決算委員会 第12号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/07/13
会議録
○村山委員長 これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 理事小林正巳君が委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になっております。 これより、その補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村山委員長 御異議なしと認めます。よって、山崎拓君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○村山委員長 次に、昭和四十八年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、大蔵省所管、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査を行います。 なお、概要説明等の聴取は、すでに行っておりますので、直ちに質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
○原(茂)委員 きょうは余り具体的な問題は挙げずに、三点いろいろお伺いしてみたい。 一つは、わが国の銀行の海外投融資に関しまして、ある意味ではトラブルといいますか、投資の失敗といいますか、そういったものに対する大蔵省の態度を基本的にお伺いをするのが一つ。もう一つは、税負担の問題で、地方、中央における税負担の問題を中心にしてお伺いして、最後に、税の現状のままにおける徴税あるいは税体系で今後の財政の賄いができるかどうかという観点から二、三お伺いをするというふうにしたいと思いますので、あらかじめ御準備を願いたいと思う。 最初にお伺いしたいのは、最近までに幾多の例がありますが、わが国の銀行の海外に対する投融資が行われた結果、具体的に回収不能になったり、あるいは破産状態になったために、いわゆる投融資上の失敗という例、こういうものを二、三耳にしているのですが、これに対する指導を一体どうするかという問題についてお答えをいただきたいのです。 たとえば、わが国の銀行が海外における合弁あるいは出資を行ったときに、これに対する直接指導というようなことが、やはり間々侵害を起こす、その他でなかなかできないために、いわゆる行政指導というようなものが行われるわけですが、こういった事例を二、三挙げてもらって、現在どういう指導をしているのか、どういう具体例があったかを二、三先に挙げていただいた上で、ひとついまの大蔵当局の指導方針というものをお伺いしていきたい。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 最初に、私の方の銀行の海外投融資につきましての基本的な指導方針と申しますか、そこから御説明をさせていただきたいと存じます。 先生も御指摘のように、最近銀行の海外活動というのが活発化をしてまいっております。そこで、その点につきましては、私どもの立場から注目する点は、大きく申しまして二点ございます。 一つは、その投融資が健全に行われる必要がある。そこで御指摘のような焦げつきでございますとか、そういうことが起こると銀行の資産内容に悪影響を及ぼすという点に着目することが一点でございます。それからもう一点は、現在の銀行制度のたてまえといたしまして、銀行は本来業務に専念すべきである、こういう制度になっておりますので、銀行がやってはいけないようなそういう事業、たとえば倉庫業でございますとか、ホテル業でございますとか、そういうほかのことに出資をする、特に経営参加的な出資をするということは、これは海外といえども遠慮すべきではないか、こういう二点がございます。したがいまして、そういう両方の角度から投資及び融資につきまして、健全な運営をしてもらいたいと考えております。 したがいまして、そういう角度から、本年四月に入りまして、銀行局から各関係の協会あるいは都市銀行その他の各銀行に対しまして通達を発しまして、特に投融資の内容を健全にするように、それから出資などにも節度を設けるように、こういう指導をいたしております。並びに、その各出資先の概況等につきましては定期的に報告を徴しまして、その内容をチェックすることにいたしております。 先生御指摘の、最近焦げつきその他の具体的なことがあるのではないかという御指摘でございますが、銀行の資産内容に関することでございますので、余り具体的に申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますが、やはり最近、四十八年の石油ショック後、海外の諸国におきましてもいろいろ経済変動が著しいものでございますから、若干融資が長期化するとか、あるいは回収に若干の懸念が出てきたものとかいうことが全くないわけではございません。ただ、その内容はいろいろでございますが、ただいまのところ銀行経営に影響するというような、そう大きなものは私ども知る限りございません状態でございまして、ただ御指摘のように、今後一層そういう投資、融資のやり方につきましては慎重に対処するように注目してまいりたいと思っておる次第でございます。
○原(茂)委員 たとえばブラジルのフィナンシラール投資銀行に対して東京銀行が投資をしたわけですが、これは性格上どうなんでしょう。銀行業務が、たてまえ上本来の業務以外には余り手を出すなというような第二番目におっしゃったその考え方からいって、こういうブラジルの投資銀行に対する東京銀行の投資というようなものが、いまの第一、第二に挙げられた指導方針からいって、今後どうなんでしょう。 もう一つついでに、ブラジルにもう一つありますね。そういうのと同じことなんですから、それが性格として、いまのおっしゃった方針に沿わしてみて、それでいいとおっしゃるのかどうかですね。
○後藤説明員 ただいま御指摘のケースにつきましては、東京銀行の出資先のそれぞれの会社と申しますか銀行と申しますか、これは金融業務を行っておることでございまして、それが銀行のいわば、私どもは周辺業務とこう観念をいたしておりますが、銀行の金融活動を補完するような機能のものでございますので、そこに出資すること自体は、これは適当なものだと考えております。 ただ、御指摘のケースにつきましては、当初銀行としましては一部その出資だけをいたしておりましたところが、その先が国内事情その他によりまして経営が悪くなってまいりました。それをむしろ現地の方からの要請がございまして、立て直しを依頼をされたという経緯があるようでございまして、その結果、それがなかなか今日までのところ順調にいっていない、こういうふうに私どもは聞いております。したがいまして、いまのそういうところに出資すること自体につきましては、私どもは不適当だとは考えておりません。ただ、不幸にしまして、その後の運営が必ずしもうまくいってないというところが、これから注意を要するところではないかと考えておる次第でございます。
○原(茂)委員 その東京銀行の場合二百万ドル、六億です。大した金額じゃないという前提もおありになるようですが、やはり預金者の利益を守るという点から言うなら、これももうちょっと間違ってけたが多かったら、どんな不測の事態になるかわかりませんよ。だから私は、金額の大小、六億だからいいんだということにはならぬだろうと思うのが一つです。 それから、二年前ですか、ハレス銀行ですか、これは住友銀行ですが、同じブラジルで、これは銀行自体が破産してしまったわけでしょう。こういうことが、いまの前段のお話で、第一、第二に指導理念をお挙げになったのですが、最近そういうことをおやりになる。たとえば二年、三年前にはそういったことに対する大蔵省としての指導というのは出ていなかった。本年四月、初めて出たということになるのでしょうか。
○後藤説明員 最初の御指摘の、その金額の多い少ないという点でございますが、事柄の性格といたしまして、金額が多ければ、これはとてもいかないことですけれども、少ないからといって、いいことだと考えておるわけではございません。 なお、その点について若干補足をさせていただ、きますと、先ほど申し上げましたように、ただいま最初に御指摘のケースにつきましては、実は現地の当局等から再建などの依頼を受けておりまして、その現地の当局でも相当部分を補償をしても立て直しをやってもらいたい、こういうことでございまして、むしろ頼まれてやったような経緯でございます。 それからいまの、こういうことについての指導でございますが、実は私ども、海外活動が活発になるその情勢に応じまして、実は具体的に、あるいは個別ケースごとにいろいろ指導してまいっておりまして、具体的な投融資の案件自体につきましては、御承知のように許可が要るわけでございまして、許可の点から関係のところで指導が行われてきたわけでございますが、一般的にも銀行のやり方のタイトと申しますか、そういう観点から、先ほど通達を出した中身として申し上げましたような考え方ではおったわけでございます。 ただ、ことしの四月にその通達を出した、こういうことに相なりましたのは、実は国内でもやはり銀行の出資先の会社というのはあるわけでございます。これは独禁法の規定その他に従って適正なる出資の形をしなければいけないということがございましたが、それにつきましても、さらにけじめを、節度と申しますか、そこをさらにより一層はっきりさせてもらおうということで、実は新しい業態なども出てまいったものでございますから、昨年の七月に、一般的に国内の銀行、関連会社等についての規制をはっきりいたしたわけでございます。それとのかかわり合いにおきまして、海外における活動につきましても、これは銀行法の施行地外ではございますけれども、やはり同様の精神でやってもらいたいということをまとめて出した次第でございまして、従来からも個別ごとには、いま申し上げたような考え方で指導してまいったところでございます。 ただ、御指摘のようなケースが、不幸にしてその後で、若干石油ショック等の経済変動なども過去にございましたものですから、ぐあいの悪くなってきたものがないわけではないということは、大変残念に存じておりまして、これからも、そういう点の指導には特に注意をしてもらいたい、こう思っておる次第でございます。
○原(茂)委員 というケースもあり、それから融資の場合も、たとえば三和銀行がアメリカの大手スーパーのグラントあたりへ融資をしている。これはニューヨーク支店からですね。というような問題もあるのですが、これは事前に何か大蔵省で申請を受けて、許認可じゃありませんが、よかろうとか悪いとかという、何かチェックするようなことが行われるのですか。 たとえば三和銀行のニューヨーク支店がグラントに対して大型の融資を行う、これはもちろん失敗例ですけれども、というようなことがあったときに、そのことはもう独自に三和銀行がやってしまって、問題が起きてから報告があるだけということになりますか、融資というものは。どうなんですか。
○後藤説明員 銀行の融資の方は、海外へ融資をいたします場合に外国為替管理法上の許可が担当のところでございますけれども、海外支店がそこで融資をいたしますことにつきましては、銀行行政上は事前の許可その他の手続は一切ございません。これは銀行の経営者が自主的な判断によって行うというたてまえに、むしろなっておるわけであります。
○原(茂)委員 たとえば、いまW・T・グラントなんかへは二千万ドルですね。六十億でしょう。それで倒産してしまったわけですね。これは、前段のブラジルに対する東京銀行の例をいっても、おっしゃったような、いわゆる預金者保護の立場からいっても、相当関心を持たなければいけない問題でしょう。こういうことが国内から、日本からじかにいくんじゃないから全然チェックはしなかった、ニューヨーク支店がやればというところに何か抜け穴、抜け口、しかも、もし間違って三和銀行が大きな事態になってきたときには、やはり国内におる預金者全体が迷惑するわけでしょう。にもかかわらず、ニューヨーク支店がやった、しかも二千万ドルというようなことになると、これはもう全然チェックしないのだというようなことは、やはり何かそこらが抜け道という感じがしてならない。 まだたくさん融資の場合は例がありますよ。こういうものに関して適切な何か方法を講じないといけないんじゃないかなと思うのですが、今後どうなりますか、やはり従来どおり仕方がない、支店がやるのは別だ、こういうことになりますか。何か適切なものをおやりになる必要がある……。
○後藤説明員 融資が健全でなくなるというようなケースは、これは海外業務に限りませんで、国内の業務につきましても大変私ども関心を持っておるところでございます。ただ、現在のたてまえは、やはり融資をどうするか、具体的ケースについてどういう態度で臨むかということは、経営者の責任の問題であろうと存じます。 ただ、そう申しましても、そのやり方がまずくてはいかぬではないか、こういう御指摘かと存じますが、私どもとしましては、事後に検査その他の場面におきまして、そういう融資があるということがわかりました場合には、その原因がどういうところにあったか、そして、これはどういう点を是正すべきであるかということを個々の銀行に対して指示をし、指導をするということにいたしておりまして、むしろ事後的に私どもは融資の内容をチェックし、そうしてその改善についての指導を行う、こういうたてまえをとっておる次第でございます。
○原(茂)委員 もう一度おっしゃってください、端的に。三和銀行のニューヨーク支店が融資をする場合でも、日本から直接融資をさせるときと同じにやるとかやらないとか、どういうチェックをやるんだということを、もう一遍簡単におっしゃってください。
○後藤説明員 国内から国外へ外貨の送金が起こるようなケースにつきましては、先ほど申し上げましたように為替管理法の許可が要るわけでございます。それ以外のケースにつきましては、これは銀行が自主的にやることでございまして、許可、届け出その他の手続は要らないということに相なっております。
○原(茂)委員 私が先ほどから言っているのは、海外に対するわが国の銀行の融資というものが、国外においてそのブランチが融資をするときには、そういった手続はもちろん要らないのですが、何らかのチェックの方法を考えないと、大きな問題になるおそれがあるんじゃないかという懸念で言っているわけですから、何かしないでいいのですかねということを申し上げているのですが、どうですか。
○後藤説明員 同じようなことを申し上げて大変恐縮でございますが、金融行政の立場といたしましては、海外における融資であれ、国内における円の融資であれ、これがまずくまいりますことは、預金者に対して非常に迷惑をかけることでございます。いずれも同じように私ども深い関心を持っております。 ただ、それをどういうふうに是正、指導していくかというやり方ということに相なりますと、個々の融資を実行するのは経営者の責任としてやるべきことである。ただ、私どもはそれを事後に検査その他の方法によりまして実情を把握いたしまして、もし不適当なことがございますれば、具体的に今後どういうふうに直すか、あるいは回収にどういう方法をとるべきかということにつきまして指導をいたしてまいるということでございまして、事前に個々のケースにつきまして、私どもが介入をするということは適当ではない、こう考えておる次第でございます。 ただ、先生の御指摘のように、国内と違いまして海外の場合には、やはりそれぞれの銀行が活動しますのに、経済環境等あるいは企業の実態把握等の面でふなれなことは、より国内以上にあり得ることかと思います。したがいまして、私ども検査の方法でも、従来は国内の店舗を中心として、あるいはそればかりを検査をいたしておりましたけれども、両三年前から、海外の店舗につきましても、こちらから検査官が参りまして、具体的な貸し出しの内容等につきましても検査を進めることにいたしてまいりまして、より具体的な指導をするように努力をしておる次第でございます。
○原(茂)委員 そうですか、三年前からそういう海外においても国内同様の指導、監査を行うようにしている、こういう答弁ですね、そうですね。
○後藤説明員 ただいま申し上げましたのは、大変技術的な検査のやり方でございまして、実は従来から海外の与信業務につきましても、本店を検査いたしますときに——本店に全部勘定が参っておりますから、資料等参っておりますから、それに基づいて、いわば東京で検査をいたしておりました。検査はしていなかったわけではございません。さらに、それを一層精度を高めますために、両三年前から今度は検査官が海外の店舗に、現地に赴きまして、そうして検査をいたします。つまり、国内店舗と同様に検査をする、こういうふうにしたわけでございます。
○原(茂)委員 そうすると、三和銀行の場合、グラントに対する二千万ドルという融資をしておいて倒産をしたというのは、三年前から現地へ出てやっているのですから、何かわかっていたのですか。あれは二年前ですよ。そういう、せっかく現地まで行って業務の監査を行ったり何かするんだ、国内と同じようにやるんだと言うにしては、たとえばこのグラントの例なんかどうなんですか。どうも何もしていなかったように思えるのですが、いかがですか。
○藤岡説明員 三和銀行の件につきましては、外国為替管理法との関係もございますので、私どもからちょっと補足させていただきたいと思います。 日本の銀行が海外に貸し付けをいたしますとき、一般的に申しまして、中長期の貸し付けにつきましては、私どもは相当抑制的に厳しく審査して、本当に必要ある場合は認めるということを最近、石油危機の後とっておるわけでございますが、短期の金融につきましては、現地で、貿易の集貨資金とか売りさばきの資金とかいろんなものがございまして、現に現在でも百億ドル内外でぐるぐる回転しておるわけでございます。そういうものを一々事前に審査することは、とてもできないわけでございまして、短期金融につきましては包括許可ということで、現地の責任者あるいはその本店の監督のもとに自由にやらせておるわけでございます。 今回の三和のニューヨーク支店の貸し付けは、まさにそういう短期融資が、非常に不幸な原因で焦げついてしまったということでございます。
○原(茂)委員 三和の場合にはモルガン・ギャランティー、こういうところの共同保証、共同融資の一端であるというようなことがあって、二千万ドルといっても、まあまあ何とかなるだろう、全然ゼロにはならぬだろうというような気持ちもあると思いますよ。あると思うのですが、いま言われたように、短期のものだからどうも目が通らない、そういうものに関しては、ちょっと遺憾ながらああいう事態になったのだということが、もしあるとするなら、短期で何百億、何千億という、万が一今回のような事件があったとするときには、預金者に対する不利益は膨大なものになる、莫大なものになる。 私が言っているのは、冒頭から言っているように、国内と全く同じで、預金者あるいは預金の保護のたてまえから融資の関係についても十分監査をするんだ、指導もするんだと言っていながら、それはもう実際問題として、国内と国外ではずいぶん違うと思いますよ。しかも国外のブランチがずいぶんできてきます。各銀行の支店が。というようになると、ずいぶん違ってくるんだが、そこは特別な配慮をして、やはり国内以上に厳しさがないと——これは融資じゃありません。ある意味では融資も同じですが、米国安宅の例なんかを見ても、もうとにかくだめになったときには、日本であのくらいのものが、ああいう事件が起きたら、まあまあ大蔵省もほっておかない。あるいは相当大きな手当てがすぐにできる。 ところが、アメリカで一体その支店のある、あるいは安宅の実際に所在している諸外国の中で、すぐに日本国内で手当てをすると同じような手当てができるかといえば、もうほとんどゼロに等しかったというような、実際に手当てをするときも、手当ても非常におくれてくる。もうお手上げの状況になるというようなことがありやすいので、やはり冒頭に局長が言われたように、健全に行われることが原則であり、しかも国内の銀行業務における制度上のあらゆるものを守らせるのだ、そして預金者保護のたてまえをとるんだということになれば、海外だから、やはりきめ細かに目が通らないということは真実なんだから、ということを補うための何らかを考えなければいけないというふうに考えていくことの方が、後から例を申し上げますが、私は今後のためになるんじゃないかなというふうに思うのですが、大臣どうですか、いまお聞きになっていて、そういった何らかを考えないで従来どおりでよろしいとおっしゃるのか。何かやはり考えなければいけない。国内と国外ではずいぶん手の届き方が違うわけですから、何か考えなければいけないのだろう、こう思うのですが、そういう点どうです、大臣、何かお考えありませんか。
