外務委員会 第13号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/07/28
会議録
○鯨岡委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野清君。
○水野委員 与えられた時間が十五分でありますから、総理に伺いたいのでございますが、去る七月十二日に宮澤外務大臣が、アメリカの上院議員のマンスフィールド議員と会談をなさいました。この報道の波紋がいま日本の国内でも、国際的にも、きわめて大きな結果を生じていることは御承知のことだと思います。宮澤外務大臣はその後、当委員会やほかの参議院の委員会におきましても、新聞報道についてはかなり、あるいは修正をされるような、あるいはその状況説明をされるようなお話をしておられます。私はそのことは了とするわけであります。しかし、実はこの宮澤外務大臣とマンスフィールド議員の会談の内容が新聞にキャリーをされまして、事実はどうであったかは別でありますが、いま少なくとも国際的に波紋を生じているということだけは一つの事実であります。そこで、むしろ私は、この新聞報道について総理がどうお思いになっておられるかということをこれから承りたいわけであります。 御承知のように、日本の外交というのはソ連寄りでも中国寄りでもあってはいけないわけでありまして、これは日本自身の国益を踏まえておやりになることは当然であります。まあ宮澤外務大臣がどういう話をされたかは別でありますが、宮澤・マンスフィールド会談の報道が伝えるところは、私は決して日本の国益に反しているとは思わないのであります。宮澤発言そのものはさておいて、将来、米中の国交正常化といいますか、国交再開の中において、台湾問題の急激な変化は望まない、一言に言えばこういう報道がいまキャリーされておりますが、総理はこれについてどういうふうにお考えか、お話を承りたいわけであります。
○三木内閣総理大臣 宮澤外務大臣も十三日ですか、この衆議院の外務委員会で米中関係は二国間の関係であって第三国がとやかく口を差しはさむべき問題ではない、これが自分がマンスフィールド上院議員に話した米中関係に対する基本的考えであるということを明らかにしておる。当然のことである。私から米中関係が急激に進展することを望むとか望まないとか、そう言うべき性質の問題ではない、あくまでも二国間関係は米中間で解決すべき問題である、第三国がこれに対してくちばしを入れる問題ではない、これが私の基本的な考え方であります。
○水野委員 それでは承りたいわけでありますが、総理には米中の国交正常化、これは大統領選挙が終わってカーターが大統領になるか、フォードが再選されるか、どうなるかわかりませんが、それについて全く御感想も御意見もお持ちでない、こういうわけでありますか。あるけれども、口を差しはさむことは差し控えたい、こういうことでございますか。
○三木内閣総理大臣 米中関係は米中両国によって解決さるべき問題であって、とやかく私がここでこれに対して申し上げることは適当でないと私は思うわけであります。いろいろ米中関係の間には、米台条約もありますし、そういうものも踏まえて両国の間でその問題は解決すべき問題である、第三国の日本がこれに対してどうこうというようなことを言うべきではないというのが私の基本的考え方でございます。
○水野委員 それでは別の角度から承りたいのですが、いまから四年半ばかり前、日中の正常化が行われました。きのう事件を起こされた田中前総理のときのことであります。あのときの日中の間の正常化は、御承知のようにいろいろな問題がありましたが、日本にとってはきわめて都合のいい、中国側では、あくまで台湾政府にしても中国政府にしても中国は一つだということを主張しておりながら、ともかく現実的な処理をしたわけであります。これは総理も御承知のとおりであります。それは国際情勢がしからしめたこともありましょうが、日本の当時の田中総理の外交が成功されたということもありましょうし、あるいは中国側にも周恩来首相という幅の広い政治感覚を持った指導者がおったということもあろうと思いますが、ともかくあれは私は一つの成功であったと思うのであります。 そこで、あのときに一つ問題が起こりました。それは台湾における台湾の安全保障といいますか、これは日米安保条約における極東の範囲という問題として、極東の安全は日本の安全に関係があるのだということ、これは日ごろ議論をされております。その中において、日本とは直接関係はないが、米台相互防衛条約というものが私は間接的には今日でも日本の安全保障につながっていると思うのです。総理は、この米台相互防衛条約というものが日本の安全保障とは無関係だというふうに判断をしていらっしゃいますか。
○三木内閣総理大臣 米台条約はアメリカと台湾との間の問題でございますから、とやかく私がこれに対する評価を行うことは適当でない、こう考えます。
○水野委員 しかし、あのときの国交正常化の中では、米台の相互防衛条約というもの自身は取り扱われてはおりませんでしたが、台湾における安全保障という問題については私は議論をされたというふうに記憶をしております。米中会談の上海コミュニケの中で、総理は御承知だと思いますが、中国とアメリカの中において暗黙の了解があって、台湾に対して大陸からの進攻をしない、台湾も大陸に反攻しないというようなことがあり、同時にアメリカがこれを双方ともに押さえていくというような、いろいろ多角的な政治配慮があって米中の上海コミュニケが生まれたと思うのです。 日中の正常化というものも上海コミュニケを踏まえて行われたわけであります。私は無関係ではないと思う。総理はいま、無関係であり、他国と他国との間の条約であるから関係がないというふうなお話がございましたが、私は現実には大きな影響があると思うのであります。ただ日本は台湾とは、かつて中華民国との間にも防衛に関しては何ら条約を持っていなかったし、今日はもちろんないのは当然であります。台湾は中国の領土の一部であるということを認めていることも事実であります。しかし同時に、極東の安全にとって台湾の安全がきわめて大きな影響があるということも私は現実の問題だろうと思うのであります。 時間がないので簡単にはしょって申し上げますが、米中の正常化の際には米台の相互防衛条約というものが、日本と台湾の間になかったこの条約というものが一番大きなネックになっている、暗礁になって一番議論をされると思いますし、今日、米中の正常化というものが非常に云々されながらなかなか前へ進まないということも私はそこにあると思うのであります。それだからこそ、総理にこの米台相互防衛条約というものについて日本にとって全く無関係なのかどうか、いいとか悪いとかということじゃありません、米台相互防衛条約というものは日本にとっては全く無関係なのか。たとえばアフリカにおいてウガンダとケニアがけんかしておりますが、あの周辺にどんな条約があるか知りませんが、それと同じように無関係なことなのであるかということを承りたいわけであります。
○三木内閣総理大臣 私が申したいことは、日本の周辺にそういう条約が現にあることは事実ですから、それが全然無関係だとは思いませんけれども、これに対して私がとやかく言うことは適当でない、こういうことを言うのです。
○水野委員 それならばよくわかりました。私に与えられた時間が少ないのでありますが、私は自分の意見を申し上げて恐縮でありますが、宮澤・マンスフィールドの会談の内容がどうであったかは別として、この報道が非常に大きな波紋を呼んだということも事実でありますし、また日本の国益を考えた、なかなか思い切った発言だというふうに私は評価をしているわけであります。総理自身からきょうはそれについてもう少しはっきりしたお話が承れると思ったのでありますが、残念ながら時間がございません。問題はいずれまた次に承りたいと思います。 これで私の質問を終わります。
○鯨岡委員長 水野清君の質疑は終わりました。 次に中山正暉君。
○中山(正)委員 私も十五分の時間でございますので、時間がございませんから端的にお伺いをいたしたいと思うのですが、水野先生のお話の中にもありました、この間サンフアンで七カ国会議をなさった後、アメリカの大統領とお会いになったわけでございますが、最近話題になっております極東情勢の変化ということが、その大統領との会談の中で話題になりましたかどうか、その中でアメリカの変化というものを何かお感じになりましたかどうか、それからまず伺いたいと思います。
○三木内閣総理大臣 サンフアンの会議では極東情勢についての話し合いはありませんでした。
○中山(正)委員 後の大統領との話では……。
○三木内閣総理大臣 大統領との話し合いにつきまして、一般の国際情勢というものについていろいろ話し合いをしましたが、特に極東情勢についてアメリカの政策に変化があるというふうに受け取れるような発言はありませんでした。
○中山(正)委員 実は「落日燃ゆ」というような、かつて政治家としてただ一人絞首刑になった人の伝記小説を今日読みましても、外交というものの裏側の話が三十年たってわかるわけでございます。実は今回のロッキード事件を見ておりましても、核防条約で日本とかドイツとかに戦争をさせないような表向きの歯どめをかけて、今度はロッキード問題、特に昨晩テレビで草柳大蔵氏でしたか、どうもこのロッキード問題の裏には、中国と日本の国交回復に関して、何かアメリカとのバーター取引みたいなものがあったのではないか、どうも前総理大臣が私どもにはちゃんとうまく台湾との関係はやるというようなお話をされていながら、アメリカがどうのというようなお話をちょっと聞いたような気がするのですが、簡単に日中国交回復に入っている。いま台湾とアメリカとの相互条約だから私は言えないとおっしゃいますけれども、水野先生はわかりましたとおっしゃいましたが、私は、台湾の安全というのは日本の安全にとって当然関係があると思うわけでございます。 特に四十六年ぐらいですか、私が入手しましたこの中華人民共和国の日本解放工作秘密指令書というのがありますが、これにはこういうふうに書いてございます。「各党ごとに議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき者」に区分し、「掌握すべき者」については「聯合政府の樹立にのみ利用し得る者、」「聯合政府樹立より共和国成立に至る過渡期においても利用し得る者」とに区分する。ここに言う「打倒、排除」とは、その議員の党内における勢力をそぎ、発言権を低下せしめ、孤立に向わせることを言う。「掌握」又は「打倒」は、調査によって明らかとなったその議員の弱点を利用する。金銭、権力、名声等、ほっするものをあたえ」、いま自民党に起こっております話と全く符号するのでございますが、「約束し、必要があれば、中傷、離間、脅迫、秘している私事の暴露等、いかなる手段を使用してもよい。敵国の無血占領が、この一事にかかっていることを思い、いかなる困難、醜悪なる手段もいとうてはならず、神聖なる任務の遂行として、やりぬかねばならない。」そして資金の渡し方は、「政治献金は合法であり、これを拒む政治家はいない。問題は方法のみであり、工作員からAへ、AからBに、BからCへ、CからDに、Dから議員又は団体へ、というが如くに間接的に行なうのはいうまでもない。」と書いてございます。 私は現在のこの日本の混乱、これを見ておりますときに、自民党内部の感覚で申しますと、外国の共産主義政府を肯定して、日本と同じ自由主義政治をしている中華民国を否定したところから大変大きな混乱が生じ始めたのではないか、かように考えておるわけでございますが、あの日中国交回復、そしてキッシンジャーは演説の中で、日本はアメリカの育てた盆栽だというようなことを言っております。さような発言を聞きますときに、一体総理は、日中国交回復でバーター的に何かロッキードとの間に話があって、そして日中国交回復へ何か裏で取引がされたのではないかという懸念を私は実を持っておるわけでございます。評論家草柳大蔵氏がそういう発言もしておりますし、いかなる考えを総理大臣として現在お持ちでございましょうか。
○三木内閣総理大臣 私は日中国交回復というものに、ロッキード事件とかいろいろな裏取引があったというふうには信じておりません。
