運輸委員会 第13号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/21
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。紺野与次郎君。
○紺野委員 最初に、基本建設については国の出資でやるという方が正しいということについて、四十八年、四十九年、五十年の実績がもしこれを適用した場合どうなるかについて幾つかの質問を試みたいと思います。 まず、四十八年、四十九年、五十年の三年間の建設費総額は二兆一千三十七億であると思いますけれども、これはおとといも私は聞いたのですが、もし基本建設が国費でそのように行われるという場合に、この中のどれだけが基本建設費となっているのかということの具体的な数字を、概算でいいですから知らせてください。 〔委員長退席、江藤委員長代理着席〕
○馬渡説明員 お答えいたします。 基本的な、と申しますと、一応一番基本のものは線路の関係であると私どもは考えております。線路の増設費とか改良費とか防災設備あるいは踏切の対策費というようなものが直接線路に関連したお金でございますので、その分として決算されましたものが四十八年度におきまして八百十八億、四十九年度の決算が一千一億、五十年度は、これはまだ見込みでございますが、恐らく千六百億程度ではなかろうかと思っております。 なお、線路に付帯いたしまして、電化とか信号とかいうものが当然それに加わるわけでございまして、保安設備費等まで加えたものをさらに申し上げますと、四十八年度の決算額が八百十八億と申しましたけれども、それが千六億、四十九年度が千二百億、五十年度の決算見込みで約二千億という見込みでございます。それが基礎的な設備であろうかと思っております。
○紺野委員 それから、トンネルとかあるいは鉄橋とか駅舎というようなものの建設費は入っていますか。
○馬渡説明員 基礎的なものとしては一応入っておるということでございますけれども、たとえば特別に河川の改修に伴いまして橋梁を上げるとかいうような場合が出てまいりますので、その分はこの中には一応入ってございません。トンネルは一応もとの中に入ってございます。
○紺野委員 一昨日は、車両費を中心としたものを除いた大部分は基本的な建設の部類に属するという答弁があったのですが、これはどうですか。それによると大体三年間の累計で一兆八千億ぐらいのものが基本建設関係の投資部分と見られるけれども、どうですか。
○馬渡説明員 先ほど御説明が抜けましたけれども、新幹線の関係を抜きまして在来線で申し上げましたので、その点が抜けておりまして、新幹線の建設費を申し上げますと、四十八年度が三千五百十億、四十九年度の決算で二千八百六十二億、五十年度は恐らく千八百五十億程度ではなかろうかと思います。それが新幹線の建設費でございます。 それから、私は先ほど駅の点につきましては申し上げませんでしたが、これは入れてございませんのでこの中には含まれておりません。
○紺野委員 そうすると、先ほどの四千二百億の金に七千数百億の新幹線の費用が入って明らかに一兆円を超しているのですね。ですから、基本的な建設費として私たちが考えているのは、車両その他を除いたところの固定設備として駅その他を入れれば——それを除いてもいまの計算では一兆一千億以上ですが、一兆八千億ぐらいの基本建設費がやはりあるということがほぼ推定される。もちろんこれは概算ですが……。 そうすると、そういうものに関連する利子部分というものが建設費の中で三年間で千三百四十四億で、国が出資すればそのうち約一千億ぐらいの軽減が可能ではないかと思う。そういうことで、これらを合算してこれを五十年度の長期債務六兆八千億から引いてみると、実際には長期債務というものはずっと減ってきて、わずか三年だけでも、ふえるのではなくて、むしろ大体四兆九千億ぐらいになるのではないかというふうに見られるわけです。長期債務がそれだけ減ることは当然でしょう。
○住田政府委員 新幹線等の工事をやる場合に、その財源といたしまして、借入金ではなくて出資あるいは工事費に対する直接助成をやればそれだけ借入金が減ることはそのとおりでございます。
○紺野委員 それから、もう一つの要素としては減価償却費ですね。これの三年間における、旧法による定額法と新法による定率法との差額をちょっと出してください。
○馬渡説明員 ただいま国鉄の償却制度は定額法という形でやっておりますが、その中で車両、自動車、船舶、機械類等だけが定率法によっておるわけでございます。 現行制度はそういう形でございますが、全部を定額法による場合ということで試算をいたしますと——これは五十一年度予算を加えまして、予算をそのまま実行したものとして試算をした数字でございますので、合わせた数字で恐縮でございますが、現行制度による償却額が四十八年度から五十一年度の四年間で八千八百五十二億ぐらいと想定されます。全部定額法によりました場合には八千八百二十億、約三十二億ほどの差がございますが、しかし、年々でそれぞれ出たり入ったりしておりまして、五十年度においてはむしろ定額法によった方が安うございますが、五十一年度そのまま実施いたしますと現行制度の方が安いということになりまして、年々で出たり入ったりするというくらいの差でございます。 それから、なお、全部定率法によりました場合は非常に大きくなりまして一兆二千五百七十五億。これは想定を加えました数字でございますが、その場合には現行との差が約三千七百億ほどの償却の差が出てまいります。
○紺野委員 だから、それだけ赤字の方が減るようになると思います。 それから、もう一つは、もしも政府出資で基本建設をやるような場合に、その部分についての償却費はゼロにしてもいいと学者が言っておりますが、どうですか。
○住田政府委員 出資と工事に対する助成とは別でございまして、出資は資本金に該当するものでございまして、一般企業の場合でも、出資をしたから、資本金があるからその分は償却しなくていいということではないわけでございます。国鉄の場合も、出資はいたしておりますけれども償却は償却でするというたてまえにいたしております。
○紺野委員 しかし、実際には減るんじゃないですか。その点はどうですか。
○高木説明員 いまの紺野委員のお尋ねは、国鉄の基本的資産である線路とか駅舎とかいうものについては一般会計から出して、そしてそれはもう償却対象にしない計算にしたらどうだということだと思いますが、その場合は、理論的にはそれは出資というよりはむしろ補助金という形で、出資と言う以上は資本として残るわけでございますから、一般会計と公企体との関係ではその出資額を食ってしまうわけにはいかないわけで、出資という形で出ましても片一方でやはり償却はしていかなければならないたてまえで、出資をしたが何年かたったらそれが償却をしませんとなくなってしまうというか、ゼロになってしまうわけでございますから、もし御趣旨のようであれば、言葉を正確にすると言いますと失礼でございますが、正確にするために申し上げますと、出資という形でなしに、もう返さなくてもよろしいという金をいただきませんとだめなわけであります。その意味では出資という概念よりは補助金といいますか、何かそういう形でいただかないと償却しないでもよろしいということにはならないだろうと思うわけでございます。 出資でありましたならば、やはり、片一方の勘定では見合いとしては出資が資産として出てきますから、それは償却していかないと、出資していただいてもいつか解散するときにお返しができないというかっこうになるわけでございます。ですから、御趣旨のようにするためには出資ではなくて補助金にしなければならぬということだろうと思います。
○紺野委員 そのように政府の金を、利子のつかない、あるいは返却しなくてもいい、あるいは償却の上でも過大な負担をさせないといういまの補助金のようなものにすれば——要するに政府の金をそういう合理的な形でやるとすれば六兆八千億のようにふくれないで、これがいまの計算だけで概算しても四兆五千億あるいはそれ以下ということになると思うのです。でありますから、今後とも建設費を政府の補助金というような形にして、その上に長期負債に対して今度やったような二兆五千億の肩がわりをするというふうなことをもし加えてやるならば、国鉄の基本的な財政の仕組みという点においては、ほとんど二兆円ぐらいの長期債務が残るだけになるのじゃないかと思う。 いままでの四年間の経験を振り返ってみて、基本的にはその方向に道をとるべきであり、そうする方が国民にいろいろの巨大な負担をかけることをしないでも済むし、中の仕組みそのものの合理化によって経営の破綻に追い込まれることがないと思うのですが、そういう考えはどうですか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○高木説明員 私からお答え申し上げるのは適切かどうかわかりませんが、現在の仕組みでは、たとえばもろもろの公共投資の中で、いろいろな治水事業でありますとか道路事業の主要なものでありますとかいうものについては一般会計で、主としてそういう形でやっておるわけでございます。ところが国鉄の場合にはもう鉄道省の時代から、基盤的な工事費といいますか、そういう資産を含めて独立採算でやるというたてまえになっておるわけであり、公企体になりましてもその点は変わっていないわけでございます。 ただいま御指摘の点は、そういうふうにすれば国鉄の経理がよくなる、よってもって運賃を上げなくても済むではないかという御議論だったといいますか、そういうことだったと思いますが、論理はそのとおりでございますけれども、全体のたてまえ論といたしましては、輸送サービス業としての国鉄の経営のあり方という点から申しますと、その最も基盤的なものを一般会計から援助していただくという行き方は、先般来運輸大臣も御答弁になっておりますような、現在の国鉄のたてまえである独立採算の原則を志向してやっていくのだという基本原則からはずれてくるわけでございます。 そこは国鉄全体の組織論と言うよりはむしろあり方の基本問題でございまして、いまのところは、それを運賃と関係なく一般会計でいただくというのでは本来の意味の独立採算から完全に離脱をするということになりますので、私ども経営に当たります者自身の立場といたしましても必ずしも賛成いたしかねるというか、そこまで落ちぶれたくないという感じがいたすわけでございます。
○紺野委員 確かに合理的であるという点はいま総裁が認めたと思うのですが、問題は独立採算性の現在のたてまえですね。それを変えなければそれはできない。だから、いま必要なことは、その独立採算性のたてまえを改革することです。決して落ちぶれたからというのではなくて、正しい方向に前進するためにはむしろそこを突破しなければだめだということであります。これは後の経営論とも関連しましてもう一度立ち返りますけれども、いずれにせよいまの制度は非常に不合理であり、やり方、仕組みを少し変えれば蘇生が可能であるということを示しているわけなんです。 それと関連してお聞きしたいのは借金の内容でありますけれども、長期債務の内容についてお聞きしたいと思います。特にお聞きしたい点は鉄道債券の額と、それからその内容で、イとかロとかハとかいうふうなことではなしに、だれがどのくらい持っているかということですね。特に、市中銀行あるいはその他の政府関係の銀行にせよ、銀行が大体どれくらい現に所有しているかということと、大手の建設業者やその他の大企業が持っていると目される鉄道債券はどれくらいか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○馬渡説明員 鉄道債券の内訳といたしましては、政府で引き受けていただきますものと、それから政府の保証のございます政府保証債と、そのほかに自己調達と申しておりますが、いま先生からお話のございましたような金融機関あるいは関連会社、地方公共団体あるいは国鉄の共済組合というようなところに引き受けてもらっております自己調達債がございます。 実績がはっきりいたしております四十九年度末において一応残高として約二兆ございますけれども、そのうち一兆五千億というものが自己調達の残高として残っております。そのうちの約一兆が金融機関でございまして、その他関連会社が約二千百億程度でございます。 これは引受先で申し上げたわけでございますが、債券の性質上転々と変わるということでございまして、ただいまどういうところでその債券が保有されておるかということはちょっとわかりかねるわけでございます。
○紺野委員 二兆円の債券のうち少なくとも一兆五千億円は自己調達で、その中で金融機関が一兆円で、関連会社が二千百億ということですが、つまり、こういう借金でつくる巨大なシステムの中で大きな利益を得ている者という側から見ますと、大銀行が一兆円貸しており、この利子は大体八%か九%ぐらいじゃないかと思いますが、そうすると銀行の利子だけでおよそ八百億ないし九百億である。それに、共済組合なんかは別として、そのほかのいろいろな関連会社の二千億の金を入れれば、これらの大手の会社や特に銀行に対して一年間に概算で一千億の利子が入っていくということになると思いますが、どうですか。
○馬渡説明員 引受先でそのまま持っておりました場合にはそのようになるかと思いますけれども、先ほど申しましたようにただいまはそれが流通をいたしておりますので、そこにそのまま入るということではないと存じます。
○紺野委員 だから、そういうように見ると事のあいまいさに通じてしまうのだけれども、とにかく、その他いろいろと地方団体等が持っているもので銀行のもとに戻っているものがかえって多いと思うのですね。だから、少なくとも引き受けのときの一兆円よりも決して少なくはない。むしろ転々として銀行の手に渡るものが多いと見られるわけです。 それについて、それを現在だれが持っているかということの資料をもらいたいと思うのですが、これは後で答弁してください。それと、大体一千億円ぐらいの金が大手の銀行を中心とするところに入っているということはどうですか。その点を明らかにしてください。
○高木説明員 私も鉄道債券のことはまだよく存じませんが、一般的に債券でございますから、金融機関の方の統計なり決算なりを見れば、ある期ある期の残高で鉄道債券を幾ら持っているかということはあるいは統計表上出ておるかもしれませんけれども、これはむしろ金融行政上の統計の方からつかめるかどうかという問題でございまして、私の方は金融機関にお願いして余り喜ばれないものを引き受けていただいておるわけでございまして、それがそこから先にどこに行ったか、金融機関はそれをだれに売ったかということは、債券でございますから転々と日々流通しておりますので、うちの方で調べるのはちょっと困難ではないかと思います。 しかし、御趣旨でございますので、何らかの方法で調べ得るかどうか、鋭意努力はいたしてみたいと思います。
○紺野委員 それではそういうことにしますが、いずれにせよ一兆円ぐらいの金だから、毎日三億ぐらいの金を国鉄は日銭として銀行その他に運んでいるということになっているわけです。だから、縮図的に言うと、レールは借金でつくり、利子の列車が走って、終着駅が銀行というふうな性格があるということですね。独立採算制のもとでそれを強いられてでき上がった体質でありますけれども、国が財産をつくって、そこを勤勉に走って出た利潤というものは必ず国鉄の中に積み立てられていくという制度にどうしても変えなければいけないということ、それ以外に本当の解決の道はないのではないかと私は思うわけなんです。そういう点で第一問は終わります。 それから、その次の問題といたしましては、十カ年計画というものは十年間に四回の値上げ法案であったわけですが、この設備投資の内容について計画があったわけなんです。それは主として新幹線を中心とした高度成長政策に合わせたところの計画でありまして、新幹線が四兆八千億、その他の幹線については三兆五千億、それから通勤その他の都市関係の建設費が七千億、公害その他が一兆五千億となっていたと思いますが、そのときの構想は新幹線七千キロをつくるということが思想としても計画としても根幹にあって、それがだめで、いまやこの計画をやめて二年計画になったとすれば、この工事計画、設備投資計画というものは御破算になったのか、それとも実存しているのかどうか、それを聞かせていただきたい。
○住田政府委員 これまでの再建計画では、いま御指摘のように十年間で十兆五千億の投資をすることになっておりまして、その内訳は新幹線が四兆八千億、在来線が五兆七千億円ということになっておりますが、今回の新しい再建に当たりましては、当然のことながら従来の計画はなくなっているわけでございます。 今回の新しい計画の基礎といいますか、今度今月の十四日に閣議了解されました新しい経済計画の中で国鉄の投資が決められているわけでございまして、この投資計画の内容はまだ最終的に固まっているわけではございませんが、大体五年間で五兆九百億円程度の投資をするということを考えております。しかし、先ほど申し上げました十兆五千億といいますのは四十七年度価格で計算いたしているわけでございますが、いま申し上げました五兆九百億円というのは五十年度価格でございまして、四十七年度価格と五十年度価格の間では七四%ほど工事費等が値上がりいたしておりますので、いま申し上げました五兆九百億というのは十兆五千億と比較いたしますと実質的には三兆を下回る程度の数字ではないかと思います。したがって、従来から見ますと工事規模はかなり縮小しているということでございます。 また、内容でございますが、この内容も最終的に固まっているわけではございませんけれども、五兆九百億のうち新幹線は一兆五千億程度を考えております。したがいまして、在来線の方が三兆五千億ないし六千億に近い数字になります。したがって、新幹線計画も従来とは大幅にトーンダウンしたといいますか、テンポを緩めて考えているわけでございます。
○紺野委員 そうすると新幹線計画は、何遍も鉄道建設審議会でわれわれは押しつけられて反対したのですが、ああいう無謀な計画は一応たな上げですか、どうですか。
○住田政府委員 いま申し上げました新幹線計画では、現在工事をやっております東北新幹線、上越新幹線あるいは成田新幹線等の工事費のほかに、すでに整備計画まで決まっております工事費の一部が入っているわけでございます。 今後新幹線をどういうふうに整備していくかにつきましては、新しい第三次の全国総合開発計画の中で決めたいと考えております。
○紺野委員 では、その次の質問ですが、運営に関係する問題で、まず貨物輸送についてお聞きしたい。 見るところ、昭和四十八年からの貨物の収入はほとんど停滞状態で何ら伸びておらないのですね。これはまさに驚嘆すべきことでありまして、方針上に根本的な誤りがあったのではないかと思いますが、どう思っておりますか。
○木村国務大臣 国鉄の貨物輸送量がずっと減ってまいった原因にはいろいろあると思いますが、しばしば御意見が出ておりますように、道路の整備が非常によくなりまして自動車輸送がふえてまいったということが一つの大きな理由になっておると思います。それから、同時に、自動車は戸口から戸口への輸送ができるわけでございますが、鉄道輸送によりますとそうはいかない、末端は末端として別の小運送でやらなければいかぬ、途中ヤード等でも停滞するというふうな、そういう速達という点から言いましても違ってきております。 それから、従来は遅いなら遅いなりにその遅さを是認して、それでも間に合って、料金の上でよろしければその需要はあったわけでございますけれども、特に最近違法スト等が頻繁に行われまして、国鉄に頼っておったのでは大切な物がお客さんのところへ計画的に届かぬというふうなことから、鉄道離れという傾向も非常に強く出てまいっておりまして、それから、貨物の輸送全体がいまのように自動車あるいは海運等輸送構造の変化があったわけでございます。それに対応して鉄道といたしましても適時に適切な輸送改善対策を進めていけばできるだけの防止はできたわけでございますが、努力はいたしてまいりましたけれども、顧みて必ずしも対応が十分ではなかったということといろいろな条件が競合いたしまして現在のような貨物輸送のシェアになっておるわけでございます。 そこで、今回は、将来にわたってこれをどう見るかということについても専門家なりいろいろな方の意見もいろいろと聞いたわけでございまして、それらも総合いたしまして努力はしますけれども、結果としては、現状以上に、昔のように鉄道貨物が集中するということも非常にむずかしかろうというような前提で今後の貨物輸送計画を考えておるわけでございます。
○紺野委員 私は、いまのお話を聞くと二つほど大きな問題があると思うのです。 その一つは、自動車に敗北するという敗北感、敗北主義があるということですね。貨物のシェアは自動車は現在三五%です。鉄道は一四%弱ですよ。海の方は五一%ですが、そういうことで、自動車が三五%、鉄道が一四%はもう宿命であるというふうに言っておりますが、これについてはやはり敗北主義があるということか、なぜそうなっているのかということについては後で触れたいと思いますが、もう一つは、現在までの国鉄は非常に気負いまして、三年前にも、われわれは世界一の列車をつくるのだ、新幹線もそうだし、その他すべてそうだ、物資別輸送あるいは中長距離大量輸送、都市間輸送、大都市圏輸送というふうなことでバラ色に夢を描いて洋々たるものであるというふうなことを言っておったが、三年たってみるとしょぽんとしているのですね。さぞ当てが外れていると私は思うのです。そういう点に根本的な考え方の違いがあったのではないかと私は思うのです。 第一、あのときにはもう見るもいやらしいような形でやっておりましたものとして、小さな駅は無人化だ、それから荷物駅はもう捨てるのだというふうにしてばっさばっさと切ってきたのです。小口貨物などは余り大したことはない、大量の物資別輸送に適合しないようなものはもうできるだけお断わり申し上げるのだというふうにやってきた。漁業や畜産や地方の地元産業とかいうものがそれほど大量なものを持てるわけじゃないが、それぞれの生活と密着したこれらの輸送物資を軽視して、大企業あるいは大量の輸送貨物だけに限定するような方向をとったということですね。これが大きなそごを来しておるのじゃないかと私は思う。高度経済成長政策が一定の限界にぶつかって、捨ててしまったものがどんどん自動車に拾われてしまうというふうなことになり、そういう点で方針上に国民的な貨物についての軽視があったのじゃないかと思うが、この点はどうですか。
○木村国務大臣 貨物につきましては輸送構造の変化というものが確かにあるわけでございますし、また、そのことの事実を認めて、その前提に立って考えなければいけないと思うわけでございます。そうしますと一方において貨物は減っていくが、しかし、できる限り国鉄によっても貨物を輸送しなければならないということと同時に、輸送構造に対処するためには、鉄道の扱う貨物そのものの内容あるいは輸送の体系も逐次変わってくるわけでございますので、それらを考えながら一方においては合理化等も考えなければいけないということで、貨物の駅の廃止とか統合、集約ということもあわせて進めておるわけでございまして、これから先の国鉄の貨物輸送体系がどうあるべきかということを常に考えながら集約化等もやらなければいけないと思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、貨物を輸送するのに国鉄にこれを求めるという、その必要性の範囲がどうであるかというふうなこともこれからはよく検討していかなければならない問題であろうと考えております。
○紺野委員 それで、最初にお聞きしたいのは、無人化駅は何ぽかということと、それから荷物取扱駅を廃止したところは幾つかということ、これをちょっと聞きたいと思います。
○吉武説明員 お答えいたします。 無人化駅についての最近三年間の実績は、昭和四十八年度が八十一駅、四十九年度が二十九駅、五十年度が七駅、合計百十七駅でございます。 それから貨物集約につきましては、最近三年間におきましては、昭和四十八年度に百二十三駅、四十九年度に九十二駅、五十年度に五十四駅、合計二百六十九駅でございます。
○紺野委員 それで、この間村木参考人も言っておりましたけれども、無人化駅を中心としていまでは非行が盛んにふえているとか、あるいは無賃乗車が非常にふえているとかいうことが調査の結果わかっているということで、これは非常にマイナスになっているのじゃないかということを言っておりましたが、これはどうですか。 それから、荷物取扱駅を廃止したところが約二百七十ぐらいだということですが、こういう切り捨てによって切り捨てられた駅の貨物はどういうふうに処理されているのですか、調べましたか。そして、何トンぐらいのものがそれで離れたと見られますか。
○吉武説明員 無人化によりまして青少年の非行化の巣になっておるのじゃないかというふうな御質問だと思いますが、停留所化された後の駅舎につきましては、巡回保守等によりまして清掃管理に留意をいたしておりまして、青少年非行化の犯罪の場にならないように巡回をいたして万全を期しておるわけでございます。 それから、無賃乗車等につきましては、車掌によって集札をやるとか、あるいは集札箱をつくるとか、あるいは特別改札を行うとか、そういうことで極力無賃乗車のないように処置をしておるわけでございます。 それから、貨物の集約のことでございますが、貨物駅を集約いたしますとその駅では取り扱いをやめますが、その隣接の扱っておる駅に持っていけるように設備を行うとか、そういうふうな処置でやっております。 ただ、そのトン数につきましては、ただいま現在どの程度あるかは持っておらないのでございます。
○紺野委員 これも、何ともはや非常に甘いんですね。だからそういうことでどんどん減ってしまうわけですね。 それで、その荷物駅の廃止の駅名と、いままでそこで扱われておった荷物の種類やらトン数、そういうものをひとつ資料として出してください。 それからお聞きしますが、今度は非常に力を入れてふやしたものは何かということですが、前に比較して増加したと思われるもののすでに実績でわかっている品目と、それから減っている品目とをちょっと知らせてください。
○住田政府委員 国鉄の貨物で従来から減っているものとふえているものとあるわけでございますが、減っている方の大きなものといたしましては木材と石炭、それから冷凍魚、鮮魚等でございます。 それから、非常にふえておるものといたしましてコンテナがあるわけでございますが、そのほかに石油、化学肥料、紙等は若干ふえております。
○紺野委員 いまのように国民にとって必要なものが大体を言って減ったんです。米は大量の政府管理の米ですから、自主流通米はどんどん自動車に行っているそうですか、政府米の方は大体九〇%ぐらいやっておる。しかし、農山漁村に関係する鮮魚と冷凍魚が十九・九億トンキロから八・二億トンキロ、それから木材が四十三億トンキロから十八・四億トンキロというふうに下がっている。こういうふうになっているが、実際にふえているものは自動車、石油、化学肥料、紙、コンテナなどですね。こういうふうに見ると、あなた方国鉄は大企業のためのものではないと言っているけれども、大企業のものが非常にふえたのですね。画期的にふえたのです。パーセンテージで言っても七割から半分ぐらいは国鉄の方をこれらは利用しておりますが、減っているもの、国鉄から離されたものは野菜、果物、水産品、繊維加工品、木材等みんな地方産業であり、そして農、漁及び畜産ということでありますから、高度成長時代のこれらの高度成長品目に全力を投入したということは明らかで、その裏目に国民の生活本位のものが冷遇され、国鉄から離れたということなんですね。これはもちろん自動車の輸送の特徴というものもあると思いますけれども、そういうことで、国鉄の運営方針が余りに明らかに国民の物資を輸送するという点から逸脱しているということですね。それが低成長時代のようなときに来ると全面的に窮屈になってしまって、自分が天につばするみたいな形で自分のところにはね返ってくるということすら起きてきているのだと思うのです。 そのことについて、現国鉄の技師長の瀧山養という方が前に、「小口貨物のサーヴィスの悪さが国鉄の内部にあっては小荷物への転嫁を促し、外部にあって貨物自動車進出の好餌となっている。採算が合わないからといって部内でも小口貨物を見放す思想があるが、こんなことを続けていると、やがて小口貨物だけでなくて車扱貨物をも失う危険がある。」ということを指摘している。そのとおりになってしまう。車扱いの輸送というものががくんと下がってどんどん減退してしまっている。ですから、貨物輸送は明らかに落ち込むべくして落ちたもので、これは方針上の誤りがあると思うのです。 つまり、モータリゼーションの影響というものと別に、国鉄自身の国鉄運営方針の中に、国民の側に立ってもっと独自にやるべきことがあるのではないか。北海道や九州あたりに行くと畜産の基地がたくさんできていますが、そういう畜産物がもっと便利にどんどん運ばれるような冷凍車をどれだけつくったかというと、そういうようなことについてはやはりやっていないのですね。肉にしても、牛乳にしても、魚にしても、野菜にしてもそうです。もっと安直にこれらをどんどん国鉄にほうり込んでいけるようなことはできないものか。そしてコンピューターで何らかの整理をして、ちゃんとしかるべきところにそれを生かしていくという、そういうことから逸脱しているということですね。物資別輸送とか何とかというふうに単純化されていっていることが、国民からいただくことのできる貨物運賃の収入というものをみずから制限したことになったのではないか。 このような点について大臣の御意見を聞かせていただきたい。
