科学技術振興対策特別委員会 第12号
- 発言数
- 268 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/08/25
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石野久男君。
○石野委員 きょうは幾つかの問題でお尋ねいたしますが、大臣にまず最初にお尋ねいたします。 最近、原子力行政懇談会から、「原子力行政体制の改革、強化に関する意見」というのが出ておりますが、この意見がでているちょうどそのときに、アメリカでは原発の新設を中断するというNRCの発表がございました。この問題について大臣はどういうふうにお考えになっておられるかということをひとつ最初にお聞きしておきたいと思います。
○佐々木国務大臣 米国のNRCでございますかの設置許可の一時延期ということは、私の承知する限りでは原子炉そのものの問題じゃなくて、廃棄物とかあるいは再処理に関する措置が問題になって、そういう問題のはっきりした見透かし、対策等が整備してからというのが趣旨のように聞いておりますけれども、詳細はただいま米国から資料等取り寄せまして解析をしておる最中でございます。そういう状況でございますので、すぐそのこと自体が日本の行政処分にダイレクトに影響するかどうかといったような問題は、これは国柄も違うと思いますし、ただいま検討中でございます。
○石野委員 見解はわかりましたが、行政懇から出ております改革、強化に関する意見書についてはどういうふうに対処されますか。
○佐々木国務大臣 御承知のように、有沢行政懇談会の答申が出まして、その中で一番根本をなす問題は、いまの開発を主にしたと申しますか、必ずしも私はそう思っておりませんけれども、いまの原子力委員会の機能を二つに分けまして、そして開発と規制のファンクションを分けて、規制の方は原子力安全委員会にこれを処理させたらどうか、言うなれば原子力安全委員会というものを新設すべしというのが一番根本になっておるように考えております。 答申を受けましたので、来年の予算にこれを盛って、そしてこの次の国会にはその関連法案を出したいと思いまして、実は原子力委員会でもこれを決めまして、ただいま来年の予算には盛っておりますが、御承知のように、皆さんのところでもそうだと思いますが、私の方は政府でこれを最終的に決めます際にはやはり党との折衡が必要でございますので、ただいま自民党の科学技術部会等と交渉をしている最中でございます。
○石野委員 行政懇の意見についてはいろいろな見方もありますが、しかし、原子力行政について、原子力船「むつ」の問題を発端として行政改革問題が出てまいりました。しかし、現地における船にしてもあるいは炉にしましても、問題は非常に多く出ておりまして、私ども、この行政改革の問題と行政指導の問題とをもう少し厳密に考える必要があるのじゃないか。 そこで、アメリカでも一応NRCの原発に対する免許を一時停止するというところまで来ておるわけでございますから、日本の場合、一応それまでの間、原子力発電所の建設をストップするというような、そういう考え方を持ってはどうか。私どもの党は、原発の中にいろいろ問題が多いので、もういままで認可しておるものは別としましても、当面は原発の認許可を一応中止しておいたらどうだという意見を持っております。これは廃棄物の処理だとか何か一連のものとの関連性からもそういうことが言えるのでございますけれども、そういう問題について大臣はどのようにお考えになっておりますか。
○佐々木国務大臣 私は、国柄といたしましては、むしろエネルギー問題としては日本はヨーロッパに非常に近似しておりまして、アメリカとはさほど似た状況ではないと考えております。したがいまして、むしろそういう面で参考にするのであればヨーロッパ、特にフランス、ドイツが大変参考になるのではないかと思いますが、ドイツ、フランス等は御承知のとおり日本と同じくらい、大体十カ年で五千万キロワットくらいの規模で原子力発電をやろうというので、ただいまもう実に与野党問わず、向こうの大臣に聞いてみますと、野党も全然反対がなくて大いにやれということで、国を挙げてただいま進めておる最中でございました。したがいまして、やはり日本も原子力にかわるエネルギーが何かあればいいのですけれども、ないということでございますから、皆様の御注意のように、安全面とかあるいは安全に対する監視あるいは検査等のやり方等いろいろ改善の余地ある問題、あるいは特にこのたびアメリカで問題になりました再処理あるいは廃棄物の処理等に関連しての問題等、懸案として解決を要する問題がありますけれども、しかし、政府の考え方、態度としては、やはりヨーロッパのような、同じ環境に置かれながら、国を挙げてこの問題をどんどん進めておるというその行き方というものを学ぶべきではないかというふうに実は私は考えております。
○石野委員 これは原発の事故など、あるいはまた燃料棒に対する安全性の問題が数多くあるというようなことなども考えて、私ども、やはり次から次へ事後処理、いわゆる廃棄物の処理だとかというようなそういう問題を不備のままで原発の建設許可を進めていく方針は必ずどこかで行き詰まりが来るだろうというように思います。エネルギー対策という立場で主張される政府の方針、一つの理屈はあると思いますけれども、そういう廃棄物処理等含めたサイクルの問題から考えると、むしろ一時中止した方がいいというように私どもは考えておりますが、この点は意見が非常に違うようですから、また後でいろいろな事実をもって私どもの主張を申し上げたいと思うのです。 そういう問題も含めながら、最近、新型動力炉開発専門部会の報告書が出ております。この報告書によりますと、これはいろいろ意見がたくさん出ておりますが、その主要点は、高速増殖炉に全力を挙げるようにと、新型の問題についてはこれはむしろ事実上の凍結のような意味を含める、そういうような内容になっているのではないだろうかと見られる節がございます。そういうものも含めて、新聞などによると、動燃団の方で皆さんのところへ何か陳情だとかあるいは意見も出ているやに聞いておりますが、そういう問題についてはどういうふうな対処の仕方をなさっておりますか。
○山野説明員 御指摘の新型動力炉開発専門部会め報告につきましては、先生おっしゃいますように、この基本的な路線としましては、現在進めております軽水炉の定着化というのをまず行いまして、これに続きます炉といたしましては高速増殖炉を本命とするというふうな方向がこの電力分野の動力炉については出されておるというのは事実でございますが、しかしながら、この新型転換炉の位置づけというものは、決して先生が御指摘のようにスローダウンをするとかあるいはやめるという方向ではございませんで、これは振り返ってみますと、四十三年当時、この新しい新型転換炉の開発の計画を策定しました時点では、将来のウラン資源を有効に活用するということ、さらにまた、核燃料の濃縮役務料を節約するということ、さらにまた、従来の軽水炉の技術の上に立って、自主開発がほかの新型炉に比べてかなり容易であろうというふうな観点から、このATRの開発に踏み切ったわけでございまして、いま申し上げました事情はすべて変わってはおりません。 ただ一点、濃縮役務の節約という点につきましては、当時は濃縮ウランの供給と申しますのは米国のみであったわけでございますが、昨今におきましては、ヨーロッパ等におきましても、この濃縮の商業プラントのパイロットプラントというふうなものが動き始める方向にございますし、また、先生御承知のように、わが国におきましても濃縮の技術というものはかなり自主開発が進んでまいりまして、近々パイロットプラントの建設に着手しようかというふうな方向にございますので、先ほど申し上げました三点のうち、第一点の濃縮役務の節約という点のウエートは若干減ってきたかと思います。 そういう意味で、今後はむしろウラン資源の有効活用、ウラン資源の節約という観点から、いま少し効率の高い高速増殖炉に開発の重点を移すべきである、加速をするべきであるということになったわけでございまして、その間、この新型転換炉も引き続き現在の福井県敦賀で進めております原型炉の建設、運転を続行しまして、二、三年の間、この運転の成果を見、かつ、その時点で将来開発されます高速増殖炉の導入の時点というものを見きわめまして、その結果、まあ時点としましては五十年代の半ばと思いますが、その結果、ATRの実証炉、実用化という方向に進むかどうかを決心いたしましょうということでございまして、少なくとも当面、ここ数年間はATRにつきましても従来同様に開発を進めていくという方向は変わっていないわけでございます。 そういう意味で、本件を担当いたしております動力炉・核燃料開発事業団におきましても、この専門部会の報告の内容というものについては十分了解しておるというふうに考えております。
○石野委員 こういう意見書が出てまいりましたときの予算措置、予算配分の問題が当然出てくるわけですが、高速増殖炉と新型転換炉とのどちらにウエートを置くかということは、当然やはり来年度予算などにその方向をどうにか決めなくちゃならないことになろうかと思いますが、その場合に、従来とってきた予算の割りつけの問題を、やはりこの新型転換炉とそれから高速増殖炉との割りつけの比率というようなものを政府は何か変える考え方を持っておられるのですか。
○山野説明員 五十二年度の予算原案の策定に当たりましては、先ほど御説明申し上げましたような事情で、特にATRの開発をスローダウンをするというふうな方向では考えておりませんので、従来の開発を引き続き進めるという方向で高速増殖炉も新型転換炉も策定の基本方針にしておるわけでございます。ただ、開発のステージが両炉の場合若干異なっておりまして、新型転換炉の場合は、原型炉の建設がほぼ終結に近づきまして、いよいよ来年度末臨界という段階に達しますので、そういう意味で建設費が落ちてまいります。一方、高速増殖炉の方は、現在敦賀市白木地区におきまして事前調査をいたしておりまして、恐らく五十三年度末ないしは五十四年度当初から原型炉の建設というふうなことに相なろうかと思いますが、この原型炉の建設を目指しまして各種の研究開発並びに事前の準備活動というものがあるわけでございまして、そういう予算がかなりふえてまいります。したがって、この動力炉専門部会の結論いかんということではなくて、いま申し上げましたような両炉の開発段階の違いによって、結果的に五十二年度の予算原案におきましては恐らく高速増殖炉が格段にふえ、新型転換炉の方は若干減るというふうな方向になろうかと思っております。
○石野委員 転換炉の問題の扱いについては、炉の開発あるいは原子力エネルギーの確保という観点からいろいろやはり問題があると思うのです。これについて、高速増殖炉に一定の見通しが立てばという一つの前提がございますが、これはやはり日本だけでなく世界的にもそういう問題についてまだはっきりした線が出ていないことですから、私は、それはもう少し後に問題を提起したい、こう思います。 最近、電労連の橋本会長から科学技術庁の方に対して、通産省との間に原子力発電所の被曝低減対策という、そういう要請が出ているやに聞き及んでおりますが、その問題に対して、科学技術庁はどういうふうに対処しておりますか。
○伊原説明員 電労連からの従業員の被曝低減問題につきましては、これは非常に重要な問題でございますが、適切な処置を当然政府としても考えなければいけないということでございまして、ただいまその御趣旨を受けて、どいういふうに具体化するかということにつきまして、これは通産省とも共通の問題でございますので、両省庁で連絡をとりながらその具体化に努めてまいりたいと考えております。 なお、その具体化のいろいろな方策がございますけれども、やはり単なる就業条件だけではなくて、その施設そのものについて最初の設計の段階から被曝低減ということについていろいろ考慮しなければいかぬという御提言もございます。そういう問題も含めまして十分の検討をいたしてまいりたいと考えております。
○石野委員 電労連でも言っておりますが、年々被曝線量がふえていっている、こういう指摘があります。その年々ふえているという労働者被曝線量の状況は大体どんなふうになっておりますか。
○伊原説明員 年々ふえているという御指摘でございますが、これはどういうふうにとらえるかにもよるわけでございして、原子力発電所の設置の数がどんどんふえてまいりますと、これに伴いまして、そこで働く従業員の数もふえてくるわけでございます。そういうことになりますと全体的な被曝の量はふえるわけでございますが、一方、一人当たりの被曝量という観点からとらえました場合に、果たしてこれがふえておるかどうかということにつきましては、私の理解しておりますところでは、年々ふえておるという状況ではないと承知いたしております。ただ、先生の御指摘の意味の一つが、従業員の一人当たりの被曝量はふえない、あるいは多少減るにしても、全体的ないわゆるマン・レムと申しますか、それがふえるということについてどういうことかという意味までお含みだといたしますれば、これはもちろんどんどんふえていいということではございませんけれども、全体の人口の中に占めます従業員の割合というふうなことを含めまして、いろいろ考えてまいるべき問題であろうかと存じます。
○石野委員 ただいまの御答弁の、全体の人口に対しての配慮というのは当然必要なことですが、日本には一億一千万という人口がいて、年々歳々人レムがふえていく。全体から見ればそれはわずかのものだということになりましても、原子力労働人口から見ますというと、だんだんだんだんとその比率は大きいものになってくるという見方が一つありますが、それはどういうふうにお考えになりますか。
○伊原説明員 この全人口集団の放射線被曝線量、いわゆるマン・レムにつきましては、たとえばこれが非常に晩発性の障害なり遺伝に対しての影響という観点から問題があるのではないかということが一部言われておるわけではございますけれども、実際問題として考えますと、これは自然放射線の影響に比べてどの程度のものであるかということを考えるのがまず至当であるかと考えるわけでございますが、そういう観点から考えてみますと、国民の毎年受けます自然放射線による被曝量は一千万人レムと推定されるわけでございます。それに対しまして、全国の原子力発電所の従業員の被曝量というのは数千人レムという程度でございますので、そういう意味からいたしますと、非常に有意の数字ではないということが考え得ると思います。 ただ、それだから幾ら従業員が被曝をしてもいいということではもちろんございませんので、私どもといたしましては、今後ともあらゆる努力を払いまして、この一人当たりの平均値というものがふえないように、できれば将来減り得るように、そういう措置を講じてまいりたいと考えております。
○石野委員 自然放射能で受けるものがわが国においては一千万人レムだ、原発とかその他人工的に受けるものが現在わずかに数千人レムだから大したことはないというお考えでございますけれども、よく科学技術庁も原子力発電所も、自然放射能に対しては、わずかだからということを盛んにおっしゃられる。しかし、自然放射能というのは、もう人間が自然に生きるために、一応そこがマキシマムなところまで受けている放射能だと思うのです。それ以上に今度はよけいに放射能を受けていけば必ず何かの異常が出てくる、こういうように見るのが普通なんですね。だから、たとえば、いま一千万人レムの自然放射能を受けているから、原発で一千万人レムの放射能をさらに受けてもいいという理屈にはならないのですね。自然に受けているものと同等のものだけ受ける余裕をまだ持っているんだという見方は全然とるべきでないと私は思っているのです。科学技術庁やあるいは原発の考え方の中で、ややもするとそういうふうに誤解を受けるような物の言い方をするけれども、これは非常に危険ですよ。被曝の問題について、自然放射能がこれだけだから、それに対して大したことはないという意味は、自然放射能のところまでわれわれは受けていってもいいのだという前提がなければ言えないことなんだ。こういった誤った宣伝の方法はやめなければいけないと私は思うのですよ。放射能に対してはそういう安易な考え方を持ってはいられないはずなんですよ。 私は、ただいまの局長の答弁については非常に問題があると思いますので、今後ひとつこれは検討していただきたい。どこへ行ってもこのことを言う。そういうようなことだったら、放射能に対してわれわれはあれこれ言う必要はない。自然放射能が大体われわれの体に満杯なんだと見るべきなんで、それ以上に受けたら必ず事故が出てくるから規制をしているのでしょう。この言い方については、改めてもう一遍ひとつ検討してもらいたいし、あなた方の検討の結果をひとつ聞かせていただきたいと思う。 そこで、科学技術庁なり労働省が調べておる現在の労働者の被曝の線量はどういうふうになっておるのか、最近の事情をひとつ知らせてください。
○伊原説明員 原子力施設、特に原子力発電所関係の従業員の被曝につきましていろいろな報告が参っておりますが、簡単に申し上げますと、たとえば昭和四十八年度では従業員一人当たりの平均の年間被曝線量は〇・三二レム、こういうふうになっております。それから一人一人がたとえばどの程度の被曝の範囲内に入っておるかという数字もいろいろございますけれども、これは言うまでもなく年間五レムという制約があるわけでございますが、その五レムを超えた者は一人もおりません。大部分の者は年間〇・五レム、その範囲内に入っておるようでございます。
○石野委員 いまの調査のなにを各事業所別に、私は五十年の二月に原子力局から資料をもらいましたが、五十一年の現在の事情、それ以後どうなっておるかをひとつ資料を出してください。 福島の第一原発の労働者の平均被曝線量は四十六年、四十七年、、四十八年、四十九年、五十年と、私の手元にある資料ではどんどんふえていっているのですね。平均の被曝線量で言いますと、福島の第一原発の場合は、四十六年は〇・一、四十七年が〇・二二、四十八年が〇・二九、四十九年が〇・三一、そして五十年が〇・四一というふうになっている。この私の持っている資料が間違っているのかどうか。そしてまた、そういう被曝が出ている中で、これを社員と請負業者との比率でもっていきますと、これは大変な違いがある。だから、そこのところもはっきりと線量の一覧表のようなものを出してもらいたい。わかっておったら、ひとつそれについて説明してください。
○伊原説明員 ただいま先生の御指摘の資料につきましては、これは毎年報告を受けることになっておりますので、新しい資料が出てまいりまして十分整理がつきますれば、それを御報告申し上げたいと思います。 なお、原子力発電所の稼働状況との関連で、発電所運転の最初の時期と、つまり立ち上がりの時期と、それから平衡状態の運転に達した時期を考えました場合に、最初の立ち上がりの時期は、まだ全体の施設がそれほど汚れていないというようなこともございましょう。そういうふうな実態もございますので、ただいま先生が福島第一の資料で御指摘のように、年々ふえてきておるように見えるかと思いますが、これはあるところで当然飽和をするかと思います。したがいまして、日本全体の発電所の平均値、これがまたあるところで飽和した状態で考えまして、その一人当たりの被曝量、これをとらえて、私どもといたしましては、この数値がふえないように、将来いろいろ改善を加えてこれを減らす方向に持っていくように考えたい、こう考えておる次第でございます。
○石野委員 局長は、立ち上がりの時期はまだそれほどではないが、こういうお話です。しかし、福島の第一原発における労働者の被曝が、四十九年は一号炉の設備利用率は二六・二%です、それから二号炉は六六・五%、そのときの平均被曝線量は〇・三一だ。五十年はどうかといいますと、五十年度は設備の利用率は、一号炉は一六・三%、二号炉は一六・五%です。はるかにぐっと設備利用率は下がっているのです。それにもかかわらず被曝線量は〇・四一とふえているのです。むしろあなたの言うのとは逆なんですよ。これは内容に問題が、炉にいろいろ事故が起きたり何かして放射線なり何なりが外に出ている率が多くなっていることを意味していると思うし、事故のあったことの証左でもあると思いますが、設備の利用率が低くなっているのに被曝線量が上がっているという逆な結果が出ていることをもう少し見詰めなければならないと思う。そういう意味でいまのあなたの答弁は間違っていますよ。
○伊原説明員 被曝量につきましては、ただいま先生も御指摘のように、故障の修理というふうなことが多くなるとどうしても被曝量はふえるという関係にあるかと思います。したがいまして、四十九年、五十年の比較は、あるいは先生御指摘のような数字かとも思いますけれども、その実態はいろいろ修理をすべきところがふえたということかと考えるわけでございます。私どもといたしましては、その故障の修理につきましても、できる限りその被曝量が減るように将来とも設計の基礎から合めまして、その改善を図ってまいりたいと考えております。
○石野委員 局長がいまお話しのように、故障修理などという問題がどんどんふえてくるということは、一つには被曝線量をふやす理由にもなるし、一つには炉がまだ完全な状態にないということ、安全性が確保されていないということの反面証左にもなっているわけです。軽水炉というものの安全性には問題が多いということをこの被曝線量の実態であらわしていると私は思いますから、そういう意味も含めて、軽水炉の問題についての安全性はもっと慎重でなければならぬと思うのです。私は、この問題はもう少し資料をあなたの方で出してもらった上で検討したいと思いますが、いずれにしても、被曝線量は労働者にとって非常に重大な問題になってきている。 そこで、電労連から出ているところのいわゆる被曝軽減申し入れというものについてあなた方がどのような対策を立て、あるいは具体的には電労連の諸君はもとより、全国の原子力産業労働者に対する対策を当然考えなければならぬ立場にあると思うのです。科学技術庁も通産省も、あるいは労働省もそういう問題についてどのような対策をとろうとしているのですか。
○伊原説明員 これはいろいろな面からあらゆる努力をいたしまして改善を図らなければいけないと考えておるわけでございまして、関係省庁協力いたしましてそれぞれの責任の分野において改善を図る。これはいろいろな観点がございますが、電労連の提言にもございますように、作業状況の改善というものがまた一つ大きな問題でございます。それからいま一つは、そもそもその設備をつくる設計段階からその従業員被曝の低減化ということを十分考えての設計というふうなものも必要かとも思われますし、法規制面でのいろいろな手当てもあるいは必要かとも思われます。 そういうふうなことを総合的に組み合わせまして、最も実効の上がる形に持っていきたいと考えまして、関係省庁ともいろいろ協議をいたしておるところでございます。
