眠に支障を来すような数値になっているじゃないかということを問題にしているわけなんですよ。だから睡眠に影響を及ぼさないという点では、第一種はもとよりのこと、第二種区域についても同じように扱うべきではないかということを言っているのですよ。商工業が幾らか混在しておれば、夜は睡眠不足になってもやむを得ぬという考えを環境庁がおとりになっていることが非常に問題だ、こう言っているのですよ。そうじゃありませんか。
○橋本(道)政府委員 そういう御批判もあろうかと思いますが、専門家の議論を経まして、この工業地域について基準を決めるということは、先生のおっしゃるようなところまで、こういうのはけしからぬ基準であるという考え方は私どもは持っておりません。
○木下委員 これは亘理参考人も、この前のとき言われたのですが、第一種の方は住民の反応に厳しいものがあったから、こう言われたのですね。つまり住民がやかましく言わなければ規制を緩和するという考えなんですね。どうも、こういう姿勢で基準を決められては、たまったものではありません。このことを私は問題にしているのですよ。やはり健康のもとは睡眠であります。その大事な睡眠に支障を来すような規制値というのは絶対に改めるべきだと思います。結局これは被害住民の立場を無視するものであります。そうでないというならば、これはせっかくの答申でありますが、この点は改めた政令とするということを、はっきり答弁してもらいたいと思うのです。
○橋本(道)政府委員 被害住民の立場を無視するというような気持ちで、これは決められておるものではございませんし、現在の段階で、この出された答申を変えて決めていくという考え方は、私どもはございません。
○木下委員 道路交通振動の限度値について申しますと、この限度値は工場振動の基準値や住民反応調査を考慮して定められたというのでありますが、工場振動の基準値の上限値を採用したのは、どういう根拠でしょうか。
○橋本(道)政府委員 道路交通振動に関しましては、まず振動を防止するための措置を要請する限度として、やられたものでございまして、許容限度という形ではございません。また私どもも、この数字に満足しているわけではございませんが、それに対応する対策ということは、間違いなく、まず、このレベルはちゃんと解決をしていくということに重点を置いて、この基準を決めたものでございます。
○木下委員 私の質問に的確に答えてほしいと思うのですが、私が聞いたのは工場振動の基準値の上限値を採用しておるのは、どうしてかと聞いておるのです。
○橋本(道)政府委員 これは、やはり被害の著しいところについて、そこの人が文句を言うところも言わないところもあるでしょうが、文句を言わなくとも、ひどいところはちゃんと直すということでこの七十という数字が採用されているということでございます。
○木下委員 どうも、その工場振動の上限値を採用した意味というのが私よくわかりにくいのですが、この工場振動の基準値というのは、特に夜間の第二種区域について、いま私が指摘をしましたように睡眠への支障を是認するような数値であるわけですね。六十ないし六十五という、この不当な基準値の、しかも上限をとる理由というのは一体、何かということを聞いているのです。
○橋本(道)政府委員 いまの工場地帯の基準値といいますのは、地方自治体の上限値に比べますと、わりに厳しいところにあるのではないかというぐあいに私どもは感じております。
○木下委員 どうも、よくわかりませんが、しかも、この答申によりますと限度値の適用外の仕組みがあるわけですね。これは重大であります。これが使われますと、第一種区域でも夜間は六十五デシベルまでよいということになるわけですね。そうすると、この工場振動の第一種区域の夜間の五十五デシベル、下限の方でありますが、これを十デシベルも上回るということになるわけです。亘理参考人は、わが国の社会経済に占める機能にかんがみ、この制度を設けるというように述べられましたけれども、これはもう、まさしく経済との調和条項が、ここに、いまだに生きておるという感じを持ったわけです。こういう考えは私は許されないと思うのです。また、この適用外を認めますと、工場振動の場合に比べまして著しく均衡を失する緩い規制を認めるということにもなるわけですね。しかも、これによって第一種区域、第二種区域と区域を分けました意味を否定することにもなるのです。どうですか、この点は。
○橋本(道)政府委員 この道路に関する規定は従来、地方条例のどこにもございません。初めて、これは出てきました。これで道路管理者が、こういうことをするものとするということで拘束を受けるようになってくると、そういう面での一歩前進が、われわれはあるというふうに思っております。 この数値でございますが、建設省筋でいろいろ、いままでの経験や、あるいは研究等を通じて見ますと、大型車が頻繁に通行するような既設幹線道路で、この道路の補修等の対策、あそこで決められた対策ということをやっても、基準値の一応、住宅の夜間の六十デシベルまで軽減することは実は非常に困難なんだということ、そういう場合が道路の中にどうしてもある。こういう場合には結局、大型自動車の交通を禁止する等の非常に厳しい交通規制を実施していかなければならない、大幅な削減になってくる。そうすると、その大型トラックの走っていることによって、いろいろの物資を運んでいるわけでありますが、それらの活動に非常に大きな支障を来たす場合が中には残念ながらある。そういうことで、このような特例を設けることはやむを得ない、こういうことでございます。そういうことで、こういうことができるという形にして、みんな、こうするという考え方でございませんが、どうしても、そのような場合には、そういうことができるということにとどめて入れたわけであります。
○木下委員 確かに、そういうことができるということになっていますが、いま、どうしても必要な場合にはと言われましたが、その、どうしてもというのが入ってないのですよ。だから問題にしているのです。「必要により」と書いてありますね。「必要により」とあるだけでありまして、特に限定や条件もなく、ただもう必要と漫然と判断されたら、幾らでも自由に適用外ができるという仕組みになっておる、ここを問題にしておるわけであります。だから、これはいま言われたように、私はどういう場合を想定しておるのかよくわかりませんけれども、こういう場合には、どうしても必要だというのなら、そういうふうに限定をして、こういう場合には必要だからということを厳しく限定してやるという方法があるじゃありませんか。そうでなくて、もう何となく「必要により」という判断で、できるようになっているから、ぐあいが悪いということを言っているのです。この点は直されますか。
○橋本(道)政府委員 先ほど私の答弁の、どうしてもという言葉を省きます。これは取り消します。「必要により」ということであります。どのような必要があるかということは、よほど、いろいろな実態を調べた上で、また地方自治体のいろいろな意見も聞いた上でないと、なかなか余り限定的にするようなところまで現在われわれは詰められた段階には入っておりません。
○木下委員 どうも、この点は、せっかく第一種、第二種と区域制を設けたわけでありますが、その区域制そのものを否定する結果につながるのですね。これはもう「必要により」なんということで、どんどん適用外されたら一体どういうことになりますか。だから、これにどういう歯どめをかけるのか、その歯どめなしに「必要により」ということで幾らでも適用外できるんだ、これでは一体、何のために区域制を設けたのですか。この点、大臣いかがですか。
○橋本(道)政府委員 私の先ほどの説明が不十分でございましたが、先生のおっしゃっておられる「必要により」という議論は、中公審の答申の中にある文言でございまして、法律問題として、それが入っているわけではございません。