○木村国務大臣 私は紺野委員の御意見に必ずしも賛成できない点があるわけでございます。やはり、他の競争貨物輸送交通機関というものが強化され、あるいは変わってきております。いわゆる貨物における輸送構造の変化というものがあるわけでございますから、したがって、国有鉄道の貨物が、いわゆる一般国民生活に直接必要なもので、他の交通機関がそれにかわって輸送し得るものでも何でもとって送らなければならないということはあり得ないと私は思うのです。他の輸送機関に利用者が頼むことが利用者の利益になればそれに頼めばよろしいのでありまして、それをどんどん国鉄が全部とって送らなければ国鉄の使命を果たせないというものではないと私は思っておるわけでございます。 それから、たとえば化学製品であるとか、油であるとか、紙であるとか、そういう大企業に奉仕する輸送に偏したという御指摘でございますが、これまたその輸送構造の変化から見まして、国有鉄道の貨物輸送体系がそういう貨物輸送を引き受けるのに適しているというか、そういう輸送機関としての使命を持っておるからそうでございまして、それらの原材料はすべて国民の日常生活に絶対必要な物ばかりでございます。何も鮮魚とかいったものだけが国民生活に密着したものではなくて、基本的に国民生活に必要な基礎物資的なものを送っておるわけでございますから、そういう意味で、輸送の物体を見まして、それが大企業のための輸送であるとかないとかという議論は、私はちょっと紺野委員の御説には賛成しかねる点があるわけでございます。
○紺野委員 私の聞いているのはこういうことなんです。つまり、ふえたものがそういう大企業の工業製品であり、他の生鮮物資、つまり、野菜類、果物、水産物、畜産物、木材あるいは繊維加工品というような、庶民の生活にもっと密着したものは国鉄に適していないと考えているのですか。それとも、大いに適している、さあいらっしゃいいらっしゃいという考えですか。どうですか。
○木村国務大臣 これは荷主の選択によるべき問題でありまして、私が申し上げておるのは、他の輸送機関に頼って送ることができるものまで国鉄がそこのけそこのけで、送ってやるからおれの方によこせという性質のものではないということを申し上げておると同時に、そういう国民の生活に直結した物資が他の輸送機関によっても送れなくて困っておるというふうな場合にはもちろん国鉄が送るべきである、と、こういう考え方で申し上げておるわけでございます。
○紺野委員 それはやはり自動車からの、貨物からの非常な後退ですね。ある意味においては撤収作戦だ。そういう危険な方針だと私は思います。だからこそ国民の必需物資の生鮮食品や畜産とか漁業関係や何かがどんどん国鉄から自動車に行ってしまうので、それは当然だと思うのですね。 私はお聞きしたいのですが、大きく言えばそれは政府のある圧力がかかっているのじゃないかと思うのですね。国の政治の中で方針を決定するところにおもしが別にかかっているのじゃないか。たとえば自動車工業会というものからどれだけ自民党が政治資金を最近受けているか、ひとつ、四十四年ごろからの調べたものがありましたら知らせてください。こういう数字は堪能であるであろうから、政治献金がどれだけ自民党に来ているかですね。
○江藤委員長代理 だれに答えさせますか。
○紺野委員 運輸大臣か、またはその他の知っておられる方に……。
○木村国務大臣 そういうことは私の方で調べようと思えば幾らでも調べられますけれども、いまここで調べて御答弁できるような資料も持っておりません。 それから、そういう業界からの政治献金というものは確かにありますが、それだから政府が国鉄へ命令して自動車でどんどん送らなければいかぬぞというふうな指導をしたことは一遍もございませんし、また、そういうものとは全く関係のない、輸送そのものの実態としてこれは論議すべき問題であると思うわけであります。
○紺野委員 大臣、いまの問題についてはここに資料がないからということですが、これについては保留して……(発言する者あり)まあ、では皆さんのたっての御要望のようですからあれしますが、これはわれわれも調査が不十分なんです。だから、これについての正確な調査資料をぜひ出していただきたい。われわれの雑駁なあれからいっても、国民協会に対して出されました日本自動車工業会の政治資金はこうなんですよ。昭和四十四年七月に三百万、それから十一月に一億二千万、十一月にまた一億、それから十二月に三億四千万、それから四半期ごとに三千六百万、合わせて大体六億円以上です。それから今度は四十六年は、三月に三億九千万、十一月に一億円、四半期ごとになお三千六百万、だから大体五億以上ですね。それから四十七年十月に三億円、十一月に四億五千万、四半期ごとに三千六百万。それから四十八年六月に三千五百万、六月にまた五千万、四半期ごとに七千二百万、これもやはり五億円かそこらになると思います。それから四十九年も、三月に四億八千万、四半期ごとに五千四百万、だからやはり六億かそこらになる。十億近い金がそのほか派閥にずっと来ているんですね。派閥の大将に入っているようであります。大臣、こういうことで、まさに自由民主党は国民協会を通じて年に十億ぐらいのものをもらっている。これは黒いピーナツだか何だかわからない、白いピーナツかもしらぬが、とにかくそういう献金を大量にもらっているということなんです。 それから、もう一つお聞きしたいことは、政府の道路整備五カ年計画というやつなんです。道路に対してはどんどん国費を投入しております。これは第一次から二次、三次、四次、五次、六次、それから今度の第七次の計画まで合わせますと、時間がないからこれは私の方から言うけれども、全体としていままでに大体九兆八千三百九十五億円の国費を投入しております。それに対して国鉄にいままで金をくれたのは一兆三千五百五十三億である。これはいろいろな利子補給やその他を含めたものでありますけれども、出資としては約四千五百億であったことはこの前から明らかであります。四千五百六十億円です。その他すべてを合算しても、一次からずっといままで有史以来で一兆三千億で、道路に対しては約十兆円、こういう開きがある。国の資金を渡す場合に、これは高木総裁からも話がありましたけれども、いろいろな仕組みが考えられているにせよ、いずれにせよ、これだけのものは大体言って自動車のためのロードですよ。それが全部がそうだとは言いませんけれどもね。そして、こういう手厚い育成の結果として、自動車産業は今日年産七百万台ですね。そして保有台数は二千八百万台ぐらい保有していると思います。急上昇でこういう状態になったわけでありまして、こういう点を見て差があると思いませんか。 こういう政治の大きな根本のところで国鉄は非常にアンバランスである。自動車輸送や自動車産業に対するいろいろの便宜を与えていることと関連してみれば、国鉄に対する独立採算制といい、補助金やその他の出るものが少ないことといい、これは明らかにアンバランスであるというふうに思われませんか。この点は大臣と高木総裁から伺いたい。
○木村国務大臣 先般もそのことで話が出て答弁もあったのでございますが、道路整備の国費というものは、国費と一言で言ってしまえば政府が全部金を出しておるというふうに受け取られるわけでございますが、その財源は、燃料税を中心といたしまして、自動車関係の諸税、つまり道路を利用する自動車関係から税金を取った、その税金で支弁をしておるということになっておりますので、鉄道の場合の、鉄道を利用されるお客さんからもらった運賃収入で支弁するということと考え方としては大体同じように見られるものではないかと思うわけでございます。 もう一つは、少し前でございましたか、先般の紺野先生の御質問の中に、政府が出資をふやすとかあるいは補助金をふやすというふうなお話が出ましたときに、そういうことをやれば国民に負担をかけずに済むではないかという御質問がございましたが、これは私はちょっと考え直してみなければいかぬと思うわけでございまして、結局、出資もお説のように減価償却もしないで出しっばなしということになると補助金と一緒になりますが、これらの出資でもあるいは補助金でも、すべてこれは国は税金から払うわけでございますから、つまり、国鉄の経営に必要な費用をどこからひねり出すかということで、直接国鉄を利用されるお客さんの運賃収入でやるのか、あるいは一億の国民全般から一人頭幾らで取った税金でやるのかということの違いでございまして、その点から考えますと、国有鉄道のような鉄道事業というものは、経費の支弁を、国の援助と、利用するお客あるいは荷主からの運賃としての収入とどの程度のバランスをとってやるべきであるかということの判断、調整が一番問題であるわけでございますが、これはもちろん公共企業体でございますし、独立採算制を指向するという根本理念がございますので、この根本理念を前提にしてこの点も考えなければならないわけでございます。 そうしますと、その独立採算を指向するといういまの公共企業体の制度を根本的に考え直さなければいけないではないかという議論にさかのぼるわけでございますが、たまたまスト権問題に関連しまして現在政府がいろいろと検討をしてもらおうと思っております問題の中にも、こういう公共企業体そのものの経営のあり方の本質までさかのぼって検討してもらおうということになっておりまして、いずれそういう問題につきましてもしかるべき答申なり意見が出まして、それを参考にして政府は検討をいたすということになっておるわけでございますので、その点も申し添えておく次第でございます。
○高木説明員 私も、大蔵省におりました当時に予算あるいは税を通じまして道路あるいは国鉄のことにいささか関係がございましたので申し上げさせていただきますが、確かに戦後道路に非常に力点が置かれたことは御指摘のとおりだと思います。そのために、いろいろの御意見がございましたが、ガソリン税あるいは自動車重量税というような新しい税が戦後設けられまして、それを主たる財源として道路整備が行われてまいったことは御承知のとおりでございます。そのような特別な税制度まで設けまして道路を整備いたしましたのは、やはり、日本の道路は諸外国の道路と比べまして著しくおくれがあるという認識に立っておったわけでございまして、それが数次にわたる整備計画の結果かなりの水準に達してきたということでございます。そのあふりが国鉄に及んでいることも事実でございます。 現在の段階でどういうバランスでどうあるべきかということは、政府の段階もしくは国会の段階で十分御議論いただきたいと思うわけでございますが、今日まで道路の整備が進められてまいりましたことにつきましては、私は、やはりそれはそれなりに十分理由があることであったということと同時に、これからは現時点においてまた考えていただきたいというふうに考えております。
○紺野委員 それで、一般会計の方からも二兆円以上出しているのですね。ですから、やはり国鉄に対するものの倍ぐらい出しているのですよ。そのほか特定財源に基づくものは七兆七千億ということですが、いずれにせよ自動車関係には政策的に大きな援助を与えたことは事実でありまして、それに対しては国鉄は見るも無残ですね。当事者能力がない。国鉄の皆さん方が一生懸命努力しても、国鉄の当事者能力がゼロだというふうな状態のもとに独立採算であくせくするという、この背景がやはり大きく自動車に差をあけられてしまっている原因である。一三%、一四%にくぎづけされて、それも何ら保証がない。もう自動車は自由にやってくれというふうな形でこうなっている。 そういう点で二点についてお聞きしますが、一つは、最近政府は運輸大臣の諮問機関である国鉄再建問題懇談会の中で貨物輸送についての討論が行われたというふうに資料をもらっておりますが、その中で不思議に思うのはC案ですね。C案は貨物を放棄せよという極論じゃないかと思いますが、それについて知らせていただきたい。 それから、それを裏づけるものとして、国鉄のシェアが過度なモータリゼーションによっていつ逆転したかということです。私たちは自動車をすべて否定するわけじゃありませんが、しかし、過度の自動車化、無秩序なモータリゼーションの結果自動車と鉄道のシェアがいつごろ逆転したのかという点です。 この二点について知らせていただきたい。
○住田政府委員 最初に、国鉄とトラックのシェアの変化について申し上げますが、昭和三十五年度の国鉄とトラックのシェアの比は七十二対二十八であったわけでございます。それが昭和四十年から四十一年にかけまして逆転いたしまして、昭和四十七年には、国鉄とトラックの比が昭和三十五年のちょうど反対で、国鉄が二十八、トラックが七十二ということになりまして、そのあと大体安定して推移いたしております。 それから、最初の方の御質問でございますが、大臣の私的懇談会におきましてはいろいろな意見が出たわけでございます。その中では、今後はやはり国鉄の貨物を大いに伸ばした方がいいだろうという御意見もありましたし、また、今後は大体横ばいあるいは微増程度で推移するのが妥当ではないかという御意見もありましたし、非常に極端な御意見として、国鉄の貨物というものはやはり競争力が非常に弱い、したがってむしろトラックの方に任せた方がいいのじゃないかというような御意見もあり、したがって国鉄の貨物は今後相当減るだろうというような見通しを立てられた方もおったわけでございます。
○紺野委員 それから、西ヨーロッパやアメリカでのことを知らせてください。これはもちろんいろいろな事情の差はあるにせよ、あちらの自動車と国鉄のシェアを知らせてください。
○住田政府委員 ヨーロッパの鉄道とトラックのシェアでございますが、イギリスの場合が日本と比較的近い数字を示しておりますが、鉄道が二〇%、トラックが八〇%ということになっております。それから西独の場合は、これはトラックが五十キロメートル以上だけを計算いたしておるわけでございますが、鉄道が五五%、トラックが四五%でございます。それからフランスの場合には鉄道が四五%、トラックが五五%でございます。 それから、ヨーロッパではございませんが、アメリカの場合には鉄道が六三%、トラックが三七%でございます。 いま申し上げました数字は、それぞれ各国の統計のとり方が違っておりますので、同じベースで計算されているわけではございません。 それから、一つつけ加えさせていただきたいと思いますが、ドイツ、フランスの場合には、国鉄の貨物と旅客のシェアを見ますと、貨物がドイツの場合は六〇%ぐらい、フランスの場合には六五%ぐらいでございますが、その運んでいる貨物は、石炭とか鉱石とか、そういう大量のいわゆるバルキーカーゴーが多いわけでございまして、トラックに転移しにくい貨物、鉄道でなければ運べない貨物が非常に多いということでございます。
○紺野委員 そういう点からしても日本は余りに浮ついているのですね。つまり、石炭のときにもエネルギー斜陽論というようなことで石炭からあたふたと撤収して石油に移ってしまった。それで、九〇%が石油に移ってしまって石炭はつぶれてしまうとか、それに関連してせっかくのお得意である国鉄もその点では大幅に減ってしまうことになるとか、そういうふうなことがあった。ヨーロッパやその他では、また、アメリカだって、石炭についてちゃんと相当の水準で持っているのですね。そういう点も反映していると思います。 〔江藤委員長代理退席、委員長着席〕 自動車というとそういう点でもちろん便利なことがあるわけですけれども、これと鉄道との間に合理的な相互関係というものをつくることができるし、やはりそうしなければならない。一四%なんというシェアで、これが天命であるかのように言うということは大変な誤りだと私は思うのです。 そういう点で、国鉄の輸送というものが国民に必要なものだということをもっと——つまり、自動車でもできるんじゃないかということを大臣は言っておりますけれども、農民あるいは地方の産業にとっては、鉄道輸送というものは非常に大切な唯一の機関である。これは秋田県の知事も言っている。自民党の知事ですけれども、その人すら言っているのですね。地方にあっては、特に積雪地帯などにあっては鉄道が唯一の機関だと言っているのです。そういう点から言っても、こういう自動車に対しては適当な規制やあるいは誘導をやって、大もとのところで国鉄の国民本位の輸送ということに政策的にももっと力を入れてやってもらいたい。 また、人の点でもそうです。乗用車がいまでは鉄道やその他よりはるかに多いシェアを持ってやられている。明らかにこれは一つの過飽和状態であって、そういう乗用車の点についてもいま総量規制が叫ばれている状態であります。そういう点から言って、やはりシェアを整え、そして国民の必要とする貨物を——ここの中川委員長なんか北海道の酪農地帯の出身者でありますけれども、あそこから牛乳を安く東京にどんどん持ってくるというような設備を主張しているのじゃないかと私は思うのだが、聞いたことがないのです。 私は北海道を代弁してでも言いたいが、そういうものに本当に役立つような特別な設備にもっと投資したらどうか。漁業のための冷凍車とか、肉牛やその他についてもそうするとか、こういうふうな投資面について、自動車と張り合うとかなんとかというのじゃなくて、国民の生活にとって必要なものをもっともっと重視して投資するというふうなことにしてもらいたいと思いますけれども、方針的に言ってもそういう面を積極的な姿勢で開拓するということはどうですか。この点については大臣と総裁のお二人の御意見を承りたいと思います。
○木村国務大臣 国鉄の輸送によってそういう地方の方に非常に大きなメリットがあるということが必要なことでございまして、そのために国有鉄道はあるわけでございますから、いまお話しのような点については努力をすべきでございますし、また、国鉄が独立採算制を指向するというたてまえからいたしましても、できるだけサービスをよくすることによって、他の輸送機関で送っておるそういう貨物を国鉄で送るようにしてもらえれば国鉄としても天変結構なことでございますから、さように努力すべき問題であるということは基本的には変わりはございません。そういうことでございます。
○高木説明員 貨物見直し論をいろいろ御提示をいただいたわけでございますが、私どもまだ不勉強でございますが、そういう点も私自身も少しよく勉強してみなければならぬと考えております。きょうのお話をいろいろかみしめてみたいと思っております。
○紺野委員 まだたくさんあるのですけれども、この辺できょうは一応終わります。
○中川委員長 石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 国鉄問題の質疑をこれから行うわけでございますが、まず最初に大臣と総裁にお伺いしたいわけです。 会期末になりまして、新聞等の報道によりますれば、会期延長がないということはすでに与野党の合意事項となっておるし、参議院の河野議長も、本質的には会期延長なし、それから財特法については継続審査、値上げ法案は断念という、その方向で了承しているというようなニュースが伝えられております。それに伴って、政府は、仲裁裁定が出されても国鉄、電電についてはベアに応じないという態度を最終的に確認しておる、あるいはまた赤字経営を続けている国鉄に対しては夏期ボーナスの凍結もやむを得ない、それから工事の延期も検討している、と、そうようなことが報道されておるわけでございますけれども、もし償与の凍結等ということになりますれば国鉄においては組合との協調関係というものは極端に悪化をするであろう、破局的なところまで追い詰められるのではないか、こういうふうに私は思うわけでございます。また、国鉄当局におきましては夏のボーナスを資金運用部資金から借り入れを行いたいというような希望などもあるようだというふうに報道されておるわけでございますけれども、もし、この新聞報道のとおり値上げが今国会でできないということになりますれば、この問題の結論をどうつけようとしておられるのか、まず国鉄総裁からお伺いいたします。
○高木説明員 私どもといたしましては、あくまでも当初にお願いしておりますとおりに法案を通していただきたいということでございますけれども、それは国会の御都合のことでもございますので、片方においてもしうまくいかない場合があった場合にはどうするかということについて内々検討はいたしております。 その場合には御承知のとおり一カ月平均五百三十億、十カ月で五千三百億の穴があくわけでございますが、この穴があくという意味が二つありまして、一つは損益面でつじつまが合わなくなるということと、もう一つは資金面で不足を来たすということでございますが、いま当面何よりも弱っておりますのは、資金不足を来すわけでございまして、いろいろと支払いにも事欠くような事態になるわけでございます。それに対応する措置といたしましては、経営の常道といたしましていろいろと各方面からお金を借りる努力をしなければならないと思うわけでございますが、こういう財政状態でございますので容易にお金を借りるということもなかなかむずかしい。貸す方から言えば、こういう状態のところにお金を貸すわけにもなかなかいかないということのお感じをお持ちになるのは、ある意味で申しますとこれまたやむを得ないところでありますが、私としてはあくまで何らかの方法で資金調達に努力を重ねてまいりたいと思います。 しかし、資金調達がうまくいきません場合にはいまお触れになりましたようないろいろな事態が起こり得るということでございまして、結論はどうなるか、最終的に決まりましてからいろいろ本格的に走り回ってみたいと思っておりますが、どうも残念ながら各方面にいろいろと御迷惑をおかけすることになろうかと思います。
○木村国務大臣 国会が延長がなければ二十四日で終わるわけでございますので、いま御審議をいただいております法案の成立については非常にむずかしい段階に入っておることは事実でございます。しかし、まだ日にちがありますので、私といたしましては、国鉄の現状を十分御認識いただいて、限られた残りの期間内にぜひとも成立させていただくことを期待いたしておるところでございますが、仮にもしそれができないというふうな場合に一体どうなるかということでございますが、いま国鉄総裁が申し上げましたような現状でございまして、現在のままで運賃が推移いたしますと、すべての運輸収入を人件費だけにつぎ込んでもまだ足らないという状況でございます。予定どおり六月一日から実施ができましても、五十一年度は運輸収入全額を挙げて人件費と物件費にちょうど使われるということでございまして、あとの工事費その他利子というような金は全部他の、つまり補助金なりあるいは借金なりで賄わざるを得ぬというのが現状でございますので、ここでお話しの仲裁裁定とかあるいは六月のボーナスの問題を言うのは非常にむずかしいわけでございます。 仲裁裁定はまだ出ておりませんので、どういうふうに対処するかということはこれから検討しなければなりませんが、六月のボーナスというのは一般的にはもう予定されておる時期でございますので、もしも万一今国会でこの法案が成立いたしませんときには、先ほど国鉄総裁が申し上げておりますような資金面の上におきましても非常にむずかしい点がございますので、いまここでそういう場合にはこうできますと言う確信ももちろんございません。いろいろこれから検討をいたさなければなりませんが、きわめて困難であるということでございます。
○石田(幸)委員 現時点におきますお考えとしてはそれなりの答弁かもわかりませんけれども、すでに新聞等に報道になっておりますように、会期延長ということは事実上もうできないということははっきりしておるわけでございますから、そうしますと、少なくとも賞与問題については何らかの方針をすでに出さなければならないのじゃないのですか。特に、この問題がデッドロックということになりますと、組合との協調関係というものは非常に極端に悪化することは目に見えておるわけでございますが、ここら辺に対して総裁はどう対処されるつもりですか。
○高木説明員 名前はボーナスということになってはおりますけれども、業績が多いときにはよけい支払うとか、業績が悪いときには余り払わないとか、そういうかっこうでの民間の企業におけるボーナスの実態とは大変違っておりますし、過去におきましてボーナスということで支払ってまいりました支給額も一般会計の公務員の皆さんの支給額と大体同じような額で出ており、職員の方の生活の実態から申しましても、ごく一部は過去の借金の返済に充てるとか臨時支出に充てるとかいうことはございましょうけれども、実態として、全般的に見ましたならば生活費の中に完全に組み込まれており、それを前提とした生活設計が立てられておるという事実がございますので、なかなかこれは容易ならぬことであると考えております。 組合との間にうまく話ができるとかできないとかということの前に、私の立場といたしましては、そういう職員諸君の生活の問題を考えることがどうしても先決でございまして、それなくしてはうまく汽車を走らせてくれと言うわけになかなかいかないわけでございまして、いたく苦慮いたしておるわけでございます。しかしながら、現実に本当に金がないわけであります。払うものがないわけでございますから、したがって払えない場合には払えないということは起こり得ると言わざるを得ないわけでございまして、ではどこかから借りてこいということになりましょうけれども、この破産状態では貸す人がないということになるわけでございます。 したがいまして、それはあらゆる努力はいたしますが、なお相当むずかしい事態であるということを率直に申し上げておきたいと思います。
○石田(幸)委員 それでは大臣にお伺いしますが、国鉄四十三万人の職員というのは、日本の世帯構成が三・九人と言われておるのでございますけれども、独身者もおりましょうから約三倍としてもよろしいと思うのですが、約百三十万人という人たちが生活設計のための賞与を大変に当てにしておると思うのです。そこで、金がないという実情は私どもも確かによく承知をいたしておりますけれども、国鉄総裁の答弁とすればいまのような答弁しか出てこないでしょう。しかし、これは人道的な立場からいきましても、多分に政府がこれに対して配慮をしなければならない問題じゃないかと思うのですね。 百三十万人というと少なくとも日本の人口の一%以上ですが、これに対してどう対処されますか。
○木村国務大臣 昨年の暮れの五十一年度の国鉄の予算編成の当時から、六月一日実施予定のこの関係法案がそのとおりに成立実施にならなければ大変なことになるということは十分考えられてきたわけでございます。それでありますからこそわれわれといたしましても、ぜひこの法案が予定どおりに実施されるようにお願いをしてまいったわけでございますが、五十一年度の政府全体の予算も御承知のように約三分の一は借金予算というふうな現状のもとにおきましては、国鉄のいまの総裁の話のとおりでございまして、それに対して政府がどう対処をするかということはこれまた非常に大きな問題でございますので、政府としてもそういうことについてこれから十分検討をしなければなりませんけれども、いま総裁が言いますように、借金をするにも貸してくれるところがない状況で、実情といたしましては、政府自身も大蔵省は貸す余裕のない状況でございます。 しかし、一方におきまして四十三万の職員の問題もあるわけでございまして、それらをどういうふうにしていくかということについては非常に苦慮をいたしております。したがって、きょう今日の段階におきましても、この法案をぜひとも成立させていただきたいということをただひたすらに念ずることが何よりもわれわれの悲願であるわけでございます。
