ロッキード問題に関する調査特別委員会 第29号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/09/08
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 ロッキード問題について調査を進めます。 質疑の通告があります。順次これを許します。まず、田中武夫君。
○田中(武)委員 大蔵大臣、私は去る九月二日、斉藤委員の前から要求しております資料に関連して、商慣習が国政調査権に優先する根拠、商慣習が成立する要件はどういうものかと、この二点を文書で回答してもらうように要求しました。 それに対して、きょう理事会で、お持ちであると思うのですが、こういうのをいただいたわけです。そこで、これは私の要求にぴったり合っておるとは思いませんが、これに基づいて若干の質問をしたいと思うのです。 大蔵大臣、これ、御存じですね。お認めになるのですね。大臣の回答として認めていいのですね。
○大平国務大臣 私の見解として受け取っていただいてけっこうでございます。
○田中(武)委員 それでは、第一点ですね。これはずっと書いてありますが、最後の二行だけを読みます。「国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう最大限の協力がなされるべきものと考える。」こういうことでございますが、これはすなわち斉藤委員が要求しております資料、これを提出するという意味なのですか、どうなのです。 〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕
○大平国務大臣 国会の国政調査権に対しまして行政府が最大限の協力をしなければならないことは当然でございます。そして、そのことは現内閣ばかりでなく、歴代の内閣が明らかにしてまいりましたことと承知いたしております。私もそうあるべきことは当然であると国務大臣の一人として考えております。 その場合、協力の方法でございますけれども、御審議の資料といたしまして、できるだけその御要求に沿ったものを資料として提出するように最大限の努力をいたすことは当然でございまして、いま問題になっておるこの件につきましても、政府といたしましては、企業の秘密でございまするし、企業の秘密は、それはそれとして経済秩序の維持の上で守られるべきものであるという憲法上の大原則もございますことでございますので、そういう制約の中で可能な限り御審議に必要な資料を御提供申し上げて、その参考に資するように努力をいたしておるつもりでございます。それが果たして国会の御要請に十分応じ得ておるかどうかということにつきまして、私は必ずしも確信を持ちませんけれども、政府といたしましては、最大限の努力はいたしておるということと御承知を賜りたいと思います。
○田中(武)委員 斉藤委員が要求しているのは、いわゆるインボイス、商品明細書あるいは納品書、これを要求しておるのです。八月十一日から。 これがなぜ必要かというと、若干補足をいたしますと、四十七年に、成立は十一月となっていると思うのですが、俗に対外経済調整法、これは何か租税に関する何とか何とかという長ったらしい名前ですが、俗に対外経済調整法で輸銀法を改正して、そしてトライスター輸入に融資ができるようにしたわけなんです。ところが、その融資の一部が全日空の裏金になっているのじゃなかろうか、こういうことでいままでも何回か問題になっております。また、公明党の坂井議員はこれを決算委員会でおやりになっております。したがって、このロッキード特別委員会は、御承知のように、五党首会談、両院議長裁定を経て、ロッキードの真相究明のために置かれた委員会であります。したがって、ロッキード究明のための国政調査権に基づいてぜひ必要であるということで要求しておるのを、八月十一日以来出してこないのであります。もちろん、後で議論があるならばいたしますが、銀行の秘密を守る義務、守秘義務については、道義的か法的かということもある。その法的だということについては一般論があります。その中において、これは信義則に基づく契約説と、それから商慣習説とがある、そのうちの商慣習説だけをとって答弁をしておるというのが先日の委員会であります。したがって、それは全然、銀行の企業秘密ということに対する守秘義務とは次元の違う国政調査権に基づいて、しかもいまこれだけ大きな問題になっておるロッキード問題究明のための資料として要求しておるのです。いかがです。
○後藤説明員 大臣の御答弁の前に、私からお答えをさせていただきたいと存じます。 第一点、先生ただいま御指摘の銀行の秘密保持が法的な責任であるということにつきまして、先生からの御指摘に対しまして前回いろいろ御答弁を申し上げた次第でございますが、そのときに私どもの御説明が十分でなかったと思いますので、もう一度申し上げさせていただきたいと存じます。 その法的責任の根拠につきましては、先生御指摘のように、商慣習説でございますとか、信義則による説ですとか、あるいは契約説とか、いろいろな説がございます。私ども一義的にそのどの説をとるというような考え方を持っておるわけではございません。ただ、いずれの説をとるにいたしましても、銀行の秘密保持ということが法的な責任を負うものである、道義的責任にとどまらないということが社会的に定着をしておるということを御説明を申し上げたつもりでございますが、大変言葉が不十分で申しわけなかったと思っております。したがいまして、商慣習説をとるというような考え方でおるわけではございません。 それから、いま先生具体的に御指摘の斉藤先生御要求のインボイスの提出要求についての私どもの考えでございますが、大筋ただいま大臣から御答弁のございましたような気持ちでおりますが、やはり先生も御指摘のように、次元の違う法益の比較の問題と相なりまして、私どもやはり守秘義務という角度から極力その許される範囲内でどこまで御協力ができるものかということをいろいろ検討いたしておるわけでございまして、大臣の御答弁のように、その範囲内でできるだけ御要求の趣旨に沿うような資料を準備させていただきたいとただいま鋭意検討いたしておる次第でございます。
○田中(武)委員 それじゃ、結局は、要求すれば出すんですね。しかも、商法上からいって、いわゆる普通の企業と公法人とはちょっと扱いも違いますね。商法四条によって公法人が商行為ができるかどうかは疑問としても、二条にははっきりと規定がしてありますね。規定の置き方が違いますね。何なら申し上げましょうか。おわかりでしょう。したがって、これはもうロッキード委員会としてぜひロッキード究明のために必要な資料である、したがって提出を要求します。ただし、どういうようにするかということについては、範囲等については、斉藤委員がおりますから斉藤委員から要求してもらいまして、それで理事会におきましてそれを協議して、理事会から要求をするという手続をとりたいと思います。いかがです。委員長ひとつ。
○大橋(武)委員長代理 田中君の御要望の資料につきましては、お言葉のとおり、理事会において協議の上、処置することにいたします。
○田中(武)委員 それじゃ、斉藤君からちょっとこの件について。
○斉藤(正)委員 関連して。私の要求した資料が出せるとも出せないとも決着がつかない。なお、理事会が継続審議ということでございます。そこで、理事会へも何らかの報告は大蔵当局からされた。私のところへも公式、非公式にいろいろな接触はありました。今日なお大蔵省としては結論が出ていない、こういうことでございましょうか。いままでのことで勘弁してほしいというのですか。どちらですか。
○後藤説明員 お答えをさしていただきたいと思います。 ややこの前申し上げたような繰り返しになりまして恐縮でございますが、先生の御要求のインボイスそのものにつきましては、私どもは先ほども申し上げました金融機関の守秘義務という観点から大変慎重に考えなければならないことと思っております。 さらに申し上げますれば、このインボイスの中身には企業の秘密に関する重要事項、価格決定に関する経緯でございますとか根拠ですとか、大変いろいろなことが含まれておりまして、これを明らかにするということに相なりますると、今後の輸銀の貸し出しの審査、ひきましては営業を続けていく上での大変問題になりかねない事項を含んでおるわけでございます。この点は御理解をいただきたいと思うのでございまして、ひいては信用秩序に関するということを私どもは大変重要に考えておる次第でございます。 ただ、そう申し上げましても、先日来先生から大変強い御指摘をいただいておりまして、この御要求に対しまして極力私どもできます範囲で御協力を申し上げたい。で、どういうふうにこれは御協力できるかということをただいま検討いたしておる次第でございまして、先生の御趣旨に合うような資料をつくるように努力をいたしたいと思っております。
○斉藤(正)委員 そういうことを聞いているんじゃないのですよ。私の要求した資料を出せるか出せないかと、いろいろごたごた言っておりますけれども、間接的には出せないということを言っているのでしょう。
○後藤説明員 大変恐縮でございますが、インボイスそのものの提出は差し控えさせていただきたいと存じます。
○斉藤(正)委員 不完全であるかどうか知りませんけれども、われわれのところには政府当局からちょうだいした資料があるわけです。インボイスそのものが。この正否あるいは正誤、正しいか間違っているか、確認すらできないわけですね。一方では政府の提出した資料が手元にあるのに、その資料が正しいか間違っているかということの確認ができないということになると、われわれに提出した政府の資料はいいかげんなものだ、こういうことにもなりますね。だれが一体こんな資料をわれわれのところに政府として提出してくれたのか、全く政府の見解というのはわからなくなってくるのですよ。 〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕 詳細については、後ほどまた理事会の決定等もあるでありましょうから論議をするとして、われわれは政府筋から入手した資料として持っているわけです。それが正しいか正しくないか、過日も聞いたわけですよ。何とも答えられないですね。それじゃ、逐条内容について聞くからと言ったら、それも英文で書いてあるからわかりません、こう言うでしょう。どうもさっぱりわからない。その辺も含めて理事会に対する正確な資料の提出なり見解の提示を求めます。いかがですか、大臣。
○後藤説明員 ただいま先生の御指摘の点につきましては、極力御期待に沿えるように努力をいたしたいと思います。
○田中(武)委員 そこで、大蔵大臣、だめを押しておきます。先ほど来申し上げておるように、斉藤委員要求のインボイスは、この委員会においてロッキード事件の真相を究明するために必要なものであるということ、そしてこの第一項に言っているように、「国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう最大限の協力がなされるべきものと考える。」と、これは認められたわけです。以下ずっと書いてありますが、この資料が必要である、こういう点はお認め願ったと思います。それから、憲法二十九条等でお答えのようですが、これは「公共の福祉に適合するやう」云々という言葉がある。まさにロッキード解明は公益です。したがって、公共の福祉、二十二条にも同じ意味のことがあります。これを認めるのならいいが、認めないのならば、二十二条、二十九条二項の公共の福祉とは何ぞやというようなところまで発展するわけですが、やる気はないでしょう。 そこで、大臣、どうです。改めて要求をしますが、これは委員長、理事会にもう一度社会党から要求します。その場合、出せるかどうか、確認してください。どうです。
○大平国務大臣 田中委員仰せのように、国会の国政調査権に基づく活動に対しましては行政府として最大限の協力をしなければならないと考えるということは、たびたび政府が国会に対してお約束を申し上げておるところでございまして、その確信に変わりはございません。 第二に、その場合、いま斉藤委員の御要求に係る資料の提出問題でございますが、これにつきましては先ほど銀行局長からも御答弁申し上げましたように、行政府として最大限の協力の線に沿いまして先生の御意思に沿うように極力努力してまいるけれども、インボイス自体の御提出は御勘弁をいただきたいという政府の立場は変っていないわけでございます。田中委員も万々御承知のように、国政調査権の行使によって守らるべき公益と、そして秘密の開示に伴う不利益とのバランスをどのように総合的に勘案、判断して事案に対処するかということが行政府並びに立法府双方に課せられた問題であろうと私は思うのでございまして、それはいま委員長が仰せられたとおり、本委員会の理事会におきまして、本件につきましては十分この趣旨に沿って御議論がなされていかれるものと私は期待するのでございます。政府といたしましても、従来申し上げました線に沿いまして極力努力をしてまいることに変わりはございません。
○田中(武)委員 インボイスそのものは出せぬということについては疑問があります。いまおっしゃったように、いわゆる法益の均衡ということは必要だと思います。しかし、事はこれだけ世間というか、大世論を起こしておるところの、あるいは国際的な事件としてのロッキード究明なんです。したがって、法益の均衡を考えましょう。もし出さないときには、またそれに基づいて議論しましょう。委員長、理事会において正式手続で要求してください。それから、それが出せないということであるならば、内閣声明を出してください。いかがですか。
○田中委員長 田中君、万事理事会で打ち合わせましょう。
○田中(武)委員 私の考え方はいま申したとおりであります。 そこで、次に入りますが、この問題は理事会で正式にもう一度要求する、それに対して答えをもらう、よろしいですね。出すということに前提は決まったんだから。
○田中委員長 銀行局長、何か言うことはありますか。
○後藤説明員 理事会におきまして、私どもの考えもお聞き取りいただきたいと存じます。