○木下委員 ですから私は、その点を改めるかというふうに聞きましたのは、この答申の中に、そういう文言であらわれておりますが、政令を定める際に、きちんと限定をするかという意味で聞いているのです。
○橋本(道)政府委員 中公審の答申を尊重して対処をしていきたいというふうに思っております。
○木下委員 その答申はわかっておりますよ。しかし、答申はわかっておるけれども、そんな一字一句、忠実にやるということですか、こういう不合理な問題があっても。
○橋本(道)政府委員 いまの問題は、実際の運用面になりますと都道府県知事が非常に実は苦しまれるところではないか。どういう場合に一種のものを二種のやつに持ってくるかというところでございまして、知事さん自身も実は非常にお困りになるところだろうと思います。そういうことで私どもも、できるだけよい方向に進むようにケース・バイ・ケースに当たりながら、やってみたいということでございまして、それまでに先生のおっしゃるような、こういうものを限定してはどうかということをやることのリスクの方が高いというふうに思っております。
○木下委員 環境基準の問題ですが、振動公害について先ほども少し質問ありましたが、これを環境基準を定める考えというのは、いかがですか、長官。
○小沢国務大臣 振動基準につきまして環境基準を設ける努力は、今後とも私どももやっていかなければいかぬと思いますが、いまのところは、いろいろ技術的な観点から考えまして、ちょっと無理ではないかという考え方でございます。したがって、振動公害を防止して住民を守るという緊急的な配慮から、この法律をお願いをしているわけでございます。将来そういう面に向かって努力をしないかと言われますと、私ども当然いろいろ技術的にも検討を加えまして、そういう目的は決して放棄するというつもりはございません。
○木下委員 この問題は、なかなかむずかしい問題もありましょうから、よく検討いただきたいと思うのです。これは日弁連の意見書も出ておりますし、また、この前の真鍋参考人あるいは二村参考人等も日弁連の意見に同趣旨の意見を述べておったと思います。こうした意見を参考意見とされまして、ひとつ、よく検討いただきたいということを要請しておきますが、およそ、いつごろをめどとして作業をお進めになりますか。
○小沢国務大臣 若干の期間をかければできるような問題であれば、私どもは、この法案をそう急がない、もう半年くらい待っても、その方がベターだと思ったのですけれども、なかなか、そういうわけにはいかない問題でございます。したがって、いつごろまでというようなことについては、これはいま、ここで私ちょっとお答えできないのでございまして、むしろ一年かかっても一年半かかってもやりますと言うだけの勇気が、まだない、そういう状況でございます。ただしかし、努力はどうしても、していかなければいかぬだろうというような私どもの考え方あるいはまた技術的な現状であるということを御理解いただきたい。
○木下委員 最後に聞きますが、余り時間もありませんし、ほかの人も質問をした問題ですが、第十五条第三項の問題であります。特定建設作業に伴って発生する振動について改善勧告及び改善命令の制度を設けておるわけでありますが、「公共性のある施設又は工作物に係る建設工事」の場合は「当該建設工事の円滑な実施について特に配慮しなければならない。」とされております。つまり、これは公共性がある施設等については、基準に適合せず生活環境が著しく損なわれても、勧告や命令に手心を加えて工事の円滑な実施を優先せよということだと思うのです。はっきり言いましてね。これはもう、まさに公害対策の基本にかかわる問題であります。 そこで、先ほども言われておったのでありますが、この「公共性のある」とは一体どのような場合なのか、これが非常に問題になってくると思うのです。前の参考人も言っておりましたけれども、この公共性という概念自体がきわめて不明確であって、何をもって公共性ありと判断するのか、これはやはり一定の基準がないと幾らでも広がってくるわけであります。先ほど私、聞いておりますと建設業法の施行令を引用されておりましたけれども、そうすると公共性を同じように解するわけでしょうか。
○小沢国務大臣 これは重要な点ですから、私から基本的に、ちょっとだけ申し上げますが、先生が最初おっしゃったような気持ち、何か特別配慮することの方が基本であって、環境基準を守ることが従になっていくんだというような御意見を言われたのですが、そうじゃないのでして、まず振動基準は守ってもらうんだ。そして、あるときには勧告をし命令も出すんだ。しかし、その際に、いろいろなやり方があると思うのですね。それに従わせるとか、あるいは、こういうような時間の変更等についても、こうしなさい、ああしなさいと、いろいろなあれがあると思う。そのときに、そういう大事な公共性の強い工事だということを頭に置いて、そのやり方について配慮をしなさいよという規定でございますから、先生のおっしゃる、強調される、その重点の置き方、少し違うので、その点だけは誤解しないようにしていただきたいのです。 それから先ほど来、公共性のある工事とは何ぞや、その範囲はどうだ、建設業法のあれでいきますと非常に広いじゃないかという御意見であります。そこで、これは私もいろいろ心配をしております。議論がおありでございますので、よく建設省とも実体的に相談をして、できるだけ、やはり特定をしていく必要があるだろうと思うのです。ただ、その地域、地域によって公共性の度合いというものが濃淡が非常に違ってくる、そういう点もありますので、いま、どれぐらい建設業法のあそこで書いてありますものをしほれるかどうかは、私いま自信はありませんが、よく相談をして、この趣旨が生かされるような配慮を私どもの方で、この法の運用に当たって最大の努力をしていきたい、私の気持ちはそういう気持ちでございます。
○木下委員 これはたとえば、ある地域に病院をつくる、それは地域の住民が切実に求めておるという場合もあると思うのです。あるいは水道管の布設を求めておる、緊急性があるという場合もあると思うのです。そういう住民の要求が非常に切実で強い場合、そういう場合に、言われるように、ある程度、考慮をするという趣旨は私は理解できるのです。しかし、住民が受ける利益や地域の要求の観点から物事を見ていくのではなくて、ただ公共性ありというふうな抽象的な判断で、住民に受忍を強いるべきではないと思うのです。 そこで問題になるのは一体、公共性というのは、これはいろいろ詰めていくというお話でありますが、やはり私は基準を設定することが必要だと思います。一体、何で、この公共性というものを見ていくのか。たとえば施設などを使用する事業主体で見るのか、あるいは事業内容で判断をするのか、あるいは両方を総合し、あるいはその他の事情も勘案して考えていくのか、これはよくわからぬわけです。たとえば、あるところに美術館をつくる、博物館をつくる、文化会館をつくる、そういう場合に、これは一体、公共性があるからといって住民の被害の受忍限度が特別高いと見ていくことには私は問題があるように思うのです。だから、これは非常に慎重に考えなければならない問題ではありますが、少なくとも、きちんとした基準をつくることは必要であると私は思いますが、いかがでしょう。
○小沢国務大臣 大体やはり住民のニーズが判断の基準になることが、先生が最初言われたように一番、根本じゃないかと思うのです。事業主体の都合だけで決めるわけにはいかないと思うのです。ただ、基準をぴしっとつくれるかどうか、これはよく相談してみないとわかりませんが、その地方、地方住民の必要性といいますか、そういうことによっても大分、違ってまいりますから、画一的な基準ができるかどうか、あれですが、その辺のところは基準のつくり方にもよりますので、そういう点はよく今後、建設省と相談をさせていただきたいと思っております。おっしゃる趣旨はよく理解をいたします。