○石田(幸)委員 大臣の御答弁でございますけれども、私はそれでは納得できない。いずれにいたしましても、この問題の方向性というものが全く明示されておらないところに私は非常に大きな不満がある。 それは確かに大臣がおっしゃるように、この法案をぜひ成立させていただきたいという願望はよくわかりますけれども、今国会がここまでいろいろな混乱を経て正常化したが、審議日数が足らなくなってしまったという、その基本的な条件はロッキード問題ですよ。また、これは与党から言わせれば、野党の審議拒否というようなこともあるかもしれませんけれども、しかし、それにはそれなりの議論がまた両論あるわけでございまして、今日この時点になってみれば、一週間ないし十日以前の状態を考えてみても、国鉄運賃法の改正の審議については、審議日数が足らなくて成立はなかなか困難であるということは当然わかっておったわけでございますから、少なくとも百三十万人からおられますこれらの人々に対して人間的にも同情の方向で検討しなければならぬことは当然じゃないかと思うのです。 賞与の性格は、いま高木総裁もおっしゃったように、これは生活費の一部に組み込まれているのが実情ですね。したがって、年度の人件費を予測する場合には、どこの会社においても給料の十二カ月というような計算で人件費を組んでいるところはどこにもないはずであります。少なくとも十五カ月ないし十六カ月ということで、中小企業においてすらそういう予算編成をしているはずです。そういう人件費の計算をしているはずです。そういうような日本の給与の慣行の上から考えてみても、国鉄の従業員の人たちは当然これはいただけるものという前提に立って生活設計をしていることは言うまでもないわけでありまして、いわゆる人間としてお互いに生活をしていく上においていろいろと金がかかるわけでございますから、やはり、同情的にこの問題に対処するという方向性が少なくとも出されなければならないのではないかと思いますが、もしこの問題でそういう人間性を加味した解決方法を明示できないということになれば、三公社五現業のそういうところに働く人たちにも大きな収入上の格差というものが出てくるし、差別というものが出てくると私は思うのです。 そういうことですが、いまのような答弁でどうしてこの四十三万人の人たちが納得しますか。その人たちがまたストライキ等によって蜂起したら、その迷惑を受けるのは国民全体じゃないですか。そういう問題を収拾するのは政府の責任じゃないですか。もう一度御答弁をいただきたい。
○木村国務大臣 予算上いまお話しのように十数カ月の予算を組むべきであるという御意見でございますが、いま現在の問題は、予算上いかに数字を組みましても、それが問題ではなくて、やはり、この時点でどうやってそういうことに対応でき得るかという問題であるわけでございます。 〔委員長退席、江藤委員長代理着席〕 それで、仮に——仮にじゃございません。予定どおり六月一日から実施されることをこいねがっておりますし、また、六月一日から実施されましても、この六月度に支払うボーナスは、すぐそれによって運賃が入ってくるわけでもございませんのでやはり資金の問題は研究しなければならない問題でございますが、ただ、その新しい運賃がいつ施行できるかということでも明確になっておれば、全体の計画を立てて、その上で資金計画もつくれるわけでございますが、いまの段階では、この国会で成立しなければ、しからばいつになったら実施できるかということの予定も相立たぬということが現状でございまして、そういうきわめて不確定な情勢の中で当面する仲裁裁定あるいは六月ボーナスについてどうするかということでございますので、国鉄の職員並びに家族の方々が国鉄の運営のために努力をして一生懸命になっておられることも私たちも重々承知をしておりますので、何とかしてあげたいという気持ちはもちろん持っておるわけでございます。 しかし、具体的にどうやって資金の面を捻出していくかという問題は非常に困難なことでございますので、それらの問題について政府部内におきましても国鉄と十分連絡をとりまして、国鉄総裁の考え方もいろいろあるでございましょうから十分聞きながら、これから検討して何とかいたしたいという気持ちは持っております。しかし、ただいまの状況では非常に困難でございます。と、事実そう申し上げるより方法がないわけでございます。
○石田(幸)委員 運輸大臣として、また、人間木村さんとして非常に苦慮すべき問題だと思いますけれども、非常な困難が前途にあることは私どもも承知しております。しかし、どうか人間的な立場に立って、生活という立場に立って——木村さんだって若いときば生活の上で大変苦労されたことがあると思うので、そういう人たちの気持ちも十分しんしゃくした上の温かい血の流れた政治的判断をぜひお願いいたしたい。これだけ冒頭に申し上げておきたいと思います。 さて、国鉄の諸問題がいろいろとあるわけでございますが、幾つかの項目に整理されておりますので、まず最初に財政再建の問題についてお伺いをしたいと思います。 今回の過去債務の大幅たな上げという問題についてはわれわれも大変評価をするわけでございますけれども、今回の再建計画のめどが一応二年ということになっておりますね。これは四十八年に提出されました再建十カ年計画から見ますと大幅な方針変更になっていると思うのです。しかも、四十八年はいわゆる石油ショックのあった年でございますから破綻したのはやむを得ないと言えばやむを得ないと思いますけれども、いずれにしても四十八年においては十カ年の計画を立てた。そして、石油ショック後の経済の状況を見ると、いわゆる高度経済成長時代から減速経済という時代に入ったわけでございまして、しかも、物価抑制等の問題を見ますと、昭和五十五年には少なくとも六%前後の物価上昇までに抑えたいというふうに経企長官は方針を述べられておるわけでございます。 そうしてみますと、この五カ年の問題を考えてみれば、少なくともかなり安定した目標を立て、また、そういう経済推移であろうというふうに政府は見ているわけですね。それにもかかわらず二年間で再建の方向を明確にしなければならないというふうに急がれる根本的な原因は何なのか、そこら辺をまずお伺いをしたいと思います。 これは国鉄の場合と運輸省の場合とは終局的には当然合意をされたでしょうけれども、当初においては違っておったのではないかと私は思いますので、御両所からこの問題について御答弁をいただきたい。
○木村国務大臣 四十八年に立てました十カ年計画は、仮にそのとおりに実行に移ったといたしましても、四十八年から今日までの間に経済情勢もすでに非常に変わってきておりますし、輸送の構造等も変わってきておりますので、やはり、その年度その年度で多少の軌道修正をやりながら十カ年計画を実現せざるを得なかったであろうとは思います。 この四十八年からの十カ年計画について一番最初にわれわれも不安を持ち、また、そのとおりに、と言っては適当でございませんが、挫折いたしましたのは——あの中の一番の大きな問題は、四回にわたる運賃改正が予定どおり本当にしてもらえるであろうかということがやはり当初から一番気がかりでございました。また、これが十ヵ年再建の一番大きな要素になっておりましたけれども、しょっぱなでこれが崩れてしまったという過去の痛い事実があるわけであります。そこで、今回改めて国鉄の再建計画をつくります際に考えたのは、まず、長期の計画というものは、その間に客観的な経済情勢の変動その他予測できない変化がどうしてもあって、なかなか実現しにくいということです。そういうことは必ずあり得る。今後も安定低成長が続くとはいいながら、十カ年という長い期間ではやはり変化があると私は思う。五カ年でもあり得ると私は思います。そういうことで、今度でもう国鉄の財政の再建は最後である、今回できなければ本当にもう文字どおり国鉄は解体だという危機感を持って再建案をつくりました。本当を言いますと、一年間で再建の見通しができるような再建計画をつくりたかったわけでございますけれども、それにはやはり運賃の面におきましても国民に非常な負担を一時にかけなければなりませんし、あるいは国の財政の限界もあるわけでございますので、そこで、二カ年でも相当な負担になるわけでございますが、二年といういままでに比べますと非常に短期間でございますけれども、急いでやるということを先ほどおっしゃいましたけれども、ぎりぎりのところで、二ヵ年で計画どおりに全責任を持ってやろうということで短期の再建計画をつくったわけでございます。 この計画が予定どおり実施に移されますと、二カ年を経過いたしますれば、普通の状態でそれ以後の国鉄の運営は行い得る、総裁の責任で十分やり得る状況になるであろう、と、こういうことで短期再建の計画をつくったわけでございます。
○高木説明員 従来ありました再建計画と今回の再建計画とがどういうふうなつながりになっているかということは、率直に申しまして私はつまびらかでございません。 ただ、ただいま運輸大臣から御説明しましたような従来の計画がいろいろな経済情勢によって破綻を来たしたということは事実として私は承知をいたしておるわけでございますが、昨年の十二月に閣議で決定されました今回の再建要綱を拝見いたしておりまして、あの線に沿って事が進められますならば、大変困難な道ではございますけれども解決できるものと私は考えております。
○石田(幸)委員 そこにもいろいろ議論があるのですけれども、そんな問題で頭から突っかえていたのではいたし方ありませんので前へ進みますが、この財政再建の目標が二年間で、そして貨物の方においては昭和五十五年までに共通費負担を除いた固有経費を回収する、そういう収入を得たいというようなことを考えていらっしゃるわけで、その上で独立採算制を指向した自主経営を行いたいというのが国鉄の目標であるわけなのですけれども、この独立採算制の問題で私はお伺いをしたいわけでございます。 まず、国鉄にお伺いしますけれども、先進諸外国の例で、二つか三つで結構でございますけれども、いわゆる独立採算制という軌道に乗っている国鉄というものがございますか。御答弁をいただきたい。
○馬渡説明員 いま先生がおっしゃいましたようなかっこうで、運輸収入だけで支出が賄えるという国はございません。諸外国とも、その意味での収入と支出のバランスは、助成という形あるいは収入補てんという形で補われておるというのが各国の例でございます。
○石田(幸)委員 いま御報告がありましたように、バランスをとるということはあり得ても、独立採算制でやっている諸外国、特に先進諸国という例は一つもないわけですね。今回政府が助成をした措置を考えてみましても、二兆五千億のたな上げは資本収支への助成ですね。それから、地方閑散線の赤字の一部についての特別交付金が百七十二億ですか、これは経常経費への助成となっているわけです。 本来、独立採算制というのは、いわゆる収入で固定支出を賄うというのが独立採算制の定義でしょう。そういう意味から言って、これは前の国鉄総裁の磯崎さんの時代において事実上国鉄は独立採算制が崩壊をいたしております。また、新谷運輸大臣のときもその説は認めざるを得ないというふうに言われておるのでございますけれども、現状において国鉄は独立採算制がすでに崩壊をしているのだということについては、運輸大臣、これをお認めになりますか。いかがですか。
○木村国務大臣 独立採算という意味をいま国鉄の常務理事が申しましたように解釈をいたしますと、過去においても独立採算は実行されていないということは事実でもございます。しかし、そういうことから言って、かつて磯崎総裁なり新谷運輸大臣が独立採算制は崩壊したと言った意味はどういうふうに言っておられるかわかりませんが、要するに、あのときでももう独立採算はできていないんだということの意味としては理解できるわけでございます。
○石田(幸)委員 そういうわけで、国鉄経営のバランスは独立採算制ではとれないということは、諸外国の例から言っても、あるいは過去の、特に近年の国鉄の現状から言っても事実なわけでございますから、この二カ年間におけるいろいろな対策をした上での独立採算制を指向するということについては非常に疑問がある。なぜ独立採算制を指向するというようなことでこんなに独立採算制にこだわらなければならないのか、意味がわからない。また、それを信ずる人もなかろうと私は思いますね。 これは後でも議論をいたしますけれども、たとえば国鉄はいま総合原価主義に基づいてやっておるわけでしょう。そうしますと、少なくともここ数年の間に貨物が十分な収益を上げ得るというような状態にはないわけですね。貨物をさらにスムーズにするためには近代化をやらなければならない、かなりの投資をしなければならないという、そういう投資問題まで考えてみれば、少なくともここ十年くらいのうちに貨物が黒字になるなんということは毛頭考えられない。あるいはもっと赤字になるかもしれない。そう考えていけば、総合原価主義の上からいけば、当然これは旅客利用の方に多くの負担がかかってくるわけですね。そういうような問題、さらにはまた、そういう面を配慮しての政策上のいろいろな問題、定期旅客の割引の問題、こういう問題も現在なされているわけでございますから、そういうような問題をいろいろ考えてみますと、将来ともに独立採算制を指向することはとてもできない。あるいはまた、新幹線じゃなくて在来線あるいは地方線の建設等も計画されているのを見ますと、これは両運賃の収入で国鉄の固定支出を全額賄うなんということは将来ともに不可能ではないかと思う。仮に五〇%値上げを認めたところで無理であろうと私は思いますね。 そういうわけで、この独立採算制を指向するということについては、国鉄が経営努力目標として掲げるのはわかるけれども、政府の方としてはそれに政策的な問題を加味する必要がどうしても将来とも生ずると私は思う。そういう意味において、運輸省が独立採算制を指向するということを認めた理由が全くわからぬわけですけれども、独立採算制という問題については、運輸省としてはその方向は捨てるべきではないか、どうやってバランスをとろうかということに重点を置いた、政治的な技術を配慮した上でのバランスのとり方をむしろ考えるべきではないかと私は思いますが、大臣の御見解を承りたい。
○木村国務大臣 日本国有鉄道の使命は日本国有鉄道法で決められており、公共企業体ということが日本国有鉄道の本質であるわけでございますので、その考え方からいきますと、やはり独立採算ということが原則でなければいけないと私は思うわけでございます。 独立採算制という経営形態がいいか悪いかという議論については根本的にいろいろな御意見がございます。今回のスト権問題にも関連いたしまして政府としては検討機関をつくるわけでございますが、そこで検討していただく中でもこの基本問題にまでさかのぼって議論をしてもらおうということにしておるようなわけでございますので、これはやはり根本的に議論なければならない問題でございます。しかし、現在は独立採算制を基本原則として運営をいたしておるわけでございます。しかし、これは、運輸収入でもってあらゆる費用を支弁して国鉄の運営をやって、運輸収入以外の資金に頼ってはならないという厳密なものではございませんので、そこは公共性という問題も絡みまして政府もいままでも財政的な助成をしてまいっておるわけでございますが、基本はあくまでも独立採算制を指向するということには変わりはございません。 そこで、その独立採算制を鉄道事業として指向するという限りにおきましては、運輸収入でもって必要な最小限度の費用は賄うべきであり、その運輸収入のもとでありますところの運賃というものは適正なものであるべきであるということがすべて前提となっておるわけでございます。 そういうことから考えまして、現在の国鉄の運賃が同じ日本国内で営業いたしております陸上交通機関のどれに比べてもきわめて安いというふうな点はやはり修正さるべきであるというふうなことから、今回は大幅な運賃改定をお願いいたしておるわけでございますが、それにいたしましても、五円十銭のものが七円九十銭になるわけでございますが、他の交通機関は一キロ十五円から二十円というのがすでに普通でございますから、それでもなお他の交通機関よりも少ないという状況でございます。 そういうふうなことも勘案いたしまして、独立採算制を指向するという原則の上に立って、運賃収入を含み、また、政治的に配慮いたしました過去債務の累積赤字のたな上げというふうな政策も織り込んでおるわけでございますので、政府自体が厳密な意味の独立採算制そのものを国鉄に完全に強いていくんだということではございません。その点は政治的な配慮を加えながら国鉄の運営をやっていくということでございますので、独立採算というのはあくまでも基本の原理であり、指向目的であるということに理解をいたしておるわけでございます。
○石田(幸)委員 大臣はちょっと御所用があるようでございますので、その間総裁の方にお伺いすることにして、その前に鉄監局長にお伺いしますが、いま大臣は独立採算制は事実上崩壊したことを認めるというようなニュアンスの発言をなされたけれども、原理的にはいろいろな政策的な問題を加味して、なお独立採算制を目指してやっていくんだ、努力目標だというようなことをおっしゃいましたけれども、そういう言葉を使うところにこの国鉄問題のあいまいさがあるわけなんですね。 そこで、独立採算制というものについては、運輸省は一体どういうふうに定義をしておるのですか。
○住田政府委員 国鉄の独立採算制ということが問題にされましたのは近々十年ぐらいのことではないかと思います。国鉄創立以来昭和三十九年まで大体黒字でやってきたわけでございますが、その黒字の時代においては、いま御指摘のような、国鉄は独立採算でいくべきではないとかいくべきであるとかいうような議論はなかったのではないかと思います。 国鉄の事業の中には、幹線とか在来線とかあるいは貨物とか旅客とかいろいろな分野があるわけでございますが、その中には赤字のものもあれば黒字のものもあり、そういうものを一応内部補助関係で処理してきておって、しかも独立採算制を維持してきたわけでございます。独立採算制の問題が起きてきましたのは、恐らく国鉄の独占力がなくなってしまったということに起因するのではないかと思いますが、独占力がなくなったために国鉄の競争力が弱まってしまって、そのために貨物の赤字であるとか地方交通線の赤字が国鉄の経営を圧迫しているということになってきているわけです。したがって、国鉄としては、独立の企業体でございますし、国鉄運賃法においても原価を償う運賃を収受することということになっておりますから、本来適正な運賃さえ取れれば独立採算制というものは維持できるはずであるわけです。 したがって、独占力を失って十分な運賃が取りにくくなったということで独立採算制が維持できるかどうかということが問題になっているわけでございますので、そういう赤字の問題について、今後どういう合理化をやっていくか、あるいはどう対処していくかといういろいろな対策を講じた上で、なおかつ内部補助関係が従来のようにやっていけない、内部補助関係では独立採算というか収支バランスの維持ができないという段階においていろいろな措置を検討すべきものではないかと思います。今回のように地方交通線の運営費補助を出していくことが独立採算制を害するということではないと思います。
○石田(幸)委員 がちゃがちゃ言うけれども、結局独立採算制の定義は述べられないじゃないですか。 では、観点を変えて伺いますが、この五〇%の値上げ、いわゆる運賃改定をしなければ独立採算制を指向することは不可能であるということはもう間違いないわけですね。いま仮に五〇%のものを一〇〇%にすればあるいはそういうめどが出てくるかもしれないが、しかし、物価政策上そんなことはできないでしょう。現に、この五〇%の値上げに対して、予算を確定する際に運輸省、大蔵省、経済企画庁に当然御相談をされたでしょうが、そのときに経済企画庁の意見はどういう意見だったんですか。
○住田政府委員 昨年国鉄が新聞広告をいたしまして運賃を倍に上げたいということを言ったわけでございますが、今回の再建に当たっても、大体一〇〇%ぐらい運賃を上げれば健全財政になる、収支アンバランスは改善できるというように考えておったわけでございますが、一遍に倍に上げるということは物価上も問題があるし、運賃法の中にも物価に配慮をするということは書いてあるわけでございまして、そのために関係各省と話をして、所要の運賃値上げを二年間にわたって行うということにいたしたわけでございます。
○石田(幸)委員 さっぱり答えにならぬが、まあそれはいいでしょう。わかっていることを聞いているようなものですからね。 総裁にお伺いしますが、私がなぜこんな議論をしているかといいますと、これはやはりまじめに考えなければいかぬことだからなんです。というのは、国鉄は国鉄の企業ベースとしての経営プランを当然立てなければなりませんね。国鉄が鉄道を運営するに当たっては政策上の問題を余り加味する方法はよくないと私は思うのですよ。積極的なプランを立てるべきだ。それを制限をするかあるいは誘導をするかという問題はやはり政府の問題だと思うのです。こういうふうに二つに分けて考えなければいけないのではないかと思うのです。たとえばこの再建計画の内容にいたしましてもいろいろの問題があるわけですね。問題がたくさんふくそうしてあるわけですけれども、そういう意味において、現在の既成の法律の枠内でこの国鉄の再建問題を考えてはいいプランは出てこないと私は思う。むしろ、各地方鉄道管理局ごとにそういう法律の枠を一切外してみて、そして現場の再建計画について収支のバランスはどうしたらとれるんだというものを地域ごとにつくって、それを全体で集約してみて、そしてそこにどういう制限が加えられなければならないのかというような問題については改めて運輸省と協議するというような形でこの再建の細部の計画がなされなくちゃいけないんじゃないかと思うのですけれども、そこら辺の問題についての御見解を承りたいと思います。
○高木説明員 独立採算というのは、あくまでもどなたからも援助していただかないでちゃんとひとりでやっていかれるという意味だと思いますが、先ほど来いろいろ御指摘がございますように現状ではなかなかそうはいかない。運賃を上げると申しましても競争相手があることでもございますし、単に物価政策という面だけからではなしに、やはりお客さんの方の選択との関係で、いたずらに運賃を上げていきましてもうまくいかないという現状にあるわけでございます。 そこで、ここ当分の間は、現在お願いしております過去債務のたな上げなり、あるいはまた地方ローカル線についての助成なり、その他いろいろな面におきましていろいろと従来の枠にとらわれない形で御援助いただかないとやっていかれないと思います。しかし、基本となるべき部分だけはやはり自分でやっていくんだ、運賃でやっていくんだということにしなければならないと思いますし、そのためには、いま御指摘がありましたように全体をグローバルに見ているのではだめであって、地域別に見たらどうだということも非常に貴重なサゼスチョンでございますし、また、旅客、貨物、自動車、船というふうに分けて見ることも必要でございましょうし、いろいろな角度からそれぞれ縦割り、横割りに見ましていろいろ知恵を出す。そして、そのためには国鉄の中でできない部分もございますので、法制的あるいは行政指導的に多少変えていただかなければならぬ部分もあると思いますので、それらについてはおっしゃるとおり地域別の検討も必要でございましょうし、部門別の検討も必要かと思いますので、そういう積み上げをしていく必要があると思います。 ただ、全体を通じまして基本はやはり自分たちでやっていくんだということでございませんと、うまくいかなかったらだれかに助けてもらうということではいつまでたってもうまくいきません。経営の気持ちといいますか、営業精神といいますか、俗な言葉で言えば商売といいますか、そういう気持ちを失ってしまっては普通の情勢とは違うわけでございますのでいけませんので、やはり指向するところは独立採算で、それでやっていかれないやむを得ないものはお助け願うということでやっていこうと思っておるわけでございます。
○石田(幸)委員 総裁、お助けしてもらうという言葉は不適当だと私は思うのですよ。それは政策的な問題でいろいろなものを国鉄は押しつけられておるわけなんだから、その分は当然政府が負担をすべきであるという原則論を立てなければいかぬと思うのですよ。これは私が申し上げるまでもないからやめますけれども、そういう気持ちで取り組んでいただきたいという御要望を申し上げておきます。 こういう質問だけでも私は三十項目ぐらい用意してあるわけなんですが、もうすでに小一時間たとうとしておりますけれども、いま二項目なんです。そんなわけでまだ議論が残っておりますけれども、さらに先へ進ませてもらいます。 〔江藤委員長代理退席、委員長着席〕 運輸省にお伺いをいたしますが、今回経常経費への助成措置が行われたわけでございますけれども、たとえばこういう助成の仕方というものは、ハンガリーにおいては国家負担は二分の一、利用者負担は二分の一という原則でバランスをとっているんだということをこの間の参考人の意見聴取の中で伺いました。特にフランス等は経常経費への支出を大幅に認めておる。ところが、いままでの政府のやったものを見ますと、経常経費への助成措置というのは今回初めて芽を出したわけですね。そういう意味において、この助成措置をやろうとする場合、二年なら二年、三年なら三年というように、どういう原則で行っていくということを明確に運輸省の方として出さなければいかぬと私は思うのですよ。場当たり的なことをやっていたんでは国民の皆さんは納得しませんよ。 そういう意味において、今後どういう方針を立てられるのか、この方式を継続するのか、この二点についてお伺いをしたい。
○住田政府委員 国鉄に対しては、諸外国の例を見ましてもいろいろな形で助成をやっているわけでございます。それはやはりそれぞれの国の事情があるわけでございますが、私どもの考え方といたしましては、諸外国の例と日本と、鉄道をめぐる環境の点において一つの大きな点が違っているのではないかと思うのです。といいますのは、たとえばドイツと日本を比較いたしますと、ドイツは約三万キロの鉄道を持っているわけですが、碁盤の目のように鉄道網がある。それに対しまして日本の場合には、東海道とか山陽というメガロポリスがあって、人口密集地帯がある。したがって鉄道特性がまだ十分残っている。外国と比べれば日本の場合には鉄道がその長所を発揮し得る分野が十分残っているというように見ているわけでございます。 今回の国鉄再建の助成の基本的な考え方を申し上げますと、現在国鉄は三兆一千億という赤字を持っているわけですが、この赤字を抱えたまま健全財政を維持するということは非常にむずかしいし、同時に、こういう赤字を将来の利用者に負担させるということは負担の公平を欠くことになるので、したがって、過去の赤字はこの際きれいにするということで過去債務の助成をやっているわけでございます。この過去債務の助成は今後二十年間継続されることになると思います。過去債務の助成は一面から言えば確かに資本に対する助成であるわけでございますが、同時に、債務から生ずる利息が必要でなくなるわけでございますから、その面ではやはり損益に対する助成という意味も持っているわけでございます。 今後二年間の運賃値上げによりましての収支のアンバランスが改善された以降、国鉄として健全経営をやっていかなければいかぬわけでございますが、その場合に先ほど来御指摘になっておるようないろいろな問題点があるわけでございまして、そういう問題点を検討し、先ほども申し上げましたが、内部補助ではどうにも賄い切れないというような問題があればそういう問題点をつかまえて、助成が必要であるかどうかもいろいろ検討いたしたいと思っているわけです。
○石田(幸)委員 それではもっと具体的に伺いましょう。 地方閑散線の赤字は全部で二千五百三十一億で、それに対して百七十二億という助成を行ったわけですけれども、この問題は今後継続されるのかということが第一点と、それから百七十二億という助成はどういう根拠ではじき出したのかということ、この二点を伺います。
○住田政府委員 最初に百七十二億の積算根拠を申し上げたいと思いますが、百七十二億の積算根拠は、現在国鉄が持っております二万二千キロのうち九千二百キロを取り上げまして、その運営費の一部の補助をいたしているわけでございますが、九千二百キロといいますのは、自動車運送のコストと比較いたしまして、コスト面から見た場合には自動車の方がむしろ有利ではないかと一応考えられる線を九千二百キロ取り上げたわけでございます。しかし、この九千二百キロは全部自動車に持っていく対象になるわけではございませんで、一応その半分程度が対象になろうかということで、九千二百キロのうちの半分の運営費、必要経費を計算いたしまして、それに一方その九千二百キロに見合います収入があるわけでございますので、そういう収入等を計算して一キロ当たりの経費を出しまして、その経費に基づいて計算したのが百七十二億になるわけでございます。 これを継続するかどうかという問題でございますが、地方交通線につきましてはこれまでたびたび御答弁申し上げておりますように、地域住民としてはぜひ維持してもらいたい、残してもらいたいという要望があるわけでございますが、一方、地方交通線の赤字というものが国鉄の財政にとって大きな負担になっているわけでございまして、そこを勘案いたしまして、今後地域住民との間にいろいろな選択案をつくりまして、その選択案に基づいて、その対策、地方交通線に対する処理方針を決めていきたいと思っているわけでございますが、その一環として、形は変わるかどうかわかりませんが、必要な場合には助成をするということになろうかと思います。