○田中(武)委員 それは委員長に任せます。 そこで、せっかく大平さん見えておるのでお伺いしたいのですが、いまやっておられることに関連して、臨時国会の召集とそれからロッキード究明の関係をどう思っているか。 それから、あなたは急いでおるはずなんだが、財特法についてぜひやってということで急いでおられた。ところが、やる気がないというか、それより先にやることがあるのだ、こういうようなことで、一体どうなのか。そうしておると、本年度の予算の中で三兆七千五百億円の赤字国債を発行する、一般会計の一五%ですね。そのうち、九月中に財特法が成立するということを前提にして八千億円出す、発行すると言っている。もし財特法が成立しなかった場合に見切り発車というようなことを言われておりますが、どうなんですか。もし見切り発車されるならば憲法、財政法との関係についての根拠をお示し願いたい。
○大平国務大臣 俗に財特法と申しておりますけれども、正確には特例公債法案でございますが、これは衆議院の御決定をいただいて参議院に継続審議に相なっておるわけでございます。この法案についてのタイムリミットをよく聞かれるのでありますけれども、タイムリミットは予算成立のときがタイムリミットでございまして、重要な歳入法案でございますので、予算成立とともに成立させていただくのが、これこそタイムリミットであると存じております。問題は、公債発行の技術的なタイミングから申しますと、ちょうど建設公債の部分の発行をほぼ終えまして、約六百億しか発行未済が残っていないわけでございます。九月は田中さんも御承知のように、非常に資金の余剰月でございますので、この月の発行を見送るということは非常にせつない思いでございます。何としても今月中に成立をお願いするということによって、今月中に相当量の公債の発行をさせていただきたいということをいま念願いたしておるわけでございますが、これはあくまで成立しないと公債が発行できないことは申すまでもございませんで、見切り発車するというようなことは政府にできるはずはないのであります。 ただ、私どもが申し上げておりますのは、今月中に成立させていただくということを一応前提にし、国会の関係委員会の与野党の理事の皆様方の御了解のいただく限界の中におきまして、シ団とまず打ち合わせだけはさせていただく、それで成立をいたしましたときに大量の公債が直ちに発行できるような用意だけは進めさせていただくということが精いっぱい、これも非常に異例な措置であるわけでございますけれども、そういうことだけいま事務当局に命じてやらしているわけでございまして、見切り発車などということができるはずのものではないことは、私もよく承知いたしております。
○田中(武)委員 この問題についてはまだ議論がありますが、危ない綱渡りには間違いない。見切り発車はできない、これだけ聞いたら、またこれ以上やっておるとロッキードとのつながりというようなことになりますから、影響あるのですが、ほかの問題があるから、大蔵大臣はもうよろしい。 それから法制局、それから衆議院の法制局長、見えていますね。それではちょっとお伺いしますが、憲法五十一条、いわゆる「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」すなわち、これは俗に議員の免責特権と言われておる。この条項と、それから議院証言法による国会議員の証人、これが抵触するんじゃないかといったようなお考えを持っておられる方もあるようです。 そこで、実は非公式に田中委員長から衆議院の法制局長に対してその見解を求められたと、こう聞いておりますが、ひとつまず衆議院の法制局長の方から御答弁を願いたいのですが、五十一条は、国会議員の院内における活動、いわゆる職務を遂行するために最大限のいわゆる言論の自由を認めた、あくまでも職務遂行のためのものである。ほかにもいろいろあります。政府の弾圧から守るとかなんかもあると思うのですが、そういうものであって、議院証言法による証言はそれではない、したがって関係ない、このように思うのですが、両法制局から御答弁をいただきます。
○川口法制局長 憲法五十一条の条文をそのまま読み上げますと、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」これがいわゆる言論の自由を国会議員に最大限に保障するための免責特権、具体的には刑事責任も、それから民事上の不法行為の損害賠償の責任も負わない、こういう特権でございます。近代憲法のほとんどの条章にある条文でございます。 ところで、御質問の要点は、議院証言法上、国会議員が証人として喚問されまして、その場合に行った証言に、仮に偽証の疑いというふうなことが問題になった場合に、それを委員会が告発し、検察庁が刑事事件として偽証罪として起訴したとする場合に、裁判所でこの憲法五十一条の免責特権を根拠に刑事責任が追及できないということになるのかどうか、これが具体的な問題でございます。これは非常に重要な問題でありますので、お問い合わせがありました議員さん方に、口頭ではなく、文書で私が書き上げて差し上げましたので、そのとおり読み上げます。 憲法第五十一条は、議院の職務遂行上、両議院の議員が議員としての職務を行うに際し行った演説等について、院外において責任を問われないという特典を規定したものと解する。従って、両議院の議員が議院証言法上の証人として行った証言は、これに当たらないと解する。こういうものでございます。 私どもとしては論理上そうなると考えておりますが、強いて理屈を申しますならば、議員さんが本来の職務の遂行上なさった発言と、それから証人台に立たれて証言なさった立場においてなされたのは、言ってみますれば場が違うというふうに考えておる次第でございます。
○田中(武)委員 それでは、内閣の方はどうです。
○茂串説明員 内閣法制局といたしましても、ただいま衆議院法制局長が答弁されましたところと同一の見解でございます。
○田中(武)委員 内閣法制局さらに衆議院法制局、双方の見解が出ました。したがって、憲法五十一条の議員の免責特権の問題と議院証言法の関係はないとはっきりしたと思うのです。そのことだけを委員長に申し上げます。委員長もちゃんとのみ込んでおられると思うのですが、御見解はどうでしょう。
○田中委員長 大事なことですから、お答えをいたします。 衆議院の法制局長、内閣法制局の第一部長の発言のとおりと存じます。
○田中(武)委員 委員長も確認し、両法制局からの明快な答えが出ましたので、私は後を松浦委員に質問を譲りまして、この程度で終わります。
○田中委員長 松浦利尚君。
○松浦(利)委員 まず法務大臣にお尋ねいたしますが、いま御承知のように衆参ともに、きのう参議院ではフリートーキング、それから衆議院では理事会等におきまして灰色高官についてのいろんな議論を詰める段階に来ておるのです。ここで法務大臣にお尋ねをしておくのですが、三木内閣の使命というのは、私は今度のロッキード事件を徹底的に解明する。ということは逆に言うと、灰色高官等も含めてその根源を徹底的に洗いざらいにして、もう再びこういった事件を起こさせない、その歯どめをかけていくんだ、そのことが三木内閣が誕生した一つの大きな原因だった。また金権政治を打破していく、そういう意味から解釈して、私は三木内閣の使命はその点にある、ロッキードを徹底的に解明する、そのことが三木内閣の誕生した使命として存在するというように思うのですが、あなたはどうですか。
○稻葉国務大臣 三木内閣の誕生した使命——三木内閣ができてからこのロッキード事件というのは起こったのですね。それから三木内閣ができたというのは、田中金脈問題などで田中前総理がおやめになりましたから、その後話し合いで三木さんを総裁にしよう、それが総理になった、こういういきさつですね。ですから、三木内閣としては、政治に対する金の支配ということをなるべく排除していこうということは一つの使命でしょう。そこにロッキード事件が起きましたから、これも一つの政治、行政に対する金銭的支配、金権的支配ということのあらわれですから、こんなものは徹底的に究明していかなければいかぬ。しかし、これだけが三木内閣の使命じゃないですね。
○松浦(利)委員 もちろん国政の問題もあるわけですが、三木内閣が誕生した一つの理由として、やはり金脈政治、それにかかわるロッキード事件の徹底的解明というのは、私は三木内閣の重大な使命だと思うのです。 そこで、いま与野党間で灰色高官の定義その他がいろいろ議論されておるのですけれども、いままで稻葉法務大臣はあの田中前総理の五億円の受託収賄にかかわる部分について、それがどういう金の流れをしたかというのは、まさしくこれは灰色高官として国会の問題ではないでしょうか、こういう御答弁をなさっておるわけですが、少なくとも三木内閣としては、黒か白かということ以外に灰色と言われておるそういうものについても徹底的にこの際洗われるべきだ、そうしなければ国民から政治の信頼はかち得られないというふうに私は理解をしておるのですが、そういうふうに理解しておってよろしいですね。
○稻葉国務大臣 三木内閣といいますか、三木内閣全体でもいいですが、法務省といいますか、これは刑事責任の追及者であります。ただ議長裁定というものがありますから、これにはいわゆる灰色高官と言われている人の道義的、政治的責任の追及の場は国会だとなっていますね。だから、私の言葉が悪いかもしれませんが、灰色高官の範囲だとか公表の方法だとか時期とか、そういうことについてはそちらが主役でございますよ、こちらは刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて最善の御協力を申し上げます。これ以外の使命はないわけですね。
○松浦(利)委員 三木内閣としては、そのことを期待しておられるでしょう。徹底的に灰色高官が国会で解明されることを議会側に対しては期待しておられるでしょう。それは当然ですね。
○稻葉国務大臣 それは議長裁定を受けて、そうして国会が軌道に乗り、五党首が同意し、政府も同意しているのですから、それはもうこれに拘束されて大いに御協力を申し上げることは当然でございますな。
○松浦(利)委員 それではお尋ねをいたしますが、少なくとも灰色高官について、政府の側が何か隠したのじゃないかという印象を国民に与えることについては、政府としては不本意でしょう。
○稻葉国務大臣 なかなか微妙ですけれども、それは一般論としてそのとおりですわな。それはそのとおりです。
○松浦(利)委員 それではお尋ねをいたしますが、いまわれわれのところで灰色高官の定義づけをいろいろしておるのですが、われわれの方にはその資料は全然ないですね。灰色高官にかかわる資料というのは全部捜査当局が持っておって、われわれは推測の域を出ない。ですから、ないわけです。そうすると、われわれの方がある一定の定義をして、これにかかわる資料を提出せよと言って司法当局に要求しますね。その場合に捜査当局が資料の選別をする。当然灰色高官についてA、B、C、Dと、こうあるわけだけれども、そのうちのA、Bは隠してC、D、Eを出すというような捜査が——稻葉法務大臣のことだから絶対そんなことはないと思いますけれども、われわれの資料がないんだから、出された資料について、どうもこれは選別したんじゃないだろうかという疑いを国民に与えることが私は起こり得ると思う。たとえば、定義したけれども、そういう灰色高官については捜査当局の資料はありませんということで資料が出なかった場合には、これはどうもおかしいじゃないか、どうも、稻葉さんあんなに言っておったけれども、三木さんは灰色高官の資料を隠したんじゃないかという疑いを相手側、国民に与えますね。そのことについて私は、先ほどから言うように、不本意だということを明確に言われたんだから、そういうことを不本意だというふうにあなたは思われると思う。われわれ議会の方が資料を要求して、そして、いやそういうものは捜査当局はありませんといって仮に出さなかった。そうすると国民の側は、ああ何か法務当局も隠しているんじゃないか、司法当局も隠しているんじゃないかという疑いを与えることは、法務大臣は本意でないというふうに思っておられると思う、さっきの答弁から裏返して言えば。ということになると、当然捜査当局が持っている資料というのは全部国会に出されるべきじゃないですか。そして国会の側で、それは扱いはどういうふうな扱いをするかわかりませんよ、秘密理事会でどうするかこうするか、それは別。しかし、少なくとも徹底的究明をして、灰色高官についても国会の側で政治的道義的な責任を追及する。そのためには捜査当局はあらゆる資料を出す。しかもそのことによって捜査当局が国民からあらぬ疑いをかけられることについては不本意だということであるなら、私は国政調査権に基づく要求に対して捜査資料は全部——もちろん裁判を維持するために必要なものについては刑事訴訟法前文の問題がありますから、これは別にいたしましても、灰色高官にかかわる部分については当然全部提出される。扱いは政治的道義的責任を追及する側で慎重に配慮すればいいのではないかというように思うのですが、その点について大臣、御協力いただけますか。
○稻葉国務大臣 そういうところまで突っ込んで質問されるとちょっと困るんです。いま捜査が全部終わってないのですから。捜査は継続中です。それともう一つは、道義的、政治的責任ある者はどういう者を言うか、どの範囲か、それからその公表の方法はどうすればいいんだ、それから時期はどうなんだというような点については一切主役がお決めになって、国会の意思を統一してからそういう質問をしてください。そのときにはお答えします。
○松浦(利)委員 議会の意見を統一してという前に、一般論としてですよ。少なくとも国政調査権に対して協力をする。それはいつの時点になるかわかりませんよ、いまから与野党で詰めていくわけですから。しかし、少なくともそういう段階に来た場合は——私の質問していることは捜査には何にも関係ないじゃないですか、一般論ですから。ですから、そういう場合にはすべての捜査資料を国会の方に提出していただけますね、協力してもらえますねということだけを聞いておるのですよ。何も捜査当局の妨害をしておるはずないですよ。妨害をしておるのは、いまの自民党のごたごたじゃないですか。