○木下委員 時間が来ましたので、おそくなりました感じもありますから、幾らか質問が残りましたが、それはまた保留ということにいたしまして一応、終わります。
○吉田委員長 それでは本日の木下元二君の質疑は、時間が参りました。 次は、折小野良一君にお願いをいたします。
○折小野委員 お疲れのところと思いますが、もうしばらく、ひとつ、おつき合い願います。 さっき長官のお話の中に、世界で初めての法律であるからというお言葉がございました。その後に、どういう言葉が続くのかと思って聞いていたのですけれども、はっきりとした言葉は続いてこなかったのですが、世界で初めての法律であるから、いろいろ十分でない点もあるが、まあ、この辺でというようなふうに受け取られた。しかし私は、世界で初めの法律であるから少しでも、いいものをつくっていきたいという意欲を持って取り組んでいただくということが大切なことじゃなかろうか、こういうふうに考えます。振動規制というものは大変むずかしい問題だというふうに私どもお聞きいたしております。したがってまた実際の対策につきましても、いろいろと問題もあろうと思いますし、今後なお、やらなければならないことも、たくさん考えておられるのだろうと思います。しかし現時点において少しでも、いいものをという気持ちで法律もつくるし、私どもも当然そういう立場で審議していかなければならない、こういうふうに考えますので、そういう立場で二、三の御質問をいたしたいと思っております。 振動というのは非常にむずかしいということでございますし、まあ、そのことのためでもあろうと思いますのですが、公害対策基本法ができまして、その中で、いわゆる典型公害というものが書かれておりますが、その中の一つとして振動というものがあったわけであります。しかし、いろいろな事情で今日まで、これに対する直接の法制というものがおくれてまいりました。それは、一つは振動というものの、いろいろな性格について解明されていない面が多いということであろうと思いますが、実際問題として立案当局といたしましては、そのことだけで、おくれてきたということなんでしょうか、何かほかに理由がございますか。
○橋本(道)政府委員 振動が非常におくれたのはなぜかということでございますが、最も大きな問題は、どうやって測定をするかということが、なかなか固まらなかったということでございます。これは速度でやるか加速度でやるか補正加速度でやるかという議論もございまして、そこに非常にむずかしい問題があったことが一つと、あとは、この振動の影響に関する知見、しかも、これは社会的な反応がずいぶん入るものでございますから、そういうものについての整理というもの、これは恐らく日本のデータ以外に余りないんじゃないでしょうか、そういうものを、かなり固めてくるというところに問題があったことと、それから対策としては、これはいろいろな御批判がありますが、振動の対策というのは地方自治体で、しかも零細企業が多いものですから、地方自治体がいろいろな基準を決めるのに悪戦苦闘しておったということは事実でございます。そういうものも絡んでまいりまして、振動の問題が実は一番おくれてきたというのが実態でございます。
○折小野委員 いま御答弁のあったうちで測定の問題なんですが、測定の方法、したがってまた、それを現実に行う測定の機器、それの開発という問題があろうと思いますが、現在の段階において測定の機器の開発、これは完全なものができた、対策をとる基準というものが、これによって十分とれるようになった、こういうふうにお考えなんですか。
○橋本(道)政府委員 現在の段階におきまして、もうJISがすぐ固まるところにまで来ております。この法律が動くことによって、その機械も出ます。また、その機械の原型の機械は、もうすでに経験をされ、改良されておるものもございますので、この法律を運用するには十分たえられるものがあるということでございます。
○折小野委員 先ほどの御答弁の中にもありました各自治体でいろいろと条例をつくって規制をやってきたが、なかなか測定その他に、いろいろと問題があってということもございましたが、この法律ができて、そして全国的に一応この法律が施行されるということになってまいりますと、そういう機器の普及あるいは、それの運用というような面には心配はなくなるということですね。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございました、そういう機器の状態はどうかということでございますが、この機器の生産も十分できますし、また年産として十分、対応できる。いま、ある程度、出回ってきて十分これを訓練やJIS化によって確かなものにやることができるという状態でございます。
○折小野委員 次に、振動が公害の原因になる、それは人の健康に及ぼす被害がある、また一面、物件に対する被害というものが考えられる。振動というものは、いろいろと特殊な非常にむずかしい性質を持っておるように聞いておるわけでございますが、その振動が及ぼす被害、健康上の被害、心理的あるいは生理的それから物件的な被害、こういうものの態様をどういうふうにお考えになっておられますか。
○橋本(道)政府委員 振動の被害でございますが、公害振動ということで一般の地域住民の住んでいる環境でぶつかる振動ということに限定してみますと、かなり様子が変わってまいります。この中で一番、公害振動という立場でぶつかる振動のレベルでは、身体の障害を生ずるような振動は絶対、起こってまいりません。 それから、もう一つは、生理的な影響を起こす振動といいますものは、これは大体、八十五とか九十とか、そういう数字でございますが、そういうのは起こってまいりませんで、建設作業の中で、ごく短い期間そういう問題が中にあるということでございまして、建設作業の音と振動は避けられないということでございますが、それは生理的な反応あるいは快適さが阻害されるというところの問題でございます。 それから、その次の心理的な反応、これは振動の問題は非常に感覚的な問題でございまして、苦情の対象になるというようなことで心理的な反応になりますと、生理的な反応よりも、さらに低いレベルで、いろいろの心理的な反応を起こしてまいるわけでございます。それから一番、大きなものは心理的と申しますものと絡んでまいりますが、生活の妨害ということが大きい問題でございます。これは揺れて、いらいらするとか、あるいは落ちつかないとか、あるいは少し、はなはだしくなりますと夜、急に大きな振動で、ぱっと目が覚める、あるいは少し寝つきにくいというような問題、そのような生活の妨害というのが振動の場合には非常に大きいということで、一般の家の中の振動を感ずる限度は大体、五十七デシベルぐらい、あるいは昔からの有名な文献では六十デシベルぐらいが振動感覚の閾値であると言われておりますが、そのようなところでございます。 それから、非常に具体的な問題といたしまして、財産被害ということがございます。これは七十デシベルを超えてきますと財産被害感が起こる、あるいは家の中のたてつけ等に少し狂いがくるというようなことでございます。もちろん、この因果関係が明らかに証明されるような振動となりますと、これはその水準では普通ないわけでございますが、地震のような非常に継続的なものでも八十五から九十、そういうような水準で継続的に揺られると問題を起こしてくる。しかし現実的に見てみますと、七十から八十ぐらいの間で家のたてつけが狂ってくるというような問題がある。 そういうことでございますので、公害振動の問題といたしましては、やはり心理的な問題、生活妨害の問題あるいは財産の被害感の問題というようなところが一番、中心になってきまして、キーになるところは、やはり生活妨害というところの問題であるというぐあいに考えております。