○石田(幸)委員 これは今後必要になればさらに助成を続けるということでございますけれども、この地方閑散線の赤字の二千五百三十一億というのは、地域開発、いわゆる公共性の上から多分にこれを存続せざるを得ないというようなたてまえで今日まで来たわけでしょう。 では、その公共性をどういうふうに見ていくのですか。こういうものについては補助をしないと決めたわけでもないでしょう。地域開発的な社会政策的な意味合いでそういうものを存続させなければならないということになれば、これに助成を継続的に与えるのが当然ではないかと思うのですが、そこら辺の意見はどうですか。
○住田政府委員 国鉄は従来とも在来線、地方交通線、両方あわせて運営してきているわけでございます。先ほど申し上げましたように、従来は国鉄の独占力が強かったということで、内部補助関係で、幹線の黒字で地方交通線の赤字をカバーするという関係できておったわけでございます。しかし、その後独占力を失ってしまって、地方交通線の赤字が国鉄の経営の大きな負担になってきている。先ほど申し上げました地方交通線を今後どうするかという検討を行う場合に、地域の交通事情をいろいろ検討してみる必要があるわけでございますが、場所によりましては鉄道に並行してりっぱな道路が走っておって、道路輸送でも地域住民の希望を十分かなえることができるという地域もあるわけでございます。 したがって、そういうようなことをいろいろ勘案いたした上で今後地方交通線をどうするかという方針を決めるわけでございますが、現在でも御承知のように中小私鉄に対しては欠損補助という制度をとっているわけでございますので、地方交通線につきまして、そういう助成の必要がある、選択されるべきいろいろな解決があるわけでございますが、その中のどれをとるかによって、場合によってさらに助成を行う必要も出てくるわけでございまして、そういう場合には助成を継続するということになると思います。
○石田(幸)委員 あなたがおっしゃったことは、昭和四十八年にもそういう答弁は聞きました。閑散線をどういうふうに処理していくかはこれから調査をしなければならないと四十八年にも言って、その前の四十二年にもそういうことを言っておるわけでしょう。もっと明確な方針を出さなければだめだと思うのですよ。しかし、まあいいでしょう。 大蔵省に伺いますが、公共料金の問題で、受益者負担との関連において大蔵省財政当局の方ではこういう考え方があるのではないかという意見があります。それは、受益者負担の原則を外すということになれば公共料金がおれもおれもといって助成を欲しがる、そういうふうになってしまったのではその負担を財政で賄うことはできないのだから、公共料金を補助するなら、やはりそれなりの原則を確立しなければいけないのじゃないか、それなりの原則を確立してほしいというような意見が財政当局にあるのではないかという意見があるのですけれども、これについてはどうですか。
○宍倉説明員 受益者負担の原則でやってもらう分野と、それから租税を中心といたします財政でやる分野と、この二つの分野があると思うわけであります。したがいまして、受益者負担でやる分野、たとえば国鉄でもそうですし、電電でもそうですし、いわゆる公共企業体の分野というものは受益者負担でやるのが筋道である、そういう原則でやっていただくということで考えているわけであります。 ただ、先ほど来御議論がございましたように、それでは国鉄の場合には全部受益者負担になっているのかというと、必ずしもそういうふうになっていない。現に、本年度の予算でも財政から三千六百億円近い助成をしているわけであります。この辺のところの考え方はどうなんだということでございますが、それはそれぞれの企業実態に応じまして、本体は受益者負担でやるのが原則でございますからできるだけその受益者負担の方でやっていただく。ただ、それは全部受益者負担でできるのかと言えば、そのときそのときの経済事情もございましょうし、それからその企業実態に応じた社会全体の状況もございますでしょう。そういったものを考え合わせながら財政として見られるものは見ていこう、こういう考え方でやってきているわけであります。
○石田(幸)委員 大臣に最後にこの問題について一つお伺いをします。 私は国鉄の値上げ問題に三回この委員会でぶつかっておるわけでありますが、私たちが見ておりますと、そのときの助成の方針というものがどうも一貫性がないような感じがしてならないわけなんです。そういう意味でもいま大蔵当局の意見なんかも求めたのですけれども、そのときの経済情勢はあると思いますが、余り方針がくるくる変わったのではだめだと思うのです。五カ年なら五カ年間においては、さっき申し上げたハンガリーのように、利用者負担が二分の一、政府負担が二分の一という原則でいくのだとかいう大筋の原則がなければいかぬということをまず御要望として申し上げておきたいと思うのです。 それで、この政府の助成措置についてはプラス面とマイナス面の防御的な面と、それから前進させる意味での助成措置と両方あると思うんですね。今度の助成措置等を考えますと、抽象的な概念かもしれませんが、多分に防御的な助成措置であろうと思うのですね。そういう意味からいきまして、大蔵省は公共事業予備費千五百億というのは本年度は大体凍結の方針ではないかと新聞等に出ておりますが、千五百億の金をさらに国鉄へ投入することを要請する決意はありませんか。
○木村国務大臣 いろいろな国の財政等の問題も考慮に入れまして現在提出いたしております再建案をつくったわけでございまして、あの案ができますまでにいろいろな点で大蔵省財政当局とも協議をし、折衝もし、議論もしたわけでございます。その結果いま御審議をいただいておるような再建案に落ちついたわけでございますので、そういう余裕は財政当局にないと思いますけれども、仮にそういう金があったからといって、いますぐそいつを回せよという性質のものでもありませんし、これはいま御審議をいただいておる再建案をぜひそのまま成立させていただきたい、それによって再建を図りたいと思っております。
○宍倉説明員 事務的な話になりますが、ちょっとお断りの意味で特に発言を許していただいたわけでありますが、公共事業予備費につきましては、本年度の予算総則の十五条にございますが、十五条をちょっと読んでみますと、「甲号歳入歳出予算に計上した公共事業等予備費は、第七条に掲げる経費以外には使用しないものとする。」というふうに予算総則で決まっておりまして、第七条には国鉄の助成費は入っておりませんので、国鉄関係にはこれは使おうと思いましても使えない、こういうことになっております。
○石田(幸)委員 使えないということでございますけれども、しかし、これは物の考え方でございまして、一般の予備費から投入して、さらにいまの公共事業予備費からの転出方法を考えるということもあり得ると思うのですよ。 国鉄さんにお伺いしますが、仮定の話ですが、仮に一千五百億をさらに今回投入するとすれば、いまの名目五〇%以上の値上げはどの程度に下がる見込みですか。
○馬渡説明員 仮定の計算でございますが、千五百億円をそのままないと申しますか、運賃改定を行わないでよろしいということにいたしますと、もともと増収額が五千三百億円でございましたので、その分が引かれまして三千八百億円の収入があればよいということになります。それを計算いたしますと、名目改定率で約三六%、実収では二六%になる計算でございます。
○石田(幸)委員 まだこの議論をしたいのですけれども、ちょうど一時で休憩時間でありますから、この問題は以上で打ち切ります。
○中川委員長 この際、午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時休憩 ————◇————— 午後一時三十三分開議
○中川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 それでは、次に五万人の合理化問題について国鉄にお伺いをいたします。 昭和五十五年までに要員の五万人合理化を進めるというふうに言われておりますが、その中で実質的に一万五千人は完全に減少せしめるというようなことが言われておるのでございますけれども、これは事実でございますか。
○高木説明員 一方において大体五万人をいろいろな合理化によって削減し得るようにいたしたいと考えておりますが、東北新幹線あるいは上越新幹線が開通いたしますとか、その他通勤輸送の拡充でありますとか、改めて輸送サービスを向上いたす部分もございますし、それから勤務時間の短縮に伴いまして本来要員がふえてこざるを得ない部分がありまして、それがまだ実現できていない部分もございますので、それをいたさなければならぬというようなことを考えますと、相当抑制をいたしましてもやはりふやす方の数が三万五千人ぐらいになるかというふうに見積っておるわけでございまして、それによりまして差し引きでは五年間で一万五千人のネットの減というようなことを頭に描いております。
○石田(幸)委員 何といっても、この合理化問題については実質一万五千人減というようなことになりますと、これは労使改善を進めなければならない国鉄の現状として非常に困難な問題ではないかと思うのでございますけれども、この五万人合理化問題で労使間におきまして話し合いの可能性というものはありますか。徐々に行われるのだと思いますけれども、その話し合いはいつごろから行うつもりですか。そこら辺の御見解を伺いたい。
○高木説明員 合理化というのはただ減らすわけではなくて、一方において設備を拡充いたしましたり、新しい設備を入れたりいたします。それによっていままでよりは少ない人数で作業ができるではないかというようなことを通じて数の調整をやっていきましたり、あるいはまた先ほどもいろいろお話が出ておりましたように無人駅をつくるとか、そういうことを通じてやっておるわけでございますので、全体として何かいろいろ話し合いをするということよりは具体的に詰めていくわけでございますから、これはある意味から申しますと常時話し合いが行われていると言う方がよろしいかと思います。 いわば、五年間にわたってこうしようということをまとめて議論するということでなしに、個別の問題ごとに具体的に詰めていってそこへ持っていくということでございまして、総体として交渉するとか話し合いをするとかということでなしに、個別個別にいろいろなプランの進みに応じて詰めていくというやり方をいたしておるわけでございます。
○石田(幸)委員 五十五年までに五万人と言いますけれども、もうすでに五十一年度は始まろうとしているわけでございますから、年度別の計画、特に五十一年度、五十二年度は具体的にどのような合理化をしていくのかという、そういう面の計画はできていますか。
○橘高説明員 合理化計画は、先ほど総裁から説明申し上げましたように、個々の内容が具体的に確定いたしましてから労働組合に提案するというようなことでございますので、現在年度別の計画は一応積算の基礎としてはありますけれども、まだはっきりとしたものとはなっておらないわけでございます。年度ごとにそれを出していくということでございます。
○石田(幸)委員 この問題は組合との関連もあるからいますぐ公にしにくいというような問題もあろうかと思いますので、その問題はそれ以上深く追及をいたしませんけれども、むしろ私が心配をいたしておるのは、実質的に一万五千人の減というような形で推移をしていくのでございますけれども、これ自体も非常に問題だと思うのです。特に、国鉄職員の年齢層別一覧を見ますと、四十五歳以上から五十歳の方が十二万五千人で、五十歳以上の方が七万九千人で、実に二十万四千人、四七・五%、約半数ですね。そうしますと、今後この問題を考えていきますと、五年後に完全な逆ピラミッド型になってしまう。そういうことを考えると将来大変不安を抱かざるを得ないわけでございますが、まず今後五年間という目標を考えましても、国鉄当局においては一体職員数はどの程度が適切な数であると思っていらっしゃるのか、これが第一点。 それから、いま申し上げました逆ピラミッド型ということになってしまうと、特に体力を必要とする職種あるいは運動神経の鋭さを必要とする職種もあろうと思うのでございますけれども、そういった面に全然心配がないのかということを思います。そういう意味において今後五年、十年後を考えたときに、当然青年層を補給していかなければならないわけですけれども、これを合理化問題との関連でどう考えておられるのかということと、また、現在一年間で大体どの程度退職して、どの程度採用しているのかということ、これを概数で結構でございますからあわせて御報告を願いたい。
○橘高説明員 将来の数につきましては、先ほど総裁から説明申し上げましたように、五万の合理化を行って増を三万五千に抑えるということでございますから、現在の四十三万の人間が一万五千人減って四十一万五千人になるということでございます。それを目標にやっていこうということでございます。 それから、現在の年齢構成が非常にいびつではないか、キノコ型で将来どうなるのだという御指摘でございますが、これについては私どもも大変大きな問題だという自覚はしておりますけれども、さりとて先行きの年齢構成の平準化を図るためにゆとりを持った、と申しますか、その分だけよけいに新規採用をしてゆとりを持たせたらいいではないかという問題につきましては、御存じのような大変厳しい財政事情でございますので、われわれとしてもあくまでも厳しい要員査定をいたしまして必要最小限の人間でやっていくというような基盤に立っておりますので、現在の要員運用につきましてはそういうぎりぎりの線でやってまいっておるのでございます。 先行きどうするのかという問題でございますけれども、将来体力の要るような仕事については若い者を採っておかなければいかぬではないかと言われますけれども、新規採用は昨年も約一万採っております。これは新幹線の博多開業などがありまして平年より少し多うございますが、その程度の者は採っておりまして、先生のおっしゃるような逆ピラミッド型を是正してピラミッド型に直すためには必ずしも適正な数ではございませんけれども、そういう中で職種別にいろいろと採用の数を工夫しながらいけば先生の御指摘の点はまあまあ解決できようかと思います。 それから、もう一つは、鉄道は何と申しましてもまだまだ労働集約型産業でございますので力仕事も多く残っておるわけでございますが、こういうことでは人手不足の時代になかなか人も来てもらえないということでございますので、これを装置型産業に切りかえていって、省力化投資をどんどんやっていって、体力の要るきつい仕事は機械に置きかえていくということがまず第一でございまして、この意味でますます合理化を強力に進めていかなければならないと思っております。 その他またほかの方法としては、退職年齢の引き上げを図るとか、あるいは女子職員を採用するとか、いろいろ多角的、総合的に検討して、将来の人員構成のいびつなことからくる問題については対処してまいりたいと思っております。
○石田(幸)委員 いま、平均退職年齢は何歳ぐらいになっていますか。
○橘高説明員 従来五十五歳でございましたが、一昨年退職年齢に関する協定を改定いたしました後におきましては平均五十六歳——正確にはちょっと端数が出ると思いますが、おおむねのところ五十六歳と言ってよろしいかと思います。
○石田(幸)委員 そうしますと、仮に五十六歳が平均の退職年齢だといたしますと、四十五歳以上の方は二十万四千人おられるわけですから、これから十一年経過いたしますとこれらの方々がいなくなってしまうわけですな。これはどうされるのですか。
○高木説明員 御指摘のとおり、いまの退職年限といいますか定年を従来どおりにしておきますと、ちょうど十年先に二十万人マイナスが立つわけでございます。それで、毎年の採用人員が大体一万人前後でございますから、いままでの採用人員でいきますと十万人入ってまいりますから差し引き十万人足りないというかっこうになるわけでございまして、要員計画と実員の姿との間にギャップが出てくることになります。 そこで、先ほど来お話がございましたように、片一方で五十五年までには五万人の要員の合理化を図り、三万五千人増員をいたしまして差し引き一万五千人の減になるわけでございますが、さてその次の五年間をどういうふうにするかということは、私自身としては確とした方針をまだ持っておらないわけでございますけれども、しかし、先ほど担当理事が御説明いたしましたように、何といたしましてもわが国では総体的に人件費がだんだん高まってまいりましたから、したがって省力化を図ることによって総体コストを下げることができるのであれば、やはりその努力をしていかなければならない。したがって、五十五年度までの差し引き一万五千人の減の上にさらに五十六年度以降においても要員の問題を熱心に考えていかなければならないというふうに思っておりますので、その分をどの程度に考えるかということが一つの問題でございますし、それから、それにいたしましても十万人というのは非常に大きなギャップでございますから、それをどういう形にして埋めていくことにするかも問題でありますが、何かちょっと触れておりました若干の定年の延長の問題であるとか、あるいは人の採用の仕方を少し変えるとか、この辺で新しい工夫で五年先ぐらいにはスタートできるようなことをいまからぼつぼつ考え始めなければならないと思っております。 こういうふうにいたしますということをここで明確に申し上げるほどの計画を立てるところまでまだ至っておらないのでございまして、いずれ申し上げられる段階が来るかと思います。
○石田(幸)委員 確かに大分先の話でございますけれども、この合理化問題は、実際的に見まして、私たちとしましては、国民の立場に立って考えてみても細部のことまではわからないわけですね。そういう立場から見ますと、十年後にやってくる差し引き十万人の減という現象については、定年退職を多少延ばしたとしましても、かなりの要員を採用しなければ必然的自然現象的に削減になるという形が出てくるわけですけれども、そういたしますと、いわゆる安全対策の上からいきまして、これはあるいは素人的な発想かもしれませんけれども、国民の立場からは非常に不安を感ずる要素が出てくるということになるわけなんでございますけれども、現時点においていますぐ発表するというところまでは至らないにいたしましても、仮に一年後であっても二年後であっても、近き将来においてそういう面の不安を一掃するようなビジョンを国鉄としては発表なさる必要があるということを私は感ずるのですけれども、いかがでしょうか。それだけ短期には見通しはつきませんでしょうか。
○高木説明員 問題は二つありまして、まず、要員の方との関係でございますけれども、これは一つはいま今後の緊急課題になっております貨物の位置づけをどうするかという問題がございますし、それから、地方のローカル線の位置づけをどうするかという問題があります。つまり、国鉄としての仕事の量をどこへ持っていくのか、多少とも減らす方向へ持っていくのか、相当程度減らす方向へ持っていくのかという問題がございまして、こっちの仕事のボリュームの方を決めていきませんと所要の要員数が決まってこないという問題がまず一つあるわけでございます。 それが決まりましても、今度はどうやって実員を埋めていくかという第二の問題があるわけでございまして、実員をどうやって埋めるか、先ほどのギャップ十万というものをどうやって処置するかということを考えますにつきましては、その前の作業として、ここ数日来当委員会で熱心に御論議いただいております貨物の問題と地方ローカル線の問題等をもう少し具体的に詰めていきませんといけませんので、そっちの方である程度輪郭が浮かび上がりましてからそれに伴う要員計画が立ち、そして実員補充計画が立っていくということの段取りになっていこうかと思っております。
○石田(幸)委員 どうしてもこれは抽象的な話になるのでございますけれども、総裁、ひとつこれは国鉄の総体的なビジョンを早く立てなければならないわけですね。作業として非常に困難であることは私もよくわかるのでございますけれども、部分的なものでもやはりこれはその都度国民の前に明らかにしていただかなければならない。これは強く要望を申し上げておきます。 それから、橘高さんにお伺いをいたしますが、退職準備金はいま何名分あり、あるいは金額にしてどの程度ございますか。
○橘高説明員 御指摘の退職準備金というのは、国鉄の場合は考えておりません。
○石田(幸)委員 これは聞き方が悪かったかと思いますが、将来十年後には十万人の方が退職されるわけで、この財政的な措置というものも大変なことだと思うのですね。ここにまた一つのピークがやってくるわけでございますので、この点についても十分な御研究をお願いいたしておきます。 それから、いま私は二十三問を用意したのですけれども、ようやく通過しましたのは七問でございまして、これはどうにもならないので少しはしょりますけれども、地方閑散線の問題について二つばかりお伺いをいたすわけでございます。 一つは、これは国鉄の財政問題との関連ですけれども、臨海鉄道に対して国鉄が出資をしていらっしゃいますね。十一社、四十六億二千二百万、これについて伺いますが、この投資に対する見返り収入は一体どうなっているか。 経営的に見ればこれは本来手を出すべきものではなかったんではないかと私は思うのですね。確かに臨海工業地帯の発展ということがございますから、それに貨物を運搬する必要性があるというのでこのようなものができ上がってきたのでございますけれども、経営的に見て国鉄は出資をするだけの余裕がなかったんじゃないか。また、出資をしてみても、投資の見返り収入というものは恐らくこたえはほとんどなかろうと思うのですね。そういう意味におきまして、貨物運搬でどれだけの利益を上げられるか等の見通しを十分立てた上でやらなければならなかったんではないかと思うのですね。 全部を申し上げてはわかりにくくなりますから、まず一つ、この四十六億二千二百万の投資に対する配当と申しますか、これは全部株式会社でございますから、どの程度あったか、お答えをください。
○田口説明員 お説のとおり、十一社に対しまして四十六億二千二百万円に対する配当はゼロでございます。
○石田(幸)委員 それからもう一点伺いますが、この臨海鉄道を敷設して、貨物の運搬で運賃収入をどの程度上げることができたか。数字的に各年度別ということになりますとややこしいですから、いずれにしても貨物全体は赤字なわけですから、今日までどの程度欠損を出したか。大体想像的な金額でいいのですけれども、どうでしょうか。
○田口説明員 四十九年度におきましては、臨海鉄道から出ました輸送料に対しまして国鉄の取り分の貨物収入が百六十九億でございます。四十八年度が百六十一億、四十七年度が百五十億、四十六年度が百三十四億、四十五年度が百十一億というような計数になっております。
○石田(幸)委員 貨物収入全体からいけば百六十億前後、毎年そういうことになっておりますけれども、この経費の点についてはどうですか。
○田口説明員 経費の点につきましては個別的な計算をいたしておりませんのでお答えできかねますけれども、実は、こういう大数観察ができると思います。 この臨海工業地帯から出てまいります貨物の大宗はほとんど石油、それから化学薬品あるいは肥料、えさというように、これが約半分以上を占めておりまして、こういう大量貨物といいますか、中長距離大量貨物に属する貨物は現在の運賃でも比較的固有経費に近いコストで運ぶという、収入で大体固有経費を賄い得るに近い貨物でございますので、そういう大数観察から申し上げますと、貨物の固有経費と共通費の区分はおおむね半々というふうに考えますと、大体において今後ともそう悪くない貨物ではないかというふうに考えております。
○石田(幸)委員 固有経費と共通費とを考えまして、固有経費に近い収入だということでございますから、共通費を考えますと、これは要するに必要経費は倍額というふうに結論が出たわけです。 そこで、総裁に伺いますが、臨海鉄道の性格というのは、一つはそういう大手の企業が臨海工業地帯を占めているわけでございまして、それから地方自治体等の要請あるいは業界の要請というものが多分に重なって臨海鉄道に対して国鉄は出資をするというような形になっているわけですね。ところが、投資に対する見返りはゼロで、固有経費は賄えるけれども共通経費は賄えないということになりますと、こういう問題については地方のそういう業界あるいは自治体にむしろ投資をさせるべきではなかったのか、また、産業政策の上から言ってどうしても必要だというならやはり政府出資というような形にしておくべきではなかったのか、と、こういうふうに私は思うのですね。そこで、いまからでも遅くないのですけれども、そういう方向に歩み出せませんか。 こういう状態になっているから、どこかの党みたいに大企業奉仕というような形で言われるんじゃないでしょうか。わが党は必ずしもそういう見方をしておりません。貨物というものはやはり市場メカニズムによって左右されますからわが党は必ずしもそういう見解は持ちませんけれども、そういう非難があることも事実でございますから、そういうところからも国鉄の健全経営という問題に対してもっともっと努力をすべきではないだろうかという感じを私は持つのですけれども、いかがでしょうか。
○高木説明員 ただいまのお尋ねの点は貨物問題の一つの重要なポイントではないかというふうに考えておりますが、まだ私も考えがまとまっておりません。結論的にはどちらがどうというところまではいっておりませんが、非常に大きな問題ではないかと思っております。 と申しますのは、近来港湾の計画が非常に整備されまして、大港湾地域においてどんどん新しく埋め立てが行われましたり、あるいは新しい港湾ができたりするわけでございますが、その場合にそこへ臨海鉄道を敷いておくということをしておかないと——何年先かあるいは何十年か先のお客さんを鉄道に乗せてくるというのにはやはり投資をしておかなければならない、設備をしておかなければならないということではないかと思いますけれども、最近数年間やってまいりました跡をいま裏づけてみますと、それは必ずしも熱心にやってきたのではないというか、十分でなかったのじゃないかと思われる面もあります。 それは、一つには、日本全体としまして物資輸送はトラックでよろしいのだという風潮がずっとありましたから、したがって鉄道離れというか、自動車依存的な考え方が強かったので、いままでも臨海鉄道の整備については必ずしもそう熱心であったとは言えないと思うのでございますけれども、近来、やはり自動車にも限界がある、その地域の荷物を全部自動車で運ぶということは実際問題として非常に不可能だということから、後からやはり鉄道を敷いておけばよかったというようなお話もあるようでございますので、そこらはどう考えたらよろしいのか、個別、具体的な場合との関係もありますけれども、もう少し考えてみたいと思います。余り消極的にそういう場合にそういう設備をしないという形だけでもいけないのではないかと思いますし、その辺のあんばいはどの程度のところに置いたらよろしいのか、私もよく見当がつきません。しかし、十分検討すべき問題だと思っております。 ただ、その場合にでき得ればどなたかがお金を出して敷設をしておいてくださればよろしいわけでございますが、これはまた臨海工業地帯に企業が入ってまいりますまでに大変時間がかかりますものですから、この投資は相当長い間収益を生まない、懐妊期間の長い投資になりますので、そういう意味で民間だけでやっていただきたいと思いましても、それではなかなか進まない。そこで、利害関係者である国鉄もやはり一口乗ってくれとか、あるいは相当多く乗ってくれとか、それならばやってほしいというようなことになるようでございますが、おっしゃるとおりの事情から申しますと、当社の経営状態がこういう状態だというところから申しますと、そこらはこちらもなかなか出しにくいところでございます。しかし、ただそれだけ言っておりましたのではなかなか会社そのものができないというような事情もあるようでございまして、そこらのあんばいはなかなかむずかしいわけでございます。 さて、そこで何かほかの方法があればいいのですが、たとえばいま御指摘がありましたように国の方で出してもらえるというような方法があれば一番ありがたいわけでございますが、そういう投資がいまの国のもろもろの投資の中でどういう優先順序で考えられますか、その辺も研究してみたいと思います。しかし、いずれにしましても、この貨物問題の中で大変重要な問題だと思っておりますし、二、三具体的なケースもありますので、少し詰めて勉強をしてみたいと思っております。