○中山(正)委員 これもまた三十年くらいたたないと本当の話は出てこないのではないかという懸念をいま持つわけでございまして、私も政党政治研究会で、総理大臣におなりになる前の三木先生と中国問題で大分議論をしたことがございます。やはり非理法権天と申しますか、非は理に勝てず、理は法に勝てず、法は権力に勝てず、権力は天に勝てず、日本の天皇制を護持してくれたのは蒋介石総統でございます。そして私が靖国神社国家護持法を内閣委員会でやりましたときに、一時的に日本人であった台湾人二万六千人が天皇陛下万歳と言って死んでおりますが、日本の遺族にはお金が出ておりますが、台湾関係者には一銭の一時金も出ておりません。そして日本が敗戦国でありながら二つの日本に分かれずに、一国として今日この経済の繁栄を保っておりますのは、ソ連に北海道を占領されるときに、蒋介石が九州を占領するというのを実は反対した、了承しなかったという、暴に報いるに徳をもってするということで、日本の経済繁栄というのは、中華民国、かつての蒋介石に賠償要求をされなかったからある意味では大きな経済繁栄が保てたのではないか、私はかように考えております。 私は、いま台湾との関係をアメリカに、マンスフィールド上院議員に外務大臣が急激に変えないでほしい、日本が手を切っておきながら、アメリカに対して何とか関係を変えないでほしいとか、急激な変化を韓国にも望むものではないとかいうような、第三国ではあるかもわかりませんが、日本がそんなことを頼むよりは——北朝鮮に対する接触もこのごろは何となくきな臭いものを感ずるわけでございますが、私は、現実にある蒋経国という人の治安、外交、防衛、教育という行政主体を一つの国として持っているあの中華民国に対して、いまの時代の流れの中で異様なことを言うように聞こえるかもわかりませんが、むしろ二年八カ月目に大阪からきのうも台北へ飛行機が飛んだ事態がございますが、一体中華民国との関係をこのままにするのか。私は勇気を持ってあえて申しますが、日本の安全と大変関係のある中華民国との国交を回復するというような形に入っていくというようなことをお考えになりませんか。
○三木内閣総理大臣 すでにその問題は解決済みの問題でございます。
○中山(正)委員 実はそれが日本のこれからの運命を左右するような大変な混乱に入っていくのではないか。総理大臣はそういうふうにおっしゃいますが、いま党の内外を見ましても、向かいにおられる江田先生が十八年ぶりにアメリカにいらっしゃる。アメリカにいらっしゃると、今度は帰ってきて江公民体制という体制の中で、松前さんというかつての翼賛政治会の総務部長をやられた人が座長になられる。そして同じく日ソ協会の会長をしておられる方が座長になられて、そのときに河野洋平氏以下六名の方々が外へ出られていきました。この工作書の中にも「気がつかれないように民主連合政権にずっと移行していくべきである。」ということを言っております。特に韓国からのスパイ事件がこの間大阪の布施で実は発覚をしたわけでございますが、韓国からの工作も大変なものでございまして、戦後三十七件起こっております。北朝鮮系の学校が百六十一校あります。大阪の黒田知事なんかはこの外国人の学校十三校に補助金を出しているというような話すらあるわけでございます。 私はこの間も外務大臣に申し上げたのでございますが、自由主義国家日本が、自由主義体制と違う国にこびを売るような形にこれからわれわれ自由民主主義を信奉する者がしていきますと、私はかえって世界の混乱を招くというような感覚でいるわけでございますが、この日本の自由主義体制を守る中でこれからの変化、河野洋平氏以下六名の方々の離党、これは右側から出た継ぎ手だと思います。江公民体制という形で左から出てくるこれとがこの自民党の混乱、特に衆議院選挙を前にしての混乱期を控えて、自民党の不人気につながるというようなことになってきますと、私は大きく日本が揺れる可能性があると思うのでございますが、それじゃ三木総理大臣、いろいろ自民党内での批判もございますが、三木総理大臣が自由民主党にずっととどまっていかれるか。たとえば、西岡氏が三木総理大臣のお宅をお伺いしたときには、何か赤飯を炊いて送ってやったというようなうわさも聞いております。これから三木総理大臣のそういう党内での態度について、一言参考までに伺っておきたいと思います。
○三木内閣総理大臣 西岡君に赤飯を炊いて祝ったという事実はございません。私は現に自由民主党の総裁であり総理でございますから、したがって、そういう御質問は当を得た質問だとは思わない。
○中山(正)委員 それならあえて申しますが、私は実は三木総理大臣から、覚えていらっしゃるかどうか、かつてキッシンジャーとフォードが来たとき私がホテルオークラの玄関に立っておりましたら、三木総理大臣出てこられまして私の手をつかまえながら、中山君の金玉を抜かなければいけないなとおっしゃったことがあるわけでございます。こういう国会の席で金玉議論はまことに恐縮でございますが、私実は総理大臣に申し上げるのはなんでございますが、川崎秀二氏が廖承志氏に会われましたら、三木とは枯れ木とウドの大木ととうへんぼくだとこうおっしゃったというのです。その話を聞きまして、中国が悪口を言う間は三木総理大臣を私は守っていきたいという気持ちでおります。 その意味で、三木総理大臣のこの任期中というのは、世界の均衡を狂わせないための大きな意義のある時期であると私は思いますので、あえてこれから出てきます問題、次の国会で日韓大陸棚協定の問題が出てくるわけでございます。先日も外務大臣に伺いましたら、英国は一九八〇年が来たら、北海油田が掘れたので、向こうはエネルギーを自給できるようになって、経済の繁栄に向かう兆しが見えてきたと英国の総理大臣のお話を聞いてこられたというのでございますが、実はこの前の国会で、参議院の数がないからこの法案は通らないという言い方はできないわけでございまして、核防条約とあわせて日韓大陸棚協定を通すということになっておりましたが、日本と台湾の間に大油田がある。思いもしないエネルギー資源が、英国と同じように私どもにも自給ができる基盤が日本のすぐ近海にあるわけでございます。 総理は、韓国が二年前に批准をしましたこの条約がまだ批准をされていないことについていかがお考えになっておられますか。 それから、時間がございませんのでついでにお願いをしておきたいのでございますが、実は「世界」という岩波が出しております本に、三木派の——ここで派閥の問題を言うのはどうかと思いますが、三木派の塩谷一夫氏が「一自民党議員の憂い」ということを書いておられます。ロッキード事件の近道は韓国問題であるということを書いておられます。私はこの間の委員会で、塩谷一夫氏の出席を、参考に意見を聞かしていただくために要求をいたしておるのでございますが、それもあわせて、これからの日本の立場をしっかりと自由主義体制を守っていくためには、韓国の安全を考え、韓国の経済繁栄を考える。第二トンネルも私見てまいりました。北側の金富成、柳大潤という二人の将校が寝返ってきて、そしてそれが話をしたことでは、北側の軍服を着ずに韓国の軍服を着て韓国軍の裏へ出て、そして韓国軍の内部を分断をするような作戦に出てきて、韓国を混乱に陥れようとしていたことが十八個師団に一本ずつある地下トンネルの問題だったと聞いておりますが、以上、大陸だなの問題を含めて、総理大臣はこの問題をどういうふうに考えておられますか。
○三木内閣総理大臣 大陸棚協定はぜひとも前国会において国会の承認を受けたいと私は願っておったわけであります。鯨岡外務委員長にも、核防条約が済めば大陸棚協定を促進してもらいたいということを言ったわけでございますから、できるだけ早く国会で議了されることを望んでおるわけでございます。 それから、韓国は日本と外交関係も持っておる隣国でございますから、韓国が安定し、韓国が発展していくことを心から願うものでございます。
○中山(正)委員 これからの世界の平和を願うためには、いま、もうすでに解決済みであるということをおっしゃいましたが、中華人民共和国と台湾の関係に混乱が起こるとき、特に、そしてもっと南へ下りますと、タイとマレーシアがこの間も総理大臣同士が話し合っておりますが、いま混乱を起こしておりますのはタイとマレーシアの国境だと言われております。そのマレーシアが落ちますと、ボルネオの北側のサバ、サラワク、これがマレーシアの領土でございます。中国が台湾に領土権を主張したように当然に領土権を主張できますが、そうしますとすぐ、いまフィリピンでいろいろな問題、ゲリラ問題が起こっておりますのは、実はあそこに御承知のキリスト教徒とそれから回教徒の対立があります。それに取りつく一番大きなきっかけを得てくる。私はアメリカのアジア離れというものをしみじみと感じ、外務大臣がそれに対してマンスフィールドにいろいろな御意見をおっしゃっているのは、私は大変なお見通しであると実は思っておるわけであります。 その意味で、ひとつ三木総理大臣にお願いを申し上げたいことは、先ほどそれはもう解決済みの問題であるとおっしゃいましたが、これはアメリカにとっては、日本を捨てて中国へ出れば、ソビエトの情報も中国でとれますし、OTHRも日本から撤去されておりますから、軍事的にももう日本のアメリカに対する価値というものは非常に低くなった。そしてほかに経済的な関係でも、別に日本に対して大きな望みがないような見込みにこれから米国は入ってくるのじゃないだろうか。むしろこのごろは、東欧圏からの企業に対する発注なんかも非常にふえておりまして、何か経済的にも変化の起こる兆しを私は見ておるわけでございます。そんなときに私は、古くて新しい問題として台湾問題を考えていただきたい。日本人の食べておりますラッキョウの八割は台湾から入ってまいります。宇治茶と申しますが、宇治茶の六割は台湾から入ってまいります。日本の食生活にも物価の問題にも大変大きな影響を持っております台湾並びに韓国の問題を、この際総理大臣に真剣に——この日本が狂うことが世界の混乱を招く大きな原因になる、裸の大国でございますから、その意味でひとつ御検討を願うように私はお願いをいたします。 時間がございませんので、はしょった質問になり、意を尽くせません。自民党二百七十数名おるのですから、私は委員長にもお願いをしておきたいと思いますが、もっとゆっくり議論ができるようなお時間をこれからは配慮を願いたいと思います。 ありがとうございました。
○鯨岡委員長 中山正暉君の質疑は終わりました。 江田三郎君。
○江田委員 いまロッキードで大変混迷した状況が起きておるわけでありますが、このことが日本の政治にとって非常に大きなウエートがある課題であるということは言うまでもありません。しかし同時に、政治なり外交、多くの課題は進行しつつあるわけであります。その中で私どもが特に心配しますことは、外交関係で何かつまずきが起きるとその立て直しというものは非常にむずかしくなるということであります。われわれが当面する外交課題はいろいろありますが、その中の一番大きな課題は、私はやはり中国との関係だと思います。 最近、中国との問題に関連しましていわゆる宮澤発言というものが行われた。宮澤さんはどういう意図で言われたのか、あるいは正確にどう言われたのか、これは私たちにはよくわかりませんが、しかしこれが大きな波紋を生んでおることだけは事実でありまして、下手をするとこのことが今後の日中関係に取り返しのつかない大きなみぞをつくることにもなってきはしないかと思うのであります。そこで、後でまた宮澤さんにもお尋ねしたいのでありますが、この際、総理の考え方をお聞きしたいのであります。 私が言うまでもなく、日中共同声明が成立いたしましたのは約四年前でありまして、自来共同声明に課題として挙げられた問題は、貿易や海運あるいは航空、漁業、この四つの実務協定はすでに締結をされたわけでありますし、その他の問題も、過去の追認というようなものもありますから、おおむね処理されてきておる。しかし、肝心の平和友好条約の締結は依然として進まないわけであります。これはなぜ進まないのか、どうも私たちにはよくわからないのでありまして、日中の平和友好条約の締結は三木内閣にとっても重要な課題の一つであったはずであります。現にことし年頭の記者会見で総理は、ことしは条約締結の年としたい、こうはっきり言われておるわけであります。また、周恩来首相が亡くなられましたその直後におきましても、二月二日の衆議院予算委員会で、日中両国が永遠の友好関係を締結する決意は変わらない、こう言われておるのでありまして、首相が言明された線は一貫していると思うのであります。それでは中国の方が変わってきたのかといえば、これまたたとえば四月の二十七日に喬冠華外相が小川大使と会見されたとき、中国の対日施策は一貫しており、変更はないと言われておりますし、その後も二、三の副首相が日本から行った人と会われたときの談話も同じように一貫しておるのでありまして、日本の総理大臣の主張が一貫しておる、中国の見解も一貫しておる、にもかかわらずいまなお平和友好条約が進まないというのはどこに問題があるのか。総理はその点をどのように認識しておられるか、まずお聞きをしたい。
○三木内閣総理大臣 日中平和友好条約の締結を促進したいという考え方は、私は変わらないのであります。また、そのためには日中共同声明、この取り決められた共同声明を基礎にして日中の友好関係を推進しなければならぬという考え方も変わらない。そういう見地に立って三木内閣として日中平和友好条約の締結ということを推進してまいっておる。去年の九月に宮澤外務大臣と喬冠華外相との間で国連の場において二回にわたって会談が行われている。表面上は非常に進展するのではないかと見られたのですが、その後、周総理の死去などということもございまして、われわれが予定したよりも相当日中平和友好条約の締結というものが遅延をしておるわけです。 これは両国とも、政治体制も違いますし、いろいろな点で一層理解を深め、もし誤解があるとしたならば誤解を解く努力を双方でしなければならぬと思いますが、そういう点で今後一段と相互の理解を深め、もし誤解があるとするならば誤解を解いて、日中平和友好条約の締結の機運を高めていかなければならぬ。中国側も早く締結をしたいという熱意は変わらないし、日本も熱意を持っておるのですから、その間、相互の理解を深めて妥結に持っていきたいと考えておるわけであります。あるいは外相その他政府の責任者が直接いろいろ話し合うような機会というものを考えてみてもいいのではないかと考えておる次第でございます。