○石野委員 労働者の被曝線量の問題で一番問題になるのは、いわゆる正社員と下請の労働者の被曝の事情が非常に違う。特に下請労働者の被曝率が非常に多いということ、これをはっきりつかまなくちゃいけないと思うのですよ。正社員とそれから下請労働者との間の被曝の状況が各炉ごとに、あるいはまたその関係する職場ごとにどういう状態になっているかという資料を私は労働省にもあるいは科学技術庁にも要求していますが、その資料はいまできておりますか。
○宮野説明員 私どもの方では、御指摘の資料は実は地方局に特別な調査をいたしませんと出てまいりませんので、最近のものにつきましては把握できておらない状況でございますけれども、四十九年の調査におきましては、原発四社の関係については大部分のものが年間一レムを超えておらない、ある程度のものが三レムまで、三レムを超えておらないというような結果でございましたし、下請につきましても、おおむねそれよりやや多いという状況であったように記憶いたしております。
○石野委員 いまの答弁は、去年ぼくが二月十九日に科学技術庁から取った資料、労働省から取った資料の域を越えていないのだ。しかも、そのときの資料では、下請の諸君で三レムから六レム以下のものが福井県の二社の中に出ているわけですよ、ないわけじゃない。だから、それ以後の資料を早急にまとめて提出してもらいたい。やれるでしょうね。
○宮野説明員 ただいま申し上げましたように、定例で取っておりませんので、いますぐというわけにもいきませんけれども、検討さしていただきたいと思います。
○石野委員 すぐは取れないと言っても、五十一年は別としても、五十年度の分は取れるのでしょう、まとまるのでしょう。
○宮野説明員 労働省の手元には来ておりませんので、これは第一線の監督署を通じて調査をいたしませんとできませんので、そういう意味でいますぐというふうにはまいらない、少し時間をいただきたいと申し上げたわけです。
○石野委員 少し時間をと言うけれども、どのくらいの時間ですか。
○宮野説明員 一カ月ぐらいいただきたいと思います。
○石野委員 一カ月というのは選挙の真っ最中になってしまう。とにかく早く出すように、ひとっこれは大臣の方からも労働省へなにしてもらいたい。
○佐々木国務大臣 私も選挙中なので……。
○石野委員 大臣が急がれているようですが、先ほど私は局長にも話しましたけれども、自然放射能と人工的な放射能との関係の問題でいつも科学技術庁は、自然放射能はこのとおりであって、どこどこの炉、どこどこの施設のなにはこんなものですから大したことはありません、こういうセットにした宣伝が行われるのですが、その地域によって自然放射能だって違いますよ。しかし、その地域、地域の人々はそれに適応してずっと生きてきているのです。非常に自然放射能の低いような人が非常に高いところへ行ったときには必ず障害が起きているのは事実です。だから、この自然放射能と人工放射能というものの組み合わせの問題について、私は科学技術庁の宣伝の仕方は間違っていると思うのですが、大臣はそういう問題については何の心配もない、極端に言えば、自然放射能は局長のさっきの話によるとわが国では一千万人レムだ、こう言うのですよ。自然放射能のままでいくのなら、人工放射能は一千万人レムのところまでいってもいいという考え方でそういうことを言っているのかどうなのか。科学技術庁の宣伝の方針、考え方の基本はどこにあるのか、大臣明確にしてほしいのです。
○伊原説明員 自然放射線の人類に対する影響につきまして、石野先生の御指摘のように、たとえばそれが二倍、三倍になるというふうなことになりました場合には、あるいは多少の有意の結果は出得るかとも思いますが、私どもが申しておりますのは、自然放射能と申しますのは、先生もお話がございましたように、地域によっても違う、時間によっても違う、しかも、その程度の変動では有意の差がない、あるいは自然放射能の低い地域から高い地域に移動することによっての影響というものは認められないというふうなことが世界的な定説ともなっておりますし、私どもといたしましては、自然放射能の変動の幅の中に入る程度の増加というものは、有意の差となって影響は出てこないであろうと考えております。 この考え方は、先生は先ほど科学技術庁の宣伝とおっしゃいましたが、私ども宣伝ということではなくて、大体世界的にそういう認識がございますので、そういう認識のもとに理解すべきである、こういうことで申し上げておるというわけでございます。
○石野委員 非常に言い逃れのような形になりますが、一般の人は、たとえば原子力施設を設置しようとする場合に、原発なりあるいは科学技術庁なりが言っている一般市民、地域住民に対する言い方としては、自然放射能はここまでなんだ、一人当たり百レムまでだ、ところがこの原発では、ほんのわずか五ミリレムですよとか、あるいは五レム以下に抑えているのですよ、こういうようなことで言うわけです。この受けとめ方というのは、自然放射能は百レムまでいくのですから一皆さんだって百レムまでいってもいいのですよ、こういうこととの兼ね合いで物を考えさせるように言っている、こういうふうに見受けられるのです。また、人々はそういうふうに受けているのです。自然放射能が百レムまで受けられるのだから、われわれだってそこまでいいのじゃないですか、こういうことを一般の人は言うのですよ。そういう受けとめ方をしている地方の人たちがいるのです。そこにうまくつけ込んで原子力の諸施設をそこへ据えつけようとしているわけですよ。この人々の考え方の錯覚を利用して宣伝をしている、こういうふうに見受けられる、これは改めなければいかぬと思いますよ。いま局長はそういう話をしておりますけれども、私は別に原発に根っから反対しているというのではありませんよ。安全性を確保するために放射能の危険というものを人類に余り多く残さないようにしなければいかぬから、人工的なものを極力詰めるという意味でこういう宣伝の仕方は間違っている。大臣、どうですか。
○佐々木国務大臣 私は、パーヘッドの被曝量は五ミリなら五ミリで最高に抑え、しかもいわゆるALAPの原則でできるだけさらに少なくということで、五ミリまでいかないようにあらゆる注意を払っていることは御承知のとおりです。ただマン・レムの問題になりますと、マン・レムは何のためにやるのだ、こういう意味でございますが、あるいは私の解釈は違っているかもしれませんけれども、しかし、長い間。パーヘッド当たりは五レム以上にはならぬわけですけれども、人もかわりあるいは労働者もふえていくということになりますと、全般的にいわば被曝量というのはふえてまいりますから、パーヘッドとしてはふえないにしても、それは一体どのくらいどういうふうにふえていくだろうかとやはり注意して、これを長い間観測していく必要があるのではないかという意味でマン・レムという問題が出てきているのではないか。そういうことからいたしますれば、さっき局長から話しましたように、自然放射能はこれほどあって、いわばマン・レムとしてはこのくらいだという点からすれば、現在のところではまだ微々たるものですよ、こういう説明をしているのではないかというふうに解釈してございます。
○石野委員 これは放射能の危険性に対する考え方の問題、見方の相違からくることでございますから、いまここですぐに一つの結論を出しにくいとは思いますけれども、微々たるものでございますというその微々たるものが非常に危険なんだということの認識、これがやはり原子力政策の中で非常に大事なんだろうと思うのです。もしそうでなければ、原子力船「むつ」でほんのわずかの放射線の漏れというようなことがこんなに大きな問題になるはずはない。だから、原子力行政の基本的な考え方の基底にそういう問題の解明が必要なんだということを私は申し上げているのですよ。そのことは同時に、放射性廃棄物の管理、保存というような問題にまでひっかかってくるわけです。私は、いまの問題については了解しません。しかし、時間の関係がありますしなんですから、これはまだ長いこと後に残る問題だと思いますので検討を加えねばならぬ。政府と私だけの問題じゃなしに、原子力に対するいわゆる学問的な立場からも非常に大事な問題が残されていると思いますから、これは後に保留しておきます。 それで質問を別に変えますが、放射性廃棄物対策技術専門部会から中間報告が出ている。この中間報告は「廃棄物対策は、長期間にわたる計画のもとに進めるべきものであるので、本報告書では、十年間程度(一部高レベル対策についてはそれ以上)にわたる研究開発計画を作成したが、研究開発の進展に合わせて適宜見直す必要がある。」こういう前提で、たとえば「試験的海洋処分については、これから安全性を評価するところであるので、その結果を十分跡まえて行うべきことを付記する。」というような書き方でこの報告書は出ております。これによるところのプロジェクトの目標をずっと見ますると、これはまだまだどの項目についても昭和五十一、二年度の程度ではまだ本格的な処分のところへいかない。本格処分にいくのは海洋処分プロジェクトでようやく五十五年の段階だと思う。高レベルの廃棄物対策プロジェクトの動燃再処理工場のホットの運転がようやく五十一年というようなことで出ておりますが、これだって実情はそこまでいかないだろうとぼくは思います。 そういうような情勢のもとであるので、実はその放射性廃棄物がどういうふうに管理、保管されているかということについて、かねがね私は疑問を提起しておるし、また資料の提供も受けておりますが、最近、私、原子力研究所へ行きました。そしてこの保管状況等を見てまいりました。やはり、なかなか施設が追っつかないというようなことで、まだ野ざらしのドラムかんがたくさんあるし、ことし、来年にかけてずいぶんとピットをつくっていかねばいかぬ。新しい自動車の駐車場みたいなビルをつくるのだということも言っておりますが、こういうような状況に対して、廃棄物処理について総体的に政府は、いまある、現に処理し切れないものについて、当面、本格的な処理の方法ができるまでの間に、こういう野ざらしとかなんとかの状況を排除するような考え方をお持ちなんですか、どうなんですか。それから、各事業所ごとの状況はどんなふうになっておりますか。
○伊原説明員 主として日本原子力研究所の実情を御報告申し上げます。 日本原子力研究所におきましては、まず東海研究所と大洗研究所と大別いたしまして、東海研究所におきましては低レベルの固体の廃棄物、これが現在、二百リットル入りドラムかん換算約二万六千本がございます。これがピットに収納されております。それから、中高レベルの固体廃棄物が約四千個、これは小型容器におさめまして専用ピットに収納いたしております。それから、そのほか特殊なものが、たとえば部品あるいはグローブボックス、そういったものが少しございますが、これもピットに収納いたしております。 それから、大洗研究所の方は、低レベルの固体廃棄物は約千四百本、それから中レベルの固体廃棄物が約二百三十個、こういうことになっております。 で、そのピットにまだ収納されてないものがあるのではないかという先生の御指摘でございますが、確かに御指摘のように一部そういうこともあるいはあったかと思いますが、私どもといたしましては、できるだけ十分の予算措置なども講じまして、なるたけ早くピット収納ということをいたすことにしておりますが、仕事の手順で多少まだそのピットに入らない状態のものがあるということはあり得るかと思います。 ただ、その場合におきましても、十分その安全の確保ということは行わせておるわけでございまして、これは御承知のように管理区域ということに設定されておりまして、みだりに人が近づけないことになっております。週一回巡回して点検もいたしまして、線量率の測定、汚染の測定というようなこともいたしておりますし、また保管体の記録も的確にとって保存いたしております。 このように非常に厳重な保管を行っておる。これは保安規定に基づいて行うわけでございますが、そういう厳重な保管を行っております。さらに管理体制につきましても、できる限りこの面の人も充実してまいりたい、こういうことでございますので、この廃棄物の保管が周辺に影響を与えるということはない、こういうふうに実施いたしておるわけでございます。
○石野委員 周辺の住民に影響を与えるようになってしまったら大変なのだから、そういうことのないように配慮すべきです。 原研の場合はいまの話でわかりましたが、たとえば原子力発電所等でいろいろな廃棄物が出たり、あるいは使用済み燃料等が出ます。特に使用済み燃料について再処理等の方策を講じたりもしておるようですけれども、各原子力発電所で出た使用済み燃料の処理の問題について、海外にその処理委託をしているのはどこで、国内処理をするのはどこというふうに大体もうはっきりしているのだろうと思いますが、現在まで海外に使用済み燃料を再処理委託するというようなことをやったのはどういうところがあるのですか。これは通産省の方ですか。
○武田説明員 お答えいたします。 海外に対します使用済み燃料の処理の委託でございますけれども、現在までに委託契約といたしまして軽水炉用約千八百トンの契約をいたしております。それからガス炉用のもの八百九十トン、ラウンドでございますが一そういう委託をいたしております。具体的な発電所名といたしては東海発電所、美浜発電所、敦賀発電所等でございます。
○石野委員 東海発電所と美浜発電所と、それからどこですか。
○武田説明員 あと敦賀発電所でございます。
○石野委員 東海と敦賀ですか。
○武田説明員 はい。それに先ほど申し上げました美浜発電所でございます。
○石野委員 その美浜発電所の海外に委託したものは何号炉のもので、どういうものですか。
○武田説明員 美浜につきましては、美浜三号炉につきまして契約をいたしております。
○石野委員 美浜はそれ以外ないですね。
○高橋説明員 再処理につきましては、先生御承知のとおりに、原子炉規制法第二十三条に基づく設置許可のときに、どこで再処理をするかということが明確になって許可されておると思います。若干記憶が正確でございませんけれども、美浜の場合には、たしか一、二号は今度東海の動燃でできますあそこに持っていくということじゃなかったかと思います。したがって、美浜の場合には、三号はたしか英国のBNFLに持っていくということになっていると存じます。
○石野委員 大臣は何か用があるそうですからお帰りになってもいいのですけれども、ただ私がこれから聞こうとしますことは、美浜一号炉の問題について、燃料棒の問題について聞くのです。そこで出てきておる事故の問題を聞くわけでございますから、後でひとつこの質疑応答の状況は頭に入れていただきたいと思っておりますから、いま直接は大臣に聞きません。 実は、いま私はここに「原子力戦争」という田原総一朗さんの書かれた書物を持っておるのです。実は美浜一号炉の炉が停止するについては、主としていわゆる蒸気発生器の細管事故ということで停止したというふうに私たちも理解しておりましたが、その間、非加圧性の燃料棒の取りかえ等のこともありまして、いろいろと当時燃料棒の事故の問題がありました。いろいろな疑問を持っておったのです。この田原さんの書物の一番最後に、「美浜一号炉燃料棒事故の疑惑」というものが「田原総一朗の報告」ということで出ておるのです。この報告書はもうすでにお読みのことだと存じます。ここで出ておるのは、関西電力がこの燃料棒問題について新聞発表した実態と、それから電気新聞が出しております美浜発電所のピットの中にいま格納されておるいわゆる使用済み燃料の一号炉の燃料棒との本数の違いを非常に問題にしておるわけなんです。そして、その本数の違いは二本出ておるわけなんですね。関西電力で出しているのは、第一領域の非加圧性の燃料棒四十一集合体を全部取りかえました、そしてそのほかに第三領域における一つの物にやはり燃料棒の事故があったのでそれは取りかえました、こういうふうに発表した。関西電力が発表したのは四十八年です。ところが、昨年の四月九日でございましたかの電気新聞によると、ピットの中には四十四体のなにが入っている、こういうことが出ているわけです。それが実情ですね。そうすると、その差二集合体の違いが出ているわけです。田原さんの報告によると、その「第三領域のうち、三体、M−7、A−6、A−7に異常があり、取りかえた。公式にはつぶれによる偏平化のため、となっているが、一体については溶融。おそらく、燃料棒が三〇センチぐらい切れてペレットが落ち、炉心をまわっていたものと思われる。秘密裡に処理。」こういうふうに書いておるのですね。もしこれが事実だとすると大変なことだろうと私は思う。 私は、一号炉の使用済み燃料は海外に委託しているわけじゃないのだから、現在ピットの中に入っていると思います。この田原報告の問題について通産省はどういうふうに理解をしておるのか、田原さんの報告は間違っておるのか、あるいはあなた方がこのことを十分承知しておるのかどうか、関西電力の報告に落ちがあるのかどうか、そこのところをちょっと説明してもらいたい。
○武田説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、昭和四十八年三月から七月の終わりだったかと思いますが、実施いたしました定期検査におきまして燃料の取りかえをいたしております。それで、どんな取りかえをいたしたかといいますと、ちょうど取りかえの時期に来ていたわけでございますが、先ほどおっしゃいました第一領域、それも加圧してない燃料体でございますけれども、それの一部に燃料体の被覆管の変形が認められまして、第一領域の燃料体全部で四十一体でございますが、これを取りかえております。それからもう一つ、第三領域、周辺の方でございますが、そこに漏洩の疑いのある物一体が認められましたので、それと、それから炉の中の燃料体の置き場所というのは、いろいろ対称性を考えましてやっているわけでございますが、そういう観点から別に二体、計三体、全部足しますと四十四体を取りかえたと承知いたしております。
○石野委員 そうしますると、その二体の、これは置き場所の対置状況からだということでございますが、その二体については、これは何ら損傷も何も行われていない、ただ燃焼をある一定期間やったというだけの二体でございますか。
○武田説明員 対称性の観点から取りかえたものでございますので、もちろんそれまでの間燃焼しておりますが、そういうものでございます。そう承知いたしております。
○石野委員 そうしますと、いわゆる第三領域にありました二本の物、それは余り損傷もされないままにあるということですから、現物は見られますね。
○武田説明員 お答え申し上げます。 燃料棒を取り出しますとピットの中に入れるわけでございます。これはアクティビティーを持っておりますので、その場で近づいてながめるというのは現実問題としてはなかなかむずかしいかと思います。
○石野委員 私どもが行ってそれを見るということは、それは非常にアクティブなものだから見にくいでしょうけれども、あなた方はそれをちゃんと写真に撮ってわれわれに見せることができますね。
○武田説明員 お答えいたします。 現実問題、アクティビティーがございますので、いまおっしゃったのかそう簡単にてきる——なかなかむずかしい問題かと承知しております。
○石野委員 非常にアクティブなものだから近づきにくいことはわれわれも承知しておるんだが、しかし、いずれにしてもそれはピットの中にどういう形でおさめたか知りませんけれども、またおさめるときにもやはりあなた方が何かの研究をしなくちゃならない。一本は少なくとも危険があるから外したのですからね。だから、これは何の手だてもしないままにピットにほうり込んだことはないと思うのですよ。恐らくそれをどういうふうに対策をするかという研究のためにもやはり一定程度の資料をちゃんと写真に撮るとか何かしているんだろうと思いますが、そういうものは見せられますね。
○武田説明員 先ほど申し上げましたような事情もございますので、ここでできるとお約束できるかどうか、ちょっと自信がございません。検討させていただきたいと思います。
○石野委員 私がしつこくそのことを聞くのは、田原さんのこれにもありますように、これは非常に問題があったのでそれをいろいろ調査しようと思っていたけれどもなかなかわからない。しかし、田原さんのところへは、少なくともある某氏のところから手紙があって、そしてそういうような「原因としては、燃料集合体の外枠のバッフル板の溶接していなかった部分から水が入り、ジェット水流でやられた。もしくは、熱中性子束が増えた、ものと思われる」ということまで書かれておるのですよ。だから、こういうものについてあなた方の方では、それじゃ、こういう田原さんの報告にあるこの問題は全面的に否定できるのですか、どうですかということが一つ。 それからもう一つは、田原さんは、そういうことでいろいろ具体的なものを調べようと思って科学者の人もやはりその調査のために行ったんだ。しかし、「美浜一号炉の燃料棒溶融事故の傍証をつかむために福井県へ出かけていた科学者がもどってきた。彼は、関電の下請けの労働者や住民運動家たちから情報を収集するつもりだったのだが、その方面での収穫はなかったようだ。そのかわり、二冊の印刷物を持ち帰ってきた。「環境放射能データ」——福井県環境放射能測定技術会議という、福井県衛生研究所、県水産試験所、関西電力、日本原子力発電の四者で構成している機関が測定したものである。「もしも、燃料棒の溶融事故などが生じたら、当然、一次系の冷却水はすごく汚染されて放射線量はぐんと高くなるはずで、その汚れた水をどう処理したのか、もしや、海水中の線量が高くなっている、なんてことはないだろうか、と思って、念のために調べてみた」」ところが、その後四十八年の一月から八月までの間のいろいろのデータの中でそれを裏づけられると思われるようなものが出てきているということをずっと綿々とここに書いておるわけですね。それで、そうでなければこういう結果は出ないだろう——まあ、これは長く時間がかかるから読みませんが、あなた方これはお読みになっているはずだ。 この田原報告なるものに対して、あなた方が反論したり、あるいはそれは虚構の理論であるというふうに言われるだけの論拠がおありになるのかどうかということ、そのことの二つについてちょっとお聞きしたい。
○高橋説明員 いまおっしゃったようなこともございまして、第三領域の取りかえの件でございますか、現在できる範囲で——当時のことをちょっと書類などを出してみたわけでございますが、第三領域で一本、シッピングで漏洩の疑いがあったわけでございます。そのちょうど対称側のものはどうしても燃焼度の関係で取りかえなくちゃいかぬという事情がございます。それで二本になります。さらに、先ほど第一領域のお話をいたしましたけれども、第一領域でコラップスの問題もございまして、本来四十本でいいところを四十一本、真ん中のものも取ったわけでございます。真ん中のものを取りますと、そこに一番燃焼度の近いものをどこかから探してくるということで第三領域から持ってきた。第三領域から持ってきますとそこに新しい燃料が入る。そうすると、その対称性をもう一遍考えなくちゃいかぬということでもう一本、ということで、第三領域において三本取りかえたということは、その限りにおいて十分根拠があるというぐあいに理解しております。