○折小野委員 通常の公害対策といった場合には、結局その公害の原因になるものを薄めるとか、あるいはその原因になるものから距離を離すとか、こういう基本的な立場で、いろいろな対策が講じられるというのが通常なんですね。振動の場合には先ほどから、いろいろ御意見もありましたように大変、特殊な性質というものがあるということでございますが、この振動に対する対策、それの特殊性といいますか、問題点といいますか、そういう点について何か従来の公害対策と違った対策というものが必要であるかどうか、その点どうでしょうか。
○橋本(道)政府委員 振動公害対策をする場合の従来と違う問題点でございますが、振動と騒音の問題につきましては、先日の参考人の意見のときに東北大学の二村先生が、いろいろお話しになりましたが、私たちの実務的な対策面からということでまいりますと、振動の場合には地盤を伝わってやってくる。これは理論的には二村先生が、いろいろ御説明になりましたが、その点が非常に様相が変わっております。地盤を伝わってやってまいります。そういう意味で、たとえば大気汚染、水質汚濁の場合には放出口がはっきりありまして、出てくる場所を押さえればいい、こうなりますが、振動は全体の基礎構造自身から地盤に振動を伝えて、それがいろいろな方向に伝わっていくというようなところで、地盤の質が悪ければ非常にそういう問題が大きくなる。普通の大気とか水の場合には、ある特殊な条件の場合に非常に限定的に悪くなるということが多いわけですが、この地盤の場合ですと恒久的な形になっておりますので、その点の様相が大気や水の場合と非常に異なてくるということがございます。 それから、騒音の場合には空間を伝わってくるということがございますので、その遮断をするというのがあるわけでございますが、振動の場合には一応、遮断のやり方があるということは原則としてございます。しかし、どうも余り、うまくいかないようでございます。そういうことで遮断とか防音壁に類するようなものは振動の場合には当てはまりません。やはり距離を二倍、離しますと三ないし六デシベル下がるとか、そういう問題が起こってまいりますので、一番、根本のところは都市計画とか建築基準法における規制とか、そういう問題が振動の場合には根本になるわけでありますが、この対策としてやっていく場合には、防振構造ということになりますと木造よりもコンクリートの方が揺れが少ないというようなことになるわけでございます。しかし、ある程度以上のものになりますと、これは騒音の場合と非常に様相の違った、移転する以外に手がないのじゃないかということでございまして、地方自治体の条例におきましても、停止とか、移転とかいう命令条項は全然ございませんが実際の問題解決としては、工場移転によって解決されているケースが実はかなりある。そういう意味で進捗は非常に遅々たる問題があるということがございます。 それからもう一つは、伝わっていく場合に騒音ですと、そこで遮断されるということを、いま申しましたが、振動ですと家屋の増幅が起こるということがございまして、これが実験では、振動ベッドの上でやっている実験でございますが、地上に直してみると五デシベルぐらいの差があるというようなところで、いろいろな要素がございます。 それから最後の、対策の上での非常な相違と申しますと、たとえば道路交通騒音と道路交通振動と、どう違うかということになりますと、道路騒音の方は上を走っている自動車自身がやかましいわけでございます。その台数がたくさん走れば、その自動車のやかましさが来る。そして道路とタイヤの摩擦音というものが確かに道路と関係ございますが、別に道路自身が音を発しているわけではございません。ところが振動の方は、上を走っている自動車が地盤の振動をどんどん起こしているということではなしに、その道路を走っていなければ振動してないけれども、道路自身が振動を起こして、それが周りに伝わってくるというところで、自動車自身の騒音の許容限度を規制したらいいような形の自動車の抑え方というのは、振動の場合にはないというようなところ、以上のようなところが、簡単でございますが、ほかの公害と比べて非常に違うところではないか、こういうことでございます。
○折小野委員 たとえば新幹線公害を問題にいたします場合、従来、新幹線から何メートル、たとえば二十メートル離せばいい、こういうような考え方が通常、対策の一つの考え方なわけですね。ところが、それに当然、振動が加わるわけですから、たとえ、それだけを離して、それで騒音は一応なくなった、なくなったじゃありませんけれど、まあ何とかなるところまでいったとしましても、地盤の関係によりますと、それよりか、もっと奥まで何とか対策を講じなければならぬということが出てまいりますでしょうし、あるいは、そこの地表面では一応いいといたしましても、そこに二階建ての家を建てる場合に上の方ではちょっと耐えられない、こういう面も考慮しなければならない。ですから従来、新幹線公害で最悪の場合は、あの路線から何メートル離せばいいという場合も、ただ単に騒音だけの立場で考えていくわけにはまいらない、こういうことになってくるわけですね。
○橋本(道)政府委員 全くいま先生の御指摘がございましたように、騒音の場合には、わりあいコンターがきれいにかけるわけでございますが、振動の場合には下の地質問題がございますので、普通は大体、二十メートルから五十メートルの幅のところに、たとえば七十デシベルというのが入ってくるということですが、場所によっては、ぐっと深く入ってくるというものもあるということでございます。
○折小野委員 そういう振動のいろいろな問題につきましては、今後なお解明すべき点がある、こういうふうに言われておるわけでございますが、環境庁といたしましては、今度この法律ができましても今後の問題があるわけでございますが、今後さらに振動のいろいろな性質また、それに対応するいろいろな対策、こういう面について、どういうような形で、その解明を図っていこうと考えておられるのか。
○橋本(道)政府委員 いまの具体的な大きな問題は、やはり新幹線や鉄道振動をちゃんとするということが非常に大きな問題ではないかということで、これは国鉄も年間数億の金を使うというのが非常にふえているそうでございます。私どもはまだ見ておりませんが、一度ぜひ、どういうぐあいに研究を進めておるか行って見ようと思っておりますが、そういうものを伸ばしていくということが非常に差し迫った第一の問題であります。 それから第二の問題は、やはり道路関係の問題というものが非常に大きいんじゃないだろうかということでございまして、道路関係の問題になりますと、これは振動と騒音と大気と全部、絡んでまいりますので、道路公害というものに対応する対策に、ソフトとハードの両面から、どういうぐあいに取り組んでいくか。私どもは、この振動規制法ができてまいりますと、今度は少し長期の視野に立って、そのような公害にどう対応するかということで、まだ全然プランはできていませんで、いま部分的な調査活動、研究活動がございますけれども、それを伸ばしていく。 それから第三の問題は、やはり建設作業で青天井になっているではないかという御批判は、これは非常にもっともな御批判でございますが、これは代替工法も非常に限界がある。最後は、どうしても振動を使って、ぐんと突っ込まないと家の基礎の安定が保てないということになりますので、やはり建設方面での技術開発というのが非常に大きいのではないか。 それから最後に、工場問題がございます。工場問題は、かなり進展しているものでございますが、やはり防振技術ということについて、まだ、これから進めていかなければならないと思っております。 従来の研究活動の中で騒音、振動というのは比較的小さな位置を占め、この二、三年の間にかなり伸びてはまいりましたが、まだ、ほかの研究に比べれば非常に進んでいないところがあるということでございますので、関係各省と十分、連絡をとりまして、うちの研究調整の問題もございますので、そういうところで努力をいたしたい。なお、国立公害研究所の中には騒音と振動をやる物理的な部門を設ける形になっておりますが、まだ、この方はこれから伸びるという段階で、現在のところはすぐさま使えるという段階ではございません。