○江田委員 条約の締結には熱意を持っておる、あるいは双方の間に誤解があるかもわからないので、双方の責任者が話し合うことを考えてもいい、こう言われましたことは一歩前進だと思いますが、なぜ交渉が進まないのか。いろいろな見方があると思いますが、私は最近、機会があって中国へ参りました。中国の李先念副首相その他の人といろいろ話してみましたが、問題は非常に簡単だという理解をいたしました。それは共同声明の第七項、いわゆる覇権条項の扱いをどうするのか、この一点にかかっておるように思うのであります。その点は外務大臣が昨年国連総会の前後に喬冠華外務大臣との会談の中で話されたこともその一点だったと私は理解しておるわけです。 そこで、そういうところに問題があるのだろうと思いましたから、私が中国へ参ります前に、三木総理に、総理としてはこの覇権条項をどう扱うべきと考えておられるか、そのことについてお聞きしたことがあります。先方の言うのは非常に簡単でありまして、第七項は変な注釈をつけないでそのまま条約の中に入れ込めばいいではないかということであり、総理も、細かい技術的なことは別にいたしまして、そのことについて御異存はないように私は理解したのでありまして、それなら問題は非常に簡単じゃないかと思うのであります。何か第七項の覇権条項について、そのまま入れるということについて総理の方で受け入れられない理論的根拠あるいは事情があるのでしょうか。それをお伺いしたい。総理はそれでいいというように言われたと私は理解しておるので——。
○三木内閣総理大臣 日本は過去の苦い経験からしましても覇権を求めない、これはアジア・太平洋地域ばかりでない、世界のどこの地域においてもみずから覇権を求めないということがやはり日本の平和外交の基本的な姿勢の一つだと私は思うのですが、そのことが共同声明の中においても第七項ですか、日中両国はみずから覇権を求めず、覇権を求めようとする国または集団の行為に対しても反対するという共同声明になっておるわけですから、覇権に反対である、こういう一つの原則は何ら日本の方針と抵触するとは思っていないわけで、これが、条約を結ぶ場合に条約上にどういう取り扱いをするかということは条約の技術上の問題であって、基本的にはそういうものに対して、日本の方針と何ら反するとは思っていないわけでございます。
○江田委員 覇権を求めない、また他国の覇権にも反対するということについての総理の御見解をいま述べられましたが、この覇権の問題について考えなければならぬことは、過去において私たちはアジア・太平洋地域において覇権を行使して諸国に大変な迷惑をかけたわけであります。その反省の上に立って戦後日本が始まったわけで、われわれの憲法の精神、戦後日本のわれわれの進むべき道というのは、日本は二度と再び覇権を行使しないのだ、それが原点になっておると思うのです。したがって、この共同声明七項に覇権条項が入れられたということは、ただ上海コミュニケにおいてアメリカと中国との間に同じような合意ができたからというのでなしに、それがどうあろうと、日本として新しい戦後のわれわれの進むべき道はここだということを、ただ中国と約束をするというにとどまらずして、世界に対する日本の誓いだ、それだけの重さを持っているものだと思うのでありまして、それでこそ初めてアジア・太平洋地域におきましても、また多くの発展途上国に対しましても、日本が信頼を寄せられる条件が生まれると思うのであります。 そういう覇権を行使しないというのがわれわれの原点であるということがまず第一なんであって、その上に立って、当然他国に対しても覇権を行使することに反対するというそういう論理が出てくると思うのであります。したがって、私たちから考えますならば、他の国がこの覇権条項についてどう解釈しようと、あるいはどのような見解を持とうとそれはおかまいのないことであって、日本は日本として進むべき道を毅然として進めばいいのだと思います。またそうでなければ今後、複雑な国際環境の中における日本の安定した前進はあり得ないと思うのであります。 私は、総理が自民党総裁になられる前、あの田中内閣に訣別されたときに、ある雑誌に載せられた論文をいまでも忘れることができない。それは何かと言えば、国の大きな路線というものは政治家が決定するのだ、官僚は政治家が決定した路線を実務的に処理するんだ、それが崩れてくるから混乱があるのだという意味のことを書かれておりました。さすがに長く議会政治に籍を置かれた三木さんの言葉であると、非常に深い印象を受けたのであります。 私が見ておりますというと、いまの日中問題というのは、総理がそういう政治家こそが基本的路線を決めるのだという認識に立たれるかどうか、その上に立って行動されるかどうかということに尽きていると思うのであります。私は何も外務大臣を政治家でないとは申しません。ただ、あなたは総理大臣であります。最も基本的な路線はあなたが政治家として決定されなければならぬことでありまして、あなたがこの覇権条項について反対でないのならば——反対でないというのがそもそもおかしいのであって、これこそが戦後日本の進むべき道だという前向きの認識で、積極的に中国へ対してもその他の国へ対しても呼びかけていかれるべきではないかと思うのであります。それがぐらぐらしておりますというと、いろいろ他の国からあれこれの、邪魔とは申しませんけれども、いろいろな行動が出てくるわけでありまして、要は私たちが、これこそ日本の進むべき原点である、その認識に立って、毅然として進むかどうか。しかし、それは政治家三木武夫の決めることでありまして、そういう考え方に立ってあなたが反対でないというなら、そこまでの積極的な態度に出られる用意がありますか。いまあなたは、その問題について両国の責任者の会談もと言われましたが、へっぴり腰の会談では何にもなりません。もっと積極的にやっていかれるのかどうか、その信念をお聞きしたい。
○三木内閣総理大臣 覇権反対ということは、日本の平和外交の基本姿勢であるということを申しました。江田君も御指摘のように、過去の苦い経験から日本が得た教訓が、その外交の基本姿勢の中になっておるわけでございますから、したがって、こういう日本の基本姿勢というものは、日本自身が自主的に決めるものでありまして、第三国から干渉を受ける性質のものではない。ただしかし、国際関係はできるだけ誤解を生じないための努力をしなければならぬ。日本の真意というものが、これはアジア・太平洋地域に限らず、覇権反対は普遍的な平和原則の一つであるという認識のもとに、どこにおいてでも反対するわけですから、しかもあらかじめ敵対国をつくって、そうしてそれに対抗する手段として言っておるのではないわけです。日本の平和外交の基本姿勢として言っておるのですから、これに対して日本は自主的にその主張の魂を貫いていけばいいと考えてるわけでございまして、この考え方は、私は一貫した考えでございます。したがって、今後そういう考え方の上に立って日中平和友好条約の処理に当たりたい。私自身も、これに対しては余りにも長期にこの問題は時間がかかり過ぎておりますから、やはりこの問題の促進をするために、これは私自身も大いに責任を感じておる次第でございます。
○江田委員 私ども中国でいろいろな人と意見の交換をしたわけでありますが、率直に申しまして、どうも平和友好条約は田中内閣の末期においてすでに基本的にはまとまっておったのだ、それが三木内閣になって停滞しておるというような発言もございました。そこから、これまた率直に言わせてもらいますならば、三木総理の行動力というものについての意見もありました。しかし、そういうような見方をするのは好ましくないのではないか、少なくとも一国の総理大臣が、野党の幹部であるわれわれに対して、共同声明七項、この大精神というものを条約に入れ込むことに反対はないと言っておるので、主観的にはどういう評価があろうと、一国の総理大臣が野党の幹部に対してそれだけのことを言っておるなら、それを積極的に受けて立つということが真の国交改善のために必要ではないのかという私たちの主張に対しまして、李先念副総理も賛成である、こう言われておるのでありまして、あなたがいま責任者同士の接触を図る用意のあることを言われたことは私は一歩前進であると思いますが、ただ日中関係、日中平和友好条約というものはもちろん他の国に対しても影響があるわけでありますが、私たちは、これは先ほど申しましたように日本の戦後外交の大精神であって、これこそ毅然として進めばいいことであり、しかも中国側にいたしましてもかれこれ注釈や条件をつけないで、四年前の共同声明で使われた言葉をそのまま使えばいいではないか、こう言っておるのであって、基本姿勢が決まって問題を処理する気になればそんなに時間がかかることではないはずなんであります。 総理は前向きなことを言われますけれども、私たちが心配するのは、そこでストップされるのではないのか。いまの答弁でストップされるのではないのか。三木内閣がどれだけ続くのかわかりません。あるいはその後がどうなるのかわかりません。しかし外交というものは継続されるものでありますから、三木内閣のときにこれこれのことができたということは、当然次の政権にかわったところで継承されるものに違いないのでありますから、いまおっしゃったことをもうひとつ積極的に具体的にこうこうするのだというようには表明できませんでしょうか。もう少し、もう一歩はっきりさしていただきたいと思う。
○三木内閣総理大臣 日中平和条約というものは日本のためのみばかりでない、中国自身も日中関係というものを一層安定さすことは、中国の利益にも合致するわけなんです。日中双国のために、平和友好条約は締結をすることが好ましいことは言うまでもないわけですから、外交関係というのは双方がやはり努力をしなければならぬわけですね。そういう点で中国側にしても熱意を持っておるわけですから、こちらの方もいろいろな理由で停滞をしたけれども、これを促進したいというわけですから、これは両方が熱意を持って何とか早くこの妥結をしたいというならば、これは促進されなければならないはずでございます。また、私が政府の責任者同士で話し合うような方法を考えたいと申しておることについて、この問題を具体化ということでございますが、これはいまのこの段階でこうこうすると、相手もあることでございますから、ここで一方的に私が申すことは差し控えますけれども、しかしそういう機会も持ちたいと考えておることは事実である、そういうことでございます。
○江田委員 先ほど申しましたように、私が今回中国へ参って中国の李先念副首相なりその他の皆さんと話ししたその印象からいきますと、李先念副首相も条約を早く締結する方がいい、こう言っておられるのでありますし、その他の諸国も同じような考え方なんであって、相手のあることということはわかります。しかし、三木さんの考え方はいまおっしゃったとおり、少なくとも私が接触した範囲においては、中国側の見解はいま申したとおりなんでありまして、私は相手もそれを受けて立つ用意があると思います。日本が積極的な態度をとるなら、中国も積極的な態度をとるかという質問に対して、李先念副首相は賛成だ、こう言っておられるのでありまして、私は、いま三木さんの言われる双方の責任者の接触ということをまさに始めるべきチャンスではないかと思うのであります。まだそこに何かひっかかるものがあるのでしょうか。どうもそういう点になってくると、先般の宮澤外務大臣の発言というものは、外務大臣はどういう意図で何を言われたのかわかりませんけれども、あの発言をめぐっての日本の国内あるいは中国、ソ連、台湾あるいはアメリカ、その反響というものは非常に大きいようなものがあります。 宮澤外務大臣は私は非常に聡明な人だと思っておるのでありまして、自分が何か言えばその反響がどうなるかということは、いつもきちんと計算をされておる人だと私は今日まで思ってまいりました。とんでもないことなんだ、自分の真意ではないのだ、自分の真意はこうだ、後でそういうことを言う人ではないと考えるのでありまして、私はどうも、いま総理が両国間の責任者が接触する必要はあるが、相手もあることだと言うことの中には、あるいは宮澤外務大臣と三木総理との間に意見の食い違いがあるのじゃないのか、そうでなければ、三木さんが先ほど来述べられたことであるならば、責任者同士が接触することに何の問題もないはずであります。まさかそういう意見の相違はあるとは思いませんが、しかし国内及び外国での宮澤発言というものの扱いを見るというと、どうも総理大臣と外務大臣との間の主張には隔たりがあるのかなという印象を受けるのでありますが、その点はどうでしょう。