○田中委員長 松浦君、ちょっと待ってください。 せっかく熱心な御質問ですが、あなたが御出席になっておる前回の委員会で、委員会側と法務大臣側との間にすっきりした、しっかりした話し合いがこの問題は成立しておる。これをやられるとまた話がもとへ戻ってくるのです。 そこで、ちょっとその内容を、御存じでしょうが、御報告をいたしますと、いわゆる灰色高官、政治的責任のある者、道義的責任のある者、いわゆる灰色高官という者はいかなる者であるかという定義、枠、それは国会においてこっちでやる、御了解のとおりですな。でき上がりましたものを、これが灰色高官と認める、これを出せということを政府に要求をする……(松浦(利)委員「出さぬければ内閣声明ですよ」と呼ぶ)あなた、ようわかっているじゃないですか。それを要求すると、要求を受けた——ここがあなたにわかっておらぬ。要求を受けた方は、これに該当する、これに該当しないという選別、あたりまえじゃないですか、選別しなければ該当ができぬ、該当するように選別をして、ぴたっと該当さして、あるいは該当せない者があるかもしれぬ、該当する者があるかもしれぬ、多いかもしれぬ、少ないかもしれぬ、それを国会に提出をしてくる。提出してきたものを発表する方法はまだ決めておりませんが、提出してくる、こういうことで話し合いがちゃんとついておるわけですね。それが、いまあなたの御説明を聞いておると、話がまたもとに戻ってしまう。
○松浦(利)委員 いや全然戻っておらぬです。委員長よく質問を聞いてください。それはだめだよ、委員長、よく私の質問を聞いてください。あなたが言っていることがおかしいのですよ、いいですか……
○田中委員長 もう一遍聞きましょう。
○松浦(利)委員 院の方で、与野党で灰色高官の定義を決めるでしょう。最終的に決まりますね。決まったものを司法当局に出しますでしょう。そうすると、それに従って選別をするでしょう。それに該当した者だけを国会に出してくるでしょう。そのどきに選別した側に対して、該当しておるにかかわらずどうも司法当局の方が出してこなかった、院が要求したけれども司法当局がふるいにかけて、それで当然該当するのがあるにかかわらず出さなかったというあらぬ疑いを国民に与える結果については不本意ですねと聞いたら、それは不本意です。だから、その不本意であることを消すためには、全部の資料を出してもらって、そうして院の側が、われわれの側が決めた定義の中でふるいにかけていく。そうしなければ国政調査権の実は上がりませんよ。委員長が言うようなかっこうで、われわれの方だけで決めて、これで出しなさいと言ったときに、いまのような混乱をしておる状態で、三木内閣も信用しておらぬとかなんとかいう人たちがおる中で、政治的な圧力がかかって、当然出すべきものについてもブレーキをかけて出さないというようなことが起こったときに、われわれはどういう責任をとりますか。だから、その手続が終わった段階ですべての資料はこっちにもらえますね、その扱いは院の方で慎重にやりましょう、そうしてふるいにかけてみる。そういうふうな手続をしなければ国政調査権による灰色高官の解明はできないですね、こう言っているのです。だから、私はいままで委員長が言われた決まったことのさらに先を心配して言っておる、そういうことです。おわかりいただけましたですか。
○田中委員長 それでは、ちょっと大臣。
○稻葉国務大臣 私どもはもっぱら政治的道義的責任の追及者たる国会に対しては、議長裁定の線に沿ってあらゆる最善の御協力を申し上げる、これで不審はないんじゃないですか。あなた方も法律の専門家だ、決してそんな不当な、洗いざらい全部資料を出せなんということはおっしゃらぬだろうと思うのです。刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて要求されるべきものは要求されると私は信じておりますから、話はつくのじゃないですか。
○田中(武)委員 前に委員長がはっきりとこのことについて見解を述べられた。すなわち、国会が、委員会が必要とする資料を検察当局というか、あるいは法務当局に要求する。全部出してもらいたい。もし出さない場合は検事総長を証人として喚問する。それができないときには内閣が声明を発すべきである。これを確認したはずなんですよ。それでいいんです。それをひとつ確認してください。
○田中委員長 田中さん、それはちょっと後にしたらどうです。(「委員長、だめだ。」と呼ぶ者あり)それは、どうしようと言うんじゃないんだ。時期が早いんだ。そんな時期は早い——ちょっとそれでは委員会の見解を申し上げて皆さんの御了承をいただきたい。簡単に一口。 それはどういうことかと言うと、書類の提出の方法ですが、委員会を開いて、政府に対して書類を提出せよという提出要求で済めばよし、提出はできません、何を言っておるかという場面がないとは言えぬ。そういうときが来たときに、しからば手続をとります。委員会を開いて検事総長を呼んで、そうしてそこで証言台に立ってもらって、いわゆる証言法に基づいて提出を命ずる。いやならば、内閣が十日以内にいやという声明を出す。十日以内に声明を出さなければ、十一日目には書類は提出してこなければならぬ。これは私が言うのじゃない、法律である。そういう手続も踏まねばならぬことになるということを聞かれたならば、そういうことになるのですね。それは私のここの説明で決まるのでなしに、法律で決まっておることですよ。
○松浦(利)委員 それを確認したのです。
○田中委員長 それを確認することでいいのじゃないですか。それは与党も野党も文句はないです、法律だもの。 それで、まだやりますか。
○松浦(利)委員 いや、まだやるって、質問時間だもの……。 いま質問いたしましたのは、国政調査権と公務員の守秘義務にかかわる三月三十日の私の質問主意書に対する政府の答弁が、その部分が非常にあいまいだったので、いま詰めたのです。ですから、その点はひとつ御理解いただいておきたいと思います。 それから、もう一つ法務大臣にお尋ねをしておきたいのですが、どうもこの前も私はここで議論したのですが、国民の国益、公益に非常に重大なかかわりを持っておるロッキード事件の追及というのは、人の子ですから、静かであった方が捜査当局が非常にやりやすいということを盛んに言っておられたのです。ところが、最近静まるどころか波高しで、もう大変な状態が出てきておるのですが、それに加えて、どうも検察当局に対する——私はそういうものはないというふうに想像はしますけれども、政治的な圧力が最近とみに高まってきている。そのために捜査そのものが極端に言うと進展をする様子がない。特に国会議員に対する問題等については、参考人とかなんとかの事情聴取等についても非常にむずかしくなってきた。下手をすると、またこの前みたいに検事正のところに抗議が行って、検事正がわざわざ異例の記者会見をしなければならぬというような状態になるということで、最近捜査当局の捜査が従来のようにスムーズでなくなってきておるということを、これは第一線の捜査官が言ったというわけじゃないですが、そういうあたりからちらほらわれわれの方の耳にも入ってくるわけですね、非常にやりにくくなってきておるということがうわさとして。これは非常に重大な問題だと思うのです。そういう点について、九月の中旬ごろまでには丸紅あるいは全日空ルート、そういったものについては大体めどとして捜査が終了するのだというようなことを言っておられるのですけれども、そういうめどどおりスムーズに進展をする様子にあるのかないのか、大丈夫なのかどうか、そういう点を法務大臣として自信のほどをもう一遍お聞かせいただきたいと思うのです。
○稻葉国務大臣 松浦さんのところへどういう情報が入っているかはわかりませんが、そんな検察当局へ圧力なんかかけて効果があるとは、私は絶対に思いませんな。そんなものは無効果ですね。 それから、私としてはやはり静ひつであることを望むという点については、いまでも変わりはありません。政情が騒然としておるということは好ましくはないと思いますね。けれども、こういう状態になってきましたから、なお一層不覊独立の精神をもって、一生懸命捜査に邁進されるよう、次官を通じて、検察当局へ毅然としてやってもらいたいということを言っておいてくれと言うてここへ出てきたのです。どうか御信頼願いたいと思います。
○松浦(利)委員 自民党の内紛がそういう捜査に影響ないように、いま大臣から言われたように、検察当局が毅然たる態度でぜひ対処していただきたいということを、われわれもこの席で検察、司法当局の皆さんに希望いたします。 さらに最後に、法務大臣、ちょっとお尋ねをしますが、米司法省はエリオット、クラッター両氏に対して免責することを決めた。これによって両氏は、日本時間の九日午前一時三十分、法廷闘争その他はあるでしょうけれども、連邦地裁に出頭して証言に応ずるというふうになったという情報が入ったのですが、米司法省は二人に対して免責することを決めたということについては御存じですか。
○稻葉国務大臣 まだ確認をされておりません。
○松浦(利)委員 それじゃ、全く連絡ありませんか。全く連絡ないですか。もし連絡あったとすれば、どういう内容かもひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○稻葉国務大臣 確認されておりません。
○松浦(利)委員 それじゃ、確認されておらぬそうですから、確認した段階では委員会に御報告いただきたいと思います。それでは委員長、御配慮いただけますね。
○田中委員長 大臣ね、確認されたら、その機会で報告してくださいね、委員会へ。
○稻葉国務大臣 確認されてはおりませんが、確認されたらどうするかについて、これはちょっと困るのですよ。これは困るのです。公表事項じゃありませんからね。公表事項じゃありませんから。
○田中委員長 ちょっとそれはそれでおいておきましょう。あなた、続けてくださいよ。
○松浦(利)委員 おいておってどうするのですか。
○田中委員長 後の話にしましょう。
○松浦(利)委員 それじゃ、先に進めます。 永井文部大臣、本当にお忙しいときに恐縮ですが、いまから若干文部大臣にお尋ねをしておきたいと思います。 文部大臣、その前に一言だけロッキード事件にかかわってお尋ねをしておきたいのですが、われわれの党のところにもいろいろな投書が来ますけれども、その中に、最近どうも子供さんが学校の先生の言うことを聞かなくなった。宿題をしてこいと言ったら宿題をしてこぬ。なぜしてこぬのか、こう聞いたら、子供さんの方で、先生、記憶ありません。記憶にない子供さんを先生が追及するわけにいかぬ。それほど予算委員会における質問内容等がテレビに、ブラウン管に映るものですから、子供さん自身もこのロッキード事件というのは関心を持っておると思う。そういう投書が現にあるわけですから。だから、逆に言うと、悪いことをしても記憶にありません、忘れました、知りませんで逃れられるんだという印象を与えては、将来の子供の教育についても重大な問題があると思うのです。ですから、私は、この事件の解明いかんでは、これから将来、子供さんの教育にも重大な影響を与えると思うのですが、この際、三木内閣を支える文部大臣として、ひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○永井国務大臣 ただいまの御質疑にお答え申し上げます。 本件がわが国の教育に与えます影響につきましては、私もきわめて憂慮いたすべきことである、かように考えております。そこで、学校教育におきましては、これは従来も疑獄事件というものがございましたが、そうしたものも教科書の中で取り扱われてきておりますが、やはり、そうしたことをしっかりと教育をいたしていくということが大事であろうと思っております。 他方、こうした問題が一方に起こりますのに対応いたしまして、わが国に立法、司法、行政の別があり、司法部はその権限に基づいて活動をいたしており、また他方、先生もさようでございますが国会においても、その権限に基づいて大人の社会が活動いたしておるということも、きわめて重要な事実でありますから、そうした大人の努力というものも一面において、ロッキードの事件があると同時に努力が行われている、かようなことを年齢に応じて正確に子供に伝えていくということが、私はこうした事態にわが国が歴史的に差しかかっておりますときにとるべき教育である、かように考えております。
○松浦(利)委員 よくわかりました。文部大臣の言われる慎重な御配慮、よくわかりましたが、いずれにいたしましても、この灰色高官隠し等が行われるということは、子供さんに重大な影響を与えるんだ。だから、その灰色高官を解明する努力を一生懸命、大人たちがやっておるという事実を子供さんたちは知っておるのだ。だから、われわれは少なくとも灰色高官を隠してはいかぬ、積極的にやれ、こういうふうに大臣の御答弁を受けて勇気を出すわけでありますが、与党の皆さんも、ひとつよろしく御協力をいただきたいと思います。 それで、そのことが本意ではありませんが、実は、いま御承知のように、福島県の西白河郡西郷村、そこの開発問題をめぐりまして、この前、安原刑事局長からお話がありましたが、前知事が収賄罪で起訴されておるわけでありますが、これにかかわる問題として、実は東京女子医大が四十八年の二月十四日に福島県知事に対して土地転用の許可申請を出して、そして東京女子医大がその許可を受けたわけでありますが、そういう経過について、そういう事実について大臣、お知りでございますか。
○永井国務大臣 お答え申し上げます。 これは昭和四十八年、農地転用の許可を受けまして、昭和五十年十二月二日に県知事から理事長あてに工事計画を実施するよう通知がございました。こういう経過を存じております。
○松浦(利)委員 ところが、その農地転用の許可がおりた後、実際に工事着工したのは五十一年の三月ごろから工事に入っておるということについても承知しておられますか。
○永井国務大臣 お答え申し上げます。 ただいまの通知が五十年十二月二日でございますが、五十年十二月九日に理事長から県知事あてに工事の着工についての弁明書を提出いたしました。ただいま先生の御指摘では五十一年三月ごろから着工ということでございますが、私どもが調べたところでは、五十一年四月二十六日から着工いたしております。