○大平国務大臣 いま局長からも申し上げましたように、現在われわれのやり方は、国内金融であろうと海外における銀行の与信業務でございましょうと、原則として銀行がその自主的な判断と責任においてやるというたてまえをとっておるわけでございます。そして、そういうことの方が銀行経営が健全にまいるものであるという信念に基づいて、こういう制度をとってまいっておるものと私は考えておるわけでございます。 何となれば、銀行の経営者は、その銀行の仕事に運命をかけておるわけでございます。名誉をかけておるわけでございますから、金額の大小にかかわらず、みずからの与信業務については非常に真剣な調査と真剣な判断に基づいてやってまいるはずでございます。したがって、それを尊重していくということが、銀行行政の基本でなければならないのではないかと私は考えます。 ただ、いま原さんと銀行局長のやりとりを伺いながら感じましたことは、銀行法は海外には適用になっておりません。したがって、たとえばホテル業であるとか、倉庫業であるとか、あるいは証券業であるとかいうようなものは、銀行法には許されていないわけでございます。しかし、銀行の海外の支店は、そういう銀行法の規制からは、たてまえとしては自由なんでございます。いかに大蔵省が銀行監査でいろいろ指導することができて、あるいは銀行はその大蔵省の指導に従うかもしれませんけれども、法制的には彼らは、海外の銀行活動というのは銀行法のらち外にあるわけでございますから、あなたが御心配されるように、海外における銀行活動というものは、そのままほっておいていいのかという御心配は、私はそこから出てきたのではないかと想像するわけでございます。 そういたしますと、これはいわばいま問題になっておる多国籍企業の規制問題になってくるのではないかと思うのであります。アメリカの銀行が日本でいろいろな活動をアメリカの銀行法の規制外でやる、日本の銀行がアメリカで日本の銀行法のらち外の活動をやるというようなことが重なっておる。この海外の活動というのが非常に最近ふえてきておる、また海外での預金がふえてきておる、海外での収益がふえてきておるという状況でございますから、したがって、いまのままでよろしいかという疑問が原さんにおありだとすれば、私は、そういうところから出てこられたのではないかということで、お気持ちは十分理解できるわけでございます。 そこで、この問題は、ひとりわが国の立法問題というよりは、OECD等で、いままさに取り上げておりまする多国籍企業の国際的な規制問題のレベルで取り上げなければならぬ問題であろうと思うのでありまして、ある意味において、そういう必要があるのかもしれないと私は思います。どこまでそれができるかできないかは別問題といたしまして、いま世界がそういう問題を取り上げて検討を始めておるようでございまして、有効な規制ができて、しかも自己責任の原則が貫かれていくということでございますならば、私は望ましい姿ではないかと思うのでございます。日本だけの指導監督とか日本だけの立法でできる仕事ではないように私は思います。
○原(茂)委員 くしくも大臣が多国籍企業の規制の問題と絡めて、私も同じ観点で実はお聞きしているわけですが、OECDを中心にして何ができるかを待つ。ある意味では待つのではない、こちらも検討をしているのでしょうが、日本はもう俗に経済大国と言われるだけの実力を持った日本ですから、やはりOECDあたりで多国籍企業に対する規制、特に金融機関中心の動きに対して、どういうたがをはめる、はめないというようなことが当然論議をされているし、何らかの結論が出るに違いないのですが、日本は、日本的な、いま言った事例もあるのですから、立場からいって、こういうふうにすべきだという案が前向きで出されるというようなことが、国際的に見ても日本のある意味の責任だ。 単に受け身で、OECDが何かをつくった、それによって考える。従来そういう。パターンが多いのですが、もうそういうときではないので、日本は日本独自の立場で、こういった事例などを踏まえながら、こういうふうにすべきである、アメリカから日本に来ている銀行がやっていることに対しては、どうするかこうするかを、全体を包括して案をつくることがむずかしくても、日本自体の経験の中から、やはり一部なり、こういうものをこう考える、こうすべきだという案を日本自体が出すべきときなんではないかと思うのですが、大臣のおっしゃった、もう一歩突っ込んだ、日本は日本で独自の検討をして、こういったところにもやはり意見を大胆に具申していくというふうなことをすべき時代だと思うし、そうしなければいけないと思いますが、大臣、どうですか、もう一歩突っ込んで……。
○大平国務大臣 私は、仰せのように、経済的な指導的な国家としての日本が、多国籍企業の問題について、それだけの責任もございますし、それだけの発言権も持っておるわけでございますから、国際的な御相談の場におきまして、ただ単に国際的規制ができ上がるのを、できればそれを待つというような態度ではなくて、日本もまた、みずからの持っておるデータを駆使いたしまして、進んで国際的協議に参加するということであってほしい、また、そうすべきでないかというあなたの御意見には、私は賛成でございます。
○原(茂)委員 それだけに時間をとるわけにいきませんが、ぜひひとつ、いまおっしゃった多国籍企業の規制案というものと絡めて、いま前段に言われたように、何らか考えなければいけない、何らかの規制を考えるということに、進んで前向きで対処していただくように、きょうは、この問題はお願いしておきたいのです。 そこで、参考までに局長がいるから、ついでにお聞きするのですが、インドネシアのプルタミナ、御存じのインドネシア国営石油会社、これに対して、たとえば東京銀行が去年六月に一億五千万ドル、去年十二月に六千万ドルというような融資を行っているのですね。ロッキードの問題の調査をしたアーサー・ヤングですか、先日、この会計事務所の調査があったことが報道されていますが、帳簿はめちゃくちゃ、全然これはもう近代経営に相当しない、こういった、いわゆる会計検査をやった結果が発表されているのです。 現に東京銀行は、合計二億ドルになんなんとするものを融資している。しかも、その会計監査をやった中身はめちゃめちゃだといったことを、ロッキードを調査した会計事務所がすでに発表しているというようなことに対して、先ほどから前段局長が言われたような、そういう問題と絡めて三年前から十分やるようにしているのだというのですが、これはいまどうなっているのですか。よく調査されていますか。
○藤岡説明員 プルタミナは、先生御案内のように非常に手を各分野に広げました結果、そしてまた財務管理が不適切であったという結果、経営に破綻を来したわけでございまして、昨年からその再建に取りかかっておるわけでございます。 昨年の中ごろでございましたか、アメリカの銀行からの働きかけで国際的なシンジケートをつくりまして、インドネシアの外貨の危機を助けてやろうという話があったわけでございますが、私どもといたしましては、そういう背景がございましたので、非常に慎重にこの問題と取り組みまして、アメリカのアンダーライターのもとに、すぐに参加するということでなくて、日本側として別途時期をずらしまして、小さな金額のシンジケートを組成したわけでございます。ただ、日本とインドネシアとの関係は非常に深うございまして、日本がここで全部手を引いてしまうということも、また反対の行き過ぎかと存じまして、経営の再建を見ながら、そしてその条件等につきまして、非常に慎重な態度をとりながら、必要最小限の金額を各行集まってシンジケートローンというかっこうで出したわけでございます。 その後、暮れに至りまして、再び円建てで百五十億円だったと思いますが、ローンをいたしました。このときも従来のようにユーロダラーを借りまして、短い、三月とかその程度のユーロダラーを引きまして、長期に貸しますと非常な危険もございますので、円で貸すということで、金額もしぼって百五十億円というローンを出したわけでございます。
○原(茂)委員 概略はおっしゃるとおりなんです。結局、これもロッキードじゃありませんが、こういったプルタミナに対する融資が、スハルト大統領の選挙に流れているということは、もう隠れもない国際的なうわさ、というよりは、やがてこれははっきりしてくると思うのですが、そういったことも、やはり東京銀行あたりがそこに一枚かんで出しておる、あるいはシンジケートをつくってやっているといっても、そういった事件にもし巻き込まれているとすれば、これは大蔵省の責任は免れないと思うのですね。そういうことははっきりしていないのだから、断定はできませんが、そう言われていることは隠れもない事実だ。というような、ちょうどロッキードと同じ事件が、やはりインドネシアにも起きるということを考えると、銀行局というよりは大蔵省自体が、先ほどから言っているように十分な、いまからこういったものに対する歯どめなりチェックを、厳しく、国内の融資とはまた厳別した意味でやっていく必要がある。そうしないと問題が大きくなりますよというふうに、私はいろいろな事例を考えて思うわけです。 そのことが、結果的にはあっというときに、わが国の預金者に対する非常な迷惑をかける事態が想定できるというふうに考えますので、ある意味では、インドネシアを中心にした汚職事件に東京銀行あるいはシンジケート全部が一緒に巻き込まれるというようなことも事前に防ぐ、その道があるとすれば、前段から言っているような手当てを十分に考えておくことが、大蔵省として必要ではないかというふうに考えるのですが、この問題に対する態度、どうですか。そういう点に対する考えを最後にひとつ。
○後藤説明員 具体的な融資のケース、それぞれそれに応じました、いろいろな問題点があると存じます。そこで、基本的には先ほど申し上げましたような考え方で私どもおりますが、それを実際に適用いたしまして具体的な個々のケースに当たって誤りがないようにというのを、具体的なケースに即しまして、たとえば信用調査がどこが抜かっておったか、あるいは担保の保全措置で、どこが抜かっておったかというような点の具体的なケースを把握をいたしまして、より一層指導面で経営者に対します注意、監督ということをやってまいりたいと思っております。
○原(茂)委員 この問題は十分に検討をしていただくように、私からもひとつ示唆を与えておきます。やがて問題になると思います。 次に、先ほど前段に申し上げたように、税金のいわゆる中央と地方の配分の問題について、現行の交付税などを見ましても、これは非常に偏ったものになっている。地方自治体、特に大都市などを中心に考えると、現在の基本的な考え方、あるいは現在ある制度というものが根本的に改まらない限り、どうも税の公正な配分という観点からいうと、そうならないんじゃないか。現状では、ちょっとまずいというふうに私は考えるのですが、大蔵省として、そういったものをどうお考えになるか。 私はそういう点では、基本的には、例の占領当初におけるシャウプの税制勧告ですね、このシャウプの勧告自体の、いわゆる自治体、都市というようなものを、とにかく現在のような住民税あるいは固定資産税その他を取らしておけば何とかいけるという、高度経済成長の今日の段階を予想しなかったシャウプ税制の過ちだったというふうに考えるので、時間があれば細かくいろいろな例を挙げてお伺いしたいのですが、それができませんが、基本的な問題として、一体現在のいま行われている配分の基本になっているシャウプ税制というものは過ちだった、自治体なり高度経済成長の中における都市の膨脹というものには全然合わない、それをそのまま、いまやっているところが過ちなんだ、ここから根本的に改めなければ、だめだろうというようなことを考えますが、その点はいかがでしょう。
○大倉説明員 原委員よく御承知のことでございますので、できるだけ簡単にお答えいたしたいと思いますが、現状では、五十一年度の予算ベースあるいは地財計画ベースで申し上げますと、国税と地方税の配分は、租税全体を一〇〇といたしまして、国税が六五・二で地方税が三四・八という姿になっております。これは、ただいまの御指摘の中にございましたシャウプの勧告の直後と申しますか、二十五年で見ますと、国が七五・二、地方が二四・八であったわけでございますが、それに比べますと、約一〇%方地方税のウエートがふえてきておるというのが現状でございます。 これを、さらに地方税のウエートを高めるという御趣旨からの御質問だと承りましたが、地方税にどういう税が最も適するかという点につきまして、私どもいつも一番むずかしい問題にぶつかりますのは、御承知の偏在の問題でございます。地方団体ごとに偏ってしまいますと、財源調整がまた非常にむずかしくなるという面を常に抱えておりますので、御主張のように地方税の独自の税をなるべくふやすという御意見は十分前々から承っておりますけれども、やはり偏在をしないという限界でどういうものが考えられるか、それと、いまの交付税のあり方がそれでよろしいかという問題として、引き続き勉強をしてまいりたいと思います。 なお、御承知のとおり、交付税、譲与税を配分いたしました後では、現在の国の収入は四三・七で、地方の方が五六・三というふうに大きくなるわけでございます。
○原(茂)委員 残念ながら、いまのことをそのまま、それだからいいんだということにならないので、五〇%以上になったからいいというのではなくて、地方自治体というものの税収あるいは国からの配分の額、こういうものを、考えたときに、やはり根本的にもう一度検討をし直さないと、現状には合っていないから、常にもうちょっともうちょっとと言って、交付税をふやすようなことが行われているというようなことを考えて、どうもいまのままではいけないなという意味で、抜本的にひとつこれは検討し直す必要があるんじゃないかという抜本的なことを申し上げる時間がないわけです。これは後日に譲る以外にありませんから、お伺いだけしておきますが、私は、もうちょっと抜本的なものを考える必要があるんじゃないかという考えがいたします。その抜本的なものというのは、やはりシャウプ税制にさかのぼっていかないといけないんじゃないかなという感じがしていることだけ一つ申し上げておきます。 それからもう一点は、これも残念ながら、そういろいろな具体例を挙げられないのですが、最近の傾向を見ると、法人税と所得税の率が四十七年ごろまでは、大体とんとんに徴収していた。ところが、それ以後になると、だんだん所得税が多くなってきている。中期経済計画をいま作業をされているはずですが、その作業の中では、今後たとえば五年、十年といったときに、現在の法人税と所得税というものとが一体どういう傾向になるかだけ、現在作業をしておられるのですから、それをまず先にお伺いしたい。
○大倉説明員 御質問の前半にございました、最近法人税のウエートが所得税に比べて下がっておる、それは事実そのとおりでございます。ただこれは、その背後には、よく御承知の不況、法人収益の激減ということがあって、こうなっておりますので、幸いにして景気が立ち直ってまいりますれば、法人税もそれなりにまたふえてくれるということは期待いたしております。 ただ、後半でおっしゃいました、五十年代前半の経済計画の中で、税収が所得税、法人税それぞれにどうなるであろうかということは、実は作業はいたしておりません。企画庁の方でもやっておられないと私は承知しております。ただ、傾向といたしましては、私は、経済計画の考え方では、やはり国民所得の配分として法人所得部分が漸次ウエートをむしろ減らしていく。それは、成長の速度が鈍り、分配も変わり、むしろ全体としては傾向として、法人所得のウエートが下がっていくということが予想されておるように思いますので、その意味では、やはり法人税収のウエートというものは、従来ほど大きくはならないと考える方がむしろ素直ではなかろうか、そう思っております。 なお、御承知のとおり欧米でも法人税収のウエートというものは、日本に比べますと、非常に低うございます。それはやはり基本的に、法人所得が分配の中でのウエートが小さいというバックを持っておるからだというふうに私は理解しております。
○原(茂)委員 いまの傾向からいくと、所得税が法人税に対して二倍から三倍になっていくというようになるんじゃないかなというように言われているんです。いまおっしゃっていないのですが、そういうことは多少頭にあるんだろうと思う。二倍以上になることは間違いないという傾向になっているわけですが、こういう傾向は、これはそこまでいくと誤りです。したがって、是正、妥当、これは大事なことなんですが、そういう点から言うなら、いま不況だから法人税がとにかく少ない、したがって所得税が比較して多くなっていくだけだという考え方でなくて、現在おやりになっている中期計画からいっても恐らく、きっと十年後には二倍以上になるぞというようなものは、もう大体想定できているんじゃないかと私は思うのです。 そういうようなことがあるとすれば、どこかでこれに歯どめをかけるというようなことが必要じゃないかなという観点で、実は、そういう傾向がだんだん普通になり、なれてしまうというようなことは困るという意味でお伺いしたがったのですが、これも問題として提起をしておきますので、十分な、いま私が言ったような趣旨に沿った検討をしておいていただくようにお願いをしたいと思います。 それから最後に、これは大臣にお伺いするんですが、こういった状態、あるいは国債、特に赤字国債等は、先ほど衆議院の委員会かどこかで、五十五年でもうやめるんだと、こうおっしゃったそうですか、これは結構であります。しかし、建設国債その他はこれからどんどん出ていくわけですが、現在だけでも膨大なものになっているものを返すのに、どうしても付加価値税というものはもうきちっと話題に上ってい、検討されていなければ困るというような段階にきているんじゃないか、大蔵省の態度がそういうところへいっているんじゃないかという考えがしますが、付加価値税というものをいつごろ実施する、あるいはいま検討しているというのかを、ひとつお伺いしたいのであります。 それからもう一つは、中期割引国債が前にも話題になりながら、ついに実現できなかったのですが、これを一体今後どうするか。 それから、もっと小さい問題ですが、営業用自動車税などがまたここで増税ということになる危険があるんですが、この三点、どうお考えになっているかを最後にお伺いしてやめたいと思います。