○三木内閣総理大臣 外務大臣と私との間にいささかも外交の基本方針に対して考えの違いはありません。宮澤外務大臣は三木内閣の有力な閣員として、三木内閣の外交方針に沿うて外交を今日まで推進をしておるわけでございます。この間にいささかも考え方の食い違いはないと信じております。
○江田委員 世上、宮澤外務大臣はこの次か、次か、その次か知りませんが、やがて日本の総理大臣になる人であろう、こういうような評価もある人でありますから、それだけに外務大臣の発言というものはウエートが大きいと思うのです。私がさっき申しましたように、外務大臣は自分がこういう発言をすればどうなるという計算のわからない人ではないし、また絶えずそういう計算をしておられると思う。けれども、今回どうでしょう、北方領土の問題については、ただ中国とソ連との対立関係をエスカレートしただけじゃありませんか。どういう国益があったのか、あるいは台湾をめぐるマンスフィールド上院議員との考え方にしても、いち早く台湾はこれを歓迎と現地の新聞が大きく報道する、中国はとんでもないと言う、アメリカでも国務省の記者会見でこれが問題になる、一体宮澤外務大臣は何を考えて、どういう発言をされたのか、またいま総理から日中平和友好条約に対する総理の所信表明がありましたが、外務大臣はどのようにお考えになっているのか、この際この委員会におきまして、誤解なら誤解、真意はこうならこう、もっと明確にされることが必要なんじゃないでしょうか。 この間十三日の当委員会におきまして大臣はいろいろ述べておられます。しかし、にもかかわらず、その後外務大臣の真意はここにあるのじゃないのか、中には外務大臣の発言というものは台湾との深い関係があるのじゃないかとか、いろいろなことが言われておるのでありまして、外交問題は一歩誤ったら後で修正がきかない問題なんでありますから、世上伝えることが間違いであるならば、あなたの信念というものをここで明確にしていただきたい。
○宮澤国務大臣 私とマンスフィールド米上院議員との会話、私的な会話でございますが、その内容をめぐりましての問題につきましては、先般の当委員会でも申し上げましたので、煩を避けましてごく簡単に要点だけを申し上げますと、サイゴン以後の東南アジアにおける情勢というものについて、マンスフィールド議員から質問がありまして、ショックから徐々に立ち直りつつあって、東南アジアの諸国は、この地域における大国の幾つかの勢力の間でバランスを図りながら、自分の国の独立を全うしていく方向に動いているように思う、そういう兆しが見えておるということを申しまして、それから質問が米中間の問題に及んだわけでございます。 私は、私的な会談ではあるけれども、米中間の関係は米中間の問題であって、いかに私的といえども私がかれこれ申すべき問題ではないと思うと前提をいたしまして、フォード大統領が最近三木総理大臣にも述べられたところの方針についてどう考えるかというお話でございましたから、これはいろいろなことをお考えの上でのフォード大統領の御発言と思う、私としてはそれは結構なことであると考えますということを申したわけでございます。で、そのことをまた新聞記者諸氏に私自身からブリーフィングをいたしたわけでございます。その間、私としてはそれが台湾の問題に関係をするというふうには考えませんでしたし、また、その台湾という言葉はもちろん一言も出たわけではない、またわが国は日中共同声明という基本的な両国の合意があるわけでございますから、台湾というようなことについて云々することが適当でないということは私もよく存じておったつもりでございます。 で、ブリーフィングで私は別に誤って伝えられたわけではなかったわけでございます。報道に誤りがあったわけではない。しかしながら、私はそう思いましたけれども、結果としてこの問題が台湾について何か私が言及をしたというふうに、そのように受け取られたということが事実でございますから、いかに私がどのような真意で申したとしても、そのような結果になったという事実にかんがみますと、これは私のブリーフィングの仕方が不用意であったというふうに私は思います。 それから北方領土の問題でございますが、これは委員会の速記録に載っておりますとおり、日本国内におきまして、北方領土をめぐって、ソ連あるいは中国等々がいろいろ議論をやりとりしてもらうことは、これは決して好ましいとは思わない、もとよりおのおのの人において、あるいは国際の場、たとえば国連等々において所信を述べられることは、これは当然であるし、私どもがそれについてとやかく言うことのできる問題ではございません。けれども、日本国内で余り両国の間でこの問題を論争してもらうことは、問題を早く解決するのには役立たないように思うということを委員会で申し上げておりまして、この点は、国内でということを、故意でありますか過失でありますか、除いて中国側で受け取られたということは、これはどうも正しい受け取り方ではなかったように思うわけでございます。 最後に、総理の言われました、高いレベルでの接触によるところの日中平和友好条約の問題の解決ということにつきましては、そこはやはり、かつても用いられたことでありますけれども、小異を捨てて大同につくということが、このような条約交渉には最終的には必要なことであろうと思いますので、私は、適当な段階でそのようなことが行われることは意味のあることであるというふうに判断をいたします。
○江田委員 特にマンスフィールド上院議員との対談が必ずしもマスコミに正しく伝わらなかった、あなたはいまそういう意味のことをおっしゃいましたが、とにかくあなたが何を考えておられようと、内外のほとんどの新聞、それが筆をそろえて、あなたがいま言われるような見解とは違うものを伝えてくるのでありまして、私は大変恐ろしい気がするのであります。こういう問題については、小川大使を通じて中国へも真意の伝達をされたように新聞で見ましたが、同時に、あるニュースによりますと、その際、小川大使は中国のアジア局長から招致された。従来の慣例からいっても、大使が招致される場合には、局長ではない、もう一つ上の人のはずなんだ。それが局長ということになっているのは、それだけでも中国がこの問題について並み並みならぬ関心を持っているということの反映ではないかということがありましたが、私は外交関係はわかりませんから、それをどのように解釈していいかわかりません。ともかくいま何でこれだけの誤解を招くようなことをあなたがおやりになるのか、どうも、何と考えても合点がいかぬのであります。私はもっと積極的に、ただ小川大使から真意を伝える、一片のそういうような行動だけでなしに、もっと実のあることをやって、誤解なら誤解というものを正されるべきではないかと思うのであります。 私も中国のことを詳しくはわかりません。しかし、私の小さな体験、また多くの人の言われることを聞いてみると、中国はやはり原則を非常に大事にするんだ、原則において、大精神において、基本理念において一致があれば、いまあなたの言われる小異を捨てて大同につく、そういう用意のある国柄だというように聞いておるし、また私も大体そうだろうという感じがするのでありまして、どうもそういう点が、はなはだ失礼でありますけれども、私はさっき三木さんに申し上げました、この国の基本路線を決めるのは政治家の仕事だ、私は外務大臣を政治家でないと言うのじゃない、しかしこの際あなたも、次の次の次か何か知らぬけれども、総理の候補に上るような人なら、やはり政治家としてのもっと大局に立った行動をしていただきたいと思うのであります。せっかくのいま前向きにできる条件のあるときに、つまらぬことで障害を来してしまってはならぬということを私は深く考えさせられるのでありまして、この際もう一遍そういう点についてのあなたの見解をお聞きしたい。
○宮澤国務大臣 先ほど申し上げましたことが江田委員にお聞き取りにくかったかもしれませんが、私は誤って報道されたとは思っておりませんので、私のブリーフィングの仕方が不用意であったというふうに考えておるわけでございます。したがって、そのような不用意さが今後の日中平和友好条約の締結の障害にならないことを心から期待をいたすものでございます。
○江田委員 あなたの発言が不用意であったということをお認めになる、その率直な態度に私は敬意を表します。どうかひとつそういう気持ちで、総理も先ほど来前向きのことを言っておられるのでありますから、この際総理及び外務大臣は、事務当局に対しまして、さようなことの行動を強く指示していただいて、関係を前向きにしていただきたいと思うのです。 なおいろいろお聞きしたいこともあるわけです。たとえば台湾についての急激な変化というのはどういうことなんだろうか、米台のあの相互安全保障条約がなくなるということが、それが急激な変化ということになるのだろうかどうだろうか、いろいろお聞きしたいことがありますが、私に与えられた時間が参りましたから、そういう点をよく慎重に考えていただくと同時に、積極的に行動していただくことをお願いして、質問を終わります。
○鯨岡委員長 江田三郎君の質疑は終わりました。 土井たか子君。
○土井委員 昭和四十七年ころの日米間は、黒字国家であるわが国の責任をアメリカ側から問われるような経済環境の中にあったわけですが、そうした環境の中で、わが国のとるべき対応策というのは、国際経済ルールを踏まえた対応策を考慮すべきである、そういうふうに考えられるのにもかかわらず、緊急輸入という人為的な措置でこれを解決しようとしたのが、いわゆる四十七年のハワイ会談、鶴見・インガソル会談であったというふうに認識ができるわけです。当時の新聞は、おみやげ十億ドルの緊急輸入は一体その性格も意義も不明確であるというふうに論じていたわけでありますが、いまにして思いますと、このハワイ会談も、鶴見・インガソル会談も、ロッキード疑獄の土壌づくりであったということが非常にはっきりとしてきているわけであります。当時副総理であって、首相臨時代理であった三木総理は、このハワイ会談を、日米関係をさらに強化していく基礎として有益だ、いわゆる新しい一章、ホノルル精神を築くことができたと評価をされて、経済問題でもインガソル大使を通じて米国側と話し合いができる、日米関係の基礎は強化されたと思うと大変に評価をされていたわけであります。当然、今日のようなからくりがあるとは三木総理は御存じないまま評価をされたというふうに思うわけですが、現時点で、このハワイ会談を総理としてはどのように評価をされているかを改めてお伺いしたいと思いますが、いかがですか。
○三木内閣総理大臣 いま土井議員から御指摘の昭和四十七年九月一日の田中・ニクソン・ハワイ会談、これは土井議員から関連質問がございまして、これに対して私が答えたその答えを引用されたようでございましたので、したがって、その意味、なぜああいうことを言ったかということを申し上げることがお答えになると思うのですが、九月一日は土井たか子議員の関連質問の日でございました。——いや、四十七年の二月にニクソン大統領が中国訪問をしたわけですから関連質問の日ではございません。これは四十七年の二月にニクソン大統領が中国を訪問後、同年の九月下旬の田中総理の中国訪問を間近に控えて行われた会談であったわけですね。この会談の際、中国との関係改善というものはこのハワイ会談の大きな議題の一つであったわけですね。 そこで、なぜそういうふうに言ったかというと、その前にニクソン大統領が中華人民共和国、ソ連邦訪問をされておったわけですから、非常に意義深い第一歩であったことを認めて、その関連で、総理大臣の来るべき中華人民共和国訪問は、アジアにおける緊張緩和への傾向の促進に資することになるということで非常にそれを歓迎したという、中国問題について両国の最高首脳者が意見を交換をし、評価に対する一致をしたということは——日中関係というものは、これは日本のみならずアジアの安定にも非常に大きな関係があるわけです。そういうわけで、日米間で中国問題に対して意見の一致を見たということは非常に意義の深いものであったということをとらえて、大成功であったという評価の内容はこの問題であったということでございます。いま申したような緊急輸入の問題が評価の対象になったものではないわけでございます。
○土井委員 ただしかし、ホノルル会談というのは重点はその辺になくて、いわゆる国際経済ルールというのを踏まえることなく、緊急輸入という人為的な措置で、当時の日本の黒字国家であるという立場に対しての対米打開策というものをここで求めようというところに主眼があったと思うのですが、それならば、そういうことについていま総理としての御見解をひとつ承っておきたいのです。