○石田(幸)委員 大臣にお伺いします。 いま私は地方閑散線と類似しておりますのでこの例を取り上げたのですけれども、しばしばこれは問題になっているわけですね。いわゆる地方開発線という問題に対しても、五十一年度で三百五十億の投資をするというようなことが言われておりますね。現在計画のあるのが三十一線、千三百五十三キロですか、そういうふうになっておるのですけれども、こういうものをたとえ鉄建公団で建設をいたしましても、いわゆる営業指数の上からいけば非常に困難な路線の建設をしようとしておるわけですね。一方においては赤字のために地方閑散線は整理をしなければならぬというような声も出されるわけですけれども、これを将来ともに——遠い将来は別にしまして、少なくともここ五年、十年の間を見たときに、この相矛盾する二つの問題を一体どう整理をしていこうと運輸省はお考えなのか。片一方では赤字路線を消さなければならぬと言いながらこれをつくっていくというのは、これは国鉄の営業収支のバランスを崩す大きな原因なんですよ。そこを原則的に整理しなければいかぬと思うのですが、大臣の御見解を承りたい。
○木村国務大臣 この地方の赤字路線の存廃の問題と現在建設中の地方開発線との問題を一つの一貫した考え方で貫くべきではないかという御意見でござますが、いままで、現在すでに運営をしておりまして赤字線になっておる地方路線存廃をこれから検討していこうという、この路線、これらの中にも建設をいたしましたときには採算もとれ得る可能性のある路線もあったでありましょうが、やはり、公共的使命の国鉄の一つとして建設をし、運営をしてきたわけでございますが、輸送構造の変化その他によりまして赤字路線になり、国鉄の非常な重荷になっておるということで、これにつきましては地元の需要その他等も十分勘案しながら整理の方法も検討していくわけでございます。 それでは、いま建設中の、今後国鉄が公団から引き受けてやる路線は一体いまのままでいいのかという問題になりますが、これもやはり両者について一貫して言えますことは、国鉄の持っておる公共的な使命の遂行ということが何としても両者を通じての一貫した考え方に立つわけでございます。現在建設をいたしておりますのも、やはり地方的な需要、必要があればこそ建設をいたしておるわけでございますが、しかも、以前と変わりますのは、現在鉄建公団が建設をいたしておりますけれども、採算上当然赤字の地方開発使命に終始する路線ということになりますと無償で国鉄に使わすというふうなこともやっておりまして、昔とは大分変わってきております。 しかし、一方において、国鉄再建という財政上の見地から言いまして地方路線の存廃問題も検討しておりますので、その観点からいたしますと、現在建設中の赤字地方開発路線につきましても十分考えまして、あるいは建設の期間を延ばすとか、あるいは再検討をするとか、そういうことも必要かと考えておるわけでございまして、それらは今後赤字路線の対策を考えると同じように、現在建設中の、また今後予定線となっておりますものを建設に着工の中に取り入れるかどうかという問題も、ただ単に公共使命ということだけでなしに、今後の国鉄の経営の状況、再建の状況というものも勘案しながら検討をしていかなければいけないと思っております。
○石田(幸)委員 大臣、私がこの問題を取り上げましたのは、国鉄経営の企業性という問題と公共性という問題があるからです。いまの赤字路線の問題については、確かに政治路線というような非難もありますけれども、一番ウエートの重いのは、公平に見て地方開発線という使命が一番ウエートが重いと私は思うのですね。そこに多少の政治的な策略があったとしましても、その地域住民には大きなメリットを与えていることは事実なんですね。そういう点を考えてみたときに、その企業性、公共性というものを金の面でどうリードしていくかという原則論を立てなければその非難を免れることはできないと思うのですね。これはお答えは出ないかと思いますけれども、しかし、この問題は四十年代からずっと値上げのときには毎回議論になるわけでございますので、何とかこの辺を整理して、これらの問題についてはこういう原則でいくのだというものを出せませんか。もちろんいますぐとは言いませんが、半年ないし一年後において出せませんか。総合交通体系との問題もあるでしょうけれども、どうでしょうか。
○木村国務大臣 なかなかむずかしい問題であることには間違いございませんが、しかし、いま石田委員が言われますように、何か共通の一つの原則的な考え方ができないものかということは検討してみたいと思っております。 いままでは、すでに廃止した路線もありますし、同時に建設してきた路線と両方あるわけでございますけれども、それらに共通して言えることは、公共性がいかに高いかということと、かつての公共性がもう使命を失ったかどうかということが判断になっておるわけでございまして、政治路線ということばがよく使われますけれども、政治路線ということばは余り使うべきではないと私は思います。鉄道そのものが全部政治ですから、国鉄は全部政治路線だという意味では政治路線かもしれませんが、地方開発という大きな地域開発の使命を持っている路線でございまして、いわゆる世間で言われる政治路線という観念で律することは誤りがあろうかと私は思っております。
○石田(幸)委員 もう一つ地方開発線を建設するについて私は御要望を申し上げたいのですが、私は御存じのように愛知県出身の議員でありますけれども、今度岡多線が瀬戸まで通過するというような状態になっておるのです。これは将来に対する非常に大きなメリットはあろうと思いますが、しかし、現実は、運営をいたしますれば大幅な赤字が出るわけです。ところが、こういう問題を考えたときにどうも私たちが腑に落ちないのは、国土庁との打ち合わせと、それから建設省との打ち合わせが非常にできていないんではないかと思うのですね。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 たとえば豊田市というところがありますけれども、ここに県営住宅と公団住宅が建っているのです。大変大型の団地ができているのですけれども、交通の便が悪いものですからがらがらなんです。恐らく三〇%も入居していないでしょう。もう一つは、これは地下鉄の終点になりますが、日新町というところがありまして、ここに住宅公団が四十万平米の土地を買っておるのですけれども、大型の団地ができますと学校だとか保育所だとかいろいろな付帯施設をつくらなければならぬというので町は大反対をしておるわけです。それで七、八年手がつかずにこの土地があいておるわけなんですね。そういうような問題を考えますと、地方開発線、特に大都市周辺の交通事情というものについては、運輸省、建設省あるいは住宅公団、県営住宅等との綿密な打ち合わせの上に行われなければ赤字が増大するだけで、両方ともまずい問題を抱えたまま住民の不満はつのるだけだということになってしまう。一体政治は何をやっているのだということになり、国民は、これは運輸省の問題だ、これは建設省の問題だというようなとらえ方はしませんね。トータルで、政治は一体何をやっておるのだという一言で言う。細かい行政がわからなければそうなると思うのですね。 そういう意味で、そういう今後の開発線については十分なお打ち合わせをお願いをしたい。これは答えは出ないと思いますので、そういうふうに御要望申し上げておく次第でございます。 それから、路線の赤字問題に絡んで高速バスの問題について国鉄にお伺いをいたしたいのでございますが、東名、名神高速バスがいま走っておりますけれども、この収支状況を御報告をいただきました。これで見ますと、四十五年までは計数で見て確かに利益が上がっておるわけでございますけれども、四十六年以降大幅に赤字がふえておりますね。四十六年、四十七年、四十八年、四十九年と大幅に赤字がふえておりまして、四十九年においては東名、名神両方合わせて十二億五千四百万、総トータルで見て赤字が約二十一億、そういうふうになっておるわけでございますけれども、これはもうすでに民間の方はとても収支のバランスがとれないというので逃げちゃって国鉄だけがやっているようなんですけれども、累積赤字を重ねながらどうしてもこれをやっていかなければならないのかどうか。これはかなり疑問に思うのですけれども、これについて国鉄はどうお考えでしょうか。これは料金を大幅アップすれば黒字になるかもしれませんよ。しかし、民間とのバランスを考えてみたときに、果たしてそれでお客さんが乗ってくれるかどうかという問題もあるでしょう。そういう意味においてこれはやめるべきではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○田口説明員 東名、名神につきましての欠損の問題は御説明のとおりでございますが、国鉄といたしまして東名、名神の高速バスをどうするかという問題になりますと、現在東名、名神の両方を走っておりますバスを御利用いただいておりますお客様の足は大体百キロないし百五十キロを主体といたしておりまして、ちょうど新幹線とバスという形で東海道を補完いたしておりますと同時に、たとえば新幹線から外れております御殿場−東京というような形の輸送での鉄道とバスとの補完関係といいますか、そういう機能を果たしております。 現在それでは非常に赤字を出しておるのはなぜかといいますと、実は、国鉄の高速線の運賃を申し上げますと七円六十四銭ということでございまして、今度鉄道の方で申請をいたします第一地帯の七円九十銭よりも低くなっておりますし、一方、東名に出ております区間バス、たとえば富士急行、遠州鉄道、静岡鉄道という鉄道のバス運賃は一キロ当たり約倍以上になっておりまして、十六円から十九円というような形になっておりますし、いずれ運賃の値上げの申請をいたしまして、適正なコストを償う方向と、さらに一層合理化を進めまして、できるだけお客の便利になるような運行をしていきたい、こういうふうに考えております。
○石田(幸)委員 お伺いしますが、いま走っている高速バスをどうやって合理化するのですか。合理化ができるのですか。どの点を合理化するのですか。
○田口説明員 人間の面ではおっしゃるとおり合理化はできないと思いますけれども、修繕関係で技術開発等をいたしまして、できるだけ修繕期間を延ばすとか、いろいろの方向で合理化をしていきたいというふうに考えております。
○石田(幸)委員 まあ、この問題はやめましょう。いずれにしても、すでに単年度だけで十二億五千四百万の赤字でございますから、この収支のバランスをとるということは、今後も多少値上げをしたってかなりむずかしいのじゃないですか。今回の値上げで収支とんとんになりますか。いかがですか。
○田口説明員 ただいま直ちに民間バス並みの十六円にしてほしいとか十九円にしてほしいとかは申しておりませんで、鉄道利用の補完として、国鉄の運賃が上がりますればそれ相応の運賃アップをお願いしたいというふうに考えておりますので、この十二億が直ちに消えるというふうには考えておりませんが、早急に解消したいという意欲は持っております。
○石田(幸)委員 この問題はこれでやめますけれども、いずれにしても、国鉄が新しい事業を始める場合にはもう少し収支をめどとして行わなければならない。いろいろな必要性は私もわからぬではないですけれども、必要性があるから直ちに投資をするというやり方は国鉄にはもう許されない現状にございますので、その点は慎重に今後は対処していただきたいということを御要望として申し上げておきましょう。 それから、もう少しはしょりまして、貨物輸送の近代化、合理化問題のことでお伺いをしたいわけでございますが、国鉄側からちょうだいをいたしました「貨物輸送の将来」という問題を読んでみますと、「鉄道貨物輸送量は過去全体としては横ばい及至は微減であったが、品目的に輸送量の傾向を検討してみると、およそ三種類のグループに分類される。」と言われておりまして、第一グループの品目については、石灰石、石油、セメント、化学薬品、紙パルプ、コンテナ等を挙げております。そして、「第一グループの品目については今後低成長経済に移行するにせよ経済成長が続く限りは増加すると考えられる。」と言っております。そして、第二グループの鉱石、石炭、砂利、木材等の問題については、「経済成長の如何に拘らず減少を続けてきた」と言われております。ゼロにはならぬだろうけれども減少を続けることが予想される、そのような状態になっていくだろうということを予測いたしておるわけでございます。 これらの貨物輸送量の推移を国鉄が予測しているのは、全体として微増と見込むのが妥当であるというふうに言われているのでございますけれども、私はそれに対して非常な疑問を持つわけでございます。それは何のためにかと申しますと、今回の値上げによって多少貨物が減るだろうということは国鉄当局の見解でも明らかなわけなのですが、そのほかに貨物輸送の輸送機関別分担率の推移を見てみますと、貨物輸送について、国鉄は、四十七年が一億八千二百万トン、四十八年が一億七千六百万トン、四十九年が一億五千八百万トンというように下がっている。パーセントは下がっていないけれども、微減の形で下がっているわけです。そこで、お伺いをするわけでございますけれども、五十年度はどう見込んでいるか、五十一年度はどう見込んでおるかをお伺いいたしたい。 それから、輸送トンキロの方で見ますと、四十六年度がピークで六百十三億トンキロ、四十七年が五百八十六億トンキロ、四十八年が五百七十四億トンキロ、四十九年度が五百十六億トンキロというように下がっており、パーセントも一六・九から一五・一、一四・一、一三・七というふうに下がっておるが、五十年度、五十一年度はどういうふうに見込んでいらっしゃるのか。 この輸送機関別の分担率の推移から見ましてもやはり減っていく傾向にあるのではないかというふうに私は考えるわけですけれども、そこら辺の見解についてお伺いをいたしたいと思います。
○田口説明員 五十年度、五十一年度の見通しでございますけれども、五十年度の概算を申し上げますと、一億四千六百万トンないし八百万トン程度に落ちつくだろうというふうに考えております。これは私鉄との乗り入れ、私鉄への出しというものの精算ができておりませんので、概数で申し上げます。 それから、五十一年度は運賃値上げを五八・六%、名目改定率五三・六%でやりますので、四十九年度の実績に対しまして一〇・八%のトンキロで計算をいたしております。
○石田(幸)委員 私が申し上げているのは、国鉄の見解は微増というようなことになっておるけれども、いまの数字の推移から言って、これはむしろ減少ぎみと判断をするのが正しいのではないかと私は伺っているわけですが、いかがですか。
○田口説明員 四十八年度を一応境にいたしまして四十九年度、五十年度と落ちてまいりましたのは、一つは外部的な石油ショックあるいは不況の影響もございますように貨物輸送全体で落ちておりまして、その中で国鉄が特に落ち込んだ。その原因は何かということになりますと、やはり、四十八年、四十九年、五十年にかけましてしばしば行われましたストあるいは輸送障害等がございまして、結局荷主に対する安定輸送の安定感というものを欠きました結果こういう事態になったのだろうというふうに私どもは分析いたしております。 しかしながら、これからの安定経済の中でわれわれとしてしっかりやっていかなければならない問題といたしましては、早急に貨物の体質改善をいたしまして、伸ばすべきものは伸ばし、切るべきものは切って、本当に国鉄の鉄道の貨物にふさわしい貨物、たとえば再建対策要綱にございましたような中長距離大量貨物輸送というような貨物を非常に峻別いたしまして営業努力を重ねていきますれば安定経済成長に沿った輸送量が確保できるのではないかと思います。そして、その間、人為的な運賃値上げあるいはいろいろの輸送障害等の問題で一時は落ちますけれども、長い目で見ていただきますと、一つの傾向としては微増の傾向をたどるに違いないという信念を持っております。
○石田(幸)委員 それではお伺いしますが、短期的に見て今回の五八%アップは割引率の関係でどうなるかということですが、いま平均の割引率は何%くらいになっていますか。
○田口説明員 割引率による割引額は二十九億でありまして、本来いただく運賃に対する割引率といたしましては七%でございます。
○石田(幸)委員 価格は、社会主義体制になれば別ですけれども、少なくとも現在においては市場メカニズムによって決定をされるわけですけれども、五八%アップをした場合にとてもこれだけではいけないと私は思うのです。その割引率は相対的にさらに下がるのではないかと思うのですけれども、その点の予測はできていますか。
○田口説明員 実は、五八・六%をアップいたしまして、たとえばトラックとの運賃比較をいたしますと、トラックはタリフ運賃の上下一〇%ずつの余裕を持っておりますけれども、車扱いで言いますと、二百キロまではトラックの方が安くてそれ以上は国鉄が割り安であるというように出ておりますので、五八・六%上げましても一応概数的には十分競争ができるというふうに考えております。しかし、たとえば大都市間あるいは都市−大都市間のようにトラックにとって往復貨物があるというような地域では御指摘のように非常にシビアな競争もしなくてはならぬというふうに考えておりまして、全体的には割引率はどうするかということよりも、そういうシビアなところにおきましては、本来将来とも国鉄に確保しておきたい貨物につきましては具体的に検討いたしまして、割引制度を適用してできるだけの輸送量を確保したいというふうに考えております。
○石田(幸)委員 いまもお答えがありましたようになかなか厳しいですね。 これは大臣に伺いたいのですが、二百キロまではトラック運賃の方が安かろう、それ以上は国鉄の方が有利であるというお話でありますけれども、国鉄の貨物輸送は本来長距離、中距離が適していると言われる。これは大臣からもいろいろ御説明の中でも伺っておるわけでありますが、そういう中にわたっても長期によって赤字を克服するということはむずかしい、特に五十五年までに固有経費を回収する収入を得たいという現状でございますから、五年先でもまだかなり厳しいわけですね。そうしてみると、国鉄の貨物量や収入を得る何か独自の政策的な対策というものがどうしても必要だと私は思うのですね。これはドイツなんかで行われていることはよく御存じのとおりでございます。 それから、もう一つは、これからヤードの開設、合理化のための新設、新規合理化投資をしていかなければなりませんね。そういうような問題をとらえますと、やはりこれは特別な目的財源というものがなければやっていけないのではないかと思います。とにかく、貨物については私もあちこち見て歩きましたけれども、非常にりっぱにできている。聞きますとこれは三百億、四百億の投資をしておるわけですね。それを回収するなんということは実に容易なことではないのですね。これはやはり政策的な政策導入をしなければだめなんじゃないかと思うのですけれども、大臣の御見解を承りたいのです。
○木村国務大臣 午前中にもそれに関連したお話がございましたが、今度の再建案をつくりますのに私のところで私的に設けました再建懇談会でもいろいろな意見が出ました。極端なのはもう貨物は全廃しろという御意見も非常に強い意見としてございましたし、おしなべて貨物について非常に見通しが明るいというふうな見方をされる方はございませんでした。ただ、せめて国鉄の使命として貨物を輸送することは非常に重要なことであるし、これらに必要な施設も維持しなければいかぬということから、さらにそれが企業ベースに乗るような合理化その他を考えて少しでもふやしていくという方向にいくべきであるという意見に集約されたとわれわれは見まして、再建案の中でもそういうふうな考え方でいたしておるわけでございますが、同時に、いまお話がございましたように今回五〇%以上の値上げになるわけでございますが、この辺が貨物運賃としてはほぼ限界に近いのではないか、これをさらにこれ以上上げるということはちょっとむずかしいんじゃないかというふうな感じも私はいたしております。まあ、輸送率もはじいてはおりますが、今後実施をいたしましてからその実績を見て次の方法を考えなければならぬと思っておりますが、なかなか困難ではないかという感じを持っております。 そういうふうな状況に置かれております中には、やはり貨物の輸送構造の変革等があるわけでございます。それに国鉄の貨物輸送の形態が本当にどの程度即応し得るか、採算性を一方において考えながら即応できるかという問題については国鉄自身も現在いろいろと検討をいたしておるわけでございまして、ヤードの作業の能率化であるとか、あるいは機械化その他合理化であるとか、いろいろな点もございましょうし、駅の集約化等もその一環としていろいろ検討いたしておりますが、石田委員の御指摘のように、貨物輸送の国鉄の将来に対しては非常にむずかしい問題が多々あるということは私も想像をいたしておりまして、そういう状況のもとで今後の対策を講じていかなければいけないと思っております。
○石田(幸)委員 それから、これは鉄監局長にお伺いするのがよろしいかと思うのですけれども、現在の国鉄の貨物輸送というのは見ていると非常に単純作業だと言っては申しわけないのですけれども、現在の物流のシステムという点から考えますと、単なる運び屋的な地位にあるのじゃないか、そういう面のみを担当しているんじゃないかというふうに考えられて仕方がないわけですね。最近の物流システムが前進をした一つのかぎは、物流の中に金が落ちているのだというようなところから積極的に進められてターミナル方式なんというものがとられておるのですけれども、国鉄も都市の貨物基地的なそういう能力を持たなくてはこれからの貨物輸送の中での地位を確保することはできないのではないかと私は思うのです。だから、現在の法律の枠は超えるかもしれませんけれども、倉庫とか民間のトラック等も活用した相互都市間の本格的なターミナル基地、近代的な物流機能としてのターミナル基地、貨物基地というような、そういう方向でいかなくてはだめなんじゃないかと思うのですね。 盛岡の貨物基地の建設現場も見せていただきましたけれども、これはわりと都市に近接をしておるのですけれども、しかしながら、何といっても盛岡はまだ小さい都市ですね。そういう点を考えてみますと、こういうような人口二十万、三十万の都会のそばにはこういう形での貨物基地、貨物駅というものがこれからは必要になってくるのではないか、その方が貨物輸送を確保する上においても大きなメリットとがあるのではないか、このように私は思うのですけれども、いかがですか。
○住田政府委員 国鉄の貨物につきましては、先ほど来いろいろ御指摘がありましたようにたくさんの問題を抱えておるわけでございますが、国鉄貨物の今後の行き方といたしまして考えられますことは、中長距離のバラ貨物の輸送と、いまお話がございましたコンテナを中心とする中長距離の貨物輸送ではないかと思います。 中長距離のコンテナ輸送につきましてはトラックとの競争が非常に激しいわけでございまして、そのためにコンテナは非常に伸びておりますけれども、現在まだ十分な機能を果たしていない状況だと思います。これまで物流の問題としてトラックと鉄道と組み合わせた輸送とか、もっといろいろ考えられてきておるわけでありますが、いずれにいたしましても、やはり、トラックとの競争に勝てるという体質を持つ必要があるのではないかと思います。そのためには、いま御指摘のような都市における物流基地を整備する必要があるわけでございますが、そのためには相当な投資が要るということであります。 その投資に伴う償却金利負担というものも今後の貨物の収支には大きな影響を与えることになりますので、国鉄の貨物を今後近代化して、どこら辺まで競争力がつき得るかということを十分見きわめながら、いま先生の御指摘のような問題を今後検討していく必要があるのではないか、と、さように考えております。
○石田(幸)委員 荷物の問題をちょっとお伺いするわけですが、私は前回隅田川駅を視察させてもらいましたけれども、ここでは四十九年度で三百三万トン扱っているわけですね。年間の口数にして二千三百万個です。こういう問題を考えてみたときに、これは相当な人員を配置していらっしゃいますね。要員が構内に三百六人、小荷物係に四百七十七人というようなことで、営業係数は約二倍以上、こんなふうになっている実態を見まして感ずるわけなのですけれども、確かに国鉄ではトラックのそういう営業などということはできないことになっておりますけれども、発想を変えまして、もう少しこの辺は手際よく整理できないのかと思いますが、いかがでしょうね。 もう少し申し上げますと、これは一日六万個を各駅から隅田川の貨物駅まで集めてくるわけでしょう。それを集めてくるだけの能力があるならば、その途中において、少ない数のうちでこれは何県に行くやつだということでいろいろな民間トラックだって活用する方法はあるのじゃないですか。六万個集めて、これをまた分配するわけでしょう。そして貨物へ入れて、貨物の編成をして、それから出していく。時間的に能力的にこれは非常にロスだと思う。 これは国鉄さんに見解を承りたいのですけれども、こういうことをやめただけでも、トラック輸送に切りかえただけでもかなりの経費の節減と時間の節減ができるのじゃないかと思いますが、これは私の素人的発想でございましょうか、御教示を願いたい。
○吉武説明員 小荷物につきまして、いま少量のままもう少しどんどん運んでいった方がよろしいのではないかというふうなお話がございましたが、鉄道輸送はまとまった大量の荷物を長距離に運ぶ場合には一番適性を発揮するということでございまして、近距離で少量の場合にはトラックの方が適するということでございます。 荷物の場合には貨物よりも個々の荷主さんはわりに少量ずつ駅に持ち込まれまして、それを各地に輸送しておるわけでございまして、御指摘のように短い距離の場合にはそういうことも可能かと思います。たとえば東京の都区内相互間であるとかあるいは大阪の市内の相互間でありましたならば、受け付けた荷物をそのまま鉄道に乗せずに着地まで持っていくということを現実にはやっております。ただ、百キロとかあるいはそれ以上になりますと、その行く先別にまとめた方が大量かつ安価になるというような観点から、隅田川のような拠点駅でもってまとめてやるということで、積みかえそれ自身には若干のロスはあるかもしれませんが、輸送距離が長くなる、大量になるということで、この方が合理的な輸送であるというふうに考えてやっております。
○石田(幸)委員 大変論理的で明快なように思うのですけれども、見ておりますと、現実的には大変非合理的に感じますね。これは見解の分かれるところかもしれませんけれども、路線バスだって走っておるわけですから、もう少しそこら辺を合理的に考えたらどうかということを申し上げておきます。 時間がありませんからこの問題はこれ以上議論しませんが、一遍それでは詳しく説明を伺って、この問題を改めてどこかで議論しましょう。しかし、これはどう考えてみても、実際経費は営業係数から言って二倍かかっているんじゃないですか。まとめて運べば安いに決まっておるというような発想ではなくて、やはり、総体的な経費の中においての算出を考えなければこれはだめなんですよ。あそこで集配している姿を見るともう全くため息が出てきますな。しかし、もう大分時間も経過しているようでございますからこれは別の機会に議論をしましょう。 さて、大臣、先ほどの問題にもう一遍返っちゃうのですけれども、いわゆる公共性の問題ですが、いま貨物の問題をいろいろ議論をいたしましたけれども、将来ともに、少なくともここ十年のうちに、貨物収入が共通費まで賄うような時代が来るかどうかはきわめて見通しが暗いわけでございます。そういう状況から見ますと、一つは、五十年度の損益状況を見ても、予定でございますけれども、貨物収入と旅客収入合計で一兆六千百七十七億、人件費が一兆五千十五億と見込まれているわけですから九三%ですね。要するに収入額の絶対数が不足をいたしておるわけですね。そういうふうに考えてみると、いろいろと公共負担なんかで国鉄の営利性の足を引っ張っている問題もあるわけですね。貨物、旅客、新聞などを合わせると四十九年度で四百四十八億公共的な負担を行っておる。 そういう点から独立採算制を指向するのは非常に無理だと私は思うのですが、こういう形で貨物と旅客収入という問題を考えていったときに、受益者負担の原則から見て、あるいは総合原価主義という考え方に立って将来ともにこれを推し進めていこうとするとどうしても旅客を利用する人たちの方により多くの負担がかかる。と申しますよりは過重の負担がかかる。今回五〇%値上げということになって来年また五〇%値上げということになると、二年間を合体してみると一二二%ぐらいの値上げになりますね。これはちょっと問題だと思うのですよ。そこでこれは何とかしてもらわなければならぬ。 たとえばイギリスにおいては、ことしですか、確かに相当な値上げをしているわけですが、ところが、物価の委員会がありましてそれによって頭を押さえられておりまして、たしか一三%、一五%、一五%ぐらいで、合計してみると四八%ですけれども、恐らく実質で五五、六になるでしょう。相当な上げ幅なんですけれども、物価の委員会があって、これは政府の関係の委員会のようですけれども、それによって物価政策の上から頭を押さえられているために上げ幅はその都度小さくなっているわけです。 そういうふうな物価政策との関連でどこら辺が受益者負担として適正であるのかということは、総理府が発行いたしております五分類方式を見ますと、大体公共料金の支出が、四十九年度の数字ですが、第一分類で一五%、第二分類で一四%、これはそう低い支出じゃないわけですね。たとえば十万円もらっている人は、公共料金のために支出をしているのは第一分類の人は一万五千円払っておるわけです。だからかなりのウエートになってきていることは事実なんです。だから、そういう消費支出というような問題から物価指数で見ますとこれはちょっと意味が違ってくるわけなんです。物価指数というのは、公共料金は国鉄なら国鉄が毎年値上げするというようなシステムではありませんから、物価に与える影響というものはその都度算出する以外にないのですけれども、公共料金の支出がいま第一分類が四十九年で一五%でございますけれども、これは国鉄が上がりますと恐らく一七%ぐらいまではね上がるのじゃないかと思うのです。そういう意味において、物価政策の上で運賃の上げ幅の上限というものをやはり決める必要があるのではないかということ、これが質問の第一点です。 それから、もう一点は、やはり収入の絶対額を上げない限りはこれはだめなわけですよ。そこで、それは運賃の値上げでいま賄おうとしているわけでございますけれども、公共性というものをもう少し何らかの形で加算をしていかないといけない。そうしないともろに利用者負担の方にぱかんと値上げという形でかぶさってくるので、公共性の問題について、くどくはなるかもしれませんけれども、独自の財源かあるいは政府の財源のうちで何%というような原則を立てるとか、何かそういうような方法を将来とることはできないのか。 この二点をお伺いしまして、質問は一応とめておきます。