○石野委員 それは配列の側面からするあなた方の理解、説明なんですよね。だから、一面においてそういうことが言われるとしましても、他面では事故があったためにそれはどうしても取りかえなければならなかった本数になっている。いわゆる事故が三本そういうふうにいろいろな形で出ておれば、何も改めて五本にしなければならぬとかあるいは七本にしなければならぬとかいうことにはならないのですからね。だから問題は、第三領域における三本が具体的にいわゆるピットの中に貯蔵保管されている。その実態が、一つは問題を起こしたものだし、しかし、あとの二つは何も問題がないのならば案外に保管の状況も違っておるんだろうと思いますからね。そういう状況を明確にしてもらいたいとぼくは言っているわけだ。しかも、その当時通産省としてはこの問題についてどの程度の報告を受けていたのですか。
○武田説明員 先ほど申し上げましたように、三月から四、五カ月にわたりまして定期検査をいたしまして、それにつきまして先ほど申し上げた四十一体を、全部足しまして四十四体を第一領域から取り出すというようなことの報告を受けております。
○石野委員 報告は受けているけれども、その後、美浜発電所原子炉設置変更許可申請書というのが四十八年の五月に出ているわけですね、いまのその内容になるんだろうと思いますが。当時関西電力は、四十本のものが三十七本に組みかえられて新たにその三本のものが入ってきたということをほとんど公表しないで、一本だけ減ったんだというような形の発表をしているわけですね。ですから当時の朝日新聞福井版あるいは福井新聞などはやはり四十本が三十九本になったという報告をしているし、またその後の二本の取りかえというようなことがほとんど何も行われなかったというふうに一般には見られている。ところが、事実上から言うと、四十本は三十七本になってしまっているんだから二本というものが新たに加わっているし、その内容はどういうことなのかという問題が一つ問題になってきている。同時にまた、第三領域のその一体がピンホールという異常な状態が出てきたということ、まあ、ピンホールだか何だか知りませんけれども、むしろここでは溶融して炉内で落ちてしまったろう、それで炉内をものすごくかき回すような状態であったんじゃないだろうか、こういうふうにまで言われている。それからまたその問題については、これは確かかどうかわかりませんけれども、なかなかそれを取り出すことができないで、バキュームカーを使ってそれを引き出したんだという話さえも耳にしているんですよね。 そういう事情などをわれわれ聞くと、これは容易ならぬものだというふうに考えられる。だから、通産省が考えている実情と実際に起きている実態というものは違うんじゃないだろうか。これはもう少し調査する必要があるんじゃないか。 それと同時に、現在ピットの中に格納されておる使用済み燃料の形状がどういう状態になっているだろうかということを見ることが非常に大事だと思うのです。それで、これは再処理なんかをまだしてあるわけじゃないんだから、ピットの中にあるんだから、何らかの方法でその疑問を晴らすようにあなた方の方で努力すべきだろう、私はこう思うのですよね。 だから、いまここであれこれ言っておってもいたし方ありませんから、やはりその三本のものがピットの中に入っておるんならば、それを何らかの方法でわれわれにわからすような処置を通産省はすべきだ。われわれにその疑問を晴らすようにしてほしいし、田原氏がこういう「原子力戦争」という公の書類でこれだけやっておるについては一定の自信があってやっておるものだと思いますから、それに対してもあなた方はこたえなきゃいけないだろう。もしこれにこたえられないとするならば、原子力行政のいわゆる放射能管理という問題は非常にずさんだと言わなければいけない。先般、福島の火災の事故等について私があなた方に質問したときも皆さんわからなかったと言う。後から見たらもう大変な火事だったとこう言うんですよね。こういうふうな状態は見逃してはいけない非常に重大なことだと私は思いまするので、少なくともいま私がこの問題について提起しております疑問にこたえられるような調査をしていただいて、それで少なくともその第三領域にありました三本の燃料棒が現在どういうような状態になっているのかということをわれわれに明確にしてもらいたい。それがないと、田原さんのこの「原子力戦争」に書かれておる田原報告なるものをやはりわれわれは信じざるを得ない。もしこれを信ずるということになりますると、これが真実だということになると原子力行政上非常に重要な問題が出てくるのだし、同時にまた、燃料棒自体に対する問題も新たに提起されてきておる、こういうように思うので、そういうことについての調査と報告をぜひしてほしい。いかがですか。
○武田説明員 昭和四十八年の三月、定検時におきまして取りかえました燃料につきましては、先ほどのとおり理解いたしておりますけれども、それで方々アクティビティーの関係その他でうまく目で見られるような状態になるかどうかわからないわけでございますが、先生の御趣旨のようなことで大変重要なことでございますので、私どもとしても十分検討させていただきたいと思います。
○石野委員 それからいま一つは、田原氏が報告の中に書いておりますいわゆる美浜における放水口におけるホンダワラの中の放射能問題ですね。ここで出てきておるコバルト60とマンガン54の比率の違いがずっと月別に書かれておるわけです。ここから類推される事情というのは、やはり炉に事故があり、そして第一次冷却水が非常に高い比率で汚染されていた、それを一定の時期に、いわゆる中国の核実験の時期を踏まえて放水しているであろうと推測をしているわけですよね。そうでなければこうならないだろうという非常に科学的な分析をしております。そうでなければこの地点でこういうような結果が、いわゆる敦賀発電所の放水口と美浜の放水口との間にこんな差が出てくるはずはない、こういう推論をしているわけですから、これに対しても皆さんは答える必要があると思うのですよ。なぜこういう結果が出てきているか、なぜコバルト60がこういうふうに多くなっているのだろうかという問題に答える資料も同時に出してもらいたい。これはひとつなるべく早く、先ほど被曝線量の問題、一カ月もかかると言っていましたけれども、それじゃ困りますからね。少なくとも一週間か十日以内のうちには出るはずですから、ひとつその資料を出してもらいたい。
○伊原説明員 ただいまの先生の御指摘の点でございますが、この測定結果はもちろん十分信頼するに足るものであるかと思われますけれども、非常にレベルの低いところの数値でございますので、たとえば比率の問題がどの程度の意味を持つかというふうなことも含めまして調査をさせていただきたいと思います。ただ一般的な核分裂生成物といわゆるコロージョンプロダクツでございますか、そういったものとの関係などもございましてなかなかこれは複雑な問題も含んでおるかと思います。検討結果が十分的を射たものになるかどうか、これはそういうふうに努力いたしたいと思いますが、いずれにいたしましても、検討、調査をさせていただきたいと思います。
○石野委員 局長からそういう話がありますけれども、この資料のこういう結果が出たことについて関西原子力発電所の側では、これは中国の水爆実験の結果だということで皆さんの疑問に答えているわけです。ところが、今度、田原さんの方のなにでは、それは中国の実験があったことは事実だけれども、美浜の放水口と敦賀の放水口も半島の裏表になっているのですが、ここでそういう違いが出てくるについては、そういう特殊な事情という何かがなけれが出てこないだろうという推測でやっておるのですから、それにも答えるような資料でなければいけないと思うのです。これはとにかく資料を出してもらった結果、またわれわれは論議をすることにしなくちゃいけませんから、早急に出してもらいたい。大体一週間か十日ぐらいで出してもらえますね。
○伊原説明員 一週間、十日ということはちょっとただいまの段階で確実にお約束はいたしかねるかと思いますが、できる限り努力いたしまして御報告をいたしたいと思います。
○石野委員 原子力委員会からおいでいただいておりますが、原子力委員会が、いわゆる炉の設置変更等の申請があったりしますれば、当然それを審査なさるわけです。その審査の過程でいろいろ問題がありますけれども、ほとんど原子力委員会は紙の上で審査する方が多いのだろうと思いますね。しかし、同じ燃料棒の取りかえにしましても、領域変更によったり配列の事情等によっていろいろなことがございましょうが、現に公然とこういうような書類として報告をするだけの自信を持った報告の仕方をしている方がいるわけですね。これはよそごとじゃない、実に重大な原子力委員会として考えなければならぬ問題点だろう、こう思うのです。こういうような問題があるときの原子力委員会の対処の仕方というものは、厳密に言って非常に厳しくなければいけないだろう、こういうふうに思います。いま私がいろいろ質問しましたものの中にはこの本を中心にして、私は推定の部分も非常に多いわけでございますけれども、ただいまのような事情を原子力委員会はどういうふうに受けとめられ、また処置なさる御所存でございましょうか。一言御意見を承っておきたい。
○吹田説明員 御承知のように、原子力委員会の所掌の中には原子炉の設置、変更の許可があります。いまお話しのような燃料取りかえの作業等というのは御承知のように通産でございまして、いまお話をいろいろ承っておりますと、そういう事実がありますれば原子力委員会に通産の方から恐らく報告がございます。その報告に基づきまして原子力委員会はこれを判断することになっておりますが、現在のところ、これまでの書類を調べましてもそういう報告は来てございませんで、先ほどの通産の方の答弁を聞いておりましても、しっかりしたデータがまだございませんので、原子力委員会としては、通産の方からそういうしっかりしたデータがございましたらしかるべく処置いたしたいと考えております。
○石野委員 これは原子力委員会はもとより科学技術庁あるいは通産省、いずれもそうですか、すべては原発については会社報告が中心になっていて、そこで出ている判断をそのまま写し書きするというような形の結論に出る傾向がややもすると多い。そういうことでは監督とか管理するとかいうことの意味をなさないと思われるのです。特に事故例等について現場の報告がないと、監督官庁なり監督行政をしている方々には全然わからないままで過ごしてしまうというような実情がある。しかし、事故があれば幾ら隠していても、その事故によって起きるであろういろいろな弊害は具体的には出てくるのです。そうなりますと、原子力委員会にしても、あるいは科学技術庁の原子力局やあるいは規制課などがあっても、通産省の監督があったって何の意味にもならない。報告のとり方と皆さんが判断をするやり方について何か一つ抜けているものがあるのじゃないだろうか。そこをどこかで詰めないとだめなんだし、それで、今度行政改革をする場合に、このことに焦点を合わせないと問題の本来的な解明はできない。福島の火災の問題なんか明らかにそうなんですね。報告がないから上の方はわからない。調べてみると事実あったというような結果が出ている。こういうようなことでは、原子力の、特に放射能あるいは放射線の危険に対しこれだけわれわれが厳しく言っておっても何の意味もないということがありますから、原子力委員会としては、その点をやはりしっかりと締めてかかってもらいたいし、長官は原子力委員会の委員長ですが、まあ長官いないのですけれども、そのことを長官にもなにしてもらいたい。この機会に、原子力委員会はそういう問題についてどういうようにする決意でおられるか、そのことをひとつお聞かせ願いたい。
○吹田説明員 おっしゃるとおりに、事実を事実としてわれわれがはっきり把握するということが第一段階でございまして、それに対してどうするかということは次の第二段階になります。したがって、とにかく十分確実なデータをわれわれが持つこと、それにはどうしたらよろしいかということは、おっしゃるように確かに必要でございますので、原子力委員会としても高所から考えまして、そういう点は十分考えたいと思います。
○石野委員 時間が参りましたから、これで終わります。
○中村委員長 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○石野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
○近江委員 私は、きょうは、主といたしまして地震の問題、時間がありましたら原子力の問題を質問したいと思っております。 きょうは、関係各省来ていただいておるわけでありますが、御承知のように、ことしに入りまして世界各地で地震が続発しております。主なものを拾ってみましても、二月のグアテマラ地震、これはマグニチュード七・五、死者二万二千人。五月には北イタリアの方で起きまして、マグニチュード六・五、死者九百人。同じく五月にソ連のウズベク地震におきましては、マグニチュード七・二。中国の雲南省地震、マグニチュード六・九、二回。それから、六月に入りまして西イリアン地震、マグニチュード七・一、死者三百五十人。七月に入りましてバリ島の火山性地震、マグニチュード五・六、死者四百五十人。中国の華北地震、マグニチュード七・五、これは正式な中国の発表はないわけですが、一部伝えられるところでは、死者、負傷者含めて十万人の被害者が出た、こういうような非常に大変な被害が予想されるわけであります。それから、八月に入りまして中国四川省、マグニチュード七・三と、フィリピン南部の地震マグニチュード七・八。こうした非常に大きな地震が続発しておりまして、被害者も非常に多くに上っておるわけでございます。 こういう点からいきまして、専門家の皆さん方からごらんになった場合、今後こういう世界の地震がますます続くものであるのかどうか、また日本においてはどういうことが予想されるか、この点についてひとつお伺いしたいと思います。
○園山説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の、今後地震というのがどうなっていくかということにつきましては、いろいろ学説等があるようでございまして、私、一々つまびらかにいたしておるわけではございませんけれども、現在、地震予知というものがまだ実用の段階に至っておりません、各方面で研究をされておる段階でございますので、今後の見通しということにつきましてここではっきり申し上げることはできないわけでございますが、いずれにいたしましても、地震予知、地震そのものに対する研究がきわめて重要かと考えておる次第でございます。
○近江委員 地震予知連絡会等で従来指摘されてきましたのは、一つは東海地方ですね。それから北海道の東部、それと南関東が強化地域に入っておりますね。そうした非常に心配な点があるということを聞いておるわけですか、また二十三日の地震予知連絡会、これは萩原さんが会長でございますが、この定例会議で、東大理学部地球物理学教室の石橋克彦助手が、駿河湾地震が起こるのじゃないか、そういうショッキングな発表をなさっておるわけですね。この人のお話では、計算上は、極端に言えばあす地震が起きてもおかしくない、こうおっしゃっておるんですね。 最近、伊豆半島では八月十八日に、河津町でマグニチュード五・五の地震が発生しておる。伊豆半島においては、ここ七年から九年の間で地盤の異常隆起等が非常に目立ってきておる。こういうような非常に地域的に心配される点が予想され、学者の間からそういう声が出ておるのですね。特にいま私が指摘いたしましたが、そうした地域について本当に心配がないのかどうかということが一つと、私が指摘した以外におきましてもそういう心配な地点があるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○園山説明員 お答えいたします。 地震の可能性につきまして、現在学術的な御判断をされておりますのは、国土地理院にございます地震予知連絡会というのがございます。ただいま先生御指摘のように、一昨日定例の会合があったわけでございますけれども、御指摘の危険な区域と申しますか地域に対しまして、特定観測地域というものと、観測強化地域、それから観測集中地域という三つの段階があれされております。 この特定観測地域と申しますのは、歴史的に大地震を経験しました地域あるいは活断層等の地域、あるいは東京などの重要地域ということでございまして、現在全国に九カ所指定されております。申し上げますと、北海道の東部、それから秋田・山形西部、長野県北部及び新潟県南西部、琵琶湖周辺、阪神地域、島根県東部、伊予灘及び安芸灘、それから関東南部と御指摘の東海地域でございまして、このうちの関東南部地域及び東海地域は観測強化地域ということになっております。このような観測強化地域におきましていろいろ観測が行われまして、異常が確認されまして、大地震発生と関連があると判定されました場合には、観測集中地域ということに指定されるわけでございますけれども、現在まだ観測集中地域という指定はなされておりません。 以上でございます。
○近江委員 東大の石橋助手が発表しました、計算上からいくとあす地震が起きてもおかしくない、そこまでの指摘をしているのですね。これは学者の、しかも地震予知連絡会という権威ある会合における発表ですね。これは政府としてはどう受けとめておりますか。
○園山説明員 私どもは、先ほど申し上げました地震予知連絡会におきましていろいろなデータその他の御判断がなされるものと理解いたしておりまして、地震予知連絡会の中でいろいろ御議論があったことと思われますけれども、地震予知連絡会としてただいま申し上げましたような観測集中地域というような御指定もまだしておられませんし、私どもとしては地震予知連絡会のそういった御判断を尊重しているところでございます。
○近江委員 こういう学者がそこまで指摘しておるわけですから、そういうのんびりしたことでいいのですか。連絡会からのいわゆる指令が出てないから、観測集中地域にもしない。学者がこれだけ指摘しているのですから、少なくともそこは集中して観測すべきじゃないですかね。緊急にそういう連絡会議等を招集して——おどかしで学者がこういうことを言うわけがないわけですよね。やはり専門家の言うことは、特に人命に関することでありますからね。起こらなければそれは本当に幸いであるわけですね。しかし、体制だけは、できることは人事を尽くすというのがやはり政府の姿勢と違いますかね。その点については連絡会議の早期招集とかいろいろなことをお考えになりますか、いかがですか。
○園山説明員 先ほど御説明いたしましたように、地震予知連絡会というのは、現在国土地理院の院長の諮問機関という形で置かれておりまして、学術的なデータの判断というのはこの地震予知連絡会において一元的に行うということになっておりまして、私どもは、そういった専門家の方、学者の方お集まりになりまして、地震予知連絡会としての御判断に従うべきであると考えておりまして、地震予知連絡会の御指摘、御要望がございますれば、私ども行政サイドからいろいろな観測手段その他を講ずるわけでございますけれども、現在まだそういう御連絡をいただいておらないところでございます。
○近江委員 国土地理院、来ておりますね。 そういう学者からこういう非常に心配な指摘が行われたわけでしょう。あなたの方が一番中心になっておられる。このまま放置されるのですか、いかがですか。
○原田説明員 二十三日の地震予知連絡会で、またその前回の五月における地震予知連絡会で石橋助手から駿河湾地震の危険性が指摘されております。 地震予知連絡会は、東海地域に地震が迫りつつあるということで、東海地域を観測強化地域にすでに指定しておりまして、石橋助手の指摘は、従来御前崎南方海上に次の地震が起こるであろうと言われておりました東海地震は、むしろ駿河湾の中の駿河トラフの断層活動によって起こる可能性が大きいのではないかという指摘であります。それでありますので、東海地域に起こる地震のその起こる位置の多少の移動、そういうことに関する問題も含めまして、やがて東海地域に地震が起こるであろう、それがいつであるかということが最大の眼目なのでありますが、それはいまのところわかりません。そのために観測を強化しておるという状態でありまして、石橋先生のは石橋先生の一つの理論に基づいた、いまのところ学説でございます。そうしてその学説の当否並びに地震の発生が近づいているかどうかということを検討するためにも観測を密にしなければいけない、そのようにわれわれは思っております。また、萩原尊礼会長もそのように理解しております。
○近江委員 そうすると、観測を強化されるということは、先ほどいろいろおっしゃった観測集中地域であるとか、そういう指定をなさってなさるわけですか。
○原田説明員 現在のところ、まだ観測集中地域に指定するということは考えておりません。
○近江委員 しかし、こういう国民にとっては非常に不安な学者のこういう発表があったわけですから、そういうことは大いに取り入れていただいて、東海地域は以前からもそうしたいわゆる観測強化地域としてなさっているわけですからね。特にやっぱりそういう指摘があったのですから、そうした観測集中地域ということは早急に連絡会議もお開きになってお決めになったらいかがですか。
○原田説明員 実はこれまで観測集中地域に指定された個所はまだ一ヵ所もございません。それと申しますのも、観測集中地域に指定する、これはまだ経験がないものですから、どのような場合に観測集中地域に指定するのかという具体的な事例が決まっていないわけでありますけれども、ともかくこれまでに実施してきた各観測を突き合わせてみて、地震がきわめて切迫している、そういう感じをわれわれ地震予知連絡会が持ちましたときに集中地域に指定するというようにわれわれは理解しております。まだその時点には至っていない、そのようにいまは考えておりますが、今後の観測のデータの積み増し、それの検討によって先生のおっしゃるようなことを十分に予知連絡会の中で検討したいと思います。
○近江委員 そうしますと、そういう基礎になるデータの集積ということは、心配なくこうした駿河湾を含む東海地域につきましてデータは刻々と集まってくる体制になっているのですか、いまどうなんですか。
○原田説明員 必ずしも十分というわけにはまいっておらないと思います。
