外務委員会 第11号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/21
会議録
○鯨岡委員長 これより会議を開きます。国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定の締結について承認を求めるの件、第五次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、千九百七十五年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件及び北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百七十六年の議定書の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 まず、政府より順次提案理由の説明を聴取いかします。宮澤外務大臣。
○宮澤国務大臣 ただいま議題となりました国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、締約国が特別の同盟を形成し、特許、発明者証、実用新案及び実用証につき、国際特許分類と呼ばれる共通の分類を採用することにより、特許文献の整理等において国際協力を確立することを目的とするものであります。わが国で特許を受けるためには、外国において頒布された刊行物に記載された発明でないことが必要であるため、外国の特許文献を調査する必要がありますところ、各国が共通の特許分類を採用することは、特許文献の調査の容易化に大いに貢献することとなります。したがいまして、国際的に共通の特許分類を採用することを内容とするこの協定を締結することは、工業所有権の分野における一層緊密な国際協力を確立する上で有意義であると考えられます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、第五次国際すず協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、本年六月三十日に有効期間が満了する第四次国際すず協定にかわるものとして、一九七五年の五月から六月にかけてジュネーブで開催された国連すず会議において採択されたものであります。 この協定の実質内容は、大綱において第一次から第四次までの国際すず協定の内容を踏襲しており、一定の価格帯を定めるとともに、緩衝在庫の操作及び輸出統制によってすずの市場価格をこの価格帯内に安定せしめることを主たる目的としております。 一九六一年以降第二次、第三次及び第四次国際すず協定に参加してきたわが国が引き続き第五次協定に参加することは、協定の運用において消費国としてのわが国の立場を十分に反映せしめるためにも、また、東南アジアを中心とするすず生産国の経済発展に協力する姿勢を示す意味からも、きわめて望ましいものと考えられます。 よってここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、千九百七十五年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、本年九月三十日に有効期間が満了する千九百七十二年の国際ココア協定にかわるものとして、一九七五年の九月から十月にかけてジュネーブで開催された国連ココア会議において採択されたものであります。 この協定の実質的内容は、大綱において千九百七十二年の国際ココア協定の内容を踏襲しており、一定の価格帯を定めるとともに、輸出割り当ての実施及び緩衝在庫の操作によってカカオ豆の市場価格をこの価格帯内に安定せしめることを主たる目的としております。この協定によって修正された点は、価格帯の引き上げ並びに輸出割り当ての調整及び緩衝在庫操作についての変更が主なものであります。 千九百七十二年の国際ココア協定に参加してきたわが国が引き続き千九百七十五年の国際ココア協定に参加することは、開発途上にあるココア生産国の経済発展に協力する姿勢を示す意味からも、また、協定の運用において消費国としてのわが国の立場を反映せしめるためにも、きわめて望ましいものと考えられます。 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、万国郵便連合憲章が認めている地域的郵便連合の一つであるアジアIIオセアニア郵便連合の基本文書であり、連合の組織、任務、加盟国間の通常郵便物の取り扱い等について規定しているものであります。同連合には現在わが国を含め十一カ国が加盟しております。条約の改正は、通常五年ごとに開かれる同連合の大会議において旧条約にかわる新条約の形式で行われることになっており、一九七五年十一月にメルボルンで開催されました第三回大会議において、現行条約にかわるものとしてこの条約が作成されたものであります。 この条約の主な内容は、地理的に近接していて多くの面でつながりの深いアジア=オセアニアの地域の諸国が、地域内の郵便業務の効果的な運営を図るとともに、郵便上の問題につき協力するというものであります。 わが国は、一九六八年九月にアジア=オセアニア郵便連合に加盟しましたが、この条約の締約国となり引き続き連合の活動に積極的に参加いたしますことは、この地域内の郵便利用者の利便の増大及び地域的国際協力の増進を図る上にきわめて望ましいと考えられます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 最後に、北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百七十六年の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 現行のおっとせい条約は、日本国、カナダ、米国、ソ連の四カ国の間でオットセイ資源の最大の持続的生産性を達成するための措置を決定するため科学的調査を行うことを取り決めたものであり、一九五七年十月に発効しました。この条約の有効期限が本年十月十三日に到来することにかんがみ、一九七五年三月及び十二月に条約の改正を検討するための当事国会議が開催され、同会議で採択されたこの議定書が一九七六年五月七日にワシントンで四カ国により署名されました。この議定書は、条約の有効期間を四年間延長すること等の点について現行条約を改正することを目的としているものであります。この改正に基づく今後四年間の調査により、オットセイ資源の最大の持続的生産性達成のための措置が一層明らかにされることが期待されます。 よって、ここにこの改正議定書の締結について御承認を求める次第であります。 以上五件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○鯨岡委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
○鯨岡委員長 ただいま議題となりました各件のうち、第五次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、千九百七十五年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件及び北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百七十六年の議定書の締結について承認を求めるの件の三件について審査を進めます。 これより各件に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。
○土井委員 ただいまより審議をされます三つの協定のうち、まず第五次国際すず協定について質問を始めたいと思います。 お尋ねをいたしますが、今回の第五次協定と前回の第四次協定との主な相違点についてまず御説明を賜りたいと思います。
○賀陽政府委員 お答え申し上げます。 前協定と新協定の主要なる相違点は、緩衝在庫の拠出の方式を、前回は生産国のみが拠出をするという義務的拠出を設けておったわけでございますが、今回は消費国も任意的な拠出の道を開いたというところが大きな相違点でございます。
○土井委員 そのほか細かいことを言いますといろいろあると思いますが、いまおっしゃった点は第四次と第五次の協定の一番大きな相違点ということになりますね。そこで、条文でも二十二条あたりを確かめてまいりますといまおっしゃったとおりで、この規定によると消費国の供与は義務とはなっていないわけですが、やはり本来は供与しなきゃならないと私自身は考えるわけですが、消費国においてこれをどのようにして分担して供与することとなるのか、消費量に比例して供与することになるのかどうか、そのあたりについてのお考えはどういうふうに持っていらっしゃるわけですか。
○賀陽政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、任意拠出でございますので、現在まで英国とオランダが拠出をいたしております。その例から見まして、大体消費量に準じた負担をするということになると思いますが、これは特に明確な標準ということは必ずしもございませんので、今後の各国の動向を見てまいる必要があるかと考えておりますが、おおむね御指摘のとおりでございまして、消費国の消費量の割合に応じた拠出になると考えております。
○土井委員 消費量の割合に応じた供与ということになれば、その場合わが国は一体幾らくらい分担することになるという予想が立ちますか。
○賀陽政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、義務的拠出が約一万トンという前提に立ちますと、わが国の任意拠出の場合ではございますが、想定される額はあらまし三十億円程度だと考えております。
○土井委員 そのあらまし三十億円と言われる額に対して、予算措置は現在一体どういうぐあいになっておるわけですか。
○賀陽政府委員 消費国の任意拠出につきましては、発効が七月一日でございますが、七月一日から三十カ月の間に理事会の方で消費国の任意拠出がどのように行われたかということを今後レビューすることになっております。したがいまして、各国とも約三十カ月の余裕を持っておるという認識があるわけでございますけれども、わが国の場合、ただいまの御質問の点につきましては、現在の段階においては予算措置を講じるに至っておりません。
○土井委員 いま三十カ月の猶予期間があるという御発言でもございますが、わが国としてはまだ予算措置がこれに対して講じられていないというかっこうですね。しかし、わが国としてはいつ供与を行うことになるか、この見通しはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○賀陽政府委員 私どもといたしましては、すずの主要供給国がASEAN諸国であるということも着目いたしまして、本件の拠出につきましては任意でございますけれども、前向きにこれを検討すべきであるというふうに考えておるわけでございます。ただ、各国の動向が必ずしもまだはっきりしておりませんし、もう少し様子を見る必要があるかと考えておりますので、時期については、現在の段階ではいつこれを行うということを申し上げる時期ではないというふうに考えております。
○土井委員 いつどういうふうなかっこうになるかはわからない、前向きの検討というのがしょっちゅうあるわけですが、これは前を向いて考えていらっしゃるのか、後ろを向いて考えていらっしゃるのかよくわからないことが多いですよ。 そこで一つお尋ねしますが、伝えられるところによりますと、UNCTADにおいて木村政府代表の発言が御承知のとおりございますが、すず協定に対する任意拠出の表明をする予定ということになっていたようであるけれども、大蔵省は、すず協定への支出が将来銅などの一次産品の商品協定に波及した場合、これに対しては巨額の財政負担になりかねないというふうな意味から難色をお示しになって、そして後に拠出に応じられるとしても、受益者である鉄鋼業界などの民間の負担とすることを主張されたために、拠出表明を見送ったというふうな報道がありますが、これは事実ですか、いかがですか。
○賀陽政府委員 すずのただいまの任意拠出につきましてはUNCTADの総会において、木村代表がこれを演説の中で述べられるということについても検討があったように私は伺っております。ただ、現在大蔵省の立場は、引き続きこの問題を検討していきたいということであるということでございます。そのような状況でございますので、実際には演説の中には代表はお触れになっていなかったというふうに私どもは了解しております。
○土井委員 演説の中身でお触れにならなかったこと自身が、こういう背景があったということをニュースとして伝えられているが、どうかということを私はお尋ねしておるわけです。先ほどの発言をちょっと正確に聞いてくださいよ。
○賀陽政府委員 ただいま御指摘の点でございますけれども、大蔵省の検討中という態度を踏まえまして、政府としてはこの問題に引き続き対処してまいりたいということでございますし、いま土井先生の御指摘のそういう事実があったかどうかという点でございますけれども、事実としてはその検討中であるというのが現在の日本政府の立場である、これはそのとおりでございますので、それを踏まえて木村代表が御考慮されたことで、演説には特にお触れにならなかった、こういうふうに私どもは了解しておりますが……。
○土井委員 これは中身のない御答弁ですね。検討中という事実があったという、そういう事実を踏まえてのこの木村代表発言であったというふうな御趣旨なんですが、その検討中の中身を私は先ほど来具体的に、こういうニュースがあるけれども事実かとお尋ねをしておるわけなんです。 これはなぜ私がこういうことをお尋ねするかというと、やはりすずは需要にこたえるという半面がある一方で、生産国との関係から言うと、先ほどおっしゃったとおり、ASEAN諸国ですね。日本としても国際協調とか、国際間においてこのアジアにおける日本の平和外交姿勢というものを促進するとか、あるいは日本が消費国としてやはり国際社会において信用を確保していくとかというふうな点からすると、今回の日本のこれに臨む態度というのは私は非常に重大だと思っているのですよ。非常に大きな意味を持つと思っているのです。そういう点からすると、大蔵省の中にどういうふうなお考えがあるかということは、具体的に非常に大事な問題としてかんできやしませんか。だから、事実そういう問題があったかなかったかということをお尋ねするのは、今後、先ほどおっしゃったとおり前向きの対処のあり方として、やはりこの点をはっきり認識しておく必要があるということを私は考えたがゆえにこういう御質問をさせていただいているわけですよ。したがって、先ほど来の漠然とした検討中という事実があった、だからその事実の上に立ってということではどうも私のこの質問の趣旨が生きない。いかがです。
○塩崎政府委員 土井委員の御指摘のとおり、私どもは、すずの生産国、その中にASEAN諸国があるために、この拠出は大変重要な問題だと考えております。ただ、大蔵省の中でそのような議論があり得るということは、私も大蔵省出身でございますので、当然考える。またそういうふうな考え方が出ていいのじゃないでしょうか。つまり、なかなか財政がつらい。このすず価格の安定によって受益するのは業界である。これが国民経済的なよほどの影響がございますれば、これは税金、つまり一般会計から拠出することが適当ということは言えると思うのですけれども、業界が受益する、まず第一次的には業界受益というような面を強調いたしますれば、業界の分担金という考え方も出てくるのですけれども、いま私は外務政務次官でございますので、私どもは、やはり南北問題、世界の貧困問題を解決する、そしてまた一次産品の価格を安定させる、これは大事なことでございますから、国民の税負担の中で拠出をするということも大事なことだと思って、その方向で大蔵省とひとつ話し合うつもりでございます。
○土井委員 特にいまの御答弁の中にも少し関係がさらにございますが、木村政府代表が演説の中で、価格の乱高下を防止するためには、緩衝在庫方式を含めて種々の措置の実行可能性と有用性を検討する必要があるというふうなことも述べておられるようであります。すず協定の緩衝在庫に対する拠出を見てまいりますと、幾ら緩衝在庫方式を含めて検討すると言ってみても、どうもいまの段階では空虚に響いてくるわけですね。途上国に対して不信感を与えているのじゃないかというふうな疑念も持つわけであります。政府としてはこういう点に対して、繰り返しになるかもしれませんが、どういうふうにお考えになっていらっしゃるかというのを、いま一たび少しはっきり聞かしておいていただきたいと思うのです。
○賀陽政府委員 UNCTAD総会におきまして木村代表が述べられました点は、個々の商品ごとに検討をいたしまして、その個々の商品ごとに商品協定が必要であるかどうか、商品協定が必要であるかということはあるいは緩衝在庫が必要であるかということと同じことでございますが、緩衝在庫が必要であるかどうかということを確かめる、こういう立場を述べられたものと考えておるわけでございます。先生ただいま御指摘の点でございますが、すず協定もすでに緩衝在庫があるから、特に南北問題等の考慮から前向きにこれに対処すべきであるということは、まさに御指摘のとおりかと考えておるわけでございますが、一言申し上げますと、個々の商品について今後いろいろな商品を扱ってまいりまして、そこで緩衝在庫がどれに必要か、どれに必要でないかという判断を長期的にやってまいるというような事態がありますので、一つの判断としては、やはりそういう長期的な見通しを立てまして、その上で緩衝在庫についての拠出ということを総合的に判断していくという考え方もあるかと思いますし、そういう意味では、UNCTADの結果というものは非常に重要なことになるのではないかというふうに考えております。
○土井委員 緩衝在庫のあり方についても大変慎重な態度で臨まれているようでありますけれども、フランス、オランダは緩衝在庫について一種の経済協力と割り切ってすでに在庫費用を拠出しているわけですね。そうでしょう。ところがわが国は、すず協定の交渉において在庫負担に最も後ろ向きだったというふうな批判もあるのです、国際社会においては。これはもう御承知のとおりなんです。三木総理も、昨年末にはアジア代表ということを自認されてランブイエ会談に臨まれて、南北問題であるとか、特に東南アジアの経済協力に対して非常に熱意のある態度を示してこられているわけなんですね。わが国はすずをいま九〇%以上輸入に依存しているという実情でもあるわけですね。すずの世界生産量の七割は東南アジアのマレーシア、インドネシア、タイという三国に集中しているわけですね。こういうふうな状況から考え合わせてみますと、緩衝在庫に対しての拠出について誠意のある態度を日本としてはとらなければ、これらの国々からますます不信を買うことになるのじゃないかと思うわけですけれども、どうでしょう。外務省、特に大蔵省はこういう点についてどういうふうなお考えがあっていまのような慎重な態度で臨まれるということなのであるかという点、ひとつはっきり聞かせておいていただきたいと思います。