○木村国務大臣 いままでも運賃の改定の際には、これは国鉄のみならずすべてにわたってそうでございますが、消費者物価との関連といまおっしゃいます消費生活との関連を常に検討しながらその上げ幅を考えてまいってきておるわけでございまして、これは常にそうでなければならないと私は考えておるわけでございます。 したがって、今回も五〇%という大幅な運賃改定でございますけれども、そういう点で経済企画庁といろいろ検討いたしまして、消費者物価に与える影響は少なくともまずまず〇・五%内外で済むのではないかというふうなことから、この程度の影響であれば利用者負担をこの程度はお願いしなければなるまい、と、かように考えておるわけでございますが、今後運賃値上げは皆無ではございませんが、常にそういう配慮はいたすつもりでございます。 それから、いま言われますように、ともかく収入の絶対増を図らなければならぬが、なかなかその点がむずかしくはないかということはおっしゃるとおりでございますが、とにかく、いまの運賃は陸上の、かつ他の各交通機関の運賃等といろいろ比較をしてみますと、きわめて不均衡であり低いということはもう客観的な事実でございまして、たとえば現在一キロ五円十銭のものを七円九十銭にいたしましても、すでに他の交通機関は十円以上、高くなっておりますものは一キロ二十円にもなっており、さらには一キロ三十円というところの交通機関もあるというような状況下でございますので、国有鉄道でございますからできるだけ運賃が低いことは結構でございますが、他の交通機関と横並びにそろえるということはわれわれも考えておりませんが、それに多少でも近づく程度には利用者に負担をお願いしないとやはり健全な経営はできない、収入の絶対増加を図るという面ではそういう点に力点を置いて運賃値上げということをどうしても考えなければなるまい、このように考えております。経費の減を図るということももちろん必要でございますが、まさに、運賃の絶対増加というものはいまの国鉄の再建にはどうしても必要であるわけでございますから、今回の大幅の運賃改定というものもその面からもひとつ御理解をいただきたいと思っておるわけでございます。 なお、午前中から公共性、独立採算制の話もいろいろ出ておりました。とはいいますものの、国鉄が全部収入で賄うという完全な独立採算ができる企業体であるとも思いませんし、また、公共性を持っておる以上は、収入だけで経営が成り立つようにすべきであるということではございません。独立採算制というものを中心に今後の健全経営を考えていきたいということでございますので、世間並みの運質水準までまず持っていき、それから先はさらに公共性あるいは独立採算制という問題をそこでもう一度振り返って考えてみるという、そういう行き方で行ってみたいと思っておるわけでございます。
○石田(幸)委員 これでやめますが、運輸当局が一般的な運賃水準まで引き上げたいという気持ちはわからぬではないのですよ。しかし、これは物価との兼ね合いが大事な問題でございますのでここで一つ提言をしたいのですが、いま運輸審議会等がございますけれども、国鉄が今回上げますと、通勤通学定期あるいは一般運賃においても私鉄との大きな格差がまた出てくるところがございますね。それから、貨物運賃にいたしましても、これはトラックの運賃値上げ等の問題もあるわけですけれども、航空運賃も含めて、かなりいろいろな各層からの意見を吸い上げるための運賃委員会なるものを考えなければいけないと私は思うのですよ。いま個別認可というような形で行われておりますけれども、そういう形ではどうしても全体とのバランスをとることはむずかしい。もっと専門家をたくさん糾合した運賃委員会なるものを総合的に運輸行政の中におつくりになる必要があるのではないかという御意見を一つは申し上げておきます。 それから、もう一つは、自民党の加藤委員からも総合交通体系の問題でお話がございましたけれども、先ほど来地方開発線の問題で申し上げましたけれども、地域的な総合交通体系というものをぜひひとつ御検討をいただきたい。その上での国の総合交通体系というふうにならなければいけない。もう時代は中央から問題をながめてというような時代ではないと思うのですよ。これは卑近な例で申しわけありませんけれども、たとえば名古屋市のある一つの区の児童公園の設計図まで運輸省へ持っていって相談をしなければならぬなんて、そんなばかな行政はないと思うのですね。もうある程度は地方なら地方に任せるという方法でいかなければならないし、また、地方は地方なりのいろいろな発案があるわけですから、そういう意味での意見を十分吸収した総合交通体系をつくらなければ、かえって中央のそういう一つの発想が地方のいろいろな行政なり社会開発を阻害してしまうのではないか、こういうふうに思いますので、この点は御要望としてぜひお願いを申し上げておきます。 以上で終わります。
○増岡委員長代理 太田一夫君。
○太田委員 私は、ローカル線対策、在来線と新幹線の関係、新線建設、国鉄の輸送分野と、大きく言えばこの四つの見出しに集約してお尋ねをしたいと思います。 いま石田先生からいろいろとお話があって、お答えになっているのを途中で聞いておったのですが、最初に大臣にお尋ねをしますが、もう一遍復習になりますが教えてください。 この五十一年度は、運賃値上げ助成金等をもらって国鉄の経理はどうなる、五十二年度はどうなる、五十三年度はどうなる、五十四年度はどうなる、五十五年度はどうなる——何か、五カ年計画でこの目標に達するようなお話をひょいと聞いたので、五十一年度から五十五年度までの大づかみな数字で結構ですが、計画をひとつお示しくださいませんか。
○住田政府委員 今回の再建計画は、五十一年、五十二年の二年間で収支のアンバンランスを回復するということになっているわけでございます。五十一年に約五〇%値上げいたしますが、この段階では約五千億の赤字がまだ残るわけでございまして、五十二年度に値上げをいたしまして収支均衡とれるということになっています。 五十三年度以降の収支でございますが、現在の考え方といたしましては、人件費、物件費等の値上がりに応じまして、それを償う程度の運賃値上げをしたい、と、さように考えているわけでございます。
○太田委員 では、五千億残るという数字を、どこがどうなって差し引き五千億になるかということをもう少し教えてください。
○住田政府委員 五十一年度の収支でございますが、この席で大臣からはたびたび申し上げておると思いますけれども、五十一年度の運賃収入では、大体経費のうちの人件費と物件費だけが賄えるということになっております。五十一年度の予定いたしております収入は、運輸収入、雑収入、助成金あるいは赤字運転資金等を入れまして二兆七千億、それに対しまして経営費とか鉄建公団の借料、市町村納付金、利子等を合わせまして二兆七千億ということでバランスがとれているわけでございます。 五千億の赤字は、赤字運転資金の二千五十二億と、それから減価償却費の二千九百八十八億を足したのが五千億の赤字でございます。
○太田委員 いまの局長のお話は、五十一年度に五千億の赤字が残る、五十二年度は運賃値上げによって五千億増収するということですか。
○住田政府委員 五十一年度は五千億の赤字が残るわけでございますけれども、そういう五千億のアンバランスを解消する値上げを五十二年度に行って収支のバランスを回復するということでございます。
○太田委員 そうすると、運賃値上げによって、それだけでそれを埋め合わすということですか。
○住田政府委員 今回の再建計画では二兆五千四百億の過去債務たな上げを実施いたしておりますので、そういうたな上げはもちろん五十二年度に実施いたしますし、また、工事補助金の交付ということも当然継続いたします。そのほか、国鉄の合理化努力等を入れまして、五十二年度で収支のアンバランスを回復するという考え方をとっているわけでございます。
○太田委員 どうもわからないのですが、来年度になれば物件費は下がるの。人件費は来年度も不変であるの。皆上がるのでしょう。ベースアップも見込まなければならぬでしょう。ですから、ことしの状態で五千億の赤字があって、その五千億が来年度とんとんになるということのためには、単純に五千億をどこかで増収するかもらってくるかして、そして出る方のものは皆抑えておくということでなければいかぬでしょう。どういうことですか。いまとんとんにする、とんとんにするとおっしゃるけれども、素人にわかるように教えてください。
○住田政府委員 五十一年度で五千億円の欠損が出るわけでございます。その五千億に、五十二年度にはさらに人件費の値上がり、物件費の値上がりが予想されますので、そういうものを含めますと恐らく五千億より相当大きな数字になると思いますけれども、そういうものを運賃値上げによって解消するという考え方でございます。
○太田委員 では、その運賃値上げの率と、その見込み増収額は幾らですか。
○住田政府委員 五十二年度にどのような方法で値上げをするとか、どのような助成をするということは現在まだ決まっておりませんので、最終的に何%値上げするかはまだ決めていないわけでございます。
○太田委員 大臣、どうなんですか。そういうことですか。これはだれが決めるんですか。運賃法定主義ならば、大臣が一番腹の中にそれを持っていらっしゃらなければいかぬわけですね。
○木村国務大臣 いま鉄監局長が御説明申し上げましたように、二年間で再建のめどを立てて、三年目からは通常の状態で経営できるように持っていこうというのでございまして、その第一年目におきましては、いま説明申し上げましたように、五十一年度の予算ではなお五千億ぐらいの赤字を五十二年度に持ち越さなければならない。そして、五十二年度の予算をどういうふうに組むかというときに、その五十一年度から持ち越した五千億の赤字は五十二年度で解消しなければならぬという問題があるわけです。それと同時に、いま御指摘がございましたように、低成長とはいいながら多少物価も上がりましょうし、人件費等も上がると思いますから、経費の面ではそういう点も考慮をしなければいけません。同時に、運輸収入の面におきましても、五十一年度の五〇%を基礎にして考えますが、国鉄自体もいろいろな企業努力をいたしましてさらに増収の面においても努力をいたしましょうし、それから、経費の節減の面においても合理化あるいは近代化等をさらに進めて経費の方もできるだけ抑えていく。ふえる面ももちろんありますが、抑えていくというふうな努力と相まって、しからば五十二年度はどうなるかということになるわけでございますが、それだけの要素をいろいろ考えてみましても、やはりこのままで収支相償うというわけにはいかぬと思います。 なお、累積赤字のたな上げの方策は続けてまいります。そうしますと、ことしから来年に持ち越す約五千億の赤字の解消を中心にして、他の収入増あるいは経費増、経費減というもろもろのものを計算したときに、差し引き五十二年度に幾らの赤字が出るかということになるわけですね。それをそのままそっくり運賃改定ということに持っていけば、今日ただいま考えておりますところでは大体それが五〇%を超すであろうと思います。 しかし、五十二年度の予算をいよいよ編成する際には、それをすべて運賃に賦課して運賃改定をいたしますか、あるいは積立金の取り崩しとか、ほかにもまだ残された方法もあるわけでございますから、それらを勘案しながら——運賃改定の率というものは物価、負担力ということも考慮しないといけませんので、これはやはり五十二年度の予算編成の時点にいきまして、いま申し上げたようなもろもろの点を総合勘案して五十二年度の予算を編成いたし、そしてその結果は五十二年度で、五十三年度にはそういう大幅な運賃値上げをしなければならぬといったような赤字持ち越しはもうなくしようという考え方でございます。 〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕
○太田委員 国鉄総裁に伺いますが、いまの大臣のお話から、五十一年度、五十二年度の二カ年計画で何とかとんとんにしたいというのが一つの願望であり、腰だめの話だということがわかりました。細かい検討が省略されておりますが、あなたの国鉄のPRを見ますと、財政悪化の原因について、運賃水準が非常に低くなったということを挙げられている。昭和十一年度に対して、消費者物価が倍率千四十七になっておるのに国鉄運賃は旅客の場合三百二十七だ、新聞代が千七百五十三になっているのに国鉄の旅客運賃は三百二十七だということを言っている。新聞代と比べてみれば、新聞代の方が消費者物価より高いのでありますが、それと比べると五分の一ぐらいで、消費者物価と比べれば三分の一ぐらいで、いわゆる上がり幅が狭い狭いということをここで強調されておられる。あなたの方からおっしゃれば、それは言いたいところであろうと思うのですよ。そういうことを言わないと国民が納得しませんからね。せっかく何億もかけた広告も出したことですからね。それから、その次がモータリゼーションのせいだ、過密過疎という両極端の現象ができたせいだとおっしゃる。その次は流通戦争に破れたとおっしゃる。流通戦争に破れた敗残の国鉄だとおっしゃる。四番目は借入金によって改良工事等をやった借入金依存政策だとおっしゃる。 私はこれを見て、いまの運輸大臣、鉄監局長の御答弁というものは、いまの段階では、この場を切り抜けるためにはそう言っていらっしゃるより方法がないような気もするのです。しかし、心もとないことがいっぱいあるじゃありませんか。運賃水準が低いからこれを上げるということで、ことしと来年五〇%大づかみに上げていまの倍にするということを計画していらっしゃるという話だが、これで運賃水準の低さというものはある程度カバーができるが、だが、モータリゼーションとか、過密過疎とか、物流戦争に破れたこととか、借金依存政策というものに対する解決にはならない。借金を幾らしてもそれは返せますというふうにはならないからいろいろのことが今度の対策にあるわけですが、しかし、モータリゼーションとか流通戦争というものの影響をこうむって財政が悪化したということになれば、来年度とんとんになるということはどう考えてもうそだと私は思うが、総裁はどうお考えになりますか。
○高木説明員 計算上は運賃をいまの倍に上げていただけば十分償えることになりますが、これは競争でございますから上げれば上げるだけお客さんは利用していただけなくなる危険があるわけでございます。そういう意味におきまして、そう安易に運賃を上げるだけで物事が片づくとも考えていないわけでございまして、サービスの内容を向上するとか経営の合理化を進めていくとかいうことを総合的に行うことが必要である。運賃は最も重要な要素ではございますが、それだけで片づくものでもないというふうに考えております。
○太田委員 これは鉄監局長は専門ですからあなたにお答えいただければいいのですが、総裁の話によりますと、運賃値上げをすればお客は減るであろう、荷主も減るであろう、と、そういう影響を考えていらっしゃる。だから、五〇%上げたから五〇%というわけにいかぬと言う。実質運賃値上げ率が三十何%というのはそこから出たと思うのです。いま総裁は運賃値上げだけでは賄えないという認識を持っていらっしゃるのですね。そうするとあとは何だというと、大臣のおっしゃったサービスの向上と節約だということですね。 それで来年度とんとんになるという見通しについては、局長、専門家としてどうですか。請け判が押せますか。保証できますか。
○住田政府委員 御指摘のように、運賃を上げますとお客さんが逃げるということで、そのまま収入の確保が図れるわけではないわけでございます。したがって、五十一年度、五十二年度の二年間大幅な値上げをやるということは相当なことであるということは覚悟をいたしているわけでございますが、しかし、先ほど来御指摘がありましたように、現在の国鉄の運賃というものは他の物価に比較いたしましても決して高いものではないわけでございます。 私どもといたしましては、この五十一年、五十二年の値上げができますれば国鉄の収支のアンバランスは解消される、しかし、今後そう簡単には運賃値上げができないであろう、そのためには国鉄としてサービスの向上をするなり、あるいは経費の節減を図るなり、そういう面の努力が必要である、しかし、五十一年と五十二年の値上げは努力すれば可能である、仮に可能であれば収支のアンバランスは回復する、と、さように考えているわけでございます。
○太田委員 あなたは国鉄部長もやっていらっしゃったから国鉄の中のことはよくわかっているはずだが、どうもわれわれにはわからぬ御説明をなさるわけですね。しかし、まあいいでしょう。そういうふうに聞いておきましょう。 そこで、国鉄運賃の値上げの影響について、民鉄と比べてちょっと例を申し上げますと、たとえば大阪−三ノ宮間というのは、阪急の方がキロでは二キロ長いのに九十円も安い。渋谷−横浜間に至っては、東急が距離が五キロ短いので百二十円も安い。大阪−京都間においては、京阪が七キロ長いのに百二十円安い。こういう状態になってきますと、お客さんは国鉄に義理があって乗るようになる。まあ、義理があって乗るのか、国鉄の方がサービスがいいから乗るのか——先ほどの総裁じゃありませんが、サービス向上に努めると言われるが、サービス向上ということによって乗るということが確保されるのか。 増収率一〇〇%を見込んでいないだけにお客が減ることはわかっているけれども、これだけの差をつけて、さらにまた来年度何十%か上げようというのですから、そんなものあれじゃありませんか——いまのお客さん、つまり国民は、この不景気のもとにおいてオイルショックの打撃を受けて、以来、狂乱物価に対して身を守る方法はお金を効率よく使うことだということで、新聞に入ってくる折り込みを見て、一番かたい、安い物を目指して買いに行くというように自己防衛能力が発達しておりますからね。そんなに高くなってもさらにこれを高くしていくという国鉄に乗るという義理がどうして生まれてくるのですか。
○住田政府委員 お客さんは別に国鉄に義理を感じて乗っているわけではないと思うのですが、やはり、お客さんが交通機関を選ぶ場合には便利さというものがその選択の基準になると思います。 私鉄と国鉄との間の運賃格差というのは今回に始まったわけではなくて、これまでも存在いたしておったわけでございますが、いま御指摘の問題は非常にむずかしい問題でございまして、二つの競争交通機関があった場合に、片一方の運賃が上がればお客さんは流れるのかどうかについてわれわれの方もいろいろ検討はいたしてみたわけでございますが、しかし、交通機関の輸送分野というものはもう大体安定してきているのではないか、今回の運賃値上げが全く影響ないということは申し上げませんけれども、現在安定している輸送分野をそう損なうものではないのではないか、と、こういうように見ておるわけでございます。 たとえば通勤の場合には、通勤の定期は企業負担が大半でございますし、また、通勤以外でも、片一方の国鉄に行くには五分間で駅まで行くが私鉄の方は十五分かかっていくという場合に、仮に私鉄の方が五十円安いといたしましても、やはりお客さんは早い方を選ぶのではないかということで、お客さんが選ぶ場合に、もちろん運賃面の要素というものは無視はできませんけれども、最近のように時間価値が高くなってまいりますと、むしろ早いということの方がお客さんの選択基準になるのではないか、そういう意味では、影響は全くないとは申し上げませんけれども、現在の輸送分野を覆すような影響というものはないのではないか、と、さように考えているわけでございます。
○太田委員 いまのそのお答えは、実際そうなるかならないかという現実によって解決されるわけですけれども、そのようにむずかしい問題ではあるけれども、輸送分野は落ちついているのだから、こちらへ来るものはこちらへ来るよという前提でお考えになりますれば、それは安気なものでございますね。そういうことですね。 そうすると、仮に私鉄の方が運賃値上げなどというものをそれによって申し出てきても、国鉄運賃値上げによってお客が流れてきたから輸送力増強をせにゃならぬというようなことは理屈にならぬわけですね。そういうことでしょう。
○住田政府委員 いま申し上げました輸送分野が安定しているというのは一般的な事柄として申し上げたわけでございます。一部の路線のように国鉄と私鉄との競争関係が非常に厳しいような場合には、あるいはお客さんが流れることもあり得るかと思いますけれども、しかし、国鉄運賃を上げたために私鉄の路線を増強しなければいかぬというような事態はまず考えられないと思います。
○太田委員 ちょっと古い話で恐縮ですが、昔梅田の阪急のターミナルに梅田の阪急食堂というのがありました。そこで一さら五銭のソーライスというものを売っていたことがあるのですが、だれか御存じの方はありませんか。総裁、どうですか。
○高木説明員 ちょっと記憶がございません。
○太田委員 運輸大臣や鉄監局長はどうか知りませんが、阪急食堂というのは阪急電鉄の直営であります。昔のことですが、関西の私鉄華やかなりしころに食堂でソーライスというものが非常によく売れた。一さら五銭ですから昭和の初めごろだと思うのですがね。まだ皆さんは生まれていらっしゃらないか知らないが……。これはさらの上に御飯を乗せて、それに福神づけがつけてあるのです。言うならば、いまで言うライスなのです。単なるライスです。ライス一さらということでお客さんがみんな買うのです。不景気ですからね。五銭でライスを買ってテーブルの前に来るとソースが置いてある。ソースはただですからそれをかけるのです。それで、これを世人はソーライスと申しました。それが非常な人気だった。食い道楽の大阪においてソーライスがどえらいものでした。 そこで、小林一三さんが阪急電鉄の社長として商売繁盛を考えたときに何を考えたかというと、ソーライスはソースをじゃぶじゃぶかけてたちまちにしてソースは空になってしまうから余りもうからないということで、そこで彼は一さら二十銭でうまくて安いというカレーライスを売ることにした。またどんどんお客が来まして、阪急の梅田のカレーライスを食べに行こうというわけで電車に乗ってじゃんじゃん来たんですよ。それはもちろん大阪市内の人も来ますから電車に乗らない人もあるが、ついでに宝塚に行こうか箕面に行こうかということになった点もあるでしょうが、とにかくその二十銭のカレーライスというのは、大量に長い時間かけて仕込みに全力を挙げ、欧米各国のカレーライスの秘伝を克明に記録してつくった。御飯は少なく炊くか、多く炊くか、何時間炊くか、どうするか、と、それをやりましたらもうどんどん売れた。これを当時世人は薄利多売主義と申しました。よい物を安く売ればお客は必ずやってくる、それが一番いい方法だという考え方で、当時の阪急の小林社長が天下に有名な阪急食堂の二十銭のカレーライスを売り出した。薄利多売でやったのです。それ以来この商法は天下周知の一つのモデルというのですか、事実になって、いまでは常識になっておるのです。あなたたちがこれを御存じないというのもおかしな話で、これはぜひひとつ研究してほしいと思います。 そういう点から運賃を見てみると、あなたたちのやることは反対のことだ。どうせこれしか乗るものはなかろうから、おれの方の都合が悪いから高くしろということはどういうことですか。いまの薄利多売主義という主義から言うと全然範疇外のことだ。よい物を安く売ればお客は必ず来るのです。 とにかくサービスの向上に心がけるとおっしゃるが、国鉄さんのサービスも必ずしも悪くありませんから、私もサービスが悪いということは申しません。高木総裁、あなたも現場をごらんになればそんなに悪くないですよ。生産性を上げていますよ。東京駅の改札係は一人で出入り口両方を持っておる。よくやっていますよ。ですから、サービスはそんなに悪くないと私も思う。ところが、どんないいサービスをしてもその中身が高くては、お客さんから言うと、ありがたいけれどもまあ敬遠しましょうということになるのじゃないですか。だから、運賃を値上げすれば赤字が埋まるとか、料金を値上げすれば増収になるとか、そういうことはいささか独占に隠れたわがままではありませんか。その辺はどうですか、大臣。
○木村国務大臣 いまの国鉄の場合は、薄利であれば結構なんです。利益があって、その利益が非常に薄いならなお結構なんですが、二十円のライスカレーで十九円かかっておれば薄利ですが、いまの五円十銭という原価はとても利益どころではなくて、たとえば三円のものをつくるのに五円十銭かかるといったような状況でございますので、実は困っておる。そこに一つの大きな国鉄の経営難があるわけでございます。そこで、五円十銭という値段をせめて七円九十銭なり八円なりというところに持っていってもらっても、なおまだ薄利までいかないのです。まだ足らない。そういう状況でございます。 しかし、阪急のかつての小林社長のようなきめの細かい経営努力のお話は非常に参考になりましたし、また、おっしゃるように国鉄としてはそういう意気込みでやらなければ国民にこたえられない、かように私は思っておるわけでございます。
○太田委員 原価を償わないということは、それはそれなりにあなたの方の御説明として聞いておいてもよろしいですけれども、国鉄運賃法はただ単なる原価だけではありません。物価にも影響しないようにということなのです。本来は、日本国有鉄道法というのは、国民の福祉の増強のために「ここに日本国有鉄道を設立する。」ということになっておるわけでありまして、これはその辺の営利を目的とするものと同じではないということを何遍も言われておるわけですね。そういうことから言うと、私はもうけてもらいたいとは思わないが、資本財に投下した借入金を国が持ってくれないという今度の改革案、再建案は画竜点睛を欠くというのですか、何か一つ欠けておるのじゃありませんか。様にならぬじゃありませんか。それがずっと残っていく、何だかんだと理屈をつけて、それでちょこっとしか出さぬということなので、なぜ借入金の全額をたな上げするということにならないのか。これはこの間参考人の先生がだれかおっしゃったですね。会社更生法と同じようなものだから、会社更生法ということならばこれは借入金はたな上げですよ。利息は支払い停止ですよ。どうしてそこまで踏み切らなかったか。その理由は何でしょうか。
○住田政府委員 国鉄の借金は確かに六兆八千億ございます。今回たな上げしたのは二兆五千四百億でございますから、なお四兆三千億の借金が残っているわけでございます。国鉄の借入金というのは、最近赤字になりましてからは赤字運転資金の借り入れがございますが、本来施設をつくるための借入金でございます。もちろん国鉄の使命は国民の利益に奉仕するということでございますが、しかし、そのことが国鉄のかかる経費の全部を賄わなくていいのだということにはならないわけでございます。もちろん利益を出して配当する必要はございませんけれども、国鉄のかかる経費は回収するというのがたてまえだろうと思います。したがって、現在残っております四兆三千億の借入金につきましても、それに見合う資産があるわけでございます。たとえば山陽新幹線等現に利益を上げているような施設があるわけでございまして、そういう収入から借入金を返すということが可能である限りにおいてはそれで差しつかえないのではないかと思います。 もし、将来適正な運賃をとってもなおかつ国鉄の赤字が解消できないという面、先ほど来申し上げておりますように内部補助関係ではカバーし切れないというような面がございましたら、それはその問題として、その対策を講ずる際に新たな助成を検討するということもあり得ると思いますけれども、原則的には借入金というものは資産になっているわけでございますから、その資産が運営されて収入が上がっている範囲内においてはその借入金まで全部国が肩がわりするという必要はない、と、さように考えておるわけでございます。