○松浦(利)委員 そこで、この許可申請書の内容によりますと、大学の校地が狭隘で難渋していたところ申請地地主の協力が得られるので研究施設の一部を移転するということで、木村知事の農地法第五条による許可を受けておるわけでありますが、文部省の方への通知によりますと、これは研究施設どころか、むしろ体育館、宿泊棟、テニスコート、駐車場といった、学校職員の体育厚生施設中心の、極端に言うとレジャー中心の施設をつくるというふうに文部省のあれにはなっておるのですね。ところが、この許可証では、学校狭隘で研究施設の一部を移転するのだということで農地転用を受けておる。非常に食い違いがあるわけですね。この点、また後で、まとめてお聞きしますが、これが第一点なんです。この点について、実際どういうふうにチェックなさっておるのか。 それから、御承知のように、私学でありますから、私学助成が出されておりますね。国費が私学についても出されておることは御承知のとおりであります。ところが、こういう施設を購入するというのは、土地の取得で約二億五千万、それで、こういう施設をつくるのに二億か幾ら要るのだと思うのです。約五億近くの金が要る。そうすると、そういう金が極端に言うと私立大学の子供さんの大学授業料に影響を与えてくる可能性がありますね、要するに授業料収入しかないのですから。そうすると、仮に一歩譲って、そのことを仮に認めるといたしましても、東京女子医大がこの土地を取得するまでに、この前、刑事局長がここで言いました児玉譽士夫が四十一年から四十四年までかかわり合っておった町井さんの東亜相互企業というものが仮抵当権を設定したり、あるいは、この前、指摘をした東亜農公園が抵当権を設定したり、東京女子医大にいくまでに土地が二遍、三遍、転がされておるわけですね。ですから、現地の農家の皆さんに聞いてみると非常に安い価格で売られておるにかかわらず、東京女子医大が取得したときには高くなっておるわけですね。本当に必要なものなら、こういう土地転がしがなくて購入すべきものを、間に土地転がしをするいろいろな企業が介在して、結果的に高いものを買わされておる。しかも、そのツケが生徒さんたちに回ってくる、あるいは学校が赤字経営だというので、国の方にその助成を求めてくるというようなことが行われますと、やっぱり利権というものが学校教育施設建設にまでかかわり合ってきておるという、私は重大な汚点を残すと思うのですね。 起こったことについて私はいまここでけしからぬと言うつもりはありません、もう済んだことですから。しかし、問題は、こういう利権が絡んでくるという問題について、文部大臣としても、しかるべき一言があっていいのじゃないかという意味で、こういう農地転用と文部省に届けられた内容との食い違い、あるいは大学授業料とのかかわり合い、あるいは、こういう農地転用に絡む問題、こういうものについて、ロッキード事件と直接的なかかわりはないにしても、内容的には一緒のような感じがいたしますから、この際、文部大臣から御見解と、これからどう対処するのかということを含めて御答弁をいただきたいというふうに思います。
○永井国務大臣 先生御指摘のように、文部省は逐年、私学振興助成をいたしております。これは納付金が非常に高くなり、あるいは教職員の待遇等にも問題があるからでございまして、国会の御承認を得て、これを増額してこれたことは、きわめて幸いと思っております。しかしながら、国費を投じまして経常費助成を行い、また必要に応じましては施設を充実するための融資も行っているわけでございますから、そうしたことを行う上には当然、法令に基づく適切な指導監督というものを行うべきものであり、これは私学振興財団が直接的にその仕事を行っておりますが、文部省はそれに対する指導の立場にあるわけでございます。 そこで、この土地の問題等についても当然考えるべきでございますが、本件におきましては、土地取得については昭和四十八年五月に校地取得届け出を受領いたしております。そのときの価格について申し上げますと、面積は一万六千二百七十五平米、取得価格が二億五千万円でございまして、坪当たり概算三万円程度になるのだと思いますが、そうしたものとして届け出を受けております。われわれは一応その届け出を受けまして妥当と考えたわけでございますが、いま先生御指摘のような、それ以前にどのような土地の売買が行われたかということは届け出の中にはないわけでございます。しかしながら、確かに学校というものを運営していく上で、われわれとして監督をいたすべきことは重々いたしていくべきでありますが、他方、私立大学の自主性というものもございますから、これはその自主性を重んじていくという限界もあろうかと思います。 なお、御質疑の前半にございましたあの学校がつくった建物というのは、研究ということであるがレジャー施設のようではないかということでございますが、私どもの方で聞いておりますところは、研究、厚生、体育と、いわば三つにまたがったものをつくりたいということのようでございまして、五十一年度完成予定のものの中には体育館と研究セミナー等が入っております。五十二年度着工予定の中にテニスコートが入っておる。届け出の書類に基づいて申し上げますと、以上のようなことでございます。
○松浦(利)委員 今度の福島県の前知事の問題は、御承知のように、東北新幹線の開通に伴うあの西白河地区の開発でありまして、その関係として、この西郷村の東京女子医大の施設建設ということも出てきておるわけでありますが、われわれとしては、私学の自主性がありますから、こういうものにまで余り文部省が積極的に指導云々ということとは別にして、どうも、かかわり合いがしつくりこないのですね、事件が起こってみますと。ですから、私は、そういった意味では余り私学の自主性を侵すということよりも、むしろ学生に与える影響というものから見て相当慎重にやるべきだというようなことは、やはり大学当局に、これはたまたま東京女子医大ですけれども、ある程度、大臣として御発言、御指導があってしかるべきだと思うのですね。その点は、いま言われた御答弁でよろしいですね。 それで、もう時間がありませんから農林省の方にお尋ねしておきます。 局長がおいでになっていますが、今度のこういう開発行為、特に田中金脈問題が出て以来、いろいろな意味で、いろいろなひずみがずっと出てきておるわけですけれども、今度の問題も考えてみますと、当初、開拓するために開拓農地として農家の人に土地を提供した。その場合に農林省の資金というのが開拓行政として入っておる。ところが本人たちは、もちろん借金した部分もあるわけですが、その本人たちが借金した部分が返された途端に利権が入り込んで、そして農地を取り上げる。農家の人は所得が上がらぬですから手っ取り早く農地を手放してしまう。ところが、実際にいざ、この木村知事に出された農地転用なんかを見ますと、農家の方が東京女子医大に土地を売ったというかっこうになっているのですね、たてまえ上は。ところが、この土地謄本を取ってみると、ここで土地転がしがあったということが、もう一目瞭然、理解できるのですね。ですから、私がここで申し上げたいのは、仮に新しい法律ができて、こういうことは規制されていくでしょうけれども、問題は、高く売れるなら、逆に言うと農家の人が高く売れればいいのですよ、農家の人の立場に立ってみれば。ところが、農家の方は安く買いたたかれて、中間でマージンをかせがれて土地が売られている。こういうものについては、やはり土地謄本なり何なりを取り寄せて一緒に書類をつけてみれば、ああ、これはこういう土地転がしがあるという事実が必ずわかるわけですね。東亜農公園については、これは大きい面積ですから農林省の許可が要る、そうすると監督が非常に厳しくいくわけですね。ところが、地方自治体の知事に権限があるとアフターケアーも何にもないのですね。要するに、出たら、ばっぱっと許可をするというところに、やはり利権の入り込む非常に重大な欠陥があると思うのです。 ですから、もうこのことも私は起こったことですから問題にはいたしませんし、現に、もう前知事が起訴されて、これから裁判でその事実が解明されるでしょうから、これ以上は言いませんが、いずれにしても、こうした問題に対して、どのように農林省として歯どめをかけていくのか、こういう問題について、この際ロッキード事件とのかかわりはないように見えますが、実質的には国の行政あるいは地方行政と利権とがかかわり合っておる重大な問題ですから、この点についても、ひとつ農林省の御見解をいただいて、私の質問を終わります。
○岡安説明員 農地転用の問題、それに絡みます転売、土地転がしの関係をどう農林省は対処するかという御質問でございますが、先生十分御承知と思いますけれども、農地法によりましては当時の売買価格等の点につきましてまで審査を行うということはできないわけでありまして、農地法による取り締まりは困難だというふうに思っております。 ただ、御指摘のような、仮に農地につきましては仮登記を行いまして、仮登記の権利者たる地位を売買をする、その間で中間的な利得が発生をするというような事態、これは農地制度上好ましいわけではございませんので、従来からも農地制度運用の一環としましては行政指導としまして十分措置をしてきたつもりでございますけれども、最近といいますか四十九年の六月に国土利用計画法というものが制定をされまして、それで売買契約等が行われた場合に、その価格、利用目的等については届け出義務を課すということになりましたので、今後はこの国土利用計画法の施行といいますか、その一環といたしまして、優良農地確保の見地から、先生御指摘のような事態につきましては、それを防止するように十分関係行政機関を指導してまいりたい、かように考えております。
○田中委員長 東中光雄君。
○東中委員 最初に内閣法制局と衆議院の法制局長に来ていただいておりますので、一言お伺いしておきたいのですが、先ほど田中委員の質問に対して、いわゆる議員の不喚問特権は憲法五十一条にかかわらず、そういうものはないという御答弁をいただいたわけであります。三木首相が七月七日のわが党の中島議員の質問に答えて、国会議員といえども不喚問特権はないということを、この委員会で答弁されておるわけでありますが、それについて自民党の理事さんの方から、三木答弁は憲法違反の疑いがあるんだ、無知だからそういう答弁をしたんだろうというふうな趣旨の発言をされたと私は聞いておるわけです。これは理事会での発言ですから、これは当然職務上の行為であります。しかし、総理大臣の答弁が無知による発言、誤ったものだというふうな発言をするとすれば、それは普通ならば刑法二百三十一条ですか、公然侮辱罪になるわけですが、そういう発言でも理事会での職務上の行為であるから憲法五十一条によって院外で責任は問われない。五十一条というのは、そういうものだと思うのですが、そういうふうに理解してよろしいかどうか、両法制局の見解をお聞きしたい。
○川口法制局長 私の立場から、ただいまの御質問に答弁申し上げるのは若干ためらいますけれども、一般的なことを申し上げますと、そこに法律的には議員さんの正式の理事会あるいは委員会における発言でありますので、憲法五十一条の免責特権の対象になる、こう考えます。 いまの総理大臣の発言自体についての話は私は関知するところじゃございませんが、それに対する批判の文言として無知云々とかいうお言葉をお使いになったというふうなことがありましても、まさに、これは憲法五十一条において保障されておる、つまり刑法の悔辱罪その他の刑事責任を問われないというふうに考えます。
○茂串説明員 ただいま衆議院の法制局長から答弁されましたところと同一の意見でございます。ただいまお話のあった発言が議員としての職務行為に当たるかどうかというところで、問題は決まってまいると思います。
○東中委員 事実について知らなかった、その事実関係について無知であるというふうなことを言うのは、これはあり得ると思うのですが、見解について、憲法について総理大臣が無知であるというふうなことを言って、自分の言っている議論の方は全くどこにも通用しないような議論である。こういう発言は、結局は議員の証人喚問をおくらせる意味しか持たない、そういうふうに私は思いますので、そういう点について、当委員会の証人喚問を本当に進めていくという点から言えば、あるいは国政調査権を発動していくという点から言えば、こういう発言は断じて許されぬことだということを申し上げておきたいと思います。法制局の方はどうぞ結構でございます。 続いて法務大臣にお伺いしたいのでありますが、先ほどの、あす行われる予定のクラッター前ロッキード社日本支社長とエリオット元駐日代表についての嘱託尋問でありますが、私たちの方でも、アメリカ側で免責の処置をとるような方針を決めたように情報として聞いておるわけであります。いま、そのことについては言えないという趣旨のことをおっしゃったんですけれども、証人喚問が決定されておって、日が決定されておって、そこで日本の法務省としては、この証人尋問をやるということについて最善の努力をしておられるはずなんですが、その経過がどういうふうになっているか。それも、あす、アメリカ時間で言えば、きょうですね、に迫っておるわけですから、いま、どういう状態になっておるかということについて御答弁を願いたい。内容について聞いておるわけじゃありません。
○稻葉国務大臣 あすクラッター、エリオットの証人尋問が行われるという予定は前から決まっておるわけですね。それに対して異議を申し立てて、ずっときた。それに対して日米捜査当局はお互いに協力をし合ってまいりました。その協力の状態は非常にうまくいっておると、いうことを申し上げておきたいと思うのです。
○東中委員 協力の状態はうまくいっておる。あしたは、その尋問ができるように、そういう見込みになっておるのか。あるいは協力の状態はうまくいっておるけれども、やっぱり、あすもだめなんだ、無期延期になるんだというふうなことになるのか。そこの点についての法務省側の現在の見通し、状況ですね、それをお伺いしたい。
○稻葉国務大臣 クラッター、エリオット両氏の証人尋問については、両氏の要求している米国法上の刑事免責の問題について現在、米国司法省において検討中でありますね。いずれ結論が出ると思われます。なお両氏に対する証人喚問期日は一応、米国時間で九月八日に指定されております。こういうことになっております。
○東中委員 それは、いままでの経過でございまして、その経過で進んできて、もうあす、それももう数時間後に迫っておる今日、どういうふうな見通しになっているのかということを聞いているわけです。
○稻葉国務大臣 あした行われる見通しのようでございますね。
○東中委員 あした実質上の証人尋問が行われる模様である、こういうふうにいま御答弁された、そうお聞きしてよろしいんですか。
○稻葉国務大臣 証人尋問が行われるような見通しでございますね。
○東中委員 それでは次の質問に入りますが、いわゆる灰色高官、政治家の公表問題についてお聞きしたいのであります。 まず公表の時期の問題でありますけれども、議長裁定では、事態の推移をみて、政府が最善の努力をするということであって、何か四月五日に結ばれた自民党、民社党の合意事項の「検察当局の捜査処理終結の時点で」ということではなくて、「事態の推移をみて」ということになっておるわけでありますが、この事態の推移の見方によるわけですけれども、政府としては、児玉ルートの解明が全部済むまでは公表はできない、しないという態度をとっておられるのか、そういう段階に至らない以前に公表することがあるという態度をとっておられるのか、どちらでございますか。