○塩崎政府委員 大蔵省ではありませんが、大蔵省出身ということもございますので、大蔵省が考えるようなことを申し上げられるかもしれないと思ってお答えするわけでございますが、土井委員の御指摘のとおり、ASEAN諸国の中の三国、私どもと密接な関係にある諸国でございますので、いずれ経済援助ということはどうしても行わざるを得ない日本でございます。そのような観点から考えてみると、緩衝在庫の問題についても前向きに考えるべきだ。そして、大蔵省に対して私どもは折衝すべきだと考えております。しかし、大蔵省の考え方は、先ほど申し上げましたように、まず第一に、財政がいま三兆七千五百億円の赤字公債を発行しなければなりませんし、その財特法が通っていないような状況でございますから、そう簡単に拠出に応ずるはずがない。さらにまた、先ほど申し上げましたように、鉄鋼業界あたりがまず受益いたしますとすれば、何も一般会計で出さなくてもいいというような議論もして悪くないと思います。出すと言うのです。日本全体が出すというわけでございますが、その財源の負担はどこに求めるかということは、一般財源であるか特別な受益負担金であるかというようなことの議論が行われておるわけでございまして、私は大蔵省が絶対にこれを出さないというようなことはないと思います。第三に恐らく考えておりますことは、すずで幾らというようなことを最初出しましたら、後でほかのものからつけが回ってきやしないかというような大蔵省一流の心配から、よほど全体の体制を見て慎重に決めるということも財政当局として当然あり得ることであろうと思いますので、これらの点につきまして、外務省は取捨選択し、重要性を十分に認識して大蔵省と折衝いたしまして、できる限り早い機会に一般会計の中でこの拠出金が認められるように努力したいと思います。
○迫田説明員 大蔵省の緩衝在庫に対する考え方ということでございますが、いま先生おっしゃいましたように、これはやはり経済協力の面というのが非常に大きいと思います。東南アジアに対しましては、わが国の経済協力というのは非常に重点的にやっておりまして、決して東南アジアをおろそかにしておるということではございません。ただ、緩衝在庫につきまして拠出をするということはいままでなかったわけでございまして、すずの例が初めてになるわけでございます。先ほどから御議論がありましたように、現在UNCTADにおきまして一次産品問題というのは最重点項目で討議がされております。これにつきまして、先進国は、個々の商品ごとに検討すべきではないかということを議論しておるわけでございますが、今後、いろいろな商品につきまして商品協定、これも緩衝在庫がつくものもあろうし、つかないものもあると思いますが、非常に問題になると思います。したがいまして、その動向がどうなるかという問題がございます。それから、そのいかんによりましては今後財政負担が巨額のものに達するのではないかということも考えられるわけでございます。したがいまして、この拠出の問題につきましては、先ほど次官の方からもお話がございましたように、一般会計で持つかあるいは受益者たる輸入関連業者が持つかという負担の問題もございます。そういう問題も含めまして慎重に検討していかなければならない、こういうふうに考えております。
○土井委員 巨額になるかもしれないという御答弁ですが、いまある程度の試算をされていますかどうですか。
○迫田説明員 一番大きい銅でございますが、これは商品協定上バッファーストックを何カ月置くかという問題もございまして、必ずしも一定していないので計算は正確にはできないわけでございますが、一般的に言われておりますのは最低十億ドルは要るだろう、こういうふうに言われておるわけでございます。
○土井委員 それは銅の話でしょう。いますずのことを問題にしているわけですがね。
○迫田説明員 すずについて申し上げますと、すずは、価格いかんによりますけれども、日本のシェアで消費国負担の二万トンでございますか、これを分けるといたしますと七十億前後になるのではないか、こういうふうに考えます。
○土井委員 現在の市場価格は、すず、幾らですか。
○賀陽政府委員 一ピクルと申しますのは六十四キロ程度と思いますが、千四百五十六マレーシア・ドル、これはドルに換算いたしますと、一マレーシア・ドルが五十セント、こういう換算をお願いしたいと思います。
○土井委員 現在輸出は統制中だと思いますが、いつからこの輸出統制をしておりますか。いかがですか。
○賀陽政府委員 御指摘のように、現在輸出統制を実施中でございますが、昨年の四月から実施しております。
○土井委員 輸出統制をしたときのすずの価格というのは、一体幾らぐらいだったのですか。
○賀陽政府委員 九百三十マレーシア・ドル程度でございます。
○土井委員 そうすると、輸出統制の効果というのを、先ほどお伺いした現在の市場価格と引き合わせて考えてみて、どういうふうにごらんになっていらっしゃいますか。
○賀陽政府委員 輸出統制の効果はかなり出てきておりますが、同時に景気回復の効果もあわせて指摘しなければならないかと思っております。
○土井委員 現在市場価格は、先ほどのお答えから考えましても上限価格のうちにあるわけですね。上限価格からすると、上限価格帯内にあるわけですね。輸出統制解除の見通しというのは、現在のところあるのかどうか。どうですか。
○賀陽政府委員 五次協定が七月一日から発足をするわけでございますが、その第一回の理事会で恐らく判断を下すということになっておりますが、私どもの予想では、先ほど御指摘のような価格の回復がございますので、輸出統制の撤廃の方向になるのではないかと予想しております。
○土井委員 いままで最高価格というのを上回ったことがございますかどうですか。
○賀陽政府委員 御承知のように、七三年から七四年にかけまして一次産品の価格高騰があったわけでございまして、すずも例外でございません。その期間、最高価格を上回っております。
○土井委員 それでは、反対に最低価格を割ったことがございますか。
○賀陽政府委員 商品協定は御案内のように価格の下支えにはなかなか有効な機能を発揮するわけでございますが、それをもっていたしましても、一九七二年ごろに十日ばかり最低価格を下回ったことがあるそうでございます。
○土井委員 しかしいずれにいたしましても、いままでのところ協定が果たした役割りというのを見てくれば、せいぜいのところ価格の下支えにはかなり効果を発揮したこと、これは認めていいと思うのですが、最高価格の防御についてはほとんどこれは効果を上げ得なかったのじゃないか、そういうふうに見ていいかどうか、いかがです。
○賀陽政府委員 この点は先生御指摘のとおりでございまして、商品協定は本来価格の下支えには有効でございますが、価格の急激な高騰に対しましては、緩衝在庫から相当量を放出いたしましても、焼け石に水ということもございませんけれども、それに近い状態のような高騰のときにはこれをよく抑えるわけにはいかないという点は御指摘のとおりでございますが、これはやはり商品協定の持っております本来の限界でございまして、膨大なる緩衝在庫を構築すればまた話は別でございましょうけれども、すず協定の規模におきましてそのようなバッファーストックはできませんし、そういう意味でこれは商品協定の本来的な限界とお考えいただいた方がよろしいかと考えております。
○土井委員 それでは政務次官にお伺いしたいのですが、政府は日本がこの協定に参加をしているということの意義をどのように考えていらっしゃるわけですか、いかがです。
○塩崎政府委員 まず第一義的には、すず価格の安定をねらったものでございますから、価格の安定に寄与するという効果を私どもは高く評価しなければならぬと思うのでございます。しかしおっしゃるように、いや暴騰のときにはその効果が発揮されていないじゃないかというお話もございます。しかしこれはいろいろとそのやり方について検討しなければならぬと思うのです。価格安定操作は国内でもいろいろ行われておりますけれども、やり方がなかなかむずかしい場合がありますので、これは今後の問題として検討しなければならぬという意味において、やはり価格の安定機能は重視しなければならない。 第二には、土井委員御指摘のように、やはり経済協力という、南北問題の解決の一助としての一次産品の生産諸国の経済の安定、これに寄与するという点も考える必要があるのではないか、こんなふうに考えます。
○土井委員 いまの御発言は、一つの理念といいますか、この協定に対して期待を寄せられている趣旨の中身でありまして、いざというとき、やはりこういうことを協議する国際会議の場所において日本としては積極的にある立場を表明し、そしてその立場に対して責任のある態度で臨むということが一番大事な問題だろうと思うのです。 今回のUNCTADの会議においても、慎重にひとつ検討してみなければならないとか、政府部内でそのことに対してなおかついろいろ総合的に判断をしていかなければならないとか、いつも慎重に検討とか総合的な判断ということばかりを重ねてまして、いざというときに一つも声を出さないのが日本の立場ではないかというふうな感想をいつも私は持つのです。アメリカじゃありませんけれども、数多くの国際社会において、日本の代表団が果たす役割りというのを三つのSになぞらえて言っている場合がある。御承知だと思いますが、一つはサイレント、一つはスマイル、一つはスリーブであります。この三つのS外交というのは、やはり日本としては汚名返上して、あらゆる国際会議の場所において日本は自主的な責任ある立場というものを打ち出さなければならないと思うのです。だから先ほど次官が御答弁になったことについては、いつまでも慎重に検討ばかり重ねていたってしょうがないんです。やはりこういうことに対して責任のある態度というものを国際社会において具体的に打ち出さなければならぬと思います。 そういうことを私は重々申し上げたいと思いますが、最後に、アメリカは第四次協定までは加入していなかったわけですね。今回の第五次協定から加入するということになったと思いますが、これについてのいきさつはどういうことだったのですか。この理由をどのように考えていらっしゃいますか。
○賀陽政府委員 御指摘のように、アメリカは従来すず協定に対して消極的態度をとってきたわけでございますが、その理由の一つは、米国は二十万トンのすずの戦略在庫をかねてから持っておったわけでございます。戦略在庫を処分いたしますときには、これは市場の撹乱要因になるおそれもございますので、すず協定の理事会と協議をしなければならぬ、こういう形であったわけでございますが、アメリカはこの点につきまして、すずの戦略性というのは、御高承のように最近非常に低下してまいりまして、そういうこともございますが、戦略在庫の処分につきまして理事会と十分相談をして適当な処分ができるという確認を得たということが一つございます。 それから、すずの需要家の国内の鉄鋼業界が、やはりすず協定そのものに対しまして消極的であった、こういうことでございますが、御承知のように昨年の九月のニューヨークにおける国連資源総会以来、キッシンジャー演説に示されておりますように、アメリカの前向きの態度が若干出てまいったということも反映いたしまして、国内業界の説得にもある程度成功をしたということかと思います。そこでアメリカはすずの協定に現在署名をしておりまして、この協定を国会に提出するというところまでは現在行っておるわけでございます。
○土井委員 このすずとある意味では少し関係のある部分を持っておりますのに、今回審議をいたしておりますココア協定があるわけですが、このココア協定についてさらにお尋ねを進めたいと思います。 この協定を改定する交渉のための国連ココア会議が昨年の九月から十月にかけて開催をされておりますが、当初の予想に反して非常に交渉が難航したと聞いているのです。 国連ココア会議で議論となった問題点、それから交渉に当たったわが国の基本的態度、そういうものをまず承っておきたいと思いますが、いかがです。
○賀陽政府委員 ココア会議は特に難航ということもないかと思いますけれども、かなりの日時を要したわけでございまして、現在の価格帯は市場価格を下回っておる状況でございます。したがって、御指摘のように現在ココア協定が直ちに作動しておるという状態はないわけでございます。ただ、価格につきましては常に生産国は本能的な不満があるわけでございまして、価格帯の修正ということを常に主張するわけでございますが、消費国としてももちろんその立場があることば自然の姿でございますので、価格帯をどの程度上げるかという点について相当の日時と精力を費やしたということがございます。 それから、商品協定の二つの重要なメカニズムは、先ほど御指摘の緩衝在庫ともう一つは輸出割り当てでございますが、輸出割り当て制度というのはどうしても一国の輸出努力を人為的に規制するわけでございますので、アメリカあたりの自由主義経済的な考え方になじまないということで、輸出割り当て制度を併用しておりますココア協定に対しましてアメリカが批判的であるという事実があるわけでございます。 そういったような点を争点といたしまして、御指摘のように、難航とは申せぬと思いますが、かなりの時日を要して今回の合意に至ったというふうに考えております。
○土井委員 その節、いま御説明を賜りましたその国連ココア会議において、わが国の立場というのはどのように反映をさせてこられたわけですか。いかがです。
○賀陽政府委員 やはりわが国の立場は、ココア協定に参加しております意義は、ココア生産国がモノカルチュアと申しますか、ココアに依存する度のきわめて高いアフリカの諸国でございますので、これらの諸国の所得を応分に増加せしめるということに対して当然非常に関心があるわけでございます。同時に消費国でございますので余り高値では困るということもございますが、その辺を勘案いたしましたが、どちらかと申しますと、ココア協定に対しましては南北問題的な意識というものを先行せしめまして、価格の適度の値上げということに対しましては理解ある態度で臨んだわけでございます。同時にアメリカを本協定に加入せしめるということは非常に重要な点でございますので、この点にも努力をいたしまして、アメリカの説得に努めたという経緯もございます。
○土井委員 説得に努力をされたけれども功を奏さなかったという結果なんですね。 さらにこのココア協定の内容は、メカニズムを見てまいりますと、輸出割り当てと農産物としては初めての緩衝在庫を併用することによって、ココアの価格を安定させるというところに特徴があるのじゃないかというふうに私たちは見るわけですが、ココアの市場価格が現行協定発足前から現在に至るまで、終始、協定に定められている最高価格をはるかに上回っている事実、それからこの協定に基づいて売買操作は一度も行われていないという事実、そういうふうなことは提出された資料によっても、ここ数年間の最高価格が八二・九七セントですね。それから最低でも四四・一三セントで、ココア市場はいわば野放し状態のようにこれはお見受けするわけです。資料からしてもそれは散見できるわけですね。一体この協定は価格の安定に対してどういうふうな働きがあるのかというふうな疑問を感ぜざるを得ないのですが、この点はいかがでございましょう。
○賀陽政府委員 まさに先生御指摘のとおりでございまして、ココア価格は一向に下がらないという御印象を持っておられるのだろうと思いますが、ココア協定の改定の過程におきましても、生産国に対しまして増産を強く要望いたしました。実はココア協定は、本来はココアの生産の過剰状態ということをある程度想定をしておりまして、過剰であれば値段は当然下がる、その下がり方を適度に防止するという発想にあったわけでございますけれども、やはりココアの栽培の特殊性等から見まして、急速なる増産とかということはなかなか思うようにまいらないという状況でございます。一方、需要は増加するという状況でございまして、御指摘のとおり高位に価格が推移しているわけでございます。しかし、同時にココア協定は、先ほど御指摘の緩衝在庫と輸出割り当てを併用いたしまして、もし価格が現行の価格帯に入ってまいりました場合には有効にこれに作動いたしまして、その価格帯の中にこれを支えるという機能が備えられておるわけでございますが、即時的な効果は御指摘のとおりでございますけれども、今後ココアの過剰生産等によって価格が下がります場合には有効な対処ができるという状態が想定されると考えております。
○土井委員 有効な操作が想定されるというふうなことをいま御答弁でおっしゃいましたが、消費国としてのわが国がこの協定に加盟をするメリットと申しますか、メリットというふうなことは実は努力を必要とするであろうと思われますけれども、どういう点に特に努力を払いながら、この協定に加盟をするという点においてメリットを認めていらっしゃるわけですか。いかがです。
○賀陽政府委員 メリットという点でございますが、先ほど申し上げましたように、やはりココア生産のアフリカのガーナその他の国に対する広義の経済上の貢献ということが一つ大きなメリットになるかと思います。同時に、価格帯が適度に設定されております場合には、その価格帯の中に価格が維持されるということでございますれば、わが方が合意をした価格帯でございますので、消費国としても価格の乱高下が防止され、適度の価格で買い得る、この双方がやはりメリットとして均衡しておるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○土井委員 このココアの緩衝在庫を賄うための資金が実は問題だろうと思うのですが、この加盟輸出入国から拠金を徴収することになっておりますね。この拠金額がすでに五千万ドルを超えておるとも聞いているわけですけれども、現在資金の総額は一体どれくらい蓄積されているか、いかがでございます。
○賀陽政府委員 現在六千三百万ドルでございます。
○土井委員 ココアの市場価格が協定の価格をはるかに超える水準で推移してまいっておりますから、協定発効以来の三年間一度も買い入れを行っていない現状では、資金はたまる一方だろうというふうに思うわけです。そうでしょう。いわゆる緩衝在庫資金はどの程度あればこれは本来足りるのでしょう。また将来も続けて徴収していくということになるのでしょう。一体その辺の見通しについてどういうふうに考えていらっしゃるか、ひとつお聞かせをいただきます。
○賀陽政府委員 ココアの緩衝在庫の規模は最高限度が二十五万トンでございますが、大体私どもといたしまして、ただいま申し上げました現在のところは六千三百万ドル、これはいろいろな計算がありましてお答えがむずかしい点もございますが、大体八千万ドル程度の規模を備えたい、備えることが望ましいと、こういうことを考えておるわけでございます。
○土井委員 そうすると将来も徴収を続けていかなければならないというかっこうになっているわけですね。徴収された資金というのは預託できることになりますね。これだけの多額の資金の有効的な利用、活用の方途については、加盟国から何らかの具体策が出されてよいと私は思うのだけれども、このことに対しての何らかの具体策が出されているかどうか、いかがでございます。
○賀陽政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、一種の遊休資金的な形になれば問題であるという御指摘であると思いますけれども、御指摘のとおりの雰囲気を反映いたしまして、前回のココアの改定会議では、この資金を生産国の設備投資等に流用——流用と申しますか活用したらどうかという提案があったやに聞いておりますが、これに対しましてはやはり緩衝在庫の本旨には反するのではないか、しかもまだ六千三百万ドルで若干の不足ということでございますので、まずその適正規模の確立が先決であるということもあったのでございましょう。恐らくそういうようなことで、現在の段階ではまだ生産国に対する設備投資等への有効な援助にこれを使うということに合意は成立しておりません。
○土井委員 生産国に対する設備援助で合意は成立していないというお答えでありますが、ココアの市場価格が絶えずこのようにタイトぎみにあるということは、供給が潤沢でないというところに理由の一端はあると思うのです。輸出国の生産姿勢というものに果たして問題がないだろうか、この辺も一つはひっかかってくることだろうと思うのです。生産国側の増産努力にもし欠ける点があるとするならば、この点に対してやはり消費国としては働きかけをしていかなければならない。先ほどは、国際市場で特にこの協定に加盟をしている加盟国同士が、徴収された資金に対してどういうふうにこれから有効的活用、利用をしていくかということに対してまだ一致した考えが具体的に出されていないやに御答弁の中身を受けとめましたけれども、日本としては消費国でありますから、生産国に対してどういう働きかけをお考えになっていらっしゃるのか、それから日本としては、先ほどの有効的な利用や活用をこの徴収された資金に対してどのように行うということを提唱されているのであるか、その辺をひとつお聞かせいただきましょう。