○近江委員 十分入ってくるそういう体制にないのに、そういうデータを見て連絡会議を開いてそこで観測集中地域にするかどうか決める、それじゃ全然根拠はないじゃないですか。これはそういう学者からこういう話が出たのですから、連絡会議というのを早急に招集なさったらいかがですか。この地震予知研究推進連絡会議、これは四十九年十一月設置されていますね。これは事務次官会議の申し合わせでできたわけです。これは私たちが、いわゆる地震予知連絡会だけ、そういう学者の集まりのそういうことだけでいいのか、政府として強化する対策はとれないじゃないかと私自身も強くその点を指摘しまして、そういうことで皆さんのそうした努力もあって、こういう連絡会議ができたわけですね。この連絡会議はだれが構成しているか。科学技術事務次官が主宰をして、科学技術事務次官、内閣総理大臣官房審議室長、科学技術庁研究調整局長、科学技術庁国立防災科学技術センター所長、国土庁長官官房審議官、文部省学術国際局長、通産省工業技術院総務部長、通産省工業技術院地質調査所長、運輸省大臣官房審議官、海上保安庁水路部長、気象庁長官、建設省大臣官房技術参事官、建設省国土地理院長、それに地震予知連絡会の会長の萩原さん、測地学審議会会長の永田さん、この人らがいわゆる参与として参加しているのですね。これは定期的にやっているのですか。ことしになって何回開いたのですか。
○園山説明員 お答えいたします。 先生御指摘の地震予知研究推進連絡会議でございますけれども、これは御指摘のように、四十九年十一月の事務次官会議の申し合わせによりまして設置されまして、現在までに開催されておりますのが、本会議が八回、それから幹事会を二十二回、そのほかに技術専門委員会を五回開催いたしております。本年になりましてからでも、すでに本会議を三回開いております。そういった状況でございます。
○近江委員 何回かこのように開いておられるのですが、国民にとってはきわめてショッキングな、心配しなければならぬこういうことが学者から指摘されているわけですよ。その意味で早急に、いわゆるそういう定例会議ももちろん今日までやってこられているわけですが、こういう学者の指摘とか突発的なことがあった場合には、緊急に開くということはできないのですか。開催の要領はどうなっているのですか。
○園山説明員 この地震予知研究推進連絡会議は随時開催できることになっておりまして、御指摘のように非常に重要事態がございますと緊急に開いております。たとえば、ことしの五月二十五日、御承知のような伊豆半島東北部におきます異常地盤隆起がございまして、これについて地震予知連絡会からの御指摘がございましたので、急遽開催をいたしまして、この観測をどうするかという御相談をいたしまして、その結果によりまして、私どもの特別研究促進調整費による緊急の研究を決定いたしております。
○原田説明員 先ほど先生が、観測は十分に得られておるかとおっしゃられましたので、われわれ研究者並びに観測者の側から見て十分というのはなかなか大変なことでございまして、いつでも——いつでもというのは語弊がありますが、大体腹八分目ぐらいのところで仕事をしているような状態でございます。それで、先ほど十分かと言われましたので、必ずしも十分でないと申し上げたのでありますが、観測の量そのものは相当程度の観測を国土地理院、それから名古屋大学及び他の省庁でデータの取得に努めております。 また、地震予知研究推進連絡会議の方は、地震予知連絡会で、ある地域がさらに観測を集中的に得なければいけないと、そのように判断をしましたときには、研究推進連絡会議にその旨連絡して、地震予知研究推進連絡会議が開催され、観測に必要な財政上の手当てを願っている次第でございます。
○近江委員 そのデータは何ヵ所からとっているのですか、もうちょっと細かく言ってください。
○原田説明員 国土地理院では、駿河湾西岸にあります三角点、それを相互に結ぶ地域を測地的な観測をいたしまして、その測地的な観測には、水平方向の変動と垂直方向の変動と二通りありますが、ともに観測のインターバルを短くいたしまして、水平の大地の動きと垂直方向の大地の動きを広範囲にわたりまして常時、大地がどのように変動しているかをつかんでおります。 それから、名古屋大学では、この地域に微小地震観測網を持っておりまして、微小地震の起こりぐあいの推移を常時観測しております。 また、ここに気象庁の末広地震課長がおりますので、気象庁でやっております業務については地震課長にお答え願いたいと思いますが、また伊豆半島の方も、駿河湾をはさんで、非常に駿河湾地震を考えますときに重要な地域でありまして、この方面では東大地震研究所、東大理学部のいわゆる化学的な井戸の中の組成の研究、それから地質調査所によりますところの井戸水の水位並びに化学的なものの研究、重力測量、そのようなものが観測されております。
○近江委員 具体的にいまお話があったわけですが、私ら素人ですから、それで十分なものかどうかわかりませんけれども、しかし、いずれにしてもこういうことが学者から出ているわけですよ、きわめて重大な指摘が。こういう地震予知研究推進連絡会議、これはかなりトップの人ばかりなっておるわけですが、こういう学者から指摘があった場合は緊急に開くという、そういう機動性がないのと違いますか。これを提案したらどうですか、いかがですか。
○園山説明員 先ほども御説明いたしましたように、私どもの承っておりますところでは、この地震予知に関しますデータ、情報の判断というのは、地震予知連絡会におきまして一元的に判断が行われると、こう理解をいたしております。したがいまして、私どもといたしましては、地震予知連絡会としてそういった御指摘がございますれば、当然緊急な対応を考えなければいけないと思っております。先ほど御説明いたしました伊豆東北部の地盤隆起の際、あるいはその前の多摩川下流におけるやはり地盤隆起の際には、地震予知連絡会からの御連絡、御指摘がございまして、緊急に対応をいたしたわけでございます。
○近江委員 そうすると、あなた方政府でつくっておる連絡会議、これは地震予知連絡会からの提言を受けて、すぐに会議を開く——地震予知連絡会というのは、これは萩原さんを初め学者の人ですな。この人ら、これは常勤ですか。会長の萩原さん初め全部パートタイマーですよ。どうするのですか、そんなあやふやなことは。この人たちは皆、パートタイマーですよ。この人たちの学識を私は疑うわけではないけれども。もっと政府は、こういう学者からこういう危険なそれが出たならば、それは直ちに連絡会議を開いてもらいたい、そこで出た結論をまた受けて政府の推進連絡会議で対策をとる、そういう速やかさがなかったらだめじゃないですか。萩原さんを会長とする連絡会はどうなっていますか。
○七田説明員 実は、現在ございます体制は、文部省に置かれております測地学審議会で一応こういう体制を整えておるわけでございます。それは第一に、まだ地震予知の段階といいますのが現在は研究の段階にあるということでございます。まだいろいろわからない要素も非常に多いということでございまして、現在のところ、第三次地震予知計画におきましてはまだ研究段階ということでやっております。したがいまして、第一次地震予知計画の際に国土地理院に地震予知連絡会が置かれたわけでございますが、この地震予知連絡会は、少なくとも現在ございます日本の地震のブレーンがほとんどそこに代表されておるというように考えております。なるほど地震予知連絡会のメンバーはパートタイマーでございますが、国土地理院あるいはそのメンバーから必要があるという申し入れがあった場合には、直ちにそれを開くという体制は整えられておるというように私どもといたしましては理解いたしております。そして科学技術庁の事務次官を長にいたします地震予知研究推進連絡会議の方は、これはやはり政府側といたしまして、その地震予知連絡会の方で集中地域の指定がございましたり、あるいはそういうサゼストがございました場合に緊急に開かれまして、そして大学を含めまして直ちに必要な措置をとるということになる機関であるというように理解いたしております。
○近江委員 そうすると、連絡会の招集にしても国土地理院が声をかければ集まると、いまの答弁ですよ。そうすると国土地理院は、連絡会からまだ言ってきていないからこの政府の連絡会議はまだ招集するわけにはいかないと、それはおかしいじゃないですか。国土地理院は重大問題と考えてないのですか、こういうことを。学者の連絡会をすぐ招集しなさいよ。
○七田説明員 私どもの理解いたしておりますところによりますと、石橋助手の説といいますのは、その地震予知連絡会で発表されたものでございまして、地震予知連絡会の席上で討議いたされまして、そして現在のところまだ集中地域に指定するという結論に至らなかったというように理解いたしております。
○近江委員 それだとそれで、国土地理院はもう一度萩原さんに連絡とってどうするかと——このテーマだけで連絡会をやったのと違うのでしょう。だから、中途半端に終わっている可能性もあるわけですよ。もう一度お開きになってこの政府の連絡会議をすぐ招集して何らかの対策を打ちなさいよ。政府は機動性というものが全然ないじゃないですか。
○原田説明員 地震予知連絡会は国土地理院長が招集しております。その地震予知連絡会を受けまして——受けましてというよりも、また別の目的もありまして開かれる地震予知研究推進連絡会議は科学技術庁が主管しておりますところでありますので、日本全国の地震の切迫性、地殻変動、危険性、そういったものの検討は、国土地理院が随時招集する地震予知連絡会で検討されております。
○近江委員 科学技術庁は、私がいま地理院、地理院といったら、手も挙げずに黙っておるけれども、あなた方は地震予知研究推進連絡会議でしょう。これの運営をやっておるでしょう。こういう重大な発表がなっておるのに黙っているのですか。
○園山説明員 お答え申し上げます。 先ほどから御説明いたしておりますように、私どもの地震予知研究推進連絡会議といたしましては、定例的な会合のほかに緊急事態がございましたときに開催するわけでございますけれども、何分にも地震の問題でございますので、緊急事態であるかどうかという御判断につきましては、やはり専門の学者さんを含めまして設置されております国土地理院の地震予知連絡会の御判断を基準にしておるわけでございます。ただいま先生御指摘のように、学者の方の御指摘というものがあるわけでございますけれども、これが、一昨日でございますか開かれました国土地理院の院長の招集されます地震予知連絡会において御議論された末、まだその緊急事態でないということで特段の御連絡が私どもの方にない、こう理解いたしておりますので、もちろん先生御指摘のように地震予知研究全般につきまして常に努力をいたさなければならないわけでございますけれども、今回特にその東海地震について緊急に開催する必要は、この研究推進連絡会議の方はないと判断しておるところでございます。
○近江委員 もう一遍聞きますが、国土地理院の地震予知連絡会をもう一度招集をして検討なさる気はないのですか。もしもきょうあすじゅうでも起きたらどうしますか。どう責任をとるか。
○原田説明員 地震予知連絡会は、そのサブミーティング研究組織といたしまして北海道部会、関東部会、東海部会、特定地域部会という部会を持っておりまして、いわゆる定例的に開催される地震予知連絡会のみでは検討が不十分かつ常時綿密な検討も行えないこともありまして、重要地域を四つの部会に分割いたしまして、絶えず情報の交換、検討の仕事をやっております。でありますので、この東海地域におきましては、石橋助手も含めまして地震予知連絡会の英知を集めて検討した結果、まだそれほどの切迫性はない、そのように感じておるわけでございます。石橋先生の御自身の御判断と予知連絡会全体としての判断はあるいはずれることがあるかもしれませんが、現在予知連絡会ではそのように判断をしておるわけではございます。
○近江委員 この点はひとつ、きょうは国土地理院長は来られてないわけですけれども、こういう指摘があったということをよく言ってくださいよ。早急に検討してください。あなたで結論が出ぬかもしらぬから、これ、幾ら言っても水かけ論になりますから、院長によく言って早急にひとつ連絡会を開いてもう一度石橋先生の提言をよく検討して、連絡会議に連絡をとって政府としてはすぐ対策をとるように、そういう強い要望があったと伝えてもらいたい。伝えてもらえますか。
○原田説明員 お伝えいたします。
○近江委員 とにかくいまの話を聞いていましても、体制というのは何か非常にばらばらですよ。地震予知、いわゆる研究の現状というのはどういうふうになっているのですか。日本はもう世界でも地震が一番多い国でしょう。国民が一番心配している。地震予知の研究の現状はどうなっていますか。要点をひとつ簡潔に答えてください。
○園山説明員 わが国の地震予知の研究につきましては、先ほど文部省の方からも御紹介もございました四十八年におきます測地学審議会の地震予知の研究の推進に関する建議がございまして、その後一部見直しをされておりますけれども、これの実現に向かって努力がされておるところでございます。 ごく大まかに申し上げますと、地震そのものの観測網の充実ということ、気象庁を中心としての観測、それから国土地理院を中心といたします水準測量あるいは水平測量等、それから大学におきます各種の研究、微小地震の観測あるいは私どもの防災センターが行っております深い井戸を掘りましての観測、そのほか通産省の地質調査所等の研究が進められているところでございまして、これらの研究を総合的、計画的かつ効率的に推進するために地震予知研究推進連絡会議が設けられておるところでございます。
○近江委員 この都市防災を研究している中野さんがいわゆる資源衛星の映像解析等を研究しているのですね。そうすると、大阪、神戸付近山間部に断層が非常に見つかってきておる、これは京阪神にも重大な心配な点が指摘されてきているのですね。このような衛星を使ってのデータ分析であるとか、科学技術庁は防災科学技術センターを持っているわけですけれども、研究をやっているのですか、こういう研究。
○園山説明員 ただいま御指摘の防災センターにおきましては、先ほど申し上げました三千五百メートル級の井戸を掘りましての観測あるいは地震が起きましたときの耐震構造の問題、あるいは軟弱地盤の挙動等の研究をいたしております。 ただいま御指摘の資源衛星を使っての問題でございますけれども、これは大変活断層等の発見に有益であるということを伺っておりますけれども、またいろんな分野におきましてこの資源衛星のデータを活用すべく、アメリカのNASAに申し込みましていろいろ資源衛星のデータを受け取っておりますけれども、まだ地震予知におきまして私どもの防災センター等でこの資源衛星のデータを活用して本格的な研究という段階には至っておりません。
○近江委員 先ほど局長は、観測を何よりも強化しなければいかぬ、大学での研究であるとか、気象庁であるとか、国土地理院、通産省、いろいろいまおっしゃったわけですね。ところが、この大学の研究の頭脳、これは非常に尊重しなければならぬわけですね。一番中心なのは東大の地震研でしょう。いろいろと紛争が続いておりましたが、この紛争はいまどうなっていますか。また今後中心となってどういうことをやっていくか、対策はできているのですか。東大地震研の現状と今後どうするか、明確に答えてください。
○七田説明員 お答えいたします。 先生いまおっしゃいましたように、まず地震予知の研究につきまして、現在まだ理論的にも解明できていないところがございます。そういう意味で地震予知の研究におきます大学の責務は非常に重大であろうというように考えております。 そういうような状況のもとにおきまして、実は東京大学の地震研究所が三年有余にわたります紛争がございまして、その間、研究がストップしたという非常に遺憾な、残念な、またまことに申しわけない状況があったわけでございますが、おかげさまをもちまして、東大の地震研究所の紛争もおさまりました。いまや東京大学の地震研究所の通常業務といたしました研究業務は何ら支障なく行われているわけでございます。 ただ、ここで一つ問題がございますのは、地震予知研究計画とこの東京大学の地震研究所の関係でございます。それで、第三次地震予知計画におきまして東京大学の地震研究所は、当時紛争がありましたこともございまして、第三次地震予知計画にのせられていないわけでございますが、これをなるべく早く復帰させるというのが非常に重要な事柄でございます。そういうようなこともございまして、東大の地震研の紛争が終わりましてから直ちにその再建策といいますか、東京大学の地震研究所が第三次地震予知計画において占めます役割りということについての論議が進められたわけでございますが、大学でございます。いろいろ大学の自治というようなこともございまして、若干歯がゆいようなところがございますが、そういうものを踏まえながら着実にその点におきましては前の方に進んでおるというように理解いたしております。ことに地震予知関係といたしましては、東京大学の地震研究所に今回昭和五十二年度にできれば地震予知研究企画連絡会議というものをつくっていきたいというように考えておるわけでございます。 大学におきます地震研究は、東京大学の地震研究所が大正十二年の関東大震災の後にできましたいわば日本の地震研究の中心でございますが、そのほかに研究所といたしましても、京都大学にございます防災研究所がやはり西日本におきます一つの中心になっております。それから北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学というようなそれぞれの大学におきましても、やはり地震の予知の研究というものはかなり行われておりますので、そういう特に国立大学の横の連絡をとりながらデータも集め、そうしてお互いに共同観測もしていくという体制がぜひ必要であろうというように考えておるわけでございます。 そういうようなことでございまして、地震予知研究企画連絡会議というものを東京大学の地震研究所に設けたいということにいたしてあるわけでございます。その任務といたしましては、大学におきます地震予知研究の中枢となる組織というものを今後考えていこうということが一つございます。それからその中枢となる組織が設置され、円滑に運営されるまでの間、全国の研究者の研究の有機的な連絡を保つような具体的な計画を立てていきたい。この二つをこの会議の任務にいたしておるわけでございますが、この企画連絡会議を通じまして、大学におきます横の連絡、それからそういういろいろな情報を集めまして、同時にそれを気象庁あるいは国土地理院その他の機関とも連絡をさせるというような形に持っていきたいということでございます。これは測地学審議会の八月四日の総会でこういうことが決定されまして、文部省の学術国際局長あてに測地学審議会長から申し入れがございました。
○近江委員 そうすると、文字どおり東大地震研は大学の中枢となって今後地震予知にいわゆるその役目を果たしていく、こういうことですね。そうしますと、これはまだ実施してないわけでしょう。来年度予算ですね。これはどんなことがあっても取りなさいよ。 大臣、大臣もひとつ、東大地震研が今後中心となって各大学の地震予知研究企画連絡会議を設置する、予算も要望すると、こう言っておるのですが、これは閣議にも上げて絶対通るようにしてもらいたい。これは努力していただけますか、大臣。こういう大事なことはどんなことがあってもやらなければいかぬ。
○佐々木国務大臣 この前にもお話ししたとおり、三木内閣といたしましては、がん対策と地震予知、核融合、この三つをいわば中心テーマにいたしまして進めることは決まっておりますので、地震予知の問題に関しましては、御指示によりまして一生懸命予算を取ってみたいと思います。
○近江委員 科学技術庁長官も全力を挙げるということを言っておるわけですから、文部省はひとつ全力を挙げて設置していただきたい。名前はいいけれども、これは実際中身はあるものでしょうな。これはどうなんですか。
○七田説明員 中身があるように運営をしていかなければならないというように考えております。
○近江委員 何名ですか、これは。
○七田説明員 余り多数でもいけないとは思いますが、十名以上二十名以内ぐらいかと思っております。
○近江委員 いずれにしても、こういうものの設置が遅過ぎますよ。過去のことを言ってもしょうがないけれども、ひとついままでの分を取り返して真剣にやってくださいよ。特に要望いたしておきます。 それから、私この予算を見ておりまして、とにかく地震予知に対する予算というのが少な過ぎますよ。五十一年度予算ですが、科学技術庁が三億五千百万、文部省が五億二千八百万、工業技術院が六千七百万、運輸省が七億五千六百万、国土地理院が六億一千万、合計二十三億一千三百万ですよね。昨年度が二十億八百万。これは特に関東であるとか阪神であるとか中京であるとか、こういうところでもしも地震があったら、これは何千億、何兆にもなりますよ。地震予知のこういうことぐらいにおきましては、けたが違うのと違いますか。こういうところに幾ら金をつぎ込んでも国民は文句を言いませんよ、もっとやれと。なぜ政府全体としてもっと予算もつけて真剣にやらないのですか。たとえば科学技術庁で、いわゆる防災センターで研究をやっていますね。たとえば「首都圏南部における地震活動に関する研究」、これはどの程度やっておるのですか。
○園山説明員 御指摘の首都園南部の地震観測につきましては、防災センターが実施しております深井戸観測が中心になっておるわけでございます。東京を取り囲みます三カ所に深い井戸を掘りまして、非常に高感度の地震計を設置するという計画でございまして、第一号の井戸、岩槻にございますけれども、これは昭和四十七年に完成をいたしましてすでに観測を行っておりまして、有益なデータを出しております。また、今年度予算から東部井、船橋付近でございますけれども、この予算が計上されまして、五十二年度中にほぼ完成をしたいという構想を持っております。さらに西部と申します、調布付近でございますけれども、これにつきましては、来年度からできますれば計測器等の開発に入りまして、五十三年度あるいは五十四年度に完成をして、三つの井戸での総合観測ができるようにいたしたいと考えております。
○近江委員 この「首都圏南部における地震活動に関する研究」、これはいまおっしゃったそれですよ。ところがあなた方、「地震予知研究の推進」という、これは何ですか。三百万じゃないですか。五十年度は百万ですよ。これは何をしておるのですか。これはただ単なる地震予知研究推進連絡会議の運営の費用だけでしょう。中枢たるべき科学技術庁がこんな現状でどうやって推進しますか。全体の各省の予算を見てみると余りにも少な過ぎますよ。形だけしかつくってない。全体にもっと中身のあるものをやりなさい。これは全体の各省に係る問題ですよ、大臣。大臣は地震の問題については全力を挙げるということを決意表明されたのです。こんな弱体なことでいいんですか。少なくとも科学技術庁は中心となって連絡調整をやっていくわけでしょう、予算の問題でも。もっと大幅な各省の予算の要求もさせ、科学技術庁自体がイニシアチブをとってもっとやっていくべきですよ。けたが違いますよ、これは。こういう現状をごらんになってどうされますか、長官。