○大平国務大臣 五十年代前半には何とか赤字公債から脱却した財政、いわば財政の正常化を中央、地方を通じまして図りたいものと念願いたしておるわけでございます。そのためには、現在政府が持っておる経済諸計画を実行しながら、そういう状態をもたらすためには、どういう心構えで歳出歳入をあんばいしたらいいかということで、先国会で中期の財政試算なるものを出しまして御検討をいただいたことがあるわけでございます。 これにはいろいろな問題があるわけでございますが、とりあえず昭和五十二年度の予算編成、税制の問題から取り組んでまいらなければならぬわけでございまして、先般税制調査会の御会合を煩わしまして、まず先国会での論議というものを御報告申し上げたのがきっかけでございまして、これから税制調査会を中心に、五十二年度は一体どういう点にどういう歳入計画を税制面からは立ててまいるべきかというようなことについて御検討願わなければいかぬわけでございます。まだこういう税目についてひとつ御検討願いたいと、付加価値税というお話でございますけれども、これをひとつ吟味してもらいたいというようなことをお願いしたことはないのです。これから税制調査会の方々と真剣にいろいろな税目につきまして御検討いただかなければならぬと思っておりますが、この段階で何をどう取り上げるかというようなことを御答弁申し上げる立場にまだないわけでございます。 後からお話がございました自動車税の問題にいたしましてもそうでございまして、まだ私ども具体的に五十二年度以降につきましてプログラムを持っていないわけでございます。五十年代前半に何とか赤字財政から脱却したいということで、いろいろな方途を模索しなければならぬ。で、五十二年度は、したがって赤字公債を相当程度減額せなければなるまいと、これはよほどしんどい話だけれども、やらなければならぬという気概は持っておりますけれども、そしてそういうことについての検討を、まず税制調査会についていまから御検討を願おうというやさきでございますので、具体的な御答弁ができる段階でないことは御了承いただきたいと思います。これがだんだん進んでまいりまして、ある程度お答えできる段階になりましたら、何も包み隠す必要はございませんので、お答えいたしたいと思いますけれども、正直なところ、いまのところ、現在の段階では具体的な御答弁ができる状態にないということを、ひとつ御了承を願いたいと思います。
○原(茂)委員 終わります。
○村山委員長 塚田庄平君。
○塚田委員 ただいま原委員から銀行のあり方についての質問がありましたので、一点だけ関連して局長に御質問したいと思います。 不動産銀行は、もちろん局の所管だろうと思うのですが、最近、恐らく三月ないし五月に不動産銀行についての監査を行ったと思います。考査といいますか調査といいますか、その結果、大変いい状態で運営されておる、こういう印象を受けられましたかどうか、端的にひとつ……。
○後藤説明員 いまお示しの日本不動産銀行につきましては、ことしの四月十五日から六月の初めにかけまして検査を実行いたしております。検査の結果どうであったかという御質問でございますが、個々の銀行の検査の内容にわたりますことなので、詳細申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますが、まあ強いて申し上げますならば、最近の経済情勢を反映いたしまして、若干従来に比べますれば、貸し金の返済に少し時間のかかるというものがふえていたことは事実でございますけれども、総体といたしまして健全に経営が行われておると私ども考えております。
○塚田委員 その中で、いま原委員から指摘された問題とも関連しますが、日本不動産銀行として特殊な融資の仕方、つまり韓国人経営に対して、不動産業だろうと思いますが、しかも特殊な担保のとり方をしておるという例はなかったか、あったか。
○後藤説明員 私どもが承知しておりますところでは、いま御指摘のような特殊な形というものは特に見当たらないように存じます。それぞれ担保のとり方でございますと、銀行保証とか不動産担保でございますとか、その他の保証でございますとか、まあいわば普通あるような担保のとり方と承知をいたしております。
○塚田委員 もう時間がないので、どんどん質問します。 これは韓国の国営銀行、外換銀行の担保をとったものはないですか。
○後藤説明員 先生の御指摘の件は、以前にも国会で御指摘がございましたTSKに対する融資のことかと存じますが、これにつきましては、韓国外換銀行の保証ということで融資が実行をされておりました。
○塚田委員 いま原委員からも指摘がありましたが、実質的には国内韓国人経営の不動産業、これに貸し付けた、この限りにおいては、企業ですから、資格があればいいと思うのですけれども、外国の国営銀行が積極的に担保というか保証していくということ、これが無制限に外国の国営銀行だから大丈夫だということになっていけば、これは端的に言いますと、確かに日本国内における企業には貸し与えたものの、担保というのは、最終的な責任を負うべきは銀行なりあるいは企業ですから、その場合に外国、韓国ということになれば、最悪の場合これは韓国に貸した、国営銀行に貸したという事態も考えられる。 つまり取り立てが外国に及ぶ、こういうような事態も考えられるので、こんな方法でどんどん——まさかどんどんというようなことはないだろうと思いますが、やられますと、不動産銀行を通じて外国に金を貸すということにならないですか。
○後藤説明員 先生のいま御指摘のようなケースは、いわば非常に極端なことかと存じますが、ただいまの御指摘の具体的な融資につきましては、これは韓国外換銀行もおっしゃるような性格の銀行でございますし、日本の国内でも営業しておりまして、私どもその内容を把握しておる次第でございます。 それから、そういうことでどんどん融資が行われればということでございますけれども、これはその融資自体の回収の懸念というような角度からは、私、それは程度にもよるかもしれませんが、問題はないと考えております。ただ、資金の配分と申しますか、資金をどういうところに振り向けていくかという角度から見ますれば、これがもし極端なことにでもなりますれば、それは融資のあり方として若干問題になり得ることかと思いますけれども、御指摘のケースは、金額的にもそれほど極端なものではございませんし、特別問題はないと私ども考えております。
○塚田委員 だけれども、これは不良貸し付けでしょう。いま回収していますか。
○後藤説明員 若干の延滞はあるように聞いております。ただ、利子などその他は保証人が支払っておるというふうに聞いておりますし、最終的な回収懸念はないというふうに存じております。
○塚田委員 これは意見だけで、次に移りたいと思いますが、つまり最終的には心配ない。それは韓国の国立銀行だからですよ。心配ない。恐らくこれは那須に広大な土地を買って、そして飛行場まがいのりっぱな道路をつくってというのが国会で問題になった事件だと思うのです。いまだに利子だけは韓国が払っておる、こういう状態で不動産銀行が運営されるということになれば、これは大きな疑惑を国民の間に起こすと思うのです。そういう点は私ども今後注意していきますから、いま言ったような、通り一遍の答弁ではとても許すことはできません。しかし、問題を次に移したいと思います。 さて、ここで大平さん、少し早いですけれども、飯を食ってください。ただし十分間、その間ほかの方を質問していますから。なるべく早く来てください。 これから私が質問するのは、実はかつてこの委員会並びに大蔵委員会で質問をしました太平洋テレビの問題を中心にして、その後起きた田中金脈の問題、そして現在起きておるロッキードの問題、この一連の、いわば私どもがいま構造汚職と名づけておるこの事件と、これを捜査する、あるいは摘発する、たとえば検察庁あるいは国税庁関係のこれに立ち向かう態度、ここに私どもは非常に大きな疑問を感じております。 率直に言いますと、この二つの関係が微妙に絡み合うというか、うまく絡み合って、構造汚職というのは実際やった犯人と、それを調べる、あるいは摘発する側のいろんなかみ合いの中で国民の目の前から消えていったり、あるいは大変納得のいかない不正当な結果を無理につくり出す、こういう傾向、これがいま幾つかの事件で指摘されておりますので、私どもはいま振り返って、太平洋テレビの脱税事件というのは、まさにそういう意味においてその端緒であったという感じがいたしますので、今日的な問題として、もう一度この問題をひとつ掘り下げていきたいと思います。 まず検察当局から、これは法務省なんですが、残念ながら安原君は、いま参議院のロッキードに行っておりますので、ひとつ法務省の方から、日通事件、これは犯人をみごとにつくり上げました。この日通事件以後、いわゆる疑獄事件、こう言われる事件は私の見るところ、少なくとも世間の目には出てきておりませんが、検察当局の方では日通事件以後、一体疑獄事件というのはあったのかなかったのか。あったらあった、なかったらなかったでいいですから、端的に一言返事をしてください。
○吉田説明員 疑獄事件というのが、どういう内容であるか必ずしも明らかでないのでありますが、国会議員あるいは政府高官を含みます国会議員等に絡む汚職事件という御趣旨だといたしますと、そういう趣旨の事件で、その後世間の注目を集めたというような事件はなかったと思います。
○塚田委員 それでは私の方から、なかったと——つまり、いまの課長の答弁では、こういう意味だと私は解釈します。 つまり事件を探知し得なかった、客観的にあったかなかったかは、これは神のみぞ知るといいますか、あるいはあなたが知らなくても、ほかの人が知っていたかもしれない。つまり探知することができなかった、することを得ずという御答弁だったと思います。 それでは、たとえば防衛庁の機密漏洩事件、これは日通事件以後に起きていますね。あるいはまた大阪のタクシー事件、これは日通事件と同時期くらいだと思います。もっとひどいのはFM放送の認許可事件、これは調べたはずです。あるいはまた日韓リベート事件、これは私どもの記憶に間違いがなければ、ハーバード大学のコーエン教将が講演の中で、日本の高官、これは具体的に名前を挙げております。莫大な産を韓国との間で、あるいは韓国に対するいろいろな融資関係の中でなしたということで問題になったリベート事件、あるいはまたごく最近ロッキードの陰に隠れて、ちょっと口にしないようになりましたが、田中金脈事件、こういうものは事件ではないというか、疑獄事件ではない。いずれも政府高官が出ております。 いま一つもなかったということですが、これらをあなた方は全然問題にならない事件だということで今日まで見過ごす、あるいは探知しないできたものかどうか、ひとつはっきり責任ある答弁をいただきたいと思います。
○吉田説明員 刑事事件の捜査は、言うまでもなく証拠を追うて、証拠に基づいて犯罪の嫌疑があると確認した場合に捜査が行われるわけでございます。世上いろいろ事件というものは、取りざたされていることがあるのでございますが、検察当局といたしましては、検察当局において証拠を収集し得て、犯罪の嫌疑ありと考えたときに捜査権を発動するということでございまして、その点を御理解いただきたいと思います。 検察当局としましては、もとより、ふだんこの種の汚職事件等につきまして、あくまでも厳正な立場で徹底的に捜査するという方針で臨んでおるのでございます。いわゆる汚職事件といたしましては、もちろんその後も、先ほど疑獄事件とおっしゃいましたので、その種の事件はなかったように思うと申し上げたのでございますが、いろいろ公務員に係る不正事件については、各種の規模の、大小の差はあれ、相当多数それの摘発を見て厳正な処理をしておるのでございます。 そのほかにも、いわゆる公務員に絡む事件ではございませんが、御承知のように石油カルテルの事件とか、その他、非常に困難で、しかも当時の経済界等でも、いろいろ注目を集めた困難な事件を摘発しているのでございまして、もちろんこれは告発を受けたりしておるわけでございますが、そういう状況で、検察当局としてはあくまでも証拠によって、犯罪の嫌疑ありと考えた場合には、厳正な立場で捜査を遂行する。しかし、その捜査の過程で証拠を収集し得ないものにつきましては、何といたしましても、それ以上捜査権を発動することはできないということでございます。
○塚田委員 証拠ありと認めたものについて追及を深める。じゃ今度のロッキードの事件で一つの逮捕の端緒といいますか、ジャパンライン事件というのが端緒になりましたね。あるいは殖産住宅という事件、これはそれぞれ児玉と関係のある太刀川なり、あるいは水谷なりを別件逮捕で逮捕していったのですが、この事件はいつ起きた事件なのか、世間を騒がせました。なぜ一体そのときに太刀川なり、あるいはまた水谷なり、当然の所得として考えられる、だれでも世間が考えたことについて追及の手が及ばなかったのか。 脱税事件として少し調べれば、あの時点においてきわめて明白になったし、何も、ことし二月四日に、アメリカにおいてロッキード問題が表面化する前に、日本の検察当局みずからの手によって明らかにする端緒はあったのじゃないですか。それを調べないで、なぜ一体、いまになってやれジャパンラインだ、やれ殖産だ、こういう腑抜けたことになるのか、その辺をはっきりしてください。
○吉田説明員 御指摘のジャパンラインに関する事件について種々報道がなされましたのは、昭和四十七年から昭和四十八年にかけてであったと思います。その当時、検察当局といたしましては、児玉譽士夫につきましても若干の情報を得まして、若干の捜査と申しますか、内偵をしたようでございますけれども、当時は十分な関係者の協力を得られないので、犯罪としてそれを立件するというまでには至らなかったというふうに聞いております。 これはその当時、検察当局が努力をすれば犯罪が摘発し得たはずじゃないかという御指摘でございますけれども、犯罪の捜査の過程におきまして証拠の収集を得られるというのは、いろいろな具体的な状況のもとにおいてその確証が得られなければ、またさらに、それが証拠として積み重なっていかなければ、犯罪の摘発というところまでは、なかなかいかないのでございまして、検察当局がやっていることが万全だとは、私はここでは申しませんけれども、できるだけの努力を絶えず行っているということだけは信じていただきたいと思います。
○塚田委員 信じるわけにはいかないのです。協力を得られなかった、こういう話ですが、それはたとえば児玉の脱税問題、これはすでに告発していますね。これは銀行の口座を調べてわかったのでしょう。それだけじゃないだろうとは思いますが、きわめて簡単な糸口じゃないですか。太刀川にしたって水谷にしたって、いまそんな簡単な糸口で児玉が逮捕できる、脱税を指摘できる。それではなぜ一体ジャパンラインや殖産住宅のとき・に、そんな簡単な手口を探知できなかったか。どうなんですか、これは。
○吉田説明員 今回の児玉譽士夫の所得税法違反につきましては、米側から発表されましたチャーチ小委員会の公表資料等に基づきまして、巨額の金額がロッキード社の方から児玉譽士夫に入っているという疑いが出てまいりました。その点について鋭意国税当局とも協力して捜査、調査を重ねた結果、犯罪の嫌疑十分ということで、過般三月十三日に、昭和四十七年分について公訴を提起したわけでございます。そういうことでございまして、犯罪の端緒を得るということにつきまして、もちろんそういう犯罪があった場合に、それを漫然と放置してはならない、それが私どもの責務でございますので、検察当局の責務でございますので、絶えず証拠の収集、証拠の端緒の獲得ということについては努力しておるのでございますけれども、この点については、さらに今後ともいろんな工夫を重ねてまいりたい。検察当局としても種々工夫を重ねているところでございます。
○塚田委員 それは吉田君、工夫を重ねることはないのだよ。やる意思と、それから責務があれば十分できる。それは何も工夫のいることじゃないのだ。なぜ一体児玉の問題について以前に、たとえばジャパンラインの問題にしても、殖産住宅の問題にしても、陰に児玉あり、あるいは太刀川あり、水谷あり、これは常識じゃなかったですか。今日銀行口座を調べた、あるいはコーチャンの証言でどうも怪しい、いまになって、そんなことを言うのは、私は言い逃れだと思うのです。なぜ一体そのときに迫られなかったか。 それは私から言いましょう。児玉が強かったからですよ。検察当局でさえ児玉のそばへ寄れなかったからです、足元へ。しかし、二月の四日以降児玉の権威というのは地に落ちた。弱くなったから、皆さん方は簡単な方法で一つ一つ摘発できたのだ。 私が、これから質問するのは、その逆の場合。弱くなった児玉に対してはできた。もともと弱いものについては、あなた方はのっけからかさにかかって、脱税摘発、外為違反、こういう名目をつけながら調べを進める。こういう態度が検察当局の態度であり、これから質問をする国税当局の態度であることは間違いない。まず法務省関係の答弁をいただいて、国税庁の方へ移りたいと思います。
○吉田説明員 検察庁といたしましては、御指摘のような態度でいままで臨んできているとは考えておりません。先ほど私が捜査の端緒について、収集について、いろいろ工夫も重ねる、そういうことはもちろんのことでございますが、犯罪を放置しないということで努力と気構えをもって臨んでいるつもりでございます。 個々の事件について、いろいろ処理について御疑念なり御不審なりというものがあるので、そういうことをおっしゃっているのかと思いますけれども、これは証拠の収集の結果その得たところで判断をするということから、やむを得ないことが、世人から見れば、必ずしも納得しないという場合はあるかもしれませんけれども、検察庁といたしましては、あくまでも刑事訴訟法に基づいて、得られた証拠を追いながら、それによって捜査を行っていく、この態度は終始一貫変わっているつもりはない、私はそう考えております。
○塚田委員 いまの答弁がありましたので、どうしてもこれは聞いておかなければならぬ。田中金脈問題はあなたは犯罪じゃない、こう断定しておりますか。するのですか。その点ひとつ簡単に答えてください。
○吉田説明員 いわゆる田中金脈事件と申しますのは、東京地方検察庁において、いわゆる新星企業等に対する宅建業法違反あるいは特別背任をもって処理した事件の当時の事件について御指摘のことだと思います。 東京地検といたしましては、この事件につきましても厳正な捜査を行って、宅建業法の違反につきましても、さらに特別背任の事件につきましても、警視庁等から送致された以外に、捜査の過程で犯罪を認知いたしまして、それを公判請求をして有罪の裁判を得ているわけでございます。犯罪の嫌疑ありというものにつきましては、このように事件として、きちんと処理をしていると考えております。
○塚田委員 つまり、この件は一件落着と考えておるかどうか。いま田中金脈という大きな山脈のすそ野の問題についてお話がありましたね。これで一件落着と考えておるかどうか。もしそうだとするならば、今度のロッキードの問題を捜査しておる担当者、これは田中金脈を捜査した担当者、あるいは国税局も含めて、ほとんど同じだと思うのだ。田中金脈の問題が、これで一件落着という考え方で処理をしようとするならば、ロッキード調査あるいはその行方というものについても、国民は、ある意味において皆さん方に対する不信も含めて、果たしてここれで十分な徹底した解明ができるのだろうかという危惧を持つのはあたりまえでしょう。どうですか。田中金脈はこれで終わりじゃない、これからが本番だ、そういう態度でなければならぬし、またそういう物証がいろいろ出ていると私は思うのだが、どうですか。
○吉田説明員 新星企業の事件につきましては、検察当局は、その捜査権に基づいて、犯罪の嫌疑ありと思量した、認定できたものについて厳正な処理を行っている、それ以上のことは申し上げられません。 ロッキード事件につきましては、御承知のとおり、いま総力を挙げてその真相の解明のために努力しておるところでございます。本日まで十一名の逮捕者を見て、鋭意その取り調べを行って、真相がどこにあるのか、犯罪の容疑があるならば何人を問わず適正に、厳正に処理をする、そういう態度で臨んでおるのでございます。ぜひ御信頼いただきたいと思います。
○塚田委員 どうも明確な答弁をいただけなかった。田中金脈は、一体これで一件落着かということについて答弁をいただけなかった。これは刑事課長としては無理でしょう。いずれ私どもは、別途最高責任者に対して、この問題については質問を続けていきたいと思います。 さて大蔵大臣、この田中金脈の問題に絡んで、いま吉田刑事課長からいろいろ幽霊会社といいますか、実体のない会社その他についての犯罪が指摘されました。こういう会社等について、国税局としては、あるいは庁としては、どういう措置をとりましたか。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 田中角榮氏の資産問題の調査、いわゆる田中金脈問題と言われておりますけれども、その調査につきましては、すでに国会におきまして再三御説明を申し上げておりますけれども、全体といたしまして特に大きな非違は発見されず、所得計算の誤り、あるいは税務当局との解釈の食い違い、その他通常の税務調査で見られるところの否認事項が発見されたわけでございますが、これらの是正を求めるべき点については、それぞれ修正申告を徴する、あるいはまた更正処理を行っておるところでございます。