○賀陽政府委員 ココアの改定会議におきまして、先生御指摘のような生産設備にこの金を使ったらどうかという点について、日本から実は提唱したことはございません。これはやはり生産国の方から提唱があったわけでございますが、消費国側の一致が得られなかったということでございます。しかし、まさに御指摘のように、今後の問題として増産がやはりココアの貿易に課せられておる重要な課題であるという点から見ますと、確かに生産国に対する刺激あるいは援助ということが必要になってまいるということは一つの方向であるかと思いますので、この点はその方向で考えるものと思います。今後もこの問題は継続的な審議、か行われるというふうに考えております。
○土井委員 わが国としてはどういう態度でそれに対して臨まれるのですか。継続的なそういう、審議が行われると思うとおっしゃるのは、客観的情勢に対しての把握でありまして、わが国としてはその中でどういうふうな立場で、どういうふうな具体策を持ち、何を提唱されるのか。その辺をお聞かせください。
○賀陽政府委員 先生御指摘の点は今後の一課題でございまして、各国とも、消費国ともまだそこまで実は話を詰めてどうしたらいいかということを考えている——御承知のようにココアは大体輸出側は公社的な運営でございまして、国家貿易的な色彩がきわめて強いわけでございますけれども、そういったこともございまして、一体どうしたらいいのか、率直に申し上げまして、この辺はまだ現在皆考えておると申しますか、どうしたらいいかという段階かと思っております。
○土井委員 まずは協定に加盟をして、それからどうしたらよいかということをひとつ考えてみようという態度でわが国としてはこの協定に臨まれるということなんですね。その点を確認いたします。 さて、それではがらりと中身が変わりますが、おっとせい条約について少しお尋ねをいたしますが、このおっとせい条約は、オットセイ資源の最大の持続的な生産性というものを考えて、それを達成するために科学的な調査を行うのが内容としてはその目的に考えられているようでありますが、この条約が一九五七年に発効いたしましてからことしの十月で十八年になるわけなんですね。その間においてオットセイの研究は相当に進んできていると思いますので、オットセイの研究についてその実態を少し御説明賜りたいと思うのです。
○佐々木(輝)政府委員 調査の内容は大きく分けまして、オットセイの繁殖島を中心といたします陸上での調査と、それから海上でえさを食べて成長しています時期の海上調査と二つがございます。 繁殖島といたしましては、アメリカ領のプリビロフ、それからソ連領の中でコマンドルスキー及び樺太沖のロッベン島、この三つが主要な場所でございます。 まず陸上におきましては、毎年調査の内容につきましては前年の調査結果等を検討しながら少しずつ改善はいたしておるわけでございますけれども、主な項目といたしまして、年齢別、性別に一体どれだけのオットセイがそこで生息をしているか、特にその年に生まれるオットセイの子供の数が一体どの程度であるか、その生まれた子供がどのくらい生き残って海の方へ回遊をしていくか、それでオットセイの繁殖島におきます周辺でのいろいろなえさを食べている状況であるとか、あるいは環境とのいまの成長あるいは生き残りの関係、こういったことが中心の内容になっております。 それから、日本等が主体になってやっております海上調査につきましては、大体オットセイは夏時分に繁殖島へ上がりまして、生殖行為を終わってから秋口からまた海に出て、特に冬場には南の方へ回遊をしてくるわけですが、日本の近海、特に三陸沖等で、どこの資源がいつの時期にどの程度来遊をしてくるかということをまず中心にいままで調査をやってまいりました。 その結果を簡単に御紹介申し上げますと、特に日本近海の三陸沖では三つの系統群がまざって回遊をしてきておる。それからまたオットセイにつきましては若い雄については間引いても資源保存上支障がないというのが常識になっておるわけですけれども、雄と雌とが混在して回遊をしてきているということも、いろいろな海域、いろいろな時期に調査をやりましたが、大体現状では動かせない、客観的な事実というふうに考えております。 日本海につきましては、まだ調査が十分でございませんが、大体ロッベン系の群が主体ではなかろうかというふうに判断をいたしておりますけれども、ソ連側の方の調査資料等から見ましても大体そのような推定はできますが、もう少し時期別、海域別に調査資料を補強する必要がございます。 それから、オホーツク海の方におきましても、想定としては大体ロッベン系の群が主体というふうに考えておりますが、まだ材料が不足なので、日本としてはいまこの海域の調査に重点を置いております。 そのほか海上の猟獲が特に日本にとっての関心事でございますが、海上でオットセイをとりますときに、従来鉄砲でオットセイを撃って殺してとっているわけですが、そうしますと、毛皮にきずがついて利用価値が下がるとか、あるいは海上で撃ったときに沈んでしまうロスがあるとかいうようなことも各国から指摘を受けておりますので、日本といたしましては最近特殊な刺し網をつくりまして、網でオットセイの群を巻いて、そこでオットセイを生け捕りにして雄雌を判別しながら、それからまた、できれば系統群別にも仕分けてとるというようなことができないかということを最近力を入れて研究しておる状況でございます。
○土井委員 詳しく事情についての御説明を賜ったわけですが、オットセイは保護が加えられているので、最近では相当繁殖しているというふうに一般には考えられておりますね。この各繁殖地においてどれくらいの数のオットセイが現在繁殖しているというふうに推定されているか、先ほどおっしゃったロッベン島あるいはコマンダー、それからアメリカのプリビロフ、それぞれの島別といいますかに、ひとつ数字が出ておりましたらお知らせをいただきたいと思います。
○佐々木(輝)政府委員 年によりまして現状でまだかなり資源に変動がございますが、ごく最近の状況で申し上げますと、プリビロフでは資源量大体百八十万頭というふうに推定をしております。それからソ連領のコマンドルスキーで大体二十六万頭、ロッベン島で大体十七万頭というのが現在の段階での資源量の数字でございますけれども、時系列的に見ますと、一九五七年時点でプリビロフでは大体二百万頭くらいというふうに推定されております。ずっと海上猟獲はその後も禁止しながら、資源保存も図りながら、いままで管理をしつつ一部商業猟獲をアメリカがやってきたわけですけれども、にもかかわらずその後資源が若干減りまして、百七十万頭から現在百八十万頭くらいまでややまた上向きになってきたという状況でございます。 それからコマンドルスキーにつきましては、非常に年による変動が大きゅうございまして、五七年時点では大体十万頭であったのが、年によりまして二十六、七万頭から十七、八万頭くらいまでかなり大きな変化があります。それでいわゆる最大の持続的な生産量の水準がどの程度であるかということがまだ各国の科学者の間で意見の一致を見ておりません。 それからロッベン島につきましても大体同じような状況でございまして、十七万頭ないし二十二万頭くらいまでの間で年によって変化がございます。これはおおむね最大の持続的生産量水準に達したのではないかというふうに各国の科学者も判断をいたしておりますが、なぜこういうふうに年によって変化があるのか、特に最近ソ連側ではこれに関連いたしまして、島の周辺でのいろいろなほかの漁業による魚の漁獲が、オットセイの小さい子供の生き残りに影響を与えておるのではないかというような問題を提起いたしております。
○土井委員 この条約の第二条の一項の(a)というところを見ますと、「おっとせいの総頭数を毎年最大限度の猟獲が得られるような水準」とあるわけですが、どの程度繁殖すればこのような水準に達するというふうに考えていらっしゃるか、その点いかがですか。
○佐々木(輝)政府委員 大体毎年生まれます子供の数を目安にしまして、その子供の数が大体毎年安定して最大の水準を保つ、そこからある程度歩減りがあるですけれども、繁殖時期に島に帰ってくる量がしたがって最大になるというところを目安にしているわけでございますが、プリビロフ島につきましては、子供の数で大体三十五万頭ないし四十万頭ぐらいが毎年生まれれば、おおむねその最大の持続的な生産量水準というのは維持できるのではないかという判断をしております。その意味で、先ほど申し上げました百八十万頭というのはおおむね各国の科学者の意見としても、変動はございますけれども、いわゆるそういうMSYを達成している、超えているというふうに判断をいたしております。同じように子供の数で総体的にはもっと——コマンドルスキーなんかでは大体四万頭前後の数が目安になるわけですが、ここにつきましてはまだ、先ほど申し上げましたように年によって非常に生まれる子供の数にも変動がございまして、ロッベン島も同じでございますけれども、確実にMSY水準を達成しているかどうかについてまだ疑問が残っております。おおむねの概況はそのとおりでございます。
○土井委員 この第二条の内容を見てまいりますと、少し気にかかることがあるのでお尋ねをしますが、オットセイは非常に多くの魚を食べますね。一頭についてどれくらいの魚を食べるものか、そういうふうな研究がなされているかどうか、それから漁業にどのような悪影響を与えているかという問題、それから、さらには漁具にどのような損害を与えているかという問題、それは具体的にはわが国の近海を回遊してまいりますから、沿岸漁業に対して被害を与えるようなことがあるのかないのか、実はこの辺がひっかかりになるわけであります。そういうことをお調べになっている資料でお答えいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○佐々木(輝)政府委員 まず、オットセイの食害の問題でございますけれども、これは北洋のサケ・マス漁業でよくサケ・マスの流し網にかかったサケをオットセイが食べるというようなことを漁師が目認いたしまして、かなり食害があるのではないかというような問題が三十年ごろから提起されております。わが国としては、オットセイの単純な資源の保存ということだけでなくて、そういったほかの漁業へ与えるマイナスの影響ということも考えて、適当な範囲でオットセイをむしろ間引く方が合理的であるということを主張しているわけでございますが、その後そういう観点で調査をやってみますと、必ずしもオットセイの食べるえさというのは特定されておりませんで、その住んでおります海域それから時期に応じまして、いろいろな種類の魚を非常に幅広く食べておるということがわかってまいっております。 東部太平洋で申しますと、えさの種類が大体五十三種類ぐらいで、頻度が最も多くあらわれてまいりますのは、イカ類であるとか、あるいはソコダラのたぐい等でございます。意外にどうも、当初感じましたほどにサケ・マスについての食害の問題というのは、ゼロではございませんけれども、ウエートが余り大きくないというようなことが最近の見解になっております。 量といたしましては、オットセイの平均の体重、年齢によって違いますけれども、五十キログラムぐらいが大体標準でございまして、これも推定でございますが、飼育試験なんかをやってみますと、一日に五キログラムぐらい食べるのじゃないか。年間に直しますと大体一・五、六トンぐらいの魚を食べておるというふうにわれわれの方では見ておりますが、まだデータがかなり不足でございまして、アメリカあるいはソ連側の科学者は、その程度の量的な食害があるということについてまだ十分調査が整っていないのでわからないということを、検討を要するということを主張しております。 それから同時に、最近の問題として、さっき申し上げましたほかの漁業の影響がまたオットセイの資源の方へ及んでいるのではないかということもアメリカ及びソ連側から指摘をされ、その点についてもオットセイの食性の問題として最近調査を始めておるところでございます。 それから、漁具につきましては、先ほど申し上げましたサケ・マスの流し網等の操業の際に、オットセイが流し網に絡まって漁具を傷めるというような事故がございますけれども、その率としては非常に小さなものでございまして、〇・何%というような数字かと記憶しております。
○土井委員 それでは、少し基本的なことについてお尋ねを進めます。 このオットセイの条約は暫定条約なんですね。暫定条約は、オットセイの資源保護のために適切な捕獲方法を研究するのがその目的だということになっているわけですが、最終的に暫定条約ではない本条約ということを果たして結ぶことになるのかどうか、これが一つです。 それから二つ目には、その本条約というのが結ばれるとすれば一体どのような内容になることを予想されているか、これが二つ目。 続けざまに聞きますが、三つ目は、一番最初に質問で申し上げたとおり、この暫定条約が発効してことしで十八年になるわけですね。なぜこのような長い間本条約締結というのがおくれて今日に至っているのか、研究がおくれているためか、それとも各国に利害の対立があるためか、その辺はいかがですか。 大体内容を三つに分けて私はいまお尋ねしましたが、それぞれを総括的にお答えいただきたいと思います。
○賀陽政府委員 現在、御指摘のように暫定条約の性格を持っておるわけでございますが、調査研究が完結いたしまして、有効な資源管理方法が確立いたしました場合には本条約に移行するというふうに考えております。 本条約の内容がどういう形になるかという点につきましては、ひとつ水産庁次長から御説明を願いたいと思います。
○佐々木(輝)政府委員 一番問題になっています点の一つが海上猟獲の妥当性の問題でございます。日本側としては、先ほど申し上げましたその資源の水準がある一定水準以上に回復しました場合に、公海資源である以上、陸上だけでとるのが必ずしも合理的とは言えない、海上でとることにも、ある条件を付すれば十分な合理性があるということを一貫して主張しておるわけでございます。その補強のためにいろいろなオットセイのとり方なり、あるいは選択的な海上での漁獲ということも研究しておるわけでございますが、こういったことをあわせまして、本条約の中では資源の保護、維持の中で陸上猟獲と海上猟獲とをそれぞれ一定の割合で相互に容認し合うということがわれわれとしての目標でございます。 そういった本条約に早く移行したいというふうに考えながら調査を続行しておるわけでございますが、いままで時間が相当経過してなおかつまだ論点が残っておりますのは、一つは陸上におきますいろいろな資源量変動につきまして、当初いろいろなポピュレーンョンダイナミックスと申します資源理論に基づいて各国が共同して調査をやってきたわけですが、必ずしもその理論どおりにオットセイの資源の変化が移行していないという問題がございます。特に、環境条件の方の変化が、どういうメカニズムでオットセイの子供あるいは大人の成長なり生き残りに影響するかということが、調査をやってまいりますとだんだん論点になってまいりまして、そういった問題を明らかにするために、従来オットセイだけの調査をやってまいりましたのを、オットセイを取り巻いている生物環境等を含めて調査範囲を広げて、いろいろ資料を収集しなければならないというような状況になってまいりまして、やや問題点が広がったということから調査にも相当時間がかかってまいっておるわけでございます。
○土井委員 そうすると、本条約はやがてその条件が整えば恐らくは締結されるであろうという見通しを先ほどおっしゃいましたけれども、その条件ということを一言で言うと、どういう条件が整うことによって本条約というものが締結されるという見通しになってくるとお考えなのですか。
○佐々木(輝)政府委員 やはり陸上、海上を通じまして、オットセイの資源の変動の機構が明らかになって、人間がとります漁獲量を陸上、海上でそれぞれどの程度に抑えれば最大の生産量水準を恒久的に維持できるか、このことが明らかになれば本条約へ移行することができるというふうに考えております。
○土井委員 それを具体的に研究をして明らかにするという国際機関はどこですか。
○佐々木(輝)政府委員 これは各国が調査項目等を討議いたしまして、分担してそれぞれの国の機関で調査をやりまして、その結果をまた持ち寄って科学小委員会で検討するということでやっております。日本で申しますと水産庁の遠洋水産研究所にオットセイを担当する研究室がございます。
○土井委員 いまそういうことについて将来の見通しというものが漠然としていて、いっそういうことになるかということがさっぱりわからないということじゃなくて、一定の区切りといいますか、一定の見通しを持たないと、やはりこういう問題に対しても対処の仕方が違ってこようかと思いますので、いまそういう研究が進んでいる途次、一つの向こう何年の間というふうな一定の区切りは設けられているかどうか、その点はいかがなんですか。
○佐々木(輝)政府委員 調査そのものにつきましては、それぞれ論議の中で、この問題について相当数年かかりそうだとか、この問題は試験がうまくいけば大体一年くらいでできそうだとかいうような見込みは立てながらやっておりますけれども、取り決め上何年間で調査を完成させる、あるいはそこで終わらせるというような約束はございません。ただ、条約そのものの有効期間の中で、それぞれが最善と判断できるような材料をどういうふうに効率的に集めるかということを申し合わせしてやっておるということでございます。
○土井委員 先ほど来、海の資源に対する総合的な研究、調査というのが大変重要視されてきているというふうな御発言もございましたが、オットセイの暫定協定、一九一一年以来、海の資源に対する各国の考え方というのは、この条約を当初締結したあの当時とは比較にならないほど著しく変わってきていると一応見なければならないと思うのですね。この条約の当事国であるアメリカ、ソ連、カナダという国を挙げてまいりますと、サケ・マスについて、その河川への回帰性ということを理由に、産卵河川の保有国が管理権を経済水域外の公海であっても、自国のみに保留をして今日に至っておるわけですね。これは事実上、サケ・マスの公海漁業禁止をねらった提案ということに一般には認識をされています。オットセイもこれによく似たところがあるのじゃないかと私は見るのです。オットセイはアメリカのプリビロフ諸島、先ほど御答弁の中でその頭数もお答えいただきましたソ連のコマンドルスキー諸島、それからロッベン島で繁殖をするわけで、冬になって回遊をする、五、六月ごろ再び島に帰っていく、そういう習性を持っているわけですね。米ソはオットセイについてもサケ・マスと同じように自国に管理権があるような考え方を持っているのじゃないか。そういうふうな示唆はいろいろな機会あるたびごとにしていやしないか。また将来そのような提案をしてくるということは考えられないか。これは私は一つの問題点になろうかと思いますが、この点はどのように読んでいらっしゃいますか。