○佐々木国務大臣 ただいま概略予算を各省で大蔵省に出す直前になっておりまして、わが科学技術庁も各省の予算を概括的に見ていると思いますけれども、私は実はこれで足りるものやら足りないものやらはっきりした判断がつきません。いずれにいたしましても、まだ大蔵省へ請求する前でございますから、御指示によりまして早速調べまして、検討の結果、できるだけその実現方を期したい、かように考えます。
○近江委員 たとえば専門家の人の話をいろいろ聞きますと、いわゆるレーザー光線で測量していく。これは全国土いち早く調査をする。これはどのくらい金がかかるのですか。あるいはまた地震観測所、今後そういう地域にどんどんやっていく、これは全部自動化でデータとして集めてくる、こういうような体制。あるいは特に太平洋岸で地震は多いわけですね。そうすると少なくとも海底ケーブル等の設置もしなければならぬ。こういうデータの積み重ねがあって初めて予知ができるのと違いますか。こういうことをやっていくために予算をつけなければだめでしょう。これは各省から、私が言った三項目につきまして、こういうことをやりたいのかやりたくないのか、やりたいとすればどのぐらいの予算をもくろんでいるのですか、簡潔に答えてください、もう時間がありませんから。
○園山説明員 先ほど先生御指摘がございました科学技術庁の経費が大変少ないというお話でございますか、内局に計上されております百万、三百万と申しますのはいわゆる予知研究推進連絡会議の経費等でございまして、必要な場合にはまた特別研究促進調整費の支出も行っております。現にことしの伊豆東北部につきましては、すでに六千万ほどの特別研究促進調整費を計上いたしております。 なお、全般につきましては、先生御指摘のようにできるだけの努力をして、地震対策関係の予算を要求したいと考えておるところでございます。
○近江委員 先ほど、いわゆる大学関係については東大の地震研が中心になっていろいろとそこで検討して、そしてまた地震予知連絡会に諮っていくわけでしょう。それを推進連絡会議で政府は受けて対策をとる、こういうことですね。その辺が非常に何かばらばらみたいな感じがするわけです。しかも、連絡会は全部パートタイマーである。もっと国で——防災科学技術センターというのは科学技術庁にあるわけですけれども、実際やっておられることは連絡会議の推進で何百万かの運営費をつける、あとはやっているのは南関東だけでしょう。ここで私は、少なくともアメリカだって国立地震研究所というのはあるのですよ。東大の地震研究所を初め、大学のはうんと学理的に純粋な学問として研究してもらったらいいのです。しかし、国として地震研究所ぐらい、センターになるものをつくったらどうですか。世界で一番の地震国じゃないですか、日本は。私の提案に対して、大臣、どう思われますか。
○佐々木国務大臣 私も去年、中国の地震の予知等が大変進んでいるというので一行を迎えましていろいろお話もちょうだいしたことがございますし、渤海地区で去年の春には成功したという話で日本に来ていただいたわけですけれども、それを聞きますと、やはり相当思い切って力を入れているようでありまして、お話のように一つの機関をつくってそこで集中的にやった方がよろしいか、あるいは各省分散しておるがその間調整をとりながら進めた方がよろしいか、問題のあるところだと思います。特に中国の方はむしろ人海的な調査のやり方のようでありまして、その国々によってやり方もそれぞれあるようでございますが、しかし、近江さんのお話も傾聴に値することでございますから、研究させてみたいと思います。
○近江委員 いま長官は中国の話をされましたが、現在中国におきましては、国務院直属の国家地震局には一万人の専門家がおるのですね。そうして労農兵などの観測家十二万人が井戸水の濁りや水位の変化、動物の異常行動などを毎日関係機関に報告している。この間の唐山地区ですか、あそこの地震は、あの地域は少ないということでその点は観測ができなかったのじゃないかと思いますけれども、これを契機に中国としてもその点を非常に強化するのじゃないかと思いますが、このぐらい力を入れているのですよ。アメリカだって国立の地震研究所があるじゃないですか。大臣は先ほど前向きに御答弁になりましたから、いまここでその結論は出ないかと思いますが、これは大臣、ひとつ閣議にも諮って、これはもう国民は本当にだれしもが賛成することですよ。大いにひとつこれは実現できるように全力を払っていただきたいと思うのです。 この地震の問題につきましては、いま先ほど防災科学技術センター等で首都圏のそういうことをやっておるということをお話がありましたけれども、たとえば建築物の耐震性に関する研究、あるいは新潟地震の被害等に見られるように、地盤の弱い地域では非常に災害が大きくなるわけですから、こういうところについてはどうしていくか、あるいは心配される地域についてはどうしていくか、こういうことを考えていきますと、そんな事なかれ主義で、ただ毎年の予算にちょこっと積めばいいんだ、そんなことじゃこれはだめですよ。関係各省が集まっているからどこかが力を入れるだろう一だめですよ。科学技術庁が音頭をとってもっと引っ張っていきなさいよ。それは大臣も先ほど決意表明されましたから、私は大臣のそうしたことを信頼したいと思います。全力を挙げて、ちょうど各省概算要求もこの八月末には出すわけですから、早速各省にも諮ってこの地震予知を強化していく、これをひとつ速やかに実現できるようにしていただきたいと思うのです。連絡をとって指示をして推進していただけますか、大臣いかがですか。
○佐々木国務大臣 早速やらせてみます。
○近江委員 それで、きょうは気象庁長官もお見えになっておられるわけです。気象庁長官、いままでの論議をずっとお聞きになりまして、地震予知の問題についてはやっておられるけれども、本当に国民が安心されるような一体になったものじゃない、ばらばらな非常な不安の中で、まさに地震国日本と同じような弱体のそういう政府の現在の体制であるということは、気象庁長官が一番よく御承知のとおりです。ですから、私がいま申し上げたようなこうした推進につきまして全力を挙げていただきたいと思うのです。ひとつ長官の感想と決意を、また具体的なお考えがありましたらお伺いしたいと思うわけです。
○有住説明員 簡単にお答え申し上げます。 気象庁は、地震予知に関しましては、先ほどからお話ございましたように地震予知連絡会とかあるいは地震予知研究推進連絡会議、そういうところの一員といたしまして出席させていただいて、いろいろ協力させていただいております。 地震の予知とちょっと外れますけれども、業務といたしまして、気象庁といたしましては全国に百十八カ所の地震計を置いたところがございまして、そこでのデータというものをとりまして、地震予知の研究のための有力な資料に使わせていただいております。最近、地震の非常に細かい変動というものが非常に重要視されてまいりまして、そういうことにかんがみまして気象庁といたしましては具体的には従来よりもさらに細かい地震もキャッチできるように、観測網の整備、そういうものを毎年進めさせていただいておりますので、先生のお話なんかも意に体しまして、これからもそういう整備に対しては十分強力に進めていきたい、そういうふうに思っております。少しでも地震予知の研究の役に立つようにということで協力していきたい、そういうように思っております。
○近江委員 大学、研究機関あるいは各省庁、こういうことを考えていきますと、どうしてもこの頭脳センターというか、そういうものが要りますよ。刻々としたデータが全部そこに集中してくる、そこで学者が研究をやって、危険な徴候を感ずれば直ちに対策をとっていく、これは国立の地震研究センターというものを、名前はどうでもいいわけですけれども、そういうものをぜひひとつ中心センターとして、これはくどいようですけれども申し上げておきたいと思います。 それからまた、そういう予知と同時に防災対策ですよ。もう時間がありませんから簡潔に答えてもらいたいと思いますが、防災体制についてはどうなっておるか、今後どういうようにやっていくか、それをお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○山本説明員 ただいまのわが国の災害対策に関する体制でございますが、現在中央防災会議が置かれまして、中央防災会議の中で関係省庁の各種の災害対策について検討し、特に震災対策につきましては、大都市震災対策推進連絡会議を設けまして、この中で六つの分科会を設けまして、都市の防災化の問題であるとか、あるいは防災体制の問題であるとか、避難対策の問題であるとか、各種の問題について鋭意検討を進めているところでございます。 私たちとしても、特に震災対策につきましては、震災が起こった場合に被害を最小限度に食いとめるために最大の努力をしなければならないということで、現在各種の計画を積み上げているところでございますが、中央防災会議あるいは私ども国土庁の中で各省の災害対策関係の連絡会議を設けておりますので、これらの連絡会議を通じまして総合的な国の対策というものを進めてまいりたい、かように考えております。
○近江委員 時間がありませんから終わりますが、ひとつこの防災の面等につきまして、予知の問題と防災対策、これは整わなければだめですよ。こういうことにつきましても、政府、各省ばらばらなことはしないで、本当によく連絡をおとりになって、ひとつ最大の対策をもってやっていただきたい。時間がありましたら防災対策を全部聞こうと思っておったのですが、時間がありませんから残念ながらこれでやめますけれども、特に申し上げておきます。またいつかの機会に一遍聞きますから。 では、これで終わります。
○石野委員長代理 次に小宮武喜君。
○小宮委員 大臣に質問しますが、先月の三十日に首相の諮問機関である原子力行政懇談会から、三木首相に対して、「原子力行政体制の改革、強化に関する意見」が答申されておりますが、政府はこの答申を忠実に実行するお考えかどうか、まずこの点をお伺いします。
○佐々木国務大臣 有沢君の答申に関しましては、かねがね何遍となく繰り返しているように、せっかく総理のもとで日本の大家の皆さんがお集まりになって出した結論でございますから、できるだけ尊重して実施したいと思っております。
○小宮委員 できるだけ尊重して実施したいということですけれども、この答申に対して、自民党の科学技術部会が反対をしておる、また関係各省庁間のなわ張り争いも絡んで、行政懇が答申しておるところの五十二年度実施というのは非常にむずかしいのではないか、こういうように言われているわけですが、実際現実にそういうような問題が起きておるのですか。
○佐々木国務大臣 先ほど申し上げましたように、来年度の予算あるいは次期国会に、あの有沢答申で出しました一番の目でございます開発と規制を切り離しまして、そして従来の原子力委員会の権限の一部を原子力安全委員会という新規に設けました機関で行っていくという体制がよろしいのじゃないかということ、それから各省が実施段階に達したものと総理大臣あるいは原子力委員会が判断したものは、それぞれの実施官庁といいますか、従来の官庁で一貫して審査、検査を行うという行き方、それに対していま申しました安全委員会がまず実行していく、それから実験、試験段階のものは科学技術庁で取り扱っていくというのが大体の大きい骨子であります。それに従いまして、あるいは電調審との関係をどうするとかあるいは公聴会をどうするとかいろいろございますが、必ずしも法律の改正を要せずして施行できるものもございますので、そういう予算、法律の伴わないものは逐次実施に移せるわけですからそれはそれで実施に移すことにいたしまして、予算あるいは法律を国会に出して御承認いただかなければならぬというものは、ただいまの段階では原子力委員会を二つに分けるというこの問題が一番根本でございまして、それが通りませんと全然これは細部に入っていけぬわけでございますから、その案を来年度予算に盛りまして、原子力委員会の方は審議をいたしましてこれでよかろうということにしております。 問題は、大蔵省にこれを出す前に自民党との話し合いが必要でございまして、それが済んでからでないと閣議決定というわけにはまいりません。そういうことでございますから、いま自民党の方との交渉に入っておるわけでございますけれども、お話しのように、自民党の中に科学技術部会というものがございまして、そこで独自に原子力行政に関する小委員会をつくりまして、検討を進めて一案をつくっております。その間の調整が必要でございまして、ただいままだ完全に調整のついた段階までは至っておりませんが、しかし、もう概略予算の提出時期も迫っておりますので、至急その調整を得まして、概略予算は大蔵省に出し、あるいはそれに基づきまして、機構問題でございますから行政管理庁等々と折衡も必要でございますので、そういう点も進めてまいりたいというように実は考えております。
○小宮委員 それでは、この答申の完全実施はやるという考え方ですか。
○佐々木国務大臣 もちろん、一分一厘違わぬでというわけにはいかぬわけでして、各省間の調整もいろいろありましょうし、要は、有沢委員会で意図しました精神並びに内容の根幹は生かせるようにできるだけ早く実施したい、こういう気持ちでございます。
○小宮委員 確認しますが、答申の中に盛られておる根本的な趣旨については五十二年度で実施をするということですね。
○佐々木国務大臣 細部にわたりまして、ずっと規制法までいじっていくという問題が入ってきますと、これは御承知のようにそう簡単にできる問題じゃございませんので大変時間を要すると思います。ただいませっかく準備中ではございますが、またその間、いろいろ御苦労なすった先生の皆様にも、具体的に進めていきますとこういうことになりますよというお話も申し上げなければいけませんでしょうし、答申に盛られましたのは骨子だけでございますから、それを細分化していきますとかあるいは権限調整をどうするとかいうことになりますと、これは答申そのものというよりは行政自体の問題になってきますので、やはり各省間あるいは特に行政管理庁等々を抜きにして、答申はここで使うというだけで進めるわけにいきませんので、そういう点は逐次調整をとっていきたい、こういうふうに考えております。
○小宮委員 それでは、自民党の科学技術部会の反対がある、あるいは各省間のなわ張り問題がある、しかしながらそれは問題にならない。ただ、関係法令の整備をやらなければいかぬわけですから、そういうような意味で五十二年度の完全実施はむずかしいというふうに考えていいですか。
○佐々木国務大臣 これは私の現段階の見通しですけれども、さっきからお話ししましたように、一番もとになるのは委員会を二つに割る、開発体制の審議機関とそれから安全規制の体制と分けるというのが根本的に世界的に問題になっておる点でございまして、このものだけは一番のもとでございますから、それすら進めぬようではその後も細部にわたることはほとんどできませんので、その問題をまず片づけようということで、法律的に言えば原子力安全委員会設置法といったようなものをとりあえず具体化したいというので、案もでき予算にも盛って、そしていま党との折衝に入っておる、こういう段階でございます。
○小宮委員 答申の内容の骨子の第一は、いま言われたように、現行の原子力委員会を新しいいわゆる原子力開発関係の原子力委員会とそれから安全規制のいわゆる安全規制委員会をつくるというのが答申の中では一番大きな柱になっているわけですね。だから、この問題については五十二年度実施ということで理解していいですか。
○佐々木国務大臣 できる限りそうしたいと思いまして、せっかくいま努力中であります。
○小宮委員 この問題につきましても、われわれがいままでの経験から見ても、これが二つに分離した場合にうまく機能するかどうかという問題だとか、あるいは政府が、原子力委員会それから安全委員会からいろいろな答申あるいは意見が出る、あるいは諮問する場合にいわば相反するような、二つの委員会の意見を完全に尊重できるかどうかという疑問も一つあるわけですが、この点については原子力委員会、安全委員会からいろいろな意見が出た場合にこれを完全に尊重するという立場で臨むわけですね。 〔石野委員長代理退席、委員長着席〕
○半澤説明員 委員会を二つに割ることに伴いまして、二つの委員会の間で意見が食い違ってくる。それを行政機関がどう受けるかという場合に問題が起きるではないかという点は、行政懇談会の中でも問題視されまして非常に議論が行われました。その意見の調整のために、たとえば制度上合同会議をつくりまして多数決で決めたらどうかといったような議論などもずいぶん行われたわけでございますけれども、それは委員会の運営に関する実効性を害するではないかという意見などもございまして、意見書の中では必ずしも明快には書いてございませんけれども、この両委員会の意見の調整のために必要に応じ随時連絡会議を開くという方式を実は指摘してございまして、私どもは、その必要に応じて随時開かれます連絡会議で両委員会間の意見の調整がなされるという期待をいたしておるわけでございます。
○小宮委員 諮問機関としての原子力委員会あるいは安全委員会からそれぞれ意見が出される、それを行政機関が連絡調整をやるということになった場合に、この諮問機関である原子力委員会と安全委員会からの意見をお互い調整するということになると、完全尊重ということはできなくなるわけですから、その場合はさらにその安全委員会あるいは原子力委員会に対してその旨の了解を求めるとか、あるいは了承を求めるとかいうような措置はするわけですか。
○半澤説明員 ただいま申し上げましたのは行政機関の間の調整ではなくて、委員会間の意見の食い違いが生ずる場合を予想いたしまして、その場合にその意見を調整するための一つの仕組みといたしまして、これは法律上の制度ではございませんが、仕組みといたしまして両委員会による連絡会議というものを設けるべきであろうという意見が出ておるわけでございます。それは明快には書いてございませんけれども、意見調整の場として期待されておる面がございます。
○小宮委員 それから答申の八ページの中段に、「原子力安全委員会の委員長については、専門知識を要し、長期間にわたって在職することが好ましく、かつ、行政庁と一線を画した姿勢の明示が望ましいことなどの理由により、学識経験者から選任することが適当である。」と、原子力安全委員会の委員長についてははっきり明確にされているわけです。これは私も賛成なんだ。ところが、「原子力委員会の委員長については、学識経験者から選任すべきであるとする意見と国務大臣をあてるべきであるとする意見がある。」こういう二つの意見に分かれているわけですね。私たちの考え方を言えば、結局、原子力委員会にしても原子力安全委員会にしても諮問機関ですから、その意味では、国務大臣が委員長に就任するということはいかがなものだろうかという疑問を持つわけです。原子力委員会にしても原子力安全委員会にしても諮問機関ですから、国務大臣が委員長になるということは、ややもすれば委員会と行政府との密着だとか癒着だとかいろいろな批判も起きることはもう当然であり、それから次の「行政庁との関係」を見ても、「両委員会に対しては、内閣総理大臣のほか、原子力行政を担当する各省大臣も諮問し、答申を受けることができるように改めることが適当と考える。」こうなりますと、もし仮にこの原子力委員会の委員長に、国務大臣というからこれは科学技術庁長官かどうか知りませんけれども、国務大臣が委員長になったとした場合に、自分の所管の問題をこの原子力委員会に諮問するということになれば、その諮問する長が諮問する委員会の長であるというのは、われわれが見てどうもおかしいというように感じるのです。こういうふうに答申は出ておるけれども、私の意見としては、原子力委員会にしろ安全委員会にしろ、やはり学識経験者をもって委員長に充てるべきだという考え方を持っておりますが、もし原子力委員会から委員長に就任してほしい、そういうふうになった場合、大臣は受ける気持ちがあるか。受けるのかどうかという点、いかがですか。