○太田委員 このごろ大蔵省が各企業に対して指導することは、こういう非常の際であるから各企業は借入金に頼る経営をしては相ならない、だから借入金の比率を極力圧縮して自己資本率を高めよという指導をしておられますね。これは高木総裁の方が本物だからあなたに聞いた方がいいが、自己資本を高めよと言っておるのだ。それが実際健全な経営である。いま局長のおっしゃったことは、設備に投じた金というのは別だから借入金として残しておくということだが、設備に投ずる金というのは、そもそもは資本として、企業で言うなら増資をして、それによって賄うというのが一番正しいやり方です。新たな借入金だったら、借入金を資本に振りかえたらどうですか。そうでもしなければ、これは設備に使ったものだから借入金で元金返済もいたします、利息も払いますなんて言ったら、百年たっても国鉄の赤字は解消しませんよ。 そこのところをちょっと聞きたい。この議論は私の本筋の議論じゃありませんが、総裁、どうですか。
○高木説明員 おっしゃるとおり、安定経済に入りました場合には、経営の場合に余り巨額の借入金に依存することはおよそ経営圧迫になるわけでございますから望ましくないことは申すまでもないわけでございます。国の場合にも、この種のものにつきましては従来からしばしば一般会計から出資をするということをやっておったわけでございますが、長い歴史の間に財政需要がどんどんふえてまいりましたのでそれを出資で賄うことがだんだんできなくなってまいりまして、国鉄に限らず他のフィールドにおきましても、とりあえず資金運用部等の借入金をもって資産の形成をして、そして必要とあれば利子補給を行うことによってその経営体の経理の負担の軽減を図るというふうに転化をしてきたわけであります。 財政の体質の角度からいきましても、本来ならば借入金でやるよりは出資でやることの方が財政全体の健全性という角度からも望ましいわけでございますが、昭和三十年代の中間ぐらいから後はだんだん出資をすることをやめて、各事業体で借り入れをして利子補給をしてとりあえずつないでいくという形になったわけで、実は、そのようにして漸次財政全体の体質が弱体化してきているわけでございますが、今回のように多額の国債を一般会計で発行しなければならないという状態のときでございますので、今回のような措置がとられましたのも財政の立場からはうなずけることだというふうに、私も長くそちらにおりましただけに考えるわけでございます。そこのところは二つの方法があり、選択の問題であると思いますが、現在の財政状態のもとではこれまたやむを得ないのではないか、われわれとしてがまんせざるを得ないのではないかというふうに考えます。
○太田委員 国鉄総裁とすれば、運輸省や政府に遠慮なさることはないですよ。ここにも自民党の幹部がいらっしゃるけれども、そんな人たちに遠慮して物をおっしゃる必要はないのだから、これはどうやって直すか、どういうふうに是正したならば国鉄の再建のために一番いいことかという最良の道を一緒になって見つけていただくことに努力をしてもらいたい。 昭和三十年の中ごろから借入金で資産を形成するという風習になったとおっしゃるが、やがてこれは高度経済成長時代に行き、その昔は配当という問題と金利という問題の微妙な比較論がありましたね。配当するということは、銀行金利の安いときにははるかに企業の負担になるわけですよ。しかも、株主の対策が一つ要る。株券はつくらなければならぬ。これは株式課を増強しなければなりませんから、そういうことでそろばんをはじいて借入金というものを一般にやりましたね。しかし、国がやる企業がいま膨大な借入金を抱えて、その金利の負担が五千億で、その負担によって打ちひしがれようとしておる国鉄が資本形成に使ったところの借入金を、資金運用部資金であろうと何であろうと、それを国に肩がわりしてもらう、出資してもらうということを求めないというのは怠慢だと思う。これは五十年八月の日本国有鉄道監査報告二十三ページに言っておるじゃありませんか。 「昭和四十九年度末の長期負債について、過去における設備投資及び繰越欠損金から推定すれば、その過半は設備投資資金に充当され、残りは損益勘定における欠損補てんのため充当されたものと考えられる。また、国鉄の経営収支がいわゆる償却前赤字に転じて以来、営業費の一部さえも借入金により賄わざるを得なくなり、借入金は急速に累増した。」「したがって、国においては、上記の事情を十分勘案され、長期負債のそれぞれの内容に応じて、国の出資への振替え、たな上げなどの具体的な措置を明らかにするとともに、繰越欠損金に対する処理についても配慮されるよう特に要望する。」と、ここに明らかに指摘をしておるのですからね。これはそのまま再建要綱の中に入ってきておらないから、閣議決定の方で少し薄められてしまいましたが、薄められたということは、国鉄に重い荷物をしょわせたということになりますよ。だから、ここに言っておるような会社更生法の精神ですが、会社更生法というのはそういうものじゃありませんか。ここで監査報告で言っているとおりのことじゃありませんか。会社更生法の精神とこれとは違いますけれども、絶大な赤字と借金に苦しむ企業が立ち直るためには会社更生法の一つの理論というものを借用しなければならぬじゃありませんか。大臣、どうですか。
○木村国務大臣 国鉄はいままさに倒産状態で、会社更生法の適用を民間企業であれば受けるに等しい状況であるということは私も認めるところでございます。 私も詳しい財務関係のことはわかりませんけれども、大まかに考えまして、赤字に弱っている国鉄が立ち直るためには、とにかく経営ができ、過去の借金も払っていくというのに必要な金は運輸収入で賄うか、足らないものは、主として政府でございましょうが、政府からただの金をもらうか、利子のついた金を借りるか、結局この三つの方法しかないと思うのですね。この三つの方法の組み合わせによって過去の借金の支払いをどうするか、毎日の経営の経費をどうするかということでいくしかない。きわめて単純に考えて私はそう思います。 そのときに、いまいろいろお話がございました過去の累積の債務の中で資本増加になるような四兆円のものについて、これは国の出資でこいつを消してやるのが穏当ではないかというお話だと私は理解するわけですが、それは一つの見識であると思うわけでございます。 しかし、その前にわれわれとして考えますのは、国有鉄道というものはやはり鉄道事業であるし、経費の大半は収入で賄う、その収入は運賃である、その運賃は適正な運賃のもとで適正な収入で賄う、それがいままでそうではなかったので、出資もいいが、この際はまず運賃収入を適正なものにして、これを再建の大きな一つの柱にしよう、それによってある程度の経費が賄えてくる、過去の借金の整理はしからばどうするか、この際の累積の赤字は過去の業績によっての赤字だから、これはひとつ政府がたな上げをして見てやろう、資産増加に類する累積債務は、これはやはり一つの企業だから増加した資産もあることだし、当分は利子を支払って——企業であれば利益が出たときに利益としてそれを利益金の中から返していくというかっこうが普通のかっこうでございますので、現在の計算でいきますと、その後の累積の債務の返還の利子等年間で大体三千億ぐらいになろうと思いますが、それらも含めまして五十一年度の再建の計画は運賃を五〇%程度上げ、とりあえず累積の赤字の分のたな上げをし、工事費等については利子の補給をする。それから、赤字路線のはなはだしいところの赤字分の一部を補助金で出す。これでやって、さらに五十二年度は引き続きそれらの助成方策は講ずるとともに、さらにもう一度運賃改定をして、それによってようやく他の運賃に近づいてくるので、この辺で適正な運賃と考えられるわけでございますから、それでもって五十二年度の第二年目の再建を図る。なおそれでも若干の赤が出ると思いますが、それは微々たるものでございますので、その後の国鉄の運営にとってはそれほど大きな負担にはならないから、それは国鉄が工夫をして解消に努めて経営の改善を図っていくということで考えておりますので、出資によって一挙にそれも消したらよろしいという御意見も確かにございますが、そこで出資ということを考えますと、やはりもとが税金ですから、そうすると、国鉄の再建なり経営改善のために必要な費用を利用するお客から運賃でいただいてこれを賄っていくか、国民全体の税金から、たとえば三千億になればおおむね一人三千円ですから三千円ずつもらって経営立ち直りの資金にするかという問題に煮詰めていけばなると思います。 そうなりますと、鉄道事業でありますから運輸収入によって一体どの程度賄うかということで、ただいまのところは、今回の運賃改定が実施できましても経常の人件費と物件費がかつかつに賄える程度の運輸収入であって、その他の経費はやはり依然として補助金その他で賄うということでございますので、まあまあこれが最低限の運輸収入でもって賄う範囲でございまして、健全な鉄道の一つの企業とすれば、運輸収入で賄わなければならない経費はまだもっとほかにもあると考えられますので、それらを思いますというと、今回の再建の中身は、国鉄を利用されるお客さんも、税金を納めていただく国民全般も、いずれも国鉄の再建ということのために自分たちが応分の負担をしなければいかぬという観点から考えていただければ、まずまずのバランスはとれておるのではないか、かように考えるわけでございます。
○太田委員 そうすると、念を押しますが、四兆三千億ほど現在の借入金が残りましたが、来年度もやはりその中から新たにたな上げ分に加わるもの、別勘定に入るものがあると予想しておいてよろしいのですか。
○住田政府委員 現在の再建計画では、過去債務たな上げは二兆五千四百億を対象にしております。来年度それよりふやすということば現段階では考えておりません。
○太田委員 だから、現段階では考えていないが、次なる段階では考えるということなの。
○住田政府委員 いまの段階で、来年度さらにたな上げをふやすということは考えておりません。
○太田委員 だから、いまの段階のことは聞いていない。五十一年度のことはそれでいいが、来年度がとんとんにすると言うのだから、私はそのことを心配して聞いておるのですが、どこかで金を生み出さなければそれはとんとんにならぬから、運賃だけというのはおかしいと思うのですよ。だから、四兆三千億余りの不良債務、長期借入金、これが残っておりますから、これに対しても新たにたな上げに加わるものが来年度の再建計画に出ると期待しておっていいのかどうか、そういうことは来年度考えることなのかということなんです。いまは考えておらぬということは、次には考えるということですか。
○住田政府委員 現在の再建計画は、五十一年、五十二年の運賃値上げによって収支のアンバランスを回復するということになっているわけでございます。したがって、現在の計画どおりいけば来年度さらに過去債務の肩がわりをする必要はないわけでございます。 借入金の負担が大きいか少ないかということを判断する材料といたしましては、その借入金から生じます利子あるいは借入金の返済が国鉄の経営にとって圧迫になっているかどうかという点で判断する問題ではないかと思いますが、本年度、五十一年度の国鉄の金利負担は経費全体の中で七・六%程度でございます。これは工事費補助金を差し引いた後の金利負担でございますが、七・六%程度でございます。私鉄ですと一四%ぐらいの金利負担になっております。 それから、借入金の返済に充てる原資は償却になるわけでございますが、償却を見ますと、五十一年度で国鉄の経費のうちに占める比率が一〇%程度ございます。私鉄の場合には一一、二%になっているかと思います。したがって、その面から見ても償却負担が大きいということではないわけでございます。したがって、適正な運賃を収受することができれば金利も償却できるということでございますので、現在の計画どおりいけば新しい過去債務の肩がわりの必要はない、さように考えているわけでございます。
○太田委員 国鉄総裁、聞いていらっしゃいますね。いまのお話はそれでいいのですか。償却原資というものは、あなたの方では借入金を返済に回しておるのですか。それは償却だから改良費の方に回すのじゃないですか。借入金の返済原資というのは何ですか。これはどう考えてみても方便主義だと思いますが、それは正しいのですか。それはよろしいのですか。
○住田政府委員 借入金によって施設をつくるといった場合の借入原資というのは、第一次的には償却の金が借入金の返済に当たるということになっております。国鉄の場合には損益勘定、資本勘定といろいろ分かれておりまして、その辺の関係が非常にわかりにくくなっておりますのでいろいろな見方もできるかと思いますけれども、損益勘定の方で黒が出て、それが資本勘定に移っていくというのが本来望ましい姿であるわけでございますが、損益勘定で黒字が残るというのは償却に当たる金でございますので、償却に当たる金が資本勘定へ行って、それが借入金の返済の原資になるというような関係になると思います。
○太田委員 先ほど総裁がおっしゃったように、償却をしなければ物が最後にゼロになっちゃうというわけですね。そういうことでしょう。先ほど紺野先生のお尋ねに対してそういうことをおっしゃったが、その理屈だと思うのです。 償却するということは、物が減っていくから、それに充当する準備金でしょう。ですから、車両を発注する、線路を直す、駅舎を改築するというような償却原資でそれを使うべきである。政府から何兆円の金を借りてきました、線路をつくりました、運賃値上げによってもうかりましたからもうかったもので返します、と、そんなぜいたくなことだったら、公企業じゃありませんね。それはどこかの小さな会社か何かならそういうことがあったって別にどうとも思いませんが、いまの日本国有鉄道法から言いましてそんなことは考えられない。それがあるのだったら、なぜいままで六兆八千億もほっといたのですか。だから、私も償却論を引き続いてやろうとは思っておりませんが、少なくとも来年度は四兆三千億余りの長期借入金の残について何らかの手当てを考えなければまた国鉄はつまずくよということを私は言いたいのであります。 そこで、今度の「再建の基本理念」の中に「自立経営を行う」ということが書いてありますが、この「自立経営」というのは全く新しい言葉のような気がするのです。これはだれか聞きましたかどうか、私も聞き漏らしておりますので説明してもらいたいのですが、字引を引いてみましたら、大ざっぱに言いまして、自力で独立すること、自主の地位に立つこと、これを自立と言うと書いてあるのですね。ですから、五十年、五十一年の二年間の計画というのは、政府はもうめんどうを見てやらないよ、何もめんどうは見ないよ、国鉄みずからでやりなさい、あんたは一人前だよ、ということなんですね。そういうことかと思いますが、この言葉はどこから出てきたのでしょうかね。 日本国有鉄道法の目的の第一条には、「能率的な運営により、これを発展せしめ、もって公共の福祉を増進することを目的として、」とある。能率的な運営によって国鉄を発展せしめ、もって公共の福祉を増進することを目的とするということは、よく似た地方公営企業ではどんなことを言っておるかというと、「経営の基本原則」というのがありまして、これには、「企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。」とあるわけです。そういうことになっていますね。 そうすると、今度の再建要綱の「再建の基本理念」の中にある「自立経営」とはどういうことか。自主の地位に立つことを自立と言うなら、当事陶能力も当然にあるわけですし、この中には当事者能力回復の規定もどこかにあるでしょうね。「自立経営を行う」の「自立経営」とは何ですか。これは大臣から御答弁を聞いた方がいいかな。
○木村国務大臣 あそこで言っております「自立経営を行う」という意味は、その前にあります「独立採算制を指向した」ということに続いておりまして、要するに独立採算が維持できるような経営ということで、独立採算が維持できるということは自分の力でもって経営ができるということにもつながるわけでございますから、そういう意味で自立経営をねらってやるべきであるという意味で書いておるのでございまして、もちろん、それには、いま言われますように当事者能力とかいう問題もその背後には必ずあるわけでございます。そういう必要があるわけでございます。そういうことも、政府としては、今後改めてできる限りの当事者能力が持てるようにしていこうという含みもあるわけでございます。
○太田委員 大臣、そうすると、これが通れば今後国鉄の幹部を呼びつけて運輸省がおしかりになることはないということですか。
○木村国務大臣 国有鉄道といえども、国民の委託によって国の財産を管理しながら事業経営をやるわけでございますから、政府としてはこれの監督をするということは当然のことでございますが、呼びつけてしかるとかなんとかというようなことは——これは注意を与えるとかいうようなこともあると思いますが、その関係は従来と変わりはございません。 ただ、当事者能力といいますか、国鉄総裁が自分の権限で処理し得る事項をなるべくだんだんと広げていって、自分の責任の範囲を広げて自主経営ができるように持っていこうという意味でございます。
○太田委員 自立経営、自立経営と新しい言葉をお使いになったんだから何かがあるのではないかと思いましたが、それではちっとも変わりないじゃありませんか。ちっとも変わらない。だから、依然として当事者能力はある部分にはあるが、ないものにはない。制限された当事者能力だ。ですから、そういう点が明らかにされておらないから、自立経営、自立経営とおっしゃるけれども、みずから自主の地位に立つというようなわけにはいかないですね。 そこの中には運賃法定主義も撤廃しようとする意図が何かあるのですか。運賃は自由に決められるようにしよう、高ければ低める、低目なら高めるというようなことを自由に国鉄が決めるようにしようという、そんな気持ちも含まれておるのですか。
○木村国務大臣 前段の第一の項目は、「国鉄の役割」ということで今後の国鉄の役割りの方向を示したものでございますので、あれに書いてありますことを二年間で全部実現するということではないことは御理解いただきたいと思います。 おっしゃるように、独算にして収支が償って自主経営ができるようにしていくためには、運賃の取り扱い一つにつきましても、国鉄総裁ができる限りやりやすいようにしてやるべきであると私は考えております。そういう意味から言いますと、現在の世界にも例のない、国鉄のみにあります運賃法定主義というものも私は検討しなければならないと思っております。
○太田委員 本会議が迫っておるようでありますから、この際ちょっと休ませていただきまして、その後に引き続き質問させていただきたいと思います。
○中川委員長 本会議終了後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後四時二分休憩 ————◇————— 午後五時開議
○中川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。太田一夫君。
○太田委員 ちょっと話題を変えまして、ローカル線の問題についてお尋ねをいたしますが、余り時間がないようでありますから質問も要約をしますが、今度これを一番中心にしようという課題でありますから、お答えの方もそのつもりでお答えいただきたいと思います。 この間ちょっと聞きましたが、いままでは一万一千二百キロをもってローカル線と言っていた、地方交通線と言っていたと思うのです。これが今回九千二百キロだというお話を聞きましたが、一体、いままでの地方交通線からどことどことが幹線系線区に昇格をしたのか。
○馬渡説明員 結論を申し上げますと、地方交通線から幹線系線区に移りましたものは二十七線、二千四百五十一キロでございます。逆に、幹線系線区から地方交通線に変わりましたものが九線、二百八十キロでございます。 線区を一本として見たことによりまして、全体の輸送密度が幹線系に編入されるべきであるという見方で入りましたもの、例としては函館本線等がございます。 それから、実は、前回のときの作業は四十三年度の数量をもとにして算定をいたしておりますが、今回は四十八年度の数量をもとにして算定をいたしておりまして、輸送量の増がございましたもの等がございます。これが五日市線等でございます。 それから、将来性の観点から地方交通線に編入したが、輸送量が当時減るであろうと思っていたほど減らなかったというかっこうでございましたもの、夕張線等がございます。 それから、幹線から地方交通線に移りましたものの中では、全体の輸送密度として線区全体を通して見たことによって地方交通線に編入する方が適当であるということで、宗谷本線等が入っております。 それから、輸送量が落ちましたもの、これは清水港線等でございます。 それから、将来性の観点から幹線系に入れましたけれども、輸送量がまだそこまで及んでいなかったということで見直しまして地方交通線に入れましたもの、例としては鹿島線等がございます。 以上でございます。
○太田委員 今度の国鉄再建の中心をなす柱がありますね。「対策要綱」の中に出ておりますが、「1、過去債務のたな上げ 2、工事費の補助3、地方交通線対策 4、合理化促進」というふうになっておるわけでありますが、その中の大事な地方交通線対策について、地方交通線とは何だ、百七十二億円を特別交付金で交付するが、一体それは何だということについては、あなたの方からは何ら資料は配付されない。 〔委員長退席、江藤委員長代理着席〕 いまのお話で、古い資料やなんかから引き出して、ではあれが移ったのかこれが移動したのかと思わせているだけじゃ審議するのにはなはだ不親切なことだと思いますが、運輸省としては、いままで一万一千二百キロと言っておったのを九千二百キロとお変えになったならば、どうしてその資料をお出しにならなかったのでしょうか。
○住田政府委員 いま国鉄から御答弁申し上げましたように、従来一万一千キロで区分をいたしておったわけでございますが、その後区分の見直しをした結果九千二百キロという数字が出たわけでございますけれども、これは最終的なものではございませんで、今後運輸省としても関係の審議会等の御意見を伺ってどういうものを対象に取り上げるかを決めたいと考えておりますので、この九千二百キロというのは暫定的なものである、と、そのように御理解いただきたいと思います。
○太田委員 そういうことになると、それは常時変化はするといっても、あなたの方は地方交通線対策は一体どうするつもりなんですか。地方交通線対策の基本というのはできれば自分の方ではやりたくないという気持ちが国鉄にあるのじゃありませんか。あるいは運輸省にそれがあるのじゃありませんか。 今度の場合、この「経営の合理化」の中に書いてある言葉は、「赤字ローカル線の運営は、地域住民の利便と自立経営上の負担の程度とを勘案しつつ、国の積極的な支援のもとに、国鉄の責任においてその取扱を検討することとする。」などとみんないいことが書いてあるような気がするけれども、これを総括すれば経営の合理化という中に入っているのだから、赤字ローカル線を何とかして切り捨てていこうということにほかならないと思うが、局長、どうですか。
○住田政府委員 赤字のローカル線をどうするかということについては、現段階で具体的な措置を決めているわけではございません。 その「対策要綱」に示されておりますように、地域住民の利便と国鉄の自立経営に対する負担とを勘案しながら、先ほど来申し上げておりますようにいろいろな選択的な手段があるわけでございますから、そういう手段について地元とよく話し合いをして今後の処理方針を決めたいというのがその対策要綱の考え方でございます。
○太田委員 国鉄の監査報告によれば、「旅客輸送はもとより貨物輸送についても、国鉄の役割、使命はますます大きくなるものと考えられる。」となっており、そして、「地方交通線及びこの一部のいわゆる地方閑散線並びに建設線のうちの地方線については、これら線区の存廃、維持運営は単に輸送量、収支等の観点からのみならず、関係地域社会及び住民の生活、経済等諸般の観点から決定される必要がある」と書いてある。先ほどのお話だと、輸送量の見通しから上へ上がったり下へ下がったりしたということでありますが、これまた監査報告のせっかくの提言に対しては余り考慮を払われておらないように思うが、いかがですか。
○住田政府委員 その「対策要綱」の中では、輸送量が少ないから九千二百キロを——暫定的な数字でございますけれども、そういうものを廃止するということを申し上げているわけではないわけです。 地方交通線の赤字が国鉄の経営の圧迫になることは明らかでございまして、その圧迫を減らすためにいろいろなことが考えられるわけでございます。たとえば地方公共団体等に経営を委託するなり、あるいは別の法人に経営を任せるなり、あるいは一昨日も申し上げましたけれども、特別運賃制の設定ということも地元負担の一つの方法としても考えられますし、いろいろな選択的な手段があるわけでございますから、そういう手段を通じて国鉄に対する経営の圧迫を除いていきたいというのがそこの考え方でございます。
○太田委員 さっき夕張線は幹線から地方線区に落としたとおっしゃったが、あれはもともと地方交通線の中に入っているじゃありませんか。何か違うのですか。
○馬渡説明員 逆でございまして、地方交通線から幹線系の方へ移したものでございます。
○太田委員 夕張線というのは昭和四十九年度の営業収支係数三八四で、赤字の額においては地方交通線百八十六の中の五十三位なんです。それは貨物が多いからそこに入れたのであるか。赤字は十六億四千八百万円、赤字の金額でそんなに少ないところじゃないですよ。多いところですよ。だから、赤字の金額は問題にしない、交通量だけだと言うのなら、貨物なり旅客の交通量のあるところは幹線線区として赤字の金額にかかわらず存置する、位置づけるとおっしゃるならよくわかりますが、その点はどうですか。
○加賀山説明員 まさに先生の御指摘のとおり、一つの輸送量を基準にいたしまして今回のやつは分けております。専用通路をもちましてやるような輸送量に達しないというような線区、しかもそれを自動車と鉄道と、いわゆる通路費まで、道路あるいは線路部分まで入れました総合的な国民経済的なコスト比較をいたしまして分類したものでございまして、基準としましては輸送量を基準にして分けております。
○太田委員 あなたの方はどういう基準か知らないけれども、はたから見ると貨主客従ですね。貨物の輸送量が御主人であって旅客の輸送量というのは従だという感じがしますが、その点はどうですか。
○加賀山説明員 線区によりましていろいろな線がございまして、貨物が非常に多くて旅客が少ない線もございますし、旅客が多くて貨物の少ない線もございます。夕張線のような線区は確かにお説のように貨物が旅客に比べて圧倒的に多い線区の一つでございます。
○太田委員 夕張線は赤字の順序ではローカル線の中の百八十六分の五十三である。百八十六線の中の五十三位に位置して、十六億四千八百万円の赤字を四十九年度に出しておる。この線が貨物が多いから幹線系線区に昇格をするということはどう考えてみても——内容が明らかにされておりませんからどの線どの線という全部の比較はできませんが、これは貨主客従の疑いがある。大臣、そういう考え方はどうですか。貨物を中心にすることについてですね。 たとえば幹線糸線区というのでも、塩釜線というのは営業係数五〇一である。五億一千万の赤字であるが、お客はほとんどないが、貨物が相当ある。だからこれは幹線系線区だ。そうでしょう。それから、富山港線、十一・三キロ、係数四七七、五億九千六百万の赤字、こういうところは旅客を中心とした旅客の回数の多いところだから旅客だろうと思いますけれども、港につなぐための貨主客従の政策ということから今度の幹線とかあるいは地方交通線の選択というものが行われているような気が私はしてしようがない。 その証拠に、地方ローカル線といいながら——これはどうなっておるか知りませんが、地方ローカル線という中に本線と名がつくのがいままで十九ありましたね。本線という名がつく路線が十九入っております。本線が地方交通線とは、これはどういうわけですか。本線と名のつくのが十九ありますよ。例を申してみましょうか。関西本線四日市−奈良間九十六・七キロ、紀勢本線亀山−白浜間二百七十六・九キロ、久大本線百四十一・五キロ、高徳本線七十四・八キロ、山陰本線出雲市−幡生間二百九十三・七キロ、釧網本線百六十六・二キロ、宗谷本線名寄−稚内間百八十三・二キロ、高山本線二百二十五・八キロ、筑豊本線六十六・一キロ、徳島本線六十八・九キロ、土讃本線高知−窪川間七十二・一キロ、名寄本線百四十三キロ、日豊本線宮崎−鹿児島間百二十二・七キロ、根室本線釧路−根室間百三十八・一キロ、函館本線長万部−小樽間百四十・二キロ、これがどうも今度上がったと先ほどおっしゃったような気がしますが、日高本線百四十六・五キロ、豊肥本線百四十八キロ、予讃本線松山−宇和島間百三・二キロ、留萌本線六十六・八キロ、これが全部地方交通線なんです。これは大臣、どうですか。そのことを御検討なさったことがありますか。何か感じが合いませんね。