○塚田委員 私は、いまのそういうやり方に国民は怒りを感じていると思うのです。普通の庶民であるならば当然、たとえば最小限重加算税その他の課徴金を取らなければならぬはずだ。あなたのいまの説明でいいますと、まさにケアレスミス、そういうことでこの大きな問題を片づけております。 私は、そういう国税庁のやり方の中に、冒頭申し上げた国税庁と犯罪者との間の、後でいろいろ証明したいと思いますが、一種の癒着関係が、こういうロッキードのような事態を起こす日本の体質をつくったと思うのだが、一体なぜ重加算税を課さなかったか、このことについて端的に答弁願いたいと思います。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 御承知のとおり、重加算税の課税に当たりましては、その所得の申告に当たりまして隠蔽仮装し、その隠蔽仮装をしたところによって所得の申告をなしたという場合に重加算税を課するということになっておるわけでございますけれども、先ほどの問題につきましては、その調査したところによりますれば、御説明申し上げましたとおり、所得計算の誤りあるいは解釈の食い違いというふうに、通常の税務調査で見られる否認事項でございまして、隠蔽仮装というふうな事実がなかったということで、重加算税は徴しなかったというふうに存じておるわけでございます。
○塚田委員 私から意見を言うことは、いたずらに時間があれですから、後で議事録等で皆さん方、国民も恐らくわかってくるだろうと思いますので、国民の判断に任したいと思います。 先ほど吉田刑事課長、それからいまの答弁等を聞いておりまして、事田中の問題あるいは田中金脈の問題になりますと、これ以上は話すことはできません、あるいはまた肝心なところは、ケアレスミスで勘弁をしたというようなことですが、つまり守秘義務やら、あるいは非常に寛大な措置で田中金脈問題というものを処置しております。かつて私は大蔵大臣にも質問いたしましたが、いまロッキードの問題が重要な問題になっております。たとえば刑事訴訟法四十七条の問題、今度の田中金脈の問題、あるいは以前の太平洋テレビの問題、一体、守秘義務というのは大蔵大臣、税務に関して基本的にどういう考えを持っておるのか。 私が、いままでの事件の幾つかを考えるときに、太平洋テレビのようなああいう事件については、むしろ積極的にこれを公表して、相手方を追いやる、あるいは名誉棄損する、いやでもおうでも、お上に盾突く者はということでやり込めていく。しかし、いま言ったような大きな山脈に対しては全然近寄らなかった。たとえば、かつて強大な勢力を誇った児玉については、あるいはいまだ隠然たる力を持っておる田中金脈、こういうものはきわめて寛大であり、守秘義務は厳として厚い壁となって立ちはだかっておる、こういう事態について基本的に一体大蔵大臣はどう考えるか、国税の問題に限って、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○大平国務大臣 税法上守秘義務と申しますものにつきまして私が理解しておるところでは、職務上知り得た秘密は外部に漏らさないということによって、税務の円滑な執行を担保しようという制度であると承知いたしております。したがいまして、この制度は相手方のいかんによって厚薄があるわけでもないわけでございまして、政府の税務管理といたしましては、どなたに対しましても忠実に守らなければならないものであると考えております。
○塚田委員 ここで具体的な問題で守秘義務について入っていきたいと思います。 太平洋テレビの問題は、いま三十四億という莫大な国家賠償、これをめぐっての訴訟に発展しております。本件の実体裁判といいますか、これはすでに終わっておりまして、国が一審、二審敗訴して、そして無罪確定した問題です。これに伴って、いま言いました損害賠償といいますか国家賠償の問題に発展して、謝罪並びに賠償という請求が争われておるわけです。その間において、もちろん書面のやりとりはあります。 きょうは、実は大蔵省の方の被告としての答弁書を要求いたしましたが、出すわけにはいかないということで断られました。私の調べた範囲で、大蔵省はつい最近、五月十四日、裁判所に対して準備書面を出しております。その中で、大蔵省がこの事件を発表したのは昭和三十九年二月二十四日、こう記載しておりますが、これは間違いありませんね。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 三十九年の二月二十四日に、当時の東京国税局におきまして記者会見がございました。そのときの記者の取材活動によりまして、その質疑に東京国税局当局が答えておる、こういう事実はございます。
○塚田委員 昭和五十年六月十八日、この決算委員会で私はこの問題について質問をしました。そのときは私は、二月二十六日告発という新聞を見たわけです。そうしますと、いま答弁された準備書面によりますと、その二日前の二十四日、すでに新聞発表をしておる。私は、その当時の議事録を持ってきております。これは私の間違いで、二十六日の新聞にこう出ておるがと言ったら、これに対して答弁はなかった。けれども準備書面を見たら二十四日ですから、驚くなかれ、もうすでに二日前に、私の調べによりますと、これははっきりしております。村井国彦君、彼は査察部長です。恐らく午後、定例記者会見と称して、ここに公表の内容があります。 若干てにをはは間違っておりますが、太平洋テレビについて告発した、いいですか。しかもこれには「なお同会社に対しては去る二月四日、外為法違反事件の判決があり、清水に懲役七ヶ月、執行猶予二年、会社に罰金三十万円」あるいはまた「米国にドル預金するなどの悪質な手口」、この発表は脱税事件と何の関係があるのですか。外為法違反あるいは悪質な手口で外国にドル預金をする、これが一体脱税と何が関係があるのですか。こんなことまで付して発表をやる。しかも二十四日、告発前です。これは明らかに守秘義務違反じゃないですか。 先ほどのような田中あるいは児玉に対しては、がんとして守秘義務を盾にとって壁を厚くしておる。しかし、この問題については、告発前に記者会見をやる、言わぬでもいいことを言って本人を追い込める。これは一体どういうことですか。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 二月二十四日の東京国税局におきますところの記者会見は、実は記者発表という点では、ほかの案件の発表でございました。したがいまして、積極的に東京国税局が本件に関しまして公表する意図もなければ、またそういう事実もなかったわけでございます。ただ通常の記者発表が終わりまして、これは通常の例でございますけれども、記者の皆さんから、そのときのトピックについてのいろいろな質疑があるわけでございますけれども、それに関連をいたしまして、太平洋テレビの問題につきましての質疑が若干行われたようでございます。 すでに太平洋テレビの問題につきましては、査察の立件以来いろいろと新聞報道、あるいは御本人がマスコミ界で非常に有名な方でもございますので、いろいろな面で実は新聞報道その他の報道が行われておりまして、この取材活動によりまして明らかにした事実は、実は改めてここで公表したことではございませんで、すでに公知の事実になっているものでございます。そういう意味合いにおきまして、その場で改めて新たな事実を公表した、こういうふうなことではないというふうに私たちは考えております。
○塚田委員 いま非常に重要なことを答弁しましたね。新たな事実じゃない、公知の事実だ、こう言いましたね。確かにあなた方はその発表した一年十ヵ月前に、実は太平洋テレビにガサ入れやったのです。十数名の査察官が乗り込んでいきますから、これは確かに目につきますよ。ちょうどロッキード事件で檜山前会長が任意出頭しても、これはテレビに映りますからね。だから、これは全部公知の事実と言えば公知の事実です。だけど、なぜその時期において、東京国税局の口からこういうことを言わなければならぬのか。いや、それはほかの問題で言ったのだ、たまたま聞かれたから言ったのだ。これこそまさに守秘義務違反じゃないですか。こういうものこそ口をつぐまなければならぬでしょう。たまたま聞かれたから言ったなんていうおしゃべりは、一体それで公務員として成り立つのですか。 ここのところは大蔵大臣、なぜ私は大蔵大臣にこれを聞くかというと、この事件ではいろいろ国税当局にとりまして反省すべき点が多い、私は非常に太平洋テレビに同情しております。こういうように五十年六月十八日に、大蔵大臣は謙虚に私の質問に対して答えております。それに比べて、いまの答弁は、私は準備書面を詳細に洗った結果、これはひどい——この当時、私と大蔵大臣とのやりとりは、まだまだ私自体の調べも浅かったが、しかしそれにしても、大蔵大臣の答弁というものは非常に謙虚だったということで私は質問を終わっております。ところが準備書面を見れば、あるいはいまの答弁を聞けば、とてもこれは許すことはできない。単なる同情や、あるいはミスがありました、反省すべき点が多いだけではおさまる問題ではない、こういうように私は思います。 そういう意味で、この答弁を思い出しながら大蔵大臣の御意見をひとつ承りたいと思います。
○大平国務大臣 税務官吏も人間でございまして、過ちがないという保証はないわけでございます。恐らく過ちを意識しないで、あるいは犯している場合もありはしないかと恐れるものでございますし、また自分の方で役人というものは、私も若いときお役人をやっておりましたものでございますけれども、役人というものは自分の方では何とも思っていなくても、受ける側から見ますと、大変高圧的に受けとめられたり、あるいは何らかの圧力を感ずる場合もあると思うのです。そこで、そういう点、私ども常に心して毎日の行政に当たらなければならないと思いまするし、日夜反省に反省を重ねてまいる必要があると思います。 いまそのケースにつきまして、守秘義務の運用上、塚田さんが言われることにつきまして係の者がそれに関連してやりましたことが、いろいろ解明してみてどういうことになりますか、これは私まだ全部承知しておりませんので、何ともここで総括することはできませんけれども、もしどうしても、それをもう一度勉強してみろということでございますれば、勉強いたしますけれども、しかし多くのケース、問題を扱いまして、誤りないようにやろうといたしておりまする役人の立場から申しまして、自分で申しましたことと、あるいは受け取られた方の側の受けとめ方に非常な食い違いがあったのではないかというようなこともあったのではないかと心配いたします。 したがってお答えでございますけれども、全体としてそういう事件が起きましたこと、深い反省を私は感じておるものでございます。またこの事件ばかりでなく、日々の税務執行におきまして、よほど注意しておかないといけないということは、すでに国税関係者にも十分自覚ができておると思うのでございますけれども、一層それは徹底させていかなければならぬと考えております。 なお、本件は、しかしながら不幸にいたしまして裁判の問題になっておりますので、そこで事実が解明されて、公正な判断が示されることでございましょうから、それを静かに待ちたいと思いますのが、私のいまの心境でございます。
○塚田委員 いま大蔵大臣から答弁ありましたが、ひとつこの事件をもう一度振り返ってみてください、見る必要があればやると言っておりましたが。 人間だから過ちがある、私はそのとおりだと思うのです。これはお役人であろうと、だれであろうと過ちがある。ただ私は今度の事件を通してわかったことは、過ちとわかったときに直ちにそれを正していく、Uターンをしても、とにかく過ちをそれ以上続けない、あるいは謝るべきところは謝る、この態度が必要だと思います。 ところが、この事件をずうっと一貫して見ていきますと、見込み捜査のその始まりから裁判の終わりまで、過ちとわかっておりながら、もうUターンできないのです。守秘義務違反も、そういう一つの事件として出てきているのです。全国で何百ヵ所、何億の金を使って裁判をしたでしょう。これはお上に盾突く者は承知せぬぞ、おれたちは誤りないんだというような無謬性、これを庶民に押しつけておるから、私はここで質問するのです。いま大蔵大臣の言うとおり、人間だから誤りあります。だから、過ちとわかったときに、そこで問題を処理する、そうしないで、最後までその過ちを、おれは過ちでないのだ、そういうことを指摘する者は承知しないということで、ずうっとやってきたのが、この事件じゃないのですか、十何年間。 私は、そこにこの問題の本質があると言いたいのですよ。もう一言だけ、ほかの問題に移りたいですから、大蔵大臣の答弁願います。
○大平国務大臣 塚田先生のおっしゃる御趣旨はよくわかります。で、本件、やはり税務執行上、われわれの大きな反省材料でございますので、私自身もよく見直させていただきまして、おっしゃるように、過ちを発見したならば潔く謝るということに怯懦であってはならぬという御趣旨、ごもっともに存じます。私どもも、そういうようにあらねばならないと考えております。
○塚田委員 さて、この事件は、いま裁判で進行いたしております。そこで、原告から出された証人の中には、谷川宏、村井国彦、あるいはまた吉國二郎、高木文雄、これは国鉄総裁ですね。安川七郎、磯辺律男を初めとして、およそここ数年間国税関係を担当し、しかも責任ある立場で運営してきた人たちがこの中に含まれております。 私は、いずれこうした人たちが証人喚問に立たされて事態が明らかになっていくと思いますが、ここで私は一つ、もう時間もありませんので御質問いたしたいのは、どうもこういう人たちあるいは警察関係、たとえば検察をやめる、弁護士をやる、今度の児玉の事件、ロッキードの事件、田中金脈ほとんどその弁護士は、あるいは国税庁にいて弁護士試験をとるとか、あるいは検察の最高の位と言っちゃなんですが、各地方の検事長、そういう人たちが退職したり何かして、ほとんど全部いまのロッキードの関係、あるいは田中金脈関係の弁護士としてついておる。それは職業の自由ですから、やめた以上は、どこへつこうと勝手だと言えば、そのとおりだと思います。 だが一体、国民はこれをどういう目で見るでしょうか。いままで調べる立場にあった者が、今度は逆に弁護する立場に回る。不思議に民間の弁護士は入れてないのですよ。私はこの事態は、むしろ天下り人事といいますか、これとあわせて、一体日本の官僚、犯罪、そういう機構はこれでいいのかということを、つくづく考えさせられます。この際、本当は法務大臣に聞きたいのですが、課長ちょっと答弁してください。
○吉田説明員 御指摘のロッキード事件の関係の被疑者ないし被告人につきまして弁護士として委任されている者の中に、検事をしていて、その後検察庁を退職した者が相当数含まれていることは、御指摘のとおりでございます。 この点について、私にそれをどう思うかというお尋ねでございますけれども、私のような立場から申し上げることが適当かどうかわかりませんが、やはり法曹としての資格者として、官を退職した後に弁護の業務に専従するということ自体は、それ自体十分意味のあることでございますし、わが国の法制が、まさしくそういうことをひとつ考えている制度だと思っておるわけでございますが、あと、これらの検察庁の幹部の職にあった人々が、こういう席につくことについてどう考えているかということにつきましては、それぞれのお立場がございましょうし、私がこの場で、それについてとかくの意見を申し上げるというのは適当でないと思いますので、御容赦いただきたいと思います。
○塚田委員 それは、総理大臣にあるいは聞くべきことかもしれません。 ちなみに児玉の弁護士中村信敏、これはかつて東京高検の検事あるいは大阪高検の刑事部長もやったのではないかと思います。あるいはこの中村信敏は、太刀川恒夫、はっきり言いますと児玉の分身といわれる、この弁護士も兼ねております。あわせて太刀川恒夫の弁護士の横井治夫、これは驚くなかれ昭和五十一年、ことしですね、三月二十二日、ロッキード事件が真っ盛り、真っ盛りと言ってはなんですが、まさに焦点、国民の切歯扼腕している最中に長野地検を退職して、そのまま太刀川恒夫の弁護士をやっております。こんなことは一体常識的に考えられますか。 それから沢、これは御存じですね。その弁護士の山本清二郎、大阪高検の検事長。大久保の弁護士、野村佐太男、岡崎格、それぞれ名古屋高検、大阪高検の検事長あるいは検事。ごらんなさい、みんな取り調べる側、しかもさっき言ったとおり、まだ退職してほやほやの湯気が立っておる人まで、全部弁護に回っておるじゃないですか。だから私どもが、調べる方と調べられる方は、まさに一体だと言わざるを得ないのは、こういう事実の中にあるのですよ。 大蔵大臣、よそごとのように聞いていないで。いいですか。たとえば太刀川恒夫は博報堂という——これが児玉と関係があることは何遍も新聞に出ている。この社長は元国税庁長官近藤道生君じゃないですか。しかもこれはたしか五十年の七月か、あるいは四月ごろ社長になっているはずです。こういう仕組みの中で児玉問題、田中問題、そしてロッキード問題が調べられ、解明されるはずはないでしょう。いや、一定のものが出たとしても、果たして国民はそういう構造の中で、これが真実であり、すべてだと一体だれが信用しますか。 時間が参りました。私は、これは言いっぱなしで終わりたいと思います。 だから今度のロッキードの犯罪というのは、あるいは田中金脈の問題にしても、起きた事態、その土壌が構造的であるばかりでなく、それを裁く方も、まさに権力犯罪だと私は言わざるを得ない。それがいま言われた幾つかの例の中に積み重なってきておると思うのです。 これで終わります。
○村山委員長 庄司幸助君。
○庄司委員 簡単な問題で緊急なわけですから、ちょっと大蔵大臣に伺っておきますが、ついこのごろ、老人医療費の問題で大蔵当局が、五十二年度予算で、老人は暇だから一日のうちに同じ病気で幾つもの病院を回る、大変むだなことをやっている、こういう理由で老人医療費の有料化の検討をやっているという報道があるのです。この点厚生省の方では、そういうことはない、暇だから何遍も回るなどということはないと数字を挙げて反論しているようですが、五十二年度予算で老人医療費の有料化をおやりになるつもりがあるのかないのか、検討されているのかいないのか、この点一言でいいですから、簡単に御答弁願います。
○大平国務大臣 私の記憶では、五十一年度の予算の編成に当たりまして、老人医療の一部有料化の問題について大蔵省が厚生省に提案したことがございます。それがたまたま新聞に出まして、世論が沸き立ったことは庄司さんも御承知のとおりでございます。 民主主義の世の中というのは、私ども政府の方針が決まってから論議が沸くのはいたし方ないと思いますけれども、政府の中でまだいろいろ提案をし合ったりして検討いたしておる最中の過程が出まして、それでいろいろ論議が沸いてくるということもある意味において無益ではございませんけれども、静かな政策の検討ということに対して心理的な圧迫になる場合もあるわけです。これはえらい問題になったなと思っておりましたが、その後いろいろ厚生省と相談しまして、ともかくこの問題一年検討養うということ。 つまり老人医療の無料化が必ずしも老人の幸せに直結しておるかというと、非常に殺到いたしまして、若干有料化した方がかえって福祉につながる場合があるのではないかというまじめな議論もありますので、そういった問題、やるかやらぬかというような問題につきまして、いま決めるわけにもいくまい、一年間これは時間を置いて勉強しようじゃないかというようなことで見送ったというのが、いまの真相でございまして、来年度からやるというふうに決めたわけじゃないのです。ともかく次の予算編成時までは決めずに、お互いに検討してみようじゃないかということになっておるというのが実相であると承知いたしております。