○稻葉国務大臣 できればといいますか、捜査がまだ終わっていない段階で公表いたしますことは、今後行われる捜査において関係人の協力を得る等の点に差し支えがあり、したがって、捜査活動にいい影響を及ぼすとは限らないという懸念から、ロッキード事件全体の捜査の完了を待って公表が行われることを希望はいたしますが、議長裁定には、捜査完了を待ってとはなくて、「事態の推移をみて」と、こうなっているのですから、その事態の推移を見ながら最善の御協力を申し上げざるを得ない、申し上げます。こういうふうに言っておるわけです。
○東中委員 捜査当局、法務当局は、いわゆる児玉ルート関係については捜査が非常におくれている、当時の予期していたことよりもずっとおくれているということ、これはここでも何回か答弁されているわけであります。そういう事態で、その事態の推移からいって、児玉の関係が明らかになる前でもやるということをそういうふうに決めておられるのか、いや、それもまだ決めていないのだということなのですか。そうしたら、いつになるか全くわからないということになるわけですが、その点を児玉ルートとの関係でお答え願いたい。
○稻葉国務大臣 その点については、この間のこの委員会でもいろいろ議論がされて、そうして最終的に私の答弁がわかりにくいというので、委員長大博士が結論を出されて、そうして私は全くそのとおりでございます。こう言っていることで御了承いただけるのじゃないでしょうか。
○東中委員 児玉ルートの捜査の段階が終わってからか、終わる前かということについては、当委員会では別にそういうことを決めておるわけではないので、国会の方で要求があった場合に、その範囲が決まった場合に、それについてあと問題があります。いろいろ話はあるわけです。私がいま聞いているのは、国会の方から要求があれば、その前でもやるということなのかどうかということをまずお聞きしているわけです。
○稻葉国務大臣 それは議長裁定に、「事態の推移をみて」とあるのであって、捜査全部終了してからでないとだめだという、全部が終了してしまってから後の方を希望しますとこっちが言うてみたところが、事態の推移を見てやれ、こう言うのですから、事態の推移を見て国会が決めてこられれば、委員長がこの間言われたように、それに対して最善の協力をする、こういうことで御了承願っておるはずだと思います。
○東中委員 児玉関係が全部終わらなくても、国会から要求があればやるという趣旨のお答えだと思います。
○田中委員長 そう。そういう意味です。
○東中委員 そこで、いわゆる灰色高官の公表問題というのは、政治的道義的な責任を明らかにするということが主要な任務でありますが、それは総選挙という国民の審判を仰ぐ時期がもう目前に迫っているわけですから、総選挙前に国会から要求があれば、その範囲はまた後議論するとして、政府側の態度として必ず公表されるというふうにお聞きしていいかどうか。あるいは臨時国会前にということであった方が私たちはいいと思うのですけれども、その点、臨時国会前あるいは総選挙選前には要求があれば必ず出すということを、政府として、法務当局として、ここで明らかにしてもらえるかどうかです。
○稻葉国務大臣 臨時国会前か後かという——臨時国会前かと言われると、臨時国会の日取りが決まっておれば、ああ、この辺までにはいいでしょうとか、いや、そのころまでにはちょっと間に合いかねますとかいう判断ができますけれども、それはちょっと言いかねますね、臨時国会前かということは。やはり国民の知る権利というのは、選挙で政党支持、人物支持を決めるわけですから、その判断の材料になることは、国民の知る権利として、重要な知る権利でしょうからね、それまでにはこれに協力するのが法務当局として当然な義務ではないでしょうか。議長裁定の問題もこれありだ、あわせて大いにそういうことには協力すべき問題ではないでしょうか。主権者たる国民の判断の材料になることがわからぬで選挙をやるというのは困るんじゃないですか。
○東中委員 総選挙前には要求があればやるというふうに答弁されたのでありますが、それで、その時期の問題も関連して、私はいま捜査の内容を聞こうと思うわけでありませんが、捜査の進展状況についてお聞きしておきたいわけです。 それで法務省、検察当局は、ロッキード事件の解明はロッキード社からの流入金、金の流れを解明することが当面の目標であり、課題であり、まずその流れを解明して、それから後、不正行為の刑事責任の追及ということになっていくんだ。それから終局的な捜査の目的は刑事責任の追及でありましょうけれども、この事件の特性から見て、金品の流れをとにかく解明するということは当委員会でも何回か言われてきたわけでありますが、いまその金品の流れはどこまで捜査当局で捜査、調査の結果解明したのか、その点をお伺いしたい。
○稻葉国務大臣 去る八月十六日田中前総理を受託収賄及び外為法違反で起訴したことにより、いわゆる丸紅ルートのうちピーナツ及びピーシズ領収証に見合う五億円に関する捜査は峠を越したと言えますが、ユニット領収証三千万円に見合う金員の使途に関しては、去る八月二十日佐藤孝行元運輸政務次官を、同二十一日橋本登美三郎元運輸大臣をそれぞれ受託収賄の容疑により逮捕し、現在その身柄を拘束の上取り調べを続行している段階であります。また、ユニット領収証九千万円及び全日空ルート一億六千二百万円については、現在金の流れとその実態を解明すべく関係者からの事情聴取を含め鋭意捜査中であり、近く捜査を終了できる見通しであります。児玉ルート十七億円余については、去る九月二日児玉譽士夫及び太刀川恒夫両名を両名共謀による外為法違反により東京地方裁判所へ公判請求するなど、児玉の病状、参考人福田太郎氏の死亡等、種々の困難を克服して捜査を続行中でありますが、捜査終了までにはなお若干の日時を要する見込みであります。
○東中委員 いま言われました第一のピーナツ、ピーシズ関係の五億円については峠を越したと言われたのでありますが、田中角榮に渡された五億円、その五億円の行く先は解明されておるのかいないのか、その点をお聞きしたい。
○稻葉国務大臣 公訴維持に必要な範囲内において、捜査は進んでおると聞いております。
○東中委員 公訴維持に必要な範囲というのは、それがわからぬわけですが、それで、この捜査の方法は、まず金品の流れを解明して、それについて今度はその趣旨なりあるいはそれが法律適用上どうなるかということを捜査を進めていくのだということは、当委員会でも何回も言われておるわけでありますから、金の流れは、この五億円の先は、どこまで行って、だれに渡されたとか費消したとかいうことがわかっておって、そしてそれが、田中の公訴維持について言うならば、それの間接事実といいますかあるいは状況事実というか、ということになるのだろうと思うのですが、五億円そのものは全部どこへ行ったかということ自体はわかっておるのかわかっていないのか、そこのところをお聞きしておるわけです。
○稻葉国務大臣 それ、私まだ報告を受けておりませんからわかりませんがね。しかし、田中前総理に入った五億円という経路は、それから性質も、わかっていますわな。その五億円がどこへ行ったか。これは、その五億円がどこへ行ったかということはわかりにくいのじゃないでしょうか。ほかの金が行ったのかもしらぬし、金に印はないものだから。田中さん大金持ちですからな、いろいろ金が行くでしょう。その五億円であるのか別な、何であるのかわからないのじゃないでしょうか。私、報告を受けていないからわかりませんけれども、そこまでお聞きになるから、私の感触を申し上げるわけです。
○東中委員 それは、五億円というのは、まあ、たんすへ入れておくということもあるかもしれません。たんすへ入れておいて、あるいは百貨店の紙袋に入れて一億円渡すという場合だったら、金に印がなくても、どこかでもらってきてそのまま渡したということになったら、これはそのものずばりがその金ですね。それからもう一つ言えることは、仮に預金をしたとしても、そこから引き出してどこへ渡したか。千円とか一万円とかいうのだったら、それはいま法務大臣言われるとおりだと思うのですよ。事は五億円でしょう。単位が大きいのですから、だから現物のままで動いたのなら、これは印はなくてもきわめて明白であります。現物のままでなくて、どこかへ預けたとしても、預けた額は、ここに五億円、あるいは一億と四億というふうになっておったら、それを引き出してどこへ持っていったか、これもわかるはずですね。そういう点についての解明は当然されていると思うのですけれども、念のためにお聞きしておるわけです。
○稻葉国務大臣 収賄した金をどこへやったかということは、やはり捜査の内容に関することですね。ですから、捜査しなかったわけはなかろうと思いますけれども、これはやはり公判維持に相当な関係がありますので、それはどこへ行ったかということがわかっているとかわかっていないとか、それからその五億円を受け取ったのはだれだれであるとかいうことを、名前も本当にそういうことを調べてわかっているのかわかっていないのかなどということも、ここで私が申し上げるわけにはまいりません。お許し願いたいと思うのです。
○東中委員 私は、いまその名前を聞いているのじゃないのです。だれに何ぼ渡したかということの内容を聞いているのじゃなくて、当然その金は解明されなくては、金の流れを解明するのだ、こう言っていたのだから、それは解明されたのか、されていないのかということをお聞きしているのであって、それは解明されておって、そして田中がその五億円もろうて、XならXに、これはロッキードから持ってきたんや、ひとつ君も一億渡すからちゃんとやれよ、と言うて渡したとすれば、これはそこでも犯罪が成立するわけですから、その関係についての捜査は、金の行方がわかり、その趣旨がわかっておる、わかっておるけれども、その内容をいま公表するかどうかというのは、これは私は、いまそれは聞いてないわけです。わかっているのか、わかってないのかということを聞いておるわけです。
○稻葉国務大臣 わかっているか、わかってないかということを、ここで私が公表することは差し支える、こういうことを言っているのです。
○東中委員 金の行方を全面的に解明するんだ、そしてそれの趣旨なり性格なり、そういうものについて調べて、そこから刑事責任があるかないかを決めて、起訴、不起訴を決めていくわけですね。五億円についてのその金の行方さえもわかってないというのだったら、これは、この部分についての捜査も、さっぱりいっておらぬということだってあり得るわけですね。その点は明らかになっておる、しかし内容はいまここでは言わないというのなら、それは私いま聞いているわけじゃないです。これはひとつ——何も公訴維持に差し支えないですよ。私は弁護士を長い間やってきましたけれども、そんなこと言うたからといって、差し支えありませんよ。
○稻葉国務大臣 仮に万々一わかっておるというても、わかっておりますという発表はできないと言うのだ。
○東中委員 その点についてわかってなかったら、それはその点についての捜査を続けるということになりますね。わかってなかったら、それについての捜査を続けなければ、私がさっき設例したように、何回かに分けてあれは五億円もらっておるわけですから、そのもろうてきた、すぐ田中前総理が、だれかを呼んで、いまロッキードからこれを持ってきたのだ、君もひとつこれでしっかりやってくれ、トライスターの売り込みあるいはP3Cについてやってくれと言うて渡すと、これは犯罪になる可能性がありますからね。そういう内容についての解明は、これは当然やっていると思うのですが、やってなかったら、まだ捜査をそこで続けているというふうな段階なのかどうか、それをお聞きしているのですよ。何も秘密にされる理由ないじゃないですか。
○稻葉国務大臣 そんなのは済んでいますね。いま捜査を継続している段階ではありません。済んでいます。
○東中委員 ということは、済んでいるということは全部行方は解明されておる。解明されてないけれども捜査は済んでおるということはありませんから。そういう御答弁をされたもの、これは論理的にそうなりますわね。そういうふうに理解をしてよろしいですね。
○稻葉国務大臣 どう理解されるかは、そちらさんのことでございます。
○東中委員 法務大臣の言われている趣旨が、余りはっきりしないから、だからこういう趣旨で言われておるのかあるいは違う趣旨で言われておるのかということで、答弁内容を私はただしているわけですから、こっちの自由だと言われたって、それはいかぬですよ。誤解しておったのではどうにもならぬです。
○稻葉国務大臣 捜査当局は、御承知のように、非常に綿密にやっていますからね、捜査をしてないなんという、そしてまだ捜査中だなんということは、それは私は、ないと思いますよ。捜査は大体終わったが、それが犯罪を構成する状態のような配り方になっておるという報告は受けておらない、こういう答弁、刑事局長が前にそういう答弁をしたと思いますが、それを繰り返します。
○東中委員 それは犯罪の状態になっておったら当然一緒に起訴しているはずですから、起訴していないのだから犯罪の状態にはなってない、こういう判断をされておるというのはもう聞かなくてもわかっているのです。問題は、金の行方が解明されたかどうかということについて、五億円については全部解明をされておる、それは犯罪だというふうには考えていない、だから起訴していないわけですから、ということなのか、そこまで到達しているのかいないのかということをお聞きしているだけなんですよ。内容についていませんさくしようと思って聞いているわけじゃないのです。起訴されてないから、それは灰色高官に入るのか入らないのかという議論が次に範囲を決める議論の中で出てくる。だから、それは解明された問題であるのかどうかということなんですよ。解明されたけれども起訴されてない、だから灰色高官に入るか入らないかというのが次の問題に入ってくるわけです。解明されたかどうかということをお聞きしているわけです。
○稻葉国務大臣 それは申し上げかねますということをお答え申し上げているのでありますね。万一解明されておるとしても、私から解明されておりますということは申し上げかねるという答弁をしているのでございます。