○佐々木国務大臣 原子力委員会の性格いかんという問題で、おっしゃるとおり厳密に法的に解釈いたしますと、これは三条機関ではなくて単なる諮問機関だというふうに法律的には解釈すべきだと思いますけれども、しかし、基本法なりあるいは原子力委員会設置法をよく読みますと、現在の原子力委員会というものは単なる諮問機関でないことは明瞭でありまして、実質的には非常に行政府的な色彩を持ったものでございます。そこは実は非常に苦心を要したところで、いまから二十数年前に原子力委員会法を私どもはつくったわけですが、私もそのために、第一回の海外調査団にそういう問題研究のために、予算の執行とかあるいは行政等は各先進国ではどうしているかという点を見るために海外へ参りました。その結果生まれたのがいまの原子力委員会でございます。 これはどうしてああいうふうになったかといいますと、まず一つは、当時もし仮に完全な行政委員会にいたしますと、まず給与の面で問題にならないですね。財界からとても来る人はいない。当時石川一郎さんなどは経団連の一番のキャップをやっておって、そしておやめになって来たわけですから、給与でいい人を引っ張ろうとしても、学者の皆さんでもとても来るわけない。それから四六時中全部これに没頭してということになりますと、これまた人によってはとてもそればかりというわけにはいかないという人も出てきましょうし、いろいろな面からして、当時の行政府というものは、言うなれば戦後独立後間もなくでございますから、まだいまのような時代になっておりませんので、非常にむずかしかった。できれば行政委員会にしたがったのですけれども、できない。それをやること自体が本来の目的にかなわぬということに実質的にはなるようでございます。しからば単純な諮問委員会にしたらどうかといいますと、単なる諮問委員会では各省に対する拘束力というものは一つもないわけで、あの法案には委員会は決定までやるということになっておりますが、その決定したものが即各行政府を縛れるかというと、これは縛れない。諮問委員会ですから、あくまでも一たん大臣に答申をして、それを受けたもので重要な事項は閣議にかけてということになりますと、また各省間でそれぞれ相談をしてというようなことで、言うなれば原子力委員会の出したものというものは、実際の行政に反映しというところまでには時間的にもいろいろありますし、ああいうふうに問題が山積している際に重要な問題をどんどん片づけるという機関のためには、単なる諮問機関ではこれまた話にならぬ。といって、行政機関にするには大変むずかしい。欠点もある。そこで、大変苦心してできたのがあの原子力委員会でありまして、その限りにおいては私は非常にいい法案だと実は思っております。ですから単なる諮問委員会かというと、そうじゃない。それじゃ行政委員会かというと、そうじゃない。そこに非常に苦心も要し、また妙味があるところでございます。 それじゃ、当時はどうしてああいう法案が通ったのだといいますと、小宮さんも御存じだと思いますけれども、あのときは全く与野党一致でありまして、超党派でやったものです。いつのときからこういうふうになったか知りませんけれども、昔は原子力開発と言われると、各国全部そうです、いま行ってみますと、ドイツでもフランスでもみんな与野党一致して進めているのです。当時は与野党一致で、全部各党一致でつくった法案ですから、いろいろ議論があってもまかり通ったわけですね。ですから、ああいう形式と内容の使い分けをしたような法案ができたわけですけれども、私はあの行き方というものは大変傾聴すべきじゃないかと思います。 今度の分けた原子力委員会はそれじゃどうなるかというと、その分けた原子力委員会の使命は、申すまでもなしに安全の審査分はいじらぬですから、その安全の審査も個別的な炉の安全の審査のみを安全委員会がやるのか、言うなれば環境の五ミリレムがよろしいか、あるいはALAP式にもっとどんどん下げていくといった方がよろしいか、それを下げていったらどうするか、あるいは安全の研究をどうするかといったような基本的な問題まで、そういう一般的な事項まで安全委員会でやらすかどうか、これも大変問題のあるところでございます。 少し話が長くなりましたけれども、しかし、いずれにしても原子力委員会は仮に安全委員会を分離したところで、やはり原子力委員会は原子力委員会でありまして、これは大変日本の原子力開発の総本山としてまだまだ重要な任務を持っていることは否めないことでございますから、いまの原子力委員会そのものを変えてまでということは実は懇談会の方でも考えておらぬのでございまして、その限りにおきまして、私はやはり原子力委員会の長が国務大臣であること自体が、原子力委員会で決めたことが即、形式的には答申だとかいろいろありますけれども、すぐ実施にも移せるし閣議等にも入れる、こういうことで大変いいんじゃないかと思います。 昔、御承知かと思いますけれども、余り具体的な名前を挙げるとぐあいが悪いのですが、ある機関が、諮問機関であるにもかかわりませず、各省を縛ろうとしたことがございます。そのためにどういう問題が起きたかというと、いまの憲法上から言いますと、明らかに責任内閣制でありますから、キャビネット、内閣で決める以外に各省に対する拘束力がないたてまえになっておるのにもかかわらず、行政府でないいわば諮問機関が、自分で決めたからといってどんどん各省を縛るなんということになりますと、憲法上の違反問題になりますので、大変問題になったことがございます。そういう点も考えてまいりますと、私はやはり権威を持ち、しかもそれがあるいは実行性のあり得るということであれば、委員長がこれは科学技術庁長官になっていますけれども、実際は総理なんです。総理が長であるにもかかわらず、総理府の長としての総理大臣でございますから、それを科学技術庁長官に依頼して、そして自分のかわりにひとつ見てくれということで見ている、こういうかっこうになっておりますので、私はいまの機構のままの方がいいのではないかと、実は原子力委員会に関してはそう思っております。
○小宮委員 大臣は従来どおり国務大臣が原子力委員会の委員長になった方がいいというような判断をされておるようですが、しかし、これはいま大臣も言われたように、昭和三十二年にこの原子力基本法ができたときは、もちろんこれは与野党満場一致でできたわけですね。しかし、その当時と現在とでは、やはり情勢の変化が起きておる。その時分は原子力行政というのは開発ということに対して最重点が置かれておる。ところが、現在ではいままでやってきた歴史の中で、いわゆる安全の問題あるいは環境の問題、いろんな問題が原子力行政の中で大きな問題として取り上げられるようになってきたわけです。そういった意味で、最初原子力基本法ができた。そして原子力委員会の設置法もできた。だが、その当時の時点といまでは情勢が大きく変わってきておる。だから、そういうような意味では、いま原子力行政に対して国民の不信というか不満というか、そういうようなものがかなり高まってきておることは事実なんです。そういう中にあって、また従来と同じような考え方で原子力委員会の委員長は国務大臣がなるというようなことは、やはりこれは考え直すべきじゃないのか。行政と諮問委員会との関係ははっきりした方が国民の日本の原子力行政に対する信頼を回復することにもなるのではないか、こういうように私は考えるのです。 そういった意味で、これは二つの意見が行政懇から出ておりますから、それをどちらを採用するのか知りませんけれども、私の意見としては、国務大臣が委員長に当たるというのは不適当ではなかろうか、こういうふうに考えますので、ここで大臣とまたその問題について意見の交換、討論をやっても時間がたちますから、私は意見として強く申し上げておきます。 それからもう一つ、ちょっと気になることは、「委員の選任については、両委員会の任務の重要性にかんがみ、専門的かつ大局的な見地から政策判断を行いうる人材をあてるべきであり、その選任方法については、慎重に検討する必要があろう。」こういうふうにうたわれておるわけですね。ここで私ちょっと気になるのは、ひっかかるのは、「専門的かつ大局的な見地から政策判断を行いうる人材をあてるべきである」というくだりなんです。私の勘ぐりかどうか知りませんが、どうもこの文言を読むと、原子力行政について、たとえば政府の原子力行政に対して、これに共鳴してそれを推進するような人たちを選びなさいとここで書いてあるような気がしてならぬ。これは私の勘ぐりだけかどうか。これを起案したのは行政懇ですから、大臣に聞いたってわからぬかもしれませんけれども、どうもここのくだりがちょっとひっかかるのですが、これは私のただ単なる勘ぐりだけで、私の杞憂かどうか、その点、大臣の所見を聞いておきます。
○佐々木国務大臣 基本法で自主、民主、公開という原則がございますが、民主とは一体何ぞやという問題に係る問題だと思います。あの民主という意味は、従来の官庁のようにいわばお役人さんだけでこの重大な民族の将来にもかかわるような問題を扱ってはいけませんよ、やはり広く人材を求めて、そして各界の合意の上で行政を進めなさい、こういうのが民主の趣旨だと思います。しからば、各界から人材を集めるということはどういうことかと申しますと、私どもおりましたときから、イデオロギーと色めがねで人を見るということはおかしいので、そうではなしに、広く人材を求めるというのは、そういうイデオロギー等に構わずに、適材適所の人を委員にしていく、こういう意味に当時は解釈しておりました。その解釈はいまも変わっていないと思いますので、懇談会のその趣旨は私、詳しく知りませんけれども、恐らく同趣旨ではなかろうかというふうに考えております。
○小宮委員 それでは、時間が来ますので次に移ります。 次に、答申の骨子の第二は、公開ヒヤリング、公開学術討論会の新設と原子力安全委員会によるダブルチェックだと思います。すなわち、原発新設に際して事前に電力会社と通産省が地元民と対話、応答する公開ヒヤリングを前後二回開催し、さらに原子力安全委員会が再審査するという三段構えのチェックでございますが、この公開ヒヤリングの制度は、これは原発に限らず水力あるいは火力発電所建設にも適用するのかどうか。適用とまではいかぬでも、準用するのかどうか。その点いかがですか。
○半澤説明員 ただいまの点につきましては、懇談会の中でもちょっと議論が出ました。この公開ヒヤリング等の制度は原子力発電立地の過程に関連して出てまいりまして、火力、水力等の立地の過程との関係では議論いたしてございません。懇談会の中でもちょっと議論が出まして、公開ヒヤリング等の制度は火力、水力には及ばないものである、要するに原子力発電所に関連して行われるものであるという了解をいたしてございます。
○小宮委員 この公開ヒヤリングの実施というのはわれわれも賛成なんです。地元民の納得と合意を得るためにぜひこれはやってもらいたいと思うのです。しかし、ここでちょっと私が引っかかるのは、これまでの原子力発電所建設やあるいは原子力船「むつ」の場合にしても、反対運動を行う人の中には、根本的に原子力行政に対して、原子力の平和利用をしたって絶対反対だという立場をとっておられる方もいるのです。この前、川内の原子力発電所の場合にも行ってみまして、ぼくらもやはりああいった反対運動をやる人ともっともっと徹底的に話し合って了解を得るような、納得を得るような話し合いをすべきだということを質問しましたところ、何回も話し合いを申し入れておるけれども全然話し合いに乗ってくれません、話し合いに応じようとしてくれませんということを言っておったわけですが、そうした場合、私はここでこの問題を見た場合、この公開ヒヤリングという制度はなるほどいい。だから相手に理解を求めて協力を求めるために、たとえば二回であろうと三回であろうとこの公開ヒヤリング制度はいいと思う、またやるべきだと私は思う。そういうような意識的にイデオロギー的に原子力行政に対して否定的な考え方を持つ人たちが果たしてその公開ヒヤリングに応じるかどうか、またその応じない人たちに対してどういう方法で合意と納得を求めるのか。ただこの制度では、安全性に対して不安があるとかいろいろな疑問を持っている人たちに対して十分理解をするように説得しなさい、それで対話をやりなさい、そういった対話の中から出てきた意見を吸い上げてさらにまた話し合いをするということが公開ヒヤリングの趣旨なんです。しかし、イデオロギー的にもう初めから絶対反対だということを決めてしまって話し合いに応じようとせぬ、こういう人たちに対していまの公開ヒヤリング制度の中でどういう効果があるのか、あるいはその人たちを説得するためにはどうすればいいのか、この点については私に言わせると、恐らく行政懇の人たちも、現実にこういう問題が起きておるということは知っておるはずだけれども、かっこよく逃げておるのじゃないかというような見方もするのですが、長官、そういうような人たちに対してはどういう説得の仕方をやりますか。大臣でなければ、だれかその後ろの人でもいいですよ。
○半澤説明員 公開ヒヤリングの問題につきましてはやはりいろいろ議論がございまして、その議論の一つとして、信念的にといいますかイデオロギー的と申しますか、ともかく原子力利用について反対だという方々もおるけれども、しかしながらそういう方々の議論による影響等もございまして、一般的な不信、不安を持っておられる国民あるいは地元民の方々も多いわけでございますので、したがいまして、できるだけ手を尽くして公開ヒヤリング、そのほかのいろいろな形もありますけれども、そういうものを開く努力をしてみろ、とにかくやってみなさいという議論でございます。ただ、全く話に応じないという形で、一つの強力な手段でこれをやらせないということがあればこれはしようがないけれども、政府側においてできるだけ対話と申しますか公開ヒヤリング、そういった機会をつくるように努力をして、全体の中で合意を得る方々をふやしていくといいますか合意の範囲を広げる努力をすべきである、大体そういった議論が行われたように記憶をいたしております。
○小宮委員 そこで、やはりもう一つ聞いておかなければならぬのは、たとえば専門家の先生方のシンポジウムの問題があるわけです。原子力に対してそういう否定的な意見を持っておる人あるいはそれを肯定する人、この人たちのたとえばシンポジウムを開いてみたとしても、恐らくこれは平行線でしょう、相交わることはないでしょう。それはそれなりにシンポジウムをやったということでの一つの実績はあるかもしれません。しかし、このことによってお互いにシンポジウムをやって、そういうような原子力に否定的意見を持つ人と肯定的な意見を持つ人との間にシンポジウムをやってみたって、恐らく平行線でしょう、交わることはないですよ。 だから、そういうようなことを考えてみると、私はそのことを否定するわけじゃない。それはやりなさいという立場だけれども、そういうようにお互いが討論会をやって、その中で意見の一致を見ることは不可能であろうというような場合に、それだけの実効が上がるかどうかという問題と、この前、川内のあそこの現地へ行ったときも、市長さんが言っておったのは、いわゆる賛成と反対の専門家を連れてきて討論会をやりました。そうしたら、これはこれなりに非常に勉強になりましたというような意見を申しておりましたので、これは中央でのこういうようなシンポジウムだけではなくて、むしろ問題の発生した時点においてのそういったシンポジウムというものも必要ではなかろうか。しかしながら、一つの問題、原発設置の問題に賛成、反対がある。中央から来てそういうような人たちが賛成、反対をやる。そのことによって、賛成派は賛成の先生のシンポジウムを聞いていよいよ自信を持ってくるかもわからぬ。反対は反対で、いやこういう反対があったのだということで、これはまたその反対に対する自信を理論的な武装をしてくる。そうするとますます地元においては賛成と反対とがお互いに理論武装することによってこれこそ交わることがない、そういうような問題が考えられるわけです。だから、この前ある参考人が来た場合も同じ。いや、あれは学術会議のだれだれという先生が反対しておりますということで、学術会議の先生が反対しておるからそれを反対の論拠に持ってくるわけです。だからそういった意味では、行政懇の先生方がそこまで考えてやっておるのかどうか知りませんけれども、そういうような問題に波及して実際の問題解決の役に立つかどうかということに対しては、私は若干の疑問を持ちます。しかしながら、制度としてやることについてはこれは賛成です。 そこで、そういうようなたとえばシンポジウムなりあるいは公開ヒヤリングをやって、そして賛成、反対があるのはこれはつきものですから、そうした場合にその原発なら原発の建設計画に対して、それをやった結果、たとえば十のうちで八対二になるか九対一になるか五対五になるか知らぬけれども、そういうような意見を聞いて公開ヒヤリングをやった結果において、それでは反対意見もあるので原発の計画は中止するとか放棄するとかということになるのかどうかということを御参考に聞いておきます。これは大事な問題ですから。
○山野説明員 このシンポジウムにつきましては、行政懇の報告でも提案されておるわけでございますが、もともと原子力委員会で昨年末以来企画をして現在その実現について努力をしておるものでございまして、当初の趣旨は、専門的かつ科学的な立場からその道の専門家に集まっていただいていろいろ討論をいただこう、その討論を通じて国民一般の原子力に対する理解、必要性、安全性等に対する理解を深めていただこうという趣旨で考えられておるものでございます。と申しますのは、一般国民の方々が専門家の意見を聞かれます場合に、ある専門家に聞けば原子力発電は安全だと言う、また別の専門家に聞けば原子力発電は安全でないというふうに、いろいろ意見がまちまちであるわけでございまして、そういう意見を個別の場でおのおの別に聞いておるということでは、一般国民の方々もなかなか理解しにくいと思われる面があるわけでございまして、そういう意味でこういう安全と言われる方あるいは安全でないと言われる方を一堂に集めましていろいろ御討議を願って、この御討議の過程において賛成派、批判派両方のお立場をよく国民一般の方々に理解していただこうという趣旨でございます。 そういう意味で、先生御指摘のように結論的に両方の立場の方々が最後は平行線に終わるというふうなことも多分にあり得ることかと思いますけれども、しかし、そういうふうに一堂に会して十分に専門的、技術的な立場から問題点を煮詰める経過を国民の方々に聞いていただくということに意味があるわけでございまして、そういう意味でたとえ平行線に終わるようなことがございましても、十分このシンポジウムの効果と申しますか成果というものは期待し得ると考えております。
○小宮委員 いまの答弁は、期待し得るものである。何を期待しておるのかようわからぬけれども、あなたが言うような期待ができるのかどうかということを私は心配するわけです。したがって、たとえばそういうようなヒヤリングをやったにしてもシンポジウムをやったにしても、その結果においてもし反対が多ければ——多ければというよりはたとえば半々であったとかあるいは少しでも、十人のうち三人が反対したというようなことになった場合に、ただ期待感だけでこの問題は実際問題として解決できませんよ。その場合にもし反対者か多ければ——多いとか少ないというその表現も、どういうふうにして多いか少ないかということを把握する方法もむずかしゅうございますけれども、そうした場合に建設計画をやめるのかどうか、放棄するのかどうかという判断はどこでするのか。そういうようなシンポジウムをやったけれども、反対、賛成あった、しかし、やはりこれは建設計画をやるのだということになった場合に、いろいろな紛争とかあるいは暴力問題まで発生しないとも限らない。そういうことを私はおもんぱかって、制度としてはいいけれども、その制度はどのように生かされていくのかということを聞いておるわけです。そうしないと、このヒヤリングの制度そのものは、やはり第一回ヒヤリングをやって、反対にしても賛成にしてもいろいろな意見が出た、その意見をさらに反映させて第二回のヒヤリングをやる、そしてまたいろいろ出た意見を取り入れて、さらに安全委員会がチェックをやるというような、理論としては全くいいわけです。しかし、現実問題としてそういうような問題が起きた場合に今度はどう処理するのか、方針をどう決定するのかということなんです、私の言うのは。それを明確にせぬと、ただあなただけ期待するとか何とか言ってみたって、相手から期待されなければ同じだ。
○山野説明員 個別の原子力発電所の立地に関連しまして開かれるものというのは、従来公聴会と呼んでおったものでございまして、今回の行政懇の報告では公開ヒヤリングというふうに名前が変えてございますが、このシンポジウムと申しますのは公開ヒヤリングと異なりまして、個々の原子力発電所の立地に関連して開くという公聴会的な性格のものではございませんで、一般的に原子力発電の必要性あるいはその安全性といったふうな問題について国民の理解を深めていただくというために企画しておるものでございます。先生のおっしゃいます問題というのは、むしろ公開ヒヤリングの場でおっしゃいますようにいろいろ賛否両論があった場合にどう対処するかという問題であろうかと思います。私が先ほど御答弁申し上げましたのは、従来原子力委員会が企画しておりましたシンポジウムというものの性格について御説明したものでございます。
○小宮委員 それでは、たとえば具体的に問題が起きておるというようなところでも、やはり原発設置の必要性だとか安全性の問題だとかいうものについての公開ヒヤリングはやらぬで、一般的な問題についてやるということですか。しかし現実には、そういうような具体的な問題が起きてくるからこそ、そういう問題を事前か事後になるかは別として、こうしてやって皆さん方の意見を聞きなさい、それを行政の中に生かしなさいということでしょう。そういうような問題が起きた場合に、たとえばそういうような意見があっても方針として強行するのかどうかという問題を、だれがどこで決めるかという問題を私は聞いておるわけです。
○半澤説明員 公開ヒヤリングの議論をいたしましたときに一つ非常に重要な点でございましたのは、これを立地手続上法定化するかどうかという議論がございました。法律上の手続として位置づけて公開ヒヤリングをクリアしませんと次の手続には進めないという形にするかしないかという議論が非常に多うございましたけれども、公開ヒヤリングの本旨というのは、この意見書にも書いてございますように、できるだけ地元住民の理解を得るという手順でございます。したがいまして、たとえば公開ヒヤリングの構成がどうなるか、どういう方々が多く集まるかとかいろいろ問題があるかと思いますけれども、地元民の関心のあるところを聞き取ってそれを次の手順のときに反映する。ですから、ダブルチェックならダブルチェックの際に、その前にヒヤリングをやりまして地元民からいろんな懸念が表明されることがあり得ると思うのでございます。そういう懸念を引き取りまして、そういう懸念をも踏まえてダブルチェックをして、こういう懸念にはこういう形でこたえておりますと、つまりそういうことを可能にするための手順として公開ヒヤリングというものがこの中で議論されておるわけでございます。そういう意味では、最初申し上げましたように法律上の制度として固定化することを避けまして、そういうことが実体上だんだん定着化するように運用していったらいいではないかというふうな議論がされたわけでございます。
○小宮委員 その法定化の問題は、私も何もこだわらぬです。地元民の納得と合意を得るためには、二回でも三回でも五回でもこれはやるべきだと思うから、そういうように法定して三回だとか四回だとか決める必要はない。ただ、いまも言われたようにヒヤリングをやる、そして出た意見を次の行政に反映させる、そしてまた第二回をやるという場合に、たとえば絶対反対だというような意見もこれは出ることは間違いない。それは、たとえばこうしてもらいたい、ああしてもらいたいというような、原発なら原発の設置を肯定しながらも、いろんな不安や懸念に対して意見が出ることを行政に反映していくということは可能でしょう。しかしながら、もう絶対反対だ、まかりならぬというような意見は、そうしたらどのようにして次の行政に反映させますか。
○半澤説明員 つまり、公開ヒヤリングという制度の考えておりますところは、絶対反対だというのはそれじゃなぜ反対でございますかというようなことをやりとりすることを期待しておるわけでございますね。聞きっ放しではいかぬという内容の改善案もあの中で指示されておりますように、なぜ反対かということについて意見を聞かしてもらって、その反対たるゆえんに対してこれはこういうものですというようなことを言い合えるような形にしてございますので、ただ反対だということでは対応のしようがないわけでございますが、反対がなぜ起きておるのかという住民の考え方を聞き取るという、そういう仕組みを考えておるわけでございます。