○庄司委員 そうすると、大蔵省としては検討の対象にして検討中である、こういうことになりますね。
○大平国務大臣 大蔵省としては、検討に値する問題であるとは思っています。
○庄司委員 これは有料化反対の立場で私が申し上げているわけですから、この論議は、いずれしかるべき場でなされるだろうと思いますから、これで終わります。 続いて本題に入りますが、四十七年九月一日の鶴見・インガソル協定ですね。この問題で、何遍も論議された問題ですけれども、くどいようですが、私はもう一遍少し詰めてみたいと思うわけです。 このコミュニケによりますと、「箱根での会議の際に討議された具体的な短期措置の幾つかについてその数量化を試みる作業を行なってきた。」これは第二項に載っているわけですが、その結果としていわゆる緊急輸入ですね。特別買い付けが七億一千万ドル、それから農産物輸入の自然増これが三億九千万ドル、合計十一億ドルの対米輸入増が確認されたわけです。その目的が、円の再切り上げの圧力があったんで、それを回避する、いわゆるドル減らしのためだ、こういう説明がされているわけです。 その点で、もう一遍確認のために伺っておきますが、当時日本側として、この緊急を要する問題というのですかね、これはどこにあったのか。いわゆる円切り上げの圧力回避にあったのか、あるいはまた別な点にあったのか。これは確認のため、念のため、もう一遍伺っておきます。
○大平国務大臣 当時日米間の貿易のアンバランスが、アメリカ側の計算によると四十億ドルを超す、日本側の計算によると三十億ドルちょっと超す程度、両方の意見が違っておりましたけれども、いずれにせよ相当日本に有利、アメリカに不利な状況でございまして、これを是正してもらいたいという強い要請がアメリカからあったことは事実でございます。 そしてエバリー氏がアメリカから参りまして、箱根におきまして鶴見審議官相手にいたしまして会談が行われたことでございまして、何のためにやったかと申しますと、要するにアメリカ側の強い要請で日米間の貿易上のアンバランスというようなものは、できるだけこれを是正するということから、配慮することができるものはできるだけ配慮すべきであるという見地から、そういう会談が持たれ、その延長線上に鶴見・インガソル会談も持たれたというように私は記憶いたしております。
○庄司委員 そうしますと、当時の新聞報道を見ますと、そのままほっておけば四十七年度の対米貿易黒字、これが四十億ドル近くになる。これは大臣もおっしゃったとおりですが、そのため、円切り上げの圧力を回避するため、まず四十七年度の対米黒字を少なくするということが問題になっていたと報道されています。 その点で鶴見・インガソル協定の中身の緊急輸入、このそもそもの発端は、四十七年度の対米貿易収支の黒字、これをまず減らすということにあったんじゃないか、こう思いますが、これも確認の意味で伺っておきます。
○大平国務大臣 四十七年とか四十八年とか緊急輸入というように表現がなっておったと思いますが、当面のアンバランス状況をできるだけ早く是正しようということでございますから、四十七年と限定したわけじゃございませんけれども、当面のアンバランスを早く是正する必要という意味で、四十七年とか四十八年とかいう当面の時間帯を考えての措置であったと思います。
○庄司委員 これはこの間の七月八日、ロッキード特別委員会で、おたくの政務次官の唐沢さんの答弁でも、四十七年度の対アメリカ収支、これは黙っていれば五十億ドルにも日本が出超になる。で云々と述べて、そこで緊急輸入をいたしたわけでございます。こういった意味合いの答弁をなすっているわけです。そういう点で緊急輸入の当面の主要なねらいというものは、四十七年度貿易収支の黒字減らしにあったということに私はなると思うのです。これは唐沢さんの御答弁聞いておりましても、そういうことになるのですが、その点そう確認していいですか。
○大平国務大臣 アンバランスの是正ということは、貿易収支の黒字をそれだけ減らすということですから、あなたのおっしゃるとおりになるんじゃないでしょうか。
○庄司委員 それで鶴見・インガソル協定の第二項の(b)項で——第二条といいますか、その(b)項で民間航空機の緊急輸入の問題が出ているわけです。そこで民間航空機を緊急輸入の対象に含めたということで、輸入をふやすということに効果があったのかどうか、この辺ひとつ伺いたいと思うのです。
○大平国務大臣 鶴見・インガソル会談で、たとえば食糧の輸入でありますとか、あるいはウランの輸入であるとか、そういった点は政府が計画してできることでございます。けれども航空機の方は、これは輸入するかしないか、いつ輸入するか、どういうものを輸入するかというようなことは航空会社が決めることでございまして、政府とは関係のないことなんでございます。 したがって、政府は計画することではございませんけれども、航空会社がアメリカから航空機を購入する計画がある、それは対米支払いに通ずるわけでございますから、そういうものも含めて十億ドルくらいは貿易収支の是正に役立つではないかということをアメリカ側に当時説明したことになっておると思うわけでございます。そういう意味で、対米の貿易収支のアンバランスの是正に航空会社による飛行機の購入も寄与するということを意味するにすぎないと私は考えております。
○庄司委員 この鶴見・インガソル会談のコミュニケを見ますと、第二条で「箱根における会議以降、両国政府は、緊密に協力して箱根での会議の際に討議された具体的な短期措置の幾つかについてその数量化を試みる作業を行なってきた。ニクソン大統領は、田中総理との会談の機会に、鶴見外務審議官とインガソール大使との間の一連の会談において討議された、十億ドルを越える米国製品及び役務の購入を含む次のような作業の結果を歓迎した。」こうなっていますね。その一つは農林水産物の増加ですね。それからもう一つはこの民間航空機の問題、あとは濃縮ウランの問題とか、あるいはウラン濃縮施設をつくる問題とか、この第二条にはこういうことが述べられているわけです。 この農林水産物、これは確かにふやすと書いてあります、「購入増となる。」それからウラン濃縮の役務三億二千万ドル、これもふえる、こうなっていますが、この航空機の問題は、どこの製品とはまだ書いてありませんが、各社の計画があるというだけのことですね。この購入を容易ならしめる措置をとるのだというようなことが二条の(b)項に書いてあるわけですが、これは既定の計画ですね。ただ各社の計画を盛り込んだだけのことであって、別段政府が意識的にドル減らしに努力したというようなものじゃないんじゃないかというふうに考えられるわけです。 だから、民間航空機の輸入というものを緊急輸入の項目に入れるということによる具体的なメリットは何もなかったんじゃないか。少し極端な話になりますが、すでにあった計画を麗々しく並べることによってアメリカの圧力を回避するための方便として使った。これは妥当かどうかわかりませんが、極端に言えば、何かこのままだと、実質上はアメリカ側が日本側の口車に乗せられてまんまとかつがれた、いわゆる貿易収支の問題から言えば。そういう筋合いのものになるのじゃないかな、こう思うのですが、その辺いかがでございますか。
○大平国務大臣 先ほど申しましたように、当時三十億ドルとか四十億ドルの貿易収支のアンバランスがあった、これを何とかできるだけ是正をいたされたいという強い要望がアメリカからあったということでございまして、その限りにおきまして昭和四十七年、四十八年を通じまして、日本の航空機会社がアメリカから航空機を購入する計画がある、ここでは三億二千万ドルということでございますが、実際の実績は五億ドル以上買ったことになったことは、あなたも御指摘のとおりでございますけれども、これだけのことは確かにアンバランスの是正に役立つわけでございます。 〔委員長退席、森下委員長代理着席〕 アメリカといえども、航空機の輸入が、日本政府がやるものでない、航空機会社が決定するものであることは百も承知しておるわけでございますが、そういう計画を日本の航空機会社が持っておるということを知って、それで、いまこんなにたくさんのアンバランスがあるけれども、やがてこのアンバランスは縮小に向かうのであるということに満足の意を表するのは、ごく自然なことと思うのであります。日本がアメリカをだましたわけでもなく、アメリカが日本にだまされたわけでもないと私は思います。
○庄司委員 民間航空機を緊急輸入に入れる、鶴見・インガソル協定の二条の(b)項に盛り込んだわけですが、これは一体だれがこのことを言い出したのですかね。これはひとつ大蔵大臣、あなたも三木内閣の閣僚の一人として今度のロッキード疑獄事件の真相解明、これには非常に責任のある立場でございますから、こういうことをだれが言い出したのか、これは大蔵は大蔵なりにお調べがついているのじゃないかと思うのですが、その辺ちょっと聞かしてもらいたいと思うのです。
○大平国務大臣 あの当時、各省が対米貿易収支をできるだけアンバランスを是正するために、各所管でどのくらい対米輸入の見込みがあるだろうかというような数字を持ち寄ったわけでございます。 航空機につきましては、運輸省が運輸省所管の航空機会社について、あなたの方はアメリカから航空機の購入の計画がございますかと聞いて、あるのでございましたら、どのくらいありますかというようなことをずっと調査いたしまして、持ち寄って、それで、ここで十億ドル余り見込みが立つじゃないかというようなことをアメリカに申し上げたというのが、この数字であると私は承知いたしておるわけでございまして、だれが持ち出す、持ち出さないにかかわらず、日本とアメリカとの間の取引関係におきまして、その当時こういうもくろみがあったということを集計いたしますと、ほぼこんな見当になるということにすぎない数字でございます。
○庄司委員 航空局次長の松本さん、いらしていますね。 当時運輸省で、こういう民間航空機の輸入計画があるならば出してくれという作業を通産の方から連絡を受けて、それに基づいていろいろ作業をやって報告したということが会議録で明らかでありますが、そのとおりでございますか。
○松本説明員 お答えいたします。 四十七年の七月二十日過ぎ、二十一日ごろであったかと思いますが、対外経済関係閣僚懇談会の結論といたしまして、いま大蔵大臣の方からるる御説明がございましたようなことについての決定がなされ、それに関連して、運輸省においても対象となるものについて、しかるべく検討するように、こういう話があったわけでございます。 また、それと前後いたしまして、いま先生おっしゃいましたように、通産省の方から、これはだれがだれにということではございませんで、普通の事務的な筋を通してでございますが、航空機を対象とした場合に、どのくらいの航空機の輸入というのが現在計画されておるか一応検討してみてほしい、こういう話がございました。 したがいまして、それを受けまして、私どもの方といたしましては、関係の航空企業に対し、どのような購入計画があるかということを調査する作業を始めた、こういう次第でございます。
○庄司委員 大蔵大臣、あなたは当時外務大臣であったと思いますけれども、経済閣僚懇談会の席上、だれがこの航空機の輸入について言い出されたのか、これは御存じありませんか。
○大平国務大臣 先ほどからるる申し上げますように、対米貿易のアンバランス是正のために、各省において対米輸入の数字的な検討をしてみようじゃないかということの話になりまして、各省で調べた結果、農林水産物でございますとか、濃縮ウランの話でございますとか、飛行機の購入とかいうのが出てきたわけでございまして、閣僚懇談会の方で、こういう品物について出せというような問題の提起の仕方ではなかったと思います。
○庄司委員 当時の七月二十七日、ちょうど箱根会談が行われているころですが、この当時の新聞報道によりますと、「日本側代表団筋が二十六日深夜明らかにしたところによると、わが国は二十七日の会議で米側に対し、緊急輸入措置として」濃縮ウラン、あるいはエアバス、それから飼料の備蓄輸入、こういうことなどを中心に「総額五億ドル以上」こうなっていますが、「対米貿易収支の黒字幅縮小策を提示する方針を決めた。」その後の方に、「こうした大幅譲歩案は田中首相の指示にもとづくもので、田中首相はこれにより四十七年度の対米貿易収支の黒字幅を現在の三十五億ドルという見通しから一気に二十億ドル台に縮めることをねらっている。」という報道があるのです。 ですから、その辺で前後の事情を考えますと、このエアバスを含む緊急輸入、これを具体的に指示されたのは田中総理だった、こういうことになるわけですが、当時の閣僚の一人として大平さん、その辺御記憶ございませんか。
○大平国務大臣 先ほどお申しましたとおり、各省庁でどういう品、どういう対米輸入の計画があるか、また対米輸入にどのくらい増加が見込まれるか、そういった数字をひとつ持ち寄ってみようじゃないかということから出たと承知いたしておるわけでございまして、総理大臣の品目別の指示とか、そういうものによってやったわけではないと承知しております。
○庄司委員 実は田中前総理が、民間航空機の輸入に絡めて、特にトライスターについて非常な熱意を持っておられたと言われる若干の根拠が、報道その他によって明らかになっているわけです。 それで、通産省来ていると思いますので、その点で少し伺います。実は、これは私がことしの三月二日の当委員会で通産省に質問したわけですが、コーチャン社長が時の通産大臣の田中さんを訪問した。これは後ではっきりしたわけですが、四十七年の一月二十五日。これは鬼証人の証言によると、何か通産省内に方々電話をかけて、やっと探し当てたのが官房長だった。で、官房長経由でアポイントメントを取りつけて、コーチャンやその他の人が田中前総理に会いに行った、こう言われているわけです。 なお、私どもの方の参議院議員の橋本さんが、コーチャン副会長と会って聞いた際に、丸紅経由でアポイントメントをとった、田中総理との会見ですね。こういうふうなコーチャンの話もあるわけです。それで私は、その点でぜひ調査をして御報告を願いたい、こういうふうに伺ったわけです。 その点、あれから約五ヵ月くらいたっておりますから、調査ができておられるだろうと思うのです。ひとつ通産省、その辺の報告をいまやっていただきたいと思うのです。
○井川説明員 結論から申し上げますと、当時の大臣へのコーチャン社長の会談につきましては、公式記録が一つも残っておりません。で、前回三月に先生からお話もございまして、われわれといたしましては、関係者からいろいろ事情を聞かせてもらったわけですが、四十七年当時のことでもございますし、結局は記憶で、明らかでない。したがいまして、会談の内容につきましても記録はないわけでございますが、この点につきましては翌日の新聞に、田中大臣と会ってコーチャン社長がYX共同開発について一般的な申し入れをした、その際に田中大臣からは、予算成立後にそれは考えるんだという答えがあったという記事が載っておるわけでございますが、その間の会見に至るアプローチにつきましては、どういうかっこうで会見に至ったか、これは全然現在明らかになっておりませんので、お答え申し上げます。
○庄司委員 これは三木内閣が、ロッキード事件の真相解明には全力を挙げて政治生命をかける、こうまでおっしゃっているわけです。ところが運輸省にしても、いまあなたの話を聞くと、通産省にしても、何かお話を伺うと、公式記録は一つもない、会談内容の記録はない、新聞報道しかない。大臣がこういうロッキードの副会長と会ったのに対して、何にも通産省にはないのだ、記憶もないのだ。こんなばかな話はないんじゃないですか。 では、これは一体何を調査なすったのですか。その辺あなた方、一回だけ調査やって、それで記録もなければ記憶もない、新聞報道のYXの共同開発の話だけだった。これは田中さんの新聞記者に対する発表でしょう。YXの共同開発の話があったならあったなりで、これは当然YXの問題は大変な問題ですから、これは例のP3Cの問題とも絡めて、対潜哨戒機の国産化の問題にも関連してくる問題なんです。だから、通産省にとっては重要な内容の話なわけです。それが何にも記憶がない、ただ何となく田中前通産大臣が新聞記者に聞かれて、YXの話のようだったと言うだけの筋合いのものじゃないんじゃないですか。その辺どうなんですか。
○井川説明員 YXの共同開発という方向は決まっておりますが、具体的にどうするかという問題については、四十七年の秋に検討して、ほぼ方向が決まったということでございます。ただ、それ以前には、ロッキード社のみならずボーイング社、ダグラス社それぞれの申し入れがございます。したがって、そういう申し入れがある中で、一般的な表敬の間にそういうお話が出たのではないか、これも推測でございますが、あくまで公式記録はございません。したがいまして、先生からお話がございました大臣と会うまでの間どういう段取りかという点、現段階ではつまびらかにできません。御了承願います。
○庄司委員 この問題は田中前総理を呼ばないと、やはりだめですね、これはロッキード特別委員会でも問題になっているわけですが。先ほど塚田委員の話にもあった例の田中金脈問題も、一切秘密の中に隠されている。田中さんが自分から公表する、こうおっしゃっていて、あれから三年になっても、まだ何の話もないのです。しかも、こめ田中・コーチャン会談の内容というのは、実は今度のロッキード真相解明の一つのかぎを握る問題だろうと私は思っています。 それで、法務省の刑事課長、いらしていますね。実はきのうNHKのニュースがあったのです。内容は、こういう内容です。 ロサンゼルスの連邦地裁の嘱託尋問でコーチャン前副会長は、同社のトライスター日本売り込み作戦の一環として、当時通産大臣だった田中角榮前首相を含む日本政府の閣僚や有力政治家に会い、トライスターの性能について説明したことを認めた、こういう報道があります。 この報道ですと、これまで田中前首相はあいさつ程度だと、この問題については言い張り続けてきたのですね。一月二十五日のコーチャンの田中通産大臣訪問の際の問題なんです。あいさつ程度だった。ところが、通産省の説明をいま聞きますと、YXの共同開発だ。あいさつ程度とYXの共同開発とは大分開きがありますね。あいさつ程度なら、こんにちは、お天気がいいとかあなたはお体どうですかとかそんな程度でしょう。YXの共同開発の計画、具体的なんです。しかもこのNHKの報道のコーチャンの話だと言われているのによると、YX共同開発じゃなくて、トライスターの日本売り込み作戦の一環として会ったのだ。トライスターの性能について説明したと、こう言われています。その点で、この一月二十五日の田中・コーチャン会談、これは実際にはトライスター売り込みの工作の一環として行われたことを初めて確認した重要な内容なんです、この報道がもし事実によって裏づけられれば。 その点、ひとつ私は吉田刑事課長に伺いますが、この報道の問題について調べたか調べないかということを聞くと、あなたは、てっきりここでお話はできませんと、こう言うでしょう。——いや、お話しできるなら、ぜひ話してもらいたいと思うのです。話ができないとしても、この、きのうのNHKのニュース、これは当然捜査当局としても、まさに事件のかぎを握る問題ですから、重大な関心を持たなければならないニュースの性格だろうと思うのです。その点で、あなたの方で検察当局として、このゆうべのNHKのニュースについて聞いたのか、まだ聞いてないのか。それから、聞いたとすれば、これについて重大な関心をお持ちになったかどうか、これをひとつお答え願いたいと思うのです。