○佐々木(輝)政府委員 条約の内容からは、いま先生が御指摘のようなことは明文としては出ていないわけでございますけれども、それぞれ論議をしています過程の中で、確かにおっしゃるように、陸上の繁殖島で管理をしながら、不要な雄あるいは雌の一部でも余剰になってきた場合には、それを選択してとるというのが資源管理上一番やりやすいし、一番効率的である。したがって、そういう管理を犠牲を払ってやっている国が、海上に出た場合についてもオットセイの資源管理のイニシアチブをとるというような考え方は、暗黙のうちに感ぜられます。ただ日本としては、やはり公海の上で成長し大きくなる資源でございますから、そういった考え方を無条件で認めるわけにはいかない。当然公海の資源として一定の科学的な基礎のもとに、それぞれを適切な範囲内で認めるべきであるということを一貫して主張しているわけで、現在の条約の中ではむしろ日本側のそういった考え方が生きておるわけでございますけれども、今後海洋法の成り行きいかん等で、一つは、経済水域の中での管理の問題がございます。これは必ずしもオットセイに限らず、海上でのいろいろな、従来公海資源であったものの管理をどこがどういうふうにどんなルールでやっていくかということは、現在一般にも一非常に関連の深い大問題でございます。 それからもう一つ、最近になって新たに出てまいっております。特にアメリカが主張しておりますのは、鯨等々合わせまして海産の哺乳動物について、従来の人類のいわば食用資源といいますか、いわゆる資源という観点の利用ということだけでなくて、もっと美的感覚といいますか、リクリエーション的な価値ということを加えて、必ずしもMSY水準に維持するということではなくて、総合的に考えて、環境保全的な立場も入れた適正水準に維持すべきだというような考え方を実は昨年の科学者の会議等でもかなり強く主張しておりました。しかしそれは客観的に一体何であるかということを詰めてまいりますと、非常に客観性の乏しい、要するにオットセイが多ければ多いだけいいのだという非常に非科学的な基準になりますので、日本としては現状でそういうものを容認するわけにはいかないということで、これも各国と論議の上で、現状でばいまの条約の基本的な性格を変えないということでやっておるわけでございますけれども、そういったいろいろな問題が本条約に移行します際には、改めて各国間で論議を呼ぶことであろうというふうに思っております。
○土井委員 もうこれで私も質問を終えたいと思いますが、いまの御答弁からいたしますと、条約の条文の中では明文化をされていないけれども、いろいろな会議の席を通じて感ぜられることとして、米ソにそれぞれサケ・マスと同じような管理権の認識があるようないきさつを御説明賜りましたが、もしこれが事実上いろいろ本条約を締結する前夜においても横行するということになって言いりますと、これは杞憂にしかすぎないかしれませんけれども、毛皮の分配も日本の場合は現状維持ということにはなかなかいかなくなる。受けることが非常に困難になってくる。またもう一つ押し詰めて言いますと、本条約締結をしていくという意味がだんだんなくなってくるのじゃないかというふうな、一般のそれに対する不安、危惧もあるわけであります。こういう点に対して、ひとつ最後に次官から外務省としてのお立場をお答えいただいて、私は質問を閉じたいと思います。
○塩崎政府委員 ただいま御指摘のような大変むずかしい問題もございますので、当面いろいろ検討してまいりたいと思いますし、本条約の締結に備えて深い研究もひとつやらしていただきたいと思います。
○土井委員 私、これで質問をきょうは閉じますが、この協定なり条約なりの審議について質問をする節、条約の条文に対しての解釈だとか現状の数値については、それぞれ御答弁をそれなりに賜るわけであります。ところが肝心かなめの、それに対して日本として一体どう対処するのか、日本としてはそういう現状認識の上に立ってどういう方策で臨むのかということをお尋ねすると、それに対しての答弁はいつも検討とか、統一的にそれに対しては総合調査をやらなければならないとか、それに尽きるのですよ。協定とか条約というものを締結する、加盟をするに先立って、やはりわが国はわが国なりの自主的な判断によってどうしたい、こうしたいということがあるはずなんです。これから検討するのじゃない、すでにあるものによって、この協定には日本としては加わらなければならないとか、この条約に対しては日本としては締結をして、他国に対してもさらにこれに加盟をするということを促進していくことがやはり必要だとか、いろいろな認識がそれに基づいてあるはずなんですね。お尋ねをして肝心かなめの一番大事な点になると、何だか私が頼りないということでああ、いいかげんの答弁でごまかせばいいわというふうな御態度でいらっしゃるのかどうか、その辺私はつくづくそう思うわけでありますが、いつもいいかげんな答弁ですよ。この外務委員会の席というのは、肝心かなめはその辺の討議じゃないでしょうか。このことを、きょうの二つの協定、一つの条約についてもしかと私は申し上げておいて、質問を終わりたいと思います。
○鯨岡委員長 土井たか子君の質疑は終わりました。 次は、渡部一郎君。
○渡部(一)委員 最初に、第五次国際すず協定についてお伺いいたします。 現在商品協定は、小麦、ココア、コーヒー、砂糖、すず、オリーブ油等があるわけでありますが、これらの商品協定の中で暫定適用の項目を含んでいる協定はどれとどれでありますか。
○村田説明員 すべての協定に含まれております。
○渡部(一)委員 暫定適用とわが国憲法との関係でありますが、すでに当委員会におきましても議題になったことでありますが、わが国の憲法において、条約の締結に際しては、事前、時宜によっては事後に国会の承認を経ることを必要とするとあります。この暫定適用というのは明らかに行政権の範疇で行われるものでありますが、その運用が国会の審議権ひいては国民の権利を阻害しないように慎重な配慮をもって行われることが必要であり、少なくとも暫定適用を恣意的に、かつ放恣に行使するということは好ましいことではない。 〔委員長退席、水野委員長代理着席〕 少なくとも便法の規定であるとみなすのが正しいと私は思うわけでありますが、その辺はいかがお考えでありますか。
○村田説明員 確定発効の場合と暫定発効の場合と、それぞれ受諾書を寄託した国の当該条約上の権利義務は同じでございますので、暫定発効をするかどうかについても、もちろん慎重に検討する必要があると考えております。
○渡部(一)委員 いや、私が言っておりますのは、諸外国のことを言っているのじゃなくて、わが国として、なるべく外務委員会あるいは本会議等にかけて、そうして正規の審査を経て条約に加入するのが正規であって、この商品協定に関しては、暫定適用がものすごく長い時期があったのです。いまから五年ぐらい前に私から厳しく言ったことがあるのですが、一番ひどいのは、十一年なんという長い間暫定適用をしたものが国会の審査を経なかったことがある。その後商品協定群は非常にスピーディーに当委員会に提出されておるわけですね。だから、二度とそういうことが起きないように、私はいまくぎを刺すために申し上げているわけであります。したがって、今後において、そういう国会に提出するのがおくれて暫定適用を長い期間しなければならぬなどということがないように、密接な連絡をおとりになるとともに、そういうことは今後慎むように努力すべきだと私は申し上げているわけです。いかがですか。
○村田説明員 先生御指摘のとおり、暫定適用というのはいわば便宜的に設けられた制度でございまして、政府といたしましては、できる限り速やかに国会の御承認を得るように努力すべきであるというふうに考えております。
○渡部(一)委員 現在この商品協定群の効力についてとかく議論があるわけであります。改めて伺いますが、商品協定が一番効力を発揮していると思われるのがこのすず協定だと言われているわけでありますが、すず協定とすず協定以外との差はどうして生じたものであるか、また、これらの商品協定群の中で一番だめなものと言われているものの中でも、そうした国際会議を招集するに当たって、この商品問題について速やかに会合することができるという消極的なところにポイントを置いた御答弁がここ数国会で続いているわけであります。したがって、特にその有効性を深めるためにお伺いするわけでありますが、すずとその他の協定との差はどこにあったのか、また、ほかの協定がそういう部分をとり得ないのはどうしてなのか、その辺を伺いたいと思います。
○賀陽政府委員 ただいま御質問の点でございますが、すずにつきましては、御高承のように、農産物と異りまして供給が比較的安定しておるという事態がございます。七三年、七四年にかけましての一次産品価格の異常な高騰時を除きますと、過度の価格変動は余りございませんし、緩衝在庫のメカニズムの操作とか、輸出統制による価格安定メカニズムの運用とか、そういうものが機能しやすい環境にあった。それから同時に、もう一つ大事な点は、すず協定は理事会で価格帯の修正をすることができる。もちろんこれは所要の投票要件を満たす前提でございますけれども、理事会で機能的な価格帯の修正ができる。そういった点がこのすず協定が他の協定に比べまして相対的により有効な運用を見せておる理由だと思っております。他の協定につきましては、これは需給関係の不安定とか、いろいろな農産物以外の非鉄金属としての固有の要素もございますし、異常な価格の高騰時になかなか所要の緩衝在庫による放出が十分間に合わない、足りないというようなこともございますし、運用上かなりむずかしい点もございますが、いずれもやはり輸出割当制度をココアの場合には併用いたしまして、緩衝在庫とともに価格の下支えには有効な機能を発揮する仕組みにはなっておるわけでございます。そういう客観的な要素も含めまして、このすず協定と他の協定との比較考量をすべきじゃないかと考えております。
○渡部(一)委員 UNCTADにおきまして、ジャマイカが砂糖などの商品協定の失敗を指摘し、総合計画以外にないと主張した旨報道されておるわけであります。これはまさにこれらの一次産品輸出国において大きな不満というものを醸成しつつあるのではないか。わが国は個別商品協定方式を唱えておりますけれども、これら一次産品問題は南北問題の重大な課題である。そうした立場でこの問題はもう少し討議され、議論されていい問題ではないか、もう少し衆知を集められていいんではないか、こう思っておるわけであります。したがって、その大きな方向性につきどう考えておられるか、その辺をお伺いしたい。
○賀陽政府委員 ただいま例に挙げられました砂糖協定でございますが、砂糖協定は、価格帯を突き抜けて価格が高騰いたしまして、その後価格が価格帯に戻っておりません。したがって、経済条項が死んでおるというような状況にあるわけでございます。それに対して総合基金構想のようなもので対処したらどうかということをジャマイカが申したといういま先生の御指摘であるわけでございますが、総合基金構想と申しますのは、緩衝在庫の膨大なものをまず一どきにつくりまして、個個に商品協定について緩衝在庫の必要性が確立された場合に、その膨大な緩衝基金から自動的に個個の緩衝在庫に注入いたしまして、商品協定をどんどんつくっていくという構想が背後にあるわけでございます。これにつきましては、やはり商品協定と申しますのが、産品の特性、個性によりまして緩衝在庫になじむものもございますし、なじまないものもある、あるいは輸出割り当てになじむものもあるというきわめてきめの細かい対応をしなければいけないということは広く承知されているところでございますし、わが国といたしましては、個別産品的な検討を先行させることがやはり一次産品対策の最も現実的かつ有効な方策であるというふうに考えておるわけでございまして、総合基金構想は行き過ぎであるという認識のもとに、UNCTAD総会にも臨んでおるわけでございます。
○渡部(一)委員 それは、私の意見を言わしめますと、あなたと同じ論拠をもって逆の留保がつけられるのではないかと思う。といいますのは、商品ごとのいろいろな多様性、そしてその特性を考えますと、総合計画以外にだめな部類もあるのではないかと同じように言えるのではないかと思うのですね。特に砂糖の場合、金額とその需要量というのは非常に大きなグレードを持っていることは事実ですし、したがって、これに見合う費用というものが他商品に及ぼされた場合に、それだけではとても見通しがつかぬという議論も成り立ち得るとは思います。ただ、単品としてそういう問題についてジャマイカ自身が考え出し、それを要求されたというところに今度の南北交渉の非常に大きな要点がある。自分で物を考え、自分で主張を開始したということが大きな将来の芽ではないかと私は思っておるわけです。そうすると、その辺の一次産品に対するわが国の立場というものは、これからちょうどIRB構想なんかが問題になっていますし、もうちょっと煮詰めておかなければいけないのではないかと私は思います。少なくとも、提案があったら賛成か反対かを言うというような受け身なのじゃなくて、提案がある前にわが国としてこうあるべきだという構想を積極的に開陳でき得る素地を持たねばならない、膨大な輸入国としてそういうわが国の立場というものがあってしかるべきじゃないか、こう思うのです。その辺の方向性が、関係当局からときどきお話を承ったときにどうもいつもあいまいもことした感じがする。その辺をお伺いしたい。特に、いろいろな方面にベテランの次官がおられるわけですから、将来性にわたる大構想をひとつお示しをいただきたい、こう思います。
○塩崎政府委員 確かに一次産品の問題は、単に個別的な商品協定の問題として考えるべきではないという御指摘は私は全く賛成でございます。本当に南北問題あるいは世界の貧困の解決というような広い観点からこの問題に取り組むべきであると思います。そういった御指摘からは、当然、個個の商品協定が提案されたときにこれに個別的に対応するばかりが適当な策とは私は思いません。確かに一次産品全般の問題、さらにまた輸出所得補償の問題というような南北問題の大きな焦点に合わせてこの問題を解決する。そのためには、いまおっしゃったようなどうしても個別商品協定では救われない商品についてどのように対応していくか、いま価格安定操作に大変むずかしい問題があると言われましたことを反省しながら検討していくべきだ、こんなふうに私は考えております。
○渡部(一)委員 もう一つ緩衝在庫の問題で、これは私のゆがんだ見方かもしれませんが、横で見ておりますと、わが国はいつも緩衝在庫の話が出ると、拠出金が幾らになるかといきなりコンピューターとそろばんではじいて、金額が多そうになると大声でノーと叫ぶ、お金を出さないで済む話になると急ににこにこ愛想よく笑って握手に行く、そういう感じがこの一連の取引というか駆け引きに出ると強烈に私には感じられるのであります。まあ一面においてそういうことはないと信じておるわけでありますけれども、どうなんでございましょうか。大蔵省のお金の出し方が、そういう交渉をされる方々に非常に苛烈なために、緩衝在庫なんということを約束して帰ったらもう来期は知らぬぞというふうに威嚇されるのでありましょうか。正直にお答えをいただきたい。もしそういう不当な干渉が行われているのであれば、これは政治的に考えなければいけませんしね。
○賀陽政府委員 ただいま御指摘の点でございますけれども、わが国といたしましては、緩衝在庫そのものの有用性というものはもちろんケース・バイ・ケースで認めていく立場でございます。ただ、御高承のように、消費国が義務的に緩衝在庫に金を出すというシステムは、これはいまだ現実のものになっておりません。すずの場合に任意拠出ということになったわけでございます。そういう意味で、商品協定の本旨から申しますと、生産国が緩衝在庫を主として担当するという従来の立場があったことも事実でございます。ただ、その辺の考え方がやはり漸次進化してまいっておるという要素もございますので、まさに御指摘のとおり、そういう方向で物事を考えていく必要があるということはよく認識しておるわけでございます。
○渡部(一)委員 非常にうまくおっしゃってくださいましたから言外の意味を察しているわけでありますか、私は、こういう問題に対する態度のあらわし方は、非常に微妙な問題というよりも、むしろ発展途上国と日本が折衝する場合に、日本のいろいろな善意が疑われる一つの大きなケースだろう、そう思っているわけでありまして、今後もこういった点については、交渉される方々に対して余裕のある立場を十分に与えていただくことが大事なんじゃないか。御自分で交渉なすった皆さん方はその辺非常に賛成なさると思いますけれども、何にも決める権限を持たないで飛び出していくというんでは南北問題はできない。これは交渉というよりも友好問題としての大きな課題があるのではないか、私はこう思っているわけであります。 〔水野委員長代理退席、委員長着席〕 もう一つ伺いますが、ココア協定の方と一緒にお話しをしてしまうわけでありますが、このココア協定の方は、ココアの現行協定発効後の三年間に——これは非常にまずい話でありますが、御承知のとおりこれは四十八年六月に、七十一国会の開会中にもかかわらず暫定適用で加盟したいきさつがございまして、こういう国会無視のやり方はけしからぬというので大問題になった経緯があります。そうまでしてこの三年間ココア協定に入っているわけでありますが、この協定が発効した後、ココアの価格安定のために役に立っていないのではないか、こう思われるのですが、いかがでございますか。
○賀陽政府委員 ココアの価格が現在非常に高い水準にございますので、現在の価格帯の中には入ってきておりません。そういう意味では、ココア協定は現在直ちに作動していないというのは御指摘のとおりでございます。ただ、ココア理事会等におきましては、消費国と生産国が集まりまして、需給関係におきまする情報交換等を絶えず実施しております。さらに、生産国の一層の増産を要望する等の措置も講ぜられておりますし、一方肝心の緩衝在庫も、将来の発動に備えまして着々資金を集めておりまして、現在約六千三百万ドル程度に達しておるわけでございますが、そういう意味でいわば有事の際に備えると申しますか、そういう機能は十分果たしてまいっておるわけでございます。
○渡部(一)委員 おっしゃることはちょうど逆じゃないでしょうかね。有事の際に備えるんじゃなくて、言葉じりをつかまえるようですが、ココア相場の上から言うといまはもう有事なんですね。これは有事になると役に立たない、平時のための協定ですね。あなたは有事の際に備えているとおっしゃったけれども、いま平時における協定で有事ではだめだ、平和になったら役に立つでしょう、こういう意味じゃないですか。
○賀陽政府委員 有事の際という言葉は必ずしも適当でないかと存じておりますけれども、ココアの価格が高いということに価格帯を自動的に合わせて、常にココア協定が作用しなければならないということにつきましては、御承知のように商品協定自体の限界と申しますか、消費国の利益というものもあるわけでございますので、先生御指摘のとおり、有事の際云々ということは適当でございませんから、平時からこのココア協定は情報交換等を通じまして有効な効果をおさめつつあるものというふうに言い直さしていただきます。
○渡部(一)委員 すずの方へ戻りますが、すずは、第四十四条に、参加国が自国の安全のために必要な措置をとる場合に義務を免除するという項目がついております。このすずの、自国の安全のためになどという部分がついているのは一体どういう意味なのか、ちょっと理解しかねますので、この辺をお伺いしたいのですが……。
○賀陽政府委員 この規定は、われわれの判断では、またそれが実証されておるわけでございますけれども、すずの戦略物資としての価値が高かった時代の名残の規定でございまして、すずは、当時は戦車の軸受け等に使われておりましたが、現在は直接に戦略的に使われるということはございませんで、御高承のように、ブリキその他の用途でございます。そういう意味の戦略性がない——かん詰めが戦略的な目的に供せられないということもございませんから、そういう意味では戦略性が全くなくなったということはございませんけれども、用途に大きな変化を生じておるわけでございます。したがって、当時、戦略性の高かった時代における規定の名残でございまして、その場合には、輸出統制等に服さないでもよろしいということを規定したものと解釈しておりますが、現状においては、この規定にわれわれは重大なポイントを置いておらないわけでございます。
○渡部(一)委員 いま百科辞典を刷ってもらいましたのですが、「すずは青銅器時代から人類に青銅として、武器や器具に使用された。蒸気機関の発明とともに火室材料、軸受合金に使用され、現在は種々の軸受合金、すずめっき、はんだ等に使用される。」などと書いてあるわけでありますが、少なくとも青銅の大砲を撃っている時代じゃないんで、ロケットが飛ぶ時代に、こんなおかしな部分はやめようじゃありませんかぐらいは、平和憲法を持つ日本の外交官としておっしゃってもいいんじゃないかなと私は思っているわけであります。日本政府は、その辺非常に愛情深くて、他国の要求というものを受け入れておられる意味合いもあるのでしょうけれども、まあこれは言わずもがなの部分だなという感じがいたしますので、今後の交渉に待ちたいと思いますが、いかがですか。