○三木内閣総理大臣 貿易上のアンバランスを処理するということは一時的な処理でしょうね。しかし、日中関係において、これだけの日本外交の基軸とも言うべき日米間で意見が一致を見た。しかも、少なからずアジアに対しても影響力を持っておるアメリカとの間に、日中関係に対して意見あるいはまた両国のその政策に対する評価の一致を見たということは、これは大変に大きな外交上の意味を持つわけで、貿易上のアンバランスはそのときどきによってそれは処理しなければならぬので、問題が大きくないとは言わないにしても、やはり日中関係に対する日米の意見の一致に比べたら小さい問題であると私は思うのです。ただ、いまロッキード事件のようなものが起こってきて、そういうことに意味を持たしてくれば、その会談に意味を持たしてくればそれが新たなる問題として提起されますけれども、外交問題の処理としては中国問題とは比較にならぬ小さな、マイナーの意味を持っておるものであるというのが私の評価であります。
○土井委員 しかし、当時の日本の国を代表する立て役者である田中前首相が逮捕されたということは、内外に与える影響は非常に大きいと言わざるを得ないわけです。国内にあって田中逮捕で自民党がどうなろうが、これはあくまで国内問題でございまして、われわれ国民がこれに対しては解決をしていく問題でしょう。しかし対外関係としては、田中個人や自民党の問題だけじゃないのです。日本国、日本国民の評価の問題になってくる。まして、外交交渉が悪の土壌づくりであったというふうなことは重大問題になってくるわけなんですね。恐らく海外でいま仕事をしている日本人は、親きょうだいが犯罪を犯したと同じくらいに、いろいろな対外信用を失ったというふうな気持ちで不安な気持ちを持っているんじゃないか。すでにけさの新聞には各国の論評がいろいろ記されているわけですが、この対外信用を衷失したということに対して一体どういうふうなお考えでこの回復を考えていらっしゃるのか、総理の御所信をお願いします。
○三木内閣総理大臣 今回の事件というものはまことに不幸な事件であって、国際的にも日本の評価に対して土井議員の言われるような影響を与えたことは事実でありましょう。したがって、今後は日本が、こういう受け身の場合だけではなくして、日本も海外に進出する企業があるわけですから、企業のビヘービアとしてこれは大きな反省の材料になる。しかし、こういう事件が起こったわけでございますから、これに対して、総理大臣の前職にあった者といえども不正があるならば、不正の疑いがあるならば、日本は法規に照らしてこれを処置するという日本の民主主義の国としての厳しさというものも一面においてあらわれておる。これを何らの混乱なしに処理して、日本の社会というものからいろいろな不正な行為が排除される方向に歩み出すとするならば、日本の民主主義に対しての評価というものも、いま失われたものは取り直し得ると私は信じておるわけでございます。起こった事件はこれは残念ですけれども、この問題をどう処理するかということに日本の民主主義に対する世界の評価というものはかかっておるということで、私はこの問題の処理が冷静に、厳正に行われなければならぬと考えておる次第でございます。
○土井委員 それでは外務大臣に、時間の関係がございますから一括して、大きな柱から言うと二つ、内容はそれぞれいま質問を一挙に申し上げますので、ひとつ御答弁を願います。 田中逮捕は自民党結党以来最悪の事態であったというふうなことでございますけれども、対外的に日本国民としての最悪事態であってはならないと思うのです。それで、外交をつかさどる外務大臣とされては、対外的に及ぼす影響という意味でこの事件を非常に重視されていると思うのですが、一体対外的に及ぼす影響をどのように理解されているかという質問の前提に立ちまして、以下具体的に、外務省としてはきのうのうちに田中逮捕のニュースを在外大使に打電していると私は考えるわけですが、この点はいかがですか。 それから、恐らく各国ともこの問題は重大な関心をいま持っているに違いない、日本大使に接触していろいろなコメントを求めようとしているに違いない、その場合、どのような態度で日本大使は接すべきであるかというふうな訓令を出されているかどうか、これが一つの柱であります。 もうあと一つは、実は先ほどの江田議員の方からの御質問にも関係いたしますが、例の日台空路再開の問題。昭和四十九年四月の二十日、日中航空協定が締結されまして中断をされた日台空路というのは、五十年の七月の九日の民間取り決め調印を経て九月の十五日に再開された。こういう手順になるわけですね。去る七月の十五日に衆議院のロッキード問題に関する調査特別委員会において、わが党の横路委員が質問をした際、宮澤外務大臣は、日台交渉には正規の情報ルートがなく、経過についてもほとんど御存じないという旨の御答弁がなされているわけですが、日台交渉には一切タッチしておられないのかどうか。また、経過報告を受けたのが七月になってからというようなことを答弁されておりますけれども、それがそのとおりであるかどうか、そこまでを、まあ一気に申し上げましたけれども、一段階としてひとつ御答弁をお願いしましょう。
○宮澤国務大臣 まず第一の問題でございますが、せんだってサンフアンにおきまして先進国首脳会議が開かれました際に、たまたまフォード大統領とじかにお話をする機会が幾つかございまして、私からアメリカの協力を謝するとともに、日本の外務大臣として、このことは国と国との間に起こった問題ではないわけでございますから、徹底的に解明をしていくとして、これは日米両国の国交に影を差すというようなことにはなるべき筋でないが、絶対にそうならないように外務大臣として最善の注意をいたしておりますということをお話をいたし、フォード大統領も同感を示されたわけでございます。日米間については私はそのように努力もいたしておりますし、また国交に何かの関連があるという、本来性格としてそういう性格の問題ではないというふうに考えております。 次に、昨日の田中前首相の逮捕について在外に特別の情報、訓令等を出したかということでございますが、わが国における主な出来事は外務省から一般情報といたしまして在外には毎日連絡をいたしております。したがいまして、事実そのものは在外には直ちに伝わっておることは間違いないと存じます。この問題についての説明ぶり等々を訓令したかということでございますが、いたしておりません。と申しますのは、わが国は開かれた国家でございますから、国で起こっておりますことはあけすけに世界にそのまま伝わる、私はそのことを、そういう体制は誇っていいというふうに考えておりまして、したがいまして、この事件をどのように解釈し、どういうふうに説明するかというようなことは政府が訓令をいたすべき事柄ではない。やはり世界の人々が事件を知ってその人なりにこれを解釈すべきものであろう、わが国の体制はこのような事件について国が統一的な解釈をするというような体制ではないというふうに私は考えておりますので、したがってそのような訓令をいたすということを考えておりません。それから、そのことは、結局は先ほど総理が言われましたように、これははなはだ重大な出来事でありますけれども、この事態に日本の民主主義は対処するだけの力を持っていますし、また、それに正しく対処をすることによって日本の姿というものを外国に知ってもらう、そのままのことを知ってもらうということが一番いいことではないかというふうに考えておりまして、特段の訓令をいたすつもりはございません。 それから日台の航空交渉のことでございますが、これは先般横路委員にお答えをいたしたとおりでございます。私が交渉に関与をしたかということでございますが、これは日台という国交の関係はないわけでございまして、交渉というものも、したがって政府間交渉というものがあり得るはずはありませんで、両方の民間の協会が話をしておったものというふうに考えます。したがいまして、政府機関であります私どもがそれに関与をするという性格のものではございません。このことの結果について七月ごろまで知らなかったのかということでございますが、ただいま申し上げましたような経緯でございますから、横路委員にお答えをいたしたとおりでございます。
○土井委員 これで持ち時間が終了いたしましたが、いま宮澤外務大臣の方から、日台路線再開について再度確認される向きの御答弁がございました。だが宮澤外務大臣、国会における答弁というのは、私、実は重大だと思うのです。宮澤外務大臣自身が日台空路再開に関係をしておられたというふうな資料が実は続々と社会党に入ってきているのです。それらの資料は、宮澤外務大臣自身が三木総理にも知らせないで当初から日台空路再開の交渉に参画、関与していたという経過を具体的に物語っていると言えるわけなんですよ。後日これらのことは、当時の条約局長やアジア局長にも御出席をお願いをして明らかにされていくであろうということをきょうは申し上げておいて質問を終わります。以上、ありがとうございました。
○鯨岡委員長 土井たか子君の質疑は終わりました。 正森成二君。
○正森委員 三木総理大臣にまず伺っておきたいと思います。わが国は防衛庁があり、自衛隊が存在しておりますが、シビリアンコントロールの原則からいって、その大きな方向というのは政府の外交方針、そういうものに従わなければならないと思いますが、いかがですか。
○三木内閣総理大臣 日本の防衛政策はやはり外交政策の大きな影響を受けることはお話しのとおりでございます。
○正森委員 また、三木総理は、ただいま同僚議員の質問に対する答弁の中で、米台条約というのはわが国がここでとやかく言わない方がいいと思う、あるいは米中関係のことは米中間が決めるべきことである、こういうぐあいに御答弁になったと思います。ところが、私がついこの間、七月十四日に決算委員会で防衛庁の丸山防衛局長に来ていただきまして質問をいたしましたら、宮澤外務大臣の米中関係の急激な変化は好ましくない、こういう答弁をそのまま是認いたしまして、米台関係を含めてその方面の状況が急激に変化しないで、徐々にならいいけれども、急激に変化しない方がわが国の防衛にとってよろしいということを明白に答弁したわけであります。このことは、米台条約という言葉は使っておりませんけれども、急激な変化は好ましくないということは、すなわち米中国交正常化が、米台条約に何らかの影響を与えるようなかっこうではこれは好ましくないということをわが国の防衛庁当局が言明したものにほかなりません。これは、少なくとも三木総理の米台条約等について云々することは好ましくないという考え方には反するものであると思いますが、いかがです。
○三木内閣総理大臣 防衛の当局者というものは常に事態の安定というものを考えるのですね。そういう場合に何か革命的な変化というものは安定を害し、変化があることは当然ですが、それは徐々に変化していくことが好ましいという一般的なフィロソフィーを防衛当局というものは持っているものなんですね。したがって、そういう自分の考えておる一つのフィロソフィーみたいなものがそういうときに出たのでしょう。米台条約について日本がこれは続けてもらいたい、早くやめてもらいたい、評価をすることは適当でない、私はそう信じています。
○正森委員 いまそういう御答弁でありましたが、昭和四十七年の日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明の第二項では「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。」三項では「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」こう定められてあります。したがって、わが国は当然その立場として、台湾問題というのは中国の内政問題である、こういう考えを貫かなければなりません。その立場からすれば、台湾をいわば一つの国と認めて、それとの間に相互防衛条約を結んでおる米台条約というのは、日中共同声明の精神からすればそもそも相入れないものであります。ましてや、それが急激に変わることは望ましくない、つまりあった方がいいということを何人が聞いても理解し得るような見解を外務大臣がブリーフィングで発言をしたり、あるいは、それが国会で問題にされた後でも、なおかつ防衛局長がそれに沿う発言をするということは、日中両国の永遠の友好の立場から考えて、また日中共同声明の精神から見て、絶対に好ましいことではない、こう思いますが、最高指導者である総理の明白な答弁をお願いしたいと思います。
○三木内閣総理大臣 私はしばしば申しておるように、アメリカと台湾との関係というものは二国間の関係ですよね。そういうことですから、日本がこれに対してとやかく口を差しはさむべきではない。これは私の基本的な考え方です。
○正森委員 それでは、非常に失礼な言い方ですが、先ほど外務大臣の釈明がありましたが、外務大臣のあのようなブリーフィングの仕方ということ及び丸山防衛局長の答弁の仕方というのもこれは好ましくない、こう言明されたと承ってよろしいか。
○三木内閣総理大臣 外務大臣もこの月の十三日の外務委員会で、アメリカと台湾との関係、こういう関係について第三国がとやかく言うものではないということを大前提としてマンスフィールド上院議員と話をしたのだ、こういうことですから、私の言う原則と外務大臣の考え方が違っているとは私は思ってないわけです。