○吉田説明員 NHKの報道については、あらまし承知しておりますけれども、そのような証言が実際に行われたかどうかは私は全く承知しておりません。 現在米国の中部カリフォルニア連邦地方裁判所におきまして行われております。いわゆる嘱託証人尋問は、いわゆるインカメラ、非公開の手続で行われておりまして、その証言の内容等については、これを公開しないことになっておるはずでございます。新聞報道の取材が、いかような形で行われたか私は全く承知しておりませんので、その点については何とも申し上げかねるわけでございますが、これはいまのようにその証人尋問の関係者、裁判官、米国のいわゆるコミッション、ココミッショナーという形で出ている米側検察官、あるいはそのアシスタントとして出ております東京地方検察庁の検事、それから弁護士、証人、いずれもこれにつきましては、その内容は外へ漏らしてはいけないという裁判所から命令が出て手続が行われているはずでございます。したがいまして法務省といたしましては、その内容についてコメントすべき立場にはございません。これは全くそういうことしか申し上げられないのでございます。
○庄司委員 大体そうおっしゃるだろうとは思っていましたが、ただ、私が聞いているのは、この報道があった、これは非公開の原則でやられているわけですから、それがどんな方向で漏れてきたかどうかは別として、ただ、このコーチャン社長が田中前総理と、通産大臣時代にトライスター売り込みの一環として、トライスターの性能を一月二十五日に説明したということですね。 〔森下委員長代理退席、委員長着席〕 このニュース、しかもこれはNHKです。公正な報道をやるというたてまえのNHK、ほかもそうでしょうが、これが報道している。この報道について関心を持たれるというのは、私は当然じゃないかと思うのです。しかも事は、ロッキード事件の真相解明の核心に迫る問題なんです。そういう報道なんです。だから、どこからどう漏れたとか、真偽のほどを私は聞いているのではなくて、こういう報道について検察当局が関心を持つか持たないか、これぐらいは当然答えてしかるべきだろうと思います。あなたも事実聞いているという記憶があるわけですから、関心を持って聞いたかどうか、これをひとつお話し願います。
○吉田説明員 一般論で恐縮でございますけれども、検察庁といたしましては、ロッキード社から不法に国内に流入しました資金等につきまして、いま徹底的にその捜査をしております。この事件の真相の解明のために必要なことにつきましては、全力を傾けて捜査をする覚悟でやっておりますけれども、個々の内容について、これを捜査しているのか、これはどう考えているのかということを申し上げるということは、むしろいまの捜査の遂行の過程に障害になるばかりではなく、また犯罪捜査に関与する、あるいはそれを所管する刑事局としては、そのようなコメントを申し上げるべき立場にはないのではないかと思います。しかし検察庁といたしましては、いま全力を傾けてやっておるのでございまして、その点だけを申し上げる以外に私としては申し上げようがないわけでございます。
○庄司委員 別段記者会見してコメントしてくれなどと言っているわけではないのです。私は質問に答えてもらいたい。その質問の中身は、あのニュースを聞いて、あなたなり検察当局が当然関心を持たれる内容のニュースじゃないか、こう言っているのです。だから一般論ではなくて、具体的にこのニュースを聞いて、私は何もあなたを証人喚問しているわけではないのですが、関心を持たれたか持たれないか、これを聞いているのです。その辺、どうですか。
○吉田説明員 私、少しかたいかもしれませんけれども、私自身がそのことについて、どういうふうに考えているかということを申し上げることは、いかがかと思います。 検察当局としては、先ほどから申しておりますように、必要なことについては、すべてその情報その他を集めてやっている。まして、このお尋ねの件は、東京地方検察庁が証人尋問の請求を刑訴法二百二十六条に基づいて、そして正規の手続でアメリカの裁判所に嘱託をしてもらって行っている手続でございます。その証人尋問の内容等につきましては、過般ファーガソン決定が出まして、 一定のこちらの、日本国の対応措置ができないと書面が引き渡せられないというような裁定が出て、いま最高裁においては鋭意検討中でございますけれども、いずれにいたしまして七、東京地検みずからが必要であるということで、お尋ねのコーチャン氏らに対する証人尋問の請求を行っているわけでございますから、まさしくそれらのコーチャン氏らの証言の内容に出てきておることであるとするならば、検察庁としては重大な関心を持っている、こう思います。
○庄司委員 仮定の問題で間接的に答えられたわけですね。 それじゃもう一つあるのです。このニュースの続きに、これはニュースとちょっと違いますけれども、 コーチャンが、昭和四十七年八月には田中・ニクソン会談の直前にも、会談の成果に期待すると発言しているわけです。一連の会談で、ロッキード社の航空機売り込み工作に確信を持った何か証拠らしいもの、これが新聞報道によりますと出ているわけです。これは四十七年八月一日の日本経済新聞に出ていますが、「ロッキード社長に聞く」ということで、コーチャンが新聞記者の質問に答えているわけですが、「今回も航空関係者に多数接触したが、全日空が日本航空より先にL−1011型機を受注してくれるものと期待している。若狭全日空社長もデモ飛行に乗られたし、向こう数ヵ月以内の機種決定ではL−1011型機を選定してくれることを望んでいる。その可能性も大きいと思う。」こういうことを述べているわけです。 そのほか、いわゆるハワイ会談以後九月七日のデーリー・テレグラフ、これによっても、「ロッキード社は、全日空の六機とトルコ国営航空の六機の発注によって、トライスター商戦における一大突破口がまもなく開かれることを、確信をもって見込んでいる。」こういう報道をしています。それからビジネス・ウイーク、これは四十七年九月九日号です。これでも三億二千万ドルのアメリカ・エアバス、「プロバブリー・ロッキード・トライスターズ」こうなっていますが、これが発注される、こういうことを述べているのです。だから鶴見・インガソル会談、あるいはハワイでの田中・ニクソン会談、この当時はすでにロッキードのコーチャン社長も、このNHKのニュースによりますと、田中前総理を初め多数の閣僚あるいは政治家に会って、トライスターが買われる確信を得ていた、これが述べられているわけです。それから、ほかの外国系の新聞も九月八日、九日の時点で、もうすでにトライスターだ、こうはっきり言い切っているわけです。 その点で、田中・コーチャン会談というのは、非常に重要な何かの内容があったのだ、それが今度のニュースで、はしなくも明らかになりつつあるという点で、私は重視しているわけです。あなたは一般論しかお述べにならないわけですが、あるいは仮定の問題としてしかお述べにならないわけですが、もう一遍このニュースの中身について、やはり当然検察当局は検討なさるべき対象だろう、それほどの重要な筋合いのものだろう、こういうふうに私は考えるのですが、吉田課長として、その辺についてどのようにいま答えていただけるのか、ひとつはっきり答えてもらいたいと思うのです。
○吉田説明員 どうも再三のお尋ねでございますけれども、私自身は今度行われている証人尋問の尋問事項の内容も全く承知しておりませんし、それはまさしく東京地方検察庁の捜査部において十分吟味して、そしてこの証人尋問に臨んでいるのでございますが、その内容は承知しておりません。また、私承知しておりましたとしても、それをここでお答えする立場にはないのでございます。 で、いまのいろいろの事柄についてのお尋ね、特に御指摘の会談の意味、内容について検察庁はどういうふうに考えているかということでございますが、この席で申し上げられるのは、検察当局としては、従来までいろいろ捜査した結果、不法行為ありと疑いがあるものについては、さらにその真相を解明すべく努力している。それがどれであるか、どういう方向に向かっているかということは捜査の方向、内容を申し上げることになりますので、何ともここではお答えいたしかねるのでございます。
○庄司委員 それなら検察当局、この一月二十五日の田中・コーチャン会談があったということは、これはもう明確な事実ですから、それについて通産省を呼んで事情を聞かれたことありますか。
○吉田説明員 お尋ねの点について通産当局の方から事情を聞いているかどうか、私は承知しておりません。しかし、東京地方検察庁といたしましては、この事件の捜査の過程におきまして、関係官庁の係官に出頭を求めまして、相当詳細に必要なことは調査して、事情を聞いているというふうに聞いております。
○庄司委員 直接はお答えにならないけれども、間接的にはお認めになったと私は思うのです。 それで、通産省にもう一遍聞きますが、この一月二十五日の田中・コーチャン会談、これは一切記録もない、記憶もないと言っておりますが、何時何分ごろコーチャンが通産省に来て、何分ぐらい田中前通産大臣と面会したのか、これはわかりませんか。
○井川説明員 先ほど申し上げましたように、公式記録が一切ございませんので、いつごろ、どれくらいということも全然わかりません。
○庄司委員 一切ございませんというのも、 はやり言葉になってきましたね。この間の国会の証人喚問でも、小佐野証人から何からみんな、一切記憶にないとか、まるでロッキード隠し。政府もやはり一緒になって、ロッキード隠しをやっているとしか私には思えないのです。そういう点で、私はますます、やはりこれは田中前総理あるいは前通産大臣、この人に対する疑惑というのは深まる一方だろうと思うのです。まあ、ここはロッキード特別委員会じゃないですから、田中前総理の証人喚問は私は要求する場ではないと思いますけれども、これはいずれ、どうしても田中前総理を証人として呼ばなければ解明できないだろうと思います。 それで、まあ時間も参りましたので、あと五分ほど簡単な事項だけ伺って「おきますが、この鶴見・インガソル会談に「航空機の購入を容易ならしめる意向である。」というくだりがあります。「日本の民間航空会社は、米国から約三億二千万ドル相当の大型機を含む民間航空機の購入を計画中である。これらの発注は、四十七及び四十八会計年度になされることとなろう。日本政府は、購入契約が締結され次第、これら航空機の購入を容易ならしめる意向である。」この「容易ならしめる」という内容、これはどういう意味なのか。つまり、これも再々の国会の質疑や答弁によって明らかになってきているわけですが、いわゆるEXIMの問題と日本の輸銀の問題——EXIMの方ではドル減らしにならないから輸銀を使わせるのだ、これが容易ならしめる措置だ、こういうふうな説明をされておりますが、そのとおりでございますか。
○後藤説明員 大筋は先生の仰せのとおりでございまして、日本としましてはEXIMから借りようと思えば、当時は借りられる状況でございました。しかしながら、それではドル対策と申しますか円対策と申しますか、そういう角度から申しては効果が少ないということで、むしろ国内金融をつけることを検討いたしたいということを考えておったわけでございまして、それがこういう表現になっているものと、こう理解をしております。
○庄司委員 この間のロッキード特別委員会だったと思いますが、元の内村航空局長ですね、これは大蔵省筋からアメリカのEXIMが打ち切られる、こういう話を聞いた、連絡があった、こういうふうな証言をしております。これは松本航空局次長のお話だと、舌足らずの説明だった、こういうふうに言われております。何か内村元航空局長、この人が舌足らず、あるいは大蔵省から聞きもしなかったといいますか、そういうことをしゃべったんだ、こういうふうに言われておりますが、その辺もう一遍、大蔵省としてはアメリカの方からのEXIMを打ち切るという連絡を受けたのか受けなかったのか、これは確認の意味で、これだけでいいですから答えてもらいたい。
○藤岡説明員 当時、日米だけではございませんが、国際的な通貨問題、国際収支の問題等がございまして、いろいろなところでいろいろな話がございましたし、私どもも情報をとるように努力しておったわけでございますが、その一つといたしまして、アメリカの中にはアメリカの輸出をふやしたい、その意味でEXIMの融資をつけて輸出をふやしたいという見方もございましたし、それからもう一つは金融のつけ方でございますが、EXIMをつけますと、アメリカの方からは長期資本の流出ということになりますので、それは好ましくないんじゃないかというふうな意見がいろいろございまして、それを国内でも関係省と漠然と話したことはあろうかと思いますが、アメリカの方がEXIMを打ち切るというふうに決定したということをほかの省に話した——私どもはそもそも聞いたこともございませんし、ほかの省に話したということもないわけでございます。
○庄司委員 そうすると、アメリカの方でそういう打ち切りの論議はあったということについて、内村さんに聞こえるようなルートで運輸省の方に話したということはあったんですか。
○藤岡説明員 そういう形で運輸省に話したということではございません。先ほど申し上げましたように、アメリカの意見の中にはいろいろなものがあったということを私どもは承知しておったわけでございまして、それがあるいは各省との打ち合わせのときに伝わったかもしれませんが、私ども正式にそう言ったわけではございません。
○庄司委員 どうもその辺になると、あったようななかったような、あいまいになってくるのですね。で、内村さんが、大蔵省筋からアメリカの方で打ち切るという話を聞いたというのも、当然これはうなずける論理になってくるわけです。それを運輸省筋では最近になって、いやそんな話はなかったんだ、舌足らずだ、こう言っている態度ですね。これは私は非常に奇々怪々だと思います。 最後に、私は大蔵大臣に、実は鶴見・インガソル会談を見まして非常に問題だな、こういう感じを受けている点をちょっとお話ししておきますが、第二条といいますか、第二の(a)項の方ですね。これで農産物の輸入を相当ふやす。最後の方で「四十七会計年度における日本の農・林・水産物の対米購入は以上によって、総額二十二億一千八百万ドルに達し、これは米国の一国に対するこのような輸出として最高の額である。」こう述べています。つまり世界じゅうどこを比べてみたって、一国に対する農産物の輸出としては最高の額に達した、こう言っています。ニクソン大統領はこれを歓迎したわけですね。 それで、この間も米価問題で大分農民の側から、あるいは農協の側から、日本の食糧問題についていわゆる自給率を高めるという問題が非常に大きく提起されたわけです。ところが、あなたの方の政務次官、いらっしゃらないところで悪いんですけれども、実はこの間の答弁で、私の方の野間議員にこう答弁しているんですね。「アメリカから緊急輸入をするといっても、何でも入れられるというものではない。日本の産業にも影響があっては困る。」その後なんです。「そこで、やはり農産物とか」云々、こう言っているんですね。この論法でまいりますと、農産物は日本の産業じゃなくなっちゃうんですね。「日本の産業にも影響があっては困る。」だから農産物を選んだんだ、一つは。これが私は、一番抵抗の少ない、農産物輸入をやって見返り輸入をふやしていく、こういう考え方が、これまでのあなた方政府の一貫した態度だったんじゃないかと思うのです。政務次官もはっきりおっしゃっているわけです。 一体大蔵大臣、農林水産業というのは産業じゃないんですか、あるいは農林水産業という産業には影響はあっても、ほかの産業に影響がなければいいんだという考え方なのか、これをひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。
○大平国務大臣 政務次官が御答弁申し上げたときに私は同席していませんでしたので、申しわけないのでございますけれども、政務次官がおっしゃったのは、そういう趣旨ではなくて、対米輸入につきまして、日本の産業につきましての影響を考えなければならぬということが念頭にあったと思います。農業はそれじゃ産業でないかというと、日本の産業のうちの一番大事な産業であることは申すまでもないことで、政務次官もその考えに私は違いはないと確信いたしますが、今日まで日本の農産物の不足の多くは対米輸入に仰いでおりました事実は事実としてありますことは、庄司さん御承知のとおりでございます。
○庄司委員 それじゃこれどうなさるのです。明確に速記録にあるのですよ。これは速記録を読んでいるのですからね。「アメリカから緊急輸入をするといっても、何でも入れられるというものではない。日本の産業にも影響があっては困る。そこで、やはり農産物」云々、こう言っているのですよ。まああとエアバスもありますけどね。「そこで、やはり農産物」、これは私は重大な発言だと思うのですよ。日本の農民が聞いたら、これはかんかんになって怒りますよ。ほかの産業には影響があっては困るんだ。「そこで、やはり農産物」、これは舌足らずとか口が走ったとかという問題ではないと私は思うのですがね。この辺の御処置を大蔵大臣どうお考えになります。これだけ伺って、やめます。
○大平国務大臣 政務次官の本意でないと思いますが、よく相談いたしまして、真意を明らかにするようにいたします。
○庄司委員 終わります。
○村山委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 去る七日のロッキード問題調査特別委員会におきまして、全日空がロッキードから購入いたしますトライスターの購入が特殊な値引きにおいて行われておる、しかもこの特殊な値引きというものは、他の航空会社にはおよそ例を見ないものであるということでもって、問題提起のような形で質問をいたしました。時に全日空の沢を初め三名の幹部が逮捕されているという時点であります。私が、この特殊値引きの問題を提起いたしました直後、藤原経営管理室長が逮捕される、こういう事態を見ました。 そこで、本日は輸銀総裁、運輸省、会計検査院に御出席をいただいておりますので、この特殊な値引きとは一体いかなる内容のものか、またこの値引きが今回の裏工作資金にいかなるつながりを持つかという点につきまして、具体的に数字を挙げながらお尋ねをしたいと思いますので、どうかひとつ質問に対しまして率直、簡明に御答弁をいただきたい。明らかにしたいと思いますので、冒頭申し上げまして、具体的な質問に入りたいと思います。 そこで、まず輸銀総裁にお伺いをいたします。 輸銀は全日空に対しまして、最初トライスター六機分と、それから二回目には四機分の購入に当たりまして融資をされているわけでありますが、まず第一回目の六機分の融資につきまして、この融資の申し込みをいたしましたのは四十八年の七月の十七日であります。金額は一億一千二百万ドル。この申し込みに対しまして輸銀が承諾をいたしましたのが四十八年の七月の十九日、つまり二日後であります。承諾額は申し込み額どおり一億一千二百万ドルであります。さて、この承諾が実行される段階になりますと、これが実行額がダウンされております。 そこで伺いますが、この六機につきまして、それぞれ一機ごとに融資の貸し付けの年月日及び金額、これを明らかにしていただきたいと思います。
○澄田説明員 輸銀融資の全日空からの申し込みの日付、それからその申込金額、それから融資承諾をいたしました日付、それからこの承諾額、これは承諾限度額でございまして、この限度で貸すという形で承諾をいたしたものでございます。したがって、貸付実行に当たっては、実際の送金額によってこれを確認いたしまして、そうしてこの送金額に基づいて貸付実行を行う、こういう仕組みになっております。 貸し付けの実行は、四十八年度から四十九年度にわたって機体及び機材が引き渡されまして、そしてその引き渡しを確認をいたしまして、書類その他で確認をいたしまして、そしてその送金所要額に基づいて貸し付けを実行する、こういう形になっておりまして、この六機分につきましては、四十八年度から四十九年度にかけまして実行いたしまして、その総計は一億四百八十六万四千ドルでございます。
○坂井委員 一機ごとにとお願いしたわけですが、一機ごとには出ませんか。