○東中委員 法務大臣、それは非常におかしいですね。それじゃ、それは解明されておるかされていないかということを、答弁拒否されるわけですね、何を理由に拒否されるのですか。捜査にどういう影響があるのですか。公判維持にどういう影響があるのですか。解明されておらないままで起訴するなんということはあり得ぬわけですからね。私は当然解明されておると思う。それを言われないというところに非常に問題があるわけです。非常に政治的な配慮があるように思うので、それは事実として解明されておるものはされておるということを言われて、その内容については公判維持の関係で言わないというのだったら、これはいまの段階ではよろしいですよ。しかし、解明されているかされてないか自身を言わない。これは答弁拒否されておるわけですから、それでは答弁を拒否される理由は一体何ですか、何もないじゃないですか。
○稻葉国務大臣 公判の維持に支障を来すからであります。
○東中委員 解明されているかいないかを明らかにすることによって、何にどういう形で公判維持に支障を来しますか。
○稻葉国務大臣 田中前総理及び秘書の榎本敏夫の公判維持に支障を来すからだ、こう理解願いたいと思います。
○東中委員 いわば臓物の処理みたいなものでありまして、それが解明されぬで、捜査は終結した、そしてそれについて起訴をするというようなことはあり得ぬわけじゃないですか。だから、それは解明されているんだけれども解明されたということを言わないというのは——何も公判維持に関係しないですよ。解明されていないのに解明したようなかっこうをしておるから、だからこのままでいったら公判維持ができなくなる、そういう趣旨で言われているんだったら事は重大ですね、そんなばかな起訴はあり得ぬわけですから。物をとったってその使途がどうなったのかということは調べますよ。費消したとか遊興に使ったとか、あるいはだれかにやったとか、生活困窮のために使ったとか、はっきりするわけでしょう。事は五億円という大きな、しかも政治的な意味を持った収賄罪の金ですから、それの解明ができておるか、できてないかをはっきり言われないというのは、これはどうしても理解できませんね。答弁拒否ですよ、それは。三木内閣の法務大臣は、事実が解明されたかされないかということについてさえも、公判維持に名をかりて答弁を拒否されている、こう言わざるを得ぬですよ。こんな姿勢だったら、灰色高官なんというのは、公表すると言っても事実上しないのじゃないか、こう疑わざるを得ぬわけですが、これはしかと三木内閣の姿勢に関係することでありますから、はっきりとした答弁をしていただきたい。
○稻葉国務大臣 検察当局が前総理及びその秘書の榎本を起訴した、何としてもこれは公判維持しなければならぬというこういう熱意を持つことは当然ですな。それに支障があることを言えといったって、それを言わないことが何か隠しているようなことを言われるのは心外ですな。どうしても公判維持をしたい、これは当然じゃありませんか。
○東中委員 抽象的な言葉でごまかされても、万人が見て、捜査が、解明が済んでおるか済んでないかということを言うことによって公判維持に支障を来すなんということはだれも考えません。その内容はどうなっているかという細かいことまで聞いたのなら、それは冒頭陳述で述べるというならわかりますけれども、これは事実上の答弁拒否であるということを申し上げて、時間がありませんので、あとのユニット関係、全日空関係を聞きたいのですが、この調子では言われないと思いますから、それは灰色高官公表に対してきわめて否定的な態度をいまとっておられるというふうに私としては考えざるを得ない。 その上に立って、現在のロッキード関係での捜査で、捜査当局で調べられた、参考人、被疑者を問わず、とにかく捜査の対象で聞かれた人の人数は何人か。そのうち、被疑者として取り調べられた人は何人か。そのうちで逮捕、取り調べを受けた人は何人か。及び、取り調べはしていないけれども、被疑者として立件しておる者はあるかないか。捜査の過程で名前が出てきて、金の行方がわかって、しかし取り調べはしていないけれども、一応被疑者として立件しているということがあるかないか。それから、判明した金品受領者は全部立件をするのかしないのか。これだけの点をお伺いしておきたい。
○田中委員長 土肥君、お答えになっていいですよ。数字に関することだから事務で答えてよろしい。
○土肥説明員 それでは私からお答え申し上げます。 これまでに取り調べました人数は、ざっと申し上げて四百名ぐらいでございます。この中で被疑者として調べた者が何名であるかということについては、ちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○田中委員長 被疑者何名はわからないのですか。
○東中委員 いや、わからないのじゃなく、答弁を差し控えると言ったでしょう。
○土肥説明員 これはまだ正確な報告をちょっと受けておりませんので、きょうのところは答弁を差し控えさせていただきます。 それから、このうち逮捕した者は十八名でございます。それからすでに起訴しました者は十四名でございます。 以上でございます。
○東中委員 いま聞いた分をちょっとまだ答えてないので、もう二つあるのですが、要するに被疑者としての、任意出頭であれ強制捜査であれ、取り調べはしていないけれども、被疑者として立件している者はあるのかないのかということを聞いているのです。
○土肥説明員 被疑者として立件して取り調べていない者があるのかどうかという点については、まだ報告を受けておりません。
○東中委員 もう一つですが、ロッキード社またはロッキード社関係の金品を受領した人は、全部一応立件することになっておるのか、もう立件しないで、何といいますか、捜査の過程で出てきておるけれども、立件せぬで、したがって処分も何もしないというふうな者もあるのかどうかということですね、そういう点についての方針、これはどうでしょうか。
○土肥説明員 この点についてもまだ報告を受けておりません。
○東中委員 あとの三つの点については、検察当局では事実はもうはっきりしていると思います。だから、この委員会へ報告してもらうようにぜひ求めたいと思うんです。
○田中委員長 それでは土肥君、便宜、君に申し上げておきますが、安原刑事局長に連絡して、ただいまの三点について差し支えがなければ、大臣も御了承、こういうことで適当な機会に報告をするようにしてください。三つの点、わかっていますね。
○土肥説明員 はい。
○田中委員長 それではさようにいたします。
○東中委員 時間が来ましたので、終わります。
○田中委員長 御苦労さまでした。 それじゃ、午後一時委員会を再開することとして、暫時休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時十分開議
○田中委員長 それでは休憩前に引き続いて会議を開きます。 土肥法務省参事官より発言を求められております。これを許します。
○土肥説明員 先ほど東中委員よりおっしゃいました三点の点についてでございますが、いろいろ調べまして、明日当委員会で安原局長より答弁するということに御了解を得たいと思いますので、よろしくお願いいたします。 —————————————
○田中委員長 ロッキード問題に関する件について質疑を続行いたします。 質疑の通告がありますから順次これを許します。坂井弘一君。
○坂井委員 いわゆる灰色政府高官の公表問題でありますけれども、その範囲なりあるいは公表の方法、これは当然いよいよ議論しまして決定をしなければならぬという段階を迎えたと思いますが、いま一つ、やはり公表の時期の問題ですね。これをいつやるかということがやはり非常に大事なことだと実は思うわけであります。 そこで、稻葉法務大臣に捜査の進行の見通しということについてあらましをお伺いいたしませんと、どうもその辺がこれからの論議の中でやはり問題とならざるを得ないと思いますのでお聞きいたしますが、先ほど全日空、それから丸紅ルート、これは近くこの金の流れの究明、つまり捜査の終結を見るであろう。近くと言われましたが、この近くというのは九月、少なくても時期的に見まして中ごろまでに。児玉ルートは若干の日時を要するというようにお答えになったように思うのですけれども、若干ということになりますと十月、これは私の方から言うのはおかしな話なんですが、少なくとも余り遅い時期ということではなさそうです。少なくとも目の前に総選挙を控えておる、国民の知る権利にもやはりこたえなければならぬので、今度の事件の灰色の部分といいますか、あるいは事件の内容については、できる限り主権者である国民の判断材料として提供しなければならぬという認識は法務大臣先ほどお述べになったとおりだと思います。 したがって、そういう観点、関係から見まして、全日空、丸紅ルートの近くという、それから児玉ルートの若干の日時、大体いつごろになりますか、見通しとしては。
○稻葉国務大臣 近くというのと若干というのは大分違うのです。近くというのはごく近い、若干というのはやや遠い、こういうことで、違いはありますね。まあ、全日空ルートまでは、この前、刑事局長も言いましたように八月いっぱいと思っておったが、九月にちょっとずれ込んで、そうしてそれもそう遠くない時期に終わりますと、こう言っているのですから、あした刑事局長が出てくれば、報告を受けているんじゃなかろうかと思いますが、あしたには大体いつごろということを言えるかもしれませんね。 それから、児玉ルートにつきましては、鋭意捜査中なんです。これはもう臨時国会とかそういうことに関係なく、一生懸命やっていますから、これについては二月ころには、八月いっぱいくらいあればみんな全貌が明らかになるじゃないかと思ってやってきたのですが、中心人物がああいう病気であったためにおくれたりして、これが九月にめり込んだということを申しましたね、前の段階で。けれども、十月にずれ込むということは、私いまだかって言うてないんでございます。ですから、そういうことをいま申し上げるわけにはいきませんな。十月にずれ込みそうでございますなんという表現の仕方はまだ早いと思っております。
○坂井委員 およそ感触として、むしろいまの答弁を味わってみますと、全日空、丸紅ルートは数日中にも終わりそうだし、それから児玉ルートは大変難航してきたことは事実でありますが、しかし、それにしても十月にずれ込むということはまずなかろう。かなり捜査が困難な中を鋭意努力されまして、若干の日時は要するけれども、まあ終結に迫りつつある、こう実は受け取りたいわけであります。 そこで、なお一点関連して伺いますが、田中前首相が逮捕され、起訴された。続いて橋本元運輸相、それから佐藤元政務次官の逮捕、これが第二次高官逮捕だと巷間伝えられた。そうしますと、第三次高官逮捕というのは、これから捜査終結に向かってあり得ると見てよろしいですか。
○稻葉国務大臣 私の先ほどの発言について、坂井さんはなかなか舌が肥えておって味わい方が上手なように思いますが、そのとおりでございますと言うわけにはいきませんね。全然間違っていますということも申し上げないのです。 それで、高官の問題でございますが、これは申し上げることはできませんな。第三の山について、第三次高官逮捕があり得るのかあり得ないのかなんということをわしに言えと言ったって、捜査がいま大事なところにきているのに、それは無理じゃないですか。その味わい方がよくないですね。
○坂井委員 一次——まあ一次と言わなかった、頂上作戦でしょうね。だから、この間の逮捕というのは第二次逮捕だろう。実は国民の間でもかなり期待をした向きがありますし、しかも、大山の児玉ルートの解明がなおなかなか容易ならぬ。しかも、この児玉ルートの解明によっては相当な内容が出てくるのではないかと思う。これは常識的にだれしもがそう思っただろうと思う。したがって、そういう意味で第三次高官逮捕というのは、恐らくや児玉ルートあるいはXルートに関係してあり得るのではないかという、そういう認識といいますか、ある種の期待というか、意識といいますか、そういうものは一般的にあろうと思うわけです。ぼくはこれで終わってしまうとしたら、もう上巻、下巻で終わりで、それこそロッキード事件全体のいわゆる全貌というもの、これが解明されないままに終わってしまうということは、イコール事件隠しということにもなりかねない。したがって、そういう意味で若干の日時を要するとしても、児玉ルートの解明ということができて、その時点でまず捜査は一応の終結、それまでには少なくともそうした事件の中心的なあるいは重要な関係をしたであろうと思われる人たちの逮捕というものが当然あり得るのではないか。これは言うたって答えが出ませんので、決してあいまいにしないようにということをここに強く申し上げておいて、ここで一応とどめておきます。 ただ、いずれにしろ総選挙という日程が目前である。臨時国会の早期の召集が仮にあって、もし冒頭解散ということになった場合、これはちょっと後の捜査上容易ならざる支障というようなことにもなりかねないと思うのですが、選挙時まで捜査が継続されるという場合に、事情聴取だとか逮捕、そういうことが一体選挙時においてもあり得るんだろうか。もしそういう事態になった場合には、選挙妨害ということは当然これは非常に慎重な微妙な問題だろうと思うのですけれども、そういう事態について法務大臣、率直にどういうようなお考えをお持ちなのか。 同時に、法務大臣は国会召集急ぐべしというお考えのようでありますけれども、その主たる理由というのは一体どういうところに置かれているでしょうか。
○稻葉国務大臣 八月終わりに近い二十何日ごろでしたか、捜査の状況を報告しまして、第一の山は大体終わり、第二の山は近く終了、第三の山は九月にずれ込むという報告をして、いままで実は議員逮捕許諾請求等の関係もこれあり、捜査と国会開会中が重ならぬ方がいいということをずっと申し上げてきましたが、一方、財特法以下三法の国民生活に及ぼす影響も考えてみますというと、ロッキード担当の行政大臣たる法務大臣としてはともかく、国務大臣としてこっちの行政担当大臣の職務に固執していつまでもお待たせするわけにもいきませんから、政治日程を御進行願ってもやむを得ません、結構でございます。こういう発言をしたのを覚えております。そうでございますので、臨時国会を早く開け。この段階に来ますと、ロッキード事件が起こる前は景気浮揚とか物価安定とかいうことを三木内閣も非常な使命としてやってきて、ここまでこんな手詰まりになってしまっているのですから、ロッキード事件はロッキード事件としていかなる事態があっても検察庁はしっかりやるように言ってありますから、そっちの方の日程は日程としてお進めになっていただいて結構だ、こういうことです。いままで待ってくれ待ってくれというような意味のことを言ってきましたが、そうはいかなくなった。ですから、そちらはそちらで、こちらはしっかりやります。こういうことを申し上げているわけですね。一にかかって国民生活が重要だ。もう期限がぎりぎりのところに来たから行政大臣としての法務大臣の職務に固執しているわけにはいきません、こういうつもりで臨時国会の早期召集、三法をなるべく早く通過したい、これは国務大臣として、政治家としての責任だ、こういう意味で申し上げているわけであります。