○小宮委員 そこがまた堂々めぐりになるわけですよ。たとえば原子力船「むつ」の問題にしたって、必ず漏れる放射能ということで原子力船「むつ」反対というポスター、いっぱいあるわけですね。あなたたちは安全だという説明をしても、必ず漏れる放射能ということで長崎、佐世保、いっぱい立て看板がしてある。この人たちはかなり漏れるんだから反対と言う。原発にしても、これはもう反対だと。大体原発というものは危ないんだという前提に立ってそういうような意見を言うた場合に、いまの原子力基本法の原子力行政というものを根本的にその場合には修正せざるを得ぬようになってくる、そういうような根本的な問題に触れる問題も出てきますよ。そういうような場合に、皆さん方はそれを公開ヒヤリングをやってもどのように行政に反映しますかということです。しかし、これはもう時間がございませんので次に移ります。これは非常にむずかしい問題で、それはもっともっと、ただきれいごとじゃ済まされぬ問題ですよ。現実の問題としてかなり出ているんだから。 それからもう一つ。行政懇のいわゆる原子力行政体制の改革強化に関する意見と関連して、私はやはり現在の原子力基本法の問題についてもちょっとこれは改正をすべきではないかという意見を持っておるわけです。 というのは、先ほど大臣も言われるように、昭和三十年十二月にこの原子力基本法は与野党満場一致で成立した。その第一条に目的、第二条に基本方針がうたわれておるわけですが、それでそのころは、わが国の原子力発電は平和利用にのみ限定するということで、民主、自主、公開の三原則に基づき運営することを明示しておるわけですが、しかし、当時はやはり日本の原子力は揺籃期にあって、今日のような複雑な事態を迎えて深刻な問題が発生することは恐らく考えられなかったのじゃないのか。だから、そのときは与野党全部賛成したわけでしょう。ところが現在では、先ほど私が申し上げますように、この環境と安全という問題は全国民の最大の関心になっている。それで原子力立地をめぐってさまざまな基本的な問題に関しての複雑な問題が出てまいっておるわけです。 したがって、原子力行政に対する国民の信頼を回復するためには、私はいまの原子力基本法を改正して、目的や基本方針に安全の問題、環境の問題をやはりうたう必要があるのではないか、こう思うのです。そうすることによって、私は、今回のこの原子力行政の改革は単なる機構いじりだけではなくて、原子力政策の基本姿勢にかかわる重大な問題を国民の前に明示してこそ国民の理解と認識を深めて信頼を回復する機会にすべきではないか、こういうように考えるのですが、大臣の所見はいかがでしょうか。
○佐々木国務大臣 大変いろいろ傾聴に値するお話がございました。ただ私は、非常に基本法そのものが安全とか環境の問題を軽視するやのお話は、これはそんなことはございません。私ども初めから日本の置かれました特殊環境を考慮いたしまして、日本ほどこの問題にシリアスに頭を痛めてあらゆる注意を払ってここまで進めてきた国はなかろうと思います。ただ各国と日本の大変違う点は、たとえば、しばしばドイツ、フランスの例を出して恐縮ですけれども、私、今度久しぶりに参りまして見てみますと、向こうでは全然問題にならぬ問題が大変問題になるわけですね。 たとえば原子力船で申しますと、ちょうど八年目で一回、その間燃料棒の取りかえやったそうですけれども、二回目の燃料棒の取りかえやっておる最中で、行って見ますと普通の商船と何も変わらぬのです。モニタリングも何もない。そんなもの危なくないからモニタリングをやる必要ないじゃないですか、水に流すわけじゃないのだし、ということで。そうして普通の埠頭に商船と同じように入っており、修理その他はどうするのですかと言ったら、いやここには、ハンブルクですから幾らでも修理するところがあってどこでも修理しますよ。ちょうどタービンか何かをよそで修理しておって持ち出しておったのですが、これも何にもないですね。普通のタービンと同じようにしてよそで修理する。何で日本でそう問題になるのでしょうか、実際故障や何かないのですか、それはありますよ、直してしまいましたよ、直せばいいのでしょうというだけで。電力の方へ行ってみますと、ドイツのパブリッシュでも操業度が八五%ですね。八五%操業度というのはおかしいじゃないですか、実際の放射線が出たりなんかしませんか、それは出ます、運転中に皆直してしまいます、炉はとめません。新聞にそういうのを発表しますか、何で発表する必要ありますか、何でもないことじゃありませんか。こちらで大問題になっているのに向こうでは全然何にも問題になってないという非常な環境の相違、日本の置かれた環境ですね。万国がそうだという頭で問題にしない方がおかしいのだ、日本はおかしくないのだ、こういうふうに考えるのじゃなくて、やはり世界のいまの科学の進歩の状況から見ますと、こういう問題に対しては大体こういうふうな考え方になってきておりますよ。 米国でも、さっきもお話ございましたが、別に原子発電炉そのものをいま問題にしているのじゃなくて、皆さんから大変御注意いただいたように、再処理問題とかあるいは高レベルの廃棄物をどうするとか確かに問題です。確かにそれは皆さんと一緒に解決しなければいけません。しかし、皆さんがしょっちゅう問題にしているような放射線がちょっと漏れたというようなこと自体で外国では何にも新聞ざたにもならないし、それをそのまま炉を動かしたままで……(小宮委員「大臣、結論を急いでください」と呼ぶ) ということですから、私はそのためにいまの基本法を変えなければいかぬというふうには考えないで、基本法はその精神を十分に盛ってありますから、むしろそういう日本の特殊な原子力風土というものをどうしてみんなで早くひとつ是正したらよかろうかというところに国民的なコンセンサスを求めた方がいいのじゃないか、実はそういうふうに考えております。
○小宮委員 いま大臣は、外国ではさほど問題にならないのが日本ではよう問題になるということを言われますけれども、それは日本で問題になるというものの一つの中には、やはりいまの日本の原子力行政に対する不信感もあるからなんです。だからその意味では、そのほかにもいろいろな原子力船「むつ」の放射線漏れだとかあるいは原子力発電所の故障の問題とか、故障の内容も私もいろいろ調べてみておりますが、根本的な原子炉の故障ばかりでなくて、いろいろな問題も皆原子力発電所における故障だということになっておりますけれども、そういうような意味ではいろいろあるにしても、問題はやはりこういうようなことを通じて国民が日本の原子力行政に対して不信感を持っているからこういうような声が多く出てくるわけですよ。だからそれを反省しないと、ただよそでは問題にならぬけれども日本で何でこう問題になるのかということだけで現実に解決できる問題ではないですよ。それは大臣おわかりでしょう。だからそういうような意味で、私が原子力基本法の改正までもやるべきじゃないのかというのは、たとえば現行の原子力委員会は単に原子力委員会設置法に基づくものだけではないのです。これはあくまで原子力基本法第四条にその根拠を求めておるわけですから、だからそういった意味で、原子力基本法の根本的な見直しをやったらどうか。それでやはりわが国の原子力行政というものは、安全の問題、環境の問題にしてもこういった基本方針にうたって、こういうような方向で取り組んで、いままでは開発だけやった、しかし、こういうような安全に対しても環境に対しても国の行政としてわれわれ取り組んでいくのだということを示すべきだ、私はこういうように考えるのですよ。 このほかたとえば、日本原子力研究所だとか動力炉・核燃料開発事業団などの開発実施機関、さらに原子炉規制法なども直接、間接にはこの基本法に結びついておるわけですから、そういった意味で、今回の答申を単なる原子力委員会設置法の改正だとか原子力安全委員会設置法だけでいじるのではなくて、原子力法体系の根本的見直しをやって、いまこそ国民が日本の原子力行政に対して信頼を得るような、信頼感を取り戻すような措置を講ずべきだ。その意味から私は原子力基本法の見直しを当然行うべきだ、こういうように考えておりますけれども、大臣の重ねての所見をひとつお伺いして、私の質問を終わりたい。
○佐々木国務大臣 簡略に申し上げます。 なるがゆえに、基本法で原子力行政は民主的にやるべし。したがって、役人たちでは心もとないから、日本のその道の大家を集めて、そしてその人らに慎重に審議していただいて、安全な上に安全な基準を出しなさい、こうなっておるわけでございます。それはいけない、反対の学者もいるからそれはだめだということは、これはどうもしょうもないのでありまして、日本における権威の人がこれはよろしいということになりますと、これはやはり権威として認めるべきであると私は思います。ただ学問的にいろいろな問題がございまして、そういう点は学者間で、うんのうをきわめた深い理論の問題としてお互いにシンポジウムで研究を進めていったらいいじゃないですか。ただし、学問的ないろいろな問題点は即工学的な面で現実の問題としてはどうだということになりますと、これはまたそれであれば日本のみならず各国とも何も進められぬことになりますので、それはそれ、これはこれとして進めるべきじゃないかという感じがいたします。 話は簡単にということが少し長話になりましたが、私はいまの基本法の民主主義という方針だけはこの際貫いて、その間におきましていまの原子力委員会を改組するとか安全委員会を置くとか、実際の審査、検査の手続を一貫性を持たせるようにするとか、そういう点は十分懇談会の結論どおり進めていったらいいじゃないか、こういうふうに思います。
○小宮委員 持ち時間がもうなくなっておりますので、またいろいろ次回にでも質問するとして、きょうは私の質問はこれで終わります。
○中村委員長 次は瀬崎君。
○瀬崎委員 きょうは地震の問題を中心にして、少し他の問題も入りますが、質問をしたいと思います。 ことしに入って、世界的に見てもグアテマラの地震とかイタリア北部の地震とかあるいは中国の地震、西イリアンの地震、フィリピン南部の地震、大きい地震が相次いでいて、そういう点が日本の国民にも大きな不安を呼び起こしていますし、また地震の予知を誤るとかあるいはまた地震によって引き起こされる災害を防止する対策等を誤りますと本当にはかり知れない被害になることも、日本の国民自身の経験を通じて知っているわけであります。そういうところが九月一日に前後していやおうなしに地震に対する関心も高まってくるということではないかと思います。現にわが国でも、ごく最近伊豆で河津地震ですか、大きな被害を出しております。こういう意味で、現在積極的に進めなければならないけれどもその対策のおくれているこの分野について、ぜひその欠陥を改善していくという積極的な意味で質問もしたいし、またお答えの方も願いたいと思います。 まず、今月の十八日に伊豆で発生いたしました河津地震について、気象庁が当初はマグニチュードが五・三、深度が十キロメートルというふうに発表されたわけでありますが、すぐその後二十日になって、マグニチュードが五・五、深さの方は地表すれすれだ、約五キロですか、こういうふうに修正をされたようであります。このような修正がなぜ起こってきたのか、お聞きをしたいと思います。
○末広説明員 御説明申し上げます。 私ども気象庁は、日本の内外で起こります大中小地震を常に監視しておりまして、特に被害を伴う地震あるいは海で起きて津波のおそれのある場合には、文字どおり分秒を争いまして地震後五分、十分あるいは少なくとも二十分以内に、起こった地震の概要、必要とあらば津波警報を発表いたす義務がございます。そのために、地震が起こりました場合、たとえば十八日未明の河津地震の場合には、早急に緊急に資料を集めまして、多少精密さにおいて欠けるところがございましても、起こった場所と大体の大きさをできるだけ早く把握いたしまして皆様にお知らせする。それからその後に、時間はややかかりますが、さらに全国的なデータを集めまして、今度はその後に、必要なあるいは学問的意味のある、もう少し検討を加えたより正確なデータを出すという手順を踏んでおりまして、最初に皆様にお知らせいたしました、深さは十キロ程度、マグニチュード五・三という値は、暫定的なものではあるが非常に迅速に決めたものであると御理解いただきたいと思います。
○瀬崎委員 それじゃ暫定的なものからより正確なものに移る過程で、当初の気象庁のデータ以外に全国的なデータを集めて正確を期すとおっしゃったけれども、伊豆の場合はどういうデータが入ってより正確なものになったのですか。
○末広説明員 十八日早朝に発表しましたデータは、関東一円の気象官署において行っております地震観測の資料を集めて緊急に決めたものでございます。これは先ほど申し上げましたとおり、文字どおり分秒を争いますために、たとえば地震計の記録等も取り外すことなく緊急験測というのをいたします。その後に、翌日等になりましてから記録紙の交換等をいたしまして、さらに正確にはかり直すわけでございまして、緊急験測では多少データの読み取り値等に、大きな間違いは決してございませんが、若干精度に欠けるところがありますために、緊急値が御承知のとおり最終的に決める値と、大きく離れることはございませんが、やや違った値を最初にお知らせせざるを得ないという事情にあるわけでございます。
○瀬崎委員 私は、何も食い違ったことを悪いとちっとも言ってないので、教えてもらいたいと思っているわけなんです。より正確度を期する上でどういうデータが新たに集められたのかということなんです。 私が聞いた範囲では、伊豆には東大関係の観測点も四ヵ所ほどあって、そういうふうなデータを後日補った結果がより正確なものになってきているのだというふうに聞くのですが、そうではないのですか。
○末広説明員 それも当然ございます。私どもの気象庁自体では、いま申し上げたとおり、記録の読み方に多少差があるということと、それからその後に五・五という場合には、東大その他でなさっていらっしゃるデータも公開いたしますので、それも考慮に入れて決めるわけでございます。
○瀬崎委員 この東大の地震研関係の観測点四カ所のデータは現在でもなおわざわざ人がデータを取りに行くのだそうですね。気象庁の方は特調費を使って伊豆関係ではテレメーターシステムをとられたと思うのですが、われわれは素人考えだから、これはできないのかもしれませんが、もし技術的に可能だとすればの話なんですが、こういう東大関係のデータもそのようなテレメーターシステムの中へ織り込めないものなのですか、どうなんでしょうか。
○末広説明員 御承知のとおり、私ども気象庁の特徴は、二十四時間休みのない監視ができるというところにございまして、そういう意味合いもありまして、東京までテレメーターいたしまして、たとえ夜中でも何か事があれば対処できるようにしたい、こういうわけでございます。大学等におかれましてもテレメーターなさることがより望ましいことは当然だと思います。また現にいまおっしゃいました地震研究所では、関東地方の相当多くの点を本郷の大学にテレメーターしておられる、わけでございますが、この伊豆の場合に関しましては、私どもの電電公社から借ります一回線に一定以上の量の情報を押し込むということは大変むずかしゅうございまして、その点急に一緒にテレメーターの回線に乗せるということは技術的に難点があるかと思いますが、大学等とも非常に緊密に連絡をとっておりますので、リアルタイムではないにしても、問題になっております伊豆東部の地震活動の状況把握は、より正確により早く行うように努めたいと思っております。
○瀬崎委員 それから同じく伊豆地方では中部から東部へかけてここ一年ほど微小地震が続いているとか、あるいは最高十五センチにも達する異常な隆起が発見されているように聞くわけです。こうした現象は、過去の観測上すでに経験済みのことなのか、いわゆる過去にあったことの繰り返しなのか、気象庁では全く新しい現象として現在つかんでいらっしゃるのか、どっちなんでしょうか。
○末広説明員 ただいまの御質問は、地震の前駆現象としてわれわれの過去の知見あるいは経験の御質問と思いますので、予知全般の担当であります国土地理院からお答えを申し上げるのが至当かと存じます。
○原田説明員 伊豆半島について言えば、今回が初めてではなく、昭和五年、このような経験を持っております。
○瀬崎委員 その経験の後は一体どうなったのかということと、ただその経験の準用だけで、現在起こっておる現象の将来予測ができるのかどうか。
○原田説明員 われわれが得ました昭和五年当時のデータは、微小群発地震と本震、いわゆる地震資料と、それに昔の国土地理院、その当時陸地測量部でございますが、それが行いました地殻の上下変動のデータであります。その地震の推移、それから大地の上下変動の推移、そのようなものは今回の場合にも大いに参考になります。今回はこの二つの観測以外に、その間にありました地震予知技術の進歩に伴う諸技術、たとえば地下水中の化学成分の測定、それから以前にはありませんでした人体に感じない極微小地震の活動の観測等によりまして、また活断層の存在の有無というようなこともあわせ研究し、さらに地球物理的な重力測量、地球電磁気的な観測、そのようなもろもろのものを突き合わせまして、その推移を推定している現状でございます。
○瀬崎委員 余り細かい学術的なお話があっても、残念ながら私どもは素人ですから、問題は現在やっていらっしゃる観測でこのような異常現象の将来が確実に予測できるのですか、この点だけ答えていただければいいのです。
○原田説明員 地震がどの程度切迫してきているか、その程度の——実はその程度か問題なんだとは思いますが、その切迫度のある程度の予測はできます。しかしながら、地震が後一ヵ月に迫った、後一週間に迫った、後一日に迫ったというような非常に細かい真の意味での地震予知技術が現在確立されているわけではございません。地震の中には前震を伴う、また大地の異常な急激な変動を伴う、いわゆる前兆現象が非常に顕著な地震もあります。そういう地震ならば、現在われわれはかなりの確度において実用的な予知ができると思いますが、そうでない地震はまだ地震予知技術が研究途上にありまして、そういう予知しやすい地震を除いては、なかなか実用的な予知という段階までは現在まだ参っておりません。
○瀬崎委員 いや、ですから素人わかりするように答えていただきたいのですが、切迫度について、伊豆の場合は現在のそういう前兆からどの程度予測されているのですか、いわゆるいまおっしゃった切迫度は。
○原田説明員 伊豆の場合に関しましては、隆起現象並びに微小地震活動か今後大地震——この間の河津地震はマグニチュード五・五でありますが、そうではなくて、もっと大きな大地震になるかどうかということについては、現在まだそれを予測する手がかりを持っておりません。
○瀬崎委員 これは大臣に政府を代表して答えていただきたいのですが、去年予算委員会の分科会で、私は伊豆沖地震の事後観測のための特調費が約一年間おくれて支出された問題を指摘したことがあるのです。今回はその点では確かに非常に早く特調費が支出されている。その点は改善されているのですから、われわれはそれなりの評価をしたいと思いますが、先ほどのお話のように、同じような系統の観測をしながら、東大関係の地震研の観測点は人力でデータを集めている。いずれこれは気象庁が参考にするわけですね。さらに、国土地理院の話のように、現在異常現象はあるのだけれども、これだけでは将来の切迫度の手がかりにならないというような話なんです。ですから、せめて現在ある観測設備とかデータをフルに活用する点では、さしあたってこのテレメーターシステムを、東大地震研なども含めて、つまり政府の管轄は違うけれども、しかし、学問的に見れば一本にするのが有利だと私は思うし、そういう趣旨の話でしたから、そういう点で積極的に科技庁が調整的な役割りを果たされるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○佐々木国務大臣 お説のとおりだと思います。
○瀬崎委員 努力されますか、その具体的な話を。お説のとおりではだめなんだ。
○佐々木国務大臣 具体的にどうすればいいのか、これは担当官でないとわかりませんけれども、御指摘のように重要なことでございますから、御希望の向きには沿えるようにしてやるのが調整官庁の任務だと思いますので……。
○瀬崎委員 じゃ具体的に、担当者でなければわからぬとおっしゃったのですから。
○園山説明員 先生御指摘のように、伊豆におきます地盤隆起に関連いたしまして特調費を支出したわけでございますが、特調費の制度上の問題等ございまして、直接大学等に支出するということはできませんけれども、こういった各機関相互に協力いたしましてやらなければならないということにかんがみまして、地震予知研究推進連絡会議というのが設置されておりまして、私ども科学技術庁事務次官が主宰をいたしております。したがいまして、今回の特調費支出に当たりましても、この地震予知研究推進連絡会議で御相談したところでございますし、これからも十分この連絡会議を活用いたしまして、満足な観測ができるように努力を進めたいと思います。
○瀬崎委員 じゃ、もし技術的にテレメーターシステムの中に大学関係のも入れた方がよいということであるならば、そういう方向で現在の制度改善は考える、こういうことなんですね。
○園山説明員 お答えいたします。 現在の制度を改善する必要があるかどうか、これは大学に関しまして文部省のお考え等を伺いまして、文部省で現在持っておられる制度の中でそういったことが可能であるかどうか等を御相談して検討を進めてまいりたいと思います。
○瀬崎委員 さらに、同じく気象庁の観測施設として遠州灘沿岸に五カ所ですか、あれは容積変化計というのですか、ありますね。特にこの中で御前崎の観測点等は、非常に少ない割合ではあるけれども、一定地殻にひずみの蓄積されていることを検知していると聞くわけなんです。しかし、これだけではこれもまた予知には余り結びつかないということも聞くわけですね。ただ、これも専門家の話ですが、こういう観測点がもう数カ所ふえれば科学的な評価には大いに役立つであろう。そうなってくると、せっかくつくっても中途半端という感じをわれわれは受けるわけですね。必要なら必要でちゃんとつくったらいいと思うのですが、その点はどうなっているのでしょう。
○中村委員長 有住気象庁長官が出席しているのだから、具体的な問題で課長でなければならないのだったら課長が答弁する、そういうことで、せっかく長官も来ているのだから長官で答弁できるところは長官がやってもらう、そういうことにしていただきたい。
○末広説明員 大変技術的な御質問でありますので、課長レベルで御勘弁願いたいと思います。 御説明申し上げますが、御指摘のとおり、私どもの御前崎の記録によりますと、あの辺でひずみが進行しているのではないかという状況をつかんでおります。ただ、私どもの観測は一点観測でございますので、それがどの程度地域の代表性があるかということに御指摘のとおり若干の疑問が残るわけでございまして、一つの方法といたしましては、その周囲に点数をふやすということも一つでございますが、国土地理院のやっておられるような測地測量をあの付近で繰り返しまして、それとを比べるということも、必ずしも周りに新しく設置しないでも現在の記録を別な角度から評価することもできますので、現在そちらの方をまず取り急いでやってはいかがであるかということで御相談申し上げているわけでございます。
○瀬崎委員 じゃ、その付近に観測点をふやさなくても国土地理院との関係さえうまく調整して整合をとっていけばこれは役立つ、こういうことなんですか。それとも、実際気象庁としては観測点を本来ならふやしたいのですか。どっちなんですか。
○末広説明員 御説明いたします。 国土地理院の測地測量を補完する形で資料を検討すれば、私どもの五点の観測網はそれなりに役に立つものと思っております。