○澄田説明員 機体だけでございませんで、機材、エンジンその他の機材が到着いたしますと、引き渡しに応じてその所要の送金額に基づいて貸し付けを実行いたしておりますので、実は機体は六機でございますが、貸付実行はそれより回数が多い、こういう形になっておりますために、ただいままとめて申し上げた次第でございます。
○坂井委員 では、後ほど私の方から一機ごとに金額を申し上げまして、輸銀でお答えいただけなければ、会計検査院との間において照合したいと思います。 いまお答えいただきましたが、第一回分につきましては、一号機が四十八年の十二月の十八日に貸し付けをいたしまして、航空機が、これは引き渡しと同時に残額の貸し付け、これで全部終わります。で、登録をされる、こういうことで始まるわけでございますが、以下ずっと続きまして、六号機は四十九年の六月の二十五日貸し付け、引き渡し、登録、こういうことになっております。金額は後ほど触れたいと思います。 二回目でございますが、この四機分の融資につきましては、これは四十九年の六月の十二日の申し込みで、金額が百四億四千万円と、それから三千六百万ドル、この承諾が四十九年の六月の二十日、金額は申込額どおり。さらにこの実行額につきましては、これは出入りございませんか。同額ですか。
○澄田説明員 第二回の四機分につきましての貸し出しの実行額は、承諾いたしました貸付限度額と同額でございまして、すなわち百四億四千万円及び三千六百万ドル、こういうことでございます。
○坂井委員 これも内容につきましては、後ほどお伺いしてまいりたいと思います。 そこで、まず第一回分についてでありますが、この六機分の借り入れの申込額及び承諾額が一億一千二百万ドルであることを確認いただきました。この一億一千二百万ドルは、この時点におきましては八〇%に相当する額でございますから、航空機購入の総額は一億四千万ドルになると思いますが、そのとおりでよろしいでしょうか。
○澄田説明員 当時の見積額は一億四千万ドルでございます。
○坂井委員 そういたしますと、貸付実行額が一億四百八十六万四千ドルという額にダウンするわけでございますが、この実行額は同じく八〇%に相当する額であるかどうか。そうであるならば、その際の実際の購入価格は、総額で幾らになりますか。
○澄田説明員 実際の全日空からの支払い総金額は約一億三千百万ドルでございます。約九百万ドル、当初のこの見積もりの一億四千万ドルより減額を生じております。
○坂井委員 お答えちょうだいしましたが、申込時の総額が一億四千万ドルから、貸付時には一億三千百七万五千ドル、これは正確に数字として申し上げたいと思いますが、それを差し引きいたしますと八百九十二万五千ドル、総裁、約九百万ドルとおっしゃいましたが、八百九十二万五千ドル、こうなると思いますが、この申込額から貸付実行額が大幅にダウンをしたその理由、これを御説明いただきたいと思います。
○澄田説明員 全日空とロッキード社の間の契約には、経済変動に伴う価格の調整項目、調整条項がございまして、いわゆるエスカレーションクローズというものでございます。その後の物価その他の変動を見て、これで調整をするわけでございまして、このような調整クローズは、相当な期間に製造する設備等の契約に、航空機以外にもあるものでございますが、それによって、その経済情勢の変動の想定の違いによりまして調整価格が約七百万ドル減少いたしております。 先ほど九百万ドルと申し上げましたが、そのうちの七百万ドルは、想定されたほど契約時と、そして引き渡し時の間に物価等が上昇しなかった、こういうことに基づきまして、価格調整の結果減額になったものでございます。 第二に、一部エンジン等が英国から輸入されているということもございまして、為替レートの変動によりまして、ドルとポンドの間のレート差によって約百万ドルの減少、これも減額になったわけでございます。 第三には、仕様の変更、関連部品の変更等の理由によりまして約百万ドルの減少ということになりまして、これで合計九百万ドル減額ということになった次第でございます。
○坂井委員 ざっと九百万ドル、そう見まして、いまの御答弁によりますと、経済変動による分が七百万ドル、為替レート差が百万ドル、仕様変更等が百万ドル、合わせて九百万ドル。この最初の借入申し込みが四十八年の七月の十七日で、全日空がロッキード社に、最後の六機目の飛行機を受け取ります、そして残額の支払いを終わる。この間十一ヵ月。一号機の場合には四十八年の十二月の十八日でありますから、五ヵ月後であります。その間に七百万ドルに相当するほどの価格調整、経済変動に伴うところの調整をしなければならなかったということにつきましては、これははなはだ理解に苦しむわけであります。七百万ドル、この七百万ドルにつきましては確かに経済変動による、それに見合うものであるということを総裁は、ここで明言できますか。
○澄田説明員 最初の一億四千万ドルという価格の見積もりが行われましたのは、これは契約時、申し込みの以前の時点でございます。したがいまして、契約時から——先ほどおっしゃいましたように、最終の飛行機の機体が入りましたのが四十九年の六月二十五日でございます。したがいまして、この間は、一年以上の期間が契約時から見ますと、あるわけでございます。想定のもとにたりました時点から見ると、あるわけでございまして、この間がかなり物価等の変動の激しい時期であったというようなことから、想定された価格がそういう点を大きく見積もっておったわけでございますが、それほどの指数等の上昇がなかったということで調整されたものでありまして、この点はその当時の契約の内容、 エスカレーションクローズの内容に基づいて行われておりますので、そういう契約内容に基づく所要の調整である、こういうふうに確信をいたしております。
○坂井委員 全日空がトライスターの導入を決定いたしましたのが、四十七年十月の三十日でありますことは明らかであります。この融資の申し込みをする以前におきまして、メーカーからのプロポーザル、レター・オブ・インデント、そういう段階におきまして、すでに経済変動要因、つまり価格調整の分を双方において協議をいたしまして決定をする、同時に仕様変更等についても同じことであります。また同時に、機体、本体に対する値引きの問題等も、当然これは協議の対象になり得る、合意を見るはずであります。同時にまた、中古機の下取り等の問題についても同様のことが言えると思います。いずれにいたしましても、レター・オブ・インデントの段階において、すでにそうしたものを織り込んで、そして購入価格があらまし決定される。 運輸省に伺いますが、通常そういう方法において決定されるのではないでしょうか。
○松本説明員 大体の手順といたしましては、いまおっしゃいましたように、最初の契約のときに、将来の価格の変動を見越す条項、それから仕様書の変更その他によって上がり下がりする分の見込み、あるいはいまおっしゃいましたような値引きのファクターとなるべきもの、そういうものを見込みまして、最初の段階で概算幾ら、こういうふうに決めてまいるように聞いております。
○坂井委員 重ねて輸銀総裁に伺います。 最初、そうした価格調整、季節変動要因の見込みが大幅に狂っておった、したがって実行段階において、さらにそれを調整しなければならぬ、幾らかの調整はあるでしょう。その場合には、私は少なくとも微調整だろうと思う。もちろん激しい経済変動があったということでありますならば、それに伴うところの価格調整というのは当然に起こる問題ではありますけれども、七百万という額は大変大きい、大き過ぎる、いささかの疑念もお持ちになりませんか。
○澄田説明員 エスカレーションクローズは申すまでもなく、その後の引き渡しまでに至る間の物価その他の変動というものを見て行うものでございますので、そのクローズがあるということは、その後の変動は、契約当時においては見込んでおらない、その点についてのその変動は、想定は立てますけれども、しかしその想定と食い違いというものは必ずあるということでエスカレーションクローズがあるわけでございます。したがいまして、その時期等において想定が著しく、相当大きく変わるという場合と、そうでない、それほど変わらないという場合があるのは当然でございますが、この時点におきましては、そういう意味の変動というものは非常に大きかったのではないか、私はそういうふうに考えております。
○坂井委員 それでは値引きの問題につきまして伺いますが、総裁は、九百万ドルの内訳には値引きの点については触れられませんでした。当然全日空からお聞きになって御承知と思います。値引きがあったのかなかったのか、いま私が申し上げる値引きというのは、申し込み後実行に至る段階において、さらに値引きがなされた、そういう意味の値引きであります。いかがでしょうか。
○澄田説明員 融資の実行に当たりましては、送金の所要額、それをあらゆる証票によって確かめまして、送金所要額に基づいて、その八割ということになりますが、これを融資実行いたしておるわけでございます。したがいまして輸銀が融資いたしました金額、これは確実に送金をされているというふうに、われわれは確信をいたしている次第でございます。したがいまして、ここで、私がいま申し上げました総計九百万ドルの減額がございますが、それ以外の値引きというものについては承知をいたしておりません。
○坂井委員 九百万ドルのうちに、値引きがあるかないかということをお尋ねするわけであります。 なお、わかりましたならば、一号機から六号機に至るそれぞれの機数ごとに値引きがあると思いますが、そういうことにつきましても総裁は御承知ございませんか。
○澄田説明員 値引きという言葉でございますが、先ほど申しましたように、もともとの契約にそういうクローズがあって、そうしてそういうエスカレーションクローズに基づいて価格を調整した結果というものが、先ほど申し上げた数字でございます。それ以外の値引きというものは全然ないと確信をいたしております。
○坂井委員 値引きの問題につきましては、後ほど会計検査院に伺いたいと思います。 この二回目の、同じく四機分の貸し付けにつきましては、申し込みと実行額が同額でございますが、この四機につきましても、同じく物価の変動あるいは為替レートの変更、それから仕様の変更等々がございまして、それが出入りいたしまして、結果的に実行額が同額になった、申し込み額どおり、こういうことだろうと思うのです。 なお、この二回目の融資に際しましても、申し込みから実行に至る間において、これまた同じく値引きが行われたという点を指摘したいと思います。いま私が申し上げました点について総裁は、そのとおりならそのとおり、違うなら違う、違うならどこが違うということについて御説明をいただきたいと思います。
○澄田説明員 第二次分につきまして、融資承諾額と貸し付けの実行額の間に差が生じなかったのは先ほど申し上げたとおりでございますが、これは当初の見積額が九千万ドルであったのに対しまして、実際の支払いにおきましては、先ほど申し上げましたような諸項目の間に、双方の増減の要因がございまして、その結果、融資の限度額と実際の支払い額が同額になった次第でございます。それ以外の値引というような点につきましては、これは第一次の六機と同様に全然ございません。
○坂井委員 それでは会計検査院に伺いたいと思いますが、輸出入銀行の全日空に対します融資状況につきましては、すでに会計検査院が検査をされたと思います。 私の調査でございますが、全日空とロッキード社の間におきまして、二、三項目にわたる値引きが事前交渉によりましてなされておる、そしてこの値引きそのものが購入代金の決済の方法と深いつながりがあるということであります。いま申しました範囲内におきまして、会計検査院はお認めになるでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 私どもが検査をいたしました限りにおきまして申し上げますが、ただいま先生がおっしゃいましたとおり、ロッキード社と全日空との契約の段階におきまして、当初の購入価格そのものにおいての値引きがございます。 それから、これは当初の六機分、第一次口の契約でございますが、融資が行われましてから貸し出しの実行がございます。その貸し付け決定後、実際の貸し出し段階におきまして、これは値引きという言葉で言うのが適当かどうか問題があろうかと思いますが、PR資金について若干の相殺、実質上支払い代金からの控除を行っております。 以上でございます。
○坂井委員 運輸省に伺います。 いま会計検査院から御答弁いただきましたが、そのような値引きが行われていたということを当時御承知だったでしょうか。さらに当時は知らなかったと言われるならば、現段階においては調査されて御承知でしょうか。
○松本説明員 お答えいたします。 当初の段階においては、そういうしさいの点については私ども承知をいたしておりませんでした。現時点におきましては、いま会計検査院の方から御説明のありましたような数字、一機当たりにいたしますと、約六万ドル何がしでございますが、こういうふうなものをどうするか、どの金の勘定の中に入れるかということを検討した結果、一機当たりの単価の引き下げの方に入れて相殺する、こういう勘定をしてある、こういうふうに聞いております。
○坂井委員 では、私どもの調査に基づきまして会計検査院に伺ってまいりたいと思いますが、ただいまも御答弁少しばかりいただきましたが、今回の全日空の裏金というものは、全日空とロッキード社との間に結ばれましたいわゆる契約、基本契約、それから購入契約、修正契約、ずっと経緯を追ってまいりますが、この契約を見ますと、機体本体のいわゆる基本価格、それから仕様の変更に伴いますところのもの、さらには先ほどから議論になりますところの物価変動によりますいわゆる価格調整、さらに為替レートの変動差、それ以外にいわゆるPR協賛金、宣伝費、それから中古機の下取り、これはリタイアの奨励金みたいなものでしょうね。中古機の下取り、そういうものが全日空とロッキード社間におきまして寄り寄り話し合いがなされてきた。しかも、その話し合いが相当以前から進行をしつつあった。両社間においては口頭の了解もなされた。 さて、その口頭了解が、この代金の決済の時点を前にいたしまして、さらに確認をする必要がある。そこで両社は、おのおの俗に言いますところの手紙ですな、交信を行います。その文書におきましてそれぞれの、いわゆる私がいま申しますところの特殊な値引き、これが確認をされてきた。そういう経緯を追っておると思いますが、そうした点につきましては、会計検査院は調査、検査の段階で把握されたでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 いま先生がお挙げになりました事実につきましては、すべて検査の段階で確認をいたしております。
○坂井委員 さらに私どもの調査で、具体的にこの値引きの内容に触れたいと思いますが、いわゆる最初の第一回の六機分の宣伝料名目の値引き、これはトライスター一機ごとに五万二千ドル。これは購入契約の中に明記されておる。五万二千ドル。したがって六機分ということになりますと、一機当たり五万二千ドルでありますから三十一万二千ドル、これだけは引きましょう。しかも、さらにその上に五万ドル上乗せをして値引きをいたしましょう。この五万ドルの値引きというのは、これはまさしく特殊な値引きだろうと思います。いかなる意味を持つ値引きなのか、まことに不可解な値引きが行われたようであります。 いま申しました内容にきつましては、すべて契約の中に両社間で合意するという点を指摘するわけでありますが、会計検査院、検査の結果いかがでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 ただいまお挙げになりました事項は、まさしく契約書の条項として明記のあるところでございます。検査上確認をいたしております。
○坂井委員 御確認をいただきましたので、重ねて申し上げる必要もないかと思いますが、一機当たり五万二千ドルで六機分の総額が三十一万二千ドル、これに五万ドルを上乗せいたしましたので、総計三十六万二千ドル、こういうことに相なっておると思います。 もう一つの値引きがありますが、いわゆるリタイア奨励金と申しますか、中古機の処分の問題、これも通常、エアラインとメーカーの間におきまして航空機の購入契約が結ばれる段階で、当然中古機の処分のことにつきまして話し合いがなされて、それが契約の中に明記される。 今回、このトライスター購入に際しまして、全日空の中古機の処分につきまして、どのような契約がロッキード社との間においてなされたかという具体的な内容に触れてお尋ねをしたいと思いますが、全日空におきましても、トライスターをいよいよ導入する。そこで不要になる中古機があります。まずYS11、さらにF27、これを処分しなければならぬ。ロッキード社もこの処分に対しては当然協力をいたしましょう、こういう話し合いになります。 さて、その話の、まず下取りの最低の全日空の処分したいという価格、これは八十万ドル。もし八十万ドルを切った場合、ロッキード社はその差額を支払いましょう。協力しましょう。その限度額は二十五万ドルといたしましょう。なおこのことは、購入するトライスター一機に対して、全日空が持っておりますところのYS11、F27、これを二機分の処分に見合ういまのような最高限度額二十五万ドル、八十万ドルを切った場合この補償をいたしましょう、こういうことが両社間で合意、契約が成立を見た。 ところが、まあ最初そういうことで合意したのは何も悪いと私は申し上げるわけじゃありません。ところが実際は、処分もしないのに、あるいは処分をした段階でもないのに、最初から最高限度額の二十五万ドルを次の契約で修正いたしまして、いきなり払いましょう。トライスター一機買ってくれたならば、二機分ですから五十万ドル。これを中古機処分のための奨励金と申しますか、そういう形でロッキード社から全日空に対して協力をいたしましょう。これが会計処理上、トライスターの購入価格から差し引きをされた形で全日空の方では会計処理をされた。こういうやり方というのは、きわめて特殊な部類に属すると思います。 いま申し上げましたような具体的な内容につきまして、会計検査院は当然検査をされておりますから、おわかりだろうと思いますので、お答えをいただきたいと思います。同時に、きわめて特殊な値引きであるということを、まずここで指摘をいたしたいと思います。その点についても伺いたいと思います。
○柴崎会計検査院説明員 中古機処分の協力金と申しますか、そのような名目での購入代価の引き下げ、これは先生おっしゃるとおり、契約条項に明記がしてございます。 なお、この中古機処分についての協力金といったような性質のものについての価格の控除、これは私ども調べた限りにおきましては、航空業界におけるところの航空機購入の際の、何か一般的な慣習のようになっている、このように聞いておりますので、その金額の点は別といたしまして、そういった名目によるところの、そういう項目によるところの控除ということについては、これは先生のお話でございますが、他にも例があるということで、トライスターだけの例ではない、このように私ども考えております。
○坂井委員 いまの御答弁に対しまして、私が後段で申し述べました、購入価格から差し引く、相殺する形で処理をされておるのではないかという点、その点についてお答えをいただきたいことと、それから金額を申しますが、五十万ドルということを言いました。二十五万ドルですから、一機当たり五十万ドル。六機でありますから、三百万ドル。金額は三百万ドル。お答えをいただけないでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 金額はおっしゃるとおりでございます。
○坂井委員 運輸省に伺いますが、全日空のトライスター二十一機ですか、これは十八機まで一機ごとの購入価格を見てまいりますと、後ほど申しますが、異常なでこぼこがありますね。運輸省、当然調査されたと思いますが、これはなぜこんなに価格に大きな違いがあるのか。まず運輸省は、この購入価格のでこぼこがおかしいということで調査されたことがございますか。