○木村国務大臣 幹線系とか地方交通線ということの客観的な定義は私もいろいろ聞いてみましたけれども、実は、これはもともとないのです。線路の姿等を見て分けているということでございまして、その境界線はきわめて明確でないと私は思っております。 しかし、いずれにいたしましても、いわゆる幹線系と地方交通線と言われておるものすべてを含めまして、日本国じゅう、新幹線と山手線と高崎線をのけたらそれぞれ全部が赤字ということでございますし、大体七千億くらいの赤字の中で幹線系に属するものが五千億以上ありまして、地方交通線に属する赤字が二千五百億前後だったかと思いますが、そういう状況でございますので、今回いわゆる地方赤字路線対策として考えます場合には、一応いままで一万キロ内外で地方交通線ということをいろいろ選択はしておりますが、改めてよく一線一線を見まして廃止なりあるいは他の交通機関にかえるなりということを考えたい、その検討の対象には厳密に一線一線を見まして決めていきたい、そのように思っております。
○太田委員 大臣の話の方がよくわかるんですね。そういうことですね。もう一ぺん一線一線見なければいかぬわけですよね。だから、九千二百キロをもってローカル線ときめつけてしまうのも残酷な話ですね。十九の本線がその中に入るのですね。十九本線は本線と言いながら、それは実はローカル線でございます。だから、市町村によって地方鉄道公社でもつくってやってもらうつもりであります、と、こんなことになったら、それは話にも何にもなりませんわ。これは皆長いでしょう。百キロ、二百キロというのはざらにあるわけですからね。 そこで、もう一つ聞きますが、赤字を減らすために地方交通線というものを抜き出して、地方交通線対策を一つずつ点検しようとするのか、赤字に関係なしに、何かよその他の交通機関があるかないかということで、存廃を決めるつもりで選び出されたのか、どういうことでしょうか。これはだれか答えてください。
○加賀山説明員 国鉄がいわゆる幹線系と地方交通線の区分をいたしましたのは四十六年からでございますが、これは四十五年に諮問委員会の答申を受けまして、道路が発達いたし、自動車が発達いたし、非常に陸上交通のパターンが変わってまいりました中におきまして、鉄道が将来とも特性を発揮していけるような線区と、それから、むしろ非常に輸送量も減ってまいりまして、あるいは並行道路等の発達によりまして鉄道として非常に負担が重くなってきたような線区というように、グループが非常にはっきりしてきたわけであります。それらの線区の素質を二つに分けましてグルーピングしたのが地方交通線と幹線系ということでございまして、地方交通線を即やめるとかいう問題ではございませんで、今後国鉄の経営に与える影響とか、あるいは経営上どうするかというような問題を把握していきますためにこういう分類をしたわけでございます。 なお、先ほど御指摘がございました本線のうちで、今回見直しまして根室線とか函館線とかいう本線は幹線系に入れております。それから、また、残って本線と名がついて地方交通線の中に入っている線もございますが、国鉄の線がどういういきさつで本線がつき、あるいは本線がつかないかということは実ははっきりした歴史が残っておりません。上越線とか常磐線のようなものは本線でありながら本線という名前がついていないという状況でございます。したがいまして、本線があるとか本線がないとかということにかかわらず、先ほど申し上げましたように輸送量を一つの尺度として分類をしたわけでございます。
○太田委員 本線と名がついておらないところが常磐線にあるから、本線と名をつけてみたところで、それは太郎とつけたから必ずしも長男じゃない、三郎とつけたから必ずしも三男ではないということと同じようなふうに聞こえて、どうも縦と横の気持ちが合わない。これは何とか整理されることを望みますが、新しいローカル線と幹線系というものの資料を一度お出しいただけますか。
○馬渡説明員 提出いたします。
○太田委員 私の質問が終わってから出しておいた方が楽だろうから、なるべくローカル線の資料は後の方にするというつもりだったかもしれませんが、これは国民の足を守る大事な大事な地方の交通というたてまえから国鉄もあるし、運輸省の運輸政策もあるのですから、資料がまだ全然整理されておらないという状態でこの再建要綱をわれわれが見るということは、どう考えても残念千万でならない。 たとえばもう少しローカル線で話をしますが、飯田線というローカル線がありますが、これは全長百九十六キロでありまして、東海道側からアルプスの向こう側とを結ぶ連絡線ですね。この百九十六キロの飯田線が、四十九年度の赤字が七十六億、営業係数は四二二でございます。それで、いままでの分類による赤字の地方ローカル線の中の赤字の金額では三番目に属するわけですね。ところが、これは輸送人キロもトンキロも実に多いのです。収入も二十三億ありますが、残念ながら、どういうことか七十六億の赤字、営業係数四二二でございまして、これはもう三番目の大幅赤字です。大型赤字の首位に座しておるわけでございますが、ここにいま何本の列車を運転しておるかというと、三十七往復動いておるわけですね。その中に急行、特急と見られるものが四往復ある。三十七往復とか三十八往復とか、四十往復に近いところは相当重点を置いていらっしゃる線区だと思うのです。 ところが、そんな大きな赤字がどうして出るのだろうか、この支出にはあるいはとんでもない総経費がかぶさっておるのじゃないかという気が私はしてしようがないけれども、こういうところですね。この線のいろいろな計画を見てみると、三十七回というけれども、朝晩のラッシュには比較的列車は多く通りますが、昼中は一時間以上待たなければ来ないということですから、何と言うのですか、かつて昔はそこは私鉄だったわけですから、昔の私鉄だった時代の方が三十分に一本か二十分に一本来たのだから乗りやすかったというのです。国鉄になってから列車が減ってしまった。ですから、モータリゼーションとともにだんだんと道路交通がふくそうしてまいりました。 こういうところなどについて、何か、営業係数の改善と収支係数の改善という手をもうちょっと打つと申しますか、列車ダイヤと営業成績との絡み合わせということについてもっともっと考えてもらいたい。言うならば、先ほどの乗ってちょうだい、サービスをよくしますということは減らすことじゃないでしょう。乗ってちょうだい乗ってちょうだいと言うならば、バスは一時間待たなければ出ないが、電車なら三十分おきに出ますぐらいのことにならなければ、省資源とか、新しい交通政策とか、あるいは国鉄の新計画ということにはならぬと思うのですが、そういう点はどうですか。
○馬渡説明員 飯田線につきましては、いま先生からは支出の額が多いということで御指摘がございましたけれども、もともと私鉄から買収をいたしました線でございまして、線路の形が非常によろしくない。率直に申し上げますとそういう場所を走っておるわけでございまして、特に、長野県側におきましては地形の関係上ものすごいカーブのところを走っております。その関係と、山を越えますところの災害を多く受ける線区であるというようなことで、その意味で経費がよけいにかかっておる線区でございます。それと、先ほど申しました線形と申しますか、そういう基本的な設備が私鉄当時からのままでございます。ということは、ちょっとの改良費を入れましても、改良がいまの線形のままではできない、むしろ新しく敷いた方がいいというくらいの線区でございまして、そのために一回当たりの列車の連結両数がふやせないというための、マイナスと申しますか、実は、その点もその線区については非常にあるわけでございます。 しかし、事実、現在のお客様の流れを見ましても非常に大事な線区である。北の方は、中央本線とつながって新宿へ参りますお客様の数から見ましても、中央本線を御利用いただいておる松本側からのお客様と飯田線からおいでになるお客様の数がほとんど半々ぐらいであるという点、それから南の方につきましては豊橋へ出るお客様の通勤等が非常にあるわけでございまして、私どもとしてはぜひ何らかの手を打って改良してまいりたい線区であるというふうに思っております。
○太田委員 その他の線についてちょっと私の所見を申し上げますが、これからこれは重要な線だとおっしゃれば私は認識は一致しますから結構ですが、高山本線二百二十五・八キロがありますね。これは六十四億三千万円の赤字を出しておりまして、この順番はこれも五番目である。百八十六線の中で第五番目の赤字を出しておる。その高山本線もまたこれは日本アルプスを越えるわけですが、その高山本線は列車が何遍通っているかというと、三十八往復であります。飯田線と同じようなものだ。そして、その中に急、特急が十三往復ある。これはローカル線だローカル線だと言いながら、実は、重大な観光路線とか、あるいはもっと大きな基幹的な交通路として位置、つけられておる。だから、六十四億の赤字があろうとも、これは回数の問題で、輸送力の提供において欠くる点があるから地域の足になるのに非常に不便な点がある。 関西本線の四日市−奈良間九十六・七キロ、約百キロについては、五十四億二千万円の赤字です。関西本線が赤字なんです。名古屋−四日市間だけは、これは幹線に入っておる。枝線じゃなくて幹線に入っておる。線を二つに切るわけですね。そのところがどれだけの赤字になっておるかというと、これまた百二億。これは何もちょっとも黒字じゃない。けれども、名古屋の近いところで将来需要がふえるだろうからというんでしょうね。幹線系線区に入る。それで、その関西本線は三十八往復運転しておりますが、急行、特急を九往復運転しておる。三十八往復、少ないですね。 それから、紀勢本線というのは亀山−白浜間二百七十六・九キロ、八十七億三千万円の赤字でありますが、この営業係数は二九〇です。三十四往復で、その中の半分の十七往復というのは急行、特急の観光列車です。ここは、これをどうしてローカル線に入れておるか。急行、特急を走らせていて十七往復です。こういう点がおかしい。それは一つ一つ見てくるとどうも腑に落ちない。わざと半分に割ったような気がします。 さらに、一番独得の三江線についてお尋ねしますが、三江南線は二十八・四キロ、北線が五十・一キロです。このたび連絡をいたしましたが、何回運転しておるかというと、いままでの三江南線の区間は七往復、三江北線の関係は九往復、真ん中の浜原と口羽間は四往復しか運転していない。両わきは七往復と九往復です。これもアンバランスですよ。真ん中の一番の、きせるで言えばラオですか、そこが四往復しかないのです。それで、営業係数は三江南線は一二四四でございます。北線は九一四です。ともにこれは名だたる赤字線ですね。ところが、連絡したら、早く直通運転をやればいいが、それは信号装置ができないからやれないとかなんとか言って全然やらない。地域の人は何と言っておるかと言うと、直通運転になればお客の数は四倍になると言っている。いらっしゃい、いらっしゃいと言うのだったら、そういうところから早くダイヤを変更し、保安設備を改良して、速やかに直通運転を実現すべきだと思うが、どうでしょうか。
○吉武説明員 三江線は五十年の八月に口羽と浜原の間約三十キロぐらいが完成いたしまして、江津から三次まで直通したわけでございますが、御指摘のように、現在の信号方式ですと口羽の駅で折り返しということになっております。私どもとしましては、保安上から見ましても要員上から見ましてもCTCの方式によってやりたいということで、この点につきまして、現在それを前提にして直通運転をやることで努めておる次第でございます。
○太田委員 サービス改善がこれからの国鉄再建のかぎだと言われたことを忘れないでくださいよ。サービスを改善しなければ乗らない。運賃を上げて後は何をやるか、何を反対給付でやるかといったら、運賃は高くちょうだいいたしましたからサービスを改善いたしますというのが片方の勘定でございますね。それは少なくとも忘れてもらっては困る。 さて、そこで、そのローカル線の対策について、十月十七日に日本国有鉄道諮問委員会が日本国鉄再建のための提案をいたしておりますが、その中ではなかなか思い切ったことを言っていますね。とにかく国鉄の内部にローカル線勘定なるものを設け、ローカル線に関する収支はこの勘定をもって整理し、この勘定に生ずる赤字は全部政府負担とするというのですが、これはどうですか。所見をひとつ……。
○住田政府委員 昨年国鉄の諮問委員会からいま御指摘のような答申が国鉄になされたことは承知いたしております。その御意見は、ローカル線は全部国の責任でやれという御意見でございますけれども、残念ながら、私どもといたしましては必ずしもその意見に賛成しかねるということでございます。といいますのは、国鉄はこれまで二万一千キロの幹線、地方交通線を国鉄の責任で経営してきているわけでございまして、一万一千キロの地方交通線がある日国の責任になるんだということを言われましても、私どもとしてはそのまま受け取るわけにはいかないということでございます。 今回の国鉄再建に当たりましては、国鉄は地方交通線を含めて全路線についての運営の責任を持っているという前提、従来からのそういう体制をそのまま踏襲いたしまして、ただ、国鉄の責任だけでは赤字をなくなすことができない面もあるわけでございますから、国としても行政的あるいは財政的な支援を与えて、地方交通線の赤字が国鉄の経営の圧迫にならないように協力してやっていきたい。しかし、あくまでも地方交通線の経営の責任は国鉄にあるんだということで、対策要綱の中で国鉄の責任ということを明記いたしているわけでございます。
○太田委員 ここで関係する大蔵省、自治省、建設省の各省の御意見をついでにちょっと聞いておきたいと思うのですが、いまの局長のお話によれば、そういう意見もあるが国鉄の責任だ国鉄の責任だというところへ逃げ込んで、国が出せないものは国鉄が負担するか、負担できなかったらほうり出すか、どちらかだと逃げていらっしゃるわけですね。そこで、諮問委員会においてさらに、もし困ったときにどうするんだという次の第二案が出ておるのですね。県と関係市町村とに呼びかけて、これを車両つきで無料贈与するがどうかといって呼びかけて、そして、その維持をしたいと地方の自治体が言ったローカル線にはどのくらい補助金を上げましょうかといって県とそういう方面の交渉を行う、それでも譲り受ける人がなかったら廃棄処分をしちゃうというのです。何か、ロッキードの資料のような気になる。 そこで、大蔵省に聞きますが、ローカル線の維持のために国の積極的な支援を期待して今後ローカル線の運営をやろうとこの要綱の中で言っておるように思いますが、その決意がおありなのかどうか。 ついでにお答えしてもらいたいことは、ローカル線の交付金は百七十二億円であります。百七十二億円でいまの二千五百億の赤字というものが消去されるものじゃない。それから、同時に、国鉄は市町村納付金を納めております。市町村納付金は五十一年度百七十八億です。百七十八億市町村に納めておりますが、納めつつ、市町村が引き受けないローカル線の運営のためには百七十二億円を国が出そうという。ローカル線対策というのはどうも国の積極的な支援というようには思えないのだが、本当に大蔵省には、国には、積極的な財政的支援というものの決意があるかどうか。
○宍倉説明員 お答えいたします。 再建対策要綱に「国の積極的な支援」と書いてございますが、この積極的な支援と申しますのは、第一義的には行政面での積極的な支援というふうに私どもは考えております。もちろん、そうかといって財政的な支援を全然やらないということを私は申し上げているわけではありません。そうではありませんが、とにかく行政的な支援を第一義的にやる。そして地方の赤字ローカル線の処理につきましては、おっしゃるように、百家争鳴みたいにいろいろな議論があるわけでございます。あるいは地方公共団体にゆだねたらどうかとか、それでもだめなら廃止したらどうかとかいう意見がございますが、それにつきましては、とにかく今後国鉄の責任においてその取り扱いは検討するわけでありますけれども、国の積極的な支援のもとにどうするのだということを早急に決めていこうということと承知しております。その結果、検討いたしましてどういうふうになるのかということがはっきりいたしました段階におきまして、必要あらば財政的な支援ということもあり得ることかと考えております。 第二点目のお話の百七十二億円でございますけれども、百七十二億円というのは、先ほど来何遍か鉄監局長から御説明がございましたように、九千二百キロの赤字分が約千八百億、それの対象にいたしまして、キロ当たりの赤字額といいますか、運営費の単価を九百万円と見まして、約九千二百キロの半分くらいが——先ほど来御議論がございましたように九千二百キロそのものがみんな対象になるというわけじゃない。その九千二百キロの中から何キロを一体本当に対象として考えていくのだというのはこれから検討するわけでございますけれども、大体それを一応半分と見まして計算して出てきた額が百七十二億円ということでございまして、地方団体への納付金の百七十八億円と、結果的に見ますとおっしゃるように——私もいま初めて気がついたわけですが、大体似たりよったりの額だということがわかりませんでございましたが、それと関連づけた計算をいたしているというわけのものではございません。
○太田委員 大蔵省、後でもう一問尋ねますから、その間ちょっと休んでおってください。 自治省の方にお尋ねしますが、自治省は地方道路公社等で県市町村営としてこれらの赤字の鉄道を引き受けてやる気がありますか。
○石原説明員 そのようなことを検討したことはございません。
○太田委員 木村運輸大臣、ちょっとお答えいただきたいのですが、この対策要綱はどちらから見てもそれぞれに見えるように書いてありますね。国の積極的な支援だとか、地域住民の利便だとか、そして国鉄の責任で取り扱いを検討するとか書いてある。その取り扱いを検討するというのは何だろうと思いますと、先ほどの諮問委員会が十月に答申したことも含んでおると見ざるを得ない。そうすると、諮問委員会の答申にありますようにある路線を地方公共団体が譲り受けると決まった場合、それは県営市営等の企業とされる場合もあろうし、私企業として運営される場合もあろうが、いずれにしても国鉄としてはそれだけ身軽となり、国家が国鉄に向かって行う赤字補償額はその程度減額される。かかってこれは新しい関係者の能力次第だ。 ずいぶんこれは水臭い話が書いてあるのでありますが、大臣、いま自治省の方じゃそういうものを引き受ける気は全然ないと課長さんがおっしゃったが、どうですか。将来の赤字地方交通線の運命はどうなるのですか。
○木村国務大臣 今回の再建対策の一環として、国鉄の赤字線の中で特にその存廃を検討しなければいけない路線というものがあるということで赤字線対策というものを考えておるわけでございまして、先ほども太田委員からその存廃を決める基準は何だというような御質問がございましたが、ごもっともな御質問でございます。 まず、一般的に言いますと、その地方における利用価値がきわめて少なくなっておる鉄道ということで、利用価値が少ないということは地域住民の役に立っていないという意味にもなりますし、鉄道の側から言いますと、利用価値が少ないということは利用する人間が少ないから赤字の率が非常に高いということになるわけで、そういう路線を今後どうするかということをその存廃の対象になる路線としてこれから検討していくわけでございます。そして、その地方において利用価値が非常に減っておるというそもそもの原因が那辺にあるかということも考えてみなければいけないと思います。客観的に他の交通機関ができたりマイカーがふえたりすることで、幾ら鉄道のサービスをよくしても利用価値はもう増加しないというものもございましょうし、幾つかお挙げになった中には、もっとサービスをよくすれば利用価値が高まるのではないかというものもありましょうし、検討してみればそういう結論の出る路線もあるいはあるかもしれません。まず、そういうことを考えながら存廃の対象の路線を選びまして、そして存廃のいずれにするかというところではいろいろな方法を、いまお読みになりましたような方法を考えておるわけでございます。 その中には、地方自治体と十分相談して、自治体の立場でどうしてもこれは残したい、大変な赤字だけれども残したいというふうな希望のあるところはひとつ自治体の方で何とか考えてもらえないかと、そういう交渉もしなければなりません。そういうふうにしてこれから一つ一つ処理をしていくが、これもやはり少なくとも一年はかかるでありましょうというふうなことを考えておるわけでございます。 したがって、諮問委員会の答申の中に赤字地方ローカル線は国が責任を持てというふうに言われておりますけれども、これを国鉄から切り離して国が経営するというようなことでは万が一なかろうと思います。もしそういうふうなことですと日本国有鉄道というものは名前を変えなければいかぬということにもなる重大な問題でございます。要するに、そういうところについては経済の面、財政の面その他の面で国が大いに責任を持って応援しなさいという意味だろうと思いますが、そういうふうなことで今後国も——ローカル線の実態を一番よく知っておるのは国鉄でございますから、国鉄がまずいろいろ検討をして、それに従って政府も応援をするとか、あるいは地方に譲るとかなんとかいうときに税金その他の問題が起きたときには、そういう問題は国が責任を持って考えるとか、いろいろあると思います。そういう意味合いのことをそこで申しておるわけでございます。
○太田委員 国鉄という名前がある以上、日本国有鉄道法によって運営されなければなりません。単なる経済性の追求というようなことでは法律の制定の趣旨に反します。先ほどの大蔵省の方は行政面において積極的に配慮するということを言ったが、行政面において配慮するということはいまの大臣の答弁ではありません。国鉄という使命を持っておる一部の路線について、行政面でローカル線なるがゆえに何か配慮するということは具体的に言うと何のことですか。行政面ですから想像することはできないですが、どんなことですか。
○宍倉説明員 たとえば先ほど来議論がございました赤字ローカル線の基準といいますか、どういうものが赤字ローカル線だということの基準は国鉄が決めるのか、それとも行政府で決めるのかといえば、国鉄もなかなか決めづらければ行政府で決めるというようなことにもなろうかと思います。 それから、あと、赤字ローカル線の問題に絡みましては道路輸送がどうしても関係してくるわけでございますが、道路輸送につきましては、その道路の建設、改良というようなことは建設省関係のお仕事に非常に関係があるかと思います。 それから、いまお話がございましたように地方公共団体が絡むということになれば自治省の御厄介にもならなければならないということにもなろうかと思います。 たとえばで申し上げましたが、そういうこともろもろ含めて私は申し上げたつもりでございます。
○太田委員 自治省にお尋ねしますが、もう一回課長さん答えてください。 いまのように、大蔵省においては地方経営と地方自治体経営ということにかなり指向していらっしゃる向きもあるが、それならば、検討しておらないというようなことでなしに、もし来たときにはどうするかということについてだれかいままでちょっとでも相談されたことはあったはずだと思うが、ないのですか、あったのでしょうか。
○石原説明員 お答えいたします。 先ほど地方公社等による経営ということについてどう考えるかというお尋ねでございましたので、そういう具体的な問題についての検討は現在までしておりませんと私は申し上げたわけであります。 赤字ローカル線の処理の問題に関して、昨年の要綱について、あるいはその前に一度かなり議論があったことはございます。ただ、この問題を考えるに当たりましては、ローカル線をどのように位置づけていくか、どのように整備していくかということは、第一次的には国と言いましょうか、国鉄と言いましょうか、全国的なレベルで検討されるべき問題であると私どもは考えております。 それから、地方自治体が希望する場合にその経営の責めに任ずるかどうかというような問題になりますと、現実の問題として、ローカル線と言わる地域の地方自治体がおおむね弱小団体である、財政的にも非常に困っている、いわゆる過疎地域が多いという自治体の現実の姿も考えてこの問題の取り扱いを考えていかなければいけない、このように考えております。したがいまして、全く検討したことがないというわけでございませんけれども、この問題はそういう各地域の実情、各自治体の行財政能力等も十分念頭に置いて考えていかなければいけない問題であろうと思っております。 ただ、具体的にどうするかということにつきましては、ローカル線の処理の問題について私どもはまだ具体的な提案はいただいておりませんので、具体的な意見を申し上げる段階には至っておらないということでございます。
○太田委員 それは課長さんは財政家ですから金の面から考えてみても、いまさら市町村がそれぞれ単独事業をやろうとしてもやれない。学校も建たなければ保育園も困っておるというときに、赤字路線を国鉄さんからのしをつけて持ってこられましたからありがたくちょうだいいたしますなんというわけにはいかぬでしょう。これはいかぬと初めから言っておかないと、そういう話じゃ大蔵省の行政面における積極指導がいきますよ。 そこで、ちょっと建設省にお尋ねいたしますが、そうすると建設省は道路を引き受けねばなりませんね。いまの地方交通線の鉄道によって輸送されておる貨物はどれくらいあるということについて検討をされたことはありますか。道路輸送になれば貨物がトラック輸送に転化するのだからね。検討されたことはありますか。
○浅井説明員 赤字ローカル線に絡んで貨物がどういうふうに転換するかという具体的な話は検討したことはございませんが、全般的な貨物のシェアとしては、御承知のようにトンキロで、トン数にいたしまして約九〇%のシェアを道路交通で受け持っておるというふうに承知しております。
○太田委員 そのようにトンキロは発表されておりますからおよそ見当はとれますが、それが道路交通に移ってくるということになれば道路の供給というものはよほど急ピッチで進めなければなりませんし、それから山間僻地等におきましては非常な難工事のところもあるでしょうから、そう簡単に、ここにありますように、たとえば先ほど申し上げました飯田線について、ああそうですか、飯田線は沿線市町村によって経営しますから、貨物の方は私の方が引き受けますといって天竜峡の付近に大幅な道路をつくるなんてできないでしょう。あるいは釧路−網走間の線路は百六十六キロをやめてしまうと、今度は貨物が、ここも大型ではたくさんあるから、それはひとつやりましょう、高山線も大型の貨物が来るが、それはトラックが通れるように全部いたしますなんと言ったらば、道路はどれだけつくっても足りませんし、とてもつくるゆとりもない。ですから、絵にかいたもちと言ってはなんですが、空理空論というのがあるのでありまして、空理空論がローカル線地方経営移譲という案だと思うのです。 私はどう考えてみてもローカル線の問題は非常に重大な問題であるし、国民の足を守るのが国鉄だという観点に立って輸送のサービス向上を考えるならば、運賃を二倍にしての輸送のサービス向上ということを基本的な方針となさるならば、ローカル線の問題はこの際たな上げにして、地方だとかあるいは廃止だなどということは論ぜられない方がいいのではないか。大蔵省としては、そういう場合には国の責任ですから、国の積極的な支援ということを言うならば、金を出さずに口を出すなんということは余りいいことじゃないですね。その点をぜひ再考してほしいと思う次第であります。 運輸大臣の所見を承って、私の質問は、申し合わせの時間でありますので終わります。
○木村国務大臣 ローカル線の問題につきましては、数々の有益な御意見を拝聴いたしまして、大変参考になりました。 私も思うのですけれども、日本国有鉄道というものの使命は、日本国民の足を保障する最後の交通機関であるという使命があると思うわけでございます。そういう意味で地方ローカル線もいままでできておりますし、今後存廃を検討いたします場合にも、その地域において日本国有鉄道はその地域の人の最後の足の利便は保障するんだという、そういう使命を忘れないで存廃を検討すべきであると考えておりますので、御意見の点も十分参考にさせていただきたいと思います。
○江藤委員長代理 次回は、来る二十四日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時一分散会