○正森委員 それにもかかわらず、諸新聞に一斉に報道されたことについて、外務大臣はみずから、自分の言ったことを記者が間違えて報道しているとは思わない、ブリーフィングの仕方に不用意な点があったということで、いわば、言葉は悪いですけれども、遺憾の意あるいはもっと慎重にこれからはするという意味のことを言っておられます。三木総理のいまの発言は、その外相の自分自身に対する評価を肯定しておると見てよいですか。
○三木内閣総理大臣 私もいま聞いておったわけですが、不用意であったというわけですが、宮澤外務大臣が外務委員会で述べたアメリカと台湾との関係に対する原則、これが三木内閣の方針であることを御承知願いたい。
○正森委員 それでは次に進みたいと思いますが、先ごろサンフアンで七カ国の最高首脳の会議が行われたことはわれわれが承知しておるところであります。ところが、西独のシュミット首相が十六日、ワシントン・ポストのインタビューに応じて、サンフアン会議でアメリカ、イギリス、フランス、西独の四カ国首脳の間で、イタリアに共産党議員が参加する政府ができた場合にはイタリアへの金融援助協力をしないということで合意した、こういうことが報道されております。そして七月の二十日にアメリカのホワイトハウスでネッセン報道官が、フォード大統領はこれに反対ではない、アメリカの立場はシュミット首相が述べたことと実質的に同じである、こういうぐあいにこれをさらに肯定しているわけであります。そこで、サンフアン会議に参加された三木総理としては、これは四カ国のことであって日本はいささかも関与していない、こういうように思いますが、それは間違いございませんか。あるいは、関与していないにしても、四カ国の間ではこういう合意があったことは事実ですか。
○三木内閣総理大臣 サンフアン会議ではほとんど一緒にいたのですよ。最後のときには七カ国の首脳同士でほかの者は入らない昼食会もございましたが、そういう話は私らのおる席で一回もないわけでございますから、私は全然承知しておりませんし、無論日本がそういう措置に対して関与すべき問題ではないわけでございます。
○正森委員 いまそういう御答弁でありましたが、シュミット西独首相はこれが新聞紙上で問題になりましてからも公然とは否定しておらないわけであります。したがって、そういう合意が三木総理の御存じないところでサンフアン会議で行われたであろうという推測は十分に働くわけでありますが、少なくとも日本は関与していないという答弁はいただきました。 そこで、あえてお伺いいたしますが、このような決定というのは、これはイタリア共産党や社会党はもちろん、キリスト教民主党までがこれに対して恐喝であるとかあるいは横暴な内政干渉であるとか、あるいは言わずもがなのことであるとかいうように反撃していることにかんがみて、こういう立場は民族の自決権に反するものであり、内政干渉を構成するものであり、決して好ましい諸外国首脳の態度ではないと思いますが、その点についてどうお考えになりますか。わが国はこのような考え方というのは好ましくないということを言明することができますか。
○三木内閣総理大臣 この問題はどういういきさつでそういう話になったのか、詳細を知らない私からそういう他国の方針に対して批評することは適当でないと思いますから申し上げませんが、わが国としては何らそういう措置をとる考え方はないわけでございます。
○正森委員 御自分の目の前で承知しておらないということではございましょうけれども、しかし、諸新聞の報道しているところでは、西ドイツ・シュミット首相がそういうことをワシントン・ポストとのインタビューで行って広く報道されたこと及びその報道があってからなおかつホワイトハウスのネッセン報道官が、フォード大統領がそれに反対でないということを言われて、全世界に周知されていることは事実であります。 そこで、そのようなことにわが国がくみするものでないということはもちろん、そういう考え方も民族の自主性といいますか、国家の独立の観点から好ましくないということは、わが国の総理として言明していただいてしかるべきじゃないか、こう思いますが、いかがでしょう。特に議会制民主主義によって、国民の総意によって選ばれたその国民の内閣の構成についてとやかく注文をつけることを肯定するということは、議会の子である三木総理としても決して本意なことではない、こう思いますが、いかがでしょう。
○三木内閣総理大臣 いまの御質問ですね、いま外務省の持ってきた資料では、西ドイツ政府もサンフアン会議でそういう決定がなされたのではないという否定する声明を出しておりますから、サンフアン会議ではなかったということは、いわゆる問題の西ドイツ政府が否定するぐらいですから、さように御承知を願いたい。それから各国のいろんな方針については、それはやっぱり各国の国民がその政府を選ぶわけですから、他国の外交方針に対して好ましいとか好ましくないとか日本の総理大臣が言うのはどうでしょうかね。私は、そういう発言は適当ではない、こう思うわけでございます。それに対する批判は、あるいは世界の世論もございましょうし、自分の国民、ドイツ国民がされるものだと思います。
○正森委員 答弁の中で、少なくともわが国がそのような経済援助を行わないというようなことに関与する考えはないということは明白に答弁されたと思います。 そこで、私は昨日逮捕されました田中前総理の問題について一言だけ伺っておきたいと思うのです。 容疑によりますと、丸紅の檜山を通じてロ社の金を五億円受け取ったということになっており、しかも、報道によりますと、八月ごろに檜山氏と事前に会って、それがロッキードのお金であるということを十分に承知して受領された、こういうことが報道されております。私は、一国の総理というものが正しく説明のつかない金を受領するということも問題でありますが、被疑事実が外為法違反であるということからも明らかなように、一国の総理が外国から金をもらうというようなことは、問題の性質上大変なことである、こう思いますが、総理はこの点についてどう思われますか。
○三木内閣総理大臣 外国から資金が入って、それによって日本の政治が動かされるということは絶対にあってはならぬことだと思いますが、具体的な田中氏の事件についてはただいま取り調べをされておる最中でございますから、これに対して言及していろいろ申し上げることは私は適当でないと思います。
○正森委員 私は一つだけ問題を提起したいと思います。 二月六日のチャーチ委員会でのチャーチ委員長とコーチャン氏とのやりとりの中でこういう言葉が述べられております。「これらのNATO同盟国空軍のトップクラスの将軍が収賄し、それによって弱みをにぎられ、恐喝される危険な立場に身をおくことになるということを、あなたは一度でも考えたことがありますか。」続いて「上層部にいる人間が利用され、ゆすられ、あるいは脅迫されうるというごとも。」云々という言葉があります。つまり、チャーチ委員長は、一国の政府の高官が外国から金をもらうということは弱みを握られ、ゆすられ、恐喝されることである、だから許せないんだということを言っているわけであります。そして、不幸にも——その金の趣旨についてはなお究明されるでありましょうが、わが国の田中前首相がそういうゆすられ、あるいは脅迫される立場に身を置いておったということも事実であります。 そこで、私は伺いたい。 このお金は昭和四十八年八月九日から四十九年二月の間のことであります。同じくチャーチ委員会での証言によりますと、コーチャン氏はトライスター売り込みについては六八年から始まって七〇年、七一年、七二年と規模が拡大して、七二年に終了した、こう言っております。つまり、この金は、七二年というと昭和四十七年ですから、それ以後であります。そうすると、この金が次期対潜哨戒機P3Cの導入に絡んで動かされた可能性が非常に強いわけであります。そうなると、日本の国防に関することについて、一国がゆすられ、恐喝されるという危険を冒したことになります。かつて私は予算委員会で質問いたしましたときに、総理は、いやしくも国民の疑惑を招くようなことは次期対潜哨戒機の導入についても絶対にしない、こう言われました。いまやその疑惑がいよいよ明らかになっておるときに、P3Cについて来年の予算においてやることはもちろん、疑惑を招くようなそういう飛行機の輸入はやらないということを言明していただくことができましょうか。
○三木内閣総理大臣 この金の性質、その金をもらったことが日本の政治、政策決定にどういう影響を持ったとか、これは今後の取り調べによって明らかになる問題だと思いますが、こういう問題が、P3Cという対潜哨戒機の機種の選定にいろいろ問題を起こしておるわけでございますから、対潜哨戒機の機種決定については、国民の納得を得られるような慎重な態度をもって決めたいと考えております。
○正森委員 時間がございませんので、あと一問だけ聞かせていただきます。 わが国が国際社会に復帰いたしましたときに、日本が世界人権宣言の目的を実現するために努力するということを、その声明の中の前文で言っておることは周知のことであります。ところが、その国際人権宣言を事実上各国において実現するための国際人権規約というのができまして、それにつきましてすでに発効しておる。わが国もそれに賛成をしたということがございますのに、まだ署名をしておらず、国会にも何ら提起されておらないということが事実でございます。これはわが国の国際信義の上からいいましても非常に好ましくないことであり、また、わが国が憲法の中で三原則の一つに人権の擁護、基本的人権の確立ということを言っておる上でも非常に好ましくないことであると思いますが、なぜそのように署名しあるいは国会に提案することがおくれているのか、それについてどういうような態度をおとりになるのか、最後に伺っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 このような国際人権規約というものは、基本的にわが国にはもとより異存のある問題ではないのでありますが、実はそれを正式にわが国で実施をいたすといたしますと、現在の国内体制そのものが十分に整っていない点が幾つかございます。これはわが国自身が、憲法を初め、わが国民を対象にしたいろいろな施策を考えておるということであって、外国人とわが国の国民とをいろいろな施策において——外国人までを含めて施策の対象にするという考え方が従来十分に熟しておりませんために、そういうこともありまして国内の体制の整備を待ちませんと、この規約を実施したといいましても、厳格に申しますと体制はそれに沿っていないということになってしまって、実は誠実な実施だということになりがたい点がございます。したがって、基本的にはわが国の体制そのものを、この規約を受諾し、実施をするにふさわしいものに急速に整備をしていくことが必要であろう、むしろその方を急くべきだと考えておるわけでございます。
○正森委員 この国際人権規約には御承知のようにA規約とB規約とがございまして、A規約については、これはまだ生存権的な権利ですから、不十分な点がありましても、漸進的に改善していくということで批准ができるということになっております。ですから、いま外務大臣が問題を挙げられました外国人を対象としていないというのは、恐らく、移転、居住の自由という点についてわが国では一定の制限を課しておるが、この国際人権規約では制限がないというような点を指しておられるのだと思いますけれども、この場合でさえ国際人権規約は、非常事態の場合には制限し得るというようになっており、わが国の法制と大きな差異はないわけであります。したがって、政府において批准しようという気になれば、国際人権宣言を事実上各国において実現するものである国際人権規約というのは、十分に署名及び批准をし得る体制になるものであるというように考えているのです。ですから、たとえば核防条約を批准しなければいろいろ発言権がないということをかつて核防条約の審議のときに言われましたが、そうだとすれば一層、わが国が世界に誇るべき問題は、基本的人権をわが国では確立しておる、自由と民主主義の国であるということでなければならぬと思うのです。それについて何ら署名もされておらず、また批准に伴う努力もされようとしておらないということは、この点においてわが国の政府が怠慢であるというように世界から評価されてもいたし方ないと思います。聞くところによれば、外務省筋でも、在外の外務官吏が肩身が狭いと言っている向きもあるようであります。これについて、どういうような措置を早急におとりになる決意があるか、それを伺って、時間でございますから質問を終わりたいと思います。
○宮澤国務大臣 このような条約を批准いたしますときに、国内体制の整備と批准とを非常に厳格に考えます国と、比較的緩く考えて批准をする国と両方あるようでございまして、わが国はそこを従来から非常に厳格に考えてまいっております。これはILOなどにつきましても、御承知のように同様でございます。私は、そのことはいいことである、多少のことはどうでも、批准をしておけというような考え方はやはりとるべきではないというふうに思いますので、したがいまして、全く一〇〇%とは申しませんけれども、わが国としてその方向にある時間のうちには動いていけると うところまで見きわめまして批准をするのが本当であろうというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、問題の基本は、そのような体制を整備していくということに政府として努力をするのがまず先決ではないかというふうに思っております。