○坂井委員 法務大臣、国民生活も大変重要ですよ。これはよくわかります。ただ、法務大臣としては、何よりもやはり第一義的にはこの事件の真相解明ということに対しまして、国会も当面政治道義的責任の究明、これは灰色高官の公表ということをきわめて真剣に、また時期の問題をにらみながら議論しているわけですね。したがって、臨時国会が召集された場合には灰色高官の公表については避けて通れない。つまり次に来るのは総選挙でありますから、したがって、そういう意味では一方における——捜査終結を待ってということが一番好ましいということはわかります。しかし「事態の推移をみて」という議長裁定、先ほども法務大臣お述べになった。まさにそうだと思う。そこで、臨時国会での公表ということになりますと、恐らく灰色政府高官の中間公表、こういう形にならざるを得ないのではないか。またそういうことが最も望ましいのではないか。もちろんその前提として、国会においてその定義づけあるいは公表の方法ということは当然のこととして決めます。それに従って刑訴法の立法趣旨を踏まえて最善の協力をするということを約束されているわけでありますから、その場合には一も二もなく、もう一回確認しておきたいのですが、何ら異議なく国会で決められたとおりに政府は協力をいたします、つまり資料は提供いたします。そうすると、国会はそれに従いまして国会の責任、判断におきまして公表する。それは中間公表という形である。しかし、その前提として、捜査はそれで終結しろというのじゃありません。捜査はなお児玉ルート等鋭意続行いたしまして、そして刑事立件上の徹底解明を期する。それができ上がった段階、ロッキード事件の捜査上の全貌が解明された時点、したがって捜査終結、万歳ですな、その時点では、最終の公表はあくまでもする。しかし、それを待っておったのでは、これはどだい総選挙には間に合わないということになり得るとすれば、臨時国会等における中間公表という形をとらざるを得ないのではないか、こう思うわけでありますけれども、その場合に刑訴法四十七条ただし書きを含む最善の協力をするということを再度ひとつここで確認をしておいていただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 議長裁定の文言どおり協力をいたします。
○坂井委員 文言どおりということでございますので、この文言は、刑訴法の立法の趣旨を踏まえてとありますけれども、立法の趣旨を踏まえるということは四十七条ただし書きの適用を含む、こういうことですね。
○稻葉国務大臣 そのとおりです。
○坂井委員 刑訴法四十七条本文が定めるいわゆる訴訟関係書類の非公開原則、この原則の立法の趣旨というものは、関係人の名誉の保護と捜査、裁判への不当な影響を防止するということだ。それで、法務大臣の認識としてお聞かせいただきたいのですけれども、いわゆる人権擁護、名誉の保護ということについては、国会議員とか政府高官とか言われる公人とそれから民間人、私人、これは差がありますね。異なっていますね。どうでしょうか。全くその人権は平等だ、同じ扱いだということになりますか。どうでしょうか。
○稻葉国務大臣 若干の差はあるでしょうが、しかし、法の前の国民の平等ということは憲法にも言うてありますから、一般人たると公人たるとを問わず、人の名誉を保護するという人権尊重の趣旨はそう差はないのじゃないでしょうか。ただ、刑法の名誉棄損罪等の規定に照らしてみます場合は、公人と一般人との間に若干の差があることはそのとおりでございます。
○坂井委員 その若干はいただけないのですよ。これは大変な差がある。公人ですね、したがって、名誉等につきましても刑法二百三十条の二等においても明らかに異なる。つまり公人たるものは全体の奉仕者であるということでありますから、私人とは違うということですね。刑法上もそういうことでもって、公人の名誉については一般私人とは厳然と区別をしたということでありまして、特にこの際、いわゆる灰色政府高官の公表ということになりますと、公人なんですね。その人たちの基本的人権というものをどう見るかということにつきまして——これはだれ人であろうとも基本的人権を守らなければならぬと思いますよ。私は決して基本的人権を無視するのじゃない。そうだと思う。思うが、ただ、基本的人権といいましても、今度の事件はその基本的人権がよって立つところの民主政治の基盤そのものがまさに崩壊しようという非常な極限状態なんですね。そうですね。そこで政治道義的責任の究明をしなければならぬ、国会は国民に対してその責任の所在を明らかにしなければならぬということですね。それで、政府もそれに対して最善の協力をしますということでありますので、ある意味では一握りでしょう、大ぜいの国民から見れば一握りのそういう人たちの、政府高官の、しかも事件に関係をしたと言われる人たちの基本的人権のみが守られて、より多くの一般国民の基本的人権が守られないというようなことになったならば、これはもう本末転倒もはなはだしいということを言わざるを得ない。したがって、より多くの国民の基本的人権を将来ともに守るのだ、保障するのだという立場に立つならば、今度の事件に関係した一握りの政府高官の基本的人権というもの、これはその公益判断の上に立つならば、すべからく全部国民の前に明らかにする、しかも一方においては国民の知る権利がある、こういう関係になりますね。
○稻葉国務大臣 坂井さん、あなたはなかなか聞き方が上手だから、どうもそういうふうになりますね。
○坂井委員 大変結構だ、そのとおりなりますね。ならなかったらおかしいのですよ。ならなかったら、全体の奉仕者でもなければ公人とは一体何だということになりますからね。まさに基本的認識は法務大臣と私は一緒でありますので、大変結構だと思う。だから、そういう認識を踏まえまして、これからの灰色政府高官の定義づけ、範囲、それをひとつ決めたいと思います。 もう一つは、捜査上あるいは裁判への影響の問題です。妨害となり得るかどうかという問題ですけれども、中間公表、そういう中間公表をやった場合に捜査への影響あるいは公判への影響、支障を来すといいますか、それは可能性の問題としてあるということですね。
○稻葉国務大臣 それは概論的に、一般的に言えば、支障を来す場合がわりにあるのですよ。可能性の問題としてという、そういう意味ならいいですが……。あなた、ネコなで声で聞かれるのは困るね。
○坂井委員 何が具体的に支障があるかとか影響があるかというようなことは、いまからそれは言うわけにいかぬ、そんなことがあるかないかわからぬです。ただ可能性の問題として幾らかあるのではなかろうかということを私は理解するには決してやぶさかではないのです。ただしかし、そういうことを理由づけにしまして、いわゆるこの灰色政府高官の公表に対して後ろ向きの態度をとるというようなことになったならば、これは大変な間違いだと思いますので、あえて法務大臣の認識として実はお伺いしたようなわけであります。 きのう自民党の総務会懇談会ですか、おやりになった、公表基準の論議をされたようであります。新聞の伝えるところによりますと、席上、濱野委員長が、三木総理が国民の知る権利にこたえる必要がある、こう言ったのは非常に筋が通っている、この種の発言があったようであります。全くそうだと思うのですがね。知る権利というのは、憲法上の根拠を求めてみますと——ちょっと勉強したのです。法制局あたりとずいぶんいろいろ意見を交換したり見解を実は伺ったのですが、この知る権利というのは非常に大事ですね。法務大臣、もちろんそんなことはとっくに御承知のことだと思いますけれども、憲法上にも根拠があるのですよ、憲法十三条それから憲法二十一条。十三条は幸福追求の権利、二十一条は集会、言論等いわゆる表現の自由。これをよりどころにして国民の知る権利というものが憲法上に根拠を置くという見解をきのうも聞いたわけでありますけれども、まさに今度の事件というものはすべての日本の政治のあり方、国政全般に及ぶ問題として提起をされたということでありまして、ただ単に一行政分野の問題でありますとかあるいは一つの法律上の問題であるとか、そういうちっぽけなものではない。したがって、この国民の知る権利というものをやはり最大限に尊重して、そういう中で事件の全貌解明、この反省、教訓というものを次にどう生かしていくか、きわめて大事だ。何回も念を押すようで申しわけないのですけれども、そうした意味で、法務大臣先ほどから御答弁いただいておりますけれども、今回の灰色政府高官の公表につきましては、いたずらに枠を狭めるというようなことのないようにすべからく事件の真相解明、全貌を公表するのだ、そういう観点に立って国民の知る権利にもこたえなければならぬ、こういうことを実は私の見解としてこの際申し上げておきたい。 時間が迫っておりますので、法務大臣のお答えはいただかなくて結構でありますが、運輸大臣においでいただいております。 一つだけ伺いますが、全日空が定款変更をしましたね。重要な変更を実はしておりますが、四十八年五月三十日。この定款変更を御存じですか。
○木村国務大臣 私は承知しておりませんが、事務当局の方は知っておると思います。
○松本説明員 航空法上の手続といたしましては、定款の変更について逐一承知をしなければならぬ立場にございませんが、先生おっしゃったその時期と内容とが合っているのかどうか、ちょっと私ははっきり現在記憶はございませんけれども、確かにそういう変更があった事実はございます。たしか航空機のリース業みたいなものを入れたのが、おっしゃるのであるとすれば、そういう事実はございます。
○坂井委員 当たらずとも遠からずみたいな御答弁だけれども、これはリース業を決めたのじゃないのですよ。リースそのものを決めたのです。実は全日空の定款ずっと見ますと、四十四年五月三十日に改正等もありますけれども、四十八年の五月三十日までの定款では、第二条「本会社は左の事業を営むことを目的とする。」の第三項を見ますと、「航空機及びその附属品の修理業」、それが四十八年の五月三十日に定款の変更がなされた。どう変更されたかと言いますと、第三項「航空機及びその附属品の売買、修理並びに賃貸業」、つまり賃貸が入った。リースですよ。リースをしてもよろしいということが入った。これを追っていきますと、この定款変更、リースができるというように変更しましてから一カ月後、つまり四十八年七月六日に、ロッキード社、児玉譽士夫間のいわゆる第三次合意改定契約、ここで初めて大韓航空へのリースということが契約にうたわれる。つまり第三次改定合意書による全日空から大韓航空へのリースをした場合に十億円を支払うという契約の一カ月前に全日空は定款変更いたしまして、リースを新たに加えた。小佐野さん、知っているのじゃないですか。児玉譽士夫、知っているのじゃありませんか。全日空もよく知っているのじゃありませんか。ロッキードもよく知っているのじゃありませんか。この関係を明確にしますと、この間のいきさつ、なぜ第三次改定合意書に至ったかということ、また、その間に果たした小佐野氏の役割り、それから児玉、小佐野の関係及びロッキード社といま申しましたそれぞれの人たちとの関係、そういうものが浮き彫りにされるということは、ここで指摘だけしておきます。法務大臣、捜査当局からお聞きになっておりますか。聞いていませんか。
○稻葉国務大臣 またそれ、機微に触れることですから、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○坂井委員 次に譲りまして、終わります。
○田中委員長 河村勝君。
○河村委員 法務大臣、きょうは有力な補助者がいませんから余りお聞きしないつもりですけれども、一つだけ、前もって御連絡しておいた件をお聞きします。 これからいよいよ灰色高官なるものの定義や公表の方法について与野党の折衝が委員会で始まるわけです。そこで、この前あなたはいままでの答弁を翻して、それについて意見は言わないとおっしゃったけれども、同時に安原刑事局長が、意見は言わないけれども、このロッキード事件の金の流れ、それからそれに伴う金銭の授受、それについての分類、どういう種類のものがあるかということについての資料は出します。こういう答弁をしたのですね。いよいよその時期になったので、いつ出していただけるか、それを伺いたいのです。参考にしたいわけです。事実を一番知っているのはあなた方でありますから、——その事実を見せてくれと言うのではありませんよ。その事実そのものではなくて、事実をいろいろ整理してみたら幾つかの分類になる。たとえば金銭の授受はあったけれども、職務権限はなかった者とか、そのほかいろいろありますね。黒に近い者から白に近い者まで、そういう者の分類は出しますと、そういう刑事局長の答弁であったわけです。それ、もう出していただけるのだと思いますが、出してもらえますか。
○稻葉国務大臣 その有力なる補助者たる刑事局長がきょうおりませんから、有力な補助者がいないと、何とも私からきょうのこの段階では申し上げられませんが、あした出てくるでしょうから、あした、いつごろ出せるかというようなことを刑事局長が答弁できるかどうかわかりませんけれども、それは有力な補助者が来るまでお待ち願いたいと思います。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
○河村委員 そういう心配があったから、きのうあらかじめ、こういうことをお聞きをしますから、大臣お一人じゃお困りであろうから、これしか聞きませんから答弁を用意してくださいと、そういうふうにおたくの方にはお願いしておいたのですよ。その、いないからだめだというのは、それはちとおかしいじゃありませんか。
○稻葉国務大臣 いま事務当局から聞きましたら、個人の名前は別といたしまして、ロッキード事件に関して抽象的に不起訴処分の分類を申し上げることも御協力の一つだと刑事局長は申し上げましたが、捜査続行中の段階でもあり、そのようなものはまだ作成していない、こういうことですから、これは捜査続行中でもあり、いまのところはそのような分類の資料は作成してないというのですから、いつそれを作成するか、いつ河村委員に知らせるか、答弁するかということを、ここに彼がおっても、いまきょうの段階では答弁をちょっと保留させていただきたいと言うのじゃなかろうかと想像されます。