○瀬崎委員 そのそれなりになんですが、これはやはり国民の側から見れば遠州灘も危険地域の一つでしょう。じゃ現在、先ほど話のあった遠州灘における地震の切迫度について予測はどうなっているのですか。どの程度責任を持ったことが言えるのですか。いやいや、これは気象庁に聞いているんだから、観測点がなくともできるというんだから……。
○末広説明員 御指摘の東海地方沖合いはいつか遅かれ早かれ大地震が起こるところということで地震学者一般の意見が一致しているところであることはおっしゃるとおりでありまして、問題はその切迫度であります。現在の各種の観測データが観測強化の結果として逐次得られつつありますので、これらを検討いたしますれば、現在ではどのくらい迫っているかということを、いまの時点で申し上げるのは非常にむずかしいかと思いますが、ここ一、二年のデータの蓄積を見ればもう少しはっきりしたことが申し上げられるようになると期待しております。
○瀬崎委員 ということは、これは長官に聞きたいのですが、じゃここ一、二年の間は心配ない、こういうふうに長官、言えるのですか。
○有住説明員 お答え申し上げます。 心配あるとかないとかという結論的なお話でございませんで、いま地震課長の方から申しましたのは、とにかくいまの状態でははっきりしないので、今後資料その他をそろえまして、そうすれば、その資料を検討することによってある程度いわゆる白か黒かというようなことがいまよりはかなりわかってくるのではないだろうか、そういうことでございます。
○瀬崎委員 一つは、遅かれ早かれこの遠州灘を中心に大きな地震が起こるであろうという点では見解がまず一致しているんでしょう。そこに国民はやはり大きな不安を感じますね。それを遅かれ早かれでは国民の方は対策の立てようがないわけで、もう少し科学的に正確な切迫度を確認するという意味で恐らくこの遠州灘に五地点の観測点を設けられたんだと思うんですね。だから、これでわれわれは一定予測が進むものと期待したわけなんですが、できなければできないで早急に観測点をふやすなり何なりしないと、結局五地点設けたって、結果的にはまた地理院の方の資料をもらったりいろいろしないと一、二年は予測が立てられないということであれば、何のためにこういうことをやってもらったのかわからなくなると思うんですね。もう少し心配している国民の側に立って、気象庁としても責任を果たす意味で、必要なら必要、必要でないものなら初めからやらなければいい、ここらを少しはっきりしていただきたいと思うのです。私は、専門家の意見としてはこの観測点をもう少しふやせば相当正確な資料たり得るんだ、こういうふうに聞いているわけなんです。これを否定されるのであろうかどうか、そういうことも含めて……。
○有住説明員 この地震予知の技術なんでございますけれども、現段階では非常にむずかしい事態になっているわけで、気象庁としては確かに気象業務といたしまして地震が起こりますといち早くそれを調べまして情報をお流しする。それで、国民の皆様には、いまの地震はどういう地震だから安心してください、あるいは注意してくださいということを申し上げるし、また、海中で津波のおそれがあるような場合は津波警報を出すというようなことで、全力を挙げているわけでございます。 予知に関しましては、気象庁もその一員ではございますけれども、地震予知連絡会の一員として、あるいは地震予知研究推進連絡会議の一員といたしまして研究しながらやっているわけでございます。地震予知連絡会等の学識経験者その他の見解としても、いまの時点ではなかなかはっきりしたことを申し上げられるだけの地震予知の技術がない、現在伊豆のことにつきましても、もう少し資料を集めて検討しないことにはということが予知連の結果でありたように私聞いておるわけでございます。ですけれども、これは確かに国民としては切実な問題、われわれとしても大変な問題でございますから、そこで気象庁は気象庁といたしまして有効なデータをとるべく処置をし、各官庁ともそれなりのことを連絡会議あるいはその会議を通しまして、各分担を決めて鋭意資料を集めて検討しようということになっていると理解しておるわけであります。
○瀬崎委員 私が心配するのは、道路の建設のようなものなら、十キロつくろうと思って予定したけれども、予算がないから五キロだけつくりました、それでも一定の役に立ちます。しかし、こういう科学的な観測の場合、一応理論上この地域に十ヵ所の観測点がほしいんだ、これを五ヵ所に値切ったら、実際問題として科学的効果はなくなってしまうんではないかということを心配するわけです。そういう点ではとかく現在の政治のもとで政治家の素人判断で、機械的に予算が足りないから、せっかく気象庁が要求しているような予算が削られてはいやしないか、こういう点を心配するし、また専門家としては、もう少し地点があればとおっしゃっているんだから、そういう点を気象庁の立場ではどう考えているか、これが聞きたかったわけなんです。どうもその話が出ないのが非常に残念なんですが、出していただけますか。
○有住説明員 気象庁といたしまして、たとえば伊豆の場合に臨時の観測を早急に設けるということもございますが、他方、地震観測網の展開をして情報を集めるということで気象庁は重要な仕事をしておりますので、それではいままでより以上に細かい地震等についての情報をいかに得るかということを実は検討しておりまして、そのためには、感度のよい受信を、いままでよりも高感度の地震計を日本国じゅうに展開していくことによって、そのカバーをしていきたい。つまり、いままで感度の悪かった地震計が設置してあるところにさらに非常に高感度のを入れまして、高感度のを入れますと、いままで受信できなかったような距離あるいは大きさ、小ささのものでも受信できるようになりますので、そういう観測網の展開をしようということでいま進みつつあるわけでございます。
○瀬崎委員 その作業は予定どおり進んでいるんですか。
○有住説明員 毎年逐次整備させていただいております。
○瀬崎委員 数字で少しおっしゃっていただけますと、よくわかっていいと思うのです。
○有住説明員 昭和五十一年度、本年度につきましては、四ヵ所つけるようになっております。
○瀬崎委員 取りかえを必要とする古い地震計というのは全国で幾らあるんですか。
○有住説明員 お答え申し上げます。 全国に地震観測所と称して地震計が置いてあるところは百十八ヵ所日本であるわけでございますけれども、いまの高感度のを入れまして、それら前にありましたものを外すという計画ではございませんで、追加する計画で進めております。と申しますのは、高感度が入れば低感度のは要らないかと申しますと、そうではございませんで、高感度のものは非常に大きな地震に対しては弱いという性格がございます。大きな地震が近くに起こった場合には低感度の地震計でないといけないので、取りかえるということではなくて、追加ということで考えております。
○瀬崎委員 結局、百十八ヵ所のところに少なくとも高感度と併設されれば一番よい、こういうことなんでしょう。そうしますと、四ヵ所ずつやったのではこれは何十年か先の話だと思うのですね、全国的に整備されるのは。われわれはそういうことでいいのかどうかというふうな感じを受けるんですね。
○有住説明員 ただいまちょっと説明がまずかったかと思いますが、百十八カ所全部に高感度を置くのではございませんで、その高感度につきましては何カ所かを間引いて置いていくわけでございます。百十八カ所全部を取りかえるのではなくて。
○瀬崎委員 それじゃ必要なのは一体何カ所なんです。
○有住説明員 いまのところ二十カ所という計画で考えております。
○瀬崎委員 それでことしが初年度ですね。
○有住説明員 今年度がそうです。
○瀬崎委員 それじゃ次に、同じく地理院の方に同様な意味でお伺いしたいと思うんだけれども、地理院の方もことし特調費の配分で九百万ですか、ついたんですね。この九百万で主としてどういうふうな効果の期待できる測量、調査が行われますか。
○原田説明員 伊豆半島のところでは、いまから七年ないし九年前に伊豆半島全域の土地の上下の変動をはかる水準測量と申しますのが終わっております。これは地震の有無にかかわらず、全国をローラーで踏みならしますように繰り返し行っている観測であります。ことしの一月から三月まで、この地域に微小群発地震が頻発している現象にかんがみ、伊豆半島の中部地域について水準測量を実施しました。その結果、最高十五センチに及ぶ隆起が発見されたわけでありますが、今回いただきました特調費では、この八月からいま目下実施中でありますが、九月、十月初めにかけまして、その隆起地域をさらに広範に包括するような地域の水準測量をやりまして、土地の上下運動がどのように推移しつつあるかを検出いたします。それと同時に、大島と伊豆半島中部における三つの三角点間の距離を測定いたしまして、この距離測定も数年前から二回ぐらい測定されております。その値と比較いたしまして、大島−伊豆半島間でどのように陸地の伸び縮みがあるか、それを測定いたします。
○瀬崎委員 われわれは主として十分な研究体制がとれているかどうかということをここで明らかにしていきたいわけなんです。その趣旨で答えてほしいのですが、この程度の研究費で、いまおっしゃっているようなことをやろうと思えば結局人員が不足する、結果的に民間委託等の方法によらざるを得ないというふうに聞くわけなんですが、実情はどうなんですか。
○原田説明員 いただきました特調費は、大部分民間委託の作業でございます。
○瀬崎委員 民間に委託するのと、それから地理院の職員が直接手がけるのとでは、実際どちらの方が研究あるいは将来の予知に役立つ資料になるのですか。
○原田説明員 地理院は大ぜいの技術者を抱えておりまして、地理院プロパーの仕事も多量にやっております。そこで十分に練摩されました技術を、民間の会社と申しましても非常に技術レベルの高い会社でございますが、そこへ十分な指導をいたしまして、土地が上下に変動したという高さの測量に関しましては、国土地理院の仕事も民間業者の仕事もほとんど同レベルであろうという段階に達しております。それから光波測量によりまして長さをはかるという仕事も、地理院と民間では現在同レベルに達しております。
○瀬崎委員 同レベルであれば何でもかんでも全部民間に発注していいという、そういう考え方なんですか。
○原田説明員 地理院の職員でできる仕事は地理院の職員でやっております。地理院の職員の手が回りかねるところを民間に委託しております。
○瀬崎委員 これは先ほども聞いたが、相当恒常的な測定、測量になるんじゃないかと思うんですが、なぜ地理院自身の職員の体制を強化しないのか、その点を少し聞きたいのですね。
○原田説明員 これは私のようなレベルの者がお答えしていいかどうかちょっと迷いますが、定員が縛られておりまして、現在地理院職員の手で行う仕事は限界に達しております。
○瀬崎委員 長官、こういう現実があるんですね。われわれはこういうところをはっきりしたかったのですよ。さっきから聞いておわかりのように、言いたいことが腹の中にありながら言いにくい雰囲気があるでしょう。こういうことでは万全を期した地震予知の研究は進みませんよ。 当然、こういう科学技術の予算こそ、われわれは大いに伸ばしてほしい。原子力や宇宙関係の何百億という予算と比べて、われわれが数百万円を単位に話をしなければならないというのが地震予知なんです。ぜひ積極的にこの打開のためにひとつ長官働いてほしいと思うのですが、いかがですか。
○佐々木国務大臣 先ほど近江委員にもお答えいたしましたが、皆さんのお説は一々ごもっともでございますので、至急ひとつ整備方を命じましてがんばってみたいと思います。
○瀬崎委員 ぜひそれは早急な効果の期待できるような大臣の働きをお願いしたいと思います。 気象庁の長官が見えておりますので、この機会に、地震に直接じゃないのですがお尋ねしたいんです。 それは、伊吹山の測候所なんですね。これは私の選挙区である滋賀県にまたがっているわけなんで、無関心ではおれないわけなんです。私自身もぜひ現地を見た上できょうの質問に臨みたかったのですが、残念ながらその機会がなくて、後刻ぜひ至急に調査に行きたいと思っているのです。もちろん、これは千三百メートルを超える山の上にある測候所で、かつ気象観測だけじゃなしに、気象庁から西日本への無線中継所あるいは気象庁から富士山測候所を経て西日本への天気図のファクシミリ中継地等として重要な役割りを果たしていると聞くわけですね。 ところが、これの老朽化が非常に著しくて、私にかわってこの間ちょっと見てきてもらった人の話では、外壁は至るところはげ落ちている、鉄筋が数カ所露出している、屋上の露台の手すりなどはぐらぐらになってもたれられない、さらには測候所の生命とも言うべき気圧観測室の壁も崩れ落ちている。およそ近代的な観測所というふうな感じはしないということでしたね。特に建設に当たって、当時のことだから下から砂利が持って上がれないので、道路もついてませんでしたから、どうやら伊吹山の砂利をそのまま使われたらしい。御承知のようにあれはいまセメントの材料になっていますね。だからその点風化しちゃって、ところどころ鐘乳石みたいなものがぶら下がっている。本当にみすぼらしい状態のようですが、こういう点でこの庁舎の根本的な抜本的な改築が差し迫って必要な状態ということなんです。 この点で、少し長官としても積極的でなければならないんじゃないかと思うのですが、一応どういう方針を持っているのか、それを聞いておきたいと思います。
○有住説明員 お答え申し上げます。 伊吹山の測候所は、昭和十年ごろに鉄筋コンクリートでつくりまして、先生おっしゃいますように大分老朽化いたしております。普通ですと、鉄筋コンクリートですと耐用年数六十年くらいということでございますけれども、そういう意味では昭和十年なんですからまだまだいいはずですけれども、実際上はやはり山の上にあったり、天候的に非常に悪いので霧だとかそういうものの中に入る回数が非常に多いものですから、どうしても結露その他で傷みが非常に激しいということで、私どもとしては補修については非常に意を使ってやっておるわけでございます。いま先生から抜本的にというお話がございましたが、実は私どももそうしたいということで、現在努力してまいっております。 現在までのところ、補修には昭和三十二年から八回にわたりまして補修をしながらやっておりますが、全部で約千七百万ぐらいの経費をかげながらやっておるわけでございます。私どもとしても、積極的にこれについては考慮していきたいというふうに考えております。
○瀬崎委員 昭和三十五年当時の補修は、さらにその補修が恐らくいま必要になっていますよ。しかも、約二十年近くかかって約一千七百万円の投入でしょう。これでは手直しした分以上のものが傷んでいっているんじゃないかと私は思うんです。私自身がこの目で見ておりませんから、もう一つ確信は持てませんけれども、見た人の話では、本当にお粗末の限りだという印象のようであったんですね。つまり、それだけ修繕費をかけて現在そういう状態なんですから、私はやはり抜本的な改造が必要だろうと思うんです。めどはどうなんですか。
○有住説明員 お答え申し上げます。 気象庁といたしましては、全国にそういう測候所がたくさんございまして、そういうものの補修、増築、改築、そういうものがございますので、非常にわれわれ悩んでいるところでございますけれども、できるだけ優先順位的に考えていきたいというふうに考えておるんですけれども、何分にもたくさんの官署がございまして、なかなか意のように進まないというのが現状でございます。
○瀬崎委員 なかなか意のように進まない最大の原因が、結局は気象庁に割り当てられてくる予算が少ない、根本はそこにあるんじゃないですか。それとも長官が要求しないんですか。
○有住説明員 われわれとしては、そういうことで極力増改築、そういうものに意を使っているわけでございますけれども、何せ数が多いということなどがございまして、非常にむずかしいということでございます。けれども、私どもとしては、これについては積極的に取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
○瀬崎委員 気象庁長官だから気象庁の立場で物を言ってほしいと思うんですが、じゃ具体的に言いましょう。 伊吹山のこの老朽化した測候所の抜本的な改築、努力すると言われますが、何年度をめどにしてこれはやろうとしていらっしゃるのですか。
○有住説明員 何年度ということもちょっとわかりませんが、ただいまも要求といたしましては、予算的な折衝あるいは案をつくるというふうな段階でございますので、積極的に考えているわけでございますけれども、結果的にどういうふうになりますか、ちょっとわからないというような状態でございます。
○瀬崎委員 じゃ、来年度五十二年度にもできればということですね。どうしてそんなに長官が遠慮なさるのか、私はよくわからないんだけれども、とにかく早急に改築は必要だということは認識されたんですね。それならば、気象庁として要求して大蔵省が削るというなら話がわかるんだけれども、気象庁として要求するんですかしないんですか、来年度の予算として。
○有住説明員 五十三年度には、必ず要求していきたいというふうに思っております。
○瀬崎委員 高度成長時代に、先ほど言われたようにわずか一千万余りの補修費でがまんしてきた気象庁の観測所なんですね。今度は総需要抑制その他でまたさらに抑えられてくるというふうな現状で、どんな事態になれ、こういう気象観測関係が現在の政治の中では日陰に追いやられている、こういうふうな事実がいま長官の言葉の端々に出ていると思うんです。ぜひひとつ、これは政府全体として、大いに考えてもらわなければいかぬ問題だと思います。 最後に、地震の問題では予知も大事だけれども、地震が大災害に結びついていくプロセスの研究も大事だと思うんですね。これはやはり災害防止の手だてが確実でなければ、幾ら予知ができたってだめだと思います。そういうふうな研究が果たして行われているのかどうか。たとえば大都市で言えばガソリンスタンドあり、都市ガスあり、高圧送電線あり、地下鉄があり、あるいは水道管の破裂で消防活動ができなくなるとかいろいろな予測される心配がありますが、そういうようなことが地震発生時に一体どういうような形で災害の拡大に結びついていくのだろうか。地震災害のアセスメントといいましょうか、こういうものの研究は実際にはどの程度進んでいるのですか。
○園山説明員 お答えいたします。 地震が起きましたときの対策につきましては、建物の耐震構造その他の研究がいろいろ行われているところでございます。先生御指摘のように、一体大震災のときにどういう状態が起きて、これにどう対処すべきかということは、大変大きな研究問題であるかと思っております。私どもといたしましては、そういった研究に対してどういうアプローチをすべきかということで種々検討はいたしておりますが、まだ具体的に着手したという段階ではございません。なお、国土庁におかれましても、災害対策全般のお立場からいろいろ御検討されておるということを聞いております。
○瀬崎委員 たとえば科学技術庁が直接所管するような問題で、核燃料の出し入れをやっているときに大きな地震が来たらどういうことが起こるだろうか、あるいはまた使用済み核燃料の輸送なども現実の問題になっていますが、こういう輸送途上で大きな地震に遭遇したときにどういう事態が起こるのだろうか、こういうことは少なくとも科技庁では予測しているのですか。
○伊原説明員 原子力施設につきまして、これの設置の許可なり使用の許可をいたしますときには、事前に、たとえば耐震構造について十分なチェックをいたすわけでございます。したがいまして、ある想定された震度において周辺に災害を及ぼすことがないように、そういう設計上の配慮は十分いたしておるわけでございます。
○瀬崎委員 いや、原子炉のユニットとしての安全審査は、それが十分かどうかは別にしてやっているだろうと思うのですよ。私がいま聞いたのは、たとえば使用済み核燃料の輸送途中で地震に遭遇する、こういうふうなことが起こったときに、その災害の拡大等についてどういう事態が予想されるか、そういうアセスメントはやっているのか、こう聞いているのです。
○伊原説明員 詳細を私ただいま承知しているわけではございませんが、輸送容器の安全基準につきまして、そういう観点からの配慮は当然いたしておるわけでございます。
○瀬崎委員 じゃ具体的に、そういう基準はどういうふうに明記されているのですか。
○伊原説明員 輸送容器もいろいろ種類がございますが、これの基準化につきましてただいま担当部局でいろいろ検討しております。私、ただいまちょっと資料を持っておりませんので、何々基準という非常に明定したものでどうこうということではございませんけれども、基本的な考え方としてそういう配慮は当然いたすべきである、こういうことでございます。
○瀬崎委員 私は、一例として科技庁の所管を挙げただけなんですが、もちろんこれはいろいろな分野で大地震が起こったときの災害との結びつきについでのアセスメントはいやおうなしに必要になってくると思うのですね。こういう点について最後に大臣の方から、現在まだアプローチの方法を検討中というぐらいのことなんですが、これでは先ほどの予知の問題以上にこちらがおくれていることを意味するわけなんです。こういう点についても、政府として今後具体的に進めていく用意があるのかどうか、また、それについて積極的な予算的措置等も講ずるのかどうか、あるいは体制の方も整備するのかどうか、こういう点をお尋ねして終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 いろいろ勉強のテーマを出していただきましたので、進めてみたいと思います。
○瀬崎委員 これは一部は国土庁も所管している分野と思うのですが、やはり技術的な問題も大いにあるわけですね。科学技術庁としてこういう面を責任持ってやる意思があるのかどうか。先ほどの局長の話では、むしろ国土庁がやっているだろうということだった。それで私、不安に思うわけです。再度回答を求めたいと思いますね、大臣。
○園山説明員 先ほど御説明いたしましたのは、国土庁がやるということだけ申し上げたわけではございませんで、私どももいろいろ検討いたしております。国土庁でもそういう御検討をされておられますので、協力しましてこういった分野の研究を進めなければならないだろうと考えておるところでございます。
○瀬崎委員 じゃ、科技庁としてもそういう地震災害に対するアセスメントを一テーマとして検討していく、こういうことなんですね。これが最後。
○園山説明員 具体的にどういうテーマになりますか、これは今後の検討の問題でございますが、私どもとしては十分研究しなければならないと考えております。
○中村委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時七分散会