○鯨岡委員長 正森君の質疑は終わりました。 次は、渡部一郎君。
○渡部(一)委員 お伺いいたします。 昨日の田中前首相の逮捕に基づきまして、わが国の外交に対しても大きな注目が集められていると思います。すなわち、日本にとりまして重要な外交課題であります日中国交正常化につきましても、田中総理時代にわが国の結びました日中共同声明を、わが国がその後どういう形で維持するかについて、言うまでもなく外交上の継続の原則を適用するかどうかについても改めて政府の所信をいただかなければならないと思うわけであります。 日本政府は、田中前総理の、その罪状は非常に問題があるのではありますけれども、この日中共同声明という大きな方向づけと前進に関しては、これを堅持なさるおつもりであるかどうかについて、三木総理に改めてお伺いしたいと存じます。
○三木内閣総理大臣 日中共同声明は、田中氏がああいう不幸な事件で逮捕されましたけれども、いささかも共同声明の諸原則は後退を許されない。やはり、これを基礎として日中の友好関係は推進されなければならぬということがもう変わらない方針でございます。
○渡部(一)委員 三木総理は今年の冒頭において、今年は日中平和友好条約の締結の年にしたい旨、国会の施政方針演説においても明らかにされたわけであります。そのときの御決意は変わらないかどうか、もう一回お尋ねしなければならぬので、あえてお伺いいたします。
○三木内閣総理大臣 先ほども私述べましたように、いろいろな障害もございました。たとえば、周総理の死去ということも一つでございましたが、私が予定しておったよりもおくれておりますけれども、日中の平和友好条約を早期に締結したいという考え方は変わってはおりません。
○渡部(一)委員 おくれているとおっしゃいましたのは、今年を締結の年にするという、今年という時間を切って前は言われましたが、その時間を切るのはむずかしいけれども、急ぐという意味でおありになるのか、それとも今年締結するというその意思に基づいて、依然として努力するという意味でいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○三木内閣総理大臣 こういう問題にいつまでという期限を切ることは必ずしも適当ではないと思いますが、そういういつまでという期限は切れませんが、できるだけ早く、これはもう長い間の懸案ですから、妥結をしたいと考えておるわけでございます。
○渡部(一)委員 外務大臣の去る七月九日の参議院外務委員会における御発言、また七月十二日のマンスフィールドに対する御発言等について、中国側から実質的な抗議があり、またプラウダがこれを論評するなど、さまざまな国際的な波紋があらわれておりますがゆえに、日本側の日中問題に対す態度というものが改めて問い直されておるのではないかと思います。先日の衆議院外務委員会におきましても宮澤外務大臣からもいろいろ伺い、いまもいろいろ伺っているわけでありますが、私は、これは要するに日中平和友好条約交渉を前に進める気持ちがこちらにありさえすれば、問題としては片づいていく問題であり、いまの総理の御答弁が実施に移されるならば、問題としては氷解すべき問題ではなかろうかと一つは思っております。 そこで伺うのでありますが、問題の一番焦点になっております覇権問題に関する両国政府の意見の交換はしばしば行われているはずでございますが、わが方側から申し述べた覇権問題に対する四つの見解は向こう側に伝わっているものと私は思っておりますし、向こう側の覇権問題に対する見解も、わが国政府については十分受け取られているものと思っているわけでありますが、その辺の事情を外務省当局の方から、局長から御答弁いただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 この点は、昨年九月に中国の外務大臣と私とが国連で会いました際に話をいたしまして、今後条約交渉は両国の外務当事者が責任を持って、そして外部に不必要な内容が漏れないように進めていこうという約束をいたしております。 ただいまお話しの点でございますけれども、私は御質問には肯定的に御返事ができると思いますが、ただ、どのようにどうなっておるということは、そういう合意もございますので、詳しくこの席では申し上げないことが信義を守るゆえんかと存じます。
○渡部(一)委員 問題の覇権条項を中国側のかねてから主張しているとおりの形で条約本文に入れて、最近中国との国交を開いた国がフィリピンを初め数カ国あると聞いておりますが、それらの国々はどこの国でございますか。
○中江説明員 まず最初に、問題の所在でございますが、アジアの国で覇権反対条項を中国との間でうたっておりますのは、いずれも日本が一九七二年の九月二十九日に発出いたしましたと同じ共同声明という形で、その中でうたっておるわけで、条約の中でうたっているということとは問題は少し質が変わるかと思いますが、共同声明の中でそれをうたっておりますアジアの国といたしましては、フィリピン、タイ、マレーシア、こういう国があるというふうに承知しております。
○渡部(一)委員 わが国につきましても、この覇権問題に関する両者の応酬というものが、かなり精密な形で両国外務大臣の手で話が詰められているということは、すでに外交当局の詰め合う過程の問題というよりも、政治的決断の問題としてこの問題が煮詰まりつつあるのではないかと私は思いますが、いかがですか。
○宮澤国務大臣 先ほど私が小異を捨てて大同につく云々と、以前からある言葉でございますけれども、そのような表現をいたしましたのも、渡部委員の言われたような要素も含んで申し上げたつもりでございます。
○渡部(一)委員 総理、そうしますと、ただいまの外務大臣のお話を承れば、まさに外交交渉の、特に東洋の中国という国を相手にする交渉の場合は、首脳交渉こそが非常に大きな比重を持っているものと思われます。まさに総理が決断をなさいまして、外務大臣が詰めに詰めて、最高の水準まで詰め上げられたところを、さらに一歩進んで詰めるためには、総理が訪中されてこの問題を詰めるというような形がどうしても必要になるのではないかと私は思うわけであります。遺憾でありますが、とこのところで三木総理の実行力が、まさに国民注視の中で試されている時期であると私は思うわけであります。もちろん、ロッキード事件をやっている真っ最中で、自民党内閣としての三木内閣が強いか弱いかという議論は、それはあると思います。しかし、私は、ここでは三木総理という人と、それに続く総理がどうなるかは別といたしましても、日本のいま歴代の総理が、少なくともこの現時点において力を注ぐべき重要なテーマであることは変わりないという立場から、総理がこの問題について決断をなさることがまことに重大な、意義のある時期が近づきつつあるのではないかと思うわけであります。その点、総理の御意思を鮮明にしていただきたいと存じます。
○三木内閣総理大臣 日中の平和友好条約、この締結、それと領土問題を解決して、日ソの平和条約の締結というものは、日本の外交の大きな懸案であると思います。日中の平和友好条約の締結は、相当いろいろ話が行われてきたわけでございまして、私が適当な時期であると考えるならば、私自身が訪中をすることをいとうものではございません。しかし、その時期の判断というものはいろいろな角度から検討されなければなりませんし、その前にはいろいろと両国でもう少し話し合いをしなければならぬ面もあると思いますが、いまの御質問の、必要があれば訪中も辞さぬかということについてはそういう考えでございます。
○渡部(一)委員 総理はさらに非常に一歩前へ進んだ御答弁をなさいましたが、そうすると、総理はそういう適切な時期を見出すようにいま選択中であるとも考えられますし、そういう時期をつくり出すためにむしろ努力をする、こういう意思だと理解してよろしゅうございますか。
○三木内閣総理大臣 これはできるだけ早く妥結をすることが日中両国のために好ましいと考えますからそういう努力をいたしますが、いまのお答えは、御質問に対しての私の基本的な姿勢として申し上げたわけでございます。
○渡部(一)委員 宮澤大臣の御発言の先日の議事録を私はもう一回読み直してみまして、非常におもしろいことを一つ発見したわけであります。それは七月十二日の宮澤・マンスフィールド会談における外務大臣の御発言がございまして、その中にありますことをめくっておりましたら、大臣はその御発言の中で、フォードさんとの御関係においてこういうことを述べておられます。ここは引用させていただきますが、「先般ワシントンにおいてフォード大統領から、米中関係については急激な変化というものは考えていないし、タイムテーブルも実はできていないというお話があったように承知をしておるし、また同様なことは私がキッシンジャー国務長官と先月末にパリで話をしたときにもありました。私の思うところでは、恐らくこれは、さきに申しましたような東南アジアの情勢等々をお考えの上でフォード大統領なりが決定せられた政策であろうと考える」そしてその後少し抜かしまして、「ただいまの段階でフォード大統領なりキッシンジャー国務長官がそういう政策を示しておられるということはわが国としても同意できるところである、こういうことを申しました」というふうにございます。前後多少省略してございますが、つまり、外務大臣は、マンスフィールドさんとの間で口が滑って何かをおっしゃったのではなくて、フォード大統領あるいはキッシンジャー国務長官の御意向、フォード大統領のお話は、これは総理にお話しになったようでありますが、米中関係についての急激な変化というようなものはアメリカとして考えていない、タイムテーブルもつくってないのだ、そういうのにわが方側は総理も、外務大臣も同意した、賛同したということがここに述べられているわけであります。したがってそれと同じことを、外務大臣はマンスフィールド氏との会見の際において、少なくともマンスフィールド氏の後ろには、フォード氏にかわってアメリカの大統領になろうかというカーター氏の影があることは、もう当然の知られた事実でありますが、同じように米中関係の急激な変化は好ましくないというのがアメリカ側の政策であるということを念頭に置いた上で、同様の印象を逆にこちら側からマンスフィールド氏に言われたのではなかろうかと私は思うのですが、この辺いかがですか。
○宮澤国務大臣 マンスフィールド氏からフォード大統領のそのような政策をどう考えるかというお尋ねがありましたので意見を申したのですが、しかし、その意見を申したことが、つまり誤解を招いたわけでございますので、アメリカが考えておるような台湾というようなものはわが国にとってはないわけでございますから、そのことは、そのアメリカの考えておる台湾というようなものについて私は言及をするつもりはなかったわけでございますけれども、あたかもそういうふうな誤解を結果として生んだということは、私のブリーフィングの仕方が不用意であったというふうに思っておるわけでございます。
○渡部(一)委員 総理は、米中関係の急激な変化をアメリカ側が、フォード大統領がしようと思っていないということについて賛成するお立場でおられるのですか。
○三木内閣総理大臣 賛成も反対もありません。それは米中間の問題として考えるべきだと考えております。
○渡部(一)委員 そうすると、ここに書かれております宮澤大臣の御発言は、総理の御意向を少し曲がって伝えたということにもう一つなりますが、どういうお立場になりますか。
○三木内閣総理大臣 宮澤外務大臣もこの委員会で、米中関係というものは米中の二国間の関係で、第三国がこれに対してとやかく言うものではないということが、私の米中関係に対する基本的な考え方であるということを外務委員会で述べていられますから、それが宮澤外務大臣の考えておる米中関係に対する基本的な考え方であると承知しておりますし、私の考え方とこれが食い違っておるとは思っておりません。