○賀陽政府委員 先生の御指摘の御趣旨を体して今後対処してまいりたいと思います。
○渡部(一)委員 商品が暴騰し始めたときに、商品協定は高い価格帯には作用し得ないというのは、どう考えても、商品協定という、商品という名前に照らして残念なことであります。この暴騰し始めた、ここの、まさに有事の部分について何らかの施策がとられねばならない、そういう世界的な要望というのがあると私は思うのですね。先ほど次長は、その国の収益ということもありますのでなどとすばっとおっしゃいましたけれども、それはインフレ政策を認める言い方でありまして、そこは必ずしも適当な言葉でもなかったろうと思うのですね。少なくとも、安定需給というのがいずれの世界においてもあり得るということがいい。一時的なインフレというものは、一時的にはもうかっても、回り回ってはお互いに余りプラスにならないという理解と前提のもとに、いま世界の政治というのは進んでいるわけですね。あなたは十九世紀的な発想で、うんともうかるときにはもうけなければいけないのだというような、まるで買い占め商人が言いそうなことをちらっといま言われましたけれども、あれも取り消すならついでに取り消されておいた方がいいだろうと私は思うのです。そうしておいてそれを取り消すと一緒に、今後そういう非常に高くなった部分について何らかの努力をしなければいかぬ。そのわが国政府の努力、方向というのをどう考えておられるか、そこと、二点お伺いいたします。
○賀陽政府委員 先生御指摘の、商品が急速に高騰いたしました場合に、緩衝在庫が常に有効に働かなければいけないという御指摘かとも思いますけれども、恐らく天文学的な数字の緩衝在庫を各商品について持ちました場合には、観念的にはその放出を通じて常に火消しをすることができるということは、理論的には想定されるだろうと思うのですが、これはやはりそこまで各商品について徹底した措置を、膨大なる天文学的緩衝在庫をつくるということも事実ではございませんので、その点はやはり限界がございます。したがってこれは商品協定の本来の限界であって、精いっぱいの努力をバッファーストックがしておるという状況かと思っております。 それから私の申し上げました点でございますけれども、価格帯が常に低くなければならないということを申し上げたわけでは決してございません。しかし、特定商品について生産国に対する経済的寄与という観点もバランスしながら、なおかつ消費国としてどの程度の価格が受け入れられるかということについては、おのずからなる配慮がやはりあるかと思いますので、その点を申し上げたわけでございます。
○渡部(一)委員 商品協定というのは、あなた、言葉遣いが相当粗っぼいので私はらはらしているのですけれども、商品協定が、あなたの言う用語とちょっと違うかもしれないが、機能でき得ないような価格暴騰帯に突っ込んできた場合、それに対しては何らかの対策が必要でしょうと私言っているのです。商品協定の限界なんて、全部含めなんて私言ってませんよ。そんなこと私言ってない。そうでなくて、商品協定がこういう価格暴騰帯に突っ込んできた場合は商品協定自体が作動しないのは、私もこれを拝見してわかっているわけです。別の方法が何か必要でしょうと言っているのです。必要は認識しているでしょうと聞いているのです。だから、認識しているなら何かの方法を考えているのでしょう。考えるのは私の役じゃありませんと言うならそれでもいいのです。どうなっているのですかと聞いているのです。どういう考えでこれに対応しようとなさっているのですかと伺ったのです。そうしたら、あなたは、商品協定の中でそんなことをやるなら、緩衝在庫というのはどのくらいかかるかわかってますかなんて、私を威嚇しようとする。そんなおどかし、私は応じませんよ。それはあなたの誤解です。
○賀陽政府委員 私の申し上げ方に不謹慎なところがございましたかもしれませんが、私の申しました意味は、先生の御指摘の意味でございますと、やはりそういうふうに価格の急高騰時にどういう対策があるか、これはまさに先生御指摘のとおり、大変な難題でございまして、いろいろな商品協定でもこの点は非常に対策に苦慮しておる。普通は、価格が上がりますと生産が回復いたします。回復いたしますと、漸次値が下がるという一つのサイクルもあるわけでございますが、砂糖において御見聞のように、砂糖があれだけ上がりまして、最近は下がっておりますけれども、相当期間やはり価格が据え置かれた状態に推移したということもございますので、この点は、石油危機その他の付随要因も一非常にございましょうし、非常に複雑な要因によって成り立っておるわけでございますが、まさに先生御指摘のように一番むずかしい問題領域、商品協定として苦労しておるという領域かと考えておるのでございます。
○渡部(一)委員 御答弁、不十分ですな。それは認識が一致したということですね。じゃ、今後どういう方向で苦労しているのですかと私聞いているのです。それはあなたは答えるのはちょっと無理でしょうから、言うのも危ないでしょうから、政務次官、お答えいただけませんか。いまはこうやっている、いまは大変だという認識についてようやく一致したわけですから、今度これから先、こういう商品群の大幅な乱高下、こうしたものに対してどういう対策がとられねばならぬか、その方向性について、政務次官、責任のあるお答えを各省庁代表しておっしゃっていただきたい。
○賀陽政府委員 やはり先生御指摘の点は、生産の高揚とか当該商品の多角的な用途に対する多様化とかそういった問題を、援助的な、経済寄与的な思想も含めてやってまいるという別個の対策がやはり相当必要になってくるわけでございまして、これはまた、全然行われてないわけではございません。私の申し上げたいことは、商品協定という枠の中でそういうことが行われるには御指摘のように限界があるということで、ほかの分野で対策を講ずる方向で今後とも努力してまいることはそのとおりかと思っております。
○塩崎政府委員 賀陽次長は、商品協定の中で価格の乱高下、暴騰、暴落を防止するには限界があるということを言ったわけでございますが、確かにそういった面もございますが、やり方一つにも左右される問題だと思うのでございます。 確かに賀陽次長は、その前の生産の奨励あるいは生産意欲への刺激、こういった問題がまず当然行われるべきだということでございましょうが、それらを含めて、商品協定の中で解決する道がありはしないか、さらにまた、緩衝在庫について、恐らく農産物などは緩衝在庫をそう持てないために暴落、暴騰の場合の対処がなかなかできないといたしますれば、その緩衝在庫の持ち方についても、これは少し金がかかるかもしれません。いろいろの方法で緩衝在庫を通じてのやり方もさらに検討してみて、なるべく商品協定の中に広範な方法、戦略を織り込むことによって対処できることも、今後の研究問題として考えていいんではないかということを、いま御議論を聞いておりまして考えておったわけでございます。
○渡部(一)委員 ココアの消費で最大のシェアといいますか、約二五%という大消費をしております米国が現行協定に加盟していないということもまた非常に大きな問題だろうと思うのですね。その辺も多少言及されるかと思いましたが……。このようなポイントは、まさにちょっと交渉でまだ何とかなるという面を含んでいると思いますね。ただ生産をふやすというだけしか能がないんじゃしょうがない。しかも、生産がふえることを期待する発言だけで、生産をふやすためにわが国として何もしないで、手をつかねてぼんやり見ているというんだったら、それは言うだけというので、そういうのは議論のための議論としか私は思われない。そういう点もひとつ、これはわが国とアメリカとのパイプではしょちゅう交渉その他が行われているのですから、交渉してしかるべきじゃないか。 昨年の国連特別総会では、アメリカとしても気がひけたのか、ココア協定にも言及しているようですし、わが国としても、その辺はちょっとどうかしたらどうなんですかと言うぐらいは言ってもいいんじゃないですか。しょっちゅうアメリカの言うことを聞いているだけでなくていいと私は思いますよ。それはアメリカ局でなければ答えられないとおっしゃるなら、アメリカ局長呼び出して詰めようじゃないですか。経済局はアメリカに口きいちゃいけないのですか。アメリカのことだけわざわざ外して答えたりして……。
○賀陽政府委員 先生御指摘の点につきましては、ココアの改定会議におきまして、アメリカは割り当て中心のメカズムに反対でございます。これは輸出を人為的に規制するのが自由市場原理に反するという基本的な考え方でございます。わが国は、ココアにつきましては賛成をしておるわけでございます。わが国といたしましては、このような輸出割り当てのメカニズムに組み込まれた協定にアメリカが消極的であるという点につきましては、これは望ましくないことであるという立場から、終始アメリカに対しまして、このココア協定に参加することを、協定の会議の内外を通じまして、従来から熱心に説いておるわけでございます。
○渡部(一)委員 ケニアで開催中の第四回UNCTAD総会で、発展途上国は、一次産品問題について、価格、輸出安定を図るため共通基金を設立するように強く集団的に主張をされました。また、発展途上国は、工業製品の輸入価格、先進諸国から輸入する価格と一次産品を出す価格とをスライドさせるインデクセーション方式というものを強く主張したわけであります。わが国においてもそういうやり方というのを配慮しなければならぬという議論もありますし、私もその議論に傾きつつある一人です。 といいますのは、発展途上国の主張するこれらの主張というものをある程度取り入れないとならなくなってきた状況が外的に生まれつつある。それは、いわゆる最貧国というのがいよいよ登場し始めておる。先進諸国と発展途上国との間のGNP比率は差が急激に開きつつあるという統計が、国連統計その他にも次から次へと登場してきておる。また、IMFの各種報告を先回の審議の際いただいたのですが、そのときにもいろいろと問題になってきた問題がある。そうしますと、その点を配慮しないならば、全部の経済システムを覆してしまって、その混乱というものはさらに広がっていくんではないか、そう思っているわけでございますね。だから、いまのこうした放出するやり方というのは、むしろ世界を社会主義化する一番スピーディーなやり方だと皮肉に言う人さえ評論家の中にあらわれつつあるというのが状況であります。この問題についてのわが国の対応は非常に遅いんではないか。また例によって何にも意見を言わない、個々の具体的なことだけ返事するというふうなやり方ではよくないんではないかと、こう思われるわけですね。これも本委員会の短時間の審議ではとても不可能でしょうから、追ってがっちりお話をしなければならぬ問題だと思いますが、一言その辺お伺いしたいと思います。
○塩崎政府委員 渡部委員の御指摘は全く同感でございまして、私どもは、これらの問題は本当に真剣に研究しなければならないと思っております。 確かに、私どもは経済援助を発展途上国にせざるを得ない。しかし、むしろ一次産品を、大いに生産を拡大し、そしてまた効率を持った一次産品にしてもらう方が、確かに経済援助よりもすぐれた方法だと思うわけでございます。 そういった意味で、一次産品に対して価格の安定を通じて輸出国に対して所得保障をすること、それは、モノカルチュア的な発展途上国にとって唯一の生産物であるだけに、大変私は重要な問題だと思うわけでございます。第三世界と言われる産油国だけがインデクセーションができて、そして値段を四倍に上げることができた。これを考えてみると、石油以外の、それが独占的な製品でないだけに苦しんでいる一次産品の現状を考えてみますと、これはひとつ何か先進国も、工業国も、自分たちの経済発展と合わせて考えていくべきではないかという気が私はしてならないわけでございます。 しかし、農産物と工業製品との間の例の鋏状価格差と申しますか、シェーレの問題は大変むずかしい問題で、わが国内でも農業と非農業との間の格差の問題として、大変むずかしい問題を生じておりますことからおわかりのとおり、なかなかこれはむずかしい問題で、よほど真剣に、また各国が意識を統一して研究しなければならない問題ではないか、こんなふうに私は考えております。
○渡部(一)委員 終わります。
○鯨岡委員長 渡部一郎君の質疑は終わりました。 次、永末英一君。
○永末委員 ココア協定について質問をいたします。 パプア・ニューギニアからわが国のココアの輸入は、年間どれぐらいですか。
○賀陽政府委員 お答え申し上げます。 わが国の輸入量は、七三年十五トン、七四年は二トンでございまして、現在少ない状況でございます。 パプア・ニューギニアからは、ココアはファイン、フレーバーをもっぱら輸入しておりますのは御高承のとおりでございまして、ファイン、フレーバーと申しますのは、御承知のように、チョコレートに入れてこれをおいしくするための要素としてのココアの用途でございます。 現在の段階ではこういう少ない実績でございますけれども、今後パプア・ニューギニアとの貿易関係が深まるということはわれわれとしても当然期待できるわけでございまして、今後の増加を強く期待しておるわけでございます。
○永末委員 わが国の使用しておりますファイン、フレーバーカカオというのは総量は何トンぐらいですか。
○吉田説明員 お答えいたします。 現在、豆で大体三万トンぐらいのココアが入っておりますが、その一割が先ほどのファイン、フレーバーのココア豆でございます。
○永末委員 三万トンの豆のうちで、その一割がファイン、フレーバーだといたしますと、パプア・ニューギニアからは十五トンとか二トンとかと、一割といたしますと三千トンでございますが、その中のシェアというのはきわめてあるかないかの状態でございますが、その少ない理由は何でしょうか。
○吉田説明員 一つには非常になじみが薄いということ。やはりこういうものを使う菓子メーカーなりがなじみのあるところということで使うのが一つと、それから第二点は、検査体制がまだ完全に完備いたしておりませんので、そういう点がやはり輸入量の少ない原因かと、こう理解いたしております。なお先ほど外務省からお話がございましたように、地区的問題もございますし、われわれとしては今後は大いに入ってくるものだと、こう理解しております。
○永末委員 検査体制というのはわが国の方に問題があるのですか、相手方の方に問題がありますか。
○吉田説明員 向こう側でございます。
○永末委員 一番遠いところから輸入しておりますファイン、フレーバーの輸出国はどこですか。
○吉田説明員 ベネズエラとそれからコスタリカでございます。
○永末委員 ベネズエラ、コスタリカから運んでくる場合の輸送費、パプア・ニューギニアから運ぶ場合の輸送費、トン当たりどれぐらい違いますか。
○吉田説明員 いまここに資料がございませんので、すぐ調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
○永末委員 後でお知らせを願いたいと思います。 パプア・ニューギニアはファイン、フレーバーのカカオ豆を産出しているようでございますけれども、その他の日本で使っておる種類のカカオ豆も生産をいたしておりますか。
○吉田説明員 ファイン、フレーバーで大体七五%の生産でございまして、二五%はベースココアでございます。
○永末委員 先ほどの資料は後で提出するように委員長からお取り計らいを願います。
○鯨岡委員長 承知いたしました。
○永末委員 先ほどお話がございました七三年度の輸入、七四年度の輸入というのはまだパプア・ニューギニアが独立をしていない以前の話でございまして、昨年九月十六日にパプア・ニューギニアが独立国家として独立をいたしました。わが国もそこに大使館を設置し、今回新しく専任の大使が向こうへ着任をいたしておるという事情でございますので、恐らくは南米やあるいはまたアフリカから船積みをして送ってくるカカオ豆よりは、パプア・ニューギニアから送ってくる方が輸送賃が安いのは距離からしてきわめて明らかでございまして、同じ太平洋圏の一カ国であるパプア・ニューギニア、きわめて新しい国でございますが、発展途上国であり、またきわめて厳しい条件でもあると思いまして、その意味合いでは、いままで使っておらぬから日本のお菓子屋さんにはなじみがないのかもしれませんが、この辺はひとつ同じ太平洋経済圏の一国として、行政上いろいろな指導をされて日本に輸入促進ができるように取り計らわれるべきだと思いますが、政府のお考えをお聞かせ願いたい。
○加陽政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、九月二十六日に大使館開設以来、両国の関係が非常に緊密化いたしまして、私ども外務省におりましても、現地から盛んにいろんな情報が参っておる状況でございますし、現地要人の訪日問題等も出てきておることは御高承のとおりでございます。先生の御指摘も踏まえまして今後とも努力してまいりたいと考えております。
○永末委員 オットセイの議定書の締結について次に質問をいたします。 オットセイを保護する理由というのは、日本政府はどうお考えですか。
○佐々木(輝)政府委員 オットセイ、特に北太平洋のオットセイにつきましては、大体十八世紀ぐらいから毛皮を目的にして猟獲が行われております。現在でも最も重要な利用価値はオットセイの毛皮にございます。そのほかわが国ではオットセイの肉あるいは肉の中に含まれる特殊な薬品の利用ということも可能ではないかということで研究をいたしておりますけれども、現状ではほとんど毛皮の利用が目的でございます。
○永末委員 提案理由の説明に「オットセイ資源の最大の持続的生産性達成のための措置」というなかなかよくわかったようなわからぬような表現でございますけれども、オットセイはふえた方がいいのですか、安定した数でおるのがいいのですか。
○佐々木(輝)政府委員 生物側の特徴といたしまして、ある資源量が一番大きいときに、そこから生まれるといいますか、そこから毎年余剰として出てまいります新しく生まれる子供の量とか成長量とか、そういう資源を利用できる余剰量というのは必ずしも最大とは限りません。余り資源が大きくなりますと、えさが足りなくなって死亡率が高くなるとか成長が悪くなるとかいろんな問題がございまして、一定の資源量水準まで間引いたときに、そこから毎年人間が利用できます資源の余剰量というのが最大になるところがあるというのが最大持続的生産量水準という考え方でございます。 オットセイにつきましてはそういった水準が繁殖島ごとに一体どこら辺にあるかということをいままで各国の学者が研究をいたしてまいりまして、それぞれある程度のめどをつけておりますけれども、まだ確実にこれが機械的に絶対の最大持続的生産量水準であるというところまで確言はできませんが、おおむねのめどがついている状況でございます。それを目標にしてそこの水準まで資源を回復したいというのが条約の目的でございます。
○永末委員 いま大体めどがついておるとおっしゃいましたが、それでは現在北太平洋におきますオットセイの最適状況におきます生存していく頭数というのは大体どれくらいと見ておられるのですか。
○佐々木(輝)政府委員 これは資源の系統群が三つございますが、最大の資源はアメリカ側のプリビロフ島の資源でございます。ここでは現在百八十万頭くらいの資源が生息しておりますけれども、百八十万頭ではちょっと過大である、むしろ間引いた方がいいというのがおおむねの研究者の一致した見解でございます。そこで、雄の一部分はもとより、雌の一部についても捕獲を強化して資源をやや水準以下に落とし始めたわけですが、その段階で実はいろいろ自然環境の変動と思われる理由によって資源量水準が予測以上に低下をしたというようなことがございます。現在はこれをどの程度まで間引いたらいいかということが、また問題がちょっと複雑になりまして、各国の研究者の見解が少し分かれ始めておりますけれども、毎年生まれます子供の数で言いまして三十五万頭ないし四十万頭くらいの水準に資源を維持していけば、おおむねそれで最大の持続的な生産というのは続けられるというのが現状での大体の見解でございまして、いまの資源量水準はまだそれをやや上回っておるというふうにプリビロフにつきましては考えられております。 なお、ソ連領の方のコマンドルスキー及びロッベン島につきましては、それぞれ毎年生まれます子供の数で四万頭ないし三万頭くらいの間が最大の持続できる資源量水準ではないかということをおおむね考えておりますけれども、これは年によって相当変動がございますので、現在あります資源量はコマンドルスキーで大体二十六万頭、ロッベン島で十七万頭でございますが、この水準に維持すれば毎年の子供の生産量を今後とも持続できるかどうか、ちょっとまだ科学者の間で必ずしも意見の一致を見ていないという状況でございます。