○折小野委員 今後の問題といたしまして、そのような研究開発をさらに一層、進めていただかなければならないと思います。 ところで、具体的にこの法案についてお伺いをしてまいります。 十二条の関係ですが、これは特定工場に対する改善勧告それから改善命令の問題ですが、ここに規制基準に適合しないことによって周辺の生活環境が損なわれていると認められる場合、特定工場等の設置者に対し「期限を定めて」その事態を除去する、こうあります。これは改善命令のところにもあります。それから「所定の猶予期間を設ける」こういう言葉もございます。それから十五条の特定建設作業の改善勧告あるいは改善命令につきましても「期限を定めて」と、そういうようなことがあるのですが「期限を定めて」ということは、反面言いますと現実には、その定められた期限内は結局、被害者の方は、それをしんぼうしなければならぬということなんですね。
○橋本(道)政府委員 いま御指摘のように、その期間内は、もとの状態あるいは、もとの状態を少し変えた形で、その場所で、できる程度のものは行われるということでございます。たとえば晩の、この時間帯以降はやめなさいというようなことは実際上、行われておることでございますが、一時停止とかそういうことはできません。時間のやり方を変えたりするという程度の範囲内で、できますが、根本的な対策になりますと、これはやはり相当期間を要するというように、われわれ、いままでの経過から見ましても考えております。
○折小野委員 一時停止はできないということなんですが、どうしてできないのか私はわからないのです。あくまでも人の健康を保持する、あるいは環境を保全するというのが第一の命題であるならば、それが損なわれておるということが明らかであるならば、まず、それをとめて、そして早急に対策を講じて、損なわれないような状態が確認できたら再開をさせる、これがやはり本来のやり方じゃなかろうかと思うのですが、一時停止ができない、あるいは差しとめができないという意味は、どういうことなんですか。
○橋本(道)政府委員 この点は最初の御質問にありましたように、すぐさま身体上の被害を生ずる、そういう場合ですと、これは当然そういう問題が法律条項あるなしにかかわらず、できるものであろうと思います。ただ現在、環境の公害振動としてぶつかっておりますものは生活妨害という程度のもの、これは軽く見ておるわけではございませんが、少なくとも、この法律の目的にもございますように「健康の保護に資する」という形になっておりまして、ダイレクトにすぐさま健康の障害を起こすわけではないというところもございます。そういうことで一時停止というような差しとめはない。これは差しとめの問題は裁判でも非常にむずかしい問題がございますし、両方の比較考量という問題もございますし、現在、騒音とこの両方の問題におきまして一時停止というような規定まで設けるということには非常に無理があるということで、時間を調整するということはいたします。何時から何時の時間まで、それから後はやらないようにというようなことはいたしますが、おっしゃるような差しとめとして当たるということは、この法律の中では公害振動に対応することとして、いたしておらないということでございます。
○折小野委員 と申しますことは、程度の差はあっても、ある程度、生活環境が損なわれておる状態を認めていく。ここには、ただ「期限を定めて」とあるわけなんですが、その期限をいつまでということはないわけですから、長くすればするほど結局、地域住民の生活環境が損なわれる、こういうことになるんじゃありませんか。その辺の歯どめというのはどこにありますか。
○橋本(道)政府委員 これは期限をいつまでも、ずるずるとして、その状態を長続きさせようということではございませんで、期限を設けてということは一定の期限のところに、きっちりしなければならないということを、法律上はっきり明示したわけでございますので、先生の御心配のようなことには絶対ならないようにしたいということを考えておりますが、しかし、とめろということになってきますと今度は、そこの工事が全然、動かない。そうすると、そこの人は失業せざるを得ないとか、一方に、そういう問題があることは明白でございまして、工場に防振装置をさせるためだけの工事でも、実は町の零細工場の場合、基礎工事から全部、入れかえるわけでございますから相当の期間とまるそうです。そういう問題がございますので非常にむずかしいところがございますが、「期間を定めて」ということは、それをずるずる延ばして、いつまでも実効のないようにするというようなことでは毛頭ないということでありまして、ケース・バイ・ケースに判断をしてということでございます。
○折小野委員 御答弁の趣旨はよくわかるのです。しかし、この法律の条文だけから見ますと「期限を定めて」ということですから、そこに十日の期限を定めようと一カ月の期限を定めようと、それは自由だということになるわけですよね。ですから、その辺もっと、おっしゃるような趣旨であるならば、この規定の仕方というものがあるんじゃありませんか。いま御答弁になったように関係者がみんな善意でやるというなら問題ないわけです。しかし、これは悪意にも使えるという言葉だろうと思うのですがね。
○橋本(道)政府委員 これはどういう程度の期限かといいますと、軽微なものをやるのに長い期間を置くなんということは、とうてい行わないわけでありまして、改善策を実行するに要する期間との関係ということで、その期限というものは判断されるべきものである、これは通牒等によって明らかに、ちゃんとしていきたい、こういうように思っております。
○折小野委員 これにつきましては、あるいは場合によって政令等で、こういう面のある程度の規制といいますか、そういうようなことができるかもしれませんが、しかし、これはやはり何らか、そういう措置を講じておく必要があるんじゃなかろうかと思います。 それから、その次にあります「必要な限度において」というのは最小限ということですか。
○橋本(道)政府委員 「必要な限度」と申しますと、一つは基準の条件に合致をする、もう一つは、そこの住民の著しい生活妨害を来さないということであります。たとえば、ある敷地の境目ではかっても確かに超えておる。ところが住んでおる人はずっと遠くの方の人で、実際そこの敷地境界の向こうの人には実態的には何ら問題がない、こういうケースが起こるわけであります。あるいは非常に広いところで作業をしておって、確かにそういうことをやっておっても、そこはきわめて広大なところで、すぐさま、その周りに問題は起こらないということもありますので、やはり基準条件と、それから生活環境が著しい乱され方を絶対しないという、この二つの条件を満たしていくということが基本であるわけでございます。