○河村委員 しかし、丸紅ルートは終結、全日空ルートは九月に入って早々には終わりますと、こういう答弁だったのです。早々というのは、われわれの常識だと、まあ大体九月十日ぐらいまでが早々ですよね。それ以上先になると、もう早々とは言わないですね。月中とかなんとか言いますね。であれば、もうきょうは八日です。もう終わっていなければならぬわけじゃないですか。
○稻葉国務大臣 きょう出張から帰ってきますから、君の答弁はこうなっているよ、きょうの河村さんの質問はこうで、おれは非常に困ったよとよく言うて、そうそうぎりぎりいっぱい、あしたどういう答弁をしますか、お楽しみにお待ちください。
○河村委員 笑い事ではなくて、もう実際この灰色高官問題は詰めに入っているのですから、われわれも実際、さっきから話が出ておりますように、事実関係は知らないわけですから、だから、われわれは推測でいろいろな基準をつくっています。だから、それには実際事実に即した分類というものが出てくれば、議論するのは楽なんですよね。それに当てはめて議論すればいいのですからね。だから、お楽しみなんて言わないで、本当にもうはっきりしていただきたいと思う。
○稻葉国務大臣 ただ、これは刑事局長はそういう答弁をしていますが、結局、いわゆる灰色高官の基準等につきましては、刑事局長がつくるべきものじゃないですね。それは国会が主役なんで、主役たる国会がつくってきていただいて、与野党それに応じてやるのですから、 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕 それに応じて、分類はこういうことでございます、金銭の授受があったけれども、こうなって、こうなって不起訴になりましたとか起訴猶予になりましたとか、これは起訴しましたとか、そういう分類はできますから、それは相当なお手伝いになるのじゃなかろうか、御協力の一つの方法じゃなかろうか、こういう意味のことを申し上げたので、そうなっていますから、まずそちらで基準を決めて、さあどうじゃ、こう出てこられぬというと、こっちは受け身なんですから、こっちがまだそれが決まらぬのに分類を申し上げますという、わき役がそんな出過ぎたことをするわけにはまいりませんね。
○河村委員 それはおかしいですよ。それはいろいろな基準をつくるために実際事実を知っているところから名前を出せと言っているのじゃありませんね。そういう具体的な分類があれば非常にやりやすい、それについて協力する、そういう約束だったのですよ。だから、こっちで決めちゃって出せと言ったら、それから分類はこうですと言うというのでは意味がないわけですからね。それは全然あなたの取り違いです。そう用心深くおっしゃらなくてもいいです。どうも安原刑事局長がいないと用心深過ぎていけないですよね。そういうことですから、誤解のないように相談してください。 それと、ついでですが、きょうはもうあとお尋ねしないつもりだったのだけれども、さっきの東中委員の質問に対して、例の田中前総理が受け取った五億円の出の方、これがもう調べがついているかどうかということ、中身がわかっているかという質問に対して、わかっているかわかっていないか言えないという答弁でしたね。あれはいままでの答弁とまるっきり違うのですよ。そうそう安原さんがいないからといって大臣の答弁が変わっちゃっては困るので、五億円については、入りの方は受託収賄ですね。出の方は犯罪としては成立しない、だから捜査終結、こういう報告だったわけですね。だから、犯罪にならないということを確認するためには、その出の趣旨がわからなければそういう判定はできないはずだ、こういう質問を私がいたしましたら、そういうものが判定できるに必要なだけはわかっております。こういう答弁だったのですよ。ですから、全部わかったとは言いませんよ。五億円残らずまるごとわかったかどうかは言いませんけれども、少なくとも五億円の出が犯罪として成立しないということを言えるに必要なだけはわかっておる、こういう答弁だったのですよ。ですから、何か言ったら大変だというような御返事でしたけれども、それは間違いですし、それからもう一つ、あなたはこの五億円の出こそ政治的道義的責任を解明する対象にもなるものでしょう、こういうことも答弁された。この二つは間違いないわけですが、これは確認しておきます。
○稻葉国務大臣 私もそう記憶しておりますが、そういう記憶を事務当局に言ったら、いやそんなことはないようなことを言うものだからね。正直なところ、そうなんです。私もそういうふうに、安原君はそう言ったはずだぜと言うんだけれども、まあ、とにかく本人がいないのだからあしたにしてください。頼みますよ。一生懸命に協力しようとしているのですから、お願いしますよ。
○河村委員 本人がいないと言ったって、いまのはあなたの発言も含んでいるのですよね。御心配なく。間違いなくそう答弁したのですから。議事録をきょう持ってきませんでしたが、間違いありませんから。じゃ、法務大臣、もうよろしいです。きょうはぬかにくぎみたいだから、もうやめますから、お帰りください。いいです。
○稻葉国務大臣 あなたの言うように記憶して、私もそう言ったはずだが、安原君もそう言ったはずだがねと言うのだけれども、きょうの補助者がそうでないと言うものですからね。やっぱり有力なる補助者と有力でない補助者とがあるのか知らぬけれども、その辺のところはまああしたにしてください。
○河村委員 まあ、いいです。もう帰ってください。 運輸大臣、ちょっとお尋ねしておきますが、いま、今度のロッキード事件の反省の上に立って部内のいろいろな仕事の総点検をやっておられる、総点検本部をつくって点検をやっているということでありますが、一般的な綱紀粛正の問題は別として、行政執行そのものについての点検というのは一体どういうことをやっているのですか。
○木村国務大臣 今回のロッキード事件に関連いたしまして、あの当時の航空行政というものを反省してみますと、航空行政の手続を進める過程におきまして、委員会でもいろいろ御質問を受けて必ずしも明確に答弁できなかった点もあるわけでございます。 具体的に言いますと、だれがいつどういう発言をして指導したかとか、そういうこともはっきりしないという点もございました。それから、手続の過程において、あるいは今度のロッキードの事件ではございませんが、許認可等たくさん持っております運輸省のことでございますから、その許認可等へそういう行政の手続の過程において外部からいわば悪が忍び寄るというふうな余地が少しでもあってはいけないということを反省いたしまして、そこで、そういうふうな行政の手続を進める過程においてそういう余地があるとすればもっともっとそれはなくさなければいかぬし、それから、そのときそのときの指導等を後まで明確にわかるようにしておくというふうなことも大切である。そういった問題について検討をしようというのが今回の総点検の基本的な考え方でございます。
○河村委員 あなたは、それと同時に、今度の一連の事件と関連した行政のあり方、それについては行政の筋道としては誤りがなかったということをこの委員会でも答弁をしておられるが、本当にそう思っていますか。
○木村国務大臣 私が申し上げておりますのは、行政の筋道といいますか、たとえば航空行政を例にとりますと、航空行政は何のためにあるかということから考えまして、その何のためにあるか、そのために対応する行政が行われてきたかどうかということを重点にして考えておるわけでございまして、もうちょっと砕いて言いますと、国民に対して航空機による適切な、安全な輸送力をそのときそのときの需要にマッチするように提供するということが私は航空行政の基本的な目的であろうかと思いますので、その観点から考えましたときに、当時、大型機を導入した時期あるいは航空会社がみずから大型機を導入しようとしておった時期等を全部検討してみますと、航空会社が最初大型機を導入しようと予定しておった時期は尚早である、これを延ばすべきであるというふうな行政措置をしたわけでございますが、それはまさしく当時の航空需要から見ますと適切な措置であった、こういう意味で申し上げておるわけでございます。したがって、航空行政を進める手続の過程におきましての反省は依然として残っておる、こういうことでございます。
○河村委員 その大型機導入延期の行政指導、そのこと自体あなたは正しかったと言っておられるが、しかし、四十五年の十一月二十日閣議了解のもとに大型化、ジェット化を推進することを決め、同時にその根拠としては、昭和六十年にわたる一定の輸送需要をつくった。それから本当に何日もたたないうちに、十二月に日本航空からボーイング747の四機の購入、それが三機国内線への転用を前提としたもの、これの認可を事実上購入のデリバリーをおくらせることによって引き延ばしてきた。それもさしたる根拠なしに、何にもデータらしきものはなくて。それで六月になって、何か六月一日メモとかなんとかいうものをつくってさらに延ばしてきた。結局、事実上何となく行政指導によって、四十六年度予算に日本航空が新型機購入の資金の頭を出しておきさえしなければ事実上四十八年の暮れか四十九年まで導入の時期が延びてしまう、そういう作業をずっとやってきたのですね。これが一体正しかったのかどうか。ちょうどたまたま、幸か不幸かというか、不幸には相違ないのだけれども、四十六年の八月に雫石事故、「ばんだい号」事故、こういうものがあったから、だから大型機導入の延期というものはいわば合法化されてきた。だけれども、もしああいう事故がなかったら、結局全日空の言うことを聞き、その背後にどんな政治的圧力があったかということはこの場合一応抜きにしても、全日空の方は延ばしたかった、日航の方は入れたかった、それを全日空の方の言い分を採用して、それで強引にエアバス導入全体を延ばしたということにしかならないでしょう。だから、あれは結果として、四十六年八月の事故が起きたものだから、だから何となく正しい行政指導であったという結論になっただけであって、もし事故がなかったらそのごり押しの方だけが残って、それでエアバス導入延期の正当性というものは私はなかったと思う。そういうところについての反省が一体あなたにあるのかないのか、それを聞きたいと思う。
○木村国務大臣 雫石の事故があったことは、全日空が四十五年の一月から続けておりました機種決定の過程でそれが延びたという影響は確かにあったと思いますけれども、いま河村さんがおっしゃるように、その事故がなかったらそれじゃ四十七年に大型機を入れておったかという関連の問題は、当時もう四十五年の十一月ごろから、航空局としては万博後の予想した情勢とは大分航空需要が違ってきておるということに気づいておったわけでございます。ちょうどたまたま、四十五年の十一月でございましたか十二月でございましたか、要するに両会社が自分の会社の五ケ年計画を出してきた。これを参考に検討していくと、両方がシェアの分捕り合戦のようなかっこうの輸送力増強の五カ年計画である。それをそのまま見ると、四割も輸送力がふえてくるというふうな五カ年計画であるので、この五カ年計画をそのまま両会社が推進するような行政措置を講じていけば、これは大変なことになるというふうなことは、すでに四十五年の暮れごろから航空局は考えておったわけでございます。 それと、当時の空港の整備の状況、それから、両方とも大体同じ時期に大型機の導入の計画は出しておりましたけれども、それぞれの会社によって事情が違う。日本航空の方は国際線のものをすぐにでも使える。それから全日空の方はこれから新しいものを入れて乗務員から何からの養成からかかっていかなければいかぬ。まあ、養成等はやっておったかもしれませんが、事情は違うので、これは公正な競争で同時スタートということから考えても、やはり両会社が競って四十七年というのは適当ではないではないかというふうな、そういういろいろな要素を含めて検討をして、四十五年の暮れごろからこの計画は少し大き過ぎるんじゃないかというような感じを持って指導してまいったわけでございますので、雫石事故があったために延ばした、全日空の要請があって延ばして四十九年になった、それは偶然であったということにはならないと、私は当時の事情を調べて感じておるわけでございます。
○河村委員 いや、雫石事故があったから延ばしたのではなくて、ああいう事故があったものだから大型機、新しい機種を導入するのは控えようというのは正しいという結論が導き出される、だから事故のおかげで正当化されたということを言ったんですよ。 時間がなくなって終わりになってしまったけれども、いまあなたの言うことも重大な間違いがある。四十五年の暮れからもう大型機導入を延ばそうという空気が運輸省内にあったと言うけれども、現実に大型ジェット機導入を決めて、それで昭和六十年には国内輸送需要四千万人という閣議決定をしたのは十一月の二十日ですよ。十一月二十日に閣議決定しておいて、暮れのうちからもうそれはだめで、閣議了解とったとたんにもう方針を変換したなんて、そんな行政というものはそもそもあるのですか。だから、そこのところはもう一遍洗い直さないと、総点検なんて言っても本当の姿はわかりませんからね。その辺のところはもう一遍お調べをいただきたいと思う。また機会があったら申し上げます。 きょうは本当は、現在羽田についておるターミナルレーダー情報処理システムについての、一部疑惑を抱かれている問題があるのでそれをお尋ねしたいと思っていたんですが、時間がなくなりましたので、きょうは一応終わって、後の問題にいたします。終わります。
○木村国務大臣 いまのお話で、ちょっと私お答えしておきますが、四十五年十一月の閣議了解の中身は、それまでに運政審が検討いたしまして出した結論をもとにした閣議了解でございますので、閣議了解をとりましたのは四十五年十一月でございますけれども、その後の事情というものは、すでに万博が終わったごろから少し変わってきておったということが背景としてあったことは事実でございます。
○河村委員 しかし、それはおかしいよ。それなら十一月二十日に閣議了解とるのがおかしいじゃないですか。そんなむちゃな話はない。しかし、きょうはこれでやめておきます。
○田中委員長 次回は、明九日午前十時理事会、午後一時三十分より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時七分散会