○渡部(一)委員 議事録をもう一回ごらんいただいて、その辺の論旨を整理していただいた方が私はいいのではないかとこれは思います。 それから、私もこの問題、余り詰めるつもりはございませんが、もう一つ、やはり外務大臣として私は公平であっていただきたいなという感じがするわけであります。たとえば北方領土について中国側の方が日本の中を旅行されて北海道で発言される。それはいけない、それは好ましくない、二国間関係だからやめておいてくださいと御発言になる以上は、同じように、今度はほかの、名前は申しませんが、ほかの国の大使が、日本の他国のAの国の大使が、日本のBの国に対する行動に対して、運動したり陳情したりあるいは恫喝したり、発言したりすることについても、やはりそれは差し控えられた方がいいではありませんかと言うのもやはり同じように言わなければならないのではないか。それがありませんと、やはりここだけちょっと重みをかけたというニュアンスになりやすい。それでなかったら、全部禁止するか、全部許すか、どっちかだろうと私は思いますし、その辺、念を押すまでもないとは思いますけれども、外務大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 それはごもっともなお尋ねであると思います。この御質問は、参議院の外務委員会において秦野委員がなさった質問でございますが、御質問の趣旨は、北海道におきまして、ことに北海道の人々は漁業ということには非常に関心の強い人々でございますが、そのことを頭に置いて、領土問題との関連でいろいろ動きをする国があって、それは北海道の漁民にとってははなはだ迷惑なことであるということが御質問の発端であったわけでございます。そのような某国の動きに対しては、私どもその都度実は御注意をいたしております。ですから、実はあの御質問と答えの本質は、他の国がそれに対抗してまた議論がいろいろになりますことは云々と申しましたのは、漁業に非常な影響力を持っておる国が、いわばそれをてことでも申しますか、材料にして、北海道の人々を苦しい立場に追い込んでおる、そういうことをさらにエスカレートさせますと、困るのは北海道の人々でございますから、という趣旨であったのであって、事の起こりは、実はいま渡部委員の言われたそのことの方にございましたので、これは参議院の外務委員会の速記録をお読みいただきますと明らかでございますが、ちょうどいい機会でございますから、まさにそのように考えておるということを申し上げておきます。
○渡部(一)委員 時間がありませんので、これで終わります。
○鯨岡委員長 渡部一郎君の質疑は終わりました。 次は、永末英一君。
○永末委員 田中前総理時代に日中国交正常化が行われましたので、田中角榮という政治家についての中国の評価が非常に高かった雰囲気がございました。その政治家が昨日逮捕されたということは、今後の日中関係について影響があるのではないかという心配をされる向きもあります。総理はどのようにお考えですか。
○三木内閣総理大臣 私は、三木内閣は外交の継続性の上に立って外交を進めていこうというわけでございますから、そのことによって、日中の外交関係に影響があるとは考えておりません。
○永末委員 こういう疑獄問題等々の取り扱いにつきましては、外国から見ればなかなかわからぬことがたくさんあると思うのですね。したがって、政治家のこれらに関するかかわり合いの度合いにつきましても、やはりいろいろな評価があるのではないかと思われます。 先ほど外国に対しては別段説明することはないという話がございましたが、いま総理は、外交の継続性の観点からいささかも変わりはないという主観的な意思の表明はされました。しかし、特に日中関係でもし中国側にそういう一つの評価ありとするならば、事情の説明をする必要があるのではないかと思われます。総理はどうお考えですか。
○三木内閣総理大臣 中国側としても、やはり田中前総理にああいう事件があったことによって、日中関係の基本が変化を来すというような評価はしてないのではないかと思うのです。なぜならば、日中共同声明というものは不動の、日中間の将来を規定する一つの大きな取り決めですからね。これによって実務協定も行われておるし、これからの日中関係も推進されていくのですから、それはちゃんとあるわけですから、これは田中であろうが、三木であろうが、だれであろうが、この共同声明の基本的な原則を変えることはできない。そういうことで、ああいう不幸な事件が日中関係の基本に影響を与えるというふうには中国側も考えていないものだと私は思います。
○永末委員 先ほど宮澤外務大臣は、同僚議員の質問に答えまして、北方領土問題に関して中国側が言及したことについて、それは日本とソ連との問題であるから、そういう言及については好ましくない旨の御注意があったという話でございますが、すなわち、わが国内においてそういう話があることが好ましくないのか、それとも、そもそも北方領土問題は日本とソ連との間の話であるから、それ以外の国が言及することが好ましくないのか、その辺をひとつ御説明を願いたい。
○宮澤国務大臣 わが国内でということでございます。参議院の外務委員会における秦野委員の御質問の要旨は先ほど申し上げたとおりでして、わが国内、ことに北海道におきまして昨年以来そういうことがときどき起こっておりまして、漁業に非常に関心の高い北海道の人々が困った立場にございますので、どうぞそういうことにしないでほしいということを申しましたので、おのおのの外国の首都において、あるいは国連等いろいろの国際の場において意見を言われることは、これはもう私どもがとめられることでもありませんし、また何も言うべき筋合いではないと思います。
○永末委員 これが一般化されて、中国側が一般に領土問題に関してソ連の態度を取り上げて論評することは多うございます。特にアジアにおきましては、日本とソ連との間にかかわり合いのある北方領土問題について言及することはございました。そのことについてはあなたは言及されたわけではございませんね。もう一度確認しておきます。
○宮澤国務大臣 そのことについて言及したわけではございません。
○永末委員 それはソ連側からいたしますと、日中平和友好条約の中にかかわる、いわゆる覇権条項についていろいろなことをまた言っておるわけでございまして、この点についてもあなたは何も言われませんか。
○宮澤国務大臣 外国の政府がいわゆる国際関係、外交関係についていろいろ論評するということは、これは自由でございますので、それについて私はどうこう申そうと思いません。
○永末委員 総理、いまお聞き及びのような問答を外務大臣としておるのですが、総理も同じお立場でございますか。
○三木内閣総理大臣 そうです。
○永末委員 総理に一つ伺いたいのは、六月の初めに、閣議でもって「日本の防衛」という報告書が了承されて、これが国民の目に映るに至りました。この中にはやはり国際情勢に関するある一つの見方が、特にまた防衛という観点から紹介をせられておるわけでございます。したがって、総理はこれを恐らく御通読されたか、その骨子は御存じだと思いますが、わが国のわが国周辺に対する立場というものが果たして平等であるのかどうかという点について、どのように御判断をしておられますか。——平等という言葉を申しましたが、もう少し具体的に御質問申し上げましょう。 この「日本の防衛」の中の第一章「国際情勢の動き」でございますが、その中で「わが国周辺の軍事力」という項がございまして、精細に分析がしてございます。ソ連に関しましては九ページにわたり九十二行説明が加えられておる。そして、その中には四つの図面すら加えられておるわけでありまして、中国につきましては三ページにわたり三十九行説明がされておる。というようなことでございまして、この「日本の防衛」に関する限り、ソ連の軍事的情勢につきましてはきわめて精細に報告されておるということは、日本国民に対してソ連の動向に非常に多くの関心を払うべしという注意を喚起しているのではなかろうか。したがって、これは日本の防衛という一つのテーマに即した国際情勢の分析でございますが、そういう意味合いで、日本外交の方針としては、つまり双方とも平等に扱っておるのか、それともやはりそれぞれの性格を踏んまえて対処しようとしておるのか、その辺を伺いたいということであります。
○宮澤国務大臣 これは便宜私からお答え申し上げますが、これにも述べておりますように、ソ連の軍隊によるわが国周辺への、ことに海、空の動きは相当顕著でございますので、この「日本の防衛」という白書はそのことについて国民に実情を説明するということをいたしたものと考えています。 中国につきましてはそのようなことがございませんから、別段そういうことをあれこれ指摘いたしておりません。 外交の問題につきまして、わが国としましては、無論中国との友好関係も最善になることを欲しておりますし、ソ連とも友好関係を続けなければならないというふうに考えておりまして、その二つのことを差別をつけて考えるということはいたしておりません。
○永末委員 外交はもちろん友好を保つために行われるものでありますが、しかし、その相手国がそれぞれ強大な武力を持っておる。その武力が実際に志向せられる方向はどこなんだということは、やはり友好外交を展開する上におきましても重要な判断の基準の一つになる問題ではないかと私どもは思います。 さて、そういうことでございますればこそこういう防衛白書が出たと思いますが、特にまた防衛庁の各自衛隊が展開をいたし、あるいはまたその演習をしている規模から見ましても、そういう実態はこの日本の防衛白書にあらわれている情勢分析に相応しておるのではないかと私どもは思いますが、総理はどう思いますか。
○宮澤国務大臣 便宜私からお答え申し上げますが、わが国の自衛隊がいわゆる仮想敵というようなものを考えておりませんことはしばしばこの国会で申し上げておるとおりでございます。このことは明らかにいたしておきたいと存じます。 同時に、わが国周辺における外国の軍隊による演習、訓練等々につきましては、防衛庁当局として当然のことながら関心を持ち、また、この白書の形をもちまして国民にもお知らせをしたい、こう考えておるものと存じます。
○永末委員 この防衛白書にも、たとえば昨年行われましたソ連のオケアン第二次演習の模様も紹介され、特に太平洋方面におけるこの演習については図まで添えられて説明がされております。そして最近におけるソ連のわが日本列島周辺における艦船の動き、目的並びに航空機の飛行の状況等も図示をされておるのでございまして、これらのソ連の動き、一体何のためにしておるのかということについて、過般この委員会で防衛庁当局の見解をただしましたところ、その一つは日本が念頭に置かれておる、こういうのでございまして、総理はこういう動きについてどういうように判断をしておられますか。
○三木内閣総理大臣 永末君も御承知のように、最近にソ連は、太平洋艦隊、これを増強していることは事実です。だから、日本というものを目当てというふうには考えられませんけれども、太平洋地域における海上の戦力というものを増強したということに対して、いわゆる防衛庁としては、日本防衛の見地からこれに対して重大な関心を払うことは当然のことだと思います。
○永末委員 総理大臣というのは国防会議の議長でもございますし、そして一たん有事の場合には閣議で方針を決める、その閣議の主宰者はあなた、総理大臣でございまして、したがって、もしこの「日本の防衛」というような報告書が出ましても、印刷物が公布されたからそれで終わりだというほどのものでもあるまい。したがって私は、あなたが一体どういうような平和と安全に関する関心をお持ちであるかということをやはり国民の前に明らかにしていただくためには、国会の委員会で、機会があればこれはやはり明らかにしてもらわなければならぬ問題だというので質問を申し上げておるのでございまして、重大な関心を持っておる、そのソ連は、中国との間がいまうまくいっていない状況だと私どもは見ております。だといたしますと、そういう一つのソ連と中国との関係、それからアメリカとソ連との関係、アメリカと中国との関係、その絡み合いの中でわが国の外交の大きな動きを考えます場合に、それぞれ特殊性がございますけれども、いわゆる、最初申し上げましたような平等という立場で貫き得るのかどうかということについて、ひとつその御決心のほどを伺っておきたい。
○三木内閣総理大臣 私に平等という意味がちょっとわかりにくい点もあるのですが、もし永末君が等距離外交というようなことが頭にあって、それを平等と言われるのだとすると、私は、外交というものは等距離とか、距離をはかって、そういう算術的なものだとは思わないのです。だから、等距離外交ということを私は使わないのですよ。それは各国の関係、その国との国際関係というものは、そんな距離をはかるようなわけにいくわけではないのですから、そういう意味のこの等距離外交というものは、私はそういうことはあり得ない。皆各国にはその国との関係というものに深さもあれば、浅さもある。それで、日本の変わらないことは、日本は、永末君、それはお気に召すかどうかわかりませんが、わが自民党の外交の基本方針は、日米友好関係、やはり、日米の友好関係の維持ということを基軸にして善隣友好外交をやるということですから、これは外交の基本になるわけですね。したがって、そういう意味で善隣友好の関係が築かれることに努力はしますが、国際関係が皆距離ではかって等距離だというふうなことは、それは余りにも外交関係の見方というものが算術的に過ぎるということで、私はそういう考え方はとらないということでございます。
○永末委員 きょうは時間がございませんので、深くあなたのお考えをお聞きすることはできませんが、いま算術的に対処しないということは忘れないで、ひとつ現実の国際情勢に即した外交方針を進められるよう期待をしておきます。 終わります。
○鯨岡委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十九分散会