○折小野委員 この言葉も、いま御答弁のようなことならば一向、問題ないのですが、もっと下まで、できるのだけれども、ここまででよろしい、こういうふうに聞こえるのですよ。そういうふうに通常、考えられる言葉なんじゃないでしょうかね。この辺も、どうも法律用語として、こういう言葉が使われておるということについては、特定な意図があるような気がするのです。これは後で申し上げます。 それから次に、これも、いままでも指摘されておることですが「小規模の事業者に対する配慮」として「その者の事業活動の遂行に著しい支障を生ずることのないよう当該勧告又は命令の内容について特に配慮しなければならない。」とあるわけです。これは先ほど来の御答弁によって、時間をずらすとか、そういうような配慮をするんだということなんです。しかし、それが今度は地域住民の公害の被害を受ける立場からいたしますと、結局そちらに、より大きな受忍義務を課するということになるわけなんです。公害対策基本法の立場からしますと、やはり住民の健康あるいは生活環境を守るということを主にして、それに対して、いわゆる加害者といいますか事業活動を行う者、これは大企業であろうと中小企業であろうと同じように守らなければならぬ。しかし中小企業の場合は、そうはいっても、なかなか現実には、それがむずかしい場合がある。したがって技術指導とか、あるいは資金面の援助とか、こういう面については配慮しなければならない、こういう考え方が公害対策基本法における中小企業に対する公害対策上の配慮ということじゃなかろうかと思うのです。ところが、ここの「配慮」ですね、結局、関係住民の受忍を強制をする、こういう形になるように考えられる、この条文の書き方だと思うのですが、いかがですか。
○橋本(道)政府委員 この法律の目的としておりますことは、いま先生の御指摘のような資金面とか融資とか、そういう問題を大きなねらいにしておりますが、同時に、やはり時間とか期間という問題も、この中に入ってくることは事実でございます。そこのところをどうするかというのは実体問題として非常にむずかしい問題があると思います。どういうぐあいに、できれば段階的に直していけるかということでありますが、根本構造を変えることになりますと、なかなか段階的に、こういうことは実際できないという問題もございますので、先生の御指摘になった点をひとつ十分、頭に置きまして、指導通知をいたすときに変な緩み方のするようなことのないように努力をいたしたい、こういうように思っております。
○折小野委員 この規定ですが、善意に解釈すれば非常にいいのですけれども、いまのように、もし悪意に解釈する、あるいは利用しようと思えば幾らもできるような規定の仕方、それがたくさんあるような気がするんですよ。そして、そのことが結局、地域住民の健康を守るということよりか事業活動の方を守るんだ、こういうような印象につながるような気がして、しようがないわけなんです。 それから同じようなことは、これも前から指摘されておる「公共性のある施設又は工作物に係る建設工事」ですが「建設工事の円滑な実施について特に配慮しなければならない。」むしろ公共事業であるならば、その施工する者あるいはその工事の責任者、そういう立場の人たちが地域住民のことについて特別に配慮しなければならないというのが普通だろうと思うのですけれども、その事業を行うことによって営利を目的とするということよりは、その仕事は公共事業であるということになったら、なおさら、その周辺の健康被害とか環境保全とかいうものに注意をしてやらなければならない。むしろ配慮するというのは反対じゃなかろうかと思うのです。この点もどうも、おかしいと思うのですが、どうなんでしょうか。私がひがんで解釈しているんでしょうか。
○小沢国務大臣 この規定は、公共事業というものは公共的な性格の強いものだから、その実施をやる者はよけい環境保全にうんと配慮しなければいかぬ、それは当然のことで、私どもは、この法体系によって、この振動基準というものを守らせ、改善命令も出し、勧告もするのでございますから、それはもう前提にきちっとしているわけです。ただ改善命令や勧告をやっていく場合に、その仕事が、たとえば水道で、もう一日も早く給水をしなければいかぬとか、あるいは下水をどうしなければいかぬとか、あるいは病院であるとかというようなことで、その地域の住民のニーズによって、どうしても大事な公共性のあるような工事であった場合には、その目的を達成する、いろいろな手段、方法とか、あるいは時間の変更について配慮を特別にしなさい、そしてその結果、円滑に工事がいくようにしなさいというだけの規定でございます。それがどうも先生方は、これがあると全部これは免責規定のように思われるのですが、それは全く、そういう考えを逆に考えていただきまして御理解をいただきたいのです。先ほど言いましたように、この点は相当、建設省とも相談して、一体いかなる公共事業、いかなる場合ということを一つの考え方の基準に置くかということも、きちっとしていきたいと思いますので、この点はぜひ、ひとつ御理解いただきたいと思います。
○折小野委員 それは長官のような考え方もできるかもしれません。それと同時に、これは公共事業だから、これくらいの騒音は何だ、これくらいの振動はがまんしなければ、こういうふうにやられる口実になってしまう、そう解釈できないことはないと思いますね、普通に解釈して。それはいま長官のおっしゃるような解釈もあるかもしれません。しかし私がいま申し上げるような解釈も、この文言からは当然できると思うのです。そういうふうに解釈してはいけないというのなら、そのような規定の仕方をしてもらわないと困るのじゃないかと思うのですね、世間の人間というのは善意の人間ばかりじゃありませんのですから。
○小沢国務大臣 私が申し上げたような趣旨が徹底するような措置を十分、考えていきたいと思います。決して私どもは皆さんがおっしゃるように、これはもう免罪符をもらったのだ、公共事業の場合は何でもいいぞ、そういうようなことは建設省も考えておりません。また、われわれも考えておりませんから、実施に当たって今後のあれをひとつ見ていただきたいと思うのです。そうはなりませんので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○折小野委員 長官のことは私は信じます。しかし、それはこれからは出てこないのです。これからは長官のようなお話も出てくるかもしれませんが、私が申し上げたようなことも、これらの解釈として当然、出てくる。だから私が申し上げたようなことはいけないのだということならば、やはりそれはいけないのだ、そういうことじゃないのだ、長官のおっしゃるようなとおりだということを法律にちゃんと保障してもらわなければ、法律としてはちょっと、ぐあいが悪いんじゃありませんでしょうか。
○小沢国務大臣 法律の条文で書きますと、やはり、こういうことになるんですね。たとえば、その後の規定で、よく最近の法律で、あるのですが、以上の規定は犯罪のあれと考えてはいかぬというような規定がございます。そういうようなもので、これが免罪符になるようなものと考えてはならないというような書き方の法律というものは、ああいう犯罪の云々と書くようなものとは少し違うのです。しかも、それは本当に円滑な実施について配慮しなさいだけであって、その前にずっと基準から地域指定から、きちっとしたものがあるわけですから、この条文があるからといって、私はどうも先生の言うように逆になってしまう、そうは考えないのでございます。これができましたら通達なり、その他、各都道府県といろいろやらなければいけませんので、そのときに、きちんと、ひとつやっていきたいと思います。
○折小野委員 長官のようなことを期待されておるのでありますならば、公共事業をやるところは、それぞれの地方公共団体であるとか、あるいは電気会社とかガス会社とか、そういう本来、公共性のものを扱っておるところですから、私はむしろ、こういう規定はない方がいいと思います。その辺はわかっているのですから、むしろ、こういう規定があって、これが利用されるのは私が申し上げたようなことに利用されるおそれの方が多いのじゃないか、こういうふうに考えます。ですから、こういう点は今後の問題といたしまして、ひとつ十分お考えになっておいていただきたいと思います。 それから次は「道路交通振動に係る要請」なんですが、これも先ほど来いろいろお話がありました。しかし要請に対する保障というのは何ら、ないわけです。要請はしても、しっ放しということがあり得るのではないか。もちろん、それはできないこともあるかもしれませんけれども、ただ、それが本当にできないからということでなくて、いわゆる怠慢でやられないということがあるのじゃないかというふうに考えますが、その点いかがですか。