○永末委員 オットセイの毛皮を使用したり肉その他のものを利用するというところに重点があるのではなくて、オットセイという生物を地球上に残しておくという方に重点がある、それを目標にこの条約並びに議定書がつくられておるのか、何ぼか毛皮をとってやろうということに重点があるのか、どっちなんですか。
○佐々木(輝)政府委員 先ほども申し上げましたように、オットセイも人間が利用できる一つの資源であるという考え方で、その資源を利用できる数量の水準を毎年ずっと長続きがするように、しかもその中で一番高い水準を持続できるようにしたいということが目的でございます。ただオットセイの頭数だけが最大限度にふえればいいという考え方ではございませんで、毎年の利用資源の水準を最大に保ちたいという考え方でございます。
○永末委員 生きているものでございますから、めちゃめちゃに人間のために殺戮してしまわないように慎重にやっていただきたいと思います。質問を終わります。
○鯨岡委員長 これにて各件に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○鯨岡委員長 次に、国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定の締結について承認を求めるの件及びアジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件の両件を議題とし、審査を進めます。 これより両件に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永末英一君。
○永末委員 わが国の特許庁では、特許申請がございましてからこれを調べまして許可を与えるのに大体平均どれくらいの日数がかかっておりますか。
○片山(石)政府委員 一時は五年数カ月という大変長い時間がかかりましたが、昨年大体二年十カ月くらいになりました。それが最近また少し延びておりまして、三年二カ月くらいかかっておるというのが現在の状況でございます。
○永末委員 半減以下に短くなった原因と、また延びている原因をひとつ御説明願います。
○片山(石)政府委員 一時非常に長くなりましたので、昭和四十五年に制度改正をいたしました。制度改正はいままで全部審査をするという態勢でありましたのを、一応出願は出願としまして出願いたしまして、その中から特に審査をしてほしいというものだけ審査請求をするという制度に昭和四十六年の施行から入りました。それで審査請求がわりに減ったということも一つございます。 それからもう一つは、やはり人員とか事務強化ということを一生懸命やってまいりまして、その二つが相まちまして幸いにして減ってまいったわけでございますが、その後、出願が非常に多くなりまして、同時に審査請求も非常に多い、それから人員も思ったほどふえないというようなことがございまして、また最近少しずつ延びておるという状況でございます。
○永末委員 特許の問題は外国との関連がございますので、こういう国際特許分類の協定も結ばれるのでございましょうが、国内的にいきますと商品登録の問題もございまして、時間が余りかかっていますと、余り意味のないような制度もあるわけですね。したがって、これを短くするためにはどういうことが特許庁としては必要だと考えていますか。
○片山(石)政府委員 従来からも一生懸命努力してまいりましたが、やはり第一には人員、機構を強化するという必要性がございます。同時に、それだけでは必ずしも片づかないという面もございまして、事務の合理化ということのために特許の分類の仕方とか、審査の仕方ということについていろいろ工夫を重ねておりますが、この点につきましてはさらに強化する必要がございます。 ただ、もう一つつけ加えて申し上げますと、日本の特許の出願というのは、世界的に見ましても非常に多うございます。中にはもちろん非常に優秀な発明もございますが、そうじゃなくて、むしろ特許出願競争みたいな感じも若干ないことはございません。これにつきましては、自分が出願しておかないと人にとられるかもしらぬという過当競争的要因もございます。そういう点を少し何とか特許庁の方の審査の仕方も考えまして、余りむちゃくちゃに、余りむだな特許は出願しないということを特に大手のところにはいろいろ相談いたしておりますが、そういうことによりまして本当に必要なものを速くやるというようなこともあわせ考えていかなければならぬ、こういうつもりでおります。
○永末委員 先ほどこのごろ三年二カ月であると、こういうのでありますが、外国はどれくらいなものですか。
○片山(石)政府委員 大体おしなべまして二年ぐらいになっております。
○永末委員 非常にスピードの速い時代でございますから、速くやらなければ意味はなくなったり、あるいは外国の方が一年以上スピードが速いということになりますと、当然わが方に特許権が確保でき得べかりしものを外国の方が先になってしまうということがございますので、少なくとも外国のスピードに負けないような態勢をとることを考えられ、議会に対して承認を求めるものは承認を求められたいと思います。 さて、この国際特許分類の中で武器というのがございますが、この分類をそれぞれ各国がやるわけでございますが、わが方がそういうものについて分類をして、そうしてこれを他国に聞くわけですね、おまえのところはやっておるかやっておらぬかということを。そのときはちゃんと知らしてくれるのですか。武器についても知らせますか。
○片山(石)政府委員 武器につきましても分類はございますし、そこで特許になったものは世界的にちゃんと公表をされるということでございますけれども、一部アメリカにつきましては国防上特に必要なものというのは、アメリカの内部の取り扱いでこれは公表しないこともあり得るという制度になっております。
○永末委員 特許関係を終わりまして、次にアジア=オセアニア郵便条約について質問をいたします。 このアジア=オセアニア郵便条約は、できましたのが昨年の十一月二十七日でございますが、先ほど触れましたように九月十六日にパプア・ニューギニア国がオーストラリアの管轄から離れて独立をいたしました。しかし、この条約にはパプア・ニューギニア国は参加をいたしておりません。オーストラリアは参加をいたしている加盟国でございまして、したがって、この郵便条約はオーストラリアと日本の間では有効であるけれども、パプア・ニューギニアとの間はどうなっておるのか、御説明を願いたい。
○林説明員 お答えを申し上げます。 先生ただいま御指摘のように、パプア・ニューギニアは国連の加盟国ではございますが、UPU、万国郵便連合及びAOPU、すなわちアジア=オセアニア郵便連合にいずれも加盟いたしておりません。 したがいまして、加盟はいたしておらないのでございますけれども、この国にあてます郵便物の送達につきましては、従前からもそうでございましたが、オーストラリアの仲介によりまして送達いたしておるということでございます。このオーストラリアの仲介による送達というのは万国郵便連合条約に定められてそのような扱いをいたしておるということでございます。
○永末委員 いまおっしゃった意味は、パプア・ ニューギニア向けのたとえば日本からの郵便物はオーストラリア経由で配達せられる、こういうことですか。
○林説明員 そのとおりでございます。
○永末委員 パプア・ニューギニアと外部との交通は独立後いろいろ変わりつつあるのでございますが、将来わが国とパプア・ニューギニア国との間に直接の交通路が開かれてくるというようなことになりますれば、オーストラリア経由では消化できない点が出てくる。そういう場合には、やはりストレートにパプア・ニューギニア国とわれわれとの間の郵便関係、またうまくいく関係を結ばねばならぬと思いますが、そういう御準備はございますか。
○林説明員 パプア・ニューギニアにつきましては、私ども承知しておる限りにおきまして近くuPUに加盟し、またAOPUにも加盟するというような意向を持っておることを承知いたしております。ただいまのところはオーストラリア経由の交通手段しかございませんために、オーストラリア経由でいたしておりますが、パプア・ニューギニアがAOPUにも加盟し、かつ直接の交通便が設けられました暁には、直接の送達ということを当然考えなければならないものというふうに考えております。
○永末委員 新興国パプア・ニューギニア国とわが日本国との友好親善については政府も格別の配慮を持たれるよう期待をいたしまして質問を終わります。
○鯨岡委員長 永末英一君の質疑は終わりました。 河上民雄君。
○河上委員 国際特許分類に関するストラスブール協定とアジア=オセアニア郵便条約につきまして質問をいたしたいと思います。 初めに、国際特許分類協定につきまして幾つか御質問をしたいと思うのでありますが、この協定は一九七一年に作成され、わが国も同年に署名をいたしておりますけれども、今日まで加入をしなかった理由はどこにありますか。それはなぜですか。
○片山(石)政府委員 一九七一年に署名をいたしておりますが、実はこの分類というのはきわめて簡単なようでありますけれども非常にむずかしいものでありまして、日本の特許の過去の文献だけでも二百数十万件という数字に上っています。こういったものにつきまして、いろいろ分類をつけていくというようなことをし直さなくてはならぬというようなこともありまして、その準備のために相当時間がかかりまして、大体準備が整いましたので昨年発効し、ちょっとおくれましたけれども、ことしぜひ参加するようにいたしたい、こう思っております。
○河上委員 準備に時間がかかったということは、特許庁のスタッフがその仕事を迅速にやるに数の上で足らなかった、あるいは予算的な裏づけがなかったということも関連しておるのでしょうか、いかがでございますか。
○片山(石)政府委員 確かに特許庁といたしましては審査そのものも大変繁忙をきわめておりましておくれがちであるということでございますが、同時に、この分類に入るときに余計なと言いますか、いままでとはまた別の仕事がふえたということもありまして、人員的にも必ずしも十分ではなかったという事情がございます。ただ、これに必要な事務的なお金の面についてはどうやらついております。
○河上委員 またその点につきましては後でちょっとほかとの関連がございますので引き続きお尋ねいたしますが、今度の協定を拝見いたしますと、この協定ではさらに同盟をつくるということになっておるのでありますが、工業所有権関係では工業所有権の保護に関するパリ同盟というのがございまして、たしかこれは先年本委員会において論議をいたしましたときにもそのことが出てきたのでありますけれども、そういうパリ同盟というもののほかに今度同盟をつくる理由はどこにあるのでございましょうか。
○片山(石)政府委員 先生仰せのとおりパリ同盟というのが現在ございます。ただ今度の国際特許分類の協定と申しますのは、パリ条約の中で十九条という条項がございまして、このパリ条約がいわば憲法みたいなものでございまして、その憲法に基づきまして、別に矛盾しない範囲内ではいろいろな協定を国際的に結ぶことは構いませんという規定がございます。その規定を援用いたしまして、パリ同盟の憲法のもとにおきまして、また目的の違った別の仕事を分類ということでやっていこう、こういうことでございますので、目的とか仕事の内容も違いますので別の同盟をつくる、同時に、構成メンバーも、パリ同盟は八十何カ国というような多くの加入国がございますが、今度の場合は当面は二十カ国ということで構成メンバーも違う、そういう意味で別の同盟をつくることになったわけでございます。
○河上委員 もちろんわが国は両方に参加するわけでございますね。
○片山(石)政府委員 パリ同盟には従来から入っておりますし、今度新たにこれに参加することになりますから両方参加するということになります。
○河上委員 この協定はいわゆる特許の分類につきまして、国際特許分類というものをわが国で国際的に歩調を合わせるという意味で使うことになる、しなければいけないという義務があるようでございますが、わが国は現在日本特許分類と国際特許分類の二つを併用している。私はちょっと関係者から特許の書類を見せてもらいましたけれども、二つ欄があるようでございまして、これが現状だと思うのであります。併用が現状だと思うのでありますが、今後ともこういう状態、併用を続けていくのか、それとも国際分類一本化という方向を目指してやっていかれるのか、また国際分類一本化をするためにはそれなりのいろいろ書類整理上の問題があろうと思うのですけれども、それにはどのくらいの期間がかかるのか、そういう準備をすでにされておるわけですか。
○片山(石)政府委員 現在二つの分類を公報類につけておりますが、これはあくまでも日本の分類は主分類でございまして、先ほど申し上げましたIPC加入のための準備の一つとしまして、急激に変えてしまったのではわれわれも困りますし、それから利用する人も困るということで数年前から併用しておる、あくまでも日本の分類は主分類でございます。今度加入いたしましても、これは主分類であるか副分類であるかということは必ずしも構わぬわけでございますけれども、いずれにしてもっけなければならぬという義務を負うわけでございます。したがいまして、加入いたしまして、われわれは全部いろいろな準備がまだ残っております。たとえば、過去の文献が何百万件とございますが、それも全部分類をし直すとか、分類をすると同時にファイルも全部再編成して審査がしやすくできる、あるいは民間の方も一利用する人も十分これになれるという時期、大体それまでに四年ぐらいかかると思いますので、いまのところでは昭和五十五年には一本化しまして国際特許分類でやっていこう、それまで十分準備期間を置きたい、こう思っております。
○河上委員 一本化という方向でいかれるという態度の表明がいま長官からあったわけでございますけれども、すべての加入国がみんなそういう方向に向かっているわけでございますか。それもアメリカとかその他の国々のように、国際特許分類につきまして併用を依然としてしておる国、あるいは併用はしているけれども一本化に努力している国、あるいは依然として併用でいくと主張しているような国、たとえばアラブとかいろいろあると思うのでありますけれども、そういうような国国の動向というものもあわせて伺いたいと思うのであります。
○片山(石)政府委員 現在二十カ国が加盟いたしておりますが、その中でアメリカは従来アメリカの分類と併用いたしております。ヨーロッパの諸国は、これはもともとヨーロッパの特許分類から、国際特許分類から始まったものでございますので、これはもちろん一本でございます。その他の国もおおむね一本でございまして、特に新しく特許制度をつくろうというような発展途上国などにおきましては、この分類が非常に便利であるということでこれをもちろん一本で採用していくという傾向にございます。
○河上委員 そうなりますと、昭和五十五年ごろには全世界この国際特許分類というものがあまねく使われるようになる可能性は十分あるわけでございますね。
○片山(石)政府委員 われわれはそういうふうに考えております。
○河上委員 先ほど他の委員の方から質問の中で、特許を申請してから許可になるまでの期間がわが国の場合、他の国より一年ほど長くかかるということが長官みずから指摘されておるわけでありますけれども、その理由はいろいろあると思うのでありますが、これをもっと期間を短縮する道はないのかどうか、そういう点について皆さんの間で研究をしておられないのかどうか。もし現在特許庁としてそういう点を研究しておられるならば、その内容をお知らせいただきたいと思います。
○片山(石)政府委員 重大問題でございまして、これは当庁といたしましては相当なエネルギーをつぎ込みまして研究をいたしております。その中身の重点は、やはりどうしても外国と比べてみましても人員その他におきまして、まだ相当出願量と対比しますと非常に少ないという問題がございますので、これはどうしても強化していかなければいかぬというような点もございますが、同時にいまの分類というようなものを、これは審査に便利であるかどうかという点で非常に影響する問題でございますので、この分類を非常に合理的にいたしまして、書類を検索する場合に非常に便利にする、場合によっては機械検索ということの可能性も検討いたしております。 それ以外にいろいろな手を考えておるわけでありますが、何分にも出願というのが特許、実用新案合わせますと日本の場合年間、昨年度は三十三万件でございます。アメリカの出願は十万件でございます。ヨーロッパの国々は皆十万件以下でございます。しかも伸び率が非常に高いのでございます。日本は昨年は五・一%前年度に比べて伸びましたが、外国におきましては大体横ばいないしマイナスでございます。どうして日本がこういうふうに特殊な状態にあるのかという根本原因にメスを入れなくちゃならぬということで、その点につきましても目下鋭意検討を進めておりまして、もしむだな出願が多いということでありますならば、そのむだな出願というのはそれは単に審査の負担を増すというだけじゃなしに、それだけ優秀な、どうしても必要なものというものを邪魔をするということになるわけでございますので、そういうむだは何とかして省かなければならぬということで、私みずから一生懸命現在検討を進めている段階でございます。
○河上委員 おっしゃるとおり、これは人口比から見ても日本の出願数がかなり多いように見受けられるわけでありますけれども、それだけ特許の分類に関心を持つといいますか、利害関係を持つ人が多いということにもなるのじゃないかと思うのであります。したがって、こういうような状態になっているというようなことを広く知らせる広報活動というようなものも、これは特許庁としては大変大きな仕事になるのじゃないかと思うのでありますが、そういうような点につきまして、特に中小企業者等からの利用の状況、特にそういう便宜の点で配慮をしておられる点はいかがですか。特に日本特許情報センターというようなものがあると聞いておるのでありますが、それの利用の状況もあわせて伺いたいと思うのであります。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
○片山(石)政府委員 中小企業の関係で確かに特許の情報を、特に分類のみならず、分類に基づいていろいろな資料を検索する場合に、この分類というのが非常に重要な意味を持つという意味で分類にも非常に関心を持っていかなくちゃいけません。したがって、このIPCの問題につきましては、ずいぶん過去におきまして当庁みずからあるいは発明協会ということで各地方に参りまして、講習会と申しますか説明会と申しますか、そういうことを開いてまいりました。なおしかし、情報そのものにつきましては現在資料館というのが当庁にございまして、これはありとあらゆる資料を網羅しておりますが、同時に、各地方通産局には中小企業がよく利用できるように広報類をそろえておるとか、あるいは発明協会とかあるいは地方自治体にいろいろな閲覧所をつくってやっておりますが、これはまだ不十分でございます。そういう意味におきまして情報というものを非常に利用しやすくする、特に中小企業の場合はなかなか自分でもって資料をそろえるというわけにまいりませんので、それを安く簡単にできるようにということで今後も鋭意努力してまいりたい、こう思っております。 それに関連しましてJAPATICの問題でございますが、JAPATICの関係は残念ながら、国会でも昨年決議をいただきましたように、必ずしも新規性調査機関としての機能を十分果たしているとは現在の段階では申し上げられません。したがいまして、われわれとしましてはJAPATICが今後本当に新規性調査という主たる目的でございますが、その目的に合致するためにどうしたらいいのかという点は鋭意詰めておりまして、恐らく近く何らかの結論を得て、その方向でもって進んでいくというおおむね結論が出そうになっておりますので、その点につきましては先生の御期待にもある程度はこたえ得るのではなかろうか、こう考えております。