○松本説明員 購入価格を一機当たり調べてまいりますと、おっしゃるようにいろいろと高低がございます。この高低がなぜ出てくるかということにつきましては、仕様書の違い、あるいは先ほど来出てまいりましたエスカレーション条項の違い、あるいは値引きに当たりまして、どのファクターをどこへどういうふうにかけるか、何号機から何号機までに値引きの価格をかけて処理をするかといったようなことも絡んでくるものではないか、こういうふうに考えております。
○坂井委員 それではなお運輸省に具体的に伺いますが、四十八年の一月十二日契約をいたしました一号機から六号機の購入価格、これを見ますと、五号機、この支払いが四十九年の四月八日でありました。六号機は四十九年の六月二十五日でありますから、この期間がわずかに二ヵ月半ですね。ところが五号機の価格を見ますと、五号機につきましては一千八百四十七万三千六ドル。なお正確には八十七セント。ただし、私はこれは丸紅資料で申し上げております。後で確認をしていただきたいと思います。六号機につきましては一千五百八十五万三千百四十六ドル五十九セント。そういたしますと、この差額は二百六十一万九千八百六十ドル。三百円レートとしますと日本円で約七億。二ヵ月半しか違わない飛行機が七億違うわけですね。 いま航空局次長、お答えいただきました。確かに仕様変更みなそれぞれ違うわけですから、それなりの価格の差はあるということはわかりますよ。しかし、ずいぶん大きい。この理由は調査されましたか。
○松本説明員 私どもが承知をしております範囲におきましてお答え申し上げますと、一号機から六号機までの価格の調整を最終的に六号機で処理をした。したがって六号機の価格はイーブンさから見ると、おっしゃるように、ほかのものとちょっとずれておる、こういうふうに聞いております。
○坂井委員 運輸省からお答えいただきました。会計検査院、重ねて伺いますが、いまの運輸省のお答えのとおりでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 運輸省から御説明のあったとおりでございます。
○坂井委員 重ねて会計検査院に伺いますが、このような値引きが、いまお答えになりましたような形で処理をされたということにつきましては、かねがね先ほど私が申しましたように口頭による了解、両者間の合意があった。ところがその後、手紙のやりとりにおいてこれが確認をされておる。私は、この手紙の内容にまで立ち至ってお伺いしょうとは思いません。しかし少なくとも全日空とロッキード社間におきましては、そうした口頭による合意事項をまず確認をするという意味があったのだろう。これは推定を私の方でするわけでありますが、そういう意味におけるレターによる確認がなされておる。しかも、なぜそのような形を手紙においてなされなければならなかったのかというところに、今回の値引きが裏金としてロッキードから全日空に回されるという非常に深い意味合いを持つ。 後段のものについてお認めいただくかどうかについては、それは直ちには、きょうは結構であります。と申しますのは、私はこのことにつきましては、後日、日を改めまして具体的に詰めたいと思っておりますので、もし会計検査院がそういう点についてまで、お触れになることができないとおっしゃるならば、それは結構でありますが、少なくともそのような手紙によるところの両者問のやりとりがなされたということについては、検査院は当然検査されていると思いますので、伺っておきたいと思います。
○柴崎会計検査院説明員 おっしゃるとおり契約書があり、またそれに付随したところの、これは契約書を引いてでございますけれども、レターという形での取り決めがございます。それらについても、すべて私ども検査上関心をもりて検査をいたしましたことを申し上げておきます。
○坂井委員 昨年の九月十二日の米多国籍企業小委員会におきますところのホートン・ロッキード元会長の証言におきまして、キックバック、賄賂、この二つについての議論があります。 この中で、ホートン・ロッキード元会長は、キックバックは価格に含まれており、買手に返すものと解釈しております。これは結論的な証言であります。このことを私はいわゆる裏リベート、こう見ます。つまり裏金である。はからずも今回藤原が逮補されました。四十九年四月の一億一千万、つまり四十万ドル相当ですね。これは、先ほどから次の中で明らかにされつつありますように、まことに今回のこの特殊な値引きときわめて深いつながりを持つ、あるいは意味合いを持つと言った方が、この時点におきましては正確かもしれません。いずれにしましても、いま会計検査院柴崎第五局長もお認めいただきました、手紙によるやりとりがなされておる。 そこで重ねて伺いますが、もし今回のこの裏金なるものが、いまの段階では直ちに政府高官に対する賄賂であったということを即断するには、この金の性格がはっきりしていませんので、そうは言えないと思う。そうは言えないと思うが、しかしながら、少なくとも輸銀から融資されました金がキックバックの形、裏からのリベートの形でロッキード社から全日空にバックされておったということは、今日までの段階におきましても、すでに検察等の動きを見ましても、これは明らかであります。そうなりますと、輸銀融資がこうした金の流れ、キックバックとの間において、非常に深い意味合いを持つ。したがって、そういう点については少なくとも重大な関心を寄せて、会計検査院は、この金の性格については明らかにしなければならぬという立場でいま検査をされている、私は常識的にそう判断するわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 ただいまは検査の過程でございますので、確たる意見は差し控えたいと思いますけれども、仮にいま先生が例としてお挙げになったような事実が明らかになりました場合には、融資との関係において、やはり考慮すべき点があるのではなかろうか、このように考えております。
○坂井委員 途中から済みません、大蔵大臣。大変ごしんぼういただいておりますけれども、輸銀の金と非常に深いつながりがあると私は思いますので、後で一言だけ——一言と言いますか、後で大臣から御答弁いただきますから、いましばし、ごしんぼういただきたい。 会計検査院、この全日空が購入しましたトライスターの代金の支払い額についても検査されたと思いますが、どういう根拠資料に基づいて検査をされたでしょうか。たとえば、全日空には当然資本台帳がありますね。それから、支払いを証するところの会計証票、少なくともこの二つについては十分検査されたと思いますが、いかがでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 全日空の支払いの関係は、当然のことながら、輸銀の融資の目的どおりに、その資金が使われたかどうかということに相なりますので、当然のことでございますが、私どもではその関係について、検査上特に関心を持って検査をいたしました。 具体的に申しますと、送り状なり、あるいは送金の通知書なり、あるいは全日空におけるところの会計証票等について、その点をチェックをいたしたわけでございます。
○坂井委員 会計証票に至るまでチェックされたということを確認いただきました。価格もつかまれておるというように解します。ただ問題は、原購入契約の原価の内容にまで触れたかどうかというところが、まさに問題だろうと思う。これは会計検査院も、なかなかつかむすべがないのではないかと思いますが、もし原購入契約の原価の内容にまで、つまりロッキード社そのものを調べないとわからない。いま確認いただいたことは、全日空が支払ったものは会計証票においてわかる、しかし実際にロッキード社がその価格で売ったのかどうか、これは向こうの原購入価格の原価の内容にまで入らないと、妥当であるかどうかを見出すことにはならぬわけであります。したがって会計検査院は、向こうのロッキードの原簿を見たいだろうと思いますね。 しかし、もしそういうすべがないとするならば、次善の方法もあるのじゃないでしょうか、いかがでしょうか。そういう内容等について、そういう角度から御調査を進められているかどうかについて伺っておきたいと思います。
○柴崎会計検査院説明員 購入代金の支払いの関係は最前申し述べたとおりでございますが、その購入価格そのものが妥当なものであったかどうか、この点については、先生おっしゃるとおり、製造会社であるロッキード社のその原価についてまで当たりませんと、私どもの最終的な確認はとうていできません。そういう意味でまことに残念でありますが、外国の製造会社であるということのために、私どもの検査の権限ももちろんのこと及びませんので、そういった検査はいたしかねておるというのが現状でございます。 なお、それにかわる検査の方法はいかんというお話でございますが、これはあくまでも傍証的な、第二義的な調査ということに相なりますので、まあ他の航空会社がトライスターをどのくらいの価格で購入しているかとか、そういったような資料を努めて収集をするというような手段もあろうかと思いますが、これも多くの場合が、外国の航空会社の例であるというようなところから、まあ若干の資料は私ども手に入れております。また、在外公館等を通してそれについての資料収集についての協力も要請しておりますけれども、なかなか思うに任せない、これもまことに残念でございますけれども、これが現状でございます。
○坂井委員 よくわかりました。確かに二義的な方法としては、いまおっしゃるような方法において鋭意努力をされているということであります。私どもの方でも、いささかそういう方向につきまして資料の収集を行っておりますので、後ほどまた会計検査院との間において御相談さしていただきたい、こう思っております。 いささか話が戻りますけれども、丸紅の方は調査されたでしょうか。私の手元にありますのは、これは丸紅から提供を受けたものでありますが、ここには輸入金額、手数料の関係、これが明示されております。これは当然会計検査院も検査されたと思いますが、この丸紅が示しますところの輸入金額と、それから一方全日空が支払いをいたします、この支払証票との間で金額的な差がありますか。
○柴崎会計検査院説明員 いま丸紅についての検査というお話でございますが、本件契約は全日空とロッキード社との直接契約でございまして、丸紅を通していない、こういう事情がございます。 そういう意味合いにおきまして、私ども、本件については、丸紅について何ら検査権限を持っておりませんので、丸紅についてはタッチをいたしておりません。したがいまして、先生が現在お手元にお持ちの資料についても、私どもは全く入手をいたしておりません。
○坂井委員 運輸省に伺いますが、運輸省はいかがでございましょうか、同じ質問に対しまして。丸紅の資料は入手されましたか。そして、この金額が妥当なものであるかどうかについて調査をされたでしょうか。
○松本説明員 私どもとしては直接的に丸紅を管理監督する立場にもございませんので、したがいまして、丸紅に対する資料の調査等はいたしておりません。
○坂井委員 一機ごとに申し上げてよろしいかと思いますけれども、時間がございません。そこでこれを実は全部締めてみました。丸紅の資料を総計いたしますと、一号機から、ただし十六号機まで、機体の価格の総額が三億一千万ドル。 そこで、またコーチャン証言に戻りますが、コーチャンはこう言っていますね。私は、手数料と売り込み経費の合計を四%以下に抑えようとした、丸紅のような商社は契約高の二%を受け取る、クラッター氏は、L一〇一一の契約が大きかったので、丸紅の手数料を約一%にすることができた、こう言っているわけです。 では、ここで一応四%で押さえてみましょう。そういたしますと、三億一千万ドルの四%は千二百四十万ドルであります。 さて、千二百四十万ドルの内訳はということになりますと、すでに明らかにされた分から申しますと、丸紅の正規の手数料が、丸紅から得た資料によりますと、これが正しいとするならば二百二十九万ドル、パーセントにいたしまして〇・七四%であります。次に児玉ルート。手数料及び児玉からの工作資金、これが、児玉領収証に基づきましてドル換算いたしますと五百九十二万ドル、こうなります。さらに三番目といたしまして、丸紅のルートで政府高官にという分であります。と目される分であります。いわゆるユニット、ピーナツ、ピーシズ、こういう領収証を、これまたドル換算いたしますと百八十五万ドル、これはパーセントにしますと〇・六〇%。それから——失礼いたしました、児玉の分は五百九十二万ドルで二%になります。さらに四番目に、ID社の領収証作成の手数料、これはシグ・片山氏の証言から七万ドル。さて五番目に、最後の全日空の分であります。これは先ほどから申しますところの、いわゆるキックバックと称する裏金、裏リベート、それがさらに流れていくでありましょう。総額が十六号機までは二百二十七万ドルであろうと推定をいたします。パーセントにいたしまして〇・七三%であります。 内訳を申します。すでに明らかになっておりますところの八機追加の詰めのための宣伝費十万五千ドル、ロッキード社からのレンタル料七万四千ドル、それから藤原逮捕のいわゆる外為違反として出ました、あの四十万ドル、さらに同じ趣旨のキックバックが四十五万ドル、この四十五万ドルはすでにチャーチ小委員会で公表されましたロッキード社の資料の中にありましたL一〇一一コミッションANAと記載された分であります。四十五万ドル、いわゆる社内伝票、これが出てきております。これはまさにこのキックバックのうちの一つであろう、こう私は見ております。 そういたしますと、先ほど申しました二百二十七万ドルになるためには、百二十四万ドルあとなければならぬ、こういう計算値が出てまいります。ただし、冒頭お断わりいたしましたように、十六号機までに対する分としてであります。したがって、少なくとも百二十四万ドルという分については、いままでのこの経緯から見まして、あるいは金の流れ、受け渡しから見まして、なければならぬ、こう推定する常識的な数値であります。この金につきましては、児玉ルート、丸紅ルートとは関係なく、全く全日空ルートの分であろうと想定をいたしております。 なお、十七号機以下二十一号機に至る分につきましては、次回におきまして具体的にお聞きしながら詰めていきたいと思います。 そこで、時間が参っておりますので、いま私が問題提起をしたというところに、いまの問題についてはとどめておきたいと思いますが一最後に大蔵省に伺います。 当然この輸銀融資につきましては、大蔵省としてもきわめて大きな関心を持ち、また、この融資の金の使途等につきましても、今日すでに全日空の幹部の逮捕、ここに外為違反があり、裏金を受け取った、こういう被疑容疑でもって逮捕が相次いでおる。そういう中で、私が、先ほどから、裏金づくりの、いわゆるキックバックと称する金がどういうふうにしてつくられたかという内容につきまして、会計検査院を主としての間で、やりとりを進めてまいりました。 全日空の監査法人であります栄光会計事務所、これがありますが、大蔵省は、過去五年間にわたる監査調書の見直しを行うよう指示されたようでありますが、その経緯のあらましを御説明いただきたいことと同時に、少なくとも有価証券報告書が、虚偽の記載がされたという疑いきわめて濃厚であります。大蔵省は、全日空に対しまして、証取法違反で告発をすべきではないかと私は思いますが、この点に対しては、大蔵省いかがな見解と、いま決意にお立ちになっているか、簡明に伺いたいと思います。
○安井説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、大蔵省の方には有価証券報告書というのが出ております。この有価証券報告書は、もう申し上げるまでもないわけでありますけれども、企業の財務内容を適正に表示をいたしまして、投資者の保護をするということが目的でございます。私どもといたしましては、この事件が起こりました二月以降、財務諸表の記載に適正を欠くものがありはしないかということで、全日空に対しましては九回、それから栄光監査法人に対しましては四回ばかり、それぞれおいでいただきまして、記載事項の正確性というものを伺ったわけでございます。 何と申しましても私ども任意の調査でございますので、それに対しまして現在までのところは、その記載に虚偽があるということが私どものところでは見つかっていないわけであります。しかし、先日先生から御指摘ございましたように、六月二十二日に、外為法違反ということで何人かの方が逮捕されたわけであります。となりますと、金銭の授受の疑いがあったのではないかという疑いが強くなったわけでありますから、もう一度念のために調査したいと思ったわけでありますけれども、とにかく当面の当事者の方もおらないわけでありますし、とりあえず担当しております監査法人が栄光会計事務所でございますので、栄光会計事務所には、公認会計士が監査いたしますと、監査の内容を正確に記録いたしました監査調書というのがあるわけでございます。これを十分担当者を変えてよく見直してほしい。もし仮に金銭の授受が行われたことが、しかもそれが会社の経理であるにもかかわらず、されていないというようなことがあるとするならば、会社全体の会計処理制度、内部統制制度と申しますか、これについても疑いが出てくるのは当然でございますので、その辺を含めまして十分検討するようにということを指示したわけでございます。 今後どういう決意かというお尋ねでございますが、何と申しましても現在検察庁あるいは警察の方で強制捜査が行われておるわけでございます。私どもはその捜査の進展を待った上で適切な処理をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○坂井委員 時間が参っておりますので終わりたいと思いますけれども、最後に大蔵大臣からひとつ伺っておきたいと思います。 いずれにいたしましても、輸銀法の改正、それからトライスターの購入のための融資、その融資されたものが、そのまま今回のこのロッキードから全日空に対しますキックバック、裏資金、裏工作、裏金、こういうものに直接輸銀融資が結びつくか否かは別といたしまして、少なくとも輸銀融資によるトライスターの導入が、きわめてそうした黒い資金、黒い工作資金がまつわりついたということは、これは否めない事実として今日あらわれてきたわけであります。 したがって、そういう面からは大蔵省も輸銀も当然今回の融資については、その使途等について重大な関心を寄せざるを得ないと思うし、またどこに根本的な、今回のこういう事件を生み出す要因が秘められておったのか、同時にまた具体的にどのようなことが、この融資において行われてきたのかというようなことにつきまして、私は、最終、いわゆる全日空に対する告発ということまでの構えをすべきだということを申し上げたわけでありますけれども、証取法九条、十条によりますところの単なる虚偽の報告でありますとかというような問題を超えて、いわゆる刑事事件として大変大きな問題になっておるという事態を、これを直視しますならば、当然株主保護という面もございますけれども、もっともっと大きな意味合いから、大蔵省は、この輸銀融資に対しまして十分なる調査、指導、監督の責任があろうと思う。 そういう意味で、ひとつ大蔵大臣の決意を最後にお伺いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○大平国務大臣 輸出入銀行の全日空に対する飛行機購入資金の融資自体につきましては、融資手続等から不都合はないものと私ども考えております。そのことが原因で、このスキャンダルを招来したというようなこととは毛頭考えていないわけでございます。 しかし、仰せのように輸銀融資を含めての金融行政それから証券行政等につきまして、今回の事件に省みまして、十分な緊張をもちまして事に当たらなければならぬことは当然のことでございますので、心して対処してまいりたいと思っております。
○坂井委員 終わります。
○村山委員長 次回は、明十四日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十六分散会