○橋本(道)政府委員 先生の御指摘の「要請」として一体どれだけのものが実際、間違いなくやられるかということでございますが、第十六条の二項に書かれてある「道路の部分の舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。」と、きわめて具体的な事業を実は、ここに出しておるわけでございまして、建設省としても、よく話を聞いてみますと、近ごろ道路公害がはなはだしくて、あちこちの反対運動もあり、ちゃんとしなければ、もう道路はできないという気持ちを持っておりまして、この問題につきましても非常に一生懸命やろうということを言っております。そういうことで二項の規定が入ったということは、従来の騒音の場合よりも、ずっと一歩、前に出て具体的なところに入っているということを、ひとつ御理解をお願いできればというように私どもは考えております。
○折小野委員 私ども理解はできるのです。理解はできますけれども、しかし、これまでの公害紛争の多くは、やろうと言ってやらなかったというのが紛争の一番大きな原因なんです。この間の参考人の意見の中にもございました、新幹線を入れる、それに対しては騒音はどうするということを、あらかじめ約束されている、しかし新幹線が通って、もう何年にもなるが、それが行われてない、やられてない、それが現在、地元の不信の一番大きな原因である。新幹線とか、あるいは道路とか、いろいろの問題に、ほとんどすべて、そういうものが関係しておるわけです。約束したがやらない。これは全体的に公害対策の中で非常に大きな問題だと思います。やはり約束した以上は必ずやっていくということでなければ本当の公害対策は進みませんし、また役所の仕事いわゆる行政というものの国民に対する信頼をかち得ることもできないということだと思います。そういう面が非常に多いので、おっしゃることはわかるのですが、特に私はこの点を、要請というものに対する一定の保障というものが現実に必要じゃないかというふうに考えるわけなんです。
○橋本(道)政府委員 いまの先生の御指摘の点は、私どもも従来の公害行政の実績ということをよく考えてみますと、確かにそういう御批判は非常に身に感じるわけでございまして、絶対そういうことのないようにしようということで、具体化していくためには、やはり、あちこちの道路にどれだけ、そういう問題の場所があって、それを直すのに、どれくらいの金がかかってというような計画をしっかりしていく、それをちゃんと固めていくということが実は一番、具体的な問題ではないか、これは私は環境庁の責任者として申し上げているわけでございまして、この点につきましては建設省とも、よく今後、打ち合わせをしながら、できるだけ道路公害としての対応として具体的なものを、少し年数がかかると思いますが、築き上げていくということで、いまの「要請」について、どういうぐあいに具体的に担保をするかということについての問題とお受け取り願えればと思います。
○折小野委員 努力されることは結構ですし、そうしていただかなければならないわけですが、現実には、なかなか、おっしゃるとおりにできていかないということになってまいりますと、せっかく世界で初めての法律ができるのならば、そういう面に、ひとつ現実的な歯どめというものを、いろいろ入れていくということも大切なことじゃなかろうかと思います。 ところで、私がいま気がついただけ、この法案の内容について申し上げましたことを、まとめて言いますと、公害対策基本法には国民の健康を保護し、それから生活環境を保全するということを明らかに第一義的にうたっておるわけです。そして経過的に申しますならば、経済との「調和」ということを外したこと、そういう公害対策基本法の経過というものもあるわけです。そういう点からいたしますと、この法案に規定されております私がいま指摘したような個々の問題を総合して考えますと、こういう公害対策基本法の精神があるにかかわらず、公害対策基本法に基づいてできた、この振動規制法案というものが、むしろ事業活動の方を優先しておるのじゃないか、こう考えざるを得ないような条項というものが、さっき申し上げたように、たくさんあるということ、これについては、どういうふうにお考えになりますか。
○小沢国務大臣 この振動規制法案を提出する場合に、御承知のように各省いろいろ、やはり折衝しなければいけません。主として通産省なり建設省は、日本の社会資本の投資が非常におくれているのに、諸外国にないような、こういう振動の規制まで強くやられてくるということは、国家全般、社会全般として考えた場合に、社会資本のおくれというものを一層おくらすのじゃないかという強い反対があったわけです。それは事実であります。しかし私どもは、やはり公害基本法の精神にのっとって振動公害というものを国民から守っていかなければいかぬのだ。したがって相当、時間をかけて説得をしまして、また、それには先ほど申し上げたような最近の最も進んだ科学的な知見というものを踏まえまして、中公審の御努力等もございましたので、それを背景にして、この法案をようやくまとめたわけでございます。 したがって、あるいは先生いま御指摘のように、いろいろな個所で、そういうような点が目立つじゃないか、経済との調和条項を削ったのに事業活動中心のような、また、それを重んずるような傾向があるじゃないかとおっしゃいますけれども、私どもは先ほど先生御指摘の、あるいは諸先生、全部、言われました十五条の三項、これなんか八年間、騒音防止法で、これと同じ規定があって運用してまいって、悪用されておるとは、私どもは、その例を聞かないのです。それから、という問題は少しぬるいじゃないか、要請して向こうが受けなければ、それきりじゃないかとおっしゃいますが、それはやはり行政官庁は一たん法律ができて、そういうことになりますと放置できないわけですから、これがいま、いろいろな住民の要求によって、まあ厳しい予算の中ですけれども相当、対応していく姿勢を示して現実にやっている行政官庁は、この法律ができて、ただ「要請」と書いてあったから、これは要請だけで、ああ君の意向はわかったよという調子でいくなんということは、先生お考えにならぬでいいのじゃないか。私どもは、この法律によって、いろいろ公害基本法の精神を貫いて十分、生活環境を守っていくことができる確信を持っておりますから、ひとつぜひ、この法案については御理解をいただいて、それから法律用語として不十分な点については通牒その他、都道府県と十分これを打ち合わせをして進んでいかなければいけませんから、そういうときにおける私どもの指示なり通牒なり、あるいはまた府令、省令、庁令等について十分ひとつ、いろいろな点を配慮し、また関係官庁とも意思の疎通を図って、この法案の効果が国民のために適切に上がっていくようにいたしてまいりたいと思いますので、ぜひ、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○折小野委員 長官や局長の御答弁そのとおりでありますならば問題はないわけなんです。そしてまた私ども、それを期待いたしております。しかしながら、この法案の規定そのものから見ますと、明らかに公害対策基本法の精神は大きく後退をしておる、こういうふうに言わざるを得ないというふうに思います。 時間がありませんので、あと一つ申し上げます。これは何も振動規制だけに限ったことではございません。この前も、ちょっと私、申し上げたことでございますが、公害対策基本法の立場からいきますならば、国民の健康を保持し、あるいは生活環境を保全するというのは、国民のすべてに対して公平に行われなければならないというふうに私どもは考えます。