○河上委員 鋭意御努力いただくことは大変結構でございますが、参議院の外務委員会で、これは参議院先議ですでに質疑応答が行われておるのでありますけれども、同僚議員から聞いているところによりますと、分類改正の審議におきまして、発効後の一年間の作業部会にわが国は一人も代表を送っていないというような事実が明らかにされております。もしいま言ったようにいろいろやらなければならないことがたくさんあるといたしますと、大変遺憾なことであろうと思うのであります。これに対しまして特許庁長官の方から、余りお金がないからというような意味のお答えもあったように聞いておるのですけれども、これはある意味で大変軽率といいますか、不謹慎なお答えじゃないかというような気もするのであります。いままで非常に熱意のある御答弁を続けてこられたところから見まして、特許庁長官としてはそんな状態で結構だと思っているとは私はよもや考えないのであります。そういう点、やはりそういうような専門家の派遣というようなことにつきましては、十分な予算を取るように努力をしていただくのが当然ではないかと私は思うのでありますが、特許庁長官の御意見を承りたいと思うのです。責任ある御答弁をいただきたいと思うのです。
○片山(石)政府委員 作業部会という部会には、かつて一人くらいは出たことがございますが、先生御指摘のとおり余り出ておりません。私、参議院でどうしてそういうのに出ないのか、こういう御質問がございましたので、正直申しまして現在の段階で予算が非常に足らないということが偽らざる現状でございます。こう申し上げました。しかし、それは決してこのままでいいとわれわれが思っておるわけじゃございませんで、何としてもこれは予算をつけてもらいまして、何とかたくさん、出れば出るほどいいに決まっているわけでございますので、そういうふうに努力をしてまいりたいということで、次の予算時期には全力を挙げてその問題に取り組みたい、こう思っております。
○河上委員 ひとつ長官、先ほど来お話がありましたように特にわが国では出願者が多い、それだけ関心を持っている人が多いわけでございますので、いまの御答弁のようにさらに御努力願うように私は特に希望いたしておきたいと思います。 一九七〇年に国連の二十五周年記念式典を兼ねた総会の中で、国連第二次開発の十年のための国際開発戦略というものが大いに論議されまして、その中で特許に関する決議が採択されておるのでございますが、これに対してわが国は賛成をしたのか反対をしたのか、外務省いかがでございますか。
○塩崎政府委員 早速調べまして御報告申し上げたいと思います。
○河上委員 そういうこともよくわかっておらないわけでございますか。国連総会やあるいは第一回のUNCTAD総会、さらに一九六一年にさかのぼって、第十六回の国連総会などでもそういうことが論議されているはずなんでありますけれども、日本政府はそれに賛成したのか反対したのか。
○塩崎政府委員 国会でございますので正確にお答えしたいと思いますので、しばらく御猶予願いたいと思います。
○河上委員 それじゃ、調べればすぐわかることだと思うので、後で御回答いただきたいと思います。 先ほども専門家会議といいますか、作業部会にわが国からほとんど人を送っていないというようなことが問題になったわけでありますけれども、一九六七年に国際特許協力委員会が英、仏、米、独、ソ、日の六カ国で専門家会議を開催いたしましたときに、各国はみな特許庁の長官に当たるような人が代表して出席をする、またアメリカは国務次官補が出席をするというようなことでありましたけれども、日本ではそういう専門家が一人も出席しないで、在外公館の職員が代理で出席したというようなことがあったのであります。こういうのは一体外務省としてはどういうふうにお考えになっておられるのですか。大体こういうようなときにやはり専門家が出ていくということが必要ではないかと思うのです。 よく聞くことでありますけれども、特許だけではなくて版権の問題とか、そういうような問題の会議があるときにも各国はそれぞれ専門家が出てくるのに、日本の場合は必ずしもそうではなくて、出先の在外公館のよくわからない人が出てくるというようなことがあるように聞いておるのであります。そして、特に、もし日本の方から専門の所管の人が出ていく場合でも、始終ポストが変わって、そのたびごとに初めて話を聞くというような傾向がある、そういうような点がいつも国際会議で問題になるようなんでありますが、外務政務次官、こういう点どのようにお考えになりますか、御意見を承りたい。
○塩崎政府委員 最近のように専門的な事項について国際的な交流が盛んになってまいりますと、その会議には確かに専門家の出席ないし派遣が私は必要だと思います。しかし外務省といたしましては、極力専門家に出席をしていただいていると私は考えておりますし、現に私は、もう十何年前から租税条約の専門家といたしまして、外務省の方々が出席されなくても私だけ出席したこともございますくらい、いろいろな会議に出さしていただきましたので、事外務省に関して、専門家を無視いたし、あるいは軽視いたして会議に出席したというケースは余り聞いておらない。むしろ専門家の会議が多過ぎてびっくりしておるような感じじゃないかというふうに私は考えております。
○河上委員 どうも大蔵省の方は金があるので出られるようでありまして、特許庁はそれに比して余り金がないために出られないのじゃないか、私はひが目でなくそんなふうに感ずるのであります。いまの外務政務次官はどうも大蔵省の経験からそうおっしゃっておるようでございますが、特許庁の長官は先ほど来その点非常に苦衷を訴えられておるのでありまして、そういう点、本協定批准に当たりまして、外務省もまた大蔵省も、その予算の点でも十分考えてあげなければいけないのじゃないか。大蔵省の専門家はいつでも派遣できるが、特許庁の専門家は派遣できないということのないようにしていただきたいと私は思うのであります。 したがって、私は次のような点を具体的に伺いたいと思うのでありますけれども、WIPOの常駐職員というものはどうなっているのかという点が案ぜられるわけでありますけれども、常駐職員の拡充、それから調査員を海外派遣するという道を開いていく、また国際会議に出席するためには、先ほど長官は、どうもいままではお金が十分でなかったので代表派遣できなかったというようなお話があったのですけれども、そういうことのないように予算の確保、要員の研修などに必要ないろいろな措置というものも早速に検討していただいて、まあせっかく本協定の批准をするわけでございますので、そういう点について具体的に対処せられますように私は希望いたしたいのであります。その点につきまして外務省並びに特許庁の御見解を承って、私は、この部分についての質問を終わりたいと思います。
○塩崎政府委員 専門家の交流はもう大変必要でございますので、大蔵省に偏重することなく、予算その他について外務省は配慮して、国際交流の実を上げていきたいと思います。
○片山(石)政府委員 出張の旅費につきましては先ほど申し上げましたので省略させていただきますが、WIPOの職員の問題が一つございます。現在は職員という資格じゃございませんで、長期出張という形で一人、余り高級の職員ではございませんけれども、上級と申しますか位の高い者ではございませんけれども、行って、事実上いろいろな連絡役を務めておりますが、しかしこれはあくまでもWIPOの仕事としてやっておるわけでございます。しかし、これも当庁にとりましても非常に役に立つことでございますので、本年はWIPOとうまく話が進みまして、常駐の職員を一人恐らく七月ごろからできれば派遣することになるのではなかろうか、こう考えております。何とかチャンスをつかまえてそういうことにしてまいりたい、こう努力するつもりでございます。
○河上委員 いま御答弁がございましたので、ひとつできるだけそういう方向で御努力いただきますように要望いたしまして、私は、アジア=オセアニア郵便条約の方に移ってまいりたいと思います。 もう時間も余りございませんので、個条的に質問を進めさしていただきたいと思いますが、まず第一に、署名欄を見ますと、七〇年条約につきましては、中華民国ということで台湾の代表者が署名しておる。ところが本条約では、今度は「中華人民共和国のために」ということで、中国の代表者が署名いたしておるわけであります。これは七四年に中国が加入したということがあるためではないかと思いますけれども、この台湾と中国とが入れかわりになりましたのはいつ行われたのか、まずそれを伺いたい。
○大塚説明員 お答えいたします。 アジア=オセアニア郵便連合につきましては、いま先生御指摘ございましたように、いわゆる中華民国は原署名国であったわけでございますが、昭和四十九年の五月二十日に事務局の方からの郵便諮問によりまして、台湾による連合内での中国代表権の行使というものが停止されまして、その後、中華人民共和国の連合への加盟というのが昭和五十年の十一月十七日に実現いたしました。
○河上委員 そういたしますと、中国の加入は一九七五年十一月、昭和五十年十一月ですね。
○大塚説明員 そのとおりでございます。
○河上委員 現在台湾との間の郵便物はどのような法的措置によって交換されておるのでございましょうか。現実に台湾からもわが国に手紙が来ているようでございますが。
○林説明員 お答え申し上げます。 外国郵便物につきましては、世界じゅうのいかなる国、いかなる地域へでも送達することを郵便というものは本来の使命といたしておるわけでございまして、万国郵便連合あるいはアジア=オセアニア郵便連合の加盟国であるかないかを問わず、あらゆる方法により送達する方途を講じておるということでございます。 台湾の法的地位につきましてはただいま外務省の方から御説明があったわけでございますが、台湾との郵便業務につきましては、現に利用できる直行使があり、実行上、万国郵便条約及び小包郵便物に関する約定の諸規定にのっとりまして、従前どおり行われておるということでございます。
○河上委員 そういう場合はあれですか、外務省、法的根拠というものはなくて、いわゆる郵便条約の精神に基づいてというような御説明でありましたけれども、外務省としてはどういうような解釈といいますか、見解、解釈に基づいてそれを行わしめておるのですか。
○大塚説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のように、万国郵便条約の精神あるいは国際郵便業務というものの精神ということにかんがみまして、世界じゅうのいかなる国、いかなる地域へも送達するというのが理想でございますので、そのように、先生が御指摘のようなことで私どもも観念いたしております。
○河上委員 外務省にもう一度伺いますが、法的根拠というものは全くなくてやっているわけですね。
○大塚説明員 いま申し上げましたように、条約の精神を踏まえてやっておるつもりでございます。
○河上委員 条約の精神というのはどこの部分に依拠しておるわけでございますか。
○大塚説明員 いま御審議いただいております連合につきましては、先ほど御説明がございましたように、万国郵便連合憲章の枠内で認められております連合でございますが、したがいまして、そのもとになります万国郵便連合憲章の前文の中に「郵便業務の効果的運営によって諸国民間の通信連絡を増進し、かつ、文化、社会及び経済の分野における国際協力という崇高な目的の達成に貢献するため、」こういうふうになっておりますが、こういった精神をくんで実施しておるつもりでございます。
○河上委員 わかりました。そうすると、いわゆる前文のその部分に依拠してやっている、こういうことでございますね。 従来北ベトナムへの郵便物は中国経由であったというふうに聞いておりますけれども、現在ではどのような方法によっておりますか。直接交換されておりますか。
○林説明員 お答え申し上げます。 ベトナム民主共和国、すなわち北ベトナムとの郵便物の交換は、中華人民共和国の仲介によりまして通常郵便物を送達しております。 なお、小包郵便物は現在送達されておりません。
○河上委員 北朝鮮との郵便物はどのような経緯で交換されておりますか。
○林説明員 朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮でございますが、昭和四十九年六月六日に万国郵便連合に加盟いたしたわけでございますが、郵便の交換につきましては、現在航空機及び船便による直接の定期航路がございません。したがいまして、ソ連及び中華人民共和国の仲介によりまして通常郵便物及び小包郵便物を送達いたしております。
○河上委員 わかりました。 先ほど小包郵便物についてベトナムとの間にそれが交換されていないというような言及がございましたが、カナダ、アメリカ、オーストラリアとの間には小包郵便約定というものが締結されておりますので、日本人の往来の多い他の諸国との間にも同様の小包郵便約定というものを結んで日本人の便宜に供すべきだと思いますけれども、その点いかがでございますか。
○林説明員 小包郵便物の送達につきましては、万国郵便条約に基づく約定の場合と二国間協定に基づく場合と、両者がございまして、カナダ等との関係はただいま先生の御指摘のとおりでございます。 〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
○河上委員 ベトナムの場合、日本との間に正式の国交は回復しているわけでございますが、ベトナムとの間にこういう郵便物の問題についてもっと円滑な関係というものをつくる必要があるように思うのでありますけれども、その点はどういう準備をしておられますか。
○林説明員 実は、本年の二月に北ベトナムに政府の調査団が参りました際に、UPUの加盟国でございます中華人民共和国の仲介によりまして、現在行われておらない北ベトナムあての小包の送達の可否につきまして、日本から北ベトナム側に対しましてその意向を打診いたした経緯がございます。その際、北ベトナムといたしましては、本件については前向きで検討したいという意向が示されておりますけれども、なお、それについての確約と申しますか、相手国からの、この点についての具体的な措置についての態度表明というものがまだ得られておりません。これが得られましたならば、日本としては小包の送達につきましても早速にでも開始したいということで対処いたしております。
○河上委員 ことにハノイとの関係というものは非常に重要でございますので、できるだけ早く御努力をいただきたいと思います。 今度の条約を読みますと、連合の機関としてアジア=オセアニア郵便訓練学校を設けられるということになっておるのでありますが、これはその任務、スタッフあるいは置かれる場所、またその費用、そういうようなものについて内容的にもうかなり詰まっておるのですか、それとも一応将来の目標としてそういうものを設けておられるのですか。
○林説明員 現在郵便訓練学校はバンコクにございまして、これは国連のUNDP計画によりまして運営されておるわけでございますが、それをこの条約の改正によりましてAOPUの機関として設定いたしたいということで、各国の一致を見てこういうような改定を見ておるわけでございますが、この郵便訓練学校の構成、組織、また教育計画等につきましては、これからの問題ということで、まだ最終的な決定を見ていないという状況でございます。
○河上委員 それでは、もう余り時間がございませんので続けて二、三お尋ねいたします。 まず、その訓練学校に日本がかなりかかわるのかどうか。また、この連合の経費の分担の条項が改正点の一つになっておりますけれども、この中でわが国はどのくらいの金額を分担するのか。それから、連合の加盟国は十一カ国にすぎませんけれども、他のアジア諸国が加盟してない理由はどういうところにあるのか。また、それに対して加盟するように積極的な働きかけをすべきだと思いますけれども、しておられるかどうか。それを続けてお答えいただきたいと思います。
○林説明員 まず第一に郵便訓練学校でございますが、現在までの経緯の中ではこの郵便訓練学校は日本とのかかわり合いを特に持っていないのでございます。その理由といたしましては、この学校が特に開発途上国における郵便の中堅職員の訓練を目的として設置されております関係上、日本といたしましては、国内にすでに整備された訓練施設を有しておるところから、この郵便訓練学校との関係を持つ特段の必要性がないということでかかわりを持っていない次第でございます。しかしながら、今回改めてAOPU条約に定められた訓練学校ということに相なる次第でございまして、ただいま御説明をいたしましたように、この郵便訓練学校の運営等につきましてはまだ具体的な計画が定められておりませんので、この計画の具体化と合わせまして、わが国といたしましてはこれに対する関係を慎重に考えてまいりたい。特に、AOPU区域内におきますところの日本の国際的位置にかんがみまして、これに対する関係というものを積極的に考えてまいりたいということでございます。 また、AOPUの経費でございますが、AOPUの運営経費につきましては、それぞれUPUにおきますところの経費負担との関係におきまして各国が負担をいたしておるわけでございますが、現在、日本といたしましては、五単位の経費を負担いたしておりまして、一単位当たりの分担額が一九七六年度の予算におきましては四百八十六ドルということで、本邦の分担額は五単位、約七十五万円という額でございます。このAOPUの経費につきましては、特に大会議あるいは執行理事会等の会議の運営経費は主催地国の経費負担ということで運営されております関係から、このような総額といたしましても比較的少額の経費分担にとどまっておるということでございます。 それから、AOPUの加盟国は現在十一カ国でございますが、この加盟につきましては、万国郵便連合の加盟国でアジアまたはオセアニアにあるものは加盟申請ができることになっておりまして、これらの国におきましては当初発足のときに四カ国でございましたが、現在十一カ国にまで達しており、今後とも徐々にこういった加盟国はふえてまいるものというように考えられております。
○河上委員 それでは先ほどお答えいただけなかった部分について御報告をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○大塚説明員 どうも失礼いたしました。 先ほど先生御指摘のございましたように、一九六〇年に国連の開発の戦略に関する十カ年の開始が行われまして、翌年一九六一年の第十六国連総会で、いわゆる「開発途上国への技術移転における特許の役割り」という題目の決議が採択されておりますが、その際日本は賛成投票をしております。ちなみにその際の表決ぶりは、賛成八十四票、反対ゼロ、棄権七票となっております。大変時間がかかりましてどうも失礼いたしました。
○鯨岡委員長 渡部一郎君。
○渡部(一)委員 国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定について御質問いたします。 この協定に入ることによりまして、特許の分野でわが国にとってどのような利益がございますか。