ところが、ここにも、いわゆる地域指定という問題が出てくるわけであります。一種地域と二種地域におきましては基準が変わる。基準が変わるということは、すなわち、それぞれの地域に住む人によりまして、同じ人間でありながら片一方については、これの基準、片一方については緩い基準ということになってまいりますと、結局それは公平でないということにならざるを得ません。それからまた地域を指定する。そうすると地域指定をされない地域が当然あるわけであります。指定されない地域におきましては、大きな、どんな振動を起こしてもいいのかという問題も出てまいります。確かに、地域を指定されるところは「住居が集合している地域その他」ということになっております。そこに五十戸、住居が集合しておる地域の人については守られ、二十戸しかない地域の人については守られなくていいのかということ、こういうことになってまいります。これは地域指定という問題にすべて絡んでおる問題だというふうに考えるわけですが、こういう面についても前もって御検討をお願いをいたしておりますが、今後とも、ひとつ十分、検討をしていただくべき事柄じゃなかろうかというふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
○小沢国務大臣 私は、やはり第一点は、生活の態様というものが地域社会によって違う場合に、それがそれぞれ、この法案の適用についての基準が変わってくるのは、むしろ一般的な公平じゃなくて公平なやり方とも考えられるのじゃないかと思うのですね。生活の態様が明らかに集団的に違うのに、一種、二種の場合、これを同じようにやるということが果たして公平なんだろうかという点も、ひとつ考えに入れていただきたいと思うのです。そういうことで各法律でも地域指定の問題が一種、二種とか、いろいろに分かれ、私どもの公害関係の従来の騒音の環境基準にしましても、いろいろ違ってきているわけでございますが、そういうことで御理解をいただき、また、それがもし不公平な実態になるというようなことがあれば、これは私どもも、やはり検討していかなければいかぬと思います。 それから第二点の方は、当然われわれとしても、よく検討していかなければいかぬ問題だと思いますが、とにかく御理解をいただきたいのは、やはり従来のいろいろな規制のやり方、法律のつくり方、適用の仕方というものを、もちろん前からのものを踏襲する必要はないので、うんと思い切って、新しい法律をつくる場合には新しい考え方でやるべきだというお考えもあろうかと思いますけれども、やはり従来の法律の態様でやってきて、そして余り問題が現実に起こってないという場合には、従来のやり方を、同じような規定を踏襲していくというようなことでもございましたので、こうなっておると思うのでございますが、二番目の点については、なおよく私どもも検討さしていただきたいと思います。
○折小野委員 二つの問題について長官からのお考えがございましたのですが、私どうも余り納得できないんです。確かに工場と住宅が混在している地域と、それから住宅だけの地域というのは、その地域としての環境というのは違うと思います。しかし、たとえば騒音とか、あるいは振動という面からいたしますと、工場そのものに振動があるというのは、これはそういうことによって事業活動が行われておるのですから、その直接の関係者は、これはやむを得ないというふうに考えます。しかし、ただ工場と住宅が混在しておるというだけで、そこの地域の住宅に住んでいる人、これはそれとは関係ないわけです。住宅地に住もうが、あるいは工場の近所に住もうが、その人は、そこに住宅を置いて生活を維持していこうということだけなんですよ。そうしますと、その間に生活に与える公害というもの、それに対する規制というものに差があっていいということにはなるまいと思う。騒音があっても、そこに行けば、そこで商売ができるんだということで、あえて、そこに持っていったというなら、これは別だと思う。しかし必ずしも、そういう人たちばかりが、その地域に住んでおるとは限らないわけなんです。ですから、そういう面については、やはり世の中というのは、なかなか、はっきり区分できないわけですね。住まいはここに置かなければならぬ、工場はここでなければならぬというふうに必ずしも決まらないから、現実にはなかなか、むずかしいところもあろうと思います。しかし、そういう点から見まして、その地域に住んでおる人たちに対する振動というものに差があっていいというふうには考えられませんので、この点もやはり今後さらに検討していただきたいと思っております。 それから地域指定の問題は、確かに多くの行政の面で地域指定の方法をとっておりますし、それをすることが、その行政効果を効率的に上げていくという面からいって効果的であるということは、私どももよく承知をいたしております。しかし、かといって、その他の地域の者が忘れられていっていい、その他の地域の者に対して対策が講じられなくていいということにはならないというふうに考えます。ですから、その他の地域の場合においても、いざという場合に、何か問題があった場合には、やはり何らかの対策が講じられる、こういうような道が残されておることが必要なんじゃなかろうか、そういう対策もあわせてやっていく、あるいは経過的に、いろいろな方法を進めていく、こういうことが必要なんじゃなかろうか、こういうふうに考えるのでございます。
○小沢国務大臣 いや、おっしゃること、わからないで私、答えているわけじゃないのでございますが、確かに地域指定をやりまして、指定から外れた地域で、先ほど先生が例示に挙げられました片っ方より戸数は少ないかもしらぬけれども、現実に住居が二十戸でも十戸でもある。そこに騒音、振動に悩む人があれば、当然これは救済をしなければいかぬじゃないかということは私どもよくわかる。したがって、そういう場合は、やはり地域指定を、少なくとも、そこの場所をやるかどうかという問題につながってくるわけだと思いますが、とにかく国民に向かって一定の権利を制限し義務を課していくという法律上の立場から見ますと、これはやはりある一定の基準があって、その基準を超えるようなもので初めて、一般的な憲法で保障される権利を制限し義務を課するということになるわけでございますから、その辺のことも勘案して考えていかなければいかぬのじゃないかと思いますので、なお、しかし地方自治体、やはり住民のあれを守るために、いろいろ考えていく場合には、それぞれ何も、そういうところをやっちゃいかぬということを指導する必要もありませんので、その辺は、ひとつ弾力的に地方庁にこの法案の趣旨を生かして運用をしてもらうように、今後とも、ひとつ考えていきたいし、また検討もして、そういうような非難が出ないような方向を実際問題としてとっていくように、お互い、ひとつ考えていかなければならない、かように思います。
○折小野委員 いずれにいたしましても世界で初めての法律ですから、少しでもいいものにするための努力を、お互いにやってまいりたいと思っております。ありがとうございました。
○吉田委員長 以上で、予定されましたきょうの質問を終わります。ただ、参考人から意見を聞き、それから問題点は、ほとんど質問された人の焦点は重複しております。で、原案でいいということだけでなしに、その精神に従って答弁をいただきましたけれども、長官も来ておられることですから、さらに、あしたも審議を継続いたしますが、その間に修正や、あるいは附帯決議の相談もいたします。かたくなに原案を維持するということでなしに、みんなの意見は、やはり考え得るものはとるという態度で臨んでいただくことを、最後に注文をいたしまして、きょうの質問は終わります。 次回は、明十二日水曜日、午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時一分散会