○片山(石)政府委員 まず第一番目に、この分類というのは各国特許庁、特に日本の場合ももちろんでありますが、審査をする場合の最も基本的なかぎになるものでございます。その分類が国際的に統一され、しかも今度の分類というのは非常に細かい精緻なものでございますので、審査の促進、検索の促進に非常に役に立つという点が第一点でございます。 それから第二点は、外国でもやはり同じ分類を使うわけでありますから、いままではこの発明が一体どういう分類に属しているのかということで非常に検索もむずかしいし、中身を知るのにも非常にむずかしかったのが統一されますので、お互いに海外はわが国、わが国は海外のものがよくわかるということで、非常に便利になるという点が第二点でございます。 なお、第三点は、これに入ることによりまして——これは、事実上は採用すれば問題ないわけでありますけれども、入ることによりまして、この分類をわが国の実情に合ったようにいろいろと改正することについて発言権もありますし、決定権もあるということで、そういう意味のメリットはございます。その他、いろいろ技術動向を調べたりする点におきまして、民間におきましても非常に役に立つものであろうと思います。
○渡部(一)委員 特許の審査のために分類が一致するだけじゃなくて、内容に対する表示、あるいはその他中身に関する審査の基準等が一致しなければ、分類項目が幾ら同じになっても特許は引き合わせられないというさまざまな障害があるだろうと思うのですね。その辺は当然お話し合われたのだろうと思いますが、その辺はどうなっておりますか。
○片山(石)政府委員 審査の基準というのは、先生御指摘のとおり、同じ分類を採用いたしましてもきちっと統一されておりませんと、実際上は統一されたもので採用したことにならないという意味がございます。したがいまして、このWIPOの中にもそういったことを常時やっていこう、検討していこうという組織がございまして、そこでもって改正とか解釈の統一、そういったことも常時やっていこうということになっております。
○渡部(一)委員 この協定にけちをつけるわけじゃありませんけれども、要するに特許というのはいずれも新しい分野、新しいアイデア、人類に貢献するさまざまな新しいテーマが取り上げられるわけですね。そうすると、分類の外側にえてしてはみ出すものというのは非常に大きな件数を占める。そうすると、外交的に言えば紛争処理機関のようなもの、あるいはそれらについての話し合いというものがもうちょっと密接に行われた方がいいんじゃないかというのが率直な印象なんです。ですから、このような分類に関するほんの一部の協定ができたのを足がかりにして、もう少しその辺を前進された方がいいんじゃないか、こういう感じがするのですが、その辺はいかがですか。
○片山(石)政府委員 その辺は確かにそのとおりでございまして、たとえば、この改正問題というのが一つございますが、分類の改正ということをやるためには五年間に一回ずつ改正をしよう、それでそのときに毎年毎年、先ほどから指摘がありました作業部会などをずっとやりながら、各国の提案に基づいて、特に、先生先ほど御指摘の非常に先進的な技術部門、これはいまのものでも粗過ぎるという議論もございますし、実情でもまだ合わないという面もございますが、そういう点も逐次改善してやっていくということで、そういう先生の御指摘の点について対処してまいりたい、こう考えております。
○渡部(一)委員 南北問題の一つの問題点として、技術移転の問題があります。さきに行われた七十七カ国グループのマニラ宣言におきましても、パテント商標に関する国際協定の再検討というのが要請された事実がございますね。また先進諸国の方でも、米国が途上国への技術移転対策の一環として、工業化促進のための国際工業化機構、IIIの設置を提言されたし、カナダは政府援助の中に占める条件のよい援助の割合を大幅に引き上げると述べておりますし、この辺についてわが国もよほど考える必要があるのではないか、こう思っているわけであります。非常に目覚ましい提案として出てまいりましたこのアメリカの提案したマニラ宣言におけるパテント商標に関する国際協定の再検討というテーマについて、日本政府はどのように考えておられるか、この辺の方針などを承りたいと思うのです。
○大塚説明員 ただいま御指摘のように、技術移転の問題一般に関しましては、現在いろいろな国際機関あるいは国際会議の場で検討が行われている次第でございますけれども、当面、現在ナイロビで開催されておりますUNCTADの枠の中でもこの問題は取り上げられております。それに関連しまして種々な提案がなされておりますけれども、それに対しては、わが国の基本的な態度を申し上げますと、現在の国際特許制度の再検討ということについては応ずるという方向で検討いたしております。 それから技術移転のアクセスの問題、そういうような個別の問題になりますと、現在の日本政府の基本的な考え方としてはできるだけ既存の国際機関を利用してアクセスを得るようにする、そういったことでまいってきております。
○渡部(一)委員 政務次官に特に申し上げておきますけれども、いまの御回答はいままでこうやったというお話なんですよね。先ほどから何回も出てくるのですけれども、お役人は既存の枠の中でしか御返事することを許されないのですね。ですから、明らかに説明員風にお答えになった。しかし、いま御答弁になった方は非常にいろいろなことを知っておられる方で、あんな答弁でないことをふだんは言われる方なんです。というほど日本のいまの政府の対応というのは非常に枠が小さくて、一部しかやっていない。何ら方向性を出すことが不可能であるという状況に置かれているわけですね。国際的な技術の平準化に関するさまざまな動向というのは非常に速いものがある。戦後の日本のこの経済発展というのは、頭脳流出どころか、先進諸外国から頭脳を山ほど流出させ、逆にものすごい量のパテントを買い、特許を引き入れ、周辺特許に至るまで徹底的に買い占めることによって成立した、技術面から見るとそういう面がございますね。そうすると、これらの技術移動に関する部分というものは、南北問題、特にその南北問題と絡んで後発諸国から見れば非常に大きな問題、注目すべき問題だし、先進諸国としてもその技術をどういう形で提供するかということについてのルールはよほど慎重に考えなければならない。というのは、ある意味で先進諸国においては自国の利益をつぶしてしまうようなのは避けようとするでしょうし、また後発諸国においては先進諸国のそういうものこそ欲しいでありましょうし、また提供するに当たってその提供の仕方が妙な形で行われますと、全部むだになってしまうというようなことさえ起こりますし、またその期間、方法、テクニック、その他技術の開陳、情報の交換等、全部問題点がある。それはまだ検討が非常に不十分なんですね。ですから、外交問題の交渉の中にそうした問題が怒濤のようにいま入りつつある。それで、日本の方は例によって縦割り行政でやる。通産省は通産省、大蔵省は大蔵省、外務省は外務省。外務省は英語でしゃべる、通産省は技術の話ができればよい、大蔵省は金を出さなければよいというふうな例がしばしばある。私は非常にデフォルメして、強調するために言っているわけでありますが、そういうことが行われるためにこうした問題の対応がのろいわけですね。のろいどころじゃなくて、提案していこうというのじゃなくて非常に受け身である。一つは、考えていないみたいである。一つは、様子をうかがっておるというふうないやな雰囲気が非常にあらわれているわけであります。ですから、この問題も含めまして、御決意を承りたい。
○塩崎政府委員 技術の交流の現況並びに将来から見ますと、おっしゃるような対応がぜひとも必要だと思います。縦割り行政の弊をぜひとも排除しながら、外務省が先頭に立ってこのような問題に対処していくべきであろう新しい分野でございますが、御指導に応じまして勉強してまいりたいと思います。
○渡部(一)委員 ただいまの御答弁が本当に実施されることを強く望んでいるものであります。 アジア=オセアニア郵便条約につき少々お伺いさせていただきますが、郵便物に関するさまざまな施策、そしてそれに対する世界的な協調というものは非常に重要であろうと思います。重要であるがゆえに、これもまたこちらで問題になりましたストラスブール協定と似ておりまして、いろいろな意味でわが国の対応というものが問題になるかと思うわけであります。特にお伺いいたしますのは、郵便物の取り扱いが先進諸国及び発展途上国を通じて、一方的に増大しつつあるわけでありますが、郵政当局自身として、また郵便連合として、この協定を結ぶに当たって当然問題になりました郵便物量の増加あるいは定員増、機械化、事務の簡素化その他さまざまな問題点についてどういう対応策をお考えになっておられるのか、そういう全体的な流れの中において本条約というものの位置づけをどう考えておられるのか、その辺を伺いたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 UPU条約はもちろんのこと、このAOPO条約についても当然申せることでございますが、郵便の分野におきます緊密な国際的な協力というものが非常に重要なことは、ただいま先生から御指摘いただいたとおりでございまして、ただいま先生から御指摘いただきましたような業務の機械化あるいは効率化、さらには郵便事業の経営形態等の問題についていろいろUPUの中においても検討され、当然のことながら、そういった動きはAOPO加盟の各国間におきましても、職員の交換だとか、あるいは日本におきましては、二年に一回の割合でアジア郵政幹部セミナーというような会議と申しますかセミナーも開催いたしておるわけでございますが、そういった会議の際の主たる議題というものは、ただいま先生から御指摘いただいたような点が多いわけでございまして、こういったことにかんがみましても、本条約の承認をいただきます中で国際的な協力関係はさらに積極的に推進していかなければならないものと考える次第でございます。
○鯨岡委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○鯨岡委員長 ただいま議題となっております両件に追加して、第五次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、千九百七十五年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件及び北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百七十六年の議定書の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 第五次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、千九百七十五年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件及び北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百七十六年の議定書の締結について承認を求めるの件の三件の質疑はすでに終了いたしております。 これより各件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 まず、第五次国際すず協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は、承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鯨岡委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、千九百七十五年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は、承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鯨岡委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百七十六年の議定書の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は、承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鯨岡委員長 起立総員。よって、本件ば承認すべきものと決しました。 次に、国際特許分類に関する千九百七十一年三月二十四日のストラスブール協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は、承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鯨岡委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は、承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鯨岡委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各件に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○鯨岡委員長 ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○鯨岡委員長 速記始めて。 ————◇—————
○鯨岡委員長 これより請願の審査に入ります。 今国会、本委員会に付託されました請願は、合計百六十件であります。 本日の請願日程第一から第一六〇までの各請願全部を一括して議題といたします。 まず、請願の審査の方法についてお諮りいたします。 各請願の趣旨につきましては、請願文書表によりまして、すでに御承知のことと存じます。また、先刻の理事会におきまして慎重に御検討いただきましたので、この際、各請願についての紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採否の決定をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 採決いたします。 本日の請願日程中、第四ないし第五九、第六一ないし第八五、第八七ないし第一一八、第一二一ないし第一五九の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○鯨岡委員長 なお、今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり十件であります。念のため御報告いたします。 ————◇—————
○鯨岡委員長 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とルーマニア社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とブラジル合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。 まず、政府よりそれぞれ提案理由の説明を聴取いたします。塩崎政務次官。
○塩崎政府委員 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とルーマニア社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、ルーマニアとの間に所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約を締結するため、昭和五十年以来交渉を行いました結果、昭和五十一年二月十二日に東京において、わが方宮澤外務大臣と先方フィナンツ駐日大使との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、本文二十八カ条から成り、その主な内容は、次のとおりであります。事業利得につきましては、一方の国の企業が相手国において支店等の恒久的施設を通じて事業を営む場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する利得に対してのみ相手国で課税できるものとし、船舶または航空機を国際運輸に運用することによって生ずる利得につきましては、相互に全額免税としております。投資所得に対する源泉地国での課税率につきましては、配当及び利子に関しては一〇%、使用料に関しては、文化的使用料にあっては一〇%、工業的使用料にあっては一五%を超えないものとしております。 この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する祖税に関する二重課税の回避のための日本国とブラジル合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国とブラジルとの間には、昭和四十二年一月二十四日に署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約が締結されていますが、近年ブラジルが行いました税制改正を考慮に入れるとともに、両国間の二重課税回避の制度の一層の整備を図るため、政府は、この条約を修正補足する議定書の締結について交渉を行いました結果、昭和五十一年三月二十三日に東京において、わが方宮澤外務大臣とブラジル側方バール駐日大使との間でこの議定書に署名を行った次第であります。 この議定書は、本文六カ条から成り、これによる主な修正補足は次のとおりであります。すなわち、投資所得たる配当、利子及び使用料に対する源泉地国での課税率につきまして、基本的には、現行の一〇%を一二・五%に改め、また、ブラジルにおける租税の減免等によるブラジルの経済開発を促進するための特別の奨励措置の拡充等を考慮に入れ、みなし税額控除に関する規定を整備したものであります。この議定書の締結によりまして、二重課税回避の制度が一層整備され、両国間の経済交流はさらに安定した基礎の上に進められるものと期待されます。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○鯨岡委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○鯨岡委員長 閉閲中審査申し出に関する件についてお諮りいたします。 まず、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件について、議長に対し閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鯨岡委員長 起立多数。よって、本件は閉会中審査の申し出をすることに決しました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とルーマニア社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とブラジル合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件の両件について、議長に対し閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鯨岡委員長 起立多数。よって、両件は閉会中審査の申し出をすることに決しました。 次に、国際情勢に関する件について、閉会中もなお調査を行うため、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、議長への申し出に関する手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 また、閉会中審査のため、委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じましたときは、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になり、現地調査の必要が生じました場合には、委員派遣を行うこととし、派遣委員の選定、派遣地及び期間並びに議長に対する承認申請の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鯨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、暫時休憩いたします。 午後二時二十四分休憩